くにさくロゴ
2002/07/23 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 経済産業委員会 第26号
姉妹サイト
 
2002/07/23 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 経済産業委員会 第26号

#1
第154回国会 経済産業委員会 第26号
平成十四年七月二十三日(火曜日)
   午前十一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十九日
    辞任         補欠選任
     段本 幸男君     片山虎之助君
     野上浩太郎君     松田 岩夫君
     福島啓史郎君     魚住 汎英君
     山根 隆治君     直嶋 正行君
 七月二十二日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     松山 政司君
     直嶋 正行君     榛葉賀津也君
     緒方 靖夫君     池田 幹幸君
 七月二十三日
    辞任         補欠選任
     松田 岩夫君     小泉 顕雄君
     榛葉賀津也君     直嶋 正行君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         保坂 三蔵君
    理 事
                加藤 紀文君
                山崎  力君
                平田 健二君
                本田 良一君
    委 員
                大島 慶久君
                小泉 顕雄君
                小林  温君
                近藤  剛君
                関谷 勝嗣君
                松山 政司君
                榛葉賀津也君
                直嶋 正行君
                藤原 正司君
                簗瀬  進君
                若林 秀樹君
                荒木 清寛君
                松 あきら君
                池田 幹幸君
                西山登紀子君
                広野ただし君
       発議者      平田 健二君
       発議者      本田 良一君
   委員以外の議員
       発議者      木俣 佳丈君
       発議者      今泉  昭君
   衆議院議員
       発議者      林  義郎君
       発議者      甘利  明君
       発議者      逢沢 一郎君
       発議者      伊藤 達也君
       発議者      遠藤 和良君
       発議者      江田 康幸君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       経済産業副大臣  大島 慶久君
       国土交通副大臣  佐藤 静雄君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      根來 泰周君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       人事官      佐藤 壮郎君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      上杉 秋則君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   楢崎 憲安君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       播   彰君
       中小企業庁長官  杉山 秀二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法
 律案(衆議院提出)
○下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法
 律案(木俣佳丈君外三名発議)



    ─────────────
#2
○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を開会をさせていただきます。
 まず、委員の異動について御報告を申し上げます。
 去る十九日、山根隆治君、段本幸男君、福島啓史郎君及び野上浩太郎君が委員を辞任され、その補欠として直嶋正行君、片山虎之助君、魚住汎英君及び松田岩夫君が選任されました。
 また、昨日、片山虎之助君、直嶋正行君及び緒方靖夫君が委員を辞任され、その補欠として松山政司君、榛葉賀津也君及び池田幹幸君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(保坂三蔵君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律案の審査のため、本日の委員会に人事官佐藤壮郎君及び公正取引委員会事務総局経済取引局長上杉秋則君を、また、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長楢崎憲安君、厚生労働省労働基準局安全衛生部長播彰君及び中小企業庁長官杉山秀二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(保坂三蔵君) 入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律案を議題といたします。
 まず、発議者衆議院議員林義郎君から趣旨説明を聴取いたします。林義郎君。
#6
○衆議院議員(林義郎君) ただいま議題となりました自由民主党、公明党及び保守党の三党共同提案の入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 本法律案が検討されるきっかけとなりましたのは、平成十二年五月に公正取引委員会が排除勧告を行った北海道上川支庁発注の農業土木工事談合事件において、発注者側が受注者に関する意向を示していた等の事実が認められ、公正取引委員会が北海道庁に対して改善要請を行った事件であります。この事件を始め、昨今も発注者側が受注者側と結託して談合を行うことが見られるようになり、国、地方公共団体等の職員が受注者である民間事業者側の入札談合に関与する、いわゆる官製談合に対する社会的批判が高まったところであります。
 このため、昨年三月より与党三党においてプロジェクトチームを設置し、官製談合を防止するための施策について検討を進めてまいったところであります。その検討過程において示された様々な意見を踏まえ、また、検討中に明るみに出て社会的批判を浴びた国会議員秘書のいわゆる口利きなど、昨今の公共工事をめぐる様々な事件において、例えば予定価格の漏えいなど、発注機関側に談合への関与について疑惑があることも踏まえれば、発注者も襟を正す意味で立法化が必要であるとの結論に達し、与党三党において議員立法として本法律案をまとめ、提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、本法律案が対象としている発注機関は、国、地方公共団体及びこれらが二分の一以上出資している法人であります。
 第二に、本法律案が対象としている「入札談合等関与行為」は、第二条第五項第一号から第三号までに規定しておりますが、談合の明示的な指示、受注者に関する意向の表明、発注に係る秘密情報の漏えいの三類型を定めております。
 第三に、発注機関が講じる改善措置についてであります。公正取引委員会は、通常の業務として受注者である民間事業者側の入札談合の調査を行っておりますが、その結果、入札談合等関与行為があると認めるときは、発注機関に対し、その排除のために必要な改善措置を要求することができることとし、当該要求を受けた発注機関は、自ら事実関係を調査し、必要と認める改善措置を講じなければならないこととしております。
 第四に、発注機関は、入札談合等関与行為を行った職員に対して、賠償責任の有無等を調査の上、故意、重過失がある場合には速やかに損害の賠償を求めなければならないこととしております。
 第五に、発注機関は、当該職員の行為が懲戒事由に該当するかどうか調査しなければならないこととしております。
 第六に、発注機関がこれらの調査を行うに当たり、その適正を確保するため、調査を実施する職員を指定することを義務付けております。また、地方分権の精神や団体自治の尊重等の観点から、第八条において本法運用上の地方公共団体等の自主的な努力への配慮について規定しているところであります
 以上が本法律案の提案の理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(保坂三蔵君) 以上で趣旨説明の聴取は終了いたしました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○若林秀樹君 おはようございます。民主党・新緑風会の若林でございます。
 冒頭ということで、三十分いただきまして質疑をさせていただきたいなというふうに思います。
 まず、入札談合というのは独禁法に反する違反行為でございます。これまでも様々な指針の公表、法律の制定等行われてきましたけれども、なかなか根絶することがやっぱり難しいという状況でございます。かつては、まあこれは江戸時代から続いているとか互助精神に基づくある意味じゃ必要悪だと言っていた人もいたわけですが、やっぱり国民の認識も時代とともに変わってきているのも事実だというふうに思います。私は、明らかに税金の無駄遣いであり、国民のある意味じゃ益に反するということは明らかでございますし、予算の適正な執行からいっても問題であります。また、新規参入を阻むという意味では、やっぱり談合というのはあってはならないんではないかなという感じがしないわけではございません。
 冒頭でございますが、いわゆる官製談合防止法案と呼ばれているわけですが、そもそもこの中での官製談合とはどういう定義なのか、そしてこの法案によりどのような事案の改善が期待されるのか、伺いたいというふうに思います。
#9
○衆議院議員(林義郎君) この官製談合防止法案は通称でございまして、官製談合というような言葉は本法律案の中では使われておりません。
 官製談合というのは、そもそも話が始まりましたのは、先ほど法律案の提案理由の中で申し上げましたように、北海道上川支庁発注の農業土木工事談合事件において、発注者側が受注者に関する意向を示した等の事実が認められ、公正取引委員会が北海道庁に対して改善要請を行った事件がきっかけとなりまして始まったわけでございますが、官が民間の談合に関与してはならないというような趣旨でございまして、その趣旨もいろいろと検討した結果、法律の中では、談合の明示的な指示、受注者に関する意向の表明、発注にかかわる秘密情報の漏えいのいずれかに該当するものを入札談合等関与行為として規定をしておりまして、こうしたことについて排除していかなければならない、これについては損害賠償なり戒告などの処分等をいたしていくと、こういうふうに考えておるようなのがこの法案でございます。
 そういった意味で御理解を賜れば有り難いと思います。
#10
○若林秀樹君 どの程度まで官製談合というものがこの法律によって改善されていくのかということについてもお伺いしたところではございますけれども、併せまして二番目の質問の中でさせていただきますので、もし必要があればお答えいただきたいなというふうに思います。
 次の質問は、なぜこのような違法行為が生まれる体質があるのかどうか、この本質的な原因、それについてお伺いしたいと思います。
 単純には談合が発生するというのは分かるんですけれども、根本的な、本質的な原因というのは、私は今のこの発注側にもやっぱりあるんではないか、その辺をどんなふうにとらえていらっしゃるか、お伺いしたいというふうに思います。
#11
○衆議院議員(林義郎君) 若林先生から先ほどお話がありましたように、我が国にあるところの談合体質というか、要するに民間の中で話合いをしてやったらどうかと、衆議院でも話が出ましたけれども、天の声というのが日本にあると。競争ではなくて、やっぱり発注をするときにはそういったことがいろいろ言われるというような日本的な体質も私はあったんだろうと思います。しかしながら、やはり国又は地方公共団体が発注する工事については公正、適正な形でやっていかなければならない、天の声によって勝手にされたんじゃおかしいぞと、こういうふうなことであります。そういったことがだんだんだんだん出てきた。
 特に、そういったことに関連いたしましては、公正取引委員会が持っているところの競争政策、競争によってやりましょう、こういうふうな物の考え方がありますから、その考え方もやっぱりルールとしてやっていかなければならない、こういうふうなことでこれから考えていかなければならないだろうとかねがね言われておりまして、こういった談合に国が関与するというのがそうそうあるんじゃないかというような話。特に、私は思いますのに、国、地方公共団体の中で、特に地方で、小さなところにおいては、やっぱり自分のところの町村の中の人に仕事をやってもらいたい、またその地域の産業振興というようなことも考えなくちゃならないというのは市町村長等の私は一つの役目だろうと思うんです。
 そういったことでありますから、勝手にやっていいということではないから、そこをどういうふうに調整をしていくかというのがこれから難しい話であると、私はそう思っていまして、それが、特に昨今いろんな官公需等が出てくる、それについて社会的な批判が相当出てくると、こういうことで私はできたこと、問題になったものだと、こう思っておるところであります。
 特に昨今は、政治家の、国会議員の秘書等がいろいろ口利き等で関与しておると、こういうふうな話がありまして、これについての社会的な批判も相当あると、こういうこともありますから、そういったことについてこれから考えていかなければならないという形で話をしたところであります。
#12
○若林秀樹君 ありがとうございます。
 正に、鈴木宗男議員をめぐる疑惑に際しても、本来、公正であるべき政治家なり秘書が関与しているということもある、その結果、結果的には社会的な体質になっているんではないかなというふうに思いますが、一方で、受注側、発注側のモラルの低下も原因になっているんではないかなというふうに思います。
 あわせまして、次の質問、伺いたいと思いますが、先ほどの法案、提案理由の中にもありましたが、昨年三月より与党三党においてプロジェクトチームが発足して議論されてきたというふうに伺っております。官製談合の防止に関する中間取りまとめという意味では昨年の六月にもう既に発表されているわけでございます。そのときのコメントを見させていただきますと、新法を次期国会、すなわちここで言う次期国会というのは臨時国会だというふうに思いますけれども、提出する方向で関係者間の意見調整を図りつつ、細部について引き続き検討していくことにしたということになります。
 そういう意味では、昨年六月から数えれば、与党三党が合意してから今回まで一年近く掛かっているわけでございますので、何ゆえにこの法案が提出に一年近く掛かったか、それについての理由、経緯についてお伺いしたいというふうに思います。
#13
○衆議院議員(林義郎君) 正に御指摘のように、昨年の三月からこの法案をやろうということで、自民党、公明党、保守党の三党で政策責任者のお集まりがあって、それからやろう、やっていかなければならない問題だと、こういうことで始めたわけです。
 一般論として申し上げるならば、そういったおかしな談合をやったりすることはいかぬし、また談合を唆すようなことをやったり、談合をやれと言ったりなんかするような話というのはいかぬということは分かっている。じゃ、どこまでが談合なのか、どこまでが唆しなのかというような話を更に詰めていかなければ非常に困る話ではないか。また、それに対してどの程度の重い罰則を与えていくか、またどういうふうな格好でそれをやっていくのか、どういうふうな形で調査をしていくのかというようなことを再三にわたって詰めてきたところであります。
 そういったものを詰めていかないと、悪いぞと言っても、それじゃそんなことを言われて、どうもここは談合をしているぞと、それで、だからおかしいぞと、こういうふうな、ほかの人が町の中で言い出すと。こういったものも全部官製、役所が言っているからみんなやっているんだと、こういうふうな話になる。それも町の中で言っている声で、すぐに悪いぞということではなかなかない。やはり、そういった事実があって、こうしたことをやってやるということでなければはっきり悪いということは言えない。いたずらに、うわさが立ってそれでやるなどということになったんじゃ、また行政として一生懸命やっている方も困るし、またまじめに仕事をしていこうというふうな人も困るわけでありますから、その辺をどういうふうな形でやっていこうかなと、こういうことでいろいろと検討した結果であります。
 特に、私たちは、これの問題が一つありますのは、この公共工事というものは国の方の仕事としてもいろいろやっている、多いのは地方公共団体でやっている。地方公共団体の実情もいろいろ聞いてやらないとおかしなことになってもいかぬだろうということで話をしたところであります。地方公共団体という形で知事会、市長会、また町村長会等から度々お越しをいただいてお話を聞く、またそれらのところを代表する知事さん方、市町村の代表の方々にも来ていろいろと御議論をしていただいたところであります。そういった議論を重ねる上にいろいろ話が出てきたと、こういうことであります。
 特に、私が言いますと、地方の小さなところで言いますと、何でこんなことを我々のところでやらなくちゃいかぬのだ、我々に任せておいてもらえばいいじゃないか、こんな法律をわざわざ作る必要もないではないかという議論が最初はありました。だけれども、それはやっぱりおかしな形での談合をしたり、やったんじゃいかぬぞと、こういうふうな話をして、いやそれは確かにそのとおりだ、しかしそれはわざわざ法律を作らなくても我々がぴしゃっとやりますよと、こう言う。我々がぴしゃっとやると言って、だれがそれを保証するんだというような話等から始まりまして、その辺をずっと議論していった結果がこういったような形になってきたところであります。
 この点につきましては、正直申しまして、国会議員の中でもいろいろ御議論があったんです。それは、どこまでぴしゃっとやれるのかねと。それからもう一つ言いますと、公正取引委員会みたいなのが、分からぬ者が、仕事もやったことのないような人がやって分かるのかねと、こういうふうな議論まで実は中ではあったんです。そういったことを、やっぱり一つ一つ整理して、本当に正しいことをやるのはどういうことだということでやってきたということ、そういった形でやりましたので非常に時間が掛かってきたと、こういうことであります。
 特に時間が掛かりましたのは、損害賠償を、官製談合して悪いことをした、賠償を求める、そのときに、一体、受注者側に対しても賠償を求める、損害賠償を。しかし、官に対してどういうふうな損害賠償をどうして求めてくるかというような話であるとか、どの程度の懲戒処分をするのかとか、どういうふうな調査をするのかというところをきめ細かく議論していくとなかなか難しい問題がありまして、その線で思い掛けない時間が掛かってきたということで御報告をさせていただきたいと思います。
#14
○若林秀樹君 御丁寧な御説明ありがとうございます。
 そういう意味では、党内あるいは関係者間の調整に想像以上に時間が掛かったということではないかなというふうに思います。その関係で、調整に時間が掛かったという意味では様々な御意見が出たんじゃないかなというふうに思いますが、既に私が次の質問をしようと思った内容についてお答えはいただいていると思いますけれども、加えて、各省庁、地方公共団体、そして業界団体等からこの法案に関しての御意見がありましたら、今の林議員のコメントに加えて何かあればお願いしたいと思います。
#15
○衆議院議員(逢沢一郎君) 今、林先生の方から概括的に答弁をさせていただいたわけでありますが、我々二十回近く集まりまして勉強し、あるいは議論を重ねてまいりました。国交省あるいは農水省、何度もおいでをいただいた。そして、やはり地方の声を聞かなきゃいけないということで、小さな村、村長あるいは町長さんからも御意見を承ったわけであります。
 そういった声を大別すると、以下の三点について強い意見が出されました。
 一つは、今、林先生からもお話がありましたように、何も新しい法律を作らなくても、例えば談合罪、談合の共犯ということで刑罰を加えることができる、刑法の対象になるではないか、そういった強い声。それから、いわゆる何をもって入札談合関与行為とするのか、この定義は明確にしてほしい。いわゆるグレーゾーンというんでしょうか、こういう行為は関与行為になるのかならないのか分からないようなことでは安心して発注業務に携わることができない、非常に強く出されました。当然のことだろうと思います。そしてもう一つは、いわゆる職員に対する損害賠償請求。必要に応じては賠償してもらおう、損害を賠償してもらおう、こういうことであります。じゃ、どうやってそれを計算していくのか。大別すると、ほかにもいろいろございましたけれども、その三点について強い意見が出されました。
 簡単に申し上げますと、刑罰の対象になれば当然刑法が待ち受けておると、こういうことでありますけれども、それはあくまで悪質な職員の個人の責任を追及する、それにとどまる。やはり我々の考えとしては、組織的な改善措置を通じていわゆる官製談合というものをなくしていく、そのためにはやはり新しい法律が必要だ、そのように物事を整理をさせていただきました。また、入札談合関与行為、これについても既に御答弁を申し上げましたように、いわゆる談合の明示的な指示あるいは発注者に関する意向の表明、そして秘密情報の漏えい、この三点に絞ったということで明確化を図りました。
 損害賠償額の算定方法について、これは結論から言うと、個々の事案に即してやっていかなきゃならぬわけでありますけれども、判例の蓄積も進んでおりますし、公取の協力もできる体制をこの法律で明示をしたわけでありまして、十分損害賠償額の算定は実務的に対応可能であるということで関係の皆様の御理解をいただいたと、そのように理解をいたしております。
#16
○若林秀樹君 ありがとうございました。
 次の質問をちょっと飛ばさせていただいて、その次の民主党案に反対した理由についてお伺いしたいと思います。
 民主党の方は昨年の十一月に同様の法案を提出しており、今回もそれを否決されたということで伺っているところでございます。ある意味では、民主党の方が広く厳しく中身は、私は、なっているんではないかということがありますが、どちらかといえば、我が党の法案よりも少し甘い内容の法案に落ち着いたというふうに思いますけれども、我が方の提出した法案のどこに問題があったのか、なぜ反対されたのか、その理由について具体的にお伺いしたいと思います。
#17
○衆議院議員(逢沢一郎君) 衆議院の段階では民主党の法案も同時に審議をした、そういう経緯があるわけでありますが、与党三党の法案と民主提出の法案、細かいところを別といたしますと、二つの大きな違いがあったというふうに認識をいたしております。一つは、いわゆる談合が行われるおそれがあることを知りながら防止措置を講じないといういわゆる不作為について、民主党案ではこれも、不作為についても入札談合等関与行為、関与行為の中に取り込む、こういう提案であられたと思います。そしてもう一つは、損害賠償請求の要件を与党案は故意又は重過失、重い過失というふうに位置付けておりますけれども、民主案は故意又は過失という法案の内容であったというふうに思います。
 まず一番についてでございますが、与党もいろいろ議論をいたしました。国民の関心の強い部分であるということもよく承知をいたしているわけでありますが、とにかく、先ほど申し上げましたように、何をもって関与行為とするのか、やっぱりここは明確でなきゃいけない。あいまいさ、あるいは判断に迷う、こういうことがあってはいかぬということであります。その背景には、当然職員の責任が追及をされる、懲戒になるかもしれない、あるいは損害賠償を請求される、そういう可能性もあるわけでありますから、やはりあいまいなことではいかぬということで、ぎりぎり詰めたところ、何をもって不作為であるか、これは定義し切れないということに我々与党としては結論を導かざるを得なかったということを率直に申し上げておきたいというふうに思います。
 また、故意又は過失というふうに民主案ではなっておるわけでありますけれども、執行する、発注する職員の立場に立ったとき、自信を持って萎縮せずにその業務に当たることができるかどうかということを考えた場合、やはり過失ということでは問題があるというふうに最終的に判断をいたしたわけであります。
#18
○若林秀樹君 二点あったということですが、最初の方の不作為の点についてお伺いしたいと思います。
 現実的には、不作為による様々な談合が私は結構多いんではないかなという感じはしております。昨年の今ごろ、六月ぐらいに根來公正取引委員会委員長のインタビューの記事がありまして、不作為は公務員の義務違反になり、行政処分の対象だとおっしゃられているわけでございます。
 やはり不作為をどう認定するかというのは非常に難しいというふうに思いますが、現実的にはそのことによって発生しているのも事実だと思いますし、毎年同じ工事を発注しながら常に業者が変わる、あるいは予定価格に非常に近い状態が続いている、あるいはそういう情報が入っても何もしないということによって、私は談合の体質の根絶できていないその部分にやっぱり問題があるんではないか。定義し切れないのは分かるんですが、やっぱりそこにはっきりとしたメスを入れるということが民主党としては私は必要ではないかということで、ああいう法案になったんではないかなというふうに思います。
 根來委員長も、不作為をどう認定するか非常に難しいと、全く手が付けられていないと。新たな法律でそこを整理し、処罰のルールを作ることは私は非常にいいことだと思うとおっしゃっているわけでございます。基本的には議員立法だから我々がどうなるとは言えないけれども、与党の話合いに期待しているし、その方向で議論が進んでいると思うというふうにはっきりおっしゃっているわけですね。
 ですから、去年の六月の時点で、公正取引委員会と与党の三チームでやっぱりここはやるべきだという話が私はあったんではないか、その延長線上で議論があったんではないかというのが今回の、根來公正取引委員会委員長の当時の発言にあったんではないかなというふうに思いますが、その辺の経緯についてもう少し具体的にお教えいただければ有り難いなというふうに思います。
#19
○衆議院議員(逢沢一郎君) 与党三党の議論でも大変真剣にまじめに不作為について関与行為の中に取り込めるかどうか、あるいは取り込むべきかどうか、随分ここは議論を重ねました。
 率直に申し上げて、私自身も与党三党のPTの会議の中で、不作為を入れなくていいのかどうか、そういう問題提起もさせていただいた経緯もあるわけであります。しかし、結論から申し上げますと、何をもって不作為なのか。いろんなことありますよね、風評もあれば垂れ込みもある、あるいはかなり確度の高い談合情報の提供もある。法律を作る以上、やはりあいまいさ、グレーゾーンがあってはいかぬ。そういうことをぎりぎり詰めたときに、この不作為というものを関与行為の中に取り込むということでは今の段階ではやはり無理がある、そのように結論を付けたわけであります。
 しかし、御指摘のように、国民の関心もその部分については大変強いということは与党としても理解をいたしているわけでありまして、ある意味では今後の検討課題というふうに認識をいたしております。
#20
○若林秀樹君 是非、今後の検討課題というふうにありましたんで、この状況を、推移を見て、また必要なところはやっぱり正していくという姿勢が重要ではないかなというふうに思います。
 時間も迫ってまいりましたんで、次の質問に移りたいというふうに思いますが、具体的な改善措置、その中身についてお伺いしたいと思います。
 個別なケースによっていろいろ違うだろうというふうに思いますけれども、今回の第三条によりまして、「入札談合等関与行為を排除するために必要な入札及び契約に関する事務に係る改善措置を講ずべきことを求める」ということがありますんで、どんな改善措置を想定されているのか、お伺いしたいと思います。
#21
○衆議院議員(伊藤達也君) 改善措置につきましては、今、先生からもお話がございましたように、個別のケースによっていろいろ違うと。したがって、ケース・バイ・ケースでやはり判断をしていかなければいけないというふうに考えております。ただ、その中で、例えば組織内部における内部規則の見直しでありますとか、あるいは職員の周知徹底、入札契約に関する第三者による監視機関の設置、そして入札にかかわる情報管理の徹底等が挙げられるんではないかというふうに考えております。
#22
○若林秀樹君 全体的には事後的な改善措置ということが中心になっているんで、そもそも事後的な改善措置ということを言うんであれば、やはり防止という意味での私は事前の仕組みづくりが重要だなというふうに思いますんで、併せて、それは今回の法律とは別ですけれども、そういう事前の防止案ということも今後大いに検討していくべきではないかなというふうに思います。
 次なんですが、もうこれで最後になる可能性もありますけれども、公正取引委員会の現行の業務体制についてお伺いしたいと思います。
 今回も第三条におきまして、公正取引委員会は、入札談合等の事件についての調査の結果、関与行為があると認められるときは、各省各庁の長等に対して改善措置を求めることができるということでございます。そういう意味では、よりきめ細かな調査というのも公取も必要なことではないかなというふうに思いますが、現実的には、現在でも人員が足らないような状況でございまして、事務所も全国に八か所でございますか、こういう入札談合等が特に地方で現実に発生しているということを考えますと、私は、今の体制の中で本当にこの趣旨に乗っかった調査等が公取にできるのかどうか私も疑問な点がありますんで、この点については、やはりこれ入口の原則論のところの部分ですんで、まず御意見を伺いたいなというふうに思います。ここは公取と発議者両方お伺いしたいと思います。
#23
○衆議院議員(遠藤和良君) 今回の法律案は、いわゆる公正取引委員会の業務を追加するというより、むしろ業務を円滑に進めていくと、こういう性格の法案でございます。つまり、公正取引委員会は、通常の業務としていわゆる入札談合等事件の調査をしておりまして、その調査の過程の中で、いわゆる発注者側の談合関与があるのではないかと、こういう推定をされるときに、それに対して調査の指示をする、あるいは改善の措置を命ずると、こういうふうなことでございまして、直接それを公取が行うというものではないわけでございまして、発注者側の協力を求めると、こういう性格のものでございます。
 今後、いわゆる公正取引委員会の人員のことにつきましては、これはむしろ、こうした法案に対して今後どういう対応をするかということでございまして、公正取引委員会の方で直接検討されるべき問題だろうと、このように思っております。
#24
○政府参考人(上杉秋則君) お答えいたします。
 公正取引委員会の体制につきましては、平成十四年度の予算におきまして、審査部門二十八人の増員を含めて四十人の増員が図られております。かなり強化されてきているわけでございますけれども、まだまだ現在の業務の処理で手一杯という感が否定できないところでございます。
 公取といたしましては、こういった問題に対して、職員の研修の充実とか、外部からの人材の登用など、質の向上にも努めているところでございますけれども、今後とも、関係当局の御理解を得つつ、一層の体制整備を努めてまいりたいと考えております。
#25
○若林秀樹君 時間ですので、質疑はこれでやめたいというふうに思いますが、いずれにしましても、民主党の案よりはどちらかというと与党三党の方は緩やかな案になっています。確かに緩やかにならざるを得なかったいろんな事情もあろうかと思いますけれども、この法案の趣旨にのっとって、今後の中で鋭意いいものにしていくということでよろしくお願いしたいと思います。
 質問終わります。
#26
○荒木清寛君 本法案は、昨年二月に我が党が立法化の方針を表明しまして、その後設置されました与党プロジェクトチームのメンバーの方々の精力的な活動によりまして国会提出に至っております。関係各位に敬意を表します。
 そこで、まずお伺いいたしますのは、公共事業をめぐる昨今の様々な問題の中で、政官業の三者の関係の適正化ということが大きな課題でございますが、この問題の解決に向けまして本法案がどのような効果を発揮をすることが期待されるのか、まずお伺いいたします。
#27
○衆議院議員(林義郎君) 今のお話でございますが、前々からあった話、先ほど申しましたような日本の体質にも属するような基本的な問題まで考えて、入札談合というものをやめる、それから官の関与についてもいろんな規制を加えていくというふうな形でやりました。こうした形でもっていろいろと新しい体制、公正な体制を是非作っていこうと、こういうことでやってきたところであります。
 そういった意味で、先ほどお話がありましたように、もう少ししっかり不作為までやったらどうだと、こういうふうなお話ありましたが、その辺につきましても、一体どこまではっきりやれるのかどうかというようなことを考えて、これ議員立法ですから、議員立法で出したんだから、またもしもそういったことで皆さん方で、議員の中でここはこういうふうにして抑えたらどうだという話があれば、当然議員立法としてやれる話であるし、法律を作るのは我々議員ですから、そういった形でやれると、こういう形の下で私たちはやっていかなきゃならないなと、こういうふうに思っています。
 こういった形で、談合行為が行われる、あるいは官製談合関与行為が行われることについて新しい規制を加えていくということがやはりはっきりしてきたということは、私は一つの前進だと思いますし、またそういった形によりまして、昨今ありました秘書の口利き行為云々というものについても、世間がやっぱり非難する。それ自身の法律もありますけれども、こういった形で、実態を規制をしていくという形ではっきり国民の間でコンセンサスができてくることを私どもは期待をしておるところであります。
 こうしたことによりまして、私は、全体としての談合関与行為あるいは談合行為に対するところの規制というもの、考え方というのが変わってくる、こういったことを期待をしたいところであります。
#28
○荒木清寛君 衆議院で審議をされました民主党案と本案の差異の一つがこの入札談合関与行為、第二条の中にございますが、その中に不作為を含むべきかどうかという点が対立点であったというふうなお話がございました。
 関連してお尋ねをいたしますが、第二条四項に規定をされております「入札談合等」の定義につきましては、「入札、競り売りその他競争により相手方を選定する方法」云々というふうにございます。この中の「競争により相手方を選定する方法」には、当然この一般競争入札、指名競争入札は含まれると思いますが、そのほかにどのような発注方法がこの法案の規制の対象となるのでしょうか。
#29
○衆議院議員(遠藤和良君) 一般的には一般競争入札及び指名競争入札が挙げられるわけですけれども、そのほかですね、そのほかは随意契約ですけれども、事業者等指名して見積りを徴収いたしまして、その当該見積りで示された金額を単純に評価して契約先を決定する形態のもの、よく言われるんですが、これは指名見積り合わせというんですけれども、こうしたものが含まれると、こういうことに考えております。
 このような形態の随意契約というものは、実質的に競争入札と変わりませんし、公正取引委員会におきましても、従来から指名見積り合わせに係る談合事件を入札談合事件として取り扱ってきたところでございまして、今回もこの法律の対象としているところでございます。
#30
○荒木清寛君 次に、入札談合等関与行為につきましては、御説明のありましたように三類型になっております。そうしますと、それ以外の抜け道が横行するというような心配はないのでしょうか。
 例えば、特定の業者しか事実上落札できないような方法で発注するといったことは恐らくこの法律の規制の対象外であろうかと思いますが、そういう抜け道探しが行われるというような危惧はございませんか。
#31
○衆議院議員(江田康幸君) 今申されましたように、抜け道というのが今後懸念もされるわけでございますが、何が問題行為となるかはまず法律で明記するということで、現段階ではこの三類型を規定させていただいたところでございます。また、もし新たに問題となる行為類型が今後出てくれば、その際に法改正によって、これは議員立法でございますので、法改正によりまして対処すべきものと整理をしております。
 今までも議論の中で二十種類ぐらいに及ぶ類型と申しますか、そういう事例をこの与党の中でも、PTでも検討してきたわけでございますが、なかなかそれ以外のものということに関しては定義が、先ほども申し上げておりますようにできないと。この行為類型に該当しない行為についても、従来どおりの公正取引委員会が事実上の改善要請で対応することは可能であるわけでございまして、公正取引委員会において必要な対応を続けていくということでございます。
 今後、また新たな類型については検討を続けていく、見直しもしていくということでございます。
#32
○荒木清寛君 今、お話もございました第三条の公正取引委員会の改善措置の要求等についてお尋ねをいたします。
 従来からもちろん公正取引委員会は、いわゆるこうした官製談合等の情報が寄せられた場合には、発注機関に対しまして法律に基づかずに改善を要請をしてきたということはありますが、なかなか発注機関側の真摯な対応が確保できていなかったというふうに伺っております。
 そこで、今回の法律案では、こうした改善措置要求が実効性を上げるためにどのような措置を盛り込んでいるのか、御説明願います。
#33
○衆議院議員(逢沢一郎君) 委員御指摘のように、本法律案三条四項で改善措置を講じなくてはならない、そして六項でその内容を公表する、そして公取に通知をする、そういうふうに明記をさせていただいたわけであります。
 この法律案の精神として、公取から指摘を受ければ、発注機関、例えば国土交通省でありますとか、県あるいは市町村当局が自ら事実関係を調査をする、そして関与行為が明らかになったときには自らの行動で具体的な改善措置を決定をする、その精神をずっとこの法律で貫こうと、こういうことでございます。そして、先ほども申し上げましたように、三条六項でその改善措置を公表し、そして公取に通知をするということで改善の中身がしっかり担保をされると、そういう仕組みになっておるということを是非御理解をいただきたいと存じます。
#34
○荒木清寛君 法案の検討過程では、この改善措置要求等に関しまして、中傷、デマなどの虚偽の情報が公正取引委員会に流れ、風評被害につながるのではないかというような懸念がいわゆる発注者側から指摘されたと聞いておりますが、こういった心配はありませんか。
#35
○衆議院議員(江田康幸君) 本法案におきます公正取引委員会からの改善措置の要求につきましては、受注者である民間事業者の談合が実際にあった場合に限って行われるものでございます。すなわち、受注者側の談合があった場合において、発注機関側がこれに関与していたときに公正取引委員会がその改善措置を求めるという内容でございますから、本法案が風評被害につながるというようなことは考えられないと思っております。
 また、公正取引委員会が発注機関に改善措置を求めるときには、その内容及び理由を記載した書面を交付するということになっておりまして、虚偽の情報を基にこの要求がなされるということはないということでございます。
#36
○荒木清寛君 この改善措置を発する場合の、要求する場合の公取の調査結果と、その結果公表されました発注者側の調査結果の内容が異なった場合にはどのような対処になるんでしょうか。
#37
○衆議院議員(逢沢一郎君) 公取の指摘を受けて、当該発注機関が問題があるかどうか、そういうことを調べるわけであります。その調査の結果、関与行為が認められないという結果が導かれたとすれば、それは発注機関の責任においてその調査の結果を公表する、あるいは公取への通知ということになるわけでありまして、法律はそのように規定がされておるということであります。
#38
○荒木清寛君 次に、第四条の職員に対する損害賠償の請求等についてお尋ねをいたします。
 先ほど、この責任の要件が故意、重過失である、その点が民主党案と異なっておったというような御指摘もありました。そこで、職員個人の責任追及を行うということを考えますと、民事、刑事、両方の責任があるわけでありまして、刑事責任というのがより厳しい制裁であろうかと思いますが、公務員個人の刑事罰についてこの法案で言及していないのはなぜでしょうか。
#39
○衆議院議員(逢沢一郎君) まず御理解をいただきたいのは、このいわゆる官製談合防止法案は、いわゆる悪質な関与職員の個人の責任を追及をしていく、それを主な目的とした法案ではない、こういうことであります。あくまで、いわゆる官製談合を将来に向けて排除していく、そういうことが起こらないようにしていく、しないように職員の方に注意をしていただく、そういう法律であるということを是非御理解をいただきたいというふうに思います。
 したがいまして、公取から指摘を受けたその当該発注機関は自らの責任において改善措置を講じていく、こういうことでありまして、そこに私どもが提案をさせていただいた法律案の精神があるということを是非御理解をいただきたいというふうに思います。
#40
○荒木清寛君 恐らくは、悪質な場合とは、従前の刑法の談合罪に対しての共犯といいますか、そういうこともあり得るのかと思います。
 そこで最後に、第七条で規定をされております関係行政機関の連携協力、官製談合の防止に向けての協力でございますが、これは具体的にはどのようなことを想定をしておりますか。
#41
○衆議院議員(逢沢一郎君) 私どもは自信を持ってこの法律案を提出をさせていただいたわけでありますが、やはり全国に三千以上ある市町村それぞれが発注業務を行っているわけでありまして、国の機関あるいは四十七都道府県も同様なことであります。まず、この法律案の中身を周知徹底をする、そういうことが施行に向けて必要になると、こういうことでございますが、公取あるいは国土交通省、あるいは地方を所管しているのは総務省でありますから、こういった機関が連携をしながら周知徹底を図っていく、大変な重要なことというふうに思います。
 また、損害賠償の運用について、公取のやはり具体的には協力というものを求めるということになろうかと思いますが、そういうことがもちろんスムーズにいかなくてはなりませんし、公取と会計検査院の間の連絡も密にして、連携を強化をしていただく、そういうことをこの七条の中で私どもは想定をしておるということを御答弁を申し上げておきたいと存じます。
#42
○荒木清寛君 本法案につきましては、公共工事等における入札、契約の適正化、健全化の第一歩として高い評価ができると考えております。
 しかし、先ほど来答弁がございましたように、今後の運用状況を見つつ、立法府としても必要な改正を今後視野に入れて運用をしていかなければいけない、このように考えることを表明いたしまして、私の質疑を終わります。
#43
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 官製談合を防止するための法的措置を取ることは賛成でございます。ただ、問題は、その内容が国民の期待に十分沿ったものになっているかどうかということだと思います。
 この提案理由の中では、本案検討のきっかけになったのは二〇〇〇年五月に公正取引委員会が排除勧告を行った北海道上川支庁発注の農業土木工事談合事件であるとしておられます。少し振り返ってみますと、この事件はどういう事件だったかということなんですが、公正取引委員会が全国で初めて二〇〇〇年五月の十五日に官製談合だということで勧告を行ったケースですね。排除勧告は二百九十七社に及びました。談合のあった事業数というのは公取が確認しただけでも二千三百三件、総額約六百九億円ということでございます。しかも、これは上川支庁以外の全庁で恒常的に談合があったと北海道庁そのものが認めている事件でございます。
 そこで、配付をさせていただいた資料をちょっと見ていただきたいと思います。この資料というのは、公取が押収して返還した資料ですね。北海道の上川支庁が公表した分なんですけれども、実は段ボール箱にたくさんあるというようなもののごく一部にしかすぎません。私がこれを見せていただいて驚いたのは、内容も内容なんですけれども、お手元の、ページが上の方にちょっと打っておりますので見ていただきたいんですけれども、黒塗り、まるで墨塗りですね。これは薬害エイズのときにも、私、厚生委員をやっておりましたけれども、こういう資料が出てまいりました。
 正に不気味な資料だということなんですが、これが、上の方を見ていただきますと百二十六の四の資料の一部ということになっているわけなんですが、この黒塗りのところの九月二十九日、この黒塗りになっているのは企業名ということで黒塗りになっておりますが、鈴木K、Kというのは国会議員のイニシアルというか、役目なんですね。「目標二百としたが別紙の通り。」となっておりまして、下の方は中川Kという名前が出てまいります。二枚目にも中川Kというふうに出てまいりますね。Dというのは、これは道議のイニシアル、北海道議のイニシアルですね。こういう形で黒々と塗られている資料、これはごくごく一部でございます。
 この資料を、北海道農政部の上川支庁は、一枚目の表題を見ていただきますと、「公正取引委員会から還付された資料の点検結果」となっておりまして、中身を分析しているわけです。その報告の八ページをごらんください。見ていただいたその黒々となっているところの点検を行った結果をこちらに書いているわけですね。
 少し紹介させていただきますと、「本資料は、道職員や外部の者からの要請等の内容とそれに対する考え方等がメモされているものであり、設計課の参事組織において十一年四月以降に作成し、保有していたものである。」。
 その後、「技監などに対し、議員や業者等から電話や来庁により各種の照会や要請が行われた際の内容について、後に口頭で知らされることが多かったことから、職務を執行する上で忘れることのないようにメモし、併せて、当該業者の実績等を調べ執務上の参考としていたものであった。」と述べています。
 更に続きます。「外部からの電話や来訪があった場合には、適宜、担当職員にその内容を知らせていたが、その際、「業者と議員の関係を推測したもの」や「話の内容から業者の紹介だけではなく指名参加も意図しているのではないかと推測したもの」、「来庁した業者等の話から議員との関係を推測したもの」、さらには、「前任者からの口頭による引継ぎのもの」もあったことが確認された。」。次のページですね、「なお、要請内容に対し、見解として「対応を検討しているもの」、「目標額の増を予定したもの」も見受けられるが、一方では、「指名は難しい」、「無理」といったもの」もあったということで、この墨塗りのあるところに見解、見解、見解とずっと並んでおりますけれども、その見解はそういう要請に対してどのように対処したかというメモなんですよね。これは非常に重要なメモだと思います。
 それで、特に十ページ目のところには「知事の名が記載されていたもの」、「資料に知事の名が記載されていたものは、五件あった。」というようなことで、これは非常に組織ぐるみといいますか、北海道庁絡みといいますか、非常に恒常的に行われていたということが分かる資料、これは公表されている分だけでございますが、こういうことが分かります。
 そこで、提案者の林議員にお伺いしたいわけですけれども、公表された中にも知事の名前はもちろん、自民党所属の国会議員ですね、金田議員、中川議員、鈴木宗男議員、こういう名前が出ておりますし、二十五名の道議会議員の名前もある。政治家の名前が出ているわけですね。今回の法律でこのような政治家の関与はどのような対応がされるか、措置がされるのかお伺いをいたします。
#44
○衆議院議員(林義郎君) 大変詳細なデータを出されましてのお話でございますが、今回のこの法律で関与するのは、談合がありましたと、その談合について官が関与してやりましたと、こういう形についてのことを規制をしているわけでありますから、この官というのはやっぱり一応北海道庁の職員のところの問題を言っている。したがって、国会議員が関与するといったところで、国会議員は官ではなくて私は政だと思うんです。だから、政の関与というのは別のところで、あっせん利得法その他のところで調査をしなければならないんじゃないか、こういうふうに私は思っておるところでございます。
 したがって、そこをどういうふうな形で関連があったかどうかというのは、先生がお調べのような格好でいろいろ関係があったのかもしれません、なかったのかもしれません。しかしながら、政治家、国会議員の秘書あるいは道会議員の人々、これは形の上では直接に発注行為に関係するわけではありませんから、それは口利きをしたとか何かしたということはあるかもしれませんが、それはすぐにやってない。それはしたがって、そこまでを今度やるということになるといろんなことをまたこの法律の中で書かなくちゃいかぬ。実はそういったようなこともどうしようかといって、一遍私の方のPTで随分検討したんですよ。だけど、どこまでやれるかねと、どこまでが一体その話なのかなあと。
 それで、表向きには私はそんなこと言っていないよと。やっぱり道の公共事業をしっかりやってくれと、こう言われたら、それはしっかりやりますと、こういうふうに言うことである。それも関与行為なのかどうかねというような話になってくると、一体どこまでがそうなのかと。具体的に、この工事についてこういった業者をやってくれというような話でもすればまた別ですけれども、そういったところじゃなくて、一般的にこの工事を是非しっかりやってくれと、大いに地元の業者を使ってやってくれというぐらいの話だと、なかなかそこを悪だといって確かめるわけに、道の仕事としてはそれはやらなくちゃいかぬ、その辺が非常に難しいものですから、私どももやっぱり制限をしてやったと、こういうことでございます。
 したがって、先生のお気持ちは分かりますし、そういった形でやらなくちゃいけないというような問題もありますが、どこをもって悪とするかということがやはりこの法律で、これは更にいろんなことをやっていくことにおきましておかしなことがあったら、公正取引委員会もこういった形で北海道の上川支庁の問題をとらえて挙げたわけです。そうしたことで、道庁の方にも反省を求めると、こういうことでやってきたわけでありますが、それから先の話はまた更にこれから詰めていかなければならない話じゃないかなと、私はそう思っています。
 これは、そういった意味で、特にそれは不作為とかなんとか、これは半分作為になるのかもしれないけれども不作為になるのかもしれない、こういうふうな話でございますから、私はそこをどんぴしゃりでやっていくということがなかなか難しいんじゃないかなと、そういうことでこの法案を作ったわけです。
 今のようなお話は、あっせん利得処罰法その他のところでやっていかなければならない問題じゃないかなというふうに考えておるところであります。
#45
○西山登紀子君 官製談合のセイというのは政治家の政、その官政談合というふうな言葉もできているようなこともあるわけですね。官製談合というのは政治家も絡んだ官製談合じゃないかというような言葉すら、もう国民の中に話題になっているわけですよね。
 ですから、私は、やっぱり業者とそれから官側とそれから政治家というのは、この入札談合にかかわってはトライアングルの関係にあるということは既に国民の皆さんもう見抜いてらっしゃるから、それを根絶するためにやはりこういう法案も考えなきゃいけない。
 そこで、時間がないので先に進みますけれども、こういう法案を提案している以上、提案者側の政治姿勢が問われていると思います。国会議員の名前は自民党の国会議員が出ておりますし、道議会議員の公表された名前の中には自民党以外の政党の名前もあるわけです。もちろん、日本共産党はございませんけれども。大多数は自民党議員でございますから。
 その点で、林議員にお伺いしますけれども、自由民主党の政治倫理審査会の会長をなさっていらっしゃる林議員ですから、国民の前に、こういう北海道の問題、詳細な資料もあるわけですから、まずは自由民主党自身としての調査をされて、国民の前に事実を明らかにする政治的な責任が提案者としてもおありになるんじゃないでしょうか。
#46
○衆議院議員(林義郎君) 確かに、政治家全体として、また自由民主党として、そういった官製談合関与行為が行われるということについてはやっぱり悪だと考えてやらなければならないという私は姿勢だと思います。
 ただ、私がやっていることのお話がありましたけれども、私がやっています政治倫理審査会というのは、政治家個人の政治倫理についてどうしたかということについて調査をする、またどうだということを言うところの機関でありまして、何でもかんでも皆、ほかのことを皆つらまえてやれと、こういうふうな話でもないんです。ただ、政治倫理審査会で最初に取り上げたのは加藤紘一君の話、それから鈴木宗男君の話、それをやったものですから、そういったような話でやってきた。
 私もいろんなことを考えていかなければなりません。しかし、それはあくまでも自由民主党としてどうだと、こういうふうな話。こちらの方は国会として、また国としてどうするかと、こういう話ですから、おのずから私は取扱いは違ってくるんじゃないかなと、こう思っておるところです。
#47
○西山登紀子君 これは我が党の八田議員が政倫特で十二日に質問したときに、北海道の公共事業受注企業から鈴木被告と自民党に十億円、九五年から二〇〇〇年までですね、ちょうどこういう談合が行われたときに献金されているというそういう事実もあるわけでございます。
 それで、私たちは企業・団体献金、きっぱり禁止する立場でございますし、野党としては今公共事業受注企業からのせめて政治献金禁止すべきだという法案も出してきたわけですけれども、自民党さんは反対をされておりますね。
 そこで、公取委員長にお伺いしますけれども、今回公開されている資料は三分の一なんですね。公取が押収して返却した資料の三分の一しか公開されておりませんけれども、公取が押収した資料の中に、このほかの国会議員の名前がありましたでしょうか。何人おりましたでしょうか。
#48
○政府特別補佐人(根來泰周君) これはもう十分御理解いただいていることと思いますけれども、私どもの方は独占禁止法違反の立証のために、独占禁止法の第四十六条を使いまして提出命令を掛けてそれを留置しているわけでございますので、これは一切外部に公表するつもりはございません。
 ただ、その資料はどうして出たかと申しますと、私どもが押収した北海道庁にお返ししました、そのお返しした北海道庁が情報公開関係の法令あるいはそういう考え方によって公開されたものでございまして、突き放して申し上げれば、私どもの方としては全く関知しないことでございますので、一つそういう点で御了解いただきたいと思います。
#49
○西山登紀子君 公正取引委員会もそういうのは明らかにはしない、それから返却を受けた道側も三分の一しか公表を今まだしていないということになりますと、やはり政治家の口利き、あるいはトライアングルで起こっているいわゆる官製談合、こういった真相が非常に国民の前には明らかになってこないというふうに思います。
 私は、公正取引委員会もいろいろあるでしょうけれども、やはり努力をしていただきまして、こういう談合防止のためには、どういう関与があったのかということについては事業側も官側も、それから政治家側も、その資料などで明らかになった関与行為については国民の前に報告をしていくべきではないかと考えます。
 次に、提案者に御質問をしたいと思いますけれども、公取が三条で改善措置を命ずることができるんですが、三条の四項では、それを受けた側が改善措置を取る義務が生じます。
 ところが、今度、北海道の事例ですけれども、知事は名前が出ているんですが、これは疑惑だと、自分はやっていないというようなことを言っていらっしゃいます。こういう場合はどうなるのかというのが一点。
 それから、職員に対するいろんな調査をすると言うんですけれども、今も言ったように、知事が関与しているとかあるいは各省各庁のトップが関与している場合には、自分が関与していて自分が調査を命じるというのは、これは身内調査の域を出ないと。こんなもので本当に真相が明らかになるのかという疑問は持って当然だと思います。
 第三者機関が必要ではないかと思うんですけれども、その二点について、簡潔にお答え願います。
#50
○衆議院議員(逢沢一郎君) 今回私どもが提案をさせていただいておる法律案、もう中身については御案内のとおりでありますが、公取が談合事件を調査をしているその過程で、いわゆる役人が、官がその談合にかかわっている、そういうことが明らかになれば、当該発注機関に改善をしなさい、改善措置を講じなくてはならないということを規定をいたしているわけでありまして、そのとおりに事を進めていかなくてはならない。つまり、例えば知事でありますとか市町村長もいわゆる発注機関の職員を構成をする立場であるわけでありますから、それが知事であれ市長であれ町長であれ、公取から指摘を受ければ発注機関として調査をスタートしなくてはならない、こういうことであります。
 第三者機関の在り方について、ここは議論のあるところではなかろうかというふうに思いますけれども、あくまで、先ほどの質問者にも答弁をいたしましたけれども、発注機関が自ら、自らのこととして組織的に改善措置を講ずるということにこの法律の本旨があるわけでありまして、第三者に調査させる云々については、ある意味では今後の検討課題というふうに続けるべきであろうかというふうに思います。
#51
○西山登紀子君 この点が非常に私は甘いと、抜け穴じゃないかなというふうに思う点でございます。
 それでやはり、さっきお伺いしましたのは、知事だとかあるいは大臣本人が関与していた場合はどうなるのかということの質問にお答えになっていないんで、そのこともちょっと併せて最後にお伺いしたいと思います。
 提案者にお伺いしますけれども、北海道の官製談合について、北海道議会でも我が党道議団も一生懸命その真相の解明に取り組んでいる。その議事録を見ていますと、北海道側は、予定価格以下で契約しているから、道民や国民に被害を与えたのではないという、そういう認識にあるようでございます。
 上川支庁の落札率を見ると、九六年から九九年までは平均落札率が九九・五%、九八%というふうに予定価格にやっぱり張り付いているんですね。そして、官製談合が発覚した二〇〇〇年度はどうなったかというと、九二%、九四・九%になっているんですが、談合がなければ落札価格がもっと下がっているというふうにも予想されるような事例もあるわけですから、予定価格以下でもやはり私は損害賠償の対象にすべきだと思うわけですけれども、その点がどうかということ。
 もう一つは、損害賠償を請求すべき対象の範囲は、実行職員だけではなくて、上司、組織の責任者も含めて損害賠償の対象にするべきだと思うわけですけれども、当然、その点では知事とか大臣なんかも含まれるのではないかと思いますが、その二点を聞いて、さっきの自ら関与していた場合はどうするのかということも含めてお答えをいただきたいと思います。
#52
○衆議院議員(逢沢一郎君) 繰り返しの答弁になって恐縮でありますけれども、例えば国務大臣、その方は当然当該発注機関の職員を構成をする立場でありますから、今法律でも、公取から指摘があれば、調査をする職員を指名をして調査がスタートをするその対象になるということをはっきり申し上げておきたいというふうに思います。
 損害賠償の算定でございますが、いわゆる予定をした価格が談合によってそれより高い価格で契約をされる、そのことが明らかになれば、その当該職員の責任の割合を乗ずることによって算定がされるというふうに理解をいたしているわけであります。一つ一つの事例をどのように算定をするか、このことについても既に答弁をいたしておりますけれども、個別の事案に即して判断をしていく。
 ただ、御案内のように、民訴法二百四十八条に基づきまして、裁判所の職権によって相当な賠償額を認定することが可能になったわけであります。しかも、幾つかの判例も積み上がってきているわけでありまして、そういうものを参考にしながら損害賠償額をはじき出していくということが実務的に可能になっているということを是非御理解をいただきたい、そのように思います。
#53
○西山登紀子君 ちょっと漏れている、範囲。
#54
○委員長(保坂三蔵君) そうそう、さっきの三番目の、その範囲はどこまで。
#55
○衆議院議員(逢沢一郎君) 大変失礼をいたしました。
 何をもって入札談合関与行為とするか。その経緯については既に議論をさせていただきました。いわゆる三類型、談合の指示、あるいはまただれが受注をするか、そのことについて具体的に明示をしていく、そして重要な情報について漏えいをする、その三類型に限定をいたしているわけであります。また、その限りにおいてそれは非常にクリアということでありまして、そのしてはいけない関与行為に触れた、具体的に言えば個人、職員があくまで損害賠償請求あるいは懲戒事由の調査の対象になると、こういうことであります。したがいまして、そのことをもって上司にまで個人的な責任が遡及をするという体系にはなっていないという中身であります。
 ただ、組織としてどう改善をするか、このことについては、公取から改善措置を講じなさいということの指示があるわけでありますから、組織として官製談合が発生をしないどのような改善措置をしたかということについてはきっちり決め、行い、そのことは公表する、そして公取も通知をすると、こういう中身でありますので、十分その辺りのことについては担保ができているというふうに私ども提案者としては理解をいたしているところであります。
#56
○西山登紀子君 終わります。
#57
○広野ただし君 自由党・無所属の会の広野ただしでございます。
 先ほど、林議員から、日本の談合体質における天の声というお話がございました。正にそういう、よく業者間で天の声というのが言われまして、それを基にいろんな談合行為等が行われているということが一般的に言われておりますけれども。
 その中で、先ほどもお話ありましたが、発注者側が、例えば政治家にいろんな話をする、あるいは各省庁のOBに話をする、業者じゃなくてOBに話をするという、そしてまたいろんな口利きビジネスと言われる、場合によっては元秘書、元政治家秘書に話をする、業際研ですか、ああいうようなところに話をすると。こういう行為は本法のところでは問題ないということになるんでしょうか。
#58
○衆議院議員(甘利明君) 政から官への働き掛けというのは、さきに改正をいたしましたあっせん利得処罰法というのがございまして、ここでは事業者の談合に発注者が関与する事例が見られるということが本法案を起草する契機になっているわけでございまして、OBが談合に関与しても発注者自身の関与とは言えないわけでございますから、この法ではOBが仕切るということについてそれを対象としておりませんけれども、仮にOBが関与した場合には、談合罪であるとか競争入札妨害罪について規定を置いている刑法などによりまして適切な措置が取られると。なお、OBが発注者の現職の職員に働き掛けを行った結果、その職員が談合に関与した場合には、その現職職員の行為が入札談合等関与行為に該当することがあるということでございます。
#59
○広野ただし君 私も倫選特であっせん利得処罰法のこともやらせていただきましたものですから、今度、国会議員の私設秘書が対象にも入るということでありますが、地方議員あるいは首長等についてはいろいろと問題があるからということで、それの私設秘書等は除かれております。いろんな意味で、今お話ありました政治家あるいはOB等の関係というのは非常にグレーゾーンみたいな話になってきて、そちらをやるときには今度は入札干渉罪というようなものがないとなかなかできないというようなことになるのかなという、一つのまた問題点なのかなと思いますけれども。
 ところで、今度の本法等においても、公取委員会の役割というのは非常に大きなものがあると思います。また、昨年施行されました公共工事の入札適正化法等も非常に重要な役割があると思いますが、公取がなかなか人員がまだ限られておって、情報収集体制といいますか、そういうものは非常にまだ脆弱だというふうに思います。
 そういうときに、例えば、公取一一〇番といったような国民なりいろんなところからアクセスしやすいような、接触しやすいような、そういう名前なりそういう体制を作っていくと。何か難しい名前の課を作っても、なかなかそこには相談に来ないんじゃないかと、こう思いますので、その点、公取委員長、どのように今対応しておられるか、またそういうお気持ちがあるのか、お伺いしたい。
#60
○政府特別補佐人(根來泰周君) 御指摘の点は正にそのとおりでございまして、私どもは談合列島と言われておりながらなかなか情報が取れないというところにもどかしさを感じているわけでございます。
 そういうことで、おっしゃるような一一〇番というような制度も可能かと思いますけれども、現在は、ホームページで情報者からいろいろ情報をいただける方法とか、あるいは各地の商工会議所、これは国会からの御示唆もあったわけでございますけれども、商工会議所等と連携いたしまして情報の収集に努めているところでございますが、更に工夫をいたしまして、これ以上更に情報を集めるように努力したいと、こういうふうに考えております。
#61
○広野ただし君 それと、言葉が悪いんですけれども、やはり官庁内において違法行為が行われる、そのことについて非常に正義感のある人が内部告発をするというときに、やはり長い慣習に染まっているわけですので、そういう人は非常に白い目で見られる、そしてまた、いろんな意味で差別的な待遇を受けると、こういうようなことが往々にしてあるんではなかろうかと思います。各党において、言葉は悪いんですが、そういう正しい行為をやる場合の内部告発者に対して保護的な措置を講じたらどうかというようなことが現在検討されております。
 実際また、談合情報を談合の中に入っていた人が告発をした場合、罪の軽減が欧米諸国では行われているわけでありまして、国家公務員あるいは地方公務員において、あるいは関係団体における違反行為を告発をした場合のいろんな意味で不利益処分等が行われたり、そんなことのないように、人事院ではどのように見ておられるか、お答えいただきたいと思います。
#62
○政府参考人(佐藤壮郎君) 御承知のように、刑事訴訟法第二百三十九条では、公務員は「その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」というふうに規定されております。私どもは、この条文の持つ意味というのは非常に重いというふうに認識しております。また一方では、国家公務員法におきましては、職員に対して降任とかあるいは免職とか、人事上非常に、処分をするときには法定の理由以外にはそういう処分をしてはいけないというふうに規定されております。
 私どもは、各省庁におかれても、この条文の、これら法令の趣旨を十分に理解されて公正な人事をされておるし、また今後ともされるというふうに確信している次第でございます。
#63
○広野ただし君 日本はあくまで和をもって尊しとなすと、こういう国でありますから、同じかまの飯を食ったところで、いかにこういう違反行為があっても、なかなかそこはちょっと目をつぶっておこうかなと、こういうのがどうも日本の風習であります。しかし、やはり違反行為があるときに、国民の側に立ってここはひとつしっかりとしたものに正していかなきゃいけないと、こういう正義感のある人をやはり守っていかなきゃいけないと、こういうふうに思いますので、是非その点、人事院等でも気を付けていただきたい、このように思います。
 そしてもう一つ、この本法とともに非常に重要な、昨年施行されました公共工事の入札適正化法、ここでは、土木建設業界で非常に常習化しております丸投げですね、丸投げ行為というのを禁止すると、こういうことになりました。そしてまた、私の地方では頭はつりと言っているんですが、下請がもう非常にひどい目に遭う、頭をばさっとはつられるような、いわゆるピンはねというものがまだまだ一杯見受けられるわけですね。
 ですから、昨年せっかく法律が施行されたのに今一体どうなっておるのか、国土交通省さん来ておられますので、佐藤副大臣。
#64
○副大臣(佐藤静雄君) いわゆる丸投げは、施工の責任関係を非常に不明確にいたしますし、工事の質の低下を招くことにつながってしまいますし、更に労働条件の悪化にもつながります。これはもうどんなことがあっても丸投げは慎むよう、絶対排除するよう指導をずっとしてきているわけでありますけれども、時たまそういったことが起きてまいります。
 それで、十二年の十一月に公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律を制定いたしまして、公共工事についての丸投げを全面的に禁止する、絶対してはいけないと。また、発注者に対しましては、適正な施工体制の確保を期すために受注者による施工体制台帳を作らせる、そして発注者への提出義務をさせました。またさらに、違反事実がある場合には発注者から建設業法担当部局に通知をさせるという措置を取ったところであります。
 丸投げについては、原則営業停止処分とすることといたしまして厳正に対処しているところでありますけれども、依然として過去の丸投げ等の事実が明らかになっているのは事実であります。今後とも、これらの措置を通じまして、丸投げの不正行為というものを絶対に排除するように徹底していきたいと、そう思っております。
 さらにまた、下請への、今、先生は頭はつりとか申しましたけれども、下請関係と元請との関係というようなのをもっとはっきりさせると。もちろん、最近は下請が元請を選ぶなんということも起きてきております。元請が非常に経営状態が悪くなってきておりますから、そういうことも起きてきております。しかし、元請と下請の関係というのは明確になっていないことも事実です。それだけに、しっかりとした関係の確立をすると。ですから、仕事をする場合には書面による契約というものを徹底させていく、さらにまた、見積りや協議の徹底、代金支払の適正化等について各建設業団体を通じまして指導をずっと行ってきておるわけであります。実態調査も同時に行っておりまして、全体的に五千社に上る実態調査ですとか、更に下請の調査ですとか、いろんなことをやってきております。
 これらの実態というものを解明をしながら、今後とも一層、元請、下請の関係の取引の適正化に向けて全力を挙げてやってまいりたいと考えております。
#65
○委員長(保坂三蔵君) 時間が来ております。
#66
○広野ただし君 では、終わります。
    ─────────────
#67
○委員長(保坂三蔵君) ここで、委員の異動について御報告を申し上げます。
 本日、松田岩夫君が委員を辞任され、その補欠として小泉顕雄君が選任されました。
    ─────────────
#68
○委員長(保坂三蔵君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#69
○委員長(保坂三蔵君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 この際、平田健二君より発言を求められておりますので、これを許します。平田健二君。
#70
○平田健二君 私は、ただいま可決されました入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 排除及び防止すべき入札談合等関与行為については、本法の運用状況を十分に注視しつつ、本法第二条第五項に規定されている三行為類型以外にも、入札談合等に対する職員の対応について、その在り方も含め、引き続き必要な検討を行うこと。
 二 公正取引委員会は、入札談合等関与行為があると認めるときは、必要に応じてその旨を会計検査院に通知するなど、相互に十分な連携協力を図り、入札談合等関与行為の抜本的な排除及び防止に万全を期すこと。
 三 公共事業等の発注事務等に携わる国及び地方公共団体等の職員に対する損害賠償請求については、国民の税金を運用・執行するという職責の重大性等を踏まえ、その在り方について必要な検討を行うこと。
 四 地方公共団体等における適正な入札及び契約事務の遂行に支障が生じないよう、本法制定の趣旨及び措置の内容について周知徹底を図ること。また、地方公共団体等の入札談合等関与行為の排除及び防止並びに予算の適正かつ効率的な執行に向けて、外部監査の積極的な活用等、自主的な取組の促進が図られるよう適切に対応すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#71
○委員長(保坂三蔵君) ただいま平田健二君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#72
○委員長(保坂三蔵君) 全会一致と認めます。よって、平田健二君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。片山総務大臣。
#73
○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#74
○委員長(保坂三蔵君) なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、午後一時三十分に本委員会を再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#76
○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を再開をいたします。
 委員の異動について御報告を申し上げます。
 本日、榛葉賀津也君が委員を辞任され、その補欠として直嶋正行君が選任されました。
    ─────────────
#77
○委員長(保坂三蔵君) 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者木俣佳丈君から趣旨説明を聴取いたします。木俣佳丈君。
#78
○委員以外の議員(木俣佳丈君) 私は、ただいま議題となりました下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案について、民主党・新緑風会を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 下請代金支払遅延等防止法は、昭和三十一年に、親事業者と下請事業者間の取引を公正にし、下請事業者の利益を保護するために制定されました。その後、数次の改正を経て、下請事業者の保護に一定の役割を果たしてきました。
 しかし、本法の現状を振り返ると、いまだ親事業者と下請事業者間の公正な取引が十分に確保されているとは言い難い面がございます。
 まず、毎年千件を超える下請法違反事件が起きております。しかしながら、そのうちのほとんどは公正取引委員会から注意を受けるだけの警告にとどまり、法律にのっとる勧告処分はわずかな件数にしかすぎず、違反行為に対して十分な取組がなされているとは言えません。
 また、違反行為に科せられる罰金の額も低く、親事業者の違反行為に対して十分な抑止力とはなり得ていません。
 さらに、下請法が規制の対象としているのは、製造委託、修理委託という、物品を製造・修理する製造業等の業種に限られております。法制定以降、我が国産業に占める第三次産業の比重は高まっておりますが、サービス業などの役務の提供を行う業種、広告制作等知的な成果物を取引する業種は、下請法が規制する対象とはなっておりません。規制対象となっている製造業等と同様に優越的地位の濫用に当たるケースも起こっており、十分な対応が必要です。現在、これら業種に対しては独占禁止法による対応が図られておりますが、満足のいくものとは言えないのが現状です。
 現行の下請法は数次にわたって改正され、今日に至ったものでありますが、その内容が現行下請法とほぼ同様のものに改正されたのは昭和四十年であります。経済の実態が大きく変化していく中、今日までに実に三十七年間、基本的に改正されておりません。現行下請法が今日の我が国の経済の実態を十分に反映していないことは、このような点からも明らかであり、速やかに適切な改正を行うことが必要と考えます。
 以上が、今回、本法律案を提出した理由です。
 以下、本法律案の概要を御説明申し上げます。
 まず第一は、下請法の対象にサービス業等の役務を提供する業種等を加えることといたします。
 新たに、文章、図面、写真、映像、音楽、プログラム等の人的役務により得られる知的な成果物の作成を下請事業者に委託することを「成果物作成委託」と、また、貨物運輸、ビルメンテナンス等成果物のない役務の委託を「役務提供委託」とそれぞれ定義し、下請法の規制対象といたします。
 第二は、資本金によって区分されている親事業者、下請事業者の範囲を細分化することによって、これまで下請法の規制対象外であった違反行為も的確に把握できるようにするなど、きめ細かく対応できるようにすることといたします。具体的には、「親事業者」及び「下請事業者」の定義を改め、親事業者と下請事業者の範囲を画する資本の額又は出資の総額の基準を、現行の三億円及び一千万円から、三億円、一億円及び一千万円に細分化することといたします。
 第三は、親事業者の支払遅延や買いたたき、返品の禁止等の遵守事項に、役務提供取引において問題行為と指摘される「不当なやり直しの禁止」を新たに追加することといたしております。
 第四は、下請法の実効性を確保するために罰金額の上限を引き上げることといたします。
 以上が本法律案の提案の趣旨及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。
#79
○委員長(保坂三蔵君) 以上で趣旨説明の聴取は終了いたしました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#80
○山崎力君 御苦労さまでございます。民主党さんの方で下請法の改正案を議員立法の形で提出されたということで拝見させていただきました。問題の意識といいますか、考え方としての土台、ベースについては全くそういった形でさもありなんといいますか、そうであろうなというふうに思っております。
 特に、実質昭和四十年から変わっていないということなんですが、何というんでしょうか、この間の経済状況の変化といってよろしいかと思いますけれども、一言で言えば、第三次産業がますます大きくなって比率を高めてきている。そういった中で、この下請業者というものの地位というものがこの法律で幾分かは緩和されてきている部分はあるんですけれども、物を作ったり修理したりという業種自体、全体の経済活動の中で、下請を含む経済活動の中で少なくなって、制約的になっていて、もっともっと広いところにその考え方を広めなきゃいかぬと、こういうところは正に認識に大きな差はないと申し上げてよろしいかと思うんでございますが、問題は、新たな法律を作るという以上、この今の現状がどうなっているかということを把握してからでないと、これはなかなか法律として作るという以上は難しい問題だと思うんですが、そこがなかなかどう把握するかというのは難しいというところもこれあろうかと思います。その辺の御認識についてまずお伺いしたいと思います。
#81
○委員以外の議員(木俣佳丈君) お答え申し上げます。
 今、質問がありましたように、この下請法ができました昭和三十一年、一九五六年から二年前の平成十二年、二〇〇〇年を比較しますと、委員御質問がありましたように、製造業でいうと比率、全産業のうちの三一・三%、サービス業が四七・五%でございました。しかるに、二〇〇〇年では、この数字が全く逆転しておりまして、製造業が二一・六%、サービス業が七一・七%と三倍近くに増えている、こういった状況でございます。
 今回、法律案を、法律の改正をするわけでございますけれども、こういったサービス業に日が当たっていないということにかんがみ、そしてまた、このサービス業で問題がかなり発生しておるということにかんがみ、今回改正案を出したわけでございます。
 特に、これは公正取引委員会でも、平成九年、平成十二年と二度にわたりまして、この役務の提供についての具体的な調査を実施しております。その中で特に特筆するべき産業としては、貨物自動車運送業、そしてまたソフトウエア開発業でございます。
 特に、貨物自動車運送業においては、取引の際に契約書の締結が、例えば荷主との間では五三%が締結していない、又は同業者間で請け負ってやる場合には何と六七・五%が締結していない、こういう現状がございます。さらには、仕事が終わってから代金の減額の要請というものがほぼ四割、七割、同様にございまして、大変な問題になっているということを我々認識しております。
 また、ソフトウエア開発業でございますけれども、発注内容の変更でございます。これは、発注したときから納期の最後の締めのときにこの内容を確認していくということでございますけれども、ユーザーとの取引でも変更の、つまりやり直しの要請でございますけれども、ユーザーとの取引で七〇・五%、コンピューターメーカーとの取引で五五・四%、同業者間では六二・九%、やり直し、変更の問題があるということでございまして、これは公正取引委員会の独自の調査でございます。
 以上でございます。
#82
○山崎力君 そういった問題があるであろうということは容易に想像付くわけでございますが、これが要するに、経済状況の悪くなっている中で、どうしても競争といいますか、価格を下げるという、コストダウンということでそういうふうな話になってきていると、これが厳しくなってきているという部分、これはもう当然あろうかと思います。
 これは、この法律にかかわらず厳しい状態にその業界がなっているということであろうと思うんですが、この法律とそれとは、そこで厳しくなっているというところとはこれ裏腹の関係というところまでは行かない。要するに、この経済状況の中の厳しさと、それからそこの中に伴ってくる現状と見たときに、その現状を何とかしろと言うことはこれはできないわけでございます。その現状の中で、要するに、この法律でそれ以上悪くならないように、もっとくだけて言えば、決まり事はちゃんと守るべきだねと、それを慣習的に守らないでやっているサービス業というのがあるから、それはほかの今までの製造物、そういったものとのやり方でやらなければ、なかなか悪い方向に行くからというのがこの法律の趣旨だろうと思うんですが、今例示されたこのことでも、本当にその一つ一つの業種にめぐっていけば、それなりの議論があり、それなりの実態があり、そしてどの程度この法律で救われるかというものは見えてくると思うんです。
 だから、それはそれでいいと思うんですが、今回、何というんでしょうか、全体に掛けたような形の法律を作られるということなんですが、今おっしゃられたようなことに関しての実態に応じた法律でなくて、全体に掛けた形でいくと、おっしゃられた以外の項目で適当な、下請法の対象とするのが適当な分野というものが全部に及ぶのかどうかという議論が必要になってくると思うんですが、その辺はいかがでございましょうか。
#83
○委員以外の議員(木俣佳丈君) お答え申し上げます。
 今の質問は、全体に掛かった方がいいということでございます。検討をもっと加えろということだと認識してお答えをさせていただきますけれども、先ほども申しましたように、まず第一点は、経済の実態からしてサービス業というものが大変拡大しているというのがまず第一点でございます。
 さらには、先ほども申しましたように、公正取引委員会が平成九年、サービス業の実態調査を十四業種に対して実行しておりまして、その際に、やはりこれはガイドラインを設けてしっかり見張っていかなきゃいけないなと、こういうことで平成十年にそのガイドラインができました。
 ところが、ではそのガイドラインができて、要するに法律の改正をしないでガイドラインができたわけでございますけれども、平成十二年のときにこのガイドラインがどの程度実効あらしめているかということをまた更に調査したわけでございますが、これが、先ほども申しました二業種でございまして、貨物運送業とソフトの開発業でございますけれども、この際に、やはりこれは実効が上がっていないということで、今回我々は、これは改正をしなければ実効あらしめないんだということを思っておるわけでございます。
 その際に、業種の絞り込みについて検討をした方がいいんではないかというようなことでございますが、今、経済状況の認識からしまして、例えば倒産事故におきましても、昨年、平成十三年度、一万九千百六十四件の倒産のうち中小企業が一万八千八百十九件であったり、又は自殺者、特に自営業の自殺者が平成三年のときからすると倍ぐらいの数になっているとか、また特に貸し渋りなども、DI等で見ますと小売・サービス業が特に貸し渋りがいまだに甚だしい、こういった点からも待ったなしの状況であると我々は認識しておりまして、公正取引委員会も、平成九年から約もう五年がたつわけでございますが、検討に検討を重ねてもしっかりした答えが出てこないということを私どもは待っているわけにいかない。今すぐにやはりこの法案は通しながら、そしてこのサービス業等を、製造業は二割になってしまったわけでございますので、そのほかの特にやり直しや違反行為が多いところに取りあえず範囲を拡大させたい、このように考えたわけでございます。
 以上です。
#84
○山崎力君 大体の考え方は分かりました。
 問題点は、全体的に特にサービス、第三次産業においてのそれぞれの業種における慣行、商慣行というのもあるので、その辺も踏まえなきゃいかぬというところを考えれば、おっしゃられた業種は分かるんだけれども、ほかまで一緒にやってどうなのかねと。
 それからもう一つは、こういう経済状態だから待ったなしと言うんだけれども、法律の考え方というのは、そういうのを抜きにした形の商習慣といいますか、それを立法化していくという考え方からしてどうなのかなという気持ちを持ったということで質問を終えさせていただきます。答弁は結構でございます。
 どうもありがとうございました。
#85
○直嶋正行君 民主党・新緑風会の直嶋でございます。
 今日は、民主党・新緑風会で提案をいたしました下請代金遅延等防止法の一部改正案についての審議ということでございます。
 今も議論がございましたが、まず最初に提案者にお伺いをさせていただきたいと思います。
 現行の下請代金遅延等防止法、いわゆる下請法においては、規制対象となる下請委託行為として製造委託、修理委託が定められているわけであります。先ほども御提案にもございましたが、今回の改正案では新たに成果物作成委託、役務提供委託等を加えていますが、その理由について最初にお伺いをしたいと思います。
#86
○委員以外の議員(今泉昭君) 直嶋先生も御存じだとは思いますけれども、現行の下請法は昭和三十一年に制定をされまして以降、細かい改正でございますけれども、四回ほど改正をされてまいりました。しかしながら、その基本は、御存じのように当時の、発生当時の、この下請法ができた当時の我が国の経済の実態を踏まえまして、最も我が国の産業構造上、親企業と下請という関係の非常に多い産業を中心といたしまして、そこに起こるところの親企業と下請の関係の中から実は下請法というものが出てきたわけでございまして、中でも当時、いわゆる下請率というものが高い金属関係の製造業あるいは繊維関係の製造業というものがその対象の中心に実はなっていたわけでございまして、したがいまして、いわゆる製造委託あるいは修理委託ということがこの法律の柱になっていたわけでございます。
 しかしながら、先ほどの木俣議員の説明にもございましたように、我が国の産業構造も歴史とともに大きく変わってまいりました。製造業の中心の産業構造から今はサービス産業が大変大きく産業界にウエートを占めるようになりまして、製造業の中で起きてきたような親企業と下請企業とのいろいろな問題点がそれらの産業の中で実は多発するようになってきたわけでございます。
 そういうような背景を受けまして、先ほどの説明にもございましたように、公取では、実は役務の委託取引に関する調査というのを二回ほどにわたって行いました。これは、貨物自動車運送業あるいは内航運送業、情報処理サービス業、ビルメン、あるいはソフトウエア開発業等々の十四業種にわたってその実態を調査してきたわけでございますが、その中で実は明らかになったのは、この下請法の中に示されている禁止事項、これらの問題について多くの事例が発生をしていると、こういうことが明らかになってまいりました。そういう意味で、製造委託、修理委託という範疇を超えた新しい法制の整備が必要ではないだろうか、こういう認識を持ったわけでございます。
 特に現状は、独占禁止法の優越的地位濫用の観点から、次善の策としていろんな形でのガイドラインによる対処をしてきているわけでございますが、それではカバーし切れないと。こういう実態の中から、我々としましては、公取の調査を踏まえた上で、成果物の作成や役務の提供においても下請法の中でカバーできるようにしていかなきゃならない、こういう認識を持ったわけでございます。
 ちなみに、公取の調査によりますと、例えば貨物自動車運送業の取引契約高の締結状況は、荷主との間で五三%にこれらの禁止事項に関する問題点がある。あるいはまた、同じく同業者間におきましては六七・三%が問題がありというような報告が出ているわけであります。また、代金の減額要求という問題に関しまして、荷主との間では三九・五%、同業者間では六七・五%もの実はこれらの問題点の解決の要請があると、こういう実態がございます。さらにまた、ソフトウエア開発につきましても発注内容の変更など、同じような実は調査結果が示されているわけでございます。
 こういう状況であるにもかかわらず、実はこれらの問題に対しまして、過去三年間、警告はわずか三件、勧告は全くゼロと、こういう実態でございます。いわゆる、今まで作ってまいっております役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針、ガイドラインが、これは七項目にわたって出されているんですが、このガイドラインが十分に機能しているとは言えない状態である。こういう認識から、特にますます今後サービス産業が大きなウエートを占めていくということを考えますと、成果物やあるいは役務を下請法の対象として取引の円滑化を損ねない必要最小限度の規制をすることによりまして、新事業者と下請事業者間の取引を公正にいたしまして下請事業者の利益を保護するものが必要だと、そういう考え方に立ちまして本改正案に盛り込んだ次第でございます。
#87
○直嶋正行君 私は、今の御答弁をお伺いして、先ほどの山崎さんの御質問との兼ね合いで、非常に山崎さんから重要な指摘があったと思うんです。というのは、特に今は経済が非常に良くない状態ですから、この法律によって今困っている中小企業を救済しようと、そういうことであればちょっと話が違うよというような御指摘があった。
 僕は、今の答弁を聞いていて、実はそうじゃなくて、これは昭和三十一年に法律が制定された時代から今を比べると、産業構造の大きな変化があった、そして当初は製造業に見られた問題が、今やサービス業を始め同じような問題が他の業種に拡大している、したがってあの提案をしたと、こういう御趣旨でありまして、私は、是非この後、与党さんにおかれても、こういう位置付けだということを御理解いただいて、今日は質疑だけのようでございますけれども、是非何とか御検討いただいて、もし成案になるようでしたら是非まとめ上げさせていただけると大変有り難い、提案者もいろいろ御相談には応じるというふうに思います。
 それで、あと公正取引委員長にちょっとお伺いをさせていただきたいんでありますが、今も答弁の中で触れられておりましたが、公正取引委員会では、最初の調査に基づいて平成十年にいわゆるガイドラインをお出しになっているということなんですが、そもそもこの下請法というのは、独禁法の体系からいいますと、優越的地位の濫用の部分について独禁法の枠内では十分な対応が困難である、こういう趣旨で作られた特別法だというふうに理解をいたしております。
 そうしますと、この役務の委託取引等においてはやはりいろんな問題があるとすれば、独占禁止法のガイドラインにとどめるということではなくて、むしろこういう特別法の中で対応していくということの方が法律としては実効性が上がるのではないかと、こう思うわけでありますが、この点についていかがでございましょう。
#88
○政府特別補佐人(根來泰周君) 方向といたしましてはおっしゃるとおりだと思っております。
 御承知のように、この下請法というのは非常に画一的に適用していく法律でございます。例えば資本金で一つのラインを引いておりますし、また、製造委託あるいは修理委託といういわゆる親企業と下請企業という構造的な点に着目いたしまして、言うなれば大量処理ができるような法律になっているわけでございます。珍しい法律でございますが、これは私どもと経済産業省とが共管になっているわけでございます。お互いに毎年調査をいたしまして、お互いに協力し合って事案の防圧に努力しているというところでございますが、その役務の問題も、ただいま提案者からもるる御説明がありましたように、それを念頭に置きましていろいろ方策を講じてきたわけですけれども、なお立法をお願いするに至っていないという現状でございます。
 繰り返して申しますと、やはり将来は立法でお願いするようなことにならざるを得ないのではないかと、こういうふうに思っております。
#89
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 今、将来はという御答弁があったわけでございますが、先ほどの御議論にもございましたように、ガイドラインで今対応しているわけでございますけれども、やはりそういう意味でいいますと、ここには限界があって、一定の限界があると。したがって、先々考えていかなきゃいけないと。しかし、お話あったように、画一的に適用する法律なのでそこら辺をもう少し検討してみたい、こういうふうに受け止めてよろしゅうございますか。
#90
○政府特別補佐人(根來泰周君) おっしゃるとおりでございまして、一番問題なのは役務でございますが、この委員会でも種々御議論がございましたように、トラック輸送もそうでございますし、内航海運もそうでございます。
 また最近、テレビの番組の委託とかソフトの開発とか、いろいろ役務の関係のいわゆる下請関係の仕事があるわけでございますけれども、この役務という一つの言葉で絞るにはなかなかその内容が多様でございますので、先ほど申しましたように、下請法の画一的処理になじむかどうかということについて執行機関として疑問を持っているわけでございますので、その辺、十分御理解いただければ有り難いと思っております。
#91
○直嶋正行君 それで、私も先ほどの御答弁を伺って、正に心強く思ったのでありますが、例えばこの下請法で対応しております、処理しております違反行為、これは年間ここのところ千件以上ございます。これは近年増加傾向をたどっているということでございます。しかし一方で、いわゆる独占禁止法上の優越的地位の濫用に関する事案ということで見ますと、例えばこの直近三年間で見ますと、警告が二件あるのみでありまして、勧告はゼロであります。
 先ほどお話があったように、なかなか業種、業態の実態が分かりづらい、こういうことはおっしゃるとおりかもしれませんが、このような実態を見ますと、やはり今のままでは限界があって、できるだけ早くというよりむしろこの法案をベースにしていただいて立法措置を講じるべきではないかと、こう思うんでありますが、この点はいかがでございましょう。
#92
○政府特別補佐人(根來泰周君) これも国会で何回も御議論がございましたように、独占禁止法の優越的地位の濫用という言葉から連想されますように、強い者と弱い者がけんかをしているということでございますので、なかなか申告というのは期待できないわけでございまして、それを下請法では、私どもと中小企業庁が協力しまして、書面で照会しているわけでございます。その書面を、眼光紙背に徹するかどうかは別として、いろいろ眺めまして、これはどうも下請法違反があるんじゃないかということで調査に入っているわけであります。
 そういうことで、先ほどおっしゃったように年間千件ぐらいの事件もございますし、将来増える可能性も非常に大きいわけでございますが、優越的地位ということになりますと、こちらがじっと待っておってもなかなか申告がないという状況でございますので、独占禁止法自体の件数は非常に低いということであろうと思うわけでございます。
 そういうことで、先ほどの問題に戻りますけれども、やはりそういうことで私どもが書面調査等の立ち入る、武器を持ってやればもう少し事案に迫る調査をできるのではないかと思うわけでございますが、これも繰り返しになりますが、役務というのはなかなか話が漠としておるところがございますので、私どもも調査いたしまして、その中からどれだけピックアップできるかということを研究しているところでございます。ですから、将来はまた国会でその役務についてもお願いすることになろうかというふうに予想しているところでございます。
#93
○直嶋正行君 今の御答弁にもありましたように、役務等はこの下請法の対象になりませんので、独禁法上の扱いですから、これは申告制になっています。ですから、申告がないと俎上に上らないと、こういうことになります。
 それから、もちろんその後審判ということになるわけでありまして、そうしますと、今、委員長が正にお答えになったように、これは優越的地位の濫用ですから、強い者と弱い者とが取引をしておると。そうすると、弱い者が申告をしなきゃいけない、審判行為になると公開されると。こういうことになってくると、これは当然やはりおのずからもう限界があることははっきりしているわけでありまして、そういう意味で今いろいろ調査をしておると、こういう検討中だと、こういうことでございましたが、是非私は、そういう意味でいうと優越的地位の濫用というのは今の独禁法の処理になじまない、むしろお話あったように書面できちっと調査をして、やはり公正取引委員会が別の法律で対応すべき性格のものであると、こういうふうに思っておりまして、この点、御指摘をさせていただいて、その議論を早めていただくようお願い申し上げたいというふうに思います。
 次に、親事業者、下請事業者の定義の細分化、これは提案者にお伺いしたいと思うんでありますが、今回三億円と一千万円の間に一億円を追加するということであるわけですが、これについて、ちょっと質問時間が苦しゅうございますので、できるだけ簡潔にお答えをいただきますようお願いを申し上げたいと思います。
#94
○委員以外の議員(今泉昭君) 簡単にそれじゃ回答させていただきます。
 現在の法律では、資本金が三億円を超える親事業者と資本金が三億円以下の下請事業者との間、そしてまた、資本金が一千万円を超える三億円以下の親事業者と、更に資本金が一千万円以下の下請事業者との間というものを対象としているわけでございますが、実は過般、中小企業基本法が改正になりました。それに伴いまして、この改正は一億円から資本区分が三億円に引き上げられたわけでございますが、そのために、親事業者の資本金が三億円以下であり下請事業者の資本金が一千万を超えている場合には現行には実は適用できないという実態が生じてまいりました。その結果、一億円を超える親事業者の取引につきましては、二六%もの実は取引がこの対象から外されると、こういう実態になりました。
 したがいまして、このように細分化することによりまして、この対象外であった取引を下請法の対象として中小の下請事業者の十分な保護をするために細分化をさせていただいた、こういうことでございます。
#95
○直嶋正行君 今御答弁あった点についてでありますが、これは公正取引委員会としてどのように見ておられますか、お答えいただきたいと思います。
#96
○政府特別補佐人(根來泰周君) 現在御審議の法案のお考えも一つのお考えと思いますが、私ども旧来の法律に一つのレールを求めてやっているわけでございまして、親と子供というんだから相当間は開いていなきゃいかぬだろうと。余り間が過ぎると親と子供というのはなかなか難しいんじゃないかというような非常に常識的な話になると思いますけれども、これは十分将来検討すべき問題だと思います。
#97
○直嶋正行君 今、最後にございましたように、さっき答弁にもありましたが、取引比率で見ると、これは公取の調査、中小企業庁調査ですか、これによりましても約二七%占めているということでございますので、人間社会ほど親と子の間の差はないかもしれませんけれども、是非ここは、やはり非常に不自然でございますので、御検討賜りたいと、このようにお願い申し上げたいと思います。
 それからもう一つは、実は罰則強化なんですが、提案者の方にお伺いしたいんですが、今、違反した場合の罰金が上限三万円ということでありますが、今回これを二十万円に引き上げるという御提案でございますが、私は個人的には二十万円でも低いんじゃないかと思うんですけれども、その点も含めてひとつお答えいただければと思います。
#98
○委員以外の議員(今泉昭君) 御指摘のように、書面交付義務違反であるとか、あるいは書類作成保存義務違反、更には報告義務違反、検査拒否等のいずれもが、実は先ほどの説明にも申し上げましたように、昭和三十一年に実は制定されて以来、そのときの三万円以下の罰金というものが実は変わっていないわけであります。
 それ以降四十数年たっておりまして、お金の価値も大分変わってきているわけでございますので、そういう意味では罰則の水準として、罰金の水準としてこれは少し低過ぎるのではないだろうかと。そういうところから独禁法の同様の違反行為に対する罰金の水準をにらみつつ、この二十万円に引き上げさせていただいたと、こういうことでございます。
#99
○直嶋正行君 この点についても公取の御見解を伺いたいと思います。
 特に、先ほどもちょっと申し上げましたように、今、下請法の違反件数見ましても年々増加傾向を見せておりまして、そういう意味でいいますと、この今の罰金ではやはり抑止力がないのではないかと、このように思うわけであります。例えば、昭和三十一年ごろというと、多分大学、学校を出て就職した方の初任給は一万円いってなかったと思いますね。まあ五千円とか六千円の時代だと思うんですね。今、大体二十万円以上でありますから、私はさっきも言いましたように、そういう経済的な状況変化を考えますと余りにも今の数字は低過ぎると、これでは痛くもかゆくもないと、こういうふうに思うわけでありますけれども、いかがでございましょう。
#100
○政府特別補佐人(根來泰周君) 三十一年、私、修習生になったときでございますけれども、修習生の初任給は一万二千円でございました。そういうことからいうと、確かにおっしゃるように低いことは間違いないわけでございます。これも将来、将来というか近い機会に罰則の引上げをお願いすることになろうかと思います。
#101
○直嶋正行君 それで、この罰則規定についてちょっと申し上げますと、よく言われるようにこれは日本の法制度の特徴かもしれませんが、特に経済事犯といいますか、この行為に対する罰金が、私ちょっと今手元に、例えばほかの割賦販売法とか宅地建物取引業法とか直接管轄じゃ、法的には公取の管轄外のところも含めて手元に持っているんですが、全体的にやはりこれは低いわけでありまして、答弁は要りませんが、是非、経済産業省もこういう点も含めて御検討いただけると有り難いというふうに思います。
 それで、今日は実は大島副大臣にお願いをいたしました。本当は三つ四つ聞きたいことはあるんですが、時間の関係もありますので、その範囲内で一つないしは二つお伺いしたいと思います。
 一つは、昨年だったと思うんですが、臨時国会で、中小企業の資金繰りが大変厳しいという中で、売り掛け債権担保融資保証制度という新しい制度を作りました。実は、この法案の審議は私が質疑をさせていただいたわけであります。
 その法律が成立をいたしまして、当時も議論したんですが、平成十四年度においては、これは多分予算の裏付けが付いておると思うんですが、融資総額で二兆円までの枠を確保しているはずなんです。
 ところが先日、経済産業省、中小企業庁の方に問い合わせますと、この七月までの融資実行額はまだ六百八十億円。二兆円の目標に比べますと約三%という大変寂しい状況であります。
 一つは、この点についてどのように今受け止めておられるかということと、もう一つ、そのころから問題になっていたんですが、売り掛け債権に対して、取引相手の例えば大企業とかあるいは官公庁も売り掛け債権を転売することについて、担保にして融資を受けることに対して、例えば契約でそれを封じているとか、いい顔をしないとか、こういうことがこの法律を施行する上で大きなネックになるんではないかと、こういうことが何度か指摘をされました。当時も、例えば国土交通省の発注する事業についてこういうものを外しなさいとかいろんな意見があったと思うんですが、特に中央省庁の対応についてどうなっているかということも併せてお答えをいただきたいと思いますが。
#102
○副大臣(大島慶久君) 直嶋先生にお答えを申し上げます。
 今御指摘いただきましたように、鳴り物入りで中小企業対策、金融におけるということででき上がった法案でございますが、今、先生が御指摘になられましたように、数値だけ見ておりますとなかなか評価に値しないような感じがいたしますけれども、実績ということのお尋ねでもございますので、簡単に御説明を申し上げますと、三月末までの件数は二百一件でございましたけれども、直近の七月十九日までの最新値では千三百七十四件と増加をいたしております。今、融資実行額のお話もございましたが、私どもの手元の実数で申し上げますと、大体七百二十一億円の貸付け実績、こんなふうになっております。
 いずれにいたしましても、中小企業庁といたしましては、こういった制度の普及、浸透のために一生懸命活動し、全力で取り組ませていただいているところでございますけれども、いろんな、先生の御指摘のようなこういった普及がなかなかはかどらない。こういう原因の一つといたしまして、まず第一には、いわゆる手続の簡素化、これはちょっと手続上複雑じゃないか、そういったことがなかなかそれに結び付いていかない。そういったことを四月二十二日からいろいろ改善を加えたところでございますけれども、大体七項目、いろんな検討をして改善をさせていただいております。
 そのうちの一、二をちょっとだけ事例として出させていただきますと、中小企業と売り掛け先との間で三年間の継続的な取引が行われているということを原則といたしておりましたけれども、こちらの方を三年をやめて一年に短縮をする、これも一つの簡素化ではないかと、こう思っておりますし、さらには、毎月中小企業者に報告を求めていたものがございますけれども、これもなかなか簡素化という面からではちょっと扱いにくい、そういったことでございますので、金融機関の判断でこういった聞き取りを省略する、こんなようなことも実行させていただいている、そういったことでございます。
 それから第二番目には、いわゆる情報提供、これもなかなかうまくいっていなかった。こんなことがいわゆる風評なんかにもつながりまして、これもうまくいっていなかった。そういったことを勘案いたしまして、そういったテレビだとか新聞のメディアを通じた広報、そういったことも力を入れていこうと。さらには、二百万枚のリーフレットを作成いたしまして、全国各地の説明会を開催する都度、そういったものの配付をさせていただいておりますし、また、この制度をできるだけ分かりやすく解説をして利用いただくというマニュアルを百万部配付をいたしたところでございます。
 そして第三番目でございますけれども、広くいろんな原因追求の中で、いわゆる国や地方自治体あるいは大企業向けへの売り掛け債権につきまして債権譲渡禁止特約が付けられておりました。こういったこともこの制度の普及の大きな一つの障壁になっていたんじゃないか、こんなこともございまして、五月末にはすべての中央官庁におきまして物品役務にかかわる特約の解除を実施をさせていただきまして、現在は都道府県やあるいは実業団体等に対しましても文書による要請、あるいは事務的な説明等を順次行っているところでございます。
 そういったことをいろいろミックスさせていただきまして、中小企業庁といたしましては引き続き本制度の普及、浸透にまた全力を挙げて努めてまいりたい、かように思う次第でございます。
#103
○直嶋正行君 今の売り掛け債権担保融資保証制度のやはり実効性を是非上げていただきたいと、このことを改めてお願い申し上げたいと思いますし、今やはり中小企業の資金繰り対策が大変でございますので、その点の努力も併せてお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#104
○荒木清寛君 昭和三十一年に制定されました下請代金支払遅延等防止法は、下請取引の公正化及び下請業者の保護のために極めて重要な役割を果たしたと考えます。
 提案者に、この下請法が果たしてきた役割はどう評価されるのか、まずお伺いします。
#105
○委員以外の議員(木俣佳丈君) 御質問ありがとうございます。
 先生の御指摘のとおり、現在もそしてまた今後もますますこの下請法の重要度は高まっていくものだと思っております。例えば、違反の件数で摘発の件数を見ましても、平成十一年が一千百六十一から十三年では一千三百六十七へと増えているわけでございまして、特に優越的地位の濫用、独禁法十九条の不公正取引のうち、特に今、優越的地位の濫用についてはこの下請法が非常に有効に機能しておるということをまず申し上げたいと思います。
 これは特に、先ほど委員長の方からあえてありましたけれども、一般的に独禁法違反については申告ということでございますけれども、この下請法については調査を公取から又は経済産業省から掛けていくというようなことがあり、従来で言えば独禁法の審決までの相当な時間というものをかなり短縮できるということが最大のメリットになっております。
 さらに、件数ベースで申し上げますと、先ほど申しましたように、下請法では平成十一年から十三年に掛けまして勧告、つまり法的措置のある勧告が十二件ございました。更に警告では延べ三千五百四十六件になります。比べまして独禁法十九条における優越的地位の濫用でありますけれども、本体の方では勧告はゼロ、そして警告は三件ということでございまして、明らかにこの下請法が有効に機能しているということでございます。
 更に付け加えますと、例えばでございますけれども、百二十日を超える手形の振出し、これも下請法の中で違反事案になるわけでございますけれども、例えば昭和四十年のころに、大体六割ぐらい、調査ではこの百二十日を超える手形を振り出していたということが言われておりまして、現行では一〇%やそれ未満になっているということが明らかになっております。
 こういったことを見ましても、ここ数年のことのみならず、この法律ができてから非常に有効に機能をしてきたということではないかと思っております。
 以上です。
#106
○荒木清寛君 そのように大変威力のある下請法でございますが、公正取引委員会にお伺いをいたします。
 その下請法の対象が物品の製造委託、修理委託に言わば限定されている理由は、趣旨はなぜでしょうか。
#107
○政府特別補佐人(根來泰周君) これは歴史的な背景があると思うわけでございますが、先ほどお尋ねにありましたように、昭和三十一年というと、朝鮮動乱が終わりまして日本の経済もやや景気が良くなった時代でございますが、そういう時代背景を踏まえまして、当時はやはり製造委託あるいは修理委託ということが主体であったと思うわけでございます。
 そういうことで、先ほど申しましたように、画一的な把握ができる、例えば書面調査でも画一的にできるという観点もありましたし、また産業の主体が製造委託あるいは修理委託というところであったということから、限定されて立法がされたものと理解しております。
#108
○荒木清寛君 したがいまして、産業構造の変化、いわゆるサービス産業の占める位置が重要になって、雇用の受皿としても期待されるというようなことを考えますと、この役務の委託取引が現行法の物品の製造委託、修理委託と同様の取引構造を持っているというのであれば、この下請法の対象に追加をすることが適当だと思います。
 しかしながら、役務の委託取引といった場合には非常に多種多様でありますし、また今後もどんどん新しいそうした役務の形態が出てくるわけでありますし、伸びていく分野でありますので、自由でなければいけないという点もありますし、更には取引慣行も一律ではないといった点もあろうかと思います。
 したがいまして、この役務の委託取引を対象とする場合には、これらの取引の実態をよく踏まえた上で、この対象とすべき分野を確定、検討する必要があると考えますが、この点、提案者はどうお考えですか。
#109
○委員以外の議員(木俣佳丈君) お答え申し上げます。
 役務の提供の委託については多種多様であるということだと思いますけれども、しかしながらこの法案ができた一九五六年から考えますと、製造業においても取引は非常に複雑多岐になっておりまして、サービス役務の提供だけを除外するというのは、私は当てはまらないと。つまり、すべての取引というものがかなり多種多様になっておるということでございまして、更に付け加えますれば、先ほど申しましたように、この比率でございます。産業全体に、製造業が当時三一・三%だったものが逆に減って二一・六%、サービス業というこの枠組みで考えますれば四七・五%が七一・七%になっているということでありまして、この二〇%だけを下請と呼んでそこだけをターゲットにするというのは既にもう時代に合わないと我々は考えるわけでございます。
 更に言えば、先ほどの、私どもではなくて公正取引委員会の調査で、平成九年の十四業種、先ほど同僚提案者からございましたこの調査においても、五〇%以上が違反的な取引をしておるという調査結果が出ており、更にそれを受けて平成十年に、先ほどの繰り返しになりますけれども、ガイドラインというのを定めてこの実効性をあらしめたいということで役務の提供のところに当てはめたわけでございますが、平成十二年の調査によって考えてみますれば、これがうまく機能しないということが判明しております。
 よって、そういったことから、まずこの下請法の範疇というのは、言いますればネガティブリストというよりもポジティブリストでございまして、どういった業種を除くかということよりも、どういった業種を当てはめていくかというポジティブリストになっておりますので、我々としては、取りあえずこの大きな範疇であるところのサービス役務の提供というところを、この委託をまず法案の中に入れて試みたいと、このように考えております。
#110
○荒木清寛君 公正取引委員会にお伺いいたしますが、現在の下請法の執行体制はどうなっておりますか。
#111
○政府参考人(楢崎憲安君) 現在、下請法の運用にかかわる担当者の数は、本局と地方事務所合わせて四十四名でございます。このうち、下請取引検査官、下請の違反行為を調査する担当官でございますけれども、それの専任の職員は二十九名と、こんな陣容で下請法を運用しているところでございます。
#112
○荒木清寛君 提案者に問いますが、仮にこの役務の委託取引を対象に加える場合には、こうした下請法の執行体制を抜本的に拡充する必要があると考えますが、どのような見解ですか。
#113
○委員以外の議員(木俣佳丈君) お答え申し上げます。
 さきの独禁法の改正時におきましても御指摘させていただきましたし、また我が党では、衆議院でも、官製談合防止の観点から、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律等の一部を改正する法律案を提出させていただいた経緯がございます。
 こういった中で、今まで、ほえぬ番犬というか、いうことを言われてきた公正取引委員会の拡充ということ、これは人数も併せて我々は考えたいということでございますけれども、現在、もちろん下請法の担当は、今し方答えがありました四十数名でございます。しかしながら、私どもが独自に調査した結果でございますけれども、まず、この下請の方々、又は親請も含めて、相談に来る窓口というのが二重にあるということが分かっております。つまり、公正取引委員会の窓口と中小企業庁の窓口と、独自にブロックごとにございまして、二重にあるということが分かっております。
 さらに、公正取引委員会の方はむしろ、調査票を約九万、年間投げるそうでございますけれども、経済産業省では八万、大体年間に調査票を投げて、下請業者に違反があるかないかを問うておるということでございますけれども、ここで違いは、中小企業庁の方はその現場に出向いて担当官が行っているというのに対して、どうも公正取引委員会の方では出向いていっていないというような事実も発覚しておるところでございます。
 我々といたしましては、そういった意味で、窓口の整理から始まって、人員の拡充とかいうこともしていきたいわけでありますけれども、しかしながら、もっと抜本的な改正を今後に向けて行う第一弾として、この中小企業の対策を我々としては是非とも推進していきたい、このように思っておる次第でございます。
#114
○荒木清寛君 公取委員長に改めてお伺いしますが、こうした産業構造の変化に対応して下請法の規定の見直しを図っていく、見直しをする予定はございますか。
#115
○政府特別補佐人(根來泰周君) 御質問に対しまして、その御質問のとおりというふうに考えております。
 やはり産業経済構造が大きく変わっておりますし、また親事業者あるいは下請事業者の意識も相当変わっておるわけでございますから、そういうところを踏まえて近い将来、それはいつということを私申し上げる立場じゃありませんけれども、近い将来にこの国会にお願いすることになろうかと、こういうふうに考えております。
#116
○荒木清寛君 関連しまして、取引上の地位の優劣があるケースでありますフランチャイズシステムを活用したコンビニエンスストアの問題についてお伺いいたします。
 非常に成長の著しい分野ではありますけれども、一方で本部と加盟店の間のトラブルが多発しているとも聞いております。
 そこで、公正取引委員会では、どのような実態調査を行い、どうした措置を講じておりますか。
#117
○政府参考人(楢崎憲安君) 先生御指摘のように、フランチャイズシステムは近年発展をしているところでございますけれども、一方で加盟店募集の段階における情報の開示の問題、あるいは契約を締結した後における優越的地位の濫用と見られるような行為、そんなことが様々指摘されているところでございまして、私ども公正取引委員会といたしましては、フランチャイズシステムの一番代表的なコンビニエンスストアのところにつきまして調査をいたしまして、昨年十月に調査報告書を公表したところでございます。
 その調査におきましては、加盟希望者に対する本部の情報開示が必ずしも十分ではないという問題点が明らかになったところでございます。それからまた、契約締結後の本部と加盟店の取引におきまして、優越的地位の濫用に該当するおそれの行為も見受けられたところでございます。
 したがいまして、本件の調査を踏まえまして、フランチャイズチェーン協会に対しまして情報の開示の改善、あるいは独占禁止法遵守体制の徹底といったことについて御要望をしたところでございますし、また五十八年にフランチャイズにつきましてのガイドラインというものを作っているわけでございますけれども、調査の結果明らかになったことを踏まえまして更に独占禁止法上の考え方をより詳しく明確化したと、そういった対応を取って、今現在、新しく改定をしたガイドラインの普及啓発に努めているところでございます。
#118
○荒木清寛君 コンビニ加盟店の中には、フランチャイズ事業における本部と加盟店のトラブルを防止をするために、本部と加盟店の取引の適正化に関する新しい法律を制定するべきであるとの意見もありますが、経済産業省としてはどうした見解を持っておりますか。
#119
○副大臣(大島慶久君) 荒木先生にお答えを申し上げます。
 先生が御心配をされているように、このフランチャイズシステムをめぐりまして様々なトラブルがある、こういったことは我が省といたしましても極めて深刻に受け止めているところでございます。
 そして、政府といたしましては、総合規制改革会議の答申を受けまして、中小小売商業振興法に基づきます契約時の事前開示項目を充実をさせ、更には強化を行ったところでございます。また、一方では、各地方経済局にフランチャイズ相談窓口を整備をいたしまして、トラブルの未然防止体制を整えたところでございます。更には、業界団体でございます日本フランチャイズチェーン協会におきましても、例えば契約時の情報開示項目を拡大をいただきましたし、また契約の説明に関するルールの整備、あるいは業界の相談窓口の拡充強化等、業界の自主基準の整備強化を行っていただいているところでもございます。
 いずれにいたしましても、このフランチャイズシステムの問題につきましては、先生は法改正というようなことも今お述べになりましたけれども、現段階では現行法の厳正な運用及び業界の自主的な取組によりまして的確に対処してまいることが現時点では重要ではないかと、私どもはこういうふうに考えているところでございます。
 中小小売商業振興法を厳正に運用するとともに、業界を指導させていただきまして、自主的な対応を強く促し、こういったトラブルの解消、防止に一層の徹底を期してまいりたい、かように思うところでございます。
#120
○荒木清寛君 終わります。
#121
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 私たちも、下請代金支払遅延防止法と下請中小企業振興法の改正と強化、この点を求め続けてまいりました。この二法の改正と強化というのは、今不況とか空洞化が進む中で、とりわけ緊急を要するというふうに考えています。
 今回、御提案になりました改正案、読ませていただきました。それには、成果物作成、役務提供にかかわる事業を適用範囲に含めることや、親事業者、下請事業者の資本金の範囲区分を細分化するなどがありまして、大規模事業者などによる不公正な取引に苦しんでいる製造委託や修理委託を含めまして、より多くの下請事業者を守る上で一定改善されるものだというふうに受け止めております。
 そこで、提案者にお伺いいたしますけれども、現在、製造委託、修理委託以外の業種の救済には、一九九八年三月十七日に出されたガイドライン、つまり役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針、それから事業者間のサービス取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針、こういうガイドラインがあるわけですね。しかし、実際のところ違反の疑いがあっても、自己申告制でありますし、個別判断とされておりまして、結論が出るまでに時間が掛かる、間尺に合わないというような指摘もございます。
 今回の改正で、こういう規制の対象に成果物作成の委託だとか役務提供の委託を含めることにされているわけですけれども、こういうふうな問題点は改善されるのでしょうか。メリットについてお伺いをしたいと思います。
#122
○委員以外の議員(今泉昭君) 御質問ありがとうございます。
 先生も御案内のように、この下請取引における下請代金の支払遅延等の行為は、独占法上の不公正な取引方法のうち、優越的地位の濫用行使に該当いたしまして、同法の十九条の規定に違反するおそれがある行為というふうにされているわけでございますが、この行為が取引上優越した地位を利用したものかどうか、あるいは不当に不利益なものかどうかを個別に認定するのに非常に難しいわけでございます。
 先生が申されましたように、独禁法上では自己申告制になっておりまして、この申告制になりますと特に下請業者はなかなか申告したがらないのが、これはこれまでの例でございます。実際上のケースを見てみましても、ケースが千五百件ぐらいありましても、申告が行われたのは実は四%か五%程度のものでございまして、いかに下請業者がこの申告制度というのを嫌っているかというのが分かると思うのであります。申告することによりまして親企業との関係が悪くなるんではないか、あるいはまたこれまでの業務提携が破棄されるのではないかというような危険が、危惧がございますだけではなくして、先生も御指摘されましたように、時間が掛かるということもございまして、この審判手続ということが大変面倒、煩わしいというところがございます。
 しかし、この下請法におきましては、御存じのように、公取委も中小企業庁も調査というものをベースに置きまして、中小企業庁の場合は立入検査ということを行いますし、公取の場合は書類におけるところの聞き取りになるんでしょうけれども、そういう意味では非常に行為自体が簡単でございます。したがって、この法律に含めることによりまして利用の頻度が大変増えるのではないだろうか。そういうところから、私どもは、成果物作成委託、役務提供委託のいわゆる禁止九項目に関する事例が大変多いわけでありますから、大変なメリットにつながっていくだろう、こういうふうに考えているところでございます。
 具体的な例を申し上げますと、先ほど申し上げましたように、平成十三年度は勧告が三件、警告が千三百十一件となっております。しかし、独占禁止法上の優越的地位の濫用に該当する事案は、三年間で警告がわずか三件、勧告に至ってはまるでゼロ、こういうことでございますから、下請法にこれを含めることが実にメリットがあると、こういうふうに判断をしたわけであります。
#123
○西山登紀子君 どうもありがとうございました。
 次に、公正取引委員長にお伺いします。
 貨物自動車運送業における不公正取引についてちょっと調べてみました。今、規制緩和や長期不況が進む中で、トラック運送業の中で非常に不公正な取引が横行している実態、本当に驚くべき実態がございます。
 私が今、手元に持っておりますのは、社団法人全日本トラック協会の輸送秩序に関する実態調査報告書、二〇〇一年六月に実施されたものでございます。これを見てみますと、荷主との取引関係で優越的地位の濫用に当たる行為を受けたことがあるかという質問に対しまして、あると答えたのが五一・六%答えています。そのうちの四九・〇%が運賃の値引きだと答えているわけですね。こうした運賃の値引きがコスト削減につながって、長時間の過労運転、過積載運行をせざるを得なくなる、それが事故につながる結果となっているという報告なんですね。私、これは非常に重大じゃないかと思います。
 独占禁止法違反ということで申告すれば取引停止になるというような報復があるというようなことで、結局は泣き寝入りをしているということなんですが、公正取引委員会としてはこういう現状をつかんでいらっしゃるでしょうか。そして、直ちにこういう状態を改善するように下請法に乗り出すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#124
○政府特別補佐人(根來泰周君) 先ほども申し上げましたように、役務という範疇の中にトラック運送業も入っているわけでございます。そういうことで、私どももそこに焦点を合わせまして、平成十年に、役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針、ガイドラインを作成いたしまして、公表しております。
 そして、その指針を作るに際しまして、トラック運送を含む役務の委託取引における実態調査を行いまして、それをベースにいたしましてそういうガイドラインを作ったわけでございますが、更に平成十四年にも同じような調査をして実態調査に努めているところでございます。さらに、その実態調査に基づきまして、違反がある場合にはその違反を解消するように努力しているところでございます。
#125
○西山登紀子君 努力をされているということなんですけれども、私も全日本トラック協会のこの報告書をずっと見ていまして、回答を出した事業者の規模を見てみますと、二十両以下が五六・二%、従業員の数は二十人以下が四六・七%ですね。つまり、本当に泣いているのは零細な事業者だということがお分かりだと思います。
 厚生労働省にお伺いしたいんですけれども、実はこういう実態に対しまして、京都の労働局長、私も地元が京都なんですけれども、その京都労働局長が荷主関係団体の長に発した文書がございます。去年の四月の五日付けになっているわけですが、それを見てみて、私、また驚いたんですね。
 それは、こんなふうに書いています。「管内の陸上貨物運送事業における交通労働災害の内、平成六年から十二年までの間に発生した死亡災害三十三件について分析したところ、約半数が十月から十二月までの間に集中していること、居眠り等による追突事故が多いこと、深夜運行明けの午前六時頃の発生が多いこと等から、その多くが、深夜の無理な運行等による疲労や睡眠不足に原因があると思われます。」ということで、「当局におきましては、労働災害防止を行政の最重点課題の一つとし、特に陸上貨物運送事業については、」というふうにしてずっと書いてありまして、「もとより、労働災害の防止の責務は事業者にありますが、陸上貨物運送事業における交通労働災害の発生に荷主の発注条件が大きな影響を及ぼしていることは否定できません。」と、こういうふうに述べられています。「つきましては、陸上貨物運送事業における労働災害防止の重要性を御理解の上、傘下会員事業場に対し、計画的かつ適正な荷の発注について御指導いただきたく、特段の御配慮をお願い申し上げます。」という形で荷主の皆さんにこういう文書を出していらっしゃるということなんで、本当に事態は重大だというふうに思います。
 交通労働災害に荷主の発注条件が影響しているんだということをこの文書は述べているわけですけれども、厚生労働省としては、交通労働災害を未然に防止するという観点から、この問題にどう対応していらっしゃいますか。
#126
○政府参考人(播彰君) 労働災害で亡くなられた方全体のうちに、交通労働災害で亡くなられた方、その割合は三〇%に達します。このように相当大きな割合であるということから、私ども、交通労働災害防止のためのガイドラインというのを既に作ってございます。中身は、先生おっしゃるような過積載を防ぐような走行管理の問題、あるいは労働時間の管理、あるいは健康管理などでございます。
 このガイドラインを徹底するために、私ども、地方の労働局あるいは監督署から第一義的には事業主の方にお願いしてございますが、先生御指摘のとおり、荷主の方の発注条件というものもトラック運転手の労働条件、労働環境に影響がございますので、荷主の方に対しましても要請あるいは集団指導等を行ってございます。
 今後とも、このような取組を引き続き粘り強く地方の実情に合わせて展開してまいりたいと考えてございます。
#127
○西山登紀子君 公取委員長に再びお伺いいたしますけれども、このトラック協会の調査報告には、賃上げ交渉ができるかという、荷主に対してできるかということについて、不可能だと答えているのが五九・一%、もう六割がそんなことできないという答えをしております。事態は非常に重大だと思います。
 この労働災害、交通労働災害は、もちろん当人にとっても大変ですけれども、大惨事につながりかねないという問題にも発展しかねない問題ですね。こんな状況を放置できないということで、実は自治体も立ち上がり始めているんです。これは京都市議会の意見書なんですけれども、ほかにも大宮町、京田辺市、峰山町など、全国六十四の自治体の議会がトラック運送業者と荷主との公正な取引関係の確立と指導強化を図るということを項目にした決議を既にやり始めているということは非常に重大ではないかと思います。トラック協会も始め、全日本建設交通労働組合など、トラック輸送にかかわる業界や労使も公正取引の確立を求めているわけでございます。
 お伺いしますけれども、こういうやはり下代法の適用対象として対象にきちっと入れて、ガイドラインだけじゃなくて、対策を取るということを急ぐべきじゃないでしょうか。委員長にお伺いいたします。
#128
○政府特別補佐人(根來泰周君) 先ほどからも申し上げておりますように、トラックに限らず、役務については取り入れる部分は取り入れて、下請法で立法化をお願いすべきが筋でなかろうかと思います。
 ただ、何もお言葉を返すわけじゃありませんけれども、下請法だけではとてもいかない話でございますから、ほかの役所とも協力いたしまして、そういう労働災害といいますか交通災害を十分防圧していくべきものと考えております。
#129
○西山登紀子君 先ほど来、近い将来改正をとお考えだということなんですけれども、是非これを対象にするということ、今検討されておりますでしょうか。
#130
○政府特別補佐人(根來泰周君) これも私も何ともお返事しかねるところでありますけれども、少なくとも公正取引委員会の事務総局といたしては、日夜これについて研究して、近い将来立法をお願いしたいと、こういう気持ちであるということを申し上げられると思います。
#131
○西山登紀子君 それでは次に、繊維の問題に移りたいと思うんですけれども。
 私も、当委員会で九九年の三月二十三日に繊維業界の不公正取引の問題について質問をさせていただきました。是非現地に来て、実際のそういう流通の実態をつかんで、公正な取引ルールの確立に努力すべきだということで質問をさせていただいたんですけれども、その後三年間、非常に繊維業界も一層状態はひどくなっております。西陣の工業組合の調査によりましても、実にもう出荷額というのはピークだった一九九〇年の今三分の一に落ち込んでいるわけですね。その落ち込んだ中で更に不公正がまだ現存してございます。
 七月十四日に繊維産地の今日、明日と題したフォーラムが京都市内の西陣織会館で開かれたんですけれども、全国から百七十人ほどお集まりになって、苦しいけれども元気にあしたを作って頑張ろうねというふうな議論がされたわけです。その中で、京友禅の社長さんですけれども、実際の支払の現状などをるる述べられる中で、やはり商品を納入して支払を受けるのは約六十日後と、しかもその支払は手形でサイトが百八十日から二百四十日、長いのは台風手形と言われていて三百日というような長期のものもあるということで、本当に夜も寝られないというような状況の御報告がございました。
 この割引困難な手形の交付などはやはり違法でございますし、この繊維製品に係る取引については手形の期間は九十日というふうになっているんですけれども、実際守られておりません。こうした違法を改めないと、やはり業界全体のルールのある発展につながらないのではないかと思いますけれども、この点について、中企庁長官と公取委員長にお伺いをしたいと思います。
#132
○政府参考人(杉山秀二君) 今、先生御指摘ございましたように、近時の大変厳しい経済環境の中で、中小零細企業が多く立地しております繊維の産地、大変業況が厳しいということは御指摘のとおりだと思います。
 こういった中で、支払代金の遅延といったような中小企業にとって問題となります取引について、これ私ども公正取引委員会と一緒でございますが、定期的に書面調査を行い、あるいは立入検査などを行うことになっておるわけでありますが、繊維の事業者につきましても、例えば平成十三年で申し上げますと、書面調査三千数百件、それから立入検査及び書面検査百七十件を実施をいたしておりまして、うち九十七件につきまして、例えば支払の遅延を直せとか、そういった改善指導を実施をしたところでございます。
 また、こういったことに加えまして、一昨年から昨年に掛けまして、これも公正取引委員会と共同でやったわけでございますが、繊維業界の参加も得まして、具体的に繊維業界の取引実態を踏まえて、どういった事例が下請代金法とか独占禁止法の違反の事例になるかというようなことを取りまとめをいたしました。昨年度におきまして、十の全国の繊維の産地におきまして関係の事業者に対しまして言わば研修というものを行いまして、これも公正取引委員会と一緒にやらせていただきましたけれども、こういった関係法令などの周知徹底といったことを図ったわけでございます。
 今後とも、私ども、こういった取組を始めといたしまして、違反事例につきましては立入検査、あるいは場合によっては公正取引委員会の措置請求といったことを含めて厳正に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
#133
○政府特別補佐人(根來泰周君) 今、長官がお答えになったことに尽きるわけでございますが、私どもも、ガイドラインを、ガイドラインといいますか問題となる事例集を発行し、あるいは傘下の事業者に説明会を開く、更には昨年は特別調査ということで、卸売業者あるいはその取引業者について特別調査を行っているところでございます。
 今後も、十分そういう動向を注視していきたいと考えております。
#134
○西山登紀子君 次に、下請検査官の、大幅にふやすべきだということでお伺いしたいと思います。
 今、下請法の違反件数というのは、二〇〇一年で前年に比べて千百四十件から千三百十四件、一五%増加しているという下なんですが、実はこの下請検査官の人数。まず、公取委員長にお伺いしますけれども、この下請検査官、先ほど数字の御報告ありましたけれども、九〇年に三十一人いた検査官、今年二十九人、増えるどころか減っています。これはやっぱり増やすべきじゃないかというのが質問です。
 それから、中小企業庁長官にもお伺いします。中小企業庁の方は下請代金検査官専任者というのがいらっしゃるんですが、九〇年に三十二名いらっしゃったのが二〇〇一年度には三十四名という、わずかながら増加しておりますけれども、これはもっとやっぱり増やすべきではないかというのが質問。
 それから最後に、提案者にお伺いいたしますけれども、私たちもこの検査官を増やしてやっぱり実効性を高めるべきだということでずっと要求をしてまいりました。その中で、やはり地方にも下請事業者に密着して実情に即したきめ細かな検査を行うために、下請検査官は自治体に配置すべきじゃないかというふうに考えておりますけれども、この点について提案者のお考えをお伺いをいたしまして、質問を終わっていきたいと思います。
#135
○政府特別補佐人(根來泰周君) まあ役所の管理者ということはどうかは別としまして、大変苦しいところはそれでございまして、国会でもあるいは政府部内でも十分の応援をいただいているとは思いますけれども、やはり人員の不足ということは紛れもない事実でございます。私どもも、例えば談合の問題もやれとおっしゃるし、景品表示法の問題もやるということで、あれもこれもという話でございまして、どうしても人数が少ないとあれかこれかという話になってしまいますので、減ってしまうことがあるわけでございます。
 今後もひとつ十分応援をいただいて、少しでも適正な行政をやっていきたいと、こういうふうに考えております。
#136
○政府参考人(杉山秀二君) 下請代金検査官、先生御指摘のとおり、法の執行のために大変重要な役割を果たす職員だと思います。
 こういった認識の中で、バックグラウンドは行政改革の中で職員の数を減らせという大きな流れの中で、私ども、下請代金検査官につきましては、少ないとおしかりを受けるかもしれませんが、平成五年以降、検査官全体で四十一人から四十六人というふうに五人増やしておりまして、本務発令の検査官につきましても二人増加をしているわけでございまして、まあぎりぎり最大限の努力をしてきているということだと思っております。
 こういった限られた人数の中で実を上げるという観点から、来年度からは書面によります報告聴取につきまして電子的手段を導入するといったようなことも行いまして、業務の効率化あるいは効率性上昇といったことを一生懸命努力をして、できるだけ下請代金法の実効確保ということに努めていきたいというふうに考えているところでございます。
#137
○委員以外の議員(今泉昭君) 私ども民主党といたしましては、下請法の実効を上げるためには、御指摘のように検査官を増やすということが必要だというふうな基本的な考え方を持っております。
 ところが、今御報告にありましたように、公取では二十九名、そして中小企業庁では四十一名ですか、これでは十分な指導体制はとてもでき得ない、こういう考え方に立っております。で、それを補助する意味で、もう先生も御存じだと思いますけれども、全国の都道府県にいわゆる下請企業振興協会なるものを作りまして、いわゆる相談窓口を開きまして、ここで併せて下請問題の相談の対応をしているんではないかと思うわけですが、私どもとしましては、より良く実効を上げるためには何としてでも検査官の増員が必要だと。さらにまた、その指導の内容を充実するためには司法制度改革の進行状況をこれは見なければならないんですけれども、法律に詳しい専門家の登用というものを積極的に行っていくべきではないだろうかと、こういう考え方を持っております。
#138
○西山登紀子君 ちょっと、いいですか。
#139
○委員長(保坂三蔵君) ちょっと待ってください。いいですか。時間がありませんからね。
#140
○西山登紀子君 今ちょっと数字が、三十四と四十六という数字が出ておりますが、私が申し上げました三十四というのは、下請代金検査官専任者の数でございますので。
#141
○広野ただし君 自由党・無所属の会の広野ただしです。
 現下の経済情勢は本当に厳しいものがあります。長引く不況で本当に毎年一万九千、二万件の企業が倒産をする、そしてまたその大部分は中小企業でまた下請業者だと、こういうことだと思うんですね。下請業者の身になりますと、何しろいつ夜逃げしようか、またいつ首をくくろうかというような、そういうせっぱ詰まった日々を毎日送っておられるんではないかと、こういうふうに思うわけです。
 そういう中で、特にまた空洞化という問題が出てきて、大変なコスト競争と、こういうことになっているわけですね。具体的な例を出して申し訳ありませんが、日産のゴーンさんが見えて三年間に二〇%カットダウンだと。こういうようなこと、これはコストダウンという意味ではやれる範囲かどうか、そういうことだと思いますし、またもう一つ、いろんなところで毎年一〇%カットというようなことで、単年度一〇%、それでおしまいなら何とか工夫はするでしょう。だけれども、毎年のように一〇%カットとこうきますと、とてもじゃないけれども、これはもう首くくるしかないと、こういうような話に下請業者の皆さんがおっしゃるわけであります。
 そこで、この下請代金防止法の経済的なコストダウンの範囲と買いたたきと言われるところの範囲と、非常にグレーゾーンだと思うんですね。ここのところをどのようにお考えなのか。どちらがよろしいんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#142
○政府参考人(楢崎憲安君) 企業としてコスト削減を要請すること自体が独占禁止法あるいは下請法に問題になるわけじゃないわけでございますけれども、そのコストの削減要請と不当な買いたたきと、これ非常に判断が難しいところは先生おっしゃったとおりでございます。
 下請法にも買いたたきを禁止する規定があるわけでございますけれども、昭和六十二年に下請代金支払遅延等防止法第四条第一項に関する運用基準というものを策定をして、どういった場合に買いたたきになるかどうかという考え方と、それからどういったケースがこういった買いたたきに該当するおそれがあるかどうかという具体的な事例を書いているわけでございますけれども、基本的な考え方としては、抽象的ではございますけれども、買いたたきに該当するかどうかは、下請代金の額の決定に当たって十分下請業者と協議をしたかどうかという対価の決定方法に関する事項、それから特定の事業者、下請事業者だけを差別的に安い金額にしているかどうか、あるいは他に類似の下請業者に払われる対価、これを通常の対価といたしますれば、通常の対価と当該下請事業者に対する代金との乖離の状況、あるいは当該給付に必要な原材料の価格動向等、様々な要因を総合的に勘案して個別ケースごとに判断していかざるを得ないというふうに考えておりますし、またそういったことをこの運用基準に記載しているところでございます。
#143
○広野ただし君 それで、先ほどからもありましたが、年間千数百件ですか、という話があります。私はこれはもう全くの氷山の一角で、私どもにもよく御相談があります。ところが、やはり後の報復措置といいますか、やっぱり商売上のことですから、何か後で何か受けたら大変だというようなことで、結局踏ん切りが利かなくて、ある程度のところで収めてしまうと。
 言わば、本当にこの法律の実効性というのがあるんだろうかというような、ある意味では伝家の宝刀で、抑止効果というところはあると思います。確かに、これがなくなってしまいますとこれはもう大変なことにはなりますけれども、今の実態は全くの氷山の一角で、水面下で一杯そういう話があると、こういうふうに私は受け止めておりまして、実際何かもう、匿名でいろんな形で処理できるようなそういう形でありませんと、もうとてもじゃないけれども相談にもなかなか行きにくいと、こういうことではないかと思いますが、提案者のお考えを。
#144
○委員以外の議員(木俣佳丈君) 御質問ありがとうございます。
 先生おっしゃるとおりでございます。全くこの新規の発生件数、単年でいうと先生おっしゃったように平成十三年で千三百六十七件というのは、全く氷山の一角ではないかと我々も思っておる次第でございます。
 現在、先ほども答弁の中でお答えさせていただきましたけれども、公正取引委員会としては約九万の書面を通じて、下請業者名が取りあえず明らかにならないような方法で九万やっており、この書面で、職権探知と申しますけれども、職権をもって探知した数が平成十三年度で千三百六十七件。しかしながら、先生おっしゃるように、申告によってこれが発覚したものが五十九件ということで、明らかに書面でやらなければならないということになっておるわけでございますけれども。
 しかしながら、今、議員おっしゃったように、報復を恐れて泣き寝入りする、こういった企業は私どもの近くにもありまして、まだまだ全く網羅されていないと。特に、企業数でいうと百五十万と言われ、そしてまた事業者で、総事業者でいうと日本に大体四百五十万あるというふうに言われて、そのうちの九九・七%である中小企業の方々にとって、そう簡単にこの不景気の中で報復を恐れずに訴えていくということはできない、これは書面でもです、ということで、大変今ゆゆしき状況になっていると。
 ですから、我々は、先ほども申しましたように、製造業、製造委託又は修理委託という範囲からやはりサービスの方へ、ネガティブリストではなくてポジティブに一つ一つ加えていくような形で今回この範囲を広げたいということでございますけれども、しかしながら、先ほど来から各委員から御指摘ありますように、現在の執行体制を考えますれば、数十人でやっているということでございます。しかも、先ほど答弁させていただきましたように、窓口がパラレルになっているということもありますので、こういった整理、そしてまた独禁法の抜本的改正、こういったところまで踏み込んでいかなければ、これはやまないというように考えております。
 以上です。
#145
○広野ただし君 私は、今製造業、製造委託と修理委託というふうになっているのが誠におかしな法体系で、本来、業種的、業種じゃないんですけれども、日本のしきたりからいきますと、どの業界であろうとそういう下請関係というのがあると。ですから、本来、業種指定的なこういう追加追加というやり方はもう時代にそぐわないんじゃなかろうかと思っております。特に、今、企業ではアウトソーシングという形でいろんな分野を外部に委託をして、外部の人材を活用をするということが今行われているわけで、そういう中で、今のような法体系というのはどうも限界があるんではなかろうかと、こう思っておりますが、そのことについて提案者の方と公取委員長さん、またアウトソーシングと下請問題ということについて公取委員長さんにお伺いをして終わります。
#146
○委員以外の議員(木俣佳丈君) お答えを申し上げます。
 今のアウトソーシングは今回の役務の提供に入るものも十分あるかと思いますけれども、いずれにいたしましても今、先生御指摘のとおりで、日本のこの商慣行からしても、あるものは入ってあるものは抜けているというのはいかがなものかという考え方を我々も一つの考え方だということで持っております。
 今回は、特に比重、比率が高く、違反の甚だしい、こういった業種に絞りまして広げさせていただいておりますけれども、別法で、建設業法で建設業の下請関係やっているとか、こういったことも考えますと、非常に煩雑で複雑多岐な状況になっておりますので、やはり先生の考えるその方向も一つの考え方ではないかと思っております。
 以上です。
#147
○政府特別補佐人(根來泰周君) 下請法を執行する者といたしましては、おっしゃることは大変よく分かるわけでございます。
 ただ、執行する責任のある者として多少臆病になるところがあるわけでございまして、そこまで広げて大丈夫かなという思いがまず先立つわけでございますので、いろいろ実態調査をいたしまして、そしてなるべく弱い者を救っていくという立場で仕事をしていきたいと思うわけでございます。
 アウトソーシングの問題も同じような問題があると思いますけれども、その問題も含めまして、将来、私どもの役所の方で十分検討するものと考えております。
#148
○広野ただし君 終わります。ありがとうございました。
#149
○委員長(保坂三蔵君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト