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2002/04/25 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 経済産業委員会 第13号
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2002/04/25 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 経済産業委員会 第13号

#1
第154回国会 経済産業委員会 第13号
平成十四年四月二十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任   
     広野ただし君     平野 達男君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任   
     平野 達男君     広野ただし君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         保坂 三蔵君
    理 事
                魚住 汎英君
                松田 岩夫君
                山崎  力君
                平田 健二君
                本田 良一君
    委 員
                大島 慶久君
                加藤 紀文君
                小林  温君
                近藤  剛君
                関谷 勝嗣君
                直嶋 正行君
                藤原 正司君
                簗瀬  進君
                若林 秀樹君
                荒木 清寛君
                松 あきら君
                緒方 靖夫君
                西山登紀子君
                広野ただし君
   国務大臣
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
   副大臣
       法務副大臣    横内 正明君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
       厚生労働副大臣  宮路 和明君
       農林水産副大臣  野間  赳君
       経済産業副大臣  大島 慶久君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       菅  義偉君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      根來 泰周君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局官房審
       議官       上野  宏君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      鈴木 孝之君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   楢崎 憲安君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        上杉 秋則君
       法務大臣官房審
       議官       原田 晃治君
       厚生労働大臣官
       房審議官     鈴木 直和君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)



    ─────────────
#2
○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告を申し上げます。
 昨日、広野ただし君が委員を辞任され、その補欠として平野達男君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(保坂三蔵君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に公正取引委員会事務総局官房審議官上野宏君、同じく公正取引委員会事務総局経済取引局長鈴木孝之君、同じく公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長楢崎憲安君、同じく公正取引委員会事務総局審査局長上杉秋則君、法務大臣官房審議官原田晃治君及び厚生労働大臣官房審議官鈴木直和君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定させていただきます。
    ─────────────
#5
○委員長(保坂三蔵君) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○関谷勝嗣君 おはようございます。
 私も、参議院に参りましてから初めての質問でございまして、久々に緊張をしておりますが、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 今、公正取引委員会が対処しなければならない案件といいましょうか、事件といいましょうか、そういうようなことが多々起こっておると思うわけでございます。
 昨日も公正取引委員会から排除命令が出されました丸紅畜産株式会社の問題、あるいはこの不況下の中にありましていろいろな企業が統合、合併を進めていこうとしておるわけでございますが、その中で、これは三月十五日でございますが、公正取引委員会から問題点があるということで指摘を行ったようでございますが、日本航空とエアシステムの持ち株会社の設立による事業の統合の問題等々ございます。これは、後ほど個々の問題としてまた質問させていただきたいと思っておりますが。
 そういうような状況というのは何かといいますれば、不況下、不況な状態における中での公正取引委員会の役務を完全に遂行してもらわなければならない。その役務は何かといえば、いかに公正でかつ自由競争の市場を作っていくかということがこの公正取引委員会を作りました、また当初の目的でもあるわけでございますから、こういう不況下であればあるほど、どうぞ毅然とした、独立した組織であるわけでございまして、何も内閣の影響を受けるものでもありません。したがって、襟を正してしっかりとした御指導をしていただく、そのことが景気の回復のまた一助にも私はなってくると思うんです。
 景気を良くしていくのは、消費を広げていくだとか、あるいは予算を付けるとか、税制改革をやるとか、あるいは構造改革をやるというようないろいろな問題、そういうものが一つの大きなマグマとなって初めて景気回復というのができると思うんでございますが、こういうときにおいては、特に公正取引委員会のその努力というものが大きく景気の回復に直結をしていると思うわけでございまして、委員長始め皆様方が改めて意識を持っていただいて頑張っていただきたいと、そのように思います。
 今、どういいましょうか、バブル経済がはけてもう十三年ほどになるわけでございますが、我が国の企業の競争力の低下というものが喧伝されているわけでございまして、四月十五日でございましたが、格付会社、アメリカでございますが、スタンダード・アンド・プアーズにおきまして日本の長期国債を格下げをするということで、ダブルAからダブルAマイナスというようなことになりました。また、ムーディーズ・インベスターズ・サービスにおいても昨年十二月にAa2からAa3に格下げをされてしまったということでございまして、先進七か国の中ではイタリアと並んで最低水準になってしまったと。このスタンダード・アンド・プアーズの評価では、キプロス、マルタあるいはチェコと同格になったというようなことでございまして、これは私は余りにも過小評価されておる点が確かにあると思います。財務大臣、塩川さんもそういうようなコメントを出しておりましたが、多少、過小評価の面があるにいたしましても、これからそういうようなことがまた元の状態に戻るように、国際競争力というものを維持していくためにはどうやっていくべきかということをやっていかなければならないと思うわけでございまして、そのためには、構造改革を進めて、経済環境あるいはまた競争環境を国際スタンダードに近づけていくということが必要であろうと思っております。
 そういうこと、今の現状を見ましたときに、今まででございましたら、不況カルテルというものを始めとして適用除外のカルテルが多用されましてその不況を切り抜けてきたというのが現状で、今日までであったと思うわけでございますが、こういうグローバル化された国際競争という状況の中においては不況カルテルというのは逆にマイナスであって、これからはそういうカルテルでは国際競争には勝っていくことはできないと思っておるわけでございます。
 この適用除外カルテルが今までは多用されていましたが、現在はその案件も減少をしておるというふうに伺っておりますが、この不況カルテル制度に関するこれまでの推移、また現状がどうなっておるかということをちょっと今振り返ってみたいと思いますので、その推移の経過を御答弁いただきたいと思います。
#7
○政府参考人(鈴木孝之君) お尋ねのありました独占禁止法に基づきます不況カルテル制度についてお答え申し上げます。
 平成十一年までございました独占禁止法に基づきます不況カルテル制度は、昭和二十八年に導入されました。これが用いられるようになりましたのは昭和三十一年以降でございまして、これまで延べ三十七品目について実施されてきております。
 この不況カルテル制度利用のピークは、岩戸景気後の不況が深刻した昭和四十年から四十一年に掛けてでございまして、生産財に引き続きまして十八品目の広範な分野にわたり実施されました。昭和四十六年不況期には鉄鋼あるいは石油化学工業を中心に十三品目、昭和五十年不況期には五品目、昭和五十二から五十八年の円高の影響等を受けました景気低迷期には合計二十二品目について実施されました。
 しかし、その後の我が国経済の順調な回復に伴いまして、昭和五十八年末にそれまでの不況カルテルはすべて終了いたしました。その後、造船関係のカルテルが二件実施されましたが、これが平成元年に終了して以後は実績はなく、平成十一年には不況カルテル制度自体が廃止されております。
 申し訳ございませんが、ちょっと訂正させていただきます。
 先ほど延べ三十七品目と申しましたが、私ちょっと申し上げるのを間違えまして、三十七品目と申し上げましたかもしれませんが、七十三品目でございますので、訂正させていただきます。
#8
○関谷勝嗣君 ありがとうございました。
 この不況克服の対策としては、規制改革だとか構造改革を進めて、そこに公正かつ自由な市場を作って競争を促進するというようなことが今一番重要であるということが今の報告でも理解することができるわけでございます。
 そういう中にありまして、大企業は競争への対応力を付ける必要がございますから、効率化やあるいは得意分野への特化などのため、ますます事業再編、統合とか合併とかいうものを進めていくと思われますが、一方、日本経済の足腰とも言える中小企業の部分を私はしっかりと守っていかなければならないと思うわけでございます。中小企業が全体の九九%であるわけでございますから、そういう中にあって、この長期化する景気低迷の影響を受けまして、倒産企業の増加など中小企業の死活問題に直面をしているのが現状でございます。規制改革の推進も重要ではもちろんありますが、規制改革が行われた後の市場において公正かつ自由な競争のための競争条件が確保されなければ、中小企業というものは大企業の下での隷属化されたものになっていくわけでございまして、堂々と競争していくことができないわけでございます。
 それで、不況、デフレという今の経済環境の下で、デフレ対策の観点からも、中小企業に不当な不利益を与える優越的地位の濫用、これは禁止されておるわけでございますが、この優越的地位の濫用や下請法違反行為などの不公正な取引を厳格に規制すべきであると考えておりますが、この点につきまして公正取引委員会の取組を伺いたいと思います。
#9
○政府特別補佐人(根來泰周君) 全くお説のとおりでございまして、競争、片や競争、自由な競争ということが標榜されておりますけれども、自由な競争の片や、片一方には公正な競争という冠がかぶるわけでございまして、その公正な競争というのは、御指摘のように、私どもが所管している独占禁止法で申しております優越的地位の濫用とか、あるいは不当廉売とか、そういう不公正な取引方法によって相手をノックアウトするというのは極めて遺憾なことでございますので、これはこの委員会でも再々御指摘がございますので、私どももそれを一つの重点事項としてやっているわけでございます。
 それから、いわゆる下請法の運用につきましては、これは中小企業庁と共管になっておりますので、何しろ数が多いということもございますけれども、基本的には書面調査をし、また問題のあるところに対しては立入調査をいたしまして、厳正に対処しているところでございます。
#10
○関谷勝嗣君 ユーザーの力が非常に強くて、ユーザー、すなわち荷主でございますが、ユーザーの力が非常に力が強くて価格交渉力の乏しい分野においては中小企業が不利益を被ることになりがちであります。
 私、愛媛県でございまして、内航海運が日本で一番多い県なんでございますけれども、その内航海運の現状を見てみますと、これはかつて船腹調整ということが行われました。そして、公団共有船システムでこの内航海運というのは大きく発展をしてきたわけでございますけれども、荷主がいて、オペレーターがいて、共有船を造ったオーナーがいるわけでございますが、その用船料というものがたたかれてたたかれて内航海運業者はもう成り立たないという状態になってきておるわけでございます。それでは、そのオーナー、いわゆる用船料をもらっている、船を造った方が荷主の方に対して、非常に立場が弱いものでございますから、そんなにたたかれては運用ができませんというようなことを言いますれば、じゃ結構でございます、他の船会社を使わせていただきますということになるわけでございまして、もう内航海運がどんどんどんどんと倒産をしてきております。
 ですから、この内航海運というのは、荷主とオペレーターとオーナーというシステムでございますから、いわゆるオーナーがなくなって荷主とオペレーターがあるだけの、そういう内航海運という業態になってもいいというんであればもうそれは仕方がないかもしれませんけれども、私はそういうようなことになったんでは海運業の発展はないと思っておるわけでございます。
 ですから、このことに対しましては、公正取引委員会にも現状を調べていただきたいということでお願いをしておるわけでございますが、このことに対しまして公正取引委員会はどのように対処をされようとしているのか、またどのように取り組んでいるのかを御報告をいただきたいと思います。
#11
○政府特別補佐人(根來泰周君) これも御指摘のとおりでございまして、私が申し上げるよりも先生の方が内情をよく御存じだと思いますけれども、一応御説明いたしますけれども、大企業を中心とします荷主とオペレーター、それからオペレーターと船主という関係があるわけでございますけれども、荷主とオペレーターというのは取引依存度が非常に高いわけでございます。また、長期に契約を、長期な契約取引をやっているわけでございますので、要するに荷主とオペレーターが一体になって船主と対抗しているということであります。ただ、そういう対抗関係にありますけれども、船主の方はそういうことで非常に力が弱い、荷主とオペレーターが非常に力が強いということで、いわゆる優越的地位という立場に荷主とオペレーターが立つわけでございます。したがいまして、荷主やオペレーターの言うことは船主は聞かざるを得ない。
 それから、従来は運賃につきましても独占禁止法適用除外ということで協定ができたわけでございますけれども、今の自由競争の時代にそういうのはまずいというので独占禁止法適用除外が外れたわけでございますので、どんどん運賃もたたかれるという状況にあるというふうに承知しているわけでございます。
 そこで、このたび私どもの方で、この内航海運業についての取引の現状を把握して、そういう優越的地位の濫用行為にわたる行為がないかどうかということを的確に把握するために、現在、書面調査とヒアリングを行ってその実態を明らかにするように努めているわけでございまして、その実態が明らかになった暁に、どういう問題があってどういう改善方策があるかということについて更に考究したいと、こういうふうに考えているところでございます。
 なお、この優越的地位の濫用というのは、なかなか実態調査をしましても、元々、この優越的地位にある者の言うことはそのまま聞き入れるものですから、なかなか実態が明らかにならないといううらみがあるものですから、そういう点についてもいろいろ裏情報といいますか、そういうお話があれば私の方にもちょうだいできれば非常に有り難いと、こういうふうに思っているわけであります。
#12
○関谷勝嗣君 いみじくも委員長がおっしゃられましたように、その後、公正取引委員会から内航海運業界の面々にアンケート調査をしていただいて、そういうような報告もしたんでございますが、その後、荷主から実に、どういいましょうか、相当なる圧力が掛けられて困っておるというような実情もあるわけでございまして、どうぞひとつ、そういう中小企業の弱い者を助けていただく、そしてまた正しい、公正な正しい競争ができる、そういう市場を作っていただきますように、この海運業界においてもひとつよろしくお願いをいたしたいと思っております。
 次に移りたいと思いますが、企業が事業再編を行うに当たりまして、これを過度に妨げる規制は緩和されるべきである。そういう意味におきましては、大規模会社による株式保有総額制度、今回出てまいります第九条の二の撤廃については前向きに評価ができるわけでございますが、どういいましょうか、規制を緩和をするということと、また緩和し過ぎた場合にはマイナスのことも起こってくるわけでございますから、どの辺りでその線引きをするのかということが大変難しいと思うわけでございますが、そういうようなことで、今回の第九条の二の撤廃の改正の趣旨というものをお伺いをしたいと思います。
#13
○政府特別補佐人(根來泰周君) この第九条の二というのは昭和五十二年の法改正のときに新設された規定でございまして、自己の資本の額又は純資産の額のいずれか多い額を超えて他の会社の株式を取得、所有することを禁止しているという極めて一律形式的な禁止でございます。
 昭和五十二年といいますと、石油ショックの直後でございまして、総合商社が言葉は悪いですけれどもしょうけつしていた時代でありまして、これを何とか抑えなければいけないというような社会的な要請がありましてこういう規定ができたものと私は承知しているわけでございます。
 ところが、その後、最近の情勢を見ますと、総合商社の融資力とか輸出入取扱高について昭和四十年代と平成十年代を比べてみますと格段に落ちているわけであります。また、系列取引というのも今後変化するということが見込まれますので、そういう経済実態に応じて、こういう一律規制というのは今の時代にも合わないんじゃないかということで廃止をお願いしているわけであります。
 また一方では、こういうもう規定を廃止してしまって事後規制ということにしてしまったらどうかという御意見もあるわけでございますけれども、私どもは、やはり一遍にそういう事後規制に持っていくということはとても駄目だろうと、やはり企業の倫理というのは確立必ずしもされていない現在、やはりこれに対して何かの歯止めが必要だろうというので、九条の規定を借用といいますか、九条にスライドさせまして、事業支配力の過度の集中になるような会社については引き続き規制をしていくという歯止めを設けたわけでございます。言葉を返せば、一律規制を廃止して一般抽象的な規制にしたということでございます。
#14
○関谷勝嗣君 その事業の再編に伴いまして、MアンドA、企業の合併と買収というのが活発化しております。そういう中にありまして、経営のスピードが重視されておるわけでございまして、企業の統合だとか併合審査も迅速に行われる必要があると考えております。そういうようなことで、公正取引委員会はどのように活性化そしてスピード化に対処をされようとしているのか、それをお伺いしたいと思います。
 そして、その関連で、先ほどちょっと触れさせていただきましたが、JALとJASの統合問題についても、これはいささか問題があるというふうに公正取引委員会が発表しましたのが三月の十五日でございますね。三月十五日に「本件統合計画が実施された場合には、国内航空旅客運送事業分野等における競争を実質的に制限することとなるおそれがあると考えられるため、当委員会は、本日、両社に対し、その旨の問題点の指摘を行った。」というのが、これが三月の十五日でございました。
 それからもう今日までですから、かなりの日がたっておるわけでございまして、もちろんこういうような、どういいましょうか、報道がなされたときに、それから公正取引委員会がいろいろと内容を調べられたわけであろうと思います。ですから、それまでに時間が掛かったということもそれは必要なことであったと思いますが、その後かなりの時間がたっております。
 昨日でしたか一昨日でしたか、夕刊を見ておりますと、この統廃合にいろいろな指摘した分野を是正すれば認められるような報道がされておりました。そのことはまだ決定されたわけではありませんから、一応耳にしただけでございますが、そのことも含めてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#15
○政府特別補佐人(根來泰周君) この企業の合併とか統合とかいうのは、もう最近新聞を見ても毎日載らない日はないという状況でございますので、私どもの方も職員を増強して迅速にかつ正確に処理したいと、こういうふうに思っているわけでございます。
 これはいろいろ、また御説明するといろいろ問題があるわけでございますけれども、一つは、企業側にすれば、やはり事前に相談をして公正取引委員会のお墨付きというかそういうものをもらえば、事後上手に合併なり統合をやれるというメリットがあるものですから事前の御相談に来られるわけでございます。これについては、一部からその相談内容がオープンにされないので不透明ではないかというような御批判もあるわけでございますけれども、できるだけ透明化を図るという趣旨ですべて公表しているわけでございます。
 JAL、JASの問題につきましてもそういうことで、最近珍しい大型合併でございますので、問題点を指摘して公表したわけであります。この問題については、職員の数も六人ほど増員しておるわけでございますが、これでもなお足りない状況でありますが、足りないところを何とか克服してこれを迅速に処理したいと思っているわけであります。
 ただ、大型合併になりますと、先ほど申されましたように、JAL、JASのような大型合併になりますと、国外の航空業についてどういうふうになっているかとか、あるいは国内のユーザーといいますか消費者の方も問題がありますし、また旅行業者の方の問題もございますので、そういうところからも十分なヒアリングをする必要がございます。また、当事者からも十分なヒアリングをする必要がございまして、なかなか時間が掛かるということもこれはまた一方では否定できないところでございます。
 このJAL、JASの問題も近々結論を出したいと、こういうふうに思っておりますが、いずれにせよ、私どもは、迅速、正確ということをモットーといたしましてこういう企業の合併あるいは統合に対処したいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#16
○関谷勝嗣君 次に、先ほど少し触れさせていただきましたが、食肉などの不当表示の問題についてお伺いいたしたいと思っております。
 この不当表示の排除につきましては、先般、例えばチキンですか、丸紅畜産株式会社に対する排除命令というものが出されておるわけでございます。こういうようなものを見ましても、これは大変難しいと思うのでございますが、どういいましょうか、農林水産省に伺いますと、そういうようなことをチェックする方々も何人かいて、そういう量販店等々においては正しい表示がされておるかどうか、どこの国産であるか、海外の製品であるか等々なども調べる方々もいるそうでございますが、とにかく何か問題になってからでないとこれは対処ができないという非常に弱いところもあると思うんです。
 それで、今、国会で審議されておりますが、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案というのが出てきておるわけでございまして、これはしかし、公表の弾力化というようなことでございまして、今まででございますと、是正する指示を出して、そして公表すると。それも、公表する場合も相手の了解を得なければ公表ができなかったという非常にうやむやなところがあったわけでございますが。
 そういうようなことで、公表して命令して罰則という形になっておりますのを、この農林水産省が出しております法律の改正案は、いわゆる表示基準違反がありましたらそのことを指示をすると。そして、それは相手が公表を認めないとかそういうようなことではなくして、直ちに公表もしますし命令を出す、そして罰則をすると。罰則が、自然人の場合は、以前は五十万円以下の罰金であったのを、今回は一年以下の懲役又は百万円以下の罰金と。法人であれば、五十万円以下の罰金だったのを、一億円以下の罰金というような非常に強い罰則にはしたわけでございますが、こういうようなことを行いましても、やっぱり不況下にあれば、なかなかこれは公正取引委員会のチェックも大変なことだろうと思うわけでございますが、この不当表示の問題に対してどのように力強く今後対処をしていくかということをお伺いしたいと思います。
 そして、今、委員長がおっしゃられましたように、審査のスピード化にいたしましても一生懸命やっておるんだと。ただ、その定員もこの十四年度の予算で四十名でしたか、増員されまして、六百七名になるということではございますが、定員が十分でないというようなことでございまして、これは今後また増員もしていかなければならないと思いますが、今の六百七名という定員でもって、スピード感を持ってまた対処をしていっていただきたいなと思っております。どうぞひとつ、そういうようなことで、不当表示の問題に対して今後どのように対処するか、御答弁をいただきたいと思います。
#17
○政府特別補佐人(根來泰周君) 最近の牛肉の不当表示を見て、私、個人としても大変びっくりしたわけでございます。大企業と言われる範疇の会社がこういういい加減なことをしているかということでびっくりしたわけでございますけれども、そういうものを見るにつけましても、私どもももう少し監視の眼を光らせなければ、こういうことは、ひいては消費者の不利益あるいは食品の安全ということに大きな問題を残すというふうに考えているわけでございますが、私どもは、消費者の保護とかあるいは食品の安全ということを直接所管しているわけではございません。これは農林水産省なり旧厚生省がやっているところでございますが、私どもは、独占禁止法ということで、先ほどのお話に戻りますけれども、やはり不公正な取引方法、要するに取引条件を偽って消費者をだましたと、こういうことに尽きるわけでございます。
 いずれにせよ、立法趣旨は違うんでございますけれども、こういう不当表示は、やはり独占禁止法なりいわゆる景表法で厳重に対処しなければならないことでございますが、何しろ、先ほど先生が御指摘がありましたように、人数が少ないということでございますので、全国に消費者モニターというのが千人ぐらいお願いしているわけでございますので、そういう民間の方々のお力添えも十分ちょうだいして、これから万遺漏なきを期していきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
 消費者モニターにつきましても、千人ではなかなか足りないということがございますので、将来、この人数も民間協力者ということで増やしていくことも必要であろうと思うわけであります。
 いずれにせよ、厳正に対処することには変わりはないわけであります。
#18
○関谷勝嗣君 私の持ち時間がもう余りなくなりましたので、ずるいやり方でございますが、是非聞いておきたいことが二つ残っておりますので、そのことを質問させていただいて、四十二分まででございますから、委員長、四十二分までに答弁をしていただくということでお願いをしたいと思います。
 その一つは、ちょっと早口で申し上げますが、先ほど言いましたように、荷主といいましょうか、優越した地位の濫用にも関連するわけでございますが、そういう困ったことを公正取引委員会に直訴したいというようなことになりましても、今は公正取引委員会の本部、それから地方組織、合わせて八か所しかないんですね、八か所しかない。私たち四国の田舎では、四国で高松に一か所あるだけでございます。
 そういうようなことで、どういいましょうか、訴える場所を、例えば県庁の中に関連の窓口を置くようなこと、これは我々がまたやらなければならないことで、これは委員長にお願いすることも逆ではあるかもしれませんが、もっとそういうようなことで相談できる体制を大きく作っていただきたいということが一つと、それと、今回の法律改正の理由にもありますように、グローバル化された経済というものはどんどんどんどん広がってくるわけでございます。いわゆる国境を越えた今後は違反行為というのが、例えば国際カルテルが増加されてくると思うんですよ。そういうようなことに対して、公正取引委員会は、やっぱり国境を越えた問題でございますから、これは対処のやり方も非常に難しいと思います。また、ある意味においては限度があるのかと思いますよ。
 その一つとして、この改正案の中に出てきておりますけれども、在外者の書類送達規定の整備というのが含まれております。今までは、在外者に対しては、どういいましょうか、それで取り締まる方法がなかった。間に入っておる弁護士に対して送達をしても、弁護士から何も返事がなければもうそれ以上の手の施しようがなかったということで、今回は在外者への書類送達規定の整備ができたわけでございますが、そういうようなことも含めまして、いわゆる国際カルテルなどが巧妙に私は出てくると思うのでございますが、そういうことに対してどのように対処しようとするのかということをお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#19
○政府特別補佐人(根來泰周君) まず第一点の問題でございますが、やはり私どもが東京に集中しておりまして、地方に出先が少ないということが一つの大きな問題点でございます。
 私が言うのはおかしいんですけれども、例えば高松にいたしましても、行政改革で支所になったわけであります。広島も支所になっております。高松に至っては職員は十人ぐらいしかいないのでございます。大体、支所になるということも私自身は非常に不満でございますが、将来は是非本所にしていただきたいと思っておりますけれども、十人で四国四県を管轄するというのもこれもなかなか大変な話だなと、こういうふうに思っているわけであります。
 ですから、一つはやはり役所の人数を増やしていただくということもございますけれども、民間の方々にも大きに御協力いただくということも必要だろうと思っているわけでございます。
 それで、一つの方策として、各地の商工会議所なり商工会の御協力を得ていろいろ窓口になっていただいているということもございますし、また各県に独占禁止協力委員というのを委嘱して、この協力委員を通じていろいろ情報をちょうだいしたり御意見をちょうだいしたりというシステムも作っているわけであります。
 そういうことで、片や役所、片や民間ということと、それから最近の情報化の波に乗りましてITを利用していろいろ意見をちょうだいする、こういうことでしのいでいきたいと、こういうふうに思っているわけであります。
 それから、二点目の国際問題でございますが、これは国際協定というのは今アメリカと結んでいるわけでございますけれども、こういう協定を広げまして国際的カルテルということにも十分目を光らせていきたい。その一つのこととして、今回お願いしている書類の送達の改正をお願いしているわけでございます。国際的な問題につきましても、各国と十分協調し、あるいは意見を交換して万遺漏なきを期していきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#20
○平田健二君 おはようございます。
 公正取引委員会にお尋ねをいたします。今回の改正の理由の一つであります持ち株会社の規定の運用についてお伺いをいたしたいと思います。
 平成九年の改正で、五年後の見直し条項が今回の改正の理由になっていると思われるわけですけれども、持ち株会社規定の運用について自由な事業活動の妨げになっていないかどうか検証する必要があると思っております。どのような総括をされたのか、また同時に、附帯決議についてもどのような総括をされたのか、まずお伺いをしたいと思います。
#21
○政府特別補佐人(根來泰周君) 平成九年の持ち株会社規定の改正につきましては、現在まで公正取引委員会に報告なり届出があった持ち株会社は十三社でございまして、いろいろ子細に検討しましたけれども、独占禁止法上の問題が生じたものはございません。
 また、最近の動向を見ますと、経済のグローバル化等に伴いまして企業が株式の持ち合いを解消させていく動きが認められるということも顕著でございますし、我が国の経済実態に変化の見られることも御承知のとおりでございます。これまでのところ解消されている株式持ち合いは、主として企業集団外の企業との株式持ち合いであること、あるいは企業集団に属する企業では現在の企業集団が維持継続されるとする見方も多いこと等を踏まえまして、第九条は基本的に維持することが適当であるというふうに考えているわけでございます。
 それから、平成九年の改正時の附帯決議の実施状況につきましては、事業支配力が過度に集中することとなる持ち株会社に関するガイドラインから行政裁量の余地を極力排除することという点につきましては、公正取引委員会としまして、平成九年十二月に、事業支配力が過度に集中することとなる持ち株会社についての考え方を策定、公表しております。例えば、グループの総資産が十五兆円超で、かつ五つ以上の分野で総資産三千億円超の大規模会社がある場合など、事業支配力の過度の集中に当たる場合を具体的に示しているところでございます。
 また、その他の問題はいろいろ、御承知のように、指摘されているわけでございまして、これは衆参両議院からいろいろの指摘がございます。この指摘の内容は必ずしも私どもの所管するところではございませんが、各省庁におきまして適切に対処されているものと私どもの方は承知しているわけでございます。
#22
○平田健二君 法務省にお尋ねをいたします。
 日本興業銀行がいわゆる長銀の問題について奉加帳を回したという問題がございましたし、料亭のおかみに対する乱脈融資、こういったものの責任を問われて株主代表訴訟を起こされた事件がございました。その後また、興銀は株式移転という方法で、現在問題になっておりますみずほホールディングスの子会社となったわけですが、強制的な株式移転でみずほの株主とされた原告株主は、東京地裁で提起の資格を失ったとして株主代表訴訟について門前払いをされました。大和銀行の訴訟でも同様のことが起きて原告が和解を急いだと、こういうこともありました。
 代表訴訟を起こされたら、持ち株会社を設立し提起の資格を失わせることができるわけですね。さらに、事業会社の経営者は株主から何らチェックを受けないということになるわけです。このことについて法務省はどういうお考えをお持ちか、お伺いをしたいと思います。
#23
○政府参考人(原田晃治君) 御指摘のとおり、代表訴訟を提起した株主が、その会社が株式移転をしたということで係属中の株主代表訴訟の原告適格を失う、このような判断を示した東京地方裁判所第一審の裁判例が一件ございます。ただ、この点につきましては、一方で、その株主の原告適格は維持されるとする有力な学説もあるところでございまして、見解が分かれているところでございます。
 委員御指摘のように、株式移転というものは基本的な会社の在り方を変更する制度でございますので、取締役がその責任追及を免れると、そういう目的のためだけにこれを利用するということはこれはあってはならないことであろうと、このように思っております。
 仮に、しかし、今申し上げましたような一審判決があるということで、そのような責任追及を免れるために株式移転を行うというようなことが行われた場合でございますが、現行法の仕組みで申し上げますと、株主である親会社からその完全子会社となった会社の取締役の責任を追及するということになろうかと思われます。仮に、完全親会社の取締役がその責任の追及を怠るということになりますと、そのこと自体が親会社における株主から親会社の取締役に対する株主代表訴訟提起の理由になり得るものと、このように考えられます。
 現行法の仕組みとしては、株主の利益は今申し上げましたような方法で保護されると、このような形を取っているということでございます。
#24
○平田健二君 更に法務省にお聞きしますが、企業の一部門を子会社化したり新しい会社を子会社にするという例が多くなっておりますけれども、親会社が子会社を支配する、利益を吸収する、役員を派遣する、融資を行い、結果的に破綻に追いやった場合、この親会社は損害賠償以外のどんな法的な責任を問われますか。
#25
○政府参考人(原田晃治君) 親会社が子会社に対して影響力を行使し、その結果、子会社が損害を負う、若しくは倒産するというような場合の親会社の責任ということでございますが、基本的には、今、委員御指摘のように、損害賠償責任を負担する場合は当然あり得ようかと思います。
 それに加えて、商法の規定上の行政罰でございます過料の規定、これが適用あるかどうかということでございますけれども、商法上の行政罰である過料の規定は、株主等を保護するために業務執行等に当たる取締役等の機関に対して科せられるというものでございまして、この関係でいいますと、親会社は子会社にとっては大きな株主でありますが、単なる株主であるということでその機関そのものではございませんので、商法上の過料の対象とはならないと、こういうことになろうかと思います。
#26
○平田健二君 法務省にもう一回お尋ねをいたしますけれども、最近、民事再生法、会社更生法の申請、そして戦後二番目と言われる企業倒産が起きておるわけでございますけれども、法務省では、倒産法制で労働債権の位置付けについて順位を上げるということが先日報道されておるんですけれども、御説明をいただきたいと思います。
#27
○政府参考人(原田晃治君) 破産手続における各種債権の弁済に関する優先順位についてのお尋ねだろうと思います。
 これは、民法等のいわゆる実体法で定められた権利の優先関係、これを反映しております。御指摘の労働債権につきましては、優先破産債権として最も優先するのが財団債権でございますが、その財団債権に次ぐ順位を与えられているというのが現行法の規定ぶりでございます。
 現在、破産法等の全面的な見直しにつきましては、法制審議会の倒産法部会の中に破産法分科会が設けられておりまして、そこで審議が行われております。この分科会におきましては、破産手続におけるそれぞれの債権の優先順位に関しても検討をしております。その中で、労働債権の優先順位について、一部これを財団債権、先ほど申し上げました優先破産債権より上の順位を持ちます財団債権に一部引き上げるという考え方についても検討を行っております。
 法務省といたしましては、この点に関する問題も含め、今年の秋には破産法等の見直しのための中間的な試案を取りまとめる予定にしております。その後、パブリックコメントを得て、平成十五年中に破産法等の見直しに関する法案を提出する予定でございます。
#28
○平田健二君 その労働債権の格上げといいますか、位置を租税公課と同等にするというような情報、報道されておるんですが、この点についてはまだ検討されていないんでしょうか。
#29
○政府参考人(原田晃治君) 労働債権につきましては、破産宣告前の未払給料債権、それから退職手当の請求権、これらにつきまして、破産宣告前の未払給料債権について、例えば破産宣告前の一定期間内に生じたものを、先ほど申し上げました財団債権とすることはどうかと、このようなことが検討されておりますし、退職手当の請求権につきましても、退職前の一定期間の給料の総額に相当する額又は退職手当の額の一定割合に相当する額のうちいずれか多い額を限度として、これを例えば財団債権にするということはどうか、このようなことについて現在検討がされているというのが現状でございます。
#30
○平田健二君 法務省、どうもありがとうございました。これで私質問を終わりたいと思います、法務省に関する。どうぞお引き取りいただいて結構です。
 次に、厚生労働省にお伺いをいたします。
 五年前にこの独禁法改正が行われたわけですけれども、私はそのときに、労働契約や労働条件に関する重要事項が持ち株会社の意向に左右されて当該企業の労使交渉では解決できない事態を招くのではないかと指摘をいたしました。特に、持ち株会社の事業主への使用者性の付与、団体交渉応諾の義務、労働協約の拡大適用など、講じなければならない課題を指摘をいたしました。
 厚生労働省は、その後、労使関係懇談会を開催し、中間取りまとめを公表しておりますが、結局、その問題は先送りをし、引き続き検討すると、こういうふうになっておりますけれども、労働者の権利、五年前にここで、ちょうど当時、松原さんでしたかと相当やり合いをさせていただきましたけれども、労働者の権利を守るということの附帯決議もあったはずですね、検討すべきだという。そのことがあったと思いますけれども、働く人の権利を守るという今回の法改正に当たって、厚生労働省は、五年前の議論を踏まえていろんな検討をすると言っておるんですが、何もやっていない。労働者の権利を守る必要はないというふうに思っておるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#31
○政府参考人(鈴木直和君) ただいま五年前のお話が出てまいりましたが、五年前御審議があって、その中で附帯決議も付されております。その附帯決議を踏まえて、先ほどもお話しありました持ち株会社の解禁に伴う労使関係懇談会、これを設置しまして、そこには労使関係者も入っております。その中で中間取りまとめをいたしました。
 その中間取りまとめでは、純粋持ち株会社において、子会社の労働組合との関係において問題を生じることは一般の親会社等との関係に比べるとより少ないと考えられる、ただ、団体交渉の当事者として持ち株会社の使用者性が問題となるケースについては、これまでの判例の積み重ね等を踏まえた現行法の解釈で対応するのが適当と書いております。
 ただ、同時に、この中間報告では、引き続きフォローアップということも書いてありますので、そういったフォローアップについても実態を踏まえた対応を考えていきたいと考えております。
#32
○平田健二君 五年前は、ちょうどあれは朝日放送の事件を例に挙げてお話をさせていただいたと思うんですが、結局、何といいますか、持ち株会社の使用者性の付与、これが争われたわけですね。二十年掛かっておるわけですね、あの事件は。だれが団体交渉をする相手なのか、それを決めるだけで二十年掛かっておるわけですよ。
 やっぱり私は、労働省があるというのがやっぱり労働者の権利を守るためのお役所だと思っていますので、厚生労働省、やっぱり五年前にそういった指摘があって、何らかの進展を今日この事態でやっておかなければならぬと思うんですが、そのことは、働く者にとってみれば、厚生労働省というのは当てにならぬなという感じがしておるんですけれども、いかがでしょうか。もう一度、済みません、お聞かせください。
#33
○政府参考人(鈴木直和君) 御指摘のように、中間報告は十一年十二月、それから日にちもたっております。その間、中間報告の段階ではまだ少なかった持ち株会社、増えているという事実もございます。
 そういうことも踏まえて、今年度、そういった持ち株会社における労使関係の実態といいますか、具体的にその子会社における労使関係の実態あるいは持ち株会社の子会社に対する関与の度合い、そういったものの実態を把握して、その実態を分析した上で今後対処をしていきたいと、そのように考えております。
#34
○平田健二君 先ほど法務省にもお尋ねをしたんですが、持ち株会社と大変似た例で、企業の一部を子会社化したり、新たな子会社を作って転籍や出向を強制する例が見受けられます。
 ここに新聞があるんですが、企業名を出すと問題があると思いますけれども、世界を代表するような企業ですね。それから、これもまあ最近、日本を代表するようなソフト機器の企業ですが、子会社へ出向しなさいと、まず転籍をしなさい、それを拒否したらもう一回親会社へ戻して、窓際という言い方はいいかどうかは知りませんが、極端な例は、窓のない、窓も何もない部屋に押し込んで仕事を何も与えないで、私物の持込みを禁止して、外出には人事部長の許可が必要だと、こういった、極端な事例でしょうけれども、こういったことが起きておるという報道がされております。中には、人員整理目的で子会社を破綻させる場合も考えられます。そこで親会社に対する法的な罰則は全くありません。
 この場合、働く者、労働者の権利をどのように守るのか、親会社に雇用の継続を要請できるのか、お伺いしたいと思います。
#35
○政府参考人(鈴木直和君) 今、二つの御指摘がございました。
 転籍の問題については、これ従来から転籍については本人の同意が必要という判例もありまして、そういったものに基づいて具体的に対応がなされるべきと考えております。
 それから、人員整理を目的とした子会社の設立、そういう御指摘だろうと思うんですが、これにつきましては、これも個別の状況を見て判断する必要があるとは考えておりますが、一般的に言いますと、そういった組織再編が人員削減のみを理由とした例えば偽装解散等に該当するというような場合には、判例上、法人格否認の法理等を用いることによりまして存続会社に雇用の承継を認める等の解決がなされていると、そういう実態でございます。
#36
○平田健二君 先ほどもお話がありましたけれども、根來委員長にお伺いをしたいんですが、日本航空と日本エアシステムの経営統合の問題について、公正取引委員会は事前審査の過程で計画の問題について公表をされました。透明性を高めるという努力をされているわけですけれども、事前調査の経緯について御報告をいただきたいと思います。
#37
○政府特別補佐人(根來泰周君) 先ほどもお答えいたしましたけれども、両社が統合するということを公表しましてから、私どもに事前の相談がございました。要するに、独占禁止法の第十条に触れるかどうかという問題でございます。
 そこで、私どもの方は、関係者からいろいろ意見をちょうだいいたしまして、三月十五日に両社に対しまして、十条違反のおそれがある旨の問題点の指摘を行ったところでございます。
 細かく申しますと四点ばかりあるわけでございますが、御承知のように、現在三社、大手三社が国内航空業を経営しているわけでございますが、ほかの業種と違いまして国際的な競争というのは国内ではないわけであります。そういうことで、この三社が二社になるということは、結局、実質的な競争制限ということになる、あるいは過去の事例に照らしましても、運賃の同調的値上げということも起こり得ることになりますので、そういういろいろの問題がありますよということを両社に申し上げ、また一般にも公表したわけであります。
 これに対して両社がどういう対応をするかということは、一つは、こういう統合計画を御破算にして第三の道を選ぶということも一つありましょうし、私どもの提出した課題を解決するというのも一つでしょうし、また私どもの見解に従わないということで法的措置に出るということも一つだろうと思うんですけれども、結局は、両社は第二の道を選択して私どもの方に修正案といいますかそういうことを提出してきて、現在、それに対して検討を加えているところでございますが、近く結論を出す予定にしております。
#38
○平田健二君 合併の問題で、問題点が四点ほど今出されましたけれども、公正取引委員会としてはそういうことなんでしょうが、あの中に、新聞報道によりますと、合併することによって三千人からの働いている人の合理化が提起をされているといいますか、報道されておるんですけれども、人間の合理化、働く人の合理化については、公正取引委員会に検討しなさいということ、なかなか難しいと思いますけれども、判断の基準には入っていないということでしょうか。
#39
○政府特別補佐人(根來泰周君) まあこれは大変言いにくい話でありまして、言葉を選んで申し上げさせていただきますけれども、独占禁止法は、そういう要素について私どもが検討する、判断の要素に入れるということを認めていないわけでございます。これはいろいろの問題についてもそうでございますけれども、私どもは、経済が有機的に展開している中で競争というところを切り取ってやっているものですから、雇用について、私どもも職員も、みんなどうなるんだろうかという心配はしますけれども、非常に端的に申しますと、合併あるいは統合の判断の中に雇用ということについては外側にあるということしかお答えできないのも遺憾とするところであります。
#40
○平田健二君 厚生労働省にお尋ねをいたしますが、今回のこの統合案ですね、統合する前提として合理化が提案をされていると思いますね、数字では三千人というようなことになっていますが。統合することによって人員が三千人合理化される、そのことについて厚生労働省として何か指導されたとかいうのはございませんか。
#41
○政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘の問題は、新聞報道等は承知しておりますが、いずれにしてもこれからの問題だろうと考えております。
 この問題について考える場合には、経済社会が大きく転換する中で企業がその存続を図るために雇用調整を行う、そういったことはあり得るものと考えております。ただ、そうした場合においても、企業としては、安易な雇用調整に走るということではなくて、やはり失業の予防とか雇用の安定に最大限努力すべきものと考えております。それからまた、仮に労働者が離職を余儀なくされる場合であっても、企業がその再就職を支援していくことが重要であるというふうに考えております。
 また、厚生労働省としても、離職者が発生するというような場合があれば、その再就職に向けて全力で取り組んでいきたいと考えております。
#42
○平田健二君 企業を統合して、例えばJALとJAS、日本エアシステムで売上げが、合併したから国内の売上げが急激に増えるとか、そういったことではないと思うんですね。目的はあくまで合理化ですよ。企業を統合して経費を減らす、それによって利益を得る、一番手っ取り早いのは人間の合理化ですよ。もうそれが見え見えですね、これ。
 こういったことに対して、公正取引委員会は、当然これは人員整理の問題は検討することはないと思いますが、やっぱり国として、各それぞれ関連の、国土交通省も厚生労働省も、公正取引委員会も、こんな大量な合理化が出るという統合についていかがなものかという議論をやはり私はすべきだと思っておりますが、厚生労働省はどういうふうにお考えでしょう。
#43
○政府参考人(鈴木直和君) 先ほど申し上げましたように、やはり企業が自らの労働者の雇用の安定を図る、それに向けて努力するということは極めて重要と考えております。ただ、一方で、企業の生き残りのために雇用調整をやらざるを得ない、そういう場面も出てくるんだろうというふうに考えております。
 この問題は、私どもとしては雇用の安定という観点から最大限取り組んでいきたいと考えておりますが、必要があればそういった関係省庁とも連携は取っていきたいと考えております。
#44
○平田健二君 それでは、公正取引委員会にまたお尋ねをいたしますが、中小小売商業振興法施行規則の改正について、昨年の十月の調査結果、さらに規制改革の推進に関する第一次答申を踏まえ、三十日にフランチャイズチェーン事業に関する施行規則の改正が施行されますけれども、私も今回この質問に立つということで、いわゆる本部それから加盟店双方からいろんな話がございました。
 改正がやや遅きに失したかなというふうに思っておりますけれども、改正の端緒となった公取委の十月の調査結果についてお尋ねをいたしたいと思います。
#45
○政府参考人(楢崎憲安君) 昨年十月、フランチャイズシステムの代表的なコンビニエンスストアにつきまして調査をして、調査結果を公表したところでございますけれども、その調査によりますと、例えば加盟店を募集する際における本部の情報開示、例えばロイヤルティーの算定方法、非常に複雑でございますけれども、その算定方法に関する情報の開示が必ずしも十分ではない、あるいは中途解約をする場合に違約金が課されるわけですけれども、どういう条件の下に違約金が課されるかどうかということの事前の情報が必ずしも十分ではないという情報開示が不十分であるといった点、それからいったん契約関係に入った後に、例えば加盟店の了承を得ずに一方的に仕入れ商品、数量を発注したり、あるいは最近新しいATMとか新規事業が行われるわけですけれども、その新規事業の導入を余儀なくさせるというふうな優越的地位の濫用と思われるような行為が認められたわけでございます。
 そういった調査結果から認められました問題点を本部に対して指摘して、情報の開示の徹底あるいは独占禁止法の遵守体制の整備といったことを要請をしたところでございます。
#46
○平田健二君 公正取引委員会はそのフランチャイズのガイドラインについて見直しを進めておられますけれども、見直しの要点について御説明をいただきたいと思います。
#47
○政府特別補佐人(根來泰周君) 先ほど取引部長がお答えいたしましたように、フランチャイズ問題についても、この委員会あるいは他の委員会でもいろいろ問題を指摘、提起されているわけでございまして、そういうことを踏まえまして、昨年調査をしたわけでございます。これも優越的地位の問題がございまして、どこまで調査したかというふうに反問されるとなかなかつらいところもあるのでございますが、私どもの方はできるだけ多くの調査をしたつもりでおるわけでございます。
 その調査に基づきまして、フランチャイズのガイドラインというものを改定して、ヒアリングをし、かつこれを公表したわけでございますが、その内容をかいつまんで申しますと、先ほど取引部長が申し上げた点と裏腹になるわけでございますけれども、まず本部の加盟者募集に係る勧誘方法について、独占禁止法上違反行為の未然防止を図るという観点から加盟希望者に開示することが望ましい事項を追加、拡充して、加盟者募集に係る本部の取引方法が欺瞞的顧客誘引に該当するかどうかの判断のための考慮事項を追加したところでございます。
 それから二番目は、これは契約締結後の話になりますけれども、フランチャイズ契約締結後の本部と加盟者との取引について、フランチャイズ契約の内容や本部の行為が優越的地位の濫用に該当する場合を具体的に例示しております。例えば、先ほど申しましたような取引先の制限とか仕入れ数量の制限、見切り販売の制限あるいは新規事業の導入の強制というようなところを追加いたしまして、優越的地位の濫用ということを防ごうという趣旨でこのフランチャイズ・ガイドラインを改定したわけであります。
 結局、このガイドラインは、業者あるいは事業者団体に対して十分周知して遺漏のないようにしたいと考えております。
#48
○平田健二君 私もびっくりしたんですが、麹町の宿舎があるんですけれども、私、麹町の宿舎に住んでおるんですが、新宿通り側に出たら真正面にあるんですね、チェーンストアが、コンビニが。それから約左に百五十メーターぐらい行ったら同じマークの同じコンビニストアがあるんです。私、南棟に住んでいまして、南棟を下りて、正式な玄関ですね、参議院の、玄関を出て目の前に同じマークのコンビニエンスストアがあるんですよ。その新宿通りの近所に、そのマーク以外に一、二、三、三つあるんですね、百メーターぐらいの中に六つか七つあるんですよ。それは別々の会社だったらいいんですが、同じマークの会社がずらっとあるんですよ、本当に。
 これは、それは最初に始めた人はここならいいだろうと始めたら、後からばらばらばらっと同じマークのものが出てきて、これは商売にならぬなというのはこれは当たり前のことですね。こういったのはやっぱり何とかしないといかぬなというふうに私は思っておるんですね、これは余談ですけれども。そういう実態が最近都市部に集中してきておるということは多分公正取引委員会もお分かりだと思いますので、是非そういったことも含めて、このガイドラインの見直しをされておるんですけれども、しっかりやっていただきたいなと。
 これはどちらの側にも言えるんですね、本部の側にも加盟店側にも、両方だと思いますが、そういう実態だということを皆さん十分御承知だと思いますので、ちょっと人のことですけれども、ちょっと心配しておるんです、これ全部一緒にどたんと倒れないかなと思って。そういう実態です。
 次に行きます。
 大島副大臣、済みません、お忙しいところ、たった一問でお呼びして。
 四月三十日施行の中小小売商業振興法施行規則改正の趣旨と開示項目の拡大の内容について御説明いただきたいと思います。
#49
○副大臣(大島慶久君) 質問をいただきまして、大変ありがとうございます。お答えを申し上げたいと思います。
 先生御案内のとおりかと存じますけれども、この中小小売商業振興法におきましては、フランチャイズの契約に関して、本部事業者に対して、契約前に加盟しようとする者に当該本部事業者自体の概要及び契約の内容について記載した書面を交付し、その書面の内容を説明することを義務付けているところでございます。
 この書面の記載事項について、現行法をざっと御説明申し上げますと、本部事業者の概要として、名称、代表者名、資本額、主要株主、事業開始時期等でございます。二番目には、契約の内容といたしまして、加盟時の徴収金額、商品の販売条件、経営指導内容、使用商標、契約の期間、更新及び解除等の事項を義務付けているところでございます。
 けれども、この契約内容が大変複雑化しておりますので、加盟店がその内容を十分理解し得なかった結果トラブルが発生するということが最近非常に多いわけでございまして、開示項目の充実強化を求める声が当然高まっているところでございます。このため、今回、本部の経営状況や契約の重要なポイントにつきましては、事前開示項目の抜本的な追加、拡充を行ったところでございます。
 これは、省令改正、四月三十日施行ということになっておりますけれども、具体的に申し上げますと、まず財務内容、これは直近三年間の貸借対照表及び損益計算書ということになりますけれども、これを記する。それから、直近三年間における閉店数を含む加盟店の推移、参入しようとしましても、実態、これは参入して本当にメリットがあるのかどうかということを詳しく知るためのこれ資料になるかと思いますけれども。さらには、直近五年間における加盟店との間の訴訟件数、こういったことも加盟しようとする方のいろんなメリットにつながると思います。
 契約内容についてでございますけれども、ロイヤルティーの明細計算方式、そういったことを明記をする。さらには、営業時間、休日、これは二十四時間営業、休日なしということでございますけれども、そういったことの在り方を最初からよく加盟しようとする方に明示をしておく、こういうことも大事かと思います。さらには、オープンアカウントに関する送金や自動融資の内容、特に複雑で分かりにくいとの指摘の多い契約内容やトラブルを生じやすい契約事項を開示項目に追加したところでございます。
 今回の改正によりまして、加盟希望者がこれらの情報を本部の書面交付及び説明で十分確認、理解した上でより的確にチェーンを選択いたしまして、また加盟するかどうかを判断することによってフランチャイズ契約をめぐるトラブルの防止の一層の徹底が図られることを期待をいたしているところでございます。
 一般的に、毎日の売上げを加盟店が本部に送金し、これから本部が一か月単位で本部と加盟店の債権債務を相殺し、さらにロイヤルティーを引いた金額を次の月に加盟店に支払う、あるいは加盟店はそこから人件費、光熱費等、諸費用を支払うことになるわけでございますけれども、人件費等を支払うのに、加盟店側の勘定がマイナスとなる場合は本部から自動的に不十分の金額が融資される、このような内容になっているところでございます。
#50
○平田健二君 どうもありがとうございました。
 次に、一般集中規制について公正取引委員会にお尋ねいたします。
 今回の改正は、一般集中規制の緩和が含まれておるわけですけれども、その規制の根拠そのものが現在希薄になっているんではないかなというふうに思っております。また、グローバル化の中で、一般集中規制については撤廃した方がよいとの意見もございます。しかし、先ほど御指摘させていただきましたように、労働者の権利の侵害につながる心配もございます。
 そこで、委員長にお尋ねいたしますが、一般集中規制の意義についてはどのようにお考えになっているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#51
○政府特別補佐人(根來泰周君) 一般集中規制という言葉の内容でございますが、国民経済全体における特定企業グループへの経済力集中等を防止するものでありまして、競争が行われる基盤を整備することによって市場メカニズムが十分に機能するようにするための規定であるというふうに理解されているところであります。
 それでは、現在、その一般集中規制というのをやめたらどうかという御意見について、確かに専門家の中にもそういう御意見があるわけでございますが、なお私どもがその一般集中規制を置いておくという理由でございますけれども、我が国の経済実態は確かにおっしゃるように大きく変化しているのでございます。ですから、将来は何とも申しかねますけれども、現時点では大規模な企業グループの存在あるいは株式保有を通じた企業グループの存在、株式保有を通じた取引関係の維持強化という状態もなお続いているわけでございますので、今直ちにこの一般集中規制をなくするというのは時期尚早というものではなかろうかというふうに考えているわけであります。
 先ほど挙げましたような事柄が解消され、また企業倫理が確立された暁には一般集中規制というのをなくしても大丈夫だろうと思いますけれども、現時点ではまだそこまで徹底するわけにはまいらないというふうに考えているわけでございます。
#52
○平田健二君 次に、下請代金の支払遅延防止法改正についてお尋ねをいたします。
 今お話が若干ございましたが、景気がこんな悪い中で中小企業は大変深刻な状況になっておるのは御承知のとおりでありまして、さらに、優越的な地位の濫用に加えて不当廉売も年々増えてきておると。昨年度は千件以上に達しているという報告がございます。また、下請法違反の件数も毎年千件を超しておると。看過できない状況になってきておると思います。
 法の徹底は当然のことですけれども、法の不備を是正することもまたこれ必要だと思います。昨年の臨時国会の最終日に、本委員会でも私ども民主党が提出をさせていただきました下請法の改正、提案をいたしましたけれども、提案だけで終わりました。
 改正の主な内容は御承知のとおりと思いますが、対象の業種を知的成果物や役務提供へ拡大すること、親事業と下請事業者の関係を規定した資本区分を細分化すること、また親事業者に対する遵守事項を設け、違反者に対し勧告、公表を行うようにすること、そして罰則の強化などですけれども、この私たち民主党が提出した改正案について、公正取引委員会はどのような見解をお持ちか、お尋ねいたしたいと思います。
#53
○政府特別補佐人(根來泰周君) 私ども、改正案、下請の改正案について十分拝読いたしました。一つの御見解であり、前進した御見解であると私どもも理解しているわけでございます。
 ただ、実務上、下請法を運用していくにつきましてまだいろいろ問題がございまして、そういう問題を踏まえまして、役務の取引の実態調査、その他の問題についていろいろ実態調査も行っているところでございますので、実態調査が終わった時点で更にお願いするべきところはお願いしたいと、こういうふうに考えているわけであります。
#54
○平田健二君 これは各派の皆さんにお願いをしたいんですが、御承知のように、中小企業、大変な深刻な状況です。是非この私ども民主党案を今国会で審議していただくように、是非御協力をお願いをしておきたいと思います。
 次に移ります。銀行、保険会社による創業支援の必要性についてお尋ねをいたします。
 本改正案の、関連してお聞きしたいんですが、厳しい経済状況が続く中で我が国の国際競争力の強化や雇用創出のためには、起業、起こす業ですね、起業や新産業の創出が欠かせません。しかし、そのためには金融面でのバックアップが当然必要ですし、銀行、保険会社等がある程度資本参加ができるようにすべきだと考えております。今回の改正では十一条の適用除外として民法組合を規定されておりますけれども、御説明をいただきたいと思います。
#55
○政府参考人(鈴木孝之君) 創業支援の観点を含めまして、現在でも中小企業等投資事業有限責任組合につきましては第十一条の適用除外が設けられておるところでございます。ただし、これは投資対象が未上場・未登録企業であること等に制限されております。このため、証券市場に上場後の、創業支援という観点から例えばベンチャー企業に対して投資するためには民法組合によりファンドを組成せざるを得ないケースが増加しておりますことから、独占禁止法上問題を生ずるおそれのない一定の民法組合に関しまして第十一条の適用除外規定を新設したものでございます。
 この改正によりますれば、銀行、保険会社が一定の民法組合を通じてベンチャー企業に投資をする場合に五%又は一〇%超の議決権を保有することが可能となることから、銀行、保険会社によります創業支援の機会を拡大する効果があるものと考えております。
#56
○平田健二君 次に、公正取引委員会強化といいますかについて質問させていただきます。
 公正取引委員会は違反行為を犯罪として積極的に告発することが期待されておりますけれども、実際には、平成二年に告発方針を公表して以来、刑事告発は六件にとどまっておるわけですね。平成十二年度は二十五件の事件の審査をしたにもかかわらず告発された事件は一件もない。ほとんどが行政的手法によって処理をされておる。告発方針には合致しない、そういったケースもあろうかと思いますが、これは制度上問題があるんではないかなと。
 付け加えますと、根來委員長が公正取引委員会の委員長に就任されて私ども期待したんです。検察出身の根來委員長が公取の委員長になられたので、これからはびしびし告発するなというふうに期待をしておったんですが、どうも期待外れだなという感じも、余談ですが、しておるんですが、いかがでしょうか。
#57
○政府特別補佐人(根來泰周君) 大変期待を裏切りまして申し訳ないと思っております。
 これは、私は両方の社会におりましたので、申し上げると一時間も二時間も申し上げることになるのでそれははしょらせていただきますけれども、若干、法律の仕組みの上で違うところがあると思うわけであります。
 一つは、独占禁止法というのは行政処分をする法律でございまして、片や刑事処分をする法律で刑事事件となるわけでございます。したがいまして、証拠価値も違うわけであります。これはもう御承知のように、刑事事件ということになると国民に対して刑罰を科するわけでございますが、厳格な証明ということで証拠の価値も、例えば伝聞証拠は禁止されているというようなことで、証拠価値、証拠能力の点で行政処分と格段の違いがあるわけであります。そういうことからいって、私どもが証拠が十分であるというふうに考えましても、刑事事件の目から見ると証拠能力あるいは証拠価値がないという場合が多々あるわけでございまして、私どもが大丈夫だろうと思っても検察の目から見ればそこは不十分だということが多々あるわけでございます。
 ただ、今まで告発事件が少ないというのは、平成二年の告発方針が出されてから、その告発方針に沿うような事案が残念ながらなかったということに尽きるわけでございますが、いろいろこれについて申し上げると先ほど申しましたように非常に時間が長くなりますので、それだけ申し上げてお許しをいただきたいと、こういうふうに思います。
#58
○平田健二君 次に、勧告等の措置についてお尋ねをいたしますが、勧告等の法的措置に対して審判に付されている事件が現在六十一件あるとお聞きをいたしております。これについては強制力を持った調査権の不在が原因となっているんではないかなというふうに思っておりますが、国税とかそれから証券取引監視委員会のような調査権限を公正取引委員会にも認めるべきだという意見もあるようですけれども。
 また、課徴金納付命令については、審判手続の開始によって納付命令が失効するという規定があるために、安易に審判手続が行われておるんではないかなというふうに思います。この六十一件の審判をするのに相当な人員が掛かって審判をするわけですね。ですから、これ、審判手続が開始されたら納付命令が失効するわけですから安易にできる、だったら審判後に課徴金を返還すべきではないか。供託をずっとさせておきなさいと、供託を。ずっと供託させておいて審判が終わったら返しますよと、こういった制度に変えるべきじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。
#59
○政府特別補佐人(根來泰周君) まず第一点の犯則手続の導入についてでございますけれども、この独占禁止法というのは、いわゆる責任追及型の法律ではなくて、やはり違法行為が行われたものを元に戻す、あるいは将来そういう違法行為が行われないように措置をするということに尽きるわけでございまして、責任追及型ではないということがまず前提になっているわけであります。
 そこで、この発想の転換をいたしまして責任追及型の法律に変えるとすれば、確かに国税犯則取締法方式の犯則手続を導入することも容易であろうかと思うのでございますが、ただ、今の独占禁止法の四十六条の立入調査権限とどのような平仄を持って規定するかということについて大変大きな問題がございまして、今直ちにこれを導入すべきということを申し上げるほどの勇気がないわけであります。
 それから、次の審判手続と課徴金の問題でございますが、確かに仰せのようなことがあるわけでありまして、これをどういうふうにほかの法令と平仄を保ってやるかということについては私どもも現在検討しているところでございます。これは、相手事業者との、人権というとおかしいですけれども、人権というか防御権の問題がございますので、その辺等十分考えながら、またいい方法ができれば国会にお願いして法律の改正をお願いしたいと、こういうふうに思っております。
#60
○平田健二君 最初の方のは理解できるんですけれども、後の方の、審判開始と同時に納付命令が失効するというようなことであれば、それは、公正取引か独占禁止か、その違反行為を見付けて審判を開始するわけです。見付けて、こらと言って、だめじゃないか、課徴金取りますよと。いや、それは違うんだと、不服がありますよということで異議申立てをしたらその課徴金は払わなくていい。もちろん審判が終わるまでは払わなくていい。そうじゃなくて、審判、そういう事例があったわけですから、事件があったわけですから、それに対して課徴金を取る、徴収する、その間に審査をする。何も問題ないんですね。いや、私は不服がありますよと言ったら課徴金は返しますということでは、どんどんどんどん増えますよ、不服審査は。
 ですから、そこらはやっぱりしっかり変えるべきではないかなということを再度お聞きしたいんですが、いかがでしょうか。
#61
○政府特別補佐人(根來泰周君) 確かに、私どもの部内の中でもこういうのは非常に不公平だという意見がございまして、変えるという意見も有力でございますし、また片や、審判開始決定をして、今度納付命令というのは簡易な方法でございますから、その簡易な方法で課徴金を取るというのは少しまだ行き過ぎというか、オーバーランじゃないかという意見もございます。
 その辺のバランスといいますか、その辺の考え方をもう少し整理させていただきたいと、こう申し上げているわけでございます。
#62
○平田健二君 残された質問は次回に回します。
 ありがとうございました。
#63
○荒木清寛君 私の方からも何点かお尋ねをいたします。
 まず、去年の十一月に、二十一世紀にふさわしい競争政策を考える懇談会の提言書、「二十一世紀における競争政策と公正取引委員会の在り方」を読ませていただきました。その提言の最初の部分に、「公正取引委員会の位置付け」ということで、「公正取引委員会の政府部内における位置付けは、内閣の重要政策に関する事務を掌る内閣府がふさわしく、将来的に現在の総務省から内閣府に移行させることも検討すべき。」とあります。
 昨日の参議院本会議で提案をされた法務省所管の法案とパラレルなところもあるわけでございますが、それはさておきまして、こうした内閣府の下に公取も位置付けるのがふさわしいという提言について、委員長としてどうした所見をお持ちでしょうか。
#64
○政府特別補佐人(根來泰周君) 私どもの職員の中でも、内閣府へ移してもらった方がいいんじゃないかという意見のあることはよく承知しております。
 ただ、私は公式にここで内閣府へ移すのが適当だとか、総務省の方はまずいとか言う立場ではございませんので、その辺お許しいただきたいと思いますが、国会なり政府全体で行政組織をどうするかという観点から御検討いただければいいと思うわけであります。
 私どもとしては、内閣府にあろうと総務省にあろうと、いずれにせよ独立機関として毅然とした態度で仕事をするのが大事だと、こういうことを公式に申し上げさせていただくしかないと思います。
#65
○荒木清寛君 分かりました。したがいまして、立法府の場で今後またしっかり議論をしてまいりたいと思います。
 そこで、今回の改正案でございますけれども、一般集中規制による一律規制の見直しを行ったわけでございます。何回もお話しになっておりますが、いわゆる総合商社を対象とした九条の二につきましては、こうした時代状況の変遷に伴い廃止をすることになったわけでございますが、しかし九条など他の一般集中規制自体は引き続き維持をするという案になっておりますが、そうした判断をされた理由につきまして、改めて御説明を願います。
#66
○政府特別補佐人(根來泰周君) 一般集中規制全体についてお尋ねでございますが、今回お願いしております第九条の二の規定に絞って申しますと、この規定が導入されました昭和五十二年当時、主として規制の対象として念頭に置いていたのは、総合商社の融資力、輸出入取扱高において非常に並外れたものがあるということでございました。
 そういう総合商社の力というものを何とか規制しなければ競争が十分に行われないということでこういう規定が置かれたわけでございますが、当時と平成十一年時点とで比較してみますと、いずれも大幅に低下しております。この融資力というのも輸出入取扱量というのも大幅に低下しております。そして、しかしながら系列取引についても今後変化するであろうという観測もあるわけでございます。そういうことからして、大規模会社に対して現行の九条の二のような一律規制を置く必要がないんではなかろうかということでこの廃止をお願いしているわけであります。
 ただ、やはりこの一律規制を廃止いたしましても、依然として株式の持ち合いとか、そういうものも残っているわけでございますので、一般集中規制の条文であります第九条の方へ入れていただくということで改正をお願いしているわけであります。前と繰り返すので恐縮でございますが、要するに取引慣行あるいは株式の持ち合い、あるいはそれに基づく取引というものがやはり関連して残っているということが一般集中規制を置いておる理由でございます。
#67
○荒木清寛君 同じことをお答えいただくのかもしれませんが、公正取引委員会は競争政策を強力に推進をする立場でありますから、この規制改革についても、経済社会の変化を踏まえて役割を終えつつある規制は思い切って廃止に踏み込むという基本的なスタンスにあろうかと思います。
 そうした意味では、今回のこの九条の改正についてのいろいろなパブリックコメントといいますか、寄せられたコメントの中には、もうそもそもこうした一般集中規制というやり方ではなくて、いわゆる実質弊害規制といいますか、競争政策を遂行する上で問題があるというふうに判断をされる場合に公取が会社分割、株式処分等を適切に命令していけばいいのではないかという意見もあったかと思いますが、そうした見解を取らなかった理由につきまして改めてお伺いをいたします。
#68
○政府特別補佐人(根來泰周君) これはやはり日本経済の従来型の問題がまだ今、日本経済実態の中に内包しているということであります。したがいまして、今、一般集中規制を取り外すにはもう一つ勇気が要るということでございまして、将来はこれは取り外す方向に行く可能性が大きいと思うのでございます。
 個別について処理すればいいという御意見も有力でございますが、これについてのまだ法整備ということもまた必要でございますので、それはそのときには総合的に考える必要があると、こういうふうに思っております。
#69
○荒木清寛君 次に、そうした意味で、全部この九条の方に持っていくということになりましたんで、いかなるケースがこの事業力支配が過度に集中すると、このものに当たるのかという基準が非常に今後は一層重要になっていくと思います。公取は、平成九年に作成をいたしましたこの事業支配力が過度に集中することとなる持ち株会社の考え方に関するガイドラインを見直すと承知をしておりますけれども、いつごろ見直されるんでしょうか。
 その際には、過度な規制にならないように十分に配慮するということと、やはり企業にとっての予測可能性ということが非常に重要でありますので、解釈の明確化、極力裁量を排除するようなガイドラインにしていただきたいと思いますが、この点についての委員長の御所見をお願いいたします。
#70
○政府特別補佐人(根來泰周君) 御指摘のように、この法案が法律として成立したときにはガイドラインをもう一度見直しまして、なお更に明確化を図りたいと、こういうふうに考えております。
#71
○荒木清寛君 次に、先ほども一部お話がございましたが、この課徴金についての見直しの問題をお尋ねをいたします。
 昨年の十月に独占禁止法研究会報告書が出ておりますけれども、その中にも、いわゆるこの課徴金の問題につきまして、独禁法違反に対しての抑止力を一層強化するという観点から、あらゆる違反行為をこの課徴金の対象とすることについての検討が適当だということが書いてございます。
 具体的には、この購入カルテルや私的独占もその対象として含めることを検討すべきであるということでございますけれども、この点については公取としてはどうした取組を今後されますか。
#72
○政府特別補佐人(根來泰周君) 現行の課徴金は御承知のように独占禁止法の第七条の二にありまして、「商品若しくは役務の対価に係るもの」あるいは「その対価に影響があるものをしたとき」には課徴金を課することができると、こういうふうになっているわけであります。したがいまして、今御指摘の私的独占等については、これは課徴金の対象にはちょっと外れるわけでございますけれども、御指摘の独占禁止法研究会において、やはりこれを課徴金の対象にすべきではないかという御意見をちょうだいしておりますので、これは私どもの方で十分検討したいと思うわけであります。
 ただ、問題は、その「対価に係るもの」は課徴金の計算というのは根拠が明確になるわけでございますけれども、私的独占の場合にはどういう計算で課徴金を算出するかということについてやや考えあぐねるところがございまして、そういう点も各方面の御意見を聞きまして、そして明確な課徴金の算定方法というのを考えまして、でき得ればそういうところへ課徴金の範囲を広げていければいいなと、こういうふうに考えております。
#73
○荒木清寛君 次に、国際的な案件審査への対応についてお尋ねをいたします。
 経済のグローバル化の進展によりまして、国際的カルテルや多国籍企業による合併の件数が増加をしております。こうした中で、日本としても独禁法の効果的な執行のためには外国の競争当局との協力が必要不可欠であります。
 この国会にシンガポールとの新時代経済連携協定の批准という案件が上程をされておりまして、日本として初めてのFTAの締結ということになります。これはしかし、このFTAに限らず幅広い分野での連携をすることになっておりまして、その中にいわゆる競争政策についての情報交換等の連携が入っておるわけでございます。同種の二国間協定はアメリカとの間にもありまして、今後はEUと、事実上はもう既に合意をしているというふうにも承知をしております。したがいまして、今後それ以外の国々ともこの国際的な案件審査への協力の協定を随時締結をしていく必要があると思いますが、いかがでございましょうか。
#74
○政府特別補佐人(根來泰周君) 私どもとしては、独占禁止法についてはマルチの条約のようなものができれば一番いいなと、こういうふうに思っているわけでございますが、御承知のように、各国の独占禁止政策といいますか競争政策は相当違いがあるわけでございまして、なかなかマルチというわけにはまいりません。そこで、次善の方法といたしまして二国間協定を推進しているわけであります。
 先年、アメリカ合衆国と二国間協定を締結いたしました。今シンガポールとの問題もございますが、更にEUと協定を結ぶべく現在努力をしております。これも近々、仮調印というようなスケジュールに上っていこうかと思うのでありますけれども、EUの次にも候補国が数国がございますから、順次お説のように協定を結んでいきたいと、こういうふうに考えております。
#75
○荒木清寛君 次に、入札談合に対する取組についてお尋ねをいたします。
 もう既に今年に入ってから官製談合によって三人の首長が辞職をするというゆゆしき事態でございます。今与党三党では政治倫理の確立のための協議会を設けまして、いわゆる公務員が入札談合に関与するということを処罰をする官製談合防止法案についても議論をしておりますし、あるいは入札干渉罪といったものの創設ができないのかということも検討しているわけでございます。
 我々は立法府は立法府、与党は与党としてしっかりやってまいりますけれども、公正取引委員会としては、こうした談合、官製談合についてどういう方針で取り組んでいくのか、あるいは今後どういう対応策を検討しているのか、委員長の決意をお伺いいたします。
#76
○政府特別補佐人(根來泰周君) 大変残念なことでありますけれども、発注者と応札者というのは対立関係にあって、この両者が談合するというようなことは理屈では考えられない話でございますが、日本的な風土と申しますか、発注者が事業者の談合に深くかかわっているという事例がいろいろあるわけでございます。
 ただいま御指摘のものもそうであろうかと思いますけれども、そういう問題について私どもは、事業者なり事業者団体は独占禁止法の対象ということで対処できるのでありますけれども、発注者については全く手が及ばないと、法的には手が及ばないという状況にあるわけであります。そこで、私どもの方は、そういう場合には要請書というものを出しまして、そして適切な対処を発注者に、お願いというと語弊がありますけれども、要請をしているわけでございます。ただ、これは全く法的な裏付けがなくて、お願いベースでございますので、これを何とかできないだろうかという問題が一つあるわけであります。
 これは独占禁止法のらち外にあるものですから、与党と言って、野党と言って言葉は悪いか分かりませんけれども、与党でも野党でもいろいろ御検討いただき、また法案も提出いただいているわけでございます。私どもは、その法案の在り方について大変結構なことだと、こういうふうに考えているわけでございます。
 ただ、発注者については従来どおり現行法の中で要請して厳正に対処してもらうことを文字どおり要請するしかないと、こういうふうに考えているわけであります。
#77
○荒木清寛君 そうした委員長のそうした結構なことだという見解も踏まえまして、精力的に我々は検討してまいりたいと思います。
 次に、商店街の衰退への対応についてお尋ねをいたします。
 これは自由競争の結果として商店街が衰退しているのであれば、それは受け入れざるを得ない局面もあるのかもしれませんが、しかし私などもいろんなディスカウントストアですとか大手スーパーのチラシを日曜日などは丹念に見ますけれども、どう考えてもこれは廉価販売といいますか、損を覚悟で売っているとしか思えないようなものも散見されるわけであります。我々は、そういう情報をいただいた場合にはもうすぐに公取の方に情報提供するというようなこともしておりますけれども、こうした不当廉売についての規制強化については一層意欲を持ってチェックをしていただきたいと思いますけれども、何らかのそうした規制強化といいますか、チェック体制の強化についての検討を行っていらっしゃいますでしょうか。
#78
○政府特別補佐人(根來泰周君) この問題については衆議院でも御指摘をいただきました。私どもは、この参議院でも再々、不当廉売等について御指摘をいただいております。
 その問題について我々は独占禁止法という武器を使ってどういう対応ができるかということを常々考えているわけでございますが、不当廉売の一番多いのはやはり酒類が一番多い。それから、最近は少しガソリンも値上がりしましたから余り問題が出てきませんけれども、ガソリンの問題。それから、ああいう電気製品。それから、昔は牛乳とか、そういうものがあったようでありますけれども、最近は余り牛乳なんか聞きませんけれども、そういう不当廉売についての、何といいますか、商品がやや特定されてきておりますので、その商品についての不当廉売の考え方ということをまず明らかにするということから、酒類販売についてのガイドラインを作り、そして昨年にはガソリン販売についてのガイドラインを作り、そしてこのガイドラインにのっとって仕事をしていただくということをまずお願いして、そして私どもはそのガイドラインにのっとって厳正に対処していくという方針で臨んでいるところでございます。
#79
○荒木清寛君 公正取引委員会は、規制改革に関しましてこれまでも積極的に調査・提言を行ってきております。
 そこで、今のこの大規模小売店と地元商店街の関係の競争政策といいますか、調整は、現在は平成十年に成立しましたいわゆる大店立地法、これによって行われているわけでございますけれども、しかし、こうした法律の在り方についても不断の見直しをしなければいけないと思います。
 私は、公正取引委員会として競争政策を強力に推進していただくことはもう全面的に支持をいたしますけれども、しかし、その場合においても一定の社会政策的な配慮というのはしていかなければいけないと思います。
 この商店街の衰退の問題について言えば、現にそういう地域のコミュニティーというのが成立しなくなっているということがございます。さらに、高齢者社会を迎えて、もう車がなければ買い物に行けないというような社会でいいのであろうかということは十分考えなければいけません。さらには、地球温暖化問題ということが今後は、先般は大綱が決まったわけでございますし、大きな社会的な要請であります。したがいまして、歩いて行けるところで買い物ができるという、そういうライフスタイルが今後私は見直しが必要となってくるんではないか、そういうふうに思います。さらには、この商店街の衰退ということが子供たちの職業観にも影響を与えていると。いわゆる私の住んでいるところなどでもそうでありますけれども、八百屋さんとか魚屋さんなんというのはないわけでありまして、子供が本当にリアリティーを持ってそういう職業というのを実感できなくなっているということも余り私はいいことではないと思います。
 したがいまして、今後の競争政策の推進に当たりましても、そういうもろもろの社会政策的な配慮は十分に踏まえた上で公正取引委員会としても提言なりあるいは意見なりを出していくべきである、このように考えておりますが、委員長、いかがでしょうか。
#80
○政府特別補佐人(根來泰周君) 独占禁止法の第一条というのは、公正な競争を通じて事業活動を盛んにして雇用及び国民実所得の水準を高め、もって一般消費者の利益を確保するとともに国民経済の民主的で健全な発展を促進するということを言っているわけであります。言い換えれば、自由な競争ということが主体であるけれども、その究極とするところはただいま申し上げたところにあるわけでございますが、私どもも仕事をしていく上で単なる競争至上主義に陥らずに、おっしゃるようなことも常に念頭に置いて適切に対処していくつもりでございます。
 なお、社会的規制と競争政策というのは、またこれ一つ大きな問題であります。例えば、最近言われる環境問題とか医療の問題とか、そういう問題についての社会的規制と競争政策をどういうふうに兼ね合いを持ってやるかどうかということについて、大きな問題でございますが、これは広く皆様方の御意見を拝聴して適正に競争政策を運営していきたいと、こういうふうに考えております。
#81
○荒木清寛君 最後に、そうしたことも含めて、公取の行う政策提言が各省庁において確実に実行されるという法整備が私は必要ではないかと思います。
 冒頭取り上げましたこの提言書、去年の十一月に懇談会の出しました提言書にも、「公正取引委員会による規制改革に係る調査・提言がその職務に属することを法律上明文化する必要。」ということを言っております。要するに、そうした調査・提言が単なる調査・提言に終わらないように、法改正あるいは行政による実施ということに結び付いていくような一つの法整備が必要ではないかと私も思いますが、最後に委員長に見解を伺います。
#82
○政府特別補佐人(根來泰周君) この二十一世紀を考える懇談会でお示しのような提言をいただいたことは、大変有り難いことと考えております。
 現在でもいろいろの所管の事項について提言を行っているわけでございますが、これは一昔前は、私どもの競争という話と、片や規制、保護という話と、西と東ほど違ったわけでございますが、今は各省庁とも競争ということを念頭に置いて仕事をしているわけでございますので、私どもの提言することも各省庁の考えていることも大体軌を一にしているということで、私どもの提言を十分尊重していただいているという現状にあるわけでございますが、なお法的な根拠ということも必要でございます。これは、私どもの方でも十分検討いたしまして、また法律改正をお願いすることになろうかと思います。
 ただ、私どもとしては、法的な提言ということになるとそれだけの責任があるわけでございますから、私どもの実力というか、そういうものを十分付けた上でお願いすることになろうかと思うのでございます。
#83
○荒木清寛君 終わります。
#84
○委員長(保坂三蔵君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩をいたします。
   午後零時八分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#85
○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告を申し上げます。
 本日、平野達男君が委員を辞任され、その補欠として広野ただし君が選任されました。
    ─────────────
#86
○委員長(保坂三蔵君) 休憩前に引き続き、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#87
○緒方靖夫君 本法案の審議に入る前に、一つお伺いしたいことがあります。
 先日、私は、生活困窮者に対して電気、ガスの滞納等々によって機械的に切らないでほしいと、そういうことを事業者に対して大臣からもいろいろ尽力していただきたいという、そういうことをお尋ねいたしました。
 大臣はその際に、「私どもも文書をもって事業者の方に要請をいたします」と、そう御答弁いただきました。昨日、その通知が資源エネルギー庁のそれぞれの担当の課長三名から電気、ガスの事業者に対して発せられ、ここにこれがありますけれども、私は大変うれしく思っておりますし、もちろんその知らせを聞いた関係者の方々も大変喜んでおります。
 これは、大臣の御指導、そしてまた関係の課の担当者の皆様の大変な大きな御尽力があったと思いますけれども、その点で、不況が長引く中でまた生活困窮者が増えるという、そういう中でやはりこの課題というのは非常に大事だというふうに痛感しております。
 その点、大臣から決意なり思いなりについてお伺いしたいと思います。
#88
○国務大臣(平沼赳夫君) 先般、三月十九日だったと思いますけれども、緒方委員からの御指摘がありました生活困窮者への電気事業者、ガス事業者への対応に関しまして、昨日、当省から事業者に対しまして、市町村等の福祉部局との連携協力を要請する文書を出させていただきました。
 大変、そういう意味では、生活困窮者の方々お困りでいらっしゃいますので、私どもとしては、この文書の趣旨を踏まえて適切な対処を期待をしておりますし、これからも見守っていきたいと、このように思っております。
#89
○緒方靖夫君 ありがとうございます。
 それでは、本来の改正案に関連した質問をさせていただきます。
 改正案の起点となった九七年の独禁法改正では純粋持ち株会社の設立が認められ、この五年間に数多くの純粋持ち株会社が生まれました。一体、大企業が持ち株会社の創設に進む目的がどこにあるのか。これ、ポイントだと思うんですけれども、この点について私自身検討してみたいと思います。
 そこで、大臣にお尋ねしたいんですけれども、旧通産省の企業法制研究会が九五年二月に出した報告書があります。これがそうなんですけれども、私、これ読ませていただきまして、なかなかのものだと思いました。大企業の間では、持ち株会社解禁のバイブル、そういう異名が付けられているんですね。ここには、純粋持ち株会社解禁の経済的効用として、「多角化・多国籍化等に対応した効率的企業組織の実現と円滑な人事・労務管理の実現」、それを挙げていますね。同時に、持ち株会社になればということで書かれていることは、「各事業部門及び各戦略拠点毎に雇用形態、労働条件を各々に最も適したもの」、つまり裁量労働制とか年俸制などのことだと思いますけれども、「とすることが可能となる。」、このように述べられているんですね。
 今日、大企業が持ち株会社化を目指す一番の目的、それは正にこの報告書に書かれている持ち株会社の経済効用にあるのではないか。書かれているから当然と思いますけれども、その点について大臣にお伺いしたいと思います。
#90
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、報告書お読みいただきましたけれども、やはりそこに書かれておりますように、やはり今の経済というのはグローバル化し、そして大変国際性が出てきた。そしてまた、いろいろな面で多角化をしてきております。そしてまた、国際化の中で多国籍と、こういう状態が出てきておりますので、やはりそういう意味では、それに対応して、そして円滑な経営ができる、そういう効用を考えて作られていると、こういうふうに認識をしております。
#91
○緒方靖夫君 経団連の弓倉競争政策委員長、この方が、朝日新聞の、これはちょうど当時、これが問題になった当時ですから、九六年の二月七日付けなんですけれども、そこにこういうふうに書かれているんですね。「純粋持ち株会社が認められれば、子会社ごとに賃金や労働条件の格差をつけやすくなる。子会社の売却もやりやすくなるので、思い切ったリストラができる」、このようにはっきり述べているわけですね。
 また、日経連が昨年五月に発表した「企業組織再編とグループ経営における人事管理」、この中でも、純粋持ち株会社は極めて有効な企業支配の方法である、このように述べながら、事業ごとの収益管理、機動的な組織再編と顧客ニーズに迅速に対応する小回りの利くフラットな組織づくりを可能にする、こう強調しているわけです。
 これは、持ち株会社の創設が、その後の子会社の労働条件、不利益変更とか経営譲渡、会社分割、事業閉鎖・縮小に伴う整理、解雇などの実施をやりやすくするための事前の準備、そういうことにほかならないということを、はしなくもそういう直接利害を持つ財界の方々が認めていると、そういうふうになるんじゃありませんか。
#92
○国務大臣(平沼赳夫君) 非常に、先ほども触れましたように、今の世界の経済情勢というのは大変多国籍化しておりますし、多角化しておりますし、また国内の経済情勢というのも多様化しております。そして、一方においては厳しいそういう経済環境もある。そういう中で、企業がより効率を高めて、そして持続をして、そして最終的にはこの日本の経済の活性化につながり、また最終的には雇用の安定、そういったものにつながる、そういう趣旨の効用性を重んじてやったわけでございまして、今、経団連とか日経連のお話をなさいましたけれども、やはりその文脈の中には、こういう今の世界経済の中での多角的だとか多国籍ですとか多様化、そういうようなものに企業としては対応をして、そして競争力を高めて安定的な経営をしたいと、そういうことがその言葉の中に私は含まれているのではないかと、このように思います。
#93
○緒方靖夫君 日本経済を取り巻く環境、それが確かにグローバル化、多角化しているということは明らかです。しかし同時に、今、大臣がおっしゃられたことというのは、結局、そういう下で大きな企業がどうやって生き残るのか、効率よく彼らの事業を進めていくのかということについて、その理屈をお認めになったということにすぎないと思うんですよね。
 結局は、私自身、今指摘したように、企業側にとっての持ち株会社化の一番のメリット、最大の目的、それが持ち株会社化した後の経営戦略に応じた簡易、迅速な企業リストラ、そこにあるということは、これは大臣も否定できないと思うんですね。その点はいかがですか。
#94
○国務大臣(平沼赳夫君) 効率化という観点で、今一生懸命企業が取り組んでいることは事実です。しかし、そのリストラというのも、大企業にしても、やはり被害が最大限出ないような形、そういう一つの前提の中で労働組合とも協調をしながら、そして被害が最小限に食い止められるようなそういった手だての中で、この厳しい経済情勢の中で努力をしている、こういうことでございまして、全体的に見れば、私は企業の経済の活性化につながると。そういう中で、組合とも協調しながら、またその労働者たちの理解も得ながら、あるいは大きな企業ですと下請等がございますから、そういう中にうまく吸収して最大限被害が出ないように、そういう努力も同時にしておりまして、私は、これはリストラを目的としてできていると、こういうふうには私どもは思っておりません。
#95
○緒方靖夫君 しかし、実際、企業の側が非常に大きなメリットとしてリストラをしやすくするとあけすけに述べているという、そこのところは争えない事実だと思うんですね。
 被害を最大限少なくする、そのために行っていることだと、それは一つの理屈かもしれません。あるいは雇用の安定を図る、そのために企業そのものをつぶさないようにするんだということも一つの、先ほど言われましたけれども、理屈かもしれませんけれども、私は、その中身を見たときに非常に重大な問題があると思います。今、失業率が六%にならんとしている。そして、ほとんどの方々が六%をもう時間の問題で超えるだろうと。そういうときに、これ以上失業者を増やして本当に日本社会全体にとっていいのかという、その問題が問われていると思うんですね。
 いずれにしても、最大の目的、純粋持ち株会社を目指す最大の目的というのは、やはり今の経営戦略、これを遂行するための企業再編、リストラにある。このことは、この旧通産省の出した文書からも、あるいは実際にそれに従って進めている財界の言明からもその点は争えない事実だと思います。
 そもそも純粋持ち株会社は、株主資本利益率、ROEといいますけれども、これを最大化することに存在意義を持って、また利益の源泉を専ら子会社からの受取配当、そのお金に依存する、そこにあるわけで、子会社に対してより高い投資リターンを求める、そういうことにならざるを得ないわけですね。それは結局、子会社のスリム化や人件費を含むコスト削減を過酷に追求することになる。これが大臣、実態がこのことを正に示しているんじゃありませんか。
#96
○国務大臣(平沼赳夫君) 今の現下の景況というのは非常に厳しいわけでございまして、ある一面の現象面をとらえると御指摘のようなそういう御指摘もあるかと思いますけれども、あくまでも、今バイブルとおっしゃいましたけれども、こういう新しい一つの純粋持ち株会社を作る、こういう理念は、繰り返しになりますけれども、いわゆるグローバル化したこの非常に競争の激しい世界経済の中にあって、そしてその中で企業が生き残りを懸けてそして効率を高めていくと、ここが私は趣旨だと思っておりまして、御指摘の点は現象としては今出ているかもしれませんけれども、決していわゆるこの純粋持ち株会社制度の目指している本当の趣旨では私はない、あくまでも効率を高めて競争力を高める、こういうことだと思っております。
#97
○緒方靖夫君 大臣、ただいま一面はそうだとか、あるいは現象としてはそういうこともあるというふうにおっしゃられました。私、これもう既に、五年前のものですけれども、この報告書を見ても、やはり非常に今進んでいることが予見されている、そう思うんですね。
 この報告書の中に、こういうくだりがあります。純粋持ち株会社たる親会社は、利益の源泉を受取配当金に依存することになって、ROE等の客観的指標に基づき子会社に対しより高い投資リターンを求めることになるから、各子会社の経営効率化を強く促進し、グループ全体としての効率向上につながる、こう書かれているわけですね。
 したがって、純粋持ち株会社化は、昨年の日経新聞十二月七日付けに指摘されているわけですけれども、子会社の事業の統合や切捨て、企業再編を行い、固定的な人件費を変動費に変えていく、つまり裁量労働制とか、そういうふうに変えていく戦略転換が不可欠だと。そういう下でやはり今進んでいるわけであって、ですから私は、この事態を一時的なものとかあるいは一局面だとかあるいは一部分だとか、そういうふうに見てしまうならば、今労働界に起こっている、あるいは労働者を取り巻く大きな環境の異変の中で重大なことが起こるだろうし、今のままでは。そしてまた同時に、今の大臣おっしゃられたことでは重大な点を欠落させてしまうという危険があるのではないかと思います。
#98
○国務大臣(平沼赳夫君) 今の現下の経済情勢というのは、ある意味では失業率が、完全失業率が〇・二ポイント下がったとはいえ五・三と、こういう厳しい状況であります。若干、ここ二か月、景気は底を打ったというような指標も出ておりますけれども、設備投資も依然として厳しいところがございますし、あるいは企業のいわゆる収益性も底を打ったということが言われていますけれども、まだまだ厳しい水準であります。
 そういうバブル崩壊後厳しい状況の中にあって、そして、そういう状況の中で企業が最終的なある意味では活性化を持つために最大限の努力をし、私は企業の経営者というのも何も全部首切りをすればいいと、そういうような認識で私は経営していないと思うんです。そういう中で、最大限のぎりぎりの私は努力はそれぞれしていると思います。
 そういう中で、今の現下の厳しい状況の中で、元も子もなくなってしまったらこれは全部の雇用が喪失されると、こういうことにつながるわけでありまして、確かにそういう厳しい中で御指摘の点は残念ながら出ていることは事実だと思いますけれども、しかし、その中ででき得る限り、例えばリストラをする場合にしても、社内でいわゆるインセンティブを与えて、そして募集をするとか、あるいはまた子会社にうまく回すとか、そういうようなことをぎりぎりの中でやっておりまして、私は決して、繰り返しになりますけれども、この純粋持ち株会社の制度というのは、そういったリストラを推進するために、そういう形で作ったと、こういう制度ではなくて、やっぱり総合的に見てこういう大きな国際場裏の中でいかに日本の企業が勝ち残り生き残っていくか、そういうことを本旨として私はやっていると、こういう認識でございます。
#99
○緒方靖夫君 大臣、その点は、私は実例を見るのが一番早いと思うんですね。
 電機分野で見ますと、この間、多くの大企業が連結納税制度の導入を待って全面的に持ち株会社化しようとしております。IT不況での経営責任を棚上げにしたまま、合計すると十七万人に上るリストラを計画しております。
 例えば、富士通では、家電事業の分社化、将来の持ち株会社化を視野に一万六千四百人の人員削減、そして四千七百人の配置転換を発表して、更に長期休業制度を作って賃金の大幅引下げを計画しております。御存じだと思います。
 松下電器。松下通信工業などの系列五社を完全子会社化して、本社主導の重複事業の統合、事業の縮小、撤退など、経営資源の再配分の迅速にできる体制づくりを計画中で、一万人を超える早期退職を求めております、あの松下で。
 ソニーでも、持ち株会社化に備え、本社管理業務を分離して、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジア、中国に生産統括組織を新設して、海外生産の再編、工場を統廃合するという、そういう計画なわけですね。
 このように、持ち株会社化とその設立を機会に、以前とは質的にも量的にも異なる大規模なリストラが計画されているわけです。
 私は、高い技能とまた熱意を持った労働者、技術者をリストラするということは、やはり私は企業の未来、これをなくしていくことにもなっていく、そういうふうに思うわけです。
#100
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、特に電機分野でのそれぞれの会社の計画をお示しになられました。
 確かに、御指摘のように、日本は物づくりの国でありますから、そういう中で培った一つの技術力、そういうものが分散をする、そういうことはある面では現実の問題としては私は言えると思います。
 しかし、そういう中でも、やはりしっかりと生き残りを懸けて、そして本体がもうすべて烏有に帰すというようなことになると、これは元も子もないことになります。そういう中で、早期退職勧奨制度にしても、やはりそれなりに納得のいくインセンティブを与えるとか、あるいはやはり労働組合の皆さん方と一生懸命真剣に話し合って、そして労使が納得をしてそういう体制を作っていく。
 ですから、本当に厳しい経済情勢の中で、ある意味では御指摘のそういう培われた産業技術力というものが分散をする、そういうことは非常に残念なことでございますけれども、私どもとしてはそういう中で必死にやっていると。ですから、そういうことはその側面として冷静にとらえていかなければならないと、私はそういうふうに思います。
#101
○緒方靖夫君 厚生労働省に伺いたいと思います。
 純粋持ち株会社の場合、その機能は子会社や企業グループの事業活動の管理機能に特化されるので、それを通じて子会社の労働者の労働条件や雇用を決定する機能が強化されます。持ち株会社の下で事業部門が子会社化されると、労働者は子会社に属することになって形式上の使用者は子会社とされるので、企業グループに属する多数の労働者の労働条件は持ち株会社、つまり親会社によって実質的に決定される事態が生まれるのじゃありませんか。
#102
○政府参考人(鈴木直和君) 今の御質問、これは持ち株会社と子会社の関係で、その持ち株会社自体が実質的に労働問題についても支配的な関係を有するんではないかという御指摘だろうと思います。
 この問題については、従来から判例もありまして、例えば、一般的には、基本は労働契約の当事者である雇用主、これが使用者でございます。ただ、形式的には、雇用主の地位にない場合であっても、労働者の労働条件について雇用主と同一視される程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にある場合、これについては親会社といいますか持ち株会社、そういったところが使用者となり得るというふうに判例ではなっております。
#103
○緒方靖夫君 先ほども指摘したように、持ち株会社化されると、事業活動を担う子会社に属する労働者にとっては大きく言って二つの問題が起こります。一つは、子会社ごとの労働条件、処遇の格差の拡大、二つ目に、経営譲渡、会社分割や事業閉鎖に伴う整理解雇という問題が起こります。
 厚生労働省では、こうした持ち株会社における労使関係の実態をどのように把握されていますか。
#104
○政府参考人(鈴木直和君) 持ち株会社における労使関係の実態ということでございますが、この持ち株会社の問題については平成九年の附帯決議がございました。その附帯決議を踏まえて、労使を含めて懇談会を作りまして議論をし、中間報告をまとめました。その段階では、今までの法解釈で対応することが適当ということでございました。その後、二年強経過をしております。
 それから、持ち株会社が増えてきているという実態もございます。そういう実態を踏まえて、今年度、そういった持ち株会社における労使関係の実態、具体的に言いますと、子会社における労使関係の実態、それから持ち株会社の関与の度合い、そういったものについて具体的に今年度把握をして、その把握した実態を分析しながら今後の対応を考えていきたいというふうに思っております。
#105
○緒方靖夫君 今年度そういう調査を行うということなんで、やらないよりはいいわけですけれども、これはやっぱり、この間非常に持ち株会社が急速に進んで、大きな問題が既に進行しているわけで、私はこれは非常に大事だと思うんですね。
 例えば、こういう事例があるわけですね。在日外国銀行のコンチネンタル銀行東京支店、こういうのがありました。九〇年九月に希望退職に応じなかったことを理由に従業員組合五人の組合員が解雇された。この撤回を求める争議中に同銀行はアメリカ銀行に吸収されて、業務はアメリカ銀行東京支店に引き継がれた。争議の引継ぎは拒否された。合併が銀行持ち株会社同士で行われて労使関係の当事者責任があいまいにされた。
 また、本会議質問でも私ただしましたけれども、富士通では、傘下にある高見沢電機の技術開発などの基幹部門を別会社に移して、長野県の須坂市にある工場の閉鎖を計画した際に、親会社であるにもかかわらず一切関係ないと言って労使交渉に応じなかった。こういう事例が数々あるわけですね。
 私は、今、審議官が述べられたように、持ち株会社による事業子会社の雇用の責任の放棄、労働者の権利の侵害の実態、この実態は多数あるわけですから、これについてやはり実態を把握しなければ対策も打てません。ですから、今ちょっとおっしゃられましたけれども、やはりきちっとしたこの問題の調査、これを行う、このことをお約束していただきたいと思います。
#106
○政府参考人(鈴木直和君) 先ほど申し上げましたように、今年度そういった実態の把握に努めていきたいと考えておりますので、御指摘を踏まえて、実態を把握し分析したいと思っております。
#107
○緒方靖夫君 ただいま、調査し分析すると、そしてその対策を打つという答弁をいただいたと思います。これしっかりやっていただくことが、私は今本当に数多くの問題が、新しい問題が、新しい種類の、質的にも量的にも新しい問題に出会っていると思います。ですから、その調査を是非急いでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 さて、労使関係懇談会の中間報告の中では、純粋持ち株会社との団体交渉権の立法化を当面見送った上で、その団体権の有無は労働委員会や裁判所の実務の判断にゆだねることとされました。これがいかに重大な問題になるかということもはっきりしていると思うんですね。
 日経連の幹部は、私たちの党のしんぶん赤旗九七年四月二十三日付けで、親会社である持ち株会社との団交権を保障する労働組合法の改正は必要ない、改正するぐらいなら持ち株会社の解禁も必要がないくらいだ、そう述べているわけですね。この言葉の中に、純粋持ち株会社化のメリット、企業にとってのメリット、これがはかなくも語られていると思います。このことから、政府として純粋持ち株会社解禁に伴う労働者の不利益を是正する措置を講じないということは、大企業の純粋持ち株会社をてこにした法的責任を逃れる無責任な態度を助長することにならざるを得ない、そう思うんですけれども、その点いかがですか。
#108
○政府参考人(鈴木直和君) 先ほども判例のお話を申し上げました。持ち株会社に使用者性があるかどうか、それは具体的に個々の事例に従ってその実態を把握しないとこれは判断できない問題でございます。そういう意味で、今でも判例、法令に従って対応がされているというふうに考えております。ですから、これ一律にどうかということになりますと、なかなか難しい問題があるというふうに考えております。
#109
○緒方靖夫君 難しい問題があるということではやはり困るわけで、私はこの問題、先ほど言いましたけれども、やはり新しい局面で、日本を取り巻く環境も大きく変わっている。その中で新しい問題が生まれている。そしてまたリストラ、逆に言えば解雇、この問題というのはやはり非常に量的にも質的にも大きな問題になっていると思います。
 今、厚生労働省の方から、この問題について、今の実態、急速に進んでいる事態についての実態把握が遅れている、その把握に努めたい、調査をしたいというそういう答弁がありました。
 最後に、大臣にお伺いしたいんですけれども、大臣は先ほどから、結局、本体が崩れたら元も子もなくなるということを言われました。それは一面事実でありますけれども、しかし、本体を強固にしながら、そして高い能力を持つ、技術を持つ働く者、その雇用をしっかり守っていくということ、これを目指していくということが私は政治の道だと思うんですね。ですから、そういう立場に立って、調査をするという話がありましたけれども、やはり政府として今の新しい事態の実態把握を努めながら、やはり企業にとっても、明日をきちっと生き延びる、そして繁栄していく、そしてまた労働者にとっても、しっかりと自分の生活の糧を作っていく、そういうことを求めていくことこそが求められていると思いますけれども、最後に大臣の御所見を伺って、質問を終わります。
#110
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘になられましたように、企業の組織変更に伴いまして労働者の移転でございますとか、あるいは事業の縮小によりまして離職者の発生あるいは関連中小企業への影響、こういった事態が生じている、そういったことは事実あると思っております。
 そのような場合に、私どもは雇用の安定や中小企業の経営の安定を図ることが当然のことながら重要だと、こういうふうに思っておりまして、政府としてもやはり適切な措置を講じていかなきゃいけない。これまでも、企業組織の変更に伴う労働者の保護については、会社分割に伴う労働契約承継法、こういったことにより所要の措置は講じてきているところでございますけれども、仮に労働者が離職を余儀なくされるような、そういう場合であっても、私どもとしては再就職の支援に積極的に取り組んでいかなきゃいかぬと思いますし、また中小企業に対してもセーフティーネット等を構築して、そして最小限に皆様方の負担を少なくする、そういう努力は政府として当然やらなきゃいかぬ、こういうふうに思っております。
#111
○緒方靖夫君 終わります。
#112
○広野ただし君 自由党・無所属の会、国連の広野ただしです。
 独禁政策は今や、やはり経済政策の本当に中心ということだと思います。フリー、フェア、オープン、自由で公正な、また外にも開かれた競争を通じて、マーケットを通じて、またそのことが国民のあるいは消費者の利益になるということで、経済政策の正に中心に置かれるべきものだと。経済法の正に独禁法は憲法と言っていい、そういう思いで、今日午前中からいろいろと御議論がございましたが、そういう思いでございます。
 そういう中で、聖域なくそういう競争政策を、公正な競争をやっていく、こういう考え方が公取委員会でも二十一世紀の懇談会等でも述べられているところでありますし、その中で三月十五日、JAL、JASの合併問題について公取さんの考え方が述べられているわけでありますけれども、合併、事業統合を行いますと、国内旅客の六〇%を占める三十二路線でやはり独占あるいは複占といいますか、二社体制あるいは寡占体制ということになるわけで、それが自由な競争を本当に阻害するおそれがあるのではないかと、こういう思いでおるわけでございますが、国土交通副大臣、現在、羽田の離発着枠の幾らかの自由化あるいは統合後の一〇%運賃の引下げというような話もございますけれども、それで果たして自由な競争政策が取れるのか。特に、アメリカはオープン・スカイ・ポリシーといいますか、そういうようなことでやってきたわけで、そういう点、どのようなお考えであるのか、お伺いしたいと思います。
#113
○大臣政務官(菅義偉君) 国土交通省としましては、市場原理による航空会社間の競争を通じて利用者の便の向上を図っていく、このことは極めて重要なことという観点に立ちまして、委員御承知のとおり、羽田空港及び伊丹空港増枠の際には新規航空会社枠を設けて今日に至っているわけでありますけれども、今回のJAL、JASの経営統合におきましても、やはり競争を通じて利用者の利便の向上を図っていく、極めて大事だと思っておりますので、事態の推移に応じて適切に対応していきたい、こう思っています。
#114
○広野ただし君 この委員会でも、例えば沖縄問題等を議論もしたわけでありますけれども、沖縄の観光開発のためには、何といっても海外へ行った方が航空運賃が安いというようなことでは、みんな沖縄へ行くんじゃなくて海外へ行く、こういうようなことになるわけです。そういう中で更に寡占化が進むということになったときに、沖縄だけではありません、各地域において、やはり今エアラインというのは正に二十一世紀の足であります。そういうところでそういう寡占体制ができてくると、今までも同調的な値上げの問題とかいろいろとあったわけでありまして、本当に大丈夫なんだろうかと私は思うわけであります。
 公取委員長の改めての見解を伺いたいと思います。
#115
○政府特別補佐人(根來泰周君) 先ほどお答えいたしましたように、事前相談がございまして、これは結局、独占禁止法の第十条に当たるかどうかということでございますが、私どもの方は三月十五日に両社に対しまして事前相談の結果を通報しまして、かつ一般的に公表したところでございます。おっしゃるように、私どものその時点の判断といたしましては、やはり競争制限的なことになる蓋然性が非常に強いということでその結果を公表したわけでございます。
 繰り返しになりますが、この問題点の提起を受けまして、当事者会社は取るべき道は三つあるわけでございますが、先ほど申しましたように、一つは、私どもの問題提起にこたえまして、いろいろの修正といいますか、いろいろの問題解決の方法を提示しておりますので、そういう問題を踏まえまして、ただいま御議論の点が解決されているかどうかを慎重に検討して近く回答を出すつもりでおります。
#116
○広野ただし君 やはり日本の中で今まで護送船団方式といいますか、業法があって、官主導といいますか、ある意味で守られてやっている業界というのが、意外と海外に出ていくと弱いと。そういうものをどんどんどんどん自由化していった自動車ですとかエレクトロニクス関係は、何の業法もないけれども厳しい競争の中で強靱な体質を作っていったと、こういうことだと思いますので、やはり聖域なき競争政策といいますか、そういうものは、これもフェアでないといけませんけれども、本当に本当にどの分野でも大事なことだと、こう思っておるわけでございます。
 そして、そういう中で、言わば資格団体といいますか、資格試験でやっております資格団体のいろんな慣行がございます。その資格団体、言わば簡単に言いますと士法と言っておりますけれども、士法、重要なものだけでも十法以上あるわけでありますけれども、そういうときに団体に、資格団体に強制加入をしなきゃいけないとか、あるいは加入した場合に基準報酬が決められているとか、場合によっては、特にお医者さんの分野では広告が規制されているとか、いろんな形で慣行的に、あるいは法的にもそういう点もあろうかと思いますけれども、結局ある意味では競争制限的なことをやっているという結果になっているんではなかろうかと思っております。
 最近、特にいろんな分野で、士の分野で法人化が認められるようになりました。そういう中で、税理士さんの団体でございますけれども、こういうところで、それぞれ入れば切磋琢磨をして情報交換するというところも一面はありますけれども、また報酬を決めたり、これはある意味では、ほかの事業者団体でいいますとカルテル的な行為になるわけでありまして、そういう点、財務副大臣、いかがでございますか。
#117
○副大臣(尾辻秀久君) 税理士会についてお答えいたします。
 御指摘、三点あったかと思います。
 まず、報酬規制でございますが、これは既に廃止してございます。
 それから、広告規制につきましては、今これも廃止に向けて必要な見直し作業を行っておるところでございます。
 あと、強制入会制でございますけれども、これは、もし廃止をされた場合考えますと、税理士の皆さん、約六万五千人おられるわけでありますが、これらの皆さんに対する指導、連絡及び監督に関する事務を今度は行政庁が行うことになります。そうなりました場合、行政事務の簡素合理化に反するほか、税理士業務の適正な運営の確保を効果的に行うことが困難となるおそれがございます。また、この強制入会制は、他の資格制度、先生いろいろお述べになりましたけれども、そういった他の資格制度でも採用されておりまして、その制度には合理性があると認められていることを御理解願いたいと存じます。
#118
○広野ただし君 法的にはそういうふうになっておるわけですが、ある意味で自由な競争、そういうことがまたある意味で強靱な税理士会を作っていくんだと、全体的な、という観点もあるわけで、正に聖域なきそういう競争政策といいますか、そういう観点も非常に大事なんではなかろうかと思っております。
 法務省さんに、弁護士さんあるいは司法書士さん、土地家屋調査士さんの団体について、いかがでございますか。
#119
○副大臣(横内正明君) 法務省の所管する弁護士、司法書士、土地家屋調査士についての御指摘のような規制についてでございますが、規制改革推進三か年計画等を踏まえまして見直しを検討しておりまして、既に一部措置をしております。
 まず、広告につきましては、各資格者とも原則既に自由化をされております。
 報酬規定につきましては、司法書士及び土地家屋調査士につきましては、今国会で司法書士法、土地家屋調査士法の一部改正法が成立をいたしまして、会則記載事項から削除をするということになりました。弁護士の報酬規定につきましても、現在、司法制度改革の一環として弁護士法の改正を検討しておりますので、その中で措置をするということになると思います。
 また、強制入会制度につきましては、今、財務副大臣からお話がありましたように、資格者に対する指導監督を行うという観点から、私どもは必要なものだと思っておりますけれども、しかし規制改革委員会から一定の指摘もありますので、そういった指摘を踏まえて、利用者の利便性の観点から検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#120
○広野ただし君 続きまして、厚生労働省さん、医師会あるいは社会保険労務士会といいますか、その点でいかがでございますか。
#121
○副大臣(宮路和明君) まず最初に、医療といいましょうかに関する広告規制の御指摘がございました。
 医療機関の広告規制は、委員御案内のように、医療法に基づいて行っておるわけでありますが、その趣旨といたしますところは、最近も、医療事故の問題、安全な医療、医療におけるリスク管理、いろいろ問題になっておるわけでありますが、過剰な広告あるいは不当な広告によって、そういうような患者の身体あるいは生命への被害といったものが生じることのないようにということをねらいとして広告についての規制をやっておるところでありまして、したがって士の世界で、さっきおっしゃった士の世界で講じられている規制とはちょっと趣を異にいたしておるわけでありますが、しかしながら、医療に関する情報開示を進めて患者の皆さんの自分が受けたいとする医療についての選択の幅を広げていくこと、そのことによって医療の質の向上や効率化も図っていくということが大切でありますので、そういうことを踏まえて、本年四月には広告規制の大幅な緩和を行いまして、医師の専門性あるいは治療方法、手術件数等を広告可能というようにいたしたところでございます。
 今後とも、そうした被害が生じないようにという観点も十分踏まえながら、情報提供の観点から、情報提供の一層の推進という観点から広告の規制についてもまた対処してまいりたいと、こう思っております。
 それから、社会保険労務士でありますが、これは、先ほどの他の士の世界と同様に、規制改革推進三か年計画で御指摘を何点かいただいております。具体的には報酬規定でありますが、これは削除する方向で現在鋭意検討を進めております。
 それから、広告規制の見直しにつきましても、これも、それを実現しようということで、現在、全国の社会保険労務士会連合会と連携を取りまして、同連合会から都道府県の社会保険労務士会に対して広告規制に関する規定の見直しを行うべく今指導をいたしておるところでございます。
 それから、入会制度につきましては、これは先ほどの税理士会あるいは弁護士会と同様でありますが、強制入会制を維持するということにつきましては、社会保険労務士につきましても、先ほど両省からお話がありましたような観点から、私どももこれは必要ではないかなと考えておりますが、業務、財務に関する情報公開、これは行うということにいたしておりますし、また国民一般からの懲戒処分申出制度の創設や資格者以外の者の役員への任用といった点について指摘をいただいておりますけれども、これについては現在それを実現すべく検討いたしておるところであります。
 いずれにしても、これらの規制緩和、十四年中に措置すべきだという御指摘をいただいておりますので、それをしっかりとやり遂げることができますように努力をしてまいりたいと思っておるところであります。
#122
○広野ただし君 ほかの省庁もまだあるんですが、ちょっと時間の関係ではしょりますが、事業者団体のやはりそういう競争制限的慣行といいますか、そういうものもやはり非常にあって、建設業関係団体で積算資料ですとかあるいは建設物価というものがありますと、やはりこれも一つのカルテル的なものを助長するおそれがあるんではないか、こういうような考え方を持つわけでありますけれども、国土交通省さんにお伺いしたいと思います。
#123
○大臣政務官(菅義偉君) 委員がおっしゃられましたけれども、この積算に当たっては、御承知のように二つの法人のものを参考にさせていただいていることは、これは事実であります。
 ただ、この両調査会は、正に物価調査の専門機関であって、全国にわたって広範な建設資材の市場価格を調査している。そして、現状では全国にわたってこのような調査をしている団体というのは二つしか実はないということもこれ是非御理解をいただきたいと思いますし、この調査価格を資材単価として用いるためには、そういう意味では現状においては合理性があると、こう思っております。
#124
○広野ただし君 いずれにしましても、今後、こういう自由な競争というものをあらゆる分野で聖域なしで導入をしていくというのは、やはり二十一世紀の一つの考え方ではなかろうか、これは経済分野だけではなくて、社会的な分野においても大いにやっていかなければいけないことではなかろうかと思っておりますが。
 ところで、昨日、丸紅畜産のブラジル産の鶏肉の不当表示の問題が、景表法で排除命令が出ましたけれども、いずれにしましても、もうこの食品関係、雪印さんからスターゼン、カワイ、全農、たくさんの案件が出て、国民の食に対する信頼を大きく揺るがしたわけであります。
 そういう中で、私は、JAS法の不備もあろうし、そしてまた農水省と厚生労働省の縦割り的なもの、そういうものもあって、まずJAS法は罰則の強化をしなきゃいけないでしょうし、もう一つ、行政組織ということにおいても、アメリカでFDAということで、食料、食品だけではなくて医薬品についても、これはやはり国民の健康にかかわる問題でありますものですから、食と医薬品を一緒にした食品医薬品庁というFDAがあるわけですが、日本も内閣府の下にそういう日本版FDAを作ったらいいんじゃないかと、こう思っております。農水省だけに置くんではなくて、農水省から離して、内閣府の中で国民の健康と食の安全に対する問題を総合的、有機的に行うということがどうかと思っておりますが、農水省さんと厚生労働省さんに伺いたいと思います。
#125
○副大臣(野間赳君) 食の安全に関します新たな行政機関につきましては、BSE問題に関します調査検討委員会の報告を受けまして、政府といたしましては、食品安全行政に関します関係閣僚会議におきまして、六月を目途といたしまして、具体的対処の方針を取りまとめを行うべく、現在、検討を始めておるところであります。
 その検討に当たりましては、報告書で提言をされました消費者の健康保護を最優先とすること、リスク分析手法を導入をすることを基本的な考え方とした上で、リスク評価機能を中心といたしまして、今、先生がおっしゃいました独立性、一貫性を持って各省庁との連絡調整を有する組織とすること等の論点を踏まえ、具体的に検討を進めておるところでございます。
#126
○副大臣(宮路和明君) 食品の安全に関する新たな行政組織の問題につきましては、今、野間農水副大臣からもお話がありましたような方向で鋭意検討するということで、先般、食品安全行政に関する関係閣僚会議も設置されまして、そこを中心としてこの問題に鋭意取り組んでいくということになっているところでございますので、私ども厚生労働省としても、当然、そうした場におきまして、関係省庁としっかりと連携を取りながら、食の安全における一層の行政体制の確立に向けて取り組む努力をしてまいりたいと思っております。
 なお、医薬品行政につきまして、FDAのお話があったわけでありますが、我が国におきましては、医療と医薬品というのは、これは切っても切れない関係にあるわけでありますので、今の段階で医療行政を担当しております厚生労働省とまた別の組織として医薬品の問題を取り扱うということよりは、一元的に医薬品と医療というのは表裏一体のものとして処理していくことがいいんではないかなというふうに、そのように私どもは考えておるところであります。
#127
○広野ただし君 残りの質問は後日やらせていただきます。
#128
○委員長(保坂三蔵君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後一時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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