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2002/04/25 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第13号
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2002/04/25 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第13号

#1
第154回国会 国土交通委員会 第13号
平成十四年四月二十五日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     北岡 秀二君     西銘順志郎君
     野上浩太郎君     福島啓史郎君
     弘友 和夫君     渡辺 孝男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北澤 俊美君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                藤井 俊男君
    委 員
                荒井 正吾君
                月原 茂皓君
                西銘順志郎君
                野沢 太三君
                福島啓史郎君
                松谷蒼一郎君
                森下 博之君
                森山  裕君
                吉田 博美君
                池口 修次君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                藁科 滿治君
                続  訓弘君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
                渕上 貞雄君
       発議者      藁科 滿治君
   委員以外の議員
       発議者      櫻井  充君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  佐藤 静雄君
       国土交通副大臣  月原 茂皓君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       森下 博之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       文部科学大臣官
       房審議官     玉井日出夫君
       文部科学大臣官
       房文教施設部長  小田島 章君
       国土交通大臣官
       房官庁営繕部長  春田 浩司君
       国土交通省総合
       政策局長     岩村  敬君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  澤井 英一君
       国土交通省住宅
       局長       三沢  真君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○建築基準法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定
 建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出)
○特定有害物質による建築物の居室内の空気汚染
 の防止等に関する法律案(櫻井充君外六名発議
 )

    ─────────────
#2
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を開会をいたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 建築基準法等の一部を改正する法律案、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案及び特定有害物質による建築物の居室内の空気汚染の防止等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学大臣官房審議官玉井日出夫君、文部科学大臣官房文教施設部長小田島章君、国土交通大臣官房官庁営繕部長春田浩司君、国土交通省総合政策局長岩村敬君、国土交通省都市・地域整備局長澤井英一君及び国土交通省住宅局長三沢真君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#4
○委員長(北澤俊美君) 建築基準法等の一部を改正する法律案、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案及び特定有害物質による建築物の居室内の空気汚染の防止等に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○谷林正昭君 おはようございます。
 今、委員長の方からありました法案の審議に先立ちまして、一言だけちょっと大臣に聞いていただきたいことがございます。しばらく時間をおかりしたいと思います。
 実は、昨年の十二月の三十日に兵庫県の明石市の大蔵海岸というところで砂が陥没をして、そこに四歳になった金月美帆ちゃんという方が生き埋めになりました。そしてその後、関係者の大変な努力によって、今も実は意識不明のまま入院をしております。お父さん、お母さんは、会社を休業させていただいて、付きっきりで看病を実はされております。
 このお父さんは実は私十年来の付き合いがございました。テレビで見たときは、えっと思いました。そして、その後相談があったときには取り乱しておりまして、先生何とかしてください、こういう感じでございましたが、私はそのときには今はそんなことよりも、だれを責めるということよりも、まず娘さんのそれこそ元気になる、そういうことを信じて看病した方が、してください、あとの問題は私は幾らでも力になります、こう言って、実は何遍も何遍もお話をしました。
 ようやく気持ちが落ち着いて、四月の十九日の日、つい先日でありますけれども、私の事務所に来ていかれました。そして、国土交通省始め明石市の皆さんや関係者の皆さんに大変お世話になっている、ようやく心が少し落ち着いてきた、先生、聞いてください、身長が二センチも伸びました、体重も四キロ増えました、そういうことを考えたときに、今、わらをもすがる思いで奇跡を何とか期待しながら看病しています、こういうことをおっしゃって帰っていかれました。
 私は、今一生懸命闘っている四歳の子供、そしてその子供を見守りながら奇跡を信じて看病している親、えてして時がたてばこういう事故は世間からは忘れがちになる、忘れ去られてしまうかと思いますけれども、是非、大臣、この事故を忘れないで、国土交通省として是非この後も見守っていただき、できることがあれば、お願いすることもこの後出てくるかと思いますが、よろしくお願いをこの場でさせていただきます。
 答弁は要りません。気持ちを言わせていただきましたので、もし最後に何かありましたらまた聞かせていただきたいと思います。本人も、お父さんも元気付けていただけるというふうに思います。申し訳ございません、ちょっと涙出てきました。済みません。
 シックハウスの関係で、議論が尽くされたというふうに思っておりますが、この場をかりまして、このシックハウス問題について、これまでの慣例を一歩前進をしながら、もう一遍この議題をこの委員会でのせて議論をしてもいいじゃないかという、それこそ与党筆頭理事の鈴木理事を始めとする多くの関係者の皆さんの努力によってこのシックハウス問題が議論されてきたというふうに思います。改めて、関係各位の皆さんのこのこれまでの慣例を一歩前進しながらの、今社会問題になりつつあるこの問題を議論したということは非常に大きな私は成果だったんではないかということをまず言わせていただきます。委員長の御努力にも心から感謝を申し上げます。
 そこで、率直な意見、議論をした中で浮き彫りになったのは、今も患者が増え続けている、これが一つ浮き彫りになりました。それから、もう一つ浮き彫りになったのは、治療の方法が見当たらない、これも浮き彫りになりました。それから、病気という認定が明らかにならない。シックハウス症候群というのは果たして病気なのか、そのほかにもまだ原因があるのかということで明らかにならない。あるいは、驚いたことに想像以上の多くの患者さんがいるということも明らかになってまいりました。
 この場で議論したそういう明らかになったことをこれからより法律にどう生かしていくかということが、率直な議論の展開がされたというふうに私は思っております。そして、このシックハウス症候群に対する認識の一致を見た中での大きなポイントは、ほうっておくわけにはいかない、こういう認識だというふうに思っております。
 そこで、ある方もおっしゃいました。政府案、民主党案にかかわらず、早急な対策というものもやっぱり考えるべきではないか、こういう声も多数出てきたところでありますし、一歩前進というよりも、このシックハウス症候群の問題は、更なる前進を国土交通省としても、そして関係省庁を巻き込んで前進をしなければならない問題だというふうな認識も恐らく一致しているというふうに思います。
 そういう意味で、総括的ではありますけれども、最後にもう一遍、くどいようでありますが、質問を五点させていただいて、国土交通省の考えをもう一遍聞かせていただいて、更なるこういう前進に向けての答えをいただきたいなと思って、くどいようでありますが、質問をさせていただきます。
 その一点は今の基準法改正、建築基準法の改正の中で、当面はホルムアルデヒドとクロルピリホス、言いにくいんですが、これを規制しているわけでございますが、シックハウス症候群を引き起こすのはこれだけではないというふうに思っております。民主党案ではこのほかにトルエン、キシレン、アセトアルデヒド、こういうものも規制するべきではないか、こういう意見を述べさせていただきました。
 そこで、質疑の中から分かってきたのは、このシックハウス症候群の発症を未然に防止するためには、建築基準法で他の物質についてもできる限り早く規制対象に私はするべきだと、考えるべきだと、このように思いますが、いかがでしょうか。
#6
○政府参考人(三沢真君) まず、今回の建築基準法改正案におきましては、室内空気汚染による健康影響が生ずると認められる化学物質は、最終的にはすべて政令で規制対象に追加していく方針であるということを最初に明確に申し上げさせていただきたいと思います。
 その中で、今回まず二物質について規制をすることとしておりますけれども、これらの化学物質につきましては、発生源が特定されまして、発散量と室内濃度との関係がほぼ明らかになっているということから、今回具体的な基準を決めることが可能となっているという判断でございます。
 一方、トルエン、キシレン等につきましては、ホルムアルデヒドと比べて、発生源となる可能性のある建材、家具、家庭用品等、極めて多種多様でありまして、また、それからの発生量と室内濃度との関係も必ずしも明らかになっていないという現状でございまして、現在直ちに具体的な基準を定めることは困難でございますけれども、これにつきましては、関係省庁と連携いたしまして、発生源の特定や発散量と室内濃度の関係についてできるだけ調査を急ぎまして、こういう調査結果が明らかになった段階で順次規制対象に追加していきたいというふうに考えております。
 なお、アセトアルデヒドにつきましては本年一月に指針値が設定されたところでございまして、早速今年度、約三千戸の住宅について実態調査を行うこととしているということを申し述べさせていただきたいと思います。
#7
○谷林正昭君 是非、この後のそういう展開をお願いしたいというふうに思います。
 次の質問に入ります。
 このシックハウス症候群を未然に防ぐというのはまあ理想ではありますけれども、民主党案が示すように、でき上がったものを検査をするというのが理想かも分かりません。あるいはVOCやトータルVOCを規制するということも大切だというふうに思っておりますが、急にできないというのであれば、せめてトルエン、キシレン、今ほども申し上げましたけれども、アセトアルデヒド、こういうものについてのガイドラインの策定なども今、取れるときに取るべきではないか、取れる時期に取るべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#8
○政府参考人(三沢真君) トルエン、キシレン、アセトアルデヒド等につきましては、ただいま申し上げましたように、直ちにその規制の基準を定めることは困難ではございますが、ただ、やはりその規制対象とする前においても、できる限り濃度の抑制が図られるような対策を講じていくということは、先生御指摘のとおり、極めて重要であるというふうに認識しております。
 国土交通省といたしましては、今回、直ちに規制対象とはしないトルエン、キシレン等につきましても、この改正法の施行までに設計・施工者向けのガイドラインをきちっと作成いたしまして、現時点での科学的知見やデータを最大限活用して、発散のおそれのない建材の使用を促進すること等を盛り込んだそういうガイドラインを作成した上で、建築・住宅関係団体に対しても周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
 それから、今後、トルエン等を建築基準法の規制対象に追加するための調査を行うというふうに申し上げましたが、こういう調査の進捗状況につきましてもきちっと定期的に情報を公開いたしまして、国民に対して十分な情報の提供に努めていきたいというふうに考えております。
#9
○谷林正昭君 情報公開、非常に私は大切だというふうに思います。
 次の質問でありますが、この建築基準法の改正ではホルムアルデヒドとクロルピリホス、先ほどから言いましたように、この二つの物質だけでありますけれども、この物質の場合は、業者から建築基準法を満たしていると一方的なことを言われて、もしシックハウスが生じたとしても何ら責任を取らないということが実は残念ながら予想されるのではないかというふうに思います。
 住宅契約に当たっては、どうしても業者の方が圧倒的に有利で、消費者が契約期に、契約後にこの住宅を買わないということも難しいということから、消費者が俗に言う泣き寝入りをすることになるのではないかという懸念もされます。今回の建築基準法改正案は建築業者にいわゆる免罪符を与えることにもなりかねないのではないか、そういうふうに思うわけであります。このようなことがないような正確な情報が消費者に理解できる形で伝わるように、何らかの措置を取る、講ずるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#10
○政府参考人(三沢真君) 今回の改正法による規制と併せまして、やはり消費者に正確で分かりやすい情報を提供するということは、シックハウス対策を進める上でも極めて重要な課題であるというふうに考えております。
 今回の基準法改正を契機といたしまして、例えば、基準法を守ればすべての化学物質に起因するシックハウス対策は万全だというような誤解が生ずるということのないように、やはり基準法の今回の規制内容はどこまでやっているか、どういうことをやっているかということとか、それから住まい方の留意点、こういったようなことにつきまして消費者に正確で分かりやすい情報の提供、周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
 具体的には、まず、やはり消費者に対して直接情報を提供するということが非常に重要でございまして、これにつきましては、この法の施行までに、この改正法の仕組みとかあるいは規制対象物質は当面この二つの物質であるという点、それから、やはり換気設備の利用が重要であるというようなことを説明をいたしました消費者向けのパンフレットの作成、そういう作成しましたパンフレット等によりましてまた公共団体や各種の住宅センターにおいてきちっと説明できる体制、それから各機関のホームページにいろんな正確な情報を掲載する等の措置を取っていきたいというふうに考えております。
 それからもう一点、やはり住宅供給に携わる事業者が消費者に対して正確な説明をしていくということも極めて重要でございまして、これにつきましても、施行までに、今回の基準法の改正内容、それから今回の基準法で当面規制対象となる物質、そういったことについての消費者への正確な情報提供の方法とか、それからいわゆる誇大広告とか不当表示にならないような消費者への説明方法、そういったことを盛り込んだ事業者向けのガイドラインをきちっと作成いたしまして、これにつきましても建築・住宅関係団体に広く周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
#11
○谷林正昭君 前向きな答弁を今いただいておるわけでございますが、是非徹底方をお願いしたいというふうに思います。
 あと二点、お願いをしたいというふうに思います。
 安心で安全な住宅を供給するということがもう一番大切なことでありますけれども、今、そのときに住宅品質確保法、いわゆる品確法というのがクローズアップを私はされてくるんではないかというふうに思います。この品確法の中で住宅性能表示制度というものがございまして、完成した住宅の濃度測定の結果が表示できることとされております。そのときに、いわゆる品確法で測定したが、測定結果が基準値を上回っていた場合、特段の措置は定められておりません。
 そういったときに、濃度測定の重要性を考えれば、いわゆる品確法に基づく濃度測定の結果の表示の周知徹底は当然というふうに思いますが、測定結果に基づいて業者と交渉する場合、消費者が相談できる体制の整備を積極的に私は進めておくべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#12
○政府参考人(三沢真君) いわゆる品確法に基づきます住宅性能表示制度によりまして住宅の竣工時の濃度測定をするという仕組みにつきまして、まず、消費者に周知徹底を図っていくということは極めて重要でございますし、また、濃度測定の結果を踏まえて、じゃ消費者がどうしたらいいんだろうかということを、対応策を相談できる体制を整備するということも必要不可欠な課題であるというふうに認識しております。
 まず、このため、表示制度の、濃度測定の制度の周知徹底につきましては、これはいろいろ従来からもパンフレットやビデオの作成とか政府広報やホームページの活用、あるいは住宅金融公庫の融資の案内書に情報掲載をする等の方法を取ってきたわけでございますけれども、これも今後とも一層積極的な周知を図っていきたいというふうに考えておりますし、それから、指定住宅性能評価機関の中には、この住宅性能表示制度によらないいわゆる単独の任意の測定サービスを実施しているという機関もございまして、こういうサービスにつきましても積極的に情報提供を進めまして、消費者の方で使いやすいような周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
 それからもう一点、現在、住宅性能表示制度は新築住宅を対象としておりますけれども、今後、中古住宅を対象に加えた制度拡充を図る予定にしております。その際にも、やはり中古住宅についても化学物質の濃度測定結果の表示を盛り込むように今後検討していきたいというふうに考えております。
 それからもう一点、濃度測定の結果に基づいて消費者がいろいろ対応策を相談できる体制という点につきましては、これも品確法に基づきます、住宅紛争、支援センターにおきまして、これまでシックハウス問題の担当相談員の育成、配置、あるいは学識経験者とか建築専門家等のアドバイスを受けられるような体制の整備、それから、これは電話での聞き取りもやっておりますけれども、それだけでは一定の限界もあるということで、面談でシックハウス専門相談が受けられるような体制の整備と、こういうことも図ってきたところでございます。
