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2002/04/09 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第8号
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2002/04/09 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第8号

#1
第154回国会 国土交通委員会 第8号
平成十四年四月九日(火曜日)
   午前十時五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月四日
    辞任         補欠選任
     榛葉賀津也君     佐藤 雄平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北澤 俊美君
    理 事
                鈴木 政二君
                藤井 俊男君
                弘友 和夫君
                大江 康弘君
    委 員
                荒井 正吾君
                木村  仁君
                北岡 秀二君
                月原 茂皓君
                野上浩太郎君
                野沢 太三君
                松谷蒼一郎君
                森下 博之君
                森山  裕君
                吉田 博美君
                池口 修次君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                藁科 滿治君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  月原 茂皓君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       森下 博之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       警察庁交通局長  属  憲夫君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   楢崎 憲安君
       厚生労働大臣官
       房審議官     鈴木 直和君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       佐田 通明君
       社会保険庁運営
       部長       冨岡  悟君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        松永 和夫君
       国土交通省道路
       局長       大石 久和君
       国土交通省鉄道
       局長       石川 裕己君
       国土交通省自動
       車交通局長    洞   駿君
       国土交通省海事
       局長       安富 正文君
       国土交通省政策
       統括官      丸山  博君
       環境省環境管理
       局長       西尾 哲茂君
   参考人
       日本貨物鉄道株
       式会社代表取締
       役社長      伊藤 直彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○鉄道事業法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出)

    ─────────────
#2
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を開会をいたします。
 若干遅れまして、申し訳ございませんでした。
 理事会で、前回の谷林議員の質問に対する、要望に対する回答が国土交通省の方からございまして、理事間で協議をいたしました。
 内容については、それぞれ所属の理事の皆さん方からお聞きをいただきたいと思います。
    ─────────────
#3
○委員長(北澤俊美君) まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四日、榛葉賀津也君が委員を辞任され、その補欠として佐藤雄平君が選任されました。
    ─────────────
#4
○委員長(北澤俊美君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 鉄道事業法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁交通局長属憲夫君、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長楢崎憲安君、厚生労働大臣官房審議官鈴木直和君、厚生労働省労働基準局労災補償部長佐田通明君、社会保険庁運営部長冨岡悟君、資源エネルギー庁資源・燃料部長松永和夫君、国土交通省道路局長大石久和君、国土交通省鉄道局長石川裕己君、国土交通省自動車交通局長洞駿君、国土交通省海事局長安富正文君、国土交通省政策統括官丸山博君及び環境省環境管理局長西尾哲茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(北澤俊美君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 鉄道事業法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本貨物鉄道株式会社代表取締役社長伊藤直彦君を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(北澤俊美君) 鉄道事業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○荒井正吾君 自由民主党の荒井正吾でございます。
   〔委員長退席、理事藤井俊男君着席〕
 今日も質問をさせていただきますが、鉄道事業法等の一部を改正する法律案でございますが、現実には貨物鉄道事業、貨物運送取扱事業、貨物自動車運送事業の参入、あるいは運賃・料金規制、経済規制を緩和するという内容が中心になっているように思うわけでございますが、物流は多岐にわたりますので、この各法律の改正だけで、国土交通省は、物流システム全体についての統合的な考え方、あるいは今後の物流戦略などにつきましては法文上には明快には表れていない嫌いはあろうかと思います。ある面、規制緩和計画に沿って規制緩和をする、あるいは、むしろ物流は競争が行われておりますのである面では現状追認的な改正という評価もあろうかと思いますが、法改正の際でもございますので、現実の物流の世界がこの法改正によってどのように変わるのか、あるいは今後どのようにこの法改正によってしようとされているのか、今次の改正の趣旨、目的、意義を改めて分かりやすく述べていただきたいと思いますが、最初の方は法の解釈、現状等について政府参考人から中心としてお聞きいたしまして、途中、また最後の方で扇大臣始め皆さん方、所感及び御意見を伺いたいと思いますので、丸山政策統括官から御説明をお願いしたいと思います。
#10
○政府参考人(丸山博君) ただいま、今回の法改正の趣旨、目的についてお尋ねがございました。
 今回、貨物鉄道事業、貨物運送取扱事業、貨物自動車運送事業、この三本の事業の業法を改正するわけでございます。
 御承知のとおり、物流は企業活動に不可欠な原料や製品の輸送、さらに日常生活に欠かせない生活物資の輸送、宅配便など広範なサービスを担っておるところでございます。このような観点から、国民生活、経済活動を維持していく上で極めて重要な役割を果たしているという認識でございます。
 他方、近年、情報通信技術を活用いたしました多様かつ高度な物流サービスが展開されつつあると。また、我が国が現在、経済構造改革を進めておるわけでございますけれども、その経済構造改革に寄与する物流システムの効率化が求められております。貨物運送事業におきましても、自らの経営判断により機動的な事業展開を図っていくことが急務となっております。また、交通安全や環境負荷軽減といった社会的要請も高まりつつありますので、事業者はこれらの要請にもこたえていく必要があるわけでございます。
 今回の三法の改正は、このような状況の変化を踏まえまして、事業者が創意工夫を生かしながら多様なサービスの創出や迅速な事業展開ができるよう、貨物運送に係ります事業の参入規制や運賃規制等につきましては緩和を行うことによりまして競争を促進し、利用者ニーズに即した物流サービスの実現や物流業の活性化、効率化を図っていこうとするものでございます。また、輸送の安全等に関する社会的な規制や公正な競争及び利用者保護の確保のための事後チェック制度につきましては、従来にも増して充実強化を図っていこうというものでございます。
#11
○荒井正吾君 今、この三法は業法の改正だという御説明でございます。一方、物流システムは非常に大きな活動、産業活動、生活に密着した活動でございますので、しかも大きな進展がある分野でございますので、今触れられましたように、情報技術あるいは社会的要請がいろいろある。業法の改正で物流システムがいいように構築できるのかどうかというふうに考えるわけです。
 国土交通省は、ほかのいろんなインフラの政策、ほかの情報政策を待って物流システムを良くしないと、あるいは国民の生活に大変な基盤となって、システムとして基盤となって、業者が、業界だけが基盤となっているのじゃないシステムだと思うわけでございますが、全体を統括されております丸山政策統括官にもう一度お聞きいたしますが、我が国の物流の現状が望ましい水準にあるんでしょうか、あるいは今後いろいろな課題を抱えて新しい方向で力強く歩んでおられるんでしょうか。
 それと、物流の世界はいろいろ分かりにくい、法の内容もそうでございますけれども、大変分かりにくい説明になりがちでございますけれども、あるいはもう一般、通り一遍の説明になるとき、両極端でございますけれども、その中間であるような、物流を分かりやすく、今後の方向を説明していただけたら有り難いと思う次第でございます。
#12
○政府参考人(丸山博君) 我が国の物流の現状をどう考えるかと、それから国土交通省としてどういう物流システムの構築が望ましいかと、それに向けてどのような取組をしているかというお尋ねがございました。
 御指摘ございましたとおり、地球温暖化問題を始めといたします環境問題が一段と深刻化しておりますし、また、依然としまして大型トラックなどによる交通事故が発生しているという状況を踏まえますと、これらの社会的な課題に的確に対応することが非常に重要でございます。同時に、グローバル化の進展という事態に対応いたしまして、物流分野を含めて我が国の経済社会システムを国際競争力のあるものにしていかなければいけないという状況でございます。
   〔理事藤井俊男君退席、委員長着席〕
 このような観点から、政府は昨年七月に新総合物流施策大綱を閣議決定をいたしまして、関連する施策を総合的に推進しておるところでございます。目標が二つございます。一つは、コストを含めて国際的に競争力のある水準の物流市場を構築するということでございます。もう一つは、環境負荷を低減させる物流体系の構築と循環型社会への貢献、この二点でございます。
 このようなことを踏まえまして、まず国際競争力のある物流システムを構築するためには、基礎的な交通施設の重点的な整備、都市内交通の円滑化策を推進する必要がございます。特にアジア地域におきましては、香港、シンガポールなど先進的な港湾が整備されておりまして取扱量を伸ばしている、そこの中で我が国の港湾の競争力が低下しておるという状況がございます。そのような中で、我が国の港湾におきましてもハード、ソフト両面で国際港湾の機能強化を図ることが必要でございます。
 二点目の、社会的な課題に対応した物流システムを構築するという観点からは、温室効果ガス排出削減目標の達成に向けまして環境自動車の開発普及、これは単体対策と言われておるものでございますが、単体として自動車の環境負荷を少なくするという開発普及ももちろんでございますけれども、モーダルシフトを推進することによりまして大気汚染対策の充実を図る、また、循環型社会の実現のための静脈物流システムの構築、事故防止対策を始めとする物流の安全問題への対応などが重要であるというふうに認識しております。
 国土交通省といたしましては、ただいま申し上げましたような施策を総合的に強力に推進していきたいと思っております。
#13
○荒井正吾君 ありがとうございました。
 ただ、物流を分かりやすく簡潔に迫力を持ってという点では大分不満はあるんでございますけれども、貨物流通局というのが昔ありましたが、今は総括する組織もはっきりしないという中で、各局に分かれているのを取りまとめられるだけじゃなしに、主体的に物流政策を推進するということで今後ともお願いしたいわけでございますが、最後の方でもう一度お聞きいたしますが。
 次に、鉄道貨物輸送について質問させていただきたいと思います。
 鉄道貨物輸送は、環境への負荷が少ない、都市部の渋滞緩和に資するなど、我が国物流システムの中でもっと大きな地位を与えられていいんじゃないかというふうに考えております。唯一の全国規模の鉄道会社でもございます。
 戦後、トラック運送事業、高速道路が建設される中で従たる地位になったわけでございますが、国鉄改革の中でもやはり新幹線、旅客鉄道が相当主たる役割を与えられる中で、そうはっきりとしない役割のまま来ているんじゃないかという嫌いがなきにしもあらずという感じがいたします。カナダの鉄道のように、基本施設は貨物鉄道が持つ、で、旅客会社に貸すというような主たる役割を持つ鉄道貨物会社も外国にあるわけでございます。日本の鉄道貨物会社は、線路という基本的施設を他社、旅客会社にゆだねているという点で自立性が薄いという弱点もあるわけでございますが、国鉄改革を経られて十数年たって、鉄道貨物会社の今後の立場は大丈夫なんでしょうか。
 数年前検討されましたJR貨物の完全民営化に関する基本問題懇談会についても、アボイダブルコストによる線路使用料あるいは基本的なフレームというのを守るということでございましたが、その後、鉄道会社に対します国鉄改革の基本に沿って今後の発展をどのように期待していいのかどうか、お答えしていただきたいと思います。
#14
○政府参考人(石川裕己君) 鉄道貨物の問題でございますけれども、今御指摘があったように、近年の環境問題あるいは道路混雑問題等々から考えますと、環境面やエネルギー効率の面で優れた大量輸送機関でございます鉄道貨物輸送、この役割は重要であると考えております。
 今御指摘のように、JR貨物の今後の問題につきまして、平成九年六月にJR貨物の完全民営化のための基本問題懇談会というのが開催されまして、そこで幅広い御議論をされてございます。この中で、このような鉄道貨物輸送の意義を含めまして、JR貨物の経営を取り巻く諸条件の在り方、経営改善の推進方法等について基本的な方向が幅広く取りまとめられておりまして、この意見の内容の実施に努めてきたつもりでございます。
 今御指摘のありました例えばJR貨物の線路使用料の在り方、これにつきましても懇談会意見ではあのアボイダブルコストルールを基本とすべきだという提言がございました。これを受けまして、昨年のJR会社法改正に当たりまして、完全民営化された会社が配慮すべき事項に関する指針というものにおいて、アボイダブルコストルールの維持を規定したところでもございます。また一方で、整備新幹線に伴う貨物ルートの確保ということにつきましてもいわゆる調整措置というものを講ずるようにしたものでございます。
 一方で、JR貨物の経営改善ということにつきまして、この懇談会意見でも大分議論がございまして、新フレイト21の計画の最終年度である平成十三年度において経常利益七十六億円というものを目標とされたわけでございますが、残念ながらJR貨物は平成十二年度まで八期連続赤字というようなところになってございます。平成十三年度においてその新フレイト21の計画目標を達成する段階にはなっておりません。しかしながら、JR貨物では十四年度から新たな計画に基づいて徹底したコストダウンや輸送体系の再構築による抜本的な経営改善に取り組んでいるところでございます。
 さらに、国土交通省といたしましても、この懇談会意見でも指摘がございました武蔵野線、京葉線の貨物走行対応化事業による輸送ルートの短絡化、こういうものについての補助事業を行ったというようなこと等の支援措置を講じているところでございます。
#15
○荒井正吾君 先日、この委員会で議論されました新幹線の引当金制度の手厚さに比べますと、鉄道貨物運送事業に対する国土交通省のバックアップというのは、一緒に比べるのも変かもしれませんが、もう少し、大変大事な、物流の中で大事な基本的なシステムのように思います。鉄道貨物施設についての更なる支援、あるいは位置付けを力強くしていただきたいというふうに思うわけでございますが。
 先ほど触れました面でもございますが、旅客会社から基本施設を借りているという点で自立性に不十分だと。特に鉄道線路に事故や災害が起こったときに復旧が、旅客会社に任す。あるいは、今後新幹線ができますと、東北ルートでそうでございますけれども、並行在来線が第三セクターになる。第三セクターはやはり経営力、不十分な場合が多いわけでございますが、その復旧の在り方についてやはり懸念があろうかと思います。貨物はやっぱり全線うまく通らないと貨物運送全体がストップするというようなシステムでございますので、その点、十分な対応、措置が必要かと思うわけでございますが、その点、いかがでございましょうか。
#16
○政府参考人(石川裕己君) 御指摘のとおり、貨物鉄道は基本的に旅客の線路を借りて営業しているわけでございますので、災害において線路が被災をするといった場合にどうするかという問題だろうと思います。
 基本的には、災害が起こった場合に線路を保有する旅客鉄道会社、これは自らの旅客輸送にももちろん影響があるわけでございますから、自らの、線路を保有する旅客鉄道会社が自らの旅客輸送を早期に回復するという目的も当然ございます。あわせて、貨物輸送の一刻も早い回復ということを図るためにその鉄道会社が早期復旧に努めているところでございまして、これは並行在来線における第三セクターの場合も同様に早期復旧が図られるものと考えております。
 ただ、これに要する費用につきましては、いろいろな御議論があろうかと思いますけれども、まず第一に鉄道事業者自らは実は民間の保険に加入してございます。そういう意味で、民間の保険に加入して予期せぬ支出に備えているということがございます。あわせて、国といたしましても、鉄道軌道整備法に基づきまして、経営の厳しい鉄道事業者に対しましては鉄道災害復旧事業費補助により支援を行ってきているところでございます。
 今後とも、災害が発生した場合には、このような事業補助も活用しつつ、個々の災害の実情に即して適切な支援を行ってまいりたいと考えております。
#17
○荒井正吾君 国鉄改革の趣旨あるいは今行われております公的な事業の民営化という中で、経営は民営化あるいは自主的判断で行うにしろ、インフラあるいは施設については全部自分でやれることは少ない面があろうかと思います。特に地域で立地上大きな空間を占めている鉄道などにつきましては、全部私有財産として扱うと、補助なんかも、株主のいる私的な会社に補助をするというのはある面限界があるんじゃないかと思いますが、経営とその所有、財産関係を整理して、財産関係については公的な関与あるいは公的な役割をもう少し与えるという、ある意味での上下分離、あるいは経営と資産のシステム管理の考え方を分離していくというのがその民営化の際には必要になるんじゃないかと思いますが、その点はまた別の機会で議論させていただきたいと思います。
 鉄道について引き続き質問させていただきますが、昔、政友会と憲政会が鉄道の整備方策について大きな政党を挙げて争ったことがございます。そのときには建主改従と改主建従という言葉で争われたわけでございますが、建というのは建設を、新設を主とする、改良を従とする。あるいは、改良を主とする、建設を従とする。で、建設を主とする多分政友会が政権を取って、その後新線建設に邁進したというような歴史があるわけでございます。
 交通インフラにつきましては、鉄道は特にそうでございますが、二万キロを作って相当のレベルで整備されてきておるわけでございますが、これから新線を作るという面も大事なところはあろうかと思いますけれども、既存のインフラをもっと上手に使う技術の開発というのがより重要になってきているんじゃないかと。リフォームの時代と。インフラのリフォームあるいは使い勝手を良くするという工夫が要るかと思います。
 その点で、この法の二十二条二項に今度記載されます「乗継円滑化措置等」というのは考え方によっては更に大きく焦点を当てていただきたいというふうに思うわけでございまして、乗継ぎ円滑化措置は貨物の面、旅客の面、あるいはハードの面、ソフトの面があるわけでございますが、バリアフリーのように施設の円滑化、乗継ぎ円滑化というだけじゃなしに、ソフトの面、あるいは旅客、貨物それぞれの特徴に合った乗継ぎ円滑化というふうに検討していただきたいというわけでございますが、その点で特に貨物につきましては、自動車というのは必ず末端にしろ入るわけでございますので、鉄道の場合、乗継ぎ施設というのが、あるいはターミナル、それが鉄道のターミナル、自動車のターミナルというのじゃなしに、複合のモードを結節するターミナルというのが大変重要であろうかと思います。
 また、ソフト面でいろいろ、旅客の方ではノンタッチでゲート、ラッチを通るシステムが開発されているわけでございますし、また、この委員会でもETCについて弘友議員始めほかの先生も御質問がありましたが、ETCシステムをもっと利用しやすくする。ETCシステムは、高速道路だけでなくて、町で使うとTDMのような環境対応車だけを入れるとか道をストップするような技術にも発展する、あるいは時間帯の料金を徴収可能にするとかというふうに発展的なシステムであろうかと思います。
 ただ、このようなシステムは、ソフト、乗継ぎ施設、あるいはICのような、ITのようなものは各事業者に任せておくとそれぞれの施設の中でしか完結しないシステムになりがちでございます。他の事業者のシステムあるいは他のモードにまたがるシステムを作るには何かの公的な介入、協議、あるいは支援というものが必要だと思うわけでございますが、今まではいろんな業法の改正ということでもありますが、事業者がこうします、これをちょっと補助しますというような姿勢のように思うわけでございますけれども、もっと包括的に円滑化というものを正面から取り組むような法的なスキームとか支援措置が必要だと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
#18
○政府参考人(石川裕己君) ただいま委員の方から、乗継ぎ円滑化あるいは引継ぎ円滑化について、ハード面あるいはソフト面からの対応、これを積極的にやるべきではないかという御質問があったと思います。
 貨物の引継ぎ円滑化ということについて、鉄道貨物とトラック、これの貨物の引継ぎ円滑化ということでございますが、やはり私どもといたしましても、この問題というのは極めて重要であろうと考えております。
 具体的には、例えば貨車の入替え後に荷役を行う従来型の荷役方式に替えまして、本線に隣接したコンテナホームを設置いたしまして、列車到着後、貨物の入替え作業をやらないで速やかに荷役が行える着発線荷役方式というものがございます。こういうものを中心として、トラック輸送や海上輸送との結節点となるような鉄道貨物駅を対象とする貨物拠点整備事業というものを推進しているところでございまして、本事業によりまして、本年三月には、着発線荷役方式や海上コンテナの取扱い機能を備えた北九州貨物ターミナル駅というものが開業したところでございます。
 また、交通結節点改善事業といたしまして、平成十四年度から貨物ターミナルとアクセス道路の一体的な整備というものが追加されまして、米原貨物駅が採択され、事業が進められるところでございます。
 今後とも、鉄道貨物輸送の現状やニーズを踏まえつつ、鉄道と自動車との円滑な連携というのを図るための諸施策に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、ソフト面におきまして、ICカードあるいは新しい技術の活用というお話がございました。
 現在はICチップをカードに組み込んだICカードというものがございまして、従来の磁気カードと比較いたしまして大きな記憶容量を持っている、あるいはデータのセキュリティーが高いということから、広い分野における様々なサービスの提供が期待されておりまして、御案内のとおり、現在JR東日本のSuicaなどが使われておりまして、Suicaは発行枚数二百万枚を超えるということで、そういうようなものが一部の鉄道事業者において既に導入されております。こういうものにつきまして、他の鉄道事業者やバス事業者というものに対しましても順次普及が図られるということに対しましてどうしたらいいんだろうかということがございます。
 そういう意味で、私どもとしても、ICカード共通化連絡会というふうなものもございます。こういうようなものを活用いたしまして、異なる交通モード間での連携を深めたこのようなソフト面での乗継ぎ円滑化というものに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#19
○荒井正吾君 こういう各モードをうまく利用するというのは、今、鉄道局長がお答えになったわけでございます。鉄道だけの話じゃなしに、全体の交通システムのそのソフトの面にかかわるものでございますので、あるいは横割りの組織とか、そのようなものを正面切って日ごろ考えている組織というのは要るように思うわけでございますが、多分そのようなまだ組織とか取組が不十分じゃないかと思うわけでございますけれども、その点、最後に総括して大臣に正面切った取組をお願いし、また所感を伺いたいと思うわけでございますが、その同じ趣旨の円滑化の質問でございますけれども、円滑化措置は、結節点の整備だけじゃなしに、車両自身が円滑化を推進するという面があろうかと思います。
 先日、当委員会で、弘友議員始め御質問ありましたフリーゲージトレーン、標準軌と狭軌をまたがる車両の開発というようなことが大きな意味があるわけでございますが、例えば、青函トンネルは自動車が鉄道に乗って通るということは今できないわけでございますが、ドーバートンネルは自動車を、あるいはトラックを鉄道に乗せて通過する、そうした物量輸送に海底トンネルが使われるということになっている。どういうことでその違いが出るんだろうか。
 あるいは各地で、紀淡海峡、豊予海峡などで道路を地下に入れるというプロジェクトの検討が、研究が進められている一方、あるいは鉄道は道路の上を走れないわけでございますが、鉄道を造って自動車を乗せるという技術があれば、鉄道、道路兼用の一つのトンネルが可能になるという面もあるわけでございますが、青函トンネルで貨物が、自動車が乗せられない。燃料タンクだとかありますが、ほかの国であっても、鉄道は鉄道、道路は道路じゃなしに、併用、兼用あるいは補完というシステムをもっと車両の面でも改善の余地があるように思うわけでございます。
 今のような話でございますとか、あるいはレールとバスが、レールの上を走っていて道に降りたらそのままバスになると、乗換えなしでお客さん本位の車両。あるいは、リニアができますと、リニアとレールというのは相性が合わないので、またリニアも全国リニア幹線鉄道整備法を作らなきゃ不満が出るとか、それじゃ幾ら作っても、新しいシステムはゼロから一〇〇まで作らないかぬ。
 既存の施設との結節をシステム的にできるには併用車両の開発ということが必要のように思うわけでございますけれども、そういう意味で、箱物、車両の開発というものを全体的にどのように考えておられるのかをお聞きしたいと思います。
#20
○政府参考人(石川裕己君) ただいま御質問がありましたように、私どもといたしましても、乗換えというものは非常に旅客抵抗、旅客から見た場合に抵抗感の大きいものだと考えております。したがいまして、できるだけ乗換えの数を減らす、そのためには様々な工夫が必要だろうと思っております。
 そういう意味で、軌間の異なる鉄道の間、あるいは鉄道と道路というふうな異なったシステム間、こういうものを乗り換えることなく自由に行き来ができるという技術開発というものについて従来から取り組んできたと思いますし、重要なものだと考えております。
 例えば、平成四年には山形ミニ新幹線というのが開業いたしました。これは在来線の軌間を新幹線のゲージに合わせて拡大をするということで新幹線の直通運転化を実現したものでございまして、この結果は、東京―山形間では四十二分の時間短縮、あるいは利用客は福島―米沢間で四一%増加すると極めて大きな成果を収めておりますが、これはいわゆるインフラの部分を直したわけでございますので、今御指摘のように、車両面の技術開発ということで、工事費を最小限に抑えながら利用者利便を確保という方策として今御指摘のようなフリーゲージトレーンというものがあろうかと思っております。これにつきましては、現在、技術開発を鋭意進めているところでございます。現在、在来線で走行実験というのをやってございますし、今後、第二次試験車両の開発などの技術開発を推進をしてまいりたいと考えております。
 また、レールと道路双方を走行可能な交通システムというものにつきましては従来から様々な開発が進められてきておりますが、なかなか実用化するものが余り、少ないわけでございますが、現時点では、一般道路の上をバスとして、通常の場合は専用軌道上交通システムのように鉄道として走行して、一般の道路上をバスとして走行できるいわゆるガイドウエーバスというのが名古屋に実用化されております。あるいは、貨物輸送の分野におきましては、トラックの荷台をそのまま貨物列車に載せることのできるスワップボディーというものの技術開発が終えて、JR貨物と日本通運において実用化されてございますけれども、なお更に御指摘のような様々な観点からの技術開発というものを進めてまいりたいと考えております。
#21
○荒井正吾君 鉄道の基本的な考え方は維持しつつ新しいやり方に取り組んでいただきたいという趣旨でございますけれども、鉄道は古いシステム設計であるという面もありますので、非常に改善が遅れている面もあろうかと思います。
 その一つ、二つをちょっと御質問したいと思いますが、一つは遮断機、鉄道、まあ踏切でございますけれども、遮断機が開いている踏切でも日本はいったん停止ということになっておりますが、世界の中で遮断機が開いている踏切でいったん停止する国は日本と韓国だけなわけでございます。ほかの国は全部注意をして通れというような程度であるわけで、なぜ日本と韓国だけが止まり、聞き、見て、通れというふうになっているのか。よく聞き、見て、通れと、止まれというのは外してもいい踏切が、一日に一本、二本の踏切でも守ろうと思ったら大変厳しい規則になっている、警察の話であろうかと思うわけでございますが。
 鉄道の方も、踏切はできるだけ人に通ってもらいたくないという、自分の敷地を通るなという思想がやはり強くあるように感じることもあるわけでございます。そのような踏切の中に入る人は、遵守している人は四人に一人しかいないと。四人に三人はとにかく列車が来なきゃ通っちゃうというようなことでございます。大変合理的かと。
 それから、事故が起こる場合は、無理に突っ込みをする、遮断機が閉まっているのに突っ込むという人が多かったり、あるいは止まらなければ、交通渋滞の影響とか省エネの影響とか、プラスの面も多いわけでございます、仲間の中で他の議員と研究会もしておるわけでございますけれども。
