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2002/11/15 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 本会議 第6号
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2002/11/15 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 本会議 第6号

#1
第155回国会 本会議 第6号
平成十四年十一月十五日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第六号
  平成十四年十一月十五日
   午前十時開議
 第一 警備業法の一部を改正する法律案(第百
  五十四回国会内閣提出、第百五十五回国会衆
  議院送付)
 第二 一般職の職員の給与に関する法律等の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第三 特別職の職員の給与に関する法律及び二
  千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関す
  る臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第四 中小企業信用保険法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 中小企業等が行う新たな事業活動の促進
  のための中小企業等協同組合法等の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、知的財産基本法案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、
 国家公務員倫理審査会委員に得本輝人君を、
 情報公開審査会委員に松井茂記君を、
 国家公安委員会委員に大森政輔君を、
 また、中央労働委員会委員に山口浩一郎君、佐藤英善君、今野浩一郎君、椎谷正君、落合誠一君、渡辺章君、上村直子君、荒井史男君、山川隆一君、諏訪康雄君、曽田多賀君、岡部喜代子君、林紀子君、横溝正子君及び若林之矩君を
任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 これより採決をいたします。
 まず、国家公務員倫理審査会委員、情報公開審査会委員並びに中央労働委員会委員のうち山口浩一郎君、佐藤英善君、今野浩一郎君、椎谷正君、落合誠一君、渡辺章君、上村直子君、荒井史男君、山川隆一君、諏訪康雄君、曽田多賀君、岡部喜代子君、林紀子君及び横溝正子君の任命について採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#4
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#5
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十八  
  賛成            二百十八  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#6
○議長(倉田寛之君) 次に、国家公安委員会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#7
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#8
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十五  
  賛成            百二十一  
  反対             九十四  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#9
○議長(倉田寛之君) 次に、中央労働委員会委員のうち若林之矩君の任命について採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#10
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#11
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十六  
  賛成            百九十五  
  反対             二十一  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#12
○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、
 知的財産基本法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。平沼経済産業大臣。
   〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(平沼赳夫君) 知的財産基本法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国は、これまで国民のたゆまぬ努力により、かつてない経済的繁栄とともに豊かで文化的な生活を享受できる社会を実現してきましたが、近年は低廉な労働コストや生産技術の向上等を背景にしたアジア諸国の急速な追い上げを受けるなど厳しい経済情勢にあります。我が国が、今後とも世界で確固たる地位を維持していくためには、創造力の豊かな人材を育成し、優れた発明、製造ノウハウ、デザイン、ブランド、コンテンツなどの知的財産を戦略的に創造、保護及び活用することにより、産業の国際競争力を強化し、活力ある経済社会の実現を図る、いわゆる知的財産立国を目指して進んでいくことが不可欠であります。
 このような認識の下、本法案におきましては、知的財産の創造、保護及び活用に関し、その基本理念、国の責務その他の基本となる事項を定めるとともに、知的財産戦略本部を設置すること等により、知的財産に関する施策を集中的かつ計画的に推進することを目的とするものであります。
 次に、本法案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、知的財産の定義として、発明、著作物など人間の創造的活動により生み出されるもの、商標など商品等を表示するもの及び営業秘密など事業活動に有用な技術上又は営業上の情報を定めております。
 第二に、基本理念として、知的財産に関する施策の推進は、国民経済の健全な発展及び豊かな文化の創造、我が国産業の国際競争力の強化及びその持続的発展に寄与すべき旨を規定をいたしております。
 第三に、基本的施策として、大学等における研究開発の推進、特許権等の権利の付与の迅速化、訴訟手続の充実及び迅速化、国内及び国外における権利侵害への措置、新分野における知的財産の保護、専門的知識を有する人材の確保等を規定をいたしております。
 第四に、知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画について、原則として施策の具体的な目標や達成の時期を付すべきこと等所要の事項を規定しております。
 第五に、推進体制として、内閣に知的財産戦略本部を設置することとし、内閣総理大臣を本部長とするなど組織、所掌事務等を規定をいたしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことを心よりお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。簗瀬進君。
   〔簗瀬進君登壇、拍手〕
#16
○簗瀬進君 よろしくお願いします。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、知的財産基本法案について質問させていただきます。以下、知的財産を知財と略すこともありますのでお許しいただきたいと思います。
 民主党は、一九九九年の六月に知的財産権戦略プロジェクトチームを立ち上げ、ほぼ一年掛けて多くの識者のヒアリングを行い、「はばたけ 知的冒険者たち」という知的財産権の総合的な戦略をまとめ、二〇〇〇年の六月に発表いたしました。様々な提案をいたしておりますけれども、既にその中に、知財基本法そして知財戦略本部の設置についての提案はしっかりと明言されているということをこの席で確認をさせていただきたいと思います。
 私自身も、プロジェクトの責任者として知財戦略の重要性を本院でも再三訴えてまいりました。三年前、当時の小渕総理にカミオカンデについての質問をいたしました。そして、その研究者の小柴先生が、御案内のとおり、今年、ノーベル物理学賞を受賞いたしました。その年にこうして知財基本法案が提出されたのでありますから、私にとっても大変感慨深いものを感じます。
 本来なら、もろ手を挙げて喜びたいところですが、どうもそうはまいりません。なぜなら、今回も与党お得意の小出し先送り、そして各省の縦割りの中で、国家戦略という看板があっという間に泥まみれにされ、簡単に葬り去られてしまいそうで心配でならないからであります。
 私は、二十一世紀の日本の幸せは、正に我が国の知的創造力を高めていく以外にないと確信をいたしております。知的創造革命こそ、情報革命と車の両輪になって我が国の未来を切り開く正に国家戦略でなければなりません。そんな観点に立ちながら質問させていただきます。
 まず第一は、国家戦略とは何かということであります。
 知財戦略本部の置かれる内閣府の責任者、福田官房長官に質問をさせていただきたいと思いますが、確かに小泉総理は、今国会冒頭の所信表明演説で、このことについて国家戦略であるということを明言をいたしました。しかし、議事録ではたった一行であります。後にも先にもこれだけ。私は、この演説を聞いて正直大変がっかりいたしました。知財の持つ重要性の認識が総理には全く欠けているのではないか。また、実に手軽に国家戦略という言葉を使っている。これでは国家戦略が泣くというものであります。
 昨日、日経平均株価、八千三百三円三十九銭。バブル崩壊後、最安値を更新し続けております。BIS規制は八%というこういう基準を置いている。八%の逆数は一二・五%であります。すなわち、銀行にとって株価発行総額が一億円減れば、それの十二・五倍、十二億五千万円の債務を貸しはがしをしなければならない。正に、株価が下がるということは大変な貸しはがし、信用収縮をこの国に招来をしているということについての認識を私たちはしっかりと持たなければなりません。
