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2002/03/28 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第5号
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2002/03/28 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第5号

#1
第154回国会 国土交通委員会 第5号
平成十四年三月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北澤 俊美君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                藤井 俊男君
                弘友 和夫君
                大江 康弘君
    委 員
                荒井 正吾君
                木村  仁君
                北岡 秀二君
                月原 茂皓君
                野上浩太郎君
                野沢 太三君
                松谷蒼一郎君
                森下 博之君
                森山  裕君
                吉田 博美君
                池口 修次君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                藁科 滿治君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  佐藤 静雄君
       国土交通副大臣  月原 茂皓君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       森下 博之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       山本繁太郎君
       国土交通大臣官
       房長       風岡 典之君
       国土交通省総合
       政策局長     岩村  敬君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  澤井 英一君
       国土交通省住宅
       局長       三沢  真君
   参考人
       早稲田大学理工
       学部教授     伊藤  滋君
       東京大学大学院
       工学系研究科助
       教授       小泉 秀樹君
       東京都立大学名
       誉教授      石田 頼房君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○都市再開発法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○都市再生特別措置法案(内閣提出、衆議院送付
 )

    ─────────────
#2
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を開会をいたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 都市再開発法等の一部を改正する法律案及び都市再生特別措置法案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官山本繁太郎君、国土交通大臣官房長風岡典之君、国土交通省総合政策局長岩村敬君、国土交通省都市・地域整備局長澤井英一君及び国土交通省住宅局長三沢真君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(北澤俊美君) 都市再開発法等の一部を改正する法律案及び都市再生特別措置法案の両案を一括して議題といたします。
 まず、参考人から意見を聴取いたします。
 本日は、両案の審査のため、早稲田大学理工学部教授伊藤滋君、東京大学大学院工学系研究科助教授小泉秀樹君及び東京都立大学名誉教授石田頼房君の以上三名の参考人に御出席をいただき、御意見を聴取し、質疑を行います。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、大変御多忙のところを本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の方々からは忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にしていきたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。ありがとうございます。
 それでは、本日の議事の進め方について申し上げます。
 まず、伊藤参考人、小泉参考人、石田参考人の順序でお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 また、御発言は着席のままで結構でございますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきをお願いをいたします。
 なお、恐縮でございますが、時間が限られておりますので、簡潔に御発言くださいますようお願い申し上げます。
 それでは、まず伊藤参考人にお願いいたします。伊藤参考人。
#5
○参考人(伊藤滋君) 伊藤でございます。
 私のこれから申し上げることは、何がゆえにこの都市再生特別措置法あるいは都市再開発法の修正が出てきたかということについて私の私見を述べたいと思います。
 具体的に先生方の御質問が後ほどあろうかと思います。そのときに個別具体的なことについてはお話をしたいと思います。
 私は五つ、お手元に非常に汚い字で五つ、五項目書いてございますが、これに沿って申し上げます。
 「都市再生は二十一世紀を通じて、国家の根幹的課題である。」と書いてございますが、これの出発点は私は阪神・淡路の大震災の教訓だと思っております。
 もう七年前か、八年前ですが、あの阪神・淡路の大震災のときに、私たちが二十世紀後半に作ってきた都市が恐ろしいほど壊れてしまいました。その壊れた原因をいろいろ究明したわけでございますが、率直に申し上げまして、二十世紀後半、日本が負けて、戦災復興から立ち上がったときに、その技術力とか富の豊かさの犠牲の中で、都市の中に非常に膨大な貧弱な市街地ができ上がったわけでございます。それをそのままにしておいた結果が阪神・淡路の大震災の被害でございますね。
 ですから、二十一世紀、これから私は、五十年掛けて現在の、二十世紀は五十年掛けて現在の都市を作ってきたわけです、こういう状況を。ですから、これから五十年掛けて、二十一世紀、私たちは日本の都市を作り直していかなければならない。こういう長くて非常に重い課題を都市再生という言葉は持っていると思っております。
 それから、もう一点でございます。それは、この数年来の非常に危機的な日本の経済状況が都市再生という言葉につながってきたと思っております。これはまた別の観点から申し上げますと、日本の都市づくりは、どちらかというと非常に内向き、国内的視点からずっと作られてきましたけれども、ここ十年来の日本の都市づくりに急速に襲ってきたのは国際化の波でございます。
 外国人がこの東京で暮らしやすいかどうか、これ率直に考えてみますと、ニューヨークへ日本の商社の人たちやお役所の人たちが行ったときにまず何を考えるか。日本人のお医者さんが欲しい、日本人の先生がいる小学校が欲しい、日本人のいる飲み屋が欲しい、これと全く同じことをアメリカ人もドイツ人もフランス人も東京や大阪へ来て考えるわけです。それだけのことを実態として私たちがちゃんとやってきたかというと、余りそういう意識がなかった。
 そうしますと、これは国際化の中で大きく経済が動いていくときに、世界共通の都市空間としてきちっとしたものを、場所を東京や大阪で作ってこなかったではないか、そういう話題でございます。例えば、中央区の中にフランス人学校があるとか、あるいは新宿区にスペイン人学校があるとか、そういうことが当然であったはずなんです。そういうこともやってきてなかった。完全に国際的な視点を欠如している。この二つが私は都市再生に、都市再生という言葉がしょい込んだ大事な課題ではないかと思っております。
 それを受けまして、実は都市再生特別措置法というのは二番目の「経済の危機的状況に立向かう緊急的な国家行為」、これであると私は解釈しております。これは非常に異常なことでございます。
 これまでの先生方の御議論も学校の教師の議論も、日本の社会システム、経済システムをこういうふうに変えていくべきである、その結果として都市はこういうふうになるべきである、あるいは農村社会はこうなるべきである、こういう筋道で具体的な市街地とかあるいは農村集落が作られてきたわけですね。ところが、今の状況は全くそうではございません。都市そのものが経済的に国際競争力に勝つ力を持たない限り日本の経済が駄目になるという話がこの五、六年来ずっと行われてきているわけでございます。
 率直に言いまして、海外資本が大阪をもう相手にしなくなって、東京しか海外資本は情報の拠点あるいは金融の拠点を求めないということは、大変残念でございますが、大阪市の都市構造がやっぱり国際的な力を持っていなかったということですね。ですから、なるべく早く私は、こういう緊急的な国家行為で都市づくりを一生懸命やって、それで外国の人たちが居心地よくて金融活動を展開するなんということを、早くもうそういうことをやめて、本来の社会制度あるいは文化を振興する、そういう領域から都市づくりをゆっくりと展開するということが大変必要なのではないかと思っております。ですから、そういう点で緊急的な国家措置がこの特別措置法あるいは再開発法の改正に含まれてきているのではないかと思います。
 そうしますと、現在の特別措置法ははっきりとその性格を明らかにするわけでございまして、これまで公共の枠組み、どっちかというと役人の枠組みの中で民間の企業が陳情、請願、何かお上に対してお願いしますと言っていた。その結果として、お役所の方がかなり、ちょっとまずい発言かもしれませんが、恣意的、裁量的判断をしていろんなことを処してきたということはちょっとやめてもらいたい。まず、すぐに、例えば非常にいい外国人学校を作りたいんだと、そういうことについて文部省の見解もあるだろうけれども、そういうのを作る場所をすぐ探したいんだ、私たちはすぐ作って、人材を例えばニューヨークとかロンドンから持ってこれるんだと言うなら、そういうふうに早くさせなきゃいけないんですね。
 ですから、そういう点で、民間の都市的投資活動をもっと自由にする、自主的に物事を決めるということです。これは逆に、民間がそれだけのことを自主的に決めるならば、そのツケは役人や公共側に持ってきてもらいたくないという言い方でもあるわけです。
 これまでの民間の皆様方の御意見をずっと拝聴しておりますと、いろんなことを、その枠組み、規制を緩めろと、いろんなことをおっしゃっております。しかし、私思いますのに、それだけのことを皆さんがおやりになるならば、場合によっては公共は思い切って民間に主導権を与えたらその舞台からしばらく立ち去ってもいいんではないか。むしろ、限られた公共的な財源というのは本来の、先ほど申しました二十一世紀五十年かけてこれから都市を良くしていくというところの例えば一般的市街地とか市民生活に極めてかかわるいろんな公共的施設、そういうものに向けていってもいいんではないか。それぐらいの決意を民間の皆様が持ってこの都市再生特別措置法を利用していただくということがあるのではないかと思っております。
 しかし、具体的に私幾つかの再開発にかかわっておりますが、どのような民間の行動を自由にさせる法律ができたとしましても、現実的に日本の都市社会の中では、一般の市民が安定して生活をしているところに対して大きな負担を掛けるということは、どんなことをやってもこれは仕事はうまくいかないんです。いかないんです。
 ですから、多分これからの民間の人たちの行動というのはおのずから、自主的判断でございますから、周辺の安定した住宅地あるいは商店街、そういうところに突然大きな影響を与えて、むやみやたらに時間を掛けて、金を掛けて、それで自らの考えているプロジェクトを作り上げるということはしないと思います。
 しかし、その辺については十分の、多分これは民間あるいは住民あるいは公共、そういう三者の十分な議論をしていくという場所を設定しなければいけないと思っています。その点については特別措置法でも、ある地域を定めたときに国と地方自治体との間で密接な、再開発、民間が主導する再開発についてどういうふうに持っていったらいいかという協議会を作るということをうたっておりますが、これはまずそれの第一歩ではないかと思っている次第です。
 五番目でございます。五番目は、これは先ほど私が申し上げました、次世代に引き渡せる優れた都市空間を作り上げるということに強くかかわってくるわけでございまして、どちらかというと、──はい、分かりました。あと三分で終わります。どちらかといいますと、現在の特別措置法は、言ってみると埋立地にある土地をどうするとか、あるいは国鉄清算事業団の土地をどうするかとか、よく世の中で話題になる大きい土地ですね、これを対象にして仕事、民間の仕事が早く動くということを考えていると思いますが、私はそれだけではなくて、例えば地方の中心市街地です、商店街とは言いません、中心市街地、それも含み、それから阪神・淡路のときに非常に大きい被害を受けた木造密集市街地、こういう場所について、「広く全国にひろがる」、ここでも書いてありますが、「市民の生活と就業の場所」、こういうところを具体的に、具体的に効率よく一つ一つ着実に仕上げていくという運動を広く展開していく必要があるかと思います。
 私はそれを草の根まちづくり運動と言っておりまして、是非この草の根まちづくり運動を稚内から石垣までの中心市街地、あるいはその都市の持っている木造の非常に危険な市街地について、まちづくりを国家がこれをきちっと助けていくということをやる必要があるかと思っております。
 多分、こういうプロジェクトは非常に小さいプロジェクトになると思います。例えば民間の、何ですか、民鉄ですね、私鉄の駅前に広場がない、ミニバス、ディマンドバスも来ない、タクシーも乗れない場所というときに、七、八十坪の広場を作るだけで非常に皆さんがバスに乗りやすいし、あるいは福祉の車も来やすいし、その周りにお便所と託児所と、託老所と言っている、託老所と交番と、それから司法事務所とか、そういうのが、つくる。でき上がり一件五億円ぐらいと。それぐらいの仕事を数多く全国に展開するということがこれからの仕事としてあるんではないかと思っております。
 ちょっと十八分で、今十五分で三分ばかり短縮しましたけれども、これで私の意見陳述を終わらせていただきます。
#6
○委員長(北澤俊美君) どうもありがとうございました。
 次に、小泉参考人にお願いをいたします。小泉参考人。
#7
○参考人(小泉秀樹君) 東京大学の小泉です。よろしくお願いいたします。
 私の方もレジュメに沿って説明をしたいと思います。
 まず、今、法案とかから読み解く政府の考えている都市再生というのはどういうものかというふうに私なりに整理してみると、民間企業、それも相当に資本力のある企業によって、どちらかといえばスクラップ・アンド・ビルド型というふうに呼んでいますが、現況の町を一掃した上で新しい建物を造り、造っていくと、そういうタイプの再開発というものを強く志向しているように見えてしまうと。小さな、個別的な更新をある意味で否定していたりとか。それから今、伊藤先生の方からお話がありましたが、地域の小さなまちづくりがたくさん今、日本で爆発的に増えているという状況があります。そういうものを積極的に支援するといった視点に少し欠けているんではないかという感じがしております。
 もちろん、市場、市場というか民間企業の活力を利用する形で都市を更新していくということは、これは一概に否定できないものだと思います。都市を作り上げていくための企業活動というのは私は必要だというふうに思っていますが、ただ、いわゆるスクラップ・アンド・ビルド型のような形で新しいオフィスとか住宅をどんどん造り上げていって、箱だけどんどんできていくようなことが本当に都市再生につながるんだろうかということを少し、基本的な問題意識として持っています。
 それで、じゃ、どういう都市再生の在り方がいいのだろうかということを私なりに少し考えてみました。最近、社会学者の間で公共性というものを再解釈することが行われています。それはどういうことかというと、公共性って、今までですと行政、行政が行うことが公共性を有していたというような考え方が中心だったと思うんですが、最近はそうではなくて、いろいろな例えば民間の個別的な活動とかそれから市民レベルのいろいろなボランタリーな活動に公共性があって、そういうものが集まることによって実際に社会としての公益というのを確保しているんだと、そういう考え方が主流になってきています。
 そういう考え方からすると、確かに民間の企業が都市更新をすることも重要ですが、一方で、市民セクター、企業だけではなくて市民セクターがより強く都市再生とか都市更新にかかわることによって実質的な公益を確保するような仕組みというのは是非とも必要じゃないかというふうに考えています。
 この法案を見ると、特に企業活動を通じた都市再生というのが非常に強調されているように思うわけで、むしろ急速に発展しつつあるようなまちづくりのNPOとかそれから市民活動とかいったものを育成して、政府とそれから企業とそれから市民セクター、ボランタリーセクターが協調する形で都市再生を図るような構造というのを作っていくべきではないかというのが私の基本的な主張です。
 それから、レジュメには書いてありませんが、もう一つは、都市再生の特別措置法ということでかなり特殊なことを思い切ってやろうという趣旨だと思うんですよね。その際には、ただ単に民間の発意にゆだねるということだけではなくて、やはり先ほど言ったような、市民の意向を積極的に取り込むような試み、住民参加の試みとか、それから、そのために必要な計画を評価したり、モニタリングといいますけれども、その計画の実施過程を逐次追っていって計画内容を見直していくような、新しいそういった都市計画の技法とか技術というものを開発するような場として都市再生の今回の法律というものを活用していくべきではないかというふうに考えています。
 それで、個別的な意見がその後、三のところから書いてありますので、少し細かくお話ししたいと思います。
 一つは、都市再生の基本方針とかそれから緊急整備地域の選定、それから関連する施策の実施というものをなるべく広く公開する形でやるべきではないかということです。それから、各地域の市民の発意とかそれから自治体の発意といったものをなるべく反映しつつ行うことができないかということを考えています。
 非常にこれまでの法律が出てくる、できてくるまでの経過もすごくスピードが速かったわけですね。情報が公開されていないわけではなかったのですが、普通の市民が勉強をして、都市再生というのは一体どういうことなのかということを考えて、それを受け止めて、じゃ自分の地域で何ができるのかといったことを創造的に発案していくには少し時間が足りなかったと。これから緊急整備地域等を指定する段階に当たっては、是非自治体とか市民セクターに我々のところもやりたいんだというようなことを手を挙げるチャンスを是非与えてあげていただきたいということがあります。
 それからもう一つは、実際に指定された地域でのまちづくりがその後どのように行われていくのかということについて、逐次状況を確認をして評価するようなことというのを是非やっていただきたいというふうに思います。これは、やはり国が積極的に関与して再生をさせるということなんですから、税金も投入するわけですから、どういう成果が上がったのかということをやはり国民の前に明確に示す必要があるというふうに考えます。そういう観点から、施策の実施状況、効果などについて公開するということをやるべきではないかというふうに考えております。
 その次ですが、緊急整備地域における都市計画の特例的緩和ということで、緊急整備地域では都市計画を、既存の都市計画を全部取り払って白地にして新しいものに置き換えるということができるようになっています。これ自体は、新しい試みとしてやることは私はいいんではないかと。つまり、ある意味で、政府が選んだ地域においてそういう実験的なことをやるということはあってもいいんじゃないかというふうに考えてはいます。
 ただ、都市計画を白地にするということは、別のまるきり違う形の建物とか、今までの規制の下で建てられる建物とまるきり違うものが建つ可能性があると。そういうことになりますと、その当該地域だけの問題ではもう収まらなくなってくる可能性があると。大きな建物が建てば、周辺にはもちろん、近隣の周辺には大きな影響が及ぶわけですし、場合によってはそういうものが集積すれば都市全体にもいろいろな影響が及ぶ可能性があるということで、これも提案したいということは、一つは、やはりそういう計画内容について早期に積極的な情報の公開をして、多くの市民から意見を取り込むような措置というのを是非やるべきではないかと。それからもう一つは、ただ単に情報公開をしてもなかなか意見も集まらないわけですから、その開発が周辺にどういう影響を与えるのかということをやはり積極的に評価をした上で、そういう内容、評価した内容について情報を公開することによっていろいろ意見を集めるようにするというようなことをやるべきだというふうに考えています。
 こういったことは、実は例えばアメリカなんかでは特例的な緩和とか再開発をやるときには必ず行っていることです。そういう意味ではアメリカの方が技法的に進んでいるというふうに私は理解していて、今回の緊急整備地域では、是非そういうことを実践的に行うことによって日本でもきちんとした計画の評価とか管理といったものができるようにしていくべきではないかと。それから、合意形成とか住民参加のシステムというものをきちんと作り上げていくべきではないかというふうに考えています。
 次が、第二種市街地再開発事業の民間事業者への施行権限付与ということで、今回の法改正の一つの目玉というか大きな点が再開発事業の施行権限を民間の株式会社に与えるというのがあります。これも評価できる側面もあるというふうに私は考えています。というのは、従来の組合とかの場合だと、なかなか資金繰りをするのが難しいとか、いろいろな組織的な問題があって難しかったという話も聞いていますから、そういう意味で近代化、組織形態を近代化するという意味では評価できるんじゃないかというふうに考えています。
 ただ、第二種の市街地再開発事業というのは、基本的には全面買収をしていわゆる収用する形で再開発を進めるということになりますから、今まで法律上も行政若しくは都市基盤整備公団、といった公的セクターしか施行権限がなかったものなので、これを民間の株式会社に与える場合にはかなり慎重にやるべきだというふうに考えています。
 法制度的には、再開発事業を行うという都市計画を決定する際に、そこには再開発が必要だということを公的に確認しているんだから、その後の収用、その後収用を行うことには余り問題がないんじゃないかといったような考え方もあるようなんですが、一方で、実質的になかなか都市計画の決定において、先ほども申し上げましたとおり、いろいろな多様な意見を集めて住民参加をして意思決定をするということがなかなか日本ではできていないという実情があると思います。ですから、一般的に広く第二種の再開発事業の施行権限を株式会社に与えるということは非常に問題を生じる可能性があるんじゃないかというふうに考えています。
 こうした観点から、もし仮に第二種再開発事業の施行権限を民間開発事業者に付与する場合には、当面、緊急整備地域ないし都市再生特区に限定をして運用すべきではないかと。そういうエリアに限定すれば、かなり公的にも注視する形ができますから、どういうメリット、デメリットがそれによって起きるかということも分かってくるわけですね。そういうある種の実験を踏まえて一般制度化にすべきではないかということで、その点を提案させていただきたいというふうに思います。
 それから、あと、緊急整備地域については開発事業者に都市計画の提案権限が与えられています。都市計画の提案権限を民間に与えるというのは、これは非常に画期的なことだというふうに思います。今まで都市計画というのは非常に国家高権的だという言われ方をしています。というのは、行政にしか発議権がないというか、実質的には行政にしか決定権限がないということで、日本の都市計画というものは非常に国家高権的であると。アメリカなんかの場合と比較しますと、例えばアメリカの場合は住民投票とか等によって直接都市計画の変更を住民なり市民が行い得るということがあるんですが、日本の場合はそういう仕組みは今までなかったので、そういう意味では非常に画期的ではないかというふうに考えています。
 ただ、緊急整備地域に限ってみると、開発事業者にのみそういう提案権限が与えられるということになっていて、これは緊急整備地域をどういうエリアに指定するのかということとも関係するんですが、仮に大規模な再開発をするようなところだけを考えているんだとすれば、そもそもそれだけで都市再生に本当につながるのかといった疑問がまずあるわけですが、そうではないエリア、それなりにいろいろな人が生活をしているような、普通に暮らしているようなエリアも、だけれども問題があるようなエリアですね、例えば東京でいうと環七から環六、それから環六の内側ぐらい、環状六号線の内側ぐらいに掛けて木造の密集地域というのが存在していますが、そういう地域の環境改善といったものが例えば都市再生の一つのテーマであるとすれば、そういうところでの発議というのは必ずしも民間事業者、開発事業者に限らないだろうということがあります。
 関連して都市計画法の改正がこの後行われるようです。そこでは、もう少し広く一般的に市民とか住民とかまちづくりのNPOにも提案権が与えられるようですが、そういう制度を緊急整備地域の中でも是非積極的に活用をして、市民とか住民も都市計画の発意ができるようにしてはどうかというふうに考えています。
 もう時間が来ました。最後に一点だけ簡単に説明したいんですが、今までのいろいろな施策を実施する事業制度というものが、実際に現場でまちづくりをやっているとなかなかうまく利用できないという現状があります。
 今回、せっかく都市再生ということで特別なことをやるわけですから、国交省の部門ごとの壁は是非、国土交通省の部門ごとの壁は是非取り払っていただいて、さらに、場合によっては省庁間の壁も取り払っていただいて、総合的な補助金制度というものを是非作っていただいて、それを試行的に都市再生緊急整備地域の中で活用してみると。どれだけ効果があるのかということを見ながら、一般制度にこれをしていくようなことを検討していただいてもいいんではないかというふうに考えております。
 以上です。
#8
○委員長(北澤俊美君) ありがとうございました。
 次に、石田参考人にお願いをいたします。石田参考人。
#9
○参考人(石田頼房君) ありがとうございます。石田でございます。
 今日、二つの法律案が議題になっておりますけれども、私は、都市再生特別措置法を中心に意見を述べて、都市再開発法の改正の問題については、御質問でもあればお答えしたいと思っております。特別措置法についても申し上げたいことはたくさんあるんですけれども、時間も限られておりますので、四点ほどに絞ってお話をしたいと思います。
 第一点は、都市再生ということをどう考えるかという理念的な問題をちょっと申し上げておきたいと思います。
 私は、都市再生という言葉を使って論じたことというのは二、三回あるんですけれども、その最初は、一九八五年に土地法学会が都市の再生と法というシンポジウムを行いまして、その中で「都市再生のあり方」という題で報告をいたしました。御参考までに配付させていただいておりますけれども。
 この時期は、ちょうど一九八三年に中曽根首相がアーバンルネッサンスという言葉をお使いになって、今回とかなり似たような方針で都市計画を進めようとされていた時期でございます。
 私は、この論文の導入部分で都市再生とは何か、何をなすべきかを論じ、まとめの中では都市再生へ向けての都市計画法制の整備というようなことについても論じております。
 御承知のように、中曽根首相のアーバンルネッサンスの政策の結末が地価の高騰、それからバブル経済、その崩壊、そして失われた十年を経て現在の日本経済の困難につながっていることは明らかでございます。したがって、まず都市再生ということを掲げての政策が、この前車のわだちを踏むことがないようにしなければならないというふうに思っております。
 この論文の中で、私は都市再生という言葉を、それを正しく考えるならば、やっぱり都市再開発というものとちょっとやっぱり対置して考えるべきだということを述べております。要するに、施設を取り壊し、造り直し、建て替えるという、そういうものと対比して、都市再生というのは、都市で営まれるいろいろな活動の回復に着目をする、英語で言いますとリハビリテーションとかリバイタライゼーションというような言葉が適当かと思うんですけれども、しかしそう申しましても、都市再生の目標をどこに置くかというのは、都市の現状をどう認識するかということに非常にかかわっております。
 最後にちょっとイギリスの例を申し上げますけれども、そこでも、同じ地域について都市再生をうたいながら、全く違った二つのプロジェクトがぶつかり合ったというような例がございます。都心が衰退しているという現状に対しても、現状認識の仕方によっては、都心へ人口を呼び戻すということが最大の課題だという見方も出てくるし、あるいは都心でオフィスビルや何かを、商業施設を建てて経済活動を活性化するということが一番大事だという見方も出てくるし、あるいは人々がだんだん郊外に移っちゃうというのは、都市生活の快適性が欠けてきているんだから、それを回復するのが目標でなければいけないというような考え方が出てくるわけです。そういう様々な都市再生の目標をどう考えるのかと、この辺がやはり一番重要な点ではないかと思うわけです。
 私は、現在、都市再生を考えるならば、都市生活の快適性の回復ということに最大の目標を置くべきだというふうに思っております。もちろん、私も、都市の開発整備が経済活動の活性化につながる、そういうことは否定しません。また、ある意味では、それも目標に加えることはいいことだと思っております。ただそれが、かつてのバブル期のように、開発を行う者がぼろもうけをすることだとか、地価が投機的に上がるのに応じてもうけるという、そういうのが都市再開発とか都市再生の経済活動の効果ではないと、このところをしっかり踏まえなきゃいけないというふうに思います。地域経済が活性化し、雇用を創出し、開発の利益が地域に還元される、そういうことが経済の活性化の本当の意味だというふうに考えております。
 第二点としては、都市再生をめぐる国と地方自治体の関係、すなわち都市、地域政策の策定における地方分権の問題について触れたいと思います。
 今回の都市再生特別措置法の仕組みは、最近の都市計画法制度の傾向から見て、ちょっと異常な仕組みを作ろうとしているというふうに思っております。非常に中央集権的なトップダウンの制度になっております。
 都市再生本部、これは総理大臣を中心にして全閣僚が入るということになっているようですけれども、それが国の一般的な都市再生方針、基本方針を決めるということはあってもいいんじゃないかと思いますけれども、都市再生緊急整備地域を指定すること、その地域ごとの整備方針を定めること、あるいはそこで行われる民間都市再生事業の認定を行う、こういうことを全部ここで集中的にやるということになっております。これは、地方自治法に定めておる基本構想とか総合計画行政、そういうものや、一昨年の、一九九九年の改正による、一昨々年になりますか、都市計画権限の地方分権化と逆行するような仕組みではないかというふうに思っておりまして、その中に、幾ら地方公共団体が申出制だとか、地方公共団体の意見を聞くとかということが項目ごとに書いてあっても、それでは救えない非常に大きな問題点だというふうに思っております。
 この法案を少し勉強して、かつてありました新産業都市建設促進法というのに類似しているところがあちこちにあるということに気付きました。この法律も、新産業都市の区域の指定は内閣総理大臣が行うということになっておりますけれども、原則として、市町村の意見を聞いた上で都道府県知事が行う申出に従って区域を決めるというふうになっておりました。トップダウンで決める方法もないわけではないんですけれども、申出が全くないところについては国がこの地域、区域指定をすることがあるというふうに、原則ではない形で決めているわけです。
 この新産都市法が作られたのは地方分権が余り議論されていないような時期ですけれども、そのときでさえ、都道府県の申出に従って国が決めるというふうな制度になっていた。しかも、都道府県や市町村は、その申出とか協議をするときに議会の議決を必要とするとまで書いてあったわけです。そのことから見ても、この地方分権時代の法律として、今度のこの都市再生本部がいろんなことを決めていく、イニシアチブを取っていくというやり方は少しおかしいんじゃないかというふうに私は思います。
 なお、その新産都市法には、今回の法案にある都市再生緊急整備協議会と似たような協議会がやはり規定されております。この点も類似点ですけれども、新産都市法の協議会は、都道府県知事を会長にした都道府県に置かれる仕組みです。ところが、今度の法律は、法律による協議会は、緊急整備地域ごとに置かれるといいながら、この協議会は国に置かれることになっているわけです。これも随分おかしいんではないかと。なぜ新産都市法のときでこうだったものが今度の法律ではここまでトップダウンになるのかということを私は大変疑問に感じております。
 第三には、具体的な都市再生事業推進の手法の問題、特に再生特別地区における規制の緩和の問題について申し上げたいと思います。
 法案では、この緊急整備地域の中に再生特別地区を指定し、いろいろな制限を、都市計画制限が規定されているものを白紙に戻すということを定めております。この問題点は小泉参考人も述べられましたけれども、確かにこういう仕組み、やり方というのが全くいけないということはないんですけれども、そういう既に決まっている都市計画制限というのは全市的な観点で決められている。一九九二年にできた都市計画マスタープランのような全市的な、しかも住民参加で徹底的に議論して作られたマスタープランに従って用途地域とか様々な制度は決まっているわけです。
 ですから、特定の地域だけを抜き出してその制限を緩める、あるいは白紙に戻すということであれば、もう一度そのマスタープラン的な立場に返って検討をして、それが妥当であるということを決めなきゃいけないと思います。それは、当然に住民の参加の下で定められる都市計画マスタープランに返って考えると、そういうことが必要ではないかと思います。
 調査委員会が作成した参考資料というのを読ませていただいたら、再生特別地区のモデルというか、としてイギリスのエンタープライズゾーンのことが書いてあって、これは非常にうまくいった例だというふうに書かれておりました。私も、ドックランド、このエンタープライズゾーンで再開発した典型地区と言われているところを二度ほど見学をしておりますけれども、大体行かれる方は、カナリーワーフ辺りを見て、すばらしいのができているといって帰ってくるんですけれども、私はたまたま案内人が面白い人でしたので、そのすぐ隣接するかつて港湾地区で働いていた労働者の住宅街を見学して、そこの人たちの話を聞くという機会がございました。確かにカナリーワーフは繁栄しているんですけれども、そこにかつてあった職場に働いていた人たちが地区外で取り残されて、遠いところまで遠距離通勤をしなきゃいけなくなっているということを聞いてまいりました。
 要するに、特定地区の再開発というのは、決してその中で閉じているのではなくて、周辺地域、更には全市的な問題に影響を及ぼしているのであって、そこの規制を緩めるとか緩めないとか、どういう開発をやるかというのは、決してその地区の中だけで考えてはいけないということをこの例は示しているのではないかと思います。
 最後に、都市再生における民間企業の位置付けの問題について述べたいと思います。
 まず申し上げたいことは、その特定の地区の開発整備事業のプロジェクトとまちづくり、都市づくりの計画というものはレベルの違う問題であって、本来全体的な計画があって、それを実現する手段としてプロジェクトがなければいけないと、この点です。これは先ほど申しました。ドックランドの例で申しました。
 この民間事業のかかわり方で一番問題だと思うのは、民間事業が、民間企業がプロジェクトの提案をし、それにかかわる都市計画の変更について提案ができるという制度が入ったことです。これはかなりやっぱり重要な問題だというふうに思っております。しかも、それに六か月とか三か月とかという期限を切っていると。提案がされたら、それを受け取った者は都市計画を六か月の中でどうするかということを決めなきゃいけないということになっております。これも先ほど申しましたマスタープランに返って考えなきゃいけない問題を含んでいるということから見れば、マスタープランというのは大体二、三年掛けて各自治体が作っているわけでして、それを変更するという場合でも当然一年とか一年半とかという時間が掛かるわけです。それを期限を切って判断しろというような制度というのは、かなり問題があるというふうに思います。
 ここでまたもう一つの例を挙げておきたいと思いますけれども、これもちょうど日本の、今度提案されている都市再生地区と似ているところですが、ロンドンのシティーやウェストミンスターとテムズ川一つ隔てたところに低未利用地区でコインストリート地区というのがございます。
 ここでは、ディベロッパーと地主が組んで企画した再開発計画、これは事務所、ホテル、商業施設、そういうものを含めた高度利用型のものですけれども、それと地区の住民が、周辺地区の住民が提案をした住宅を中心とした再開発計画というものが二つぶつかりました。両方とも開発申請として出まして、それが真っ向からぶつかって、結論は両方ともいいという、両方に開発許可が下りるということになりました。
 要するに、一つの地区をどう再開発するかということは、そのいろいろな条件というか見方で判断すると、両方ともいいということがあり得るんだと。それがどう最終的に決まったかということは、住民側のプロジェクトが地元の自治体もそれを支持したために実現をされて、非常に長い時間が掛かっておりますけれども、今事業の途中にあります。
 要するに、これは先ほど小泉参考人も言われたんですけれども、一つの地区に対して二つ以上の提案が出てきて、それがぶつかり合って、徹底的に議論されて、最終的に判断がされていくという、こういうプロセスを経るならば民間企業が都市計画の変更を提案するということもいいと思うんですけれども、それが三分の二の同意を得たからそれ一つだ、そういう形ではなくて、たとえ少人数でも地域の住民の提案したものも同じ土俵で議論されて決まっていくような、そういう仕組みを持つならば今度のような民間の提案制度というのも妥当だと思うんですが、今のやり方でいうとどうもそうならない。そこに一番大きな問題があるというふうに思います。
 やはり、民主主義的な手続というのをどう作っていくかということとこの問題というのは深くかかわっているというふうに思いますので、是非慎重な御検討をいただきたいというふうに思っております。
 時間も来ましたので、終わりたいと思います。
#10
○委員長(北澤俊美君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#11
○野上浩太郎君 自由民主党の野上でございます。
 参考人の皆様方におかれましては、大変お忙しい中御出席を賜りまして、大変御高説を賜りましてありがとうございます。限られた時間でございますので、早速、以下数点について質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、伊藤参考人にお伺いをいたしたいと思います。
 伊藤参考人のお話、私、大変感銘を持って、共感を持って聞かせていただきましたが、その中の一つに草の根まちづくり運動というお話がございました。長期に及ぶ都市再生とは、広く全国的に地方に徐々に広がっていくべきものであると。私も同感でございますが、大都市圏におけるまちづくりといわゆるその地方に広がっていくまちづくりというのは若干質的に違いがあるのではないかなという気がいたしておりまして、例えば人的な要素も含めて、ノウハウの要素も含めて違いがあるのではないかなと思うんですが、この草の根まちづくり運動というものがスムーズに広がっていくためにはどういうような仕組みといいますか、仕掛けが必要なのかなと、その辺をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#12
○参考人(伊藤滋君) 発言させていただきます。
 これは、これから新しい試みをいろんな角度から展開していかなければいけないと思っております。率直なところ、まちづくりだから土木屋さんと建築屋さんと造園屋さんの専門家が来ればいいかというと、そういうことは全くあり得ない。むしろ弁護士さんと公認会計士さんと不動産鑑定士さんの方が向いているというまちづくりもございます。
 問題は、今の御質問のように、まちづくりをしようとするときに、やはり大都会とか県庁所在地にはそれなりのいろんな意味での専門家がいます。お役人もおりますし、学校の先生もおりますし、ある程度事務所を持って仕事をしている。ところが、地方へ参りますと、私、稚内、石垣に行ったことございませんが、それほどの、それぐらいの都市ですと、市民が議論をしたときに、それをまとめていくという人がいないです、なかなか。学校の先生、私、ここ三人、学校の教師なんですが、学校の教師も、言うことは言うんですが、実践が余りないものですから、済みません、時々空回りしちゃう。
 ですから、これを、私は新しくやっぱり草の根まちづくりの教育を一杯いろんなところで展開したらいいと思うんです。九州は九州なりの勉強会をやるとか、北海道は北海道なりの勉強会をやる。こういうところに私は国費をどんと入れていただきたいと思う。教育こそ、いろいろの議論を収束させる専門家を育て、それからNPOを育て、住民運動にあるルールというものも必要だということが分かってくるわけですから。
 ですから、草の根まちづくりで一番必要なのは、まず教育、研修をやるということ。それから、草の根まちづくりで次に必要なことは、コンクリートと鉄塔、鉄で大きい建物を造るよりも、リサイクルが利く木造と鉄骨と、場合によってはコンクリートでもリサイクルの利く薄い板ありますね、そういうもので二階建てか三階建ての建物を造って、そこに先ほど私申し上げたような施設が入っていると。そういうちっちゃいまちづくりの方が非常に実感があるんですね。そういうふうにまちづくりを全国にもう無限に展開しませんと、皆さんの貯金は出てこないんです、貯金は。
 ですから、それを同時並行的に私は、大きい仕事とそれから今の草の根と同時並行的に進めていくというのがこれからの都市再生の動きになるかと思っております。
#13
○野上浩太郎君 正にその教育といいますか、研修というものをしっかりと展開をしていく、大変重要な視点だと思っておりますが、伊藤参考人、済みません、もう一点お聞かせ願いたいんですが、いわゆる次世代に引き渡せる優れた都市空間を作り上げるということでございまして、今まで都市というのは、いわゆる戦後五十年掛けてきた、これを五十年掛けて作り直していかなければならないという話でございまして、特に戦後五十年というのは、人口的にも増加をしてきているし経済的にも右上がりだという中で、どんどんいわゆる都市が膨脹するといいますか、そういう中で都市づくりというものは行われてきたと思うんですが、今後は当然人口は減少していきますし高齢化をしていきますし、情報化ですとか環境についての問題も出てきますので、そういう中で、優れた都市空間ということでございますと、具体的に、具体的にといいますか、都市像というものはどういうことをお考えかなということをちょっと御説明願いたいと思います。
#14
○参考人(伊藤滋君) 日本の都市の特徴は、これも大変面白い、いろんなまちづくりが共存しております。学校の教師は、これはアメリカ型とか日本の伝統型とかイギリス型とか。ですから、そういう点では、私は一つ救いは、日本の都市はヨーロッパや、場合によってはアジアのほかの都市より多元的な要素が入っていますから、ですからあることを、欠陥があるといえばそれで致命的にその都市が駄目になるということがなくて、それなりの復元力を持っていると思っておりますが、しかし、そうだからといってどんな町が、作りでもいいというわけではございませんで、基本的に私は土地は空いてくると思います、土地は。ですから、その空いてくる土地を使って、例えば率直に言うと、中心市街地の中に森があってもいいわけです、森があっても。その土地については固定資産税は免除するとか、何らかの税制的な、あるいは相続税をゼロにするとか。森があって、木造二階建てのしっかりした、百年たってもずっと通用するような木造の二階建ての住宅があって、その木造は火事にも強いというのがあってもいいわけですね。
 しかし、片っ方である程度、県庁所在都市とか人口五十万ぐらいの都市になりますと、これは中心市街地に高層のワンルーム、広い意味の、スチューディオタイプ、イギリスで、そういうアパート供給がある方が、独り者の、いろんなお年寄りにも若者にも向いているという場合がございますね。
 ですから、概念として申し上げますと、地方都市では土地が空いてきますから、中心市街地を中心商店街というふうに復元するということではなくて、中心市街地であるから、むしろ都市に森がある、林がある、そこに割合、専門店と住宅が共存していく比較的低層の住宅がある。しかし、都市が大きくなってきますと、中心市街地というのはもっとほかの要素が入りますから、超高層の、独身の皆様方に、まあ超高層じゃなくて高層の、独身の皆様方に向いているような集合住宅があってもいいとか、そういうふうになります。
 共通している基盤は文化だと思います、文化。文化のにおいが感じ取れる、そして美しい、そういう町だと思います。日本ぐらい広告がひどいところはございません。
 以上です。
#15
○野上浩太郎君 ありがとうございました。
 では次に、小泉参考人にお伺いをしたいと思いますが、小泉参考人の中心的な主張で、いわゆる住民参加、市民参加、これが大変重要だと、また情報公開の中でモニタリングを行っていくと。大変重要な視点だと思います。
 一方で、ちょっとこのレジュメにある中で、時間の関係でちょっと言及もされなかった部分なんですが、例えばPFIですとか不動産証券化ですとか、そういう新しい事業を推進するためのスキームというものが今議論をされております。それはプロジェクトファイナンスもそうなんですけれども、そういう新しい仕組みについて小泉参考人としてどういう評価をされているか。住民参加との関係でも結構ですが、お聞かせ願えればと思います。
#16
○参考人(小泉秀樹君) 例えば、PFIにしても不動産の証券化にしても、私は仕組みとしてはあっていいものだというふうに考えていて、一概には否定していないわけです。ただ、私の主張は、そういう非常に、何といいますか、市場をうまく活用した都市再生というか、都市づくりの仕組みが非常に急速に充実する一方で、どちらかというと、今、伊藤先生の方がおっしゃっていたような、もうちょっと地べたに張り付いたような地域発意の環境改善を行うような活動に対する支援施策とか、それをサポートするような専門的なサポートとか、そういう側面は非常に弱いんじゃないかというふうに考えていて、これはバランスの問題だというふうに私は考えているわけです。両方がうまくバランスしていればそれほどおかしなことにはならないというふうに考えていて、片方に偏ってしまうことによって非常にゆがみが出るんじゃないかということを危惧しているわけです。
#17
○野上浩太郎君 正にそのバランスの取り方、これも重要だと思います。
 それで、あと一点なんですが、今回の都市再生特措法の中で、都市計画の提案権を民間に与える、これは大きな変化でございますが、これをいわゆる住民ですとかそういうNPO団体ですとか、そういうふうなものにも与えていけばいいじゃないかと、これは私もそうだと思っているんですが、都市計画を発議して発意するまでと、それをいわゆる事業として推進していくまでの間にはちょっと性格の違うものがあると思うんですが、発意をしてからすぐその事業化に移るといいますか、推進していくための仕組みとして何かお考えがあればお聞かせ願えればと思うんですが。
#18
○参考人(小泉秀樹君) 先ほど石田先生の方からもお話があったんですが、まず発議するということをもう少し、何というんですかね、緩く考えられないか。地権者の三分の二の合意を前提とするということは、ほぼそれで決まりだという話になってしまうわけですよね。例えば、三分の一の人が発議を、違う案を発議をして、結果として二つの案を並べてみると、いいところを取り合うと更にいい案になる可能性もあるわけですよね。要は、案をうまく調整をして、異なる案を調整して優れた案にしていくということが非常に私は重要じゃないかというふうに考えています。
 お答えになっているか分からないんですが。
#19
○野上浩太郎君 ありがとうございました。
 そうしますと、石田参考人、最後にお聞きをいたしたいと思います。
 イギリスの例でドックランドのお話をしていただきまして、この都市再生特別地区ですか、この中の開発だけでは駄目だよと、当然その外に対する影響をしっかりと考えていかなければならないんだよというお話でございまして、もっともだと思うんですが、この地区を設定して、その外の影響に対してしっかりとある意味働き掛けをしていくための、何か具体的な仕組みというのは何かお考えがありますか。今お話の中でちょっと、時間を掛けて住民参加の中でというお話がございましたけれども。
#20
○参考人(石田頼房君) 結局一番肝心なことは、その開発をされる地区だけではなくてもう少し広いエリアを、だれが地域の整備、計画、それを責任を持っているかということなんですね。
 それは結局、その地域にある地方自治体が責任を持ってやらなきゃいけない、そうであれば、特別の地区についての計画が民間のイニシアチブで提案されるにしても、その周りの部分を含めて考えている、地方自治体がそれに対するきちっとしたチェックができる、全体的な立場でチェックができる、そのことを保障しておかなきゃいけないんだというふうに思います。
#21
○野上浩太郎君 以上です。
#22
○谷林正昭君 民主党の谷林正昭でございます。
 今日は御苦労さんでございます。時間の都合もございますので端的に、ちょっと言葉に角が立つようなしゃべり方になるかも分かりませんが、よろしくお願いをいたします。
 まず、小泉参考人にお尋ねをいたします。
 小泉参考人は社会資本整備審議会都市計画分科会委員の臨時委員という任務をされておりました。その答申が二月の七日に出てまいりまして、「国際化、情報化、高齢化、人口減少等二十一世紀の新しい潮流に対応した都市再生のあり方はいかにあるべきか」、こういう中間取りまとめがされました。
 参考人の意見も相当入っているような、今お伺いしまして、思いもあるわけでございますが、ずばり、この取りまとめられたものが今度の法整備、法改正、臨時特措法、こういうものに反映をされ、この趣旨が生かされているかどうか、まずお聞きしたいと思います。
#23
○参考人(小泉秀樹君) ある部分では生かされていて、ある部分ではまだ十分ではないというところがあります。
 それで、その答申の中にも、幾つかのことは今後検討していくという形で長期的な課題に盛り込まれているわけです。
 例えば、先ほど私が申し上げました計画の評価とか住民参加の制度の話とかというのはこれから検討していくということになっておりまして、私は先ほども申し上げました、こういう特別措置法であるからこそ、そういうことを是非トライアルしてやるべきじゃないかというふうに考えていて、その辺を是非反映していただければなというふうに考えております。
#24
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 そういう意味では、この取りまとめを読ませていただいたときに、三本柱になっておりまして、一つは都市計画の枠組み、二つ目には木造住宅密集地、これの解消、そして三つ目には今後の検討の進め方、こういう柱になっておりまして、今ほどおっしゃいましたように、今後の検討の進め方のところには、特にまちづくりあるいは都市再生、それには住民参加が絶対必要だよというふうな方針、指針を出していただいておるというふうに思います。
 そこでお尋ねをするわけでございますが、伊藤参考人にお尋ねいたします。突然済みません、振りまして。
 先ほどの言葉の中に、五十年掛けて二十世紀のまちづくりをしてきた、しかし今度は五十年掛けて二十一世紀のまちづくりをする、こういう御意見を持たれております。
 問題は、私気になるのは、五十年右肩上がり、そして人口もどんどん増えてきた、そして一極集中的に東京都に人が集まってきた、こういう社会情勢の中と、五十年後の社会を目指したときには人口が減っていく、地方分権が進む、そういったときにまちづくりの在り方といいますか都市再生というのは、今の法律を見ておりますとどうも東京都港区の一画をやるための法律のような気がしてなりません。しかし、そういうことを含めたときの伊藤参考人の意見を聞かせていただきたいと思います。
#25
○参考人(伊藤滋君) じゃ、発言します。
 これは特別措置法、時限が十年、お金は五年でございまして、これは私、明らかに緊急的な法律だと思っております。
 ですから、率直にこの緊急整備地域とかあるいは、何ですか、再開発特別地区でしたっけ、再生特別地区、そういうのが定められるところも、ずばり言うと私はもう江東区の埋立地とか大阪の梅田の駅のそばとか、そういうところじゃないかと思うんですよ。これを普通の、例えば東京でいうと中央線の荻窪の周りとか、あるいは、どこにしましょうか、大阪、門真の、門真市、東大阪、塩じいのいる辺とか、そういうところに掛けるんじゃないと思うんです、これは。
 これは何かといいますと、なるべく早く、もうずばり言うと、外人さんと日本人の我々が大体いい調子で、余りお互いコンプレックス感じないで仕事をしたり食事したりビジネスをやると、そういう場所を作ろうよと、そういうところだと思うんですね。
 ですが、私が言った五十年というのは、全くそういう意味では特別措置法じゃなくて、むしろここで出てきたいい成果を本来の都市計画の法律とか建築の法律に入れて、それで仕事をしていくべきだということを考えておりまして、特に、五十年と言いましたのは、木造密集市街地を直すということは、もう私も、私のうちの周りでNPOで杉並区と闘っているんですけれども、もうこれ大変なことなんです。住民、住民と一言で言いますけれども、住民の中が三つぐらいに割れちゃうんですね。そこでの住民の合意なんというのは、これ、きれい事で済むわけじゃないんです。これは、ゆっくり時間掛ければそのうち、ダムと同じように、反対と言っていた人がおじいさんになって、ダム、しようがねえなというふうになるかもしれませんけれども、私は、時間を掛けてゆっくりというのもいいんですけれども、無駄な時間は使わないで、やっぱり専門家が入ってまとめるということをしませんと木造密集市街地は解けない、百年たっても解けないと思います。そういう点で、本腰を入れて国家的課題でやるのは、右肩下がり、年寄りが多くなった、それから独り者が多くなった、付き合いが悪くなった、そういう一般の戦後に作った密集市街地に国費をもっと入れていくべきだと、そういうことに移っていくと思うんですね。
 ですから、今、正に国際的な話が焦点になっていますけれども、いずれ日本がこれ、必ず経済、成功しなきゃいけないわけです、これだけ頑張っているんですから。そうしたら、やっぱり草の根型をしっかりとやっていくというふうに、それが五十年ということの意味じゃないかと思っているんです。
#26
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 もう一つ、ちょっと今の法律、特に特措法ですが、落とし穴があるんではないかなというふうに思うのは、いわゆるマンハッタン型都市づくり、こういうのがどうも法律の内容でいくと目指しているのではないかというふうに私は思えてなりません。
 そうしたときに、まちづくりというのは果たしてそれでいいのかどうか。私は、マンハッタン型には、効率だけを目指した中で住みよい環境というものもあるかも分かりませんけれども、落とし穴がある、そういうふうに思いますが、落とし穴という意味で、こういうところを気を付けにゃ駄目だよと、こういうところにチェックをやらなきゃ駄目だよというふうなことをお思いでしたら、申し訳ございませんが、石田参考人、小泉参考人、伊藤参考人、三名の方に順次お聞かせいただきたいと思います。
#27
○参考人(石田頼房君) 私は、実は建物の一階にしか住んだことがないので、マンハッタン型の特に住宅の、超高層型の住宅というのは生活経験がないんですけれども、今はやっぱりマンハッタン型で再開発をできるところというのは東京、大都市圏でもそう数多くはなくて、問題のあると言われている市街地の多くは、決してあの形で解決をするようなところではないと思うんですね。
 先ほど伊藤参考人がこの法律は時限的だと言っていらっしゃるんですけれども、私は、時限的な間に力を集中するのがこういうところだとすると、一番問題のあるところが後回しになってしまう。そこが非常に問題だと。再開発をマンハッタン型、あるいはこういう拠点大規模型だけに都市再生を絞ってはいけないんだというふうに思うんです。本来やらなきゃいけないところは、先ほどから出ている木造アパートの密集地域のようなところが非常に緊急に、正に緊急に整備をしなきゃいけないところなわけで、そこにお金をつぎ込み、労力をつぎ込み、知恵をつぎ込んで今すぐやるべきことではないかというふうに思っております。
 そういう意味で、もっと違うイメージの都市の将来像というものを持って再開発すべきところが多々あるんだというふうに思います。
#28
○参考人(小泉秀樹君) 先ほど伊藤先生の方からもお話があったのかと思うんですが、日本の市街地というのは非常に多様性を持っていた。今でも持っていると思うんですが。
 それで、例えば東京を例に取ると、非常に五、六階建ての非常に良質なマンションが集積しているようなエリアとか、もちろん高層マンションがある程度集まっているようなところもありますし、それから先ほどから話に出ている木造の賃貸アパートが集積しているようなエリアもある。確かに、木造の賃貸アパートが集積しているエリアというのは防災上は非常に問題があるわけですけれども、そういう問題はあるんだけれども、非常にアフォーダブルな賃貸住宅地であることも一方で事実であって、そこには都市のいわゆるブルーカラーの人たちが住んでいて、非常に通勤利便なところを利用していろいろなサービス業雇用に関与しているという話なんですよね。
 すごく危惧をするのは、そういうところをすべて取り払って再開発をしてしまうということになると、今まで多様に絡み合っていてうまく成立していた東京のいわゆるいろいろ、何というんですか、産業の構造とかそれから労働力の提供とか、そういうことがどんどん偏ったものになっていってしまう。要は、端的に言うとホワイトカラーの人しかいないような町になっていってしまう。そうなると、かえって実は東京が持っていた多様性とかしなやかさといったものが失われていってしまって、逆に世界的な企業の競争の中で日本の企業が負けていけば、あっという間に東京というのは活力を逆に失っていってしまう、リスクが大きくなっていってしまうという可能性があると思うんですね。
 そういう意味で、石田先生がおっしゃられたように、現存する住宅地のやはり良いところといったものをなるべく生かしながら、地域の資産というのを最大限生かしながらうまくまちづくりをしていく、再開発をしていくということが重要で、そういうことに関する支援措置なり施策というものがやはり必要じゃないかというふうに考えます。
#29
○参考人(伊藤滋君) マンハッタン型もありますし、パリ型もありますし、門前・寺内町型もあるんですね。
 多分、埋立地に造るのはもうマンハッタン型だと思うんです。あるいは国鉄の操車場跡地ですね、あれは地主が一人とか二人ですから、周りは倉庫ですから。しかし、そういうところに金を突っ込まなきゃいけないという国家的なやっぱり必要性があるわけですね。それが一つ。
 それから、パリ型というのは、言ってみますと、五階建てぐらいのちゃんとしたマンションを造っていく。こういうのは多分文京区辺りに向いているんじゃないかと思うんですね。
 それから、やっぱり荒川には荒川、済みません、東京のことばかり言って、荒川区を文京区になれと言ってもなれっこないんですよ。やっぱりこういうところは木造密集市街地を少しずつ手直しをして、貸家住宅を三階建てですね、防火性の三階建てて造り直していって、ちょっと道路を広げるなんということをやればいいんですけれども。
 私申し上げたいこと、木造密集市街地はそう簡単に直りません。絶対に直らない。皆さんの土地の権利の複雑さというのがもう嫌というほど染み付いています。ですから、木造密集市街地をただ象徴的に直すというんじゃなくて、僕はまず直すところは木造密集市街地の中にある私鉄の駅だと思うんです。例えば、京成電車とか、あれですよ、玉川電車とか、そういうところの私鉄の駅です。私鉄の駅を直すということが本当に私たち都市計画の技術者ができれば、これは社会的に皆さんに木造密集市街地で少しでもいいものができたと言うことができると思いますけれども、こういうことも都市再生でやらなきゃいけないと思います。
#30
○谷林正昭君 ありがとうございました。午後から総括質疑をやるわけでございますが、皆さん方の御意見を是非参考にさせていただきたいと思います。
 一点だけ最後に小泉参考人に。今朝の朝日新聞に、簡単に言いますとマンション造りましたから買ってくださいよと、こういうものが出てきまして、その土地は、都市基盤整備公団が土地を持っていたものを民間に渡してそれが民間が開発した、いわゆるでき上がったところに市民が買いにいくというこういう制度なんですね。ところが、今議論しているのは、みんなで町を作ろうよと、こういう議論なんですが、これからの住宅政策、都市再生のかかわりの中で、こういうことが今後どういうふうに思われるか。いわゆる分譲地を開拓して売るというまちづくりと、みんなでその土地を再生させていくという、イエスかノーかじゃなくて、そのいいところを是非聞かせていただきたいと思います。
#31
○参考人(小泉秀樹君) 住まいづくりとか住宅地づくりもこれからどんどん住まい手参加で行うようになってくると思うんですよね。それで、例えば民間企業がマンションを供給するというのは一つのメカニズムとして成立しているので、それはそれであると思うんですね。
 ただ、でき上がる過程でそれが地域にとって意味のあるものになるようにいろいろな形で周りへの配慮とかをしながら建てるような形というのが本来まちづくりのあるべき姿だし、そういうことができるのがきちんとした都市計画の制度だというふうに思うんですが、なかなか日本の制度だとそういうことがやりづらくなっているということがありますので、長期的には是非そういうことをやっていかなければならない、制度としても対応していかなければならないというふうに考えております。
#32
○谷林正昭君 ありがとうございました。終わります。
#33
○続訓弘君 お三方には大変御苦労さまでございました。貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。
 私は、東京都出身なんですね。そこで、若干反省を込めまして幾つかの点を御質問申し上げます。
 二十年前、丹下健三先生があるシンポジウムで、これは新聞社主催のシンポジウムでこんな話をされました。我々、都市計画学者を含めて反省しなければならない時代が参りますよ、なぜならば、東京の都市計画に哲学がなかった、なるがゆえに今東京が一生懸命、世界都市東京を目指して努力しておられるけれども、二十年もたたないうちに東京は寂れてしまうでしょう、そして金融都市東京は上海、シンガポールにその地位をさらわれてしまうであろうと、こんな話をされました。私は、当時、何を言っているんだと、丹下先生、おかしいんじゃないですかと、こう言いたかったわけですね。
 ところが、現実には正にそのとおりになっちゃったわけです。例えば、世界の金融機関が東京に集中しました。世界の株、会社が東京じゅうに集中しました。ところが、二十四時間体制を取れないがために、あるいはオフィスビルの足りなさがために、あるいは家賃が高いがゆえに、みんな撤退してしまった。
 そういう反省を込めまして、私は、この都市再生法、先ほど正に伊藤先生がおっしゃいました、これは先生の第一の、都市再生は二十一世紀を通じた国家の根幹的課題である、二番目には、危機的経済状況に立ち向かう緊急的な国家行為である、こんな話をされました。
 この都市再生特別措置法案は、正に私は小泉内閣、総理に有識者を集めて、日本の経済の活性化を図るにはどうすればいいんだろうか、知恵をかしてほしい、こういう識者の意見を問われて出てきたのがこの都市再生の下敷きだったと私は思います。そこで、小泉内閣ができまして、小泉内閣が直ちに都市再生本部を作って、そして一年間、苦労に苦労を重ねて出てきたのがこの法律案だと私は理解をしているわけですね。
 そういう意味で、最初の伊藤参考人がおっしゃったような、言わばこの法律は十年、しかも地域を特定をするんだと、そして同時に国家的な経済危機を救うんだと。そういう意味で私は評価に値する法律ではないのかなと、こんなふうに思います。
 そこで、今、伊藤参考人にお伺いしたい点は、丹下さんのお話の都市計画学者の反省を込めて、日本の都市計画の在りようというんですかね、そのことについて示唆に富む考え方をお示しいただければと思います。
#34
○参考人(伊藤滋君) ありがとうございました。
 二つ申し上げます。一つは、国際的な発言、あるいは国際的な都市計画に対する流れでございます。一つは、我が国の持っている特殊性でございます。
 実は、二十世紀が終わろうとする一九九〇年から二〇〇〇年へ掛けて、世界でいろいろ都市にかかわる学者が国連とかあるいはOECDとかあらゆる国際的な場所で、二十一世紀の先進諸国の都市はどういう形になるべきであろうかという議論を徹底的に議論しました。私もそういう会議に幾つか出席して、いろいろの意見を申しましたし、外国の学者のいろんな意見も聞きました。
 その結論を非常に端的に申し上げますと、二十一世紀の先進諸国の大都市は絶対にロサンゼルスになってはいけないということですね。パリの旧市街地、パリの旧市街地が一つの将来あるべき方向として考えなきゃいけないということで、これは大変示唆に富むわけです。
 パリの旧市街地は、まず建物が何百年も、まあ石ですから中を手直しをすればもつわけですね、とにかく長持ちする。しかし、長持ちして年を取れば取るほど文化的においがにじみ出してくる。そういう町でなければいけないということと、それから、町の中に住みますと、いろいろ皆様方の生活がつましくなります。よく引合いに出されるのは、郊外の一戸建てではアメリカのガソリンをうんと食う乗用車、しかしパリの町の中では自転車でいいと。実際に自転車を使える。そういう点で、まとまりのいい、なるべくまとまりのいい都市を作ろう。そうすると、必然的に大きい都市というのは立体的に住まなきゃいけないということになるわけです。
 その立体的に住む教訓というのはどこにあるかというと、一つはパリの中心市街地もありますし、それから戦後でいえば、立体化した住宅を郊外に置いた場合とそれから都心に置いた場合で、明らかに郊外に置いた立体的な大きいマンション、これは壊れやすいんです、いろんな意味で、物理的に、社会的に。しかし、町の中に作った立体的なマンションの方はなかなか社会的に、物理的に壊れにくい、そういうこと、そういう例はヨーロッパで幾らでもございます。
 そういう点で、一つ、東京の進むべき道、大阪の進むべき道は、やはりある程度、私はヒステリックに容積を上げろということではございません。ある程度居住密度をやっぱり東京二十三区の中で高くしていくということ、そういう方向に向かう都市計画を考えるべきだと、これが一点です。
 それから二点目です。
 これは非常に日本的な話ですが、日本では地籍がきちっと明確になっておりません。登記所の公図と建築基準法で出す敷地と全く関係がございません。こういう国というのは多分日本以外どこもないと思うんです。自分の戸籍はあるけれども、地籍は知らぬと。そういう足下をしっかりしないで都市の姿をずっと議論してきたのが日本の実態なんです。
 都市計画の学者も地籍の重要さということをどれほど認識したかというと、私が今一番反省しているのは、過去四十年間都市計画やってきましたけれども、地籍の持つ意味、これをいささか軽んじていたから。しっかりとこの際、正に二十一世紀の門口、五十年掛けて日本じゅうの都市をよくするならば、都市の地籍をきちっと調査して、お互いが自分の土地の持っている公的、地籍さえはっきりすれば、自分の土地が社会に対してどういう影響を持つかも分かってくるわけです。そういう形で社会の中での人と人との一種の関係を、ただただ、なあなあじゃなくて明快にして、責任は責任として明確にする、義務は義務として明確にする、そういうことをやる必要があると思っているんです。
 ちょっと、ここ一か月ぐらい役所の、国家の役人に嫌な顔をされているんですが、おれはここ一年、地籍の必要性を訴える、地籍をきちっと作るということは日本人の国民のモラルですね、倫理、それから義務、そういうことを明確にすることだと、一種の精神運動だと言ったら、ちょっと日本魂みたいなことやめてくださいと言われたんですが、地籍の問題、これをきちっとしないと丹下先生のおっしゃったような姿にならないと。
 以上、二点を申し上げました。
#35
○続訓弘君 ありがとうございました。
 なお、東京都は臨海地区四百四十八ヘクタールに対して一兆七千億もの公共投資を行い、もうすべてインフラは整備できたわけです。ところが、実はお客さんがおいでにならなくてパンクの状況になっちゃったと。これは私は失敗だと思っていません、東京都なるがゆえにあれだけのインフラ整備ができているわけですから。同時に、今建物を建てようと思えば幾らでも建つわけですね。
 ところが、いろんな意味で失敗だというお話がありますけれども、私は二十一世紀のこれからのまちづくりには、ああいう臨海の貴重な空間を利用すべきだと思いますけれども、この点に対する伊藤先生の御意見を伺いたい。
#36
○参考人(伊藤滋君) あそこは非常に大事な場所だと思います。
 問題は、あそこにマンハッタン型の建物を建てる場所として認識するのか、それともやはり東京都民だけではなくて、広く、日本の人たちがあの一兆何千億の投資をされた場所を広く使うという場所として、そういう土地利用を考えるかという認識であるのか。明らかに僕は後者の立場で東京都庁はお使いになればいいと思うんですね。私は、そういうことがはっきりしてきたときに、やっぱりあそこの投資に対して国民的な何らかの形でその問題を解いていこうという動きが出てくると思います。
 僕は一つの例としてこういうことを申し上げているんですね。
 ディズニーランドへ行くと、親子で、一日一人二万円ぐらい、六万円掛かる。それで楽しい。だけれどもそれを続けていくわけにいかない。それならば、ディズニーランドの隣に、これは非常に比喩的なんですが、ベルリンのツォーってございますね、動物園。それからロンドンのキューガーデンってございますね、植物園、王室植物園。それからパリでシトロエン工場を再開発したすばらしい公園がございます。それにセントラルパークのプラザホテルの周りのちょっと子供が喜ぶ、そういう概念であの東京都の敷地を展開されれば、これは多分、ディズニーランド、一人二万円じゃなくて、そこなら一人二千円で教育的に遊べるんじゃないか。そういうものを作るというようなことだって私はあの埋立地を広く国民に対してきちっと提供する行き方かなと。日本人はいろんなものをうまく混ぜ合わせるのが上手ですから、今言ったようなことをうまく集めて、日本的に私は消化すると思うんですね。こんなこと、私、十年ぐらい前に本に書きました。どうも。
#37
○続訓弘君 小泉先生と石田先生に、時間がございませんので、お二人がお述べになりました、東京にも木造密集地がたくさんございます。これの解決は、やはり行政としてちゃんとやらなければならない課題だと我々は認識しておるわけであります。しかし、伊藤先生がおっしゃったように、この木造市街地のクリアランスというのは大変難しい。何十年掛けても本当にできない状況ではございますけれども、せっかくお二人からいろんな御意見、参考になる御意見を伺わせていただきましたので、行政の中に反映させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#38
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 お忙しいところ、三人の参考人の方、ありがとうございます。
 最初に、都市再生についての基本的な考え方について、三人の方に同じ質問を最初にさせていただきたいと思います。
 私の理解では、ちょうど一九六〇年代の後半から高度成長政策が始まったと思うんですけれども、それ以来、日本の大規模開発や都市計画というのはどうしても経済政策、経済の活性化、そのための一環として位置付けられてきたのではないかという印象を持っています。今回もそういう考え方が変わっていないのではないかというふうに感じるわけです。
 その結果、例えば首都圏でいえば東京一極集中、これが生み出されましたし、地価高騰やあるいは公害、住宅難とか通勤難とか環境破壊とか、新しい都市問題が発生してきたというふうに思います。先ほどもお話がありました臨海副都心の開発。基盤整備はできたけれども予定どおりの企業の進出がない、空きビルも多い、結果として採算が取れなくて自治体の負担が大変大きいというふうになっていると思います。東京都では、利息だけでも大変な負担になって財政が圧迫される、こういう状態も生まれています。全国的に見れば、例えば本四架橋であるとか東京湾横断道路など、莫大な赤字にも表れているというふうに思います。
 こういう結果の教訓として、需要があるから開発を進めるということではなくて、いっときの経済活性化のために開発や公共事業を進めるというのでは、これは成功しないのではないかというふうに感じています。
 問題なのは、大事なことは、やっぱり都市再開発あるいは都市再生という場合に、それによって作られた都市施設がどう活用されるのか、その都市施設がそこに住んでいる住民の暮らしの全体、例えば高齢者の暮らしとかあるいは子供の教育とか文化の発展、こういうものにどう貢献するかということや、あるいはその地域の産業やあるいは企業に、企業活動にどう貢献するかと、こういう角度が大変大事なんだろうというふうに感じています。
 ところが実態は、都市施設を作ること自身、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドと、こう言われておりますけれども、開発それ自身が自己目的化してしまうというところに私は問題があるのではないかというふうに感じています。
 現在、バブル崩壊後の長期不況や経済失速、そういう中で、再び経済政策としての都市再生論が浮上してまいりました。今回の法改正につながっているわけですけれども、これが失敗の繰り返しになるのではないかという懸念があります。
 この点について、三人の参考人の先生方の御意見を伺わせていただければと思います。
#39
○参考人(石田頼房君) 私は、元々、都市計画というのは経済、特に日本のマクロの経済、それの活性化の道具に使ってはいけないというふうに考えております。
 そういう意味で、今、富樫委員が言われたことというのは私の考えと非常に近いわけですが、都市計画的な問題をちょっと申しますと、今まで、これは先ほどの続委員の御発言にも関係するんですけれども、東京でも丸の内とか霞が関とか銀座とか、今でいえば湾岸とか、そういう大規模な都市計画が行われたところというのは、繰り返し繰り返し実は公共投資が行われてきているわけですね。新宿の副都心なんというのは典型的なんですけれども。
 一方、木造アパートの密集地帯というのは、実は都市計画的なことがほとんど行われない結果、あの状態になっているわけです。そういう意味で、歴史的に見ても、ほとんど公共投資が行われないがゆえに、先ほど、伊藤委員のあれで言えば地籍の調査さえもきちんとやられていないという、そういうようなところにやはりお金を集中するということ、あるいは努力を集中するということが今後の都市計画の在り方であって、今までかなり伸びているところを更に引っ張り上げるような道具に都市計画を使うということは正しくないというふうに思っております。
 そういう意味で、今後の都市計画の在り方というのは、都市再生の在り方というのは、今まで手を掛けてこなかったところに努力を集中する、それを長期的に行うということが大事だと思っています。
#40
○参考人(小泉秀樹君) 私も富樫委員の意見に非常に賛成するのは、何のためにこういう施策をやるのかというのがやはり分からないところがちょっとあるということで、例えば東京を例に取ると、オフィスビルディングが非常に大量に現在でも供給されているわけですよね。それで、これ以上本当に供給して果たして借り手が付くのかとか、新しく建ったビルには借り手が付くのかもしれませんが、東京の総量としてはどんどんオーバーしていくというような状況が生まれるんじゃないかということで、それから住宅についても、もちろん都心部に多くの人が住むということは、通勤混雑の緩和とかに役立つことなのですばらしいことなんですが、その一方で、余り急激にそういう施策を展開すると、今度は郊外部の土地の価格がどんどん下がっていってしまうということで、郊外に土地をバブルのころに買ったような人たちはどんどん資産が目減りして、住み替えることとかもどんどん難しくなっていってしまうということで、何が言いたいかというと、つまり、余り急激な社会的な変化を起こすような政策というのは都市計画とか都市政策ではこれは余りなじまないんじゃないかということです。やはりゆっくり着実に、空間なり空間の下で活動する活動自体をはぐくんでいくようなことがやっぱり必要で、それをやらないと都市再生にはつながらないんじゃないかというふうに考えております。
#41
○参考人(伊藤滋君) お答えいたします。
 実は私、国土計画にもかかわっていまして、私、痛切に感じたんですが、国土計画で第一次から第五次まで作りました、私は第二次からかかわったんですが。第五次は国土計画じゃなくて別な名前にしたんですね。あの計画までに、四番目までは都市のことは一つも重要な国土計画の課題になっておりません、国土計画では。国土計画は何かというと、都市は必ずよそに置きまして、真ん中に、先生のおっしゃった経済の振興、農業の振興ですね、国土の、自然災害から何とかとか、元気なことばかり書いてある。都市が国土計画の中に位置付けられたのは、阪神・淡路の犠牲があってから、ちょっと新聞記者と、だからあれが入ったんです、大都市のリノベーションという言葉が。
 ですから、日本に都市政策はなかったんです。経済政策はあった、農業政策はありました。都市政策はなかったんです。そのために、石田さんと僕は全く同じなんですが、東京や大阪の一極集中と言われていますけれども、あそこの木密というのは何の都市計画の手当ても入っていないんですよ、そのために。何回も現在まで、私たちは東京や大阪で将来の都市はこういうふうにすべきだという提案をしましたけれども、これは全部、国と東京都、大阪府、全部、それより忙しいのは工場を造ることだ、それより忙しいのは道路を造ることだと、全部手当てしていないんです。ですからこういうふうになっているんです。
 ですから、僕は、今、小泉参考人の意見を聞きながら、着実にやってくれればこんなこしたことないと思います。今、着実もないんですよ。何にもやっていない。
 率直に言って、私は、東京都の建設局の再開発事務所というところの、今年どういう仕事しますかというのの長期計画、三年プログラムというのを付き合いましたけれども、大体、〇・五ヘクタールぐらいの再開発事業を東京都が第一種の、第一種じゃない、第二種の再開発以来、三か所ぐらい毎年採択するぐらいで東京都の再開発は目一杯なんですよ。
 それから、区に都市のマスタープラン、終わりました。区で基本的に都市の仕事、区の権限で都市計画に具体的に仕事できるというようになりましたけれども、私は墨田区で二十三年、墨田区の都市計画審議会の会長をやっていましたけれども、二十三年で、十六メーターの、あれだけ危ないところで、十六メーターの道路、都市計画道路、これは区で決められます。これ一本造れないんです。それが実態です。
#42
○富樫練三君 私の持ち時間が四十五分までですので、ちょっと時間が少ないんですけれども、各論についてちょっと伺いたいんです。
 石田先生にまとめて三点伺いたいと思います。
 一つは、今回の都市再開発法ですけれども、これは民間事業者である再開発会社が参入するということが可能になります。これは、第一種にも第二種にもそうですけれども、第二種の再開発事業の場合は管理処分方式ということで、全面買収方式になります。したがって、開発区域の中にだれか土地を売らないという人が出てくれば、その事業そのものが成り立たない。そこで、出てくるのが土地収用権という問題になります。
 土地収用については、憲法でも当然のことながら公共の福祉ということが大前提になっているわけですけれども、ところが、民間の開発会社に土地収用権が与えられるということになれば、これ自身かなりの問題があるというふうに思っています。公共の福祉と民間開発会社とこの土地収用権の関連について、石田先生のお考えがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
 二つ目ですけれども、都市再生特別措置法案に基づいて、都市再生の特別地区が指定された場合に、ここは様々な規制が撤廃されます。容積率や日影規制や高さの制限、こういうことが撤廃されます。こうした場合には、経済効率があるいは利潤追求が優先されて、バランスの取れた都市環境づくりが二の次になってしまうのではないかということが大変心配をされるわけです。都市問題というのはやっぱり環境破壊から人間の暮らしを守るという視点が必要だというふうに思いますけれども、この規制の撤廃についての先生のお考えを伺いたいと思います。
 三つ目ですけれども、都市再生特別法案では、都市計画の決定と事業認可の期間が極端に短縮されています。私は、この種の事業の成功の秘訣というのは、そこに住んでいる人々や権利者の理解と納得が大前提だと。そのためには、情報公開とそして計画段階からの住民参加だというふうに感じているわけですけれども、この手続を極端に短くするということが住民参加を大変少なくしてしまうのではないかというふうに思うんですけれども、この点についての先生のお考えを伺いたいと思います。
#43
○参考人(石田頼房君) 第二点と第三点は、私の参考人としての意見陳述の中で大体述べておりますので、それは富樫委員が御質問になった趣旨と大体同じ意見でございます。ですから、まず第一点の御質問について、ちょっと私の考え方を述べたいと思います。
 この点については、小泉参考人が先ほどかなり詳しく触れられました。大体、小泉参考人の意見と私の意見とは似たような意見だとお考えいただいて結構です。
 第一種の再開発事業の場合に、要するに組合施行の場合ですね。一般的には、組合施行の場合に組合がなかなか資金を、再開発事業を立ち上げるためには当初にかなり大きな資金が必要なわけですけれども、それを調達することが困難であると、組合という性格上困難であるということがありまして、いろんな工夫が行われております。保留床を売る約束をして民間の事業者からお金を導入するとかいろいろあるわけです。それから、東京の月島だったと思いますけれども、今、トリトンスクエアというふうに呼ばれているところでは、その中の大規模権利者が株式会社を作って資金の調達とかそういうものを行うという、言わば組合と株式会社がうまく並行してやるというような事業方式が取られていて、担当した方からうまくいったというふうに伺っております。そういう意味で、再開発に株式会社のやり方を導入するということはあながち全部を否定することはできないと思います。
 ただ、富樫委員も言われましたように、第二種の事業で、これは土地を全部収用してから再開発をするということが前提になっておりますけれども、そこで株式会社に土地の収用の問題を含めて全部事業者としてやらせるということは様々な問題をやはり起こすだろうというふうに思います。御承知のように、アメリカの再開発では土地の収用の部分というのを公共が行って、要するに権利をきれいにした上でそれを民間の会社に、もちろん計画内容なんかをきちんと審査をしてですけれども、任せるというような方式が取られております。
 ですから、第二種の場合には、むしろ土地の権利関係をきれいにするという部分については公共、今の施行主体である、施行者である公共とか公団とかがやるというような、そういうものと併せて考えていくようなことを今後是非考えていただきたいと思います。元々の土地収用まで含めて全部を何か民間に丸投げしてしまうようなやり方というのは極めて問題が起こるのではないかという心配がございます。
 以上です。
#44
○富樫練三君 終わります。
#45
○田名部匡省君 私は、国会改革連絡会の田名部と申します。よろしくお願いしたいと思いますが。
 先ほど来、参考人の先生方のお話を伺ってほっとしました。私と考えが大体同じことをおっしゃってくれて意を強くしているわけでありますけれども、ただ問題は、日本の国土の条件あるいは地形ということもあるでしょう。あるいはもう海に囲まれた島国と、こういう条件の中でこの国を一体どうすることが一番いいのか。私は、長いことスポーツやっていたものですから、基本ということには誠に忠実なんです。ですから、基本をしっかりしてこの国を見詰め直していかないと、先ほども伊藤参考人、パリとかいろんなヨーロッパの国々のお話されましたけれども、私も農林水産大臣をちょっとやらせていただきまして、デカップリングという話がよく出るんです。所得補償しろと。しかし、これは都市政策の違いなんですね。おっしゃるように、パリはあれたしか三階ぐらいだったと思うんですが、それ以上は、もう少し高いですかね、建てちゃいかぬと規制掛けている。パリへ集まるなと、その代わりデカップリングという制度をやるから農業をやってくれというのが政策なんですね。
 ところが、日本はそれがない。しかも、今私は地方、青森県の八戸市が出身ですが、私が手掛けた区画整理事業は五つあります。全部農地をつぶして区画整理やっているんですね。一体、これから日本の農業を一体どうするのかと。だから、規模を拡大してやらないともう所得の面からやっていけないから、区画整理というと農地をつぶして大規模な区画整理を五か所やりました。
 というように、言ってみれば田中角栄先生の辺りですか、国土の均衡ある発展だと。中曽根内閣のときは一極集中排除だと。そのときそのときによっていろんなの出てくるんですけれども、どれも達成したのがないんですね。ですから、一極集中排除という中で、じゃ、東京都をどうするのか、大阪をどうするのかということは私はよくわからぬものですから、その辺についてちょっと御意見がありましたらお伺いをいたします。
#46
○参考人(伊藤滋君) 申し上げます。
 パリも郊外へ行きますとひどい町があるんです。代議士の先生方はきちっとしたところしかごらんにならないと思いますけれども、郊外はあんな町に絶対しちゃいけないという町、作っているんです、フランスの連中も。ですから、フランス人というのは形式を非常に重んじる人、人間なんで、パリのルールというのはきちっと世の中へ、世界に広げているんですが、私、そういう点では必ずあるモデルの後ろには、先ほど石田さんもおっしゃいましたけれども、後ろに別な話がございます。
 そういうことから関連してちょっと申し上げますが、一極集中という言葉、一極集中というのは一つの現象を表しているわけでして、これを政策にするとなると大変なことが起きるんです、実は。政策として一極集中を排除する、ずっと先生方はもう全総、昭和三十七、八年の新産・工特以来、一極集中はよくない、国土の均衡ある発展だとずっと言われておられました。しかし、事実は東京へ集まっちゃっているんですね。ですから、問題を今どういうふうに直視するかということだろうと私は思います。
 そうしますと、おのずから東京には東京の固有の問題、これは木造密集市街地です。それから多分、私分かりません、八戸は。鶴岡を例に取り上げますと、鶴岡と酒田はもう完璧に中心市街地を、商店街でない、中心商店街でない中心市街地をどう作ったらいいかということですね。そういう問題に話題を変えていかなきゃいけないんですね。そういうふうにこれから五、六年は一つ一つの問題を直視していかないと、本当にこれからの基本が出てこないというのが今のところの私の答えです。
 もっと根本を申し上げます。
 これは、都市再生は、実はとんかちで建物を造るとか道路を造る前に、一体造ったものがどういうふうに皆さんに使われているかという事実をお考えいただきたいんです。公園を造ったら痴漢が出てきます。道路を造ったらオートバイのひったくり強盗が出てきます。マンションを造ったらピッキングが出てきます。こういう都市をどうして作るんでしょうか。
 問題は、空間を作ることではなくて、都市の安定した質のいい生活をみんなに保障することですよね。そうすると、建物を造る前にむしろ防犯対策をやった方がいいのかもしれませんね。人件費をもろにコンクリートと鉄に変える前に全部それを人件費にして、それで雇用を維持し都市の安定性を維持するということの方が一番、二十一世紀の都市を作る基本かもしれないと思っています。そういう点では、都市再生には雇用の問題というのが物すごく重要だと思っております。
   〔委員長退席、理事藤井俊男君着席〕
#47
○田名部匡省君 小泉参考人にお伺いしますが、先ほどのお話でこの市民セクターが参加するべきだと、私も全くそう思います。余りこの法案は、私は余り賛成でないんですよ。何か今までと同じ、中央が何かやって地方に与えるというやり方でなくて、地方のことは地方の人が考えるということをやらないと成功しないと、私は自分でそう思っているんです。
 私は、町の中に住んでいます。周りにはもう昔からの古い長屋があって、これ何とかしようと思って話をするんですけれども、銀行にも行ったことがない人たち、どうやってやればできるかということが分からない。だから、木村知事が当選したときに、県に金融機関の人とかいろんな専門家を集めて、そこへ行って説明しなさいと。で、借金はこれだけありますと。しかし、そこにはこれこれが入って何十年かで返済していきます、あなたの分はこうなりますと、五十年たったらあなたのものになりますとか、そういう銀行の借り方から何から全部説明しないと、これ乗ってこないんですよ。
 だから、そういうことが大事なんで、僕は、住民が本当に、この法案、昨日、今日これやれと言われて読んでみたら、もう分からぬですよ、これ難しくて。これじゃ地方が分からぬし、だから地方の実情に応じてもう任せるところは任せるという方式にしないと、一々これを見て、まあ難しいことを頭いいから書いてあるけれども、国会議員の我々が説明できないことばかり書いてあるから。それじゃ駄目なんで、みんながやっぱり簡単に理解できる、そんなことで参加をさせるべきだと、こう思って先ほども伺っておりましたが、もう一度そこの方、簡単にで結構ですので。
#48
○参考人(小泉秀樹君) 市民とか住民の方に参加していただく、都市計画に参加していただく際に、都市計画のわかりやすさとかが非常に重要だということは幾つかの自治体の方とまちづくりをやっていく中で痛感に、感じているところです。それで、なかなか、とはいっても実際の制度が組み上がって、既に組み上がっていて、その中でやるわけですから、なかなか単純化して説明するわけにもいかないので、かなり時間を掛けながらやるしかないという感じがあります。
 先ほど伊藤先生の方から話があったんですが、学習ですよね、学習。まちづくりをやる際には必ず最初の半年とか一年は学習的なプログラムを組みます。そこで、いろいろな情報を提供していって、分からないことがあったら何回かもう聞いていただいて、それにまたこちらが答えるような形をしていく中である一定の知識を築いていただいて、そこから本格的な市民参加というのを始めるということを最近ではやっているわけです。今回の再生緊急整備地域を指定した場合にも、是非そういうことをやっていただけないのかなというふうに考えています。その地域での再生について関連する主体の人たちが、主体が、住民とか市民がどういうふうにかかわれるのかということについて積極的に考えるような時間とか、それを後押しするようなプログラムというものがあってもいいんじゃないかと。
 もちろん、臨海部とか、そういう大きなまとまった土地しかこの再生緊急整備地域が指定されないということならばそういうことは余り必要ないんですが、私はどちらかというと、先ほど申し上げましたとおり、地域発議で私たちの町ではこんな面白い都市の再生のやり方を考えているんですよと、だから是非やらしてくださいというようなところをやっぱり募って、そこに積極的に支援するようなことを考えた方がいいんじゃないかなと。その中に、これからの都市計画とかまちづくりのモデルになるようなものがたくさん含まれている、アイデアが含まれていると。それを支援するようなやり方というのが私はいいんじゃないのかなというふうに考えています。
#49
○田名部匡省君 石田参考人、お願いしますけれども、私は先ほどスポーツの話しましたが、アイスホッケーでやっていまして、何を教えるかというと、基本が見ることなんですよ。見ると考えるんですね、どうすればいいか。これができない選手は一流になれないんですよ。それを国民に当てはめてみると、この国は何か困れば国が何かしてくれると思うから、最初から見ることもなければ考えることもないで育ったんです。そこへいろんなものを持ってこられて、さあどうだといったってどうすればいいかがこれ分からないと、こう思うんですね。
 そこで石田先生にお伺いしますが、この哲学とか理念というのはしっかりして、そして国民が物を考えていくような仕組みというものができない限りはなかなか難しいな。例えば、地方に工業団地を造った、もうペンペン草が生えていますから、五十一年に造ったのがまだ一〇%しか売れなくて、こんなのは日本国じゅうにいろいろあると思うんです。
 だから、地域の実情と、例えば雪の降らない沖縄とか、東北、北海道のように雪が降るところとか、みんな実情が違うんですね。その感覚でやっぱり国というものは基本的なところだけやったらあとは地方に任せる、地方は住民と相談をして作り上げると、こういうことが私、大事なんじゃないかなと、こう思っておりますが、いかがでしょうか。
#50
○参考人(石田頼房君) 今のお話というのは、我々三人ともそうですけれども、大学で都市計画を教えてきた者に対しては大変厳しい御意見でありまして、我々はやっぱり大学では都市計画を教えているけれども、一般市民が都市計画とか地域開発に対して理解を深めるような努力というのをやはり欠いてきたというふうに思っているわけです。
 ですから、私はそれなりにいろいろなところで住民運動とかそういうものともかかわっておりますけれども、ただ個別に問題の起こった住民運動とかかわるだけじゃなくて、市民一般が都市計画とか地域開発とかそういうものを理解をして問題に取り組めるような、そういう努力を我々はしていかなきゃいけないというふうに思っております。
 同時に、先ほど例に挙げた、ロンドンのコインストリート地区で住民側が大ディベロッパーと地主が組んだのに対抗する案を作ったと申しましたけれども、これは自分たちだけで作れたわけではなくて、イギリスにはプランニングエードという組織があって、住民やそういう地域の人たちが何か都市計画的な提案をしたい、考えたいというときに専門家がそれを援助する仕掛けができている。それはだれが作っているかというと、イギリスのタウンプランニングアソシエーションといって都市計画家たちの集まりが、自分たちが勉強し、自分たちが大きなディベロッパーとかお役所の仕事を手伝うだけではなくて、別組織としてプランニングエードという組織を作って、そういう地域の要望にこたえて住民の立場で一緒に考える、今言われた、地域ごとに問題は違うわけですから、それを考えるというのを助ける組織を作っているわけですね。
 伊藤先生は都市計画家協会か何かの会長さんか何かしていると思いますけれども、それが自分たちの問題だけじゃなくて、そういうことにも努力をしていくことを今後やっていかないと、住民参加とか言うだけでは駄目だなというふうに我々も痛感しております。
#51
○田名部匡省君 これは、お願いだけで終わりますけれども、私は少子高齢化というのは、これはもう大変な時代になるなという時代に、これ住宅も何も関係ありますね。
 私は高層のマンションなんかを見て、これ耐用年数は一体何年なのかな、いつかはこれ使えなくなる、そのときはどうするんだろうという、東京に来るとその心配ばかりしておる。国土の七割が山ですから、高速道路造れ、新幹線作れと、環境も公害も、片方では環境、公害と言いながら公害や環境を悪くするものをどんどんどんどん作る。これだって、新幹線だって耐用年数があればいつかは壊れるわけですから。
   〔理事藤井俊男君退席、委員長着席〕
 だから、そういう情報公開とか評価システムというのを、これ国民にどんどんやっていただくのを、我々もやりますけれども、やっぱり先生方の役割というのはこれから大きいと思うので、これだけはひとつ、今後日本の将来のために大いに検討をしていただきたい。
 特に最近、寿司屋さんへ行くと、もうネタが悪くて食べられないよというのが多いんだそうです。特に工場地帯の辺りへ一遍これは本当に調査をしていただいて、狂牛病ばかり騒いでいるけれども、そっちの方だって問題出てくる。それらも総合的なことでやっぱりやっていかないと、農業、漁業、そういうものもやっておるわけですから。
 是非これからの先生方の御健闘を、御活躍をお祈りして、私は終わります。
 ありがとうございました。
#52
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 三人の先生方、大変御苦労さんでございます。私がしんがりでございますので、いましばらくのお付き合いをいただきたいと思うんですが。
 三人の先生方それぞれにお伺いをいたしますが、この都市再開発法の一番の問題点は、やはり土地収用権という権を民間の業者に与える、言うならば憲法上国民の財産権とのかかわりにおいて私は大変問題があるのではないかというふうに認識しているわけですが、その点、憲法上の財産権の制約との関係について、この法案、どのようにお考えなのか、御説明いただきたいと思います。
#53
○委員長(北澤俊美君) どなたに。
#54
○渕上貞雄君 三人の先生方に。
#55
○参考人(伊藤滋君) 文言だけで見ますと、私は大変チャレンジャブル、挑戦的だと思いますね、いろんな意味で。
#56
○参考人(小泉秀樹君) そうですね、例えば先ほども話に出た提案権というものが入っていて、それは地権者等の三分の二の同意でできるということになっていて、それはある意味で三分の一の不同意があっても場合によっては提案できると。
 ただ、基本的な構造としては、提案を受けた後に行政がそれを受けて都市計画の決定をするということなので、基本的な構造は変わっていないんだと思うんです、都市計画を決める基本構造は変わっていないと。そこが良くもあしくも今回の法改正の、何というんですか、いい点であったり悪い点であったりするというふうに思っていますけれども。
#57
○参考人(石田頼房君) 収用法の関係でいいますと、御承知のように、新住宅市街地開発法ができる以前というのは収用法の限度というのは非常に限られておりまして、いわゆる公用収用、公共が使うための土地収用というのはできたし、住宅のように最終的にそれが、収用した土地が個人の手に渡るという形について非常に強い制約があったというふうに記憶しております。新住宅市街地開発法ができたときに、非常に住宅不足が著しいところでは収用した土地を個人に渡してもそれが公共の目的にかなうと、そういう趣旨で、新住法で収用権限を分譲住宅用地にまで拡大したわけですね。
 ですから今度の場合も、今の第二種市街地開発事業の場合に株式会社が収用をする、しないという問題は、一つは株式会社である、なしの問題だけじゃなくて、収用というものの概念をどう今までと違って展開していくのか、非常に重要な問題だというふうに思います。
 その意味で、実はこういうことこそ国会で徹底的に議論していただいて、問題を明らかにした上でやっていくということが大事ではないかというふうに思います。
#58
○渕上貞雄君 ありがとうございました。
 では、伊藤先生にお伺いをいたします。
 今、大体全体の議論を聞いていて、問題はやはり、国としての都市づくりの理念ということについてかなり多く先生の御意見をいただきましたけれども、やはり五十年掛けて都市を再生化させていく、その過程の中でこの法案が出てくる。そして、先生が言われている第一項目のところに二つに分けて書かれておられます。それは、優れた都市空間づくりということと、国際性の視点からと、こういうふうにしますね。
 そこで、やはり私どもが都市ということを考えたときに、先生言われたように、非常に創造力豊かな都市を作っていかなくてはならない、それは分かります。したがって、その上に立ってもう一つ、やはり人間が生活していく、揺りかごから墓場までというのも併せ、都市のイメージの中に私は作り上げていかなくてはならないのではないか、その結果が遠距離通勤を生んできたり職住が分離してくる、そしてすべて個別に特徴的なものだけ集中的に作り上げてきた結果として、そこに多くの矛盾が出てきているということに私はなっているのではないかというふうに思います。
 したがって、やはり国際的な競争力を備えた、文化的、経済的都市空間を作り上げるというイメージ創造というんでしょうか、がこの法案とのかかわりでどのように私どもは考えればいいのか、お教え願いたいと思います。
#59
○参考人(伊藤滋君) じゃ、申し上げます。
 これからお年寄りも増えて人口も少なくなりますから、どうしても例えば中国の人とかあるいはフィリピンの人が入ってきます。
 そうしますと、必然的に今までのようなアメリカ人とかヨーロッパ人だけではなくて、非常に親しいアジア系の人たちが生活を始めるわけです。これは全く私たち日本人に理解できないような生活形式も起きるわけですね。その人たちもやっぱり僕は揺りかごから墓場までということになると思うんです。そういう状況、混ざり合い方ですね、日本人とフィリピン人の関係、日本人と中国人の関係、あるいは中国人とロシア人の関係が東京や大阪の中で起きるという、起きると、そういう町がこれから大都会では出てくるわけですね。それぞれの人たちがある意味でもう外国籍を離れて東京人としてとか大阪人として揺りかごから墓場まで、私はそういうような生活の仕方が可能な、そういう町にしていかなきゃいけないと思いますね。
 もっと具体的に言いますと、例えば、東京で言いますと東池袋、東池袋のあそこの海外の人たちの住まい方と、それから山手線、新大久保ですね、新大久保の周辺の、あの辺の海外の人たちと日本人の付き合いの仕方、あそこでも揺りかごはございませんけれども、教会までありますから葬式まではできるわけですね。そういうところありますね。それから港区がありますね、あるいは墨田区にもあります。
 そういう場所それぞれに海外の文化あるいは海外の経済能力があるわけです。それをうまく日本人は積極的に取り組んで、積極的にかかわって、それで都市の中にそういう市街地を、なるべく固まらないで、日本人と一緒になる市街地を作っていく。これが文化的であり、なおかつ経済的という意味じゃないかと。ですから、何でもかんでもヨーロッパとかアメリカをまねろということでは全然ございません。そういう点では、大阪市というのは大変魅力のあるまちづくりができる町だと思っています。
#60
○渕上貞雄君 じゃ次に、小泉先生にお伺いをいたしますが、開発をしていくときに、これだけ基本的な個人の権利が入り組んできている、そしてその権利と権利のぶつかり合いが出てくる、そこで住民と開発の側に争いが起きてくる、その解決の処置として住民参加、情報公開ということをやることを通して開発を理解し、そのことに協力が得られる条件作りというものを考えなくてはならない、こういうふうに言われておりまして、私はなるほどそのとおりであろうと、こういうふうに思います。
 しかし、まだまだ日本の政治の中で直接住民が参加をして行うというのは、新しい方式として住民直接投票などというのは最近ぼつぼつ出てきておりますけれども、これもなかなかすぐさま実行できる条件というのは、いろんな壁があって大変難しい。したがって、そのときに情報公開、それから住民の意向を、どのようにして住民が参加しやすい条件を作り出していくかということについて、言葉上は案外具体的に分かるわけですが、大体どういうことを私どもとして都市開発をしていく場合に住民意見集約をしていくように考えればいいのかどうか、その点、いま少し御説明いただきたいと思います。
#61
○参考人(小泉秀樹君) 住民参加とか合意形成の、私たち技法って呼んでいますけれどもテクニックですね。テクニックというのは実はこの二十年ぐらい非常に進んできていて、例えば一つは、どうやって意見を出してもらうのかというのはまず難しい、意見を出してもらうこと自体が難しいわけですね。なかなか、都市計画の案とかを持っていっても、都市計画の案というのは非常に分かりづらいですから、それに対して意見を言ってもらうといってもなかなか出てこないと。先ほども申し上げましたとおり、それが地域にどういう影響なりインパクトを与えるのかと、いい点、悪い点を含めてですね、与えるのかということを分かりやすく表現してあげると、住民、市民の方も意見を言いやすくなると。
 それから、出てきた意見をどうやって集約していって調整していくのかという話なんですが、これは合意形成のいろいろな技法がありまして、要は対立している点を洗い出していって、なぜ対立しているのかということを構造を分析していって調整するというやり方があるんですけれども、そういうやり方をやると、これは面白いように調整できる部分が多いんですね。最初対立しているというふうに思っていたことが、実は本質的な対立ではなくて、単なる条件が、情報が不足していたからただ単に意見が食い違っていただけだとか、それから創造的な解決案が生まれて対立が解消していくとか、そういうことが実際のまちづくりの現場ではよく起きるんですね。ちょっと、何というんですか、この場でそのことを御説明するのは非常に難しいんですけれども、実際の現場ではそれはやってできないことではないと。
 私は、先ほど申し上げましたとおり、合意形成とかそれから協議、話し合いながら都市計画の内容を決めていくということを日本の都市計画の仕組みの中に取り入れることは絶対必要だというふうに思っておりまして、この部分に関しては、制度的にもそれから技術的にも非常に私は日本は後れているんじゃないかというふうに思っていて、これを是非克服していきたいなというふうに考えております。
#62
○渕上貞雄君 ありがとうございました。
 次に、石田先生にお伺いをしますが、この法律の中で合意を、住民合意をしていく場合に、いろいろな合意形成を作っていく場合に三分の二の条項というのがございます。あと三分の一の人たちは反対だとか、いろんな形で賛成できないということになったときのその三分の一の人たちの扱いをどのようにすればいいのかなというふうに考えてみたときに、なかなか私いい考えが浮かびませんで、結果的には少数者が排除されるのではないかというふうに考えて、それはちょっと具合が悪いなと。
 法律の立て方としては、今そういうことになっておりますけれども、先生のお話を聞いて、コインストリート地区のお話でしたですかね、参加していく、そういう、なぜ、今、日本の法律体系の中でそういうことはできると私は考えるんだけれども、今回の場合それを取り入れなかったかどうかということについて、何か御意見があればお伺いして、聞かせていただきたいと思います。
#63
○参考人(石田頼房君) 先ほどコインストリートの例で申し上げたんですけれども、あの場合で言うと、土地所有者は、その地域にある工場の人が大半を持っていて、残りをGLCという東京都に相当するところが持っていたと。したがって、周辺の住民というのは全く土地を持っていなかったんだけれども、要するにディベロッパーと組んだ地主も全部の土地を持っているわけじゃない、GLCの合意を得ているわけじゃないけれども開発申請が出せると。周辺の住民も、ここはこういうふうに開発すべきだという意見を持っていれば、しかるべき書類を整えて出せば開発申請ができると。
 僕は、もうどちらかというと、その三分の一も開発申請が、実はここの立法委員会の調査部が出したのでは、なぜ三分の二かというところで、半分だと合意が形成がされていないからしっちゃかめっちゃかになっちゃうと、だから三分の二というところまで合意が取っていれば出せると言っているんですけれども、僕はやっぱりその前の要するに三分の二の合意を得るプロセスというのは必ずしもオープンではない、公正に議論されているわけではなくて、ディベロッパーが一人一人を説得して合意を取っていくわけですね。それよりも、みんな、案を出したいという人はみんな案を出して、オープンで議論をして、どちらがいいのか、どれがいいのかということを徹底的に議論することを保障する方がはるかに民主主義だと思うんですね。
 そういう点で、僕はイギリスの制度というのは非常に面白いと思っているわけです。少し前までは地主に一切あいさつしないでも人の土地に開発申請が出せたんですけれども、それは余りひどいというんで、今はある人の土地に開発申請を出すときには地主には一応ノーティフィケーション、知らせることはやるということをやっているわけで、それも例えばディベロッパーが三分の二まで合意を取ってほかの人たちにやっぱり説明しなきゃいけないのと同じことだと思うんですけれども、そういう意味で、是非、そういう表面的な問題じゃなくて、外国の仕組みがどう動いているのかということまで含めて審議の参考にしていただければなというふうに思います。
#64
○渕上貞雄君 三人の先生方、大変ありがとうございました。
 では、終わります。
 ありがとうございました。
#65
○委員長(北澤俊美君) 以上で参考人に対する質疑は終了をいたしました。
 参考人の方々に御礼を申し上げます。
 大変御多忙の中にもかかわりませず、長時間にわたりまして貴重な御意見を拝聴をいたしました。誠に有り難く、厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 今後は、皆さん方の御意見を委員会の審議の中で十分に活用していきたいと、このように思っております。
 委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。(拍手)
 午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#66
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を再開をいたします。
 休憩前に引き続き、都市再開発法等の一部を改正する法律案及び都市再生特別措置法案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#67
○野上浩太郎君 自民党の野上でございます。午前中に引き続きまして、よろしくお願いします。
 実は、私、三年ぐらい前まで民間のディベロッパーにおりまして、この委員会でもしばしば話題になりました汐留の再開発の実は立ち上げにちょっと携わっておりましたので、そういう民間のまちづくりといいますか、住民の方々のそういう思いをしっかりと受け止めて一つのまちづくりをしていくと、こういう最前線におりましたそういう経験も踏まえて、以下質問に入らせていただきたいと思います。
 御案内のとおり、今、日本の経済、バブル崩壊以降大変に厳しい状況にある、特に民間投資が振るわないわけでございますし、また都市の状況もこの厳しい都市間競争の中でいわゆるIT化ですとか情報化、環境の問題等々激しい地盤沈下を起こしているわけでございまして、今回のこの都市再生関係二法というものはやはりこういう今の現下の状況に一つの突破口となるものであるというような思いを強く持っておりまして、そういう意味で時宜を得たものであるという認識の下で質問に入らせていただきたいと思いますが、具体的な法案について質問に入る前に、この厳しい経済状況に関連をしましてちょっと一点だけお伺いをさせていただきたいと思いますが、それは、先日発生をいたしました佐藤工業につきましての会社更生法の申請の件でございます。
 佐藤工業は、御案内のとおり、富山県が発祥の企業でございまして、予算委員会等々でも取り上げられました。八百社以上のこの関連企業があるということでございまして、一部上場企業のゼネコンとしての全国的な位置付けのものが一つある、これはもう当然でございまして、御答弁もいただいておるわけでございますが、実は、この富山県ですとか、あるいは北陸経済にとって地域的な影響というものもこれは大変に大きなものがございますので、その辺りの御所見と、あわせて、しばらく時間がたっておるわけでございますが、セーフティーネット等々、連鎖倒産の防止等々、対応いただいておりますが、その状況につきまして改めて扇大臣からお聞かせ願いたいと思います。
#68
○国務大臣(扇千景君) 今、野上議員から佐藤工業のことに関して御質問いただきました。
 過日も予算委員会でこの佐藤工業の問題が取り上げられて、私お答えしておりますけれども、少なくとも平成十三年三月期の売上げが約四千億円の準大手ゼネコンでございますので、私は、そういう意味では、今仰せのように関連、下請等々への影響、そして富山県という、その一つの富山に大きな足跡を残し、また地盤を築いていられたということと、それから私たちでできることということでは、佐藤工業が持っております掘削の大変大きな技術というものを、私は佐藤工業の倒産によって日本が世界に誇れる技術を、これを分散させたり消滅させたりしてはならないということをこの間も私、申し上げたとおりでございます。
 そういう意味で、少なくとも私たち、今できることは、直轄工事を佐藤工業が請けておりますものをでき得るならばそのまま継続して、佐藤工業だからその直轄工事をどうこうということではなくて、なるべくこれを継続させてやりたいと、可能なものについては私たちもそのまま続けていただきたいということが一点。
 そして、二つ目には、中小企業庁に対しまして中小企業の金融公庫による低利融資、そういうものを私たちは、信用保証協会による債務保証制度の適用を少なくとも要請して、それにかなうようにしてあげてほしいというようなことも含めまして、私たちは富山県とも連携を取り合いながら、この佐藤工業の倒産によって本当の多くの下請、孫請等々まで影響が及ばないように、少しでも影響を少なくしようということで努力もしてまいりましたし、現在も努力中でございます。
 そういう意味では、今後、佐藤工業ともども建設業界の再編というものを避けられないような経済状況であり、日本の現下の産業、建築業界の状況であることを踏まえながら、最小限にこれを食い止めて、日本の冠たる技術を喪失しないようにしたいというふうに努めております。
#69
○野上浩太郎君 ありがとうございます。
 是非、大変深刻な情勢でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 それで、都市再生特別措置法についての質問について入らせていただきたいと思います。
 私、この都市開発あるいは都市再生を考えるときに、地域の特性としてはこの三つのタイプがあると思っておりまして、一つは、いわゆる低未利用地、例えば工場跡地ですとか臨海部のような低未利用地の開発、それからもう一つは、いわゆる住宅が密集しておりましたり、例えば東京でいいますと青山、赤坂のいわゆる3A地区とか、六本木ですとか、あるいはそういう住宅が密集している地域での開発と、そしてもう一つは、いわゆる地方都市における中心市街地ですとか駅前の開発と、大きく分けてこういう三つのタイプに分かれると思っておりますが、このたび、この都市再生緊急整備地域というものを指定していくに当たりまして、やはりこの三つのタイプに偏りなく、特化することなく指定をしていくことが全体的な都市開発、都市再生というものにつながっていくと思いますが、その指定のお考えについて、扇大臣からお聞かせ願いたいと思います。
#70
○国務大臣(扇千景君) この都市再生の基本方針の中で指定します基準、その基準は私は特に大事だと思っております。そしてこれは、その基準なんですけれども、民間による都市開発のポテンシャルがあって、その都市の再生に拠点となる地域ということで、一番大事なのは地方公共団体の意見等を私は活用すると、そういうこと。
 この間の委員の委員会での御質疑の中でも、私はもう是非、どうしてもこの地方公共団体の御意見等々を多く活用し、またそれを尊重しながら決めていくということで、少なくとも大都市とかあるいは地方都市とか、そういう区別をしないで、あるいは従前の地権者数の多少、地権者が多いとか少ないとか、ただ単なるそういうことだけで決めないようにと。これも例外、例外というか、規定の中から外してございますので、そういう意味では私は、今回の場合はそういう意味で多くのものが幅広く対象になり得ると、そういうふうにしていくというつもりでございます。
#71
○野上浩太郎君 都市再生につきましては、そういう都市をどういう都市にしていくかと、この大きな理論を掲げると、これは当然前提でございますし、今まで委員会においても多くの議論がされておるところでございますが。
 じゃ、具体的にそういう再生をどういうふうに進めていくかという段になりますと、やはり今、扇大臣言われたように、一つの拠点を開発をして、そしてその拠点拠点を要は結び付けていく、波及させていく、どんどん連動させていくと、こういう視点が非常に重要になってくると思っておりますし、これはほっておいて連動していくわけではございませんので、その連動するための施策といいますかプログラム、こういうものが非常に重要になってくると思っております。
 今回の法案におきましては、都市再生基本方針、総理が定めます都市再生基本方針や、都市再生本部が定める地域整備方針というものが検討されるわけでございますが、こういう中にも今言ったような視点をしっかり盛り込んでいくことが肝要であると思いますが、いかがでしょうか。
#72
○国務大臣(扇千景君) 私は、今、野上議員がおっしゃったことが一番大事なことであると思いますし、また、民間ディベロッパーにお勤めでその経験がおありになる中で、民間ででき得ることにも大変歯がゆい思いをされた面もあろうと思います。また、官は官で、民間のやっていることに対して向こうの方が最先端だなと思うことも今の現状ではあると思いますので、そのドッキングをいかにうまくさすか、そしてなおかつ官主導ではなくて、その地域の声というものをいかにそれをプログラムの中に入れていくかと、そういうことが今おっしゃったとおり大事なことだと思っておりますので、私どもは、今回改めて、野上委員がおっしゃった、民間で今までディベロッパーでやってきて歯がゆかってできなかったこと、民間だからということで、自分たちがやったらもっと早くスムーズにやれたのになと思った経験もきっとおありなんだろうと思います。ですから、そういう意味も含めまして、私たちは少なくとも個別のプロジェクト、そのときに、プロジェクトの中で民と官とそして地域と、この連携を速やかにしていくことがより重点的に、より迅速にできると思って取り入れていきたいと思っております。
#73
○野上浩太郎君 是非そういう方向性でお願いをいたします。
 それでは、都市再生緊急整備地域、この具体的な指定に当たっての質問でありますが、一つのエリアを設定をするという中で、エリアを具体的に、じゃ、どういうふうな線引きといいますか、エリアで設定をしていくのかと。これによって周りの例えば地権者の方、住民の方への影響ですとか、事業自体に対する性能への影響ですとか、これは非常に大きな影響が出てくるわけですね。例えば、敷地だけを掛けていくのか、あるいは道路で区切っていくのか用途地域で区切っていくのか、それぞれあると思うわけでございますが、その線引きをするときに、いわゆる民間あるいは住民の方のそういう意見なり思いというものを反映できるのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
#74
○政府参考人(山本繁太郎君) 都市再生緊急整備地域におきましては、都市開発事業などを通じまして緊急的かつ重点的に地域の整備を推進することとされております。
 したがいまして、地域指定に当たりましては、都市開発事業の熟度といいますか、見込みがどういうふうになっているのかということを的確に把握することが大事であると考えております。
 このために、法律案の中では、住民や民間事業者を含めまして、地域の実情について最も総合的かつ的確に把握しております地元の公共団体の意見が十分反映されるような調整手続を設けております。こういう手続を通じまして、住民の意向や民間事業者の動向を反映させながら、地域の指定をしてまいりたいと考えております。
 なお、法律上義務付けられております手続のほかにも、必要がありますれば、実務上、民間事業者の動向等を的確に把握する必要がある、そういう努力をしなければならぬと考えております。
#75
○野上浩太郎君 今言われました、法律に位置付けられていない部分でも実務上と、その部分が実際非常に大きいわけでございますので、是非そういう方向でお願いをしたいと思いますが、今までお話があったように、まちづくりにおいて何が一番最大のポイントかといいますと、これは住民がいかに理解をするか、いかに住民がそのまちづくりに参画をするかということが最大のポイントの一つでございます。
 そういう意味において、本法案では民間開発事業者が地域における都市計画の提案権が認められているということでございますが、例えば、ここに住民側あるいは民間の側からの提案権も併せて認めるというような対応が必要ではないか、あるいはほかにそれに資するような対応が必要ではないかと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
#76
○政府参考人(澤井英一君) 御指摘のとおり、近年、まちづくりへの関心が高まる中で、まちづくり協議会あるいはまちづくりのNPOなど、地域住民が主体となったまちづくりに関する取組がますます盛んになってきております。こうした方々のまちづくりに対する能動的な参加を促進し、これを都市計画として積極的に受け止める必要があることは御指摘のとおりと考えております。
 このため、既に別途国会に提出させていただいております建築基準法等の一部を改正する法律案の中で、まちづくりNPOなどによる都市計画の提案制度を全国の一般的な制度として導入したいと考えているところであります。
 一方、この都市再生特別措置法は、民間の力を最大限引き出して都市再生を進めるための特別措置ということを定めておるのでありまして、このため、都市再生緊急整備地域における都市計画の提案制度については民間事業者など都市再生事業を行うものに限定をしている、こういう趣旨でございます。
#77
○野上浩太郎君 地方都市についてのちょっと考え方につきましての質問に移りたいと思いますが、今御答弁があった話、これも地方のまちづくりということについては大変大きな影響を及ぼすわけでございますが、これは、実は午前中の参考人の方からの意見聴取の中でも一つ話題になった話でございますが、地方においてそういう、いわゆるこういう都市計画ですとかいろんな制度を生かす、これは民間においても自治体においてもそうなんですが、なかなかノウハウがない、なかなか追い付いていけないという状況がございます。
 扇大臣におかれましては、今、全国を十ブロックに分けていろいろな方の、知事を始め意見を聞いていらっしゃると。これは大変すばらしいことであると思いますが、実は、もう一つレベルを落として、一つ下げまして、例えば担当者レベルですとか、それは民間も役所も含めてなんですが、そういうレベルに対する、いわゆる、午前中の参考人の話では教育研修という話もございましたが、人的な派遣ですとかPRですとかそういう手引書の作成ですとか、そういうことをしっかりと進めていく、こういうことが地方についてのそういう動きにつながっていくんではないかと思いますが、どうかお伺いしたいと思いますし、あわせまして、この緊急整備特別地域の指定でございますが、地方においてはそういう状況にあるものですから、こういう施策を施した後、随時、今後順番に指定を行っていくと、こういうことも必要であると思うんですが、いかがでしょうか。大臣にお聞きしたいと思います。
#78
○国務大臣(扇千景君) 今御指摘になった点は、私は大きな点であろうと思いますし、この都市計画を作っていく上にも、手順がいかに皆さん方に浸透されるかと。例えば、こういう委員会で、あるいは今日も午前中、参考人をお呼びになりましたようなことが多くの皆さん方にオープンに、だれでも、いつでも、これが地方自治体でも一住民でも目に入るというような手順を取っていくことが私は大変情報公開という意味では大事であろうと思います。
 そういう意味で、もし自分たちの住んでいるところが指定された場合には、少し離れていても自分たちも入りたかったとか、そういうことが私はあろうと思いますので、私はそういう意味では、今後、大都市とか、先ほど申しましたように、地方都市にかかわりませず、これを対象にし、そしてなおかつ、地元への法案の説明とかあるいはPRとか法案の広報活動を私は是非するべきだと思う。
 また、それを実施しますときにも、必要に応じて第一次、第二次、第三次というふうに、私はその地域の指定というものに関しては行っていくことも可能であろうと思います。
 余り細かいことを言うといけないと思いますけれども、一つの例としましては、今、東京でございますけれども、五反田の大崎周辺地区の開発というものがございまして、これも、今の大崎の地区では第一次、第二次、第三次と、最初は、これまた見ていただくと分かりますけれども、赤いところだけしようと思いましたら、だんだんピンクになって、そして黄色にも広がっていくという、そのときの住民の皆さんの御意向によってこういうふうに広がっていった。これが、今おっしゃった地域住民の希望と、そして指定のときの、オープンしたときに、それじゃ私たちもという広がりが私は大変大事だと思いますので、そういう意味では、情報公開とPRに、これを完全に努めていきたいと思っています。
#79
○野上浩太郎君 大変大事な視点だと思いますので、是非積極的な推進をお願いをいたします。
 それで、今回この特措法というものが議論されておるわけでございますが、実はこの特措法以外にも、これまでにわたって、都市計画に関する改正も含めていろいろな規制緩和というものが随時なされてまいりましたが、今回は思い切った改正ということでございますので、どのような点が一番今までの規制緩和等々と変わっているのか、簡潔にお答えをいただければと思います。
#80
○政府参考人(澤井英一君) 今回の思い切った規制緩和の内容のお尋ねでございますけれども、都市再生を進める上で、都市の建築活動のほとんどが民間の方々の力で担われている。したがって、その民間の力を引き出すことが決め手となるという基本的な認識の下で、一方、現実の民間の都市開発につきましては、現在の都市計画などが民間事業者が創意工夫を実現しようとするときに、その要請に必ずしも十分こたえられるものになっていない。あるいは事業を進める上で必要となる都市計画手続などについて長時間を要するなど事業実施の予見可能性が余り高くない、言い換えますと時間リスクを抱えている。さらに、道路を始めとする事業に不可欠な公共施設の整備が遅れている、事業とそういう公共施設のタイミングが合わない。
 一方で、現在の金融情勢、経済情勢の中では長期に及ぶ投資、都市開発投資に民間の投資資金を円滑に調達するのがなかなか難しいという辺りのネックが指摘されておりまして、こうしたネックを時間と場所を限って思い切って規制緩和と金融支援ということで対応していこうというのが今度の基本的な趣旨でございます。
#81
○野上浩太郎君 今の趣旨の中で、各地域の活性化を図っていく上において、やはり一番その地域の実情を分かっているのはいわゆるそこの当該地方公共団体であるわけでございまして、その公共団体の声をしっかりと反映をさせていくと。これは非常に大事な視点でございますし、この点については種々この委員会についてもいろんな質問をされておりまして、その条項も担保されておるということでございますので、この件についてはちょっと省かせていただきたいと思いますが、これ実は逆の面もございまして、今回の都市計画、今お話あったように、非常に新しい視点に立ったものでございまして、実は今までの公共団体の運用、いろんな制度の運用と当然懸け離れた部分が多いわけでございます。
 この開発を進めていく中で、実は条例ですとか要綱ですとか、そういうものに縛られる部分というのは非常に高いんですね。そういうところをいわゆる今回の特措法の趣旨をしっかりと踏まえた運用にしていかなければ、実はこれは元の制度とそう変わらないものになってしまうおそれもあるわけでございますが、その辺、いかがでしょうか。
#82
○政府参考人(山本繁太郎君) 地方公共団体が構成員であります住民の全体の利益を実現するために、様々な法律、条例の手続に従いまして公益を確認し、その実現を図るということは非常に大事なことであると考えております。
 そのことを前提にした上で、お願いしております法律案におきましては、都市再生緊急整備地域の中で、一つには、法令の規定による許可等が求められたときは都市開発事業が円滑かつ迅速に施行されるよう適切な配慮をする。それからもう一つは、都市開発事業の施行に関して必要となる公共施設その他の公益的施設の整備の促進に努める。それから、市街地整備のために必要な施策を重点的かつ効果的に推進するように努めるといったような義務が国及び地方公共団体に課されております。
 同じく法律の中で、緊急整備地域ごとに組織される都市再生緊急整備協議会というものがございますが、この協議会におきましては、この法律で規定されました努力義務を前提といたしまして、公共団体の協力、それから行政手続の運用あるいは条例の見直しについて各地域ごとに必要な検討がなされるものと考えております。
#83
○野上浩太郎君 ちょっと今の御答弁とも重なるところがあるかもしれないんですが、今の運用という面と、実は手続、実際の各種の手続の流れですね、スピードアップに非常に関係するものなんですけれども、例えばこれは受け付けて六か月という規定があるわけですが、その前には当然事前協議があるわけでございますし、例えば環境アセスというような形で、これはもう評価書を作るまでに一年以上掛かるわけでございまして、こういう各種の法体系との関連というものも出てくるわけでございまして、この受付が六か月ということだけを見ていればスピードアップが図れるというものでもないんですね。
 実は、今お話がございました協議会ですか、都市再生緊急整備協議会において、例えばそういうような各法体系の調整ですとか、今お話ありましたような運用の調整ですとか、そういうことがなされるのかどうか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
#84
○政府参考人(山本繁太郎君) 様々な法律で求められました行政手続、その運用について、先ほどもちょっと申し上げさせていただきましたけれども、各緊急整備地域ごとに設けられます協議会において必要な検討がなされるものと考えております。
#85
○野上浩太郎君 是非、そういう全体的な、そのスキーム全体をにらんだ対応をお願いしたいと思うわけでございますが、この緊急整備地域において、いわゆる都市開発関係法の規制を緩和をしていくという趣旨でございますが、実はイギリスの特区などにも見られますように、開発関係法案以外の関係法案、例えば消防法ですとか、航空法ですとか、大店立地法ですとか、いろいろあるわけでございますが、そういうものも含めた新たな基準の設置といいますか、そういうものを考えると更に大きな効果が出るんではないかなという気がいたしておりますが、いかがでしょうか。
#86
○政府参考人(山本繁太郎君) この法律によりまして法律上位置付けられます都市再生本部は、すべての国務大臣により構成され、都市の再生に関する施策で重要なものの企画立案、更には総合調整を行うということがその仕事として位置付けられております。
 したがいまして、都市再生緊急整備地域における様々な分野の関係法令について、新たな基準の必要性について御指摘がありましたけれども、必要であれば都市再生本部において更に吟味、検討をしていく必要があると考えております。
 また、緊急整備地域ごとに設けられます協議会、これを必要に応じて組織しますが、関係分野、必要な関係分野の関係法令ごとに、関係法令につきまして、市街地整備に必要となる内容であれば、この協議を通じまして具体的な検討を行うということも可能であると考えております。
#87
○野上浩太郎君 是非、前向きな検討をお願いします。
 それで、ちょっと時間も迫ってまいりましたので次の質問は飛ばさせていただいて、ちょっと税制についての質問に入らせていただきたいと思いますが、いわゆるその都市再生を推進する上でこの税制というものは非常に大きな部分を占めております。この税制を考えるときに二つの面があると思っておりまして、一つはその開発自体を促進するための税制と、そしてもう一つはその完成後の、例えば企業の誘致をするですとか、テナントの誘致をするですとか、そういう運用を成功させるための税制と、多分この二面があるわけでございまして、例えばその入居企業に対する法人税の控除制度ですとか、施設所有者に対する特別償却とか、いろんな考え方あると思いますが、この税制の推進についていかがお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
#88
○国務大臣(扇千景君) 少なくとも、この都市再生を進めていきます上には、やっぱり施設の整備とそこで行われます都市における活動の両方を車の両輪として私は行っていくべきであろうと。それで初めて法案が生きてくると思っておりますので、そういう意味では、税制上の優遇措置というものは規制の改革だとか、あるいは金融支援と並んでこうした民間の動きを促進するためには重要な手法だというのは今仰せのとおりでございますので、私たちも今回は税制面で早目に、例年と違って早目に検討されるということでございますので、この法案の中での御論議とともに、この税制に関しての、引き続いて早期に検討していく必要があろうと思っておりますので、そういう御意見を生かして税制の論議をしていくために必要な手段と提言をしてまいりたいと思っています。
#89
○野上浩太郎君 最後の質問でございますが、税制と併せて、いわゆる今法案では民間都市開発推進機構の無利子貸付けというようなこともございますが、そのプロジェクトファイナンスですとか、いわゆる不動産の証券化ですとか、PFIですとか、そういう新しい手法を使ってその資金についてしっかりと確立させていくと、重要な視点であると思っておりますが、最後にその具体的な推進策をお聞きをして終わりたいと思います。
#90
○政府参考人(澤井英一君) PFIあるいはプロジェクトファイナンスという御指摘でございます。仰せのとおりと認識しております。
 この中で、不動産証券化につきましては、これまでもいろんな工夫をしながら進めてまいりましたけれども、平成十二年の投資信託法の改正によってその仕組みがおおむね整備されたと考えております。
 これによりまして、昨年九月には一般投資家向けに公募された二つの不動産投資法人が東京証券取引所に上場しました。三月十二日にも三番目の投資法人が上場しております。現在、約四十九万口、二千六百二十億円の不動産証券が流通しております。こうした動きを通じまして、今、三兆円程度の規模でありますけれども、今後十年間で十兆円規模に達するのではないかというふうに期待しております。国土交通省といたしましても、不動産投資顧問業の育成、あるいはインデックスのガイドラインの整備など、条件整備、環境整備に努めていきたいと思っております。
 PFIにつきましても、今後、これを普及することの重要性にかんがみまして、都市再生本部の都市再生プロジェクトといたしましても、昨年六月の第一次決定の中で中央官庁施設のPFIによる整備を位置付けております。現在、文部科学省、会計検査院の建て替えである中央合同庁舎七号館の整備にPFI方式で取り組んでおります。
 今、御審議いただいております都市再生特別措置法案の中でも、民都機構による支援措置として、一つには民間が公共施設を建て替え整備するときの言わばPFI的な事業に対する無利子貸付け、あるいは出資・社債の取得など、プロジェクトファイナンスによる資金調達を行う事業を念頭に置いた支援というようなことも行ってまいりたいと考えております。
#91
○谷林正昭君 民主党の谷林正昭でございます。
 午前中、参考人質疑が行われまして、ずばりおっしゃったのは、日本には都市を作り上げる、計画的に作り上げる、いわゆる都市の計画づくり、こういうものがなかったと、こういうふうに指摘をされました。正にそれが今、都市再生ということで国が、内閣が取り組む大きな柱になってきているのではないかというふうに私は思いますし、一方、参議院の全体の御理解を得まして、実はIPU、列国議会同盟の会議にモロッコのマラケシュへ二週間行ってまいりました。
 モロッコのマラケシュというのは、行ってびっくりしましたが、正に空は真っ青、大地は緑、そして建物は全部この色です、この色。全部この色。この色以外はありません、建物は。そして、五階以下の建物であって、道路は物すごく広くてというような都市計画がされております。本当は森下政務官と一緒に行く予定だったんですが、森下政務官は公務をいただいたので、おれ、やめるわとか言ってやめられたんですけれども、恐らく行かれれば良かったんではないかなというふうに思いますが。何を言いたいかといいましたら、正にまちづくり、都市づくりをその国の大きな方針に基づいて作られている、こういうふうに実は感じたわけでございます。
 そこで、大臣にお尋ねいたしますけれども、十四年二月の七日に社会資本整備審議会の都市計画分科会が答申を出しております。都市はこうあるべきだということで、二十一世紀の新しい潮流に対応した都市再生の在り方、こういうものをどうあるべきかということを出して、一つは都市の再生、二つ目には木造密集地の解消、三つ目には今後の検討の在り方という、この柱を立てながら出しております。
 ところが、それに基づいて恐らく今度の法案が出されたというふうに思いますけれども、どうもつまみ食い的な感じがしてなりません。都市の再生あるいは都市の活性化、まちづくり、都市の都市づくりということを考えたときには、理念をしっかり持って、そしてしっかりしたビジョンがあって初めて成り立つものだというふうに思いますが、これは衆議院でも議論されたと思いますし、昨日の、おとついの委員会でも議論がされたというふうに思いますが、私は、政府が考えているこの都市の再生の全体像、こういうものがあって始めて港区の開発だとか、どこどこの開発、あるいは地方の都市の開発というものが出てくるというふうに思いますが、この理念と具体的ビジョンを聞かせていただきたい。私は、はっきり示されていないのではないか、示されないままにこの法案だけが審議をされているのではないか、このような気がしてなりません。大臣、お答えいただきたいと思います。
#92
○国務大臣(扇千景君) マラケシュに行って、真っ青の青と緑の大地と、そしてすばらしく統一された色彩の居住区、こういう見聞されたことを、私、残念ながらマラケシュを知りませんので、大変今うらやましいなと思いながら拝聴いたしました。
 私たちも、そういうものに一歩近づきたいと。まして、日本は小さな国土の中で、七割が山岳地帯であるということで、わずかな三割の平地に密集して住んでいる。しかも、その密集地がある部分に集中している等々、地理的な条件もさることながら、その限られた条件の中でもいかに快適に、そして人間が住むところであるという、そして人間の目で見て、美的感覚もさることながら、実際に居住してみて住みやすい、そしてなおかついやされる、そこに安らぎがあると、そういうものが私は必要であろうと思っておりますけれども、今の日本の大都市の中で、あるいは集中した都市の中でそれを求めることが、理想ではあっても現実に遠いのではないかという日本の現状を見たときに、それが、先日申し上げました、二十世紀の負の遺産だというふうに申し上げましたけれども、それを少しでも、今おっしゃったマラケシュまではいかないまでも、少しでも近づいて、そしてなおかつ、この限られた国土の限られた枠の中で、限られた予算の中で少しでも一歩近づく対策を立てなければ、私は、先日も申しました、東京砂漠というコマーシャルがあるのも困ると申しましたけれども、それを少しでも一歩理想に近づけるように、今までは官が主導でやりましたけれども、これからは民の意見と民の能力とノウハウ、それをあらゆる面で融合させてしていこうというのが今回の大きな原点でございますので、理想は理想として、一歩でも近づきたいという願望の下に出させていただいたものでございます。
#93
○谷林正昭君 今、大臣が熱っぽく語られました。正に環境のいいところで人は住むべきであると、こういうようなものが基本になっていたというふうに思いますが、いま一つ都市の再生、都市の在り方、こういうものがぴんとこないような気がいたしましたけれども、議論を深めていくうちに大臣のお気持ちが私に少しでも響けばなというふうに思います。
 そこで、具体的に入っていきますが、この法律の中の都市再生本部の権限、これが非常に私は強い。強いて言うならば国の関与が強くこの法律に示されている。そうなってくると、先ほど大臣は、幅広く各地方も対象になり得るというふうな御発言もありましたけれども、国の関与が強く示されているがゆえに、一方では地方分権の流れ、地方の文化、地方の環境、地方の土壌に合った都市再生、土地開発、まちづくり、こういうものがこれから求められていくというふうに思いますが、地域の設定を含めて方針の策定、地域整備の方針の策定までが国の力でやるというのは私は地方分権の流れに逆行しているのではないかと、そういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#94
○国務大臣(扇千景君) 私、やっぱり矛盾があると思うんですね。それは、何が矛盾かといいますと、先ほど見ていらしたマラケシュの話をされました。これは官が主導してそういう町ができ上がっているんです。民間がばらばらでやっていたのではマラケシュはできなかったと。それは官の主導なんですね。
 ですから、私どもは、官の主導、そしてその中に民の活力とノウハウを入れると言ったのはそのことですし、そして今、現状の中で、大都市の中でも、少なくともなるべくならば、朝、満員電車で新聞も広げられないような長期の通勤時間、そして混雑、あらゆる不便さの中で生活し、そこで労力を失って職に就くと、そういうことがなるべく解消されるべきであると。そういう意味では、大都市の在り方とか、あるいは都市の在り方とか、居住環境、職住の在り方、職住、そうですね、職場と住まいの在り方、そういうものを含めまして、私は、今、それが官と民との役割と。
 そして、官の主導が強いんじゃないかとおっしゃいますけれども、ある地域を指定しますには、これは指導はいたします。官の力ででなければ、みんなが、いや、うちもだ、いや、うちは嫌なんだと言っていたのでは、今日の日本の都市の在り方と同じように何年たってもできないということがあるわけですね。例えば東京でも、先日申しましたように、昭和二十一年に計画された都市計画が五十何年たって今日までまだ五五%しかできていない、それはなぜかと。それはやっぱり民の御意見を尊重しようという、私は立ち退くの嫌よと言われて今日まで掛かったという現実もあるわけです。ですから、今申しました、先生がごらんになった理想のマラケシュに近いものにしようと思うと、やっぱりある程度官が主導して、そしてそこへノウハウを入れるということしかないわけでございまして、民主主義でございますから、ある一時の東京都知事のように、一人でも反対したらやらないと言っていたらずっと今日まで来ちゃったと、例がありますので、そこは官と地方自治体と民の意見との整合性をいかに図っていくかということが今後の私は大きな課題になるだろうと思っています。
#95
○谷林正昭君 官と民のバランス、そこには当然、午前中の参考人の先生もおっしゃいました、そこに住む人たち、住民、この意見をうまくミックスさせながら、そしてまちづくりを進めるというのが非常に理想的ではないかというふうに私も思います。
 そこで、この法律の、私の思い過ごしかも分かりませんけれども、この二法案、この二法案について考えられるのは、どうも大都市の一画だけを再開発をする、そのものにだけ当てはめるというような法律になってしまうような気がしてなりません。例えば、地方都市の再生の手段にこれが使われる、本当に生かされるのかということになってきますと非常に心配になるわけでございます。
 地方に行きますと、需要と供給のバランスが成り立たなかったらキーテナントになるところが来ない、誘致をしても来ない、最終的にはそれがとんざをする、こういうようなこともございまして、くどいようでありますけれども、大都市のみだけではなくて地方都市の再生にも役立たせるような、そういう政策に私はするべきだというふうに思いますけれども、それが想定されていないのではないかというふうに指摘をさせていただきますけれども、いかがでしょうか。
#96
○国務大臣(扇千景君) 私は、先ほど局長が少し例示を挙げて言ったと思いますけれども、私は今回の法案によって、先日も一昨日のお答えにも申しましたけれども、今現在、私ども、全国の民間の皆さん方で、少なくともおおむね一平米以上で、おおむね三年以内に着手する地方の皆さん方の計画していらっしゃるものは、予定のもの、着手予定のものありませんかといったときに、先ほど局長が言いましたように、二百八十六のプロジェクトがあるわけですね。そして、時間取りますから、各、全国の地域はちょっと控えさせていただきますけれども、言ってみれば東京から名古屋、大阪、福岡その他、あらゆるところで二百八十六の、民間のです、これは、民間の着手する予定というのが挙がっているわけですね。それはそれぞれ個性があるわけです。
 けれども、私どもは、その民間の都市の開発の投資と、そしてまた促進と、まちづくりのその意見を取り上げよう、そしてそれを参考にして私たちはこれを活用していこう、一緒になってやろうということでございますので、今おっしゃったような官とそれから地方自治体と民の連携、そういうものが、私は、今まで官主導でやるとどこもかもが同じような、東京が地方にもできて、どこへ行っても同じ町ができちゃうと思うんですね。だけれども、今申しましたように、二百八十六、それぞれの地方で、全国の地方の民間が考えていらっしゃることはそれぞれ個性があるんですね。
 ですから、私は、均衡ある国土の発展という言葉は二十世紀で、二十一世紀は個性ある地方の発展というふうに私はしていくために、私は今後大きなまた夢のあるものが出てくると、そういうふうに思っております。
#97
○谷林正昭君 二百何十のプロジェクトが今計画があるというふうな話を聞きまして、そこで少し気になるのがあります。それは、民間業者が競って開発をやっていきますとどうなるか。これが、なぜ都市の再生がこれまでできなかったかと言ったら、正に中曽根総理の時代だったというふうに思いますけれども、地価が高騰をしてバブルのような状況になって、正に失われた十年になってしまう。その原因が都市開発あるいはその周辺の開発、開発、開発、開発というような名の下に行われたのが原因ではないかというふうに私は思っております。
 正に、都市、この都市再生特別措置法ですか、これは民間の都市開発意欲を余りにも刺激し過ぎるものであるのではないかというふうに思いまして、地上げ、地価の高騰、地上げの横行あるいは地域コミュニティーの崩壊、こういうことを招くおそれがある法律ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#98
○副大臣(佐藤静雄君) 先生御承知のように、今地価はもうずっと下げを、低下を続けております。平成四年からもう十一年間にわたって地価は低下をしてきております。そういう中において、今、都市開発、再生を進めていく上で、地価そのものがもう価値がない、地価そのものが値上げをするということがもうないと思われます。そこで、その上にどういうことをするかという、どういう有効なものを利用するかということが多くの方々の投資を生み出す、多くの方々が事業をしようという気持ちになるわけでありまして、そういう意味でそういう魅力的な都市を作り上げていく、その過程において、今の状況を見れば、土地がどんどん値上げをするということはちょっと考えにくいような気がいたしております。
 しかし、都市の開発を進める上で、そこにずっと住んでいた方々に大きな影響を与えないようにしっかりと見ていかなくちゃならぬわけであります。ですから、この法案においては、目的規定において、住宅の整備や確保のために都市の住環境の向上ということをしっかりと明示をいたしております。十分にその辺を気を付けながらやっていかなければならぬと、そう思っております。
#99
○谷林正昭君 是非、そういうことが懸念をされますので、急激な地価の高騰だとかあるいは地域コミュニティーが崩壊をしてしまう、こういうことのないようなものが私は必要だというふうに思います。指摘をさせていただきます。
 次に、都市、成田、羽田を結ぶその間の大きな都市、この都市の再生といいますか、その都市の活性化、それをもう一遍どうするかということも都市の再生に入るかとは思いますが、私はこの法律に当てはまるとしたら、こういうことが予測されるんではないかというふうなことを言わせていただきますが、一部の地域を都市再生、開発をする、この法律で都市開発をするというようなことになったときには、当然、公共事業、下水道だとか道路だとか、そういうものも当然必要になってくるというふうに思います。そういったときに、この公共事業がしっかり行われるためにも、そしてまた無駄にならないためにも、あるいは過剰な公共事業にならないためにも気を付けるべきだというふうに思いますし、その開発事業、再生事業、その事業の選定に当たって、無駄な公共事業が付いていかないようなしっかりしたチェック機能、チェック体制、こういうものが重要になろうかというふうに私は思います。是非そこら辺りを、東京全体を変えるという意味ではなくて、港区の一部の地域を開発をする、再生をする、あるいは臨海都心、副都心を開発をする、そういったときの公共事業のチェックの在り方、こういうものをお尋ねしたいというふうに思います。
#100
○国務大臣(扇千景君) 都市の開発をするために公共工事の無駄が、ついでにと言っては言葉が適当でないかもしれませんけれども、都市開発という名の下に無駄な公共工事に費用が掛かるのではないかという、そういう御懸念でございますけれども、私はむしろ、それが今までは無駄であったものが今度の法案によって限られた地域に、そして緊急にスピードアップをして、共同でこの地域を無駄なくするということでは、一体的な計画の下に効率よく図られるということであっては、私は、むしろ大変公共工事の低廉なコストにもつながるし、スピードアップすることによってコストが削減されるというのは当然のことでございますので、そういう意味では、今回は大変有意義な、公共事業にとっても無駄のないものが行われるであろうということを私は想定しております。
 例えば一つだけ、時間がありますので例を挙げさせていただきますと、例えば、お目に留まったかどうか分かりませんけれども、今回のあの汐留の、新橋のすぐそばの汐留の土地の区画整理事業でございますけれども、あそこであの一帯をいたしますと、関連の公共施設整備というのは公的な支援が約百五十億円でございます。その百五十億円の公的な支援に対して民間による建築の総投資額が八千億円でございます。そのように私は、大いにこういう投資効果が極めて大であると、なおかつその地域に限ってされるから公共工事の無駄遣いがなくなると。そういう面にとっては一つの例としても大変私は分かりやすい例を見ていただけるのではないかと思いますけれども。
 今後の工事に関しましては、金額の額にはかかわらず、あらゆる、平成十年度から原則として費用対効果の分析というものを国土交通省行っておりますし、事業の投資効果やその必要性等、コスト縮減を図っていくと。そういうことでの様々な視点からの事業評価、そして他省庁に先駆けて事前評価、事業評価、事後評価と、この評価制度を三段階に分けてまで徹底しておりますので、今御懸念のことはあり得ない、またむしろそれよりもこれによってなおそういうことが評価していただける公共工事になると私は認識しております。
#101
○谷林正昭君 是非、大臣の気持ちがしっかり生かされるような、そういうふうにお願いしたいなというふうに思います。
 次の質問に入らせていただきます。
 この法律、是非民間の感覚に合わせたいというのが一つのポイントになっております。民間の力を引き出すためには民間の感覚に合わせたものにしたいというのがこの法律の大きな目玉になっているというふうに私は思います。時間のリスクの軽減というのが一つのポイントになっておりますので、この都市計画の手続の規制緩和が行われました。この業者優先制度は私は悪いことではないとは思いますけれども、午前中の参考人の先生方のお話を聞いておりまして、一番大きなポイントは、やはりそこに住んでいる人たち、あるいはそこで、その周辺の人たち、そういう人たちの声が生かされてこそ初めてまちづくりが成功したと、そういうふうに言われるんではないかというふうに思います。
 そこで、今の法律でいきますと、六か月間という期間を区切って、住民の意見が十分に本当に検討されるのかどうかというのが非常に心配になってまいります。六か月間というのは非常に短いんではないかというふうに思いますし、これまでのまちづくりのやり方でいきますと、住民の皆さんが非常に不満を持っておいでになるのは、ある業者が計画を立てて、ほぼこれでいこうというふうに決まったときに初めて住民の皆さんや地域の人たちにプランを見せる、そしてその周辺の人たちには全くでき上がってからお知らせをする。こういうようなやり方がまかり通ってきたということを考えたときに、是非、この住民参加型の都市再生ということにはこの法律ではならないのではないかという懸念があります。
 そういう懸念を払拭するためにはどういうような対応が必要かということになるわけでございますが、今の法律に基づくやり方で住民の不安や住民の声がしっかり行き届くようにするためにはどう考えているかということをお聞かせいただきたいと思います。
#102
○大臣政務官(森下博之君) 谷林先生からモロッコのマラケシュのお話が出まして、先生に御同行できなかったことを改めて残念に思っておるところであります。
 先生御指摘の、提案から決定までの六か月という期間についての是非についてのお話があったわけでありますが、この六か月という期間を定めました一つの理由といたしましては、決定に至るまで非常に長い時間が掛かって、正に先生御指摘の民間の時間感覚に沿うものではないのではないかということもございまして、都市計画決定というのをスピーディーに行うという時代的な要請が一点であります。
 また、これは当然のことでありますが、地方公共団体に特に決定についてスムーズにやれということの趣旨であろうと思うわけであります。また、この法律の内容といたしましても、提案者が提案前に三分の二以上の土地所有者の同意ということが前提になっておるわけでありますので、その過程に至るまで情報公開や調整ということの必要があるわけでありますので、そのことを私は予定をしておると思うわけであります。
 また、従来の都市計画決定に当たりましても、公聴会あるいは説明会の開催、あるいは都市計画案の公告縦覧、住民の意見を反映させるための手続が改正になりましても必要であるわけでありますので、国土交通省といたしましては、先生の御意見も体しながら、住民参加が十分に尽くされますように、今後とも適切に対応してまいりたいと考えておるところであります。
#103
○谷林正昭君 是非、住民参加がしっかり担保されるような、そういう対策を取っていただきたいというふうに思いますし、えてして計画ができ上がった後、嫌な者は出て行けというようなことに少なくてもならないような対応をお願いしたいなというふうに思っております。
 次に、これは私の私見も入るわけでございますけれども、この特措法は、期間は十年、金は五年、金は五年というのはちょっと変な言い方ですが、補助は五年、そういう限定をして、さあ、みんなで頑張ってやってもらいたい、努力してもらいたい、経済の活性化にもつなげてもらいたいというようなものが見え見えのような気がしてなりません。いや、違うよとおっしゃるとは思いますけれども、期間を区切ったこのやり方、これは私は余り良くないんではないかというふうに思います。
 というのも、まちづくりというのはじっくり計画を立て、基本をしっかり持ってどういう町にするのか、どういう都市にするのかということが大事だというふうに思いますので、この十年に限定をしたこういうやり方は、正に、経済活性化にはつながるかも分かりませんけれども、あるいは民間活力の導入ということにはつながるかも分かりませんけれども、えてして業者間競争、これをあおり立ててしまう。例えば、A不動産があそこの地域でやれば、B不動産は負けじとばかりこちらでやる、C不動産があっちでやる、こっちでやるということになってきますと、私は、ちょっと都市再生と懸け離れた経済活動だけの競争になってしまうんではないか、そのような危惧がされてなりません。
 そういう意味では、この法律は正にそういう業者間競争をあおらせるだけの法律に終わってしまう、こういう懸念があります。そして、そこに取り残されたのは巻き込まれた住民と、そして大臣いみじくも東京砂漠というふうにおっしゃいましたが、今度は地方にまでそういう砂漠ができてしまう。こういう懸念が、持ったとしたら私は慎重にやるべきではないか。
 その元凶といいますか、その一番のポイントは十年間に区切ったことだと。期間を区切ったこと、金の補助を五年に区切ったこと、こういうやり方は余り良くないんではないか、都市再生はじっくりやるべきだ、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#104
○副大臣(佐藤静雄君) 従来の都市開発というのは非常に時間も掛かり過ぎだという指摘もあります。今度の都市再生というのは、集中的にやる、それも民間の活力を利用して一気にやろうと、そういう意味でもあります。それだけに、この十年間と区切ったのは、十年後にもう一回見直してみよう、検証しようという意味でこの十年間というのは区切ってあるわけであります。優秀な、優良な都市開発というのは進んでいるのかどうか、さらに地方の都市計画に合ったような方法でやっているのかどうなのか、そんなことを十分に十年後には見ながら、もちろん推進する中において地方自治体がいろんな検証をしながら進めていくわけでありますけれども、一回見直しをする、そして更に前へ進んでいくと、そういう方法でこれは十年と区切っているわけでありまして、乱開発等にはつながるとは思えないと、そう判断をいたしておりますけれども、しかし、そうならないように十分にまた地方自治体に検証するように指導していかなくちゃならぬと、そう思っております。
#105
○谷林正昭君 いや、副大臣、そうはおっしゃいますけれども、今それやれ、されやれということになってきますと、多分、競争が始まります。A不動産、B不動産、C地所とか、何とかビルとかというところがどんどんどんどんそういうところに目を付けましてやりますと、非常にそういうことが心配される。
 副大臣のおっしゃることも分かります。時間を区切ってしっかりやることによって、これまでのような再開発が時間が掛かり過ぎて駄目だったということも分かりますけれども、そういう懸念もあるということもしっかり監督官庁として私は見ておくべきではないか。そして、安易に不良業者に許可を出さない、こういうような、何が不良業者かどうかということはこれはまた別の話でありますけれども、後ほどまた触れますけれども、そういう巻き込まれた住民が不幸な目に遭うことだけは避けていただくようなものが必要だというふうなことを指摘をさせていただきます。
 そこで、先ほど大臣の方から、何ぼ立派な都市開発をやっていても、満員電車に揺られて、新聞も半分に折り畳みながら肩身の狭い思いをしながら通勤をする、まずこういうことはというような話がありました。
 そこで、私は交通分野出身でございますから特にそこに目がいくわけでございます。多くの方々がその地域に、住みよい環境に集まってくる、そしてそこに快適に過ごす、しかしそこから、職住近接という言葉もございますけれども、職住近接でない方々もそこに集まってくるということになれば、そこには当然、交通網の整備あるいは物流システムの整備、こういうものが私は必要になってくるというふうに思います。
 そういう観点で、そのほかにもいろいろありますよ。病院が必要だとか高規格高齢者住宅が必要だとか、学校も大事だ。あるいは、先ほどの午前中の参考人質疑では、当然そこには日本人以外の外国の皆さんも多く集まってくる、英語、フランス語、日本語、中国語、飛び交うような、そういう環境の中でも快適に過ごせるようなまちづくり、そういうものもこれからは国際化という名の下に求められる。
 そういうことが言われるときにあって、特にこの場で私は指摘させていただきたいのは、交通網の整備やあるいは交通体系のバリアフリー、あるいは物流システムの、当然、商店あるいはそれを買う人、売る人、そこに荷物を運ぶ人、そういういろんな方がおいでになります。そういう物流システムと交通システムについて、是非具体的にお考えがあれば聞かせていただきたいというふうに思います。
#106
○国務大臣(扇千景君) 大変大事な点でございまして、先ほど私が申しました、二十世紀の負の遺産というふうに申し上げたのは、大変、私、残念ながら、都市と地方との原点というのがそういう交通網、そしてなぜ日本の物価が高いか、なぜ日本の運賃が高いか、あらゆるところが、私は物流コスト一つ取ってみても、結節点一つ取ってみても、二十世紀は縦割りで仕事をしてきたから、私はそういう負の遺産というのはそういう意味で申し上げました。
 ですから、今、谷林議員がおっしゃいますように、様々な人がそこに集まり、またそして住んで働くというときに、いかに効率よく、なおかつ短い人生がだんだん長い人生になってきました、五十年じゃなくて今度は九十年ということでございますけれども。けれども、その人生の中で、限られた人生の中で、いかに自分の人生が何をなして、そして自分の人生に悔いがないかと。そして、自分が家族を作って、こんなすばらしいところに居住したよと、そう言えるものが子供や孫に残せるんだろうかと。
 そういうことを考えますと、私は、今まで申しました二十世紀の負の遺産で、少なくとも都市のグランドデザインができていなかったと。そして、それぞれが縦割りで、自分のところはここに駅を造る、いや、自分の町はここに港を造ると、縦割りであったことが私は大きな原点であった。それを改めようと。そして、今回は、決まったところによっては物流コストと、いかに近住できるかということで、私は変えていけると。
 例を挙げろというふうにおっしゃいましたので、例えて言いますと、成田―東京間でございます。これも私はいつか申しましたけれども、成田に決まったことは仕方がないけれども、二十五年たって、成田から東京まで、この時間という必要時間が、直結する鉄道の改善をしなければ、少なくとも、二十三区の渋滞もそうですけれども、東京から成田までが五十何分では申し訳ない、少なくともこれを三十五分以内にしようというので、今回も成田―東京間の時間の短縮ということも今度決断をいたしました。
 そういうふうに、一つ一つ直せるものは重点的に公共事業として投資して、そしてそれをなくしていく、そういうことが私は土地開発事業の実施の上においては大きな原点であろうと思いますので、今回、こういうことをすることによって少なくとも日本の物流コスト、社会資本の整備の無駄、効率化、それを図っていくということには、私は、こういう一つの新たな法律によって皆さんに形に見えるものが、今短過ぎるとおっしゃいましたけれども、限った年数で集中的にやっていこうということを私は是非実行させていただきたいと思い、また少しでもそれによって大都市だけではなくて各地方都市も活力ができるように、それがつなげられるように、より便利になって物流コストが低減できるように努めていきたいと思っております。
#107
○谷林正昭君 八点にわたりまして、この特別措置法について質問をさせていただきました。今日、恐らく採決、後ほどされるというふうに思いますが、私は、心配な点、そしてこの法律に期待される点、こういうものをざっくばらんに議論をさせていただいたというふうに思っておりますし、大臣もこの法律を一つの起爆剤としながら、都市の活性化あるいは都市の在り方、こういうものをやっていきたいという決意も出てまいりました。
 そこで、午前中の参考人の先生がおっしゃったことをもう一度思い浮かべているわけでございますけれども、日本には都市再生計画、都市計画がなかった、地方にあったけれども東京には、日本にはなかった、こういう言葉があります。是非、一極集中がいいのか地方分権がいいのか、これは分かりませんけれども、将来、歴史に禍根の残さないような、この法律を生かしたまちづくりというものが私はあっていいんではないかというふうに思います。是非、この後、心配されることを念頭に置いてこの法律の運用を、通ればお願いしたいなというふうに思います。
 次に、都市再開発法の一部改正についてお尋ねをいたします。
 一番懸念されるのは、どうしてもやっぱり土地の収用権を民間業者に与える、こういうのが一番心配される部分でございます。正に、第二種市街地再開発事業の施行権限を民間業者に認めることは民間の営利事業に土地の収用権を与えたことになる、ここが一番私はポイントのような気がいたします。これは正に、地上げの横行あるいはそこに住む人たちの権利侵害、こういうところまで行ってしまうんではないかというふうに危惧がされます。
 午前中もその話が出ました。少なくても、先ほど言いましたように、その地域にはその地域のコミュニティーというものがあって、その文化というものがあって、これまで生まれ育ってきたという大事なところでございます。そういうことを考えたときに、こういう懸念あるいは危惧、そういうものをしっかりと払拭できるような対策を事前に取って法律にする、これが政府の責任だというふうに私は思います。
 そういう危惧されることをしっかり察知した法律だとは思いますけれども、そこら辺りをしっかりこの場で聞いておきたいというふうに思いますので、その対策はどうなっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#108
○国務大臣(扇千景君) 特に多くの皆さん方がその御心配があろうと思います。少なくとも再開発会社によりまして、第二種の市街地再開発事業というものに関しましては、都市計画決定における公的な位置付け、今仰せのとおりでございまして、私たちは、都道府県知事の事業認可、そして地権者の人数と地積のそれぞれの三分の二以上の同意等で厳格な要件を付して収用権が与えられるという、その一番重点的なことが心配だと仰せになりましたけれども、私は、この第二種の市街地再開発事業に関しましては、本法案で実施が可能となります再開発会社によるものも含めて、施行地域内には残留を希望する地権者あるいは借家人、そういう人たちは法律上その地域内に残れることになっております。
 まして、引っ越し代を含めて、これは引っ越したいという方に関しましては引っ越し代を含めて必要な経費がこれは補償されます。また、補償されるだけではなくて、家賃などによって公的な支援、あるいは従前居住者用の住宅の提供でございますとか、もしくは公営住宅への入居のあっせん等々、すべてこれは処置として設けられることになっていますし、そこに住む方の権利と、そして皆さん方のそれを侵害するというようなことがないように、少なくとも私たちはそれを努めて、なおかつ生じさせないようにせしむるということに全力を挙げていきたいと思っております。
#109
○谷林正昭君 済みません、ちょっと私の勘違いかも分かりませんが、事務方の方に、これは通告してありませんけれども、お尋ねいたしますけれども、もし出ていきたいといったときに五千万円を渡しますよと、これは何か法律にあるんですか。
#110
○政府参考人(澤井英一君) 転出する場合五千万という数字について申し上げますと、恐らく税制上の特別控除だと思います。土地を売った場合の譲渡所得について五千万円の特別控除が働く、転出する場合ですね、ということだと思います。
#111
○谷林正昭君 勘違いというよりも、五千万という数字というものが多分やがて物を言ってくるのではないかなというふうに思います。
 というのは、なぜこんな言い方をするかといいましたら、大臣が今もおっしゃいましたけれども、私はそこに必ず地上げだとかあるいは嫌がらせだとか、そういうようなことが起きる可能性が非常に強いんではないか。あなたは残ってもいいんですよというふうに大臣はおっしゃいました。しかし、そこに虫食い状態で残るということについては非常に都市開発ということについては問題があるということも、公共性を考えたときには出てくるかも分かりません。そういったときに、そういうような条件がこれからどんどん目の前にぶら下げられて、いや応なしに出ていかなきゃならないような状況になるような気がしてなりません。
 そういうことを含めて、これまで生まれ育ったそういう地域のコミュニティー、自分の思い、そういうものを尊重されるような体制あるいは対策、こういうものを私は重要だというふうに思いますので、くどいようでありますけれども、指摘をさせていただきます。
 なぜこういう指摘をするかといいましたら、ちょっとお尋ねいたしますけれども、そういう民間業者によって再開発事業がこれまで各地で行われております。ところが、それが不良債権になってとんざしてしまった、あるいは親会社がつぶれて再開発がとんざしてしまった、ビルは建てたけれども出ていかざるを得なくなった、そこに巻き込まれたそこの地域の住民や町、その場所を核としてまちづくりを計画していた町や村、市、こういうところが非常に困ってしまうというような状況が幾つかあると思いますけれども、どれぐらいの数がそういうものがあるか、お知らせいただきたいというふうに思います。
#112
○政府参考人(澤井英一君) 市街地再開発事業の実施に当たりましては、あらかじめキーテナントを確保するなど保留床の処分先を確定してから、つまり事業の成立を見極めた上で権利の変換なりその権利に係る処分をする、それから工事に着手するということを基本的な進め方としております。
 しかしながら、近年の経済情勢の低迷、あるいは保留床を取得する予定のキーテナントの経営悪化などによりまして、工事の着手後に保留床処分が困難化するなど、御指摘のような支障を来している地区も見受けられる状況にございます。
 昨年の十一月から十二月に掛けまして、私どもで公共団体を通じて実施した調査結果によりますと、事業計画を策定して事業中の組合施行、現在の仕組みの中では民間事業者も実質的に組合の組合員として参加して行うというケースが多うございますので、そういうことも含めまして、組合施行の事業百九地区の中で二十二地区、おおむね二〇%でございますが、二十二地区について保留床処分の難航等の課題を抱えております。
 ただ、現時点では既にこの二十二地区のすべてにおいて、例えばそういうときにどういう対応をするかといえば、最初商業床で計画したけれども商業床の需要はない、そこで住宅床に変えて保留床としてきちんと処分するという対応は今までの経験の中にもかなりございます。例えば、そういう用途を変えたり、あるいは事業規模全体を縮小して必要な事業費を小さくしたり、そういう努力を必死に各地でやっておられます。そういう幾つかの努力によって何とかしていこうという取組に向けて、一方で既にそういう努力を開始しておられるという状況でもございます。
 二十二地区あるけれども、どうしていいか分からないということではなくて、こういう方向で少し方向転換をして、とにかく事業の完成まで行こうという取組が既に始まっているという状況も併せて申し上げたいと思います。
#113
○谷林正昭君 相当数のところが当初の計画から大幅に狂って、まちづくりあるいは地域づくりというものが狂ってきたというのも、今実態、数字を明かされました。
 そこで言いたいのは、そういう事業を途中で破綻をしてしまえば、そこの地権者あるいは地域経済に多大な損害を与える、あるいは及ぼす危険性がある、こういうことが分かってきたわけでありまして、そのためにはその事業者の適格性、これを十分に事前に把握をして、そして対応しなければならないというふうに私は思います。
 したがいまして、その事業者の適格性の判断、いつ、どこで、だれが下すのか、そしてこの業者に任せようということになるのか。これは地方に任せるんだということでは私はないと思います。やっぱりどこで、だれがやるんだとかというものはしっかりしたことにしておかないと私は駄目だというふうに思いますので、お聞かせいただきたいと思います。
#114
○政府参考人(澤井英一君) 事業をいったん始めた場合には、権利者の権利保護という観点からもきちんと仕上げ、目的を達成する必要があるということは、これは再開発会社による場合に限らず、例えば組合施行、従来非常に幅広く行われておりますけれども、組合施行の場合も同様と考えております。
 再開発会社の場合には、民間事業者が全く土地に関係なく単独で事業をやるという仕組みにはしてございませんで、再開発会社が自ら土地を持つ場合を含めて、地権者、正に財産がそういう変換をされるという立場にある地権者の意向を会社の事業運営に直接反映することがまず必要だろうという観点から、施行地区内の三分の二以上の面積を有する地権者がその会社に参加していて、しかもその参加した地権者の議決権が当該株式会社の過半数を占めているという地権者の参加要件ということをまずやっております。
 それから、これは組合も全く同じですけれども、再開発会社が事業を施行するために必要な経済的な基礎と、それから的確にそういう仕事をやっていく能力がある、こういったことを事業計画の認可段階で都道府県知事がしっかり判断をしてチェックをして、そこで認可をする。認可をしてスタートした後におきましても、都道府県知事が事業、会計等に対する検査、命令等の監督を含め、しっかりそれをウオッチしていくということは法律上明確に規定されております。
#115
○谷林正昭君 是非、そういうことが心配をされますので、対策をしっかり取っておくべきだと、法律も整備をされているというふうな答弁もございました。
 最後になりますが、時間も一分半ございますが、先ほど言いました答申、都市計画分科会の答申が出されておりますが、その中にあって、今後都市計画、まちづくりに生かされるというふうに私は思っております。今の法律改正はつまみ食いであってはいけないというふうに私は思います。
 そこで、最後に大臣に、これは理念にもかかわってくるわけでございますけれども、まちづくりの理念、都市再生の理念にもかかわってくるわけでございますが、この法律で運用、この法律が運用されて、そして都市再生、一つの仮定をします。その仮定をした都市再生が事業が終わった、そういうときに、こういう町があったらいいな、あるいはこういう町にしたいな、あるいはこういう町に住んでみたいなというようなイメージがわいてこなくちゃ私は駄目だというふうに思います。
 そこで、大臣にお尋ねしたいのは、その事業が行われた町のイメージをどういうふうにお持ちなのかお聞かせいただいて、私の質問を終わります。
#116
○国務大臣(扇千景君) 十人いれば十人それぞれ希望がありますので、私にあえてお尋ねでございますので、私個人の理想といいますか、と思って言わせていただきますと、私、少なくともおかげさまで、ここ十年来世界一の長寿国、しかも今女性が平均寿命が八十四歳、一九一五年には、九十歳、私まだ九十歳までにはえらいことだなと思って今悩んでおりますけれども、少なくとも年を取っても、今ここに住んで、ここに移ってきた、新しい都市開発によって私がまたそこに住んだとすれば、私はあらゆるバリアフリーが完備し、都会の中では独りで死んで何日もだれも気付かれなかったという事件が多過ぎます。そういうことのない、私が死ぬときには子供たちと離れていないのが一番有り難いですけれども、そういう家族のみんなが集まれる、そしてまた段差がなくて、具合が悪いときにはそのエリアの中に年寄りを見る設備ができている、そしてできれば老人ホームだけではなくて保育所も一緒にある、孫が、自分の孫でなくても、よその子供さんでも、保育所の子供たちの育つのを見る、目線の中にある、そういうあらゆるものが老若男女一緒になって、年寄りも若い者も私は目に見て、そしてたまにはゆとりがあれば文化に触れる、一月に一回ぐらいは歌舞伎でも見れたらいいなと思うような、文化に接することで刺激が与えられれば、私は、なお日本の伝統文化をめでる目を私は日本人として持ち続けていたいし、そして友達が集まってこれる交通網ができている、お互いが車いす同士になっても会える、そういうことが私はこの都市開発のところに住むことによって生きていることに希望が持てる、明日がある、幾つになっても、そういうものが持てる都市に私は住みたいし、またそういう都市にしたいと思っております。
#117
○谷林正昭君 終わります。
 ありがとうございました。
#118
○続訓弘君 今回、提案されました都市再生特別措置法案は、昨年五月八日、小泉内閣の構造改革の最重要課題の一つとして、都市再生に政府を挙げて取り組むために設置されました都市再生本部が一年間の活動実績を踏まえて取りまとめられたものと理解しております。
 そこで、法案の内容について以下数点伺います。
 その第一点は、都市再生に対する基本認識についてであります。
 すなわち昨今、都市の再生の必要性が叫ばれるのは、近年における急速な情報化、少子高齢化等の社会情勢の変化に都市が対応できない現状にあるからであると思います。したがって、こういった都市の現状に真っ正面から向き合って真の意味での都市再生を実現するためには、単に道路や空港、港湾などのインフラ整備を進めるだけでは不十分であり、都市に住む人々が安心して快適に暮らせる環境づくりを総合的に行うことが不可欠であると考えます。
 これは、各種ソフト施策とインフラ整備等ハード、両方の施策がうまく有機的に組み合わされてこそ初めて可能になるものだと考えます。この点について、都市再生副本部長である国土交通大臣の所見を伺います。
#119
○国務大臣(扇千景君) 今、私どもは、昨年五月から内閣の中に都市再生本部を設置いたしまして、その内閣の中で決めたものは総理が本部長で私が副本部長でございます。法案が通れば改めてこれは設置されますけれども、内閣の中で既に昨年の五月から都市再生本部は発足しております。仰せのとおりでございます。
 けれども、私どもはこの中で、今おっしゃいましたように、二十世紀と二十一世紀、今この法案によってというハードとソフトの例を挙げられました。私は、先ほども申しましたけれども、この二十世紀のハードという部分に、例えば一つ例を挙げさせていただきますと、私たちが目に見ます、通りますときに、東京等々でいろんな新しいビルがたくさんできています。けれども、二十世紀に建てたビルには少なくとも光ファイバーが入っていません。そうしますと、これだけ国際化になって外国の商社等々が入ってきますけれども、光ファイバーの入っていないビルには彼らは絶対今入りません、もう。それは容量が足りないし、それを自分で設置することは大変な金額が掛かります。ですから、今この都市再生の法案を通していただきますと、これから造るものにはすべて光ファイバーを設置して、ITが入り、そして世界じゅうがつなぐ設備を整えた設備でないと、今後は都市としての、また国際社会としての流通ができなくなると。
 そういう意味では、今おっしゃったハードとソフト、そしていつも私が申しますように、二十世紀のハードの上になおかつバリアフリーと環境を加味するということでは大事なことでございますので、そういう今後の法案によってはソフトと、二十一世紀型というものをこのエリアの中に造っていきたいと思っております。
#120
○続訓弘君 各種ソフト施策の中でも最も重要なのは居住環境の向上であると思います。本法案において、第一条に都市機能の高度化及び都市の居住環境の高度化を図るとして、都市再生の目的の中でこれを明確に位置付けられていることは高く評価できると思います。
 大切なのは、具体的にどのように居住環境の向上を図っていくかであります。これは、狭い意味の住宅政策にとどまらず、居住環境全般の向上のために必要な施策を講じていく必要があると考えますが、どのような施策展開をしていくおつもりなのか、大臣の所見を伺います。
#121
○国務大臣(扇千景君) 大変大事な視点でございますし、私どもはかつてヨーロッパの人たちからウサギ小屋に住んでいるとやゆされました。けれども、ただ広いだけではなくて、今のお言葉の中にもありましたように、私たちは良質なもの、そして幾つか生活に必要な様々な要件、これを加味していきたい。
 そして、例えば、先ほども出ましたけれども、職住近接でありますとか、あるいは共働きの世帯に対して子育ての施設がありますとか、そして高齢者には多様のニーズに対応できるものがあると、そういった条件が必要だと考えておりますけれども、一つには、生活の安全と安心の確保、これは一番私は住まいする者にとっては大事なことだと思っております。また二つ目には、少子高齢化社会に対応した社会の福祉施設やあるいは医療施設等の整備、これも大事なことだと思っております。三つ目には、少なくとも都市公園でありますとかあるいは緑地の保全によります緑とオープンスペースに恵まれた環境の確保、これも大事なことだと思っております。四つ目には、少なくとも買物ですとかあるいは勉強でございますとか、あらゆる日常生活の利便性の向上、これも私は大事なことだと思っております。
 そういう意味では、今回の法案によりまして民間の活力を最大限に発揮していただいて、そういう多岐にわたります生活を豊かにする多様な機能をこれに導入していく。そして、私たちはお互いに、公共施設あるいは社会福祉施設などの整備によりまして、少なくとも対応が、都市再生本部を中心として政府を挙げた取組をするというのは、今申しましたような保育所とかあるいは老人施設とか、そういうものが全部役所で縦割りになりますから、全閣僚がこの本部に入るというのは、そういう縦割りの枠を外したものを作るという大きな私は意味を持っていると思っております。
#122
○続訓弘君 都市再生のもう一つの側面は経済対策であると思います。これには、現下の国や地方公共団体の財政状況から見れば、従来型の公共投資主導ではなく、民間活力を最大限活用する民間主導型しか考えられません。
 そのためには、従来から民間の都市開発投資に対して阻害要因となっている様々な障壁を取り除くことが重要であります。この際、取り除くべき具体的な障壁と隘路を例示して、これに対する都市再生本部の取組の姿勢を伺います。
#123
○政府参考人(山本繁太郎君) 都市再生本部では、昨年の秋以来、具体の民間都市開発プロジェクトに即しまして、これを進める上での障壁や隘路がどのようなものであるかということを公共団体とともに吟味してまいりました。
 具体的な例を三点御説明いたしますと、まず、現行の制度的な枠組みが民間事業者による創意工夫を十分に実現できるものとなっていない側面があること。それから二つ目には、行政内部の手続に非常に長い時間を要する、このために民間事業者が事業計画上時間的なリスクを抱えてしまうということ。三つ目には、関連する公共施設の整備がなかなかタイムリーに進まない、あるいは整備の方針について明確な方向性が示されないということが、民間の都市開発事業を前に進めていこうという場合の隘路や障壁になっているという認識でございます。
 今回お願いしております法律案の中では、こういった認識に立ちまして、民間の都市開発に係る隘路を具体的に取り除くための特別措置を講じていただこうとしております。都市再生緊急整備地域におきまして、民間事業者などによる都市計画の提案制度を創設すること、それから一定期間内に確実に都市計画、更には事業認定の手続を実施して意思決定が行われるということ、それから三つ目には、民間の開発に併せまして、公共施設の無利子貸付けなどを創設する、そういったような特別な措置を講じまして、こういうふうな隘路を打開し、集中的、戦略的に民間の資金やノウハウを都市再生に振り向けたいと考えているところでございます。
#124
○続訓弘君 次に、都市再生特別地区について伺います。
 都市再生特別地区は、既存の規制をすべて適用除外にするということでございますが、こういった手法により民間の活力が最大限生かされ、民間の都市開発投資が促進されることは大変好ましいことでありますが、一方で周辺住民や環境への影響が懸念されます。
 この点に関して、適切な対応ができるのかどうなのか、また、どのような配慮がなされるのか、扇大臣の所見を伺います。
#125
○国務大臣(扇千景君) 今おっしゃいましたように、御提案させていただいておりますこの都市再生特別地区というのは、既存の用途地域、それの規制にとらわれないということを先ほどから申しておりますけれども、自由度の高い都市計画を定めることによりまして、私は民間の創意工夫を最大限に生かすというのは先ほどからも申しました。
 そして、例えば豊かなオープンスペースを確保することによってより質の高い都市の空間を形成する、そしてそれは潤いになり、あるいは活力になり、あるいは環境に優しいと言えるそういうオープンスペースを作っていけるというふうに考えていますし、また、都市再生特別地区は、都市の計画の決定過程におきましても、先ほどから御懸念がございます、通常の都市計画と同様に、公聴会あるいは説明会の開催でございますとか、都市計画の公告、そして縦覧、意見書の提出などの手続を経まして、そして関係住民と十分な意見調整を図って定めるものでございます。
 そういう意味では、周辺の住民などへ十分な情報公開が行われて意見の調整が図られるとともに、環境面でも私は大変良好な市街地が形成されるものと思っておりますので、住民の皆さん方に御心配、御懸念のないように努めていきたいと思っています。
#126
○続訓弘君 実は、この点につきましては、先ほど、午前中の参考人質疑の中でも参考人それぞれが懸念をしておられましたので、是非よろしくお願いを申し上げます。
 次に、都市開発事業を円滑に進めていくためには、都市計画、建築規制の特例や金融支援のほかにも、周辺の交通処理に関する警察行政との関係、大型店、文化施設、飲食店など、整備内容に関係する関係行政分野との調整等を円滑に進める必要がございます。
 こうした多岐にわたる関係機関の間の調整に関しどのように取り組んでいくつもりなのか、都市再生本部の所見を伺います。
#127
○政府参考人(山本繁太郎君) 都市開発事業を円滑に進めていくためには多岐にわたる関係機関の調整が必要でありますこと、御指摘のとおりと考えております。
 このため、この法案におきましては、都市再生緊急整備地域ごとに当該地域の緊急かつ重点的な整備が円滑に行われますよう、国の関係行政機関や関係地方公共団体の長などから成る都市再生緊急整備協議会を組織することができることとしております。国と地方公共団体が一つのテーブルに着いて具体的な課題について話し合うこの協議会は、都市再生を進めるための非常に重要なツールであると認識しておりまして、各整備地域ごとの必要に応じてこれを組織し、施策の整合を図ってまいりたいと考えております。
#128
○続訓弘君 最後に伺います。
 東京を始めとする大都市圏の現状は、慢性的な渋滞、緑やオープンスペースの不足、防災上危険な地域が存在するなど、いわゆる二十世紀の負の遺産を抱えております。このため、都市に住む人々の生活の質や国際競争力の低下を来しているのが現状でございます。
 これを解決するためには、今般の法律に基づく特別措置のほかにも取り組むべき課題は少なくないと思われます。そのような課題は、個別府省の問題に限らず、政府を挙げて取り組むべき緊急課題であります。
 この点について、都市再生本部はどのように対処されるのか、御所見を伺います。
#129
○政府参考人(山本繁太郎君) 御指摘の二十世紀の負の遺産につきましては、高度経済成長期におきまして経済活動や産業活動を優先させる観点から都市が形成されてきまして、国民の居住環境の改善に必ずしも十分な力が尽くされてこなかったということに大きな要因があると認識しております。
 都市再生本部におきましては、このような我が国が直面する二十世紀の負の遺産の早急な解消を図るという考え方に立ちまして、これまで大都市圏における環状道路体系の整備、密集市街地の緊急整備、大都市圏における都市環境インフラの再生といったような都市再生プロジェクトを決定してきたところでございます。
 今後ともこれらの都市再生プロジェクトを推進するとともに、ボトルネック踏切、渋滞ポイントの解消、通勤通学混雑解消など、都市生活の質を高めるための環境整備が重要であると考えております。
#130
○続訓弘君 都市再生本部は昨年の五月八日に発足をしましたけれども、これは小泉内閣の目玉でもございます。小泉内閣総理大臣を長として、全閣僚がこのメンバーであるわけです。その意気込みをひしと感じながら、大いに仕事をしていただくことをお願いして、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#131
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。
 私は、まず最初に、区画整理事業において、換地における照応の原則、このことについてお聞きしたいと思います。
 この土地区画整理法の八十九条は、換地を定める場合は、換地が従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するよう定めた原則がうたわれています。いわゆる照応の原則、それはそもそもどうして定められたのか、その理由をまずお聞きしたいと思います。
#132
○政府参考人(澤井英一君) 照応の原則についてでございますが、土地区画整理事業は、土地の区画形質の変更と公共施設の整備によりましてよりよい市街地を形成するという公共的な目的で行われるものであるため、必ずしも地権者全員の合意がない場合でも事業の実施ができる仕組みとなっております。このため、一方で、事業の中で地権者の公平と利益の保護を図ることが重要であります。
 このような趣旨で照応の原則を設けて、換地を従前の土地の位置、面積、利用状況、環境等に見合うように定めなければならないこととしております。
#133
○大沢辰美君 そのとおりだと思うんです。そういう区画整理事業のいわば私は基礎的な換地指定の基準だと思いますね。公平性、そして利益を守っていくという地権者の立場。この高度利用推進地区に今回例外規定を設けるということが出されているわけですが、それはなぜそういうふうにしたのですか。
#134
○政府参考人(澤井英一君) 照応の原則につきましては、先ほど申し上げました趣旨から、逆に、仮に関係権利者全員の合意があれば照応の原則の例外が許容されるという昭和五十年代前半の最高裁の判例がございまして、従来からこれに従って全員同意、入る人、出る人、双方でございますが、全員同意が取れる限りで照応原則の例外になるような換地を与えるような運用を行ってきたところであります。
 しかしながら、これまで全員合意によって行われてきた例外的な対応であるということで、同意の取得に限界もありまして、必ずしも十分に整形な土地となるような事例が多くない。高度利用をするような、共同で換地を提供するような場所をできれば長方形で決めたいと思いましても、少しどこかが欠けてしまうとか、そういうような事例もかなりございます。
 今回創設する高度利用推進区制度は、全員同意の要件に代えて、都市計画で高度利用の必要性が位置付けられた区域については照応の原則の例外を認めるものでありまして、制度的には問題なく、逆により合理的な高度利用が進むものと考えております。
 なお、高度利用推進区に相当する場所から出る方も、これは大変遠方に行くという、地域から出てしまうということではなくて、より大きな意味での土地区画整理事業全体の区域の、しかも従前の土地にできるだけ近いところに換地を提供するという仕組みであることを念のため申し上げます。
#135
○大沢辰美君 そこが大変問題なんですね。今までは全員同意で高度利用の地区を集約換地をしてやってきたと。今回、希望する者だけでも高度利用の推進区にビルを建てることができるということになるわけですね。これはやっぱり、希望する者だけということになりますと、あと残された方がどう変化をしていくかというのは、これは大きな問題が出てくるわけです。
 ですから、例外といっても、私は、地権者の方にとっては大きな問題になるというところがそこなんですが、こういうことをすると、私は、換地によって、最初は公平ということをおっしゃいましたけれども、やはり有利、不利の差が出てくると思うんです。
 結論としては、結局、換地するのではなく、結果的に、私は、その土地を一回売って、同じ区画整理、そしてまた新しい土地を買うというような自由取引のような状態になるのではないかと、そういう懸念を持つんですが、本当に換地というのは、私たちは、照応の原則で、全員の合意が得られることが一番すばらしいわけですけれども、今回こういう改悪をすることによってこういう結果が生まれてくるのではないかなという危惧をしておりますが、その点はいかがでしょうか。
#136
○政府参考人(澤井英一君) 照応の原則について定めました区画整理法八十九条一項につきましては、先ほど先生仰せのとおりでございまして、照応する中身としましては、宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等ということで、いろんな項目で照応して、最も照応するもの、ふさわしいものということでございます。
 この中で、高度利用推進区に換地を希望しない方、従前その中に土地を持っていたけれどもそこに換地を希望しない方についていえば、照応の原則の中で先ほど言いました幾つかの項目の中の位置だけが、通常のような、そういう制度がない場合と同じような意味での照応はしないと。しかし、地積や土質や水利や利用状況、環境等については極力照応すると。しかも、位置についても、その高度利用推進区という、例えば百メーター掛ける百メーターの一ヘクタールの場所があったとしますと、その中には換地は提供されないけれども、その外のできるだけ近いところに換地を提供すると、こういうことでございます。
#137
○大沢辰美君 今、現行法でも、この区画整理などでの争いがずっと大きな争点になっているんですね。
 この照応の原則に則しているかどうかが、私は、この事業にかかわっている方の多くの皆さんが、これからこれが例外的に高度利用の推進地区以外の他の地区にも拡大されるんじゃないかという懸念を持っています。
 そういう人たちの心配を取り除くためにも、大臣にお聞きしますが、そういうことはないということを明確に御答弁いただきたいと思うんですが。
#138
○国務大臣(扇千景君) 今、換地の特例についてということでの御心配、御懸念、おっしゃいました。今日も、参考人等々でそのお話も出たと私も伺っておりますけれども。
 今回創設されますこの今回の高度利用の推進区の制度というのは、都市計画で高度利用を図るべきものとされる地区に限って今度、都市計画に沿ったまちづくりを実現するという観点から、換地の特例を設けているのはそういう意味でございますので、私は、例えば今、町にお出になってよく分かりますように、バブル期に発生したいわゆる虫食い状態の土地というのがいろんなところに、町に点在しております。だから虫食いと言うのですけれども。そういう都市再生の大きな課題となっておりますのが、この制度の活用によって、私は、その虫食いの場所を集中的に集めることによってこれが可能になって、なおかつその有効な土地利用を図っていけるということで、今回は大きな成果が上がるものと考えておりますけれども、今、一方、おっしゃいましたように、高度利用の推進区内で高度利用を希望しない地権者というのがいらっしゃいます。そういう方に関しましては、土地区画整理事業区内で従前の土地のできるだけ近くに、面積とかあるいは利用状況が従前に見合った換地を提供するというのに極力私たちは努力しますし、またこうした趣旨の十分な周知徹底を図っていって、そういう御懸念のないように、また安心していただけるように計らっていきたいと思っております。
#139
○大沢辰美君 私は、今、心配している中身のもう一つは、局長さんがおっしゃいました、高度利用推進地区、その利用の外側に、以外ですね、その他の地域にもこの例外的なことが、照応の原則が外されるような現象が起こり得ると私は思うんですが、そういうことで拡大されないかどうかということを心配しているんです。
 ですから、大臣には、こういうことが起こらなにようにしますよということの答弁なんですけれども、やはりこの照応の原則に基づいて換地を行うということは、もう個人の財産にかかわる重要な問題であるということで、今、多くの皆さんがどうしようか本当に悩んで、その計画を進めるべきか、それに応じるべきか、出るべきかということで争っている例もあるわけなんですけれども、だから、私は、慎重の上にも慎重に期して扱っていただきたいと思うんです。ですから、くれぐれも強引なやり方をしないように、私は、国土交通省として、この高度利用推進地区というのを作って、その合意ができない人たちを追い出すとは言わないけれども、換地の面で照応の原則に外れるようなことが強引なやり方でやられないように、私は、国土交通省としてのその行政指導というんですか、そういう通達というんですか、そういうものを指導することを求めたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#140
○政府参考人(澤井英一君) 高度利用推進区に集約換地ができるようなそういう仕組みになっていない事業について更に拡大するのではないかということでございますけれども、これは制度上、そういう高度利用地区と、あるいは再開発地区計画のような高度利用をする必要がある場所だということは都市計画で定められている場合のみにその全部又は一部でできるということを改めて申し上げますけれども、裏返して申しますと、先ほどもちょっと申しましたが、そういうものがない場合には全員同意、そこに換地をもらう人も、そこに普通なら換地をもらえるけれども、そこから出て、そのすぐ近くでもらう人も、両方が全員同意してやれば、今でも最高裁判例に従ってやれていると。そのやれている現実を見ますと、やっぱり、先生の御指摘のようなことで強引にやるとすれば、かなり利用し勝手のいい場所あるいはそういう形に土地を集めるはずなんです。ただ、その端っこの方はぐっと食い込むように欠けたり、同意が取れないところは無理はできないということで現にやっておりません。
 その御心配は、全く御懸念には及ばないんではないかと。私ども、今の運用実態を見ても、それは無理しますと逆に法律的な争いにもなりますので、そこは長いかなりもう歴史を有する区画整理事業ですし、昭和五十四年の最高裁判例以来もう二十年以上たって、かなりの事業も行われていますので、大丈夫だと思っています。
 なお、そういう御指摘も踏まえて、今後一層的確にやっていきたいと思っております。
#141
○大沢辰美君 質問ではありませんが、それは本当に照応の原則というのを守ること、慎重に、これからも法改正に伴って住人の人たちを追い出すようなことはあってはならないことを念を押して、次に私は都市再生の用途地域の問題についてお聞きしたいと思います。
 法案では、都市再生特別地区において用途地域をすべて外してしまうと。今、大臣が何度も何度も説明をされていますけれども、民間企業が都市計画ができるように、自由な発想でやっていけるようにやるんだというように言われているわけですけれども、私は、やはり住民の合意に基づくまちづくり、都市づくりという点で多くの問題が含まれていると思うんです。
 例えば、この用途地域の規制を外すということで、有名な森ビルの社長は雑誌でこういうふうに言っていますね。東京都は過密と言われるが、もう少し空を使えばうまくやれると、建物を超高層化することで十分な空き地を確保することができると。例えば都心の四区ですね、ここに五十階建てのものを建て直すとしたら必要な面積はもう二二%、約二割ぐらいでいいんだ、あとの八割はオープンスペースになって広い道路も公園も造れると。
 こういう都心ビルの、都心部のビルの建設促進を主張していることが社長の主張のように報道されていますし、そうやっているようでございますが、私、だから、今回の法案はこのような財界や開発会社の要請にこたえたものであって、私は都市住民の声を反映させたものではないと思うわけですが、その点はいかがですか。
#142
○政府参考人(澤井英一君) 都市再生特別地区は、既存の用途地域の規制に制度的に制約されずに、その地域に最もふさわしい都市計画を自由に定めることができるようにすることをねらったものでございます。これによりまして、民間の創意工夫を最大限に生かして、大臣も御答弁されましたように、例えば豊かなオープンスペースを確保するなど、より質の高い都市空間を形成しようとするものであります。単に高容積の市街地形成など経済性だけを追求するという、そういう政策意図の仕組みではないものであります。また、都市再生特別地区は、その都市計画の決定過程におきまして、通常の都市計画と同じように公聴会、説明会の開催を始め住民と十分な意見調整を図って定めていくものであります。
 以上のことから、全体として良好な市街地環境が確保、形成されるものと考えております。
#143
○大沢辰美君 大臣は、本会議で私の質問に対して、生活する人々の視点に立ってまちづくりを推進していく必要があると、市場主義に陥ったものにはならないように進めてまいりますとはっきりと答弁されているわけですが、私はそれでも、今、局長が言われたように、そういうものじゃないとまたおっしゃっているわけですが、用途地域の私は規制をすべてなくしたらやはり企業の思うままの乱開発が進むのではないかということを危惧しておりますが、再度、いかがでしょうか。
#144
○国務大臣(扇千景君) 先ほどからお答えしておりますように、それぞれがそれぞれの主張によってばらばらのものを建てていったのでは私は本当に住みやすいと言えるか、そういう都市の今の欠点、そういうものを今回は統一して、その限られた中であらゆる壁を越えて、すべてのものを集中して規制を取っ払って、住みやすいものを作っていこうというのが趣旨でございますから、今御指摘のような、大沢議員が御指摘のような心配があるのよというその心配を取り除くための私は法案になったと、むしろそう思っております。
#145
○大沢辰美君 午前中の参考人の先生方の御意見もお伺いされたということでお聞きしたんですが、やはりそこでは、本当にこの問題が規制緩和、民間企業に相当大規模な都市再生事業を行わせるということだけを目指しているということを指摘をしっかりとされていましたが、そのとおりだと思うんですね。
 その進め方として、私、やっぱりこの緊急というやり方は駄目だということを先生方もおっしゃいましたので、都市計画六か月、事業認可三か月という数字も示して、やはり都市政策は着実にやってほしいという意見も述べておられました。特別地区だけじゃなくて、やはり全体を考えて部分を見るという、そういう都市政策でないといけないということも指摘されておりましたが、そういう点についてのこの都市再生の法律に出てきている緊急性と言っていますけれども、都市計画が六か月、事業認可が三か月、本当に緊急ということでこれは許されることではないと思いますが、その点はいかがですか。
#146
○政府参考人(澤井英一君) しばしば委員会で御議論も出ておりますが、今回の民間の力を引き出すための特別措置ということで提案申し上げている法案でございまして、緊急整備地域を指定し、そこについて地域別整備方針を決め、その整備方針に従って幾つかの提案できる都市計画のメニューの一つとして、既存の用途地域の規制をいったん白紙にして、その土地に最もふさわしいと思われる都市計画を決めることができると、こういう仕組みでございます。
 従来の都市計画がどちらかといえば用途地域の規制というかなり広がりの広い場所について一律の規制で来たと。これはどういう町をつくるかという、そういう実現の観点よりは、むしろ高度経済成長時代以来の、民間といいますか、いろんな活動の旺盛な拡大エネルギー、これを何とか最小限抑え込んで、最小限の環境は確保せないかぬと、そういうどちらかといえば規制の観点に立った都市計画であったと、二十世紀の都市計画は。これを望ましい都市計画を実現する実現力のある都市計画に変えていこう。そのある意味では第一歩がこの特別地区だと。
 午前中の参考人の先生方もおっしゃっていましたが、これからの都市計画を決める場合には、官、国あるいは公共団体だけで決めるということでなくて、幅広く企業あるいは市民の参加を求めるべきだと、そういう多様な参加によって新たな公共性というものを作り出していくべきだという御指摘もございました。
 この特別措置法では、民間事業者を中心とする都市再生事業を行う方が提案をできると。これは正にその提案を受けて特別措置につなげていくということが趣旨でございますけれども、併せて都市計画法等の一般的な制度の中で住民、NPOの方々の提案制度も別途措置しております。
#147
○大沢辰美君 繰り返しになりますけれども、やはりその自治体が、参考人の先生もおっしゃったけれども、マスタープランを長年掛かって作り上げて、そしてそれに向かってやっている中で特別地区の指定がされて白紙に用途地域がされてしまうというような、一つの地域がそういう形で変えられてしまうということは周辺の住民に対してどういう影響を与えるかということも含めて進めてほしいという意見を述べておりましたが、その辺はもう答弁は結構ですが、そういう指摘もしっかりと受け止めていただきたいと思います。
 次に、私はこういう都市計画を進める上ではやはり住民合意というのが非常に求められると思うんですが、今も公開の問題言われておりましたけれども、やはり初めから情報を公開し、住民の合意を得るように努力するということは、どの参考人の先生方ももちろん言われていましたが、私もそう思いますが、例えば東京の例で、新宿のよく西富久町というんですか、そこの再開発の事例が紹介をされておりましたが、ここは住民参加の合意形成という点で問題になって、本当に繰り返し繰り返し見直しをされて今作り上げようとしているようでございますが、その点についてちょっと概要を教えていただけますか。
#148
○政府参考人(三沢真君) 昭和六十三年以降、西富久地区の約三割に及ぶ〇・六ヘクタールの土地が買収されまして、その結果、虫食い状態の空き地とか大量の空き家が発生したという事態がございました。このため、居住者が中心となって、平成三年にまちづくり研究会、それから平成九年に更に西富久まちづくり組合というのを結成されまして、まちづくりプランの検討等を行ってきたわけでございます。
 それで、こうした経緯を踏まえまして、そのまちづくりを更に具体的に推進するために、平成十年にまちづくり組合と新宿区が都市基盤整備公団に対しましてまちづくりのコーディネートとそれからまちづくり用地の先行取得ということを要請されまして、公団はこの要請にこたえまして、これまで約〇・八ヘクタールの土地を取得するとともに、組合、新宿区、公団の三者が協力して様々なまちづくり計画について大変熱心に今まで検討を進めてきているという状況でございます。
 こういう取組の結果といたしまして、十三年四月には再開発の準備組合が発足しておりまして、更にできるだけ早期の都市計画決定に向けた検討に着手しているという状態でございます。
#149
○大沢辰美君 本当に長年にわたっての住民合意を作り上げていった例の一つとして報道されておりましたので、確かに、できるものがまだ今からですから図でしか見ていませんけれども、やっぱりその過程、住民がよしこれでやろうと納得できたという点がやはり私は都市づくりの、遠い道のりのように思いますけれども、やっぱりそれが早道だというように思うんですね。そういう点の指摘が一つ。
 もう一つ、私は、悪い、悪い点というんですか、強引なやり方で進めている、これは区画整理事業なんですが、これは兵庫県の淡路島というところ御存じだと思いますが、そこは阪神・淡路大震災のいわゆる震源地になるところですが、ここは北淡町といって区画整理事業がやられました。今もやられているところですが、震災が一月十七日にあって、三月十七日に計画決定をされてしまったと。
 これは被災地全部そうなんですが、この例を一つだけに絞りたいと思うんですが、今、七年たった今も仮換地の進歩率は四一%なんですね。私はやはり、漁村なんです、そこは。だけれども、区画整理のクの字も知らない人たちに、震災で家がつぶれて避難をしているときにこういう都市計画決定が二か月後にやられて、本当に苦しい運動というんですか、自分たちの意見が聞いてもらえない、何とかしてほしいというのがその地域の人たちのこの七年間の、まだ過程なんですね。
 ですから、私はどんなに住民の合意が大事かというのの一つのこれは例なんですけれども、今回の法案が、本当に民間企業が自由に計画を作って都市計画に持ち込むことができるという、そういうことがやられたら、私は一層こういう住民の合意を得ることが困難になるのではないかと。
 今の例は特殊な例かもしれません。特別な例かもしれません。でも、そういうところにもこういうことが将来起こり得るかもしれないという心配も含めて、やはり強引なやり方での私は民間企業の都市計画の参入、そしてこの開発への参入、そしてそこに大きな問題が発生するということに住民の合意が得ることは大変困難であるということを指摘をしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#150
○政府参考人(澤井英一君) 兵庫県の北淡町の区画整理につきましては、一つには、通常の区画整理と違いまして、震災で家屋が相当倒壊した後で、そこを復興する上できちんとした復興をしようということで、二か月、震災の二か月後に区画整理の都市計画決定をしたという、これは震災に関連して行われた再開発、区画整理、すべて同じだったと承知しておりますが、という特殊な例だということと、それから特にそういう各地域の中でも、この地区が漁港を中心とした集落でありまして、要は港、漁港の近くに家がかなり密集して建っていて、それの間を走る道路も非常に狭いという、はっきり言いますと区画整理をやる上でかなり大変な場所であるということも一方で事実でございます。したがって、併せまして町に、それまで土地区画整理事業を町としても実施された経験がなかったと。他方で、そういう復興に向けた準備をしながらも震災の応急復旧業務にも追われていたということがありまして、最初のうちなかなか円滑に進まなかったということを私どもも承知しております。
 その後、先生仰せのとおり、平成九年には事業計画が大体今の格好に決まりまして、平成九年の年末から仮換地指定が開始されて、家が将来の換地とおぼしきところに少しずつ移って、ベースの基盤整備なんかも少しずつできるようになってきたということで、現在では、私どもが承知している限りでは、この三月末で五割まで仮換地が進んできていると聞いております。併せまして、その間、平成十一年四月からは、都市基盤整備公団に事業施行業務の一部を町の方で委託されまして、都市公団の専門的なノウハウに基づく事業調整も始められ、住民合意の形成もようやく軌道に乗ってきたというふうに聞いております。
 こうしたことで、平成十三年度の一年間で仮換地率が二割から五割まで上がってきておりまして、これからいよいよ順調に進んでいくんではないかと。私どもも一生懸命御支援申し上げたいと思っております。
#151
○大沢辰美君 通常と違う特殊な例だということは、確かに特殊な、特別な、あの阪神大震災ですから、だからこそ私は、被災者が家を失って避難している間に都市計画決定をするということは本当にひどいやり方だと、そう今からですけれども指摘をしたいと思うんです。だから、そういうときには、やはりその人たちが分かるようにそれまで待って、そして計画決定するというのが行政のやるべき仕事ではなかったかなと。
 この問題で今論議しようと思いませんけれども、こういう問題が今後発生したときに、そこに公的な行政だとか都市基盤整備公団じゃなくて民間企業が入った場合は、私はもっと悲惨な状態が生まれてくるのではないかと。私も先日行ってまいりましたが、道を付けようと思って付けているけれども、その前には家があるわけですよ。だから、道の真ん中に家があるんじゃなくて、家のところに道を付けたという現状が今の実態ですので、これは今後の教訓としても、そして今の実態も、強硬にやってはならないということを指摘をして、最後に土地収用権の問題について一点だけお聞きしたいと思います。
 この土地収用権については、今までも質問がございましたし、参考人の先生からも指摘がありました。土地収用権を民間企業に付与することについて、本当にこれは重要な問題だ、やってはならないことだということを指摘をされておりました。一昨日も、富樫議員の方から、営利を目的とする民間企業に土地収用権を与えることは重大な問題であるということを指摘をいたしました。その中での答弁では、公的機関の審査や厳格な要件を課しているからその心配はないという趣旨の答弁でありました。
 しかし、やはり営利を目的とする企業に公共性の高い土地収用権を与えることは、私は憲法上の重大な問題があります。現状のまま実施すれば企業の思うままになる危険性が出てくると思って仕方がありません。土地収用は国民の財産権にかかわる重要な問題で、慎重の上にも慎重を期す問題だと考えます。
 大臣の認識を改めてお伺いいたします。
#152
○国務大臣(扇千景君) 先ほどからこの再開発会社に収用権があるという御質問も多々出てまいりましたけれども、少なくとも再開発会社がいわゆる市街地の再開発事業を実施するに当たりましては、私は要件として大きな要件が課せられると思っております。その第一の要件としては、土地の収用が可能な他の都市計画事業と同様に、都市計画というこの公的な計画に事業が位置付けられていると、こういう公的なものであるということでございます。それとまた、都道府県知事の事業の認可など、法律に基づいて厳格な手続によってこれが進められるという、これは大きな点だと思います。
 二つ目には、特に地権者の権利、利益にかかわる重要な事項については、地権者の人数と地積のそれぞれの三分の二以上の同意が必要であるというこの要件という、これも私は大事なことだと思っていますので、その厳格な要件を課しているということによっては、私たち御指摘のような問題がないと思っておりますし、また我々もそれによって大きな何かが出ないように厳重にこれを処していきたいと思っております。
#153
○大沢辰美君 委員長、一言。
 本当に伝家の宝刀の私は土地収用権という言葉をよく使わせていただいているんですけれども、今でも、異議申立てを行ってもそれが通らないというのが今の現状なんですね。ですから、私は、本当にこの問題については民間に、民間企業にこれを付与するということは間違っていると。だから、これを強硬に、また乱用させないための歯止めになる新たな仕組みを作っていただきたいということを要請をして、質問を終わります。
#154
○田名部匡省君 物事をやるについて、全部うまくいくわけでないんですね。だから、私はいつも、評価システムだとかいろんなことをやってやらないと後の責任は一体だれが取るのかと。これは空港であれ本四架橋であれアクアラインであれ何であれ、それ行け、やれ行けって言って、まあやるときはにぎやかでいいけれども。
 地域整備公団、私のところに大きな団地造ったんですけれども、まだ半分ぐらいしか売れていないですな。もう何年になるか。ところが、八戸でやっている、私が県会議員のときから手掛けた、今七つ目やっておるんですけれども、区画整理事業は割合埋まっているんです。今、最後、まあ最後になるかどうか、七つ目のやつがちょっともめていまして、この間も私のところにみんな相談に来たんですけれども、それでも地方へ行くと大きな、農地がほとんどですから、そうすると、もう大きく持っている人は何人かおるんですね。それで、その減歩率をどうするかというので、今のところは一番大きくて、四〇%か五〇%、減歩に応じてまとまったところなんですけれども。
 ですから常に、さっきから、私も昨日、これ夜になってから法案ずっと目を通したんですが、なかなか何を書いておるか分からぬ、難しくて。ですから、さっきも参考人、午前中の方々にいろいろ伺ったんですけれども、やっぱり積極的に情報公開をして、まずその人たちが本当に理解してやらなければ駄目だと、そこでもこの市民セクターからの多様な意見を伺うべきだと。私もそう思うんです。
 そのときも申し上げたんですけれども、私も町の真ん中に住んでいると先ほど申し上げたんですけれども、もう昔からの平家の長屋みたいのが、町の真ん中ですよ、私のところは。大臣、知っていますね。何とかこれ、やる方法がないかなと。こんな繁華街のど真ん中に、私の町内だけが昔の古い家が建っておる。知事が当選したとき、何とか方法がないだろうかと。それは一つには、私もその奥さんたちを集めて言うんですけれども、借金をしてマンションを建てなさいと。ところが、銀行へ行ったことない人たちですから、金をどうやって借りて、利息は幾ら払って、最後にはどうなるかというのが分からないんです。この辺までやっぱり説明して、最後はあなたのものになりますよということを説明すると、初めてああそれならばと。この種のたぐいなんですよ、地方では。
 ですから、十分な話合いをして、草の根まちづくりという、伊藤参考人も言いましたように、小さなプロジェクトでいいと、そういうものなんかでもう住民に自主的に任せるべきだと、こういうさっきはお話ありまして、私もそう思うんです。基本的には、基本方針は国が定める、後は地域の実情に応じて、もう地域の実態に合うようにやればよろしいと。僕は農業政策をそうやったんですから。いつも言うでしょう、雪の降る北海道や北東北と雪の降らない沖縄と、法律一本作って農業やれと言ったってできっこないといって。
 ですから、余り、この法律を見ておって、もう手取り足取り、何だか読んでいてさっぱり分からんかったけれども、こんなにがんじがらめにする必要があるのかなというのが私の第一印象ですが、この点についてはどう思いますか。
#155
○国務大臣(扇千景君) 私は、田名部議員のところにもお邪魔いたしましたし、お食事もごちそうになってよく分かっておりますし、町の真ん中にあることだけは確かでございます。
 そして私は、そういうものが今現在、大都市あるいは各都市、あらゆるところでどうして都市づくりをしていくか、しかもなおかつ、先ほど大沢議員が乱開発という言葉をお使いになりました。私は、正に乱開発をされてそれぞれがばらばらになったのでは意味ないということで、今まで二十世紀はそういうことにある程度規制もできていないし、指導もなるべくということで自由にやってきましたけれども、バブル崩壊後、そういう意味では、それぞれの乱開発がやられそうな地域もこれあり、また都市の利便性、そして住む人たちの生活の環境の改善等々を図りますときには、何としても、ある程度のところでは今後二十一世紀らしいまちづくりというものも、それぞれの地域の特色を生かしながら私はしていかなければ、今準備しなければ間に合わないということで、私たちは省庁の壁を外して今後はやっていこうということでできたことでございますので、そういう意味ではもっと大きな意味でとらえていただき、なおかつ二十一世紀型の乱開発防止だという意味にもとらえていただければ分かりやすいのではないかと思います。
#156
○田名部匡省君 熱意は分かるんですね。ただ、この時期にやると、まあ不況で景気が悪いし、国はお金がないし、何とかこういうものをどんどんやらせて、やりたいんだろうなというふうに感じちゃうんですね、推量として。ですから、いろんなことを言われても、果たしてこれでうまくいくんだろうかなという気がするんです。
 小泉参考人も、やっぱり特別措置法に対しても、住民参加、押し付けでなくて、計画の見直し、公共性あっても市民セクター参加が必要だと。大体同じことを三人の参考人の方々が言うんですね。都市再生基本方針の策定と緊急整備地域の選定と施策の実施については各地域や市民の発意を十分に反映すべきだと、また、作成・選定過程を可能な限り透明なものにすべきだと。余り早く出されると住民の方は何をやろうとしているのかさっぱり分からないままでと、先ほど僕が申し上げたようなことですので、いずれにしても、これ急いでやりたいと思っても、住んでいる人たちが分かった上で喜んでやろうというのか、何だか分からぬけれどもいろいろ後から問題起きてということなのかによっては、急いだつもりが遅れてさっぱり進まないということだって今までもありましたので、そういうことは十分やっぱり気を付けてやっていかなきゃならぬと、こう思います。
 そこで、さっき大臣も日本は国土の七〇%が山間地でというお話された。私もさっきそのことを言ったんです。日本というのは島国で、七割が山で、しかもこれから少子化、高齢化を迎えていくのに、やったものがどんどん売れるほど、これ全国でやったら一体どういうことになるのか。しかも、環境が今度重要視される、公害問題も出てきておるというときに、新幹線は通さなきゃならぬ、あるいは高速道路も空港もと、これは環境や公害とはこれは一致するものでないんで、相反するものです。だから、そういうことを見ておると、やっぱり政治家の理念、哲学というのをもうちょっときちっとしておいてもらわぬと、さっきも申し上げたんですけれども、総合的にこの国をどうあるべきかという前に、何か起きると法律を出して何とかしようといういわゆる泥縄式な、ここに限らずですよ、安全保障でも何でも、いろんなものが突然と出てくるというのを僕はすごく感じているんです。
 ですから、今までも、歴代、田中角栄先生から中曽根内閣時代から宮澤内閣時代、いろんな、なったときはこういう方針で私はやりますと、こう言うんだが、替わるとまた別の政策が出てくる、替わるとまた別のと。前のやつが全然もう進められなくなっていると。それは、なれば新しいものをやりたいですよ。小泉総理だって今度は改革だと、こう言いたいのは分かるけれども、じゃ、前にやったやつはどう結末をしているんですかということを言うと、何かいつの間にやら、前にも言いましたね、一極集中排除、それから地方の地域の発展のためにという。いろんなことがあったんですけれども、これを忘れてまたこれに取り組んでいかなきゃならぬというようなことだと、全く我々もどうするんだろうと思うし、国民から見ても、何か替わるたびにころころ政策変わるというふうに思われてはうまくやれないんじゃないだろうかなという気がするんです。
 ですから、どうぞ、何をおやりになっても、これは一貫して本当に日本の将来のためにはこれをやっていかなきゃならぬという信念を貫き通してもらわぬと、何年かたつとまた情勢の変化だから変えますよということではいかぬと思うんですね。これ、どうでしょう、これ。
#157
○国務大臣(扇千景君) 日本全土にかかわる壮大な御意見でございます。
 例えば、田名部議員の大臣のときに日本の農業をどうしようかというようなことをお立てになるのと同じで、我々も少なくとも、国土交通省ですから、今までは運輸、建設、縦割りでやったものを、今回は国土交通省になって、日本の国土づくりをどうしようかということのグランドデザインというのを私は就任以来申し上げておりますけれども、それも一つの大きな原点でございまして、日本の、二十一世紀に、国際的にも、我々の、国民一人一人の、少子高齢化社会に対応できるような国づくり、都市づくりがなければ私たちはいけない。
 刻々変わってきている。それに対応して、日本がいかに限られた中で民間の活力も活用し、民間のノウハウも活用しながら国と一体になって日本の国土づくりをしていけるかという大きな原点の分岐点に来ているのが今の二十一世紀の初頭だというふうに考えておりますので、私は、二十一世紀、昨年来、ミレニアムを迎えて以来、そういう意味で日本の国土づくりというのを、国土交通省としてグランドデザインを作りながら、駅、町、空港、そしてあらゆる結節をして都市づくりの無駄を省いていこう、そしてすばらしい理想のものを私たちは国土交通省としてやっていこうという大きな基本点に立っていることだけは御理解いただき、言葉は足りませんけれども、余りにも時間も超過しますし、私は、全体の国という、陸海空でございますので、国土交通省としてはこの原点を迎えながら、二十一世紀の国土づくりに、この一助にしていくというのが今回の法案でございます。
#158
○田名部匡省君 内閣総理大臣を本部長にしてというすごい大きなものを作ったなと、こう思って、悪いとは思いません。
 例えば、私がさっき言った区画整理事業にしたって、全部農地なんですよ。田んぼとか畑をつぶして、都市再生特別というところじゃないところを七か所やったんです。日本は農業と漁業と、そして今その三割に工場や住宅を建てて住んでいるわけですね。このまま、私は、ですから農林大臣のときにも、一貫して今でも変わらないんです。機械でやる農業と、あの小さな機械を利用しない農業じゃ全然違うんですよ。だから、規模拡大して機械化をしなきゃ駄目ですよと。ところが、小さい人たちはそれをやらない。ですから、兼業農家ですから、だんなは勤めに行っている、お母ちゃんたちがやっている。そのやっている人たちだけ組んで、例えば借りてやったらどうかと、機械を。買ったらどうなるか。それから、耕作してもらったらどうなるかと。そのぐらい考えて、あれに企業的感覚というのを一項入れようとしたんだ、地域の実情というのを。えらい抵抗されまして、とうとう押し通しました、これは。
 ですから、そういうふうにやりながらやらないと、これ以上農地をどんどんどんどんつぶして、だから私は、農林大臣だろうが何だろうが、みんな入って、こういうものをどうするか。漁業だってそうでしょう。この間も寿司屋さんの会合があって行ったら、いや、もう工場地帯の魚は食べられませんよと、ひどいんだと、こう言うんです。それはあなた、牛肉だけじゃないですよ。そういうことだって、工場を造れば汚水が流れる、すんでいる魚はおかしくなってくるというのは、これ調べたことないから分からないで食べていると思うんだ。
 ですから、いろんな分野の大臣が入って結構ですけれども、大臣じゃこまいところまでやり切れぬでしょう。だから私が、大きいのはいいけれども、本当に詰め切れるかなと。やっぱり役所、専門家の人たちが集まって、国土全体なんですから、そういう基本方針をきちっと持ってなきゃ駄目ですよと。そのときそのときによって、人口が減ったからこれやめましょうという時代が来るかもしれないということ等も考えながらやってくださいよというんです。どうですか、これ、だれか。
#159
○政府参考人(澤井英一君) 御指摘につきまして、私どもしばしば法案の中身として申し上げておりますが、民間の力を思い切って引き出すために、時間と場所を限った特別措置というような構えで法案全体を構成しているということも踏まえまして、法案全体を、十年たったところでその施行状況あるいはその効果等を見直して次の展開につなげていきたいということをあらかじめ法案の中にも明記してございます。
 そういった条項も踏まえまして、今の先生の御指摘も踏まえて、事務的にもしっかりやってまいりたいと考えております。
#160
○田名部匡省君 地元のことしか分からぬからこういうことを言うんですが、例えば地方の工業団地、これも売れていないですね、造って。それから、かつてはむつ製鉄をやったんですが、これが失敗。それから、ビートをやろうとしたね、下北半島の方に、これも失敗なんです。それから、今度石油コンビナートだというんで、むつ小川原開発やったでしょう。これも失敗なんです。何やったって失敗なんですね、これ。それで最後は、何でもいいから持ってこいというんで、核燃サイクル作って、石油コンビナートを作って、私は国土審議会の委員のときに言ったんです。用途も変更せずに別なこと始めているが、変えなさいよと。
 そういうのを見ておりますから、この前なんかだって、県の住宅公社、ペルーの女性に十二億持っていかれたか、くれたかは分かりませんが、もう今、県の住宅公社は大騒ぎになっているんですよ。それで、役員が皆弁償しなきゃならぬと。それで、幾らだといったら、副知事が理事長で、行ったことはないけれども、一億幾らだという。それで歴代の理事長も、だれか行っているんでしょう、あなたの方からも。何やって、どのぐらい出すんですか。
#161
○政府参考人(三沢真君) 今回の青森県住宅供給公社の横領事件に関しまして、先般、公社から当時の役職員に対しまして損害賠償請求を出したという発表がございました。その中には、実は建設省、旧建設省、国土交通省から青森県に出向していた者で、その者が県の公社の副理事長を言わば充て職的にやっていたという関係から損害賠償請求を受けている中には入っているというふうに聞いております。
#162
○田名部匡省君 金額は。
#163
○政府参考人(三沢真君) 金額は、実はこれ一人一人の金額は必ずしも詳細でございませんが、数千万のオーダーというふうに聞いております。
#164
○田名部匡省君 あんたの方から出向して副理事事をやって、何年いたか分からぬが、もう五、六千万ですよ、恐らく。どうやって払うんです、これ。
 だから、この公社も何かこの間会議を開いてもう廃止だということになっておるみたいですよ。だから私は言うんです。やるときは何でも慎重にやっておかぬと、こんなことが起きるたびですから。私は、大臣、これだって一定の所得水準の方を対象に、これが大体七百十六万以下の人たちは一定の基準を満たせば、利子補給や公庫の割増し融資など、公社ならではの次の優遇措置があると。五年間青森県から一%の利子補給を、購入者の負担を軽減する制度だという。
 私は前にも言ったんですけれども、この世の中にはただというのはないと。だれかが払って、この人たちはただ、一%でも何%でも安くなるんで、本当にこういう制度というのはいいんだろうかと。もう住宅建てたくても建てれないで働いて税金を納めている人がおるわけですよ。だから、公平公正という観点から物を考えていかないと、不公平ができてくると、世の中に。これはもううるさく言っておるんです。大臣はバリアフリーの、ITをという、それは分かるんですけれども、それはどこかただでやってくれるならいいけれども、その金はだれかが負担するということになると、一体この辺をどうしなきゃならぬかという。できない人もいるわけですから。
 だから、いずれにしても、この問題については、こういうこの種の問題については、やっぱり負担する人もおるんですよ、土地を応分に余計出す人もおって成り立っているんですよという意識がなくなってきたら、これは不公平がどんどん広がっていく。だから、やるときには、そういう人たちのことも考えながら政策というのを進めていかなかったらと私は思うんです。
 いずれにしても、どうぞ、もう時間ないんでしょう。附帯決議をどうするかという話をされて困っているんですよ。本体は私もまだこれは十分だと思わないから、附帯決議をさっき見せられまして、本体に反対して附帯決議に賛成というそんな非常識あるかねと。しかし、最後にじゃこれ聞いた上でどうするか判断するからと。
 それは、この附帯決議というのはどの委員会でもやりますよ。じゃ、それをやるかやらぬかというのが問題なんで、ただ言いっ放し、聞きっ放しで、これはどこの委員会だって、私は逆の立場におったから、はい、皆さんの御意見を十分なんと言って、後そのままで終わっちゃうんですよ。そういう附帯決議じゃ私はいかぬと思う。本当にこれ全員が賛成するというのであれば全員の意思ですから、ああ、そのいいことはやっぱりこれからも手直ししてやりますというんならいいけれども、それが後からどう検討したかと。この議員の人たちがこれだけいい提案をしてくれたと。このようにして、作ったものは何でもかんでもこれでいくんだというんであれば附帯決議も反対しますけれども、どうぞその辺の考え方をまずきちっと伝えていただければ有り難いと、こう思います。どうぞよろしく。
#165
○国務大臣(扇千景君) 私ども、出した法案が一〇〇%だと思っておりません。一〇〇%と思って出しますけれども、こういう委員会の審議の中で、この部分は気を付けろ、この部分はもう少し考慮しなさい、この部分には最重点の注意をしなさいという御指摘をいただく、それが私はこの委員会での法案を提出した御審議の重みだろうと思っております。
 それで、私たちの出した法案に対して御審議の中でここを気を付けなさいよとか、これは注意しなさいよというのが附帯決議であって、私は、出した法案に対して附帯決議をいただいたものは、今回この法案が通していただいてそれを施行する場合には、その附帯決議を重く見て私たちはそれを施行していくということでなければ私はならないと思ってますので、皆さんからいただいた附帯決議は、私、何年かたったものも、国土交通省、旧建設省のときでも旧運輸省でも附帯決議の付いているものは、確実にあのときにいただいた附帯決議を今回はこうしますというふうに省の中でも論議しておりますので、いただいた附帯決議は慎重に、なおかつ有効に私たちは心して法案の対処をしていきたいと思っております。
#166
○田名部匡省君 分かりました。
 行政監視委員会でも私は言うんです。これだけいいことを言って、ただ聞きっ放しじゃ駄目よと。今度からどういうふうにやったかというのを必ず答弁してくれと言って、それでやっておるので。今の大臣のお話は十分分かりましたから。
 でも、結構いい意見言うでしょう、私も。もうむちゃくちゃな話をしているつもりはないんで、いいことはやっぱり与党でも野党でも取り入れてやると、これは国民のためだなというときは。
 以上、申し上げて、終わります。
#167
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 都市再生特別措置法案についてお尋ねをいたします。
 まず、地方分権についてお尋ねいたします。
 内閣総理大臣を本部長とする都市再生本部が法定をされ、本部が基本方針を策定することになり、都市再生緊急整備地域は政令で指定され、地域整備方針は本部が決定するなど、トップダウン方式が強く、まちづくりに責任を持つはずの関係自治体には意見聴取等が担保されているにすぎません。これは地方分権に逆行することになるんではないかと思います。参考人の方々の御意見もそこのところを憂慮されておったようでございますので、御明確な御答弁をいただきたいと思います。
#168
○政府参考人(山本繁太郎君) まちづくりの基本的な制度であります都市計画につきましては、その決定権限を基本的に地方公共団体にゆだねております。本法案におきましても、その基本的な枠組みについては何ら変更を加えるものではございません。
 本法案におきましては、民間の発意を生かして都市再生を進めるという観点から、国の施策を集中的に実施するという考え方に立っておりますので、その対象地域として都市再生緊急整備地域を位置付けまして、これを政令で定めることとしております。さらに、当該緊急整備地域ごとに地域整備方針を都市再生本部において定めることとしたものでございます。
 その際、地方公共団体の意見を聴くのはもとよりでございますが、地方公共団体から案の申出を可能にするといったようなことで、従来余り例のない形で十分な地方公共団体との調整規定を置いておりまして、地方公共団体の意見が十分に反映される内容となっていると考えております。
 さらに、具体に緊急整備地域を指定するに当たりましても、実務的にも関係地方公共団体の意見を十分に踏まえてまいりたいと考えております。
#169
○渕上貞雄君 次に、都市計画マスタープランとの整合性についてお伺いをいたします。
 都市再生緊急整備地域、同事業計画の認定、特別地域の指定などが上からの意向で行われるならば、従来取り組まれてきた都市計画マスタープランの否定につながりはしないかと危惧されます。都市再生緊急整備地域、同事業計画の認定、それから特別地域の指定などの都市計画決定と都市計画マスタープランとの整合性はどのように図られるのでありましょうか。地域の合意を重要視してまちづくりを進めようとする自治体や住民の方々の努力を無視するものにならないかと考えますが、その見解はいかがでございましょう。
#170
○政府参考人(澤井英一君) 認定を受けました都市再生事業あるいは都市再生特別地区の都市計画と都市計画のマスタープランとの関係ということでございますが、まず都市再生特別地区の都市計画は、同義反復ですけれども都市計画でございまして、都市計画全体の基本的なマスタープラン、これとは当然整合するという格好で手続が進められるわけでございます。
 関連して申し上げますと、先ほど内閣官房の方でお答えになりましたように、政令で定められた緊急整備地域の中で、地域別に整備方針が定められます。この地域別の整備方針と恐らく都市計画のマスタープランとの間で、政令で地域を定める辺りから実務的にいろんな相談が始まって、それらのすり合わせが十分され、それが先ほどの公共団体から申出をしたり、公共団体の意見を聴いてそれを尊重させていただくと。そういった辺りでそういうすり合わせがされ、したがってその両方にこの都市再生特別地区というものが適合して定められるということになっていくと思います。
 また、民間都市再生事業で認定を受けたものについては、今申しました地域ごとに定められます地域別整備方針という大きなマスタープラン、一種のマスタープランだと思いますけれども、そういうものに適合して進められていくと、全体としてはそんな図式になると思っております。
#171
○渕上貞雄君 町の景観デザインと歴史的環境資産の活用と支援についてお伺いをいたします。
 都市再生緊急整備地域の指定、民間都市再生事業の計画の認定、都市再生特別地区の指定、その他の都市計画決定及び都市再生事業の実施に当たっては、周辺の既成市街地の都市環境やまちづくりとの調和に配慮するとともに、規制緩和一辺倒ではなく、やはり我が国の固有の美しい町、誇れる町を作るという景観デザインやまちづくりの視点も重要視されるべきではないかと考えます。
 また、歴史的環境資産としての建築を都市再生の資源として再評価をして、積極的に活用、再生を図ることも重要であり、そのための支援、それから誘導の仕組みなどを整備することが望まれますけれども、その見解について、いかがでございましょうか。
#172
○政府参考人(澤井英一君) 都市再生を進めるに当たりまして、良好な都市景観の形成、あるいはその歴史的な資源を生かしていけないかという御指摘でございまして、御指摘のとおりと考えております。
 具体的な例示で申しますと、例えば都市計画制度の中で地区計画あるいは伝統的建造物群保存地区というような制度がございます。また、各地方公共団体が独自に定める景観条例といった規制誘導手法、あるいはまちづくり等にかかわるいろんな事業に対する支援制度などを活用しながら、公共団体、住民、企業、いわゆる多様な主体が一体となって歴史的な建造物、あるいはその背景となる歴史、文化と調和した良好な景観形成に取り組んでいる地域がかなりございます。
 例えば、都市再生事業の中でも歴史的に価値のある建物がある。しかし、それはかなり周りの場所と比べても利用の度合いが低いというときに、何も仕組みがないと、それを全部壊して新しいものに建て替えてしまうということはかつて全くなかったわけではないと思います。
 昨今では、むしろそういうものをそのままにしておいて、その上空にある余った容積を隣の敷地に移して使うということとか、この容積を移すという手法、あるいはこれもよく最近見られますけれども、そういう歴史的建造物の外観だけは残して、そういうその町の雰囲気を壊さないように、しかし中は近代的な利用に変えていくとか、そういういろんな取組が可能ですし、あるいは地域の特性に応じてそういう工夫をしなければいけない、そう考えております。
#173
○渕上貞雄君 今言われたことはまちづくりにとって大変重要なことだと考えます。したがって、やはり建物総体だとか全体を残すということはなかなか無理があるにしても、積極的にそういうまちづくりの中に歴史と伝統的な建築物など等については、今御意見伺いまして分かりましたが、積極的にひとつ残して保存していただくように御要望をまず申し上げておきたいと思います。
 次に、都市再生緊急整備協議会についてお伺いをいたします。
 都市再生緊急整備協議会の目的、構成についてはどのように考えているのか。住民やNPOなどの意見反映や参加はどのように保障されるか。ここのところは午前中の参考人の方々の御意見でも、様々な方法、意見の集約、参加の意見をどのようにしていくかというのは、なかなか工夫されておるようですが難しい状況もございますが、その点の御意見をお伺いしたいと思います。
#174
○政府参考人(山本繁太郎君) 都市再生緊急整備協議会についてのお尋ねでございます。
 都市再生緊急整備地域は、都市再生事業をスピーディーに進めるということで都市再生の拠点を作ろうというものでございますが、都市再生事業を進める上で様々な行政上の手続をクリアすることが必要になってまいります。
 ところが、現実には非常にたくさんの行政手続、法律に基づく手続が必要になってまいりますために、一つの手続をクリアして持っていらっしゃい、あるいは片方がオーケーと言えば、自分のところの手続、論議をしましょうという、世上言われるたらい回しのような事柄もありまして、都市再生事業を正面から進めようとする立場から、なかなかどうしたらいいのか分からないというような状況もあるわけでございます。
 そういう状況を踏まえまして、まず第一義的には、この行政手続を法律に基づいて担当いたします国とか地方公共団体の関係機関が一堂に会して、この都市再生事業についてどうとらえたらいいのか、問題状況をどうクリアしていったらいいのかということを同じテーブルで論議する、協議するという場を設けようとしたものでございます。
 そういうことでございますので、まず国の関係行政機関、それから関係地方公共団体が中心となるメンバーとなるわけでございますが、具体的な都市再生事業を取り扱うための共通の解決策を見いだすに当たりましては、御指摘のとおり、住民やNPOなどの意見を的確に反映させることが大変大事でございますので、地方公共団体を通じてこの意見を反映することはもちろんでございますが、もし必要と協議会が考えます場合は、法律上、地元の商工会とかあるいはNPOに対して協力を求めることも可能となっておりますので、実務上的確にこれらのことを進めてまいりたいと考えております。
#175
○渕上貞雄君 午前中の参考人も、その点については研修、教育が非常に重要な効果があるというふうに言われておりましたので、その点もひとつどうか参考で取り上げて実施をしていただきたいと御要望申し上げておきたいと思います。
 次に、都市再開発法等の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。
 再開発会社へのコントロールについてまずお伺いをいたします。
 国家的課題を担う公共的な役割を与えられる都市の再生事業者には、高い公共性にかんがみ、通常の会社法以上のコントロールがなされてしかるべきです。都市、市街地開発事業を施行する開発会社については、その経営状況及び財務状況の健全性が確保されるよう、情報公開の促進などに対する適切な指導監督を行うべきだと考えますが、その見解はいかがでございましょうか。
#176
○政府参考人(澤井英一君) 市街地再開発事業の施行者に今回追加をしたいと考えております再開発会社について、まずその会社の構成要件のようなことを申しますと、法律的には、通常の会社に適用されます商法に加えまして、都市再開発法の規律に服しているということでございます。
 具体的には、この会社が行います事業の事業計画の認可に当たりまして、会社の要件として、失礼しました、認可に当たりまして、その会社が、三分の二以上の地積を有する地権者が議決権の過半数を有する、ちょっとややこしくて恐縮ですが、そういうものとして構成されていると。それから、こうした要件、地権者がそういうふうに参加をしているという要件を維持するために株式の譲渡制限を設けていると。こういう要件が都市再開発法等の一部改正に伴いましてこの再開発会社の要件として付加されるわけでございます。
 それから、事業の施行に当たりましても、事業計画等を公衆の縦覧に供するとともに、地権者の人数と地積のそれぞれの三分の二以上の同意が必要であるという制限がございます。
 さらに、知事によります事業及び会計等に対する検査、命令等の監督によりまして事業の公正さを確保するということと、地権者の一定以上の同意を得て地権者から再開発会社の事業又は会計についての検査が請求できるという仕組みもございます。
 また、情報公開ということであれば、今の検査の請求に加えまして、事業計画あるいは権利変換計画書、会社の財務状況等に関する書類の備付けを義務付けまして、これを地権者等の利害関係者はいつでも閲覧できるというような規定もございます。
 こうした規制を踏まえまして、再開発会社の健全性が確保されるよう、十分に対応していきたいと考えております。
#177
○渕上貞雄君 最後の質問になりますけれども、大臣にお伺いをしたいと思います。
 午前中の参考人の質疑の中でも、都市開発をめぐる思想性、理念、哲学という問題をかなり議論になられました。そこの欠如というものが日本の都市づくりにおいてやはり問題点ではなかったかと、今後の課題でもあるというようなことをお伺いをいたしました。
 そこで、だれのための都市開発なのかということがやはり大事な視点の一つであろうと、このように考えます。
 八〇年代のバブル経済の中での都市づくりの経験は、民活、規制緩和政策の弊害を明らかにし、それから、公正、透明で開かれた開発プロセス、市民の参加、自治体の都市づくりの権利といった新しい都市づくりの公共性をやはり教えているのではないかというふうに思います。同時に、そこに住む住民の環境問題についても大変大きな問題となっております。
 しかし、これまでの質疑においても明らかにしましたように、都市再生特別措置法における都市の再生は大都市住民が地上げに翻弄された中曽根民活の再来につながるのではないかという懸念をどうしても払拭することができません。ここのところはやはり明確にしていただきたいと思います。
 なぜ、都市開発が活発に行われながら、都市の魅力の向上や、住んでいる人々が豊かさを感じないし、結び付かない。都市はだれのものかといったことがやはり重要なことであり、その問いに対して真剣に答えることが最も大事なことではないかと。時限立法的性格を持ち、都市づくりというのは五十年、百年の計画を持たなきゃならないということも参考人の方から今朝ほどお教えをいただきました。
 したがって、具体的な、これを担当する大臣として、その見解について明らかにしていただきたいと思っております。
#178
○国務大臣(扇千景君) 大変重要なことで、だれのための都市開発かという御意見でございました。
 私は、少なくとも都市に住んでいる住民の皆さん、そこに暮らし働く人々のためになるというのは当然のことですけれども、私は、それだけではなくて、少なくとも今の日本の現状、産業の空洞化、経済の空洞化、そして今日も大変言われましたけれども、先ほど谷林議員からモロッコのマラケシュの話が出ました。これも今、私は後で聞きましたら、世界遺産にも登録されているという町なんですね。
 そして、一方、個人的で恐縮ですけれども、私の大好きな京都、これも日本の中では少なくとも千二百年の歴史を持って、我々は今でも世界のお客様に古都として紹介しています。
 けれども、そのように我々は今するものが、二十一世紀、あるいは百年、二百年後に子供や孫、あらゆる、その人たちが、この産業の空洞化とか経済の空洞化とかあるいは文化の喪失とか、あらゆるものが日本的なものをなくしていく中で、果たして日本はすばらしいですよと世界に言えるんだろうかと。
 例えば、こういう委員会でも今日のマラケシュの話が出ましたけれども、外国の委員会でも日本のあそこはこんなすばらしいよと言っていただけるんだろうかと。そういうことも私は歴史と文化を大事にするという意味でも大変大事なことだと思っておりますので、そういう意味では、私たちが今、二十一世紀の初頭に立って、日本の都市の在り方、そして歴史文化を継承していくということへの思いをはせながら、私は日本の国土づくりの原点の一点にしていきたいと。これが全部ではありません、ただの点ではございますけれども、それから波及をしていくようなすばらしいものになれば有り難いと思っております。
#179
○渕上貞雄君 終わります。
#180
○委員長(北澤俊美君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#181
○大沢辰美君 私は、日本共産党を代表して、都市再生特別措置法案と都市再開発法等改正案についての反対討論を行います。
 都市再生特別措置法案に反対する第一の理由は、都市再生特別地区において、用途地域等の規制を緩和し、容積率、日影制限などの規制を適用除外にするとしています。これらの規制は、無秩序な開発を防止し、良好な居住環境を作るためのものですが、それを撤廃すれば、住環境をより悪化させることに間違いありません。
 第二の理由は、民間事業者が都市計画の提案をできるようになり、都市計画決定を六か月以内に、事業計画を三か月以内に認可するなど、手続を短縮することは重大です。今でも都市計画決定には住民の意見を反映させる手続はありますけれども、実際には形骸化し、なかなか住民の声が反映されません。住民の声を無視し、事業のスピードを更に加速させることになりかねないもの、許すことはできません。
 第三に、民間プロジェクトに対して、民都機構などを通じて無利子貸付け、債務保証など、支援の内容が盛り込まれています。民間会社に対して公的資金を使って支援するもので、大企業には至れり尽くせりの内容であり、容認できません。
 次に、都市再開発法等改正案に反対する理由を述べます。
 第一は、市街地再開発の施行者として民間事業者などを追加することになれば、企画から施行に至る全体を民間企業が思うとおりに進めることが可能となります。営利に基づく開発では、小地権者などの住民の意見が反映されず、住み慣れた土地から追い出される危険があります。
 第二に、自治体、公団に限って施行が認められている第二種再開発に再開発会社を参入させることで、民間企業に土地収用権を事実上認めるとしています。本来、土地収用権は憲法で保護された国民の財産にかかわる問題であり、私企業、民間企業が国民の財産権を侵害することは許されません。
 第三に、土地区画整理事業において高度利用推進地区を設け、そこに高層ビルを建設するため、換地を望まない地権者もその地区から追い出されることになります。これは、換地の照応の原則を定めた区画整理法にも反するものであり、容認できません。
 第四に、民都機構の土地取得業務を三年延長するとしていますが、民都機構はこれまでも工場跡地や不良債権化した土地を大企業から買い取っています。この事業の継続は、税金を使った大企業支援を続けるということであり、その業務は中止すべきであります。
 バブル期の土地投機で多くの住民が住み慣れた土地を追い出されてきました。その反省に立って、住民参加で人が生活できる都市に再生できるよう現在の法律、制度を抜本的に見直すことこそが今必要であるということを主張いたしまして、反対の討論といたします。
 議員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
#182
○委員長(北澤俊美君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、都市再開発法等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#183
○委員長(北澤俊美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、藤井君から発言を求められておりますので、これを許します。藤井俊男君。
#184
○藤井俊男君 私は、ただいま可決されました都市再開発法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    都市再開発法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、市街地再開発事業を施行する再開発会社の制度の新設に当たって、広くその啓発に努めるとともに、再開発会社の設立及び事業計画の申請又は事業の施行に当たっては、土地収用権が新たに付与されることとなったこの制度の趣旨にかんがみ、施行地区内の住民及び地権者等の十分な合意が形成されるよう努めること。
 二、再開発会社については、その事業の公共性にかんがみ、事業が適正かつ確実に実施されるよう努めるとともに、その経営状況及び財務状況の健全性が確保されるよう、適切な指導監督が行われるべく努めること。
 三、再開発会社による事業の継続が困難になった場合においては、地権者等の権利の保全或いは事業の確実な遂行について、万全な対応がなされるよう努めること。
 四、土地区画整理事業の事業計画に高度利用推進区を設定するに当たり高度利用地区等を定める場合は、集約換地について地権者等の理解が十分得られるよう努めるとともに、周辺住宅地域の環境に十分配慮されるよう努めること。
 五、民間都市開発推進機構が行う土地取得譲渡業務については、その業務が適正に遂行されるよう引き続き指導を徹底するとともに、特に、取得した土地の事業化を一層積極的に促進すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#185
○委員長(北澤俊美君) ただいまの藤井君からの提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#186
○委員長(北澤俊美君) 多数と認めます。よって、藤井君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇国土交通大臣。
#187
○国務大臣(扇千景君) 都市再開発法等の一部を改正する法律案につきまして、本委員会におかれまして熱心に御討議をいただきました。また、今、可決されましたことに対しまして心から御礼を申し上げたいと存じます。
 そして、今後、この審議中に各委員からの御高説とか、あるいは附帯決議案、今いただきました。それに提起されております住民、地権者等の合意形成、あるいは再開発会社に対する適切な指導監督、そして地権者等への権利の保全等についての対応等につきまして、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長始め委員各位の御熱心な、また御協力いただいた検討に対し心から敬意を表して、ごあいさつとさせていただきます。
 ありがとう存じました。
#188
○委員長(北澤俊美君) 次に、都市再生特別措置法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#189
○委員長(北澤俊美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 この際、藤井君から発言を求められておりますので、これを許します。藤井俊男君。
#190
○藤井俊男君 私は、ただいま可決されました都市再生特別措置法案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    都市再生特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、現下の経済情勢等に配慮しつつ、産業構造の変化、少子高齢化等を踏まえ、長期的視点からの都市政策ビジョンを国民に明確に提示すること。
 二、都市再生本部における都市再生基本方針案の作成に当たっては、従前居住者の居住の確保を含め、都市の居住環境の向上への取組みについて、政策上明確に位置付けるよう配慮すること。
 三、都市再生緊急整備地域の指定に当たっては、大都市圏に偏ることのないように配慮するとともに、当該地域の選定理由、選定経過等について広く国民に説明するよう努めること。
 四、都市再生緊急整備地域の指定、民間都市再生事業計画の認定、都市再生特別地区の指定その他の都市計画決定等に当たっては、周辺の既成市街地の都市環境やまちづくりとの調和に配慮すること。
 五、民間都市再生事業計画の認定、都市再生緊急整備地域内の都市計画の決定等に当たっては、住民への情報公開や住民の意向反映に十分配慮すること。
 六、都市再生事業の実施に当たっては、防災、安全、福祉、文化等生活機能が重視されるよう配慮するとともに、良好な居住環境や景観等の保全に十分配慮されるよう努めること。
 七、都市再生緊急整備地域における都市再生事業の実施等に係る必要な税制上の措置について、引き続き検討すること。
 八、民間都市開発推進機構が本法第二十九条に基づいて行う無利子貸付等の業務については、その業務が適正に行われるよう指導を徹底するとともに、情報開示に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#191
○委員長(北澤俊美君) ただいまの藤井君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#192
○委員長(北澤俊美君) 多数と認めます。よって、藤井君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇国土交通大臣。
#193
○国務大臣(扇千景君) 都市再生特別措置法案につきまして、本委員会におきまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。
 今後、この審議中に各委員からの多くの御高見や、あるいはただいまのこの附帯決議におきまして提起されました都市政策ビジョンの提示、あるいは居住環境の向上に関する取組、都市再生緊急整備地区の、地域の指定に当たっての説明等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 委員長及び各委員におかれましての御指導、そして御協力に心から御礼申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。
 ありがとう存じました。
#194
○委員長(北澤俊美君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#195
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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