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2002/11/20 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 共生社会に関する調査会 第2号
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2002/11/20 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 共生社会に関する調査会 第2号

#1
第155回国会 共生社会に関する調査会 第2号
平成十四年十一月二十日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     鈴木  寛君
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     郡司  彰君     神本美恵子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         小野 清子君
    理 事
                有馬 朗人君
                清水嘉与子君
                橋本 聖子君
                羽田雄一郎君
                山本 香苗君
                吉川 春子君
                高橋紀世子君
    委 員
                有村 治子君
                大野つや子君
                後藤 博子君
                段本 幸男君
                中原  爽君
                山下 英利君
                岡崎トミ子君
                神本美恵子君
                小宮山洋子君
                鈴木  寛君
                千葉 景子君
                風間  昶君
                林  紀子君
                福島 瑞穂君
   副大臣
       内閣府副大臣   米田 建三君
       法務副大臣    増田 敏男君
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       大野 松茂君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        岩波 成行君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      大前  茂君
       法務大臣官房長  大林  宏君
       文部科学大臣官
       房審議官     金森 越哉君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        太田 俊明君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    上田  茂君
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○共生社会に関する調査
 (共生社会の構築に向けてのうち障害者の自立
 と社会参加に関する件)

    ─────────────
#2
○会長(小野清子君) ただいまから共生社会に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一日、神本美恵子君が委員を辞任され、その補欠として鈴木寛君が選任されました。
 また、昨十九日、郡司彰君が委員を辞任され、その補欠として神本美恵子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(小野清子君) 共生社会に関する調査を議題といたします。
 「共生社会の構築に向けて」のうち、障害者の自立と社会参加に関する件について、内閣府、法務省、文部科学省及び厚生労働省から順次説明を聴取し、その後、質疑を行うことといたします。
 なお、質疑につきましては、あらかじめ質疑者を定めず、自由に質疑を行っていきたいと存じます。
 なお、説明、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、内閣府より説明を聴取いたします。米田内閣府副大臣。
#4
○副大臣(米田建三君) 内閣府副大臣の米田でございます。
 私は、内閣府で障害者施策について担当をしておりますので、本調査会の案件となりました障害者の自立と社会参加に関する件に関する内閣府の対応について御説明申し上げます。
 内閣府におきましては、障害者施策の総合的また計画的な推進を図るための障害者基本計画の策定、そして推進に関する事務のほか、内閣総理大臣を本部長とする障害者施策推進本部の庶務を担当をしており、関係省庁との連携の下に障害者施策の推進を図っているところであります。
 障害者の状況でありますが、身体障害者の方々が約三百五十一万人、知的障害者の方々が四十六万人、精神障害者の方々が約二百四万人、全体で約六百一万人となっております。
 政府としての取組につきましては、平成五年に策定した障害者対策に関する新長期計画によって進められております。この計画においては、障害のある人が障害のない人々と同じように生活をし、そしてまた活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念の下に、障害のある人の社会参加を阻む四つの障壁、すなわち交通機関、建築物等における物理的な障壁、資格制限等による制度的な障壁、点字や手話サービスの欠如による文化・情報面の障壁、障害者を庇護されるべき存在ととらえる等の意識上の障壁、これらの除去に向けまして各種施策を計画的に推進することにしております。
 障害があることを理由に、資格、免許等を与えることを制限したり、特定の業務への従事やサービスの利用などを制限、禁止する障害に係る欠格事項の見直しにつきましては、平成十一年八月、障害者施策推進本部において六十三制度を対象に平成十四年度末までに必要な見直しを終了することを決定いたしました。これまでに、今国会で成立をした警備業法関係を含めまして六十一制度の見直しが終了をしております。残る制度につきましても、本部決定に沿って、平成十四年度末までに見直しが終了するように努力してまいりたいというふうに存じます。
 次に、啓発広報につきまして申し上げます。
 ノーマライゼーションの理念を社会に定着させ、完全参加と平等の目標を実現するためには、障害のある人に対する国民一人一人の理解と認識を深めるための啓発広報が極めて重要であると考えます。このために、十二月九日の障害者の日に障害者の日・記念の集いを開催し、心の輪を広げる体験作文や障害者の日のポスターの表彰等を行うとともに、十二月三日から九日までの障害者週間において障害者の日のポスターの展示を行うことなどにより、障害者に対する国民理解の促進に努めております。また、テレビ、新聞等のマスメディアを活用した啓発広報にも積極的に取り組んでいるところであります。
 新しい障害者基本計画及び障害者プランについて申し上げます。
 現行の障害者対策に関する新長期計画及び障害者プランが平成十四年度で終期を迎えることから、本年二月の障害者施策推進本部において、新たな障害者基本計画と、その前期五年間の重点実施計画である障害者プランを策定する方針が決定され、現在、年内の閣議決定をめどに関係省庁と連携して鋭意検討作業を進めているところであります。
 新障害者基本計画の策定に当たりましては、内閣官房長官主宰による新しい障害者基本計画に関する懇談会を開催して、障害者御本人や障害・福祉関係者、学識経験者等、幅広い関係者の御意見を伺うこととしており、本年六月からこれまで六回開催しているところであります。
 また、新しい基本計画及びプランの策定に当たっては、障害者施策推進本部に内閣府と主要関係省庁による生活支援、生活環境、教育、雇用などの施策分野ごとの検討チームを設置し、検討作業を進めております。
 次に、アジア太平洋の十年につきまして申し上げます。
 アジア太平洋地域における障害者施策推進のため、国連障害者の十年を引き継ぐ形でESCAPアジア太平洋障害者の十年が推進されてまいりましたが、この十年も本年で最終年を迎えることから、本年五月に開催されたESCAPの総会で、我が国の首相によりまして、この十年を更に十年延長する決議が採択されました。これを受けて、本年十月、我が国のホストにより滋賀県大津市におきましてESCAPアジア太平洋障害者の十年最終年ハイレベル政府間会合が開催され、アジア太平洋地域の各国における次の十年間の行動計画課題である「びわこミレニアムフレームワーク」が採択されたところであります。
 以上で説明を終了させていただきますが、内閣府としましては、引き続き関係省庁との緊密な連携を図り、障害者施策の一層の推進に向けて取り組んでまいる所存でございます。今後ともよろしく御支援のほど、お願い申し上げます。
#5
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 次に、増田法務副大臣。
#6
○副大臣(増田敏男君) 障害者の自立と社会参加に関する法務省の取組につきまして、障害者に関する施策は、我が国社会をすべての国民にとって安心して心豊かに暮らせる社会とする上で必須の政策課題であり、法務省におきましても障害者の自立と社会参加を確保するための施策を講じてまいりました。
 今後の取組予定と併せて、簡単に御説明をいたします。
 まず、人権擁護機関における取組について御説明いたします。
 法務省の人権擁護機関は、昭和五十六年度以降、人権週間における啓発活動の強調事項の一つとして、障害のある人の完全参加と平等を実現しようを掲げまして、新聞等のマスメディアを活用した広報活動や、啓発物品またリーフレット等を配布するなどして、障害のある人に対する差別や偏見を解消し、人権尊重の意識の普及高揚を図るため、全国的な啓発活動を実施しております。
 また、障害者に対する差別事案が発生した場合には、人権相談や人権侵犯事件の調査、処理を通じまして、関係者の人権尊重の思想を啓発し、被害者の救済に努めており、平成十三年においては、障害者問題に係る人権相談件数は二千百七十八件、障害者問題に係る人権侵犯事件の新受理件数は二百二件となっております。
 なお、現在国会に提出しております人権擁護法案においては、障害者に対する差別や虐待を含め、差別、虐待を包括的に禁止するとともに、それらの人権侵害に対して調停、勧告、公表、訴訟援助という特別救済措置を講ずることとしております。
 次に、成年後見制度等について御説明いたします。
 成年後見制度は、精神上の障害により判断能力が不十分であるため、契約、締結等の法律行為における意思決定が困難な者について、その判断能力を補う制度であります。画一的、硬直的で利用しにくいとの批判があった従来の禁治産、準禁治産制度に代わり、知的障害者、精神障害者等の福祉の充実の観点から、自己決定の尊重、残存能力の活用、ノーマライゼーション等の新しい理念と従来の本人の保護の理念との調和を旨とする新しい制度といたしまして、民法の改正等により平成十二年四月から導入されています。
 具体的には、禁治産また準禁治産の制度を後見・保佐の制度に改め、軽度の精神上の障害により判断能力が不十分な者を対象とした補助の制度を新たに創設するとともに、被後見人の日用品の購入など、日常生活に関する行為については取り消すことができないこととされるなどの改正がなされています。また、禁治産、準禁治産宣告の戸籍記載に代わる新たな公示の方法として、成年後見登記制度が設けられています。さらに、民法の遺言の方式に関する部分が改正され、聴覚・言語機能障害者が手話通訳等の通訳又は筆談により公正証書遺言をすることができるようになりました。この改正は、平成十二年一月から施行されております。
 次に、法務省が実施します試験における措置について御説明いたします。
 まず、司法試験につきましては、その受験に際し何らかの措置を希望する障害者に対して、その障害の種類及び程度に応じまして、点字による出題及び解答や点字法令集の貸与、補聴器及び集音器の持参使用、受験中の介護などの特別な措置を講じた上での受験を可能としております。
 次に、司法書士試験及び土地家屋調査士試験につきましても、障害者がその有する知識及び能力を答案等に表すことについて、健常者と比較してハンディキャップがある場合には、健常者との実質的公平を図りつつ、健常者と同一の条件で知識及び能力の有無を評価すべきであるとの観点から、そのハンディキャップを補うために必要な範囲で措置を講じております。
 このほか、医療刑務所等に収容されている身体障害者が施設内で機能回復訓練を行うことができるよう、施設内に天井懸架牽引訓練器や移動式平行棒などの各種のリハビリテーション機器を整備しております。
 最後に、今後取り組むべき課題といたしまして、精神障害者に係る上陸拒否事由について御説明いたします。
 現在の入管法では、精神障害を有する外国人を一律に上陸拒否することとなっておりますが、精神障害者の社会活動への参加を不当に阻む要因とならないよう、欠格条項の見直しを図るという障害者施策推進本部決定の趣旨を踏まえまして、上陸拒否の対象を障害の程度等により真に必要かつ合理的な範囲に限定する方向で見直すことを検討しております。この精神障害者に関する上陸拒否事由の見直しを含む入管法の改正につきましては、来年の次期通常国会に法案を提出したいと考えております。
 以上のとおりでありますが、法務省といたしましては、今後とも障害者関連施策の推進により一層努めてまいる所存であります。よろしくお願いを申し上げます。
 終わります。
#7
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 次に、大野文部科学大臣政務官。
#8
○大臣政務官(大野松茂君) 文部科学大臣政務官の大野でございます。
 私からは、文部科学省における障害のある子どもの自立と社会参加に向けた教育について、配付資料に従って説明を申し上げます。
 それでは、最初に、一ページの一、障害のある児童生徒の教育の現状について説明をいたします。
 障害のある児童生徒が、その能力を可能な限り伸ばし、自立し、社会参加する力を培うため、一人一人の障害の状況に応じ、盲・聾・養護学校、小中学校の特殊学級における指導あるいは通級による指導等の対応の形できめ細かな教育が行われているところであります。
