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2002/07/11 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第24号
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2002/07/11 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第24号

#1
第154回国会 国土交通委員会 第24号
平成十四年七月十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北澤 俊美君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                弘友 和夫君
                大江 康弘君
    委 員
                荒井 正吾君
                木村  仁君
                北岡 秀二君
                月原 茂皓君
                野上浩太郎君
                野沢 太三君
                松谷蒼一郎君
                森下 博之君
                森山  裕君
                吉田 博美君
                池口 修次君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                藁科 滿治君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
                渕上 貞雄君
   衆議院議員
       国土交通委員長  久保 哲司君
       国土交通委員長
       代理       虎島 和夫君
       国土交通委員長
       代理       細田 博之君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  月原 茂皓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       高部 正男君
       総務省自治財政
       局長       林  省吾君
       文部科学大臣官
       房審議官     加茂川幸夫君
       厚生労働大臣官
       房審議官     中村 秀一君
       厚生労働省政策
       統括官      石本 宏昭君
       農林水産大臣官
       房審議官     高津 定弘君
       経済産業省製造
       産業局長     岡本  巖君
       国土交通省総合
       政策局長     岩村  敬君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  澤井 英一君
       国土交通省自動
       車交通局長    洞   駿君
       国土交通省海事
       局長       安富 正文君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    飯島  孝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○離島振興法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)

    ─────────────
#2
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を開会をいたします。
 離島振興法答弁予定者として、衆議院から、国土交通委員長久保哲司君、国土交通委員長代理虎島和夫君、国土交通委員長代理細田博之君、御出席をいただきまして、誠に御苦労さまでございます。
    ─────────────
#3
○委員長(北澤俊美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 離島振興法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務大臣官房審議官高部正男君、総務省自治財政局長林省吾君、文部科学大臣官房審議官加茂川幸夫君、厚生労働大臣官房審議官中村秀一君、厚生労働省政策統括官石本宏昭君、農林水産大臣官房審議官高津定弘君、経済産業省製造産業局長岡本巖君、国土交通省総合政策局長岩村敬君、国土交通省都市・地域整備局長澤井英一君、国土交通省自動車交通局長洞駿君、国土交通省海事局長安富正文君及び環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長飯島孝君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#5
○委員長(北澤俊美君) 離島振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○松谷蒼一郎君 自民党の松谷でございます。
 私は長崎県の選出の参議院議員でありまして、御案内のとおり、長崎県は離島の数において全国一であります。無人島を除いて有人島が五十五ございます。離島の海岸線においても全国一であります。そういう意味で、私どもは離島と生き、離島とともに暮らしてきております。その離島の生活現状の厳しさというものも身をもって味わっているわけでございます。
 そういう中で、このたび離島振興法の改正案が提案をされました。その提案者の主体は自民党の離島振興特別委員会の委員長の虎島先生でございます。虎島議員の、委員長のすばらしい御努力によってこの新しい離島振興法がまとめられたと言っても過言ではありません。この数年間、全国各地の離島を二十数人の国会議員をもってつぶさに視察をし、その現状を分析し、そしてその上に立ってこの新しい離島振興法を作成されました。その労を多とするところでございます。
 特に、このたびの離島振興法の改正は、国から地方へ計画の策定主体を改めると。すなわち、地方振興の基本的な流れに沿って、離島振興基本計画の策定主体は、構想は国が策定をいたしますが、計画は、細かな具体的計画は都道府県が行うということを定めております。非常に画期的な法改正であろうかと思います。
 今回の法改正で特に重要事項として認識されている点が多々あると思いますが、その点について提案者のお一人であります虎島議員より御教示をいただければと思います。
#7
○衆議院議員(虎島和夫君) ただいま委員から御指摘がございました。久保委員長とともに出てまいりましたけれども、御指名でありますから、私の方から所要事項について報告をさせていただきます。
 今お話がありましたように、今般は、離島振興法が十か年の時限立法でありましたものが今年度をもってその期限を迎えるわけであります。したがって、離島と本土との現状あるいは離島をめぐる環境等々を分析するに、我々は更にこの法律の不十分な部分を補って真の離島振興の実効が上がるような、そういう法律を是非作りたいということで、今お話のありましたように、私どもだけでありませんで、与党三党あるいはまた各党御協力をいただいて、この審議を終わって今日に至っておるわけであります。
 十か年経過してみますと、状況の変化がございます。第一は、国内の経済情勢の激変であります。第二には、これと表裏一体の関係にありますけれども、国際情勢の変化であります。これらを、国内においては産業立地基盤の弱い離島、そして、国際問題としては国際的な境を接する第一線に存在する、地理的に存在する離島、この二つの立場から今回の法案の検討は極めて重要であるという認識を持ってやってまいりました。
 したがって、委員各位の、当方の委員各位の御協力いただきまして、丁寧に網羅的に離島というものを見せていただきました。御意見も地元からちょうだいいたしましてこの案を作らせていただいたわけであります。特に、久保委員長の御指導よろしきを得て本日に至ったこと、心から感謝申し上げる次第であります。
 お話のありましたように、しかしながらなお、離島はその後進性というものを完全に払拭することはできないでおります。しかしながらまた、考えてみますと、おかげさまで長い間の離島振興法の恩恵によって、あの自然条件の厳しい島々が、港湾が整備され、漁港が整備され、あるいはその他の産業、生活インフラが整備されつつあることは御高承のとおりであります。しかしなお、私どもは離島の現状を踏まえて、新しい時代にふさわしい新しい離島振興策を盛り込みたいということで御提案申し上げました。
 一部御指摘のありましたように、今までは国が計画を定めるとありましたけれども、今回は国が基本方針を定め、地方が計画は樹立すると、こういう、つまり地方の自主性の尊重ということをうたい込んであるわけであります。それらを踏まえながらなお、離島をめぐる状況としては、海域としては経済水域二百海里時代を迎えまして、その拠点地域に離島は存在する、しかもこの地域は最近とみに緊張が国際的に高まっておる地域でもありますので、私どもは、日本国民のために、あるいは日本を越えて海からの食料、生産物を安定的に供給する、そういうための拠点である離島、これを従来とまた違った見方も、考察も加えまして法案を作らせていただきました。
 したがって、この区域の海域をめぐる状況の変化、あるいは地域的な役割の新しい検討等を加えて、お手元に差し上げておるような案を提示したわけであります。御審議賜りまして、御協力賜りますようお願い申し上げたいと思います。
 特に、離島が存在するために経済水域は日本の国土の十二倍、四百四十七万平方キロを実は管轄するに至っておるわけであります。これらのことは大変に重要な課題として、責任として、あるいは義務として、当該地域はもちろんでありますけれども、国政の場においても御認識賜り、御協力賜りたいということで出てまいりました。
 総括的に御説明を申し上げておきたいと思います。
 以上であります。
#8
○松谷蒼一郎君 今、虎島委員からお話がございましたように、大変画期的な時宜に適した優れた法案が提案されたというように思います。
 しかしながら、これまでは国が離島振興計画を定めていた。それを地方分権の流れに沿って都道府県が離島振興計画を定める、それはいいんですが、その実効が担保されなければ意味がないわけですね。そういう意味で、この点、財政支援あるいは地方交付税の増額、補助率アップ、こういうことについてちょっとお伺いいたしたいと思いますが、まず最初に、国土交通省都市・地域整備局長、この点はいかがでございますか。
#9
○政府参考人(澤井英一君) ただいまの御質疑にありましたように、今回の離島振興法の改正は地域の主体的取組で自立的発展を目指していくということが基本であるというふうに理解しております。こうした趣旨を生かしまして、離島振興計画を絵にかいたもちに言わばしないように、一つには計画の実現に向けて地域が意欲的に取り組んでいくことが大事だと思います。また、そうした意欲的な取組に対して国としても的確に支援していく、この双方が大変大事だと思っております。
 離島地域ではこの四十年間でも人口の半減あるいは高齢化の進展ということが進んでおりますけれども、一方で離島の中には地域独自の取組によって交流人口が増え、更にはこれが定住人口の増加にもつながってきているという例も出始めております。こうした離島の自立的発展のための取組に対する支援として、今般の改正案の中には、これまでありました補助率の特例を継続すること、あるいはソフト事業を含みます公共事業以外の事業にも助成をするという規定を新たに設けることなどの財政支援の規定が入っているふうに承知をしております。法成立後におきましては、私どもこうした措置を活用いたしまして積極的に支援をしていきたいというふうに考えております。
#10
○松谷蒼一郎君 離島は我が国の、先ほど虎島委員から御説明ありましたように、離島は我が国の領域、排他的経済水域、そういうものの確保に非常に大きな役割を担っているわけですよね。しかし、一方、生活環境が厳しくて、交通状態が不安定である、ちょっと天候が変動すれば交通が途絶をする、あるいは医療の確保がままならない、いろんな意味でやはり厳しい状況にあります。本法、すばらしい本法がこのたび改正案として提案をされたわけですが、これに伴って行政の面できちっとした対応をやる、その点の決意を伺いたいと思います。
#11
○政府参考人(澤井英一君) 今回の改正案の中には、ただいま御指摘のように、国家的、国民的な役割の高まりを踏まえまして、交流の拡大等による離島の自立的な発展を促進する観点から、例えば、自然公園法の地方等における運用面での配慮規定ですとか医療の充実の規定ですとか情報化に対応した規定ですとか、そうした各種の規定の充実が図られようとしているものだと承知しております。
 この改正法成立後は、まずこうした改正の趣旨をしっかり踏まえた国としての振興基本方針を定めていくことが大事だと思っております。その上で関係地方公共団体におきます新たな離島振興計画の策定過程などを通じまして地域のニーズをしっかり把握し、関係省庁と連携の上で離島振興、自立的発展に向けた支援について最大限努力をしていきたいと考えております。
#12
○松谷蒼一郎君 最後に、久保委員長におかれましては、このたびの法案提案につきまして非常にお力をいただきました。本法の改正につきまして、特に御見解があればお願いをいたしたいと思います。
#13
○衆議院議員(久保哲司君) 私ども、衆議院の方で虎島委員中心に今日まで、来年度、今年度末で切れますこの離島振興法、何としても継続をしなけりゃならぬ、また様々な点で新たな課題も多く出てきておるといった状況の中で御検討いただき、私も加わらせていただいて、最終的に委員長提案という形で提出をさせていただいたわけでございますけれども、先ほど来出ておりますように、この離島が持っております国民的役割、国家的役割、こういったところを更に意識をして、より充実した内容として仕上げていただければ幸いだというふうに考えております。
 よろしくお願いをいたします。
#14
○松谷蒼一郎君 終わります。
#15
○谷林正昭君 民主党・新緑風会の谷林正昭でございます。
 日ごろから離島振興に心からかかわりながら、そしてまたこのように法律を作られまして、提案をされ、そして今それが実を結ぶ、そういうような今状況になりつつあります。諸先輩の議員の皆さん方の御努力に心から感謝をしたいと思いますし、こういう問題はやっぱり与野党を超えて、枠を超えた取組、そして日本の国に住んでよかった、どういうところに住んでいても住んでよかったというようなそういう日本にしたい、国にしたい、こういう思いで私も議論に参画をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 最初に、そういう意味では離島の皆さんが、島に住んでいる皆さんが、やっぱりこういう法律ができて、よし、頑張ろう、こういう思いになるには、やはり先ほど松谷大先輩がおっしゃいましたように、行政の後押しがなくては私は駄目だというふうに思います。
 一方では、規制緩和の流れの中で、その島へ向かう船、島から本土といいますか、向かう船の交通の便、これが規制緩和になりまして参入も自由になりましたが、採算の合わないところは退出してもいいと、実はこういう法律ができたわけであります。私は、今そういうことを考えたときに、便が増えるということが島の振興につながる、あるいは便利になる、こういうことが大事だというふうに思いますが、退出がどんどん続くようでは、これはまずいというふうに思います。
 そこで、まずお聞きしたいのは、この規制緩和によって参入・退出、航路の参入・退出の今の実態、増えたのか減ったのか、特徴的なところはこういうふうになりましたというのがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
#16
○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方からお話ありましたように、平成十二年の海上運送法の改正によりまして、需給調整を伴う免許制を許可制ということにし、併せて運賃規制の緩和等を行ったところでございます。
 今御質問の具体的にどういうふうになったかということですが、施行前の平成十二年四月時点の離島航路事業者数及び離島航路数は、二百六十四事業者、それから航路として三百十六航路でございました。それが、一年たった平成十三年四月現在では二百七十五事業者、それから三百三十二航路と、事業者数で十一事業者、航路数で十六航路増えております。若干でございますが、増えております。
 増加した航路の内訳ですが、主に当該地域で旅客不定期航路事業を行っていた事業者が旅客定期航路事業への参入が容易になったということもありまして移行したということで、これがほとんどを占めておりまして、そういう意味で、日常生活の輸送手段という航路の特性上、新規参入の数も現在のところはそう多くはございませんが、若干増えているという状況でございます。
#17
○谷林正昭君 増えているという、これは総合的に増えているということは分かりました。具体的に一つの島を見たときに、この島はこれまでは二日に一遍、船、往復していたけれども、一週間に一遍になってしまった、そういう例はございませんか。
#18
○政府参考人(安富正文君) 具体的な個々の島については今ちょっと手元にございませんが、全体の話で申しますと、廃止した事業者が七事業者、七航路ございますが、一方、先ほども言いましたように、十八事業者、二十三航路が新たに増加しております。
 それからもう一つ、この航路については、離島航路につきましては、特に指定区間ということで大臣が指定しておりまして、一定のいわゆる運航回数あるいは運航の便数、そういうものについて歯止めを掛けている形になっておりますので、そういうことによって島の住民のいわゆる生活航路としての役割というのが減ずることはないように措置しているところでございます。
