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2002/04/16 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第10号
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2002/04/16 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第10号

#1
第154回国会 国土交通委員会 第10号
平成十四年四月十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     佐藤 雄平君     櫻井  充君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北澤 俊美君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                藤井 俊男君
                弘友 和夫君
    委 員
                荒井 正吾君
                木村  仁君
                北岡 秀二君
                月原 茂皓君
                野上浩太郎君
                野沢 太三君
                松谷蒼一郎君
                森下 博之君
                森山  裕君
                吉田 博美君
                池口 修次君
                櫻井  充君
                谷林 正昭君
                藁科 滿治君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
                渕上 貞雄君
       発議者      藁科 滿治君
       発議者      谷林 正昭君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  佐藤 静雄君
       国土交通副大臣  月原 茂皓君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       森下 博之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   国立国会図書館側
       館長       戸張 正雄君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       山本繁太郎君
       金融庁監督局長  高木 祥吉君
       文部科学大臣官
       房審議官     上原  哲君
       厚生労働大臣官
       房審議官     鶴田 康則君
       厚生労働省健康
       局長       下田 智久君
       農林水産大臣官
       房審議官     山本 晶三君
       林野庁次長    米田  実君
       経済産業大臣官
       房審議官     武田 貞生君
       経済産業省製造
       産業局次長    増田  優君
       国土交通大臣官
       房官庁営繕部長  春田 浩司君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  澤井 英一君
       国土交通省住宅
       局長       三沢  真君
       国土交通省自動
       車交通局長    洞   駿君
       環境省総合環境
       政策局長     炭谷  茂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○建築基準法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定
 建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出)
○特定有害物質による建築物の居室内の空気汚染
 の防止等に関する法律案(櫻井充君外六名発議
 )
○参考人の出席要求に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を開会をいたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十五日、佐藤雄平君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(北澤俊美君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建築基準法等の一部を改正する法律案、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案及び特定有害物質による建築物の居室内の空気汚染の防止等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官山本繁太郎君、金融庁監督局長高木祥吉君、文部科学大臣官房審議官上原哲君、厚生労働大臣官房審議官鶴田康則君、厚生労働省健康局長下田智久君、農林水産大臣官房審議官山本晶三君、林野庁次長米田実君、経済産業大臣官房審議官武田貞生君、経済産業省製造産業局次長増田優君、国土交通大臣官房官庁営繕部長春田浩司君、国土交通省都市・地域整備局長澤井英一君、国土交通省住宅局長三沢真君、国土交通省自動車交通局長洞駿君、環境省総合環境政策局長炭谷茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(北澤俊美君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(北澤俊美君) 建築基準法等の一部を改正する法律案、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案及び特定有害物質による建築物の居室内の空気汚染の防止等に関する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○松谷蒼一郎君 自民党の松谷でございます。
 さきに成立をいたしました都市再生特別措置法あるいは都市再開発法の改正等につきまして質問をいたします。
 このたび建築基準法並びに都市計画法等の改正案が提案をされたわけであります。この前の法律と今度提案された都市計画関係の法律案がどういうような仕組みになっているのか。恐らくこれは関係があるんじゃないかと思うんだけれども、よくよく見れば関係がないように思えるし、ちょっと分かりにくいんですね。
 例えば、都市計画法第二十一条の二で、土地所有者、まちづくりNPO等による都市計画の提案制度の創設というのがありますが、これは都市再生特別措置法の中の緊急整備地域の中の都市再生特別地区等にも適用されるのか。要するに、全体としてどういうようなイメージで今回の都市計画関連法案を構成しているのか。それについてお伺いしたいんですが、澤井局長、お願いします。
#7
○政府参考人(澤井英一君) 全体の関係の中で特に提案制度について先生からお尋ねございましたので申し上げますと、都市再生特別措置法におきます提案制度は、民間事業者の力を最大限発揮する観点から定められます都市再生緊急整備地域の中で都市再生事業を行おうとする者が提案ができるということにいたしております。
 一方で、今回の建築基準法等の一部を改正する法律案の中で都市計画法を改正して提案制度を作ろうという場合には、地域住民の方あるいはNPOの方、その他まちづくり活動を行う方々から一般的に提案をいただきまして、全国的な広がりで言わば個別の建て替え活動などの機会に着実に都市再生を進めるというような視野で提案制度を設けているということで、民間事業者からの、を中心とした都市再生事業者からの提案と、幅広い提案と、そういう違いがございます。
#8
○松谷蒼一郎君 その幅広い提案は緊急整備地域では提案できないんですか。
#9
○政府参考人(澤井英一君) 緊急整備地域の内外を問わず、都市計画法の改正案の要件、すなわち土地所有者の三分の二以上の同意等の要件を満たせば内外を問わず提案はできます。
#10
○松谷蒼一郎君 であれば、都市再生緊急特別措置法の中の緊急整備地域の中の特別地区についてもNPO等は提案ができると。ただし、これは事業を伴わなくちゃいけないのかどうか、そこのところがはっきりしないんだけれども、その事業というのは提案者が例えばディベロッパーと組んで提案するということは可能なわけですかね。その辺の全体の仕組み、今度の改正は私はなかなか積極的でいい改正だと思うんですが、全体の姿がちょっと見えにくいものですから。
 特に、同じような都市計画関連の法案でありながら、これは国会の運営の都合かどうか分かりませんが、とにかくばらばらに審議が行われているものだから、その辺が特に分かりにくいんですよね。いかがですか。
#11
○政府参考人(澤井英一君) NPOが都市再生特別地区の提案ができるかというお尋ねでございますけれども、都市再生特別地区は緊急整備地域の中で認められる特別の都市計画でございます。一方で、緊急整備地域の中で提案できる都市計画といたしましては、それ以外に都市再生事業に関連する市街地再開発事業の都市計画、その他幾つかのものがございます。
 いずれにいたしましても、都市再生事業を行おうとする者が都市再生事業に必要な都市計画を提案するというのが都市再生特別措置法の提案制度でございまして、そのために土地所有者の三分の二以上の同意というような要件は共通しておりますけれども、提案の事項と提案の主体が限定されていると。要件に合う限りは、先生仰せのように、NPOが都市再生事業を行おうとする者と組みまして提案するということも可能と思いますが、私どもとしては、提案の意図としては、主としてその都市再生事業を行おうとする者が土地所有者の合意を得て提案をするというパターンを想定しているということでございます。
 一方で、都市計画の提案の方は、都市再生事業ということに限らず、例えば身の回りの生活空間を保全するようなパターンとか、あるいは再開発地区計画を使って事業を行う、都市開発を行うというような場合もありましょうし、保全から開発までいろんなものがあると思っております。また、主体としても土地所有者、まちづくり活動を行う団体あるいはNPOなど幅広いものがありますし、若干混乱させるような言い方で恐縮かもしれませんが、場合によっては土地所有者である民間事業者が提案するということも可能であります。
 端的に言えば、都市再生を行おうとする者が、都市再生事業を行おうとする者が都市再生事業に必要な都市計画を提案できるというのが都市再生特別措置法の提案制度でありますし、都市計画法で今度創設したいと考えておりますのはもっと幅広い、保全から開発までいろんなことができるという違いでございます。
#12
○松谷蒼一郎君 都市再生特別措置法の緊急整備地域とか特別地区、そういうものは大体どういうような地域、あるいはどういうような事業を想定しているのか。
 これは、先日の委員会で私がお伺いしたときに、その地区についてはこれは、緊急整備地域については政令で決めるわけだから、何も東京とか大阪とか大都市に限らないんだと、全国あらゆる都市においてもそれは適用できるんだというような御答弁だったと思うんですけれども、しかし、想定した何らかの姿というものはあるんだろうと思うんですが、それはどういうようなものを想定しているんでしょうか。
#13
○政府参考人(山本繁太郎君) 去る四月八日の第六回目の都市再生本部におきまして、都市再生緊急整備地域の指定のためのいろいろな基準を御議論いただきました。そのため想定する具体的な地域イメージの例といたしまして、次のようなものを整理しております。
 具体的に申し上げますと、高度経済成長期を牽引してきた重厚長大産業用地等で大規模土地利用転換が見込まれる地域、それから、駅など交通結節点及びその周辺で生活、交流等の拠点形成が見込まれる地域、それから、メーンストリートなど基盤が整備されている市街地であって、建物更新あるいは共同化などが見込まれる地域、それから、既成市街地で広幅員の道路整備を行う地域で沿道の一体的開発が見込まれる地域、それから、防災上危険な密集市街地で、一体的、総合的な再開発が見込まれる地域、さらに、バブル経済の遺産とも言える虫食い土地など細分化された土地の集約化と有効利用が見込まれる地域、その他、大規模な民間都市開発投資が見込まれる地域といったようなところを想定しながら、緊急整備地域の選定作業を進めるということが決定されております。
#14
○松谷蒼一郎君 そういう想定した地域というのは、何らかの基準とか、例えば政令とか告示とか、そういうもので一般には公にするんでしょうか。
#15
○政府参考人(山本繁太郎君) 法律の条文では、「「都市再生緊急整備地域」とは、都市の再生の拠点として、都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域」ということで定義しておりますけれども、都市再生本部で論議されました法律から導かれる地域指定の基準、抽象的でございますけれども、としては、六回目の本部の資料の中で整理しておりますけれども、まず第一に、都市計画、金融を始めとする諸施策の集中的な実施が想定される地域であること、それから、早期の実施が見込まれる都市開発事業などを含む地域、仕事の熟度が熟してきているというところでございます。それから、この整備が進むことによって都市全体への波及効果がある、そういった波及効果を有する的確な土地利用への転換が具体的に見込まれる地域、そういったようなことが法律から導かれる基準と理解しているわけでございます。
#16
○松谷蒼一郎君 その法律から導かれる基準というのが本当は大変大事なわけで、例えば、民間の事業者がやろうと思っても、そういうような基準であなたのところは駄目ですよ、いいですよと、こういうふうになるわけですね。だから、今情報公開をきちっとしなくちゃいけないというようなこの御時世の中では、やっぱりそういうような、どういうようなところを一応想定して、どういうような基準でやるんだということは、政令か告示か分かりませんけれども、やるべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#17
○政府参考人(山本繁太郎君) そういう作業を進める前段階の、そういう意味で必要な、大事な事柄を都市再生本部で御議論いただこうということで、第六回の本部では今のような事柄を論議しておりまして、したがって、そういうこと、法律から導かれる基準の考え方を踏まえた上で具体的な地域イメージについても御議論いただいた次第でございます。このような論議の過程につきましては、一般に公開しておりますし、いろんな御意見も届いております。そういったことを踏まえながら、具体的には、閣議決定で定めます都市再生の基本方針、それから、具体的な政令の地域指定に生かしていきたいと考えている次第でございます。
#18
○松谷蒼一郎君 分かりました。
 例えば、今進行している、事業進行しております六本木六丁目の再開発、通称六本木ヒルズと言っているんですか、ああいうような地域、地区事業、そういうものをやっぱり想定しているんですか。
#19
○政府参考人(山本繁太郎君) 都市再生緊急整備地域を定める眼目が、土地が持っている価値を最大限に生かす、そのために民間都市開発事業者の力をフルに発揮していただくということにありますので、そのでき上がった町のイメージとしては御指摘がありましたような地域もあり得ると考えておりますけれども、実際のでき上がりにつきましては、町柄、土地柄に応じて区々でございますので、それぞれ様々あり得るというのが私どもの考えであります。
#20
○松谷蒼一郎君 町柄によっていろいろあるから、確かにいろいろ異なるだろうと思いますけれどもね。
 ところで、都市計画法二十一条の二から五でのこのたびの改正で、土地所有者とまちづくりNPOを同列に置いておりますね。これは、土地所有者というのはそこに権利を有しておるんで、その提案というのはかなり重いと思うんですが、NPOというのは千五百ぐらいあるんですか、まちづくり関係のNPO。それらの提案の重みと所有者の、権利者の提案の重みとは必ずしも同列ではないような気がするんですが、どういうようなお考えですか。
#21
○政府参考人(澤井英一君) 都市計画の提案につきましては、提案を踏まえた都市計画が必ず定められるということではありませんけれども、提案により、土地抑制を課し、他人の土地の財産権を制約する可能性があるものであるということがまず前提にあると思います。このため、提案者が土地所有者である場合でも、御指摘のように、NPOである場合でも、こうしたその提案者以外の土地所有者などの財産権にも配慮し、全体として責任のある提案をしていただくという趣旨で、提案の要件として、土地所有者が提案する場合も含めてでありますが、それ以外の土地所有者等の三分の二以上の同意を得ることを要件としております。この要件は、土地所有者あるいはNPO、いずれが提案される場合にも適用されるものでありまして、土地所有者とまちづくりNPOを同列に扱うということはこの意味で法的に問題はないと考えております。
 なお、この法案においてまちづくりNPOとしてありますのは、特定非営利法人活動法で規定するまちづくりの推進を図る活動を行うことを目的として設立された特定非営利活動法人を指しております。
 また、提案に係るNPO以外の主体としては、自治会とか町内会とか商店街振興会のような団体であって、まちづくりの推進を図る活動を目的とするものが想定されますが、この辺、具体的には公共団体の条例で定められることになってまいります。
#22
○松谷蒼一郎君 今、まちづくりNPOというのはどのぐらいあるんですか。
#23
○政府参考人(澤井英一君) 先ほど申しました特定非営利活動法人が全体で最新のデータでは五千数百に上りますけれども、そのうち三五%の二千がその活動の目的にまちづくりの推進というものを掲げておられます。
#24
○松谷蒼一郎君 そうしますと、その二千のまちづくりNPOからどんどんどんどん提案が出てきたら、これは行政の方もなかなか大変だと思うんですが、あわせて、都市計画全体の整合性というのがありますね。基本的な用途地域とか基本的な容積地域とか、そういうようなものを、数多くのこの提案する都市計画地域が出てきた場合には、全体の基本用途地域、基本的な都市計画地域との整合性を崩してしまうというようなことにならないでしょうか。
#25
○政府参考人(澤井英一君) 今回、都市計画の提案制度を設けようといたします趣旨は、これまで言わば官が独占しておりました都市計画の発意を民に開放いたしまして、より良いまちづくりに結び付けていきますとともに、住民の方々やまちづくり活動を行っている団体により主体的にまちづくりに参加していただきたいということにございます。提案から都市計画の判断に至るまで、提案を軸に手続が進むという点に、そういった手続的な点に特徴がございますが、提案があった場合に限って例えば特別の容積割増しが認められるような、都市計画の内容について特例があるというものではございません。最終的には、都市計画決定権者が法律に定められております都市計画基準に従いまして当該地域に最もふさわしい都市計画を決定するという意味では、通常の都市計画と同様でございます。むしろ、こうした提案制度の普及、定着によりまして、都市計画を関係住民の方々などが自らのものとして実現していこうという力がより高まることを期待しておりますし、またそのようになるように運用していきたいと考えております。
#26
○松谷蒼一郎君 NPOの提案という制度そのものの考え方はよろしいんですけれども、翻って、じゃ都市計画法あるいは建築基準法、これ読んでみますと、これはなかなか大変で分かりにくいんですよ。私も、昔いたときも分からなかったけれども、今はもっと分からないですね。
 今日、森下政務官もいらっしゃいますが、森下政務官、これお読みになってすぐお分かりになりましたか。
#27
○大臣政務官(森下博之君) まだつぶさに読んでおりませんので、松谷先生の御指導をいただきながら勉強させていただきたいと思います。
#28
○松谷蒼一郎君 いや、本当にもう建築基準法でも、斜線制限だ、容積率だ、その緩和だ、特例地区だとなったら、こんなに厚いし、もう本当に分からない。NPOをやろうといったってそれはなかなか難しいだろうと思うんですよね。だから、これはできるのかどうか分かりませんけれども、こういう法案は主な項目だけを例えば二十条かそこいらに集約して、あとは告示か通達か分かりませんけれども、そういうような形ですっきりした法律の姿にしていくということは考えられませんか。大臣、いかがですか。
#29
○国務大臣(扇千景君) 大変困ったことで、旧建設省の住宅局長であり、なおかつ住宅都市開発研究所の理事長でいらっしゃいました松谷先生が分からないとおっしゃると、だれも分からなくなってしまうという危険性がございます。
 もっとも、昭和二十五年に制定されてから今日まで、技術の進展でございますとか、又は社会経済状況の変化というものがございましたので、現在この条文数が増えております。数で言いますと百三条にまで及んでおります。百三条もありますと、やっぱりなかなか分かりにくいとおっしゃるのもごもっともで、私自身も自信がありませんし、松谷先生みたいな専門家でも分かりにくいとおっしゃるんですから、そういう意味では技術的な基準が少なくとも精密なものとなってきたし、また社会的にも複雑になってきたし、あらゆる面で、環境とか日照権とか、それぞれの権利条件というものも出てきましたので、分かりにくいとおっしゃるのはごもっともだろうと思っております。
 そういう意味では、私たちも、今後改正におきましても、地域でそれぞれのまちづくりというものはそれぞれ個性があるものですから、そういう課題に対応するべきものとか、あるいは今回提案しておりますいわゆるシックハウス等々の次々と新しい政策を考えなきゃいけないという時代になっておりますために、やっぱり幾つかの制度の創設をしますとか、あるいは見直しを盛り込んだということがしなければならないというので、今度極力簡単にということで盛り込んだつもりでございますけれども、基本的に御指摘の多かった、複雑だと今、松谷議員からもおっしゃいましたけれども、少なくとも地区の計画制度につきましては、私は、思い切った整理合理化というものを分かりやすく、なおかつ使いやすくしていかなければならないと思っています。
 これからも、我が省はもとよりのことですけれども、地方公共団体あるいは建築関係者を始め、広く国民の皆様に対してなるべく分かりやすい制度、解説など適切な情報開示を進めていきたいと思っております。
#30
○松谷蒼一郎君 ひとつよろしくお願いを申し上げます。なかなかできないだろうと思いますけれどもね。
 以前、私、大阪府で建築担当行政をちょっと担当した時期があったんですが、大阪府というのは全国の特定行政庁の中の一番知識も経験もあるところだった、東京都と若干別な形で非常に先進的な府だったんですが。そこの都市計画担当の最もトップの係長というのかな、それが私のところへやってきて、建築基準法のこの規定はよく分からないんですよと言うんだよね。一番の大阪のような先進的な府で、地方公共団体で建築行政を担当しているその担当者が分からないと言うんだから、これは大変だなと。
 これは小さな県なんかに行ったら本当になかなか理解ができないだろうと。理解ができないままに法令を適用していきますと、どうしても厳しくなってしまうんですよね。だから、ごちごちになってしまうというような例がありますので、これは是非、扇国土交通大臣はそういう意味では非常に白紙の観点から法改正ができる方じゃないかと思いますので、そういうような行政の簡素化という観点からも、ひとつ是非お考えになっていただいたらというように思います。
 ところで、ハートビル法へちょっと移らせていただきますが、ハートビル法の適用は既存建築物についてはどういうような適用の姿になるんでしょうか。
#31
○政府参考人(三沢真君) 今回のハートビル法改正との関係で既存建築物がどう扱われるかということでございます。
 既存建築物のバリアフリー対応につきましては、これはなかなか、既存建築物をいじる場合には、やはり既設部分の解体とか移動であるとか、あるいはエレベーターの新設、交換とか、あるいは建物の使用者の一時移転が必要になるとか、非常に構造上、利用上の制約が大きいということと、それからやっぱりどうしても後からいろいろ手を掛けますと、コスト面で新築時に比べてどうしてもコストが掛かるというようなことがございまして、これは既存のものを一律に義務付けるということについてはなかなか難しい面がございます。
 今回、この既存建築物については、二千平米以上の増改築工事を伴う場合について、その工事部分を、この法律の中で利用円滑化基準と呼んでおりますけれども、一定の基礎的なバリアフリー基準に適合させるように義務付けることにしているものでございます。
#32
○松谷蒼一郎君 今、局長、増改築についてもやるんだというようなお話、この増改築についてやる場合も二千平米以上の特殊建築物についてのみやるわけですね。ただ、増改築の部分が障害者の方とは無関係な、例えば劇場に附属する事務所、そういうものを増改築するというような場合でも適用されて、それで、じゃ客席に至る通路とか、いろいろな障害者のための適正な形での姿に持っていくということができるのかどうか、その辺はいかがですか。
#33
○政府参考人(三沢真君) 先ほど申し上げましたように、既存の建築物については二千平米以上の増改築工事を伴う場合に、当該工事部分についてバリアフリーの基準に適合させることにするということでございますけれども、バリアフリー基準というのは、この法律で言う、特定施設と呼んでおりますけれども、共用部分の中で不特定多数の方が利用する部分など、高齢者あるいは身体障害者の方々による利用が相当程度見込まれる部分というのがバリアフリー対応の義務付け対象になるわけでございます。したがって、先ほどの当該工事部分という中にそういう共用部分を含まないような、例えば事務所の部分のみを増改築するような場合には義務付けというものは発生しないということでございます。
#34
○松谷蒼一郎君 建築基準法の体系、考え方の中には、たとえ関係のないところであろうと、増改築する場合は既存不適格の適用はできないんだ、やっぱり全体が現行法規に適合するようにしなきゃならないと、ある程度面積要件がありますけれどもね、ということになっているんだけれども、この場合はそういう適用はないんですか。
#35
○政府参考人(三沢真君) おっしゃるとおり、基準法は、言わば一つの最低限の基準ということで先生がおっしゃいますような扱いをしているわけでございますが、このハートビル法は、基準法の確認対象法令ということで、義務付けの場合には基準法の確認の中で確認するということではございますけれども、義務付けそのものはこの法律に基づいて義務付けされると。
 したがいまして、この法律の趣旨に従って、どの範囲まで義務付けすることが実態上必要であり、あるいは適当であるかと、そういう判断の下にこういうことにさしていただいているということでございます。
#36
○松谷蒼一郎君 もちろん、このハートビル法は建築関係法令という位置付けになるんで、確認申請の場合は、これ確認の対象になるわけですね。そういうような考え方からいけば、増改築の場合にも併せて遡及適用ができるような規定があってもおかしくないんじゃないかという気もするんだけれども。で、そういうときには、例えば助成策を併せて準備するとか、そういうようなことを考えてはいらっしゃいませんか。
#37
○政府参考人(三沢真君) 先ほど申し上げましたように、義務付けという観点からは、今回の法改正の中では、やはりその中に特定施設というか共用部分が含まれる場合に限ることとさしていただいておりますけれども、支援策という観点から申しますと、既存建築物のバリアフリー化の推進のために、一つは政策投資銀行による融資が今までもございましたけれども、今回、増改築あるいは修繕、模様替えの改修工事の場合には、平成十四年度より、新築の場合に比べまして金利とか融資比率、融資条件を優遇するということと、それから今回新たに、従来は新築のみが対象であったいわゆる認定建築物に係る所得税、法人税の割増し償却制度、この対象に増改築も追加することとしておりまして、こういう支援措置も活用しながら既存の建築物のバリアフリー化を推進していきたいというふうに考えております。
#38
○松谷蒼一郎君 それでは次に、シックハウスに移りますが、このシックハウスの症候というのか症候群というのかな、どういうような症候が今現在問題になっているのか。あわせて、それは建物だけじゃないんでしょうが、建物の場合はどうなのか。
 最初の症候については厚生労働省、後の建物に関連する部分は国土交通省からお答えをいただきたいと思います。
#39
○政府参考人(下田智久君) 今お尋ねのいわゆるシックハウス症候群と言われるものの状況でございますけれども、新築やあるいは改築した後の住居に入居された方が頭痛あるいはのどの痛み、皮膚のかゆみといった様々な症状を訴える現象を指しておるところでございます。
 しかしながら、人によって訴えるその内容あるいは程度といったものは非常に様々でございまして、また、その症状を引き起こす原因につきましても、例えばホルムアルデヒドなどの化学物質のみならず、ダニあるいはカビといった物質など、様々な原因が考えられているところでございます。
 したがいまして、シックハウス症候群は医学的に確立された単一の疾病単位といったものではございませんで、このため厚生労働省としましては医学的観点から研究を積み重ねている現状でございます。
#40
○政府参考人(三沢真君) 住宅の観点からという御質問でございます。
 それで、シックハウス問題の実態につきましては、私ども住宅サイドで、平成十二年度に約四千六百戸ぐらいの住宅について実態調査をしたわけでございます。その結果、調査対象の住宅の三割近くでホルムアルデヒドの室内濃度が厚生労働省さんの設定された指針値を超えているというような実態が出てきたわけでございます。
 それから、いろいろな住宅に対しての相談についても、シックハウス問題についての相談件数も近年増加しておりまして、こういうことを踏まえまして、今回、建築基準法の改正案の中にその対策を盛り込ましていただいているところでございます。
#41
○松谷蒼一郎君 カビとか化学薬品とか、そういうのであれば、通風を良くすれば、すなわち昔の在来工法の木造住宅みたいな、そういうようなものだったらシックハウス症候群というのはないのかどうかね。だから、通風を良くすればいいんじゃないかというような気がする。ただ、ダニはちょっと違うかもしれない。それは私もよく分からないけれども、ダニも通風が良くなればなくなるんでしょうかね、そこは分かりませんが。いかがですか、通風に限って規定を強化していくというような考え方は。
#42
○政府参考人(三沢真君) 今回の改正案の中でも、建築材料と換気設備と、その双方について技術的基準を置いて規制をすることにしております。
 したがいまして、先生のおっしゃるとおり、一定の換気、換気がどの程度なされているか、あるいはその通風がどの程度なされているかによって、当然その対策の程度というのは変わり得るわけでございます。例えばホルムアルデヒドの建築材料の使用制限についても、そういう換気による、どの程度の換気がなされているかと、それに応じた技術的な基準を定めていくということを予定しております。
#43
○松谷蒼一郎君 海外でのシックハウスの規制はどんなふうになっておりますか。
#44
○政府参考人(三沢真君) 化学物質による室内空気汚染に対する規制として私どもが把握している範囲で申し上げますと、ホルムアルデヒドについては、ドイツ、デンマーク、それからスウェーデンで建築材料に対する規制が行われているということを把握しております。
 それからもう一つ、クロルピリホス、防蟻剤でございますけれども、アメリカでその使用の段階的な禁止、これ具体的には、正確に申し上げますと、米国環境庁、EPAと米国内の製造業者との合意に基づく自主的規制であるというふうに聞いておりますけれども、そういう措置が取られているということを把握しております。
#45
○松谷蒼一郎君 このシックハウスというのは、その症候のよって来る原因からいいまして、ただに国土交通省や厚生労働省だけでなくて、例えば建材であれば、合板とかですね、そういうものであれば農水省、その他の新建材であれば経済産業省、あるいは環境全体は環境省というように、各省庁にまたがっていると思いますが、関係省庁としてどういうような体制でこれの防止を実施していくか、その体制はどんなふうになっておりますでしょうか。
#46
○政府参考人(下田智久君) 政府におきましては、平成十二年四月に設置をいたしましたシックハウス対策関係省庁連絡会議を通じまして、厚生労働省、国土交通省、農林水産省、経済産業省、文部科学省、環境省の六省で連携を図りながら取り組んでおるところでございます。
 その際、一つは、原因分析、基準値の設定、防止対策、相談体制整備、医療・研究対策、汚染住宅の改修といった六本の柱を立てまして、各省それぞれ協力をしながら総合的な対策を講じております。
 なお、厚生労働省といたしましては、その中で、病態の解明、診断法、治療法の確立に向けました調査研究、普及啓発の推進、あるいは相談体制の充実、建材等から発生をいたします化学物質の室内濃度指針値の策定、こういったことに取り組んでおるところでございます。
#47
○松谷蒼一郎君 シックハウス全体の対策はきちっとやっていかなきゃならないと思いますが、まずは隗より始めよで、公的住宅でこれを実施する必要があるんじゃないかと思います。公営住宅ですね、例えば公営住宅で化学物質の過敏症の患者が安心して住めるような住宅を整備すると、そういうような考え方はございませんか。
#48
○政府参考人(三沢真君) 公営住宅につきましては、地方公共団体がその創意工夫によりまして新しい設計あるいは工法等の開発を促進するためのモデル住宅を整備する場合に、国が国庫補助の増額によってこれを支援するという制度がございます。
 御指摘のような化学物質に非常に過敏な方々向けにそういうモデル住宅を造るということにつきましては、例えば新しい建材を使用したり、換気設備についても新しい設計を行うというようなモデル住宅の整備もこの制度として支援することが可能であるというふうに考えております。
#49
○松谷蒼一郎君 時間は若干残しますが、若干と、かなり残しますが、最後に、このたびの都市計画関係法案等々の改正等を見ておりますと、大都市優先というか、地方切捨て的な考え方がどうもあるような気がしてならない。かつて、骨太の方針を小泉内閣として作成する過程において、国土の均衡ある発展という文言をこれは削除する、それで地方間の競争を行うんだと、こういうような文言があったりいたしました。これに対しては我が党の中で非常に激しい反発がありまして、国土の均衡ある発展という文言は残ったかと思いますが、こういうような大都市関連法案の制定が、着々と進めている姿を見ておりますと、今後の国土の姿というものをどういうふうに考えられるのか。扇国土交通大臣より小泉内閣としての、あるいは扇国土交通大臣としての今後の国土の姿というものを開陳いただければと思います。
#50
○国務大臣(扇千景君) いつかも申しましたけれども、戦後、今日まで何としても我々が衣食住足りるということのために全国あまねく発展していかなければならないと、そして少なくとも私は、全国画一的な均衡ある国土の発展、それは私は二十世紀であったと思っております。
 けれども、二十一世紀に世紀が変わって、我々は過去のしてきた中で、すべて画一的な、あるいは均衡あるという言葉の中で個性を失ってきたと、そういう反省もございます。どこへ行っても同じようなものであったり、あるいは商店街はすべて何とか銀座って地方の名前に銀座を付けてそれで商店街にしたり、あるいは町並みを見ると同じような四角い個性のないビルばかりが建ち並んだり、どこへ降りたのか、どこへ来ているのか分からないようなというものもございます。
 そういう意味では、二十一世紀は我々は少なくとも地域の特性を生かした個性ある地域の発展ということを目指していきたい。そして、それぞれの地域のそれぞれの個性を発揮して、我々は、政府が押し付けるのではなくて、それぞれの地域から、こういう自分たちは地域や町並みを残したいとか、こういうふうにしていきたいという、そういう意味での私は個性ある地域の発展というものを日本の特性として、しかも世界じゅうから多くのお客様をお迎えするときに、長崎なら長崎ってこんなに個性があったと、さすが長崎だと思えるようなまちづくりをしていただくとか、あるいは東京へ来れば、なるほど国際都市だと言われたけれども、東京って国際都市なんだなと、ほかの先進国の中でも東京はすべてこれ国際都市の条件整っているねって言われるような、それぞれの個性というものを尊重するのが二十一世紀であろうと思っております。
 ですから、ある一定の水準まで来たということもさることながら、まだ未完成だとおっしゃるところも当然あろうと思いますけれども、そこは、今後はより個性を持った地域づくりをしていただきたい、それが少なくとも現在の全国の総合開発計画のこれは底流にあるものである。二十一世紀型にしていきたい。
 そして、それがそれぞれの町の、国民一人一人の御希望であったり、あるいは全国、私が地方の懇談会を行っておりますけれども、それぞれの全国の知事さんあるいは政令指定都市の市長さん、そして財界と、それぞれの各ブロックブロックから意見を積み上げていっていただいて、それぞれのところへ行く価値があったと思えるような個性あるまちづくり、個性ある地域の発展ということを目指していただきたいというのが私は基本でございまして、都市と地方を区別することは更々なくて、より地方は個性ある地方を作っていただいて、そこにみんなが行きたい、そこが楽しかった、そこはそれぞれの地域の人が住みやすかったと言えるような、三位一体の地方づくりをしていただいて、みんなが日本全国あまねく行ってみたいと思えるような国土に形成していくという基本を私は今回思っておりますし、そういう意味でそれぞれの地域の主体性を生かして個性ある発展を促す必要がございますので、今回の建築基準法の改正はそのような趣旨に沿って行い、また提出させていただいた次第でございます。
#51
○松谷蒼一郎君 なかなか、個性あると言いましても、例えば私の選挙区であります長崎県などは、五島列島、対馬、壱岐、その他百数十の離島がありまして、離島の面積が全体の県内面積の四二%に当たる。それで、離島に行きますと、例えば五島でも割に大きな町、福江などの近くに行ってもトイレはもちろん水洗化されていない。それで、寝るところとトイレとは別棟になっている。だから、冬、寒いときには、その寒い中を夜トイレまで行かなくちゃいけないとか、非常に生活格差がやっぱり都市との間にありますよね。だから、やっぱり弱者に対する配慮というのは、併せて地域の弱者に対する配慮というのもやはりなくちゃいけないだろうというように思います。
 その点は扇大臣よく御存じのことと思いますが、ともすれば競争だ競争だというような、そういうような政策過程の中で、是非国土交通大臣としてその点についてはきちっとした意見の開陳をしていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#52
○櫻井充君 今日は建築基準法の特にシックハウス症候群のことについて中心に説明させていただきます。
 先ほど松谷先生の方からもシックハウス症候群って一体何なんだという話がございました。簡単に説明させていただきますが、今、大体日本で約五百万人ぐらい患者さんがいるんじゃないかというふうに言われています。そこの中の原因は、化学物質であったりとか、それから一般のダニとかカビであって、いわゆるアレルギーと言われる人たちもいます。
 今回の建築基準法の見直しというのは、その化学物質過敏症の患者さんたちをいかに防ぐのかという観点から提出されている法律なんだろうというふうに思います。大事な点は、この法案で本当にその化学物質過敏症の患者さんを減らすことができるのか、どこまで十分に減らすことができるのかということが大きなポイントになるんだろうと思います。
 なぜならば、この化学物質過敏症という、これもまだ病気として認められておりませんが、この病気になってしまいますと有効な治療法がありません。そして、もう一点大事なことは、診断できる医者が日本にたった一人しかいないということです。今、そういう病気にならないようにするためにどうしていくのかという手だてしかないということを是非委員各位に御理解いただきたい、そう思っています。
 その上で、まず改めて質問させていただきたいんですが、今回のこの化学物質の規制をなぜ行わなければいけないのか、国土交通省の方、お答えいただきたいと思います。
#53
○政府参考人(三沢真君) 化学物質につきましては、厚生労働省さんの方で、化学物質の室内濃度について健康への有害な影響がないかどうかの観点から指針値を設定されておりますけれども、平成十二年度に私ども約四千六百戸の実態調査を行いました。その結果によりますと、調査住宅の三割近くでホルムアルデヒドの室内濃度が厚生労働省の設定する指針値を超えているなど、化学物質による室内空気汚染が生じている建築物が多く存在するという実態がございます。
 こういう実態を踏まえまして、国土交通省としては、これまで情報提供とか技術開発とか、そういったいろんな措置も講じてまいりましたけれども、それに加えまして、建築基準法に基づく新たな規制を導入することによって健康被害の未然防止に取り組んでいくということが必要と考えたということでございます。
#54
○櫻井充君 そうしますと、厚生労働省にお伺いしたいんですが、化学物質の安全基準の濃度を超えれば、基準値を超えれば何らかの、人は障害を受ける、若しくは症状を発症する確率が非常に高くなるというふうに考えてよろしいんでしょうか。
#55
○政府参考人(鶴田康則君) 厚生労働省では、化学物質の室内濃度の指針値につきましては、十三化学物質についてその指針値を定めてきております。
 この指針値は、現時点で入手可能な毒性にかかわる科学的知見から、動物の間の種差や人の個体差などの不確実性を考慮し、より安全性を見込んだ評価を行いまして、人がその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値を算出したものでございます。
 この指針値は、今後新たに集積される科学的知見や国際的な評価の進捗に伴いまして将来必要があれば変更され得るものであると。引き続き情報等の収集に努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#56
○櫻井充君 私が聞いているのは、お伺いしているのは逆でして、要するに、そういう基準値よりはるかに高い化学物質を吸入するなり摂取するなりすると人体には影響があるという、そういう認識なんですね。
#57
○政府参考人(鶴田康則君) 先ほども申しましたように、それは、この指針値を超えれば動物等の毒性試験から見れば何らかの影響はあると、そういうふうに考えておりますが。
#58
○櫻井充君 人体に対しての影響はあるとお考えですか。
#59
○政府参考人(鶴田康則君) 化学物質に、この濃度を超えた場合には人体に何らかの影響を及ぼす可能性は否定できないと、そういうふうに考えます。
#60
○櫻井充君 もうちょっと、二重否定とかじゃなくて、単純に言ってもらいたいんですよ。これは人体に影響を及ぼすとお考えなんですね。
#61
○政府参考人(鶴田康則君) 否定できないということですから、そういうふうに考えてよろしいと思います。
#62
○櫻井充君 そうしますと、ここでもう一つ問題になるのは、今は実際シックハウス症候群とか化学物質過敏症という病名が認められていないということです。そのために、今そういう患者さんたちがまず病院に行きます。医者がそういう認識をまず持っておりません、人たちがかなり多くいらっしゃるということです。そのために、例えば軽度のうつ状態であったりとか、自律神経失調症とか、女性の場合には更年期障害という、そういう診断名を付けられてしまうとか、よく分からないから後はほかの病院に行ってくれというふうに言われているわけです。つまり、もし本当にその化学物質で体に何らかの異常を来すものだというふうに考えるとすれば、きちんとしたまず病名を付けていくことこそ大事なんじゃないでしょうか。
 そしてもう一つは、病名を付けて保険点数で認めて治療してあげる。今治療できるところ、治療というか診断して治療をやっているのは北里病院だけですが、そこは全部自費診療で行っています。そういうことに関していかがお考えですか。
#63
○政府参考人(下田智久君) いわゆるシックハウス症候群につきましては、人によりまして頭痛、皮膚のかゆみ、のどの痛み、その訴えは様々でございまして、病態も一定ではないと、こういったことから医学的に確立された単一の疾病単位とはなっていないところでございます。したがいまして、厚生労働省といたしましては、その病態把握あるいは原因の究明を含め様々な角度から研究を行っているところでございます。
 医療保険の請求の点でございますが、御承知のように、請求につきましては、検査、処置などの診療行為ごとに点数を定めまして請求できるようになっているわけでございます。
 診療報酬請求書、いわゆるレセプトでございますが、それの請求疾病名にシックハウス症候群と記載された場合にはどうかということでございますが、シックハウス症候群に伴いますそれぞれの症状に応じまして検査、投薬などの診療行為が医学的に見て必要性に基づき適正に行われている場合であれば保険適用になるものと、このように考えておるところでございます。
#64
○櫻井充君 じゃ、もう一つお伺いしたいのは、例えば自律神経失調症という病名があるんですよ。自律神経失調症というのは医学的に何かきちんとした根拠があって認められている病名ですか。
#65
○政府参考人(下田智久君) 自律神経失調症は、ストレスを原因といたしまして自律神経系のバランスが崩れ、頭痛や目まいなどの症状を起こす疾患であるというふうに教科書等にも書いてあるところでございまして、当該疾病の記載は見受けられるということでございます。
 そういったことから、自律神経失調症と記載して診療報酬を請求した場合には、その症状に応じて適切な医療行為が実施されたと、そういった場合には診療報酬上請求できるものと、このように考えております。
#66
○櫻井充君 つまり、ストレスで、自律神経の症状というのは一体、じゃ、どういうものが自律神経の症状に当たるんでしょうか。ストレスが原因で、どういうものを指してそのようなものを自律神経失調症という病名で認めるんでしょうか。
 なぜこんなことをお伺いしているのかというと、化学物質を多量に摂取すればこれは人体に悪影響を及ぼすということを先ほどお認めになりました。だとすると、だとすると、そのことによっていろんな症状を呈してきているからなかなか難しいとおっしゃいましたが、自律神経失調症もいろんな症状を呈しているわけです。ましてやストレスを測るというものは、非常に難しい現状があれば、そのストレスによって自律神経の症状があるから自律神経失調症ともし認めるのであるとすれば、逆に言えば、化学物質によって人の体がむしばまれているということを厚生労働省でお認めになっているんですから、化学物質過敏症という病名をきちんとした形でお認めになるべきじゃないかと思うんです。いかがでしょうか。
#67
○政府参考人(下田智久君) 何度も申し上げて大変恐縮でございますが、シックハウス症候群あるいは化学物質過敏症、こういったものの病態、あるいは原因、それから起きてくる症状等については人によって様々でございます。そういったことから一律に論じられないということから、現在研究を進めておるところでございまして、そういった点で御理解を賜りたいと存じます。
#68
○櫻井充君 なぜこういうことを言っているのかというと、先ほども言いましたが、少なくともシックハウス症候群、全体の、ダニとかごみとか全部そういうものも含めると約五百万人いるわけです。私が診療していた間にも、診てみるとアレルギー患者さんの何割かの方は化学物質過敏症を合併していらっしゃると思います。
 実は私も化学物質過敏症の患者の一人でして、私は、ダニとかごみとかカビとか花粉とかのアレルギーのほかに、例えばすぐに建築後間もないような住宅に行ったりしたようなときには目がかゆくなったりとか、それから排気ガスを吸ったりすると胸が苦しくなるとか、そういう症状があるんですよ。しかし、そういう話をいろんな方々にしてみると、初めて自分も実は化学物質過敏症だったんだということが分かるという方々が一杯いらっしゃるわけです。
 なぜそういうことになっているのかというと、そういう病名が認められていないから、なかなか社会の方々が知るところになっていないわけなんです。つまり、少なくとも化学物質過敏症というようなそういう病態が起こり得るんだということぐらい広報してやることと、そしてもう一つは、十分にそのことを念頭に置いて治療できている医者が少ないと。大変私はそういうことを言うとお医者さんに怒られそうですが、そういう人たちが多いという現状を踏まえてくると、早急に私はその部分に関しては、こういうものがあった場合には少なくとも化学物質過敏症を、過敏症という言葉が駄目であれば、化学物質によって何らかの体を侵されている可能性がありますよということを医者側から患者さん側にきちんと伝えられるようなそういうシステムが必要なんだと思うんですが、いかがですか。
#69
○政府参考人(下田智久君) 御指摘の部分については非常に重要な部分であるというふうに認識をいたしておりまして、シックハウス等につきましての広報活動と申しましょうか、周知徹底を図るために保健所を活用いたしておりまして、保健所の職員を研修させ、その相談に乗らせるといったこともやらせておりますし、またそういった相談をする方々用の相談マニュアル、こういったものも作りまして配付をいたしております。また、医家向けと申しましょうか、それを診断されるお医者さんの診断能力を高める、あるいは研究に資するといった観点から、国立病院あるいは労災病院等におきまして診断をできるような検査、病室、こういったものの整備も進めておるところでございます。
#70
○櫻井充君 今検査、病室とおっしゃいましたけれども、昨日、厚生労働省の方から話をお伺いしました。しかし、化学物質過敏症の方というのは化学物質が多いところには行けないわけですよ、いわゆるクリーンルームを用意しておかなきゃいけなくて。そこのところに一応クリーンルームがあるという話なんですが、入口は一緒なんですよ。入口が一緒ということは、そこに通って行けないんです。そういうことを御存じでしょうか。我々が想像する以上にはるかに少量の化学物質で具合が悪くなります。
 化学物質だけではありませんで、磁場に対しても非常に悪いです。私は携帯電話を胸のポケットに入れると胸が苦しくなります。こういう人たちは随分、まだ私は軽い方ですからこの程度で済んでいますが、携帯電話がこの辺にあろうものならそこにもう行けないという人たちが一杯います。こういう蛍光灯の下とか、この辺のところから発せられる磁場でも具合が悪くなるんですよ。そういう現状を本当に御存じなんでしょうか。
 今、国で施策としてやっているのは、国立相模原病院にたった一つクリーンルームが作られる、そして作られたんでしょうか、そこのところは恐らくは玄関は別になってそこから入っていけるんでしょうけれども、そこしかないんですよ、実際は。しかし、全国各地に患者さんがいて、ましてや新幹線なんか乗れないんですよ。
 そういうことを考えてくると、少なくとも全国各地に、各都道府県にというのが我々の理想ですが、それがかなわないとすれば、地区ごとにそういうクリーンルームを早期に作っていただくことが私は非常に大事なことなんだと思いますが、その点について、いかがですか。
#71
○政府参考人(下田智久君) 御指摘のように、現在クリーンルームを持っておりますのは国立相模原病院、国立病院の中ではそこだけでございます。また、近々東京労災病院にクリーンルームを整備する予定にいたしておりまして、厚生労働省といたしましては、順次こうした診療体制の充実強化を図っていく予定といたしておるところでございます。
#72
○櫻井充君 それでは改めてお伺いしたいのは、患者さんの増加数は一体どの程度だと調査されていらっしゃるんですか。その程度のペースで果たして間に合うんでしょうか。
#73
○政府参考人(下田智久君) 実は、シックハウス症候群の患者数の推計というのはいろんなデータがございます。
 一つは、学校の小中学生を対象としました調査結果でございますが、これによりますと、二千九百四十八人中四十五人。これは、壁や床、塗料、こういったものについて新しく新築あるいは改築をしたものの中でどれくらい症状が出たかという率でございますが、一・五%という数字が出ております。それから、札幌で行いました調査によりますと、新築、改築した後に何らかの症状が出た者の割合でございますが、五百六十四件中九十四件、一六・七%という数字もございます。
 このように調査のやり方、方法等によりましていろいろデータがございます。私どもといたしまして正確な患者数の把握はなかなか困難であるという状況にあるところでございます。
#74
○櫻井充君 確かにおっしゃるとおりで、なかなかその調査される方も、新しい病気なのでなかなか理解し難いというところがあることはこれは間違いないことなんだろうと思うんです。恐らくこれ、札幌のデータは飯倉先生ですよね、昭和大学の、主査が。違いますか。
#75
○政府参考人(下田智久君) 札幌の事例は、北海道大学の公衆衛生学教室の岸教授の調査となっております。
#76
○櫻井充君 あともう一つ、飯倉班の方で疫学調査をもうやられているかと思いますが、その辺の数字はいかがなんでしょう。
#77
○政府参考人(下田智久君) 大変済みません、札幌の事例は、最終的な取りまとめは飯倉先生がおやりになったということでございます。
#78
○櫻井充君 飯倉先生はよく御存じなんですよ。アレルギーの大家でもいらっしゃるんですけれども、その後物すごく勉強されまして、週に一回ずつ、昭和大学の教授でありながら週に一回ずつ札幌の方に行って現地調査もされているんですね。しかも学校に、品川だったかどこかの学校だったと思いますが、学校でも子供たち一人一人と向き合って実態調査もしているんです。そういう分かっている方が出してくる数字と、やはりその症状の鑑別ができないような方が出してくる数字というのは大分違うんじゃないかなという気がするんです。
 とにかくお願いがあるのは、患者さんたちが相当困っているということです。今日は患者さんの代表の方もいらしていますけれども、その思いというものを是非かなえてあげていただきたい。それはやはり国の大事な施策なんだろうと思います。
 今回の国土交通省の案は、そういう意味では、とにかく予防医学の観点から患者さんを出さないという、まず出さないようにしていこうというこの方針は間違いないことであって、しかしもう一点これからやっていかなきゃいけないのは、現存している患者さんたちをどうやって救っていくかということなんだと思うんです。今有効な治療法はございません。汗をかいて体の中にたまっている化学物質を出すとか、それから全く化学物質がないような場所に行って、今は療養施設は旭川に一つしかありませんが、そういう施設に行って療養して化学物質の量をどんどん体の中にたまっているものを減らすとか、そういう治療法しかないんですよ。その現場の声を是非知っていただきたいと思います。
 それから、併せて、先ほど学校の話が出ましたけれども、患者さんの七割は女性と子供なんですね。今、不登校の子供が二十二万人いると言われていて、その中に、いわゆるシックスクールと我々呼んでいますが、シックスクールの子供たちが何人ぐらいいるのかが実際よく分かっておりません。その辺のことについて文部科学省の方で今後どのような形で取り組んでいこうとしているのか。
 それから、先日、学校の化学物質の濃度を測定されていますが、その結果について教えていただけますか。
#79
○政府参考人(上原哲君) お答え申し上げます。
 まず実態調査につきましては、先ほど来お話がありましたとおり、非常に過敏症の症状が他の病気との要因との関係で難しいというふうに承知いたしましておりまして、なかなか現実的には難しいというふうに考えてございます。
 それから、実態調査につきましては、学校環境に化学物質がどういうふうな、学校環境内で影響を受けているかということで、昨年十二月にホルムアルデヒド以下四項目につきましてその実態調査を実施してございまして、その結果によりますと、例えばホルムアルデヒドでございますとおおむね問題はないわけでございますが、例えば夏季におきましては指針値を超えたものといたしまして二百八十一か所中十二か所とか、例えばコンピューター室、それから音楽室、図工室等ございまして、大体ここでは十二か所、四・三%というような結果を得ておりまして、また、その他の物質につきましても結果があるわけでございますが、総じて、ホルムアルデヒド、それからその次のトルエンにつきましては若干高い値が出てございまして、三、四、他の物質でございますキシレン、それからパラジクロロベンゼンにつきましては比較的低い値が出ているということでございます。
#80
○櫻井充君 いや、これだけ報告を聞くと学校の環境が非常にいいように思えるんですが、実際、測定上の問題があると思うんです。例えば、夏季とおっしゃっていますが、測定しているのは九月とか十月なんですよね。十月、例えば北海道で測ったら果たして夏季と呼べるのかどうかということです。
 それからもう一つは、窓を開け放したまま測定されています。これは、子供たちがいつも生活している環境そのままの状況で測るのがいいんだというお話ですけれども、雨の日なんかは窓を閉め切っているわけですから、そういう状況で一体どうなのかということです。
 なぜそんなことを言っているかというと、窓を十五分間開け放つと外気と同じ濃度になっちゃうんですよ。外気と同じ濃度になっているところを、ただ測りましたと言って、異常がほとんどございませんと言っても、全く意味がない数字なんだろうと思うんですね。
 やはり一定の要件を掛けて、本来、今回の建築基準法の見直しも実は換気扇等をうまく組み合わせてという話になっていますが、恐らくはFC0というホルムアルデヒドの一番放出少ない、放出量の一番少ない建材を全部使ったとしても、多分環境基準を満たさないんじゃないか。そのおそれがあるから換気扇と組み合わせてこなきゃいけないんじゃないかと思っていますが、その意味で、今回の文部科学省測定されたことは大幅な前進だと私は思っていますけれども、このような測定方法に問題はないとお考えでしょうか。
#81
○政府参考人(上原哲君) お答え申し上げます。
 測定の仕方につきましては、先生御指摘のとおり、私ども、通常、学校の児童生徒が暮らす環境下における濃度を測定することを目的とした実態調査でございまして、そういうものにおきましては今後も継続して、他の物質もございますので、そういう調査で通常の環境下においては十分ではないかと。
 それから、夏季の問題、例えば北海道の問題等につきましては、また北海道は比較的八月から授業が始まるとか、その辺の今後の工夫というのはいろいろ、先生の御指摘もありましたので、十分してまいりたいと考えてございます。
#82
○櫻井充君 なぜそういうことを言うかというと、温度の高いときの方がホルムアルデヒドの放出量が高いからです。ですから、環境基準も二十五度を設定されているはずですから、二十五度に換算して一体どうなのかということも本当は補正していかなきゃいけないはずなんですよ。
 今回の文部科学省の数字の中で、コンピューター教室はでも二〇%と非常に高いんですよ、実は、異常値を示しているのは。ほかの部屋は、例えば図工室が二・三%とか、その程度であったにもかかわらず、コンピューター教室は二〇%と非常に高いんですね。これは恐らく測定条件が違っている。例えばコンピューター教室は窓を閉め切っているとか、若しくはほかの要因が考えられるのかもしれませんが、その辺のことについての分析はどうなっているんでしょうか。
#83
○政府参考人(上原哲君) お答え申し上げます。
 コンピュータールームそれから音楽室等が比較的高い値が出ていることにつきましては詳細なまだ分析はいたしてございませんが、基本的には、先生御指摘のとおり、閉鎖環境下にあるということかというふうに考えてございます。
#84
○櫻井充君 もしそうだとすると、閉鎖されている状態であれば室内の濃度は高いんですよ。先ほども言いましたけれども、雨の日なんかは窓を全部閉め切っています。学校の一番大きな問題は換気扇がないことです、行っていただければ分かりますが。だから、窓を開け放たない限りは換気できないんですよ。そういう意味においては、学校にもこれから先、換気扇きちんと付けていくべきじゃないかと思いますが、その点について、いかがですか。
#85
○政府参考人(上原哲君) お答え申し上げます。
 換気の問題につきましては、事後措置の一環としまして十分な換気措置を取るとか、いろんな対策が講ぜられると思いますし、各学校設置者において適切な換気の手法について対策が取られるものと思ってございます。
#86
○櫻井充君 取られるものと思いますというより、自分たちで取られるんじゃないんですか。自分たちでそういうことをきちんとやられるんじゃないんですか。
#87
○政府参考人(上原哲君) 適切な対策が取られるよう指導してまいりたいと思ってございます。
#88
○櫻井充君 今回、文部科学省の方から、一応これは通知になるんでしょうか、通知で、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンに関して基準を示しております。今回、建築基準法の見直しの中で国土交通省が規制をしてきたのはホルムアルデヒドと、それから防蟻剤の一つでありますクロルピリホスだけなんですね。
 文部科学省は四つの化学物質に対して規制を掛けたにもかかわらず、なぜ国土交通省は二つの化学物質の規制だけなんでしょうか。
#89
○政府参考人(三沢真君) 今回の建築基準法の改正では、具体的にはその化学物質は政令で定めるということにしております。当面、この政令の中ではホルムアルデヒドとクロルピリホスをまず指定いたしますが、これについては順次追加をしていくという予定でございます。
 当面、例えばそのトルエン、キシレンというようなものをまだすぐに指定しないということにつきましては、これは、トルエン、キシレンにつきましては、例えばその発生源であるとか、あるいは発生源からのその発生量がどのぐらいかということについて現段階で十分な知見がございません。これにつきましては、できるだけ早くいろいろな調査をした上で、とにかく指定にこぎ着けたいというふうに考えております。したがって、この二つだけをするということではなくて、これはきちっと順次やっていくという考え方でございます。
#90
○櫻井充君 発生源が分からないから今回その規制をしなかったと、国土交通省はそうおっしゃっています。
 じゃ、なぜ、発生源が分かっていないんだとすれば、文部科学省は今回この規制を出しているんですか。
#91
○政府参考人(上原哲君) お答え申し上げます。
 厚生労働省におきまして四物質につきまして指針値が出されましたので、測定方法その他もはっきりいたしましたので、学校環境というところにおいてはそういう措置が取れるというふうに考えました関係上、そういう措置を取っている次第でございます。
#92
○櫻井充君 今の指摘は非常に大事なことなんだろうと思うんですね。学校の環境基準として大切なんだと。
 じゃ、人が長時間いるのは学校なのか住宅なのかということになりますと、圧倒的に住宅の方が多いわけですよ。じゃ、なぜ住宅でこのような規制を掛けないんでしょうか。
#93
○政府参考人(三沢真君) これについては、先ほど申し上げましたように、規制を掛けないということではなくて、将来追加する予定でございます。
 ただ、発生源が特定しないということを申し上げましたけれども、そのトルエン、キシレンを含んでいる発生源と想定されるものは非常に多数ございます。それぞれの物質からどのくらいの発生量が予想されるのか、これについて十分なデータがございませんので、例えば基準法上、政令で技術的な基準を定めるにしても、どういうものについてどういう規制数値を決めたらいいのかと、ここについて合理的に決め得るような現在データがないと。したがいまして、これらについては早急にデータを蓄積し、そういうことを解析いたしまして、できるだけ早く指定したいということでございますので、繰り返し申し上げますが、これは指定しないということを申し上げているつもりはございません。
#94
○櫻井充君 じゃ、国土交通省にお伺いしますが、データがないから国土交通省は規制しないとおっしゃっているわけですよね。じゃ、データがないけれども規制を掛けている文部科学省のこのやり方に関してどうお考えですか。
#95
○政府参考人(三沢真君) 私どもの建築基準法は、要するに政令で定める技術的基準に従って建築材料、それから換気設備の規制をやるわけでございます。したがいまして、そういう規制のやり方、これからしますと、やはり規制値を決めるためには具体的なデータがどうしても必要だということでございます。
#96
○櫻井充君 現場はこういうことだけでも多分混乱するんだろうと思うんですよ。
 僕は文部科学省のやり方の方が正しいと思っていますよ。それは何かというと、環境基準があって、こうやってきちんと測定できるからこれでやるんだと言っているわけです。だったら、三沢局長、住宅ができた時点で、そういうトルエンなりキシレンなりの濃度を測ればいいじゃないですか。そして、それ以下になるように基準を設定すればいいじゃないですか。違いますか。
#97
○政府参考人(三沢真君) 申し上げているのは、要するに、その一定の濃度がある建築材料との関係でどういう関係があるかと、その部分についてのデータがないということを申し上げているわけでございます。
 それで、今回、じゃ、なぜその建築材料の入口の、いわゆる入口の規制をしているかということでございますけれども、濃度そのものは、これはもう先生の方がよく御承知でございますけれども、当然これは測定時のいろいろな条件によって変動します。今回、規制の方法として、そういう濃度測定結果、その一回だけの結果によるんではなくて、要するに、多数の実験あるいは研究に基づきましてそういう化学物質の室内濃度を指針値以下に抑制するために通常必要な建築材料や換気に関する基準を定めると、そういう方が合理的ではないかという考え方からこの考え方を取っているわけでございます。
 繰り返しになりますが、つまり、その建築材料からどのくらい発生し、そのことが結果として室内濃度にどういうふうになるかと、そこの部分のデータがないということを申し上げているわけでございます。
#98
○櫻井充君 だから、そこが、どこから発生してどうなっているかということが分からなくても、文部科学省は規制を掛けてきているわけですよ。文部科学省はそういう規制を掛けている。じゃ、もう一つ言うと、厚生労働省が何と言っているかというと、先ほど、基準値を超えれば人体に影響を及ぼすと言っているわけですよ。これは非常に大事なことなんですね。
 今回、確かに規制を掛けてシックハウス対策をやりましたと言われますけれども、こういう不十分なものを出されて、ほかの方々はこれで安心だと思って住宅これから購入されるでしょう。これからは建材規制もされて、国土交通省がこういうものを示したもののとおりにやったものだから安全な住宅だといって買うでしょう。その買ったときに、ホルムアルデヒドは確かにいいかもしれません、いや、いいかどうかこれから議論しますけれども、ほかの化学物質、有害な化学物質が何もされていなかったら、何の効果もないんじゃないですか。
#99
○政府参考人(三沢真君) いずれにいたしましても、今回、建築基準法でまず二物質を指定する、その余の物質についてはデータの蓄積を待って順次規定していくという考え方でございますが、当然、この考え方につきましては、消費者の方々、住宅取得者の方々にも分かりやすい形で周知徹底を図っていく。つまり、今回、基準法で当面まず何が規制されたかということはきちんと一般の方々にも情報提供を図っていくということはやっていきたいというふうに考えております。
#100
○櫻井充君 じゃ、済みません、具体的にどのように周知徹底するんですか、教えていただけますか。
#101
○政府参考人(三沢真君) 周知徹底の手段といたしましては、当然、例えば、この建築確認事務は公共団体においてやりますが、まず公共団体の窓口等において、そういうことが、いろいろな情報提供なり相談体制に乗れるような体制を作っていくということと、それから、現在いろいろなシックハウス対策の相談体制というのがございます。そういうところでも分かるような情報提供をする。それから更に、当然、例えばホームページ等に記載してインターネット等でその情報が得られるようにする。それから、もちろん生産者、供給者の方からもそういうような情報が購入者に対していろいろ提供できるような、そういうような体制を作っていきたいというふうに考えております。
#102
○櫻井充君 そうでしょうか、本当に。
 業者からすれば、国土交通省から示された建築基準法に従って家を建てましたと、こういう情報は提供すると思うんです。これは正しいんですよ。ですが、それが化学物質の中でホルムアルデヒドだけが抑えられました、ほかの化学物質に関しては全く分かりませんと、そういう情報公開するのが本来の筋だろうと思うんですね。こういう情報公開されるんですか、本当に。
#103
○政府参考人(三沢真君) 現在、やっぱり住宅市場の中でこのホルムアルデヒドの問題については非常に関心を呼んでいるわけでございます。当然、こういう規制がなされれば、この規制に従って造られた住宅については、この住宅はホルムアルデヒドについてきちっと対策が講じられていますということをPRしていくことになりますので、先生はそのときにはほかの物質をしないんじゃないかということでございますけれども、要するに、何についてきちっとされているかということは間違いなく明示されていくと思います。
#104
○櫻井充君 それで果たして一般の方はよく分かるんでしょうか。
 BSEのときも同じじゃないですか。安全だ、安全だという話だけが先行して、実際、これから先にその狂牛病がまた発生します、だからチェックして水際では防げますよとか、もうちょっときちんとした情報が公開されていないから混乱するわけですよ。ましてや、もう一つ言っておくと、あのことに関して言っておくと、狂牛病だったかもしれない牛の肉を我々は食べていたということです。
 そういうことも併せてきちんと本当は情報公開しなければいけないはずなのに、今の話は、もうホルムアルデヒドに関しては安心ですよということの一方的な話だけになっちゃうんです。そうすると、今でも何件か訴訟が起きていますけれども、それはなぜかというと、住宅に入って体の具合が悪くなった、その住宅メーカーを訴えていろんな裁判が行われているわけですけれども、全部負けていますよ、その住宅の購入者が。何千万もの高い金を払って、そこでやっと我が家が造れたと思って喜んで入った、具合が悪くなった、何も知らないで入っていくわけですよ。それで具合が悪くなっている。その際に化学物質が原因であったということがなかなか証明すらされないから、確かに大変なんです。
 これから先は、こうやって建築基準法の見直しが検討されて、恐らくは、マスコミなどではシックハウス対策がこういう形で取られたということになれば、恐らく皆さんは安全で安心な住宅が提供されるんだろうと思っていると思うんです。しかし、取り締まることができているのは、何回も言いますが、ホルムアルデヒドとクロルピリホスだけなんです。今分かっているだけで十三物質あって、そこの中の残りの十一は何も規制されていないわけです。
 今、もう一つ言えば、私たちの民主党の案は、トータルのVOCを測ろう、全体量も測って規制しようという案を提出しているわけです。かなりきついかもしれないけれども、そうでなければ予防はできないと考えているからです。
 きちんとした形でやはりでき上がった住宅の濃度を私は測るべきだと思いますが、局長、いかがですか。
#105
○政府参考人(三沢真君) 濃度を測定する、更に先生が御提案の法案では、その濃度に、測定された濃度に基づいて一定の規制を行っていくという考え方でございますけれども、やはり先ほども申し上げましたように、この濃度の測定につきましては、一回だけの濃度の測定ではやっぱりそのときの条件によって相当変動し得る、つまり、そのときクリアしたからといって必ず常時通常の条件の中で厚生省の指針値が確保されるということには必ずしもならないんじゃないかと。そういう不確定な変動し得るものに基づいて規制をするというよりも、やっぱり入口の段階で、ある程度のいろいろな研究データ、実験を積み重ねたそういうものに基づいて、そもそもその建築材料はこういう使い方をしなさいよということをきちっと決めておくという方がより有効な方法ではないかというふうに考えております。
#106
○櫻井充君 それでは、お伺いしたいのは、今の濃度の測定法に問題があるんだとすれば、今後、技術が開発されて濃度が測定きちんとできるようになった、その時点では完成品の濃度を測るべきだとお考えですか。
#107
○政府参考人(三沢真君) 今回、私ども提出しておりますこの基準法の改正で、建築材料それから換気設備、この規制をきっちりやることによりまして、予防対策として相当有効なものが図られるというふうに考えております。
 将来の話として、じゃ更に濃度測定までということについては、やはりこの建築基準法の規制をした上で、しかし、例えば例外的に出てくるような場合がどのくらいあるんだろうか、あるいはどういう条件の下でそういうことが出てくるんだろうか、しかもその例外的な状況を想定して、それを前提にして、例えばすべての住宅について濃度を測定するということが本当にその規制として合理的な規制なんだろうかと。そういうことについてはやはり十分な検討が必要なんではないかというふうに考えております。
#108
○櫻井充君 今、例外的にというお話がありました。
 私、持っている資料は、これはある住宅地のところで十二棟のホルムアルデヒドの濃度を測定したものです。これはすべて建材はFC0を使っています。その十二棟のうち七棟が、現況測定値ではなくて二十五度の想定時に換算して七棟が一〇〇ppmを超えているんですよ。つまり、FC0を使って、本当に全部のものをFC0を使って安全な住宅が提供できるかというと、住宅提供できないんです。
 ですから、恐らくそこのところを国土交通省も分かっているから換気扇を一緒に設備しなさいと。恐らく換気扇を回した状況で濃度測定をされるんでしょう。今後、品確法に従って、希望される方は濃度を測定することができますというようにおっしゃっていますけれども、そこの部分は多分そういう条件で非常に甘い基準の中でやっていくと。四六時中換気扇を回す家があるのかどうか私は分かりませんが、恐らくはそういうことをやられるんでしょう。違いますか。
#109
○政府参考人(三沢真君) まず、基準そのものが何か非常に甘い基準を作るんじゃないかということにつきましては、私ども考えていますのは、この想定としては、やはり夏のかなりの高温のときに、しかも相当量の家具を設定して、そういう中でも厚生省の指針値が守れるという、かなり安全率を見た相当厳しい基準を作るということを考えております。
 それと、換気との関係で申しますと、おっしゃいますとおり、やっぱり換気設備が全くない状態とそれから換気設備がある状態とでは、当然その建築材料についてどの範囲のものを使ったら、どの程度のものを使ったらいいかという規制は異なるものというふうに考えておりますので、そういう換気の区分に応じて、やはり建築材料の使用制限についても技術的な基準の中で区分に応じた考え方を取っていきたいというふうに考えております。
#110
○櫻井充君 私が持っている資料が、この測定の仕方が悪いのかどうか、改めてちょっとお伺いさせていただきたいのは、国土交通省で要するに入口規制をしているということは、入口でFC0を床面積当たり幾ら使えという多分制限をされてくるとすると、実際、何回も濃度測定されているからそれで安全だということになっているんだろうと思うんですね。
 実際の、何回も実験したそのデータというのはあるんですよね。そして、それに基づいて決められているわけですよね。
#111
○政府参考人(三沢真君) 今まであるデータといたしましては、先ほど来申し上げていますが、全国で約四千五百戸を対象として室内濃度の実態調査をしております。ただ、この室内濃度実態調査につきましては、これはそれぞれの、そのときの条件下、つまりその条件はそれぞれ測るときの条件でいろいろ違い得るんです。必ずしも統一的な条件を決めて測っているということではございませんので、先生おっしゃいますように、何かそういうデータの蓄積としてもう既に基準がきっちりできるようなそういうものが現在あるということはなくて、これから政令を策定するために実験、それから研究をしていくということでございます。
#112
○櫻井充君 ちょっと待ってください。え、本当ですか、それ。入口を規制して出口で安全な住宅、ホルムアルデヒドに関しては環境基準以下になるとおっしゃっていたのは、いろんな条件を設定して、いろんなタイプの家を造ってみて、それで建材を規制すれば環境基準以下になるという、そういう数字、科学的なものがあるんじゃないんですか。
#113
○政府参考人(三沢真君) 今現在、そういう実験計画を進めております。現在、この基準のいろいろな建築材料とか換気設備の組合せを実在の実験住宅で再現して、そういう室内濃度を実際に測定するというような実験、こういうような実験を現在進めておりまして、これについては結果を夏ごろまでに取りまとめるということにしております。
#114
○櫻井充君 結果、夏ごろまでに取りまとめるのはいいんですけれども、それで環境基準以下にならなかったらどうするんですか。詐欺じゃないですか、これ、悪いけど。違いますか。だって、今さっきホルムアルデヒドに関してはきちんとやれると言ったじゃないですか。やれる保証ないのにこんなの出しているんですか。ひどいじゃないですか。
#115
○政府参考人(三沢真君) ホルムアルデヒドについてやれると申し上げている意味は、要するに、ホルムアルデヒドについては発生源としてどういう建材から出てくる、その場合の建材からの発生量がどのくらいあると、それが分かっているということでございます。このことが室内濃度の〇・〇八ppm、これを達成するためにじゃ今後どれだけ使用制限をしたらいいか、そこのところの実験をこれからするということを申し上げているわけでございまして、したがって、具体の数値を決めるためにこの実験をすると申し上げているわけでございます。何の根拠もなくこういうことを規制をするということでは全くございません。
#116
○櫻井充君 だって、実際、FC0の建材を使った住宅を測ってみたときには、少なくともここの住宅の関係でいえば、十七棟のうち五つは一〇〇ppmを超えているんですよ、FC0全部使ったって。
 私は、今まで国土交通省の方々が来て説明してくださったのは、私に対して、こういうもう実験をやっていますと、いろんな形で実験をしていて、入口をこれで規制すれば出口はもう安全な、ホルムアルデヒドに関しては安全な住宅が提供できるんですということをずっと言い続けていましたよ。もうそういうデータがあるんだとおっしゃっていたじゃないですか。それを今からやって、もし本当にできなかったらどうするんですか。環境基準を上げるんですか、何か。若しくは換気扇ずっと回し続けさせるんですか。おかしいじゃないですか。それはちゃんと入口で規制できるものであったとすれば、こういう実験をちゃんと全部繰り返し行った結果安全なんだと、その数値まで示して入口規制で大丈夫だというのが筋じゃないですか。
#117
○政府参考人(三沢真君) これにつきましては、要するに室内の濃度にどのくらい建材から発散されるかということでございます。発散されたものがもう一つはどうやって外の空気と換気されるかと。ですから、物の考え方として、建材の規制をきちっとする、それから換気設備を義務付けると。この考え方は別に、先生おっしゃるように、何か合理的な根拠はないというような話では全くございません。ただ、先ほどから申し上げていますのは、じゃ具体的にFC0をどういう条件の下で、つまり換気設備がこのくらいのものだったらFC0をどこまで使っていいかと、そういう数値を決めるについてはやはりこれから更にきちっとした実験をする必要があるだろうということを申し上げております。
#118
○櫻井充君 これまできちんとした実験がないうちに、入口を規制すれば環境基準以下の住宅が提供できると言い続けていたじゃないですか。これから実験してみて違う数字が出たらどうなるんですか。研究というのはそういうものですよ。やってみなければ分からないんです。やる前から分かるんだったら実験なんかしなくたっていいんですよ。本来の法案の提出は、その実験が終了してから、こういう数字があるから入口規制でも大丈夫だといって出してくるべきじゃないですか。違いますか。
#119
○政府参考人(三沢真君) 少なくとも、建築材料については、どういう建築材料の中にホルムアルデヒドがどのくらい含まれているかということは既に分かっております。したがいまして、それを前提にして、厚生省の指針値を守るためには建築材料の使用の制限を掛けていくという、こういう基本的な考え方は別に何らおかしいところはないわけでございまして、そのときのその数値の決め方についてどういう決め方をするかについてはやっぱりきちっと実験等をしていく必要があろうということでございます。逆に言いますと、正にその指針値を守れるような基準をこれから決めていくんだということでございます。
#120
○櫻井充君 これから基準決めるんですか。
 もう一度お伺いしますよ。入口で規制するからには、入口で規制するからにはきちんとしたデータに基づいてちゃんとやれるんですということが分かってから法案を提出すべきじゃないかと私は言っているんですよ。分かりもしないうちにやれるんです、やれるんですと。でも、実際実験してみたら厚生省が出している環境基準を守れないかもしれない、そうなったら指針値は変えるんだという今の答弁ですよ。こんなやり方認めていいんでしょうか。私の質問に対してきちんと答えていただきたい。私は何回も、いいですか、委員長にお願いしたいんですが、今回の答弁、きちんとしたものをいただきたいと思います。
 私が、私が申し上げているのは、私が申し上げているのは、入口規制で厚生省の環境基準以下になるんだということをずっと私の部屋に来ておっしゃっていましたよ、国土交通省の方は。それは、本来は根拠があって、データに基づいて説明されるべきものなんですよ。そのデータがなくて、いいですか皆さん、データがなくてなぜそれが証明できるんですか。この方法で必ずやれるということが言えるんですか。そのことを証明してくださいよ。
#121
○政府参考人(三沢真君) ちょっと誤解のないように申し上げますが、指針値を変えると申し上げたつもりはございませんので、指針値が守れるように規制値をきちっと作っていくんだということを申し上げたわけでございます。
 これにつきましては、いずれにしましても、先ほどから申し上げておりますように、建材の中から出てくる、要するにどのくらい、この建材はどのくらいの発散量があるのかと、これはもう確定しております。一方、その建材から発散する化学物質が結局空気中の濃度に影響していくと、ここも定性的にはもう分かっているわけでございますので、その根っこである建材をきちっと規制すると。ただ、その場合の規制の基準、どのくらいの分量まで認めたらいいかということについては、これは実験をしていくということを申し上げているわけでございます。(発言する者あり)
#122
○委員長(北澤俊美君) ちょっと委員長から申し上げますが、今までの議論を聞いておりますと、国土交通省の方は建材の材質についての規制を掛けておるわけですが、それによってでき上がった住宅、人が住む住宅で害がないかどうかということが基礎、基本になっての規制になっていないんじゃないかということを櫻井委員は質問をしているわけでありまして、そこのところが押し問答みたいな形で擦れ違って、押し問答じゃなくて擦れ違っておるように思いますので、もう少しそこのところを国土交通省として納得のできる答弁ができるかどうか。──そんなにすぐ手挙げなくても、よく、深呼吸でもして。
#123
○政府参考人(三沢真君) 正に私どもも健康に対する被害を未然に防止するという観点からの規制を考えておるわけでございます。そのために、厚生省の指針値のホルムアルデヒドについては〇・〇八ppmというのがございますので、この〇・〇八ppmを守るために、守れるような建材の規制を導入するということでございます。
 建材の規制をすればどうして〇・〇八ppmを守れるのかという先ほどからの御質問でございますが、それは正に建材の分量をどのくらい使うかによって〇・〇八ppm、守れることもあるし守れないこともあるだろうと。そうすると、その分量をどこまで、この基準法に基づいて政令の中でここまで使っていいとかその規制値を決めるには、やはり更に精緻な実験、研究が要るであろうということを申し上げているわけでございまして、繰り返しになりますが、そういうことでございます。
#124
○櫻井充君 じゃ、済みません、全部FCの0を使ったとして、全部FCの0を使ったとして、環境基準を満たせるんですか。
#125
○政府参考人(三沢真君) そこは正に換気設備との組合せによって、換気設備、こういう換気設備を使えば守れるということもあるでしょうし、換気設備を全くもし使わないのであれば守れないということもあるということでございます。それは換気設備、換気の区分に応じてそういう基準を決めていくという考えでございます。
#126
○櫻井充君 我々のところの部会とかでの説明の内容と違います。私の個人の部屋に来てくれて説明をしているのと全然違います。なぜならば、今まででも十分なデータがあると、そして入口さえ規制すればちゃんと出口は規制されるんだという話でした。しかし、今の話は全く違います。
 私が教えてほしいのは、このデータがいただけないのであれば、これをちゃんと理論的に説明していただけないのであればこの先審議に応じることはできませんが、なぜそのことがきちんと科学的に立証できるんですか。それを科学的に今証明してくださいよ。その数字を下さい。
 つまりは、そのボードがあって、そのボードから発生するホルムアルデヒドの量がありますと、そのホルムアルデヒドの量をどのようにして測定して、しかも、例えば何坪なら何坪の家を造ったときに、造ったときに、これが環境基準を満たせるんだという科学的なまず根拠を下さいよ。それがない限り、科学的な根拠がない限りの答弁は結構です。
#127
○国務大臣(扇千景君) 今、局長の言葉足らずなところがあるのは、建築研究所というところできちんとモデルを作って、そして建材を使って、そして実験をして、これでこれだけの数値が出るということ、ホルムアルデヒドの数値も全部出してやってきたんです。これ以上使ったら今の〇・〇八ppmを超えるとか、実験はちゃんとそのための研究所があるわけでございますから、研究所で研究しているということを局長が私は答弁の中に入れてないということで、私は少なくとも何もなくて想像で数値を出しているのではないということだけは櫻井委員に御了解いただきたいと思います。
#128
○櫻井充君 全然違うじゃないですか、じゃ、答弁が。この時間、何のためにやっているんですか。
 じゃ、済みませんが、そこのところでどういう家を造って、どういう家を造って、どの建材でどういう家を造って、それでどういう条件で測定したら、測定したら濃度が幾つになったのか、まずこの資料をいただけないですか。
#129
○政府参考人(三沢真君) 確かに、大臣がおっしゃいましたように、全くやっていないということではなくて、実験室において一定の実験はしていますけれども、ただ、これ繰り返しになりますけれども、今回の規制値を具体的に決めるに当たっては、これからやはり精緻な実験等をしていく必要があろうということでございます。
 なお、今、既にある実験等については、ちょっと今手元にございませんけれども、必要に応じましてまた提出をさせていただきます。
#130
○国務大臣(扇千景君) 委員長。
#131
○委員長(北澤俊美君) ちょっと、いや待ってください。
 今、局長の言った資料は昼休み後の委員会で出せますか。
#132
○政府参考人(三沢真君) 提出いたします。
#133
○委員長(北澤俊美君) ただいまの状況からしますと、その資料の提出を得て審議をいたしたいというふうに思います。
 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#134
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を再開をいたします。
 休憩前に引き続き、建築基準法等の一部を改正する法律案、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案及び特定有害物質による建築物の居室内の空気汚染の防止等に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑に先立ちまして、午前中の委員会で議題になりました資料につきまして、お手元に配付してあると思いますが、(「ありません」と呼ぶ者あり)順次お配りいたしますが、建売住宅・室内空気質測定結果表というのが櫻井委員からの資料であります。さらに、国土交通省の方から室内空気対策研究会、平成十二年度報告書概要というこの資料をこれからお配りをいたします。
 なお、これにつきましては、これは詳細な資料のサマリーでありまして、詳細な資料も今お配りするように指示しましたので、暫時遅れて配付をいたしますのでよろしくお願いをいたしたいと思います。
 それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
#135
○櫻井充君 ちょっとこの資料の概要がよく分からないんですが、この建築基準等の、二十リットルの実験装置ですね、二十リットルの実験装置にどの程度の建材を入れているんでしょうか。
#136
○委員長(北澤俊美君) 速記を止めておいてください。
   〔速記中止〕
#137
○委員長(北澤俊美君) 速記起こしてください。
#138
○政府参考人(三沢真君) 二十リットルの実験装置に木製フローリングなどを設置してと、こういうことでございますけれども、この木製フローリング等の大きさについては、大体長さとしては十五センチくらいの長さのものを設置して濃度を測定したというものでございます。
#139
○櫻井充君 局長、二十リッターの容積を、今ここに二十リッターの容積があります。そうすると、二十リッターの容積を作れる、二十リッターの住宅としましょう。住宅のスペースが二十リッターだったとしましょう。それに必要な床材の面積は幾らですか。何平米ですか。
#140
○委員長(北澤俊美君) 三沢局長の答弁に、答弁ではなくて補足説明は特に許しますから、もしそれに必要な方おれば、局長の方から指名してください。(発言する者あり)
 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#141
○委員長(北澤俊美君) 速記を起こして。
#142
○政府参考人(三沢真君) 二十リットルの家だとしたら、床としては九平米ぐらいでございます。
#143
○櫻井充君 九平米の建材が必要なわけです。
 そうすると、そこに対して今回の木材というのは、たしか十五、十五平米程度なんですか、そうすると、本当にその放出量が適正、放出量、まあ放出量は分かるでしょう。しかし、実際住宅を造ったときに、本当にどの程度のホルムアルデヒドが放出されるかというのは分からないはずなんですよ。
 ちょっと済みませんが、例えば住宅を立方体モデルとして考えたときに、一辺nの、三沢局長、これ理解していただけるでしょうか、一辺nの住宅があったとします。立方体モデルです。そうすると、一つの壁はnの二乗になります。立方体ですから、面が六つありますから、面積は六のnの二乗になるんですよ。そして、立体は、立体はnの三乗になりますから、nが六以上であれば、六以上であればどんどん空間は大きくなります。
 つまりは、つまりは、ここ大事な点なんですよ、ここは大事な点なんですが、同じ壁材を使ったとしても、nが六以上大きくなっているときには空間、その床面積、全部の壁も含めた面積に対しての空間の量が大きくなりますから、同じようにホルムアルデヒドが放出されたとしても濃度は薄くなるわけです。
 つまり、立体モデルでいうと、nが六以下というと大体住宅にすると九坪から十坪ぐらいになるんだろうと思いますが、そういう住宅の際に、その部屋は一体どうなるのかということが問題になるわけですよ。その各々の部屋でホルムアルデヒドの濃度が違ってきます。ある方は、別な部屋に行くと全然症状が出ないけれども、ある特定の部屋に行ったら症状が出るという人もいるわけですよ。
 そういうことから考えてきたときに、本当に、その建材規制をすると言っています。建材規制をしたときに、同じ建材でも住宅の面積が、今の立方体モデルで御理解いただけると思いますが、大きさによってホルムアルデヒドの濃度は、室内の濃度は違ってくるんです。そのことをきちんと証明できるんですか。
#144
○政府参考人(三沢真君) ちょっと、お手元にお配りしておりました報告書概要のちょっと説明の補足をさせていただきますと、ここに書いてございますように、一つはその二十リットルの実験装置でいろんな材料からの発散量の実測をしました。それからもう一つ、室内を想定した小規模の実験室での濃度測定を実施いたしました。これらの結果から、要するに建材、建築材料の使用制限によって厚生労働省の指針値以下とすることが可能であるという結果が得られたわけでございます。
 ただ、具体的に幾らの規制値にするかということについては、これは今後、モデル住宅におきましてこの関係の妥当性を検証する実験を行っているということでございまして、夏までにその実験経過を取りまとめまして、材料ごとの具体的な規制値を確定するということを予定しております。
#145
○櫻井充君 分かりました。
 それでは、その実験、今現在、こういう実験装置の中で行ったその数字を、委員長、提出していただけますでしょうか。実験を今行ったと、基礎データでは、基礎データでは環境基準以下になるんだということが証明できるものがあると今、三沢局長答弁されていますから、まずはその数字を資料として提出していただけますか。
#146
○委員長(北澤俊美君) ただいま櫻井君からの資料要求につきましては、局長、今のは出せるの。(発言する者あり)いや、出せるかどうか分からぬから。
 じゃ、後刻理事会でこの件については協議し、国土交通省の方へ要請をいたします。
#147
○櫻井充君 何でこんなにしつこくやっているんだとお怒りの方もいらっしゃるかもしれませんが、国土交通省からの資料でシックハウス問題についての相談件数の推移というのがあります。
 平成六年にはわずか四件だった。十一年には二百三件になりました。十二年度には四百三十件になっているんです。ある一部の人たちしか恐らく知り得ないんでしょうけれども、しかしそういう中でも、ここ数年間で急激に伸びてきているということを考えてくると、きちんとした規制を行っていく必要性があるんだろうと思うんです。
 その意味で、もう一つですが、我々がその合点のいかないところを、根拠を申し上げておきますと、私が資料を提出させていただきました。
 この販売住宅の室内空気測定の結果を見ていただきたいんですが、二十五度の想定のところを見ていただきたいと思います。基準値が八〇ppmです。よしんばこれを仮に一〇〇ppmと仮定したとしても、七つの住宅で環境基準を超えています。この住宅自体がFCの0を使ってこのような形で建築されているということを考えてくると、果たして本当にその入口のところで規制してやっていけるのかどうかということが難しいんだろうと思うんです。
#148
○国務大臣(扇千景君) 資料がありません。
#149
○櫻井充君 済みません。
 そして、今回の法律案での問題点を幾つか申し上げさせていただきますが、今、局長はFCの0という建材がまず使われる大前提で、じゃなければ、お話しされていたと思います。例えば倉庫が、保管している倉庫がFCの0ではなくてFCの2で造られていた倉庫、そこからホルムアルデヒドが放出されるとすると、そこの倉庫にFCの0の建材を置いておいても、だんだんホルムアルデヒドの濃度が高くなっていくというふうに言われております。つまり、大工さんからしてみると、FCの0を使ったと思っていても、実はFCの0ではないということが起こり得るわけです。
 こういうものをどうやって防ぐおつもりですか。
#150
○政府参考人(三沢真君) まず、建築基準法では竣工時に完了検査を義務付けておりまして、建築現場における建築材料に表示されたJIS、JASのマークの確認等によって基準への適合を厳正に審査するということにしております。
 それで、JISマーク、JASマークについてはそれぞれJIS法、JAS法に基づきまして適正な表示を確保するための必要な措置が定められておりまして、万一そのJISマーク、JASマークが不正に表示されている状態を把握した場合には、当該所管省庁へ連絡をいたしまして必要な措置が講じられるように求めていきたいというふうに考えております。
#151
○櫻井充君 済みません、答弁になっておりません。
 私が言っているのは、JASとかJISの規格をちゃんと通ったと、そのものが倉庫に保管されているような状態で、その保管のされ方によってFCの0ではなくなってしまうということが指摘されているわけですよ、建築業界から。これについて、こういう場合にはどうやって防ぐことが可能なんですか。そのことをお伺いしているんです。
#152
○政府参考人(三沢真君) 等級の異なる建材が混在して保管された場合に、発散量の少ない建材にも発散量が多い建材の影響が出るのではないかという御質問だと思います。
 これにつきましては、これまでのところ余り影響は見られないという報告があるというふうに承知しておりますが、これは施行までに更に調査の上、もし本当に影響があると結果が出れば、その結果に基づいてまた建材及び換気設備の基準の作成に反映していきたいというふうに考えております。
#153
○櫻井充君 明日、参考人で尾竹さんという建築家の方が来られると思いますが、その方などの話を聞くと、建材が現場に運ばれたときに、そのままFCの0で保管されて、そのままのホルムアルデヒドの放出量で材料として使えるということは非常に難しいんだという話を私は聞いておりますし、また、別のシックハウスに関連して意識の高い建築家の方からお伺いしても同様のことを聞いておりますが、申し訳ございませんが、これも資料要求したいんですが、もしそのような影響がほとんどないというデータがございましたら、そのデータをお示しいただきたいと思います。
#154
○政府参考人(三沢真君) これにつきましては、他省庁のことで大変恐縮でございますけれども、平成十三年の一月に経済産業省さんと農林水産省さんの方から民主党シックハウス症候群対策ワーキングチーム指摘事項に対する回答というのが出ておりまして、その中にそういう記述がございます。両省の了解が得られればこれをお出しするということにしたいと思います。
#155
○櫻井充君 それから、あわせて、今回、国会図書館が関西の方にオープンされたそうなんです。手前どもの議員がそこに行った際に、元々その議員もシックハウス症候群の患者さんの一人ですが、そこの現場に行って具合が悪くなった。特に閲覧室に行って具合が悪くなったんだと彼は言っておりましたが、その閲覧室というのは長時間いるところであって、そこのところが本当に安全な建材で造られていたのかどうかという疑問が一つございます。
 それからもう一つは、子ども図書館も改装されまして、そこに、我が方の議員もそこに行ったわけですけれども、そこでもその方が具合が悪くなられていると。
 実を言いますと、子ども図書館のだれとは申しませんが、その担当の方にうちの議員がこれで具合悪くなっているんだけれどと言ったら、まあ半年もたてば化学物質は飛んでいきますから、それで良くなるでしょうと、そういう答えだったんだそうなんですよ。そういう意識でやられているから今日はかなりきつく申しました。
 そして、もう一つお伺いしたいのは、今回のこの図書館の建築に当たって建材は何を使われたのか、それを教えていただけないですか。
#156
○政府参考人(春田浩司君) お答え申し上げます。
 国立国会図書館関西館及び国際子ども図書館では、室内空気環境対策上どのような建材、壁紙、接着剤、家具を用いたのかというお尋ねでございます。
 国土交通省では、従来より、官庁施設の整備に当たりまして、入居者等の健康に対する配慮を行ってきたところでございます……
#157
○櫻井充君 そんな、聞いておりません。建材だけで結構です。
#158
○政府参考人(春田浩司君) それでは、お尋ねの、国会図書館関西館及び国際子ども図書館では、通達を私ども十二年六月に出しておりまして、室内空気汚染対策について、営繕工事に使用する材料等については室内空気汚染物質の発散の少ない材料等を選定することや室内空気の換気方法などについて規定をしておりまして、その設計、施工及び保全の指導、そういったことをこの通達で努めておるところでございまして、その結果、今の工事につきましても、この通達に基づきまして、例えばフローリング材、壁紙、接着剤、作り付けの木製書架等につきましてはホルムアルデヒド等の放散量が最も少ない日本農林規格FC0や日本工業規格のE0規格等の材料を使用しているところでございます。
#159
○櫻井充君 しかし、不思議なのは、そうやって本当にFC0、E0を使っていたとして、症状が出てくる人がいると。そうすると、本当にそのホルムアルデヒドだけの規制で十分なのかという問題がひとつ起こってくるんだろうと思うんです。
 そして今、JAS規格でFC0とありました、JIS規格でE0という表示にしているんですが、なぜその承認する省庁によって、同じホルムアルデヒドの放出量であるにもかかわらず、FC0とかE0とか、使い分けなきゃいけないんでしょうか。確かに、認可するところが違うからJAS規格、JIS規格というふうに分けるのは仕方がないと思うんです。しかし、庶民からしてみれば、FC0とか、FC0というのは例えば知っていたとしても、E0って一体何なのか分からないわけです。
 これから化学物質に対しての規制がどんどんどんどん出てくるとなれば、FC0とかE0ということだけではなくて、つまりホルムアルデヒドだけではなくて、トルエンとかキシレンとか、いろんなものがこれからこういうものに表示されていくようになるんでしょう。そのたびに、もしそのJASとJISで同じように規格して、同じような形、別々に認可しなきゃいけないとなってくると、こういう表示も各々ずっと違うような形にしていくと、消費者にとっては非常に紛らわしいと思うんです。この辺の縦割り行政というのは改める気はございませんでしょうか。
 これはJASとJISですから、農水省と経済産業省です。
#160
○政府参考人(武田貞生君) 今、JISとJASにおきまして、建材のホルムアルデヒドの放出量に使用します表示記号がEとFCと異なっているとの御指摘ございました。
 現時点で、同一の製品につきましてJISとJASの表示が同時に付されるということはございませんので、特段大きな混乱を生じていないんではないかという理解をしておりますが、しかしながら今後、ホルムアルデヒドのほかに、トルエン、キシレンといったVOCを含めました新たな基準を策定することのニーズに対応していかなくちゃいけないと思っておりますが、その際には、放出量を示します表示記号につきまして、農林水産省さんとも御相談しながら再整理をすることを検討してまいる所存でございます。
#161
○政府参考人(山本晶三君) 御説明申し上げます。
 ただいまJASとJISとの表示の問題でございましたけれども、JAS規格につきましては、ホルムアルデヒドの放散量の表示につきまして逐次改善をしているところでございます。
 この改正に当たりましては、例えばユーザーでございます建設業界でございますとか、またいろんな関係者の方々の意見も聴取してやっているところでございますが、他方、ただいま先生から御指摘のございましたような問題点、またそういうふうな分かりにくいという御指摘もございますので、今後、ホルムアルデヒド以外のVOCについても新たな基準等を設定すべきとの議論、先ほど来議論が出ているところでございますが、こういうふうなものもございますので、今後、ユーザーや製造メーカーからの意見も聴取し、またその後経済産業省ともよく相談してまいりたいと考えております。
#162
○櫻井充君 同じように、要するにホルムアルデヒドの放出が〇・五ミリパーリットル以下なんですから、せめて表示ぐらいは同じにしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それからもう一つは、このプロジェクトに元々環境省が加わっていなくて、私、環境委員会でなぜですかと質問したところ、各省庁がかかわっているんだけれども、環境省は室内の空気はやらない、かかわらないと、基本的には。要するに外気だけが環境省の取り組むところだということを答弁いただいているんですが、現在も同じような考え方なんでしょうか。
#163
○政府参考人(炭谷茂君) 室内で生ずる汚染への直接的な対策は、やはり建築物の建材、構造及び管理等の改善を主体によってなされるべきものと考えておりますが、しかし環境省は化学物質の過敏症についての研究というものも重ねております。そのような研究もございます。
 そこで、先生、昨年の三月に環境委員会で御指摘をいただきまして、私どももシックハウス対策協議会、政府の協議会にも昨年の七月から参画させていただきまして、このシックハウス問題についての私どものできる限りの努力というものをさせていただきたいというふうに考えております。
#164
○櫻井充君 要するに、取り組んでいただけるということなんでしょうか。
 もう一つ、今回のことで、文部科学省は、何回も言いますが、文部科学省はトルエン、キシレンの規制を始めているんですよ。国土交通省はトルエン、キシレンの規制はやらないんですよ。同じ建物の中でどうしてそういうことをやっているのかというと、お互いの見解が違うんですね。本当は各省庁横断的にこのシックハウス問題に取り組んでいるはずなんです、私はスキーム見せていただきましたけれども。連携してやっているという割には、文部科学省ではより厳しい規制を掛けているにもかかわらず、国土交通省ではそれほどではない。
 となってくると、こういうものというのは一体どこが音頭を取って本当はやっていくべきものなんでしょうか。私は、環境省じゃないのかなという感じがするんですが、環境省、いかがですか。
#165
○政府参考人(炭谷茂君) 先ほども御説明いたしましたように、環境省は言わば自然環境といいますか、土地、大気、水、土というようなもののシステムから構成されるようなものに対するものを環境基本法上、また環境省の設置法上、主たる所管といたしているわけでございます。
 したがいまして、環境省だけでただいまのシックハウス症候群というものについての対応というのはなかなか難しゅうございますが、私どものできる範囲内で努力をさせていただきたいというふうに考えております。
#166
○櫻井充君 環境省だけでやれと言っているわけじゃなくて、だれかがやはりきちんとした形で音頭を取ってもらわないと、縦割りのまんまでなかなか進んでいかない現状があるので、そこを考えていただきたいと言っているわけです。
 それからもう一つ、最近指摘されてきているやつで、これは大阪府立公衆衛生研究所からですけれども、車の中の空気中の揮発性有機化合物濃度の推移ということで、新車の場合にトータルのVOCで環境基準を超えている車があるという指摘があるんですが、この点について検討は進められているんでしょうか。
#167
○政府参考人(洞駿君) 国土交通省でございますが、国土交通省としての自動車室内空気の化学物質問題についてお答え申し上げます。
 化学物質の問題につきましては、先ほど来から話が出ております厚生労働省の室内空気汚染に係るガイドラインというものにおいて揮発性有機化合物などの室内濃度の指針値が定められておりますが、自動車メーカーはこれを参考にして自動車室内空気の化学物質対策に取り組んでいるということを聞いております。
 私どもといたしましては、これまで自動車室内の空気について化学物質による問題が発生して直ちに対策が必要になるという事例は今のところ承知しておりませんが、今回の問題提起を踏まえまして、今後、関係省庁や自動車メーカー等と連絡を取りながら、自動車室内空気の化学物質問題について知見を深めて検討してまいりたいと思っています。
#168
○櫻井充君 それからもう一つ、これまで住宅金融公庫ではシックハウス対策として換気扇の整備を行った際に五十万円の割増し融資を行っておりました。小泉改革に伴って住宅金融公庫が民営化されるのか廃止になるのか分かりませんが、このような取組に関してはどういうふうに変わっていくんでしょうか。
#169
○政府参考人(三沢真君) 今、先生御指摘のとおり、現在、新築住宅について、換気設備を設置する場合に五十万円の割増し融資がございます。そのほか、既存住宅の改良のためにも融資がございます。
 こういう融資が今後どうなるかということでございますけれども、御承知のとおり、特殊法人整理合理化計画の中で、公庫は五年以内に廃止するとされておりますが、その場合、融資業務については、公庫が廃止され、それに代わる証券化業務を行う、証券化支援業務を行う独立行政法人が設置される際に、民間金融機関が円滑に業務を行っているかどうかを勘案して最終決定するというふうにされております。
 したがいまして、シックハウスに係る融資についても、こういうものが民間金融機関による融資で円滑になされるものかどうか、こういうことを融資業務全体の中での取扱いも含めて検討していくということになろうかと思います。
#170
○櫻井充君 最後にもう一つ法律上のことをお伺いしておきたいんですが、私たちは最後に出口規制、要するに完成された住宅の濃度を、化学物質の濃度を測定して責任の所在を明確にすることにしておりますが、今回の政府の提案ではその責任の所在というのは明確にならないんじゃないだろうかと思うんです。そういう住宅に入って、国土交通省としては安全な住宅が提供できるとおっしゃっていますけれども、そうでなかったような場合にはどなたが責任を取るべきだとお考えでしょうか。これ最後にしたいんですが。
#171
○政府参考人(三沢真君) まず、今回法律改正いたしますので、この建築基準法をきちっと施行して、もし、まず建築基準法に違反している場合につきましては、きちっとその違反建築物に対する厳正な是正措置等によりましてそういう事業者等の責任を追及するということになろうと思います。
 なお、この基準法に違反していても、濃度を超えることがあるかどうかという点につきましては、これはやはり気象条件であるとか、あるいは建物の使い方、一番典型的に申しますと、換気をしないで例えば居室の中で喫煙なんかをしますとこういう濃度が当然高くなってくる。やっぱりこういう使い方等との関係もございますので、まず相当安全を見込んだ基準値をきちっと設定するとともに、こういう使い方の面についてもきちっとしたPRといいますか、こういう使い方をしてやっぱり濃度、健康被害を未然に防止してくださいということをいろいろ周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
#172
○国務大臣(扇千景君) ちょっと委員長、一言。
#173
○委員長(北澤俊美君) 時間が来ましたから簡潔に。
#174
○国務大臣(扇千景君) 今るるお話を聞いておりまして、櫻井議員がおっしゃったように、これは政府として対応していることだけはどうしても申し上げなきゃいけないと思います。政府として、少なくとも六省庁、国土交通省、厚生労働省、経済産業省、農林水産省、文部科学省、環境省、この六つの省庁でシックハウス対策の関係省庁連絡会議をそのために作って、今、審議の途中でございます。
 ですから、私は、そういう意味において、今この法案を提出させていただいた、冒頭に書いてございますように、居室を有する建築物はその居室内において化学物質の発散による衛生上の支障がないように建築材料及び換気設備について技術的基準に適合するものとしなければならないものとすることと、こういう法律を初めて出させていただいて、今まで櫻井議員がおっしゃったように、初めてできてきたことですから、我々は、六省庁統合してこの協議会を作ってしようという政府の対応がまずスタートしているわけですから、私は、これから原因がるる言われるであろうと思いますし、原因も分かってくると思いますし、私どもは、一つ一つ生活の中で、今ここにありますように、議員が全部名前をおっしゃいませんでしたけれども、化学物質の十三物質の中には我々が普段使っている衣料の殺虫剤のパラジクロロベンゼンという、こういうものもあるということも初めて私たちはこういう報道を通じて、委員会の質疑を通じて分かってくることでございますので、今後、それらすべてに対して、この十三の化学物質に対してもこの協議会で順次明快にしていくものと思っていますので、政府の姿勢としてお答えしておきます。
#175
○藁科滿治君 私はハートビル法の問題に絞って数点質問をいたします。
 現行法が制定されまして七年を経過いたしました。確かにこの間、二千平米以上の建物につきましては基礎的基準を七〇%程度がクリアしているということで、一定の前進があったというふうに評価をしたいと思っております。
 しかし、一方で、二千平方メートル以下の建物につきましてはクリアした水準は三〇%余りということで、この制度が制定される以前と余り変わっていないわけですね。言葉を換えて言えば、制度の波及効果が出ていないと、こういうことになるわけでございます。
 しかも、障害者や高齢者は、御案内のように、小規模、中規模の建物の利用頻度が高いと、こういう事情にもあるわけでありまして、この制度は利用者の立場の視点に立った場合に成果を上げたとは決して言えないというふうに私は思っております。
 まず、この点、国土交通省としてどのように政策評価をされているのか、改正案の考え方とも関連いたしますから、まず最初にその見解を承りたいと思います。
#176
○国務大臣(扇千景君) まず、藁科委員からハートビル法に対しての御質問がございましたけれども、これは御存じのとおり、平成六年、初めてこのハートビルの法制が制定されて以来、都道府県はもとよりでございますけれども、あらゆる中小規模の建物も含めていろんな積極的なバリアフリー化による、あるいは指導とか助言等に取り組んできたことは御存じのとおりでございます。
 そして、国としても、少なくとも税制面でありますとか、あるいは低利融資利用、そういうことも含めて皆さん方に配慮してきたことは言うまでもありませんけれども、新規に建設されます建築物のうち、現行のハートビル法の対象となる百貨店でございますとか、あるいは劇場等の建築物、これらすべて二千平方メートルと、今、先生御指摘でございますけれども、二千平方メートル以上のものは今七割、これが達成されておりますし、また少なくとも二千平方メートル未満のものでも約四割がこの基準的な、基礎的な基準に適合すると、一定の私は成果は上げてきつつあると、まだまだおっしゃるように一〇〇%ではございませんけれども、そういう意味では一歩ずつ近づいていると、そのように認識しております。
#177
○藁科滿治君 今回の改正案で、この義務付け、そして努力義務、この分岐点にまた再び二千平米と、この基準が設定されたということについて、私はどうも理解ができないというふうに考えております。
 この基準の設定は、法の目的である身体の機能上制限を受ける人々が円滑に利用できる建築物の建築促進、こういう趣旨に沿わないものと言わざるを得ないと。正に、基本的には日常的に利用する建築物全般に適用されて初めてこの法律の目的が達成され得るというふうに私は考えております。
 また、第一項でも若干触れましたように、現行法の経験からも、利用頻度の高いのはむしろ小規模、中規模の建物に集中しているわけで、そういう意味では法の基準の設定は建物の広さではなくて日常的な利用頻度の高さ、こういうものを基軸に置くべきではないかというふうに私は判断をしております。
 この問題、私、さかのぼっていろいろ考えますに、中国の故事に馬に乗って花を摘むという言葉がございますが、どうも利用者の気持ちになり切っていないということを痛感するわけでありまして、改めて、この二千平米にこだわっている、この考え方についてもう一度改めて考え方を伺いたいというふうに思います。
#178
○政府参考人(三沢真君) 今回、まず御理解いただきたいのは、今まで現行法で努力義務で課しておりましたのを、それを一歩進めて義務付けというのを導入するわけでございます。その場合に、その義務付けをどこまでの対象にしたらいいかという御質問かと思います。
 今回、二千平米以上のものにしております理由は、先ほど大臣からお話がございましたように、二千平米以上のものにつきましてはバリアフリー対応が相当程度浸透している、二千平米未満についてはまだ適合状況が必ずしもそう高くないということ。それから、この利用者をどう見るかということで、なかなか難しいところがございますが、一般的に申し上げますと、やっぱり大きいものというのは利用者が多くてバリアフリー対応の必要性というのも高いということが言えるかと思います。それからもう一つは、やはり大きい建物の方がいろいろな意味で、例えば出入口、廊下等の段差解消とか、エレベーター、便所等の施設配置の面で設計上の工夫の余地が大きい、それから建築費全体に占めるコストという意味でも比較的吸収しやすいというようなことがございます。
 そういうことで、義務付けについては今回二千平米以上のものに限っておりますけれども、ただ、これにつきましては、先生御指摘のとおり、やはり地域の実態に応じましていろいろ対応できるということが大事でございまして、今回、こういう地域の実情に応じまして、公共団体の条例でこの二千平米という規模の引下げを図ることができるということにしておりますので、こういう中で、それぞれの地域の実情に応じて建築物のバリアフリーの推進が図られるように、またその旨をきちっと周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
#179
○藁科滿治君 先週、私、障害者の関係の方々と二度お会いする機会がございました。それで、ホテル、旅館などで最近目に見えるところの改善は非常によく進んでいると、駐車場であるとか玄関であるとかエレベーターであるとか。しかし、問題は部屋の中にまだ目が届いていない。旅行をせっかく楽しみで行って、一番滞在の時間の長い場所が改善されていないんですよ。これはもう全くやりきれないと思うんですね。それで、やむを得ず、トイレ、洗面など一階の共同トイレに行って生活をするという、こういう大変悩ましい、楽しみに行ったのに苦しみに行っているようなものだろうと思うんです。あわせて、そういった情報がこういった関係の皆さんに流れてこないということは、これも非常に問題だと思うんですよね。
 そこで、私は、是非、要望も含めて質問を申し上げるわけでありますが、もうそろそろ国の方で一定の基準を設けて、ホテル、旅館の部屋数がこれだけあるところは、それに見合って一定のバリアフリー対応の可能な部屋をこれだけ確保しなさいというような時期に来ていると思うんですよね。私、一つの案として具体的に申し上げれば、三%から五%ぐらい、規模によってはこれ多少低減してもいいと思うんですが、そういうものを確保して、高齢者や障害者の方が行った場合に安心してそういう部屋が使えると、こういう環境にしてもらいたいと思うんですよ。
 障害者の方から非常に強い御意見も含めた御注文が出ておりますので、この点について、情報開示の問題も含めて、明快な御答弁をお願いしたいと思います。
#180
○政府参考人(三沢真君) ハートビル法に基づきます現行のバリアフリー基準は、多数の方が共同で利用する共用の出入口、廊下、階段等を対象にして、高齢者、身体障害者等の方の行動能力の制約に応じた段差解消等の措置を求めた内容になっております。
 それで、お尋ねのような、客室の中までそういうようなバリアフリー対応をこの基準の中に入れるかどうかと、これなかなか非常に難しい点がございます。現状で申しますと、例えばこれまでのハートビル法もそうでございますけれども、それ以外に、それぞれの地域のいろいろな福祉のまちづくり条例の中で、更にいろいろなその地域の実態に見合ったバリアフリー対応をお願いしているところはありますけれども、そういう中でも必ずしも客室内部のバリアフリー対応まで求めていない。その結果、ちょっと、現状においては、そういう対応というのは現在十分に浸透していると言えないという現状もございます。
 あと、実際にバリアフリー対応の客室を設けたところでも、なかなかこういう稼働率という面からいうと必ずしも高くなくて、整備費用の回収が困難だというような声も一方では聞くところでございます。
 ただ、やはり今後の問題として、やっぱり安心してホテルの客室が利用できるような状況をできるだけ整え、かつそれについて積極的に情報を提供していただくというのは大変大事なことだというふうに考えておりまして、一つは、私ども一律の義務付けということはなかなか困難ではございますけれども、一方で障害者等に配慮したホテルの客室の設計事例などのそういうものを設計のガイドラインとして取りまとめて、まず設計者等に広く周知して活用していただくということとともに、こういうホテル業界とも連携しながら、そういう内部の状況も含めてきめ細かい情報提供を具体的にどうやっていったらいいかということを、その体制の整備に向けて業界とも一緒になって検討を進めていきたいというふうに考えております。
#181
○藁科滿治君 高齢化が急速に進み、今触れたように、障害者から大変厳しい要望、意見も出ておると。こういうことでは、是非、建築側への視点ではなくて利用する側の視点、この法案のタイトルもう一回読み直してくださいよ。そういう思いで是非指導方をお願いしたいと思います。
 時間がありませんので最後にもう一つ質問申し上げますが、現行法でも第四条では、御案内のように、必要な指導、助言、指示、立入検査ができると、こういうふうにうたわれていますよね。それから、第八条では「改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。」と、こういう項目が設定されているわけですよ。ところが、一方で、国土交通省の資料によりますと、指導、助言は適宜実施、指示、改善命令、認定取消しはゼロと、こうなっているんですよ。ところが、もう論議がありましたように、現行法でも二千平米を超える建物でも三割強は基準を達成していないわけですよ。
 そういう状況の下で、こういうゼロ、ゼロというのは私どもなかなか納得できないんですよ。問題がなくてゼロなら大変結構よ。しかし、問題はこれだけ残っているのにゼロというのは、ある面で、率直に言わせていただければ行政指導が末端に届いていないということなんですよ。幸い、今回の改正案で行政府が末端に委譲されていきますから大変結構なことなんですが、しかし、それが今までのような流れの性格だったら幾ら下に下りても結果は同じと、こういうことになってくるわけで、国土交通省の指導性というものが非常に重要であるというふうに私は思いますので、その点の意見も含めて御質問を申し上げます。できれば大臣からひとつ御答弁をいただければと思います。
#182
○国務大臣(扇千景君) 少なくとも、今、藁科委員がおっしゃるように、利用者の立場に立って考えてほしいと。おっしゃるとおり、そのために作った法律でございますから、私は当然、法律を実施していけばそのようになっていくんだろうと思いますけれども、少なくとも、有り難いことには地方公共団体等もそれぞれ福祉のまちづくり条例というものを随分作ってくださいました。どの程度増えてきたかということも、私、手元に資料がありますけれども、まあこれは数がまだ完全にでき上がっているわけではありませんから、でも、それぞれの地域で少なくとも福祉のまちづくり条例というものを随時積極的に続けていただいておりますので、私どもとしても、少なくとも届出の手続等に関しては、少なくともハートビル法に基づく指導とか助言なり、これを進めていきたいと、こう思っております。
 また、今回の改正によりまして、今、藁科議員がおっしゃいましたように、従来、指示対象とされてこなかった、あるいはされてきたものは当然ですけれども、二千平方メートル以上のものというのは当然ですけれども、今まで余りそういう場合ではなかったところにもバリアフリーを義務付けるというような実効性が今回の法律によって私は義務付けられるというふうに考えておりますので、小規模な建築物についても、私たちは必要に応じて、今後、地方公共団体が条例によって義務付けの対象となる建築物の規模を引き下げることを可能というふうになっておりますので、今後この法案が通りました暁には、より積極的な活用を図ってまいりたいと考えております。
#183
○藁科滿治君 ありがとうございます。
#184
○続訓弘君 建築基準法等の改正及びハートビル法の改正に関連して、何点か御質問申し上げます。
 都市再生特別措置法が成立、公布され、都市の再生に向けて大きく一歩を踏み出しました。都市の再生は、二十世紀の負の遺産を再生し、二十一世紀型の社会に対応した都市づくりを進めることであると言われております。情報化、国際化、少子高齢化等、二十一世紀の都市づくりが対応すべき社会の変化がクローズアップされる中、都市づくりの最も基本的な課題である安全対策について、いま一度考えてみたいと思います。
 平成七年に起きた阪神・淡路大震災は、正に二十世紀を掛けて取り組んできた都市の安全対策に大きな衝撃を与えるものでありました。また、昨年起きた新宿雑居ビルを始めとする火災事故は、建築物の安全対策というものがまだまだ不十分であるということを指摘できると思います。そこで、今回の建築基準法の改正案の審議に当たって、正にこの二十世紀の負の遺産の一つとも言える建築物の安全対策について、伺いたいと思います。
 建築基準法は阪神・淡路大震災の教訓も踏まえて平成十年に大改正を行い、建築確認業務の民間開放、中間検査の導入等を図りました。確認業務の民間開放につきましては、確認業務に係る行政上の負荷を軽減し、違反対策により積極的に取り組むという意図があったと私は認識しております。
 そこで伺います。
 確認業務の民間開放が進む中で、建築基準法に位置付けられた告発、代執行に至る違反是正制度は現在どのように機能しているのか、また今後どのような取組を進めていくのか、御説明願います。
#185
○政府参考人(三沢真君) 平成十年の建築基準法の改正によりまして、ただいま先生御指摘のとおり、指定確認検査制度を創設いたしまして、従来、公共団体の建築主事が行ってきた建築確認検査について公正中立な民間機関等で実施できることとしたところでございます。
 この導入によりまして、建築行政の執行体制を強化して、行政による違反是正等を徹底するということをしたところでございますが、ただ、これまでの基準法違反、法令に係る、例えば告発の件数、行政代執行の手続を取った件数自体はいずれもやはり少ない件数になっておりまして、またその違反是正についても必ずしも徹底されていると言えない状況にございます。
 このため、昨年九月に発生いたしました新宿歌舞伎町の小規模雑居ビル火災を教訓といたしまして、国土交通省の中に小規模雑居ビルの建築防火安全対策検討委員会というのを設けまして、いろいろ御議論をいただいたわけでございます。この報告に基づきまして、今年一月には建築基準法令違反に係る告発の事務処理に当たっての留意事項、これを取りまとめました事務処理の一種のマニュアルのようなものを各都道府県あてに通知をするとともに、四月十一日付けで、今度は立入検査でございますけれども、立入検査等の強化を図るために、既存建築物に係る違反是正作業マニュアルについてと、それから消防、警察との連携強化による対策を計画的に進めるための既存建築物に係る違反対策推進計画についてというものを策定いたしまして、それぞれ都道府県に通知したところでございます。
 今後とも、消防、警察等の関係省庁あるいは公共団体とも連携し、違反是正対策を積極的に推進していきたいというふうに考えております。
#186
○続訓弘君 今お答えがございましたように、私も調査をしてみました。告発は何と全国で二年ないし三年でたった一件あるかないかぐらいであります。また、告発につきましても、実は警察が嫌がる、こういうことで、これまた今お答えございましたように、余り積極的ではございません。しかし、依然として建築違反はあるわけであります。そういう意味では、こういう告発なりあるいは代執行なり、こういうものを積極的に進めて、付近住民の方々の言わば不満、そういうものを取り除いていただきたい、そして良質な住宅ができるような指導を徹底していただきたいということをお願いしておきます。
 違反対策を進める一方で、法令に違反するような建築を作らせないための努力も必要であると考えます。住宅に関して言えば、住宅金融公庫の融資におきましては従前から中間時の検査がしっかりなされているなど、法令基準への適合を融資実行の過程で確認しております。このことは安全で良質な住宅ストックを形成していく上で極めて重要な役割を果たしているものと認識しております。
 さきの阪神・淡路大震災において多数の建築物が倒壊し、圧死による多くの犠牲者が発生しましたことは大変痛ましいことではございましたが、大震災後の調査においては、大破以上の被害を受けた木造住宅の割合について、公庫融資を利用しないものが一六・三%であったのに対し、公庫融資を利用したものは六・四%でとどまったとして、公庫融資住宅は比較的安全性が高いとの報告がなされております。
 住宅金融公庫につきましては五年後に廃止する方針が決定されておりますが、それまでに是非、公庫が果たしているこうした重要な役割について、今後どうしていくのか十分に議論していただきたいと考えます。
 一方、民間金融機関の住宅融資における法令遵守の取組は遅れていると言わざるを得ない状況にございます。米国における損害保険会社等によるチェック体制の整備状況との比較においても、今後取り組む余地は大いにあるのではないのかと、こういうふうに考えます。
 そこで、住宅融資を行うに当たり、建築物の安全を確認するための法令の遵守を徹底することが必要であると考えますが、民間金融機関を監督する立場にある金融庁の認識を伺います。
#187
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。
 金融機関がいわゆる住宅融資をするに当たりましては、担保物件の評価といたしまして、建築基準法等の法令の規定に適合しているかどうか、これは大変重要な問題でございます。そういうことで、住宅融資に当たりましては建築確認通知書、あるいは検査済証の提示を求めることによりまして、建築基準法等の法令の規定に適合しているかどうかを確認するのが通例だというふうに承知をいたしております。
 私ども金融庁といたしましては、今後ともそういった適法性を欠く担保物件を取ることに依存した融資ということになりますと、金融機関の健全性にも問題が出てまいりますので、そういうことのないように適切な監督に努めてまいりたいというふうに考えております。
#188
○続訓弘君 先ほど具体的に申し上げましたように、阪神・淡路の例、一六・三%が実は金融機関の言わば融資に基づくものであると。一方、六・三%は金融公庫だと。そういう意味でも、金融公庫が仮に五年後に廃止された場合には、このような実績が、あるいはこれ以上の実績が上がるように、是非、指導監督をお願い申し上げたいと存じます。どうぞ、金融庁、結構ですから。
 扇大臣が、都市再生特別措置法の審議の中で、御自分の理想とされる二十一世紀の都市像を熱っぽく語られました。すなわち、家族とともに安らぐ生活を送り、安心して暮らせること、また緑豊かで良好な環境に恵まれ、職住が近接し利便性が高いことなどでありました。
 そこで伺います。
 そうした理想の都市を作り上げていく上では、その構成要素である建築、住宅が安全に作られていくことが基本であり、違反建築の問題にしても、住宅に関する検査にしても、国土交通省が中心となって、消防、警察、金融などなど、関係する様々な機関とよく連携を図りながら取り組むことが重要であると考えますが、扇大臣の所見を伺わせていただきます。
#189
○国務大臣(扇千景君) 続議員がおっしゃいましたように、七年前のあの阪神・淡路大震災、あのときに多くの皆さん方、貴重な生命、財産をなくされました。その中の九割の皆さん方は家屋の倒壊による圧迫死、そう言われております。そういう意味で、国民の生命、財産を守るという、この建築物が安全に作られるということの重要性、今おっしゃるとおりでございます。
 我々も消防、警察等の関係機関とよく連携をともにいたしまして、少なくとも、私は、違法建築物あるいは違反建築物等の対策は万々怠りなくを期していきたいと、そう思っておりますし、また、建築物の総合的な違反対策に対しましては、先ほども局長が少し言いましたけれども、各都道府県ごとに関係の機関との連携の下に建築物安全安心実施計画、そういうものを策定いたしまして、違反建築のパトロールの重点的な実施でございますとか、あるいは検査体制の強化、そして確認、検査情報の積極的な開示等によりまして、その徹底を図っているところでございます。
 さらに、昨年の九月に発生しました、今、議員が御指摘になりましたように、新宿の歌舞伎町の雑居ビルの火災を教訓といたしまして、国土交通省に設置いたしました小規模雑居ビルの建築防火安全対策検討委員会、これを設置いたしまして、これに得られた報告を踏まえて、既存の建築物の違反是正対策マニュアル、これを作りまして、建築の指導の部局と、それから先ほどもおっしゃいました消防、警察、この連携を強化いたしまして、違反建築物の対策推進のための具体的な計画を作り、そしてそれを実施し、各都道府県と一緒になって、厳重な通達をして一緒に取り組んでいるところでございます。
#190
○続訓弘君 どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ハートビル法の改正について伺います。
 今回の改正では、新たに一定の建築物に対してバリアフリー化を義務化するとともに、努力義務を課する建築物の対象範囲を広げるなど、規制面の強化が図られることとなりますが、私としては第九条関係の表示制度の導入に注目をしたいと思います。
 去る四月九日に国土交通省のホームページに、鉄道駅のバリアフリー化の状況を、らくらくおでかけ度として取りまとめた情報が掲載されました。それは、交通バリアフリー法に基づく情報提供業務として一月からスタートした駅構内のバリアフリー施設、乗換案内等のバリアフリー情報を統一的に提供するためのシステムであるらくらくおでかけネットの情報を基に公表されたものであります。こうした情報提供の取組は、利用者の利便を図ることにとどまらず、社会全体に関する個別のバリアフリーに対する認識を高め、その評価を受けることでバリアフリー化の一層の促進が期待でき、非常に良い取組だと評価したいと思います。
 そこで伺います。
 今回のハートビル法の改正に係る建築物についても、今回導入される表示制度を生かしつつ、まちづくりの観点から利用者に優しい建築物の情報マップを作ってホームページで公表するなど、情報提供の取組が必要と考えますが、いかがでございましょうか。
#191
○政府参考人(三沢真君) 今回、認定建築物やその利用に関する広告等につきましては、認定建築物である旨の表示を行う新たな表示制度、これにつきましては、高齢者、身体障害者の方々があらかじめ利用しようとする建築物について優良なバリアフリー対応が図られているか否かを確認することを可能にするという性格のものでございます。
 まず、この表示制度を作って積極的に活用していくということでございますが、さらに、御指摘のとおり、やはり認定建築物を含めた地域の建築物全体についてのある程度バリアフリーの対応の状況が分かるようなそういう情報提供ということが望ましいわけでございます。これは、やはりいろいろな公共団体でも既に取り組んでいるところがございまして、ホームページ等でいろんな情報を既に提供されている、先進的な取組をされているところがございます。
 こういうような取組を開始している公共団体の事例についてもできるだけ周知を図り、また公共団体相互間のいろいろな情報交換の場におきましてもいろいろこういうことを御紹介するということも含めまして、今後できるだけ多くの公共団体でそういう取組が進んでいくように私どもも努力してまいりたいというふうに考えております。
#192
○続訓弘君 基準を設けて施設を整備しても、健常者の視点のため、利用者にとって全く効果がなく、むしろ結果としてバリアが強まったと感じるケースも少なくないと聞いております。
 例えば、車いすのトイレをせっかく作っても、トイレットペーパーのペーパーホルダーの設置位置が高過ぎて、車いすの利用者には使えなかったという事例が実際にあるようでございます。これは、整備に当たり、高齢者、身体障害者等の利用者のニーズやその意見が十分反映されていなかったことや、十分な完了検査が行われていなかったことが一因だと存じます。
 利用円滑化基準及び利用円滑化誘導基準を策定するに当たりましては、こういったミスマッチが生じないよう、事前に利用者サイド、建築主サイド等関係者の意見を十分聞き、障害の種別でニーズが異なることも調整して、的確な基準化を図っていくべきではないかと思いますが、御所見を伺います。
#193
○政府参考人(三沢真君) 今回の改正法に基づく利用円滑化基準、それから利用円滑化誘導基準を定める際におきましては、パブリックコメントを活用して、広く関係者の御意見を聞いて、様々な障害をお持ちの方々の意見も踏まえながら的確な基準化に努めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、今のトイレのペーパーホルダーの例で御指摘いただきましたけれども、そういう設計者が留意すべき細かな仕様等についても、考え方とか、あるいは望ましい設計事例等を各地の障害者団体の方々の御意見も聞いた上で設計者向けのガイドラインという形で取りまとめまして、広く周知を図り、適切な設計がなされるように措置してまいりたいというふうに考えております。
#194
○続訓弘君 次に、建築基準法等の改正案について伺います。
 今回の建築基準法等の改正案には、容積率、建ぺい率の数値を始めとして、建築物の形態を規制する様々な制限の内容について選択肢の拡充が盛り込まれております。このような改正は、都市部での居住機能の回復、土地の有効高度利用の推進、あるいは市街地の環境確保など、地域のまちづくりに関する個別の政策課題に取り組んでいる地方公共団体にとっても関心が高く、その施策展開の方向を左右するものと考えられます。
 例を挙げれば、昨年十月、東京都は東京の新しい都市づくりビジョンを取りまとめ、発表いたしました。これは、世界をリードする魅力とにぎわいのある国際都市東京を創造するための確かな道筋を示すために策定された政策ビジョンであり、とりわけまちづくりに関係の深い都市計画制度及び建築規制制度に関する具体的な提言も盛り込まれております。
 そこで伺います。
 国土交通省は、今回の建築基準法等の改正案をまとめるに当たり、東京都を始めとする地方公共団体からの意見を聞きつつ検討を進められたものと思いますが、具体的に、東京の新しい都市づくりビジョンと今回の改正案との関係、特に同ビジョンの提言をどのように生かされたのか、この点について伺います。
#195
○政府参考人(澤井英一君) 仰せのとおり、今回の建築基準法等の一部改正案の取りまとめに当たりましては、公共団体の意見も踏まえながら作業を進めてきたところでございます。
 この中で、御指摘の東京の新しい都市づくりビジョンにつきましては、東京都の都市計画審議会の答申を受けられて、世界をリードする魅力とにぎわいのある国際都市東京を創造するための確かな道筋を示すという趣旨で昨年十月に策定されたものであると承知しております。
 この中に盛り込まれました様々な提言につきましては、他の地方公共団体からの提言や御意見と併せまして、既に御可決いただきました都市再生特別措置法及びただいま御審議を賜っております建築基準法等の改正を通じまして、できるだけ反映したいというふうに努力したところでございます。
 具体的に申しますと、例えば地権者等の意向を都市計画案に反映させる都市計画の民間要請制度を創設すること、あるいは日影規制における日影時間の測定面の高さを緩和するメニューを追加すること、さらには敷地規模制限を低層住居専用地域以外の用途地域においても適用できるようにすることなどであります。
 また、御提言の中には、地区の将来像を明らかにすることが必要な地域において地区計画の策定を一層促進すべしという内容がございますが、こうした提言に関連いたしましても、今御審議いただいております本法案の中で、地区計画制度を整理合理化し、分かりやすく使いやすい制度とするということで、更なる地区計画策定の促進を図ることができると考えております。
   〔委員長退席、理事藤井俊男君着席〕
 さらに、現行規制に代えて街区単位の新たな建築ルールを都市計画として定めることができる制度を創設すべしという御提言もございますが、これにつきましても、都市再生特別措置法により創設されました都市再生特別地区あるいは提案制度などによりまして、その趣旨の実現が可能であるというふうに考えております。
#196
○続訓弘君 今御答弁ございましたように、地方公共団体の意見を積極的に取り入れて本改正をやったんだというお話、大変ありがとうございました。
 地域の特性に即したまちづくりを進める上では、単に各種の規制をいたずらに緩和するのみでは地域の固有の景観や環境の保全の観点から十分ではない場合もあるものと考えられます。むしろ、緩和すべきものは思い切って緩和をする、規制すべきものは大胆に規制するという発想の転換が必要ではないかと思います。
 例えば、環境に配慮した高層ビル群を整備しようという場合、容積率を緩和することと併せて、建ぺい率を強化すれば空地が十分に確保された良好な計画の実現が可能となります。このように、都市計画制度及び建築規制制度には多彩な対応を可能とし、緩和と強化が柔軟にできる制度設計が必要と考えます。
 そこで伺います。
 今回の建築基準法等の改正案は、緩和制度の印象が色濃いように思いますが、バランスを失したものとなっているのではないかという懸念もあります。見解を伺います。
#197
○副大臣(佐藤静雄君) 今、先生おっしゃったとおり、これから地域づくりの、地域ごとのまちづくりをする上で、その課題にしっかりと取り組むためには、必要に応じて、規制の緩和ばかりでなくて必要な規制ということも非常に、規制を強化するということも非常に大切だろうと思っています。
 ですから、今度の改正を見てみますと、指定容積率の数値でしたら、例えば第一種、第二種住居地域ですと、現行二〇〇、三〇〇、四〇〇%でありましたけれども、それを五〇〇%の追加するばかりじゃなくして、そこに一〇〇ですとか一五〇ですとかという選択肢を設ける、そういうこともやっておりますし、それから指定建ぺい率の数値ですと、例えば第一種住宅地域においては、現行は六〇%でありますけれども、それを八〇%の追加ばかりでなくして五〇%の選択肢を設けている。敷地規模制限の適用地域では、例えば現行第一種、第二種低層住宅専用地域のみに今まで適用されたわけでありますけれども、それを全用途地域で適用が可能であると、そういうことも考えておるわけであります。
 さらに、地区計画制度を整理合理化しまして、それを分かりやすく、そして使いやすい制度とすることを盛り込んでおりまして、地域の特性を生かしたきめ細かな規制を行うためにこうした措置も必要であると、そう考えております。
#198
○続訓弘君 今御答弁ございましたように、規制と緩和とバランス良くいろいろ考えていると、そしてそういう手法の下に都市計画を大胆に進めていくんだというお話、大変ありがとうございました。是非そういう方針で臨んでいただきたいと存じます。
 都市は、多くの人々が集まって住み、働き、憩う場所であります。このような都市に集まる人々のパワーやアイデアを都市再生やまちづくりに生かさない手はございません。今回の建築基準法の改正に盛り込まれた都市計画の提案制度は、土地所有者やまちづくりNPOが地域の都市計画の提案を行うことのできるものであり、これまでの、都市計画は行政が作るものという基本的な考えの転換を図る注目すべき制度であると考えます。
 しかしながら、類似の制度を先行的に創設した都市再生特別措置法の規定では、都市再生事業を行おうとする者が都市計画の提案をすることができることとされております。今回の改正案の規定では、土地所有者、まちづくりNPO及び地方公共団体が条例で定めるまちづくり協議会等からの提案はできるが、事業を行おうとする者は対象から除外されております。事業を行おうとする者はすなわち自らが主体的にまちづくりを実践する者であり、その活力や能力を最大限活用することは重要だと考えます。
 そこで伺います。
 都市再生特別措置法と今回の改正案とで目指しているまちづくりの方向はどのように異なるのか、また提案できる者の要件の違いはいかなる理由から生ずるものか、お聞かせください。
#199
○政府参考人(澤井英一君) まず、都市計画法の中で今回創設したいと考えております都市計画の提案制度につきましては、地域住民等のまちづくりに対する能動的な参画を促進いたしまして、これを都市計画として積極的に受け止めるための制度であります。
 地域の状況に応じまして、住環境の保全といったようなものから都市の開発まで、様々な提案が行われるものと想定しております。このため、提案できる主体といたしましては、土地所有者、まちづくりNPO、まちづくり協議会、更には土地所有者である民間事業者など、幅広い主体に提案を認めているものであります。
 これに対しまして、都市再生特別措置法は、我が国の活力の源泉となる都市の再生を緊急に図るために、時間と場所を限って、民間の力を最大限に引き出して都市再生の核となる都市再生事業を推進するものでありまして、都市再生事業の実施に必要な都市再開発事業等の提案が行われるものであります。このため、提案できる主体といたしましては、都市再生事業を促進する観点から、こうした都市再生事業を行おうとする者に限って提案を認めている、そういう制度になってございます。
#200
○続訓弘君 提案できる都市計画の内容は、都市計画のマスタープランである整備、開発及び保全の方針等を除き、どのようなものでも対象になるものと伺っております。このことは、要件に適合していれば様々な提案を随意に成し得るということになります。
 そこで伺います。
 今回の改正案において、住宅地の容積率は最大で五〇〇%の指定を行うことも可能となりますが、この区域内で土地所有者がまとまって合意すれば二〇〇〇ないし三〇〇〇%というような極端に高い容積率の指定を提案することも可能となります。このような場合、都市計画決定権者は何をよりどころにして、どのような観点からこうした提案を評価し判断することになるのか、この点を伺わせていただきます。
#201
○政府参考人(澤井英一君) 今回の都市計画の提案制度を設けようとします趣旨は、これまで言わば官が独占しておりました都市計画の発意を民に開放いたしまして、より良いまちづくりに結び付けていくとともに、住民の方々やまちづくり活動を行っている団体等により主体的にまちづくりに参加していただくということにございます。
 提案から都市計画の判断まで、提案を軸に手続が進められる点に特徴がございますが、例えば、提案があった場合には特別の容積割増しが認められるというような、都市計画の内容にかかわる特別措置を認めるものではございません。あくまでも手続的な特例でございます。したがって、最終的には都市計画決定権者が所要の手続を経て、かつ都市計画基準に従って当該地域に最もふさわしい都市計画を決定するという意味では、通常の都市計画と同様でございます。
 例示に挙げられました容積率の大幅な引上げに係る提案でございますが、こうした提案を行おうとする場合には、例えば再開発地区計画、高度利用地区など容積率特例制度の提案という形を取ると思われます。この場合におきましても、土地所有者等の三分の二以上の同意という提案をする場合の要件がございますが、そうした要件を満たしている場合にはこの提案制度、本制度の対象となるものでありまして、制度的には提案を行うことは、御指摘のような提案を行うことは可能でございます。
 なお、再開発地区計画、高度利用地区等の容積率の上限について、これまた制度上の制約はございませんが、そのことと、当該地域に最もふさわしい都市計画を決めることとはおのずから別の問題であると考えられます。都市計画決定権者が所要の手続を経た上で、そうした都市計画を合理的なものと判断するかどうかということに尽きると考えております。
#202
○続訓弘君 地区レベルの詳細なまちづくりのルールを定める地区計画制度は、昭和五十五年の創設以来着実にその地区数と指定面積を増大させており、近年では年間約二百五十地区ずつ増加する傾向にあるようであります。
 そこで伺います。
 地区計画制度には類型が多数あり、区域内で受けることのできる容積率制限の特例措置が異なるなどにより、複雑で分かりにくいという声がございます。今回の改正により具体的にどのような見直しを行おうとするのか、またこの改正により地区計画制度の改善が図られたとして、具体的に地区住民や民間事業者にとってそれぞれどのようなメリットがあるのか、伺わせていただきます。
#203
○政府参考人(澤井英一君) 現在の地区計画制度は、身近なまちづくりを誘導するものからプロジェクトを推進するものなど多様なメニューがございまして、地域の様々な課題に対応する制度として御指摘のように活用されているところであります。近年の地域住民の方々やNPOによるまちづくり活動の活発化にも対応して地区計画の策定件数は年々増加を続けており、現在では約三千五百地区にも達しているところであります。
 しかしながら、まちづくりの様々な課題にこたえるために制度改正を繰り返してきた結果、制度が複雑になってきたこと、あるいは、多様な地域特性に応じた計画を定めるために、場合によっては複数の地区計画や、あるいは地域地区の一種であります高度利用地区などの他の都市計画を組み合わせて決めなければいけないという必要があることなど、使おうといたします住民の方々や民間事業者にとりまして分かりやすく使いやすい制度になっていないという御批判があるところも十分承知しております。
 このため、今般、現行の地区計画制度を整理合理化いたしまして、一つの地区計画で地区の特性やまちづくりのニーズに応じて容積率制限や用途規制を緩和し又は強化できるような分かりやすい制度として再構成しようとするものでございます。このことによりまして、地区計画制度が自由度と汎用性の高い制度となりまして、地域住民やNPOによる都市計画の提案制度とも相まちまして、地域の主体的なまちづくりがより推進されるのではないかと考えております。
#204
○続訓弘君 最後に、この今回の建築基準法等の改正案に対して私の感想を申し上げて、終わらせていただきます。
 今回の建築基準法等の改正案に盛り込まれました容積率等の選択肢の拡充、迅速な容積率等の緩和制度の創設、都市計画の提案制度、地区計画の整理統合は、いずれもこれまでの都市計画制度、建築規制制度に係る課題を解決し、都市の再生や地域のまちづくりを進める上で重要な意味を持つものと考えます。それゆえに、地方公共団体だけでなく、民間事業者や地域住民など、まちづくりに携わる各種主体が今回の改正に係る制度の趣旨を十分理解し、有効に活用することが必要であることを強調して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#205
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 最初に、ちょっと総論的に考え方についてまず伺っておきたいと思います。
 今回の建築基準法の改正なんですけれども、先日審議されました都市再生関連法ですね、これらの問題と、あるいは都市の再開発法、これらと一体のものとして理解した方が都市再生という角度から見れば理解しやすいのかなというふうに感じているわけですけれども、この点、一体のものという理解でよろしいんでしょうか。いかがでしょう。
#206
○政府参考人(三沢真君) 都市再生法の基本的な方針は、我が国の都市を文化と歴史を継承した豊かで快適な、更に国際的に見て経済活力にも満ちあふれたものへと再生するということでございますが、さきの都市再生特別措置法につきましては、時間と場所を限って、都市計画の特例、金融上の支援措置等を講ずることによりまして、民間の都市開発事業を緊急に推進しようとするものでございます。また、同様に、都市再開発法等の改正も、一定の要件に該当する株式会社等を市街地再開発事業の施行者に追加すること等によりまして、民間活力を活用し、都市開発事業の推進を図ろうというものでございます。
 一方、今回の建築基準法の改正でございますけれども、これは例えば地域でいろいろな課題がございます。商業・業務地の高度利用であるとか密集市街地の整備であるとか、あるいは職住近接の住宅供給、あるいは良好な環境の確保など、各地で抱えておりますいろいろなまちづくりの多様な課題にきめ細かく対応できるように、まちづくりに関する都市計画の提案制度の創設、あるいは建築規制の選択肢の拡充を行うというものでございます。
 都市の再生を図る上でも、こういう地域のまちづくりの課題にきめ細かく対応していくということは大変重要であると考えておりまして、これらの法律が相まって都市の再生が推進されるものというふうに考えております。
#207
○富樫練三君 今度の建築基準法と都市再生については、それぞれ相まって、関連し合って効果を発揮するということのようです。先日の都市再生特別措置法、これについては時間や地域を限定されているということですね。今度の建築基準法については、時間や地域の限定がされていないという意味では全国を視野に入れかつ恒久的と、こういうことになろうかと思うんです。
 そこで、今回の改正案を見ますと、容積率の制限や建ぺい率の制限、斜線制限、日影規制、こういう点、都市環境を守るための各種の制限を大幅に緩和をすると。先ほど、緩和だけではなくて、例えば容積率についても五〇〇だけじゃない、一〇〇も一五〇もあるという御意見がございました。ただ、実際に見てみますと、やっぱりこれは緩和の方向を目指した中身が中心だなと、法律全体の改定の中身を見ますとそういうふうに感じます。
 ただ、この規制緩和の方向というのは、法律の本来の目的や理念から逆の方向に進むんじゃないかということが大変懸念されるわけです。例えば、建築基準法や都市計画法の目的や理念の中には、その第一条、第二条に、都市の健全な発展と秩序ある整備とか、健康で文化的な生活及び機能的な都市活動を確保するとか、あるいは国民の生命、健康及び財産の確保のためにということで、これらの目的のために都市計画の制限、それから適正な制限とかあるいは建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準、これが必要で、これを決めたのが都市計画法や建築基準法だと、そのことによって土地の、国土の均衡ある発展を図ろうと、こういうふうに言っているわけなんですね。
 地域がそれぞれ競争をして特色ある、特徴のあるというふうに先ほどの質問の中で大臣、答弁されておりましたけれども、法律は少なくともバランスの取れた均衡ある国土の発展ということをうたっているわけなんですね。ですから、どうも規制緩和をどんどんどんどんやって、それぞれがそれぞれの立場でやればいいじゃないかということは、どうもこの法律の本来の目的からどんどんどんどん懸け離れていくというふうに感じます。
 そういう点から見て、これらの規制緩和というのは簡単にやるべきではないというふうに私は感じているんですけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
#208
○国務大臣(扇千景君) 都市計画法及び建築基準法、これによって今土地利用の規制というのは良好な都市環境とかあるいは居住環境、いつも申し上げているようなそういうことを確保するという、その重要性というのは私は課題の一つとして従来より私も言い、また行ってきたところでございます。
 けれども、今回の建築基準法の改正におきましては、指定の容積率の制限とか、あるいは今、議員がおっしゃったような建ぺい率の制限等の選択肢の拡充というようなことを図ってはおりますけれども、地域ごとに、先ほどもお答えしたように、まちづくりに多様な課題に適切に対応できるようにするためには、あるいは必要に応じて逆に規制の緩和だけではなく規制の強化を行うということも必要であると、そういう具体的にできるようにしております。
 また、その具体例としても、御存じのとおり、第一種の制限というのは容積率緩和だけではなくて、容積率の制度につきましても緩和だけではなくて強化の拡充ということも言っておりますけれども、例えば第一種地区、第一種住宅地区ですね、建築の第一種地区等々では、五〇〇%追加するだけではなくて五〇〇%からまた一五〇%の選択肢をこれ追加できるんですね。ですから、どっちかを選べることができると。また、建ぺい率の制限についても、同様に緩和と強化の両方の選択肢を拡充して、それを行うことができると。
 少なくとも、最低の敷地規模制限を低層住宅専用地域だけではなくてすべての用途地域で適用できるようにすること等を今回は盛り込んだわけでございますので、さらに、今回は地域の計画制度を整理合理化して、分かりやすく、使いやすい制度とすることを盛り込んでおりますし、また地区の特性を踏まえたきめ細かな、逆に規制を行うための、そうした処置も有効であると考えていると。
 今、先生がおっしゃるように、規制緩和するだけではなくてという意味で逆行するとおっしゃいましたけれども、逆行ではなくて、よりそれが活用されるように範囲を広げたというのが一番一般的な考えではないかと思います。
#209
○富樫練三君 物は言いようだと思うんですけれども、活用できるように範囲を広げたんだと。選択肢を広げたということなんだろうと思うんですね。
   〔理事藤井俊男君退席、委員長着席〕
 そこで、具体的に伺いたいと思います。
 最初に、日影規制の緩和の問題についてですが、今日は資料を配らせていただきました。三枚つづりの資料がお手元に行っているかと思います。ただ、この資料は私が作ったわけではなくて、実は法案の要綱にこの図面はそのまま出ております、三枚とも。それから、調査室が作ってくれましたこの資料にも同じ図面が出ておりますので、もう既にごらんの方も多いかと思うんです。
 最初は、一枚目のところは日影規制の緩和です。
 これは、選択肢が広がったというのではなくて、私は一方的な緩和だというふうに単純に思っているんですけれども、日影規制の測定面が四メートルであったものを六・五メートルも選択できることとしたと。そういう意味では選択肢が一つ増えたんですけれども、しかし、これは規制を強化する方向に増えたんではなくて、規制を緩和する方向に選択肢が増えたと、こういうことであります。
 六・五メートルということになれば、この資料一の一番下の図面にあるように、一階と二階の部分はまるっきり窓に日が当たらなくても大丈夫、建築基準法上はクリアできると、こういうことになるわけであります。
 そこで局長に伺いますけれども、こういうふうに指定された場所については、一階、二階は日陰になってもいい、こういうことですね。
#210
○政府参考人(三沢真君) 今回の改正案では、建築基準法に基づくいわゆる日影制限に関しまして、日影時間を測定する水平面の高さを四メートルとしている区域において、新たに六・五メートルという選択肢を設け、それを条例で指定できるというふうにしております。
 それで、この六・五メートルの高さは、今この図で、先生お配りになった図の中にもございますが、おおむね三階の窓面を想定したものでございます。
 測定面の高さを六・五メートルとする区域の指定は、例えば計画的な開発により一、二階に住宅以外の用途を導入する場合とか、あるいは既に相当数の店舗や事務所が建ち並んでいる場合など、一、二階の窓面の日照の確保に配慮を要しない場合に指定されるというものでございます。
 こういうところを、そういう場所を選んで公共団体が地域の土地利用の状況を勘案の上、条例で指定するというものでございます。
#211
○富樫練三君 そういう場所を選んでといいますけれども、地域的にこれは決めるわけですから、単純に一階、二階は日が当たらなくてもいいという、ごくごく狭い範囲で限定して決めるということには恐らくならないだろうと思います。
 そこで、もうちょっと大ざっぱに伺いますけれども、東京都の場合どうかということで、これは数字だけ答えていただければ結構です。例えば、東京二十三区の場合に、二十三区全体の面積はどのぐらいあるのか。それから二つ目に、今後この法律が施行された場合に、六・五メートルが可能な地域、面積、それはすなわち用途地域指定でいえば、細かく言うと七種類の用途地域指定が対象になるわけですけれども、その地域はどのぐらいの広さがあるのか。そのうち東京都の条例によって現在四メートルが適用されている地域の面積はどのぐらいあるのか。この三つの面積について、数字だけお答えください。
#212
○政府参考人(三沢真君) これ二十三区の面積でございますが、約五万八千ヘクタールございます。二十三区は全域用途地域が指定されていますので、これが二十三区の用途地域の指定面積ということでもございます。
 そのうち、基準法において日影測定面の高さが四メートルの日影制限が可能な区域であります第一種と第二種の中高層住居専用地域、それから第一種、第二種準住居地域、それから近隣商業地域及び準工業地域の面積の合計は約三万七千ヘクタールでございます。このうち、東京都の条例で日影測定面の高さ四メートルの日影制限が適用されている区域の面積は約三万ヘクタールでございます。
#213
○富樫練三君 通常考えれば、現在四メートルの地域になっているところが、今度の新しい法律、これが施行されれば、そこが一番六・五メートルが適用されやすい地域だろうというふうにこれは常識的にそういうふうに思いますよね。
 そうしますと、二十三区内の面積が五万八千ヘクタールで、現在四メートルの適用が三万ですから、大体半分、半分ちょっとというところですね。そうなりますと、もしこの法律が施行された場合に、現在四メートルが施行されている場所を仮に全部六・五メートルというふうにして高い建物ができるようにしようということになれば、二十三区内の面積の約半分については一、二階は日が当たらなくてもよろしいと、こういうことになってしまうわけなんですね。これじゃ人々の暮らしができない、こうなるのは当たり前だと思うんです。これは地域は限定するんだとさっき言っていましたけれども、可能性の問題でいえば、二十三区内の半分の地域は六・五メートルを指定することは可能だと、こういうことになりますね。
 これじゃ、やっぱり都市の健全な発展、あるいは健康で文化的な生活、こういうふうにはならないと思いますけれども、大臣、いかがですか。
#214
○国務大臣(扇千景君) これ事実的に、私もその二十三区内の第一種というところに住んでおりまして、私も日照権ということで三階を削られました。今まで住んでおりましたところよりも狭い面積にしか住めなくなると。これ現実でございます。
 けれども、私は、この日影制限という測定面から高さが六・五メートルの選択肢を追加したというこの趣旨に関しては、計画的な開発が行われます区域においては一階及び二階というその部分に店舗等の、住宅以外の用途を導入する場合とか、あるいは既存の市街地というようなところで、一階及び二階部分には店舗や事務所等が、用途が立地しておりまして、住宅の立地は上層部に限られる場合などに対応してこの合理的な日影規制を行うことを可能にしようとすると、こういうことになっておりますので、私は、測定面の高さの選択を含めて、具体的な、日影と、完全に言えば日影ですけれども、日影制限と、そういうものに対しては、私は、地方の公共団体が条例で定めておりますこの地域の土地利用の状況に応じて私は適切な日影制限が行われる、また地方の公共団体に対して本改正の趣旨を徹底するように私は必要に応じては助言していくと、そういう順序を取っていくべきであろうと思っております。
#215
○富樫練三君 大臣も答えにくいんだろうと思うんですね。
 二十三区全体の半分が一、二階が日陰でもいいという法律を作って、そうするかしないかはあとは自治体任せだと。まあ指導するというふうにおっしゃっておりますけれども、しかし、東京都がもしそういうふうに決めれば、条例で決めれば、これは半分は日陰になってしまうと、これは人間は住めないなというふうに私は率直に思います。
 そこで、次の問題の天空率の導入と道路斜線制限の問題についてです。
 改正案では、こういうふうにされています。斜線制限により確保される採光等と同等程度の採光等を確保するものとして一定の基準に適合する建築物については、斜線制限を適用しないものとする。先ほど大臣は分かりやすく、使いやすくというふうに言いましたけれども、これ読んだだけじゃ分かりやすくじゃないですね。とっても分かりにくいです。
 要するに、これは道路斜線制限を適用しないで天空率を採用すれば、道路斜線でも天空率どちらでも選択できると、こういうことを言っているんですね。この日本語からはとてもそういうふうには解釈はし切れないんだけれども、中身はそういうことを言っているんですね。
 そこで、伺いますけれども、この天空率というのはどういうものなのか、ちょっと一言で簡単に説明していただけますか。
#216
○政府参考人(三沢真君) 天空率というのは、ある測定点で大空を見上げた三百六十度の視野の中で建築物で遮られない部分の割合のことでございまして、これは採光等の程度を表す指標でございます。
#217
○富樫練三君 大変今聞いても分からない。
 そこで、資料の第二番目であります、二枚目の資料に四つの図がかいてあります。
 これは、上の方の左側のところがいわゆる道路斜線制限による建築の規制でビルが斜めにカットされています。その場合の天空図というのは、その下の円のところですね、黒く塗ってある部分が広いところです。
 右側の方の上の図面が、今度は天空率を適用した場合にどういうふうにビルが建てられるかと。すなわち、同じ敷地に対して敷地の間口よりもはるかに狭い間口のビルを建てた場合には、天空率を採用すれば道路斜線制限をオーバーした上でビルを高く造ることができる、これが今度の天空率ですね。したがって、この右の上のビルでいうと、半分から上の前面が白いところ、この部分は斜線制限よりもオーバーして建てても結構だという部分、これだけ高い建物が建てられますよというのがこの図面の言わんとするところだろうというふうに思うんですね。
 そこで、伺いたいわけですけれども、要するに、間口を狭くすれば高く建てられますよと、こういうことですね。このことによって事実上道路斜線制限は機能しなくなると、これを選択すればということですけれどもね。斜線制限は使わなくても結構だと。
 そこで、近隣商業地域は、商業地域あるいは準工地域とか工業地域、あるいは工業専用地域、こういうところで、特定行政庁が都道府県の都市計画審議会の議を経て指定をすれば隣地斜線制限は適用除外となる、こういう改正案も今回含まれています。それは資料の三枚目でございます。資料Bというところです。
 ここで言っております隣地の斜線制限というのは、図の左上のところでいいますと、左側の斜線が道路斜線で、右側の斜線が隣地斜線です。同じように右の図面でもそうです。左下の図面でもそうです。
 そして、今私が言っているのは、一番右下の図面です。「適用除外」というふうに四角で囲んであります。「特定行政庁が」云々と書いてあります。それは、隣地境界線のところから斜線ではなくて垂直に線が引いてあります。すなわち、都道府県が認めた場合には隣地斜線制限は適用除外、すなわち垂直に建物は建てられる、こういうわけであります。
 そして、これに天空率を、先ほどの天空率を加えます。そうしますと、この右下のこの図面でいいますと、左側に斜線勾配一対一・五という斜面がございますけれども、この斜線制限がなくなって、天空率を採用すれば、ここの壁面も垂直に建てることができる。
 この二つの制度をうまく利用すれば、両側とも、右側も左側も垂直のビルを造ることができるという仕組みになっていると、こういうことであります。加えて、容積率が一三〇〇%というのが今度は商業地域、これにボーナスのおまけ付きと、こういうのもございます。
 こういうことをやれば、正に容積率引上げのための障害になっていた道路斜線とかあるいは隣地斜線とか、こういうものがどんどんどんどん撤廃されていって、容積率だけがどんどんどんどん上がっていく。結局、ここをねらったのが今度の改正の中身だったんじゃないですか。いかがですか。
#218
○政府参考人(三沢真君) 今、先生お話ございましたように、今回の法改正によりまして、例えば商業系用途地域あるいは工業系用途地域におきまして、特定行政庁が都市計画審議会の議を経て区域を指定して、それによりまして隣地斜線制限の適用ができるという措置、それからもう一つ、今の天空率によりまして斜線制限と同程度の採光を確保する建築物について、一般的には斜線制限を適用しないこととする措置の導入、これを行っております。
 したがいまして、これらの措置を組み合わせて活用すれば、正にその土地の区域が、土地の有効高度利用が要請されているような区域であれば、そういう措置を組み合わせて活用すれば、そういう高度利用の要請にこたえることができるというものでございます。あくまで、やはりそういう地域の課題としてそういう土地の高度利用という要請があるかないか、それを判断して、そういう要請があったときにそれに対応できるような選択肢を用意したというものでございます。
#219
○富樫練三君 ビルを上に伸ばすために邪魔者は一つ一つ解除をしていこうと、こういうことのようですけれども、住居系の用途地域指定がされている場所の場合はどうかと。
 例えば、第一種、第二種の中高層住居専用地域とか、第一種、第二種の住居地域、あるいは準住居地域、この場合も、先ほどの資料のBの左下のところになります。この場合は、隣地斜線制限の勾配を一対一・二五から今度は一対二・五に引き上げて、しかも立ち上げの高さを二十メートルから三十一メートルに引き上げると、こういうふうになっています。この左下の図面でいいますと、左側の道路斜線、これについては一対一・五になっていますね。右側の方が斜線勾配が一対二・五になっています。それからその下の立ち上げの高さ、三十一メートル。
 ところが、現行はどうかといいますと、その真上の図面です。例えば立ち上げの高さは二十メートルです。二十メートルについては垂直に行って、そこから斜線制限が加わる。それが、今度は三十一メートル行ってから斜線制限が加わるけれども、その勾配を見てください。垂直に近い方です、今度の改正は。従前はもっと斜めの線が左の方に傾いている、こういう状態であります。
 要するに、事業系の場合は一三〇〇%と、容積率。そして居住系でいえば、最高今度は五〇〇%の容積率。これらを実行する上での邪魔者はどんどんどんどん取っちゃおうと、こういうことなんだろうというふうに思います。
 そこで、具体的な事例で伺います。こういう規制緩和をどんどんやった結果として、住居系では環境破壊とか、あるいは事業系でいえばビル床の過剰供給、こういうことが懸念されているわけであります。
 例えばの例ですけれども、住居系の宅地で、五〇〇%の容積率、隣地の立ち上げが先ほどの高さ三十一メートル、日影の測定面積は六・五というところで、仮に三百坪の土地があったとします。そこに建ぺい率五〇%、すなわち百五十坪の面積の建物を建てるという場合に、従来でしたら容積率は最高で四〇〇%ですから、八階まで可能です、高さは。そして、隣地の立ち上げが二十メートルですから、階高が一階当たり三メートルとしますと、六階から上には斜線制限が加わってまいります、二十メートルですから。ところが、今度法改正がされますと、同じ場所に同じ大きさの建物を建てた場合に、容積率五〇〇%、最高で考えた場合には十階建てまで可能になります。そして、隣地斜線の立ち上げの高さが三十一メートルですから、十階建てだとして、階高三メートルとすれば三十メートルです。したがって、一番上まで斜線制限とは全く関係なく垂直に建物を建てることができると、こういうことになります。しかも、北側に日陰ができますけれども、その場合に、一、二階は日陰になっても結構だと、こういうことになるわけなんですね、六・五メートルということになれば。
 私は分かりやすい例を出したわけですけれども、これでどうして周辺の環境が良くなるというふうに言えますか。どうですか。
#220
○政府参考人(三沢真君) 例えば容積率とか、あるいは斜線制限等の今言った措置につきましては、繰り返しになりますが、やはり土地の高度利用の要請がある、そういう地域においてその高度利用を実現するということが必要な場合に、その公共団体がそういう措置を活用するというものでございます。
 それから、当然、こういう数値を選択するに当たっては、まず都市計画の決定であるとか条例の制定であるとか、あるいは特定行政庁が都市計画審議会の議を経た上で指定するという手続がございますので、これらの手続を経ることによりまして、都市の環境への配慮は十分その中で勘案されるというふうに考えております。
#221
○富樫練三君 私は、具体的な事例で住宅の環境がどう破壊されるのかというのを申し上げているわけなんですけれども、こういう高層化をどんどん進めるということは町全体を変えると、大変重大な影響が出てくるということが東京都内では既に幾つかもう出ているわけです。
 例えば、江東区の場合なんですけれども、ごくごく最近でありますが、マンション建設急増対策本部というのが区役所の中に作られまして、そこでは急増するマンション対策についてという文書を出しました、ここにコピーがございますけれども。この基本方針というところの冒頭では、こういうふうに言っているんです。
 国等の施策、国の施策ですね、各種の規制緩和、地価の下落等の社会経済情勢の変化により、本区では地域や近隣の状況に配慮がなされないままマンション建設が急増し、平成十四年一月までの五年間で約二万六千人の住民が増加したと。私が言っているんじゃないんですよ。江東区がこう言っているんですよ。国の施策やあるいは規制緩和、しかも周辺の近隣の状況に配慮がされないままマンションがどんどんできているために大変な事態になっていると。さらに、現在計画されている戸数は約一万戸を数えるなど、今後も相当の、相当数の建設が見込まれる。この急増するマンション建設計画をこのまま容認するならば、バランスの取れたまちづくり、公共施設への受入れ、良好なコミュニティー形成を一層阻害することは明らかである。こういうふうに言っているんですよ。江東区が言っているんです。
 これは地域が破壊されてしまうんですよ、こういうことをやったら。江東区としては、バランスの取れた良好なまちづくりを推進するために以下の方針によるということで、対応策としてこういうのを具体的に出しております。
 もう既にこれは指導要綱が実行されているんですけれども、三十戸以上のマンションで一戸当たり百二十五万円の開発負担金を開発者から徴収すると。それから、おおむね二十ヘクタール以上の開発に対しては一ヘクタール以上の学校用地の提供を求める。開発事業者に対しては、用地提供、公共施設、保育園などは民設民営での整備などを求める。これらをやっているんですね、まだたくさんありますけれども。
 要するに、開発やマンション建設に関する国の規制緩和のために、人口急増によって公共的な財政負担の増加に自治体が耐えられない、こういう状況まで来ているんです。江東区が指摘するように、国の規制緩和がバランスの取れたまちづくりや公共施設への受入れ、コミュニティー形成、これを阻害しているんです。私は、政府は規制緩和を基本とした都市再生政策ではなくて、バランスの取れた地域づくり、こういう形での都市再生の方向を目指すべきだというふうに思います。
 そこで、ちょっと伺いますけれども、都市再生政策で首都圏全体の高層マンションの建設、今後どういうふうに推移するのか、その数量を予測をしていますか。予測しているんだったら、その数を教えてください。
#222
○政府参考人(三沢真君) 今回の都市再生法とかあるいは建築基準法の改正によりまして、規制の緩和が一律に行われるというものではなくて、公共団体が個々の地区にふさわしい数値を今後定めていくということになりますので、こういうこととの関連でマンション建設がどの程度進んでいくかということは現段階では予測することは困難であるというふうに考えております。
#223
○富樫練三君 民間ではもう既に予測をしているんですね、様々な形で。そういうことと関係なく、法律だけどんどん作って規制緩和やっているのは国土交通省のようでありますけれども。
 日経の報道によれば、これは首都圏では二〇〇二年以降、二百四十八棟、七万八千四百五十戸の高層マンションが予定されていると。過去二十五年間の累計に対しても、戸数でいうと二・三倍、供給過剰を警告しているわけなんですね。東洋経済という雑誌やあるいは週刊ダイヤモンド、こういうところでも同じような記事が出ています。こういうように、現在でも都市での生活条件や自治体の財政に混乱を起こしているけれども、これがどんどん進めばこれは大変なことになるという警告を発しているわけなんですね。
 これはマンションの状態でありますけれども、一方で業務用の床、これはどうか。ビルの高層化によって業務用床がどんどん増えています。大量供給に見合う需要があるかという、これは業界から大変大きな懸念が出されています。
 そこで、国土交通省は、少なくとも東京での業務用ビルの建設、床がどういうふうに変化していくか、この予測を立てていますか。
#224
○政府参考人(三沢真君) 我が国の業務ビルストックは、例えば都心三区におきまして、オフィスビルにおいてすらその半分近くは新耐震基準の施行以前の竣工でございます。そういう意味で耐震安全上の面で問題があり、やはり例えばそのリプレース等のニーズが当然あるということと、それから情報化の対応とか床の広さ、形状等の面で近年の企業ニーズに対応し切れていないものも多いということから、床の需要ということでは今後相当な新規床需要はあるというふうに考えております。
#225
○富樫練三君 いや、相当のというんじゃ、これは幅があり過ぎて、実際にはどうなんだろうか、実際にどのぐらい増えるのかということですけれども、例えば国土交通省は第五次首都圏基本計画で首都圏全体に業務核都市を配置するというふうにしていますね。分散型ネットワーク構造、こういうふうに言っております。
 その一方で、これと呼応した形で東京都のメガロポリス計画というのがあります。例えばこれについて、東京都の説明によれば、センターコアの地域というのを指定しています。中心になる核の部分ですね。このセンターコアというのは首都高速道路の中央環状線の内側、約一万七千三百ヘクタールでありますけれども、この地域の中に、あの中央環状高速道路の中に六十三地区で二百八十二ヘクタールを開発しようと、こういう計画になっているんですね、東京都の場合は。
 ここに予定されているビルの床面積というのは八百九十二ヘクタール、これは大変なものですよ。この六十三地区のこの面積二百八十二ヘクタールでありますけれども、この面積を見ただけでも、臨海副都心の中でいまだに、あの計画が破綻をして、いまだに処分できないで持っている土地があります。東京都は毎年のようにそこにお金をつぎ込んでいるわけですけれども、その未処分土地の七・八倍、このぐらいの床面積、こういう状態になるわけなんですね。
 九百八十二ヘクタール、この床面積のトータルでいうと、これは新宿にありますあの超高層ビル、三井新宿ビルの五十棟分、五十個分に値する。これがその中央部分のセンターコア地域、ここに超高層ビルを林立させて業務用のビルをたくさん造ろうと、こういう計画になっているんですよ。
 ところが、その一方で、それに見合うだけの需要があるのかと、ここが今、財界では、経済界では心配されているんですけれども、例えばエコノミスト誌によれば、去年の九月には空き室率が四・六%になって過去五年間で最悪の状況だと。日本ビルヂング協会連合会のビル経営動向調査によっても、都市再生に関する規制緩和でどんどん今後も増えるだろうと、大量供給は続くだろう、しかしそれに見合う需要があるのかと、こう指摘しているわけなんですね。
 都市再生の特別措置法とか、あるいは都市開発法、再開発法の一部改正、この間行いました。そして、今回の建築基準法の規制緩和の問題です。これらによって、現在でも首都圏のビルの床が過剰だと言われている中で、それに一層拍車を掛けるようなことになる、これはもう火を見るよりも明らかだというふうに言われているんですよ。そういう中で、どうしてこうやってどんどん規制を緩和するのか、ここのところを大臣、どういうふうに考えていますか。
#226
○国務大臣(扇千景君) 都市再生法の都市再生特別地区、そういうことで今どんどんというお話でしたけれども、地方自治体が自らその地区にふさわしい都市計画というものをそれぞれお作りになるということは、先ほどからも私、今後は二十一世紀型の都市づくりは各地方が地方によって計画するというふうに申し上げましたけれども、また今回の建築基準法の改正では、それぞれの地方の公共団体が、土地の利用の状況でございますとかあるいは公共施設の整備状況等を総合的に勘案しつつ、規制の強化も含めて、それぞれの地区にふさわしい容積率等の数値を選べるようにするなど、ある面では地域のまちづくりの課題に適切に対応した建築規制というものを可能にするということで、私は一律に規制緩和を行うものというふうには取っておりません。
 そういう意味では、ある程度規制もし、規制緩和もし、そして両面相まって、あるいは地域の皆さん方がその地域に応じたその規制を行うことによって、良好な市街地の環境の確保でありますとか職住の近接した住宅の供給、あるいは密集市街地の整備など、それぞれの地域にふさわしい私はまちづくりの促進が図れると。今、耐震性ということも考えて、そういうことを私はしていかなきゃいけないということで今回の法案を出させていただいているということでございます。
#227
○富樫練三君 最後になりますけれども、ほぼ時間ですので。
 私は、事業系の用途地域、住居系じゃなくて、そういうところの、かつ一定に限られた場所で、そういうところでこの高層ビルを造っていくということについて、一概に私は否定するものじゃないんですね。それは土地の有効利用、空間の有効利用ということは、これはあり得ると思うんです。ただし、都市再生というふうに考えていった場合に、今回のやり方、今のやり方では、これは都市再生にはなかなかつながらない、こういうふうに私は率直に思っているんですね。
 それで、都市再生といった場合に、やっぱり都市に住む住民の、例えば日照の問題であるとか、あるいは住環境の問題、先ほど江東区の例にあるように学校とか保育園など、子育てや教育についてもきちんと地域が責任が負える、こういうものとか、あるいはその地域の産業の発展、企業の発展に貢献できるような、そういう地域づくりというかまちづくり、こういうことが大事だと思うんです。しかも同時に、それが自治体の財政を圧迫するような要因にはならないようにすること、このことも大変大事だというふうに思うんですね。今のやり方では、これはやっぱり逆の方向に進まざるを得ないというふうに率直に感じます。
 私は、今、都市再生論議が盛んにやられているわけでありますけれども、日本の都市を再生することは必要だというふうに思います。ただ、その方向は、やっぱりもう一度原点に立ち返って、都市はどうあるべきかというところからスタートするべきだろうと。その原点というのは、私は、一番最初に申し上げました建築基準法や都市計画法の第一条、第二条にあるその目的、ここのところをしっかりと踏まえた、そういう都市再生をやっていかなければならないと思うんですね。
 そういう点で、今度の建築基準法の改正案が出されておりますけれども、私はやっぱり逆方向に進めるものだということを指摘をして、私の質問を終わらせていただきます。
#228
○田名部匡省君 もう大分皆さんお話しになってしまって、お伺いするのも余りないんですけれども、一貫して私は前からも申し上げておるんですが、この今の建築基準法なんかもそうですけれども、大枠は国で定めて、今、大臣も一律に行わないという話されたので、それならば余り言うことはないなと思って聞いておったんですが。
 大体、地域の実情というのを、僕はしょっちゅう言うんですけれども、大枠は国が決定しまして、あとはもう地方に任せるということにしないと、何かこれ、質問を聞いておって東京の話かなと。あちこち土地がおかしくなっちゃって、景気は悪いし、ぼんぼんぼんぼんマンションでも建てさせて景気回復しようとして一生懸命になっているのかなと。ひがみかどうか知りませんが、そんな感じするんです。
 この法律を私の方に当てはめると、何にもないんですよ。やるところもなければ、やるコンサルもいなきゃディベロッパーもないというふうに見ると、一体、私の地元、これで何をやるんだろうな。地域の実情というのは、やっぱり昔から城下町が一杯あちこちにありまして、道路だって昔のままですよ。殿様がかごに揺られて通った道がそのまま舗装道路になってもうダンプカーやバスが通っているものですから、商店街なんというものじゃないんです。
 そんなことを見ていると、私の方でこれ使って都市を再生させてなんといったって、できないなと。しかも、八戸というのは川が三本もありまして、お城のあったところにちょうどいいんですよ、やっぱり。橋架けないとそっちへ発展していかないんです。橋架けたいと思ったってなかなか橋が架からぬ。となると、もう本当にごちゃごちゃした城下町がそのままになっているわけですね。
 ですから、話を聞いておっても、これは私の方には余り関係ない話かなと思って聞こえるんです。どうぞ、それでも何らかやっていかなきゃならぬという考えありますので、大枠はこういうふうにしなさいよ、あとはもう地域の実情でおやりなさいということが大事だと、こう思うんです。どうですか。
#229
○国務大臣(扇千景君) 今、田名部議員がおっしゃった、うちの方では適用できないな、とにかくごちゃごちゃしていてとおっしゃる、そのごちゃごちゃしていてを私はすばらしいまちづくりにしていただきたいと。田名部先生の住んでいらっしゃるところも、そんなに御本人がごちゃごちゃとおっしゃらないように、是非私はすばらしいまちづくりに資していただきたいと。
 今回の法案の改正によりまして、少なくとも私は、各地域の多様な選択というものがこれで可能になるわけですね。ですから、そういう意味では、うちはするところないとおっしゃらないで、具体的には建ぺい率の選択肢を拡充したり、あるいは地方公共団体が地域の特性に応じて規制緩和をすると、こういうことも私たちは盛り込んでいるわけですから、どちらか使い分けていただくと、その地域地域で選んでいただけるという選択肢が増えるわけですから、そういう意味では、私は是非、地権者でございますとかあるいはまちづくりのNPOの皆さんとか、そういう都市計画の提案ができるということによって、今おっしゃった、田名部先生のところでもきちんと私はすばらしいまちづくりの計画というのが、二十一世紀に入ったんですから、そういうふうに利用していただけると。また、地域の特性を踏まえたまちづくりが今後大いに推進されるというのを望んで提出させていただいているわけでございますので、是非そうおっしゃらないで御利用賜りたいと存じます。
#230
○田名部匡省君 私も商工会議所の会頭やみんなに言っているんです。あの商店街を、この間も何かのときに申し上げましたが、六階建てぐらいにずっとして、三階から上はお年寄りの人を住まさせろと。みんな土地があるものですから、畑や田んぼを区画整理やって、もう七か所あれを造ったんですね。遠いところへ住ますものですからタクシーで来るというとお金は掛かるし、これを建てろと。お金はないと言うんです。それで駐車場もないものですから、今ごろ歩いて買物に行くという人は少ないんですね。だから、もう中心が、夜だけは酒飲みに行っているようですけれども、そういう面ではもう発展しない。
 郵政省にも言ったんですけれども、今総務省ですけれども、お金を集めているんだから、あそこの繁華街に金出して、ビル六階建て建てろといって融資してやったらどうだと。五十年もたったら、その間は家賃で払って、六十年たったらあなたのものになるからと、こうやってやったらどうだと、それはいいですねと、こう言っていましたが。なかなか話はあっても、それほどじゃ商売がよくいっているかというと、今大きな、どこでしたかな、町の真ん中に建っているショッピングセンターがもうやめて帰るということで大騒ぎになっているんです。
 そんなことなので、やっぱり私は、どうしても考えがあっても周辺に土地があるとそっちの方にどんどんどんどん家を建てる人たちが多いので、どうぞ、計画は結構だと思うんですが、今言うとおり、そこの地域の実情に合ったやり方で、あとはもう好きなようにやっぱりやらせてあげるということは是非やっていただきたいと、こう要請をしておきます。
 一番私は、日本全体がそうなんでしょうけれども、一極集中排除なんというものが昔随分私たちは元気よくやったことがあります。あるいは、国土の均衡ある発展もそのとおりでありますけれども。話はそうだけれども、実際にそういっているかというと、一極集中排除の都会に人がどんどんどんどん集まるように、ますます渋滞して大変な状態になっている。地方はなかなか均衡あるといっても均衡がない、発展もしないので。これはやっぱり都市計画が、やっぱりヨーロッパなんかへ行ってみると、都市計画がもうきちっと昔から下水道の整備でもパリなんかでもなっておったということの違いが今こんな状況になっているんだなと私は思うんです、これ、歴史的にあるので。
 パリに行くと、高い建物は許可しない。よく私は農林大臣のときにデカップリングやれ、デカップリングやれと随分皆さんにいじめられて、しかし向こうはキャパシティーを決めて、パリにはこれだけの人しか入れませんよというので、それ以上入れないんです。住むところがない。その代わり、お金を上げるから農業をやってくださいという制度だったんですね。
 ですから、そういう違いもあって、なかなかこれから不況の中でどうやってこの日本を作り上げていくかというのは大変なことは分かります。どうぞ、今冒頭申し上げたように、もう地方のことは地方に任せると、地方分権やろうという時代ですから、その趣旨にのっとってやっていただきたい、こう思います。
 それから、バリアフリーの設置のことで、この間も地元でいろいろ聞いてみました。いや、もうこれは金掛かって大変ですと。エレベーターのあるところはいいんですけれども、ホテルなんかでも。そこまでやっておいでいただかなくても、私のところは大したあれでもないしと。できるのは学校がどうかなと。エレベーター、学校に設置するのかなと。それは何でエレベーターを学校に設置しなきゃならないのかなと。子供がけがをすれば二階へ上がっていくのは大変だというのはあるんでしょうけれども、高齢者の人が学校へ行って、しょっちゅう行くのかどうか分かりませんが、そこまでの必要があるのかな。
 あるいは、集会所。私の方に公民館が三十、学区ごとに建っていますから。私は一遍市長に言ったことがあるんですよ。二階にこういう広い部屋があって、下が事務室と和室と、食事を作るですね、ああいう、おトイレとかあるんですけれども、二階にみんな行くんですよ。それで、敬老会のときに行くと、階段上がって、それでトイレが近いものですから、上がったり下りたり気の毒で、余りね。何でエレベーターぐらい付けなかったんだと言ったら、一か所は付けた。これをやれと言われたら、これは大変ですよ、お金掛かってね、やれるんだろうか。だから、建てる前から考えればよかったんでしょうけれども。
 そういう問題等もあって、バリアフリーの施設を造る、あるいは造れないところ、これもまたいろいろあると思うんです、体育館行っても公会堂行っても。だから、そういうところも、さっき言ったように、やれるところはなるだけやって結構だ。しかし、どうしてもできない、もう大改造しなきゃならぬというところまでやらせる必要はあるのかな。その辺も地域の実情に応じて私はやっていいのではないかと思うんですが、どうですか、これは。
#231
○政府参考人(三沢真君) 今回の法律改正によりましてバリアフリー化の義務付けをする対象施設でございますが、基本的には新築とかあるいは増改築でも、二千平米以上のものについてそういう新築、増改築をするときにこういうバリアフリー基準への適合を義務付けるというものでございます。
 今御指摘のとおり、やっぱり既存の建築物については大変コスト面とか、それから構造上それをいじろうとすると大変難しいといったいろいろな問題がございます。
 今回の法律の中では、既存の建築物について直ちに義務付けということはございませんけれども、ただ既存の建築物を例えば二千平米以上増改築するような場合には、その増改築工事の中で含まれるその共用部分についてバリアフリー化をお願いするということでございますので、そういった範囲でできるだけ既存建築物についてもバリアフリー化を促進するというようにしてまいりたいというふうに考えております。
#232
○田名部匡省君 やることが望ましいと、新しく造るときはちゃんとやりなさいと、こう理解してよろしいですね。
 それから、このシックハウスのことですけれども、私は国民の生命とか安全とかというのはこれは大事なことでして、先ほど来もういろんなお話を伺って、前から私は指摘しているけれども、縦割り行政というのは本当に何とかならぬのかなと。狂牛病にしてもそうですし、あるいは不審船の問題にしてもそうだ。もういろんなところで役所が、厚生省だ、いや労働省だ、農林省だ、環境庁だと、一緒にならないとできないものが一杯あるんですね。特に食品関係とか環境問題とかなんとかというと、国土交通省だけではできない、農林省だけでもできない。そういうものが随分見ると多いんですね。
 だから、何かそういうプロジェクトみたいな、局までとか省作れとは言いませんけれども、何かこの縦割り行政を乗り越えた、垣根を越えていった組織が必要だなといつも思うんです。どうぞ、どうでしょうか、これはまあ大臣どうですかといっても大臣だけで決まる問題でないけれども、どうですか。閣議でもあったらやっぱりそういうものは必要だというお考えがあれば発言をしてやっていただきたいなと、こう思うんですけれども、どうですか。
#233
○国務大臣(扇千景君) 先ほどからもシックハウスの症候群ということでお話ありましたけれども、原因がいまだ定かではないと。ただ、少なくとも、化学物質十三品目あるんですけれども、私たちも日常生活で見ますと、この十三品目見ていると、本当かな、怖いな、これじゃとてもうちの中で今買っているもの全部、防虫剤も駄目、それからアリの駆除剤も駄目、もう全部駄目なんですね、この十三品目の中に。日常生活で知らないで私たち買っている主婦、私も主婦の一人ですから、そういうものを見ますと、まだ原因が不明で、そういうものを全部最初から防御しなさいよとおっしゃることもあるけれども、その防御するものが十三品目と言われてもどんどんどんどん増えていくわけですね。
 ですから、私はあらゆる意味で、私たちは、今申し上げましたように、先ほども申しました政府として少なくとも縦割りやめなさいとおっしゃるのでやめるというよりも、各役所が持っている能力、それを結集しようと。そして、今までの経験と、あるいはどこが原因なの、何からこういうシックハウスが起きるんだろうかということを突き止めようということで、少なくとも、国土交通省はもちろんですけれども、厚生労働省、経済産業省、農林水産省、文部科学省、環境省、これでシックハウス対策の関係省庁連絡会議というのをわざわざ政府に設置したんです。けれども、残念ながらいまだ、まだ分かっておりませんけれども、その中で六つのことをしていこうと、協議会で。
 じゃ、六つのこと、何かといいますと、これが一つは、原因の分析、今言ったように原因が分からないからこれ全部分析しましょう。二つ目には、この基準を設定しましょうと。ただ、基準をどのように設定するかもこれも協議ですけれども、そのための協議会ですから、基準を設定しましょう、二つ目。三つ目には、防止対策をいたしましょう。四つ目には、相談体制の整備をしましょうと。いろんな症状で、先ほども櫻井委員がおっしゃったように、権威者で設定できる人、一人しかいないとおっしゃる。だから、それを相談窓口を開いて良くしましょうということで四つ目を決めた、相談の対策室作りましょう。そして、五つ目には、医療と研究対策を一緒にしてやっていきましょうと。これが五つ目です。そして、最後六つ目には、少なくとも汚染住宅の改修というものに取り掛かりましょうよということで、課題を決めてわざわざ六省庁で六つの項目について協議会を作って、その連絡会議の中でより確実な原因究明と、そして基準の設定をしていきましょうということで政府で取り組んでいるわけでございまして、いまだ明快でないというのは残念ですけれども。
 世の中がどんどん変わってまいりまして、御存じのとおり、昔はがんなんて分かりませんでした。けれども、じゃ、がんだと言われるから、たばこもがんのもとですよと言われて、もう乗り物も全部たばこ吸うのをやめさせたけれども、国会の中ではまだたばこ吸っている人もいると。これ、どこまでどう規制したらいいかという制限がやっぱりまだ確定的ではないから、たばこの吸い過ぎはいけませんよと書いてあるけれども、たばこはがんに悪いですと書けていないわけですね。
 ですから、そのようにやっぱり徐々に分かったものは少なくとも生命を守るためにということで、政府としてもこれだけの対策を立てて、今後早急に連絡会議の結論を出していこうという、その緒に付いたこれが法案であると、この法案によってより一層これを迅速に答えが出せるようにしていきたいと思っております。
#234
○田名部匡省君 私が、これ今、協議会を作ってこうしましたと。こればっかりではなくて食品に関することでも何でもやっぱりふだんから作って、どういうものに対処していかなきゃならぬかという科学的なことは科学者を入れなきゃいかぬし、これがこういうものに作るというよりもふだんからいろんなものを、起きるであろうということはあると思うんですね。例えば、工業地帯とか大都市の沿岸の魚というのは相当汚染されていると。もう奇形の魚もおるということは分かっても、だれもこれ捕獲して調べた人いないと思うんです。貝毒のあるものもある。これ分からぬですから、我々素人では。それから、この今の問題でも、この部屋におってこれどのぐらいかと言われたって、だれも分かってここにいるわけでないんですね。
 そういうものはふだんからやっぱり問題になるであろうとか、やっていない分野について研究したり相談したり、そういうものが省庁横断的にあって、国民の健康だとかそういうものをやったらどうかというお話で、これはこれで今作ったと。これはいいんですけれども、悪いとは言いませんが、こういうものだってこれからどういうものが出てくるか分からぬ。
 大体経済がどんどん発展して住宅建築が増えていったと。それで短期に完成したいということで、みんな外国から持ってきて組み立てれば、ぱあっともう、昔みたいに時間掛かりませんから、今、旧来工法から相当変化したということでしょう。外材も安いと。
 私が大臣のときも、アメリカのカンター通商代表が私のところに来まして、製品をもっと買えと言うんです。構造材はアメリカからのみ買っているんですよ、構造材というか柱とかはりとか。それに文句付けてきたものですから、大体原木をあなたたちは輸出しないというのはガット違反じゃないかと言ったんです。原木も入れなさいと、日本に。それは入れないで製品をどんどんどんどん入れてきたと。それが今建築する場合に問題になっているやつなんですね。
 最近、私も商売が商売ですから分かるんですけれども、工務店の社長やみんな、私の下請におる連中の話聞いていると、やっぱり最近、市営住宅も、この間入札をやったけれども、国産材で造れというふうになりましたと。国産材でやるというのは一番安全なんですよね。ですから、建材は、やっぱり集成材だの張り合わせたなんというのはこれのりが問題になるんだろうから、ですからそういう従来とも違った組立てのそういうものがはやってきたということで、じゃ原木、それを輸入を制限できるかという問題、今度は貿易摩擦で出てきますよね。
 だから、そういう難しい問題を抱えながら、しかし建てる方が国産材で建てたいと言えばこれ問題ないんですけれども、だからそういう今問題になっているようなことをよく説明して、やっぱりこうしてやりましょうよということでもしなければ、なかなかどういうものがどういう健康に影響を与えるかということは、私は非常に難しいなと。建ててもらう人というのは全く素人ですから、私はここで議論を聞いておっても、何を言っているのか分からぬことは一杯あります。ですから、新たにこの規制を導入するということでありますが、規制対象となる化学物質、科学的知見ですね、順次規制を検討すると。
 既に完成してもう入っている人もいるわけですね、これは一体どうするつもりなのか。あるいは、これから建築しようと、今。この人たちには、建材でこれは駄目よということをお決めになるんでしょうけれども、これ早くやってくれないと、もう着工しちゃいますからね。この辺の問題はどう考えればいいんですか、局長。
#235
○政府参考人(三沢真君) まず、既に家をお建てになった方でございますけれども、先ほどの質疑の中でもございましたが、現在、住宅金融公庫の融資の中で、例えば換気設備、これは五十万円の割増し融資がございます。それから、改良工事、要するに建材等を取り替えるというような改良工事をする場合に、今までよりも割増し額を増やしまして、約一千万まで改良工事で融資が受けられるというようになっております。
 こういった措置を活用するとともに、それともう一つはやはりなかなか既存の家屋、既存の、既に建ったものについて改良する場合の改良技術そのものについてもまだ相当研究すべき点が多いということで、これについても今いろいろな技術開発を進めているところでございます。
 それから、これから建てる方への周知徹底につきまして、当然、これも先ほどの御質疑の中でございましたけれども、どういう物質について、どういう規制の仕組みで、これからこういうシックハウス対策が住宅について講じられるかということについてきちんとした情報提供、周知徹底、それからいろいろな相談に応じていろいろなことがきちっとお話しできるような、そういう体制の整備を進めていきたいというふうに考えております。
#236
○田名部匡省君 いろんな問題、出てくると思うんですね。例えば建材でも、これはもう使っちゃ駄目と、こういう規制をするんでしょう。
#237
○政府参考人(三沢真君) 今回、まず当面は政令で指定する物質として、ホルムアルデヒドとクロルピリホスでございます。
 クロルピリホスについては、これはもう使用禁止ということを予定しております。ホルムアルデヒドについては、建材の等級に応じまして、それと換気の状況の区分に応じまして、どういう使用制限、どのくらいの面積を使っていいかという、そういう使用制限をするということを考えております。
#238
○田名部匡省君 これ、よほど周知徹底しないと、大工さんなんか一々そんなものを読んで家建てていませんよ。建ててもらう人は、図面かいて、これ建ててくれといって建てちゃうんですからね。
 ですから、よほどこれ周知徹底しないと、換気といっても、私の家も換気、家に付いているんですよ、天井に、それから暖房も、それから床と。換気回したことがないんですよ、うちの女房が、付いているけれども、分からぬから。最初から分かっていれば、毎日何時間か回すというけれども。特に私の方は、副大臣もそうでしょうけれども、東北とか北海道というのは冬寒くないようにがっちり建てますから、もう密閉しますからね。そういうことで、今から換気付けろと言われたってそれは大仕事だし、これからやるについても、本当に建てる人がよほど、あなたの家はこのぐらいのものをこことここに付けなさいよというのをやるぐらいに徹底しないと、こんなものは法律に書きましたからといったって分からぬと思うんですが、どうでしょう。
 だから、逆に言うと、さっきもちょっと廊下で聞いたのは、測定が自分たちでちょっとできるような簡単なやつでも開発してくれれば、しょっちゅう見て、ああ、これは高くなったなということになるけれども、その器械はといったら何十万もするというから、それじゃ町内で買って回して使ったらどうかなんて僕は言っていたけれども、何か打つ手がないと、住宅を建てる人たちに。何か方法ないですかね、これ。
#239
○政府参考人(三沢真君) まず一点目の実際に住宅を建てる大工さん等が円滑に対応できるようにという点でございますけれども、これはもう一つは基準の決め方ができるだけ分かりやすい方式になるようにということで、これについてはいろいろ工夫をさせていただくということと、それから、やはりそういう基準が具体的にどういうことなんだろうという、やっぱりそのマニュアルを、分かりやすいマニュアルを整備して、そういう基準の運用についても現場レベルで理解しやすいような、そういうことを措置していくということが必要だと思いますので、これについてもいろいろ工夫をさせていただきたいと思っております。
 それから、検査器でございますけれども、これはなかなか難しい点でございまして、短時間ですぐ測定できる機器というのは現時点でなかなか信頼性とか安定性に課題があり、かつやっぱりかなり高価であるといった問題がございまして、したがって各家庭で手軽にこういう検査器をなかなか購入するということになりにくいわけでございますけれども、これについては全国の住宅センター等で簡易測定器の貸出しサービスというのをやっているところもございまして、こういったやり方についてはできるだけ各地で普及していただくように、これからも国土交通省としても、いろいろ地方の住宅センター等にお願いをしていきたいというふうに考えております。
#240
○田名部匡省君 結局、危ないものは使わないというのが一つありますよね。
 それから、できたときに、やっぱり一つ一つをやれば、それは危険なものは排除しましたが、全体で見れば、家具も入っていろんなものが入ったときにどのぐらいの基準値になっているかということになると、完成したときにだれかが見る仕組みがないと。しかし、それでも月によって違うし毎日違うということになると、一体家に住んでいる人はどうすればいいのかというのが当面の私は差し迫った問題だと思うんですね。
 法律はできたけれども住んでいる人は安全でないということにどうやって対処をしていくかという問題があると思うんですが、いや、さっきから話を聞いていると、日によっても違うし月によっても違うしということを言われると、これはやりようがないなと思って私は聞いていたけれども、どうですか。
#241
○国務大臣(扇千景君) 私は、今おっしゃるように、どこまでがどうとかという、まだそこまで研究が進んでおりませんから、今申しましたような協議会を作って六省庁で英知を結集しようという状況でございますことだけは御理解いただけると思います。
 例えば、花粉症一つ取ってみても、アトピー症一つ取ってみても、まだ原因が分からない。個々によって反応する人と反応しない人と、例えば花粉症でも、この委員会では花粉症の方はいらっしゃらないようで余りくしゃみも何もありませんけれども、人によってとてもアレルギーの強い方とそうでない方とあるものですから、少なくとも私は、一年間に百二十万戸から百四十万戸家が建つわけでございますから、できれば何かのときに全部を検査するというのが、今まだ研究途上でございますので、建ち上がったときに全部測定するということがまだ徹底されておりませんけれども、少なくとも何らかの、今既存に建っているところでも何かおかしいのよとおっしゃる場合には、私は早期発見、早期治療だと、原則だと、どの病気にかかわらずですね。
 ですから、今既存の住んでいらっしゃるところでもおかしいなと思う方は、今申しましたように、この六つの項目の中で相談窓口というのを作っておりますから、そこでおかしいんじゃないかというようなことも、今後、地方自治体と一緒になって、私は、そこで対応できるように努力していくべき、また原因の究明に一日も早く到達できるようにこの協議会でやっていきたいと思っております。
#242
○田名部匡省君 いずれにしても、こういう法律が出てくると、これでやっぱりみんな分かると思うんですね、何をやってどうだかということは。
 例えば、このホルムアルデヒドあるいはクロルピリホスというんですか、こういうものを調査研究を進めて規制対象への追加を検討すると。追加されても、もう住んでいるわけですから、これはどうしようもないんですね。自分の家は危ないというのがそこから分かるわけですから。そういうのをどうやればいいかという、これも調査研究してやっているから何ともしようがない話ですよ。ないんだけれども、出てきたときに測定するといったって測定する器械はない。分かったからといったって、じゃ全部壁をはがしたりなんかするかというと、お金がないと。こうなると、病気になるのを黙って我慢して入っていなきゃならぬと。こんなことになると、私はこれ素人ですからよく分からないんです。でも、恐らく私と同じぐらいの国民のレベルだろうと思うんです。
 これは何て質問すればいいかよく分かりませんけれども、分かったらだれか答えてくださいよ。
#243
○政府参考人(三沢真君) 正に今回、そういう国民の不安にこたえるということから、こういう建築基準法上の建築材料等の規制に取り組むということでございます。
 それで、一方、こういう規制的な手法と別に、やはり消費者へのあるいは住まわれる方への情報提供というのは非常に大事なことでございまして、そういう意味では、今回、例えばまず当面規制対象にするのは二物質でございますけれども、例えばトルエン、キシレン等についても現在判明しているいろいろな科学的知見というのはございますので、それを最大限消費者あるいは事業者に情報提供すると。これはできることもいろいろございますので、そういうことについてきちっとやっていくと。
 それからもう一つは、設計とか施工のガイドラインというのは既に作っておりますけれども、そういう中でできるだけ、まだ規制値を決めるまでにいろいろな十分なデータはないにしても、そういうものの扱いについてもそのガイドラインの中には位置付けるというようなことも可能だと思いますので、そういう情報提供という面で、できるだけ住まわれる方の不安が解消されるような、そういうことについて一生懸命やっていきたいというふうに考えております。
#244
○田名部匡省君 最後ですから終わりますけれども、特に幼稚園とか保育所とか、そういうところはやっぱりよく、お金が掛かっても調べてやってください。全然分からぬで幼稚園へ行ったり保育所へ行ったりしているわけですから、そういうところは特に厳重にやっていただきたい。
 今、情報公開の話もしましたが、例えば窓、櫻井委員がさっき質問したときに、窓を開けたときと開けないときは違うんだと、こういう話であれば、そういう情報を、一日にこのぐらいは窓を開けなさいと、こうしなさいということはちょっとテレビ辺りでやれば、それじゃ窓を開けようという気になりますよ。そういう情報を本当に国民が分かるように徹底してやって、当面はこれでしのぐしかないんですから、そういうことをやっていただきたい。北海道や我々の方は冬窓を開けろといったって寒くてとても開けられませんから、そういうときにはこうしなさいよとか、何かいいアイデアを、一般の国民というのは、全く知識のない話をやっているわけですから、我々。
 だからそういう防御を、取りあえずの防ぐ方法というのぐらいは、あなたたち分からぬかったら、よその厚生省だか学者の人たちか分からぬけれども、こうやればいい、ああやればいいという方法ぐらいは今やるということは一つの手だてじゃないでしょうか。
 どうぞ大臣、このぐらいのことは、本当に大変な、目に見えれば守る気になるといったって、見えないだけにそういうことが必要だと、こう思うので、最後にお答えいただければと思います。
#245
○国務大臣(扇千景君) 大変難しいといいますか、情報開示をすることによってその処置が明示されないと、私は、余計恐怖心をあおることにもなりかねないという、一説ではそういう危機も感じております。
 それは、少なくとも私は、化学物質の中で今言われております十三種類の中でもパラジクロロベンゼンというのがあるんですけれども、これなんかは洋服の防虫剤ですね。こういうものも化学物質の中にこれ入れられているんですね。こんな名前は私、これ、物を見ないと、聞いたことがない、パラジクロロベンゼンなんて舌をかみそうで、ふだんの生活に関係ないんですけれども、防虫剤と言われる、あるいはトイレの芳香剤、これもそうだと言われますと、情報公開されるだけで、ああこれもだめ、あれもこれもだめということになりますので、私は、これはこの程度こうだけれどもこうですよという結果、あるいは防御法が決まって発表しないとかえって社会混乱を起こし、また主婦の皆さん方にも危険な意識だけを先行させるということも思われますので、今申しましたように、厚生省も環境省も入っていますので、六省庁で、でき得れば情報公開のときには恐怖心だけをあおるような情報公開でないように、こうすればこうだということも含めた情報公開に努めていきたいと思っています。
#246
○渕上貞雄君 社民党の渕上貞雄です。
 シックハウス対策関係についてお伺いをいたします。
 シックハウス症候群対策についてまずお伺いいたしますが、これが社会問題となって久しいわけですが、なぜこれほどまでに対策が遅れたのか、これまで放置していた国の責任というものをどのように考えているのか、厚生労働省と国土交通省にお伺いいたします。
#247
○政府参考人(下田智久君) お答えを申し上げます。
 アメリカやヨーロッパの幾つかの国では、一九八〇年代ごろに、オフィスビルで働く労働者などの間で頭痛あるいは目の痛み、のどの痛みといったような不定愁訴を訴える者が増加したということが社会問題化をいたしておりまして、これをシックビルディング症候群というふうに呼んでいたようでございます。この問題は、エネルギー消費効率化などの観点から、建築物の空調システムの運転を行う上で外気の取り入れを制限したために室内空気の汚染が進んだことが主要な原因というふうに言われております。
 一方、我が国では、オフィスビルよりむしろ一般住宅で同様の症状を訴える人々が増加したことから、シックハウス症候群という日本独特の用語が作られてきたものというふうに理解をいたしております。
 こうしたシックハウス症候群に対しまして、厚生労働省におきましては、平成八年度からホルムアルデヒド等の室内濃度の実態調査に着手し、旧建設省等とともに健康住宅研究会を開催をいたしまして、室内空気汚染問題について検討を行ってまいりました。また、平成九年六月にはホルムアルデヒドの室内濃度指針値を策定し、平成十二年年四月にはシックハウス対策関係省庁連絡会議を設置し、関係省庁とも連携を取りながら総合的対策に取り組んでおります。
 こうした対策をしっかりと今後とも進めることによりまして厚生労働省としての責務を果たしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#248
○政府参考人(三沢真君) 国土交通省におきましては、シックハウス問題に速やかに対応するということから、平成八年に学識経験者や関係省庁などから構成する健康住宅研究会というのを設置しまして、平成十年には消費者向けのマニュアルや設計・施工者向けのガイドラインを整備しました。また、平成十二年に施行された住宅品質確保法に基づきまして、まずその中で建材等級の表示を開始するとともに、平成十三年には濃度測定結果も表示内容に加えるなど、いろんな形で取り組んでまいりました。
 今回、更に国として十分な責務を果たすという観点から、建築基準法による規制によりシックハウス対策に取り組むということにしているものでございます。
#249
○渕上貞雄君 次に、化学物質の規制についてお伺いをいたします。
 規制する化学物質が、厚生労働省の指針の値が定められているものでも十三種類あるというふうに言われておりますけれども、二種類の物質しか規制をしない。これは先ほども議論がありましたが、その禁止と区別の違いについて御説明願いたいのと、なぜ二種類以外の物質がいいのかについてお尋ねをいたします。
#250
○政府参考人(三沢真君) まず、禁止と使用制限との違いでございますけれども、クロルピリホスにつきましては、厚生労働省の定めた指針値が極めて微少に設定されております。したがいまして、これは換気設備等を設けても室内濃度を指針値以下に抑制することは技術的に困難でございますので、これはクロルピリホスを発散するおそれのある建築材料は使用禁止ということにしております。
 それから、ホルムアルデヒドについては、発散量の低い建築材料を使用し適切に換気設備を設置すれば厚生労働省の指針値以下に抑制することが可能であるということから、使用制限ということにしているところでございます。
 それから、なぜ当面二物質なのかということでございますけれども、私どもといたしましては、先ほどから申し上げているように、室内空気汚染による健康影響が出るおそれのある化学物質については、最終的にはすべてこの基準法に基づく規制対象とする方針でございます。ただ、そのためには、具体的にその規制値を決めるためには、いろいろな建材についてどういう化学物質がどれだけ使用されている、発生量がどれだけかということをきちっと調査を踏まえる必要がございます。今回、まず取り急ぎホルムアルデヒドとクロルピリホスについて規制を行うこととしておりますけれども、他の物質につきましては、今後精力的に調査を進めまして、そういう調査が出て規制値ができるという段階になりましたら、速やかにこの規制の対象にしていきたいというふうに考えております。
#251
○渕上貞雄君 二種類の、二種類だけの対策について厚生労働省にお伺いしますが、今回二種類の物質しか規制しなくても十分な対策になると考えているかどうか、お伺いいたします。
#252
○政府参考人(鶴田康則君) 先ほど出ておりますように、室内の空気中濃度の指針を定めているものが十三物質あるわけでございまして、これは室内空気中に存在する人体に何らかの影響を及ぼす可能性があるすべての化学物質を対象とした上で、海外における指針等の設定とか国内における実態調査の結果を選定基準として順次選定してきたものでございます。
 今回の建築基準法の改正案におきましては、発生源や発散量等の研究が進展いたしまして、建築材料等の基準を定めることが可能になったと、可能になったホルムアルデヒド、クロルピリホスの二物質から対象としたものと理解しております。
#253
○渕上貞雄君 次に、建築基準確認後のシックハウスについてお伺いをいたします。
 建築基準法による対応では、建築基準を確認時に満たしていても、その後、化学物質の基準濃度をクリアしているかどうか分からないわけでして、シックハウスを引き起こす可能性もあると考えられます。その見解はいかがでございましょうか。また、建築基準の決定の在り方についてもお尋ねいたします。
#254
○政府参考人(三沢真君) 今回の建築基準法に基づいて政令で具体の基準を定めるわけでございますけれども、その定めますに当たりましては、化学物質の室内濃度が高くなる夏季の厳しい条件や、それから一定の家具が設置されるということも想定しまして、建築材料や換気設備の基準を定めるということにしておりまして、かなり安全を見込んだ基準を定めるという前提でこれから作業を進めるというふうにしております。
 この基準を守っていただければ、通常の状態であれば室内濃度が指針値を超えることはないというふうに考えておりますけれども、ただやはり気象条件であるとか、あるいはいわゆる建材以外の家具等の設置の量であるとか、あるいはその使い方、やっぱり非常に重要なのは換気と、それから例えば換気をしないで室内の空気が非常に悪くなるような使い方をされている、そういうようなことがあった場合に例外的に室内濃度が指針値を超えるということは、これはあり得るものだと考えております。
 したがいまして、今回の基準法に基づきます規制と併せまして、換気の問題も含めて、やはり使い方も含めた留意事項につきまして、きちっとした形でいろいろな消費者の方々にも情報提供を図っていくということが非常に大事だというふうに考えておりまして、こういう点について今後またいろいろ努力していきたいというふうに考えております。
#255
○渕上貞雄君 次に、業者の免責についてお伺いいたします。
 今回導入される基準を満たしていれば、その後シックハウスになっても業者は免責されるのかどうか、お伺いいたします。
#256
○政府参考人(三沢真君) 建築基準法を守っている場合には、まず建築基準法の違法性はないわけでございます。その場合に、シックハウスが結果として、シックハウス症候群が結果的に出たという場合には、これはなかなか一概にお答えするのは難しい問題でございまして、先ほど申し上げましたように、どういう条件下で、例えば濃度超過が出たのかとか、あるいはその使い方の問題等もいろいろ絡むわけでございます。
 したがいまして、この点は結局ケース・バイ・ケースで判断するということになるかと思いますし、また、あらかじめ契約の中でどういう定めをしていくかによっても異なり得るものというふうに考えております。
#257
○渕上貞雄君 今のお答えですと、非常に、今までのこの問題についての現れてくる現象面についての環境の変化によって随分違うと。したがって、出てくるかどうかについてはケース・バイ・ケースと。もう一つは、やはり建築をしていく場合の契約の在り方で変わってくると、こういうふうに理解しておけばいいんですか。どういうふうに理解すればいいんでしょうかね。
#258
○政府参考人(三沢真君) 例えば、契約の中で結果的にこういう症状が出れば必ず責任を負いますよということをもちろん決めていれば、当然それは、そういう契約に基づく責任は生じるかと思います。
 ただ、一般論といたしまして、そういう契約を常に決めるということもなかなか期待し難い中で、具体的にどういう責任になるかということについては、結局、やはり最終的に裁判所の方でそういう因果関係について、つまり住宅の建築と結果として出た症状につきましての因果関係をどう判断するかという問題になろうかと思います。
#259
○渕上貞雄君 この問題はまた研究さしていただきます。
 次に、悪質な業者の規制の問題についてお伺いをいたします。
 建築基準法ほど守られていないという法律はないとちまたで言われておりますけれども、今回のような法改正を行っても悪質な業者を規制することはできないと私は思うんでありますが、もっと有効な対策は考えられておるのかどうか、悪質業者に対する取締りについて。
#260
○政府参考人(三沢真君) 一つは、まずこういう基準に適合しているということを審査するために建築確認、それから工事完了検査等、そういうのが義務付けに応じてきちっとした審査が行われるようにやっていくということが一番大事でございます。ただ、そういうのを受けないで勝手にやるということがあるではないかという御指摘だと思います。
 現実に、確かに違反建築物というのはあるわけでございまして、これにつきまして、やはり違反建築物対策として、先ほどの御審議の中でもいろいろ、きちっといろんな対応をすべきだというお話がございまして、例えば改修命令とか、そういうことも含めた厳正な措置を講ずるということを各公共団体にも周知徹底を図っていきたいということと、それからやはり、そういうことがもし判明した場合に、やっぱり設計者の責任もきちっと問う必要があるということで、例えば建築士法等に基づき資格の取消し等きちっとした処分を行っていくということも今後やっていきたいというふうに考えております。
#261
○渕上貞雄君 次に、既存の住宅対策についてお伺いいたしますが、今回の制度は住宅を新築、改築などを行うときに初めて規制をされるものですけれども、既存の住宅対策はどのようにお考えなのでしょうか。
#262
○政府参考人(三沢真君) 建築基準法では、既存の建築物に対しましては増改築とか大規模な修繕、模様替えを行う時点で既存の部分も含めて新しい規制に適合するということを求めております。したがいまして、このシックハウスの規制についてもそういう機会をとらえて基準に適合するということを義務付けていくというものでございます。
 それから、誘導的な措置といたしましては、やはり既存住宅のリフォームというのは非常に重要な課題になるわけでございますので、先ほどからお話ございます換気設備に、失礼しました、換気設備も含めましてリフォーム工事、これについて平成十四年度で融資限度額を五百三十万から一千万円まで引き上げて、これについて積極的にリフォームの推進を図るということと、それからやはり既存住宅のリフォームについての技術開発、これが大変重要でございまして、この研究開発も進めるということにしております。
 それから、平成十四年度中を目途に、中古住宅について性能表示、住宅性能表示制度の対象とできるように現在制度を検討を進めておるところでございます。その中で、もう新築については化学物質の濃度測定結果の表示もその中に含まれておりますけれども、中古の場合についてもそういうことを含めた表示制度の運用ということをこれからやっていきたいというふうに考えております。
#263
○渕上貞雄君 次に、シックハウス対策の公的な支援についてお伺いをいたします。
 シックハウスに悩む人に対する対策が何らかやはり講じる必要があるのではないかと思いますが、例えば治療費の一部負担だとか、住宅の改築に対して何らかの公的な支援をすると、しなければならないと、しようというふうに考えておられるか、厚生労働省にお伺いいたします。
#264
○政府参考人(下田智久君) シックハウスで悩んでおられる方は実際のところどれぐらいおられるのかというのは、なかなか、いろんな研究がございまして、正確にはつかんでいないところでございますが、こうした方々が医療機関に掛かられた場合にはそれぞれ必要な検査あるいは薬剤の投与等々につきまして保険においての給付を現在行っておるところでございます。
 また、こうした診断につきまして、その能力を高めるために医療機関の充実を図っておるところでございまして、特に国立相模原病院にクリーンルームを整備し、近々に東京労災病院にもクリーンルームを整備していく、またこのことにつきましては順次拡充整備を図っていく予定ということといたしておるところでございます。
#265
○渕上貞雄君 次に、建築基準法関係についてお伺いをいたします。
 総合設計制度の住民参加についてお伺いいたしますが、総合設計制度は都市計画で定められた規制を特定行政庁が個別に許可をし、緩和をするものですが、その手続に住民が参加をしておりません。都市計画の例外となる制度になぜ住民を参加させないのか、お伺いをいたします。
#266
○政府参考人(三沢真君) 総合設計制度は、敷地単位で容積率制限や斜線制限等を緩和するものでございまして、言わば都市計画で定められる容積率や建ぺい率を前提としつつ、敷地内で歩行者が日常自由に利用できる空地を設けるなどの個別の建築計画を判断して、市街地の環境の整備改善に資するということが認められるような場合に特定行政庁が許可するという制度でございます。
 したがいまして、この制度は既存の都市計画が目指すべき市街地の環境水準を確保するという、その範囲内で適用されるというものでございまして、その趣旨から特段の住民参加手続というものを要求していないというものでございます。
#267
○渕上貞雄君 総合設計制度の廃止についてお伺いいたします。
 総合設計制度は、特定行政庁に広範な裁量権を与えて、不十分ながら住民参加手続を得て決まった都市計画の例外を特定行政庁の思うがままに認めるものであり、業者との癒着の温床にもなると考えられます。このような問題のある総合設計制度は廃止すべきだと考えますが、その見解はいかがでございましょうか。
#268
○国務大臣(扇千景君) 総合設計制度、御存じのとおり、敷地の中に一定のオープンスペースを造って、それを確保をした場合にはその容積率の割増しというのを行うという制度で、少なくともこれ、昭和四十五年に導入されて以来、平成十三年三月までに全国で二千三百五十一件適用例がございます。広く活用されているというのは、この数字を見てもお分かりいただけると思います。
 例えば、私もよく行って大変快適だなと思いますのは、事例を挙げさせていただきますと、恵比寿のガーデンプレイス、それから、私も九州へ行きましたときに博多の、大川端のリバーシティ、これも適用しております。
 そういう意味では、私は、特に良好な市街地の環境が確保されることによって私は容積率の割増しが行われていると、そしてそれによって快適な環境の中でそういうものが利用されているということで、私は、例えば阪神・淡路大震災、先ほども例が出ましたけれども、これは百五地区で建て替えの再建が完了しておりますけれども、そのうちの百五の中で五十一地区で総合設計制度はこれ活用されております。
 そういう意味で、現状のこの活用状況を見たときには、私は今後も進めるべき都市の再生においても大きな効果があると、そう思っておりますので、引き続いてやっぱりこれは活用させていただきたい、そしてよりこれをすばらしい環境に活用していただくということを進めていきたいと思っています。
#269
○渕上貞雄君 次に、総合設計確認化についてお伺いいたします。
 今回導入されるいわゆる総合設計の確認化は、都市計画の例外を建築確認で安易に認めるもので問題であり、このような手続は導入すべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
#270
○政府参考人(三沢真君) 今回導入することとしております特定行政庁の許可を経ないで建築確認の手続で容積率の緩和を行うという仕組みでございますけれども、これは総合設計制度、昭和四十五年に創設されまして、二千三百件余の実績を積んでまいりました。その中で運用上定型化してきたものを対象とするというものでございますので、従来の運用の延長線上の中で定型化できるものはもうこの確認手続の中で判断しようと、こういう趣旨でございます。
 具体的には、一定の敷地面積、空地割合以上を確保するものについて適用するということで、しかも、更に必要に応じまして特定行政庁で対象区域の限定とか緩和の程度を引き上げるということを可能にしているということでございます。
 したがいまして、これについては、許可を経ないで建築確認の手続でやるという改正をすることにつきましては、むしろ容積率の緩和についての事前確定性の向上とか手続期間の短縮という非常にメリットの面は大きいというふうに考えております。
#271
○渕上貞雄君 先ほども議論になりましたけれども、斜線制限の緩和について。
 今回導入される斜線制限の緩和処置は、先ほどもちょっと議論ありましたけれども、市街地の環境悪化を引き起こすことになるのではないかというふうに思うんでありますが、特に斜線制限の緩和に際しては住民の意見というものは具体的にどのように反映されるのか、その見解をお伺いいたします。
#272
○政府参考人(三沢真君) 今回の斜線制度の緩和措置は、先ほどからいろいろ議論になっておりますが、天空率という新たな判断指標で採光、通風等の市街地環境が現行の斜線制限を適用した場合と比較して低下しないということを確認して、この適用を除外するというものでございます。
 したがいまして、これは市街地環境の悪化を招くというものではなくて、むしろ、従来から斜線制限によりまして外壁を斜めに切り取ったような非常に景観的にもいろいろ批判が多いという点もございまして、そういう意味ではむしろその景観という面からは良好な町並み景観の形成に資するという面があるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、趣旨は現行の斜線制限と同程度以上の市街地環境を確保できるというものが趣旨でございますので、特段の住民の意見の反映の手続は必要がないというふうに考えておる次第でございます。
#273
○渕上貞雄君 次に、日影規制緩和と住民意見の反映についてでありますけれども、現在、日影規制が課せられている地域について、今回の改正案に従い日影規制を緩和する際にはやはりそこに住んでいる住民の方々の御意見を聞くべきではないかというふうに思うんでありますが、その点はいかがでございましょうか。
#274
○政府参考人(三沢真君) 日影制限の測定面の高さの選択肢の拡充は、これも先ほど来御議論いただいておりますように、計画的な開発によって低層階に住宅以外の用途を導入する場合や、それから既に相当数の店舗や事務所が建ち並んでいる場合など、そういう場合に公共団体が指定するというものでございます。
 これにつきましては、地域の実態を踏まえまして公共団体が条例で定めるということでございますので、条例制定の過程においてこういう住民の意見というのも十分反映されるというふうに考えております。
#275
○渕上貞雄君 東京都の場合についてお伺いいたします。
 これ、先ほども議論がありましたので質問することがいいかどうかもちょっと私自身も悩んでいるところでありますけれども、日影制限が課せられています東京の場合、今回の改正によってどんなふうに変わっていくのでしょうかね。具体的な形としてどういうことを想像すればいいのか、お伺いいたします。
#276
○政府参考人(三沢真君) これは、正にこれから東京都がこの制度を前提としていろいろお考えいただくということでございます。
 先ほど二十三区の半分が全部これを選択するのではないかというようなお話がございましたが、これはちょっと半分ということは考えられないんではないかというふうに考えております。四メートルの日影制限が適用されている区域の面積は約三万ヘクタールでございますけれども、このうち最も緩やかな規制値、これは五メートルラインで五時間の日影、十メートルラインで三時間の日影、これが最も緩やかな規制値でございますけれども、それが適用されている区域が約九千ヘクタールございますので、まずこの九千ヘクタールの中からそういう六・五メートルの選択肢を適用する区域を選んでいくのかなというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、これはちょっとこれから東京都が具体にその地域に即していろいろ御検討いただくものだというふうに考えております。
#277
○渕上貞雄君 次に、都市計画法関係についてお伺いをいたします。
 都市計画提案制度についてお伺いいたしますが、今回創設をされる都市計画の提案制度では、道路、高層建築物等の建設反対のために提案することは認められると考えますけれども、見解はいかがでございましょうか。
#278
○政府参考人(澤井英一君) 今回の都市計画の提案制度につきましては、一体として整備、開発又は保全すべき土地の区域としてふさわしい政令で定める規模以上の一団の土地の区域について行うことができるというのが前提でございます。要件といたしまして、都市計画区域のマスタープランなどの都市計画基準に適合すること、それから土地所有者等の三分に二以上の同意を得ること、それから一定規模以上の土地の区域に係る提案であるといった要件を満たしている、そういう必要があるわけであります。
 この制度は、私どもといたしましては、身の回りの生活空間の質を高めるためのまちづくり提案のようなものを主として期待しているものでありますけれども、先ほど申し上げました三つの要件に該当する場合には、一定の事業に反対するための提案を行うことも制度的には可能でございます。こうした提案があれば、これを踏まえた、この提案を踏まえた手続が他の提案の場合と同じように進められることになります。
#279
○渕上貞雄君 なお質問通告しておりましたけれども、時間の関係で終わります。
#280
○委員長(北澤俊美君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#281
○委員長(北澤俊美君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建築基準法等の一部を改正する法律案及び特定有害物質による建築物の居室内の空気汚染の防止等に関する法律案の審査のため、来る十八日午前十時に、また、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十三日午前十時に、それぞれ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#282
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認めます。
 なお、人選につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#283
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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