 平成十三年五月時点で、盲・聾・養護学校や特殊学級等で教育を受ける児童生徒数は、義務教育段階で見れば約十五万七千人であり、全体の約一・四%となります。
 七ページ、参考資料の下のグラフをごらんいただきたいと思います。
 近年、全体的には、盲・聾・養護学校で教育を受ける、小中学校の特殊学級で教育を受けることなど、いずれの形態においてもその割合が増えていることが分かります。
 元のページに戻りますが、障害のある児童生徒については、障害に対応した施設や設備の整備、障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した弾力的な教育課程の編成、学校に通学して学習することが困難な者に対する訪問教育の実施等により、障害の種類、程度に関係なく、すべての者に対する教育の機会を確保しているところであり、就学猶予・免除率も極めて低くなっております。
 このような状態を踏まえまして、一ページの二の障害のある児童生徒の教育の課題について説明をいたします。
 近年のノーマライゼーションの進展、障害の重度・重複化や多様化、教育の地方分権など障害のある子どもの教育をめぐっては様々な状況の変化があります。文部科学省では、平成十二年度に二十一世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議を設置いたしまして検討を行い、平成十三年一月に、障害のある子どもの自立と社会参加を社会全体として生涯にわたって支援するとの基本的な考え方の下に、最終報告を取りまとめたところであります。
 二ページになりますが、この最終報告の中では、主なものとして、乳幼児期から学校卒業後まで一貫した相談支援体制の整備、就学指導の在り方の見直し、盲・聾・養護学校等における指導の充実や教職員の専門性の向上、学習障害、LD、注意欠陥多動性障害、ADHD等通常の学級に多く在籍する児童生徒への教育的対応、これらが提言されております。
 これらの点について、概略を御説明いたします。
 一の乳幼児期から学校卒業後まで一貫した相談支援体制の整備について説明します。
 障害のある子どもに対する特別な支援を適切に行うためには、一人一人の自立を目指し、教育、医療、福祉等が一体となって障害のある子どもやその保護者からの相談を受け、適切な助言や支援を行うための一貫した体制を整備することが必要であります。このため、文部科学省においては、平成十三年度から医療、福祉等の関係機関と連携した相談支援体制の整備や教育相談を行う障害のある子どものための教育相談体系化推進事業を実施しているところであります。
 次に、二の就学指導の在り方の見直しについて御説明いたします。
 盲・聾・養護学校に就学すべき障害の種類、程度に関する基準、いわゆる就学基準は学校教育法の施行令で定められていますが、近年、医学や科学技術の進歩等により、就学基準が必ずしも実態に合っていない状況が生じております。また、学校施設においてバリアフリー化が進む等によりまして、地域や学校の実態によっては、就学基準に該当する障害のある子どもであっても小中学校において適切に教育を行うことができる場合がございます。
 このため、就学基準について所要の見直しを行うとともに、市町村教育委員会が学校の施設設備の整備状況、保護者の意見等を総合的に判断をして、小中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると認める場合に小中学校に就学させることができるよう、就学手続の見直しを行ったところであります。就学指導に関する学校教育法施行令の一部改正は本年四月に行われまして、去る九月に施行されております。平成十五年度の入学者に対する就学指導の手続が、新しい制度に基づきまして既に各自治体において開始されていると承知しておりますが、制度改正の趣旨を十分に踏まえて適切な就学指導が行われることを期待しております。
 次に、三ページの三、盲・聾・養護学校における障害のある児童生徒等への対応についてであります。二点御説明します。
 まず第一に、障害の重度・重複化への対応についてでございますが、特に医療的ケアの問題についてであります。
 盲学校、聾学校及び養護学校に在籍する児童生徒のうち、二つ以上の障害を併せ有する児童生徒の割合は、九ページの参考資料の四にもございますように年々増加しております。一人一人の障害の状況に応じたきめ細かな指導の充実が課題となっております。とりわけ、導尿、たんの吸引、経管栄養など、いわゆる医療的ケアが必要な児童生徒が増加しております。文部科学省では医療的ケアの実施に当たっての医療機関との連携の在り方、医師、看護師、教員等による対応の在り方等につきまして実践的な調査研究を行ってきているところでありますが、この調査研究の結果を踏まえて、厚生労働省とも連携協力して、教育委員会や学校における体制面での整備、看護師の配置、教員研修等により養護学校における医療的ケアの実施体制の整備を図ることとしております。
 次に、盲・聾・養護学校等における専門性の向上についてであります。
 近年における障害の重度・重複化、多様化等に対応して、盲・聾・養護学校における専門性の向上は重要な課題と認識しております。このため文部科学省では、教員の専門性の向上、専門的な指導体制の構築、養護学校等のセンター的機能の充実について実践研究を進めているところであります。また、高い専門性を確保するための基盤となる免許制度の改善が必要であり、中央教育審議会教員養成部会において特殊教育免許状制度の改善について審議を進めているところでもございます。
 次に、四ページになりますが、四の小中学校における障害のある児童生徒等への対応であります。
 小中学校においては、特殊学級や通級による指導の形で教育を行っております。また、近年、話題となることの多いLD、ADHD、高機能自閉症等のある児童生徒につきましては、十ページの参考資料にあるとおり、文部科学省で教員を対象にアンケート調査を行いました結果、通常の学級で約六%程度学んでいることが考えられ、これらの児童生徒に対する教育的対応は重要な課題と認識しております。
 これらについて、平成十一年七月の学習障害等の児童生徒の指導方法に関する調査研究協力者会議の報告を踏まえ、平成十二年度よりLDに対する指導体制の充実事業により、各都道府県における体制作りに努めてまいりました。また、先日取りまとめられました特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議の中間まとめ、平成十四年の十月に出ておりますが、におきましては、ADHD、高機能自閉症の定義、判断基準等が示されたところであります。
 今後、文部科学省としては、この問題につきまして同会議において更に議論を深めつつ、平成十五年度から特別支援教育推進体制モデル事業により、これらの児童生徒に対する指導体制の整備に向けた事業を実施することとしております。
 最後の五番目、特殊教育の改善充実のための条件整備について説明申します。
 まず、一の施設設備の整備についてでありますが、障害のある児童生徒の一人一人の教育的ニーズに対応して学校生活や学習が円滑に進められるよう、障害に配慮した適切な環境条件を整備することが必要であります。文部科学省では、盲・聾・養護学校又は特殊学級等においてエレベーター、スロープ等の施設や学習機器の設備を整備する経費の一部を補助しており、障害のある子どもの教育に配慮した条件整備に努めているところであります。
 最後の、五ページの二でありますが、特殊教育就学奨励費についてです。
 障害のある子どもも盲・聾・養護学校等に就学させるために、時に保護者に対して大きな負担を強いることもあります。このため、保護者の負担を軽減し、就学を奨励するため、必要な交通費等、所用の経費について補助しているところでございます。
 このように、文部科学省において関係省庁、各自治体とも連携協力しながら障害のある子どもの自立や社会参加の力を培うための教育的支援を行うための取組を行っておりますが、今後とも障害のある子ども一人一人のニーズに対応した教育の充実に向けて取り組んでまいります。
 以上で文部科学省の施策の説明を終わります。
#9
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 次に、鴨下厚生労働副大臣。
#10
○副大臣(鴨下一郎君) 厚生労働副大臣の鴨下でございます。
 厚生労働省では、身体障害、知的障害又は精神障害のある方々が地域で安心して暮らせる社会の実現を目指し、ノーマライゼーションの理念に基づき、障害者の自立と社会参加を推進するため各般における施策を展開しております。本日はお手元の資料に基づき、障害者の自立と社会参加に向けた厚生労働省の取組について御説明を申し上げます。
 まず、第一ページをごらんください。厚生労働省で実施している取組の全体像をまとめてあります。
 障害者施策につきましては、施設や病院から地域生活への移行を進める観点から、図にありますように、サービスの利用に関する相談支援体制を構築すること、在宅サービス等を充実すること、居住の場を確保することなど、地域生活の支援を主な柱としているほか、情報、コミュニケーションの支援、補装具やリハビリテーション医療の給付、雇用・就労施策や年金、更に手当等の支給を通じた経済的自立の支援策を行っております。また、従来の取組に加え、身体障害者補助犬法の施行、障害者福祉サービスに係る支援費制度の実施など、新たな取組も開始しているところであります。
 以下、それぞれの項目に沿って御説明を申し上げます。
 二ページをお開きいただきたいと思います。
 障害者が地域で自立した生活を営むためには、サービスの利用に当たり、どこでどのようなサービスを受けられるのか、身近な地域で一人一人の障害者からの相談に応じ支援できるようにすることが極めて必要であります。このため、市町村障害者生活支援事業を始めとする事業の推進に努めております。特に、自閉症等の発達障害を有する障害児につきましては、その特性に応じてきめ細かく対応していくことが必要であることから、四ページにありますように、本年度より自閉症・発達障害支援センターの整備を進めているところであります。
 次に、五ページから七ページをごらんください。
 障害者の生活ニーズを踏まえ、住み慣れた地域で暮らしていくことを支援するため、ホームヘルプ、デイサービス及びショートステイの三事業を柱として在宅サービスの一層の充実を図っているところであります。また、雇用されることが困難な障害者に対しては、必要な訓練を行うことを目的として通所授産施設の整備を進めております。
 さらに、八ページにありますとおり、地域において障害者が必要な支援を受けながら生活できる場、住居の確保としてグループホームや福祉ホームの大幅な拡充を図っております。
 続きまして、九ページをごらんください。
 厚生労働省では、障害者の社会参加を推進するため、身体や精神の障害を理由として資格や業の許可を制限するいわゆる欠格条項について、昨年大幅な見直しを行ったところであります。これにより、従来は認められなかった聴覚障害者による薬剤師資格の取得など、障害者の社会参加が大きく前進したものと認識しております。
 また、十ページにありますとおり、障害者の社会参加をより一層推進するため、手話通訳の派遣などを通じたコミュニケーションの確保、スポーツや文化・芸術活動の振興、自動車の改造助成などを通じた障害者の移動、そして障害者自身によるボランティア活動など、障害者の社会参加を支援するための様々な事業を行っております。
 十一ページ、十二ページをごらんください。
 損なわれた身体機能を補完、代償するため車いすなど補装具を、また在宅の重度身体障害者等の生活の便宜を図るため特殊寝台など日常生活用具を、いずれもその障害の状況に応じ市町村が給付することとしております。さらに、身体障害者や発達途上にある障害児等に対し、障害の除去、軽減を図るための医療を給付するため、更生医療、育成医療といった仕組みを設けております。
 続きまして、精神障害者施策につきましては、十三ページに概要をお示ししておりますが、これまでの入院医療、施設福祉主体から、地域において保健、医療、福祉サービスを総合的に提供し、地域生活を支援していくようにすることが重要な課題になっております。このため、十四ページにありますとおり、平成十四年度から、市町村を主体として精神障害者の地域生活を支援するため、ホームヘルプ、ショートステイ及びグループホームの在宅三事業を実施しているところであります。
 引き続き、十五ページにお示ししてありますが、地域生活に移行するための準備の場である生活訓練施設、地域における居住の場である福祉ホーム、働き活動する場である福祉工場や授産施設等の整備を進めております。
 精神障害者の保健、医療、福祉については、その重要性にかんがみ、総合的な推進方策に関し、現在、社会保障審議会において検討が進められているところであります。
 また、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者については、適切な医療を確保することによって病状の改善とこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、その社会復帰の推進を図ることが肝要と考えております。心神喪失者等医療・観察法案はさきの通常国会で継続審議とされておりますが、一日も早い法案成立を願っております。
 十六ページから二十ページは障害者の経済的な自立支援に関する施策でございます。
 地域での自立した生活を可能とするためには経済的な自立基盤の確立が重要であります。このため、障害者がその能力や適性に応じた雇用の場に就くことができるように雇用対策を総合的に推進するとともに、障害の程度等に応じて障害年金や各種手当を給付することにより障害者の経済的な自立を総合的に支援しているところであります。
 最後に、厚生労働省における最近の主な取組について御説明を申し上げます。
 まずは、本年五月に議員立法により成立し、十月に施行された身体障害者補助犬法であります。
 この法律が制定された背景として、二十一ページの表にありますとおり、我が国では現在、九百頭程度の盲導犬が稼働しておりますが、物を運びドアを開けるなどの介助を行う介助犬や、聴覚障害者に人の呼び声や電話やベルの音などを知らせる聴導犬については、それぞれ二十頭程度しか稼働していないという状況がありまして、結果的に公共施設等の利用など障害者の社会参加が進みにくいという実態がございました。
 そこで、この法律においては、盲導犬、介助犬及び聴導犬につきまして、その適正な育成を図るための規定を整備するとともに、必要な能力を有する犬を認定する仕組みを設け、この認定を受けた犬については公共の施設や交通機関への同伴を施設等の管理者側が原則として拒めないものとしております。この法律が施行されたことにより、身体障害者補助犬を使用する身体障害者による公共施設等の利用の円滑化が図られ、その社会参加が大いに推進されるものと期待しているところでございます。
 二つ目の例として、これは障害者福祉施策における大きな変革となるわけでありますが、平成十五年四月から実施されます障害者福祉サービスに係る新たな利用の仕組み、すなわち支援費制度について御説明いたします。
 障害者福祉サービスの利用につきましては、平成十二年度の関係法改正により、行政がサービス内容を決定していた従来の措置制度を改め、障害者自らがサービスを選択する支援費制度に移行することとされております。
 この仕組みにつきましては二十二ページから二十四ページまでを御参照いただきたいと思いますが、利用者が事業者と対等の立場に立って契約によりサービスを利用するものであります。新たな仕組みへの移行に当たっては、障害者が多様なサービスの中から適切なものを自ら選択できるようにするため、サービスの量的かつ質的な整備が重要な課題となっております。このため、厚生労働省では、二十五ページにありますとおり、これまでも障害者プランに基づきホームヘルパーの増員、グループホームの整備等、サービス基盤の整備に努めてきたところでありますが、障害者施策推進本部を中心に検討が進められている新しい障害者プランにおいてもサービス基盤の更なる整備を図ってまいりたいと考えております。
 以上で説明を終わらせていただきますが、厚生労働省といたしましては、障害のある人もない人も、だれもが対等に社会に参加できる共生社会の実現を目指し、より一層の施策の推進に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。
#11
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入らせていただきます。質疑はおおむね四時前後をめどとさせていただきたいと思います。
 質疑者及び答弁者にお願い申し上げます。質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただきますようにお願いをいたします。
 また、多くの方が御発言できますように、一回の発言はおおむね三分程度とさせていただきたいと思います。
 それでは、質疑のある方は挙手を願います。
#12
○福島瑞穂君 法務省と内閣府にお聞きをいたします。
 国連社会権規約委員会は、締約国が障害のある人々に対する差別的な法規定を廃止し、かつ障害のある人々に対するあらゆる種類の差別を禁止する法律を採択するよう、二〇〇一年八月、勧告をしております。また、DPI世界会議でも法律の施行が求められております。世界では四十か国以上が障害者差別禁止法を作っておりますが、世界的な流れの中で障害者差別禁止法の制定をどう考えていらっしゃるか、是非教えてください。
#13
○副大臣(米田建三君) 障害者差別禁止法の策定の方向付けをすべきではないかというお尋ねかと思いますが、基本的な立場といたしまして、障害者等に対する不当な差別的取扱いの禁止につきましては今国会で御審議をいただいている人権擁護法案で手当てされているものというふうに考えております。
 また、障害者の権利を尊重して社会経済活動への参加機会を確保するために様々な制度の見直しを進めていくことは極めて重要であるというふうに考えておりますが、障害者差別禁止法の制定を新しい障害者基本計画に具体的に盛り込むということになりますと、幾つかの問題点があるかというふうに考えております。一つは、年齢、性別など他の差別事象とのバランスをどう考えていくのか、また二点目は、一般企業や事業者の理解を得ることが可能なのかどうか、これらの点について熟考を更に重ねませんと、現段階ではいわゆる検討すべき課題が多く、難しいというふうに考えております。
#14
○副大臣(増田敏男君) 福島先生のお尋ねですが、現在、法務省としては、この問題でなくて人権擁護法案の方に含んでお願いをいたしております。したがって、これを取り上げてこの検討をという形は取っておりません。よろしくお願いいたします。
#15
○段本幸男君 文部科学省にちょっとお尋ねしたいんですが、私の経験なんですけれども、私の住んでいるところ、四街道というところは千葉県で唯一盲学校というのがあるんですが、そこで一般の学校の生徒の体験学習「田んぼの学校」と盲学校の生徒と一緒にやらせたら、一般の生徒も大変学ぶところが多かった。障害者と一般者と一緒にすることによって、むしろ一般の生徒の方が学ぶ部分があって、それが将来、差別の少ない共生社会を作っていくんじゃないか、そんなふうな勉強をさせていただいたんですが、そういう取組の一環で、文部省もできるだけ障害者と一般者と触れ合えるような教育を進めていこうというふうなことで取っておられると思うんですが、取るに当たっては、いろいろ新聞なんかで見てもいろんな問題点が出てくるというふうなことも伺っております。
 そういうときにやはり必要なことは、それをサポートしていくシステムを一緒に取らないと全然いかない。ただ入れればいい、それから障害者に対してだけサポートしていけばいいというんじゃなくて、全体をサポートするようなシステム、一学級の生徒をそのクラスは少なくするとか、あるいは最近LDが増えているとおっしゃいましたが、いろんな要素があって、いろんな精神的な周りの状況があると思うんですね。それは学校だけでは多分解決できないと思うから、親がかなりいろんな面で遠因になっているケースもあるし、あるいはお医者さんの意見も入れなきゃいけないし、そういうシステムを併せ作ることによって初めてそういうことが可能になるんではないかと思うんですが、その辺の対策についてお聞かせ願います。
#16
○大臣政務官(大野松茂君) 障害のある児童生徒と小中学校の児童生徒とのかかわり合い、あるいはまた地域の人々とがお互いに交流し合うということ、極めて大事なことでもありますし、障害の有無にかかわらず、児童生徒の経験を深めるということの中で思いやりの気持ちを養う、あるいはまた社会性や人間性をはぐくむということで、格別私は大きな意義を持っていると思います。それぞれの地域でこうした貴い実践があるわけでありますけれども、この実践の中で、これらの成果というものが更に高い評価をいただいて地域に広がりを見せてくれるものと期待しております。
 今回、学習指導要領の改訂におきまして、幼稚園、小学校、中学校、また高等学校において、障害のある幼児、児童生徒との交流に関する事項を新たに実は明記をいたしました。また、盲学校、聾学校、養護学校について、従前からの規定に示されていた交流教育の意義を一層明確にしたところであります。
 これらを進めていくにつきましては、地域の限りない理解もまた大事でありますけれども、そうした今までの実践、成果というものを踏まえて、更にこれらの成果が上がりますように努めてまいりたいと思っています。
#17
○吉川春子君 障害者の社会参加の推進についてお伺いいたします。
 先ほど欠格条項の見直しということで幾つかおっしゃいましたけれども、時間の関係もあって割と端的に短くおっしゃったので、この欠格条項の見直しによってどういう分野に実効性のある欠格条項の見直しが行われたかということをもう少し詳しく御説明いただきたいと思います。
 と申しますのは、私も内閣委員会に所属しておりまして、欠格条項の見直しの法案を幾つか議論してまいりましたけれども、表現を変えただけにとどまるものも少なからずありまして、それはそれで私たちは全部賛成していますのでいいんですけれども、具体的にこの欠格条項の見直しによってどの分野に障害者が参加できるようになったかということを御説明いただきたいと思います。
 先ほどは厚労省だけだったように聞きましたけれども、ほかの法務、文科あるいは内閣府ですか、そこの各省庁におきましても、これは劇的に変わったというような例をお示しいただければと思うのですが。よろしくお願いします。
#18
○会長(小野清子君) 厚生省と内閣府と両方ですね。
#19
○吉川春子君 そうです。それから法務省と全部、出席の。
#20
○政府参考人(大前茂君) 内閣府としましては、この欠格条項の見直しを推進するという立場であるんですけれども、内閣府固有の制度はございませんので説明を省略させていただきたいというふうに思います。
#21
○吉川春子君 いえ、警察なんかはそうなんですよね。
#22
○会長(小野清子君) 付け加えられますか。どうぞ。
#23
○政府参考人(大前茂君) 警察庁の所管にかかわるものでございますか。
#24
○吉川春子君 はい。──じゃ、いいです。
#25
○会長(小野清子君) それでは、御意見そこまでということでございますね。
#26
○副大臣(増田敏男君) 法務省の関係なんですが、法務省の方は大きくは入管、日本の人より入ってくる人の方が大きく劇的に変わっております。
 申し上げますけれども、精神障害者に関する上陸拒否事由、これを見直すための入管法改正を準備しておりましたが、諸事情により本臨時国会の提出は見送ることになってしまいました。しかし、来年の次期通常国会で入管法の改正を実施すべく引き続いて準備をしていきたい、こういうふうに実は考えております。
 現在の入管法では精神障害を有する外国人を一律に上陸拒否することになっておりますが、この取扱いを改めまして、障害の程度等により真に必要かつ合理的な範囲に限定する方向で上陸拒否の範囲を見直すこととしたいと、このように考えているところであります。
 以上です。
#27
○副大臣(米田建三君) 先ほど事務方からお答えをしたとおり、内閣府としては直轄の事項というのはございませんが、しかし今のお尋ねの問題、大変重要だと思いますので、総合調整の役割を担う立場から、欠格事由のこの事案の見直しの効果が具体的にどういうふうに上がっているのか、急ぎ調査をしたいというふうに思います。
#28
○大臣政務官(大野松茂君) 障害者に係る欠格条項の見直しということでございますけれども、文部科学省において、あえて申し上げますと、放射性同位元素等の使用、販売等の許可、また放射性同位元素又はこれに汚染された物の取扱い並びに放射線発生装置の使用の制限、こういうものに障害者に係ることがあったんですが、それを実態に合わせてそれぞれ対応できるということで見直しをいたしております。
#29
○副大臣(鴨下一郎君) 厚生労働省としましては、この欠格条項の見直しにつきまして、特に医師、歯科医師、薬剤師など三十一の制度について見直しを行ってきたわけでありまして、平成十三年の七月十六日から施行しております。
 具体的な話としましては、例えば医師、歯科医師等については、目の見えない方、耳の聞こえない方、口の利けない方には免許を与えていなかったわけでありますけれども、見直し後はこれらの方々の業務遂行能力に応じて資格を取得できるものとしたわけであります。
 また、薬剤師については、目の見えない方、耳が聞こえない方、口が利けない方には免許を与えないものとしておりましたが、見直し後は、聴覚障害及び音声言語障害に係る欠格条項を廃止するとともに、視覚障害を有する者についても本人の業務遂行能力に応じて資格を取得できることといたしました。
 さらに、栄養士免許、調理師免許等については欠格条項を廃止した、こういうようなことでございまして、ある意味で、今まで免許を取れなかったような方が薬剤師の免許を取ったということで大変喜んでいただいているケースもあります。
#30
○山下英利君 ありがとうございます。
 文部科学省とそれから厚生労働省にお伺いしたいんですが、最初まず文部科学省に、小中学校における障害のある児童生徒等への対応というところで、LD、ADHD、それから高機能自閉症といった、従来は余りこれを障害と認められなかったような分野における最近の認識というのが出てきているんですけれども、言ってみればこれの専門性、教員の専門性ももちろん上げていかなきゃいけないという、一つのモデル事業としてこれから推進をされていく中で、医療と教育の連携というのをどのようにお考えになっていらっしゃるか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思うんです。
 要すれば、今までは普通の子として取り扱われていた子どもたちなんです。それが、これからこれ障害であるというふうに認定された場合に、これは厚生労働省の方にもかかわってくると思うんですけれども、普通の子としてのバリアフリーをどういうふうに考えていくか、そこのところをちょっと両省からお聞かせください。
 厚生労働省の方からは、例えばそれLD児だということで、障害児として、障害として認定するというようなことになってくるのかと。実際、欧米では障害として認定する部分あるやに聞いておりますので、その辺も踏まえてちょっとお答えをいただきたいと思います。
#31
○大臣政務官(大野松茂君) 通常の学級に在籍をする児童生徒について、今御指摘のようなことがございました。
 それで、さきに実はこれらの実態調査を行ったところでありますけれども、児童生徒の中において通常の学級に在籍をしているということが推定される生徒もおります。その中で、これら児童生徒への教育的な対応は極めて重要な課題であると認識をいたしておりまして、それらについての対応を進めているところでありますが、平成十五年度の実は概算要求の中でこのような対応をお願いしております。学習障害、ADHD、高機能自閉症の児童生徒に対する指導の総合的な体制の整備のための事業を盛り込むことにいたしまして、関係省庁やあるいは関係機関との連携を図りながらこれらの児童生徒に対する指導を一層充実してまいりたいと、こうしているところでございます。
#32
○副大臣(鴨下一郎君) 先生の御指摘は多分LD、ADHDの方々を障害として認定した方がいいのか、むしろ正常の方々の中で一緒に勉強していった方がいいのか、さらに、障害というふうに認定することがかえってマイナスになることもあるんではないか、こういうようなことの御指摘だろうというふうに思いますけれども、誠に私もそういうふうに思います。
 それで、ただ、厚生省の施策の中では、障害として扱ってさしあげた方がいい場合はそうした方がいいと思いますし、そうでない場合はむしろ積極的に障害として認定しない方がいい、こういうようなことで、きめ細かくそのケースに従ってやるべきだろうというふうに考えておりますし、実際に施策もそういうふうに進めたいというふうに思っております。
#33
○岡崎トミ子君 御苦労さまです。
 障害者のノーマライゼーションの理念に基づく完全参加と平等に向けた取組をされている姿を今日は各省庁からお話を伺うことができましたが、私は文部科学省にお話を伺いたいと思いますが、統合教育について当事者団体と意見を重ねてこられたと思います。私も、そのうちの何回かに参加をさせていただきました。学校教育法の施行令が改正されましたが、二十一世紀の特殊教育の在り方についての調査研究会議の最終報告のその結果を受けてこの法律が改正されたということなわけなんですけれども、何回か交渉していくうちに、本当に普通学級に入れるのか入れないかのその判断をそれぞれの学校や自治体にどれくらい任せるのかというのが、安心な面もあるし心配な面もあるわけなんです。それから、親子の希望をどういうふうに入れてくれるのか、反映させることができるのか、これも論点だったというふうに理解をしています。
 私は、多くの保護者、当事者の子どもたちと一緒になって文部科学省にいろんな質問をさせていただきました。現場の対応がどうだったかというと、もう大変な努力をして、そして学校とも協力し、いろんな地域の人たちとも協力して可能としているという人たちが一杯おりました。これが決まりましたその後で現場の対応がどんなふうに変わってきたのか、把握状況を説明をしていただきたいと思います。
 実は、既に介助を付けて、そしてもう学校で普通学級に通っているというところが、今回のこの法改正によっては、実は自治体に任せない、学校に任せないという状況になっていて、せっかく取ったのにこの法改正によって取れなくなったという現場がないかどうかの点検もしていかなければいけないと思っておりますので、そういう関心事を持ってお答えをいただきたいと思います。
#34
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
 今回の政令、学校教育法施行令の一部を改正する政令でございますけれども、盲者などでございましても、市町村の教育委員会が小学校、中学校で適切な教育を受けることができると認める場合には、小学校や中学校への就学を可能にするための手続を整備したわけでございますけれども、この政令につきましては既に施行はいたしておりますが、来年の四月、平成十五年四月一日に就学する予定者から適用をするというふうになっておりまして、まだ各市町村ではこれから、秋から年末に掛けまして、それぞれの子どもたちが小中学校へ就学するのか、あるいは盲・聾・養護学校へ就学するのか、そういった就学手続を進めているところでございます。
 したがいまして、政令制定の際にいろいろと御指摘いただきました事柄も踏まえまして、私どもいろいろな指導をいたしておるところでございますが、その結果が果たしてどういうふうになったのかということにつきましてはまだ十分把握をしておらないところでございまして、来年四月、入学する子どもが果たしてどういうふうになるか、十分把握に努め、また必要な指導にも努めてまいりたいと考えているところでございます。
#35
○神本美恵子君 今日はありがとうございます。
 文部科学省にお聞きしたいと思います。
 先ほど、内閣府や厚労省、法務省、それぞれのお話の中で、内閣府の方からは特に障害者を社会の中で庇護される存在と見る意識、その障壁を取り除くこと、四つの障壁のうちの一つとしておっしゃいました。それから、法務省の方でも、障害者に対する差別や偏見をなくしていくことが人権を守るということのもう最低の条件だというふうなこともお話がありましたし、そういう障害者に対する周りの人の理解を深めていかなければいけないと、そういう観点で厚労省の方は、もう本当、そうだなと思ったんですが、障害の有無にかかわらず社会の対等な構成員として共に生きていける、それが共生社会だというとらえ方は、私も全くそのとおりだと思いますし、今新基本計画ですかが策定されている途中だというふうにお聞きしているんですけれども、その中でもこの文言が何度も出てきております。そういった観点から、今文部科学省のお話をお聞きしますと、ちょっとやっぱり違うんじゃないかなというふうに私は一つ印象として思いました。
 具体的に幾つか、そういう社会を目指していく中での教育の在り方ということでお聞きしたいんですが、一つは、今、岡崎委員おっしゃった就学指導の在り方なんですけれども、半歩ぐらい前進はして、保護者の意向も聞くというふうになっていると思いますが、保護者が地域の小中学校に入れたいというふうに願ったときに、しかしちゅうちょする原因の一つとして、そこに入れた場合、うちの子は手が掛かると、手が掛かる分、十分なそのニーズに合わせた支援が学校の中でやっていただけるのかということでのちゅうちょがありますので、就学指導を見直したことに伴って、地域の学校へ行くということを望んだ場合、定数増とかそういう支援ですね、支援の在り方について一つお伺いしたいのと、それから全体に今お話しなさった分が、どうも盲・聾・養護学校のことがたくさん出てきて、そういう地域の小中学校で学んでいる子も今何人もいると思います。先ほど段本委員おっしゃったように、交流が大事だということで交流したり、それから地域の中で学んだりしている、そこへの今後やっぱり支援が非常に重要だと思うんですけれども、そのことについての方向性。
 それから具体的にもう一点は、特殊教育就学奨励費ですか、これは盲・聾・養護学校に行っている子どもさんだけが受け取れるようにちょっと今お聞きしたんですけれども、普通の小中学校に行っている障害のある子どもさんも受け取れるようにするには法改正が必要なのか。私は学んでいる場によって受け取れる子、受け取れない子がいるというのはおかしいと思いますので、その辺どこをどう変えれば受け取れるのかということをちょっとお聞きしたいと思います。
#36
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。
 まず、児童生徒が小中学校へ就学する場合の条件整備といったようなことについてでございますけれども、今回の政令改正は、小中学校で障害の状態に応じて環境条件が整備されていて、当該児童生徒が適切な教育を受けられる事情がある場合に、市町村の教育委員会の判断により小中学校への就学を制度上可能にしたものでございます。
 地域や学校の実態などを踏まえてどのような環境条件を整備していくかということにつきましては、市町村において判断すべきものではございますけれども、文部科学省といたしましては、例えば公立小中学校施設のエレベーターでございますとかスロープなどの整備について国庫補助を行いましたり、また、教職員が障害のある児童生徒に対する理解を深めるための研修の充実なども図っているところでございます。
 それから、もう一つの特殊教育就学奨励費でございますけれども、これにつきましては障害を持った児童生徒が経済的な負担を理由に就学することができないことのないようにするために、こういった就学奨励費を設けているところでございまして、教科用図書の購入費でございますとか、学校給食費とか交通費とか修学旅行費を出しているところでございます。
 ただ、御指摘のように、今はこういったものが小中学校ではなく盲学校、聾学校、養護学校といった特殊教育諸学校に在籍している子どもを対象にしているということでございますので、それを小中学校に在籍している子どもにまで広げていくということにつきましては、なかなか現実の問題といたしましては難しいものがあるというふうに考えております。
#37
○神本美恵子君 どこが難しいんですか。
#38
○会長(小野清子君) 後でもう一度。──続けましょうか。続けます。
#39
○神本美恵子君 一つだけですので、済みません。
 今、ちょっとなかなか難しいところがありますとおっしゃったので、分かれば今教えていただきたいと思います。
#40
○政府参考人(金森越哉君) 少し正確に申し上げますと、この特殊教育就学奨励費でございますけれども、例えば費目によりましては小中学校の特殊学級に在籍している子どもを対象にしているのもございます。例えば、通学費でございますとか、あるいは職場実習に行く際の交通費、交流学習費、こういったものは小中学校の特殊学級に在籍する場合にも出ている場合がございますけれども、そのほかにつきましては、先ほど申しましたように、特殊教育諸学校に在籍する児童生徒を対象にしているというのが実情でございます。
 こういった制度が始まりました経緯、先ほど申しましたように、経済的な理由で障害を持った子どもたちが教育を受けられないということがないようにしようということで始まったものと思っておりますけれども、限られた厳しい財政状況の中でどういったところを優先していくのかということで現在の姿になっているのであろうというふうに受け止めておるところでございます。
#41
○中原爽君 厚生労働省の関係でありますけれども、障害者に係る欠格条項の見直しが措置済みというところで、医師法、歯科医師法関係になりますと、国家試験の受験資格というところが三条と四条、それぞれ医師法も歯科医師法も三条と四条でありますけれども、絶対に受験できない、それから相対的に受験できると、そういう条項がありまして、これが先ほどお話がありましたように、目が見えない、口が利けない、そういった欠格条項を外したわけでありますけれども、したがって国家試験の受験をするわけですから、国家試験の受験に対して、この障害者に係る受験の方法、手段、例えば点字であるとかそういうような問題で試験問題を出すとか、いろいろ考え方があると思うんですが、この辺の進め方が今どういうふうに進んでおるかということ。
 それと、もう一つ、この受験資格とそれから医師、歯科医師の免許の資格と同じ条件なんですよね。目が見えないとかそういう条件は同じ条件になっているはずですから、そこのところも撤廃されていると思います。ですから、受験をすることと受験をして合格をしてから免許をもらうことと同じシステムというか、身体的な条件が付いていたはずですから、その辺りが整理されていると思いますので、その御説明と、試験の方法について御検討されているのかどうかと。
 それともう一つ、歯科技工士でありますけれども、歯科技工士法は従来、耳が聞こえない、口が利けない方でも歯科技工士になれるという形になっておったと思います。ですから、この辺りのところがどういうふうに整理されたのかと。
 この二点、お聞きしたい。
#42
○政府参考人(上田茂君) 済みません。私、御質問にお答えする前に、一点、資料の訂正について最初に御報告させていただきます。
 既に正誤表をお配りしておりますが、厚生労働省資料十五ページの精神障害者生活訓練施設の平成十四年度予算は五十九億二千七百三十一万七千円でございます。おわびして、訂正いたします。
 ただいまの委員の御質問でございますが、済みません、私、厚生労働省として今日出席させていただいておりますが、国家試験につきまして医政局で担当しておりますので、今日、先生の御指摘の点につきましては、その取組について今日お話しさせていただき、また先生の方にその状況については御説明に参りたいというふうに思っております。
#43
○中原爽君 それで結構でございます。
#44
○林紀子君 先ほどの神本議員の関連で文部科学省にお聞きしたいんですけれども、地域の学校に障害を持った子どもさんたちが入学をする場合には条件整備というのをいろいろやらなくちゃいけないというお話ありまして、確かにそうだと思いますので、それは是非進めていただきたいのですが、エレベーターを付けたり、それから先生の研修をしたりということはそうなんですけれども、やっぱり一番の問題は先生の数なんじゃないかと思うんですね。
 私も身近で経験したことを申し上げますと、中学校で特別の学級を作って三人の子どもさんを先生が見ていたわけですが、一人は多動ということで、このADHDというのはまだこれからなのかもしれませんが、多動の子ども、一人は自閉症の子ども、そして一人は非常に重度で、医療の介護はしなくてもいいけれどもその寸前というぐらいの、もう本当に寝たきりの、そういう本当にみんな様々な障害を持っている子どもさんが一クラスを作っていたわけですね。
 ですから、一人補助の方が付いてくださってはいたんですけれども、その方はその重度の方に掛かり切りというような状況だったんですね。そうしますと、先生が自閉症の子どもに一生懸命集中して教えていると、多動の子どもがいつの間にかどこかに行っちゃうというようなことで、もう本当に先生も神経すり減らすようなことをしていたんです。
 そういうことを考えますと、その条件整備の中で、先生の数というのは今決まっていますよね、法律で。ですから、そこのところをきちんと押さえていただかないと条件整備ということにならないんじゃないかなということを思うわけですね。
 それから、あと一つついでに、ついでにと言っちゃ申し訳ないんですが、文部科学省と、それからこれは厚生労働省が関係あると思うんですが、今、就学猶予・免除を受けている子どもの数が義務教育の段階でわずか〇・〇〇一%と。それは本当に今までのいろいろな御努力の結果だというふうに思うんですけれども、最近聞いた、これは訪問教育を受けている親御さんの方たちに聞いたんですけれども、国立病院や療養所の中に子どもの教育のためのスペースというのがだんだん減っているというんですね。一九九七年には五〇%に専用の部屋があった。ところが、二〇〇一年度にはその半分の二六%になってしまったということなんですね。
 病院に入院している子どもたちというのは、多分どこか自分が健康なときに通っていた学校に在籍していることになっていると思うので、この〇・〇〇一%の数の中には出てこない数なんじゃないかなと思うんですね。しかし、長期に入院をするということになりましたら、やはり学習の機会というのがなくなってしまうわけですよね、そこに学級がない限り。
 そういうことで、これは厚生労働省と文部科学省と両方にかかわるかなと思うんですが、まず場所の確保というのを厚生労働省の方できちんとしていただかないとこれはなかなか解決をしないのかなというふうに思いますので、今日は両省来ていただいているので、両方からお答えをいただけたらと思います。
#45
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。
 まず、教員の数の確保ということでございますけれども、御案内のように、教職員定数につきましては昨年度から第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画がスタートいたしているところでございまして、私どもこの計画の着実な推進に現在努めているところでございます。
 ただこの標準法は、各学校ごとの教職員定数を定めるのではなく、各都道府県ごとの総数を算定するものでございますので、具体的にどの学校に何人の教職員を配置するかということにつきましては各都道府県の判断にゆだねられてございます。したがいまして、小中学校に障害を持つ子どもが入学したような場合にそれをどうするかということにつきましても、児童生徒やその学校の実態を考慮した適切な配置が各都道府県でなされるものと考えているところでございます。
 それから、教職員以外につきましても、例えば私ども、学校いきいきプランという名称を付けておりますけれども、社会人の方に小学校や中学校などで学校運営を手伝っていただこうということで、十三年度から三年間で約五万人の社会人を補助教員等として学校に受け入れる計画を進めておりますけれども、こういった中で重度・重複障害児などへの介助を補助する、こういった社会人を活用するということもできるようになっているところでございますので、教職員の配置と併せてこういった社会人の方の御支援というものもあるとより一層うまくいくのかなというふうに考えているところでございます。
#46
○副大臣(鴨下一郎君) 先生御指摘のように、国立病院・療養所には特に長期に療養しているようなお子さんたちがいらっしゃるわけであります。
 一般的に言いますと、例えば気管支ぜんそくやネフローゼ症候群等はもうそれこそ三か月、半年入院をされているような方もいるわけでありまして、そういうような方々の中には、そもそもは勉強は嫌いじゃなかったけれども病院に入っている間に学校の勉強が後れてしまって、なかなか後を付いていけなくなったと、こういうようなことも多いようでありますので、できるだけ中で勉強はできるような環境を作るというようなことで、例えば養護学級等の連携も含めて工夫をしている病院はあるわけでありますけれども、なかなかそれは全部が全部というわけにいかないものですから、これから少し調べまして、できるだけそういうお子さんたちが学ぶ場から離れないようにというようなことを工夫をさせていただきたいと思います。
#47
○後藤博子君 ありがとうございます。
 幾つか質問があるんですけれども、私も地元の方で障害を抱える親からよく相談をされます。今日出していただいたハードあるいはソフト面について、こういうことが本当に徹底していれば、そういう親から相談もなければ、十分に配慮いただいていますということがあるんでしょうけれども、なかなか現場といいますか、その持つ親というのは、そういうところまでいっていないのが現状です。
 まず、親が子どもを産んだときに、自分の子どもが障害者だということをだれから告知されるのかという、産婦人科の先生がするのか、そこに何か決まりがあるのかどうかということも一つお伺いしたいのと、それから療育の施設があるかと思いますけれども、お母さんいわく、建物の立派なものは要らないんだと、公益的なセンターや公民館等を利用して、そこに、せめて教育福祉学科を卒業した学生さんでも、若い人でも、一人でもいれば療育になるんだということでよくお母さん方からお聞きしますが、その療育施設というのは何か決まりがあるんでしょうか。その施設をそこで開設するために何か決まりがあるのかどうなのか。あるいはそれを教える人たちに、例えばそういう学校を卒業した学生さんでもいいのか、あるいはそういうやっぱりちゃんと免許を持っている人じゃないとそこで療育ができないのかどうかということ。お母さんの悲痛な声が叫ばれております。それと、障害児学級等がすごく充実はなかなかしておりませんで、学校に一人でも、そういう教育福祉学科を出た方が一人でも欲しいんだというお母さんの声もあります。
 それと、地域によっては障害児クラスが非常に行き届いているところもあれば、全くそういうところはないということで、お母さんがどこに行けばいいのか分からないということで、どうして地域によって差があるのかということもお尋ねしたいのと、地域ということで、市内にはあるんですが、郡部に行くとなかなかそういう施設がない。
 郡部に家を持っているお母さん方は、ちょうど県境であれば、例えば福岡に行けば福岡にあるんだけれども、自分は大分県に住んでいるから大分県の方に行きたいと。市内に行くためには非常に二時間も掛かる、しかし他県に行けば三十分で行けるところもあるということで、そういう施設を選ぶときに、何か選ぶ基準に、どこに行ってもいいのか、あるいはそこで、例えば県外で受けたときでも、自分の子どもたちはやっぱり県内に入るわけですから、そこでまたカルテやら何やらを取り寄せながら学校に一々説明していかなければならないというふうな、そういう状況もあるように言っております。
 あと、療育の施設のないところには障害児学級すらないというのが現状だということなんですが、ちょっといろいろとまとまりが付かずに質問してしまいましたけれども、以上についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
#48
○大臣政務官(大野松茂君) 障害児を抱えておられる家庭にとって一番やっぱり緊急を要すること、大事なことは、相談者がいないということが一番大きいと思うんです。その立場の中で大変な御苦労をなすっておられるわけですから、障害のある児童生徒等の自立や社会参加を社会全体として生涯にわたって支援していくという大前提の中で、障害の程度だとかあるいは障害の重複であるとか、いろいろな今までになかったような対応も随分あちこちに散見されるわけです。
 ですから、こうした問題について保護者の相談を求める声が相当強くなってきておりますし、しかも、それをなるべく早い機会に相談に乗ってあげるということが一番大事なことではないかと思っております。したがって、教育や福祉や医療、こうしたものが一体となって障害のある子どもあるいはまたその保護者に対して相談や支援を行う体制を作っていくということ、これが大事だと思っております。
 今、盲学校、聾学校、養護学校などにつきましては、平成十一年の三月に改訂した幼稚部の教育要領に明らかにしたわけですけれども、新たに三歳未満の早期からの教育相談について、各学校の専門性や施設設備を生かして地域における相談に乗っていくというような対応を既に始めているところでもありまして、これらを更に機能化させていくことはそうした保護者や子どもさんたちに対する急がれる手だてであると、こう思っております。
#49
○副大臣(鴨下一郎君) 今、先生の御質問の中で、障害の有無について、いつ、だれが、どこで告知するのかと、こういうようなお話でありましたけれども、もちろん、それこそ出産直後に産婦人科の先生が外見的なことで発見される場合もあるだろうと思いますし、場合によるとそのときに詳細に、例えば染色体異常等については早めに発見できることもあるんだろうと思います。
 ただ、現実の問題としては、やはり発達段階において徐々に障害について症状が顕在化してくるというようなこともあるわけでありまして、特に先ほどから話題になっておりますLDだとかADHDなどは、むしろ就学してからある意味で症状がはっきりしてくると、こういうようなことで、それぞれのケースによって様々だろうというふうに思いますが、ただそのときには、できるだけ早い時期に発見して対応するというのが重要でありますから、場合によると、最初は産婦人科の先生、そして次には小児科の先生、さらに乳幼児健診等、市町村でやっている様々なサービスがありますが、その中で保健婦さん等に相談をして発見されるとか、場合によると、一歳、二歳児で保育所に入ったときに、保育所のそれぞれの担当の方々が、どうもほかのお子さんと比べて発達が少し違うんじゃないかと、こういうようなことでありまして、ただ、それを今度はお母さん若しくは保護者が受容できない場合も間々ありまして、いや、うちの子は少し遅れているけれどもそんなおかしいことはないというようなことで対応が遅れてしまうと、こういうようなこともありますので、様々な専門家が、ある意味でその時々の状況に応じて適切な対応をしていくということに尽きるんだろうと思います。
#50
○後藤博子君 済みません。もう一つ質問が残っております。療育施設のことでちょっとお尋ねしたんですけれども。
#51
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。
 先ほど、障害児や保護者に対する相談支援につきましては、平成十三年度から、障害のある子どものための教育相談体系化推進事業というのを進めているということを大臣政務官から御答弁申し上げましたけれども、その中で、障害のある子どもにつきまして、教育委員会が中心となって医療・福祉機関と連携を図りながら、早期から保護者の悩みにこたえ、適切な教育の場とそれから可能なサービスについての情報を提供する、乳幼児期から学校卒業後まで一貫した相談支援を行うと、こういった体制の整備をいかに図っていくかということを都道府県に委嘱をして研究をしていただいているところでございます。
 学校によりましては、必ずしも十分受入れの条件が整っていないような場合に、隣の学校へ行けばもっとうまくいくというようなケースもあろうかと思います。そういったようなことについて十分関係者間で情報を共有いたしまして、できるだけ柔軟な対応が取れるようにすることによって、すべての子どもたちが行き届いた教育を受けられるようにということで、そういったこともこの教育相談体系化推進事業の中の研究テーマの一つというふうに考えているところでございます。
#52
○後藤博子君 修業前の、今、鴨下先生おっしゃった、子どもが小さいとき、まだ入学前にそういう療育施設が欲しいわけですよ、そういう場所が。そういうところは具体的にあるんですか。今は修業した後の、入園とか入学したときにはそういうことがあるんでしょうけれども、まだ子どもたち、三歳児未満、生まれてすぐの子どもたちを何とか療育しなきゃいけないという、そのための対策をどういうふうに考えていらっしゃるのかということをお尋ねしたかったんです。そのための施設あるいは対応。
#53
○政府参考人(上田茂君) こういった障害児の方に対する通園事業という事業を厚生労働省の方で実施しております。
 具体的には、市町村が障害のある幼児のために、福祉センターですとかあるいは公民館等、こういった通園の場を、こういった場を活用いたしまして、日常生活における基本動作の指導ですとかあるいは集団生活への適応の訓練ですとか、このような事業を行っておりまして、今後ともこういった事業の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
#54
○後藤博子君 よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#55
○清水嘉与子君 二つの問題について伺いたいんですけれども、一つは、内閣府の方の資料を拝見いたしますと、鴨下副大臣にお伺いしたいんです、最初は。
 内閣府の資料を見ますと、障害者の数はだんだん年々増えているというデータが出ております。そして、今ずっとお話を伺っておりますと、障害も非常に複雑、重度化しているというような話を聞いております。そもそも障害者に対する政策もですけれども、障害者そのものを減らすことができないかという問題、一点でございます。
 いろんな状況で、さっき副大臣もおっしゃったような状況で、いろいろな原因があろうと思いますけれども、一体何でこんなに障害者が増えてくるんだろうか、重度化してくるんだろうか。医学の進歩がもうすごい勢いで進んでいるにもかかわらず、こういう状況を何とかできないんだろうか。
 身体障害者の方はかなり高年齢の人たちが増えてきていますから、これは恐らく脳血管障害だとか、あるいは事故だとか交通事故、いろんなことがあると思うんですけれども、それもやっぱり予防措置、何か対策ができるんじゃないだろうか。つまり、そういうところにもうちょっと政策を転換できないだろうかと。
 それから、子どもの問題なんですけれども、本当に、だんだん生まれる子どもが少なくなるにもかかわらず、障害児が相変わらず増えてくるというのはやっぱり大きな問題だろうと思うんですけれども。
 確かに私、昔、学生のころには、せいぜい八百グラムの子どもが育つようになったといってニュースになっていたんですけれども、今ごろはもう四百グラムくらいでも育つなんということを言っているわけですので、その子たちが本当にどういう状況で、将来、生涯を送っていくんだろうかと、本当によく分からない点がたくさんあるわけですね。そういうものをきちんとやはり把握して、本当に大切な子どもたちをみんな健全に育てるような政策をやっぱりするべきでないかと思うんですけれども、その辺の可能性といいますか、それは御専門のメディカルドクターとしての立場でも結構と思いますけれども、それ一点、伺いたいこと。
 もう一点は、文部科学省の関係なんですけれども、障害児の方々がだんだんに養護学校なんかに来れるようになった、大変うれしいことでございます。導尿とか、たんの吸引だとか、経管栄養、あるいはもう酸素を持ったままで学校へ来るようなことも一杯出てきていると思うんですね。やがてこれ普通学級にもあるいは出てくる可能性もあるかと思います。
 今は取りあえずは養護学校のことで、この対策を厚生労働省と文部科学省といろいろ研究してくださって、来年はいろいろ予算を取ってくださるということになっているのを伺っております。結局、専門家ということで、看護師を雇い入れるか、学校に雇い入れるか、あるいは訪問看護ステーションから雇った形にして来てもらうというようなことを考えていらっしゃるというふうに伺っております。
 しかし、一つは厚生労働省にお願いしたいんですけれども、今訪問看護ステーションにまだ十分な数じゃないんですけれども、そこにいる看護師が養護学校に来る。ところが、直接来れないような仕組みになっているわけですね。直接来れないというのは、つまり居宅じゃないから、学校の施設には訪問をしても全然収入がもらえないということになっていますよね。ですから、どこかの施設に雇ったことにして、そこから派遣するというようなことを聞いていますけれども、それに一億何千万も、何人か、大した数じゃないと思いますけれども、取っていらっしゃる、そういうことをする。そしてまた、文部省の方では、何とか看護師をそこに置いていく、配置していくというような政策でそこを埋めようとしていらっしゃるわけなんですけれども。
 私は、学校に養護教諭という職種が実はあるわけですよね。この人たちは当然子どもの身体、精神、心と体のケアをしている人でして、昔はもうそれこそ、いわゆるスクールナースですよね、そういう活躍をしていたわけですけれども、その方々が教諭になって、教諭と同じ位置付けにしてもらったということになったのかどうか分かりませんけれども、ということになって、だんだんに直接にケアをしなくなってしまった、できなくなってしまった。また、保健婦とか看護師の資格を持たない人たちが随分養護教諭として入ってきたということになって、こういう仕事もできなくなっちゃっているんですね、今。できない。
 しかし、現実問題としてその養護教諭の方々のお話を伺いますと、自分たちはやりますよと、やりたい、むしろ。むしろできないところは少し経験でもして、勉強してでも、こういう子どもたちの体のケアですからやりますよと。また、昔自分たちが苦しんだように、新しく看護師なんか雇わなくたって自分たちができるようにしてもらいたいというようなことを私は聞いているわけなんですね。
 是非その辺のところを、今すぐにお答えはとても難しいと思いますので、是非そのグループの方々にも御意見を聞いていただいて、将来やっぱり学校の先生が子どもの体も心もケアするという方がとてもいいと思いますので、是非そうしていただきたいし、また、厚生労働省の方は訪問看護師さんをわざわざどこかに、雇ってくるなんて言わないで、訪問する先を、例えば養護学校に直接訪問できるような仕組みを作っていただくとか、その辺のことを是非解決していただかないと、やはりこの子どもたちが、障害を持った子どもたちが学校に来れない、そのことを広めるためにも是非そういうようなことを考えていただきたいと、これはお願いで結構ですので、最初の問題、障害者をどうやって減らす、減らすことにどうしたらいいのかということを少し教えていただきたい。
#56
○副大臣(鴨下一郎君) 大変難しい問題をいただきまして、今いろいろと統計的なものを見ますと、障害を持った方で増加傾向が著しいのはやはり御高齢の方々なんですね。特に、六十五歳から六十九歳ぐらいの方々に障害を持った方が増えている。先ほど先生おっしゃったように、例えばその原因となるものには脳血管疾患のようなものがある場合もありますし、様々な事故等も含めてそういう障害が固定していくというようなことが、年齢とともに増えるということが障害を持った方々が増えているということの一番の原因だろうというふうに思います。
 ただ、その障害を持った方々をできるだけ増加をしないようにというようなことは、これはたまたま起こった、起因になるような疾患について早く手を打つというようなことも重要であると思いますし、症状を固定する前にリハビリテーションだとかをきちんとして、最終的に障害をいかに軽くしていくかという、こういうようなことが中心になるんだろうというふうに思います。
 ですから、残念ながらといいますか、私たちはそれこそいまだかつてないような高齢社会に今突入してきているわけでありまして、そういう中で障害を持った方というのはこれは不可避でありますので、そういうような方々とともに、持たない方、障害を持った方がある意味でいろんな差別なく過ごしていく、こういうようなことが共生社会だろうというふうに思っておりますので、むしろ障害を持つということが普遍的なことなんだというふうに受け止められた方がいいのかも分かりません。
#57
○大臣政務官(大野松茂君) 今、清水先生からお話がございましたように、ケアを必要とする児童生徒への対応ということが今大きな実は課題となっております。数年来、特殊教育における福祉、医療との連携に関する実践研究というものをしてまいりまして、それで十県の地域を指定をして、医療、福祉部局やあるいは医師会、看護協会、こうした団体の皆様方と連携を図りながら、必要な体制や手続についての検討をしてまいりました。
 今後とも厚生労働省と十分連携を取り合いながら、このケアの適切な実施のための組織体制の整備であるとか、あるいはまた看護師の配置、あるいは教員の研修、こうしたことを体制の整備を図っていくということの中から進めてまいりたいと思いますし、また、ケアを必要とする児童生徒への施策の充実ということが緊急の課題でもございますので、これらもまた予算の対応する中でも考えてまいりたいと、こう思っているところです。
#58
○林紀子君 済みません、今、最後のお言葉をちょっと聞き逃したんですが、先ほどの清水議員の重度の子どもたちへの医療のケアですね。その問題で、これも厚生労働省と文部科学省が本当に議論を積み重ねながらこういうところまで到達をしてくださったというのは非常にうれしいことだと思うんですね。
 しかし、先ほどお話があったように、看護師さんが、プロが学校に行ってケアをするということになりましたらその派遣の費用が掛かるということで、それはその家族が、父母が持たなくちゃいけないんじゃないかというお話を聞いたんですね。
 そうしますと、義務教育ということになりましたら、義務教育は無償といって、完全な無償ではないけれども、そういうふうにうたわれているわけですよね。ほかのところではお金掛からないのに、重度の障害を持っているところの子どもが特別にお金を出さなくちゃいけないというのは、やっぱりそこで差別という、本当に差別をなくしていきたいという、そういう方向からもちょっと外れるんじゃないかというふうに思うわけなんですね。
 ですから、学校の中でそういう方が見ていただいたら多分お金は要らないんだと思うんですが、看護師さんが来るとそこにお金を払わなくちゃいけないということになるということもあるんだと思うので、その辺の工夫を是非何とかしていただいて、障害児だということで差別を受けるようなことのないようにお考えいただけないかと。今、御質問があって一緒に思い付いたものですから、お願いをしたいんですけれども。
#59
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。
 先ほどお答えいたしましたように、日常的に医療的ケアを必要とする児童生徒への対応が課題となっているわけでございまして、私ども文部科学省といたしましては、これまでのいろんな実践研究などを基に、厚生労働省と連携を図りながら、医療的ケアの適切な実施のための組織体制の整備でございますとか看護師の配置、教員の研修など、養護学校における適切な体制整備を図ることとして、来年度概算要求で必要な経費を盛り込むなど、所要施策への取組を進めているところでございます。
 その中で、どういった体制を講じることが保護者にとっても一番よろしいのかというようなこと、あるいは学校にはいろいろな教員が養護教員も含めておりますので、そういった人たちがどういう体制を取っていくのかということについて十分研究を進めてまいりたいと思います。
 教員と看護師の適切な連携というのが重要でございますが、その中で、教員が医療的ケア、どういう内容や条件で行うことができるのか、これを専ら厚生労働省と検討を進めているところでございます。
#60
○政府参考人(上田茂君) 私どもの厚生労働省といたしましても、来年度予算要求といたしまして養護学校等に対する訪問看護サービス特別事業を要求いたしております。この事業は、先ほど来お話がございますように、肢体不自由児施設等に看護師を配置しまして、そして養護学校へ派遣し、そしてたんの吸入ですとか日常的な医療的ケアを必要とする方に対するサービスを行うものでございます。
 私どもとしましては、文部科学省とこの事業を進めるに当たりまして十分連携を取りながら取り組むことと、それからもう一点、御指摘ございました、やはり円滑なサービスといいますか、運用について十分配慮しながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#61
○福島瑞穂君 どうも二巡目で済みません。三点お聞きします。
 まず法務省に、扶養義務の見直しなんですが、やはりハンディキャップがある子どもを抱えた両親の苦労というのは、先ほども後藤さんの方からもありましたけれども、扶養義務のことをいつも思うんですね。支援費制度の運用で親、兄弟を扶養義務から外したのは一歩前進です。しかし、同居の配偶者、子どもは相変わらず扶養義務を負ったままであると。
 御存じ民法の規定だと、直系血族及び兄弟姉妹は扶養の義務があるとありますし、御存じ生活保護規定は民法の扶養義務を優先するとしているので、どうしても親とか兄弟が抱えるのが当然というか、それを前提に福祉が作られる面もあり、なかなかハンディキャップを抱えている人は、親が元気なうちはいいけれども、親の方が年を取っていくとか、親が丸抱えで物すごく頑張らないとなかなかやれないということもあります。
 個人の尊厳というのであれば、民法の扶養義務の着手をしたらどうかということを思っています。障害者の人に聞くと、何か問い合わせが役所からあったら、あの子は勘当したと言ってくれという、要するに勘当されたというふうにすると保護がもらえるということも、やはりそれはあるわけですよね。
 私は、実は、離婚事件を担当していると、やはりハンディキャップを持った両親がすごい苦労しているということもすごく思うので、扶養義務の見直しなどは、ちょっとすぐ答えられないかもしれませんが、どうかそういう視点を是非持っていただきたい。
 二つ目は、厚生労働省が、厚生と労働が一緒になったことはすごくいいことだと思っていまして、障害者の外出を支援するサービスとしてガイドヘルプサービスがありますが、現状では通勤、通学、営業での外出以外となっている、職場や学校などへの行き帰りに必要としている人が多いけれども認められていない、実際にはかなり弾力的に運用されているけれども自治体の判断によっていると。せっかく厚生省と労働省が一緒になったので、福祉サービスを雇用に結び付けると。だから、障害者雇用を促進するために、ガイドヘルプの運用基準を通学とか通勤とかにも認めるようにしたらもっと雇用促進ができるのではないかと。
 三点目は、無年金障害者の問題で、十二万人と言われる無年金障害者に対して、障害基礎年金を支給する代わりに福祉手当を支給する案を厚生労働大臣が発表しましたが、十分な所得保障となるかどうか不透明です。受給額の引上げや具体的な実施方法、開始時期について明確にする必要があると考えますが、いかがでしょうか。
#62
○副大臣(増田敏男君) お話をお聞きをしておりまして、率直にそういうふうなことができればいいなと私も思いました。
 そこで、思いましたが、現在の段階なんですが、現在の段階では公的な扶助の制度、これ充実の問題だと思います。
 そこで、義務、扶養義務はだれがあるか、民法でどうしても、こう言うと変ですが、「直系血族及び兄弟姉妹は、互に扶養をする義務がある。」というふうな関係になっているんで、法務省としては根幹を決めていくというような形で、現在はまだこの段階で御努力をいただかなければならぬと。
 したがって、民法の改正でこれを踏み越えてお説のところまで届くかというと、ちょっと私には言葉が伸ばせません。いろいろのその他の部門で努力はしてみたい、こういうふうには思いますけれども、民法の骨格の中ではやはりこれが義務の限界だろうというふうに今は考えています。
 お説は有り難くいただいていきたいと思いますが、以上です。
#63
○副大臣(鴨下一郎君) 福島先生の第三問目の無年金のことについて先にお答えさせていただきますが。
 無年金の障害となった人については、少し整理させていただきますと、昭和五十七年一月の国籍要件撤廃前に障害事故の発生した外国籍の方々、約五千人ですね。それから、昭和六十一年の四月の第三号被保険者制度創設前に国民年金に任意加入せず、その期間中に障害事故の発生した被用者の被扶養配偶者、この方々が約二万人。そして、多分先生が一番御心配になっているのは、平成三年の四月の学生に対する強制適用前の国民年金に任意加入せず、その期間中に障害事故の発生した二十歳以上の学生で大体四千人ぐらいの方。それから四番目に、国民年金の強制適用の対象になっていながら、未加入あるいは保険料を未納していて障害事故の発生した方々、これ約九万人ぐらいの方がおいででありまして、そういうような方々に対して、障害を持っているということで現金給付を行うことについてどうかということで、本年八月に発表されました厚生労働大臣の坂口私案を踏まえまして検討していくことにしております。
 ただ、その際にいろいろと議論があるわけでありまして、一つは年金を受給していない障害者の生活実態を踏まえた現金給付の必要性について、さらに拠出制の年金制度を始めとする既存制度との整合性をどう持っていくのかということ、それからもう一つは給付に必要となる言ってみれば多額の財源の見通しをどうするか、こういうようなことを踏まえて今十分に検討する必要があるというのが現状でありまして、ただ、施策の検討に当たりましては、年金を受給していない障害者の人数や生活実態などを把握する必要があると考えておりますが、対象者の所在の把握が難しいこと等いろいろと考慮すべきことがありますので、これから調査も含めて検討を進めているというのが現状でございます。
#64
○政府参考人(上田茂君) ただいま委員御指摘ございますように、障害者対策として雇用問題も含めて総合的に取り組むことにつきまして、私ども総合的な取組について進めてまいりたいと思っております。
 その中で、ガイドヘルプにつきまして御指摘があったわけでございますが、ただいま委員の御意見、私、聞かさせていただきまして、拝聴させていただきまして、その御意見について私どもまた考えてまいりたいというふうに思っております。
#65
○岡崎トミ子君 内閣府にお伺いします。
 障害者施策推進本部が内閣府に設置されておりますが、この施策を推進するに当たっては、社会全体に与える影響は非常に大きくて、社会全体で取り組む挑戦だというふうに思うんですけれども、福祉から権利へという観点で、あるいはやればできる、このごろのそうしたキャッチフレーズなどもあるようなんですけれども、先進事例に学んでいくということや、あるいはまた世論の後押し、当然内閣府のリーダーシップというのが大事だと思うんですけれども、この施策を推進するに当たっては、内閣府は具体的にはどういう役割を担って、どういう困難に今直面をしているのか、あれば。
 それから、各具体的な施策に関しては各府省が担うことになっておりますけれども、そうした各府省との通常からの意見交換などは行っているのか。
 それから、各種審議会などについては障害者、当事者に入っていただくということが常に大事だというふうに私は主張してきておりますけれども、知的障害者ですとか精神障害者ですとか、そういう皆さんの参加が求められているだろうというふうに思っておりますが、率直のところは、現在どういうふうに検討してどんな状況になっているのか、何が難しいのかという点もありましたら教えていただきたいと思います。
#66
○副大臣(米田建三君) 何が難しいのかということでございますが、これまでの御議論の中にも出ているように、難しいことはたくさんございます。
 しかしながら、全力を挙げて頑張っているわけでありまして、まず基本的な今の進め方の枠組みについて御説明を申し上げますが、お尋ねの内閣府と関係省庁との連携の在り方でございますが、主要関係省庁との間では、生活支援あるいは生活環境、それから教育、雇用などの分野ごとに検討チームを設置をしておりまして、既にきめの細かい議論、作業を進めております。
 また、いわゆる懇談会のありようについても御質問がございましたと思いますが、懇談会の在り方でございますが、新しい障害者基本計画に関する懇談会というネーミングの下に、既にこれまで六回議論を重ねてまいりました。そのメンバーでありますが、二十七名おられます。そして、その中には、障害のある方御本人も含め、あるいは障害福祉事業に従事する方々、これらの代表の方々、あるいは学識経験者等、内閣府といたしましては、広い視野を持って、この施策を進めるに当たって御意見を伺うべき方々に御参集賜っているというふうに考えております。
 よろしゅうございますか。
#67
○岡崎トミ子君 各府省との連携は。
#68
○副大臣(米田建三君) 今申し上げたとおり、テーマごとの作業チームをきちっと設けて、その場できめの細かい意見のすり合わせ、考え方のすり合わせは行わさせていただいております。そういうつもりであります。
#69
○神本美恵子君 内閣府と文部科学省にお聞きしたいんですが、文部科学省の方の、今日いただいた資料ではなくて、事前に差し替えになりまして、その前にいただいた分の資料の中には、今後の特別支援教育の在り方についてというのが入っていたんですけれども、それにかかわって、内閣府の方では新基本計画を今策定されているということなんですが、これから向こう十年ぐらいを見通したときに、障害を持って生まれた子どもさんが学齢期になると障害を持っているか持っていないかで学ぶ場が分けられているという今の現状、そして義務教育を終えて学齢期終えて大人になるとまた一緒の社会の中で生きていくという。そして、この共生社会で目指しているのは、共に生きていくということを目指していると思うんですね。この現状を、私は何とか地域の中で障害の有無にかかわらず一緒に生きていくということを実現していきたいなと思うんですけれども。
 内閣府としては、これからの長期的な基本計画策定に向けて、教育の在り方について、それは文科省任せではなくて、障害者の一生、生涯を見通したところでの考え方を、個人的な見解でも結構ですけれども、内閣府としての考え方があればお聞かせいただきたいのと、文科省は、二十一世紀の今後の特殊教育の在り方協力者会議の最終報告も出ていますが、その中には言葉ではノーマライゼーションというようなのが出てきているんですけれども、実際に、分ける教育を共に学ぶ教育に変えるというところまでいっていないんですね。ですから、これからずっと十年間もそういうことでいくのは私は大変意見が一杯あるんですけれども、その辺りの考え方をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#70
○副大臣(米田建三君) 新しい障害者基本計画の策定中でございまして、今お尋ねのテーマにつきましてのお話を申し上げる前に、内閣府の基本的な考え方でありますが、国民だれもが相互に個性を尊重し、支え合う共生社会を実現するんだと、こういうことでありまして、そのためには社会の構成員全体で取り組んでいくんだと。そして、具体的には、社会の対等な構成員としての人権を尊重する、かつまた自己選択と自己決定の下に社会活動に参加、参画し、社会の一員としての責任もまた分担をしていく。そして、次が一番具体的な施策に結び付く重要な点であろうかと考えておりますが、活動を制限し、社会への参加を制約している諸要因の除去と能力発揮の支援。この三点を基本に置きながら基本計画案のまとめを行いたいというふうに思っているわけであります。
 今、教育についてのお尋ねでありますが、内閣府の立場上、今、個々具体の細かい部分についての詰めはまだ行っておりませんが、教育につきましては、やはり一貫した相談支援体制の整備や専門機関の機能の充実等、多様化、このことを考えてまいりたいというふうに思っております。
#71
○大臣政務官(大野松茂君) 今後の特別支援教育の在り方の中間まとめについてでありますけれども、障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズに対応して、必要な教育的支援として様々な施策や取組について実は議論されております。
 先日行われた中間取りまとめの中では、障害の程度に応じて特別の場で教育を行う特殊教育、これから一人一人の教育的ニーズに対応して必要な支援を行う特別支援教育へという考え方が実は一層明確になっております。そして、具体的には、特別支援教育を具体化するための個別の教育支援計画の策定、また盲学校、聾学校、養護学校から、障害種にとらわれない学校設置を可能とする特別支援学校制度などの特別支援教育を推進する上での学校の在り方、また特別支援教育体制を支える専門性の強化などの施策がこの中間取りまとめの中で示されているところでございます。
 これから広く国民の声を求めて、その結果を踏まえつつ、これらの進め方を取りまとめてまいりたいという段階でございます。
#72
○山本香苗君 もういろんな先生方から貴重な御意見が出た後なので重なるところがあるかもしれませんけれども、大変私事で恐縮なんですが、先日、兵庫県の伊丹市でミュージシャンズ・カーニバルというのにちょっと行ってきまして、そこではAYAKA基金というボランティアグループの方々がやっていまして、この中心者の方が、皆さんもよく御存じのあの「大阪で生まれた女」を歌ったBOROさんがやっていらっしゃいまして、障害者の方々のボランティアグループでいろんな、車いすダンスとか、いろんなものをしていらっしゃって、健常者の方、また障害を持った方々と一緒になってやっていたと。
 その中の彼らの目的の一つというのが社会的な意識を高めるというところで、先生方いろんな御意見を言われたわけでありますけれども、その中で特にずっとお話が出ております教育ということが一番大事かなというふうに思っておりまして、文部科学省さんにはしっかりと頑張っていただきたいと思っているんですが。
 こうしたソフト面も大事ですけれども、ひとつハード面で、学校のバリアフリー化、これにつきましての現状、どれぐらい進んでいるのかということと、また文部科学省として、これからバリアフリー化を進めていくにはどういうふうな形で工夫をしていこうかと、そういったところ何か考えていらっしゃいましたら御意見をお伺いしたいと思います。
#73
○政府参考人(金森越哉君) 公立学校施設のバリアフリー化の進捗状況についてのお尋ねでございますけれども、学校のバリアフリーの推進、大変重要なことでございまして、各学校の設置者により実情に応じた施設整備が進められていると考えております。
 国公私立の小中学校や特殊教育諸学校の中で、その九七%は公立学校でございますけれども、この公立学校につきまして、平成十四年の五月に実施した調査によりますと、小中学校におきましては約六割、特殊教育諸学校におきましては約九割以上の学校についてエレベーターや障害者トイレなどの何らかの整備がなされているところでございます。
 また、今年、平成十四年の七月にはハートビル法が改正されまして、学校施設につきましても努力義務が課せられることとなりましたので、学校施設のバリアフリー化への自治体の積極的な取組というのが今後とも期待されているところでございます。
 私ども、こういったことを踏まえまして、設置者が実情に応じた取組を進めて、児童生徒や地域の方々が安心して利用できるような学校施設が整備されますように設置者の取組を支援してまいりたいと考えているところでございます。
#74
○有村治子君 一点、お伺いしたいと思います。
 身障者の自立と社会参加について厚生労働省さんにお伺いしたいんですが、ちょっとこの資料を拝見させていただいて、すごく勇気付けられることもあるんですが、概観すると非常にやっぱり片仮名が多くて、ショートステイ、ホームヘルプ、ジョブコーチ、トライアル中、トライアル雇用、ノーマライゼーション、バリアフリー、ユニバーサルデザインと、いろいろ出てくるんですが、ちょっと私、環境分野のときも片仮名が非常に多いなという印象を受けたんですが、身障者の支援というところでも、やっぱり外から借りてきた概念から日本に導入したのが多いためかどうか、随分と横文字、というよりは片仮名が多いなということを感じています。
 その中で、ノーマライゼーション、これは今度の、来年四月の統一地方選挙で公約として掲げている方もいらっしゃいますし、結構、選挙でもよく出てくる言葉なんですが、本当にノーマライゼーションという言葉が私たちの社会の中で根付かせるべき言葉なのか、それとも日本語としてもっといい言葉があるのか。ちょっと、私たちが何をもってノーマルと言うのか、例えば先ほど神本委員がおっしゃったように、どこで学校教育を受けることをノーマルとするのかというのは私たちの中でも共通の理解がまだ達していないのかなという印象を受けます。
 そこで、これは厚労省さんだけではないかもしれないんですが、定着するとすれば日本語としてはこういうものがあるのかないのか、そしてノーマライゼーションというところを何をもってノーマルと言うのかどうか、もう少ししっかりと、私たちが同じ言葉を使うにしても、どういう概念を持ってその言葉を私たちが共有しているのかということを認識した方がいいんじゃないかなという思いを持って質問をさせていただきます。
#75
○副大臣(鴨下一郎君) 先生御指摘のところはもっともだろうというふうに思いますし、特に日本語に適切な言葉がある場合には積極的に日本語を使っていくべきだというふうに思っておりますし、私も各部署にはそういうようなことは申し上げていきたいというふうに思います。
 ただ、今まで使っていた言葉の中に、ある種の差別的なニュアンスを持っている言葉がありまして、それを言ってみれば新しい概念として、共生社会の中でふさわしい言葉として登場するとなるとどうしても片仮名言葉になりやすいというようなことがあるものですから、その辺のところも踏まえて、先生御指摘のようにしていきたいというふうに思います。
 もう一つ、そのノーマライゼーションというのを、果たして言葉としてどういうふうにあるべきかというような話ですが、既にこの言葉そのものは定着している言葉だろうというふうに思いますし、このノーマライゼーションということに対して極めて多くの方々が、ある意味でこれを世の中にできるだけ知っていただこうということで大変な運動を繰り広げてきた結果だろうというふうに思っておりますので、ある意味でこの言葉にはいろんな思いがこもってしまっておりまして、それをまた更に言い換えていくというのはなかなか難しい部分があるだろうと思います。
 ただ、私、一番最初に御説明の中でも申し上げましたけれども、ある意味で、厚生労働省の概念としては、障害のある人もない人も、だれもが対等に社会に参加できる共生社会と、こういうような趣旨でノーマライゼーションというような言葉を使わせていただいているわけでありまして、そういう趣旨から、この言葉を何らか言い換えていくというのはなかなか難しいということだけお答えさせていただきます。
#76
○中原爽君 先ほど、医師、歯科医師の国家試験について厚生労働省にお伺いしたんですが、文部省の関係も受験資格があるわけでありまして、例えば医師法の十一条の関係だと、医師の国家試験の受験資格として、学校教育法で許可、認可された大学で、正規の医学の課程を修めて卒業しろと、こうなっているわけですね。
 したがって、その修める期間というのは、やはり学校教育法で六年と、こう決めてあるわけですけれども、そうなると、ある医科大学へ入学して六年間の正規の医学の課程を修めるときの修め方について、例えば耳の聞こえない方ということについては六年間特別の授業体系を、カリキュラムを考えるとか、そういうことが起こってきますので、そういう形のことについては文部科学省の方で各医科大学等に指導されているのかどうか。
#77
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
 医科大学に限ったことではございませんのですが、障害を有する学生につきましては、他の一般の学生とは異なりまして、教育課程の履修でございますとか、あるいは学生生活全般にわたって特別な配慮をする必要があると考えております。
 従来から我が省といたしましては、こうした学生が円滑な学生生活を送れるように学習支援体制の整備を図ることが重要と考えておりまして、例えば、こういった学生を支援するための措置といたしまして、国立大学につきましてはノートテーカー、代わりにノートを取るノートテーカーの配置など教育上の特別の配慮や、エレベーター、スロープなど施設面での整備を進めましたり、あるいは私立学校につきましても、各大学の障害者の受入れ人数等に応じた経常費補助金の増額措置や施設のバリアフリー化を推進するための補助を行っているところでございます。
 今後とも、こうした措置を通じまして、大学で学ぶ障害のある学生に対する支援に努めてまいりたいと考えております。
#78
○中原爽君 ありがとうございました。
#79
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 厚生労働省に質問をさせていただきたいと思います。
 資料の十ページなんですけれども、今、有村先生からノーマライゼーションという言葉が出てきましたけれども、ノーマライゼーションの実現に向けて、都道府県、市町村及び関連団体を通じて障害者の社会参加促進のためにというきめ細かな、多彩な事業を展開していただいているということが書かれてあるわけなんですけれども、私、今、知的障害者の全日本の陸上連盟の会長をさせていただいておりまして、授産施設等におられる方たちが一生懸命トレーニングをして、そして陸上競技に参加をしていただいているという、パラリンピックの一部ではあるんですけれども。その中で、ある授産施設がこのような地域の方たちに支援をいただいてスポーツクラブを作って、また文化・芸術活動というものを一生懸命させていただくようになって、スポーツの記録も伸びると同時に、授産施設ですので、そういった仕事の内容が物すごく良くなったんですね、実績が上がったということで。
 それによって、地域の方々と一体になって支え合っていくということが大変すばらしいことなんだということで、その地域では引き続いてその授産施設を見守っていただいて、さらに、年々その地域の業者にその知的障害者の方が雇用されていくという状況があるんですけれども、今までに全国的にそのような実例があるのか、厚生労働省の方でどのぐらい把握されていて、そしてまた、今後そのような形になっていくというようなことをどのように推進されていくのかという考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#80
○副大臣(鴨下一郎君) 今、先生おっしゃっているように、例えばスポーツ等のことに障害のある方々が取り組んで、その結果としてある意味でその障害の一部も克服されるというようなことは大変有意義なことだろうというふうに思いますし、先生おっしゃっているように、例えば授産施設がそこの授産施設内だけで独立するんではなく、地域の方々と協力体制を持って、さらに、場合によったらその近所の企業に障害を持った方が就職できる、こういうことはもう大変ある意味でノーマライゼーションの正しく最も典型的な形だろうというふうに思いますので、これから先生のお知恵も拝借してやっていきたいと思っておりますけれども、ただ、具体的にそういう例えばスポーツに取り組んで授産施設がどういうふうに活動しているかというようなことはちょっと現在手持ちにはデータがありませんので、また改めて御説明をさせていただきたいというふうに思います。
#81
○橋本聖子君 ありがとうございます。
#82
○岡崎トミ子君 今度は厚生労働省にお伺いしたいと思いますが、障害者の自立と社会参加に向けた取組の全体像を見せていただいて、先ほどの御説明もお伺いしまして、知的な障害者、精神病者に対する地域生活の支援というところで、サービスの利用に関する相談や支援体制の構築ですとか、あるいは在宅サービスの充実のためにホームヘルプサービス、デイサービスなどがあるということですが、居住の場の確保ということで、実は先日、内閣委員会において米田副大臣の方に、宮城県では精神病者の方々あるいは知的障害者の方々が単身で住居を獲得したいということで、そういう要求が今私のところにも来て、昨日は浅野知事が直接私の部屋においてもその話をされていったわけなんですけれども、それはグループホームと福祉ホームの段階になっているという、そういう御答弁でもございました。
