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2002/04/11 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 環境委員会 第7号
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2002/04/11 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 環境委員会 第7号

#1
第154回国会 環境委員会 第7号
平成十四年四月十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         堀  利和君
    理 事
                大野つや子君
                佐藤 昭郎君
                清水嘉与子君
                福山 哲郎君
                高橋紀世子君
    委 員
                愛知 治郎君
                小泉 顕雄君
                山東 昭子君
                段本 幸男君
                西田 吉宏君
                真鍋 賢二君
                江本 孟紀君
                小宮山洋子君
                谷  博之君
            ツルネン マルテイ君
                加藤 修一君
                福本 潤一君
                山下 栄一君
                岩佐 恵美君
   国務大臣
       環境大臣     大木  浩君
   副大臣
       環境副大臣    山下 栄一君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  奥谷  通君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
   政府参考人
       財務大臣官房審
       議官       藤原 啓司君
       文部科学大臣官
       房審議官     坂田 東一君
       農林水産大臣官
       房審議官     坂野 雅敏君
       農林水産大臣官
       房審議官     林  建之君
       林野庁長官    加藤 鐵夫君
       環境省自然環境
       局長       小林  光君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案(
 内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(堀利和君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案の審査のため、本日の委員会に財務大臣官房審議官藤原啓司君、文部科学大臣官房審議官坂田東一君、農林水産大臣官房審議官坂野雅敏君、農林水産大臣官房審議官林建之君、林野庁長官加藤鐵夫君、環境省自然環境局長小林光君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(堀利和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(堀利和君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案の審査のため、来る十六日午後一時に、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(堀利和君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(堀利和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(堀利和君) 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○大野つや子君 おはようございます。
 自由民主党の大野つや子でございます。質問をさせていただきたいと思います。
 鳥獣保護法の全体の改正が提案されておりますが、初めに実質的な改正事項について質問をさせていただきたいと存じます。
 今回、狩猟免許にかかわる欠格条項の見直しがされておりますが、この内容は平成十一年に障害者施策推進本部が決定した障害者にかかわる欠格条項の見直しについての趣旨に沿っているのでしょうか、お伺いしたいと思います。
#9
○政府参考人(小林光君) 今回の見直しでは、障害者施策推進本部の決定に従いまして、法律上、狩猟免許の欠格要件として精神障害者等の用語、これを用いないこととするとともに、要件の厳密な規定というものを図るものでございまして、先生御指摘のとおり、推進本部の決定に沿った見直しでございます。
#10
○大野つや子君 ありがとうございます。
 狩猟免許者のほとんどは銃猟を行う者であり、これらの者は銃刀法の銃の所持許可も受けていると承知いたしております。狩猟免許の欠格条項と銃刀法の銃の所持許可の欠格条項については、法律で欠格の判断基準を示し、政省令で一定の病気にかかっている者を掲げるなど、双方が同じような考え方に立脚していると存じますが、その点いかがでしょうか、お伺いいたします。
#11
○政府参考人(小林光君) 鳥獣法と銃刀法、銃を扱うという点におきまして共通点がございます。
 いずれにしても、安全の確保という観点からこの欠格条項を定めているところでございまして、見直しに当たりましても、安全性を確保するという同じ考え方に基づきまして、両省で緊密な連携を取りつつ改正案の作成を行ったところでございます。
#12
○大野つや子君 ありがとうございます。
 銃刀法の欠格条項の見直しは他の法律とともに一括法で行ったと承知いたしておりますが、鳥獣法の欠格条項の見直しはなぜ一括法で行われなかったのでしょうか、お伺いしたいと思います。
#13
○政府参考人(小林光君) 鳥獣保護法につきましては、平成十一年の改正時におきまして衆参両院から附帯決議が求められておりまして、例えば水辺域での鉛製散弾の使用禁止のこととか、山野に捕獲した鳥獣を放棄することの禁止措置を求める、そういうふうな改正もございますので、この際、昔の大正七年の片仮名書きの法文も平仮名書きに直すということも含めまして、欠格条項の見直しと併せて改正を今回したいと、こう思ったところでございます。
#14
○大野つや子君 ありがとうございます。
 狩猟に伴う安全を確保することは極めて重要と認識いたしておりますが、改正法案によりまして欠格者の幅が狭くなるのではないでしょうか。環境省令で定める「狩猟を適正に行うことに支障を及ぼすおそれがある病気」としておりますが、どのようなものを想定していらっしゃるのか、お教えを願いたいと思います。
#15
○政府参考人(小林光君) 今回の見直しにつきましては、先ほど申し上げました障害者施策推進本部の決定に基づいて、狩猟免許を与えることが適当でない欠格要件を適切に規定しようということで、具体的には狩猟に伴う安全の確保の観点から、基本的には現状を踏襲する方向ではございますけれども、特に第四十条に規定する病気として、今後検討が必要でありますけれども、精神病者というのじゃなくて、精神分裂病とか躁うつ病とか意識障害をもたらすてんかんなど、そういうような具体的な病名を規定をしたいということを考えてございます。
 この検討に当たりましては、医師等の専門家や銃刀法を所管する警察庁とも緊密な連携を取って、狩猟に伴う安全の確保が図られるように、引き続き適切に対処してまいりたいと思っております。
#16
○大野つや子君 ただいま具体的にというような病名のお話もちょうだいいたしました。
 狩猟免許の欠格事由の見直しによりまして、どのような状態の人が新たに狩猟免許を受けることができるようになるのかと、今、お伺いしたところでございますが、その辺を、やはり狩猟免許を受けるということ、大変大切なことだと思っておりますが、もう一度ちょっとお知らせいただきたいと思います。
#17
○政府参考人(小林光君) 病気に関しましては環境省令できちっと病名を規定するということで、先ほど申し上げましたように精神分裂病、躁うつ病、意識障害をもたらすてんかんというふうなものを、いずれにしてもこの問題については審議会で慎重にまた検討をしなければいけませんが、そういうことでございます。
 具体的にどういう人がその対象になるかということなんですが、意識障害を伴わない、例えば顔面だけが麻痺している、そういうような症状の方がてんかん病というふうに今まではなっていますけれども、そういう方は免許の、軽い障害の場合は免許の可能性があるということでございます。
#18
○大野つや子君 狩猟に伴う安全確保、事故防止は大変重要なことと考えます。狩猟者の資質の維持向上も重要とは思いますが、環境省も警察庁や都道府県と協力してしっかりと対応していただきたいと思います。
 そこで、大臣のお考えをここでお伺いしたいと存じます。
#19
○国務大臣(大木浩君) 今、委員からもお話ございましたとおり、狩猟というのは猟銃とかあるいはわなもありますけれども、そういった、いずれにいたしましても非常に人間に対しても殺傷力があるという、そういうことでありますから、あくまで安全性を確保ということは一番大事なところだと思っております。
 ということでありますから、現実には銃刀法の管理の警察、あるいは実際の狩猟の法律と申しますか、狩猟についてのいろんな管理というのは主としては都道府県を中心にしてやっていただいていますから、そういったところとも十分に協議といいますか、常に連絡を保ちながらきちっと安全性は守りたいと思っております。
 それで、具体的にそれじゃ何をやるかというようなことになるんですけれども、例えば個々の狩猟のいろいろな管理については、今申し上げましたとおりに都道府県が一義的にやっていただいておるけれども、例えばいろいろと狩猟の免許についての問題を、どういうことをきちっと適性とか知識とかいうことを持った人を合格させるという観点からは、私の方でもいろいろと、どういった問題を出したらいいかというようなことについては、例えば例題集を示して、こういった問題がいいんじゃないですかというようなことはやっております。
 いずれにいたしましても、ですから、狩猟の免許に関しても、まず免許をもらうところできちっと適格者だけを選ぶということが必要でございますし、また、いったんもらっても、またこれは三年ごとに適性検査に合格するというようなことを要件としておりますので、もらったらもらったで、後また適性がなくなったと言うと変ですけれども、問題がある方についてはまた見直すというようなこともやっております。
 いずれにいたしましても、今申し上げましたように、警察及び都道府県と十分に連絡を保って、ひとつその安全性ということは遺憾なきを期したいと思っております。
#20
○大野つや子君 大臣、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 環境省は、狩猟免許の欠格条項の運用始め、狩猟者、狩猟団体に対する指導、関係機関との連携を進め、狩猟が適正に行われ、国民の安全、安心な暮らしが損なわれない、ことのないように、どうぞこれからも十分対処していただきたいと存じます。
 次に、今回の改正法案における鳥獣の定義についてお伺いしたいと思います。
 改正法案の第二条の定義規定では、鳥獣とは鳥類及び哺乳類に属する野生動物をいうこととされております。従来、海の哺乳類、海獣類や、ネズミ、モグラ類は鳥獣法の対象外であったと認識いたしております。今後の取扱いはどのようになるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#21
○政府参考人(小林光君) 海の哺乳類ですとかネズミ、モグラ類につきましては、鳥獣保護法が制定された大正時代からの経過の中で、慣例的な実務運用として捕獲許可等の対象としていなかったのは事実でございます。ただ、海の、海生の哺乳類ですとかネズミ、モグラ類も本来鳥獣に含まれるものでございますから、生物多様性の保全が地球規模の問題とされる今日、その海獣類やネズミ、モグラ類についても鳥獣保護法に基づき適切な保護管理を図ることが必要だというふうな認識を持ってございます。
 このような観点から、本法案では、環境衛生の維持に重大な及ぼすおそれのある一部のネズミ、モグラ類、イエネズミとかそういうたぐいですけれども、そういうものとか、それから漁業法などで適切な保護管理がなされている鯨等に限って八十条で適用除外、そういうふうなことを想定をしておりまして、今後、施行に当たっては、適用除外に関しまして中央環境審議会の意見を聞くなど所要の手続を取り、慎重な対応をしてまいりたいと存じております。
#22
○大野つや子君 ありがとうございます。
 ただいまお話ございましたが、改正法案の第八十条の適用除外規定に基づきまして、海生哺乳類のうち、今回、鳥獣保護法適用を除外した種というものをもう一度お聞かせをいただきたいと思います。また、どのような観点からそれは区分されたものなのでしょうか。よろしくお願いしたいと思います。
#23
○政府参考人(小林光君) 八十条により鳥獣保護法の適用除外とされるものは、他の法令により捕獲を行う等について適切な管理がされている鳥獣について環境省令で定めることとしております。
 この省令は、今後、農林水産省と協議をしたり、中央環境審議会の意見を聞いて定めることになりますが、現在私どもで考えておりますのは、海生哺乳類に関しましては、我が国の沿岸に生息するアザラシ類五種類、それからニホンアシカ及びジュゴン、こういうものを本法の対象として、それ以外の鯨目などは本法の対象除外とする方向で検討をしております。
 なお、イルカを含む鯨類につきましては、漁業法ですとか水産資源保護法ですとかそれに基づく、水産資源保護法とそれに基づきます指定漁業の許可及び取締り等に関する農林水産省令というのがございますが、いろんな趣旨の規定で保護管理がされている。それから、トドという種類も、海獣もおりますけれども、これも漁業法に基づく北海道連合海区漁業調整委員会の指示によって捕獲頭数が制限されている。さらに、臘虎膃肭獣猟獲取締法に基づいて、ラッコ及びオットセイの捕獲は禁止されている。そういう事情を踏まえまして、こうした種につきましては今回は鳥獣保護法の適用対象にしないというふうに、そういうふうに考えているところでございます。
#24
○大野つや子君 今回の改正で新たに鳥獣保護法の対象となる海生哺乳類にジュゴンが挙げられておりますが、ジュゴンについてこの法律でどのように保護していくお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
 また、種の保存法に基づく種指定の見通しはどうなっているのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
#25
○政府参考人(小林光君) ジュゴンにつきましては、今回新しく改正されましたならば、鳥獣保護法の対象といたしまして捕獲や殺傷を原則禁止し、さらに違法捕獲個体の流通禁止など、そういうようなことを通じて保護を図ってまいりたいと思っております。
 それから、別の問題ですけれども、絶滅のおそれのある種の保存に関する法律、種の保存法がございます。現在、昨年度から沖縄近海においてジュゴンとそのえさ場になる藻場の広域的調査を実施しておりますので、そういう調査結果を踏まえまして、また地元の理解も得まして、ジュゴンを鳥獣保護法とは別に、また同時に、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種として政令指定する、そういうことを検討していきたいと考えております。
#26
○大野つや子君 ありがとうございます。
 今回の改正に合わせて、一部とはいえ、海生哺乳類を鳥獣保護法の対象として整理したことは評価したいと思います。国際的に見ましても評価されることと存じます。
 そこで、しかし、ジュゴンやアザラシ類を鳥獣保護法の対象として環境省がこれからの保護管理に新たに取り組む以上は、しっかりと腰を据えて取り組むことや、漁業者などの声も聞いていただきたいと存じますし、水産庁とも連携して進めることが大切だと思いますが、その点、大臣のお考えをお伺いしたいと存じます。
#27
○国務大臣(大木浩君) 今お話ございましたように、ジュゴンとかアザラシ類が今回鳥獣保護法の対象となりましたので、これは、これの保護管理をしっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。
 その中でもジュゴンにつきましては、比較的生息地域が沖縄を中心にして限られておると。それから、種としてどういう状況にあるかというようなことも調べなきゃなりませんので、これは非常に、既にいろんなところで、委員会でも御質問もいただいておりますので、まずは現状をきちっと把握するということが一つ大事だと思いますし、その上でまたひとつ現地の方々あるいは水産庁とも十分に協議しながら対策を進めてまいりたいと思っております。
 そこで、将来の問題ですけれども、ジュゴンやアザラシ類の捕獲や殺傷を原則的に禁止することや、あるいは違法に捕らえました個体のこれは今度は流通ですね、流通を禁止するとか、そういった問題も一つこれからの問題としてございますので、そういったものも念頭に置きながら、これからひとつ関係各省とも協議して、きちっと対処してまいりたいというふうに考えております。
#28
○大野つや子君 どうぞしっかり保護していっていただきたいと思います。
 次に、鉛製散弾による水鳥の鉛中毒事故の現状と防止策についてお伺いをしたいと存じます。
 まず、ハクチョウやガンなど水鳥の鉛中毒被害の状況の調査結果などがありましたら、教えていただきたいと思います。
#29
○政府参考人(小林光君) ハクチョウや水鳥が鉛散弾をのみ込むことで中毒事故を起こしますが、私どもで調べておりますのは、北海道の美唄市にあります宮島沼というところで、平成元年ごろからハクチョウ、マガンが数十羽死亡したという報告がされて以来、ほかの地域でも死亡事例が報告があります。このうち、宮島沼で経年的に調べてございますが、平成元年以降平成十年度くらいまでは、合計で、ハクチョウが百四十羽、マガンが百七羽、鉛中毒により死亡したことが確認をされています。
 このような事態を受けまして、環境、当時環境庁でしたけれども環境省では、鉛散弾による鳥類の鉛害の緊急調査ということをやりまして、そういうことを通じまして、都道府県に対しまして鉛製散弾を禁止する水辺地、湖沼を設けるよう指導してまいりました。その結果、最近では、二〇〇一年の例ですけれども、例年十数羽ずつの事故があったんですけれども、昨年二〇〇一年は四羽というようなことで減ってきております。そういう状況でございます。
#30
○大野つや子君 ありがとうございます。何かこう減ってきているということで、うれしく思っておりますけれども。
 今回の改正で、鉛製散弾の使用を禁止する水辺域を設けることができるようにはなりますが、各地で直ちにその水辺域が増えるとは思えません。環境省は、鉛製散弾の使用を禁止する水辺域の拡大にどのように取り組むお考えでしょうか。また、当面の目標がございましたらお聞かせをいただきたいと存じます。
#31
○政府参考人(小林光君) 現在、都道府県知事に指示をいたしまして、鉛製散弾が使えない水辺域、全国で六十九か所、五万二千ヘクタールほどなっています。これは県知事の告示でこうしているわけですけれども、今回の法改正で指定猟法禁止区域という制度を作りましたので、速やかにこの制度に移行しつつ、更にこの区域を拡大をしていきたいと、こういうふうに都道府県にも働き掛けてまいりたいと思います。
 今直ちに目標ということではないですけれども、できるだけ水鳥猟をするような場所につきましては鉛弾を使わない方向で進めていきたいと考えてございます。
#32
○大野つや子君 ありがとうございます。
 さらに、近い将来、狩猟を目的とした鉛製散弾の使用は、水辺域だけではなく陸域においても全面禁止すべきと私は考えておりますけれども、環境省のお考えをもう少し伺わせていただきたいと思います。
#33
○政府参考人(小林光君) 陸域ですとか、今現在問題になっているのは水辺、湖沼などの岸に近いところに鉛がたまって、岸に近いところで鳥がその小石を拾う、深いところだと拾いにくいものですから。そういうような事態でございます。ですから、陸域とか水深の深い水域に関しましては、野生鳥獣、野生の鳥が土の中から鉛弾を摂取する可能性というのが少ないし、また鉛中毒を起こしている事例もないということ。
 それから二点目は、水辺域のようには陸域では集中的に鉛弾が使用されるということもまれというふうに認識しておりますので、環境省としては、陸域に関しましては現段階で規制を急ぐ必要はそんなに大きくないんじゃないかなと思っています。また、鉛製の散弾の問題については、これからも勉強を続けていきたいと考えております。
#34
○大野つや子君 環境省は、狩猟のための鉛製散弾の転換推進策なども今後私はお考えになるべきだと思っております。また、野生鳥獣の保護や二十一世紀の人間の生活環境への影響も考慮いただき、狩猟による鉛製散弾の使用は行く行くは全面禁止すべきと考えておりますので、どうかその点も御検討いただきたいと存じます。
 続きましては、捕獲した鳥獣の放置問題についてお伺いしたいと存じます。
 また鉛製散弾の話になるんでございますが、北海道では、鉛製のライフル弾などで撃たれ放置されたエゾシカなどの肉をオオワシ類、オオワシ等の猛禽類が食べて鉛中毒が発生していると聞いております。その状況をお伺いしたいと存じます。
#35
○政府参考人(小林光君) 北海道におきまして、平成十三年度に、ワシ類の死亡収容数八羽ございました。このうち、鉛中毒によるものが四羽というふうに聞いております。一方、十二年度、その前の年でございますけれども、死亡収容数が二十七羽、そのうち鉛中毒が十七羽ということで、数はかなり減っております。
 事故件数の減少の理由ですけれども、この十三年度の猟期から、北海道におけるエゾシカ猟に関しまして、鉛製のライフル弾の使用が全面禁止になったということが猛禽類の鉛中毒事故を減らしているんじゃないかなというふうに思っております。
 今後とも、その発生原因の把握に努めてまいりたいと、こう思っております。
#36
○大野つや子君 よろしくお願いいたします。
 オオワシなどの鉛中毒の防止という面から見て、山野における捕獲した鳥獣の放置を禁止することは、発生源対策として大切なことと思われますが、改正法案の第十八条にある「放置」とは、どのような状態を指すのか。捕獲したシカなどの不要な部分を置き去りにすることも含まれるのでしょうか、お伺いしたいと思います。
#37
○政府参考人(小林光君) 改正法案の十八条に規定する「放置」でございますが、捕獲した鳥獣の一部を含めまして、当該捕獲した場所にそのまま置いておくこと、それを「放置」ということで禁止をしたい。
 したがいまして、不要な部分でありましても、その当該捕獲した場所にそのまま置いた場合、放置した場合は、その改正法十八条に抵触するということで罰則も掛かります。
#38
○大野つや子君 鳥獣の放置を禁止し罰則を設けることは大変重要でございますが、並行して、狩猟等の監視体制の整備や捕獲鳥獣にかかわる不要物の回収の仕組み作りなどの促進策を国や自治体が講ずることも大切だと考えております。
 この点、大臣の御見解をお伺いしたいと存じます。
#39
○国務大臣(大木浩君) 今お話ございましたし、それから答弁もいたしましたとおり、放置の方の禁止というのは、一応今度の法律でその罰則を設けまして、狩猟者に捕獲物の回収を促すということは、全体として、姿勢として、国としてもやっておるわけでございますけれども、やはりそれぞれの現場できちっと、どういう状況になっているんだと、きちっとそれが、そういう考え方が効果を表しておるかというようなことにつきましては、これはまたそれぞれの地元の地方公共団体やら、それからいろんな実際に狩猟しておられます各地の猟友会というような狩猟団体というような方々とも御協力を得て、あるいはまた、いろいろと御相談しながら、一層のそういった普及啓発を進めたいというふうに考えております。
 結局は、一生懸命私どもとしては、国全体としての姿勢ということできちっとお願いはするわけでございますが、現場でやっぱり自治体やらあるいは警察の御協力も仰ぎませんと、何せ私どもの方も全国でいつも監視しておるほどの人間がおらないわけでございますので、やはりこれは地元と十分に協議をしながら、協力しながら措置を進めてまいりたいというふうに考えております。
#40
○大野つや子君 大臣、ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 鳥獣の放置の禁止は、野生鳥獣の保護だけではなく、生活環境の保全上も効果が期待できると思います。そのような意味でも、是非環境省には、自治体と連携してしっかりと真剣に取り組んでいただきたいと、このように考えます。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、今回の法律の改正事項とは異なるのでございますが、イノシシや猿などの獣類による農林業被害の対応、対策についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 私の地元岐阜県でも、イノシシ、猿、シカなどによる農林業被害に各地の農業者や林業者が悩まされているわけでございます。このような獣類による被害は全国でどのくらい発生いたしているのでしょうか。近年の被害の実態、増減傾向などを伺わせていただきたいと思います。
#41
○政府参考人(坂野雅敏君) 鳥獣害の被害状況でございます。鳥獣害は、中山間地を中心に、イノシシ、猿などの野生鳥獣により、稲それから果樹、野菜などいろんな作物に被害が及んでいるところでございます。
 農作物の被害につきましては、全国で平成十二年度で被害面積十八万ヘクタール、被害金額二百二十四億円となっております。最近十年間の動きを見ますと、被害面積はやや減少傾向にございます。しかし、十一年度からは従来の面積とかそういうものに加えて今度は被害金額も調査を始めておりまして、その結果によりますと、十二年度は十一年度より十四億程度被害金額が増えているということで、金額的には若干最近増えているのではないかと思っております。
 また、特徴的には、鳥害、いわゆる鳥の害につきましては、カラス、ヒヨドリによる稲、果樹、野菜の被害というのが目立っております。また、獣害、獣の害でございますけれども、これにつきましては、シカ、イノシシによる飼料作物、えさですね、飼料作物、それから稲、果樹等の被害が著しいところでございます。
 それからまた、森林被害面積でございますけれども、十二年度で約八千ヘクタールとなっております。ここ十年間では、被害面積は横ばい傾向になっております。特徴としては、シカによる被害についてはその六割を占めているという現状にございます。
#42
○大野つや子君 ありがとうございます。
 農家の皆様が丹精を込めて作った農作物や畑、今おっしゃったように稲、田んぼを一夜にしてイノシシ、猿、シカなどに荒らされるということが頻繁に起こるというようなことも聞いております。
 大変気の毒に思うわけでございますが、そこで、防護さく作りなどを行っている農家を支援する仕組みはあるのでしょうか。また、あるのであれば、その内容、どのようなものか、お伺いをしたいと思います。
#43
○政府参考人(坂野雅敏君) 農林水産省といたしまして、農林業被害を防止するため、まず、先ほど御指摘があったイノシシ、猿、シカ等が侵入を防止するという、を防ぐための侵入防止さくとか、また電気さくの被害防止施設の整備について助成をまず行っております。
 具体的に一例を申し上げますと、北海道において、エゾシカの農地への侵入を防ぐために、平成七年から十一年に掛けて千七百七十キロメートルの防護さくを設置しております。それも助成によって設置しているということであります。
 それからもう一つは、侵入防止技術の話であります。これにつきましては、先進的な技術を導入したモデル地区の設定によりまして被害防止の技術の確立と、また現場への普及を図っているということで、これにつきましても農林省として助成を行っております。
#44
○大野つや子君 ありがとうございます。いろいろ防御をしているというお話をいただいております。
 野生鳥獣による農業被害につきましては、農業共済制度が活用できると聞いておりますが、制度の概要を教えていただきたいと思います。また、その制度は鳥獣被害により発生した損害をすべて補てんできるものでしょうか、併せてお聞かせをいただきたいと存じます。
#45
○政府参考人(林建之君) お答えいたします。
 農業災害補償制度、いわゆる農業共済制度についてでございますが、この制度は、農家が災害に備えまして、米ですとか麦、果樹、畑作物といった作物ごとに各地域で共済の掛金を出し合いまして、資金を積み立てるわけでございます。万が一災害があったときに、その中から被害を受けられた農家に共済金が支払われると、そういう仕組みになっているところでございます。
 この農業共済制度につきましては、自然災害だけではございませんで、御指摘の鳥獣による農作物への被害についても共済金の支払対象になっているところでございますけれども、ただ、補償の金額については上限が定められておるとか、あるいは軽度の被害といいますか、そういったものについては、私ども足切りと言っておりますけれども、共済金が支払われないといった一定の制約はあるところでございます。
#46
○大野つや子君 ありがとうございます。
 よろしくお願いしたいと思いますが、野生鳥獣が保護の対象となっていることを考えますと、野生鳥獣による農業被害にかかわる共済制度につきまして、今いろいろお話伺いましたが、共済の会計に公費を投入することも検討すべきではないかと思いますが、農林水産省は環境省と連携してこのような仕組みを検討するお考えはないでしょうか、お伺いをしたいと思います。
#47
○政府参考人(林建之君) 農業共済制度につきましては、共済という言葉のとおりで、農家の相互扶助というものを基本にして成り立っている制度でございますので、基本的には農業者の皆さんが共済の掛金を負担されるというのが基本的な考え方でございます。
 ただ、農業の性格上、自然に依拠してと申しますか、自然の中で農業が営まれるわけでございます。そういう意味で、災害に遭遇しやすいというそういう性格がございますので、農業者の掛金の負担を軽減するという意味で、国としてもおおむね共済の掛金の中の五割程度を国で負担をいたしているところでございます。
 それで、環境省との連携についてのお尋ねでございますけれども、そういった意味で、共済掛金についての国の負担については相当水準の助成がなされているのではないかと思っておりますけれども、ただ、農業共済制度の性格といたしましては、基本的には災害が発生した後の損失の補てんを行うというのがこの制度の趣旨でございまして、災害を未然に防止するということを主目的とするものではございません。そういった意味で、環境省の方で例えば鳥獣害の防止に資するようなそういう取組をなされるといった場合には、農林水産省といたしましても、よく環境省と相談をし、連携を取っていくということが必要といいますか、そうしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#48
○大野つや子君 どうぞよろしくこれからもお願いしたいと思います。
 次に、全国でそれではイノシシ、猿、シカなどがどの程度生息しているのでしょうか。また、年間の捕獲数はどのくらいなのでしょうか、お伺いしたいと思います。
#49
○政府参考人(小林光君) お尋ねのイノシシ、猿、シカ等につきまして、その分布域につきまして、緑の国勢調査でおおむね把握をしてございます。
 それによりますと、例えばシカについていいますと、一九七八年当時に比べて、九三年に結果が出ておりますけれども、基本的な分布域に変更はありません。全国的な視野から見ればありません。ただ、北海道の西部ですとか栃木県の日光周辺ですとか紀伊半島の一部、そういう地域で顕著な拡大傾向が見られていると、こういうような状況でございます。
 生息数に関しては、まだなかなか推計方法が難しいものですから、例えば北海道でシカが二十万頭くらいとかという大ざっぱな数値はあるんですけれども、全国的な数値は出ておりません。
 それから、捕獲数でございますけれども、イノシシ、猿、シカ、それぞれ平成十一年度の数字、捕獲数ですが、狩猟によって捕獲されたもの、それから有害鳥獣捕獲許可で捕獲されたもの、イノシシが約十五万頭、猿が約一万頭、シカが約十三万頭、そんなような結果になってございます。
#50
○大野つや子君 ありがとうございます。
 有害鳥獣の駆除の担い手でございます狩猟者は、現在減少傾向にあると聞いております。高齢化も進んでいると伺っているわけですが、農家にとっては農作物などの被害が拡大するおそれがあると懸念しておりますが、環境省は駆除の担い手の確保という観点からどのようなお考えをお持ちでしょうか、お伺いをしたいと思います。
#51
○政府参考人(小林光君) 先生御指摘のように、保護管理の担い手、今、有害鳥獣駆除の担い手の問題もそうですけれども、非常にハンターが高齢化をしてございます。近い将来狩猟者数が激減するという、若い人が入ってきておりませんので激減するというような事態もあります。そうしますと、有害鳥獣駆除ですとか特定鳥獣保護管理計画の実施をする人に非常に大きな支障が出るのではないかと環境省としても心配をしておるところです。
 減少した理由として、狩猟に若干魅力がなくなってきたこととか、銃器を、鉄砲を買うとか、それから狩猟に当たって税金が掛かるというような問題、それから銃の管理については安全性のこともあって非常に厳しく手続が煩雑になってございます。そういう問題もありますし、それから狩猟免許の試験日が休日じゃなくて平日に行われているというようなこともある。それから、若者のレジャーが非常に多様化しているというようなこともあって、様々な面で狩猟者は少なくなってきているのではないかなと、こう考えているところです。
 なかなか効果的な手はないんですけれども、できるところからというふうに思っておりまして、例えば狩猟免許の試験の日を休日に実施するとか、月に何回かやるとか、場所も便利なところで、複数回場所を選んでやるとか、そういうことも都道府県にもお願いして改善に取り組んでいこうと、こういうふうに考えてございます。
 なかなか担い手を育成する決め手というようなものがありませんけれども、現在、自然環境局に野生生物保護管理検討会というのを作って狩猟者の減少対策というようなことも考えてございます、検討を行ってございますので、その結果を踏まえまして対応をしていきたいと考えてございます。
#52
○大野つや子君 ありがとうございます。
 今、自然局長からいろいろお話ございましたが、どうぞ免許を平日でなく休日というようなこともいろいろこれからも考えていただけたら大変有り難いと思っておりますが。
 野生鳥獣による被害対策につきましては、今、環境省のお話いただきましたが、環境省が農林水産省の協力を得て様々な角度から取り組む必要があると考えております。
 ここで、大臣の御認識をお聞かせいただきたいと存じます。
#53
○国務大臣(大木浩君) 野生鳥獣によります被害というのは、まずはそういう被害を起こす鳥獣がどういう状況になるか、先ほどからどれだけいるんだというようなお話もありますし、一体どこに、どういう地域に生息しているかと、いろいろありますから、まずその対象、相手を、敵を知り己を知らばで、こっちの敵の方の状況を知らないとなかなか対策ができないわけでございますから、それをきちっと調べるということが必要でありますし、先ほども何か害が起こった後の保険というような話もありましたけれども、やはりそれは防止、予防ということが必要でございますから、これは農林省とも十分協議しながら、例えば防護さくを作って被害が生じないようにというようなこともいろいろと検討はしておるところでございます。そういったものにつきまして、もちろん農水省あるいは環境省あるいは国全体としてのいろいろと予算措置というものも更に強化したいと思っておりますけれども、とにかくそういったものを総合的に、特に農水省とは協力しながら措置を進めてまいりたいと思っております。
 それから、特にどこかある地域でこういう鳥獣が非常に急激に増加したというようなことがあれば、これは既に平成十一年の鳥獣保護法改正のときにも特定鳥獣保護管理計画制度というようなものを設けておりますから、それに基づいてそういった緊急な措置も進めてまいりたいと思っております。
 先ほども申し上げましたけれども、いずれにいたしましてもこういう問題というのは、それぞれいろんな状況が生じておるところの御地元の地方自治体等に、特に地方自治体にやっぱり御協力願わないとなかなか実態は把握できませんので、それはそういった面での中央におきます農水省等との協力とともに地方自治体との協力というのも十分に考えながら、また国としての予算措置あるいは技術的な助言といったようなことで必要な措置を更に進めてまいりたいと考えております。
#54
○大野つや子君 ありがとうございます。
 野生鳥獣による農林業の被害は古くて新しい問題だと思います。また、根深い課題でもあると思います。大臣からの心強いといいますか、力強いお言葉も今いただいたわけですが、これは野生鳥獣にかかわる重大な問題でございますので、環境省が全体プランを立てて農林省や自治体などをリードしていただいたら大変有り難いと、このように考えております。
 時間がまだございますので、最後の問題の方に移りたいと思っておりますけれども、主に私は都市部で増加しているカラスの問題について幾つかお伺いをしたいと思います。
 都市地域でカラス類による被害が多いと言われておりますが、現在の状況を教えていただきたいと思います。
#55
○政府参考人(小林光君) カラスによる被害の問題でございますけれども、農作物への食害といいますか、いたずらの問題と、人間を襲ったりしますので生活関係の被害、大別されます。
 近年、都市部におけるカラスにつきましては、ごみを散らかしたり、それから人間を襲って威嚇したり攻撃したり、そういう被害が深刻化していることは承知してございます。
 都市部でカラス類による被害の原因として、食べ物となる、カラスのえさになる生ごみの大量な排出とか、場合によっては無責任なえ付けというようなことがありまして、人間側におきましても注意すべき点が多いのかなと、こういうふうに思っております。
#56
○大野つや子君 ありがとうございます。
 日本野鳥の会の調査によりますと、都内のカラス類の生息数は約三万七千羽というように聞いております。更に増加傾向にあるとも言われているわけでございますが、今お話しのように、生ごみのお話もございました。その原因、どのようにお考えか、もう少し詳しくお教えいただけたらと思います。
#57
○政府参考人(小林光君) カラスに限りませんけれども、生き物が生きていく、増えていく、それの基本は食べ物があるというようなことが一つだと思います。それで繁殖が可能になるわけですけれども、都会のカラスにつきましては、非常に繁華街から生ごみ、残飯というのが大量に出ます。それもまた栄養価が高いということで、肉食のカラス、繁殖率が高まると、こういうことが原因かと思っています。
 これらの都会の諸条件というのがカラスにとって有利に働いていて、急激な増加をしているものと考えております。
#58
○大野つや子君 カラス類の被害対策について地方自治体でも独自に取り組んでいると聞いておりますが、環境省としては今後どのようなお考え方をお持ちなのでしょうか。また、取組について詳しくお聞かせいただきたいと思います。
#59
○政府参考人(小林光君) 環境庁といたしましては、やはりえさになる生ごみというのを無防備な状態で出すということを避けると、こういうことが肝心かと思っています。カラスからえさを隔離するといいましょうか、ですから、カラスがつつけないようなしっかりした箱にごみを入れるとか、それから網を掛けてカラスが引き出せないようにするとか、そういうようなこと、場合によっては町ぐるみで夜間にごみを収集してしまって、朝カラスが出勤してくる時間にはもうごみはないと、こういうようなことをするのが基本かなと、こう考えてございまして、こういう問題につきまして、今ちょっと手元にあるんですけれども、ビデオとかパンフレットとか環境省で作りまして、自治体に配付してございます。被害防除対策、そういう普及をこれからも続けていきたいと思っています。
 十三年の十月に、自治体の担当者向けにカラス対策どうしたらいいかといったマニュアルを作成しまして、都道府県、市町村に配付したところでございまして、ぼつぼつ、東京都もそうですけれども、カラス対策取り組んでくる自治体が増えてきています。こういうのに有効に使っていただけたらと考えております。
#60
○大野つや子君 ありがとうございます。
 夜間のごみ収集というふうなお話もいただいたわけでございますけれども、全国でカラス類、狩猟などによりどのくらい捕獲されているのでしょうか。調査結果がございましたら、ちょっとお知らせいただきたいと思います。
#61
○政府参考人(小林光君) カラス類にはハシブトガラスとハシボソガラスとミヤマガラスのおおよそ三種類あるんですが、特に都会にいるのはハシブトガラスのようなものが多いと思います。
 これらのカラス類の捕獲につきましては、平成十一年度の結果ですけれども、狩猟で八万七千羽、有害鳥獣駆除で三十一万三千羽、合計四十万羽も捕獲をされているということでございます。ここ十年間の全国の捕獲数の推移でございますけれども、わずかながら減少はしておりますけれども、そう変わっていないという状況が続いていると思っております。
#62
○大野つや子君 ありがとうございます。
 かなりの数に上っているということを今伺ったわけですが、カラスの増加による被害を考えますと、カラス類もネズミ・モグラ類同様に許可を得ずに捕獲ができるようにしてはどうかと思いますが、どんなお考えをお持ちでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。
#63
○政府参考人(小林光君) 先ほども御説明申し上げましたですけれども、ネズミ・モグラ類については、従来から慣例的にその捕獲については許可が不要と。農林水産業を営む上でどうしてもくわを入れたり、そういうことで殺してしまうこともあるものですから、実態的に許可不要として扱ってきました。
 ただ、カラスについては、従来から捕獲については許可が要るというふうな事態でございまして、農林業の事業活動に伴って農林地においてやむを得ず捕獲をする、そういう場合にネズミ、モグラを許可なしという形にしてきたところでございますので、こういう特殊な事情のないカラスにつきましては、今回の改正でも許可が要るということにしたいと、こう思っております。
 今回の改正で許可なく捕獲ができるようにするということにつきましては、法の目的であります鳥獣の保護を図る上で、場合によっては無秩序な、そしてまた大量の捕獲、害を与えていないカラスまで捕られてしまうというようなことも懸念されますものですから、これはカラス類については引き続き許可を要する行為として考えていきたいと、こう思っているところでございます。
#64
○大野つや子君 ありがとうございます。
 今、害のないカラスというようなお話もございましたけれども、カラス類が保護すべきほどに役立っているとすれば、どんなような点がございますでしょうか。ちょっとお伺いしたいと思います。
#65
○政府参考人(小林光君) カラスが現在の東京とか都市、都会の中で我が物顔で増加しているのが良いとは決して思っておりません。都会のカラスというのは、動物の死体など、それから生ごみもそうですけれども、言わば都市の生態系の中でも掃除屋としての役割を担っていまして、例えば野猫が寿命が短いというのもやっぱりカラスに襲われて、そういう動物の死体等を処理してくれているというふうな事態もございますので、そういう都会の生態系の中での捕食者としての役割を担う。ドバトやネズミとか野猫とか、そういうようなものはむやみに増えないというのも一つの役割担っていると思います。
 ネズミなり、例えばネズミが急激に増加するというような事態もあるものですから、当面、カラスというのも引き続き従来と同じ取扱いにしていきたいと、こういうふうに思っております。
#66
○大野つや子君 ありがとうございます。いろいろこれは御意見もあろうかと思いますけれども。
 私、実は昨年の十一月でございますが、台湾、台北に行ってまいりまして、そこで最も驚きましたのはカラスを一羽も見掛けなかったということでございます。大変不思議に思いまして、カラスどこにでもいるんじゃないかなと実は思っていたものですから、その地域の方に伺ったわけです。そうしましたら、今までカラスもハトもいなかったと。でもハトは、大分豊かになって捕って食べるということはしないと。カラスを食べるということはないけれど、ごみを出す方法が変わったということをおっしゃっていらっしゃいまして、日中のみならず夜間もごみ収集車が回る。ごみを地上に絶対に置いてはならないという法律があるというようなことも聞いたわけでございます。
 そういうような意味で、これから我が国におきましても、カラスの問題、本当にカラスを悪者扱いするばかりでなく、私どもがやはりごみ出しの方法というものをしっかりこれから考えていかなければいけないんじゃないかなというようなことも考えるわけでございますが、カラスの生息数も増大し、被害が増加している状況を踏まえますと、やはりカラス類の対策を今後どのようにお進めになろうとお考えなのか、ここで大臣に是非お聞かせいただきたいと思います。
#67