 特に、当事者間での紛争になっているような事例につきましては、やはり法律の専門家からのアドバイスというのが受けられるということが非常に重要でございますので、こういうような法律専門家からのアドバイスを受けられるような体制の充実というのも図ってきたところでございます。
 今後とも、こういうセンターの体制の充実のほか、関係省庁とも協力しながら、公共団体とか関係団体におけるいろいろな情報提供あるいは相談体制の充実につきまして、いろんな補助制度もございますので、そういうことの活用も含めまして支援していきたいというふうに考えております。
#13
○谷林正昭君 最後のこのシックハウスの質問になりますが、どうしても抑えておきたいというふうな部分がございます。それは、どうしてもやっぱり、どんなE0とかFC0とかという等級の木材を使っても、建ててみて、完成したものを測ってみなければ分からないというのが私は現実ではないかというふうに思っております。しかし、今の時点で、答弁の中にもありましたが、技術的な問題があって、測定値で規制するということは非常に難しいんではないかという答弁もございました。全く理解できないというわけでもございません。
 そういう意味で、是非、今後技術的に、将来技術的に可能になったら、私はやるべきところからやっていく、これが大事ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#14
○政府参考人(三沢真君) 大変なかなか難しい問題でございますが、おっしゃられますように、化学物質の室内濃度というのは建築物の構造上の条件だけでなくて測定時の気象条件によってもいろいろ変動するということから、このため、残念ながら現在の技術では濃度実測値は規制基準とするというのは困難であり、またそのコスト面等の課題もいろいろあるというふうに考えております。ただ、室内空気環境の指標あるいは情報としては、やはりそういう濃度測定値の実測値というのは有益なものだというふうには考えております。
 したがいまして、これは今後の幾つかの前提条件がどういうふうに満たされていくかということにもよるわけでございますが、一つは、室内濃度について信頼性、安定性があって簡便な測定方法が開発されるという、ひとつやっぱり、技術開発の進展がどうなるか。それからもう一つは、やはりコストが掛かることでございますので、濃度測定コストの負担について今後どのくらい安くなり、それについてまた消費者の理解が得られていくかというような点。それから三つ目は、これはやはり濃度の結果と、それから濃度を守るために具体的に何をやったらいいかということが併せて常に分かっているということがやっぱり大事でございまして、そうしますと、やっぱり消費者とか例えば中小零細の事業者の方々から見ても、この濃度を抑えるために具体的にどうすればいいかということについて分かりやすくて具体的な対策方法が併せて策定される、それが可能になるというような幾つかの条件が必要かと思いますが、こういった条件がある程度整ってきます場合には、濃度測定というのを何らかの形でその基準とかあるいはルールの中で用いていくということも将来的な検討課題としてはあり得るのではないかというふうに考えております。
#15
○谷林正昭君 今の答弁からも、正にシックハウス症候群、この対応をほうっておくわけにはいかない状況だというこの委員会の認識もある中での答弁だというふうに思いますし、政府としてでも積極的に、今後の対応を前向きに、そして一歩でも二歩でも前進しながら、このシックハウス症候群に苦しんでいる人たちの心、そしてそれが心配で住宅が建てられない、それが心配で住宅を買えない、こういうものをきっちり払拭してこそ私は日本国民の住宅の安定した供給にもつながっていくというふうに思いますので、是非一層の研究調査、そして指導を心からお願いする次第でございます。
 次に、ハートビル法、俗に言うハートビル法の質問に入らせていただきます。
 平成五年に障害者基本法ができました。そして平成六年にはハートビル法ができました。平成七年に高齢社会対策基本法ができて、その理念を生かしながら多くの法律もできてきているところでございます。そして、平成十二年では交通バリアフリー法という画期的な法律ができて、その法律に基づいて今、全国でもうそれこそ物すごいエネルギーでこの交通バリアフリーといいますか、バリアフリーという言葉、そして実際に作業が進んでいる。そして、そこに合わせて、今言われてきているのは心のバリアフリー、こういうものもやっぱりしっかりやっていくべきではないかというふうな話も出てきております。
 私は、平成十二年の交通バリアフリー法のときに、二階運輸大臣、当時の運輸大臣の下で議論を徹底的にやらせていただきました。二階、当時の大臣は、何ぼハードでやっても大事なのは心だと言って、おっしゃいました。そして、副読本ということでその審議状況を一冊の本にして大臣がまとめられたその表紙には、「心のバリアフリーを」という、そういうタイトルも付けられております。
 そういうことを考えたときに、私は、このハートビル法というのはより一層心に響く法律にしていかなければなりませんし、だれのためのバリアフリーか。そして、アメリカが進んでいる、ヨーロッパが進んでいるということは分かっております。しかし、日本は後れているという観点に立たないで、正にこれから追い付くんだ、こういう思いで法律整備、そして条例、地方との連携、政令の整備、こういうものが必要になってくるというふうに思います。
 そこで、質問に入らせていただくわけでございますけれども、先般、参考人の野村参考人の方からありましたバリアフリー、ハートビル法の中での議論を、主宰した方でございますが、その方がまとめたものが平成十四年の一月三十日に社会資本整備審議会建設分科会に上げられまして、そこから一月の三十日に第一次答申が出されております。その心や思い、そういうものがこの法案にほとんど反映されている、こういうふうにおっしゃっておられました。
 私は、住宅局長の諮問機関で徹底的に議論をされたものが、そしてこういうふうに法律に出てくるということは非常に大切なことだというふうに思いますし、そこでお聞きしたいわけでございますけれども、その意向がほとんど法案に入っているというふうに参考人はおっしゃいましたけれども、まだ積み残した部分が私はあるのではないかというふうに思います。そういう積み残した部分、提言の中から積み残した部分があるように思われますので、もしあるのならある、じゃ、その提言をどうこの後、法案整備やあるいは条例、地方との連携に生かしていくのか、そこら辺りをお聞かせいただきたいと思います。
#16
○政府参考人(三沢真君) まず社会資本整備審議会は、これ国土交通大臣の諮問機関でございます。この審議会の答申の内容の中で、建築物のバリアフリー対応の推進に関する部分につきまして、今回、法制上措置すべき事項については基本的にすべて対応させていただいているというふうに認識しております。
 それから、政省令で定める基準等については、答申の中で、今回新たに法律の対象となる用途について利用者の特性に応じて適切に定めるというふうに書いてございまして、そういうことが求められておりますので、今後、そういう答申の内容を踏まえて基準の制定を政省令等で進めていきたいというふうに考えております。
 それから、答申の中で、今度、改正法の施行段階の事項といたしまして、交通部門との連携あるいはその建築主、設計者への情報提供、意識啓発、更にバリアフリー対応の必要性の浸透に向けた広報、こういったことが求められておりまして、これらにつきまして、答申の内容を踏まえまして、交通バリアフリー法との連携とか設計ガイドラインの作成、周知といったことに努めていきたいというふうに考えております。
#17
○谷林正昭君 是非こういう答申というものを非常に大切にしながら、この後も進めていくというのも一つの大きな前進するものだというふうに思っております。
 失礼いたしました。建築バリアフリー検討委員会、これが住宅局長の諮問機関であって、社会資本整備審議会建設分科会、これは大臣の諮問機関でありました。どうも失礼いたしました。
 次の質問に入らせていただきます。
 今、この法案に出てきた中で一番大きな評価としてとらえられるものは、これまでは努力義務だったものを、ある部分は義務付けにする、ある部分は努力義務にするというふうに二つに分けて、更に促進を促していくと、こういうふうに見受けられます。
 そこで、一歩前進という評価が非常に高いその部分でありますけれども、義務付けと努力義務に分けた理由についてお聞かせいただきたいと思います。
#18
○政府参考人(三沢真君) 現行のハートビル法は、御承知のとおり、義務付けがございませんで、努力義務になっているわけでございます。
 これにつきまして、一定の規模以上、具体的には二千平米以上の建築物につきましてはかなりバリアフリー化の浸透が進んでいるということを踏まえて、今回新たに義務付けというものを設けたわけでございます。その場合、ただ、じゃ、すべて義務付けにすることはどうかということにつきましては、国が一律に義務付けを行うという建築物につきましては、やはり高齢者、身体障害者等の方々が相当利用が見込まれてバリアフリー対応の必要性が特に高いという点とか、それからやっぱり、今申し上げましたように、現状としてバリアフリー対応がある程度進んできているという現状とか、それからやはり工事費とか、あるいは設計全体の中でどのくらいバリアフリー対応のことをうまく吸収し得るかと、そういったような観点から、今回は不特定多数の者が利用する百貨店、劇場、ホテル等の建築物、それから老人ホーム等で二千平米以上のものということを対象にしているわけでございます。
 一方、それ以外の不特定多数の方が利用する二千平米未満の建築物、それから利用者が不特定ではない、特定されるけれども多数の方が使う学校、共同事務所等については、これは努力義務の対象としております。これは、従来のハートビル法の中で努力義務を課していろいろな指導を行ってきた結果としてバリアフリー対応もそれなりに浸透してきたということを踏まえまして、そういう意味で、義務付けと別に、更にそういう効果を期待する努力義務という区分を設けているものでございます。
 これは、努力義務にするということは、この法律に基づいて条例で上乗せ的に義務付けにすることもできるという対象にもなるわけでございます。したがいまして、今回努力義務にしたものに、なっているものにつきましては、条例によって対象用途の付加とか規模の引下げ等によりまして義務付けに移行できるということによりまして、これら全体としてバリアフリー化の推進に寄与するのではないかという考え方でございます。
#19
○谷林正昭君 義務付けと努力義務に分けたという理由というのはもう一つはっきりしなかったような気もいたしますけれども、努力義務だけれどもやっていけるような、後ほどちょっと触れますけれども、条例との関係もあるというような答弁でございまして、そこで、それはまた後ほど質問させていただきますが、私は、このハートビル法の法律の理念というものがあります。この理念をしっかり生かしていくならば、私は、目標というものを定めて、それに向かって前進するということも大事だというふうに思います。
 特に、努力義務に該当するもの、こういうものに対する目標というものが重要になってくるというふうに思いますけれども、この目標設定をしながらの理念を生かすという手法、どうお考えでしょうか。
#20
○政府参考人(三沢真君) おっしゃるとおり、やはり具体的な目標を掲げながらこういうバリアフリー化を推進していくということは大変重要だというふうに考えております。
 今回、改正法によりまして二千平米以上の特定建築物、これが義務化されるわけでございます。これ、現状では、基礎的なバリアフリー基準への適合率は現在七割ということになりますが、これはもう当然義務化に伴いまして一〇〇%に引き上げるということになるわけでございます。
 それから、基礎的基準よりももうちょっとグレードの高い、誘導的な水準のバリアフリー対応というものもこの法律の中で認定建築物制度ということで用意しておりますけれども、これにつきましても、十四年度予算の政策評価をきちっと行うという中で、具体的なアウトカム指標を設定して、そういうバリアフリー化を推進するということになっておりまして、その中で、現在、そういう特定建築物の誘導的なバリアフリーの対応状況は一割程度でございますけれども、これは平成十七年度には二割に引き上げるというような目標も立てて、いろいろな支援措置を講ずるということを考えているわけでございます。
 ただ、もうちょっとじゃ小規模なものもやったらどうかと、あるいは既存ストックをどう考えるかというような点もあろうかと思います。この点につきましては、一つは、やはりなかなかこれは、構造上とか利用上の制約が非常に厳しくて、いつ建築行為が行われるかということについて、正直言ってどうしてもやっぱり建築主の自発的な意思にまつところが多いということから、具体的な数値目標を国として定めていくというのは非常に困難な面がございます。これらにつきましては、ただ、公共団体の条例で引下げも、対象規模の引下げを可能にしておりまして、こういう点については、地域の実態に応じてバリアフリー化の目標を立てて、それと併せて条例を制定していくというようなことが望ましいというふうに考えておりまして、これにつきましても、いろいろな公共団体レベルの先進的な取組についてお互いにいろんな情報交換をしながら広く周知徹底するというふうなことで、できるだけ計画的なバリアフリー化を推進するということに努めていきたいというふうに考えております。
#21
○谷林正昭君 先ほどからよく出てくる答弁の中に、公共団体とのかかわり、都道府県条例とのかかわり、こういう話、そういうものがこれからよりハートビル法の推進につながるんだという答弁がございました。
 そこで、端的にお尋ねするわけでございますけれども、じゃ、その都道府県条例とこの新しく改正されるハートビル法の整合性というものが私は必要になってくるんではないか。ここまでしかしなくてもいいんですよということではなくて、より一層切磋琢磨しながらお互いの自治体が頑張って福祉のまちづくり条例というようなことも、七年前にできたことによって、このハートビル法ができたことによって各自治体が競って自分たちの町を良くしよう、ハートビル法に合ったまちづくりをしよう、こういう競いも出てきたというふうに私は思っております。
 そういう意味で、このハートビル法を新しく改正をして一歩も二歩も前進をしていく、そういう思いと、各県の、都道府県の条例、この整合性について私は取っていくのが必要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#22
○大臣政務官(森下博之君) 改正法におきましては、地方公共団体がその地域の実情に応じまして条例でバリアフリーの基準に必要な事項を付加することができるということになっております。
 したがいまして、地方公共団体が将来的に大半の条例におきまして各種のバリアフリー措置が定められることになった場合におきましては、条例において付加されている内容、水準などを踏まえまして、必要に応じて利用円滑化基準を見直して条例とハートビル法との整合の確保に努めていかなくてはならないと考えておるところでございます。
 以上であります。
#23
○谷林正昭君 恐らく地方公共団体は、もっともっと利用しやすいビルを造ろうとか、利用しやすい建物を考えようとか、あるいはそこに住んでいる方々、利用する方々の声をもっと酌み取ろうという思いもたくさん出てくるというふうに思っておりますので、その連携というのはこれから大事になってくるというふうに考えますので、よろしくお願いをいたします。
 そこで、次の質問に入らせていただきますけれども、この法律で、新しい法律の中に特別特定建築物というものが認定をするということに新しくできます。その趣旨からいえば、私は二千平方メートル以下のところであろうと以上のところであろうと特別特定建築物は認定は同じだというふうに思いますし、法律上もそういうふうに読み取れます。しかし、あとは、そうではない努力義務か義務付けかということになると、二千平方メートル以下か以上で政令で区分けをするというような組立ての法律になっております。
 国民の側からする、あるいは障害を持った方あるいはお年寄りの方からすれば、二千メートル以下か以上か、その建ち物見ても分からない、そういうようなところにあって、目的は、同じ目的を持ったビルなのに、なっているところとなっていないところがある、こういうことになってきますと非常に戸惑いが生じると思いますし、なぜだというそういう思いも出てこようかと思いますが、その辺は一体、特別特定建築物というのは努力義務なのか義務付けなのか、まずそれをしっかり押さえていただいて、その後、二千平方メートル以下か以上でどういう対応になってくるのか、もう一度お聞かせいただきたいと思います。
#24
○政府参考人(三沢真君) 先生おっしゃいますとおり、特別特定建築物につきましては、まず一定の用途のものについて、通常の特定建築物の中で、これは特別特定建築物ですよということを決めております。その場合に、ただその特別特定建築物であればすべての新築、増改築について全部義務付けにするかといえば、それは規模で義務付けと努力義務を分けているというのは正に先生御指摘のとおりでございます。
 その考え方でございますけれども、先ほども申し上げましたけれども、やはり国が一律にバリアフリー対応を義務付けるのはどこまでか、逆に国が一律に位置付けないで、むしろ公共団体の地域の実情に任せるのはどこまでかと、そういう線を考えて、今回この法律、政令の中で二千平米以上という一つの線を引いているわけでございます。
 これは、やはり二千平米以上の建築工事というのは、現状において、やはり今までの都道府県知事が指示の対象にしてまいりました。こういうこともございまして、バリアフリー対応がそれなりに浸透してきたということ、それから、やはり大きいものが常に必ず利用者が多いという相関が必ずあるともなかなか言えないんですが、一般論として言えば、やはり大きい建築物の方が利用者が多いということ、それから当然これは一定のバリアフリー対応で建築主が負担を求めるわけでございますけれども、そういう場合に、設計上の工夫の余地がどのくらい吸収し得るかというような問題、それから当然やはりバリアフリー化を図ることについての付加的なコストをその全体の建築費の中でどのくらい吸収し得るかと、そういった問題も考慮いたしますと、今回は二千平米以上の新築、増改築に限るという考え方にしているわけでございます。
 したがいまして、二千平米以下の部分は一律の義務付け対象にはしないけれども、しかし条例で上乗せ的に義務付け対象にすることができるという、こういう仕組みにしておりまして、これらによりましては地域の実態に応じた活用が図られるということを期待をしているところでございます。
#25
○谷林正昭君 そうなってきますと、ますます地方公共団体や地域との連携というものが大事になってくると思いますし、この法律の趣旨というものがゆがめられて取られますと私は大変なことになるというふうに思います。したがいまして、そういう徹底というものを是非国土交通省の当然責任で行うべきでありますし、事情の徴収といいますか、そういうものもしっかり私は、地域の実態を聞く、調べる、調査する、こういうものが大切になってくるというふうに思います。
 もう一度言いますが、利用する側からすればその建ち物は二千メートル以上なのか以下なのか分かりませんし、人口五万のところに百万の都市と同じものを造れというのはこれは無理であります。そういうことを考えますと、一方では特別特定建築物という認定を決めているわけでありますから、そこら辺りの整合性をしっかり私は今後取っていただきたいというふうに要望をさせていただきます。
 次の質問に時間の都合で入らせていただきますけれども、この改正案もそうですし、改正する前の法案もそうでありますけれども、いわゆる身体に障害のある方、高齢者の方、こういう方あるいは妊産婦の方だとか、要はなかなか行動が取りにくい方々を対象に実は法律が作ってあります。私は、それも非常に大切でありますし、重要でありますが、もう一歩付け加えまして、知的障害者の方、あるいは精神障害者の方、あるいは子供、あるいは外国人の方が成田に降りて、そしてこれから日本で観光する、そういうようなときに、私は、このハートビル法という法律という精神からいけば、そういう方々も利用しやすい、安心してそこに入れる、そういうものが必要になってくるというふうに思います。
