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2002/11/22 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 本会議 第8号
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2002/11/22 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 本会議 第8号

#1
第155回国会 本会議 第8号
平成十四年十一月二十二日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第八号
  平成十四年十一月二十二日
   午前十時開議
 第一 銀行等の株式等の保有の制限等に関する
  法律の一部を改正する法律案(第百五十四回
  国会衆議院提出)
 第二 行政手続等における情報通信の技術の利
  用に関する法律案(第百五十四回国会内閣提
  出)
 第三 行政手続等における情報通信の技術の利
  用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備
  等に関する法律案(第百五十四回国会内閣提
  出)
 第四 電子署名に係る地方公共団体の認証業務
  に関する法律案(第百五十四回国会内閣提出
  )
 第五 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する
  法律案(第百五十四回国会内閣提出、第百五
  十五回国会衆議院送付)
 第六 学校教育法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第七 有明海及び八代海を再生するための特別
  措置に関する法律案(衆議院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特
  例等に関する法律の一部を改正する法律案、
  金融機関等の組織再編成の促進に関する特別
  措置法案及び農水産業協同組合貯金保険法及
  び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関
  する法律の一部を改正する法律案(趣旨説明
  )
 一、構造改革特別区域法案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり


     ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 堀利和君から海外渡航のため来る二十七日から九日間の請暇の申出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ─────・─────
#5
○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、
 預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案及び農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者から順次趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。竹中金融担当大臣。
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(竹中平蔵君) ただいま議題となりました預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。
 我が国経済において、金融機関が担う資金決済の安定確保は、極めて重要であります。
 このため、金融機関の破綻時に全額保護される決済用預金を設けるとともに、仕掛かり中の決済の結了のための措置等を講ずることにより、我が国の金融機能の一層の安定化を図ることとし、あわせて、流動性預金の全額保護を平成十七年三月末まで継続するため、この法律案を提出することとした次第であります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、為替取引等に用いられ、かつ、要求払い・無利息である預金については、決済用預金として、金融機関の破綻時にその全額を保護することとしております。
 第二に、金融機関が破綻前に依頼を受けた振り込み等の仕掛かり中の決済の結了を可能とするため、仕掛かり中の決済債務を全額保護することとしております。また、預金保険機構が、破綻金融機関に対して決済債務の弁済のための資金を貸し付けることを可能とし、あわせて、決済債務の弁済や相殺を可能としております。
 なお、流動性預金は、平成十七年三月末まで全額保護することとしております。
 次に、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案につきまして、御説明申し上げます。
 我が国の金融機関においては、収益性の向上に真摯に取り組み、経営基盤の強化を図ることが求められておりますが、合併等の組織再編成はそのための有力な手段であると考えられます。
 このような観点から、金融機関等の組織再編成を円滑化するための特別措置を講ずることにより、金融機関等の経営基盤の強化を期し、もって我が国の経済の活性化に資することを目的として、この法律案を提出することとした次第であります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、当分の間の措置として、合併等の組織再編成に伴い必要となる総会手続等を簡素化するための特例を設けることとしております。
 第二に、経営基盤の強化に関する計画を平成二十年三月末までに提出し、主務大臣の認定を受けた金融機関について、根抵当権の譲渡に係る特例等の措置を講ずることとしております。
 第三に、組織再編成を行うことにより低下した自己資本比率を回復するため、預金保険機構が整理回収機構に委託して、優先株式の引受け等や、協同組織中央金融機関が引き受けた優先出資等に係る信託受益権等の買取りを行う措置を講ずることとしております。
 第四に、当分の間の措置として、合併等を行った金融機関等の預金者等に対し、合併等の後一年間に限り、保険基準額の特例を設けることとしております。
 以上、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
 何とぞ、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(倉田寛之君) 大島農林水産大臣。
   〔国務大臣大島理森君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(大島理森君) 農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨につきまして、御説明申し上げます。
 農漁協系統の信用事業のセーフティーネットにつきましては、従来から、他の金融機関のセーフティーネットである預金保険制度と同様の農水産業協同組合貯金保険制度を設けているところであります。今後とも、農漁協系統の信用事業が我が国金融システムの一員として適切な運営を行っていくためには、そのセーフティーネットについて、他の金融機関と同様の整備を図ることが必要であります。
 このため、預金保険制度の見直しに合わせて、農水産業協同組合貯金保険制度について、これと同様の見直しを行うこととし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容を御説明申し上げます。
 第一に、為替取引等に用いられ、かつ、要求払い・無利息である貯金については、決済用貯金として、農水産業協同組合の破綻時にその全額を保護することとしております。
 第二に、農水産業協同組合が破綻前に依頼を受けた振り込み等の仕掛かり中の決済の結了を可能とするため、仕掛かり中の決済債務を全額保護することとしております。また、農水産業協同組合貯金保険機構が、経営困難な農水産業協同組合に対して決済債務の弁済のための資金を貸し付けることを可能とし、あわせて、決済債務の弁済や相殺を可能としております。
 なお、流動性貯金は、平成十七年三月末まで全額保護することとしております。
 以上、農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第でございます。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。円より子君。
   〔円より子君登壇、拍手〕
#11
○円より子君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、民主党・新緑風会を代表し、小泉総理並びに関係各大臣に質問いたします。
 我が国の株価は、連日バブル崩壊後の最安値を更新し、下げ止まりの気配を一向に見せません。総理の構造改革が口先ばかりで実態を伴わないことに業を煮やした株式市場が、総理に対してレッドカードを突き付けているのです。
 総理は、ある中堅ゼネコンが破綻した際、構造改革が進んでいる証拠だと冷たく言い渡されましたが、本来、構造改革とは、銀行の不良債権を処理するだけでなく、借り手である企業を元気にし経済を活性化することが目的です。ところが、小泉内閣の構造改革路線は、経営体力が弱った企業が破綻するのを傍観するのみで、その後の失業やデフレに対する有効な手当てを全く打たず、国民の将来不安だけを増幅しています。
 あなたが総理に就任されてからでも、株は時価総額で百三十兆円以上、土地総額も百兆円以上と、実に人々の国富を二百三十兆円も失ったのに、あなたは平然としておられます。総理は、本当に構造改革が進捗していると考えているのですか。連日の株安や金融システム不安が国民生活に与える悪影響を甘く見ているとしか思えません。
 国富の喪失をまず国民の前に謝罪し、金融システムや将来への国民の不安を取り除くために、どのようにデフレを克服し、不良債権を処理し、財政の健全化を図るのか、総理自身のお考えを伺います。
 先週、今年七―九月期の国内総生産の成長率が実質で年率三・〇%と発表され、竹中大臣は景気は持ち直しの動きが続いているとコメントされましたが、多くの国民は景気回復の気配などみじんも感じておりません。竹中大臣は、景気が持ち直していると本当にお思いなのでしょうか。
 これまで内需の低迷をカバーし景気の底割れを防ぐ役割を果たしてきたのはアメリカ向けの輸出です。ところが、頼みの綱であるアメリカでも、ITセクターの不調、企業の会計不信により株価はピーク時から大幅に下落、個人消費や設備投資にも変調が見え始めています。世界恐慌のときのように、証券市場のバブル崩壊が産業活動を混乱させるだけでなく、銀行システムや実体経済にまで悪影響を及ぼし、世界同時不況を引き起こすとの懸念も強まっております。アメリカ経済の長期停留は、日本経済を再びマイナス成長に陥らせ、日本発の世界同時不況さえ起こしかねないのではないか。竹中大臣、お答えください。
 アメリカ頼りの甘い経済見通しをまず修正すべきであり、デフレ対策に重点を置いた経済運営に転換することを、小泉総理、ここで明言すべきではありませんか。
 次に、預金保険法改正案ですが、本法律案は、政策の決定過程において様々な矛盾や問題が明らかになっております。
 まず、総理は、内閣発足以来再三にわたり、金融システムは健全であり金融危機は起こっていない、ペイオフ完全解禁は構造改革の一環であると明言されてきました。ペイオフ完全解禁の二年延期、これは明らかに政策を転換したものでしょう。それを金融システム安定化に対する政策強化と繰り返されるばかりで、政策転換に関する説明責任を一切果たされておりません。
   〔議長退席、副議長着席〕
 結局、これまでの金融行政が株安のショックで破綻してしまったため、ペイオフ解禁延期や、その口実としての決済用預金保護という苦し紛れの政策を取らざるを得なくなっただけではないですか。
 小泉総理は、政策転換を行った理由を国民に明らかにすべきです。明確な御説明を求めます。
 また、決済システムの安定確保は健全な経済活動を維持するために必要なことですが、決済用預金のシステム導入に伴い、かえって実務面で金融機関に重い負担を強いることにならないか、総理の答弁を求めます。
 今年四月、みずほグループのシステムトラブルでは、監督当局のチェック能力の欠如も混乱の一因であると指摘されました。金融機関の決済システムに関する検査体制の整備はどの程度進んでいるのか、併せてお尋ねいたします。
 さらに、決済用預金が導入された場合、経営体力の弱い金融機関では、全額保護の対象ではない普通預金や定期性預金が決済用預金に預け替えられ、資金繰りの悪化が起こることが懸念されます。金融機関の資金繰りは根本的に解決されず、本法律案の目的である金融機能の一層の安定化は達成されません。金融担当大臣はこの点についてどのようにお考えでしょうか。
 次に、農漁協系統の貯金保険法等の改正案に関連して伺います。
 先日、岡山県のJA大原町に公的管理命令が発動されました。同農協は、組合長による経営の私物化が行われ、業務が著しく不適切であったと報道されています。これを受け、農水省では、各農協の信用事業の総点検を始めたわけですが、各農漁協は地域社会の有力者が組合長を務めることが多く、大原町のようなワンマン経営を行っている経営者も少なからず存在していると聞いております。系統金融の信頼性を維持するためには、そのような農漁協をなるべく早期に発見し、業務改善を行うことが不可欠と考えますが、農林水産大臣の見解をお聞かせください。
 続いて、金融機関組織再編成特別措置法について伺います。
 本法案が主に想定している合併の対象である協同組織金融機関を含む地域金融機関は、ペイオフが一部解禁された本年四月までに、すべて経営基盤が万全な金融機関になっていると説明されていたはずです。事実、ペイオフ凍結期間中には百五十件以上もの地域金融機関が破綻などで姿を消しております。なぜ、健全な金融機関同士が合併する必要があるのでしょうか。政府が健全と認めた金融機関に対し、組織再編成を促進させようとする理由は何なのか。竹中大臣の答弁を求めます。
 単なる数合わせ的な発想で金融機関を合併させる政策からは、地域金融に係る基本理念や哲学が全く感じられません。どのような御認識でこの法案を提案されたのか。竹中大臣、お答えください。
 やみくもに組織を再編しても、みずほのシステム統合の失敗や経営合理化による収益改善等、経営体力強化が数字に全く結び付かず、その効果には疑問を抱かざるを得ません。そうした中、地域に根差したサービスを提供する地域金融機関にまで合併を促進させるのは、メリットどころか顧客である地域住民に多大な不便を掛ける結果にはなりませんか。また、地域のデフレを加速させる懸念があります。総理の明確な答弁を求めます。
 本法案による資本注入に当たっては、厳格なリストラや役員の退任といった経営責任の追及は特に求めない方針の由ですが、それでは経営者のモラルハザードを招きかねません。健全を装ってはいても、実態は経営危機にあるような金融機関の救済にこの合併スキームが悪用されるおそれはないのか。竹中大臣の答弁を求めます。
 先月、政府は、不良債権処理の加速策を打ち出しましたが、小泉政権になって、一体、不良債権の最終処理を言い出すのは何度目なんでしょうか。主要行は不良債権処理を更に加速させる姿勢を打ち出しています。しかし、本業のもうけが出ずに、しかも、有価証券の含み損が出ている銀行の財務状態で、一体、どこから不良債権の処理原資を捻出するのでしょうか。総理の答弁を求めます。
