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2002/07/23 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第25号
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2002/07/23 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 国土交通委員会 第25号

#1
第154回国会 国土交通委員会 第25号
平成十四年七月二十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十八日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君     松田 岩夫君
 七月十九日
    辞任         補欠選任
     松田 岩夫君     野上浩太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北澤 俊美君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                藤井 俊男君
                弘友 和夫君
                大江 康弘君
    委 員
                荒井 正吾君
                木村  仁君
                北岡 秀二君
                野上浩太郎君
                野沢 太三君
                松谷蒼一郎君
                森下 博之君
                森山  裕君
                吉田 博美君
                池口 修次君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                藁科 滿治君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  佐藤 静雄君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       森下 博之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        高橋 健文君
       道路関係四公団
       民営化推進委員
       会事務局長    坂野 泰治君
       警察庁交通局長  属  憲夫君
       法務省民事局長  房村 精一君
       厚生労働大臣官
       房審議官     鈴木 直和君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    真野  章君
       国土交通大臣官
       房長       安富 正文君
       国土交通省総合
       政策局長     三沢  真君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  澤井 英一君
       国土交通省河川
       局長       鈴木藤一郎君
       国土交通省道路
       局長       佐藤 信秋君
       国土交通省住宅
       局長       松野  仁君
       国土交通省鉄道
       局長       石川 裕己君
       国土交通省自動
       車交通局長    洞   駿君
       国土交通省港湾
       局長       金澤  寛君
       国土交通省航空
       局長       深谷 憲一君
       国土交通省政策
       統括官      窪野 鎮治君
       気象庁長官    山本 孝二君
       海上保安庁長官  縄野 克彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (長野県における脱ダム宣言と公共事業の見直
 しに関する件)
 (九州南西海域不審船の引揚げに関する件)
 (首都高速道路の橋脚の劣化対策に関する件)
 (三宅島の火山活動災害対策に関する件)
 (建設業界における元請、下請関係の在り方に
 関する件)
 (道路関係四公団の民営化問題に関する件)
 (タクシー運賃の認可と労働条件に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を開会をいたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官高橋健文君、道路関係四公団民営化推進委員会事務局長坂野泰治君、警察庁交通局長属憲夫君、法務省民事局長房村精一君、厚生労働大臣官房審議官鈴木直和君、厚生労働省社会・援護局長真野章君、国土交通大臣官房長安富正文君、国土交通省総合政策局長三沢真君、国土交通省都市・地域整備局長澤井英一君、国土交通省河川局長鈴木藤一郎君、国土交通省道路局長佐藤信秋君、国土交通省住宅局長松野仁君、国土交通省鉄道局長石川裕己君、国土交通省自動車交通局長洞駿君、国土交通省港湾局長金澤寛君、国土交通省航空局長深谷憲一君、国土交通省政策統括官窪野鎮治君、気象庁長官山本孝二君及び海上保安庁長官縄野克彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#4
○委員長(北澤俊美君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○鈴木政二君 今日は、今、注目をされております長野県の脱ダムの問題について質問をさせていただきたいと思います。
 幸か不幸か、北澤委員長に連れられましてここの、長野県へこの委員会、視察に行かせていただいて、話題の人であります田中前知事ともお会いをして、大変いい勉強をさせていただきました。
 特に今回、この長野県につきましては、この当委員会に非常にたくさんの方がいらっしゃって、委員長もそうでありますし、吉田委員もそうでありますし、先輩の野沢委員、そして池口委員も長野県の御出身で、大変ふるさとのことが気になるとは思います。今月の五日に行われた長野県議会で知事の不信任案、田中長野県知事が七月十五日をもって失職をいたしました。御案内のとおりであります。
 今回の一連の騒動は、田中県政の在り方、特に田中知事が昨年の二月二十日に行いましたコンクリートのダムを造るべきではないという脱ダム宣言が一つの契機、大きな契機になったと思われております。この脱ダム宣言は、公共事業がすべて悪であるという、大変昨今こういう風潮が出ているわけでありますけれども、長野県のこの間視察行かせていただいても分かりましたけれども、地形が大変急峻で、特定の時期に大変大きな降雨というか、集中豪雨が起こる地域であるわけでありまして、この長野県の地域の特性やダムを有する治水や利水の関係の効果は、ほとんど考慮なくと言っては大変言い過ぎかも分かりませんけれども、そんな形で出された宣言であります。
 その内容たるや、もう御案内のとおりでありまして、本当に民主主義のプロセスを大事にしているのか、そうした手法を取っているのか。昨今いろんな評論する方に正にうまいことを言う方がいまして、しなやかなファシズムと言われる手法だと言われております。
 私は、田中前知事の資質だとかいうのは言いませんけれども、まあ御本人の非常にパフォーマンス的、また美意識、そして認識というものが非常に特異な体質だと見ております。いろんな報道を聞きますと、俗に言うポピュリズムとか衆愚政治だと言う人は、田中さん自身、そういう人は北朝鮮へ行けばいいというような発言までしたり、それから、私どもから見るとちょっと奇異に思うんですけれども、大変縫いぐるみが好きだそうでありまして、ここに関する話というのは大変変な話もたくさん出ていますし、新しい知事室、ガラス張りにして、ワインを飲みながら女性タレントをひざの上に乗せたり、いろんなことをされて大変目立つ方であります。
 今日は知事のそういう姿勢というのは私は問いませんけれども、ただ一つだけ、今日もお見えの議会人の皆さん方もそうだと思って、あのテレビを見たときに、北澤委員長や吉田さんは県議会のOBでありますけれども、あのときに、議長の制止も聞かずにとうとうと閉会してもなおしゃべってしまうというあの姿。私どもは子供のころから長野県というのは教育の長野という言葉を常々聞かされて、長野県を手本にしてきたわけでありますけれども。議会というのは、私も今年で二十七、八年目になりますけれども、議会人になって、地方議会からでありますけれども、やっぱり子供たち、特に児童会や生徒会で、民主主義の原点である議論をする場所において、その議論の司会である、進行である議長の制止を聞かないということは、私は、子供たちに非常にこれは大きなインパクト、民主主義って何だろう、こんな気持ちは、私、これだけは正直言って、長野の田中前知事の姿勢というのはこれはいかがなものかという気がいたします。
 そこで、まずお伺いをいたしますけれども、この脱ダム宣言の内容について、今日は佐藤副大臣、私は長い付き合いしておりますが、大変この国土交通省に対して情熱を持って、今のこの中で、真摯に、またまじめに誠実に私は情熱を持って聞かせていただいて、いろんなお話を聞かせていただく佐藤副大臣が今日出てきていただいて私と議論を闘わすことに非常に今日は感謝をしておりますし、いい機会を与えていただいたなという気がいたします。
 まず冒頭に、今回のこの事態、一連の事態を受け止めて、国土交通省の基本的な見解をまずお示しをいただきたいと思います。
#6
○副大臣(佐藤静雄君) 二十一世紀というのは水が世界を制覇するんじゃないかと、そういうことが言われております。
 先日、八月の環境サミットの準備会でインドネシアのバリ島で関係閣僚会議がありまして、私も行ってまいりました。世界じゅうの方々が一番心配することは、現在の水と将来の水のことが非常に心配でありました。ですから、利水、治水を考える場合に、そういう将来を見て私たちは水の計画を考えていく必要があります。決して今が、経済が、成長が多少止まっておるとか、そういう観点で考えて、私は将来というものが、将来の日本ということ、世界の中における日本の役割というものを、責任を持てないような状態になるんだろうと思います。それだけに、利水を一つ見ましても、そういう先を見て考えるというのが非常に大切だろうと私は思っています。
 また、治水の場合、国民の生命、財産を守るという最大の私たちは使命を持っております。ですから、ダムを排除する、最初からダムを排除する、また最初からダムありき、そういう考えを私たちは持っておりません。その地域にとってダムがいいのか、又は遊水池などで、又は川を広げる、河床を下げることでそれは対応できるのか、そんなことを幅広く考えながらいろんな手法を組み合わせて考えていくべきだと、そう思っておるわけであります。
 ですから、最初からダムを排除する、すべてダムは駄目だというのは、そういうこと全体を考えたときに合理的な方法だとは私は言えないと、そう思っております。ダムの建設におきましては、環境に十分に配慮しながら、そして地元の方々の御意見をお聞きし、さらに地元の振興、発展、いろんなことを総合的に考えて考えていくべきものだろうと、そう考えております。
#7
○鈴木政二君 そのスタンスで、随時、今から逐次質問をさせていただきますけれども、まず第一点が、昨年の二月の知事のダム宣言後、県の条例によりまして、長野県治水・利水ダム等検討委員会が設置されたということであります。検討委員会は、本年六月七日に、浅川、そして下諏訪ダムが計画されている砥川についても、それぞれ総合的な治水、利水の対策として、ダムによらない河川改修単独案とか、それに備えての利水案を答申しました。この答申を踏まえて、田中知事は、六月二十五日の県議会で浅川、下諏訪両ダムの中止を表明し、代替の治水対策として、五十年に一度の洪水に当たる八割分を河川改修で、残りの二割分を森林整備と遊水池などの流域対策で対応するとの枠組みを示したわけであります。
 そこで、お伺いをいたしますけれども、この長野県の治水・利水ダム等検討委員会の答申の内容をもう少し、中止の表明と代替案の内容、それからこれに対する国土交通省の見解について、国として把握している範囲で簡潔にまず御説明を願いたいと存じます。
#8
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御説明申し上げます。
 ただいま御説明ございましたように、長野県の治水・利水ダム等検討委員会、これの答申が出たわけでございますが、これは約百年に一度の洪水に対応する基本高水流量、百年に一度に対応する基本高水流量、そういうものを対象に、ダムありの治水・利水計画と、もう一つは、その基本高水流量の大きさを下げまして、そしてダムなしの治水・利水計画、この両論併記になっておりまして、結論といたしましては、委員の多数意見を優先して、浅川と砥川においてダムによらない河川改修単独案及びそれに対する治水・利水案、つまりダムによらない治水・利水案、これの答申が六月七日に出されたということでございます。
 田中前長野県知事は、六月二十五日の県議会の一般質問で浅川・下諏訪ダムの中止を表明しまして、基本高水は従来の値を変更せずに、代替の治水対策として、基本高水のピーク流量のうち約八割分を河川改修で対応し、残りの約二割分は森林整備、遊水池あるいは貯留施設の設置等の流域対策で対応すると、このような方針を示されているわけでございますが、そういった抽象的な方針が示されているわけでございまして、実際どの場所にどの程度の規模の遊水池を設けるのかとか、そういった具体的な案についてはまだ示されておりませんで、今後具体的な河川整備計画を策定するというふうに長野県から聞いているところでございます。
 国土交通省といたしましては、今後、長野県においてそれらの、どのようにしてその治水対策を実現していくのかということも含めまして、具体的な計画の案が策定され、協議があった段階で判断してまいることになります。
#9
○鈴木政二君 聞くところによると、この検討委員会というのは知事の任命だと聞いておりますけれども、昨今、国でもいろいろなメンバーの構成というのがいろいろ物議を、我が党でもやっているところはありますけれども、どうも話に聞いてみると、知事のこの委員の指名はそうですけれども、県議会の承認がなかったという話もこれ聞いておって、非常にここらは、地方自治の在り方の中でそういうバランスよく、両輪だという言葉があるんですけれども、これは非常に何か片手落ちの気もしますけれども、これもしなやかなファシズムかなという感じがいたしますけれども、そんな中で今の代替案がはっきり分からないという話であります。
 今のダムの代わりに遊水池の場所の選定だとか森林整備の実効性だとか、そんなものはまだ今のところこれからだと。基本高水が引き下げられれば住民への、何ですか、安全度が非常に不安であると。これは視察に行かしていただいたときに、すぐ下はもう大変な住宅街でありました。委員長もいろいろ御説明いただいたんですけれども、そんな中で、先日またくしくも台風が、大きな台風が二回も来て洪水でいろんな被害があるし、私ども名古屋も二年前、大変な被害を受けました。
 水というのは大変昔から政治の、治山治水、水を治める者は政治を治めるという言葉があるように、私も肌で感じておって、その中で記録的な豪雨が観測されている。今度の、今の中で、五十年から百年に一回の豪雨がいつ発生してもおかしくないというのはもう最近の気象状況から見たら常識でありまして、これを、住民の安全上いたずらにこの基本高水が引き下げられることが絶対にあってはならないと私は考えているわけであります。
 もう一度、国土交通省の御見解を聞きたいと思います。
#10
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御説明申し上げます。
 基本高水は、一般的には河川の流域の社会的、経済的需要度に応じた計画規模の設定をしておりまして、過去の降雨特性等から算定されるものでございます。長野県の浅川における基本高水は毎秒四百五十トンということでございまして、これはちょうど百年に一度発生する降雨による洪水、そういったものに相当するわけでございます。この基本高水の流量を合理的な理由がなく引き下げるということを仮にいたしますと、これは安全度を引き下げるということになります。
 ただ、現時点において具体的な方針を河川管理者であるところの長野県から伺っておらず、長野県が策定する予定の河川整備計画の案を伺った段階で判断してまいりたいと考えております。
#11
○鈴木政二君 私がそれこそ独身のときに、議員になったときに、先輩の人から聞かされ、これは明治生まれの人でありましたけれども、太鼓判という言葉がありまして、太鼓判というのはよく印鑑を押してどうのこうのという話でありますけれども、実は中国のことわざで、古いことわざで、河川、もうちょっと詳しく言いますと、川が蛇行してなって、昔は洪水をすると、こちらの左岸の村、それから右岸の村、どちらかが切らないと両方とも洪水によって全滅するという地区があったそうであります。そこで、村の一番の力持ち、若者が太鼓を、両方話し合って、太鼓を鳴らして、力尽きるまで、力尽きた方が堰を切るという、昔の中国でそういう知恵というか、社会の知恵を出し合った。そして太鼓を、どこまでもそれを信頼する青年という意味で、先輩の議員に聞いたことがあるんです。ですから、水というのは、河川というのは、本当にそういう面ではもう何千年来、この水との闘いをして、いかに人間が水の恐怖に、水がすべて人生を狂わしたり、生活を狂わすということを、私は若いころからこの水の問題について、その明治生まれの先輩から聞かせていただいたことがあります。
 今、この話の代替案の中で、近年、緑のダム構想という言葉があります。しかし、緑のダム構想は渇水時に、私の知っている限り、渇水時には森林が逆に水を奪ってしまうこともあるわけであります。そしてもう一つ、森林の保水機能の数値化が具体的に全く分かりにくい。それから、保水機構を備えた森林に育成するまでに大変な時間が掛かる。そういう面では、この災害対策で緑のダムというのはなかなか、これは補完的にはできるけれども、代替案としては非常に私は機能が薄いと思っています。
 そこで、一般的に言う緑のダムの構想の具体的な実現というか、その評価、国土交通省の見解をお聞きするとともに、もう一方、ダムを不要とする一方で、河川改修の現行案より増やしているというところもあるわけであります。しかし、堤防のかさ上げや河川のしゅんせつ、川幅の拡張といった河川改修も周辺の環境や景観の配慮等に十分検討がなされなきゃならないと思っております。
 そういう面で、一般に、この河川改修の政策とダムとの併用とか、ダムの単独とか、そうしたメリット、デメリットを国土交通省としては今どういうふうに考えているか、お聞かせください。
#12
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 緑のダムという構想ございますが、御指摘のとおりだと考えております。
 森林は、それを放置して荒れてまいりますと、下の地面が傷んでその土砂が流出してきて、それが河床を上昇させたりすることを通じて、治水機能を阻害したり、あるいは利水機能を阻害することになるということでございまして、森林をきちんと守ることは必要でございます。ただ、御指摘のように、それは言わば受け身の治水ということでございまして、ダムの補完機能になるようなものではないと考えております。
 若干、更に御説明を申し上げますと、今御指摘のように、森林には、樹木の蒸発散の作用でございますね、そういったものから、森林自身がかなりの水を消費するため、渇水時には河川流量がかえって減少してしまう場合がある、こういうことを日本学術会議の答申でも述べられております。
 あるいは、これたくさん言うと時間がないんですが、治水上問題となる大洪水においては、洪水のピークを迎える以前に流域は流出に関して飽和状態となってしまうということで、顕著な治水の効果は期待できない、これも同じく日本学術会議の見解でございます。あるいは、省略いたしますが、現実的には、我が国の土地利用から見てこれ以上森林が大幅に増えることは考えにくい状況であるとか、そういったことを全体としてまとめまして、この森林の規制改革については私ども所管ではございませんが、この学術会議の答申から引用いたしますと、森林は治水上問題となる大洪水においては顕著な効果は期待できないとの趣旨の記述がございます。私どももそのように考えております。
 それからもう一点、メリット、デメリットということについて御指摘がございました。これはここでそのメリット、デメリットを具体的に列挙する時間はないと考えておりますが、いずれにしても、そういったものを総合的に判断して治水・利水計画を定めていく必要があるというのが私どもの考え方でございます。
#13
○鈴木政二君 今から質問することが、今日、私が言いたいことを今から言いますけれども、この田中知事が提案するダムなし案、そして治水対策等が行われるまで、要するにこのダムなし案が治水対策として行われる場合には現行の計画の手続の変更が必要になるわけです。
 その場合、国、長野県、市町村、下流の流域の他県など具体的にどのような手続をこれは行っていくのか、またダムなし代替案で治水や地域住民の安全が本当に確保できるだろうか。一番分かっているのはここの流域の市町村であります。恐らく佐藤副大臣のところへもたくさんの陳情が多分行ったと思います。それは知事よりも市長さんの方が身近な感覚を持つわけでありますから、そういう面で長野市などの流域の地方公共団体が首長のダム事業の中止に恐らく死に物狂いで反対をしていると思います。
 このような状況で、今後、長野県が関係自治体の首長の意に反してダムに頼らない河川整備計画を作成し、国に認可を求めてきた場合、国としてどのような対応をするのか、腹を据えて一遍答えていただきたいと思います。
#14
○政府参考人(鈴木藤一郎君) まず、手続について御説明申し上げますが、今後、河川管理者である長野県知事が具体的な河川整備計画を策定しなければなりません。
 その際、手続ですが、河川法に基づきまして関係住民や学識経験者の意見を聴く、これが一つの手続でございます。それから次に、関係市町村長の意見を聴く、これも法律に定められた手続でございます。さらに、国土交通大臣の認可が必要でございます。これが、手続関係について要約して申し上げればそういうことでございます。
 そこで、河川整備計画の策定に当たっては、河川管理者である都道府県知事は、先ほどのような手続がございますので、当然のことながら、地元市町村長の理解を得るように最大限努力することが必要である、こういうことに考えております。
 さらに、仮に、仮にという御質問がございましたが、現時点においては長野県からは、先ほども申しましたように、具体的な河川整備計画の案が示されておりません。河川管理者である長野県としての計画がまとまり、国土交通省に協議する段階においてそういったものが出てまいりますと、国土交通省といたしましては、地元市町村長の意見に対する河川管理者としての県の考え方、そういったものをちゃんと私たちがお聴きした上で判断していくことになります。
#15
○鈴木政二君 具体的な案が出ていないということなんですけれども、今の情勢、いろいろ、選挙のことは言いませんけれども、非常に方向的に余り芳しくないうわさも雰囲気も感じているわけでありますけれども、これ市町村の意見を聴きといったって、市町村の意見を聴かない人が知事になったらこれは一体どうするんですか、これ。これぐらいのことは想像も付くし推測もできる今事態なんです。これはやっぱりある期間、国土交通省として、きちっとこのことは対応できる協議を国土交通省としてやっていかなきゃならぬと私は思っています。
 もう一遍、佐藤副大臣、その今の話、質問に答えてください。
#16
○副大臣(佐藤静雄君) もしも災害が起きたときに、市町村長、自治体の長が責任を持って対応しなければなりません。これは災害対策基本法で決まっております。ですから、治水対策を考える場合に市町村長の意見を聴くということは最も大切なことです。
 その市町村長が市民、町村民の、住民の生命と財産に責任を持って災害のときにはどうするかを考えなければならぬ、そのための防止する対策としてダムを造るということを選択をしてきているわけでありますから、ですから市町村長の意見を聴いた上で知事は判断すべきだと、そう思います。
#17
○鈴木政二君 これ話をしても仮の話にこれからなってしまうので、これは結果が示すことでありまして、今の雰囲気から見ていて、市町村長の言うことを知事が理解をしてくれるかどうかは非常に甚だ薄く感じております。
 もう一つ、これに伴いまして、公共事業の見直しにより中止された補助ダム等に対する補助金の返還問題、これは当然ながら、いろんなところで議論をされております。
 これまで、国土交通省、都道府県などによる公共事業の見直しにより中止した補助ダム事業等において、既に支出された補助金の扱いはどうなっているのか。また、補助金の返還が免除される場合があると聞いておりますが、返還の免除を認める場合の法的根拠及び免除の要件は何だ。例えば、流域市町村の首長が既に事業の中止に異論を唱えるなど意見が大きく二つに分かれて、また治水上問題があるという中止の理由から合理的でないようなケースでは、都道府県側は事業を中止するからといって国民の血税を財源とする補助金の返還を安易に免除することは私は妥当だとは思わない。
 浅川、下諏訪ダムのこの中止により、両ダム合わせて、聞くところによりますと五百億円近い補助金の返還問題が生じるというふうに私は聞いております。今回、このケースでは国土交通省として補助金の返還を強く私は求めるべきだと思っております。所見を伺いたい。
#18
○政府参考人(鈴木藤一郎君) まず、中止した補助ダム事業等について既に支出された補助金の扱いはどうかということについてちょっと御説明申し上げますが、平成十四年三月末までに五十八の補助ダム事業が中止になっております。
 これらの中止のダムは、これはいろんな事情ございますが、一例を申し上げますと、地質調査を進めた結果、想定した地質の状況よりも悪くてダムが代替案よりも経済的に不利になるとか、例えば社会経済情勢の変化に伴って水需要の増が見込めなくなった、そういったような客観的な理由で中止を決定してきており、その際、補助金の返還は求めておりません。そういうことでございます。まず、それが一点でございます。
 補助金の返還免除を求める場合の法的根拠についてお尋ねがございました。それについて御説明申し上げますが、これは補助金交付決定後の補助事業者等の責に帰さない事情の変更により事業を中止する場合は、補助事業者等の責に帰さない事情の変更により事業を中止する場合は、ちょっと省略いたしますが、補助金の返還を求めることはない、こういうことでございます。
 したがいまして、学識経験者等から構成される委員会の審議等による再評価等を通じ、補助事業者等の責に帰す理由がなく、交付決定後において生じた事情の変更により事業を中止すると認められる場合においては、補助金適正化法第十条の規定により、既執行分を含めて補助金の返還を求めることはないということでございます。
 さて、浅川ダムと下諏訪ダムについてどうなるのかということでございますが、これは先ほどから御説明してまいっておりますように、ダムを中止する具体的な理由についてはまだ何も聞いておりません。具体的な整備計画も今後策定するということでございますので、現段階では判断することはできません。
 いずれにしても、河川整備計画の具体的な案について協議と併せて中止の具体的な理由を聞いた上で判断してまいりたいと考えております。
#19
○鈴木政二君 先ほどからまだ具体的な案を聞いていない、聞いていないというお話ばかりでありますけれども、現実問題、これでもう間近に、九月に選挙があるようでありますし、その結果が出てくるのはもう一月ちょっとの話であります。
