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2002/10/31 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 法務委員会 第2号
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2002/10/31 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 法務委員会 第2号

#1
第155回国会 法務委員会 第2号
平成十四年十月三十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         魚住裕一郎君
    理 事
                市川 一朗君
                服部三男雄君
                千葉 景子君
                荒木 清寛君
                井上 哲士君
    委 員
                青木 幹雄君
                岩井 國臣君
                柏村 武昭君
                陣内 孝雄君
                中川 義雄君
                野間  赳君
                江田 五月君
                鈴木  寛君
                角田 義一君
                浜四津敏子君
                平野 貞夫君
                福島 瑞穂君
   国務大臣
       法務大臣     森山 眞弓君
   副大臣
       法務副大臣    増田 敏男君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  中野  清君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 一宇君
   政府参考人
       司法制度改革推
       進本部事務局長  山崎  潮君
       警察庁生活安全
       局長       瀬川 勝久君
       警察庁刑事局長  栗本 英雄君
       法務省民事局長  房村 精一君
       法務省刑事局長  樋渡 利秋君
       法務省矯正局長  中井 憲治君
       法務省人権擁護
       局長       吉戒 修一君
       法務省入国管理
       局長       増田 暢也君
       公安調査庁長官  町田 幸雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (矯正施設の過剰収容等に関する件)
 (北朝鮮による拉致事件に関する件)
 (難民政策に関する件)
 (仲裁制度の検討状況に関する件)
 (国内の犯罪情勢に関する件)
○参考人の出席要求に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君、警察庁生活安全局長瀬川勝久君、警察庁刑事局長栗本英雄君、法務省民事局長房村精一君、法務省刑事局長樋渡利秋君、法務省矯正局長中井憲治君、法務省人権擁護局長吉戒修一君、法務省入国管理局長増田暢也君及び公安調査庁長官町田幸雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(魚住裕一郎君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。
 私は、先日、森山法務大臣からの臨時国会に当たっての所信を聞かせていただきました。その所信を聞かせていただく中で、本当に日本の国の社会不安というものが大変深刻な状況にあるなということをその所信の一つ一つの文章、お言葉から大変に痛感をいたしたわけでございます。
 今日は、そうしたまずは社会不安、いろいろな社会不安がございますが、その重要な問題に取り組んでおられます法務大臣並びに法務省に、所信に沿いまして少しお尋ねをさせていただきたいと思います。
 私がまず大変にびっくりをいたしましたのは、もちろん新聞等では承知をいたしておりましたが、矯正施設の充実を小泉総理から司法制度改革の実現と並んで指示を受けているというお話がございました。大臣の御所信でも正に、刑事司法の最後のとりでとも言える矯正施設において収容人員が急激に増加し、特に刑務所、拘置所において過剰収容の状態が続いて大変な影響があるというお話がございました。これは正に、日本の社会不安あるいは犯罪の状況というものも正に収容施設のところにまで影響が及ぶほどの事態になっているんだなということ、その深刻さを改めて痛感をいたしたわけでございますが、少しまず、これは極めて重要な問題でございまして、先日はお時間の関係もありましてこのような内容の御説明だったわけでございますが、この実態について少し詳しく御説明をいただければと思います。
#6
○政府参考人(中井憲治君) お答えいたします。
 委員が御指摘されましたように、行刑施設の収容人員はここ数年非常に急激な増加を示しておりまして、収容の人員が収容定員を超えるいわゆる過剰収容の状況にございます。これは実に三十数年ぶりの事態でございます。
 今年の九月末の行刑施設全体の収容人員でございますけれども、五年前の平成九年九月末に比べますと約一万八千人増えまして、合計で約六万八千人となっております。収容率で申しますと、二七%増えまして一〇五%に達しております。
 中でも、受刑者等の、これは既決と申しますが、この既決の被収容者だけで見ますと、五年前に比べますと約一万五千人増えておりまして、総計で約五万六千人の、概数でございますけれども、ありますし、それから収容率で見ますと、二九%増えまして一一四%に達しているところでございます。我が国の最大の刑務所は府中刑務所でございますけれども、その収容定員が約二千六百人でございます。したがいまして、この五年間で府中刑務所が五つくらいの数の収容増があったということでございます。
 現在、行刑施設の本所施設、本所が七十四庁ございますけれども、このうちで収容率が一〇〇%を超える庁が六十二庁ございます。このうちの十四庁では収容率が一二〇%を超えるという状況に至っております。
 このような過剰収容の結果、行刑施設におきましては、被収容者の生活の中心の場所は、これはいわゆる居室と申しておりますけれども、居室のスペースが足りない。当然、刑の一環として作業をいたしますところの工場のスペースも不足しているということになりますし、いわゆる食料費でございますね、こういった被収容者の生活関連の経費を確保する必要に緊急に迫られているところであります。
 また、今申しましたように、収容人員が非常に増加しておりますために舎房あるいは工場等の生活空間というのが非常に狭くなってきておりまして、被収容者のストレス等も増大するなどしております。
 例えて一例を挙げますと、被収容者の懲罰の件数でございますけれども、平成十三年度で見ますと、五年前の平成八年に比べますと一・四倍に増えております。件数で申しますと約三万七千四百件という数字になっております。
 また、これは同時に定員上非常に厳しいところの職員の業務負担にも影響しておりまして、その負担が非常に増えておりますことから、例えば平成十三年度における保安職員の年休の取得日数というものを三年前の平成十年度に比べますと、二日減っております。四・六日という状況でございまして、週休の取得すらままならないといった極めて厳しい状況になっているところでございます。
 御説明を終わります。
#7
○鈴木寛君 過剰収容の状況、そしてそれがいろいろな点で弊害を生んでいるということはよく分かったわけでありますが、これは単に、足りませんので施設を増やす、予算を付けてという、そんな単純な話ではないと思います。どうしてそもそも収容人員が増えてしまったのかというところをやっぱりきちっと議論をして、その対応策と、そして万やむを得ない措置としての更生施設への施策の充実、こういうことに議論の手順としてはなろうかと思いますが、少し、急速にこの定員オーバー、過密状況になっているその状況といいますか、分析というか、そこを少しお聞かせをいただけますでしょうか。
#8
○政府参考人(中井憲治君) この行刑施設の過剰収容になっておりますところの原因でございますけれども、端的に申しますと、行刑施設に入ってくる受刑者の人員がまず増えているということと、それからそれら入所してくる受刑者の平均刑期がいずれも長期化しているといったことが挙げられるのではないかというように考えております。
 平成十三年度の受刑者で行刑施設に入所いたしました人員を十年前と比べますと約一・四倍になっておりまして、三万六百人強でございます。また、有期刑の平均刑期を見ますと、十年前に比べて約四・六か月長い二十七か月となっております。
 これらは、昨今、委員御案内のとおり、非常に犯罪が増えておりますし、凶悪化している、さらに社会全体の動きを見ますと厳罰化を求める声も大きい、こういった諸傾向を反映しているのではないかと考えられるところでございます。
#9
○鈴木寛君 正に、今、局長からお話がありましたように、日本の要するに犯罪情勢の悪化、この本を何とか改善をしていかないとこの問題というのは解決をできないという観点から、大臣の所信にも、これは刑事局にお伺いをすべきことなんだと思いますが、大臣の所信の中でも、最近の国内の犯罪情勢を見ると、今も局長からお話がありましたが、まず受刑者が増えているということは刑法犯の発生あるいは認知件数も増えていると、それから刑の長期化ということで、正に殺人あるいは強盗といった凶悪重大事件が発生をしていると、こういうお話がございましたが、この日本の犯罪状況、犯罪の情勢についての現況について少し詳しく御説明をいただきたいと思います。
#10
○政府参考人(樋渡利秋君) お答えいたします。
 統計によりますと、平成七年以降、一般刑法犯の認知件数は増加を続けておりまして、平成十三年には前年比一二%の増、平成七年に比べますとその約一・五倍にも当たります二百七十三万件余りとなっておりまして、戦後最高を記録しております上、平成十四年上半期におきましても、百三十五万件余りと前年同期より更に四・九%増加しております。中でも、強盗を中心といたします凶悪犯の認知件数は、平成七年に比べまして平成十三年では約一・七倍にも当たります約一万二千件に上っております。
 また、内容について見ましても、これまでの社会常識では考えられなかった動機や態様による事件を含めまして、誘拐殺人、保険金目的殺人、被害者が多数に及ぶ殺人など凶悪重大事犯が後を絶たず、加えて、来日外国人等によります組織的犯罪も多発しているというふうに承知しております。
 他方、一般刑法犯の検挙件数は、平成十三年は五十四万件余りにとどまりまして、前年比では六%減少しておりまして、検挙率も、平成九年におきまして四〇%であったものが平成十三年におきましては一九・八%となり、戦後最低の数値を記録しております。平成十四年上半期におきましても二〇・一%にとどまっておりまして、強盗を中心とする凶悪犯の検挙率も、平成九年において八七・六%でありましたものが平成十三年におきましては六一・二%に低下しているものというふうに承知しております。
#11
○鈴木寛君 今、検挙率についても著しく低下していると。特に、凶悪犯罪の中でもいわゆる強盗について六〇%しか検挙をされていないという、非常に深刻なといいますか、驚愕すべき数字が今お示しをいただいたわけでございますけれども、本当に、私は東京でございますけれども、東京都内でも毎日のように大変に、先日は私たちの先輩議員でもあります石井紘基議員の事件もございましたけれども、本当に凶悪な事件が残念ながら日常茶飯という状況でございます。
 そういう中で、今お話がありました、特に強盗が六割しか捕まらないということは、本当に市民の皆様方は大変に不安な状況で日々お過ごしだと思います。この検挙率を上げていく、全体でも四割近く、要するに半分以上が捕まっていない、検挙されていないと、こういう状況なんでありますけれども、これは大変に法治国家として、あるいは市民の、市民生活の生命と安全を守る、正にこれはもう国家の中心的な核心的な任務だというふうに思いますけれども、この問題についてどのような具体的に検挙率を、著しく低下しておるというふうに大臣もおっしゃっておりますが、これを上げていくための具体的な取組というのは今どのように考えておられるのか、少し、これは大変に市民の皆さん、国民の皆さん関心を持っておられる話ですので詳細に御説明をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
#12
○政府参考人(樋渡利秋君) 大変に難しい問題でございますが、検挙率の低下につきましては、重要犯罪等の増加に伴いまして、新たに発生しました事件の早期検挙に重点を置かざるを得ないという結果、窃盗等により検挙した被疑者の余罪解明率が低下しているということ、不法滞在外国人等による組織的犯罪の増加などにより捜査が困難化しているということ、捜査を取り巻く環境の変化により聞き込み等の手法を活用した捜査が困難化していること等の事情が複合しているものであるというふうに承知しております。
 法務当局といたしましては、これは極めて憂慮すべき情勢であると考えておりまして、国民が安心して暮らせる安全な社会を維持するためには、刑事司法手続におきまして犯罪を摘発し、事案の真相を明らかにした上、刑罰法令を適正かつ迅速に適用して、適正な科刑を実現することが重要と考えておりますが、法務当局といたしましても、所要の法整備を更に進めるほか、検察の人的、物的な体制強化に努めるなど、社会の安全を確保するための全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
#13
○鈴木寛君 この点は本当に極めて重要な話でありますので、大臣に少しきちっと、大臣も治安は極めて憂慮すべき状況にあるという現状分析をしておられるわけでありますから、これは明確に国民の皆様方に対して、この憂慮すべき事態をどのような決意を持って取り組まれるおつもりかを是非御答弁をいただきたいと思います。
#14
○国務大臣(森山眞弓君) 先生がいろいろと御指摘くださいましたようないろいろな問題がございまして、国民が安心して暮らせる社会というのを実現するということは大変に難しい、かつ重要な課題でございます。その責任を預かっております法務大臣といたしましては、全力を尽くして頑張らなければいけないと日々思っているわけでございますけれども、具体的には、刑事司法手続におきまして犯罪を摘発いたしまして、事案の真相を明らかにした上で刑罰法令を適正かつ迅速に適用して、適正な科刑を実現することというのが肝要であるというふうに考えております。
 また、法務省におきまして、国内における犯罪情勢の変化、来日外国人に係る犯罪等の深刻化、国内外における無差別・大量殺人テロの頻発、矯正施設の過剰収容、保護観察における処遇困難対象者の増加など、いろんな情勢を踏まえまして、各種法令等の整備及びその適正な適用を図るほか、法務省関係各機関について、今もお話が出ておりました人的・物的体制を充実し強化するということとともに、厳格な出入国審査の実施とか刑務所における収容状況の改善、あるいは保護観察の実効的実施、公安情報収集の充実など、多方面にわたっての努力を積み重ねていかなければいけないというふうに考えております。