 そこで、何が足りないかというふうに考えたときは、そういう方々に必要なのは情報提供だというふうに思います。例えば成田へ降りて、トイレのマークはどのビルも同じだ、非常階段のマークはどのビルも同じだ、こういうふうに、エレベーターのマークは同じだというふうに分かれば、ああエレベーターはあそこにあるな、非常階段はここだなということが分かってくるというふうに思います。
 そういう意味で、そういう情報の提供の義務付け、統一した情報の提供の義務付け、これも私はこの法律に必要ではないか。そうすることによって、知的障害者の方も精神障害者の方も、あるいは子供さん、外国人の方々も安心してそのビルが、その施設が利用できるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#26
○政府参考人(三沢真君) ハートビル法は、改正法の第二条におきまして、高齢者、身体障害者のみならず、その他日常生活、社会生活に身体機能上の制約を受ける方も対象としております。したがいまして、先生御指摘のとおり、妊娠されている方あるいはけが人といった方も含むことは当然でございますが、それから身体機能上の制約を受けている知的障害者あるいは精神障害者の方も対象とすることとしております。
 この法律案は、そういう方々が建築物を円滑に利用できるように、段差の解消であるとか出入口の幅の確保等の要はハード面におけるバリアフリー対応を推進するという仕組みを規定しておりますけれども、今申し上げましたような方々が法の対象になるということは、まずこれはきちっと周知徹底を図って、その趣旨が生かされるようにしていきたいというふうに考えております。
 それで、その上で、身体機能上の制約を受けない例えば外国人の方をこの法律の中で扱えるかという点については、これは正直に申し上げまして、先ほど申し上げましたハード面でのバリアフリー対応というこの法の趣旨からすると、直ちに義務付けというようなこともなかなか難しいかなという感じはしておりますが、ただ、やはりこの法律の義務付けになるとならないとにかかわらず、そういう外国人等の方々にも含めて、やはり分かりやすい表示方法というのは極めて重要なことであるというふうに考えております。
 この法律に基づく利用円滑化基準を定め、更にそれを具体的に細かく設計ガイドラインというものでお示ししていきたいと思いますが、そういう設計ガイドラインの中では、やはり子供の方とか外国人の方々にも分かりやすい表示方法を具体的に紹介して、あるいは内容を周知するとか、そういうことによりまして、そういう分かりやすい表示の推進ということにも努めていきたいというふうに考えております。
#27
○谷林正昭君 是非、理想的なのはやっぱり日本全国統一されたもの。例えば、昔トイレはまず便所と書いてありました。その次にはWCとなりまして、その次にはトイレとなって、今は字が書いてなくてみんなマークで分かる、そういうような世の中になってきておりますし、あるいは、交通バリアフリー法のときも議論させていただいたんですが、道路標識はこれは当然でありますけれども、その他の法律で決められていない標識も全部ほとんど統一、道路関係は、交通関係は統一されてきている。そういうことを考えたときには、そういう建築物にかかわるそういう表示というものも、できるものなら私は早く統一した方が分かりやすい、だれでも安心して利用できる、国際化の時代にも合う、そういうふうに私は思いますので、提案をさせていただきました。
 次の質問に入らせていただきます。
 先ほども何回か触れさせていただきましたけれども、交通バリアフリー法のときは正にけんけんがくがく、真剣に、そしてこれからの日本どうあるべきかというところまで踏み込みながら実はこの交通バリアフリー法案を議論をさせていただきまして、先ほど言いましたように、今、熱気にあふれて全国各地でその法律に基づいて頑張っておいでになる。そういうことを考えたときに、駅前は交通バリアフリーになって車いすでもスムーズに動けるようになった、行けるようになった。しかし、一歩そのお店に入ろうとすると、そこにバリアがある。一歩デパートに入ろうとすると、そこにバリアがある。そういうようなことになってきたら、何のために交通バリアフリー法でその駅前を整備したのか分からなくなってしまうというようなことになります。
 よく私も議論させていただきましたが、このバリアフリーというのは、だれのためなのか、何のためなのか。それは、障害を持った方々、お年寄りの方々が安心して移動できる、動ける、そういう、だれのためということではそうなってくる。じゃ、何のため。目的を持ってそこに行きたい、そのために交通バリアフリーをやる。その目的の場所がバリアがあったら私は意味がないというふうに思います。
 そういう意味で、この交通バリアフリーとのかかわりについてしっかり整合性を取るべきだというふうに思いますので、非常に大きな問題だと思います。大臣、御答弁いただきたいと思います。
#28
○国務大臣(扇千景君) まず、御答弁いたします前に、冒頭に谷林議員から、昨年の十二月三十日でございましたけれども、明石市の大蔵海岸におきまして、四歳で、当時四歳でございました金月美帆ちゃん、大変な目に遭われまして、まして御家族の目の前でということで、私も大変心を痛め、しかもそれ以来、現在も意識が戻っていない、なおかつ四月の十二日には美帆ちゃんが五歳になられたお誕生日でございました。そういう意味では、あらゆる手を尽くし、また御両親が本当に自分の仕事をなげうって御看病に当たられているということも逐一報告を受けております。そして、先ほど谷林議員が奇跡を信じてとおっしゃいましたけれども、私もその御様子、仕事を辞めても彼女に付き合って、マッサージをしたりあるいは音楽を聴かせたり、あらゆる手を打っていらっしゃいます。
 そういう意味では、御両親から、今の病院だけではなくて、いわゆるセカンドオピニオンということで、違う神経的な脳の専門の病院も御紹介いただきたいということで、それも国土交通省としてはできる限り御紹介し、しかも、今お話ございましたように、病院の近くに賃貸住宅をもというお話もございましたので、これも明石市と協力して、でき得る限りのことを、してもし尽くせないというのが現実ではございますけれども、何とかして私も、美帆ちゃんの、五歳という、このあどけない少女の意識が戻ることを心から祈念しながら、最善の努力をさせていただき、御両親に、また妹さんがいらっしゃいます、心からのお見舞いを申し上げておきたいと思っております。
 どうか、谷林議員はお父様とお友達であるということでございますので、何とか議員のお力も、力付けてあげてくださることを心からお願い申し上げておきたいと思います。
 さて、今の御質問にお答えしますけれども、交通バリアフリー法、御存じのとおり、十二年でございます、平成十二年に、旧建設省、旧運輸省、その当時はまだ分かれておりまして、そのときにこの旧建設省と運輸省と警察庁と自治省と、当時四省庁でこの法案が制定されたわけでございますけれども、少なくとも、この連携を深めるということで、御存じのとおり、昨年の一月、建設省、運輸省が一緒になりまして、ですから、このバリアフリーの交通部門と建設部門、この両方が国土交通省、一体になったものですから、そういう意味では、交通部門と建設部門が一緒になってバリアフリーを考えられるという点では、私、大変効率が良くなったと思っておりますし、私もこのバリアフリーに関してはあらゆるところへ指令を出しております。
 一日の交通量が五千人以上のところからというんですけれども、それは私は、駅によっては、いつかも申し上げましたように、私が行ってみましたら、ある温泉の、最多の、駅では、ほとんどの方が、一日に昇降客は五千人に達しないまでも、ほとんど保養にいらっしゃるお年寄りが昇降されるものですから、そういうところは五千人に達しなくても私はするべきであるというふうにも指導してまいりました。
 そういう意味で、まだ完全ではございませんけれども、私はそういう意味で、国土交通省になったので、交通部門、建設部門一体となってこれを推進していく。またこれを、改正された交通バリアフリー法の基本方針に私たちは基づきまして、重点の整備地区、また旅客施設、それから目的地であります建築物までの総合的なバリアフリー化を図っていくために全力を尽くしていきたいと思って今回提案させていただいた次第でございますので、今後もその充実を図っていきたいと思っております。
#29
○谷林正昭君 冒頭の大臣の答弁、本当にありがとうございます。お気持ちをしっかり本人、お父さん、親御さんに伝えさせていただきます。
 交通バリアフリー法とのかかわり、今、大臣の方から御答弁がございました。そこで、ちょっと、このハートビル法の、不備とは言いませんが、もう一歩踏み込んでもらいたいというところを指摘をさせていただきます。
 それは、参考人の方々もおっしゃっておいでになりましたし、ここでの参考人の発言ではないときにもお聞きしたんですが、いざそこに入ろうとすると、そこの店員や従業員の方が、ちょっと待ってください、危険ですから、危険ですからといって、そういう声が返ってくるという話も実はたくさんありますよということを聞きました。私は、そういうことを考えたときに、そこに働く人たちに正に心のバリアというものを取り除いてもらいたい、こういう思いを持ったわけでございます。
 そこで、じゃ、この交通バリアフリー法というのはどうなっているか、そのときの議論を思い起こしました。当時の大臣もきっちり答弁をされておりますが、そしてその考えが法案にしっかり実は生かされております。それは、交通バリアフリー法案の第四条というところに、一つは、「公共交通事業者等は、その職員に対し、移動円滑化を図るために必要な教育訓練を行うよう努めなければならない。」、こういう法律で、これは法律でしっかり、そこに働く人たちは心のバリアをしっかり取り除きなさい、そして心のバリアフリーをしっかり身に付けてください、それを法律で教育しなさいということを位置付けております。
 一方、もう一つは、そういう利用したいけれどもどこにどういうものがあるか分からない、そういう情報の提供、これも私は大事だというふうに思っております。この情報の提供は、じゃ交通バリアフリーではどうなっているか。これも法律でしっかり実は書いてあります。それは、「公共交通事業者等は、高齢者、身体障害者等に対し、これらの者が公共交通機関を利用して移動するために必要となる情報を適切に提供するよう努めなければならない。」、こういう法律でしっかり守ってあります。
 そういう意味からいきますと、今度のせっかくハートビル法を改正するということでありますから、この情報の提供というものをまずしっかり私はやるべきであって、どこへ行ったらどういうビルがあって、そのビルはハートビルになっている、あるいはどこのデパートはどうである、駅を降りたらどのホテルがそうであるということが事前にインターネットだとかそういうことでも提供をしてもらいたいという人もおいでになると思います。
 そういうふうに情報の提供と、それからもう一つ、正に心のバリアを取り除く心のバリアフリーを実行する。そういう意味で、そのハートビル法に基づくところに働いている人たちの教育訓練、そういうものをしっかり私は義務付けるための国の法律、今、修正案を出すわけにいきませんけれども、気持ちをしっかり出さなければ私は駄目だというふうに思いますので、考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#30
○国務大臣(扇千景君) 今仰せのとおりでございまして、私も周知徹底を図るように指令を出しているところでございます。
 例えば、今お話がございましたように、日本観光協会というものがございまして、ホテルですとかあるいは旅館におきます高齢者、身体障害者、そういう人たちに対する従業員のサービスの提供方法、これをどうするべきかというものを示したモデルのガイドライン、モデルガイドラインというものを作成いたしまして、これは、約三百三十のホテルが加盟しております今のホテル協会等の事業者団体にこれを全部周知徹底を図るというように努力しております。
 それからもう一つ、全く違うんですけれども、先日新たに出しましたのは、ワールドカップサッカーが開催されます。そのときに、例えば皆さんもお降りになったらお分かりになりますように、地下鉄で一つの駅で降りても、出口がA1、A2、A3、A4、もうあるわけですね。だから、そのA4とA5にはバリアフリーができていますよということを明示しないと、一つの駅に降りても出口がたくさんあって、どこへ行ったらバリアフリーがあるのかがこれ分からないんですね。ですから、これも今回、特に私は表示をするようにと。そして、エレベーターもどっちにあるのか分からないと。
 それから、駅によっては右と左と両方に切符売っているんですね。で、外人さんはどっちの切符をどこで買ったらいいかって、裏と、右と左と背中合わせに切符売場があるんですね、これも私、分からないんじゃないかというようなことも新たに私は指示をしておりますので、これも一つの外国の皆さん方にも分かっていただく大事なものだと思っております。
 そういう意味では、今おっしゃったようなバリアフリーのこの現状というものをまず情報開示できるようにということで、少なくとも、インターネットのホームページで地域の建築物におきますバリアフリーの対応の状況を情報提供しておる地方がございます。これは、県によってインターネットできちんと情報提供しているところもございますので、そういう意味で、先進事例の周知を通じてこれが全県で行われるように今後も指導してまいりたいと思いますし、それを促進してまいりたいと思っております。
 それから、ホテル等の宿泊施設のバリアフリーの対応状況を、情報提供につきましては、現在、百を超えるチェック項目、これを定めております。そして、その項目についてきめ細かな情報提供を行えますように整理を進めておりますので、早急に取りまとめ、しかも、どこで何が、どこを通ればいいかという指導というものはあらゆる情報提供に寄与してまいりたいと思っておりますので、また御協力を賜れば有り難いと思っております。
#31
○谷林正昭君 情報の提供というのは非常に頼りになる、健常者の皆さんは余りそういうことを気になさらないかも分かりませんが、それを頼りに移動したり利用したりする人たちにとったら、その情報というものは非常に大事になってくるというふうに思います。あわせまして、先ほども申しましたような、その施設で働いている人たちの心のバリアフリー、こういうものをしっかり指導徹底をお願い、改めてお願いをさせていただきます。
 次に、ちょっと疑問に思いますので質問をさせていただくわけでございますが、ハートビル法ですよという認定マークがございます。その後、認定マークを作った後、各県が福祉のまちづくり条例でどんどんどんどんそういう条例に基づいてやっていった後、うちのところではこういうマークを付けてあるからこれは条例では適合したマークですよということで、マークがたくさん各県、各県でございます。
 そこで、このハートビル法の認定マーク、いわゆるシンボルマーク、それと各県のマーク、この整合性といいますか、利用者にとったらこれは一体どうなのかなというふうなものもあるような気がいたしますので、このシンボルマークと各県条例のマークの兼ね合いみたいなものを聞かせていただきたいなというふうに思います。
#32
○政府参考人(三沢真君) 認定建築物のシンボルマークと、それから各県条例に基づく適合マークとの関係についてのお尋ねでございます。
 それで、まず認定建築物でございますけれども、これは言わばバリアフリーでもかなりグレードの高いバリアフリー化、つまり優良なバリアフリー対応の水準を示すものについて、まず今回の認定マークを付けるということでございます。
 一方、現在、各都道府県の条例に基づいてマーキングをしておりますけれども、その条例の整備基準は、実は今回の法律の中で利用円滑化基準と呼んでおりますが、どちらかというと基礎的な基準、あるいは基礎的な基準を若干上回ると、こういう大体レベルのものについて各県ごとに適合証を発行しているという実態でございます。
 したがいまして、極めて大ざっぱな頭の整理で言いますと、国の方で付けるマークはかなり進んだ優良なものに付ける、県の方はどちらかといいますと基礎的な基準を満たしているということの証明になるということでございますが、ただ、いずれにいたしましても、複数の表示があるということによって例えば利用者の方々に混乱を招くというようなことがあってはなりませんので、私ども、これから具体的な表示の仕方を決めるわけでございますので、その辺は、やっぱりまず各県でもう既に用いているマークと紛らわしいようなことのないように、そういう定め方をきちっとしたいということと、それからやっぱりそれぞれのマークの違いといいますか、これはこういう意味ですよということが使われる方に分かるようなきちんとした情報提供、これが非常に大事でございますので、これについても、今後、表示の仕方を決めたときに、それに併せましてきちっと周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
#33
○谷林正昭君 是非、徹底を図っていただきたいと思います。
 時間がありませんので端的にお尋ねをいたします。参考人の方々に聞きましても、一番困るのはホテルへ入ってホテルの部屋がバリアフリーになっていない、これが一番困る、何とかしてくれ、一定基準を設けてもらいたい、こういう御意見がございました。いかがでしょうか。
#34
○政府参考人(三沢真君) ホテルの客室内のバリアフリーについて大変要望が強いということもよく存じておりますし、非常にそれは誠にごもっともだというふうに考えております。
 ただ、これにつきましては、国として一律に対応を義務付けるということについてのやはり難しさがございまして、例えば今の福祉のまちづくり条例の中でもそこまでやっぱり必ずしも条例として求めていないということとか、当然、また設置する側にしてみると、稼働率の問題であるとか、やはりコストの問題というのがあるわけでございます。
 したがいまして、これにつきましては今回、国として一律な対応を義務付けるということよりも、むしろできるだけ客室内部含めたバリアフリー対応を推進するという観点から、こういうホテル客室の中でどういう形で、比較的コストも掛からない、コストのことも含めて設計事例などをガイドラインとしてお示しして、できるだけそれを使っていただくということを周知するとともに、もう一つは、やはり関係業界と連携しながら、客室内部でどういう対応状況がなされているかということについて、先ほど大臣から申し上げましたように、きめの細かい情報提供に努めていくということをやっていきたいというふうに考えております。
#35
○谷林正昭君 是非、非常に要望の多い問題でございますので、御努力いただきたいというふうに思います。
 時間が来ました。正に、このバリアフリーというのは、先ほども触れさしていただきましたけれども、だれのためのバリアフリーなのか、何のためのバリアフリーなのかということを忘れないで施策を進めれば、おのずと私は、世の中がしっかり明るくなってくる、そして健常者も、障害者の皆さんも、お年寄りも、みんな明るく利用できる、そういうまちづくりがあるんではないかというふうに思います。
 そういう意味では、ハートビル法ができて七年過ぎた後、今見直しが言われております。私はもっと早く見直すべきであったというふうに思います。そういう意味で、この新しい法律が改正に、法律が改正になって新しいハートビル法ができる。しかし、これは一定の期間やっぱりたったら見直すべきだ、あるいは見直すということに着手するべきだというふうに私は思いますが、今の法律では見直し条項が入っておりません。ここら辺りを私は見直すべきだというふうに、五年、三年、四年、別にいたしまして、そういうことにするべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#36
○副大臣(佐藤静雄君) この改正法に基づきまして、この義務付け対象建築物の規模ですとか、あるいはその用途ですとか、さらに満たすべきバリアフリーの基準などを政令において定めることになっていることは御承知のとおりです。
 改正法の施行後、バリアフリーの対応の状況ですとか地方公共団体の条例の制定状況の後に検討を加えまして、その結果に基づきまして、五年を目途に政令で定める基準等について見直していきたいと、そう考えております。
 時代の要請にしっかりとこたえていきたいと思っておりますので、どうぞまた御指導いただきますようにお願い申し上げます。
#37
○谷林正昭君 時間が来ました。
 是非、私はこのハートビル法も国民に分かっていただいて、そして、税金をこういうところにどんと注入してでも理解してもらえるというふうな社会を作るため、そして、アメリカに追い越すという大きな目標を持ったこのバリアフリーというものにしていきたいというふうなことを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#38
○続訓弘君 本日審議いたしますハートビル法は、福祉国家の実現を党是とする我が党の森本晃司建設大臣の下で、平成六年六月に制定された法律であります。その意味で、七年余の歳月とこの間の運用の実績、とりわけバリアフリー化について社会全体の認識が深まってきていることを踏まえて、制度の一層の充実強化に向けた改正が今回図られますことにまずもって率直に賛意を表したいと思います。
 そこで、国土交通省のバリアフリーへの取組の基本姿勢について伺います。
 ハートビル法の制定とほぼ同時に、正確には平成六年六月二十八日でありますが、旧建設省では、これも森本大臣の下で、「健康で心豊かに生きるための住宅・社会資本整備を目指して」をテーマとする生活福祉空間づくり大綱を決定、公表しております。
 この大綱では、二十一世紀初頭までの期間は来るべき高齢社会の国土構造を規定する極めて重要かつ限られた期間であると宣言し、ノーマライゼーションの理念の実現に向けた住宅・社会資本を福祉インフラと名付けた上で、具体的整備目標を定めております。
 例えば、歩いていける公園を十一万か所整備、すべての公園に障害者向けトイレを設置、二車線以上等の道路二十六万キロの約五〇%について車いすが擦れ違える道を整備、交通結節点のバリアフリー化二千か所、高齢化対応住宅五百万戸の確保、老人ホーム等の周辺にある土砂災害危険箇所の解消などであります。
 二十一世紀初頭とは、常識的には二〇〇五年から二〇一〇年のことと理解しておりますが、もう間近に迫ってきております。福祉インフラの整備目標について、各部門別に現段階での達成状況及び今後の達成見通しについて、まず御説明願います。
 あわせて、社会経済状況の変化を踏まえると、当時の大綱では対象外とした住宅以外の建築物についてもバリアフリー化の目標を設定するとか、車を運転する高齢者が今後増大する中でその安全対策をどうするかといった、省庁再編に伴う施策対象範囲の拡大など、大綱の見直しを行う時期ではないかと考えますが、扇大臣の御見解を伺わせていただきます。
#39
○政府参考人(岩村敬君) 大臣の御答弁の前に、現状といいますか、進捗状況についての御説明を申し上げたいと思います。
 先生御指摘のように、生活福祉空間づくり大綱、平成六年の六月に当時の建設省が、高齢者そして障害者を含むすべての人々が社会の重要な一員として参画し、世代を超えて交流することが可能な生き生きとした福祉社会を目指すという目的で、二十一世紀初頭、これまた先生おっしゃったように、二〇〇五年から一〇年を目標にしているわけでございますが、そういった初頭を念頭に置いた福祉インフラ整備の在り方について総合的に取りまとめたものでございます。
 大綱の中では、一つは福祉インフラ整備の理念、そして目標とする生活像、施策の基本的方向、さらには整備目標等々で構成されているわけでございます。そして、その中で、今、先生御指摘のように、二十一世紀初頭の整備目標を示したわけでございます。
 しかし、その後、平成六年、同じ年ですが、ハートビル法の施行があり、また、翌年には長寿社会対応住宅設計指針というものも定めました。またさらには、平成十二年には交通バリアフリー法の施行もございまして、その後、基準、この目指すものの水準も変わってきておるわけでございますから、当時の目標と現在の時点での数字、必ずしもそれをくっ付け合わせることが適切かどうかは別でございますが、数字だけを申し上げますれば、例えば、高齢者の安全に配慮した住宅の整備、当時五百万戸、約五百万戸を目標といたしておりますが、平成十年現在で、先ほど申し上げた指針等に従った、基準に従った住宅は約百十六万戸。それから、車いすが擦れ違えて歩行者が安全に通行できる幅の広い歩道の整備、これも先生おっしゃったように、十三万キロを目標にしておるわけでございますが、十年度末で四万九千キロメートルが整備されると。また、歩いていける範囲に公園のネットワークが要るという、これは十一万か所を目標にいたしておりますが、平成十二年度末で六万五千か所が整備されたと。そのような状況になっているわけでございます。
#40
○国務大臣(扇千景君) 今、事務的なことは局長からお答えいたしましたけれども、少なくとも、社会経済状況の変化というものが、今日それに対応するということで、今、続議員が仰せになりましたように、少なくとも平成六年にはハートビル法が制定されましたし、また平成十二年には交通バリア法が制定されました。
 そういう意味におきましては、今までと違って、法の体系の整備によって、少なくとも住宅と建築とそしてまちづくりと交通のそれぞれの分野での一体的な整備が行われるようになったことは御承知のとおりでございます。
 そして、今、続議員がおっしゃったように、あらゆるところで、今、局長も申し上げましたけれども、大綱は少なくとも平成六年の取組にまとめられたものでございますので、その当時は交通分野というのがその中に盛り込まれておりませんでした。けれども、今回はバリアフリーの水準も、あるいは現在は当時よりも水準の高いものが多くできておりますので、そういう意味ではそのまま適用できるものではございません。
 そして、今回は、国土交通省所管の公共事業関係の長期計画というもの、これは十本ございますけれども、そのうちの八本というのがこの十四年度で長期計画が最終年度になるわけでございますので、十五年度以降の長期計画の在り方について現在検討を行っておりますけれども、ともすると、各計画が縦割りで今まではばらばらになっていたということもございますので、今回は公共事業関係の長期計画を少なくとも統一した理念の下で総合的に見直したいと思っております。
 その際は、今仰せのように、バリアフリー社会の形成というのは長期計画の見直しの重要な柱の一つとしてとらえて、この見直しの中で生活福祉空間づくりという大綱を福祉の理念、そういうものを時代にふさわしいものになり、そしてそれをリニューアルするということで対応してまいりたいと思っておりますので、そういうバリアフリーの政策というものを発展的に見直してまいりたいと思っております。
#41
○続訓弘君 バリアフリー化の現状及び目標について、ただいま岩村局長から具体的なお話がございました。
 私は、国民の皆様にやはりこういう目標が具体的に感覚的に分かるようなそういう目標の設定が必要ではないのか。先ほど申し上げましたように、平成六年の六月に定められた生活社会福祉空間づくり大綱では、具体的に例えば歩いて行ける公園は十一万か所ですよ、あるいはすべての公園に障害者のトイレを付けますよとか、あるいは二車線以上の道路二十六万キロの五〇%は車いすが擦れ違えるような道路にしますよと、こういう具体的な数字を挙げていただければ非常に国民の皆様に分かりやすいんじゃないのかなと。したがって、今後のこういうものを作成される際には、是非国民の皆様に感覚的に分かるようなそういう数字を説明していただくということを御要望申し上げます。
 続いて、ハートビル法の各論に移ります。
 前回の委員会で指摘いたしましたように、お年寄りや障害者が安心して利用できる建物かどうか、できる限り分かりやすく判断できるようにすることが重要であります。改正法案第九条の表示制度はこうした趣旨から設けられたものと思いますが、単にプレートに文字を書いてあるだけの表示では極めて不十分だと考えます。
 視覚障害者にとっては、点字による表示は当然として、音声による案内も併用することが望まれますが、国土交通省令においてこうしたきめ細かな対応を行うのかどうか、音声による案内は表示という概念に入るのかどうか、仮に表示という概念に入らないとした場合、何らかの対応が必要と思いますが、所見を伺わせていただきます。
#42
○政府参考人(三沢真君) この表示制度は、認定建築物、すなわち優良なバリアフリー対応が図られる建築物であるかどうかを表示するという趣旨でございますが、これは、御指摘のとおり、やっぱり高齢者、身体障害者の方々の適切な選択を助けるという意味でございます。その結果として、そういういいバリアフリー建築物の利用が促進されるという効果も期待できるものでございます。
 この場合の具体的な表示方法については、認定建築物のシンボルマークを規定いたしまして、そのマークとともにその認定期日、基準、適合範囲等を表示するというものでございまして、したがいましてその省令に基く表示そのものはこういった方法での表示でございます。
 ただ、一方、当然そういう視覚障害者等の方々に配慮した案内表示というのがやはりきちっと設けることが必要になるわけでございます。これにつきましては、この法律に基づきます利用円滑化基準の中で、建築物内の施設配置等を紹介する案内板とか、受付までそういう方々を誘導するための点字ブロックの設置等の措置を決める予定にしておりますが、その場合に、その具体的な仕様はやはりその施設の特性においていろいろな対応が想定されるということで、これについては設計ガイドラインというものを作成いたしましてきめ細かい対応が図れるようにしていく方針でございます。このガイドラインの中で、先生御指摘のとおり、例えば認定建築物である旨の表示も含めまして、点字による表示とか音声による案内機能など、視覚障害者に対するきめ細かい配慮の必要性についてこのガイドラインの中に記載して周知を図っていくということにしていきたいというふうに考えております。
#43
○続訓弘君 建物の中でも国民生活に最も密接にかかわるのは何といっても住宅であります。私が都政を担当していた十数年前のことですが、スウェーデン政府の高齢者福祉に関するレポートの中に、高齢者福祉は住宅に始まり住宅に終わるという表現があると聞いたことがございます。
 東京都がシルバーピアという高齢者向け公共住宅のモデルプロジェクトをスタートさせたのもちょうどこのころであったと思います。その後、国においてもシルバーハウジングプロジェクトを発足させるほか、公共住宅についてのバリアフリー化の原則化、住宅金融公庫の基準金利適用の際のバリアフリー要件の導入など、住まいのバリアフリー化への取組を強化されました。その結果、今や民間マンションについても商品設計の基本的な要素としてバリアフリーが取り入れられ、広告等の中でも積極的にPRされる例が目立ってきていると思います。
 そこで伺います。
 一戸建て住宅は居住する家族に高齢者、障害者が全くいないケースも少なくないことから、バリアフリーの義務付けは必ずしも適当でないと思いますが、マンションについては一棟の中で高齢者等の住む住戸がかなり存在することになると見込まれます。延べ二千平米以上だと総戸数は二十戸以上になり、平均して六戸前後は高齢者のいる住戸になると思います。先ほど申し上げましたような民間マンションでのバリアフリーの普及状況を踏まえますと、こうしたマンションについては、そろそろ廊下、階段、エレベーターなど共用部分のバリアフリー化を義務付けてもよろしい時期ではないかと考えます。
 地方公共団体の福祉のまちづくり条例でのマンションの取扱いの状況はどうなっているのか、その状況を今回の改正案の検討に当たってどのように配慮されたのか、この点も併せて伺わせていただきます。
#44
○政府参考人(三沢真君) 御指摘のとおり、今後、高齢者世帯の比率は上昇していくという中で、やはり住宅のバリアフリー化を推進していくということは極めて重要な課題でございます。
 そういう観点も踏まえまして、共同住宅は、従来は、従来のハートビル法は不特定多数の方が利用する建築物ということで、従来のハートビル法では対象外でございましたけれども、今回はこういう高齢化の進展状況にもかんがみまして、まずこれは特定建築物ということで位置付けて努力義務の対象にするということで一歩を踏み出させていただいたわけでございます。
 一方、都道府県の、政令が、制定している福祉のまちづくり条例の中での扱いでございますが、これは平成十三年度末時点で施行済みの条例を見ますと、これはすべて共同住宅を対象としております。ただ、その場合の対象とする共同住宅の規模とか基準、これはやはりもう地域の実態によって非常にまちまちになっているというのが現状でございます。
 今回、したがいまして、こういうことも踏まえまして、この改正法案においてはまず特定建築物として義務付けて、それはまず努力義務対象となるわけですが、それのみならず、これは特定建築物として位置付けると、それについては公共団体が条例で義務付け対象とすることも可能であるという仕組みになっておりますので、これまでは福祉のまちづくり条例で対応していた共同住宅について、この法律に基づく義務付けという形で条例で対象用途に追加するということが可能になりますので、これを、こういう地域の実態に応じた対応を今後とも期待していきたいということでございますし、またその趣旨につきまして、私ども、今回のハートビル法の改正でこういう使い方ができますよということについても各公共団体にいろいろ周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
#45
○続訓弘君 一昨日の参考人質疑におきましては、一般の方々の意識の向上に向けた啓発や行政の窓口の相談体制の整備、更には建築主が気軽に相談できる専門家の育成が重要であるとの指摘がございました。例えば、住まいのバリアフリー改修を希望する住まい手の相談に乗ってくれる専門家として、各地の商工会議所が行っている検定に合格した福祉住環境コーディネーターの制度があり、既に多くのコーディネーターの方々が各方面の専門家と連携を取りつつ依頼主に最適な住環境の実現を図っていると聞いております。
 そこで伺います。
 住宅等の建築物におけるバリアフリー対応が円滑化されるよう、福祉住環境コーディネーターのような専門家の活用を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#46
○政府参考人(三沢真君) やはり住宅等の建築物のバリアフリー化を推進していく上で、建築主の相談に適切に応じられるような専門家あるいはアドバイザーということが非常に強く求められているというふうに認識をしております。
 これにつきましては、例えば建築で申しますと建築士法に基づく建築士という資格もあるわけでございますが、それ以外の資格といたしまして、例えば今、先生が御紹介されました各地の商工会議所で実施されている福祉住環境コーディネーターという制度もまた広く活用されているわけでございます。あるいは、こういう資格とか、それから一戸建て住宅の増改築関係の相談に対応するような増改築相談員というような、これも任意の制度でございますけれども、そういう制度とか、あるいはマンションですとマンションリフォームの相談に対応できるようなマンションリフォームマネジャーとか、それからマンションの管理の適正化法に基づく法律の資格といたしましてマンション管理士というような方々もいるわけでございます。
 それぞれの方々の得意分野、いろいろあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、こういう専門家の方々がどこにどういうふうにいるかということをまず消費者の方々が知っていただくということが非常に大事でございますので、こういう専門家の方々の名簿等を公共団体が備えて、そういう消費者に積極的に情報提供していけるように、私ども国といたしましても、いろいろな補助制度も活用いたしましてそういう情報提供体制の整備の支援に努めていきたいというふうに考えております。
#47
○続訓弘君 次に、総合的なバリアフリー対応の推進について伺いたいと思います。
 平成十二年に制定されました交通バリアフリー法に基づき、本年の三月十四日の時点で既に十市町村が基本構想を作成、公表済みであります。今後は、これらの構想に基づき、重点整備地区における旅客施設等のバリアフリー対応は急速に進むものと見込まれます。この場合、これらの旅客施設と周辺の建築物等までの経路部分をバリアフリー化することが重要となってまいります。
 そこで伺います。
 旅客施設等については交通バリアフリー法に基づき各種支援措置が図られてきておりますが、一方、旅客施設から周辺の公益性の高い建築物に至る経路及び当該建築物におけるバリアフリー対応を支援する制度はないかと調べてみましたところ、国土交通省には、その名も人にやさしいまちづくり事業というぴったりの事業があることが分かりました。当該事業などを通じ、旅客施設と周辺建築物等との連続的、一体的なバリアフリー対応が推進していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
#48
○政府参考人(三沢真君) バリアフリーの推進に当たりましては、鉄道駅舎、その他の旅客施設と周辺の公共施設、さらにはその地区全体として利用者が快適かつ安全に移動できる施設整備に総合的に取り組んでいくということが大変重要であるというふうに考えております。
 そういう意味で、こういうバリアフリー化を推進するために、今御紹介いただきましたが、人にやさしいまちづくり事業というのがございます。これは、社会福祉施設とか文化施設とか医療施設、その他の公益的施設の建物のバリアフリー化につきまして、その公益的施設に至る、その建物の内外のスロープあるいはエレベーター等の整備とか、それから周辺市街地の例えば動く歩道といったものの整備とか、こういったものに補助ができるという仕組みでございます。
 今後とも、こういうような制度も活用しながら、旅客施設や道路等の公共施設のバリアフリー化の推進と併せまして、地区全体での総合的なバリアフリー対応を支援していく所存でございます。
 それから、当然、先ほどからも御質疑いただいておりますが、交通バリアフリー法に基づきます、例えば市町村が重点整備地区の基本構想を策定する場合に、やはり特定建築物を含めた一体的なバリアフリー対応の推進が図られるような、そういうことも適切に助言していくということも非常に大事でございますので、こういうことについてもきちんと対応をしていきたいというふうに考えております。
#49
○続訓弘君 次に、災害時の対応に関連して伺います。
 災害時には予測し得ない様々なことが起こり、その中で高齢者、身体障害者等は安全に避難できるのかといった不安が存在いたします。これらの不安を解消するため、例えば非常用エレベーターの設置の促進、非常用階段のそばに車いすが一時的に停止できるスペースを設け、そこから人の介助で避難するシステム等について検討し、それらを一般化していく努力が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#50
○政府参考人(三沢真君) この避難のシステムの問題でございますが、建築基準法の中では、まず、高層の建築物につきましては、利用者の避難の安全性を確保するために特別避難階段や非常用エレベーターの設置を義務付けております。これらの特別避難階段や非常用エレベーターにつきましては、階段とかエレベーターの前に火や煙が入らないような排煙設備等を設けた別室、区画された別の部屋を設けるということを義務付けておりまして、身体障害者の方々などがこれらのまず別の部屋に一時的に避難して、避難に時間が掛かる場合にも安全が確保できるように措置をしております。
 こういう設置が義務付けられていない建築物については、これにつきましては、やはり災害時に車いすを利用される方々などが例えば階段室とかバルコニーに設けられた一時避難スペースに避難した上で、他の方々の手助けによって安全に避難できるようにする、そういう措置を講じることが望ましいというふうに考えておりまして、そういう設計方法についても設計者向けのガイドラインの中で具体的に定めまして、その周知を図っていきたいというふうに考えております。
#51
○続訓弘君 最後に、努力義務に関連をして伺います。
 努力義務の内容となる利用円滑化基準が建築主にとっても厳し過ぎ、建築主がそれに適合した建築、修繕、模様替えをあきらめ、結果として何も対応を取らない状況も考えられます。言い換えれば、利用円滑化基準がバリアフリー対応の促進についてある種のバリアとなる懸念もありますが、これに対する御見解を伺います。
#52
○政府参考人(三沢真君) 利用円滑化基準に適合されるためにどのくらい建築主の方に負担が掛かるかということが一つのポイントかと思います。
 そのためのコストは、ある一定規模以上の大きい建築物の場合には全体の建築工事費の一%以下ということで、建築主にとってはそう大きな負担にはならないと。ただ、当然のことながら、小さい建築物になれば相対的にその比率が高くなるということから、今回、いわゆる義務付けの対象としては二千平米以上の建築物にしているわけでございます。
 それからもう一つは、利用円滑化基準の中身でございますけれども、ここはやはり何を要求しているのかという要求趣旨をできるだけ明確化して、その趣旨に対応が可能な措置が、例えば複数の選択肢があれば、その中で適切な措置が選択可能になるように措置するとともに、それから、施設の特性に応じて、この場合にはこれは要らないんじゃないかというようなものもあり得るわけでございますので、そこは適用の除外ができるようにするとか、そこは施設の利用実態に応じて柔軟な対応が図られるような基準を定めていきたいというふうに考えておりますし、それからさらに、国として新たに努力義務の対象となります用途、工事についても低利融資による支援対象とすることによりまして、そういうバリアフリー対応を促進するということにも努めていきたいというふうに考えております。
#53
○続訓弘君 日本が平均寿命のみならず、住宅、社会資本の質の面においても世界に名だたる生活大国、長寿大国となりますよう、ハートビル法を含む関連施策を総動員して実効性のある福祉インフラの整備に扇大臣が真剣に取り組まれることを御要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#54
○大沢辰美君 日本共産党の大沢でございます。
 今回の改正で、政府案は私は一定の建築物に利用円滑化基準を義務付けているなどの点で一定の評価をいたしております。でも、高齢者、障害者等の社会参加の広がりに、状況から見ますとまだまだ不十分な点もあると指摘せざるを得ません。
 そこで、何点か具体的にお伺いしたいと思います。
 まず、対象者についてですけれども、政府案では、高齢者、身体障害者等としていますが、私は身体障害者に限定せず、表現を障害者と明記すべきだと考えます。
 本会議で大臣は、第二条の定義で、その他日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者となっており、そういう意味では、妊娠されている方や、あるいはけがをしている人、知的障害者や精神障害者の方も対象としていると答弁されています。
 そうであるならば、身体障害者と狭めた規定でなくて、すべての障害者を含む障害者とまで明文化されないのかという点が一点。また、高齢者、障害者の社会参加というのは私は本当に権利であると思いますし、その保障のために建築物バリアフリー化が不可欠であるという位置付けが必要だと考えますが、まずその点についてお伺いいたします。
#55
○国務大臣(扇千景君) 過日、大沢議員から本会議においても御質問を受け、そしてそのときにもお答えいたしましたけれども、今おっしゃいましたように、少なくともハートビル法の改正法第二条によりまして、今回は、今、高齢者、そして身体障害者のみならず、その他の日常生活、そして社会生活に身体機能上の制約を受ける者も対象としたというのを、先ほど仰せになったとおりでございまして、そのように私も本会議で答えさせていただきました。そして、身体機能上の制約を受けている知的障害者あるいは精神障害者の方々もすべて対象としているというのは申し上げたとおりでございます。
 ただ、その点、基準の策定方法というのが大事だと今おっしゃいましたけれども、私は、そのために少なくとも利用される皆さん方の意見を聴取し、そして基準を策定するということに関しては私は大変重要な認識であろうと思っております。そういう意味では、高齢者とか、あるいは障害者の関係団体の方々の、その人たちを委員として入っていただいております審議会においてその基準についての御意見をお聞きしているというのが現実でございますので、またさらに、その基準の原案につきましては、パブリックコメントを行うとともに、高齢者とか、あるいは障害者関係団体、そういう方々の、関係者の意見を聴取するという、その場を設けておりますので、そういう意味では、高齢者、障害者の方々の意見を踏まえて適切な基準を作るというふうに努めているところでございますので、是非、そういう点ではまた皆さん方の御意見をいただくということを是非お願いしておきたいと思っております。
#56
○大沢辰美君 交通バリアフリーのときもその意見を申し上げまして、今回のハートビル法もやはり同じ提案になっているわけですが、私は今後のやはり法の在り方として、すべての障害者という位置付けが大事であるということを再度申し上げて、これからの法文についてはやはり明文化をしていただきたいということを要請をしておきたいと思います。
 次に、このバリアフリーを進める上で、今、大臣は関係団体の皆さんの意見を審議会で聞いている、そしてパブリックコメントもやっているという御意見ですが、先日の参考人の方の意見では、そういう審議会に出れる人はもう一握りじゃなくて一粒だという表現をされていました。
 ですから、やはりこのバリアフリー法の、具体化する上で、この問題については主務大臣が移動の利便性、安全性の向上を総合的かつ計画的に推進するということになっているわけですが、この基本方針を作成するその段階から、私はやはり市町村が基本構想を策定する際の、高齢者、身体障害者の意見の反映を盛り込みますということでなっていますけれども、ハートビル法でも、私、高齢者、障害者の参画ですね、やはり仕組みを盛り込んでいただきたいと考えますが、いかがですか。
#57
○国務大臣(扇千景君) 今、私も委員会というふうに申し上げましたけれども、例えば今回のハートビル法を改正しますこの委員会、取りまとめた部会の皆さんの中には全国の老人クラブの連合会の副会長さん、見坊さんにお入りいただいていますし、日本身体障害者団体連合会会長の兒玉さん、そして日本盲人会連合会会長の笹川さん、また日本ろうあ連盟の理事であります長谷川さんにも御参加いただいて、この答申の取りまとめに入っていただきました。
 また一方、今回の基準の最終原案についての意見を聴取するというこの予定の委員会でございますけれども、これは既に設置しておりますので、その中には全日本のろうあ連盟副理事長の黒崎様、それから日本盲人連合会情報部長の牧田様、そして日本身体障害者団体連合会会長の兒玉様、そして全国老人クラブ連合会参与の山本様と、こういう方たちに既に入っていただいて、それぞれのお立場の中でそれぞれの御意見を聴取して最終答申を取りまとめ、今回のものに適用したというのが現実でございますので、今おっしゃいましたように、あらゆる障害者、そしてあらゆる老人関係の皆さん方の実の声を伺って作成したわけでございます。
#58
○大沢辰美君 確かにそういう形で代表者の方が参加されていることは私も知っております。でも、やはり高齢者、障害者の意見をしっかり反映させてほしいという先日の参考人の皆さんの意見は私は真摯に受け止めていていただきたいと思うんですね。
 それはやはり、そのときに意見を述べて、審議会で意見をまとめて答申されて、それを行政が反映されるんですけれども、やはり言ったときとでき上がったときが違うというのが現場での参考人の意見でした。ですから、やはり企画するときからその一つのことに参加をさせていただきたいということがその人たちの希望でもあります。ですから、そういう仕組みを作っていただいて、各自治体でいろんな方法を取られると思いますけれども、そのことを再度要請をしておきたいと思います。
 次は整備目標についてなんですけれども、今、交通バリアフリーの問題も出されましたけれども、やはりこういう建物のバリアフリーについても、いつまでにどの程度整備をしようとするか、それをしなければいけないかという目標はどういうふうになっていますか。
#59
○政府参考人(三沢真君) まず、整備の目標ということでございますが、今回法改正で一定のものについて義務化を行うわけでございます。したがいまして、新築の二千平米以上の特定建築物による基礎的なバリアフリー基準への適合状況、これは現在七割程度でございますけれども、今回の法改正によりまして、これは当然新築の二千平米以上は十割、一〇〇%に引き上げるということになるわけでございます。
 それから、基礎的な基準よりも更にグレードの高い誘導的な水準への適合状況でございますが、これは現在、新築のもので一割弱でとどまっております。これにつきましても平成十七年度には二割に引き上げるように、いろんな支援措置を積極的に講じるという目標を立てまして、バリアフリー化に努めているということでございます。
 なお、それ以外の建築物につきましては、それぞれ公共団体の条例の中で義務付け対象規模を引き下げることを可能にしているところでございまして、地域の実態に応じたそれぞれの目標を立てていただいて、それと併せて条例の制定の措置を講じていただくということが望ましいというふうに考えておりまして、それぞれの自治体でのいろいろな取組につきましても、できるだけお互いにいろいろな情報交換の場を持ちますとか、そういうことによりまして広く周知を図りまして、計画的なバリアフリー対応を推進していきたいというふうに考えております。
#60
○大沢辰美君 整備目標については、誘導的基準を満たす二千平方メートル以上の特定建築物の割合を今述べられたわけですが、やはり大事なことは、日常的に高齢者、障害者が利用する建築物すべてが、特に既存の建築物も含めていかに利用しやすいものにするかということが大事だと思います。そこにやはり確実な推進する計画と目標を立てていただきたいと。
 そこで、具体的に公共建築物なんですが、今回の改正案では既存の特定建築物の修繕、模様替えについても努力義務の対象になったわけですが、もう一歩進めて、私は公共の既存の特定建築物については少なくとも改善計画、地方自治体任せじゃなくて、改善計画を作らせてその実施状況を点検し、推進する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#61
○政府参考人(三沢真君) 今回の改正案の中で、役場とか公民館等を含めまして不特定多数の方が利用する建築物については、やはりバリアフリー化の現状であるとか、あるいは高齢者、身体障害者の方々の利用状況、こういったことを勘案いたしまして、二千平米以上の建築等を行う場合にバリアフリー化を義務付けるということにしておりますが、これにつきましては現在、福祉のまちづくり条例等の中でも、いろいろ公共団体、それぞれ地域の実態に応じた取組が進んでいるところでございます。
   〔委員長退席、理事藤井俊男君着席〕
 今回、そういう福祉のまちづくり条例による取組をこの法律に基づくいわゆる条例として取り組んでいただけるように、そういう学校等の特定建築物を義務付けの対象に追加するとか、あるいは対象規模を引き下げるということもこの法律の仕組みの中で可能にしておりまして、これにつきましては、やはり地域の実態に応じたバリアフリー化対応を推進していくということが大事であるというふうに考えている次第でございます。
#62
○大沢辰美君 自治体の自主性ということで、非常に言葉の上では表現は尊重しているように見えるんですけれども、やはりそれでは進まないということの例の一つなんですが、私は緊急にちょっと兵庫県の実態を調べてみました。庁舎の、いわゆる役場ですね、市の段階では大体九〇%バリアフリー化されています。町役場、これは大体二階建てなんですが、これはやっぱり五〇%しかできていないんですよね。町というのは今もう高齢化が進んで、全国平均よりも本当にもう二五%、三〇%を超えているところが圧倒的に多くなっている。その役場の二階建てにもそういうバリアフリー化を進めるということをしないと、本当にこれは進まないと。
 今も私は、二千平方メートル以上というのは義務化だけれども、それ以下については義務になっていないわけですが、これをしない限り、役場というのは本当にまだ二千平米以下ですからなかなかもうこれは、よりも全く進まないと言ってもいいんではないかと思うんですが、そういう点ではやはりこういう役場、公民館、福祉施設になるわけですけれども、この二千平方メートル以下の公共の建築物については、私は、規模、用途にかかわらずバリアフリーの義務付けをするべきじゃないかなと思いますが、いかがですか。
#63
○政府参考人(三沢真君) 先生が今御指摘になりましたことの中でやはり非常に難しいのは、既存建築物をどう扱うかということでございます。既存建築物は、やはり既設部分の解体、移動であるとか、エレベーターの新設、交換とか、あるいは建築物の使用者の一時移転をどうするかとか、やはりどうしても構造上、利用上のいろいろな制約が大きいというのが実態でございます。
 それから、当然、最初からいろんな対応をするときはコストはそんなに掛からないけれども、後から手を入れるということについては非常に多額の費用が掛かるというのもこれは実態でございます。したがいまして、この点につきましては一律に義務付けるということよりは、既存の建築物について二千平米以上の増改築工事を伴う場合には、その工事部分についてはきちっと基準に適合させるようにということを今回義務付けをしているところでございます。
 それから、当然、二千平米以下の増改築工事、それから修繕、模様替えの場合でもこれは義務付けではないですけれども、努力義務ということで、できるだけ必要な助言、指導、あるいは支援を行うことによってバリアフリー化を推進することとしておりますが、この増改築工事の二千平米につきましても、これは条例によりましてもっと規模を引き下げるということも可能でございまして、これらによりまして、なかなか地域の実態に応じてと言いながらも既存の問題は難しいところがございますけれども、できるだけやはりそういうバリアフリー化が進むような施策に努めていきたいというふうに考えております。
#64
○大沢辰美君 既存建築物は、役場一つの例を取っても難しいと言ったらできないと思うんですよね。ほとんどが木造ではありませんけれども、一応二階建てで役場の役割を果たしている。そういうところにバリアフリーを今すぐ付けたらお金が掛かるというけれども、私は別の、横にエレベーターならエレベーターを附属的に付けるというのは可能だと思いますし、金額にしたら二千万円、三千万円掛かるかもしれませんけれども、やっぱりそういう補助をしていくということが進む前提になると思うんですね。
 ですから、義務化の問題と支援措置の問題と改善計画というのを一体的に作らせるように指導して、せっかくこの法律を改正してでき上がろうとしているわけですけれども、やはりそこまで具体的な指導と援助が求められると思います。それでなければ進まないということを指摘をしておきたいと思います。
 次に、公共建物の中の学校のバリアフリーについて伺いたいと思います。
 学校がなぜ義務付けできないのかという点と、学校はやはりいろんな地域のセンター、いろんな場所に使われるわけですね。投票所にも使われています。そして、もちろん障害者の方も入学を、たくさん今増えているわけです。それで、私は、災害が起きたときもここは避難所となる、もう一番身近なセンターとなっているわけですね。
   〔理事藤井俊男君退席、委員長着席〕
 私たちが経験しました阪神・淡路大震災では、学校に避難した障害者は何日もそこにとどまることができなかったんです。再びほかへ移っていかざるを得なかったというのが学校の施設だったわけですね。避難した視覚障害者や身体障害者の方も含めて私たちは統計を取ったんですけれども、やはり震災後何らかの場所に避難した障害者の人は四割なんですけれども、そのうち、すぐに二、三日で再移動しなければならなかったという人が六割を占めているんです。だから、多くの障害者が避難所、学校では暮らせなかったというのが現状なんですね。
 そういう点では、私はこういう教訓も一つ踏まえて、是非学校のバリアフリー化というのを義務付けるべきだと考えますが、いかがでしょうか。現状はどうなっているか、教えていただけますか。
#65
○政府参考人(小田島章君) 文部科学省の文教施設部長でございます。お答えをいたします。
 学校施設におきまして障害のある児童生徒の支障のない学校生活を送ることは極めて大切なことでございまして、さらに最近は、学校施設は地域社会におけるコミュニティーの拠点としても計画されるようになってきております。そうしますと、バリアフリー化は極めて学校施設にとっては大切なことでありますので、我が省といたしましても国庫補助などの支援措置を講じてまいりました。したがって、今回ハートビル法の改正において学校を特定建築物に追加して努力義務の対象とすることについては大変妥当なことだと思っております。
 しかしながら、学校施設は、委員御指摘のように、特定多数の方々や高齢者が通常おいでになるような施設ではありませんので、またあるいは学校を作ります設置者、市町村や学校法人におきましては財政状況も異なることがありまして、学校施設のバリアフリー化を一律に義務付けた場合には、設置者によっては直ちに履行できないことも想定されます。したがって、我が省としましては、学校を義務化の対象とすることは現時点では困難であると考えております。
 しかしながら、学校体育館なんかにつきましては、委員御指摘のように、災害時に住民の避難所になったり、あるいは投票所になったりいたしますので、スロープ、自動ドア、エレベーターなどのバリアフリー対策を講じることは大切なことだと認識しております。
 これまで地域コミュニティーの拠点として整備する学校につきましてもバリアフリー施設整備に係る経費について国庫補助をしているところでありますが、今後とも設置者の取組を積極的に支援してまいりたいと思っております。
#66
○大沢辰美君 どれぐらいの今実施がされていますでしょうか、学校のバリアフリー化。
#67
○政府参考人(小田島章君) お答えをいたします。
 公立学校におけるバリアフリーの推進は、今申し上げましたように、大変重要なことでありまして、各学校の設置者におきまして適切な整備が進められていると考えております。
 自治体の計画につきまして、平成十三年度の調査によりますと、全国の小中高等学校及び特殊教育諸学校が今三万九千三百九十一校ございまして、そのうち二万九百三十四校、率にいたしまして五三・一%の学校におきましては、エレベーターあるいは身障者用トイレ、スロープなど何らかのバリアフリーの整備がなされているという現状でございます。
#68
○大沢辰美君 私は、義務化が難しいという点を言われましたけれども、やはり改善計画を持っていただいて、そういう指導というんですか、やっていただきたいと。
 一つのこれも例なんですが、神戸市の場合を調べてみますと、既設校、新設校はもう当然ですけれども、既設校は順次年次計画を立てて今進めているということを聞きまして、やっぱりそういうことが必要なんだなと。そういう指導が文部省、そしてこのハートビル法ができた段階では、できたらやっぱり具体化、改善計画を作っていただく、実態を把握してやっていただきたいということを要請しておきたいと思います。
 次に、障害者の方の、先日の参考人の方の御意見を私は強く感じたんですけれども、二千平方メートル以下の規模の小さい建設物、それについての支援措置の充実が求められるということで、柔軟な対応をしてほしいという意見を述べられておりました。特に、理髪店だとか美容院だとかコンビニ、そういうところの個人経営の建築物のバリアフリー化に対する支援措置は何かありますでしょうか。
#69
○政府参考人(三沢真君) 二千平米未満の建築物におけるバリアフリー対応につきましては、現在、中小企業金融公庫、それと国民生活金融公庫による認定建築物に対する低利融資制度を通じて支援を行っております。それから、二千平米未満の建築物については公共団体の条例によって義務付け対象にすることができると、こういうことになっておりますけれども、多くの公共団体でこういう二千平米未満の建築物を対象として、それぞれの自治体の取組として補助とか低利融資とか、そういう独自の支援制度を設けているという例もございます。
 やはりそういう地域の実情に応じたバリアフリー対応を推進しておられるということで、今後ともそういう取組について私どももいろいろな助言をしていきたいというふうに考えております。
#70
○大沢辰美君 融資制度だけでは、これは進まないなという思いがいたします。二千平方メートル以上の建築物には税制上の優遇制度があるわけですけれども、自治体が一定補助をした場合は、やはり国も自治体と一緒になって思い切った支援措置の充実が必要であるということを指摘をしておきたいと思います。
 私は、最後に、今までの論議の中で、バリアフリーの促進ということで建築物そして交通バリアフリーができて、そして一体になればすばらしいまちづくりができるなということで、地方自治体も条例を作って細かくやろうとしているわけですけれども、やはりここで私、導線ですか、道路、歩道、そういう点についての何か連続性が欠けているように思うんですね。その点では、高齢化社会対策基本法には、「社会のシステムの対応は遅れている。早急に対応すべき課題は多岐にわたるが、残されている時間は極めて少ない。」というように記しているわけですね。
 やはり社会参加を保障する上で建物そして交通バリアフリーは一体的な施策が求められると思いますが、その点でのこれからの施策ですか、強化すべき点はどのように考えていらっしゃいますか。
#71
○国務大臣(扇千景君) 今おっしゃいましたように、先ほどからも御論議がもう既に出ておりますので、少なくとも高齢者、障害者の皆さん方が安心して暮らせることのできる二十一世紀づくりということの基本にとっては、極めて私は今回の法案は大事な法案である、そう思っておりますし、また御審議もいただいております。
 そういう意味で、このための高齢者対策として高齢社会対策基本法、そして障害者対策としての障害者基本法、この二つの基本法がございますので、これらに基づいて我々も政府として基本的かつ総合的な施策というものを一体的に推進するというのがいかに重要かというのは、今日の御論議をいただいた中でも出てまいりました。
 そういう意味では、国土交通省所管の公共事業関係の長期計画、先ほども申し上げましたように、十本ございますけれども、そのうちの八本が十四年度で切れてしまいますので、そういう意味では、今おっしゃいましたような、各省が今までのようにばらばらで対応するのではなくて一体的に、これを統一した理念の下で私は総合的に見直すということが必要であろうと思っております。
 バリアフリー社会の形成というものは、明日は我が身でございますので、私も心して対応してまいりたいと思っております。
#72
○大沢辰美君 本当に具体的な点でそれをお示しをいただきたいと思います。
 私は、さらに最後の質問になりますが、住宅を含めて、生活のあらゆる面で充実させていくということが大事だということを今までも指摘がありました。今回の改正では、共同住宅が特定建築物に追加されることは当然です。しかし、共同住宅はバリアフリー化されても共有部分ですから、高齢者、障害者の方は住宅の中がバリアフリー化されなければいけないと。私は、高齢化が進む中で、支援措置の充実を図り、最もやらなければいけない、今、介護保険制度で、金額にして二十万円ですか、いろんな設備を造ることができるようになっています。でも、これは介護保険適用者のみですから一般の方にはそれが適用できないわけで、一般の障害者には適用できないわけです。
 だから、国土交通省としては、やはり多くの方がすべて自立して生活できるように住宅のバリアフリー化の促進を図るべきと思いますが、具体的にどのような考えがございますか。
#73
○政府参考人(三沢真君) 今現在、住宅全体で見ますと、バリアフリー化された住宅というのは全体の三%程度にとどまっているということから、やはり今後、持家、借家を問わず、住宅のバリアフリー化を進めていくということは大変大事な課題であるというふうに考えております。
 このため、住宅金融公庫融資の中で、例えば新築住宅でありましてはバリアフリー住宅工事等の高齢者対応の設備工事を行う場合に割増し融資制度を実施しております。それから、これは新築だけじゃなくて既存住宅のリフォームにつきましても、こういう高齢者等の対応の設備工事を行う場合には、一般のリフォームですと五百三十万円が限度でございますけれども、融資限度額を一千万まで引き上げまして、これを支援するということにしております。
 今後も、こういう制度を活用しながら、住宅のバリアフリー化の推進に努めていきたいというふうに考えております。
#74
○大沢辰美君 貸付制度はそういう形であるんですが、これはまた一例なんですが、全国的に本当に例の、もう一例だけか二例ぐらいじゃないかなと思うんですが、兵庫県の明石市で介護保険以外の住宅改造の、障害者を含めて、補助制度が導入されているんです。これは、百万円の事業を限度にして一割を市が負担しましょうと。そうすれば、百万円というのは大体ホームエレベーターを造れるという金額になるので、百万から二百万掛かるとは言われていますけれども、やはりそういうバリアフリー化を進める上では非常にいい支援制度だと思います。
 ですから、これは一自治体ですけれども、やはり国としてもこういう補助制度を実施して、貸付けもありますけれども、実際に進む方法、住宅、そして建物、交通バリアフリー、そういうやっぱり今高齢者の社会対策基本法にもうたわれているような、そういう私はすべての面で充実した制度を国としても考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#75
○政府参考人(三沢真君) 例えば、今例に挙げられましたホームエレベーターの問題につきましても、先ほどの住宅金融公庫の新築住宅の割増し融資なりあるいはリフォーム融資の中でこれはお貸しできるという仕組みになっております。
 ただ、補助ということにつきましては、これ、やっぱり個人の住宅の、しかも中のものに対する助成をしていくということについては、これはなかなかやはり個人財産に対してどこまで国が助成していくかという非常に難しい問題がございまして、この点はやはり慎重な検討が必要なのではないかというふうに考えております。
#76
○大沢辰美君 時間です。終わります。
#77
○委員長(北澤俊美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩をいたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十一分開会
#78
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を再開をいたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、弘友和夫君が委員を辞任され、その補欠として渡辺孝男君が選任されました。
    ─────────────
#79
○委員長(北澤俊美君) 休憩前に引き続き、建築基準法等の一部を改正する法律案、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案及び特定有害物質による建築物の居室内の空気汚染の防止等に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#80
○田名部匡省君 文部省、お見えになっていますね。
 最初に、この法律が絵にかいたもちになってはならぬと、こんな気持ちで考えまして、一番やっぱり大事なことは教育だと思うんですね。
 この前も、参考人のとき申し上げたんですが、シドニーのパラリンピックの水泳の金メダリスト、成田さんというのが五所川原市に来て講演したんですね。そこで彼女が、同じような車いすの別の競技の選手たち、地元の選手たちが行って聞いて、その人は、オリンピックで金メダル取るぐらいだから何の問題もないんだろうなと思って聞きに行ったと。しかし、聞いておったら、エレベーターやトイレの利用、タクシーや列車からの乗り降りなど、いろんな壁にぶつかっているということを聞いて驚いたと、こういうことを言っていたんです。
 この人は、中途から障害者になって、社会がやっと福祉の方に目を向け始めたころ、ようやく外へ出るようになった。ただ、いざ外出してみると、階段や道路の段差、交通手段の問題など、まだまだバリアフリーにはほど遠い。このような現状では、障害者がどこに行きたいかと思うよりも先に、どこへ行けるかを考えながら行動しなければならないということを言っていまして、でも、ほんの少しだれかの手をかりれば解決する問題もたくさんある。建物をバリアフリー化することも大事ですが、障害者と健常者がそれぞれ人に頼む勇気と手助けする勇気を持つことが大切だと、こう言っているのを聞きまして、私はなるほど、そうだなと。
 ややもすると、我々でも、見ておっても、何かしてあげたいけれども、言おうかな、どうしようかなって迷うんですね。頼む方も、また何となく頼みにくいという。こういうのは、やっぱり学校教育の中でもう小さいときから教育をして、そういうのを見たら、どこへ行くんですかとか、こうですかといって積極的に手伝うことをやっぱり教えるということが、これは将来的にこれからもう高齢化がどんどん進むと、歩けない不自由な人が多くなっていくわけですから。
 そう思って今日はあなたにおいでいただいたんですけれども、学校教育の中ではこういうことは何か教えておるんですか。
#81
○政府参考人(玉井日出夫君) お答えを申し上げます。
 大変重要な御指摘をいただいたと思っております。学校教育において子供たちが障害者に対する正しい理解を深めることは大変重要だと思っておりまして、このため、学校教育におきましては、小中高等学校を通じまして、道徳、特別活動、社会科等において福祉の重要性について理解させ、同時にまた思いやりの心だとかあるいは奉仕の精神を育てると、こういうことから今教育の充実を図っているところでございますし、また障害のある子供と障害のない子供がともに活動する交流教育というものを大変積極的に進めているところでございます。
 今回の新しい学習指導要領でございますけれども、障害のある児童生徒、それから高齢者の方々、こういう方々との交流に関する事項を指導要領の中に明記いたしましたし、それから新しい指導要領では総合的な学習の時間という、言わば問題解決的な、体験的な学習を取り入れているわけでございますけれども、そこにおいてもボランティア活動など社会奉仕体験学習を積極的に行うということとしておりまして、こうした体験を通じて、実際の体験を通じて、子供たちが障害のある人の立場に立って福祉の心や助け合いの心を深めるということを私どもとしては期待し、そういう教育の充実に取り組んでまいりたいと、かように考えております。
#82
○田名部匡省君 今のお話でも、実践をするということは大事だと思うんですね。頭の中で幾らやっても、これはスポーツと一緒で、頭の中で幾ら分かったって、実際にトレーニングしないと行動を伴っていかないんですね。ですから、どうぞ学校教育の中で、昨今の子供たちを見ると、もう私たちが子供のころは、学校から帰ってくるとかばんほうり投げて、玄関に、遊びに行ったんですよ、町内の子供と。今、一人も遊んでいるのはいないって、どこへ行っているものか、子供たちが。一遍も見たことないですよ、町内でわあわあ騒いで集まっているというのは。
 やっぱり世の中もそういうふうになっちゃったのかなと。そういうことで育った子供たちというのは、自分本位になって、何か人のためになんというのはなくなってきたのかなと。もちろん、上の方を見るとこのていたらくですから、まあそれは子供に言えた話じゃないんで、親も率先しないといかぬ話をあなたに言って申し訳ないけれども。しかし、学校現場でもどうぞこれからの高齢化時代に備えて、やっぱり子供たちがもう率先して手伝う、手を差し伸べてやるということを徹底していただきたい、こう思います。今日はありがとうございました。もう結構です。
 そこで、前からもうこれ何回もうるさく言うんですが、大枠は国で決めたら、地域の実情にもう一切任せたらどうですかということを言ってきたんですが、建築基準法でも、都市を豊かで快適、国際的に見て経済活力にも満ちあふれたものへと云々というのがありますけれども、これを見ていると、やっぱり国際的なんというと、私の方の地元じゃ余り関係ない話なんで、大都会の話かなと、こう思わざるを得ないんですが、いずれにしても、本法案の概要では、住民等の自主的まちづくりの推進、土地所有者、まちづくり協議会やNPO等が、一定の面積以上の一体的な区域について土地所有者等の三分の二以上の同意があれば云々と、都市計画の提案ができると、こういうことを書いておりますが、今までの失敗の多くは、地方の町というのは、中心街というのは、都会ともう形態が全然違うんですね。結局、中心部への道路が整備されていないのに周辺の農地をつぶして区画整理事業をやるものですから、中心地に向かって大混雑なんですよ、朝晩。
 道路の整備が全くされていないことに大きなものをぼんぼんぼんぼん造るものですから、そういうのを見ておりますと、後から橋を架けたり道路を整備するのでなくて、事前に総合的なプランを作って、十分な調査というものは私は必要だと。
 これを指導してやらないと、言っては何ですが、地方の市の職員たちだってそんなに考えながらやっているわけでないので、あなた方からこういうものには予算を付けるよと言うと、ああ、そうですかというような簡単なことでやっていますけれども、十分、こういうものの、今みたいな、将来こうなるんだよということを考えて計画的にプランを作って、そしてやることを指導をしてあげないと。後からできてから大混雑になるようなことは是非避けていただきたいと、こう思うんですが、これについてどうお考えになるか、ちょっとお話しいただきたいと思います。
#83
○政府参考人(澤井英一君) 町を整備するに当たりまして将来のビジョンを定め、それに向けて計画的に進めるべきであるという先生のただいまの御指摘はそのとおりだと思います。
 都市計画でもマスタープランがまずございまして、仕組みとしてございますが、こうしたものを住民の参加の下により具体的に充実していくということがこれからの方向の中でまず大事かなと思います。
 それから、具体の事業を進めます場合にも、例えば区画整理事業をやる場合に、国の補助制度の中でも言わばその準備段階、構想段階の調査に対する補助、それからそれが区画整理でやるのにふさわしいだろうというときに、どういう区画整理を周辺地域との関係も含めてやればいいかという具体的な段階での実施調査と、二段階の調査がございまして、そういう段階を経て実際事業に掛かっていくという仕組みもございます。
 したがって、そういった仕組みも活用いただきながら、先生御指摘のような、やってみてこうなっちゃったというようなことがないようにしていかなければいけないだろうと思います。
 それから、しばしば申し上げておりますまちづくり総合支援事業という仕組み、これは市町村レベルで区画整理とか道路とか、場合によったら、今年度からはまちづくり活動に対するソフトな支援とか、そういったいろんなメニューを市町村の判断でその地域に最もふさわしい形で組み合わせて事業展開ができるという仕組みもございます。
 いろいろな仕組みがございますので、私どもも、そういう仕組みも周知をしながら、いろいろ御相談にも乗りながら、計画的、段階的なまちづくりというものをこれからも進めてまいりたいと思います。
#84
○田名部匡省君 あなたたちは、一つ一つの市に行ってみて、ここはこうだ、こうだと言うことはやるあれはないんでしょうから、注意してやるべきことをやっぱり言ってやらないと、気が付かないでみんなやってきて失敗しているわけですから、今後については十分そういう点を、造ったことによって交通事情はどうなるか、あれはどうなるかということをやっぱり言ってやると気が付くんですよ、気が付かないでやっていますから。そういうことは是非やっていただきたい。
 それから、クロルピリホスあるいはホルムアルデヒドの発散するおそれのあるという建築材料は使用禁止だと。おそれのあるというのはどういうことかなと思って、この前から。おそれのあるという、だれがおそれがあるかどうかというのを、おそれがあるからというのなら分かるけれども、おそれのあるものはと、こう書いてあるから、このことをちょっと分かったら教えてください。
#85
○政府参考人(三沢真君) これは、具体的には政令の中で化学物質を指定するということにしております。
 それで、おそれがあるというのは、当面考えておりますのは、厚生省の方で具体的な指針値が決めておられまして、したがってその指針値を超えた場合には健康に影響を与える可能性があると、そういう物質が対象になると。
 それについて、午前中も申し上げましたけれども、そういう化学物質は最終的にはすべて規制対象にするという考え方でやっておりますけれども、当面、まず発生源の特定あるいはその発生源と室内濃度との関係が明らかになっている二物質を規制の対象にすると。ただ、最終的には、やはり先ほど申し上げました化学物質、これは規制の対象にしていくという方針であるという考え方でございます。
#86
○田名部匡省君 今もお話にありましたように、厚生省の指針値でという話も出てくる。あなたの方でもやらなきゃならぬ。今、文部省来てもらったけれども、ああいう問題もありということで、この間も縦割り行政、日本の行政の縦割り行政はもう本当に困ったものだと僕は思っているんですけれども。
 これは、扇大臣、何か機能的に動けるような役所をどこかに置くといったってけんかが始まりますから、プロジェクトチームみたいなものを作ってこういうのをやったらどうかと。
 僕は、町、村へ行くと、公民館もあれば体育館もあれば老人ホームもあれば保育所もあればと、みんなばらばらばらばら建っているんですよ。あんなの体育館に全部、老人ホームも保育所も、何であれ全部合築してやったら人を一杯置くこともないし、ばらばらにあると二人ずつ置くものを、五つぐらいのものを合築しちゃえば。空いているときは老人ホームのおじいさんたち、おばあさんたちも体育館に来て運動すればいいしということを、いつもそう思うんです。そんな大きくない町や村に、何であんなにばらばらに建てるのかなと思って。
 これ、全部縦割りなものですからそうなっていると。箱物をやるときも、何かどこかでまとめて合理的にやれぬものだろうかと、こう思うんですが、どうでしょうか。
#87
○国務大臣(扇千景君) 先ほどからの田名部委員が文部省と応答していらっしゃるのを拝聴しておりまして、私の所管ではないのでそれを超えた発言をするのはどうかと思いますけれども、文部委員長経験者として言わせていただければ、北欧へ行きましたときに、老人ホームと保育所、くの字型に建っておりまして、直角に、そして共用の遊び場は老人と子供が一緒なんです。そうしますと、お年寄りは子供を見ることによって活力が生まれる、子供はお年寄りと一緒に遊ぶことによって年寄りを大切にする、車いすの人にも子供は介護をする、そういうところがほとんどでございます。
 それが、今おっしゃった我々の国内の中でできないかということで、先日皆さん方に法案を通していただきました都市再生、内閣の下に直轄で特区を作りますけれども、その中には老人ホームと託児所を必ず造るということも私はできると思いますし、また今度はいたします。規制を取っ払います。
 そういう、やっぱり大きな枠でしないと今おっしゃったようなことができませんし、また全国の都道府県というものも、地方、地方で縦割りになっていますのも、是非先生方のお力で、国の縦割り、もっと地方にも縦割りができちゃっていると。これがやっぱり私は問題だと思いますし、僣越ですけれども言わしていただければ、学校が週五日制になりました。土曜、日曜、二日間、週お休みになりました。少なくとも、今おっしゃったような福祉の問題、そして老人に対する態度、そういう意味では、四日土曜日をお休みにするものですから、せめてそのうちの、私は、二日は福祉の問題とかボランティアとか、そういうものを必修にして、それを学習の成績の中にも、この人はこういうボランティア、ごみ拾い一つでもいい、あるいは老人ホームを訪問するのもいい、そういうことを義務付けるようなことを私はこの週休二日制というものに対しての理想はしていただきたいという、これは個人的にも、あるいは議員としても願っておりますので、ほかの省のことに口を出して申し訳ないですけれども。
 今のお話と、そして今回のこの老人ホームと保育所とという、あえて議員からの御指摘でございますので、私は国の縦割りはもとより、地方においてもその縦割りを外して、そして理想的な、おのずと体験していくという、今、先生がおっしゃったことを私は当然そこで入れていくべきだと思っておりますので、今後も文教科学委員会においてもそういうことを是非みんなで協力してしていただきたい。また、私たちも新しい都市づくりの中に必ずそれを入れるということを努力していきたいと思っています。
