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2002/03/14 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 環境委員会 第1号
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2002/03/14 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 環境委員会 第1号

#1
第154回国会 環境委員会 第1号
平成十四年三月十四日(木曜日)
   午後零時十分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         堀  利和君
    理 事         大野つや子君
    理 事         佐藤 昭郎君
    理 事         清水嘉与子君
    理 事         江本 孟紀君
    理 事         福山 哲郎君
                愛知 治郎君
                小泉 顕雄君
                山東 昭子君
                段本 幸男君
                西田 吉宏君
                真鍋 賢二君
                大橋 巨泉君
                小宮山洋子君
                谷  博之君
                加藤 修一君
                福本 潤一君
                山下 栄一君
                岩佐 恵美君
                高橋紀世子君
                井上  裕君
    ─────────────
   委員の異動
 一月三十一日
  委員大橋巨泉君は議員を辞職した。
 二月八日
    選任      ツルネン マルテイ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         堀  利和君
    理 事
                佐藤 昭郎君
                清水嘉与子君
                福山 哲郎君
                高橋紀世子君
    委 員
                愛知 治郎君
                小泉 顕雄君
                山東 昭子君
                真鍋 賢二君
                江本 孟紀君
                小宮山洋子君
                谷  博之君
            ツルネン マルテイ君
                加藤 修一君
                福本 潤一君
                山下 栄一君
                岩佐 恵美君
   国務大臣
       環境大臣     大木  浩君
   副大臣
       環境副大臣    山下 栄一君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  奥谷  通君
   政府特別補佐人
       公害等調整委員
       会委員長     川嵜 義徳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○国政調査に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (環境行政の基本施策に関する件)
 (平成十四年度環境省予算及び環境保全経費等
 の概要に関する件)
 (公害等調整委員会の業務等に関する件)
 (派遣委員の報告)

    ─────────────
#2
○委員長(堀利和君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月八日、風間昶君が委員を辞任され、その補欠として山下栄一君が選任されました。
 また、本委員会の委員は一名欠員となっておりましたが、去る二月八日、ツルネンマルテイ君が委員に選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(堀利和君) 次に、理事の辞任についてお諮りいたします。