 非常に難しいことではありますけれども、これが私どもの務めであるということでありまして、積極的に取り組んでまいりまして、社会の安全の確保に尽くしていきたいというふうに思っております。
#15
○鈴木寛君 この問題は、まず犯罪の発生件数を世の中全体として少なくするということでございますので、これは法務省のみならず、国会すべてが取り組んでいかなきゃいけない問題でありますが、しかし起こってしまった事案についてはやはりきちっと検挙率を上げていただいて、そして適正な法手続に基づいて刑の実施というか、それが矯正施設の問題にもつながるんだと思いますが、そうした日本の法治国家として今大変ないろいろな問題を抱えていると思いますので、その点是非、大臣のリーダーシップによって日本の治安を何とかしていただきたいということを強くお願いを申し上げたいと思います。
 社会不安あるいは犯罪の根っこにもなっていると思いますのは、やはり日本の現下の不況、経済状況の深刻化だということになります。この問題についてはむしろ経済担当閣僚にお話を聞くべき話でございますが、法務省の関係で申しますと、個人破産が非常に増加をしていると。これは、例えば日本の金融システムが個人保証を取るという、事業金融ではなくて担保金融になっておりまして、個人保証を何でもかんでも取っていくと、そういう中で事業の失敗が個人が負わなければいけないという中小企業の方々が非常に多いという日本の金融の問題点などがこの個人の自己破産件数にもつながっているんだというふうに思います。
 そうした中で、まずこの個人破産の増加ぶりの現状について少し御説明をいただきたいと思います。
#16
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、個人破産を含む破産事件そのものが非常に増えております。
 平成八年には約六万件でありましたものが、五年後の昨年、平成十三年には十六万八千件になっております。さらに、今年は二十万件を超えることが予想されております。この破産事件の大半は個人破産、大体、毎年約九五%が個人破産でございます。昨年で申しますと、十六万八千件のうち十六万件が個人破産ということでございますので、委員御指摘のとおり非常に個人破産事件が増えております。
 このような個人破産事件の増加ということへの対応を法務省としてもしなければならないと考えておりまして、現在、法務省においては法制審議会で破産法の全面的な見直しを行っております。それで、破産手続全体について効率化、合理化を考えておりますが、その中で個人破産事件についてもより適切に処理できるような体制を組むべく検討を進めているところでございます。
#17
○鈴木寛君 正に、十六万件の個人破産というのは大変な状況だと思います。
 実は、私、七年ほど前にクレジットの多重債務者のカウンセリングの仕事を担当させていただきました。要するに、個人破産に至る前の段階でいかに、破産状況の手前のところでいかに救済をさせていただくかということを仕事としてやっていた時期がございますが、そのときに、当時の通産省、大蔵省ではなかなかもう手に負えない、最後はやはり法務省にお願いをしなければいけないと、そういう議論の経過もありまして、民事再生手続の中で個人再生手続というのがそうした議論の中で出てきていると思います。
 これは昨年の四月から施行されていると思いますが、そうしたいろいろな経過があって、かなりの期待を持って導入をされたこの個人再生手続でありますが、にもかかわらずなのか、これがあるからまだ何とか、もちろんその件数とリンクするわけじゃありませんが、要するに、破産に陥って、そしてその後、大変な深刻な事態がこの個人再生手続などによってどのように改善をされているのか。いわゆるこの制度、あるいは施策の一年たったところでの評価、あるいは問題点があるのかと、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#18
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、多重債務者の急増に対応するために平成十二年十一月に民事再生法を改正いたしまして個人再生手続を創設しまして、昨年の四月から施行されております。この制度によりまして、多重債務を負担するなど、経済的に破綻に瀕した個人の債務者が破産宣告を受けることなく経済的な再生を図る道が開かれたわけでございます。
 利用状況でございますが、昨年四月から一年間で全国で約八千五百件を超える件数の申立てがなされて、利用されております。さらに、最近の利用状況を見ますと年間一万件を超えるのではないかということでございますので、制度としてはまだ始まったばかりでございますので、この数は非常によく利用されていると言えるかと思っております。また、実績を伺っても、認可に至る率が非常に高率で、個人の再生に非常に貢献しているということは間違いなく言えると思っております。ただ、何分、破産事件そのものがこの再生手続によって減るというところまで行っておりませんが、本来であれば破産に行くべきものの相当数がこの個人再生手続によって救われているのではないかと思っております。
 そういう意味で、まだまだ当事者も慣れていない面もございますので、裁判所あるいは弁護士会も利用しやすくする工夫を様々しているところでございますが、法務省としても協力して適切な方策を更に考えていきたいと考えているところでございます。
#19
○鈴木寛君 これは、制度としては非常に法務省も御努力されて踏み切ったと思いますが、やはり十六万件に対して今の数字というのはまだまだ残念ながら少ないんだと思います。
 それで、いろんな事案を見てみますと、もちろん裁判所の関係の方あるいは弁護士の方というのはこの手続についてよく御了知をいただいていると思いますが、要するに、いわゆる多重債務状況にある個人の方々がそもそも自己破産というシステムがあるということも通常余り御存じないし、更に申し上げると、個人再生手続という、何といいますか、方法といいますか、自らの最終的には命を落とされる方も三万人ぐらい今いらっしゃるわけでありますが、その前段階でいろんな、何といいますか、救われる道があるということをもう少し事前の段階で知っていただくという方法がないものかなということを非常に思うわけでありますが、そして残念ながら、弁護士の方の数というのは、かつ弁護士に御相談に行くというのはなかなかそうした、企業のそうした債務問題であれば弁護士に相談に行くという道もあるのかもしれませんけれども、個人の方々がそうした弁護士の方々に日常に相談に行くという状況はなかなか想定をしづらいと。
 そういう意味で、もちろん弁護士あるいは日弁連に頑張っていただくということは当然なわけでありますが、それ以外にももう少し、PRといいますか、PRという言い方もあれかどうか分かりませんが、こういう方法があるんだよということについて周知をされることというのは非常に重要だと思いますが、この点については何かお考え、御対策はおありになるでしょうか。
#20
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、せっかく整備した法律制度でございますので、できるだけ広く国民の方々に利用していただきたいと思っているところでございます。最も密接な関連を有しております弁護士会あるいは裁判所においてこの制度の利用に関して種々、PRに努めておられるところでございますが、法務省としても省としてできるだけのことをしたいと思っております。いろいろな機会に法務省関連での法律相談、無料法律相談等も行っておりますので、そういうような機会を利用するとか、様々な試みをこれからもできるだけ続けたいと思っております。
#21
○鈴木寛君 これはお願いでございますが、大臣、是非、本当に年間十六万、潜在的な個人の多重債務を抱えておられる方というのは百万人ぐらいいらっしゃる。そういう中で、是非いろいろな救済策が用意されているんだということについて法務省挙げて周知をしていただいて、そうした方々の精神的あるいは実質的な負担を取り除いていただくことに御尽力をいただきたいということをお願いを申し上げます。
 それでは質問を変えますが、これも大臣所信の中でお話がありました重要なテーマでございます、そして北朝鮮の問題でございますが、現在もクアラルンプールで国交正常化交渉が始まっているというふうに思います。
 それで、少し、若干気になることがございますので御質問をさせていただきますが、これは大臣所信の中で、北朝鮮による拉致事件は我が国の国民、生命と安全にかかわる重大問題である、その真相の解明と厳正な対処が必要だと、こう言っておられます。検察においてもきちっとやっていただくということ、これはこのとおり是非きちっとその個別事件の具体的な対応については検察でやっていただくことを私も強く希望するわけでございますけれども、法務省としても、拉致問題の解決に向けて、関連情報の収集を積極的に行い、関係諸機関との連携協力の下、事実解明に貢献するように努めてまいりますと、こういうお話でございましたが、少しこれは足らないんではないかなということで御質問をさせていただきますが、そもそも今回のように日本国内で日本国民が拉致をされて国外に拉致をされたと。これは、個別論については検察がきちっとおやりになるということですから、あえて御質問は申し上げません。しかし、一般的にこのような場合、もちろん事案をきちっと見てみないと、あとは個別、ケース・バイ・ケースだというお話なのかもしれませんが、一般論として今回の拉致のようなケースは刑法上どういう罪の成立に該当する可能性があるかということについての御説明をいただきたいと思います。
#22
○政府参考人(樋渡利秋君) お尋ねの拉致事件につきましてどのような罪に該当するのかといいますことは、委員が今御指摘になりましたように、具体的な事実関係に即して判断すべき事柄であるというふうに思います。
 そこで、あくまでも一般論として申し上げることにいたしますが、まず未成年者を略取し又は誘拐した場合、これは刑法第二百二十四条の未成年者略取及び誘拐の罪に当たります。一定の目的で人を略取、誘拐した場合、その目的に応じまして同法第二百二十五条の営利目的等略取及び誘拐の罪、あるいは第二百二十五条の二の身の代金目的略取の罪、第二百二十六条の国外移送目的略取等の罪等に該当すると思われます。
 また、身体に直接的な拘束を加えて行動の自由を奪った場合、同法第二百二十条の逮捕罪、一定の区域から出ることを不可能又は著しく困難にして行動の自由を奪った場合には同条の監禁罪の成立がそれぞれ考えられるというふうに思っております。
#23
○鈴木寛君 これも、正に日本の治安が極めて憂慮される状況にあるという観点から私は御質問をさせていただいておるわけですが、今のような罪、刑を犯した実行犯が国外に逃亡をしているという蓋然性が非常に高いわけですね、今回は北朝鮮だと思いますが。
 通常、国交のある国に今のような刑を犯した犯人が逃亡した場合には、これはどういうふうな手続によって犯人がきちっと捜査をされ、そして犯人が捕まえられて、そして日本にまたその犯人の引渡しと、こういうことになる。要するに、市民の皆さん、国民の皆さんは、何か刑法に当たるような重大な犯罪行為があったときに、きちっとその犯人が、それは国内にいようが国外にいようがきちっと捜査をされて、そしてそれがちゃんときちっと捕まえられて、そしてそれが日本の法律の中できちっと裁かれているということが機能していると思うから安心して市民生活、国民生活を送られるわけでありますが、しかし残念ながら、今回の事案というのはそうした極めて基本的なことがそうでなかったということでこれだけ多くの国民の皆様方に不安を巻き起こしているんだというふうに思います。しかも、それが隣国であります北朝鮮に、しかもその状況が二十数年間放置をされていたということに驚愕をしているわけでありますが。
 時間がなくなりましたので、国交が正常な国においては、私の理解では、きちっと国際捜査共助の要請が行われて、そして相手国によって共助の体制が取られて、そして犯人捜査、そして犯人の逮捕と。そして、引渡しのルールがあって、そして犯人が日本に引き渡されて、そして国内法で裁くと、こういうことになるんだと思いますが、もしもそれが違うんであれば補足をいただきたいわけでありますが、しかし国交のない北朝鮮の場合はこのメカニズムといいますかシステムがワークしないわけですね。
 私は、まず何が足らないかと申し上げたかといいますと、正にそうした、これからもそういった犯人が北朝鮮に逃げていくということは大いに想定をされる。もちろん、過去の問題の清算ということもありますが、システムとして、システムとして今のようなきちっとしたシステムが回っていない、あるいは今どこに、通常の国交のある国に逃げた場合と北朝鮮に逃げた場合と制度上の欠落があって、そしてそのことについてどのように対応するのかということについての議論の提起というのが当然、国交正常化交渉の中においてなされるべきだというふうに思っています。例えば、北朝鮮は国際刑事警察機構、ICPOですね、これにも加入をしていないわけでありますから、そうした場合に国際捜査共助というものがどのように行われるのか、ここも全くよく見えません。
 そういった問題について、北朝鮮の場合はどのように考えたらいいのか、あるいは今現在、法務省が、今言った正に司法刑事システムというもの、特に両国をまたがる刑事犯が行われた場合のシステムというものについてどこが欠落し、これをどうしていったらいいのかというふうに分析をされているのか、お教えをいただきたいと思います。
#24
○政府参考人(樋渡利秋君) まず、前提といたしまして、刑事訴訟法に基づきまして捜査権限を有する我が国の捜査機関は、外国に対しまして証拠の収集への協力や犯罪人の引渡しを求めることができるというふうに解されておりまして、このことは相手国と国交があろうがなかろうが同じ、基本的なものは同じであろうというふうに思っております。
 ただ、こうした捜査共助の要請や犯罪人の引渡し請求は、我が国と国交がある国の場合には外交ルートを通じて行っておりまして、相手国は我が国等の間で条約がある場合はそれに基づき、条約がない場合は、国際法上の義務はないものの、国際令状に基づいて我が国の要請にかかわる捜査共助や犯罪人の引渡しを実施しているのが通常でございます。
 しかしながら、国交がないというところへの要請、これは、要請することは基本的に我々が適当であると思えば、考えればやればいいことなんでありますが、相手はこれに応じなければならない国際法の義務がないところ、国交がないということそのことからこれに伴う問題が出てくるんだというふうに考えております。つまり、国交がありましたら通常の公式な外交ルートがございますから、例えば相互主義とかあるいは双罰主義とか、あるいは自国民の引渡しはしないという考え方とかいろいろな国際的には考え方がございますので、そのどこにネックがあるのかというふうなことを突き詰めて議論することができるわけでございまして、国交がないところとなかなか思うようにできないというのが根本的な違いだろうというふうに思っております。
#25
○鈴木寛君 大臣にお尋ねを申したいわけでございますが、私は、拉致事件の解決といった場合には、今のような法的なことも含めてきちっと、日本のすべての国民の皆様方が安心して暮らしていけると、しかもこれは隣国でありますから、そしてこれだけの事案がいろいろ発生しているわけでございますから、そうしたことも含めてきちっと正常化のプロセスの中で確認をしながら、あるいは問題提起をきちっとしながら当たっていただくということが極めて重要であるというふうに思っております。
