くにさくロゴ
2002/04/23 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 厚生労働委員会 第8号
姉妹サイト
 
2002/04/23 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 厚生労働委員会 第8号

#1
第154回国会 厚生労働委員会 第8号
平成十四年四月二十三日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     伊達 忠一君     後藤 博子君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     泉  信也君
     藤井 基之君     有村 治子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         阿部 正俊君
    理 事
                田浦  直君
                中島 眞人君
                朝日 俊弘君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
    委 員
                有村 治子君
                泉  信也君
                狩野  安君
                久野 恒一君
                後藤 博子君
                佐藤 泰三君
                斎藤 十朗君
                中原  爽君
                宮崎 秀樹君
                今井  澄君
                今泉  昭君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                草川 昭三君
                井上 美代君
                小池  晃君
                西川きよし君
                大脇 雅子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  狩野  安君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       久野 恒一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        江崎 芳雄君
       文部科学大臣官
       房審議官     加茂川幸夫君
       厚生労働省労働
       基準局長     日比  徹君
       厚生労働省職業
       安定局長     澤田陽太郎君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    高原 亮治君
   参考人
       東京学芸大学教
       育学部教授    松矢 勝宏君
       日本理療科教員
       連盟会長     神崎 好喜君
       長崎ウエスレヤ
       ン大学講師    村上  清君
       障害者小規模作
       業所「つながり
       亭」、「バリエ
       ーション」所長  戸田 二郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
○中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告申し上げます。
 昨二十二日、伊達忠一君が委員を辞任され、その補欠として後藤博子さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(阿部正俊君) 次に、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案について四名の参考人の方々から御意見を聴取することといたしております。
 参考人の方々を御紹介申し上げます。
 まず、東京学芸大学教育学部教授松矢勝宏さん、それから日本理療科教員連盟会長神崎好喜さん、長崎ウエスレヤン大学講師村上清さん及び障害者小規模作業所「つながり亭」、「バリエーション」所長の戸田二郎さん、以上の四名の方々でございます。よろしくお願いします。
 この際、参考人の方々に委員会を代表しまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、本当に御多用のところ、あるいは急な形で当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いします。
 それから、次に、今日の議事の進め方でございますが、まず参考人の方々からお一人十五分でそれぞれ順次御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの御質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、意見の陳述、委員の質疑及び参考人の答弁は、御発言などは着席のままで結構でございます。
 それでは、まず松矢参考人から御意見をお述べいただきます。松矢参考人。
#4
○参考人(松矢勝宏君) 御紹介いただきました東京学芸大学の松矢でございます。
 私は、労働政策審議会障害者雇用分科会及びその前段階の検討を行いました厚生労働省の障害者雇用問題研究会の委員として、今回の法改正による障害者雇用施策の見直しについての議論に関与しておりましたので、同研究会及び同審議会の審議経過を交えながら意見を述べさせていただきます。
 まず、障害者の雇用の場の拡大ということでございます。
 我が国の障害者雇用施策においては、障害者雇用率制度が最も重要な柱の一つになっております。障害者の雇用の場の確保、職域の拡大に大きく寄与しているところでございます。今後、障害者雇用施策を推進していくに当たっては、この障害者雇用率制度を障害者の雇用の場の拡大に一層資するように改善を図る必要があるとの結論に達しました。
 その改善の内容としましては二点ございます。
 一点目が、特例子会社を保有する企業については関係する子会社も含め企業グループで雇用率を算定することです。前回の平成九年の法改正により知的障害者の雇用義務化が行われた際、特例子会社の要件が緩和されましたが、大企業において知的障害者を雇用する方法として活用されているところでございます。
 ちなみに、平均実雇用率一・四九%、これは法定雇用率一・八%のところ実雇用率は今一・四九%ですが、この特例子会社の場合には一・九一%の雇用率の達成をしております。
 こうした実績を踏まえ今回の改正を行うこととしたものですが、特例子会社制度を活用した企業グループ全体での障害者雇用の取組が進み、障害者の雇用の場の拡大が図られるものと考えます。この特例子会社の発展を考えたというのが第一点でございます。
 二点目は、除外率制度の段階的縮小です。
 技術革新や職場環境の整備等が進みまして、より幅広い職種での障害者の就業可能性が高まっている中で不合理なものになりつつあります。この制度は、ノーマライゼーションの理念や欠格条項見直しの流れとも合致しておらず、またこのため、一定の準備期間をおいて廃止を目指して段階的に除外率を引き下げていくべきであるという結論でございます。目安としましては、新しい障害者基本施策、これから、来年度から十年始まりますが、その十年を一つの目安として、一定の準備期間をおいて廃止を目指して段階的に除外率を引き下げていくということでございます。
 二番目は、障害者への総合的な支援策の充実ということでございます。障害者の雇用の促進のためには、障害者の特性に合わせたきめ細かな支援が必要でございます。厚生労働省の発足を機に雇用と保健福祉で連携した施策の推進が期待されております。
 これに関し、今回の法改正では二つの事業について盛り込まれております。
 一つは、障害者就業・生活支援センターによる支援でございます。
 この事業は、モデル事業としまして、障害者就業・生活総合支援事業として雇用と保健福祉の施策の連携事業として実施され、私もこの事業を評価する委員会の座長として参加してまいりました。このモデル事業を踏まえ新しく制度化したものですが、障害者の雇用を進める上で、就業面と生活面での一体的かつ総合的な支援を身近な地域で行おうとするものです。従来は就業面と生活面の支援がばらばらでございましたが、これを一体的、総合的な支援を身近な地域で行おうというものであります。また、実施に当たりましては、雇用、保健福祉、教育等の分野の関係機関が連携し合うということが重要でありまして、このような視点の拠点となり得る社会福祉法人とかNPO等の地域の資源を活用することとしております。
 この障害者就業・生活支援センターにおいて、障害者に対する就業及びこれに伴う日常生活上の相談、事業主に対する助言相談、養護学校卒業生、養護学校等障害児教育学校の卒業生に対するフォローアップ等が行われることにより、障害者の職業生活における自立が促進されることが期待されます。また、養護学校等におきましても、在学中から卒業後に掛けて地域の関係機関と連携して円滑に就職に向かえるようにする方策、すなわち個別移行支援計画の策定、ただいま文部省でも取り組みつつありますけれども、この個別移行支援計画の策定を検討しており、これとうまく連動することを願っております。
 私、このモデル事業の委員会で感じましたことは、まだ厚生省と労働省が統合する前でございましたが、委員会で厚生省、労働省の担当官、それから文部省の教科調査官等担当官、その違った行政の担当官が関係者と一緒にこの事業を検討しましたが、そういう連携による就業の促進ということがいよいよ始まったんだなと、そういう感を強くいたしました。
 二つ目は、職場適応援助者、ジョブコーチ事業でございます。
 この事業は、アメリカで一九八〇年代に導入されましたが、我が国の関係者におきましても非常に注目してまいりました。障害者の職場適応を援助する専門家が事業所に出向き、障害者の特性を踏まえたきめ細かな支援を実施するもので、知的障害者、精神障害者への支援方法としてこれからますます有効になるものと考えられます。
 この援助技術は、部分的にはこれまでの職域開発援助事業の中に取り入れられておりました。この場合には職場実習に始まり就職までの支援でございましたが、この職場適応援助者、ジョブコーチの制度によりまして、就職から職場定着までの一貫した支援が可能となってまいります。
 ジョブコーチが、就職した障害者に対していろいろな職業習慣とか職場でのコミュニケーション等について支援をし、また、雇用管理者等従業員に対しましては障害者の特性に関する理解を促進できるように支援を行うことにより、いったん就職しても不適応を起こして離職してしまうというようなことを防止しまして、雇用の促進、雇用の継続が図られるということが期待されます。養護学校等の卒業生がせっかく就職しましても、この定着までの支援が不十分であって離職してしまう卒業生が結構多いのでございます。このジョブコーチの制度は、そういったものの解決に資すると考えております。
 三番目に、今回の改正の大きな柱は精神障害者の雇用の推進でございます。このことは、まず、精神障害者についての定義規定を設けることでございます。このことは精神障害者を雇用率制度の対象として明確に位置付けることになるわけでございます。そして、そのことが、一つには精神障害者に対する様々な支援制度の推進力になること、第二には雇用義務制度の対象とすることが社会的啓発や関係者の理解の促進に役立つということになります。
 次に、精神障害者の雇用率の適用ですが、適用以前に解決すべき課題が幾つかあり、残念ながら今回の改正では見送ることになりました。しかし、基本的な検討課題が明確になり、今後、雇用率制度の対象とする方向で取り組むことが適当であるとの合意がなされたことは大きな前進と言えます。
 基本的な検討課題とは、一つには、採用後発病された採用後精神障害者の実態と雇用に関する問題の解決。特にこれは企業における精神保健、メンタルヘルス施策の強化、支援も含みますが、そういった採用後精神障害者の雇用に係る課題。第二には、企業の中に精神障害者の雇用管理のノウハウをもっと蓄積していくこと。三番目には、プライバシーに配慮した精神障害者の把握と認定方法の確立や、本人の意思に反して雇用義務制度の対象としないこと。
 これは、障害者手帳の活用に絡みまして、いわゆる掘り起こしが企業の中で起こってはいけないと。特に、採用後精神障害者になられた方々、例えば会社の中心でキャリアを積む中でうつ病になる方々も多いわけでございます。そういった方々が雇用率制度が適用されますと、その本人の方は、私は病気であるという自覚がありましても、必ずしも障害者であるという自覚はないわけであります。そのときに、手帳を取っていただきたい、雇用率を上げるために取っていただきたいというようなことが起これば、これは逆の、つまりプライバシーにかかわる権利侵害が起きてまいります。
 こういった観点をどういうふうにクリアして、解決して精神障害者の雇用率制度を確立していくか、こういった課題が明確にされたわけでございます。
 最後に、雇用率制度と関連しまして、今後の日本の障害者雇用の課題について言及したいと思います。
 この雇用促進の課題に関連しましてよく参考にされるのは、アメリカ合衆国等における差別禁止法に基づく制度でございます。差別禁止制度といいますと、アメリカ合衆国の障害者差別禁止法を想起するわけでございます。これは、皆様もう御案内のように、障害者雇用率制度のみならず、教育、医療、福祉、交通、建築等における包括的な差別禁止法であります。
 このような包括的で原則的な法制の在り方から学ぶということは、これからの我が国の障害者施策の発展にとって極めて重要であると考えております。しかし、アメリカ合衆国のADAの成立過程や現状を考えますと、文化的な背景や社会システムの違いを感じるところもあります。
 日本の障害者団体のリーダーの中には、基本的な考え方で疑問を呈する方もいらっしゃいます。例えば、このADAにおける有資格の障害者、資格のある障害者という考え方についてです。
 これはどういう疑問かと申しますと、この法律で言う有資格障害者とは、バリアフリーの職場環境、福祉機器や補助具の用意等の作業環境が整えられれば健常者と同等かそれ以上の仕事ができる人のことであります。このADAという法律は、このような有資格障害者の雇用差別の禁止という考え方を柱にしております。それではこのような条件をそろえても健常者と競うことができない重度の障害者は資格のない障害者ということになり、雇わなくてもよいということになってしまいます。このような障害者との競争的雇用という原則に基づき差別された有資格の障害者が法廷で自ら権利を主張し、自分の権利を守るという考え方から作られた法律制度でございます。これが果たして日本の社会システムになじむのかどうかという疑問がございます。これについては、私も同じような意見を持つものでございます。
 ADAのような法律制度を日本に根付かせるには、国民一人一人が訴訟手段を巧みに使って自らの権利を守ることができるように司法上の基盤整備が十分に用意されることが必要だと思います。
 これに対しまして、ドイツやフランスなどヨーロッパで生まれ、日本でも実施されている雇用率に基づく雇用義務制度は、社会連帯の考え方に基づくものです。すなわち、日本はこの考え方を一九七六年、昭和五十一年から本格的に実施し、満二十五年、四半世紀になるわけでございます。
 この制度は、民間企業の事業主や官公庁が社会連帯の観点から障害者の雇用について一定の責任を果たしていくという理念に立っております。ADAで言うような資格のある障害者という考え方を使いません。重度の障害者であれば二人分にカウントされます。雇用上の負担の考え方の一例でございます。また、雇用率を満たしていない従業員三百人以上の事業主に課せられる納付金制度につきましても、これは罰金ではなく、障害者雇用に伴う経済的負担の平等化、共同連帯責任という観点が特徴的です。
 このような社会連帯という考え方で、企業の雇用管理者は、研究会や連絡協議等の組織、例えば障害者特例子会社連絡会を作り、雇用促進のための好事例やノウハウを相互に紹介し合い、就業支援の方法の開発に連携協力しています。
 日経連における障害者雇用相談室の設置や、一昨年までの障害者緊急雇用安定プロジェクト、これは職場実習とトライアル雇用を組み合わせたものですけれども、これにおける日経連のプロジェクトセンターの活動などは、このような社会連帯理念の見事な具体化であったと言えましょう。
 このプロジェクトの成果は、平成十一年度二千三百人、十二年度三千八百人、合計六千百人分の予算、離職されている障害者に六千百人分の予算が立てられましたけれども、その中の四千二百、約七割の方の本採用を、就職を実現したと言われています。これは大変な実績として評価することができます。この非常に雇用環境の難しいときに七割もの方が再就職できたということは大変な実績でございます。日本における雇用率に基づく雇用義務制度は着実に発展していると考えます。
 このような状況の中で、養護学校の進路指導の教師たちも、民間企業の雇用管理者の熱心な取組から学び、養護学校の研究会にこれらの企業関係者を講師に招くなど、企業と学校との連携が進み、また、ハローワークや障害者職業センター等との、機関との協力を得て、地域におけるネットワーク作りが進みつつあります。
 日本には日本の条件に合った法律と制度を用意したいと思います。これからの雇用率制度の発展のために施策が必要かと存じます。
#5
○委員長(阿部正俊君) よろしゅうございますか。
 それじゃ、次に神崎参考人にお願いいたします。神崎参考人、どうぞ。
#6
○参考人(神崎好喜君) よろしくお願いします。
 私は、まず、学者でも研究者でもございませんで、日本理療科教員連盟会長ということで出席をさしていただいておりますが、今日お配りいたしました資料で冒頭でプロフィールを書かしていただきましたように、たかが一人の盲学校の教員でございます。進路指導、それからあんま、はり、きゅうの教科の指導に当たっているという現場の人間でございます。その立場で今日は発言をさしていただきたいというふうに思っております。
 なお、本題に入る前に、昨年十一月には、私ども日本理療科教員連盟があん摩マツサージ指圧師等法の改正に向けて請願を行いましたときに、本委員会の委員の皆様には大変御協力をいただきました。結果的に私どもの望みはかなわなかったわけでございますけれども、これにつきましては心より感謝を申し上げ、また、あわせて、そういう機会がありました折には一層の御協力をお願いしたいというふうに考えておりますことを冒頭に申し上げて、本論に入らしていただきます。
 冒頭申し上げましたように、私は視覚障害者の雇用促進ということを中心テーマにいたしましてお話をさしていただきたいと思います。
 視覚障害者の雇用・就労状況を見ますと、厚生省、平成八年の実態調査をそちらの方に資料一として挙げさしていただいておりますが、そこで見てお分かりいただけますように、他の障害者に比べて就業者の率が非常に少ないということ、また、もう一つの特徴は、農林水産業が三〇%という、視覚障害者の就業率でこれが最も高いわけでありますけれども、私どもの常識になっておりますのは、これは家業が農林水産であるということで、現にその生産に携わっていなくても、視覚障害者、この家にいるからということで農林水産の数が高いというふうに、私どもの方では常識なわけですが、それを除けば、あんま、はり、きゅうによる就業が高いということがはっきりと読み取ることができると思います。
 例えば、欧米諸国におきましては、視覚障害者といえども様々な職に就いているというふうに言われております。それは一つの方向性であり、ノーマライゼーションのいい方向だと思っておりますけれども、職業的な自立という立場から考えたときに、我が国視覚障害者はこのあんま、はり、きゅうがあるということで職業的自立が果たせているというのも、またこれも事実であると。この前提を踏み外した雇用・就労対策というのは視覚障害者に関しては当てはまらないだろうというふうに現在においては考えております。
 これは、このところ取り組まれておりました欠格条項の見直しということ、ないしは今回の障害者の雇用促進等の法律の一部を改正する法律案の中でも除外率を徐々に縮小していくという方向がうたわれているようでございますが、仮にこのような形になったとしても、視覚障害者は果たして職業的な、職種的な広がりが求められるだろうかということに非常に私は疑問を感じております。
 そういう中で、以前、労働省がヘルスキーパーというものを、企業内理療師というふうに呼んでおりますけれども、このヘルスキーパーというものを視覚障害者の雇用促進の有力な目玉として取り上げて、約十年を経過しております。その間に、確かに目覚ましいヘルスキーパーの増加がございました。しかし、総数ではやはりまだまだ二百とか三百とかという程度ではないかと思います。
 資料の方に、私ども日本理療科教員連盟が調査をいたしまして発表した資料を添付さしていただきましたけれども、それ以降ヘルスキーパーについての全国調査が行われておりませんので詳しいことを申し上げることができなくて大変残念なのでありますけれども、少なくとも十年前と比べるとはるかに人数は多くなっていった。この方向を一つの視覚障害者雇用促進の方向として位置付けることは、視覚障害者全体の雇用率を高めていくという上で非常に有用なのではないかというふうに考えております。
 ところが、先ほども申し上げましたように、あんま、はり、きゅうの業界といいますのは、このところ大変晴眼者、晴眼者というのは視覚に障害のない方々のことを私ども晴眼者というふうに申し上げますけれども、この方々が参入してまいりました。そういう中で、非常に厳しい状況にあることも事実であります。
 後ほど述べますけれども、この晴眼者の参入というものイコール悪というふうに私は考えておりませんが、早い段階でそれなりの手だてが取られませんと、毎年六百人とか七百人とか八百人とかの視覚障害者があんま、はり、きゅうの資格を持って、これは自営も含めておりますが、社会で職業的な自立を果たしているわけですけれども、これだけの人数の人たちがやがては路頭に迷わなければならないと。国家政策といたしましても、その人たちを例えば生活保護の対象にすればいいのか、それとも職業を維持する中で納税者の資格を守っていくという施策の方がいいのか、この辺はしっかりと是非お考えをいただきたいというふうに私は考えております。
 確かに、あんま、はり、きゅう以外にも視覚障害者は仕事に就いていっております。先ほど申しましたように、今から十年ほど前に労働省は視覚障害者職域開発研究会というものを設けて、その報告書の一つがヘルスキーパーの勧めでございました。また、電話交換、コンピュータープログラマー、事務的職種でございますが、こういうふうなところも可能性があるという提起をなさいまして、例えば職場介助者制度を作りまして、事務的な職種に就いた重度視覚障害者に対しては職場介助者を充ててその業務の遂行に円滑化を図っていったわけでございますけれども、では、現実問題として、視覚障害者で事務職の方がそれ以降どれだけ増えたかというふうに申し上げるならば、やはりヘルスキーパーと比べると格段の差がございます。
 以上のような点を前提といたしまして、今日お配りさしていただきましたけれども、二枚物のレジュメの中の三番のところに私なりの要望、提案事項を書かしていただきました。
 その一点といたしましては、既存の職だけではない障害者の雇用促進のために是非とも政策誘導を図っていただきたいということであります。例えば、私どもがヘルスキーパーの求人開拓のために各企業に電話をしたりメールを送ったり、それは非常に多くの数でございますが、そのようなことをいたしますと、資料の十一の方に添付さしていただきましたけれども、大方の企業のお答えは、それは冷たいものなんです。
 ただ単に冷たいだけではありません。どういう点がネックかといいますと、一つには、視覚障害者に関してよく御存じない。例えば、インフラが整っていない、障害者トイレがないから視覚障害者の雇用は考えられないと言ってくる企業がございます。これはもう時代錯誤的なものだと私は思っております。また、我が社では障害者雇用を積極的に進めているけれども、現在所有のポジションだけに限っておりますと。そのポジションでやれる人であれば、障害者であれ健常者であれ、それは差別いたしませんと。しかしながら、新たなポストを考えることはできないというふうなことをおっしゃいます。
 私は、障害者の雇用促進等に関する法律の中で、障害者がその能力に適合して就労できるということが第一条でうたわれているわけですけれども、先ほど申しましたように、視覚障害者の場合、このあんま、はり、きゅうというものが能力に適合した職なわけです。その職で働きたいというふうに言ったときに、企業側が全くそれに乗ってこないという現状は問題なのではないかと、ここには政策誘導的なことが国レベルで図られてよろしいのではないだろうかというふうに考えております。
 二点目に、ヘルスキーパーの雇用促進のための総合的対策というふうに書きましたが、これは、私は、同じ厚生労働省の中で、職業安定局が担当していらっしゃる障害者雇用促進と労働基準局が担当していらっしゃる労働安全衛生の行政とがドッキングすることによって、一層ヘルスキーパーの雇用促進が図られるであろうというふうに考えておりますので、そのようなことを書かしていただきました。
 三点目に、自営の視覚障害者のあんま、はり、きゅう業者への支援ということを書かしていただきました。恐らく、議員の皆様も、また厚生労働省におかれましても、現在を考えれば、自営に対して厚生労働省が支援するということは、これはあり得ないことではあります。しかしながら、冒頭申しましたように、視覚障害者の雇用就業の状況を一方で是とし、また、今回法案には盛り込まれなかったようでございますけれども、自営業者に対しての支援も検討課題ということで提起があったというふうに聞いております。そうした点を考えますと、遠からぬ時期に厚生労働省の施策において自営の視覚障害あんま・はり・きゅう師に対する何か助成といいましょうか援助といいましょうかがなされてよいのではないか。
 一言申し添えるならば、提言にありますような自営業者に対する相談であるとか、又はセミナーであるとかというものは、既に私ども盲学校のマッサージ、はり、きゅうを教える学科においてはこれは実行されていることなんですね。したがって、文部科学省サイドでは既に実行されていることだということも前提に置くならば、更に一歩進んだ施策が打ち出されてもよろしいのではなかろうかというふうに私は考えております。
 以上のようなことを考えますと、視覚障害者の雇用促進のためには視覚障害者に特化した施策、これが必要ではないかと思います。
 このところ、厚生労働省の障害者雇用対策を見ていますと、確かにマクロのところでは進んでいると思います。また、従来、施策が不十分であった知的障害者であるとか精神障害者であるとか、こういうところに厚くしようという、そういうことはよくうかがうことができますし、これは私も全く異論はございません。しかしながら、だからといって身体障害者はもう上がりということは困るわけです。まだ全身障害者と視覚障害者においては決して上がりの状態ではございません。ここを是非とも議員の先生方にも御理解をいただいて、法案の中に盛り込めるものは盛り込んでいただきたいというふうに考えております。
 最後に、要望事項の五点目としまして、勤労の義務を果たしたい、そういう障害者への施策を講じていただきたいということを書かせていただきました。
 憲法の第二十二条では職業選択の自由がうたわれております。そういう意味で、どんな職業にだれが就いてもいいんだということが言われ、従来視覚障害者が守ってまいりましたマッサージ、はり、きゅうの領域へ健常者の方々がたくさん入ってきております。冒頭申しましたように、これを即悪いとは私は申しません。しかし、それを謳歌する健常者の方々がいらっしゃる一方で、同じ憲法の二十七条では勤労を権利であり義務であると定めています。視覚障害者の中で働く能力がある、だから勤労の義務を果たしたい、そう願っている視覚障害者が、なぜ一方、同じ憲法で定められている職業選択の自由によってそれを謳歌する人たちによって職域が狭められなければならないのか、私は非常にそこを危惧と申しましょうか、残念に考えているところでございます。
 ほぼ時間になったようでございますから、資料の方でも出させていただいておりますので、例えばこの委員会におきまして、ないしは参議院におきまして、こういった点について附帯決議をしていただきたいと。又は、労働省に関しても御要望を書かせていただいておりますが、後ほど御質問をいただくような時間もあろうかと思います。ちょっと目をお通しいただきまして、また御質問の中で補充、補足ができればなというふうに思っております。是非ともどうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(阿部正俊君) ありがとうございました。
 それじゃ、引き続きまして、次に村上参考人にお願いいたします。村上参考人。
#8
○参考人(村上清君) 長崎ウエスレヤン大学の村上です。よろしくお願いいたします。
 私の専門は精神障害者の分野なので、その立場で今回の改正案及び精神障害者の雇用対策について意見を述べたいと思います。
 まず、今回の改正案については、精神障害者を法文上に位置付けたということについては前進だと思います。しかし、多くの精神障害者本人や家族、関係者が最も期待していた精神障害者を障害者雇用率の対象にすることが見送られたことについては、失望以外の何物でもありません。
 お手元に配付しました資料の一に、精神障害者の家族の会である全国精神障害者家族会連合会、全家連が昨年出した緊急アピールを添付しています。「緊急アピール 精神障害者も他の障害者と同様に「法定雇用義務」の対象に」をごらんください。
 このアピールで、障害者雇用促進法における雇用義務化は、御存じのように、国の考えを社会や企業に確実に伝える、障害間の格差をなくすことなどを述べています。このアピールを出した後に、多くの精神障害者の御本人や家族から、雇用義務化を期待する手紙やはがき、電話が全家連の方に寄せられたと聞いています。
 さらに、資料二をごらんください。これは、昨年行った、精神障害者の雇用促進等に関する研究会で行われた調査項目の一つです。この雇用促進等の研究会のメンバーでも私あったんですけれども、その中で、「事業主の理解・協力を得るために必要な措置」の問いに対して、「身体障害者や知的障害者と同様の雇用率制度を適用すること」が一番多くの回答が寄せられています。職安の職員に関しては七四・七%の方が必要だということで一番多く回答が寄せられています。障害者雇用の最前線の仕事をしている職安職員を始め労働関係機関の人たちが雇用率制度を適用することの必要性を実感として持っていることが分かります。
 このように、家族、本人、関係者が精神障害者を雇用率の対象にすることを本当に望んでいたのに、今回の法案で見送られたということは本当に残念です。私自身は、このことについては、他の障害者との政策上の差別ではないかと感じています。
 また、雇用率に入れることについては、精神障害者に対する社会理解の促進につながっていくんではないかと思っています。精神障害者に対する社会のイメージは、事件報道などの影響もあり、厳しいものがあります。だからこそ、雇用義務化になることにより、普通に会社等で精神障害者も働くんだということ、できるんだということを社会的にアピールしていく大きな材料になると思っています。
 前回の法改正で知的障害者が雇用義務化になりました。このことについて、日本障害者雇用促進協会が出している「働く広場」で、知的障害者の会の手をつなぐ育成会の松友常務理事がこういうことを述べています。
 今でも雇用主の理解と善意は大切でしょうが、法で支えられたシステムがないと駄目ではないかと感じていました。知的障害者の雇用義務化は良かったと思います。義務化されたことで、大企業や日経連が真剣に取り組んで、特例子会社をたくさん作ったり、障害者緊急雇用安定プロジェクトにもつながったと思います。個人の努力、近隣の支えは大切ですが、近代社会がそこを貫く方向性を出さないとうまくいかないと思います。雇用率の適用で知的障害者の雇用の展望が開けたことは歴史的な大転換だと思います。
 このように育成会の松友常務理事は話していますけれども、この発言にあるように、雇用率の適用で知的障害者の雇用の展望が開けたことは歴史的な大変化、このことを精神障害の分野でも本当は言いたかったんですけれども、残念ながら今回見送りということで、非常にその辺が残念に思っています。
 次に、精神障害者の雇用対策を考える上で、厚生省と労働省が一緒になって厚生労働省が誕生したのですから、従来の厚生行政と労働行政がもっと連携を深めて雇用対策を進めてほしいと思っています。
 例を挙げるならば、資料の三に、平成十年に、精神障害者社会適応訓練事業実態調査の概要というのが載っています。社会適応訓練事業は一般に職親と呼ばれている事業です。その中に、「訓練終了後の訓練生の状況」を見てください。訓練先で雇用したケースは四五・五%、他社で雇用したケースは一〇・九%と、全体で五六・四%も訓練が雇用に結び付いています。この社会適応訓練事業は、従来、精神保健課の管轄事業ですが、精神障害者の雇用に結び付いている実績ある事業なので、雇用関係が生じてから労働行政の職安職員がかかわるのでなく、訓練段階からかかわっていくなど、一貫した精神障害者の職業リハビリテーションシステムの流れを作る必要性を感じています。
 また、もう一つ例を挙げるならば、復職の問題で、対人関係が苦手だったりしてなかなか職場復帰は難しい場合もあります。そのときに、パソコンなどを使った在宅勤務制度を精神障害者も導入する、またそういう人たちが小規模作業所などを在宅勤務センター的な役割で活用するなど、厚生労働行政として連携しながらやっていけば、もっともっと精神障害者の職種の拡大や雇用の実績が上がっていくんじゃないかと思っています。
 それから、資料四を見てください。これは精神障害者にかかわる社会復帰施設の状況です。平成十三年度分の厚生労働省の資料なんですけれども、精神障害者施策全体の底上げがなければ精神障害者の雇用だけが進むわけはないと思っています。
 表をごらんになって分かるように、授産施設が一か所か二か所しかない県や政令都市がまだまだあります。中にはゼロというところもあります。福祉工場に至っては、ない県が圧倒的です。このような状況の中で精神障害者の雇用を進めていこうというにはかなり無理があるんじゃないかと。やはり本気で精神障害者に社会復帰対策を進め、福祉施策も含めた全体の底上げをしていく必要があります。そのためにも授産施設や福祉工場等の設立に対して積極的に国は協力していくべきではないかなと思っています。
 更に幾つかの点を例示的に挙げますと、例えば、今回の法改正の中でジョブコーチが位置付けられていますけれども、ジョブコーチについても、精神障害の場合には、就職時だけじゃなくて、長年働いていて、上司が交代しただけで不安定になる精神障害者もいます。そのために、環境が変化したときに対応できるようなシステムも利用していただきたいと思っています。
 さらに、復職等、職場復帰の問題等に関しても、リハビリ出勤の検討や通院時間の保証をするような通院休暇制度の導入、さらに本人だけではなく、復職に関して配偶者等の支援も含めた、視野に入れる対策をすべきではないかと思っています。さらに、自営業も含めた支援対策も今後検討すべきではないかと思っていますし、また職種の拡大においては、職業訓練校において、精神障害者を理解する立場に立って、職業訓練で職種を拡大するような取組も必要じゃないかと思っていますし、今後取り組まれるであろうと思われるグループ就労なども積極的に今後活用すべきじゃないかと思っています。
 このようなことを踏まえながら、精神障害者が社会経済活動に対して積極的に参加していくこと、そのことがもっともっと必要ではないかなと思っています。
 さらに、今年から精神障害者のホームヘルプ事業が市町村で始まりました。その担い手のヘルパーに精神障害者本人がピアヘルパーとして活躍できるような養成をしていく必要性が叫ばれています。これも福祉サイドからだけで見るのでなく、職種の拡大という視点から、福祉、労働の両面から検討していく必要性を感じています。働く精神障害者のセルフ・ヘルプ・グループの支援なども含め、厚生労働行政がもっと積極的に当事者団体に対する支援、家族会に対する支援を通して雇用の問題について積極的にかかわってほしいと思いますし、また地域において市民団体やNPO組織が活発に活動しています。
 その意味では、市民団体、NPO組織、家族会、患者会などに対して、やはり雇用の問題について積極的に活用するとともに、県内に一か所しかない職業センターだけを中心に雇用問題を考えていくのではなくて、このようないろんな諸団体と連携しながら総合的な地域ネットワークづくりを積極的に進めていく必要があると思います。
 今年から、厚生労働省では職業自立啓発事業というのが取り組まれ始めました。知的障害者が数年にわたって取り組んでいる事業が、やっと精神障害者も今年から取り組まれることで予算化されたんですけれども、このような事業をもっともっと積極的にやっていくべきだし、また、この事業に関しても、当初の予算が若干削られるのではないかという不安もまだあるそうです。その意味では、予算の確保等含めて、精神障害者の雇用に対して総合的に、生活も含めた、生活支援も含めた総合的な対策を今後も進めていってもらいたいと思っています。
 以上で終わります。
#9
○委員長(阿部正俊君) ありがとうございました。
 それじゃ、次に戸田参考人にお願いいたします。戸田参考人。
#10
○参考人(戸田二郎君) 私は今、障害者小規模作業所、いわゆる無認可の作業所でございますが、これの所長ということで代表的な立場を務めさせていただいています。そして、もう片方では、私が、いわゆる自営業、総数五人ぐらいの小さな印刷関係の会社の代表も務めています。そちらの方は、私を含めて障害者が三人、健常者が二名というこういう構成で、小規模作業所の方は、障害者が二つの場所でほぼ二十名ぐらいが今働いているという、そういう立場の中から、今回の法律の改正案について若干の御意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
 今回の法律の改正ということなんですが、これは今まで、障害者にかかわる雇用の問題の中で、どちらかというと旧厚生省の分野と労働省の分野というふうに分かれてしまっている部分があって、今回初めて厚生労働省という意味で、雇用と労働と福祉の領域が一つの省庁の中で取り組まれるという意味では非常に大きな意味合いがあるというふうに考えています。今回、ジョブコーチなど含めて一定評価できる内容になっていることも事実だというふうに思っています。
 先ほどの参考人の御意見の中にも、精神障害者の雇用義務がなされなかったということは、私も同じように残念であるというふうに考えているところであります。
 そういう状況の中で、障害者の今の雇用実態を見るときに、とりわけ私が住んでおりますのは岐阜県という地方でございます。その中では、いわゆる小規模な事業者が非常に多いわけでございます。障害者の雇用義務が課せられない六十七人以下の事業主が非常に多い状況の中で、今年に入りましても、職業安定所の関係者、ハローワークの関係者とお話をした場合も、いわゆるこの非常に厳しい経済環境、不況下の中において、障害者の雇用の継続がされないで解雇されていく人たち、そしてまた、事業規模が小さいために廃業、倒産等の関係で障害者が失業する状況が頻繁に起きている。
 ですから、今、一生懸命職場の開拓をしていて、雇用率を守ってくださいなんということは企業に対して頼めない。雇用率は守っていようが守っていなくてもいいんだけれども、現実に一人でも雇用していただけないでしょうかというような、言ってみれば法定雇用率、民間一・八というふうなことがありますけれども、地方の、とりわけ中小が中心とした事業体、企業の中においては、現実にハローワークの関係者さえもが、この雇用率を守ってほしいということ以前に、どう雇用を継続させていくのか、そしてまた、どういうふうに雇用を開発していくのかということに苦心をしているということが実態としてあるわけであります。
 そういう中で、いわゆる障害者の小規模作業所と言われる無認可の作業所に対する需要が高まってきています。ここ数年、新たに無認可の小規模作業所というのはどんどんどんどん造られています。全国で今六千とも七千とも言われていまして、日々数が増えています。これがある意味では障害者の雇用の受皿的な要素になっていて、とりわけ新規学卒者の場合の受皿的な要素、そして現実に一般企業に雇用されていた人たちが解雇されて行き場がなく、そういう新たな行き場としての役割を今小規模作業所等が担っているわけであります。
 しかし、この小規模作業所は、残念ながら福祉的就労という、今までの厚生労働省の考えた福祉的就労という形の中で、就労という言葉は使われていますけれども、いわゆる労働三法と言われる法律は適用されませんので、当然ここに働いていても賃金は、私がやっている作業所の場合ですと、平均すると二万円に満たないぐらいの賃金しか今支払えない状況です。しかし、これも現実には小規模作業所の中では非常に高い方で、少ないところは月額千円、二千円というのはざらであり、逆に、月額の工賃と言われるものを千円、二千円をもらうんだけれども、月々五千円、一万円を家族が負担をしてその小規模作業所に通うという実例も数多く出されているわけであります。
 こういう状況の中で、果たしてこの小規模作業所の現実等が就労という名の、働くという名に値しているのか。厚生労働省として労働と福祉の領域が一体化されて、そういう中で今回の法律改正案が出ているわけでありますから、是非この福祉的就労というものを一つの就労の場としてきちんと位置付け、それに対してどういう形で助成をしていくのか、どういう形の政策が必要なのかということを併せて、福祉的就労ではなく、本当に一人の障害を持つ人たちが一人の働く人として生きていけるような制度を作っていく必要があるのではないかというふうに思っています。障害者にとっての自立という言葉が近年ずっと言われ続けておりますけれども、障害者の自立にとって最も大切なのは労働、働くということが、これが基本になるというふうに思うのであります。
 そして、今回の法律改正案、この障害者の雇用促進にかかわる法律ですけれども、やはり新規雇入れの際の様々な形が多いというふうに思うわけですけれども、これに対して、雇用をいかに継続していくのかということについてはこの法律は非常に弱いのではないか。現実に、障害者を雇用してきていて、今の現状、非常に厳しい経済状況の中で、真っ先に障害者がリストラの対象になる、解雇の対象になるという実例は数多く出されていますし、ここ数年の数字を見ましても明らかに障害者の離職者は増えているのが現状であります。片方で、法定雇用率一・八%というものを、民間で一・八%というものを基準にしていますけれども、雇った後、その後雇用をどう継続していくのか、このことが十分に保障されていないのではないかなと。
 欧米でというかアメリカなどで行われていましたジョブコーチという制度を今回法律の中に盛り込まれましたけれども、障害者の雇用を継続していくという意味合いでは、社会的雇用と言われる、いわゆる保護雇用という法がヨーロッパなどで大分前から取り入れられています。障害を持つ人たちが実際に働いて、そのことが働き続けられるような環境をどういうふうに守っていくのか、どう作っていくのかということでは、このいわゆる保護雇用と言われる社会的雇用というものも、これは今後十分に検討していかなければならないというふうに私は思うのであります。
 そしてまた、先ほどの参考人の方々の意見にもありました、自営業に対する様々な施策ができないのかというお話もありましたが、私は、もう実際に自分自身が自営業者として、ここ私はもう二十八年間、自営業者として取り組んできたわけですけれども、非常に障害を持つ立場の中で仕事を進めていく、それを継続することはなかなか厳しいわけであります。そして、今の非常に厳しい経済情勢の中では、本当に継続していく、また新規に立ち上げていくということは厳しい状況があります。
 今、国の施策の中で、IT関連とかを含めて、いわゆる起業家、業を起こす人たちに対する支援策等が様々講じられるようになってまいりました。これらのものについても、是非、障害を持つ人たちに対しても、このいわゆる業を起こす起業家という条件の中に障害者というものをしっかりと位置付ける中で、障害者が地域の中で働くということを実現できるようにしていただきたい、そんなことも考えているわけであります。
 そして、今回の中で、除外率の適用制度、除外率を適用しないというものを最終的に廃止をするということが出されています。十年ぐらいというふうに段階的に言われています。これは、除外率をなくすということについては非常に大きく評価をいたしますが、もっと早く、時期的には時間をもっと短縮できればというふうに思います。
 近年行われてまいりました障害者の欠格条項の見直し、多くの障害者の人たちの切実にこんな職場で働きたい、こんな仕事をしたい、しかし現実にはそれを阻む大きな壁があったわけですけれども、それが今、国会の中において、そしてそれが取り組まれて少しずつ緩和をされてまいりました。こういう状況を踏まえるならば、この除外率の適用除外というもの、これは早急に廃止をしていただきたいというふうに思うわけですけれども、と同時に、これを廃止をいたしますと、今までは障害者の雇用率としてカウントから除外をしておりましたので、入れてしまうことによって実質的には計算上は雇用率がというか、障害者の雇用実数が実質下がってしまうという問題が併せて生まれてくる可能性がございます。
 障害者の職域を拡大するという意味におきましては、やはりそのときに障害者の雇用率を併せて検討しなければ、片方で膨らませたら、片方の中でも同じように膨らませてきちんと障害者の職域の拡大が図られ、障害者の働く現場が増えていくというようなことが併せて執り行われることを心から望むものであります。
 障害を持つ人たちにとって、働くということ、そのことをどう実現していくかということは、ノーマライゼーションの考え方等を含めて一番基本になるものだと思いますので、是非私が望みますのは、やはり冒頭申し上げましたように、福祉的就労という形で障害者が働いているのが一人の労働者なのか、働く人としての権利が守られない形であたかも働いているというような状況になってしまっている現状をやはり早急に解決をしていく、厚生分野と労働分野がしっかりと連携をしながら、このことは多くの障害者の人たちが過去に何回もお願いをし要請をしておりましたけれども、管轄が違うということでなかなか実現をしなかったわけでありますから、今回の法律改正を契機に是非、福祉的就労などという変則的なものは早急に見直していただいて、一人一人の働く権利を守っていける、そのことによって社会参加が実現できるという、そういうものにしていただきたいというふうに思いまして、時間が来ましたので私の発言を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#11
○委員長(阿部正俊君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人の方に対する質疑を行わせていただきます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○中島眞人君 自由民主党の中島眞人でございます。
 今日は、先生方には貴重な御意見をいただきまして、大変感謝を申し上げております。
 実は、障害者の問題は先国会でも問題になりました。私も、実は高等学校の教師を、スタートは盲学校の教師でございましたし、家内も今は亡き東京大学の梅津教授や水産大学の中島教授の下で日本で初めてヘレンケラー教育をやったという、そんな昔を思い出しながら、実は私はこの障害児の教育に対する一つの一家言を申し上げて、まず松矢先生に御意見をお聞かせいただきたいと思うんです。
 私は、特殊教育という言葉が大変嫌いでございます。盲学校の教師をやったときに、障害のある教育を特殊教育という形でまとめている。障害がある方々にとってみれば、全く普通の教育ではないのか。それを、特殊教育という一つの枠の中にはめ込んで、そして何か別な教育だというふうな形で進めている在り方そのものに問題はないのかと。ということで、私は、当選以来六年間、文部省にこれを言い続けてまいりました。そこで、文部省では昨年から特殊教育課というのがなくなりまして、自立支援教育課となったんです。
 ただ、言葉のあやみたいなものでございまして、学校教育法の中には、依然として学校教育法の中に特殊教育というタイトルがありました。盲、聾、そして前は精神薄弱者とあったのが、これを全部読み替えて知的障害者というふうに変わっているだけでありまして、率直に言って、障害に対する教育に対する理念とか考え方というものが文部当局あるいは政府の中に変わっていないんではないのか、こういう思いや怒りや、そんなものがあるんですけれども、その辺、松矢先生、お感じになっていることがございましたら、お聞かせいただきたいと思います。
#13
○参考人(松矢勝宏君) 中島先生の御質問、もっともな点があるかと思います。
 特殊教育の用語ですけれども、これはまず今、昨年の一月ですか、文部科学省内に設けられました二十一世紀における特殊教育の在り方の答申が出まして、その中で、これからは通常学級で特別な支援が必要な児童生徒への支援もやっていくという新しい方向が示されて、文部省における特殊教育課も特別支援教育課というのに変わりました。これはもう外国も、特別な教育ニーズというようなことで、一人一人の生徒の持つ教育ニーズに対応していく教育というふうに動いておりまして、日本もそういう方向を取ったということで、私は評価しております。
 これは、当然、学校教育法等の改正も今後検討されていくと思います。今、この特殊教育という用語が学校教育法の第六章にございますし、やはりそれは、今後、法改正による名称の変更も当然この考え方の中で変わっていくだろうと。ですから、実際に発達障害あるいは身体的な障害を持つお子さんから、さらに、従来障害のあるということでは位置付けられていない、一人一人の特別な支援を必要とするお子さんまでの教育をきちっと行っていくそういう施策、それを全体かぶせていくような名称が望まれるのではないかと。その一つが特別支援教育というような名称かと思っております。
 以上でございます。
#14
○中島眞人君 神崎先生にお聞きをいたしたいと思います。
 私は盲学校の教師を五年やっておりました。今でも教え子とのお付き合いをしているところですけれども、昨年、請願は満足におこたえすることができませんでした。片方では職業の自由という問題、憲法で言う問題等との絡みの中で、先生方の御要望を取り入れれば、こちらの方で職業の自由、憲法違反というような問題にかかわってくるということなんですけれども、その前に、あんま、はり、きゅう、マッサージ、少なくとも三年、五年の養成期間を経て、あはき法という法律の中で国家試験に通って、そして一人前のいわゆる職業人として世に出てきているんですね。
 ところが、最近、町に見られる姿というのは、言うなれば、カイロ、あるいはタイ式マッサージ、中国式マッサージ、あるいは韓国マッサージと言われる、資格があるのかないのか分からない。その宣伝は、ストレスを解消する、腰痛を治します、あるいは健康にいい、血圧にいい、こういう誇大宣伝がなされているんですけれども、まず、そういう問題に対して先生方側からはどういうふうなお感じでこれを受け止めているんでしょうか。
 私もかつて委員会で質問をしたことがございますけれども、これらに対する先生方の一つの御要望といいますか、あるいは要求ということでも結構かと思いますが、お聞かせいただければと思います。
#15
○参考人(神崎好喜君) お答えいたします。
 私の資料十のところに、あはき類似業者からの広告事例というものを出させていただいておりますけれども、正に中島先生のおっしゃるとおり、もう無法地帯というふうに私は考えております。ただ、私どもとしては、残念ながら、モグラたたきではありませんけれども、そういう事例が出てくるごとに一つ一つたたいていかなきゃいけないというようなやり方しか、正直申し上げまして現時点ではできておりません。
 一番のネックになっているのは、昭和三十五年の最高裁判例を基にして、いわゆる危険のないものであれば免許資格がなくても何でもできるんだという、こういう流れの中で、厚生労働省の方も法的な規制がなかなか掛けにくいという、そういう状況にあるんだそうですが、私は、最高裁の趣旨というのはそういうところではないのではないかと。やはり現に、例えばカイロで実際に骨折事故が起きるというふうなこともありますから、そういうこと総体として網を掛けるような形での法的規制を基本的には望んでおります。
 しかし、現状においては、私どもとしては、本当に残念ですけれども、一つ一つモグラたたきをやっていくという、そういう現状でしかないことを申し上げます。
 以上でございます。
#16
○中島眞人君 少なくとも、視覚障害という障害を持ちながら三年、五年の養成を受け、国家試験にチャレンジをしていく、そしてその中には全員合格ではないんですよね。合格しなかった人たちというのはそのあはきに就けないわけですよ。片方ではそういうことを置いておきながら、片方では自由選択、危険がなければといって自由に導入させる、ここに問題があるんではないんですか。同時に、誇大広告の問題もございます。
 それと同時に、もう一つ松矢先生にお聞きしたいんですけれども、障害児の職業訓練が、正に私は、系統的に職業教育が学校教育の中で行われるというのは盲学校の理療科くらいしかないのではないかと。ほかのところでは全く場当たり的、極論を申し上げますと場当たり的な職業教育、本当に暗中模索の職業教育しかなされていないというふうな実態があって、そして今度は社会の中では、達成しないと納付金を納めるところへと行ってしまうので、そのギャップがあり過ぎるためにこの障害児の就労というものが系統的になっていかないのではないかという根本的な問題があるということをやっぱり考えなきゃいけないと思うんですが、いかがでしょうか。
#17
○参考人(松矢勝宏君) 盲・聾・養護学校等における職業教育の課題でございますけれども、これはもう百年以上の歴史を盲学校、聾学校では持っております。養護学校における職業教育の取組でございますが、これももうその課題とされて二十年ぐらい、また最近もう一度職業教育の充実ということが掲げられております。
 それはどういう理由かと申しますと、養護学校の義務制実施がありまして、その小学部、中学部の設置が進み、全員就学が果たされましたが、その後、高等部の全員就学が今始まっております。これが、ほぼ訪問教育の基準がさきの学習指導要領の改正で行われまして、高等部においても全員就学が可能となる、つまり二十一世紀の初頭において高等部も全員就学というふうに動きつつあります。
 こうなりますと、実際に今、就業率ですね、就職率は、重度の生徒さんがたくさん今、高等部へ入ってきますので、その分だけ雇用率はどんどん下がってきました。要するに、就職率が下がって今三〇%を割って、今年の、私が入っている統計では二七%であります。重度化が進んで全員就学、そういう中で、もう一度高等部教育をしっかり位置付けようということになりまして、今、職業教育と進路指導の確立ということが大きな課題として進められているところです。先ほどの個別移行支援計画の策定というのがそういうことでございます。
 よろしくお願いいたします。
#18
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 本日は、四方の御参考人の方々、本当にありがとうございます。時間がございましたら皆様方にすべて詳しくお聞きしたいところでございますが、十分でございまして、ある程度制約がございまして、御容赦いただきたいと思います。
 神崎参考人に御質問をさせていただきたいと思います。
 私も、ちょっと調べさせていただきますと、参議院において委員会の傍聴はあるんですけれども、盲導犬を帯同されての参考人というのは参議院の歴史上初めてというふうにお伺いしておりまして、ある意味では当然のことでもございますけれども、やはり喜ばしいことだと、歴史に残る画期的なことだと思っておるところでございます。
 そこでまず、この法案に直接関係はございませんけれども、今、補助犬の法案というものが参議院の審議に付されようとしているところでございます。補助犬を法的に位置付けるとともに、いろんな施設を障害者が利用されるときに補助犬の同伴を拒んではならないということが定められる法律でございますが、この法案について神崎参考人、どのような御見解、御感想をお持ちか、お伺いしたいと思います。
#19
○参考人(神崎好喜君) 勉強不十分なところがございますから、その点はお許しをいただきたいと思いますが、今ここにおります盲導犬の名前はラークと申しますが、おととしの一月に私のところにやってまいりました。それ以来一緒に暮らしているわけですけれども、例えば傘を持たずに外出をいたしまして、急に雨が降り出しました。高校生だと思うんですが、聞いたところ、すぐそこにタクシーがあるというから、そのタクシーのところまで行って乗ろうとしたところ、運転手さんから犬は駄目だというふうに言われました。これは盲導犬なんですがと申しましたら、盲導犬だって犬だろうとおっしゃいました。雨の降る中、仕方なく私は歩いて帰ってまいりました。
 そういうことから考えますと、補助犬法案は大変に画期的で、しかも聴導犬、介助犬も含めて補助犬という呼称でその育成なり社会的な認知をするという法制化だそうですけれども、私は非常にそれは願っております。
 ただ、一方で、どうしても犬が駄目だという、これは動物同士、人間も動物ですからそういうものもあろうかと思います。その辺をどういうふうに補完していって、いわゆる法律があるからいいじゃないかではなくて、本当に社会共通のコンセンサスとなるにはどうしたらいいかという、そういう手だても一方にはあるのではないかというふうに考えておりますので、どうか審議の促進方よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
#20
○辻泰弘君 もう一点、優しい町づくりということで、バリアフリーということで建物や交通施設などのバリアフリー化というものが立法化を含めて推進されつつあるんですけれども、このバリアフリーについて御見解、御意見ありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
#21
○参考人(神崎好喜君) バリアフリーという考え方も、元々は恐らく車いすとか実際の移動の面でお困りの方というのに焦点が当たっていたかと思うんですけれども、最近は情報のバリアフリーというふうな言い方で、私ども視覚障害者に関しても様々な情報アクセスが自由にできるようにという方向で進められているようです。
 私もこれは非常に賛成でありますけれども、更にもう一歩進めて、だれでもいつでも自由に使えるという、いわゆるユニバーサルデザインというふうな形で呼ばれているそうですけれども、そういったところにもう一枚脱皮をしていくということが有り難いかなと思っております。ただ、具体的には交通バリアフリー法であるとかハートビル法であるとか、こういうふうなものが現に存在しているわけですから、それを少しずつではありますけれども、是非ともいい方向に改正をしていっていただきたいと、社会に定着していっていただきたいと、そのように考えております。
#22
○辻泰弘君 神崎参考人は先ほどの御意見の表明の中でもおっしゃっておりましたように盲学校の先生をされておられるわけですが、そういうお立場から生徒を社会に送り出されると。その上での視覚障害者の方々にとってのあんま、はり、きゅうというものの重要性ということをおっしゃっていただいたわけですけれども、現在、視覚障害者の雇用確保のために設けられている特定身体障害者雇用率制度というのがございます。
 これは民間の事業主に七〇%の努力義務を課しているものでございますけれども、この実態につきましては、厚生労働省も必ずしも実態把握は十分でないというふうに私も見ておりますけれども、この実態について、この七〇%という努力義務の実態がどうか、目標数字に達しているのかどうか、またこの今努力義務というのを例えば義務規定に直すとか、そういうようなことが必要ではないかというふうなことについて、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#23
○参考人(神崎好喜君) 七〇%のこの雇用率につきましては、恐らく、私は分かりませんけれども、以前、神奈川県でマッサージ師を雇用する際に、この特定職種の考え方がございまして、どうしてもこれだけの七〇%の雇用率をクリアしなければならないということで相談を受けたことがございますから、行政、公においては恐らく達成されているのであろうというふうに信じる以外ございませんが、民間においては、努力義務でありますので、全くその実態はございません。
 例えば、最近都会で増えているのは、マッサージ師を十人、二十人と雇用している事業所です。もしこの特定身体障害者雇用率が適用されれば、例えば十人のマッサージ師を雇用している事業所であれば視覚障害者がそこに七人就職できるわけです。しかしながら、現在は努力義務ですから、それを強制することはできません。逆に、これは少数意見であろうと思いますし極論でありますけれども、雇用率をこの七〇から下へ下げてでも、下へ下げてでも義務化していただいた方が視覚障害者の雇用にはつながりやすいのではないかというふうに私は考えております。そうしませんと、労働省が言っていらっしゃるヘルスキーパー職場にも、いずれ健常者、晴眼者がたくさん入ってくるというふうに大変危惧をしております。その流れも現在ございます。是非この辺は法的な整備を図っていただきたいと、そのように考えております。
 以上です。
#24
○辻泰弘君 神崎参考人にお伺いしますけれども、今、いわゆる痛みを伴うと言われる構造改革が進められているわけですが、この改革というものについてどう見ていらっしゃるか。また、最近政治のいろいろな問題がございますが、政治自体どう思っていらっしゃるか、受け止めていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
#25
○参考人(神崎好喜君) 大変大きな問題でございますし、総理から直接小泉改革を私は伝授を受けておりませんから、誤解をするかもしれませんけれども、痛みを伴うの痛みはだれが伴うのか。恐らく国民全員ということをおっしゃっているとは思うんですけれども、その中でも強い痛みを感じる人と軽い痛みで済んでしまう人がいるんじゃないかというふうに思っております。
 私は、元々は規制緩和ということは余り賛成ではございませんでした。なぜかというと、しわ寄せが我々に来るからです。しかし、消費者の立場では規制緩和で幾らも助かっていることがありまして、最近は規制緩和もいいのかなというふうに思っておりますし、その中で競争が出ることによって社会が振興していくということがあります。しかし、一方で、そのしわ寄せをかぶってしまう部分をどういうふうに救っていくのかという、いわゆるマクロではなくてミクロの立場でどうカバーしていくのかというのが一方にないと本当の改革ではないのではないかというふうに、ごめんなさい、余り偉そうなことを私あれなんですけれども、そういうふうに考えております。
 以上です。
#26
○辻泰弘君 松矢参考人にお伺いしたいと思います。
 今、税制の改正ということが言われておりまして、人的控除の見直しということが言われているわけです。その中に障害者控除、特別障害者控除、今二十七万、四十万という控除がございますけれども、これを整理縮小しようではないかみたいなそういう流れがある。そのことと、またそれの分を手当の方向で支給していくというような議論もあるようでございますが、この点についていかがお考えでしょうか。
#27
○参考人(松矢勝宏君) 一般的なお答えになりますけれども、障害者の雇用の促進というのは、もう一つ、生活の安定、所得保障ということと結び付いていかなければならないと、そんなふうに考えております。そういった方向で改革を進めていくということが重要だろうと思っております。
#28
○辻泰弘君 ありがとうございました。
#29
○沢たまき君 公明党の沢でございます。
 四人の参考人の皆様には、お忙しいところ、ありがとうございました。大変に参考になりました。
 せんだっても私は質問をさせていただいて、松矢参考人が最初におっしゃっておりました日経連と連携をして、かなり速やかに、短期的ではございましたけれどもトライアルして、そしてちゃんと五万九千円でしょうか、も出て、大変これがすばらしい数字が出ましたね。先ほどもおっしゃいましたけれども、六千人ぐらい、合わせると常用の雇用に結び付いたとおっしゃいました。また、引き続き、今度は三か月のトライアルなしでということになりましたけれども、これだけのすばらしい数字が出ましたけれども、その中で今、視覚障害それから精神障害の就職がなかなかままならないし、この中では精神障害と視覚障害はわきに追いやられているんではないかというような感じを受けましたけれども、いかがでございましょうか。
 この六千人の、このすばらしい数字の中の内訳が分かったらお教えいただきたいし、一つには大変に、日経連との組み合わせが大変よかったということがございましょうけれども、こういうすばらしい数字が出るわけですから、今後もこれをうまく続けていくためにはどうしたらいいか、まずこの二点、伺わせていただきたいと思います。
#30
○参考人(松矢勝宏君) 今具体的な数字、障害者緊急雇用安定プロジェクトの数字、ちょっとここに用意してございませんが、やっぱり一つの特色としまして知的障害者の雇用がこのプロジェクトの中で非常に伸びたということでございます。全体として、この法改正がありましたこの十年間の過去を見ますと、知的障害者が重点が置かれてきて、それが安定プロジェクトの中でも具体化されたと、それが比率で示されたと。それから、精神障害者の方々も、そこでかなりトライアル雇用がなされたということは明るい希望だろうというふうに考えております。
 それから、創出事業の今後ですが、現場実習一か月、手当付きのものがなくなりました。その分が心配されているわけですけれども、いろんな職場実習のプログラムを利用しまして昨年一年間この創出事業が展開されて、これも順調に予算を全部消化いたしました。そういう意味では、その一か月の現場実習なくてもやっていけるだろうと、むしろ二千人あるいは二千二百人というその数、予算をもう少し増やしていくことが今後の課題だというふうに考えております。
#31
○沢たまき君 はい、分かりました。
 この成功した秘訣の一つとして、トライアルがあったので企業も、いわゆる事業主の方も最初は発達障害を持っていらっしゃる方を雇うのにちゅうちょがあったけれども、この三か月があったので、後、常用に結び付けるか、あるいはそこで解雇という形にならず、これで終了という形だったので、精神的にも事業主の方々が安心できたと。そして、実際にトライアルをやってみて、すごくよく分かったと、これが一つの大きな利点ではなかったかというふうに報告書には書いてございましたけれども、これからそういうトライアルがなくなって、一月だけでも安心とおっしゃいましたけれども、大丈夫でしょうか。
#32
○参考人(松矢勝宏君) 個人的には一か月の現場実習があり、三か月のトライアル雇用と行くのが望ましいと思っています。
 しかし、いろんな予算等の関係で現場実習がなくなって三か月のトライアルということで、そのことでもう既に、要するにマッチングですね、お互いに企業の方で欲しい人、それから障害者の方で働きたい職種、そういうもののマッチングがうまくいくようになって、それを前提とした雇用ということですから、このトライアル雇用というのはとても大切なシステムだということが証明されたと。これをやはり活用していくということが大切だというふうに考えております。
#33
○沢たまき君 ありがとうございました。
 次に、神崎参考人、大変ありがとうございました。近々、その介助犬の法律を審議することになろうかと思います。我が公明党も、介助犬に関しては女性議員がもう一生懸命取り組ませていただきました。
 今、辻先生のお話で、盲導犬、犬が嫌いな方もいるのでほかのこともとおっしゃっていらっしゃいましたけれども、視覚障害の方の中にも犬がお嫌いな方がやっぱりいらっしゃるわけでしょうか。
#34
○参考人(神崎好喜君) 私ども今、横浜市立盲学校というところに勤務をしておりまして、その中には視覚障害の学生も私のような教員もおりますけれども、現実問題として、犬が嫌いと言ったらいいのか、怖いといいましょうか、感覚ですので何ともここはお伝えし切れませんけれども、そういうネガティブな印象をお持ちの方もいらっしゃいます。
#35
○沢たまき君 その場合、犬の代替になるものはやっぱり人でしょうか。
#36
○参考人(神崎好喜君) 私は、最も視覚障害者のアシストとして有用なのは人だろうと思っております。じゃ、犬はどうかといったときなんですけれども、これは条件がいろいろございまして、必ずしも並列に並べて人が上で犬が下とか、そういうことではないんですけれども、私にとってはやはり人の方がベストであろうというふうに考えております。
 しかし、犬と二年強暮らしているわけですけれども、その中でやはり心の通い合いといいましょうか、和むというのでしょうか、そういうふうなものもございますから、それはそれで捨て難いなというふうに思っております。
#37
○沢たまき君 大変に子供っぽいというか幼稚な質問になりますが、村上参考人に伺いたいんですが、私の同級生も軽度の知的、ダウン症を、持っている母親が二人身近におります。ダウン症を抱えている方は男の子でございますので大変なんでございますが、軽度の知的障害を持っている子がおります。そういう子はちょこっと情緒不安定になる場合もございますが、視覚障害の方のヘルパーとしての訓練を受けて介助するというようなことは、そういう仕事もということはいかがなものでございましょうか。
#38
○参考人(村上清君) 先ほどピアヘルパーの話を少ししたんですけれども、知的障害又は精神障害を持っている方でヘルパーの資格を取って実際に身体障害者のヘルパーをやっている人が現実にいます。また、それは普通のヘルパー、障害を持たない方のヘルパーさんと組んでヘルパーの仕事が可能じゃないかと。
 先ほども述べたように、やっぱり職種の拡大という視点から、このピアヘルパー制度をもっともっと充実させていくべきではないかと思います。軽い知的障害の方なんかも、かなり私は訓練次第ではヘルパーの仕事は十分できるんじゃないかと思っています。
#39
○沢たまき君 ありがとうございました。
 時間でございますので、どうもありがとうございました。
#40
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。
 私、常々障害者の方々が非常にやはり自立を求めておられるということを感じているんです。働くということはやはり自立にもつながるし、またそれが言ってみれば治療にもなるというふうに感じているんです。
 精神障害者の話も出ましたけれども、やはり精神障害者の私は雇用率が入らなかったということについては非常に残念に思っておりまして、ほかの障害と同じようにそれが入ればよかったなというふうには思っているんですけれども、やはりこの雇用率があってこそこの支援制度が非常に実効あるものになっていく、その基本ではないかなというふうに思っているところです。
 今日、四人の参考人にいろいろお聞きをいたしまして、非常に貴重な御意見をいただいておりまして、皆さんに私、御質問したいところですけれども皆さんにできないので、まず私は、雇用率の問題について触れられました松矢参考人と、それから村上参考人にまず雇用率についてお聞きしたいんです。
 雇用率が見送られたということなんですけれども、これは精神障害者のいろんな要求を聞いておりましたところ、やはりそういう関係者のところではまあ悲願とも言えるような、そういう願いになっているんですね。
 雇用率を私はやっぱり決めていかなければいけないというふうに思うんですけれども、前の改正のときに、この法改正のときに知的障害者については雇用率が初めて定められたわけですね。それで、このことでその後どのような変化が出てきているのか、そしてまたメリットが出てきているのかということを、ここをまず知的障害者のところでも御専門であられる松矢先生にお聞きしたい。
 そして、同じ雇用率でありますけれども、村上さんは精神障害者の御専門でいらっしゃるので、雇用率制定が、家族の方々からもよく聞いておられると思いますが、雇用率の制定がなぜ見送られたと皆さん方が思っていらっしゃるのか、そして今後どのような検討がされなければいけないだろうかということを御提言いただけたら大変うれしいというふうに思います。
 まずはよろしくお願いします。
#41
○参考人(松矢勝宏君) 井上先生の御質問、とても重要なポイントだと思うのでございます。
 知的障害者の雇用率制度につきましては、一九八七年の法律の改正から、雇用された知的障害者については身体障害者とみなすと、みなしカウントで部分的に雇用率制度が適用されたわけであります。それから十年たちまして、一九九七年の改正で知的障害者も身体障害者に組み入れて一・八%と、一・六%が一・八%になりました。非常に大きな前進だと思っています。
 私は、知的障害の方の養護学校等の先生方と職業教育とか進路指導、一緒に研究する立場で考えますと、その十年に働く障害者としての社会的な認知がおかげさまで進んだと思っています。そういう意味で雇用率制度はとても大切だと思っているわけです。
 今回の研究会あるいは審議会でも、私はみなしカウントを考えたらどうかという意見を一度出しております。しかし、そこで、先ほど村上参考人が引用いたしましたけれども、知的障害者の場合、非常に重要な役割を果たした、よかったということであります。そのときに掘り起こしという問題がなかったんですね、知的障害者の場合には。既に企業で雇用されている人の中で、知的障害者は雇用されておりませんでしたから、それは掘り起こしなしにそのままカウントしていった。身体障害者とみなしてもそれは実際に知的障害者の実績として上がってきました。
 今回の場合、採用後に発病された精神障害者の方をたくさんの企業が抱えておられるわけですね。その場合に、雇用率制度をそういうふうにみなしカウントでやった場合に、まだ私は病気で通院していますけれども精神障害者じゃないという方が、手帳を取りなさいという形で掘り起こされていくんではないかと。そのプライバシーの問題、つまり採用後精神障害者の問題が今度の審議会で初めて検討課題として出てきました。この問題をクリアすれば更に進むだろうと。
 ヨーロッパの場合には、精神障害者の課題をクリアして、全体としてドイツもフランスも六%の雇用率であります。実雇用率は大体四%を実現していますから、日本の雇用率制度はまだまだこれからやっていかなきゃならないというふうに思っております。
#42
○参考人(村上清君) 昨年、厚生労働省の精神障害者の雇用促進等に関する研究会というのが行われまして、私もこの委員のメンバーになっておりました。その中で、精神障害者の雇用率問題は何回も主張してきたんですけれども、なかなかいろんな関係で今回見送りということになりました。
 幾つか私残念に思うのは、精神障害者を雇用率に入れることでまずスタートラインに並ぶと思います。現段階では、知的障害、身体障害に比べて雇用率に入っていないということで、まだスタートラインにすら並んでいない、精神障害者の場合は、というふうに思っています。
 さらに、国が出しています障害者雇用対策基本方針、平成十年度に、こちらの資料の五十二ページにありますけれども、この中の六十六ページに、前回、「精神障害者に対する障害者雇用率制度の適用については引き続き検討を加え、適切な措置を講じる。」という項目があるわけですね。これは平成十年のやつです。ところが、それから今回また検討を加えると。一体何をやってきたんだろうと。非常に私はその辺で憤りを感じています。
 精神障害者の問題で先ほど松矢委員の方から話がありましたけれども、松矢先生と若干意見を異にするところが私はあります。まず、掘り起こしという言葉自体が非常に私は嫌です、はっきり言って。精神障害者の掘り起こし、何か人間として見ていないんじゃないかという、感じます。そして、企業の中における、私はその辺は企業倫理の問題ではないかなと思っています。
 さらに、精神障害者の人たちが本当に企業の中で、いろんな確かに課題はありますけれども、企業自体が、一つはまず精神衛生面におけるメンタルヘルスの充実をきちんとすべきだと思うし、さらに通院のための時間の保障だとか、あとリハビリ出勤とか、そういう制度の確立を図っていくべきだと思うし、そういう意味も含めて精神障害者の雇用率をまずカウントして、その上でいろんな対策を講じていくべきだという、そういう基本的なことをまず押さえるべきだと思っています。
 家族の人たちは、やはり働くことを通して自立していきたい、社会経済活動への参加、これは精神保健福祉法でもうたっています。その意味では、そのことが実現していくことが地域の中で安心して精神障害者が暮らしていく前提条件ではないかと思っていますので、是非ともこの雇用率問題というのは重要なポイントだと思っています。
 以上であります。
#43
○委員長(阿部正俊君) 井上美代さん、時間もちょっとよろしくお願いします。
#44
○井上美代君 はい、時間八分までですので、あと二分ぐらいありますか。
 私は、もう一つ村上参考人にお聞きしたいんですけれども、やはり仕事を、雇用の場をどう作っていくかということが非常に大事だと思うんですけれども、やはり公的機関での研究、検討に加えまして、私は、企業や障害者関係諸団体の実践ということが非常に開拓をされていかなきゃいけないというふうに思うんですね。だから、行政と民間、これが連携していく。先ほど厚生省と労働省の連携もありましたけれども、お話がありましたけれども、厚生労働省というふうになってもおりますので、そういうところも連携していくというふうに思いますが、また行政と民間の連携というのも大事だし、情報公開等も大事だと思いますので、その点を簡単にお話しいただきたいと思います。
#45
○参考人(村上清君) 全国各地でNPO組織又は市民団体ができて、行政と一緒になっていろんな障害者の雇用問題に取り組んでいます。私の知っている例でも、例えば福岡や北九州とか、あと久留米などでもそういうネットワークを作ってやっています。こういうことをやはりもっともっと広めていくべきだし、やはりNPOの活用、NPO法人の活用等をもっと雇用の中に入れていくべきじゃないかなと思っています。
#46
○井上美代君 終わります。
#47
○西川きよし君 西川でございます。
 本日は、参考人の皆さん方、本当に御苦労さまでございます。
 早速ではございますが、まず私の方からは、盲学校、聾学校、そして養護学校、特に高等部の卒業生の皆さん方の企業への就職率が大変大切だということを松矢参考人の方からも冒頭お話をお伺いさせていただきました。大変年々低くなっていると。その背景には、生徒の障害が重度化されているというお話も読み物でも見せていただきました。その背景にはまた経済状況の影響もあると思うわけですけれども、まず松矢参考人にその実情の部分、お伺いしたいと思います。
#48
○参考人(松矢勝宏君) 西川先生の御指摘のとおり、高等部が整備されて全員就学、ですから最重度の方から軽度の方まで非常に多様化している中で、かつては五〇%以上の就職率があったのがだんだん減ってきました。それから、経済的な不況ということもあります。その中で、我々、そういう一人一人の移行支援、学校から働く生活へ、あるいは地域生活への移行をするためのやっぱりこれから個別的な支援計画を作っていく必要があるんじゃないか、そういう認識を強く持っております。
#49
○西川きよし君 ありがとうございました。
 次に、聞くところによりますと、ここ数年ですけれども、企業に就職する卒業生がお一人もいらっしゃらないという養護学校もあるようでございますけれども、そのような場合、学校と企業の連携が弱くなっているとも聞きますし、そうした中で養護学校における教育、職業教育、進路指導の在り方、そしてまた統合教育が進む中で、一般の学校、いわゆる一般の高校などの教職員の方々に対しても障害児の進路指導などの専門的な知識を是非是非持っていただきたいと、こういうふうに思うわけですけれども、これもまた私自身は必要ではないかなというふうにも考えますが、この現状、今後どういった対応をすればよいのかということを、もう一度松矢参考人、そして神崎参考人にもお伺いしたいと思います。
#50
○参考人(松矢勝宏君) また、先ほど高等部の生徒さんの重度化を申し上げましたけれども、その指導をきちっとしていけば企業就労が可能なお子さんたちがたくさんいらっしゃいます。実際に養護学校で、つまり全員就学の状態でいながら、六割とか七割の企業就職を実現しているところもあります。ですから、これはやはり一人一人に即した職業教育と進路指導をどう展開していくかというのは課題だと思います。今この点の研究を文部省の中でも進められてきて、五件ずつそういう移行支援の研究が進められることになっております。
 それから、通常の高等学校でやはり一人一人、移行のために支えられるべき生徒がたくさんいらっしゃいます。そういう意味では、高等学校の先生につきましても、障害のあるお子さんあるいは特別な支援が必要なお子さんについての進路指導の在り方について、やはり専門的な研修というのが必要なのではないかということを強く感じております。
#51
○参考人(神崎好喜君) 西川先生の私もおっしゃるとおりだろうと思っておりまして、例えば、盲学校、聾学校、養護学校におきましても、そのセンター化ということが現在求められておりますが、これは地域に対する支援でありまして、その地域の中には、その地域の中にある一般の小中高等学校への支援とか情報提供とか、そういうことが含まれていようと思いますし、また、地域の学校に障害児が入学した場合に特別な支援がその各地域の小中学校、高等学校で受けられるという、そういうものがベースにあることによってノーマライゼーションは進んでいくだろうというのが私の基本的な考え方でございます。
 その中で、進路指導であるとか又は職業教育といった場合にやはり特別な支援がどうしても必要になりますので、その部分についてはかなり専門性を持った教員が当たらなければならないかなと。そういう点では、いわゆる一般の学校に障害児がいることが悪いわけではございませんけれども、何か特別な知識なりノウハウを持った教員が職業指導や進路指導に当たらなければいけないという事実は当分あるのではないかなというふうに思っております。
 以上です。
#52
○西川きよし君 ありがとうございました。
 次に、企業就職者の定着についてお伺いしたいと思うんですけれども、例えば、企業に就職する、せっかくできたにもかかわらず、職場の人間関係であるとか、後から入ってきた方々が、いわゆる後輩がどんどん先に出世をしていく、昇進をしていくということで、御本人の就職意欲が低下をしてしまう、そして仕事を辞めてしまうというケースもかなりあるようにもお伺いいたします。
 この定着率、これはやっぱり、是非これも改善していかなければいけないのではないかなというふうに思うんですけれども、卒業後、就職後の関係機関の対応の在り方について、引き続き神崎参考人にお伺いしたいんですが。
#53
○参考人(神崎好喜君) 私どももその点が非常に心配な点です。
 ただ、私、冒頭申しましたように、マッサージ、はり、きゅうのコースの専門的な職業コースで教員をしておりまして、私のところから出ていく学生さんというのは皆さんそういう領域を基本的には専門にしてやってまいります。したがって、一定のノウハウなり技術なりを持っていきますので、いったん就職をした場合にはかなり定着率はいいと。
 ただ、入って一か月から三か月、就職してから、その時点でのアフターケアをしっかりやらないと後々誤解を受けて結局居づらい職場になってしまうなどということがございまして、そういうことのために私どもはアフターケアということで活動いたしますが、正直申しますと、アフターケアというのは現に在籍している学生に対する指導ではございませんから、私どもにとってはサービスという形にならざるを得ない。公的にしっかり認められたものになっていないところが残念な部分でありまして、実際には、ハローワークの職員の方とか一緒に出掛けたいなというのが本当の気持ちでございます。
 以上です。
#54
○西川きよし君 次に、今回制度化される就業支援、いわゆる生活総合支援事業も含めて、やはり国だけの制度ではなくて、地域独自の対応が大変必要ではないかなと思います。
