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2002/11/13 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 本会議 第5号
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2002/11/13 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 本会議 第5号

#1
第155回国会 本会議 第5号
平成十四年十一月十三日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第五号
  平成十四年十一月十三日
   午前十時開議
 第一 社会保険労務士法の一部を改正する法律
  案(第百五十四回国会衆議院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法
  律案(趣旨説明)
 一、法科大学院の教育と司法試験等との連携等
  に関する法律案、司法試験法及び裁判所法の
  一部を改正する法律案及び学校教育法の一部
  を改正する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。坂口厚生労働大臣。
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(坂口力君) 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 近年における離婚の急増など母子家庭等をめぐる諸状況が変化する中で、母子家庭等の自立の促進を図りながら、その児童の健全な成長を確保することが重要な課題となっております。
 今回の改正は、こうした状況を踏まえ、母子家庭等に対する子育て支援の充実、就労支援の強化、扶養義務の履行の確保、児童扶養手当制度の見直し等の措置を講ずることにより、総合的な母子家庭等対策を推進するものであります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、母子家庭、父子家庭に対する子育て支援の充実であります。
 市町村は、保育所への入所に関し、母子家庭等に対する特別の配慮をしなければならないこととしております。
 また、保護者の疾病等の場合に児童の保護を行う子育て短期支援事業を法律に位置付けるとともに、母子家庭等に対する日常生活の支援の充実を図ることとしております。
 第二に、就労支援の強化であります。
 都道府県は、母子家庭の母等の雇用の促進を図るため、母子福祉団体との連携の下に、就職に関する総合的な支援を行うことができることとし、都道府県等は、母子家庭の母又は事業主に対し、母子家庭の職業生活の安定及び技能の習得のための支援を行うことができることとしております。
 第三に、扶養義務の履行の確保であります。
 母子家庭等の児童の親は、児童が心身ともに健やかに育成されるよう、養育に必要な費用の負担等児童に対する扶養義務を履行するよう努めるとともに、国及び地方公共団体は、その履行を確保するための措置を講ずるよう努めることとしております。
 第四に、母子寡婦福祉貸付制度及び児童扶養手当制度の見直しであります。
 母子寡婦福祉貸付金の貸付け対象として、母子家庭の児童本人及び母子家庭の自立の促進を図るための事業を行う母子福祉団体を追加するとともに、特定の貸付金の貸付けを受けた者について、所得の状況等によりその一部の償還を免除できることとしております。
 また、児童扶養手当の受給開始から五年間を経過した場合には、三歳未満の児童を監護する者、障害者等に適切な配慮をしつつ、手当額の一部を支給しないこととするとともに、手当の受給資格の認定の請求期限を五年間とする規定を廃止することとしております。
 第五に、国及び地方公共団体における総合的な施策の推進であります。
 厚生労働大臣は、母子家庭等の生活の安定と向上のための措置に関する基本方針を定めることとし、都道府県等は、母子家庭及び寡婦自立促進計画を策定することができることとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、平成十五年四月一日としております。
 以上が、母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。谷博之君。
   〔谷博之君登壇、拍手〕
#7
○谷博之君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま提出されました母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、坂口厚生労働大臣並びに関係大臣に質問をいたします。
 今般の厳しい経済情勢にあって、一人親家庭や寡婦、そして障害者、難病や慢性疾患に苦しむ人たちの雇用と生活は大変厳しい状況にあります。
 私の地元である栃木県宇都宮市で、一昨年の二月八日、生活に困窮した母子家庭で二歳の女の子が飢えて凍え死んだ痛ましい事件が起きましたが、当時二十九歳の母親は、内職で月数万円の収入しかありませんでした。また、今年の九月には、岡山県の倉敷市でも同様に母子家庭の十一歳の少女が餓死する事件がありました。八年前に母子支援施設を出て転々とし、人生に疲れたと事情聴取に述べた母親の養育責任は問われるべきですが、しかし、その母親も衰弱するまでになっていたということで、社会や国はその支援の責任を十分に果たしていたと言えるのでしょうか。
 母子家庭の平均的な年収は、平成九年の調査で、手当と養育費を含めてもわずか百九十四万円と、一般世帯の三六%足らずでありました。ところが、生活保護基準以下の年収しかない母子家庭は約半数に達するにもかかわらず、実際に保護を受けているのは八・五%にすぎないということでありました。これは、生活保護の受給要件が厳しいということと同時に、彼女たちの多くが自らの力で生活をしていきたいという意欲を持っていることも同時に示しています。これは大変重要な事実だと私は受け止めております。
 今後も離婚の増加が予想されますが、自力で生活したいという意欲を持つ女性たちに就業の機会を提供し、併せて育児面でのサポートを行う、つまりは自立支援を行うことにこそ、母子家庭に対する支援の基本があるのではないかと思うのであります。当事者に自立への意欲をしっかりと持ってもらうために最も大切なことは、支援の在り方について当事者も参加して検討し、策定することだと思います。
 そこで、まず坂口厚生労働大臣に伺います。
 今回の母子及び寡婦福祉法等の改正案の基になった、本年三月七日に厚生労働省が取りまとめた母子家庭等自立支援対策大綱の策定過程において、当事者たる一人親家庭の親や子供、あるいはパートナーに先立たれた女性の十分な意見は、果たしてどの程度聴取し、反映してきたのでありましょうか。そして、そのことについて坂口大臣はどのようにお考えでありましょうか。私には、どうしてもそれは必ずしも十分ではなかったと思うのであります。
 また、栃木県内のある市の職員からは、今般の母子自立支援員の設置や児童扶養手当の改正について、余りにも唐突に国からの連絡が入り、内容も分からないまま来年度予算を立てざるを得なかったとのEメールが届いております。そして、このままでは県により制度の運用が違ってしまうのではないかと危惧すら感じているのであります。つまり、これも支援の直接の当事者である自治体との十分な意見交換がなされないまま今回の法改正が行われようとしている何よりもの証拠ではないでしょうか。
 児童扶養手当の削減について、与党三党はそれぞれの母子家庭対策の基本方針において、受給者数が増大するので児童扶養手当は合理化すべしと、まるでコピーをしたかのようにそっくり同じ内容を主張しておられます。つまりは一言で言えば、財政難だから手当の額を削減するのだという話であり、そしてまた、政府の母子家庭等自立支援対策大綱は、この与党三党の方針を踏まえ出されてきているということでありますから、児童扶養手当法改正案第十三条の二は、財政的な面からの予算削減措置に何よりもほかならないのではないでしょうか。
