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2002/05/30 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第16号
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2002/05/30 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第16号

#1
第154回国会 国土交通委員会 第16号
平成十四年五月三十日(木曜日)
   午前十時六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     池口 修次君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     佐藤 雄平君     高橋 千秋君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     木村  仁君     西銘順志郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北澤 俊美君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                藤井 俊男君
                弘友 和夫君
                大江 康弘君
    委 員
                荒井 正吾君
                月原 茂皓君
                西銘順志郎君
                野上浩太郎君
                野沢 太三君
                松谷蒼一郎君
                森下 博之君
                森山  裕君
                吉田 博美君
                池口 修次君
                高橋 千秋君
                谷林 正昭君
                藁科 滿治君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  月原 茂皓君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       森下 博之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       国土交通省総合
       政策局長     岩村  敬君
       国土交通省河川
       局長       竹村公太郎君
       国土交通省海事
       局長       安富 正文君
       国土交通省港湾
       局長       川島  毅君
       海上保安庁長官  縄野 克彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○船舶職員法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○マンションの建替えの円滑化等に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を開会をいたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 去る二十四日、高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として池口修次君が選任されました。
 また、昨二十九日、佐藤雄平君が委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(北澤俊美君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 船舶職員法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国土交通省総合政策局長岩村敬君、国土交通省河川局長竹村公太郎君、国土交通省海事局長安富正文君、国土交通省港湾局長川島毅君及び海上保安庁長官縄野克彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(北澤俊美君) 船舶職員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取をいたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○森山裕君 おはようございます。自民党の森山でございます。
 大臣、毎日御苦労さまでございます。
 船舶職員法の一部を改正する法律案について質疑をいたします。
 法案の具体的な内容に入る前に、まず二点について伺っておきたいと思います。
 まず最初は、大臣に海について少し伺ってみたいと思います。海は私どもに大きなロマンあるいはいろんな思いを抱かせるものです。
 南国の太陽を一杯に浴びた鹿児島のシンボル桜島、その桜島を浮かべる錦江湾を目の前にして、この鹿児島に来ると日本のことを考えますね、つまり日本の来し方行く末といったようなことを、これはどういうわけかなという、作家司馬遼太郎さんの薩摩路への旅に同行した人がつぶやいたこの一言から、司馬遼太郎さんは著書「歴史を紀行する」の一文、独立国薩摩の外交感覚についての考察を展開しておられます。
 そこでは、日本列島の南端薩摩と北端津軽を比較して、北端の津軽では日本はどうなるかということよりも人生は何かといったような人間生存の第一義のような、そういう瞑想の姿勢が北端の地によく似合う、薩摩の地に来て思うのは人生のことよりも天下のことである、北方の氷雪は人間を内向的にし、西南の陽光は人間を外交的にすると結論付けておられます。
 ポルトガル船が種子島に鉄砲を伝来したのが一五四三年、その六年後の一五四九年、フランシスコ・ザビエルを乗せたポルトガル船がインドから五百日の長い航海を経て来航したのが錦江湾でありました。一八六三年にはイギリス艦隊七隻が薩摩を攻撃するために訪れたのも錦江湾でありました。二年後の一八六五年には薩摩と長州を結び付けた立て役者、坂本龍馬が船で錦江湾に姿を現しました。
 このように、日本と西洋文化の触れ合い、更には日本の近代化の夜明けを見詰めてきたのが錦江湾であります。こんな歴史を持つ錦江湾、鹿児島の人にとっては海そのものであります。私は、週末、鹿児島に帰りこの錦江湾に接するたびに、明治維新を成し遂げた幕末の志士を始めとする先人に対して思いをはせるとともに、新たな勇気を与えられるのもまた海であります。
 そこで伺いますけれども、扇大臣は数々の歴史を刻んできた須磨海岸の近くで誕生されたと伺っておりますが、大臣は海に対してどんな思いを抱かれておられるのでしょうか。冒頭、まずお伺いをしたいと思います。
#7
○国務大臣(扇千景君) おはようございます。
 冒頭に森山議員から海についてということで私にお尋ねがございました。
 私は、生まれましたのは今仰せのとおり月見山という、正に海が見える須磨区でございますけれども、そこで生まれ落ちまして、ずっと神戸生まれ神戸育ちということで、正に扇という名前は、ファンがよくてしたんじゃなくて、神戸の港が別名神戸扇港、扇の港と書きます、神戸には扇港工業、扇港商業、扇港何々という扇の港と書いた会社もあれば、いろんなものがございます。正に神戸港が扇の形をしていたために私の芸名自体もできたということで、私は、今、森山議員が司馬遼太郎さんのこととかいろいろおっしゃいましたけれども、私は毎日海を見て、こんな大自然という壮大な中で、毎日海の表情が変わり、しかも背中に六甲山をしょうという、大変私は日本の中でも恵まれた風光明媚、そして温暖化、おいしいものがあるという、本当に恵まれたところで私は育ったと感謝をして、神戸生まれ神戸育ちを表す意味で扇という名前を付けてくださったそうでございます。
 そういう意味で私は、今おっしゃったように、私からは大自然というものを海というものから感じますし、山は父で海は母だとよく皆さんおっしゃいますけれども、本当にあの母のたなごころというつもりで、海があると心が休まるという、そういう育ち方をしてまいりましたから、海の大事さ、また日本の現状を考えましても、四方を海に囲まれている、こういう珍しい国の中でいかに今後これを利用していくかと。また、自分たちの財産であるという考え方に立って、私は大自然というものの恩恵を被りながら、また実生活の中では、実質的には少なくとも九九%が貿易の拠点になっている、九九%、日本の貿易は海から来ているということで、国の発展、国の経済の在り方、あるいは産業の在り方、すべてが海に頼っていると言っても私は過言ではないと。そういう日本の情景の中で、私は、国内の輸送の四割がこの海上輸送ということにもつながっておりますし、海で育ったという御質問ですから、私は、神戸は一番早く、ケーキができたのも神戸が最初、あるいは女性の帽子も一番最初に日本で神戸から始まった、そういう輸出入が神戸港によって一番最初にできたと、ソーセージ、チーズもそうでございます。
 そういうことを考えますと私は本当に有り難いところだと思っていますけれども、今申しましたように、その海を利用する方法が、もっと大事にしなければいけない。
 今、冒頭に申しました、私は大自然と言いましたけれども、その自然を大事にするためには、利用しながらこれを、物を大事にしていくということで、私は、今日はマリンレジャーというものも大変一般化してまいりまして、多くの皆さんもマリンレジャー、あるいはそのレジャーの中でのマリンというものの、マリンレジャーの果たしていく役割の重要性といいますか、皆さんの利用度が多くなってきたという数字も、これも見逃すことができない。
 じゃ、他方、海を利用するときに、大自然ということで、海洋汚染ということが二十一世紀の環境の大きな問題になってきていると。そういう意味で私は、利用する側と、それを大事にする、この両面がなければ私たちは海を汚してしまうということで、この大自然というものの力強さと、また怖さも知りながら、私たちは今回この法案を出させていただいて、大きな、皆さん方とともに自然を守っていく一助にこの法案がなれば、またそうしなければいけないという気持ちで、これに絡んで法案を出させていただいた次第でございます。
#8
○森山裕君 大臣の海に対する基本的な考え方をお聞かせをいただきました。
 大臣、私は鹿児島で生まれ育ちましたけれども、我が薩摩藩が一番繁栄をした時代というのは、海に向かって政策を考えていた時代が一番薩摩藩が繁栄をしていたと言われています。今、我が国も海に向かっていろんな政策を考えるということが大変大事な時期を迎えているのではないかなというふうに思いますし、どうか大臣の下でそのような政策を是非お進めをいただきたく、お願いをしておきたいと思います。
 次に、森下政務官にお伺いをいたします。
 政務官におかれましては、大変御多忙の中、先般、奄美大島をつぶさに御視察をいただきました。
 本土から遠く離れた外海離島、台風の常襲地帯という厳しい自然的、社会的条件の中で、この地域の人々は活力ある地域社会の維持に向けて懸命の努力を続けております。
 そこで伺いたいと思いますが、離島を多く抱える鹿児島県と異なり、島がほとんどない高知が地元の森下政務官から見て、奄美にどのような思いを持たれたのでしょうか。また、具体的に、国土交通省として今後取り組むべき課題についてどのようなお考えをお持ちになったか、お聞かせをいただきたいと思います。
#9
○大臣政務官(森下博之君) おはようございます。
 西郷隆盛先生をほうふつとさせるような森山裕先生から郷里への熱い思いを込めてのお話をいただいたわけであります。
 私事で恐縮でございますが、森山委員とともに黒潮文化を共有する、私、高知の出身でありますが、森山委員の同行を賜りまして奄美大島を視察をさせていただきました。
 御指摘のように、自然条件あるいは地理的制約下の中で、先人から受け継ぎました伝統文化を守りながら営々として頑張っておられる島民の姿に接しまして、大変な感動と感銘をいたしたところであります。
 これまで、奄美群島振興開発特別措置法に基づきまして奄美群島の振興開発が関係の皆さんの御尽力で一定の成果が上げられたと考えております。今後とも、社会資本の整備の一層の推進を図ることはもちろんのこと、奄美固有の地域資源を活用した島おこしなど、地域の主体的な取組を更に積極的に支援してまいりたいと考えておるところであります。
 以上であります。
#10
○森山裕君 政務官、御答弁をいただき、ありがとうございました。
 奄美はやはり独特の文化を持っていると思います。その文化が、我が国の発展に寄与できる文化がたくさんあるなということを実感をいたします。どうか、奄美が更に発展をできるように、是非、国土交通省としてもお力を引き続き賜りたく、お願いを申し上げておきます。
 次に、船舶職員法の一部を改正する法律案について具体的に伺います。
 先般、海上保安庁から刊行されました二〇〇二海上保安レポートにおける「数字で見る海上保安庁」によりますと、次のような数字になっています。
 約十万人の船員、約二十六万人の漁業労働者が海で働いていて、約二百七十万人が小型船舶操縦士の資格を有しています。二千八百三十六隻の遭難船舶、一万六千四百六十九人の遭難者が発生をし、千七百三十三隻、八千五百九十四人に対して救助活動を実施し、その結果、千五百四十三隻、七千七百五十八人が救助されたと記録をしています。また、FRP製プレジャーボートの工場出荷数は五千六百隻。FRP船の耐用年数を三十五年と仮定をして、耐用年数を超えたFRP船の発生量を推計をすると、平成十三年では年間五千隻ですが、数年後には年間一万隻を超えると予想をしています。この数字はいろんなことを教えているなというふうに思うわけであります。
 海に囲まれている我が国において海は貴重な食料の宝庫であり、漁業としてのなりわいの場として西欧諸国以上に親しまれてきたと思います。外国の人との交流、文化の伝来、生活物資の確保が図られてきました。このように、海は国の安全の確保、産業の発展、生活水準の向上に大きく寄与してきたと思います。
 そこで、法案の内容について二、三点、安富海事局長にお伺いをいたします。
 今回の改正において、免許制度簡素化についてどのような措置を講じているのかをまず最初お示しをいただきたいと思います。
 また、今回の改正では免許者が最低限遵守すべき事項を明確化しておりますが、今後この遵守事項を始めとする法令の施行やマナーの向上にどのように取り組んでいこうとされるのかをお伺いをいたします。