 そういう意味で、ややこの大臣所信の、言葉じりをとらえるわけではありませんが、事実解明の貢献、これはもとよりでございますが、そうした、今後、拉致事件が絶対発生をしない、あるいはそうした場合にもきちっと法の枠組みがシステマチックに動くんだということまでも確保していただくということが極めて重要だというふうに思いますので、そのことを法務大臣から是非、外務大臣あるいは小泉総理大臣にきちっと問題提起をしていただいて、現下の交渉を的確な方向にリードしていただきたいというふうに思いますが、その点についての大臣のお考え、御決意をお伺いをしたいと思います。
#26
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり、この北朝鮮による日本人の拉致事件というのは大変重大な問題でございますし、特に最近いろんな事態の発展がございましたので、国民の大変大きな関心を呼んでいる問題だと思います。
 残念ながら、まだ国交が正常化されておりませんので、いろいろな面で、今、刑事局長が申し上げましたようなことも含め問題が多いとは思いますけれども、それらの問題も含めて一つ一つ話し合い、そして解決をしていかなければいけない。それが国交正常化の重要な部分になろうと思います。
 検察におきましては、警察などの関係機関と緊密に連絡いたしまして、刑事事件にかかわるものにつきましては、法と証拠に基づいて適切に対処するということになりますが、その前提として、この大きな国交正常化の交渉の中でそのことも十分留意しながら努力していただきたいと思いますし、そのように進言したいと思っております。
#27
○鈴木寛君 是非きちっとその点はお願いをしたいと思いますが、これは恐らく、北朝鮮はだから国交を早くと、こういうわけでございますが、むしろ拉致事件の解決というのは、正にこうした具体的な捜査共助とかあるいは犯人引渡しとか、そうしたフレームワークがやっぱりできることも拉致事件の重要な核心だということでありますので、これは非常に難しい交渉になると思いますが、そこは是非折れることなく頑張っていただきたいということを強くお願いを申し上げまして、私の質問を終わらさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#28
○千葉景子君 おはようございます。同僚の鈴木寛議員に引き続きまして、質問をさせていただきます。
 先ほど鈴木委員の方からも矯正施設にかかわる問題の提起がございました。今回の所信におきましても、矯正施設に対する取組というのが格別な課題になっているというふうに私も承知をいたしております。
 さて、そういう中で、以前からもしばしば取り上げられてきた問題でもございますが、また今年に入りましてからもこの矯正施設における様々な不祥事が続出をしております。例えば、名古屋刑務所における暴行事件とか千葉刑務所の恐喝事件、あるいは群馬の少年院ではやはり暴行事件など、職員等による不祥事が報道等にも相次いで出てきております。本当に残念なことだと思います。
 先ほど矯正施設が非常に過剰収容だということなどもありまして、一つの背景にもあるのかななどとは思いますけれども、やはり基本的に人権を尊重し、そして秩序をきちっと維持するべき立場にあるこういう職員等の不祥事というのは一体どういうところに原因があり、そしてそれに対して、こういうものが相次いで出てこないようにするためにどんなやはり対策が必要なのか。
 この辺について、改めて大臣のお考え方、お聞かせをまずいただきたいというふうに思います。
#29
○国務大臣(森山眞弓君) 御指摘のとおり、幾つかの矯正施設の中でいろんな事案が発生いたしましたことは誠に残念でございますし、申し訳なく思っております。
 いずれの事案につきましても、その施設及びこれを監督する東京矯正管区が事実関係を調査いたしまして原因の究明をいたしました。
 そして、再発防止策といたしましては、所長指示等を発出するとともに、全職員を対象とした職員研修を実施するなどいたしまして綱紀の粛正に努めたところでございます。矯正局からも厳正な服務規律の維持についての通知を全矯正施設あてに発出いたしまして、再発防止に万全を期するということで、できるだけの努力をいたしたところでございます。
#30
○千葉景子君 その中で、今も職員研修といいましょうか、そういうものを講じておられるということでございますが、国際的に考えてみましても、やはり拘禁施設等の人権尊重といいましょうか、それは大変重要な問題ということで指摘をされております。
 そういう意味では、その教育、研修等の中でもやはり改めて、他の問題もあろうかと思いますけれども、やっぱり人権教育というものが一番基本に置かれる必要があるのではないかというふうに思います。やはり、拘禁施設であるがゆえに、よりそこが徹底をされなければいけないということを考えますときに、一般的に、研修ということはともかくとしても、その基本としてやっぱり人権教育のようなものがきちっとなされているのかどうか、その点についていかがなものでしょうか。改めて、これまでも当然なされておるかとは思いますけれども、その徹底方を改めて私も要望させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#31
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃいますとおり、人権教育というのは非常に重要なものでございまして、矯正研修所及びその支所におきまして被収容者の人権を尊重するという観点から各種の研修を従来から実施いたしております。今後とも矯正職員の不祥事の再発を防止するべく、更なる人権教育の充実を図ってまいりたいと存じます。
 例えば、平成十三年度に実施いたしました人権教育に係る研修、幾つもコースがございまして、受講した職員は九百三十六人に上っております。研修の内容も非常に細かく、また詳細にわたっておりまして、かなりこの種の研修としては徹底したものをやっているつもりでございますが、これからも努力していきたいと思っております。
#32
○千葉景子君 さらに、先ほどから指摘がありますように、やはりそのまた背景には矯正施設の過剰収容という問題もこれは否定できないのではないかというふうに思います。
 これも、この委員会でもたびたび取り上げられておりまして、もう十分各委員の皆さんも承知のところなんですけれども、私も改めてまた新聞記事等を見ますと本当に大変な状況でございまして、六人の房に八人が収容されているとか、あるいは五人のところに七人くらいが入房しているものですから、布団の一部がトイレのコンクリの方にはみ出して、はみ出した人は、おれははみ出していて狭いんだといって隣の人を押しやったものですからトラブルになって、そこでけんかが起こるとか、あるいはトイレに行くときに足を踏んだという話からやっぱりトラブルになったり、それをまた看守の方がいろいろ間に入って止めたり、こういう状況がもう頻繁に起こっていると、こういう状況でございます。
 女子の方でも二人独居房という、これも自己矛盾のような感じもしますけれども、結局、独居房も使わざるを得ないということで、独居房に二人入っている。非常にそれがまた精神的なストレスになったりしていろいろなトラブルの原因になっていると、こういうこともあったり、あるいはもう雑居房が一杯なものですから、収容者もなるべくそこから出たいということでわざと仕事をサボってみたりして、独居房へ入れてほしいと願い出るとか、本当に大変な事態が起こっているようです。
 そういうことになりますと、やはり職員の勤務状況も大変厳しいものになろうというふうに思いますし、何とかやっぱりこういうことを解消していく必要があるのではないかというふうに思います。
 今は、一つの施設の中で、六人のところを八人にしたり、あるいは物置のようなところを、会議室とかそういうところをまた房に作り替えたりして対処をしているということですけれども、やっぱりこれはもう施設をある程度増強していくしかなかなか抜本的な解決にはならないんじゃないかと。
 これは喜んでいいのか悲しんでいいのか分かりませんけれども、普通は、刑務所などは迷惑施設と言われて、新しく作ろうにも周辺の住民の皆さんとか自治体のなかなか了承も得にくいということがあるのですが、最近は、ちょっと経済状況がこういうことでもありますので、むしろ是非施設を作ってほしいと、こういう期待が逆にあると。刑務所、是非来てくださいと、こういう話があるということで、これがよい機会だというのも変な話ですけれども、そういうことはちょっとおいておくとしても、やっぱり施設の建設とかも必要になってこようかというふうに思うんです。
 この過剰収容について、施設整備等も含めて、この解消策、今どんなふうに取り組まれておられますか。あるいは、見通しについてお願いをしたいと思います。
#33
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり、非常に過剰収容がだんだんと高じてまいりまして、どうも何とかしなければいけないという事態になっております。
 その結果、おっしゃいましたとおりに、職員の勤務条件も大変厳しいものになってまいりまして、いろんな事故も起こるという結果にもなっているわけでございますので、何とかこれを解消して正常の姿にしなければいけないというふうに強く感じているところでございます。
 今お話がございましたように、各施設では、過剰収容の中で何とか賄おうというので、定員六人のところに八人入れたり、集会室や倉庫を改修して居室に替えたりなどして急場をしのいでいるというのが現状でございますが、このままでは駄目でありますので、何とか収容棟の増築その他もしなければいけないというので、この一、二年、大分増築をするようにしておりまして、しかし増築しますと途端にまた満員になるというような状況で、追っ掛けごっこのような感じでございます。
 来年度予算の概算要求におきましては、必要な人員を確保しますとともに、現在、福島刑務所の敷地の中にかなりゆとりがあるものでございますから、その敷地の中に新たに収容人員五百人規模の女子刑務所又は一千人規模の男子収容施設を建設する経費を要求しておりますし、さらに民間資金等を活用した、いわゆるPFIでございますか、そういうような刑務所の新設のためにはどうしたらいいかというような調査費も要求しておりまして、是非これが認められるように年末にかけて更に努力をしていきたいというふうに考えております。
#34
○千葉景子君 先ほど鈴木委員の方からありましたように、でき得れば収容する人を減らしていくというのが本来、本当は望ましいことだと私も思いますが、そうはいっても現状を放置するということもできませんので、今の来年の計画も含めまして、収容施設の充実整備に向けて是非努力をしていただきたいというふうに思っております。
 さて、引き続きまして、やはり今回の格別に重要な取組ということで所信でも入国管理の問題が指摘をされておりました。私は、入国管理という中でも、ちょっとそれにかかわることで、難民の手続について御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 報道等によりますと、それからこの委員会でも大臣からお聞かせいただいてまいりましたけれども、大臣の私的な懇談会におきまして難民認定手続についてのいろいろ御議論が進んでいると。もう間もなくその中間的な取りまとめがなされて提起をされるというふうにも漏れ伺っているところでございます。
 その内容について、私も報道等でしかなかなか分かりませんですけれども、報道によれば、難民の認定の申請期間ですね、言わば六十日ルールとよく言われておりますけれども、その申請期限を延長するというようなことがどうも議論されているようでございますし、それから難民申請中には強制退去をさせないというようなことなども議論されているやに報道では私も拝見をしているところでございます。
 そこで、改めてお聞きしたいんですけれども、この議論の中で、それからこれまでもやはり多く国際的にも指摘されてきた問題として、難民認定申請中の者の法的な地位ですね、今回もどうも強制退去はさせないというような方向で議論がされているやに報道されておりますけれども、この難民申請中の者の法的地位というものについてはどんな方向性で議論され、そろそろその中間的なまとめがされようとしているのでしょうか。
#35
○政府参考人(増田暢也君) 十月二十八日に法務大臣の私的懇談会でございます出入国管理政策懇談会が開催されまして、難民問題に関する専門部会からこの懇談会に対して中間報告が出されております。近日中にこの懇談会から法務大臣に提言がなされることになっておりますから、正式に法務大臣に提言がなされた段階で、中間報告の内容をどのように今後の難民行政に反映させていくかについて鋭意検討してまいりたいと考えております。
#36
○千葉景子君 多分そういうお答えが出るのではないかと、まだ中間報告が大臣の元にきちっと提言されていないのでというお答えではないかというふうに、そう推測はしていたんですけれども、ただ、やっぱりこの難民申請中の者の地位というのは今非常に問題が多いんですね。退去強制ということのみならず、入国管理上、不法滞在というような場合が、入国ということが多いものですから、結局、収容され、そして収容施設の中で非常に精神的にも肉体的にも厳しい状況に置かれて精神的にも参っていくというようなことも、もう大臣にも申し上げたことがございますので十分承知をされていると思います。
 そういう意味では、やっぱり難民申請中の者の地位というのがどういう方向で取りまとめられていくのかというのは、決して懇談会の中のみならず、それに携わる、あるいは支援をしている者たちにとっても大変重要なもの、関心の深い問題だというふうに思うんですね。そういう意味では、今のような中間報告がまだですのでというようなお答えというのは大変私は残念に思っております。
 同じまたお答えになるのかもしれませんけれども、もう一点、やはりこれも問題になっております不服申出の仕組みですね。これも今考えてみますと、認定について法務省が管轄する、また不服申出についても同じところがそれについてまた審査をすると。何か自分で自分の、何か泥棒が泥棒をまた監視しているような、ちょっと言い方が悪いですけれども、やっぱり第三者的な仕組みが必要なんではないかと、こういう指摘ももう従来からされております。
 そういう意味で、この部分についてはいかがなものでしょうか。やはり同じようなお答えが出るのでしょうか。
#37
○政府参考人(増田暢也君) ただいまお尋ねを受けました点につきましても、まだ法務大臣に対して出入国管理政策懇談会から難民問題に関する専門部会の検討結果を踏まえた最終報告が報告されていない段階でございます。したがいまして、当局から今の時点でお尋ねの点について具体的に説明するのは差し控えさせていただきたいと思います。
#38
○千葉景子君 やはり同じお答えでございました。
 ただ、私は思いますのに、確かに懇談会という場でできるだけ外部からのいろんな雑音なく自由に議論してもらおうという御趣旨なのかもしれませんけれども、逆に、この難民問題などはこれまでなかなか手が付けられなかった。しかし、ようやく法務省の方でもこれではいけないということで議論を開始されているということでもあり、それからこれまでいろいろな活動をしたり、あるいは国会でも取り上げられている以上、その議論の経過、あるいはどういう方向で議論が進んでいるかなどということはできるだけやっぱり公表したり、あるいは論点をむしろ外に示して、それについていろいろな批判やあるいは意見を受けると、こういう姿勢が、今の社会といいますか、今の行政の進め方という意味ではもう当然のことではないかなというふうに思うんですね。極めて何か閉鎖的に議論がされている、懇談会という性格だと言われるかもしれませんけれども、その辺りについてはいかがでしょうか。