 そこで、こうしたことからして支給開始五年後の削減措置は議論が不十分であり、余りにも問題点も多いことからして、直ちに撤回をし、法案から削除すべきであると考えますが、坂口厚生労働大臣の御答弁をいただきたいと思います。
 一人親家庭への子育て支援の充実には、保育所の量的な整備、そして病児保育や延長保育等の多様な保育サービスの充実が何よりも不可欠です。昨年五月、小泉総理大臣は、総理就任直後の所信表明演説において、政府を挙げて子育て支援を行うとして待機児童ゼロ作戦を打ち出しました。ところがどうでありましょうか。実態は、昨年四月に二万一千人だった待機児童は、今年四月には二万五千人にも増えてきているのであります。
 このように、待機児童が一向に減らない現状で母子家庭の優先入居という施策は都市部で理解を得られるはずはありません。三年後に待機児童をゼロにするという小泉内閣の公約は果たして守れる見込みはあるのでしょうか。来年四月には待機児童数は更に増える可能性は大であります。また、子育て短期支援事業の実施状況が都道府県で大きくばらついているのは、利用希望者が多いにもかかわらず、事業を実際行っていない市町村が反対に多いことの何よりもの証左ではありませんか。
 事業開始後八年も経ているのに、いまだに多くの都道府県で実績ゼロというのは行政の怠慢と言わざるを得ません。この点について、坂口厚生労働大臣にお伺いいたします。
 離婚や死別によって一人親家庭になってしまうのは男女を問いません。しかし、母子家庭への支援がとりわけ求められているということは、我が国が依然として男女共同参画社会を実現できていないというあかしでもあります。そして、母子家庭を始め、事実婚、単身世帯等、どのようなライフスタイルにも中立、公平な真の男女共同参画社会の実現が強く求められています。そして、そのためには年金や税制の個人単位化や男女雇用機会均等の実現に向け、男女共同参画担当大臣がリーダーシップを発揮して、政府を挙げてこうした問題点に積極的に取り組むべきではないでしょうか。
 母子家庭の就労している母親のうち、四五%以上が臨時雇用やパート労働者あるいは日々雇用で占められており、今後ともパート労働者や日々雇用労働者がますます増えていく中で、社会保険や税制において常用雇用者との間で均衡な処遇となるよう、また採用時に年齢や子供の有無によって不当な差別が行われないように早急な取組も必要と考えますが、そこで、こうした点についての福田男女共同参画担当大臣の御所見を伺います。
 平成十一年六月に男女共同参画社会基本法が施行されて以来、全国の三十八の都道府県、七十六の市区町村において男女共同参画に関する条例が制定されました。この進捗状況、そしてその内容について、福田大臣はどのような御所見をお持ちでしょうか。
 私は、それぞれの自治体において、地域の特性を踏まえつつも、基本的には男女共同参画社会基本法の前文にある、男女が互いにその人権を尊重し合いつつ責任を分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会の実現を目指していくという理念が何よりも柱に据えられた内容の条例が今後とも策定されていく必要があると考えておりますが、福田大臣の御意見を伺います。
 性別にかかわりなくということであれば、母子家庭対策と同様に父子家庭対策も充実させるべきだと考えます。
 父子家庭は、平成十年の数字で約十六万三千四百世帯と、九十五万世帯を超える母子家庭と比べて絶対数が少なく見落としされがちな状況にありますが、父子世帯の収入一つを見ても、一般世帯と比べて低いのもまた事実であります。その結果、母子家庭であれ父子家庭であれ、経済的困難の程度が同じなのであれば同様に救済されるべきであり、栃木県鹿沼市では、この八月から父子家庭への児童扶養手当の支給を市の単独事業として全国に先駆けて開始したのであります。
 そして、これらのことはほんの一つの事例であり、他にも母子寡婦福祉貸付金制度の適用や就労支援策などが求められており、今こそ母子家庭、父子家庭の両者を含む一人親家庭への支援に関する包括的な法律を整備するなどの必要が強く求められていると思うのであります。そしてまた、相談相手がいないとの回答が四三・二%に上っていることを考えると、父子家庭の団体設立を支援することも必要なのではないでしょうか。坂口大臣は、父子家庭対策について今後どのように施策を展開するつもりか、伺います。
 現実の話として、子供の父親から養育費を受け取っている一人親の母親は全体の二割にすぎません。今回の改正案では、母子及び寡婦福祉法の第五条に、子供の父親の養育費支払の責務と、国及び地方公共団体の養育費確保のための環境整備に関する責務等を規定し、今後、養育費のガイドラインを規定していくとのことでありますが、家庭裁判所の調停や裁判で養育費を取り決めても履行が確保できない状況では実効性は全くないと言わざるを得ないのではないでしょうか。
 子供の養育費の履行を確保するためには、民法本体に養育費の支払義務を明記する改正こそ必要だと考えます。また、政令を改正して、離婚届出用紙に、養育費や面接交渉の取決めについて記入する欄を設けることも履行確保に効果的なものではないかと考えますが、森山法務大臣の御所見を伺います。
 続いて、賃貸住宅の家賃債務保証制度について伺います。
 住居は自立生活の基盤であります。政府案では、全国保証株式会社による賃貸債務保証をうたっていますが、別居や離婚直後は経済的に困窮し、要件である一定の収入、つまり月額家賃の二か月分を捻出すること自体が非常に困難であります。高齢者居住法に基づく高齢者居住支援センターによる家賃債務保証という住宅支援策を母子家庭にも準用すべきであると考えますが、扇国土交通大臣の御所見を伺います。
 金子勝慶応大学経済学部教授はその近著で、長期停滞の時代には何よりも人々の信用と信頼回復を取り戻すための政策が最優先すべきと述べております。消費デフレから脱却するためにも、一人一人が安心して暮らせる生活のセーフティーネットを整える施策が求められているのであります。
 このような観点から、私は、今回の改正案が自立に向けぎりぎりの努力をしている母子家庭や寡婦の方々をいきなりがけから突き落とすようなものであってはいけないと強く危惧をいたしております。手当の削減よりも先に、まずは実効性のある就労支援と育児支援を行うべきことを強く主張いたしまして、私の質問を終わりといたします。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(坂口力君) 谷議員にお答えを申し上げたいと存じます。
 母子家庭等自立支援対策大綱の策定過程についてお尋ねがございました。
 母子家庭等自立支援対策大綱の策定に当たりましては、担当者が全国各地に赴きまして、全国の母子寡婦福祉団体協議会及び各地の母子寡婦福祉団体の方々と意見交換を重ねてきたところでございます。さらに、NPO法人も含めました各種の母子家庭の団体からも何度もヒアリングを行いまして、当事者である母子家庭の方々の御意見を反映させるように努めてきたところであります。
 今後とも、母子家庭施策の推進に当たりましては幅広く御意見を伺ってまいりたいと考えておりますし、先ほど御指摘になりましたように、自治体との連携も密にしていきたいと考えているところでございます。
 児童扶養手当の五年後の一部支給削減につきましてのお尋ねがございました。
 今回の改正案につきましては、児童扶養手当制度を離婚直後の一定期間に重点的に給付することにより、離婚等による生活の激変を一定期間で緩和するとともに、この間に集中的に就労支援策を講じますとともに、母子家庭の自立を促進する制度に改めるという観点から見直しを行っているところでございます。この見直しによりまして、将来更に増え続けることが予想されます母子家庭に対する給付制度を安定的なものにしたいと考えております。
 五年後の減額につきましては、子育て・生活支援策、就労支援策、養育費の確保策、経済的支援策の進展状況及び離婚の状況などを踏まえ決定したいと考えております。また、その際には、NPO法人を含みます母子福祉団体など幅広い関係者からの御意見を十分伺いたいと考えているところでございます。この五年間に、雇用対策など、国が十分な対策を立てる、この責任を負ったというふうに自覚をいたしております。