 また、遵守事項の担保措置についてはいろんな意見があります。余り厳しく法律で対処すべきではない、むしろ海の安全はシーマンシップの果たす役割が大きいのではないか、シーマンシップの向上に努めていくことが大事ではないかという考え方もありますし、私はこれも一理あるなというふうに思っておりますが、そのことについても少しお聞かせをいただきたいと思います。
 今回、酒酔い操縦を禁止することについての法令化がされたところでありますが、酒酔い操縦の禁止について具体的にどのような取締りをしていこうとされるのかをお伺いをいたします。
 以上であります。
#11
○政府参考人(安富正文君) まず、免許制度の簡素化についての御質問があったかと思いますが、今回の改正案につきましては、小型船舶利用者のニーズにこたえて利用者が円滑に免許取得ができるように措置しようということで、具体的には、免許区分につきまして、従来一級から五級と五区分されておりましたものを、一級、二級、それから水上オートバイという三区分にして、利用者にとって分かりやすい形に直しております。また、水上オートバイの専用免許を設けるということによって、水上オートバイ非常に増えてきておりますので、こうしたものに特化した必要な知識や能力を重点的に習得してもらおうということで考えております。
 また、試験の内容につきましても、従来いろんな試験内容ございますが、この中でも、だんだん必要がなくなってきている機関理論に関する知識とかあるいは天体観測による位置確認の技術といったようなものについてはできるだけ簡素化し、安全についての実践的な事項に重点を置いて試験内容を制定していきたいというふうに考えております。
 それから、今後の具体的な担保措置、遵守事項等の法令の励行、マナーの向上についてのお話がございました。
 本来ですと海のシーマンシップということに任せてこういうものは遵守されるということが望ましいわけでございますが、なかなか、これだけ二百七十万人という免許受有者が増えてきますとそういうこともなかなか言っていられないということで、こういうマナー、シーマンシップとして取り扱われていたもののうち、特に危険操縦であるとか酒酔い操縦の禁止といった重要な事項、更には子供等に対する救命胴着の着用義務といったようなことを、いわゆる必要最小限のものを遵守事項として定めております。
 これについては、当然、免許の取得時にいろいろ教育指導すると同時に、五年ごとの更新がございますので、そういう際に教育啓蒙のより一層の徹底を図っていきたい。さらには、違反者が出た場合にはそれに対して再教育講習の受講といったようなことを義務付けるというようなことを考えております。
 それから、酒酔い操縦について具体的な取締りということがございましたけれども、酒酔い操縦につきましては、当然、地方運輸局の関係職員、更には海上保安官、それから警察官と連携を取りながら、相互に連携しながら取締りを行おうと考えておりますが、具体的には、例えばレジャーシーズンにおける重点水域でのパトロール実施といったようないろんな効果的な方法を今後考えていきたいというふうに考えております。
#12
○森山裕君 ありがとうございました。
 道交法では酒気帯び、そして酒酔いという二段階になっておりますが、今回の法律はそうではなくて酒酔いでありますから、個人差もあるだろうと思いますし、非常に難しい問題もあると思いますけれども、こういうことは本来個人がしっかり自己管理をしていくということが大事なことだと思いますので、どうか、そういう考え方が育つことが大事だと思っておりますので、一言申し上げておきたいと思います。
 時間が参りましたから、最後に一点要望をしておきたいと思いますが、今国会に使用済自動車の再資源化等に関する法律案が提案をされておりまして、自動車のリサイクルというものが本格的に取り組まれるということになるわけでありますが、先ほど申し上げました二〇〇二海上保安レポートによりましても、毎年一万隻の耐用年数を超えたプレジャーボートが発生をしてくるということが予測をされるわけでございますから、是非、近々、プレジャーボートのリサイクル化というものがどう具体化していくのかということを是非検討を始めていただいて、どこも港はいろんな困った現象が起きつつありますので、是非そのことにも関心を払っていただきたいなということを要望申し上げまして、時間が参りましたので終わります。
 ありがとうございました。
#13
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。
 今日は、常任委員ではございませんが、先ほど薩摩、それから高知、神戸、それぞれ海の関連の方々のお話がございまして、私の方は実務的な話をしたいと思います。
 私は伊勢湾のところにありますヨットハーバーまで十分ぐらいのところに住んでおりまして、その関係で私は今日は質問させていただきますけれども、私も就職してしばらくずっとヨットをやっておりましたので海のことを少し知っております。今回は船舶職員法ということですけれども、日曜日に久しぶりにそこのヨットハーバーに行って皆さんにいろんな意見を聞いてまいりました。そこでいろいろ出たのは、やはりお上の縛りが多過ぎると。こういう楽しみのためにやっていることに対して非常にいろんな決めやら、免許のことでも大変縛りが多過ぎるというような意見がたくさん出てまいりました。
 それで、冒頭にまず大臣にお伺いをしたいんですけれども、今回のこの改正は、そういう海のスポーツ、これを普及させたいという思いなのか、それとも免許をもっと厳しくして安全性ということを高めたいのか、そのどちらの観点で今回のこの法律を改正をするのかというのをまず冒頭お伺いしたいと思います。
#14
○国務大臣(扇千景君) どちらかと言われると、両方と言いたいというのが現状でございます。
 なぜ欲張ってそう言いましたかと申しますのは、御存じのとおり、現在の小型船舶というものの操縦士制度、これ、昭和四十九年でございました。その当時、近年の海上の、あるいは水上レジャー活動というものが活発になってきましたけれども、昭和四十九年度当初、人口的には三十七万人だったんですね。ところが、現在ではそれが十二年度末で二百七十万人に達しました。
 そういう意味で、今のままでは、少なくとも幅広い層の人たちがそれぞれの年齢に応じた楽しみ方をしていらっしゃる中で、小型船舶の安全を確保しながら制度の簡素化を図っていこうではないか、もっと楽しんでいただこうではないかという、今おっしゃった、両方の面があると申しましたのは、その安全性と多くの人に簡素に利用していただこうと、この両面だというふうに申し上げたのはそういう理由でございます。
 ですから、小型船舶によります海難というものも、やっぱり人数が増えただけこれは増加してまいりました。これは残念なことなんですけれども、平成十二年の年間で約二千三百件を超えております。死者も七百人に達しているんです。
 そういうことで、私どもは、今回の改正はこうした背景を踏まえて、小型船舶の操縦士の資格区分については、今、局長が申しましたように、一級から五級までございましたものを、五区分であったものをもう少し簡素化しようということで、今回は新二級、新一級、そして水上オートバイの三区分にすると、今、局長が申し上げたとおりでございますので。そういう意味でも、私どもはあらゆる面で、安全性と、そして酒酔い運転を禁止ということで小型船舶の操縦者が遵守すべき項目というものを是非明確化しようということで、今後一層の航行の安全性を図るためには今回こういう法案が必要であるという判断で提出させていただいたわけでございます。
#15
○高橋千秋君 私も今回のこの改正というのはある一定前進だというふうに思っています。
 ただ、先ほども酒酔い運転の話出ておりましたが、大体、船、酒酔い運転でできたということ自体が私は今の時代に非常に後れているなというふうに思います。
 それと、免許制度についてなんですが、今回簡素化するということなんですが、実は、諸外国の例を見ると、プレジャーボートの免許というのはない国の方が多いんですよね。アメリカでもヨーロッパでも、ほとんどの国はこのプレジャーボートに対する免許制度自体がないという国が、アメリカも、あのアメリカでさえそうなんです。その中で、この免許制度自体があるということに非常に疑問だという声が一般の利用している方には多いんですね。
 私もヨットをやっていました。ディンギーという小さな一人乗り、二人乗りぐらいの船なんですが、これ乗っていると、今日みたいないい天気だと物すごく気持ちいいんですよ。風も、私みたいな初心者はヨットで出ていく場合は非常に楽に出ていけます。ところが、御存じのように、海というのは急に天候が変わって、風が午後になると急に吹いてきます。そうすると、もう突然変わってくるんですね。そうすると、ちょっと海に浮かんでいるだけでもこれは死ぬんじゃないかなと思うような危険な目に遭うこともしょっちゅうあります。
 その意味で、この免許制度というのは確かにそういうことから逃れるために必要なものであるという考えかも分かりませんが、諸外国の例を見ると、免許制度よりもむしろ講習の方に重きを置いているんですね。プライベートのいろんなヨットクラブだとか、そういうところがかなり頻繁にいろんな講習制度を設けて実務の方に重きを置いていると。私は、免許制度、確かに必要かも分かりませんが、知識を得るということよりも船に乗るということが、経験をもっと積ませることの方が安全に対しては有効な措置だというふうに思います。
 衆議院の委員会の中でも扇大臣の方からも何度もシーマンシップという言葉が出ていました。後でも聞きたいと思いますが、このシーマンシップも当然大事なことだと思うんですが、これは性善説に成り立っていますから、現状はそうではない場合が非常に多いと思います。
 この免許制度が、先ほども少し説明ございましたけれども、私は、諸外国がこんなにないのが実態なのに、日本があえてこんなに今まで、今回簡素化するとは言いながらも、かなり細かい制度を作ってまいりました。諸外国の実情等踏まえて、なぜそうなっているのかということを御報告をいただきたいと思います。
#16
○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方から諸外国の状況のお話がございましたけれども、我々のいろいろ調べておりますのでは、例えばフランス、ドイツ、イタリア等の欧州諸国におきましても、それぞれ対象範囲が異なりますけれども、プレジャーボートについての免許制度を採用しているところはございます。確かにアメリカにおいては余り免許という制度ということではなくて、州によって、五州ぐらい免許制度があるところがございますが、安全講習を何らかの形で義務付けるといいますか、そういう形になっておるというふうに聞いております。
 先生おっしゃりますように、免許制度だけでこの問題片付くということではなくて、現実に、実際に乗ってその必要な知識、技能というものを習得していかなきゃいけないということは非常に重要なことだと思っております。
 そういう意味で、今回の改正の中でも、具体的にこれからその試験、教育内容についても、交通ルールとか本当に守らなきゃいけない遵守事項であるとか、あるいは事故防止装置といったようないろんな安全について重点化して、いろいろ知識、技能を特化して身に付けていただこうと考えておりますし、さらには、免許更新といったような制度を活用して具体的な海難の防止、トラブルの対処法といったようなことについてもこれから充実を図っていきたいというふうに考えております。
 それから、特に実際に乗ってみるということも重要でございますので、例えば船舶職員の養成施設等がございますが、そういう中でナビゲーションセミナーといったようなプレジャーボートの航行体験のプログラムというものを今後用意していく、現実にもございますが、これを更に充実して、実際に必要な知識、技能を再体験していただくというようなこともこれから充実していかなきゃいけないんじゃないかというふうに考えております。
#17
○高橋千秋君 日本の行政全体に言えることなんですが、ハードはだんだん充実していくんですが、ソフト面が非常に後れているんですね。
 さっき、ナビゲーションのシステムというのはあるということなんですが、現実、沖に出ると、そんなテレビゲームのような感覚ではとてもやれません。現実問題として、本当にそういう危機に面したときにどうしていくのかという対処法だとか、そういうのは実際にやってみないと分からないことが非常に多いんですね。だから、そういうことを是非充実をしていただきたいと思うんですが。
 先ほど船舶職員養成講座ということがありました。その中に、日本船舶職員養成協会というところが出している「JEIS MATE」という機関誌の中にこのことが書いてあるんですね。それ見ると、免許取得後も腕を磨くというそういうセミナーがあるんです。ところが、参加者が少ない場合は中止することもありますというふうに書いてあって、ほとんど参加していないんですね。
 それで、実質上、私が地元のマリーナで聞いた場合も、そういう免許の知識じゃなくて、やっぱりそういう経験を積めるような制度を作ってほしい、そのことを強く要望されましたので、私からも一言言っておきます。
 それと、さっき大臣の方から免許取得者二百七十万人という話がありました。現実、マリーナの状況を聞きましたら、全国どこも、ボート、ヨット、ディンギーも含めて、そういう船の係留数というのがどんどんどんどん今減っているんですよ。平成四年をピークにどんどんどんどん減っています。私の地元の津のヨットハーバーで聞いてきたところによると、平成四年がピークで六百隻ぐらいあったのが、今はもう五百隻を切ったという状況になっている。これは全国どこもそうだそうです。これは、マリンスポーツ自体の人気がなくなってきている、特に若い人がマリンスポーツをやらなくなってきているというのが現状だそうです。
 そういう中で今回の、先ほど大臣から両方というお話がありました。でも、一方で免許を取りやすくして規制を強くするというのは相反している部分もありますし、そういうことになれば当然普及という面はやはりちょっと難しいんではないか。今これだけ減っている中で、もう少しマリンスポーツを普及させるという意味からは、さっきの講習制度も含めて、そういうインフラの部分もちゃんとやっていかないといけないというふうに思いますので、是非その面の充実をお願いをしたいというふうに思います。
 今回のこの法案の中で、特定操縦免許、いわゆる旅客を運ぶ方の免許、これ自体、今までは普通のアマチュアが楽しむ人のやり方と同じような方でやれたんですが、今回、小型旅客安全講習課程というのを受講しなければ取れないという形になったということを聞いています。これは一定の前進だと思います。
 ただ、これ、地上の場合でいうと、普通のペーパードライバーがタクシーの運転手に受講すればなれるようなものなんですね。だから、人を運ぶ船の船長さんが、受講するだけでなれてしまう。このこと自体は非常に心配なんですが、このことについてはいかがなんでしょうか。
#18
