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2002/04/18 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 経済産業委員会 第11号
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2002/04/18 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 経済産業委員会 第11号

#1
第154回国会 経済産業委員会 第11号
平成十四年四月十八日(木曜日)
   午前九時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十六日
    辞任         補欠選任   
     藤原 正司君     谷  博之君
 四月十七日
    辞任         補欠選任   
     谷  博之君     藤原 正司君
     直嶋 正行君     長谷川 清君
 四月十八日
    辞任         補欠選任   
     関谷 勝嗣君     西銘順志郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         保坂 三蔵君
    理 事
                魚住 汎英君
                松田 岩夫君
                山崎  力君
                平田 健二君
                本田 良一君
    委 員
                大島 慶久君
                加藤 紀文君
                倉田 寛之君
                小林  温君
                西銘順志郎君
                長谷川 清君
                藤原 正司君
                簗瀬  進君
                若林 秀樹君
                荒木 清寛君
                松 あきら君
                緒方 靖夫君
                西山登紀子君
                広野ただし君
   国務大臣
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
   副大臣
       外務副大臣    植竹 繁雄君
       経済産業副大臣  古屋 圭司君
       経済産業副大臣  大島 慶久君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       田村 憲久君
       経済産業大臣政
       務官       下地 幹郎君
       経済産業大臣政
       務官       松 あきら君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       近藤 賢二君
       総務省総合通信
       基盤局長     鍋倉 真一君
       外務大臣官房参
       事官       三輪  昭君
       外務省アジア大
       洋州局長     田中  均君
       財務大臣官房審
       議官       藤原 啓司君
       農林水産省総合
       食料局国際部長  村上 秀徳君
       経済産業省産業
       技術環境局長   日下 一正君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相
 互承認の実施に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)



    ─────────────
#2
○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 昨日、直嶋正行君が委員を辞任され、その補欠として長谷川清君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(保坂三蔵君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣参事官近藤賢二君、総務省総合通信基盤局長鍋倉真一君、外務大臣官房参事官三輪昭君、外務省アジア大洋州局長田中均君、財務大臣官房審議官藤原啓司君、農林水産省総合食料局国際部長村上秀徳君及び経済産業省産業技術環境局長日下一正君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(保坂三蔵君) 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○小林温君 自民党の小林温でございます。
 まず最初に、改正案の内容について御質問させていただく前に、戦後のガットに始まる自由貿易体制の変遷、そして今後の我が国通商政策の在り方全般について若干私見を述べさせていただいた上で平沼大臣の御所見を伺いたいと、こういうふうに思います。
 と申しますのは、今回の法改正は、言うまでもなくシンガポールと我が国の新時代連携協定に対応するための措置であって、特に我が国にとっては初めての自由貿易協定の締結ということで大変大きな意味を持っているんだろうというふうに思うわけです。
 戦後の世界経済は、かつてないほど高い経済成長を達成してきました。その最大の要因というものは、やはりガットを中心とした国際貿易の急激な拡大にあったんだろうと私は考えております。しかし、その多くが、戦後、特に米国の力とそれから指導力によって形成されてきたと。そして、米国の力によって維持されてきた自由貿易体制が、やはり米国自身の相対的な影響力の低下とともに変質をしてきているということも言えるんだろうと思います。
 一つには、一九八八年の米国における包括通商法の採用、そしてヨーロッパでは九二年の市場統合、こういったものが特に十数年の国際貿易体制に大きな影響を与えてきたんだろうというふうに思います。
 この自由貿易体制というのは、しばしば自転車の運転に例えられるわけです。つまり、こぎ続けなければどうも保護主義の流れに押し流されてしまうと。絶えず保護主義という道を取ることを、取るという誘惑に駆られているということが言われているわけですが、そんな中で、九〇年代に入って、グローバル化の中での市場経済の進展、そしてIT化の進展により地域統合という動きがかつてない規模とスピードで広がりつつあります。
 一つには、九二年のAFTA、そして九四年のNAFTA、九五年のメルコスールなど、WTOに通報され発効しているだけでも今世界に百二十のこういった地域統合の動きがあるということでございます。また、例えばアメリカと中南米諸国の間の米州自由貿易構想あるいは米国とEU、大西洋を挟んだ経済パートナーシップ。国際的な通商システムは、多国間の主義というものと地域主義が共存するような新しい時代に入っていると言えるんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 こうした二国間あるいは地域の自由貿易協定が活発に模索され始めた背景には、やはり一つには、ガット、WTOにおける多角的な貿易自由化交渉というものが一つ暗礁に乗り上げている、あるいは自由化の難しさに対していら立ちがあるということも指摘されているわけです。
 私、一つ危惧しますのは、例えば自由貿易体制がまだ未整備であった一九三〇年代において、恐慌による影響から自国の市場を保護するために、輸入制限という形で他国の犠牲によって自国経済の回復を図るという近隣窮乏化政策、これが取られた当時と現在の状況が保護主義の流れの中で似ているんだということも実は言われているわけでございます。
 こういう大きな世界の流れがある中で、では一方、我が国はどういう状況にあるかといいますと、特に地域統合の流れの中では、八九年にAPECが発足し、日本は加盟しております。ある意味でいうと、日本はこれまで通商立国という名の下にWTOを中心とする多角的な国際通商体制を推進してきたわけでございますが、今回のシンガポールとの協定は、繰り返しになりますが、初めての二国間協定であると。その意味で、ある意味では我が国の通商政策にとって大きな転換点になるんじゃないかということも考えることができるんだろうと、こういうふうに思うわけです。
 昨年、二〇〇一年の通商白書によりますと、「我が国にとってのWTOの役割は依然として大きい。」としながらも、「「日本経済の再活性化」という国家目標を確実かつ迅速に達成する上での必要十分条件ではなくなりつつある。」と、「WTOのみならず地域あるいは二国間における各フォーラムを柔軟に活用しながら、対外経済政策を展開していく必要がある。」と、こういう記述があるわけでございますが、こういった流れもあって、今回の日本とシンガポールとの間の二国間協定も一つの動きとして位置付けられるのかなと、こういうふうに思うわけです。
 私、一九九一年から九三年までワシントンで大手の法律事務所で通商のチームに入っておりまして、特にうちの事務所はNAFTAのアメリカ側の代表を務めておりまして、その実務にかかわっておりました。当時は、ある意味でいうと、当時のNAFTAの成功というものはある意味でアメリカの通商政策全般を大きく左右するという認識がありまして、ワシントンじゅうがある意味でいうとNAFTAブームに沸いていたと。締結されたときにはもうとにかくワシントンじゅうのローファームでもう大パーティーが繰り広げられたということを私自身覚えているわけでございます。
 そういう意味でいうと、今回の日本とシンガポールの二国間協定というのは、日本にとって大きな歴史の第一歩であるにもかかわらず、少し取り上げられ方が小さいのかなという気も私自身はしているわけでございます。
 実際、例えば欧米の主要国が地域主義に主軸を移している、アジアの中でも中国、ASEANといったほかのプレーヤーも新たな連携を模索している中で、天然資源がない、そして自由貿易の恩恵を多分に受けてきた我が国がある意味ではこれは新たな第一歩を踏み出すと。そんな中で、WTOを中心とした多国間主義あるいは二国間主義、地域主義、こういったバランスをどのように考えて今後の通商政策全体をデザインされていくかということは、これは日本の国際競争力あるいは生き残り戦略という観点からも非常に重要だと私は思います。
 こういった点について、大臣に今後の日本の通商戦略全般についての御所見をお伺いできればというふうに思います。
#7
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変、実際に米国におられて、そしてNAFTAの締結、それに携わられた、そういう経験を基にしたお話を大変私も興味深く承らせていただきました。
 御指摘のように、今回のシンガポールとの間のFTA、もう少し今回は経済連携という形でその枠を超えたことを結ばせていただきました。
 これは、私はある意味では画期的なことだったと思っています。世界の自由貿易体制という大きな土俵は、私どもはWTO、この中で世界の自由な貿易、これを促進をしていこう、こういう基本線があるわけであります。これはこれで、我が国としてはこれからもその進展、発展のために努力をし、協力をしていかなきゃいかぬと思っています。
 そんな意味で、シアトルでこれが、WTOが新ラウンドが立ち上がらなかった。そこで、昨年の十一月のドーハで、九月十一日の事件等もあってなかなか厳しい状況でしたけれども、これがやっぱり立ち上がったということは、私は日本も努力をいたしました。そして、その中で今度、それまでは百四十二か国でございましたけれども、御承知の中国と台湾が加盟すると、こういう形でWTOの新ラウンド、これのめどが付いたということも、これも画期的であったと思います。
 そういった大きな枠組みと同時に、やっぱりこの多角的なWTOを中心とする貿易体制を維持強化するということは、繰り返しになりますけれども、大切なことですけれども、もう一方、利害の共通する国や地域との間で機動的な取組、これが可能な二国間の協定や、あるいは地域的なそういった協定を活用するという、言ってみれば多層的な対外経済政策、これも非常に重要になってきておりまして、御指摘のように、世界ではこれがやはりWTOと並行してどんどん進んでおりまして、言ってみれば、日本がシンガポールとやるまでは、日本と中国とそして韓国とそして台湾だけが加盟をしていなかった。そういう中で、今回日本がその先鞭を着けたと、こういうことでございますから、私どもは、国内のいわゆる構造改革にも資するように、国内経済政策と表裏一体のものとして推進をしまして、国際的なビジネス環境の整備などを、これを機に戦略的に、そして今申し上げたように多層的に取り組んでいくことが重要だと思っています。
 そういう観点から、私どもといたしましては、先般、WTO新ラウンド交渉、これが始まるわけですけれども、国際的なルール作りに日本としては積極的に参画をして貢献をしていかなきゃならない。そしてもう一方、こういう多層的な面での今回のシンガポールとのこういう経済連携協定に引き続きまして、アジア等の成長要素を一層積極的に取り組むことが私は必要だと思っています。
 そういう意味では、小泉総理が年初ASEANを訪問されたときに、日・ASEAN包括的経済連携構想、これを打ち上げました。中国も十年以内にやると、こういう動きが出てきております。ですから、私ども日本としては、その具体化ということをやっぱりしっかりとやっていかなけりゃいかぬと思っておりますし、二国間や地域間の協定やフォーラムを戦略的に活用をし、そして東アジア諸国等との連携を推進する一方、今具体的には、例えばメキシコあるいはチリあるいは台湾その他からもいろいろ具体的な話、申入れがあります。
 ですから、そういったことを私どもは積極的に取り組んで、多層的に、多層的な面も取り組んでいくと。こういうWTOの大きな土俵と、同時にこの多層的な面、これを国家戦略として経済政策上取り組んでいく、その意味で御指摘のとおり、シンガポールとの経済連携協定は第一歩として非常に意味があったと、このように思っています。
#8
○小林温君 ありがとうございます。
 引き続き、自由貿易協定について、もう少し経済産業省及び外務省にお伺いをしたいと思うんですが、率直に言って、この最初の日本にとっての地域間協定、自由貿易協定、なぜシンガポールが相手国だったのかと。ちまたでは農業問題が存在しないからというようなことが言われているわけでございますが、この辺、日本の外交戦略的な側面も含めて、経済産業省及び外務省にお伺いしたいと思います。
#9
○副大臣(大島慶久君) 小林先生にお答えをいたします。
 先生既に御案内のことだと思いますが、この経緯につきましては、一九九九年の十二月、当時の小渕総理とゴー・チョクトン・シンガポール首相の間で、いわゆる自由貿易協定に関する産学官の検討会を設立しようと、こういう合意がまずなされたわけでございますが、きっかけはそこが始まりでございます。そして、翌二〇〇〇年の九月には、そういった検討会合の報告書を受けまして、二〇〇〇年の十月に、当時の森総理とゴー首相との間で本協定の交渉を開始するということが合意をされました。そして、その後一年間の政府間の交渉が行われたわけでございますが、それを踏まえまして、本年の一月、小泉総理の東南アジアの訪問の際に、両首相によりまして本協定に署名がされた、こういうことが歴史的な事実でございますが、とにかく、なぜシンガポールなんだと。
 シンガポールは、御案内のとおり、わずか人口四百万という都市国家でございますけれども、我が国にとりましては、第六位の輸出先であります。そして第四位の対外直接投資先でもございます。在留邦人数は二万三千人を超えておりまして、東南アジアの中でも最も多い国、こういう位置付けでございます。
 そういった意味で、シンガポールという国は、規模は小さいにもかかわらず、我が国にとりましては極めて深い経済関係にある、そういったことが背景にございます。また、シンガポールは競争力のある外資を積極的に誘致することを国家戦略といたしておりますので、我が国にとりましても、今後、こういった協定に基づいて協定を締結することに至ったと、これがその背景にあるわけでございます。
#10
○副大臣(植竹繁雄君) ただいま経済産業省の方から細かく御説明がございましたが、外務省といたしましても、シンガポールは我が国の主要な貿易投資相手国の一つであり、例えば輸出におきましては六位あるいは投資先としましては四位といった大変重要な国であります。したがいまして、今後、貿易自由化、市場経済体制等、経済運営政策におけます基本を政策の基本として我が国と共有しておるわけであります。また、ASEANの加盟国である同国との関係強化というのも、今後の我が国の東南アジア諸国との関係を深化させる上で大きな意義があり意味があると考えるところでございます。
 このような観点から、一九九九年末に日本・シンガポール首脳会談におきまして、検討会合の設立に合意し、さらに二〇〇〇年に産官学から成る検討会合を実施いたしたわけであります。この会合の検討の報告書の提出を踏まえまして、昨年の政府間協議を経まして、本年の一月十三日、両首脳間で協定の署名に至ったというのが経緯でございます。
#11
○小林温君 今シンガポールのお話をいただきましたが、三月、先ほどお話ありましたように、日韓の首脳会談でもFTAについて研究会を設置されると。それから、ほかにメキシコであるとかオーストラリア、ASEANなど、いろんな国の名前がその次の自由貿易協定の相手国として、今、国あるいは地域が挙がっているわけですが、今後、どのような戦略の下に二国間あるいは地域との協定を結んでいこうとしているのか、例えばアジェンダも含めて経済産業省並びに外務省の方からお答えいただきたいと思います。
#12
○副大臣(大島慶久君) お答えをいたします。
 まず、我が国といたしましては、あくまでもWTOを中心とした多角的貿易体制の維持そして強化の取組に加えまして、利害の共通する国や地域、そういった間で機動的な取組が可能な二国間や地域的な協定を戦略的に活用していく、これが基本的な方針でございます。
 そして、今後の取組でございますけれども、我が国経済の活性化を図っていく、こういう観点に立ちまして、東アジア諸国との間においても幅広い分野で経済連携の強化について議論を行ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
 具体的には、日・ASEAN経済連携強化専門家会合におきまして、日・ASEAN包括的経済連携構想、そういったものの具体化に向けまして検討を進めていく所存でございます。また、韓国との間では、先月の首脳会談におきまして、日韓自由貿易協定に関する産学官研究会の設置、これを合意をしたわけでございますので、一日も早くその研究会を立ち上げる努力をこれからさせていただきたい、こう思っております。さらには、メキシコとの間に協定がないがゆえに我が国企業が欧米企業に比べて大変不利になっておりますので、こういった問題を解決するためにも両国間合意の研究を進めてまいりたいと、こんなふうに思っております。
#13
○副大臣(植竹繁雄君) 我が国の対外経済政策の基本は、何といってもWTOを中心といたします多角的な貿易体制の維持強化ということでございますが、この二国間の自由貿易協定というものも多角的貿易体制を補完していくという意味で非常に重要でありますし、更に貿易自由化や経済活性化を進めるための一つの方策といたしまして、我が国対外経済政策の一つの重要な柱と位置付けておるところであります。シンガポールとの関係での経済連携強化の締結は、その最初の例として、非常に今回のシンガポールとの協定は意義が深いものと考えるところでございます。
 なお、シンガポール以外に、現在、FTAの可能性も視野に入れましていろいろ取組を進められている国や地域といたしましては、メキシコ、韓国、ASEANが挙げられます。
 まず、メキシコとの間でございますが、昨年六月の日本・メキシコ首脳会談における合意に基づいて、両国間でFTAの可能性を含め経済関係強化の方策を包括的に議論するために、産官学から成る経済関係強化のための日本・メキシコ共同研究会を立ち上げて、現在論議を行っているところであります。
 韓国との間につきましては、三月の小泉総理が訪韓いたしました折に、産官学研究会を設置することで意見の一致を見ておりまして、今後速やかに研究会を立ち上げる予定でおるところであります。
 ASEANとの間につきましては、先般一月、小泉総理から、日本・ASEAN包括的経済連携構想を提案いたしまして、現在、ASEANとの間で連携可能な具体的分野や連携の枠組み等につきまして検討を進めておるところであります。
 今後は、この日本・シンガポール経済連携協定の枠組みをも参考としながら、我が国産業界からのニーズや、また相手国市場の規模といった様々な要素を勘案の上、どんな国・地域といかなる分野において経済連携の強化を図ることが我が国にとって望ましいことであるか、それはケース・バイ・ケースに検討の上、利害関係の一致する国・地域との経済連携を積極的に進めてまいりたいと考えておるところであります。
#14
○小林温君 分かりました。
 もう一つやはり注視しなければならないのは中国の動きだろうというふうに思います。昨年のASEANと中国との間の自由貿易協定の話は幾らか唐突な気もしたわけでございますが、今回、日本と中国の東南アジアのパートナーをめぐる争いの中で、ある意味では、日本とシンガポールが今回協定を結べたということは中国に対して一歩先んじたという見方もできるんじゃないかと思います。
 こういった観点も含めて、中国のアジアにおける通商政策をどのようにとらえられておられるかということについて、経済産業省並びに外務省からお答えいただきたいと思います。
#15
○副大臣(大島慶久君) お答えをいたします。
 今、先生が申されましたように、昨年の十一月、中国とASEANが自由貿易協定の交渉開始ということが発表されたわけでございますけれども、正に我が国にとりましてはこれは大きな驚きを与えた、こう思っております反面、我が国がもうはっとするような覚せい作用にも陥ったような感じがいたしております。
 この動きは、東アジアで急速に進み始めております地域統合の流れに中国として乗り遅れまいとした動きがあるというふうにとらえることもできる、こういうふうに感じているわけでございますが、何といってもアジアの二大大国、日本と中国でございますので、ある種の競争関係が存在することはこれは間違いないと思います。けれども、ただ競争相手だということのみならず、いろんな面で協調することも一方では求められる、こういうふうに我々は思っております。
 そして、中国はWTOに加盟したところでございまして、また地域での協議の枠組みとしてはASEANプラス3などがございます。さらに、去る四月十二日、総理が訪中された際、経済分野に関する対話を強化するため、日中経済パートナーシップ協議の設立につき原則合意をされた、こういうことでございますので、我々経済産業省といたしましては、こういった機会を活用しながら、日中双方あるいは東アジア全体の発展にメリットのある二国間関係及び地域関係を今後も模索してまいりたい、こんなふうに思っております。
#16
○政府参考人(田中均君) 私ども外務省といたしましても、今経済産業省からお答えになったとおりでございまして、中国自身がこういう地域協力に入ってくるということ自体は、国際社会との中国の依存性を高めるという観点から、歓迎すべきであろうというふうに思います。
 ASEANとの自由貿易協定の提案といいますのも、十年掛かってやろうということで、多分ASEANの中にもいろいろ思惑の違いということもありますし、中国とASEANとの関係は非常に競合的であるという面もありますので、必ずしも簡単なものではないだろうというふうに思います。ただ、やはりここで競争環境が拡充していくということは、それなりに好ましいことではないかと。
 一方において、日本は、日中の経済パートナーシップ協議というのを先般総理のボアオ・フォーラム訪問の際に二国間の首脳会談で樹立をいたしましたけれども、そういうものを通じて中国がWTOのルールに従った行動を取っていく、こういうことを慫慂してまいりたいというふうに考える次第でございます。
#17
○小林温君 ありがとうございます。
 次に、通商戦略、特に農業問題についてお伺いをしたいんですが、大臣さっきおっしゃられましたように、多層的な通商政策を進めるに当たり農業問題というものをどういうふうに扱うかと、これは大変重要だろうと思います。昨年、中国とのセーフガードをめぐる状況というものもありましたし、小泉総理もある記者会見で、農業分野はかなり政治的な問題であると、こういう発言もされているわけでございます。
 こういう難しい問題であるという現状を踏まえた上で、やはり通商を担当されている経済産業大臣が農業分野についても私はもっと積極的に発言されてもいいんじゃないかと思うわけです。先日、経済財政諮問会議でも大臣はFTA推進の意見を述べられたということでございますが、ある意味でいうと、省庁再編によって経済産業省というのは通商におけるある一定の独立した立場を与えられたというふうに私自身は解釈をしておるわけでございます。
 そういった点を踏まえて、是非、大臣に農業問題に対してもっと積極的なコミットメントをお願いしたいというお願いと同時に、是非その決意についてお伺いしたいというふうに思います。
#18
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。
 諸外国との経済連携強化を進めるに当たっては、我が国全体としての利益を考えるというのはそれは当然のことであります。しかし、そこには聖域というものは設けないで、あらゆる分野における検討を私は進めていくと、このような基本認識を持っています。こうした考えの下で、御指摘の国内の例えば農業というようなセンシティブな産業分野についても、やはり関係者もたくさんいらっしゃるわけですから、その影響というものについては十分な配慮は当然私は行わなきゃならないと思います。そういう配慮をしながら検討の対象に私は含めていくことが必要なことだと、こういうふうに思っています。
 なお、WTOの協定におきましても、自由貿易協定の締結に当たって特定のセクターを除外することは認められていない、こういう解釈があると、こういうふうに承知をしておりますので、もちろん今申し上げたように、いろいろ配慮をしなければならない、全体の利益を考えなきゃいけない、しかしそういう中で聖域を設けずに、やはり国益は何かということを考えてしっかりとやっていくことが肝要だと、このように思っています。
#19
○小林温君 ありがとうございます。
 是非、その大きな国益という観点から通商問題をとらえていただいて、農業問題に積極的にコミットしていただきたいというふうに思います。
 もう一つ、今の農業問題も絡むわけですが、例えば経済格差がある国との二国間協定というのを考えたときに、私は、先ほどのNAFTAの、特にアメリカとメキシコ側との経験というものは非常に日本にとって参考になるんじゃないかというふうに思うわけです。例えば関税あるいはクオータ制、それから保税区とか原産地規則を作ったりと、ある意味では経済格差がある相手との二国間協定においてはこういう段階的な措置というものが必要になるんだろうと思いますが、今後いろんな国との二国間協定を考えていく中で、経済産業省としてこういった点についてどういうお考えをお持ちかということについてお伺いできればというふうに思います。
#20
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のNAFTA、これは北米自由貿易協定でございますけれども、米国とカナダ、それと比べて経済格差のあるメキシコについて御指摘のように関税の段階的自由化を他の二国と比較して長期にわたって行う、そのことは認められています。こうした例はAFTA、これはASEANの自由貿易地域でも取られている措置だと、こういうことで、そういう例がある措置でございます。
 今後、我が国も、アジア等の国々、なかんずく途上国との経済連携を進めていくに当たっては、当然のことながら各国の国情ですとか要望ですとか、あるいは発展段階の違いなどを踏まえまして、貿易・投資の自由化が途上国の経済にもたらす悪影響を和らげるための当然工夫をする必要があると、私どもはこのように認識しております。
 この特別地域というのは、NAFTAの中のマキラドーラという制度があるわけですけれども、これは一つは保税加工区を指す、こういうことになっておりますけれども、これは、本制度は一九六〇年代に創設されまして、NAFTAの締結に伴って二〇〇〇年末をもって輸入関税を実質的に免除をする措置、そういうものは廃止されたと承知しておりますけれども、いずれにいたしましても、やはりそういう考え方はこれから例えばASEAN諸国とそういう関係を強化していくに当たっては当然考慮すべきものだと、このように思っております。
#21
○小林温君 それで、今回の改正案の元になります日欧の相互承認法についてお伺いをしたいと思いますが、昨年の六月成立、七月公布されたわけでございますが、その施行後の進捗状況がどうなっているか、あるいは実際にこの法律に基づいていろんなことが動き出すまでどのぐらい掛かるのかということについて、お答えをいただきたいと思います。
#22
○政府参考人(日下一正君) 日欧の相互承認の実施につきましては、本年一月の協定の発効及び法律の施行と前後しまして、昨年十二月以降、適合性評価機関や関係事業者を対象とした説明会を東京及びブラッセルにおきまして計四回開催してきております。さらに、協定に基づきまして設置されました日欧の合同委員会の第一回会合を本年三月五日に東京で開催し、適合性評価機関の登録の手続などにつきまして実質的な合意が得られたところであります。
 実際に相互承認が動き出すまでにどのぐらい掛かるかという点についてでございますが、我が国の適合性評価機関が相互承認協定に基づく事業を行えるようになるまでには、第一に適合性評価機関からの申請があること、第二にこの機関の技術的能力などを調査、審査した上で主務大臣が認定すること、第三に認定した機関を協定に基づきまして登録するために日欧の合同委員会に提案する、第四に欧州側がこの提案を了承するという一連の手続が必要でございます。
 この中の第二の段階にあるところでございまして、現在、申請のあった適合性評価機関の能力などを調査中でございますが、この調査は順調に進めば五月中旬ごろには終了する見込みでございますので、これが終了し次第、協定に基づく登録手続を行うことで可能な限り迅速にこの仕組みが動くように努力してまいる考えでございます。
#23
○小林温君 ちょっと時間が足りないので、少し質問の順番変えさせていただきたいと思います。
 今のお話ですと、一年ぐらい掛かって、まあまだこれからということでございますが、一つには、少し戻って、まず日本とシンガポールの相互承認によってどのような経済効果がまず期待されているのか。これ、欧州の場合二百五十億円という実は試算が出ているということでございますが、それと今の承認法後の実施のプロセスに関してですが、こういった経験を、日欧の経験を踏まえて、そしてシンガポールの実施を速やかに行っていただくと。今後了承される他の国との二国間協定の中で、やはりビジネスの世界、流れ速いわけでございますから、迅速な実施体制の確立というものが必要だろうと思いますが、この辺について古屋副大臣の方からお答えいただければというふうに思います。
#24
○副大臣(古屋圭司君) 委員の御質問は、今回の相互承認によってどういう経済効果があるかということだと思いますけれども、まずこの相互承認によりまして実際に輸出入をする手続が簡素化されます。そして、それによるコストの削減を図ることができるということであります。また、検査期間も同時に短縮をされるということでありますから、タイムリーなビジネスを実行することができ、結果として貿易の促進につながるという効果があると思います。
 もう一つは、やはり中小企業にとっても、例えば現地に特派員とか駐在員がおりませんので、そういった方々にとっては、輸出入の際の資料を収集したりとかいろんな手続がかつてはありました。こういうものが省略できますので、中小企業にとっても非常に効果が期待できるのではないか。
 シンクタンクの試算ですけれども、今、委員御指摘のように、欧州の場合は五年間で二百五十億ということでありますが、シンガポールでは通信機器とか電気製品を中心に大体五年間で二十億ぐらいの効果はあるんではないかというふうに試算をされております。
 あと今、欧州の経験を踏まえて、できるだけ時間が短縮できないかということでございますけれども、このいわゆる相互承認を含む手続につきましては、まず国会で承認をいただいた上で両国の国内手続、これは政省令の改定を含みます、それを行って、その上で外交上の文書を交換し、その後三十日後に発効するということになっておりまして、今その関連の政省令を準備する必要がございます。この準備に大体五か月程度は掛かっておりましたけれども、今度の欧州との経験もございますので、できるだけそういった学習効果を出しまして、短縮に努めていきたいと思います。やはり、できるだけ早く締結することがビジネスチャンスを広げていくということにもつながると思いますので、できれば三か月、数か月程度で完了できればと、こんなふうに思っております。
#25
○小林温君 時間がないようですので、まとめさせていただきます。
 今、古屋副大臣の方から中小企業にとってのメリットというお話をいただきましたが、是非中小企業が使えるように周知徹底、こういうことをしていただくと同時にPRに努めていただきたいと。
 それから、基準・認証制度全般について、認証ビジネスは日本ではまだ民間で日が浅うございますので、その辺もやはり欧米諸国に比べて見劣りするところだと思います。経済産業省としても民間企業の育成あるいは参入促進について是非大きなお力を賜りたいとお願いを申し上げまして、質問を終了させていただきます。
 どうもありがとうございました。
#26
○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林でございます。先週に引き続いて、質問させていただきたいと思います。
 冒頭、先週の迷惑メール、特定商取引の件でございますが、感想をちょっと申し上げたいんですけれども、古屋副大臣も言及されておりました技術力というんですかね、技術が時に法律を必要となくするというお話もありましたけれども、早速ドメイン指定拒否の手続というかボタンを押したところ、一切来なくなりました。一日五、六通来ていたんですけれども、一挙になくなると寂しいものだなという感じも、これは正直なところしたんですけれども、それ以上に怖いと思ったのは、技術力がいわゆるそもそものインターネットの自由な情報通信を妨げる可能性、逆に排他性が強過ぎると。ボタン一個するだけで、もうパソコンから来るやつは全部入りませんので、そのことを各社が全部やり出したら、逆にそういう規制も必要なんではないかという、そういう技術の規制も必要なんではないかということを感じたということで、なかなか難しいなということを率直に感じたものですから、そのことをちょっと冒頭お伝えして、本題に入りたいなというふうに思っているところでございます。
 特定機器に係る今回の相互承認でございますが、まず通商政策全般についてお伺いしたいというふうに思います。
 私は、今回の日本・シンガポール新時代経済連携協定というのは非常に大きな一歩だというふうに思いますが、私はやっぱり世界の潮流から見ればちょっと乗り遅れたんじゃないかという逆に危機感があります。例えば、EU内で二〇〇〇年の合併、吸収、統合というものの金額を見ますと、全世界で五〇%がこのEU内の中で起こったと。これは正にEU内での市場統合、通貨統合が進んでいるがゆえの一つの証左だと思うんですよね。そういう意味では、国内産業のやはり再編、競争力強化という観点からいえば、もうこの自由貿易協定というのは、正に大臣がおっしゃるように、経済政策、経済戦略そのものだという認識がやはり今一番必要なんではないかという思いがあります。
 そういう意味で、その観点から少しお伺いしたいと思いますが、先ほど小林委員からもうお伺いしたところは省いてお伺いしたいと思います。
 基本的には、やっぱりWTOを基軸とした通商政策、我が国の基本だというふうに思いますが、一方こういう二国間の自由貿易協定あるいは地域経済、ブロック経済にも関与していくというようなお話もありましたけれども、これまでは日本というのは、どちらかといえば国連中心主義に見られますように、国際機関の枠の中でやっていればある意味での安心感、正しいことをやっているという意識がやっぱり私は歴史的にあったんじゃないかなと。
 その中で、今回WTOはできましたけれども、一方、各国は逆にWTOの限界とは言いませんけれども、やっぱり百五十ぐらいの国が、やっぱり経済の発展段階、規模が違う中でコンセンサスを用いてやってみて、非常に時間と労力が掛かる、もうこれは釈迦に説法だと思いますが、そういう意味でこういう二国間協定を進めていくというのは、私はもうどんどんやるべきじゃないかという感じはしております。
 その中でちょっと哲学的な感じになるんですが、このブロック経済へのかかわり方というのをやっぱり大臣としてどういうふうに考えているかということなんです。ブロック経済の中に入っていくのか、一歩置きながら、例えば今回の日本、ASEANの包括連携協定ですか、それのように置きながらやっていくのか、やっぱりブロック経済に肩入れして積極的にやっていくのか、その辺の考え方についてちょっとお伺いしたいと思います。
#27
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほど私、小林先生の御質問でもちょっとお答えをしましたけれども、やっぱり世界の自由貿易体制というのは、大きな土俵というのはやっぱりWTOのルールの中でそれの進展を日本としても積極的に参加しながら図っていかなきゃいけない。今御指摘のように二国間ですとか地域、そういったものはやはり多層的な面でそれを補完する、そういう意味として活用していく、私はそれは基本的な我々の認識だと、このように思っています。
 そういう意味で、やはり現実の問題、世界の中ではもう二国間、地域のそういう協定が非常に日常茶飯事化して、日本の場合には非常に出遅れたと、それは私は御指摘のとおりそういう背景があったと思います。例えば国連を中心にしていく、あるいはそういうWTOを守って世界の自由貿易大国、これは日本のやっぱりある意味ではいいところでもあったし、日本が国際社会の中でまじめにやってきたことだと思っています。
 ですから、そういう新しい動きの中で、私どもは基本的には多国間の世界のWTOというものを大きな土俵として進展させていきながら、それを補完する、こういうことの中で積極的にやっていくべきだと。そうすると、その中で当然いろいろな紛争だとかそういうのが起こってきます。そういう中ではやっぱりWTOのルールで、そういうルールがありますから、そういうものを使いながら私どもは全体の解決を図っていく、こんな基本認識でやっていきたいと、こう思っています。
#28
○若林秀樹君 今のお答えの中で、そういう意味じゃそのブロック経済というものを活用していくということで、必ずしも肩入れして中に入っていくということじゃなくて、一歩置きながらそことの連携を図っていくというおっしゃられ方でよろしいんでしょうか、ちょっと確認なんですけれども。
#29
○国務大臣(平沼赳夫君) それは当然中に入るわけでございまして、やっぱり何といいますか、そういうブロックのこともそこの中で最大限効果が出るようにそれは努力をすると。しかし、大きな枠組みも同時に守っていくと。そして、この主とそして補完、それを一体として進めていくことが肝要だと、そういう基本的な考え方です。
#30
○若林秀樹君 そういう意味じゃWTOも地域主義、ブロック経済が余りにも保護主義化しないような監視体制ということがやっぱり大事だなという感じがしておりますので、是非我が国日本の役割というんでしょうか、そういう意味では、ちょっと見ますとやや保護主義的な動きもアメリカに見られますようにありますし、本気でどこまでやっているんだという意識が私はちょっと薄いんじゃないかと、これは勝手な見方かもしれませんけれども、そういう意味で我が国はやっぱりそこにかかわって、保護主義化にならないように積極的にやっぱりリーダーシップを是非発揮していただきたいということを申し上げたいというふうに思います。
 その上で、今回の日本とシンガポールの新時代経済連携協定が結ばれたわけですが、実質かなり無税化が進んでいたというふうに思いますけれども、今回の協定によりまして逆に影響を受ける産業も多少あるんではないかというふうに思いますので、その辺の状況把握あるいはその対応策について伺いたいというふうに思います。
#31
○副大臣(古屋圭司君) お答えさせていただきます。
 今、シンガポールからの輸入額に占める無関税品目の割合が現時点では八四%でありまして、今度の協定が発効しますと、化学品であるとか石油製品、繊維製品等に関する関税が撤廃をされて無関税品目が九四%になるわけで、ちょうど、だから一〇%程度無関税品目が上がるということでありまして、強いて言うなら、そこが影響があるのかなということでございますが、しかし一方では、輸入が増加することによって我が国の国内産業に重大な影響が引き起こされる場合もありますので、そういったことも想定をして、本協定に基づきまして緊急措置を取ることができるというふうになっておりまして、具体的にはこの協定が発効してから十年間の間は段階的な関税を引下げを停止するとか、あるいは協定発効前の段階に戻すことができる、こういうような取決めになっております。
#32
○若林秀樹君 特定な産業とかというのは特に何か考慮されていますでしょうか。この協定によって特定の産業が打撃を受けるのではないかということについては。
#33
○副大臣(古屋圭司君) 無税の品目につきましては、もう恐らく委員も御承知と思いますけれども、リストがございましてそこに記されておりまして、こういったものが対象になるということでございます。
#34
○若林秀樹君 具体的に言えば、例えば石油製品とか化学分野で影響を受けるんじゃないかということで、どういうふうにこれを、現状をとらえていて、それに対応を打とうとしているかということについてお伺いしたいということです、はっきり言えば。
 ですから、当然シンガポールはエクソンモービルなどのメジャーもありますし、それによって無税化したものがやっぱり流れてくるんじゃないかと。それによって日本国内も被害を受ける特定の産業がもし仮にあるとしたら、それについてどう把握され、対応策を打たれようとしているかということです。
#35
○副大臣(古屋圭司君) 先ほども若干お答えさせていただきましたけれども、今御指摘の化学品とか石油製品は、これは無税対象になってきますので、それによって国内産業が影響を受けるという可能性はあると思います。そういうときのために、先ほど申し上げましたようにいろいろな緊急措置を取ることができるということになっております。そういったことで私どもは対応できるというふうに考えております。
#36
○若林秀樹君 分かりました。
 ということは、状況を見て緊急措置を発動するかどうかというのは適宜やっていくということで理解したいというふうに思います。
 ちょっとあっちこっち飛ぶようで恐縮なんですが、本年一月の小泉首相がASEAN訪問時に日本・ASEAN包括的経済連携構想というのを打ち上げましたけれども、演説内容そのものは理解はしているんですけれども、その意味するところ、とりわけ、包括というところにどういうことが込められているのか、その辺についてお答えいただければ有り難いと思います。
#37
○大臣政務官(松あきら君) 私からお答えをさせていただきたいと思います。
 先生、全体の演説内容を御存じだとおっしゃいましたけれども、一月、総理は三十年前の福田故総理のスピーチを引用されまして、その政策を継承するというふうにおっしゃっておられます。そして、率直なパートナーとして、これは何回もテレビのニュースなどでも流れましたけれども、ともに歩み、ともに進むという、協力関係というものを非常に強調されておりました。
 そこで五つのイニシアチブを提案なさいました。その一つは、教育、人材育成分野での協力。二つ目は、二〇〇三年、日本・ASEANの交流年にしたい。三つ目は日本・ASEAN包括的経済連携構想、これ、御質問なさったことですけれども。四つ目は東アジア開発イニシアチブ、これは今後の開発協力、援助も含めたこの在り方でございます。そして五つ目は国境を越える問題、これはつまり安全保障で、例えばテロですとかあるいは海賊対策、エネルギーの安全保障強化も入っております。この五つのイニシアチブを提案なさいました。
 その中で、先生おっしゃっております日本・ASEAN包括的経済連携構想というものは、日本・ASEAN間で貿易・投資の自由化のみならず、科学技術あるいは人材育成、観光なども含めた幅広い分野における経済連携の強化を目指すものでございます。今後、具体的提案をまとめまして、今年秋、カンボジアのプノンペンで行われます日本とASEAN首脳会議で合意することを目指すこととされているところでございます。
 包括の意味につきましては、貿易・投資に限らず幅広い経済連携を目指すという対象分野の包括性というものと、それからASEAN十か国全体との間での連携可能な具体的分野や連携の枠組み等について検討を進めるという、対象国の包括性、この二つを意味しているところでございます。
 以上でございます。
#38
○若林秀樹君 ありがとうございました。
 そういう意味で今回のこの経済連携構想というのは、日本がやっぱりアジアにおける経済秩序づくりに積極的に関与していこうという意味で評価できるんではないかなというふうに思います。
 その中にこの自由貿易協定というものが、私は、このコンテクストからは間違いなく、すべてにおいて含まれるというふうに私は読めるんですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
#39
○副大臣(大島慶久君) お答えをいたします。
 日本とASEAN包括的経済連携構想の具体化を進めるに当たりましては、我が国経済全体としての利益を考え、聖域を設けずあらゆる分野における検討を進めるべき、基本的にはこう考えております。こうした考えの下で、国内のセンシティブな産業分野におきましても、その影響について十分な配慮を行いつつ検討の対象を含めていくことが必要であるというふうに認識をいたしております。
 なお、WTO協定におきましても、自由貿易協定の締結に当たりましては、特定のセクターを除外することは認められていないと解釈されているというふうに我々は承知をいたしております。
#40
○若林秀樹君 分かりました。
 そういう意味で、FTAは当然のことながら含まれるという理解で私は今の発言を取りましたので、それでよろしいですね。
 今年の秋のカンボジアでの合意を目指すということなんですが、合意をしますけれども、具体的にどのくらいの年のスコープで今回のこの連携構想を具現化しようかというところについて、もうちょっと、そのタイムスパンも含めてお答えいただけたら大変有り難いなと思います。
#41
○副大臣(大島慶久君) 今年の一月に小泉総理がASEAN諸国を訪問された際に提案した日・ASEAN包括的経済連携構想につきましては、日・ASEAN包括的経済連携構想促進関係省庁連絡会議が設置をされました。政府を挙げてその具体化に向けて取組を進めているところでございます。
 経済産業省といたしましては、昨年の日・ASEAN経済大臣会合に設置が合意されました日・ASEAN経済連携強化専門家グループにおきまして、日・ASEAN包括的経済連携構想の具体化に向けた検討を目下進めているところでございまして、本グループにおきましては、今年の一月以降、既に二回の会合を持たせていただきましたし、包括的経済連携の実現に向け、いわゆる自由貿易協定の可能性を含めまして幅広く検討をしているところでございます。
 今後のスケジュールでございますけれども、数回の会合を重ね、報告書をまとめ、今年の秋の日・ASEAN経済大臣会合、同首脳会合に報告する予定となっているところでございます。
#42
○若林秀樹君 合意するまでのスケジュールは分かるんですが、その先、この連携構想を具現化するためにどのくらいのスパンでどういうことを想定しているかということをお伺いをしたいんです。
#43
○国務大臣(平沼赳夫君) 非常にASEAN、たくさんの国がございます。そういう意味では、今二回、一つはタイ、一つはインドネシア、こういう形で会合を重ねて、今、大島副大臣から言いましたように、精力的に進めているわけです。
 ですから、じゃ今後どのぐらいだということは今まだちょっとそれは分かりませんけれども、例えば中国が十年以内と、こういうような一つ構想を出しています。ですから、我々としても、いろいろな分野がございますからできるだけ早く、そういう中で、今あえて私が担当する大臣の一人として言わせていただくと、やっぱり十年以内ぐらいのスパンで精力的にやるべきだと、このように思っております。
#44
○若林秀樹君 十年以内という明確なお答えが出ましたので、是非それに沿って進めていただきたいなというふうに思います。
 この経済連携構想なんですが、基本的にはASEANと合意を目指すということは、全体として包括的な連携を目指すのか、あるいは各個別の国との協定を積み重ねていくのかという、この辺についてはどんなふうにお考えでしょう。
#45
○国務大臣(平沼赳夫君) これは、私どもも、今、正にそういう形で今二回会合を開き、それぞれとで意見を出し合ってやっております。そういう中で、その個別のシンガポールとやったような形である国とはやるとか、あるいはいろんな選択肢があります。しかし、やっぱり包括的にやりたいというのが小泉総理のあれでありますから、やっぱり地域をやった包括的な経済連携協定と、こういうものを目指して私どもは各国と幅広く話し合ってやっていくと、そういう形が望ましいと、そういう方向でやっていくべきだと、このように思っています。
#46
○若林秀樹君 ありがとうございます。
 私は、ASEANの中でも経済格差、規模も格段の違いがあるわけですから、やっぱり包括で連携してアグリーするというのは非常に私は難易度が高いんじゃないかと。事実、これは、ASEANフォーラムが十二日に開催されて、そのニュースなんですけれども、もう個別でやるしかない、個別をやっぱりしっかり詰めていかない限りは逆に全体もできないということですから、両方をにらみながらやっていくこともやっぱり必要ではないかなというふうに思いますので、是非今秋のASEAN・日本の首脳会議での合意を目指して詰めていただければというふうに思います。
 その中で、経済連携構想という受取方はもうFTAということを念頭に置いている、受取方ですよ、受け取った方は。そういう意味では、FTAを結ぶには、ガットの中でも二十四条でしたっけ、そういう例外規定があるということでございますので、関税その他の制限的通商規則を実質上すべての貿易について廃止するということであれば、それぞれの国においてFTAは設けて協定しても構わないということに一応なっていますので、この実質上すべての貿易について廃止するという意味での関税における実質上という意味は、どの程度具体的にパーセンテージを指しているかということをちょっとお答えいただきたいなというふうに思います。
#47
○副大臣(古屋圭司君) 実質上すべての貿易の具体的なものは何なのかという趣旨の御質問だと思いますけれども、ガット二十四条において、「自由貿易地域とは、関税その他の制限的通商規則がその構成地域の原産の産品の構成地域間における実質上のすべての貿易について廃止されている二以上の関税地域の集団をいう。」というふうに規定をされているわけでありまして、これからしますと、この実質上すべてのとの要件の解釈というのははっきり定まっているということではないと思いますけれども、少なくとも、まず貿易量の九〇%以上について無関税化をすると、そして特定セクターを除外をしない、こういうのが国際的な一般的な相場観というか、コンセンサス的なものであるというふうに認識をいたしております。
#48
○若林秀樹君 そういうことであれば、政府として九〇%以上、そして特定のセクターを排除しない、併せてFTAを完成するには、さっきおっしゃいましたけれども、十年間の猶予期間があるという理解だというふうに思います。そういう意味では、私は実質すべてにおいて云々といいますが、ある程度幅がある私は協定だという意味では各国といろいろやっぱり協定を結べる可能性があるんじゃないかなという感じがしております。
 その上で逆にお伺いしたいのは、一番はやっぱり農業問題だというふうに思います。各ASEAN諸国との農業、農水産物の輸入割合を見ますと、大体一〇パーから二〇パー、多いところは三〇パーぐらいあるということですが、今のこの例外基準、いわゆる九〇%、特定のセクターを設けない、十年ということで考えた場合に、まず農林水産省としてのお考えをお伺いしたいなというふうに思います。
 私は、やはり政府として経済連携構想を出した以上、その構想にマッチした農林水産の政策を合わせていくべきだというふうに私は思いますので、そういう今私が申し上げた例外規定も含めてどういうふうにこれからこの構想にマッチさせていくのかということについてお伺いしたいというふうに思います。
#49
○政府参考人(村上秀徳君) ASEANとの包括経済連携構想につきまして、これからASEAN側とも調整をしながらその在り方、進め方について検討していくわけでございまして、その中でFTAというものをどう扱うかということも当然議論になるかと思います。
 ASEAN各国はその経済の発展段階、制度等大きく異なっておりますし、今後ASEAN各国との経済連携を強化する方策については、その相手国の発展段階、我が国の経済関係に応じて、物品の貿易に関してのFTAに限らず、金融サービス、投資等、他の分野を先行するなどいろいろな対応の仕方があろうかと思います。
 仮にFTAを締結するということの検討をする場合でございますけれども、御案内のとおり我が国、世界最大の農産物純輸入国ということで、かなり農産物の市場開放を進め、現在我が国の食料自給率は四〇%になっているというような状況で、その中で、国民一般の中で我が国の食料安全保障に懸念を持っているというような事情もあるわけでございます。
