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2002/05/30 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 環境委員会 第16号
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2002/05/30 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 環境委員会 第16号

#1
第154回国会 環境委員会 第16号
平成十四年五月三十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     山本 香苗君     山下 栄一君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     加藤 修一君     荒木 清寛君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         堀  利和君
    理 事
                大野つや子君
                佐藤 昭郎君
                清水嘉与子君
                福山 哲郎君
                高橋紀世子君
    委 員
                愛知 治郎君
                小泉 顕雄君
                山東 昭子君
                段本 幸男君
                西田 吉宏君
                真鍋 賢二君
                江本 孟紀君
                小宮山洋子君
                谷  博之君
            ツルネン マルテイ君
                荒木 清寛君
                加藤 修一君
                福本 潤一君
                山下 栄一君
                岩佐 恵美君
   国務大臣
       環境大臣     大木  浩君
   副大臣
       環境副大臣    山下 栄一君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  奥谷  通君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
   政府参考人
       内閣府沖縄振興
       局長       武田 宗高君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高橋 恒一君
       農林水産技術会
       議事務局長    岩元 睦夫君
       林野庁次長    米田  実君
       経済産業大臣官
       房審議官     大井  篤君
       資源エネルギー
       庁次長      鈴木 隆史君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       河野 修一君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     佐々木宜彦君
       国土交通省総合
       政策局次長    伊藤 鎭樹君
       国土交通省土地
       ・水資源局水資
       源部長      渡辺 和足君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  澤井 英一君
       国土交通省河川
       局長       竹村公太郎君
       国土交通省住宅
       局長       三沢  真君
       環境省総合環境
       政策局長     炭谷  茂君
       環境省地球環境
       局長       岡澤 和好君
       環境省自然環境
       局長       小林  光君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(堀利和君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、山本香苗さんが委員を辞任され、その補欠として山下栄一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(堀利和君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府沖縄振興局長武田宗高君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長高橋恒一君、農林水産技術会議事務局長岩元睦夫君、林野庁次長米田実君、経済産業大臣官房審議官大井篤君、資源エネルギー庁次長鈴木隆史君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長河野修一君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長佐々木宜彦君、国土交通省総合政策局次長伊藤鎭樹君、国土交通省土地・水資源局水資源部長渡辺和足君、国土交通省都市・地域整備局長澤井英一君、国土交通省河川局長竹村公太郎君、国土交通省住宅局長三沢真君、環境省総合環境政策局長炭谷茂君、環境省地球環境局長岡澤和好君、環境省自然環境局長小林光君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(堀利和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(堀利和君) 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○清水嘉与子君 おはようございます。
 京都議定書の発効に向けた国会の審議が最後の日を迎えたわけでございます。
 昨日、参考人をお呼びしていろいろお話伺ったんですけれども、毎日新聞社の論説委員の横山さんが開口一番、よくぞここまでこぎ着けたと思うと、そして率直に喜びたいということをおっしゃったんですけれども、もうマスコミでも、この京都議定書ができてから今日までの日々、本当にできるんだろうかどうだろうかというふうに思っていたのが実感だろうというふうに思います。
 さて、私たち自身、ここにいる環境委員の皆さんは熱心にこのことに取り組んできて、そしてこの問題を是非成功させたいと思ってきたわけですけれども、先週辺りのこの国会の状況を見ますと、本当に今日の日が迎えられるのかどうかという不安もあったわけでございまして、そういう中で今日を迎えたことを大変私もうれしく思っております。しかし、先週の国会が不正常なときにも、委員長以下、福山理事、本当に、仮にそういううまく動かない状況の中でも、まあこの委員会だけはとにかくしっかりやろうじゃないかということを決意していただきまして、非常にちょっと言ってみれば悲壮感もあったかしらね、そんなような感じでいたわけでございまして、今日こうして会が持てますことを、大変皆さんのお力いただきましたことを感謝するわけでございます。
 そうはそうなんですけれども、私たちもそうなんですけれども、大臣におかれましては正に大変感慨無量じゃないかなという感じもするわけでございます。何しろ、人類史上すばらしいこの議定書ができて、そしてそれを作るときの環境庁長官として本当にこの問題をリードされて、そしてまた国会に戻られて、今日、環境大臣としてこの発効に向けたもう最終日を迎えるということ、これを考えますと、大臣のお気持ち大変すばらしいんだと思うんですけれども、まず一言御感想をいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(大木浩君) 今、清水議員からもお話ございましたように、いよいよ皆様方の御協力によりましてこの京都議定書及び国内関連法案の審議というのが最終段階まで来ておりまして、本当に皆様方の御協力に心から感謝を申し上げたいと思います。
 ということで、いよいよ私どもも最終段階、何とかきちっと国会での審議を進めていまして、ひとつ日本としては批准ができるようにということで、幸いにして批准ができるということであれば更にこれをひとつてことして、また、まだ関係各国でいろいろと話をしなきゃいかぬところもございますので、そういったところへの話合いというものも含めてこれから最後の大詰めの努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
#8
○清水嘉与子君 私もこの議定書の発効に向けて直接かかわることができたことを大変幸せに思っているわけでございます。
 ちょうど二年前の大津で開かれましたG8の環境大臣会合におきましても、議定書の発効につきまして、できるだけ早く発効させようと、そしてほとんどの国にとってこのできるだけ早いという意味は二〇〇二年なんだということを確認し合ったわけでございます。
 今、大臣もおっしゃいましたけれども、二〇〇二年というのは、ただ二〇〇二年と言いましたけれども、ヨハネス・サミットを視野に入れたことはもちろんのことでございまして、そのことのために一生懸命努力してきたわけでございますけれども、そのほとんどの国と思っていた国がまだ準備ができない。特にキャスチングボートを握るようなロシア、またカナダも方向を出しているにしてもまだ準備ができないというふうなことで、どうもヨハネス・サミットまでに本当にできるかどうかということが危ぶまれる時期になったわけでございます。
 最後の最後まで努力をしなきゃいけないと思いますけれども、来週は、大臣におかれましてはバリでのヨハネスブルク・サミットの最終的な準備会合にお出ましというふうに伺っております。そういうチャンスもあると思います。是非このロシア、カナダ等に対する働き掛けをしっかりやっていただきたいと思いますけれども、どんな準備会合の中でそういうチャンスがありますか、お話しいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(大木浩君) 今お話ございましたように、ロシア、カナダ、それぞれに御存じのとおりに、温暖化ガスの削減を義務付けられておる国でありますから、是非ともひとつ早くその批准措置を進めてもらいたいと考えておりまして、先般のG8の環境大臣会議の際にも、それぞれ全体の会議の中でも、またバイのお話合いの中でも、カナダ、ロシアに対して強く批准措置を進めるようにということを申し入れておきました。
 そして、カナダもロシアもそれぞれ政府としては、中央政府としては批准に向かって今努力しておると。しかし、言うなれば、国内的な措置がいろいろな意味で、カナダ、ロシアそれぞれの事情あるようですけれども、まだ進んでいないので、ひとつ自分たちも一生懸命やると、こういうことは言っておりますので、また、今お話ございました、いずれまたバリの方でもヨハネスブルクの会議に向けての準備会議、恐らく実質的には最終的な全体の準備会議になると思いますが、私どもももし国会の方のお許しいただければ私も参加いたしまして、ひとつカナダ、ロシアに対して引き続きできるだけ早くひとつ批准を、措置を進めるようにということで申入れをしたいと思っております。
 あくまでもヨハネスブルクということを念頭に置いて早く進めてもらいたいということで、これからもひとつ粘り強くカナダ及びロシアに対して、またほかにも幾つかあるわけですけれども、そういった国々に対しまして申入れをしていきたいというふうに考えております。
#10
○清水嘉与子君 本日は国内制度を担保する法律を審議するわけでございますけれども、この法案は数時間たてば成立することがある程度もう間違いなく確約できるわけでございますけれども、しかしこれからが実は本番なのではないかというふうに思っております。
 私は、この地球環境問題に関して、日本がこれからどういう世界の中でリーダーシップを発揮していくのかという点がやっぱり大きなこれからの問題ではなかろうかというふうに思っているわけでございます。日本の中でも、環境庁が環境省になり、そして、日本がこれから環境立国として世界にしかるべき地位を占めていくんだということを表明する第一歩ではあったというふうに思うんですけれども、そういう意味で幾つかの質問をしたいと思っているんですが、じゃ日本がどういう面でリーダーシップが発揮できるかと考えてみますと、まず一つには科学技術の振興でありますとか、あるいは人材の問題でありますとか、多少の資金というようなこともあると思います。
 まず、研究開発の点についてお伺いしたいんですけれども、例えば気候温暖化問題というと、世界的な権威が集まっているIPCCがどういうデータを出したということによってさっとみんな一生懸命その方向に行くわけですけれども、しかし、この第三次のIPCCの報告書を見ましても、やっぱり、相当に予測の幅も大きいですし、まだまだ解明されていない点がたくさんあるんじゃないかというふうに思っております。
 政府の総合科学技術会議におきましてもこの環境分野というのが非常に大きな重点項目になっているということで、これまでも各省それぞれいろいろやってきているのは聞いているんですけれども、どうもばらばらにやっているような雰囲気があったわけでございますが、これはこれからはそういうことではなくて、しっかりと政府全体として、国全体としてこういう問題に取り組んでいくんだということを聞いているわけでございます。
 そこで、日本として特に地球環境研究にどんなふうに取り組んでいくのか、その辺の姿勢をまずお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(大木浩君) 地球環境問題それから温暖化問題、当然に、しっかりとした施策を進めるためにはその基礎となります科学的な知見というものがきちっと整っておりませんとなかなか説得力が出てこないわけでございますから、これにつきましては国内の検討とそれから国際的な取組と両方あるわけでございまして、国内的には、清水先生よく御存じのとおりに、環境省としてもそういった機関を持っておりますし、政府全体としては、今お話しございました総合科学技術会議でもいろいろと検討していただいておると。
 確かに、環境というのが今、小泉内閣のいろんな重点事項の一つになっているものですから、各省庁がそれぞれに調査研究を進めておられまして、少しばらばらになっているんじゃないかということは私も痛感しておりますし、科学技術会議の方でもそういうことは毎々申しておりまして、これはできるだけひとつ総合的に固めていただこうというふうに今後も努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、IPCCの方、これもやはり世界的には最も権威のある調査機関ということでありますし、京都議定書の基本になります枠組み条約の機構とも直接に結び付いておる機関でございますから、ここでの科学的な知見というのは、依然としてそれは科学的な知見ですから一〇〇%確実というところではないにしても、ある程度の確実性を持って、やはりこれはきちっとこれから対応しなきゃいかぬという結論が出ておりますし、また、日本からもいろんなところで専門家に入っていただいてIPCCでも発言もしていただいておると。
 また、IPCCの報告書の検討についてもいろいろと意見を述べておるということでございますから、御存じのとおりに第三次の報告書まではでき上がっておりますが、いずれまた第四次というふうなこともありますから、そういったところへきちんと日本側の自らの調査研究の結果あるいはその報告書についての意見というようなものも述べながら、これからも日本としては、そういった科学的にきちっとした根拠の上に立った意見というのをひとつきちっと述べていくように努力をしたいと考えております。
#12
○清水嘉与子君 先日、この春から運用が始まりました地球シミュレーターの話を私も聞きまして、そこの佐藤センター長の話では、二年後くらいにはもう日本発の精度の高い気候変動予測ができるんだというようなことを自信を持ってお話をいただきまして、そういう分野に取り掛かっているのかなということを強く感じたわけでございます。
 是非、この分野で世界をリードしていく、そしてその中で日本のリーダーシップが発揮できるような仕組みを是非考えていただきたいというふうに思っているわけです。
 ただ、もう一つの、今、大臣もおっしゃいましたけれども、人の問題なんですね。IPCCにももちろん日本人が参加しているというふうに伺っておりますけれども、これは多いと言っていいのか少ないと言っていいのか分かりませんけれども、例えば、執筆責任者及び執筆者が四百五十五名いたけれども日本人が二十一名、査読編集者が七十二名のうち三名。日本の研究者もたくさんいるのかもしれませんけれども、なかなかまだまだ貢献度が足りないんじゃないかという気もしないでもないわけでございまして、層は厚いのかもしれませんけれども、その方々を支える仕組みというのも大事なことではないかというような感じがしております。是非、そういった面でも是非全体の中で御検討をちょうだいしたいというふうに思います。
 次に、私が問題にいたしますのは、この環境問題に関するいろんな専門機関があるわけでございますけれども、そういう国際機関に日本人がどれだけ貢献しているかという問題なんですね。
 これは前にも質問もしたことがあるんですけれども、やはり今UNEPの中でも条約の事務局というのは一杯ありますよね。そういう中で日本人がどれだけ本当に活躍しているのか。しかも、やっぱり上のポストにいないといろんなことでまずいんじゃないかと思うんですね。地球温暖化の問題でも、やはりもう少しああいうところに上位の、上級の日本人がいたら随分情報なんかでも違ったんじゃないか、考え方も違ったんじゃないかという感じも持っていたものですから、是非それを育てることをしなきゃいけないと。
 環境省は、実際問題人が少ないですので、優秀な人をまた出したいといってもなかなか国内でも困るという話はありますけれども、将来のことを考えますと、やはりそれを今から作っておかなかったらいつまでたってもそういうところに関与できないと、これは環境だけの問題じゃなくて全般的に言われることですね。
 お金だけ出してちっともそういう人的な貢献がないと言われるわけですけれども、是非、この分野でもっとリーダーシップを発揮しようと思うなら是非そのことをお考えいただきたいというふうに思いますけれども、大臣、お考えあったらよろしくお願いします。
#13
○国務大臣(大木浩君) 国際機関への日本人の派遣と申しますか、そういったところへしかもできるだけ高いレベルで参加するということは、これからの日本がいろんな意味で発言権をきちっと確保し、また日本としての主張を述べるということで非常に大事なことだと思いますが、国連機関全体を見渡してみましてもまだまだ数も少ないし、今、清水委員もおっしゃったとおりに、やっぱり相当高いレベルに人を置きませんとなかなかこれは十分な活動もできないということでございますから、是非ひとつこれからもそういうことにつきましては努力をしてまいりたいと。
 これはいつも外務省にもお話ししまして、国連関係あるいはいろんな国際機関の機関、例えば今の地球環境について言えば条約事務局を始めとしていろんなものがありますから、直接ではないにしても、例えばOECDだとかそういういろいろなところにありますから、そういったところにも人を配置するということがまず一つ。それから、やはりそういったところへ将来活躍できるような人をまず、送り出すというよりも、そのすそ野をできるだけ広くしまして、そういった人を養成していくということも必要じゃないかというふうに感じております。
 日本側の大学教育の現状を見ますと、日本の大学だけ出てぽっと国際機関で働けるという人はなかなか限られておりますから、最近は、いろいろと外国で勉強した人、あるいは実際に仕事を始めてから途中でまた中間研修なりあるいは学校へ入ってそういう訓練をした人もあるということでございますし、また政府の方でも、いろいろと人事院やらあるいはJICAの制度というようなことで、役所の関係の人あるいは民間の人も含めてですけれども、そういったところへ出掛けて研修をしてもらうというようなことは、少しずつですけれども努力をしておりますので、正直申し上げまして、現状は非常にまだまだ私は不足していると思います。
 それから、環境省の場合は、これは非常に残念ながら環境省自体の人間がまだ非常に少ないものですから、そういったところへ割ける人間も少ないということですけれども、できるだけひとつ、そういったところに活躍できる可能性のある方をできるだけ若いときからひとつ訓練をしていただいて、今後そういったものに大いに活用できるようにということで努力を進めてまいりたいというふうに考えております。
#14
○清水嘉与子君 この問題は前から出ている問題なんですけれども、やはりもう国家戦略としてどういうふうにして指導者をつくっていくのかということを考えなきゃいけない時期ではないかというふうに考えます。
 次に問題になりますのは、やはり途上国をどうやってここに引き入れていくのかという問題でございまして、その中で日本がどうリーダーシップを発揮していくのかという問題です。
 特に、人口が一億人以上いる国というのは今、世界で十か国あるんですけれども、そのうちの五か国はアジアですね。これから人口が爆発しそうな地域でもあるわけでございますけれども、これ見てみますと、バングラデシュが既に締約国になっておりますけれども、インドとかパキスタンは署名すら行っていないという状況でございます。これらの国がこれから持続的な開発を進めていく中で、この環境の問題というのは非常に深刻な問題になってくるというふうに考えられます。
 実際、いろいろ調べてみますと、既にこういう国々には様々な形で、例えば貧困対策でありますとか水の問題でありますとか、あるいは保健、教育、あるいは農業分野、いろんな分野でODAが使われております。そしてまた、環境省におかれましても、エコアジアだとか、あるいは地球温暖化アジア太平洋地域セミナーですか、そしてまた真鍋大臣がおられたときに始まった日中韓の環境大臣会合、これももう二巡目を迎えたというようなことで、かなり環境分野でも努力をしていることはもう確かでございます。
 しかし、こうした京都議定書の発効を目前にして、これまでの政策を一回総括して、より効果の上がるような形でこのアジア対策を考える必要があるんじゃないかというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
#15
○国務大臣(大木浩君) アジア諸国との関係というのは、これは日本の今、例えば日本の経済とかを考えましてもアジアとの関係なしではもう考えられないようになっている。それだけある程度の一体化と申しますか、非常に密接な関係を持っておりますから、これは当然に、それに伴ういろんな人の行き来というのもありますし、それに伴ういろんな関係というのも生じてまいりまして、環境につきましてもそういった全体の日本とアジア諸国との関係の中でいろいろと話が出てくるということで、今お話ございましたように、エコアジアだとかアジア太平洋地域のセミナーだとか、それから、私も先般、出席させていただきましたけれども、日中韓三国の環境大臣会議とか、そういったいろんな接触の場はございます。
 ですから、これからやはり環境というものをアジア諸国との関係の中でどういうふうに位置付けていくか。向こうもなかなか、アジアの諸国というのは今のところ、どちらかと言えば開発途上国側の方にグループ分けになっているものですから、今すぐにその温室効果ガスの削減というのは義務化の責任は持っていないんですけれども、しかし現実には、自分たちの国の中の環境問題というのはこれは何とかしなきゃいかぬということでありまして、例えば中国ででも最近は非常にCO2の排出が都市部において非常に減らしておるというようなことがありますから、そういったものについては更にこれから技術的にも、また資金的にもできれば協力はしていきたいというふうに考えておりますので、アジア諸国との、広く言えば日本とアジア諸国との外交関係、あるいは実際の国民同士の世界の中でどうやってその環境問題を位置付けていくか、私は、非常に重要でありますし、その端緒は既にできつつあると思いますのでそれを更に拡充してまいりたいと思いますし、それからヨハネスブルクでまた今年いろいろと議論があるわけですけれども、その中でも私は、やっぱり開発途上国との関係では、日本としては、いろんな地域がありますけれども、日本としてはやはりアジアというものは一番重要な地域の一つとして考えていきたいというふうに考えております。
#16
○清水嘉与子君 これからその開発途上国がこの議定書の枠組みに入ってくることによって、例えば日本のCDMの積極的な活用によって省エネ技術を移転する、あるいは太陽光発電など自然エネルギーを進めていくというようなことで日本の技術の移転、そしてまた、そう考えれば日本の産業にとってもまたビジネスチャンスになるんじゃないかというふうな感じを持っているわけでございまして、是非よろしく御指導いただきたいと思います。
 ちょっと局長に伺いたいんですけれども、ODAが将来CDMにカウントできるかできないかという問題が随分議論されていたと思います。既存のODAはなかなかCDMにカウントできないんだという話も出てきたと思いますけれども、これ、どんなふうな話になっているんでしょうか。これから日本がODAを進める中でやはり環境を配慮しなきゃいけないと思いますけれども、それがCDMにカウントできるようなふうに考えていいか、ちょっとその辺をお伺いしたいと思います。
#17
○政府参考人(岡澤和好君) ODAを用いたCDMということになりますと、温暖化、温室効果ガスの削減対策にODAを用いた場合で一定の手続を踏めばそれは基本的にはCDMになり得るわけです。ただ、昨年のマラケシュ合意におきまして、CDM事業に対する公的資金の供与についてはODAの流用であってはならない、今までのODAを単に回すだけではだめですよ、追加的な形でやりなさいと、こういうふうに言われていますので、その辺のところの配慮が必要だということがあります。
 それからまた、例えば具体的な事業でCDMになるかどうかについては、例えば植林などにつきましてまだ詳細がCOP9で検討されるとなっておりまして、どういう事業がそもそも対象になるかどうかがまだ完全には詰まっていないということがあります。
 いずれにしても、最終的には個別の事業についてはCDM理事会がCDMになり得るかどうかということを決定することになりますので、そうしたところで判断する国際的なルールに向けて日本としてはできるだけ広くCDM事業に取り入れられるように働き掛けてまいりたいと思っております。
#18
○清水嘉与子君 ちょうど五月の連休に、私、中国の内モンゴルの砂漠地帯を見に行ってまいりました。緑化を進めている人がいまして、どんなふうになっているのかなと見に行ったんですけれども。
 ただ木を植えるだけじゃないんですよね。本当に個人なのにNGOなのに、二十五年間この砂漠の大きな地域を借りて、そしてそこで緑化活動をしようという構想なんですけれども、まず何をやったかというと、人づくり。そして、その地域の中で本当にこのことをやろうという人を育てるということから始めているんですね。その管内に一つある中学校を緑の学校にして、そしてその学校の中で環境教育をして、その卒業生がまたやがて農民になってそこで木を植えていくだろうというような構想。かなり、だから急がば回れですね、長いことですけれども、きっとこれはそうなるだろうと思いますし、それから学校の先生も含め、その地域の優秀な子たちを留学させてその指導者に育てている。そして、自分の秘書にして使って、非常によくやっている。そこまでいくのにやっぱり五、六年掛かっているんですね。行ってみましたら、本当に地域の住民の方々が非常に信頼しているという中で見せてもらいました。
 これはちょうど環境事業団のお金をもらってやっているんだということでございましたので、このODAの予算がいろいろと、効果をいろいろ言われることはありますけれども、これはもう本当によかったなと私、感激して帰ってきたんですね。
 帰ってきましたら、結構そういう形で地域の住民に支えられながら緑化をしようというスタンスでやっているNGOが結構たくさん増えているということを知りました。内モンゴルでも少なくとも八組はその運動をしているということですし、それから例の小渕基金でも百億円を使いながらかなり緑化に取り組んでいる人たちも多くなっているようですし、いろんな意味で、あるいは企業が直接やったり、あるいは地方自治体がそういうことをやったりというようなことでいろんな形で緑化活動が進んでいるし、また中国政府そのものもかなりそのことに力を入れ始めているようでございます。
 そう考えますと、そういったもの、ところが問題は、NGOですので、自分のところはもう一生懸命やっているんですけれども、ほかのところの状況が分からない。私は、そういった、私が見てきたところなんて本当にモデルになるんじゃないかと思って、もう少しみんなにその技術なり知識なりを広めていくということも必要なんじゃないかと思っているわけなんですけれども、そういうチャンスがなかなかないんですね。
 それで、農水省に聞いても外務省に聞いても全体を把握していない、どこも。
 そういう意味で、やはりこれから、さっきなかなかまだ、CDMへの移行についてはまだはっきり決まらないというお話ではございましたけれども、将来のことも考えますと、やっぱりいい政策をして実効が上がっていれば、そしてそれがまた日本のCDMにカウントできるような形になればとてもいいというふうに思いますので、できるだけ、どういうふうに支援していいのか分かりませんけれども、やはりいい情報、いい活動をしているものをやはりきちんとデータベースに載せて情報を共有するというような形でしょうか、というようなことですることも必要なんじゃないか、そしてまた必要な支援をする必要もあるんじゃないかというふうに思ったわけです。
 そんなことで、これを、これは一つの例なんですけれども、もう現にやっているものについて、そういう意味でもう一回見直しをするということも大事なことだと思うんですけれども、こういうことについて、大臣、いかがでしょうか。
#19
○国務大臣(大木浩君) いろんな国の、特に植林計画なんというのは、いろんなNGOもあるいは地方公共団体も、あるいは一部の企業もやっておられまして、もうこの地球温暖化の問題が出てくる前からも、もう既に十年、二十年ぐらいまではやっておられる方もあります。
 昨日も、実はあるNGOの方が来られまして、ずっといろいろとお話をしておったんですが、今、清水委員もおっしゃったとおり、やっぱり現場で自分のところでやるという、やっぱり自助努力と申しますか、そういったことも考えないと、ただ木を植えてあとはほかっておくということではなくて、その向こうの方のまた人材というものも、本当に子供さんを含めて、これからの次の世代にどういうふうにしていくかということを自分でも考えてもらうということが必要だろうと思います。
 そういうことで、たまたま今もお話がございましたように、今度ヨハネスの会議には恐らくいろいろなNGOも参加されると思いますし、早くは今度のバリの、インドネシアの会議でも幾つかのNGOが出てこられるということでございますから、これはやっぱりいろんな、NGOに限りませんけれども、日本のいろいろな団体が仕事をしていれば、お互いにその右手と左手が何をやっているか知らないというようなこと、確かにございます。ございますので、ちょうどヨハネス会議でいろんなNGOさんも参加されるし、いろんな団体も、地方公共団体もかなり来られるというようなことですから、一遍、全体の姿をきちっと把握いたしまして、どうやって協力していただくか、あるいは調整する必要があるかというようなことを、これは本当に具体的に検討してまいりたいと。その上でまた、ひとつヨハネスへ向けての日本としての、何と申しますか、準備態勢を整えたいというふうに考えております。
#20
○清水嘉与子君 恐らく何年かたっていけば親日派の住民がたくさん増えているんじゃないかというふうに思います。
 先週、ちょうど砂漠事務局のディアロ局長も見えまして、砂漠の問題、もう世界の陸地の四分の一は砂漠なのに、それをなかなか理解してもらえない、日本にも是非とにかくどこからでもいいから協力してほしいというようなことを言われましたけれども、この問題もこの地球全体の問題として是非前向きに進めていっていただきたいというふうに思います。
 時間になりましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。
#21
○段本幸男君 自民党の段本でございます。
 清水委員に続きまして、自民党を代表して質問させていただきたいと思います。
 まず、基本となる事項について質問させていただきますが、清水委員の方からも先ほどありましたが、今回地球温暖化防止に関して京都議定書の批准あるいは温暖化対策推進法の一部改正までこぎ着けたというふうなことで、恐らく各委員の方々あるいは環境省を始め関係省庁の方々が努力されてきた結果だろうというふうに思っております。そのことに関して多とし、また評価申し上げたい、そのように思っております。
 しかし、今そういうふうな段階に、批准ができ、また一部改正ができるという段階まで来たということは、これは地球温暖化防止に関してはやっと入口に来た、むしろこれから本番をどうこなしていくかということが非常に重要なのではないかというふうに思うんですね。そのことを、特に行政の場合は何か法律できちゃうとすぐ成果ができたような気がして緩んでしまう面があるので、むしろこれからやってもらわなきゃいけない。
 例えば、実効性を上げるためには、途中で二度見直しすることになっておりますけれども、やはりこの見直しをたった二度行うということではなくて、その間にも時々チェックを入れて、これがうまいこといっているのかどうか、やはりそういうものを常々チェックする。あるいは、啓蒙活動なんかについても、ただ単に常々啓蒙をやっていればいいんではなくて、今の経済情勢がそうであるように、経済情勢なり社会の状況にあっていろいろと啓蒙活動を展開しながらやっていくところにその実効性が伴ってくると、こういうふうに思うんですけれども、正にそういうこと、段階に当たって、大臣として今実効性確保のために新たな気持ちを、清水委員からも質問ありましたが、再度お聞かせ願えれば有り難いと思います。
#22
○国務大臣(大木浩君) いよいよこの関連の法律改正あるいはその条約の批准、国会の方の御協力もいただきまして最終段階に来ておるわけですが、仮に間もなく法改正あるいは条約の御承認というのが終わりましても、正におっしゃるとおり、これは今からその仕事が始まる、仕事の第一歩だというわけでございますので、これはそういう気持ちで私どもも進めてまいりたいと思います。特に、いろいろな法律は作っていただきましても、その細目というのはまだできていない部分が非常に多いし、現実に温暖化ガスの抑制についての実際の活動というのはまだ本当にもう部分的にしか行われていないわけでございますから、そういったものを含めてひとつ強力にこれから取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 それから、京都議定書の方のことにつきましては、先ほどから清水委員の方のお話もございましたけれども、日本としてはまずこれで批准をさせていただくとしても、また外国に対する働き掛けというのもございますから、国際的にもまた国内的にも正しく私どもは仕事の第一歩がやっと始まるというふうに考えて、これからも頑張っていきたいと思っております。
#23
○段本幸男君 その実効性確保に関してなんですけれども、実効性を確保していくためには、地球温暖化防止ということは自分が生きていくためには我が事としてやらなきゃいけないんだと国民がやはり理解することが非常に重要ではないかと思うんですね。
 ところで、地球温暖化対策を考えていく場合に、まずできることから、自分の身の回りからやってもらう、そういうことをやってもらうということになるわけなんですけれども、しかし、特定の人だけがしわ寄せされて、すごくやらされているという雰囲気ではなかなか国民の間にそういうものが浸透して定着していかないと思うんですね。片方では、国民全体の目線から見ておおよそ公平で、我々もそれは協力せにゃいかぬ、あっちの人もやっている、こういう形になって初めて実効性が伴ってくるんじゃないか、こんなふうに感じるわけなんです。すなわち、言い換えしますと、できるところからやるということと公平性が確保されているということのこの微妙なバランスが正にこれからやっていく場合の重要なかぎになるんじゃないか。
 こんな観点から見ると、大綱が出されていますが、ややもすると安易なところに、できる人ばっかりに押し付けられているというふうな声もいささか聞くんですけれども、大綱はこういう点で十分確保されているのかどうかについて、大臣にお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(大木浩君) 地球温暖化問題というのは、地球温暖化が進んでいろんな弊害が出てくれば国民が全部に影響してくるということで、しかし、その温暖化の原因ということを考えますと、国民一人一人が、言葉は悪いんですけれども、被害者であると同時に加害者というか、加害者という言葉はあれ、いささか問題だとは思いますけれども、少なくとも原因を作っているという意味で、原因を作っておる者としては、やっぱり国民の一人一人が実はそういう立場にあるわけでございますので、国民皆さんがやっぱり地球温暖化の問題というのは自分自身の問題として考えていただかなきゃいかぬわけでございますが。
 今、委員のおっしゃいましたバランスの取れた対策ということにつきましては、例えば一つの見方を申し上げますと、今の温暖化ガスの排出源ということから考えますと、産業あるいはエネルギーを使うことから出てくる、私どもは産業ということでくくっていますけれども、産業部門からの排出もあるし、あるいは運輸交通部門からの排出もあるし、そしてまた民生という言葉でくくっていますけれども、これは一人一人の御家庭の皆さん方の生活、毎日の生活に絡んでのものもあります。だからそういった、例えば今申し上げました三つの部門についてどういうふうにバランスを取りながらやっていくかということが非常に大事だと思うんです。
 とかく、産業部門でエネルギー使って、そこから、例えば工場だとか発電所から出るというのは目に、目にというか、すぐに分かるものですから、それをもっとしっかりやれと、そこをやればそれで進めて目的達成されるんじゃないかと。国民一人一人にやれといってもなかなかそんなことできるわけないんで、まずはというような、産業部門からというようなお話もありますけれども、少なくとも日本の産業部門も国際的な比較をしますと非常に十年ぐらい努力してこられたということは、これは間違いないところでございます。
 ですから、そこのところは十分に評価した上で、しかし引き続き御努力は願うんですけれども、今申し上げました産業部門、運輸交通部門、そしてまた民生部門ですね、それぞれにできることをひとつやっていただくということで、すぐにできること、それから多少長期的に時間の掛かることもありますけれども、そういったものも含めまして、私どもとしては、今御審議していただいております法案の仕組みというものも、そういったこともバランスも考えながらひとつやれるようにということで配慮をしておるつもりでございますので、どうぞひとつよろしくお願い申し上げます。
#25
○段本幸男君 是非、国民一人一人が我が事として考えられるような、早くそういう背景を作っていただきたいというふうに思っております。
 もう一つ基本の事項で確認したいことがあるんですが、今回の地球温暖化防止の取組は、本格的には一九八八年に国連に気候変動に関する政府間パネル、IPCCが設立されたそのころから本格的には動き出したと聞いております。そして、我が国では一九九〇年に地球温暖化防止行動計画なるものが作られて取組が始まっているというふうに考えるんですけれども、この地球温暖化防止行動計画については、その後、伺っていますと必ずしも十分な成果を得たということではないような話も伺っております。
 しかし、今回新しい大綱を作ってやっていこう、批准も、京都議定書も批准してやっていこうというふうなことになれば、当然、過去そうあったものに対して十分な評価分析をし、また十分にうまくいっていない面もあるとすれば、それを反省しながら新たな大綱に盛り込まれたと思うんですが、この辺の行動計画に対する評価分析あるいは反省点についてどのようにお考え、また大綱に盛り込まれたのか、お聞かせ願いたいと思います。
#26
○国務大臣(大木浩君) 今お話ございましたとおりに、行動計画というのは一九九〇年に作りまして、二酸化炭素につきましては二〇〇〇年以降おおむね一九九〇年レベルというので安定化させるというのは、安定化という言葉を使っておったわけでありますが、その後、一九九七年の京都議定書というものができましたので、新たにまた、これは旧のですが、一九九〇年の議定書を採択されたときの関連で地球温暖化対策推進大綱というのを策定して、それに基づいていろいろと措置を進めてきたわけでありますが、その結果といたしまして、温暖化ガスのうちでメタンと一酸化窒素につきましては少し下がっておるということがありますが。
 そういうことで、努力の結果が少しは出ておるということでありますが、一方CO2につきましては、九〇年代の前半はなかなか余り成績が良くなかったです、実を言いますと。しかし、後半につきましてはおおむね横ばい、横ばいというのもそれで喜んでおるわけじゃないですが、横ばいにはとどめたということでなっておりまして、それで、その結果として九九年の排出量が九〇年に比べまして、これもまた残念ながら数字としては上がっているんですが、九%というところでとどまっているというふうな言い方がいいかどうかあれでありますが、九%の増加というところになっております。
 ということでありますので、また、京都議定書の対象は六つのガスが対象になっておりますけれども、一九九〇年の、排出量は基準年に比べて六・九%の増加ということでございまして、これからまたその京都議定書の目標達成には相当な努力が要るということは誠にそのとおりでありますので、更に努力を強めてまいりたいというふうに思っております。
#27
○段本幸男君 是非、過去の経験を生かしながら、更に新たなものをやっていただきたいと、こんなふうに思っています。
 次に、批准の有効性を高めるためには、特に先ほど来出ておりますように、アメリカ、ロシア、これに対する働き掛けが非常に重要になるというふうに思っておりますが、この点についてお伺いしたいと思います。
 まず、アメリカの方ですけれども、議定書離脱の理由が、一つに発展途上国が入っていないというふうなことだと聞いております。地球温暖化防止のためには、ただ温室効果ガスの排出抑制ということではなくて、片っ方ではもう一つ、清水委員もおっしゃっていたように、人口が爆発的に増えていて、特に途上国サイドで増えていて、その抑止策と相まってやるところに一つの地球温暖化防止という効率的な対策ができるんだ、こういうふうに主張されているようですが、我々から聞いても、なるほどそういう面もあるんだろうなというのは決して得心しないわけじゃない。
 アメリカをこれから再び議定書に、仲間に引き入れていくためには、そういう点についても日本としての考え方をきちっと整理して、特に人口抑止についてはこれは厚生労働省の方でしょうか、世界的な、日本がどう役割を果たすかというのを、あるいは日本としてどう考えるかというのをきちんと整理しなきゃいけないと思うんですが、その辺についての環境省としてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#28
○国務大臣(大木浩君) 人口問題が非常に地球温暖化と関連しているというのは全くその数字を見れば本当にそういう気持ちが出てくるわけでありますけれども、また、それを一つの理由としてアメリカが今の京都議定書について批判的なことを言っておるというのもこれも間違いないところであります。
 ただ、人口問題というのはいろんな要素がありますので、一つの国が自分のところの人口をどんどんと減らしていくということを決心するのは相当いろんな、もちろん経済的な要素もありますけれども、政治的な問題もありますし、文化的ないろんな問題もあるというようなことですけれども、御存じのとおりに中国などでは相当強力なる人口抑制政策も取っておりまして、ですから、これからも人口問題というのはやはり、今度のヨハネスブルクでもそういった貧困の問題と人口の増加ということは当然絡めていろいろ議論が出てくると思います。
 ただ、この地球温暖化の方の関連の会議で人口問題だけを取り上げて、それをなかなか細かく議論するという状況にはなっておりませんけれども、その問題については常にそれぞれの国がやっぱり自主的にそういったことも考えて、人口増加がやはり環境の悪化につながらないようにいろいろな対策を考えていただくということではないかというふうに考えております。
 ですから、そういった人口の問題にしろ、あるいは国内の環境悪化に対するいろいろな措置ということについては、政府としても努力を、努力といいますか、現実にいろいろとやっておるものもありますし、ですから、引き続きそのことは頭に入れながら、やはり環境問題として取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#29
○段本幸男君 私も、全く大臣のおっしゃるとおり、人口が解決しなければ議定書に参加しないというのは口実にすぎないんで、そういう口実を与えないような日本の姿勢がやっぱり求められているんだというふうに思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 さらに、ロシアの方について、批准がどうしても発効のためには欠かせないということになっているようですけれども、ロシアについてはいろいろ思惑みたいなものが新聞なんかで出てきて、なかなか難しい、今年じゅうは難しいとかいろんな状況が出ているようです。しかし、是非ともやはりロシアにも入ってもらう、そして不純な動機を全部捨てて、いい形で地球温暖化防止をやっていただかなきゃいけない。
 そのためには、日本という国はホスト国として、京都議定書のホスト国としてやっぱり一番大汗をかいているというのを外に見せることが大事なんではないかと思うんですが、そのためには一環境省だけがやるんではなくて、やはり外務省もあるいは関係省庁も、ひいてはNPOとか、いろんな形での日本にある世論を総結集して、一体として日本が当たっているぞというのが外国に見えていく必要があるんではないかと思うんですね。是非、諸外国に、そういう国民運動みたいな格好でなっている状態を環境省が率先してやっていただきたい。こんな思いを持っているんですが、その辺についての環境省のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#30
○国務大臣(大木浩君) ロシアも大きな温暖化ガスの排出国でございますし、是非とも早く条約を批准してもらいたいということでいろいろと働き掛けをしておりまして、先ほど清水委員のお話でしたかにもお答えしましたように、先般のG8の会議でも申しましたし、またバリにも恐らくロシアの代表も出てくると思いますので、そういった機会もとらえて話をしたいと思いますし、正しく今おっしゃいましたように、環境省だけではなくて日本政府全体としては外交ルートも通じましていろいろとこれからも話合いを進めたいと思いますし、それから例えばEUあたりはもう間もなく、恐らく今日明日ぐらいには批准手続も終えると思いますので、EUはかねがね日本に対しても、日本もひとつ早く批准してくれ、批准が終わったら日本もEUも一緒になってひとつロシアとかそういった国々に対しては働き掛けしようじゃないかというようなことを言っておりますので、そういったもうあらゆる力を結集して、ひとつロシアには何とか、いろいろと年内とかなんとか言っていますけれども、年内などと言わずにせっかくヨハネスブルクの会議もあるんだから早くしろよということはもうあらゆる機会をとらえて言っておりますし、ロシアという国もなかなか、ああいうでっかい国でして、一体どこでどういうふうに議論しているのかなかなか見えてこないんですけれども、少なくとも私はG8で環境大臣会議で行ったときには、ヨハネスブルクの会議はあることは十分知っているんでひとつ何とかと言っていましたから、その言葉を、言葉じりをとらえるわけじゃないんですが、そういうことでひとつ引き続き強力に働き掛けを進めてまいりたいと思っております。
#31
○段本幸男君 国会の方もただ単に環境省に任すというんではなくて、やっぱり特に環境委員の皆さんなんかは同じ思いだろうと思います。私自身は少なくとも積極的にそういうものに向けて支援できるだけやっていきたい、努力していきたいというふうに思っています。頑張っていただきたいと思います。
 次に、大綱の中身についてお伺いしたいんですが、アメリカなんかでも若干出ているようですが、温暖化防止のためには温室効果ガスをただ排出抑制すればいいんだという排出抑制の方ばかりに目が向きがちだけれども、大綱の中でも言っているように環境と経済を両立さすんだという視点から見れば、出たものを上手に温室化に向かわないような技術開発、この大綱の中にはたしか一行ほど二酸化炭素の貯留・固定化技術開発等と非常に小さく出ているんですけれども、こういうものについてもっと目を向けるべきではないか、あるいはそういうものが相当可能性としてあると押さえられているのかどうか、この辺についてお伺いしたいと思います。
#32
○国務大臣(大木浩君) 温暖化ガスの排出を抑えるということで、そのまず排出を抑えろ、これが一番元だと。それは一番分かりやすい部分ですから、排出を本当にうんと減らせばもうあとほかの心配なくなるわけですけれども、なかなかそうはいかないということで、御存じのとおりに吸収というような話もございますし、それからまた日本という自分の国を中心にして考えますと、よその国との協力というようなことで、先ほどの京都メカニズムというようなことも場合によっては使う必要があるんじゃないか。
 ところが、いろいろ、要は一番その効率的なものをできるだけ併せて行えばいいわけでございますので、これはまた、ただなかなか具体的に、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、吸収の話につきましても細かいところが決まっていないので分かりにくいというようなお話ございますから、そういったところはできるだけ早くきっちりと明らかにして、そしてやっぱりこれも、こういうこともやれば本当に効果があるんだということが分かっていただけるようなふうにひとつ御説明しながら、またいろいろと進めてまいりたい。
 特に、これからいろんな環境技術というのが、先ほどもちょっとお話もございましたけれども、やっぱり環境ビジネスというようなところもありますし、いろんなものを本当に総合的に組み合わせて、何とかしてその目標の数値を達成したいということで頑張っておりますので、またひとつよろしくお願いをしたいと思っております。
#33
○段本幸男君 次に、運輸部門についてなんですけれども、これまで運輸部門については、ややもすると個別にかかわる対応が要るんだということで、後れてきたような感じがしないこともないんです。やはり、昨日たしか早川参考人もおっしゃっていた削減量の中には、この運輸部門にメスを入れない限り数値の達成は非常に難しい、こんなことを感じています。
 そのためには、ただ単にこれまでは低公害車の開発であるとか、あるいは、たしか小宮山議員の代表質問に扇大臣が、いや、渋滞を解消して道路をもっと良くするんだとおっしゃった、そんな目先の対策だけではなくて、大事なことは、二十一世紀というこの日本社会は価値観が変わっているんだから、やはりそういう新しい価値観に基づいた社会体系を作っていくんだ、新交通システムを作っていくんだ、こういうことが必要なんではないか。EUあたりでは、既にある都市、小さな都市ではそういう取組も始まっていると聞いております。
 幸いにも、今回中央省庁の改革があって、国土交通省になって非常にそういうことがやりやすい背景もできたわけですから、是非、環境省と国土交通省が一緒に意見交換しながら、そういう、もう一人一人が通勤しているようなそんなロスのあるような形態ではないシステムを是非お考えいただきたいと思うんですが、環境省と国土交通省、両方にお答え願えればと思います。
#34
○政府参考人(伊藤鎭樹君) まず我が国の運輸部門の状況でございますけれども、元来我が国の交通体系は、欧米諸国に比べますと公共交通機関の利用率が高くてエネルギー効率はいい、そういう状況でございました。しかしながら、この十年間というものを見てみますと、確かに先生のおっしゃいますとおり、モータリゼーションの進展や当時の時代背景というものもあったと思いますが、自動車の保有台数や走行量が増加するとか、あるいは車体が大型化するとか、そういうことで九〇年から九九年ということで取ってみますと、二三%排出量が増加という数字が出てきております。
 私どもといたしましても、このままこの状況を放置いたしますとエネルギー効率性が高いという我が国運輸部門の特性が失われ、二〇一〇年には九〇年比四〇%増加というような数字も危惧されるところでございます。そういうことで、交通システム全般を見直しまして、公共交通機関の利用促進を通じて環境に優しい交通体系を再構築するということも極めて重要な課題だというふうに認識しております。そういう考え方に立ちまして、大綱においても政策をいろいろと検討しているところでございます。
 ちょっと具体例を申し上げますと、今、委員御指摘のように、いわゆる都市鉄道ネットワークとか、そういうものの量的拡充ということも私ども着実にしていかなければならないことだと思っておりますし、いわゆる乗り継ぎ利便の改善とか、いろんなそういうソフト面のことも組み合わせまして、公共交通機関の利用促進というものを進めていかなきゃいけないというふうに思っております。
 そういう観点で、交通需要マネージメントに対しての実証実験についての助成制度、あるいは貨物輸送について内航海運をもっと活用していくような、そういうモーダルシフトの推進、そういうことも進めていくことといたしているところでございます。さらにまた、環境省と連携いたしまして、環の国くらし会議の中に国民の足分科会というものも設けて、国民の方々に対しての働き掛けというのも強めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 以上でございます。
#35
○国務大臣(大木浩君) 今、段本議員からもお話ございましたように、交通運輸部門では個々の自動車のグリーン化といいますか、低公害化、これもかなり頑張ってやっていただいていますし、最近も自動車工業会の主な方にお話聞きましても、随分進んでおるなと。
 これから新しい技術を取り入れたものが出てくると思いますけれども、やはりそれだけではなかなか温暖化対策十分ではありませんので、やはり今お話もございましたけれども、交通システム自体のグリーン化と申しますか、ですからこれは陸上交通ばかりじゃなくて、陸海空全体本当は考えなきゃいけないと思うんですけれども、特に例えば、場所によりましてはもっと海運、船舶の活用というようなことも考えられると思いますし、もちろん陸上におきましての自動車あるいは公共交通の充実というのは、これは日本ではある程度充実しているというお話でございましたけれども、最近はちょっと必ずしも余り威張れないような状況になってきておりますので、それをもう一遍見直すということも必要だと思います。
 いろんなことを総合的に進めてまいりたいと思っております。
#36
○段本幸男君 是非、新しい視点、また単にハード整備だけではなくて、やはりソフトを視野に入れながらやっていただきたい、こんなふうに思っております。
 最後に、炭素税についてお伺いしたいと思うんですが、昨日、佐和参考人の意見の中にも、是非炭素税を入れるべきだ、そしてそのことが必ずしも経済にマイナスに働くばかり思考していたらいけないんだと、こんなふうな意見もあったように聞かしていただきました。
 温室効果ガス削減のためには、そろそろ炭素税みたいなものを考えながらうまく抑止効果を働かし、そしてむしろそう削減することが自らの経済活動あるいは一般的な民生活動にも非常に有効に働くんだということを見詰めていくためにも、そういうものがむしろあった方が、もちろん使途の問題で目的税にするか一般税にするかいろいろ問題はあると思うんです。それ以前にやはりそういうものがあって、そのことが地球温暖化なり国民生活、国民の考え方に与えるいい面を持っているんじゃないかというふうに思うんですけれども、炭素税についてそろそろ御検討に入られるような意思があるのかどうか、環境大臣にお伺いしたいと思います。
#37
○国務大臣(大木浩君) 十分に意思ございまして、例えば中央環境審議会の税制の方をいろいろと検討していただいております委員会もありますが、そこでも既に現実に取り上げられておりますし、これは税制の見直しということになりますと、なかなか炭素税あるいは環境関係だけでは議論は終わりませんけれども、これはいろんなところで既に、必ずしも環境省関係ばかりではなくて、いろんなところで税制を議論していただくときにそういった環境税ないしは炭素税ということが議論が進んでおりますので、私どもとしては、是非ともひとつこれをできるだけ早く結論付けていただきまして、どういったものができるかと。
 ただ、これ税制の手直しというのは随分時間掛かりますので、これはもう私の方ではその意思ありますと言いましてもなかなか大変でございますから、頑張りますけれども、どうぞひとつまた関係各党の御協力もお願いしたいと思います。
#38
○段本幸男君 是非我々も一緒になりながら地球温暖化に向けて努力していきたいと思います。
 いろいろ聞かしていただきましたが、言ってきたように、今回、法律改正ありましたけれども、これが決して最終目標ではない。冒頭にも言いましたように、むしろ地球温暖化防止の第一歩のそのできるところをやったということで、これからも更に必要あればどんどん改正したり、大綱の見直ししたりやっていかなきゃいけないと思うんですね。
 そのことをよく認識しなきゃいけないことと、もう一つは、現在の日本の自動車産業がやはり地球温暖化防止も含めて環境というものについて非常に技術的に重視し、その開発をしてきた結果、世界で一番強い自動車産業になっている。このことを頭に置きながら、むしろ地球温暖化防止で自らがやっていかなきゃいけないということが、今、日本のやはり産業をもう一度鍛え直すチャンスだと、こういうふうにとらまえて、みんなが一斉に努力していく必要があるんじゃないかと思うんですね。
 我々もそういうことを意識しながら環境委員としてやっていきたいと思いますが、是非、環境大臣及び職員の皆さんにあられても御努力あらんことをお願いしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#39
○ツルネンマルテイ君 私は、質問するのは、この前のときと同じように、なるべく衆議院の方で既に審議されたことではなくて、もっと違った観点から質問させていただきます。その一つの理由は、やはり参議院の本当の役割の一つはもうちょっと長期的なビジョンを追求するところにあると思います。どの程度そういう質問になるか分かりませんけれども、そういう姿勢で質問させていただきます。
 主に今日は環境大臣あるいは副大臣に質問させていただきます。途中では経済産業省の関係の質問もありますけれども。
 今は、既に何回も話がありましたように、京都議定書の批准がいよいよできるようになっていて、もちろん私たち民主党もそのことを非常にうれしく思っています。そして、政府の方ではそのための、日本に課せられた目標を達成するために政府の方では新大綱もできました。ただし、これはもう衆議院の方でもかなり問題になったのは、残念ながらその新大綱は旧大綱とほとんど変わらない、進歩がないということ。極端に言えば、政府が示す有効な政策は、原発を、原子力を三割増やすことと森林吸収を利用すること。もちろんほかにも百ぐらいいろんなありましたけれども、有効な措置はほとんどその中になかった。この新大綱から見れば、政府のこの地球温暖化防止に掛ける熱意が残念ながらその中から感じられないと私は、あるいは私たちは見ています。
 その新大綱についてもこれからちょっと後で幾つかの問題点を提起したいと思いますけれども、その前には、私たちはこの地球温暖化に、いかにこれは深刻な危機で地球があるか、そのことについて質問しながら少し提起したいと思っています。結論から言えば、仮に京都議定書での削減目標が達成できていても、それで私たちは世界全体でも到底この地球温暖化を食い止めることはできないということは明らかです。
 そこから一番最初の質問に入らせていただきますけれども、二一〇〇年までに、これから百年先ですけれども、予測される気候変動による地球の危機について質問させていただきますが、その前には、まあ釈迦に説法になるかもしれませんけれども、その危機を今は世界では例えばIPCC、これは気候変動に関する政府間パネルですね、その中のメンバーは世界第一線の科学者たちですね、この中ではどういうふうにその危機を見ているかという幾つかのデータをちょっと参考までに、最初には皆さんに思い起こさすためには述べさせていただきます。
 つまり、二十一世紀末までには、一九九〇年と比べて予想される気候変動の影響についてですけれども、例えば地球の平均気温が最大で摂氏五・八度まで上昇するということですね。これは百年ですから、まあそんなにすぐ危ないと思っていないかもしれませんけれども、例えばもう既に三十年間の間ではいろんなところでは摂氏一度上がっているということはもう確実ですね。そのための私は、ここでは一つはヒマラヤでどういうことが今起きているかということ、これも国連環境計画、UNEPの報告、最近の報告ですけれども、たった摂氏一度標高の高いところで気温が上がっているということ、そのことによって五十近くの湖がはんらんして、湖が、どんどん流れてきて、そして住民や家畜、何万も命が、甚大な影響、被害を与える可能性があるということですね。これもただ三十年間だけでたった一度上がったということだけでは、そういうことも、これもNHKでも何回も今までも報道されていることであります。
 あるいは平均海面水位が最大でこの百年間で八十八センチ上昇するということも予想されています。これは主に南極の氷、氷の塊、氷床、氷の床というんですね、これは解けることによりますね。そして、海水の熱膨張の影響もあるようですけれども。あるいは豪雨とか渇水などの異常気象現象がもうどんどん頻繁に増えている。これももちろん皆さんも同じように知っている。
 でも、それよりも更に専門家の中では本当に日本にとっても最も恐ろしい予想が一つはあります。つまり、南極の方ではそのような大きな氷の塊が少しずつ解けるんではなくて、一気に海に滑り落ちるということがあり得ると、もう既に今起きているんですね。もし、このような氷の塊の大きさは、例えばこれは一つの専門家の新聞に載った話ですけれども、四国のような大きさの塊が一気に落ちて、滑り落ちたら、二十四時間以内には高波、津波が日本を襲ってくる。どのくらいの高さかというと、七十メーターくらいの高さの津波ですね。これはいつ起きるか、あした起きるか、十年たってから起きれば、もちろん願わくは起こらないように祈っていますけれども、こういうこと、恐ろしいことも今既に起きているということですね。
 私たちはこういうのをいかに止めることができるか、恐らくこういうことはもう不可能でしょうけれども、このような予測についてのまず大臣の今の気持ちをちょっとお聞かせください。
#40
○国務大臣(大木浩君) 今、ツルネン委員からもいろいろとその具体的な例も挙げられまして、非常に緊急な状況になっているんじゃないかというお話がございました。
 私どもも、IPCCの既に三次にわたる報告書出ておりまして、いろいろと言われております。もちろん、科学的な知見というのは一〇〇%確実とは言えないまでも、少なくとも世界じゅうの専門家が集まって作り上げた報告書の中で、非常にその危機というものは近づいておると。しかも、その理由としまして、人為的な、人間の行動によるものも相当大きな原因になっているんじゃないかということが指摘されておるわけであります。
 そして、その結果、温暖化も進んでおりますし、またもう少し広げて気候変動と申しますか、気候が非常にいろんなところで不順な状況、起きておりまして、これはもう本当に予測じゃなくて現実に起きておるというのは、陸上ばかりじゃなくて、海洋におきましても、海の方でもいろんなことが起きておるというようなことはいろいろと既に現実の現象として起きておるわけでございますから、私どもとしては、やはりこれは十分危機意識を持って、早急に必要な措置を進めていくということが是非とも必要であろうというふうに認識をしております。
#41
○ツルネンマルテイ君 もちろん、これは私たち委員も環境委員会もすべての人たちは同じように考えているんですね。でも、その中で、さらに次の質問させていただきます。
 これもIPCCの報告によるものですけれども、じゃ私たちはこの地球温暖化を止めるためにはどの程度、例えば温暖化効果ガスを削減すれば止まるかということですね。もちろん、京都議定書では、世界平均である目標は五・二%になっていますね。日本は六%ですね。でも、IPCCの報告では、少なくとも五〇%ないし七〇%削減しなかったらこれを食い止めることができない。
 この七〇%と京都議定書が今、私たちに目標に出している五・二%のこのギャップについて、大臣はどのように考えているんでしょうか。
#42
○国務大臣(大木浩君) 数字を比較すれば、京都議定書で決めましたのは、取りあえず先進国グループの方で平均して五・二%の削減と、今五・二という数字が出ておりますから、それはIPCCの方の今の五〇ないし七〇というのは第二次報告書の数字だったと思いますけれども、いずれにしても、違う数字が出ているということはそのとおりであります。
 ただ、京都議定書では、とにかくみんなが合意できるといいますか、できることから始めるということで、第一約束期間ということで二〇一二年ぐらいまでの時期を限ってまずはスタートしようと。抽象的に議論していてもしようがないんですから、やっぱり具体的にできることを合意しようということで五・二ということを決めたわけでございますので、確かに数字は違っておる。これから更に京都議定書も、まず第一次期間というのは二〇一二年までですけれども、その後も更にいろいろとしなきゃいかぬし、措置もむしろ強化しなきゃいかぬというようなこともあり得るわけでございますから、十分そういうことは頭に入れて、私どもとしても国際社会の中で強力に必要な措置を進めてまいりたいというふうに考えております。
#43
○ツルネンマルテイ君 もちろん、私たち皆、その京都議定書の取りあえず五・二%を達成することができれば、それは一つのステップであるということはもちろん認めています。
 ただし、その後、更に私たちは削減、例えばCO2の削減をするためにどうしたらいいかということは、もちろん御存じのように、この温室効果ガスのおよそ九〇%近くはCO2によるものです。そして、それはもちろん化石エネルギーが大半を占めています。つまり、そこからすぐ分かることは、いかに私たちはこれからは化石エネルギーの代替エネルギーを見付けるか、それはもちろんいろんな新エネルギーは既に開発されていますけれども、そこはかぎになっている。つまり、エネルギー対策ですね。
 しかし、そのときは例えばさっきの五〇%とか七〇%削減するためには、もし本当にそこまでできたら、私たちのライフスタイルが完全に変わってしまう。今のような、例えばエネルギーを使用することはできなくなる。私は決してそうじゃないと思いますね。これからいろんな新しい技術によって、私たちは新エネルギーには本当に今よりも日本でももっと取り組めば、ライフスタイルをある意味で下げなくてもこれも可能だと思っています。
 ただし、その中の一つの必要なことというのは、やはりそれでも私たちは新しい世界観を見付けなくちゃならないということです。それについては恐らく皆様のところに環境新聞をお願いしていて配付されている記事が、レスター・ブラウンの記事があります。レスター・ブラウンもつい最近、日本にも見えましたし、私たちも彼の話もあるいは皆さんがよく知っていると思いますけれども、その中に非常に画期的なことをレスター・ブラウンが書いてあるんですね。
 昨日も、確かに小泉委員の方で参考人の皆さんにも同じことについて質問がありましたが、どうもちょっと今日は、昨日はその返事が私から見ればちょっとあいまいだったんですけれども、つまりそこでレスター・ブラウンが呼び掛けているということは、つまり環境が経済の一部なのか、あるいは逆に経済が環境の一部なのかということ、このレスター・ブラウンの記事も大臣もあるいはこの考え方を知っていると思いますから、まずこのレスター・ブラウンの定義というか、新しい世界観について大臣の意見を是非お願いします。
#44
○国務大臣(大木浩君) ブラウンさんとは、先日、日本へも来ておりましたので、私もかなり長い時間いろいろと話をしたわけでありまして、レスター・ブラウンさんが、今お話もありましたとおりに、経済が中心でそれとの関係で必要なちょっと手直しを環境の方でするということじゃなくて、経済と環境を二つ並べて、それが一緒に共存するといいますか、考えていかなきゃいかぬのだということは、レスター・ブラウンさんの言うとおりでありますし、また最近は狭い意味の経済ばっかりじゃなくて、やっぱり先ほどもお話ございましたけれども、人間の我々のライフスタイルも変えるということになれば、狭い意味の環境とか狭い意味の経済だけじゃなくて、もう一つ、何というか、ちょっといい言葉が出てこないんですけれども、何か最近、社会というような言葉を使いまして、社会的なアスペクトだとか社会的なエレメントだというようなことも使う人もあるようでございますが、いずれにいたしましても我々のライフスタイル全体を見ていかなきゃいかぬということでは、環境問題というのはそこまで広がってきておるというのはそのとおりだと思います。
 あと、レスター・ブラウンさんがその彼の考え方に基づいていろいろと新しいエネルギーですね、例えば風力だとか、例えば太陽エネルギーだとか、そういったものについて大いに活用するということはそのとおりだと思うんです。ただ、これはすぐにそれだけでやはり問題が解決するかというとなかなかそこまで、これはやっぱり一つはまだ科学技術の今の発展の段階では、太陽エネルギーにしろ風力にしろ、相当これはまず量的になかなか、例えば日本を中心にして考えますと、なかなか日本ではそれだけでは解決が付かない、あるいはコストの問題も解決されていないということですから、部分的にはこれから私ども、大いにそういったものも含めて開発していきたいと思っておりますけれども、そういうことですから、これからの将来へ向けての課題としては、新しいエネルギーの開発ということも非常に大事な問題だというふうに考えて、引き続き具体的にそういったものを促進するように努力はしてまいりたいというふうに考えています。
#45
○ツルネンマルテイ君 京都議定書が示しているこの新しい世界観は、ある意味ではレスター・ブラウンが示している、言っていることと似ていると思います。つまり、経済が環境の一部になる。でも、それに比べると、私たちももう何回も話題になっているのは、アメリカの方が今は全く旧世界観、環境が経済の一部というふうに考えています。
 そして、アメリカは、これも御存じのとおりですけれども、もし、自分たちの国の方では、京都議定書の削減目標を達成するなら、余りにもそこから経済に対するダメージが大きい。このアメリカが出しているデータは、本当にこっちから見ればでたらめな、信じられないくらいのものですね。例えば、経済に対する四千億ドル、日本円では四十二兆円のダメージということ、あるいは失業者は四百五十万人ぐらいが出るということ。これを私も、あるいはいろんな経済の専門学者たちも、仮に京都議定書を、削減を達成することできていても、一時的にはそこから少しマイナスの面も出てくる。しかし、長期的に見れば、どっちかというと、いろんな新しい環境ビジネスも生まれるし、それで経済が活性化するということは、世界の、日本でも経済学者たちの主な考え方ですね。その中で、もし企業がそれに付いていかれなかったら、やはり過去の遺物になるというか、もう伸びないということ。私は、日本では幸い、日本のいろんな企業がこういうことを認めてどんどん新しい環境ビジネスが生まれているのは非常にいいことだと思っています。
 それで、このレスター・ブラウンの記事の中でも非常に面白い言葉がありますね。「先手を打っている企業が勝利者となる」と書いてあるんですね。そして、そこで例えば日本は、高い技術を持っている太陽光発電を、例えば先進国とかいろんなところに輸出する、それを提供するということも日本にとっても一つのビジネスチャンスでもあるということ、このギャップですね。アメリカが大変なダメージがなる、だから付いていかれない。そして、そうじゃない人たちは、いや、これは新しい活性化にもつながる。この二つの本当に全く違った方向の流れについて、もう一回ちょっと大臣の見解をお願いします。
#46
○国務大臣(大木浩君) 企業というのは、やはり利益が上がらないとその企業が存続できないわけですから、今何をするべきか、しかし五年、十年たったら何をするんだということについては、企業はそれぞれに考えていると思うんですね。今、ブラウンさんのお話がございまして、やっぱり先取りしない企業は存続できないぞというのは、私はある意味においてそのとおりだと思うんです。
 アメリカの中におきましてもいろいろ、それはレスター・ブラウンさん自体がアメリカの研究所の所長さんですし、アメリカの企業の中でも、最近非常に私、強く感じておりますのは、例えばメジャーの石油会社なども、これから二十年、五十年先については、もうそれは石油の時代じゃないぞということは十分に理解していていろいろとやっておられるということでありますし、この間もちょっと日本のNHKのテレビでもやっていましたけれども、例えばブリティッシュペトロリアムという会社が何かこのごろ名前を変えようかといって、ビヨンドペトロリアムという名前にするかなんといって、名前を本当に変えるかは別としまして、そういった考えがあるということは既にできておりまして、それで、BPばかりじゃなくて、ほかのシェルだとかアメリカ系のメジャーもそういったことには既に勉強を始めておるということでございますから、やはり二十年、五十年先のことをきちっと考えられない企業というのが本当にもう競争に耐えられないということは全くそのとおりだと思います。
 ただ、そこへ行くまでの過程におきましてどういうことから始めるかということになりますと、先ほども申し上げましたけれども、日本の場合にいきなり化石系の燃料で、使わないということではなくて、だんだんに、よりクリーンな燃料への切替えを進めながらひとつ将来への体制をきちっと進めていこうということで、実は先日も私、電気事業連合会の幹部ともお話ししましたけれども、電気屋さんもそういうことは十分考えながらこれからやっていくというお気持ちはあるようでございますから、これを具体的に、これから五年、十年という時点までにどこまでそういったことが実行できるかということが今後の課題だと思っております。
#47
○ツルネンマルテイ君 もちろん、今、大臣も言っているようなこの方向は私も大賛成ですし、その動きは幸いアメリカにも、企業の方には、政府が今ああいう方向ですけれども、企業の方にはそうじゃない方向で新しいビジネス、あるいはこの記事の中にも書いてあるように、ああいうカーペットを、例えば一つの例としては、これから売るんじゃなくてリースということで、リサイクルは一〇〇%できるように、そういうビジネスが日本でも少しずつ今増えているんだから、これももちろん大歓迎です。
 あと、この記事の中に非常におもしろい予測というか、これもレスター・ブラウンがこの最後の方で京都議定書の意味について書いていること、これもちょっとそこの部分だけ読ませていただきますが、これはどのくらい当たるかということを、是非もう一回、大臣の意見をお願いしたいと思います。
 レスター・ブラウンは、京都議定書の意味について、この記事の下の方では次のように書いてあります。京都「議定書自体は重要だし、正しい取り組みへの一歩だと思うが、」、次が非常に大切ですね、「二、三年後にはそれでも不十分ということになって見直されると思う。その時には米政府も理解して協力的になるのではないか」と、期待が掛かっているということですね。
 つまり、この中の二つ。本当に大臣の方でも、あるいは日本の環境省の方でも、二、三年後にはどうしてもこの京都議定書は足りない、不十分。そして、ひょっとしたら二年、三年、政権交代があればなおさらですけれども、アメリカの方では、二、三年たってからそういうこともアメリカにも起こり得るかということ。このレスター・ブラウンの意見に対して一言お願いします。
#48
○国務大臣(大木浩君) 今もちょっと企業の方の話いたしましたけれども、アメリカの政府、広い意味での政府、ですから例えば、議会におきましては共和党もありますし民主党もありますし、それからまた同じ党の中でもいろんな御意見の方があるようでありますから、これはまただんだんに事態が発展していくのに応じていろんな御意見が出てくると思います。
 国民の中には、アメリカにおきましても、やっぱり環境の問題、きちっとしておかないといかぬのじゃないかという意識はかなり強まっているというふうに感じますから、そういったことを意識しながら、また議員さんの方は選挙が、中間選挙なり将来の大統領選挙もあるわけですから、そういったこともやっぱりアメリカの国民もいろんな事態を見ながら御意見を持たれると思いますし、政治家の方もそういったことを十分に意識して、ひとつそれに対応していただければ幸いだと考えております。
#49
○ツルネンマルテイ君 もちろん、私たち日本でも多くの人、あるいは世界では、本当に一日も早くアメリカでも、政府の方でも同じような動きになるということを期待していますし、大臣の方からも呼び掛けているということはよく分かっていますし、その点は評価しています。
 さっき、一番最初に私が話したように、長期的なビジョンを追求することは私たち参議院の一つの役割であると思いますから、今、ここから、それでもう新大綱の問題点について四つ指摘したいと思っています。
 その中で、何といってもこの原発電力を三〇%増やすということに頼っているという、もう多くのところでこれは、それに賛成していてもなかなかそれは実行できないようなものということは意見が多く、一致していると思います。私は原発の推進派でも反対派でも、そういう立場ではなくて、本当にこれから日本では原発は三つの点では、今度、これから本当に二十一世紀の頼るべきエネルギー源であるかどうかをちょっと問題にしたい、質問したい。
 つまり、今もいろんな、例えば電力会社の方ではPRするときは、まずクリーンである、CO2を排出しないということ、安いということと、三番目には安全であるというこの三つの、ある意味で神話のような、私から見れば神話のようなものであるんですね。
 その中で、それをちょっと後で提起したいと思いますけれども、本当に日本でも世界のいろんな国と同じように二十一世紀ではできればこういう問題が、これから話しますけれども、あるいは質問しますけれども、それに代わる代替エネルギーができる、見付けるはずです。今は、すぐではないんですね。ある意味でもっと長期的な、二十年、三十年たってからですけれども、本当に取り組めばできると思いますね。
 そして、その中で、例えばクリーンである、CO2を排出しない、これはもちろん発電の際ではそうですけれども、建設のときとか、あるいは放射能廃棄物の処理のときとか、古くなった原発を処分するときはもちろんたくさん二酸化炭素を排出することも当然なことです。これは当たり前のことです。
 あるいは、コストの面でも安いと言われていますけれども、残念ながら私たちは全体の原発に掛かるコストはなかなか公表されていないんですから分からないんですけれども、いろんなNGOの調べでは、一基原発を建てるのにはトータルでは五千億くらいも掛かるとか、私は専門家ではありませんから実際にどのくらい掛かるか分からないんですけれども、その古い原発をこれからどんどん処分することになりますから、そのときもコストも本当に恐らくどこでも発表されていないぐらい莫大な金額になると思いますね。
 でも、私はそれでもこのクリーンの問題、コストの問題よりも、私が一番懸念しているというのは本当に安全であるかどうかということ。つい何日前か静岡の浜岡原発でも水漏れがあって、こういうのは幸い今は小さいんですけれども、人間のミスによる事故が日本でもどんどん起きているし、幸いまだ犠牲者が多くないんですけれども、いつもっと大きいのが起きるか、これも決して分かりません。
 その安全性について、そしてさっき私が一番最初には、例えば七十メーターくらいの、もっと低くてもいいですけれども、南極の氷が滑り落ちたときの、大体そこで滑り落ちるというのは、これは地震によるものらしいですね。今も起きていますね。そういう高波が襲ってくると、大体原発はもちろん沿岸に建てられていますから、本当に私たちは、もう日本は全滅ですね。だから、これはもう、起こらなかったらいいんですけれども。
 こういう面では、例えば、ちょっと残念ながら、母国フィンランドでもちょうど一週間ぐらい前にはフィンランドもやはり五基目の原発を建てることを決めたそうです。でも、フィンランドではこの安全の面では、一つはそういう地震がないということ、そういう津波のおそれがないんですけれども、フィンランドもいろんな大きな論議があったようですけれども、でも日本ではこの危ないという面について、これに対してちょっと関係者の、経済産業省の方からまず安全について、今、私が話したようなことはどの程度のものになっているか。お願いします。
#50
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今御指摘のとおり、原子力発電所というのは、これはリスクを内包しているものでございます。したがいまして、設計に当たっては深層防御あるいは多重防護といった厳重な設計によってこの安全の確保を図っておるわけでございますけれども、しかしやはり基本は、機械というものに対する安全は管理というものが非常に重要でございまして、このための万全を期すことによって原子力発電所の安全性の確保ができるものと考えております。
 今御指摘がありました地震あるいは津波といったような自然現象に対しての原子力の安全性についてでございますけれども、国の安全審査で耐震安全性を確認しているところでございますが、具体的には原子力安全委員会の耐震設計の審査指針に基づき、過去の地震や活断層などから、近い将来起こり得るおそれのある最強の地震による地震動、あるいはこれを上回る限界的な地震による地震動、こうしたものを想定して、これに耐える設計であることを確認しております。
 また、津波に対しましても、安全審査に際しまして、想定される最大の津波の高さ、過去の津波であるとか、あるいは地震から想定される最大の津波の高さ、こうしたものに対して原子力発電所の敷地が安全な位置にあること、あるいは想定される最大の引き波に対しましても原子力発電所の安全性に支障がないことを確認し、審査をしております。
#51
○ツルネンマルテイ君 もちろん政府の方ではこういう答えしかできないということを私もよく分かっています。ただし、さっきも私は指摘したように、地震あるいはそういう津波、過去の例というのじゃなくて、これから地球温暖化によって起こり得るということ、これは私たちはだれもどうにもならないんですね。それはあした起きたら、もうこれは私たちの運命ですから。ただし、一日も早くやはり私たちはその安全を強めることは、そういうことが起きたらある意味で仕方ないんですけれども、それでも日本はこれ以上本当に、こういう地震国である、津波のおそれもあるという国では、本当に政府の方でも増やすよりも、新しい新エネルギーにはもっともっと、今も予算的に考えればまだまだ原発の方に予算が大きいんですから、これに対して方向性としては、恐らく大臣も何回もこのような質問に答えたことがあると思いますけれども、それでも、大臣のお考え、安全性とこれから本当に日本では可能かどうか、そしてその意味があるかどうかというのは、原発を増やすことについて、是非見解をお願いします。
#52
○国務大臣(大木浩君) 原発、原子力発電所をどうやってこれから活用していくかというのは非常に難しい問題でございますが、今御質問にありました、原発というのは本当にクリーンで安く安全かと、こういうお話でございます。クリーンは私はクリーンということで、常識的に言ってクリーンだと、クリーンな発電施設だというふうに考えております。
 それから、今安全につきましては経済産業省の方からもお話しございましたけれども、まず建設して、その施設として安全かということになれば、これはもう普通、予想されるいろいろな事故というものを考えて、その事故には十分耐え得るということで言っておられるわけでございますから、それは私どももそれを基礎にして物を考えるということであろうと思います。
 ただ、いろいろと時々故障、私はあえて故障と言っているんですけれども、故障というのは機械ですから時々故障はありますよね、これは。だから、それを、故障が起こったときにどういう故障が起こったんだということを、何でもすぐに大変だということだけではなくて、それは本当に防げるものなのか、そしてしかも原子力の発電所の中だけでなくて、一般の国民に対して非常に大変なことであるのかどうかということの、私はやっぱりいろんな原子力の安全性につきましてはもう少し正確な報道をしていただかないと、最近何か風評被害というようなことも言われます。これは風評ではありませんけれども。やっぱり正確に報道をしていただくということが必要かと思っております。
 それから、二つ目におっしゃいました安いということですけれども、これは、確かに原子力発電所を造るに当たりましては、その建設費はそうむちゃくちゃに高くなくても、そのためにいろいろと地元との話合いだとか時間が掛かりますね、まず。ですから、安い、本当は安くはないにしても高くはないと私も思っています。特別には高くないと。ただ、非常に時間が掛かるものですから、なかなかできない、現実にできないということになると、結果的には、随分何年も掛けて準備すれば結局は高くなるということもありますから、その辺も、これからひとつやっぱり政府としても、ですから、原発の安全性ということについては十分にもっとPRをする必要があるんじゃないかというふうに考えております。
 それからもう一つ、安いの中に放射性の廃棄物の処理、これもきちっといたしませんと、これ、また高くなるという面がありますから、これも十分に考えなきゃいけませんけれども、しかし、それにつけましても、廃棄物の問題があるから非常に高くなるということではないんで、総合的にはやっぱり、何と申しますか、リーズナブルな範囲内で建設ができる、廃棄物を含めての問題ですけれども、原子力発電所というものは建設できるし、運営できるというふうに考えておりますので。
 これからの今の温暖化の問題というのは、取りあえずは二〇一二年までが京都議定書では第一期間ということになっていますけれども、これからもう二十年、五十年というふうに考えていかなきゃいかぬわけですから、私も、それは原子力発電所がどこまで安全かというのは、更に安全性は高めるという努力はするとともに、しかし、そういった、より安全なほかのエネルギーというものの開発は、それはもう進めていくということが当然の方向であろうというふうに考えております。
 ただ、今、二〇一二年までのこと、あるいは、なかなか私も科学者じゃないんではっきり言えませんけれども、ほかの代替エネルギーはいつになったら本当に使えるようになるかというのは、果たして二十年の話なのか五十年の話なのか分かりませんけれども、そういったものと両方並べながら考えていくということが現実的な政策ではないかというふうに考えております。
#53
○ツルネンマルテイ君 私も、さっきあえて三つの点で質問しましたが、クリーンと安全と値段、安さですね。その二つは、安いとクリーンはPRには誤解される部分もあると、私は。例えば、電力会社のPRに対して、全国に知られていないんだから、それは問題。今、私はそれを一番の大きな問題にしていません。あくまでも日本では本当に、さっき言ったような自然災害による、何が起こるか分からないんだから、そういう面では私たちは、日本ではなるべくこれから増やさない方がいいんじゃないかなと私は自分で考えています。もちろん、私たちの民主党も、原発に反対というよりも、本当に安全であるかどうかということを十分考えた上でということになっていますね。
 原発についての質問はこのくらいにしておいて、次に、この新大綱の中では、よく問題になっているのは、さっきもありましたが、運輸部門の方では減らすどころか一七%増えるということ、これを一体私たちはどうやって少しでも減らすことができるか。
 新エネルギーは運輸部門の方にもかかわっていますね。例えば、その中の大部分は自動車によるものですね。その中では、幸いに今、エコカーがいろんな意味では発達しています。その中の第一号というか、ハイブリッドカー、これはWWFのシナリオでは、このWWFというのは、世界自然保護基金、非常に評価されている一つのNGOですけれども、彼らのシナリオでは、ハイブリッドカーが二〇一〇年には自動車の何と六〇%に達する、世界全体では。だから、これは非常にうれしいこと。CO2を排出しますけれども、今の自動車よりはるかに少ないということは、これはいいと思います。
 それよりも、私は是非、今度は質問、これも環境副大臣の方がかなり何か詳しいと聞いていたんですけれども、ハイブリッドカーではなくて燃料電池。燃料電池はその後に来るもの、これは経済産業省のシナリオが、これも私も持っているところでは、本当にこうだったらうれしいこと。つまり、最初にはハイブリッドカーがかなり普及する、これは一ついい。次のステップとしては燃料電池車。もちろんこれは、もう家庭用のエネルギーにも、定置用燃料電池になるんですけれども、経済産業省のシナリオでは、この自動車用の燃料電池は二〇二〇年、これから十八年先ですけれども、日本では五百万台がもう走っているんじゃないかなということ。あるいは、例えば家庭用の定置用燃料電池は一千万キロワットで、家庭の数でいえば五百七十くらいの家庭のエネルギーになるということ。
 これはそう簡単では、シナリオですけれども、これに対する問題でも、結局、水素エネルギーがメーンですから、水素エネルギー、その原料をどういうふうにするか、あるいはそのインフラはどういうふうになるか。これはいろんな世界じゅうでも話題になっていますけれども、これは経済産業省の方から先か、それとも副大臣の方が──じゃ、経済産業省の方から、そういう見通しについて。
#54
○政府参考人(鈴木隆史君) お答えをいたします。
 燃料電池は、エネルギー効率が高く環境負荷が低いことから、今後のエネルギー環境技術の中で重要な役割を果たし得るとともに、また、新規産業の創出の観点からも非常に重要な技術であるというふうに認識しております。
 他方、その実用化、普及に向けて解決すべき問題は非常に多く、例えば燃料電池の耐久性、それから低温作動性などの基本的性能の向上、それからコスト、二けた以上の低コスト化を始め水素等の燃料供給体制の整備、加えて、水素でございますので、安全性、信頼性等にかかわる基準、標準、規制の見直し等を計画的に実施していくことが必要になると考えております。
 このため、経済産業省では、一九九九年に産学官から構成されます燃料電池実用化戦略研究会、ここで先ほど委員おっしゃったような目標を立てておるわけでございますけれども、これを設置いたしまして、二〇二〇年までの展望の下で、燃料電池の実用化、普及に向けたシナリオとその実現のための課題解決の方向性の提示や技術開発戦略の策定を行っております。また、民間企業など百三十社から構成されます燃料電池実用化推進協議会とも緊密な連携を図ることにより、産業界のニーズ、技術の実態等を十分に踏まえ、施策の検討を行ってきております。
 当省の平成十四年度の予算におきましては、燃料電池関連予算を平成十三年度の約二倍に当たります二百二十億円を計上しておりまして、例えば燃料電池の構成要素であります固体高分子膜の高耐久化、低コスト化技術開発や燃料となる水素を自動車の上にコンパクトに貯蔵する技術開発などを実施する予定でございます。
 また、燃料電池自動車につきましては、首都圏において水素ステーションの実証を含む大規模な公道走行試験、これは産学官一体となって実施することとしております。
 こうした技術開発、実証試験等の成果を踏まえて蓄積されるデータを元に議論をしてまいりまして、燃料供給インフラの整備の今後の方向性を打ち出していきたいというふうに考えております。
 先月二十六日には、小泉総理から、実用化第一号を含めた数台の燃料電池自動車を政府において率先導入すること及び二〇〇五年を目途とする関連規制の包括的な再点検を実施することの指示が出されたところでございまして、さらに、今週の月曜日でございますが、経済産業省、国土交通省、環境省の五副大臣で構成されます燃料電池プロジェクトチームにおきまして、今後の実用化、普及に向けた強化拡充等に関する報告書が取りまとめられたところでございます。その詳細につきましては、副大臣の方からお答えが……。
 こういうことで、委員おっしゃいますように、燃料電池について今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。
#55
○副大臣(山下栄一君) 詳しく答えていただいたんですけれども。
 今もお話ございましたけれども、三省で燃料電池の普及開発のためのプロジェクトチームというのを作りまして、一応報告書を三日前にまとめたということです。
 私は、この燃料電池に詳しくも何でもないんですけれども、一応担当としてかかわってきましたので少しお話しさせていただいていきますけれども、大綱は全部お話しいただきましたけれども、要するに、炭素エネルギー社会から水素エネルギー社会へと、大きな夢のある展望を持った分野がこの燃料電池の技術開発ということではないかなというふうに思うんですけれども。
 その燃料電池というのは、要するに、水素を燃料とする電気を作る装置と、こういうことですけれども、それは具体的には自動車、そして委員申し上げましたように特に家庭用、住宅などに使うことのできる分散型の電気エネルギー源としましての定置型燃料電池と、大きく二つに分けてのそれぞれの実用化に向けてのどういうことが国として、予算の面、制度の面、法律の面、できるかということを検討してまいりまして、三日前に発表したと、こういうことです。
 環境省的には、既に実験段階ですけれども、神戸でも生ごみを使ってそこからメタンそして水素を取り出すという、それを例えば自動車の供給ステーションにできないか、またそれを住宅に、分散型ですから住宅にそういうエネルギー源として使えないかと。特に、住宅の場合は、燃料電池は熱と電気と両方使えるコージェネ型ですので、そういうことを考えておりまして、これは副大臣会議が作りました報告書にも書いてありますけれども、例えば北海道を一つのモデル地域として、北海道プロジェクトとして、例えばバスに、公共交通機関のバスに活用したり、特に北海道はバイオガスの供給体制がたくさんございますから、住宅なんかに展開できないかというふうなことを盛り込みまして報告したところでございます。
 いずれにしても、クリーンなエネルギーでもございますので、再生可能エネルギーとして環境省としては力を入れていきたいというふうに思っております。
#56
○ツルネンマルテイ君 今のを聞いていて本当に私もうれしく思います。政府の方でも、この燃料電池が、これから二十一世紀の日本でも一つの新しいエネルギーに、運輸部門でも家庭のエネルギーとしてもいろんな形で恐らく出てくると思いますから、是非それを頑張ってほしい。私たちも私たちなりに応援したいと思います。
 本当に、それについてはもうちょっとお聞きしたかったんですけれども、私に残っている時間があと五分でして、二つの質問をまだ用意していますけれども、一つはやめます。つまり、さっきも、炭素税あるいは温暖化対策税についてはもう大臣の方からも考えが、これもやはり日本の政府もいろんな意味で、さっきのレスター・ブラウンの記事の中でも、前向きに考えるべき、日本もそれに、流れに遅れないようにやるべきということは、それについての質問を今は省きます。
 最後に私がお聞きしたいのは、結局、この目標達成の計画の中では、今は国の方でも、国、地方公共団体、そして事業あるいは一般が一つになって取り組むべきですね。この中で、地方公共団体について、私の考えでは、これに地方議会もどういう形でかかわっているか、あるいは地方議会にも協力を求めることは政府の方から、中央の方からできるかどうかということを、私は、法律の面でははっきり分かりません。つまり、今まで、私たちも知っているように、私も湯河原で議員を一期務めさせていただきましたが、地方の方から国にいろんな意見書を出すことができるんですよ。もう毎日のようにたくさん入ってくるんですよ。でも、恐らくどこかのファイルに置いていて、ほとんど効果がないと思うんですね。実際には法律を作るときは反映されないんですね。
 もし、これを逆に、例えばこの地球温暖化対策に対して、地方の行政だけではなくて、議会も是非、例えばその地域で目標を作るとき、そういう意見書を、意見書というか意見を求めることは政府の方から地方にあり得るかどうか、ちょっと大臣の方からお願いします。
#57
○国務大臣(大木浩君) 政府としては、一般的に言いますと、地方公共団体、ですから県だとかあるいは市町村とかそういうところといろいろと接触して御意見をいただくということでありますから、その中には当然、地方議会も参画して意見を述べていただきたいというふうに考えております。ですから、大綱に言っております地方公共団体というところには、当然に地方議会も含まれると。
 また、地方、例えば都道府県とかあるいは市町村で、そのお地元でのひとついろいろなまた地球温暖化対策推進の実行計画を作られるというような場合には、これはもう当然、積極的に地方議会にも参加をしていただきたい、そういうふうに考えておりますので、今後とも、そういった私どもの考え方というのは随時きちっと公共団体にもお伝えしたいと思いますが、基本的にそういうことでございます。
#58
○ツルネンマルテイ君 私は、これに、母国フィンランドでは非常に参考になる例があるんですよ。フィンランドも、不況の中では、本当に各行政の予算が大変赤字になったとき、そのときは政府の方から、すべての地方自治体には二〇%予算をカット、歳出をカットするように、どこからカットするかその地方自治体に任せますけれども、教育か公共事業か、それをもう政府の方が要求したというか要望したんです。大変な苦労を、一年、二年かなりましたけれども、それぞれの地方自治体はほとんど成功しました。二〇%歳出をカットしましたね。
 だから、こういうふうにやはり両方でもいいんじゃないかなと私は思っていますから、もちろん行政の方が、各地方自治体では計画を立てて、これは地方議会にもかかわりますけれども、本当に呼び掛けは行政だけじゃなくて議会に対しても、もしこれ可能だったら、そうすると議会の活性化にもなるんじゃないかなと思っています。
 私に与えられた時間はこれで終わります。ありがとうございました。
#59
○委員長(堀利和君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#60
○委員長(堀利和君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#61
○小宮山洋子君 民主党の小宮山洋子でございます。
 民主党としても、地球温暖化防止、日本がしっかりと世界の中でリーダーシップを取るためにも一刻も早く批准をと言ってまいりましたので、ようやく秋のヨハネスブルク・サミットに間に合う形で批准ができることは大変良かったというふうに思っています。
 ただ、やはり日本国内で実効性のある温暖化防止の対策が取られなければ、なかなか世界の中でリーダーシップをとはいかないと思います。その点から見ますと、新大綱を基にしたこの推進法、甚だ心もとないと言わざるを得ないと思っております。昨日の参考人質疑でも、排出削減義務の達成可能性、それを可能にするための政策措置の在り方について苦言を呈したいとか心配だというお話がかなり多かったんですね。
 それで、最初に大臣に、この法の目的として京都議定書の的確な実施とあるわけですけれども、この新大綱、法律で自信を持って的確な実施をしていただきたいと思うんですが、その辺りのことをまず伺いたいというふうに思っています。
#62
○国務大臣(大木浩君) 大臣としてあるいは行政府としてちゃんとやるその自信があるのかと、こういう御質問でございますから、私どもは当然、いろいろとまだこれから詰めなきゃいかぬ問題があるということは十分承知しておりますけれども、これを、今御議論いただいております法案及び新大綱等々、全体としては十分にその体制を作り上げておると。今後、詰めるべきもの、具体的に詰めるべきもの、細目について決めるものは十分にまた順番にやってまいりますけれども、本法によりまして京都議定書の確実な実施ができるものと信じております。
#63
○小宮山洋子君 この後、この法律に沿いまして幾つか確認を是非させておいていただきたいことを伺っていきたいと思います。
 まず、目標達成計画についてですけれども、私、本会議で質問をいたしましたときに、それは森林吸収源について伺ったところだったんですが、この計画全体はあくまで六%削減のためにいろいろな数字を積み上げたものだと思っておりますが、大臣のお答えが、六%とその森林吸収源の三・九%の関係は、もう少し細かく言いますと、現在、既に一九九〇年に比較しまして実際の排出量が一三%程度に上がっておりますから、言うなればその中の、一三%の中の三・九%というような御説明があったんですが、新大綱に書かれているものは、その三・九%は六%を母数にしたときの数であって、ここで一三%と言われますとほかの部分はじゃどういうふうになるのかと。
 何かその辺りが数字合わせという感じでちょっと分かりにくいと思うんですが、その辺りをはっきりと伺っておきたいというふうに思います。
#64
○国務大臣(大木浩君) 京都議定書というのは、京都会議で作りましたときはまだいろんな肉付けができていなかったということでありまして、森林による吸収というようなものについても、その後いろいろと、COP3が京都会議でございますから、その後COP4から7に至るまでの過程を通じていろいろ議論をいたしました。
 ということでございまして、京都議定書目標達成計画に書いてございます吸収源による三・九%も含めて、京都議定書で我が国に課せられた九〇年レベルからの六%削減というのが計画達成のための数字でありますけれども、今おっしゃいました私が本会議でも申し上げましたように、吸収源対策の三・九%というのは、六%のうちの三・九%ではなくて、あくまでも現在、九〇年から比べまして既に一三%ほど上がっておるわけですから、一三%のうちの三・九%を吸収、森林による吸収でやると。ほかのところとの関連があってですが、それぞれについていろいろ経過がありますから、少なくとも吸収源につきましては一三%のうちの三・九%を森林によって達成すると、そういう計画でございます。
 それが当然にほかのものも全部横並びということではなくて、森林についてはそういうことでずっと時系列的にいろいろ議論がありまして、最終的にCOP7ですか、のころに最終的に決まったということでありますから、今の数字ということで言えば、一三%のうちの三・九%ということで御理解をいただきたいと思います。
#65
○小宮山洋子君 ちょっと私、計算が良くできないのか、頭が悪いのか分かりませんけれども、ここに、新大綱の中に書いてあるのも、六%を削減というところに三・九%と書いてあるわけですね。エネルギー起源、二酸化炭素はプラス・マイナス・ゼロとか、いろいろ足し合わせて、これはどうやっても六%の中の三・九%なので、全体一三%の中の三・九%と言われてしまいますと、じゃあとの九・一%はどこでどうするんですか、この新大綱に書かれているのはあくまで六%の中の三・九%なんだと思うんですけれども。
#66
○国務大臣(大木浩君) ちょっと書き方がそれは分かりにくいとおっしゃればそのとおりかもしれませんけれども、今申し上げましたように、それぞれの計画について、まだ最終的に非常に数字が決まらないものもございますから、これから、一応の大まかな数字はお示しできるけれども、具体的にそれをどういうふうに実行していくかというのが決まっていないものもございます。
 ということでありまして、今の、ちょっと大綱のところの図表か何か見ないといかぬと思いますが……
#67
○委員長(堀利和君) 局長、答えますか、具体的に。
#68
○国務大臣(大木浩君) それじゃ、ちょっと細目でございますので、局長に説明してもらいます。
#69
○委員長(堀利和君) それじゃ、細かいことですので、岡澤局長。
#70
○政府参考人(岡澤和好君) まず、現在、一九九〇年レベルに比べまして六・九%ほど排出量が増えておりまして、まずこれを従来の、新大綱の以前の旧大綱でございますけれども、旧大綱の実施によって下げていくというのが一つございます。それで下げていきます。
 それで、数字で申し上げますと、現在はみ出している、一九九〇年レベルからはみ出している数字については、新エネルギー対策、省エネルギー対策等によりまして一九九〇年レベルまでまず下げるというのが前提になっております。その後、一九九〇年レベルまで下げるという計画があって、それに更に追加的な措置を新大綱によって講じることによって六%マイナスを達成するという意味でございます。
 その六%マイナスを達成する手段として、森林吸収源につきましては、パーセントでいえば三・九%分、カーボンの量でいうと千三百万トンについて九〇年レベルから更に下げるための手段として用いるという意味でございます。
#71
○小宮山洋子君 それはちょっと先ほど大臣がおっしゃったことと違うと思うんですが、私──皆さん分からないですよね。何かこういうはっきりした、ここの数字がきちんとしていないと、みんなにそれを目標にやりましょうという数字の性格が、大臣がおっしゃることと担当の方がおっしゃることが違っちゃ困りますね。もう一度、大臣からお答えいただけますか。
#72
○国務大臣(大木浩君) 要するに、京都議定書では、六%削減するということは、これはあくまで一九九〇年を基準年といたしまして、二〇〇八年から一二年の第一期の目標時点までに六%を達成するということでございますが、今の三・九%というのは、現在既に九〇年から比べて一三%ほど上がっておりますから、その中の、その中の三・九%を今の吸収によって達成するということでございます。
#73
○小宮山洋子君 大臣がおっしゃっているのは本会議のときにおっしゃったのそのままで、今の局長の答弁とは違いますよ。こんなことがずれていて、みんなに守れなんてできないじゃないですか。
#74
○政府参考人(岡澤和好君) 説明の仕方によってちょっと、両方の説明の仕方があるんですけれども、実は今の二〇〇〇年段階の現状から見てどれだけの量を下げるかと。達成量というのは、一九九〇年レベルからマイナス六%というのが達成目標量でございますので、現在の排出量からその目標量までの差額をどうやって埋めるかというふうに申しますと、一三%分を下げなきゃいけない。今よりは一三%分下げなきゃいけないということになります。その下げる、一三%今より下げる手段の一つとして森林吸収源対策というものを用いると。この手段による削減分は三・九%という意味でございます。
 しかし、私が申し上げましたのは、その中身を新大綱の分だけに限って申し上げれば、新大綱の追加的施策によって下げる分、それでマイナス六%を達成しようというふうに言っているわけですから、そのマイナス六%を達成する手段としての三・九%という考え方になると。ですから、全体で見るか施策の中で見るかということでございまして、今の実態から見れば一三%下げなきゃならない。その一三%下げなきゃならない手段として三・九%の森林吸収源対策を講じると、こういう意味でございます。
#75
○小宮山洋子君 今の御説明は分かりましたので、大臣にしっかりそのように御説明を、分かるようにしておいていただきたいと思います。そうしないと、お答えされる責任者の方が違うことでおっしゃっては、本会議の答弁もこれは訂正していただかなきゃいけないかと思いますけれども、一三、そこの説明が非常に分かりにくいと。
 やっぱりここのところはきちんとしていただかないと、今、一つの例を取って言ったわけですけれども、私が言いたいのは、これは数字合わせで、数字だけが羅列されている。しかも、その意味合いが、今ここで大臣と局長の間でも言い方が違うといったら、もう国民、何が何だか分かりませんよ。ですから、批准するのはいいんですが、国内でしっかり措置が取られるようにならないと、これは基になる削減の目標値のところですから、ここは非常に大切な問題だと思いますので、是非しっかりとお願いしたいと思います。
 このことだけで五十五分やるわけにはまいりませんので、そこのところはもう一度、大臣、確認をさせていただいて次へ行きたいと思います。
#76
○国務大臣(大木浩君) 要するに、まず、その議定書では、一九九〇年が一〇〇といたしますと、目標年次でございます二〇〇八ないし一二年のところで九四ですね、六マイナスですから。それになるということでございますが、これ今から、これから大綱の方でどういうふうに、いろんなものを使ってその今の九四にしていくまでの過程におきましては、今の時点から考えますと、今の一三という数字が出てきて十三分の一の三・九と。こういう計算が一つ一応計算としては出てくると、こういうことでございます。
#77
○小宮山洋子君 しっかりそこの見解をちゃんと同じお答えが出るようにしていただきたいと思いますし、何回聞いても何か違うような感じがするのですけれども、これだけで五十五分やっていてもと思いますので、後ほどまたその辺はきちんと、どうしましょうかね、その本会議の答弁がはっきりしていないのでそれは何かの形で、ちょっと委員長、後で理事会でちょっとどういうふうにするかをお話しいただけますでしょうか。
#78
○委員長(堀利和君) それでは、後刻理事会におきまして、本件について協議いたします。
#79
○小宮山洋子君 最初からこういうことではちょっとなかなか難しいなという感じがいたしますが。
 それで、目標達成計画の中で、新大綱では定量的基準の達成が法的に担保されている政策や措置は全体の二割未満にすぎないと見られております。それで、普及啓発などで四割、業界団体の自主的な取組に依存しているのが三割、こういうことではなかなか、法的に担保された定量的基準がないと実効性は期待できないのではないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
#80
○国務大臣(大木浩君) 法的に担保されたと申しますと、実際にこれからある程度の時間を掛けていろいろと実行計画を作ってやっていくということでございますから、その目標、目標と申しますか大綱の中で数字が示せるものはきっちりと示すと。示せないものは、大体その計画としてどういうことを考えておるかということを示しておるわけでございますから、例えば、民間の企業でやっていただくことにつきましては、まず自主的にやっていただくということですから、それを法的にどうだと、こういうことで議論になればいろいろと議論はあると思いますけれども、そういったことについては、できなかったらどうだというようなことについてまで法的に書いていないといえば、そこは書いていないと。書いていないわけでありますけれども、全体としては、法的に六%政府としては国民と一緒に達成しなきゃいかぬわけでございますから、そういう意味では法律的にきちっとやるという目標を定めた文章だと考えております。
#81
○小宮山洋子君 やはり私は、これは法的に担保されたものでないと、なかなか達成計画としては、その対策のための施策をきちんと担保していくという意味からいくと、足りないのではないかというふうに思っております。
 それから、この計画を作るときに、これも再三申し上げていますけれども、やはり温暖化対策を推進するためには国民の参加ということが絶対に必要なものでありますので、この法案では目標達成計画の策定見直しは政府が行うとしていまして、情報の公開ですとか市民参加の仕組みが全く盛り込まれておりません。通常のパブリックコメントをもらいっ放しというような形では不十分だと再三これも申し上げているわけですが、策定の段階からどのようにして国民の参画を求めるのか、これをしっかりとお答えいただきたいと思います。
#82
○国務大臣(大木浩君) いろいろと、まず大綱は、これは既にお示ししておるわけでございますから、その過程ではいろんな形での各界の御意見を聞いたということでございますし、そういった意味での、国民の一般的な意味では御参画はいただいておるわけでございますけれども、今後、更に京都議定書目標達成計画の策定ということになりますと、これは案の段階から公表して、市民団体あるいはその他いろいろ国民各界各層の御意見を聞かせていただいて、それを十分に尊重して計画の策定に生かしていきたいと。
 一般論で言えばそういうことになるわけですが、それじゃどういう具体的な方法があるんだということになれば、いろんな地域ブロック別の公聴会あるいは地域住民や事業者との、事業者というのはいろいろと企業もあるわけですが、地域住民や事業者との意見交換の実施、あるいはよく言われておりますパブリックコメントというようなことでいろいろと考えております。
 ただ、おっしゃるとおりに、聞きっ放しじゃ駄目ですから、これはもう国民が本当に全体として、先ほど申し上げましたけれども、国民全体が参画していただかないとでき上がらない計画でございますから、これは十分に、聞きっ放しではなくて、御意見はひとつ十分に生かすようにこれから努力をしてまいりたいと考えております。
#83
○小宮山洋子君 これは、計画策定するのはどれぐらいの時期、どれぐらいのスパンでやることになるのでしょうか。その計画策定するのに、今から考えられて、なるべく上から案を出してそれを下ろすというのではなくて、それを作る前に聞いていただきたい。そのためには、こういう形でいつまでにこういうふうにしてやるからということを、これができれば、この法律ができるときにこういう形でやりたいと思っていることを具体的に示していただけると国民の側も納得するのではないかと思うんですけれども。
#84
○国務大臣(大木浩君) 今、法案の御説明でも毎回申し上げておりますように、一応その途中で総合的な見直しということも必要だと思いますので、二年たったら、あるいは五年たったらということ、見直しということを申し上げております。ということは、逆に言えば、その時点できちっと見直しができるような、そのための、それに先立っていろんな計画というものは作ってそれを実施していくと。その結果、それがうまくいったとか問題があるとかということを検討するということになりますから、今の時点で全部そろっているかという御質問であれば、正直申し上げまして全部そろっていません。
 これはやっと、正直申し上げますけれども、やっとあの程度のというか、ああいう大綱を作り上げるのに時間が掛かっておりますから、これは正直申し上げた方がいいと思いますので、いろいろとそのお立場もあるのをようやくにして、何と申しますか、国会へ出させていただくに私どもとしては足ると思っているんですが、そういうものを出しておるわけでございますから、それに時間が掛かって、あそこまでが現在の状況でございますから、今回また法律を通していただければ、それに基づいて更に次のステップとしていろいろな細かい、細かいというよりはその具体的なこともだんだんに計画として作ってまいりたいと考えております。
#85
○小宮山洋子君 今図らずもおっしゃったんだと思いますが、あの程度の大綱をきちんと、ちゃんと実のあるものにするためには、やはりもうこれが法律ができたときから、すぐに国民の声を聞いて実施できるような計画を持っていかなければ、それこそ絵にかいたもちにしかならないと思うんですよね。だから、そういう意味では、二〇〇四年と二〇〇七年、区切り目で見直すということしかこれにも書かれておりませんので、これも再三申し上げているように、やはり必要に応じてきちんと随時見直して、追加的な措置も取られていくべきだと思います。
 これについても、本会議で追加的な措置は随時取るというふうにお答えになっていますので、そうだとしたら何でここにそういうふうにお書きにならないのですか。これで見ると二〇〇四年と二〇〇七年しか見直さないように取れるではないですかということもありますので、もちろん、見直すのには計画が先に進んでいて、それを見直さなきゃいけないと思いますから、その辺りのやはり国民が、本当に一人一人が進んで参加できるような分かりやすい仕組みとその情報を是非出していただきたい、本当に随時の見直しもするということをお約束いただきたいと思います。
#86
○国務大臣(大木浩君) 本会議でも一般的にはお答えしたと思いますけれども、二〇〇四年、二〇〇七年というのはあくまで総合的に一遍そこで全体のその見直しをするぞということで示したわけでございまして、それ以外の時点においても随時必要に応じて、またそういうことが有用であると思えば、それぞれの時点におきまして見直しをしていきたいと考えております。
#87
○小宮山洋子君 そういう意味で、やはり申し上げましたように情報を、分かりやすい情報を、そんな見解が違ったりしないきちんとした情報を皆さんに提示をしていただいて、本当に進んでみんなが参加できるようなものを法律が本当は通る前からやらなきゃいけないと思いますけれども、少なくとも通った後すぐにやらないと、これはせっかく法律を作っても意味がないと。そうすると、批准をしてもしっ放しとなりますと、それはかえって信用が世界的にも落ちるということにもなりかねませんので、是非そこはきめ細かく、すぐに分かりやすくやっていただきたいというふうに思います。
 それから、この進め方なんですけれども、三つのステップに分けるということになっていますね。産業界からの反対もあってか、二〇〇二年からの第一ステップではほとんどある意味では何もしないような計画になってしまっていると。そして、第二ステップ以降は白紙状態ということだと思うんですが、昨日の参考人質疑でも福山委員からも質問をいたしましたが。
 そうやって第一ステップでもし効果が上がらないと、第二ステップ以降なだらかにやるというよりも、いきなり強い措置ですとか規制とかを取らなきゃならなくなるということの方が心配ではないか、その方がかえって現場では困るんじゃないかと思うんですけれども、その辺りはどういうふうにお考えになっていますか。
#88
○国務大臣(大木浩君) 第一ステップでは何もしないという何かお感じをお持ちのようでございますが、先ほどから法律的にどうだというお話もございます。確かに法律家でございます小宮山先生からいうと、何かきちっと法律に書き込んでいないということになるのかもしれませんけれども、これ、こういう計画を国民のいろんな方と一緒に進めるのは、必ずしもその法律でかちっと書き込んでということだけが実際の進捗するための方策だとも考えませんので、既に現実にはいろんなところで温暖化対策というのは進めておられるわけでございまして、いろんなところ、例えばエネルギーはどうしようとか、それからまた運輸交通についてはよりクリーンな自動車を作るということ、あるいは交通体系を見直すとか、そういうことはもう現実に進んでおりますから、現実に進んでおりますから、決して第一ステップで何もしないということではなくて、第一ステップも第二ステップもどちらかが急な坂を上るというようなことではなくて、もう第一ステップから必要な坂をだんだんに上っていくということで私どもは考えております。
#89
○小宮山洋子君 規制だけをしろということではなくて、これは後ほど伺いますけれども、経済的措置とか実効性が上がるようなことが施策として取られないで、自主的に任せていただけでは結果的に何も進まないということがあるのではないか、その先にそうするとかえってきつくなるんじゃないかということを心配しております。
 それで、産業界のことですけれども、日本は省エネが進んでいるので不利だとか、EUは域内で調整ができるとか、アメリカや途上国が入らないと国際競争力が落ちるといったようなことが反対の理由に挙げられておりますが、昨日、参考人の方からも、六%削減の日本というのは一九九〇年からたった二年、八八年レベルに戻せばいいけれども、EUはかえって域内の調整でイギリスやドイツにはきつくなっていると。それで、イギリスは二十年も戻さなければいけないと。だから、必ずしも日本が不利だということではない。それからまた、省エネも、為替で見るか消費者物価で見るか、いろいろな意味で必ずしも日本が進んでいるとは言えないというような意見が述べられました。
 こうした点につきまして、経済産業省としても積極的に経済界に働き掛けをしてほしいと思うんですが、先日誕生いたしました日本経団連の奥田会長、日経連会長のときに積極的に取り組むという御意見もおっしゃっていたと思います。
 この温暖化対策、やはり経済界としても新しい産業を興す起爆剤、かぎになると。早く取り組めば取り組むほど国際競争力は上がるわけですので、そういう意味で是非、余りこうだから不利だということばかりを言わずに前向きに取り組んでいただきたいと思うんですけれども、いかがでしょう。
#90
○政府参考人(大井篤君) お答えします。
 産業界の取組につきましては、従来から創意工夫ということで自主的な取組というものを基軸としてやってまいっているわけでございます。
 ここ十年間の数値で見てみますと着実な成果が上がっている。基本的には産業部門の二酸化炭素の排出量というのがほぼ横ばいに推移している。今後とも、こういった積極的な対応、創意工夫を生かしながら排出削減対策を有効な効果が出るように実施する、こういうことが大変重要であるかと思っております。また、そういう産業界が真剣に創意工夫をしながらこの温暖化対策を進めていくということが、それに関連する有効な技術開発であるとか、あるいは新市場の創造につながる、そういった意味で経済再生にもつながっていくということも期待をしているわけでございます。
 こういったことを踏まえながら、引き続き民間企業等が効果的、効率的に技術開発を行い、その成果が円滑に事業化される、こういった取組を政府としても支援をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#91
○小宮山洋子君 是非、その経済的措置、いろいろ実効性のあるものを一緒にかませることによって、経済界の方でこれをプラス思考で新しい産業を興していく、雇用を創出していく、国際競争力を上げていく、そういうことで取り組んでいただきたいと思うんです。
 あれだから駄目だ、これだから駄目だと言っていても、もうこれやることになっているわけですから、そういう意味で是非そういう取組を経済産業省もしていただきたいですし、環境省からも各関係の省庁からも是非そういう形で進めていくように政府全体として取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次の質問に移りますが、現行法、現在の地球温暖化対策推進法第七条第二項第三号に規定してあります政府の事務及び事業に関する温室効果ガスの排出抑制等のための実行計画、これがいまだに策定されていないというのは何でなんでしょうか。早急にこれは策定をする必要があると思うんですが、いかがですか。
#92
○国務大臣(大木浩君) 今の、現行のと言われたのは、今まであったそれについては正直申し上げまして遅れています。遅れていますというか、本当に総合的な実行計画と言えるようなものはできていないわけでありますから、いろんな個々の問題についての計画というのはありますけれども、これはこれから今度は新しい法律に基づいての実行計画というのをすぐに作らなきゃいかぬというふうに考えております。
 今のところ、すぐに目に見えておるものといたしましては、グリーン購入法に基づく基本方針だとか、これから、小泉総理も非常に熱心に言っておられます低公害車の導入の問題とか、そういったものについてはある程度具体的な数字も含めた計画というのはございますけれども、その他につきましては、先般からこの法律と一緒に御審議もいただいております新大綱の方の中で新しくいろんなものを作るということでございますから、今年の夏までぐらいには大体総合的なものを一つ作り上げたいというふうに考えております。
#93
○小宮山洋子君 現行法ができたときに、ここでこういう形で作ると言った実行計画が、結局、新しくこういう改正案が出てきて、これが法律になるまで策定されていないわけですよね。これは遅れていたというよりもやっていないというのか、そうすると、また今度新しい、今夏までにとおっしゃいましたけれども、是非早くその計画を作っていただかないと、これは書いてあるだけで実際やらないんじゃないかと、そういうことにもなってしまうと思うんですね。大体、改正案ができるまでこんなことができていないというのは、かなり怠慢といいましょうか、あってはならないことだというふうに思っています。是非、計画は早急に作っていただきたいというふうに思います。
 次に、情報の収集と公表。これはやはり情報がなければ、先ほどから申し上げているように、一人一人が、あるいは事業者も国も自治体も取り組むことが難しいと思いますので、その情報の収集と公表ということは進めていくために大変に重要な要素だというふうに思います。
 その中で、先ほどから産業界の方は自主的に自主的にというお話がありますが、自主的で本当に進むんだろうかと国民の方は思っていると思います。そうした点からも、一定規模以上の事業者には計画の策定と温室効果ガスの排出状況の公表、これを義務付けるべきではないかという声がNGOの皆さんとか真剣に取り組んでいる方から非常に強く上がっているんですね。これは何もこれだけ削減しなかったから罰則をということではなくて、策定と公表を義務付けるというだけというか、ものですので、こういうことは是非必要なのではないかと思うんですけれども、いかがでしょう。
#94
○国務大臣(大木浩君) 産業界の自主的な行動というのを非常にあちこちでうたっておるわけでございますけれども、私は、一定規模と、まあ一定規模というのをどこら辺からと考えるという問題もありますけれども、私は、大きな企業につきましては大体どういう計画でこれから事業をやっていくというようなことを皆さんそれぞれの、ある程度外へも出したものをお持ちでございますから、またできるだけそういうものは公表するように、またひとつ努力していただきたいというようなことも私どもの方からも申し上げております。
 ですから、今すぐに全部公表ということになりますと、業種によってはどういったものを作るのがいいのかなと、なかなか簡単に計算できないとか、あるいはばらばらで、やっぱり出すとなると何か一定の基準がないといけないというようなこともありますから、これを今すぐに全部義務付けはしておりませんけれども、私の予想としては、大きな企業につきましてはかなり多くの企業が公表されるんではないかという私は心証を得ておりますから、それはそれで取りあえずのことでありますけれども、また今後いろいろとそういったものがたくさん出てくれば、それに倣ってまたほかの企業も出されると。あるいは、中小企業につきましても、これはまた実際にやってみないとなかなか分かりませんけれども、できるだけ例えば一つの基準をこういうふうにしたらできるんじゃないかというような、言うなれば一種の技術指導と申しますか、そういったようなものは実施しながら、できるだけ全体の数字が分かるように努力をしてまいりたいと思っております。
#95
○小宮山洋子君 是非やはり、一定規模以上というのは、省エネ法などでも一定規模以上という規定の仕方をしていますので、そういうものについては多くのところは持っているのでなるべく公表するようにというふうにおっしゃいましたけれども、是非そういう形でやはり情報がきちんと国民に分かるようにしていただきたいというふうに思います。
 それからあと、地方自治体あるいは地域での取組のためにも、その地域の情報がきちんと提供をされる必要があると思うんですけれども、この点についてはいかがでしょう。
#96
○国務大臣(大木浩君) 地方の公共団体が地域において排出データをどういうふうに公開してきておられるかということについては、場所によって若干その、何と申しますか、温度差がございますけれども、少なくとも公開という形でやっておられるところが今、三十五都道府県につきましては既に排出量の公開が行われておるというふうに理解をしておりますし、今後ともそういったところは引き続き公開をしていただくと。また、されておらないところも、やっぱりもう大半の都道府県でやっておられるわけですから、残った道府県につきましてもまたひとつやっていただくように、これからも私の方からも、いろいろとまたその排出量の把握方法の開発というようなことについては、言うなれば、先ほども申し上げましたけれども、一つの技術的な協力とかいうこともしながら、各都道府県そろって出していただくようにひとつ努力をしてまいりたいと思っております。
#97
○小宮山洋子君 やはり、国がやるべきことと、地域の中でやっぱり地方地方でやっていかないとこうしたことは進まないと思いますので、その地域の情報についても是非お願いをしたいと思います。
 それで、全体として、この情報について、国、地方公共団体、事業者などの温室効果ガスの排出量の把握、公表、評価、こうした仕組みを全体として、今、事業者のことと地域のことを伺いましたけれども、全体としてどういうふうに仕組んでいくおつもりなのか。そういうやり方を考えていらっしゃれば教えていただきたいと思います。
#98
○国務大臣(大木浩君) これも、一言で言いますと、まずできるだけ自主的にひとつ取り組んでいただきたいということを言っているんですが、それだけじゃなかなか何か絵にかいたもちに終わるおそれもありますから、それは自主的にどういうものをやっていただくというようなことで、そのためには排出量の把握、公表、評価といったようなものについてのやり方と申しますか、そういったものについてガイドラインをひとつ作りまして、また関係の地方自治体等々とお話をしていきたい。
 これは、国、地方公共団体、事業者、それぞれが取り組んでいただかなきゃならない問題ございますから、それぞれについて考えるわけでありまして、今申し上げましたように、排出量を把握し、公表し、評価するということはそれぞれの、何と申しますか、主体において常にやっていただくということ。
 それからまた、全体の動きについてはまた環境省の方でそういった状況を全体として見渡して、もしも不足なところがあればまたそれを補っていくというふうにしたいと思っております。
#99
○小宮山洋子君 やはり、もう第一ステップ、二〇〇二年から始まるわけですので、そういう意味ではやはり、いろいろあってこの程度のものでスタートをしなきゃいけないというお話が先ほどございましたけれども、やはりなるべく早くそういう仕組みを、ガイドラインも本当は並行してできていないとなかなかすぐには取り組めないところだと思いますので、是非早くやっていただきたいというふうに思います。
 次に、国民の取組の強化ということについて伺いたいんですけれども、都道府県地球温暖化防止活動推進センター、まだ指定していない都府県、これがあるということですので、これはやはり早く指定するように働き掛けなきゃいけない。これもなかなかスタートできないということになってしまうと思います。
 また、センターの運営ですとかNPO活動への支援、これはどういうふうに拡充されていくのか、併せてお答えいただきたいと思います。
#100
○国務大臣(大木浩君) 都道府県センターの設置は大変正直言いまして遅れております。残念ながら遅れておりまして、現在でき上がったのが、四十七都道府県のうちのたしか十一しかできていません。
 いろんな理由でそのセンターというものを作るのが難しいというお話があるので、なぜそんなに時間が掛かるのかということはいろいろ聞いておりますし、とにかく四十七分の十一ですから、ちょっとすぐあしたまでに全部やりますとは言えませんけれども、これちょっと私も長いなと思っているんですが、三年以内に何とかやりますと、こういうことを言っていますので、三年以内というのは一応のあれですけれども、別に三年待つ必要はございませんので、これは国民世論も大いに喚起していただきまして、そういったものを背景にして各都道府県で進めていただくように私どもの方からも努力してまいりたいと思っております。
 それから、全国のセンターを通じて、全国センターを通じて都道府県センターの職員や推進員に対する研修会の開催とか手引の作成など、いろんな、やっぱり全面的に環境省が中心になりまして、都道府県なりなんなり地方の組織にも参加していただくということが必要でございますから、そのためにはやっぱりそういった人材をそろえることが本当に大事だと思っております。
 今申し上げましたように、例えば都道府県のセンターなどで何でそんなに掛かるというのは、私も実はそういう感じは持っているんですけれども、今までの実績からこの辺がセーフなところじゃないかということを聞いておりますので、まあだからといって私もそれでそのとおりだとは思いませんから、一応は、今のところは、都道府県に対する指示、指示と申しますか、連絡はそういうことでありますけれども、今のセンターの設置、またいろいろなそういった人員の研修というようなことについては、できるだけこれから早くひとつ進めたいと思っております。
#101
○小宮山洋子君 まだ四十七のうち十一道府県にしかできていないと、これは幾ら何でも。それで三年以内ですか。三年以内じゃもう第一ステップ終わっちゃいますよね。何でそんなにできないんですか。理由は何でしょう。
#102
○国務大臣(大木浩君) 理由と申しますか、都道府県推進センターという形でやることについていろいろと御意見もあるようであります。その結果、そういうことになっておりますけれども、ただ現在、都道府県で恐らく環境関係の部局がないというところはないわけでありますから、私どもももうほとんど日常的にそういったところとのいろいろな連絡はしていますから、それはいろんな問題が起こるわけでありますから、私は、ここ数年の間に、環境省、かつての環境庁のことも頭に置きながら、現在の環境省と都道府県との関係というのを考えますと、でき上がったものが今非常に少ないというのは残念ですけれども、私はいろんな問題抱えておられるところとの接触、話合いというのは進行しておると思いますので、これはひとつ、今申し上げました例えばの話で三年なんというのはどう考えても長いなと思っておりますけれども、そういうところで、ある時期で指示が出ておるようでございますから、これは私ももう一遍見直して、もっと早くできないかということを考えてみたいと思っております。
#103
○小宮山洋子君 長いなとお思いになったら、やはり大臣がリーダーなんですから、それはもっと早くせえとおっしゃっていただかないと、推進センターを作ることに、その在り方についていろんな意見があるなんて今ごろ言ってみたって、こういう方針でやるということを国でお決めになったわけでしょう、政府が。それで、国民の取組というところがこの推進法の中心になっているわけですよね。その中のセンターが四十七分の十一しかできていないで、しかも三年以内に作ります、それは遅いなと思っていますということでは、ちょっと責任者としては甚だ心もとないと思わざるを得ません。
#104
○国務大臣(大木浩君) 私も、自分はそう感じておると申し上げたんですから、そういう事態があると思います。
 ただ、先ほどから申し上げておりますように、推進センターだけがすべてではないんで、推進センターができるところは、それでこちらが考えていることと形の上でもぴしっと合って一緒にやってもらえると思いますし、できていないところについても、その間、推進センターができるまで何にもやらないということではございませんので、そういうふうに御理解いただきたいと思っております。
#105
○政府参考人(岡澤和好君) 予算とか人員の手当ての問題もございますので、各県に働き掛けてはおりますけれども、確実にというのが三年ぐらいたてば確実だということでございます。私どもの方としては、一日も早くということで一層働き掛けを強めてまいります。
#106
○小宮山洋子君 それから、やはりもう一つの大きな仕組みになっています地球温暖化対策協議会、これも再三議論しているように、日常生活だけじゃなくて、地域のあらゆる排出削減の取組について幅広く協議できるようにすべきではないか、なぜ日常生活に限っているんですかというふうに伺いましたら、地域の中の工場などにまで働き掛けはできないというふうにこの間聞いたんですけれども、そんなこと最初からそういう限定してしまったら、地域の中での推進活動なんて進まないんじゃないですか。
#107
○政府参考人(岡澤和好君) 企業の場合、工場が幾つかあったり、地域に、幾つかの地域に工場を持っているようなケースがあって、企業全体としてはその幾つかの複数の工場あるいは事業所を総括して全体として温室効果ガスの削減対策を講じていこうというところもございます。そういうところは、特定地域が特定のポリシーによってばらばらにやられるというよりは、むしろ一元的に行う方が望ましいということで、別建ての、国からその業界、業界、会社、工場という、そういう流れの中で措置していくことの方が適当だというふうに考えておるわけでございます。地域として、生活、それから町づくりというふうな分野については、やっぱり地域の取組ということで温室効果ガス対策というものを進めてもらうことが適当だということから、こういう枠組みを作っているものでございます。
#108
○小宮山洋子君 それも何かすごくおかしな論理だと思いますよ。例えば、ある町に住んでいて、その中で温暖化対策、みんなでその地域で協議をしましょうというのに、工場のところは業界があって、会社があって、工場があって、トータルで進めていますからそこは外しますと言ったら、それを国民が納得しますか。
#109
○国務大臣(大木浩君) 今、ある町に工場があって、その工場はわしは嫌だと言ったらそれはのけるというようなふうに受け取っておられるかもしれませんが、必ずしもそういうことではなくて、やっぱり地域、この地域協議会というのは、やっぱりそこの地域で、普通だったら市町村とかそういうところ、そういうところが、かなり小さいと言ってはあれですけれども、やはりその地域地域によって特色があるところで、みんなで地域の住民やら、あるいは正直言って中小企業になると思いますけれども、その町づくりについて関連しておる例えば工務店だとか、そういったところが一緒になって我々の町についてはこういうことをやろうというようなことで、その中身としては必ずしもそんな別に一人一人の家庭生活ということだけじゃなくて、やっぱり町全体としてどうしましょうということですから、建物を、例えば断熱材を使ってより、何と申しますか、温室効果ガスの観点からいえば改良されたものを造るとか、あるいは交通システムでも自動車ばっかりじゃなくて、公共の交通システムをもう少し整備するとか、あるいはもっと自転車で走れるところを造るとか、だから、大きな意味での私はやっぱり町づくりだと思うんです。
 だから、そういうことをやる場合に、必ずしもその企業が自分のところはまた、それは企業が一つどこかに本店があって、本社があって、そしてまたいろんなところにわたっておるときは、本来、自分のところで、自分の企業としてもいろんな考え方があるということになりますと、すぐにはなかなかその地域の方の協議会には入ってこないというようなところもあります。
 ですから、これはいろんな、縦から横からといろんなところから皆さんの意見を聞いて実際にやろうということでありますから、それはあれだと思うんですね。例えば、大きな企業だったら私のところはいろんな、自分自身のところのいろんな計画を作ってまたやるというようなこともあり得ると思いますので、その辺はこれからもちろん実際の実績も見てまいりたいと思います。
 例えば、地域協議会というのが、先ほど申し上げましたけれども、できないところもあるというようなことが、いつまでたってもできないということであれば、やっぱり基本的なアプローチを考えなきゃいけないわけでありますから。ただ、そういったように、今、いろんな地域によって町づくりのための協議会ということになりますと、かなり差があるということだけはひとつ御理解いただきたいと思うんです。
#110
○小宮山洋子君 今、そういうふうに受け取っておられるとおっしゃいましたけれども、環境省の方からそういう説明を私は受けたものですから、工場のところへは触れないという、それはおかしいのではないかということを申し上げましたので、確かに縦と横で工場は、その業界は業界で縦に流していくという部分があるでしょうけれども、それは横に、先ほどから申し上げているように、その地域の国民一人一人が積極的にかかわるためには、やっぱりその地域にある工場についてはその地域の中でちゃんと話の中に入れていただかないと取組が進まないということを申し上げておりますので、是非そのようなことで取り組めるようにやっていっていただきたいと思います。
 時間がだんだん少なくなりましたが、森林吸収源については、いろいろやはり、一九九〇年には二酸化炭素の排出量の計測はしているけれども森林の吸収量は計算していない、それなのに何でその吸収分が盛り込めるのかとか、先ほどから幾つもあいまいな点があるんですが、森林吸収源自体に非常にあいまいな点がございます。でも、それをちょっと今している時間がございませんので、こういうふうにやると決めた以上、その森林の整備等を着実に実施するためには、関係省庁の連携、それから人の面、財政面での拡充、これがきちんとないと森林の整備というのができない。ただでさえ実現は危ないんじゃないかなと言っている三・九%など届かないということになりかねませんので、どれぐらいの費用が必要だと見込んでいて、どこから出すのかということも含めて、やる以上きちんとできる仕組みについて、農林水産省から伺いたいと思います。
#111
○政府参考人(米田実君) 森林吸収源目標三・九%を達成するための財政的な面、人の面等々のお話と承りました。
 確かに、現状程度に推移いたしますと、大幅に三・九%を下回るおそれがあるわけでございます。現状程度の水準で森林整備等が推移した場合には三・九%を大幅に下回るおそれがあるということは我々も認識しておりまして、そのために、吸収源対策として、我が国に必要な吸収量を確保するということで森林の整備、木材利用の推進等を強力に推進するんだということで、地球温暖化大綱にもその旨明らかにし、十か年対策ということを盛り込ましていただきました。
 具体的な財政金額ということでございますが、現在、我々もいろいろ試算、検討しておる次第でございます。ただ、現時点において具体的に幾ら要るかということを申し上げる数字は持っておりません。と申しますのは、森林・林業、民有林が七割を占めておると、林業関係者の施業意欲の喚起も必要でございます。そういうことで、総合的に対策を進めていかなきゃいかぬ、そのためには施策を充実しなきゃいかぬということで、現在、鋭意検討中でございます。
 人の点でございます。人の点の御質問もございました。
 事業を推進するためには人手が要ると、おっしゃるとおりだと思っております。そのために、現状でございますが、今七万人程度の林業労働者がいるわけでございますが、新規就労者は最近ようやく、微増でございますが、増加に転じております。ただし、非常に少ないそうでございまして、もう一点問題が、六十五歳以上の高齢の方々が二五%を占めるというふうな状況でございまして、こういう方々が順次リタイアしていくと、こういう問題を抱えておる次第でございまして、そういうことで、昨年の補正におきまして新たにそういう雇用、人的な確保ということをやり始めたところでございます。おかげさまで非常に反響を呼びまして、かなりの、五千人程度の人が相談に来、三千人程度の新規就農が、わずかな期間ではありますが、あった次第でございます。
 今後とも必要な労働力の確保に努めていきたいと思います。
#112
○小宮山洋子君 全然先ほど聞いた説明の答えに私はなっていないんじゃないかと思いますよ。
 今おっしゃったように、現状のままでは大幅に下回ると、三・九%より。今の御説明でそれが下回らないような施策が取れているとはとても思えないですね。今検討しているから具体的には財政の規模も分からない、そんなことでこの森林吸収源にこれだけ頼った計画が進めていけるんですか。
#113
○政府参考人(米田実君) 財政規模の点については先ほど申し上げたとおりでございますが、この三・九%、実現不可能かどうかという議論でございますが、先般……
#114
○小宮山洋子君 お金のことを聞いているだけです。
#115
○政府参考人(米田実君) 財政については、事業量については、整備目標というものは森林・林業基本計画で先般閣議決定いたしましたもの、閣議で承認いただいたものがございます。その計画どおり達成できれば三・九は可能であるというふうに我々考えております。そのための事業量を我々は確保していかなきゃいかぬ、そのためには施策の充実が要る、具体的な金額以外のそういう量的な面については計画的に計画に入っておると、かように申し上げたところでございます。
#116
○小宮山洋子君 何回も聞きますけれども、その計画はお金がなかったら、財政の裏付けなかったら進まないわけじゃないですか。当面ということだけでも何でも全く、そのお金の裏付けが全くなくて、計画はございますと言われても、これはちょっと実現できるとは思えません。
#117
○政府参考人(米田実君) 十か年対策につきましては、当然のことでございますが、事業量の計画でございまして、その背景には、先生御指摘のとおり、資金の裏付けがなければいけないものだと思っております。
 ただし、この問題でございますが、国の財政のほかに民間の資金等々もございますし、総合的な計画であります。具体的に今後、まず一年目、二年目、三年目と、十年間で幾ら要るかというのは今検討しているわけでございまして、金銭はありませんが、そのための基礎である事業量等々については温暖化大綱に、あるいは基本計画に掲示してあるということでございます。
#118
○小宮山洋子君 ここで幾らやっても出てはきそうもありませんけれども、事ほどさように、ここに計画はあります、書いてありますといっても、それをきちんと担保するための財政的な措置もその試算もないということであると、甚だこれは実現性が疑わしいと言わざるを得ないというふうに思います。
 もう持ち時間があと少しになりましたが、もう一点だけ。
 環境税などの経済的措置、これがやはり真っ当な温暖化対策だという、こういう規制的な措置で、この経済的措置をやって足りないところを規制的措置で補助するのが真っ当な温暖化対策だということを、昨日も参考人の方もおっしゃいました。私もそうだと思います。ただの無意味なとは言いませんけれども、数字の羅列とか百を超える項目の羅列だけに終わっていても実効性は全く担保されない。その中の一つの重要なところが経済的措置、炭素税、エネルギー税などの環境税ということだと思うんですけれども、全くこの新大綱の中、推進法の中では触れられていませんね。それはなぜなんでしょうか。
 先ほど大臣も十分意思があると答弁を、先ほどの委員の質問にも答えられましたけれども、政府税調では今年の六月にまとめる基本方針に炭素税導入を盛り込んで、二〇〇三年度からの実現を目指しているというふうにも報じられております。経済産業省、環境省、それぞれもう既に議論をしていると思いますので、これを、どれぐらいの税をどのように取ってそれを何に使うか。これは、本会議でも申し上げたように、日本の社会をどう作り直していくか、組み立てていくかの基礎になると思いますので、その辺りの考え方と、今現実にどのような議論がどこで行われているのか、それが政府としてはどういう形で提示されることになるのかを具体的にお答えいただきたいと思います。
#119
○国務大臣(大木浩君) 税金の問題でございまして、いろんな省がかかわっております。後で必要に応じましてよその省からも御説明いただくと思いますけれども、政府税調として今環境税という形で具体的に審議を開始したということはございません。いろいろと、前々からそういった話の議論は非公式にはございますけれども、政府税調で正式に取り上げたという段階ではございません。
#120
○小宮山洋子君 環境省としては審議会とかで御検討中だと思いますが、どのような議論が進められていて、今後どういう形で環境税に取り組まれるんでしょうか。
#121
○国務大臣(大木浩君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、中央環境審議会の中にまた税の方の委員会がございまして、ここでは具体的に、かなり具体的に、つまりどういう形の税を、環境税と申しますか炭素税と申しますか、いろいろと議論がございまして、例えば、非常に、どういう時点のところで、つまり、例えば石油とかいろんな化石系の燃料を使う、使うというか、一番初めはまず輸入のところから始まるわけですから、そこのところでどうするんだと。それから、実際に排出するところでつかまえるのか、いろいろあるわけですから、そういったようなことも含めてかなり具体的に議論をしておりますから、環境審議会の方としましては、いずれかなりこれは早い時期に出てくると思います。ただ、先ほどから申し上げましたように、まだ政府税調の方で正式に取り上げて始めたという段階ではない。
 ですから、私どもといたしましては、環境省の方の立場というのはできるだけ早く固めまして、また、ひとつ関係各省とも一緒に議論ができるように進めたいと考えております。
#122
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。
 いわゆる炭素税であるとかあるいは課徴金であるとか、環境の問題を解決をしていく上に、いわゆる経済的手法というものがあるわけでございます。
 その手法でございますけれども、いろいろな他の手法もございます。そういった、その他の手法との比較ということも必要でございましょうし、また、経済的手法を導入したときに環境保全上の効果がどの程度になるのか、これも見極めなければいけない。さらに、マクロ経済であるとか、あるいは産業競争力といった国民経済に与える影響、それからさらに、諸外国においてまた幾つかの取組等ございます。そういったものがどうなっているのか、どう評価されるのか、そういった論点が幾つかあろうかと思います。
 そういう中で、地球環境保全上の効果が適切に確保されるよう、国際的な連携にも配慮しながら、様々な場で総合的な検討が必要であるというのが政府のポジションになっておりまして、経済産業省も基本的にそのラインに沿ってつかさつかさでいろんな検討を行っていると、こういうことでございます。
#123
○小宮山洋子君 もう時間でございますから終わりますが、やはり経済的措置、環境税などが唯一とは言いませんけれども、この実効性担保するために重要な手法だと思っておりますので、なるべく早くそれは具体的な提案をしていただきたいとお願いしまして、私の質問を終わります。
#124
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 一時、京都議定書の批准が危ぶまれるような、そういった話があった中、よくここまで来たなという、そういった意味では非常に喜ばしい状況かなと、そう思います。ただ、問題はこれからでございますので、お互い引き締めて六%削減目指して頑張っていきたいと、このように思います。
 それで、まず最初に外務省にお尋ねしたいわけでございますが、WSSDの世界サミット、政府代表団を送るわけでありますが、この政府代表団にステークホルダーでありますNPOあるいはNGO、それを複数参加させるべきであるというふうに考えております。そういった意味では、非常にこういった点は大事であると思いますので、外務省、この辺についての見解を示していただきたいと思います。
#125
○政府参考人(高橋恒一君) お答え申し上げます。
 ヨハネスブルク・サミットにおきましては、持続可能な開発のテーマの下、多くのNGO等の団体の参加が見込まれておりまして、各国政府、国際機関及びNGO等団体との間のパートナーシップが主要なテーマの一つとなる予定でございます。このような状況を踏まえまして、外務省といたしましては、先般、この会議に臨みますNGOの担当大使を任命いたしております。
 さらに、NGO、各種団体、有識者の方たちの知見を得ることが、政府といたしましてこのサミットに貢献をするために、このサミットの成功に貢献するために極めて重要であるというふうに認識しております。かかる観点から、現在、本件サミットへの政府代表団を構成するに当たりまして、NGOや有識者の方たちの参加を得る方向で検討を進めさせていただいております。
#126
○加藤修一君 是非、NGO枠も広く取るように積極的に進めていただきたいと思います。
 外務省に対する質問はこれで終わりますので、引き取ってよろしいと思います。
 それで、私は、二十一世紀を展望いたしまして、長期的には環境、エネルギーの進むべき道の選択という幅は極めて狭いと、ある意味ではそんなに広いわけではないなと、そのように思っておりまして、やはり大きな柱として、再生可能な、ある意味では太陽の力とか太陽の仕組みを最大限活用する、そういった戦略パラダイムを構築していかなければいけないと、そういうふうな問題意識を持っているところでございます。
 それで、今般出てまいりました法律、地球温暖化対策の推進に関する法律の総則の第一条には、「目的」として、「地球全体の環境に深刻な影響」、あるいは「人類共通の課題」、「現在及び将来の」とか、あるいは「人類の福祉に貢献」という言葉が入っているわけでありまして、我が国にこのような目的を持つ国内法は恐らく初めてではないかなと、このように思います。この目的を成就するためには、やはりパラダイムの転換が求められている、大変重要な目的になっているのではないかと考えております。
 小学校のころに、外敵から地球を守るために戦う「地球防衛軍」を映画で見た記憶がありますが、あくまでも子供の世界であり、虚構の世界でしたが、しかし、現在の地球の現実はそれに近い、差し迫った状態であります。
 また、環境省の組織には地球環境がかぶさった局、地球環境局がありますし、また、先ほどお話がありましたように、地球シミュレーターあるいはサイバー地球が動き始めている段階でもあります。それらがあることに対しては、やはり地球自体に起こっている大きな流れ、変化を感じないわけにはいかないわけでありますけれども、現在から未来への地球の姿、人類の在り方を大きく変えなければいけないと。先ほどの質問の中にもございましたように、やはりそういったことが非常に我々が考えていかなければいけないことではないかなと、そのように思います。
 そのジャンプ台の一つとして、やはり私は京都議定書があり本法律案があると考えたいし、考えたいというふうに発言いたしましたのは、京都議定書の精神は極めて重要ではありますが、ただ現時点での目標値を考えてまいりますと、地球の気候安定が戻るわけではありませんし、あるいは本法案や京都議定書第三条に規定されております京都議定書目標達成計画の実効性を上げるためには、やはりこれから審議を含めて相当の議論を経て更に実効性を確実なものにすることが極めて必要であると考えております。
 はっきり言えば、これで大丈夫かという、そういう正直なところでございまして、やはり私は、地球人類のサバイバルの可能性あるいは六%への責務の達成ということについては、最大限我が国政府も努力していかなければなりませんし、あらゆるパートナーシップを組んでやっていかなければいけない極めて重要な問題であると考えてございます。
 それで、私は、政府が平成二年十月に策定いたしました地球温暖化防止行動計画、また平成十年六月に策定いたしました地球温暖化対策推進大綱、旧大綱でございますが、その実績を検討いたしますと、一言で言いますと実績が付いてこなかった部分が非常に多いと。新しい大綱もその懸念がありますが、ただ、京都議定書と一体化している点に違いがありますし、その分、国際的な約束としての強制力は強いと言えます。
 一方、政府税調も環境税の議論に具体的に入り始めたように伝わってまいりますが、環境省が十年前後にわたって研究してきたものでありますし、大いに期待をしているところでございます。
 言うまでもなく、地球温暖化現象は環境とエネルギーの問題でありますし、エネルギー資源には化石燃料、核燃料などがありますが、仮に、諸政策の効果的な推進や革命的なCO2削減技術が開発されて気候安定が保たれるようになったとしても、これらは使い消え去ってしまう資源でありますし、命尽きるものであります。つまり、枯渇資源でありますし、種々の方法による試算結果があり多少の違いがありますが、例えば、環境年表によれば可能な年数は、石油が約四十年、天然ガスは六十年、ウラニウムは軽水炉でかつ直接処分を用いる限りにおいてはこれまた四十年前後であると、石炭は百六十年を超える程度でありますし、最近出された環境白書には、鉄や亜鉛等の資源の枯渇する図も示されております。
 このように、地球に局所的に偏在、蓄積していた資源エネルギーもその年限が来れば枯渇してしまうものであり、枯渇年限に至る前に価格の上昇、枯渇資源の争奪戦に突入しがちでありますし、枯渇の理由からも、それは本命が出てくるまでのつなぎの資源エネルギーと、そういうふうに言われているところでございます。人類の持続的開発に向かう中、つなぎという過渡的な役割を果たしている代表例が石油でしょうが。そして次に、消滅しない本命の役割を担うつながれる側、適切にバトンタッチされる側の新しい資源及びエネルギーへの道を歩むことが強く私は求められているんではないかなと、このように思います。そのためには、枯渇する資源エネルギーに依存する現在の社会経済パラダイムから新しいパラダイムへ転換をしなければならないと、このように思います。
 これだけの意味が実は私は法案の目的に含まれているんではないかなというふうに考えてございまして、それでは、人類が持続的開発を続けるためには新しいパラダイムを何に求めればよいかと、超長期的な視点からはどのような種類の資源及びエネルギーを考えて転換を図るべきなのかと、そのための新しいパラダイム、人類再生の新しいパラダイムは何かということになるわけでありますけれども、それは皆さん御存じの、一つにはやはりサステーナブルであることには違いないわけでありますが、極めて単純化しますと、枯渇する資源やエネルギーにいつまでも依存できないと、これは厳粛な事実であると思います。
 その事実の中で、いかなる判断のための基準を作り上げるかということになってくるわけでありますけれども、私は、一つには再生可能かどうか、そういった判断基準が一つ考えられるんではないかと思います。言い換えるならば、再生可能な資源であり、再生可能なエネルギーであると。それは、太陽の力、光の仕組みを最大限に活用することではないかと思いますし、これは太陽や地球が続く限り、そして適正管理する限り、補給が切れることがなく無限でありますし、また自然のルールに従う自然循環に組み込ませることが可能であることから、低い環境負荷にとどめることが可能でありますし、さらに、CO2に関しても少なくともカーボンニュートラルであります。
 そこで、資源及びエネルギー等の分野で太陽の力、光の仕組みを最大限に発揮した戦略を推し進めCO2等の削減を求めること、こういったことなどにより、持続的開発としての大きなパラダイムシフトを選択することになっていくことが私は望ましいと。これがいわゆる太陽戦略と考えていいと思いますが、この太陽戦略の視点を持つ日本のパラダイムとしてジャパン・パラダイム、こういったことを検討する、あるいは研究をすると、こういったことが必要でないかなと、このように考えてございます。
 そこで、第一の要件としては、やはり再生可能資源であること。光合成等の成果である植物起源あるいは生物起源のそういった資源を活用していくということになるわけでありますけれども。第二の要件としては、再生可能なエネルギーであること。太陽光、太陽熱、地層に蓄えられている未利用エネルギーの地中熱など、非常に広範でありますけれども。さらに、第三の要件としては、光の仕組み、構造、機能は広範にわたりますが、この活用にあると考えてございます。
 こういった三つの要件を基にしながら、日本の未来戦略、超長期的な視点から日本の姿をどう作り上げていくかというのが非常に大事なわけでありますけれども、この太陽戦略といういわゆるジャパン・パラダイム、これは非常に重要なことだと私は思っております。これからの時代の新しいパラダイムとして選択していっていいのではないかと考えておりますし、そういったことから、いわゆる関連省庁の連携から成る組織横断的なジャパン・パラダイム構想の検討を是非私はお願いしたいと思ってございます。
 そこで、環境大臣にお願いをしたいわけでございますが、この第三条に、国の責務として総合的かつ計画的な対策、温室効果ガスの排出の抑制等の技術調査等が書いてございますが、今から二十年、三十年を展望していかなる基本的方向、戦略を持つかによって結果は私は大きく変わると思うんですね。現在御提示のステップ・バイ・ステップアプローチ、これによって本当に実効性を上げられるかどうかということについては懸念があるわけでありますけれども、しかし、最大限努力してやっていかなければいけないことは言うまでもない話だと思います。
 この法案も法律になれば当然行政の成果、努力が試される、相当求められるわけでありまして、そういった意味では行政評価法の対象になるわけでございますが、この行政評価法について十分な対応をこの点についてもすべきだと思いますけれども、改めて私はここの点について大臣に確認を取っていきたいと思います。御見解を示していただきたいと思います。
#127
○国務大臣(大木浩君) 今、御質問の前提としていろいろと加藤先生の基本的なお考えも伺いましたんですが、その部分につきましては誠にそういう大きな立場から考えなきゃいかぬと思うんですが、ただ、今、最後に御質問として触れられました第三条に規定されております国の責務の実施状況を行政評価法の対象として、まずはどうなっているんだと、こういうお話ですが、これは結論だけ申し上げますと、その行政評価法の対象になるわけであります。
 ただ、ここで言っております行政評価といいますのは、各省庁が自分の所管にかかわる政策について、その必要性やら効率性を自ら評価を行うと、こういうことになっておりますので、環境省の中で内部的に自分のところでまず検討するということであります。ただ、その結果が非常に不十分であるということになればまたそれを、せっかくここのこういう評価法もあるわけですから、今度は政府全体としていろんな問題が出てくると思いますから、そういったものは、最近非常に官邸の方で集まっていろいろと各省にわたる問題を議論しておりますから、そういったようなことがこの地球温暖化については必要になるかと思いますが、取りあえずここで言っております行政評価法の評価というのはそういった内部的に検討をすると、こういう性格のものでございますので、もう少し大きなものをやるためには更にまたそういった組織をこれから必要があるんじゃないか。
 もちろん、既に地球温暖化の大綱も作りましたし、この法律も作っていただきましたから、むしろこの法律全体の、何と申しますか、運営の中でまたひとつどういった評価をする必要があるのかということは考えなければならないと思っております。
#128
○加藤修一君 最終的に総務省がまとめてその後に第三者機関が評価するという話でありますから、私は、第三者機関の評価に堪え得るようなものをこういった地球温暖化対策の関係についても是非やっていかなければいけないと、そういった答弁を是非いただきたかったわけでありますけれども、これは全然問題ないという、問題ないというか、要するに納得できる話ですね、私が言いましたけれども。
#129
○国務大臣(大木浩君) 今、加藤委員からお話しになりましたようなプロセスといいますか手順でその第三者の判断というものもいただくことになるということであります。
#130
○加藤修一君 ところで、先ほど私は再生可能な資源について若干話をしたわけでありますけれども、具体的な展開を考えていかなければいけないということになってまいります、当然。それで、植物を含めた生物由来の資源、素材もそうでございますが、又はバイオマスが考えられます。また、バイオマスからは酸加水分解により新素材を製造、あるいはリグニンやセルロースから誘導して多くのケミカルを製造すると。あるいは光合成、光バイオも含めてでありますけれども、太陽による植物由来の素材、例えば以前にも委員会で出ておりましたけれども、トウモロコシ、サツマイモなどから生産したポリ乳酸、これが枯渇資源の代替資源に十分なると言われているわけでありますけれども、こういう植物から再生可能な資源を原料にいたしました化学品、プラスチック、合成繊維、原料などの脱石油という方向が出始めていることも事実であります。
 これはバイオマスの改質テクノロジー等を使ってやっていくことになるわけでありますけれども、またさらに、環境への負荷が少ない新素材として生命現象において重要な役割をしております糖鎖の機能、糖分の糖に鎖と書きますけれども、糖鎖の機能を有効に活用したものが挙げられるわけであります。でん粉などの糖鎖集合体、又は糖鎖が、脂質ですね、脂の方、脂質あるいはたんぱく質等と結合したいわゆる糖鎖複合体、すなわちこれらの、グリコクラスターと言われている素材でありますけれども、こういったものに対しても大いに期待ができる。こういう再生可能資源というのが考えられる。
 特に、農業、林業、水産業に深く関与しているわけでありまして、様々な生物資源が豊富に存在しているわけでありますから、そういった中から、でん粉、セルロース、キチン、カラマツ多糖、海藻多糖、乳糖、ビート糖などの糖鎖資源、これは非常に重要な生物資源でありますし、それぞれの糖類の特性を生かした新素材の開発が期待されているわけであります。これは言うまでもなく再生可能な資源でありますし、先ほど述べました重要な第一要件に属するものであります。
 そこで質問でございますが、経済産業省並びに農水省にお尋ねしたいわけでありますけれども、こういった糖鎖工学とか糖質、そういったいわゆる植物由来の資源ですか、こういったものに対してどのような取組をしているか、お願いをしたいと思います。
#131
○政府参考人(河野修一君) お答え申し上げます。
 今、生物由来の資源、特に私どもの方ではそのエネルギー利用ということで、バイオマスエネルギーというものが先生も御指摘のように地球環境問題への対応、持続可能な発展ということから必要である、またエネルギーの安定供給からも必要であるということで積極的にその導入を推進してきておりまして、本年一月に現在の新エネ法の新エネルギーの対象ということで政令を改正しまして位置付けを明確にしたところでございます。平成十四年度予算におきましても、バイオマスエネルギーに係る技術開発、実証試験の予算というのを計上しておりますし、それから、新エネルギーの横断的な支援措置ということで、自治体、事業者などがそういうものを導入することに対する支援措置の対象としてバイオマスを加えたところでございます。
 今申し上げましたバイオマスエネルギーに係る技術開発として、これは七種類ほどテーマ、昨年から取り上げておりますけれども、先生御指摘のような広い意味での糖鎖工学に関するテーマというものも三つほど含まれておりまして、そういうものを含めましてバイオマスエネルギーの促進というのを図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#132
○政府参考人(岩元睦夫君) お答えをいたします。
 先生御指摘のバイオマスにつきましては、肥料あるいは飼料、さらには様々な工業原料としての利用、また先生の御指摘のエネルギーというような形で、いろいろな形での利用が可能であるというようなことでございまして、農林水産省といたしましても早くより、そのバイオマスを燃料や電力などへのエネルギーに変換する技術であるとか、あるいは食品残渣を飼料や付加価値の高い工業原料としてリサイクル利用するための技術開発を進めてきたところでございます。
 こういったバイオマスの利活用に関しましては、先生御指摘の糖鎖工学というものは不可欠な技術であるというふうに考えておりまして、このため、農林水産省では、糖鎖工学の応用技術といたしまして、酵素変換により糖質系バイオマスから有用な物質を生産する技術開発等に取り組んできたわけでございます。具体的な成果といたしましては、でん粉を酵素で処理することによりまして砂糖の代替の甘味料でございます異性化糖であるとか、あるいはノンカロリー甘味料でありますエリスリトールといったような有用糖質を生産する技術の開発に成功しておりまして、既にこれらは民間企業への技術移転が終わって実用化されているわけでございます。
 現在、こういった技術の延長の中で、更に酵素の改良等に加えまして、虫歯予防等の新たな機能を有します糖質の生産技術の開発に鋭意努力を進めているところでございますし、セルロース糖からのエタノールを生産するための技術開発にも取り組んでいるところでございます。
 いずれにいたしましても、先生御指摘のように、バイオマスというのは温室効果ガスであります二酸化炭素ということの増加を抑制するというようなことで、再生可能なクリーンな資源であるというようなことから、この種の研究というものを今後とも鋭意努力してまいりたいというように考えている次第でございます。
#133
○加藤修一君 この辺の分野についてはいわゆる、特に糖鎖工学の関係でありますけれども、ポストゲノム、そういうふうに言われている、世界的に競争開発をしているところでございますし、私は、長期的に、戦略的に研究をやはり強化していくべきだと、このように思います。
 それから、その再生資源の一つであります生物資源の活用の一つとして、やはり私は最近取りざたされるようになってまいりましたシルクの関係がございますけれども、この辺については農水省はどのような取組をしておりますか。
#134
○政府参考人(岩元睦夫君) 絹に関しまして、多機能の、これまでの繊維としての利用以外に何か考えられないかという先生の御関心でございます。
 その件につきましては、農林水産省におきましては、我が国に百年以上にわたりまして、いわゆる蚕糸、お蚕の糸と書きます、蚕糸研究の蓄積がございます。そういったことから、特に平成八年度からは大きな国のプロジェクトといたしまして、絹糸、絹の糸から多機能な利用を図るというような研究を先導的に実施してきているところでございます。
 現在までに、世界に先駆けまして、微粉末化した絹糸を用いた石けんや化粧品、あるいは化学処理した高吸水性の絹糸を用いた紙おむつであるとか、あるいは食品加工用シート、それからまた絹糸を構成しておりますフィブロインとかセリシン、これたんぱくの一種のたぐいでございますが、そういった物質を高度に加工いたしまして人工皮膚を造るといったような医療用の材料への開発といった、こういった生活用品分野とかあるいは医療分野におきまして幅広い用途を見いだしているところでございます。
 今後は、これら絹糸を多方面で利用するという研究に加えまして、蚕を直接、有用物質生産手段として活用いたします、いわゆる昆虫工場の確立など、新しい産業の創出に直結する技術開発及びこれらの技術の特許化につきまして、産学官連携しまして研究を加速してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#135
○加藤修一君 昆虫は全世界で二百万種類があるということで、シルクを出すのが十万種類あるというふうに聞いてございます。そういった意味では、昆虫から吐き出すそういう生物資源をいかに効果的に環境に負荷を与えないような形で、しかもCO2削減につながるような形でやっていくことが極めて重要な私はポイントではないかなと、そう思います。
 そういった意味では、従来の素材を新しい用途を開発していく中で作り上げていく。そういった意味では、シルクに対して新しい夢を与えるということで、私はシルクドリームプロジェクトなんというふうに言っているわけなんですけれども、要するに、昆虫の分野でそういったことが可能になってくるということを考えてまいりますと、私は、今IT革命ということが言われておりますけれども、私は新しいIT革命だというふうに実は言っております。そのITは普通はインフォメーションテクノロジーですけれども、これはインセクトテクノロジーということになるわけでございますけれども、是非こういった面についても鋭意努力を重ねて、国際競争力あるいは知的財産権の獲得を含めて、そういったことによって経済力を付けて、さらに地球環境のガバナンス、そういった面について大きなイニシアチブを取れるような、そういう国にしていただきたいと、このように思います。
 それで、このバイオテクノロジーが威力を発揮するという話になってくるわけでありますけれども、やはり私は、基本的には自然の仕組み、ルールをいかに念頭に入れて十分活用を考えるかということであることは言うまでもない話でありますし、そういった意味では、テクノロジーアセスメント、環境アセスメント、更に予防の原則について整理をしておかねばいけないなというふうに、こういった分野についても思います。
 それで、次に、第二番目の要件でありますが、再生可能エネルギーでございます。これについては非常に知られているところでございますが、太陽光、太陽熱、風、潮力、波力、光及び熱エネルギーを活用するものであるわけでありますけれども、この辺につきまして、私は日本国内だけじゃなくて、これから発展途上国に対してどういう形で環境ODAを使うかということも含めて、私はアジア太平洋自然エネルギーの促進ネット、そういった構想をやはり持つべきでないかなと、このように思っておりますが、環境省並びに経済産業省にこの辺についての見解をお伺いしたいと思います。
#136
○政府参考人(岡澤和好君) 御指摘のように、アジア太平洋地域における自然エネルギーの導入というのは、地球温暖化対策の面でも、あるいはアジア地域の持続可能な開発を確保するという面でも大変重要な課題だというふうに考えております。
 こうした観点から、環境省では、地球温暖化アジア太平洋地域セミナー等におきまして、自然エネルギーの活用も含めた温暖化対策の情報交換を行っているところでございますし、また、将来におけるCDMプロジェクトの可能性等についても調査検討を行っております。
 今、先生の方から、アジア太平洋自然エネルギー促進ネットワーク構想というふうなお話がございましたけれども、名称はともかく、アジア太平洋地域におきましてこうした自然エネルギーの導入が促進されるよう、ODAの活用も含めて、施策の推進あるいはそのネットワーク化というものに努めていきたいというふうに考えております。
#137
○政府参考人(河野修一君) お答え申し上げます。
 アジア太平洋地域というのは、この二〇一〇年まで見ましても、エネルギーの需要というのは九五年に比べて四割ぐらいは増えるであろうということでございます。特に発展途上国が多いわけでございますけれども、このエネルギー需給の逼迫化、更にはそういうエネルギーに関係する経済的負担、それから環境負荷の増加というような深刻な問題が出てくるというふうに認識しておりまして、そういう意味では、再生可能エネルギーの導入促進というのは非常に有効な手段の一つであるということで認識をいたしております。
 これらをより効率かつ効果的に進めるために、国際的に協力していく、連携をしていくということは非常に重要であるというふうに考えておりまして、一九九六年に、財団法人日本エネルギー経済研究所にアジア太平洋エネルギー研究センターというものを設置したわけでございますが、ここでは再生可能エネルギーを含むエネルギーデータベースとかネットワークを構築いたしまして、域内のエネルギー需給動向あるいはエネルギー環境問題の共通認識の醸成に努めるということをやっております。そのために、域内の研究者の招聘ですとか研修生の受入れ、専門家の派遣等を通じて情報の共有化とか人材ネットワークの構築に努めているところでございます。
 それからまた、APECの中にもエネルギー作業部会というのがございまして、その下に新エネルギー、再生エネルギーの専門分科会というのもございまして、ここでもいろんな議論をしておりますけれども、その分科会を通じて、セミナーの開催、ワークショップの開催等も行っているところでございまして、私どもとしては、こういう事業を通じまして、更に先生の御指摘のような域内の連携強化というものを図ってまいりたいというふうに考えております。
#138
○加藤修一君 環境、エネルギーの安全保障というのをいかに担保するか、それを勘案した意味でのこういったネットを作ることは極めて私は重要なことではないかと思いますので、関係官庁連携して、強力に推し進めていただきたいと、このように思います。
 それでは次に、法案の第五章の森林等による吸収作用の保全等についてでありますけれども、以前に私は健全な水循環の関係で質問した経緯がございます。利根川水系の窒素汚染の関係とか、そういった面についても答弁をいただいたわけでございますが、関係省庁が連携してやっている会で、いわゆる「健全な水循環系構築に向けて」というレポートがございますけれども、その中に「流域ごとに水循環健全化に向けた計画の策定が望まれる。」と、このように書いてございます。これが一つの結論だと思いますけれども、もちろん、絵にかいたもちにしないためにも、これについて具体的に展開をしていかなければいけないと思います。
 流域あるいは水循環の健全化、計画の策定、これはクロスメディア汚染の観点からも極めて重要でありますし、後ほどお話しいたしますけれども、地球温暖化効果ガスとも関係性が十分あり得るわけでありますけれども、この辺について、前回はマニュアル化されていると、それから植生について浄化事業を強調していたわけでありますけれども、その段階では私はまだまだちょっと分かりづらいなという答弁であったように思いますので、もう少し、期待された成果をどのように判断し効果的に活用しようとしているのか、その辺についてもう少し詳しい答弁をいただきたいと思います。
#139
○政府参考人(竹村公太郎君) 地域ごとの水循環に関しましての御質問にお答えいたします。
 水循環と申しますと、非常に重要な概念だと思いますが、また逆に、非常にとらえどころのない難しい概念でもございます。
 具体的に、まずお話しさせていただきますと、一番先駆的な例としまして、平成十年に千葉県の海老川におきまして、千葉県、そして船橋市、学識経験者、NPO、市民団体等から成る海老川流域水循環再生構想というような協議会を作っております。ここで、県と市とそしてNPOがみんなが協力して、分担して、海老川流域の水循環を改良していこうということで、例えば県におきましては、河川浄化対策としましては二つの支川、前原川と長津川におきまして接触酸化施設、これは今、委員のずっとお話のありました微生物をなるべく水と長く接触させて、その汚い水の中の有機物を微生物に分解してもらうという施設でございますが、県がそのような河川浄化施設を作る。そして船橋市は、生活排水がそのまま生のままで川に出ないように約二千ヘクタールの公共下水道を整備する。そして、あと学校又は公園等では十六か所、当面これ学校でございますが、十六か所の学校で降った雨を地中に浸透させる施設を作るというように、県と市と、そして地域の方々が役割を分担しながら、この海老川という川の水循環に取り組んでいくというような取組がございます。
 私ども関係省庁は、これらのような各地域の方々がそれぞれの地域に合った水循環系を構築するためのお手伝い又は技術的な指針作りについてこれから前向きに向かっていきたいと考えてございます。まだ私ども、現在何を思っているかということではなくて、こういう取組を前提としながら関係省庁力を合わせていきたいと考えております。
#140
○加藤修一君 これからという話ですからあれですけれども、なかなか複雑な問題だとは思いますが、非常にまた難しい問題だと私も感じておりますけれども、しかしこういうことに対しても相当の税金を使ってきているわけでありますから、しかもこれが地球温暖化にかかわる部分もあるわけでありまして、是非、鋭意研究、努力してそういった面での改善を大きく進めていただきたいと、このように思います。
 それで、先ほど答弁の中で微生物の利用、いわゆる生物処理の関係でありますけれども、それはやはりバイオエンジニアリングの分野になると思います。
 先日お話をいただいた、いわゆる植生を使ってやると。それは干潟を使うとか土壌とか、植物の自然の浄化力を使うというのがエコエンジニアリング、最近は両方を融合化させたいわゆるバイオ・エコエンジニアリング、そういった積極的な取組がなされているように思いますし、そういういわゆる水質汚染の浄化につながる新しい仕組み、そういったことがやはり健全な水循環の一部を構成することになるわけでありますし、閉鎖水域のいわゆる霞ケ浦など、こういったプロジェクトを積極的に私は進める必要があるんではないかなと思います。
 それで、従来から水質の規制についてはBODだけを処理するような、そういったシステムになりがちであったわけでありますけれども、脱窒素とか脱燐、そういったものが可能な高級処理をしていくことが非常に大事でないかなと、そのように思います。それはCO2の二百倍から三百倍のいわゆる温室効果を持ついわゆる亜酸化窒素ガス、そういった件についても削減の傾向を進めることができるわけでありますし、あるいは二十倍から四十倍のいわゆるメタンガス、その排出が抑制されると、こういったことにも大きな効果が期待されるわけでありますけれども、こういったバイオ・エコエンジニアリング、これについての取組はどのように考えていらっしゃいますか。
#141
○政府参考人(竹村公太郎君) この取組につきましても具体的にお答えさせていただきます。
 今、委員御質問のバイオ・エコエンジニアリングでございますが、具体的に申しますと、首都圏の江戸川の古ケ崎浄化施設を私ども作りましたが、平成八年度に完成しました。この古ケ崎浄化施設は、先ほど申しましたように、水を微生物の間を通して、そして水を浄化するという手法でございます。
 BODだけじゃおかしいじゃないかと申されましたが、BODで紹介させていただきますと、浄化施設に入ってきたBODは約一二ppmでございます。一二ppmというとちょっと臭い、におうというような水でございますが、このバイオの接触酸化法の浄化施設を通した後にはBODが三・六ppmになってございます。三ppmと申しますと、もう既にアユがすんでもおかしくないという状況にございます。つまり、約七〇%の負荷がここで落ちたという実験を私ども、実験というか実証でしてございます。
 このようなことで、現在、江戸川だけではなくて渡良瀬川、遠賀川、全国十四か所の特に汚く国民が非常に鼻を背けている、目を背けているというような川におきまして、良い河川環境を取り戻すための事業をやってございます。
 もう一つの御質問の植生関係でございますが、現在、霞ケ浦を中心としましてヨシ原、アシ、ヨシのヨシ原でございますが、そこに水を通して、植物が窒素関係の栄養塩類を除去してもらうというような実験も現在やってございます。
 具体的には、クレソンの畑を作りまして、汚い水をそのクレソン畑を通して、そしてきれいな水を霞ケ浦に流していくというような内容でございます。これはまだ着手したばかりでございますので、現在、綾瀬川や、島根、鳥取の中海・宍道湖など、全国六か所の直轄河川において植生浄化施設の整備を現在実施中でございます。
 このようなことをデータを積み上げまして、全国の瀬やふち、湾処、水辺等でバイオエンジニアリングの手法をこれから確立していくことが私どもの河川行政の一画だと認識しております。
#142
○政府参考人(炭谷茂君) 環境省の取組について御説明させていただきたいと思います。
 バイオ・エコエンジニアリングにつきましては、国立環境研究所におきましては中期計画、これは十三年度から十七年度の期間でございますけれども、その中期計画におきまして重点研究分野に位置付けておるわけでございます。昨年度におきましては、霞ケ浦に設けております実験施設内にバイオ・エコエンジニアリングの研究施設が竣工したところでございます。
 今後、これを活用いたしまして、この分野の研究の一層の進展を努めるよう、準備を進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#143
○加藤修一君 国交省におきましてもあるいは環境省におきましても、先ほど私、多少話しいたしましたように、これは地球温暖化効果ガスにも関係してくる話でありますので、是非全力を出して対策を考えていただきたいと、このように思います。
 それから、国交省に質問でありますけれども、この流域全体を一つの空間単位と考えて計画を作成していくという考え方は極めて私は重要であると思っております。その成果について行政評価を考えるということもまたこれから責務として発生してくるわけでありますけれども、その環境を含めた流域の全体の総効用をどういう形で把握していくかと。上流、中流、下流、あるいはその治水、利水、環境、そういった面を加味した形でやっていくという話でありますから、多属性効用関数法とかそういった様々な方法があるとは思います。
 この辺についてどのような展望をお持ちであるか、その辺についてお聞きしたいと思います。
#144
○政府参考人(竹村公太郎君) 委員の御質問に十分答えられないと思います。委員の専門的な御質問に付いていけない部分がございますので、お許し願いたいと思います。
 私ども、流域の水循環の効用でございますが、従来、治水に関しましては一千年以上の治水があって、被害がどの程度あると、治水経済効果というのを私ども一応確立しております。利水におきましても、農水省で農業に関しまして水一トン当たりどの程度の効用があるかと。また、経産省におきましては工業用水、又は厚生省におきましては上水道の効用は十分把握しておりますが、今御質問のおいしい飲み水、又はきれいな水に対する快適さ、又はきれいな川があることによって生態系が豊かになり、子供たちの学習効果が高まると。
 様々な、今私が言ったパラメーターは全く経済効果として私ども確立する、評価する手法を現在持っておりません。これから一つ一つそういう今私が申し上げましたような、水循環にかかわるパラメーターの要因を一つ一つ取り上げて、それがどの程度の効果があり、私どもの国民の税金をどの程度投資していいのかということをこれから議論していかなければいけないと思っております。
 なお、一つだけ私どもこれから注意しなきゃいけないのは、今全く循環システムという概念がなく、インフラもないので、循環に関しましては非常に一つ一つは高くなっていますが、これはインフラがある程度整ってきますと、逆に今度は循環という社会が一番安くなってくるということも考えられます。ですから、社会の進展におきまして、循環に関するインフラがどの程度進展してくるのか、又はきたのかということの私どもの努力と、全体的な社会の循環システムのインフラの整備ということも全部が絡んでまいりますので、私ども、関係省庁と協力しながら、川という概念だけではなくて様々な幅広い社会学的な分野も含めまして、今、委員御指摘のことを国民に分かりやすく表現できるようにこれから努力していきますので、よろしく御指導のほど賜りたいと考えてございます。
#145
○加藤修一君 水の健全な循環というのは、やはり私は、森林とも深くかかわっている話でありますから、森林の経営をいかに円滑にして、かつまた地球温暖化効果ガスの削減目指してどういう具体的なシナリオを、施策を展開するかということが非常に重要だと思っています。
 それで、緊急間伐五か年計画、五年間に百五十万ヘクタールの間伐を進めていこうという考え方が林野庁にあるわけでありますけれども、相当の間伐材が出ることが考えられると。その中には、例えば先ほど紹介がありましたように、木質バイオマスガスを使ってそれで熱を作る、あるいは電気を作るという、そういったことも当然ございますし、あるいは国内材で当然ございますから、それを学校に供給して造るとか、そういった炭素をためるようなそういう仕組みも当然考えていると思いますけれども、あるいは木炭ということについても、やはり最近は、ビジネスベースになっているかどうかは別にしても、かなりブームになってきているところかなと思います。
 ただし、私は、燃料として考えるというよりは非燃料系の、いわゆる、例えば地力増進法という法律がありますけれども、土壌改良材に使うとか、あるいは食品衛生法では米の中に炭を入れて煮炊きをしてもいいというふうになっているわけでありますけれども、こういう炭素を固定するという意味では木炭というのはそんなに効果的だと私は余り思ってはおりませんが、しかしながら、こういった面についても多様な在り方を考えていかないと百五十万ヘクタールから出る間伐材の処理については非常に難渋するんではないかなと、このように思っております。
 そういった意味では、こういう炭についても、例えば農水省は表示をきちっとすると、品質の表示ですね。今や建設廃材、そういったものが炭化をするような装置によってどんどん作られ始めているということも聞いております。そういったものと峻別した形で、従来から作られている木炭をどういうふうに、品質表示することも含めて間違わないような形にしていくかということも極めて重要であると私は思っておりますけれども、いわゆる表示の問題、あるいはJAS法にどういうふうに繰り入れていくかということ等を含めて、この辺について御見解をお願いしたいと思います。
#146
○政府参考人(米田実君) 木炭でございますが、御案内のとおり、燃料革命等で減少の一途をたどったわけでございますが、近年、先生御指摘のとおり、自然志向であるとか環境重視であるとかいうことを背景にいたしまして、消費者の方々の間で様々な効果、効用が指摘され、関心が高まっておるところでございます。
 若干、データを申し上げますと、平成三年を一〇〇といたしますと大体五割増しの状況に回復してきております。とはいえ、かなり少ないレベルでございまして、まだ六十億円産業と申し上げていいんじゃないかなということで、非常にこれからの産業というふうになっておる次第でございます。木炭、木酢も含めてでございますが、そういう新用途、それにつきましてはいろんな効用、効果、指摘されておるわけでございます。我々、その情報を事例として収集しておるわけでございまして、水質浄化関係であるとか土壌改良資材関係であるとか、最近出てまいりましたのは湿度調整、調湿関係である。あるいは木質ボード等々の分野等々でございまして、そういうことで例としてありますし、土壌改良材としての効果とかいろんな効果が言われておるんでございますが、まだ十分科学的な実証という段階には至っていないのかなと。そういうことで、整理整とんして、そういう問題を整理整とんしていきたいと思っておりまして、さらには、正しい、あるいは効率的な木炭等の使い方も研究してまいりたいというふうなことでございまして、そういうことを調べた上で普及していきたいということでございます。
 折しも、今、二年ぐらい前からでございますが、業界団体を始めといたしまして、関係団体が木炭などの新用途のそういう事例収集、消費者への提供、そういう取組を始めておる次第でございまして、我が林野庁といたしましても、こういうような取組の推進に協力してまいりたいと思っておる次第でございます。
 さらに、この新用途木炭の今後でございますが、今、業界の内部におきまして、業界団体がJAS法に基づく新たな規格の制定、これも視野に入れました自主的な規格の検討を行っておる次第でございます。今年度中に消費者や生産者の意見を取り入れて自主規格という形で規格を取りまとめるというふうな意向であるという認識でおります。
 従来、燃料用木炭につきましてはJAS規格があったわけでございますが、格付実態がないということから平成九年に廃止されておりまして、また品質表示基準も定められておりませんが、今後、新用途という観点でもう一回見直していく、そのために自主規格、さらには、需要等々が伸びますれば、あるいは消費者の支持もいただきますればJAS規格というふうに飛躍してまいりたいというふうに考えていると承知しております。我々といたしまして、この研究会にも参画し、所要の支援も行っておる次第でございます。
 そういう中で、今、先生更にお話ありましたように、一部の建築廃材、有害な建築廃材の混入というような話あるやに聞いておりますが、今般、これは建設リサイクル法が平成十四年の五月三十日施行されましたので、そういうものが、有害物資の発生のおそれのあるCCA処理木材については分離分別して適正処理をしようというような動きもあるやに、あるというふうに承知しております。そういうこともあって、有害建築廃材の混入というのはまず一つは対応できるんじゃないかと思いますが、併せまして、業界団体の自主規格におきましても、そういうものが混入しないようなことも十分配慮してやっていくように業界も考えておりますし、我々もそういう方向でいくべきであると、かように考えておる次第でございます。
#147
○加藤修一君 新用途の話がございました。いろんな紹介がございましたけれども、正にそういった面での知見を是非積み重ねていただきたいと思います。また、実証的な面もたくさんあると思いますので、そういった面についても資料を収集し、新しい展開ができるように条件を整えていただきたいと、このように思います。
 そういった意味で、多少の紹介あるいは質疑応答をさせていただいたわけでありますけれども、以上のように太陽の力、太陽の仕組みをいかに効果的に使うかということが一つの太陽戦略というパラダイムであるというふうに考えております。そういった意味では、私はこういった考え方、知見というのは、一つはヘイゼル・ヘンダーソン女史の考え方に負うところが大きいわけでありますけれども、その女史が言っていることは、二十一世紀は光の時代だというふうに、これは非常に広範な考え方が入っておりますし、応用技術についても広範だと私は考えてございます。
 いずれにいたしましても、再生可能な資源、再生可能なエネルギーをどういう形で作り上げていくかというそういう戦略性をきちっと作り上げていかなければいけないなと、このように強く決意しているところでございます。
 それで、次にCO2削減技術、あるいは石油代替技術としてバイオマスの役割は極めて大きいわけでありますけれども、森林由来のバイオマス資源の潜在量、これは樹木、竹、ササ、そういったものを含めて約四千三百万トン、年間でありますけれども、これは年間一千八百万トンの石油に相当すると、そういう研究成果がございますけれども、これについて農水省にお聞きしたいわけでありますけれども、私は、前々から注目しているプロジェクトがございまして、それはC1化学によるバイオマスの液体燃料化プロジェクトでございますけれども、これについて若干教えていただきたいと思いますが。
#148
○政府参考人(岩元睦夫君) お答えをいたします。
 御指摘のメタノール変換技術は先生がおっしゃったC1化学というふうに申すわけでございますが、これは、メタノールが化学式でCH3OHということで、分子式の中で炭素を一個持っているというようなことでC1化学というふうに言われているわけでございます。
 その変換技術は、植物系のバイオマスをまずガス化するわけでございますが、ガス化することによって一酸化炭素と水素を作ります。で、それらから触媒反応を用いましてメタノールを合成する技術であるということでございまして、今般、私どもは、この数年間、プロジェクト研究の中で、独立行政法人の農業技術研究機構、それから長崎総合科学大学、それから三菱重工業と共同研究で開発を行ってきたものでありまして、去る四月に、一日約二百四十キロのバイオマスの処理が可能な我が国初の実証規模の実験装置が稼働したところでありまして、農林グリーン一号機と命名をしたところでございます。
 本技術の特徴をかいつまんで申し上げますと、原料として廃棄物を含むあらゆる植物系のバイオマスを比較的前処理のない状態で、言うならば粉砕をするといったような簡単な前処理だけで原料として使えるということでございます。また、原理的には、投入バイオマスの持ちますエネルギー発熱量、それに対しまして約五〇%の発熱量のメタノールが生産できることというようなことの優れた特色を持っているということでございまして、これまで私ども、エタノールと、バイオマスからのエネルギーとなります一つの方向としましてエタノール生産というのがあったわけでございますけれども、なかなかその原料のコストが、言うならばお酒を造るということと全く同じ技術でございますので、突破できなかったということでございましたけれども、今回、このメタノールということができるというようなことになりまして、大変に実用性の高い、また可能性の高い技術であろうというふうに考えているわけでございます。
 今後は、この造りました試験装置を使用いたしまして、経済収支あるいはそのエネルギー収支等を明らかにしていくとともに、農山村におきます実用化を目指した装置の開発に鋭意取り組んでいきたいというふうに考えている次第でございます。
#149
○加藤修一君 でき上がったメタノールから水素を取り出すとか、取り出した水素を燃料電池に使うとか、いろいろそういった点についてはほかのやつとのハイブリッドでできるわけでありますから、非常に展望は広がっているなというふうに私はとらえておりますので、是非積極的に推進していただきたいと、そのように思います。
 それで、こういう太陽にかかわる力をいかに引っ張り出すかということについては、やはり私は国民の皆さんに見える形で提供するということが非常に望ましいということなんですけれども、例えば離島におけるエコリゾートアイランド構想ですね。廃棄物の問題もありますし、あるいはエネルギーをどうやって供給するかという問題もありますし、さらに、水を作り出す、水の供給のシステムをそういったエネルギーを基にして造ることも当然できるわけでありますから、そういう離島という、ある意味で閉じた空間の中で具体的な、かつ理想的なシステムを造っていくことも非常に大事な視点かなと、そのように思っています。この辺については国土交通省に、どういう見解をお持ちか。
 さらに、私は、予算委員会におきまして、次世代の都市づくりの構想として、太陽・水素系のいわゆるそういったモデルづくりをやっていくべきだと。それについては、扇大臣からは、検討してまいります、積極的にやってまいりますというふうに答弁をいただいているわけでありますけれども、それ以降、どういう経緯でこの辺について具体的な展開がなされているかどうか、それについてもお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#150
○政府参考人(澤井英一君) 初めに、離島に関する御質問にお答え申し上げます。
 離島は、御承知のように、四方を海に囲まれておりまして、一般的には、風、波あるいは台風など厳しい自然条件にさらされておるわけでありますが、一方で、そうした自然条件は、見方を変えれば、風力、波力、潮力などの自然エネルギーとして、言わば離島の優位性としてとらえ直すことができる、その活用が可能であるというふうにまず考えております。
 他方、離島にとりましては、エネルギー輸送に掛かるコストの低減、あるいはその有します豊かな自然環境の保全などの観点から、御指摘のような自然エネルギーの活用や、一般的に環境負荷を低減していく、それによって環境循環型社会の形成を目指していくということが離島振興にとりましても有用、不可欠な施策であると理解しております。
 現実に、離島市町村の中には、こうした取組を通じて地域の活性化につなげていこうという試みが現在でも既に始まっております。風力発電、特に離島の地形とか、厳しい自然条件に一層適応性が高い風力発電の技術の開発も進められていると聞いております。
 また、屋久島などでは、島内で発生します生活廃棄物、具体的には廃食用油でありますが、これを公用車の代替燃料として利用することなどの実証実験を行いまして、ゼロエミッションの実現を目指しているというところであります。
 今後、自立的発展に向けました島づくりを進める中で、離島の豊かな自然環境を保全すること、更にその置かれた様々な地理的、自然的条件を逆に活用する観点から、循環型社会の形成に向け全国のモデルとなるような離島市町村が現れてくることを期待しておりまして、こうした取組に今後とも積極的に支援を行っていきたいというふうに考えております。
#151
○政府参考人(三沢真君) 地球環境への負荷をできるだけ低減するということから、太陽光等の自然エネルギーを積極的に活用した環境に優しい都市づくりというのは極めて重要であるというふうに考えております。
 このため、太陽光発電等の自然あるいは未利用エネルギーの活用システムとか、それ以外には、雨水とか中水道等の水有効利用システムや屋上緑化施設等の整備によりまして、環境への負荷を低減する住宅団地の建設と、こういうものを推進する環境共生住宅市街地モデル事業というものを実施をしているところでございます。
 この中で、特に太陽エネルギー活用システムにつきましては、平成十三年度までに十三地区において整備をしてまいりました。それで、今年度、十四年度でございますけれども、例えば鳥取県の赤碕団地というような団地もございますが、こういう団地を始めといたしまして、三地区、うち新規に一地区着手しておりますけれども、こういったところにおきまして、集会所あるいは自転車置場とか街灯等への電力に太陽光発電を利用した住宅団地の整備に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、こういった事業の活用等によりまして、住宅団地における太陽エネルギーの活用の推進などモデル的な都市づくりに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#152
○加藤修一君 最後になりますけれども、先ほどちょっと質問スキップしてしまいまして、河川局長にお願いなんですけれども、OECDの環境の勧告、あるいはアジェンダ21、その第十八章には、淡水資源の質と供給の保護、あるいは水資源の開発、管理及び利用への統合的アプローチの適用と、そういうふうに書いてありまして、私、関係省庁連絡会議でいろいろ議論しているとは思いますけれども、非常に難しい話かもしれませんが、流域連合とか流域総合計画、複雑な水利権を含めて、いわゆる水にかかわる基本法、水基本法の検討、こういったことが学者の中で行われているふうに聞いておりますけれども、この辺についてもし御見解があればお願いしたいと思います。
 済みません、環境大臣、最後に、ちょっと時間がなかったものですが、申し訳ございません。
#153
○政府参考人(渡辺和足君) 国土交通省の水資源部長でございますけれども、私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 先生御指摘のように、水に関係する省庁が大変多くありますので、その省庁が連携するということが大変大事でございまして、先ほどありましたように、健全な水循環系の構築に関する関係省庁連絡会議ということで、関係省庁が一緒になりまして、水循環系の健全化に向けての取組を進めているところでございます。
 それと同様に、法律もいろいろ各省庁にまたがっていろんな法律がございます。具体的に言いますと、河川管理に関します河川法でありますとか、それから各種利水事業に関連します土地改良法とか水道法とか工業用水道法、さらに水質保全に関連します水質汚濁防止法、このような各法律がございます。
 こういう現行法体系の中で、水に関する法制度をどうあるべきなのか、基本法制も含めて水に関する法制度の在り方につきまして、関係省庁と一緒になって考えていかなければならない検討課題であるというふうに考えております。
#154
○加藤修一君 是非積極的に進めてください。
 以上で終わります。
#155
○岩佐恵美君 気候変動枠組み条約の採択から十年、京都会議から五年掛かって、多方面の方々の努力によってようやく京都議定書を批准する段階まで来ました。京都議定書発効要件の一つである五十五か国の参加見通しが付きました。
 ところが、本会議でも言いましたけれども、アメリカが京都議定書から離脱をしたため、参加する先進国の炭酸ガス排出量が五五%以上となる見通しはまだ立っていません。アメリカの提案は、国内総生産百万ドル当たりの排出量を十年間で一八%減らすというだけです。アメリカの国務省のハーラン・ワトソン上級交渉官は、米国独自の温暖化対策によれば、アメリカの十年後の炭酸ガス排出量は九〇年水準より三五・五%増えるということを明らかにしました。これは、炭酸ガス排出量の削減目標を決めて温暖化を防止するという京都議定書の方向に反している。そして、京都議定書は先進国全体で少なくとも五%削減することを目指して先進国の削減目標を決めました。
 京都議定書で決めたアメリカの削減目標は七%、三億四千七百万トンです。先進国全体で五%削減、六億八千六百万トンという削減目標値の半分を占めます。アメリカ以外の先進国が京都議定書の目標どおりに達成したとしても、アメリカの排出量が三五・五%増えると先進国全体の炭酸ガス排出量、これは九〇年水準に比べてどうなるでしょうか。
#156
○政府参考人(岡澤和好君) アメリカが三五・五%増で他の先進国が議定書の目標を達成した場合ということでございますが、計算上は約九%の増加になります。
#157
○岩佐恵美君 アメリカが議定書から離脱をして独自の行動を取ったため、先進国全体で五%削減どころか反対に一割増加をしてしまいます。
 本会議で、私の質問に対して大木大臣は、アメリカが案を出しているから協力できるところは協力していく、できることをまずやってもらいたいと答弁されましたけれども、大臣、そのアメリカの案では、他の先進国が一生懸命取り組んでも五%削減どころか、今局長は九%と言われましたけれども、私の計算ではアメリカ以外の先進国の削減量は四億一千六百万トン、アメリカの増加量は十七億六千万トン、差引き十三億四千四百万トン増加しますから、これは九・八%増になります。だから私は一割と申し上げたわけですけれども、一生懸命他の先進国が取り組んでも一割近く増えてしまう。この点について、大臣、どうお考えになられるか。
 そして、私はこういう問題、ちゃんと数字を言いながらアメリカに正面からきちんと物を言っていく、厳しく言っていくということが必要だと思います。おかしいことはおかしいということで言っていただきたい、そのことを大臣に申し上げたいと思いますが、いかがですか。
#158
○国務大臣(大木浩君) アメリカが京都議定書の目標数値を達成するために努力しないということになれば、当然に先進国全体としての数字が変わってくる、減るよりはむしろ増えるというような数字が出てくるのはもう今御指摘のあったとおりでございますから、せっかく世界の各国が努力しているのに、最大の排出国でございますアメリカが削減しないというのは非常に遺憾であるということは再三再四言っているわけですけれども。
 アメリカの言い分というのは、今のところすぐには削減なかなかできないけれども、長期的にはまたいろんなこともやると言って、それで御存じのとおりに京都議定書にはすぐに入れないと言いながら、枠組み条約のメンバーでは、引き続き枠組み条約の中のメンバーとしていろいろ努力をするということを言っておりますし、ですから、それはこれからもいろんな形での努力というのはすると言っておりますし、あるいは科学技術の推進というようなことは言っていますから、そういったものが出てくればまたアメリカの態度も変わるんじゃないかと。
 また、アメリカの国内でもいろんな議論ございます。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、アメリカの中でもいろんな企業だとか石油会社だとか、いろんな将来のことについての計画も作っておりますから、そういうものをできるだけ京都議定書の目標に近づけるように、ひとつアメリカに対しても今後ともいろんな場を通じて働き掛けてまいりたいということで、先ほども申し上げましたけれども、G8の環境大臣会議でも申し上げましたし、それからヨハネスにもアメリカは今のところ大統領が出てくるというようなことを言っていますから、それでそのための準備会議というのがまたバリ島でもございますから、もし私も出席できるということになれば、当然アメリカとはきちっとまた話をして、一体今後どうするつもりだということは重ねて話合いを続けてまいりたいと思っております。
#159
○岩佐恵美君 来年度から二〇一三年以降の第二約束期間の目標についての国際交渉が始まります。アメリカ政府は、この交渉には参加しない意向を表明しています。第二約束期間の削減目標の交渉では、途上国の削減目標をどうするかということが大きな課題になります。世界の排出量の四分の一近くを占める先進工業国であるアメリカが身勝手な行動をしている、これでは私は到底世界の人々を納得させることができないというふうに思います。
 国際的なルールを作ってそれを守っていくというためには、やはりどの国にもある程度の我慢が必要だと思うんですね。それはいろいろな立場があるでしょう、考えがあるでしょう。でも、国際的にとにかく地球環境を守ろうという、そういう目標を立てて、そういう方向に向かっているのであれば我慢が必要だと思います。
 そういう点で、化石燃料を大量に消費をしてきた先進工業国の責任が今問われているわけですから、そういう国の一つであるアメリカが、しかも大変寄与率が高いアメリカがこういう約束を破るということでは、私は途上国が参加する共通のルールを作るという点で難しいのではないかというふうに思いますが、その点の大臣のお考えを伺いたいし、またそういうことがないようにきちっと対応していかれるという大臣の決意も伺いたいと思います。
#160
○国務大臣(大木浩君) 今、京都議定書は、とりあえず先進国側の方の義務というのを決めておるわけですけれども、振り返ってみますと、COP1以来ずっとこの会議続けてまいりまして、残念ながらCOP1で、第一回会議で、途上国についてはとりあえずは義務的な責任は課さないということになりましたから、しかしアメリカは非常にその点については不満であったし、我々も決してそれで満足していたわけじゃないんですが、COP3の京都会議のときにも、実はその点はかなり時間を掛けて議論したんですが、結局あの段階では、それをやっておったんでは会議自体が成り立たないというような感じもありましたから、結局、将来また途上国の問題は議論するということで終わりましたし、その後もずっと途上国の問題はいろいろ議論しております。
 それから、アメリカ自身もこれから、今度のヨハネスブルクのときにも、こういった問題はある程度、直接の形では出てこないにしても、途上国のそういった責任というようなこと、あるいは温暖化ガス削減についての実際の全体の計画への参加というような話は出てくると思います。
 それからまた、COP8の会議も今年中にございますから、そういったところでアメリカ自身が一体どういう顔をして本当に途上国に話ができるのかなというふうに、人ごとながら私ちょっと心配ではありますけれども、しかし途上国にもいろいろと協力してもらわなきゃいかぬということは自分たちも言うんだということはアメリカは言っておりますから、その言葉を信じてといいますか、そういったアメリカの態度というものを頭に入れながら、私どもも途上国にも、我々の立場からも途上国にいろいろと話をしてまいりますし、それから途上国の中でもまたいろいろな国がありますので、将来的には少し自分たちもやらなきゃならぬなというようなことを言っておる国もありますし、これはその国によって大変違いますけれども、アメリカについても、また途上国についてもということで、引き続き、せっかく作った京都議定書ですから、それの精神が生かされるように、ひとつきちっと協力しようというようなことは引き続き強く申し入れてまいりたいと思っております。
#161
○岩佐恵美君 大臣、私は、途上国の国々もやっぱり真剣に考えていると思うんですね。それは地球に住む一員として、どんな考えがあろうが、どんな国であろうが、とにかく大変な事態なわけですから、みんな協力していかなきゃいけない、自分たちができることは何なのか、やっていかなきゃいけない、そういう思いはあると思うんですね。
 ただ、アメリカの今回の議定書からの離脱というのは、先ほどから言っているように、先進工業国の今までの化石燃料を大量に使ってきたというその責任というのは重い、だから率先して先進工業国がやりましょうということから始まっている約束事なわけですよね。
 そのところを、そこをアメリカだけが離脱して勝手にやるということになると、大臣も言われましたけれども、どういう顔して説得されるのか分かりませんけれども、そこは日本としてやはりきちんと原則を踏まえてやっていただかないと、何かあっちの言い分も分かる、こっちの言い分も分かるというようなあいまいな姿勢で私は対応していたら良くないと、日本の環境大臣としてのやっぱりかなえの軽重が問われるのではないかというふうに思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 アメリカが離脱した下で京都議定書の発効のかぎを握るのが、世界の排出量の六・三%を占める第三の大量排出国ロシアですね。ロシアが参加するかどうかということが大きな今焦点になっていると思います。
 ところが、ロシアの批准がいつになるか、見通しがはっきりしません。ロシアは経済破綻で炭酸ガスの排出量が減って、九〇年と同量に抑えられるという京都議定書の目標の達成に余裕があるとして、森林吸収分を排出権取引で有利に売却したい、そういう思惑があると言われています。
 しかし、ロシアでは既に温暖化でツンドラの永久凍土が解け出している、また極東地方に広がる世界有数の森林地帯ウスリー・タイガでは数キロ四方を根こそぎにする皆伐が広がって、吸収源の大規模な消失が起きて、実際に温暖化による被害が出ていると指摘をされています。だから、私は、ロシアは駆け引きなどしていられる状況ではないというふうに思うんですね。
 COP7で日本はロシアが要求した森林吸収分の拡大を認めさせる役割を果たしたとNGOは批判をしています。ロシアは排出国の有力な売却先となる日本が排出権売買にどんな方針を出すのかということに関心を寄せていると言われます。ロシアの下院環境委員長は、対外債務の減免が前提条件だと議定書の批准を人質に取るかのような発言をしたと新聞で報道されています。私はとんでもないことだと思っています。
 日本政府がロシアの排出権を当てにするということがある限り、ロシアに対してきちんと物が言えないと思います。ですから、日本は他国に依存しない、自らの責任、国内対策で目標を達成しますよということを明確にして、ロシアに対して批准を迫る、批准はちゃんとしてください、国際的な責任を果たしてくださいということで言うべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
#162
○国務大臣(大木浩君) ロシアとの話合いというのは、先般のG8の環境大臣会議のときもロシアの代表とはいろいろ話をしておりまして、今、先生のお話にございましたツンドラ地帯と言うんですか、北の方で非常に状況が悪くなっているというような話をしております。
 いずれにしても、総合的に考えて、私はロシアが京都議定書に早く入るということは私は得だろうと思うんですね、得という言葉がいいか悪いか。ですから、それは私はロシアの人も分かっていると思うんです。
 ただ、多少いろいろと国内的に検討しなきゃならぬ問題があるとか、どうも最近はロシアも非常に何か言論の自由があり過ぎて、何かそれぞれがいろいろなことを言っておられるんですけれども、必ずしも私は政府としてのまとまった意見を言っておられるんではないと思うんですね。今の対外債務云々というようなのはちょっと取って付けたような話なんで、とてもちょっと私どももそれは正面からそのことをどうするということは申し上げられませんけれども、少なくとも私どもがロシアの政府関係者と、責任ある人と話をしている限りでは、多少時間は掛かっているけれども、一生懸命今国内の批准のための手続を進めているということを言っておりますから、それを早く、ひとつまずは行政部内で、行政府の中で早く決めてそれを立法府の方へ持っていかなきゃいかぬわけですから、それが、私どもがロシアの関係者から聞いておるところでは、多少時間は掛かっているけれども、あのヨハネスブルクの会議というものは十分頭にあるので、何とかそれに間に合うようにということを言っております。
 いろいろなほかの情報もありますけれども、私どもとしてはそれをひとつ頭に入れながら、引き続きロシアに対しては強く当たっていきたいと思っております。
 それから、ロシアとの関係で排出権取引がどうのということは、私どもも当然にロシアと排出権取引で何か交渉するということではなくて、そのほかにもいろいろと、京都議定書の中では京都メカニズムのCDMだとかそういうようなものもありますけれども、日本といたしましては、もちろん自ら排出を減らすと同時に、状況によっては、それからまたいろんな状況を考えて、それが得策であるということであればCDMだとか等々の京都メカニズムの方策というものを考えていいと思いますけれども、当然に排出権取引、排出枠取引の方のことをロシアと必ずやるという前提で考えてはおりませんので、現在はそういう状況でございます。
#163
○岩佐恵美君 前川口大臣も国内対策でしっかりやりますという答弁でしたから、その路線は変わっていないというふうに思いますけれども、相手に何かちょっとにおわせるような、そういうことがあってはやっぱりきちっと物が言えないのではないかと思いますので、その点はしっかりやっていただきたいと思います。
 そこで、国内対策の問題ですけれども、先ほどから指摘をされているように、対策が極めて不十分だと思います。京都議定書は二〇〇〇年の温室効果ガスを一九九〇年レベルにすることを掲げています。日本では一九九〇年に比べて七%も既に増加をしてしまっているんですね。
 先ほどからのやり取りを伺っていて思ったんですけれども、新大綱では六%削減ということを言っているんですが、それとの関係で、じゃ七%削減、七%もう既にあるわけですよね、減らさなきゃならない部分が。そういうものは一体どうなるんだろうかと。七%というのは結局隠れ借金のような、そういう存在になるのかなと。
 とにかく、私は削減の達成というのは生易しいものではないなということを痛感しています。でも、それにもかかわらず、新大綱では当面は産業界に対しては自主行動計画任せということですね。
 昨日の参考人質疑でも、参考人から、排出量の約七割を占める産業界、事業を行っている人たち、そういう責任は重要であるという指摘がされましたし、またそれをどうするかという対策についても結構具体的な提案がされて面白かったというふうに思います。
 産業界の方は、終わられてから、私の質問に対してちょっと答えるのを忘れてしまいましたけれどもと言っておられましたけれども、例えばある産業でCO2排出量がどのくらいかということを測っていく、そういう基準がまだ統一されていない、だから各業界ばらばらなんだと、それを統一するだけでも随分違ってくるんですということを言いそびれましたとおっしゃっておられましたけれども、いろんな、私は昨日の参考人質疑はとても面白かったと思いますけれども、皆さん真剣に考えて提案があると思います。
 大臣は、本会議の私への答弁で、二〇〇五年に至るまでも事に応じて随時見直しをする、研究機関やNGOの提案も積極的に検討するというふうに述べられました。私は、できるだけ早い取組が必要だというふうに思います。昨日伺っていてなおさらその感を強くいたしました。
 ですから、NGOを含めたそういう検討機関を一体いつまでにどういう形で設けられるのかなということを具体的にお伺いをしたいと思います。
#164
○国務大臣(大木浩君) まず、当面、私どもとしては、いろいろと新大綱に基づきましてこの目標数値が達成されるように努力していくこと。その中で、特に産業界に対しては自主的にということを言っているものですから、これは自主的に本当にやれるのかということをいろいろと御質問になっておりますが、今度、御存じのとおりに、新しい日本経団連ですか、もできまして、私も早速その新経団連会長ともお話ししまして、いろいろお話ししましたけれども、私は財界はたらたら時間を引き延ばして何もしないということでは決してないということを非常に強く感じております。
 今おっしゃいましたように、いろいろとむしろ技術的にきちっとしないとなかなか計算ができないとかそういうところもあります。こういうこともありますから、そういうものにつきましては、私どもも、別に二年、三年何もしないで待っているということではなくて、そういうことについてはもし私どもの方でいろいろとアドバイスできることがあればいたしますし、ということでありますから、これからも、見直しの期間は、再三申し上げておりますけれども、一応その時点で総合的な、総括的な見直しを行いますけれども、その前でもいろいろな新大綱に基づく計画というのの進捗状況というのは随時見ておりまして、また必要な、何と申しますか新しい追加的な措置ということも考えたいと思います。
 それからNGOにつきましては、幸いと申しますか、今年はヨハネスブルクの会議もあるものですから、いろんなところで、そのヨハネスブルクの中の、一部はやっぱり温暖化ということも出てくると思いますが、必ずしも温暖化だけに限りませんけれども、NGOとの話合いというのは最近かなり多くなっておりまして、恐らくまたバリの会議にも幾つかのNGOの代表の方が来られると思いますし、それからまたヨハネスへの準備につきましてはこれからも随時NGOとの話合いを進めてまいりたいと思いますので、言うなればNGOとの話合いは既に進めておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#165
○岩佐恵美君 積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 産業界の責任をはっきりさせると同時に、国民の協力を得ることが重要です。そのためには、一つは地球温暖化の実態や影響について正確な情報を提供することが大切です。
 気候変動に関する政府間パネル、IPCCは、二十世紀は〇・六度の気温上昇だったが、このままで行くと二十一世紀末までに一・四度から五・八度も急激に上昇すると予測しています。地球の温暖化は決して将来の問題ではなくて、既に地球上の各地で影響が現れています。
 IPCC第二作業部会の報告書は、近年の地域的な気候変化、特に気温の上昇は既に多くの物理・生物システムに対して影響を及ぼしているとして温暖化による地球規模での深刻な影響を指摘をしています。これはもう既に今までも強調されてきたことです。
 国内でも積雪地帯で、厳冬期に大雪と大雨が交互に交じって、積雪が崩壊して大量の水と雪が泥流を伴って沢を猛スピードで下る、いわゆる雪泥流の危険が増しているということです。新潟大学の積雪地域災害研究センターの調査によると、九〇年代になって東北、北陸地域で雪泥流の災害が頻発しているということです。
 私は、政府として、こうした温暖化の影響についてきちんと把握をして、こういう情報を国民に正確に知らせる、そういう努力をすべきだと思います。その点いかがでしょうか。大臣、余り時間がないので短めに答弁をお願いしたいのですが。
#166
○国務大臣(大木浩君) 短めにといいますと、いろいろとやっておりますということになってしまうんですが、一つ例示的に、短めにやりますけれども、いろいろとPRで、ラジオ番組だとかミニの講演会だとか、あるいは最近はテレビでの天気予報のところにもそういった温暖化のこともちょっと触れていただくとか、そういうようなこともいろいろやっておりますし、これは環境省というよりは政府全体でそういった広報活動というのは十分にやらなきゃいかぬということでございますので、今までも一生懸命やっていますが、どうも正直申し上げて声がまだ小さいという感じはいたしますので、更に声を大きくしたいと思っております。
#167
○岩佐恵美君 声が小さいと思います。国民に余り聞こえていないような気がします。
 もう一つ、温暖化を減らすために、企業の努力はもちろんですが、従来の国民のライフスタイルそのものの見直しについての論議を進めることが大事だと思います。
 財団法人省エネルギーセンターの調査によると、今日、私、新聞を見て知ったのですけれども、一般家庭の家電、電気製品の電源入れっ放しの時間がわずか二年で四割も増えたということだそうです。
 製品の生産段階での省エネ対策について、エネルギー法に基づくトップランナー方式を進めているということですが、対象品目はまだ十一品目で、新たに八品目を追加するにすぎないのです。商品生産における省エネ対策を全体として推進するということにはなっておりません。
 また、無駄な公共事業に対する批判が高いわけですが、森林、湿地、干潟などの自然を破壊する開発、これが依然として推進をされている。自動車交通そのものを減らす計画、これは極めて部分的にとどまっていますし、むしろ温暖化抑制の名目で自動車の数の増加を前提とした道路路線拡大、これ交通渋滞緩和ということですが、そういう政策を進めていると。これは部分的に渋滞は緩和しても、自動車交通の総量というのはかえって増加をしてしまう、また更なる渋滞を引き起こすということになります。
 国民にテレビやシャワーを減らすように求めているんですが、一方、二十四時間電力を消費する自動販売機、これについては、酒類の時間制限だけではんらんしている清涼飲料やたばこの自販機、これは野放しです。ネオンや広告塔も、私いつも気になるんですが、減っていないし、テレビもたくさんのチャンネルが夜中まで放映して、更に増えるという状況にあると聞いています。
 こういう状況を現状のまま続けていいのかどうか、それはよく話し合う必要があると思うんですね。これは全部駄目ということではなくて、やっぱり企業に対してももちろんこれでいいのということを言っていく必要があるし、国民に対してもこのままの生活スタイルでいいのかしら、やっぱり省エネ型の生活スタイルが必要なのではないかというようなことをよく問い掛けて、話し合っていく、そういうことが大事だと思いますが、いかがでしょうか。
#168
○国務大臣(大木浩君) もうあらゆるチャネルを通じて、ひとつPRといいますか話合いを進めていかなきゃいかぬと思っております。
 一つちょっと例示的に申し上げますけれども、先日も電気事業連合会の幹部とお話ししたんですが、電力会社も、言うなれば自分たちの製品を余り買ってくれるなという話をすることになると言いながら、しかし無駄なやっぱり電力は使わないようにしてくださいというようなことを電力会社自体がPRをしておられるというようなことで、非常にそういうのは望ましいと思っているわけですし、私どもも、今の自動販売機、ネオンそれから深夜テレビ等々、これはなかなか一遍に頭からやれと、こう言ってもあれでございますから、ひとつ知恵を出して、声も大きくして、それからいろいろとそういったことについての影響力のある方の参加もお願いしながら、例えば環の国くらし会議の方ではいろいろと各界の国民に向かって物を言っていただいたらよく皆さんが聞いてくれるような方をお願いして、そういった方の協力も得ながら、ひとつ環境省としても政府全体としてもそういった働き掛けを強めてまいりたいと考えております。
#169
○岩佐恵美君 温暖化の進行が引き起こしている異常現象の影響は、特に野生動植物に顕著に現れております。
 IPCCの報告では、自然システムは、適応力が制限されているために気候変化に対して特に脆弱であって、重大かつ不可逆的な被害を受ける可能性があるものとして、サンゴ礁やマングローブ、北方林や熱帯林、あるいは北極、山岳生態系、あるいは草原湿地などを列挙をしています。
 そこで、伺いたいんですが、炭酸ガスの吸収、これは森林だけではなくてサンゴや海草など、海洋生物も炭酸ガスを吸収する重要な役割を果たしていると言われます。海草群落やサンゴ礁の光合成による炭酸ガスの固定は、単位面積当たりで森林に匹敵するほど高いと言われます。さらに、石灰質のサンゴは炭素を固定するということです。沖縄のサンゴ礁だけで、炭酸ガス換算で年間二十万トン吸収するという試算もあります。
 地球温暖化防止のためにも干潟やサンゴ礁を保全することは重要だと思いますが、その点いかがでしょうか。
#170
○政府参考人(岡澤和好君) 今、先生、試算の数字ということでおっしゃっておりましたけれども、干潟、サンゴなど、大気中の温室効果ガスの吸収あるいは排出に対する関与が非常に強いというふうなことは言われておりますが、まだ数字的にどういうぐらいの効果があるかということは分かっておりません。
 しかし、いずれにしても、温室効果ガスの吸収あるいはその影響を受けやすいという意味ではおっしゃるとおりだと思っています。
#171
○岩佐恵美君 森林吸収と似たようなもののような気がいたしますけれども、これもきちっと位置付けていかなきゃいけないと思います。
 実は、このサンゴ礁ですが、九七年から九八年に掛けて海水温の上昇で大規模なサンゴの白化現象が発生しました。温暖化が進めば更に白化現象の発生頻度が増えると予測されています。さらに、埋立てや赤土の流出など、人為的な干潟やサンゴ礁の破壊が進んでいます。
 第四回自然環境保全基礎調査によると、これまで、干潟、三万二千六百二十二ヘクタール、藻場が八千四百五十二ヘクタール、サンゴ礁は二千三百九ヘクタールが消滅しています。そのほとんどは埋立てによります。人間による重大な環境破壊だと思います。
 ひどい環境破壊の具体例の一つなんですが、沖縄本島中部の東海岸にある泡瀬干潟の埋立事業のための海草移植実験について伺いたいと思います。
 泡瀬干潟は、広さ二百九十八ヘクタール、沖縄本島に残された最大の干潟です。砂、サンゴれき、一部泥、こういう干潟から成る多様な環境です。大潮のときには、沖に向かって四キロメートルの広大な干潟が広がります。沖縄のレッドデータで地域個体群に指定されているミナミコメツキガニの大群生地でもあります。
 当委員会で私、かつてこの問題について質問しました。正に生物多様な島独特の生態系を持つ貴重な干潟です。さらに、干潮時、深さ一、二メートル前後の浅い海に海草の群落が広がっています。海のマリモといわれる絶滅危惧種のクビレミドロの希少な生息地の一つです。これまで生息が確認された十二か所のうち既に九か所で絶滅しているので、泡瀬干潟はクビレミドロの生息地としても極めて貴重な存在です。シギ・チドリ類の飛来もラムサール条約に登録されている漫湖より多くなっていて、ムナグロは日本最大の越冬地です。国際的な渡り鳥の中継地としても重要です。
 環境省は、重要干潟として泡瀬干潟を含む中城湾を挙げていますが、泡瀬干潟の重要性について改めて環境省の認識を伺いたいと思います。
#172
○政府参考人(小林光君) 岩佐委員、御指摘のとおりでございます。泡瀬干潟につきましては、沖縄本島でも大規模な干潟が広がっておりまして、絶滅のおそれのあるクビレミドロとかトカゲハゼとかが生息、確認されていますとともに、ムナグロですとかメダイチドリなど、シギ・チドリ類が定期的に訪れる渡り鳥の渡来地としても非常に重要な湿地というふうに理解してございます。
#173
○岩佐恵美君 なぜか地域個体群であるミナミコメツキガニについて局長は触れていただけませんでしたけれども、とてもミナミコメツキガニはきれいなカニで、カニは横ばいをするんですが、このカニは直進をいたします。別名、ヘイタイガニとも言われるんですが、ヘイタイガニというのは全然ふさわしくない、かわいらしいカニで、本当にたくさんいます。すごい大群生地です。是非守るべき大切な干潟、浅海域であります。
 ところが、今、沖縄総合事務局と沖縄県が泡瀬干潟百八十七ヘクタールを埋め立てようとしています。これは、隣の中城湾新港地区を特別自由貿易地域として開発するために港湾工事で発生するしゅんせつ土の土捨て場にしよう、そういうひどい計画なんですね。埋立てしたって、もう来る企業は二つしかないというのははっきりしているわけですから、土捨て場なんですね。
 環境破壊に対する批判が高まったために、沖縄総合事務局は三ヘクタールの海草群落を移植する大規模な機械移植実験を行いました。そして、実験は成功したとして、八月には工事に着工するとしています。工事計画では、今後、泡瀬地区の海草二十五ヘクタールを移植をするとしています。実験は、海草群落を長さ二メーター、幅一・五メーター、厚さ二十センチのブロックに切り取って別の地域にただ置くだけのものです。
 私、現地に行きまして、これ写真に撮ったのですが、(資料を示す)ちょっと分かりづらいかもしれませんが、これが海草が生えているところですが、削り取ったところが四角く枠になって、よく見ていただくと見えます。こういうふうな形で削り取られました。
 これまでの大規模移植実験で実際に切り取った海草群落の面積はどのぐらいありますか、また、移植先で現在順調に生息している海草群落の面積はどのぐらいでしょうか、内閣府。事実関係だけ簡単にお願いします。
#174
○政府参考人(武田宗高君) 現在、大規模移植実験ということで、今までに削りました藻場につきましては約一ヘクタールというふうに承知をいたしております。
 この海草の活性状況につきましては、去る二月の二十二日に開催されました環境監視・検討委員会に報告されましたが、約六割が良好な活着状況であったというふうに報告をされているところでございます。
#175
○岩佐恵美君 四割が良好でないということですね。
 私は、四月二十八日、大潮の干潮時に移植した現場を歩きました。置かれた海草のブロックは、波によって根本が洗われ、砂がほとんど流出していました。そのため、地下茎がむき出しになっていて、葉の部分はすっかり枯れたり、なくなったりしていました。これです。
 これ、ちょっとここら辺が青く見えますね。これは藻類でして、付着藻類と言うんだそうですけれども、枯れるとふわふわふわっとしたものが付くということを専門家が指摘をしておられました。これは、元気な証拠じゃなくて元気でない証拠なんです、この青いのがあるということは、緑色のものがあるということは。
 移植された場所の近くの元から生えていた海草、これ、ちょっと見ていただきたいんですが、ここが元から生えていた海草です。その上に削り取ったブロックをぽんと置いただけなんですね。だから、元から生えていたものも死んでしまったというのがこの写真なんですけれども、乗せたブロックが流出していたということで、本当にひどいなという思いがいたしました。水の流れのある海の中でただブロックを置くだけですから、こうなるのは私は当然だと思います。琵琶湖のあの草の移植実験というのを伺いましたけれども、物すごくお金が掛かるし、手間が掛かっているんですね。海の中ですから、これはもう本当に荒っぽい事業だと思います。
 専門家は、海草は地下茎が露出すると死んでしまうと指摘をしています。現状はとても移植が成功したという状況ではなかったんですが、環境省は現場を確認しておられるでしょうか。
#176
○政府参考人(炭谷茂君) 泡瀬干潟の埋立事業につきましては、環境省としては、環境アセスメント法などの法的な手続の中で関与をする機会はございませんでしたが、沖縄県は、環境影響評価法の手続におきまして、海草の移植は移植先で生育が可能であることを確認した上で行うことの意見を述べているところでございます。
 藻場の移植実験の現場を環境省といたしましては実地に確認はしておりませんが、事業者がどのような実験をしているかといった情報につきましては、沖縄県の環境部局との密接な連絡のもとに入手いたしております。
 同県に対しまして、必要な助言等を行っているところでございまして、今後とも県と十分連携を取りながら更に一層の情報収集に努めてまいりたいというふうに考えております。
#177
○岩佐恵美君 実は、現地の泡瀬干潟を守る連絡会が、沖縄総合事務局が移植先に設けたaからkまで十一か所のモニタリングポストで毎月独自に海草生息状況を調査しています。守る会の人たちの調査は、十メーター四方のモニタリングポストの対角線上に一メーター四方の枠を並べ、その中の海草の生息状況をすべて丹念に調べています。そして、一地点十四区画、全部で百五十四区画について沖縄総合事務局の評価基準に沿ってAからDランクに評価をいたしました。これが連絡会が行っている調査の方法です。メッシュに切っております。(資料を示す)
 四月二十七日から二十八日、五月四日に行った調査では、百五十四区画のうち、移植した海草の固まりがあったのは百二十区画、そのうち五十九区画が枯れ死に近いDランク、四十区画が枯れ死寸前のCランクで、合わせて八二・五%がほとんど枯れて駄目になっている。つまり、四割どころではなくて、その倍が枯れて駄目になっている、これが連絡会の調査です。ですから、沖縄の総合事務局とは全く違う調査結果が出ています。
 Aランクに相当するのは、やや深いところにあるj、kの二地点に三区画あっただけなんですね。このj、kの二地点は、いずれも今年になってから移植したところで、しかも、そこでも移植された海草の固まりがあった二十区画の半分はC、Dランクなんです。正に惨たんたる状況なんです。海草藻場の壮大な私は破壊実験場というふうに思いました。これで本当に成功したと言えるんでしょうか。
#178
○政府参考人(武田宗高君) 今、委員御指摘のような報道がございましたことは私どもも承知をいたしております。ただ、どういう調査方法あるいは判定方法をお取りになったのか、私どもも承知をいたしていないところでございますので、ちょっと現時点では何とも申し上げられないところでございます。
 ただ、先ほど申しましたように、本年二月の環境監視・検討委員会に報告されたところでは、七割が良好な状況と。かつ、その後、沖縄総合事務局の報告によりますと、相当のモニタリングをやはりやっておりまして、その結果では、生育状況に個々にばらつきはございますけれども、少なくとも報道されたような状況にはないというふうに聞いておるところでございます。
#179
○岩佐恵美君 検討委員会はおおむね順調という評価だということですけれども、検討委員会の調査というのは、移植後、長いもので七十日、二か月ちょっと、短いものは十日しかたっていないんです。去年の十一月、十二月に移植した三十五地点については今年一月十五日から十七日に調査しているんです。一月八日から二十日に移植した三十四地点については一月二十九、三十日に調査をしている。移植からほとんど時間がたっていないんですね。
 昨年移植した三十五地点について見ると、Aランクが六地点、Bが十五地点、C、Dがそれぞれ七地点と評価しているんです。一地点で数十から数百の移植をしているのに、報告書に示されている写真、よく見たんですが、極めて部分的なものなんですね。評価が客観的かどうか分からない。その点、そういう限られたものですから分からないんですけれども、評価のとおりだとしても、先ほど答弁があったように四割は不良なんです。
 今年移植した三十四地点は、Aランクが九地点、Bランクは十九地点、C、Dランクが六地点となっています。おおむね順調どころか、移植した海草の大部分が生き残っている地点はわずか十日か二十日でもう四分の一以下になっちゃっているんですね。半分以上の地点で一部枯れ死が見られ、二割近くはほとんど駄目だった、そういう結果なんです。わずか十日や二十日でこういう状態になっているんです。
 環境省は、これで海草の大規模移植実験技術が確認できた、そう考えておられるのですか。
#180
○政府参考人(炭谷茂君) お答えいたします。
 先ほど内閣府の方から御答弁がありましたように、今年の二月に監視・検討委員会におきまして、生育はおおむね順調、また海草の機械化移植は可能という判断がなされたというふうにお伺いしているわけでございますが、一方、この委員会におきましては、移植地の環境状況と生育状況をモニタリングすること等、移植技術の向上が図られるべきだという意見も付加されていると聞いております。
 環境省といたしましては、そのような判断の基になった詳細な根拠については承知しておりませんけれども、いずれにいたしましても、一般的には藻場の移植の成否は大変不確実性の伴うものでございます。したがいまして、生育状況のモニタリングの実施とか、また技術の更なる向上を図る等、慎重な対応が重要であると考えている次第でございます。
#181
○岩佐恵美君 沖縄の総合事務局の調査でも、移植から一か月足らずで約二割が駄目になっている、二、三か月で四割が駄目になっている。数年後にはどうなるか分からないんです。何のデータもないんですよ。地元の住民団体の調査では、半年で八割が駄目になっているんです。このまま二十五ヘクタールの移植を行えば移植された海草群落はほとんどなくなっちゃう。さらに、移植先に元から生えていた海草も、先ほどの写真にあるように死に追いやられる、そういう危険が大きいんです。
 私、こんないい加減な実験で移植が成功した、そういう下で埋立工事を開始するなんということは絶対に許されないと思うんですね。泡瀬干潟は環境省も重要干潟と認定したところなんです。このまま土捨場としての工事によって貴重な干潟、浅海域が破壊されるのを黙認していたら、私、環境省の存在価値が問われると思います。環境省として、移植実験の現場をしっかり見て、責任を持って評価をしてください。
 私、現場に行って、本当にひどいと思いました。もう怒りが込み上げてきました。私、四キロずっと歩きました。海の砂の上を歩きました。そして、その後、四キロ歩いたところから今度、船に乗り換えて海の上からも見ました。本当にひどい状態だったんですね。
 だから、かなり怒っていますけれども、本当にこういうことを見過ごしたら環境省、駄目ですよ。本当に環境省なんか、日本に環境省ってあるのというふうに言われてしまう、そう思います。しっかり見て、現場を、そして責任を持って評価をしてください。どうですか。
#182
○政府参考人(炭谷茂君) 先ほどお答えいたしましたように、藻場の移植につきましては大変不確実性の伴うものでございます。したがって、検討委員会の方でも、事業者が技術の向上を一層図らなければいけないという、慎重に対応することが重要と考えております。
 環境省といたしましては、引き続き、沖縄県の環境部局と密接な連携を取りながら必要な助言等を行ってまいりたいというふうに考えております。
#183
○岩佐恵美君 何か腰が引けているんですよね。必要な助言って何なんでしょうかね。とにかくきちっとした対応をしてほしいんです。
 大臣、この埋立事業というのは、私はどう見ても筋が通らない、全く何か訳の分からない計画だというふうに思っているんです。だから、今年三月に沖縄の市長選が行われました。その際にもこの泡瀬干潟の埋立てが大変大きな争点になったんですが、埋立てに反対した新人の女性市長候補が埋立てを推進している現職の方と戦ったわけですね。そして、四五・五%の得票を得ているんです。いわゆる地元の要請があるからとか、地元の何か署名をめぐってもいろいろ評価が分かれているんですけれども、私はこの一つに、直近で行われた市長選というのは非常に大きな市民の世論を反映したものだというふうに思います。だから、現地でもそれだけ批判が強い事業なんですね。
 私は、二十一世紀は地球をしっかり守っていくべき時代だと思います。干潟の保全は国内のみならず国際的にも責務です。先ほど自然保護局長が言われたように、国際的に鳥の重要な中継地にもなっています。地球温暖化を防ぐために森林等の吸収源といいながら、一方、良好な環境を破壊をする、こんなこと許されないと思うんですね。環境保全の先頭に立つべき環境省として、事実をきちんと調査をして、把握して、毅然として対応してほしい。もう環境を破壊する、そういう事業だったらやめるということをきちんと言うべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#184
○国務大臣(大木浩君) その事実の意味が、きちんと調査ということでございましたけれども、どうも事業者でございます内閣府及び沖縄県が言っておられることと、今、岩佐議員のおっしゃる御判断と大分事実の認定について差があるようですから、少なくともそういうお話があったということは、私も近日中に沖縄県の幹部の方にお目に掛かりますので、そういう事実があったということはお伝えして、それでまた、そのお地元の方がどういうふうに判断しておられるか、それをお聞きした上で、また環境省としてはどういうことをする必要があるのかどうか、判断をさせていただきたいと思います。
#185
○岩佐恵美君 何かもうちょっと、調査してやるというぐらい、大臣、言ってくださいよ。そうしなかったら救われないですよ。環境省、要らなくなっちゃうじゃないですか。
#186
○国務大臣(大木浩君) やっぱりその調査をするというのは、まず事業者が自分の判断において、しかもそのお地元の沖縄県の方も入っておられますから、それはやっぱり私どもとしても、もちろんそれは実態が中止しなきゃいかぬような状態にあるのかどうかということを、まずその事業者の方からもお聞きして、もちろん先生からいろいろと今日こういうお話があったということはお伝えします。その上で私どもとしての、公正と私どもが考える判断をさせていただきたいと思います。
#187
○委員長(堀利和君) 時間が参りました。
#188
○岩佐恵美君 はい。
 ありがとうございました。不満ですけれども、終わります。
    ─────────────
#189
○委員長(堀利和君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、加藤修一君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君が選任されました。
    ─────────────
#190
○高橋紀世子君 お疲れのところ、申し訳ありません。高橋紀世子でございます。
 先日の本会議に引き続き、地球温暖化の推進に関する法律の一部を改正する法律案に関して質問します。また、大木大臣、京都議定書における森林の算定方法についてお伺いしたいと思います。
 私は、一九九二年の森林のCO2吸収量をゼロとして二〇一〇年の吸収量をそのまま算定するという方法を、日本はたとえそれが京都議定書で認められても採用すべきではないと思うんです。
 先日、森林のCO2吸収量の算定方法について衆議院の本会議場で質問を受けられた大臣は、こう答弁されました。温室効果ガスの、一方において削減、一方において吸収というこの二つを総合的に行使して、六%なら六%の削減という目標を達するわけでございまして、我が国といたしましては、京都議定書の約束を達成するために、三・九%程度の吸収量の確保を目的として、必要な森林の整備を進めながら、その目標達成を図りたいということでございまして、行使しないというよりは、むしろ活用させていただきたいと思っておりますとおっしゃいました。
 こう述べられた大臣の答弁では、どうも私の質問に対する答えとなっていませんでした。この算定方法では、日本の森林が減り森林全体のCO2吸収量が減少しても温室効果ガスが削減したことになってしまいますが、それはおかしいのではないかというのが質問の趣旨です。
 お疲れでしょうけれども、大臣にもう一度お伺いします。この算定方法について、問題があるとお考えになりませんでしょうか。
#191
○国務大臣(大木浩君) 先般の御質問につきまして、私は六%と引っ掛けてまあいろいろと御説明しましたが、それはあくまでもその森林の吸収だけというよりは、あの京都議定書で日本の義務として六%をしますと、その中で森林というものについては吸収という形で六%に貢献するということを申し上げたわけでありますが。
 今度は、今の森林についてのその何%という計算につきましては、おっしゃったとおりに、吸収量の増加分ではなくその期間における吸収量そのものを算定するというのは、これはいろいろと各国で議論がございまして、随分議論したんですけれども、結局はその今言いましたような吸収量そのものを算定するということによって取り扱った方がみんなが合意できるということでありますから。
 いろいろ議論はあると思いますけれども、今おっしゃったように、増加量ではなくて吸収量そのものを算定するということも、決して全く不合理だとは思いませんので、それはやはりそういった吸収作用というものをどういうふうに評価するかという問題の中の一つでありまして、そういうことで日本としても、日本だけが違った算定量ということは、少なくとも京都議定書の中の日本の議論としてはいたしません。もちろん、それはどういうふうでも、とにかく日本として実質的に六%削減できればいいわけでありますから。
 ただ、今の六%も、いろいろとその細かいところでは計算方法はありますけれども、日本としてもやっぱり各国が同意する一つの、みんなで共通でこれを守りましょうといった算定方式に従ってやらせていただくということでございまして、日本としてはもちろん、ちょっとここは、ここまで言いますと言い過ぎかもしれませんけれども、とにかくできるだけ減らすということがまず第一でございますので、そこから始めたいと思っております。
#192
○高橋紀世子君 今おっしゃったように減らすということが、やっぱり最初ゼロにしてしまうから、そういう計算が私はちょっと納得がいかないんですけれども、ありがとうございました。
 京都議定書がこの算定方法を認めているのもおかしいけれども、けれども京都議定書はこの算定方法を私たちに強制しているわけではありません。私たち人類は、数字遊びではなく、CO2排出量の実質的な削減を目指さなければなりません。この際、温室効果ガスの実質的削減という原点に返って、森林の増加分のみを吸収するという算定する方法に転換すべきだと思いますけれども、どうでしょうか、先ほどお答えいただきましたので。
#193
○国務大臣(大木浩君) 京都議定書に基づく義務を果たしているかどうかというその議論のときには、ここで各国が同意いたしました方式に従って、吸収量そのものを基礎にして日本はここまでやったぞということは説明するわけでありますけれども、またしかし、現実に森林の状況がどうなっているかということにつきましては、どれだけの吸収力があったのか、それからどれだけ増加したというようなことは、これは実際に実態を判断する場合には私はそういった数字も出てくると思います。
 ですから、そういったものは十分にちゃんと見ながら、これからきちっと物事がうまく進んでおるかどうかということは、そういったいろんなデータを見ながら私どもとしては考えていかなければならないというふうに考えております。
#194
○高橋紀世子君 その話はあれしました。
 政府は原子力発電所の新増設によってCO2の排出量を削減しようと考えているようです。確かに、平沼経済産業大臣がお答えになっているように、原子力発電はCO2を排出しにくいという環境特性を持っています。しかし、トータルな環境問題という観点から見ると、この発電方法は決して人類にとって地球を住みやすい場所にすることに貢献するものではないと言わざるを得ないと思います。環境汚染物質の典型とも言える放射性廃棄物やその処理の方法やコストの問題を考え合わせると、原子力発電はむしろ環境問題を作り出す発電の方法と言えるのではないでしょうか。
 環境保全を目指す環境省は、率先して経済産業省などに働き掛け、原発の新増発を阻止すべき立場であると考えますが、いかがでしょうか。
#195
○国務大臣(大木浩君) 原子力発電につきましてはいろんな御意見があると思うんです。既にほかの先生に対する、私、答弁の中で申し上げましたけれども、これは将来的に原子力発電というのも、いつまでも続けておるということが本当に必要なのかということはいろいろ議論があると思います。もっと安全性が、もう絶対に安全だというようなものが出ればそちらの方が安全という点から見れば望ましいことは間違いないわけですから。
 ただ、現実にいろいろと安全性だとか、クリーンなエネルギーとして供給ができるか、しかもある程度の量が固まってちゃんと供給できるかと、そういうようなことを考えますと、私としては、今、日本においては少なくとも原子力発電というものを今全部やめてしまう、あるいは全然もう新規のものは絶対にやらないというのはいささか現状に合わないと。残念ながらそういう状況だと思います。もちろん、新しいクリーンなエネルギーをまた開発するということについては努力いたしますが。
 現在では、そういった原子力発電の安全性、それからまたその処理が最近は、建設するばかりじゃなくて、あとその廃棄物の処理の問題も出てきています。そういったことも十分に考えなきゃいけない。
 それから、もちろん原子力発電というのはコストはどうなんだというようなこともございますから、そういったものも全部総合的に考えますと、ここのところ五年、十年というのは、少なくともできるなら新しいものも含めて原子力発電というのは続けるということです。
 ただし、将来に向かってはほかの、新しい別のエネルギーとの対比の中でだんだんに考えていくということではないかというふうに考えております。
#196
○高橋紀世子君 分かりました。
 地球環境のCO2排出量の削減という視点から見ると、CO2の排出量が少なくて、しかも安全で安価なエネルギーの発電方法などを生むように新しいテクノロジーの開発がとても重要だと思います。新しい技術開発を促すために大規模な投資をしなければならないのではないかと思います。そのために投資を誘発する仕組みを考えなければいけないと思います。
 そこで、私は、例えばCO2の排出削減を可能にするような新しい技術開発への投資が削減ポイントとして加算される仕組みを京都メカニズムの中に導入すべきだと考えますけれども、このアイデアをどう思われますでしょうか。
#197
○国務大臣(大木浩君) 京都メカニズムの中にそのままいろいろな新しいテクノロジー開発についての投資というものについてそれを削減のポイントとするというと、どういうふうにポイントを計算するかと、いろいろ問題はございますし、これはなかなか議論があれでございますから、今すぐにちょっとそれを導入ということは難しいと思うんです。
 ただ、京都メカニズムの中で、例えば、よその国と協力して、よその国へのいわゆる京都メカニズムでの協力とか、そういうようなことはありますから、そういったものに乗るような形であれば、それは投資という部分というよりはむしろ協力というところで考え得ることがあるかもしれません。
 いずれにいたしましても、日本の国内では最近も、そういった新しい開発への投資ということについてはいろいろと今税制上の優遇措置を考えようかというようなことも出ておりますから、一つの問題としては意識が大分生まれておりますから、そういった新しいテクノロジーの開発ということについては、今後もまた私どもも引き続き検討はしてまいりたいというふうに考えております。
#198
○高橋紀世子君 やはり開発を促進するためには、何かその恩恵が得られるようにしていただきたいと思います。
 最後に、戦争行為とCO2の排出についての関係についてお尋ねします。
 私たちは、人類の戦争行為によってどれくらいのCO2などの温室効果ガスが排出されているのかについて御存じでしょうか。もしそういった調査がないのならば、平和主義を貫く環境大国の日本の環境省が率先して調査をしていただきたいと思うのです。いかがでしょうか。
#199
○国務大臣(大木浩君) 正直に申し上げまして、大変に技術的にどういう調査をしたら本当に意味のある数字が出てくるのかなということは非常に難しいのでありますけれども、もちろん戦争をすればいろんな意味で本当にCO2も増えますし、ですから、まずは戦争を何とかして起こさないようにということで努力はいたします。
 それから、部分的にはどういったことが、例えば、どういう戦闘があってどういうことが起こったようなことは、部分的にはあるいは調査はできるかもしれませんけれども、今のところ、日本として自分が戦争をやったというのは余りないものですから、おかげさまで、日本として、あるいは日本政府として、環境省として調査するというのはちょっと残念ながら今すぐにはお約束できませんので、御容赦願いたいと思います。
#200
○高橋紀世子君 私たちは、何よりも地球の温暖化を阻止するというゴールを目指さなければなりません。そしてそれは、人類にとって地球をもっと住みよい場所にしようとするための私たち自身の作ってきた消費社会に対する挑戦であります。この挑戦に負けることは許されないと思います。私は、皆さんと力を合わせてこのゴールを目指したいと思います。
 今日は質問させていただいて、ありがとうございました。
#201
○委員長(堀利和君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について福山哲郎君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。福山哲郎君。
#202
○福山哲郎君 私は、ただいま議題となっております地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会及び日本共産党を代表して、修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 まず、その趣旨について御説明申し上げます。
 地球温暖化は二十一世紀における最も深刻な問題の一つであり、先進国、とりわけ京都議定書を採択したCOP3の議長国である我が国は、率先してその対策に取り組む必要があります。
 しかしながら、我が国における温室効果ガスの排出量は増大を続けており、一九九九年度の排出量は基準年に比べ約七%の増加となっています。現状の対策のままでは、京都議定書で定められた六%の削減目標の達成は極めて困難であると考えられます。
 このような状況において提出された本改正案は、現行制度を実質的に変更するものではなく、目標を達成するには不十分であると言わざるを得ません。改正案の目的とする京都議定書の的確かつ円滑な実施を確保するためには、国民各層の温暖化対策への積極的な参加を求めるとともに、より実効性のある対策を盛り込むことが必要であり、本改正案の修正を行うべきであると考えます。
 次に、修正案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、京都議定書目標達成計画の策定に当たっては、あらかじめ広く一般の意見を聞かなければならないものとしております。
 第二に、京都議定書目標達成計画については、非常に重要な計画であることから、国会の承認事項とすることとしております。
 第三に、温室効果ガスの排出抑制とその実施状況の正確な把握の必要性から、一定規模以上の事業者に対して、温室効果ガス排出抑制のための措置に関する計画策定と、計画に係る措置の実施状況の公表を義務付けることとしております。
 第四に、地球温暖化対策地域協議会については、日常生活に関する温室効果ガス排出抑制にとどまらず、温室効果ガスの排出の抑制全般に関し、必要となるべき措置について協議できるものとしております。
 第五に、森林等による吸収作用の位置付けについては、温室効果ガスの排出抑制を実行することが基本であることに留意しつつ、森林等による温室効果ガスの吸収作用の保全及び強化を図るものとしております。
 以上であります。
 何とぞ、本修正案の趣旨を御理解いただき、委員各位の賛同を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
#203
○委員長(堀利和君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、福山君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#204
○委員長(堀利和君) 少数と認めます。よって、福山君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#205
○委員長(堀利和君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 福山哲郎君から発言を求められておりますので、これを許します。福山哲郎君。
#206
○福山哲郎君 私は、ただいま可決されました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、地球温暖化対策の推進には国民の参加と協力が不可欠なことから、京都議定書目標達成計画の策定に当たっては、パブリックコメントの実施はもとより、同計画の策定段階からの国民の参画が実質的に確保されるような場を設けること。
 二、地球温暖化対策地域協議会ができるだけ多くの地域で組織されるよう、その趣旨の周知を図るとともに、必要な支援措置を講ずること。また、同協議会については、その協議対象を地域住民の家庭生活における温室効果ガスの排出の抑制等に関し必要となるべき措置に限定することなく、当該地域における温室効果ガスの削減に資するまちづくりなど幅広く協議する場とすることを妨げないこと。
 三、本改正を契機として都道府県地球温暖化防止活動推進センターの指定が早急に行われるよう、未指定の都府県に対して強く働きかけるとともに、同センターの運営及びNPO活動に対する支援措置の拡充を図ること。
 四、現行法第七条第二項第三号に規定する政府の事務及び事業に関する温室効果ガスの排出の抑制等のための実行計画が未だ策定されていないことは極めて重大であることにかんがみ、これを早急に策定すること。
 五、実効ある地球温暖化対策を推進する上で、各主体ごとの温室効果ガスの排出量の把握が重要となることから、国及び各地方公共団体、事業者等からの温室効果ガス排出量の把握、公表及び評価のあり方について検討を進め、必要な措置を講ずること。
   また、温室効果ガスの排出量の把握に資する各種情報の提供及び支援に努めるとともに、各種統計データについて、その共有化を進め、集計・公表の大幅な迅速化を図ること。
 六、森林等による温室効果ガスの吸収作用の保全及び強化に向けて、森林・林業基本計画等に基づく森林の整備等を着実に実施すること。
   また、そのための関係省庁による施策の連携を図るとともに、人的・財政的措置の拡充に努めること。
 七、本法及び京都議定書目標達成計画については、本法に規定されている見直し時期到来前であっても、随時見直しを行い、京都議定書に定められた我が国の温室効果ガス削減目標の達成のために必要な追加的施策を実施すること。なお、排出量取引等の京都メカニズムについては、これが国内対策に対して補足的であるとの原則に十分留意して、その活用のための国内制度のあり方の検討に当たること。
 八、温室効果ガス排出削減目標の達成状況を勘案しつつ、排出削減の実効性を高める上で考慮されるべき選択肢の一つとしての環境税等の経済的手法、及びそれらの導入のあり方等について国民各層の幅広い議論を行い、税制改革全体の中で検討を進めること。
 九、京都議定書に基づく地球温暖化対策の実効性を上げるため、世界最大の温室効果ガス排出国である米国に対し、あらゆる機会を利用して同議定書に参加するよう働きかけるとともに、今後、温室効果ガスの排出量が急増することが予想される途上国において、温室効果ガスの排出抑制措置が図られるよう、我が国としても可能な限りの支援を行っていくこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#207
○委員長(堀利和君) ただいま福山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#208
○委員長(堀利和君) 全会一致と認めます。よって、福山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大木環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大木環境大臣。
#209
○国務大臣(大木浩君) ただいま御決議がございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力する所存でございます。
 以上です。
#210
○委員長(堀利和君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#211
○委員長(堀利和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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