 これ非常に大きな問題に私はなってくると思います。これはひとつ一国土交通省というだけでない、あらゆる分野にこれからもこれが波及をされてくると思っております。そうしたときに、今の補助金適正法の十八条とかいろんな適正法がこれにどう対応していくか。
 そしてもう一つ、一番重要なのは、こうした国庫補助事業として採択すべきと判断された補助事業が、その後、同事業を執行する地方自治体の判断により事業継続が不要と判断された場合、同事業を所管する監督官庁はこれからこういう中でどのような対処をするかということは、もう前もってある程度この事例で、こういう知事さんがひょっとしたらよそにも出てくるかも分からないし、そういう方には対応をやっぱりしっかりとしていかなきゃならぬと思うんです。
 もう一つ、事業の必要性を根拠に財政当局に補助金支出を予算折衝し獲得してきた事実を考慮すれば、監督官庁としての見識もひょっとしたら疑われかねないということも出てくるわけであります。また、仮に認めれば、今後の補助金の事業、補助事業に対する予算手当てに対して財務当局からの理解を得られない懸念もあるわけであります。これは所管である財務省がこういう形の中でそれは当然言ってくると思うんですね。こういう問題もたくさん出てくるわけであります。
 これをどのようにしているのか、どのようにしていくのか。まだなっていないけれども、恐らく推測ができる話でありますから、今のその対応の仕方ももう一度聞かせていただきたい。
#20
○政府参考人(安富正文君) 今、先生の方から国庫補助事業の採択をした事業について今後中止すると、県の判断で中止する場合の対応ということで質問がございました。
 国庫補助事業の対象事業を選定する際には、当然地域住民とか、あるいは地元の地方公共団体の長、あるいは議会の意見を踏まえましてそれぞれ審議しまして、国も公益性を認めてこれを採択するという形で実施してきているものでございます。
 したがいまして、事業を中止する場合には、当然その事業を採択したときの条件、いろんな判断基準、そういうものがどういうふうに変化したのか、具体的にやはり事業を採択する場合と同様に慎重な検討を行っていくことが必要だと考えております。したがいまして、国としても県の方から補助金等適正化法第七条の届出があれば、その内容をよく吟味して、経緯等も聞いた上で具体的な適切な対処をしていきたいというふうに考えております。
 特に、先ほどお話がございましたように、財務省等いわゆる要求する査定官庁の方から見れば、せっかく採択したのにこれを何で途中で中止するんだというふうなことでいろんな議論が出てくると思いますので、我々もその点については慎重にかつ十分議論して、中止するかどうかも含めて判断していきたいというふうに考えております。
#21
○鈴木政二君 官房長、本当にこれ真剣に対応していかないと、大変なこれからの事業の中で、特に国土交通省はこういう補助事業多いので、非常に慎重な上にも慎重な判断、間違いない判断を進めていただきたいと思います。
 例えば、私、この間ちょっと関心があったものだから、例の東京都である世界都市博覧会の中止の中でびっくりしたのは、あれやめてその後、大体総事業費が一千億という話だったのが、実は賠償やいろんな問題で、これの掛かった賠償やいろんなすべてのものが一千百億掛かったというこの事実を私は見て愕然としました。こういうことがひょっとするといろんなところでまた起き得る。確かに世論というのは、その当時にこれはやめた方がいいという世論で知事も決断されたと思うけれども、いろんな補償やいろんな契約違反だとかいう話で、総事業費よりも余分に百億掛かったという事実を、これは私どもは見逃せない現実だということをやっぱり把握しなきゃならないと思います。これは参考までにお話をさせていただきますけれども。
 いろいろお話をさせていただきましたけれども、こうした手順だとか手続を踏んで県議会が、多分今日も、県議会の御出身の方たくさんいらっしゃるけれども、この不信任案出すという話は、よっぽどぎりぎりの状態に置かれたと思います。そうした県議会での不信任案を出して、ダムの中止まで一年余り出たわけであります。
 そうした中で、長野や市町村の人たちには知事は何か一言も相談もしていなかったということを聞いております。これが本当に地方分権と言われる今の時代の中で、こんなことが本当にあり得るのか。正直言って、いろんな話を私、新聞や報道やなんか聞いて、正にびっくりする話であります。
 先ほども言いましたように、そうした長野市長が知事に出した質問状や何かも、県の例のさっきの検討委員会の審議に影響を与えるからといって回答しなかった、そんな話もあるし、こうしたダムの事業中止というこれだけの重大な影響をもたらす事項について知事がもっと本当に心から流域の市町村に説明することは、もう当然であれば当然なんです。
 このような田中前知事の政治手法、今回の知事が議会による不信任案で失職したこと、あわせて、多分今日委員の方々の中にもいろんな意見を持っていらっしゃると思いますけれども、ちょうど佐藤副大臣は道議会議員もやられておりました。幸いにもこんな知事じゃないと思っておりますけれども、そんな経験をしたこともないでしょう。そして、せっかく森下政務官、森下政務官もたまたま高知県で県議会議員をやられているようであります。こういう田中前知事の政治手法だとか、こういう地方の分権の中で最も大事な県議会との話合い、そして、先ほど言いましたように、市町村長たちとの話合い、説明、こういう手法について一体どう思われるのか、所信を聞かせていただきたい。
#22
○副大臣(佐藤静雄君) 田中前知事の政治手法ですとか長野県議会での不信任案決議、それを受けて田中県知事が失職したことにつきましては、長野県のことでありますからコメントする立場にはありませんけれども、一般的に私が、今、先生おっしゃったように、道議会議員を経験をしたりしておりますけれども、それぞれ地方議会と知事の在り方、関係、そんなことも私どもは何年もやってきました。
 知事は知事なりの自分の考えもあるでしょう。しかし、それは議会の議会議員もまたそれぞれ自分の県に対していろんな考えがあります。知事のおっしゃることに対してのチェック機関としての役割もあります。同時に、一緒に県を作っていこう、地域を作っていこうと、そういう役割もございます。そのときに全く違う考えで全く議会の意見を無視をする、それはやっぱり議員にとって耐えられないものになってくるのは当然だと私は思っています。ともに考えていこうと。ましてや市町村長、災害があったときの責任者である市町村長の意見も聴かない、そうなってくると、やはりこれは不信任案を出すのは当然のように私はなってくるんだと思います。
 みんなで責任を持って県を作っていこう、責任を持って住民の財産、生命を守っていこうと、それが私は基本的なものだろうと思っていますから、心情としてはこういうことになったことは十分に理解できますけれども、しかし基本的には長野県のことでありますから公式的にはコメントする立場にないわけでありますけれども、そういう思いで私はこの問題を見ております。
#23
○大臣政務官(森下博之君) 佐藤副大臣が御答弁されたのと私も同意見であるわけでありますが、鈴木委員御指摘のように、私も高知県政に、県議会に身を置いた者の一人であるわけでありますが、このダムの建設の是非をめぐっての県政の混乱というのは非常に県民にとって不幸なことではないかというふうにも思うわけであります。
 いずれにいたしましても、これ、長野県の問題でございますので、それ以上のコメントはお許しを賜りたいと思います。
#24
○鈴木政二君 自分の気持ちも半分も出していないような気がいたしますけれども、こういう正式な場所、また正式な立場ということで、何となく感じるものはすごく感じています。それ以上言うと、またここで問題になるから言わないんだろうとは思いますけれども。
 いや、私も本当に少し県議会やりましたけれども、こういう手法が本当にこれから通用するのか。どうもメールで交流しているだけで、なかなか、それを民意だという表現もするかも分かりません。いろんな物の言い方は前知事は言われているようでありますけれども、やっぱりこの民主主義、先ほど冒頭に言ったように、人の話を聞く、また自分の主張をする、やっぱりお互いにそういうことをしないと、ましてや知事というのはその県の父であり母であるわけであります。子供たちはみんなその知事を見ながら、直接私たちの地域のリーダーだと、そういう気持ちになっているんであって、私は、長年築いた長野県の教育というものが骨幹から崩れてくるような危惧をいたします。立場的には恐らく私よりも委員長や吉田さんや野沢さん、池口さんの方がもっと言いたいと思うと思います。やっぱりふるさとがある面では崩壊される、崩れていく、そういうものに対して非常に危惧をしていらっしゃると思います。
 この問題の最後になりますけれども、特に河川の問題であります。
 昔は、地震、雷、火事、おやじという言葉があって、怖いものの一つでありましたけれども、最近おやじは余り怖くない雰囲気もありますけれども、やっぱりこの水害というのは、私も子供のころ伊勢湾台風を経験いたしました。風もさりながら、水の怖さというものを子供のうちから肌で感じております。
 問題は、ダムをする、また河川で改修する、これは恐らくこれから大議論になっていくと思います。これはメンツだとかそんな問題じゃないと思います。やっぱり地域住民が一人でも危険にさらされる、生命や、みんなが汗水垂らして作った財産や、そして家族の融和のこの家を壊されることは、一か所あっても、私は知事として、またリーダーとして、市町村長もそうでありますし、我々もそうであるわけであります。
 この中で、問題は、県が最終的な判断をし市町村と協議をしていく、先ほど何度も国土交通省の局長からも話を聞き、佐藤副大臣からも冒頭に、この協議を見て、推移を見ていくといった場合に、結論的に申すならば、長年にわたって、長年にわたって積み上げて、ダムが一番適正だという結論が出たわけであるわけであります。
 その結論が出た中で、私は国が、ある部分では、地方自治体がやらないなら国が直轄でもやる、国が、一人の国民が命が危ないと思えば、そういう仕切りを超えて直轄でもやるという気迫があるかどうか。私自身、今度の結論、九月に出るかも分かりませんけれども、この結論の中でみんなが協議をし、やはりダムが最高の治水だ、利水だということの中であった場合、そういう機会があるかどうか、そういう決断ができるかどうか、非常に注目をしております。
 今の仕組みでは、恐らくこうした形の中でできない仕組みはあろうかと思います。いろんな事情があって、いろんなルール規制があってできないかも分かりません。そういう面で、大臣、お越しになってすぐでありますのでちょっと一服していただいて、先に佐藤副大臣に、是非その決断、直轄でもしてでも、こういう問題はこれから、恐らくこの河川だけでもなしに、違う形もあるかも分かりません。そういう場合、やるぐらいの気持ちがあるかどうかの所信を伺いたいと思います。
#25
○副大臣(佐藤静雄君) 河川の管理に対しましては、災害に対する安全性ですとか安定的な水の供給ですとか環境、いろんなものを配慮してやっているわけであります。それと同時に、国と地方がそれぞれ分担をしてやっているのは御承知のとおりです。
 そのときに、地方の分担をしている分が今のような状況の中においてできない。だから、そこに国が出ていくということはなかなか難しいんだろうと思います。それぞれの分担の中でやっていくと。ですから、そういう場合にはどういうような方法でやるのか、どういう対応をするのかということをはっきり示してもらう、示してもらうように国としても最大限の努力をすることが大切だろうと思います。
 国民の生命、財産に対して責任を持つ、長野県は長野県なりの知事としての役割がありますけれども、国は国民全体に対しての役割がございますから、そのためのいろんな役割分担してきめ細かくやっているわけでありますから、もしも県が、地方がそれぞれなかなか、どう考えてもこれは危険だという場合にはやっぱりその対応方法というものを促すと、あらゆる方法で促すと、そしてするということだと思います。直接手掛けてやっていくというのは、やはり全体的にそういう今までのルールが崩れていってしまうと思いますから、非常に難しいんだろうと思います。
#26
○鈴木政二君 佐藤副大臣の気迫を今感じました。あらゆることはやろうと。地方分権の、地方自治の趣旨もきちっと踏まえて、やれることはすべてこれからもやっていこうという強い気迫は感じました。本当に憂国の士として、副大臣、これからも腹を据えてひとつ頑張ってください。
 大臣、ちょっと、話がずっとして、最後の方になってしまったんですけれども、一言だけ。
 大臣、この脱ダム宣言、長野県の前知事の問題でありますけれども、多分今日は答弁する予定ないと思うんですけれども、大変タイミングの悪いときに入ってしまったという感じもするんですけれども、いいですか。──はい。
 じゃ、最後に大臣、さっきもちょっと聞きましたけれども、副大臣と政務官に聞きましたけれども、大臣がこの脱ダム宣言、大体全部把握もしているし、大臣のところへ地元の市長さんやいろんな人たちがもうたくさん陳情されて、現状を訴えたと思います。そういう面では大臣が一番よくこの問題を把握されていると私は思っておりますし、一つは、さっきも同じ話でありますけれども、この一連の、県議会の不信任案、そして田中前知事の政治的手法、そして今回失職した田中前知事の生きざまといいますか、こういう知事の生きざま、そして脱ダム宣言の総括的なお話を答弁していただければ幸いだと思います。
#27
○国務大臣(扇千景君) 大変早めに入ったつもりですけれども、早過ぎたかもしれませんけれども、御質問でございます。まして、この中にも長野出身の方が大勢いらっしゃいますから、それぞれのお考えがあろうと思いますけれども、私は私なりに、今、鈴木委員がおっしゃいましたように、長野県の岡谷市長あるいは下諏訪村の皆さん方、大勢私にも直接声を聞いてほしいということでおいでになりまして、いろんな方に私お目に掛かりました。
 私、ダムが要るとか要らないとか、その議論は私自由だと思うんですよ。それぞれ御発言があって、そしてみんなで検討していくというのはいいことなんですけれども、みんなで検討するかしないかというところが問題なんです。
 御存じのとおり、一昨年、私、初めて建設大臣に就任いたしましたときに、公共事業の見直しということで与党等々見直しをいたしまして、公共事業の中止をいたしました。そしてそのときに、変な話ですけれども、そのときの建設省自体も自らも見直そうではないかということで、建設省自体がそのとき三十四公共事業を見直し、そして与党が百五十三ということで、これ、与党と建設省合わせまして百八十七の事業の見直しをしたんですね。
 その見直しをする手段はどういう手段を取ったかといいますと、これは全国の、少なくとも公共工事をしますときに各地方の事業評価監視委員会を設定して、そこで委員会の決定を見て事業認可するわけですから、同じ手法を取ろうというので、全国で三百回この事業評価監視委員会に諮って、もう十、十一、十二、この三か月間で全国で三百回の委員会を開いていただいて、御了承いただいて中止したという手法を取りました。
 私は、やっぱり事業認可するまでにそれだけの手法を取るわけですから、中止しますときにもやっぱり、それだけの皆さん方の御苦労をいただいても、私は委員会の手続というものを取って、そして中止すべきであろうと。その手続がなしに、これは無駄だよ、要りませんよと言って、そうしたらだれが住民の生命、財産を保障するのかと。
 冒頭に申しましたように、岡谷市の皆さん方は、市長がおっしゃるには、地下水を飲料水にしている、その地下水を飲料水にしているのを検査を受けたところが、この岡谷市の地下水は七一%で発がん性の物質でありますトリクロロエチレンというものが含有している、ですから我々は何としても早くダムを造ってきれいな水を市民に与えたいと。そういう本当に正に生命、財産にかかわるような陳情も私受けておりますので、意見は意見として、そういう手続をきちんと取って、ダム建設のときと逆の手続を、みんなに意見を聴いて決定していただくのであれば、私は改めてそれは総意であろうと思いますけれども、今のように何の手続もなく全部中止していいというのであれば、生命、財産はだれが守るのかということを私は申し上げたいと思いますので、意見は意見として結構です、手続だけは踏んでいただきたい。でなければ、住民の生命、財産を守るということの基本理念が私は忘れ去られるのではないかというのを危惧しております。
#28
○鈴木政二君 本当によく理解をしての御発言だと今受け止めました。
 その中の節々の中にも、大臣のこの今の発言の中で、生命、財産を守る、どんな状態になっても国土交通省の総責任者としてそこの住民は助けるという、私は今の感覚の中で非常に受けた気迫は本当にすばらしいと思っております。
 ただ、これからこの問題、九月に、選挙に入り、そして結論が、結果が出て、今のお話のように、もう一度スタートに戻って、地元の首長さん辺り、地域住民と、そして、だれになるか分かりませんけれども、知事との話合いになって、忘れてはならないさっきの生命、財産、県民の幸せを国土交通省としても全面バックアップするという私は今の発言だと理解をしました。
 特に、さっきお話もしましたように、四人のメンバーの方が、国土交通省に、ふるさとを持っていらっしゃる長野県であるだけに、これから先ほど言いました一連の問題もたくさん出てきます。ひとつ注目を、見守りつつ、さっきのお話のようにきちっと国民の財産、生命を本当に守っていただきたいと思います。
 あと、十一時二分まででありますから、さっき、冒頭に言いましたように、委員長のルールの指示が、質問が長引いたと言われないようにきちっとしていきたいんで、最後、あと二点あったんですけれども、ちょっと長く掛かってしまいましたので、簡潔に二問だけさせていただきます。
 まず一点は、今の交通政策審議会の中で空港整備部会の上下分離方式であります。
 これが表へ出てから非常に各分野で、この上下分離方式のいろんな批判もあり、また賛成論者もあります。先回も、この国際拠点空港の整備の在り方や、先般の、法案も出ましたけれども、関西の三空港の問題、それから空港整備に係る財源の問題など、その中から一つの案としてこの上下分離方式が出てきたと思います。
 ひどい言い方をする人もおります。西の大きな空港のためにこの案ができたんじゃないかというような人もいらっしゃることは、そういう方もいらっしゃいます。そういう面では、基本的にこの上下分離をこれから、私は一つの案としてこれも大事だと思いますけれども、成田が一生懸命努力をしてその分を他のところに回していくという方向も、これは考え方によってはいろんな、いいかも分かりません。でも、こうするとまた成田の努力が分散されて、せっかく今、高い世界の中のこの三つの空港の中で、中部国際空港も二〇〇五年の三月に開港いたしますけれども、ある部分では着陸料をともかく世界並みに下げたい、そして利用者のために空港を持ちたいという考え方が今基準であるわけであります。
 それだけに、この上下分離方式というものに対して国土交通省はこれからどんな考え方を持っていくか、聞かせていただきたいと思います。
#29
○副大臣(佐藤静雄君) この上下分離案に対しましていろんな様々な御意見はいただいております。ちょっと申し上げますと、成田公団は、上下分離案に賛成、しかし立地コストの平準化措置については成田空港の将来の投資、環境対策等が確保されることが必要と訴えていますし、千葉県は、上下分離に対しては妥当であるけれども、剰余金が生じた場合には国庫に還付することが適切であるということを言っておりますし、関空は、上下分離案に賛成だが、立地コスト平準化も完全民営化に必要不可欠であるということも言っております。関空には更に支援が必要だということも言っています。中部は、開港前であり営業の実績がなくて年内に上下分離の参加の可否を判断することは難しいということも言っております。
 いろんな様々な御意見がございます。そういういろんな様々な御意見をお聞きしつつ、国際拠点空港の整備、運営の在り方について今後どうするのか。今、先生おっしゃったような今後の成田とほかの関係だとか、いろんなことを整理して、そしてそれぞれの皆さんの御理解を得て、これは本年度中に結論を出していきたいと、そう考えております。
#30
○鈴木政二君 この議論をすると今ぐらいの時間掛かります。また次回にさせていただきたいけれども、そのままになればなお有り難いなという気がいたします。
 最後に、フィルムコミッションなんですけれども、新しい名前かもしれませんけれども、ちょうど大臣が、今も女優だとは、元女優と言った方がいいのかな。今、大臣の中で、私の知っている限り、映画女優で、ギリシャのあの「日曜はダメよ」の女優、有名な、アカデミー賞を取った女優がやっぱりギリシャの観光大臣をやられております。ただ、今、女性の閣僚の中でどうも在籍、扇大臣は二番目に長い大臣だと聞いております。
 そういう部分で、このフィルムコミッションの制度、もう時間がありませんから詳しくは言いませんけれども、新しい文化といいますか、簡単に言いますと、各自治体や商工会議所、いろんな方々が、撮影をするロケ班がその地域に行って観光名所や、いろんなことをする中で非常に大きなメリットのある組織であります。
 佐藤副大臣にこれ通告してあるので、もう時間がありませんから、フィルムコミッションの答弁をひとつお願いしたいと思います。
#31
○副大臣(佐藤静雄君) 先生はこのフィルムコミッションの座長、議員連盟の座長をされておりますけれども、今、全国でこのフィルムコミッションを、組織を作ろうと、非常に大きく先生方の努力でもってなっております。
 私ども国土交通省というのは観光行政を請け負っているわけでありますけれども、地域づくり、地域の観光地づくり、これはこれからの私たちの非常に大きな課題だと思っています。そのためにも、映画に合ったような地域づくりをしていく、その地域の文化、歴史というものを生かしていく、そういう意味も含めまして大いにこれからやっていきたいと思っています。
 国土交通省といたしましては、平成十四年の三月、今年の三月にフィルムコミッションの業務のマニュアルを作っております。そして、映像制作にかかわる方々の、いろんな、うまくいくようにあらゆる手をやっておりますけれども、一層、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
#32
○鈴木政二君 警察庁の方も来ていただきましたけれども、ちょっと時間がなくなったので。
 大臣、じゃ、ひとつ、お分かりだから。
#33
○国務大臣(扇千景君) せっかくでございますから、今フィルムコミッションの話が出ましたけれども、私は、今現実にテレビをごらんになっておりましても、NHKの大河ドラマ、例えば今の「利家とまつ」、まつまんじゅうだとか利家せんべいだとか、もうあらゆるところで観光事業が活性化しているんですね。ですから、そういう意味で、フィルムコミッションというのを、沖縄なら沖縄へ行っていただいて沖縄でドラマを作る、そうすると沖縄を舞台にしたものができるという。私は、石原都知事が、カーチェイスの、アメリカ、見て、銀座の真ん中でカーチェイスの映画を撮ろうと。そういう、やっぱりあらゆる面で使えるものは最大限に利用すると、私はそういう時代であると思うんですね。
 ただ、それが一般の皆様の迷惑に掛からないように、普通の生活に支障を来さない程度で、私はできるならば、観光産業というものを大いに二十一世紀の第三次産業の基幹産業にしようというのが国土交通省の観光に対する熱意でございますので、是非多くの皆さんの御賛同を得て、鈴木議員も音頭を取って、是非各地域の特性というものを、私が均衡ある国土の発展よりも個性ある地域の発展と言っておりますので、そういう意味でも是非この事業、拡大していくように運動にかかわっていただければ、我々も最大限に後押しさせていただき、御一緒に活動させていただきたいと思っております。
#34
○鈴木政二君 ありがとうございました。もう時間になりましたから。
#35
○谷林正昭君 おはようございます。民主党の谷林正昭でございます。
 通常国会もいよいよ終わろうとしておりますが、私、この委員会で本当にたくさんの勉強をさせていただきまして、質問もさせていただきました。いよいよ締めくくりになるわけでございますけれども、その中で一つ、どうしても発言をさせていただいて、そして、どういう思いで私の話を聞いていただけるのかなという、そういうことを少しお話をさせていただきたいと思います。
 それは、昨年の十二月の三十日に明石市の大蔵海岸で人工の砂浜が陥没をして、当時四歳の金月美帆ちゃんが生き埋めになりました。御両親の願い、看護むなしく、五月の二十六日に正に小さな命が消え去った、そういう思いで質問をさせていただきますけれども、そのときに、いち早く大臣はこの委員会で哀悼の意を心から表されました。私は、ああ、やはり気持ちというのは通じるものだなというような思いでそのお話を、哀悼の意を聞かせていただきました。
 昨日、お父さんにお電話をいたしまして、明日質問の機会がありますから、お父さんの気持ちを言ってもいいですか、お母さんの気持ちを言ってもいいですか、こういう連絡を取りましたところ、是非機会があれば言ってくださいと、こういうお許しもいただきました。
 四十九日も終わりまして、お母さんは、一つの自分で区切りを付けたいという思いかどうか分かりませんが、朝日新聞に自分の思いを投稿をされました。そのときに、一番、ここにもありますが、印象に残っているのは、その地域を立入禁止にしていただいていたら、立入禁止になっていたらこうならなかったんではないかという、残念無念の思いを寄せられております。
 一方、お父さんは、そういう思いをしっかり国土交通省や国や市、そういうところに持っていただいて、こういう事故が起きたからこれからはこういう開発はやらないんだ、こういう事業はやらないんだ、そうではなくて、今、国民が本当に安らげる場所、憩える場所、そういうところをもっともっと作ってもらいたい、この事故を機会に、より安全で、そういうものをもっと作ってもらいたい、こういう思いを私にも打ち明けております。
 お通夜の日に、天台宗の御住職のお勤めが終わった後、講話がありました。そのときに、私は非常に心に残ったお話ありますので御紹介をさせていただきますが、その御住職は、戒名を付けるときに、美帆ちゃんが四歳で、そのときは五歳でしたが、どういう思いで息を引き取ったのか、どうしても戒名が付けられない、そう思ったときに、その現場である大蔵海岸へ孫娘と、ちょうど年ごろは同じくらいで、その孫娘と大蔵海岸へ行った。そして子犬と戯れるその孫娘の姿を見て、正に家庭の幸せ、そして人間の幸せというのはこういうところにあるんだな、そういう思いがした。そして、より美帆ちゃんの気持ちを大切にするならば、すばらしいこういう憩いの場、安らぎの場を美帆ちゃんはこれからも望んでいるだろう、そういう思いで戒名を付けさせていただきましたというお話がありました。そして、すばらしい、そしてみんなで楽しめる、そしてそういう海を、日本は海に囲まれております、海を大切にしてという思い、そして、美帆ちゃん、美しい船の帆と書きます、正に小さな船に乗って、小さな帆を立てて、この明石海岸から独りひそかに旅立ったんだなという思いで、善楽美潮童女という戒名を付けました、こうおっしゃいました。善、善い、善悪の善、楽しい、そして美しい、そして潮、正に美帆ちゃんの気持ちはこういうところにあるんではないか。だから、こういう事故を教訓に、もっと安全なそういう場を作ってもらいたい、あるいは増やしてもらいたい、あるいはそういう場を利用してもらいたいという美帆ちゃんの気持ちを是非皆さんで大事にしていきましょう、こういう御住職の講話がありました。いまだに私は心に残っておりますし、お父さんも、その戒名を私はもう一度昨日ただしました。そのとおりです、恐らく美帆はそういう思いで小さな船に乗って帆を立てて海岸からそっと旅立ったんではないか。
 そういう思いもありますので、一点は、大臣の所感を、私はくどくど申し上げましたけれども、もしあれば聞かせていただきたい。ビデオに撮ってあります、この。それをお父さんに見せてあげたい、家族に見せてあげたい。そして、これからの対応を正に真摯にお互いに話し合いたい、そういう思いになれるような、もしお気持ちがあるんでしたら御所見を聞かせていただきたいと思いますし、あの大蔵海岸のようなすばらしい憩いの場、安らぎの場、国民が安心して利用できる、そういう場を今後も事業として私は続けていただきたいと思いますし、その思いを、もしあれば聞かせていただきたいというふうに思います。
#36
○国務大臣(扇千景君) 今、谷林議員からるるお話がございました。何度もこの委員会で取り上げていただきました。また、私があんなに御全快を念じながらも、美帆ちゃんは旅立たれてしまわれたと。何としても私はお通夜かお葬式に出席できると思っておりましたら、関西でなさるということで、東京から、どうしてもスケジュールが取れなくて、お葬式に参列することができませんでした。残念な極みでございましたし、申し訳ない気持ちで一杯でございました。
 そして、あんなに親子で楽しい思いで、しかも私、兵庫県出身でございますから、この大蔵海岸というもの、また私はもう少し手前の須磨というところでございますけれども、生まれましたのが須磨でございまして、これもきれいな海岸というのが、神戸では有名な海岸でございます。本来は親子で一番楽しい思いをするはずのところでああいう事故に巻き込んでしまったという責任感と申し訳なさと、そして一転にしてこの金月さんの御一家にこんなに多くの負担を与えてしまったと。
 それからもう一つ、明石市のホームページがございます。その明石市のホームページを拝見いたしましたら、そのホームページの中で、文書で、打ち寄せるこの波の中で本当に大喜びして砂山を作ったと、作りたいと言った美帆ちゃんの気持ちを御家族が明石市のホームページに掲載されています。これを見たときに胸の詰まらない人はありません。
 そういう意味では、我々は、先ほどもいろいろお話ございましたけれども、本来、国土交通省、陸海空、どんなことがあっても安全というものを第一ということで口を酸っぱくして言っておりますにもかかわらず、こういう犠牲者を出してしまったということの残念さ、そして、今お母様のお話ございました、どうしてこれが立入禁止にできなかったんだろうかという、私もざんきの念で一杯でございます。
 けれども、帰ってこない美帆ちゃんのためにも、何としても今後二度とこういうことがないように、本来の楽しむべき、また一番生涯の印象に残る親子の海岸での思い出というものが作れるように我々は心していかなければいけませんし、また、すぐ全国に点検を指示をいたしましたけれども、二度とこういう過ちを犯さないように、なおかつ地方自治体と私は国との連携というものがいかに大事であるかということも反省材料の一つでございます。でき上がって地方に渡してしまえばそれまでというのではなくて、国と地方との分担というものの連結を良くして、私は災害の起こらない防波堤に今後していかなければならない、心から、幾ら申し上げても切りがございませんけれども、この残念な結果に終わった金月美帆ちゃんの御冥福をお祈りしたいと思いますし、また、善楽美潮童女というこの戒名を付けられた僧侶の思いが、今後我々に肝に銘じて仕事に当たるようにしなければならないと思っております。
#37
○谷林正昭君 どうもありがとうございました。是非、大臣の気持ちが正に政策に生かされる、そして安全なそういう場所を作っていく、心から期待するところでございます。
 次の質問に入らせていただきます。
 ひまわり五号が寿命が切れてもう三年近くになります。気象衛星、国民はだれしも天気予報や、あるいは天気予報というのはもう生活の一部になって大変期待をされているわけでございますけれども、二年前に私は質問をいたしました。当時、森田大臣でございました。ひまわり五号の後がまを打ち上げた。しかし、それが失敗に終わった。そういうときに大丈夫ですかという質問をいたしました。何とかしなきゃならないという御答弁もございまして、十四年の年度末に打ち上げられる計画だ、こういう御答弁をされました。十四年の年度末、十五年の二月ごろに上げるという予定でありましたが、これがどうも今延び延びになっているというふうに聞いております。
 そこで、聞くところによりますと、アメリカの衛星を借りてその補完に充てるというようなことも調印がされて、閣議で決まった、調印がされるというような話も聞いておりますので、是非ここら辺り、国民が安心できる、信頼できる天気予報ということがポイントになってくると思いますし、これからますます台風のシーズン、夏から秋に掛けて、そして今度は豪雪、雪のシーズンになります。天気予報というのは正に国民にとってはなくてはならない時期になってまいります。そういう意味で、一つは今ひまわり五号についての現状をお聞かせいただきたいと思います。
#38
○政府参考人(山本孝二君) お答えいたします。
 ひまわり五号でございますが、先生御指摘のように、設計寿命の五年を超えた運用を行っているところでございますが、軌道制御用燃料の節約だとか、南半球の観測範囲の一部縮小だとか、我が国の雲画像の取得のために必要な措置を講じておりまして、現在のところ我が国の気象業務への支障は生じておりません。
#39
○谷林正昭君 今のところは大丈夫だというお話でございました。
 それじゃ、今後の打ち上げ予定ですね、MSATというんですか、あれは。MSATですね、MSATの打ち上げ予定を聞かせていただけますか。
#40
○政府参考人(山本孝二君) ひまわり五号の後継機でございますMTSAT、運輸多目的衛星でございますが、これについては平成十五年度夏に打ち上げるよう鋭意準備を進めているところでございます。
#41
○谷林正昭君 十五年度の末ということになりますと、まだまだ日が、時間があるわけでございまして、その間に本当にひまわり五号がもつのかなということになろうかと思います。先ほどちらっと触れましたけれども、アメリカ衛星を借りるというお話、少し詳しく聞かせていただけますか。
#42
○政府参考人(山本孝二君) お答えいたします。
 ひまわり五号については、先ほどお答えしましたように、当面我が国の気象業務に支障のない運用が行われると見込んでいるところでございますが、仮に運輸多目的衛星の打ち上げまでの間にひまわり五号に不具合が生じる可能性もないわけではございません。このため、大臣の御指導の下に、米国の静止気象衛星ゴーズを西太平洋域の観測に活用できるよう日米政府間で本年五月に協定を結びました。これによりまして、ひまわり五号に万が一不具合が生じたときにはアメリカの衛星を活用することが可能になってございます。
 このアメリカの活用について、現在所要の地上設備等の整備を進めております。これらの措置によりまして、ひまわり五号、ゴーズ、運輸多目的衛星と、一連の衛星によりまして継続的な地球観測が可能であるというふうに考えているところでございます。
#43
○谷林正昭君 どうもその辺がもう一つすっとつながっていかないような正直言って思いがいたします。それは、大前提はひまわり五号がこれからも支障なく動くという前提で次の段階を今計画をされていると、そういうふうに受け止めさせていただいているんですが、そこら辺りひとつ、それは間違いなくひまわり五号はこれからももうしばらくは大丈夫だよという保証はないと思いますけれども、しかし、そこら辺りの、国民から見て信頼できる天気予報、信頼できる気象観測、そういうことを是非この後もお願いしたいなというふうに思うわけでございますので、ここはひとつ国民に安心感を持ってもらう意味でも、あるいは国民から天気予報もこれからも信頼してもらいたいというそういう気持ちも含めて、大臣、御所見があれば聞かせていただきたいと思います。
#44
○国務大臣(扇千景君) 今の谷林議員の御質問ですけれども、特に今年はなぜか台風の当たり年ではないかと言われておりまして、本来は今ごろまだ台風が二つぐらいしか来ないはずなのに、もう豪雨をもたらすというような、今年はひょっとしたら台風の当たり年かなと、これからどうなるんだろうかと。秋までの台風シーズンがうんと続くんじゃないかなんて御心配もあろうと思いますし、また、今、議員がおっしゃいましたように、こういうときは冬もきっと豪雪になるんではないかと、またこういう心配もなきにしもあらずということで、そういう意味ではこの静止気象衛星というものの重要性、また、日本の地形から考えて、本当に台風の軌道の上にいると言っても間違いないくらいいろんな台風がやってまいりますので、少なくとも私どもはこの自然災害から国民の安全を確保したいということで、東南アジア、オーストラリア等の諸外国の気象業務のためにも日本が上げております静止気象衛星は他国にとってもなくてはならないものになっております。けれども、現段階で、平成十一年の運輸多目的衛星の打ち上げの失敗、これは本当に残念なことでございましたけれども、気象衛星ひまわり五号がその寿命であるものを、今、谷林議員がおっしゃいましたように、五年を超えて運用せざるを得ないという苦しい状況にあることだけは事実でございます。
 たまさか寿命が来ていても使えているからいいようなものでございますけれども、そういう意味で、今回の台風シーズンや冬季の今おっしゃいました豪雪があるであろうと言われるような時期に対しまして、新たな静止気象衛星を打ち上げるまでの間、バックアップ体制としまして、今、長官から申しましたように、本年、私が、アメリカのエバンス長官が日本においでいただきまして、これは総理の前ででございましたけれども、小泉総理がお立会いいただきまして、エバンス長官と交渉を行いまして、米国の静止気象衛星でありますゴーズを利用するということの合意をいたしました。これが可能となりました。そのおかげで、これからも、十五年度夏に予定されております次期の衛星の打ち上げまでの間に観測の万全を期すということでアメリカの合意が得られたということは、私、エバンス長官は本当に喜んで、ああ、いいですよと言っていただいたということも御報告申し上げながら、万全を期していくことに、今気象庁の長官がおっしゃったとおり、私どもも手を打っておりますので、どうぞ御安心いただいて、そして国民に確実な情報を提供し続けていきたいと思っております。
#45
○谷林正昭君 どうもありがとうございました。是非、気象庁そして国土交通省としまして万全の体制を取っていただきたいというふうにお願いをさせていただきます。
 次の質問に入らせていただきます。
 先ほど大臣の方からも少しちらっと触れられましたが、均衡ある国土の発展、それも大事だけれども、個性ある都市の発展というような話も出てまいりました。そこら辺りはもう少し後ほど触れさせていただきますが、私が今ちょっと心配しているのは、今年のこの百五十四国会におきまして、正に小泉総理が、目玉商品かどうか分かりませんけれども、都市の再生というものを盛んにおっしゃる、そして都市の再生するための法整備が幾つも幾つも出されました。
 都市再開発法あるいは都市再生特別措置法、あるいはマンションの建て替え法あるいは首都圏整備及び近畿圏整備法の改正、建築基準法の改正あるいはハートビル法の改正あるいはPFI法案、いろんな形でいろんな角度から都市を活性化させるという施策が取れる体制がもう私は整ったというふうに思っておりますし、やっていかなければならないというふうに思っております。
 そこで心配をされるのは、都市の活性化、都市の再生ということになれば、そこに人が集まらなかったら再生にもならないし活性化にもならない。ところが、今後人がだんだん減っていく時代にあって、人を集めるためには外国から呼ぶか地方から呼ぶか、これしかないと思います。そういったときに、私が申し上げたいのは、都市の活性化も非常に大事だ、一方では地方の活性化、地方都市の活性化、これは東京のまねをしてミニ東京を地方地方に作るんではなくて、正にその地方に、東京へ出ていく人は東京へ出ていく、大阪へ出ていく人は大阪へ出ていく、いわゆる都市へ出ていく人は都市へ出ていってもいいんです。しかし、残った人たちが、地方の人たちが地方で正に心豊かに過ごせるような、そういう地方都市づくり、こういうものが私は大事ではないか、そういうふうに思っておりますので、まず一点お聞かせいただきたいのは、この都市集中化施策と同時並行に進めなければならないというふうに思いますこの地方の活性化対策、これについて国土交通省としての基本的考えをお聞かせいただきたいと思います。
#46
○政府参考人(澤井英一君) ただいまの先生の御指摘は、東京と地方都市、それからもう一つは都市部とその周辺の都市部以外の地域、その二つの側面であろうと理解申し上げまして、まず都市再生全般について申し上げますと、都市再生法の審議のときにもいろいろと御議論ございましたけれども、都市再生自身は、我が国の都市を各都市の有する歴史や文化を継承しながら生活する上でも豊かで快適な経済活力に満ちあふれた都市へ再生しようとするものであり、大都市のみならず地方都市も対象として各々の都市の有する課題に応じてその推進に努めているものであります。
 こうした観点から、地方都市の多くが抱える中心市街地の活力低下、鉄道等による市街地の分断といった課題について引き続き全力を挙げて取り組みますとともに、都市再生本部におきましても全国都市再生のための緊急措置という決定をいたしておりまして、これを踏まえまして、例えば地方都市の交通結節点等における新しい展開を促す意欲的な取組について今後更に重点的な支援を行っていきたいということも考えております。
 また、一連の法制度の整備につきましても、例えば都市計画法で提案制度あるいはNPOを始めとするまちづくり活動への支援、これは全国の都市で多様な主体の参加の下にこれからのまちづくりが行われるようにという趣旨で行われたものでありまして、こういった一連の法制度の整備も御指摘の地方都市の活性化に資していくというふうに思っております。
 また、都市部以外の地域も含めまして、それぞれの地域の有します歴史とか自然のような地域固有の資源を生かしながら地域地域の活性化を図っていくという観点からは、基本的にはまず快適な居住環境、生活基盤といったものの整備を始めといたしまして、豊かな生態系、自然の保全、再生、都市とそれ以外の地域との交流を促進するための交流基盤あるいは交流拠点の整備、さらには交流イベントへの支援などを行っておりまして、こうした施策を更に推進していきたいというふうに考えております。
#47
○谷林正昭君 私は、やっぱり地方というのは、ゆとりのある町あるいは憩える町、そして正にここに住んでよかったなという町、こういうのが私は地方の魅力だというふうに思います。都市は都市でまた魅力があります。やはりこれからの施策は、先ほど大臣が触れられましたけれども、個性あるまちづくり、特徴あるまちづくり、こういうものが私は非常に大切になってくるんではないか。そのためには、地方の魅力を是非引き出すような、あるいは地方がその地方で自分たちでもこういうことができるんだ、そういう魅力を引き出せるような施策というものを是非、地方分権の時代になったとしても、やはり私は国の政策というものが一つの大きなよりどころになってくる、こういうふうに思っておりますので、是非そういう政策を進めていただきたいと思いますし、地方の要望、ニーズ、こういうものもこれからそうなってくればいろんなニーズが出てくるというふうに思いますので、そのニーズにこたえられるような体制づくり、これも必要ではないかなというふうに思っております。
 そこで、大臣にお尋ねするわけでございますが、これまで、日本列島、非常に北から南まで長い、そして島もある、いろんな山もあるところがあるわけでございますが、そこに住んでいる人たちは、やっぱり一つの大きな柱として均衡ある国土の発展、これを目指しながら、あるいはそれをよりどころにいろんな税金投入や社会資本整備、こういうものが行われてきたというふうに思います。
 私は、まだまだそれが完成していない、均衡ある国土の発展という、そういう大きな柱は私はまだ捨てるべきではない、こういう思いを持ちながら大臣にお尋ねするわけでございますけれども、この均衡ある国土の発展から正に個性ある都市の発展、地方の発展、こういうふうに国の方針が私は転換したとは思いません。また、まだ今転換させるべきではないと思います。しかし、均衡ある国土の発展という考え方の上に、その個性ある都市、都市づくりあるいは特徴あるまちづくり、都市づくり、こういうものが大切ではないかというふうに思いますので、是非、大臣の方から、この均衡ある国土の発展という考え方は堅持する、その上に立って新しい発想として個性ある都市づくり、こういうものが生まれてくるんだというような考え方を私は持っているんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#48
○国務大臣(扇千景君) おっしゃる意味はよく分かるんですけれども、私、昨年、国土交通省、一月の六日に発足いたしまして、四省庁統合したものですから、この国土交通省の在り方というものを探るために、全国十ブロックに分けまして全国を回りました。そのブロックごとの知事さん、そして指定都市の市長さん、財界代表を集めまして、全部、全国回ってお話を伺いました。
 そのときに私は大変びっくりしたのは、隣同士の知事さん同士でも一対一で話し合ったことがないという地域、ブロックではもちろんのこと、そういう意味では私は大変大きな勉強をさせていただきました。
 そして、一堂に会して話を聞きますと、本当にびっくりしましたことは、例えば例を挙げさせていただきますと、四国四県の知事さん、集まられましてお話を聞きました。扇さん、これ四国が四県じゃなくて一県、四国県という県だったら、北海道開発庁と同じように四国開発庁ってできていたでしょうね、そうするともっと四国は早く良くなったんじゃありませんかねと、こういうお話、例えばそういうお話もあったり、例えば九州は一つということで、九州全県の知事さんがお集まりになって、これからの公共工事は順序も地域で選択させていただきたい、飛び飛びに高速道路ができたり新幹線ができたのでは利用度がない、自分たちで順番につないでいきたい、大変私は、九州は一つという考え方で我々は協力しますとおっしゃいました。
 そのように、私は全国歩いていきますと、皆さん、公共工事は無駄だと言う方もあります。確かに今まで無駄もあったかもしれません。けれども、全国歩いてみると、そういう地域の発展をブロックでやっていこうという大変意欲に燃えた地域がたくさんあるにもかかわらず、横の連絡が悪かったと。
 しかも、今、谷林議員がたまたまおっしゃいましたリトルトーキョーをいろんなところへ作っては意味がない。それと同じで、どこへ行ってもいろんなところで、私、商店街へ行くと、何とか銀座というんですね、上に地域の名前は付いていますけれども、銀座が付いている。何とか銀座商店街と、どこへ行っても銀座があるんですね。それも私もやっぱりもっと個性があっていいと思いますし、そういう意味では、新幹線の駅へ止まっても、今どこの駅へ止まったかというのは分かりませんよね。みんな同じようなビルに囲まれた大都市、中都市ばかりではこれは困ると。
 我々が、少なくとも、国土交通省、観光も受け持っておりますので、あそこへ行けばこれがある、外国のお客様にも日本人にも是非あれを見ていただきたいと言えるようなそれぞれの地域の特性というものがあるんですけれども、その特性が余り知られていないというか、単発であってそのつながりがないということも含めて、私は実感として、国土づくりというものは、均衡ある国土の発展というのは、衣食住足りないときに何としても衣食住足りようという目標はあったことは事実です。けれども、今やそれが全部、今たまたま谷林議員御自身がおっしゃったように、リトルトーキョー的なものが全部できたのでは何の魅力もありません。そういう意味では、私は何としても、均衡でどこを切っても金太郎あめじゃなくて、それぞれの個性のある地域の発展があれば、もっと私は多くのお客様を呼び、また地域の個性の発展によって経済の活性化が進むであろう、都市づくりもそうでなければならないと。
 そして、いろんな人が住むのにも選択ができると。あそこに行きたい、ここに住みたい、今はこうだけれども、東京だけれども、老後になったらあそこへ行きたいというような私は個性ある地域の発展というものを願って申し上げているので、なおかつ、二十世紀のハードの世紀と違って、二十一世紀はソフトの世紀ですから、環境とバリアフリーを考えれば、おのずと老齢社会で対応できる、そういう受皿を作っていくのが国土づくりの基本であろうと思って、今国土交通省でやったことのないことも手を付けているというのが現実でございます。その手法は長くなりますので失礼いたしますけれども、そういうことに手を付けているのが国土交通省の今の現状でございます。
#49
○谷林正昭君 今、大臣の方からすばらしい持論を聞かせていただいて、そういう施策がそういうふうに動いているというのがすごいんですよ。これまででしたら惰性で税金の配分、そういうようなことがあったかも分かりませんが、今、大臣がおっしゃったように、私はこういう国を作るんだ、大臣になったからこれはこうやるんだという、そういう思いがにじみ出て、別にごまするわけじゃありませんよ、私。そういう気持ちが国民に伝われば、国民はやはり地方を大切にしながらまちづくりに励む、あるいはいろんなアイデアを出し合う、こういうふうに私は感じさせていただきました。
 しかし、一点だけこれは触れさせていただきますけれども、衣食住足りてというところまでまだ行っておりません、地方は。その辺を少しまた考えていただきたいなというふうに思っております。
 次に、質問に入らせていただきます。
 九州南西海域不審船事案、これ正式名称だというふうに聞いておりますが、今、東シナ海の方で不審船の引揚げが始まっております。
 なかなか、早く揚げればいいのに、なぜすぐ揚げないのというような大臣のお気持ちも当時よく伝わってまいりました。そしてまた、国民も、早く揚げなきゃ、そしてもしどこかの国のものであったら対応を早くしなきゃ駄目なんじゃないかと、こういう国民の声もありました。ところが、なかなか政治的、外交的に難しい面もあったかどうか分かりませんけれども、ようやく、しかもそれは大臣が内閣と掛け合って、今やらなかったら、七月一杯に揚げなかったら大変なことになると言って強硬に掛け合われたという話も漏れ聞いております。
 そういうようなこともありまして、一方ではそれは台風が来ぬ間にというのがあったんですが、それにまた台風がちょうどまともに来たということもちょっと皮肉な面もあるわけでございますが、まず、なぜこれまで遅れたのか、なぜ今の時期になったのか、これをお聞かせいただきたいと思います。
#50
○政府参考人(縄野克彦君) これまでのあらましの行程を申し上げますと、引揚げの作業の前に水中カメラで船の場所を確認をしました。これは二月の末に行いました。それで、潜水士を使って船の外観を確認をする、つまり引揚げに耐えられるかどうかということの確認をするための作業、これは気象、海象の条件が満たされることが必要でございまして、波の高さとか、風の、潮流の速さ、そういうものが満たされる時期を待って、それを踏まえて四月に中国と調整を始めました。その結果を踏まえて、五月の初めに潜水士による船体の調査を行いました。その結果を、専門家の意見も含めまして、技術的に引揚げが可能かどうか、どのような方法で引き揚げれば安全に引き揚げられるかという検討を行いました。その検討を行いつつ、中国にその結果を踏まえてこのような形で引揚げをしたいということの説明を尽くし、そして六月に説明に対する理解が得られたということで、政府として引揚げを決定し、その予算を確保し、六月の二十五日に引揚げの作業を開始したところでございますけれども、その後のことにつきましては、先ほど委員御指摘にございましたように、三日間作業を行いましたけれども、最後の作業を行いましたのは七月一日でございまして、それ以降二十一日まで作業が中断をし、今再開をしておるというところでございます。
#51
○谷林正昭君 中国との約束は七月一杯に完了すると、大体そういうような約束だったというふうに思いますが、いかがですか。
#52
○政府参考人(縄野克彦君) 天候が全く支障がなければ、つまり一番楽観的なスケジュールを想定した場合に、六月の末に着手をすれば七月中に完了するということでございました。天候に左右される、支障を生じさせられればそれが延伸せざるを得ないということは中国に説明をしておるところでございます。
#53
○谷林正昭君 漁業補償だとか、そういうことはちょっと横に置きますけれども、長引けば長引くほど経費もかさむというふうに思います。国民から見れば、それは気象条件でこれはできないんだからやむを得ないという、そういう気持ちは分かるわけでございますが、その経費、どれぐらい掛かるものかなというのもやっぱり国民の関心事だと思いますし、延びればまたそれが増えるんだろうというふうに思いますが、その経費の関係についてお聞かせいただきたいと思います。
#54
○政府参考人(縄野克彦君) 六月二十一日に、閣議において、予備費として、この費用についての予算措置、言わば枠でございますけれども、この予算措置が講ぜられました。実際にはこれを、作業を終わった後、サルベージ会社との契約に基づきまして、実際の作業を私どもが精査をした上で、その予算措置に基づいて支払うという結果になります。
 その内容は、御承知のように、総額五十八億八千四百七十四万五千円でございます。これは、具体的な中身は、その作業船の装備の取付け、改造、それから現場で障害物の除去作業、それからワイヤを取り付けるための、海底に穴を掘りますが、穴を掘る作業、それからワイヤを通してつり上げをする作業等々を含めて五十八億円ということでございまして、今、先生お尋ねの一定の気象条件で作業ができない、その作業ができない日における最低限の費用、彼らがそこで待機をして、作業部隊が待機をしているわけでございますので、それらの費用も見積もった上での経費でございます。
#55
○谷林正昭君 引揚げ、気象状況にもよりますけれども、私はやっぱり早く、今作業に入っていますから、引き揚げていただいて、そしてどこかに、抗議するべき事項が分かってくればやっぱり抗議をしっかりやる、こういうものが大事ではないかなというふうに思います。
 引揚げ完了、今の、このままスムーズに、また台風来ていますね、また大きいのが来ていますからちょっと心配なんですけれども、引揚げの完了の見通し、あれば、大体幅だと思いますが、聞かせていただきたいなと思います。
#56
○政府参考人(縄野克彦君) 当初の想定では、先ほどお話が出ましたように、六月末に作業開始をして、全く順調に進めば七月中にという想定でございました。それが、七月一日から二十日までの間、中断をしてございます。約二十日近く中断をしてございます。そのずれ込んだ分は何らかの形で、安全を確保しつつでございますけれども、取り返せるものは取り返しながら頑張って、できるだけ速やかに引き揚げられるよう、全力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
#57
○谷林正昭君 大臣、この不審船引揚げについて、何か御所見あれば聞かせていただきたいと思いますが。
#58
○国務大臣(扇千景君) 私は、やっぱりこういうことがあるたびに、我々は日本の国として近隣諸国と絶えず連携を持って話し合っておくべきであると。それが、前海上保安庁長官当時から、ロシア、韓国、中国等々と話合いをしておりますけれども、私は、もし逆に、日本のEEZに逆のことが起こった場合にはどう対処するのか、そういうことも含めて、私はふだんからこういう危機管理というものに対しての対処の仕方、それを近隣諸国と絶えず作っておくべきだということで、今度も縄野長官に御尽力いただいて、私はロシアも含めてのこの対話をしていくと。そして、お互いに危機管理のときにはどうするか。
 また、正直申し上げて、今回のように戦後初めて銃撃を受けたという、皆さん方の生命の安全というものをどう対処していくのかと。揚げてみなければ、相手がどのような装置をしていたかによって、それに対応できる設備あるいは装備をするということだけでは私は済まないと思います。エスカレートしていったらどうするのかということになりますし、また、そういう意味では海上保安庁と自衛隊とのすみ分けの仕方、これも今回はこれを教訓としてよく打合せをさせていただきました。
 これを私は契機に、本当に改めて日本近海の漁船の皆さん方の安全、そして日本近海でそういう重武装した不審船が往来しているというこの危機感、そういうものも払拭できるように、私たちはこれを機に万全を期す体制を作っていく、そうでなければ何の意味もないと思っておりますので、そういう意味で、船を揚げて徹底的に検証し、近隣諸国と話し合う、こういうアンテナを張っておきたいと思っております。
#59
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 正に領海防衛は国土防衛ということになると思いますので、領海を守る、それが国土を守る、そういうような状況を、是非国民の信頼をかち得るような、そういう組織にしていただきたいと思います。
 次の質問に入ります。最後の質問になります。
 実は、平成十五年九月一日から実施されるんですが、道路運送車両法の保安基準の一部を改正する省令というのが平成十三年の八月三十一日に出されております。
 簡単に言いますと、今、大型トラックが一つ高速道路で事故を起こせば大変な状況になる。そういうことを防止する意味でも、大型トラック、八トン以上のトラックは、あるいは五トンの積載トラックは時速九十キロ以上出ないような、そういう装置を付けようと、実はこういうふうに決まっております。考えてみると大変すごい安全、省令だと私は思いますよ。とにかく、アクセル踏んでもそれ以上スピードが出ないという、そういう車にするんですから。
 ところが、それが一般国民の人たちには余り知られておりません。また、そこで私が心配するのは、一般国民に対するアピールがなかった場合どうなるかといいましたら、大体高速道路の交通の流れはトラックが作っているんですね。トラックがどんどんどんどん走る、そこへ乗用車が追越しを掛けながら、トラックを追い越していきながら大体流れがスムーズにできると、実はそういうような状況になっていると私は思います。
 そこで、まず一点お聞かせいただきたいのは、この義務化に当たって猶予期間、もう三年、二年前に決めておりますから猶予期間なんというのはないんじゃないかなと私は思いますが、猶予期間があるのかないのか、それから新車というものには必ずこれが付いているのかどうか、それをお聞かせいただきたいと思います。
#60
○政府参考人(洞駿君) 大型トラックに対しますスピードリミッターの装置義務付けにつきましては、昨年の八月に道路運送車両の保安基準を改正しまして、平成十五年、来年の九月一日以降、緊急自動車とかあるいは最高速度が九十キロ以下の自動車、例えばじんかい車とかミキサー車とか、そういうのがございますけれども、そういった車を除くすべての新車、これが大体年間約四万台ぐらい出てきますけれども、そういうものに適用されるということになっています。また、この義務付けは使用過程車、余り古いものにはこの装置は付きませんが、使用過程車にも適用することになっておりまして、これが約四十万台ほどございます。
 これにつきましては、トラック事業者の負担の軽減、一台スピードリミッター二十万円ぐらいすると言われておりますけれども、そういった負担は一気に単年度で全部換えるということは到底なかなか負担に耐えかねる部分がございます。それから、メーカー側の部品の供給でありますとか装置の取付けを行うための体制の整備等を考慮いたしまして、平成十五年の九月から、これは登録の年度によって変わってきますけれども、三か年の経過措置でならしてこれを換えていくというような措置を順次適用していくという考えでございます。
#61
○谷林正昭君 技術的な話は別にいたしまして、私が心配するのは、交通の流れが乱れる、そのために逆に事故が多くなるんではないかという心配もしておりますが、相当の研究をされたというふうに聞いております。研究のされた結果、これは付けた方がいいという、そういう判断だというふうに思いますが、研究された結果、結論、それをずばり聞かせていただけませんか。
#62
○政府参考人(洞駿君) おっしゃるとおり、このスピードリミッターを付けるにつきましては大変な規制になるわけでございますから、このための研究会というのを作りまして、関係のトラック運送事業者、それから学識経験者、メーカー等々から成る研究会を作りましていろいろ議論を行いました。
 特に、高速道路におきます大型トラックの事故の被害の深刻さ、そしてそれがほとんどが追突によるもの、そしてそれがほとんどが八十キロを超えるスピードを出していたというそういうことから、またEUにおいては平成六年からこういう規制が一般的に行われていまして、事故軽減に対する効果というのが非常にあるというような報告等も受けておりまして、そして関係者の了解を得て、また国民の皆様方のパブリックコメント等々を通じて、皆様方の御意見を伺ってこれをやろうということで、腹を決めて省令を整備したということでございます。
#63
○谷林正昭君 是非、国民への啓蒙活動、これも大事だというふうに思いますので、要望して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#64
○委員長(北澤俊美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#65
○委員長(北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を再開をいたします。
 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#66
○池口修次君 民主党・新緑風会の池口でございます。午前に引き続き、御審議よろしくお願いをします。
 今日は一般質問ということで、ちょっと分野はそれぞれでございますけれども、大きく三点ほどお聞きをしたいというふうに思っております。
 一つは、少し時間がたっておりますが、四月二十五日か二十六日の新聞報道がされた中身で、首都高速道路の橋脚の疲労亀裂が見付かったという報道がされております。中身としては、一九九七年の点検で、これは安全点検と言われているようですけれども、初めて見付かって、二〇〇〇年度のときに臨時で細かく点検をしたら二千五百本の橋脚のうち五百六十本に亀裂が見付かった、補修工事が必要なのが十六本あったという報道がされております。
 私、この新聞を見たときに阪神の地震の件が思い出されまして、本当に地震があったときに大丈夫なのかという感想を持ったわけでございまして、二十六日の会見で扇大臣もこの点について公表が遅れたということについて残念であるというような趣旨の発言がされたというふうに新聞では報道はされております。
 少し以前の話になるんですけれども、この件につきまして扇大臣の御所見をまずお聞きをしたいというふうに思います。
#67
○国務大臣(扇千景君) 午前の御質疑に引き続いてのことで、すべて同じことなんですけれども、我々は安全、安心をモットーということ、陸海空含めてと午前中も申し上げました。
 その中で、私は今、池口議員が御指摘の首都高速の橋脚の亀裂、これは本当に私、今私が少し発言したという報道によりという池口議員の御発言でございますけれども、この経緯を見ましたら、平成九年にやっぱり見ているんですね。平成九年の十月には微細な損傷を発見と、こうあるわけです。そして、十一年の、二年後ですけれども十一月、疲労による損傷と判明、数ミリ程度のクラックの進展を確認と、こうあるわけです。
 それで、私が申し上げましたのは、いろんな原因はあろうと思います。単純なことで起こったわけではなくて複合的な原因があろうと思いますけれども、検査してなぜ報告をしなかったんですかと。検査して何事もなければ報告しないでもまだ了としても、検査していささかなりとも何かあったらなぜ報告しなかったんですかということで私が怒ったということで、今私ここで記者会見の議事録を持っておりますけれども、なぜ検査しているんですか、検査報告はなぜ正直に言わないんですか、そんな報告して対処しないんだったら検査する必要ないじゃないですかとまで私は言って怒ったというのが事実でございまして、その理由につきましてはいろいろございますので、これもきちんと鋼製の橋脚補修検討委員会、これは専門的なことでございまして、とても私のような素人には分かるわけございませんので、この検討委員会で、委員長には三木千壽氏という東京工業大学の工学部の土木工学科教授になっていただきまして、あと委員が六名でございますけれども、それぞれの専門家を委員にして、なぜこういう亀裂が起こったのか、工法自体に間違いがなかったのか、あるいは積算した車の交通量が予定より多かった、また過重積載のトラックが往々にしてあるということで積載の検査も厳重にしよう等々、どういう対処の仕方があるかということに関しまして全部点検するということになりまして、結果的に九か月ですか、九か月程度を要して、それぞれの間、適切な情報公開をされなかったということに関しては猛省すべきであるというふうに考えまして、担当部署に警告を発し、なおかつ検討委員会を立ち上げたというのが事実でございまして、本当に何のための検査であったか、申し訳ない気持ちで一杯でございます。
#68
○池口修次君 今、大臣の方から大体の経緯はお話がされたと思いますけれども、ちょっと大事な問題でもございますので、少しその事実関係について何点か質問をさせていただきたいというふうに思います。
 一つは、亀裂が五百六十本の橋脚で見付かったということですけれども、どの程度の亀裂があって、この亀裂が起きた損傷の原因、今、大臣からもありましたように、鋼製橋脚補修検討委員会というところで調査をしているというふうに思いますので、何が原因だったのかというところについてまずお聞きをしたいというふうに思います。
#69
○政府参考人(佐藤信秋君) お答え申し上げます。
 首都高速道路公団によって実施されました定期点検で、平成九年の十月でございますが、高速三号の渋谷線池尻付近の鋼製橋脚の偶角部に損傷が発見された、この損傷は微細な損傷ということで、その後二年間の追跡調査を実施いたしまして、途中段階では磁粉探傷によりまして詳細点検を実施しました。平成十一年十一月に当該箇所の追跡調査をいたしました結果、数ミリ程度のクラックの進展を確認いたしました。これは疲労による損傷ということであると確認したわけでございます。
 そこで、首都高速道路公団では、平成十二年の七月に、先ほど大臣から申し上げました学識経験者や道路管理者から成る鋼製橋脚の補修検討委員会を設置いたしまして、損傷原因の推定、補修、補強などの対策方法について検討を行うとともに、平成十二年五月より首都高速道路公団において偶角部を有する鋼製橋脚、約二千基ございます、二千基の詳細点検を実施してきたと、こういうことでございます。
 基本的には、この中で、五百六十基の詳細点検の結果でございますが、五百六十基の橋脚において損傷が発見された、こういうことで、そのうち、委員会の指導をいただきながら、早急な対策が必要な十六基につきまして、平成十三年の十二月までに応急対策を完了いたしましたという状態でございます。
 主として、その亀裂の程度でございますが、磁粉探査ということで、約三ミリ程度を前後にしまして、三ミリ以上の場合にはしっかりした監視をしながら必要な補修をする、三ミリ未満の場合は監視しながら、恐縮でございます、三十ミリでございますが、三十ミリ未満の場合はしっかりした監視をしながら、定期的に監視をしながら様子を見守る、こういうことにするということにいたしております。
#70
○池口修次君 三十ミリ以上か以下かというところで修理をするかどうかというところの判断があるようですけれども、冒頭言いましたように、普通にやっていて橋脚が崩れるということはないというふうには思うんですけれども、やっぱり地震のときのあの映像が強烈ですから、本当に地震のときに大丈夫なのかどうかというところがまず心配に立つわけですけれども、専門的な言い方じゃなくて、本当にどの程度の地震までは大丈夫だとか、そういう言い方を是非していただかないと、なかなか我々一般国民から見ると本当に任せておいて大丈夫なのかという感覚がありますので、是非その点をもう一回お聞きをしたいというふうに思います。
#71
○政府参考人(佐藤信秋君) 三十ミリを前後にいたしまして、未満のものについては、恐らくということでございますが、一〇〇%と完全に断言できない部分はあるかもしれませんが、先ほどの阪神・淡路の大震災、あの強度程度であれば何とか持ちこたえることができるであろうと、こんなふうに委員会の方では御指摘をいただいているところでございます。
#72
○池口修次君 専門家の判断でそういうことであればそれなりに信頼はしたいと思うんですけれども、もう一つ、扇大臣からも言われましたように、発表が遅れたということで、国土交通省としては公団の方からどの時点でどういう報告を受けていたのかということをお聞きしたいというふうに思います。
#73
○政府参考人(佐藤信秋君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、平成九年の点検で発見して以来、その後、平成十一年の十一月にこの亀裂が広がっているんではないかと、こういう確認をして、首都高速道路公団からは国土交通省に対しましては委員会の設立の前の平成十二年の五月に事務的に報告があったと、こういうことでございます。
 それにいたしましても、この委員会の立ち上げそのものが発見から九か月掛かる、こういうことでございますので、大変国民の安全にかかわる重要な情報であるにもかかわらず適切な情報公開がなされなかった、こういう点については猛省すべきであると、こういうふうに考えております。
#74
○池口修次君 それと、これからのチェックですけれども、事前に聞いたところによりますと、これからはチェックは年に一回の安全点検をしますよということだったんですけれども、ただ、最終的に見付かったのは、十二年にやった詳細点検の中で二千五百本のうち五百六十本が見付かったということで、これで亀裂が終わりということでは多分ないというふうに思いますので、二千五百本、二千本はそのときは無傷だったようですけれども、そのチェックを、本当に年に一回の安全点検でいいのか、それとも十二年並みのチェックをしなきゃいけないのか、私はやっぱり十二年並みのチェックをこれから年一回ぐらいやる必要があるんじゃないかというふうに思っているんですけれども、これからはどういうチェック体制でやっていくのかという点をお聞きしたいというふうに思います。
#75
○政府参考人(佐藤信秋君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げました二千基の点検をした中で約五百基、五百六十基に損傷が確認されたと、このうち十六基につきましては損傷が大きいということで既に十三年の十二月までに緊急の対策を完了させていただいた、こういうことであります。さらに、残る約半分の二百三十七基につきましては詳細に監視をする必要があるであろうということで、必要に応じて若返り作戦で補修、補強を実施しようということで、二百三十七基につきましては十三年度から十五年度までの予定でこれは既に補修をする、補強をする、こういうことにいたしてございます。
 損傷が確認された残りの三百十三基でございます。これは損傷の長さが三十ミリ未満であるということもございまして、定期監視という形で監視を引き続きやっていく、さらに千四百基が損傷なしという形で残っておるわけでございますが、これにつきましては通常点検という形で引き続き注意深く監視をしながらやっていこう、こういう考えでおります。
#76
○池口修次君 特に首都高の場合は東京の都心に橋が架かっているわけですから、やはり何かありますと大変な被害になります。ほかはどうでもないということではないんですけれども、特にチェック体制を万全にやっていただいて、安心して生活できるといった環境を実施していただきたいというふうに思っております。
 あと次の、話題を変えさせていただきたいと思います。
 ETCの導入につきまして、前回も一回ちょっとお聞きをしたんですけれども、再度お聞きをしたいというふうに思います。
 まず、ETC導入の意義について、扇大臣は積極導入の考えを持っていらっしゃるというふうに思いますけれども、ETC導入を何のためにやるのかというところを、まず冒頭、大臣のお考えをお聞きをしたいというふうに思っております。
#77
○国務大臣(扇千景君) 大体、高速道路の渋滞、どの程度あるかというのはもういつも申し上げているとおりでございます。しかも、京都議定書というものを批准するということで、国全体で環境問題に思いをはせて、それぞれの場所でそれぞれの努力をするという目標を決めました。その中で、CO2の排出量等々を考えますと、車に対する努力というものも、低エネルギー車を開発するというのみならず、現在走行している車からのCO2の排出量をいかに低減化するか、そのことも大きな課題となっております。
 そういう意味で、環境面あるいは渋滞で、例えば首都高速道路、一四%がただ通過するだけ、この渋滞もほとんどが料金所で起こっている。この料金所の渋滞をなくせば、あるいはCO2の排出量も、あるいは時間的制約も、あるいは時間的労力が消えております四兆円と言われる、年間、これ首都高速だけでございますけれども、それだけが消えているという、これを緩和するためには何とか処置がないのかと。
 まして諸外国では、私も外国で経験しておりますけれども、ETCの導入は早くから行われております。にもかかわらず、メード・イン・ジャパンの器械を使っている国もあるにもかかわらずなぜ我が国にそれが導入されないのか、これも大きな疑問点でございますし、何よりも今のCO2の排出の一番の原因であります渋滞緩和、そして経費の節約、そういうことを考えますとETCを諸外国並みに導入するべきであると。環境面からいっても、あるいは時間の浪費の金額的な計算をしても、何としても導入したいと。
 理想としましては、私は、車を製造しますときに既にETCの機器を装備してしまう、そして高速道路は料金所がすべてETCで、現金を払うところがないと、それくらい徹底したETCの導入を図るというのが本来の目的ではございますけれども、やはり多くの今の利用者の皆さん方に車内装備をしてしまって割高な料金をいただくということ自体も本来は私は御意見もあろうと思いますので、できれば徐々に御理解をいただきながら、ただ、私がこれを言いまして、今現在はかなりの会社が新しいETCの機器を開発してくれておりまして、何十種類も器械ができました。今は二十六社、四十八機種ができているんですけれども、たくさんできた割にはまだ安くなっていないなというのが私の実感でございまして、できれば、こういう四十八種類もなくてもいいから、単純で明快で、もっと安くなって多くの皆さんが利用していただくものができれば一番便利であると。料金所も、おいおい料金所の窓口がたくさんありますところはETCと一般車の比率をどんどんETCに多くしていくという方法も取って、環境の二十一世紀型の車の走行に寄与していくために努力していきたいと思っております。
#78
○池口修次君 ETCの車載についてはいろいろ努力をされて、料金も前納をした場合には下げるとか、場合によってはレンタルも考えているというようなことをお聞きしているわけですけれども、料金所におけるゲートの状況についていろいろ、ETCが付いていない人から見ると増やしてもらっては困るというような話もあるようですけれども、今の設置状況と、それと、多分この料金所をETCにするかどうかというのは公団の判断なのかなというふうに考えていまして、そうすると、公団にとってメリットがないとなかなかその窓口を増やすという、工事を含めてやるというのは難しいというふうに思うんですけれども、現在のETCのゲートの状況、どのぐらいETCが使えるようになっているのか、それと、公団にとってETCを付けるということのメリットは何なのかという点についてお聞きをしたいと思います。
#79
○政府参考人(佐藤信秋君) ゲートにおきますETCの器械の設置状況でございますが、平成十四年度、今日現在、七月二十二日現在で七百三十三か所の料金所でサービスを実施しております。これは全国の料金所の約八割程度ということでございまして、今年度末には全国の、首都高速、阪神高速を含む、すべての料金所を含む約九百か所に拡大したい、こんなふうに考えております。全交通量の約九割が利用可能になるということでございます。
 どのぐらい使われておるかと、こういうことでございますが、現在、ETCの車載器のセットアップ台数は七月十日現在で約三十七万五千台でございます。利用状況は一日約十七万台に御利用いただいておりまして、これは全利用に対して二・八%と、確かにまだわずかでございます。
 アクアラインで社会実験で七月の十九、二十日と、ETCの割引を開始いたしました。平均のETCの利用率が約八%ということで、かなり増えているという状況もございますので、今後ともETCの普及にいろんな形で努めてまいりたいと、そんなふうに思っております。
#80
○池口修次君 あと、ETCの個別の問題ということで二、三点お聞きをしたいんですけれども、商業ベースでETCを使うときに一番の問題が領収書が発行されないという問題だというふうにお聞きをしております。私も、ちょっと院の車を借りて乗ったときに、ETCが付いていなかったので、何で付いていないんですかというふうにお聞きをしたら、領収書が出ないんで付けていないんですというお答えでしたけれども。
 この問題について、いろいろ運輸業界等も話をしながら、若しくは向こうからも要望があって言われているというふうに思うんですけれども、この領収書発行問題について、現時点、どんな改善方法を持っているのかというのをまずお聞きをしたいというふうに思います。
#81
○政府参考人(佐藤信秋君) ETCを利用しました場合に、利用者が料金所をノンストップで通過することとなるということで道路事業者が発行する領収書等を受け取ることができない、これが問題である、こういうことであります。
 クレジットカード会社が発行する明細請求書又は市販のカードリーダーやプリンター等を使用して印刷された利用明細をもってETCによる有料道路の利用履歴を確認することは可能ではある、こういう状態になっております。これらを含めて、取引当事者間におきまして作成した証拠類について、これを領収書として用いることについては取引上は問題がない、こういうふうな解釈をいただいております。
 ただ、タクシーにおきましては利用直後に領収書が必要となる、こういうケースが多いものですから、車載型のプリンターが必要となるということになっております。これにつきましては現在四社から発売されてはおるんでございますが、価格がやっぱり多少高いというようなこともございまして、今後、価格の低下によって普及拡大を期待している状態であります。
 それから、運送事業者につきましては、個別に行ったヒアリング結果によりますと、有料道路の利用直後に領収書が必要なケースというものはどちらかといえばまれである、営業所単位でカードリーダーとプリンターを用意しておいていただきましたらプリントアウトができるものでございますから用が足せる、こういうことでございまして、タクシーの場合と同様にこのプリンターの価格の低下というものに大変私どもとしては期待を申し上げている、こういう状態でございます。
#82
○池口修次君 二点目に、これは以前にもお聞きをしたんですけれども、身障者割引の関係で、身障者の方の車にはこのETCの適用というのが、ネガティブに考えれば本当にその人が運転しているかどうか分からないということで難しいというような実態のようですけれども、以前、そういうふうにとらえないで、身障者の方にとっては非常に有効な機能なんで何とかお願いをしたいということで検討をお願いした経過があると思いますけれども、これについてその後どういう検討になっているのか、ちょっとお聞きをしたいというふうに思います。
#83
○政府参考人(佐藤信秋君) ETCは料金所をノンストップで通過する、こういうことでございますので、料金の支払の煩わしさからは解放されますが、身体障害者などの方々にとって、その場では確認が難しい、こういうことがございますので、割引が完全に対応できていないといいますか、現時点では対応できていない、これが逆に問題である、こういう御指摘をいただいたところでございます。
 本人確認という問題がどういう形でできるのかということで検討させていただいているところでございますが、有料道路事業者等関係者との間で、いろんな事業者がおるものですから、障害者御本人の乗車の確認方法について、現在は料金収受員へ障害者手帳を提示していただいて確認させていただいている、これに代わり得るような確実な確認方法がないものだろうかと、それから、そのために何らかのシステムの構築などが必要で、可能であればそうしたことも実施したいということで有料道路事業者等の関係者との間で検討を進めさせていただいているところであります。
 いずれにいたしましても、早期にETCによるノンストップの通行時の身体障害者等割引を実施する、このために、こうした諸課題の解決方法を精力的に検討させていただいているところでございますので、年内を目途に結論が得られるように急いで検討を進めてまいりたい、そんなふうに考えております。
#84
○池口修次君 冒頭、扇大臣からETCの効用についてお聞きをしまして、私も昨年末に、質問するからには付けないとまずいんじゃないかと思って付けて今いるわけですけれども、非常にスムーズに料金所を通れて便利なものだというふうに思っていますし、排気対策という面でも重要な一つの有効な方法であるというように思っていますが、ただ残念ながら余り車載が伸びていないという問題、いろいろあるというふうに思いますので、是非こういう問題を改善しながら積極的な対応をお願いをしたいというふうに申し述べて、お願いをしたいというふうに思います。
 もう一点、是非お願いしたいんですけれども、高速道路における二輪車問題というか、二輪車の二人乗りについて是非お聞きをしたいというふうに思います。これは警察庁が担当だというふうに思います。
 現在、二輪車の場合には、町中では二人乗りは許されているんですけれども、高速道路については二人乗りが許可されていないということで、ある意味健全なユーザーで二輪車でツーリングを楽しみたいという人にとってみては楽しみを奪っているという面があるのではないかというふうに思っております。
 これ、二人乗り、昔は許されていたんだけれども、途中で禁止がされたというふうに聞いております。なぜ禁止がされるようになったのかという点をまずお聞きをしたいというふうに思います。
#85
○政府参考人(属憲夫君) 高速道路における自動二輪車の二人乗り禁止につきましては、首都高速道路及び名神高速道路の供用後、二人乗りによる人身事故が大変多発をいたしました。そうしたことから昭和四十年に導入をされたものでありますけれども、これは、自動二輪車の二人乗りはそもそもバランスが取りにくいということ、特に高速道路において継続して高速走行を行う場合には危険性が極めて高くなると、そういったことを理由として行われたものでございます。
#86
○池口修次君 そのときはそういう事象があったのかなというふうに思うんですけれども、ただ海外の高速道路で二人乗りを禁止をしているということはほとんど聞いたことがないというふうに私は思っているんですけれども、何か日本の場合に特殊の事情があるのかどうか。その前に、海外で二人乗りについてどうなっているのかという点についてもお聞きをしたいというふうに思います。
#87
○政府参考人(属憲夫君) 高速道路における自動二輪車の二人乗り運転につきましては、欧米諸国のように認められているところもありますけれども、一方で我が国や韓国のように禁止をされているところもございます。
 我が国において、先ほども申し上げましたけれども、昭和四十年に禁止規制を導入した際には、首都高速道路あるいは名神高速道路等の供用後にこうした道路における二人乗りの人身事故が多発をしたと、そういった事情があったわけであります。
 こうした事情につきましては、それぞれの国で異なる交通事故状況等があると考えられます。そうしたことから、各国での高速道路での二人乗りの取扱いにつきましては一律に論ずることはできないだろうというふうに思っております。
#88
○池口修次君 そういう状況の中で、最近の検討ということで言いますと、規制緩和三か年計画の中で、高速道路の二人乗りを認めることの可否について検討をして平成十五年度の可能な限り早期に最終結論を出すというような見解が出されているんではないかというふうに思っております。この点について、どういう今の状況に、検討状況なり議論になっているのかというのをまずお聞きをしたいと思います。
#89
○政府参考人(属憲夫君) 高速道路における自動二輪車の二人乗り禁止規制につきましては、近年、自動二輪車関連業界団体等から規制撤廃の要望が出されてきております。一方で、平成十一年に総理府が実施をいたしました世論調査では、回答者の八二・三%の方が高速道路での二人乗りを引き続き禁止すべきであるというふうに回答しておりまして、高速道路での二人乗りが安全でないといった認識が国民の間に広く見られるところでございます。
 警察庁といたしましては、これらの状況を踏まえまして、平成十四年三月に閣議決定をされました規制改革推進三か年計画の中で、高速自動車国道等における自動二輪車の二人乗りを認めることの可否について調査検討して十五年度の可能な限り早期に最終結論を得るというふうにされております。そうしたことから、現在、調査検討を進めておりまして、その結果を踏まえて国民の意見を幅広く聞いた上で適切な結論を得ていきたいというふうに考えております。
   〔委員長退席、理事藤井俊男君着席〕
#90
○池口修次君 今調査検討をしているということですけれども、確かに昭和四十年のときにはそういう結果が出たのかもしれませんけれども、ただ諸外国の例を見ても、二人乗りだから不安全だということを言っているところはまずほとんど私自身は聞いたことがなくて、かえって一人のときよりも二人のときの方が慎重に運転をするから安全だということを言っている人も相当専門的にはおります。
 じゃ事故についても、これは日本の場合は二人乗りを禁止しているわけですから、どっちが多いか少ないかというのは非常に難しいというふうに思うんですけれども、海外においてはそういう結果はほとんど出ていないというふうに聞いております。
 それと一番の問題は、やはり日本において二輪車に対する意識の問題というのが、やっぱり二輪は危険な乗り物という意識が蔓延をしているというのが私は一番の問題だろうというふうには思っております。これについては、当然業界もこの努力を怠ってきたというところもありますけれども、もう一つ、なぜこの二輪車というのが危険なものかというふうに考えた場合に、やっぱりよく言われます暴走行為なりの問題が私は一番大きいんじゃないかと。このために健全なユーザーがなかなか日本においては乗りにくい状況が作られているんだというふうに思っております。
 そういう意味で、暴走行為の取締りについては私は積極的にやるべきだというふうに思っておりますし、今国会で道路運送法の改正がされて、不正改造を積極的に取り締まる法律ができたわけですから、やはりこれらを使いながら暴走行為を積極的に取り締まるということをすべきだというふうに考えていますが、警察庁としてはこの対応についてどう考えているのかというのをお聞きしたいというふうに思います。
#91
○政府参考人(属憲夫君) 御指摘の自動二輪車による暴走行為は、周囲に多大の危険、迷惑を及ぼすものでありまして、それを抑止していくことは交通安全上、大変重要な問題と認識をしております。
 警察といたしましては、暴走族を始め自動二輪車等による悪質危険な暴走行為を行う者に対しましては、所要の取締り体制を確立した上で、道路交通法を始めあらゆる法令を活用して厳正な取締りを行っているところでございます。
 また、車両の不正改造を行うなど悪質危険な暴走行為を助長している業者等に対しましても、不正改造等を禁止することといたしました今般の道路運送車両法改正の趣旨を踏まえまして、今後更に一層、関係機関と連携の上、適切に対処をしてまいりたいというふうに考えております。
#92
○池口修次君 若干私の発言に対してそうかなというふうに首をかしげられている方もいるかというふうに思います。現実、日本においては二輪の状況というのはそういう状況に置かれているというのは私も認識はしております。ただ、途上国においてはこの二輪車というのは本当に生活の足になっているのはもう事実でございますし、欧米においても生活を豊かにするという観点で二輪車を楽しんでいる方が相当いるというのも実態でございます。ある意味、環境という面を考えても、この二輪というのをうまく使えば、燃料消費量も少ないわけですから、有効な手段になるというふうに思っております。
 私自身は、やはり日本における二輪の文化を、健全な文化というのを作っていきたいという一人でございますけれども、そのためには、いろいろ二輪に関する解決しなきゃならない問題はたくさんあるというふうに思っておりまして、そういう努力もしなきゃいけないというふうに思いますが、冒頭言いましたように、一番大きな、二輪は危ない乗り物というような認識が、やっぱり暴走族に寄与しているのは事実でございますので、是非警察庁としても積極的にその取締りに対して対応をお願いをしまして、一応、私の質問としては以上で終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#93
○続訓弘君 私は三十八年間もの長い間都政にかかわってまいりました。それだけに、本日は、三宅島千九百世帯、三千九百人の熱い深い思いを込めながら、三宅島問題について数点御質問させていただきます。解説を交えながら御質問いたします。
 一昨年六月の二十六日の緊急火山情報の発令から始まり、三宅島では七月十四日の大噴火では島の北東部に降灰があり、その灰が七月二十六日の降雨により泥流となって道路などに多大な被害を発生させました。その後も八月十八日の大噴火がありまして、噴煙は高さ一万四千メートルにも上り、全島に灰が降り、ふもとで二十センチメートル、雄山では一メートルも積もり、東大地震研究所の調査ではその量は二千二百万立米と言われております。分かりやすく言えば、東京ドームの十八倍です。現在、その半分の九倍分が残っていると言われております。これらの灰は、その後も降雨のたびに土砂や倒木を巻き込んだ泥流となって道路や民家に流れ込み、かなりの被害を与え続けております。また、二酸化硫黄を含んだ大量の火山ガスは島から緑を奪っており、雄山中腹のはちまき道路上部は樹木がすべて枯れている状況であります。
 そこで、現在までの泥流による道路等公共施設及び建物の被害状況について御説明いただきます。
#94
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御説明申し上げます。
 泥流等による道路の被災状況につきましては、三宅島を周回しております都道三宅循環線、それから村道の火の山線などにおきまして路肩の崩壊や路面の不陸等、凸凹になっているということですが、発生しておりまして、それぞれ都道二十一か所、村道十三か所で被害が発生しております。さらに、海岸二か所の被災をも含めまして、三宅島における公共土木施設の被災につきましては合計三十六か所となっております。
 続いて、建物の被害状況でございますが、現時点での東京都及び三宅村の調査によりますと、泥流等により住宅全半壊及び一部損壊、これらを合わせまして合計四十戸というふうに伺っております。
#95
○続訓弘君 泥流の発生源と考えられる雄山中腹の降灰状況は想像を超える状況のようであります。緑もほとんど失われており、森林による保水機能は全く期待できない状況であります。さらに、積もった灰は雨が地中に浸透することを妨げており、このため、雄山中腹より上部に降った雨はほとんど全量流れ出すことになります。本年六月二十六日の朝日新聞には、山頂近くの牧場では雨が濁流となって流れているという写真が掲載されておりました。当日は一時間当たり三ミリないし四ミリ程度の雨量であったと聞いておりますが、それでも濁流となって流れているのであります。対策を急がなくてはなりません。
 聞くところによりますと、島北部神着地区の姉川及び間川では、平成九年度までに建設された大きな砂防ダムが泥流を食い止め、下流に被害を発生させなかったようであります。
 そこで、泥流に対し砂防ダムが効果的に機能したのか、事実関係はどうなのか伺います。また、三宅島における砂防ダム建設の全体計画と進捗状況について御説明ください。
#96
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御説明申し上げます。
 まず、ダムの効果がどうであったかということについてお答え申し上げますが、三宅島の北部神着地区では、姉川において平成十年度に高さ十一・五メーター、総貯砂量五万三千立米の砂防堰堤一基、さらに間川におきまして平成九年度に高さ十四・五メーター、容量は二万七千立米の砂防堰堤一基が完成しております。
 十二年七月からの噴火活動によりまして島内に堆積した火山灰等の噴出物が、その後の雨によりまして泥流となって流出し、様々な被害をもたらしている状況ではございますが、ただいま御説明申し上げました二つの川におきましては、砂防堰堤により泥流が捕捉されたということで、下流における被害は生じておらず、砂防堰堤による効果が発揮されたものと考えております。
 それから、三宅島におきます砂防事業の全体計画及び進捗状況はどうかということでございますが、この土砂災害を防止するというために、災害関連緊急砂防事業というのを、まずこの災害が起きましたその年の平成十二年度に八十一億円で着手しております。さらに、翌年の平成十三年度には、同じくその災関緊急事業でございますが、五十七億円ということで、合わせて百三十八億円の事業費を確保しまして砂防堰堤等の施工を進めております。
 さらに、火山砂防激甚災害対策特別緊急事業、いわゆる激特でございますが、これによりまして平成十三年度からおおむね五か年で総事業費百八十二億円により実施しておりまして、先ほどの災関緊急とこの激特とを合わせまして総計三百二十億円の事業費をもちまして本格的な火山災害防止対策を実施しているところでございます。
 進捗状況についてということでございますが、これらの事業全体で七十五基の砂防堰堤を予定しておりまして、そのうち既に完成したものは十五基、施工中は十三基ということでございます。
 さらに、火山砂防激甚対策特別緊急事業、この事業によりまして砂防工事に従事する作業員が夜間滞在するためのクリーンハウスを三か所、定員二百四十五名分を整備したというようなことも実施しております。
 今後とも、火山ガスの状況等踏まえつつ、住民が安心して帰島でき、また速やかな生活再建が図られるよう、泥流対策を推進してまいりたいと考えております。
#97
○続訓弘君 いろいろありがとうございます。是非島民の期待にこたえるような施策を積極的にお願い申し上げます。
 基幹道路である三宅島一周道路は、昨年四月までの七か月間不通でありました。泥流により道路が完全に破壊された立根地区に延長三十五メートルの仮橋が四月十八日に完成したことから、電力、水道の仮復旧工事が進み、生コンクリート工場の操業が再開されるなど、復旧工事に弾みが付いたと聞いております。
 このように、道路の本格的復旧が島の復興に、また帰島した住民の生活を支えるために重要であると考えますが、都道、村道復旧の全体計画と現在までの進捗状況について伺います。
#98
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御説明申し上げます。
 都道につきましては、三宅島を周回しております都道三宅循環線におきまして、降灰除去及び泥流の除去並びに泥流対策を考慮した仮橋を設置するなどの対策を既に講じておりまして、平成十三年四月に全区間暫定供用という状況でございます。さらに、本復旧に向けまして、平成十二年八月から五回の災害査定という作業を実施いたしまして、現在までに、都道については被災した全二十一か所、また村道については十一か所の合計三十二か所についてこの災害復旧事業が採択済みとなっております。
 今後、都道の本復旧については平成十五年度末の完成を目途に、また生活道路である村道につきましては採択済みの箇所について順次工事を実施し、平成十四年度末に完了するという予定でございます。今後とも、火山ガスの状況等を踏まえながら、被災箇所の復旧を可能な限り迅速かつ円滑に進めたいと考えているところでございます。
#99
○続訓弘君 三宅島は東京から百八十キロメートル南に位置しており、交通手段としては東海汽船の連絡船か羽田からの航空便があります。その航空便の基地である三宅島空港は、火山ガスの流れる島の東側に位置し、ガスの影響を受けやすい場所であります。その被害状況はどのようなものであるか、御説明ください。
#100
○政府参考人(深谷憲一君) お尋ねのございました三宅島空港の状況でございますけれども、今年の二月に設置管理者でございます東京都の方で現況調査をされておられますけれども、現在、滑走路の標識、こういうものには劣化が見られるとか、あるいは着陸帯の一部には泥が堆積している状態、あるいは排水溝につきましては全体的に泥がやはり堆積をしていると。また一方で、滑走路、エプロン、路面の状況は、前回、平成十三年度当初にも調査がされておりますが、それに比較しては大きな劣化は見られてはいないようでございます。他方でまた、ターミナルビル、電源局舎、これにつきましても泥流等の被害はないようでございますが、そういう意味で、前回調査、平成十三年度当初の際と大きく変化はないというふうに承知をいたしております。
 また、委員御指摘の噴出している火山ガスの影響でございますが、御指摘のように、火山ガスの影響を受けやすい場所にある、位置しているというふうなこともございまして、設置管理者の東京都の方からも灯火等の劣化がかなり進行しているんではないだろうかと。また、私どもで、国土交通省の方で設置をしております空港内の無線施設でございますとか、あるいはそのための自家発電設備なんかにつきましても現在劣化が見られている、こういう状況でございます。
#101
○続訓弘君 大噴火からおおむね二年を経過し、火山ガスの噴出も徐々にではございますが減少傾向にあると伺っております。
 そこで、住民の間では帰島の期待が高まってくるわけでありますが、その帰島に際して、高齢者や子供たちにとって長時間の船旅、更には波浪による船の揺れは耐え難いものであると思われます。この点、短時間で島へ行くことのできる航空路の再開は住民の帰島に大変に期待されるところであります。速やかに対応していく必要があると考えます。利用者及び航空機の運航に必要な人員の安全面にも考慮し、国、東京都、運航会社等の関係機関が一体となって協力していくことが必要であると思いますが、航空路の再開に向けての考え方について伺わせていただきます。
#102
○政府参考人(深谷憲一君) 航空路の再開に向けてのお話がございました。
 先ほど申し上げましたように、三宅島の空港の現況は今のようなことでございますので、これまでエアーニッポンが羽田―三宅島の路線、これにつきまして運航をしておったんでございますけれども、現在は空港を閉鎖されているという状態でございますので、当然運航はされておりません。ただ、エアーニッポンからは、島民の帰島が可能になり、三宅島空港の供用が再開され次第、定期便の運航をしたいと、そういうふうに準備しているとは聞いております。
   〔理事藤井俊男君退席、委員長着席〕
 私どもといたしましても、三宅島空港、これが供用再開というめどが付いた場合には、島の島民の方々が速やかに帰島ができますよう、空港出張所の再開、あるいは路線の運航のための必要な発着枠の確保を含めまして、設置管理者でございます東京都を含めまして、関係者と一致協力して航空路線再開に向けて万全な対応を取りたいと、かように考えております。
#103
○続訓弘君 是非、島民の期待をする航空路の整備、そしてまた運航について特段の配慮をお願い申し上げます。
 一昨年九月ごろから噴出している火山ガスが島民の帰島を遅らせている最大の原因と考えられますが、当初、日量二万ないし五万トンだったのが、今年の二月の気象庁の発表では五千から一万トンとなっております。最近では一万トンを下回ることが多くなっているようであります。島民にとって、帰島時期や帰島後の生活を考えた場合、火山活動の推移が最も気に掛かることと思います。これまで様々な観測体制を取られてきておりますが、まだまだ不十分と聞いております。
 そこで、今後の観測体制の強化等について御説明ください。
#104
○政府参考人(山本孝二君) お答えいたします。
 気象庁におきましては、三宅島の火山活動の状況や推移を把握するために、火山ガスや地震、地殻変動など、様々な観測を行ってきているところでございます。
 先生御指摘のように、三宅島におきましては火山ガスの動向把握が重要な課題であります。このため、気象庁では、山頂からの二酸化硫黄ガスの放出量の観測については、防衛庁、海上保安庁等の協力を得まして、ヘリコプターによりまして上空からの観測をおおむね週一回行っているところでございます。また、火山ガスの島内の地上濃度の観測につきましては、東京都などと共同いたしまして、島内の十六か所で監視を行っております。
 これに加えまして、島内の風と火山ガス濃度の分布の把握、これが大変今後課題でございます。このため、今述べましたガスの測定器のデータに加えまして、三宅島測候所職員によりまして、毎日一回、島内二十五か所におきまして風及び火山ガス濃度を機動的に観測するなど、観測を強化しております。こういう観測の強化によりまして、データの蓄積及び解析を今鋭意進めているところでございます。
 さらに、火山活動の推移の把握をするために、東京都、大学などと協力いたしまして、火口内のガスの直接採取を行うよう計画を立てているところでございます。
 そのほか、火山活動全体の観測でございますが、これにつきましては、地震計、空振計、監視カメラ、GPS等々の設置がかなり稠密に配置されてございまして、これら関係機関のデータも合わせまして二十四時間体制で気象庁では火山活動の監視を行っているところでございます。
#105
○続訓弘君 是非、言わば観測体制の充実強化についてお願い申し上げます。
 先ほど来御説明がございましたように、道路の本格的復旧工事が始まり、砂防ダムも既に十五基建設されるとともに、引き続き十三基の工事も始まっており、確実に泥流に対する安全性が高まってきております。また、火山ガス中の二酸化硫黄の日量も数千トンレベルと大幅に減少しております。
 既に島民の一時帰島も始まっており、さらに八月上旬には子供たちの一時帰島も行われる予定で、自宅や母校を訪れることを楽しみにしているとのことであります。さらに、七月五日には活動火山対策特別措置法に基づく避難施設緊急整備地域に指定され、これに基づき、三宅村が三百人規模の短期滞在型のクリーンハウスを建設することとなり、住民の帰島への希望は膨らむとともに、一方、復旧事業の早期推進の声も大きくなっております。
 また、三宅島においては、雲仙・普賢岳や桜島などの直轄火山砂防事業とは異なって、補助砂防事業として東京都が復旧事業に取り組んでおります。
 これまでも三宅島の復旧事業の推進については扇大臣が並々ならぬ御努力をされております。そしてまた、国土交通省を挙げていろいろと御援助いただいておりますことに対して三千九百人の島民は大変感謝申し上げておりますけれども、さらに扇大臣に三宅島復興の御決意について伺わせていただきます。
#106
○国務大臣(扇千景君) 続議員が東京都に長く副知事としても御努力され、三宅島の事情については本当に詳しくて、また思いもひとしおであろうと拝察いたしますけれども、私も大臣に就任しまして、ちょうど十二年の七月でございましたけれども、八日に、七月の八日に噴火をし、しかも私は七月の十九日に初めて島に訪れまして、まだ噴火の硫黄のにおい、また多くの皆さん方の窮状を目の当たりにいたしまして、本当に深い思いを、続議員がいつもおっしゃっている以上に私も実感をいたしました。なおかつ、改めてまた九月の十四日には、当時の森総理、公明の神崎代表とともに、これもまた三宅島に行きまして現場を視察をさせていただき、何とか早く皆さん方に安心をしていただけるような状況に持っていけないかと。
 また、今、先ほど続議員がおっしゃった道路の復旧工事、これも私、自分で体験をしまして、道路閉鎖しておりますところを、ジープで扇さんが通って大丈夫だったら片側通行オーケーにするよと言われて実験台になりまして、徐行しながら、いつがけが崩れてくるんじゃないかという恐怖に一方は駆られながらも通りまして、大丈夫ということで、私が通った後、片側通行オーケーというようなことも体験させていただきまして、島の皆さん方のお気持ちは、今、続議員がおっしゃったように、一日千秋の思い、なおかつ、夏休みに入って子供たちはやっぱりあの三宅島に帰りたいという思いが切実であるというのは、あるメディアを通じても、またいろんなところからもニュースソースとして全国の皆さん方に見ていただいておりますけれども、我々国土交通省としましても、少なくとも泥流の被害を受けた公共土木工事あるいは土木施設の復旧でありますとか、あるいは道路等の降灰の除去など、あらゆることが早期復旧のための事業を支援しているところでございます。
 最大限に努力し、また、少なくとも本当にお気持ちの思いというものが、私どもがお目に掛かりましても、天皇陛下が三宅島はどうなっていますかというような御下問がございましたり、国を挙げて皆さんが三宅島のことを思いをはせ、一刻も早く正常の状況に戻してあげたいという思いだけは切実にあるわけでございますけれども、現実には、残念ながら現段階におきましてはいまだに火山活動の停止が確実に見込まれない。日帰りといった一時帰島というものは可能にはなってまいりますけれども、島民の全島の帰島というものはまだ実現できない状況というのはおっしゃるとおりでございまして、我々は、島民の皆さんの帰島が実現した暁には、失われた皆さん方の生活とかあるいは産業というものを取り戻すためにあらゆるお手伝いをしたい。また、三宅島の基幹産業でございました農林水産業でございますとかあるいは観光業など、これが復興することが重要な課題であると認識しておりますので、東京都、また各省庁とともに力を合わせて、できる限りの対策を講じていきたい。また、それを講じる状況に一日も早くなってくれるようにと念願しながら、現状は、復興に至るその段階での一日も早い復旧のための国土交通省として努力をするということを申し上げておきたいと思います。
#107
○続訓弘君 今の扇大臣の御答弁を恐らく三千九百人の全島民は心の中で感謝を申し上げて聞いているんじゃないのかなと、こんなふうに思います。
 今、御自身でお答えになりましたように、噴火の直後から数次にわたって現地を訪ね、そしてつぶさに現場を把握し、そして適切な指示を各部局に流しておられる扇大臣、何としてもこの三千九百人の島民が一日も早く帰島できるような、そういう対策を講じていただきますことを重ねてお願い申し上げます。
 さて、三宅島民には全島避難からこの九月で満二年を迎えます。これだけ避難生活が長期化すれば生活に困窮する世帯も相当生じているのではないでしょうか。東京都からは、災害保護の観点から、生活保護法の弾力的運用の要請が出されております。また、都では最近三宅島避難島民に対する特別相談を実施したと聞いておりますが、これらを踏まえた国の基本姿勢を伺います。あわせて、帰島後の生活支援策についてお答えください。
#108
○政府参考人(真野章君) 生活保護につきまして、私の方からお答え申し上げたいと思います。
 生活保護制度は、生活に困窮される方がその資産、稼働能力、その他あらゆるものの活用を図っていただきましてもなお最低限度の生活が維持できない場合に適用するという仕掛けになっております。しかしながら、三宅島避難島民に対しましては、現実に土地、家屋等の財産を処分することが著しく困難なため、この保有を認める弾力的な運用をいたしておりますし、また預貯金につきましては原則として保有は認めないというのが生活保護でございますが、現金等は国民の善意の表れであることにかんがみまして、世帯の自立更生のために保有する場合、その保有を認めるという弾力的な運用を行っておりまして、財産、預貯金の両面にわたりまして生活保護の弾力的な運用を行っております。
 先生おっしゃられましたように、東京都におきましては、世帯主が五十歳以上の世帯で比較的収入が低いと想定される世帯に対しまして電話相談、訪問相談を行われまして、こうした弾力的な運用につきまして周知を行っておられるというふうに聞いておりまして、私どもも東京都とも十分協力いたしましてその周知に努力をしたいというふうに思っております。
#109
○政府参考人(高橋健文君) 三宅島島民の方々は一昨年九月の全島避難から二年近くの避難生活を余儀なくされておられるわけでございます。しかしながら、三宅島では、先ほど委員からも御指摘ありましたが、長期的には二酸化硫黄、火山ガスの噴出は低下傾向にございますが、現在でも時として二万トン近く出ることもございまして、公式的には五千トンから二万トンの噴出がいまだ継続していると。そういったことから、島民の方の帰島のめどが立っていない状況でございます。
 一方、三宅村におきましては、帰島に備えました復興基本構想、これが五月に発表されました。この復興基本構想は、島民の生活再建、観光地としての地域振興、そして防災島づくり、この三つの柱で成り立っておりますが、これに基づきまして復興基本計画の策定作業が現在進められております。
 政府といたしましては、去る五月十日に非常災害対策本部を開催いたしました。この中で、いまだ帰島のめどは立っていないものの、三宅村の復興計画の検討状況を踏まえつつ、本格帰島が実現した場合の支援について、今の段階から検討を進めていくことを確認しております。
 また、七月四日に中央防災会議を開催いたしましたが、その中でも、長期避難をしておられる三宅島の被災者に対しまして、今後、避難生活時に加えて、一時帰宅時、帰島時、そして帰島後の支援につきまして、通常の制度、施策に加えて、被災者に対し特別に配慮する観点から、総合的な検討を行ってその充実を図るべきであるという専門調査会の提言が報告されました。政府といたしましてもこの提言の趣旨に沿って今後の施策を推進することとしているところでございます。
 帰島後の生活再建に必要な具体的な支援策につきましては、三宅村の復興基本計画の検討状況も踏まえつつ今後検討してまいりたいと思っておりますが、東京都及び三宅村と連携いたしまして島民の方々に対しできる限りの再建支援を行ってまいりたいと思っております。
#110
○続訓弘君 両省、よろしくお願いを申し上げます。
 この災害が起こるまで三宅島には東京の竹芝桟橋から毎日定期便が運航しておりまして、毎年十万人を超える方々がこの島を訪れておりました。この定期便は三宅島から御蔵島を経由して八丈島に至る航路に就航しているわけでありますが、これらの島民の方々にとって、この航路は東京と各島を結んでおり、住民の方々や観光客を運ぶのみならず生活必需品等も運んでおり、それぞれ島民の方々の生活において欠かすことのできない重要な航路であると認識しております。ところが、三宅島の噴火災害により全島避難となったため、現在、この航路は三宅島に寄港することなく東京から直接に御蔵島や八丈島に運航をしております。このため、三宅島への人や物資の輸送がなく運賃収入が大幅に落ち込んでおり、運航会社には大きな欠損が生じていると聞いております。
 このような状況から、この航路は三宅島の噴火災害により存亡の危機に直面しているのではないかと思います。仮に航路の存続ができなくなったとしたら、三宅島の島民の方々が島へ帰るようになったとしても、船での帰島ができなくなるばかりでなく、それ以降の生活にも困窮することとなります。加えて、御蔵島や八丈島の住民の方々にも大きな不便や不利益を強いることになるわけであります。
 この航路は是非とも維持、存続させなければならないと考えておりますが、国としてこの航路に対して財政支援等の措置を取られるのかどうか、確認をさせていただきます。
#111
○大臣政務官(森下博之君) 三宅島航路に対する財政支援措置状況についてのお尋ねでありますが、若干御説明申し上げますと、平成十二年六月に発生をいたしましたこの火山活動によりまして、先生御指摘のとおり、航路の維持に支障を来すおそれが生じたわけであります。このため、平成十二年度の補正予算におきまして約四億円を計上いたしまして、東京―三宅島―八丈島航路を始めとする三航路に対しまして離島航路補助金を交付をいたしたところであります。さらに、平成十三年度におきましても、この全島避難という状況を踏まえて、航路の維持に支障を来す事態が解消されていないために、補正予算におきましても二億円を計上いたしまして、東京―三宅島―八丈島航路に対して離島航路補助金を交付をいたしたところであります。
 今後におきましても、災害の経過状況を踏まえながら関係機関と調整の上で対応を検討してまいりたいと考えておるところでございます。
 以上であります。
#112
○続訓弘君 今、三宅島に関連をする諸問題について何点か伺わせていただきました。扇大臣を始め、それぞれ真摯的にお答えをいただきました。どうか、三宅島の火山が幾らか止まり、そして全島避難が解除された場合には島民の生活が直ちに元どおりに復するような、そういう心温まる施策を期待申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#113
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 私は、建設業界におけるこの不況の下での下請代金や賃金の不払問題、これと関連して幾つかの点について伺いたいと思います。
 帝国データバンクによりますと、長引く不況などによって、二〇〇一年、平成十三年度の建設業の倒産、これは過去二番目の四百九十一件を記録しています。特に資本金一千万円前後の中小規模の倒産が増えているわけであります。そして、大工とか塗装とかあるいは内装工事などの職別工事業者や、あるいは電気、管工事などの設備工事業者、こういうところに代表される外注業者、いわゆる下請業者の倒産が近年大変高い水準で推移しているわけであります。
 私の地元であります埼玉土建組合の調査によりますと、建設業者からの代金不払相談、これは、九九年度は三百三十一件で十一億七千百四万円、二〇〇〇年度が三百六十九件で十四億二千百七十八万円、二〇〇一年度は四百二十件で十一億二千六百十四万円と、このように件数ではこの間約三〇%増になっているわけであります。こういう状況の下で、元請責任、下請保護、これを明記しております建設業法の適正な運用が求められているところであります。
 そこで、まず伺いますけれども、これは大臣に最初にまず伺っておきたいと思いますけれども、特定建設業者となっております元請業者の責任についてです。
 建設業法の第二十四条の六、ここでは、これの解説によりますと、当該建設工事の施工に関して、この元請業者は、統一的かつ総合的な指導監督を行うものであって、その下に各下請負人が共同して工事を施工するという実態を考えて、最終的責任者たる最初の請負人である特定建設業者に法律上の義務を限定したものであるというふうに解説しているわけであります。
 これは、すなわち特定建設業者である元請業者が当該工事の施工に関しては最終的な責任者であるというふうに理解すべきであるというふうに考えますけれども、まず大臣の基本的な認識を伺っておきたいと思います。
#114
○国務大臣(扇千景君) 今、富樫議員がお読みになったとおりでございまして、この建設業法第二十四条の二項ですか、そうですね、四条の……
#115
○富樫練三君 六です。
#116
○国務大臣(扇千景君) 六ですね、はい。六の規定によりましては、今、富樫議員がお読みになったとおり、元請業者が下請業者を指導して、またその下請の指導に努めることということが明記されておりますので、今、富樫議員がおっしゃったとおりだと思っております。
#117
○富樫練三君 その上で、建設業法の第三条、「建設業の許可」というところがありますけれども、これの第一項第二号、ここでは特定建設業について、建設業法解説の中では、下請保護の特別の義務を負うと、特定建設業者は、こういうふうなことは当然だと、こういうふうに解説しているわけなんですけれども、この下請保護の特別の義務、その中には建設業法の四十一条第二項、第三項も含んでいるというふうに理解できるのかどうか。これは局長さんのところで、いかがですか。
#118
○政府参考人(三沢真君) 建設業法の許可につきましては、今、先生御指摘のとおり、特定建設業者、これは発注者から請け負った建設工事のうち一定金額以上の工事を下請に施工させて営業しようとする建設業者でございますけれども、その特定建設業者については、下請人保護の徹底の観点から、そういう徹底等の観点から、一般建設業より重い許可基準を設けているところでございます。こういう趣旨も踏まえまして、建設業法第四十一条第二項及び第三項の規定が置かれているというふうに解しております。
#119
○富樫練三君 その建設業法の第四十一条の第二項、第三項に基づく勧告制度、これについて伺いますけれども、御承知のように、我が国の建設業というのは、元請があって一次下請、二次下請、三次下請と、こういう正に重層構造で成り立っているというわけでありまして、特に、下請である中小建設業者に対する工事代金の不払とか、あるいは末端の建設業の従事者に対する賃金の不払、こういう問題が最近特に増えてきているわけです。
 下請が倒産した場合に、そこで働く労働者への賃金の不払については建設業法の第四十一条第二項の規定、さらに工事代金等については四十一条の第三項で、それぞれ特定建設業者である元請の責任で立替払等が規定されています。特定建設業者として許可した国土交通大臣又は都道府県知事が勧告できることになっているわけでありますけれども、今までの勧告の実績はいかがですか。
#120
○政府参考人(三沢真君) これまで建設業法第四十一条第二項それから第三項に基づいて勧告が行われたことはございません。これは、下請人による賃金の不払とか下請人による請負代金の不払等の問題は基本的にはやはり民民の契約に基づく問題であるということから、やはりまず当事者間で十分な話合いが行われるということが大事でございますので、円滑な解決のために、そういう当事者間の話合いのために努力をしているというところでございます。
#121
○富樫練三君 勧告したことはないということなんですけれども、この建設業法の四十一条の第二項、第三項で規定している勧告の制度、これは、建設業法の解説によりますと、非権力的な行政庁の行為であって直接的に建設業者を拘束するものではないとしても、しかし広い意味での建設業の健全な発展に資するものであるというふうに言っています。あわせて、賃金不払事件を労働福祉行政の観点から解決しようという趣旨で定められたものであると、こうしています。
 したがって、統一的かつ総合的な指導監督を行い、最終的な責任者として法律上の義務を負う特定建設業者の社会的責任は非常に大きい。だから、建設業法の解説でも、下請人が不況などによる受注難で倒産したことによって不払事件を惹起せしめた場合など、特定建設業者に全く非がない場合であっても立替払の勧告があり得ることを意味する、こうしているわけなんです。ですから、民民だから話し合うことが大事だと、そこで解決しなさいということでは問題が解決しないのでこういう勧告の制度も作ったのだと、こういうふうに言っているんですね。
 なぜそうなっているかというと、これは特定建設業者の社会的な責任に関する行政としての勧告という制度としてこれを作られた、行政の責任をこれによって果たすんだと、こういう制度だというふうに理解しているわけでありますけれども、局長の認識はいかがですか。
#122
○政府参考人(三沢真君) 今、先生御指摘のように、建設業法の第四十一条の第二項は、これは下請人による賃金不払等が生じた場合について、それから第三項は下請人に対する請負代金不払等が生じた場合について、それぞれ許可行政庁が元請人である特定建設業者に対して立替払等の措置を講ずることを勧告できるものとするという規定でございます。
 これらはいずれも、元請である特定建設業者について、工事の全般にわたる指導監督を行う責任者としてこれらの事案の解決に当たらせようという趣旨でございます。これを通じまして、建設工事の施工に関し生じたこういった問題の解決を促し、建設工事の適切な施工、さらには建設業の健全な発展等の建設業法の目的を達成するということを意図しているものでございます。
#123
○富樫練三君 ということは、すなわち、民民の話合いだけでは解決できない、したがって許可をした者の責任、判こを押した者の責任として勧告をして、そこで解決をしなさいというふうに、そういう制度として創設されているということだと思うんですけれども、四十一条の第三項、これは不払になった賃金だけではなく工事代金についても不払発生の場合には元請責任で解決を求めている規定だというふうに思われますけれども、この点はいかがですか。
#124
○政府参考人(三沢真君) 建設業法第四十一条第三項には「他人が受けた損害」という語句がございます。この他人が受けた損害の中には、いわゆる不法行為に基づく損害のみならず、取引行為に基づく損害も含まれるというふうに考えておりまして、例えば下請人が更に工事を下請施工させる場合に、そのいわゆる孫請人、孫請負人、そういう方に対する下請代金の不払もこれに含まれるというふうに解しております。
#125
○富樫練三君 すなわち、賃金だけではなく工事代金も含まれるということですね。
 これらの点について、例えば埼玉県は建設関係団体あてに通知を出しています。これは、「下請関係において、工事代金や労働賃金の不払が発生した場合の対応及び雇用・労働条件の改善については、元請業者が解決に努力する必要がある」としています。元請業者の責任を明確にしているわけですね。東京都の場合でも、「下請関係において、工事代金や労働賃金等の不払いが生じた場合は、元請業者にも責任があり、その解決に努めること。」、こういうふうに通知しているわけなんですね。「元請業者としての責任から迅速に対応するなど、適切な措置を講ずる必要があります。」というのも東京都の通知では言っているわけなんですね。
 どうしてそれぞれの知事がそういう通達を元請業者に出しているかということだけれども、これは、特定建設業者として認可した知事の当然の責任だと、そういうふうに元請業者の責任で解決しなさいというふうに通知をするのは、判こを押した者の責任ですよと、ここから出ているものだというふうに思いますけれども、これらの自治体の知事の態度についてはどうお考えですか。
#126
○政府参考人(三沢真君) 御指摘の埼玉県及び東京都の通知はいろいろなことが書いてございますけれども、建設工事の適正な施工と下請負人の保護の観点から、例えば下請契約等を契約書で締結することとか、あるいは不必要な重層下請契約を行わない、そういったことのほかに、今、先生御指摘の下請関係において工事代金や賃金等の不払が生じた場合には元請業者が解決に努めるということを定めております。これは、先ほど申し上げましたように、先ほどの建設業法四十一条第二項、第三項の趣旨を踏まえ、こういった問題については元請である特定建設業者に解決に当たるように努めていただくと、これをお願いしているという趣旨のものでございます。
 これらの趣旨は、私ども国土交通省がいわゆる盆暮れ通達と呼んでおりますけれども、下請契約における代金支払の適正化等についてという通達を出させていただいておりますけれども、同じような趣旨がこの中にも書いてございまして、基本的には軌を一にしているものであるというふうに理解をしております。
#127
○富樫練三君 盆暮れ通達だから中身は大したことないんだということではないと思うんですね。盆と暮れに毎年同じように出しているから、それは中身は余り守らなくてもいいというものじゃなくて、それは盆や暮れにも出さなくちゃいけないほど現実にはそういう問題が起こっているから年に二回も出すと、こういうことになるんだと思うんですよね。
 それで、最近、そういうことがきちんと行われていれば問題はないんだけれども、そういうことがきちんと行われていないという事例がもうかなり数多く出てきているわけなんですね。特に大手の建設業者とかあるいは住宅メーカー、特定建設業者としての元請であるにもかかわらず、建設業法の精神に反してその社会的な責任を事実上放棄する、そういうケースが目立ってきているんです。
 例えば特定建設業者である元請のF建設、あえてイニシアルで申し上げますけれども、このF建設は、今回の下請人が起こした未払賃金、未払代金等については、法的に当社に支払義務はありませんので、お支払いする予定はございません、第四十一条第三項について、この規定が私人に特定建設業者に対する未払の代金の立替払の請求を与えているものではありませんし、特定建設業者の立替払の法的義務を定めたものでもありません、こういうふうに言っているんですね。これは文書で言っているんですよ、ちゃんと。活字になったやつ、ここにこの活字がありますけれどもね。これがF建設ですよ。
 それから、ある大手不動産グループの一員になっている住宅メーカー、これはTホームというところですけれども、こう言えば分かるかもしれませんけれどもね。これは、ここが元請やっている工事なんですね。第四十一条第二項及び第三項についてこう言っているんです。必要があると認めるときに建設大臣又は都道府県知事が立替払をすることその他の適切な措置を講ずることを勧告することができるとされているにすぎないと、当然に勧告がなされるわけではありませんと、こう言っているわけね。それでさらに、今後、問題解決に向けて交渉する予定はありません、この文書でそういうふうに言ってきているんですよ。活字で言ってきているんです、最近は、こういうことを。
 これは、建設業法に基づく特定建設業者、規模の大きい下請もちゃんと使えると、そのために社会的な責任も伴うんですよということで大臣や県知事や都知事が判こを押した、そういう特定建設業者としての自覚が全くないと。建設業法を守る意思がない、話合いする意思もないわけですよ、交渉する予定はありませんというわけですから。
 大臣、これはちょっとあんまりじゃないですか。どうですか。
#128
○国務大臣(扇千景君) 今、富樫議員が実例を挙げられまして、今の世情を考えますと、TホームかF建設かよく分かりませんけれども、そういう事例が多分、往々ではないにしても、あるんだろうなと拝察されます、今の経済状況の中では。また、新聞紙上等々でもそういうトラブルがあり、また倒産して何よりも困るのは、従業員が困っているというのは私も想像もできますし、大変なことだろうと思っております。
 ただ、今TホームとかF建設と言われましたのは、それはもう個々の当事者同士の話でございまして、私が今ここでその下請業者どうのこうのと言うことが、内情がそこまで分かりませんから、それに立ち入ってどうこう言うことは私は差し控えたいと思いますけれども、そういう意味では、私は、建設業法の第四十一条第二項、第三項等々遵守しなければいけないということは事実厳然と法律としてあるわけですから、ただ、それに至りますまでの当事者間の話合いなり努力というものは、私は、民民の契約でこれは当然当事者として契約した以上はお互いに責任を持ってするべきであって、ただ今の事例だけをもってTホームとかF建設に私から勧告をしろということでは、まだそこまで至っていないと。また、元請業者が下請に荷物を下ろしますときに前払というのを出す会社もありますよね。ですから、そのときには下請業者が危なくなったからといってそれを二重払いにしろということも、これもちょっと私も事例がよく分かりませんので例を挙げるわけにいきませんけれども、そういうこともあるということで、私は、民民の契約についてはもう少し、先ほど局長が言いましたように、法令は法令として厳然として有効ではありますけれども、それまでに民民の努力というものは、私は、お互いに信義を持って、元請と下請の関係というのはもっと話し合って対処すべき問題であろうと今考えています。
#129
○富樫練三君 大体こういう大手の建設業者とか大手の住宅メーカー、これは建設業法の一番基本のところをよくわきまえていないんですよね。私は知った上でやっているんだというふうに実は思っているんですけれどもね。四十一条の第二項、第三項、これは賃金不払事件を労働福祉行政の観点から解決しようという趣旨で作ったものですよね。政策的なものなんですよ、これは。ですから、行政が権力をもって命令するという性格のものではないんですね。そこのところの法律の精神を特定建設業者がきちんと理解するということはとても大事なことだというふうに思うんですね。
 そういう点から、広い意味で建設業の健全な発展に資するものと、こういうふうに言っているわけですけれども、このF建設だとかTホームとか、例えばの話ですよ、これは具体的な例はまだほかにもありますけれどもね。こういうところは、この勧告制度が非権力的な行政行為であるということ、直接に建設業者を拘束するものではないという、労働福祉行政なんだというところを逆手に取って、そこを逆手に取って工事に関する最終的な責任を負うべきだという法律の規定を、これをねじ曲げているわけなんですね。
 ここはやっぱり許せないことだろうというふうに思うんです。こういうことが実際に行われているわけですからね。今、この個々の問題について大臣にああしろ、こうしろと言っているんじゃないんですよ。そういう事例については、やっぱり基本的な考え方をはっきりしておく必要があるというふうに思うんですね。
 こういう事業者に対して国土交通省はどう指導するのか。これは局長、どうですか、どう指導するんですか、こういう場合に。
#130
○政府参考人(三沢真君) ただいま大臣から答弁があったとおり、やはり不払があったと言われる当事者からの相談をきちっとよく聞きながら、関係当事者の事情をそれぞれ聞いて解決に努力していくということが非常に大事であるというふうに考えております。
   〔委員長退席、理事藤井俊男君着席〕
 そういう意味で、そういう当事者間の話合いを円滑に進めるということを私どももいろんな相談窓口を通じて努力していきたいというふうに考えております。
#131
○富樫練三君 話合いをして指導するというのは、これで解決すれば問題ないんです。それはなかなか話合いをするという態度を取っていないところに問題があるということだと思うんですね。
 その上で、このTホームというところは、こうも言っているんですよ。これを見ますと、仮に勧告がなされた場合であってもそれは法的拘束力を有するものではありませんと回答して、勧告が行われてもそれに従う意思がない、こういうふうに表明しているわけなんですよ、自分の態度を。勧告なんてやられたってどうせ従う義務はないんだからと、こういう態度ですよ。
 これは、私は、とても悪質な特定建設業者が、国は今までも勧告しなかった、一回もやっていないわけでしょう。一回も勧告していないわけでしょう、そういう制度があるけれども。これからも勧告はあり得ないというふうにですよ……(発言する者あり)Fというのはフジイじゃございませんで、誤解をしないようによろしくお願いします。Fであることには間違いないんだけれども。国のそういう態度に対して、国が弱腰だと。要するに、国は今までも勧告しなかったし、これからだって勧告するはずがないと。こういう国の弱腰や足下を見透かして、それで建設業法を事実上ねじ曲げていると。守らないと、法律は。こういう態度を取っているんですよね。
 大臣、こういうのを放置しておいていいんですか。
#132
○国務大臣(扇千景君) 今、富樫議員が事例を挙げておっしゃいましたけれども、個々の事例に関しては、今、内情が分かりませんので私からコメントをするというのは私は避けたいと思いますし、もっと事例の内容を細かく拝見してからコメントをしたいと思いますけれども。
 るる、世間にはそういう悪質業者と言われる者がたくさんあって、そういう悪質業者、悪徳業者と言ってもいいかもしれません、そういう者を排除するために私たちは法律も作り、しかも国民の皆さん方が、下請も含めて一般の人たちが泣かされないようにということの法律があるわけでございますから、今御説明にあったようなことで、それが本当に特定の業者ではなくて、悪徳業者たり得るような姿勢であるのであれば、それは監督指導するのは当然であろうと思っておりますけれども、個々の内情に関しては今はまだ、今初めて富樫議員からのお言葉ですから、FとかTとかというのはちょっと分かりませんけれども、原則的にはそう思っています。
#133
○富樫練三君 そういう悪質、悪徳業者である場合、そういう場合に、これはちゃんと法律を守って指導とか話合いをするとか、誠意を持って、あるいは話合いの結果として問題解決に積極的に当たるとか、こういうのは悪質、悪徳じゃないと思うんですね、結論がどうであっても。
 ところが、最初から話合いを拒否したり、勧告されたってそんなものは言うこと聞く必要ないんだと、こういう態度を文書でわざわざ出してよこすような、こういうところは、これは悪徳ないしは悪質の方に恐らく入ってくるんであろうと思うんですよ。こういうところに対して勧告をしないで、一体いつ、どういうところに勧告するんですか。
#134
○政府参考人(三沢真君) 今、大臣おっしゃいますように、個別の事案についてコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、私ども先ほどできるだけ当事者間で話合いをしていただくように努力すると申し上げましたけれども、その前提は、先生おっしゃるとおり、やはり四十一条の勧告の趣旨というのがございます。その趣旨を基本的にはやはり元請によく理解していただくということが非常に大事でございますので、そういう話合いをしていただくように努力するに当たりましては、法律の規定の趣旨をきちっと御理解いただくように私どもも元請に対する指導をしていきたいというふうに考えております。
#135
○富樫練三君 私はこういう場合こそ勧告をするべきだというふうに思うんですけれどもね。
 もう一点、ちょっと確認しておきたい点があるんですよ。これは今から二年前に衆議院の予算委員会で、当時はまだ建設省、建設大臣だったんですね、中山建設大臣の当時だったんですけれども、これは衆議院の予算委員会でこの点が議論されているんですね。最近、特定建設業者の方もこういうふうに言っているんですね。二重払いになるんだということを言っているんです。だから、勧告に基づいた立替払はできないんだと、二重払いになっちゃうと、こういうふうに言っているわけなんですよね。予算委員会でもこういうふうに言っているんですね。二重払いになるということを言った上で、だから勧告もなかなかできないんだと。勧告すると二重払いを強制するような格好になるからと。こういうやり方ですよね。
 しかし、事態は二年前とは大きく変わっているんですよ、あの時点とは。今、不況がこれだけ深刻になって、代金の不払とか賃金の不払の規模も、その質も随分変わってきているんですね。したがって、その立替払をきちんとやるということが行われれば、そのための話合いがきちんと行われれば、そうすればこれは解決の道が開けるわけなんですよね。ということで、ここのところをきちんと指導するということが今やっぱり求められているというふうに思うんですね。
 今から二年前は、国の方も二重払いだから勧告なかなかできないんだと、こう言っているんだけれども、状況が変わった中で、ここはやっぱり改めるべきだというふうに思いますけれども、どうですか。
#136
○政府参考人(三沢真君) 二重払いというお話でございます。それで、これは、下請代金の不払の問題は下請業者サイドからすると非常に大変切実な問題でございます。
 ただ、二年前の国会で二重払いということを申し上げました趣旨は、一方で、やはり元請業者からすると、立替払をした場合には既に支払った下請代金二重払いという側面を持つと、これはもう事実として否定できないわけでございまして、それがやっぱり事実上非常に難しい要素になっているという言わば事実を申し上げたものというふうに理解しております。
 そういう事実としての問題点があるということを前提にしながら、関係当事者間でやはりそれをどうやって乗り越えたらいいかというようなことも含めて話合いをしていただくということが非常に大事でございますので、そういう趣旨で二年前も申し上げたというふうに理解をしております。
#137
○富樫練三君 この四十一条の第二項、第三項というのは、法律上は二重払いとは言っていないんですね。立替払と言っているんです。二重払いじゃなくて立替払なんだと、立て替えて取りあえず払うんだと、こういうふうにわざわざ言っているわけなんですね。それは民法上は確かに二重払いはまずいというのはあるかもしれないんだけれども、建設業法上は二重払いという言葉をあえて使わないで立替払という言葉をあえて使っているというのはどういうふうに理解していますか。
#138
○政府参考人(三沢真君) 立替払という言葉を使っているのは、これは下請人に代わって元請人が払うという趣旨で立替払と、こう言っているということでございます。ただ、そのことが結果として二重払いということになるかならないか、それはやはり事実としてなる場合があるかということかと思います。
 先生は取りあえず立替払とおっしゃいましたけれども、例えばそれが本当に取りあえずということなのか、取りあえずということでなくて最終的に払うということになるのかという問題もございます。そういうことからいたしますと、立て替えて払うということと、結果として二重払いになってしまうということは決して矛盾する概念ではなくて、そういうこともやはり起こり得るというふうに考えております。
#139
○富樫練三君 だから、四十一条の二項、三項で言っている立替払というのは、結果として二重払いになるということもあり得るよと。すなわち、特定建設業者として一定規模以上の下請を使うことができる、それだけにもちろん利益も上がりますよ、しかしながら同時にそういうリスクも一緒にしょうんですよ、背負うんですよということによって初めて特定建設業として成り立っているわけなんですよ。そこのところを、特定建設業者というのはそういう二重払いもあり得ますよということをちゃんと自覚して仕事をしてもらわなくちゃ困るというのが建設業法の考え方なんですね。
 ですから、例えば、これは国土交通省の関東地方整備局の専門官の方も、六月の段階で、この立替払の中には結果として二重払いになることも当然含まれる、こういうふうに回答しているわけですね。私はやっぱりこのとおりだろうというふうに思いますし、あるいは二〇〇一年、昨年の七月の段階での東京高裁の判決、この判決では、建設業法四十一条二項、三項の規定は、再下請業者に対する賃金や請負代金を立替払することを法律上の義務とはしていないものの、元請負人に立替払を強く要求しているものと解されるというふうに言っているわけなんですよね。
 ですから、ここのところをきちんと指導するということが大事なんじゃないですか。二重払いだから勧告はできませんというんじゃなくて、二重払いもあるというのがそもそものあなたたちの立場なんですと。特定建設業者としては二重払いはあり得るんですよと、最悪の場合には。そのぐらいのリスクをしょってもらっているんですよという立場できちんと指導しなかったら、これは問題解決にならないんじゃないですか、どうですか。
#140
○政府参考人(三沢真君) 繰り返して申し上げますが、要するに二重払いがあるということがやはり現実にこの問題の解決を非常に難しくしているという事実を申し上げているということでございます。
 当然に二重払いを必ずすべきだという規定になっているわけではございませんで、やはり最終的にどういう形がいいのかということを含めて当事者間でよく話合いをしていただいて、その過程において、やはり四十一条というような趣旨がございますので、元請人はそこについてできるだけ四十一条の趣旨を体して一定の一つの責任を負うというような形での解決に当たっていただくように私どもも努めていきたいという趣旨を申し上げたものでございます。
#141
○富樫練三君 今までの議論を大臣もずっと聞いていて、四十一条の二項、三項については最終的には元請責任で問題を解決するんだと、それをやる指導責任は許可をした大臣や都道府県知事にあるんだと、なかなかこれが解決できない場合には勧告することもできるということですよね、そのことによって解決をしなさいと、これが法律が求めているものですよ。
 今までの答弁ずっと聞いていると、そういう事態に至っても、どうも勧告という伝家の宝刀は全然抜かないというふうにしか聞こえないんですよね。
 改めて大臣に伺いますけれども、二重払いもあり得るというリスクを伴って、だからこそ特定建設業者なんですよという立場をわきまえない先ほどのような悪質、そういう悪徳事業者などに対してはきちんと勧告すべきだというふうに私は思いますけれども、大臣は、あるいは国土交通省としては、そういう悪質な特定建設業者に対しても今後も一切勧告しないということなのか、それとも場合によっては勧告を行うということもあるということなのか、大臣、そこはひとつはっきりお答えいただきたいんですよ。
#142
○国務大臣(扇千景君) なぜ特定建設業者としてこの建設業の法律まであって特定されているのかと、その意味を無視したような業者があれば、これは特定でなくなるのは当たり前の話なんです。
 ですから、私は、今るる事例をおっしゃいましたけれども、その事例一つ一つについては私はまだ中身は分かりませんけれども、なぜ自分たちが特定建設業者として指定されているのかということから見れば、法律違反をしたら、当然法律違反によってまず法律に明記されてある勧告というものを受けて、その勧告によってどう処置したかということも私は当然あるべきであって、自分たちが特定建設業者であるというその認識にもないような業者は、それは私当然何らかの形で国土交通省としては特定から外すと、何かの方法が必ずあるんで。
 勧告で済むのであれば私は事は簡単だと思いますよ。そうではなくて、勧告しただけで物事は解決しない、そういう意味で私はみだりに勧告することで解決するとは思えませんけれども、私は民民の契約であればまず、先ほどから申しますように、民民同士で話し合って、目に余るようなことがあれば、勧告が伝家の宝刀ではありません、勧告によって解決するとは思えませんから。それよりも、特定業者としての認識を持つか持たないか、そこが境目だと思っています。
#143
○富樫練三君 大臣の言うとおりだと私も思います。これは特定じゃなくなったんだから特定から外すのは極めて道理に合ったことで、当然のことだというふうに思いますので、今後そういう問題が発生した場合には、是非そういう姿勢で問題の解決に当たっていただきたいというふうに思います。
 残り時間があと大変短くなってきましたので、次の問題に移りたいと思います。
 次の問題は、労働債権を最優先債権として、すなわち財団債権として位置付けるべきであろうという点について、法務省の方に伺いたいと思います。
 倒産した場合の債権、労働債権ですね、これは現在ではいわゆる優先債権になっているわけですけれども、その上には最優先債権というのがありまして、こっちのが優先するわけですよね。それを最優先にすべきだというふうに思いますけれども、法制審議会の倒産法部会破産法分科会でこの点について議論されているようでありますので、手短に、そのことによって、もしそれが実現すれば、財団債権になった場合にはどういうことになるのか、この点について簡単に御説明いただきたいんですが。
#144
○政府参考人(房村精一君) ただいま先生が御指摘のとおり、破産をした場合には、一番優先するのは財団債権、それからその次に優先債権がありまして、それから普通の債権であります。現在、労働債権はそのちょうど中間の優先破産債権ということになっておりまして、普通の債権よりは優先的に配当を受けられますが、財団債権には負けてしまう、こういう関係になります。
 現在、法制審議会で検討しておりますのは、その労働債権のうちの一部、例えば破産前の一定期間の未払給料債権というようなものについて、これを財団債権に格上げできないかということを検討しているところでございます。この財団債権になりますと、これは最も優先して弁済を受けられる、しかも優先破産債権の場合ですと破産債権を債権者集会を開いて確定いたしましてその配当をするという、その手続の中でしか支払を受けられませんが、財団債権になりますと随時支払ができる。したがって、破産の管財人の方で資金の手当てができれば、配当というような手続によらずに財団債権となった部分については随時支払をすることができると。そういうことで、現状に比べますと大分改善されるのではないかと思っております。
#145
○富樫練三君 最後の一問ですけれども、厚生労働省に伺います。
 これは、今建設関係では手間請労働者、手間請という雇用形態がかなり広く行われているわけなんですね。労働基準法の研究会、労働契約等法制部会の報告では、こういう方々の労働者性について、一定の条件を満たせば労働基準法に言う労働者ということで賃金確保法の対象に入れるということも道が開けるわけなんですけれども、これらの点についてどのような議論と、もしそういうふうになった場合にはどう改善されるのか、この点について簡単に御説明いただいて、私の質問を終わります。
#146
○政府参考人(鈴木直和君) 賃金の立替払の対象の問題でございますが、今お話しありましたように、労働基準法上の労働者であればこの対象になるというのが基本でございます。
 その場合に、じゃ労働者性をどう判断するか。例えば建設の場合、手間請労働者というのがございますが、これは実態様々でございます。その労働基準法上の考え方としては、名前でどうこうということではなくて、実態として事業者か労働者か、そこを判断する。その際の判断の考え方としては、例えば業務に従事すべき旨の指示等に対して諾否の自由があるかどうか、それから業務の遂行方法に関する指揮命令があるかどうか、それから報酬が労働時間によって支払われているか、そのほかにもいろいろございますが、そういったものを総合判断して個別具体的に労働者かどうかを判断すると、そういうことになっております。
#147
○富樫練三君 終わります。
#148
○田名部匡省君 最初に首都機能移転についてお伺いしたいと思うんですが、この法律ができてから十年になると思うんですが、最初は五月をめどに移転候補地を絞り込むことを決定しておったようでありますが、何でも先送りの好きな国会は、また新聞によると与野党の国対委員長会談で先送りをするというようなことが出ておりましたが、今までも先送りして良くなったのは何にもないんですよ。医療であれ年金であれ、全部先送りして後から、今になってから大ごとになっている。そんなことを考えると私はこれも難しくなってくるんだろうと思うんですね。
 この間、特別委員会の設置に、この中でだれが反対したか分かりませんが、私も大きな声で反対と言ってやったんです、設置に、委員会の。そのときは、一体この不況の中で、財源の厳しいときに財源をどうするのかと。それから、官邸は建て直しちゃう、今度は議員会館の何か建設計画もあると。大臣は何か国会議事堂より高い議員会館は駄目だとかなんとかという話もされたと、こう伺っているんですが、これをやると、委員会の三候補地があるわけですけれども、この視察だとか委員会を開催して金が掛かって、そして今度は陳情合戦ですよ。
 いずれもこれ国民の税金使ってこんなことをやっているんで、しょせん国民の納めた金だ、どんどん使っちゃえというならこれは別ですけれども、私は景気が良くなるまで凍結したらどうかと、こうそのとき言ったんですけれども、大臣、どう思いますか、このことについて。
#149
○国務大臣(扇千景君) 担当大臣で、就任早々私がそのことを申し上げて、国会軽視ではないかといって怒られました。けれども、私は国会軽視ではなくて、現実を見ようということで申し上げたんです。
 それは今、田名部議員がおっしゃったとおり、我々は、私が大臣就任以来いろんな、三候補地の知事さんから国会議員から皆さん陳情にいらっしゃいました。そのときに私、三候補地の知事さんたちに申し上げたんです。名古屋がオリンピック誘致のときにあれだけお金を使って、知事以下大々的に現地に行ったにも敗れた。そのときの名古屋の皆さん方の失望のありようは本当に、名古屋の皆さんだけではなくて我々も期待をしてテレビを見ていましたから、本当にがっかりしたんですね。
 ですから、私は三候補地の知事さんたちに、三つあるところは一つ選べば二つ外れるわけですから、ですから三権分立で三つばらばらにして持っていったらどうだという人もいましたけれども。私は、ですから、三候補地の皆さん方が私のところへ陳情にいらしたときに、少なくとも過大に広告費なり運動をしないでください、外れたときのあの名古屋のがっかりさ加減と、もっと大きな産業誘致、企業誘致等々を企画していらっしゃるものがパアになりますよということで、競争をしないでいただきたいということを私は冒頭に申し上げたんです。
 ところが、だんだんだんだん過熱しまして、御存じのとおり、委員会決議において二年をめどにということが書いてありましたから、その二年をめどにというのが本年であるということで、私のところへはそれ以来余りいらっしゃいませんけれども、いろんな先生方の活動等、また今、田名部議員がおっしゃいましたように、あの当時は十二兆円でいいだろうと、首都機能移転できるだろうと。東京都の試算では二十兆円の試算をなさいました。そして、御存じのとおり、今年新官邸ができ上がりました。新官邸が約四百三十五億でございました。そして、今また少なくとも議員会館、これが私は、高さのことは今、田名部議員がおっしゃいましたけれども、約千八百億円でございます。
 事ほどさように、今の現状の中でこれを計画しておりますのに、改めて私は、年数とこれだけのお金は、それでなくても公共工事というものが一番言われている中で最大の公共工事ではないのかなという思いもしておりますので、担当大臣からこれを、田名部議員のお言葉をかりれば凍結というお言葉をお使いになったので、あえて田名部議員のお言葉として拝聴させていただきますけれども、今の現状を考えたときにはそういうこともあり得べしという御判断が国会の中でなされるであろうと私は思っています。
#150
○田名部匡省君 もう今がどんなときかということをもっと見て、やっぱり国民の、経済であれ何であれ、そっちの方に一生懸命優先して、自らのことは我慢するというぐらいの配慮をしなきゃ。国民に負担を求めて、国会の方はとてつもないものばかり考えて造るなんということはこの際やめるべきだと。
 岐阜県の梶原知事さんが、議論をうやむやにすると、十二年間で運動してきた金が四億掛かった、損害賠償を請求するというのが載っていましてね。いずれにしても、どうぞお互いいいときはいいように、つらいときは一緒になってやる必要があると思いますので、このことをちょっとお伺いしておきました。
 次に、道路四公団民営化委員会では精力的に今議論をしているようですが、民営化の形態として、道路の保有と維持管理を一緒にするか分けるかで、上下一体とか上下分離の二つの考えが出ておるようでありますけれども、これについてはどう考えますか。一長一短あると思うんですけれども、そのことについてのまずお考えを伺っておきたいと、こう思います。
#151
○国務大臣(扇千景君) 少なくとも、昨年でございますけれども、小泉総理から私に、これも突然でございましたけれども、道路四公団を統合しろ、国費は一切出さないという御下命がありました。私は、検討してみますということで、改革のトップランナーになれと言われましたけれども、私は、私が頼りないので一番多い宿題を出されたんだなと思いまして、少し卑下もしたり悩みもいたしましたけれども、何よりも私は、まず民営化というものに対しての見解を多くの人に伺いたいということで、当時の、諸井さんという方でございますけれども、太平洋セメントの相談役でございますけれども、座長に無理無理お願いをいたしまして、高速道路の整備のあり方の検討委員会を設置いたしました。
 そして、設置いたしましたのが、ちょうど昨年の十月の二十六日にもう第一回目の会合を開いております。それから、延々と御無理を申しまして、お忙しい皆さん方でございましたけれども、今の経団連の会長になられました奥田さんにも入っていただきました。学者の先生方もお入りいただいて、精力的に御検討をいただきました。そして、ちょうど十一月の二十六日、この中間発表をこのあり方懇談会から出していただきました。そのときには、総理にその中間発表を持っていきましたら、第三者委員会のいい材料をいただいたと言って総理が受け取ってくださいました。
 ただ、その中で問題点はなかったかといえば、上下一体ということを諸井座長としてはおっしゃいました。なぜ上下一体かと。それは、今も第三者委員会でるる検討になりますけれども、例えば一つ、日本道路公団一つ取ってみても、道路公団の子会社、孫会社、いわゆる下請ですね、先ほども下請の話が出ていましたけれども。日本道路公団の例えば維持管理、こういうことを取ってみましても、維持管理だけでも日本道路公団は料金の収業、料金を収納する業務が一つありますし、また交通管理業務、これが二つ目にあります。そして、少なくとも保全、修理の業務があります。そして、修繕の修理の業務、この四業務だけでも少なくとも百六十三社の子会社があります。そして、その百六十三社の四業務だけでも子会社があり、その中に役人の天下りがどれだけあったか。百六十三社に四十六人の天下りがあります。
 そうすると、上下を分離しますと、上のもうかるところだけは、その百六十三社は株式がもう別で、民間ですから、これは私たちはいただきますといって、もうかるところだけ取ったらこれどうなるんですか。しかも、百六十三社の中で少なくとも子会社が六十三、関連会社が十九で、五三%OB、全部で三百七十三名OBが天下っている。そして、無借金が六十三社ある。みんな利益を上げているんです。
 しかも、一般の民間企業でありますと余剰金というのをみんな持っておりますけれども、余剰金というのは普通の民間会社ではせいぜい五百から千五百億です。ところが、この余剰金というのは約十四億九千万あるんですね。もうかっているという証拠なんです。だから、私は、このもうかっているところも上下一体にして、高速道路というものを値下げできるようにしなきゃいけない。
 そういう意味で、この諸井委員会では、これらの資料を道路公団から出していただき、そして検討して、上下一体ということで民営化すべきであるという結論を出していただいたのが昨年でございました。それから、総理の下で今第三者委員会が設立されて、七人の委員の下で多くの論議が尽くされておりますので、私は、それはそれなりに重視しておりますし、成り行きも見守っていますけれども、今申しましたような私は国土交通省としての姿勢というものもきちんとまず示すべきであるということで去年させていただいて、それがどのように活用されるかは分かりませんけれども、今も私、国土交通省の皆さんに申し上げました。第三者委員会ができたから国土交通省は第三者委員会に丸投げして何もしなくてもいいということではないですよということで、担当者はるる善後策等々練っておりますけれども。
 そういう意味で、私は、一番国民にとって、この公共工事と、しかも高速道路の要求というのは少なくとも、どの先生方の要望を聞きましても、必ず一万一千五百二十達成してください、九三四二達成してください、必ずおっしゃいます。ですから、先ほどもどなたの委員からかありました均衡ある国土の発展ということであれば、高速道路ができているところはいいと言うし、ないところは持ってこいと、当然の話なんですね。
 ですから、それをどのように二十一世紀の公共工事の政策として活用するか、私は、正念場であるし、我々も腹を据えながら、国民が真に、国民から預かった税金の活用方法を考えながら、お互いが納得できる方法論というものを模索していくという時期に来ていると思っております。
 少し長くなりまして、済みません。
#152
○田名部匡省君 それぞれに考え方があろうと思うんですが、今も何人かの人と廊下で話して、役人、官僚の皆さんは二、三年でころころ替わるから余り責任感がないよと。企業は、失敗したら、ずっとそこにおりますから、だから必死なんです。いるときはそれは責任あるけれども、どっちかというとどっか行っちゃうということだから、という話をさっきしておったんですが。
 総理はこれを最終的には上場を目指すんだということも言っておりましたよね。私は、財投機関債のことも前にも言ったんですけれども、赤字のところ、財投機関債を発行したって売れるわけはないですよという話をしたんですが。高速道路の四十二路線の六割、二十六路線が赤字路線で、そのうち北海道など十八路線は金利も返済できない、こんな状況のようですから。
 恐らく大臣は、これはもうそれがプール制にしてと、こういうお考えあると思うんですが、私は別な考えを持っているんです。元々、田中角栄先生がこれを造ったときはただにするんだという話が、もう、だんだん値上げして、いつただになるか分からぬと、そのもうかったのを今度はそっちへ持っていくものですから。私は、もうただのところはただにして、あとの路線はどうするかという発想に向いた方がいいと、こういう考え持っているんです。
   〔理事藤井俊男君退席、委員長着席〕
 道路公団が二十七兆、首都高、阪神、本四架橋を加えると四公団で四十兆円に上る債務を抱えていると。国土交通省では五十何年ぐらい掛けて通行料収入で債務を返済するということもマスコミを通じて分かりましたが、私は役所の、ここで、委員会でも言ったんですが、バランスシートをやりなさいというんで宮澤さんにお願いして、今度ようやく二回、二年出していただきましたが、調べてみると、これはどんぶり勘定なんですね。企業のように除却費とかあるいは減価償却、その前提条件なんというのはもう全くあいまいで、これでは本当に確実なものは出てこないなと、今の出ている数字を見ても。今日の新聞にも出ていましたね、「どんぶり勘定露呈」と。そういうことを感じましてね。
 特に費用対効果、このことは、例えば東名高速の建設が三百四十七キロで三千四百億、一キロ十億掛かっていると。あるいは、これは、昭和三十七年から四十四年の七年間の改修費というのもあるんでしょう、造ったものは壊れますから。いつかはこれ修理していかなきゃならない。あるいは、この修理費が七千三百億、十二年間で掛かっていると。一日の通行量が七万六千台。通行料金が二千七百億円。
 一方、アクアラインの方は十五・一キロで一兆四千四百億掛かっていると。一キロ当たり約一千億掛かるんですね。今の通行量が一万前後。この間聞いたときはもう七千台か八千台。計画は四万台通ることになっているんです。これは大臣にも聞きまして、どこから四万台出したんだと言ったら、工事費と利息で割っていくと一日四万台通らないと困るという四万台だと言うの。このぐらいどんぶり勘定なんですよ。
 そこで、いずれにしても、一キロ一千億掛けて一万。いや、今度はETCを利用すると割引をする、安くすると。造ってみて駄目だと、あの手この手と次々考えていくんですね、これをやったら絶対よくなるというんならいいですけれども。この間も資料をもらいました。このETCに一体幾ら掛かったかと。それで、どうなったかというのを資料をこの間いただきまして、大体千六百三十億掛かっているんですね、この費用に。それで通行しているのが三十四万台だと、こういう数字もいただきましたが。
 本当にもっと真剣になってやっていかないと、今質問しているこの問題も一体どうするのかと。上下一体だって、これ、長所、短所ありますよ。それが、上下一体では政治介入ができなくなると。不採算路線を建設して債務負担が増えない、厳しい財政と赤字を防ぐことはできるという見方もあれば、上下分離だと道路資産が国有であれば不採算路線の道路建設ができる、しかしコスト意識が働かなくて民営化のメリットが半減と、こういう長所と短所があるんです。
 ここまでちょっとお答えいただきたいんですが、そういう中でこれからのやり方というのは、一体どうすることが国民の負担が少なくて済むか、効率よくやれるかということに掛かってくるんだと思うんです。これをお答えいただきたい。
#153
○国務大臣(扇千景君) ひとえに私はグランドデザインがなかったことが今日のこういう現状になったと思っております。るる理由はありますけれども、それが大きな理由であろうと思います。
 今、田名部議員がおっしゃったアクアライン一つ取ってみても、なぜ交通量が予想しただけにないのか。それはアクアラインを渡った先がないからです。あれが成田空港まで高速道路でアクアラインがつながっていれば、横浜、横須賀の人はアクアラインを渡って成田へ行きます。ところが、渡ってしまったらアクアラインの先は何もない。これでは渡るわけがないんですね。
 ですから、私は、大変おこがましいとは思いましたけれども、いつかも私申しました。本四の橋が三本要らないじゃないですかと。私、国会議員になって一年生のときでした。自民党の部会で、三本やめて真ん中の一本の分で四国一巡する高速道路を連結して西からと東からでいいじゃないですかと言ったら、呼び出されて怒られましたけれども、今考えればやっぱりそれをやった後で三本目造っても遅くはなかったと、例えばですよ、後悔先に立たずではありますけれども。
 そのように、私は、全国のグランドデザイン、高速道路だけではありません。空港も高速道路も新幹線も国際港湾も一般道路も全部そろっているのが国際都市である。じゃ、その国際都市は日本に幾つあればいいのか。それを私は是非造らしていただきたいということで、今国土交通省で初めてのことですけれども、これもやがて皆さんの御批判をいただきますけれども、国土交通省でインターネットで全省庁に呼び掛けて、課長以下の若手に日本の国土づくり百年のデザイン、これに参加する人ということで、百四十四名が参加してくれまして、その中から精鋭で平均年齢三十四歳、三十二名選びまして、四名の主査を付けてこのタスクフォースを立ち上げました。そして、今年度じゅうにこの国土づくり百年のデザインを、文章だけではなく地図を示してこれを国民の皆さんに見せるようにやろう、それによって初めて私は国土の均衡あるということが見えてくると思うんです。
 今は例えば肩があってひじがあって手がある、これがつながらないんですね。政治力か何か知りませんけれども、飛び飛びに高速道路ができていたり、これつながって初めて手でなって物がつかめるので、私は、左手は間に合わないけれども、まず肩とひじと手があるのならこれをつなぎましょうと。そして、片手でもつかむようになって、次は行きましょうと、こういうことも、全体の国土づくりのデザインを国民にお見せしたら、順番にしていきましょうというのが見えてくる。そこで、無駄のない公共工事の投資ができてくるのではないか。また、地域の皆さん方がこっちを先やろうということを選ばれれば、私はそれによって新しい二十一世紀の日本づくりができて、無駄がなくなるのではないかということで、これをさせていただいています。
 これがいいか悪いかは、まだこれも私も霞が関で百年のデザインなんて初めてのことですから分かりませんけれども、まずそれを示していないということが、今のような田名部議員がおっしゃったような事例をもって、無駄になっているせっかくの技術、これは私、世界に誇れる、本四架橋の技術あるいはアクアラインの掘削技術は私は世界一だと思って誇っています。この技術を生かしながら、より良い日本の国土づくりをするために今後どうしたらいいかというのを、反省を込めて今出発点に立っているというのが現状でございます。
#154
○田名部匡省君 民営化すれば、公団と違って法人税、固定資産税などの負担が出てくるわけですね。巨額の借金の利払いを続ければこれは経営が成り立たないというのは、これはもう分かり切った話なんです。
 そこで、国鉄のJRのときに私どもは国鉄清算事業団の処理の仕方をやりましたよね。ああいう方法がいいのか、これいろいろやっぱり検討して、多少時間が掛かってももう集中的にやって、どの方向が一番国民にとっていいのかという結論を出していただきたい、こう思うんです。
 私はよく分かりませんが、海外ではこんなやり方をしていないということをこの間何かで見たんですが、コンセッションというやり方だと。これ、どんなやり方かお分かりでしたらちょっと説明してください。
#155
○政府参考人(佐藤信秋君) お答え申し上げます。
 ただいま先生のお話しのコンセッションというのは、一つの事例といたしまして、国と民営会社が契約をいたしまして、契約期間を終えましたらまた国のものに帰属すると。契約期間中、その当該民営会社がランニングをして経営をする。契約に基づく民営方式、こんなふうなものとして御紹介をさせていただいたりしているところでございます。
#156
○田名部匡省君 私もこれしっかり理解しているわけでないんですが、このスタイルでいくと、投資家から見れば今までのやり方だと短所の方が多いということなんだそうですが、今言うとおり、三十年とか五十年、国から資産ごと借り受けて、そのうち経営管理責任は生ずるわけですけれども、固定資産税は発生しないと。この分は助かりますよね、赤字のところがあるわけですから。投資家にとってはそれだと投資しやすいということだと、総理の言う、先ほど言ったように、これはもう株をどんどん発行して上場するんだということからいくと、こんな方法が一番いいのかなという感じがするんですね。
 ただし、この累積欠損の多い、一兆円を抱えて、二〇〇〇年度七百五十八億も損失計上している本四公団なんかを、これを一体でやるとこれはまた足を引っ張られるということになって、いずれにしても収益力のない路線だけ分離し、民営化する必要があると。
 ですから、悪いところといいところと分けるべきだという発想からいくと、さっき言った、もうかっているところからそっち持っていって金を使うというのは、企業的な感覚からいくと駄目。むしろ、もう本当に赤字ならそれは別個にどうするかと、だれが負担してこれを維持するかと。いいところは切り離して、それで将来やっぱりただにしていくということにしないと、ただじゃみんなそこばかり走られて困るけれども、いずれにしてももっともっと低料金にするんだというようなことではないのかな、こう思うんですね。
 これは本当に真剣に、どれもが、一番いい方法は、全部はいいというのはないと思うんです。その中のどれがいいのかという結論を実は出していただきたい、こう思います。
#157
○国務大臣(扇千景君) 田名部議員のせっかくの仰せですけれども、今私の口で結論を出すことはできません。それはせっかく直属で第三者委員会等々、また多くの皆さんの御検討を私たちは勘案しながら、そこからどういう答えを出していただくのか、それによって国土交通省としての姿勢というものを判断していきたいと思っております。
 ただ、一言言えますことは、少なくとも私は、一九八二年、今から二十年前、中国では高速道路ゼロでございました。ところが、この二十年間で中国は高速道路一万七千キロ付いております。ところが、日本はまだオリンピックから始めてやっと七千キロ足らず。そのように、私は、国が公共工事といって本来は利便性に供しなければいけない、公共というのは公に共に使うものですから、高速道路が公共であるというのであれば、本来は中国のように国費でもって全部造り上げてしまう。空港にしろ港湾にしろ、国際と名に使ったり、そういうものが本来は公共工事であろうと思いますけれども、私は、高速道路だけが社会資本整備ではなくて、日本の場合は、戦後、今日まで、本当に完備されていない社会資本整備を完備するために、やむなく道路も知恵でもって外資を借りながら高速道路を造り始めたというのが元々のスタートですから、私はそういう意味で、社会資本整備のどの部分をどう重視して、そして国際競争力にどう対応していくかということの判断が私は今後選択されなければならないと、そう思っておりますので。
 お金がどんどんあればすべて、私は、多くの皆さん方の、日本じゅうに中国以上の高速道路を早期に造るということでなければならないと思いますけれども、余りにも日本の場合は工事費が高く、あるいは地価が高く、まだ事業認可をしても土地収用が一〇〇%できていないところもたくさんございます。余りにも時間が掛かり過ぎてコストアップになっているということも私もこれありだと思っておりますので、今後の方向についてはあらゆる面を対応しながら国土交通省として対策を練っていくべきであろうと思っております。
#158
○田名部匡省君 黒字路線で赤字路線を埋める、私は、さっき言った料金のプール制というのは反対だというのは、これをやるものですから日本の高速道路の料金というのはフランスの三倍、イタリーの四倍だと、ここに問題があるんですよ。
 ですから、私は前も大臣に言いましたよね、生鮮食料品ぐらいは高速料金ただにしたら都民の人たちは食べるものが少しは安く買えるんじゃないでしょうかと。これが高いから、結局成田でもうかった分、今度は関空だ何だとやるんでしょう。そういうことをやると世界の、パリの二倍以上だ、シンガポールの三倍だと、こういう料金になっちゃうということですから、もう少し、そこだけを見ないで全体を見てどうなのかということを皆さん真剣に、二年か何年かあるからと思っていい加減にやってもらっちゃ困りますよ。もう本気でやっぱりそこの責にあったときは頑張ると、こういう感覚でやっていただきたいと、こう思います。
 時間、もうありませんので、あと一つ二つ。道路、下水道、港湾、都市公園の公共事業の長期計画について総理から廃止、縮小の検討指示が出されたのかどうか。今年度に期限が切れる九事業、そのうちの八つが国土交通省所管でしょう。大臣のこの辺の御所見をお伺いしたいと、こう思います。
#159
○国務大臣(扇千景君) これはたまたま十九日の閣僚懇で総理からいろいろと御注文が出ました。そして、あらゆる面で公共工事関係の在り方というものを考え直すように、長期計画も見直すようにという御指示がございました。
 たまたま私は、これは十九日の閣僚懇で総理がおっしゃったんですけれども、前日の十八日に、国土交通省、新たな人事を行って新しいメンバーもかなり入っておりますので、十八日に最高幹部会を開きまして、国土交通省の姿勢というものを前日に幹部に全部指示をいたしました。
 そのときに、たまたま私が、今回、国土交通省は十本の長期計画を持っておりますけれども、そのうちの八本が平成十四年度で切れる、ですから十五年度は新たな長期計画に着手すると。そのときに私が幹部に申しましたことは、今までの長期計画は、旧国土庁、旧運輸省、旧建設省、旧北海道庁と、この四つの省庁のときにできた長期計画であるから、新たな国土交通省となった長期計画を作るときには八本そのまま右へ倣えの延期ではないですねと。国土交通省らしく、省庁を統合したのであるから、少なくともこれが何本かに縮小されて長期計画が新たに出てこなければおかしいと。
 長期計画というものはえてして、五年間でこれだけというと、毎年これだけの予算を取るという方便に長期計画を使ってはならないということをたまたま十八日の省の最高幹部会で言った後でございましたので、十九日の、総理から長期計画を見直せという御下問がありましたけれども、私は、国土交通省として総理のお言葉が、たまたま前日に国土交通省としての長期計画の見直しを実行しようと。統合の、私は、スタート時期には統合の壁、統合したことによってお互いの省庁の壁を取り除くというのが一年間の大きな目標でしたけれども、二年目は少なくとも統合の実を上げようというのが目標と思っておりますので、たまたま総理がおっしゃったことと私が前日に幹部に言ったこととがちょうど重なり合って、十五年度は新しい姿勢で国土交通省の統合の実を上げる計画に変更していきたいと思っています。
#160
○田名部匡省君 最後に要望をしておきたいと思いますが、赤字は何も国だけでないんですよ。私の方の県の道路公社、二〇〇一年度決算で長期借入金残高が二百七十八億もある。それを全部ひっくるめたらどのぐらいになっているか分からないんですね。
 それで、最後に今の話と関連ですが、国の直轄事業というのは東北六県で、これ何でこうだかというのは後で説明してほしいんですが、山形県が一番多いんですよ。二千二百八十八億、二〇・一%。青森県は千五十四億、たった九・三%、国の公共事業。それは河川でも道路でも、国道とか一級河川とかとあるんでしょう。あるにしても、こんなに差があるというのを、私はびっくりしたんです。山形、宮城、秋田、福島、岩手、青森の順ですよ。後でどういうことでこんなになっているか説明して。
 ですから、それは掛かるところもそうでないところもあるんでしょうけれども、どういうことでそうなのかということをみんなが分かって理解しないと、何かこれまた政治力でこうなっているのかなという気がしちゃうんです。そのことだけを最後にお願い申し上げて、これは後で説明いただいて結構ですから。以上で終わります。
 ありがとうございました。
#161
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 自動車関係の、とりわけタクシー問題についてお伺いをいたします。
 まず、需給調整規制緩和後、新たに国土交通省として許認可事業から自由競争社会へ対応できるような新たな事業へ展開をしていく、こういうことから実施をされたわけでありますが、まず定額・多重運賃の認可理由についてお伺いをいたします。
 定額・多重運賃が大阪を中心にして出現していますが、聞くところによれば、認可の理由の中で、規制緩和とは、事業者の経営判断を尊重して競争によってサービス向上を図ることによって自由社会を作り出していく、同時に安全輸送と利用者保護は決して欠けてはいない、事後チェックを行いながら最終的には質の高いサービスを利用者に提供していると述べているようでありますけれども、本当にそのように考えられているのかどうか、お伺いをいたします。
#162
○政府参考人(洞駿君) 改正道路運送法施行後におきますタクシー運賃の認可状況についてのお尋ねでございますが、タクシーの運賃の認可につきましては、大阪地区におきまして、五千円を超える運賃について五割引きの遠距離割引、あるいは自動認可運賃の下限初乗り運賃が五百九十円でありますが、それを割って五百円の運賃を認可するなど、多様な運賃の認可を行ったところでございます。これらの申請に対する認可に当たりましては、遠距離割引においては全体の売上げに対する影響が少ないこと、あるいは低額の初乗り運賃等につきましては個別に申請者の原価を審査して原価が償われることから認可しております。
 これらの申請につきましては、より一層の経費節減と輸送回数の増加や実車率の伸び等によりまして収支を償おうとするものでございまして、経営努力によればそのような経営の効率化や事業の伸びを見込むことができると判断して、事業者の経営判断を尊重して認可したものでございますが、安全な輸送の確保と利用者利便の確保を図っていくということは当然の前提でございまして、今後、不当な競争を引き起こすことがないような状況にないかどうか等、事業の状況について検証する必要があることから、認可については期限を付しているということでございます。
#163
○渕上貞雄君 認可に当たっては、今御答弁があったとおりであろうと思います。
 では、実態はどうなっているかというところが問題でございまして、タクシー運転者について私どもが理解をしている範囲を少し説明をさせていただきたいと思うんですが、安全輸送と利用者保護、接客サービスの担い手は事業者ではなくて、やはりそこに働く運転手ではないか。良質な運転手の確保こそが安全輸送や利用者保護、更には接客サービスの充実が確保できるものだと思います。
 今も御報告ございましたように、大阪で起きております定額・多重運賃は、この点をことごとくやはり無視しているものと言わざるを得ませんし、大阪タクシー業界の五月度の輸送実績を見ると、一乗務二日間一台当たりの水揚げが三万円を割り込んでおります。二万九千円台に落ち込んでいます。これを月十一乗務として計算をしますと、月間総水揚げは三十二万弱となります。会社によっても多少の違いはありますが、この五、六〇%が運転者の賃金となります。この賃金から社会保険料や所得税などが天引きをされるわけです。したがいまして、手元には大体十四万から五万しか残らない計算になります。
 平成十三年度の生活保護基準によれば、大阪は一級地の一でありまして、標準三人世帯、三十三歳の男、二十九歳の女、四歳の子、生活扶助基準は月額十六万三千九百七十円です。また、世帯類型別生活扶助基準の夫婦子二人世帯で、三十五歳の男、三十歳の女、九歳の子、四歳の子ですと二十二万五千九百八十円で、タクシー運転者の平均の月額賃金を超えております。
 また、平成十二年度の賃金構造統計調査では、大阪府におけるタクシー業界の平均年齢は五十四・七歳、平均年収が三百十六万という数字があります。これは、大阪府における他産業平均年齢四十五歳との比較において二百六十八万円も低い数字であります。
 五百円タクシーだとか五割引きだとかタクシーが出てきておりますけれども、とりわけ五百円タクシーは一般の運賃に比べまして二四・二%低いと言われていますし、単純に比較すれば、一般運転者と同じ賃金を得るためには二四・二%以上労働しなければならないということになります。これはどのようなことかといえば、大阪の町の中をもう走りに走って走りまくった上でお客さんを求めて稼がなきゃならないという実態にあります。一方で交通渋滞、一方で少しでもやはり水揚げを上げようと無理な運転をしなければならないということが実は強いられるわけでございまして、このような過酷な労働実態が本当に安全輸送を確保できるかどうかというところが問題でございまして、このことが本当に利用者本位なのかどうかということに私は疑問を持つものであります。
 したがいまして、たとえ運賃値下げがあっても運転者の適正水準の賃金は確保すべきだと考えます。運転者を切り捨てるような政策というのはやっぱり取るべきではないと思うんですが、いかがでございましょうか。
#164
○国務大臣(扇千景君) 今、渕上議員からお話ございましたけれども、本年の二月、この需給調整規制というものが廃止されましたのはこの委員会でも御論議いただいた上のことでございまして、私は、大阪を中心にしました、今の御提言がありました五百円タクシー、これワンコインタクシーと言っておりますけれども、この大阪のワンコインタクシーというものもこれは七月の四日に許可したわけですけれども、今おっしゃいますように、これ調整の規制を廃止して、その上で少なくとも事業者の経営判断のこれは表れだと思うんですね。ですから、今おっしゃったように、下げたから必ずしもという、利用者というのは、私なんかはお客の方でございますからワンコインの方が有り難いなともちろん思いますけれども、それぞれの事業者の経営判断の上、また労使との合意の下で申請されたものと私は思っております。
 その中にも、大阪だけではございませんで、また深夜の、早朝との割高がございましたね、これも深夜、早朝は割増しを禁止する、やめる、中止するということで廃止をしたところもこれは大阪で三社ございますし、また大阪で深夜、早朝の割増しを二割増しを一割増しに減らしたところもこれも三社ございます。
 やっぱり今、渕上議員がおっしゃったように、安かろう悪かろうでは命を預けるんですからそれは困るんですけれども、他方、利用者から見れば有り難い話だなと。そして、今タクシー業界が大変な不況だということでお客がいないということであれば、これによって少しでもお客が増えればいいことだと思っておりますけれども、これも大部分はこれは一年間の限定付の許可でございますので、私はこの一年間たったらこれを見る、またそれ以外でも六か月の期限限定付の認可でございますから、これも六か月たったら様子を見るということで、少なくとも期限付の認可であるということから見れば、私はメリット、デメリット出てくると思いますので、そのときに今おっしゃったような安全性を害するようなものがあってはならない、それは基本でございますから、この期間見守っていきたいと思っています。
#165
○渕上貞雄君 どうかひとつ大臣、十分見守っておっていただきたいと思うのでありますが、特にタクシー労働者の場合の賃金が出来高払いの賃金になっているわけですから、稼がない限り賃金が確保できないという賃金上のシステムになっていることはお分かりのことだと思います。
 今、安かろう良かろう安全だというタクシーを国民が求めていることは事実です。しかし、ずっと昔は神風タクシーまであったタクシーが徐々にいろんな改善をしながら今日ここまで来ているわけでございますが、それを再現させるわけには私はいかない。その再現の基になってくるのはやっぱり劣悪な労働条件がそういうようなことにさせる、その基になるのはやっぱり運賃制度ではないかというふうに思うわけでして、結局、その運賃の多重化だとか定額化だとかは、直接今のところないかもしらぬけれども、徐々にそういうものが現れてきつつあるときですから、どうか、労働条件は労使で決めて申請しているような、そんな経営者は私は余りいないんじゃないかというふうに思いますけれども、恐らく申請するときにはそういう労働条件を付けて申請していることだとは思いますけれども、そのとおり守られているかどうかというのは大変疑問であります。したがいまして、やはり認可に当たって賃金、労働条件の確保について、今の状況でどのようにお考えなのか。いかがでございましょうか。
#166
○政府参考人(洞駿君) 今回のタクシー運賃の認可に当たりまして、賃金、人件費についてどのように判断したかということについて御説明申し上げます。
 自動認可運賃の下限を下回る運賃の認可に当たりましては個別の申請者ごとに査定することとしておりまして、査定の結果、平年度におきまして人件費が当該地域の原価対象の事業者の平均賃金を一〇%を超えて下回っていない場合、一〇%の範囲内に収まっている場合には、その申請の事業者の値を原価といたしまして査定しております。また、一〇%を超えて下回っている場合には、労使間で当該申請について了解があることを確認すること等の基準を設けておりまして、具体的には労使の合意書をちゃんと取り寄せておりまして、今回の申請はこれらの要件に合っているということで認可をしたというものでございます。
#167
○渕上貞雄君 それは分かりました。
 次に、大臣もお答えがございましたけれども、期間限定中の対応の問題についてでありますが、六か月、一年間期限付の認可になっているわけですが、実車率など輸送実績の向上を前提とした事業者は必ず申請をしてくるわけですが、見込みをそのまま了承したということになるんでしょうかね、それは。一時的には他のお客を奪って、安い方にお客さんは流れるというふうには思いますけれども、それが大体安定してくると、全体的に、他の業者がそういうことをやってくれば全体が低くなるわけですから、ますます私はいろんな問題が出てくるのではないかというふうに思います。したがって、地域全体の水準が下がるということは、地域全体の労働条件を下げない限り私は成り立たないと思うんでありますが、この遠距離割引などを一年間やってみたり、六か月の認可、限定があってみたりした中で、大体いろんな条件が付けられておりますけれども、その条件についてその後一体どのように対応しようとされておるのか、お伺いしておきます。
#168
○政府参考人(洞駿君) 今回、大阪を中心としてなされました各種の低額の運賃申請につきましては、その運賃単価の値下げ幅も大きいので、処分後において不当な競争を引き起こすような状況にないかどうかなど事業の状況について検証する必要があることなどから、認可に期限を付けて事業の状況について報告を求めることとしたものでございます。
 認可の期限については、先ほど申しましたとおり、遠距離割引の大部分については一年間としていますが、これは全体の売上げに占める遠距離の対象となる運賃の割合というのは非常に小さいものでございますから一年間としまして、また自動認可運賃の下限を下回る運賃につきましては、これは事業の状況に与える影響が大きい、あるいは労働条件等に与える影響が大きいということからその半分の半年にしたということで、差を付けたわけでございます。
 したがいまして、これらの期限を付した認可につきましては、当該運賃を半年たちあるいは一年たって継続しようとする場合に、期限の終了の前までに改めて運賃申請がなされることになりますけれども、その際にはこの一年なり半年間の検証期間中に報告された実績を基に原価を精査した上で、その先どうしていくかということを判断していくことになると思います。
#169
○渕上貞雄君 では、認可の条件の推移についてお伺いしますけれども、この間、収入割れをして認可条件どおりに推移しない場合、認可を取り消すことが当然だと思うんですが、そこのところはどうでしょうか。
 それからまた、大幅な遠距離割引を導入した有力な事業者は、運収が減収したら賃金を下げると言っているわけですね。ですから、申請原価どおりの賃金それから労働条件が確保されていることが前提でなければならないと思うんですが、運収が下がったから賃金を切り下げるということで賄うということは許されないのではないか、それは許可条件に違反するのではないか、そのときはその許可を取り消すべきではないかと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#170
○政府参考人(洞駿君) 今回、大阪を中心としてなされました各種の低額の運賃申請につきましては、認可に期限を付して認可を行っている。その間、実績について報告を求めるということになっているわけでございますが、新しい運賃が実施された後、これらの運賃が定着するまでにはやはり若干の時間を要すると考えられます。
 したがいまして、今後の対応につきましては、ある時点の実績のみをもって判断するというのはちょっと早過ぎる。半年なり一年なりの期限後に当該運賃を継続する旨の申請がなされた場合に、要するに当初の見積り、見込みどおり増収が上がらなかった場合には普通の事業者は元に戻すはずでございまして、それを更に継続しようという場合には当然それなりの積極的な理由があるはずでございますが、期限後に当該運賃を継続する旨の申請がなされた場合には、その認可期間中の実績、そして及びその推移を基にその後の収支状況等を厳しく精査して判断するということになろうと思います。
#171
○渕上貞雄君 よろしく厳しく判断をしていただきたいと、このように思っているところです。
 恐らく、まだまだ私は運賃にかかわる問題については様々な問題が出てくるであろう、安売り競争がより加速することは私は間違いないと思うんです。そこで、規制緩和問題で、とりわけタクシー労働者はそういう安売り競争の結果、賃金と労働条件にしわ寄せをしてくるということを私どもは最初から実は心配をしておったわけで、これもさきに紹介したとおりでございます。したがいまして、やはり規制緩和しても、賃金と安全と労働条件、そういうものはきちっと守るということがやはり行政上非常に大事なことではないかと思うんでありますが、その点はいかがでございましょうか。
#172
○政府参考人(洞駿君) 道路運送法の改正の際に、参議院の方からの附帯決議の中にもございますとおり、人件費等の費用について適正な水準を反映させなさいということを言われています。
 今回の道路運送法の運用に当たりまして、運転者の賃金等の労働条件の確保の観点から、先ほど申しましたとおり、運賃の認可基準においては当該認可基準の下限を下回る運賃の認可に当たっては、一定の考え方の下に、あるいは労働組合、労働者の同意を取ってくる等々の様々な条件を付けて、そこのところを審査した上で認可しているところでございまして、そういうことで、今後の対応につきましては、認可期間中の実績等を勘案しながらこの認可基準を満たすかどうかについて審査を行ってまいりたいと考えていますし、またこういう新しい運賃申請をした事業者等々については、監査等を通じて労働条件の低下とかあるいは安全問題等に悪影響がないかどうか等々をきちっと見ていくということにしております。
#173
○渕上貞雄君 どうか、今言われましたことについてひとつ御期待を申し上げておきますから、よろしく厳しい点検のほどお願いを申し上げておきます。
 次に、鉄道関係について御質問申し上げます。
 まず、ホームのさく設置の促進に関する検討委員会についてお伺いいたします。
 昨年、一昨年起こりました事故以降、その検討委員会が設置をされたと思うんでありますが、検討の結果、どのようになっているのか。その検討についてはやはり随時情報について開示していくべきではないかと思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
#174
○政府参考人(石川裕己君) ホームさく等につきましては、今、先生お話がありましたように、ホーム上の旅客の線路への転落、これを防護する観点から極めて有効な施設だというふうに考えておりますが、前のこの委員会でもお話ししましたように、その設置に当たりましては大きな投資が必要である、あるいはホームの旅客流動に支障が生ずる場合がある、あるいは列車の定時走行に支障が生じないか、さらには扉の位置の異なる車両が混在している場合に路線における対応をどうしたらいいか、車両をより正確にホームの扉に合わせて停止させる方法はどういうものがあるんだろうかなど数多くの課題がございまして、このため、昨年九月に鉄道局にホーム柵設置促進に関する検討会というものを設置いたしまして、これまで三回のワーキンググループ、三回の検討会を開催して検討を進めてきております。
 今何をやっているかということでございますが、現在これまでに、旅客流動にかかわる課題のシミュレーションによる検証あるいはホームさくの構造、さらには、その設置位置等に関して、ホームさくを設置するに当たっての課題というものについての対応策というものを検討を進めております。
 今後とも、今申し上げた課題が幾つかございますので、こういう課題の分析というものを踏まえて諸問題の調査検討を深めていくというふうな段階でございます。
 この検討会につきまして、御案内のとおり、現在、学識経験者を始めとして、一般の利用者の方や障害を有する方あるいは鉄道事業者そのものなど多岐にわたる専門家によって構成されてございまして、現在、これらのメンバーによりまして、ある意味では自由な、率直な議論を行ってもらっている段階でございまして、当面、私どもとしてはこの検討会の専門家の方々の自由な議論にゆだねたいというふうに考えております。ただ、議論の過程におきまして、必要があれば更に異なる分野の方々の意見も聴くというようなことについても適時対応してまいりたいと考えております。
#175
○渕上貞雄君 とりわけホームの安全問題については今後ともひとつ一層の御努力をお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、地方鉄道問題に関する検討会についてお伺いいたしますが、鉄道局では地方鉄道問題に関する検討委員会というものを立ち上げておりますけれども、その意義と目的と検討の経緯についてお教えいただきたいし、検討の結果、今後どのようなことが政策上表れてくるのでありましょうか、お教え願いたいと思います。
#176
○政府参考人(石川裕己君) 地方鉄道の問題につきましても大変重要な課題だと思っております。最近、琴電のような経営問題、あるいは京福のような安全面の問題というふうな、従来なかったような地方鉄道にかかわる問題が発生してございます。
 これにつきましても、私どもの鉄道局の中で有識者をメンバーとする地方鉄道問題に関する検討会というものを設置いたしまして、この四月の十九日に第一回の検討会議を開催いたしました。主なテーマは、地方鉄道の収支改善策、地方鉄道の安全の確保、さらには、こういう鉄道に対して国や地方がどうかかわったらいいんだろうかということについて、これも広く忌憚なく、自由に勉強していきたいというふうに考えてございます。
 これにつきましても、第二回の検討会を六月十四日に開催したところでございまして、地方鉄道を取り巻く経済社会の状況や地方鉄道の輸送あるいは財務状況、こういうことにつきまして自由に議論をしていただいております。また、鉄道事業者団体から地方鉄道の現状や諸問題についての報告というのがなされている段階でございます。
 こういうことでございまして、こういうふうな勉強を踏まえまして、従来から私どもとしては近代化補助等の支援を行っているわけでございますが、さらに、この検討結果というものを踏まえて今後の支援策ということの在り方ということについて勉強を深めてまいりたいと考えております。
#177
○渕上貞雄君 次に、地方中小鉄軌道事業者の安全対策についてお伺いいたしますけれども、平成十四年の二月の二十六日、鉄道局長より各運輸局長あてに地方中小鉄軌道業者の安全対策についてという通達が出されております。通達では、とりわけATSの緊急整備についての計画策定と提出を求められておりますけれども、整備ができないいわゆる事業者があった場合どのように指導されておられるのか、また安全緊急評価、それから対策事業推進のための助成等を考えられておるのか。多少、中小民鉄の場合は事業者の負担にすると資金繰り等大変問題になるところが多いわけでございまして、この点も併せどのように指導されておるのか、お伺いします。
#178
○政府参考人(石川裕己君) 中小の安全対策の中で、今お話がありましたように、昨年あるいは一昨年の京福の事故がございました。そういう中で、ATSの整備というのは従来から大変重要な問題であると考えておりましたが、今、先生お話がありましたように、ATSの設置というものについて指示をしたところでございまして、現在未整備というのは十一事業者ございまして、これらに対して緊急に整備するように指示したところでございます。
 今お話がありましたように、これらの十一事業者はかなり経営の苦しいところでございますけれども、これらの事業者も、厳しい経営状況の中ではございますが、やはり安全を第一というふうに考えていただきまして、これらの十一事業者すべてが本年三月までに整備計画を策定いたしまして、ATSの設置に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。しかしながら、厳しいことは事実でございますので、こういうふうな地方中小鉄道のATSの整備につきましては、近代化補助により、欠損を生じている事業者に対しましては補助率三分の一で支援をしてきたところでございますが、更に経営の厳しい事業者というものに対しましては、今年度の予算においてこの補助率三分の一というのを更にかさ上げいたしまして、五分の二という形でかさ上げをさせていただきまして万全を期しておるというところでございます。
#179
○渕上貞雄君 最後の質問になると思うんですが、最近、一昨日も、直接駅員ではありませんけれども、東京駅の売店の方が殺されるという事件がございました。これに似たような事件が、鉄道係員に対してもちょくちょく暴行事件、暴力事件が発生しているわけでありますけれども、やっぱり世の中がちょっと不景気になって荒れてきたせいなのか、以前は余りなかった事故なんですね。それが大変こういうことが多く最近なってきているように見受けられますが、その点、実態の掌握と、どのような対応をされているのか、とりわけ最近では西八王子における駅員が刺殺されるというようなこともございましたので、その対策についてお伺いをします。
#180
○政府参考人(石川裕己君) 今、先生御指摘のように、最近、鉄道駅の構内で旅客でありますとかあるいは駅係員に対する暴行事件というのが比較的多く出ておりまして、特に昨年、そのような暴行事件が多発したというようなことがございます。
 したがいまして、鉄道事業者としては、まず自主的にガードマン等の巡回強化というようなことに努めてございます。さらには、やはり暗いところでいろいろと起こるというようなこともございまして、駅構内の照明の改善を図るというふうな形でありますとか、例えばポスターというもの、迷惑行為防止キャンペーンというふうなポスターを作りましてこれを掲示する、あるいは車内放送によって利用者へ啓発活動などを行っておりますが、やはりポイントは警察との協力ということが大事だろうと思っております。警察へ連絡通報体制の一層の強化、あるいは連携の強化ということも今後とも続けてまいりたいと思っております。
#181
○渕上貞雄君 終わります。
 あと、終わりますって言っちゃいましたけれども、大臣、先ほども、やはり国土交通省になってきた、その決意は分かりました。しかし、やはり国土交通省になっても、いわゆる一番大事なことは交通運輸にかかわってはやっぱり安全確保の問題だろうと、こういうふうに思うんですが、大臣の決意をお伺いして、終わります。
#182
○国務大臣(扇千景君) 一にも二にも安全の確保、これが第一でございまして、今仰せのとおりに、京福電車、あるいは新大久保のホームからの落下等々、本当に残念な事故が続きましたので、そういう意味では、少なくとも今、局長が答えましたように、あらゆる面で鉄道の輸送に関してのなし得る対応をすべてすると。そして、より一層の、皆さん方に、新大久保駅のときも非常ベルが見えなかったということで、ベルの位置とか、あるいはホームにさくを作る等々、そして京福電鉄のことからATSを設置するというようなあらゆる手だてを指導しながら、より皆さん方に安心して鉄道の利用をしていただけるように万全を期していくということに国土交通省の姿勢を持っていきたいと思っております。
#183
○委員長(北澤俊美君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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