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2002/11/29 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 本会議 第10号
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2002/11/29 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 本会議 第10号

#1
第155回国会 本会議 第10号
平成十四年十一月二十九日(金曜日)
   午後二時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十号
  平成十四年十一月二十九日
   午後二時開議
 第一 独立行政法人北方領土問題対策協会法案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第二 独立行政法人国際協力機構法案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第三 独立行政法人国際交流基金法案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第四 法科大学院の教育と司法試験等との連携
  等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 司法試験法及び裁判所法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 平和祈念事業特別基金等に関する法律の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 第七 独立行政法人通信総合研究所法の一部を
  改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第八 地方公務員災害補償法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及
  び原子炉の規制に関する法律の一部を改正す
  る法律案及び独立行政法人原子力安全基盤機
  構法案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び独立行政法人原子力安全基盤機構法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。平沼経済産業大臣。
   〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(平沼赳夫君) 電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び独立行政法人原子力安全基盤機構法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 このたびの原子力発電所での自主点検作業に係る不正な記載や、原子炉格納容器の定期検査における不正な操作は、これまでの原子力の安全確保に対する国民の信頼を大きく損なうものでありました。
 これらの法律案は、原子力の安全確保に万全を期し、国民の信頼を回復できるよう、関係の法律において所要の措置を講ずるものであるとともに、今般の公益法人改革に係る閣議決定を踏まえ、原子力安全規制を行う独立行政法人の設置のため、所要の規定の整備を行うものであります。
 次に、電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、電気事業法の一部改正であります。この一部改正におきましては、事業者に対し、自ら検査を定期的に実施すること、設備の健全性についての評価を行うこと、これらの結果を記録し、保存すること及び定期事業者検査の実施体制の審査を受けることを義務付けることとしております。また、保守点検を行った事業者に対し報告徴収又は資料の提出を求め得ること、経済産業大臣が原子力安全委員会に対し規制の実施状況の報告を行うこと、罰則の強化を行うこと等の措置を講ずることとしております。
 第二に、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正であります。この一部改正におきましては、原子力発電所以外の原子力施設についても、保守点検を行った事業者に対する報告徴収を求め得ること、罰則の強化を行うこと、主務大臣が原子力安全委員会に対し報告を行うこと等の措置を講ずることにより、電気事業法の一部改正と同等の内容を確保することといたしております。
 続いて、独立行政法人原子力安全基盤機構法案の要旨を御説明申し上げます。
 独立行政法人原子力安全基盤機構は、エネルギーとしての利用に関する原子力の安全の確保のための基盤の整備を図ることを目的としております。また、本機構は原子力施設等に関する検査等を行うとともに、原子力施設等に関する安全性の解析及び評価等の業務を行うこととしております。
 以上が、これらの法律案の趣旨でありますが、電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。木俣佳丈君。
   〔木俣佳丈君登壇、拍手〕
#7
○木俣佳丈君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました二法案について、関係大臣に質問をいたします。
 東京電力の原子力発電所における二十九件の事案を始めとして、今回明らかとなった原子力発電所の点検、検査をめぐる一連のトラブル隠し、記録の改ざん、検査のごまかしなどの不正事案の発生は、立地地域の住民を始め国民の原子力に対する信頼を著しく失墜させ、我が国の原子力政策並びにエネルギー政策の根幹を揺るがす極めて深刻な事態を招いております。
 ウラン燃料加工施設ジェー・シー・オーにおける臨界事故、そしてまた一連の原子力事故の発生のみならず、平成七年の「もんじゅ」事故、平成十年の使用済核燃料輸送容器の改ざん問題、平成十一年のMOX燃料データ改ざんなど、これまでも同種の不祥事が続いてきた中で今回の問題が発生したことは極めて遺憾であり、国民の原子力事業者、さらには国の原子力安全行政に対する信頼は正に地に落ちたと言っても過言ではありません。
 そうした中で、民主党は、本年八月、京都議定書の第一約束期間の最終年をターゲットとしたエネルギー基本政策を作成し、その中では、原子力の安全確保に関し、安全規制への強化充実を図るため、いわゆる八条委員会ではなく、独立した国家行政組織法第三条に基づく原子力安全規制委員会を設置することを提唱しております。民主党では、そのため、ジェー・シー・オー事故のすぐ直後、二〇〇〇年三月に続き、今国会にも原子力安全規制委員会設置法を国会に提出し、政府に改革を迫ってまいりました。
 規制だけを行う組織を作ることは原子力の推進にそぐわないという、我が国では非常に後ろ向きな議論がありますが、例えば、アメリカのファインケミカル、医薬品業界においても世界一厳しい安全規制の中でこれを克服していったからこそ今日の世界に冠たる競争力を有する品質の高い産業へと発展することができました。
 同様に、原子力の分野でも、米国のNRCは、九〇年代以降、安全確保技術の革新と併せ規制緩和を進め、電力自由化の下でさえ米国の原子力発電の競争力を高め、産業をよみがえらせることに成功しました。つまり、一見対立しているように見える安全規制と原子力の推進は、実は非常に密接に関係しているのであります。
 折しも、今般、青森県知事を始めとして原子力立地自治体の関係者からも、原子力安全・保安院の経済産業省からの明確な分離、独立が強く求められております。政府は、こうした地元自治体からの要請にどのようにこたえようと考えているのか。我々が提案する三条委員会に対する考え方を求め、所管の両大臣、平沼大臣、細田大臣に伺いたいと思います。
 次に、安全規制の在り方について伺います。
 去る十月二十八日、一九七八年の設置以来初めて原子力安全委員会は経済産業省に対し検査実施体制の抜本的見直し等を求める勧告を行いました。この勧告は遅きに失したとの感もなきにしもあらずではありますが、その重みは重視すべきものであると考えます。
 私は、原子力に係る事業者と安全規制の当局の関係は野球の選手と審判の関係に例えられると思っております。あるときには日本では審判がバッターとなったり、またあるときにはアウトもセーフも分からない審判が選手の言うとおりに判断していたのでは、チェックどころではないはずです。
 よく言われるように、原子力については、専門的な知見、能力の高さは、一にメーカー、二に電力、三、四はなくて五に規制当局と言われます。このような現状では、実効的な安全規制、検査の実施は到底望むことはできません。
 今回の一連の不正問題の発生では、規制当局である原子力安全・保安院が事業者の不正、不適切な対応を適時適切にチェックを行い、専門的知見をもって適正にこれを判定し指導することができなかった、換言して言えば、プロとして持つべき資質に欠けているという実態が明らかになりました。
 また、ルールの上でも、大変硬直的で、判断の付かないようなものが多かったわけです。例えば、原子力発電所の設備については、常に運転開始時と同じ状態を維持しながら運転しているというファンタジーのような基準が今も行われており、全くこのルールは有効に使われておりません。
 こうした硬直的な規制が今回の不正事案の大きな要因となったことは明らかでありますが、原子力安全・保安院並びに原子力安全委員会においては、なぜもっと合理的な規制制度の検討を行えなかったのでしょうか。
 さらに加えて、今回の一連の事案に関する原子力安全・保安院の評価では、ひび割れ等の兆候について国に報告する方が望ましいというような旨の指摘がされておりますが、望ましいというのは、何をどういうふうにすればよいのか、事業者が国に報告すべきなのかどうなのか、報告しなくてもよいのではないか、全く不明確でありました。
 不合理で硬直的な規制とコスト度外視の総括原価主義の中では、規制当局の知見、能力は必要ありませんでした。簡単に言えば、全く何もやっていなかったと言えます。同時に、事業者は安全確保技術と効率性の向上努力もする必要がなかったと考えますが、経済産業大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
 私は、科学的・技術的知見に基づいて安全規制の革新とその合理化を行わない限り、今後の電力自由化の進展の下で原子力発電の存続は非常に難しいものと考えております。古い技術基準で規制をすることは、コスト的にも、安全確保技術の進歩という意味でも、その両面で弊害を生じさせます。
 安全規制は、原子力発電を事業として行う上で守られるルールであり、ただし、このルールは、あくまでも原子力発電の競争力という経営上の必須条件の上に成立しています。
 規制当局としては、安全規制というルールの遵守について、客観的基準の下に、国民に対し説明責任を負う審判であり、最新の技術成果を取り入れて、原子力安全の向上に向けて事業者を誘導すべく、高い技術的知見と自己責任性を持つ専門家集団たることが求められます。
 また、一方、事業者は、事業の効率化を図りつつ、安全規制のルールの下で、安全確保技術の更なる革新に向けて常に努力が求められるプレーヤーであります。その中で、原子力発電の競争力、事業性と安全技術の革新を整合させられない事業者は、原子力ビジネスの市場から退場せねばなりません。
 原子力の安全規制について、規制の当局側と事業者側でこうした厳しい緊張関係を築いてこそ、安全規制は真に国民の信頼を得るものとなるのではないのですか。
 安全規制改革及び検査制度の見直しに関する今後の取組について、平沼大臣の明確な所見を伺います。
 次に、原子力安全行政に対する国民の信頼を崩壊させた今回の不正問題に対する行政責任に関して伺います。
 原子力安全・保安院の調査は、今回の不正を具体的に、だれが、いつ、どのように指示したのか等、国民の疑問に答えるものとはなっていません。さらに、原子力保安当局としてこうした不正をなぜ見抜けなかったのかという分析も、また、その行政責任の有無も全く明らかではございません。
 これらの疑問に対し、平沼大臣はどのような所見をお持ちであるのか、また今回、事案の更なる徹底究明を行う考えがあるのか、まず平沼大臣の御所見を伺いたいと思います。
 そもそも、原子力は国家としての安全保障という側面を有しております。しかし、我が国ではそうした原子力について国家として責任を持った戦略は存在しません。そうした中で、事業者は国策としての原子力の推進を執行している立場でありますが、その一方で、執行において生じた問題はすべて事業者の責任とすることはかなり無理があるのではないでしょうか。
 思うに、原子力施設は、これまで自衛隊と同様に、国民にその意義や重要性を十分に理解されない存在であり、ある意味では迷惑施設として取り扱われてきました。そうした中で、事業者においては、我が国のエネルギー問題の解決という国家的使命を担っていることを自負しつつ、その多くの職員は、我が国のため、国民のため、立地対策、原子力広報など、つらい、地味な仕事に汗を流してきたのは忘れてはなりません。
 続いて、今後の原子力政策に関連して何点か伺います。
 我々民主党は、さきのエネルギー基本政策において、原子力発電について、安全確保を最優先とした上で、京都議定書の国際公約、憲法九十八条の条約遵守の精神にのっとり、この原子力を重要なエネルギー供給源として、代替エネルギーのできるまで橋渡しの役目を担うエネルギーと位置付けております。今こそ、国が、国家としてのエネルギー政策の見地から、原子力に対する国民の理解に向けてその責任を果たすべきときではないでしょうか。
 我々国会議員もまた、国会の場において、我が国としての原子力政策を始めとして、エネルギー政策の在り方について大いに議論していく必要があると考えますが、この点で、政府の責任者としての平沼大臣の御決意を伺います。
 昨年七月に策定された政府の長期エネルギー需給見通しでは、京都議定書の目標達成に向けて、今後、原子力発電所の増設がなければ、CO2排出量は更に二千万トンC増加して四千万トンCの超過となることが示されております。このように、原子力発電は、実質的に我が国の地球温暖化対策の約半分のウエートを占めております。
 今後、原子力立地の更なる困難化が見込まれる中で、京都議定書の国際公約を達成するため、我が国の長期エネルギー需給見通し、さらには政府の地球温暖化対策大綱について、その見直しを平沼大臣はお考えになっておられるのでしょうか。
 加えて、今回の不正問題の発生により、現在、運転停止中の原子力発電所は、東京電力だけでも九基に上っております。これにより、冬場、夏場の需要期における電力供給に不安を生じるおそれのあることが伝えられておりますが、国として具体的に、今後の原子力発電所の運転再開の条件、そしてまたその見通しについてどのように考えられているのか、見解を求めます。
 また、政府は、原子力発電所で発生する使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウムを再び燃料として利用するという核燃サイクル政策を基本政策としています。当面のプルトニウムの最も確実な利用方法である軽水炉でのプルトニウム利用、すなわちプルサーマルについては、二〇一〇年までに累計で十六基から十八基の原子力発電所で実施することが計画されておりますが、今回の不正問題の発生により、プルサーマル計画の実施は更に困難な状況に立ち至っております。
 核燃サイクルについては、その経済性の面からも問題が指摘されており、プルサーマル計画も実施が見込めない状況では、使用済核燃料の再処理政策を見直し、当面、中間貯蔵の拡大を図っていくことも一つの選択肢であると考えますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
 他方、政府は、これまで原子力発電コストについて、キロワットアワー当たり五・九円、例えば石油火力の十・二円と比べても比較的経済性があるとの試算を公表しておりますが、しかし、この試算について、バックエンド費用等を過少に見積もられているという指摘があるほかに、今後の自由化の進展の中で、原子力事業者自身からも、原子力発電は初期投資が非常に大きい、バックエンド事業が超長期にわたることなどにより、自由化と原子力の推進の両立策を求める見解も示されております。
 そこで、政府として、原子力発電の経済性をどのように考えているのか、また、今後の自由化の取組の中で原子力推進のために新たな支援策を検討していく考えがあるのか、経済産業大臣の答弁を求めます。
 約二年前に情報提供がなされたにもかかわらず、今日まで対応が遅れた原子力安全行政、八〇年代後半以降、長期にわたり不正の事実を見逃してきた原子力安全行政に対する国民の不信と怒りは今や頂点に達しております。
 今回の法律案については、衆議院において、我が党の主張もあり、内部告発を受け調査する機関に原子力安全委員会を加えるなど、ダブルチェック体制の強化を図った修正が行われており、一定の評価に値するものと考えますが、今求められているのは、小手先の制度見直しのみでなく、国民が真に信頼に足る原子力安全行政の確立に向けた政府の強い意思と抜本的な改革の実行であります。これまでのようなおざなりの反省やその場しのぎの制度見直しでは、原子力に対する国民の信頼、安心は決して回復できないということを、この際、政府はしっかりと肝に銘ずるべきであると考えます。
 最後に、国家の危機管理を、つまり国の平安のリスクを考えることは国民の平安と安全を考えることであり、それこそ真のリーダーを養成し、鍛えることとなります。すなわち、危機管理は国の礎の人材を養成するのであり、その意味で、今回の事案発生に見られるように、他者依存で通した戦後の我が国の環境は本物のリーダーが出現することを阻んだのではないかと思われます。
 次の総理と目される平沼大臣におかれましては、今後の我が国のエネルギー政策の方向性を明示して、改革への強いリーダーシップを発揮されますことを強く希望しまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(平沼赳夫君) 木俣先生にお答えをさせていただきます。
 原子力安全・保安院の分離、独立に関する地方自治体からの要請及び今後の安全規制行政の在り方に対する考え方についてのお尋ねでございました。
 エネルギー資源の乏しい我が国においては、エネルギー政策に責任を負う経済産業大臣が原子力安全規制を実施することが必要であると考えております。その上で、客観的、中立的な立場から原子力安全委員会が再度安全性を確認するダブルチェック体制は、我が国の実情に合ったものであり、その実効性を強化していくことが必要であると考えております。
 今後とも、国民の皆様方の信頼を回復するため、原子力の安全確保に万全を期すことが必要でございまして、安全規制行政の在り方についても、地方自治体を始めとして、様々な御意見を承りながら総合的に検討してまいりたい、このように思っているところでございます。
 次に、合理的な規制制度の検討の遅れ、国への報告を含む規制の在り方についてのお尋ねでありました。
 原子力安全規制については、技術進歩を踏まえつつ、事業者の自助努力を促し、合理的で実効性のある規制となるよう、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会での検討を行っているところでございまして、今後とも的確な規制の見直しを進めてまいりたいと思っております。
 また、これまで、国に対する報告対象やひび割れの取扱いについて必ずしも明確でなかったとの御指摘も踏まえまして、今般の法案では、学会などの検討の成果も生かしつつ、健全性評価を義務化することや国への報告基準を明確化することといたしております。
 また、規制当局の知見の向上のために、職員の研修や専門的知識を持つ人材の採用により、技術的能力の確保に努めておりまして、今後ともこの面での努力を続けてまいりたいと思っております。
 次に、規制当局と事業者との緊張関係の必要性について、そして安全規制見直しの取組方針についてのお尋ねがございました。
 規制当局と事業者の関係につきましては、今回の法律では、事業者の果たすべき義務や規制当局による審査などを明確に定めたところでございます。これにより緊張感を確保してまいりたいと思っておりまして、また、検査に抜き打ち的な手法を採用することなど、事業者が緊張感を持って保安活動を実施するよう、規制当局として取り組んでまいります。
 安全規制の見直しにつきましては、学会などが公正な手続を経て策定した民間規格の技術基準への活用等を行い、国内外の最新の知見や技術進歩を取り入れることにより、その実効性の向上に努めてまいりたいと、このように思っております。
 次に、原子力に対する国民理解及びエネルギー政策の議論に対するお尋ねでございますが、原子力について国民の理解をいただくため、従来より原子力の広報活動に取り組んでまいりました。こうした従来の努力の拡充に加えまして、更に原子力の理解を深めていただくために、エネルギー全体について国民の皆様方に考えていただくことが大切であると考えております。そのため、シンポジウムの開催など、国が前面に立った取組やエネルギー教育に関する支援を実施してきておりまして、引き続きこうした努力を重ねてまいりたいと、このように思っております。
 また、国民生活や国民経済に不可欠なエネルギーに関する政策について、国会において活発な議論をしていただくことは重要であると考えております。例えば、本年六月には、関係議員の御発意、御努力によりまして、議員立法としてエネルギー政策基本法が成立しておりますが、このような取組は、エネルギー政策に関する国会における活発な議論の成果を示すものとして、政府としても意義深いものと受け止めさせていただいているところでございます。
 次に、長期エネルギー需給見通しや地球温暖化対策推進大綱の見直しについてのお尋ねであります。
 長期エネルギー需給見通しでは、原子力発電の発電電力量を二〇一〇年までに二〇〇〇年度比で約三割増やすことが必要であるとしております。
 原子力発電は、その発電過程においてCO2を排出しないことから、政府としては、引き続き、安全確保を大前提に、地元の御理解を得つつ、この需給見通しが示す目標を実現すべく原子力発電の推進に努めてまいる所存であります。
 このように、政府として、現行の需給見通し及び地球温暖化大綱の目標の実現に向けた真剣な取組の継続が重要と認識しておりまして、現時点でこれらの見通し及び大綱を見直すことは考えておりません。
 なお、大綱は、ステップ・バイ・ステップで二〇〇四年に見直しを行うこととしております。
 次に、現在、運転停止中の原子力発電所の運転再開についてのお尋ねでございました。
 設備にひび割れが存在し、点検のため運転を停止している原子力発電所の健全性につきましては、総合資源エネルギー調査会の小委員会で専門家の意見を聴きつつ評価していくことといたしております。この当省の評価結果につきましては、原子力安全委員会の評価を受け、さらに地元に説明を行い、理解を深めていただくことが必要と考えております。
 このような状況の下で、当省として、現時点で運転再開について具体的な見通しを持っているものではございませんけれども、冬場の電力供給につきましては、原子力が計画外に停止するというような事態がこれ以上起きない限り、何とか確保される見込みでございます。
 使用済燃料の再処理政策についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、プルサーマルの実施にとって厳しい状況にあるわけであります。まずは、不正の再発防止策を徹底的に進める等により、国民の皆様方の信頼を回復することを再出発点として、プルサーマルの実現のため最大限努力をしてまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、天然資源小国の我が国にとって、核燃料サイクルを確立することの基本的な考え方には変わりございません。
 最後に、原子力発電の経済性と電力自由化の中での新たな支援策の検討についてのお尋ねであります。
 原子力発電の経済性につきましては、総合エネルギー調査会において、バックエンド費用も含め一キロワットアワー当たり五・九円と試算をされております。これは、あくまでも一定の前提の下での試算でありますが、他の電源との比較において遜色がないものと私どもは認識しております。
 電力自由化の検討に当たりましては、小売自由化の進展の下でも原子力発電を始め電源開発投資が適切に行われるように、原子力立地地域に対する支援の拡充等も検討していく必要があると、このように考えているところであります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣細田博之君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(細田博之君) 木俣議員にお答え申し上げます。
 原子力規制機関の独立並びに安全規制行政の在り方についてお尋ねがありました。
 我が国における原子力安全規制につきましては、行政庁と原子力安全委員会とを一体化するよりも、行政庁が一次規制を実施し、更に原子力安全委員会が独自の立場から安全性を確認するという現在のダブルチェック体制が有効であると考えております。
 今回の東京電力の不正問題等につきましても、原子力安全委員会のダブルチェック機能を最大限発揮すべく、先般、史上初めて、内閣総理大臣を通じて経済産業大臣に対し原子力安全への信頼の回復に関する勧告を行ったところであります。また、原子力安全委員会の機能強化を図るため、今後、職員の増員など、体制の強化を図ることが必要であると考えております。
 私としても、原子力安全規制の在り方や原子力安全委員会と原子力安全・保安院との関係等につきまして幅広く議論し、国民の原子力行政に対する信頼の回復を図っていくことが大切であると考えております。
#10
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#11
○議長(倉田寛之君) 日程第一 独立行政法人北方領土問題対策協会法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。沖縄及び北方問題に関する特別委員長本田良一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔本田良一君登壇、拍手〕
#12
○本田良一君 ただいま議題となりました独立行政法人北方領土問題対策協会法案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、特殊法人等改革基本法に基づく特殊法人等整理合理化計画の円滑な実施に資するため、北方領土問題対策協会を解散をして独立行政法人北方領土問題対策協会を設立することとし、その名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、北方領土問題解決に向けての大臣の決意、北方領土問題対策協会を独立行政法人化するに至った経緯や理由、独立行政法人化に伴う協会の組織や業務の主な変更点、独立行政法人化が北方領土返還要求運動に及ぼす影響、独立行政法人化による協会の合理化、効率化、独立行政法人化の妥当性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して紙委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局をし、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#14
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#15
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十八  
  賛成             百三十  
  反対             八十八  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#16
○議長(倉田寛之君) 日程第二 独立行政法人国際協力機構法案
 日程第三 独立行政法人国際交流基金法案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長松村龍二君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔松村龍二君登壇、拍手〕
#17
○松村龍二君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 両法律案は、特殊法人等整理合理化計画の円滑な実施に資するため、国際協力事業団及び国際交流基金を解散し、その業務を承継する独立行政法人国際協力機構及び独立行政法人国際交流基金を設立することとし、その名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、独立行政法人に移行する理由、独立行政法人化に伴う組織、運営の効率化、草の根技術協力実施に当たっての政府の関与の在り方、JICAによる平和構築支援の取組と職員の安全対策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の吉岡委員より両法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論の後、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両法律案に対し七項目から成る附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#18
○議長(倉田寛之君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#19
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#20
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十七  
  賛成            百八十五  
  反対             三十二  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#21
○議長(倉田寛之君) 日程第四 法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案
 日程第五 司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長魚住裕一郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔魚住裕一郎君登壇、拍手〕
#22
○魚住裕一郎君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、司法の果たすべき役割がより重要になることにかんがみ、高度の専門的な能力及び優れた資質を有する多数の法曹の養成を図るため、法曹の養成の基本理念並びにそのための中核的な教育機関としての法科大学院における教育の充実、法科大学院における教育と司法試験及び司法修習生の修習との有機的連携の確保に関する事項その他の基本となる事項を定めようとするものであります。
 次に、司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案は、法科大学院における教育と司法試験及び司法修習生の修習との有機的連携を図るため、司法試験について、法科大学院の課程を修了した者等にその受験資格を認めることとし、試験の方法、試験科目等を改めるほか、試験の実施等を所掌する機関として法曹及び学識経験者により構成される司法試験委員会を設置する等の措置を講ずるとともに、司法修習生の修習について、その期間を少なくとも一年とするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して審査を行い、文教科学委員会との連合審査、参考人からの意見聴取を行うとともに、新たな法曹養成制度と法科大学院の理念、司法試験予備試験の在り方、学生への新たな公的財政支援を含む奨学金制度の拡充、法科大学院の適正配置の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、社会民主党・護憲連合の福島委員より両法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 続いて、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(倉田寛之君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#24
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#25
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十八  
  賛成            二百十三  
  反対               五  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#26
○議長(倉田寛之君) 日程第六 平和祈念事業特別基金等に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第七 独立行政法人通信総合研究所法の一部を改正する法律案
 日程第八 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長山崎力君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔山崎力君登壇、拍手〕
#27
○山崎力君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 三法律案は、いずれも、特殊法人等改革基本法に基づく特殊法人等整理合理化計画の円滑な実施に資するため、提出されたものであります。
 まず、平和祈念事業特別基金等に関する法律の一部を改正する法律案は、平和祈念事業特別基金を解散して独立行政法人平和祈念事業特別基金を設立することとし、その名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めようとするものであります。
 次に、独立行政法人通信総合研究所法の一部を改正する法律案は、通信・放送機構を廃止するとともに、高度通信・放送研究開発を行う者に対する支援に関する業務等を独立行政法人通信総合研究所の業務に追加し、その名称を独立行政法人情報通信研究機構に改める等の措置を講じようとするものであります。
 最後に、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案は、地方公務員災害補償基金について、地方公共団体の代表者から成る合議制の意思決定機関を設置するほか、当該意思決定機関が役員を任命することとする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、三法律案を一括して議題とし、独立行政法人の業績評価の在り方、認可法人を特定独立行政法人に変更する理由、独立行政法人等の役員の人選や報酬の在り方、地方共同法人の性格等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して八田ひろ子委員より三法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、三法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#28
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 まず、平和祈念事業特別基金等に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#29
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#30
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十七  
  賛成            百二十九  
  反対             八十八  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#31
○議長(倉田寛之君) 次に、独立行政法人通信総合研究所法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#32
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#33
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十五  
  賛成            百三十一  
  反対             八十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#34
○議長(倉田寛之君) 次に、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#35
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#36
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十八  
  賛成            百八十九  
  反対             二十九  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#37
○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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