 小泉改革は、基本的には後ろ向きの改革であります。今までの日本のツケを直す改革でしかない。未来への展望がない。未来へのビジョンがない。正に、そこに大変大きな国民は不安を感じているわけであります。国民が自信を失い、将来への大きな不安を持っている。そんなときに語られる未来像こそ国家戦略でなければならない。国民一人一人に必死で呼び掛け、政治、経済、行政を統合しながら、国家国民の力をすべて投入して取り組む、そんな大きなテーマこそ国家戦略でなければならないのです。
 そこで、知財戦略を国家戦略と断言した総理の真意、やる気を官房長官から御説明願いたいと思います。
 第二の質問は、この法案の言う知的財産権の概念は何かということであります。
 法案は、まず、人間の創造的活動により生み出される情報なら、事業活動に有用な限り、すべて知的財産であると規定しました。そしてその上で、特許権や著作権を始めとする法律によって定められた権利をすべて知的財産権であると規定してあります。
 言うまでもなく、コンピューターのすさまじい発展は二十一世紀を無限に続く技術革新の時代にしてしまいました。こうした中で、従来の特許権あるいは著作権等の個別的な範疇ではとらえ切れないような新たな科学、技術、これが続々と誕生しています。
 例えば、金融ビジネスモデル特許のように、著作権と特許権の双方にまたがる問題が出ている。あるいは、ポストゲノム、これは遺伝子の解析技術と応用技術が絡み合っているわけでありますから、発見と発明の境界がはっきりとしなくなっている例であります。今までの個別概念では捕捉できなくなっている。そして、従来の権利概念を前提にした法的な保護あるいは活用も不十分となる。こんな事態を踏まえて、この法案は、人間の創造的活動の成果物を知的財産といたしました。この点は確かに前進かもしれません。
 しかし、よくよく見ると、権利としての知的財産権は、個別法で既に付与された権利を集めただけでしかない。言わば、従来の特許権とか著作権とか、その中身を全く変えず、審査体制もそのままで、知的財産権という大ぶろしきで包んで一くくりにしただけであります。これでは余り意味がないんじゃないのか。
 第一に、知的財産権の権利としての具体的な中身は一体何なのか。また、第二に、特許権や著作権などの個別の権利の統合を考える必要があるのではないのか。この二点について、経済産業大臣の明瞭な答弁を求めます。
 第三の質問は、知財戦略の推進体制の脆弱さであります。
 今指摘したように、法案は、知的財産という人類の創造活動のすべてを網羅するような大変巨大な間口を与えました。また、法案の列挙している十一の基本的施策の実施主体も、経済産業省はもちろんのこと、文部科学省、大学、農水省、厚生労働省、法務省、外務省、財務省、そして裁判所など、実に広範であります。しかし、戦略の推進体制が実にひ弱なのは極めて問題であります。
 すなわち、この法案は、知財戦略の推進機関として、内閣に知的財産戦略本部を置くといたしております。そして、その本部長は内閣総理大臣、本部員は国務大臣と総理任命の有識者、そしてその事務は内閣官房が処理するとしております。確かに権威はあるかもしれない、しかし頭でっかちですよ。そして、その所管事項の巨大さと比較すれば、その事務処理能力たるや余りにも貧弱であります。正に、張り子のトラか吹き流しのコイのような非力な存在でしかない。恐らく、特許は特許庁、著作権は文化庁、種苗は農水省、新薬は厚生労働省といった昔ながらの割拠主義、その実態を変えることは不可能なのではないのか。
 先ほど触れた民主党の「はばたけ 知的冒険者たち」では、知財戦略本部を置くと同時に、そこが決定した大方針を実施する具体的なセクションとして、知財庁という独自の官庁を置くことを提案し、各省に散在している個別知的財産権の審査や管理、それらの関連行政、あるいは今後の企画等を一元化するといった、そういう力強い機構改革を提案いたしております。
 そこで、以下の三点について、経済産業大臣の御所見をお伺いしたい。
 まず第一に、戦略の強力な推進体制を作るためには、法案の戦略本部のみでは大変不十分であると考えるが、どうでありましょうか。また、民主党提案のような豊富なスタッフと強い調整機能を持った知財庁を新設する必要があると考えるが、どうでありましょうか。第三に、特許審査期間の速やかな迅速化が必要であります。資本の少ないベンチャー企業にとっては、審査の遅れは直ちに企業の生き死ににかかわってくる。一刻も早い審査体制の整備が必要。現状を見ると、特許の審査請求から回答までの平均期間、日本が二十二か月、アメリカは十四か月です。日本の審査官はたった千九十六人、これに対してアメリカは三千百六十五人と三倍。早急に審査官の数を増強する等、審査体制の強化を図る必要があると考えますが、以上三点について、経済産業大臣の積極的な答弁をいただきたいと思います。
 第四の質問は、知財のための教育戦略であります。
 私は、知財戦略の中で最も力を入れなければならないのは、我が国の知的創造力の徹底的な強化だと思います。知的創造革命こそ二十一世紀の日本が取り組むべき国家目標であると思います。
 そして、知的創造力の源は、正に子供たちの知的創造力であります。最近行われた調査によれば、子供たちの数学、理科の成績は依然、世界的に見ても上位ではありますけれども、急速に、理科が嫌い、数学が嫌いという子供たちが増えている。正に暗記中心になって、子供たちは本当に考える力を失おうとしているのではないのか。正に知的創造力、その活力は子供たち、低下しているのではないのかなということを心配します。
 この際、子供たちの知的創造力を徹底して高め、やがてこれを高等教育機関につなげていくといった、知的創造力活性化あるいは強化の一貫したサイクルを教育の中にしっかりと確立すべきではないかと考えますが、文部科学大臣の御所見を伺いたいと思います。