 いわゆる待機児童ゼロ作戦と子育て短期支援事業につきましてのお尋ねがございました。
 待機児童ゼロ作戦につきましては、保育所等を活用し、待機児童を解消するために、平成十四年度から年に五万人、そして平成十六年までに十万人、合計で十五万人の受入れ児童の増大を図りまして待機児童の減少を目指す取組であります。
 平成十四年四月一日の保育所利用児童数は、前年度に比べまして五万一千人の増となっているところであり、平成十四年度中に五万人の受入れ増につきましても着実に実施しているところでございます。
 次に、子育て短期支援事業についてでございますが、母子家庭などが安心して子育てをしながら働くことができる環境を整えるためには、親の病気等の際にショートステイなどを行う本事業を一層普及させるとともに、利用しやすいものとすることが重要でございます。
 このため、今回の法律案におきましては、本事業の実施や財政的な支援に関する規定を児童福祉法に設けるとともに、今年度予算におきまして、一人親の低所得世帯に対します利用料免除や補助基準等の見直しなどの措置を講じたところであります。
 今後、待機児童ゼロ作戦の計画年度であります平成十六年までの間に、保育需要にこたえるとともに、子育て短期支援事業を始めとする幅広い子育て支援等の充実普及に努めてまいりたいと考えております。
 最後になりますが、父子家庭に対する支援についてのお尋ねもございました。
 平成十年度の全国母子世帯等実態調査によりますと、母子家庭の平均年収が二百二十九万円であるのに対しまして父子家庭は四百二十二万円と二倍近くになっており、同調査におきましても、最も困っている事項として、家計よりも家事が挙げられております。また、母子家庭は離婚等により家計が激変する場合が多いのに対し、父子家庭におきましてはこのような激変が起こることは少ないのではないかと考えております。
 御指摘の父子家庭への支援につきましては、こうした父子家庭の経済状況やニーズを踏まえまして、今回の改正法案におきましても、子育て支援サービスについて父子家庭も対象とすることを明確に位置付けたところでございます。
 なお、父子家庭に対します児童扶養手当の支給などの経済的支援や就労支援等、母子家庭を含みます一人親家庭への支援に関する包括的な法律の整備、団体設立の支援などにつきましては、制度の創設経過や母子家庭の実態、一般の低所得世帯との均衡などを考慮しながら、慎重に検討していく必要があると考えているところでございます。
 以上、お答えを申し上げました。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(福田康夫君) 谷議員にお答えします。
 まず、ライフスタイルに中立な制度等についてお尋ねがございました。
 女性の就業を始めとするライフスタイルの選択に大きなかかわりを持つ制度、慣行の中には現在の状況に適合しないものや女性の就業の妨げや男性の選択を狭めているものなどもあることから、男女共同参画の観点から総合的に検討することが必要であります。
 このため、男女共同参画会議では、影響調査専門調査会において、特に影響の大きい税制、社会保障制度、雇用システムについて検討を行い、個人単位化や雇用形態、処遇の見直しなどについての中間報告を四月に取りまとめました。また、この報告に基づき、私から経済財政諮問会議において説明もいたしております。さらに、国民からの意見なども踏まえて議論を深め、本年十二月に社会保障制度を中心とした報告を取りまとめる予定であります。今後とも、男女共同参画会議の検討結果を踏まえ、ライフスタイルに中立な制度の構築に関する関連施策の総合調整を積極的に進めてまいります。
 次に、男女共同参画に関する条例についてのお尋ねがございました。
 近年、地方公共団体において条例の制定が急速に進展していることは、地域における男女共同参画の推進のために心強いことであると評価しております。今後とも、男女共同参画に関する条例が、御指摘のように、男女共同参画社会基本法の趣旨、理念を踏まえるとともに、各々の地域の特性に応じ、また住民の意向等を勘案しながら制定されることを期待しております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣森山眞弓君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(森山眞弓君) 谷議員にお答え申し上げます。
 まず、養育費の支払について民法に規定するべきではないかとのお尋ねがございました。
 父母が離婚した場合の子供の養育費につきましては、現行民法の下においても、父母の一方は他方に対し、第七百六十六条第一項が規定する子の監護について必要な事項として、子の養育費の支払を求めることができると解されております。したがいまして、子供の養育費の問題は、現行民法の規定によりましても既に制度的に手当てをされているものと認識しております。
 次に、離婚届出用紙等についてのお尋ねがございました。
 戸籍届書の様式は戸籍法施行規則により定められておりますが、離婚届出用紙等の戸籍届書は、親族的身分関係を登録して公証するという戸籍の機能にかんがみ、戸籍に記載すべき事項を届け出させるものでございまして、その他の事項を記載させることは戸籍届書の性格になじまないものと考えられます。
 また、仮に養育費や面接交渉の取決めを戸籍届書に記載したといたしましても、それには強制執行力がなく、最終的解決には至りませんので、御指摘のような養育費や面接交渉の取決めについて記入する欄を設けることは適当ではないと考えます。
 しかし、養育費の支払の確保が重要な問題であるということは法務省といたしましても十分認識をしているところでございまして、現在、養育費の履行確保の方策について鋭意検討を進めているところでございます。(拍手)
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(扇千景君) 谷議員から、母子家庭の居住の安定を図るということで、家賃の債務保証についてのお尋ねがございました。
 母子家庭にとりまして居住の安定ということが大変大事なことである、しかも重要な課題であるということは認識しておりますし、また、このために、従来より、母子家庭に対する公営住宅の優先入居制度等を設けているところでございますので、一般入居も含めまして、約九十五万の母子家庭のうち、一七%に相当する約十六万世帯が公営住宅に入居されているのが現在でございます。
 また、母子家庭を対象とした家賃の債務保証につきましても、複数の民間業者にこの保証制度で実施されているところでございますので、その保証実績につきましても着実に増加いたしております。これらの制度によって、一層活用されるということを、母子家庭の居住の安定が図れると考えておりますので、見ていきたいと思っております。
 また、母子家庭に対する住宅の支援策につきましても、これらの公営住宅における母子家庭の入居状況、それから民間の事業者による家賃の債務保証制度の実施状況等を踏まえて、必要な施策について検討してまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(倉田寛之君) 井上美代君。
   〔井上美代君登壇、拍手〕
#13
○井上美代君 日本共産党を代表して、母子及び寡婦福祉法等の一部改正法案について質問をいたします。
 今回の法案は、今年三月に出された母子家庭等自立支援対策に基づくものですが、この対策の中で、法案を待たずして八月実施となったのが児童扶養手当の見直しでした。満額支給される場合の所得制限二百四万八千円を百三十万円未満にまで大幅に引き下げたことで、児童扶養手当受給者の約半数、三十三万人が減額となったのです。
 大臣、母子家庭の命綱である児童扶養手当の削減を真っ先に行うことがどうして自立支援対策と言えるのですか。
 今、母子家庭の母親たちから切実な訴えが連日寄せられております。