 江本孟紀君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(堀利和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(堀利和君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に高橋紀世子さんを指名いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(堀利和君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、環境及び公害問題に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(堀利和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(堀利和君) この際、大木環境大臣、山下環境副大臣及び奥谷環境大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。大木環境大臣。
#9
○国務大臣(大木浩君) 去る二月八日に環境大臣及び地球環境問題担当大臣を拝命いたしました大木浩でございます。
 地球温暖化対策など、環境施策の重要性が大変に増大しておる中で、環境大臣の職責を果たすべく全力を尽くし、期待にこたえたいと思います。委員長、理事、委員の方々の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
#10
○委員長(堀利和君) 次に、山下環境副大臣。
#11
○副大臣(山下栄一君) 本年の一月八日に環境副大臣を拝命いたしました山下でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 大木大臣をしっかり補佐できますように頑張ってまいろうと思っておりますので、どうぞ御指導よろしくお願いいたします。
 以上です。(拍手)
#12
○委員長(堀利和君) 奥谷環境大臣政務官。
#13
○大臣政務官(奥谷通君) 去る一月八日に環境大臣政務官を拝命いたしました奥谷通でございます。
 大木大臣、山下副大臣を補佐いたしまして、ますます重要度が増します環境行政に全力で取り組む決意でございますので、委員の先生方の御指導、御支援をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。(拍手)
    ─────────────
#14
○委員長(堀利和君) 環境及び公害問題に関する調査を議題といたします。
 まず、環境行政の基本施策について、大木環境大臣から所信を聴取いたします。大木環境大臣。
#15
○国務大臣(大木浩君) 第百五十四回国会における参議院環境委員会の御審議に先立ちまして、環境行政に対する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 我々人類は、二十世紀において、快適さを追い求め、自然を切り開き、多くの資源を消費し、物質的に豊かな生活を手に入れてまいりました。しかし、その一方で、環境に負荷を与え続けており、人類は自らを窮地に追い込みつつあります。
 二十一世紀は環境の世紀と呼ばれております。現在を生きる我々は、その英知を結集して、将来を生きる子孫に恵み豊かな地球環境を引き継いでいく責務があります。
 また、近年、環境問題はグローバル化し、深刻さも増しており、世界各国が協力、連携して対策を進めることが重要となっております。
 我々に課された課題は多岐にわたります。
 まず、地球温暖化は、将来にわたって地球規模で多大な影響を及ぼすおそれがあり、人類の存続基盤にかかわる最も深刻な問題の一つであります。世界各国が共通の課題として取り組むことが不可欠であり、そのためにも、まずは京都議定書を早期に発効させることが重要です。
 足下の国内問題に目を向けましても、大量の廃棄物の発生、最終処分場の残余容量の逼迫、不法投棄の多発など、身近な廃棄物の問題への取組が喫緊の課題となっております。
 また、自然と共生する社会を実現することも重要な課題の一つであります。生態系を適切に保全するとともに、減少する自然林や干潟、里山などの残された自然を保全、再生することが必要となっております。
 土壌汚染問題については、国民が安心して暮らすことのできる土壌の環境を確保するために、新たなルールの確立を求める社会的要請が高まっております。
 さらに、大都市を中心とした自動車排出ガスに起因する大気汚染問題、ダイオキシン問題等に取り組み、国民の安全と安心を確保しなければなりません。
 こうした種々の課題に対応するため、昨年、総理大臣が主宰した二十一世紀「環の国」づくり会議において、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄の社会から、持続可能な簡素で質を重視する社会への転換を図り、地球と共生する「環の国」日本を実現するための施策を検討いたしました。
 環境省は、この「環の国」の実現に向け、企業活動、国民生活を含めた社会全体の構造改革を図るべく、市民、企業、自治体、NPO、さらには諸外国等とのパートナーシップを強めつつ、政府全体の先頭に立って環境政策をリードしてまいります。
 以上の認識の下、次の施策に重点的に取り組んでまいります。
 第一に、地球環境保全の推進であります。
 地球温暖化問題については、京都議定書の目標を確実に達成するための計画や、国民による温室効果ガス排出抑制の取組強化のための措置等を定めた地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を今国会に提出し、京都議定書締結の承認と併せて、その成立に向け全力を尽くしてまいります。
 また、これに先立ち、削減目標の達成に向けた具体的裏付けのある対策を示す新たな地球温暖化対策推進大綱を策定してまいります。
 さらに、先般設置いたしました環の国くらし会議などを活用し、国民一人一人の生活の見直しに向け、理解と行動を呼び掛けてまいります。
 一方、地球温暖化対策の実効性を確保するためには、今後、米国や途上国も含めたすべての国が参加する共通のルールを構築することが重要であり、その実現に向けて最大限努力いたします。その際、米国については、先般の気候変動政策に関する発表を踏まえつつ、温暖化対策を一層強化するよう引き続き働き掛けてまいります。
 今年は、リオデジャネイロで地球サミットが開催されてから十年目の節目の年であり、八月末から九月に掛けて、いわゆるヨハネスブルグ・サミットが開催されます。我が国は、世界全体の持続可能な開発が実現するよう会議の成功に積極的に貢献し、アジア太平洋地域を始めとする各国とともに各分野における取組を強化してまいります。
 オゾン層保護対策については、いわゆるフロン回収破壊法の着実な施行により、冷媒フロンの回収等を徹底いたします。
 第二に、循環型社会の構築であります。
 循環型社会形成のための施策を総合的、計画的に進めるために、循環型社会形成推進基本計画の策定を前倒しするとともに、廃棄物の定義、区分の見直し等、廃棄物・リサイクル制度の基本問題についても検討を進めます。
 ごみゼロ型社会を実現するため、廃棄物等の排出抑制、リデュースや、リユース、リサイクルを進めます。
 まず、年間五百万台に上る使用済み自動車について、減量化、排出抑制を進め、持続的なリサイクルを行うための新たな仕組みを構築するとともに、建設リサイクル法を始めとするリサイクル関連法の円滑な施行に最大限努力いたします。
 また、ダイオキシンの本格規制に対応したごみ焼却施設等の整備を促進するほか、PCB廃棄物の処理体制の整備や健全な水循環を確保するための合併処理浄化槽の整備等を行います。
 第三に、自然と共生する社会の実現であります。
 今年度末に策定予定の新生物多様性国家戦略を踏まえ、自然環境に関する各分野の施策に生物多様性保全の観点を組み込んでまいります。また、失われた生態系の回復という観点から、都市近郊における里山の再生、河川の蛇行化による湿原の再生などの自然再生事業を推進します。
 優れた自然を有する国立公園等について、従来の風致景観の保護に加え、生態系保全の機能を充実するため、自然公園法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしております。
 また、狩猟免許に係る障害者の欠格条項の適正化や水辺における鉛散弾の使用禁止等を盛り込んだ鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案を今国会に提出いたします。
 さらに、希少野生動植物の保護、野生鳥獣の適正な保護管理、遺伝子組換え生物を含む移入生物への対策、地域社会と一体となった野生生物保護の取組を推進することなどにより、各地域でそれぞれ豊かで安定的な生態系を保全してまいります。
 第四に、総合的環境管理による安全と安心の確保であります。
 近年、土壌汚染の判明件数の増加が著しく、健康影響への懸念及び対策確立への社会的要請が強まっていることから、国民の安全と安心の確保を図るため、土壌環境保全のための土壌汚染対策法案を今国会に提出いたしております。
 また、自動車交通に起因する大気汚染の改善を目指し、自動車NOx・PM法の着実かつ円滑な実施に努め、低公害車の一層の普及を促進いたします。
 さらに、残留性有機汚染物質に係るいわゆるPOPs条約の早期締結と国内対策の推進を図るとともに、環境ホルモンのリスク評価等の化学的物質対策を進めてまいります。また、公害健康被害の補償と予防を着実に行います。
 第五に、環境配慮型社会の基盤の整備であります。
 事業者、国民等の環境保全への積極的取組が促進されるよう、環境報告書等の一層の普及、経済的措置の活用の検討等を進めます。政府が購入する環境に優しい製品の品目数を五割増にしたところであり、グリーン購入も進めてまいります。
 また、深刻化した環境問題を解決するため、将来を見通した環境研究、環境技術開発を促進し、この分野で我が国が世界のリーダーシップを取ることを目指します。
 以上の施策を軸に環境行政を進めてまいります。
 委員各位におかれましては、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
#16
○委員長(堀利和君) 次に、平成十四年度環境省予算及び環境保全経費等の概要について説明を聴取いたします。山下環境副大臣。
#17
○副大臣(山下栄一君) 平成十四年度環境省所管一般会計予算及び環境保全経費等について御説明申し上げます。
 まず、平成十四年度の環境省所管一般会計予算について、その概要を御説明申し上げます。
 平成十四年度環境省所管一般会計予算の総額は二千六百四十三億五千六百万円であり、これを前年度の当初予算額二千七百六十九億六千七百万円と比較すると、百二十六億一千百万円、四・六%減となっております。
 以下、その主要施策について御説明申し上げます。
 第一に、廃棄物・リサイクル対策については、循環型社会形成推進基本計画の策定、各種リサイクルの推進を図るほか、不法投棄対策の強化、原状回復の推進を図ることとし、これらに必要な経費として四十億六千万円を計上しております。
 次に、廃棄物処理施設整備事業については、ダイオキシン類の本格規制に対応した市町村のごみ焼却施設に対して引き続き財政支援を行うとともに、リサイクル関連施設、合併処理浄化槽などの整備を積極的に推進することとし、これらに必要な経費として一千六百二億七千三百万円を計上しております。
 第二に、総合環境政策については、持続可能な社会へ向けて、ライフスタイル、ビジネススタイルの変革を促すため、環境報告書、環境会計やグリーン購入を推進するとともに、環境アセスメント制度の推進など、環境行政の基盤となる施策の一層の展開を図ることとし、これらに必要な経費として四十五億二千万円を計上しております。
 第三に、地球環境保全対策については、今国会における京都議定書締結の承認とこれに必要な国内担保法の成立に全力を尽くすなど、地球温暖化対策に強力に取り組んでまいります。また、ヨハネスブルグ・サミットの機会を生かして国際協力・貢献を行うとともに、我が国に関係の深いアジア太平洋地域の環境対策の推進、支援に積極的に取り組むほか、オゾン層の破壊、酸性雨などへの取組を一層推進することとし、これらに必要な経費として三十億八千三百万円を計上しております。
 第四に、大気汚染等の防止については、自動車NOx・PM法の着実かつ円滑な実施や低公害車の導入の促進を図り、浮遊粒子状物質については移動発生源及び固定発生源を合わせた総合的な対策の検討を進めることとしております。また、花粉症対策を推進するため花粉の観測・予測体制の整備を図ることとし、これらに必要な経費として二十八億五千八百万円を計上しております。
 第五に、水質汚濁の防止については、健全な水循環の回復のための総合的な取組を推進するとともに、閉鎖性海域や湖沼の水質保全等を推進するための経費として二十六億八千九百万円を計上し、また、今国会に提出いたしております土壌汚染対策法案に基づき汚染の除去等の措置を講ずる者の負担を軽減するための基金を創設するなど、土壌汚染対策の一層の推進等に必要な経費として二十三億七千八百万円を計上しております。
 第六に、環境対策の現場における取組の支援を行う環境事業団については、PCB廃棄物処理事業、地球環境基金事業等の推進を図ることとし、同事業団の諸事業に対する助成等に必要な経費として六十二億八千百万円を計上しております。
 第七に、環境保全に関する調査研究、技術開発のための経費については、廃棄物の適正な処理、地球環境の保全、環境ホルモンの影響の解明等に関する調査研究、技術開発を進めることとし、百十億三千三百万円を計上しております。
 第八に、自然環境の保全対策については、絶滅のおそれのある野生動植物の保護対策の強化を図るなど、今年度末に策定予定の新たな生物多様性国家戦略に沿った施策を推進するとともに、愛護動物と共生できる社会の実現を目指すこととし、これらに必要な経費として三十五億二千六百万円を計上しております。
 次に、自然公園等の整備事業については、関係省庁と連携し、地方公共団体やNPO等の参加も得ながら、失われた自然環境の再生、修復に着手するほか、国立・国定公園等の整備を進めるために必要な経費として百四十六億八千七百万円を計上しております。
 第九に、昨年四月に独立行政法人となった国立環境研究所において、地球環境問題を始め環境全般にわたる研究を推進するために必要な経費として九十七億五千六百万円を計上しております。
 第十に、公害による健康被害者の救済等については、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、環境保健に関する各種調査研究を推進することとし、これらに必要な経費として百八十一億六千四百万円を計上するとともに、水俣病対策に係る熊本県の地方債償還に必要な経費として七十三億三千九百万円を計上しております。
 以上、平成十四年度環境省所管一般会計予算の概要につきまして御説明申し上げました。
 次に、各府省の平成十四年度環境保全経費等の概要について御説明申し上げます。
 まず、歳出予算について御説明申し上げます。
 環境保全経費につきましては、平成十二年十二月に閣議決定をいたしました環境基本計画に盛り込まれた施策の効果的な実施に資する観点から、環境基本計画に示された施策の体系に沿って取りまとめております。
 平成十四年度における環境保全経費の総額は二兆九千九十九億円であり、前年度の当初予算に比べ千三百八十四億円、四・五%の減となっております。
 これを事項別に見ますと、地球環境の保全のために六千七百八億円、大気環境の保全のために二千三百億円、水環境、土壌環境、地盤環境の保全のために一兆千七百二十億円、廃棄物・リサイクル対策のために二千百二億円、化学物質対策のために百六十六億円、自然環境の保全と自然との触れ合いの推進のために三千九百八十五億円、各種施策の基盤となる施策等のために二千百十七億円が計上されております。
 次に、財政投融資対象機関の環境保全関係経費のうち、環境事業団については、事業規模で二百五十五億円を予定しております。
 最後に、環境保全関係の税制改正措置について、主な事項を御説明申し上げます。
 まず、廃棄物・リサイクル対策について、食品循環資源のメタン化設備等を特別償却制度等の特例措置の対象に追加するとともに、廃棄物焼却溶融施設に係る特例措置を拡充する予定であります。
 また、今国会に提出いたしております土壌汚染対策法案に関連して、汚染原因者が不明等の場合に対策を実施する土地所有者の負担を軽減するための基金につき、この基金への拠出金に係る損金算入等の特例措置の新設を予定しております。
 さらに、自然公園法の一部を改正する法律案を提出し、自然公園内の優れた風景地の保全のための協定制度を設けることとしているところですが、この協定が締結された土地に係る特別土地保有税の非課税措置等の新設を予定しております。
 以上、平成十四年度の各府省の環境保全経費等の概要につきまして御説明申し上げました。よろしくお願いします。
#18
○委員長(堀利和君) 次に、公害等調整委員会の業務等について説明を聴取いたします。川嵜公害等調整委員会委員長。
#19
○政府特別補佐人(川嵜義徳君) 公害等調整委員会が平成十三年中に行った公害紛争の処理に関する業務及び鉱業等に係る土地利用の調整に関する業務について御説明申し上げます。
 まず、公害紛争の処理に関する業務について申し上げます。
 第一に、平成十三年に当委員会に係属した公害紛争事件は、島根県及び鳥取県の住民から国を相手方として申請のあった中海本庄工区干陸事業水質汚濁被害等調停事件、東京都の住民から東京都を相手方として申請のあった杉並区における不燃ごみ中継施設健康被害原因裁定事件、岐阜県ほか十三都県の住民から国を相手方として申請のあった核融合科学研究所重水素実験中止調停事件等合計十二件であり、これらのうち、平成十三年中に終結した事件は、昨年四月に調停が成立した中海本庄工区干陸事業水質汚濁被害等調停事件等五件であります。
 なお、以上のほか、水俣病損害賠償調停事件の調停成立後に申請人の症状に変化が生じたとして慰謝料額等の変更を求める事件が九件あり、うち七件が終結しております。
 第二に、平成十三年に都道府県公害審査会に係属した公害紛争事件は七十九件であり、廃棄物処理場及び工場、事業所に係る事件が多くなっております。これらのうち、平成十三年中に終結した事件は二十九件であります。
 公害紛争処理法においては、当委員会と都道府県公害審査会はそれぞれが独立の機関として職務を遂行することとされておりますが、公害紛争の迅速かつ適正な解決を図るという観点から、審査会との間の連絡協議を密にするとともに、同審査会に対し、参考となる情報、資料の提供を積極的に行っているところであります。
 第三に、平成十二年度における全国の地方公共団体の公害苦情相談窓口に寄せられた公害苦情は約八万四千件となっております。これを苦情の種類別に見ますと、いわゆる典型七公害に関する苦情は六万四千件で、典型七公害以外の苦情は約二万件であります。
 公害苦情につきましては、都道府県又は市区町村がその処理に当たっておりますが、当委員会としては、この事務を担当する職員の研修、苦情処理に必要な情報の提供等を積極的に行っているところであります。
 続きまして、平成十三年中に行った鉱業等に係る土地利用の調整に関する業務について御説明申し上げます。
 第一に、鉱区禁止地域の指定に関する事務について申し上げます。
 当委員会は、主務大臣又は都道府県知事の請求に基づき、鉱物を掘採することが一般公益又は農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認める地域を鉱区禁止地域として指定するものとされております。
 平成十三年に当委員会に係属した事件は二件であります。これらのうち、徳山ダム関係地域の指定請求事件は、本年一月に指定公示を行い、終結いたしました。また、渡良瀬遊水池関係地域の指定請求事件につきましては、今後の事業計画の進捗状況等を考慮して審理手続を進めることといたしております。
 第二に、鉱業等に係る行政処分に対する不服の裁定に関する事務について申し上げます。
 鉱物の掘採、岩石、砂利の採取の許認可処分等については、当委員会に対して不服の裁定を申請することができるものとされております。
 平成十三年に当委員会に係属した事件は三件であります。これらのうち、鹿児島県岩石採取計画認可処分取消裁定事件につきましては、平成十三年中に終結いたしました。
 第三に、土地収用法に基づく意見の申出等に関する事務について申し上げます。
 当委員会は、土地収用法、鉱業法等に基づき主務大臣が裁決等を行う場合には、意見の申出、承認等を行うものとされております。
 平成十三年に当委員会に係属した事案は、土地収用法に基づく意見の申出が二十五件であり、これらのうち平成十三年中に処理した事案は十五件であります。
 以上が平成十三年における公害紛争の処理に関する業務及び鉱業等に係る土地利用の調整に関する業務の概要であります。
 続きまして、平成十四年度の公害等調整委員会の歳出予算要求額について御説明申し上げます。
 当委員会の歳出予算要求額は六億四千五百万円であり、これを前年度の当初予算額六億四千八百万円と比較いたしますと、〇・五%、三百万円の減額となっております。
 次に、その内訳でありますが、第一に、当委員会に係属する公害紛争事案の審理経費等として六億一千二百万円を計上し、第二に、公害紛争の処理を担当する都道府県公害審査会委員及び担当職員との連絡協議のための経費等として三千三百万円を計上しています。
 以上が平成十四年度公害等調整委員会の歳出予算要求額の概要であります。
 公害等調整委員会といたしましては、今後ともこれらの事務を迅速かつ適正に処理するため、鋭意努力してまいる所存であります。何とぞよろしくお願いをいたします。
#20
○委員長(堀利和君) 以上で所信及び予算等の説明の聴取は終わりました。
 本件に関する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#21
○委員長(堀利和君) 次に、先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。清水嘉与子さん。
#22
○清水嘉与子君 委員派遣の報告を申し上げます。
 去る一月十六日及び十七日の二日間、環境保全及び公害対策等に関する実情調査のため、堀委員長を始め、大野理事、佐藤理事、福山理事、愛知委員、山東委員、小宮山委員、加藤委員、岩佐委員、高橋委員、それに私、清水の十一名が滋賀県を訪問いたしまして、湖沼環境問題、地球環境問題、廃棄物・リサイクル問題を中心に調査を行ってまいりました。
 初めに、調査日程の概略を御説明いたします。
 一日目は、ダイキン工業株式会社滋賀製作所において空調機器製造工程における環境保全への取組の現状を、大津クリーンセンターにおいては廃棄物の焼却、破砕設備等をそれぞれ視察した後、滋賀県庁において同県の環境行政の概要について説明を聴取いたしました。
 二日目は、滋賀県の水質調査船にて琵琶湖の湖上視察を行った後、守山市の「びわこ地球市民の森」において植樹を行い、その後、財団法人国際湖沼環境委員会において湖沼環境問題への取組状況の説明を聴取し、さらに、隣接する滋賀県立琵琶湖博物館を視察いたしまして、調査の全日程を終えました。
 以下、順次、調査の概要を御報告いたします。
 まず、滋賀県における環境行政の概要について申し述べます。
 本県は、琵琶湖の豊富な水量を背景に、工業や農業などの分野で発展を続けてまいりました。しかし、こうした工業排水や農業排水に加え、生活排水などにより湖水の水質悪化が進み、また赤潮やアオコの発生といった富栄養化の現象が生じるなど、産業活動のみならず、県民の生活環境が湖沼環境の悪化をもたらすという事態を招いております。
 こうしたことから、昭和五十四年には琵琶湖富栄養化防止条例が制定され、燐を含む家庭用洗剤の使用禁止や工場の排水規制などが行われてきたところであります。また、平成十二年には、健全な琵琶湖を次世代に引き継ぐため、県民総ぐるみで取り組むための指針として「マザーレイク二十一計画」を策定するなど、様々な取組を展開しております。
 こうした取組は、世界の湖沼環境保全対策へとつながることとなり、昨年十一月には第一回世界湖沼会議を開催した本県では、二回目となる第九回世界湖沼会議が開催されました。今や滋賀県は「環境こだわり県」を標榜し、水質保全から自然環境保全、環境教育に至るまで、様々な環境保全対策を行っているとのことであります。
 琵琶湖をめぐる今後の課題としては、琵琶湖北湖深底部の低酸素問題、ブラックバスなどの移入種対策、水上バイクなどのレジャー規制問題のほか、湖水の二ないし三倍の窒素濃度を持つ雨水の浄化問題などに取り組んでいかなければならないとのことでありました。
 次に、ダイキン工業株式会社についてであります。
 同社は、空調・冷凍機器の製造のほか、弗素化学製品の製造などを主な事業内容としており、平成五年には地球環境保全に関する行動原則を策定するなど、グループ全体として地球環境との共存を課題に事業活動を行っているとのことであります。
 訪問した滋賀製作所は、昭和四十五年に竣工し、ルームエアコンを始め住宅用空調機器の製造を行っており、同製作所における取組としては、製造工程の省エネルギー化やHFC、すなわちハイドロフルオロカーボンへの転換といった冷媒対策の前倒し実施、さらにはフロンの回収、リサイクルなどを行っているとのことであります。また、再資源化製品の開発など資源生産性の向上に重点を置いており、製作所として、ISO14001の認証を獲得しているほか、昨年十月には生産関連廃棄物のゼロ化を達成したとのことであります。
 私たちは、製作所内のごみの分別の徹底化や小まめな消灯、節電を行っている状況を視察し、また廃棄物の削減が利益につながるとの担当者の説明などを受け、企業全体に循環型社会の考え方が定着しているとの印象を深めました。
 次に、大津クリーンセンターについてであります。
 同センターは、大津市が全額出資して設立した財団法人大津市産業廃棄物処理公社により、昭和五十八年に竣工、操業を開始したものであります。焼却、破砕などの廃棄物処理施設、埋立処分場などを有しており、大津市内の産業廃棄物のほか、同市の委託により一般廃棄物の処理をも行っております。また、再資源化施設では、缶、瓶、ペットボトルの選別処理を行っているとのことであります。
 同公社の抱える課題として、公害防止のための投資や民間企業との競合などから経営収支が悪化していることや、事業運営などに関して地元住民の同意を得ることが難しいこと、さらには今後ダイオキシン対策としての現有施設の解体に多額の費用が予想されることなどがあるとの説明を受け、国に対しても適切な支援をしてほしいとの要請を受けました。
 次に、琵琶湖の湖上調査についてであります。
 滋賀県の水質調査船みずすまし二世号で大津港を出港し、南湖を北上、途中、唐崎沖中央にある自動水質測定局としての南湖湖心局の施設や堅田地域一帯のヨシ群落の保全状況などを視察した後、北湖との境である琵琶湖大橋手前にて反転し、次の視察地である烏丸半島で下船いたしました。
 琵琶湖は、近畿全人口の七割に当たる約千四百万人の水道水源として利用されておりますが、富栄養化を主因として、ほぼ毎年赤潮やアオコが発生していることから、四十九の定点において月次の水質調査を行っているとのことであります。
 琵琶湖の水質状況として、燐の濃度は、北湖では環境基準を達成しており、南湖でも経年的に低下傾向にはあるとのことであります。また、北湖ではこれまで上昇傾向にあった窒素濃度も平成七年度以降横ばい状況となり、富栄養化の進行は抑制されてきておりますが、COD濃度は昭和五十九年度以降漸増傾向が見られるとのことでありました。
 ヨシ群落については、魚類、鳥類の生息場所、湖岸の侵食防止、水質保全など多様な機能を有していることから、平成四年にヨシ群落保全条例が制定され、同条例に基づき、保全地域の地域指定や植栽などの保全事業が行われているとのことでありました。
 次に、「びわこ地球市民の森」についてであります。
 市民の森の造成事業は、地球温暖化対策として守山市の旧野洲川河川敷を二酸化炭素を吸収する豊かな森に再生しようとする事業でありまして、平成十二年度から県内外の方々による植樹事業を進めているものであります。
 このように、植樹を通じて地球環境問題への関心を持つ人々の実践の場となることを願って進められていることから、私どもの植樹は、今回の委員派遣を記念に國松滋賀県知事の御提案により急遽設定されたもので、私たちも地域の緑化を願いつつ、クヌギ、ヤマモミジなどの苗木を植樹いたしたところであります。
 次に、財団法人国際湖沼環境委員会についてであります。
 同委員会は、昭和五十九年に大津市で開催された第一回世界湖沼会議におけるUNEP事務局長の呼び掛けを契機に、滋賀県が中心となり、世界の湖沼環境の健全な管理方法の確立とその推進を目的として、関係省庁の協力を得て、昭和六十一年に設立された国際的なNGOであります。その後、平成四年からは、UNEP国際環境技術センター滋賀事務所の支援財団として同事務所に全面的な協力を行っているところであります。
 このUNEP国際環境技術センターは、開発途上国などにおける適正な環境技術の活用、応用の推進を目的として滋賀県の草津市と大阪市に設立されたもので、このうち滋賀事務所では淡水湖沼流域の環境管理についての関連情報収集、提供、開発途上国への技術移転などを行っているところであります。
 なお、湖沼環境は世界的規模の問題でありまして、地域の差を超えて共通する課題について普及、啓発を行うことが委員会の役割であり、先般の世界湖沼会議や、来年三月に京都、滋賀、大阪で開催予定の第三回世界水フォーラムでその成果が大きく貢献するものと期待されているとのことでありました。
 また、琵琶湖の湖岸で行われているヨシ群落の保全を通じた水質浄化事業は、最近脚光を浴びつつある植物による水質浄化技術、すなわちファイトテクノロジーの一つとして、UNEP国際環境技術センターの情報管理システムを通じて広く情報提供、技術移転等を行っているとの説明を受けました。
 最後に、滋賀県立琵琶湖博物館についてであります。
 同博物館は、十二年にわたる準備期間を経て、平成八年に湖と人間をテーマに開館したもので、「湖と人間」、「フィールドへの誘いの場」、「交流の場」という三つの基本理念を掲げております。そして、同博物館は地域の環境問題について来館者がともに考えることができる場を目指して、工夫を凝らした研究調査、展示事業などを展開しており、さらに、幅広く学校への環境教育や教員の研修などの事業をも行っているということであります。来館者の半数以上がリピーターとして再度訪れたり、また、児童の環境学習の場として活用されるなど、県民に定着した博物館であるとの印象を受けました。
 終わりに、今回の調査に多大の御協力と御高配をいただきました滋賀県並びに関係各位に対し厚く御礼を申し上げ、報告を終わります。(拍手)
#23
○委員長(堀利和君) 以上で派遣委員の報告は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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