○国務大臣(大木浩君) もうカラスも非常に都会、特に都会で増大しているという、全くお話のとおりでございますし、その主たる原因がやっぱりごみを出すということで、今もお話ございましたとおり、このごろ、ごみ出していただくときにビニール袋で包むだけですね。だから、あれはカラスのくちばしでつっつけばすぐ壊れちゃうわけですから、それを何とか防ぐような形でのごみの出し方というのがやはり一つ一番大きな対策じゃないかと思っています。
 これはもう何もカラスだけではなくて、ごみを出すときにできるだけ我々の住んでいる地域の中ですから、できるだけ外から見てもきれいな形でごみを出していただくということが必要かと思います。
 どうするかという、これどんどん増えているわけですが、普通の自然の環境ですと、一つのカラスならカラスという種類が非常に増えますと、またそのえさがなくなって、かえって今度は減ってくるとか、あるいは天敵との戦いというのもあるんですが、何しろ都会ですから余り天敵もいないんですね。何か自然のところですと、何か大きなタカでもいて、また余り増えると今度はかえってそれがえさとして食べられて少なくなるというような、お互いにバランスが取れているんですが、どうも都会では、カラスの方は食べる物はあるわ、それで天敵はいないと、ますます太って数も多くなるということでございますけれども。
 やはりごみを出さないということ、そして出すにしてもカラスに余りつつかれないような形で出していただくということは、これはごみ問題の全体の中でカラスも念頭に置きながらひとつきちっと処理をしていきたいということで、またこれから、これはいつも申し上げることですけれども、やはりそれぞれの地域の皆様方とも協力しながら処置を進めたいと考えております。
#68
○大野つや子君 ありがとうございます。
 これからも、私どもも一生懸命そういう問題しっかりと、家庭のごみ出しというものを考えていきたいと思っておりますが。
 我が国には様々な野生鳥獣が生息しておりますが、それぞれの種類によって、また地域や時代によって必要とする対策が異なるとは思っておりますが、人間と野生鳥獣がうまく折り合いを付け、共存できるようにするということを目標として、この改正鳥獣法の適正な運用を努めるべきだと思っておりますので、どうぞ今後ともよろしく御指導も賜りたいと思いますし、今のカラスの問題もともに考えてまいりたいと思っております。
 私の質問はこの辺で終わりたいと思います。ありがとうございました。
#69
○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。よろしくお願い申し上げます。
 この鳥獣保護法の改正案というのは、三年前、まだ記憶に新しいんですが、大変な各委員の方の御努力、それからNGOの皆さんの御努力があって、大変な思いで修正案が出され、附帯決議も検討された後に決議をされたと。それで、参議院の環境委員会の存在感を非常に示した法案だったというふうに思っています。そのときに御尽力をいただきました福本先生も、今はちょっと席を外しておられますが、この委員会、まだ残っておられますし、当時の大臣でいらっしゃいました真鍋長官は委員として今日いらっしゃるわけでございまして、そこら辺の中で、あのときの修正案の中に、三年後をめどとして見直すという附則が、修正案が出されたという中で、それが本来なら二〇〇二年の九月をめどだったんですが、その前にこの法案が出てきました。確かに、欠格条項の見直しや平仮名法に直すとか、それから多少の修正があったということでございますが、まず今回の改正の位置付けから確認をさせていただきたいというふうに思います。
 前回の附則に、三年後に所要の措置を講ずるという状況の中でこの改正案通ったわけですが、そこの、めどとして見直すという状況の位置付けの今回の改正ではないという位置付けでよろしいんですね。
#70
○政府参考人(小林光君) おっしゃるとおりでございます。今回は、欠格条項の見直しということを契機に法律の改正を考えました。
 実は、三年後の見直しを御指示いただいているわけですけれども、主としてこの鳥獣保護事業計画に関して、その運用状況を踏まえた見直しをこの法律施行後三年をめどに行うということを御指摘がいただいております。ただ、この特定鳥獣保護事業計画というのは、平成十四年三月、今の現時点で、二十五道府県で策定をされて二十九の計画があるわけですけれども、策定後まだ日が浅いと、まだ二年をたったものが、そういう計画が二か所、二計画しかないということで、十分実績がまだ積んでいないという事態でございます。
 そのため、フォローアップをしていろんな問題点を検討するにはまだちょっと材料が少ないというようなこともありまして、その特定鳥獣事業計画をどういうふうにするかというふうなことの御指摘の改定については、今回はちょっとまだできていないということでございます。もうしばらくたちますと十か所以上出てきますので、その時点で、運用実績の十分蓄積が待ちまして検討したいというふうに考えております。
#71
○福山哲郎君 となると、この法案の後、本来ですと施行後三年、二〇〇二年の九月をめどとして見直しをすると、所要の措置を講ずるということは、今年度中は現実的には今の局長の答弁からいうと私は無理ではないかと思ったんですが、そこはいかがなんでしょうか。
#72
○政府参考人(小林光君) 現実に、いろんな特定鳥獣保護事業計画の策定は実際の科学的な根拠に基づいてやるために、現地でいろんな鳥獣の生息状況の調査等をやりますものですから遅れがちでございます。それでも二十九計画できていますので、御指摘のとおり、今年の九月にもう一度法律改正するというのは困難な事態かと考えております。
#73
○福山哲郎君 言葉じりをつかまえるようで申し訳ないんですが、先ほどから局長の答弁を聞いておりますと、特定鳥獣保護管理計画の策定状況等については見直しをということで、法律の改正については今は、今無理だとはっきりおっしゃいましたが、あのときの必要な措置を講ずるという中には、当然、法改正も含むということだったというふうに思いますが、その点については、時期は九月ということが例えば無理だとしても、そこは法改正も視野に入っているのかどうか。今、ちょっと特定鳥獣保護管理計画に非常に狭まった御回答をいただいているような気がするんですが、御答弁をお願いできますか。
#74
○政府参考人(小林光君) 現在、自然環境局で野生生物保護管理検討会を作って、今後の鳥獣保護及び狩猟の制度の在り方について検討してございます。これは、特定鳥獣保護管理計画だけでなくて、幅広くいろんな面を検討しておりまして、もちろん必要があれば鳥獣保護法、新しくまた改正するということも視野に置いております。
#75
○福山哲郎君 それはいつぐらいまでに方向性がまとまる予定なんでしょうか。
#76
○政府参考人(小林光君) いろんな大きな課題があって議論が対立するときもありますが、これは議論が集約してまいりますればその都度やりたいというふうに考えておりまして、できるだけ早く意見集約を待ちたいというふうに考えております。
#77
○福山哲郎君 実は、三年前も大変な議論があって、三年後というのが必要を含めて、必要な場合ならばということである種の留保が付いていたんですが、そこは修正案の審議の中で正に今帰ってこられました福本先生と真鍋長官の間で、議事録も残っているんですが、法改正も含めて考えるんだというような御答弁を、本当に当事者のお二人がいらっしゃるんですが、されているということで、できるだけ早くということは、実は、例えばNGOにしても専門家にしても我々としても、九月をめどに法改正の流れの中でいろいろ準備をしてきたのが、今回、手前にこういう改正が出てきてあとは先送りだという話になると、少し段取りが違うんじゃないかという議論がありまして、そこについてできるだけ早くということではなくて、もう少し具体的に御答弁いただけますでしょうか。
#78
○政府参考人(小林光君) 一番大きな課題となります特定鳥獣保護管理計画のフォローアップというのが、現在まで二か所ですけれども、あと二年もすればかなりの数でフォローができるようになりますので、それと合わせてやりますから、今検討会を開いているのも二、三年というめどでいろんな方向をまとめてくるということになろうかと思います。
#79
○福山哲郎君 今、具体的に二、三年と答えていただいたことはある種誠意のある答弁なんだと思うんですが、ただ、九月をめどに見直し作業を進めてそれは法改正も含むという議論をしていて、逆に言うと専門家もNGOも我々もそういう状況で野生生物の保護をも含めて我が国の議論を今年の秋以降詰めていくと、議論が起こるのではないかと思っていたら、手前に法案が、改正案が出てきて、それはフォローアップしてから二年後、三年後というのはちょっとやっぱりそれは納得できないんですが、局長、いかがですか。
#80
○政府参考人(小林光君) 今回の法改正でも、平成十一年の改正時点で衆参両院で附帯決議いただきました。例えば鉛散弾の問題ですとかそれから鳥獣の野外の放置ですとか、そういうことのできる対応はしてきたつもりでございます。
 まだ、議論がいろいろ詰まっている、詰まらない部分、要するにいろんな双方の意見があってどうしても集約できない部分というのがございます。サボっているつもりは毛頭ありません、一生懸命やりますので様子を見ていただければと思います。
#81
○福山哲郎君 もう真鍋長官と福本先生にお伺いしたいぐらいなんですが、御意見を。
 ちょっとそこは、私、今日いろんなこと聞きたいので、納得できないんですけれども、やっぱり速やかにやらなければいけないし、もし今のような状況ならちゃんと事前に説明しなければいけないと思うし、こういう改正案を出してきて法案の審議をして、あと二年後、三年後先送りしますというのは余りにも誠意がないし、この附則に対して私はある種問題があるというふうに思っていますが、大臣、いかがですか。突然振って申し訳ありません。
#82
○国務大臣(大木浩君) 私も、実は前回の真鍋大臣のころの細かい審議については、正直申し上げますけれども、十分には承知しておりませんけれども、やはり今回、委員の方からのお立場からいえば、まだ中途半端じゃないかとか部分的じゃないかという御意見あると思いますが、少なくとも今の段階でお出ししております法律というのは、この段階でやっぱり実施した方がいいんじゃないかということで出させていただいておりますので、今、局長も一生懸命やりますと言っていましたけれども、局長も何か諮問委員会ですか、作って一月からやっておりますので、ひとつそういうことで御理解をいただきたいと思っております。
#83
○福山哲郎君 時間がないので、次へ行きます。
 時間が掛かることの大変な問題として、鳥獣関係統計というのは実は今、最新版が九九年版なんですね。これ改正した年のもので、言わばこの鳥獣関係統計も含めてなかなかこの辺の関係の資料がそろうのが遅いと。だから、今の話も二年、三年フォローアップに掛かるんじゃないかということも実はそこら辺も問題だというふうに思っていまして、もっと早くこの鳥獣関係統計の集計や都道府県や市町村への周知徹底も含めて、そういう仕組みはできないのかというのは根本的な問題としてあると思うんですが、いかがでしょうか。
#84
○政府参考人(小林光君) 狩猟者からの報告というのは、猟期が終わってそれからもらうような仕組みになっています、現在なっていますから、遅れがちになるんです。
 それで、我が方としてもこれではいかぬと痛感しておりまして、都道府県との連携の下に、例えばインターネットを活用した野生鳥獣の捕獲ですとか狩猟者登録に関するいろんな情報収集システムというのを今整備を進めているところでございます。このようなシステムの整備によりまして、迅速な鳥獣統計の取りまとめを行うとともに、その結果を早く鳥獣保護事業の実施や必要な施策に反映していきたいと、こういうふうに思っています。
 そういうようなシステムの実効性を高める意味でも、今回の法改正で狩猟者に捕獲した結果の頭数とか場所とか、そういうものの報告を法律で義務付けて、罰則を掛けてというような改正をする、その連動した作業を今しております。できるだけ早く情報を集めて発表したいと思っております。
#85
○福山哲郎君 その具体的なシステムというのは、何か今こういうことを作りたいと思っているようなものはあるんでしょうか。
#86
○政府参考人(小林光君) 報告をできるだけ電算化しやすいような情報で集めるとか、それから後はコンピューターシステムで集計作業ができるような、そういうような集中的なコンピューター管理をするセクションを設けるとか、そういうようなことを今考えております。それから、報告もできるだけしやすいようなことを考えていることでございます。
#87
○福山哲郎君 済みません、さっきの話にちょっとだけ戻ります。もう一回確認させてください。
 今、更に作業を進めて、大臣も言われました検討を進める中には、もちろん法改正も含むというふうに判断してよろしいですね。それはお約束いただけますね。
#88
○政府参考人(小林光君) 法改正も念頭に置いております。
#89
○福山哲郎君 今回の改正ですが、改正一条に生物多様性の確保という文言が盛り込まれたことというのは大変評価できるというふうに思いますが、この生物多様性の確保という言葉の中には、当然、生物多様性の国家戦略に記載されているような、野生鳥獣は国民の共有財産であり、それぞれの地域で普通に見られる種から希少な種まで多様な野生動物が永続的に存続できることを目的とするという中身を、この法案自身にもその目的が含まれていると考えてよろしいですね。
#90
○政府参考人(小林光君) そのようにお考えいただいて結構です。
#91
○福山哲郎君 そうすると、実はそれが含まれているけれども、それを担保する中身はまだまだ十分ではないというふうに私は思っていますし、今回は余りにも微修正なわけですから、そこは含まれているけれども、そこは担保まだまだできなくて今後必要だという位置付けでよろしいですね。
#92
○政府参考人(小林光君) 従来より鳥獣保護事業計画の基準の中に、生物多様性の確保というのは、環境大臣が定めるその鳥獣保護事業計画を都道府県が定める上での基準を示しておりまして、今回の法律では基本方針と言っていますけれども、その中に生物多様性の確保という言葉は入っておりましたが、今回新しく法律に入れたということでございます。
 法律の目的にきちっと位置付けたということですが、まだ古い体制の制度を引きずっているものでございますから、いろんな改正点というのはあろうかと思います。そういう意味で、更に法律の目的にきちっと入れた観点から、生物多様性確保に向けた施策ないしは法制度の見直しということも今後考えていく必要があろうかと思っております。
#93
○福山哲郎君 それでは、具体的な話で行きます。
 特定鳥獣保護管理計画、各都道府県の施行状況について、どのぐらい策定されて実態はどうなっているのか。先ほどちらっと御答弁いただきましたが、御説明ください。
#94
○政府参考人(小林光君) 特定鳥獣保護管理計画につきましては、現在二十五の道府県で、二十九の地域について計画が策定されております。
#95
○福山哲郎君 これが二十五にいまだにとどまっている理由は何ででしょうか。
#96
○政府参考人(小林光君) 現在、都道府県でもこの計画は科学的にやらなければならないということで、鳥獣の生息状況とか、そういうものを中心に調査をする、そういうようなこともあるものですから時間が掛かっているというところもありまして、計画予定が、まだ更に四十二地域ほど計画予定をしているところでございます。これから徐々に増えていくと思います。
#97
○福山哲郎君 で、現状、策定済みの計画、それから今後策定予定の計画、各都道府県を見ますと、どちらかというと、やはりシカ、イノシシ等の対象が非常に多くて、有害駆除対策にどちらかというと比重が強くなっているのではないかというふうに思います。長野とか岡山ではクマという形で、生息環境の保全整備という観点でもあるんですが、ちょっと各都道府県、余りにも有害駆除対策の方にバランスが崩れているのではないかというふうに思っているんですが、そこは環境省としてはどのようにお考えでしょうか。
#98
○大臣政務官(奥谷通君) 委員御承知のとおり、特定鳥獣保護管理計画は都道府県知事が必要に応じて策定する計画でございます。
 ですから、鳥獣が著しく増加したりあるいは減少したりしたときに、この制度に基づいて計画を策定いたしまして野生鳥獣の科学的また計画的な保護管理を行うことが望ましいと、こう考えておるところでございます。
#99
○福山哲郎君 済みません、私の御質問にはお答えいただいていないんですが。
 有害駆除対策にちょっと偏重しているのではないかと、その策定計画の動向がですね、そこについて環境省としてはどのように考えているのかということなんですが。
#100
○政府参考人(小林光君) 確かに、現在いろんな日本じゅうで問題になっている鳥獣による被害の問題が結構あります、シカなんかとかが多いんですが。
 確かに、クマが各地で減っている地域がございまして、そこのクマの、少なくなっている動物については代表的なのはクマですが、三県、長野、岡山、秋田、三県でクマに対する保護管理計画を策定済みでございます。さらに、今計画中というか今調査中のところがクマに関して九県ございます。
 確かに、全体の流れから見ると、シカとかイノシシ対策というのが多いことは多いんですが、クマについても計画策定なり計画を準備しているということで、環境省としても、そういうクマや何かの保護事業計画に関してできるだけ支援をしていきたいというふうに考えております。
#101
○福山哲郎君 私、環境省が各都道府県にお配りをされているガイドライン、その管理計画を作るガイドラインも拝見しているんですが、そこはある種、別に駆除に対してだけ強めに言われているようなものではないというのも分かっておりますが、ただやはり、例えば被害に遭った場合に、都道府県に例えば被害に遭われた方が声を上げたりとか、ハンターの関係も含めて、やっぱりそっち側の声が非常に、管理計画を作られるときにはどちらかというと多く都道府県の策定過程でも聞かれる傾向があるのではないかなというふうに私はちょっと危惧をしておりまして、そこについて環境省から、今、局長はなるべくそういうことがないようにしたいということを言われましたが、何か働き掛け、要は減少しているものに対しての計画も作るようにというような働きを今後していただくおつもりはございませんでしょうか。
#102
○政府参考人(小林光君) 我が方で、特定計画を作成するのにいろんな調査とか具体的な対策をする事業費として、二分の一の補助事業がございます。国費全体で一億三千万ほどですけれども、そういうものを配分する際に、できるだけそういう保護、必要なクマの保護計画ですとか、そういったところにするように誘導していくことは是非していきたいというふうに思っておるところでございます。
#103
○福山哲郎君 是非その財政的なものも必要なんですが、いろんなときに環境省から、当然、担当者会議とかブロック会議とかがあると思うんですが、そういう場面でも、管理計画を作るときに減少しているものに対してもというようなことをちょっと強く働き掛けていただくようにお願いはできませんでしょうか。
#104
○政府参考人(小林光君) そのように是非、努めておるところでございますし、今後ともそのようにしていきたいと思っております。
#105
○福山哲郎君 それから、九九年の附帯決議の一項目めに、国全体の鳥獣の生息状況を適切に把握する、都道府県の調査を支援をするということを積極的にやれというようなことが附帯の一項目にあるんですが、都道府県に対するこの生息状況の適切な把握に対する支援と把握の状況はどのような状態になっているか、お教えください。
#106
○政府参考人(小林光君) 平成十一年の附帯決議で御指摘いただいた件、平成十二年度から緑の国勢調査の一環として、イノシシですとかシカですとか、大型哺乳類の生息状況の調査を都道府県に委託して実施してございます。
 そういう中で、今現在情報が集まっているところでございまして、平成十二年度はアンケート調査で、キツネとかタヌキだとか、そういうような種類について何十万件もの情報が集まってきております。十三年度はツキノワグマ、ヒグマ、猿、シカ、イノシシについて聞き取り調査をいたしまして、今それの取りまとめをしているところでございます。
#107
○福山哲郎君 都道府県の独自調査への国からの支援というのはあるんでしょうか。
#108
○政府参考人(小林光君) 私どもは、都道府県に委託をすることを通じて、県内の動物分布調査について依頼してございますので、直接的に補助金というような形でしていることはございません。環境省の費用でということでございますけれども、その中身は、都道府県が自ら調べるべき調査についても環境省の費用でやっているというふうに理解しております。
#109
○福山哲郎君 その次は、やはり九九年の附帯決議の三項目めの、狩猟者のモラルの向上対策に努めろということが附帯決議にあったんですが、先ほど大野委員からもありましたように、鉛散弾の使用とか個体の放置とか、密猟とか過度な有害鳥獣駆除など、狩猟者のモラルについてはやっぱりいろいろな問題があると思っておりまして、このモラルの改善については、これまで改正後どのような対策を取られてきて、どのように評価をされているか、お答え願えますでしょうか。
#110
○大臣政務官(奥谷通君) ハンターが狩猟を行うに当たりましては、法律に基づく狩猟のルールを遵守するとともに、周囲の人や、また自らの安全の確保に十分注意を図ることが必要と思います。また一方で、現実的に狩猟事故や違法捕獲の事例も発生しておりまして、狩猟者全般に対する社会的信頼を低下するおそれも大きいと考えております。このため、今法案においては罰則を含む措置を設けたことから、狩猟鳥獣の放置や違法捕獲は減少していくと期待いたしております。
 しかし、より根本的な解決のためには、ハンターのモラルの向上が重要でありまして、環境省としても、毎年猟期が始まる前に都道府県及び狩猟者団体に対しまして事故防止や捕獲鳥獣の適正処理等、狩猟マナーの向上の獲得への取組について要請をしているところでございます。
#111
○福山哲郎君 今回、放置の禁止を罰則付きで盛り込んだことは、私は一つの前向きな進歩だったというふうに思います。
 ただ、一つ分からないのは、本法十八条は放置禁止で、これ罰金三十万円以下なんですね。ところが、廃棄物処理法、動物の死体というのは産業廃棄物に当たると思うんですが、廃棄物処理法の十六条ですと、これは投棄禁止で、これは懲役五年又は罰金一千万円以下なんですね。つまり、例えば撃って、ハンターが撃って、そこにそのまま放置して帰ったら罰金三十万円以下、本法の適用になるわけですが、撃って一回自分のものにして、何か必要なものだけ取ってそこにもう一回捨てると、これは一回占有していますから、これは産業廃棄物で罰金一千万円以下になるわけですね。
 これは、廃棄物処理法十六条と本法の十八条の放置禁止と投棄禁止の中でのこの違いは、どういうふうに整理したらいいのかなと思っているんですが。
#112
○政府参考人(小林光君) 廃掃法の十六条の廃棄物の罰則、非常に懲役まであって大変重い罰なんですけれども、これで想定しておりますのは、動物の死体とかいっても屠畜とかそういう非常に大規模な業者が、特に業者がやるような大規模な廃棄物、トラックで運んできてぼんと捨てるような、そういうような罰則に対する量刑というふうに理解してございまして、鳥獣保護法の場合の鳥獣の放棄というのはそんな大規模なものは想定されておりません。
 基本的には、個人がごみを捨てるような感覚でぽっと捨ててしまう、そんなようなことを想定している量刑でございますので、今回、三十万円というふうな形にさせていただいて、大体こんなところではないかなというように思っております。
#113
○福山哲郎君 そうすると、例えば一回自分のものにして、それでもう一回放置した場合には、どちらかというとこの放置禁止が適用されると思っていいわけですね。
#114
○政府参考人(小林光君) そのように法律適用されると思っています。廃掃法の適用は多分されないと思います。
#115
○福山哲郎君 分かりました。
 ちょっとほかにも幾つか、鉛散弾銃のところも聞きたいんですが、少し去年からいろいろ環境省が御努力をされている件についてもお伺いしたいと思います。
 例の中国の野鳥の輸出規制、それから証明書の添付問題について、昨年、一昨年と環境省が非常に積極的に動いていただいていると思っていますが、その後、進展をされているのか。その後の進捗状況について御答弁いただけますか。
#116
○国務大臣(大木浩君) 中国からの野鳥の問題、先生非常にもう前々から非常に御関心というか御懸念といいますか示されておりまして、私どももいろいろと中国側とも折衝をしておりまして、ただいま外交ルートを通じて中国と調整を進めて、恐らく、数週間と申し上げますが、数週間のうちに中国との間で鳥類の輸出入規制に係る外交ルートでの口上書を結ぶことにしております。
 これを結べば、その後速やかに中国からの鳥類輸入に関して、また今度は実際に中国の関係当局との間でどういう手続でそれをきちっと取決めを実現するかというための、いろいろと例えば輸出許可に係る書類をどういう書類を出すかと、そういうことも話ができると思いますので、そういうことでひとつ一応日中間の話合いというのはできると。
 御存じのとおりに現在輸入の鳥類、非常に中国が、ほとんど八割ぐらいですね、これ、たしか。ですから、もしこれで中国からの輸入というものがきちっと規制されれば、現在たしか十万羽ぐらいのうちでそのうちの八割ということになれば、それは相当減少いたしますので、かなり改善になる、実質的な改善になるというふうに期待しております。
#117
○福山哲郎君 そこは本当に環境省がこの二年間一生懸命取り組まれた成果だと思いますし、なるべく早く具体的にしていただきたいと思いますが。
 今日、実は財務省も来ていただいています。今の環境省の作業が、中国との作業が終わった時点で、税関では輸出証明書が添付されていないものに対して速やかに税関で止めるということが実務上可能なのかどうか、お答えをいただけますでしょうか。
#118
○政府参考人(藤原啓司君) お答え申し上げます。
 御案内のように、鳥の輸入につきましては、鳥獣保護法によりまして、施行規則に規定された鳥の輸入であって、輸出国におきまして適法に捕獲、採取されました旨又は輸出を許可した旨を証明する政府機関の存在が確認されております場合には、この政府機関が発行いたしました証明書を添付しなければ鳥を輸入することができないということになっております。
 これを受けまして、税関におきましては、関税法七十条の規定に基づきまして、輸出国におきまして当該証明書の発給機関の存在が確認されている国を輸出国とする鳥の輸入通関に関しましては、当該証明書を確認いたしまして、確認ができたもののみ輸入を許可しているところでございます。
 御指摘の中国につきましては、この証明機関につきまして、ただいま環境大臣から御答弁ございましたように、主管官庁である環境省におきまして現在鋭意その確認等の作業が進められておりまして、近々最終的に確認できるという見通しであると伺っております。
 したがいまして、この最終的な確認がなされまして、中国からの鳥の輸入が鳥獣保護法の規制に服するという見解が示されましたならば、関税局、税関といたしましても、関税法の七十条の規定に基づきまして、中国における証明機関の証明書の確認を行いまして適切に対処してまいりたいと考えております。
#119
○福山哲郎君 要は、実務上はすぐにできるという、すぐに税関で止められるのは、例えば環境省が中国と確認をしてから例えばまた半年とか一年掛かるということではないということですね。
#120
○政府参考人(藤原啓司君) そのように長時間を要するということはないと考えております。
#121
○福山哲郎君 じゃ、要は常識的な範囲ですぐに対応できるというふうに思ってよろしいわけですね。
#122
○政府参考人(藤原啓司君) そのように受け止めていただきたいと思います。
#123
○福山哲郎君 ありがとうございます。是非環境省の御努力と、それから税関の方にも御協力いただきまして速やかにこのことが実現することをお願いしたいと思います。
 そうすると、先ほど大臣が中国からの輸入が約八割ぐらいというふうにおっしゃっていただいたんですが、環境省の資料によると、今、我が国の野鳥の輸入のうち原産国が中国の場合は約九九%というような数字も出ていまして、今多少変化があるのかもしれませんが、という話になると、実はこの本法の二十六条ですが、これ輸入の問題なんですけれども、実はただし書があります。本法二十六条のただし書、ちょっと読ませていただきますと、「ただし、当該鳥獣若しくは鳥類の卵の捕獲若しくは採取又は輸出に関し証明する制度を有しない国又は地域として環境大臣が定める国又は地域から輸入する場合は、この限りでない。」という例外規定があるんですが、今ほとんど中国から輸入をされて、その中国との関係が環境省の御努力で解決をするとなると、このただし書は要らないんじゃないかというふうに思うんですが、要はこれで例外を作ってしまいますので、このただし書は私不要だと思うんですが、いかがでしょうか。
#124
○政府参考人(小林光君) 確かに中国が非常に大きな輸出国であった。今後、中国も鳥の輸出はしないと、こう言っておりますので、輸出証明書が付いてくることはまず余り考えにくいんですが、ただ、これは中国だけのことでございませんで、このただし書を削除した場合に、許可書又は証明書を発行する制度を持たない国というのもあって、そういうところから輸出してくる、日本が輸入する、そういうときに一方的に輸入の禁止措置になる可能性があります。
 そういうことで、自由貿易の観点からも問題になります。国際的な取決めとしては、野生動植物の国際取決めはワシントン条約というのがありまして、絶滅のおそれのある種についてはこうするという国際的な取決めがあって、そうでない、絶滅のおそれのないそういう鳥まで一方的に自由貿易を阻害するという制度を作るのがなかなか難しいものですから、取りあえずこのただし書は残さざるを得ないかなと、こういうふうに思っております。
 そういう持たない国に関しましては、引き続き相手国に対して証明制度を、中国に働き掛けたような証明制度を作ってくださいと、こういうような働き掛けも今後やっていく必要はあると思っております。
#125
○福山哲郎君 最後、局長が言われた点が正にそうだと思いまして、逆にその許可制度、証明書を発行するところがないところに対しては、我が国はこうだということで、逆に、今、中国に対して働き掛けをされたのと同様のことを逆にやっていただければ、このただし書は将来的には私必要なくなるのではないかなというふうに思っていまして、そこも前向きに御検討いただきたいと思います。
 その輸入鳥の話で申し上げますと、国内の鳥は飼養許可制度というのがございまして、捕獲をした後飼養を許可を申請して、一年ごとに飼養許可の申請があります。ところが、今不思議なことに輸入鳥に関しては、輸入されて販売されたときに、これ一年ごとの飼養の許可制度というのがないんですね。これ、輸入鳥は飼養の許可制度がなくて国内鳥に関してはあるというのは、ある種すごいバランスが悪くて、これまでは違法な中国からの先ほどから言われているような輸入鳥が来て管理ができなかったという実務としての実情は僕も理解をするんですが、これ、中国からの輸入がある種規制ができるという状況の中では、輸入鳥も国内鳥も制度的には一年の飼養許可というのは合わせるべきではないかと思うんですが、局長、いかがでしょうか。
#126
○政府参考人(小林光君) 輸入鳥につきましては、輸入された場合、国内の鳥獣と紛らわしい、そういうことで鳥獣の輸入について規制してその出所を明らかにする、そういうことで国内での違法な捕獲、鳥の捕獲を防止する、そんな目的があってやっている制度です。
 一方、国内鳥の、国内の鳥獣の飼養に、飼うことに関しては、基本的には私どもの立場は野生の鳥獣というのは野生のままにしておくことが原則ということで、そのために許可対象は徐々に減らしてきていまして、現在はメジロとホオジロに限定しています。そういう観点で、できるだけ野生のものは野生にという観点で飼養許可というのを制度を作っている、一年更新というのもそういう趣旨でございます。そういうことでございますので、ちょっと法律の、制度の目的が違いますものですから、なかなか簡単に同じ取扱いにしにくい面がございます。
 確かに、御指摘のとおり、我々も、輸入鳥が国内鳥と紛らわしくてなかなか難しい面があるんですが、今後、飼養の許可の取扱いに関しましては、国内鳥の生息の影響、それから野生鳥獣の輸入の制度の在り方、これははっきり言いますと鳥ばかりじゃなくて多くのペットがたくさん輸入されてきています。そういうことまで一々許可にかかわらしめるのがどうかという辺も、飼養許可をするのに一々環境省の許可が要るのかという点もあって、非常に難しい問題がありますけれども、これ何とか、鳥については問題が大きなのも十分こちらとしては認識してございますので、今後在り方について検討をしていきたいと考えてございます。
#127
○福山哲郎君 是非前向きによろしくお願いします。
 せっかく農水省来ていただいたので、質問させていただきます。
 被害の防除対策について、この本法の九九年の改正後、どの程度、被害防除対策について、予防策も含めて、防護策も含めて、予算の伸びがあったのかということと、技術開発としてはどのようなものがあったのか、具体的にお教えいただけますでしょうか。
#128
○政府参考人(坂野雅敏君) まず、十年度以降の予算の状況、これについて実績を申し上げたいと思います。
 鳥獣害対策の農林省の全体の実績としまして、平成十年度に二十四億、正確に二十四億一千万円です。それから、十一年度が二十一億一千万円、十二年度が二十億八千万円でございます。十三年度は、見込みでございますけれども、二十四億九千万円というふうに見込まれております。それが一点でございます。
 もう一点の十年度以降の技術的な対策は何かないかと。要は、侵入防止については、引き続き侵入防止さくだとか、それから電気さくだとか、そういうふうなことを引き続きやっているわけでございますけれども、幾つか新しい事例も出てきております。といいますのは、例えば滋賀県の例ですけれども、猿で、猿の被害防止で、猿に発信機を付けまして、それの発信機を付けてその電波を受信することによって猿の個体群の移動をあらかじめ予測して、それで農地に近くなったときに何か追い返すということをうまくスムーズにやるというようなことを今実施しております。
 それからまた、電気さくにつきましても、これはかなり鳥獣の場合は中山間地と、かなり離れた地域でやっていますから、電気さくまで電気を引かなきゃいけないということでありますから、なかなか難しいところもあるわけですけれども、そこにソーラーのシステムを入れまして、ソーラーバッテリーを入れるということで、場所を選ばなくてもできるというようなことを、既に一部可能になりましたので、その次の実証事業を始めております。
#129
○福山哲郎君 これで終わります。
 どうもありがとうございました。
#130
○委員長(堀利和君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#131
○委員長(堀利和君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#132
○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 今回のこの法の改正につきまして、特に先ほど福山委員からも御質問ございまして、そしてまた午前中、大野委員からも御質問ございました。そういう質問を踏まえながらといいますか関連をさせていただいて、重複を避けながら質問をさせていただきたいと思います。
 まず第一の問題でありますが、先ほど福山委員からも御指摘がございましたこの法のいわゆる目的に関係する問題でありまして、いわゆる生物多様性の確保という言葉が出てまいりましたけれども、私は、今まで、いわゆるこの鳥獣保護法の問題もそうですが、あるいは種の保存法という、今から十年前に制定をされて、特に希少な動植物のそれを何としてもそれを保護していこうという、これは現在その数が、種類によって五十七、そして保護区が七というふうなことで、全体のいわゆるレッドデータブックからいうと大変少ない種しか指定されていないわけでありますが、こういうものの種の保存法の今後の見直しの問題とか、あるいはまた移入種についての規制の問題について、日本はまだまだそういう点についての法の整備がされていない。そしてまた、バイオセーフティー、遺伝子の組み換えの問題についても十分そういう法整備ができていない。こんないろんな問題がありますけれども、そういう中で、今回、目的の中に今申し上げましたように生物多様性の確保ということが入ってきたということは、私はそれなりの一つの前進かなというふうに考えております。
 そういうものを受けて、そもそもこの法律というのは大正七年に制定をされて、その制定をしたときの趣旨というのは、少なくとも狩猟というものを一定程度制限をして、そしてそこでどうやってその保護を考えていくかということを基本にした法律であったわけでありますが、これが時代の変遷とともに今日まで来て、そして今申し上げたようないろんな法整備、あるいは法整備をしていこうという動きになっているわけですね。
 こういうことを考えますと、私は、具体的なその延長線上の問題として、どうしても野生生物を保護する野生生物保護法という、そういう新しい法の整備をこれから環境省を中心にして取り組んでいかなきゃいかぬのじゃないかというふうに考えておりまして、この考え方なりこれからの動きについて、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
#133
○国務大臣(大木浩君) 今、谷議員のお話の中にもございましたけれども、やはりこの法案、今回こういう法案を出させていただいておりますけれども、やはりもういろいろな行政と、それから実際のどこまで行政でやるかということ、それから自然の環境がいろいろと動きもあります。そういった中で、今回、生物の多様性の確保ということを確かに法律の中に目的として書かせていただきました。
 それは、やはりこれから今後の、基本的にはそういったものを目指してだんだんに充実させていくということであえて目的の中に書かせていただいたわけでありまして、今後はいろいろと多様な野生生物によって構成された生態系ということを対象にして充実させてまいりたいと思っております。
 ただ、今まではどちらかといいますと絶滅のおそれのある野生の動植物の種の保存といったようなことにもう中心的な目的がございましたから、今回も目的としては生物の多様性の確保というのが大上段に振りかぶって書いてありますけれども、実際の措置ということになりますと、だんだんにこれから一つ一つ整備をしていかなきゃいかぬということだと思っております。
 また、今お話ございました、例えば移入種についての問題とかというようなものもありますし、それから遺伝子の問題というようなのも、これはもうある意味では自然の環境が動く、あるいはいろいろと科学的な知見というものもだんだんに充実してくると。そういった中で、行政としてはどこまでやれるか、あるいはやるべきかというようなことがございますので、これはそういう意味におきましては一つの前進ではありますけれども、今すぐに私どもとしても野生生物保護法といったような形での法律を出すのはいささか早いと。
 しかし、考え方としては、そういったものも念頭に置きながら勉強してまいりたいということで、これは午前中の局長の答弁の中にもそういった考え方は入っておったと思いますけれども、私といたしましても、そういったことはひとつ今後の検討課題として十分頭に入れながら、取りあえずはこの今回の法案を実施してまいりたいというふうに考えております。
#134
○谷博之君 私どもの民主党もそうでありますけれども、この野生生物保護法については三年前からこの法律を何とか形として世に問うていきたいというような、そういうふうな党内の議論もございました。これは環境省もそうでありますが、我々も含めて、この問題についてはこれから更に積極的に我々も取組をさせていただきたいと思っております。
 付け加えるならば、言うならばこの野生生物保護法というのは、一つの理念的なそういう考え方をしっかり持って、それでなおかつ現在のそれぞれの個別の法律との整合性を図りながら、どういう形でその個別法的な部分もそこに入れていくかという、こういう非常に難しい問題があると思いますが、これらについてはまた次の機会にその内容については譲りたいと思っております。
 次に、具体的に条文の解釈の問題についてちょっとお伺いをしてまいりたいと思いますが、第二条の問題です。
 これは、狩猟及び狩猟鳥獣の定義の問題でありますけれども、従来の、今までの現行法について見ますと、狩猟の定義というのは、いわゆるなりわいですね、生業。そしてまた、スポーツハンティングですね、いわゆる猟を遊ぶという。こういう側面がその対象物として、あるいはその対象、そういう行為として狩猟というものはあったと思うんですけれども、これに、今回の法改正によって、それにさらに、先ほども出ておりましたけれども、いわゆる有害駆除ですね、更にはまた移入種に対する規制のこと、こういうものも狩猟とか狩猟鳥獣という定義に入ってきたというふうに我々は解釈をしておりますが、この点はどういうことなんでしょうか。
#135
○政府参考人(小林光君) 従来、狩猟に関する定義、明確な定義というのは実はなかったわけです。一般的には狩猟免許を取って行うハンティングとか、そういったようなことを狩猟と解されることが多かったというのは先生の御指摘のとおりだと思います。
 今回、法律、平仮名化して体裁を整えるときに、きちっとやっぱり定義をせざるを得ないということで、法制上の行為類型を特定する必要があった。それで、対象となる鳥獣とその捕獲方法に着目しまして、法律の定義としては「法定猟法により、狩猟鳥獣の捕獲等をすること」と、こういうふうに定義をしたところでございます。
 この結果、御指摘のとおり、いろいろな被害防止の目的で、第九条の許可を受けて法定猟法により狩猟鳥獣を捕獲する場合、これも狩猟という定義の中に入ることになりましたけれども、捕獲の許可の仕組みとか免許制度などにつきましては従来と扱いについては変わることがございません。そのように規定を整備しております。個別の、個別の例えば有害鳥獣駆除の個別駆除の事例につきましては、基本方針、環境大臣が定めます基本方針に従って慎重に許可、判断をされるべきものというふうに思っています。
 なお、環境省としては、科学的な野生生物保護管理の重要性というのは非常に十分認識してございますので、そういう観点で鳥獣の捕獲等の報告義務付けというのも行いました。
 重ねて申し上げますけれども、改正法の定義の仕方により鳥獣の保護が後退したり現場において混乱が生じるということのないように適切に処理していきたいと思います。
#136
○谷博之君 それじゃ重ねて確認をしておきたいと思いますけれども、今までの野生生物の保護管理というのは、狩猟によって、いわゆる野生生物を、増えればそれを管理していくという、そういうやり方を取ってきたのがメーンであったというふうに思うんですが、そういうことではなくて、我々は全体的に、科学的にそういう野生生物の要するに保護管理といいますか、いわゆるそれがさっき申し上げました生物多様性の確保ということにもつながっていくと思うんですが、そういうふうな考え方というのは視点としてやっぱりきちっと持っておくべきだというふうに思っておりまして、そのことと今御答弁をいただいたことについて、整合性についてはどうなのかということを重ねて確認しておきたいと思います。
#137
○政府参考人(小林光君) もちろん、狩猟というのの定義が今まで一般的に思われていたところかよりも拡大してございますけれども、実際のその対応については同じでございまして、我が方としても、特定鳥獣保護管理計画に示されるように、科学的にきちっとした論拠を持って鳥獣の保護管理に当たってまいりたいと、こう考えております。
#138
○谷博之君 それじゃ、続いてその関連でお伺いしたいわけでありますが、現在、狩猟鳥獣というのは四十七指定されております。今回の改定で、この狩猟及び狩猟鳥獣の駆除が先ほどもお話ありましたように定義をされて、いわゆる狩猟鳥獣の定義が拡大されるのではないかという、そういう懸念を持っておられる方もおられるわけでありますが、具体的な問題として、そういう中でいわゆるニホンザル、これは狩猟鳥獣に今後指定されることになるのかどうか、その御見解をお伺いいたします。
#139
○政府参考人(小林光君) 現在の法律におきまして環境大臣が狩猟鳥獣として指定して告示をしている種類は、御指摘のとおり、鳥類で二十九種類、獣で十八種類、四十七種類ございます。これからの改正法におきましても、第二条の定義と同様の観点で定めるつもりでございまして、狩猟鳥獣として定める観点はいささかも変わることがございません。
 したがいまして、御指摘のニホンザルにつきましても、狩猟鳥獣とすることは今のところ考えていないということでございます。
#140
○谷博之君 それでは、同じく二条の狩猟期間の問題について、その定義をお伺いしたいと思いますが、従来、狩猟期間というのは登録有効期間というのがございまして、これはもう、これは私の方から言うのも大変どうかと思いますが、十月の十五日から翌年の四月の十五日まで、いわゆるこの登録有効期間、そういう中に特に環境省の告示で、更にその中から言うならば期間を設定して狩猟期間ということで決めていたと、こういうふうに我々は承知しているわけなんですが。
 今回のこの第二条の中身を見ておりますと、先ほど申し上げましたように、登録有効期間を狩猟期間と言い換えたことによって、正に期間が延びるのではないかという、そういうふうな懸念を持っております。
 具体的に申し上げますと、先ほど申し上げましたように、環境省の告示で今までいわゆるこの狩猟期間というものを決めていたわけですけれども、例えば本州と北海道ではその期間というのはもちろん違うわけでありますが、そういうふうなことで、全体の中の、ある程度告示によってその枠をある程度指定していたというふうな、こういうことの考え方がなくなってくるような、あるいはそれが広がるような、そういう形のふうにもとらえられる危険性があると思うんですけれども、これについてはどういうお考えでしょうか。
#141
○政府参考人(小林光君) 先生御指摘のとおり、従来、登録有効期間というふうに言われていたものを狩猟期間という、名前を変えました。ただ、これにつきましては、実質的に期間が十月十五日から翌年の四月十五日まで、期間を変えるものではございません。法律にもそのようにはっきり書いてございます。
 一方、現在、実質的に狩猟ができる期間というのは、大臣の告示である程度限定されていまして、狩猟期間の範囲内において狩猟鳥獣を捕獲する期間というのが限定をしております。これにつきましても、現行と同じ期間とすることに考えてございます。いささかも現行制度と変わるところはございません。
#142
○谷博之君 そういう中で、一つ関連でお聞きしたいわけでありますが、ツキノワグマがございます。これは国際的には大変な希少な動物であって、ワシントン条約にもこれが載せられておりますけれども、国内ではこれは狩猟獣に入っております。
 このツキノワグマは、もう御案内のとおり冬眠をするわけですから、冬場は土の中におる、あるいは冬眠状態にある。これが、雪解けと同時にこのクマは、ツキノワグマは外に出てくるわけでありますが、そのときに、いわゆるそういう状態のときに予察駆除をするということで、先ほど申し上げましたように、狩猟期間のその後、あるいはその期間から外れて、駆除をするという目的で駆除されるということがあるわけでありますが。
 私は、一番そのねらいというのは、ともかくクマが冬眠から覚めてきてまだ寝ぼけているときに、穴の近くへ行って猟銃で撃って捕獲するという、こういうことが一番簡単なやり方だし、しかも、クマというのはクマノイを売れば相当高価なもので商売として成り立つし、いろんなことがあるんだろうと思うんですが。
 そういうことで、クマが比較的そういう状態で捕獲されるということが多いように聞いておりまして、こういう点は先ほど申し上げたような狩猟期間といいますか、そういうこととの関係はどういうふうにお考えになっていましょうか。
#143
○政府参考人(小林光君) 今、先生御指摘の予察駆除という特別な制度があります。
 農林水産業被害のおそれがある場合に、例えば常時駆除を行って生息数を低下させる必要があるほど、毎年恒常的に深刻な被害を生じるおそれがある場合についてだけ、特別な制度として予察駆除というふうなものを従来認めてまいりました。
 予察駆除を実施するに当たりまして、過去五年間の鳥獣による被害の発生状況、それから鳥獣の生息状況を検討しまして、鳥獣の種類ごとに、例えばクマならクマ、四半期別に、地域別に、その被害発生予測表というのを作成した上で有害駆除を実施していくものでございました。クマについては、そういう制度でやっていた県もあります。今現在、やっている県もあります。
 その保護を、クマについては保護配慮すべきものというふうに私どもも考えておりますが、いろいろな地域の事情におきまして人身被害なども起こしております。そういうこともありまして、その地域の事情に応じまして予察駆除が必要な場合もあるのではないかなと、こう思っております。一概に予察駆除は禁止だというふうには、をするにはちょっと難しい面もたくさんあると思います。
 ただ、私としては、クマに関する限り、その予察駆除に代わって特定鳥獣保護管理計画という新しい制度ができたもんですから、できるだけそういう方向に移行するように都道府県にも助言をしていきたいと思います。そういう形の中で、クマの保護というのを図っていくようなことを考えていきたいと、こういう考えでおります。
#144
○谷博之君 今、私の手元にも、日本のヒグマとかツキノワグマの、いろんな分布の地図が手元にあるわけですが、これを見ておりますと、特に西日本の地域にこういうクマの分布が非常に最近数が減ってきているというふうなことも調査として上がってきておりまして、これは先ほど申し上げましたようないろんな目的でクマが撃たれるということになるわけですけれども。
 私は、やっぱりそういう意味では、先ほど、今、局長答弁されましたけれども、いわゆる狩猟としてクマを捕獲するということの全くその反対側の問題として、そのクマをどう保護するかというそういう、その数をどう確保していくかというか管理していくかという、そういうところに視点を置いたそういうふうな考え方というものをやはり私はしっかり持ってもらいたいと思いまして、そういう点で適正管理といいますか、そういう点の中にこの予察駆除ということをしっかりやっぱり位置付けていっていただきたいというふうに思っております。
 その問題と更に関連することでありますけれども、ニホンザルの問題がやはりここで一つまた問題になっております。
 御存じのとおり、ニホンザルというのはいろんな被害を及ぼしているということも報告されておりますけれども、一方では、日本で大変今、野山に野生で生息している動物の一つです。このニホンザルを実はずっと今日まで、特に医学の面で、脳神経外科の脳神経医学研究にニホンザルを利用するということがずっと続いております。
 これは、この条文を拝見しますと、第九条と第二十四条に、ここに学術研究の目的というところでうたわれておりまして、この条文の項目と、今申し上げましたニホンザルを脳神経医学研究に利用するということが正に該当するのかどうなのか、その辺についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#145
○政府参考人(小林光君) 第九条では、学術研究目的とか、そのほか被害を防止する目的などで許可を得て鳥獣を捕獲することができる規定がございます。
 この九条の規定で、野生鳥獣を捕獲しなければならない学術研究目的というのは、それを捕獲しなければその目的が達成できない場合に限られるということで、脳神経医学研究のように野生鳥獣でも繁殖鳥獣でも特に実験に支障がないような研究につきましては、今回ここで捕獲許可を与える学術研究には該当しないというふうに思っています。
 そもそも、こういう医学的な研究の場合は割と系統のはっきりした個体を研究対象にするというようなことがあって、割と繁殖をきちっと系統的に追えるようなものを中心にやっていくようなことでございまして、これにつきましては、第九次の鳥獣保護事業計画基準を環境大臣が定めまして都道府県知事に通達してございますけれども、その中にもそういう趣旨のことが書かれてございます。
 また一方、販売許可に関係する二十四条のことでございますけれども、こちらの方は、野生鳥獣と繁殖鳥獣、両方に対して販売許可というような対応でございますので、脳神経医学研究のための利用であっても学術研究として行うものであれば許可され得るものと考えております。
#146
○谷博之君 ちょっと整理をさせていただきたいと思うんですが、第九条では、いわゆる学術研究のための捕獲というのは、つまり私たちは、ニホンザルが群を成して実際生活をしている、そういうふうな場の、そういうふうな生態研究とか、そういうものについての学術研究というのは、これは法律の目的に合っていると思うんですが、一方では、医学研究の方は鳥獣保護の目的のやはり外にあるのではないかというふうに基本的に我々は考えております。
 しかし、そういう中で、いろいろ有害駆除ということで計画を立ててニホンザルを駆除するというその場合に、駆除された猿というのは、基本的にはその猿をそこで苦痛のない状態で殺処分をしなさいというような、これが原則だと思うんですね。
 ところが、そういうふうな捕獲した猿を飼養許可というのを取って飼養登録をして、その猿を、例えば環境教育とかいろんなそういう分野で猿を活用するということについては、これは認められているというふうに考えておりまして、その場合に、飼養許可を取ったその猿がそこにまた繁殖したということになってくると、その猿の繁殖については、それは全く規定そのものは何にもないというようなのが今の状態だと思うんですね。
 そういういろんなことを考えますと、今申し上げましたように、特にこの四月から第九次の鳥獣保護事業計画というものがスタートいたしまして、そして、今申しましたように有害駆除の捕獲の申請のときに新たにその処理方法をそこに明記することになっています。その明記した内容に従ってそれが処理されたのかどうなのか、その明記されたのと違った形で処理をされているとすれば、これは問題があるわけですから、これはこういうところまでかなり形をきちっとしてきているわけですね。
 だからそういう意味で、今申し上げましたようにニホンザルの有害駆除の捕獲申請時に処理方法が脳神経医学研究として出した場合には、この捕獲は許可されるんでしょうか。
#147
○政府参考人(小林光君) もう少し詳しく申し上げますと、現在、学術研究を目的とする場合の捕獲許可でございますけれども、その内容が鳥獣の生態、習性、行動、それから食性、生理等に関する研究であるということが条件でございますので、先生御指摘のとおりでございます。
 そういう目的外の目的で、学術研究ということで、脳神経医学研究で使いたいからということで捕獲申請された場合も許可はされないということでございます。
#148
○谷博之君 分かりました。
 それで、更にもう一点、ちょっと確認をしておきますけれども、今申し上げました有害駆除で捕獲されたニホンザルの個体に対して、捕獲申請時に記入された処理方法と異なる目的で飼養登録を市町村に出すことは、これは許される行為なんでしょうか。
#149
○政府参考人(小林光君) 目的を偽って捕獲をするということについては、それは鳥獣保護法違反になって許されない行為だと思います。
 むしろ、都道府県、審査する立場としては、その目的が本当に正しいのか、有害駆除だということに、実際に有害の実態があるのかどうか、そういうのをきちっとして許可を与えるべきだと思っております。
 その上で捕獲されたものを有効利用するということはあり得ることだとは思いますけれども、そもそものところをきちっとするということで、そういう間違いをしないようにしていく必要があろうかと思っています。
#150
○谷博之君 もう一度ちょっと確認をさせていただきたいと思いますが、先ほど私がお聞きしたことに関連をするんですが、ニホンザルの有害駆除の捕獲申請のときに、処理方法が脳神経医学研究とある場合に、この捕獲は許可されますか、どうなりますか。
#151
○政府参考人(小林光君) 許可されません。
#152
○谷博之君 それでは、この問題にまた関連することなんですが、文部科学省の方にお伺いしたいと思います。
 今、若干触れてまいりましたけれども、このニホンザルを、特に大学の医学部の医療研究に、特に脳神経医学の方に活用するということで、かなり大学の医学部ではニホンザルが使われているというふうに聞いております。特に、私はその実態についてまずお伺いをいたしたいと思います。
#153
○政府参考人(坂田東一君) 適法な有害駆除で捕獲をされましたニホンザルにつきまして、大学の動物実験施設等で譲り受けた実績、これがあるということは私どもも承知をしてございますけれども、その動物実験で利用されました具体的な個体の数、これにつきましては、ニホンザルに限りませんが、他の動物も含めまして、我が省といたしまして調査をした具体的なデータはございません。
#154
○谷博之君 いわゆる有害駆除で捕獲されたニホンザルの個体をこういう大学医学部の研究機関に活用するということ、これはそのことについて、平成十三年の一月三十一日に「大学等における実験動物の導入について」ということで通達が文部科学省の研究振興局長名で出ております。これは国立大学の各学長名で出ているわけでありますけれども、ここにこういうことに書いてあります。
 先般、一部の動物供給業者により、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律等に違反し無許可で狩猟及び捕獲したニホンザルが大学等に納入されていたとの報道がなされましたと。鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律等関係法令に基づく飼養許可証の確認などを励行するとともに、市場価格や動物の状態を総合的に勘案するなどにより信頼できる動物供給業者等の選定に配慮し、常に適正なものとなるように要請するという、こういう要請文が出ているんですね。
 これは、今の御答弁からいうと、そういうことはないというか、そういうふうに聞こえますが、これはどういう関係なんですか、これは。
#155
○政府参考人(坂田東一君) 昨年の一月三十一日に私どもの局長から大学等の学長にそういう通知をしたことはまず事実でございます。
 そのきっかけとなりましたのは、一昨年の十二月の二十四日ごろといいますか、そのころでございますけれども、報道で、実験用に使われた猿が密売されたかのごとき報道がなされております。その際に、我が省の関係でございますと、例えば阪大でございますとかそれから金沢大学、そういった名前が報道されたわけでございます。
 私どもは、その際に、それぞれの大学に対しまして事実関係を確認いたしました。その結果は、いずれの大学からも、繁殖用の猿ということで業者の方から繁殖証明をもらったということを確認してございます。
 そうではございましたけれども、やはりこのような報道がなされたこともございましたので、改めて私どもの方から関係の大学の方に、今、先生読み上げられましたけれども、いろいろな関係法令をしっかり遵守するようにということを改めて徹底をしたと、こういうことでございます。
#156
○谷博之君 この問題については、実は私どもの方ではいろんなNGO団体からその具体的な実態調査についての資料もいただいておりますが、今日は時間がありませんのでそのことは省略をいたします。
 ただ、いわゆるこういう研究機関の大学のそれぞれ関係者の人たちで作っている学会の場でもこの問題は議論をされているようでありまして、特にそういう意味では環境省の動向を注目しているというふうに我々も聞いています。具体的に申し上げますと、環境省が今考えていることについて、特に捕獲物の処理方法については、捕獲許可の際に予定等を明らかとするように指導するとの文言で、環境省は野生生物、猿の有効利用を実効的に制限するというふうに言っているが、これは弾力的な運営だというようなことに近いような、こういうふうな学会の文書もここにあるわけなんですが。
 それはそれとしまして、私は、基本的にこの問題は、やはり医学の面でどうしてもこういうふうな野生の猿が、あるいはニホンザルのこういう猿が必要だということであれば、もっときちっとそのルールと理念をしっかりさせて、それで議論をした上でこういうふうな形を、今申し上げたように、いわゆる有害駆除として捕獲したその猿を、それもどうも、基本的にはそこで苦痛を与えない形でもって殺処分というのを原則としながら、一方ではその猿をそういう医学的なものに使うということであれば、そういう一つの理念なり考え方をきちっとやっぱりここで持つべきだと思うんですね。
 これは現に、日本は唯一野生の猿が生息している国でありますし、そしてまた一方では、欧州ではもう霊長類に対する実験というのはもうほとんど使われていないんですね。そういうふうな外国のそういう例もありますので、私はやっぱりそういうふうなルール作りをきちっとするべきではないかというふうに考えています。
 この点についてどういうふうに考えておられますか、文部科学省で。
#157
○政府参考人(坂田東一君) 申し上げるまでもないことではございますけれども、これからの日本の国民の医療、福祉の向上等、あるいは健康の増進、そういった観点からライフサイエンスの研究をしっかりしていくと、脳科学の研究ももちろんそれに含まれると思いますけれども、そういう観点での大変重要な政策課題が一方であると思います。
 それから、先生御指摘のように、こういうニホンザルといったようなものにつきまして、しっかり適正に保護をすると、これまた非常に大事なことであろうかと思います。
 私どもといたしましては、当然でございますけれども、関係の法令をしっかりと遵守をしながら、ライフサイエンスの研究を進めるに当たりまして、必要またかつ適切な範囲で実験動物をどのように研究に利用するか、これをこれからしっかり検討していきたいと思っております。
 先生がただいまルールということをおっしゃいましたけれども、そういった点も含めまして、将来のライフサイエンスの研究を進めるに当たって、ニホンザルに限りませんが、実験動物というものをどういう具合に使ってやっていくことが一番いいのか、よく検討してまいりたいと思っております。
#158
○谷博之君 それでは再度、小林局長にちょっと確認をしておきたいんですが、私、先ほどお伺いした中で、こういうふうにちょっと質問をしたわけですが、有害駆除で捕獲されたニホンザルの個体に対して、捕獲申請時に記入された処理方法と異なる目的で飼養登録を市町村に出すことは許される行為かということを聞きましたが、これについての答弁をもう一度していただけますか。
#159
○政府参考人(小林光君) それは鳥獣保護法に違反します。
 我が方としましては、有害鳥獣駆除を名目として、例えば実験動物用に野生の猿の捕獲が行われるということはあってはならないと、こう思っております。
#160
○谷博之君 いろいろと質問をしてまいりましたが、最後にちょっと私の考え方を申し上げたいと思うんですが。
 先ほど申し上げましたように、今年の四月から第九次の鳥獣保護事業計画、これが施行されたわけでありますけれども、今指摘してきましたような学術的な捕獲、あるいは有害駆除の捕獲、そういういろんな形でも、脳神経医学研究利用を目的にニホンザルを飼養登録することはできないものと私は基本的に考えておりますと。ただし、しかし一方では、動物実験の中でそうしたものがどういうふうにこれから活用されるかについては今後の大きな課題だというふうに思っております。
 したがって、改めて、そういったことについての合法的かつ透明性の高い手続をこれから是非検討していただきたいというふうに考えております。
 それから、次に移ります。
 次に、第十三条の問題でありますが、十三条の条文の中に、条文そのものは時間がありません、読みませんけれども、「鳥類の卵」という言葉がございます。これは、先ほど午前中の質問の中にもモグラとかネズミの話が出てまいりました。農作業のところでそういうふうな動物が出てきたときの対応についてでありますけれども、その中にカラスの話も出てまいりましたが、重ねて、ヒバリとかキジとかドバトとか、こういうふうな鳥、こういうものも午前中の局長の答弁と同じ見解でございますか。
#161
○政府参考人(小林光君) ここの十三条は、従来、鳥獣保護法の対象としておりませんでした、農林業活動に伴ってやむを得ず、土の中にいるネズミ、モグラを対象としてこなかった、そういうことを引き続き今回の新しい改正法の中でもやっていこうということでございまして、当面、鳥類の卵というようなことに関して現在の状況を変えるものではございません。従来どおり、ここではネズミ類、モグラ類、これを対象にしてまいりたいと思っております。
 将来どういうことになるかということについてはまだ憶測を許しませんけれども、鳥類の卵を指定するというような必要があった場合にも慎重に審議会の御意見を承ったり、パブリックコメントをしたりということで、手続の透明性というのを確保される必要があろうと思っています。しばらくそういうことは、鳥の卵をこの中で、環境省令で定めるということはないと思っております。
#162
○谷博之君 今後の一つの課題でありますけれども、省令でそういうものを定めていく場合には、今も御答弁ありましたように、いわゆる透明性を確保した、いろんな御意見を聞いた形でそれを定めていっていただきたいというふうに思っております。
 続いて、時間がございませんので次に移りますけれども、第二十三条の問題です。
 これは、言うならば、具体的にはニホンザルとクマを販売禁止鳥獣に定めるかどうかというふうな話もここにあるわけでありますが、現行法ではヤマドリのみをこの販売の禁止対象にしているというふうに我々は考えておりまして、今度の改正案二十三条ではこの販売禁止の対象を環境省令で定めるというふうにしております。したがって、ニホンザルが先ほど申し上げたような医学実験の目的とか、ツキノワグマとかヒグマがクマノイの販売目的で言うならば過剰に捕獲をされたり違法捕獲をされたり違法取引をされると、こういうことも非常に心配されているわけでありますが、そこでこういう中でニホンザルとクマを販売禁止鳥獣に含めるべきではないかというふうな考えがありますけれども、この点についてはどう思いますか。
#163
○政府参考人(小林光君) 現時点では、今回の法改正はできるだけ現状の状況というのを映すような形でやっておりますので、販売禁止鳥獣としては従来どおりヤマドリだけを想定してございます。その他の鳥獣の販売禁止対象として追加するかどうかにつきましては、十分な実態把握とそれから自由な販売による鳥獣の保護への影響というのを十分検討した上で必要性判断をしてまいりたいと思います。
#164
○谷博之君 ちょっと質問の条文の前後して恐縮なんですが、第十二条と第十五条の問題について改めてお伺いしたいと思いますが、これは指定猟法の禁止の問題であります。
 ここで私は、ツキノワグマの狩猟方法でいわゆるくくりわなのことについてちょっと一つ触れておきたいと思います。
 このくくりわなについては、ちょっと私、今ここにパネルを持ってまいりましたけれども、(資料を示す)これはくくりわなに掛かって、くくりわなによる錯誤捕獲の例ということでこういう、関係者からちょっとお借りしてまいりました。
 これは、わなを仕掛けておいて、これ本来はイノシシを主に捕るわなということで使われておりますけれども、これが混獲によって特にクマの、子グマがこれに掛かります。これは、手首とか足首にこのわなが掛かりますと、どんなにもがいても取れません。この結果として、この写真を見ていただきますと、それでもクマは手首を引きちぎりまして、これ、この手首だけ残っている写真なんですが、こういうこととか、結局これはそれに掛かって死んでしまった子グマの写真ですが、これがいろんな、こちらの方はニホンザルの写真なんですけれども、こういうふうな、これ、くくりわなの言うならば一つの例なんですが、これは指定猟法の問題でいいますと、いろいろそういう問題、これはあります。
 例えば、このクマが掛かっているのを、死んだと思って狩猟者が行って、生きていて、掛かってきて大変なけがをするとか、あるいはこの写真で見ていただくと分かりますように非常に残虐性があるということで、この一つの狩猟方法はどうなんだというふうなことが今非常に関係者の中で話題になっております。
 いろんな県に行きますと、イノシシの駆除についてはこういう方法で主にやっているわけだけれども、クマについては特に希少種の動物であり、言うならば一つのおりを作って、ある意味ではおりの中に入っても何とか方法によってはクマが逃げられるような、そういうふうなおりを作っている、そういうことを研究しようとしているところもあります。
 こういう中で、このくくりわなの問題について、これを指定猟法の中に入れるべきだというふうな考え方があるんですけれども、これについてはどうお考えでしょうか。
#165
○政府参考人(小林光君) 現在、クマに対するくくりわなでの捕獲狩猟は禁止はしてございます。ただ、先生御指摘のとおり、イノシシを狩猟したり、イノシシの有害鳥獣駆除をするときに、やはり夜行性の動物でもありますし、くくりわなというのが有効な手段でございますので、全面的にくくりわなを禁止はしてございません。ただ、錯誤捕獲ということで、イノシシに掛けるつもりだったのにクマが掛かったという例も聞いてございますので、この問題については今後関係機関とも十分相談をしてみたいと思います。
 当方としても、わなを掛ける個数を三十個に制限して一日で見て回れるようにするとか、それから県にもクマの狩猟禁止をしている県が西日本を中心にございますが、そういうところでは、例えば広島県はくくりわなを全面禁止にしていたり、山口県もある一定期間限って禁止しているようなこともございますので、今後、特に西日本のクマの保護についてどういうことができるか、十分検討していきたいと考えてございます。
#166
○谷博之君 是非これひとつ環境省に強くお願いしたいわけでありますけれども、こういう一つのやり方というのは、今御答弁があったようなことで、都道府県でも随分いろいろ研究されておられるようです。国としてもやはりそういう意味では是非ひとつ、今御指摘のような形で今後この指定猟法を外すような方向で是非都道府県等とも連携を取っていっていただきたいと、こんなようなことを要望させていただきたいと思います。
 最後に、時間ございませんから、八十条の問題について一点お伺いしたいと思います。
 この八十条の問題は、いわゆる例外規定でございます。除外規定の問題です。それで、ここで一つ前段で大臣にお伺いしたいんですけれども、いわゆる移動性野生生物の種の保全に関する条約、つまりボン条約というのがございます。このボン条約の中には、結局、これはあくまで聞くところのというか、我々が想像する話として聞いていただきたいんですが、九十五か国の国がボン条約の批准をしているわけですけれども、日本がまだ批准をしていない。その理由は、一つは鯨とウミガメ、これが要するにボン条約の保全の対象に入っているということと、それからもう一つは渡り鳥ですよね。これは、日本は渡り鳥は二国間の協定で対応しているので、あえてそれ以上の他の国々との枠組みを入れる必要はないというふうな考え方のようですが、しかしそれは、私はボン条約というのは世界の相当数の国がやっぱり条約批准しているということで、これは是非日本も批准をすべきだというふうに思っています。
 それで、そのことについての考え方が一つと、それからもう一つは、その中で鯨の問題が今指摘されましたが、午前中も鯨の話が出ました。私は、鯨というのは総体として鯨目という目の中に、相当大きい鯨から小さい鯨、いろんな種類があります。その種類によってはかなりもう絶滅寸前の鯨もあるわけなんですね。そうすると、鯨を大きく一つのくくりにして、それを言うならば従来、今までやっているような形で捕獲をするということ、これが果たしてどうなのかという考え方がありまして、そのボン条約との関係で、この点についてどう考えているか、お考えをお伺いしたいと思います。
#167
○国務大臣(大木浩君) ボン条約というのは、移動性の野生動物の種の保全ということでございますから、当然そのまず対象になるのは移動性の野生の動物ということでありますし、それからまた同時に、種の絶滅に瀕するそういう危険のある種の保全という二つの、何と申しますか、規定があるわけでございますが、元々この条約というのは、多数加入確かにしておりますけれども、元々はヨーロッパの方で非常にそういった必要性ということが議論されましてできたものと理解をしております。たしか一九八三年でしたかに発効しておりますけれども。
 ただ、今、議員もおっしゃいましたけれども、やっぱり日本の立場でちょっと違うんじゃないかなという感じを持っております。
 いろいろと条約ができて、それへ入るということは、たくさん入っているから入るという議論もあるかと思いますけれども、やはりそれに基づいてどういうことをするかという、現実に行政の立場から、そして政府の立場から何をするかということも考えないといけないので、例えば渡り鳥につきましては、今もおっしゃいましたけれども、既に、あの二国間の取決めというようなのは、たしか米豪中、それからロシアですか、四か国について持っているわけでございますし、それから鯨についてはやっぱり国際捕鯨委員会の方でいろいろ議論があって、これはもう長い大体歴史がありますし、どうも鯨についての議論というのは、いろんな種がたくさんありますから、それはそれぞれについての議論はあると思いますけれども、どうも私正直申しまして、これはむしろ私の個人的な感じも含めて言わせていただきますけれども、どうもいろんな捕鯨委員会の中での議論というのも、何か科学的に議論したといいながら、必ずしも正確に、本当の意味で科学的な議論が行われていないんじゃないかという疑いもありますから、ちょっとその辺では、直ちに日本としてはこれに入るということについては、関係省庁からもいろいろと御意見があって、これを、そういったことを無視して私どもの方でこれは是非入るというのにはちょっと尚早というか、ちょっとまだ十分な検討が行われていないというふうに言わざるを得ないかと思います。残念ながらそういうのが私のただいまのところのお答えでございます。
#168
○委員長(堀利和君) 時間が参りました。
#169
○谷博之君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、最後に、鯨の問題については私どもとしてはいろいろ議論がありますが、種の保存法として指定するぐらいの考え方を鯨の種類によっては考えるべきではないかというふうな要望をさせていただきます。
 以上で終わります。
#170
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 今回、三年前の法改正に続きまして、そのときの法改正の中身に基づいて、また更に法改正ということになっております。福山委員の方からもお話ございましたように、三年前のときの法改正を思い出してみますと、非常に大きなテーマでこの三年前の改正は質疑行われたというふうに思います。
 地球環境のときでも、自然保護と環境、開発というときに、この両者の関係をどう考えるのかと。一九九二年の持続可能な開発ということで、サステーナブルディベロプメントというものが地球環境保護のために必要だという、かかわったときも、あれと同じように自然保護と環境、建設していくという場合のかかわりの矛盾を、いかに人間、人類また動物も含めてこの地球上に生き続けていけるかという問題とかかわってくるような問題がこの鳥獣保護狩猟法の中にはございまして、そういう中、あの国会、ちょうど真鍋長官、当時の長官、おられますけれども、真鍋長官の一大成果、二大成果というのは、ダイオキシン規制法の通過とこの鳥獣保護狩猟法の改正が野党からの要望が通ったときの二大成果ではないかなというふうに私は思っておりますけれども、ただ、今回、そのときの改正に基づいて管理と保護という難しい問題をどう現実に人間が生きていく上でしていくかと。
 そういう意味では、ワイルドライフマネジメントという言葉が前回の改正のときには飛び交いまして、なおかつ環境庁が環境省に上がると。三年以内という改正も私の方から提案させていただいて通させていただいたわけでございますが、その中で新たに導入されたものがそのワイルドライフマネジメント、特定鳥獣保護管理計画でございまして、この三年後に見直しすると言っておいたにもかかわらず、今回の法改正では具体的には改正されていないまま提出されたということでございますので、この状況を、計画の策定状況、先ほどもございましたけれども、明確にしておいていただければと思います。
#171
○政府参考人(小林光君) 十一年六月、平成十一年六月に公布されました鳥獣保護法の改正によりまして新しく創設された特定鳥獣保護管理計画制度というのは、九月、同年の、十一年の九月に施行されまして、直ちにいろいろ調査をして各都道府県で計画策定、取り組んできましたが、現在では二十五道府県、箇所数でいいますと二十九の地区で計画が策定されております。
 その内訳としましては、シカに係る計画が十八、カモシカに係る計画が四、クマに係る計画、イノシシに係る計画が各三、それから猿に関係する計画が一というような状況でございまして、まだまだこれからも計画策定する県が増えてくると思います。県も一生懸命やっておりまして、多い県では四種について計画しているところもございます。そういうことで、まだ計画策定から日が浅いということもございますけれども、徐々に増えていくというふうに考えてございます。
#172
○福本潤一君 徐々に増えておるとはいいながら、この計画の中身の中で動物、具体的に狩猟、捕獲するということが入ってきます。自然の環境保全、また、開発とまた一つ違うのは生命の殺傷という問題が入ってきております。前回も熊森協会の方々の御意見も相当我々の中に御意見入りましたし、なおかつ自然保護協会という動物生命代理人、また森の保存、環境保存にも役立っているものたちの生命を奪うことに対する問題、更には食物、野菜等々、そういうものを荒らされて、それが被害を受けている、ぶつかり合いのような、そういうような中身でございました。
 そういう意味では、このときもありましたけれども、動物を殺すのは自分を殺される場合と食べる場合だと。この二種類の場合は人間生きている限りやむを得ない状況で、現実に狂牛病等ありましたけれども、牛肉も食べ、またあらゆる植物、動物食べながら生命を維持しておる人間の一つのさがのようなものがございます。
 そういう中で、この改正の中で具体的に、先ほど御質問された委員のお答えに対してイノシシは十五万頭、更にはシカが十三万頭、猿が一万頭、一九九九年には捕獲されていたと。あのときの改正がなくても現実には捕獲、狩猟して森林を保護されているという現状があるわけでございます。
 そういいますと、それを計画的にやっていこうと言われたワイルドライフマネジメントというのが具体的に、私は北海道で法律ができる前にできていた案件を元に質問させていただきましたけれども、三年前。今度は高知とか、まだその時点でできてなかったところで具体的にイノシシ被害が大変だということでの陳情も逆に我々のところに来ていますので、どういう計画を立てられて、具体的に、いかれている、サンプルを、例えば高知県とかを例に出してお聞かせいただければと思います。
#173
○政府参考人(小林光君) 高知県につきましては、残念ながらまだ計画策定に至っておりません。
 ただ、十三年度からシカに関して保護管理計画を策定するということで取り組んでいると聞いております。
#174
○福本潤一君 まあ、こういう形での計画が具体的には起こってないにしても、以後保護管理計画は続いているんだろうと思います。
 そういうイノシシ、シカ、猿、これだけの動物を殺傷する、また捕獲することによって一つの動物の管理ができているという発想でこの前ワイルドライフマネジメントを中心とした法案改正が行われたわけでございますので、今回の改正と、具体的にそれができなかった、三年後にできなかったという理由をお伺いさせていただければと思います。
#175
○政府参考人(小林光君) 現在、今度、三年後の見直しに関して特に大きな課題となっていますのが特定鳥獣保護管理計画に関係する部分でございます。
 その関係部分につきまして、先ほどもちょっと御説明しましたけれども、まだ二年を経過した、計画が二か所しかないということで十分な実績、運用実績がないということでございまして、フォローアップをするのにはもう少し実例を見てその制度の問題点というのを洗い出していきたいと、こういうふうに思っています。
 そういうことで、先ほどもお答え申し上げましたけれども、フォローアップについてあと二年ほどは掛かるんではないかなと思っております。
#176
○福本潤一君 期間の問題で、データも、上がってきている量、全体、各県のまた計画ができ上がっている状況、まだ進んでいないということでございますが、二年後にはきちっとした対応をしていただけるということを今の答弁で確約いただいたという思いで聞かせていただきますので、その点、念押ししますが、よろしくお願いします。
 さらに、あのときは附帯決議で、この法案改正とともにかなり念入りに様々な要望を八項目にわたって全党一致して提出させていただいたのがございます。その中に、特に四項目めに、特定鳥獣保護管理計画の策定の指針を定めるというときには、科学的な調査を行い、目的や対策について専門家や自然保護団体等の意見を広く聴いて十分反映させるということを入れましたけれども、特にこの法案、特に自然保護団体、関心が強いようでございましたが、環境省また都道府県はきちんとこういうことに対して対応されているか、対応状況をお伺いしたいと思います。
#177
○政府参考人(小林光君) 十一年の十二月に第八次の鳥獣保護事業計画の基準を環境庁長官が当時決めました。その基準の中で特定鳥獣保護管理計画策定のための指針を位置付けたところでございます。
 この指針を含めまして、基準の改正に当たりましては、野生鳥獣の研究者ですとか農林業団体、また自然保護団体の代表の方にも入っていただきましてそういう検討会を作って検討、十分な審議をいただきました。また、その基準の改正につきましては、パブリックコメントにかけて多くの方からも御意見を賜ったところでございます。この指針におきましては、都道府県が特定計画を作成するに当たりまして、特に学識経験者、関係行政機関、農業団体、自然保護団体の代表者から成る検討会を設置して科学的に検討をしなさいと都道府県の方にもその指針で指示をしていると、こういう状況でございます。
#178
○福本潤一君 なお一層、環境また自然保護団体の御意見を聴いた上での対策を取っていただければと思いますが。
 ワイルドライフマネジメント計画の中にいろいろな中身があるところでございます。あの当時、三年前のときには、イノシシでもシカでも尋常でなく過大に繁殖しておるという認識の下に、野放しにしておくわけにはいかないということで、イノシシ、シカ等含めて、真鍋長官も現地視察されたと思います、私も日光の奥地まで行って、現実に殺傷場面も含めていろいろなところで調査、現実に行かせてもらったという、現地調査まで入った法案改正でございましたけれども、動物が異常に繁殖をしていた、以後の時点も同じような状態なのかということと、それだけに頼っていたのでは自然環境保護はできないと。ある意味では、野生動物のために森の中ですめれる環境作りといいますか、森作りとか具体的に、里にまで下りてきて農産地荒らすというようなことがないような対策を含めて総合的な対策を取る必要が要るんじゃないかということを同時にお話ありました。そういう総合的な対策の面と二点、お伺いさせていただければと思います。
#179
○政府参考人(小林光君) まだ、特定計画につきましては始まったばかりで、効果のほどというのはまだ私どもも十分把握し切れておりませんけれども、徐々に効果が現れてくると思っております。
 そしてまた、ワイルドライフマネジメントの関係では、一番大事なのは御指摘のとおり、数を減らすばっかりではないと思います。生息環境をきちっと、野生動物がすめるような環境をきちっと確保していくこと、それから被害を防除するということも併せて総合的な取組が必要だというふうに考えておりまして、平成十四年にもう第九次の鳥獣保護事業計画の基準も作りました。そういう中でもそのこと、総合的に対応すること、そういうことを都道府県が計画を立てる際にはちゃんとしなさいという指示をしてございます。
#180
○福本潤一君 そういう意味では、先ほど申しましたように野生動物の環境作りも、狭い国土ではございますけれども、まだ、東京におるともう都会的施設ばっかりという感じがありますけれども、田舎に行きますと日本はこんなに広大なのかというような自然もたくさん残っております。高知へ行ったら、高知市だけは人口三十五万で残りは三十万、香川県の四倍の面積がほとんどオーストラリアのような状態のような山林も残っておりますので、そういうところに生息できるまた環境も維持することもこの法案の目的だということを踏まえて対応していただければと思います。
 さらに、あのときの附帯決議の中に、鳥獣保護を担当する都道府県などの人材の確保がないと、これ各県の計画作っても具体的にはその計画どおりいかない、また人材育成も必要だということを書いております。そういう対応に対して具体的にどういうふうに対応しておられるか、これをお伺いしたいと思います。
#181
○副大臣(山下栄一君) 附帯決議の中でも申し上げました、都道府県における野生鳥獣保護の専門的な知識、経験を有する人材の確保、育成と、こういうことが決議されております。
 環境省におきましては、野生鳥獣の保護管理の中核的担い手の育成、この観点から、都道府県の職員、公務員の中でそういう専門家を養成する、また市町村その他、また地域における専門家ということで森林組合、農協、そういう方々の中でもそういう専門家を養成するという、そういう視点に立ちまして野生鳥獣管理技術者育成事業、これを実施しております。まだまだ予算は少ないわけですけれども、平成十一年度以降延べ九回、二百人以上が研修に参加したと、こういう現状でございます。
 いずれにしましても、鳥獣だけではございませんけれども、野生の動植物に対する関心が一般国民の中でも非常に高まっておりますし、若い方々でもそういう仕事をしたいという人も増えておるわけでございますので、ニーズはたくさんあると。その体制を、いかにそういう専門的な方々を育成するかというこういう観点からの取組は、国だけではなくて、特に現場に近い自治体でしっかり取り組んでいっていただきたいと思いますし、そういう観点からの支援も是非考える必要があると思っております。
#182
○福本潤一君 予算といってもそう環境省全体の予算も多いわけではございませんけれども、こういう形の対策は今後の人材育成が一つの大きな課題になってこようと思いますし、少ない予算の中で対応もやっていただければと思います。
 そういう中、先ほどにも御質問にありましたけれども、計画の策定に対しまして具体的に県に対して支援しているのかという御質問されておりました。具体的には環境庁の費用で分布調査を県内されているということでございましたが、具体的に予算的には幾らぐらいの予算でこの計画策定に対してしておられるのか。
#183
○政府参考人(小林光君) 都道府県に特定鳥獣保護管理計画を策定したりそれを実行したりするための費用として、二分の一の補助率でございますけれども、これの費用を補助してございます。平成十四年度予算、非常に厳しい政府としての財政事情の中でございましたけれども、補助金一割削減というこの中で、何とか前年並みと同額の一億三千万確保したところでございます。
#184
○福本潤一君 一億三千万の予算で、この三年の中ではできなかったということもございますので、五年、あと二年のうちにはそういった形の計画も整備し、なおかつ動物の保護管理計画という形でデータも出た上で再度見直すことができるように対応していただければと思います。我々も、この予算もっと付けるべきじゃないかというふうに財務省にも言いたいぐらいのところでございますので、是非とも頑張っていただければと思います。
 そういう中の、シカは異常に増加していたと、またイノシシも瀬戸内海でも増加していたと、猿も生息環境が非常に悪くなるぐらい増加したと。日本の狭い国土の中に、三十七万平方キロの国土の中に一億三千万人の人間が住んでいくというこの環境もかなり大変な人口密度になってきておるわけでございますけれども、江戸時代の三千万ぐらいのときの小川のせせらぎが感じられるような状況から考えますと四倍以上になって、その人口増加自体の問題でもなかなか、狭い国土の中で人間自体がうまく生き続けるための配分なかなか難しい問題がございますけれども、動物も含めてこの国土を使っておるわけでございますので。
 そういった意味の中で、中国・四国地方の中にツキノワグマという、具体的に一つの珍しい種というクマが現実に生体として存在、生存し続けておるわけでございますが、また、人間もクマに圧迫を感じるときもあるかも分かりませんけれども、まあ襲うのは逆に山々が荒れ果ててきたからだというようなことも言っておられます。ですので、保護管理計画を具体的に策定、どういうふうに考えておられるか、ツキノワグマという種に限ってお伺いしたいと思います。
#185
○政府参考人(小林光君) 保護管理計画でございますけれども、現在までに二十九の地域で策定されております。クマに関して、ツキノワグマに関して言えば、秋田、長野、岡山、三地域で計画が策定しております。今後、予定されているクマに関する保護管理計画は九県ほど、九地域ほど予定があると聞いております。
 我が方と、環境省としましても、この特定保護管理計画制度が適切に運用されまして、生息地の保全と生息地の創造というようなところも含めまして、クマの生息環境が確保されていくということを期待をしているところでございます。
#186
○福本潤一君 そういう意味では、大臣、再び、地球温暖化のCOP3以来、再び環境大臣になっていただいておるわけでございますけれども、あのときは参議院議員でこの委員会にもおられまして、今は衆議院議員ということでございますので、是非とも、この動物保護管理計画の策定の促進に当たって、環境省、具体的に支援措置も府県にするように、予算も更にもっと大きな予算を取る必要もあると思いますけれども、大臣の御認識と御決意をお伺いしたいと思います。
#187
○国務大臣(大木浩君) 今のその問題に対する環境省で予算が幾らかとか、そういうのは先ほど局長も具体的な数字も挙げましたし、それから、先ほどから委員も言っておられるとおりに、やっぱりそういったものをきちっと行政の立場からも、これは都道府県も含めてでありますけれども、というよりむしろ都道府県できちっといろんな対策を行うためには人材も必要だし、いろいろとそのまたノウハウも必要だというようなことでございますから、単にお金だけではなくて、また一つそういったいろいろな計画を作るための技術マニュアルなんというものは環境省の方でもいろいろと作りまして、関係の都道府県とお話といいますか、そういったものを、省庁になって都道府県といろんな研修会とかそういったようなこともやっておりますから、そういったものを更に充実させてまいりたいと思っております。
 それから、先ほど議員もおっしゃっているとおりに、やっぱり鳥獣保護というのは、日本という限られた地域の中でどういうふうにそれこそ人間と鳥獣とが接触していくかという問題でございますから、これはやっぱり鳥獣が生息しておる森林の状況をどういうふうにしていくかというような問題もあるわけで、もうこうなると非常に問題が広がってくるわけですけれども、そういった全般的なこともよく頭に入れながら、これからひとつ必要な措置をできるだけ強力に進めてまいりたいと考えております。
#188
○福本潤一君 そういう意味では、三年前の経緯もお話しさせていただきました。具体的に見直しするためのデータもそろえた上でということでございました。
 今、環境省の方から、二年後にはきちっとしたそういうデータも含めて見直しできるような形に大成したいということでございまして、三年後の見直しというのがまだそういう意味では生きて、今回の改正も続くというふうに考えますので、その見直しに関する大臣の決意もお伺いしたいと思います。
#189
○国務大臣(大木浩君) 前の、いろいろとその見直しについてのお話があったということは、これ、ある意味ではそのまま続いていくわけでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今、局長の方で、野生鳥獣保護管理検討会というのも今年の一月に作りました。実を言うと、ここの検討会で検討する問題が多過ぎて、私も大丈夫かと言っておるんですけれども、そこへ全部、全部入れてじゃなくて、必要なものを次から次へときちっと入れて、また私も、やはりこういう問題というのは、ただいつまででも時間を掛けてやるということでなくて、やっぱりある程度時間を限ってやらないといけないと思っておりますので、そういう点も含めてまたひとつ局長にもよくいろいろ勉強してもらって、できるだけ早くひとつ具体的な考え方が出てくるように努力をしてまいりたいと思っております。
#190
○福本潤一君 環境大臣の決意を伺いました。と同時に、この法案、元々林野庁が管轄していた法案だということでございますので、農水省、林野庁含めて、お伺いしたいと思うんですけれども。
 鳥獣被害があるからすぐ射殺ということじゃなくて、ほかの様々な対応の仕方もあるんではないかということもございました。食するための捕獲等々とまた違う状況で、対応策、具体的にしなければいけないというときに、森林の樹種、種の、木の種類の変換とか、さらに緑の回廊という、ほかの緑生地にまた移動することも含めて対応ができるような形まで考えてやったらどうかとか、電気さくの整備、先ほどもありましたけれども、こういった形の整備もしないと、すぐ射殺という形ではおかしいんではないかということで、こういう対策も重要だと思います。
 是非とも、環境省、農水省と連携を取りながら、特定鳥獣保護管理計画対象地域になったところでは自治体へ支援していただければと思いますが、農水省では具体的にどういう対策をされているか、また、こういう考え方に対しての見解をお伺いしたいと思います。
#191
○政府参考人(加藤鐵夫君) 森林は、被害を受けるということもあるわけでございますけれども、やはり野生鳥獣との共生ということも図っていくということは大変重要なことだというふうに思っておりまして、昨年、森林・林業基本法の改正を行ったところでございますが、それに基づきまして森林の整備の在り方ということについても見直しを図るということにいたしたところでございます。
 そういう中では、そういったことも念頭に置きながら、複層林であるとか針広混交林であるとか、あるいは広葉樹林というようなものも整備をしていくということで考えているところでございます。特に今回、重視する機能に応じて森林の区分をしたわけでございますけれども、その一つとして森林と人との共生林というのを設けることにいたしたところでございますが、そういった森林については、針葉樹の人工林への広葉樹の導入であるとか、広葉樹林の造成ということを推進していきたいというふうに考えているところでございます。
 また、国有林野におきましては、お話が出ましたけれども、貴重な野生動植物の生息地のネットワーク形成を図るということで、緑の回廊というものも設定を始めているところでございまして、今、十二年度、十三年度で十三か所、緑の回廊というものに設定したところでございます。
 今後とも、これらによりまして、野生鳥獣との共生ということについても配慮した多様な森づくりを進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#192
○福本潤一君 そういう意味では、私ども、農村また農山村からいろいろな陳情を受ける中に、今回の鳥獣保護法にかかわる内容として、イノシシ被害が高知県で大変たくさん発生していると。具体的に様々な法案の中又は行政の中で検討していただきたいのがあるということで陳情を受けて、これ農水省に持っていったことがございます。そういう意味では、農協にしても農産物生産者にしても、動物被害における対応策、先ほどの、ただ単に殺せばいいという問題ではなく、またイノシシのわなによるクマの被害という映像も先ほど民主党の委員の方から見せていただきました。この対策方を要望して我々陳情に、谷津農水大臣のときですが、行かせていただきましたけれども、この要望に対して具体的にどういうふうに対応していただいたか、これをお伺いさせていただければと思います。
#193
○政府参考人(坂野雅敏君) 御説明いたします。
 先ほど、今、議員がおっしゃられた谷津大臣の方に陳情書というか要望書がございまして、幾つかございまして、まず一つは、鳥獣害防止の対策として、高知県と協力しまして鳥獣害防除システム実証事業というのを組んでおります。
 これは高知県の大野見村ですけれども、モデル地区を設置しまして、そこで電気さくといいますか、新しい形の電気さくをやりまして、十三年度も、十二年、十三年と引き続いてやっておりまして、地元の農家からも非常に効果があるという話を聞いております。
 それから、研究、原因究明といいますか、原因究明につきましては、現在、農林水産省としまして一つのプロジェクトを作りまして、原因究明と対策ということで十三年度から事業をスタートしております。
 私ども農林水産省の研究所、議員のおられました高知県を関係するのは中国四国農業研究センターというのがございまして、ここは、通常ですと、一般の方は通常の作物の研究をやっていますと、当然その中にイノシシのプロもおりまして、これは特にイノシシの生態のプロです。そういうことも入っていただいて、その原因の究明と対策に今全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
#194
○福本潤一君 高知は林野も広い面積所有しておりますけれども、中四国の、昔、林野庁に代わるのは高知営林局というところが全部を管轄するぐらい伝統的に高知の林野局が全体を見ているというぐらい広大な範囲を担当していまして、その中で、瀬戸内海の島で最近イノシシの捕獲が、生け捕り作戦というんですけれども、生け捕り捕獲が大変有名になった蒲刈島という島がありまして、私、そこへ昔よく行っていたのに何で最近そんなに繁殖しているのかというふうに聞きましたら、橋が付いたから橋で渡っていくのかと言ったら、いや、橋が付く前からもう渡ってきていて、我々子供のときとは違って海を泳いで渡っていくらしいんですね、島に。それぐらい、本州側の島で生存なくて、ある意味では移住しておるような形で、島に、犬かきじゃなくてイノシシ泳ぎというのが現実に見掛けるらしいです。それぐらい生存環境に不適になって、島で捕獲されて、これは先ほどのわなのようなものと違いまして、こういう四角い一メートル半立方のような形の中にえさも入れて、それで先が見通しができるように両方開いて、中に入ったイノシシの親子を同時に捕獲できるような形で、両方がばたっと閉じて生け捕り捕獲という形になるということでございますので、そういうようなケースをわざわざ視察に、見に行って、高知の人たち、こういう方策ということでやられたようですよ。こういうものには補助が付いたのか、付けられるのかということもお伺いさせていただければと思います。
#195
○政府参考人(坂野雅敏君) 実際に現場で入ってみますと、庁の単独で入れているものもございますけれども、国の補助事業で入れているものもございます。
#196
○福本潤一君 あえて聞かせていただきましたけれども、出ているようでございますので、具体的にそういった形の生け捕り、また殺傷でないやり方の方法もひとつ考えていただければと思います。
 さらに、具体的にいろいろな案件起こっておりますけれども、林野庁、今、農水省だけがお答えいただいたんだろうと思いますけれども、具体的に山林被害を与えて、各地でシカのいろいろ山林被害、さらにはイノシシのみならず猿による被害とか、いろいろ考えておるようでございますが、そういう管理保護の中での、特にシカ、猿等々による被害対策というのはどういうふうに林野庁の方からは考えておられるか、お願いしたいと思います。
#197
○政府参考人(加藤鐵夫君) 森林被害の六割ぐらいを実はシカが占めるというような状況でございますけれども、林野庁といたしましては防護さくの設置であるとか、あるいは忌避剤を散布をするとか、あるいは木自体をチューブで巻いて、食害防止チューブというようなことでございますけれども、そういった防除を行うとかというような対策も取っているところでございますし、また、市町村とも連携を取りながら監視体制を強化していくというようなことにも取り組んでいるところでございます。
 また、先ほど申し上げました森林の在り方ということについても考えていきたいというふうに思っているところでございます。
#198
○福本潤一君 日本の七割は森林というふうに言われますし、二〇〇〇年に省庁再編のときは、むしろ林野庁と環境庁、一緒になっていただいた方が今後の環境行政うまくいくんではないかというようなこともございました。あのときは建設省とひっ付くというようなことで、前回の三年前の委員会は国土・環境委員会という委員会で参議院はスタートさせていただきましたし、環境省、まだまだ予算的にも、また人員的にも多い官庁ではございませんので、林野の方からもそういう環境行政、この鳥獣保護管理計画に関する対応もよくよく連携を取っていただいて、ともにこの法案、一つの前進に向かう形で対応していただければと思います。
 また環境省にちょっと戻らせていただきますけれども、改正法案の中で、違法に捕獲した鳥獣の飼養というのを新たに禁止するというふうに承知しておりますけれども、私どもも地元へ、四国の方、松山に帰りますと、メジロを捕獲してメジロのコンテストみたいなものをやりながら、こういう問題もまた一つの大きな問題になるのかも分かりませんけれども、飼う人は熱心にやられたりしております。
 ですので、メジロ、ホオジロ等々の捕獲の飼養禁止というようなことが入ってきますので、その意義は具体的にどういうことなのか、またこれは本当に的確に取り締まることができるのか、可能なのかということもお伺いしたいと思います。
#199
○政府参考人(小林光君) 飼養、野生の鳥を飼うということに関しては、やはり非常に繁殖も実はほとんど成功していない難しいものでございますので、野生の鳥は野生のままにするというのが原則でございまして、従来からの愛玩飼養という形で、今現在はメジロとホオジロ二種類だけ、それも一世帯一羽に限るという限定的な条件の中で認めているところでございます。
 それでもなおかつ何羽も飼っていらっしゃる方もいますし、その辺は、環境省の職員ですとか、都道府県の担当職員ですとか、それから鳥獣保護員ですとか、警察当局とも最近は環境犯罪に対しての協力も非常に大きくしていただいていますので、警察、それから民間のNGOでも熱心な方がいらっしゃいます。そういう人たちと連携を図りながら、その監視、取締りを図ってまいりたいと思っています。
 今般の改正案で、違法に捕ったものについての飼養を禁止するということになりましたので、そういう取締りの実効というのが更に上がるものと、こういうふうに理解してございます。
#200
○福本潤一君 具体的に、この管理計画、そういう形で法案では決まっておりますけれども、難しいんだろうと思います。
 このねらいですけれども、かなり、例えば今一人が一匹だけは捕っても飼えるということになったら、例えば七人家族のところだったら七匹までいいのかとかというような具体的な話ですけれども、これきちっと聞かせていただかないと、熱心に捕獲した後飼育している人と、こういう動物愛護の中での法案決定の中で、現実にここらのところどうなっているのかという話まで、また、一匹捕っていいメジロに育てるとこれは五十万とか百万とか百五十万で売れるというような話まで現実の、私、現場へ行ったら出ておるようでございますので、そこの具体的な話で聞かせていただきます。
#201
○政府参考人(小林光君) 私、言い間違えたかもしれません。認めておりますのは一世帯一羽で、家族が何人でも一世帯一羽までということでございまして、そういう中で特例的に認めているのが現状でございます。
 先ほど先生御指摘のように、鳴き合わせ会というのがございまして、鳥が何回鳴くかということで、どこの産のメジロが一番たくさん鳴くというようなことで、特に島嶼部のメジロなんかが捕獲されるというか密猟される例もございまして、それが、一説ですけれども、暴力団の資金源になって、そんな世界のあれがあるというようなことで、この辺につきましては十分この法律の趣旨を体して、我々としても監視、取締りに取り組んでまいりたいと、こう考えているところでございます。
#202
○福本潤一君 午前中の質問にもありましたけれども、鳥獣輸入証明書という具体的な発行で対応する。この鳥獣輸入証明書というのは民間団体が出しているというふうに私ども承知しております。そうしますと、民間団体が出した証明書で、国内の鳥獣の違法捕獲とかまたその飼育を助長するという指摘があったりします。
 今回の改正案に、具体的に行政として、民間団体がやるということじゃなくて、鳥獣輸入規制を盛り込むとか、今後の検討課題の中に輸入規制の運用、この行政、国の方の法案、また行政としてやれる方向では考えておられないか、これをお伺いしたいと思います。
#203
○政府参考人(小林光君) 今御指摘の、海外から来る、輸入された鳥獣の輸入証明書は民間団体が独自に発行しておりまして、実はこの問題は、輸入証明書と鳥とが一体でないものですから、その証明書の差し替えみたいなこともございまして、日本国産の鳥に証明書を付けて、これは輸入された鳥だというようなことを言っておりますことも、そういう事例もあるものですから、非常に問題になっております。
 我が方としましては、この問題、先ほどちょっと中国から、ほとんどの輸入鳥は中国から来ておりますものですから、その中国からの輸入が止まるとかなりの部分が解決するんではないかなと思っていますが、この民間団体の輸入証明書につきましては非常に大きなちょっと課題として残されていると思っています。勉強させていただきたいと思います。
#204
○福本潤一君 対応策、行政の面でも考えていただければと思います。
 と同時に、この輸入規制に対象になっている鳥獣、具体的にどういう種類で、どういうねらいでこれ輸入を規制しているのか、具体的な話としてお伺いしたいと思います。
#205
○政府参考人(小林光君) 現在、輸入規制となっている鳥獣は、鳥で二十七種類、ヤマドリですとかメジロ、オオルリ、そういうようなものが対象になっています。それから、テンとかカモシカなどの獣が八種類ございます。輸入する場合と輸出する場合の、日本から輸出する場合の違うんですけれども、輸入に関しましては、国内の鳥獣と紛らわしくて区別が困難で国内の違法捕獲を助長するおそれがあると、こういうような観点から種を指定をしてございますし、輸出する場合につきましては、昔、今はもうそんなになくなりましたけれども、毛皮としてタヌキの皮とかテンの皮などが非常に珍重されて海外に輸出されていた時代がございまして、そういうことでどんどん輸出されるために国内の捕獲がどんどん進むということも懸念されたものですから、この輸出、輸入の制限を加えたという制度の趣旨でございます。
#206
○福本潤一君 今の輸入規制の問題、大臣、これ具体的に野生鳥獣の保護という観点から見ますと、捕獲した鳥獣を流通するということももちろん的確に対応、具体的に実態はどうなっているかと、捕獲によりますけれども、今後、改正法案の中に、輸入規制とかさらには流通規制等々も含めて効果的に運用できるようにする必要があると思いますが、今後、鳥獣保護法の制度、また法案改正の見直しの中でどういうふうに具体的に、こういう捕獲した鳥獣、また輸入規制等々を入れられるか、基本的な取組姿勢と、また今後、その法案二年後また見直しがあるのかも分かりませんけれども、取り組んでいかれるか、決意も含めてお伺いしたいと思います。
#207
○副大臣(山下栄一君) ちょっと分担になっておりますので、お答えさせていただきます。
 今、局長の方から輸入規制対象の鳥獣、またどういう観点から規制しているかというお話ございましたんですけれども、改正法につきましては今回規制対象拡大というようなこと考えておりませんけれども、輸入されている鳥獣の実態等を踏まえて、どんな種類を指定するか、必要があるかということは、また拡大の必要があるかということを検討してまいりたいというふうに思います。
 ちょっと触れられました移入、移入ですね、鳥獣につきましても、これは先ほども議論ございましたけれども、自然環境への悪影響の防止という観点から今専門家による検討会を設置いたしまして検討を行っていると。この結果を踏まえて、これは環境省だけではできませんので、農水省その他と連携を図りつつ必要な取組をしっかりやるというふうに考えております。これは生物多様性の新国家戦略の中にも位置付けられておりますし、大事な課題だというふうに思っております。
#208
○委員長(堀利和君) 時間参ってきましたけれども。
#209
○福本潤一君 そういう対応とともに、今後、法案、次の行政の中身の中でも違法捕獲とか乱獲につながらないような形の対応策も含めて十二分に慎重に対応していただければと思います。よろしくお願いします。
 以上で質問を終わります。
#210
○岩佐恵美君 現行の鳥獣保護法は、元々、一九一八年、大正七年に制定された狩猟法から出発をしたものです。一九五五年に鳥獣保護区制度を創設して六三年に鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に改めたわけですが、個人が自由に行う狩猟と野生鳥獣の保護といういわゆる相反する目的を合体させ、木に竹を接いだような法律だと思います。九九年改正で特定鳥獣保護管理制度が創設されましたが、鳥獣の保護管理をハンターに依存する根本的な問題点は改められませんでした。現行法は、あくまでも生活環境の改善と農林水産業の振興に資するということを目的とした法律です。狩猟や有害鳥獣を適正に行うことが中心で、保護策はそれによる乱獲の防止が主となっています。今回の改正で、「目的」に生物多様性の確保が書き込まれましたけれども、そうであるならば、鳥獣保護の在り方は鳥獣が保護されることが中心である、そういう位置付けに転換しなければならないと思います。しかし、実際には、先ほどの議論でもありますように、そうはなっていないわけですね。
 そこで伺いたいと思うんですが、今回の改正は、従来型の鳥獣保護は主役ではない、あくまでも狩猟中心という枠内にとどまるのか、それとも生物多様性の確保の観点を貫いた鳥獣保護中心のそういう法の枠組みに転換をするのか、そこのところを伺いたいと思います。
#211
○国務大臣(大木浩君) 今回、生物多様性の確保ということをあえて法律の中に書かせていただいた。ただ、午前中からずっと各議員のお話の中にも、生物多様性の確保というのが目的になっているけれども、具体的にそれでどうするんだというようなところがまだ不十分じゃないかというようないろいろ御批判ありましたけれども、やはり私どもは、もちろんいろいろと野生動物と人間とのかかわり合いというのは我々の生活環境も変わっておりますし、先ほどもお話ございましたけれども、野生動物がすんでおる森林の状況も変わってくるというようなことでいろいろと動いているわけですから、やはりそれはそういった実態に応じて、私どもとしては、あくまで野生動物の管理とそれから保護と両方あると思うんです。
 ですから、これは生物多様性の確保というものも目的の一つとして、ただし具体的な措置というものはこれからだんだんに実際のその状況も見ながら、また我々でいろいろと経験も踏まえて、特に環境省だけでなかなか掛け声掛けても駄目でありますから、やはり各地元の地方自治体とかあるいは物によっては警察とかいうところとも十分にお話合いをしながら、言うなればその二つの目的を、つまりその管理と保護と両方を推進してまいりたいと考えております。
#212
○岩佐恵美君 種の保存法が制定されてから既に十年たちました。ところが、三月に決定された新生物多様性国家戦略では、国土及び社会全体を対象としたトータルな仕組みが構築されていない現状にあり、急速に進行しつつある生物多様性の喪失、衰退の傾向をとどめるには至っていませんと、現行法の全体の仕組みが不十分である、そういう指摘をしているわけです。
 新国家戦略では施策の実効性をより一層高めていくことが急務となっているというふうに述べているわけですが、今回の改正で生物多様性の確保の言葉を入れたわけですけれども、これで生物多様性の喪失や衰退の傾向をとどめる、そういう実効性が本当に確保されるのかどうか、その辺について端的に伺いたいと思います。
#213
○国務大臣(大木浩君) 同じような御答弁になって恐縮でありますけれども、やはりその現状に対応しながら、と同時に、行政としてどこまでやれるか、やるべきかというような問題もございますから、これはあくまでその法律の中の目標としてこれから進めてまいりたいと。
 で、やれるかというお話では、それはやれることからやってまいりますと、こういうことでございます。
#214
○岩佐恵美君 大変歯切れが悪いと思います。
 時代後れの鳥獣保護法の欠陥というのは、前回、一九九九年の改正の際にも指摘をされました。参議院の国土・環境委員会の修正で、三年をめどに検討する、そういう規定が設けられました。これは、ここでの質疑が終了してから採決に至るまで一か月近く掛かるということで、本当にこの委員会としては非常に論議を深めたそういうものでした。
 先ほどの論議で、今年は三年目に当たるけれども、今回の改正は、それでそれに対応するものではない、先ほどの局長の御答弁で、保護管理計画は二年しかたっていない、フォローアップが必要、あと二年必要と考えるという答弁でした。
 鳥獣の保護あるいは調査研究体制が極めて不十分な現状の下で特定鳥獣保護管理計画を地方に任せておけば、被害鳥獣対策のための個体数調整ばかりが先行して本当に保護増殖が必要な鳥獣の保護管理計画が進まない、このことはもう前回の九九年の審議の際にさんざん指摘をされて分かっていたことなんですね。特定鳥獣保護管理計画というのは任意です。つまり、作っても作らなくてもよいというものですから、どんどん捕りたい動物の計画は作ることになる、だけれども保護しなければいけないという方は遅れていくわけですね。だからこそ、制度の見直しが必要だということだと思います。
 保護管理計画の策定が進んでいないこと自体が問題なので、今の制度では駄目なんだと、任意だからこんなに遅れているじゃないかということで、駄目だということを私は証明したようなもので、それを二年たって余りうまくいっていないと、もうちょっと時間を下さいということで、だから今回は見直しはできないんだという、そういう理由にするというのは、これはおかしいというふうに思います。こんな調子でいくと、いつになったら保護管理計画ができるのか分からないと思うんですね。二年たったらって、二年だってすごい長過ぎると思います。
 その点について、環境省として本当にきっちりとした対応をしていく決意なのかどうか、伺いたいと思います。
#215
○政府参考人(小林光君) 特定鳥獣の保護管理計画につきましては、実は鳥獣の生息状況を把握する調査をするということが非常に大事なことで、その科学的な知見に基づいて、個体数調整ですとか生息環境の整備ですとか様々なことをすると、こういうことで時間がやはりどうしても掛かります。やっぱり一、二年の調査というのは不可欠です。今までは、そういうことをやらずに被害が出たから駆除するというような形で対応してきたものを、この計画制度ができたことによって、都道府県もきちっと調査した上でその対応をするという機運がどんどん出てきております。
 そういう機運を是非大事にして、今後とも、そういう科学的な知見に基づく鳥獣の管理をしていきたいということでございますので、時間が掛かるのは少しやむを得ないと思いますが、これで時間が掛かるからずるずる先延ばしするということではなくて、一生懸命我々としても県を指導して対応してまいりたいと思っております。
#216
○岩佐恵美君 今の局長の御答弁を伺っていると、私は、何か少し現場の皆さんの危機感とずれているな、少しのんびりしているんじゃないかなというふうに思います。
 九九年にその保護管理制度ができてから、二〇〇〇年から環境省が雌ジカの捕獲を禁止したということもあって、捕りたいためにシカの保護管理計画の策定は、ある一定進んでいるんですね。だけれども、生息数が著しく減少している種、保護増殖のための保護管理計画が必要なもの、これについて進んでいないわけですね。その代表例とされているのが、先ほどから議論がある西日本のニホンツキノワグマなのです。これはもう保護管理計画の策定というのはほとんど進んでいない実情にあります。
 環境省のレッドリストによりますと、下北半島、紀伊半島、東中国地域、西中国地域、四国山地、九州地方の六地域では、ニホンツキノワグマは絶滅のおそれのある地域個体群に指定をされています。九州では既に絶滅をしたと推測をされています。そのほか、神奈川県の丹沢から山梨県の御正体山地、それから御坂山地に掛けた一帯でも生息数がかなり減っていると伺っています。
 ところが、ツキノワグマの保護管理計画ができているのは、先ほど同僚議員への答弁でも、岡山、長野、秋田の三県だけと。そのほか、絶滅のおそれのある六地域に限っても、岡山県のほか、西中国の広島、島根、山口の三県と、紀伊半島の和歌山県が予定をしているというだけなんですね。その他の県は計画策定の予定すらない、これはお出しいただいた資料でもはっきりしているわけですけれども。四国、九州の全県、下北半島の青森県、紀伊半島の奈良、三重両県、東中国の鳥取県、そして東中国地域との往来がある福井県、滋賀県もこういう同じような状況にある。
 これでは、地域個体群の絶滅を県を越えてきちっとやっていかなきゃいけないんだけれども、そういうばらばらの対応ですから、これはもう絶滅を防止することができないというふうに思います。ですから、環境省として、こうした事態を放置したままで私は済まされないというふうに思うんですけれども、どう対応されますか。
#217
○政府参考人(小林光君) 現在、先生がおっしゃるとおり、クマの保護管理計画の策定状況というのは三県だけでございますし、また、先生御指摘以外にも、予定のところは、例えば岩手とか栃木とか石川とか、京都、兵庫、和歌山というところで、和歌山はおっしゃいました、そういうところでもクマの保護管理計画、予定はしてございます。
 ただ、御指摘のとおり、隣接県が必ずしも足並みがそろっているかというと、なかなかそうもいかない、いろんな地域の事情があってそうなんだろうと思いますけれども。私どもとしても、ツキノワグマ、多いところには結構いて、被害も一杯出しているところもあるんですが、やっぱり先生御指摘の、特に西日本を中心とした地域については絶滅のおそれがある数百頭単位でしかいないというようなこともございますものですから、できるだけ隣接県と協力して連携して、共通の目標を持って取り組むことが有効だと、こういうふうに考えてございまして、事あるたびごとに関係県と協議してやるようにと、法律的にもそういう隣接県にかかわるものは保護管理計画策定に当たって協議をするようにと、こういうようなことにもなっております。
 我が方としては、そのほかにも保護のための技術マニュアル、クマのための保護管理技術マニュアルみたいなものを作成いたしまして、情報交換をするようにということで、今後ともツキノワグマの地域個体群が保護されるように努力してまいりたいと思っております。
#218
○岩佐恵美君 ツキノワグマだけではなくてヒグマの問題もあります。
 北海道では今春、渡島半島のヒグマの春グマ駆除を十二年ぶりに再開するということです。昨年、ヒグマの被害が多発したからだということですが、昨年の異常出没の原因は究明されていない、個体数が増えているという科学的根拠もないと指摘をされています。環境省は、北海道のヒグマの中でも特に石狩西部のヒグマを絶滅のおそれがある地域個体群に指定をしているわけですが、被害が多発したと言うなら、それを防ぐ措置に全力を挙げるべきだと思うんですね。駆除すればいいということにはならないと思います。
 環境省として、この問題にどう対応していかれますか。
#219
○政府参考人(小林光君) 北海道のヒグマの、今回春グマの駆除の問題につきましては、渡島半島の問題でございます。
 実は、いろいろな、しばらく春グマ猟と言いましょうか、予察駆除をやめておりましたけれども、近年になりまして非常に被害が多発するというような事態を受けまして、地元から非常に大きな陳情を受けたりして、やむにやまれず春グマ猟、予察駆除をやる事態に至ったわけでございます。
 実は、私どもとしては、せっかく特定鳥獣の保護管理計画という新しい計画制度ができているわけですから、是非、特にヒグマ、ツキノワグマ、両方ともそうですけれども、そういったものの管理に関しては法律制度に基づいた対処に移行していただきたい、こういうふうに思って、北海道にも今後指導をしてまいりたいと思っております。
 ただ、北海道の方も当面三年間の暫定的なことでということでございますので、急いで特定計画の中に移っていくような、そういう手だてを講じるようこれから北海道にも指導してまいりたいと思います。
#220
○岩佐恵美君 環境省がレッドリストで絶滅のおそれがあると指定している地域個体群が十二ありますね。そのうち七つはクマなんですね。クマは地域個体群の絶滅が最も心配される鳥獣、これらについて狩猟鳥獣から外して保護管理計画はちゃんとやる、どうしても捕獲が必要な場合に限った許可捕獲に限定するなどの措置を取るというようなことが必要になってきているんではないかと思いますが、その点いかがですか。
#221
○政府参考人(小林光君) ツキノワグマは非常に少なくなっている場所もございます。確かに私どもも大変心配をしておりますけれども、ただ、東北地方を中心に、まだ個体数、安定的にいる場所もありまして、毎年人身被害も出しているような状況でございますので、一律に狩猟獣から外すということはなかなかしにくいというふうに思っております。
 基本的には、少なくなっている県では、狩猟については全面的に禁止している県がかなりの部分あります。九州も四国も、それから西中国の三県も禁止しております。そういうやり方でもって当面対応していきたいと思っております。
#222
○岩佐恵美君 禁止するだけではなくて積極的にどう保護をしていくのか、どう共存していくのかという点をやっぱり追求していかなきゃいけない、それが私はこれからの鳥獣保護の基本であろうというふうに思うんですが。
 自然公園法の審議でも指摘をしましたけれども、生物多様性の確保は絶滅のおそれがない状態に回復することが必要だと思います。捕獲を禁止するだけでは、減少を遅らせることはできても衰退をとどめることはできません。まして、絶滅のおそれがなくなるまで回復するには積極的な保護・増殖対策が必要です。ところが、鳥獣保護法にはそうした施策はほとんどない。鳥獣保護区は狩猟を禁止するだけなんですね。生息地の保護は特別保護区でなければ位置付けられていません。しかし、中国山地などでは鳥獣保護区さえも生息地を連続してカバーしていない、そういう実態にあります。
 自然公園や林野庁の緑の回廊などとも連携して生息と繁殖を保障できる、そういう保護区域を指定する、そのような努力をすべきだと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#223
○国務大臣(大木浩君) 対象となる鳥獣というか、まずは獣の方から、鳥の方はちょっと状況が違いますけれども、いずれにしても大型のクマなどというものは非常に生息地がかなり広範で、広範で移動して、生殖の問題もありますし、えさの問題もあるし、いろいろありますから、当然相当に広い地域を確保してやらないとなかなかきちっと保護できないということでございますから、自然公園やら林野庁の緑の回廊計画というようなものは、そういうものと連携して、できるだけ対象となる獣が、今のところクマのことが委員の頭の中にあるようでございますけれども、そういった回廊というようなものをきちっとまた保全をして、そういうものも活用して十分なる保護を実現したいと考えております。
 ほかの、今の鳥獣の鳥の方はちょっと、これはまた生息の状況が違いますのであれでございますけれども、今とりあえずクマなどの大型の哺乳類についてはそういうことを考えております。
#224
○岩佐恵美君 生物多様性の確保は人類生存の基盤と位置付けられている重要課題であります。種の絶滅の防止は経済的な理由で回避してはならないというのが世界の共通認識になっています。
 今、クマの話をしてまいりましたけれども、私だって山の中でクマに遭ったら嫌だな、怖いなという思いを持っていました。ですけれども、クマのことをどう共存するかというシンポジウムが行われて、そのパンフレットをちょっと読ませていただいて改めて思ったんですけれども、アメリカでは百万頭近いクマが三百万人くらいの人と接触している、だけれども、接触の仕方を十分管理することで人身事故は減ってきているというんですね。
 一つは、クマが人里に来ても食糧が得られない状況を徹底するということだと。先ほど、午前中カラスの話が出ましたけれども、やっぱり、相手には言葉が分からないわけですから、彼らが何を求めて出てきているのかということを知ることが大事ですね。そして、知った上で、じゃそれをどう防ぐかという手だては人間の方ができるわけですから、それをやればいいと思うんです。それで、えさがなくなれば彼らはコントロール、カラスだってそんなに増えなくなるし、クマだって、出てきても余りうまみがないと思えば出てこなくなるという、そういうことがあるのではないかと思うんですね。
 ですから、外国ではクマが自分で開けられないごみ箱の容器システムを導入したというんですね。結構クマは力が強いから、ちょっとした、手を、爪を突っ込んでがっと開けてしまう、それはよっぽどの工夫が要るんだと思いますけれども、いずれにしてもそういう容器を付けたと。それから、野生動物にえさをやってはいけないということはもちろんですが、野外に食糧を放置することも法律で禁止をしたとかいうことです。それで、もう一つは、電気さくや専門の犬、プラスチック弾など、人里に出てくると嫌な思いをする、お仕置きをちゃんとかなり厳しくしてあげるということになると、徹底的に、もう出ていったら痛い目に遭うから嫌だなというので出てこなくなるということがあるそうです。そういう二つの方策で事故が減って、クマの駆除もほとんどなくなったという報告があります。
 こういう積極的な保護の仕方を学んで、そして地方に普及をする、そしてその体制の整備を行うということを積極的にやっていただきたいと思います。
#225
○政府参考人(小林光君) 日本でも、例えば一回人里に出てきて捕まったクマを奥山の方にまた戻して放獣するというようなことも広島県などではやっているんです。
 いずれにしましても、クマと人との共存を図るためのいろんな方策について、県の担当者会議ですとか研修の場を通じて働き掛けてまいりたいと思いますし、アメリカでの、いろいろなクマと人間の接触を避ける方法の海外の事例につきましても情報収集に努めて、参考にさせていただきたいと思います。
#226
○岩佐恵美君 鳥獣の害を防ぐことがやっぱり鳥獣と人間との共存を図っていく上で不可欠だというふうに思います。
 そこで、農水省に伺いたいんですが、農産物の被害対策費、そして森林被害の対策費、ここ数年でどうなっているのか、お示しをいただきたいと思います。
#227
○政府参考人(坂野雅敏君) 鳥獣害の被害対策につきましては、一番大きいのは侵入防止さくだとかそれから電気さくの設置に対する助成、それから新技術を活用しました新しい被害防止技術を確立し、それを更に普及するといったような話、それからもう一つは、大きな柱はその原因の究明なり、それからそういったような生態系も踏まえた新たな被害防止対策の研究開発といいますか、そういうのもあると思います。
 これらの予算の最近の動向でございますけれども、平成八年ぐらいには六億円ぐらいでした、総額。ここ、十年ぐらいからは、十年度には二十四億円、十一年度には二十一億円、十二年度は二十億円、十三年度には、これは見込みでありますけれども、二十五億円程度は実績として使用されると思われます。
#228
○岩佐恵美君 別々に分けていただけますか。トータルはさっき前の方が聞かれましたので。
#229
○政府参考人(坂野雅敏君) それでは、農業関係から、じゃ、もう一度お話しします。
#230
○岩佐恵美君 トータルだけでいいです。
#231
○政府参考人(坂野雅敏君) トータルでよろしいですか。
#232
○岩佐恵美君 年度のトータルだけで。
#233
○政府参考人(坂野雅敏君) 農業関係で、じゃ、三年ほど申し上げます。
 農業関係では、十一年の実績が十三億でございます。それから十二年の実績が十一億。十三年度の見込額が十六億でございます。
 それから、森林被害対策の十一年度の実績が七億八千万。それから十二年度が八億八千万円です。それから十三年度の見込額が七億七千万でございます。
 それから、試験研究を申し上げます。試験研究は十一年度が五千五百万です。それから十二年度も五千五百万。十三年度は一億一千六百万という推移でございます。
#234
○岩佐恵美君 それで、私、このお出しいただいた補助金のリストをもらったんですけれども、例えば農産物被害対策費のうち、畜産振興総合対策事業内自給飼料増産総合対策事業というのがあるんですが、これが四億七千二百万、九八年度が、あったものが、二〇〇〇年しか私の手元にありませんので、二億に減っていると。どういう事業でどうして減ったのかというのが、このリストからは分からないんですね。それから、新山村振興等農林漁業特別対策事業というのがあるんですが、これも三千百万円が二億円に上がっているんですけれども、これもよく分からない。
 森林被害も同じなんですね。野生鳥獣共存の森整備事業というのがあるんですが、これが四億円とかなり大きなウエートを占めているので、これらの内容についてもうちょっと、どういう事業であって、どういう何を目的にしているのかというのをもうちょっと細かくお出しいただけると有り難いと思うのですが、今日ではなくて結構ですけれども、後で分かるような資料をそろえていただきたいと思うんですが。
#235
○政府参考人(坂野雅敏君) 一つ、後ほどこの事業はこういうふうな事業であるというのは御説明したいと思います。
#236
○岩佐恵美君 時間がないので後でまた……
#237
○政府参考人(坂野雅敏君) 後ほどです。
#238
○岩佐恵美君 リスト、はい、後ほど。
#239
○政府参考人(坂野雅敏君) ただ、今言った全体の金額の話は、これは事業が、今はその事業は全部それに使うというメニュー方式になっていますので、事業の中でのメニューでありますので、事業費の総額とその中身とは一致しないことがありますので、そこは御承知方願います。資料は後ほど御説明いたします。
#240
○岩佐恵美君 私の持ち時間がちょっとなくなってきてしまったんですけれども、やっぱり農水省がどういう防除のためにどういう研究をしているのか、それからそれはどういう具体的な対策となって現れているのか、その対策がどういう成果を上げているのかというようなことについて、もっと私どもの委員会としても知った方がいいんではないかということをちょっと痛感したものですから、その資料は是非、委員長、この委員会に提出をしていただいたらよろしいのではないかというふうに思いますので、その要望をさせていただきたいと思います。
 時間が中途半端になってしまって、私の持ち時間が八分までなのです。それで、まだこれから議論があるというふうに思いますので、今日残ったものについては後日また、その次の委員会でもきちっと議論をさせていただきたいと思います。
 そういう意味で、今日の質疑はこれでいったん終わらせていただきたいと思います。
#241
○委員長(堀利和君) ただいまの要望につきましては後刻理事会で協議したいと思いますので、分かりました。
 終わりですね。
#242
○岩佐恵美君 はい、終わります。
#243
○高橋紀世子君 私は、鳥獣保護について、八十条に適用除外の規定というのがございます。それについて質問をしたいと思います。
 環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれの鳥獣について、ここには「この法律の規定は、環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣」はと書いてありますけれども、「又は他の法令により捕獲等について適切な保護管理がなされている鳥獣であって環境省令で定めるものについては、適用しない。」と書いてありますけれども、私は、元来元々本質的に環境衛生の維持に支障を及ぼす動物というのはいないのではないかと思うんです。
 先ほどもいろいろお話がありましたように、やはりなぜカラスが来るかというと、人間が食べ物をその辺にそのままにしておるから来るのであって、むしろ私たちの人間の経済活動そのものに反省すべき点があると思うんですけれども、どうでしょうか。
#244
○国務大臣(大木浩君) 人間と動物との関係というのは、いろいろな環境によりまして、我々の住環境あるいは我々の地域全体の環境によっていろいろあるわけでございまして、確かに人間の側に向こうが害を及ぼす理由というか原因があるという場合も、先ほどのカラスの場合でもそれはごみをほかっておくからいかぬということは確かにありますけれども、ただ、やっぱり現実に、例えば一つの例を申し上げますけれども、我々の周りに、特に都会にいろんなドブネズミだとかクマネズミだとかたくさんあって、これはどうしても環境衛生あるいは伝染病の防止あるいは食中毒の防止というようなことを考えますと、ある程度そういったものについては対策をしなきゃいかぬということもあるわけでございますので、できるだけそういった原因は、人間側の方の原因は少なくするとしても、やはりこの今の規定によりまして適用除外ということもどうしても必要なものはせざるを得ないんじゃないかというふうに考えております。
#245
○高橋紀世子君 確かに、人間に不都合な動物があるかもしれませんけれども、やはり人間側の生活態度というのは本当にもう少し反省してしかるべきじゃないでしょうか。
 例えば、ごみなんかも増えるばかりですし、それを主婦が選別して出すというのも何かやはりどう考えても、ごみがそこまで出ない、循環できるような生活に変えなければならないと思います。
 「他の法令により捕獲等について適切な保護管理がなされている鳥獣であって環境省令で定めるものについて」というのがここに、八十条にございます。これは、例えば農水省で、いろいろ食べるために漁業をいたしますときに、これをもしも絶滅させたくないために捕獲を禁止するというようなことが、環境省が発言できるものなのでしょうか。ちょっと伺いたいと思います。
#246
○国務大臣(大木浩君) また後、もし必要があれば農水省の方からも御説明いただきたいと思っておりますけれども、今八十条に規定しております「他の法令」云々というのは、例えば漁業法あるいは水産資源保護法、臘虎膃肭獣猟獲取締法等々、主として今のところそういった海の中のものが多いわけでございますけれども、こういったものは鳥獣保護法ができる前からいろんなことでやっぱり別途取締りが必要だということでできておるものでございますから、もちろん今後、鳥獣保護法の観点からと、それから現存の、いろんな既存の法令等の調整といいますか、それは両方見ながら実際にはやっていくわけでございますから、当然、私どもとしては意見は申し上げますし、必要に応じていろいろと具体的な施策についてもまた農水省に申し上げるということになろうかと思っております。
#247
○高橋紀世子君 大量消費型人間社会の影響から動物を保護するには、環境維持の観点から積極的な保護法の導入が必要であると思います。
 他の法令によって管理がなされている動物についてもこの鳥獣保護法の例外とすべきではないと思います。つまり、環境省とそれから農水省とやはり常に、環境省で駄目、農水省でいいとか、そういうことではなくて、双方の、もう少し縦割りをせずに交流して決めていった方がいいと思うんですけれども、ちょっと御意見を伺いたいと思います。
#248
○政府参考人(小林光君) 海の哺乳類、海獣と言っているものですが、今、大臣からも御説明申し上げましたように、従前から鳥獣保護法の対象の外に置かれておりました。
 今回も、一部ジュゴンですとかアザラシとかは対象に入れましたけれども、大臣からも申し上げましたように、漁業法ですとか水産資源保護法ですとか臘虎膃肭獣猟獲取締法という昔からの法律があって、そこできちっとした、目的は資源管理でありますけれども、捕獲の禁止ですとか捕獲頭数の制限ですとか、そういうものはやっておりますので、取りあえずそこのところで、資源管理という目的ではありますけれども、ゆだねていこうと、こういう趣旨で、今回、八十条の規制対象から外すというような、そういう八十条の規定を適用しようかということで今思っておりまして、また審議会などの意見も伺いながら対応してまいりたいと考えているところでございます。
#249
○高橋紀世子君 他の法令で保護管理がなされている動物であっても、環境省で定めなければその動物は鳥獣保護法の適用を受けることができるということですよね。もう一度申し上げます。他の法令により保護管理がなされている動物であっても、環境省令で定めなければその動物は鳥獣保護法の適用を受けることができるんでしょうか。
#250
○政府参考人(小林光君) 先生の御指摘のとおりでございます。
 八十条のところで、省令で定めたものだけが対象外になるということでございますので、どれを、どの鳥獣をこれから対象外にするかということについては、従来外れていたものの中からどういうふうに選んでいくかということを検討していきたいということでございます。
#251
○高橋紀世子君 分かりました。元々の法律がやはりちょっと何となく分かりにくい面があると思いますけれども、また御検討いただきたいと思います。
 終わりです。
#252
○委員長(堀利和君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回は来る十六日午後一時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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