 例を挙げれば、育ち盛りの男の子二人を抱え、必死で働いてきました。朝昼夜と三重労働をしても月収十三万円。毎月借金をして、四か月ごとに入る児童扶養手当で何とかやってきました。それが月一万円近い減額、わずかな頼りを切るなんて、余りにもひど過ぎますと訴えておられます。十二月の振り込まれる児童扶養手当で滞納していた光熱費を払い、子供の冬物の服も買えると思っていた、それなのに思いもしない減額に愕然としている。そういう母親たちが大勢いるんです。年収二百万円、月収にすれば十六万円程度の母子家庭で、月一万円以上も手当が減額される、これがどれほど厳しいことか、本当に胸が痛みます。
 大臣、このままでは生活できなくなるという切実な声をあなたはどう受け止められますか。母子家庭の母親に伝わるように御答弁を願いたいと思います。
 今回の法案では、児童扶養手当の支給期間が五年を超えると、その月から支給額が最大で半額にまで減額をするとしています。所得制限が厳しく引き下げられた上に、五年後減額を突き付けられる、母親たちの不安は募るばかりでございます。厚生労働省は五年の間に自立支援をするのだと説明をしていますが、それで収入が増えれば所得制限によって児童扶養手当は減額ないし支給停止となるのです。なぜ所得制限に加えて支給五年で減額なのでしょうか。
 児童扶養手当法は、母子家庭の「児童の福祉の増進を図ることを目的」とし、「児童の心身の健やかな成長に寄与することを趣旨として支給される」のが児童扶養手当であると明記してあります。支給五年での減額はこの法の趣旨を変質させるものではありませんか。明確な答弁を求めます。
 児童扶養手当の目的、趣旨に立脚し、また、母親たちの強い要求で、支給要件は子供の義務教育終了時から十八歳未満に延ばされ、更に十八歳の年度末まで改善されてきました。家計支出は子供の成長に伴って増えていくものです。文部科学省の調査では、公立小学校の学校教育費で年平均六万二千円、公立中学校では十三万八千円、公立高校では三十三万円にもなります。
 ある母は訴えています。子供が高校生のときが一番苦しかった、児童扶養手当があったから生活できた、これから母子家庭はどうなっていくのかと、このように訴えておられます。十八歳の年度末まで所得に応じて手当を支給することは、母子家庭の子供の教育を受ける権利を保障するためにも、最低限必要ではありませんか。
 次に、就労支援策について質問をいたします。
 母子家庭にとって就労支援など自立支援が必要なことは言うまでもありません。今でも母子家庭の母親の九割が働いているんですが、その半数は低賃金のパート労働です。母親たちは常勤で安定した働き方、子育てと両立できる働き方を強く求めています。果たして、この就労支援策が切実な願いにこたえているでしょうか。来年度予算要求の就労支援策では、一万人程度の母親を対象としているにすぎません。余りにも貧困ではありませんか。
 常用雇用転換奨励金、これは、新たに母子家庭の母親をパートとして雇用し、試行期間を経て常用雇用に転換した事業主に三十万円の奨励金を支給するというものですが、その対象はわずか一千人です、一千人。児童扶養手当受給者約七十万人に対してたったの一千人です。この程度の対策で、母子家庭の母だけが常勤雇用へ移行する見込みがどこにあるというのでしょうか。
 衆議院の委員会審議で、坂口厚生労働大臣、あなたは、どれだけの就労が見込めるかはやってみないと分からないと、このように答弁をされました。これは、母親たちに対して余りにも無責任ではありませんか。わずかな就労支援で、どこに生活保障の根拠があるのですか、御答弁を願いたいと思います。
 最後に、養育費について質問をいたします。
 父親、母親双方が子供の扶養義務を負い、扶養に必要な費用をともに負担することは当然のことです。しかし、現状では、養育費を取り決めた離婚母子の三五%、実際に養育費を受け取っているのはたったの二〇%にすぎません。母親が養育費を受け取る上で様々な困難があることが分かります。
 ところが、この法案では、母子家庭等の児童の親は、扶養義務の履行を確保するように努めなければならないと、このように書いているんです。直接の努力を母親に課している。国は広報その他の措置に努めるとするだけです。様々な事情を経て離婚した母親が未払養育費を前の夫に直接請求する、それがどれほどの精神的苦痛を与えるのか全く考慮していません。
 欧米などでは、養育費が未払となった場合には、公的機関が立て替えて、父親への請求を代行するシステムが確立されているのです。
 養育費確保について、国は周知に努めるだけで十分と本気で考えているのですか。第三者機関による養育費の立替払、請求の代行等の制度を検討するつもりがあるのかどうか、お聞かせ願います。
 母子家庭の自立のためには、女性の労働条件の改善、安価な住宅の提供など、抜本的な条件整備こそ必要です。女性の平均賃金が男性の二分の一という現況は、この四半世紀変わってはいませんし、パート労働の均等待遇さえ実現していません。こうした根本的な条件も整備せずに、自立の名の下に母子家庭の母親に自己責任と負担を強要することは、母子家庭の生活保障への責任を放棄するに等しいものです。
 日本共産党は、今日の不況の下で、命綱である児童扶養手当は拡充こそ必要と考えております。既に強行されている全部支給の所得制限の大幅切下げを含め、手当削減を撤回することを強く求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(坂口力君) 井上議員にお答えを申し上げたいと存じます。
 母子家庭対策につきましては、昨年度から子育て支援、就労支援等の総合的な支援策の在り方について検討を行い、本年三月に母子家庭等自立支援対策大綱を取りまとめたところでございます。
 この大綱に沿いまして、平成十四年度におきましては、乳幼児の世話などのための介護人派遣事業や就業支援のための講習会事業の拡充を図りますとともに、本年八月には、政令レベルの対策として、まず必要度の高い世帯への児童扶養手当の支給の重点化を図り、就労による収入や手当額の合計額の総収入が増加し、自立支援につながるよう、所得制限の見直しを行ったところでございます。
 さらに、今般、大綱に沿いまして、子育て・生活支援、就労支援、経済的支援を本格的に推進するため、母子及び寡婦福祉法等の改正法案を御提案申し上げているところでございます。
 児童扶養手当制度の見直しに対する母子家庭の声についてのお尋ねがございました。
 母子家庭の生活の安定を図る上で、児童扶養手当は一定の役割を果たしているものと認識をいたしております。今回の改正は、離婚の急増等、母子家庭をめぐる状況の変化に対応し、その自立を促進するため、子育て支援策、就労支援策、養育費の確保等、経済的支援策などについて総合的に展開しようとするものでございます。児童扶養手当制度の見直しもこの一環として行うものであり、児童の福祉や自立が困難な者にも配慮しつつ、母子家庭の自立が一層促進されるよう、また、この制度が、母子家庭が急増する中ですべての人が安定した生活ができるようにするものでありますことを御理解をいただきたいと存じます。
 児童扶養手当を受給開始後五年で減額する改正についてのお尋ねがございました。
 今回の改正は、離婚などによる生活の激変を一定期間で緩和し、自立を促進する制度に改めるとともに、将来更に増え続けることが予想される母子家庭に対する給付制度を安定的なものとするため改正を行うものであり、児童扶養手当が児童の心身の健やかな成長に寄与することを趣旨として支給するものである点を変更するものではないところであります。
 具体的には、手当の平均受給期間を考慮した五年を超える場合には、それ以後、児童が十八歳に達するまで手当の一部について支給することとしておりますが、一部支給停止に当たりましては、三歳未満の児童を監護している場合や障害、疾病を有する場合など、自立が困難な母子家庭に十分配慮することとしております。
 また、五年後の一部支給停止に係る具体的な減額率を定める政令は、法施行後における子育て・生活支援策、就労支援策、養育費確保策、経済的支援策の進展状況及び離婚の状況などを十分踏まえて制定したいと考えており、その際には、母子福祉団体など幅広い関係者の意見を十分にお伺いすることといたしております。
 児童扶養手当の支給期間についてのお尋ねがございました。