#88
○田名部匡省君 もう学校ががらがらがらがら人が減って空いていますから、うまく活用さえすれば、それは老人ホームだ、今の子供たちを入れるとか、いろんなことを考えて私はやるべきだし、今、私は、この文教政策で悪いのは、頭のいい子ばっかり育てようとするんですよね。だから、それはもういいというの。しかし、ボランティアとかスポーツだとか音楽だとか、いろんな能力を持っているの、子供たちは。この三つぐらいを評価してどんどんやるようにすればいいものを、頭が良ければもう人間立派だと思って、教育というとそればっかりやっているところに間違いを起こしているんだろうと、こう思うんです。今日は文教委員会でないんでこれで終わりますけれども。
 今、何ができるかというと、自分の家がどんな状態かということがまず分からないことなんです。もう私だって自分の家が本当にどうなっているかが全然分かんないんですね。恐らく国民の多くは、こういう議論がどんどんされると初めてみんな、あら、そんなことがあるのかなというのを、国会で余り熱心にやるものですから、地元へ帰って言うともうびっくりしているんです。言わなきゃよかったなと思ったんですけれども。だから、国民の多くはこれ知らないんですよ。
 じゃ、当面どうするかというと、今いろいろ言われて、この間も申し上げましたが、濃度測定がどうするかというのぐらいはやってもらわぬと、命にかかわる、病気になるという人がどんどん出ているというのに何にもしないというわけにいかない。建材とか、いろんなのをやるのはこれ時間掛かるんです。これ駄目だからって今度は新しいの造るかといったってこれ時間掛かるし。当面、その対策ありますよね、窓開ければいいとか、こうすればいいですということもあるが、まず基本的に自分の家、みんなの家が、いや皆さんの家もそうですよ、どうなっているかが分かんないことにはこれ手の打ちようがないと思うんですね。
 しかし、この間も言ったように、青森県にたった八台か九台しかないと、測定器が。それで全部やるといったって、これはもうできませんよね。何かこの支援措置でも考えて、そんなに一杯要らぬから、市の職員がずっと回って、今こういう状況ですよというのさえ頭にあれば、ああ、じゃ窓をしょっちゅう開けようかなとかなんとかという努力をしていくと思うんですよ。分からないのにやれやれって言ったって、これなかなかやれませんよ。そういうことをどうやるかという考えを少し、のんびりした話でなくて、どうですか。
#89
○政府参考人(三沢真君) 先生おっしゃいますように、やはり実態がどうなのかと、それからどうすればいいかということについて消費者に正確な情報をお伝えするということが非常に大事だというふうに考えております。特にその中で、先生御指摘の、それぞれお住まいになっている方、あるいはそういう消費者の方々からの申請に応じて、自分は測りたいという方のニーズにこたえられるような体制の整備というのも非常に大事なことでございます。
 現在はなかなか、正直言いまして、そこの台数が十分であるととても申し上げられる状態ではございませんけれども、一方、これからいろいろ、今回の法律を契機にいたしまして、例えば今回の法律の中身であるとか、あるいは住まい方についてのいろんな注意喚起ということを周知徹底していくという一方で、やはり、じゃ自分の家を測ってみたいという御要望は当然増えてくるというふうに我々考えております。
 そのことにつきまして、やはり現場に測定器があるという状況も非常に大事だと思っていますので、そこは現在の私どものいろんな補助制度の中でも、公共団体がそういうものを備えたいというときに活用できる制度もございますので、十分公共団体とも相談しながらそういう測定に応じられるような体制、これも作っていきたいというふうに考えております。
#90
○田名部匡省君 一番いいのは大工さんですよ、工務店、これに一つ持ってもらうと。自分が建てたらそこを測定すれば、これ一番簡単にいくと思うんですが、いずれにしても、そういう具体的にいい方法を考えて、私の今言ったの一番いいと思うよ、建てる人が建った後調べれば一番分かるんですから。そういうことを是非やっていただきたい。
 高齢化が大変なスピードで進んでいるんで、よく地元でも赤ちゃんの車を押して散歩しているお年寄りの人を見るんですよ。この人たちが、これはこれがあるからいいけれども、これできなくなって、車いすに乗るようになったらどうなんだろうなと。車いすというのは自動車みたいに走っていきませんから、自分で手でやんなきゃなんないでしょう。そんな体力はおじいさん、おばあさんにあるわけがないし、これはえらいことだなと、こう思って私は見ているんです。
 そういう対策もいろいろ考えて、昨日ちょうど、皆さんテレビをごらんになったのかな、宮城県の仙台市の住宅改修のテレビ、たまたま入っていまして、ごらんになった方少ないかどうか分かりませんが、バリアフリー化のために介護保険からお金を借りて、お金は掛からない、無料でできるということを業者に勧められて、ところが無料じゃないんだな、一割の負担が必要なんだそうですね。ところが、そういうことを教えないで、ただでできるできると、こういう悪質業者が物すごく増えていると。介護と建築の指定基準での改築費というのは今三百億ぐらいあるそうですよ。そういう人が行って、手すり付けるとか、こうやってやるんだ、介護保険からもうただで借りられるからと言って、結果的には、断ったら、六十八万の見積図面を作成してきて、違約金を請求されて、お金取られたと。
 独り住まいのお年寄りが多いわけですね。ところが、市には業者を指導する権限がないという。勝手にばらばらになって好きな勝手にやっているわけです。独り暮らしで介護認定を受けて保険を申請するわけですが、相談相手もなければチェック体制もない。結局、素人同士での話でだまされて、そういうのをやっているというのが昨日のテレビの内容でした。
 そこで、工事後のチェックシステムというものもない。専門家の人が行ったら、手すりは付けるな、あれは付けるなと、階段は付けろというのを全部指導していましたよ。そうしたら、歩けない人が、庭に下りるステップ台を作ったらしょっちゅう庭へ下りるようになった。上ったり下りたりするうちにだんだん丈夫になって、そのテレビが昨日放送になっていましたがね。いずれにしても、改築を下手にやって、かえって駄目にしたと、本当に必要なところだけをやって、こうして町を歩けるようになったというおじいさんが出てやっていましたがね。
 やっぱり、こういうこと等も含めて、これはもう国土交通省の責任ですよ。この基準を作ってやってくださいよ。こういう人でやるべきだとか認定するとかですね。
 最近の住宅の放送を見ていると、もういい加減、根太は全然留めていないし、いろんな住宅がありますよね。そういうことなんかも、これはあなたの方で一生懸命やってやらないと、お金掛けて立派な家を建てて、使い物にならぬという家が造られているということは大問題ですよ、これ。
 どうぞ、このバリアフリーについてもそういう体制も作って、そういう人たちが、アドバイザーだとか何とかという人がおって、昨日やっていました、ケアマネジャーとか。そういうものをちゃんと活用して、きめの細かいやっぱり体制を取ってください。ただ建物の話ばかりしていないで、どうぞ、魂の入った法律でなければならないと、絵にかいたもちにならぬようにしてほしいと冒頭申し上げましたけれども、もう時間ですから終わりますけれども、最後に、大臣、その辺の決意をひとつお話しいただいて、終わりたいと思います。
#91
○国務大臣(扇千景君) この法案に対していろいろ御審議いただいている中に、それぞれの皆さん方の地方の模様、あるいは御意見等々いただいております。そういう意味で、住宅の性能評価というもの、また今おっしゃったように、まず自分の家でどういう建材を使っているか、どういうものが自分の家の材料になっているかということすら知らないと。今、議員がおっしゃいましたけれども、正にそのとおりでございまして、見た目はいいんですけれども、我々も、十三品目ありましたか、化学性のもの、この品目全部、今舌が回らないようなものばかりでございます。それを全部、塗装に使っているとか、あるいは合板ののりに使っているとか、あらゆるところで使っております。幸い、今は何の症状も出ておりませんけれども、それがやがて、体力が消耗したり年齢とともに抵抗勢力が、能力がなくなってくると、抵抗能力、ごめんなさい、出てくるので、そういう意味ではやっぱり自分の家にどういうものがあるかということも、今、議員のお話のように、一度点検するのも大きな要因だろうと思いますし、国土交通省としては少なくともこういう法案を皆さん方に御審議いただいて、できる限りの住宅の性能表示制度とか、あるいは指定住宅制度、評価制度でございますとか、あらゆるところできちんと住宅の表示というもの、あるいは品確制度というものも作っていただきました。そういう意味では、あらゆるところで今回のような住宅の在り方、また建物、あらゆる大きな建物、二千平方メートルと言いましたけれども、それ以下のものでも私たちは注意して指導していきたいと思っております。
    ─────────────
#92
○委員長(北澤俊美君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、北岡秀二君及び野上浩太郎君が委員を辞任され、その補欠として西銘順志郎君及び福島啓史郎君が選任されました。
    ─────────────
#93
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 自治体取組の支援についてお伺いをいたしますが、現在、自治体で住まいの健康診断が実施されているところは東京都、横浜市などであると聞いていますが、東京都の場合、住まいの健康・快適度診断で、都民の要望に応じて保健所の環境衛生監視員などが実際に住まいを訪問をして、室温や湿度、それから換気の状態、ホルムアルデヒド濃度、ダニアレルゲン量などの調査を実施し、その結果に基づいて住まい方など改善のためのアドバイスを行う事業に取り組んでいるところであります。これらの自治体の取組を支援していく考えはないでしょうか。
 また、東京都では年間一万人が福祉の住宅改善助成を受けて改造を実施しているとのことです。これに倣って、やはり環境衛生による住宅改善助成制度の可能性があると考えますけれども、国土交通省としてはその推進をすべきではないかと思うんでありますが、見解はいかがでしょうか。
#94
○政府参考人(三沢真君) 第一点目の東京都あるいは横浜市等の自治体において、特に保健所等を中心にいたしましてそういう室内空気の測定調査とか相談あるいは普及啓発活動というのを行ってきたというふうに聞いておりまして、やはりそれぞれの自治体においてこういう非常に積極的な取組をしていただいているということについては、これは大変国としても大いに支援していくべきものというふうに考えております。
 私ども、やっぱり保健所とそれから都道府県の住宅部局が連携して、例えば住宅相談窓口を設置したり、あるいは講習会を開催したり、あるいはいろいろな情報提供なり相談体制を作ると、こういうような場合にやはり国の助成ということもある一定範囲で可能でございますので、今後ともこういうことを通じまして公共団体の活動を積極的に支援していきたいというふうに考えております。
 それからあと、例えばそういうリフォームした場合への助成はどうかということについては、お尋ねがございますが、これについては、現在やはり公庫融資ということを中心にいたしまして、融資による支援を中心にして行っておりますので、引き続きこういう制度を活用いただければというふうに考えているところでございます。
#95
○渕上貞雄君 今もお話ありましたけれども、公共的建築物のバリアフリーについてお伺いいたします。
 今回の改正案ではバリアフリー対応を義務付ける公共的建築物を二千平方メートル以上としていますけれども、建物の大小にかかわらず、公共的建築物すべてにバリアフリー対応を義務付けるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#96
○政府参考人(三沢真君) 先生御指摘のとおり、今回の改正案では公共的な建築物で二千平米以上のものについて義務付けということにしております。それ以外のものについては努力義務ということになるわけでございますが、この考え方は、やはりある一定以上の建築物については比較的設計上の制約とかコスト面でも吸収しやすいということ、それからやはり二千平米以上のものについて現実にバリアフリー化が相当進展してきているという現状、あるいは利用者がやっぱり大きい建築物ほど多いと、こういったことも踏まえまして、一応一律の義務付けとしては二千平米以上ということにさせていただいておりますけれども、ただ、これも再三申し上げておりますけれども、地域の実態で公共団体が条例でこれを引き下げることが可能でございますので、ここは正に地域の実情に即して、そういうものについて適切な規模を選んでいただいて義務付けを図っていくということが可能になりますので、この趣旨につきましても、私どもきちっと周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
#97
○渕上貞雄君 次に、公官庁の施設のバリアフリーについてお伺いいたしますが、国や地方公共団体の官公庁施設について率先してバリアフリー対応とすべきではないかと考えますが、いかがですか。
#98
○政府参考人(春田浩司君) 官公庁施設のバリアフリー化について率先して進めるべきではないかというお尋ねでございます。
 国土交通省官庁営繕部では、官庁施設が国民の公共施設として親しみやすく、便利で、かつ安全でなければならないということから、特に重要な課題であります施設のバリアフリー化につきましても、高齢者、障害者等が円滑に利用できる官庁施設の整備を進めてきたところでございます。
 多少古くなりますけれども、具体には、昭和四十八年度から、新築の施設のうち特に車いす利用者の来庁が見込まれます公共職業安定所とか労働基準局等の施設を対象にいたしまして、障害者用トイレや玄関の扉の自動化、それからスロープなどの整備を開始しております。それから、昭和五十年度からは、公共職業安定所等に限らず、整備の対象を一般の庁舎に広げております。さらに、五十二年度からは、こういった新築という場合のみならず、既存の庁舎につきましてもそういった例えば改修をしていくというふうなことで、その対象を広げて整備をしてきたところでございます。また、平成八年度からは、従来の整備のほかに低層庁舎のエレベーターの整備、そういったものも内容に加えてきております。高齢者等の利用に配慮するなど、対象者とか整備の内容をこういった形で拡大、拡充をしてきておりまして、バリアフリー化の一層の推進を図ってきたところでございます。
 また、今年度からは、高齢者や障害者のみならず、乳幼児を連れてきた人々などが使います、そういった意味ですべての人が円滑にかつ快適に利用できるような施設ということで、多目的トイレを設置するとか、必要に応じて玄関以外の部屋の扉の入口の自動化をするとか、それから屋外に憩いの空間を設けるというふうな形で質の高いバリアフリー化庁舎の整備を推進してきているところでございます。
#99
○渕上貞雄君 次に、既存の公共的建築物のバリアフリーについてお伺いいたします。
 既存の公共的建築物についてもバリアフリー対応をするよう義務付けることはできないでしょうか。いかがでしょうか。
#100
○政府参考人(三沢真君) 既存建築物対策というのは、これは非常に難しい問題がございまして、やはり既設部分の解体や移動を伴うとか、あるいはエレベーター等の新設、交換、あるいはその建築物の使用者の一時移転とか、そういう構造上、利用上の制約が非常に大きいというのが一つのネックでございます。
 それから、最初からこう造ればそうコストは掛からないんですが、これを途中から改造するということについては非常に大きな多額の費用を伴うということから、これはなかなか一律の義務付けというのは困難ではないかというふうに考えておりまして、このため、今回、既存建築物で二千平米以上の増改築工事を行う場合には、その工事部分についてはきちっとバリアフリー化の基準に適合させるよう義務付けをしたということでございます。
 それ以下の部分については努力義務の対象とし、かつこの部分についても、条例によって、これは二千平米以上じゃなくても、千平米の増改築も対象にしようとすれば可能になるように、そういう仕組みとして既存建築物のバリアフリー化を進めることにしております。
#101
○渕上貞雄君 次に、公的支援についてお伺いいたしますが、既存の公共的建築物のバリアフリー対応を促進するために公的支援が必要ではないかと考えますが、いかがですか。
#102
○政府参考人(三沢真君) 既存建築物のバリアフリー化の推進のために、今年度から、一つはバリアフリー建築物の整備費に対する日本政策投資銀行の融資がございますけれども、それでその場合に、増築、改築、修繕、模様替え等の改修工事の場合の金利とか融資比率等の融資条件を新築の場合よりも優遇するという措置を今年度から取っております。
 それからもう一つ、税制上もこれについて改善しておりまして、従来は認定建築物で新築のみが対象であった割増償却制度につきましても、今年度から新たに増改築を追加するということにしておりまして、こういった制度の活用により推進を図っていきたいというふうに考えております。
#103
○渕上貞雄君 学校のバリアフリーについて、学校についてもバリアフリー対応を義務付けるべきではないかと考えますが、いかがですか。
#104
○政府参考人(三沢真君) 学校は、実はこれまではそもそもハートビル法の対象外だという考え方でございました。今回、この改正に伴いまして、まず学校のバリアフリー化の重要性にかんがみまして、特定建築物という位置付けを新たにいたしたところでございます。
 特定建築物になりますと二つ効果がございまして、一つは努力義務が掛かってくるということと、それからもう一つは公共団体の条例によって、これは努力義務じゃなくて、義務付け対象にしようということであれば、それが可能になるということでございます。
 こういったことによりまして、地域の実態に応じた対応が行われるものと期待をしておりまして、この趣旨も更に周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
#105
○渕上貞雄君 不特定多数の利用する施設についてお伺いいたしますが、ホテルや百貨店のような不特定多数の人が利用する民間の施設についてバリアフリー対応を義務付けるべきではないかと思います。
 特に、参考人の発言の中にもありましたが、ホテルの共用部分はバリアフリーとなっていても部屋の中はなっていないというのが実情のようでございまして、不特定多数の人が利用する施設については全体をやはりバリアフリー対応を義務付けるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#106
○政府参考人(三沢真君) ホテルの客室の中についてそういう御要望があるということも承っております。これはただ、なかなか現状において難しい問題がございまして、例えば公共団体レベルの今までの福祉のまちづくり条例の中でもそこまでの対応は求めていないという現状から、なかなかそこの客室内のバリアフリー化というのは十分浸透していないという現状がございます。
 それから、設置者の側からいたしますと、やっぱり稼働率の問題とかコストの問題等いろいろな問題がございまして、国として今回は政令で基準を決めることにいたしておりますけれども、客室の中までは一律な対応は、義務付けるということは難しいかと考えておりますが、ただ、やはりそういうことを推進するということは非常に大事だというふうに考えておりまして、それにつきましては、そういうホテル客室の設計事例などを設計のガイドラインということでお示しして、できるだけ広く周知を図って積極的に活用、推進していくということと、それからやっぱり、業界団体とも連携いたしまして、客室内のバリアフリー化はどうなっているかということについてきちっとした情報が利用者の方々に分かるような、そういう体制の整備について努めていきたいというふうに考えております。
#107
○渕上貞雄君 マンションなどのバリアフリーについてお伺いいたします。
 高齢化が進む中で、公共的建築物でなく、マンション等の共用部分についてもやはりバリアフリー対応を進める必要があると思います。そのための対策はどのように考えているのか、お考えをお示しいただきたい。
#108
○政府参考人(三沢真君) マンション等の共同住宅も、先ほどの学校と同じように、今まではハートビル法の対象外であったわけでございます。今回、これを特定施設として義務付けたということによりまして、当然努力義務が課されるということに加えまして、これを公共団体が条例で義務付け対象とすることも可能でございます。現に、多くの福祉のまちづくり条例の中でも義務付けをしているところもございまして、こういう地域の実態に応じたバリアフリー対応が今後図られていくものというふうに考えております。
#109
○渕上貞雄君 次に、基準の見直しについてお伺いいたしますが、参考人の方からもありましたが、現在のバリアフリーの基準は十分でないという御意見がございます。今後、障害者等の意見を十分聞いて基準を見直すべきではないかと考えますが、いかがでございましょうか。
#110
○政府参考人(三沢真君) 今回の改正法に基づきまして、義務付け対象建築物の規模であるとか用途であるとか、あるいはどういうバリアフリー基準を満たすべきかという基準の中身については政令で定めることとなっております。
 当然、こういう基準等につきましては、これから策定するに当たりまして、まず高齢者、障害者の方々の意見を聴取して、これを踏まえて定めるということにしておりますが、さらに改正法の施行後におきましても、午前中副大臣からも答弁申し上げましたが、おおむね五年程度をめどにいたしまして、やはり建築物におけるバリアフリー対応の状況とか公共団体における条例の制定状況など、そういうことについてきちっと検討を加えて、その結果に基づいて必要に応じてその基準等について見直しを行うということにしております。その場合においても、当然高齢者、障害者の方々の御意見を反映させたものになるように努めていきたいというふうに考えております。
#111
○渕上貞雄君 バリアフリー化の目標や計画についてお伺いいたします。
 今後、国として、公共的建築物のバリアフリー化の目標や計画を定めて必要な施策を講じていくべきではないかと考えますが、御見解をお伺いいたします。
#112
○国務大臣(扇千景君) 今、目標と計画についてのお尋ねがございましたけれども、先ほどからも論議されておりますように、新築の二千平方メートル以上の特定の建築物に係る基礎的なバリアフリー基準への適合状況というのは現在約七割程度となっております。今回の改正法によって、義務化に伴いましてこの比率を十割に引き上げたいというふうに目標を立てております。また、現在、一割弱に止まっております誘導的な水準のバリアフリー対応の割合を、平成十七年度にはこれを二割に引き上げる、そして融資だとか税制等の支援措置というものを積極的に講じたいと考えております。
 なお、二千平方メートル未満の建築物につきましては、地方公共団体の条例によりまして、これを、義務付け対象規模というものを引き下げていくというふうに、それを可能とする、そういうことにしておりますので、地域の実態に応じたバリアフリー化の目標を立てた上で条例の制定等の措置を講じていくことが望ましいと考えております。
 各地域における先進的な取組について広く周知することなどを通じて、計画的なバリアフリー対応を推進していきたいと存じております。
#113
○渕上貞雄君 終わります。
#114
○委員長(北澤俊美君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。
 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案の修正について富樫君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。富樫練三君。
#115
○富樫練三君 私は、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律案、いわゆるハートビル法の一部改正案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 全面参加、平等をうたった国際障害者年を経て、障害者基本法、高齢社会対策基本法、交通バリアフリー法の成立と、世界でも日本でもバリアフリーが大きな流れとなっています。日本の障害者人口は二百九十三万人と年々増加しています。その六割が頻繁に外出していると政府の調査で発表されているように、障害者の社会参加は目覚ましいものがあります。
 政府案は、一定の建築物に利用円滑化基準を義務付けている等の点で一歩前進ではありますが、世界の流れや、高齢者、障害者の社会参加の広がりから見れば、余りに不十分であると指摘せざるを得ません。
 例えば、高齢者、障害者等の社会参加が権利であるとの規定がありません。そのため、目標や計画を定める場合に、高齢者、障害者等の意見を反映させる仕組みもありません。
 また、老人ホームや公民館など、高齢者、障害者にとって必要不可欠な建築物であるにもかかわらず、二千平方メートル以下の場合にはバリアフリーが義務付けられていません。理髪店や美容院、コンビニエンスストアなど、障害者の要望の高い店舗のバリアフリー化も進む見通しがありません。また、学校などにも義務付けられていません。これらの不十分さを解決するために修正案を提出いたしました。
 以下、修正案の内容を御説明いたします。
 第一に、法の目的に、高齢者、障害者等の社会参加が権利であることを明記し、ハートビル法でその権利を担保することを明確に位置付けております。
 第二に、国、自治体が目標や計画を定めて確実に推進することと、それらの決定の際に高齢者、障害者等の参加を明記しております。また、対象を身体障害者に限定せず、あらゆる障害者を含める規定としております。
 第三に、バリアフリー基準の適合義務を負う建築物について、一定の規模とする規定を削除し、必要な施設は二千平方メートル以下であっても義務付けを行うこととしています。公民館や老人ホームなどの公共的な建築物の具体的な指定は政令で行うとの考えであります。また、理髪店やコンビニなど、個人経営の建築物のバリアフリー化を推進するための支援措置の充実も含め、その実効性を高めようというものです。
 第四に、認定建築物の容積率の特例について新設する規定を削ることとしています。容積率は、日照や通風など、自然環境及び交通問題などの社会的条件などから、良好なまちづくりのために定められるもので、バリアフリーの誘導措置にする場合には慎重に行うべき問題であります。
 第五に、法施行後五年を経過した時点での見直し規定を設けました。
 以上、日本共産党の修正案の提案理由及びその内容であります。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げ、提案理由の説明とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#116
○委員長(北澤俊美君) これより三案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#117
○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、建築基準法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 建築基準法での用途地域の指定による建築の制限、容積率、斜線制限、日影規制などは、本来良好な都市環境を維持するために設けられたものであります。ところが、本改正案は、都市再生の一環として、これらの規制を大幅に緩和するところに中心的な目的があります。
 反対理由の第一は、これらの規制緩和によって業務用ビルやマンションなどの高層化と巨大化が図られ、住環境を始めとする都市環境の深刻な悪化に拍車を掛けるからであります。
 例えば、日影の測定面を地上四メートルであったものを六・五メートルも選択できるとの規制の緩和によって、低層住居専用地域以外の広範な地域、東京でいえば二十三区の面積の約半分の地域では三階以上に日が入ればよいということになります。これでは日陰になってもいいという、一、二階では人間らしい生活はできなくなります。
 また、天空率の導入によって、事実上道路斜線制限は効力を失い、隣地斜線制限の緩和との併用によって、容積率以外には規制するものがなくなります。その容積率も、用途地域によっては最高一三〇〇%まで緩和され、総合設計の採用によって更に緩和されます。この結果、従来とは比べものにならないほど高層ビルやマンションの建築が可能になります。過度の人口集中は新たな都市環境の悪化を招くことになります。
 反対理由の第二は、総合設計制度での審査基準の定型化などによる許認可なしの建築確認だけという手続の簡素化や、総合設計と一団地認定の手続の一本化など、手続の簡素化と迅速化が関係住民の理解と納得を一層遠ざけることにつながるからであります。
 現在でも、高層ビルやマンションの建設に当たって、関係住民への情報公開や説明、住民の理解と納得は不十分であり、施主と住民との紛争の原因になっています。建築のための手続の簡素化などによる時間の短縮は、住民との合意形成を一層困難にするものです。
 反対理由の第三は、これらの規制緩和が、都市計画法や建築基準法が目指した本来の都市再生の方向とは全く逆の方向に向いているからであります。
 ビルやマンションの高層化と巨大化は、現在でも過密である都市への人口集中を一層激しくし、江東区などに見られるように、保育園や学校を始めとする公共施設の不足と、自治体の新たな財政負担を生み出すことになります。国が法律で規制を緩和すれば、地方自治体はやむにやまれず開発指導要綱などで法律のすき間を活用して規制を強化せざるを得ないという制度上の矛盾を一層拡大することになります。
 首都圏や近畿圏では、マンションやオフィスビルなどの過剰供給さえ警告されているにもかかわらず、更に規制緩和で超高層ビルの建設ラッシュを促進しようというものです。
 都市計画法や建築基準法の本来の目的は、「健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保」、このことと、「国民の生命、健康及び財産の保護」であり、この方向にこそ都市再生の道があります。
 以上が、本改正案に対する反対理由であります。
 なお、本改正案には、まちづくりNPOなどからの提案制度もあり、これは前進の方向と思いますが、実効性を担保するための支援措置が必要と考えます。
 また、シックハウス対策については、建築物の中での化学物質による人体への影響を規制しようとすることは当然のことであります。しかし、対象とする化学物質や規制の基準、対象建築物の範囲、さらに規制の実効性の問題など、極めて不十分であることを指摘せざるを得ません。
 民主党提案のシックハウス対策については、住宅完成後の濃度検査で基準をオーバーした場合の改善措置について、施主が個人であったり施工が中小事業者である場合の支援策も必要であると考えます。提案全体としては、その趣旨に賛同し、賛成するものであります。
 以上で討論を終わります。
#118
○委員長(北澤俊美君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、建築基準法等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#119
○委員長(北澤俊美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 この際、藤井君から発言を求められておりますので、これを許します。藤井俊男君。
#120
○藤井俊男君 私は、ただいま可決されました建築基準法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    建築基準法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、二十一世紀の社会・経済における様々な構造変化の潮流に中長期的な視点から対応し得るよう、豊かで快適で活力に満ちた都市の将来像を実現するための施策の充実に努めること。
 二、都市の再生に当たっては、防災、安全、環境、景観等生活機能を重視するとともに、交通インフラ、上下水道等の社会資本の整備状況と調和するよう努めること。
 三、土地所有者等による都市計画の提案制度の導入に当たっては、住民がまちづくりに積極的に参加できるように、都市計画に関する知識の普及、教育、啓蒙等に格段の努力を払うとともに、住民との十分な協議・調整に努め、まちづくりNPO、まちづくり協議会等を支援するための施策の充実に努めること。
 四、容積率制限、建ぺい率制限、日影制限等の選択肢の拡充については、今回の法改正の趣旨にかんがみ、地域の実情に応じて適切な運用が行われ、住環境の悪化が生じないよう十分配慮すること。
 五、室内空気汚染による健康影響が生ずると認められる化学物質については、全て規制対象とするよう、関係省庁間の連携を図りつつ、室内空気中の化学物質の濃度の実態や発生源、発散量等の調査研究を進め、その結果が得られたものから、順次、規制対象に追加すること。
 六、建築基準については、室内空気中の化学物質の濃度を厚生労働省の指針値以下に抑制するために、通常必要な建築材料及び換気設備の基準を適切に定めるとともに、改正法の施行後に実態調査を行い、必要に応じて、その見直しに努めること。
 七、化学物質の濃度測定の重要性にかんがみ、測定サービス等の体制の充実に努めるとともに、建築基準法に基づく規制の内容や、室内濃度の測定方法、住まい方の留意点等について、消費者、事業者、関係団体等に対する情報提供等による周知徹底を図るとともに、相談体制の整備に努めること。
 八、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能表示制度による室内空気中の化学物質の濃度の実測値等の表示について、宅地建物取引業者の活用も図りつつ、周知徹底、普及促進に努めること。
 九、違反建築物対策について、完了検査等の徹底、パトロールの重点的な実施等に努めること。
 十、化学物質による室内空気汚染問題について、今後とも、関係省庁が連携して、原因分析、基準設定、防止対策、相談体制整備、医療・研究対策及び汚染住宅の改修に関する総合的な対策を推進すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#121
○委員長(北澤俊美君) ただいま藤井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#122
○委員長(北澤俊美君) 多数と認めます。よって、藤井君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇大臣。
#123
○国務大臣(扇千景君) 建築基準法等の一部を改正する法律案につきまして、本委員会におきまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決しましたことに対しまして、心から感謝申し上げたいと存じます。
 今後、審議中に賜りました委員各位の御高見、またただいまの附帯決議において提起されました都市計画に関する知識の普及、地域の実情に応じた容積率制度等の適切な運用、室内空気中の化学物質濃度を抑制するための建築基準の適切な設定等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じております。
 ここに、委員長始め各委員の御指導、御協力に対して深く感謝申し上げ、御礼を申し上げたいと思います。
 ありがとう存じました。
#124
○委員長(北澤俊美君) この際、申し上げます。
 特定有害物質による建築物の居室内の空気汚染の防止等に関する法律案につきましては、ただいま建築基準法等の一部を改正する法律案が可決されましたことに伴い、以後、審査を行わないことといたします。
 次に、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 まず、富樫君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#125
○委員長(北澤俊美君) 少数と認めます。よって、富樫君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(北澤俊美君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 この際、藤井君から発言を求められておりますので、これを許します。藤井俊男君。
#127
○藤井俊男君 私は、ただいま可決されました高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、知的障害者、精神障害者、妊産婦、けが人等建築物の利用上の制約を受ける恐れがある者について、設計上の配慮の必要性等の周知に努めること。
 二、特別特定建築物の建築及び維持保全については、特に公共建築物の重要性にも留意し、利用円滑化基準に適合した建築物が普及するよう、義務付け対象となる特別特定建築物について条例による用途の追加、規模の引下げ等が可能である旨の周知徹底など必要な措置を講ずること。
 三、利用円滑化基準及び利用円滑化誘導基準の策定に当たっては、高齢者、各種の障害を持つ関係者の意見を幅広く聴取し、その意向の的確な反映に努めること。
   また、設計者等へのガイドラインを作成し、十分な周知に努めること。
 四、特定建築物の建築及び維持保全については、高齢者、身体障害者等が当該特定建築物を円滑に利用することができるよう、適切な情報提供方法の周知など必要な措置を講ずること。
 五、ホテル、旅館、病院、老人ホームなど、宿泊や治療、療養等の滞在型用途に用いられる居室については、その一定の割合のバリアフリー対応が可能となるよう、適切な設計方法の周知、利用者に対する情報の提供など必要な措置を講ずるよう努めること。
 六、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律に基づき市町村が重点整備地区の基本構想を策定する際には、特定建築物を含めた一体的なバリアフリー対応の推進が図られるよう、適切な助言等に努めること。
 七、既存の特定建築物のバリアフリー対応の促進を図るため、改修方法等の技術的な助言に努めるとともに、認定建築物制度の活用等による積極的な支援に努めること。
 八、本法の施行の状況については、施行後五年を目途に検討を加えるとともに、その結果に基づいて必要な見直しを行うよう努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#128
○委員長(北澤俊美君) ただいま藤井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#129
○委員長(北澤俊美君) 全会一致と認めます。よって、藤井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇国土交通大臣。
#130
○国務大臣(扇千景君) 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決をされました。そのことを深く感謝申し上げたいと存じます。
 今後、審議中に賜りました各委員の御高説、そしてただいまの附帯決議において提起されました設計者等へのガイドラインの作成及び周知、交通バリアフリー法との連携による一体的なバリアフリー対応の促進等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長始め委員各位の皆様方の御指導、御協力に対しまして厚く御礼申し上げたいと存じます。
 ありがとうございました。
#131
○委員長(北澤俊美君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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