 大臣、やっぱりもう少し公開をする、公表をしながら、議論をキャッチボールをしながら、国民ともあるいは国会などともしながら進めていくと、こういうことは私、大変大事なことだと思うんですけれども、いかがですか。
#39
○国務大臣(森山眞弓君) 今、先生がおっしゃいましたようなやり方が一方において最近大変多くなってまいりまして、例えば私どもが所管しておりますものの中にも、司法制度改革の本部の議論とかあるいは検討会の議論とか、そういうものは新聞社の方にもオープンにして、自由に取材し、あるいはほかの方もお聞きいただけるようにしております。
 しかし、この難民問題の専門部会におきましては、メンバーの方々が外部の方も大勢おられまして、大学の先生方が何人かのほかに、例えば難民を救援する団体の代表とか、あるいは労働組合の方とか弁護士さんとか一般の企業の責任者とか、いろんな方が参加していただいておりまして、その方々のお気持ちから、自分たちはそう長い期間でもないし、この問題を自由に議論したいということで、できれば自分たちだけで話合いをさせてもらいたいという御希望もありましたものですから、その御意向を尊重してこういうやり方にいたしました。
 しかし、その議論の概要につきましては、その都度、事務局あるいは専門部会の会長が報道関係者に対してブリーフィングをいたしております。そして、もう間もなくその結論となった中間報告がいただけるというところまで来ておりますので、その内容については、出ましたら早速にも公表いたしまして、また先生方にも検討していただきたいというふうに思っております。
#40
○千葉景子君 懇談会で御議論いただいているメンバーの皆さん、それぞれ本当に尊敬すべき皆さんでございますので、そこでの議論がとんでもないということでは決してございません。
 ただ、申し上げましたように、司法制度改革などは非常に幅広くオープンな議論を進めている、それから例えば法制審議会などもいろんな形で意見を聴取したりしながら取りまとめていくと、こういう手法も取られているわけでして、何かいかにもこの懇談会だけはしっかりガードを固めているような、そういう感じがしないでもございません。大変残念な気がいたします。
 さらに、公表されないばかりではなくて、公開されたりしないばかりではなくて、例えばその議論の途中にいろんなヒアリングとか、それからいろんな世論の調査とか、そういうことをどれだけなさっていられるのか。特に、NGOなどでこれまで法務省の皆さんとも、ある意味では連携をしながらこの難民救済の問題などに大変信頼を得て活動している、こういうところもございます。そういうところから、やっぱり実態を踏まえた、あるいは実情を踏まえた意見をいろいろ聞いてみる、こういうことも必要だと思いますし、さらに一番私これ確認しておきたいなと思いますのは、やっぱり難民問題といえばこれは緒方貞子さんがなさってこられたUNHCR、この活動といいますか、それからそこでのいろんな国際的な基本原則、こういうものが大変重要なわけでして、こういうUNHCRなどからの意見を聞く、あるいはサジェスチョンを受ける、こういうようなことなどもやっておられるのだろうか。
 もし、全くそういうこともないとすると、ちょっとこの懇談会の進め方というのが非常に狭く、更に閉鎖的、あるいは国際的ないろんなものにも本当に耳を傾けようという姿勢があるのかどうかと、大変疑問に感ぜざるを得なくなるわけですけれども、その辺りについてはどんなこれまで進め方がされてきたんでしょうか。そして、今後、どういう方向で議論を更に進めようとされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#41
○政府参考人(増田暢也君) ただいまのお尋ねを受けました件については、中間報告が大臣に答申された段階で、あるいは必要な限度で発表されることもあるのかもしれませんが、私の承知している限りでは、ただいまお尋ねのように国際法学者であるとか、あるいは外国の諸制度を勉強するために外国の大使館関係者であるとか、民間の難民問題を支援している人々であるとか、現に我が国で難民認定された人たちなどからも必要な範囲で意見を聞いたやに伺っておりますので、その具体的な内容については必要な限度で後日、報告があるのではないかと考えております。
#42
○千葉景子君 何か非常に他人事のような今の御答弁でございまして、やっぱり基本的な姿勢として、そういうやに聞いていますということではなく、こういうオープンな、そして基本的にこの難民問題について国際的にもそれから国内的にもいろんな活動をしている者との議論を重ねつつ結論を得ていく、こういう姿勢そのものがどうも欠けているのではないかと今の御答弁から感じられるわけですね。
 どうなんでしょう。今後も、中間取りまとめがされ、そしてさらにこの議論が制度として、あるいは法律などにまとめられていくということもあろうかというふうに思うんですけれども、これで結論を得たのだからそれでがっちり、それをもう金科玉条にして進めるというのではなく、やっぱり今申し上げたような公開をし、そして意見を求める、こういう姿勢を更に取っていただきたいというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#43
○国務大臣(森山眞弓君) 大変閉鎖的であるという御指摘を度々おっしゃっていただきましたけれども、先ほど私が申しましたように、委員の皆さん方の御意向を尊重いたしましてこのようなやり方をいたしておりましたけれども、様々な、ほかの方々の御意見を伺わなければいけない、外国の事情についても聞かなければいけないというような必要に応じまして、それぞれの関係の方々からヒアリングを再々いたしまして、ほかの方々の御意見を全く聞かないというようなことはございませんでした。また、現場の視察なども何回かいたしましたし、いろいろと柔軟に幅広く見聞していただいて、そして御意見をまとめていただいたというふうに私は承知しております。
 現在のこの難民問題専門部会というのは、当面、お願いしたテーマを今やっていただいて、間もなくできて、それが公表されるという段階でございますので、この後、これがまた更に続いて何か別のことをやっていただくようになるかどうか、まだはっきりいたしておりませんけれども、司法制度改革のときにやっておりますように、できるだけ委員の皆さん方の御了解も得て、公開し、直接それに参加なさらない方にも意見を述べていただくような機会を少しでも多くして、多くの方の御意見をまとめていただくという姿勢はこれからも続けていきたいというふうに思っております。
#44
○千葉景子君 時間が限られてまいりましたので、あとちょっと、拉致事件に絡みまして質問をさせていただきます。
 今回、本当に五人の方が今帰国をされております。よく、今後、永住帰国というような言葉が使われますけれども、私たちと同じ日本人でございますので、永住も何も、帰国で当然のことだというふうに私は感じておりますけれども、ちょっとその関係で、法務省ですので、国籍等の関係についてちょっと確認をさせておいていただきたいというふうに思います。
 五名の方はもちろん日本の国籍でございます。ただ、あと、その五名の方のそれぞれのお子さん方がいらっしゃいます。それから、横田めぐみさんのお子さんもいらっしゃいます。国籍法が一九八五年でしたか、改正になっておりますので、その前後ではちょっとお子さん方等の国籍の取扱いなどが異なる、直接国籍が取得できないケースなどもあるのではないかとちょっと心配するんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
 それから、これは、曽我ひとみさんの夫は元々、日本の国籍を持たない方でございます。その国籍の取得などは、当然一般の、もし仮に必要であるとすれば一般の帰化等の要件を満たさなければいけないということになるのかと思いますけれども、そのお子さん方の国籍の関係等を含めてちょっと御説明をいただきたいと思います。
#45
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、現在の国籍法、昭和六十年一月一日から施行されておりますが、その現在の改正国籍法前は、父系血統主義と申しまして、父親が日本人の場合に子供は日本国籍を取得すると、こういう定めになっておりました。六十年一月一日以降は、父母両系統血統主義と申しまして、父親又は母親のいずれかが日本人であれば日本国籍を取得すると、こういうことになっております。
 現在、問題になっております拉致された方々のお子さんですが、父親が日本人である場合には、そういうことで、改正の前後を問わず、出生と同時に日本国籍を取得いたします。父親が日本人でなくて母親が日本人の場合、六十年一月一日の現行国籍法施行以後に出生した場合には出生と同時に日本国籍を取得いたします。それ以前に出生している場合には、出生によっては日本国籍は取得いたしません。
 ただ、この改正国籍法の改正附則によりまして、法務大臣に届け出ることによって日本国籍を取得できるという規定が置かれております。今回、問題になった方々の中では、曽我ひとみさんの長女の方がこの改正国籍法の施行以前に出生しておりまして、そういう意味ではこの規定の適用があるのではないかと考えておりますが、この届出をすれば日本国籍を取得することができる地位にあろうかと思います。
 また、曽我ひとみさんの配偶者の方について日本国籍を取得するためには、やはり帰化の手続が必要と考えております。
 以上でございます。
#46
○千葉景子君 じゃ、最後に一点、重国籍については問題になるようなことはございませんか。それをお聞きして終わりにします。
#47
○政府参考人(房村精一君) 出生によりまして外国の国籍を取得した日本国民、ですから出生によって日本国籍を取得すると同時に外国の国籍も取得する、しかも外国にあるという場合には、出生後三か月以内に出生の届出とともに日本国籍を留保する旨の届出を提出しないと日本国籍を失うとされております。したがいまして、曽我ひとみさんの上のお子さんの場合、失礼しました、下のお子さんの場合、出生によりまして米国籍も取得しているとなりますとこの規定が適用されることになります。
 ただ、この国籍留保届は、出生後三か月とは申しましても、天災その他責めに帰することができない事由によってその期間内に届出をすることができないときは、その期間は届出をすることができるに至ったときから十四日とされております。今回のような事情は、当然、責めに帰することができない事由によって届出をすることができないという場合に当たると考えられますので、現段階において、国籍留保届をしていないので国籍を喪失したということはないと考えております。
#48
○千葉景子君 終わります。
#49
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 大臣の所信では、「新しい社会にふさわしい、国民にとって身近で頼りがいのある司法制度を構築する」として、司法制度改革の問題を第一に挙げられました。その中で、今、検討会で検討が進められておりますが、特に仲裁法の問題についてお尋ねをいたします。
 この仲裁法の検討会での新しい仲裁法の検討状況と今後の法案化のめどについて、まずお尋ねいたします。
#50
○政府参考人(山崎潮君) 私ども、仲裁の検討状況でございますが、本年二月以降検討会を開きまして、九回開催しております。夏ころには中間的な取りまとめを行いまして、意見募集をしてきたところでございます。現在、その結果を踏まえまして更に検討中でございますが、計画どおり、来年の通常国会には法案を提出したいと考えているところでございます。
#51
○井上哲士君 この仲裁法は、元々、国際商取引の紛争を迅速に解決をするということが強調をされておりました。しかし、これ、国内の取引のすべての当事者が対象になるということで、中間取りまとめが出て以降、大変消費者、労働者から不安の声が上がっております。
 中間取りまとめに対するパブリックコメントの内容ですが、この対象となる仲裁の種類について、これについても随分意見が寄せられておりますが、中間取りまとめの言っている国外取引も国内取引も統一的に規律するという点について、どのような意見が寄せられているでしょうか。その内訳をお願いします。
#52
○政府参考人(山崎潮君) まず、前提として中間取りまとめでは、新しい仲裁法におきましては、外国仲裁、それから内国仲裁、それと民事仲裁、商事仲裁、これにつきましても全部統一的な規律をいたしまして、必要に応じて各仲裁の性質、内容等に関する特則を設けるという、そういう案を示しておりますけれども、これに対する回答として二百九十件ございましたけれども、こういう考え方に賛成する意見が三十四件ということでございます。
 一方、これに反対する意見、総数二百五十三件ございました。その反対の内訳でございますけれども、新しい仲裁法から国内取引を除くべきであるという意見が七十八件、それから消費者が当事者となる仲裁を除くべきであるとする意見が八十九件、労使間の紛争についての仲裁を除くべきであるという意見が八十件と、大体こういう状況でございます。
#53
○井上哲士君 実に九割の方が反対意見を寄せられているわけであります。特に、消費者とか労働の紛争の現場にいらっしゃる方が大変懸念の声を上げていらっしゃるというのが特徴だと思います。
 この仲裁は、当事者双方の仲裁合意に基づいて仲裁人の仲裁で紛争を解決をするという制度ですが、これ、仲裁内容が、結果が不満だということで裁判をするということができますか。
#54
○政府参考人(山崎潮君) 仲裁の元々の本質でございますけれども、仲裁人の判断に服することによって紛争を解決するということにあるわけでございまして、そういう関係から、現在の仲裁法におきましてもその仲裁判断の当否について不満があっても裁判で争うことはできないというふうに解釈されておりますし、新しい法律においてもそのような考え方を置く予定でございます。
#55
○井上哲士君 仲裁機関ですが、例えば現在は半ば公的なものとして日弁連の仲裁、弁護士会の仲裁センターというものがありますけれども、業界団体などがこの仲裁団体を立ち上げるということは、これは可能なんでしょうか。
#56
○政府参考人(山崎潮君) これは現行法でも可能でございますし、新しい新法におきましても可能と考えております。
#57
○井上哲士君 この仲裁というのはほとんど今まで使われておりませんでしたが、これが使い勝手が良いものになるということになりますと、例えば業界団体あるいはいわゆる悪徳業者などが自分に有利な仲裁人を集めて、消費者問題仲裁センターとか、中立的な機関を装った仲裁機関を作るということも可能にはなるわけですね。
 さらに、あらかじめ契約時に争いは仲裁で解決をすると合意をした場合、将来に紛争が起きたときに、やっぱり仲裁ではなくて裁判にしたいんだというふうに思い直して裁判に訴えるということは、これは可能ですか。
#58
○政府参考人(山崎潮君) 一般論として申し上げますと、紛争発生後に裁判を選択するということはできないと考えられております。
#59