 さて、先日、ヒトゲノム研究の第一人者、東京大学の生命研究所の所長、新井賢一さんのお話をお伺いいたしました。彼が最も憂えていたのは、知的創造力をむしばむ日本の大学の研究体制であります。
 彼は、日本とアメリカの研究体制を比較して、アメリカは水平的で任期を持った個人独立型、日本は垂直的で終身雇用の階層型、このように指摘しております。そして、このような日本の縦型システムの中では、予算を教授が握る、その中から助教授が分配を受ける、さらに助手が分配を待つ、こんな垂直関係が生まれてしまう。これでは、自由で独立心旺盛な若い研究者はどんどん海外に逃亡します。我が国のこの大学の研究体制、この厳しい批判にこたえて、遠山文部大臣、どんな改革の方向を打ち出されるか、私どもは期待しております。
 日本では教授になるまで二十年掛かる。アメリカでは博士号を取った研究者、いわゆるポスドクと言われている人たちは数年で独立できると言われています。いかに大学に大量の予算をつぎ込んでも、このような上命下服の研究体制では知的創造の活力は大学からは生まれてきません。この新井さんの指摘を真剣に受け止めて、大学の研究体制の改革に是非とも尽力をいたしていただきたい。文部科学大臣の御所見を伺いたいと思います。
 第五、知財のための司法戦略について質問いたします。
 特許権や著作権をめぐる争いは急激に増えていますが、我が国の知財関係の法曹人口の少なさ、審理期間の長さ、損害賠償の認定額の低さ、もろもろの要因が重なって、日本の裁判所の係属件数は年々減少傾向にある。
 そこで、まず、特許権の場合、我が国の紛争処理は二元体制になっているんです。特許の有効性についての特許審判、そしてそれを前提にした上での損害賠償、それは裁判所、特許審判は行政庁。こういうふうな二元的な処理がなされている。これは大陸法系の伝統であるかもしれませんけれども、その結果、紛争解決をいたずらに長引かせているということになったら、正に本末転倒じゃありませんか。この際、私は双方を一元化した方がよいと考えますが、法務大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
 また、知財専門弁護士の数を日米比較してみると、日本は二百七十一人、アメリカは一万六千人。アメリカは日本の約五十倍あります。また、理科系出身者がこの二百七十一人の中でたった二十七人。専門的知識を持った法曹の比較ということでは、正にアメリカと日本の差は五百倍ということになってしまう。これではとても勝負になりません。
 最近、弁理士法の改正が行われ、不完全ながら弁理士にも訴訟代理権の一部が認められましたが、焼け石に水の感があります。知財専門弁護士の急速な養成、弁理士の更なる活用、知財専門家の早急な増強が求められておりますが、これについて、法務大臣の考えをお聞かせいただきたい。
 そして、知財のための外交戦略、最後に聞かせていただきたいと思います。
 知財については、その開発状況が世界の他国に先行しますと、必ずグローバルスタンダードに恵まれる、そういうリーダーシップを取る機会に恵まれることになります。そういう意味では、知財はこれからの外交上欠かせない重要な戦略テーマであります。しかし、これまでの我が国は、グローバルチャンス確立の主導権を握るチャンスに大変恵まれておりながら、それを生かし切っていないのが実情であります。
 例えば、イネゲノムのコンピューター解析では、実は日本は世界に先行して、その結果得られたゲノム地図をホームページで全世界に公開しました。世界の共有財産にするといったある意味でのグローバルスタンダードを作ったのは実は日本であります。正に先進的なリーダーシップをこの点で取るチャンスに恵まれていながら、現実にはどうなったかといえば、このことについていち早くアピールしたのは実はクリントンとブレアの二人でありました。正に彼らによって、この部分についてのグローバルスタンダードは、日本発でありながら、英米が作った形になってしまった。こういうことは非常に残念であります。
 正に、これからは外交戦略の中心に我が国の知財における国際的なリーダーシップを確立するということ、それを大きな柱として位置付けるべきであると考えるが、どうか。外務大臣の御所見を伺いたい。
 また、コンピューターはコピー可能性を飛躍的に高めました。精度の高い模倣品を作ることを簡単にできるようにしてしまった。そこから模倣品、海賊版、こういう対策が大変重要性を持ってくることになっております。この問題に迅速な対応ができるよう、我が国の在外公館の体制を早急に作り上げるべきだと考えますが、外務大臣の御所見を伺いたいと思います。
 知的創造力を正に革命的に飛躍させることによって、皆さんとともに二十一世紀のすばらしい未来を切り開いていきたい。我々は、与野党を超えてそのために全力を挙げるべきだと思っております。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(平沼赳夫君) 簗瀬議員にお答えをさせていただきます。
 まず、知的財産権の内容についてのお尋ねでございますけれども、御指摘のとおり、本法案では、まず知的財産を広く定義をいたしております。
 また、本法に言う知的財産権も、単に特許権や著作権など、個別の法律で付与された権利を集めただけではなくて、従来、必ずしも権利とは観念されてこなかった営業秘密等の不正競争防止法により保護される利益や知的財産に関し判例上認められた権利も知的財産権に含まれるように規定をいたしております。
 さらに、御指摘のように、新たな科学技術の成果等についても、知的財産権として法的な保護が適切になされるように検討すべきであることも本法案に規定しているところでございます。
 本法案が契機となりまして、知的財産について、権利としての保護がより適切になされることになると私どもは考えているところでございます。
 次に、特許権や著作権を統合した権利の創設についてのお尋ねでありました。
 知的財産権は多岐にわたることから、保護すべき対象、目的、権利の性質に応じて法制度が整備をされております。このため、御指摘のような特許権や著作権等を統合することは必ずしも適切でない、このように考えております。
 いずれにいたしましても、我が国の知的財産権の保護が経済社会の情勢変化やニーズに的確に対応できるよう、本法成立後、内閣に置かれることになる知的財産戦略本部において、関係省庁の協力を得て努めてまいりたいと、このように思っております。
 次に、戦略本部では不十分であることや知財庁を置くことについてのお尋ねがありました。
 知的財産戦略本部は、総理大臣を本部長として、全閣僚を本部員といたしました。これによりまして、知財戦略は、総理のリーダーシップの下、各省大臣が先頭に立ってそれぞれの省を指導することに相なります。
 また、本部は、知的財産に関するすべての政策を推進計画にまとめまして、これを集中的かつ計画的に推進をいたします。さらに、本部に所要の人員を具備し、しっかりとした事務局体制を作るわけであります。
 以上から、知的財産戦略本部は、十分に実効的な知的財産戦略の推進機関であると考えます。
 知財庁につきましては、行政組織簡素化の観点から、私どもは必ずしも適切でない、このように考えております。
 最後に、特許審査期間の迅速化のため、特許審査体制の整備を図るべきではないかとのお尋ねがありました。
 経済産業省といたしましては、国際的に遜色のない迅速かつ的確な審査の実現に向け、制度の中核を担う特許審査官の確保に努めるとともに、アウトソーシングや審査補助職員の活用による審査体制の整備等に全力を挙げてまいりたい、このように思っているところでございます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(福田康夫君) 簗瀬議員にお答えをいたします。
 知的財産戦略についてお尋ねがございました。
 知的財産を戦略的に保護、活用することによりまして、産業の国際競争力を強化することを我が国の国家目標にするというのが小泉総理の一貫した意思であるということをまず申し上げます。
 具体的には、三月に知的財産戦略会議を設置し、七月に知的財産戦略大綱を発表、また十月には知的財産基本法案を本国会に提出をいたしました。法案をお認めいただければ、速やかに知的財産戦略本部を設置し、推進計画を作成いたします。
 このように、小泉総理のリーダーシップの下で、迅速に知的財産戦略を進めていることをどうぞ御理解をいただきたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣遠山敦子君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(遠山敦子君) 簗瀬議員にお答えいたします。
 私には二問お尋ねがございました。
 まず、子供たちの知的創造力を高め、高等教育にリンクさせていくべきではないかとの御指摘でありますが、正に御指摘のとおり、小学校段階から子供たちに知的創造力を高めていくことは極めて重要と考えておりまして、我が省におきましては、理科教育の充実を始め、小学校から大学までの各学校段階を通じ、二十世紀型の画一的になりがちであった教育から、二十一世紀型の自立し、創造性を持った人材を育成する教育への転換を図るべく、先般、人間力戦略ビジョンを明確にいたしまして、全力を挙げて教育改革を推進しているところであります。
 まず、初等中等教育におきましては、新しい学習指導要領の下、基礎・基本を確実に定着させるとともに、自ら考える力を育成することを目的といたしております。特に、理数科教育につきましては、観察、実験や課題学習などを通して知的好奇心、探求心などを育成いたしますとともに、スーパーサイエンスハイスクールなどの科学技術・理科大好きプランを推進しているところであります。
 また、大学入試等の改善、あるいは高等学校と大学教育の接続の円滑化を進めますとともに、大学教育において、真に幅広い教養と専門的知識を身に付けた人材の育成を目指して、教育・研究機能の強化を図るべく、大学改革を推進しているところでございます。
 次に、大学の研究体制についてのお尋ねですが、人材大国、科学技術創造立国を目指す我が国にとりまして、知の創造と継承を行う大学の役割は極めて重要であります。創造性豊かな優れた研究者が活躍できるような研究体制が誠に必要と考えているところでございます。
 このため、一つには、講座制の見直しや任期制の導入などの制度改善による人材の流動化を促進しておりますし、二つ目には、科学研究費補助金やポスドクフェローシップなど予算面の充実による若手研究者を支援するなど、各種の政策を進めております。
 今大事なことは、こうした制度改善や予算措置を利用した自主的かつ積極的な取組が大学関係者によって求められているところであります。我が省といたしましても、国立大学の法人化を含め、大学の研究体制の抜本的改革を更に促進し、知的創造面における国際競争力を持った大学づくりを支援してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣森山眞弓君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(森山眞弓君) 簗瀬議員にお答え申し上げます。
 特許権の紛争処理の一元化についてお尋ねがございました。
 特許権侵害訴訟における特許無効の判断と特許庁の無効審判との関係に関し、御指摘のような紛争の一回的解決を目指すようにするべきであるという指摘がされていることは承知しております。
 そこで、司法制度改革推進本部では、知的財産訴訟検討会を設けまして、侵害訴訟における無効の判断と無効審判の関係等に関し、紛争の一回的解決を目指す方策も含め、検討を始めたところでございます。
 知的財産専門家の増強についてお尋ねがありました。
 知的財産権が重要性を増している今日、知的財産紛争処理の担い手の拡充は喫緊の課題でございます。
 新たな法曹養成制度の中核である法科大学院においては、理科系出身者を含む多様な人材を入学させ、知的財産法に代表される高度の専門的な分野についての充実した教育が行われることが想定され、同時に、専門家のキャリアアップにも利用していただけるものとなっております。資格試験、継続教育における工夫等によって、法律にも技術にも詳しい専門家が多数養成されるものと期待しておりますし、改正弁理士法の施行により、弁護士と弁理士の専門的知見の相互活用が図られることからも、知的財産権に関する紛争解決の充実、迅速化の要請にこたえていくことができるものと考えております。
 なお、弁理士の更なる活用につきましては、今後、新しい制度の運用状況等を十分に見極めた上で検討されるべき課題だと考えております。
 次に、外務大臣臨時代理といたしまして、お答えを申し上げます。
 まず、外交戦略における知的財産の位置付けについてのお尋ねがございました。
 知的財産問題の外交戦略上の重要性は、近年ますます高まっていると認識しております。我が国は、従来より、国連の専門機関WIPO、世界知的所有権機関やWTOでの議論に積極的に参加しています。また、各種二国間協議などの場においても、必要に応じ本件問題を優先的に取り上げております。
 今後とも、知的財産問題の重要性を十分踏まえて、多国間、二国間の場を通じて一層前向きに取り組んでまいります。
 次に、模倣品、海賊版対策についてのお尋ねがありました。
 この問題は、我が国産業界にとっても重要であると認識しております。外務省はこれまでも、例えば、在中国大使から中国の知的財産問題の責任者の李嵐清副総理に書簡を発出するなど、外交ルート等を通じ働き掛けをしてまいりました。
 今後とも、在外公館はもとより、関係府省、ジェトロなどの機関とも緊密に連携しつつ、機会をとらえて働き掛けを積極的に行い、模倣品対策を含めた知的財産保護に努めていく所存でございます。(拍手)
#21
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#22
○議長(倉田寛之君) 日程第一 警備業法の一部を改正する法律案(第百五十四回国会内閣提出、第百五十五回国会衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長小川敏夫君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔小川敏夫君登壇、拍手〕
#23
○小川敏夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、警備業者等の欠格事由に、暴力団員と密接な関係にある者等を追加するとともに、精神病者に係る事由の見直しを行うほか、代表者の氏名等全国的に共通する事項の変更届出手続を簡素化する等の必要な措置を講ずるものであります。
 委員会におきましては、警備業に関する欠格事由の在り方、警備業への暴力団参入排除徹底の必要性、警備員教育の重要性、検定制度の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 昨日、質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#25
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#26
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成           二百二十一  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#27
○議長(倉田寛之君) 日程第二 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案
 日程第三 特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長山崎力君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔山崎力君登壇、拍手〕
#28
○山崎力君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案は、人事院の国会及び内閣に対する本年八月八日付けの給与改定に関する勧告にかんがみ、一般職の国家公務員の俸給月額、初任給調整手当、扶養手当、期末手当、勤勉手当及び期末特別手当並びに非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当の額の改定等を行おうとするものであります。
 また、特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案は、一般職の国家公務員の給与改定に伴い、特別職の職員の給与の額の改定等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、年間給与減額調整措置の妥当性、戦後初の公務員給与の引下げが及ぼす影響、公務員制度の改革の方向性等について質疑が行われました。
 質疑を終局した後、両法律案に対する民主党・新緑風会及び社会民主党・護憲連合共同提出の、新たに職員の意見を踏まえた年間給与削減調整措置を設けること等を内容とする修正案が提出され、提出者を代表して高橋千秋理事より趣旨説明が行われました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して宮本岳志委員より両修正案に賛成、一般職職員給与法改正案の原案に反対、特別職職員給与法等改正案の原案に賛成、社会民主党・護憲連合を代表して又市征治委員より両修正案に賛成、両法律案の原案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、順次採決の結果、両修正案はいずれも賛成少数により否決され、両法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、一般職職員給与法改正案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成            百九十四  
  反対             二十七  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#32
○議長(倉田寛之君) 次に、特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#33
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#34
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十二  
  賛成            二百十八  
  反対               四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#35
○議長(倉田寛之君) 日程第四 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案
 日程第五 中小企業等が行う新たな事業活動の促進のための中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長田浦直君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔田浦直君登壇、拍手〕
#36
○田浦直君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 まず、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案は、不良債権処理の進展等の金融環境の変化に対応し、中小企業の資金調達の一層の円滑化を図るため、中小企業信用保険について、セーフティーネット保証の対象を拡大する等の措置を講じようとするものでございます。
 次に、中小企業等が行う新たな事業活動の促進のための中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案は、創業、新事業など新たな事業活動に挑戦する中小企業等を支援するため、企業組合の組合員資格を個人に加えて企業等を追加すること、中小企業等投資事業有限責任組合の投資対象を有限会社、企業組合に拡大すること、株式会社等における最低資本金の規制を受けない会社の設立を認めること等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、セーフティーネット保証拡充措置の弾力的運用、信用保険財政の基盤強化策、創業・ベンチャー支援の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両法律案に対しまして五項目の附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#37
○議長(倉田寛之君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#38
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#39
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十四  
  賛成           二百二十四  
  反対               〇  
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#40
○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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