#19
○谷林正昭君 歯止めを掛けながら、島の皆さんの不便にならないような対策は一方では取っておいでになるということも私も承知をしておるわけでございますが、是非、個々の島の不便になった、そういうものは本当にないのか調べていただきたいなというふうに思います。
 そこで、今ほど申し上げましたとおり、参入が自由になりました。そして、お互いに金もうけのためにやるということではないと思いますけれども、やはり島の皆さんの便利を図る、そういうようなことがこれからもっともっと大切になってくるというふうに私は思います。
 しかしながら、便は増やすけれども、あるいはもうかるところには参入するけれどもということになったときに一番大きな問題になってくるのは、島の皆さんの要望が、うちは三日に一便しか来ないけれどもこれを毎日来るような便を作ってもらえないか、そういうことがこれから出てくるというふうに思います。そういったときに、やはり行政としては、先ほど冒頭申し上げましたように、日本全国どこに住んでいてもやっぱり日本人として誇りを持って、そして人生を送るということが大切だというふうに思いまして、それを後押しするのが政治だというふうに思いますし、行政だというふうに思います。
 そういう意味で、島の皆さんの要望にこたえられるような、そしてその島の皆さんが負担が増えないようなやり方で航路というものは確保しなければならないというふうに思いますが、将来的な見通しも含めて、そしてそれをどう担保するかという施策も含めてお聞かせいただきたいと思います。
#20
○政府参考人(安富正文君) 今、先生おっしゃいましたように、離島等の住民の日常生活に用いられる生活航路でございますので、これはいわゆる規制緩和ということで単に規制して、あとは自由競争というわけにもいきません。そういう意味では、我々としても一番心配しておりますのは、要するに不採算航路の切捨てといったような形で住民の足の確保が図られないというおそれを何とか防がなきゃいけないというふうに考えております。
 そういう意味で、先ほどちょっと御紹介しましたように、国土交通大臣が指定した区間につきましては、一つは運航日程、それから運航時刻、それから輸送能力などにつきまして一定の細別基準を設定しまして、これを確保するようにしております。それから運賃につきましても、いたずらにこれを上げるということがないように上限の設定を行うということをしております。それから、もちろん休廃止を全く認めないというわけではございませんが、その際には十分な調整期間を取って地元との調整を図るということを義務付けております。そういうルールをはめた上で、その中で自由に競争するということを一方でやっております。
 それからもう一つは、やはり離島航路、どうしても欠損が生じてまいりますので、これにつきましては、離島航路整備法に基づきまして、離島航路補助金を交付するという形で何とかこの欠損補助を埋めていくという措置を取っておりますし、さらには離島航路に就航する船舶のあるいは近代化とかあるいはバリアフリー化といったようなことを進めるために、離島航路船舶近代化建造費補助金というのを設けておりますが、これの活用を図っているところでございます。
 そういう意味で、先ほど申しました制度あるいは予算等を通じまして、今後とも離島航路の維持、整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
#21
○谷林正昭君 是非、行政としてしっかりした後押しがあってこそ離島の振興というものが、展望が開けてくるというふうに思います。
 それで一点、産業としてこれから展望が開けてくるのはやっぱり私は観光だというふうに思います。単なる離島ブームというブームだけで終わらせないで、やはり息の長い産業、それはやっぱり島の魅力を、島それぞれの魅力を作り出す、そういう産業が必要。その一番柱になるのは、私は観光というものが柱になってくるのではないか、そのように思います。そういう意味で、扇大臣も観光というものに非常に力を入れていかなければならないというふうにおっしゃっておいでになります。しかし、観光というものを大ぐくりにして、その法律の中あるいはその施策の中でやるということではなくて、私は、その島その島独特の、先ほどもありましたように、地方の自主性というものもありますし、島の自主性や島の魅力、これは一つ一つ違うと思います。
 そういう意味で、島の魅力を引き出しながら観光産業を伸ばしていく、そういう方針が必要だというふうに思いますけれども、国土交通省として後押しをする、観光産業、島独特の、後押しをする。釣りができる島もあると思います、あるいは歩きながら景色を見るという島もあろうかと思います。そういう意味で、島の魅力を生かした観光産業の振興というものについてお聞かせいただきたいと思います。
#22
○政府参考人(岩村敬君) 今、谷林先生から観光の産業、そして離島における観光の産業支援についてのお話がございました。
 観光は、御承知のように、日本全体で二十二兆六千億という大きな消費を生み出しております。また、観光産業、非常にすそ野が広うございまして、その波及効果は五十三兆八千億という非常に大きな産業でございます。さらに、雇用の面でも四百二十二万人にも及ぶということで、現在、各地域において今後のリーディング産業として観光を育てていきたいという声が聞かれるわけでございます。
 こういった声におこたえして、国土交通省といたしましては、各地域の創意工夫によります個性的な観光振興、そして観光産業をソフト・ハード面の両面から支援をしているところでございます。特に離島につきましては、今、先生からございましたように、その離島の魅力を引き出すということが大事だろうと思います。やはり個性的で魅力的な自然環境を抱えている、また地域文化を有している、そういった離島も数多くあるわけでございまして、こういったものを引き出していくために国土交通省としては離島ツアー交流推進支援事業というのを今実施をしているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、モニターを任命いたしまして、その島の観光ルートの内容等を検証してもらう、そして新たな観光ルートを開発していく、そういったこと。それから、都市部のモニターに離島にある一定期間滞在をしていただいて島民との交流を図る、それによって離島のサポーターになる、離島にほれていただくという、それによってまた更に離島に観光客を呼び込むという、そういった事業でございますが、そしてそういった事業につきまして今、国としては調査費用を負担をしているわけでございます。
 それから、先ほどの質問にもございましたように、幾ら観光客をといっても足がなければ行けないわけでございまして、離島についての船でいえば離島航路補助金を交付している、また離島航路に就航する船舶の近代化の建造費の補助金、こういった形で離島航路の維持、そして離島航路の料金が上がっていかないように今対策をしているわけでございます。
 また、航空路についても、航空機の購入費補助、さらには運航費の補助、そして航空機の燃料税の軽減、こういった措置を講じているわけでございまして、こういう形で観光客が離島へ向かえるように、そういった面での支援もいたしているところでございます。
#23
○谷林正昭君 是非、離島という、くどいようですけれども、同じ日本人が住んでいる、そして日本の国土、役割が非常に大きいということを、行政としては後押しをしていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#24
○弘友和夫君 公明党の弘友でございます。
 私も、今回の法案、離島の振興につきましては私どもかねてから様々な懸案の解決に取り組んでまいりましたけれども、今回、先ほど来お話がございますように、虎島先生、細田先生、そして与党PTで、私も一員で入らせていただきましたけれども、準備を重ねまして、そして今回各会派の賛同を得て、久保委員長の提案ということでこのようになりましたこと、大変喜ばしいことでもありますし、敬意を表する次第でございます。とりわけ今回、今まで必ずしも明確でなかったのが、今回の改正またこの延長の過程におきまして、この離島というものの正しく明確な国家的な位置付けというのがなされた、この日本の国において離島というのはどういう位置付けなのかということが明確に表されたということが非常にやはりすばらしい改正であるなというふうに思っておりますけれども。
 今お話がございましたその中でもいろいろな問題がございます。離島というのはもう海に取り囲まれた環海性だとか、それから本土から離れている隔絶性というのがあるわけですから、やっぱり一番大事なのは交通基盤の整備だということでございまして、こういうことで全般的に久保委員長の、提案者の委員長の方から、今回のこの法案改正、ここに至った御所見と、それから交通基盤の拡充ということにつきましてどう考えられているか、お伺いしたいと思います。
#25
○衆議院議員(久保哲司君) ただいま弘友先生から与党として取り組んできた経緯についてもお触れになりました。この改正案は、与党三党を中心として、数次にわたって現地視察を行われたり、また議論を重ねてやってこられました。また、野党の御理解もいただいて取りまとめられたものでございます。