○井上哲士君 ですから、あらかじめ仲裁合意をしておりますと、その後、消費契約で紛争が発生をしたり、また労働者がいろんな不当な差別や権利侵害とか解雇を受けたときに裁判を受けるということができなくなるわけですね。これは、憲法三十二条で「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」、こう規定をしておるわけですが、この裁判を受ける権利を奪うものではないか、そのおそれがあるんではないか、この点どうでしょうか。
#60
○政府参考人(山崎潮君) この点につきましても、一般論として申し上げますと、仲裁契約におきまして紛争を裁判によらず仲裁で解決するということを自らが合意をしているわけでございますので、そういうような合意をしている以上、裁判を受ける権利を侵害するということにはならないと考えられているところでございます。
#61
○井上哲士君 自らが合意をするという合意の合理性というのは、そういうやっぱり国際商事取引のように当事者同士が対等な立場で自由な意思によって合意するということが前提になると思うんですね。ところが、事業者と消費者、雇用者と労働者など、情報力、力関係が全く大きな差があるという場合には、合意をしたとはいえ、これはやっぱり弱い立場の人から裁判をする権利を奪うことに結果としてなる、こういう不安の声が上がっているわけです。
 先日、朝日新聞に、社団法人全国消費生活相談員協会理事長の藤井教子さんという方が投稿をされておりました。全国の消費者生活センターで年間八十万件を超す苦情相談の助言をされているわけですから、大変現場を踏まえた私は重みのある提言だと思うんです。この中でこういうふうに言われていますね。「消費者が日常行う取引では、事業者側が用意した契約書が使われ、消費者は細かな契約内容について個別に交渉できない。」、「私たちが日々接している相談では、訪問販売やキャッチセールスなどで強引に契約を押しつけられ、その内容すらよくわかっていない事例が後を絶たない。」と。その現状の下で、「契約書に仲裁合意条項が盛り込まれていても気付かないのが普通だし、別に仲裁合意の書面が用意されても、その法的意味の重大さを理解できる客はほとんどいないだろう。」と、こういう投稿であります。
 私は、大変これは重要な指摘だと思うんです。契約時によく分からないままに合意をしたけれども、例えば指定された仲裁機関が業界団体が作ったような仲裁機関だったとか、消費者にとって非常に遠い場所での仲裁地が指定をされているとか、一方的に消費者が不都合な不利な仲裁が押し付けられるというおそれがありますが、それでも裁判はできないということになります。
 それから、労働者の場合どうかといいますと、入社時に就業規則などに仲裁合意というのが書いてあったと。そうなりますと、将来、いろんな差別があったりリストラ、解雇を受けても、仲裁が出されますと裁判に訴えられなくなりますし、労働組合がそれはけしからぬということで団交をしましても、それでも仲裁合意だということでそれさえもできないということになりますと、これはやはり五千三百万人いる労働者からの訴える権利が、これは結果として奪われることになると私は思うんです。借地借家契約とかフランチャイズの契約でも同じようなおそれがあるわけです。
 検討会では、この新仲裁法について、国連総会でも承認をされた国際的なモデル法に準拠をしたものとして議論をされていますけれども、ちょっと確認になりますが、国内事情に応じてこういう消費者や労働者などについては特別の規定を作っていくと、これは可能なわけですね。
#62
○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘のようないろいろ懸念が表明されているということを、私どもも承知をしているところでございます。
 ただいまお尋ねの点でございますが、そのようないろいろ懸念を解消するために、この新仲裁法制定に当たりまして何らかの法的な手当てをすること、こういうことの是非、あるいはその具体的な手当ての内容につきましては現在検討中でございます。端的に申し上げれば、理論的には可能であるということになります。
#63
○井上哲士君 これはほとんどなじみのない制度でありますから、大半の国民にとっては全く新しい制度が作られるという認識が私は大事だと思うんですね。
 元々の法律は明治の法律ですけれども、当時は契約ということが国民生活に及ぼす影響というのは今と格段に違いますし、その消費者保護とか労働者保護とかということの必要性も格段に違うわけですから、やっぱりこれは悪用されたり、いろんな保護が後退することのないような手当てが今の社会情勢に合わせて事前に必要だと思うんです。
 今ありましたように、消費者保護についての特例を設けることが検討されているようですが、中間取りまとめにも出されております。その後の、現代でのこの消費者保護についての特例の検討の内容についていかがでしょうか。
#64
○政府参考人(山崎潮君) ただいまの御指摘の消費者保護の点でございますけれども、この点につきましては、九月二十四日の検討会におきまして、消費者団体の関係者、それから消費者契約法に関する学者等のヒアリングと集中の審議を、検討を行いました。また、十月二十二日の検討会におきましては、これまでの議論の状況を踏まえまして更に検討が行われております。
 現在、それでどのような方向に行くということはまだ決まっておりませんけれども、かなり幾つかの論点に絞られながら検討しているところでございます。もう間もなく検討の結果を出していくという状況でございます。
#65
○井上哲士君 三案ぐらいの論点が出されているかと思うんですが、それちょっと御説明願えますか。
#66
○政府参考人(山崎潮君) 現在出されている案でございますけれども、例えば消費者と事業者との仲裁契約の方式等について特則を設けるということでございまして、これは、一般の契約書とは別途の書面によって仲裁の契約をすると、こうすればいいではないかという考え方が一つでございます。それから、事業者と消費者の間では将来の争いに関する仲裁契約はその効力を有しないということでございまして、将来のものは駄目、現在起こっているものについて仲裁契約を結ぶ、これはいいと、こういう考え方でございます。それともう一つは、消費者の側から解除をすることができるという考え方。この三つが今大きくまとめられつつある意見でございます。
#67
○井上哲士君 一方、中間取りまとめでも労働者問題というのは一切議論をされていないわけですね。これだけたくさん労働者からも不安の声が上がっているわけでありますが、元々この検討会には労働の関係者は参加をしていないわけで、消費者で行ったように、直接関係者の意見を聞く場を持って労働者への特例の問題も検討することが必要だと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#68
○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘の点につきましては、十一月七日の検討会においてまず議論をしたいというふうに考えております。また、十一月二十八日の検討会におきまして、労働紛争の関係者といたしまして、労働法学者、それから労働団体及び使用者団体の関係者、労使双方の弁護士の参加も得まして検討を加えていく予定でございます。
#69
○井上哲士君 消費者は物を買うわけですが、労働者の場合は自らの労働力を売る、それでないと生きていけないわけですね。ですから、なかなか労働契約というのは対等に結ぶことは困難でして、雇用される際に、就業規則に争いは仲裁で解決すると、こういう項目があるからといって拒否するというのは非常に困難です。特に今、失業率は非常に悪化をしておりまして、男性の場合は五・八%、史上最悪と。そういうときに、仕事を棒に振るような覚悟で就業規則に意見を述べれるか、これはまず無理という状況ですね。
 ですから、日弁連などの意見書では、事前の仲裁合意が事実上強制される結果となるおそれはむしろ消費者契約以上に大きいんだと、こういう指摘をされております。
 労働者が使用者に対して弱い立場にあるからこそいろんな労働法制もできてきたわけですが、契約という点でいいますと、労働者の方が消費者以上に弱い立場にもなるという点は今後十分に考慮をされるべきだと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#70
○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘のような意見があることを私どもも承知しているところでございます。事務局といたしまして、この労働契約に関する仲裁の問題も含めまして、ただいまのような御意見、いろいろあることを頭に入れながら検討を進めてまいりたいと思います。
#71
○井上哲士君 この新しい仲裁法の下でいろんな消費契約とか労働契約で仲裁合意が悪用されるということになりますと、仲裁制度そのもの、ひいてはADR全体に対する信頼性が失われるということにもなると思うんです。司法制度改革ではこのADRの拡充ということも目指しているわけでありますし、また労働裁判の検討会では労働裁判の改革による権利救済を討議していると、こういう流れの中でありますから、やはりこの新仲裁法によってこれまでの消費者保護とか労働者保護の水準というものが決して後退するようなことが絶対あってはならないと、こういう懸念がないような立法化ということが必要かと思います。
 その点、ちょっと繰り返しになりますが、いかがでしょうか。
#72
○政府参考人(山崎潮君) 新しい仲裁法の制定に当たりましては、ただいまいろいろ御指摘をいただきました点、こういうものを踏まえまして遺漏のないように検討を進めてまいりたいと考えております。
#73
○井上哲士君 今後、検討会の議論を経まして立法化となります。繰り返しになりますが、是非、大臣にも御所見をお願いしたいんですが、国民の裁判を受ける権利を守る、そして消費者保護や労働者保護を後退させないという点での御所見を大臣からお願いをいたします。
#74
○国務大臣(森山眞弓君) 今、るるお話がございましたような問題点があって、懸念が表明されているということを私も承知しております。
 新仲裁法の制定に当たりましては、御指摘の点も踏まえまして、国民にとって使いやすい、そして権利保護の実現に資するような仲裁制度を構築できますように、今後も検討を進めてまいりたいと思います。
#75
○井上哲士君 是非、よろしくお願いをいたします。
 次に、先ほど来の議論もありますが、難民問題についてお尋ねをいたします。
 難民行政の改善についての検討が進んでいるわけでありますが、中間的な報告が出ることを待つことなく、現に行われている運用についていろんな国際的な批判もあるわけでありますから、これは直ちに改善を図っていく必要があるかと思います。
 特に、この間、難民申請中又は争っている中で、収容されていますアフガニスタンやトルコの国籍の方々の収容所での自殺とか自殺未遂ということがかなり報道をされております。この一年間、難民申請や異議申立て中の収容者のそういう事件について、どれだけになっているのか、またなぜこんな増えているのか、それについていかがでしょうか。
#76
○政府参考人(増田暢也君) お尋ねの自損行為の件数についての統計は取っておりませんので正確な数字を申し上げることはできませんが、現在、当局が把握している昨年十月以降本年九月末までの一年間における自損行為の件数は、東日本入国管理センターが二十五件、西日本入国管理センターが九件となっております。
 その原因についてもお尋ねを受けましたが、委員御指摘のとおり、被収容者の自損行為の発生がこのように見られておりますが、その理由について必ずしも定かではございません。収容自体に不満を持って示威行為として自損行為を行ったとか、あるいは仮放免を求めての示威行為として自損行為を行ったなどの理由ではないかと考えております。
 入国管理センターにおきましては、日ごろから被収容者の動静を把握しつつ、事故防止の監視体制を取りますとともに、臨床心理士によるカウンセリングを行うなど、心のケアにも努めているところでございます。また、被収容者が自損行為を行った場合には、直ちに医師に連絡して必要な医療措置を講ずるなど、適切に対処しているところでございまして、今後とも、被収容者に対する的確な動静把握を行い、心情の安定に配慮しながら、自損行為の未然防止に努めてまいりたいと考えております。
#77
○井上哲士君 昨年の九・一一テロ以降、アフガン国籍の難民申請者を一斉に収容するなどが行われまして、これまでの流れに逆行があったと私は思うんですね。
 西日本や東日本の入管センターも見てまいりましたけれども、日本に庇護を求めにやってきたのになぜ犯罪者のように収容されるのかと。しかも、いつまで収容されるか分からないということで大変いろんなストレスが収容者の難民申請者の方にたまっているという、ここに私、問題があると思うんです。
 その中で、西日本の収容センターに収容されていたアフガン人のアブドゥル・アジズさんについて、九月二十日に広島高裁が、一審に続きまして、被告は難民に該当するという判決を下しております。検察が控訴しませんでしたので判決は確定をしたわけですが、その後もかなり長い間収容が続いておりました。一時はハンガーストライキで抗議もされたわけですが、やっと一昨日、仮放免がされたということをお聞きをしております。国会審議を前に仮放免をしたのかなとも私は思ったんですが。
 入管が不認定にした申請者を、刑事裁判とはいえ控訴審でも難民と明確にした、この判決は初めてだと思うんですが、この判決自体はどのように当局は受け止めていらっしゃるんでしょうか。
#78
○政府参考人(増田暢也君) 個別の刑事裁判の判決に対しましては法務当局としてコメントすることは差し控えますが、一般論として申し上げますれば、刑事判決において難民の該当性があると判断されましても、その効果は当該刑事事件における刑の免除の関係に限定され、その判決が出入国管理及び難民認定法第六十一条の二に定める法務大臣の認定に代わるものではございませんし、また行政庁等、他の国の機関を拘束するものではないと理解しております。
 なお、難民の認定につきましては、今後とも、人道的な観点を踏まえまして、適正な運用に努めてまいりたいと考えております。
#79
○井上哲士君 そういう受け止めだから長期の収容が続いたと思うんですね。法の建前だけをかざすのでは私は駄目だと思うんです。今回の判決というのは、今の現行の認定制度とかその運用に対してやっぱり厳しい警鐘が司法の側からなされたと、こう受け止めていただいて、やっぱり運用を見直して、正すべきことは正すということをやるということが私は今必要だと思うんです。
 この間、六十日ルールの撤廃とか第三者機関、認定機関のことなども前国会でお尋ねしましたが、今回は難民調査官についてお聞きするんです。
 一九九五年、平成七年と現在では、難民申請の数、それから難民調査官の人数とその中の専任の方の人数はどうなっていますか。
#80
○政府参考人(増田暢也君) 難民認定申請者数について申し上げます。平成七年は五十二人、平成十三年は三百五十三人でございます。また、平成七年当時の難民調査官は三十六人で、そのうち難民認定事務専従者は二人でございましたが、平成十四年十月一日現在の難民調査官は四十四人、そのうち難民認定事務専従者は八人となっております。
#81
○井上哲士君 申請者は七倍になっているわけですが、調査官は微増、専任の方は増えたとはいえ、たったの八人という状況なわけですね。こういう状況ですから非常に調査にも時間が掛かって、結果としての長期収容にもなっております。
 それから、申請者の方というのは言わば着のみ着のまま来られる方もいらっしゃって、非常に証拠を出すということも難しい場合がありますし、いろんな精神的なトラウマもあるということですから、調査官の役割は非常に大事なんです。その国の政治・社会情勢や人権状況をよくつかむということが必要なわけなんですね。
 先ほどの、私、裁判での例えば広島入管が出した意見書も読ましていただきましたけれども、アフガニスタンではパシュトゥン、タジク、ハザラ、ウズベクというのは四大民族が抗争しているんであって、別にハザラ人が迫害されているわけじゃない、特別に、こういう認識なんですよ、読みますとね。しかし、ハザラ人への迫害というのは言わば国際的な常識でもあるわけでありますし、地裁も高裁もそのことを認めております。
 ある弁護士の方にお聞きをしたんですが、アフガン人の異議申立てのときのインタビューに同席をすると、調査官がマザリシャリフの虐殺というのを知らなかったと。アフガンの人権状況について検討する上でこれを知らないというのは致命的なわけでありますけれども、どうしてこんなことで難民認定ができるかと思ったというお話を聞いたんです。
 今回のやっぱり判決が警鐘を鳴らしたという点で、全体としてのいろんな見直しが必要でありますけれども、専任の難民調査官の大幅増員、研修の強化など図るべきだと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#82
○政府参考人(増田暢也君) 難民調査官は入国審査官の中で専門的な知識を必要とする難民認定事務を行うのにふさわしい知識や経験等の資質を備えた者が法務大臣によって指定されているものではございますが、刻々と変化する国際情勢や申請者の出身国の国内情勢を的確に把握し、また多様化する難民認定事案に適正に対処するためには、たゆまぬ研さんが必要となっております。
 そこで、これまでも、定期的に難民調査官に対しましては必要な研修を実施するなど、専門性の高い難民調査官の養成に取り組んでまいりましたが、今後もその専門知識等の更なる涵養に努めてまいりたいと考えております。
 また、より一層、迅速かつ適正な難民認定手続を行うためには、十分な難民調査の体制が必要であることは委員御指摘のとおりでございますので、今後とも人的体制の強化に努めていきたいと考えております。
#83
○委員長(魚住裕一郎君) 時間ですが。
#84
○井上哲士君 今、答弁がございましたけれども、今の問題も含めまして、難民行政の抜本的な改善という点での大臣の御決意を最後お聞きして、質問を終わります。
#85
○国務大臣(森山眞弓君) 先ほど来お話が出ております難民問題に関する専門部会での検討結果に基づきまして、近く出入国管理政策懇談会から報告をいただくという予定になっておりますので、その報告をも踏まえ、難民に対する人権保障、国際的な動向、我が国としての受入れの在り方など様々な観点から検討いたしまして、新しい難民認定制度の構築に努めてまいりたいと考えております。
#86
○平野貞夫君 最近、小泉首相の周辺に関する東京地検特捜部の調書の要旨と称する文書が中央官庁を中心に流布されております。この問題は官邸と検察の権威にかかわることだと思います。看過できません。怪文書なら怪文書でそれで結構ですが、怪文書といえども非常に嫌な政治的影響はございます。
 そこで、事実の確認と、法務当局の見解、それから小泉総理への要請を法務大臣から伝えてもらいたいという思いで取り上げます。
 八月二十六日と九月四日の二回にわたって、小泉首相の実弟に関連して、小泉正也の地検事情聴取に対する供述内容要旨という文書が最初、中央官庁の幹部職員に流されて、その後はマスコミ関係者、そしてそういったものを通して永田町へ流布されております。私は、九月の上旬に複数の政府職員から知らされまして驚いたんですが、法務当局として、こういう文書が流布されているという事実、そういったことを御承知でしょうか。
#87
○政府参考人(樋渡利秋君) お答え申し上げます。
 御指摘のような文書が流布されているということは当局においても承知してございます。お尋ねでありますのであえて申し上げれば、全く荒唐無稽の文書でありまして、東京地検が文書で指摘されている関係者に対して事情聴取をしたようなことはないものと承知しております。
#88
○平野貞夫君 全くそういう事実じゃないということでございますね。非常にひどい内容でして、この内容を一々全体申し上げることは差し控えますが、書かれているテーマは、小泉総理の周辺とヤマト運輸との間に多額の資金の授受があった疑い、鈴木宗男衆議院議員からも借入金があった疑いで事情聴取が行われたという前提で文書が作成され、飯島総理秘書官の名前も出ています。これが、全くそういう事実がない、怪文書のたぐいだということが分かりました。
 そこで、法務大臣、えてしてあることでございます。余り大きいことじゃございませんが、私なんかは怪文書として名前も書かれたこともあるし、あるいは怪文書を作ったんじゃないかといううわさを、怪文書を出されたこともあるんです。これは健全な民主政治のやり方ではないと思います。政治と検察の権威を著しく冒すものであり、非常に困るものなんですが、法務大臣の御見解を、御所見を伺いたいんですが。
#89
○国務大臣(森山眞弓君) 先ほど刑事局長が答弁いたしましたとおり、東京地検はその文書に記載されたような捜査をしておりませんし、その内容が荒唐無稽なものであるということでありますので、法務大臣としてそのような文書に対する所感を述べるという立場にはないと考えております。
#90
○平野貞夫君 文書に対する所見じゃないんですよ。文書の内容でなくて、こういうしばしば行われる政治のやり方に対して、これまあ検察庁のこと書かれているわけですからね。そういう一般論としてどういうお考えをお持ちかということ。文書に対するコメントなんか、私はそんなやぼなこと求めませんよ。
#91
○国務大臣(森山眞弓君) そのような怪しげな方法で政治を攪乱しようという考えというのは誠に言語道断であると思います。正しい政治の運営ということと全く相反するものでありまして、非常にけしからぬことだと思います。
#92
○平野貞夫君 よく分かりました。
 そこで、一般論として刑事局長に教えていただきたいんですが、私、専門的な用語を知りませんが、こういった場合に、被疑者不明のままで名誉毀損なら名誉毀損という形で告発という制度はありますか。
#93
○政府参考人(樋渡利秋君) お尋ねのように一般論として申し上げますれば、告訴は犯罪の被害者その他一定の者が捜査機関に対し犯罪事実を申告してその訴追を求める意思表示でございますので、その要件を満たすものであれば氏名不詳者に対する告訴をすることはできるものというふうに承知しております。
 もっとも、御指摘の文書につきましては、検察当局が記載されたような捜査をした事実はなく、荒唐無稽の内容であることは先ほど答弁したとおりでございますので、告訴の必要があるかどうかにつきましては、そのようなものであることも踏まえて、告訴権者において検討されることになるというふうに思います。
#94
○平野貞夫君 分かりました。
 荒唐無稽なものであるということも分かっておりますが、その荒唐無稽なものがやっぱり検察なり政治の権威を冒すということになると、検察も被害者の一人だというふうに理解できると思いますが、検察側から告発をするというようなことは、考えはございませんですね。
#95
○政府参考人(樋渡利秋君) 検察は捜査機関の一つでございますから、告訴、告発を受ける側でございまして、我々の方で告発をするということはおよそないんだろうと思います。
 それと、先ほど、私、失礼いたしまして、委員は告発というお言葉を使いましたが、普通はこういう被害を受けた方がされるのは告訴でございますので、告訴という言葉で答弁させていただきました。
#96
○平野貞夫君 はい、分かりました。
 そこで、法務大臣にお願いがありますのは、私も、荒唐無稽、全く特定の政治目標があってやっていることだと思うんです。しかし、経済や外交、国の内外、難問が山積しているときに、やっぱり政治の信頼が非常に大事でございます。ですから、これは、総理の周辺のここに書かれている人たちは被疑者不明ということで告訴するべきだと思います。この文書を放置しておくべきじゃないと思うんです。そういう意味で、ひとつ是非、小泉総理にこの法務委員会でそういう話が出て、意見が出たということは伝えておいていただきたいんですよ。そして、総理及び総理の周辺がそれに対してどういう対応を取るかということについては、我々は注目しておきたいと思います。これは答弁要りませんから。
 さて、次にお尋ねしますが、政府参考人の公安調査庁長官、お見えでございますか。
 北朝鮮問題ということは公安調査庁の一つの大きな仕事だったと思うんですが、現在、日朝交渉、昨日、一回目、中断したような形でございますが、拉致問題で帰国されておる五人と、それからその家族、それから死亡したと言われる八人ですか、こういう人たちが明らかになって、この方たちも大変気の毒な立場でございますが、どうも北朝鮮はもうこの八人で拉致問題は決着だと。この八人の問題を日本の世論が納得すればもうこれで終わりだと、拉致問題は。それから、外務省の一部にもかつて、何というか、拉致だけが外交問題じゃないというようなことを放言した幹部もいたんですが、何となく国民世論も、テレビ、新聞の毎日の報道で、それ以外の拉致されている方の問題、警察庁もいろいろ御苦労されているようですが、この問題も大きいと思うんです。
 そこで、時間の関係で余りは申しませんが、公安調査庁として十三人以外の拉致の実態についてどういう御見解をお持ちか、お聞かせください。
#97
○政府参考人(町田幸雄君) 北朝鮮により拉致された日本人被害者につきましては、現在、政府が拉致容疑事案として扱っておるのが十件十五名ということでございますが、それらの方々以外にもおられる可能性があると私どもも認識いたしております。
 ただ、現在調査中でございまして、まだ結論を出す段階に至っておりませんので、この段階で具体的人数等を明らかにするのは適当ではないと思います。
 今後の調査の遂行等、様々な面で影響があると思いますので答弁を差し控えさせていただきたいわけですが、私どもとしては今後も鋭意努力してまいりたいと思いますので、よろしく御指導をお願いいたします。
#98
○平野貞夫君 長官、分かりますよ。今それを、持っている情報を明らかにすると大変な影響が出ると思います。北朝鮮に生存されている方々に何か事故が起こる可能性もありますし、それは分かりますが、いつまでも情報をクローズしていくわけにもいかないと思うんですよ。
 それ、万全の体制は考えなきゃいけませんが、やはり拉致という国家犯罪といいますかテロ的な犯罪について一定の、そういう大きな問題が、事故が起こらないという状況の下に一定の情報はやっぱりこの国会の場に、すぐとは言いませんですけれども、早く適切な場に言っていただかなければ、警察にもいずれ機会があったらそういうことを要請しようと思っていますが、公安調査庁としても、いつまでも影響があるから影響があるからと言ったら問題の本質が解決できませんので、そういう意見を持っておるんですが、いかがでございますか。
#99
○政府参考人(町田幸雄君) 委員の御指摘はもっともなところがあると思いますが、現在の段階では、交渉が始まったばかりの段階でもありますし、様々な面から適当でないなと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
#100
○平野貞夫君 これ以上このことについては申し上げませんが、交渉、これ、かなり長く続くと思いますので、そこら辺ひとつ御判断を適切な時期に出していただくようにお願いしておきます。
 それから、北朝鮮との問題で一つ私、引っ掛かっていますのは、かつてオウム教団の問題があったんですが、実は地下鉄サリン事件があった数週間後、参議院の本会議の集中審議で、私、当時の前田法務大臣に、早川というオウムの幹部がウクライナからピョンヤンへしょっちゅう武器の取引で行っていたという報道についてお尋ねをしたところ、分からないと。そういう事実があるかどうかということ、ウクライナからピョンヤンへの移動の確証が法務省としてはとらえられないという答弁だったんですが、私、実はその質問をした次の日に、ある新聞記者を通じて、朝鮮総連があなたをねらうということを決めたということで大変迷惑したことがあったんですが。
 私は、オウム真理教団と北朝鮮とのかつて関係というのは結構あったというふうに推測しておるんですが、オウム教団の方の裁判もずっと進んでいるようなんですが、裁判の過程でそういう情報は開示されていないんですか、北朝鮮との関係。あるいは、されていましたら、裁判で開示されたことですからもう出していいと思いますが。
#101
○政府参考人(町田幸雄君) 私どもも関心を持って見ておるわけですが、公判等の証言等を含めまして、いまだに事実が確認できておりません。
#102
○平野貞夫君 私が今提起したことについては、公安調査庁としては関心を持っているということは確認できますよね。
 それでは、次に、大臣の所信表明の中で、最近の国内犯罪の情勢について大変深刻なお話をなされている。刑法犯の認知件数の増加、殺人、強盗殺人といった凶悪重大事件の少なからず発生、それから来日外国人等による組織的な犯罪の増加、一方で検挙率が著しく低下しておりというくだりがあるんですが、この検挙率の低下の原因をどうお考えでございましょうか。
#103
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり、国民の多くは最近の犯罪情勢に強い不安を感じております。検挙率が著しい低下をしているということは極めて憂慮すべき事態でございまして、法務省が担っております安心して暮らせる社会の実現ということに努めるためには非常に大きな問題点でございます。
 そのためには、私どもができる、あるいはなすべきことは、刑事司法手続におきまして、犯罪を摘発し、事案の真相を明らかにした上で刑罰法令を適正かつ迅速に適用して適正な科刑を実現することが肝要であるわけでございますが、犯罪情勢の変化等を踏まえまして、各種法令の整備を進めましてその適正な運用を図るほか、検察等関係諸機関の人的・物的体制の充実強化ということを図るということも併せ行いまして、社会の安全の確保に努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
#104
○平野貞夫君 成績のいい方の模範答弁で、そういう答弁ではちょっと私、問題があるとは言いませんが、もうちょっと言いたいんですが、警察庁の政府参考人の方、いらっしゃいますね。
 この検挙率の一般的傾向、これは、法務大臣がおっしゃっていますが、これは警察との関係もありましょうから、例えばここ数年どういうふうに変わってきたかとか、あるいはどういう犯罪で特に検挙率が下がっているとかという、そういう特徴みたいなことを御説明してくれませんか。
#105
○政府参考人(栗本英雄君) 今、委員から御指摘のとおり、残念ながら検挙率につきましては年々低下している状況にございます。ちょっと詳しい手持ち資料ございませんけれども、この十年ぐらい見ましても、十年間ぐらいは四〇%ぐらいでございましたけれども、昨年、平成十三年には二〇%を切りまして一九%台にまで落ちているという状況にございます。
 これにつきましては、私ども警察といたしましても、限られた体制ではありますけれども、検挙率向上のために努力しておるんでありますが、残念ながらそのような事態に至っておりまして、深刻に受け止めておるところでございます。
#106
○平野貞夫君 先ほど法務大臣のお話の中で、いわゆる検挙率が低い原因ということについて抽象的なお話だったんですが、まさか、千葉先生が指摘したように、収容所が足りないから検挙率下げているわけじゃないんでしょうしね。
 私、収容所の問題は、これ、景気対策でも何でもいいですよ。どんともう作りゃいいんですよ、毎年けちけちけちけちした予算でなくて。収容所を作るのに口利きする政治家はいませんよ。
 それから、検察と警察の不祥事件、ここの問題が一つやっぱりあるんじゃないかと思うんですよ。その点、大臣の所信はちょっと歯切れ悪かった。検察と警察が正義をやっているということを国民がきちっと評価する体制を作らなきゃ、やっぱり検挙率というのは、それは、悪いことをする人もやっぱり理屈言いますよ。これが、まあ警察は非常に幅が広いんですけれども、やっぱり毎日、警察官の不祥事が報道されているでしょう。それから、検察官の不祥事に至ってはもう言語道断、これはいろいろこれからまたこの臨時国会はいろいろ皆さんに耳の痛いことを言わにゃいかぬと思うんですが、ここの部分についてのちょっと反省が足りないですね、反省が、この所信では。
 大臣、もう一回そこら辺のことを、どう思いますか。
#107
○国務大臣(森山眞弓君) 御指摘のようなことが残念ながらございまして、誠に申し訳ないと思っております。
 そういうことが起こりませんように、これからも一同身を引き締めて励んでいかなければいけないというふうに思っておりますが、検挙率低下の原因はいろいろ複雑にたくさんございますように思います。
 例えば、重要犯罪等の増加が非常に著しいものですから、新たに発生した事件の早期検挙に重点を置かなくてはならない。その結果、窃盗などで検挙した被疑者の余罪解明率が低下しているというようなこともございますし、不法滞在外国人による組織的犯罪の増加というようなこともございますし、それはまた捜査が大変困難でございます。捜査を取り巻く環境の変化によりまして、つまり社会の雰囲気が変わってきたということによりまして、聞き込み等の手法の活用がなかなかしにくいというようなこともあろうかと思います。様々なことが積み重なって警察も大変御苦労なさっており、努力していらっしゃるんだと思いますが、今のような現状になってしまったのではないかというふうに思います。
#108
○平野貞夫君 分かりました。またいずれ取り上げることにしまして、私、一年に一回必ずお尋ねしている問題で、覚せい剤犯罪の状況がございます。
 数年前に通信傍受法、この当委員会では強行採決という、私らは採決賛成の方でございましたのですけれども、この国会からは当時の委員長もここに参加されているんですけれども、通信傍受法、当時賛成して、今、野党なものですから野党の中で時々皮肉言われるんですが、私は、賛成した理由の一つとして、覚せい剤犯罪の深刻さ、もう既に覚せい剤という材料を使われて日本に戦争を仕掛けられているんじゃないかというほど深刻な思いをしておるんですが、ここ二、三年の覚せい剤犯罪は、覚せい剤の日本への流入ですか、その状況について概略御説明いただけませんか。
#109
○政府参考人(瀬川勝久君) お答えいたします。
 薬物犯罪組織による覚せい剤の大量密輸入、それから無差別販売ということで、大変残念ですが、なお中高校生や一般市民まで乱用のすそ野が広がるということで、私どもは現在、戦後三回目の覚せい剤乱用期という認識をしておりまして、大変深刻だと思っております。
 お尋ねのその状況でございますけれども、覚せい剤の検挙人員は平成九年には二万人ということで、二万人に迫るという状況でございましたし、その後も高水準で推移しております。
 また、押収量でございますが、我が国の覚せい剤というのはこれはもうすべて密輸入されたものでございますけれども、押収量は平成十一年には約二トン、これは史上最高の数字でございます。それから、平成十二年には約一トンという大量の覚せい剤が押収されております。今年の上半期でも、検挙人員は約八千人、これは前年同期比で一一%ほど減少はしておりますけれども、押収量から見ますと、例えば一どきに百五十一キロの大量押収があるというようなことで、これも密輸事件でございますけれども、依然として相当量の覚せい剤が海外から我が国に流入をしている。すなわち、これはそれを支えるといいますか、必要とする需要が我が国に存在をしているというふうに見ておりまして、極めて厳しい状況であると認識しております。
#110
○平野貞夫君 押収量でそういうことですから、実態はどれだけ入っているといったら、これは恐らく想像を絶する量だと思いますが、価格はどうですか、余り変わりませんか。
#111
○政府参考人(瀬川勝久君) 以前にも価格についてのお尋ねがありましてお答えしたと思いますけれども、残念ながら、これだけ大量の押収がありますけれども価格の変動は余りないという状況でございまして、約一グラム、いろいろ具体的な状況とか地域差とか、需要と供給の個別の事情があろうかと思いますが、一グラム約六万円ぐらいで取引をされているというふうに認識をしております。
#112
○平野貞夫君 分かりました。
 そこで、ちょっとお答えしにくいかも分かりません、答弁しにくいかも分かりませんが、じゃ、どこから流入するかという問題があるわけですが、東南アジア、東アジアということがずっと言われておるんですが、例の、北朝鮮と言い切っていいと思いますが、不審船なんかによる密輸入というようなことで、この中で北朝鮮からの流入、密輸入といいますか、これはどういうふうに把握しているでしょうか。
#113
○政府参考人(瀬川勝久君) 北朝鮮をいわゆる仕出し地とする覚せい剤の密輸入事件でございますが、平成九年以降、私ども、これまで計六件を摘発をしております。覚せい剤が北朝鮮において製造された、あるいは国家としてその製造あるいは密輸入に関与しているということを示す証拠は現在までのところ得られておりませんが、この仕出し国、仕出し地とするというこの六件について、これは捜査でいろいろ総合的に判断してそのように認定をしているものでございますが、それの押収量等について見ますと、平成十一年には八百六十三・八キログラム、これは押収量の約四四%でございます。それから、平成十二年には二百四十九・三キログラム、約二六%、全押収量の二六%でございます。先ほど申し上げました百五十一・一キロの大量押収というのも、今年の一月に福岡県警察で検挙したものでございますが、これも北朝鮮を仕出し地とするものでございます。
 こういった北朝鮮を仕出し地とする覚せい剤の密輸入事件が近年の大量押収の要因の一つであると、このように認識をしております。
#114
○平野貞夫君 日朝交渉に水を差すわけじゃございませんが、核の問題ももちろん大事なんですけれども、実は直接の青少年、小中学生にまで至る身体への物すごいこれは、日本人に対する、日本民族への私は攻撃と見ています。それは東アジア、東南アジアにいろんなシンジケートがあり、またそれを供給していく日本の組織もあると思いますが、是非、警察庁当局に厳重な取締りと対応を要請いたしまして、終わります。
#115
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 今日は、刑務所の中での死亡事件についてお聞きをしたいというふうに思います。
 一九九九年から二〇〇二年九月までの三年間の間、刑務所内での保護房収容中の五人の受刑者の死亡事案、三人の病院移送事案があります。元々これ関心を持つように至ったのは、新聞記事で二〇〇二年の九月に重傷のケースがあるということで、その後メディアが聞いたら、五月に死亡事件があったということが分かったと。それについて事務所でお聞きをしましたところ、名古屋刑務所ではその一年前の二〇〇一年にも革手錠をされながら保護房の中にいた受刑者が死亡したという事案が発生をしています。
 この法務委員会の中で革手錠、保護房については聞いてきておりますが、名古屋刑務所に例えば限って言えば、二〇〇一年に革手錠をして保護房の中での死亡事件が一件、二〇〇二年にやはり保護房内で革手錠をした死亡事件が一件、病院に腹膜炎で運ばれたという人がやはり九月に名古屋刑務所で革手錠、保護房で一件というふうに立て続けに起きていますし、名古屋では連続して死亡事件、あるいは、さらに病院に運ばれるという事件が発生しているわけです。これはやはりどういうことだろうかというふうに思っています。
 なかなか事案が明らかになりません。五月に例えば死亡事件、名古屋刑務所での五月の死亡事件、革手錠、保護房による受刑者死亡事件なんですが、死因は心不全とされていますが、どういった調査に基づく結論でしょうか。
#116
○政府参考人(中井憲治君) 五月の死亡事案の死因についてでございますけれども、お尋ねの案件につきましては、医師が診ておりまして死亡の確認をしておりまして、その医師の診断結果等によりまして死因が心不全という具合に認定したところでございます。
#117
○福島瑞穂君 この五月の死亡事件は、十時四十分ぐらいに、失礼、十時過ぎに移送されてきて、そして身体検査のときに問題が生じ、十時過ぎに保護房に収容した、午後一時四十分過ぎまで大声を出したりしていたが、急に静かになった、心肺機能の低下が見られたためにICUに収容して救命措置を取ったが、八時三十分に死亡を確認とあります。急性心不全です。
 これは収容したのが十時過ぎ、静かになってしまったのは一時四十分ですから、保護房に収容して三時間四十分後にもう急変が生じているわけです。この人は病歴はないと思うんですが、なぜ保護房に、つまり革手錠をされ、保護房に収容され、三時間四十分後に死亡したんでしょうか。
#118
○政府参考人(中井憲治君) お尋ねの案件についてでございますけれども、委員御指摘の死亡したその日に実は名古屋刑務所の方から名古屋の地方検察庁の方に事案の内容を通報しておりまして、現在、名古屋地方検察庁において捜査中であると私ども承知している次第でございます。
 この案件、今後の捜査によりまして事実関係といったものが明らかになるだろうと思います。しかしながら、矯正当局といたしましても、委員御指摘の点は十分踏まえまして、今回の事案の結果ということは誠に残念でございますし、重く受け止めておる次第でございまして、可能な限り事案の実態調査というものを併せて行いまして適切な対応を行いたいと、かように考えている次第でございます。
#119
○福島瑞穂君 刑務所内部では調査をされていらっしゃらないのでしょうか。
#120
○政府参考人(中井憲治君) しております。
#121
○福島瑞穂君 調査結果を教えてください。
#122
○政府参考人(中井憲治君) 先ほど申し上げましたように、私どもは死亡が判明した直後に名古屋地方検察庁に通報しておりまして、関係資料も含めまして全面的な捜査協力をしておる段階に現在ございます。このような段階におきまして私どもの調査内容を公にするということは差し控えさせていただきたいと、かように考えます。
#123
○福島瑞穂君 刑事捜査の手続中というのはある意味では分かる面もあります。しかし、雪印でも、名前を出すとちょっと雪印に気の毒かもしれない、雪印でも、外務省でも、例えば機密費の件、鈴木宗男議員の疑惑の件についても刑事事件が告訴、告発等あっても、きちっと例えば外務省とすれば調査報告書を発表されました。調査の中身についてはいろんな意見があったかもしれないんですが、私はきちっと、もちろん捜査は捜査、だけれども役所あるいは私企業でも、雪印は外部の人間を入れて、刑事告訴、告発が問題にはっきりなっている、外務省の件でもはっきり刑事事件が問題になっているときに、問題になり得るというときに、きちっとやったのは一つのやはり見識だと思います。
 ですから、刑務所側が、なぜ法務省側が調査について一切言えないのかというのが、どうして、別のものですよね、刑事捜査と独自の調査は。どうしてこれができないのか。
#124
○政府参考人(中井憲治君) 実は、事柄は、捜査の問題と行政的な調査が同時並行する場合に、どのようなすみ分けを考えていったらいいかという問題でございまして、正直言いまして、私も検察官ではございますけれども、現在、矯正局長という立場で、お答えが非常にしにくいものでありますけれども、分かりやすく申し上げますと、この手の案件について、私どもが調査をすることも可能ですし、法律上は捜査することも一応可能なわけです。ただし、事柄の性質にかんがみまして、私どもとしては、すべてを検察庁の方にお願いいたしまして、その御指導を得ながら事柄の事案解明を尽くしていきたいと、かように考えているわけでございますね。
 それで、例えば一定限度の行政調査というのはしているわけでございますけれども、私ども行政当局がその調査結果はこうこうこうですよということを発表すること自体が、現在、同時進行されております検察庁における捜査、具体的には事情聴取を受ける人がございますですね。それに対して影響を及ぼすおそれもなしとしないわけでございますんで、特にこういう、私どもは本省を頂点といたしまして、下に地方支分局である管区、矯正管区を持っておりまして、それに基づいて第一線の名古屋の刑務所等を監督しておると、こういうスタイルになっているわけでございますね。
 そういう段階で、途中段階の行政調査の結果を私が公表しますということは、先ほど申し上げましたように、検察庁の捜査のお邪魔になるんではないかと、かように思っている次第でございます。
 何分の御理解を賜りたいと思います。
#125
○福島瑞穂君 発表できないということについては少し理解は示すものですが、ただ、やっぱり何か基本的に変だと思うのは、警察、捜査当局とは別個に行政は、自分のところで死亡事件が発生した、しかも続けて起きていると。というときに、やっぱりこれは何でこんな続けて起きるのかということをきちっと調べる必要があると思うんですね。それが全然明らかに今の時点でなっていません。問題があると考えていらっしゃるのか、問題はないと考えていらっしゃるのかも分からないんですね。
 では、これ以上言ってもきっと答弁はいただけないと思うので、私は、やはり外務省やその他のところが、あるいは私企業が、刑事捜査とは別個にきちっと外部も、時には外部、外務省の調査は外部調査ですから、入れてきちっと調査をされるというのが一つ重要だと思います。
 次に、九月の事件なんですが、これは九月の病院移送事件の被害者である受刑者は刑務所職員により面接室で、弁護士会の人権救済申立ての撤回を働き掛けられたと報道されていますが、それはあったのでしょうか。
#126
○政府参考人(中井憲治君) そのような報道をなされていること自体は私、承知しております。
 しかしながら、問題のその事柄の経緯と申しますのは、言わばこの本件捜査対象となっている、仮にそれが事前であるとすれば、どういう経緯でこういう事態になったのかということになりましょうし、事後に今言うそのお話が、働き掛けがあったとするならば、仮にあったとするならば、その事後的な働き掛け、見方によっては証拠関係を若干左右するような働き掛けとも取られかねない。言わば本件事案の、検察庁で御捜査いただいている事案と密接不可分、裏表の関係にあるという具合に私どもは理解しております。
 したがいまして、先ほど来長々と申し上げて恐縮でございますけれども、現在、私どもは名古屋の検察庁の方にすべてゆだねましてあらゆる協力をさせていただいているという、そういう状況にございますんで、今お尋ねの件につきましても、現段階でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思うわけであります。
 しかしながら、先ほど来委員がおっしゃっておりますように、私どもはこの事案につきましては大変重く、重たいものであるというように考えております。検察庁にお願いしたからといって、私どもの調査をないがしろにする気などは毛頭ございません。検察庁の捜査の推移等を見ながら、私どもとしてもやるべき調査結果はきちんとし、所要の措置は取りたいと、かように考えておりますので、何分の御理解を賜りたいと思う次第でございます。
#127
○福島瑞穂君 先ほど理解を示すと言いましたが、ちょっと撤回をしたいというふうに思うんですね。というのは、公務員暴行陵虐罪があったかどうかとかいう問題、暴行があったか、傷害があったか、傷害致死があったかという問題とは全然別で、なぜトラブルが発生したかということでは、なぜ彼が病院に移送されたことが分かったかというと、人権救済の申立てをしていて弁護士と会うことになっていたので、直前に、いや、入院したのでと言われたので、人権救済申立ての、弁護士会への人権救済申立ての撤回を働き掛けられたと、というふうに語っているという報道もあります。
 つまり、彼が人権救済の申立てをしていた、弁護士が会うことになっていた、弁護士会が。そのさなかに病院に運ばれたわけで、その直前に、それはトラブルではないかと言われていて、もし人権救済申立ての撤回を働き掛けたとすれば、重大な人権侵害ではないかと思ってお聞きしているのです。この点だけでもちょっと聞かせてください。
#128
○政府参考人(中井憲治君) 本件の事案が公になった経緯についてでございますが、これは実は今、委員の御指摘のような事実関係もあったのかもしれません。ただし、私どもが報告を受けているところによりますと、同種の事案が続いたということを受けまして、名古屋刑務所の方で、これは現時点で公表するのが相当であると。その上で、透明性を確保した上で、検察庁にもお願いし、自分たちの方でも所要の調査を続けると、こういう判断に立ちまして、記者会見をいたしまして発表したものというふうに私は理解しております。
#129
○福島瑞穂君 九月の事件は、革手錠、保護房の事件ですが、腹膜炎ですよね。どうして腹膜炎が生じたというふうにお考えでしょうか。
#130
○政府参考人(中井憲治君) その点については、甚だ申し訳ないわけでございますが、正にそれが現在、検察庁において捜査されている対象であろうかと思いますので、この場で私の口から御説明することはお許しいただければと存ずる次第でございます。
#131
○福島瑞穂君 今回、データを出していただいたんですが、三年分しかデータが保管されていないと。保護房内で亡くなった人の件数についてということでは三年分しかデータがないというふうに言われました。なぜ三年分しか記録がないんでしょうか。
#132
○政府参考人(中井憲治君) お尋ねの本件事案の記録についてでございますが、その記録の性質というのは、収容されている者が死亡した場合におきまして、それぞれの関係施設から矯正局に対して報告をしてくる文書という性格のものでございまして、そのような文書の性格といたしまして、保存期間が三年間という具合に定められているわけでございます。
 若干敷衍いたしますと、要するに、死亡した被収容者に関する取扱い等が関係施設で適切に行われていたか、こういったことを確認するという行政上の必要がございます。その意味で報告を受けているわけでございますので、報告を受けて確認した以上は、基本的には余り長期の保存は必要ない、こういう性格のものだと御理解いただきたいわけでございます。
 さはさりながら、委員の御疑念は正にそのとおりでございまして、そういう死亡事案に関するものが全く廃棄されてしまっては、いろいろ事後の検証ですか、あるいは捜査も含めまして、そういったことで困るんじゃないかと、こういう御指摘は全くそのとおりであろうと思います。
 その点についても併せて御説明させていただきますと、矯正局というか本省側で保存している記録を廃棄したからと申しまして、当該亡くなられた被収容者の記録というのがすべてこれはなくなるというわけではございません。現場の各施設ではそれぞれの収容者ごとの関係記録というのが保存されているわけでございまして、当該被収容者の特定がきちんとなされるという、例えば犯罪捜査のような場合でございますけれども、そのような場合については事後の検証等は十分可能なシステムとなっております。
#133
○福島瑞穂君 では、この数について、三年分しか教えていただかなかったんですが、また教えてください。
 それで、この公表の方法、人権擁護法案の第三者機関とも関係があるのですが、イギリスでは刑務所の中で人が死亡すると陪審をやって、責任の追及ではなく事実の確認をやると。それは必要なことで、もちろん病死される人や、いろいろ理由はあるかもしれません。しかし、刑務所などで人が亡くなったときに、何か不審な死があるんじゃないかということで、きちっと第三者の目が入るということはとても大事なことだと思います。
 今回は、たまたま調べたら、連年というか、続けて亡くなっているということが分かったんですが、今まで保護房、革手錠で亡くなったケース二件は、一つが凍死の事件、一つが熱中症、脱水症状で死亡した事件。しかし、いずれも遺族が問題にし、弁護士に頼み、島根県の浜田支部では証拠
保全をやり、医者の協力があって、二件とも国家賠償請求訴訟で勝訴をしています。しかし、この名古屋のケースや他の亡くなったケースは、全く国会議員たる私たちも今まで本当に知らないわけですよね。本当にどういう事案なのかも教えてもらえないし、チェックのしようも全くないわけです。
 今後、例えば公表も、何かのきっかけがないと数年前のが分からない。ですから、これから例えば刑務所で死亡事件が発生した場合等については、直後に、要するに事実だけでいいので公表するとか、何か人権侵害について、本当はイギリスのように陪審制をやり、関係者に来てもらって事実の確認だけを行うというのでもいいと思うんですが、そのような工夫はどうでしょうか。
#134
○政府参考人(中井憲治君) ただいまのお尋ねについてでありますけれども、基本的な整理といたしまして、刑務所で亡くなられたからといって、それをすべて、例えば病死の場合は相当数ございますので、それをすべて公表していくかというと、これはプライバシー等の問題もございますので、いろいろ慎重に考えなければいけないことだと思います。
 しかし、今回の具体的な事案に即して申しますと、名古屋においては、最初の死亡事案というのは、私が受けました報告によりますと病死、具体的にはですね、であったんだけれども、その後生じた第二回目、今回発表した事案でございますけれども、その際にはこれは検察庁に通報して捜査をお願いしていると。そして、このたび、最後のけがをした事案、これはすべて、委員にかねて御説明したと思いますけれども、これが続いたがために、本来ならばその直前の事案についてはこれは公表しなかったんだけれども、二件続いたという事柄の重みにかんがみて、関係資料をすべて検察庁の方に渡すとともに、あえて公表したという具合に私は理解しているわけで、そのような方向性というのは私は現場の刑務所を監督する立場として適切なものではないかと、かように判断している次第でございます。
#135
○福島瑞穂君 ただ、第三者、例えば私たちもその事案がどういう、まあ刑事事件になっているのでようやくその進行が分かるわけですが、その結果を見ない限り、あるいは刑事事件にならない限り分からないわけですね。刑務所の中で、もちろん病死があるのも分かります。しかし、万が一、人権侵害事案が発生したときに、遺族が問題にしない限り全く分からないと。これはやはり非常に不安だというふうに、非常に問題があるというふうに考えます。
 革手錠、保護房なんですが、減っている刑務所もありますが、増えている。名古屋刑務所は激増しております。これは何か理由があるのでしょうか。あるいは、矯正局は新通達を出していらっしゃいますが、これに照らしてもこれは急増した理由がちょっと不明ですので、お願いいたします。
#136
○政府参考人(中井憲治君) 現在捜査中であるものを、我々といたしましても行政的な調査、これは可能の限りやっておりまして、委員がただいま御指摘の点も私どもの調査結果の一部をあらかじめ御説明させていただいたものでございます。
 その上で、若干敷衍して申し上げますと、例えば同種の刑務所等の比較などもしておりまして、例えば府中と名古屋辺り、府中刑務所と名古屋刑務所を比較いたしますと、両施設とも犯罪傾向の進んでいる長期でない受刑者のほかに、あるいは精神に障害を有する受刑者でありますとか、あるいは身体上の疾患のある受刑者等を主な収容対象としている点、これは同様なわけでございます。
 ただ、収容人員を見ますと、九月末で府中刑務所、名古屋刑務所、いずれも過剰収容状況にあるわけでありますが、府中刑務所が三千人、名古屋刑務所が二千二百人と、これは収容人員のスケール、人員の点においては確かに異なっておると。
 また、収容者の内訳を見ますと、例えば府中刑務所でいいますと、日本語の理解力や表現力が特に劣りましたり、あるいは日本人と著しく風俗習慣を異にするといったような外国人受刑者、これは約五百人ぐらいございますけれども、これを収容していると。片や、名古屋の方では、片言ではありますけれども日本語が通じるような外国人受刑者が二百人あるというようなことがある等々、いろいろなことを行政的な調査の過程で実は検討しているわけでございます。しかし、客観的な数字の問題は委員御指摘のとおりでありまして、正に我々もその時点についてはこれは関心を持っているところでございます。
 いずれにしましても、現在捜査中でございますので、その捜査と合わせまして我々の調査も更に進め、捜査の結果、我々の調査結果を踏まえまして適切な対応を取りたいと考えております。
#137
○福島瑞穂君 保護房、革手錠の件に関して、名古屋は十三年は五十三件、十四年は百四十八件と三倍になっていて、非常に増えています。新通達ができ、革手錠、保護房が問題にされている中でなぜ増えるのかという点について、調査の上、また御意見をお聞かせください。
 報道によれば、刑務所の独自調査では暴行はしていないという報道があります。今国会に提案されている人権擁護法案に基づく人権委員会なのですが、私はこういう状況、要するにさっきおっしゃいましたように、矯正局長も検察官、元検察官、総務課長も検察官でいらっしゃいますよね。そうしますと、刑務所あるいは警察、場合によっては入管の施設などで起きた人権侵害事案に関して、身内というから甘くなるとは思いませんが、自分たちの独自調査が本当にきちっとできるのかということは非常に思うんですね。捜査、警察、検察は刑事捜査をやる、しかしそれと別に人権侵害が起きたときに果たしてやれるのかと、法務省の外局で。今回だって、これだけ事件が起きていて、問題がない、あるいは今まで本当に知ることができなかったわけです、死亡事案に関して。そうしますと、法務省の外局に置いたときに、結局、じゃ刑務所の中あるいは入管施設の中の人権侵害をやれるんでしょうか。現に、捜査中だということもあるかもしれませんが、明快なことを、何か問題があったという回答や過去の死亡事案についてきちっとやったということはないわけですね。
 さっき申し上げた島根県の浜田支部の、熱中症で、保護房に入って熱中症で亡くなった事案は、裁判では国家賠償請求訴訟では勝訴しましたけれども、遺族が。しかし、ずっと被告、国は何も問題はないということをずっと言って否定をされていたわけで、そういう状況だと刑務所の中の人権侵害で国側としてそれをずっと否定して裁判をやるわけですから、刑務所、入管施設などの人権侵害を果たしてやれるのかという点についていかがですか。
#138
○政府参考人(吉戒修一君) お答え申し上げます。
 人権委員会は国家行政組織法三条第二項に基づく独立の行政委員会として設置されるわけでございまして、高度の独立性を確保されております。したがいまして、その職権の行使に当たりましては、法務大臣の指揮命令は一切受けることはございません。
 お尋ねの事案でございますけれども、法案の中で、差別や虐待など特に救済の必要性の高い一定の人権侵害につきましては、事実関係の解明を的確に行いまして、実効性ある救済措置、これは調停でありますとか勧告あるいは訴訟援助ということでございますけれども、そういうふうな措置を取るために過料で担保された調査権限を整備しております。これは法案の四十四条でございます。具体的な調査権限でございますが、これは質問調査あるいはその文書等の提出を求める、あるいは立入調査でございます。
 御指摘の名古屋刑務所での事件でございますけれども、内容は承知しておりませんけれども、今御指摘のように、刑務所の職員が受刑者に暴行を加えまして傷害を負わせ、あるいは死亡させたというような事件でありますと、これは正に人権擁護法案でおきますところの虐待に該当いたしますので、今申し上げましたような調査権限に基づく調査をすること、これは可能でございます。
#139
○福島瑞穂君 人的な交流をどうするかはあるかもしれませんが、ただ実際、法務省の外局でできるのかということをやはり今日申し上げたい。
 例えば、この間ずっとこの問題についてどうなっていますかと聞いて、誠実にいろいろ教えてはいただいていますが、やはり捜査が進行中ですから答えられませんとなっていますし、暴行があったということや問題があったということは一切やっぱりおっしゃれないし、言わないわけですよね。
 しかも、ちょっと繰り返しになって済みませんが、過去の死亡事案についてやこういう事件があることは偶然記事で見て、過去のことを聞いたら、おかしい、何か例年、例年というか二年続けて亡くなっているとか、非常に変ではないかと思うくらいであって、ただ、私はおかしいんじゃないかと仮に思ったとしても、遺族も分かりませんし、名前も分かりませんし、証拠保全ももちろんできていませんから、悪い言い方をするとやみからやみに葬られちゃうわけですよね、何も裁判もできませんし。そうしますと、果たして人権救済、本当に光の当たらないところの人権救済をどこがやるのがいいのかという議論をやはり申し上げたいと思います。
 最後に、矯正局長にお願いで、せっかく保護房や革手錠に関して新通達ができて、個人的には何か改善されているというふうに思っていたんですね、正直言って。こういうことでむしろ件数が増えているというのは、正直言って三倍になっていたりショックなんですが、今後こういうことなどについての改善、あるいはこの件についてのことでもちょっとおっしゃってください。
#140
○政府参考人(中井憲治君) 冒頭申しましたように、今回の事件につきましては非常に残念なことでございますし、矯正局といたしましても非常に重く受け止めております。検察に捜査をお願いしたからといって私どもの調査をやらないということは全くございません。やるべき調査はきちんと尽くしますし、検察の捜査結果あるいは私どもの調査結果、これを併せ考えまして所要の措置は講じたいと考えております。
#141
○福島瑞穂君 革手錠の問題について。
#142
○政府参考人(中井憲治君) ですから、革手錠を使用する要件の具体的な適用の問題等につきましても、改めるべき点があればこれは当然改めさせていきたいという具合に考えております。
#143
○福島瑞穂君 以上です。
#144
○委員長(魚住裕一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#145
○委員長(魚住裕一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、来る十一月五日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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