 そして、今日のペーパーでも、やはりグループホームの支援、福祉ホームというところなんですけれども、諸外国ではもう既に単身で住むことができる状況になっておりますけれども、そうした例に倣って、日本の場合にはどういうことをクリアしていくとそういうふうに住宅に単身で入ることが可能となっていくのか、その点に関してお教えいただきたいと思いますが。
#83
○政府参考人(上田茂君) 今日、私どもの資料で八ページにございますが、居住の場の確保ということでグループホームですとか福祉ホーム等々、これ大きな課題だというふうに我々考え、取り組んでいるところでございます。
 実は、精神障害者についてでありますけれども、先ほど申し上げましたように、現在、社会保障審議会でやはり社会復帰についての議論がされておりまして、やはりこういったグループホームですとか福祉ホームですとか、そういう議論がされております。そういった審議会の意見をまとめていただき、そして障害者プランですとかという形で、今後、精神障害者の社会復帰対策についての充実ということにつきまして、私ども取り組んでまいりたいというふうに考えております。また、知的障害ですとかそういった方についても、実はこれまで障害者プランで年次目標を掲げまして、その目標に向け整備を進めてきているところでございます。
 したがいまして、今度の十五年度の障害者プランにつきましても、やはりこういった事業についての具体的な目標ということが課題になるわけでございますし、そういった検討の中で、今後この住居の確保の充実ということにつきまして、私どももその充実について取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#84
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。
#85
○鈴木寛君 私は、障害者の自立と社会参加の問題とITのことについて少しお尋ねをさせていただきたいと思います。
 私自身も七年ほど前から、特にこの障害者の方々というのをエンパワーする非常に有効なツールとして情報技術、ITがあるということを非常に痛感をいたしまして、あるNPOの活動を一貫して支援をさせていただいております。
 このNPOは障害者の方をハンディキャッパーと呼ばずにチャレンジドと、これ英語ばかり使うなという先ほどのお話がございましたが、しかしなぜ英語が多いかというと、やはり障害というものを、あるいはそれをノーマライズしていく、あるいはインクルードしていくということについてきちっとコンセプトを、やっぱり残念ながら西欧社会の方が詰めて考えているわけですね。ですからいろんな概念が出てきたり、いろんな位置付けと。やっぱり言葉の豊富さというのはそれだけ考えているわけでありまして、したがって、日本社会もきちっと、そうした西欧社会に負けることなく新しい、やっぱりいろいろな検討と施策の結果、新しい、そして広めるべき概念を私はどんどんこういう調査会を通じて作り出していけばいいというふうに思っていますが。
 そこではチャレンジドというふうに呼んでおります。それで、正に挑戦する使命を神から与えられた人々という意味で、これはチャレンジド・ジャパン・フォーラムというのを私も立ち上げのお手伝いをさせていただいたりしております。
 それで、私の質問は、その団体では、最終的には障害者の就労支援、チャレンジドをタックスペイヤーにするという基本的な理念の下に、そういう方々がきちっとお仕事に就く、そしてお仕事を通じて収入を得る。今までは税金をもらう立場から税金を払う立場に、収入を得れば税金を払うことになりますから。そのことによって、これは単に税金をもらう、払うという問題ではなくて、誇りの問題として、プライドの問題として、きちっと税金を払い、市民社会の一員として、市民社会の在り方、あるいはそれをいったん信託をしている行政あるいは立法の在り方に対しても積極的に貢献ないし発言をしていきたいと、こういう運動なわけでありますけれども。
 そうした中で、具体的に障害者の方が就労をしていくと。現在の正に工業社会、産業社会の就労形態というのは大変に就労をしづらい。そういった中でITを活用しますと、いわゆるSOHO、在宅で仕事ができる。そして、正にベッドの上で雑誌の編集をされたり、ベッドの上でコンピューターソフトウエアのプログラミングをされたり、あるいはコンピューターグラフィックスをやられたり、非常にすばらしい、いわゆる健常者がおやりになる仕事を上回る、仕事の成果としてきちっと競争力のあるお仕事をされている方が具体的に出ております。
 そういう方々には、まずはいわゆるパソコンをその方々の障害に応じてボランティアスタッフが改良をします。ですから、手が御不自由な方というのは足で使えるマウスを使ったり、あるいはキーボードのところも特殊なことを少し改良をさせていただいているんですが、そういう方々にIT教育をこれボランティアで施して、そしてあるレベルに達したならば具体的にお仕事を紹介すると、こういう一連の活動をしているわけでありますが。
 そこで、お尋ねですが、文部科学省にまず御質問をしたいと思います。こうしたいわゆる障害のある子どもたちに対するIT教育、これが今現状どうなっているのかと。特に私は二つの観点からお尋ねをしたいわけでありますが、今日御報告をいただいた資料にも、最近こうした活動をやってまいりましたので、養護学校などにいわゆるハードウエアが若干後ればせではございますが着々と整備をされているということは、私は一定の評価をさせていただきたいとは思っておりますし、もちろんこれをもっと加速的にやっていただきたいというのもあります。で、このことがどうなっているかという面と、実はやや、今日の御報告でも若干認識が弱い、欠落あるいは更にこの重要さを認識していただきたいと思うのは、指導する教員の問題であります。
 この正に障害を持った児童生徒に対してITを教授するというのは、これ非常に経験とノウハウの要る仕事でありまして、私もそうした方々にITを指導させていただいている経験もあるわけでありますけれども、かつ本当にもう一対一に近い状態でこれをやっていかなければいけません。そういう意味で、こうした障害を持った子どもたちにITを身に付ける上での人的な支援体制について是非お伺いをさせていただきたいというのが文部省についての御質問であります。
 そして、次に厚生労働省への御質問でありますが、そうした教育行政の充実によってある程度ITが使えるようになりましたと。で、なった方大分いるんですけれども、なかなかやっぱりこれ就労というところにはいきません。これは是非御検討いただきたいと思いますし、御検討いただいていると思いますが、結局、障害者の法定雇用率の問題、ここの運用を変えるということが非常に重要なポイントになってまいります。そうした方々は在宅で仕事をされるということになりますから、いわゆる従来の法定雇用率が想定をしている形での就労というのはなかなか難しいわけでありますけれども、しかし、在宅で一定期間まとまった仕事を継続的に受注をすると、こうした形態は可能であります。
 これは、現行の解釈上は就業にはならないんですけれども、しかし仕事をちゃんと定期的にもらって仕事をしていくということでは就労にはなっているわけでありまして、こうしたことも法定雇用率の対象としていただきますと、いろいろな企業が積極的にそうした在宅の障害者に対して先ほど申し上げたような種類の仕事を出していただけると、こういうことになりますので、是非この点について御検討をいただきたいというふうに思っておりますので、以上のことについて、文部科学省と厚生労働省から現在の検討状況と今後の取組についてお聞かせいただければ幸いでございます。
#86
○政府参考人(金森越哉君) 特殊教育における情報化の推進についてのお尋ねでございますけれども、障害のある児童生徒につきましては、情報活用能力を育成するとともに、障害を補完し、また学習を支援する補助的な手段として、コンピューターなどの情報機器や情報通信ネットワークなどの活用を進めるということが大変重要であると考えております。
 このため、文部科学省といたしましては、情報に関する内容を必修とするなどの教育内容の充実を図りましたり、あるいは教育用コンピューターや障害に対応した情報機器の整備などを積極的に進めているところでございます。
 具体的には、例えば、障害に対応した情報機器や情報ネットワークの整備といたしまして、点字ディスプレーでございますとか、音声入力・出力装置でございますとか、インターフェース等の障害の状態に応じた情報機器を整備いたしましたり、あるいは盲学校間で点字情報をオンラインで運用するような点字情報ネットワーク、こういったものの整備も進めているところでございます。
 また一方で、そういった機器をどう使いこなすか、また指導していくかという問題もございますので、これは文部科学省や、それから独立行政法人で国立特殊教育総合研究所というのがございます。こちらで調査研究を進めているところでございまして、学校などでマルチメディアネットワークをどう活用していくか、また障害児が高度情報化社会に対応するためのカリキュラムをどう開発していくか、こういったことを調査研究しているところでございまして、指導する教員のITを活用する能力を高める研修と相まって、特殊教育における情報化の推進ということに努めてまいりたいと考えております。
#87
○副大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃるように、ITというのは、今まで障害を持っていた方という、障害を乗り越えていく大変優秀なツールだというふうに思っておりまして、私も竹中ナミさんとは何回かお会いしまして、チャレンジドというような意味についても伺ってまいりました。
 その中で、障害を持っている方でも優れた例えばIT技術を身に付ければ、ある種のシステム開発を下請して、そしてそれを今度はグループで受けるというようなことでいろんな受注にこたえられるという、こういうようなことの趣旨を伺って、なるほどなというふうに思ってきたところでありますけれども。
 その中で、先生おっしゃるように、例えばSOHOのようなもので、就業形態が変われば十分に健常者以上の能力を発揮する方もいらっしゃるわけでありますので、そういうようなことを今現在省内でもいろいろと検討を進めているところでありますけれども、具体的な話は役所の方から答弁をさせていただきます。
#88
○政府参考人(太田俊明君) 私どももチャレンジドの活動をお聞きして、実際に障害を持つ方々がIT技術を活用することによって本当に仕事に就くことができるようになったということを事例もお聞きしまして、感銘も受けているところでございます。
 ただ、やはり問題は通勤が困難であると。在宅だったら仕事ができるという方がおられますので、今のSOHOも含めて、そういう方をどうやって仕事に就いていただくかということが一番問題だと思っております。
 今年の八月から障害者の在宅就業に関する研究会というのを開催しまして、実際にチャレンジドの方も入っていただきまして、それから専門家の方も入っていただきまして検討しておりまして、在宅就業の支援策をどういう形で支援していくのか、あるいは在宅就業を活用しやすくするためにはどうしたらいいのかとか、あるいは実際にそこで事故が起きたときには保護をどうするかとか、そういった問題を検討しておりまして、最終的には、今、先生おっしゃいました雇用率の問題も含めて、少しでも仕事に就くことができるように、就労が進むように現在検討を行っているところでございます。
#89
○副大臣(米田建三君) 会長、関連してよろしいですか。
 御指摘のテーマにつきましては、現在策定中の新しい障害者基本計画案の中の重点課題として、ITの積極的活用を大きな柱として打ち出す予定であります。
 具体的には、分野別政策の中の柱として情報コミュニケーションという枠を考えておりますが、その中で、障害によりITの利用機会及び活用能力に格差が生じないようにするための施策の積極的な推進、また障害特性に対応した情報提供の充実を図る、こういう基本方針を掲げた上で、更に情報バリアフリー化の推進の中で障害者の情報活用能力の向上のための取組を推進する。
 具体的には、先ほどお話に出ましたが、国際規格に基づいて障害者に使いやすいIT機器、システム、サービスやあるいは障害者に配慮したコンテンツの開発普及を促進する、こういうことも打ち出す予定であります。また、社会参加を支援する情報システムの開発普及といたしまして、障害者の積極的な社会参加を支援する観点から、テレワーク等の推進を図るための情報通信システムの開発普及、これも促進すると。具体的にこれらの点を打ち出す予定でおります。
#90
○中原爽君 厚生労働省の資料を今日いただいておりますが、一番最後のページ、二十五ページ。これは障害者プランの進捗状況の一覧表、十三年度末の実績でありますけれども、これほとんどがいわゆる箱物で何人分を増やしていくという中で、下から五段目でありますけれども、訪問介護員、いわゆるホームヘルパー、これを十四年度で四万五千三百人増と。これ一〇〇%増を目指している計画ということになります。
 このホームヘルパーについては、五ページの方に障害者に対する訪問介護のページがあるわけですけれども、この部分だけ、ホームヘルパーのこの進捗状況だけは人数、人に関係のあるところでありますが、この四万五千三百名、一級、二級、三級の種別があって、従来は厚労省の方では都道府県の自治体にこのホームヘルパーの養成を委託している格好になっていると思うんですが、以前の御指摘では三級のヘルパーを増やすよりは二級以上を増やしていくというところをおっしゃっておられたと思うんですが、この四万五千の内訳について、一、二、三級についてどう考えておられるのか、御説明いただきたい。
#91
○政府参考人(上田茂君) 大変申し訳ありません。今ちょっと手元に内訳としてお持ちしていませんので、また、済みません、後ほど先生に御説明申し上げたいと思います。
#92
○会長(小野清子君) 文書で後ほどお出しくださいませ。
#93
○政府参考人(上田茂君) はい、申し訳ございません。
#94
○会長(小野清子君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめさせていただきます。
 次回は来る十一月二十七日午後二時から開会するといたしまして、本日はこれにて散会をいたします。
   午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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