 児童扶養手当につきましては、離婚直後の生活の激変を緩和し、自立を促進する制度として見直すこととしております。このため、支給開始から五年間は手当を全額支給するとともに、この間に就労支援策を重点的に講じ、自立に向けた支援を行うこととしております。
 また、児童が高校生の時期の経済的負担は教育費負担によるものと考えられますが、これに対応するため、母子福祉貸付金における無利子の修学資金貸付け、就学支度金貸付けなどにつきまして、児童本人も借受人とすることができるようにしますとともに、これに伴いまして、第三者の保証人を立てなくても借り受けることができるようにするなど、制度の充実を行うことといたしております。
 母子家庭の母等の就労支援策についてのお尋ねがございました。
 今回の改正案につきましては、就労支援策として、都道府県における一貫した就業支援サービス等を行う母子家庭等就業・自立支援センター事業の創設、就業能力開発のための自立支援教育訓練給付金制度の創設、介護福祉士など就職に有利な資格取得を行う場合の経済的支援、パート等の母子家庭の母を常用雇用へ転換する事業主を助成する常用雇用転換奨励金の創設等によりまして、母子家庭の母の職業能力の向上を図りますとともに、的確な就業相談、求人情報の提供などによりまして、母子家庭の母が現在よりも高い収入を得られ、安定した職に就くことができるように積極的な支援をしていくことといたしております。
 また、児童扶養手当やこうした就労支援のほかに、母子家庭に対する経済的な支援として、母子寡婦福祉貸付金制度については、生活資金の貸付けなどの仕組みを設けております。
 なお、児童扶養手当制度の一部支給停止につきましては、三歳未満の児童を監護している場合や障害、疾病を有する場合など、自立が困難な母子家庭に十分配慮しつつ、法施行後、五年間に集中的に実施する就労支援策等の進展状況等を踏まえながら、具体的な対応を考えていきたいと考えております。
 養育費の確保等についてお尋ねがありました。
 厚生労働省といたしましては、養育費支払についての社会的機運を図るため、積極的な広報・啓発活動を実施するとともに、適切な取決めを促進するための養育費ガイドラインを作成することなどによりまして、養育費確保のための具体的な施策の推進を図ってまいりたいと考えております。
 また、養育費について、欧米諸国では、行政機関等が強制的に徴収する仕組みを導入しておりますが、このような国では裁判によってのみ離婚することができ、子供がいる場合にはこの裁判手続において養育費の取決めが行われるのが一般的であります。
 我が国におきましては、これらの国と異なり、当事者間の合意により協議離婚が離婚全体の約九割を占めております。また、離婚に際しまして養育費の取決めを行っている母子家庭は全体の約三五%にすぎないという状況にあります。このような状況の違いを考慮して、これらの諸国と同様に第三者機関等を強制的に養育費を徴収する制度を直ちに導入することは困難であると考えております。
 なお、今回の改正案の附則におきましては、法施行後の状況を勘案し、養育義務の履行を確実なものにするための施策の在り方について、一層検討をし、早期に決着を付けたいと考えているところでございます。
 以上、御答弁を申し上げました。(拍手)
#15
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#16
○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、
 法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案、司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案及び学校教育法の一部を改正する法律案について、提出者から順次趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。森山法務大臣。
   〔国務大臣森山眞弓君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(森山眞弓君) まず、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 我が国においては、国の規制の撤廃又は緩和の一層の進展等の内外の社会経済情勢の変化に伴い、法及び司法の果たすべき役割がより重要なものとなり、多様かつ広範な国民の要請にこたえることができる多数の優れた法曹が求められております。この法律案は、このような状況にかんがみ、法曹養成の基本理念並びに法曹養成のための中核的な教育機関としての法科大学院における教育の充実、法科大学院における教育と司法試験及び司法修習生の修習との有機的連携の確保に関する事項その他の基本となる事項を定めることにより、高度の専門的な能力及び優れた資質を有する多数の法曹の養成を図ることを目的とするものであります。
 以下、法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、法曹の養成は、国の機関、大学その他の法曹の養成に関係する機関の密接な連携の下に、法科大学院において、入学者の適性の適確な評価及び多様性の確保に配慮した公平な入学者選抜を行い、少人数による密度の高い授業により、将来の法曹としての実務に必要な学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を涵養するための理論的かつ実践的な教育を体系的に実施し、その上で厳格な成績評価及び修了認定を行うこととするとともに、法科大学院における教育との有機的連携の下に、司法試験において、裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかの判定を行うこととし、司法修習生の修習において、裁判官、検察官又は弁護士としての実務に必要な能力を修得させることを基本として行われるものとしております。
 第二に、法曹の養成に関する国の責務について所要の規定を置くとともに、国又は政府が必要な施策等を講じなければならないものとしております。
 第三に、法科大学院の教育の充実に関する大学の責務及び法科大学院の教育研究活動の状況についての適格認定について所要の規定を置いております。
 第四に、法務大臣及び文部科学大臣は、法科大学院における教育の充実及び法科大学院における教育と司法試験との有機的連携の確保を図るため、相互に協力しなければならないものとし、両大臣の関係について所要の規定を置いております。
 次に、司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 我が国においては、内外の社会経済情勢の変化に伴い、司法の果たすべき役割がより重要なものとなり、多様かつ広範な国民の要請にこたえることができる多数の優れた法曹が求められています。この法律案は、このような状況にかんがみ、法科大学院における教育と司法試験及び司法修習生の修習との有機的連携を図るため、司法試験について、法科大学院の課程を修了した者等にその受験資格を認めることとし、試験の方法、試験科目等を改めるほか、試験の実施等を所掌する機関として法曹及び学識経験者により構成される司法試験委員会を設置する等の措置を講ずるとともに、司法修習生の修習について、その期間を少なくとも一年とすることを目的とするものであります。
 以下、法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、司法試験は、法科大学院課程における教育及び司法修習生の修習との有機的連携の下に、短答式及び論文式による筆記試験により行うものとし、試験科目等について所要の規定を置いております。
 第二に、司法試験の受験資格について、法科大学院課程を修了した者及び司法試験予備試験合格者が司法試験を受けることができるものとした上で、受験期間、受験回数等について所要の規定を置いております。
 第三に、司法試験予備試験について、法科大学院課程の修了者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的として行うものとし、試験科目等について所要の規定を置いております。
 第四に、法務省に、裁判官、検察官、弁護士及び学識経験を有する者をもって組織される司法試験委員会を置き、司法試験及び司法試験予備試験を実施するほか、法務大臣の諮問に応じ、司法試験及び予備試験の実施に関する重要事項の調査審議などを行うものとするとともに、司法試験委員会に、司法試験及び司法試験予備試験における問題の作成及び採点並びに合格者の判定を行わせるため、司法試験考査委員及び司法試験予備試験考査委員を置くものとし、所掌事務等について所要の規定を置いております。
 第五に、司法修習生の修習期間を少なくとも一年に短縮するものとしております。
 以上が、この両法律案の趣旨であります。(拍手)
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#19
○議長(倉田寛之君) 遠山文部科学大臣。
   〔国務大臣遠山敦子君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(遠山敦子君) 学校教育法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 大学の特性を尊重するとともに、規制改革の流れを踏まえ、各大学の教育研究水準の向上とそのための主体的な取組の促進を図るため、大学の設置認可制度を弾力化し、あわせて、第三者評価制度の導入及び違法状態の大学に対する是正措置の整備を行う必要があります。
 また、大学院において、社会的、国際的に活躍できる高度専門職業人の養成を促進するため、法科大学院などの専門職大学院制度を整備する必要があります。
 この法律案は、このような観点から、第一に、文部科学大臣の認可が必要とされている大学の学部の設置等について、大学が授与する学位の種類及び分野の変更を伴わないなどの場合には認可を要せず、届出で足りることとするものであります。
 第二に、各大学が、その教育研究水準の向上を図るため、教育研究等の状況について定期的に評価機関による評価を受けることとし、あわせて、これらの評価を行う評価機関に対する文部科学大臣の認証等に関する規定を整備するものであります。
 第三に、違法状態の大学に対する文部科学大臣の措置として、改善勧告等の段階的な是正措置を整備するものであります。
 第四に、大学院の目的として、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを明らかにするとともに、大学院のうち、これを目的とするものを専門職大学院とし、その修了者には新たな学位を授与することとするものであります。
 このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。(拍手)
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#21
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。鈴木寛君。
   〔鈴木寛君登壇、拍手〕
#22
○鈴木寛君 民主党の鈴木寛でございます。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、学校教育法の一部を改正する法律案、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案、司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 昨今の日本においては、国民の皆様方の生命と財産と尊厳が日々脅かされております。金融政策の誤りにより、多くの中小企業の皆さんが不当にも事業と無関係な個人の生活財産まで取り立てられております。それが引き金となって自ら命を落とす方々も少なくありません。社会政策の遅れにより、犯罪が急増し、多くの市民がいわれなき犯罪に巻き込まれております。外交・治安政策の欠如により、数十名もの方々が突然拉致されたまま、二十年以上もの時間が経過してしまいました。
 このように、ありとあらゆる分野で問題が続発し、そして山積している原因は何か。それは、日本社会から真理が隠ぺいされ、正義と自由が失われてしまった、そのことが最大の理由だと考えます。
 正義と自由の実現、その最後のとりでが司法でありますから、日本の再生は司法改革抜きに語ることはできません。
 政治改革、行政改革、そのいずれもが司法改革と表裏一体の関係にあります。政官業癒着構造が是正されないのも司法によるチェックが不十分な結果でもありますし、行政改革も事前規制・調整型社会から事後監視・救済型社会への転換を図ることによって初めて成就いたします。
 例えば、違憲状態の一票の格差について、立法府の不作為を司法がもっと早くから毅然としてその是正を迫り続けていたならば、一票の重さの平等が実現されていたはずであります。そうすれば、民意が正確に反映される公正な選挙制度が確立し、国民の皆様方からお預かりをしている税金を、不要な公共事業にではなく、人づくり、知恵づくりなど、次世代のために使うことを是とする議員が過半数を占め、我が国のような、今日のような低迷に陥ることはなかったのであります。
 また、もしも裁判がもっと短期間に、そして余りコストを要せずに行われ、個々の権利回復が速やかに実現されたならば、人々は裁判制度にもっと厚い信頼を寄せたはずでありますから、事前規制、事前調整を口実に、行政が規制を乱造したり、民間活動へ過剰に介入したり、そうしたことが肥大することもありませんでした。それに伴い、口利き政治も減ったはずであります。
 こうした司法の機能不全によって、日本社会はいまだにひずんだままの状態にあります。私は、司法改革とは、我が国に正義と自由を再び取り戻し、そして真っ当で納得のいく日本社会を再生していくための創造的挑戦であると認識しておりますが、まず、司法改革の意義について、法務大臣の御所見を伺いたいと思います。
 さて、今国会では、司法の人的基盤整備の在り方について活発な議論が始まっています。正に、司法は人なりであります。法曹の質と量を充実させていくことこそが司法改革の核心でありますが、現在の司法試験が正義と自由を担う法曹を選考するという観点からかなり破綻しつつあることは衆目が一致するところであります。
 その最大の原因は、合格率二・九%、合格者平均年齢二十七・四歳、平均受験期間五・二年間という司法試験の超難関ぶりにあります。
 私自身も最近まで大学で教鞭を執っておりましたが、今の大学ではダブルスクールという言葉が当たり前のように使われております。つまり、法曹を目指す学生は、大学に入学するや否や司法試験予備校にも入学いたします。大学にはほとんど登校せず、日夜、予備校に通い続けるのであります。平均合格年齢が二十七・四歳でありますから、約十年間にもわたり、一発試験の合格するための受験テクニックの習得に励むということになってしまいます。そうした学生の多くは、キャンパスライフを謳歌することも、学問的な思索にふけることも、幅広い教養を身に付けることも、そして社会の不正義をかいま見ることも、人々との交流を通じ人格を陶冶することも、結局、後回しとなってしまいます。まして、自由と正義について恩師や学友たちと論じ合う余裕などほとんどありません。これが現在の法曹予備軍の残念な実態であります。
 受験生の名誉のために申し上げておきますが、彼ら、彼女らは、元来、法曹への強い志と問題意識を持った若者であります。しかし、その夢を早く実現したいと思えば、ひずんだ司法試験制度の下で偏った学生生活を送らざるを得ない。受験生に全くの非はありません。すべてはゆがんだ司法試験を実施してきた政治の責任であります。
 法務大臣に質問いたします。このような実態が今回の法曹養成制度の改革によって具体的にどのように改善をされるのか、お答えをいただきたいと思います。
 法科大学院中心のプロセス重視の教育に踏み出すことは、私もその成果を期待いたします。しかし、少人数クラスによる充実した教育はそれ相当のコストも掛かります。そのコストをだれがどのように負担していくかについては十分な検討と具体的な手当てが必要であります。法曹養成に掛かる社会コストの負担の在り方は、司法制度の根幹にかかわる問題でありますから、その基本的考え方について、まず法務大臣の御所見を伺います。
 私立大学系のロースクールの場合、その授業料は年間二百万円とも三百万円になるとも言われておりますが、経済的理由によって多くの方々が法曹への道を断念せざるを得なくなるとすれば、これは誠にゆゆしき問題であります。私は、以前より、高等教育全般における希望者全員奨学金制度の実現を主張してまいりましたが、特に、法科大学院で学ぶ学生については、希望者全員への奨学金の交付、そして一人当たり奨学金枠の大幅増額、さらに、給付型奨学金の導入、教育ローンに対する政府保証の実施、以上の四点について、早急な検討と実施を政府に強く求めますが、文部科学大臣の御決意と、財務大臣の御所見を伺いたいと思います。
 次に、ロースクールの独立性について質問いたします。
 法曹養成の中核となる法科大学院の所管をめぐり大論争が起こっております。すなわち、司法の独立性を確保する観点から、法科大学院は、現在、最高裁判所に置かれている司法研修所の附属機関とすべきであって、文部科学省の所掌とすべきではないという有力な反論が寄せられております。
 法曹教育をだれがその責任を持って行うかという議論は、明治十七年、それまで司法省にあった法学校を東京法学校として文部省に移管し、東京大学法学部に合併して以来、学制の大改革が行われるたびに議論となる大テーマであります。
 私自身は、これからの法曹人の養成には、複雑化する現代社会についての理解と洞察、先端的かつ基礎的な法理論についての探求と習熟、経済、医療、科学技術、環境、教育など、関連の深い学識と情報編集力の習得が特に必要とされますことから、ロースクールは大学に設置することが望ましいとの立場に立ってはおりますが、文部科学省の介入を危惧する声には大いに共感を覚えます。
 米国ではこの種の懸念を全く耳にしないのに、我が国においてなぜこのようなことが問題となるのでしょうか。それは、大学への文部科学省の関与、介入が甚だしいからであります。私は、当選以来、文部科学省に対し、法科大学院はもとより、大学全体に対する文部科学省の管理監督的姿勢を改め、大学の自治、各大学の創意工夫に基づく自主的な運営を最大限尊重する新たな大学政策の立案を提案し続けてまいりました。
 法科大学院への文部科学省の過剰介入に対する懸念を払拭するためにも、この際、大学の独立自尊を重視する大学行政に方向転換すべきだと考えますが、この点について、学校教育法改正の基本理念を文部科学大臣にお尋ねをいたします。
 今回の改正案では、一定の要件を満たす学部・学科等の設置が認可制から届出制に移行することになっております。この点は半歩前進だと考えますが、文部行政の窓口をよく知る方々からは、届出制とは名ばかりで、運用の実態は認可制と結局変わらないのではないかとの心配が私の耳に届いております。
 さらに、改正案では、第三者評価機関の設置が予定されております。この制度が文言どおり運用されたならば各大学の創意に満ちた努力の活発化が期待されますが、これも第三者機関とは名ばかりで、文部科学省の隠れみのになるのではないかとの懸念が広がっております。
 こうした関係者の声を踏まえ、私は文部科学大臣に対し、法運用の実態についても実質的な改善が図られるよう窓口を強く指導監督すること、そして、大学評価機関の独立性を実質的にきちっと担保すること、それから、複数の評価機関が多様な評価を行い、社会全体として質の高い大学評価が実現されるよう努めること、以上の三点を文部省に強く求めますが、それぞれについての御答弁を求めます。
 一方、今回の法案においては、専門職大学院の教育内容について、法務大臣の関与が法律上位置付けられております。このことは、高度専門職という限定はあれど、文部科学省以外の省庁の大学教育への関与に新たに道を開くものであり、これは昭和二十四年の新制大学制度発足以来の基本方針を変更するものであります。
 例えば、今回の考え方を展開していきますと、医師の教育と医師国家試験との連携という観点から、厚生大臣が大学教育に関与するということも可能性としては考えられます。医師以外にも、弁理士、公認会計士、薬剤師など、国家が資格付与をする高度専門職はほかにもありますが、これら国が資格付与を行う高度専門職の養成に関して、関係大臣の大学教育への関与の在り方について、この際、大変重要な問題でありますから、基本的考え方を明確に整理しておくべきだと私は考えます。文部科学大臣の見解をきちっとお聞かせをいただきたいと思います。さらに、その際、各省庁からの介入に対し、いかに大学の自治と自主性を確保していくのかということについてもきちっとお答えをいただきたいと思います。
 日本の再生のかぎは、正義と自由と真理を真摯に探求し、勇気を持って具体化する独立自尊の人材をどれだけ育成し、そして登用していけるか否かに懸かっています。そのためには、そうした人材養成の中心的役割を担う大学と、正義と自由の牙城である司法が、独立と自治が確保され、さらに、それぞれの自発的で創意に満ちた努力と、在野の市民社会からの強い支援と協力によって、よりたくましく進化、成長していくことが何よりも重要であります。そのための英断と行動を国会が率先して行うことを議場の皆様方と確認し合い、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣森山眞弓君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(森山眞弓君) 鈴木議員にお答え申し上げます。
 司法制度改革の意義についてというお尋ねでございました。
 鈴木議員御自身がおっしゃいましたとおり、自由かつ公正で活力にあふれる社会を築く上で、司法は不可欠の役割を担っていると思います。また、いわゆる事前規制型社会から事後監視型社会への転換等に伴い、これからの我が国社会において司法の果たすべき役割は一層重要なものになっていると考えられます。
 そこで、今般の司法制度改革におきましては、裁判の充実、迅速化等の国民の期待にこたえる司法制度の構築、国民の要請にこたえ得る質、量ともに豊かな法曹の養成等の人的基盤の拡充並びに国民の司法参加等の国民的基盤の確立を改革の三つの柱として、その実現に向けて取り組んでいるところでございます。
 これにより、努力が報われ再挑戦できる社会にふさわしい、国民にとって身近で頼りがいのある司法制度を構築するという意味で、現在、政府が総力を挙げて取り組んでいる構造改革の基盤を成すものと考えております。
 司法試験と法曹養成の在り方についてお尋ねがありました。
 現在の司法試験は、鈴木議員も言われましたように、その合格率が二、三%と極めて難しい試験となっていることもありまして、受験生が受験勉強にのみ力を注ぎ、豊かな人格の形成が阻害されたり、いわゆるダブルスクール化が進行したりしているといった点が指摘されております。
 このような状況を踏まえ、新しい法曹養成制度においては、法科大学院を中核的な教育機関と位置付け、法科大学院において法理論教育のみならず実務的な教育をも併せて行うことなどにより、専門的な法律知識や実務の基礎的素養の修得を図ることとしております。
 そして、法科大学院修了者に司法試験の受験資格を認め、その内容についても法科大学院の教育を踏まえたものとすることによって、司法試験という点のみによる選抜から法科大学院を中核とするプロセスによる選抜に改め、こうしたプロセスを通じ、幅広い教養や豊かな人間性等を涵養し、質、量ともに豊かな法曹を養成することとしております。
 新たな法曹養成制度の社会コストの負担の在り方についてお尋ねがございました。
 新たな法曹養成制度は、国民にとって身近で頼りがいのある司法制度を構築するため、質、量ともに豊かな法曹を養成しようとするものであり、その基盤を整備するためには一定の社会的コストが発生することは避けられないものと考えております。
 そのような社会的コストについては、政府による財政措置のみならず、法曹を目指す者にも相当の負担が求められるものと考えられますが、特に、資力の十分でない者が法曹となる道を閉ざされることのないように、奨学金を始めとする各種の支援制度を充実させる必要があると考えており、関係省庁等の御理解と御協力を得るべく努力する所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣遠山敦子君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(遠山敦子君) 鈴木寛議員の御質問にお答えいたします。
 議員からは、私に七点について御質問がありました。
 まず初めに、法科大学院で学ぶ学生への支援の充実策についてでありますが、法科大学院の学生に対しても、経済的理由によって学ぶ機会が失われることのないよう、授業料負担の軽減のための支援策等が必要と認識しており、今後、我が省としても、奨学金の充実に努めるとともに、関係機関とも相談しながら各種ローンの充実など、多元的な検討が必要と考えております。
 なお、日本育英会の奨学金は、限られた財源の効果的活用や、返還を通じた学生の自立心育成等の教育効果も考慮し、制度創設以来、貸与制で事業を実施してきております。
 法科大学院は平成十六年四月の発足であり、来年夏の概算要求時までに学生支援の充実策を更に検討してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、大学の自主性尊重の観点からの学校教育法改正の理念についてのお尋ねですが、今回の法改正は、大学の質の向上に対する社会的要請の高まりや、事前規制から事後チェックへとの規制改革の流れ等を踏まえ、大学の自主性を尊重した新たな質の保証と向上のためのシステムを構築するものであります。すなわち、設置認可の弾力化により、一層の機動的、主体的な組織改編を可能にするとともに、第三者評価により、大学が自ら主体的に教育研究水準の改善を図ることを促進しようとするものでございます。
 また、設置認可制度の運用に当たり、実質的な改善が図られるよう窓口を指導監督すべきとの御指摘でありますが、今回、一定のものについて認可を要せず、届出で足りるとした趣旨に沿って取り扱うことはもちろん、具体の運用に当たっては、行政による恣意的なものとならないよう遺憾なきを期してまいります。そのため、基準や審議会による審査の手続を明確にするとともに、当然ながら担当者にも指導を徹底いたします。
 さらに、第三者評価制度について、大学評価機関の独立性を実質的に担保すべきとの御指摘でありますが、今回の認証評価制度は、国から一定の距離を置いた認証評価機関が責任を持って主体的に評価を行うものであり、評価基準についても評価機関自らが定めることとしております。また、評価機関の認証につきましては、一定基準を満たすものであれば関係の審議会に諮って認証されるものであり、行政が恣意的に判断する余地はございません。このように、認証評価機関が独立性を持って自律的に評価を行う制度といたしております。
 同じく、第三者評価制度について、複数の評価機関が多様な観点から独自評価を行い、全体として質の高い大学評価の実施をとの御指摘でありますが、認証評価機関の認証は、一定基準に適合していさえすれば行われるものであり、多様な機関の参入を歓迎する仕組みといたしております。複数の認証評価機関がそれぞれ特色を出しつつ、多元的な観点から評価活動を展開することにより、評価機関相互に切磋琢磨しつつ、その評価内容等の向上が図られることを期待いたしております。
 次に、国が資格付与を行う高度専門職業人の養成に関し、関係大臣の大学教育への関与の在り方について、基本的な考え方を明確に整理すべきとの御指摘についてでありますが、法科大学院については、大学教育と司法試験等との有機的連携により、プロセスとしての法曹養成という新たなシステムを構築するという特別の事情が存在するものであります。このため、法務大臣と文部科学大臣が相互に協力してより良い法科大学院を作ることを目的とする仕組みを整備しようとするものでございます。
 今回提出の連携法案は、司法制度という三権分立の一翼を担う法曹養成に係る大改革に当たり、万全を期すための特例措置等を定めるものでありまして、今後、他の職種について同様の措置を設けることは考えておりません。
 最後に、大学の自治、自主性の確保についてのお尋ねでありますが、今回提出の連携法案において、大学における教育の特性に配慮しなければならない旨が定められているとおり、政府として、大学における学問の自由、大学の自治を尊重しなければならないものと考えております。大学の自主性の尊重は、他の職業資格と大学教育との連携が必要な場合についても当然の前提であると考えているところでございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(塩川正十郎君) 奨学資金についてのお尋ねでございまして、遠山大臣からほぼ概要はお答えになりましたので、重複は避けて補足だけさしていただきたいと存じます。
 おっしゃるように、希望される方は全員奨学資金が当たるようにいたしたいと、鋭意、充実に努力いたしたいと思っております。
 それから、一人当たりの奨学資金の大幅の増額ということでございますけれども、現在、月大体大学院生に対しまして十三万円支給いたしておりますが、この点につきまして、必要あれば検討もいたしたいと思っております。
 なお、支給についてでございますけれども、給付型と貸付型とございまして、今、鈴木さんのおっしゃるのは給付型を増やせということでございますけれども、しかし、考えてみますと、法曹に関係される方は国のエリートの方でございますから、社会的に、経済的に相当恵まれた立場にある方でございますから、その将来を思いますならば、給付型ではなくて貸付型がいいのが当然であると。いわゆる原因者負担をしてもらうという意味におきまして、給付型ではなくして貸付型をしていただくということにいたしたいと思って、これを充実いたしたいと思っております。
 それから、教育ローンについての政府保証ということでございますけれども、これは政府保証をするほどのことではなく、十分に民間の金融機関は法曹の方に対する将来の大きい期待を持っておりますから、そういう政府が保証しなくても、民間金融機関が積極的に努力をしてこの分野を開拓していくであろうと思っております。私たちも期待しております。
 以上です。(拍手)
#26
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#27
○議長(倉田寛之君) 日程第一 社会保険労務士法の一部を改正する法律案(第百五十四回国会衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長金田勝年君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔金田勝年君登壇、拍手〕
#28
○金田勝年君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、第百五十四回国会において衆議院から提出され、本院で継続審査となったものであります。
 その内容は、社会保険労務士制度を取り巻く状況の変化にかんがみ、国民の利便性の向上等に資するため、社会保険労務士法人制度を創設するとともに、社会保険労務士の業務及び社会保険労務士会等の会則に関する規定の見直し等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、提出者の衆議院厚生労働委員長より趣旨説明を聴取した後、社会保険労務士の今後の業務の在り方、労働争議不介入規定を削除することの是非、社会保険労務士試験の現状と見直しの必要性等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十五  
  賛成           二百二十五  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#32
○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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