○政府参考人(安富正文君) 今の先生の御質問にお答えする前に、ちょっとさっき大臣の答弁の中で、平成十二年度の海難事故の数につきまして、年間二千三百件は結構なんですが、死者七百人と言っておりましたが、これは死傷者でございますので、ちょっと訂正させていただきたいと思います。
 それから、先ほどの営業免許、特定操縦免許についてでございますが、小型旅客安全講習課程の義務付けということで、旅客船であるとか遊漁船といったような、不特定多数の第三者を旅客として扱う場合には今回義務付けを行ったわけでございますが、本来、旅客船、遊漁船につきましては別途事業規制ということで、海上運送法に基づく例えば運航管理者の選任であるとか、あるいは遊漁船業の適正化に関する法律、今回改正して遊漁船業務主任者を選任するといったような形で、安全面についての配慮も行っているわけでございます。
 ただ、この操縦免許につきましては、基本的に、船舶の安全航行に当たっての航法であるとかあるいは機関といったような必要な知識、能力というのは一般の小型船舶と事業として行う小型船舶も基本的には同じであるということで、今回小型船舶操縦免許の中で位置付けておりまして、ただ、先ほど先生からもありましたように、不特定多数の第三者を旅客として扱うということから、人命救助とかそういういわゆる安全に関する知識、技能について特別にこれを講習を義務付けるということでその安全対策を一層確保したいということで今回追加したものでございます。
#19
○高橋千秋君 是非それはお願いをしたいと思います。
 それで、先ほど自民党の委員の方からもお話ありましたが、取締りのことについてお伺いをしたいと思います。
 今回、この酒酔い運転とか危ない運転をすること自体の規制を明記化したということは一定の前進だと思います。ところが、さっき答弁にもあったんですが、規制をする人、海上保安庁等いろいろあるんですけれども、現実、私がヨットをしていたときでもそういうパトロールなんかほとんど遭遇したことがないんですよね。現実問題、今回、この飲酒運転、水上バイクの飲酒運転していても、海上保安庁が現実問題として今の体制の中で取り締まれるとはとても思えないんですよね。それはもうシーマンシップに頼るしかないのかも分かりませんが。
 しかし、現状、こういう明記をしても実効性には非常に疑問が残るんですけれども、この取締りについてどのようにしていかれるのかお伺いをしたいと思いますし、それともう一つ、海上保安庁が取り締まると同時に、ヨットハーバーの職員だとかボランティアの方々が安全指導員という、何というんですか、警察手帳みたいなものを持たされてそれを指導するということになっているそうです。その人たちは、そんな酒酔い運転しちゃ駄目ですよというようなことは言えますけれども、取締りはできないんですね。検挙もできません。だけれども、そういう本当にボランティアだとかそういうことだけに頼ってやっていくというのは非常に心配ですし、安全ということも考えても、やはりある程度の取締りということも同時進行で考えていかないとこれの実効性はないように思うんですが、それについてどう考えておみえになりますでしょうか。
#20
○政府参考人(安富正文君) 先生が今おっしゃいましたように、本来ですと、酒酔い操縦あるいは危険操縦といったような行為規制につきましてもマナーであるとかシーマンシップということにゆだねる、あるいは自己責任ということでやっていただくということが望ましいわけでございます。そういう意味で、我々としては、今回法律にこういう行為規制を明確化するということでより一層啓蒙活動というものが実施されるようになるということで、各それぞれのプレジャーボートの利用者の方々の意識を変えていただきたいということを考えております。
 ただ、その中で、やはり具体的に取締りをやっていかなきゃいけないということでございますが、確かに少ない要員でございますけれども、例えば地方運輸局、それから海上保安庁、両方連携してどうやってやっていくかということをこれから対策として具体的に検討していく必要がございますが、やはりどうしてもレジャーシーズンとかいう海の利用が非常に多いところ、あるいは場所等を選んでそういう安全パトロールというような形を、あるいは安全キャンペーンというような形を考えながら、今後その具体的な内容について適切な取締りが行えるようにやっていきたいなと、こう考えております。
#21
○高橋千秋君 でも、現実問題としては非常に難しいですね。取り締まられたという話も聞いたこともありませんし。確かに海の上で飲むビールというのは非常にうまいんですよね。ヨットの場合は、ヨットのポールの横にこれぐらいのねじ式の穴がありまして、缶ビールがちょうど一本入るぐらいの穴があるんですよ。これを沖に行って飲むと非常においしいんです。
 それはそれとして、水上バイク、非常に危険ですから、その意味ではきっちりと取締りをしていっていただきたいなというふうに思います。
 今回、この水上バイク専用の免許ができるということで、多分免許を取る人も増えるんだろうと思います。私の地元のところも大変最近多いですし、愛知県と三重県の県境の長良川のところ、川で、川と海の境のところですが、もうたくさんいます。先日、幕張の海岸へ行きましたら、そこでももう本当にたくさんの方々がひしめき合って海洋スポーツをやられておりました。
 その意味でも、今回のこの免許制度、水上バイク専用の免許制度ができるということは、水上バイクをやる方からは歓迎かも分からないんですが、さっきのシーマンシップということの、それだけいろんな方が取るわけですから、そのシーマンシップということを望むのは非常に難しいなと思うんですね。その意味でも、さっきからずっとシーマンシップという言葉が出ていますが、これをどうやって浸透させていくのか、具体的な対策か何かございますでしょうか。
#22
○政府参考人(安富正文君) まず、水上オートバイの件でございますが、これは、水上オートバイは従来四級であるとか五級という中で実際にやっていたということもありまして、実際に水上オートバイを使って実技試験なんかもやっていなかったというのが従来の形でございます。そういう意味で、今回水上オートバイについて専用の特殊の資格を設けるということで、実際に水上オートバイによる実技試験等も行えるということで、より安全性が確保されるというふうに考えております。
 それから、シーマンシップということでいいましても、特に水上オートバイに特化した具体的な規制として、例えば直接操縦の義務付けという、有資格者による直接操縦の義務付け、これは当然のことでございますが、あるいはライフジャケットをちゃんと着用すべきであるというふうな着用の義務付け、それから当然遊泳者付近での危険な操縦の禁止といったようなことを今回法律上明記したわけでございますけれども、これは免許取得時、それから更新講習時、さらには違反をした場合の再更新の講習を受けるということになりますので、そういう際に徹底した安全教育指導というものをこれからもやっていきたいというふうに考えています。
#23
○高橋千秋君 もう一つ水上バイクのことでお伺いをしたいんですが、水上バイクで一番迷惑を被ることは何ですかというふうに聞くと、一番迷惑を被っているのは音なんですね、騒音。
 水上バイク、今ほとんどの水上バイクはまだツーサイクルエンジンでやっています。ツーサイクルエンジンというのは、普通の車ですとフォーサイクルエンジンで非常に静かなんですが、最近フォーサイクルのエンジンのそういうものも出たということなんですが、ほとんどがまだツーサイクルエンジンで、水上バイクをやっている方はだれもいないところでバイク乗らないんですよ。なぜかというと、みんなが見ているのに優越感を持ちながら大きな音をさせながら横を走るというのが楽しみなんですね。ですから、海で泳いでいる方々や近所のおうちの方々から一番文句が出るのは音なんです。非常に甲高い音が出ます。ましてや最近、改造して、マフラーの部分を改造して大きな音を立てます。そういう意味で、この音を何とかしてほしいと。あの音を近くで聞くと、確かに海水浴なんかしていてすぐ近くをあの音で通られると非常に怖いんですね。
 私は、この音を何とかするために、国として、騒音規制なり、それからメーカーへの指導なり、いろんな対策をすべきだと思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
#24
○政府参考人(安富正文君) 水上オートバイの騒音につきましては非常に社会問題化しておるという状況がございます。そういうことから、国土交通省では平成九年に実態把握のための調査を実施しまして、その結果を踏まえまして水上オートバイの製造事業者に騒音削減のための技術開発の指導を行ってきております。
 この指導の結果、製造事業者は平成十年に自主規制を策定いたしまして、現在、水上オートバイの発生音は大体七十九デシベルぐらいございまして、これは電車の車内といったような非常に高いレベルの騒音なんですが、これを二〇〇四年モデルから日常の騒音領域外とされている七十四デシベルといったような形に段階的に低減しようということで、具体的には、先生先ほどおっしゃいましたように、四サイクルエンジンの採用とかいったようなことを進めまして、何とか二〇〇四年モデルで七十四デシベルまで下げようというようなことを考えております。
 今後とも、これは段階的に低減していくということで、これから水上オートバイのメーカー等に対しても更なる指導を行っていきたいというふうに考えております。
#25
○高橋千秋君 もう一つ水上バイクのことなんですが、冒頭に申しましたマリーナの今の経営状況なんですが、どこもだんだん減ってきて大変経営厳しくなってきているのが現状です。
 その中で、水上バイクを下ろせるヨットハーバーというのが今、日本にほとんどありません。ヨットをやられた方は御存じかも分かりませんが、コンクリートで坂になっていまして、そこに船を持っていって、すっと下ろして出ていくんですね。水上バイクも同じようなやり方で海に出ていきます。ところが、その施設を利用できる、水上バイクが利用できる施設というのは今ほとんどないんですね。ほとんどの水上バイクを利用されている方はどうやっているかというと、海岸まで自分で牽引して持っていって、砂浜を引きずって海まで持っていくんです。
 これだけ、今回、水上バイクの専用の免許制度を作って、先ほど安全と普及と両方というお話でしたが、これインフラが全然ないんですよ。水上バイクがこれだけあるのに、この施設が全然ないこと自体が非常に後れているというふうに思いますし、規制の面でも水上バイクが使えなかったりとか、どうもちぐはぐだと思うんですね。
 この点について、基本的な施設についてもどうお考えなのか、お伺いをしたいと思います。
#26
○政府参考人(川島毅君) 先生おっしゃったように、水上バイクにつきましては海岸から直接海へ出よう、出るということが可能でございますので、スロープなどの施設整備、これはほとんど行われていないのが現状でございます。
 ただし、今後、水上オートバイの大型化が想定されております。こういうものに伴いましてスロープが必要になる場合があるかというふうに考えておりまして、そういう場合につきましては、マリーナあるいはボートパークにおきまして既に整備されておるスロープの活用といったことも含めて、対応について検討していきたいというふうに考えております。
#27
○高橋千秋君 時間が残り少なくなってきましたので急ぎたいと思いますが、救助について伺いたいと思います。
 冒頭に申しましたが、海というのは非常に怖いんですね。結構海に落ちたりもしますし、今回のいろいろ資料を見ますと、初歩的なミスで、例えば海の上でガソリン切れになったりだとか、それから釣り船で魚群探知機を付けっ放しで、エンジン切ったまま魚群探知機付けていたらバッテリー上がっちゃって帰れなくなったとか、そういう初歩的な話が物すごく多いんですよ。今日みたいな天気で海にぷかぷか浮いているだけなら助けるのも簡単なんですが、あらしのようなときには非常に難しい状況だと思います。
 その中で、幾つか資料を見ると、救助が、日本水難救済会だとか、それからプレジャーボート救助サービスという、陸上で言うとJAFみたいな制度もあります。それから、先ほど出ていました海上保安庁。それぞれレベルはあると思うんですが、ある記事を読むと、このプレジャーボート救助サービスというのは会費制で、一番安いので年一万円ぐらいですか、それぐらい払って曳航してもらうと。さっきのようにバッテリー上がっただとかそういうときに曳航をしてもらうと。ところが、プレジャーボート救助サービスの方は、危険な場合は海上保安庁に頼みますというようなことが書いてあるんですね。一方で、日本水難救済会の方は生業をほうってでも助けに行きますと書いてあるんですね。これ、どっちか頼めるんならやっぱり意気込み強い方に頼みたいなと思うんですが、現実はこういういろんな分野に分かれています。
 海上保安庁では何か一一八番、一一九番じゃなくて一一八番に電話をするというようなこともあるらしいです。それから、船検というんですかね、車検と同じように。その中でVHFの無線、これでしゃべれるのが自分が登録してあるところとしかしゃべれなくて、その領域を離れると、今度は携帯電話で電話してくださいというふうになっているんですね。
 何かどうもちぐはぐだなというふうに思うんですが、この救助について、どんな場合にプレジャーボート救助サービス、これはBANとかいうそうですが、これに頼んで、どんな場合に日本水難救済会に頼んで、どんな場合はそれじゃ海上保安庁に頼むだとか、その辺というのはどうなっているんでしょうか、お伺いをしたいと思います。
#28
○政府参考人(縄野克彦君) 海上保安庁は、申し上げるまでもなく、国の機関として船の種類とか海のエリアを問わず救助活動を実施しておるわけでございます。水難救済会は、明治二十二年から長い歴史を持ったボランティアとしての救助活動を行っておりまして、主として沿岸活動、また先ほどお話に出ましたように、生業を持っておられる漁業とかあるいはマリンレジャーの関係の方々、そういう方々がボランティアとして主として沿岸における海難について救助活動を実施をしております。
 私どもとしましては、一一八番、携帯電話からも船舶電話からも通じますし、一定の船にございますVHFから連絡を受ければ私どもが体制を取って、ただ、先ほどもお話がありましたように、私どもの体制が十分でないような状況である場合に、特に沿岸の場合には水難救済会にも連絡を取ってより迅速な対応ができる方で対応していく、あるいは連携を取って対応するということでございます。成果を上げているというふうに思っております。
 BANは、これは陸上で言うJAFと同じでございまして、会員制のシステムを取って、主として機関故障とか燃料切れのような、命を助けるというよりは軽微な、立ち往生してしまったというような事態について、それを船を曳航して帰ってくるということを行っております。私どもから、もちろん事態によっては一一八番を受けたときにBANの会員であればBANの方に連絡を取って連携をすることもございます。