 そのような点についての鉄道サイドの考え方と、もう一つは、鉄道の方、まあ道路の方もそうなんですけれども、インフラの、自分の空間、敷地の上は全部自分で使っちゃう。線路の上は割と何も使わないことが多い。道路の上も使わないんですけれども、大深度地下利用法というのができたら、もう下の方はみんなで使おうじゃないかというようなふうに、空間の利用を公共的に使うという話が進んでいる。上空の方ももう少しそういうことができないか、鉄道の上空をもう少し公共のために使えないかということについて、鉄道サイドだけじゃないんですけれども、河川、道路等インフラの、これは組織のものじゃなしに国民全部のものだとも思うわけでございますけれども、どうも上が使いにくい。道路と河川、鉄道が寄っているところの上空を使えばいい都市空間ができるという面が、パブリックスペースが確保できると思うわけでございます。
 その二点についての鉄道側の考え方をお聞きしたいと思います。
#22
○政府参考人(石川裕己君) 最初に踏切での一時停止の御質問でございますが、道路交通の円滑化などの観点から、踏切の一時停止義務というものをすべての踏切について課す必要があるのか、特に列車本数が少ない踏切についてすべて一時停止義務を課す必要があるのかという今の御指摘、御議論でございますが、そういう議論があることは私ども鉄道局としても実は十分承知してございます。
 ただ一方で、鉄道は自動車と比べまして制動距離が長うございます。急にはなかなか止まれません。他方、やはり自動車の一時停止義務を解除した場合には、やっぱり踏切の中に突っ込んでいく、あるいは自動車が踏切の中に閉じ込められてしまう、とりこという現象が増加をいたしまして事故の危険性が高まるということが予想されます。そういう意味で、更に現行の保安システムの信頼性をどうやってより高めるかというふうな問題もございます。
 また、ちなみに、一時停止の遵守率が低い県ほど踏切事故件数が多い傾向があるというふうな調査結果も一部にはございます。
 したがいまして、いったん停止義務を解除するためには、やはり踏切での安全性というものについて十分検証する必要がございます。自動車の安全性、自動車の交通の円滑化、鉄道の安全性、鉄道の安定輸送と、こういう両方の要請をどういうふうに調和を取るかということが大事だろうと思っております。
 そういう意味で、私どもとしても、踏切信号機の設置による一時停止の解除というものについて昨年度より関係機関とも連携いたしまして検討を進めているところでございまして、講ずるべき安全対策等について、ハード、ソフト両面から検討を進めているところでございます。
 さらに、御質問の鉄道の上空の利用の件でございますが、これにつきましては、鉄道の上空の利用ということになりますと、鉄道を経営しながらの工事となるなどの工事施行の制約上、建設コストが高くなるというふうな問題もございます。こういうようなことが上空利用の進まない理由の一つかとも思われますけれども、安全で安定的な鉄道輸送の確保等に支障がなければ上空の利用というものは可能だろうと思っております。
 御案内のとおり、鉄道の上空利用の例といたしましては、鉄道の駅の上部にターミナルビルもございます。あるいは鉄道の車両の基地の上部に住宅や公園を整備したものもございます。また、鉄道の上空の未利用の容積率を活用して周辺のビルの開発に努めるというふうな手法もございます。
 いずれにいたしましても、駅という、あるいは鉄道の上空という貴重な空間をどのように活用していくかということにつきましては、今の御指摘のような点も含めまして、私どもとしても引き続き工夫、検討してまいりたいと考えております。
#23
○荒井正吾君 鉄道上空の利用につきましては、本委員会で先日、都市計画関係の法案が審議されましたときに、都市計画に提言ができるという新しい制度を導入されました。鉄道事業者も、上空も含めて都市計画の中の一つの空間だという意識を行政も事業者も持っていただきたいと思うんですが、今までは鉄道施設は都市計画から排除する、白地にするということで運輸省は随分努力されてきた。その考えをもう全然逆の方へ回っていただきたいというふうに思いますし、また、そういうふうにいっているかどうかをチェックしていきたいというふうに思うわけでございます。
 また、踏切について今のような御答弁でございますけれども、先日、先週、テレビである踏切のことを放映されており、登戸駅であったかと思いますが、開かずの踏切で、ほとんどというか一時間ほど開かないんですけれども、みんな開かないけれども通過されている。なぜ通過されているかということは、登戸駅で停車する電車がある、その電車が暴走するといけないから踏切を開けないというJR東日本の担当者の答弁なんですけれども、ちょっと変だと思いましたですね。電車が暴走する可能性があるから踏切を開けないというなら、歯止め、車輪止めをレールの上にやっておいてほしい、列車の方に踏切をしてほしいというふうに思うわけでございますけれども、これは個別事案でございますので、ひとつ御存じなければ調査していただきたいというふうに思うわけでございます。
 次に、貨物利用運送事業法の改正について伺いたいと思いますが、利用運送という言葉ほか、いろいろ理解がなかなか難しい言葉がございます。
 長年役所にいても、まだ理解しないまま退官してしまったように思うわけで、こういうところで御質問するのも変なことかとも思うわけでございますけれども、本当に、知って質問するんじゃなしに知らないで質問するということでございますが、利用運送というのはどういう言葉であり、あるいは運送取次業、あるいは今度の法改正は何が変わるんだろうかということが正直言ってよく分からないまま質問するということでございますが、どのような意義があるのか。法規制の意味、あるいはこの改正が物流の市場に与える意味、どのような法改正の効果を期待されているのかということを総括して御説明をしていただければ感謝申し上げますけれども。
#24
○政府参考人(丸山博君) 貨物運送取扱の中で利用運送と運送取次、どのような事業であり、またどのような意義を有しているのかという御質問でございました。
 まず、利用運送についてでございますが、利用運送というのは、基本的に、荷主から貨物の運送を請け負いまして、それを自らは運送を行わずに鉄道事業者でございますとか航空事業者に運送を行わせるというものが利用運送でございます。
 さらに、利用運送が一種と二種に分かれておりまして、一種と二種の違いは、駅、港、空港などまでの集荷や配達を行うかどうかでございます。行わないものが一種、行うものが二種の利用運送というふうな整理になっております。
 先ほど申し上げましたように、いずれの場合も利用運送は荷主に対して運送責任は自ら負うということでございます。そのことによりまして、自分の知識、経験を生かしまして最も荷主にふさわしい実運送人を選択するということによりまして、荷主にとりましては運送手段の選択のコストの軽減というメリットをもたらすという経済的な効果を有しているというふうに考えております。また、実運送人にとりましても、利用運送人が多数の荷主の貨物を集めてきてくれるということで、実運送人も効率的な安定的な貨物を確保できるというメリットがございます。このようなことから、例えば鉄道貨物運送につきましてはほぼ一〇〇%、航空貨物運送につきましても八〇%が利用運送事業者を経由して輸送されております。
 また、それ以外のトラックや海運などにおきましても、企業の物流にかかわります業務のアウトソーシングというものが進展しております中で、利用運送事業者の役割はますます大きくなっていくのではないかというふうに思っております。
 これに対しまして運送取次事業でございますが、運送取次事業は、運送事業者の行います貨物の運送の取次ぎ、それから荷物の受取を行う事業でございます。
 運送取次ぎと利用運送の一番の違いは、荷主に対しまして運送責任を負うか負わないかということでございまして、運送取次ぎは荷主に対しまして責任を負わないというところが大きい違いでございます。したがいまして、運送取次ぎで例えば貨物の破損や延着などのトラブルが生じたといたしますと、その場合には、荷主が運送事業者と対応を行う必要が出てくるということでございます。したがいまして、利用運送に比べますと荷主の利用は少なく、貨物流通に果たす機能も利用運送に比べますと取次ぎは限られているというふうに評価をできるかと思います。
 ただ、取次ぎにつきましても、荷主のニーズにこたえまして適切な運送人を選んであげるということで、貨物の円滑な流通に貢献をしているという評価ができるかと思います。また、最近ではIT技術の急速な進展によりまして、インターネットを活用した取次ぎ、情報提供という新たなサービスも成長してきておるところでございます。
#25
○荒井正吾君 意味は大分理解が進みましたが、こういう貴重な委員会の時間を使って基本的なことを質問して大変恐縮だと思いますが、まだどういう法改正の意味があるかについてちょっと理解が進まない点もありますが、また機会を得て、自分で勉強したいと思います。
 次は、トラック事業について伺いたいと思いますが、トラック事業は大変重要な産業、大きな産業でございます。営業収入十一兆円、シェアも五割を超える大変大きな産業でございますが、事業も、路線事業あるいは区域事業、大企業、システム事業あるいは中小の下請事業、いろいろバラエティーがあるように思います。
 今回は、その営業区域の撤廃という、事業、業法としては大変大きな改正のように思うわけでございますが、この業法の、競争促進あるいは規制緩和というような業法の中では十分表面表れていないわけでございますが、トラック事業自体、各地でいろんな経営問題あるいは事故問題、環境問題を抱えているわけでございます。この際、今後のトラック事業の在り方について戦略的な行政側の考え方、その実現のための具体的な支援措置について伺いたいと思います。
#26
○政府参考人(洞駿君) お答え申し上げます。
 今後のトラック行政に関する戦略的な視点からの具体的な対応と支援措置についてということでございます。
 簡単に説明するのはなかなか難しいんでございますけれども、まず基本的な認識としまして、今回のトラック行政における基本的な戦略というのは、物流二法が施行されて十年がたつわけですけれども、トラックの事業の分野というのは非常に競争的な状況になってきております。そういう中で、時代に合わなくなった規制とか、あるいは事業者の活力等を阻害するような経済的な規制はできるだけ見直して整理をするということと同時に、社会的な要請とか、あるいはトラック事業に求められる最低限のルールといったものを守る、守らせた適正な競争による活力ある市場を実現するということが大きく言ってトラック行政に課せられた大きな問題なのかな、課題なのかなと思っております。
 そのために、第一点目は、すべての事業者の競争条件を公正にすることが重要であって、安全とかあるいは環境等、基本的なルールを守れない事業者をしっかり取り締まっていくと。また、一方で、市場原理のみ、競争のみに任せていては達成できない同じく安全あるいは環境といった、そういう分野については行政は積極的に手を差し伸べていって、必要な支援措置あるいは誘導措置等を行っていくと。
 それから、やはりトラック事業は九九%中小企業でございますけれども、中小企業だからといって決して能力がないとかあるいは経営が非常に苦しい状況にあるというわけではなくて、やる気のある事業者、能力のある事業者は一杯いるわけでございますから、そういう中小事業者、中小企業事業者が現代の物流革新とか、あるいはIT化を活用した物流の近代化等に取り組むような、そういう中小企業が明日の大企業に成長するような、そういった環境といいますか、そういった努力について行政も支援、育成していくというような、そういう観点から様々な施策を展開していくということになるんではなかろうかと思います。
 そういう意味では、今回の法律の改正案出しておりますけれども、まずは規制緩和ということで営業区域であるとか運賃・料金のところを見直しをする一方で、片一方で、やはりこれは関係者が一様に望んでいるんですけれども、競争する土俵の、競争する条件を、要するに悪いことをして、基本的なルールを守らないで、それで例えば非常に輸送秩序を乱す、あるいは運賃等において、非常に安い運賃を提供する等々によって業界全体のレベルというのをどんどん下げていくような、そういった悪質な事業者を監視するための事後チェック体制をきちっと取るとか、あるいは安全対策について元請、下請との責任関係の明確化とか、あるいは運行管理体制の強化である等、安全対策の強化を図っていく。
 また、環境対策等につきましては、昨今の環境問題、非常にいろんな要請にトラック事業者はこたえていかなきゃいけない、また負担も掛かるというようなことでございまして、これに対する様々な税制、それから融資、補助等々のいろんな助成措置というのも一方に進めていかなきゃいけない。
 また、やる気と能力のある中小企業の経営者の、そういうものを支援するための様々な投資促進税制であるとか、あるいはITを活用したいろんな運行管理、あるいは貨物を確保するあっせんシステムの共同開発であるとか、そういったハード、ソフト面にわたるいろんな支援措置等々を講じていかなければならないだろうと基本的に、今ちょっと非常に大ざっぱで恐縮でございますけれども、考えているところでございます。
#27
○荒井正吾君 なかなか大変な難しい課題のようにお見受けいたしますが、よろしくお願いいたします。
 大臣に最後聞きたいものでございますから、ちょっとまとめてまず自動車局長にトラック事業の現場の話を三点聞きたいと思いますが、営業区域規制を廃止した後にどのように市場が変化するのか、事業者の経営が圧迫されるという心配がないだろうかという点と、それから市場の価格は適正な価格に形成されるかどうかという点。何かなかなか難しい、どの分野でも難しいわけでございますけれども、安定した適正な価格形成についての何か良いアイデアはないんだろうか。それから三点目は、いわゆる白ナンバートラックの安全輸送、事業の健全性の観点からどのような行政の姿勢、考えを取られているのか、その三点を簡単にお答え願いたいと思います。
#28
○政府参考人(洞駿君) お答え申し上げます。
 第一点目の、営業区域規制の撤廃によって市場にどのような変化があると考えているかということでございます。
 実際は、実態から申し上げますと営業区域というのがございますが、これは需給調整規制とは全然全く関係ないあれでございますから、自分の営業区域の外に出ていっていろいろやろうとすれば、営業所等々を設置して事業の実態に応じて営業区域を大きくもできれば小さくもできるわけでございます。そういう中で、外々の、営業区域外の輸送というのは実際は非常に少のうございます。たまにあるというのが多いと思いますし、それから今の実態は、やはりそれぞれ事業者は得意分野というのは持っておりますから、要するに全国を掛けて輸送する分野の事業者もいれば、自分の圏内の得意のエリアを持って、もしそれを越える輸送の依頼があれば、ほかの事業者と提携をして輸送分担してやっていくと。長い目で見れば、そういうふうな営業の方が安定的にきちっと経営できるというふうに思っております。
 それから片一方で、市場の活性化という観点から見ますと、今、ネット市場における求車求貨システムとか帰り荷あっせんシステムの広がりというようなこともございまして、営業区域外のたまに輸送があったとしても、そこが、営業区域というものが規制があるがためになかなか思うように貨物が運べないというような面も厳密に言うと出てくるわけでございまして、あれやこれや考えますと、営業区域を持つ意味というのはだんだんだんだん、商売上からいうとだんだん薄れてきているんではなかろうかという認識でおります。そういう意味で、営業区域が今度撤廃されても、大きく事業環境といいますか、市場の環境が変わるということは余り考えにくいかなと思っています。
 それから二点目の、適正な市場価格というもの、いいアイデアはないかという御指摘でございますけれども、運賃・料金はやっぱり基本的には荷主とトラック事業者の契約に基づいて市場原理によって決定されるべきものでございまして、市場が決めるというのが原則でございます。ただ、その運賃・料金の水準というのは、先ほど申しましたとおり、安全や環境等の社会的ルールを守った上での適正な競争により形成されなければならないと考えておりまして、そういう意味では、最近では、一部の事業者等がそういう安全とかそういう環境とか、そういうものを無視した低価格競争に走る余り、事故とか過労運転等々いろんな問題が出てきているという面もございます。
 そういう意味で、こういうふうな不正な競争といいますか、そういったものをきちっと取り締まって、それによって、逆に言うと適正な運賃の形成を促していくというような、そういう手法が必要ではなかろうかと思うんです。そういう意味で、我々は運賃形成するに当たって、単にトラック事業者のみならず荷主も含めた関係者のそういうことに対する理解というものをいろいろこれまでやってきているということでございます。
 それからまた、いいアイデアかどうかということでございますけれども、やはり運賃に占める安全や環境等のための社会的コストを分析して明示してやって、トラック事業者と荷主等が交渉する場合の価格、相対の交渉になるわけでございますけれども、そういうところの一助にもなるような、そういうアイデアの提供等というものなどが考えられるかなと考えているところでございます。
 それから、白ナンバートラックにつきましては、白ナンバーのいわゆる営業類似行為につきましては、トラック事業全体の健全な発展を阻害して、ひいては産業活動、国民生活に対しても悪影響を及ぼすということになるものですから、国土交通省としましても、関係省庁や適正化事業実施機関との連携を図りながら、こういう行為の摘発、処分を積極的に行いつつ、許可の取得に向けた指導を強化してまいりたいというのが従来のスタンスでございますけれども、やっぱりこういうふうに非常に厳しい経営環境の下で、あるいは物流革新の下で、白というのは非常に非効率であります。だから、白を営業している人にとってもこれはなかなか容易なことではなかろうかと思います。
 ですから、徐々に白から青への転換というのは進みつつありますけれども、今後のいろんな環境問題とかいろんな施策を考えるに当たっては、やはりその辺のところの、今でも営自の格差を付けるために税制とかいろんな面で差を付けておりますけれども、ほかの、他の分野についても、そういうふうな格差というものを付けることによってそういう営自転換を促進していくという、そういう方向でいろいろ知恵を出していくのかなと考えています。
#29
○荒井正吾君 最後に大臣にお伺いしたいと思うわけでございますが、今まで質問いたしましたのは、一つは、物流というのをまとめて省として正面切って今後とも取り組んでいただきたいと。物流、大事な事業でございますので、物流組織とか物流基本法というものを今後考えていただきたいというような面と、それから、各輸送機関の利用の仕方の技術、ITにしろ利用の仕方、車両にしろ利用の仕方の技術の開発、あるいは結節技術の開発というものをまとめて、それぞれの分野で工夫するというだけじゃなしにまとめて取り組んでいただきたい。
 あるいは公共空間をよりよく利用する方策を、今までの局際、省際と言われているものをまとめて正面切ってやっていただきたいというようなことが中心でございますが、従来の申請、認可というような申請主義の下ではなかなか難しい話でございますが、そのようなことを物流の分野でお願いしたいということを質問させていただいたわけでございますので、物流問題についての総括的な所感と御意見をお伺いしたいのと、最後に、物流以外でございますけれども、今の経済情勢の中では旅行の振興というのが大変経済の活性化、地域の雇用の創出に重要な役割を果たすものと思われるわけでございますけれども、旅行の促進、あるいは休暇取得の促進、あるいは税制、あるいは魅力あるまちづくりというようなことについての立法、取組ということを、物流の中での違う分野での御意見でございますが、その二点について最後に伺って質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#30
○国務大臣(扇千景君) 今、るる日本の交通体系について御質疑があったわけでございますけれども、物流ということに関しましては、私は今まで、荒井議員が御存じのとおり、旧運輸省、旧建設省と両方に縦割りに分かれたために、例えば踏切一つ、結節点に、あるいは高架にしようといっても、鉄道は運輸省、そしてそれに伴って道路幅を広くするのは建設省と、すべてが縦割りになっておりましたからそういうものが遅れてきたということは否めません。
 また、物流コスト一つ取ってみても世界に伍していけないという現実がございます。例えば、いつも私例を挙げるんですけれども、一番分かりやすいのは、百キロのものを岩手から横浜まで送りますのに、高速道路で百キロのものを送りましたら千四百九十円掛かります。それが、同じ百キロを横浜から北米まで船で送りましたらこれ千百円です。これでは日本の物流というものが世界に伍していけないという実例でございます。
 そういうものも、やっぱり船の港とそして空港と高速道路と駅と、この結節がうまくいっていないからコストが高いんです。ですから、やっぱり港から降ろして、そしてすぐ検査を受けて、そして高速道路に十分以内に乗って運ぶ、あるいは空港を近くにする。欧米先進国では十分以内というのがほとんど九六%達成できています。ところが、日本の場合はそれがまだ半分にも達成していないという、これも国土交通省になって、運輸、建設等々が一つになったから今後できるということで、少なくとも、荒井議員も旧運輸省でいらっしゃいますからそういうことは実感を持ってお感じになっていると思いますので、そういうことを国土交通省として対処していきたいと思っております。
 それから、最後に観光のことをお話しになりました。
 二十一世紀、第三次産業の主幹産業として観光は私は重要視されると思います。例えば、隣の韓国仁川という空港、四千メートル級の滑走路二本オープンしました。韓国の首脳部に伺いましたら、二〇〇五年に扇さん、四千メートル級もう二本増やすよと。四本になる。四千メートル級四本にしてどうするんですかと言ったら、韓国は、一年間に一億人の観光客を迎えるために整備をすると。このこと一つ取ってみても、私は、大変日本が、国土交通省としてそのことに関しては敢然と私は整備をしていかなければならない。
 例えば、旅行関係消費率、関係の皆さん方、旅行関係では二十二兆六千億円使っております。また、経済波及効果としては五十三兆八千億、雇用効果は四百二十二万二千人というこの観光に対する効果というものはあらゆるところに出てまいりますので、今後、これを促進していくあらゆる手だてを取っていきたい。
 また、一言言わせていただきますと、ワールドカップサッカー、間もなく近づいてまいりました。日韓共催という初めての行事、しかもアジアで初めてのワールドカップサッカーでございますので、この際、ワールドカップサッカーに関してはあらゆる皆様方に、四十三万人ぐらいがお越しになりますから、そういう意味でサービスをしようということで、国土交通省、できる限りの割引対応をさせていただきたいと思っております。
 ちなみに、一、二例を挙げさせていただきますと、ワールドカップサッカーで特別に外国人旅行者に向けて、飛行機に乗って日本に到着された方は日本じゅうどこへいらしても六千三百円、東京から鹿児島へ飛んでも六千三百円、北海道へいらしても六千三百円、一律料金にいたします。
 鉄道については、二万円程度になりますけれども、これを、パスを一枚買っていただきますと、五日間日本じゅうどこへ乗っていただいてもすべてJRただで、ただじゃない、二万円弱で五日間乗り放題でございます。そして、埼玉と鹿嶋、横浜、そして成田空港と東京都内、この関東エリアでサッカーを行います場合は六千円でチケットを、カードを買っていただきますと、五日間このエリアはこれも乗り放題でございます。東京圏共通パスを発行いたします。
 船に関しましては、博多と釜山の間、ジェットフォイル二〇%割引をいたします。
 それから、成田空港、関空、それからワールドカップサッカー近くの空港におきましては、レンタカーされます皆さん方にはETCを全部レンタカーに完備して、これを四千台用意いたします。
 これも後でお昼休み、委員長に御許可いただければ、委員の皆様方にこれほど割引するというのを配らせていただいて、是非皆さん方と一緒に世界じゅうのお客様をお迎えしたいと思っています。
 ありがとうございました。
#31
○荒井正吾君 終わります。
 ありがとうございました。
#32
○谷林正昭君 民主党の谷林正昭でございます。
 与えられた時間が百分ございます。たっぷりあるようでたっぷりないような気もいたしますが、少し、ずばりずばり聞かせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 調査室が出している資料の中に、読んでおりましたら、「今後の貨物鉄道事業に係る規制のあり方について」の報告というのがございました。正に今規制緩和が行われ、そして、これから二十一世紀に向けた物流システムの構築、陸海空、大臣がいつもおっしゃるような陸海空、総合的なものを活用しながらの対応、こういうものが言われている今日でございますけれども、その締めくくりの終わりの部分に、「今後、貨物鉄道事業者がその主体的な取組みにより自らの事業の活性化を図るとともに、より優れた鉄道輸送サービスの提供に向けて努力していくことを期待するものである。 地球環境問題に対応した物流システムの構築が社会的課題として重要性を増すなか、鉄道貨物輸送に期待される役割は益々大きくなるものと考えられる。そのためにも、今回の規制緩和が、物流市場で選択されうる鉄道輸送サービスの創出につながっていくことを念願するものである。」というふうに締めくくっております。私は、こういう報告が今度の法律に生かされ、そしてこれからますます活性化する鉄道貨物というふうになっていかなければならないというふうに思います。
 そこで、今日は大変お忙しい中、私もお話を聞く機会がございませんでしたので、是非生の声を聞いてみたい、こういう思いから、日本貨物鉄道株式会社社長伊藤直彦さんに今日は参考人として来ていただきまして、いろいろお話を伺いたい。なぜならば、扇大臣もおっしゃるように、そしてこの報告にもありますように、鉄道貨物といっても、その受皿となって一生懸命それに対応できるのは今の状況ではJR貨物しかありません。そういう意味では、JR貨物の活性化がこれからの二十一世紀の物流の命運を握っている、そういうような思いもありましたので今日は来ていただきました。
 早速でありますけれども、まずこのJR貨物会社の、今どういうような経営環境になっているのか。聞くところによりますと、そこに働いている人たちの皆さんや経営に携わっている皆さんの物すごい努力でようやく黒字になりつつあるというようなことなども聞いております。そこら辺りも含めまして、社長に是非この経営概況についてお聞かせいただきたいと思います。
#33
○参考人(伊藤直彦君) お答えいたします。
 早いもので国鉄改革から十五年の歳月が流れまして、先生御案内のとおり、この物流業界、貨物会社の置かれている物流業界は大変厳しい競争場裏にございまして、その中でいろいろと紆余曲折がございました。特に、バブル経済崩壊後、この過去八年間さかのぼりますと、大変厳しい状況の中で経常赤字の連続でございました。その中で我々としては、当初一万二千人の社員を承継したわけでございますが、それを六千人台に縮減するなど血のにじむような経営改善に努力してまいりました。こうした経営努力によりまして、まだ現在は作業中でございますが、この平成十三年度、九年ぶりに何とか経常利益を確保できる見込みでございます。
 また、今年度以降につきましても、平成十六年度までの三年間の新たな中期経営計画、社内ではニューチャレンジ21と呼んでおりますけれども、これを策定いたしました。これは正に、これまでの目線を変えまして、従来の延長線上にない斬新な発想に基づき、改めて収支構造の改革などを進めていく考えでございます。そのねらいは、言うまでもなくこの黒字体質を定着化をいたしまして、国鉄改革の最終目標である完全民営化への道筋を付けることを目指すものでございます。
 以上でございます。
#34
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 大変努力をされながら、正に完全民営化、そしてそれがひとえに日本の鉄道貨物輸送、二十一世紀の物流システムの一本の柱を担う、こういう意気込みが今伝わってきたというふうに思います。問題はこれからどうするかということにかかってくるというふうに思います。
 そこで、もう一つお尋ねするわけでございますが、この鉄道貨物輸送の更なる活性化あるいはその具体的な取組、そういうものがございましたらここで明らかにしていただきたいと思います。
#35
○参考人(伊藤直彦君) お答えいたします。
 現在、JR貨物が行っている仕事の量でございますけれども、一日に約二十四万キロの列車キロがございます。これは地球をぐるっと回りますと四万キロですから、約地球を六周回っている規模の仕事をやっております。しかしながら、各トラック、船舶等のモード間においての全体的なトンキロのシェアがわずか四%でございまして、時々、わずか四%ということで、鉄道輸送の機能が社会的にも大したことではないというような見方も出てくることがございますけれども、我々は、各輸送機関というのはそれぞれ輸送機関の特性というのがあると思います。
 我々、私が行っておりますJR貨物の鉄道というのは、特に千キロメートル以上の長距離を輸送する場合に国内陸上では約三六%というシェアも占めているわけでございまして、それからまた、距離は短いんでございますけれども、これも一つの例でございますが、長野県の石油ですね、長野県の石油の約七〇%は鉄道で輸送しております。雪の状況とか、いろいろと地理的な問題もあるわけでございますけれども、そのように、いわゆる鉄道の特性発揮分野、発揮分野におきましてはそれ相応の役割を果たしておると思っておりますし、またこれからも果たしていかなければならないと思っています。
 特に、昨年の七月、政府において策定された新総合物流施策大綱におきまして、地球環境問題等から、トラックから鉄道、船舶等へのモーダルシフトが積極的に述べられております。我々、会社といたしましても、この要請にこたえるように最大限の努力を発揮してまいりたいと考えております。
 また、今回の規制緩和につきましては、より機動的に事業運営におけるチャンスととらえまして、この規制緩和のメリットを今後の仕事の上で十分生かしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#36
○谷林正昭君 さすが社長、長野の例を取られました。委員長が長野でございますので、多分そういう意味で長野の例を取られたというふうに思いますが、ここで大臣にお尋ねをいたします。
 今ほど熱いメッセージといいますか、思いのたけを社長の立場で、経営最高責任者の立場で今後の鉄道の在り方も含めて述べられました。国土交通省としまして、この鉄道貨物輸送の今の現状認識と、そして将来の在り方についてどうあるべきかということをしっかり示すことによって、正にJR貨物という受皿がそれに基づいて前へ進む、正に機関車のように前へ進むというような状況になろうかと思いますので、鉄道貨物輸送の現状認識と将来の在り方について、大臣の方からお述べいただきたいと思います。
#37
○国務大臣(扇千景君) 今、鉄道貨物輸送の現状が社長から述べられたとおりでございまして、苦しい中でも頑張っていらっしゃるのを国民の皆さんに発信していただけたんではないかと思っておりますけれども、少なくとも、近年、依存度が高いセメントですとかあらゆるものを運んでいただいておりますけれども、基幹貨物の輸送における輸送の減少というものはこれは万人が認めるところで、年々減っていると。今、社長からもおっしゃいましたけれども、景気の低迷だけではなくて、運賃の競争の激化あるいは民間との競争等々の中で、少なくとも鉄道の貨物輸送のシェアは低下しておりまして、平成十一年度ですけれども、今、社長がおっしゃいましたトンキロベースで約四%と。わずか四%かと言われているんだという社長のお言葉もありましたけれども、私は、現在は四%であっても、今、谷林議員がおっしゃいましたように、二十一世紀の貨物というものはどういう重みを持っていくかと。これが私、大事なところだろうと思うんです。それはやっぱり二十一世紀は環境の世紀だと言われておりまして、今のままでいったのではいけない、そういう意味で、改めて貨物を見直す時代に私は一歩入ったと、そう思っております。
 なぜかといいますと、それは普通の道路の混雑状況等々を考えましても、そういう観点から、貨物の方は営業用のトラックの八分の一、CO2の排出量が少ないんですね。ですから、これは二十一世紀型の環境であると思いますし、またエネルギーの効率というのも営業用トラックの六分の一でエネルギーが活用されていると。
 そういう意味においては、私は大量輸送機関としてはやっぱり貨物を重視するのが二十一世紀であろうと思っておりますので、今、社長は苦しい中も頑張っているとおっしゃるのは、正に二十一世紀を目指して頑張っていらっしゃるんだと私も受け取っております。
 そういう意味では、鉄道貨物輸送力の増強に関する、例えばインフラとして、私たちインフラの補助を国土交通省としてもしておりますので、これは補助率三割でございますけれども、そういう意味では、支援体制としてはできる限りのことをして、二十一世紀型の運輸体系の確立に貨物輸送が個々の努力をもっとしていただきたい。宅配だったら取りに来てくれるけれども、貨物の場所まで荷物を持っていくのは大変だということで、それも集配する、集めるということも努力なさいましたし、個々の努力をしていただいていると思っていますので、期待して、私たちもできる限りの補助をしていきたいと思っています。
#38
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 正に二十一世紀の物流の在り方を示されたというふうに思いますし、JR貨物が苦しい中でも頑張る、それを後押しをしっかりやるというようなメッセージだというふうに受け止めさせていただきます。
 次に、鉄道貨物輸送の活性化と環境整備について具体的に今どういうふうに進んでいるか。私もいろんな人々から、方々から話を伺いましたし、ああ、すごいな、こんなことまでやっているのかというようなことなども感心させられた部分もあります。
 例えば、これは国の大きな力、後押しを含めてやられた北九州貨物ターミナルのそれこそ竣工があります。それによってすごい時間短縮になって、新しいサービスがより多くできることになったということで伺っておりますし、特に鹿児島地区からの鉄道貨物輸送というのは非常に多い。鉄道貨物と密着をした、そういう運送をやっている。ところが一方、こんな言い方をしたら失礼かも分かりませんけれども、南方貨物構想というのがございまして、南方貨物線構想というのがございまして、愛知県、あそこの辺りで、相当古い構想でありましたが、とうとうそれを、騒音問題だとか、いろんな環境というものがありまして断念せざるを得なくなったということもあります。三百億ぐらい掛けてそれを全部取っ払ってしまうという予算計上を今年の十四年度予算で計上せざるを得なかった、こういう見通しの甘さ、悪さと言ったら失礼かも分かりませんけれども、そういう状況もございます。
 そういう意味からして、正に今後の鉄道貨物輸送の活性化を求めるならば、その環境整備、例えば今の法律改正で出ておるように、二十二条の二で貨物の引継ぎの円滑化という問題も提起をされております。そういう問題も含めて、この活性化と環境整備について国土交通省の考えをお聞かせいただきたいと思います。
#39
○政府参考人(石川裕己君) ただいまの御質問でございますが、貨物鉄道の活性化あるいは事業環境の整備ということについて私ども大変重要な事柄だと思っております。そういう意味で、今後の物流市場における鉄道貨物、この在り方については、輸送モード間の競争に対応した弾力的な価格決定、あるいは多様化、高度化した利用ニーズへの迅速な対応、こういうものが重要であると考えております。
 今回、そういう意味で、この法案によってこのような鉄道貨物事業者の経営判断に基づく自主的、機動的な事業展開というものが促進されるものと期待しております。あわせて、効率的な複合一貫輸送システムの構築を図るために、本改正案において貨物鉄道事業者に対して貨物の引継ぎの円滑化の努力義務を課して、なお一層の引継ぎの円滑化ということを図ってまいりたいと考えておるわけでございます。
 国土交通省といたしましては、これらの鉄道貨物輸送の活性化あるいは事業環境の整備を図るために、財政上あるいは税制上の支援措置を講じてきているところでございますし、ただいま先生御指摘のように、この三月には北九州の門司貨物拠点駅整備事業が行われまして、大幅な列車所要時間の短縮あるいは列車の増発等が行われたところでございます。
#40
○谷林正昭君 具体的な今後の活性化策が次から次とこれからまた知恵を絞り、出てくるというふうに思いますし、お客さんのニーズに合ったダイヤ改正というのもこれから出てくるというふうに思います。
 余り私は社長を持ち上げるわけにいきませんけれども、先ほどから非常に努力をされているというふうに聞いておりますし、完全民営化に向かって、そして経営基盤の安定に向かって、労使双方協力しながら頑張る、そういう中にあって私は一つ危惧することがございます。
 それはどういうことかといいましたら、今、日本貨物鉄道、いわゆるJR貨物のドル箱、それは何といっても東京―大阪間だというふうに思います。今、この法律改正によって事業参入自由ということになったときに心配されるのは、そこにJR東海が、おいしいところだけを取って、貨物輸送を始めるんではないかという危惧が私は思いました。そういうことになると、正に国鉄分割・民営化の基本スキームというのが崩れてしまう。そういうようなことになったら、私は根本的に大きな間違いを犯すというふうに考えております。
 そういう意味で、JR旅客会社がこの貨物に線路が自分のものだからといって参入をするというようなことになったら私はいけないと思いますけれども、国土交通省の考えをお聞かせいただきたいと思います。
#41
○政府参考人(石川裕己君) 国鉄改革によりまして、当時の国鉄貨物というものが鉄道貨物事業というものと旅客鉄道事業と分かれて、鉄道貨物事業はJR貨物に引き継がれたわけでございます。それとともに鉄道施設の使用等に関しまして、旅客会社及び貨物会社の間で協力及び連携の体制整備が行われたわけでございます。
 このような国鉄改革の経緯を踏まえまして、昨年のJR会社法におきましても、完全民営化するJR本州三社が配慮すべき事項を指針として定めることといたしたわけでございまして、この新会社がその事業を営むに際し当分の間配慮すべき事項に関する指針、平成十三年十一月でございますが、この中で、鉄道事業に関する会社間における連携及び協力の確保に関する事項といたしまして、完全民営化するJR各社は、他のJR会社との駅、線路設備その他の鉄道施設の使用に関する協定その他の鉄道事業に関する協定を当該他のJR会社の鉄道事業の健全かつ円滑な経営及び利用者の利便に配慮した内容とし、当該協定を遵守するとともに、当該協定を締結し、変更し、更新し、又は廃止する場合には、当該他のJR会社の鉄道事業の健全かつ円滑な経営及び利用者の利便に配慮するもの、このようにこの指針において規定されているところでございます。
#42
○谷林正昭君 今、答弁がございましたが、今のところはそういうことはしない、してはいけないということが確認をされておるというふうに受け止めさせていただきました。
 私の心配するのは、将来にわたってとは、永久にとは言いませんけれども、やはり二十年、三十年のスキーム、そういうスキームの中ではしっかりしたそういう確認が必要ではないかというふうに考えておりますので、そこら辺りの考え、もう一度聞かせていただけませんでしょうか。
#43
○政府参考人(石川裕己君) 現在この場でJR貨物会社及びJR旅客会社の経営の判断について私どもがとやかく言うことはできませんけれども、今申し上げましたように、この指針というものは、昨年の国会の審議においても様々な議論がなされた上できちっとでき上がったものでございますし、それを受けた指針として今申し上げたようなことがあると私どもは理解してございます。
#44
○谷林正昭君 そういう指針を私は大切にするべきだというふうに思いますし、指摘をさせていただきます。
 次の質問に入らせていただきますけれども、平成十一年のこの鉄道事業法改正のときに附帯決議が衆参で出されております。それは何かといいましたら、鉄道貨物のネットワークの確保、こういうものをしっかり保障すべきだ、支障が生じないようにするべきだ、こういう附帯決議が、平成十一年五月十三日の参議院、平成十一年四月二十七日の衆議院で附帯決議がされております。
 今、一番問題になってくるだろうというふうに予測をされますのは、整備新幹線が今多くの方々の努力によって、また地元の期待にこたえるために整備をされているわけでございますが、例えば鹿児島本線八代―川内間、ここでは今、列車が八本走って四十万トンの貨物が輸送をされている。あるいは北陸本線の魚津―糸魚川間、ここでは四十四本の列車が走って年間三百十七万トンの貨物が運ばれている。あるいは東北新幹線、仮にできた場合は盛岡―八戸間、ここは四十八本の貨物が走って年間四百四万トン走っている、こういうような状況が今あります。
 そういったときに、先ほども荒井委員から質問もございましたが、鉄道貨物の一番大きい力というのはネットワークだというふうに私は思います。そういう意味で、この鉄道貨物輸送のネットワークの堅持について国土交通省の考えを聞かせていただきたいと思います。
#45
○副大臣(月原茂皓君) ただいま、ネットワークの重要性は十分我々も認識しておりまして、今例を挙げられた新幹線に関することでありますけれども、このことについては平成十二年十二月の整備新幹線に関する政府・与党申合せというのがあります。それを御紹介しますと、「線路使用実態に応じた適切な線路使用料を確保することとし、これに伴うJR貨物の受損については、必要に応じこれに係る新幹線貸付料収入の一部を活用して調整する措置を講ずる。」ものとすると、こういう約束事があります。
 それに基づいて本調整制度を第三セクターによる今お話しのような路線に適用する、そういうふうに考えておりまして、御質問のように、ネットワークの堅持に、新幹線が延びることによるネットワークに影響しないように努力していきたい、このように思っております。
#46
○谷林正昭君 是非、一番大きな武器でありますし、先般の委員会の中でも、新幹線も国民の財産、在来線も国民の財産、そして鉄道貨物輸送は、国民の財産というよりも、将来、環境問題を含めて国民の大きな期待を担う柱だというふうに申し上げさせていただきました。そういう意味でも、この全国ネットワークというものは崩すべきでない。そしてまた、線路利用料の問題に将来必ずかかわってくると思います。その線路利用料の問題につきましても、何らかの形で私は国が中に入って話合いをしていくべきだというふうに思いますので、そのときになればまた指摘をさせていただくことにいたしまして、次の質問に入らせていただきます。
 これは鉄道事業法関係の最後の質問になるわけでございますが、社長にお伺いをいたします。
 今頑張っている、そしてこれからも頑張っていきたい、こういう決意が述べられました。そういうときに、私は、一番何が必要か。それは、どの民間企業でもありますように、経営者の最高責任として方針を示すということもこれは一番大切なことであります。しかし、もう一つ、一方の大切なことは、そこに働く人たち、社長以下そこに働く人たちが心を一つにして外に打って出る、外に攻撃を掛ける、営業の拡大に向けて努力をする、正に労使協力をしてその会社経営基盤の安定、活性化に向けて取り組むことが今JR貨物の一番大切なことだというふうに私は思っております。
 聞くところによりますと、労働組合も九つか十あるというふうに聞いておりますが、それは労働組合があろうとなかろうと、幾つあろうと、それはそうではなくて、社長の考え方をしっかり現場に通すときはやはり現場の人たちもその気になっていくようなやり方を会社としてやるべきだというふうに思いますし、一方では、話を聞くところによりますと、日曜、第三日曜ごとにコンテナクリーン作戦といってコンテナを全員で掃除をして、そしてお客さんに使ってもらう、こういう運動も手弁当でやっているということも聞きました。また、機会をとらえて各自治体に回って、その町長さんや市長さんに、是非国鉄を使ってもらいたい、済みません、国鉄じゃなかった、JR貨物を使ってもらいたい、利用してもらいたい、こういうお願いに営業活動をしておいでになる、そういうことも聞かせていただきました。
 そういう、いわゆる今一生懸命頑張っている会社経営者の皆さん、そしてそこに働く人たちの皆さんが心を一つにして鉄道貨物の活性化に取り組んでこそ未来がある、将来がある、そういうふうに考えておりますので、社長、申し訳ございませんが、この労使協力についてお考えがあれば聞かせていただきたいというふうに思います。
#47
○参考人(伊藤直彦君) お答えいたします。
 先生から今いろいろとお話ございましたように、組織において経営基盤の安定した構築を進めるためには、何といっても労使協力が不可欠であることは言うまでもございません。
 そういう中で、幾つか例がございましたけれども、例えばコンテナなどは荷主、利用者がお使いいただくものでございますけれども、大変汚いという苦情がたくさんございました。それを受けまして、労働組合が自主的にこれをみんなで、自分の時間で、月に一回でございますけれども、土曜日出てきてきれいにしようじゃないかと、こういうことで始まったものでございます。我々も一緒になって、私自身も駅へ行ったことがございますけれども、そういう形で、できることは自分たちでやっていこうと、こういう気持ちで今、労使関係、JR貨物の中でできております。
 これから先も、先ほど申し上げました新しいニューチャレンジ21という計画を完遂するためにも、労使の協力がなければできないと思います。そういう面で、今まで以上にこの労使協力関係を大切なものとして私自身頑張っていきたいと思っております。
#48
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 大変お忙しい中、社長に来ていただきまして、質問をさせていただきました。これで鉄道事業法関係の質問は一応締めくくらさせていただきますので、お引き取りいただいて結構でございます。
 次に、貨物自動車運送事業法の関係に入らさせていただきます。──社長、どうもありがとうございました。
 まず、総論から入らせていただきますが、この貨物自動車運送事業及び貨物取扱事業の在り方に関する実は懇談会というものがございまして、その懇談会から平成十三年十二月十三日に今後の在り方について報告が出されております。よく読みますと、その報告を基にしながら今回の法律改正というものもされているというふうに思いますが、この報告の位置付けと今後のこの報告の取扱いについてお尋ねをしていきたいと思います。
#49
○副大臣(月原茂皓君) 今、議員御指摘の今後のトラック事業の在り方についての、これは省内に設けられた私的懇談会であります。
 その基本的な位置付けということでありますが、これはその前提として我が国の物流の基幹となるトラックの輸送の効率化、活性化が急務の課題となっておる、そして、しかもまた安全、環境や労働面での社会的責務がおろそかにされても困る、こういうようなところからこういう懇談会が設けられたわけであります。
 そして、その懇談会に十二月に答申をいただいたわけでありますが、それに基づいて規制の見直し、事後チェック体制の強化、さらには安全、環境面への対応と、こういうような、大きく分けるとこういうようなところからそれぞれの問題点を指摘されているわけであります。
 そして、この中で法律的に必要なものについては今回の法案に改正をお願いしているわけであります。そして、この法律改正以外の点についてでありますが、それは省令とか通達等でその徹底を図っていきたいと。とにかく、この答申をできるだけ早く実現するようにあらゆることを考えているということであります。
#50
○谷林正昭君 私も、この報告といいますか、これは非常に将来を見据えた大胆な提起だというふうに思っておりますし、正に物流の活性化にはなくてはならない将来の指針になるんではないかというふうに思っております。
 そこで、大臣にお尋ねをいたします。
 今、交通安全あるいは環境問題、こういうことが社会問題になってきております。しかし、今ここで規制緩和を、最後の規制緩和、もう規制はなくなってしまう、トラック産業において規制がなくなってしまうというようなこの状況を見たときに、一層競争を激化させるんではないか。今、五万六千社あると言われる運輸トラック産業がもっと、七万社になり八万社になるというようなこともあると思います。そして、やがては淘汰をされていくというような気もいたしますが。
 今、そこで心配なのは、そのぐっと増えたときに交通安全や環境に更なる負荷を与えて、そして多くの要因にもなるんではないか、そういうふうに考える次第でございますが、今回の法改正の行政の方向性というものをしっかりここで出しておくべきというふうに考えますので、大臣の方からお聞かせをいただきたいと思います。
#51
○国務大臣(扇千景君) 今後のトラックの方向性についてということで、この法に基づいてということですけれども、今回の法改正に基づきまして、今後、少なくともトラックの行政に関します基本的な方針としては、一番大事なことは、まず経済的な規制は緩和して、そして安全や環境等の社会的要請とかルールを守らせるというその適正な競争を、活力ある市場をそれによってもたらしていくと、これが私、大事な基本であろうと、そう思っております。
 今後は、私たち、具体的にまず今回の法改正によって、例えば運賃そして料金の事前の届出制や営業区以外での、その区域外での貨物の運送を規制する、制限する規制をこれ廃止いたします。そういう意味では、より自由な事業活動は今後可能となります。その一方でまた監視体制の、チェック体制の強化、これを図っていかなければならないのはお分かりのとおりでございますので、ルールを守らない、そういう不適格な事業者を排除するというのはこれは当然のことでございますので、すべての事業者が公正で公平な少なくとも条件で競争できる市場の形成を図る、これは大事なことだと思っておりますので、これも実行していきたいと思っております。
 また一方で、御指摘のように、今日の社会的な要請が強まっている安全とか、そして二十一世紀型の、先ほども申しました環境問題、そういうものにつきましては市場原理のみに任せていたのではこれは十分に達成できないと、そういうことから今後は行政の積極的な対応を必要とされておりますので、安全対策につきましては今回の法改正で元請事業者による下請事業者に対する安全の阻害の防止、これは例えば事業者から、元請から下請に対して、たくさん載せて、速く、効率よくというような、そういう安全の阻害の防止を図るということで、阻害するというようなことは、もしそういう場合があった場合は元請に責任を取らすということまでやっていこうというふうに考えておりますので、今回もそういう意味ではトラックの安全な運行のための規制等の見直しを行って対策の強化を進めていくということも並行して行ってまいりたいと思っております。
 また、環境対策につきましては、低公害車の導入というのは言わずもがなでございますけれども、この促進とか、改正した、自動車NOxに対しまして、このNOx法によって今後もこれを進めていくと。事業者に対する負担が大きいことから、行政としては積極的なこの環境対策のNOx法に対しての支援をしてまいりたいと考えております。
#52
○谷林正昭君 方向性が示されました中に、安全、環境、これを大切にしていかなきゃならないというお話もございました。
 そこで、営業区域規制の廃止について危惧されることを申し上げさしていただきたいというふうに思います。
 これまでは営業区域規制というのは、出て行くところに事業所があるか、あるいは向こうで、東京で荷物を降ろしたら、東京から富山まで帰ってくるときに、富山に帰らなければならない、これは東京から名古屋へ行ったら、これは違法でした。今度はそれが良くなります。そして、名古屋で降ろして富山へ帰ってくる、そういうことができることになりました。
 それは、これまではなぜそれが、区域規制というのがあったかという一つの大きな要因の中に、安全運行の確保、対面点呼がいつもできる、運転手とのコミュニケーションがいつも図れる、少なくても一日置きに図れる、二日置きに図れる、こういうものがございましたので、この営業区域規制というのは非常に重要な役割を果たしていた。それが今度はなくなって、例えば富山から東京へ荷物を持っていく、東京で荷物を降ろしたら、今度は東京から大阪へ荷物を運ぶ、今度は大阪から九州へ荷物を運ぶ。それは全部携帯電話か何かの電話で指示を受けて、運転手が言われるがままに走って、一週間に一度あるいは十日に一度、富山へ帰ってきてというような運行も可能になる。これまでもやっていたかも分かりません。今度は、法律違反じゃなくて、法律でそれでもいいですよということになったときに、この区域規制廃止というのは私は安全運行の一つの大きなポイントが外れてしまうという危惧がされます。
 したがいまして、この安全運行を担保としていた営業区域規制の役割、これに代わる代替案、こういうものが私は必要だというふうに思います。例えば対面点呼の代わりにはどういう点呼の仕方をするのか、そういうようなことなどがあると思いますので、そこら辺りの、廃止に伴う代替案を是非聞かしていただきたいと思います。
#53
○政府参考人(洞駿君) 営業区域規制の廃止に伴いまして、先生御指摘のような長期にわたって所属の営業所に戻らないで運行を行おうとする場合には、運転者の過労運転の防止を図ると同時に、安全確保上の指導監督を適切に行うための運行管理体制を強化するということが必要でございます。
 そのために、具体的に、今おっしゃいましたとおり、二泊三日以上の運行で、当日の乗車前あるいは乗車後の点呼等のいずれも営業所において対面で受けない運行を行うような場合、先生今御指摘のあった事例でございますけれども、にあっては、例えば新たに運行指示書というものの携行を義務付けて、出発前に運行管理者が運転者に運行指示書によって運行経路や安全上の注意箇所あるいは休憩の場所、時間等について細かく指示するとともに、運行先において行く先の変更があった場合などにおいては、運転者から運行管理者に報告させて、運行管理者の指示を受けて運行指示書の記載内容を変更するというようなこと。
 それから、従来からの乗務前それから乗務後の点呼に加えまして、乗務途中の点呼というものを義務付けまして、運行途中においても、携帯電話等の活用によりまして、運転者の乗務、休憩等の状況や疲労状況、健康状態等についてきめ細かく把握して、運行管理者が適切な指示を行うようにできる、それから所属営業所に戻らずに行う運行の期間が一週間を超えてなるような、そういうふうな運行は禁止するとか、そういった安全規則の強化というものを今回併せて実施したいと考えております。
 と同時に、こういう安全規制の違反行為に対する行政処分の基準というものをきちっと定めますし、悪質な事業者に対しては重点的な監査を行うなど、そういう事後の監督体制を強化することによって輸送の安全確保の徹底というものを同時に図っていきたいと思っています。
#54
○谷林正昭君 今、局長の方から大変安全を優先する運行管理システムというものが示されたというふうに思います。これを是非省令かあるいは通達か何かでしっかり示すべきだというふうに思います。
 昨年の九月一日から施行されております安全規則の改定もございます。これを読んでみますと、非常にきめ細かい安全規則が示されておりますけれども、今おっしゃったように、地元へ帰ってこなかったら何にもならない、そういう安全規則であります。
 したがいまして、それをしっかり通達か省令で示していただきたいというふうに思いますし、ひとつ提案ということでさせていただきますけれども、そういうように長い運行になったときの記録というものが非常に大切になるというふうに思いますので、今の記録計チャート紙は余り正確、余り正確でないと言ったらしかられますけれども、よく運転手の判断で、裁量でどちらかといったら記録をされるということになるわけでございますが、今提案をしたいのは、この在り方懇談会でも提起をしておりますけれども、より多くデータが記録できるデジタル運行記録計、こういうものの開発と義務付け、将来にわたって私はやるべきだというふうに思いますけれども、このデジタル記録計の導入について考えがあれば示していただきたいと思います。
#55
○政府参考人(洞駿君) デジタル式の運行記録計というものは、長距離、長時間の運行データを保存できまして、分析のソフトウエア次第でコンピューターによって運転時間とか運転速度等のデータについて様々な分析ができるということで、非常に運行終了後に効率的にデータをチェック、集計処理して、運転者に対する安全指導に活用できるというメリットがございます。
 しかしながら、ちょっと正直申し上げまして、今、先生御指摘のとおり、安くても一台当たり十万円以上、それからコンピューターシステムのシステムを同時に整備しなきゃいけませんものですから、そのシステムが更に数十万円するというようなことで、導入コストが依然として非常に高いという問題点がございます。
 そういう意味で、装置の義務付け、今は普通の運行記録計の義務付けがされておりますけれども、デジタルの義務付けにつきましてはそういう今後の技術の進展やコストの動向などを見ながら引き続き検討したいと思っておりますし、そこのところをしっかり注視していきたいと思っております。
 なお、事業者によってはこのデジタル式の運行記録計を導入する事業者も徐々に増えてきております。といいますのは、これを導入することによって、その様々な活用として、例えば燃費を、燃料費を二〇%カットできるとか、あるいは事務の効率化とか、そういったものに役立つとか、そういう事業者側にとってのメリットもありまして導入を進めている事業者というのもございます。
 そういう中小企業者などがデジタル式の運行記録計を導入した場合の支援措置として、現在、法人税などにつきまして取得価額の三〇%は特別償却又は七%の税額控除というような税制上の措置を講じているところでございますけれども、今後とも更に更なる支援措置の可能性等について検討していきたいと思っております。
#56
○谷林正昭君 十二時で一応区切りを付けさせていただきたいと思いますが、午前中の最後の質問にさせていただきます。
 今ほどありましたように、長時間労働が恒常的なトラック運転手、こういう者に対して、過労運転あるいは安全運行という立場から、厚生労働省の方でトラック運転者の労働時間等の改善基準告示というものが出されております。その改善基準告示というものをより一層事業所に徹底をする、そしてまた運行管理者に徹底を図る、これが今後の大きな課題になってくるというふうに思います。
 したがいまして、厚生労働省として、現場任せということではなくて、是非この改善告示を事業所に徹底をさせるというその対策、指導の仕方、こういうものを具体的にお示しをいただきたいと思います。
#57
○政府参考人(鈴木直和君) ただいま自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について御指摘がございました。
 この基準は、自動車運転者の労働条件の向上を図るために、その業務の特性に応じまして、自動車運転者の場合ですと単に労働時間だけではなかなか難しいので、例えば拘束時間あるいは休息期間、運転時間等を盛り込んだ基準を策定しているものでございます。
 また、この基準につきましては、国土交通省におきましても、労働時間等の改善が過労運転の防止にも資するということから、大臣告示として定めているところでもございます。したがいまして、この改善基準の周知徹底を図る、これは極めて重要なことと考えております。
 この改善基準につきましては、事業主団体あるいは労使等を通じて周知の徹底を図る、それから同時に、個別の事業所につきましても監督指導、これを行って、その周知徹底を図るということをやっておりますので、これらについて更に私ども徹底して行っていきたいと考えております。
#58
○谷林正昭君 是非徹底を図っていただきたいと思います。
 ちなみに、データとして、二〇〇〇年のデータで、この改善基準を違反した事業所、どれだけあるか調査したところ、五一%が違反をしている、こういう状況も把握をされております。
 したがいまして、これは国土交通省の問題だということではなくて、やはり、基準監督署、基準局ございます、そういうところもしっかりと連携を取りながら、国土交通省と連携を取りながら、こういう五〇%以上も違反しているというのはこれは大きな問題だというふうに思いますので、そこら辺りも指摘をさせていただきまして、午前中の質問を終わらせていただきます。
#59
○委員長(北澤俊美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#60
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を再開をいたします。
 休憩前に引き続き、鉄道事業法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#61
○谷林正昭君 午後の部、入らせていただきます。
 まず、道路運送事業法の関係ですが、運賃・料金規制の事前届出制撤廃についてお尋ねをいたします。
 まず、単純に聞きます。この事前届出制の廃止の理由はなぜでしょうか。
#62
○政府参考人(洞駿君) トラック事業における運賃・料金につきましては、現在、事前届出制を取っておりますけれども、実勢の運賃・料金は日々多様に変化しておりますことから、事業者が運賃・料金をその都度届け出直すということは過度の負担になっているところがございまして、届け出られた運賃・料金と実際の取引における運賃・料金とでは、ある程度の乖離が生ずるなど、制度が形骸化しております。また、トラック事業における運賃・料金の設定は、実態は荷主との相対の取引によるものがほとんどでございまして、いろいろアンケート調査を事業者に対しても実施しておりますが、運賃表によって交渉している事業者は非常に限られております。
 また、近年のインターネットによる求車求貨システムとか帰り荷あっせんシステムの広がりということで、荷主による入札制度の拡大というような運賃の決定システムというのがかなり広がってきております。そういった実態を考えれば、今の運賃・料金の事前届出制というものは、そういう荷主ニーズにトラック事業者が迅速に対応して新たな取引契約を機動的に行うに当たっての障害となっておりまして、トラック事業の活性化を妨げているおそれも出てきております。
 こういうことから総合的に判断しまして、規制緩和を進めていく上で事前の規制は極力縮減するという方針にのっとりまして、こういう事前届出制を廃止するということにしたものでございます。
#63
○谷林正昭君 現実に合わないから届出制を廃止をする、こういう今、要約をしますとお話だったように気がいたしますが、この物流二法、いわゆるトラック運送事業法が改正になった平成元年十二月十二日に参議院の委員会で、そして衆議院では十一月の二十八日に、適正な原価を下回る運賃収受等不公正な取引を防止し、貨物自動車運送の秩序の確立のため、貨物自動車運送事業者とその荷主及びそれぞれの団体相互の協力体制の確立に一層努めるとともに、貨物自動車運送適正化事業機関は、荷主及びその団体に対する啓発活動の実施等の広範かつ効果的な事業を遂行することということで、これはいわゆる原価、適正な原価、適正な利潤、こういうことをしっかりお客さんに理解してもらおうよと、そういうような附帯決議が実は付されております。それがどうも水の泡に終わったというような状況で、法的にも無理があるというふうになってきたと。
 したがって、この事前届出制を廃止するというような観点だったというふうに思いますけれども、今後のことを考えたときに、じゃ適正な運賃とはどういうことなのかという議論をこれからさせていただきますけれども、じゃ今この届出制を廃止したときの、国土交通省として、届けられたときの、事後届けられたときの算定根拠というものがあるのでしょうか。お示しいただきたいと思います。
#64
○政府参考人(洞駿君) トラック事業の運賃・料金につきましては、今回の事前届出制の廃止によりまして原則として事業者が自由に設定できるということになりますから、設定に当たっての算定根拠というのも個々の事業者が自由に決定するということでございます。
 先生がおっしゃる御指摘、御趣旨は、運賃・料金を決めるときに、例えば原価計算書とか、そういう添付書類というのはちゃんと求めるのかということだろうと思いますが、そういうことで、当然添付書類は不要ということでございます。
#65
○谷林正昭君 原価計算の添付書類は要らなくなったと、こういうふうに理解を私もしております。
 ところが、今度の法律改正の大きなポイントの一つとして事後チェック、安全、それから環境あるいは公正な競争、こういうことに対する事後チェック型に概念を切り替えていこうと、こういう大きな流れがございます。そういったときに、その一つである運賃の事後チェックをするというこの概念、これを具体的にじゃどうしていくのかということが大きなポイントになってきます。
 私は、民間事業であるということの中では、適正なコスト、これが一つあって、そこに適正な利潤を上乗せさせたものをお客さんと折衝、交渉をしながら料金を契約をしていくというのが大事だというふうに思いますが、じゃ、後ほどまた触れることもありますけれども、この適正なコストというようなことを含めた事後チェックの概念、これをお聞かせいただきたいと思います。
#66
○政府参考人(洞駿君) トラック事業の運賃・料金に関する事後チェック体制というもののお尋ねがございました。
 今回の法改正によりまして事前届出制が廃止されることに伴いまして、国による事後チェックの手法といたしまして、新たに運賃・料金に関する事業改善命令制度というものを制定したところでございます。これは、今、事前届出制の運賃につきましても料金変更命令制度というのがございまして、不当な差別的な運賃とか不当な競争を及ぼすような運賃とかいうものについては事前届出制についても変更命令を出せるという制度になっておりますけれども、今度はそれが当然廃止されまして、それに代わって事業改善命令制度という事後の命令制度を新設するということになっております。これによりまして、トラック事業者の実施した運賃・料金が利用者の利便その他公共の利益を阻害しているというような事実があると認められる場合については、国土交通大臣が事業改善命令を発出してこれを是正するということになります。
 このために、現行法六十条の報告徴収の規定がございまして、国土交通大臣は、この法律の施行によって、必要な限度において、国土交通省令で定めるところによって、トラック事業者に対して、その事業に関して報告をさせることができるという規定でございますけれども、この規定に基づいて、具体的には省令で手続を定めまして、これはもう既に倉庫業法で先例がございますけれども、いついつまでにこうこう運賃について届けなさいということを省令ではっきり定めまして、事後に運賃・料金の報告を求めるということに考えてございます。
 具体的なそういう届出の期間とか方法等については、更に関係者等の意見を聞きながら、更にその詳細を詰めていきたいと考えております。
#67
○谷林正昭君 変更命令ができるということ、そしてまた今の法律改正の中でも二十六条で変更命令を出せる、こういうことになっておりますが、私の言いたいのは、変更命令を出す根拠、先ほど言いましたように、適正なコストに適正な利潤、こういうものが公でやっぱり必要だということが、これは認められているというふうに思います。
 じゃ適正なコストというのは、はっきり言いまして、サービス産業でありますから、トラックを提供して、運転手とトラックを提供して荷物を運ぶ、こういうことになったときはどこで料金を下げるかということになれば、トラックの料金はほぼ同じです。使う燃料も全部同じです。タイヤも同じです。そういうことになってくると、掛かる、下げられる内容は人件費しかない。人件費の安いところが値引きができる、あるいは低コストにできる、そういうことに私はなってくるというふうに思いますが、この変更命令がどういう根拠で出されるのか、ここを聞かせていただきたいというふうに思います。具体的にお願いします。
#68
○政府参考人(洞駿君) 事業改善命令制度、具体的にどういう場合に発動されるかという御質問だろうと思いますが、その事業改善命令の対象となる運賃・料金といたしましては、先ほど申しましたように、これは先ほどの、利用者の利便を害し、公共の福祉に反するような運賃という現在の、現行の料金変更命令の考えと基本的には同じ、事後にあっても同じでございまして、それを更に具体的に言うならば、同じ運送条件の下でありながら利用者に対して不当に差別的な運賃・料金を取る、あるいは他のトラック事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがある運賃・料金、これはめったにないと思いますが、経済社会情勢に照らして不当に高過ぎる運賃・料金というのが想定されるほか、例えば宅配や引っ越しの運賃・料金につきましては、利用者が容易に理解することが非常に困難なものや、あるいは詐欺的な、利用者に不測の損害を与えるおそれのあるもの、紛らわしいような運賃等々が考えられます。
 さらに、もっと不当な競争を引き起こすおそれがある運賃・料金というのはじゃ何だということでございますけれども、これは特定の市場を対象に、他の事業者の排除のみを目的として、一定期間にわたり継続的に著しく原価を下回るような極端な運賃・料金を提供して、その収奪を、奪うような場合とか、あるいは同様のサービスを提供する他の事業者との関係において著しく安く、過積載や過労運転など安全性を阻害する不当な条件での競争を前提としているような場合などなどが考えられますけれども、個々の事例については、個別の事例に則して個別具体的に判断するということになろうかと思います。
#69
○谷林正昭君 個別判断だというふうに最後にはなりました。
 今、答弁を聞いていて、国土交通省の考え、これは通告してありません、これは自動車交通局だというふうに思いますが、名古屋でしたか、エムケイというタクシーが無料で一か月間運行をする、こういう話が、やって、それを現実に実行しました。ああいうことがトラック産業に入ってきた場合、どうするんですか。
#70
○政府参考人(洞駿君) 無償でトラック事業を、ただで運転するという事例が実際に出てくるとは考えられませんが、それが正しく今私が申しましたように、他のトラック事業者の営業を不当に妨害して顧客を不当に奪うような、そういう害意を持ってやるような事業者があれば、当然事業改善命令の対象になってくると。
 ただちょっと、今、エムケイの事例がございましたが、エムケイの事例はちょっと特殊な事例でございまして、これとトラック事業とはちょっとなかなか同列には議論できないかと思いますけれども、正しくただで、そういう不当な競争という観点で参入してくる場合には、この改善命令の対象になるというのは当然であると思います。
#71
○谷林正昭君 タクシーとトラックは違う、トラックはそんなことあるわけない、こういう逃げの答弁のような気がいたしましたが、タクシーだって、ただで走らせるなんてそのときは思ってもいなかった、そういうふうに私は思います。
 そういう意味では、著しくという言葉、それから公共福祉に反するという言葉、それが私はこういう議論の場ではふさわしくないんじゃないかなと。やはり適正なコストに適正な利潤を上乗せしたものをお客さんと荷主との交渉に十分にやるべきだという答弁が返ってきて私は当然だというふうに思いますが、この議論を続けておりますと時間がなくなります。私はそういうふうに指摘をさせていただきます。
 次に、運行管理についてお尋ねをいたします。
 一つは、先ほどもちらっと触れましたけれども、今、五万六千社あると言われるトラック事業者、このトラック事業者をこれまで管理監督をしてきた国土交通省。しかし、これからもっと増えるというふうに私は思いますし、一方では管理監督をしながら、不良業者を退出をしていただく、公正な競争をしない人は退出をしていただく、こういうようないわゆる事業チェックの中での指摘というものも必要になってくるというふうに思いますが、この五万六千社あると言われるトラック事業者をどうやって管理監督をしていくのか、お知らせをしていただきたいと思います。
 私は、提案をさせていただきたいのは、正に今、IT化、電子化と言われる中で、この事業者の事業者台帳というものを速やかに電子化をするべきだ、そして今後に備えるべきだというふうに提案をさせていただきますが、いかがでしょうか。
#72
○政府参考人(洞駿君) トラック事業者に対する監査の体制につきましては、国土交通省の地方支分部局でございます地方運輸局、それから陸運支局に監視員を配置しまして、地方貨物自動車運送適正化事業実施機関による巡回指導の結果をも踏まえながら、事業者の違法性の状況等に応じて、一般監査、特別監査、呼出指導等を適宜組み合わせながら実施しているところでございます。
 また、昨年の四月からは監査の効率化、重点化を図る観点から、地方貨物自動車適正化事業実施機関との連携策の強化を図りながら、違法性の著しい事業者や事故惹起者への重点監査の実施等によりまして体制の充実強化を図っているところでございますし、今回の法律改正におきましてもこのような連携というものを更に強化して、効率的な監査体制というものを展開していくということとしております。
 それから、トラック事業者に対する事業者台帳の電子化について御提案がございまして、国土交通省におきましては実は平成十年度から道路運送関係行政情報システム構築の一環ということで進めてきておりまして、一応平成十三年度までに全国規模のデータベースが確立されたところでございます。これは事業者台帳ということで、各事業者の許可申請時に必要なデータ等が全部入っていると、こういうところまでは今こぎ着けてきております。
#73
○谷林正昭君 それじゃ、今せっかくそこまで来ているんなら、もう一つ提案をさせていただきますけれども、今、政府が進めております電子政府、こういうのにリンクをさせまして、社会保険、雇用保険、労災保険あるいは厚生年金、こういうものなども加える、あるいは事故の実績、そういうことなども加えながら、正に総合安全点検ができるようなそういうシステムを構築するべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#74
○政府参考人(洞駿君) 先生おっしゃいますとおり、この電子化された事業者台帳を活用いたしまして、事故あるいは苦情の情報、それから労働基準局や各県の公安委員会、あるいは適正化事業実施機関等の関係機関から得られました情報、あるいは監査、処分の情報等をすべてこの中にデータベース化しまして、これに基づいて監査対象事業者の抽出であるとか、あるいは重点監査項目の抽出などを行うための電子システムの構築というのを実は今年度から、十四年度から二か年で整備することとしております。
 ですから、電子監査システムという御提案もございますが、電子監査システムというのはどういう概念かと、余りよく、はっきりしたものはなかなか説明するのは難しゅうございますけれども、将来はこういう電子システムをベースに、これをできるだけ活用して、事業者の方のデータ等も電子化して、いろいろ入力する等々によって監査の効率的な実施、より効率的な実施というものについて役立てていきたいと考えております。
#75
○谷林正昭君 是非私は進めるべきだというふうに指摘をさせていただきます。
 次に行きます。
 在り方懇談会の中でも、参入自由、運賃自由ということになってくれば、当然公正な競争が前提になって、その業者も社会的に評価されてしかるべき、こういうような提言もしております。
 そこで提案をいたすわけでございますけれども、安全評価システム、特に安全に関してでございますけれども、安全評価システムということを取り入れる、早急に取り入れるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#76
○大臣政務官(森下博之君) 御指摘のございましたトラック事業者の安全性の評価制度につきましては、平成十一年度から検討を進めておるところであります。また、平成十三年度からその具体的運用方策の検証等を行うべく実証実験を開始をいたしたところでございます。
 今後、この実証実験の実施を通じまして、評価の透明性、公平性をいかに確保するかということを中心に十分な検証を行いまして、できるだけ早い機会に当該制度の導入ができるよう努めてまいりたいと考えております。
 なお、優良な事業者につきましては公表することを考えておるわけでありますが、評価のレベルの区分やその公表方法について、今後具体的に検討してまいりたいと考えておるところでございます。
#77
○谷林正昭君 是非、私はそういうシステムが必要だというふうに思います。お客さんが安心して選べるその目安というものもこういう自由競争のときには私は必要である、それが国土交通省の監督官庁の役割であるというふうにも思いますので、提案をさせていただきました。是非進めていただきたいというふうに思います。
 それからもう一点、先ほども助成の話が出てまいりまして、ああ、やっぱり大切だなというふうに思いました。
 それは、今トラックに対して、いろんな社会問題のことから、こういう機械も取り付けなさい、ああいう機械も取り付けなさいという指導がされておりますし、法律も出てきております。
 例えば、平成十五年度から高速道路だろうとどこであろうと時速九十キロ以上出ないシステム、いわゆるスピードリミッターというものが義務付けをされます。それから、環境基準、排ガス規制、こういう法律がありまして、NOx法だとか、CO2だとかそういうような排ガスがしっかり抑えられるような機械の装着というものも義務付けられますし、先ほど私が提起をいたしましたけれども、例えばデジタル記録計を付けるとする。あるいは、この平成元年の附帯決議にも出ておりますけれども、過積載を防止するために自重計を付けて運転席で何トン積んだかということも分かるようにしようじゃないかというような、そういう附帯決議も出ておりますし、今それを研究が進められております。
 そういったときに脆弱な運送業界、運送業者、こういうところが、やれるところはやってください、やれないところは五年間猶予しますよ、十年間猶予しますでは私は環境問題や安全問題を言うときは間違っているというふうに思いますので、そこで、力のないところには力をかすというのが監督官庁の役割、それが公正な競争のもとにもなるというふうに思いますので、ここら辺りの助成体制の確立というものをどう考えておいでになるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#78
○大臣政務官(森下博之君) 御指摘のございました改正自動車NOx・PM法の施行に伴うトラック事業者に対する支援措置についてでありますが、三大都市圏のトラックを対象といたしまして、低公害車の導入に対する補助、あるいはディーゼル微粒子除去装置等の導入に係る補助の実施、あるいは旧ディーゼル車の代替を促進するための特例などの税制措置や使用車種規制適合車等を取得するための融資を実施をいたそうといたしているところでございます。
 スピードリミッターの義務付けにつきましても、改正自動車NOx・PM法の特定地域に使用の本拠を有する自動車のうち、スピードリミッターの装置装着後に使用できる期間が三年未満であるものにつきましてはその適用を除外するとか、使用過程車への適用の期間は平成十五年九月から三か年とする経過措置を設けて適用すること等を検討いたしまして、トラック事業者の負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。
#79
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 是非そういう観点で今後も進めていただきたいというふうにお願いをさせていただきます。
 次に、公正な競争の原点でありますチェック体制、このチェック体制の整備についてお尋ねをいたします。
 今、貨物自動車運送適正化事業というのがございます。私は、この適正化事業をもっと権限を強く、人員を大幅に、そして中立公平、透明性、こういうものをしっかり確保して適正化事業に当たるべきだというふうに思います。
 今、トラック協会が、全ト協がやっているというふうに聞いておりますけれども、そういうことを考えますと、果たしてそこでいいのかどうかということも含めて見直し、権限強化、中立公平、透明性というものをどう考えておいでになるのか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
#80
○大臣政務官(森下博之君) 貨物自動車運送適正化事業を全国的に実施をするといたしますと、一定の組織あるいは人員や財政の基礎、更には適正化指導のノウハウが必要になってくると思うわけであります。
 トラック協会は、貨物自動車運送事業法に基づきまして適正化事業を適切に実施をしてきた実績を有するところであります。したがいまして、現段階におきましては、トラック協会が適正化事業を運営するのにふさわしい機関であると考えておるところでございます。
 しかしながら、適正化事業をより効率的かつ強力に推進をしていくためには、当該事業実施機関の独立性、中立性を高めることが必要になってまいります。そのために、適正化事業の事業内容をチェックをする第三者機関の設置や予算、決算の区分経理化の実施、更には実施本部制の導入を含めた執行体制の整備を検討をしていかなくてはならないと考えておるところでございます。
#81
○谷林正昭君 身内が身内を調べる、監査する、あるいは指導する、非常に難しい状況になろうかと思いますけれども、そこには今までは権限、これがなかったから、そういう、この紙、その書類見せてくださいと言っても、そんなもん何でおまえに見せんならぬかと言われたら、すごすごと帰ってきてしまう、こういうような状況もあったというふうに聞いております。
 今度は、そうではなくて、たとえだれがやろうとそういう権限をしっかり是非与えていただいて、そして、そこで違法なものについてはこれは違法だよときっちり指摘、指導ができる、そういうような体制を私は取るべきであるし、そこには中立公平、透明性というのも確保されなければならない、こういうふうに思っておりますので、是非そこら辺りをしっかり踏まえながらこの適正化事業の実施に今後も当たっていただきたいというふうに思います。
 次に、観点を変えまして、警察庁にお尋ねをいたします。
 今、営業用トラックの運転資格は、普通免許か大型免許、あるいは牽引トレーラー、牽引免許、こういうものがあれば普通四トン以下の車に、トラックに乗れる、十一トン車に乗れる、あるいはトレーラーに乗れる。こういうことになるわけでございますが、今後の状況を考えたときに、一つ起こせば非常に大きな事故になる、これは社会的問題にもなる、そういうことを考えたときに、やっぱり私はこの運転資格というものをより厳重にするべきであるというふうに思います。
 新たな免許制度を作るというのは非常に難しいかも分かりませんけれども、ここで警察庁にお尋ねするわけでございますが、この営業用トラックを運転する方々に対して私はより厳しい免許制度というものが必要だというふうに思っておりますけれども、見解をお聞かせいただきたいというふうに思います。
#82
○政府参考人(属憲夫君) 営業用トラック等の貨物自動車についての運転免許につきましては、現行制度では、車両総重量八トン以上又は最大積載量五トン以上の自動車については大型免許、その他の自動車については普通免許とされております。
 この大型免許につきましては、普通免許よりもより高度な運転能力等が必要であるとの考えから、大型自動車を使用した試験を行うことはもとより、受験資格につきましても二十歳以上、運転経験は二年以上というふうにしているところでございます。また、大型免許を取得いたしましても、二十一歳未満又は運転経験三年未満の方は車両総重量十一トン以上、最大積載量六・五トン以上といった自動車は運転できないということで、それなりに厳しい制度を取っている現状にございます。
 なお、貨物自動車に係る交通事故につきましては依然として多発している状況にございます。そういった状況を踏まえまして、事故多発路線における重点的な指導取締り、全日本トラック協会と連携したトラックドライバーコンテストによる交通安全教育、更には国土交通省等と連携した過積載防止のための広報啓発活動等を行いまして事故防止に取り組んでいるところでございます。
#83
○谷林正昭君 大型トラックは厳しい対応をしているというふうな答弁でございました。
 私、思い付きで恐縮でございますけれども、普通免許で四トン車のトラックが運転できる、営業トラックが運転できる。これは、大型トラック、大型免許を取るときは、例えば動態視力というのが検査の、免許を取るときの条件になっていますが、普通免許は動態視力はなっておりません。そういったときに、例えば四トン車を乗るということになったときはやはり動態視力ぐらいは必須条件に、あるいは、警察庁がやるんではなくて、今ほどおっしゃいましたようにトラック協会との連携だとか、全ト協との連携だとか、そういうような、青ナンバーに乗る以上は、警察庁が認めたからそれでいいということと、私の思いは、それは基本でありますけれども、そこに雇う側の人たちの、どういいますか、安全をもっともっと厳重にするという意味で、そこに自らが資格を上乗せをするというようなことも協議をしてもいいんではないかということを実は言いたかったわけでございまして、そこら辺りを、答弁は要りませんが、指摘をさせていただきます。
 もう一点、今度は違反の関係で触れさせていただきますけれども、今、過積載をなくそうということで一生懸命になっておりますし、スピード違反をなくそう、あるいは過労運転、飲酒運転は特に防止ということで、トラック産業挙げてこの交通悪に対して対応しているところでございますけれども、ここで提案をさせていただきますけれども、今、検問ということになれば警察が担当して逐次どこかでやります。これは大型であろうとマイカーであろうと止めて検問をするということになりますが、私が今提案をしたいのは、トラック専門の路上検査所、こういうところで過積載だとか資格免許だとか、あるいは飲酒運転しているんじゃないかとかいうようなことも含めて、安全運行ということを考えたときは、国土交通省としてそういうことを検討するべき時期に来ているんではないかというふうに私は思います。
 なぜならば、これからは参入も、たくさん入ってくると思いますし、運転手も足りなくなる、そして外国人労働者も入ってくるかもしれない、そういうようなことになったときに、過労、過積み、そして女性運転手もどんどん進出をしてくるといったときに、過労、過積み、過労運転などの防止のためにも是非この路上検査所の設置を提言をさせていただきますが、いかがでしょうか。
#84
○政府参考人(洞駿君) トラック事業者に対する路上検査所の検査についてお尋ねがございました。
 アメリカ等ではこういう路上検査所というのがございますけれども、日本では、常置というんですか、いつも定位置にそういう検査所があってチェックしているというのはございません。もとより、国土交通省は路上検査所を作って、そこで車を止めてチェックするだけの権限というのは今は持っていないですけれども、要するに、今私ども、先生よく御存じのとおり、事業用トラックの安全運行を確保するために、トラック事業者については日本では、欧米と違って、アメリカ等々と違って、事前の参入の許可に当たっては輸送の安全の確保等の資格要件等を厳正に審査している、それから参入後においても、立入検査等に加えまして、先ほどのお話にございましたとおり、警察当局など関係機関との連携によります街頭検査とか適正化事業実施機関等が行う街頭パトロールによって例えば整備不良車の摘発、指導等を行うなど、申し遅れましたが、日本にはまたアメリカと違って車検制度という車をチェックする制度もございます。そういうようなこと、それから、こういう適宜関係機関との連携による摘発、指導等を行っておりまして、そういう意味では事前、事後両面にわたっていろいろチェックを行ってきているということでございます。
 そういうことで、今回の法改正の趣旨でもそうでございますけれども、今後、そういう安全とかという問題に対する事前及び事後の両面におけるチェック体制を更に強化するということで臨んでおります。
 なお、先生の御提案につきましては、今すぐどうのということはございませんが、今後の、将来の動向等を踏まえながら、一つの検討の項目として念頭に置いて対処していきたいと思っています。
#85
○谷林正昭君 せっかく国土交通省になったんですから、トラックステーションだとかドライブイン、あるいはパーキングエリア、あるいは今じゃもう除雪ステーションだとか、いろいろそういうところが私はあるんじゃないかなというふうに思います。是非、安全運行という観点で提言をさせていただきました。
 今度は、もう一つ、安全運行という観点の中で、先ほども適正なコスト、適正な利潤という言葉を使いましたけれども、特に適正なコストの中の人件費、これがやっぱり大きなこれからの問題になってくるんではないか、そういうふうに思います。
 そこで、今、最低賃金法、いわゆる最賃がございまして、いろんな産業、産業最賃、産業別最賃あるいは地域包括最賃、いろいろ最賃を決めております。その中にあって、トラック運転手の最賃というのは今、全国で高知県にしかありません。高知県の最賃はあるわけでありますけれども、私が今提起をしたいのは、今後、過当競争の中で安全ということを考えたときに、労働条件の一番大きな柱である人件費、その人件費をしっかり確保するためにも、人件費を確保するという意味ではなくて、人件費のその存在といいますか、それをしっかり守るためにも最低賃金というものを定めるべきではないかというふうに思います。そういう意味で、今後の営業トラック運転手の最低賃金制度の確立というものをどう考えておいでになるのか。というのは、今、高知県であるというふうに言いました。それから、今、徳島県で申請がされまして、今、審議の、審議というもの、労使で審議の最中であります。そういうことを含めまして、これが徐々に全国に広がろうかというふうに思います。
 そこで、私が指摘したいのは、最賃制度を作る、これまでの答弁でしたら、それは労使の問題だから労使で話をしてください、こういうことでありましたけれども、そうではなくて、これからは競争というものはしっかり公正な中でやっていくためにも、今度は使用者側に対して、労はお願いしたいと言うんですけれども、使の方は嫌だと言うんですね。ですから、今度は使の方に対して、やっぱり公正な競争の原点になる人件費というものをしっかり見るべきだという、厚生労働省としても指導するべきだ、そういうことも付け加えて指摘をさせながら、質問にさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#86
○政府参考人(鈴木直和君) 今、産業別最低賃金の御指摘がございました。今御指摘のように、地域別の最低賃金、これは全国に、すべての労働者に対して設定されるという形でございます。それから産業別最低賃金、これは地域別最低賃金より高い金額で、これが労働条件の向上とか事業の公正競争の確保という観点から必要という場合に、関係労使の申出によってそれが審議会で調査審議して設定されるというものでございます。御指摘のように、産業別最低賃金、二百五十一件ございますが、現在発効している一般貨物運送自動車業関係では一件でございます。
 これについて使用者側に働き掛けるべきではないかという御指摘ですが、今の仕組みは関係労使の申出によって調査審議すると、そういう仕組みになっております。この仕組み自体を今すぐどうこうということは難しいんですが、この最低賃金の設定の申出がある、あるいは相談がある、そういう場合には必要な情報を提供したり、そういう面では適切な対応をしてまいりたいと考えております。
#87
○谷林正昭君 いみじくも今答弁されましたけれども、この最低賃金の目的、第一条、この中に前文はありますが、前文はありますが、「事業の公正な競争の確保に資する」、いわゆる「事業の公正な競争の確保に資する」という文言がしっかり入っております。
 そういう意味では、正に自由な競争をこれからしていくというそのときに一番危うい、ダンピングというような問題になってくるときの人件費、これをしっかりやるべきだというふうに思いますが、とりわけ高い賃金を決めようというわけじゃないんです。
 大臣、高知県でトラック運転手の時給を決めています。時給九百十円で決めているんです、これを最低にしましょうよと。九百十円の最低賃金を決めるときにすごい時間が掛かって、今、徳島県でもそれに見習ってやろうとしているがなかなか前に進まない。それは使用者の理解が得られない、こういうような状況もありますので、あえて厚生労働省に対して、筋道は違っているかも分かりませんが、私は、公正な競争をやるときはしっかりしたそういう指導も役所として必要ではないかという指摘をさせていただいたところであります。
 次に入りたいと思いますが、元請、下請の関係、責任体制をしっかり取るべきだと、こういう答弁も先ほど大臣の方からありました。改めてお伺いするわけでございますが、この元請、下請の関係の責任体制、これを明確にする具体的な対策を教えていただきたいと思います。
#88
○副大臣(月原茂皓君) 今御指摘の点、今後のトラック事業の在り方についてと、先生が先ほど触れられたところにもちゃんと検討されております。
 そして、ちょっと読み上げますと、実運送を行う下請が従来どおり運行管理のすべてを行い、その責任を負うこととし、元請については下請に対する運行の指示を行うことを否定するものではないが、その指示が過積載等違法な場合など下請による適正な運行管理を阻害するものであるときは、元請に責任を問うと、こういうふうな答申がなされておるわけです。
 それに基づきまして、不当な力関係でそれをゆがめてはいけない、そんなところから、今度の法改正では、取り上げたのは、元請について、下請の輸送の安全確保を阻害する行為を禁止すると、こういう規定を設けたわけであります。そして、それに基づいて、もしそういうことが行われたという場合には阻害する行為の停止命令を発することができる。そしてさらには、違法、違反、法令違反として行政処分を行う、これはまあ既にあることなんですが、行政処分の対象の中にそれも入れると、こういうような法改正をしたわけであります。
#89
○谷林正昭君 是非、弱い立場の下請の人たち、あるいは無理難題を言う元請の人たち、そういう構図をやっぱり私は払拭するべきだ、そして正々堂々とお互いに、元請は元請の役割、下請は下請の役割、そこに責任体制をしっかり取るべきだというふうに思いますし、今の副大臣の答弁も大切な分野だというふうに思いますので、今後、しっかり対応いただきたいというふうに思います。
 次に、厚生労働省と国交省とのいわゆる連携、国土交通省と警察庁との連携、こういうものがこれから安全運行や公正な競争をやっていくときには非常に大切になってくる。厚生労働省は厚生労働省で労働条件だけを見ておればいいんだ、国交省は国交省で運行だけを見ておればいいんだということではなくて、これからはそういう連携が大切になってくるというふうに思いますが、まずお聞きしたいのは、国土交通省と厚生労働省とのこの連携について具体的な対策を、国土交通省、その次に厚生労働省の方から簡単にお聞かせをいただきたいと思います。
#90
○政府参考人(洞駿君) 過労運転防止義務違反等に対しまして、過労運転に係る情報を厚生労働省と相互に通報すると同時に、昨年の安全規則の改正によって、先ほど先生が御指摘になりましたとおり、厚生労働省のいわゆる改善基準を、私どもの事業用自動車の運転者の勤務時間及び勤務時間に係る基準として告示して、要するにトラック事業法の中に取り組んで、事業者が遵守すべき事項として明確に位置付けたと。
 これによりまして、そういう違反については厚生省側の法の体系の下できちっと処理されると同時に、私どものトラック事業法の中でもきちっと処分が行われるというようなことになるわけでございますけれども、今後とも、また厚生労働省とは定期的な連絡会議というのを本省、地方支局レベルでも設けておりますけれども、こういった連携を深めつつ、悪質な事業者に対する監査を重点的に行って、違反が判明した場合には厳正に対処していきたいと考えております。
#91
○政府参考人(鈴木直和君) 自動車運転者に係る労働時間対策あるいは安全性対策、これは安全運行という観点からも極めて重要であるというふうに考えております。ただ、こうした対策、その実効を上げるためには、その業を所管する国土交通省との連携が極めて大切であるというふうに考えております。
 今ほども説明がありましたように、中央、地方で定期的な連絡会議、これを持っておりまして、現状と問題点あるいは今後の対策の方向等について意見交換を行っておりますし、また相互通報制度、それもやっております。今後とも、こういった連絡会議等を十分活用して、対策の実効が上がるように対応してまいりたいと考えております。
#92
○谷林正昭君 是非、実効の上がるような連絡体制を取っていただきたいというふうにお願いをしておきます。
 次に、今度は、過積載、一番大きい問題、一つ起きたら大きな事故になるという過積載、こういう問題あるいは違法駐車、スピード違反、こういうところとの、こういう違反に対応するためには警察庁との連携が不可欠というふうに思いますので、そういうような警察庁と国交省の連携についてお聞かせいただきたいと思います。まず、国交省の方からお願いします。
#93
○政府参考人(洞駿君) 国土交通省といたしましては、これまでも監査の実施等に当たりまして、地方運輸局と都道府県警察本部との連携によりまして、通報制度を活用しながら不適格事業者の取締りに努めてきたところでございますけれども、御指摘の点も踏まえ、今後とも更なる相互の連携強化を図りまして取締りを強化してまいりたいと考えています。
#94
○政府参考人(属憲夫君) 警察におきましては、貨物自動車運送事業等の業務に関しまして、車両の運転者が最高速度違反、放置駐車、過積載等の違反を行った場合には、その再発防止を図るために、使用者に対する指示や自動車の使用制限命令を積極的に行っております。また、国土交通省に対しましては、事案の内容に応じて違反内容の通知を行い、行政処分等の措置を促しているところでございます。
 今後とも、委員の指摘を踏まえまして、国土交通省と密接に連携を保ちながら、これらの違反行為に適切に対処してまいりたいと考えております。
#95
○谷林正昭君 是非、密接な連携、相互通報制度、こういうものを確立をしていただきたいというふうにお願いをさせていただきます。
 大分時間もなくなってきましたので、端的にお尋ねをいたします。
 先ほど言いましたように、非常に脆弱な産業、そしてだれもが簡単に参入できる事業ということもありまして、今問題になっているのは、社会保険に未加入あるいは労働保険に未加入、こういう事業者が非常に多く増えてきている、そういうふうに今言われております。
 私の把握している限りでは、社会保険に入っていないのが一四%もあるよという指摘をさせていただきます。それから、労働保険に入っていない人たちは一一%もあるよと。ある人に言わせれば、ある調査団体の人に言わせれば、いや、そうじゃない、谷林さん、二〇%はもう社会保険に入っていないよ、こういう指摘も実はいただいております。
 そういうことを考えたときに、この社会保険未加入、労働保険未加入、こういう問題にどう厚生労働省として対応するのか、はっきりするべきだというふうに思いますので、ずばり、はっきり答えていただきたいと思います。
#96
○政府参考人(冨岡悟君) 事業主におきましては、従業員が必要な医療、年金を受けられるよう健康保険、厚生年金に加入し、保険料を納付することは法律上要請されている当然の責務であります。しかしながら、事業主の中にはこの制度に対する理解の乏しい方も見受けられるところでございます。
 このため、私どもは、各社会保険事務所におきまして、未適用事業所を的確に把握するために、業界団体や地域の事業主の関係の皆様に一般的な広報を、加入の広報をするといった活動に加えまして、法人登記簿を活用して、そうした登記のあって、まだ適用になっていないような方について督促する、それから社会保険労務士といった専門職の方に事業主を回っていただきまして説明していただく、こういった努力もしておりますが、さらに労働保険の適用事業所に関する情報を活用することも今後検討してまいりたいと思っておりますし、また貨物自動車運送事業者につきましては、地方運輸局といったところから情報が得られましたならば、そういった情報を活用した上で社会保険加入の適正化を図ってまいりたい、こういった面でも国土交通省との連携に努力してまいりたいと、かように考えております。
#97
○谷林正昭君 通達で物事が解決するとは思いませんけれども、そういう法的にしっかりした指導、あるいは法的に拘束力のあるそういう指導はなされるんですか、なされないんですか。
#98
○政府参考人(冨岡悟君) 最近の経済動向等もあるわけでございますが、私ども、この社会保険の加入、これを厳正に行うということは制度の基本であります。そういうことから、加入すべき実態にあるにもかかわらず加入をされない方に対するこういった指導の徹底、こういったものにつきましては、現場に対しまして文書での指示といったものを含めまして厳格に対応してまいりたいと、かように考えております。
#99
○谷林正昭君 是非、厳格に対応していただきたいし、その成果というものをしっかり上げていただきたいというふうに思います。これは後日、しっかり私も調査をさせていただきたいなというふうに思っております。
 最後になりますが、大臣にお尋ねをいたします。
 今度の法改正は、一言で言えば正に、公平な競争を条件に、安全、環境に的確に対応し、規制は外すが事後チェックはきっちりやる、こういうような内容と私は理解をしております。これで物流業界にはほとんど規制はなくなりました。自由な競争の下で活性化した市場となることを私は信じたいというふうに思います。しかし、一歩間違えば、交通事故の多発、あるいはCO2やNOxの垂れ流し、あるいは環境悪化、不当競争による秩序の荒廃、あるいは不安全労働や過労による健康破壊、そして労働賃金の低下による家庭崩壊が非常に心配をされるということも申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 しかし、そうではないというかぎを握るのは、正に規制はなくなったものの国土交通省はこれまでにも増して大きな責任と役割を持ったと私は言えます。言えるんじゃないでしょうか。鉄道の役割、トラックの役割、船の役割、飛行機の役割、それぞれ物流に対する役割は、これから二十一世紀に向かって果たすべき役割には大きなものがあるというふうに認識をしております。二十一世紀の物流の在り方について何度も何度も大臣から聞かされて、聞いておりますし、非常に心強く思っておりますが、最後に一言で大臣の二十一世紀の物流についてお話をいただきたい、そして私の質問を終わります。
#100
○国務大臣(扇千景君) 度々お尋ねがございますけれども、今おっしゃったことすべてが、我が国の二十一世紀のあらゆる経済社会におきます陸海空の連携を取るということが、今までの二十世紀に残された負の遺産と言ってもいいものを、今回、それを解消していこうと、二十一世紀型にしていこうというのが今回の改正でございます。
 そういう意味で、今るる御審議の中にありました不安要因、それらを解消し、なおかつ陸海空とおっしゃいましたけれども、少なくとも私は、昨年の七月の六日、新総合物流施策大綱というものを閣議決定いたしております。そういう中で、コストを含めて国際的に競争力のある水準の物流市場の構築、それが一つ。二つ目には、環境負荷を低減させる物流体系の構築と環境型社会への貢献、この二つを二大目標にしておりますので、今おっしゃったるるの問題を整備しながら、少なくとも私たちは、陸海空で、アメリカ、ヨーロッパ、欧米諸国等々あらゆるところの物流に対応できるような国際社会の日本の整備を図っていく。
 一つだけ例を挙げさせていただければ、港で荷下ろしをするのに、少なくとも、欧米先進国が二日から三日というのが日本は四日から五日掛かっているというものも、これは少なくとも解消していこうと。そういうことで、労使協調しながら二十一世紀型の日本を作っていくということを拳々服膺しながら促進していきたいと思っています。
#101
○谷林正昭君 終わります。
 ありがとうございました。
#102
○続訓弘君 私は、具体的な法案の質問の前に、大きな物流政策の一つとして何点か伺います。
 それは、四月の五日に毎日新聞の「経済観測」、この中に「空港亡国論」というのが論じられておりました。ちょっと読ませていただきます。「いま日本は、空港の無計画な乱立による亡国の危機に瀕している。 莫大な公共投資が無駄になるだけでなく、日本が世界の流れから取り残されてしまうおそれがあるのだ。」、こういうことから、そして具体的に、例えば羽田空港の問題、関西空港の問題、名古屋空港の問題、あるいは九州の問題等が論じられておりました。この一つ二つを御紹介いたしますと、
  関西では、不要な関西国際空港第二滑走路の建設に着手する一方、伊丹空港を残したうえに神戸空港を建設するという迷走ぶりだ。関空に一本化すべきなのに、これではすべてが共倒れになり、関西は立ち直れないだろう。
  名古屋では、もともと現在の空港で十分なのに、わざわざ中部国際空港をきわめて不便な場所に建設しており、この新空港は、経済的には未来永劫離陸できないだろう。
  九州でも、日本でおそらく一番便利な福岡空港を遠くに移す計画が進行しつつある。これは、近距離のアジアからの来日を不便にし、せっかく広がってきた九州とアジアとの交流に水をさすだろう。
こんな根拠を示しておりました。そして、
  こうしたばかげた動きを阻止するには、まず第一に、関空二期工事、中部新空港建設、神戸空港建設、福岡空港移転等をすべて中止する必要がある。
  第二に、空港整備は、技官に頼らずに、経営者、財政担当者、エコノミスト等を加えて、検討すべきである。
  そして最後に、国の存亡がかかったこれほど重要な決定は、首相にしかできないことを認識すべきだ。
というのがここに書いてある所論でありました。
   〔委員長退席、理事藤井俊男君着席〕
 そこで、大臣に伺います。
 今読ませていただきました「空港亡国論」に対する反論があればお答えいただきたいと存じます。
#103
○国務大臣(扇千景君) 私は、今、続議員がお読みになった、四月五日とおっしゃいましたか、毎日新聞に載ったというその経済観測欄という、私はそれに異議を唱えるものでもございませんし、少なくとも私は、二十一世紀の日本のグランドデザインというものをどうあるべきかということを就任以来言い続けてきましたのもそのことでございます。
 それは、例えば成田を一つ取ってみても、続先生も御記憶にあると思いますけれども、一九七八年、成田空港が開港いたしました。二十五年たちまして、やっとこの四月十八日に二本目の供用滑走路が、二十五年でございます。これではとても国際空港という、国際という看板を付ける資格もないと私は思っておりました。それは、我々が海外へ行きまして、先進国はもとより途上国に至っても、私たちが海外へ行って降りる空港、国際空港と名の付くところはほとんど複線の滑走路を有しております。ところが、先進国だと言われる日本の玄関口である成田というのが二十五年で一本の滑走路できゅうきゅうとしてきたということは、私は基本的にグランドデザインの書き間違いか、若しくはその達成度が国民に丁寧に説明しなかった、そういうツケだと思っております。
 そういう意味で、今るる空港のお話をなさいましたけれども、私は、果たして日本の先進国として、先ほども私どなたかの質問のときに物流の話をしました、いかに日本が先進国の中で伍していけないか。先進国だけではない、途上国にも伍していけない日本、そういうものを考えたときに、今の成田でいいのか、あるいは、新しい空港を造るだけの財力がなければ、あるものを全部利用するということで、私は、羽田も使いましょうよということで羽田も使うことにやっとこぎ着けたということもございます。
 それから関西国際空港の二期工事が不要だというお話でございますけれども、少なくとも関西国際空港、大体許容量、一本の滑走路で大体約十六万回の許容量、それがもうほとんど関空に対しては十六万回に至るという、それほどの過密状況でございます。これも一本の滑走路しかありません。そして、空港は一夜にしてならず、当然でございます。今から二本目の第二期工事を造って、そして世界じゅうの皆さん方に玄関口を整備して、さあ日本に来てくださいと。先ほども、観光の重要性もお話しになりました。玄関口、間口が入れなくて、来てくれるお客さん、入口に並んでいてくださいと言って誘致することはできません。
 ですから、私は、せめて関空の二期工事は、今、昨年の九月十一日のアメリカの同時多発テロ以来、国際線の減少が続いておりますけれども、それは一時的なことであって、我々は二十一世紀、隣の韓国の仁川国際空港が四千メートル級二本造って、しかも四本造って一年間に一億人の観光客を呼び込むという国策を取っておりますから、それと同じようなことを私は整備をして外国からのお客様を日本に誘致する。そういうことも含めて、私は空港の整備というものが、ただ無駄は省かなければいけませんから、中部国際空港もぎりぎりの線で予算をカットしております。二期工事も、関空の二期工事もぎりぎり予算をカットしております。
 まして羽田空港の四本目の滑走路に至っては、今、委員会を立ち上げて、そしてIBMの最高顧問の椎名武雄さんに会長になっていただいて、座長になっていただいて、今、どの方法を取れば一番安くできるか、また早期にできるか、埋立てなのか橋脚を造るのか、あるいはメガフロートか。それほど私は、委員会で御審議いただいているという状況でございますので、今おっしゃった新聞に書いてありますことに関しては、国策として果たしてどうなんだろうか。日本の二十一世紀の世界の中の日本という位置をどうあるべきかという基本的なことを考えて、無駄を省くのは当然ですけれども、私は限られた中で精一杯、二十一世紀、日本が世界に生き残る整備だけは国土交通省として責任を持って私は達成しなければならないと思っております。
#104
○続訓弘君 私は今、「空港亡国論」を読ませていただきましたけれども、私自身がこの考え方にくみしているわけでもないわけです。ただ、国民の中にこういう意見があると、これをやはり当局、当事者として、大臣として、やはり責任を持ってこれに対する、今お話ございましたが、反論をされる必要があると、公の場で。ここは公の場ですから、そういう意味で私はあえて申し上げたわけです。
 ただ、こういう議論は、先ほどおっしゃったように、無駄を省く、どうすれば一番ベターなのかという、こういう視点からの私は議論だと思います。したがって、関西第二期工事も、関空の二期工事も、例えば伊丹をどうするんですか、新しい神戸空港をどうするんですかと、そういう中で今の関西の窓口をどうするんでしょうかということの真実の議論だと私は思います。
 そういう意味では、今お話しのように、いや我々は日本の将来を考えてこうした方が一番ベターだと、例えば今の成田の、あるいは羽田の問題にしても、こうすることによって東京の玄関あるいは羽田の玄関は事足りるんだと、これがベターなんだということをはっきり示す必要があるんじゃないかということで御質問申し上げたわけであります。
 そういう意味では、恐らくこの議論は何もここに書いておられる人だけの議論では私はないと思います。そういう意味で、今お述べになったようなことをみんなが共有できるようにしていただきたい、こういうふうに思います。
 そこで、具体的な質問に入ります。
 鉄道事業法の改正について、まず伺います。
 「貨物鉄道事業に係る需給調整規制については、国鉄改革の枠組みの中で日本貨物鉄道株式会社の完全民営化等経営の改善が図られた段階で廃止する。」との方針が平成十二年三月の閣議で決定されておりますが、JR貨物は、先ほども社長からお示しされましたように、平成五年度から平成十二年度まで八年連続して経常赤字を出しており、平成十三年度中間決算は三億円の経常黒字を出しているものの、いまだ完全民営化ができる経営状態にはないと思われますが、今回、需給調整規制を廃止する理由とメリットについて御説明願います。
#105
○国務大臣(扇千景君) 今の貨物鉄道に係ります需給調整規制につきましては、御存じのとおり、平成十二年三月の末に閣議決定されております。そういう意味では、規制緩和の推進三か年計画におきまして、少なくともJR貨物の完全民営化などあらゆる経営の改善が図られた段階で廃止する、こういうふうに決められておりますけれども、今御指摘のように、現在のJR貨物の経営状況、この計画でいいますと、完全民営化等経営の改善が図られた段階にあると言えるのかという御趣旨、これは私、必ずしも今の努力、先ほどから社長が御説明になりましたように、JRの貨物、少なくとも努力して、しかも、なおかつ平成九年度から中期の経営計画で新フレイト21というものに基づきまして経営の改善を努力してこられました。
 そういう意味では、私は、年々赤字額は減少し、しかも十三年度、今御指摘になりましたように、経営黒字に転換できる見込みというふうに先ほども社長自らがそういう計画を発表され、またやっと黒字にというほっとされたところだろうと思いますけれども、これからが勝負というその瀬戸際にまでやっと来られたという努力に関しては私たちも多としたいと思いますけれども、現時点で直ちに、だからJR貨物を完全民営化に可能な状況にあるというふうには私はまだ考えておりません。
 それは今後のことになりますけれども、私は、改善する方向でますます努力していただいて、経営の安定化、安全化というものを私はより軌道に乗せるために道筋をもう少し付けていただいて、私たちにもこの時点なら大丈夫だと言われるようなことまで持っていっていただいて、規制緩和の推進三か年計画に挙げました経営の改善が図られた段階にあるものと、今やっとそこまできたと思ってはおりますけれども、今後、JR貨物が既にトラック等の他の輸送機関との厳しい競争下に置かれているのは先ほどもお話にあったとおり、委員の御審議のあったとおりでございますので、そういう需給調整の規制によりまして保護を確実に継続するということよりも、むしろ規制緩和によって事業者自身の自主的な経営判断に基づいて、私は、機動的かつ自立的な事業運営を促進するということによって、私はJR貨物自体のより合理的な事業運営を、体制を確立していくと、それを構築していくということが先ほどの社長のお話でうかがわれましたので、もう少しそれを見守らしていただきたいと思っております。
#106
○続訓弘君 改正案は、鉄道事業者は、利用者の利便の増進を図るため、他の運送事業者その他の関係者と相互に協力して、連絡運輸、直通運輸その他の運輸事業者の運送との間の旅客の乗継ぎ又は貨物の引継ぎを円滑に行うことが必要だとしておりますが、ハード面のみならずソフト面での対応が重要だと考えますが、当局の所見を伺わせていただきます。
#107
○政府参考人(石川裕己君) ただいま御指摘ございましたように、公共交通機関を中心とした全体的なシームレスな交通体系、こういうものを形成する観点から、鉄道事業者間のみならず、鉄道と軌道あるいはバス等の他の運送事業者との旅客の乗継ぎの円滑化、こういうことを促すことが重要だと考えております。また、我が国の物流における重要な課題であります効率的な複合一貫輸送システムの構築を図る。このためには、鉄道とトラックなどの他の輸送機関との貨物の引継ぎ、これが円滑に行われることも重要だと考えております。こういう意味で、ハード面及びソフト面両面にわたる取組が重要でございます。
 したがいまして、今回の改正案におきましては、従前の旅客の乗継ぎ円滑化のためのハード面の措置に関する鉄道事業者の努力義務規定、従来はこれしかなかったわけでございますが、これを拡充いたしまして、貨物の引継ぎにかかわるハード面の措置についても鉄道事業者の努力義務の対象とする。あわせて、旅客の乗継ぎ及び貨物の引継ぎに関しまして、ソフト面につきましても新たに鉄道事業者の義務、努力義務というものの対象に含めたところでございます。
#108
○続訓弘君 最近、鉄道事業者による事業円滑化のためのソフト面での対応が進んでおりますが、これに対する当局の対応をお聞かせください。
#109
○政府参考人(石川裕己君) 最近の情報技術の発展等に伴いまして、ハード面だけではなくて、ソフト面におきましても乗継ぎ円滑化の促進というものが技術的にも可能となってきておりまして、今後一層の促進が必要であると考えております。
 例えば、磁気式カードでございますけれども、御案内のとおり、関西地区にスルッとKANSAIというのがございます。これは三十二事業者が加入してございまして、平成十三年四月から十二月までの間の延べの利用者は約一億九千万人でございます。また、関東地区のパスネット、これは二十事業者が加入してございますが、これは同じく平成十三年四月から今年の一月まででございますが、延べ利用者数は約五億一千万人ということでございまして、関西地区及び関東地区、いずれにおきましても利用者全体の二割を超える方々がこのカードをお使いになってございまして、旅客の乗継ぎ円滑化に大きく貢献をしているところでございます。
 また、ICカードにつきましては、磁気式カードに比較いたしまして更にいろんな分野での能力がございまして、利用者利便の向上に大きく寄与するものでございまして、御案内のとおり、JR東日本のSuicaというものが発行枚数二百万枚を超えるという状態でございます。これから、今後、他の鉄道事業者やバス事業者においても順次この普及が図られるものと考えております。
 私どもといたしましても、ICカードに関しては更に一層の共通化、相互利用化というものを図りまして、JR、私鉄あるいはバス等の他の交通モードを含めて一枚のカードによって利用を可能とするということは、旅客の利便性向上において非常に重要な課題であると認識してございます。
 こういう意味から、私どもとしても、ICカード共通化連絡会というのがございます。こういうふうな場所を活用いたしまして、更なる拡充に努めてまいりたいと考えております。
#110
○続訓弘君 国土交通省は、以前からモーダルシフトの推進をスローガンに掲げているにもかかわらず、モーダルシフトは遅々として進んでおりません。貨物、鉄道貨物の輸送量は年々減少傾向にございますが、この原因をどのようにとらえ、どのような対策を考えておられるのか、伺わせていただきます。
#111
○政府参考人(石川裕己君) 先生御指摘のとおり、近年の貨物鉄道輸送のシェアというものは低下傾向にございます。その原因といたしましては、荷主業界の企業再編成でありますとか、輸送業務の効率化等によりまして、特に鉄道への依存度の高いセメント、石油などの基幹物資、この輸送が、輸送需要が減っているということが大きな理由だろうと思いますし、さらに景気低迷によりまして、物流業界全体において運賃競争が激化すると、そういう傾向があることによるものだと考えております。
 ただ、今申し上げましたように、貨物鉄道全体のシェアは低下してございますが、一方、昨年七月に策定いたしました新総合物流施策大綱、ここにおきましてモーダルシフトの推進をうたってございます。特に長距離雑貨輸送における輸送分担率の向上というものをうたってございます。すなわち、五百キロ以上の長距離雑貨輸送、こういうものに占める鉄道、海運のシェアでございますが、これは鉄道が約四〇%前後運んでございます。
 このように、モーダルシフトといいましても、やはり鉄道の特性が生かされる分野、こういう鉄道の貨物の特性が、生かす、特に発揮される長距離輸送の分野、こういうものを中心に鉄道輸送への転換を促進するということが大事であると思っております。
 このような目的を実現するために、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、山陽線の鉄道貨物輸送力増強工事への補助、あるいは高性能の、高性能機関車の導入に対します税制の特例などによりましてモーダルシフトの促進するための支援措置、こういうものも今後とも頑張ってまいりたいと思っております。
#112
○続訓弘君 次に、貨物運送取扱事業法の改正について伺います。
 今回の法改正に際して、関係者の意見は十分聞かれたのかどうか、この点をまず一つ。そしてまた、その意見開陳の場でどのような方向性が打ち出されたのか、この点も伺わせていただきます。
   〔理事藤井俊男君退席、委員長着席〕
#113
○副大臣(月原茂皓君) お答えいたします。
 今回の法改正の検討に際しましては、貨物自動車運送事業及び貨物運送取扱事業の在り方に関する懇談会、俗に今後のトラック事業の在り方についてという懇談会を開きまして、昨年八月に設置して、計八回の会合を行って、昨年の暮れに答申を得たものであります。
 その構成員は、既に先生御承知だと思いますが、業界あるいは学識経験者、そしてマスコミの方、それから労働界の方、この仕事に携わっている労働界の方、そういう方々を構成員として、一橋大学の杉山先生を座長としたものであります。
 そういうことで、我々は十分その意見を聴取したと、こう考えております。
 さて、この懇談会においてどういうふうな方向が打ち出されたのかと、こういうお話でありますが、総合物流化あるいは情報化、国際化というものが非常に新しい潮流としてある。そういうことから、それに対応して柔軟かつ健全な事業活動の必要性がある。そして、その中で、規制は事後チェック制へ移行する、それから公平な競争条件を確保する、更には社会的要請への的確な対応、これには安全、環境面への問題がありますが、そういう指摘を受けたわけであります。
 そして、この中で、法案化、法律改正を要するものについてただいま御審議をお願いしている、そういうことでありまして、他のことについては省令あるいはその他指導によって行っていきたいと、こう考えている次第であります。
#114
○続訓弘君 第一種利用運送事業の参入規制を許可制から登録制に改める理由とそのメリットについて御説明願います。
#115
○政府参考人(丸山博君) ただいま第一種の利用運送事業の参入規制を許可制から登録制に改める理由とメリットについてお尋ねがございました。
 現在の貨物運送取扱事業法は平成元年にできたわけでございますが、制定当時の状況を申し上げますと、当時、総合運送取扱業でございますとかグループ物流子会社といった新しい形態の利用運送サービスが出現しておりまして、このような新しい出現しております物流サービスについて一定の事業遂行能力を確保する必要があるだろうと当時は考えたわけでございます。したがいまして、これらの事業の円滑な発揮、それから適正かつ合理的な運営を担保するために、利用運送事業につきましては参入を許可制といたしまして事業遂行能力などを見るという体制にいたしたところでございます。
 その後、貨物運送取扱事業法施行後十年を現在は経過しておるわけでございますが、第一種貨物利用運送事業者の事業遂行能力というものにつきましては一定以上の水準が期待できるというような状況になっておりまして、利用者保護の観点から、現段階におきましても許可制を維持する必要性というものは乏しくなっているのではないかというふうに考えております。したがいまして、今般の改正におきましては、第一種の参入に当たりましては登録制に改めるというふうにしたわけでございます。
 やや具体的に申し上げますと、第一種利用への参入に当たりましては、過去に犯罪を犯したことがないかとか、あるいは貨物運送取扱事業法で違反を犯したことがないかとか、必要最低限な施設あるいは財務的な基礎を持っているかというチェックを客観的に行いまして、それに合致しているかどうかだけを見れば十分であるというふうに判断いたしたものでございます。
 このような登録制にすることによるメリットでございますが、運賃・料金を事前届出制を廃止することといたしておりますけれども、この運賃・料金の事前届出制の廃止と相まちまして、事業者の創意工夫を生かした事業展開が容易にできるようになるということで、消費者に多様な良質なサービスを提供するメリットがあるというふうに期待をいたしております。
#116
○続訓弘君 第二種利用運送業の対象に海運を追加する理由及びその効果について伺わせていただきます。
#117
○政府参考人(丸山博君) 第二種の利用運送事業の対象に海運を追加する理由とその効果についての御質問でございますが、現在、第二種の利用運送事業者は航空運送事業と鉄道運送事業、この二つを下請運送人として利用するということしかできないということになっております。
 これはなぜかということでございますけれども、鉄道、航空につきましては定時定路線、スケジュールに基づいて大量に物を運ぶという輸送特性がございまして、このような大量定時輸送を効果的に行うためには確実に集荷をし配達をするという体制が併せて必要であるということで、利用運送事業者が自ら集配を行います形態を第二種利用運送事業者と位置付けまして、戸口から戸口まで一貫して運送を行うシステムを確保されるようなものとして第二種利用運送事業者を考えたものでございます。
 当時なぜ海運を入れなかったかということでございますけれども、海運につきましては、定時定路線ではなく、むしろ不定期に運航されるものが当時は非常に多かった、定期的な形態での輸送は限られておりました。それから、鉄道・航空貨物は、駅、空港に着きますと直ちに運ばれることが多かったわけでございますけれども、海運によって運ばれる荷物につきましては倉庫などへ一時保管されるというようなことがございまして、時間的に集配と幹線輸送が切り離されているというような実態が多うございました。このようなことから、海上運送は、相対的に見ますと、複合一貫輸送システムとして二種に位置付ける必要性が相対的に乏しかったというふうに考えていた次第でございます。
 ところが、最近見ますと、定期的なコンテナ船あるいはローロー船というものの役割が非常に大きくなっておりまして、国際海運におきましてはコンテナ船がむしろ輸出入の主役になるというような状況になっております。それから、リードタイムにつきましても、いつまでも倉庫に置いておくとか、そういうことでなくて、直ちに、もう在庫を持たずに荷主のニーズに応じて運ぶというような新たなニーズが発生しております。
 したがいまして、利用海上運送というものにつきましても、集配と一体となった一貫輸送システムの制度的な形態を整備する必要性が高まっているというふうに考えた次第でございまして、今般、第二種の利用につきましては、従来の空と鉄道に加えまして海も利用できるような新しい制度を作ったということでございます。
 メリットでございますけれども、現在、海運二種のような事業をやろうといたしますと、一種の取扱いと集配についての道路運送の貨物トラックの許可と両方を取らなければいけないわけでございますけれども、新しい制度で一括して手続を一本で申請できるということで、申請者にとりましては行政手続の負担が軽減化されるということでございます。
 それから、事業者にとりましては、現在も事実上海運の二種に相当するような事業を行っている者がおるわけでございますけれども、それが、一貫して私はこういう運送を行いますということをなかなか宣伝しにくいという状況がございますけれども、法令上認知されますと、私はこういうことを行っておりますということで認知されやすくなって、特に中小企業者でございますとか、なかなか知名度のない事業者にとりましては、知名度が上がるというメリットがあるというふうに考えております。
 一方、荷主の側にとりましても、この人は海で一貫した輸送を行ってくれるんだという事業者が分かりやすいというメリットがあるというふうに考えております。
#118
○続訓弘君 次には、貨物自動車運送事業法の改正について伺います。
 今回、トラック事業の営業区域規制を廃止するに至った理由とそのメリットについて伺います。
#119
○政府参考人(洞駿君) 最近のトラック事情を取り巻く状況を見ますと、高速道路網の整備とかあるいは車両性能の向上、最新情報技術を活用した求貨求車システムの導入などによりまして事業者の行動範囲が大幅に拡大してきておりまして、都道府県単位又は経済ブロック単位を基本といたします現在の営業区域の設定がもはや合理的なものでなくなってきております。
 また、現在は営業区域規制に基づく片足主義というものを取っているわけでございますけれども、トラックの運転手が求貨求車システム等を活用して臨機応変に帰りの荷を獲得するといった行為が規制されてしまうなど、非常に新たな事業展開にとって阻害要因になっているという状況も見られます。
 さらに、トラック事業者の行う運行管理につきましては、各営業所単位で運行管理者を配置して行われて、運転者に対する点呼、指示等は対面で行うことが基本とされておりますけれども、昨今の情報技術の進展等によりまして、携帯電話等の情報端末を利用すれば対面によらなくても必要な情報を過不足なく伝えることができるようになってきております。
 こういう状況を踏まえまして、営業区域規制、また、これに基づく片足主義というものの規制を廃止することとしたものでございます。
 これによりまして、トラック事業全体の活性化につながるというメリットが期待できると思います。
#120
○続訓弘君 先ほども同僚議員から御質問ございましたけれども、交通事故と並んで環境問題もトラック事業の懸案事項であり、健康被害の原因とされる自動車の排気ガスからのNOx、窒素酸化物やPM、浮遊粒子状物質による大気汚染は深刻な状況にございます。一方、CO2、二酸化炭素の増加による地球温暖化問題も早急に取り組むべき課題となっております。
 大気汚染対策及び地球温暖化防止対策に対する国土交通省の取組の姿勢について伺わせていただきます。
#121
○国務大臣(扇千景君) 大気汚染対策及び地球温暖化防止対策、大変二十一世紀型で今大事にされ、しかも各国がそれに努力しているところでございますけれども、トラックに起因します今の環境問題、続議員がおっしゃいましたように、NOxあるいはPMなどあらゆる大気汚染問題とCO2に対処していくというこの問題に対して、大気汚染の対策につきましては、これまでも新車の排出ガスというものの規制の強化に国土交通省としては努めてまいりました。けれども、今回、これに加えまして、昨年の六月に改正されました自動車NOx・PM法、それに基づきまして本年の十月からは車種規制を強化するということで、あらゆる抜本的なNOx、PMの削減の対策に取り組んでいきたいと思っております。
 また、地球温暖化防止対策につきましても、今申しましたように、三月の十九日に内閣総理大臣を本部長とします地球温暖化対策推進本部におきまして地球温暖化対策推進大綱が決定されておりますので、国土交通省といたしましても、大型ディーゼル車、これに代替する低公害車の開発そして普及、そして物流の効率化、鉄道とか海運へのモーダルシフト対策の推進を図るために、あらゆる運輸部門のこのCO2の削減対策を推進し、また、あらゆるその研究に助成をしていくという対策を取っております。
#122
○続訓弘君 最後に、これももう既に大臣が何回かお答えいただいておりますけれども、物流は経済社会を支えるインフラとして非常に重要だと考えますが、今後の物流政策の基本的な方向について、大臣の考え方を伺わせていただきます。
#123
○国務大臣(扇千景君) 二十一世紀の物流がいかに大切かということを先ほども申し上げましたけれども、船舶の入港から貨物の引渡しまで本当に長時間掛かっているんですね。
 例えて言いますと、船が入ってきますけれども、アメリカは、船が入って貨物を引き渡すまでの時間、これがアメリカは一日から二日程度、イギリスとオランダは二、三日程度、ドイツは二日、フランスは三から四日ということで、日本は今、三から四日掛かっております。そういう意味では、少なくとも私たちは二〇〇五年までにこれを二日程度に短縮したいというふうに考えて、あらゆる省庁と一緒に取り組んでおります。
 なぜ省庁と一緒に取り組むかといいますと、船が入ってきますときに、無線で、例えば今はあらゆる通信技術を通じてもうすぐ入りますよという通知をするんですね、船から港に対して。そのときに関係省庁がたくさんございまして、その関係省庁にその通知を受けるだけでもお金を取る役所があるんです。国土交通省、もちろんただですけれども。それで、私が閣僚懇で皆さん方に全省庁ただにしましょうということを申し上げまして、これも、おかしいと一番それに呼応していただいたのが財務大臣でございまして、財務省はお金を取っておりました。一番お金を払っている業者に私、年間幾らぐらい払っているんですかって聞いたら、一億円ぐらい払っていると、こう言うんです。これでは、各役所が、日本の役所が全部関連しますのに、関係する役所が全部ばらばらでお金取ったり取らなかったりというのは冗談じゃないということで、そして、これを全省庁、関係省庁が全部こぞって今度無料にしてくださいました。
 これによって料金も掛からないで、なおかつ欧米先進国に近づくように十五年度までにこれを半分にする、二日を目標にするということで、かなり私は変わってきたと思いますので、これ一つ取ってみても、いかに日本の物流コストの削減と、そして先ほどから申しておりますように、二十一世紀に日本がいかに安く、いかに速く、そして港湾も二十四時間ワンストップサービスということで、フルオープンにいたしました。二十四時間港を開きます。
 けれども、一番、荷降ろしも速くしてくださるんですけれども、ネックはどこですかと言ったら、やっぱり手続なんです、要するに。だから、一番時間の掛かっているのは手続だとおっしゃるものですから、その手続を速くしましょうというので、行政手続、これさっき申しました六省庁かんでいます。
 ですから、この六省庁が全部協力いたしまして、しかも二十四時間フルオープンで三百六十四日、一日だけ休んで三百六十四日オープンするということでございますので、あらゆる面で国土交通省としても物流コストの低減とそして迅速化を図って、二十一世紀型にしていくというふうに考えております。
#124
○続訓弘君 せっかくの努力をお願い申し上げまして、終わります。
#125
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。私は、改正案の内容に即して具体的に質問をさせていただきたいと思います。
 まず、貨物自動車運送事業の営業区域規制の廃止の問題です。
 今回の改正案の前提と言ってもよい昨年の十二月十三日に出された今後のトラック事業及び貨物運送取扱事業の在り方についてでは、営業区域制度の在り方について次のように述べています。十年前に制定された現行法においては、営業区域はもはや需給調整のための単位でなくて、主として安全な運行管理の遂行のために必要な地域的な制約としてとらえられていると、こういうことなんですね。そうしますと、今回の法改正は、経済的規制の廃止ではなく、安全規制を廃止するということになるのでないかと、このように私は思えて仕方がないんです。
 そこで、皆様に資料を配らせていただいておりますが、ナンバー四、枚数で言ったら八枚目になるんですけれども、ちょっと、八枚目のナンバー四というのがありますが、これを見ていただきたいと思います。これは全日本建設交運一般労働組合、いわゆる建交労と言っていますが、この組合が実態調査したアンケートの結果です。トラック労働者の睡眠や休憩をどこで取っているかという問いに対して、ちょうど真ん中の左側の下の方ですけれども、車両ベッドという人が過半数、五五・四%を占めているわけですね。その下に、居眠り運転の経験などを見ても、過労状態はひどいことが容易に推測できます。これは居眠り運転がよくある、そして時々あるというのが五一%あるということですね。こういう本当にひどい状態が今実態としてあるということなんです。
 ですから、本当に安全規制の役割を果たしている営業区域規制を廃止して、それに見合う安全規制、そして事業チェックがどのように具体的になされるのか、そのことをまずお聞きしたいと思います。
#126
○政府参考人(洞駿君) 先生御指摘のとおり、今、営業区域が持つ意味というのは、適切な運行管理がちゃんとなされているかどうかというのをチェックするというものと非常に密接な関係があると言っても過言ではないと思います。
 貨物自動車運送事業者は、過労運転を防止するために、いわゆる貨物自動車運送事業輸送安全規則という省令がございまして、運転者の勤務時間とかあるいは乗務時間の基準として、先ほども御指摘ございました厚生労働省が定めたいわゆる自動車運転者の労働時間等の改善のための基準に従わなければならないということになっておりまして、この基準につきましては営業区域があろうがなかろうが当然遵守しなければならず、営業区域規制を撤廃したからといって即安全性の低下につながるものとは考えていません。いかにこれを守らせるかということをしっかり徹底させるかということに懸かっていると思います。
 そこで、具体的にどうするんだということでございますけれども、先ほども申し上げましたが、具体的に、これから二泊三日以上の運行で、当日の乗車前あるいは乗務後の点呼等のいずれもが営業所において対面で、顔を突き合わせて、受けないで運行を行う場合にあっては、新たに運行指示書という携行を義務付けて、出発前に運行管理者が細かく指示をした、それを書面に書いたものを、指示書を示して、運行先において行き先変更等があった場合等においては、改めて運転者から運行管理者に報告させてその内容を変更させる。
 また、乗務前、乗務後の点検に加えて、乗務途中点呼というものを義務付ける。乗務途中においても、携帯電話等の活用によって運転者の乗務、休憩等の状況や疲労状況、健康状態についてきめ細かく把握すると同時に、運行管理者が休憩、休息の場所、時間等について適切な指示を行うものとすると。
 それから、もう行きっ放しで帰らないというようなことで、満足に一週間に一度も休みが取れないというようなことにならないように、所属営業所に戻らずに行う運行の期間が一週間以上にならないようにちゃんと制限するなどの安全規則の強化を図っていくこととしております。
 また、当然のことながら、これと併せまして、こういう安全規則の違反行為に対しましては、行政処分というものを基準をきちんと定めますし、悪質な事業者に対する重点的な監査、違反者に対する厳正な処分等によりまして輸送の安全確保の徹底を図ってまいりたいと考えています。
 また、トラックの中のベッドで睡眠させるというようなデータも今、先生お示しになりましたけれども、これについては、前も政府としてお答えしたかと思いますけれども、運転者をトラック内のベッドで睡眠させることにつきましては、十分な休息を取るという見地からすれば一般的には適当ではないと考えておりますけれども、出先において宿泊施設がないなどやむを得ない場合もございまして、勤務終了後の休憩をどのように取るかについては各事業者の運行の実態に応じて労使が十分協議した上で決めていただくというのが適当であると考えております。
#127
○大沢辰美君 今、労働時間、安全面については営業区域規制を廃止しなくても、しても大事だという、柱であるということを言われましたけれども、具体的な内容で言われた中で、一点、とても私は気になるんですけれども、その労働時間、期日ですね、一週間限定、それを超えないという言葉を言われたと思うんですけれども、私は、例えばもし一週間限定、それを超えてはならないということは一週間、七日間走っていけるということになるんですが、その間いわゆる車内ベッド、車両のベッドで六日間泊まることになるかもしれない、五日間泊まることになるかもしれないんですけれども、そういう事態が発生する可能性があるわけですよね。それが私は、二泊三日がいいとか、その基準はちょっと判断もしかねますけれども、少なくとも一週間事業所に帰れないということは、一日たりとも一週間のうち休暇が取れないということになりますから、これは今から決める内容だと思うんですけれども、こうあってはならないと思いますから、そこのやはり改善、訂正をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
#128
○政府参考人(洞駿君) おっしゃるとおり、一週間に一日は休息日を取らなきゃいけないというのが決まっているわけですから、その休息日も取れないような連続した勤務日数を決めると、それを強いるというのは問題でありますから、最低限それ以上は、一週間に一日の休息日も取れないような運行管理といいますか運行指示を行わせて、トラックの運転手の皆さん方にそれを強要するというのは禁止するという趣旨でございます。
 おっしゃるとおり、何日までがいいかというのはいろいろあろうかと思います。先生おっしゃるとおり、二泊三日、三泊四日、いろいろあると思いますけれども、最低限は一週間以内に一日休息日がちゃんと取れるということというのが規則で決まっているわけですから、そこが最低の線になるのかなという方向で今いろいろ検討しているということでございます。
#129
○大沢辰美君 繰り返しますけれども、その可能性が、私は非常に不安だということを言っているわけですが、今の現状を見ていても大変な実態の中で、これが一週間にもし車両ベッドで寝なければならないという事態が生まれる事態も発生するということで心配しているわけですが、今からこのことの規制というんですか、チェックをするわけですから、安全規制を決めていくわけですから、私は一週間という数字は、せめてというんですか、せめてやはり一週間私たちは、七日という考え方なんでしょうけれども、やはり月火水木金という、やはり土日、休暇を取れるような、そういう細部にわたる規定ということを、省令になるのでしょうか政令になるのでしょうか、そういう検討を私はこれからしていただきたいと思いますが、その点について、もう一度要望したいと思います。
#130
○政府参考人(洞駿君) これは安全規則の中で決める内容でございますから、省令でございます。
 いずれにせよ、これはそういう方向で今一つの案として頭にあるということでございます。具体的に決めるに際して、関係の方面と十分意見交換をして、その上で最終的に決定をしたいと思っています。
#131
○大沢辰美君 厚生労働の担当ということになると言われるのかもしれません。これはやっぱり常識的な問題として、検討の中で最も重要視していただきたいということを念を押して指摘をさせていただきます。
 次に、運賃・料金の事前届出制の廃止の結果、どうなるかという問題で、先ほどからも質問がありましたけれども、私からも一点質問させていただきたいと思います。
 認可運賃から届出運賃になっただけでも、私は大企業の荷主等に対するトラック事業者の交渉力、とっても低下したと言われています。全国で五万数千社に上るトラック事業者が、重複もあるようですけれども、どのような運賃で営業しているか、届出制まで廃してしまったら国土交通省が一体どのようにつかむのか、このように思うんですね。
 改正案では、利用者の利便その他公共の利益を阻害している事態があると認められるときは国土交通大臣による運賃・料金の業務改善命令ができるとなっていますが、運賃の届出制は全面的に廃止されて、自由化された運賃の下で荷主とその都度運賃を契約する、あるいは自由運賃ですからこれからは入札による契約も可能になるわけですが、さらに事業所や営業所での運賃・料金がだれにでも分かるように提示する義務も、これは宅配便など荷主が一般国民を対象とする以外は不要になると。
 だから、どんな運賃で営業しているか分からないのに、私は大臣はどうやってこれを変更命令を出せるのか、とても危惧をしているんですが、その点はいかがですか。
#132
○政府参考人(洞駿君) 今回の法改正後におきましては、運賃・料金の事前届出制は廃止することとなって、原則として自由に事業者が料金を設定できることとしておりますけれども、今後は、国土交通省といたしまして、トラック事業者からの運賃・料金に関する報告や定期的な監査を通じて実際の運賃・料金水準を確認するということとしております。
 具体的には、先ほど申しましたが、現行法の第六十条で、「国土交通大臣は、この法律の施行に必要な限度において、国土交通省令で定めるところにより、貨物自動車運送事業者に対し、その事業に関し、報告をさせることができる。」という規定がございますけれども、この規定に基づきまして、省令で運賃について、例えば今、倉庫業法の事例でございますけれども、三十日以内に届けるというのが省令で決まっておりますけれども、同じような内容の手続等を、事後的に運賃・料金の報告を求めることを考えております。
 自由に決められるからといって、運賃表とか、そういったものは各事業者が持っていないということはないわけでございまして、それを事前に届けるか事後に報告するかということでございまして、何もなければ、逆に言うと人によっては差別的な運賃をやったり、かえって問題であろうし、それからプロ対プロでございますから、運賃掲示の義務は必要なくとも、私どもの運賃はこうなっていますというのを提示して運賃交渉をするわけでございますから、当然、運賃・料金表というのは個々の事業者が持っているわけで、それを事前ではなくて事後に報告してもらって私どもはそれを把握すると、そして必要に応じて事業改善命令というものを利用者の利便あるいは公共の福祉を害しているということになれば発動するということになるわけでございます。
#133
○大沢辰美君 今、業界団体が進めている適正運賃収受運動ですか、私は、これが今そういうふうに言われて自由運賃になって、このことが一層困難になるのではないかなと思うんですね。
 そこで、今、適正運賃収受運動を実施している全日本トラック協会が、全事業者五万数千事業者あるわけですが、そのうちの約一〇%の人たちに実態調査をしているわけなんです。
 これは、資料ナンバー六になるわけですけれども、ここにはこういうふうに数字が出ていますね。届出運賃を基準にした現在の収受状況では、届出運賃以下の収受と回答された事業者は全体の六〇%を占める一方、運賃水準の低下の要因としては、荷主からの一方的な値下げ要請を主な要因として挙げている事業者が三二%にも及んでいますと。また、厳しい経営状態を脱却するために荷主企業に対して運賃値上げ交渉が可能かとの問いに対しては、やっぱり不可能であると回答した人が事業者の約五九%にも達しているわけです。だから、こういう驚くべき実態の中で、自由運賃になったときに適正な運賃収受運動というのが適正にやられるかといったら、やっぱりそれは心配だなと思うんですね。
 そこで、トラック労働者などが組織している全日本、今言った労働組合が、今年の二月七日に扇大臣に対して出した貨物運送取扱事業、貨物自動車運送事業法の一部改正案に関する要請でも一番に挙げているのが、国土交通省が出した荷主あての文章の実行確保に向けて次のことを徹底してほしいと、そのように述べています。
 一つは、適正運賃の収受運動を支持して、監督官庁としての荷主に対し周知されることですね。二つ目は、経済産業省、公正取引委員会、警察庁、トラック協会など関係官庁、業界団体と連携して取引の実態調査を定期的に実施されることを望むと。三つ目には、荷主あての文章が徹底されていない、徹底されていない荷主への勧告を含めた具体的な指導を実施されることと、こういう点を強調しています。
 昨年度に出された、国土交通省が、荷主への協力依頼の文章は過積載等の防止対策しか載っていなかったです。その前ですね、今からいったら一昨年になるわけですが、そのときには輸送秩序の確立ということが協力依頼としてなっておりました。ですから、私は、この協力依頼というのが去年は出されなかったと、今回、自由運賃にするから書いたのではないかという危惧も持っているんですが、私は、そういう姿勢を変えないで、しっかりと荷主に対する適正な運賃の問題、秩序の確立の問題について、国土交通省は定期的な指導、そしてその対応を迫りたいと思いますが、いかがでしょうか、大臣。
#134
○国務大臣(扇千景君) 今、業界団体が実施しておりますこの運動の適正運賃収受運動、これも拝見しておりますし、御要望もいただきました。それによりまして、元々これは業界団体が輸送の原価に見合うような適正な運賃について荷主の理解とそして協力を求めるということでございます。事故を未然に防いで安全運転を確保するということで実施しているものでございます。
 そういう目で見ても、トラック事業にかかわる運賃・料金、少なくとも事前届けであろうが、あるいはもしも事後届けであろうが、私は、個々の事業者が市場の現状を踏まえて適正な輸送の原価に基づいて運賃と料金を荷主に求めるというものであって、何ら事前の制度と変わるものではないということだけは私は申し上げておきたいと思いますし、ここに、今回の改正によってこの適正化運動に対して少なくとも困難になることではございませんし、したがって適正運賃の収受運動につきましては、国土交通省として少なくとも引き続いて私たちは支援していこうと思っております。
#135
○政府参考人(洞駿君) 先生御指摘の国土交通省から荷主団体等に対する協力要請について、去年あるいはおととしについては、平成九年のときは取引の正常化ということで運賃等に関する協力要請をしたのに、ここ二年ぐらいやっていないじゃないか、姿勢が変わったんじゃないかという御指摘がございました点についてお答え申し上げます。
 平成九年につきましては、協力金等の名目による値引き要請が非常に問題になっていたというようなこともあって、これはいわゆる運賃の割引といいますか、失礼しました、割戻し違反に抵触するおそれが大きいというようなことで、そこをはっきり明示して荷主団体等にも協力を求めたわけでございますけれども、去年、おととしと出しましたのは、これは建設省と関係省庁とも連名で出したものもございますけれども、全体を含めて安全対策が重要であるという観点から、ここ数年は過積載違反とあるいは安全運転等の防止の観点から、こういうものにつながるような無理な発注等を行うおそれがある、これは率直に言って無理な発注というのは運賃等も入っていると思いますけれども、そういった無理な発注等を通じて過積載あるいは安全運行に支障があるというようなことを防止するために、広くその原因となる行為全般について荷主団体全般に協力を行ってきているということでございまして、適正運賃収受というようなことではなくて、もっとそれを含めた全般の、安全運転徹底に対する全般的な協力というものに、ことをまとめて、重ねて関係省庁等関係方面、関係荷主団体に要請してきているということでございまして、決して精神としてそこのところは切れていたというわけではございません。
#136
○大沢辰美君 そういう状況を放置してきたわけではないということを述べられましたし、私もすべてそうあったとは言っていません。でも、やはりこの問題については、今実態の調査でも明らかなように、運賃水準の低下の要因、そして届出運賃以下の収受という回答をされたのが六割ぐらいというんですから、やっぱりひどい状態だと思うんですよね。
 やはりこれを具体的に改善させられる監督官庁しか私は今ないなと思ってこのことを聞いたわけですが、それなのに見るべき成果が上がっていないというのが今の実態なんですけれども、その理由は一体何なんでしょう。どこに問題があるんでしょう。
#137
○政府参考人(洞駿君) トラック事業におきます輸送秩序全般の確立というものにつきましては、これまで国土交通省といたしまして、先ほど申しましたとおり、平成九年度に荷主等に対して要請を行いましたことも含めまして、機会あるたびに過積載等の防止等の輸送秩序の確保のための努力を行いますと同時に、業界団体等が行います輸送秩序確立運動につきましても支援してきたところでございまして、これがなかなか目に見えた成果が上がってこないじゃないかという御指摘あることは承知しておりますけれども、でも片一方で過積載防止違反に関する処分件数の減少というのも見られるところでございまして、一定の成果を上げていると認識しております。
 しかしながら、昨今の景気の低迷、あるいは物流構造の非常にもう大きな変化の中で、トラック事業者のみならず荷主についても非常な経営環境下に置かれておりまして、これはトラック事業のみならず全産業皆同じでございますけれども、特にトラック事業者においては一般的に非常に相対的に荷主に対して弱い立場にございますから、一部の事業者において低運賃競争に走る余りに安全環境をおろそかにするなど悪質な事業者の発生が社会問題として取り上げられ、結果としてトラック事業全体の輸送秩序等を乱しているということは非常に問題であるということを認識しております。
 したがいまして、我々はこの法律の精神にも、趣旨でもございますが、要するに事後チェック体制の強化を含めて、より公正な競争条件の整備確立を図ることによって社会的に問題のある悪質な事業者を排除していく、そしてトラック事業全体として非常に健全な公正なトラック市場の形成を図る、こういうことによって運賃水準というのもそれに応じてしかるべききちっとコストに見合った運賃をもらう、もらえるというような環境を醸成していくということが必要じゃないかと考えているところでございます。
#138
○大沢辰美君 もう繰り返しませんけれども、やはり荷主に対しての運送秩序の確立、そのことが労働者の労働条件を改善し安全輸送を保障するというもう一体のものであるという立場から、絶えずこのことの、私は毎年出すべきだと、そのように考えていますので、提案をさせていただいて、次の質問をさせていただきたいと思います。
 同じく運賃・料金と安全輸送の問題なんですが、特に今大きな問題になっている石油運送について、資料のナンバーの十二、もうずっと後ろの方なんですけれども、そこに福岡県トラック協会と石油ローリー協会が石油連盟に出した要望書が載っております。極めて深刻な内容がここにもありますが、石油運送の車がいったん事故を起こしたら、これはもう本当に被害は甚大だと思うんですよ。トラック運送事業の要望が実現するよう、国土交通省も、また資源エネルギー庁ですか、そこも本当に積極的な対応をしなければ、これはただそこの運送業者だけの問題じゃないと思います。石油業者だけの問題じゃないという点で、その点については、今日は資源エネルギー庁も来ていただいていますでしょうか、両方の回答をいただきたいと思います。
#139
○政府参考人(洞駿君) トラック事業が健全な発展をしていくためにはトラック輸送のコストに見合う適正な運賃・料金の収受が必要であるということで、必要であるということは当然でございますけれども、石油輸送のみならず、トラック事業の運賃・料金というのは荷主との商取引の中で基本的には当事者間で任意に定められるべきものでございまして、よって適正な運賃・料金の収受については基本的にはまず第一義的には事業者と荷主の話合いにゆだねるべきだと考えております。
 しかしながら、一方で、良質でかつ安全な輸送を確保していくためには荷主側の理解と協力が非常に、関係者の理解と協力が必要不可欠でございまして、そういう意味で国土交通省といたしましては、昨年あるいはもうその前もそうでございますが、売上げを量で確保しようとするような安易な違法行為の防止について、また今年の五月には警察庁との連携によりまして荷主の無理な発注条件を強要することがないよう荷主に対して要請を行い、その荷主側の理解と協力を得ることとしてきたところでございます。
 国土交通省といたしましては、今後ともこのような対策を粘り強く実施することによりまして、荷主に対する取組を更に進めますと同時に、事業者の意識高揚を積極的に図っていきたいと考えております。
#140
○政府参考人(松永和夫君) お尋ねの石油輸送に関しましては、その運転手の方々の労働安全については第一義的にはタンクローリー各社において確保されるべき問題ではございますけれども、その重要性につきましては石油元売各社も十分に認識しているものと承知をいたしております。御承知のとおり、石油産業、規制緩和された競争条件の中で必死の合理化、効率化努力に努めているところではございますけれども、一方におきまして、やはり安全問題の重要性ということについては十分に認識をしているわけでございます。
 石油産業を所掌しております経済産業省といたしましても、業界が抱えております御指摘のような問題につきまして日ごろから意見交換等を行っているところでございますけれども、御指摘の安全対策の重要性につきましても、改めて石油元売各社に伝えてまいる所存でございます。
#141
○大沢辰美君 これは重ねて、国土交通と資源エネルギーだけじゃなくて、やはり安全の問題ですから、他の省庁とも私は連携をして防止対策をやっていただきたいということを念を押しておきたいと思います。
 もう一点、貨物運送取扱事業法の運賃・料金の事前届け制の廃止によって、私はダンピングの防止や運送秩序の維持がますます困難になると思うんですね。そして、この利用運賃の自由化の影響を港湾運送料金に波及させないようにしてほしいと。それはもう全港湾の皆さんの強い強い要請なんですけれども。
 そこでお聞きしますけれども、港湾運送料金は利用運送料金の中に含まれないようにする。具体的には、利用運送事業における港湾運送料金など、経理区分させるよう法文に明記すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#142
○政府参考人(丸山博君) ただいま利用運送運賃と港湾運送料金との関係を制度上明確にした上で区分経理を義務付けるべきではないかという御指摘がございました。
 今般、新たに二種の利用運送の中に海運が入るわけでございますけれども、これもあくまでも幹線輸送につきましては海運、端末輸送につきましては当然のことながらトラックということでございまして、そもそも海運利用運送そのものの中に港湾運送が含まれておりません。本体が含まれておりませんので、当然のことながら利用運送事業者が収受する利用運送運賃の中に港湾運送料金は含まれないというのが原則でございます。このことは法制上明らかなそういう制度設計になっておりますので、あえて運賃・料金の規定についてただいま御提案のありましたような趣旨を明示することをしていないというところでございます。
 ただし、港湾運送料金の適正収受という観点から見まして、この関係は非常に重要でございまして、現実問題といたしまして、利用運送事業者が港湾運送事業者に渡す運賃を併せて荷主から徴収するということはございます。したがいまして、これまでも通達等によりまして関係者への周知徹底に努めてきたところでございますけれども、今後とも必要に応じまして周知徹底のための措置を講じてまいりたいというふうに思っております。
#143
○大沢辰美君 原則としてあり得ないということですけれども、非常にリンクするんじゃないかという危惧を持っていますので、適切な通達、繰り返しの指導というんですか、その点については特に強調をしておきたいと思います。
 最後に、道路問題の一つではあるんですけれども、これは環境問題として、排気ガスに汚染されて苦しんでいる兵庫県の尼崎地区の幹線道路、四十三号線を中心ですね、沿線住民の人たちは特に大型トラックの交通量を大幅に削減するよう求めています。この沿線住民の要求にこたえるためにも、ここを迂回するために港湾線の通行料金の引下げを行うよう、トラック協会の方とか、そしてもちろん地域住民の人たちも求めています。これは、一昨年、十二年の十二月、公害裁判での和解内容での大きな柱でもあります。
 そこで、国と公団の責任で私は排気ガスを削減するとなっているこの問題に対して、関係者からの要請、そしてこのことについて現在どういうふうに対応しているのかという点をまずお聞きいたします。
#144
○政府参考人(大石久和君) 阪神高速湾岸線の通行料金の引下げについてのお尋ねでございます。
 尼崎公害訴訟が提訴されて、その和解内容として阪神高速湾岸線と神戸線との間に料金格差を付ける、いわゆる環境ロードプライシングを試行的に実施するということを条件に成立いたしました。平成十二年十二月のことでございます。
 それを受けまして、阪神高速道路における環境ロードプライシングを平成十三年度から十四年度まで、神戸線から湾岸線へ交通の転換を促すため、湾岸線の阪神西区間を通行するETC利用の大型車及び湾岸線の阪神西線区間と阪神東線区間を連続して利用する非ETC大型車に対しまして、阪神西線区間の料金、千円のところを二百円割引いたしまして八百円に設定し、去る十三年の十一月でございますが、十一月一日から試行を開始いたしております。
 現在のところ、試行開始後まだ日が浅いこと、またETCの普及、全国展開が始まったばかりだというようなこともございまして、本試行の対象となっております車両は平日の平均で二百六十台程度にとどまっております。しかしながら、引き続き当該車両の湾岸線の利用を促進し、本施策の効果を高めていく必要があると考えておりまして、今後、阪神高速道路公団等におきまして、学識経験者等によります環境ロードプライシングの試行状況の調査、分析を行う予定でございます。
 国土交通省といたしましても、その検討状況を参考に、関係機関との連携の下、湾岸線の更なる利用促進が図られるよう公団を指導してまいりたいと考えております。
#145
○大沢辰美君 今お聞きしていましたら、国土交通省としては公団を指導していきたいというような感じですね。でも、この一昨年の、十二年の十二月ですね、裁判の和解条項ではやはり、建設省ですね、当時の、公団は責任を持ってこの対応をしなければならない、解決しなければならないとうたわれているわけです、合意したわけですね。だから、今の答弁では、これは私は進まないと思うんです。
 だから、今、それはまあ千円の分を八百円にしている、二割削減している、ETCの対応でやっていると言いますけれども、進行状況は正にもうごくごく私は数パーセントじゃないかなと思うんですが、試行期間だと言いますけれども、これが和解条項に即して解決するその可能性、到達はどれぐらいの期間でやろうとしているんですか。計画的な、積極的な対応をお聞きしたいと思いますが。
#146
○政府参考人(大石久和君) 和解条項としてそれが成り立つためにどの程度の転換が見込まれ、それがいつ実現できるのかといったような御質問でございますが、現在のところ、まだ運用が始まったばかりでございまして、阪神高速湾岸線のネットワークも完成いたしておりませんというようなことから、現在の段階でいつまでにどの程度の車両が転換するのか見込むところはなかなか困難でございますが、料金格差が二百円ということであれば、このような状況であるのであれば、今後どのようなことを考えていくのか。先ほど申しました、学識経験者等から成りますこの試行そのものを管理していただくような委員会を設けてございますので、そういったところの御意見を伺いながら更に試行を深めることといたしたいと考えています。
#147
○大沢辰美君 私、やはり公団の内部補助だけでは事態が進まないということははっきりしていると思うんですが。
 大臣にお聞きいたしますが、やはりこれは抜本的な料金軽減策を国の責任で進めるべきだと思います。もちろん、環境への悪影響など、排気ガス公害などの費用負担は私はメーカーの責任も含めてするべきだとは考えますけれども、今回のこの尼崎での幹線道路の裁判結果、和解条項については、本当に真剣に国もそして公団も責任を持ってやるといったこの経緯からして、今、国の果たす役割は大きいと思いますが、その点について大臣にお伺いします。
#148
○国務大臣(扇千景君) この尼崎公害訴訟に関しまして、私は後日でしたけれども現場を見てまいりましたし、そして国土交通省、道路局等々、そして公団、みんなで努力して緑化に努めておりまして、いかに公害を少なくするかという、木を植えて、そして道路も吸音という音を吸収する舗装をしましたり、あらゆることをやっておりまして、ただ今仰せのとおり、少なくともこれをもっと根本的にということで環境ロードプライシングを実施しております。
 これも私、現場も見てまいりました。ただただ、私がもう少しできればと思いましたことは、強制的にロードプライシングで大型を迂回さすということができればなと思いましたけれども、まあ皆さん方の努力ということで、そこまで強制することにはまだ抵抗があるということで、少なくとも平成十三年、十四年度に限って試行的に今実施しているという状況でございます。そういう意味では、このために減収するということ、料金を下げるから減収するということも、道路公団、少なくともコストの縮減等、他の努力で、自助努力をしてそれをカバーしなさいというようなことで、現段階では試行的に実施しているというのが現状でございます。
 そういう意味では、私は、今後もっと皆さん方にも周知徹底し、なおかつこれに協力していただくと。そして、ほとんど大きなトラックはロードプライシングで海岸へ回っていただいて、できれば今の低料金の、割引をしているものにシフトしていただいて、変更していただいて、そしてこの公害を少しでもなくすということは私は大事なことだと思いますし、奨励もしたいと思いますけれども、平成十四年度の阪神高速道路公団への出資金というのがございますので、これは合計二百六十六億円ということで対前年度比の約一割減となってはおりますけれども、私は、このような中でも公的支援を更に増加さしまして、そして様々な議論があってそれを実行していくというふうに考えておりますので、この環境ロードプライシングの試行実施によりまして、交通の転換等、効果、そして公団の採算性への影響というものも十分分析した上で、湾岸線の更なる料金の引下げが可能かどうか、そしてより皆さん方にこれを周知徹底していただくということを努力していき、また検討したいと思っております。
#149
○大沢辰美君 要望だけしておきたいと思いますが、今言われた根本的な対策はどうあるべきかという点で、迂回路の問題、特にそれをやるためには抜本的な料金軽減をやらないとトラック運転手の皆さんは回れないという、そういう状況にあるということはもう承知していただいていると思うんですが、実際、現場を見ていただいたというんですが、私も患者さんにお会いしたときに、本当に夜も眠れないんだ、この町が赤トンボが飛ぶような町にしたいんだということをこの間裁判の闘いの中で言われていました。
 そして、やっと和解条項が結ばれて、今進んでいるさなかですけれども、これでは私は遅々と進まないと思いますので、やはり速度を速めていただく、そういう積極的な対応を求めて、私の質問を終わります。
#150
○田名部匡省君 今、環境問題から話を伺っていまして、私も最初に環境問題について質問さしていただきたいと思うんですが。
 石原東京都知事がディーゼル車を都内の走行禁止に踏み切るという話があって、これに千葉も埼玉も神奈川県も同調するという記事が出まして、今もお話ありましたように、損害賠償訴訟があっちこっちで起こされているということですが、貨物車両の占めるディーゼル車の割合は六割が二十年前の三倍に拡大していると。一トンの荷物を一キロ運ぶごとに交通機関が排出するCO2の量は日本はアメリカの一・七倍だと。
 かつて私は、自民党の税調で、どうしてアメリカはガソリンも軽油も値段が同じなのに日本が軽油が安いんだという話を山中貞則会長に言ったことがあるんです。結局、その結果、やっぱり燃料が安いということで、どうしてもディーゼル車、これ力もありますからね。アメリカは大型のトレーラーなんというのはみんなディーゼルでないと坂を登っていけないと、大きいですから。
 そんなこともあったんだろうと思うんですが、いずれにしても、この大気汚染、特に都心部、上は高速道路走っている、下は車がもう渋滞してCO2をどんどんどんどん排出しているという状況なんですけれども、これは環境省、どうですか。どの程度に悪くなっているか、あるいはもう人体に与える影響というのはどの程度なのか、まずお答えいただきたいと思います。
#151
○政府参考人(西尾哲茂君) 田名部先生には大気汚染対策につきましてかねてから格段の御指導をいただきまして、ありがとうございます。
 現在の大気汚染の状況でございますけれども、一番健康ということで問題になりますのは、二酸化窒素、それから浮遊粒子状物質と、こういうものでございます。
 これらにつきましては、自動車の沿道の局で見ますと、全国で見ますと、二酸化窒素は八〇%ぐらい環境基準を達成している。それから、浮遊粒子状物質は、これは十二年度でございますが、六六%ぐらい達成しておりますけれども、大都市部につきましてはやはり非常に依然として悪い状況でございまして、二酸化窒素は、それより一七%低い六二・八%しか達成しておりませんし、浮遊粒子状物質は、それより一四%低い五二%しか達成しておりませんので、大都市地域におきます大気汚染対策ということにつきまして大いに努力していかなきゃいけない状況にございます。
 それから、健康影響のお尋ねでございますけれども、これは二酸化窒素も粒子状物質もかねてから慢性気管支炎などの呼吸器疾患を増悪するということが多くの研究で示されておるわけでございます。
 さらに、近年はむしろそのうちでもディーゼル車から排出される粒子状物質、これはDEPと言っておりますが、そういう比較的粒子の小さいものが害が大きいんではないかというようなことが指摘されておりますので、私ども、学識経験者で検討会いたしまして、本年三月にも報告書を取りまとめておりますが、その中では、DEP、ディーゼルから出ます粒子状物質が人に対して発がん性を有していることが強く示唆されるというようなことがございます。
 そのほかのいろいろな影響につきましては、不明な点も多いわけでございますので、引き続き健康影響の解明について努力をしていきたいというふうに対応しているところでございます。
#152
○田名部匡省君 そこで、悪い点ばっかりではなくて、さっき言ったように、力が強いとか安いという面はあるんで、これ私は特別措置法というのは反対なんです。一遍やったらもう何十年も延長延長で、特定な業に税の負担の軽減を図ると。やってもいいけれども、五年なら五年で集中的に国民のためにも頑張ってほしい、五年たったらもう廃止ですよということをしないと、いつまでも際限なく延長延長、五年延長というのがいつも出てくるんですが、ああいうの。そういうものに、むしろ石油精製業者にこの燃料のクリーン化の努力をしてくれ、そのためにこういう措置をしますよというようなことで、もっと力を入れてやってくださいよ。これは、見えないものというのは危険なんですよ、何でも。実際、この空気がどのぐらい汚れているか、だれも分かりませんから。ですから、これは、もう環境問題については国はよほどしっかりやらないと。そのことを是非要望しておきたいと思います。
 もう結構です。ありがとうございました。
 法律案の中に交通安全確保、環境負荷軽減等の社会的要請に対応するため規制緩和するとありますが、交通安全、環境負荷軽減の具体策というのは一体何ですか。
#153
○政府参考人(洞駿君) トラック事業の輸送の安全確保と環境負荷の軽減方策ということについてお答えいたします。
 具体的には、トラック輸送の安全運行の確保を図るために、順次安全運行の責任者である運行管理者の資質の向上とか、運転者に対する過労防止であるとか、あるいは安全運転指導等の充実を図るために、昨年もそうでございますが、貨物自動車運送事業輸送安全規則という省令がございまして、そういうものをこれまでも順次強化してきているところでございますけれども、更にそれを改正して、例えば重大な事故を起こした事業者の責任ある運行管理者に対する特別な再研修とか、あるいは運転者に対する特別な教育指導を、重大な事故を起こした運転者に対する教育であるとか等々の安全対策の強化を図ってきておりますと同時に、また悪質な事業者に対する監査を重点的に行いまして、違反が判明した場合には厳正な処分を行うということで、その違反の基準となる点数も順次引き上げてきているところでございます。
 今般の法改正によりまして、更に下請の事業者が行っております輸送の安全確保を元請の事業者が阻害するような行為というのを禁止するということとしておりますし、それから営業区域規制の廃止に伴う輸送の安全確保につきましても所要の安全確保の措置を取るということとしてございます。また、今後これをチェックする地方運輸局等におきましても、新たな自動車業務監査指導部等の監査専門組織を新設するなど、事後チェック体制の一層の強化を図っていくということで臨んでいるところでございます。
 また、環境問題につきましては、今、正しく先生が今おっしゃいましたトラックなどから排出されますNOxとかPMとかあるいは大気汚染問題につきまして、これまで順次私ども新車の排ガス規制の強化を図って環境負荷の軽減に努めてきているところでございますけれども、これに加えまして、先ほどお話ございました昨年の九月に改正されました自動車NOx・PM法に基づきまして、今年の十月から車種規制を強化するなど、抜本的なNOx、PMの削減対策に取り組んでおります。この場合に、大変な事業者に対する負担をお願いすることになるわけでございますから、そういう意味で税制であるとか、あるいは金融の確保とか、そういった支援措置をいろいろ実施しているところでございます。
 さらに、これから、今おっしゃいましたディーゼル車は非常に燃費とかなんとか非常にいい面があるわけですけれども、片一方でNOx、PMなどの、要するに大気汚染のガスを発生するということですが、このディーゼル車に代わる大型車の分野における低公害車をやっぱり何とか早く開発して、これを早急に普及していくというようなことで、今年度からそういう大型のディーゼル車に代わる低公害車の新規の開発であるとか、あるいはその普及のための新規の開発のための予算、あるいは補助、補助金というのを確保して、こういったトラック事業者の環境対策の推進に努めていきたいと考えております。
#154
○田名部匡省君 スピードなんですよ。この間も大臣に言いましたね。私が十何年前ですか、電気自動車を作って党本部を走らせて、あるいはハイブリッドバス、あの日野のハイブリッドバスを作ってもらってこの国会議事堂の中を走らせたんですから。あの辺りから本当にやっていてくれたら相当変わっていたと思うんですよ。あれで終わっちゃったんですね。それでまた今何かやろうと。そういうもう少し責任持ってやってほしいんですよね。せっかくあそこまで行ったんですから、途中。
 それからもう一つ、このトラック運送事業者のことで、例えば自家用貨物自動車の法違反に対する罰則というのがあるんですが、許可事業者は、例えば過積載で違反をしましたという場合には、公安委員会、国土交通省から運転者、事業者に対し行政処分が行きますよね。ところが、自家用貨物自動車の方は、公安委員会から運転者の行政処分があって、国土交通省はこれ何にもないんですよね。
 ですから、後からも言いますけれども、この下請負の問題についてもいろいろとこれも法整備しないと、何か元請ばっかりやったって、実際にあるんですよ。そういうことをやるときにはあらゆることを考えてやっていただきたい、こう思いますので、これは要望にとどめておきたいと思います。
 それから、九〇年代の後半、経済不況に入ってきまして、荷物の量がどんどん減少したと。一方、規制緩和によって事業者の数は増加したと。これはまあそのとおりですよね。間違いないですね。業者数が増加すれば、どこの業界だって運賃のダンピングというのを、これは起きることは、もう競争が激化するわけですから、これはもう当然のことだと。そうなると、効率よく運ぼうとするために休憩なんかしていられないんですよ。そうすると、長距離運転、過積載、こういうものによって今度は事故につながると。
 このトラックの事故というのはどのぐらいあります、分かりますか。まあ後で調べて……
#155
○政府参考人(洞駿君) 私どもの、事業用トラックが、事業用トラックが第一原因車となっている交通事故件数は、平成十三年に約三万三千件でございます。三万三千二百九十一件です、済みません。増加傾向にございますけれども、死亡事故件数は六百八十件と、これはずっと大体横ばいでございます。
#156
○田名部匡省君 そこで、今度この対策としてトラックリミット、何か速度抑制装置の装着を義務付けるようですが、どうですか、これ、こういうのを付けると、ますます速く行こうとすると長い時間運転しなきゃならぬと。そうですな、スピード違反やりゃ半日で行くところ、遅く行けということになるから、そうすると長い時間乗ると、こういうことになりませんか。
#157
○政府参考人(洞駿君) 計算するとそういうことになろうかと思います。
 ただ、先生、八十キロが制限速度でございますので、これは、スピードリミッターは、最近、そういうスピードを上げて、高速道路上の事故が非常に増えている。トラックの事故というのは、いったん起きるとその被害の程度が非常に大きいと。そういうことも勘案いたしまして、ヨーロッパ等で平成六年から実施されておりますけれども、こういうスピードリミッターというものを日本においても来年の秋から実施しようということで決めたものでございます。
#158
○田名部匡省君 一つのところばかりやっていると、これ間違い起こすんですよ。
 というのは、例えば大都市の運送事業者と地方の事業者の違いをあなたたちはどのように認識しているかと。ここが私によく分からない。亀井善之大臣のとき、これ、この間、役所のだれか若い人に見ておいてくれって。その時代に、今からこれ何年でしたかな、やったのは、平成八年ですよ、彼が運輸大臣で、私はキャビネットの大臣のときに議論したのは。今、議論していること、そのときに指摘してあるんですよ、これ。一遍、目通してみてください。
 それで、例えば私の地元の下北半島、大間でマグロ漁やってますよ。私はえらいこれかかわった一人でして、もう何百万するんですから、マグロ一匹。これを運ぶわけですね、本マグロ、築地へ。朝の競りに間に合うように運んでくると。あそこから運んでくるんですから。それから、私の八戸港、これだって朝方、魚市場にイカでも何でも入れますよね。水揚げして競りに掛けた上で築地の市場とか大田市場に運ぶと。そうすると、もう徹夜ですよね、こっちへ運ぶまでに。トロール船の場合は、これはまあいつ入るか分からぬのですよ、船が。船主次第なんですね。それをトラックの連中は待っているわけです。
 例えば、加工する、イカのはらわたを取って詰めてくるのと、生で氷を積んでくるのとでは、運転手は何をどう入ったか分かっていませんから、だから過積載と言われても、氷がこっちへ着くころは解けると軽くなっているんですね、入れたときは重いけれども。結局は、最初の、冷凍物はある程度補償制度があって、事故を起こした場合には。あるいは、そうでないものはもう船主次第で社会的規制に不可欠な、一方的なやっぱり運賃の設定になる。やっぱり弱いんですよ、荷主に対して。
 そこで、また今度は、その下でどうしているか分からぬが白い、白トラというやつですね、これが手伝ってやっていると。こっちは何にも、いろんな社会保険だとか、いや何とかというのはありませんから、幾らでも安く走るということが実はあるんですね。
 ですから、市場の競りに間に合うように走るとなると、そっちの方のことと、こっちの築地の市場の整備をどうするかと。この間も、あれはどこの委員会ですか、市場の、築地の市場の整備の問題ここでやりましたね。私は、平成三年と聞いて、平成三年は私が大臣になったときだ、農林水産大臣に、三、四、五とやったんですから。そのとき、私も何回も行ったの、あそこへ。ところが、もう朝行ったら車が地方から来たのともうごっちゃになって、もうパニック状態なんです。それで、魚というのは高いから、スペースが小さくても地代はそれなりに払えばいい。ところが、野菜というのはがさが大きいものですから大きな部屋借りるんですよ。安いものを扱って高い家賃を払うと、この使うところね。いろんな問題があって、もうちょっとやっぱり広くてゆったりして、そんなに家賃高くなくてもやる仕組みを考えてやるとか、今も言ったように、そっちの方から来る環境を整備してやらないと、車だけ見ておっても安くなりません。そのことについて、どう思いますか。感想でいいですよ。
#159
○政府参考人(洞駿君) 先生御指摘の点は、正しく事実であろうと思います。東名高速道路を走っても、魚屋さんのトラックというのは物すごいスピードで、船団というんですかね、車列を組んで走っております。それから、無線等を使って一番安いそのときの市況というんですか、そういったものを見ながら高いところへ運んでいくとか、そういう実態等々があります。また、社会保険に入っていない、労働保険に入っていないと、そういうふうないろんな問題もある。あるいは下請に白トラを使って白トラが営業類似行為をやっている等々、こういったものはすべて安全問題あるいは過積載問題、それから先ほどのいろいろ出ている運賃問題、そういったものとすべて関連している問題だと思います。
 ですから、これはきれい事と言われるかもしれませんけれども、正しくそういった輸送に関する最低限守らなきゃいけない環境も含め、安全、そういった最低限のルールをみんな守ってもらおう、スピード違反もそうでございます。そうすることによって健全なトラック市場というものというのを形成していく。どこから、それは先生がおっしゃるとおり、どこから総合的に手を付けなきゃ駄目だということは百も承知でございますけれども、まずはトラック事業者自らが自分たちの世界の中で正すべきものはちゃんと正していっていただきたいと、そこがまず第一歩であろうと考えております。
#160
○田名部匡省君 そこで、下請の関連法というのが必要でないかということなんですね。
 公正取引委員会、おいでになっていると思いますが、どう思いますか。
#161
○政府参考人(楢崎憲安君) もう先生御指摘のように、役務といえば、トラック運送を含む役務、サービスの下請取引あるいは委託取引といったものにつきましては、下請法という法律がございますけれども、その対象となっておりません。下請法の対象は、物品の製造委託、修理委託というものが下請法の対象になって、代金の支払遅延とか返品、不当な返品を規制するというふうになっているわけですけれども、そういうふうに役務の委託取引につきましては下請法の対象になっていないといったところから、私ども公正取引委員会では、独禁法の本体に戻りまして、独占禁止法に優越的地位の濫用行為を規制する条項がございます。
 そして、そういった独禁法本体の、どういった場合に独禁法本体に違反するかどうかといったことでガイドラインを、平成十年三月、役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針を作成して、独占禁止法上の考え方の明確化を図っているところでございますし、またトラック運送等につきましては、平成十二年十二月に実態調査をいたしまして公表し、不当な行為があった、問題となるような事例があった場合には改善指導をするとともに、それからトラック運送等におきましては、書面、取引条件の書面化といったものがなかなかなされていないといったことから、こういった不当な行為が起こることを未然に防止するために書面化が必要であると、書面化を推進してくださるようにということで関係団体に要請等しているところでございます。
 まずは、独禁法の適切な運用といったことに心掛けているところでございます。
#162
○田名部匡省君 結構です。ありがとうございました。
 大臣、何というか、私は、高速料金というのとあるいは運賃というのは、これは別々なものなんですね。ところが、受けるときは、これは高速料金分、これは運賃分とやっていませんから、結局全部の中でやっぱり払わざるを得ないという。要するに、運賃と高速料金というのはどこかに転嫁するという仕組みがないんですね。ですから、全体の中でやっているという悩みがあるんです。
 私はこの間、地元のトラックの仲間たちと会ったら、一年間働いて、一台で一万円のもうけを出すというのは容易じゃないですよと言うんです。それほど、経費を差っ引いてですよ、一台でという話を聞いて、そんなものかなということを感じまして、そこで、何か生鮮食料なんというのは高速道路料金を割引してやったらどうかなと。結局、高い料金を払って都会で、みんな来ますから、並んだものを買うのは国民ですよね、都民。そうすると、高いもの買わされているわけですね。だから、その辺のところも少し創意と工夫というのは考えられぬのかなという気がするんですが、どうですか、感じとして。
#163
○国務大臣(扇千景君) 感じとしてと言われますと、私も主婦の一人でございますので、なるべく新鮮なものを安く手に入れたいというのは世の常でございます。まして、このごろは産地直送というのがございまして、産地と契約するグループが町内会でできまして、奥様同士で産地直送契約というのをいたしまして、何人か集まって直送契約するんですね。市場を通さない、小売業者を通さない、そういうこともございますので、よりそういうところは、産地直送ということはスピードを出して来たんだろうと思います、変な話が。余り新鮮でないとこれは産地直送になりませんから、今、田名部議員がおっしゃるように、ある程度スピード違反も犯しているのかどうか分かりませんけれども、時間的に見れば、ああ、かなり無理をして届けてくれたんだなと思わざるを得ないものもございます。
 ですから、そういうものも含めて、先ほどから、今日、御議論をいただいておりますように、日本の物流コストすべてどうするのか、物流体系をどうするのかということと私は大きな影響を及ぼしてきますし、また、それがなければ、今おっしゃったように、魚あるいは野菜、あらゆるものの量的なものと運賃との整合性をどうあるべきかということも、私どももいろいろ、我が省だけではなくて、これは経済産業省等々も全部かんできますけれども、私はそういう意味では皆さん方とともに、日本の物流コストを削減するためにどうあるべきか、より早くより安くということをいかに実現するかという総合的な計画を立てるべきであると。その計画を立てるのは国土交通省でもあるなと思っております。
#164
○田名部匡省君 要するに、不況で、私はいつも言うんだ、車を買ってもう金が掛かり過ぎると言うの、取得税から、いや何税、かに税といって。もう、これ一遍聞いてみたいんですが、全部でどのぐらい掛かるものか、車を買ったら。もう免許の書換えから、まあそんなことを話していると高速道路の方に入っていきますのでやめますが。
 特に漁船というのは、大臣、八戸の沖の方へ行って魚を取るでしょう。無線で、八戸港は今イカが幾らしているか、気仙沼は幾らしているかと聞いて、高いところへ持っていくわけですから。そうすると、八戸は幾ら整備したって、仙台の方へ持って行った方が東京に近いんですから、運送する方は楽ですよね。そんなことをやっていると、今度は遠いところの漁港、漁業というのはおかしくなってくるということも頭に置いておいてくださいよ。あなたたちはそういうことを知らぬから、ただ走っているのだけ見ているから間違いを起こすので。これは余談ですから、答弁は要りませんが。
 もう一方、軽油引取税の暫定措置。これは時限立法で、あれは湾岸のときですか、これ何円か上げて、湾岸戦争のときに、そのままになっているんです。たしか平成五年に一リットル当たり七円何十銭か増税したんですかな。不況の中で運賃に転嫁できないとか、業界から要望が出ているようでありますが、法施行後の会社の、この社会の中の経済情勢の変化に対応するためというのであれば、この辺はどうですか、これは国土交通省じゃないんでしょうけれども、元に戻すべきだと。
 これは暫定措置ですから。これは、暫定というのは仮に決めますよという話で、ずっとやったんじゃ暫定じゃなくなるんですよ。ですから、こういうものが、さっき言ったように、高いものにしておくと、今度はお店で売るものは皆高くなりますよ。最後は国民が負担しますよ。この世の中は、いつも私が言う、ただというのはないんですよと。だれかがもうかれば、だれかがただになれば、だれかが負担しているだけの話なんです。そういうことを考えて、やっぱり公平公正という立場からこのことは是非やっていただきたい。
 何か、団体の人たちがこの間も、大分前ですが、自民党の諸君にお願いしたら、私の方の自民党の大幹部が、いやいや、大分風が吹いてきたとかなんとかと喜ばせたようですが、それから何年ももう手付かずで来ているようですけれども、どうぞ、日本の経済というのは六割が消費で保っているんですから、物価を下げて消費になるだけ回す、余分な金は国民から取らないという仕組みを作るでもしなかったら、消費は拡大しないでしょう。不況がよく直っていきませんよ、こんなことをやっていると。どうぞ是非、このことについてはしっかり考えていきたいし、このままやっているとアジアからどんどん物が入ってきて、これとの競争に負けるということにもつながっていくんですよ。中国とどうやって戦ってやっていきますか。
 だから、いろんなことを一つ二つやるんでなくて、全体的に見直しをやっていただきたい、こう私は思うんですが、どうですか。
#165
○国務大臣(扇千景君) おっしゃるとおりだと思います。
 そのために私たちは、二十一世紀の日本の在り方、少なくとも経済、産業、あらゆる面で二十一世紀日本がどう生きるべきかということで、そのためには、今おっしゃった中にもありますように、小泉総理がおっしゃっている聖域なき構造改革、この構造改革が、今おっしゃったように、法律一つ取ってみても暫定というのが延々と今日まであるよと、これも見直しなさいということも、私は、構造改革の一環としてこういうことも一つずつ私たちは取り上げていかなければならない。
 そして、今おっしゃったように、アジアの中で日本が生きていくためにはどうしなければいけないかということを今日も委員会でさんざん、先ほども物流コストの話もいたしました。空港の問題、あるいは空港の着陸料の高さ、欧米先進国に日本は三倍以上取っているというこの飛行機の着陸料一つ取ってみても、空港が完成してもその着陸料が世界の三倍取っている。少なくとも成田、関空、二つとも九十万円台である。一番安いのは、イギリスは七万八千円の着陸料。そういうことを一つ取ってみても、世界に伍していくというのは、今、田名部議員がおっしゃったように、我々一つずつ考えながら、子供や孫に恥ずかしくない日本を作っていく、そのための改革は、一歩ずつではありますけれども、法律改正等々、皆さんの御協力をいただきながら、こういう委員会の議論を私たちは糧として頑張っていきたいと思っております。
#166
○田名部匡省君 亀井善之大臣に言ったときも、規制を撤廃して競争原理が働くようにということをこのときに言っているんです、私は。どうぞ、今言うように、本当に国民がどう思っているのか、国民に何をしてあげることが国民全体にいいかというこの基本的な考えというものを政治家は捨てたら駄目ですよ。どこかがもうかるからやってやろうとか、こんなことをやっちゃ。このことだけは是非検討の中でやっていただきたい、こう思います。
 もう最後になるのかな、もうちょっとあるかね。
 過積載、過労運転、社会保険未加入、脱退、労働基準法違反、改善基準勧告違反等の不法・脱法行為、こういうことが非常に多いと、こう聞いておるんですが、これについてはどういう考えを持っていますか。
#167
○政府参考人(洞駿君) 過積載あるいは安全運転の不徹底等々、いろいろ今問題が出てきていますけれども、それはやっぱり今、先生おっしゃるとおり、景気の低迷ということもございますし、あるいは物流革新という中でこの物流業界、物すごく構造転換を進んでいると。そういう中で、やはり安全運転等を励行しない、不届きといいますか、そういうルールを守らない事業者等が出てきているというのは事実でございまして、そういうのが全体としてトラック運送全体のいろんな諸問題の引き起こす原因となっているというふうに私どもは認識しているところでございます。
 ですから、その辺のところをしっかり、今回の法律改正もそうでございますけれども、しっかり取り締まって、全体としてレベルアップしていくというような方針で臨むというのが必要じゃないかと、かように考えている次第でございます。
#168
○田名部匡省君 スピードリミッター、さっき話をしたんですが、スピードを出なくすることは結構ですけれども、これが車両に装置を義務付けたと。これはどの範囲のことを言っているのか。例えばダンプトラックとか、地元でしか走らない車もあるわけですね。高速道路なんか使わない、こういうのもこれ必要ですか。
#169
○政府参考人(洞駿君) スピードリミッターは来年の秋から施行になるわけでございまして、それで、基本的には九十キロ規制でございますから、そもそも九十キロも出ないような車というのがございます。そういうのはそもそも対象になりません。
 それから、離島のように本土に、フェリーとかありますから、フェリーに乗って本土にまでやってくるトラックもございますけれども、ほとんど動かないで、何というんですか、離島の中でスピードも出さないで走るような、そういうふうなトラックもございます。あるいは個別、ミキサー車等のように、個別の事例で見ていくとそういうのが必要でないという判断される車もございます。
 こういったいろんな例外の車もございますから、一律ということではなくて、そういう特殊事情がある場合には特別の許可という制度を私ども持っておりますので、個別に審査をして、そこのところを本当に走る可能性もほとんどないような車についてはその対象から外すということで考えております。
 ただ、田舎にいるからといって高速道路を走らないと本人が宣言されても、そこにある限りにおいてはやっぱり走る可能性もありますから、そういうのまで特認で認めようとは思っておりませんが、明らかに客観的な状況から見てこれは必要ないというものについては個別の認定でその適用を外したいというふうに考えております。
#170
○田名部匡省君 前も申し上げたかと思うんですが、私はこのときに、鉄道というのは環境に優しい、大量に輸送できるんで、例えば北海道からずっと、あるいは九州の方もそうでしょうけれども、運ぶ場合に、このトラックと鉄道をうまく組み合わせながら、着いたところに、新橋はあれなくなったから駄目ですけれども、そこからトラックが連携しながらやるようなシステムというのを作ったらどうだろうなと。そうすると、今みたいに、いや、過積載がどうな、スピードがどうなということもないし、今度は使えるということになったけれども、もっともっとやっぱり効率的にいくには、運転手さんたちの体のことも考え、何かシステムを考えられないのかなと、私はいつもそう思っているんです。