 私自身は大阪という一般的に言う都市部におりまして、言うたら大阪では島というのは人工の島しかございません。そんなところでございますけれども、私の住んでおるところは大阪の片田舎で陸の孤島と言われているようなところに住んでおります。昔は、かつてタクシーに乗車拒否に遭ったことも何度もございますけれども、そんなこと余計なことでございますが。
 本法案につきましては、本案の立案、取りまとめに尽力されてこられました議員各位に深く敬意を表しますとともに、私自身もその一端に加えていただいて、今回委員長提案ということで提出することができるようになったこと、大いに大きな喜びを感じているところでございます。
 さらに、離島というのは我が国の領域の保全に非常に重要な役割を果たしております。特に、平成八年の国連海洋法条約、このとき私も運輸委員の一員として政府と様々質疑を交わしたところでございますけれども、その発効に伴いまして、我が国は離島の存在によって国土の約十二倍である四百四十七万平方キロという排他的経済水域を有するようなことになりました。こういった国家的な役割に加えて、離島が持つ豊かな自然的特性を生かし、総合的ないわゆるいやしの空間としての国民的役割も非常に高まってきている、そのように考えるところでございます。
 本改正案は、このような離島の有する今日的な役割を踏まえつつ、地域固有の資源を生かして、地域の創意工夫を基本にし、活性化を図ることが重要であるとの認識に立って、離島振興施策の一層の充実強化を図るため改正を行おうとするところでございまして、弘友先生お尋ねの交通基盤の件でございますけれども、この点につきましては、離島と本土、また離島と離島、及び離島内の交通を確保するための、先ほど来御質問もございましたが、航路、航空路あるいは道路等の交通施設の整備充実がこの振興を図る上で極めて重要な課題であると認識をしております。
 実は私、学生時代に卒業を前にしまして、当時四国へ旅行に行きました。朝一番のフェリーに乗ったら卒業式に間に合うということで、そのフェリーの乗り場で車の中で寝ていましたら寝過ごしまして、船がボーッと出たその音で目が開いたという、結果卒業式に参加できませんでした。当時はまだ本四架橋がございませんでした。海で隔絶されておるというのは大変なことなんだなということを、もう随分昔でございますが、実感したことがございました。
 それに比べますと、更にいわゆる離島と呼ばれる小さな島々で暮らしておられる方々にとっては、もっともっと私どもには想像できないような深刻な問題も多々あるんだろうというふうに思いますし、そういった点ではこれらをより充実していくことが非常に大事なことだというふうに考えております。
 そういった点を踏まえまして、今回の離島振興法では離島振興計画の中で交通施設の整備が位置付けられておりますほか、交通の総合的、安定的な確保充実に特別な配慮をする旨の規定が置かれているところでございます。離島の交通基盤については、これまでも法の趣旨を踏まえその整備充実が図られてきたところでございますけれども、今後ともより強力にその整備充実が図られることを期待しているところでございます。
 以上でございます。
#26
○弘友和夫君 今日は関係者の皆さんも多数来られていると思いますけれども、離島の皆さんにとってもう一つ切実な願いというのは、やはり医療、福祉の基盤整備だと、こういうふうに思っているわけですが、高齢化率が三〇%前後という、こういう中にありまして、全国平均の約半数という医療過疎にあるということで、私どもも先日申入れをさせていただきました。
 その中で、今回の改正の中で、私どもが主張させて入れていただきましたこの第十三条の中で、「産業の振興、」という後に、「医療及び教育の充実等を図るため、」云々という、高度情報通信ネットワークを促進しようということを案文の中に入れさせていただいたんですけれども、やはりこのIT技術、今ITとこう言われておりますが、この遠隔医療等、正しく離島等でこれは進めて、ある意味ではモデルケースとして遠隔医療等を進めるべきじゃないかなと、このように思います。
 それと同時に、先日、長崎のタウンミーティングでは坂口大臣は、離島振興の在り方も少子高齢化を視野に入れたものにすべきだと、私見であるけれども、へき地医療の診療報酬の加算なども考える必要があると、こういうような御答弁もされております。
 そういうことで、この医療、福祉、介護のそういう充実についてどのように考えられているか、お尋ねします。
#27
○政府参考人(中村秀一君) 今、先生からお話ありました遠隔医療の推進及び離島における診療報酬の取扱いについて御説明申し上げたいと思います。
 まず、遠隔医療でございますけれども、御指摘のとおり、医療の質を担保し、それから地域格差をなくす、離島のお医者さん、あるいはお医者さんがおられない離島において専門医の診断等が受けられるという意味で、遠隔医療の充実は非常に大事でございます。
 旧厚生省の時代からこの点について取り組んでまいりましたけれども、特に十三年度から遠隔医療を充実するということで遠隔医療補助事業を創設いたしまして、医療機関と患者さんの家庭を結ぶ画像通信機器の整備でございますとか、それから病理画像等を専門医の下に離島にある診療所から送ると、そういった場合の画像伝送システムの整備の補助などを行ってまいりました。
 こういうことで、遠隔医療の充実について、正に離島などが一番有効な手段だと思いますので、充実に努めてまいりたいと思います。
 また、坂口厚生労働大臣がタウンミーティングで申し上げました診療報酬につきましても、十四年四月に診療報酬の改定を行いましたけれども、離島の医療機関が行う画像診断などについて点数上ほかでは取れない点数を創設するということで、離島の医療に支障がないように、離島の医療機関が撮影した画像を大学病院などの連携医療機関に送信して診断を行った場合に離島の医療機関で診断料などが取れると、こういうような改革を行ったところでございまして、これからも離島における医療の適正評価に努めてまいりたいと考えております。
#28
○弘友和夫君 もう一つ離島にとって大きな問題はごみの問題でございます。
 歌に、名も知らぬ遠き島より流れ来るヤシの実一つ、これ、ロマンチックですけれども、今はごみばっかしアジアの方からも非常に流れてきておるという話でございます。それと同時に、島内におけるそのごみをどう処理するかという、そういう問題がありますけれども、この今回のやはり改正案の中に、私どもも、「廃棄物の減量その他その適正な処理を含む。」というのも挿入をしたわけですけれども、昨日も論議になっておりましたが、リサイクル法案ができまして、その剰余金で離島対応で市町村が実施する共同搬出等の取組に資金協力をするとかいうような御答弁もあっておりましたけれども、聞くところによりますと、その額が大体十億ぐらいじゃないかと。十億ぐらいではなかなかこれは足りないんじゃないかというようなこともありますけれども、そういう懸念もございますけれども、経済産業省についてどう考えられているか、お尋ねしたいと思います。
#29
○政府参考人(岡本巖君) お答え申し上げます。
 剰余金は、今度のリサイクル法の下で廃車がらの状態で輸出され、したがってシュレッダーダスト処理を要しないというケースに剰余金が一つ発生する。そのほかに、フロンの回収・破壊をしないで再利用が行われるという場合に、これもまた剰余金事由になってくるというようなことで、かなりの剰余金が発生するということが見込まれるわけですが、金額の点は今正確に幾らということを予測するのは難しゅうございます。私どもの試算としては、十億から多い場合には数十億という、それぐらいの範囲ではないかというふうに考えております。
 他方で、剰余金の使途につきましては、今、先生がおっしゃいました、離島地域において市町村長の方々の申出を受けて地域を指定して、当該市町村が使用済みの車を離島外の引取り業者まで共同運搬するようなケースについて市町村に対して資金協力をするということ、あるいは野積み対策に使うということで、使途の方は今言ったようなことを想定いたしておりまして、剰余金の額の方、それから全体を見ました使途の方の事由の方、これから正確なところが見えてくるということだと思いますので、そういう中で、私ども離島のこの問題につきましてもしっかりと対応していきたいと考えているところでございます。
#30
○弘友和夫君 最後に、時間がございませんので、それに関連しまして、環境省に対しましてもごみ問題についてどういうふうに考えられるか。
 それと同時に、離島の汚水処理施設、整備率というのはわずか一三・九%なんです。全国平均は七一・四%ですね、非常にやはり後れているわけですよ。離島だからそんなに、戸数も少ないしということなのかもしれませんけれども、やはり一番大事なこの環境を保全していかないといけないというところにおいて一三・九%、非常に少ない。私は、これは余り今、全体的な公共下水道だとか農水事業だとかありますけれども、余り選択の余地のないというか、離島は合併浄化槽で環境省は徹底的にやるべきだと。
 例えば、五十九万人の人口で、整備率一三・九%とされていますから、例えば、一家族も三人もいかないかもしれませんけれども、何十万世帯、それに百万ずつ掛けて、全部無料で付けてしても一億五千万か二億あれば全部付くわけです。そういうのを早くやるべきじゃないかなというふうに思いますけれども、時間がございませんので、その整備の件と、それからごみ全体の問題についてお答えをいただいて、それで終わりたいと思います。
#31
○政府参考人(飯島孝君) まず、離島の合併処理浄化槽のお話でございますけれども、先生御指摘のとおり、全国平均に比べて非常に低いわけでございます。合併処理浄化槽は管渠を必要といたしません。コストが安いということです。それから、短期間に設置できる、こういう利点がございまして、離島を含め、家屋がまばらな地域におきましては非常に効率的な手段というふうに考えております。
 現実に、離島のデータを見ますと合併浄化槽の普及が半分以上を占めておりまして、そのほか、漁業集落排水施設、これも離島の特徴だと思いますが、この二つで相当部分を占めております。
 離島の合併処理浄化槽の整備に係る国庫補助につきましては、通常三分の一の補助率のところを二分の一に廃棄物処理法の政令で決めておりまして、平成十四年度予算におきましても対前年比一八%増の四・二億円を確保しているところでございます。
 先生御指摘のとおり、離島における汚水処理、大変重要な課題でございまして、今後とも合併処理浄化槽を推進することによりまして汚水処理施設の効率的な整備に努めてまいりたいと考えております。
 また、ごみ処理施設の問題でございますけれども、これも廃棄物処理法の政令で国庫補助率通常四分の一のところを離島地域におきましては三分の一のかさ上げ補助を行っているところでございまして、また補助対象となる施設の規模につきましても、通常は一日当たり五トン以上、これが対象になるわけでございますけれども、五トン未満であっても一時間当たりの処理能力が二百キロ以上であれば補助対象としまして、離島地域の実情や離島市町村の事業計画を踏まえた形で整備の推進を図っているところでございます。
#32
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。
 今回の改正は、自治体の皆さんやそして島の住民の皆さんのいろいろなこれまでの経過の中での強い要望の中で、関係者の皆さん努力されて十年間延長することになって、とても意義あることだと思っています。
 その中でも、今まで離島振興法というのは、港湾整備などが従来型の公共事業の性格もあったと思うんです。でも、やっぱり島の産業、経済、福祉、交通、教育、文化、あらゆる面での振興面、そういう両面を持ちつつ離島の振興に役割を果たしてきた法律だったと思うんです。
 今回の改正は、御存じのように、国が離島振興計画を定める現行の制度を改めて、都道府県が離島振興計画を決定するようになって、国から地方に権限を委譲する、これによって地域の創意工夫、そういう離島の自主的な発展を促すことになって、それも私は結果的にいいものになっていくのではないかと思っています。
 公共的な面と非公共的な事業に対する国の財政支援が、私は特に非公共的な事業に対して一点、今回の法案の中に緊急患者の輸送などの医療の確保というのに改善が盛り込まれていますね、とてもいいことだと思うんですが。これも島の皆さんの要望を反映したものだと思いますけれども、でも、やっぱり離島の振興にとって、その法律が延期されたから万全になったということではないということも言えると思うんです。
 今回の改正によって、特に私、救急医療の点で、緊急に患者が出た場合、緊急輸送などで医療の確保など、一般医療は一定進んできていると思うんですが、そういう点での改善はされるのでしょうかというのが心配なんですが、その島の医療体制の充実、本土並みの体制の整備を進めるために、どうしてもやっぱり国の支援が必要ではないかと思います。この法に基づいて様々な事業の予算が組まれていますけれども、離島の困難な条件、住民の要望にこたえた国の支援がまだまだ不足していると思います。
 そこで、質問の第一に、緊急の医療の体制整備についてお伺いしたいと思うんですけれども、やはり命の問題は政治に課せられた最も大事な仕事だと思います。離島に暮らしているから救急病院に連れていくことができなかった、命を助けることができなかったということが本当にないようにしなければなりませんし、その対策で今私はドクターヘリ導入促進事業というのを聞いたわけですけれども、これは非常に離島住民にとっても望まれている施策だと思いますが、この事業の、今、現状ですか、どういうふうに整備されているか、まずお聞きしたいんですが。
#33
○政府参考人(中村秀一君) ドクターヘリの事業の状況についてでございますけれども、救急の専門医がまずヘリコプターに乗りまして救急現場に急行する、こういう事業でございます。
 実は、平成十一年度から十二年度に掛けて二か所で試行事業を実施いたしました。一つは東海大学の救命救急センターなんですけれども、四百八十二回そういう出動がございまして、研究によりますと、死亡数、それからもしドクターヘリを使用しなかった場合なら重度の障害が残ったという方についてかなり改善されていると。もう一つは川崎医大の方でも同じような実験事業をやりまして、かなり効果があるということでございましたので、十三年度から本格的な導入を図っております。現在、これまで五つの県で導入されております。千葉県、静岡県、愛知県、岡山県、福岡県。また、今年の七月から神奈川県、来年の一月から和歌山県が導入するということで、このドクターヘリを運航いたしますための費用の三分の二を国が今助成すると、こういう事業でやっております。
 今後とも、各都道府県の導入意向を踏まえながら、全国展開図れるようにしてまいりたいと思っておりますし、御指摘のとおり、離島におきまして非常に有効な事業だと思っておりますので、厚生労働省としてもしっかり取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えております。
#34
○大沢辰美君 本当に重要な施策であって、効果も非常に抜群に役割を果たしているということが分かりました。
 やはり救急医療ですから十五分、二十分以内にその現地へ着くというのが望ましいと思うんですが、今何か所か整備されて、これから計画的にやっていただけるんだと思いますけれども、それが各県に一つできればそれがすべての離島のあるところに網羅できるのか、その辺も私も全部調査したわけではありませんけれども、大体何年計画ぐらいでこれは網羅できるようになるでしょうかね。
#35
○政府参考人(中村秀一君) ただいま申し上げましたように、本格的に導入され出しましたのが昨年度からでございます。ちょっと全国的にどうということ、これは地元の方の実施体制の問題もございます。中核的な、しかも高度の救命救急をやっている病院にそういう体制を整備し、ドクターがとにかく、普通の救急の場合でございますと救急車とか、そういったところでございますけれども、それに間に合わないような場合に救急の専門家の医師がヘリコプターに乗って、患者さんを移すということではなくて、専門家の医師がそこに出向いて救急処置をすると、こういうことでございますので、これは非常に有効な方法ではございますけれども、救急ということにつきましてはいろんな体制の整備も必要でございます。各都道府県において、自分のところの救急でどういう位置付けでやるかという問題もあろうかと思いますので、我々は必要なり手を挙げてくる都道府県の需要にはおこたえできるように頑張ってまいりたいと思っておりますが、何年までに国の方が一律にあれを、方向を示してやるというような形ではないんではないかと思っておりますので、今のところ私ども全国整備何年までにという計画は持っていないということでございます。むしろ、都道府県の医療計画などの方で位置付けていただくものではないかなというふうに考えております。
#36
○大沢辰美君 もちろんドクター養成なども要るわけですから大変だと思いますけれども、是非やっぱりすべての離島が網羅できるような体制を作っていただきたいということを要請しておきたいと思います。
 次に、具体的に離島の一つの島の例を挙げてお聞きしたいんですけれども、道路整備についてなんですけれども、ちょうど兵庫県の姫路市というところの沖合大体十八キロのところに家島という島がございます。人口八千五百人の町なんですけれども、先日、私も離島振興法の審査の関係で現地を伺ってまいりましたが、いろいろと要望も聞いてきたんですけれども、やはり道路を造るのが一番大変だと、土地がないと。そして、小型自動車しか今通れないという状態なんですけれども、せめてお年寄りの皆さんを乗せてマイクロバスで運べるような、そういう道路に少しだけ広げたいんだというんだけれども、それができないと。そういう実態の中で、やはり特別な条件がある中で、せめて幹線道路だけでもそういうマイクロバスが通れるような道路を設置したいという要望なんですけれども、そういう公共性の高い道路の整備は特別な対応が望まれますけれども、具体的にそういう点ではどういう対応が今やられるんでしょうか。
#37
○政府参考人(澤井英一君) 離島にとりましてやはり道路は非常に重要な公共施設でございます。現行の離島振興法では、そうしたことにかんがみまして、例えば市町村道の改築事業につきましては、通常国庫補助率が二分の一でございますけれども、離島におきましては十分の五・五というようにするなど特別の措置をして、その措置を使って御指摘の基幹的な道路から重点的に整備を進めているということでございます。離島につきましては、地形が急峻で大変平地部が狭い、そこに住居が密集しているというような場所も多いというふうに考えております。そういった制約条件の下で、様々な地域でいろんな工夫をしながら、一方でまた道路整備が進められていると考えております。
 今、例に出されました兵庫県の家島町につきましては、これまで、こうした地形的な制約を考慮しまして、一般的には二車線以上の道路を構造に合った形に改良していくということで、私ども改良率をいろいろ比較したりいたしますんですけれども、この家島町では、そうした地形的制約を考慮して、むしろ二車線未満の道路整備にこれまで非常に重点を置いて進めてこられたと。結果、市町村道だけで見ますと、全国の離島の平均よりもこの二車線未満の道路の整備率はむしろ高いというところまで来ている。これはまた今までの御地元の大変な努力の成果だと思います。
 昨今のいろんな状況変化の中で、今、先生お話しのような新しいニーズも出てきたんだというふうに理解しておりますが、今後、ただいま御審議いただいております離島振興法の改正法が施行されますれば、私ども、新たな離島振興計画をこれから市町村からの発意をベースとして作っていかれる、そういった計画の策定過程などを通じまして、ニーズをしっかり把握いたしまして、財政支援だけではなくて、例えば、道路の構造面でそうしたニーズに対応できる工夫ができないか、あるいは住民の皆様方も参画した上で整備を進めていくようなこれからの整備手法といったものはどういうやり方があるかといった幅広い観点から、関係の県とも連携しながら助言などをしていきたいというふうに考えている次第でございます。
#38
○大沢辰美君 確かに少し、わずかにかさ上げをされているんですけれども、二分の一補助が十分の五・五ですか、そういう点では考慮されているんだと思うんですけれども、今言われたように、土地がないから海の方にはみ出して道路を造っているわけですよね。だから、それは一つの工夫だと思いますから、すばらしいことだと思うんですが、このかさ上げの面で橋は三分の二になっているわけですよね。だから私は、道路であるけれども本当に橋のように海にはみ出して造らない限り道路の幅が確保できないという実態もありますので、そういう点では私、今後のかさ上げの率というんですか、検討の課題が、そういう道路事情の上では、それぞれの島が違うと思いますけれども、考慮してこれからも対策を練っていただきたいなということを要望しておきたいと思います。
 これに関連しまして、総務省にお聞きしたいんですけれども、辺地の財政上の支援策として、辺地に係る公共施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律というのがありますね。これによって辺地債できる仕組みがあるわけですけれども、この家島の一部が、へんぴな程度の基準というんですか、その基準がありますね、それが百点に満たないために起債の発行ができなくなったと、できなくなるかもしれないという心配を寄せられておりました。その主な原因は、船が月の往復が増えたからという点数なんですけれども、やはり多少の船は確かに増えたけれども、やっぱり島には変わりない、離島には変わりない、何とか辺地債というのをできるようにしてほしいと。お聞きしましたら、百点には満たないけれども、家島の場合は九十八点、九十九点らしいんですよね。本当に、基準というのは、厳しいとは思うんですけれども、やはりこれは柔軟に対応できないのだろうかと。
 私も、この一月二日にも家島に渡ろうと思って船着場まで行ったんですよね、成人式で。そうしたら、やっぱり海が荒れていて渡れないんですよね。晴れ着を着たお嬢さんも何とか十時に間に合わさないといけないので待っているんですが、船は出ないと。結局、断念せざるを得なかったんですけれども、そういう事態がやっぱりあるんですよね。だから、船の便数は増えたけれども、出航できないというのがやっぱり離島の実態だと思うんです。
 ですから、この九十八点とか九十九点とかいうような、基準はあるけれども、やはりそこは起債の問題で柔軟に対応できるようにお願いしたいということを聞きたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#39
○政府参考人(林省吾君) お答えを申し上げます。
 辺地対策事業債についての御質問でございました。
 御指摘いただきました辺地対策事業債は、法に定める辺地につきまして議会の議決を経て定められました計画に沿って行われる事業につきまして充当することができるものとされているものでありますが、この辺地の要件につきましても、今御指摘いただきましたように、確かにある基準に基づきまして積算をいただきました点数により、その点数で百点以上となった地域につきまして使えるようになっているわけでございます。
 御指摘いただきました兵庫県の家島町の家島辺地、それから坊勢島辺地につきましては、確かに計画期間中に船舶の定期運航回数が大幅に増加したということで百点を下回りまして、辺地から外れることになって御心配をいただいているわけであります。
 ただ、私どもは、この総合整備計画に基づきまして辺地対策事業を実施中に辺地度点数が変動して辺地から外れたような場合でありましても、やはり地域の特殊性を考慮いたしまして、当該計画期間中は辺地対策事業債の活用が可能な取扱いをしているところでございまして、事業の執行に支障がないよう対処しているところでございます。
#40
○田名部匡省君 国会改革連絡会という会を作っておりまして、今日は離島の問題について私の基本的な考え方を申し上げて御理解いただきたいと思うんでありますが。
 この前、委員長がこの法案の趣旨説明していただきました。これを見ておって、一体離島問題を国がどう考えているんだろうというむなしい気持ちで実は聞いておりました。それはなぜかというと、「離島の特殊事情からくる後進性を排除する」と。そのために今までもう五十年を経過したと。一体、五十年もやっておっていまだにこんな話をしているというのは一体何だろうかと。昭和二十八年ですよね、これスタートしたのが。今度は六十年に向かってやろうとしているんだから。「離島の特殊事情からくる本土との格差は依然として除去されない」と。じゃ、今までやってきて、どこがどうなったのかという気持ちだったんです。
 大体、どこでもそうですが、所得が低いほど金は掛かるようになっているんです。私は青森県ですけれども、雪が降るともうくだらない除雪に何億も金掛けて除雪していますけれどもね。東京に来るというと交通費が掛かると。所得は低い。もう離島だって同じだと思うんですよ、収入がないんだ。産業、産業といったって、産業は何があるんですか。農業がおかしくなっているでしょう。青森県だって、あんた、農村は皆人が減っちゃって、私の方は半島二つありますよ、もう過疎になっているんです。お年寄りの人だけ残っているんですよ。
 だから、これは虎島さんなんか、みんな当時一緒のころ、一極集中排除とやったでしょう、東京に余り人が集まっちゃいかぬと。ところが、見ておると、マンションは八十階建ての、百階建て建って、ここにまたいろんな道路造ったり、いろんなことをやっているんです。だから、基本的なことを、国民に約束したことをきちっとやらないと、ここだけやろうとしたって私は非常に難しい。ですから、依然として人口は減少していると。高齢化も進展している。結局、島にいる若い人たちは、ここじゃもう駄目だと思うから皆都会へ出てくるんでしょう。
 だとすれば、島の人たちに一体どういう産業をしてもらうかということは大事なことでしょう。ここをきちっとして、それをやれと言うと、農業だ漁業だと。それは、日本がもう全部おかしくなっているものをここでやらそうとしたって、土地は狭いし基盤ができていないしと。こういうところで、もうちょっと何か新しい発想で、私は何もカジノをやれとは言わぬけれども、観光、観光と言うんなら、何か観光に合ったものを考えてやらなきゃいかぬ。しかも、予算についても、何でしょう、一般に総務省が道路とかほかの一般の予算を計上すると。文教とか農林水産とか、それは各役所でやっておるんでしょう。ここのところはどうなっていますか。
#41
○政府参考人(澤井英一君) 基本的には、離島で実施されます公共事業につきまして国土庁、現在、私ども国土交通省に各省の関係予算を一括計上しております。
 ただ、そこに計上されない予算が、今、先生がおっしゃるように、幾つかあると、こういうのが基本的な姿でございます。
#42
○田名部匡省君 私は、国が、縦割りはもう駄目だと、こう言っているんですよ。国土交通省でシックハウス、今、いろんな接着剤、油剤から病気になっているというのをこの間審議しましたけれども、国土交通省だけでやれないんですよ、厚生省がはまってこなきゃならない。狂牛病だってそうでしょう。農林省だけで処理できないんです。それをばらばらにやっておるから、私は、離島の問題でも、本気でやっぱり離島を良くしようと思ったら、やっぱり縦割り行政をやっていたらできないと思いますよ。文部省が教育施設だと、厚生省は保育所やるとか、農林水産省は農業と漁業をやるとか、そんなばらばらな政策をやっておっては駄目なんで、本気で考えてくださいよ。
 しかも、排他的云々と書いてありますけれども、排他的水域の保全に重要な役割という、じゃ、この離島の人たちは何役割を果たしているんですか。これは国際的な役割で、ここからここまではこうですよという線引いただけで、じゃ、その警備のためにお仕事をやってもらっているとか、何かと。だから、これを見ていると、何をやろうとしているというのが私は伝わってこないんですよ。
 どうぞ、もう本当に、青森県の半島なんか見ても離島を見ても、離島の方はもっとひどいと思うと、行けないんですから。そういうことを考えて、めり張りを付けてやることを考えたらどうですか。これは委員長か虎島さん。
#43
○衆議院議員(虎島和夫君) 大変熱意あふれる御提言をちょうだいいたしました。おっしゃるとおりのこともあるし、実は今、私どもの方で取り上げている問題の一つに都市と農漁村との交流促進の、実はこれをやっているわけです。したがって、これは冒頭、私申し上げましたように、離島振興法の改正に絡んで、離島視察を先生方の御協力でいたしました。その際は、既存の概念にとらわれないで、網羅的に、何が今離島で問題であるかという視点から取り上げてこの法体系に持ってまいりましたということを申し上げました。法律でありますから、すべてをここに挙げるわけにまいりませんけれども、しかし、その法律が何を規制しているのかというこの読み方によって、今度は具体的に政策なり予算なりというのは付いていくわけでありますから、永遠の課題であるそういう総合的な施策の展開というのはこの法律によって従来よりも私は前進するというふうに思って実は皆さんと御相談申し上げたわけであります。
 したがって、この点についてはまた、個別になればいろいろありますけれども、政治としてはそういう方向を目指しながら我々は頑張っておるということについては御理解いただきたいし、また、貴重な御意見についても随時承りながら、これを消化して希望を達成することには、当然政治でありますから、熱意を持って取り組まなきゃならぬという思いをいたしておることも申し上げておきたいと思います。
#44
○衆議院議員(細田博之君) 前の離島振興、現行法ですね、やはり今までは後進性、特に社会資本が非常に後れておるということから、非常に社会資本の充実に対して重点的だったですね、道路にしても、あるいは空港、港湾、その他ですね。
 ところが、やはりどんどん事情が変わってまいりました。情報化が進みまして、医療、福祉、介護、そういった面での需要も大きくなり、環境面での配慮も必要になったということで、今日は離島の協議会の、各離島の方々がもうたくさんお見えでございますけれども、悩みは同じでございます。つまり、全国の過疎地や高齢化した地方と同じで、私どもの島根県にも、本土でも大変いろんな悩みで、若い人の仕事がないとか、そういう悩みは離島においても同じでございますが、離島の利便というものもございますので、例えば観光の振興にしても、情報化していけばお客さんを呼べるとか、あるいは今まで隔絶しておったためにいろんな情報面で後れることを後れないようにするとか、医療も、先ほどお話があったような電子的な手段を使って進めるとかヘリコプターを飛ばすとか、いろんなことで相当充実は政策的にしておるんじゃないかと。
 私どもは実態を見ながら、地元にも隠岐島というのがありますが、かなり、一歩一歩今までの法律で進んでおりますので、更に欠けたところを重点的に進めてまいりたいと。これは離島の皆様方の強い希望であるというふうにも思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
#45
○田名部匡省君 私は、農林水産大臣二期やらせていただきましたが、役所ともう大げんかして、地域の実情に応じてというのを一項入れるのと、企業的感覚でというのを入れろと。もう大げんかになったんだ、こんなことに抵抗するんですから。反対なやつは辞めていけと言って、とうとう入れさせました。その地域の実情に応じてという、正にこれなんですよ。地方分権を推進して自主的、主体的というんでしょう。地域の、もう任せるんですよ、何をしてやればどうなるかということは、上からやるんでなくて。
 例えば、北東北の青森、北海道といったら雪降るでしょう。沖縄や九州の方は雪降らないでしょう。法律一本作って農業やれといったってできっこないよと言うんだ。私の青森県だって、津軽平野というのはもう平野で米どころですよ。今、下北半島へ行って、あの半島の地はやませという偏東風、もうしょっちゅう冷害なんですよ、あそこは。私の八戸の奥の方の三戸郡というのは山ばっかりですよ。法律一本作って、あなた農業やれって、できっこないというので私はこれ変えたんですから。ですから、離島の人たちも、三百何ぼあるんですよ、指定しているところが。これに今話ししているのを全部やれといったって、これ大変な話だと思うんです、金は幾ら掛かるか分かりませんけれども。
 だから、そこそこによって生活基盤をまず安定させてやること。これは何をやればいいかということで、それに金が掛かっても、それが安定的な収入がうんと増えれば、それは魅力ある農業だの漁業と。今までだって漁港だと何とかと随分基盤整備やってきたでしょう。それで何か変わりましたか。漁業だってだんだんおかしくなってきているしという、そういう状況をしっかり把握して、この離島のためには各省を挙げてプロジェクトでもチーム作るとか、そういうことでてこ入れしてやらなければ、これ十年延長して六十年やったって、また六十年目になったらまた同じもの持ってきて何とかかんとかといってやらざるを得ないんですよ。そのことを私は是非お願いをしたい。
 もう時間ありませんから終わりますけれども、何かあったらどうぞ。
#46
○副大臣(月原茂皓君) 今、田名部先生のお話聞きながら、昔、先生が大臣されていたころ、虎島先生なんかと一緒にいろいろ薫陶を受けたころを思い出したわけでありますが。
 今、先生がおっしゃったこと、そのとおりでありますが、そのとおり、そういう問題点をはらんでいることは間違いありません。そこで、今度の法案では、御承知のように、今までは国がその離島振興計画を定める、こういうことであったんですが、今度の法令では市町村がまず考えなさい、それを聞きながらそれを、国が方針は決めますが、設定するんじゃないんだと。それで、市町村が計画を作る、そして都道府県がそれを聞いて、都道府県がそれを基にして作成すると。こういうふうにして地域の考え方というものを、先生が言われたように、地域によっては企業的な考えを持っておるところもあるでしょうし、そして地域の特性に基づいたそういう計画にしたいということで今度改めたわけであります。
#47
○田名部匡省君 もう時間ですけれども、一分だけいいですか。もう時間ですから終わりますけれども、観光にしても何にしても、本当に何かがないと観光にならぬわけですから、ただ自然自然といったって。そういうことで、私は最後にちょっと時間いただいて申し上げますけれども。
 この間、テレビで盛んに今、凍結する冷凍庫というんですか、あれ、千葉に視察に行ってきたんですよ。これは画期的なものだなと思って、もう肉でも魚でも解凍しても血が出ない、瞬間的にぱっと四十度以上で凍結しちゃうと。ああいうことで、取ったものはすぐ市場に出すというよりも、漁業でも何でも、市場を見ながら農業や漁業者が、そこに入れているものを一年凍結しても味が全然変わらないんですよ、食べてきたんですから、僕は、肉だの魚。解かしても血が出ないですよね。
 どうぞ、そういったことなんかもいろいろと考えて、成果の上がる方法を考えていただきたいということを要請して、終わります。
#48
○渕上貞雄君 ただいま隣で田名部先輩のお話を聞いて、なるほどだなと私自身も思います。五十年もたっているのに一体どこがどうだというところが非常に大事なことではないかと思うんですね。
 したがって、時代も変わり、新しくやはり大きく世の中が変化をしていこうとするときに、今回またこの振興法を継続をして改正をしていこう、ならば五十年間の反省の上に立って、この法案の持つ、これから先、五十年間果たしてきた役割と今後果たそうとしていく課題についていま一度、やはり離島に住まわれている方々が少しぐらい希望の持てるようなきちっとした国としての指針か方針というのがもう少し、ここに書かれておるような言葉上の、文字上の面だけではなくて、実態的にどうなるのか、お考えを示していただきたいと思います。
#49
○衆議院議員(久保哲司君) 端的に申し上げますと、今回の改正というのは、一つは、明年の三月三十一日でもってこの特例法が切れてしまうという、それではいかぬということがまず一つ。
 もう一つは、今、先ほどの田名部先生の御指摘もございましたが、五十年間一体何をやってきたんや、どうなったんやと、こういうお話でありますけれども、今御指摘ありましたように、その五十年間やってきた中でこれをこうしたい、ああしたいと思っておる中でも、なお残念ながら積み残し部分というのは多々あるという事実。さらには、島嶼部ではいわゆる本土に比べて高齢化等が相当な割合で高うございます。こういった新たな要素、こういったものにどう対応していくかということ。
 もう一つは、今、私も議論に参加をさせていただき、聞かせていただきながら改めて思ったことは、今回の目的規定の中では、先ほども副大臣からございましたけれども、国が計画を定めるんじゃなくて地元でやっていただこう、むしろそれを国がバックアップしようと、このようなことに変えさせていただいたわけでありますけれども、ある意味、二十一世紀という時代になったからというわけじゃございませんけれども、戦後、今日までやってきた、国が中心になって計画を定めやってきた、そのことの大いなるある種の反省といいますか、それ自体がある種阻害要因になっておったといったようなこともあるのではないかと。
 そういった意味では、今回、目的規定そのものの中でまた離島振興基本方針を定める、国は方針だけを定めて、具体的なことは地方でやってくださいねというふうにやったこと自体が、私は今回の法改正の大きな大きなポイントではないかと、こんなふうに感じておるところでございます。
#50
○渕上貞雄君 議員立法という性格もございますけれども、なお一層期待、希望の持てるようなことを今後実施していただきますよう、希望を申し上げておきたいと思います。
 次に、観光の再定義についてお伺いをいたします。
 均衡ある発展の時代は終わりまして、地域間競争の社会に突入したと、このように言われているわけでございますけれども、中でも過疎地は地域の特色を生かした振興というものがようやく考えられ始めました。そこで、観光を再定義しようという動きも相まって非常に強くなっているわけですが、これは定住人口をどんなに増やそうと努力してももう限界がある。だとすれば、やはり過疎地だとか離島というところは交流人口をいかにして増やしていくのか、そのことを通してやはり地域の活性化を考えるようなことを考えなければならない時代に入ってきたのではないかというふうに思います。
 観光の再定義といいますと、すぐ何か設備を立派にしたりだとか箱物を造ったりするわけですが、私は必ずしもそういうものではないのではないかという気がいたします。したがいまして、離島の特色を生かして、観光客の質の高い施設の要求に応じるための旅館だとか民宿だとか各種観光の整備や商店の近代化、サービス向上など努めるというふうにも書いてあります。したがいまして、これから先は農業それから漁業、観光と組み合わせたソフト面を非常に、ソフト事業というものを私は重要視していかなくてはならないのではないかと。
 やはり観光といった場合、離島、暗いイメージ、汚いイメージというのを非常に持っているというのをある調査で私、読ませていただきました。したがって、やはり過疎地だとか離島だとかいうところの近代的な設備というのは、私はやっぱり上下水道の、先ほどもお話ありましたけれども、整備などというのは非常に重要なことではないかと思いますね。とりわけ、下水道の整備というのは、非常に若者たちが一番嫌がるところはトイレのところでありますから、そこをやはりきちっと整備をしていくことなどというのは、ただ単に観光資源だけではなくて、そういうものを、ソフト面というところをやはり強化していくべきだと考えておりますけれども、その点、いかがでございましょうか。
#51
○衆議院議員(虎島和夫君) これは、先ほど田名部先生からのお話にもありましたけれども、私はやっぱり、国家が離島という大事な地域に何をしようとしているのかということをきちんとしなさいよ、我々は地方の自発的な意思を計画として上げますよというのが実はこの議員立法である今度の法律の一つの柱なんですね。もう一つは、我々は国家に対してこれだけ大事な仕事を、離島という地域を受け持っていますよということをここで明らかにしたつもりでございます。したがって、従来と違った意味で国家もやるべしという私どもの意思であるということをまず御報告申し上げておきたいと思います。
 もう一つは、今のお話は別途我々も研究しているんですけれども、やはり日本人のライフスタイルというのを少しお互いが検討して、いい結論を出すべき時期が来ているんじゃないのかと。利子も付かないようなお金が、個人の金融資産というのが千四百兆円もある。これがもうあっちこっち眠っているという状況でなくて、やはり一つは、将来が不安だというので貯金をしますとおっしゃっているから、これはやっぱり政治不信ですね。政治が将来をちゃんとしますよ、老後もしますよとなれば国民の意識は変わるであろう、その努力をする必要がある。
 同時に、やはり生きているうちに、働いた者は生きているうちにもっとお互いの人生を豊かにするような、そういうライフ生活、ライフスタイルというのを作ろうじゃありませんかという提唱も、こういう法律を御承認いただければ大いに声を大にして取り上げていくべき課題であるという認識をいたしておりますので、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#52
○渕上貞雄君 次に、公共交通の確保と離島バスの補助制度についてお伺いをいたします。
 現行法の交通確保では、空路、海路を中心に、島内は道路の建設が中心となっておりますが、島内の公共交通の確保は地域を一体的に形成する上で不可欠なものでありますし、島を訪れる方の観光客にとっても必要不可欠なものでもあります。公共交通と一般的に言われますものは、島内においてもやはりバスではないかと思います。したがって、そのバスを維持、確保することは今日大変難しくなってきておりまして、それをどのようにして維持してきたかといえば、やはり私は、離島の場合、国の補助があったからだと思っております。
 しかし、本年二月に、御存じのとおり、需給調整撤廃を始めとする規制緩和が行われました。大幅に補助制度が見直しがされるようなことにもなりますし、乗り合いバスの参入などが出てくるわけですが、やはり離島の中において公共交通の競争の原理を導入することが果たしていいことかどうなのかということを考えると、今でも離島の公共バスを維持していくのは大変なときでありますから、やはり私は、きちっとここは国が補助制度を拡充すべきではないかというふうに考えて、現行の補助制度に加えまして、きちっと離島バス補助制度というものを新たに設置すべきではないかというふうに考えるんですが、その点、いかがでございましょうか。
#53
○政府参考人(洞駿君) 離島地域におきますバスの補助制度についてのお尋ねでございます。
 離島地域を含めまして、住民の日常生活の足でございます地方バス路線をどう確保していくかというのは大変重要な課題でございます。国と地方の適切な役割分担を前提に、国の補助制度と地方の財政措置との緊密な組合せを構築することによりまして、総務省とも連携を図りつつ、平成十三年度からトータルとして充実した支援制度を、支援措置を作ったばかりでございます。
 具体的には、国の地方バス補助予算につきましては、平成十四年度予算では最近の交付実績を上回る七十三億円を確保しております。また、地方財政措置についても、事業費ベースで平成十四年度は七百億円ということで、十三年度に比べて大幅に拡充されているところでございまして、これまでよりも大幅に充実した支援措置となっております。
 また、国の補助額の算定に当たりまして、離島につきましては特に、通常は補助金の算定の基礎になります運行経費について、ほかの地域では当該事業者の原価とその地域全体の標準原価を比較して低い方の原価を使用してございますが、離島地域におきましては、その特殊性から、当該事業者の原価を使用するといった特別の取扱いも講じているところでございまして、離島地域内の路線の維持、確保というものにいろいろ配慮しているところでございます。
 今後は、こういう新制度の定着を図るということが重要でございますし、それからもう一点は、地域の足をどう確保していくかということについて、国と地方公共団体、そして関係者による地域協議会というのを作っております。その中においても、特に離島については、長崎県の壱岐とか対馬、五島地域ではそれぞれ特別の分科会を作って、離島地域の実情に応じた協議を行うことなどによりまして離島地域におきます生活交通確保方策の協議をやっているところでございますので、この辺の議論を活発にして、本当に離島の足をどうやって確保していくかということについて関係者が一丸となって創意工夫、努力していくということに努めていきたいと思っています。
#54
○渕上貞雄君 終わります。
#55
○委員長(北澤俊美君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 離島振興法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#56
○委員長(北澤俊美君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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