 そのようなことで、分担をし合って救助活動を行っているというふうに私どもとしては考えておりますが、それらの体制、あるいは会員の増加などにつきましては、更に充実、体制の整備をしていく必要があるというふうには考えております。
#29
○高橋千秋君 もう時間がほとんどなくなってまいりましたが、この水難協会の募金があるんですね。今、後ろの副大臣は付けていただいておりますが、大臣は付けておられませんが、このブルーの羽根、青い羽根ですね。私も今日は付けてまいりましたが、これが水難協会の方に募金で行って、救済のために役立っていると。ところが、私の部屋にこれも何本か置いてあったんですが、だれも知らないんですね、これ。何の羽根ですかって会う人会う人に言われるんですよ。
 今日は関係者の皆さん付けられておりますが、緑の羽根だとか赤い羽根というのは大分普及をしているんですが、この青い羽根はほとんど知りません。町でもほとんど見たことがないと。これは是非もっとPRして、そういうことに役立つということを是非もっと普及をさせていただけるようにお願いをしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#30
○政府参考人(縄野克彦君) 御指摘のように、水難救済会の事業推進のための財源として、昭和二十五年からこの青い羽根募金をやっておりまして、歴史は長いんですが、御指摘のように、なかなか知られていない。募金の収入額も七千万円ぐらいでございまして、赤い羽根や緑の羽根に比べるとけた違いでもございます。
 私どもとしましては、海の安全、そして海の活動が国民生活を支えているんだと、海そのものをもっと知ってもらいたいという意味で、そういう意味でも青い羽根について周知活動をしておりまして、七月、八月を強調月間といたしまして、特に去年からは、海の関係者はよく存じていただいておるんですが、海が国民生活全体を支えているんだという意味で、直接海の関係でない陸の企業でありますとか、もっと広く知ってもらうために、できるだけ目立つ人に青い羽根を付けてもらうように、例えば去年は宅配便のドライバーでありますとかあるいはエアラインの客室乗務員でありますとか、テレビのアナウンサーでありますとか、そういう方に付けることをお願いしまして周知活動に努めておりましたけれども、今年も頑張ってまいりたいというふうに思っております。
#31
○高橋千秋君 最後に大臣にお伺いをしたいんですが、最初も出ておりましたけれども、安全と普及という両方、両方だというお話なんですが、なかなかこれ、いろいろ見ていると相入れない部分もかなりあるんですね。その意味でも、平成十三年にプレジャーボート利用改善に向けた総合施策に関する懇談会というところが報告書をまとめています。これで利用適正化ということと利用の促進ということと両方をまとめているわけなんですけれども、今後の大臣の意気込みと、それからどういう部分を特に力を入れていきたいのかということを、それと、また大臣は広告塔にもなるわけですから、是非羽根も付けていただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#32
○国務大臣(扇千景君) まず、今の青い羽根の問題ですけれども、大変私もなぜという理由を言われますと困るんですけれども、公職選挙法で、全国区でございまして、一切募金をするなと、これも違反になるということで、自分ができないのに人にだけしろというのも、私も本当に矛盾を感じまして、これは変えていただきますと、私もたとえ幾らかでもできると人にもしろと言えるんですが、自分がしちゃいけないって言われて人にお金を出せと言うのはすごくいつも矛盾に感じまして、この公職選挙法を何とか、全国区が、赤い羽根買ったり青い羽根の募金をしてこれで票をもらおうなんて思うわけないものですから、私は大変情けない思いをしておりますので、是非これを、私もささやかでも募金ができるように変えていただくと堂々と人にもしてくださいと言えますので、高橋議員にもそういうことも是非運動していただければ私も有り難いと思いますので、自分ができないのに人にだけしろなんて偉そうなこと言えませんで、ちょっと御理解いただいて、今後も御検討いただければ有り難いと思います。
 さて、今の最後の御質問でございますけれども、プレジャーボートの利用に関しましては、私は、先ほども申しましたように、何よりも安全の確保、それから利用促進のためのあらゆる施策の推進、このバランスを取っていくというふうに思っております。
 また、今、先生御指摘になりましたけれども、平成十三年の十二月に取りまとめられましたプレジャーボートの利用改善に関しました総合施策に関する懇談会、この報告書、今御指摘のとおりでございまして、この中では、御存じのとおり、プレジャーボートの利用に関しまして、利用の適正化、それと利用促進の取組を車の両輪として推進すべきであるということを示されておりますので、私が冒頭に申しましたのは、それを受けて両方を相まってやっていきたいと。
 また、今回御提案しておりますけれども、この船舶職員法の一部を改正する法律案におきましても、このような基本的な方針に従って、危険な操縦の禁止、あるいは安全対策の充実を図るとともに、資格の区分の見直しなど、あらゆる利用者のニーズにこたえた利用しやすい免許制度の導入を図りたいという考え方でございまして、プレジャーボートに関しましては、このほかにも係留保管の施設の整備とか廃船リサイクルの対策、関係団体を通じました海難救助教育、そういう意味でもあらゆる面で、今御指摘がございましたことに関しましても、今後、安全の確保と利用推進のバランスを取りながら図っていきたいと思っておりますので、是非御協力と、また御進言をよろしくお願い申し上げます。
#33
○高橋千秋君 終わります。
#34
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。
 まず、報道によりましたら、平成十二年の七月九日に明石海峡大橋付近の海上でプレジャーボートから六歳の男の子が海に転落したと、それを助けようとした、相次いで飛び込んだ両親共々に三人が行方不明になったと、残された八歳の女の子が一人で三歳の弟さんを乗せて長さ約八メートルのボートを操船して明石漁港にたどり着いたという、誠に胸の痛むような痛ましい事故があったわけでございますが、こういう痛ましい事故の再発防止という観点、そしてまた安全の確保というようなそういう観点で質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、先ほど来出ておりますけれども、安全というのと、先ほど大臣は安全を確保しながら多くの人に楽しんでもらおうという御答弁があったわけですけれども、この海上保安庁の平成十三年における船舶の海難と人身事故の救助の現状という、これを見てみましたら、プレジャーボートの事故というのは非常に増えているんですね。平成十一年度は八百十六隻、十二年度は千三十七隻、平成十三年度では漁船を抜いて第一位になっている、千百五十七隻というふうになっております。
 一方、そういうふうに事故は増え続けているというところで、今回のこの改正でございますけれども、小型船舶操縦士の試験については安全に配慮したできる限り簡素なものとすると、こういうことなんですよ。事故は増え続けておりますよと、その安全に配慮したできるだけ簡素なものというのは、ちょっとよく、非常に難しいなと。事故は増え続けているんで安全に配慮したということであれば、そういう免許にしても取締りにしても、いろいろなものはやはり厳しくするというのが大体今までのやり方なんですけれども、安全に配慮して免許を取りやすく簡素なものにするという、ここら辺の考え方についてお伺いしたいと思います。
#35
○政府参考人(安富正文君) 今回の法改正で、安全に配慮しながらいわゆる資格制度の簡素合理化を図るという趣旨でございますが、我々としては、従来の資格区分が五区分あったということでございますけれども、実際にこの資格区分一級から五級のうち使われているのは一級―四級というのが主であるとか、そういう形で非常に実態と合わなくなってきているという面がございます。そういう意味で、この資格区分を三区分にして実態に合わせようというのが一つでございます。
 それからもう一つ、試験内容でございますが、試験内容についても、実際に現在のいろんな技術水準が向上してきているということもございまして、機関、いわゆるエンジン等に対して余り細かいことを知っていなくても、基本的なことさえ知っていればいいということがございます。そういう意味で、そこの機関理論に関する知識等も簡素化をしていきたい。
 さらに、天体観測による船位確認なんかも、いわゆるGPS等が発達してきますと、それに頼ることで十分対応が可能だということもございますので、そういう点は簡素化をしていきたいと。
 ただ、一方では事故が非常に増えているということもございますから、交通ルールであるとか、今回遵守事項として定めます事項を守る必要性であるとか、あるいは事故防止措置といったような安全についての実践的な事項については、この試験内容で詳しく重点化をしていきたいということでございます。
 それから、水上オートバイにつきましても、従来四級、五級の中で処理しておりましたけれども、この水上オートバイが非常に増えて、いわゆる水上オートバイによる海難事故が増えているという状況がございますから、水上オートバイについての実際の実技試験であるとか、その特性に応じた知識、能力ということを習得できるようにするということで安全性の向上が図られると考えております。
 それから、そういう簡素化した部分と同様に、今回、先ほどから出ていますように、シーマンシップとかマナーという点で明確にしていなかった点、危険操縦であるとか酒酔い操縦といったものについての禁止措置を最低限入れて安全対策を講じたいということで考えているわけでございます。
#36
○弘友和夫君 今までの、例えば陸上の車の試験、今の御答弁だったら、要するに、車の部分もあったんですけれども、構造というのが昔あったけれども、余りその内容いろいろ詳しくなくたって車運転できるじゃないかということで、実技を重視していくという考えであれば、安全に配慮しながら簡素化するというのはまあ分かるような気もするんですけれども。
 先ほど来出ております、こういうことを守らなければいけませんよという遵守事項を明確化したんだというお話ですけれども、これも先ほど来出ております、余り厳しく細かく規定をするよりも、シーマンシップでもって今までやってきているわけですから、それがいいんじゃないかという御意見もある。ヨットの上でビール飲んだらおいしいというようなお話もありましたけれども、そういう部分と、だけれどもやはり事故が増えているので、やはり厳しくしないといけない部分があるという。そのシーマンシップと、それからこういう遵守事項を明確化して取り締まっていこうという部分との関連性はどうなのかというのが一つ。
 それからもう一つは、先ほどこれも出ておりましたけれども、じゃ遵守事項の実効性について、少ない人員の中で本当に果たして実効性が上がるのかどうかという問題でございますね。
 それともう一つは、遵守事項の違反者に対する再教育。これが私は、じゃ違反者はどうするんだというふうに聞いてみましたら、再教育講習を受講することができると。めったに捕まらない人が捕まって、捕まってと言うとあれですけれども、捕まって、それが即免許取消しじゃなくて、再講習を受ければその処分は軽減する、処分がなくなるということなんですけれども、じゃ再講習はどういう講習なのか、ビデオ見て終わりなのかとかいうようなことがあるんですけれども、その三つについて、再教育の方法についてお伺いしたいと思います。
#37
○政府参考人(安富正文君) まず、海難事故との関係で、シーマンシップに本来はゆだねるべき部分があるわけですが、我々としても、できればプレジャーボートの振興という点では、マナー、シーマンシップということで自己が管理するということに任したいという点はございますが、先ほどから出ておりますように、海難事故が非常に今増えてきておるということもございますとともに、一方では二百七十万人と非常に免許受有者が増えていると。
 これは、従来の本当に海のことをよく知っている人というだけではなくて、いろんな階層の方々、若い人も含めまして様々な利用者が参加してきているということでございますので、本来ですとマナーとかシーマンシップとして取り扱うべきものを、何とか、そうは言いながらもこういう状況にあるということで、安全対策を講じなきゃいけないということで、法律の中では必要最小限のものにしようと。特に今回、危険操縦であるとか酒酔い操縦の禁止といったもの、あるいは子供とか水上オートバイについては救命胴着を義務付けるといったような形で、必要最小限のものをこの法律上にある程度明確化するということで、本来マナーとかシーマンシップに対応するべき問題と、その一方では事故が増えている問題とのバランスを取ったということが一つでございます。
 それからもう一つ、担保措置でございますが、具体的には、当然免許取得時、さらには五年ごとの更新時に教育指導の徹底ということで安全意識の向上を図っていきたいと思いますが、さらに今回、再教育講習ということの受講を義務付けることによって担保を図りたいと。本来、罰則とかいうことも考えられなくはないんですが、やはり一罰百戒という罰則ではなくて、再発防止の観点から海の基本的なルールを改めて教育する、それで必要なマナーとかシーマンシップを身に付けていただくという教育的な措置の方が効果的ではないかということで、今回この再教育講習というものを違反者に対して行うことにしたわけでございます。
 具体的には、先ほどありましたように、ビデオとかいろんな教本とか、いろんな手段を使って実施したいと思っておりますが、海難が及ぼすいろんな問題であるとか、遵守事項を含めました海上関係法規、あるいは海のマナーの再徹底といったような中身についていろんな手段を講じながら、この再教育講習というものを充実していきたいというふうに考えております。
#38
○弘友和夫君 罰則ではなくて、再教育の方が効果的だというお話がございました。免許を取るのに非常に難しければ、そしてそれをクリアしてあった上で何かたまたまそういう違反をした、それに対して再教育するというならまだ分かるんですよ。
 私は、免許を取るのも非常に、先ほど簡素化ということがありましたけれども、昔は、これいつごろのことかあれですけれども、小型船舶操縦士の免許というのは、設立当初は、受験資格は一年の乗船履歴が必要とされた、こういうことなんですね。その後、乗船履歴は三か月に短縮された。現在は、要するに全く船に乗った経験のない人でも試験を受けられるんだ、ボート教室等に通って試験を受けられる、こうなっているわけですよ。
 昔は一年の乗船経験が必要だと、こう言われていた。それが三か月になり、だんだん今はもう乗ったことないでもいいですよと。乗ったことないでもいいですよというので、結構難しい試験であれば分かるんですけれども、じゃ、先ほど藤井理事が何歳から受けられるのかというようなことが、それが一つですけれども、受験資格何歳から。
 それと、私は、これの制度検討委員会で、海の会というところが意見を出している。船の操船に必要な知識、技能は非常に幅広いので、現行の免許取得しても操船はできない。向かい波、横波、追い波に対してどのように操船するか、風向きによる離着岸の操船方法など、実際に必要な技能は何一つ身に付かないというようなことも書かれて、先ほど高橋議員の御質問もございましたけれども、経験が大事だと。
 まず、この受験をした人の合格率、受けた人がどれぐらい、何%ぐらい通ったのか。その受験をするまでにどういう、例えば、車であれば何十時間の講習をそれぞれの段階で受けて、それをクリアした人が受けられますよと、こうなっておりますけれども、そういうものがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
#39
○政府参考人(安富正文君) まず免許の受験資格ですが、十八歳以上でございます。
 それから、いわゆる受験につきましては、従来は乗船履歴というものを要求していたというのは事実でございますが、これだけいろいろな形で実際にいろんな利用者が増えてきているということで、この乗船履歴を実際に要求していた時代には、実際、一般の方がこの小型船舶操縦士の免許を取ることは非常に難しゅうございました。そういうことから、次第にこれをなくしていきましたけれども、実際に小型船舶操縦士、今回、今現在の操縦士資格を取るためには、それぞれの、モーターボート、今回は水上オートバイについて専用免許ということでありますので、実技試験、実際に乗船していただいてその実技試験を実施する必要がございます。
 具体的には、各級において若干違いますが、実技、例えば四級ですと一日程度実際の実技をする、あるいは一級ですと実技に三日ぐらい掛かるといったような形で、それぞれの級に応じて対応は違いますが、学科も入れますと、従来ですと、一級につきましては約九日間ぐらいの、学科、実技も含めました、ボートスクールの実際の実技も含めました国家試験も含めた日にちが掛かると思います。それから四級ですと、ボートスクール、国家試験を含めまして大体四日ぐらいの実際の日時が掛かるというような形で、もちろん試験のときには実際に実技をやるわけですが、その後、実際の免許を取得した後、実際の乗船、体験というのがなかなかない場合には、いわゆるペーパードライバーみたいな形になるわけですけれども、これに対しましては、具体的に先ほど申しました公開セミナーといったようないろんなボートスクールのプログラムがございますので、そういうものを活用して、実際の体験をやっていくということも必要ではないかというふうに考えております。
#40
○弘友和夫君 合格率は。
#41
○政府参考人(安富正文君) 済みません。
 合格率ですが、受験者の約七割が合格でございます。
#42
○弘友和夫君 思ったよりも落ちているからいいのかなという気もするんですけれどもね。
 それと、時間も余りありませんので、海上保安庁にお聞きしたいんですが、救命胴着の着用について現在は二九%ぐらいの着用率しかないと、こういうことで、この着用率の向上をどう図っていくかということ。
 それからもう一つは、水上スキーなんかは余りごつい救命道具というのはなかなか着けたがらないと、やはり体が思うように動かないというようなこともあってなかなか着けたがらないという部分があるみたいで、今開発されている小型船舶用浮力補助具の開発というのは今回規則を変えてやろうと、こうしているみたいですけれども、それについて、簡単で結構ですから。
#43
○政府参考人(安富正文君) 救命胴着の義務付けを今回、子供、水上オートバイについてやることになったわけでございますが、やはりこれ救命胴着が非常に着けにくいというような、着用率が非常に悪いということでは問題でございますので、着用率の向上に向けた取組ということで、着用キャンペーン等様々な機会と場所をとらえてやって、啓蒙、啓発をやっております。
 ただ、やはり着やすさというものが必要でございますので、先ほど先生からもお話がございました、着心地が良くて浮力もちゃんとあるという浮力補助具を新たに設けようということで、本年十月の施行を現在目指して、基準を改正しようということで見直し作業を進めておるところでございます。
 この浮力補助具については、従来、浮力が相当大きくなきゃ救命道具として認められなかったわけですが、この浮力補助具については、平穏な水域で着用する場合には、浮力が多少軽いわけですけれども、非常に普通の救命胴着と比べていわゆる着心地がいいということで、この開発を現在進めておりまして、さらに今後、この浮力補助具の更にいわゆる着やすさということも含めていろいろ鋭意開発を進めていきたいというふうに考えております。
#44
○弘友和夫君 海上保安庁、平成十三年度、初めて行政評価制度というのが導入されました。我々、行政評価法のときに、アメリカの沿岸警備隊、これ事故であってもそういう数値で出せるじゃないかということで、是非、沿岸警備隊はやはり数値目標を出してこうして行政評価をやっているんだという話もしたことあるんですけれども、十三年度からやられているということで非常にこれはいいことだと思うんですけれども、その達成状況ですね。それから、例えばプレジャーボートは平成十七年度までに四十人以下に減らすと、こういうふうに目標を出されておりますけれども、どういうあれで四十人になっているのか、この両方についてお聞きしたいと思います。
#45
○政府参考人(縄野克彦君) 平成十七年までにプレジャーボートの死亡・行方不明者数を四十人以下に減少させたいということを私どもとして目標に掲げました。その内容でございます、手段でございますけれども、二つございまして、一つは、できるだけ早く海上保安庁に連絡をしていただくということでございます。できれば発生から二時間以内には私どもに連絡をしてもらいたいということでございます。
 それからもう一つは、今お話に出ております救命胴衣の着用率の向上でございます。今、現状では三〇%未満ということで、私ども少なくともこれを五〇%には引き上げたい、そういうことを内容としまして四十人までに持っていきたいと思っておりますけれども、十三年の実績でございますが、残念ながら五十四人でございました。十二年に比べれば五人減少いたしましたけれども、四十人に対しては十四人まだまだ多いという状況でございまして、今申し上げました救命胴衣着用率、それから一一八番への連絡、そういうものを更に徹底することによりましてこの達成を図りたいというふうに考えております。
#46
○弘友和夫君 最後に、今回のこうした改正を踏まえて大臣に、そうしたプレジャーボートの安全確保等についてどうお考えか、お伺いして終わりたいと思います。
#47
○国務大臣(扇千景君) 今回のこの法改正に関しましては、試験の内容につきましては安全にかかわる事項の質的向上を図る、そういうことが先ほどからも局長から答弁したとおりでございますので、いわゆる水上オートバイについては専用免許化、これを専用免許にするということと、それから知識と能力を重点的に習得できるような、そういう制度の簡素化と合理化という、先ほども矛盾があるじゃないかとおっしゃいましたけれども、それをいかに矛盾なく両輪にしていくかと、これが課題であろうと思っておりますので、危険操縦、先ほども申しました酒酔い運転あるいは救命胴衣の着用等々、あらゆる面で最低限遵守すべきもの、それを遵守していただく。
 単純なことですけれども、そういうものが私は、海を愛する皆さん方、海を楽しむ皆さん方の、最低限のものを守っていただきたいと、そう思っておりますし、今後も海上保安庁におきましても、今申しましたとおり、海難防止講習等のいわゆる海難防止活動による安全意識の高揚とか、あるいは海上保安指導員によります活動への協力あるいは連携の安全対策を今後も、今も長官が申しましたように、安全に指導していきたい、またそれに、活動に協力していきたいというふうに思っております。
 この航行の安全というのは本当に、先ほどから御論議いただきましたように、プレジャーボートの振興を図る上にはどうしても基本となるものでございますので、是非、安全対策を講じることによって、だれでも安心して水上レジャーを楽しんでいただけるような環境を図っていくことに万全を期していきたいと思っています。
#48
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。
 私は、法案審査の前に一点、先日、兵庫県の明石市の大蔵海岸での死亡事故について緊急に質問を一点させていただきたいと思います。
 まだ五歳というかわいい女の子を失った御両親の無念さをお察しし、本当に胸が痛みます。私は、この事件が昨年の十二月三十日に発生し、その翌日の大みそかに現場を見てまいりましたが、この事故は私は起こるべくして起こった事故だと思っています。
 なぜなら、陥没はこの事故があった十二月に初めて起こったのではありません。なぜなら、明石市の説明では、既に三年前に、一九九九年一月ですか、五回も近くの場所で陥没を確認していたのです。護岸工事の際にコンクリート製のケーソンのつなぎ目に使ったゴム製の防砂板が破損して、そこから塩水が入って砂が海に流れ出して崩れていったというので、調査をした結果、それを補修するために土のうを積み上げていたことも明らかになりました。しかし、その地域の点検等十分な対策を取らなかったわけで、人災ともいうべきものだと思いました。三十年はもつというこのゴム製の防砂板が数年程度しかもたなかった。こういう欠陥工事とその後の対策を十分取らなかったことがこのような不幸な結果を招いたと思います。
 明石市の施工責任はもちろんのことですが、管理者である国の責任は免れないと思います。今月二十七日の記者会見で、国土交通省の姫路工事事務所長も管理者の国にも責任の一端があると認めています。国土交通大臣はその責任をどう受け止めていますか、そして今後の対策を求めたいと思いますが。
#49
○国務大臣(扇千景君) 昨年の、今、大沢議員がおっしゃいましたように、一番最初、私、第一報を受けたのが昨年の十二月三十日でございました。私も、冒頭にお話しございましたように、私、兵庫県神戸市なものですから、私が想像し得る場所であったものですから大変ショックを受けましたし、また、この公園を造りますときに、地元の皆さんにいかに喜んでいただけるかということでの工事だったものですから、十二月三十日に、私は、十三年ですけれども、金月美帆ちゃん、当時四歳でございました。まして私、お父様の目の前でということを聞いたものですから、これも大変ショックを受けました。ずっと御看病に当たられ、しかも仕事を中止してまでお父さんが看病に付いてくだすった。私は兵庫県の方だと思っていたんです。東京の方で、お父様は東京の仕事を休んでまで看病に当たってくださいまして、心から私もお見舞いを申し上げたいと思って気は遣っておりましたし、また担当者も度々お父様、御家族の御希望等々を伺いながら、残念ながら二十六日の午後七時三分に、当時四歳が五歳のお誕生日を寝たまま迎えられて亡くなられたと。
 本当に取り返しの付かない大変なことだと思って、私も、一昨日でしたか、国会で冒頭に、共産党さんの緒方先生の御質問の前に哀悼の意を表さしていただいたわけですけれども、幾ら哀悼の意を表しても表し切れない。御両親、また御親族の御心中、察するに余りあるということで、本来はお通夜、お葬式に私、出たいと日程調整をいたしました。私は東京だと思ってたんですけれども、神戸で行われたということで、国会でどうしても御許可が出ませんで行くことができませんでしたけれども、本当に、今、大沢議員が言っていただいたように、心から哀悼の意を表したいと思います。
 他方、それだけではなくて、我々は、国として管理する公の営造物であるこの海岸の保全施設、その安全性が結果として十分でなかったということは今になってはっきりと分かってきたわけでございます。
 その当時、私も、これはいけないということで、全国に調べろと、同じようなものがないかということで、あの当時すぐに調べてもらいました。再発防止、また同じようなところがあって、皆さんに何かあってはいけないということで、その当時全国に指令を出して調べてもらいましたときに、全国で五千九十六地区を対象にすぐ調査に入ってもらいました。これは平成十四年の一月四日でございました。これだけの、全国の五千九十六地区、人工海浜がある、そのうち人工海浜が二百四十七地区、そしてその二百四十七地区のうちの四地区で陥没とかくぼみを確認して、立入禁止、そして安全対策を図るということをいたしました。
 もっと早くできていればということは、今、大沢議員が仰せになったとおりでございますけれども、私は、少なくとも我々、大蔵海岸を本当に利用していただきたいということでしたものからこういう事故が起こったということに対しては、先ほど申しましたように、十分でなかったということは認識をし、また、管理をしている国の責任は、これは当然あると私は考えております。
 御家族に対して心からお悔やみを申し上げますとともに、でき得る限りの誠心誠意、対応をさせていただきたいと思っております。
#50
○大沢辰美君 本当に安全であるべき海浜公園で起こった事故ですけれども、私は、この事故の原因の究明と再び不幸な事故が起こらないようにすることはもう当然の防止策でございますけれども、今、全国的な調査をされたということですけれども、やはりその場所でも私は設計のチェックから、そして同一のゴム製の防砂板が使われていないかどうかも含めて厳格な、万全な対策を講じていただきたいということを再度要請をしておきたいと思います。
 次に、いわゆるこの法案でございますけれども、今回の船舶職員法改正案について、これは事故の防止、安全性の向上の観点から船舶職員と小型船舶操縦者免許等の法体系を整備するという意味ですから、実態で合ったものだと私も考えております。しかし、先ほどからの御質問もございましたように、プレジャーボートの海難事故が過去十年間で二・二倍になっています。昨年に至っては千百五十七だそうですか、今、全国で四十五、六万隻があるようでございますけれども、その中でそういう事故が発生していると。
 この法改正によってやはり急速に海難事故が減少したり、私は安全向上がするとは考えられないのです。そもそもこれまでの海の安全は、先ほども話がありましたが、海のマナーやシーマンシップと呼ばれるモラルなどによって確保されてきました。近年、これに習熟していない利用者が大幅に増加しております。そのために事故につながっているケースが多いと聞いていますが、この急増する事故に対してどのように対応するのか。総合的な防止対策と事故が起こった場合の緊急の措置について、これは国土交通省の答弁もいただきたいですが、海上保安庁としても緊急措置を講じていると思いますが、併せてお尋ねいたします。
#51
○政府参考人(安富正文君) まず、海難の増加に対する対応でございますが、今回のこの法律案におきましては、先ほどから申しておりますように、プレジャーボートの海難の増加に対して、特に資格制度におきまして安全に関します実践的な事項について重点化を図っていく。特に、例えば最近特に水上オートバイの事故が増えてきておりますので、こういう水上オートバイの操縦特性とか運動性能に重点を置いて専用免許化をしようということで、今回、水上オートバイのための操縦の実践的な知識、能力を専用免許化によって習得しようということで考えております。
 それから、今回、法律の中でも、先ほどから出ていますが、酒酔い操縦とか危険操縦とか、そういうようなものについても最低限の教育的措置が必要だということで、この再教育講習の受講も含めてこの法案の中で安全対策を進めていきたいというふうに考えております。
 ただ、こういう法案の中での安全対策のほかにも、やはり海上保安庁の対策も含めまして、いろんな具体的な対応が今後必要になってきます。例えば、船舶が特にふくそうする水域などの必要な場所においては速度制限等の航行ルールをプレジャーボートについても考えていく必要があるとか、あるいはプレジャーボート利用者の安全意識の強化とか、海難事故の調査、分析を実施するであるとか、さらにはライフジャケットの着用推進といったような関係者への啓蒙活動を重視していくとか、いろんな対策をこれから総合的に我々としても講じていきたいというふうに考えております。
#52
○政府参考人(縄野克彦君) 海上保安庁としましても、プレジャーボートの海難、実際に起きた場合の私どもの、あるいは水難救済会等の体制の充実、これは先ほど申し上げたとおりでございまして、装備あるいは体制について充実してまいりたいというふうに思います。
 ただ、プレジャーボートについてやっぱり大きな対策の柱は、個々人が、当事者自身が救命策、もちろん、事故防止策はもちろんでございますが、実際に事故が起きたときにも大事に至らない策を自ら講じていただくということが大きな柱であると思いまして、救命胴衣、これはいろんな場で、大人の講習会もそうでございますが、子供を集めての胴衣着用のキャンペーンとか、あるいは子供や家族から父親に向けて必ず海の上では救命胴衣付けてちょうだいというようなことを言わせるとか、いろんな工夫をして救命胴衣の着用率を、作業性のことでやっぱりどうしても付けない人が多いものですから、これを高めてまいりたいというふうに思います。
 それから、携帯電話を防水の袋に入れて持っていただきたい、一一八番を活用していただきたい、こういうことについてキャンペーンをしているところは先ほど申し上げたとおりでございます。
 それから、私どもの手の届かないところでの、水難救済会あるいは小型船安全協会、その他の安全指導員、そういうボランティア活動による安全対策、あるいはその指導についても私どもとしても協力を更に求めていきたいというふうに考えております。
#53
○大沢辰美君 粘り強く広報活動、啓蒙活動、そして教育、それを行っていくことがもちろん行政としては求められていくわけですけれども、私は特にメーカーそして販売会社に対しても売却するときに所有者に厳守事項を強力に指導をすることも求めていただきたいと思うんですね。これは、今大体毎年一万件近く販売、売却されていると聞いておりますので、非常に効果が発せるのではないかと思います。だから、大きな死亡事故を減らすための今言われた救命胴衣の着用や緊急連絡の方法といった、携帯電話の帯用など基本的なことは、私は本当にあらゆる機会を通じて徹底をしていただきたいということをこれはもう要請をしておきたいと思います。
 今日、私、海の問題についてもう一点お聞きしたいんですけれども、これはこの三月三十一日に日本海で起きたベリーズ船籍の貨物船の重油の流出事故なんですけれども、今回、この事故の経過、そして被害状況も行って把握しているんですが、この回収費用について、被害補償について大変困難を来しているということを聞きました。
   〔委員長退席、理事藤井俊男君着席〕
 この事故については原因者がはっきりしているために、いわゆる海洋で発生したこういう油の回収に対して制度があります。それは漁業の油濁救済基金というのがあるそうですけれども、原因者がはっきりしているためにこの制度は使えないということを私も制度で知りました。それでは、こういう立場に立った自治体、漁協、関係者の人はどうするのか、これが問題に今なっています。
 兵庫県、京都府の皆さんがこれに対して頑張ってくださったわけですけれども、今兵庫県から国に対して要望書が出ていると思います。その要望書にはこういうふうに要望されています。国において防除経費を負担する制度の創設をしてほしいと。本件のような船舶衝突事故に伴う油の流出は今後も予想される一方で、油の除去等の経費が確実に補償される制度が確立されていません。県、市、町及び漁協の関係団体等が防除作業を実施する上で不安定な状況にあることから、船舶の所有者等に防除経費等を負担させることが困難な場合は国の負担において措置を講じ、国が一括して原因者に被害補償を求められるよう、そういう制度を作ってほしいという要望なんですが、この点について、大臣、いかがでしょうか。
#54
○政府参考人(縄野克彦君) この事故につきまして、今、先生のお話のように、油の事故についての基本的な考え方は、一般的な原則として原因者が負担をすべきであるということでございます。この件について、今お話出ましたように、兵庫県の方から要望書も出ておりまして、先日も知事も私のところへお見えになりまして、率直に意見交換をいたしました。兵庫県の要望の中身について私は十分承知してございますけれども、基本はやはり船、原因者であるその船主が負担をすべきものであるということでございます。
 ただ、タンカーの事故につきましては、御承知のように、非常に被害が大きくなるということで、裨益者である石油会社等の負担によって特別な補償の国際的な仕組みができておるわけでございます。そういう経緯を申し上げますと、タンカー、ということはそのタンカー以外の事故についてはそういう仕組みは合意としてできておりませんで、基本的には原因者に追求をしていくということでございます。
 それで、自治体、あるいは私どももそうでございますが、それぞれの防除作業に要した経費につきましてはまず原因者に対してこれを求めていくということでございます。今回の事故は、御承知のように、鳥取県の漁船、それから実質的に、中国の船主が実質的な船主であろうというベリーズ船籍の貨物船でございます。これらに対して、防除経費を必要に応じて、中国でありましたら外交ルート等を通じて求めていくということで私どもとしては取り組んでおります。
 漁業者が負担をした経費について、最終的に取れなければ国で負担をすべきではないかという御指摘もございます。私どもとしましては、基本的に、船、原因者が特定しているものについて基本的には原因者に追求すべきであるということを基本として今取り組んでおるところでございます。
#55
○大沢辰美君 私は、これでしたら本当に、五年前のナホトカの事故もございますけれども、やはり協力した漁業者の皆さんたちは本当に泣き寝入りをしないといけない、自分たちの漁業を守るために頑張って、漁場を守るために頑張ってきているし、当然そのことをやらなければいけないと考えている皆さんに、私は現行制度の改善も含めて、やはり被害補償ができる何らかの手だてをしていく対策が必要であるということを再度提案をさせていただきたいと思います。
 私は、このナホトカの重油事件、事故以来、日本海側には大型の油の回収船の配置を求めて皆さん努力していただいたと思います。これについては、二十四時間から大体四十八時間以内に日本のほとんどの海峡をカバーできるようになったように伺っています。この点については大変評価ができると思っています。
 そこで、もう一点、回収船について新たな質問をしたいと思うんですけれども、日常的に海上交通を確保して、海の環境を守るために海面の浮遊物や油などを回収する大事な仕事をしている地方整備局、そして、そこで清掃船や油回収船など特に環境整備の問題でやってくださっている船があります。産業リサイクル法ができた後に海にテレビや冷蔵庫などの不法投棄が大変増えているんですね。そして、そのためにますますこの仕事が増えて、非常に重大な仕事となっています。
#56
○理事(藤井俊男君) 大沢先生、時間ですのでまとめてください。
#57
○大沢辰美君 はい、分かりました。
 それで、そういう船が、現在二十年前後の経過をした、老朽化した船がございます。全国で今十そうのうち六そうがそういう状態にあります。それの改装についての計画がどうなっているか、そのことを推進するために働いている人たちがどう人員を確保していかなければならないかという点について、もう一点お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
#58
○政府参考人(川島毅君) まず初めに、ナホトカ号の経緯を踏まえまして、委員御指摘のとおり、名古屋にあります清龍丸、それから北九州に配備しております海翔丸、それから新潟に今回新たに配備させていただきました白山、この三隻で四十八時間体制ということが整いましたところでございます。また一方、御指摘の環境整備船というのはこれと別にございまして、ただいまもお話ありましたとおり、海域におきましてごみや油の回収作業を行っておる。いったん油流出事故の場合は海上保安庁の要請によって出動する船でもございます。
 この環境整備船の一つは老朽化のお話と、もう一つが乗組員の話だったと思いますが、まず老朽化につきましてでございますが、確かに建造後かなりの年数を経過している船舶があるのは事実でございますが、これらの船舶につきましても適切な維持補修を実施しておるところでございまして、所要の機能に支障のないように努めておるところでございます。今後とも維持補修に万全を期してまいりたいというふうに考えております。必要に応じて更新も行ってまいりたいというふうに考えております。
 それから、これの職員でございますが、この環境整備船につきましてもその業務に必要な乗員を乗船させているところでございます。その定員につきまして、国家公務員の定員をめぐる環境は非常に厳しいものがあるということで、この必要な定員をすべていわゆる正職員で確保することは困難な状況にございます。したがいまして、いわゆる正職員で確保できない人員につきましては非常勤職員を採用するなどして適切な職務体制の確保を図っておるところでございます。今後、こういうことによりまして今後とも適切な職務の執行に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#59
○大江康弘君 国連の大江康弘でございます。
 今日は、田名部先生が質問予定であったんですが、大変思い入れの私も今回の法案は深いものでありまして、特にお願いをして質問をさせていただくことになりました。
 先ほどから先生方いろいろもう御質問をされて、重複をいたします。それぞれ海のことに関しては頭に思い浮かべるイメージというか思いというのは、それぞれ皆さん御地元のことを思い浮かべて御質問をされたようにも一部思います。私もそういう意味では和歌山を思い浮かべて、川は紀ノ川、海は黒潮躍るというか、同じ瀬戸内海で生まれても、真ん中で生まれた扇大臣と端っこで生まれた私などとは随分性格が違うような形に育つんだなと思ったわけですけれども。私も神戸に四年住んでおりまして、大変神戸の良さも分かっておるつもりでございます。
 同時に、いささか海のレジャーに関係をする者の一人といたしまして、今回こうして間口を広げていただいたというふうに私は理解をしておるわけであります。それだけに、こういう、まあ遅かったか早かったかは分かりませんが、昨年の八月から随分審議をしていただいてこういう法案を出していただいたということに、まずありがとうございますということを申し上げたいと思います。
 が、この「が」が問題でありまして、実はこの出していただいた背景というのがもう一つ、我々、私が思っておることと、先ほどからこの背景で出てきた法案のなぜこういう形になったのかということがちょっともう一つ分かりませんので、まずその背景、法案の変えなきゃいかぬという背景がやっぱりどこらから来たのかということと、それから、ちょっと先ほど弘友先生の中で、今までは五段階に分かれておって、年齢も二段階に分かれておったように思うんですが、今回は何か十八歳以上という、これはもう全部横並びで十八歳以上ということになったのか、これは事務的なことですが、ちょっとそれも併せてまずお聞きをさせていただきたいと思います。
#60
○政府参考人(安富正文君) まず、本法律の改正に至った経緯でございますけれども、先ほど来出ておりますように、一方では小型船舶の、いわゆるレジャーボートということに対する振興というのが非常に増えてきていると。しかしながら、その一方で海難事故が非常に増えてきておるということでございまして、我々としては、この二つをどうバランスして今後の振興、プレジャーボートに対する振興を図りながら、なおかつ安全対策を講じていかなきゃいけないということで、特に今回はいろんな、プレジャーボートについては総合的対策は必要だと思いますけれども、今回、操縦免許という観点からこの問題について改正を行ったわけでございます。
   〔理事藤井俊男君退席、委員長着席〕
 具体的には、先ほど来言っておりますように、資格区分の制度を簡素化するとか、あるいは試験内容の簡素合理化を行うことによって安全対策に重点を置くというような措置、さらには安全対策として、従来法律上明確にしていなかった危険操縦とか酒酔い操縦とかあるいは救命胴着の一部着用義務付けとか、そういうことを行うことによって、レジャー振興を図りながら、なおかついわゆる安全対策の充実を図っていこうということで今回の法改正を提出したわけでございます。
 それから、免許の資格の問題でございますが、今後の新一級の資格については十八歳以上が免許資格要件でございますが、二級とか水上オートバイについては十六歳以上ということで免許の資格要件が決まっております。ちょっと先ほど十八歳ということで一律に申しましたが、そういう免許区分によって若干違っておるということでございます。
#61
○大江康弘君 そういうことになれば非常に若い人たちが海に親しむ機会が増えてくるということで、年齢別に、やはりまだボートといいますと、かつてのゴルフと一緒で、なかなか市民権というか、マイナーな、まだマイナーなものでありまして、メジャーな部分が私はまだないように思います。
 それだけに、今、私どもの地元の紀ノ川一つを見ましても、この係留施設をどうしていくのかということが、僕は、現実問題、こういうことがやはりきちっと解決をされる方向に出されないと、何か今回門戸を広げていただいたということは、雑に言えば、産めよ増やせよじゃないですけれども、どんどん海に親しめと。これは非常に大きな意味があるんですけれども、親しめで十六歳、若い子が、まだ高校生でもう子供がどんどんどんどん免許を取ってくる。先ほどシーマンシップという非常に崇高な海の男の理念も言われておりましたけれども、なかなかやっぱりそこまで到達するには意識が、これは若い子には無理な話でして、どうしてもマナーも含めていろんな問題も出てくることこれありでありますけれども。
 いずれにしても、私はやはりそれだけ、どんどんどんどん取りなさいよ、どんどんどんどん海に親しみなさいよということになって、そうしたら取った人がどんどんそういうボートなりあるいは水上バイクなりを購入してどんどんどんどん行き出したときに、果たして、今現実にある係留不法と言われておるものも含めて、この係留施設というものをどうしていくのかという、今の実情というものをまず一回ちょっと局長、聞かせていただきたいというふうに思います。
#62
○政府参考人(川島毅君) プレジャーボートの係留施設でございますが、これにつきましては、平成八年度に港湾区域と河川区域、それから漁港区域、これを対象としまして当時の運輸省、建設省と水産庁が共同で調査を実施しております。プレジャーボート全国実態調査というものでございますが、これによりますと、公共と民間のマリーナ、こういうものの小型船係留施設、これは全国で五百六十七か所でございます。その収容能力は約六万四千隻となっております。
#63
○大江康弘君 そうしたら、この事前にいただいた中で、過去五年に、平成九年から大体ボートパークということの中での整備をずっとされてこられたわけですね。それで、五年間で大体約五十四億円支出をしておられるということ、こういう果たして金額で十分この受皿というか、これ港湾あるいは河川も両方ありますけれども、特に私どもの場合は河川、大きな紀ノ川を見ておりますと、濁流が来て、不法に留めておって、それが流れていって二次災害、三次災害を起こすというか、そういうことまで考えたときに、やっぱり今のこういう金額ではなかなか対応できないのじゃないかと。
 そういうことを国交省として置き去りにして、少しずつやっていますよということですけれども、なかなかやっぱり地域によって、各自治体も今の財政状況の中で何を第一義に、第二義にやっていくかということになれば、先ほども言いましたように、やっぱりまだ市民権をようやく得つつあるという、そういう海上のプレジャーボートあるいは水上バイクという中で、どこまで各地方自治体がその現状を受けてそれじゃ対策をしてくれるのかといったら、僕は非常にやっぱり疑問がある。そんなことだったらもっとほかのことをやれよということに相なっていくと思うわけでありますけれども。
 そこらのところの、これ今後、局長、もう一度ひとつ方向というか、どうされていくのか、対応というか、ちょっと一回お考えがあれば聞かせていただきたいと思います。
#64
○政府参考人(川島毅君) プレジャーボートの受皿整備に関しての予算でございますが、公共マリーナの整備につきましては、平成八年度から十四年度までの合計で、事業費ベースで二百六十六億円でございます。一方、特に放置艇対策のために実施をしております簡易な係留施設の整備事業でございますボートパーク事業、これにつきましては事業費で百九億円でございます。合計いたしまして事業費で三百七十五億円と、八年度から十四年度までの予算の合計でございます。これで整備を進めておりますが、不足をしているのは御指摘のように事実でございます。
 これにつきまして、私どもとしましては、こういう公共マリーナあるいはボートパーク整備事業以外に、民間事業者によるマリーナ等の整備を推進する必要があるというふうに考えてございまして、そのための財政投融資の制度あるいはPFIの制度、こういう支援スキームの充実を図ってきておるところでございまして、こういうふうに官民併せて保管能力の向上に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
#65
○大江康弘君 大変それは結構なことなんです、有り難いことだと思うんですけれども、やはり今の財政状況から考えたときに、それじゃPFIでどれだけ民間が参加をしてくれるか。和歌山にはマリーナシティの中に立派な施設があるわけですけれども、しかし、この施設を利用する人というのはなかなか限られてきて、先ほど高橋先生の方から若干全般的にそういう利用者が全国的に少なくなってきたのかというお話もありましたが、そのことも併せた状況の中でも、やはり一般化していく、大衆化していくということになれば、なかなか留める部分が、係留する場所がやっぱり私はそんなに高望みはできないというか、そういうふうに思うわけなんですけれども、私は、この機会になぜここまで突っ込んだ、間口を広げてくれた法案が、もっと民主主義の原点というか、その部分に突っ込んだ事後策が取れなかったのかなと。
 抽象的な話の言い方をしましたが、やっぱり私は、二百七十万人今ある、毎年九万人ずつ増えていくということになれば、単純計算、三年、四年後にはもう三百万人にこれなっていくわけでありまして、そういう今の係留施設の現状から見れば、なかなか全部が満足し得るような部分ができないわけであります。そのときに、やっぱり民主主義というのは、私は、まずその社会に参加をする、まずその社会に自分が加わるということになれば、やはりそれなりのコスト、それなりの受益者負担が、私は当然これは出すべきものであるというふうに思うんです。
 そうなれば、車でも我々、免許証を更新に行ったときに、実は警察の方で、あれ交通安全協会というの、これ半ば強制的に入れられるわけですね。何か入らなんだら後ろつけてきて捕まるんかなと思うような感じもありますから。これ調べたら千七百円、何もなかった優良運転手は七百円、こういうことを更新手数料とは別途取って、それがいわゆる交通安全の施設として生きてくるという、こういう一つのドライバーとしてのコストを別個これ払っておるわけですね。これ車へ乗ったって今いろんな税金が我々取られておるわけですけれども。
 そういうことを考えたときに、まだまだマイナーな部分の海のことを考えたときに、私はやはりたとえ千円でも二千円でも、これ五年に一回ですよね。それで船検が三年に一回ということでありますから。やはり水上のモーターバイクでも二十万何がしかするだろうと思います。プレジャーボートでもやっぱり百万前後、安いのはすると思うんですけれども。そういう意味ではまだまだ、先ほど言いましたように、マイナーな部分の中でこれだけの、水上バイクにすればこれ一つの環境の負荷低減といいますか、そういう環境問題にしても、あるいは非常に排ガスもあった、先ほど高橋先生から言われた騒音の問題もある。だけど、やっぱり若い子が発散する場所というものもある程度これは大人が考えてやらにゃいかぬということになる。
 そこらで、どういうふうに、海上に親しむ人たちに、参加する、あるいは参加するコスト、あるいは受益者負担という部分の中でということで、それで僕は利用環境を整備していったら、お互いがやっぱりそういう一つの高いモラルというか、海というものに対しての考え方もまた私はいい方向に行くんじゃないかなというふうに思うんですけれども、こういう考えというのはやっぱりちょっととっぴなんですか。
#66
○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方から極めて貴重な御提案をいただいたわけでございますが、ある意味ではこういういわゆる受益者の負担という観点からそういう制度を作るということは、小型船舶をめぐる係留施設の整備であるとか、いろんな課題がございます。こういうことに対する方策に関する負担の在り方として一つの考え方であるとは考えております。
 ただ、一方、具体的にこれを制度化ということで考えますと、例えば免許保有者の中にも、車でもございますが、ペーパードライバーみたいな方もいる。あるいは、実際に水上オートバイを所有している方でも、先ほども話がありましたように、具体的にマリーナ等を所有せずに施設を利用しないで自分のところに保管しているとか、そういう人もいる。さらには、そもそも免許保有者に負担させてもらうのか、あるいは船舶、小型船舶、プレジャーボートのオーナーに負担してもらうのかとかいったような問題、あるいは受益と負担との関係で、受益する者と負担する者の対応が本当にイーブンになっていくのかといったような問題もございますし、さらには環境問題あるいはリサイクルということを考えたときに、じゃ実際に、例えばメーカーの責任であるとか、それとユーザーとの責任の関係をどう整理するのかといったような問題ということで、様々な関係主体の間での役割分担の問題といった課題があるかと思います。
 何よりもまずユーザーの理解が得られるということが必要になってくるわけでございまして、そういうことを考えますと、制度的に一つの考え方であると思いますが、なかなか容易ではないなというのが率直な感想でございます。
 ただ、いずれにしましても、こういう制度も含めまして、プレジャーボートをめぐる様々な課題に対して、国とかあるいは自治体、あるいはマリーナ、メーカー、ユーザーと、関係者がどういうふうにかんでいくのか、総合的にどう連携していくのかということは、そういう視点は必要かなと、こう考えております。
#67
○大江康弘君 当局答弁というのがありまして、我々地方のときには、議員御提言のことを十分踏まえてという答弁がよくあるんですが、これは簡単に言うたら、そんなことできるはずないよ、もうちょっと考えて質問せいよという、本当の意味はそういう意味なんですね。それを、やっぱりマイクに立ったらそういう言い方をしてくれる。そういうことから考えますと、ちょっと今の局長からいただいた答弁は、もう全く難しいんかなあと。素直に答えていただいたわけですけれども。
 しかし、先ほど言いました、大臣、車の免許証で今七千五百五十万人です。これが、更新手数料、別にいわゆる交通安全協会へ一人千七百円ということになれば、約一千二百八十億、これ入っていく計算になるんです。そういうことから考えましたら、これから先三百万人という時代を迎えることを考えたときに、一人千円取れば三百億、二千円取れば六百億、大変魅力のある予算というか、お金じゃないですかね、これ。
 ですから、最後に、時間がありませんから大臣に政治家としてひとつお答えをいただきたいというか、考えをちょっといただきたいのは、やはりこういうことの部分で地域をよくしていく、あるいは意識を高めていくということをもう少し考えていただけぬかということを最後にお願いを申し上げまして、意見があればひとつ賜れば有り難いなと、こんなふうに思います。
#68
○国務大臣(扇千景君) 今、大江議員のお話のとおり、プレジャーボート、これはもう先ほども申しました平成二年のときには約三十一万隻、そして現在、十二年度には四十四万隻ということで、これ十年間で一・五倍になっているわけですね。今、大江議員がおっしゃったように、係留が足りないという、その係留施設の整備、それをお金を取って整備すればいいではないかということですけれども、要するに国と地方自治体との関係の補助制度、それをどうするかと。
 御存じだろうと思いますけれども、この係留の施設、整備方法ですけれども、公共マリーナに関しましては港湾管理者は地方自治体でございます。これは国から補助率が十分の四でございます。ボートパークに関しましては、これも港湾管理者は地方自治体でございまして、補助対象は、これは補助率が三分の一というふうになっています。そのように、民間マリーナに関しましては政策投資銀行からの低利融資と、こういうふうに、それぞれが国と地方とあるいは民間とというふうに分かれておりますので、大変そういう意味では、じゃ、どこでどうして、それを取ったものはどう配分するのかと、これもまた問題になりますので、大変難しい問題はあろうと思いますけれども、今申しましたように、十年間で一・五倍に増えているものの係留地もないということで、放置しちゃいけないといっても、これもしようがないことなので、そういう意味では今の御意見も参考にさせていただいて、私は、これが法的になるというのであれば、議員立法でも結構でございますし、そういう意味では、是非関係のある、お隣の高橋議員も大変経験があるということですから、皆さんで議員立法にしていただいても結構ですし。
 ただ、この台数が増えることと係留地の足りないということとの相関性を国と地方でどう負担していくか。その辺のところをもう一度検討させていただければ、より両輪として、国と地方と、そして利用者と、そして利用者の中でも操縦する人と一般に海水浴等々で海岸でレジャーを楽しむ人との整合性というものを図りながら、より有意義な、あるいはより発展的に、皆さんに楽しんで、安全を確保していきたいと思っております。
    ─────────────
#69
○委員長(北澤俊美君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、木村仁君が委員を辞任され、その補欠として西銘順志郎君が選任されました。
    ─────────────
#70
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 環境問題についてお伺いをいたします。
 マリンレジャーを楽しむ人たちは、お話のように、近年増加傾向にありますし、国民にとっても大変身近なレジャーとなってきております。それだけに、楽しむ人たちのマナーやルールについてはやはり厳格に守らなければならないと思います。特に、海洋汚染、河川汚染、湖汚染につながるようなことになればマリンレジャーの健全な発展を望むことはできません。
 今回の法改正によって水上バイクの免許の台数が飛躍的に伸びていくものと思われます。現在の水上バイクはアイドリング中や発進時は海中又は水中に排ガスが出るわけです。その後は空気中に排ガスを出す構造になっております。水質汚染という心配がございます。また、強化プラスチック製のプレジャーボートの廃棄処理問題があります。国土交通省として、これらの問題についてどのように対応されようとしているのか、また今後どのように対応されようとするのか、お伺いいたします。
#71
○政府参考人(安富正文君) まず、水上オートバイの排出ガスによる水質汚染問題についてお答えしたいと思います。
 先生御指摘のように、水上オートバイは排出ガスを一部水中に排出するという構造になっておりますので、例えば河川等の取水口付近を繰り返し走行した場合には、排ガス中に含まれる有機性の化合物というのが水質に悪影響を及ぼすというおそれがございます。こういうことから、我々としても琵琶湖であるとか淀川などの水上オートバイの利用が盛んな水域で一応水質調査を実施いたしております。
 ただ、現在のところ、この排ガスに起因する有機性化合物は環境基準値以下ということが確認されておりますけれども、今後、水上オートバイの増加に伴ってこういう問題が起きてくるということで、我々としても、環境負荷低減という観点から、水上オートバイ製造のメーカーに対しまして環境低負荷型のエンジン搭載の水上オートバイの開発というのを指導してまいっております。それからまた、実際の水上オートバイを操縦する方に対しても取水口付近での走行禁止といったような走行ルールの導入を進めているところでございます。
 この結果、メーカーサイドの話として見ますと、二〇〇一年のモデルから排ガス中の有機性化合物を低減したモデル、これは一九九〇年モデルの約四分の一に削減するということで二〇〇一年モデルが出てきておりますし、また今後、二〇〇二年モデルでは約八分の一になるというふうなことで、そういう機種が発売されてきております。それから、淀川などの走行ルールもアイドリングの制限等という形で策定されてきておりますので、こういう形でのエンジンの開発あるいは走行ルールの普及というものを推進していきたいというふうに考えております。
 それからもう一点、FRP船の廃船処理、リサイクル問題でございますが、御存じのように、FRP船につきましては、FRPが強靱でなかなか破壊できないとか非常に大きいとか、あるいは廃船の費用が高いといったようなことから、これが放置艇、いわゆる廃船といったような形での大きな問題になっております。
 こういうことから、我が省としましても平成十二年から、FRPを解体しまして細かく粉砕して、これをセメントの原材料として再利用する技術、リサイクル技術の研究開発を進めてきております。この技術開発については十五年までに一応技術が確立できるんではないかということで現在作業を進めているところでございまして、今後、これを受けまして具体的なリサイクルシステムの制度化ということを図っていきたいというふうに考えております。
#72
○渕上貞雄君 次に、係留されていないプレジャーボートについてお尋ねをいたします。
 国土交通省の調べによりますと、プレジャーボートの実情調査で保管状況が把握できなかった艇が十二・八万そう、全体の三八%に上っておりますし、放置艇を合わせますと実に七九%のプレジャーボートは保管内容が不十分な状況にありますが、大臣はこの実態をどのように考えますか。何らかの対策をお考えでしょうか、お尋ねいたします。
#73
○政府参考人(川島毅君) 先ほど申し上げました平成八年度のプレジャーボート全国実態調査によりますと、全国の水際線近傍で約二十万八千隻のプレジャーボートが確認をされております。このうち、放置艇は約三分の二の約十三万八千隻でございました。
 この放置艇でございますが、船舶航行への支障になる、あるいは周辺への騒音やごみ、油の問題等、様々な問題がございます。こういうことから、国土交通省としましては、適切な規制措置の実施と係留保管能力の向上、これを車の両輪とする放置艇対策を推進してきているところでございます。
 具体的には、平成十二年の港湾法の一部改正によりまして、船舶の放置等を禁止する区域、これを港湾管理者が指定する、指定できるようにすると、こういった規制措置を講じております。また、受皿の整備につきましては、ボートパーク整備事業あるいは公共マリーナ、あるいは民間マリーナに対する様々な支援制度を講じておるところでございまして、今後とも放置艇問題の解決に向けて積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。
#74
○渕上貞雄君 次に、酒酔い操縦と取締りについての見解についてお伺いをいたします。
 今回の船舶職員法の改正では、小型船舶操縦者が遵守すべき必要最低限の事項として酒酔い操縦の禁止が盛り込まれておりますが、どうも酒酔い操縦の認識が私どもと違うように思えてなりません。
 衆議院の国土交通委員会で示された酒酔いの操縦の考え方では、酒に酔うことによって会話に対する反応が鈍くなるとか、あるいは体がふらつくとか、あるいは正常な判断能力、知覚機能、運動機能が低下した状態で操縦するとのことなんですが、このような状態は相当酒に酔っ払っている状態ではないかというふうに思うんでありますけれども、交通運輸でこういう問題を審議するわけでございますから、やっぱり安全第一ということを考えますと、交通運輸においてはやはり空であれ陸であれ海であれ安全第一がモットーでありますから、飲酒による運転操縦を行ってはならないと私どもは考えるべきだと思います。
 先ほどは大変ビールがうまいと言ったが、これは酔っ払うほどのビールじゃない、うまいだけのビールだろうと、こういうふうに思いますが、その見解はいかがでしょうか。
 また、酒酔い操縦の取締りや水上バイクの操縦免許携帯確認についてどのように行うのか、お教えいただきたいと思います。
#75
○政府参考人(安富正文君) まず酒酔い操縦の問題でございますが、陸上のいわゆる車ですと酒気帯びとそれから酒酔い運転とございますが、いわゆる、我々の考えとしては、酒気帯びというものについては、やはり今の海のレジャーというか、先ほどちょっとビールがうまいという話もございましたけれども、そういうことから考えますと、酒気帯びまで厳格にやるということはやはりいろいろな形で問題があるんじゃないかと。そういう意味で、酒酔いという状態になった者についてはやはり厳正な取締りを行う必要があるだろうと。酒酔いというのは、これは個人差がございますのでなかなか難しゅうございますけれども、会話に対する反応とか、あるいは体がふらつくといったような、これはまたいろんな形でその状況に応じて判断せざるを得ないところはございますけれども、これはこういう状態を、個別を具体的に判断して取締りという、実際の厳正な取締りの際には行いたいと思っております。
 ただ、具体的にじゃどういう形で取り締まるかということでございますが、これは先ほど来よりいろんな形で重点的なパトロール等実際に行っていきたいと思っておりますが、やはりこれは担保措置としては、こういう自分の自己責任の下に酒酔い操縦になるような状態になったら運転をしないんだということを意識として徹底させていくということが必要だと思います。そういう意味で、具体的にはいろんな形での安全講習、これは免許更新等における安全講習の際にそういう意識の向上を植え付けていくということで、初心に返って海のルールを身に付けてもらうような再教育講習の受講を違反者に対しては義務付けるといったようなことで教育的な措置を行っていく方がいいんではないかと。
 ただ、どうしてもそれで再犯、いわゆる何回もそういうことになるというような場合には免許の停止等といった行政処分を科すということも実施していくということで、そういう意味では、本当の、いわゆる酒気帯びではない酒酔い運転の場合には厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
 それから、具体的な免許の携帯でございますが、小型船舶操縦者については航行の際に免許証を携帯しておかなければならないということになっておりますが、これは必ずしも体に直接身に付けておくという必要はなくて、乗船している船内に備え付けておくということで足りるわけでございますが、特に水上オートバイ等では実際体に付けることが多いと思いますので、現在、利用者の携帯の容易さを考えて、防水措置を施したカードサイズの免許証というような形になっております。
#76
○渕上貞雄君 水上ボート、プレジャーボートの利用の制限について見解をお伺いしたいと思います。
 現行法では、基本的にはどこの海でも河川でも湖でもプレジャーボートを楽しむことが可能でありますし、利用地域が特別制限されておりません。このために、海水浴でにぎわう場所や民家が密集する河川、行楽客の集まる湖などの運航が可能となっております。本来ならばシーマンシップにゆだねられるということになるのでしょうか。しかし、プレジャーボートや水上ボートでシーマンシップまで意識が高いかどうかというのは甚だ疑問でありますけれども、やはり私は、そこに期待をしなければならない状況だとすれば、現在の事故の増加の状況、原因などを考えてみますと、やはり法改正が提案をされて、事故が増加している、そういうために今回の法改正が提案されたと思います。
 したがって、水上ボート、レジャーボートなどについては一定程度、やはり総合的な調和の取れた健全な利用という面から地域的な制限を考える必要があるのではないかというふうに考えるんですが、その点、いかがでございましょうか。
#77
○政府参考人(岩村敬君) 御指摘のとおり、プレジャーボートは漁場であるとか海水浴場の近くで利用されることもございます。したがいまして、その際には、漁業関係者また海水浴客等、他の水域利用者との調和の取れた利用が大事であるということ、御指摘のとおりでございます。また、先ほどの質問にもございましたように、水上オートバイの騒音問題等、これも周辺住民の生活との調和を図る必要があろうかというふうに思います。
 幾つか例を挙げてみますと、例えば相模湾に面した神奈川県の平塚市、ここでは横浜海上保安部、さらには関東地方整備局京浜工事事務所が協力をいたしまして、地元関係者が「平塚 海・川・浜のルールブック」というものを作っておりまして、水上バイクの自主的な航行ルールが決まっております。その中身というのは、例えば漁港から一定の範囲までは徐行をしなさいと、また河口付近で入港船、港へ入ってくる船と出会ったときには船尾側を大きく迂回をしなさいということ等が決まっておりまして、言わば地域ルールができているわけでございます。
 また、もう一つ例を申し上げますと、荒川では、川沿いの住民の方々に広く意見を募集いたしまして、これを踏まえて、ここの河川管理者は国土交通省でございますので、国土交通省が、他の水面利用者との調和を図る観点から、水上オートバイ通航方法制限区域等のいわゆる船舶の通航方法を設定をしているわけでございます。
 そういうことで、一律に、全国一律というよりは、やはり地域地域の特性もございますので、このように地域の関係者のイニシアチブによりまして自主ルールを作る、そしてそれによって航行ルールを策定することが迷惑行為の防止であるとか水域の利用調整等の観点から有効であろうかというふうに思います。
 国土交通省としては、こういったルール作りに積極的に支援する、そして安全講習等の場を活用してマナーの確立を含めた教育活動を推進していく方針にございます。こういうことによって他の水域利用者との調和の取れたプレジャーボートの利用が進んでいくというふうに思っているわけでございます。
#78
○渕上貞雄君 最後になりますけれども、マリンレジャーの健全な発展のために国として、大臣、やはり海洋国としての我が国、マリンレジャーというのはこれからますます発展していくと思うのでありますけれども、大臣はどういう見解でございましょうか。お伺いして、質問を終わります。
#79
○国務大臣(扇千景君) マリンレジャーに関しましては、今日るる各先生方からお話がございましたように、多くの船舶の処理の問題、廃船の処理の問題、それから放置艇の問題、それから安全の確保、あるいは他の水域利用者の調整等、あらゆる面で私は社会的問題が顕在しているというのは今日議題になったとおりでございます。
 そういう意味で、特にプレジャーボートに関しましては、安全の確保のための施策とそれから利用促進のための施策、これをバランスを取りつつ推進していくことが必要であるというのは言うまでもございません。このために、今回の法案で現在御審議いただいておりますこの操縦士の資格制度の見直し、これを始めたいと思っておりますし、これ三つございますので、ちょっと申し上げさしていただきたいと思います。
 この三つは、一つは、まずマリーナの整備など係留保管能力の向上及び係留保管場所の確保、これが一つ、今日も議題になりました。二つ目は、廃船リサイクルシステムの実現に向けた技術開発や関係者の役割分担などの社会的仕組みの検討、これが二つ目でございます。三つ目には、関係団体を通じました青少年への海事教育の推進、これらが今日もたくさん御指示をいただきましたので、各種の対策あるいは今後の総合的なこれらの御意見を推進して、安全を図り、なお楽しんでいただくと、両輪に役立てていきたいと思っております。
#80
○委員長(北澤俊美君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 船舶職員法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#81
○委員長(北澤俊美君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#83
○委員長(北澤俊美君) 次に、マンションの建替えの円滑化等に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
#84
○国務大臣(扇千景君) ただいま議題となりましたマンションの建替えの円滑化等に関する法律案の提案理由につきまして御説明を申し上げます。
 マンションは、都市における住まいの形態として広く普及してきておりますけれども、今後、老朽化したマンションが急増することが見込まれており、都市の再生と良好な居住環境の確保を図る観点から、マンションの建て替え円滑化が重要な課題となっております。
 現在、マンションの建て替えについては、建て替えを行う団体の法的位置付けが明確でないこと、区分所有権等の関係権利を再建したマンションに円滑に移行させるための法的な仕組みがないこと等の問題が指摘されております。区分所有者自らが主体となって建て替え事業を円滑に進めるための制度の整備が急務となっております。
 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第でございます。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明を申し上げます。
 第一に、建物の区分所有等に関する法律に基づく建て替え決議がされた場合、建て替えに合意した区分所有者が法人格を有するマンション建替組合を設立できるものとしております。
 第二に、マンション建替組合等が定めた権利変換計画に従い、区分所有権、抵当権等の関係権利を再建されたマンションに円滑に移行させることができるものとしております。
 第三に、マンションの建て替えに伴って借家権者等が転出することとなる場合につき居住の安定の確保を図るための必要な措置を講ずることとしております。
 第四に、保安上危険な又は衛生上有害な状況にあるマンションについて地方公共団体が建て替えを勧告できるものとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案を提案する理由でございます。
 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議のほどをよろしくお願い申し上げます。
 ありがとう存じました。
#85
○委員長(北澤俊美君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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