 どうぞ、今日はもう時間ですから終わりますけれども、これからもまだまだ不況時代に全部の業がそうですけれども、この人たちもどうやって生き残っていくか、特に事故が多かったりなんかするだけに、やっぱり相当この地域の実情ということも見ながら考えてやってください、この辺だけのことで頭で考えないで。そのことをお願いして終わります。
 ありがとうございました。
#171
○渕上貞雄君 脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準とは何か。昨年十二月十二日に厚生労働省から出されました基発第一〇六三号通達で示されました認定基準とはどのようなものなのか、何を認定される基準なのか、お伺いいたします。
#172
○政府参考人(佐田通明君) 今お尋ねの件は、いわゆる過労死の認定基準の問題でございます。
 過労死といいますのは、心筋梗塞あるいは脳梗塞等で亡くなられる方でございますが、こうした病気は仕事をしていない方でも発症するわけでございまして、長い年月に血管病変が徐々に悪くなっていく、こういう自然経過をたどります。しかし、仕事をやっておられる方につきましては、その仕事をすること自体によってその自然経過を超えて著しく病気が悪くなる、こういう場合があるわけでございまして、これは労働災害としまして補償の対象にしております。
 今お尋ねの基準は、どういうときにそういった労働災害と認められるかということを決めたものでございます。そして、特にこのときに仕事を長い時間続けると疲労が蓄積して、その蓄積した疲労が病気を悪くする、こういう考え方を取っておりまして、時間で申し上げますと、一月の労働時間が四十五時間を超えていきますと徐々に病気との関連性が強まってきまして、一月で百時間を超えるというようなことになりますと、これは原則として労働災害と認定したいと。また、一月百時間超えなくても、二月で見て、あるいは三月で見て八十時間を平均して超えるような長時間労働がございますと、これも労災認定をすると、こういうような考え方に立ってこの基準を定めたものでございます。
#173
○渕上貞雄君 一〇六三号の通達に示されています過重負荷の有無の判断について、いわゆる一〇六三号の通達では過重負荷の有無の判断が示されておりますけれども、業務の過重性の具体的な評価に当たっては疲労蓄積の観点から労働時間について十分検討するよう通達されております。
 具体的にはどのようなことを指すのでございましょうか。
#174
○政府参考人(佐田通明君) ただいま具体的な御指摘でございますが、疲労が蓄積する、先ほど月四十五時間の労働時間を超えると蓄積していくと申し上げましたが、それ以下ですと、通常の方は七時間から八時間の睡眠が取れるわけでございますので、それによってその日の疲労は回復するだろうと、そうでない方は疲労が蓄積していくと、こういうことでございます。
 そして、四十五時間を超えて例えば五十時間とか六十時間ということでだんだん疲れてくるわけでありますけれども、それに加えて、例えば出張の多い業務でありますとか非常に寒いところの業務あるいは炎天下の業務、こういったことが加わってくると、これが自然的な経過を超えて脳や心臓を悪くする、そしてそのことが労災になると、こういうふうに考えております。
 さらに、百時間を超えるとか八十時間を超えるということになりますと、そういった突発的な事故はなくても、そのこと自体で疲労が蓄積すると、こういうような基本的な考え方を整理しているわけでございます。
#175
○渕上貞雄君 次に、自動車運転者の労働時間の改善のための基準とは何か。平成九年三月十一日の基発第一四三号で、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部改正についてというものが出されておりますけれども、これはどのようなものなのでしょうか。
#176
○政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘の自動車運転者の労働時間の改善のための基準の内容でございますが、この改善基準というものは、自動車運転者、これは仕事の特性がございますので、その特性に応じてその労働時間等の労働条件の向上を図るという内容のものでございます。したがいまして労働時間等の改善基準ということになっておりますが、中身としては労働時間のほかに拘束時間とか、いろんなものを組み入れてございます。
 具体的に申し上げますと、トラック運転者でございますが、拘束時間、一か月二百九十三時間、一日原則十三時間以内。それから、勤務の終了後継続八時間以上の休息期間を付与すること。それから、運転時間というものも入っておりまして、運転時間は二日間平均で一日九時間、二週間平均で一週間四十四時間以内。それから、運転の連続運転時間、これは四時間以内というふうになっております。
#177
○渕上貞雄君 貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間について、改善基準では貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間についてはどのようになっていますか。
 また、改善基準の違背率はどの程度ありますか。各年ごと、調査対象事業者数を含めて、過去五年間、お教え願いたい。あわせて、労働基準関係法令違反についてもお教え願いたいと思います。
#178
○政府参考人(鈴木直和君) 改善基準の内容の拘束時間は、先ほどもちょっと申し上げましたが、一か月二百九十三時間、一日原則十三時間以内、それから最大でも十六時間というふうなことになっております。
 それから、この改善基準の違反あるいは労働基準関係法令の違反が具体的にどうなのかという点でございますが、道路貨物運送業につきまして、この自動車運転者の労働時間の、労働条件の遵守状況について監督指導しておりますが、その結果は、最近時点、平成十二年を最新時点として五年間申し上げますと、平成八年が労働基準関係法令違反が七二・一%、それから先ほど申し上げました改善基準告示の違反が五四%、平成九年はそれがそれぞれ七〇・五%と五四・八%、平成十年が六九・〇%と五三・八%、十一年が七三・〇%と五六・〇%、十二年が七二%と五一・四%となっております。
 いろいろ監督指導をしておりますが、なかなか違反が減らない状況もございますので、この点については引き続き重点的に監督指導をやっていきたいと考えております。
#179
○渕上貞雄君 そこで大臣、今、厚労省の方からも説明がございましたいわゆる過労死としての認定基準とする時間外労働において、発症前一か月ないし六か月間にわたって一か月四十五時間を超えての時間外労働、又は発症前一か月おおむね百時間又は発症前二か月ないし六か月にわたって一か月当たりおおむね八十時間を超える時間外労働が認められる場合は業務と発症との関連性が強いと言われています。
 そして、自動車運転者の労働時間の改善のための基準では、貨物自動車の運転者は一か月の拘束時間は二百九十三時間までよいとしています。さらに、一日については基本は十三時間以内としていますが、最大拘束時間は十六時間までよいとしています。
 改善基準に従って働きますと、認定基準を毎月百三十三時間オーバーしています。認定基準の約三倍なんです。しかも、この改善基準すら守られていない事業者が毎年五〇%を超えるというお話もただいまございました。
 このような実態をお聞きになって大臣はどのような感想をお持ちなのでしょうか。率直なお気持ちをお聞かせいただきたいと同時に、国土交通省としてどのような改善基準を見直すのか、又は厚労省に働き掛けるべきではないかというふうに思うんですが、いかがお考えでしょうか。
#180
○国務大臣(扇千景君) 今の厚生労働省とのやり取りを拝聴しておりまして、少なくともこの貨物自動車の運送事業に関します拘束時間、二週間について百四十三時間、四週間については二百七十三時間を超えないものとする、そしてまた一日については十三時間を超えないものとし最大拘束時間は十六時間とするというふうに、これも私かつての資料を今拝見しておりまして厚生労働省の御説明のとおりだと思いますけれども、少なくとも過労運転によります対策につきましては、これまでは、今御質問がありましたように、厚生労働省の少なくとも基準というものを定めていらっしゃいますので、私はその決められた基準というものを、多くの取組を国土交通省と両方相まって私は、相互に通報するということなどによって私は過労運転による情報というものは共有すべきものだろうと思っておりますし、また事業者に対する指導というものも私は強化しなければならないと。
 ただ、先ほどからも御論議ありましたように、こういう不況のときになりますと、少しでも多く、そして少しでも長時間、少しでも我慢してということがあるという実態を先ほどからも御審議いただいておりますけれども、国土交通省としましても、少なくとも輸送の安全の確保については最も重要な課題でございますので、このような観点から、過労運転によります貨物の輸送事業に係る労働者の労働条件が悪化するということになって輸送の安全が損なわれるということがないように、検査体制というものを充実させていきたいと、そのように考えております。
#181
○渕上貞雄君 ただいまの大臣の決意が具体的に現場で生かされるように期待を申し上げておきたいと思います。
 厚労省の方、ありがとうございました。
 次に、自動車運送事業規制緩和後の事業者数の移推について。
 約十一年前に自動車運送事業の需給調整規制が廃止をされました。新規参入が自由となりましたが、この十一年間の事業者数の移推についてお教え願いたいと思います。
#182
○政府参考人(洞駿君) 平成二年の物流二法の施行以来、トラック事業の参入規制が緩和されましたことから参入及び退出ともに件数が増加しておりまして、事業者数はこの十年間で四万から約五万五千と年々着実に増加しているところでございます。二千事業者が入ってきて大体五百事業者が撤退していくと、こういった、大まかに言ってそんな感じでございましょうか。
#183
○渕上貞雄君 事業用自動車の重大事故の発生件数について。
 事業用自動車の重大事故の発生件数について、昭和、失礼しました、平成二年以降どのようになっているかお教え願いたい。先ほど、一年間の統計でしたんでしょうか、三万三千二百九十一というのは。そこら辺りの数字、分かればお教え願いたいと思います。
#184
○政府参考人(洞駿君) 先ほど申しましたとおり、事業用トラックが第一原因者となっている交通事故件数は平成十三年に三万三千二百九十一件と、増加傾向にございます。ちなみに、平成元年が約二万二千、約ではございません、二万二千七百五十件でございます。これに対しまして、交通死亡事故件数につきましては六百八十件、平成十三年六百八十件で、近年この辺は横ばいでございます。
#185
○渕上貞雄君 これらの重大事故について、やっぱり国土交通省は特別な対策を立てて具体的に事故を減らすようにひとつ努力をお願いをしておきたいと思います。
 次に、地球温暖化対策推進大綱について。
 地球温暖化推進本部は、本年の三月十九日に地球温暖化推進大綱を決定をいたしました。この中の指摘でも、運輸部門からの二酸化炭素排出量は依然として一九九〇年に比べて高い水準にあることから、自動車交通対策、モーダルシフト・物流の効率化、公共交通の利用促進等の対策を引き続き充実させ実施していくとしています。
 そのための環境負荷の小さい交通体系を構築する施策として、「モーダルシフト等によるエネルギー消費原単位の良い輸送機関への代替化や物流の効率化等が重要な対策であり、計画的かつ着実な実施を進めることが必要である。」と言っております。その追加対策の中にも「鉄道輸送へのモーダルシフトを推進する。」と明記されていますが、この決定された大綱を国土交通省はどのように受け止めて、今後どのようになされようとしているのか、見解をお伺いいたします。
#186
○国務大臣(扇千景君) 先ほどからも御論議に上がっておりますように、地球温暖化対策というのは正に二十一世紀の世界にとって極めて重要な問題であるというのは御論議のとおりでございます。
 国土交通省におきましては、これは一つには運輸部門、そして二つ目には民生部門といううちで住宅とか建設分野というのがございます。三番目には都市緑化等の吸収源対策ということで、地球の温暖化対策等を所管して、省エネ対策の約四割を国土交通省が所管するという大変重要な課題をしょっております。
 少なくとも、今申しました運輸部門からの二酸化炭素の排出量、今、渕上先生がおっしゃったとおりでございますけれども、自動車の保有台数とか走行量が大幅に上昇したことによりまして、九〇年から九五年に掛けての間に一七%もこれ増加しております。この状況を放置すれば、二〇一〇年には、九〇年には、二〇一〇年には九〇年の比較、九〇年から二〇一〇年までの間で約四〇%増加するという、こういう水準が数字の中で出ております。
 そういう意味で、私たちは、地球温暖化対策の推進大綱では、この運輸部門について、少なくとも九五年並みの水準に、すなわち九〇年に比べて一七%増にまで抑制しようということを決めておりまして、その努力をしているという最中でございますけれども、九五年以降、あらゆる公共交通部門とかあるいは物流部門からの排出量はほぼ大体横ばいとなっておりますけれども、今後すべての面で対策を取っていかなければいけないと思っています。
 また、低公害車の開発とか普及等、先ほども問題になりましたけれども、私たちはそのためにモーダルシフトというものを少なくとも推進を始め、そして環境に優しい交通体系の基盤というものを構築していこうと。その結果、速報値ではございますけれども、九九年から二〇〇〇年に掛けての運輸部門からの排出量が二%減少しております。
 そういう意味で、一定の成果が上がりつつあると認識はしておりますけれども、今後、運輸部門からの二酸化炭素の排出量を九〇年に比して今申しました一七%、減に持っていくということの目標、また、民生部門では住宅等々のあらゆる断熱性、そういうものを材料としてその省エネの向上を図っていきたいと。吸収源の対策として都市緑化、これもビルの上もすべて緑化しようと、それから川の両側にも緑化しようというようなことで、あらゆる面で国土交通省の対策を取っていこうと思っております。
#187
○渕上貞雄君 なお一層の御努力をお願いを申し上げておきます。
 次に、八八年附帯決議の実施状況について。
 八八年の貨物自動車運送事業法案に対する附帯決議では、緊急調整措置、それから標準運賃・料金及び荷主への勧告に関する規定については、具体的にその要件を明らかにし、適切かつ機動的に運用することとされていますが、既に十四年近くが経過をしておりますが、これらの措置や勧告等の実施状況についてはどうなっているでしょうか。
#188
○政府参考人(洞駿君) 最初に、貨物自動車運送事業法関係の附帯決議について御説明申し上げます。
 参議院運輸委員会の附帯決議におきまして十九項目の附帯決議をいただきまして、主な項目に対して着実に手を打っております。
 主なものを申し上げますと、先ほど先生から御指摘ございました運転者の労働時間等の改善のための基準を厚労省、厚生労働省と共同して徹底を図り、その改善、環境整備等を図ること等というのがございますけれども、正しく過労運転に関する情報を厚生労働省と相互に通報するとともに、昨年の安全規則におきましては、先ほどの改善基準をトラック事業法の基準として取り入れて厳しく取り締まるというような措置を行っているところでございますし、デジタル運行記録計につきましても今開発に努めているところでございます。
 緊急調整措置等々の件につきましては、各制度の発動要件等について、基準、通達等を発出して、その基準の明確化等を図ってきております。また、荷主等への勧告等については、過積載等安全運行についての行政処分を行う際には、当該運行に係る荷主についても協力要請書等の書状を発出して、荷主の側の理解と協力を得るように、このように努めていると。
 あるいは、貨物事業者、トラック事業者の経営基盤の確立、社会的地位の向上を図るために共同化等の中小企業対策を強力に推進するということにつきましても、全日本トラック協会等との連携を基に、適正化事業機関における指導員とともに適正経営改善指導や交通安全指導を通じての社会的地位の向上に努めているほか等々、着実にできるところから関係方面と連携して実施しているところでございまして、今後ともこれらの附帯決議の内容を踏まえつつ適切に対応してまいりたいと思っております。
#189
○政府参考人(丸山博君) 貨物運送取扱事業法に関しましては、衆議院の運輸委員会で七項目、参議院で十項目の附帯決議をいただきました。これに関しましては、通達の発出等によって周知徹底、運用方針の明確化などを図っております。
 具体的に五つ六つ申し上げますと、まず、関係者への法律自体の周知徹底につきましては、説明会やパンフレットの作成等を実施いたしました。それから、貨物運送取扱事業者と実運送事業者との間の公正取引の確保ということにつきましては、省令及び通達において措置いたしました。それから、貨物運送取扱事業者の監査、それから参入時の審査の実施、運賃・料金にかかわります命令等の厳正かつ機動的な運営、港湾運送認可料金の遵守、港湾運送事業への本法の不適用の周知徹底等につきましては、通達において措置をいたしました。それから、港湾運送事業者による物流機能の充実ということが言われておりましたが、これは民活法による総合輸入ターミナルの支援を実施することによって事業の協同化、集約を実施いたしております。それから、港湾労働者の雇用の安定ということにつきましては、労働省と連絡を保ちつつ適切に対処をいたしました。措置状況につきましては、運輸政策審議会の物流部会に御報告してございます。
#190
○渕上貞雄君 次に、貨物運送取扱事業と港湾運送事業の関係についてお伺いをいたします。
 貨物運送取扱事業法は国際一貫物流に対するための海上輸送やトラック運送など、各輸送モードを一括して輸送を請け合う貨物運送取扱事業を対象としての法律で、港湾運送事業は除外されています。しかし、現行法の施行に伴う省令や通達で港湾輸送の輸送秩序維持などを担保する措置が取られていますし、本法の改正に当たりましても、このことに変わりがないと考えてよろしゅうございましょうか。
#191
○政府参考人(丸山博君) 基本的に、今回の貨物運送取扱事業法と港湾運送事業法その他の事業との関係に関しましては、今回の法律改正によりましても何ら変わることはございません。
 先ほども申し上げましたように、附帯決議が衆議院で七、参議院で十項採択されておりまして、これらの趣旨は十分に尊重してまいります。また、これらの附帯決議を踏まえて出されました貨物運送取扱事業と港湾運送事業その他の事業との関係に関する通達につきましても、制度改正によりまして技術的な読替えはいたしましても、内容は依然として有効でございます。
 したがいまして、今回の法律改正につきまして、貨物運送取扱事業法と港湾運送事業その他の事業との関係におきまして、新しい内容の措置を講ずるというようなことは考えておりません。ただ、ただいま先生おっしゃいましたように、これらの間の事業の適切な関係の維持をするということは非常に重要なことでございますので、今回改正いたします法の施行に際しまして、必要に応じまして通達等による確認、周知徹底を行う方針でございます。
#192
○渕上貞雄君 次に、貨物輸送取扱事業者に輸送安全の責務、実運送事業者は安全第一義として輸送を受託するものですが、荷主や荷主代行のコスト削減などの無謀なニーズによって不安全を承知で請け負わなければならない実態があることについて、先ほどいろんな質疑の中からも明らかなようでございます。
 そこで、危険有害物の明示などの荷主責任を明確にすることが必要であり、不安全を強要した荷主に対しては社会的な制裁を検討すべきではないかと思うんでありますが、その点はいかがでございましょうか。
#193
○政府参考人(丸山博君) 今回の貨物運送事業法の改正によりまして、利用運送事業者が貨物の荷づくりでございますとか保管及び仕分を行う場合に、輸送の安全の確保のための一定の措置を講ずるようにいたしました。これは、実運送事業者に対しまして危険物、有害物質等の性質に関し自分が持っております情報を提供するということも当然含まれているというふうに考えております。
 非常に重要な問題でありまして、場合によりましては大きな事故が起こるというようなこともございますので、このような趣旨に関しましては関係事業者等に対しまして十分に周知徹底を行い、また必要に応じて指導を行うこと等により制度の遵守を図ってまいりたいと思っております。
 また、仮に事業者によるこのような措置が不十分である場合には、制度の中にございます事業改善命令の発動を含めまして、適時適切に対処する方針でございます。
#194
○渕上貞雄君 モーダルシフトの推進についてお伺いをいたします。
 これまでの説明によって貨物自動車の規制緩和後の実態について明らかになりましたし、環境面からは鉄道貨物輸送の有用性が明らかになったと思います。私は、今本当にしなければならないことは、貨物自動車運送事業の規制緩和を更に行うのではなく、大幅に規制すべきであると私は考えます。
 残念ながら、推進大綱は、本法案を二酸化炭素排出量削減のための法案としています。規制緩和後の十一年間が示すように、事業者は増えましたが、交通事故も増えています。もちろん車から排出される二酸化炭素量も増え、環境は悪化していると言えます。そして、何よりもここで働いている人たちの劣悪な労働環境を見れば、いつ事故が起きても不思議ではありませんし、これではとても安全が十分に確保されるとは思えませんし、今こそしっかりしたモーダルシフトを進めることが環境を守ることであり、安全を担保することだろうと考えます。
 そのためには誘導施策を積極的に講ずるべきであり、規制緩和を安易にすべきではないと考えますが、その見解はいかがでございましょうか。
#195
○副大臣(月原茂皓君) 渕上委員の御心配の点、十分分かります。しかし、この時代の要請ということもありまして、トラックの方の経営の自由度が高まるという方向で規制を緩和するわけでありますが、それとともに鉄道事業と利用運送事業についても規制緩和を行っております。
 先ほどの、もう既に説明がありましたように、鉄道の方も創意工夫を凝らすことができる、そして第二種利用者は海運も、今までの鉄道、航空以外に海運も利用することができる、こういうふうになるわけであります。
 そういうことから我々は、更に、モーダルシフトそのものは、委員が御指摘のように、長距離、そして環境に負荷が非常に少ないというようなことで、例えば鉄道について申し上げると山陽新幹線、あるいは高性能機関車の導入、そういうことにも積極的に援助することによってモーダルシフトが更に進むように努力していきたい。委員、御心配の点は十分注意しながらやっていきたいと、こう思います。
#196
○渕上貞雄君 終わります。
#197
○委員長(北澤俊美君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#198
○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、鉄道事業法等の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、貨物自動車運送事業法にある営業区域規制の廃止により、積荷を求めて全国どこへでも次々とトラックを回していくことが可能になります。そのことが、トラック労働者の労働条件を悪化させ、過労運転による交通事故の増加につながることは、警察庁などの資料からも明らかであります。
 長距離トラックの運転労働者は、家を出てから戻るまで三日から四日を掛けて大型トラックの運転に従事しています。しかも、この間の睡眠は専ら車両内の狭いベッドで取るという労働者が圧倒的多数であります。一たび交通事故を引き起こすと悲惨な重大事故につながる大型トラックの安全対策は社会的、国民的要請であります。ところが、この大型トラックの多くの運転者が劣悪な労働条件による過労から、運転中の居眠りを体験しているという深刻な事態が進んでいます。本法案は、この事態に一層拍車を掛けることになります。
 反対理由の第二は、荷主企業が極端に安い運賃と短い無理な運送時間を押し付けている下で、運賃・料金の事前届出制を廃止するなら、今トラック運送業界などに蔓延している過当競争下での運賃ダンピングや大企業荷主による一方的な運賃切下げをますます助長し、そのことがまた重大な交通事故の増発につながることであります。
 トラック協会の調査でも、運賃水準低下の要因として荷主からの一方的な値下げ要請を挙げている事業者が三二%にも達しています。石油輸送ではこの六年間に何と四四・三%もの運賃切下げが強行されています。
 最後に、自動車による排ガス汚染の抑制や地球環境保護などの国民的要請にこたえるためにも、鉄道輸送などクリーンな輸送機関の充実強化は重要な課題となっています。ところが、本法案には六か月前の届出により鉄道貨物営業自体を廃止することができるようになっています。行政改革委員会や規制改革委員会によって国民の要求とは全く懸け離れたこのような規制緩和が強行されていることは容認できません。
 以上をもって、私の反対討論を終わります。
#199
○委員長(北澤俊美君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 鉄道事業法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#200
○委員長(北澤俊美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、藤井君から発言を求められておりますので、これを許します。藤井俊男君。
#201
○藤井俊男君 私は、ただいま可決されました鉄道事業法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    鉄道事業法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、貨物鉄道事業の参入規制の緩和について、国は需給調整規制の廃止後においてもJR貨物に関する国鉄改革の趣旨及び経緯に十分に配慮すること。
 二、鉄道貨物輸送を利用した円滑な複合一貫輸送の確保に努めるとともに、旅客の乗継ぎ又は貨物の引継ぎの円滑化のための措置については、措置内容を具体的に定め、実施の促進に資する所要の支援措置を講じること。
 三、整備新幹線開業に伴う並行在来線の扱いについては、物流ネットワークの確保に支障を生じないよう十分に配慮すること。
 四、環境問題、労働力問題及び交通安全等に配慮した物流体系を構築する観点から、鉄道貨物輸送力の増強に資する支援措置等モーダルシフト向上施策を一層推進すること。
 五、JR貨物の経営基盤の確立のため、経営改善に資する所要の支援措置を講じること。
 六、貨物利用運送事業者の参入に対する厳正な審査を行うこと。また、第一種貨物利用運送事業の参入規制の許可制から登録制への移行に当たっては、登録拒否要件を具体的に定め、統一性、透明性を確保すること。
 七、貨物利用運送事業者が実運送事業者に対して、不当な運賃料金の引下げを強要することのないよう関係者に対する指導監督を強化するとともに、原価を踏まえ適正な運賃料金の遵守について本法及び関係事業法の適正な運用を図ること。
 八、港湾運送事業に本法の適用がないことを関係者に周知徹底すること。また、貨物利用運送事業者が行う国際複合一貫輸送の進展により港湾運送に関する秩序に支障が生じることのないよう港湾運送事業に関し講じられているこれまでの措置を維持するとともに、港湾運送料金の適正収受の確保につき効果的対策を講じること。
 九、貨物利用運送事業の総合物流業化、3PL化、情報化、国際化への対応について、所要の支援措置の充実・強化を図ること。
 十、貨物自動車運送事業の営業区域規制の廃止に当たっては、過労運転の防止など輸送の安全に努め運行管理体制の充実、携帯電話等による運行管理者との緊密な連絡体制の確保、デジタル式運行記録計等最新の情報技術の効果的な活用の促進を図るとともに、関連する施策に関し、所要の支援措置の充実・強化を図ること。
 十一、許可を受けた各貨物自動車運送事業者について、貨物自動車運送適正化事業実施機関の活用を図るとともに、計画的かつ着実な監査を実施する等により、許可後の指導監督を強化し、併せて、貨物自動車運送事業の適正化を図るため、輸送の安全確保に関する是正命令、事業の改善命令、許可の取消処分等について厳正かつ機動的に運用すること。
 十二、貨物自動車運送事業者による輸送の安全の確保に資するため、過積載、過労運転等についての実態把握に努め、荷主を含む関係者に対する適正な運送取引を指導するとともに、不法行為を強要する荷主に対しては、厳正かつ機動的に対応すること。
   また、貨物自動車運送事業者の安全性を評価するためのシステムを確立し、その円滑な推進のための環境整備を進めること。
 十三、深刻化する大気汚染や地球温暖化問題等の環境問題への対応のための施策を一層推進するとともに、貨物自動車運送事業者の環境問題への対応に係る支援措置を充実・強化すること。
 十四、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年二月九日労働省告示第七号)」の遵守の徹底等による労働時間の短縮及び労働力の確保について業界を指導するとともに、国土交通省及び厚生労働省による相互通報制度の確立等その円滑な推進のための環境整備を図ること。
 十五、貨物鉄道事業、貨物利用運送事業及び貨物自動車運送事業の運賃料金の事前規制の廃止後においては、各事業の運賃料金の正確な実態把握に努めるとともに、事業の適正化を図るため運賃料金の監査体制を強化すること。
   また、各事業の運賃料金が利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認める場合における国土交通大臣の運賃料金の改善命令については、適正な原価を踏まえ厳正かつ機動的に運用するとともに、発動基準の統一性、透明性を確保すること。
 十六、国際海上コンテナの安全な輸送の確保につき、荷主に対する積み付け、重量、危険・有害物の明示等に関する規定の整備に努めるとともに、不法行為を強要する荷主に対しては事業許可の取消処分等について厳正かつ機動的に行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#202
○委員長(北澤俊美君) ただいまの藤井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#203
○委員長(北澤俊美君) 全会一致と認めます。よって、藤井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許可します。扇国土交通大臣。
#204
○国務大臣(扇千景君) 鉄道事業法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま可決されまして、心から厚く御礼を申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見とか、ただいまの附帯決議において提起されました鉄道貨物輸送を利用した円滑な複合一貫輸送の確保、貨物利用運送事業者の参入に対する適正な審査、又は貨物自動車運送事業者の運行管理体制の充実の促進及びこれらの事業の運賃・料金の正確な実態把握に向けた努力等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を始め委員各位の御指導、御協力に対しまして厚く御礼を申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。
 ありがとうございました。
#205
○委員長(北澤俊美君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#206
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、散会後、理事の皆さんには隣室で理事懇談会を開催しますので、よろしくお願いします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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