 例えば、大阪、神奈川県の例を見てみましても、国の制度に地域の創意工夫による独自の制度をうまく統合させまして、更に地域の関係機関のネットワークの強化を図っておられます。こうした地方自治体等の、地域の取組等々の現状と課題について、是非今度は、村上参考人、戸田参考人、お二人にお伺いして、時間が来ると思いますので、終わりたいと思います。
#55
○参考人(村上清君) 先ほども言いましたけれども、地域のネットワークというのは本当に大事だと思っています。
 大阪ではピアヘルパーの養成を実際やっていますし、また、独自のネットワークづくりを大阪職業センターの関さんを中心にやっています。その意味では、そういうネットワークを大阪方式と呼びますけれども、それを全国に広げようかという話も最近したところなんです。その意味では、大阪や、先ほど言いました北九州や久留米とか、いろいろなところで地域ネットワークを進めています。そういうのをやはり全国的に普及させるようなことが必要じゃないかと思っています。
#56
○西川きよし君 よろしくお願いします。
#57
○参考人(戸田二郎君) 西川先生の言われるとおり、地方自治体との取組の強化というのは大切だというふうに思っています。
 現に今年から、私が住んでおります岐阜県の方は一つの試みが行われております。これはほかの自治体でもあるというふうに聞いておりますけれども、障害者の雇用の達成企業に対しては、行政が発注する仕事に関しては一定の配慮をするというか、障害者の雇用を継続させていくために、この不況下において障害者雇用を継続させていくためには、行政の発注する仕事について優先的な割り振りをしていこうという取組が、例えば岐阜県の場合は今年から、四月一日からそれが、取組が始まったというふうに聞いていまして、ただ、現実にはなかなかその職種というものも非常に限られたものになってしまっているという側面もありまして、まだ十分な機能を果たしていませんけれども、一つの試みとしては非常に大切であります。
 障害者の雇用というのは、いかに入口を整備した後にどう継続させていくのか、またどのようにそれを発展させていくのかということが大切でありますから、それは国の法律、制度とともに、地方自治体含めた、民間企業もそうでしょうけれども、そういうところとの連携した取組が進んでいかないとなかなか継続が難しいと思います。
 先ほど村上参考人も言われておりましたけれども、ヘルパーの資格を、滋賀県の方で私の知っている方が取り組んでおられ、やっぱり知的障害を持つ方がヘルパー資格、二級のヘルパー資格を取って、障害者のヘルパーとして現実にもう働いておられる。それを今拡大していこうということを含めて、障害を持つ人たちが自らの経験を生かして、そういう形でのヘルパーとか相談員とかというものの取組はNPOを中心にかなり進んでいます。しかし、まだそれに対する制度的なもの、そしてまた、それが一つの職業としての確立がまだまだされていませんので、その辺が併せてされていくということが地方自治体の取組と同時に大切になろうかなというふうに思っています。
#58
○西川きよし君 ありがとうございました。
#59
○大脇雅子君 戸田参考人にお尋ねをいたしたいと思います。
 最低賃金法によりますと、第八条で、最低賃金の適用除外という項目がございまして、その第一項に、精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者というのは最低賃金が適用除外されているわけです。
 先ほど、労働法が適用されていないということを言われて、保護雇用といいますか社会的雇用というものの提起をなさいました。労働者の生産性の減少を社会の責任によってカバーしていくと。同じ仕事を行う障害のない労働者と同じ水準の賃金を保障していくということは、これは社会の責任ではないかと思います。
 社会的雇用について、具体的にもう少し御説明をお願いしたいと思います。
#60
○参考人(戸田二郎君) 今、大脇先生の方から言われましたように、最低賃金法の中で障害者の適用除外というのがありまして、これはずっと現在もあるわけでございます。障害を持つことによって最低賃金、重度の障害を持つ人たちには最低賃金を支払わなくてもよいという、こういう法律が現にある。これは、近年の欠格条項の見直しの流れの中においても非常に不当なものだというふうに思っています。
 働いている人たちの権利を守るために、だれもが最低賃金、これは守らなければならないとされているにもかかわらず、障害者にはこれが適用されないということについて、非常に私は是正をしなければならないと思っていますし、先ほども申し上げました労働三法と言われるものが適用されていないというのは、いわゆる授産施設、小規模作業所等における労働が福祉的就労という名の下に労働として認知をされないがために、当然最賃の、先ほどの最低賃金法の適用除外をするためには、関係機関にこの人の最賃の適用除外をしたいという申請をし、そのことが関係機関によって認可をされた場合に初めて行われるわけですけれども、授産施設、小規模作業所等においては、労働現場ではないという認定のためにこういう手続が一切取られませんので、このことにも引っ掛からず、そしてまた様々な、例えば退職金もありませんし、厚生年金等の諸制度も含めてありませんし、そういう意味では、いわゆる福祉的な場になってしまっていて、労働の場になり得ていない。
 こういう状況を考えますと、ヨーロッパなどで進めてこられた保護雇用、障害を持つ人の生産能力、労働能力というのはどのくらいあるのかという一定の水準の計算の上にして、その足らない部分、標準を十とした場合に、例えば私の労働能力が七というふうな一定の水準があったとするならば、その残り三については、行政、国がそれを補てんをすることによって、その人の労働現場での雇用の継続と、そして所得の保障を併せて行うというような保護雇用制度がかなり、私の記憶ではもう十五年、二十年ぐらい前からヨーロッパの国の中では取り組まれているというふうに聞いておりますけれども、そういう形の中で、働くということをしっかりと、社会の中で働くということを位置付けていくことが、障害者の自立、そして考え方にも合致するのではないかというふうに思っていますので、是非。
 併せて言いますと、障害者の最低賃金の適用除外という形で、ある意味では権利を制限をしているわけですね。その権利制限をしておきながら、それに代わる何ら代替手段がない。例えば、公務員の人たちがスト権が禁止をされている。その代替手段としては人事院勧告制度を設けているというように、働く人たちの権利を制限するならば、当然、それに伴う代替手段があってしかるべきだと思いますけれども、残念ながら障害者のこの最賃法の場合にはそれがない。そういう意味でも、保護雇用というものを大きな柱として検討していただければと思っています。
#61
○大脇雅子君 松矢参考人にお尋ねしますが、先生は、アメリカの差別禁止法ということを日本の土壌に生かすには様々な問題があるので、社会連帯という形でヨーロッパで行われた雇用率と納付金制度というものの適用がいいだろうと。今、戸田参考人が言われた社会的雇用ということについて御意見がございましたら、お願いいたします。
#62
○参考人(松矢勝宏君) 私も、作業所作りを地域でも進めてきました。社会的雇用、保護雇用をどうするかということは非常に大きな関心事であります。
 日本では授産施設ともう一つ、福祉工場という制度がございます。これは、従業員については労働法が適用されています。ですから、これをいかに位置付けていくか、あるいは強化していくかが一つの課題でございます。
 それから、ヨーロッパの制度で言いますと、いわゆる今働く力と所得保障をミックスするわけですね。この考え方はいいのですけれども、やはりその資金ですね、資源、予算、社会保障の方の全体のそういう負担率をどういうふうにしていくか。日本は低いんですね。我々の税の負担が低いです。ヨーロッパの場合はそれは高くて、雇用と所得保障をミックスしようとしていますね。その辺の研究、それはやっぱり今後やっていく必要があるんじゃないかと思っております。
#63
○大脇雅子君 ありがとうございました。
 戸田参考人にもう一つお尋ねいたしますが、戸田参考人は御自分でも作業所を持っておられるわけですが、障害者が起業する場合の助成が必要だということを言われております。様々な助成措置も日本ではあるわけですが、どこが使い勝手が悪うございますか。どういうところが大事でしょう。
#64
○参考人(戸田二郎君) 障害者の起業というのはなかなか現実には難しいのが実情であります。全くないわけではなくて、障害を持った方が新たな仕事を起こされるという事例は多少なりともあるわけですけれども、現実には、規模が小さくなれば、今の雇用促進法における様々な助成金制度があります。しかし、これは一定の人数がいないと現実には使えないということがあるわけですね。その辺の、手続的に対象にならない、規模が小さいために対象にならない、若しくは手続的に煩雑だということを含めてあるわけですね。
 ですから、事実、私も今、私の職場にかなり重度の障害者を、ある意味で私が事業主ですから、雇い入れてもう四年、五年になりますけれども、雇入れのときに関係機関とお話をしていろいろと、どういう形でできるかというと、ほとんど、あなたのところについてはもう規模が小さいためにこの制度はだめです、この制度はだめです、この助成金はだめですというようなことを含めてありますので、本当に意欲を持ってこれから新たな事業を展開しようとする人たちにきめ細かな形で、規模の大小にかかわらずそれができるという、そういう形のものが必要ではないかというふうに思います。
#65
○大脇雅子君 ありがとうございました。
#66
○委員長(阿部正俊君) それでは、以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。私、委員長の阿部でございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。御苦労さまでございました。
 それでは、午後四時まで休憩いたしたいと思います。よろしくお願いします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後四時開会
#67
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鶴保庸介君が委員を辞任され、その補欠として泉信也君が選任されました。
    ─────────────
#68
○委員長(阿部正俊君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君外四名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#70
○委員長(阿部正俊君) 休憩前に引き続き、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#71
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 本日、三十分の時間をいただいておりますが、通告させていただいております質問事項、十四項目させていただいておりまして、何とか全部行きたいなと思っておりますので、超特急でよろしくお願いをいたします。
 まず冒頭、前回、四月十六日、私この場で質問させていただきました折に、生活保護の問題を取り上げさせていただきました。それは、生活保護の一時扶助費における冷蔵庫の購入費などの取扱いを明確化した別冊問答集の改正についての見解を伺ったわけですが、そのときの担当局長のお言葉、若干言葉足らずといいますか、気持ちが、趣旨が若干伝わらなかったことは反省していますと述べられました。また、その後、大脇委員が同じ問題について質問されたとき、坂口大臣は、「私も今日初めて聞いたので、これは検討させます。」と答弁されたところでございます。
 冷蔵庫を最低生活の一部と位置付けずに、冷蔵庫の購入費を臨時的最低生活費における家具・什器費として認定することは適当でないと新たな見解を出された三月の別冊問答集の改訂、これは三月六日の生活保護関係全国係長会議で示されたものでございますが、この冷たい冷蔵庫のような新しい見解につきまして、坂口大臣はどういう方向で事務方に検討させ、いつまでに答えを出すおつもりなのか。また、今回の新たな見解について、社会通念、庶民感覚の立場から見て坂口大臣はどう評価しておられるのか、お聞きしたいと思います。
#72
○国務大臣(坂口力君) まず、辻議員にお断りを申し上げなければなりませんが、先般のその御質問のときには、私も実はこの問題全然知りませんで、辻議員と局長とのやり取りを聞きながら、あれ、そんなことになっているのかと、こう思いながら聞いていたようなことで、本当に申し訳ございませんでした。おわびをしたいと思います。
 その後も、私も帰って、先般、この最低生活費の認定ということで全国の生活保護関係全国係長会議資料というので見たところでございます。
 言わんとしておることは分からないでもないんですが、この趣旨が十分にこれでは反映されていない。どうも否定的にと申しますか、そう取られてもやむを得ないような書き方になっておりますので、ここは少し書換えを、言い方をひとつ修正をさせたいというふうに思っております。
 いわゆる生活保護一般の受給の話ではなくて、いわゆる一時扶助と申しますか、一時扶助の話なものですから、冷蔵庫等は一般の生活保護にはそれは適用しないとかなんとかという話ではないわけでございまして、若干そこは違うわけでございますが、しかし一時扶助の支給にいたしましても、余りにも冷蔵庫のように冷たい話では具合が悪いというふうに思いますので、御指摘のことを十分尊重しまして、近いうちにひとつもう少し分かりやすく全国に流すようにしたいと思っております。
#73
○辻泰弘君 どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、ワークシェアリングについてお伺いしたいと思います。
 これは働き方の多様化ということで、障害者雇用にもかかわってくる問題でございますが、厚生労働大臣は、先般、四月二十日の大阪のタウンミーティング後の記者会見で、ワークシェアリングを導入した企業への新たな財政支援について、今年度の一般会計から支援する道がないか財務省と詰めている、そして今月中に決着を付けたいと、このような御意向を示されております。
 ワークシェアリングは、前回も申し上げましたように、今や大きなうねりとなっており、その流れを促進するためにも政府も力を尽くすとのメッセージが国民全体に伝わることが私は大事だと思っております。
 新聞によりますと、連合主催のメーデーまでに決定されるというふうな報道もあるわけでございますが、折しも新緑の若葉が鮮やかな季節でございます。日本におけるワークシェアリングが、今年のメーデーを起点として、若葉マークを付けて元気よく安全に発進できるように方向性を示していただければと思っております。
 ワークシェアリングに対する財政支援についての対処方針を坂口大臣にお伺いしたいと思います。
#74
○国務大臣(坂口力君) 先般来、議論をいただいておりますワークシェアリングについてでございますが、一応、政労使三者の間での合意がなされまして、いわゆる緊急型の分野はスタートをさせるということになったわけでございます。
 全国一律にというわけにはまいりませんので、労使の間で協議が調ったところはどうぞお願いをしますと、こういうことになっているわけでございますが、労使の方で協議をしていただいて、そこが調えばどうぞおやりくださいというだけでは国の方も何ら責任を果たしていないではないかと、こういうお話もあるわけでございまして、どういうふうに対応させていただくかということを協議をしているところでございます。
 一つは、いわゆる、特別会計になりますけれども、雇用調整助成金の中で対応がひとつ何かできないかということで、今、最終協議をしているところでございます。
 それはそれといたしまして、一般財源の中からも何か少しできるところはないのかという強い御要望があることも事実でございまして、ところが、先般も申し上げましたとおり、このワークシェアリングの話が起こりました昨年の十二月の時点におきましては、平成十四年度の予算の大枠は既にでき上がってしまった後でございますので、この三月に決定をいたしました今回のワークシェアリングの問題をそこにのせることが不可能であったということもございまして、なかなかここは難しい作業になっております。
 ここは財務省の方とお話を申し上げて、そして最終的な結論を出さなければならないわけでございますが、いつまでも話をしておりましてもこれは切りのないことでございますので、少なくともこの四月中には結論を出して、皆さん方にこういうふうになりましたという御報告を申し上げなければならないというふうに思っております。
 四月中と申しましても、休みも非常に多いものですから、大体、二十七日がもう土曜日でございますので、メーデーが二十七日でございますので、それまでには結論を出したいということを先般、大阪でもお答えをしたところでございます。それまでに鋭意努力をいたしまして、結論を出したいと思っております。
#75
○辻泰弘君 是非、よろしくお願いいたします。
 次に、同じく大阪での記者会見でもおっしゃっていることなんですが、いわゆる引きこもりの人の就労支援についてお伺いしたいと思います。
 現在、知的障害者の社会参加促進のための制度として、知的障害者福祉法に規定された職親委託制度があるわけでございますが、大臣は先般の会見で、引きこもりの人を雇用する企業経営者を対象にした職親制度を創設するため、二〇〇三年度予算で措置するとの考えを示しておられます。
 この点についての大臣の御所見、また厚生労働省としての御方針をお伺いしたいと思います。
#76
○国務大臣(坂口力君) 先般、大阪にお邪魔をしましたときに、フロアからの御意見として、引きこもりの方々をお世話をなさっているNPOの方だというふうに承りましたけれども、とにかく引きこもりの皆さん方をひとつ就職をしたいというふうに思うところまでは我々が一生懸命やりますと。ところが、ようやく働きたいというふうな気持ちになったんですけれども、その後なかなか働く場所がない、だからそこを何とかひとつ手助けをしてほしい。それは、里親制度というのがありますけれども、それと並んで、職親と申しましたか、職親制度みたいな形のものができないでしょうかというお話がございました。これはなかなか考え方としましては新鮮な考え方だというふうに思いまして、ひとつ努力しますということをそのときにお答えを申し上げたわけでございます。
 その方のお話は、引きこもりの皆さん方の中で再び立ち上がって職を求めるところまで行った人、その人たちに対してということだろうというふうに思いますので、それを引き受けてくださる、そういう若人がいるなら、よし引き受けてやろう、世話をしてやろうと言っていただく経営者がおみえになれば一番いいというふうに私も思っておりまして、そういうことをどう位置付けていくのか少し検討しなきゃならないわけでございますが、あわせまして、そういう方のどういうところで働きたいかというようなこともよくお聞きをしながらやっていく、いわゆる今回の法律の中にもございますジョブコーチのような皆さん方にもひとつお力をおかりをしていくのがいいのかなというふうに今思っている次第でございます。
 現在ございます障害者の皆さん方に対する問題、そうした問題と同様にこれを扱うことができるかどうかも検討しなければなりませんしいたしますが、もしそうした中でこの人たちに対しても手を差し伸べることができるというのであれば、それは一つの方法ではないかというふうに思っておりますし、それが無理だということになれば来年度予算から何かいい方法がないかというふうに思っている次第でございまして、そうしたことも含めまして早急にひとつ結論を出したいと思っているところでございます。
#77
○辻泰弘君 障害者のための施策に関する基本的な計画についてお伺いしたいと思います。
 障害者基本法は、平成五年の改正により、国については計画策定を義務付け、また、都道府県、市町村については努力義務を課しております。現在の計画策定状況を見ますと、都道府県についてはかなり進捗が見られるものの、市町村ではいまだ計画策定に至っていないところも多い現状でございます。障害者のための施策を推進していくため、すべての都道府県、市町村が具体的な数値目標を入れた実施計画を策定するよう政府として要請すべきではないかと思います。
 また、経済社会情勢の変動著しい昨今、現行計画のような十年の期間というのは長過ぎると思われます。五年程度が常識的なところだと思いますが、内閣府の見解はいかがでしょうか。
 さらに、現行の障害者プランは十年計画の重点施策実施計画として平成七年に策定された七か年戦略でございますが、平成十五年以降についても当然に障害者プランを策定する方針と考えるところでございますが、いかがでしょうか。その場合、対象期間は計画と同じにするお考えか、内閣府の見解をお伺いしたいと思います。
#78
○政府参考人(江崎芳雄君) 障害者基本法におきましては、都道府県及び市町村は国の障害者基本計画等を基本とするとともに、地域の障害者の状況等を踏まえまして障害者計画を策定するように努めるということになってございます。