 FTAによります農林水産物の関税撤廃につきましては、そういうことを行います場合に、我が国の農林水産業が現在貿易自由化の進展に対応して生産コストの削減等構造調整を進めておりますけれども、これを困難にするおそれがあるということ、あるいは協定相手国と他の対日輸出国との間での輸出競争力の不均衡を生じるというようなこともございまして、既存の主要輸出国との間で貿易摩擦を誘発する可能性もあるということも考える必要があるかというふうに考えております。したがいまして、既に進められておりますWTO交渉において、農林水産物の関税の取扱いについては公平かつ透明性の高い方式で対応することが基本ではないかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、今後、我が国がFTAを検討する際には、食料安全保障の確保などの観点から我が国農林水産業に悪影響を与えないように配慮していくことが必要ではないかというふうに考えております。
#50
○若林秀樹君 先ほど来の経済産業省のお答えから比べると大分後ろ向きだなという感じはしております。
 私、ちょっと答弁になってないなと。全然その整合性がないんですよ。WTOを基軸としながらやっぱり積極的にやっていくんだったら、それに合わせていかないと、全然変化がないじゃないですか。WTOでやっているから今いいとおっしゃいましたよね。透明性、そこをやるのが基本だと。一方我が国は、WTOを基本に、その精神に合っていれば二国間、そういう点も積極的に関与していくという方針じゃないですか。そこと全然整合性が取れていないというふうに私は思います。
 個別に摩擦が起きるからといったって、これはASEAN10全体でやろうとしているわけですから、10以外の国から何言われても、全然これ、フリクションの問題は全然関係ないというふうに私は思いますし、やはり十年、特定のセクターは設けないという、確かに我が国の農業安全、食料安全保障の問題もありますし、その難しい事情も分かりますけれども、もう我が国はやっぱり生きるか死ぬかの瀬戸際に来ているぐらいの認識がないと、市場は世界でしかないんですよ、これは。本当にそこが駄目だったら、農業なんて言ってられないんですよ、これは。そこら辺の認識がちょっとやっぱりずれているなというのが私の率直な感じですので、もしそれについて御意見があればお伺いしたいと思いますが、お答えいただけますでしょうか。政府の政策に全然合致していないということですよ。
#51
○政府参考人(村上秀徳君) FTAなり経済連携構想を検討するに当たって、仮にFTAを結ぶ場合に、農林水産業あるいは農産物というものを初めから検討の対象から排除するというようなことを申し上げているつもりはございません。現在、官邸におけます検討、各省連絡会議にも参加しておりますし。
 ただ、先ほど申し上げましたように、現在WTOで農業交渉が既に進んでおると。その農業交渉の中では、関税なりのマーケットアクセスだけではなくて、輸出サイドの輸出補助金、輸出信用、それから国内支持、そういうものが包括的な形で、トータルな形で議論をし、正に交渉が始まっている。それから、来年の三月までにこの交渉のモダリティーを決めるというような段階に差し掛かっているところでございまして、基本的にはWTOの交渉の場で農林水産物を扱うということではないかと。
 ただ、FTAを検討する場合に当たっては、今議論になっておりますガット二十四条の要件、それから相手の国と我が国との貿易構造等をよく勘案した上で、必ずしも日本の農産物だけが困難な問題ではないし、向こう側においても困難な分野があるかもしれませんし、そういうことを総合的に勘案して対応していくのではないかというふうに思っております。
 それから、シンガポールとの経済連携協定の中で、農林水産物を一応セクターとしては排除しないで、WTO譲許それから実行税率無税のものをこの対象に含め、いわゆるガット二十四条の要件に合致する形で締結をしたという経緯がございます。そういう現実的な対応ということを十分念頭に置いて、日・シンガポール方式というもので締結できるのであればそういう形を進めていくのが好ましいのではないかというふうに考えているところでございます。
#52
○若林秀樹君 御答弁の基本的なスタンスは、今おっしゃったように余り変わっていないというふうに感じます。
 やはり、この経済連携構想をトップの小泉首相が代表してアジアに向かって話し掛けているわけですから、当然、受け止める側に対してきちっとやっぱりこたえていくと。そのときにやはり我が国日本としては、今までとは違う、こういうことをやりたいんだということが当然言っていかないと、これでまた何も中身のないような連携構想であれば、逆にやっぱり信頼感を裏切られますよ、本当に。そのぐらいのやっぱり覚悟が必要な時期に来ているんですよ、二〇〇二年のこの時期、グローバル化の中で我が国が生きていくために、そのためにああいう連携構想を打ち出したと私は理解していますから。
 さっき言ったように、一〇%という枠があるわけです。それで十年掛かって構造改革を進めるんですよ。それに対してどうやってこたえるかということをやはり農林水産省としても全体の国の利益を含めて考えていかないと、個別の利益の重要性は分かりますけれども、やっぱりそのぐらいの時代認識を持つことが私は絶対的に必要だというふうに思いますので、そのことを申し上げて、もうこれ以上お答えできないと思いますので、大臣にお伺いするのもちょっと失礼なんでお伺いしませんけれども、気持ちであるということを是非御認識いただきたいなという感じはしております。
 個別にまたちょっと質問させていただきたいなというふうに思いますが、相互承認の短縮はもちろん必要なんですけれども、一方で、輸出入の迅速化という意味では、貿易、通関の手続が必要ですから、ここも併せてやっぱり短縮していかないとトータルの短縮にはならないというふうに思います。
 そういう意味で、シンガポールはITを使いながらワンストップサービス、いわゆるシングルウインドー化というんでしょうか、そういうものが進んでいるというように聞きますけれども、その辺の状況と、我が国との日数の違い、どのぐらいシンガポールとの通関手続で日数が違うのか、そして我が国の検討状況についてお伺いしたいと思います。これは財務省だと思います。
#53
○政府参考人(藤原啓司君) お答え申し上げます。
 輸出入の迅速化につきましては、輸出入・港湾関連手続の電子化、ワンストップサービス化が重要であるということは委員御指摘のとおりでございます。このため、財務省といたしましても、関係府省と連携協力をしながら、輸出入・港湾関連手続のワンストップ化を推進いたしまして、平成十五年度のできるだけ早い時期までにこれらの手続のシングルウインドー化を実現することといたしております。
 今、シングルウインドー化と申し上げましたけれども、具体的には、通関手続を処理しております通関情報処理システムというのがございます。また、ほかに港湾手続を行う港湾EDIというものもございます。また、その他関係省庁いろんなシステムがございますけれども、これらのシステムを相互に接続、連携することによりまして、利用者の方が一回の入力、送信をしていただきますれば、関係省庁に対しまして必要な輸出入・港湾関連手続を行えるようにするというものでございます。また、輸出入・港湾関連手続のシングルウインドー化に当たりましては、利用者の方々にとりまして使いやすく、運用に当たりましてコストが低く、また国際標準にも配慮し、手続面で簡素なシステムを構築してまいりたいと考えております。
 こうしたシングルウインドー化の実現によりまして、国際物流改革が一層進展することを期待しているところでございます。
#54
○若林秀樹君 現在、どのぐらい日数が掛かっていて、どのぐらいこのシングルウインドー化によって減るか、短くなるかという、もし想定があれば教えていただきたいんですけれども。
#55
○政府参考人(藤原啓司君) 私どもといたしましては、定期的にはございませんけれども、何年かに一回ずつ、輸出の手続にどのくらい時間が掛かるかと、通関に必要な時間を調べておるところでございます。
 一番最近のデータでいいますと、日本の場合、船舶が入港いたしまして、それから保税地域に搬入されまして、それから輸入の申告がなされまして、それから税関の方で輸入の許可をして貨物を国内に引き取ると。現在、平均いたしまして、海上貨物の場合、三・一日掛かっておりますけれども、これを更に短縮いたしたいと考えております。
   〔若林秀樹君「どのぐらいなんですか、一日とか二日で」と述ぶ〕
#56
○委員長(保坂三蔵君) もう一回ちょっと質問してください。ちょっと手を挙げてください。
#57
○若林秀樹君 三・一日がどのくらいに短くなるのかなという、これによってどのぐらいの日程的なあれ、それお答えされましたっけ、私、ちょっと聞き逃したかもしれませんけれども。
#58
○政府参考人(藤原啓司君) もう一度申し上げます。
 先ほど申し上げましたのは、現在、現在といいますか、平成十三年三月現在の数字でございますけれども、もう一度繰り返して申し上げますが、入港から輸入許可までの時間、これが三・一日、時間にいたしまして七十三・八時間掛かっております。平成十三年の七月に定められました新総合物流施策大綱によりますと、平成十七年度までに、輸入コンテナ貨物につきまして、入港から貨物がコンテナヤードを出ることが可能となるまでに必要な時間を二日程度にするということをお願いしておるところでございます。
 この場合、これにつきましては、いろんな、先ほど申し上げましたシングルウインドーの話もございますし、また、いろいろ港湾関係のところもいろんな施策が必要かと思いますけれども、それらが相まちまして、ただいま申し上げました二日程度にするということを目指しておるところでございます。
#59
○若林秀樹君 ということは、三・一日がこういうことをやっても二日ぐらいしかならないということですね。一方、シンガポールは大体一日でできちゃうわけですよ。この違いというのは何なんですか。いいですか。済みません。
#60
○政府参考人(藤原啓司君) 国によりましていろいろ必要とされる手続等も違います。例えば、シンガポールの場合でありますと関税の掛かっておる品目もかなり少ないとか、いろんな要素がありまして一概には申し上げられませんけれども、先ほど申し上げましたシングルウインドーのほかに、いろいろ港湾の関連のいろんな荷役の問題でありますとか、いろんなものにつきまして施策を政府全体として進めていくことによりまして、先ほど申し上げました期間の短縮を図ってまいりたいと考えておるところでございます。(発言する者あり)
#61
○若林秀樹君 自由貿易協定に合わせて、やっぱりこういう対応もできる限り迅速にやっていくという基本的な姿勢が私はないんじゃないかなというふうに思いますので、もっとやっぱり危機感を持って本当に一日でやるんだということぐらいやっぱりやってほしいですよ。何のためにこの自由貿易協定やるんだという、それに合わせて国内の動きも変えない限り、何か相変わらず同じことをやることになりますので、是非一日目指して頑張っていただきたいというふうに思います。
 続きまして、貿易報告書についてお伺いしたいと思いますが、三月二十九日に経産省から出されました不公正貿易報告書、そして四月二日はアメリカ通商代表部から外国貿易障壁報告が出されたというふうに聞いておりますけれども、アメリカのその報告書に対して日本としてはどのような反論、対策を取るようにしているのか。毎年同じような部分が多いんですけれども、今回は、新聞報道によると、とりわけ日本の市場開放というんですか、経済を再生すべきだという必要性が問われているように聞きますけれども、その辺の認識、反論等あれば、そこに焦点を絞ってお伺いしたいというふうに思います。
#62
○大臣政務官(下地幹郎君) 米国通商代表部から発表がありました外国貿易障壁報告書についてでありますけれども、米国側の一方的な判断や誤った認識の記述があるというふうな認識を持っております。そして、当該市場に米国のシェアが低いという、そういうふうな視座の下に必ずしも的確な表現がされていないんではないかなというふうに思っております。その部分に関しまして、日本政府としては、反論等を取りまとめて、昨日、外交ルートを通じて米国政府に手交したところであります。
 経済産業省の所掌の幾つかの分野においても、適切でない表現が幾つか見られます。各部分に反論を盛り込んだところですけれども、特に板ガラスについては、国産メーカーのシェアが高いことだけをもって米国製品のアクセスを制約をしているという報告書は記述しておりますが、我が国市場は公正かつ競争的な市場であり、政府の干渉は不要かつ不適切と反論をしたところであります。
 今後とも、米国政府とは緊密に意見交換を行い、相互理解の増進に努めてまいりますが、誤解や間違った認識に対してはしっかりと反論をしていきたいというふうに思っています。
#63
○若林秀樹君 ありがとうございます。
 次に、経産省から出されました不公正貿易報告書により、今回、中国、台湾が分析対象に加えられたというふうに聞いています。
 中国については模造品対策を含む知的財産保護制度に重点が置かれているということですが、過日、国際知的財産保護フォーラムが設立されたというふうに聞いておりますけれども、今後、これをどのように取り組んでいくのか、この内容についてお伺いしたいというふうに思います。
#64
○副大臣(大島慶久君) お答えを申し上げたいと思います。
 経済産業省におきましては、昨年の十月に産業競争力と知的財産を考える研究会をまず設置をさせていただきまして、海外の知的財産権侵害への対策について精力的に検討を重ねているところでございますが、昨年十二月、そういった検討会の中から特別提言ということで取りまとめをいただきました。現在はその内容について、具体化に向けた取組を検討しているところでございます。
 業種横断的な民間企業の連携の促進に関しましては、関係団体、企業等と意見交換を重ねながら、去る四月十六日には、海外での知的財産侵害に官民一体で取り組む場といたしまして、今、先生が御指摘をいただきました国際知的財産保護フォーラム、これは座長に松下電器産業会長でございます森下洋一氏をお願いをしてございますが、発足をしたところでございまして、我が国の海外での知的財産侵害対策の強化に大いに資するものと考えております。この間のフォーラムの内容でございましたけれども、メンバーは五十九団体、八十二の企業が参加をし、私も参加をさせていただきました。
 今後でございますけれども、産業界からの提言の取りまとめ、あるいは外国政府への模倣品対策強化要請のための民官合同のミッション派遣、そんなことの実施も予定をいたしておりますし、経済産業省といたしましても、関係省庁と密な連携を取りながら、そういったフォーラムに対する支援、協力を行ってまいりたい、こんなふうに存じております。
#65
○若林秀樹君 ありがとうございます。
 その関連で、三月二十日に知的財産戦略会議が立ち上がったということでございまして、これはもう六月にもその大綱を出されるというふうに伺っています。私は、これに対する期待は非常に高いんです。二週間前に特許法の一部改正等を調べたところも含めまして、改めてこの知的財産戦略をどうやって確立していくかということの重要性を認識したところでございます。
 今その動きを見ますと、先日、四月何日かに開催されて、もう五月には大綱の要綱が出て、それで六月にやるというほとんどもう議論もされない中でこれが決まろうということですから、私はやっぱりちょっと議論不十分じゃないか。中に出ている人も、いきなりこの間会議やって、もう五月には大綱が出て、それで審議してなんていうことじゃなくて、陰ではもちろんやっていると思いますけれども、やはりもうちょっと実効性ある戦略会議の中身にしていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思いますし、併せて各省庁が取り集めで作文するんじゃなくて、本当に我が国のやっぱり国際戦略の一つとしてこれをきちっと位置付け、コンセンサスが取れたものにしなきゃいけないんではないかというふうに思います。
 その中で単純に伺うんですけれども、このメンバーに外務大臣、財務大臣が含まれていない理由というのをちょっとお聞かせ願いたいと思います。私は単純に、今言った模造品対策という話が出ましたよね、模造品対策を仮に水際で止めるとしたらこれは財務省の関税局の仕事ですよね。あるいは、これは発明というものを、モチベーションを高めるには、これは当然その税金のシステムというのは優遇策も含めてやっぱり必要だというふうに思いますから、なぜ財務省がかかわっていない。
 一方、WTOといえば正にTRIPs協定でしたっけ、ああいうところも含めて外務省のかかわりというのは当然必要だと思いますが、なぜこの二省庁がやっていないということは、もうこれだけ見ても本当にやる気があるのかというふうに私は感じてしまうんですけれども、その辺いかがでしょう。
#66
○政府参考人(近藤賢二君) お答えを申し上げます。
 まず、戦略の策定でございますけれども、今御指摘のございましたように、二月の四日に施政方針演説の中で総理から知的財産戦略会議を立ち上げるという発言をいたしました。その上で、二月二十五日に立ち上げ、三月、四月と会議をやっておるわけでございますが、この知的財産戦略につきましては、これまでも、例えば経済産業省の産業競争力と知的財産を考える研究会といったような研究会でもいろいろ議論をしてまいりました。また、文部科学省でも、文化審議会著作権分科会など様々な場で議論がされておるところでございます。また、今年の一月から総合科学技術会議の中で知的財産戦略専門委員会というものを作りまして、これもいろいろ議論をしております。
 また、議論をする時間が短いじゃないかという御指摘もございますけれども、知的財産に関する議論を十分に行うという観点から、この知的財産戦略会議の下に起草委員会を設けまして、東京大学の中山信弘先生に委員長になっていただいた上で、これはもう一週間に一度のようなペースでぎっちりと議論をしておるところでございます。
 こういったいろいろ議論を重ねておるところである一方、知的財産戦略は我が国産業の国際競争力を高めるため、また経済の活性化を実現していくための喫緊の課題であるという認識でございます。できるだけ早期に知的財産戦略を取りまとめて国として進むべき方向性を示すということが不可欠であると、このように考え、七月を目途に取りまとめをしていきたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
 また、外務大臣、財務大臣等々の御指摘もございました。この点につきましては、ある意味では知的財産問題というのは幅広い分野でございまして、すべての閣僚に関係をしておるわけでございます。七月を目途にまとめていくという短期間の議論を集中しながらやっていこうという観点から、まずは特に関係の深い府省を中心に会議をスタートをさせたところでございまして、これまでの二回の会議を経て、検討すべき具体的課題が明らかになってきております。その中には、模造品の対策も非常に重要だという観点が入ってきておりますので、こういった問題の具体的検討に応じまして、これから関係の深い閣僚の方々にも議論に加わっていただくということも含めて検討し、政府を挙げて知的財産立国の実現を目指していきたいと、このように考えておるところでございます。
#67
○若林秀樹君 御答弁は長いんですけれども、端的になぜ入れなかったかという、それをちょっと答えてください。声を掛けたんですか。
#68
○政府参考人(近藤賢二君) これは設置をいたしますときに関係省とは協議をいたしました。協議をいたしました上で、まずは、先ほどの繰り返しになりますけれども、特に関係の深いと思われる省庁を中心にメンバーになっていただきまして、まずは会議をスタートさせるというところに重点を置いたところでございまして、その時点では外務大臣、財務大臣を入れなかったという経緯でございます。
#69
○若林秀樹君 ちょっとしつこいようですけれども、協議したということは、財務省、外務省とも協議したという理解でよろしいですね。その上で入らないという意思があって入れなかったということでしょう。
#70
○政府参考人(近藤賢二君) これは実際にこの会議を設置をいたしますときに、これは内閣総理大臣の決裁でございます。関係省には当然すべて協議をした上で決めたところでございます。
 ただ、私どもも、今申し上げましたように、外務大臣、財務大臣のところが全く関係ないというつもりは全くございませんで、特に関係の深い大臣を中心にまずスタートをするということで始めさせていただいたので、このようになったものと理解をしております。
#71
○若林秀樹君 分かりました。
 いずれにせよ、高度成長時代は縦割りでそれぞれの部門が積極的にやるということは必要だったんですが、これからはもう関係省庁とのやっぱりきちっとした合意の上に積極的にやっていかないと経済政策、様々なものがやっぱりうまくいきませんので、やっぱりそういうことも含めて対応すべきじゃないかと。
 特に関係省庁が、この省庁は深くないとおっしゃいましたが、私は逆に、それこそ財務省、外務省というのは一番関係あるところじゃないかなというふうに認識するものですから、やっぱりもう少しそういうところも含めて、せっかくいいものが立ち上がったわけですから、スタートのところで立ち止まって中身がないということになるとまた問題ですから、是非そういう配慮というか、やっぱりこれからは関係省庁にまたがる問題をうまく進めていくということが必要じゃないかなと思いますから、そんなところをお伝えして、次の質問に入りたいと思いますが、だんだん時間がなくなってきました。
 具体的にそのシンガポールとの相互承認の話に移らさせていただきたいと思うんですが、具体的にその相互承認の対象品目をちょっとそれぞれの国別に教えていただきたいというふうに思います。
#72
○政府参考人(日下一正君) お答え申し上げます。
 法律上、本法案の対象となる品目を定義しているところでございますが、具体的な対象品目につきましては、シンガポール共和国の規制法令に規定されているところを受けて規定されているところでありまして、電気通信機器分野につきましては、電話機、ファクス、携帯電話等が対象になります。また、電気製品分野につきましては、消費者が多用する家庭用電気製品、これはテレビとかビデオとかステレオあるいは台所で使う家電製品などでございます。そういうものが対象になっております。電気製品でございましても、例えば電線や配線器具などはシンガポール側で規制をしておりませんので、対象となっていないところでございます。
#73
○若林秀樹君 ちょっと詳しくまた私も分析ができていないんですけれども、今おっしゃったこと。
 懸念するのは、それぞれの国によって法律によって縛られているという意味では対象品目が違うと思うんですよね。重なっている部分と重なっていない部分、重なっている部分はいいんですけれども、重なっていない部分についてはシンガポールでは承認が必要だと、日本では承認が必要でないということになりますと、一時的にはその特定企業に有利不利が働くんではないかという、この辺はどういう認識でこれをとらえられているか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
#74
○政府参考人(日下一正君) 先生御指摘のように、相互承認という考え方そのものがお互いの国の規制に違いがあることを前提として相手国の基準に合わせて適合性評価を行うということで貿易の促進を図ろうとするものでございます。
 それで、御指摘のように、正にシンガポール側の規制体系、私どもと違いますので、シンガポール側は家電製品が主、我が国の方は電気用品安全法でございますと、例えば電線、配線器具など部材でございます。しかしながら、我が国からのシンガポールへの輸出の実態というのを見ますと、正にこの家電製品でございましたり、IT機器でございましたり、比較的付加価値の高い製品が輸出の実態、主力を成しているところでございまして、そこが今回の相互承認の便益を受けるという面で、日本として十分裨益していると考えているところでございます。
#75
○若林秀樹君 分かりました。一時的にはそういうことは出るのは仕方がないと。ただ、全体的にやっぱり障壁を今回のによって下げるということでの国益にかなっているという理解でよろしいでしょうか。──分かりました。
 続きまして、適合性評価基準、評価機関の基準なんですが、この第五条の指定基準ということはどういうふうに考えればよろしいんでしょうか。官から民という流れの中で、例えばメーカーの技術センターみたいなところもその評価機関の対象になり得るのかどうか、その辺の基準についてお伺いしたいと思います。
#76
○政府参考人(日下一正君) お答え申し上げます。
 正に第五条につきましては、適合性評価機関が満たすことを要求される基準が規定されているところでございます。これらの基準は相手国の法令ごとに定められるところでございますが、シンガポールの場合あるいは欧州の場合でも同様でございましたが、国際的な基準でございますISO、IECの指針が用いられているところでございます。この指針におきましては、特に機関の中立性、公平性、技術的能力などが重要視されておりまして、これらの要求事項を満たしておりましたら、公益法人でございましても民間企業でございましても認定を受けることが可能でございます。
 特に、御指摘のございましたメーカーの中の試験所の扱いでございます。これは適合性評価機関のする仕事の中に最終的な認証を行う仕事と試験を行ってデータを出すという仕事とございます。このメーカー内の試験所、インハウスラボと呼ばれるものでございますが、試験活動につきましてはその当該メーカーの活動との間で利害衝突が起きないように、それぞれの部門の要員の責任が明確化されている場合であって、かつ技術的能力が認められれば認定を受けることが可能であると。そうでない場合には、やはり新製品などが持ち込まれまして全体的な判断を行うことにつきましては利害の衝突も予想されるところから、国際的な指針でも認められていないところでございます。
#77
○若林秀樹君 是非、国内から申請される案件を十分処理するような評価機関というのをやっぱり一斉に作らないと逆に混乱を来す可能性がありますので、スタートしたはいいけれども、そこに集中したら全然それができなかったということになりますから、その辺のやっぱりシミュレーションというんですか、そういうものをきちっとやった上で是非評価機関を、一斉にできるような能力、体制も含めてやっていただきたいというふうに思います。
 時間がもう終わりに近づいていますので、最後、大臣の御決意を伺って、私の質問を終わらさせていただきたいというふうに思います。
 私は、今回の積極的な通商政策、FTAを協定していくということについてはもう大賛成でございます。しかし、どんなにいい通商政策でも、基礎産業力が力強くなければ余り意味がないということがもう前提ですから、私は、今、製造業を中心にその基盤が揺らいでいる、ここを立て直す、これも大事です。一方、非製造業としての農業分野、サービス分野、様々な競争力を上げていくというのも併せてこれは重要なことだというふうに思いますんで、是非この構造改革、競争力強化に向けた大臣の御決意を伺って、私の質問を終わらさせていただきたいと思います。
#78
○国務大臣(平沼赳夫君) 若林先生の御認識のとおりだと思っております。
 やっぱり我が国の産業競争力を付けていくということは、二十一世紀の日本にとって絶対に避けて通れない私どもは道だと思っております。そういう意味で、御承知かと思いますけれども、私どもとしては産業競争力戦略会議というのを立ち上げまして、あらゆる角度から競争力を付けて、そして日本の産業の活性化を図っていかなきゃいけないと。同時に、御指摘のやはり農業分野でございますとかそういった分野も、私はやりようによっては十分競争力を付与することができると思っておりますから、総合的に、日本の将来のために、日本はやっぱり物づくり、産業が中心ですから、その競争力を高め、活性化をする、そのことに全力を挙げていきたいと、このように思っております。
#79
○荒木清寛君 それでは、まず、今回の特定機器相互承認法の改正についてお尋ねをいたします。
   〔委員長退席、理事松田岩夫君着席〕
 この相互承認というのは、規格や基準が国ごとに異なっているということを前提としまして、適合性評価を相手方にも開放するという制度であります。しかし、他方で、基準、規格自体の国際的な統一化への取組は、ISO、国際標準化機構、IEC、国際電気標準会議等を中心として進められております。もちろん、私は二国間の相互承認の推進を否定をするものではありませんけれども、貿易立国を旨とする日本とすれば、世界各国に共通の基準、規格を推進をすることの方が有利であり、便利ではないかというふうに思いますが、こうした問題にも我が国としては、課題にも積極的に取り組んでいくべきであると考えますが、まず大臣の所見をお伺いいたします。
#80
○国務大臣(平沼赳夫君) WTO、世界貿易機構のTBT協定、これは貿易の技術的障害に関する協定でございますけれども、各国の基準と規格について適切な国際規格があるときにはそれを基礎として用いること、こういうふうになっております。
 しかしながら、例えば電気製品における電圧や無線機器における周波数のように世界的な統一が困難なものもございます。相互承認には、このような実態を踏まえた貿易円滑化のための措置、そういうことで有効だと、このように思っております。
 他方、議員御指摘のとおり、世界貿易の拡大のためには、可能な限り基準、規格の統一化を図っていくことが当然重要だと思っております。このため、我が国といたしましては、御指摘のございましたISO、IEC等における国際標準化活動に積極的に取り組んでいるところであります。
 具体的には、鉛のフリーハンダあるいはリサイクルCFRP、これは炭素繊維強化プラスチックスなど、我が国が優位にある技術の開発を促進することにより、その国際標準化を支援する制度の拡充強化を図っているわけであります。
 また、国際標準策定において、我が国及びアジア太平洋諸国の意向が適切に反映される環境を準備するため、アジア太平洋諸国とのネットワークの緊密化を目的といたしました基準認証協力プログラムを新たに実施をしているところでございまして、これは昨年の九月にハノイのAEM・METIで私から提唱をさせていただいたところでございます。
 これらの制度の成果等を踏まえまして、我が国からの国際標準の提案は、多言語情報処理でございますとかファインセラミックス等の分野で加速をしているところでございまして、平成十年度約四十件から平成十二年度では約二倍の八十件と、こういうふうになっております。
 今後とも、私どもとしては、産業界と連携をしつつ、これらの制度を適切に実施をしまして、やはり国際標準化というのが基軸として大事だと、こういうふうに思っておりますので、積極的に私どもとしては対応していきたい、このように思っております。
#81
○荒木清寛君 次に、この認証機関が認定をしました製品の安全性に関しまして、欠陥があり、消費者から訴えられた場合の賠償の責任体制についてどうなっているのか。
   〔理事松田岩夫君退席、委員長着席〕
 仮に、今回は民間の認証機関がそうした認証を行うわけでございますけれども、多額の賠償が認定されて払えないというふうな場合もありますので、そうした場合に備えての保険制度等は想定をしているのかどうか、お伺いをいたします。
#82
○政府参考人(日下一正君) 日本におきましてもシンガポールにおきましても、製品の安全性につきましては、製造事業者あるいは輸入事業者が安全を担保するための法令に基づいて、ちゃんとした基準に満たしているものかどうか確認、基準に適合しているかどうか確認した上で販売することが義務付けられているところでございます。そういうことでございますので、消費者としては、被害を生じたときにおきまして当該輸入事業者に対して損害賠償請求を行うことに通常なるのではないかと考えているところでございます。
 他方、例えば今回のこの相互承認に基づきまして、我が国の認証機関が行いました認証に瑕疵があったと、認証そのものに瑕疵があった場合におきましては、当該認証機関が、先生御指摘のようにシンガポールの輸入業者や販売業者から損害賠償を請求されることも可能性があると考えております。このような場合に備えまして、認証機関に対して要求される事項を定めました国際基準、ISO、IECの指針でございますが、賠償責任などの債務に対して適切な備えがあることということが要求されているところでございまして、今回の協定におきましてもその基準を盛り込んでいるところでございます。したがいまして、我が国の認証機関から本法に基づきまして国外で適合性評価事業の認定申請があります場合には、このような備えがあるかどうかということも含めて審査することとしております。
 それで、なお、仮にそういう債務が生じた場合の保険の活用でございます。これは国内の事例でございますが、電気用品安全法に基づきまして指定されている認証機関、現在六機関ございますが、すべて民間の損害保険に入っておりますので、現在の保険制度におきましてもこのようなリスクに対応できる体制になっているのではないかと考えているところでございます。
#83
○荒木清寛君 承知いたしました。
 それで、再度確認をさせていただきますが、今回の法改正は、シンガポールとの間の新時代経済連携協定の締結に伴う国内措置を担保するものでございます。我が国としては、FTA含むところの包括的な協定を初めて結ぶわけでございますが、そうした相手国としてシンガポールを選んだといいますか、シンガポールとの間にそうした包括的な協定が結ばれたことの通商政策上における意義について、大臣はどう認識をされておりますか。
#84
○副大臣(大島慶久君) 私からお答えを申し上げたいと存じます。
 先生御案内のとおりでございましょうけれども、従来、日本の企業が電気製品や電気通信機器をシンガポールに輸出をする際には、シンガポール国内でシンガポールの技術基準への適合性評価を受ける必要があったわけでございますけれども、今回の相互承認の実施によりまして、この適合性評価を我が国国内で実施することが可能になったわけでございます。そういった意味では、従来必要であった翻訳、検査サンプル輸送費等の費用が大変節約をされるとともに、適合性評価やそのために手続に要する時間が大変短縮されることが期待をされるところでございまして、シンガポールから日本への輸出を行う企業に対しても同様の効果が期待をされるところでございます。
 今回の相互承認は、日本とシンガポールの間の貿易を円滑化する効果を必ずもたらしていくだろうと、こんなふうに考えております。経済のグローバル化が大変進展している昨今でございますから、輸出入の円滑化を図る相互承認の実施は極めて重要な政策的意義を有しているものと考えております。
 また、シンガポールは東南アジア地域の経済活動の拠点として機能している面もあるわけでございますので、我が国とシンガポールのこういった関係が強化をされてまいりますことは、日本と東南アジア地域との経済関係を深化させることに寄与するものと考えられます。
 さらに、本協定は我が国最初の経済連携協定であります。本年一月に小泉総理が提唱されました日・ASEAN包括的経済連携構想を推進する上でも重要な先例となるものと考えております。
#85
○荒木清寛君 昨日の日本経済新聞に、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムがまとめた国際競争力報告二〇〇一から二〇〇二によると、日本の潜在成長力は二十一位だということであります。シンガポールは潜在成長力、現在の競争力ともに日本を上回っているわけであります。しかし一方で、シンガポールの方は、自分たちはまだ先進国ではない、もっともっと発展をしなければいけないという、そういうすさまじい戦略を持ってやっているわけであります。そういう国との包括的な連携協定でございます。証券市場等についてはむしろほかの国の方が一歩先を行っているわけでありまして、このシンガポールとの今回の協定というのは、私は日本の構造改革を更に推進をする役割というのもあるのではないかと、このように思っております。
 そこで、先般来、先ほど来議論になっておりますが、私も同感でございまして、今後、このシンガポールとの連携協定を皮切りにいたしまして、我が国はアジア太平洋地域の各国との間で経済連携協定の実現を積極的に推進すべきであるというふうに考えます。東アジア地域しかり、ASEANしかりでありますし、アジアの豪州、ニュージーランドあるいはメキシコ、チリ、いろんな国が想定されるわけでございますが、こうした問題につきましての大臣の所見をお伺いいたします。
#86
○国務大臣(平沼赳夫君) 我が国といたしましては、企業活動がグローバル化が進展する中で要請の高まっている市場アクセスの改善や事業関係の整備等を進めていくために、WTOを中心とした多角的貿易体制の維持、その強化の取組に加えて、利害の共通する国や地域との間で機動的な取組が可能な二国間あるいは地域的な協定を戦略的に活用していくことが、御指摘のとおり、私は大事だと思っております。そういう意味で、今年の一月にシンガポールとの間で新時代の経済連携協定、新時代という、新というのをあえて付けたわけですけれども、これが締結されたことは非常に私は大きい意味があると思います。
 私の経済産業省の大臣室に各国のカウンターパートの大臣が来られますけれども、どの国から来られる方もほぼ異口同音に、日本と経済連携あるいはFTAをやりたいと、こういう御希望があります。
 そういう中で、私どもとしては、今、先ほど来議論の中にも出ておりましたけれども、小泉総理のいわゆるASEANを中心とした新しい経済連携協定をやっぱりしっかりとしたスタンスでやっていく、このことをやっぱり伸ばしていくことは非常に必要だと思っておりますし、また、そのほかメキシコというような国、あるいはチリというような国、あるいはオーストラリア、そういったところからも具体的な申入れがあります。また、ASEANの中でも、タイの首相が来られたときも非常に具体的なお話もありました。
 そういう形で、私どもとしては大きなルール、世界のいわゆる自由貿易体制を確立するWTO、それと同時に、それと一体となったいわゆる多層的な意味での地域連携協定、FTA、これを進めていかなければならないと思っています。
 それから、冒頭先生御指摘の、いわゆるシンガポールというのは非常に進んだ国だと、まだ自分たちは発展途上国だという意識でやっていると、こういうふうに言っておりましたけれども、例えば、この前行ったときに視察をしてきましたが、港湾一つ取ってもほとんど無人で、しかも、もうコンテナ船が東京から出航するときにどういう荷物の積み方をするか、そこまでインプットして、そしてこっちでは積み分けがスムーズにいくようにやっていますから二十四時間でできる。そういった先進的なことを、学ぶことがたくさんあると思いますし、また、これから大きな産業になるバイオなんかに関しましても、大変な研究機関と研究者を招聘するための非常に環境整備、そういったことも率先してやっています。そういったことも、我々としてはこの経済連携協定を機に学ぶところは学んで、そして我々としてはしっかりとやっていかなきゃいけない、このように思っております。
#87
○荒木清寛君 シンガポールを始めとするASEAN各国との関係の重要性はもう言うまでもありません。
 ただ、今もいろんな国の名前をおっしゃいまして、一遍に全部やるわけにいかないわけですね。私はやっぱり優先順位というのがあると思いますし、そういう意味で、私はまず韓国とやらなければいけないのではないか、こう思います。近くの国と仲よくするということがもう外交の基本ですけれども、しかし一番難しいわけですし、特に日韓の場合には歴史的な経緯もあり、なかなかうまくいかなかったわけですね。折しも今年は日韓国民交流年でございますし、また、中国という国がお隣にあるわけでありまして、その大きな国と競争する上でも、やはり日韓の連携こそ私はまずもう急ピッチでやってもらいたいと思うんです。
 先ほども、ようやく研究会の設置を合意をしたということで、まだ研究会自体もできていないというようなお話で、もう少し優先順位をめり張りを付けてやっていただきたいと思いますが、政務官、いかがでしょうか。
#88
○大臣政務官(松あきら君) お答えさせていただきます。
 もう先生のおっしゃるとおり、韓国との関係は非常に大事であるというふうに思います。しかし、以前は近くて遠い国と言われました。今、近くて近い国になりつつある。大変よいことだと思っておりますけれども、更に近くて近い国にするためには、私は経済連携というものは非常に大事であるというふうに認識をしております。
 その経済連携は世界的に様々な形態で発達してまいりましたけれども、北東アジアは長く空白地域と言われていたわけでございます。しかし、一九九七年の経済危機で大きな打撃を被って以来、地域全体の連携強化、またコミュニティー構築が必要であるとの認識が高まり出しました。さらに、九八年の金大中政権の発足後、二国間関係が大きな進展を見たこともあります。一九九九年三月、故小渕総理が訪韓いたしましたときに、日韓経済アジェンダ21の策定がされました。投資協定の締結など、両国の連携強化は急速に進展をし始めたわけでございます。
 関係の深い近隣の諸国との経済連携を進めるのは自然な動きでありますし、日韓両国間でその検討が深まりつつあるということは非常に喜ばしいことであると思っております。
#89
○荒木清寛君 そこで、先ほど来、日・ASEANの包括的な連携協定のお話が議論されております。
 私も一つだけお伺いしたいのは、総理のこうした提言を受けまして四月十二日に、日・ASEAN次官級定期協議の中でこうした包括的経済連携構想の問題についても協議がなされたと報じられております。その中で、この包括的な協定と並行して個別に各国とのFTA協定をも推進する考えを日本側として示したというふうに報じられております。これは、総理の一月の表明された方針を変更するものなのか、あるいはこの包括的な協定と各国とのFTAとの関係はどういうものになっていくのか、これをお伺いしたいと思います。
#90
○副大臣(古屋圭司君) 日本とASEANとの包括的経済連携協定は、基本的に日本とASEAN全体の間で幅広い分野において更なる経済関係の連携深化を目指すというものが一つの目的でございます。一方では、二国間での経済連携強化の取組というのが、結果としてASEAN全体との経済連携の実現を加速する可能性もあるわけでありまして、二国間の検討を同時に進めるということもまた有意義だというふうに考えております。こういったこともございまして、先日の日タイ首脳会談において、経済連携を進めるために作業部会を作ろうということで合意をしたわけでございます。
 ただ、二国間の取組に当たってやはり注意していかなきゃいけないのは、ASEAN全体を分断をしてしまうんではないかというASEAN側の懸念がございますので、こういった懸念には十分配慮し、あくまでもASEAN全体の連携強化というものをまず念頭に置く、これが原則でございまして、その上で二国間の取組を検討していく、こういうスタンスであるというふうに考えております。
#91
○荒木清寛君 この包括的な協定と並行して二国間の関係を深めることは、私は非常に大事だと思います。
 ちょっと個別にお伺いしますが、今もお話があり、大臣もお話ありましたけれども、タイとの、日タイの関係ですね。タクシン首相からは是非やりたいという話があったわけでございます。海外の日本人商工会議所、最大のものがバンコクにあるわけでありますし、タイの経済危機のときにも日本企業は撤退をしなかったそうでございます。
 私は、このASEANの大国であるタイとのそうしたFTAの締結というのは非常に意義があるというふうに思いますが、この点については、大臣としてはどう対処して、どうお進めされますか。
#92
○国務大臣(平沼赳夫君) タクシン首相が昨年日本に来られたときに、私もタクシン首相にお会いをしました。そのときに、タクシン首相から非常に熱心な形で日本とそういった協定を結びたいと、こういうような意思表示がありました。それから、小泉首相との間でも同様な話がございました。
 先ほど古屋副大臣から御答弁がございましたように、やはりASEANとの大きな経済連携協定、そして、その中でそれを更に加速、促進させるようなやっぱり個別のFTA、これも必要だと思います。そういう意味では、私どもとしてはタイとも、やはりあちらも非常に強い御希望がございますし、こういったことは積極的に取り組んでいかなきゃいかぬ、そういうつもりでおります。
#93
○荒木清寛君 私、あえてお聞きしましたのは、先方のタクシン首相の熱意に比べて我が方の熱意がいま一つではないかというふうに思ったのでございます。
 それは、先ほど来話がありますように、農業問題がセンシティブであるという、当然、このタイとの協定ということになればその問題をクリアしなければできないわけでありますので、その辺が少し及び腰になっているのではないかという懸念を持ちましてお聞きしたんでありますが、しかし、大臣からそうした決意がありましたので、今後いろいろ、そうした問題も含めて協議をしながらお進めいただきたいと思います。
 最後に、対中戦略ということをお尋ねしたいのでございます。
 中国とは、日本は政治、経済の体制も異なりますから、直ちに自由貿易協定なりあるいは包括的協定というわけにはいかないと思います。先ほども外務省から話がありましたように、まずはWTOのルールに従うことを慫慂してまいりたいというのがやはり日本としては正しい政策ではないかと思います。
 しかしながら、十二億という、もう世界一の市場があるわけであります。仮に半分の六億人の方が車を買ったら大変なことになるわけでありまして、もちろん、その場合には環境問題とかリサイクルのことはしっかりやらなければいけませんが、そういう可能性があるわけですね。しかしながら、例えばこの自動車一つ取りましても、ドイツの方が対中進出といいますか進んでいるわけでありまして、日本の大手メーカーもなかなか上手に進出していけないというような状況もあるんだろうと思います。
 したがいまして、私は、中国に一番近い国の一つが日本であるというこの地の利を生かさない手はないわけでありまして、そういうFTAというわけにはいかないとしても、例えば経済、貿易、金融あるいは文化とか教育とか、それぞれの個々の分野で様々な機能に注目をした協力の仕方、場合によっては協定の締結ということはしていかなければいけないと思うんであります。そういう中から、やがて将来的には包括的なそういう約束事ということも考え得るわけでありますが、あると思いますけれども、そういう意味で、経産省として、この対中通商戦略をどのようにお持ちなのか、最後にお伺いいたします。
#94
○大臣政務官(松あきら君) 私からお答えさせていただきます。
 正に十二億六千万人と言われる人口がある大国中国でございます。これから日中経済関係はますます重要になると認識をしているところでございます。その隣国ということもありまして、各産業で相互補完的な分業関係が進みまして、貿易総額におきましても三年連続で過去最高を記録しております。ちなみに、昨年は、輸出入総額しまして八百九十二億ドル、日本円で十兆八千億円ということでございますけれども、そういうふうになっております。経済全体の相互依存関係はますます進んでいくというふうに見込まれるわけでございます。
 御指摘のとおり、今後の対中通商戦略を検討していくことは大変に重要な課題だと認識をしております。今後の中国に対する通商戦略につきましては、今後、精力的な検討が必要だと思いますが、当面、以下の三点は極めて重要であると考えております。
 その第一は、WTOに基礎を置いた通商関係の構築でございます。我が国が中国の早期加盟を支持してきたのもこのためであり、今後、中国の市場開放の促進、ルールに基づく紛争解決等の面でWTO体制を活用していくべきだと考えております。
 第二に、貿易投資関係を双方にとってメリットがある形で発展させる必要があります。このような観点から、知的財産権の保護強化、現地日系企業の投資利益保護などがますます重要になろうと思います。
 また、三点目、貿易関係がこれだけ緊密化すれば、摩擦、紛争が増大することもある程度は避け難いことでございます。模倣品に対しましては非常に頭を悩ませているところでございますが、このため、WTOルールを尊重した解決を図るとともに、双方の意思疎通や情報交換を緊密化することで、これら紛争を未然に防ぐ努力が非常に重要になるというふうに思っております。
 同時に、今後の経済政策上、何より重要な基本方向は、我が国産業の競争力強化、これは空洞化対策も含めてでございます、というふうに思われます。このため、今後、構造改革の推進に一層尽力してまいる所存でございます。
#95
○緒方靖夫君 この法案については、今日の国際経済の流れの中で、時間、コストの低減を図るという当然のことであって、賛成です。
 今回は、日本とシンガポールの貿易国間において相手国の製品の技術要件をお互いに受け入れるというものですけれども、この方向をこれから広げていこうという、そういう動きが当然あるわけで、今後広がりを持つ重要な問題の始まり、そういう点で私自身もそう受け止めております。
 国は、規制改革推進三か年計画の中で、認証業務の国の関与を最小限にして、電気通信機器製品などの適合性評価機関や指定調査機関に民間活力を導入して推進すると言っております。私自身、民間活力の導入をすべて否定するものでは当然ありません。同時に、国民の生命、安全、財産保護について最終的な責任は国にある、このことは余りにも当然だと思うんですけれども、それについてまず確認しておきたいと思います。
#96
○国務大臣(平沼赳夫君) 緒方先生にお答えをさせていただきます。
 一般消費者の生命でございますとか身体の安全等を守るため、やっぱり最大限の努力を国がするということは当然でございます。これは国産品、輸入品を問わず、製品に関する安全性を確保する、このことは極めて重要だと思っております。
 今回のシンガポールとの相互承認を実施するに際しましては、私どもとしては、欧州との相互承認と同様にそこに万全を期してやっていこうと、こういうことを思っておりまして、詳しくは申しませんけれども、御承知のように三点について特に措置を講じて、そして安全性が担保されるようにさせていただいています。そういう意味で、私どもとしては、相互承認の実施による輸出入の円滑化は、重要な政策課題でございますけれども、あくまでも国民の安全確認を前提とした上で進める必要がある、このように認識しております。
#97
○緒方靖夫君 万が一、あってはならないことですけれども、相手国の検査が不十分などの理由で日本に輸入された製品に瑕疵が発生した場合、経済産業省の消費者保護の体制あるいは相手国のシンガポールへの通知の体制、これはどうなっているかをお伺いしておきます。
#98
○副大臣(古屋圭司君) 相手国の承認に基づいて輸入したものが問題があるという場合にはどういう対応をするのかという趣旨の御質問だと思いますけれども、協定の五十四条でこういうふうに規定をされております。協定のいかなる規定も、締約者が健康若しくは安全の保護、環境の保護又は詐欺的な行為の防止のため適合と認める措置を取る権限を制限するものと解してはならないと、こういうふうに規定をされておりまして、したがって、もし問題が判明をした適合機関の行った製品に対しまして、具体的に技術基準への不適合等あるいは安全等に関する瑕疵が存在するという場合は、その当該製品に関する我が国の法令に従いまして、回収命令あるいは使用禁止措置を取ることができるということが協定で認められております。
#99
○緒方靖夫君 今、私最近聞いたんですけれども、電機業界ではワン、ワン、ワン構想というものがあるというんですね。これは犬の話じゃありません。ワンスタンダード、一つの規格、ワンテスト、一つの試験、ワン・プロダクト・アプルーバル、一回の製品認証、こういうことなんですね。それで、この構想によってより簡便な検査、より短時間に製品を国際市場に出す、そういう動きをしているというわけですね。
 また、電気通信機器は年々多機能化、高度化、複雑化していて、製品過程は自社検査や第三者認証などで済む部分が増えていると思うんですね。消費者にとって、電気機器、通信機器などの商品は事実上ブラックボックス化していて、消費者は企業の技術情報を信頼するしかない、開けて中を見て確かめるということにはいかない、そういう状況に置かれております。だからこそ、製品の安全性の確立、消費者の知る権利、選ぶ権利を確立していくことが求められていると思うんですね。
 経済産業省は、COPOLCO、ISOの消費者政策委員会に対して、NGOやNPOの団体と連携して、消費者の意見をもっと反映させていく努力が求められていると思いますけれども、その点についてお伺いしておきます。
#100
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘の点は非常に重要だと思います。
 そして今、ワン、ワン、ワンと、こういう御指摘がありました。これは、やはりより厳格な体制の中でやはり迅速に対応するという形で、決して私はそれを手を抜いたそういう体制ではない。そういう中で、安全性をしっかり担保しながら、そういう迅速性ですとか、ユーザーに対する迅速なサービス、こういうことを担保するものだと思っています。
 そういう中で、私どもとしては、国際標準機関のISOですとかそういったところと連携をしながら、その基準に基づいてやっぱりしっかりとそこは担保しなきゃいけない、このように思っています。
#101
○緒方靖夫君 二国間の自由貿易協定が今後広がっていくということは当然想定されるわけですね。その場合、機器の相互承認が、前回はEU、そして今回はシンガポール、そして今後広がっていく。そうすると、次々と海外の適合性評価機関による認証マークが日本市場に各種いろいろ現れると、そういう現象が当然想定されるわけですね。消費者はその際、電気製品の産地や担当した検査機関、安全性の情報について的確で統一されたより分かりやすい表示を求めていく、これもまた当然のことで、もう既にNGO団体がそのことを既に求めております。NGOの方々も、また製品のブラックボックス化が進んでいるので、様々な事前チェックがより的確になっていくことが重要だということも強調しております。
 そうした点の検討について、経済産業省は、NGOなどの諸団体と連携を努めて意見をよく聞き、そしてまたその点について施策に反映させていく、このことは当然重要なことだと思いますけれども、その点についてもお伺いしておきます。
#102
○国務大臣(平沼赳夫君) それは非常に私は重要なことだと思っておりまして、電気製品なんというのは、特にもう完成品として来ていますから、それを自分でチェックするということはできません。そういう中で、善意のそういうNGOの方、そういった方の御意見、そういうものをよく反映して、連携を密にしてやっていくということは私は必要なことだと思っておりますし、今もそういう形でやらせていただいている、そういうことですから、更にしっかりとやっていかなきゃいけないと思います。
#103
○緒方靖夫君 世界の趨勢としてグローバル化は避けられない趨勢に、情勢にあると思います。そこで重要なことは、その流れの中で、国際協調しながら日本の産業をしっかり守っていく、そして国民の暮らしをしっかり守っていく、そこが肝心だと思います。この間も、大臣とのこの委員会での議論でも、空洞化問題についてそういう観点からも私質問させていただきましたけれども、しかし、実際にその備えがどれだけあるのか、そこに非常に大きな危惧を持っているわけですね。
 例えば、私、ある勉強会で大手の電機メーカーの社長さんからこういう話を伺いました。今、日本の家電製品の海外への依存度は二三%、そう言いまして、例えば中国製の冷蔵庫、クーラー、この製品が故障率でいうと統計的に日本よりも故障率が低い。質はいいと、実際には。価格は日本製品の三分の二、場合によっては半額。今は何となく日本製品のイメージがいいからそれを求められるけれども、しかし、これがずっと浸透していったら、いずれ日本製品が日本の市場にもあふれるという事態がそう遠くない時期に予想されるという、そういうお話でありました。先月、私、中国に行って、中国でも日本人の専門家にそのことを尋ねると、そのとおりだと。中国の製品の方が質は劣っていない、現時点でもですね、価格は安い。同じことを言っておりました。
 ですから、私は、今、日本の企業のそういう点での国際協力、さっき大臣もおっしゃられましたけれども、そこをしっかり付けていってその優秀性を維持していくということが非常に大きな課題になっていると思うんですけれども、しかしその点で、価格の面でも、あるいは場合によっては質の面でも、その点での衰退がやはり迫っているという、そういう危機感を私持つんですね。その点はあると思うんですよ。
 そうすると、大臣は、先ほど同僚議員への答弁の中で、WTO、その中のFTAの推進、そしてこの推進と国内経済政策は表裏一体だと、そうおっしゃって、それを戦略的に多層的に進めていくという答弁をされました。私、その中身が非常に肝心だと思うんですね。日本の産業を守るために対応策をどう考えておられるのか。あるのか、ないのか。ある場合には、もう少し具体的に、どういうふうに考えられておられるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#104
○国務大臣(平沼赳夫君) 中国の家電製品等が価格の面、それから品質の面で日本をある意味じゃ凌駕する、そういった事実というものはあるということは私も承知をしています。
 その大本になったのは、これも緒方先生御承知のように、日本のやっぱり技術が展開をして、そして中国ではそれをまじめに取り組んで、そして日本の品質管理方法もしっかりと学んだ、しかも労賃が三十分の一、そういうような中でそういう競争力も出てきたと思っています。
 私は、日本というのはやっぱり産業立国、これが日本だと思っています。そういう意味で、やはり中国その他、東南アジア、これから地域の経済連携協定あるいは二国間のFTAを進めるに当たって、先ほど言ったような考え方でいくことはもちろんですけれども、その中でやはり地域的にも二国間でも補完体制、補完関係というのはもうこれは否定し得ない、そういう現実だと思っています。
 じゃ、その中で日本がどういうふうにこれから産業力を高めて空洞化を防いでいくかということは、私は、一つはやっぱり日本のある意味では高コスト構造を努力をして是正をしていくということが一つ大きなポイントだと思います。
 それと同時に、やはり日本はいわゆる産業工業先進国としての技術の蓄積、ポテンシャリティー、そういったものがございますから、言葉を換えて言えば、そういった中で一歩先を行く、そういうイノベーションを起こして、そして常に先進的な技術を開発をしながら、そこをプラスの面として日本がこの世界との補完関係の中で一歩先を行く地位を占めていく、そのことによって日本の産業をやっぱり二十一世紀も存続させ、そして安定的な経済成長を維持していく、そういうことをこれから一番私は優先権を与えて努力をする、その上での経済連携協定であり、私は二国間協定であると、そういうことを私は思っております。
#105
○緒方靖夫君 大臣は、先ほど台湾などとの二国間協定の可能性も述べられました。
 私は、将来、台湾、韓国、あるいは場合によっては中国、そういう自由貿易協定が締結されるということが当然想定されると思うんですね。時期はいつか分かりません。その場合、日本企業は労賃コストあるいはまたその市場と生産を近づけるという、そういう当然の動機から更にそういう諸国に進出していくということが行われると思うんですね。
 国内のその場合に雇用減、中小企業の減少、そういったこれまたこの間議論をしてきた産業の空洞化の問題、それが進むことも予想されると思います。その進行を食い止めることが、自由貿易だから何もできない、そういうことはあってはならないと思うんですね。その点では、やはり中長期的な対応、そしてまた同時に、対症療法的になるかもしれませんけれども、セーフガードの発動等々、これが求められていると思います。
 先ほど大臣は、紛争があったときにはWTOのルールがある、これを活用すると言われました。そのとおりだと思うんですね。ですから、私はそうした機敏な対応が今後は必要になると思うんですけれども、その点での大臣の御決意を伺っておきたいと思います。
#106
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、例えば台湾というような例を出され、韓国というような例を出されました。そういった国々とも事実上もうプロポーザルが来ておりますから、そういう中で、これはこれから努力をしていくことですけれども、当然結ばれる、そういうことも想定をされます。
 その中で、やっぱり日本の特に中小企業、日本の経済の基盤を支えていただく中小企業に対しては、やっぱり足下のそういう問題に対しては、例えばセーフガードというものはWTO上当然認められている権利でございますから、そういうやっぱり壊滅的な打撃を与えると、そういうような事態がしっかりと掌握できれば、それはルールに基づいて私は当然やるべきことだと思います。
 それと同時に、もっと大切なことは、中長期ということをおっしゃいました。私は中長期的に、やはり前の御議論の中で大田区のそういった非常な技術集積のお話をなされました、そういった技術ポテンシャルを更に結び付けて、そして日本で新しい企業が立ち上がり、新しいいわゆる創業ができる、そういうことをやっぱり積極的にやって日本自体の活力を高めていくと、このこともそういう自由貿易、経済連携協定を迎えるに当たっては日本が取らなければならない、おっしゃるとおりそういう方策だと思っていますから、そういうことに関しましても、第一弾は昨年の秋にそういう新企業創出、こういう形での法案も本当に全党の御賛同をいただいて法案化できました。そういったことも含めて総合的に私どもはやっていかなければならないと、こういうふうに思っています。
#107
○緒方靖夫君 今日の流れの中で、国際経済協力を進める上で国際協調と経済主権を守る、この二つが肝心だと思います。憲法には、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」という平和的生存権の精神、これが書かれていますね。それから、「自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務」、そういう点で国際協調主義がうたわれていて、この二つの視点がともに私、大事かなと思います。
 私は、この間、何度かASEAN諸国を訪問しました。シンガポールも何度も参りました。そこでIT産業の育成の努力、それから彼らの経済発展の努力、それも実感してまいりました。同時に、ほかのASEAN諸国には、国にもよりますけれどもやはり経済格差が非常に大きい。そしてまた、ASEAN諸国の経済成長の支援を日本が進めるという、支援するという観点もこれまた非常に大事だと思うんですね。それ抜きにして議論はなかなかできないと思います。
 ですから、ここしばらく、すぐに二国間で、ASEANの中でですよ、二国間の自由貿易協定に進むということはなかなか困難かなという感想を持っております、実感としてもですね。先ほど古屋副大臣が、ASEANの結束を崩すようなことはしてはならないと言われたのは非常に正しいことで、私たちはそういう観点も持つことが非常に大事だと思うんですね。
 この一月に小泉首相が、先ほどから話になっているように、日本・シンガポール経済連携協定とともに、ASEAN域内経済連携の強化を述べました。それから今月のボアオ・フォーラムでの発言がありました。そして、今月十二日に日本とASEANの次官級の定期協議がヤンゴンで開かれ、そこで日本側は、小泉首相が提案した包括的経済連携構想と並行して個別に各加盟国との自由貿易協議を進める、推進すると、それをASEAN側に示したと言われておりますけれども、そこで、ASEAN全体に対して経済協調をどう今後進めていこうとするのかという基本的な立脚点、これをお伺いしておきたいと思います。
#108
○国務大臣(平沼赳夫君) ASEANと日本というのは、もう既に重要な補完関係にあって、そしてお互いに共存共栄と、こういう形でやっています。
 御指摘のように、ASEANとは、日本と比べて非常に格差のあることは事実であります。そういう意味では、日本はODAという形でASEANに対しては大変これまでもいろんな面で協力をしてまいりました。それは、人的派遣にとどまらず、中小企業の育成あるいは新技術、そういったものを我々としてはASEAN諸国に向かって積極的にレベルアップをしていただくために努力をしてきた。
 ですから、これからは、そういうASEANというのは、御指摘のように、シンガポールのように、わずか淡路島ぐらいの島に、シンガポール人の人口としては二百五十万、よそからの労働力を入れて約五百万を切るぐらいで非常に高度な国もあります。ですから、そういう中で、やはり協調を乱さないように、日本は協力することはしっかりと協力をしながら、そしてやっぱり基本精神は私は共存共栄だと思うんですね。お互いに、グローバル化したこの地球にあって、日本だけが独り勝ちするということじゃなくて、お互いが共存するような形で、格差があるところは日本がそれを補い、そして松下商法じゃありませんけれども、損して得取れというような感じで、共存共栄の精神でやはりASEANとは作って、お互いの私はレベルアップに努めていく、これが私は基本的になければならないと、こういうふうに思っています。
#109
○緒方靖夫君 そういう方向だろうと思います。
 そして同時に、小泉総理の示された構想に対してシンガポールのゴー・チョクトン首相は、構想の一部に全面的に賛成でない国があるかもしれないという形で暗に批判をほのめかしていますね。あるいは現地の新聞等々はもっと厳しく、あいまいな地域協力の言及だけにとどまっているとか、あるいは具体性がないとか、そういうことが新聞の社説等々に書かれるという状況もあり、その点では厳しい目が注がれていることを指摘しておきたいと思います。
 先ほど大臣が物づくりの問題、それからまた日本が生産立国として進めていくというお話がありましたので、その点であえて、ちょうどITに関連していますので、お尋ねしたいことがあります。
 それは、二〇〇〇年十月以来、IT不況が深刻さを非常に増していますね。IT物づくりとその支えとなっている集積への大きな打撃がその中で生まれております。例えば、今、大臣がおっしゃられました大田区のIT関連の下請中小企業の実情を最近聞きましたけれども、やはり刻々と悪化している、状況は。売上げは四〇%、五〇%減は当たり前、仕事がたまにあると納期は特急、そういう話です。三〇%単価の切下げ、仕事は中国に出すから二、三か月もう仕事はないと思え、あるいは親会社は中国並みの超低価格の加工賃を、加工費を求めてきたとか、そういう話がもう山とあるわけですね。
 私は、そこで、やはり物づくり、これが日本の立国、そして中心、そう言われるならば、やはりITも生産基盤を守る。それは、やはり大きな企業が頑張るということがありますけれども、技術的にいろんな支えをしているのは中小企業なわけですから、そこをしっかりと守っていくということが、そしてまたそのために大臣の強力な指導が求められていると思いますけれども、その点での決意をしかとお伺いしたいと思います。
#110
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、二〇〇〇年の後半から世界でIT不況というのがありました。私は、これでIT産業がすべて地球上から消滅して壊滅するということじゃなくて、私は、そのITというのは第一段階が終わって、そして第二段階に行く今ちょうど踊り場にあると、そう思っています。そういう中で、ITの第一段階が済んだところで非常に厳しい状況に今御指摘のように特に下請企業が置かれていると。
 そういう形で、これは委員も御承知のように、私どもとしては、そういったやる気と潜在力があるそういう中小零細企業に対してはやっぱり万全のセーフティーネットを構築しなきゃいかぬと、こういうことで第一次補正予算の中でも一千四百億を計上しましてセーフティーネットを拡大すると、こういうことをやらせていただいた。
 それからまた、さらに、これももうよく御承知で、恐らくまだまだ浸透していないじゃないかと、こういう御指摘がありますけれども、売り掛け債権に着目をした新たな信用保証制度を作らせていただいて、これも随分PRに努力をして、これも浸透してまいりました。
 そういう意味で、私どもは、今そういう下請企業が非常に厳しい現状に置かれている。たまたま大田区の区議会の方から私は大田区のそういう中小企業の現状というレポートもいただいて読ませていただきました。本当に深刻な状況であります。そういう意味で、そういったところは、やっぱり要は景気を安定的な軌道に乗せて、そして仕事量を増やして元に戻すということが中長期的には一番大切なことです。
 そういう意味で、私どもとしては、今本当にお困りの方々のそういった現状ということを私どもはしっかりと踏まえ、そしてまた大企業が下請に過酷なことをやっていると、こういうことがあれば、そういうものに対しては、私どもはやっぱり大企業、そういう下請に発注しているところに対しても私どもは適切な指導はしていかなきゃいかぬ、そういうことを総合的にやっていかなければならない、こういうふうに思っています。
#111
○緒方靖夫君 その点で、やはり状況が日々刻々変わっているということが言えると思うんですね。
 私、経済産業省にIT不況の実態を示す調査を求めました。大企業のものはそろうわけですね。しかし、じゃ中小企業、IT関連の下請中小企業の実態はどうかというと、その調査はないというんですね。中小企業庁にもない、あるいは商務情報政策局の情報政策課にもないというんですね。
 そこで大臣、私、ここで提起したいんですけれども、やはり大臣のイニシアチブで、正に物づくりの技術を支えている大事な部門でありますので、IT関連の下請中小企業の実態調査をやはり進めるということを是非行っていただきたい、これを要請したいと思います。
#112
○国務大臣(平沼赳夫君) ITに特化をしてそういう調査というのをしていない、こういう御指摘でございます。ただ、日本の我が省の場合には全国九か所に経済産業局がございまして、そういったことを全体としては把握をしております。そういう意味で、ITの非常に厳しい現状ということ、それは非常に大きな問題でございますので、私どもは早速こういう経済産業局から実態を、ITに限ってよく調査するように私から指示をしたいと、こういうふうに思います。
#113
○緒方靖夫君 地方局でもつかんでいるとは思いますけれども、しかし十分つかんでいるかどうか、そのことは非常に私疑問だと思います。それは東京の例を見てもそのことを痛感したからですね。ですから、大臣の御指示せっかくあるわけですから、この機会にやはりそういう状況をきちっとつかむということを、既にある情報を集めるというそれだけじゃなくて、それを是非お願いしたいと思います。
#114
○国務大臣(平沼赳夫君) 例えば大田区というようなことを申し上げますと、経済産業局から分かった者がある意味じゃ定期的にお伺いをして、そして皆さん方の実情をしっかり把握するということは大切です。ですから、そういったことも含めて、前の御要望ではひとつ窓口を作れと、こういう御指摘がありました。しかし、そこはなかなか現実問題、お分かりいただけると思いますが、なかなか一か所やると全部になるというそういう問題がございます。ですから、要員がおりますから、そういう要員が問題意識を持ってやっぱり親身になって巡回をさせていただいて実態を調査する、これは私はやらなきゃいかぬと思っております。
#115
○緒方靖夫君 その調査を是非お願いしたいということを要望しておきます。
 もう一つ、私、提起しておきたい問題があるんですけれども、それは大企業の内製化の実態なんですね。
 ある中小企業主からこういう話をお伺いいたしました。それはこう言いましたね。ある大手家電メーカーの一次下請からMRIの心臓部の図面作成と試作部品の作製の要請を受けたけれども、通常の半値で要求された。納品後、一次下請から全く注文が来なくなった。しばらくしてからそのメーカーが自分の図面に基づいて金型を作製し、部品を内製化し、しかも自分のかいた製図が外部に堂々と流通していた。これでは技術を盗むことと同じではないか。そういう憤慨の証言でした。もっとひどい場合には、この図面が作成者の了解なしに外国の金型メーカーに受注依頼と一緒に提出される、そうした実態もあるんですね。下請中小企業が作成した製図がひどい取扱いをするということは、私ここに持ってまいりましたけれども、国民生活金融公庫の調査季報にもその問題点が指摘されております。
 この実態について、大臣はお聞きかどうか分かりませんけれども、私は、図面は知的所有権の塊、そう言っていいものであって、図面の著作権保護に向けて大臣はその点でやはり大企業、業界団体をしっかりと指導する、このことが求められていると思いますけれども、その点での御指導もお願いしたいと思います。
#116
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、金型のことをおっしゃいましたけれども、我が国の金型産業というのは世界の生産額の二〇%から三〇%を占めて、特に自動車用のボディープレス金型でございますとか、それからIT機器、この精密金型、こういうことで非常に強い競争力を持っている。したがいまして、やっぱり近年、我が国のそういう金型技術、それが一つの御指摘では、そういう金型の本当に下請で持っていたものが大企業に流用されてしまっている、それからさらに金型メーカーに無断で、その図面を介して、特に中国ですけれども、中国に流出しているケース、これは承知をしております。
 これは日本全体からいっても金型の競争力の低下につながることでございますので、私どもとしては、金型産業あるいはそういう精密のいろいろな図面、そういったものの国際競争力の確保のためには、ある意味では一層の高付加価値を図ることは必要なんですけれども、やっぱり意図せざるそういう技術流出の問題については、知的財産保護あるいは公正競争上の観点からどのような措置がしっかりと取れるか、これは真剣に検討させていただきたいと思います。
#117
○緒方靖夫君 ありがとうございます。
 時間です。終わります。
    ─────────────
#118
○委員長(保坂三蔵君) ここで、委員の異動について御報告を申し上げます。
 本日、関谷勝嗣君が委員を辞任され、その補欠として西銘順志郎君が選任されました。
    ─────────────
#119
○委員長(保坂三蔵君) 質疑を続行します。
#120
○広野ただし君 自由党・無所属の会の広野ただしです。今日もしんがりでございますが、よろしくお願いを申し上げます。
 日本とシンガポールのFTA、二国間の経済連携協定、非常に重要なものがまとまりまして、その間に相互承認ということでございますが、その前に、日欧の間で行われている相互承認、四分野ございます。それに対して今度のシンガポールとの相互承認では二分野に限られているということであります。日欧の間にありました化学品、そして医薬品について、どうして話がまとまらなかったのか、また将来どういう見通しをお持ちなのか、この点について経済産業省と厚生労働省にお伺いします。
#121
○副大臣(大島慶久君) 私からお答えを申し上げます。
 先生御指摘のとおり、化学品分野におきましては、今回のシンガポールからの要請が、要望がございませんでした。
 そういったことで、工業用化学品分野に関しましては、我が国では従来、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づきまして化学物質の審査、規制を行ってきておりますけれども、海外の安全性評価のデータの相互受入れに関しましては、経済協力開発機構で定められた試験方法や試験所の基準を踏まえまして同等性の確認を行ってまいっております。
 今後、要望がありました場合には、これらの基準に照らし合わせまして同等性の確認を行い検討していくこととなります。
 以上であります。
#122
○大臣政務官(田村憲久君) 先生のお聞きの点でございますけれども、我が省といたしましては、その分野は医薬品の製造所、この製造管理でありますとか品質管理に係る規制といいますか、よくGMP、グッド・マニュファクチャリング・プラクティス、この分野であろうと思うわけでありますけれども、これに関しましては、相互承認のための国際協定を締結するに当たっては当然のごとく同等性というものが確認されるかということになると思うんであります。
 しかしながら、EUとの協定は、御承知のとおり、六年間掛けてこれをしてきたわけでありますけれども、このシンガポールとの間におきましては一年でこれがやり切れなかったというのが本当のところでございまして、やはり健康に大変影響のある分野でございますので、もう少し時間をいただければというのが本当のところであります。
 ただ、後ろ向きであるかといいますと、そうではございませんでして、首脳会談でもこのGMPに関する分野に関しましてはこれからも情報交換をしながら協力ができるようなことで進めていくということでございますので、我が省といたしましても、これから前向きな方向で進めさせていただきたい、このように思っております。
#123
○広野ただし君 シンガポールというのは、やはりアジアにおけるハブ化をねらうというか、ゲートウエーだという気持ちでシンガポールはやっております。そしてまた、化学品、医薬品、特に化学品でも遺伝子ゲノムの世界あるいは医薬品でもその世界というものはいろんな発展があるわけですね。そして、それによって、何といいますか、人間の健康、命がまた守られるとか、そういうことが一杯あるわけです。
 ですから、人道的な観点からも積極的に、何か要望がないからとか、あるいは何といいますか、これはある意味で相互承認の手続ができますと市場が新たにできるということでありますから、後手後手に回ってやっていくというのはどうも役所のやり方でありまして、ある意味ではそういう積極的に取り組んで新しい枠組みを作ってあげると、そうすればちゃんとまた一つの市場が開けると、こういうことがありますので、是非前向きに化学品、医薬品についても検討をお願いをして、まとまれば将来また枠組みの中に入れていくというふうにお願いをしたいと思っております。
 そして、もう一つ、シンガポールは、先ほども話がありましたように、ITアイランドということで、ITについても、IT二〇〇〇とか、ICT二〇一〇ですか、というもので積極的にアジアのITのハブ化をやるんだというような積極姿勢でやってきております。そういう中で端末機器あるいは無線機器を今回相互承認の中に入れておられる、これは非常に大事なことだと思っております。
 そういう中で、先ほどからいろんな経済連携協定、二国間のことでいろいろとありましたけれども、私はやはり今までの貿易相手国等を考えますとアメリカ、NAFTAというものは非常に日本にとって大事な軸足だと、こう思っております。もちろん、アジアあるいは東アジアあるいは東南アジアということも非常に大切だと思いますが。そういう中で、ITの関係で、特にアメリカ、カナダとのことで相互承認という動きはどうなっておるでしょうか、総務省に。
#124
○政府参考人(鍋倉真一君) ITということで、私どもの所管をしております通信無線機器に関してお答えをしたいと思いますが、通信機器分野におきましてアメリカとカナダとの相互承認につきましてはAPECの場で今検討が進められておりまして、現在、相互承認協定のモデルが作成をされております。今後は、このモデルの具体的な実施法について日本、アメリカ、カナダを含めましたAPECの参加国、APECに参加する国の間で調整が行われることになっております。
 通信分野におきます米国とカナダとの相互承認につきましては、先生も御指摘のとおり、業界でも非常に要望が強うございますので、総務省としてもこれが非常に重要であるということを認識しておりまして、その早期実現に向けまして、今後もAPECに協力しながら、それからまた政府部内での関係の向きとの具体的な方策の検討もございますが、鋭意調整を行ってまいりたいというふうに思っております。
#125
○広野ただし君 特に、IT分野ではデファクトスタンダードといいますか、やっぱりアメリカがいろんな意味で世界をリードしているということがございます。ですから、世界的なマーケットを考えたときに、相互承認という意味でもいろいろとアメリカとやっていかなきゃいけないと、こういう点が多々あろうと思いますので、IT戦略上どういうふうに考えておられるか、平沼大臣にお伺いします。
#126
○国務大臣(平沼赳夫君) ITは、国境を越えて情報が流通する、それから経済活動を非常に容易にする。したがいまして、よりよいIT社会の実現に向けて取組を進めていく意味では、今御指摘の国際化というのは非常に私は大切だと思っております。
 今年の三月に策定をしましたe―Japanの重点計画、これがございますけれども、この中でも、グローバルなインターネット網の確立に向けた国際的な協調と貢献、これをやっていこうと。それから、我が国としても国際的な規格あるいは準則等の整備や研究開発のための国際的な、おっしゃった連携強化、こういったことにも積極的に取り組んでいく、こういうことにしております。
 したがいまして、NAFTAのことを特に御指摘になられました。確かにアメリカというのは九〇年代、七〇年代、八〇年代努力して九〇年代開花させました。そういう意味では先進的でございますので、私どもとしては、そういった連携を進めていくということはやっぱりこのe―Japanの重点計画にも非常にかなっていることだと思っておりまして、これは積極的にやらなきゃいかぬと思っております。
 経済産業省といたしましても、やっぱり先ほど来出ております人材の育成あるいは教育の情報化あるいは情報セキュリティーあるいは電子商取引のルール整備あるいは情報通信技術開発、そういった施策もやっておりまして、そういう一連の中でやっぱり国際の連携、これを進めていく、そのことに重点を置いてやっていきたいと思っております。
#127
○広野ただし君 先ほどから我が国の通商政策なり戦略なりという話がございました。WTO、マルチの枠組みを最重要視しながら、そしてまた二国間あるいは地域ブロックといいますか、そういう考え方での自由貿易協定的なものをやっていくというものも正に非常に大事だと思っております。
 そういう中で、先ほど韓国あるいは台湾、そしてASEAN諸国と、こういろいろとありましたが、私は、やはり日米関係といいますか、というものは日本にとっても貿易、往復でもう二五%ぐらいやはり占めているわけでありますから、そこのところはきちんとしていくと。そしてまた太平洋諸国、APECという考え方でやっていかなきゃいけない。中国との関係、もちろんWTOに入って枠組みの中に入れるということは非常に大切だと思います。そしてまた韓国と台湾、この両方を足しますと、おおよそ中国とほぼ匹敵する十兆円の往復規模になっているわけです。
 そういう中で、韓国のことは非常に皆さんある程度ベクトルがそろってくる、農業分野の問題を除けばそろってくるんだろうと思うんですが、そこで台湾であります。
 日本は、長年にわたって台湾について非常に、台湾は日本に対する思いが非常にあるわけでありますけれども、日本は非常に冷たくあしらってきております。特に昨年なんかは、李登輝元総統が日本に入ってみえると、病気を治すということで入ってみえるというときにさえ誠に冷たい仕打ちをしていると思わざるを得ないわけでありますけれども、そういう中で、台湾との経済連携協定という、協定というものになるのか、どういうふうな考え方でやっていかれようとするのか、経済産業大臣、また外務副大臣にお伺いしたいと思います。
#128
○副大臣(古屋圭司君) お答えをさせていただきたいと思います。
 今、韓国との関係はいろいろ議論が始まったけれども、台湾についてはどうなのかということでございますけれども、台湾は御承知のとおり今年の初めにWTOに加盟をいたしました。したがって、今の台湾の立場というのは独立関税地域というWTO上の立場になっているんですね。
 これは、もうちょっと具体的に申し上げますと、小規模かつ小さい地域なんですね。それで、それの例えば例は、デンマーク領のフェロー諸島というのがございまして、これは北大西洋上の小さな島でありまして、実はそこがデンマークとFTAを結んでおります。ただ、この島は四万八千人の島でございますけれども。そういった例以外、現実、WTO上のFTAを結んだ例というのは、いわゆる独立関税地域の立場を得ている地域との締結というのはないというのが現状であります。
 ただ、東アジアにおけるやはり経済連携をめぐる議論をしていく際には、台湾、それからもう一つやはり香港ですね、こういった重要な地域と連携をしていくというのは私は極めて重要であるというふうに思っておりまして、近々、民間レベルで研究会が、日本と台湾との自由貿易協定に関する勉強会が立ち上げられることになっておりまして、言わば独立関税地域との間でどういう形で連携をしていくことができるのかというようなことを、これはもちろんWTOとの関係も詳細に検討していかなきゃいけないことでございますので、政府としても検討してまいりたいと思っております。
 いずれにしても、今、委員御指摘のように、台湾と日本というのは極めて、経済連携というのは極めて大切だと思いますので、そういったことを踏まえながら検討していきたいと思っております。
#129
○副大臣(植竹繁雄君) 委員お尋ねのとおり、日本と台湾との経済関係でございますが、日台関係について基本的な我が国の政府の立場と申しますのは、日中共同声明にありますとおり、非政府間の実務関係として維持するというものでありますが、したがって台湾との間で自由貿易協定のような国際約束を締結するようなことは考えておりませんが、しかし台湾というものは経済的にとって重要なパートナーであります。
 したがって、台湾との間でWTOまたAPECといった多国間の枠組みを踏まえまして、民間レベルで経済連携の在り方について分析したり、また先ほど経済産業省の方からお話がございましたとおり、両方で研究会を作って進めていくということは大変有意義なことだと考えるわけであります。
 また一方、台湾との経済関係を考えるに当たりましては、台湾が本年一月にWTOに正式に加盟されたと、したばかりで考えますと、台湾がWTOに加盟の際にいろいろ約束した事項を確実に実施していくということが大変重要だと考えておるところであります。
#130
○広野ただし君 私も、台湾との間の協定というのは、GGベース、政府間ではこれはなかなか難しい。どういう形態になるのか、大いにやはり検討して、中国との関係ももちろんありますけれども、中国は核武装もしており、しかもいろんな意味で空洞化の張本人になっていく。ある意味では、私は中国との関係はイコールパートナーだと、こういうことでいいと思っておりますが、余りにも台湾を我々の視界から外してしまうようなことがあっては、これはいろんな長年の日本、台湾の歴史的な関係から考えましても、いかにも片手落ちのことを日本はやっている、こういうことになってしまうんではないか、こう考えますので、平沼大臣にもう一度、経済産業省として、あるいは通商戦略としての台湾問題についてお伺いをしたいと思います。
#131
○国務大臣(平沼赳夫君) 台湾は、委員御指摘のように長い歴史と経済関係、これがずっと続いております。人口が二千二百万、そして国土面積というのは九州とほぼ匹敵するぐらいの狭い国。しかし、人口は二千二百万で、大変ハイレベルで、国民所得も非常に高い。経済力もすごくある。技術もある。ですから、そういう意味では、もう現実の世界経済の中では否定できない存在でありまして、そういう意味でも今年の一月に私はWTOに加盟したと思っています。
 ただ、いろいろ中国との関係、いろいろな問題がありますけれども、私は、今の現実ということにしっかりと目を据えて、やはりお互いの経済の関係が更に発展するような、そういうことを、研究会も立ち上げますから、そういうところでしっかりと模索をしながら構築をしていく、これが基本線じゃないかと思っております。
#132
○広野ただし君 終わります。
#133
○委員長(保坂三蔵君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#134
○委員長(保坂三蔵君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 この際、平田健二君より発言を求められておりますので、これを許します。平田健二君。
#135
○平田健二君 私は、ただいま可決されました特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 近年、二国間及び地域的な自由貿易協定の締結が活発化していることにかんがみ、経済連携協定が今後ともWTOの多国間主義を補完・強化するものとなるよう努め、その締結の拡大に向けての取組を進めること。
 二 本法の施行及び今後の締結の拡大に際しては、付加価値の高い輸出産業の競争力を強化するとともに、輸入増大による国内産業への影響を緩和するために、構造改革を積極的に進めつつ、新規産業・市場の創出、人材の育成など適切な施策を講ずること。
 三 今後本格的に開始される欧州共同体との相互承認の実施状況を十分に踏まえながら、適正な競争原理の下で、認証に係るコストの低減、認証サービスの質的充実等利用者の利便性の向上を図るため、認証業務への一層の民間参入を促進するとともに、国際的にも信頼される認証機関の育成に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#136
○委員長(保坂三蔵君) ただいま平田健二君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#137
○委員長(保坂三蔵君) 多数と認めます。よって、平田健二君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、平沼経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平沼経済産業大臣。
#138
○国務大臣(平沼赳夫君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
 ありがとうございました。
#139
○委員長(保坂三蔵君) なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#140
○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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