 多額の不良債権処理を毎年行っても不良債権残高は増え続け、処理計画に実効性がないことは明らかなのに、本当に十六年度以内に不良債権の最終処理ができるとお思いなのでしょうか。総理、御答弁ください。
 今まで、小泉政権の政策は、デフレを深刻化し、不良債権を拡大再生産させてきただけではないですか。その検証や反省がまずもって必要だと思います。総理、お答えください。
 さて、現行の枠組みで不良債権処理を加速するに当たって公的資金の投入額はどの程度必要とお考えでしょうか。これも総理の答弁を求めます。
 十四年三月末で金融再生法上の不良債権公表額は五十二兆円ですが、金融危機対応勘定で準備されているのはたった十五兆円。不足しているのは明白です。総理はどうなさるおつもりなのか。また、現行法では、公的資金注入を行った場合の厳格な経営者責任を問う仕組みとなっていませんが、これでは公的資金を湯水のごとく注入した挙げ句銀行経営が脆弱な今までと何ら変わりがありません。明確な答弁を求めるとともに、資本注入方法について強制的に一斉注入することも考えておられるのか、竹中大臣に伺います。
 さて、産業再生機構ですが、そもそも、なぜこの機構が必要なのか、その機能、実効性とともに、明確な説明がいまだなされておりません。総理の説明を求めます。
 産業再生機構という公的機関が民間企業の生き死にを峻別するとのことですが、公的機関が企業や産業の再生を成功させる保証はどこにあるのか。総理、お答えください。
 公的機関が再生事業に手を付けることによって企業や産業が再生できるのであれば、とっくに日本経済は立ち直っています。また、単なる企業の救済機関では産業界の供給過剰の問題は解消されません。政府のてこ入れで経営不振企業が立ち直るならば、更に厳しい競争にさらされる同業企業からすれば不公平で、一種のモラルハザードが生じる可能性があります。政府が民間の市場競争に手を突っ込むことの弊害を、総理、伺います。
 さらに、機構はだれがどのように運営していくのか。機構のトップは民間人であっても、その実行部隊が経済産業省、国土交通省といった業界と結び付きの強い官僚が業界擁護に回れば、結果として不振企業の延命に力をかす可能性があると危惧します。組織の人材をどうするのか、総理の答弁を求めます。
 また、産業再生機構が経営不振企業を銀行から買い取る資金として、本来、預金者保護のための組織である預金保険機構の資金を充てる方針のようですが、再生に失敗して倒産ということにでもなれば、当然、政府が税金で穴埋めしなければなりません。一部企業の再生のために巨額の税金を充てることについては国民のコンセンサスを得られるのでしょうか。どうやって得るのか、総理の答弁を求めます。
 整理回収機構との役割分担も明確ではありません。法改正をして整理回収機構の機能を拡充したにもかかわらず、別の組織を作って再生事業を行わせるのは矛盾しています。これをどう説明するのか。RCC送りという言葉に表せるように、回収イメージが強く、RCCに送られた企業は再生困難との印象がありますので、別組織を設けるということも背景にあるようですが、なぜ、産業再生機構が大企業等の再生を手掛け、RCCが回収に特化することにでもなれば、RCCに債権を売却された企業のイメージは更に悪くなり、それこそ債務者企業の息の根が止められてしまうという懸念も生じます。
 それなら、いっそ整理回収機構を産業再生機構と改称して一括再生に当たる方が実効性が上がるのではないか、その設置期間をどうするかも併せて、総理に伺います。
 金融再生プログラムの検討過程では、会計上の見せ掛けの資本として認められていた税効果会計による繰延税金資産について米国並みの算入制限を設けるとの報道がなされましたが、竹中大臣と銀行と自民党幹部のこの間のどたばた喜劇ならぬ悲劇を国民は見せ付けられ、そしてすったもんだの末、繰延税金資産の算入適正化の問題は今後の検討課題になりました。
 その結果、先を見越した銀行が、自己資本比率維持のためのリスクアセットの抑制に動かざるを得なくなり、更なる貸出しの抑制に動き出しています。今回のプログラムによって不良債権処理を加速する前に、貸し渋り、貸しはがしを加速してしまった罪は大きいのではないか。総理の答弁を求めます。
 さらに、今回、繰延税金資産の算入適正化などを厳密に行うことですが、アメリカの制度を表面的に取り入れれば、税制面の手当てもしないで、自己資本が減るのは目に見えています。これを回避するための迂回融資もしてはいけないと。そうなれば、銀行としては貸出しを圧縮するしか自己資本比率を維持する方法はありません。貸し渋り、貸しはがしスパイラルに陥らせた政府の責任の重大さ、これについて竹中大臣の見解を伺います。
 加えて、四年後から新BIS規制の強化があります。このことについてどう考えるのか。貸し渋りを防ぐため、大銀行と中小銀行を同じ基準にする必要はないと思います。併せて見解を伺います。
 さて、銀行の貸出しは中小企業向けが大変減少しております。中小企業を大切にしないで元気な日本の再生はできません。政府の無策によって次々に中小企業が整理されましたら、一体だれがこの国の産業を支えるのか。これからどういう社会を築き、中小企業はどうするのか。総理の考えをお尋ねします。
 総理は、昨日、歳入欠陥が明らかになったことで、国債発行枠三十兆円の公約を破棄したそうですが、あなたの公約は破られるためにあったのでしょうか。そもそもの歳入見積り自体が過大なものだったし、あなたの経済失政のせいで不良債権は増え続け、そして歳入は減ったのではないですか。総理、お答えください。
 小泉政権になってから、株価はバブル崩壊後の最安値を更新し、不良債権の残高は過去最高となるなど、どれを見ても過去最悪の水準になっています。このままでは過去最悪の総理として歴史に名を残されるのではないでしょうか。銀行に厳格な自己査定を求める前に、総理自身の政治責任の自己査定の厳格化を強く求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#12
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 円議員にお答えいたします。
 今後の経済財政運営とこれまでの責任についてのお尋ねでございます。
 政府は、先般、不良債権処理の加速を含む金融、産業の再生、経済活性化に向けた構造改革加速策のほか、雇用や中小企業対策などのセーフティーネットの拡充を含む総合対応策を取りまとめたところでありまして、さらに、この総合対応策を補完、強化するため、改革加速プログラムを策定し、平成十四年度補正予算において必要な措置を講ずることとしたところであります。
 こうした取組により、金融システム改革、税制改革等の構造改革を加速し、日本経済のための政策強化を行い、デフレを抑制しながら民間需要主導の持続的な経済成長を実現してまいりたいと思います。
 なお、財政規律を維持する観点から、「改革と展望」におけるプライマリーバランス黒字化の目標を堅持していくことが必要であると考えております。
 今後とも、経済情勢に応じて大胆かつ柔軟に対応しながら構造改革を着実に推進し、国民の期待にこたえていくのが私の責任であると感じております。
 ペイオフ解禁と決済用預金の導入に関するお尋ねであります。
 不良債権処理は構造改革を進める上での最重要課題であり、その加速を図るためには、同時に金融システムの安定と中小企業金融等の金融の円滑化に十分配意することも必要であります。このような観点から、ペイオフについては不良債権問題が終結した後の十七年四月から実施することとしたものであります。
 決済用預金の導入に当たっては、金融機関においてシステム対応等のコスト負担を要することとなりますが、その実施までは二年余りの期間があり、その間に周到に準備を進めることが可能と考えており、また、金融機関においては、決済に果たすその役割やセーフティーネット整備の重要性にかんがみ、適切な対応をされるものと考えております。
 金融機関のシステムリスクについての検査に関しては、民間出身の専門家の登用やシステム専門班の編成などにより厳正な検証に努めてまいります。
 金融機関組織再編特措法案に関連して、合併促進の効果についてのお尋ねであります。
 本法案は、金融機関の組織再編成を円滑化することを目的としておりますが、これにより金融機関の経営基盤の強化が図られ、融資の円滑化等を通じ地域経済の活性化にもつながるものと考えております。本法案による政策支援の前提として金融機関が提出する経営基盤強化計画の認定に当たっては、金融の円滑が阻害されないことを要件とするなど、地域金融の円滑化に対する配慮を行っているところであります。
 不良債権処理についてでございますが、不良債権の処理は資金、資源の効率的配分を促すものであり、他の分野の構造改革とともに実施することにより、我が国経済の再生に必要なものと認識しており、これまでも推進してまいりました。
 先般、現下の経済情勢にかんがみ、平成十六年度には不良債権問題を終結させるとの基本方針を示し、これを踏まえ、金融担当大臣は不良債権処理をこれまで以上に加速するための金融再生プログラムを取りまとめたところであります。
 これにより、主要行の不良債権比率を十六年度末までに現状の半分程度に低下させ、問題の正常化を図るとともに、構造改革を支えるより強固な金融システムの構築を目指してまいります。
 今後は、金融再生プログラムを確実に実施に移すことが重要であり、各行においても、不良債権処理を進めつつ健全性を確保していくため、収益力の向上による財務基盤の強化に取り組むことが期待されます。
 なお、公的資金注入については、そのこと自体が目的ではなく、一つの結果として行われるものであるため、現時点でどの程度の額の公的資金が必要かについては想定しているものではありません。
 産業再生機構の組織、機能についてのお尋ねですが、不良債権処理の加速化に併せ、企業、産業の再生を一体として進めるため、産業再生機構を設立し、金融機関からの債権買取りなどにより、メーンバンクとともに強力に企業のリストラ、経営再建を推進することとしております。
 産業再生機構の組織、人事については、金融界や産業界から専門家の派遣を要請するなど、可能な限り民間部門の力を活用していく方針で検討することとしております。
 産業再生機構は、原則として破綻懸念先以下の債権の買取りを行っている整理回収機構とは異なり、要管理先等に分類される企業のうち、メーンバンク・企業間で再建計画が合意されつつある債権などを買い取り、再生を図っていくものであります。新機構は期限を限って設置することとしており、具体的な期間については今後検討してまいります。
 公的機関が再生を成功させる保証と国民の合意形成などについてのお尋ねでございます。
 産業再生機構は、メーンバンクなど民間部門の情報やノウハウ、資金、人材を最大限に活用していくこととしており、政府全体の協力を得て、産業再編を視野に入れた企業の再生策を策定、実行することとしております。
 また、新機構は、産業再生・雇用対策戦略本部の定める基本指針に従い、再生可能性が高い企業の再建を促す役割を担うものであり、市場における競争をゆがめるとの指摘は当たらないと思います。
 今後、産業再生機構の創設に関する法案の提出を予定しており、法案の作成及び審議の過程を通じて国民の理解と協力が得られるよう努めてまいります。
 繰延税金資産の算入適正化と貸し渋りについてのお尋ねであります。
 不良債権の処理は、他の分野における構造改革とともに実施することにより、我が国経済の再生に必要なものであると考えます。こうした観点から、先般、不良債権問題の終結に向けて金融担当大臣が取りまとめた金融再生プログラムにおいては、御指摘の繰延税金資産の算入適正化を含む自己資本の充実に加え、資産査定の厳格化、ガバナンスの強化といった様々な面から政策強化を行い、全体として構造改革を支えるより強固な金融システムを構築し、金融の円滑化を図ることとしております。
 なお、中小企業への資金供給の重要性にかんがみ、先般取りまとめた総合対応策において中小企業への貸出しには万全を期しているところであります。
 中小企業の実態の現状認識と対応についてですが、厳しい経済環境の中で、中小企業向けの貸出し残高が減少するなど、中小企業をめぐる金融環境は大変厳しいものと認識しております。
 そうした中で、やる気と能力のある中小企業が破綻する事態を回避するため、金融セーフティーネット対策に万全を期すとともに、新規創業や新事業展開を促進し、中小企業の果敢な挑戦を強力に後押ししていきたいと思います。
 歳入見積りが過大だったのではないかとのお尋ねであります。
 十四年度予算における税収見積りについては、政府経済見通しの経済指標を基礎とし、予算編成時点までの課税実績等を勘案して、最も適切と考えられる見積りを行ったものであります。しかしながら、十四年度税収については、土台となる十三年度決算における税収が景気の悪化による法人税の減少等により大幅な減収となったことの影響など、予算編成時には予見できなかった事情により、二兆円を上回る減収となることは現時点で避けられないと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(竹中平蔵君) 円議員にお答え申し上げます。
 まず、景気の現状についてのお尋ねがありました。
 我が国の景気は、これまでに、輸出の増加、生産の持ち直しの動きが企業収益や設備投資の面に広がりつつあるなど、引き続き持ち直しに向けた動きが見られる一方で、これまで景気の牽引役となってきた輸出や生産を中心に景気回復のテンポは緩やかになっているというのが現状でございます。先行きについては、景気は持ち直しに向かうことが期待されますが、アメリカ経済等の先行き懸念や日本の株価の低迷など、環境は厳しさを増しており、今後の動向については一層の注視が必要であるというふうに考えております。
 政府としましては、今般、改革加速プログラムを策定し、平成十四年度補正予算において措置を講ずることとしたところでありまして、これらの取組によりまして、構造改革を加速して、デフレを抑制しながら、民需主導の持続的な成長を是非実現していきたいというふうに考えております。
 アメリカの経済についてのお尋ね、日本への影響についてのお尋ねがございました。
 アメリカ経済につきましては、住宅建設は高い水準にありますけれども、個人消費の伸び悩み、伸びの鈍化、生産の減少など、景気回復に弱い動きが見られておりまして、また、先行きについても不透明感が高まっております。日本の経済につきましては、今申し上げましたように、アメリカ経済への先行き懸念、株価の低迷など、環境が厳しさを増しており、最終需要が下押しされる懸念が強まっております。政府としては、本日の総理の改革加速プログラム策定の指示も踏まえ、今後とも適切に動向に対応してまいりたいというふうに思っております。
 決済用預金の導入によりまして金融機関の資金繰りが悪化するのではないかというお尋ねがありました。
 決済用預金は、普通預金と同様、要求払い預金であります。いずれに預けられていましても、金融機関の資金繰りへの影響は変わらないものというふうに考えられます。
 また、定期性預金については、既に本年四月に一預金者当たり一千万円までの元本とその利息の保護に移行しておりまして、決済用預金導入後も定期性預金の保険水準は変わりありません。したがいまして、定期性預金から決済用預金への預け替えが顕著に進むとは考えにくい状況であるというふうに思っております。
 金融機関の組織再編成の促進の理由、基本理念、哲学は何なのかというお尋ねがありました。
 金融機関を取り巻く厳しい状況にかんがみますと、中長期的に見まして、金融機関がその公的な使命であります金融の仲介機能、決済機能を十全に発揮するためには一層の経営基盤強化が必要でありますが、そのための有力な手段の一つが合併等の組織再編成であるというふうに思います。
 この法案は、金融機関が自主的な合併を進めるに際して様々な手続等の障壁が存在することを踏まえて、組織再編成を円滑に実施するための特別措置を講ずることによって金融機関の経営基盤の強化を図って、よって我が国の金融システムを強化し、融資の円滑化等を通じて地域経済の活性化に貢献するということを期待しているわけであります。
 経営危機の状況にある金融機関の救済に本法案のスキームが悪用される可能性があるのではないかというお尋ねがございました。
 金融機関がこの法案により資本増強等の特別措置を受けるためには、経営基盤強化計画の認定を受けることが必要になりますが、その要件としては、対象となります合併等の組織再編成が健全な金融機関同士の組織再編成であることや、収益性が相当程度向上することと認められることを求めているわけであります。また、認定を受けた計画については、公表するとともに、履行状況の報告を求め、フォローアップを行うことにしています。
 したがいまして、今申し上げた認定やフォローアップを適切に行いまして、制度の適正な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
 公的資金について、注入時の経営責任及び強制注入についてはどうかというお尋ねがありました。
 万一、金融危機のおそれがあると判断され、預金保険法に基づく資本増強を行う場合には、経営責任の明確化のための方策等の実行が見込まれるということがその要件とされております。
 今般の金融再生プログラムにおきましても、こうした場合には、金融機関を代表する経営者については責任の明確化を厳しく求めるというふうに明記したところであります。また、預金保険法では必要性の認定後に当該金融機関が資本増強の申込みを行うこととされており、これは制度上、資本増強の申込みを強制することはできません。
 いずれにしましても、今後、我が国の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生じるおそれがある場合には、資本増強の必要性の認定を行う等、法令に従い的確に対処してまいりたいというふうに思います。
 自己資本への算入制限等と貸し渋りの関係についてお尋ねがありました。
 不良債権処理は、それ自体が銀行の経営の健全化を通じて我が国経済の再生に資するものであるというのが基本であります。このため、総理より、十六年度には不良債権問題を終結させよという指示を受けて、先般、金融再生プログラムを取りまとめたところでありますが、御指摘の繰延税金資産に関する算入条件についても、この中で様々な要因を考慮しながら速やかに検討するというふうにしているところであります。
 一方で、御指摘のように、経済の基盤を支える中小企業への円滑な金融の確保は、これは極めて重要な問題であります。金融庁としましては、不良債権の早期処理等を理由に貸し渋りや貸しはがしが行われないことなどについて、金融機関に対し繰り返し要請を行っておりますが、さらに、この金融再生プログラムにおいて、中小企業の金融環境が著しく悪化することのないよう、各種のセーフティーネットを講じることとしたところでございます。
 BIS規制についてのお尋ねがありました。
 現在、バーゼル銀行監督委員会で行われているBIS規制の見直しは、自己資本比率の分母に当たりますリスクの計算方法について精緻化を図るものでありまして、分子であります自己資本について見直しをしようとしているものではございません。
 しかしながら、銀行の健全性を見るに当たっては、自己資本の質も重要な要素であると考えており、先般の金融再生プログラムに沿って、日本の銀行の自己資本の在り方についても、今後、問題を整理してまいりたいというふうに思っております。
 最後に、自己資本比率規制における大銀行と中小銀行の扱いについてお尋ねがございました。
 中小の銀行においても、大銀行と同様、広く国民から預金を受け入れるなど、金融システムの一翼を担っております。したがって、こうした役割を踏まえれば、中小銀行に対しても、大銀行と同様、国際的に用いられている自己資本比率という客観的な基準に基づいて透明かつ公正な行政を行い、預金者等からの信任を得ていくとともに、金融機関の自助努力を促すことは必要であるというふうに思います。
 いずれにしても、中小地域金融機関に関しては、先般取りまとめた金融再生プログラムにおいて、これは多面的な尺度から検討した上で平成十四年度内にプログラムを策定するということをしておりますので、その中で検討を深めてまいりたいというふうに思っております。(拍手)
   〔国務大臣大島理森君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(大島理森君) 円議員の御質問にお答え申し上げます。
 農漁協系統金融についてのお尋ねでありました。JA大原町の事件を踏まえてのお尋ねでございました。
 農漁協系統金融の信頼を確保するためには、農林中央金庫を中心に系統の総合力を結集して、問題農協等を早期に発見して早期に是正することが最も重要であると思っております。
 昨年の農協改革法によるJAバンクシステムは、農林中央金庫が中心となりまして自主ルールを作成し、これに基づいて農協等を指導するというものであり、正に、早期発見、早期是正をねらいとしたものでございます。
 こうしたシステムの確立と並行して、問題農協等の処理を強力に進めてまいりました結果、農協貯金は本年四月以降も対前年同期比で一%前後の伸びを示すなど、系統金融は総体としては安定した状況にあるものと考えております。
 組合長が行政検査を拒否したJA大原町は極めて特異なケースであり、また遺憾なことでございますが、これを機に、農漁協系統の信用事業の指導監督を一層強化して、経営体制の面も含めて、問題農協等の早期発見、早期是正に努めていく所存でございます。(拍手)
    ─────────────
#15
○副議長(本岡昭次君) 池田幹幸君。
   〔池田幹幸君登壇、拍手〕
#16
○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、預金保険法改正案等三法案について、小泉総理に質問します。
 政府は、十月三十日、本法案の政策的基礎となった改革加速のための総合対応策を発表しました。そこでは、不良債権処理を加速することにより、金融仲介機能の速やかな回復を図るとともに、資源の新たな成長分野への円滑な移行を可能にし、金融及び産業の早期再生を図ると説明されています。
 不良債権の処理を加速したら、銀行の貸し渋りや貸しはがしがなくなり、必要なところに資金が供給され、経済が生き返るというのでありますが、小泉総理、あなたは本気でそう考えているのですか。
 ここには二つの誤った認識があると言わざるを得ません。
 一つは、不良債権をデフレの原因だとして、不良債権の最終処理を進めれば不況から脱却できるという認識であります。これは逆立ちした見方であります。不況が深刻化する中で債務の返済が滞る企業が増加し、不良債権が増加したのであって、正に不況こそが不良債権問題の原因であります。
 事実、銀行が不良債権を処理しても処理しても新規の不良債権が発生し、その残高は減るどころか増加しました。とりわけ、小泉総理、あなたが構造改革の最重点課題として不良債権の早期最終処理政策を掲げて以来、不良債権は急速に増加し、新規発生額は十七兆円に達し、不良債権残高は十兆円も増大したではありませんか。
 景気対策を強化して企業の業況を改善することなしには不良債権問題の真の解決はありません。総理、結果がここまではっきりと現れている以上、認識を百八十度転換させるべきではありませんか。
 いま一つは、銀行が不良債権の処理を進め収益を改善させたら、中小企業など融資を必要としているところに資金を供給するようになるという認識であります。この認識の誤りもまた、事実が明瞭に示しているではありませんか。
 政府が巨額の税金を使って不良債権を処分し、わずか十億円で外資に渡した新生銀行はその典型であります。新生銀行は誕生から二年間で約一千五百億円もの利益を出しました。ところが、その間に国内向け貸出しは七兆五千億円から四兆八千億円と、実に二兆七千億円も減らしています。とりわけ正常債権を二〇%も減らしています。更に問題なのは、中小企業向け貸出しは二〇〇三年三月までに約一兆円も減らそうとしています。
 新生銀行から融資を受けている中小企業から、きちんと返済しているのに、突然一括返済を求められた、金利を三倍にすると言われたといった訴えが寄せられています。新生銀行の八城社長はある経済誌のインタビューで、当行ではリスクが取れませんと取引をお断りする場合もあると、平然と貸し渋り、貸しはがしを行っていることを認めております。ここにあるのは利潤追求のみで、銀行業務の公共性などどこにも見られません。
 だからこそ、金融庁も新生銀行に業務改善命令を出さざるを得なかったではありませんか。正に、収益力の回復が、貸出しの増加、特に中小企業向け貸出しの増加につながらない明確な証明ではないですか。
 総理、七日の党首討論で日本共産党の志位委員長は、あなたに、主要行がマニュアルを作り、強引な金利引上げや貸し渋りを行っている実態を示しました。あなたは、この事態を放置してよいとお考えですか。主要行にマニュアルを撤回させた上で、公共性に見合った社会的責任を果たさせる手だてを取るべきではありませんか。
 以下、法案に即して具体的にお聞きします。
 まず、預金保険法改正案についてであります。
 深刻な不況と信用不安の下でのペイオフ解禁は、経済的に一層の混乱を招きます。現在、ペイオフ解禁の条件がないことは明らかであり、本法案によってペイオフ解禁を延期すること自体は当然でしょう。問題は、延期の期間を二年に限ったことであります。小泉総理は、その理由を衆院本会議で、不良債権処理の加速を図るためには、金融システムの安定と中小企業金融等金融の円滑化に十分配意することも必要だという観点から二年間に限定した旨答弁されました。正に、金融再生プログラムに沿って不良債権処理を加速するためにその環境づくりをしようということでありますが、こういった手法がいかなる事態をもたらすか、昨年来の経過を見れば明らかではありませんか。
 小泉内閣が発足以来進めてきた不良債権の早期最終処理策の下で、猛烈な中小企業への貸し渋り、貸しはがしが横行して倒産が激増、五十六の信用金庫、信用組合と二つの銀行が破綻に追い込まれました。これは、本年四月の定期性預金のペイオフ解禁に向け、健全行だけを残すとの理由で、金融庁が、大手金融機関への検査基準をそのまま信金、信組に適用し、中小企業の業績を評価する際、大企業と同じ基準で画一的に検査して、大幅な引当金の積み増しをさせるなど、無理やり破綻に追い込んだ結果にほかなりません。
 小泉総理、あなたはまたもやペイオフ解禁をてこにして金融機関の再編、淘汰を進めようとしているのでありますが、これでは地域における金融不安が一層拡大されるだけではありませんか。このような誤った手法は繰り返してはなりません。答弁を求めます。
 次に、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案についてお聞きします。
 本法案は、金融機関等の収益力の強化、経営基盤の強化を図るためとして、公的資金の投入や税制上の優遇などによって金融機関等の合併、再編を促進させようとするものであります。
 地域金融機関に収益性の相当程度の向上を求める、すなわち収益力の強化を求めることが何をもたらすか、これもまた証明済みであります。地域金融機関は、中小零細企業に対し無理な金利の引上げを求めざるを得ない。結局、不良債権の最終処理同様、中小零細企業に対する貸し渋り、貸しはがしが起こり、倒産と雇用喪失による地域経済の不安定化を更に拡大するだけではありませんか。
 小泉総理は、組織再編による経営基盤の強化が金融機関の組織対応力の強化につながると答弁していますが、どこにその根拠があるのですか。貸し渋り、貸しはがしによって、万が一、金融機関の経営基盤が強固になったとしても、顧客をつぶして自分だけ生き残るのであれば、それは金融機関としてどういう意味があるというのですか。何の意味もないではありませんか。
 塩川財務大臣は、資本金一千億円以上とか預金八千億円以上など、金融機関の規模が合併の基準になるような発言を繰り返しております。しかし、この問題について、衆院財務金融委員会において、全国地方銀行協会会長を始めとするすべての参考人が、金融機関の適正規模は地域によって違う、規模の大小で物差しを当てるということについて余り賛成できないと、一律に金融機関の規模で合併を促進する政府のやり方に否定的な態度を示しています。総理、このような現場の発言に真摯に耳を傾け、尊重するべきではありませんか。
 本来、信金、信組は、地域の会員、組合員の出資による営利を目的としない相互扶助のための金融機関であり、地域に根付いた融資等を繰り広げることにより地域経済の発展に寄与してきたのであります。
 総理、地域経済を無視し、上から合併を促進するような愚策は捨て去るべきではありませんか。
 今、地域金融に求められているのは、貸し渋り、貸しはがしをやめさせ、中小企業の経営を支援し、地域経済の発展に貢献することであります。我が党は、この立場から、本院に地域金融活性化法案を提出しています。総理はこれに反対の態度を示されたのでありますが、地域経済が深刻の度合いを深めている今日、この方向での立て直しこそ王道であるということを重ねて申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#17
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 池田議員にお答えいたします。
 不良債権処理の加速と景気対策についてでございますが、不良債権処理の加速は、金融機関の収益力の改善や貸出し先企業の経営資源の有効利用などを通じて、新たな成長分野への資金や資源の移動を促すことにつながるものであり、他の分野における構造改革とともに実施することにより、我が国経済の再生に必要なものと考えております。
 政府としては、先般取りまとめた総合対応策において、不良債権処理の加速を含む金融、産業の再生策に加え、都市再生、規制改革など、構造改革の加速策を講ずることとしており、あわせて、雇用、中小企業のセーフティーネット策にも万全を期すこととしております。
 なお、総合対応策を補完、強化する改革加速プログラムを作成し、平成十四年度補正予算において措置を講ずることとしたところであり、現下の金融・経済情勢に応じ、構造改革の取組への更なる政策強化を行ってまいります。
 今後、これらの施策を早急に具体化し、デフレを抑制しながら、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を図っていく考えであります。
 銀行の収益力向上策と、また貸し渋りについての御指摘でございます。
 銀行が収益力を高め、経営基盤を強化することは、資金仲介者として経済活動に必要な資金を安定的に供給するために必要なことであります。また、健全で将来性のある中小企業への円滑な資金供給については、改革加速のための総合対応策でも十分配慮することとしたところですが、さらに、必要に応じ、法令に基づき適切な監督上の措置を講じてまいりたいと考えます。
 ペイオフ解禁により、金融機関の再編、淘汰を進めるのかとのお尋ねでございます。
 ペイオフについては、預金者による金融機関の選別と、それを前提とした金融機関の緊張感を持った経営により、金融システム全体を効率化させるとの観点から、本来、実施していくものと考えております。
 いずれにせよ、政府としては、平成十六年度には不良債権問題を終結させるとの方針の下、先般取りまとめられました金融再生プログラムに沿って、不良債権処理をこれまで以上に加速させるとともに、中小企業貸出しに対しては十分な配慮を行うことなどにより、金融についての不安がない状態で平成十七年四月からペイオフを実施したいと考えております。
 金融機関組織再編成特措法案に関連してのお尋ねであります。
 本法案は、金融機関の経営基盤の強化のための有力な手段の一つである組織再編成を円滑化する措置を講ずることにより、金融機関による金融仲介機能、決済機能の十全な発揮、ひいては地域経済の活性化等につながるものであります。
 また、本法案に基づき政策支援を行う場合は、地域金融の円滑に対し適切に配慮することとしており、顧客である企業や地域経済を犠牲にしてまで経営基盤を強化させるとの考えは取っておりません。
 加えて、本法案は、あくまでも各金融機関が自らの特性等を勘案しつつ、自主的な経営判断により合併等の組織再編成を行い経営基盤の強化を図ろうとする場合にこれを円滑化する措置を講じるものであり、上から一律の基準により合併を促進するものではありません。(拍手)
    ─────────────
#18
○副議長(本岡昭次君) 平野達男君。
   〔平野達男君登壇、拍手〕
#19
○平野達男君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の平野達男でございます。
 ただいま議題となりました法案に関し、国連を代表し、小泉総理、竹中金融財政担当大臣、塩川財務大臣に質問いたします。
 なお、法案の中身についての質問は委員会に譲ることとし、ここでは法案に関連した質疑をさせていただきます。
 まず、冒頭に総理にお伺いします。
 総理は経済は生き物とよく言われます。総理は経済をどのようにとらえ生き物と言っているのか、具体的に教えていただきたい。さらに、生き物であれば、それはどういう性格の生き物かについても併せて教えていただきたい。
 構造改革なくして景気なしと小泉改革はスローガンを掲げ、構造改革の最重要課題は不良債権処理であると繰り返し言ってきました。しかし、過去十か年において主要行だけでも約六十七兆円の不良債権の処理が行われてきたにもかかわらず、いまだに景気低迷からの脱却のめどは立たず、地価は下落し続け、株価は底なしの様相さえ見せ始めています。不良債権は処理しても処理しても新しく出てくる状況は変わらず、むしろ悪化の傾向を示しています。
 こうした中で、突如、総理が打ち出したのが不良債権処理の加速であります。しかし、不思議なことに、加速とは具体的に何を意味するのか、総理自身がきちんと説明しているのを聞いたことがありません。先日、この発言を受ける形で出された総合デフレ対策においても、その意味するところは明確になっておりません。
 ここで小泉総理にお伺いします。
 不良債権処理の加速とは具体的に何なのか、特にこれまでの特別検査を含めた不良債権処理と比較し、何がどのように変わるのか。さらには、今、不良債権処理を加速させることがなぜデフレ克服につながり、新規の不良債権の発生を抑制するのか、きちんと分かりやすく説明をしていただきたい。
 不良債権の処理は整然と進めなければならないのは当然であります。しかし、これまでの実態が示すのは、デフレ克服、景気の回復には、不良債権の処理は必要条件ではあっても十分条件ではないということであります。むしろ、不良債権処理だけを進めていけば、これがデフレ圧力になり、経済を一層減速させる要因となることであります。
 デフレの克服、景気回復に最も必要とされるのは、不良債権処理とともに強力な需要喚起であります。竹中大臣は、総合デフレ対策をまとめるに当たって、まずこのことを明確に国民に説明すべきであったと思いますが、大臣の所見を伺います。
 さらに、需要喚起のための政策の柱は、規制緩和とともに、中途半端な先行減税ではなく恒久減税でなければなりません。その財源は、特殊法人の独立行政法人化への看板の付け替えに象徴されるようなごまかしの措置ではなく、徹底した行政の無駄の見直しによる歳出節減によって生み出すことは十分可能であります。財務大臣の所見を伺うものであります。
 総合デフレ対策に関し、もう一つお伺いします。
 主要行を対象とした金融再生プログラムの作業工程表は十一月を目途に作成することとしております。一方、中小地域金融機関の不良債権処理については、時期を遅らせリレーションシップバンキングの在り方を多面的な尺度から検討した上で、平成十四年度内を目途にアクションプログラムを策定することとしております。
 景気低迷が著しい地方にあって、中小地域金融機関の果たす役割は一層重要となってきております。こうしたことにかんがみ、こうした地域金融の望ましい姿を示すとともに、その実現に向けた政府の政策を年内には示し、中小地域金融機関の活発な活動を促すべきではありませんか。竹中大臣の所見を伺います。
 預金保険法等の一部改正法案が提出された背景には、来年四月に予定されていたペイオフ全面実施の二年間の延長があります。法案の検討に入る前に、なぜペイオフ実施が延期されたかについて、政府はきちんと整理し、国民に説明する義務があります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 小泉総理も竹中大臣も、ペイオフの実施は予定どおり実施すると発言してきました。竹中大臣は、ペイオフの実施の延期は政府の信用を損ねるとの趣旨の発言もされております。来年四月からのペイオフの完全実施は政府の公約でもありました。
 しかし、七月の総理の柳澤金融担当大臣への決済性預金の保護についての検討指示に始まり、ペイオフ完全実施に向け黄色信号が出たかと思うと、結局、二年間のペイオフ延期の決定へと大きく政策転換をしてしまいました。
 これに関し、政府は、ペイオフ実施延期は日本経済再生のための政策強化の一環、不良債権処理の加速を図る上での金融システムの安定策と強弁し、ペイオフの実施延期に積極的な意味合いがあるように説明しています。しかし、この説明に納得している人はいません。
 竹中大臣は、民間出身の大臣であり、また学者でもあります。竹中大臣に期待されるのは、情勢を客観的かつ冷徹に分析し、それらを踏まえ、しっかりとした対応策を打ち出す、さらには、以上のようなことをきちんと国民に論理立てて説明するという金融技術論に立脚したテクノラート的な役割であろうかと思います。
 実態を隠す、実態でないことを事実と言い張る、言葉巧みに事実を粉飾するなどというのは、余り感心しないどこかの政治家がやることではあっても、間違っても竹中大臣のするべきことではありません。まず、この点に関し大臣の所見を伺います。
 引き続き、竹中大臣に伺います。
 言うまでもなく、来年四月のペイオフの完全実施には、実施に伴い金融機関の間で急激な預金シフトが起こらないような健全な金融環境にあることが必要です。
 仮に、金融環境は改善した、だからペイオフは来年予定どおり実施できた、しかし、不良債権処理の加速という新たな措置が必要になり、金融システム安定のためにペイオフ実施が延期と判断したと客観的に説明できるのであれば、政府が主張するようにペイオフ実施延期は政策強化であると言えないこともないかもしれません。
 しかし、これは明らかに事実に反します。
 現状は、ペイオフの完全実施ができるような金融環境にはなく、事態は悪化の一途。まずい経済運営の結果としてペイオフの延期を余儀なくされたことは明らかであります。だからこそ、金融環境の改善に向け、新たに不良債権処理の加速という追加的措置を打ち出さざるを得なくなったというのが客観的事実であります。
 ペイオフ実施延期は不良債権処理の加速という構造改革を強化するものとの説明には、はっきりと目的と手段、原因と結果の意図的な入替えがあります。ペイオフ実施ができなかったという事実の隠ぺい、そしてその説明責任、結果責任を回避するためのトリックと言うほかしかありません。
 ついでながら、こうした言い換え、強弁は、小泉内閣の常套手段であります。NTT株の売却益の活用といった禁じ手まで使ってあれほどまでこだわった三十兆円枠。しかし、税収が落ち込むと簡単に国債増発し、三十兆円枠は突破。挙げ句の果て、国債増発をしてなぜ悪い、政策転換ではないと言い張る総理の姿は、政策強化どころか、政策転換ですらない政策破綻を物語るものであります。
 改めてお尋ねします。
 ペイオフ実施延期は不良債権処理の加速化に向けた政策強化と言ったその真意、さらには、あくまで不良債権処理の加速の必要がなければ、ペイオフ実施が予定どおりできたのだと言うのであれば、その断言する理由、事実を事実として正直に受け止めて、できなかったというのであれば、そのように明言をし、その説明を総理と竹中大臣に求めるものであります。
 最後に、小泉総理に申し上げます。
 総理の国会内外での発言からは、この国の経済を何としてでも元気なものにする、活性化する、そういったことに対する確固たる決意、情熱、気迫、一切伝わってきません。国会では、質問とは関係のない答弁に終始し、核心をつかれ、答弁に窮すると絶叫と大げさなアクションによって相手を攪乱しようとする。政策とスローガンとの区別が付かず、スローガンだけを連呼。経済の話になると途端に声が小さくなり、自身の考えは披瀝することなく、竹中大臣に沿って、竹中大臣の方針に沿ってと繰り返す。
 総理、総理の言われる経済という生き物はそういう総理を悲しい目をしてじっと凝視しているのだと申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#20
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 平野議員にお答えいたします。
 経済は生き物と言うがなぜか、言葉の趣旨についてのお尋ねでございます。
 経済は、個々の経済主体の活動が集積したものでありまして、国内外における様々な要因の影響を受けつつ、刻一刻と変化しているものであります。自分だけの都合で動くものではない。人間も相手があります。経済、国際社会がこれだけ物も金も人も情報も相互依存性が高まっている中、自分の都合だけで動くものではございません。
 そういう面において、ある面においては生き物のごとく予見し難い面もたくさんあるのではないか、そういう観点から、生き物であるという言葉を私は常々申し上げているところであります。
 今般の不良債権処理の加速策とデフレについての御質問であります。
 私は、日本経済の再生に向け、平成十六年度には不良債権問題を終結させるとの基本方針を示し、金融担当大臣がその具体策として、資産査定の厳格化、自己資本の充実、ガバナンスの強化という三つの観点から金融再生プログラムを取りまとめ、不良債権処理をこれまで以上に加速することとしたところであります。
 不良債権処理の加速は、金融機関の収益力の改善や貸出し先企業の経営資源の有効利用などを通じて、新たな成長分野への資金や資源の移動を促すことにつながるものであり、他の分野における改革とともに実施することにより、我が国経済の再生に必要なものと考えております。
 ペイオフ実施延期と不良債権処理加速との関係についてでございますが、ペイオフについては、預金者による金融機関の選別と、それを前提とした金融機関の緊張感を持った経営を促すため、本来、実施していくべきものと考えておりますが、不良債権処理の加速を図るためには、同時に金融システムの安定と中小企業金融等金融の円滑化に十分配意することも必要であり、このような観点から、不良債権問題が終結した後の十七年四月から実施することとしたものであります。
 これは、改革なくして成長なしという基本方針の下で、不良債権処理の加速化という構造改革を強化するものであり、基本方針は全く変更しておりません。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(竹中平蔵君) 平野議員から四問の質問をいただきました。
 総合対応策における需要喚起策についてのお尋ねでありました。
 先般取りまとめました総合対応策におきましては、金融システム改革、税制改革、規制改革等の構造改革を加速し、日本経済を再生するための政策強化を行い、民需主導の自律的な経済成長を目指すという姿勢を明確にしております。規制改革、金融改革、税制改革、それぞれが需要の拡大に資するというふうに位置付けているわけであります。
 政府としては、総合対応策に盛り込んだ施策を早急に具体化することに加え、総合対応策を補完、強化するための改革加速プログラムを策定しまして、平成十四年度補正予算において措置を講ずることとしたところでありまして、現下の金融・経済情勢に応じ、構造改革の取組への更なる政策強化を行ってまいりたいと思っております。
 地域金融機関の望ましい姿及びそれに対する政府の施策を示すべきではないかというお尋ねがありました。
 地域金融機関は、リレーションシップバンキングの考え方をベースに、引き続き地域に根差してきめ細やかなサービス、企業のニーズに対応することによりまして地域経済の発展等に貢献していくことが基本になると考えられます。
 こうした考えから、このリレーションシップバンキングの在り方、そもそもの在り方を多面的な尺度から幅広く検討した上で、年度内を目途にアクションプログラムを策定するというふうに日程上の調整を行ったものでございます。もちろん、その間も金融再生プログラムに示された中小企業金融に係る施策については着実に実行していくつもりでおります。
 ペイオフ実施延期は政策強化の一環であるとの説明は実情のごまかしではないのかというお尋ねがありました。
 構造改革を進める上で不良債権処理は優先して取り組むべき最重要課題と認識しておりまして、今般、この不良債権処理を抜本的に加速するための具体策を金融再生プログラムとして取りまとめたところであります。
 この不良債権処理の加速化という政策強化を行う中で、ペイオフについては、決済機能の安定確保のため制度面での手当てを行い、解禁の準備を備えますけれども、その実施は、金融システムの安定確保の観点から、不良債権問題が終結した後の十七年四月からとしたところであります。
 こうした対応によって、金融システムの安定に配慮しながら、不良債権処理を加速するとともに、中小企業金融等金融の円滑化に万全を期することができるものと考えておりまして、政策全体として構造改革を一層加速するものになっているというふうに考えております。
 ペイオフの実施延期の真意と不良債権処理加速化との関係についてお尋ねがありました。
 ペイオフについては、金融機関の経営努力を促し、その健全化、構造改革を促進するものであることから、これそのものは大変重要であるというふうに考えております。
 しかし、一方で、この九月以降の経済情勢の変化の中で、総理からは、改革なくして成長なしとの路線を確固たる軌道に乗せていくために、日本経済を取り巻く不確実性を除去し、政府、日銀一体となってデフレ克服に取り組み、平成十六年度には不良債権問題を終結させるとの基本方針が示されたところであります。
 不良債権処理は構造改革を進める上での最重要課題であり、その加速を図るためには、同時に金融システムの安定と中小企業金融等金融の円滑化に十分配慮することも必要であります。このような観点から、ペイオフについては、不良債権問題が終結した後の十七年四月から実施するというふうにしたわけでございます。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(塩川正十郎君) 私に対しましては、中途半端な先行減税をするんではなくして、恒久的な減税を行って、それで民需を振興しろと、こういうお尋ねだったと思っております。
 確かに、数次にわたりまして税制改正をし、減税を中心にしてまいりましたが、これが必ずしも民需を振興した結果とはならなかったけれども、しかしそれなりに景気の下支えを十分にしてきたことは事実であったと思っております。
 今回、税制改正をいたしますにつきましては、将来の見通したあるべき税制の姿ということを期待しておりまして、一つは企業の活性化、すなわち研究開発であるとかあるいはまた設備投資に対しますところの減税措置をして構造改革を進めていきたいと思っておりますし、もう一つの考え方といたしましては、個人の資産をうまく活用する方法を考えて、個人資産が内需、需要に喚起していくような方向を考えたいと思っております。
 なお、大量に国債発行を行っております現況にありましては、歳出削減は、極力新規国債の発行を縮減する方向に努力してまいりたいと思っていることを付け加えておきます。(拍手)
#23
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#24
○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、
 構造改革特別区域法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。鴻池国務大臣。
   〔国務大臣鴻池祥肇君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(鴻池祥肇君) このたび、政府から提出いたしました構造改革特別区域法案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国が今直面する最重点の課題は、厳しさを増す環境の中にある日本経済の再生です。我が国経済の活力を取り戻すためには、構造改革を加速させる必要があります。
 このような現状にかんがみ、日本経済を活性化させる大きな柱として、七月二十六日に閣議決定により内閣総理大臣を本部長とする構造改革特区推進本部を設置し、構造改革特区制度を推進するため、規制の改革は全国一律の形でなければいけないという従来の発想から、地方の特性に応じて様々な規制の在り方があるという発想に転換し、実現するためにはどうすればいいかという方向で検討を重ねてまいりました。十月十一日に開催された第三回同本部において、構造改革特区を推進するための具体的な制度の骨格、構造改革特区において特例措置を講ずることができる規制等について構造改革特区推進のためのプログラムを決定いたしました。
 そこで、このプログラムを実現することにより、構造改革を更に加速させるための突破口として構造改革特区制度を推進し、我が国経済構造の改革及び地域の活性化を図るため、この法律案を提出する次第であります。
 この法律案の概要を申し上げますと、第一に、構造改革特別区域の設定を通じ、経済社会の構造改革を推進するとともに、地域の活性化を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の発展に寄与することを目的としております。
 第二に、構造改革特別区域を通じた経済社会の構造改革の推進及び地域の活性化に関する構造改革特別区域基本方針を閣議において決定することとしております。
 第三に、地方公共団体による構造改革特別区域計画の申請や内閣総理大臣による計画の認定等の所要の手続を定めております。
 第四に、学校教育法の特例など、構造改革特別区域において講ずることができる法令の特例の内容について定めております。
 第五に、構造改革の推進等に必要な施策を集中的かつ一体的に実施するため、内閣総理大臣を本部長とする構造改革特別区域推進本部を内閣に設置することとしております。
 第六に、法律の施行後も、規制の特例措置について定期的に調査を行い、必要な見直しを行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#27
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。佐藤泰介君。
   〔佐藤泰介君登壇、拍手〕
#28
○佐藤泰介君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました構造改革特区法案に関して、小泉総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 本題に入る前に、小泉総理の経済失政の責任を厳しく追及したいと思います。
 小泉総理就任以来、日本経済の低迷の一途をたどり、奈落の底に突き進んでいます。総理は、改革なくして成長なしと繰り返すばかりで、不良債権問題の処理など、日本経済を再生させるための抜本的な構造改革を先送りさせてきました。
 小泉内閣の無為無策により、中小企業は貸し渋り、貸しはがしに遭い、経営危機や倒産に直面し、塗炭の苦しみを味わっています。サラリーマンはリストラ地獄に陥り、若者は就職の夢を絶たれています。地方の経済は疲弊し、産業は空洞化し、日本は失業列島、倒産列島の様相を呈してきています。不況による生活苦が、自殺者が三年連続三万人を超えるという、経済有事と言わずしてほかにどんな表現が今あるのでしょうか。
 総理は、自民党をぶっつぶすとして改革を進めると豪語していたのに、その実態は、国民生活をぶっつぶしてでも政権の延命を図るということではありませんか。
 去る十月三十日に政府が決定した総合デフレ対策は、お粗末極まりないものでした。対策は閣議決定の手続さえ経ておらず、金融再生プログラムに至っては要望事項がメジロ押しというていたらくであり、国民を愚弄するものでした。不良債権処理も目途が立たず、中小企業や雇用のセーフティーネットも穴だらけのまま、新産業・雇用創出につながる大胆な政策も盛り込まれていません。これでは、デフレを食い止めるどころかデフレを拡大するものと酷評する以外にありません。
 そもそも、小泉内閣の経済政策は、不公正な競争を放置したまま、強きを助け弱きをくじくというたぐいのものでしかありません。政府は、住宅ローンや教育費が払えなくなった勤労者、身ぐるみはがされている中小企業者には冷たい態度を取っている上に、ゼネコンなどの大企業への借金棒引きを見逃しています。日銀が大銀行の株式を買い取るという禁じ手は全世界からブーイングを受けています。産業再生機構なるぬえ的な組織を作って、市場が見放した企業の再生を手助けする計画が進んでいますが、そもそも個別企業の経営に国が関与することが許されていいのでしょうか。
 小泉総理は、本日二十二日にも閣議で正式に補正予算の編成を指示する方針だと伺っております。そして、来年一月召集の通常国会の冒頭に提出し、早期成立を目指すとの予定と聞いております。しかし、まず補正予算を編成せざるを得ない状況に至ったこの事態について、総理を始めとする内閣の責任を明らかにすべきではありませんか。日本が経済危機に陥ったのは、正に総理自らがまいた種が原因ということを見逃すわけにはいきません。補正予算を提出するには、小泉内閣が経済失政にけじめを付けるという絶対条件が不可欠です。総理の明快な御所見を求めます。
 また、本当に補正予算編成が必要であると考えるなら、なぜ来年の通常国会に提出するという中途半端なことをするのですか。この国会こそが経済再生・デフレ克服国会ではなかったのですか。世界の経済市場が一つになり、マネーが国境を越えて動いている今日の状況においては、ちょっとした政策決定の遅れが命取りになります。補正予算を組むなら、この会期中にやらないと意味がありません。なぜ年明けでないといけないのか、全く理解に苦しみます。総理から答弁をいただきたい。
 小泉内閣の失政により、経済危機が深刻化し、その結果、約二兆八千億円の税収不足が生ずる見込みと言われています。さらに、景気対策の補正予算を組めば、今年度の新規国債発行は首相が公約していた三十兆円を維持できず、大幅に突破する可能性もあると聞いております。
 異常な国債発行、天文学的な債務累増に歯止めを掛けるためにも、何らかの縛りを掛けるのは当然のことであり、国債発行を三十兆円枠内に抑えることは一つの選択肢だと考えます。私たちはそれを義務付ける法案を提出した経緯があります。国債の三十兆円枠は、民主党がこだわっていることではなくて、政府は無関係であるかのように強弁する最近の小泉総理の発言は納得できません。
 今年二月の施政方針演説で、国債発行三十兆円を守り、税金を無駄遣いしない体質へ改善するとともに、将来の財政破綻を阻止するための第一歩を踏み出すことができたと述べたのは、小泉総理、あなた自身ではありませんか。歳入欠陥が生じたなら、景気対策でも財源が必要になったなら、まずやるべきことは何でしょうか。企業で行われている合理化、節減化、家計で行われているやりくりと同様、政府も同じぐらい、いやそれ以上に汗をかくべきです。
 また、今年度予算の執行期間は四か月以上も残っています。無駄な公共事業関係経費の見直し、内閣官房報償費及び外務省報償費等の見直し、行政経費の削減、特殊法人向け歳出の見直しなどで当初予算に大なたを振るい、財源を捻出すべきであります。大胆に予算の内容を組み替え、それで景気対策を中心とした補正予算を編成すべきではありませんか。それとも、今年度予算には無駄なんて一円もなく、全部国債を発行して財源を補うべきとお考えでしょうか。小泉総理の答弁を求めます。
 民主党は、タイムスケジュールを明らかにして現下の不況に対応すべきと考えます。まず、一刻の猶予もならない緊急対策に全力を注ぎ、将来ビジョンを伴った再チャレンジ可能でリスクに見合ったリターンが得られる公正な経済社会づくりを同時に進めることが基本であります。
 危機回避のための緊急対策の主要な第一の柱は、雇用対策です。失業保険の給付延長、求職者の能力開発、失業者の健康保険料、住宅ローン及び家計負担の軽減などを図るべきであります。
 緊急対策の第二の柱は、中小企業対策です。まず、貸し渋り、貸しはがしと戦う中小企業を強力に支援すべきです。モラルハザードを防ぐ手だてを講じた上での特別信用保証の臨時的復活、金融アセスメント法の制定や政府系金融機関の活用に取り組むべきであります。さらに、起業こそが我が国経済の活性化の源泉との認識から、起業時の法人税免税、特別融資枠の創設などを通じ、百万社起業の実現を目標とすべきであります。
 第三の柱は、税制です。住宅、教育費等のローン利子控除制度を創設し、また住宅の売却損を税制で補う措置を講ずるべきです。また、NPO税制を強化し、株式譲渡益課税を時限的にゼロ税率にすべきです。来年度税制改正の議論を待たずして、この国会に法案を提出し、対策を実行に移すべきです。NPO税制については、野党案が既に提出しており、総理の決断によって与党も賛成に踏み切るべきです。
 こうした緊急対策にどう取り組むのか、この国会で何をどう実現するのか、総理の答弁を求めます。
 今日の経済状況は、将来がどうなるか分からないという不安も大きな要因です。経済の再生、国民生活の質の向上に向けた、安心と信用を基調とした新しい経済社会の建設を進めるべきであります。政府は、日本の将来ビジョンをどのように描いているのか、どんなタイムスケジュールでどのような方策によって進めていくのか、総理の答弁を求めます。
 それでは、構造改革特区法案について、幾つかのポイントに絞ってお伺いします。
 まず、この構造改革特区については、先ほど触れた政府の総合デフレ対策の中にこう位置付けられております。すなわち、「民間活力を最大限に引き出し、民業を拡大することにより、経済を活性化する。」とあり、「このため、構造改革特区の推進を始め、規制改革を強力かつ迅速に進める。」と。
 そこで、総理に基本的な認識についてお尋ねをいたします。構造改革特区がなぜデフレ対策なのか、御答弁をいただきたいと思います。
 また、政府案が成立すれば民間活力が最大限に引き出され、民業が拡大し、さらには、経済が活性化されるのでしょうか。この点、総理から分かりやすく説明をいただきたい。
 さらに、具体的に特区法案では十四の個別法改正項目が盛り込まれておりますが、それぞれどのような経済活性効果があるとお考えですか。この点、鴻池大臣より簡潔明瞭な答弁をお願いします。
 次に、構造改革特区の意味を伺いたい。
 政府案の項目を見ると、それらは規制改革特区と呼ぶのがふさわしいのではないかと考えます。つまり、規制緩和を特定の地域に限定して実施することであろうと思います。政府が今回あえて構造改革と称されたのはどのような意味があるのでしょうか。総理の考えをお聞きしたい。
 特区法案の目的は、第一条に、自治体の自発性を尊重した特区を設定し、その地域の特性に応じた規制の特別措置の適用をとありますが、政府は、規制緩和のパイロットケース、すなわち全国展開に向けた先駆けとして位置付けておられるのか、それとも単なる地域振興策、経済政策として位置付けられておられるのか、はっきり分かりません。恐らく地域振興策としての効果は極めて限定的であろうと思われることから、むしろパイロットケースとしての位置付けをもっと明確に打ち出すべきではないかと考えますが、鴻池大臣の見解を求めます。
 政府案にある規制緩和項目については、その内容や想定される効果などを考えれば、余りに中途半端なものにとどまっていると思います。また、盛り込まれた項目にも、即座に全国展開すべきではないかと思われるものが多々見受けられます。特別地域において規制の特別措置が可能であるのならば、官庁の抵抗に負けず、即座に全国一律で規制改革を実施すべきではないかとも考えますが、この点、総理の見解を伺います。
 本法案は構造改革の推進を目的とされ、方向性としては評価できる点も多々ありますが、一部の規制特例が地域の利権化することの懸念への対応や、地方自治体にとって依然不透明である霞が関の法令の解釈の透明化など、更に改善を求めたい点もございます。良識の府参議院を代表して入閣され、各省庁と交渉を重ねながら規制改革に取り組まれている鴻池大臣が、真の構造改革の実現に向け、さらに、本構想をより良きものとしていくためにリーダーシップを発揮されることをより強く期待したいと存じますが、大臣の決意を聞かせてください。
 次に、構造改革特区にかかわる効果を評価し、将来の規制改革につなげるためには、その適正かつ客観的な評価制度が必要になると思いますが、この点は政府はどのように考えをお持ちか、鴻池大臣の見解をお願いします。
 今回の特区制度の実施により、特定地域において既得権益化しないか懸念されます。政府案にその防止策があるのかどうか、鴻池大臣の答弁を求めます。
 また、法案では、国による財政措置が行われないこととされていますが、今後も財政支援を行わないことを明確にさせる必要があるのではないでしょうか。ただ、一方で地方自治体の負担がどうなるかという点も気になります。これらの点についても鴻池大臣の見解を求めます。
 最後に、総理は、政府の方針は四季に応じて葉っぱの色が変わるようなものだと言われました。今は初冬、木の葉の色が変われば葉っぱは落ちます。国民生活も枯れ落ちていることを総理は御存じですか。
 以上で質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#29
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 佐藤議員にお答えいたします。
 補正予算の編成及び提出時期についてのお尋ねであります。
 私は、改革なくして成長なしという方針は全く変更しておりません。構造改革を推進して、経済情勢の変化に応じて大胆かつ柔軟に対応する、これは私の一貫した考え方であります。厳しさを増す経済情勢に対応するため、さきに取りまとめました総合対応策を補完、強化することとし、本日、十四年度補正予算を編成することを指示したところであります。
 今後、各省庁からの要望を取りまとめた上で、補正予算の概算がまとまるのは十二月下旬となる見込みであり、年明けの通常国会へ提出することができるよう準備を進めてまいります。
 補正予算における財源の捻出についてでございますが、今般の補正予算の編成に当たっては、まず雇用対策などにおいて既存予算の積極的な活用を図ることとし、さらに既存予算を可能な限り節減することにより財源を捻出し、公債追加発行をできる限り抑制してまいりたいと考えております。
 民主党提案の緊急対策についてどうかというお尋ねであります。
 民主党の提案する個々の政策、余り具体的には申し上げませんが、例えて挙げれば、雇用保険の給付日数の延長、金融機関の自主的な経営判断を過度に拘束しかねない金融アセスメント法の制定、公益性の認定基準に疑義のあるNPOの税制など、いろいろ提案がなされておりまして、検討するのに値するようなものも確かにあると思いますが、現時点で賛成し難い面もあります。
 いずれにせよ、政府としては、税制改革につきましては、一兆円を超える、できる限りの規模を目指した減税を先行させることとし、今、税制議論をしている最中でございます。この税制改革の議論、十五年度予算に反映させていきたい、なおかつ雇用や中小企業対策につきましても、不良債権処理が進む上で不必要な痛みのないように、万全の対策を取っていきたいと思います。
 将来ビジョンとそれに向けた取組についてのお尋ねでございますが、構造改革が目指すのは、まず自助と自律の下に、国民一人一人や企業や地域が持っている大きな潜在力を自由に発揮させる、これが二十一世紀の我が国にふさわしい活力ある豊かな社会の実現につながるのではないかと、こういう環境をいかに整備するかであります。そのためには構造改革が必要である。今後とも、当初以来進めてまいりました行財政改革、税制改革、金融改革、歳出改革、規制改革、決められた諸点を着実に進めていきたいと思います。
 構造改革特区がデフレ対策になるのかというお尋ねでございます。
 構造改革特区は、規制は全国一律でなければならないという考え方から、地域の特性に応じた規制を認めるという考え方に転換を図り、地域の実態に合わせた規制改革を通じ、それぞれの地方が知恵と工夫の競争による活性化を目指すことで全国に多様な構造改革特区の実現を目指すものであります。全国規模の規制改革の突破口となる有効な手段であり、金融システム改革、税制改革、歳出改革とともに実施することにより、デフレの抑制及び我が国経済の再生につながるものと考えております。
 構造改革とした意味についてのお尋ねでございますが、経済の活性化のためには規制改革によって民間活力を最大限に引き出すことが必要ですが、全国的な規制改革の実施は様々な事情により進展が遅い分野があるのも現状であります。
 構造改革特区は地域の特性に応じた規制を認めるという考え方でありますので、これが全国につながっていけば、これはかえっていい結果をもたらす、つながらないものは地域からまず突破口を作るという考え方でありますので、私は、この改革が、それぞれの地方が知恵と工夫の競争による活性化を目指すことによって、全国規模の規制改革の突破口となる有効な手段の一つではないかと考えております。
 こうしたことから、官から民へ、国から地方へという構造改革を加速させるものであり、構造改革特区という名称もふさわしいものと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣鴻池祥肇君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(鴻池祥肇君) 佐藤議員から、私に対しまして六点の質問をちょうだいをいたしております。
 まず、個別法改正項目それぞれの経済活性化効果についてのお尋ねでありました。
 今回の十四の個別法改正項目は、いずれも規制改革によって民間活力を引き出すことにつながり、これによって経済の活性化があり、国民生活の向上させる効果が期待されるところでございます。
 例えば、株式会社による農業経営や特別養護老人ホームの運営など、これまで民間参入が限定されておりました分野について、規制改革を行うことによって民間事業者の新規参入が進み、経済が活性化するという効果がございます。
 また、港湾施設の民間企業への貸付けや外国人研究者の在留期間に関する上限の延長など、地域特性に応じた規制改革を行うことにより、地域特性を生かした産業の集積によって経済活性化するという効果が見込まれるわけであります。
 このように、特定の地域における構造改革の成功事例を示すことにより、全国的な構造改革へと波及し、我が国全体の経済の活性化を図ることを期待をいたしているところであります。
 次に、パイロットケースとしての位置付けをもっと明確にすべきではないかという御意見がありました。
 議員御指摘のように、構造改革特区の導入によりまして、特定の地域における構造改革の成功事例を示すことと相なり、十分な評価を通じて全国的な構造改革へと波及するものであります。
 一方、構造改革特区の導入により、地域の特性が顕在化し、その特性に応じた産業の集積や新規産業が創出され、そして実現されていく、地域経済が活性化するという効果も期待をいたしているところであります。
 いずれにいたしましても、構造改革特区において実現しました規制の特例措置について、一定期間後にその評価を行い、全国的な展開などに向けた検討を行ってまいりたいと思っております。
 本構想をより良きものにするためにリーダーシップ発揮ができるかどうかの御意見がございました。
 この制度をより良くしようという御提案に関しましては、与野党を問わず私は十分に耳を傾けたいと考えております。しかし、担当大臣といたしましては、本法案を最善のものとして成立に全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 まずは、制度をスタートさせた上で、第二回の提案募集もございます。一月十五日締切りであるわけでございますので、より良きものとするために、見直すべき点がありましたら、真摯に私は対応していきたいと存じております。
 次に、将来の規制改革につなげるためには、適正かつ客観的な評価制度が必要なのではないかというお尋ねでありました。
 構造改革特区において実施しました規制の特例措置の結果や影響を評価して、特区制度を更に充実させるとともに、全国的な展開を図ることを検討することは非常に重要でございます。
 このため、十月十一日に構造改革特区推進本部に決定されました構造改革特区推進のためのプログラムにおいて、特区法案成立後、一年以内に構造改革特区において実施される規制の特例措置の効果、影響等を評価するための体制を定めるということにいたしております。
 具体的な評価の体制、方法等については、ただいまのところ固まったものはございませんが、本法案成立後直ちに検討に着手して、適切に対応してまいる所存でございます。
 特区制度の実施により既得権益化しないかというお尋ねもございました。
 法案では、関係行政機関の長は、規制の特例措置の適用状況について定期的に調査を行い、その結果を構造改革特別区域推進本部に報告することとされております。また、調査結果や地方公共団体の意見を踏まえ、必要な措置を講ずることといたしております。
 さらに、閣議決定される構造改革特別区域基本方針において、関係行政機関の長からの報告を踏まえ、特区において規制改革の評価方法等について定める予定であります。これにより、適切な評価体制の確立を通じ、全国的な規制の在り方の見直しを行ってまいるところであります。
 今後も国による財政措置を行わないということを明確にさせる必要があるのではないかというお尋ねでありました。
 本年九月二十日の第二回構造改革推進本部で決定いたしました基本方針におきまして、地域の自助と自立の精神を生かすため、構造改革特区においては従来型の財政措置は講じないと決定されているところであります。また、本決定は特に時限を設けているものではなく、特区に関する財政措置の方針は明確に示されているものと考えております。
 一方、地方公共団体の負担につきましては、地方公共団体が構造特区を推進するに当たり、自発的に各省庁の予算を効率的に活用するということにより、より地域の活性化の効果を高めようとすることは否定するものではございません。
 また、特区においてどのような事業を実施するかについては、地方公共団体が自発的に作成する計画次第であり、正に地方公共団体の知恵と工夫が試されるものと考えております。(拍手)
    ─────────────
#31
○議長(倉田寛之君) 吉川春子君。
   〔吉川春子君登壇、拍手〕
#32
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、構造改革特別区域法案について、小泉総理に質問いたします。
 政府は、構造改革特区を総合デフレ対策の柱として位置付け、これまでできなかった財界の要求する規制緩和を構造改革特区を設けて行い、更に全国に波及させようとしています。
 小泉内閣は、不良債権処理の加速による大規模な企業倒産と失業者の発生、さらに、医療、介護、年金、雇用保険など、三兆円を超える新たな負担を国民に押し付けようとしています。これでは経済を疲弊させるばかりです。構造改革特区は、経済の活性化に役立つどころか、国民生活と地域経済に大きな打撃を与えるものであり、自民党政治によって作り出された地域経済の危機を何ら救うものではなく、その行き詰まりを覆い隠そうとするものにほかなりません。
 以下、具体的に法案について質問いたします。
 まず第一に、本法案は、これまで進めてきた規制緩和によって国民に激痛を与えてきたことの反省が見られず、更に痛みを与えるものであるという問題です。
 構造改革によって、大型店出店に際してわずかに残る規制さえ取り払うものです。総理は、この特区によって、大型店の撤退で空洞化が進んでいる中心市街地に大型店の出店が促進され、地域経済の活性化になると答弁しています。しかし、アメリカの要求に屈した政府が、大型店の規制緩和、規制廃止を行い、集中豪雨的な大型店の出店攻勢を引き起こし、中小零細商店や街の顔である商店がシャッター通りと化し、経済に大きな打撃を与え、地域社会を崩壊させてきました。中心市街地の疲弊、空洞化を作り出したこれまでの規制緩和について、総理、あなたは反省はないのですか。
 いろんなお店があり、老人が徒歩や自転車で買い物に出掛けられ、祭りがあればみこしの担ぎ手がいる、小学生の登下校を見守る、そうした商店街の地域社会で果たしている役割を総理は評価しないのですか。
 大きなスーパーが勝手に出店し、また撤退することで、専門店や小さなお店などが形作る商店街が立ち行かなくなった日本、この上、特区を設けて更に規制緩和を進めて、どうして地域経済を活性することになるのですか。小泉総理の答弁を求めます。
 第二に、特区は、すべてを市場原理にゆだねる規制緩和を更に進めるものです。我が党は、古い、実情に合わない規制は廃止するのは当然だとは思いますが、同時に、国民の世論と運動によって生み出してきた規制のルールは守るべきであり、必要な規制は強化されるべきであると考えています。
 これまで財界の要求で政府が推進してきた労働分野の規制緩和は、八〇年代の労働者派遣事業の合法化に始まり、裁量労働制、変形労働時間制の導入によって、八時間労働制が形骸化し、長時間労働と過労死が激増したのではありませんか。
 男女共通規制は棚上げのまま、女性の深夜業、残業時間規制を撤廃した結果、男女とも育児、介護の家族的責任を果たせず、女性はパート労働などの不安定雇用労働者とならざるを得なくなり、賃金格差に泣いています。大企業のリストラ解雇で失業者が激増し、過労死と対称を成しています。総理、規制緩和が貧富の差を拡大する大きな原因になったとは思いませんか。
 電機大手各社を始め、大企業の海外進出はすさまじいばかりです。その一方で、国内での工場の閉鎖、関連下請企業の倒産が相次いでいます。電機産業の国内労働者の減少は、大手十三社だけでも八万一千人、一九・四%も減少しています。企業として社会的責任意識のない電機産業の海外移転、空洞化は雇用の縮小、地域経済の崩壊を招いています。今こそ大企業に社会的責任を果たさせるルールの確立が必要なのではありませんか。
 すべてを市場原理にゆだねれば万事うまくいくという規制緩和万能主義では、憲法の生存権、労働の権利も保障できないと考えますが、総理の認識を伺います。
 さらに、特区を認定する立場にある小泉総理に伺いますが、鴻池大臣は答弁で、今回の制度においては規制の強化や規制の新設を行うことも可能としています。認識は一緒ですか。また、これは海外移転による空洞化、大企業リストラに対する一定の規制を設ける考えがあるということでしょうか、伺います。
 第三に、構造改革特区は公共事業の新たな無駄を作り出すおそれがあるという問題についてです。
 小泉総理は、構造改革特区において、地方公共団体が自発的に各省庁の予算を効率的に活用することにより、より地域の活性化を高めようとすることを否定するものではないと答弁されています。国土交通省の来年度概算要求では、計画連携等推進費の創設二千五百億円を計上し、構造改革特区を支える基盤整備のために必要な連携事業を強力に進めるためとしています。特区に指定されたところには連携事業に予算を優先的に配分されるようになっており、従来の巨大プロジェクト推進と一体で進めることも可能です。北九州市国際物流特区構想や三河港国際自動車特区構想では流通基盤の大規模な整備が必要になるなど、新たに無駄な公共事業を作り出し、地方財政危機を一層深刻化することになるのではありませんか。
 第四に、農業経営や特別養護老人ホームへの株式会社の参入についてです。
 農地法における耕作者主義は、農地改革の成果を引き継ぎ、耕作者の土地所有と権利保護を目的としたもので、戦後日本農業の発展の土台となった原則です。農業経営への株式会社の参入を認めることは、耕作者主義を否定するものであり、農地法に風穴を空け、農地を企業に明け渡す一歩となるのではありませんか。
 小泉総理は、担い手不足により農地の遊休化が進行し、農地の荒廃という状況に直面している地域において特例的に行うと答弁されています。
 しかし、生産者が耕作できない農地を借り受けている市町村出資公社の未貸付地は、中山間地が八割を占めています。企業が農業に参入する場合、平地で一定規模まとまっているなど、経済性を追求できる農地への参入を求めるものであり、採算に合わない中山間地での農業に参入するとは考えられません。それとも、小泉総理は、遊休化し、荒廃した農地を企業が使うとでもお考えなのでしょうか。
 特区は、自治体が悩んでいる高齢化、担い手不足による耕作放棄に歯止めを掛けるものではなく、耕作放棄地の解消にはつながらないものです。
 また、食料を安全、安定的に供給することは国の責務であり、日本農業再生のための農産物輸入の有効な規制、米を始めとする主要農産物の価格支持政策、中山間地への直接支払の抜本的な拡充など、農政を転換することこそ必要ではないでしょうか。
 次に、特養ホームへの株式会社の参入についてです。
 小泉総理は、この特例措置により、特養老人ホームが不足している地域での整備の促進の効果が期待されると答弁しています。しかし、特別養護老人ホームなどの介護施設を整備することは国の責任です。全国に多くの入所待機者がいる下で、国として一刻も早く特養ホームの整備を行わなければならない責任があるのです。
 これまで、厚生労働省は特別養護老人ホームへの株式会社の参入を認めてきませんでした。それは、長期で安定したサービスを保証するためには、営利を追求する株式会社の活動はなじまない分野であるからではないのですか。それを規制緩和することは、国の責任放棄ではありませんか。
 第五に、国有財産を特定の企業に安く使用させる規制緩和についてです。
 構造改革特区では、民間事業者が格安の使用料で長期間、港湾施設を占有して利用できるようになります。港湾施設は公共、公益利用が原則とされています。それを緩和して、民間事業者に長期間貸し付けることができるようにするものです。行政財産である港湾施設を民間事業者に長期間貸し付けて使用させれば、公共性を担保することができなくなるのではありませんか。
 また、国立大学・研究機関の数百億円あるいはそれ以上もする研究・実験設備を特定大企業の開発研究に利用させる際の廉価使用の要件を特区で更に緩和することは、国民の財産を特定企業の利益のために供することにならないのですか。
 以上、経済を疲弊させ、国民に激痛を与える構造改革特区路線を転換して、国民の需要を拡大する方向に政策を改めることを主張して、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#33
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 吉川議員にお答えいたします。
 中小市街地対策と大規模小売店舗立地法の特例についてのお尋ねであります。
 中心市街地の商店街は、地域住民の買物や交流の場を担う中核として、地域経済社会において重要な役割を果たしてまいりましたが、近年、自家用車での買物など消費者行動の変化、経営者の高齢化といった事情により、厳しい状況に置かれているものが多いと認識しております。このため、中心市街地活性化法等による市街地整備や商業活性化などに積極的に取り組んでいるところであります。
 今般の大規模小売店舗立地法の特例は、大型店の退店問題等により疲弊している中心市街地に対し、手続を簡素化し、大型店の迅速な出店や空き店舗対策を促進することによって地域経済の活性化に貢献しようとするものであります。
 規制緩和に伴う長時間労働についてのお尋ねですが、我が国の年間総実労働時間の推移を見ると、裁量労働制等が創設された昭和六十二年度の二千百二十時間と比べ、平成十三年度は千八百四十三時間と着実に減少してきており、規制緩和によって長時間労働になっているとは考えておりません。
 しかしながら、過労死の防止については非常に重要な問題と認識しており、今後とも、時間外労働の削減や労働者の健康確保の徹底等の対策を進め、その予防に努めてまいりたいと思います。
 労働分野の規制緩和についてですが、女性の時間外労働や深夜業の規制緩和においては、女性の職域拡大と男女間の均等取扱いの観点から実施したものであり、その一方で、労働者が育児や介護などの家族的責任と仕事との両立を図ることができるよう、育児・介護休業法において子育て・介護期間中の深夜業及び時間外労働の規制を設けているところであります。
 また、パート就労等による賃金格差の問題については、現在、厚生労働省において正社員との均衡を考慮した処遇の在り方等につき検討を進めており、その結果を踏まえて対応してまいりたいと思います。
 いずれにせよ、労働分野の規制緩和により、労働者が多様な就業形態を選択できるとともに、就業形態の違いに関係なくその能力を有効に発揮できるような環境づくりを進めていくことが重要と考えております。
 電機産業の海外移転と大企業に対する規制の強化についてですが、近年、電機産業の海外への生産拠点の移転が進んでいることは事実であります。同時に、企業においては、可能な限り配置転換や職種転換に努めるなど、雇用の維持に向け最大限の努力が行われているものと考えます。産業の空洞化、海外移転に歯止めを掛けるためには、技術革新などを通じて国内産業の高付加価値化を進め、国際競争力の強化に努めることが肝要と考えます。
 今回の制度においては、規制の強化や規制の新設を行うことも可能であり、実際に地方自治体からも伝統ある都市や町並みの保存といった提案が出されているところであります。
 なお、お尋ねの大企業の海外移転に対する規制の強化のような提案は一切なされておりません。
 規制緩和と生存権、労働の権利との関連性についてでございますが、現在、政府が進めているのは単なる規制緩和ではなく、生活者・消費者本位の経済社会システムの構築と経済の活性化を同時に実現する体系的、包括的な規制改革であります。
 それぞれの規制改革を検討するに当たっては、生命、身体、健康や個人の権利等に係る問題について当然ながら十分に配慮しつつ、情報開示の義務付け、外部評価や監視体制の整備等、安全、安心のための新たなルール作りにも同時に取り組んでいく必要があるものと考えております。
 特区が巨大プロジェクトと一体で進められ、地方財政危機を深刻化させているのではないかとの御指摘であります。
 構造改革特区においては、地域の自助と自立の精神を生かすため、国として従来型の財政措置は講じないこととしております。一方、地方公共団体が自発的に各省庁の予算を効率的に活用することにより、より地域の活性化の効果を高めようとすることを否定するものではありません。
 また、特区になることによって地方財政に新たな負担が生じるかどうかについては、地方公共団体が自発的に作成する計画次第であり、正に地方公共団体の知恵と工夫が試されるものと考えます。
 構造改革特別地域における株式会社の農業参入についてでございますが、今般の株式会社などに農業への参入を認める措置については、担い手不足により農地の遊休化が進行している地域において特例的に行うものであり、これにより、農地法のいわゆる耕作者主義という基本的な考え方を変更するものではありません。
 また、構造改革特別区域内における具体的な貸付け農地については、耕作放棄地に限定されず、遊休農地の解消や農地の効率的利用の観点から、地域において個別的に判断すべきものと考えております。
 特別養護老人ホームへの株式会社参入でございますが、特別養護老人ホームにおいては、長期間安定した形で介護サービスを提供する必要があることなどから、現在、その経営主体としては自治体と社会福祉法人のみが認められているところであります。
 今回、自治体からの提案もあり、有料老人ホーム等について既に株式会社の参入を認めていることなどを踏まえ、特区においてこれを認めることとしたものであり、利用者の保護に配慮し、自治体が十分関与できる公設民営方式とPFI方式に限って参入を認めることとしております。
 なお、この特例措置により、特別養護老人ホームが不足している地域での整備の促進の効果が期待されるものと考えております。
 港湾施設の民間への貸付けについてでございますが、今般、民間の経営能力を活用した港湾施設の効率的な運営などを通じ、我が国港湾の国際競争力の強化を図るため、港湾施設の民間への貸付けを可能とする措置を導入することとしたものであります。
 実際の貸付けに当たっては、港湾全体の公共的利用を確保しつつ、港湾内の一部の施設を貸し付けることとしていること、災害等公的利用の必要が生じた場合には港湾管理者が解除をすることができることなどの措置を講じることとしており、港湾そのものの公共性は担保されるものと考えております。
 国立大学の研究施設等の廉価使用についてでございますが、今回の特例措置は、産学官連携の一層の促進を通じ、民間企業全般を対象として地域経済の活性化を図る観点から、企業が国立大学等との研究交流に際し、その研究施設等を廉価使用することができる要件を緩和するものであり、特定の大企業の利益を図ることを念頭に置いたものではありません。(拍手)
    ─────────────
#34
○議長(倉田寛之君) 島袋宗康君。
   〔島袋宗康君登壇、拍手〕
#35
○島袋宗康君 ただいま議題になりました構造改革特別区域法案について、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)を代表して、小泉総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 今回、政府から提案されました特区法案は、立法の理念や考え方において従来のそれとは全く概念を異にする法案であり、また内容的にも二十一世紀の日本の形を模索する大胆な実験を行おうとするものでありますので、本院においては様々な角度から慎重な審議が必要であるということを最初に申し上げておきたいと思います。
 小泉総理は、今期臨時会の所信表明において、「日本経済を活性化させる大きな柱として、構造改革特区を実現します。規制は全国一律という発想を、地方の特性に応じた規制に転換します。四百を超える提案に示された知恵と意欲をしっかり受け止めて、教育、農業、福祉などの分野で思い切った規制改革を実行します。」と、さも構造改革特区が現下の日本経済活性化の切り札や特効薬になるかのごとき印象を振りまきながら演説されたのであります。
 言うまでもなく、真の意味の規制改革は、規制が設けられた意義や効果を、また規制の特例を設ける場合にはその影響するところをよく吟味しながら改革の制度設計を進めていくべきであり、根気の要る息の長い作業であります。
 しかし、政府の特区法案の策定過程は余りにも拙速であり、また法案には規制の特例や特区認定の手続的なことは書いてありますが、構造改革特区を設けることが日本の経済の活性化にどのようにつながっていくのか、また特区による日本経済再生への道筋をどのように描こうとしておられるのか、明らかではありません。
 まず、この点について総理並びに鴻池担当大臣の御所見をいただきたい。
 小泉内閣になって一年七か月がたちました。この間、景気の底入れ宣言があったものの、日本経済の悪化はだれの目にも明らかであり、目を覆うばかりの株価下落、相次ぐ企業倒産、高失業率、巨額の税収不足、これらすべては小泉内閣の経済財政政策の失敗によるものと言っても過言ではありません。構造改革特区法案の提案が、この小泉内閣の失政をカムフラージュするものであったり、経済活性化への幻想を振りまくものであってはならないと思いますが、この点について総理の御所見をいただきたい。
 構造改革特区の法案が成立した暁は、総理大臣の認定により日本列島の北から南まで全国各地に様々な種類の特区が出現することになり、その結果、特区ではないところと特区の認定を受けたところが日本地図上にまだら模様を描くようなことになるかと思います。そこで、たとえ個々の特区構想が良いものであっても、結果として日本各地でいたずらに混乱をもたらすこととならないよう、制度設計及びその具体化に当たっては慎重な配慮があるべきだと思います。
 そこで、特例地域と特例でない地域が混在することによる行政や経済取引上の混乱の防止や、特区導入後うまくいかなかった場合の後始末を本法案ではどのように考えておられるのか、鴻池担当大臣から御所見を伺いたいと思います。
 小泉内閣は、特区の枠組みは作った、後は地方自治体や民間の創意工夫にゆだねるというだけでは余りにも無責任ではありませんか。法案には、国の援助としては、「認定構造改革特別区域計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な助言その他の援助を行うように努めなければならない。」とあるだけで、従来型の財政措置は講じない方針と伝えられておりますが、これで果たして構造改革特区がうまく立ち上がると政府は考えているのか。特区に対して新たな財政措置はないとしても、規制改革全般を強力に進めるには地方への思い切った財源移譲が必要ではないか。これらの点について小泉総理の御所見をお伺いしたい。
 次に、復帰三十年を迎えた沖縄の立場から質問をさせていただきます。
 日本の中でも、最も特色のある地域は沖縄であります。戦後、米軍統治下にあっても県民の努力によって自由と自治を獲得し、また米国流の制度を受け入れてまいりましたが、復帰後は、本土との格差是正という大方針の下に、規制の面でも本土の制度に強く組み込まれ、本土に一本化されました。
 今日まで七兆円を超える沖縄振興開発事業費がつぎ込まれ、施設面を中心に本土との格差是正は進みましたが、一人当たり県民所得は依然として全国平均の七割、完全失業率は九%を超えるなど、沖縄の経済社会は極めて厳しい現実にあり、復帰後、沖縄が制度面で本土と一体化したことがかえって沖縄の経済発展を阻害しているのではないか、その要因ではないかと思われてならないのであります。
 規制改革というならば、日本で最も特色のある沖縄こそ各種制度を一国二制度的な方向に変えていくことが、二十一世紀の沖縄の発展につながり、また日本やアジア太平洋地域の発展にも寄与すると考えておりますが、この点について小泉総理の御所見を伺いたい。
 本年三月、新たな沖縄振興特別措置法が成立いたしました。そこでは、特別自由貿易地域、情報通信産業特区などに加えて、金融特区の制度が創設されました。
 これら沖縄の特区は今回提案の構造改革特区とは全く異なるものでありますが、沖縄の特区と構造改革特区を併存させることによって新しい沖縄振興を更に加速化させる必要があると思います。この点について、細田沖縄担当大臣の御所見をいただきたい。
 最後に、国会で審議中の法案と政府広報の関係について質問をいたします。
 構造改革特区が小泉改革の数少ない目玉であり、大いに宣伝したい気持ちは理解できないではありません。政府と国会との関係において考えるとき、国会で審議中の、しかも賛否両論ある法案にかかわることを血税を使った政府広報として取り上げることについては、一定の節度があってしかるべきだと考えております。
 最近、政府広報による構造改革特区関連のテレビ番組が大変に目立っております。政府提供の番組名とその総経費を明らかにしていただきたい。また、国会審議中の法律案と政府広報の関係について、福田内閣官房長官の御所見をいただきたい。
 以上で私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#36
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 島袋議員にお答えいたします。
 構造改革特区の創設と日本経済の活性化についてのお尋ねでございますが、もとより、この特区だけで日本経済が活性化するとは思っておりません。特区に併せまして、行財政改革あるいは金融改革、税制改革、歳出改革、様々の構造改革が必要なのは言うまでもございません。本日、十四年度の補正予算の編成を指示したところでありまして、不良債権処理を進めていく過程での雇用対策、中小企業対策、併せて総合的な対策が必要であるという点というものを否定するものではありませんし、また、そのことを総合的に進めていくことが日本経済の活性化につながるものと思っております。
 従来型の財政措置を講じないで構造改革特区が実現できるのか、地方への財源移譲が必要ではないかという御質問であります。
 この構造改革特区は、地方が自主性を持って知恵と工夫の競争による活性化を図ることを意図しております。したがって、従来型の財政措置を講じないこととしておりますが、なお、地方への財源の移譲については、この構造改革特区の取組とは別であります。現在、税制改革の一環あるいは地方分権の在り方等、こういう点を踏まえまして、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲を含む税源配分の在り方、これを三位一体で検討しているところでありまして、来年度予算編成にあるべき改革の芽を少しでも出したいと思いまして総務大臣に検討を指示しているところであり、総務大臣も、今、真剣に精力的にその努力を継続中でございます。
 沖縄の振興、発展についてのお尋ねでございますが、政府はこれまでも、税制面の特例措置を伴う情報特区や金融特区の創設など、本土との格差の是正だけでなく、沖縄の特性を生かした自立型経済の構築に力を入れてまいりました。
 今後も、規制緩和を中心とした構造改革特区を併せて活用し、県、市町村などと連携しながら、産業の振興や雇用の創出を始めとする諸施策を推進し、沖縄の更なる発展に努力してまいりたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣鴻池祥肇君登壇、拍手〕
#37
○国務大臣(鴻池祥肇君) 島袋議員から私に二点、質問をちょうだいをいたしております。
 まず、構造改革特区の創設が日本経済にどのように影響しておるか、どのような活性化につながるかという御質問でありました。
 一般的に特区制度によって期待される経済効果としては、農業経営、特別養護老人ホームの運営など、これまで民間参入が限定されておりました分野について規制改革を行うことによって、民間事業者の新規参入が進み、経済が活性化するという効果がございます。大規模港湾における港湾施設の民間への貸付け等、地域特性に応じた規制改革を行うことにより、地域特性を生かした産業の集積によって経済を活性化するという効果が見込まれるわけでございます。
 このように、特定の地域における構造改革の成功事例を示すことにより、全国的な構造改革へと波及し、我が国全体の経済の活性化を図ることを目的といたしておるところであります。
 次に、特区の認定に伴う経済取引上の混乱の防止などについてのお尋ねがございました。
 今回の制度は、それぞれの地方が知恵と工夫、競争による活性化を目指すことで、全国に多様な構造改革特区の実現を目指すものであります。
 構造改革特区の認定の際には、内閣総理大臣による公示が行われることとされており、さらに各地方公共団体においても住民等に対し必要な周知が図られることとなり、行政の混乱や経済取引上の混乱は生じないものと考えております。
 また、仮に、特区の認定後、計画が円滑に実施されず効果を上げていない場合等には、計画が認定した基準を満たさなくなった場合には、その計画の一部又は全部を取消しを行うことができることとされておるわけであります。
 ただ、取消しを直ちに行うことは想定されず、総理は認定を受けた地方公共団体に対し、必要な場合には計画の適正な実施に関し所要の措置を講ずることを求めるなどの対応を取ることといたしております。
 このように、議員御指摘のような場合が生じないよう、政府といたしましても必要な対応に努力をいたしてまいります。(拍手)
   〔国務大臣細田博之君登壇、拍手〕
#38
○国務大臣(細田博之君) 沖縄の特区と構造改革特区の併存についての御質問がございました。
 沖縄振興特別措置法に基づく情報通信産業特別地区、金融業務特別地区、特別自由貿易地域等の沖縄固有の特別地区制度は税制上の特例措置を中心とするものであり、規制緩和を中心といたします今般の構造改革特区とは互いに補完し得る関係であると認識しております。
 こうした点から、沖縄においては、沖縄振興特別措置法に基づくこれらの諸制度とともに、今般の構造改革特区についても、その活用が図られ、可能な限り相乗的な効果が発揮されることを期待しております。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(福田康夫君) 島袋議員から構造改革特区関連の政府提供のテレビ番組名とその経費についてお尋ねがございました。
 構造改革特区につきましては、これまで、「そこが聞きたい 構造改革」、「新ニッポン探検隊」及び「政策対談 明日への架け橋」の三つの政府広報番組において広報を実施し、その経費は約二千九百万円であります。
 そしてまた、もう一件、まだ法案審議中の構造改革特区法案について政府広報するのは節度がないのではないかというような御意見がございました。
 このことにつきましては、構造改革は、六月二十五日に基本方針二〇〇二において構造改革特区の導入を閣議決定した後に、制度の趣旨等について、その施策が所要の法律が成立した後に実施されるものであるということを明確にした上で政府広報を実施してまいりました。
 今後とも、構造改革特区制度の趣旨等について広く国民の皆様にお知らせし、御理解を得るべく広報を実施してまいります。(拍手)
#40
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#41
○議長(倉田寛之君) 日程第一 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案(第百五十四回国会衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長柳田稔君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔柳田稔君登壇、拍手〕
#42
○柳田稔君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、銀行等の株式等保有制限の実施に伴い、銀行等の株式の処分が銀行等と事業法人との株式持ち合いを解消するものである場合に、事業法人による銀行等の株式の処分の円滑を図るため、銀行等保有株式取得機構が一定の要件の下で事業法人から銀行等の株式を買い取ることができるようにするものであります。
 委員会におきましては、発議者を代表して、衆議院議員相沢英之君から趣旨説明を聴取した後、機構の株式取得と日銀の株式買入れが果たす役割の違い、機構及び日銀が取得した株式の権利行使を行う際の考え方、銀行株の買取りの上限を特別買取り価額の二分の一とした理由等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表し大塚耕平委員、日本共産党を代表し大門実紀史委員、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の平野達男委員より、それぞれ本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#43
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#44
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#45
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成            百三十三  
  反対             九十六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#46
○議長(倉田寛之君) 日程第二 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案
 日程第三 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
 日程第四 電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案
  (いずれも第百五十四回国会内閣提出)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長山崎力君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔山崎力君登壇、拍手〕
#47
○山崎力君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 これら三法律案は、いずれも第百五十四回国会に本院に提出され、継続審議となっていたものであります。
 まず、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案は、行政機関等に係る申請、届出その他の手続等に関し、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により行うことができるようにするための共通する事項を定めようとするものであります。
 次に、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴い、関係法律の規定の整備等を行おうとするものであります。
 次に、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案は、電磁的方式による申請、届出その他の手続における電子署名の円滑な利用の促進を図るため、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する制度その他必要な事項を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、三案を一括して議題とし、行政手続オンライン化のメリット、住民基本台帳ネットワークシステムの利用事務拡大の必要性、電子政府・電子自治体における個人情報保護の在り方、電子自治体構築に向けた財政支援策、公的個人認証サービスの内容と開始時期等について熱心な質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して宮本岳志委員、社会民主党・護憲連合を代表して又市征治委員より、それぞれ三法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、三法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#48
○議長(倉田寛之君) これより三案を一括して採決いたします。
 三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#49
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#50
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百三十  
  賛成            百三十七  
  反対             九十三  
 よって、三案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#51
○議長(倉田寛之君) 日程第五 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案(第百五十四回国会内閣提出、第百五十五回国会衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長金田勝年君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔金田勝年君登壇、拍手〕
#52
○金田勝年君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、近年の離婚の急増など母子家庭等をめぐる諸状況の変化に対応し、母子家庭等の自立を促進するため、子育て支援の充実、就業支援の強化、扶養義務の履行の確保、児童扶養手当制度の見直し等の総合的な対策を推進しようとするものであります。
 委員会におきましては、実効ある就業支援策の必要性、養育費確保のための施策の在り方、児童扶養手当の一部支給停止措置の是非等について質疑を行うとともに、参考人から意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局した後、民主党・新緑風会を代表して山本理事より、児童扶養手当法第十三条の二第一項の政令を定めるに当たり、父の児童に対する扶養義務の履行の状況、受給資格者の就職の状況等を勘案しなければならない旨の規定を加えることを内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して小池委員、社会民主党・護憲連合を代表して大脇委員より、それぞれ原案及び修正案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、修正案は否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#53
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#54
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#55
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百三十  
  賛成            百九十一  
  反対             三十九  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#56
○議長(倉田寛之君) 日程第六 学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長大野つや子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔大野つや子君登壇、拍手〕
#57
○大野つや子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、大学等の教育研究活動等の充実を図るため、認可が必要とされている大学の学部の設置等について、一定の場合には届出で足りることとするとともに、大学等に対する勧告等の制度及び大学等の認証評価制度を設け、あわせて、専門職大学院制度を設ける等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人からの意見聴取、法務委員会との連合審査会を行うとともに、大学院における法曹養成の必要性と法学部の在り方、法科大学院の質の担保策、認証評価の義務化の理由及び認証評価と資源配分の関係等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して畑野委員より反対の意見が述べられ、続いて採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#58
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#59
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#60
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成             二百四  
  反対             二十七  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#61
○議長(倉田寛之君) 日程第七 有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長三浦一水君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔三浦一水君登壇、拍手〕
#62
○三浦一水君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、有明海及び八代海を豊かな海として再生するため、基本方針を国が定めるとともに、実施すべき施策に関する計画を関係県が策定し、その実施を促進する等特別の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人を招致してその意見を聴取するとともに、有明海及び八代海の再生に関する基本方針の考え方、諫早干拓排水門の開門総合調査の現状と今後の方針、汚濁負荷量の総量の削減方策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して紙理事より反対である旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#63
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#64
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#65
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百三十  
  賛成             百五十  
  反対              八十  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#66
○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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