 現在、都道府県の障害者計画の策定状況でございますが、平成十三年三月末現在でございますが、四十七都道府県すべてで障害者基本計画、これが策定をされております。その中で、二十二の都府県におきましては数値目標を設定をしておるという状況でございます。残り二十五につきまして障害者計画で数値目標を設定していないということでございますが、このうち一県を除きまして数値目標を定めました実施計画というものを策定をしてございます。これらを合わせますと、都道府県につきましては具体的な数値目標を定めて施策の推進を図っているというのが、ほぼ全都道府県についてそうなっていると承知をしてございます。
 市町村でございますが、やはり策定状況を見ますと、三千二百三十八市区町村のうち二千四百二十四市区町村で計画が策定をされております。比率でまいりますと七四・九%ということでございます。
 市町村におきましては、人口規模でございますとか障害者の状況でございますとか施設など利用可能な社会資源の状況等を踏まえまして、数値目標を設定するのかどうかも含めまして、それぞれの地域で最も適切な計画を策定することが望ましいという具合に考えてございます。
 内閣府といたしましては、今まで、例えば優良事例集でございますとか、必要があれば計画の策定アドバイザーを送るというようなことをやっております。今後とも、全国の市町村におきまして地域の実情に応じた計画の策定が一層促進されるよう努めてまいりたいと考えてございます。
 二点目に、計画のスパン、長さでございますが、現在の障害者基本計画は障害者のための施策に関する基本的な計画として策定をされておるものでございまして、長期的な視点から施策の理念や施策の基本的方向を定めるというのが適当と考えてございます。
 現在の計画は平成五年から十四年までの十年間でございますけれども、その重点実施計画として障害者プランというものも同時に作ってございます。こちらはノーマライゼーション七か年戦略ということで七か年でございます。こちらにつきましては、数値目標を設定するなど具体的な政策目標を明記するということによりまして計画に沿った施策、事業の着実な推進を図っているところでございます。
 それで、今後でございますが、この計画並びにプランが平成十四年度で終期を迎えるわけでございます。こうしたことから、本年二月に障害者施策推進本部におきまして、平成十五年度からの新しい障害者基本計画を策定をする、またその前期五か年の重点実施計画として新しい障害者プランを策定をするということを決定したところでございまして、現在、私どもで関係省庁と協力しながら様々な準備を進めておるという状況でございます。
#79
○辻泰弘君 障害者雇用率について四点お伺いしたいと思います。
 平成十一年から障害者雇用率の機関区分が変更されております。それまで、国、地方ともに、現業、非現業に区分されておりましたが、十一年には、国は現業、非現業を一本化したにもかかわらず、地方は一本化せず、新たに都道府県等の教育委員会という区分が設けられております。何ゆえそのような区分にあえてしたのか、地方も一本化してよかったのではないか、まず第一点としてお聞きしたい。
 第二点目は、地方教育委員会の法定雇用率は二・〇%でございますが、平成十三年の実雇用率は一・二二%と他の機関の実績に比べ余りにも低い水準にとどまっております。厚生労働省はこの点についてどのように対処、指導しておられるのか、都道府県ごとの実績を公表すべきではないか、この点についてお伺いしたいと思います。
 第三点目には、特殊法人については、個別の法律に基づく公的な機関であり税金も投入されているという状況にかんがみ、未達成の機関についてはすぐに公表すべきだと思いますが、一覧表にして示していただきたい、これが三点目。
 四点目は、視覚障害者の雇用確保のため特定身体障害者雇用率制度において民間の事業主に七〇%の努力義務が課されているあん摩マッサージ指圧師の雇用が実際に達成されているかどうか、実情をしっかり把握し指導していくべきだと考えるがどうかということについてでございます。本日、参考人、午前、聴取ございましたけれども、その中でも七〇%を下げてもいいから義務規定にしてほしいと、こういう御主張もあったわけでございますが、その点についてお聞きしたいと思います。
#80
○政府参考人(澤田陽太郎君) まず、第一点の公務部門の障害者雇用率につきましては、現業的機関には非現業的機関に比べて障害者が比較的従事しにくい作業を職務内容とする職が多いとのことから、制度発足以来、現業、非現業に区分していたところでありますが、御指摘のように、現業的機関における実雇用率の方がむしろ高いという状況の中で、現業、非現業に区分する理由がなくなったとの判断から、御指摘のように、平成十年七月以降、現業、非現業を一本化したところであります。
 しかしながら、教育委員会につきましては、教員免許を有する障害者の数が少ないこと、少子化に伴う教員の採用自体が少ないなどから、当時、他の公的部門と比べても極端に実雇用率が低いという状況がございましたので、そうした中で法定雇用率を引き上げることはかえって教育委員会自身の雇用率達成に向けての努力に水を差し、障害者雇用の取組の遅れとなりかねないということで二・〇%に据え置くこととしたところでございます。
 それから第二点の、都道府県教育委員会等の職員の大部分を占めます教員は教育免許資格者である必要がございますが、現状では教員免許を有する障害者の人数が少ない、また、近年、少子化に伴い教員の採用自身が少ないということで、都道府県教育委員会等におきまして短期間に障害者を多数雇用することは困難な現状にございます。
 しかしながら、学校現場におきます障害者の雇用を促進するということが非常に大事でございますので、これまでも、教員採用選考におきまして適切な配慮を求めるなど、私どもとしても教育委員会等に対し指導を行ってきたところでございます。
 今後とも、文部科学省と密接に連携をしまして、教員免許資格取得者に占める障害者の割合についての把握、情報交換を行いながら、教育委員会に対する雇用率の達成指導、学校におきます障害者の雇用についての事例収集及び広報啓発等を実施してまいりたいと思います。
 なお、都道府県ごとの実績につきましては、行政情報公開法に基づく開示請求に対して開示を行っているところでございます。
 それから、三点目の特殊法人についての問題でございますが、法定雇用率二・一%が適用されます特殊法人については、公的性格が強いということにかんがみまして、国及び地方公共団体の実雇用率と同じく、行政情報公開法に基づく開示請求に対して開示を行っているところでございます。
 それから、最後の四点目、視覚障害者のうちの特定身体障害者につきましてでございますが、特定職種、具体的にはあん摩マッサージ指圧師の労働者を五人以上雇用している事業主に対しまして、毎年六月一日現在の雇用状況について報告を求めております。それによりますと、平成十三年度の特定身体障害者実雇用率は五五・六%と努力義務でございます七〇%を若干、若干と申しますか、少しばかり下回っているところでございます。
 この毎年の報告に基づきまして、公共職業安定所においては、特定身体障害者雇用率未達成の事業主に対しまして個別に達成指導を行っているところでございます。
#81
○辻泰弘君 障害者雇用機会創出事業についてお伺いしたいと思います。
 同事業は、障害者に対する知識や雇用経験がないことから障害者雇用をちゅうちょしている事業所にトライアル雇用してもらい障害者の雇用につなげていこうとするもので、対象者一人当たり一か月五万九千円が支給されているものでございます。
 同事業につきましては、平成十三年度予算で二千人分が計上されましたが、十四年一月までに二千百八十一人の受入れが実施され、予算超過となり、応募者のニーズにこたえ切れない面があったところでございます。平成十四年度予算では二百人分上積みされてはおりますが、なお不十分であり、不足する事態が予想されるところでございます。進捗状況を見極め、必要となれば補正予算で対処すべきだと考えるわけでございますが、御見解はいかがでしょうか。
#82
○政府参考人(澤田陽太郎君) 障害者雇用機会創出事業につきましては、御指摘のとおり、若干ではありますが対象者の拡充を図りました。今回の法律改正によりまして本格的に実施することとなりますジョブコーチ事業とか、障害者就業・生活支援センター事業等と併せて実施することによりまして、多くの障害者が円滑に本雇用に移行することができるようにまずは努力してまいりたいと思っております。
#83
○辻泰弘君 障害者就業・生活支援センター、ジョブコーチについてお伺いしたいと思います。
 平成十四年度予算では、障害者就業・生活支援センター並びに職場適応援助者、いわゆるジョブコーチ事業については、四十七都道府県での実施のための予算措置がなされておりますが、今後更に職安あるいは市町村の地域のレベルでの事業展開を目指した取組が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
#84
○副大臣(狩野安君) 委員御指摘のように、障害者就業・生活支援センターの役割は、身近な地域で障害者の就業及び生活面での支援を行うものですので、地域の社会福祉法人やNPOなどを指定することといたしております。また、ジョブコーチ事業も社会福祉法人などを活用しながら身近な地域で支援を実施することといたしております。
 いずれの事業にいたしましても、事業の実施状況を見ながら、障害者本人や地域のニーズに十分対応できるような体制の整備に努めてまいります。
#85
○辻泰弘君 日本障害者雇用促進協会についてお伺いしたいと思います。
 平成十三年十二月十九日閣議決定の特殊法人等整理合理化計画では、日本障害者雇用促進協会について、「国が明確な政策目標を定め、併せて当該目標が達成された場合又は一定期間経過後は助成措置を終了することを明記する。」と決定されております。
 厚生労働省はこの方針を受けて具体的にどう対処していかれるおつもりか、坂口大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 また、障害者雇用政策の中核を担っているこの日本障害者雇用促進協会自体の障害者実雇用率はどのようになっているか、お示しいただきたいと思います。
#86
○国務大臣(坂口力君) 日本障害者雇用促進協会につきましては、特殊法人等整理合理化計画に基づきまして、国際協力事業団の業務を継承する法人に移管する国際協力業務を除きまして、現在、日本障害者雇用促進協会において行っている業務を一体として引き継いだ形で独立行政法人化することを検討しているところでございます。
 障害者職業能力開発校における委託の拡大あるいは職業リハビリテーションや助成措置についての目標設定と事後評価の実施など、同計画に定められた事業に関しまして講ずべき措置を適切に実施してまいりたいと思っています。
 なお、日本障害者雇用促進協会の平成十三年六月一日現在の障害者雇用率は七・七%となっているところでございます。
#87
○辻泰弘君 税制改正の関連でお伺いしたいと思います。
 現在、政府の税制調査会などで所得税の人的控除の整理縮小の方向での検討がなされております。障害者控除は昭和二十五年に創設され、現在二十七万円、特別障害者控除は昭和四十三年に創設され、現在四十万円となっております。
 今日まで障害者に対する税制の根幹を成してきたこれら控除制度の見直しの動きに対して、障害者の立場に立つべき厚生労働省としてはどのような方針で対処していかれるおつもりでしょうか。これらの控除の整理縮小がやむを得ない状況となった場合には、同控除に伴う減収額に相当する財源を確保し、障害者対策に充当すべきだと考えますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
#88
○国務大臣(坂口力君) 時間がないようですから簡単に申しますと、障害者控除などにつきましては、障害があるがゆえに追加的に費用が掛かることによります税負担能力の低下を考慮して設けられたものであるというふうに思っております。障害者の福祉の増進を図りますために重要な意義を有しているものというふうに考えている次第でございます。
#89
○辻泰弘君 いわゆるテレワークについてお伺いしたいと思います。
 現行の障害者雇用対策基本計画においては、在宅勤務の促進が打ち出されております。今日、産業、企業の都市集中が障害者、とりわけ肢体不自由者の就職を阻害する要因となっている中で、テレワークの積極的な導入は障害者の雇用促進に大変有効だと考えます。
 厚生労働省はこのテレワークの推進に向けてどのような対策を講じていかれる方針でしょうか。
#90
○副大臣(狩野安君) 障害者の在宅就労などテレワークにつきましては、平成十二年度からモデル事業としてインターネットやCD―ROMを活用して自宅でワープロや表計算を学ぶことなどを実施してまいりました。
 このモデル事業の成果を踏まえ、本年度から社会福祉法人と連携をいたしまして、在宅就労などテレワークを希望する障害者に対する相談、情報提供といった支援を行っております。
 また、障害者本人だけでなく、企業も含めたテレワークの実態やこれを支援する機関の役割についての調査を進め、在宅就労を円滑に進めるシステムの検討を行いたいと思っております。
#91
○辻泰弘君 厚生労働省は、四月十一日、身体障害児・者実態調査結果を発表されております。同調査は五年に一度行われているものでございますが、その結果を見ますと、五年前の平成八年十一月より身体障害者の数は一〇・六%増加しております。また、障害者の高齢化、障害の重度化の傾向が見られるというものでございます。
 厚生労働省はこのような傾向の要因をどのように分析しておられるのか、お伺いしたいと思います。
#92
○政府参考人(高原亮治君) 高齢化につきましては、日本人全体の人口構成の高齢化に伴うことが一点、それから加齢を理由に障害を持つ方が増えたということが挙げられます。
 また、重度化につきましては、増えておりますものは内部障害、それから肢体不自由が多いわけでございますが、医療技術の進歩の結果、命は取り留めたものの重度の障害を残すに至ったというふうなこと、また、前項と関連ございますが、高齢化に伴うもの、そういうふうなことであろうと考えております。
#93
○辻泰弘君 以上で終わります。
#94
○小池晃君 最初に、精神障害者を法定雇用率に算入することの意義についてお伺いしたいと思います。
 この意義、私なりに考えてみますと、これは身体障害者の雇用努力に始まって、その後義務化をされたわけであります。続いて、知的障害者の実雇用率算入が図られて義務化に進んできたと。これらは本当に一歩一歩障害者の社会参加が前進してきた表れだと思うんです。やはり、権利保障の面からも、精神障害者だけその例外にするということは私はこれはあってはならないし、権利保障の側面からこれは重要だということがあると思います。
 それから二番目に、やはり現実に精神障害者を雇用している事業主が存在しているわけです。そういった方は調整金や報奨費の対象にもならないという困難な中でやっている。そういう点からいえば、他の障害と均衡を欠くことは改善する必要があるんではないか。
 それから三つ目には、何よりもこれ一番大事だと思うんですが、精神障害者に法定雇用率を適用することによって、やはりその雇用が拡大していく可能性があるんだと、それが高いんだと。
 私はこういう精神障害者の法定雇用率の義務化というのはこういう大きな意義を持っているというふうに考えるんですが、大臣にこの意義についてどうお考えになっているか、お伺いしたいというふうに思います。
#95
○国務大臣(坂口力君) 精神障害者を加える意義でございますが、広く一言で言うならば、ノーマライゼーションの思想の中に精神障害者の皆さん方のことも十分にこれはこたえていかないといけない、そういうふうに思っております。
 今、具体的にいろいろのお話をされましたけれども、私も精神障害者の皆さん方につきましてもやはり同じ障害者としてこれから対応をしていくことが望ましいと思っております。
#96
○小池晃君 そもそも理念としてノーマライゼーション、リハビリテーションということから見れば、やはりこれは積極的に支援していくべきと思うんです。
 しかし、今日午前中も議論ありましたが、今回の改正案で精神障害者について雇用の義務化がされなかったこと、失望も広がっているわけですが、政府参考人にお伺いしたいんですが、簡単で結構ですけれども、なぜ今回精神障害者は雇用率の適用をしなかったのでしょうか。
#97
○政府参考人(澤田陽太郎君) 雇用率の対象とするためには、雇用支援施策の積極的展開を図りながら、まずは関係者の十分な理解を得るとともに、極めて重要な技術的な問題として精神障害者の実態の把握をきっちりすると、そして対応策を確立するということ、もう一つは障害者本人の意思に反して雇用率制度の対象とされることを防ぐためのプライバシーに配慮した精神障害者の把握・確認方法の確立ということが大きな課題としてございます。この課題を解決することがまず必要なためということになります。
#98
○小池晃君 実態の把握というのは今までもやるべきことでありまして、これはやっていなかったというのは私は怠慢のそしりを免れないと思うんですね。
 それから、そのプライバシーの問題というのは、これはいろいろ議論ありますが、手帳所有者に限定するなどの対応で私はクリアできるというふうに考えるんですが、その点いかがですか。
#99
○政府参考人(澤田陽太郎君) 実態把握につきましては、今後ともしっかりやっていきたいと思います。
 それから、雇用率の対象を手帳所有者に限った場合を考えましても、労働者がその旨を事業主に対して明らかにしているとは限らないということで、いわゆる掘り起こしが懸念されること等から、やはり障害者本人の意に反して当該制度の対象とされることを防ぐためのプライバシーに配慮した把握・確認方法の確立が必要だろうと思います。
 したがいまして、精神障害者を雇用義務制度の対象とする方向というのはもう明らかになっておりますので、こうした把握・確認方法の確立等の課題の解決に取り組むこととし、今回の法改正では制度の対象とすることを盛り込んでいないということでございます。
#100
○小池晃君 私は、手帳所有者の問題、意思に反して手帳を取ることを何らかの形で禁止するようなことも検討すれば、これは私は十分に技術的に可能だというふうに思うんですね。これは、最大の患者団体である全国精神障害者家族会連合会、全家連が要望も出しているわけですから、私はこういう最大の患者団体の要望にこたえるというのは行政としての責務であるというふうに思うわけです。
 方向としては適用していくんだという御答弁もございましたけれども、大臣にお伺いしたいんですが、これは例えば九七年、五年前の障害者雇用審議会の意見書でも平成十四年度までに検討を加えるというふうに言ってきたわけでありまして、それが今までも検討でこれからもまた検討だというのでは、これはやはり現場の皆さんは失望されるのは私は当然だというふうに思うんですね。
 方向としてはそういう方向だという局長の御答弁もございましたけれども、是非大臣に、これはやはり一日も早く実現すると、精神障害者についても雇用義務制度の対象とすると、一日も早くそれを実現するんだという方向で是非御検討いただきたいと思うんですが、大臣の御答弁を求めたいと思います。
#101
○国務大臣(坂口力君) 今回のこの法改正におきましても、身体障害者、知的障害者、そしてこの精神障害者と、初めて精神障害者の名前もここにのせたわけでございまして、大枠におきましては、精神障害者の問題をこの障害者の中に列挙したということで、私は大きな一歩を踏み出したというふうに思っております。
 あとは雇用率等の問題をどうするかということが残っているわけでございますから、この雇用率等の問題につきまして、先ほど局長が申しましたような、まだそこを検討しなければならない点が幾つか残っている、そうした点をひとつ雇用をしていただきます皆さん方にも御理解をいただくという時間が必要だというふうに思っておりますので、そこを乗り越えることができればこの問題は解決すると思っている次第でございます。
#102
○小池晃君 そういう方向では道は見えてきているのかなということですが、是非一刻も早くこたえていただきたいというふうに思います。
 残る時間、精神障害者の社会復帰を目的とした現実の施設の問題についてお聞きをしたいんですが、精神障害者の施設としてこういうのがあるんですね。入所、通所の授産施設を備えていまして、一体となった宿泊施設、研修施設がある。通所授産施設で訓練をしながらその宿泊施設で働けると。これ栃木県にあるんですが、ハートピアきつれ川と言います。これ先ほど言った全家連が運営主体となっている施設であります。
 ここでは、精神障害者の社会復帰と社会参加を促進するために、自立訓練だけではなくて、実際に宿泊施設でベッドメーキングとか調理とか配ぜんとか、一般就労に近い形での訓練を行っていると、なかなかよく工夫された仕組みではないかと私思うんですが。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、こういう取組、これ朝日新聞などでも取り上げられておりますけれども、私は精神障害者の社会復帰のために有効なんではないかと考えるんですが、大臣、どのような御見解をお持ちでしょうか。
#103
○国務大臣(坂口力君) この具体的な例としましてハートピアきつれ川というんでしょうか、このことにつきましては、私も、申し訳ないんですが余り詳しく存じておりません。
 したがいまして、これが本当にうまく運用されているのかどうかということを申し上げる自信がなかなかないわけでございますけれども、しかし総論として言えますことは、ただ単に授産施設が造られるというだけではなくて、共同生活が同じにできる、あるいはまたそこで一定の仕事ができて社会復帰がしていけるということがセットになって運営されているということは誠に望ましいことだというふうに思っておる次第でございます。
#104
○小池晃君 このハートピアきつれ川の設立当時に厚生労働省として国庫補助をしていると思うんですが、どのような補助をしたのか、御説明願いたいと思います。
#105
○政府参考人(高原亮治君) ハートピアきつれ川につきましては、精神障害者社会復帰促進センターの活動の拠点としての性格を持つ施設でございます。
 この精神障害者社会復帰促進センターは、平成五年に精神保健法の一部改正に伴い、精神障害者の社会復帰の促進に資するための啓発活動を行うとともに、社会復帰の促進を図るための訓練及び指導に関する研究開発を行う民法法人として法定化されたものでございます。
 厚生労働省におきましては、財団法人全国精神障害者家族会連合会、全家連でございますが、からの申請に基づき、平成六年七月一日付けで同連合会を精神障害者社会復帰促進センターとして指定いたしました。
 その後、同連合会から、精神障害者社会復帰促進センターの活動の拠点とするため、宿泊施設と授産施設が一体となった施設の整備の要望がございまして、厚生労働省といたしましても、その事業の有効性等を認めまして、平成七年度予算におきまして、精神障害者保健福祉施設といたしまして、その施設整備費九億二千二百万円を予算計上し、補助したものでございます。
 なお、授産施設につきましては日本船舶振興会の補助でございます。
#106
○小池晃君 そういう設立当時補助した施設なんですが、今、景気が悪いということもあって経営状況がなかなか厳しいと聞いております。
 現在の収支状況、どうなっているか、お示し願えますでしょうか。
#107
○政府参考人(高原亮治君) 直近の状況で申しますと、特に宿泊部門につきましては、収入と収支の間に約年間に六千万円ぐらいの赤字が出ている、それから累計赤字が二億円程度出ているというふうに承知しております。
#108
○小池晃君 非常に大変な赤字が続いて厳しい状況だと。ここは、入所、通所、合わせて大体五十人ぐらいの精神障害者の方が働いている貴重な施設だと思うんですね。私は、先ほどから議論をされてきたような精神障害者の社会復帰という目的から見て、しかも、その設立当時は厚生省、当時厚生省として補助事業にもなっていたということからすれば、国として何らかの継続した支援をすべきではないかというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
#109
○政府参考人(高原亮治君) 十二年度におきましては、授産施設部門に対しまして運営費としまして八千九百万円、地域生活支援センターに対し運営費として一千六百万円の合計一億五百万円の補助を行っております。宿泊施設部門につきましては、収益事業というふうな考え方もございまして、国庫補助の対象とはなっていないということでございます。
#110
○小池晃君 保養施設の方は福祉施設じゃないんでというふうにおっしゃるんですけれども、これ一体だと思うんですね。やはり、保養施設は授産施設利用者の訓練の場として設置をされていると。これは赤字になるのは私当然だと思うんですね、こんなことでやったら。
 私は、やはりこの施設には、例えば、具体的に言えば、固定資産税が掛かっていますと、これ免税できないかということがあると思うんですよ。例えば、設立時の登録免許税というのは、これは栃木県知事が免税措置を取ったんですね。ですから、国として何らかの措置ができないもんだろうかというふうに考えるんですが、例えばハートピアきつれ川を社会福祉法人に準ずるというような扱いにして固定資産税の、これ総務省に聞いたらば、社会福祉法人と認めれば法律上は可能だという話もありましたので、そういう免税措置を取るなどの検討を私はすべきではないかと思うんですが、いかがでしょう。
#111
○国務大臣(坂口力君) 先ほど申しましたように、私、この具体的なことを余り知らないので私が申し上げるのどうかと思うんですが、やはりこういう施設は、ここだけではなくて全国いろいろなところがあるだろうというふうに思うんですね。それで、その場所の中で、若干年間の多少の赤字が出るか出ないかというようなところでの運営がされているというのであるならば、私はそれは年によりましてはそういうこともあるだろうというふうに思うんですが、年間六千万もの赤字が出るというのは、ちょっとそういう状況のままで運営をしていくというのは非常に無理ではないかと私は思います。
 税制につきましても、固定資産税の方はこれは地方税でございますから、地方の方でお考えをいただくということになるんだろうというふうに思います。そこを我々が地方税でどうこうということもなかなか言いにくいというふうに思っている次第でございます。
#112
○小池晃君 しかし、これ設立当時の問題もあるんですね。これは、本来出るはずだった企業とか財界からの寄附金が、その当時岡光問題があって、これが入らなくなってしまった。そのときの借入金が約九億円もあるんだと。例えば、二〇〇〇年度の借入金に係る利息だけで約一千二百万円以上の負担になっているんですね。実際は二千二百万円だけれども、栃木県が社会福祉・医療事業団からの借入金に係る利息分を利子補てんしてくれているそうであります。そういう経過もあるわけですよね。
 これはやはり、こういった設立経過からしても、私は、そんなに余り冷たい態度を取るのではなくて、やはり何らかの手を打つべきではないかと。実際に運営している方の話では、固定資産税の免除措置を行うことによってかなり、そのことに希望、強い希望を持っておられるので、せめてそれだけでもやってほしいという強い希望があるので、是非これは前向きに、私、制度上の問題としてはクリアできるんじゃないかと思うんですが、その点いかがなんでしょうか。
#113
○政府参考人(高原亮治君) 現在、この赤字問題をめぐりましては、全国精神障害者家族会連合会におかれまして、ハートピアきつれ川在り方検討委員会を設置し、その運営の在り方について検討を行われているというふうに承知しております。私どもといたしましては、この在り方の検討委員会の結論を待って対応を考えてまいりたいと考えております。
#114
○小池晃君 そもそもこのハートピアきつれ川というのは、厚生労働省が全家連に話を持ち掛けた、そういう経過もあって国庫補助も入っていると思うんですね。そうであれば、やはりこういう貴重な精神障害者が働けて社会復帰を促す場を確保し拡充していくということは、私は、知らぬ顔をするんじゃなくて、厚生労働省の重要な役割だと。造ってしまったら後はもう知らないよということではまずいのではないだろうかというふうにも思いますので、保養施設の運営の部分についても、一つの手段として免税の措置なども私、提案をいたしましたけれども、是非検討していただきたいというふうに思います。
 こういう精神障害者の社会復帰を目指す施設というのは、きつれ川だけではなくて、やどかりの里とか麦の郷とか、いろんな先進的な取組もありますけれども、そういったもの全体としてしっかり厚生省として支援していく、その中で、先ほどの最初の話にも戻りたいと思いますけれども、精神障害者の法定雇用率、雇用義務化を図っていくということを進めていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。
#115
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いいたします。
 先週は主に障害者雇用と福祉の連携という視点から質問をさせていただきました。本日は教育との連携という視点からお伺いをしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 これまでの政府が示されてきた障害者雇用の基本方針などを見ましても、福祉、そして医療との連携はもちろんでございますが、教育との連携あるいは教育機関との連携の必要性についても掲げられてまいりました。この障害者雇用と教育、教育機関との連携について、まず坂口大臣の御認識から冒頭お伺いしたいと思います。
#116
○国務大臣(坂口力君) 前回にも若干申し上げたか分かりませんが、障害者にとりまして、やはり教育との連携ということは私も非常に大事だというふうに思っております。それは、障害者が初めて就職をされるというようなときには、そうしますとその前に長い間教育を受けておみえになったわけですね。そうしますと、その教育を受けておみえになっている間に、その指導をなさった先生方は、その障害者の特性と申しますか、そうしたことを十分につかんでおみえになるわけですから、新しく雇用に就かれるその障害者の方がどういう特性を持った方かということは、それを教えられた先生が一番よく御存じなんだろうと思うんですね。そうした意味で、やはり長い間教育をされた先生方のアドバイスというのは大変私は大事だというふうに思っております。
 ですから、教育と、そしてそれから後の社会における活動といったものとがやっぱり連係プレーをしていくというのが非常に大事なことだというふうに思っております。今御主張いただきましたことは、私もそのとおりというふうに思います。
#117
○西川きよし君 ありがとうございました。
 続いて、昭和五十一年に義務雇用制度が制度化されて以来、学校教育への影響、あるいは盲学校、聾学校、養護学校を卒業された後の進路状況についても大きな変化が出てきているように思います。
 私自身も、一般的に考えまして、障害者雇用の促進によってそうした養護学校高等部の就職状況も増えているんだろうと思っておりましたのですが、しかし、実際に平成十一年の文部省の資料を見せていただきますと、昭和六十三年と平成十年の高等部卒業者の進路状況といたしまして、就職者の割合は昭和六十三年当時の三二%から十年後の平成十年では二六・八%と減少いたしております。進学者についても七%から四・八%と少なくなっております。そして、一方の社会福祉施設や医療機関に入所をされる割合が二〇・五%から五〇%と大幅に増えております。
 これまでの答弁をお伺いいたしておりますと、政府の雇用促進施策の推進、企業の取組によりまして確実に雇用の促進が図られております。そうした中で、こうした養護学校の卒業者の就職者は減少しています。この一つには、子供たちの障害の重度化、そしてまた経済状況の影響などがあると思うわけですけれども、こうした背景について文部科学省ではどのように認識をされておられるのか、文部省の政府参考人にお伺いをいたします。
#118
○政府参考人(加茂川幸夫君) お答えをいたします。
 養護学校等の卒業者の就職状況が厳しいではないかという御質問でございます。
 委員御指摘のとおり、盲・聾・養護学校の高等部を卒業いたしました者のうち、就職した者の割合、私ども持っております一番新しい数字は平成十三年三月の卒業者でございますが、二二%となっておりまして、御指摘のように年々低下をしております。
 この背景としましては、委員御指摘にございましたように、近年の経済状況による厳しい雇用環境ということがございます。これに加えまして、盲・聾・養護学校に在籍する生徒の障害の重度・重複化、そういったことが背景にあるものと同じく認識をいたしておるところでございます。
#119
○西川きよし君 例えば、肢体不自由児の養護学校卒業者の就職状況は一〇%となっているわけですけれども、学校によっては企業に就職する子供たちがゼロという学校もございます。
 そうしたことから、養護学校と企業の情報の交換でありますとか連携というものが非常に弱くなってきているという声もお聞きいたしますし、また、統合教育が進む中で、障害を持つ子供たちが一般の高校等に通い、卒業する方々も多くなっていると思いますけれども、その場合に、一般の学校側にも適切な進路指導であるとか企業側の連携というものの必要性が高まってくると思うわけですけれども、この養護学校などと雇用側との連携、進路指導の在り方、そしてまた一般の学校においての障害児、つまり子供たちの進路指導、雇用側との連携について、文部科学、厚生労働、両省のお考えを是非お伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#120
○政府参考人(加茂川幸夫君) お答えをいたします。
 学校と雇用側との連携あるいは進路指導の在り方についてのお尋ねでございます。
 障害のある生徒の職業的自立でありますとか社会参加を促すためには、盲・聾・養護学校、そして一般の学校におきましても、学校が保護者や企業、労働福祉関係機関と連携をしながら、一人一人の障害の状態等に応じた先生御指摘の進路指導あるいは職業教育の充実を図ることが大変重要だと私ども考えております。
 文部科学省におきましては、厚生労働省の協力も得ながら、教育と労働等が一体となりました就業支援に関する実践研究事業などを行っておりまして、そういった取組を進めておるところでございます。これまで各学校におきましては、企業等と連携をして、生徒が実際に仕事を経験する就業体験、インターンシップと申しておりますが、就業体験を実施いたしましたり、企業等の理解、啓発を図るためのパンフレットを作成する、あるいは企業等との協議会を開催するなど、学校と企業との連携に努めているところでございます。
#121
○政府参考人(澤田陽太郎君) 厚生労働省としてお答えをいたします。
 障害児の進路指導に当たりましては、御指摘のように、学校が企業の実態に関する情報を得たり、また逆に生徒の障害特性を踏まえた配慮を企業の方に求めたりというようなことで、学校と企業の連携というのは非常に大事だと思っております。
 そうした中で、私どもの労働関係機関におきましては、学校と企業の間の仲介的な役割を果たせるんではないかということで、両者の連携のお手伝いをするということで、公共職業安定所あるいは地域障害者職業センターと養護学校が連携を現に図っているところであります。さらに、今般御審議いただいております障害者就業・生活支援センターもそうした役割を担えるものと考えております。
#122
○西川きよし君 続いて、そうした障害者が企業に就職をした後、定着率が低い問題への対応について少しお伺いしたいと思うわけですけれども、義務雇用制度後大企業の障害者雇用が急速に進み始めたわけですが、例えばその際に企業側が真っ先に注目したのが聴覚障害者でありました。聾学校に求人が殺到したという時代がございました。
 現在でもそうした傾向があると思うわけですけれども、確かに大企業からの求人が増え、雇用が大幅に増えたこと、これは喜ばしいことであると思うわけですけれども、しかし一方で、企業側から見て、少なからずとも聴覚障害者を雇用することが企業にとって有利という考えがあったことは否定できないというふうにも思います。例えば、車いすを使用している方のように設備の改善の必要がありませんし、雇用率については一人を二人分にカウントをされるという企業からのメリットが大きいという部分があったと思います。
 そうした中で、実際に企業に就職をされた障害者が就職後大変な御苦労をされたお話も随分お聞きしますし、例えば、コンピューターなどの機械化、情報化の中で各企業は社員教育として新たな技術の習得に取り組むわけですけれども、そうした場合に、聴覚に障害があることで社員教育の対象から外されたり、それから昇格、昇進の問題、自分よりも後から入ってきた人たちに、つまり後輩に追い越されていくような状況の中で精神的に参ってしまう、こういった話もしばしばお聞きするわけですけれども、その意味では、会社に入った後、その後のフォローといいますか、個々の能力が正当に評価される環境、またあるいは新たな職種の開発、そうした環境整備に対する支援というものが大切ではないかなというふうにも思います。
 午前中の参考人でお越しになりました盲学校の先生の神崎先生でございますけれども、あの方がおっしゃっておられたのは、就職してから一か月から三か月のアフターケアをしっかりとしないと後々誤解を受けて大変やりづらくなる場合がある、そのためにアフターケアはやっているが、正直言うと、現に在籍していないのでそれがサービスという形になってしまう、つまり卒業したために在籍していないのでそれがサービスという形になってしまうというふうにおっしゃっておられました。それはしっかりと法的に認められていないためだが、本当はハローワークの職員と出掛けたいと思っているというお話でございました。
 このような卒業の後ですね、卒業後の進路先への定着に向けての支援に対するお考えについて是非、文部科学省、厚生労働省、お伺いしたいと思います。
#123
○政府参考人(加茂川幸夫君) 障害児の卒業後の進路先での定着についての、またその支援の在り方についての御質問でございます。
 障害のある生徒の職業的自立を促進するためには私ども幾つかポイントがあるだろうと思っております。第一には、新たな職域の開拓が期待できる職業教育の充実を図ること。第二に、盲・聾・養護学校が保護者や企業、労働、福祉関係機関等と連携しながら生徒の障害の状態に応じた進路指導を充実すること。そして、先生御言及なさいました、三点目として、卒業後の支援体制の整備充実を図ることでございます。
 このため、新しい学習指導要領におきましては、まず教育内容でございますが、生徒の職業的な自立を促進、推進するために、教科として「情報」でありますとか、教科として「流通・サービス」などを新しく設けております。このことによりまして高等部における職業教育の充実をまず図ろうとしております。また、就業に必要な基本的な技能等の習得をねらいとしまして、先ほど申しました就業体験でございますが、就業体験の充実も指導要領上図ったところでございます。
 次に、もう一つの方策としましては、障害のある生徒の職業的自立を目指して、厚生労働省の協力を得ながらでございますが、教育、福祉、医療、労働等が一体となった就業支援のための取組を私ども進めてきたところでございますけれども、平成十三年一月に、私ども文部科学省の協力者会議でございますが、二十一世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議というところから報告をいただきまして、更に一層の教育と労働との連携の必要性がこの報告書で指摘されたわけでございます。
 そこで、この報告書も踏まえまして、本年度、平成十四年度からでございますが、新たに学校と公共職業安定所あるいは地域障害者職業センター等の関係機関、企業等が連携をいたしまして、継続的な職業支援の組織や体制づくり、あるいは生徒一人一人の将来の就業に向けた個別の支援計画の開発のために実践研究を都道府県に委嘱して行うことといたしております。
 今後とも、厚生労働省を始めとしました関係機関等と十分に連絡、連携協力をしながら、障害のある生徒の進路指導の充実、卒業後の支援体制の整備充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#124
○政府参考人(澤田陽太郎君) 就職後の職場定着を図るためには、大事なことは身近な相談相手がいるということが大事だろうと思います。そういうことで、今回の障害者就業・生活支援センターが、今、文科省からお話ございましたように、学校とも連携しながらそうした相談の役割を個別支援という中で果たしていくことが期待されているところであります。
 それから、実際に職場で問題が起きたというようなときには専門的な支援が必要ということで、職場適応援助者、いわゆるジョブコーチが職場を訪ねて事業主、同僚等々に対していろいろな指導、援助等々をやるということで、これも職場定着への大きな力になるものと考えております。
#125
○西川きよし君 ありがとうございました。
 続いて、視覚障害者、盲学校の場合についてお伺いをしたいと思いますが、盲学校の高等部を卒業される方の進路状況としては、五割近くが大学や専攻科等に進学をされ、就職をされるわけですけれども、一五%程度の方となっているわけですが、こうした方々の場合、以前はあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師と、いわゆる三療の資格を取得するわけで、就職に結び付いていたという経過があったと思いますけれども、しかし一方で、この三療があることでかえってその他の職業が発展してこなかったという面もあったと思います。
 平成五年からは三療の資格が国家試験になって合格者がかなり減少しました。さらに、その職域の中に晴眼者が増えてきたということもありまして、三療という分野については非常に厳しい状況にあるわけですけれども、平成五年、障害者対策に関する新長期計画の中でもこの点について、「その就業の場が狭まっている等の事情にかんがみ、これら自営業等に就いている障害者についてその就業実態の把握に努め、必要な雇用・就業対策を講ずる。」と、このように言われております。
 こうした状況は学校教育の在り方にも大きな影響を与えていると思うわけですが、文部科学省のお考え、またこの長期計画で言われていたその後の対応について厚生労働省のお考えもお聞かせいただきたいと思います。
#126
○政府参考人(加茂川幸夫君) お答えをいたします。
 盲学校における職業教育についてでございますが、視覚障害者の多くが、お話にございましたあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師に従事してきておりまして、また視覚に障害のある生徒が社会的自立をするために大変重要なものであると私ども考えております。
 このため、盲学校の高等部においてでございますが、理療、保健理療の教科を設けておりまして、平成十五年度から実施される新しい学習指導要領では、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の専門性の向上あるいは特色ある教育を展開できますように、例えば解剖学、生理学といった分野を「人体の構造と機能」と改めるなど、科目の大綱化、弾力化を図ったところでございます。これによって特色ある教育を展開できるように工夫したわけでございます。
 また同時に、新しい学習指導要領では、情報化の進展等にも対応いたしまして、情報の各分野に関連する基礎的、基本的な知識、技術等を習得させることをねらいとした、先ほども申し上げました教科「情報」など、社会の変化等に適切に対応した職業教育の充実を図っておるところでございます。
 さらに、望ましい職業観、勤労観の育成といった観点からは、産業社会と人間ということにつきましても学習指導要領に位置付けて指導することといたしておるところでございます。
 今後とも、障害のある生徒が自立し、社会参加できるように教育の分野での充実施策に努めてまいりたいと考えております。
#127
○政府参考人(澤田陽太郎君) いわゆる三療の養成につきましては、今、文科省からお話がございましたように、そうした養成機関の情報提供とか相談の体制を取っているところであります。
 それから、今年度からは当事者団体の協力を得まして、いわゆる三療の自営開業に関する事項も含めまして就業に関する事項についての相談等の事業を実施することといたしております。
 なお、視覚障害者の職業自立を促進するためには、新たな職域の開発ということも大変大事でございますので、新たな職域でありますヘルスキーパー、言わば企業内理療師などについて事業主に広く周知を図り、視覚障害者の雇用に関する事業主の意識啓発、そして視覚障害者の雇用に関するいろいろな雇用管理マニュアルというようなものを作って配布しているところでございまして、事業主に対する雇用促進の指導、援助等々も引き続きやっていきたいと、こう思っております。
#128
○西川きよし君 もう一分しかございません。
 最後に、今、障害者の、今日、日本の雇用全体も雇用のシステム自体がもう変わっております。終身雇用、年功序列、能力主義、成果報酬主義といって、いろいろとここへ来て皆さん方のことも考え直さなければいけない、意識改革、支援体制の変化も求められていると思うわけですけれども、是非最後に一言大臣にいただいて、終わりたいと思います。
#129
○国務大臣(坂口力君) 障害者というふうに一言でなかなか言い切れない部分があるというふうに思います。障害者の中にも非常に大変な能力を秘めた方がたくさんおみえになる。その皆さん方に対しましては、その能力をどのように引き出すかという教育の問題と、その能力をいかにして就業に結び付けるかという就業に結び付けるための技術、そしてその指導といったことがやっぱり大事になってくるんだろうと思うんです。
 脳性小児麻痺という言葉を言っていいのかどうか分かりませんが、脳性小児麻痺の方なんかでも、体の方は御不自由ですけれども、能力としては非常に優れた能力をお持ちの方がたくさんあることも事実でございます。そうした皆さん方には教育と職業訓練あるいは就業に対する手助けといったようなものをこれから的確に行っていけば、この人たちが長く優秀な職に就けることができるようになるだろうというふうに思います。はり、きゅう、あんまという今までの限られた職業しか与えられなかったこの人たちに、IT化によりまして、非常に幅広く多くの職が私は与えられるようになったというふうに思っております。
 したがって、その皆さんにできる限り幅広い、その人に合った職業をどう選択をして与えるかということが私は今後大事なことになる、それを行うのが障害者に対する雇用対策ではないかと私は思っております。
    ─────────────
#130
○委員長(阿部正俊君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤井基之君が委員を辞任され、その補欠として有村治子さんが選任されました。
    ─────────────
#131
○大脇雅子君 今回創設されるジョブコーチ制度は、障害者の雇用及び雇用の継続をきめ細かく専門的に相談をしながら運んでいくという有効な制度だと考えます。
 採用の前後を含めて職場の定着への人的支援を行う事業ということとして、事業主体である地域センターへの協力機関というものをこれから指定されるということでございますが、具体的にどのような機関を考えておられるのでしょうか。
#132
○政府参考人(澤田陽太郎君) 地域障害者職業センターがジョブコーチ事業を行いますが、その際の協力機関として現在考えておりますのは、社会福祉法人、公益法人、NPO、医療法人といった幅広い機関に御協力を願うということを考えております。
#133
○大脇雅子君 障害者支援の具体的なノウハウは最も現場で蓄積された活動があるというふうに考えますので、NPO法人など積極的に協力機関として活用していただきたいと思います。
 ジョブコーチ制度の対象障害者は、改正案の九条の二では「知的障害者、精神障害者その他厚生労働省令で定める障害者」としておりますが、対象範囲はどのようなものなのでしょうか。
#134
○政府参考人(澤田陽太郎君) 省令におきまして予定しておる定義と申しますのは、職場の適応に当たり援助を必要とする障害者を対象とするというふうに考えておりますので、知的障害者、精神障害者といった障害種別にこだわることなく、正に職場の適応に当たり援助を必要とする障害者ということで、必要に応じ支援を実施するということになります。
 したがいまして、身体障害者も当然必要性に応じてその対象になるほか、高次脳機能障害、高機能自閉症等、障害に係ります手帳制度の対象とならない方々につきましても必要性に応じ支援の対象となるということでございます。
#135
○大脇雅子君 新しい支援制度が加わることによって、既に存置されている他の助成制度との関連について確認をしたいと思います。
 これまでの職場の介助者、その他通勤等の様々な助成金が交付されておりますが、こうした既存の制度とジョブコーチ制度ということは併用されると考えてよろしいのでしょうか。
#136
○政府参考人(澤田陽太郎君) 今御指摘のそれぞれの助成金につきましては支給の要件がございますので、その要件を満たせばジョブコーチ支援を受けているかいないかにかかわらず支給になるということでございますので、当然、両方の支給、支援を受けるというケースも出てまいります。
#137
○大脇雅子君 障害者の雇用促進の具体的な取組として、地方公共団体では一定の障害者に採用枠を設けております。しかし、このことは大変評価できるのですが、その採用要件に、自力で通勤できること、いわゆる点字は駄目、日常会話ができることで、手話は駄目等の条件が課せられている場合が多く見られます。
 これでは、採用要件は将来的にいわゆるノーマライゼーションの理念からすれば撤廃の方向で検討されるべきではないかと考えますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#138
○国務大臣(坂口力君) これは地方自治体だけではなく、すべてのこれは障害者の雇用について当てはまることではあるというふうに思うんですが、特に地方自治体、いわゆる公務員の場合などにおきましては、私も率直に申して余りいろいろの条件を付けるというのは良くないことだと思っています。
 率先をして障害者を雇い入れるという姿勢をやはり公務員のところから示していかないといけないわけでございますから、そうした意味では積極的なひとつ施策をそれぞれお取りをいただくように私もお願いをしたいというふうに思っております。
#139
○大脇雅子君 最低賃金法適用除外問題についてお尋ねをいたします。
 障害者数は現在何人と考えたらよろしいのでしょうか。そしてまた、平均賃金は幾らでしょうか。最賃法八条の一を理由とする同法の適用除外がございます。この適用除外を許可をしているのは現在何件あるのでしょうか。過去五年間の許可件数などお分かりでしょうか。
#140
○政府参考人(澤田陽太郎君) 最賃法関係のお答えの前段で、私の方から、現在常用雇用されている身体障害者は全国で三十九万六千人、これは平成十年十一月の調査が直近でございます。そうした身体障害者の方々の平均賃金、これは二十八万三千円、月でございます、という状況にございます。
#141
○政府参考人(日比徹君) 最低賃金の適用除外の問題でございますが、ここ五年間で適用除外の許可をした人数で申し上げます。
 平成九年三千四百三十三人、平成十年三千七百二十四人、平成十一年三千六百二十一人、それから平成十二年三千六百九十一人、それから平成十三年三千六百三十八人、以上のような状況でございます。
#142
○大脇雅子君 先ほどの参考人質疑でも問題になったのですが、いわゆる最賃法の適用除外を許可された人たちというのは、いわゆる福祉的な就労ということで非常に低い賃金しか手にしていないわけです。いわゆる障害者の人権、働く権利の保障ということを考えますと、労働者の生産性の減少を社会的な責任によってカバーしていく、同じ仕事を行う障害のない労働者と同水準の賃金を保障していく、それはリハビリテーションを遂行していくということも含め合わせて、いわゆる社会的な雇用というのが重要ではないかと思います。
 最低賃金法改正によって適用除外をなくしていき、そうした社会的な雇用を積極的に作り出していくということについて大臣の御所見はいかがでしょうか。
#143
○国務大臣(坂口力君) 御趣旨はよく私も理解できるんですが、なかなかここはちょっと難しいところだなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、障害者の皆さん方にまずできるだけ職に就いていただくようにしなければならない。しかし、そこを、最低賃金制によってそこを縛りを掛けて、これ以上でなければ駄目ですよというふうに言いますと、そこがなかなか、就職そのものがなかなか難しくなるということもあって、なかなかここは難しいなという率直な気持ちを持っております。
 先ほど、局長の方から答弁のございました中で、平成十三年の適用除外を見てみますと、身体の障害による方は三百三十一名、それからこれは精神の障害による場合という、知的障害者を含まれているんだと思いますが、三千三百七人ということになっておりまして、身体障害者の方はほとんどの方が最低賃金の幅の中で働いておみえになる。ごく三百人ばかりの少数の方が最低賃金の除外になっている。ただしかし、知的な皆さん方の場合に三千人からある。
 ここをどのように考えていくかということは、一方から考えますとなるほどお気の毒だという気もいたしますが、しかしまずこの人たちにはやはり職に就いていただくということがまず大事だということを考えますと、やむを得ざることなのかという気もするわけでございますが、少しこの点は整理をして今後検討していかなければならないというふうに思っております。
#144
○大脇雅子君 現在、我が国では雇用率を設定し、そして雇用率を達成できない企業からは納付金を納めさせ、そしてその納付金によって言わば障害者を雇い入れている様々な企業や経営者に対する助成をしていくという形になっていて、これが一つの社会的な連帯だと言われるわけです。
 しかし、よくよく考えてみますと、それで本当に障害者の雇用ということがいいのであろうかと、非常に後ろ向きで消極的に過ぎるのではないかと。話をしていますと、違反をした納付金と奨励金としてあるいは助成金として出したお金が採算に合っているとか赤字になっていないという言葉を聞きますと、これは赤字にならなきゃ駄目なんで、採算が合ってはいけないということではないかと、それが雇用率達成の一つの目標ではないかと。
 とりわけ、雇用率が低いということはこれまで衆議院の審議でも幾つか言われておりまして、日本の場合は民間が一・八ということですけれども、ドイツが五%、フランスが六%、オランダは三から七%ということであります。とりわけ、いろんなデータを見ますと、教育委員会が二%になっているんですが、この達成率が非常に悪いということもございまして、民間企業では五五・七%が未達成。やっぱり、この方法で我が国の障害者雇用制度というのはいいのだろうかということを考えます。
 アメリカとイギリスでは障害者差別禁止法という法律ができておりまして、差別それ自身が禁止されている。ILOの百五十九号条約によりますと、障害者の職業リハビリテーションと雇用というのは完全にコンバインをして、労働者の権利を確立しなければいけないというふうにしているわけですが、そしてその中で、障害者の自己決定権が尊重されるという世界が現出するには将来的にはどういう立法がいいのだろうかということで障害者差別禁止法という方向というのは検討されるべきではないかと思いますが、これを、大臣の御見解を伺って、質問を終わりたいと思います。
#145
○国務大臣(坂口力君) 確かにアメリカにございますADA法を私も少し勉強いたしております。しかし、この中でよくよく見ますと、いわゆる十五人以上を雇用する雇用主というのは、いわゆる有資格の障害者、この有資格の障害者に対しては理由なく拒否をするということはいけないということなんだろうというふうに思います。日本の国の中におきましても、何をもって有資格者というふうにするかということにもよるというふうに思いますが、いわゆる有資格者というのがどれぐらいおみえになるかということもこれは少し検討しなきゃならないと思いますが、そうした有資格の人はそれじゃ何とか雇いますと、しかし資格が取れない人に対してはそれじゃもういいのかといえば、そんなわけではない。
 先ほど御指摘いただきましたように、日本の国の中はそれぞれお互いに支え合う形の中で障害者を雇用していこうというふうに考えているわけでございますから、私は、アメリカのこうした方向も一つの参考にはしながらも、日本は日本として独自の何かもう少し障害者を多く雇用する道がないかを考えることが大事ではないか、いわゆる日本式のお互いに支え合う形の中での障害者雇用という考え方の延長線上の方がよりうまくいくのではないかなという私は気持ちを持っております。このADA法を否定しているわけでは決してございません。
 それで、今後、これは身体障害者の皆さん方の問題もこれでその俎上に上りまして、これからそんなに遠くないうちにこの精神障害者の皆さん方も雇用の中に含めるという時期が来るというふうに思いますが、これが一つの私は過渡期と申しますか、いろいろのことを考え直す一つの時期になるのではないかという気がいたします。そうしたときをとらえて、今お話をいただきましたように、現在までの障害者を雇用するお互いの助け合いと申しますか、お互いの手を差し伸べる方法というのも今までのままで本当によかったのか、もう少しこれは考え直さなきゃならないところがあるのではないかといったことも含めて、その際に私は考えるべきとき、いいときではないかという気がいたします。
#146
○委員長(阿部正俊君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#147
○委員長(阿部正俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、柳田君から発言を求められておりますので、これを許します。柳田稔君。
#148
○柳田稔君 私は、ただいま可決されました障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、適正な就労が障害者の権利であることにかんがみ、本法の施行に当たり、障害者の雇用の促進を図るため、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、障害者雇用の促進には、労働のみならず、生活環境、福祉、保健医療、教育、文化等広範な分野にわたって施策を総合的に進める必要があり、従来にも増して、各省庁の連携を密にし、政府全体として取組を進めること。また、新障害者基本計画及び新障害者プランの策定に当たっては、障害者雇用を重要な柱として位置付け、可能な限り数値目標を掲げるなどし、計画的な整備を図るよう努めること。
 二、精神障害者に対する障害者雇用率制度の適用については、雇用支援策の展開を図り、関係者の理解を得るとともに、人権に配慮した対象者の把握・確認方法の確立等の課題を解決することなどにより、早期に実施されるよう努めること。
 三、雇用率制度の厳正な運用を図るため、企業名及びその雇用率の公表を前提とした指導を強化するとともに、必要な体制整備に努めること。
 四、国、地方公共団体等の公的機関において、率先して障害者の雇用を進めるよう努めるとともに、個々の機関の実雇用率など、障害者雇用の現況を自ら公表すること。
 五、企業グループによる雇用率の算定に当たっては、十分な現況の把握を行うとともに、障害者を特定の職場に追いやることのないよう、適正な運用を指導すること。また、特例子会社制度の運用に当たっては、親会社への障害者雇用責任者の配置を原則とし、親会社の責任を明確にすること。
 六、除外率制度については、廃止に向けた取組が着実に進むよう、本法に基づいて策定される障害者雇用対策基本方針等の中で除外率縮小の日程などを明確にすること。
 七、障害者就業・生活支援センター並びに職場適応援助者事業については、事業への当事者の参画に努めるとともに、全国の地域において確実に事業が展開されるよう努めること。また、職場適応援助者について、質を確保しつつ十分な数の人材が確保できるよう、必要な経験を有する通所授産施設等の職員の活用などにより、早急な養成に努めること。
 八、障害者の職場定着を確実にするよう、職場における施設・設備の整備、介助者制度の充実を図ること。
 九、障害者のトライアル雇用を実施する障害者雇用機会創出事業については、その実績にかんがみ、十分な運用が可能となるよう配慮すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#149
○委員長(阿部正俊君) ただいま柳田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#150
○委員長(阿部正俊君) 全会一致と認めます。よって、柳田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂口厚生労働大臣。
#151
○国務大臣(坂口力君) ただいま御決議のありました本法案に対します附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、全力で努力してまいる所存でございます。
 ありがとうございました。
#152
○委員長(阿部正俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#153
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#154
○委員長(阿部正俊君) 次に、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
#155
○国務大臣(坂口力君) ただいま議題となりました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 金利等が低い水準で推移する中で、中小企業退職金共済制度の財政状況は厳しいものとなっており、今後とも、独力では退職金制度を確立することが困難な中小企業者が本制度を活用できるよう、その長期的な安定を図ることが必要となっております。
 政府といたしましては、このような課題に適切に対処するため、本法律案を作成し、ここに提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
 第一に、基本退職金の額について、経済及び金融の情勢に的確に対応することができるよう、掛金月額及び掛金納付月数に応じ政令で定めることとしております。
 第二に、特定業種退職金共済制度における掛金日額の上限及び下限を引き上げることとしております。
 第三に、勤労者退職金共済機構の業務のうち、従業員福祉施設の設置等のための資金の貸付の業務等について、その実績を踏まえ、廃止することとしております。
 第四に、勤労者退職金共済機構における余裕金の運用について、責任の明確化、運用管理体制の整備等を図ることとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いを申し上げる次第でございます。
#156
○委員長(阿部正俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト