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2002/04/25 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 厚生労働委員会 第9号
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2002/04/25 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 厚生労働委員会 第9号

#1
第154回国会 厚生労働委員会 第9号
平成十四年四月二十五日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     後藤 博子君     伊達 忠一君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     藤井 基之君
     泉  信也君     鶴保 庸介君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     泉  信也君
     宮崎 秀樹君     中島 啓雄君
     草川 昭三君     荒木 清寛君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         阿部 正俊君
    理 事
                田浦  直君
                中島 眞人君
                朝日 俊弘君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
    委 員
                泉  信也君
                狩野  安君
                久野 恒一君
                佐藤 泰三君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                中島 啓雄君
                中原  爽君
                藤井 基之君
                今泉  昭君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                荒木 清寛君
                草川 昭三君
                井上 美代君
                小池  晃君
                西川きよし君
                大脇 雅子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  狩野  安君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       田村 憲久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       厚生労働省労働
       基準局長     日比  徹君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    真野  章君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    高原 亮治君
       国土交通大臣官
       房審議官     竹歳  誠君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十三日、後藤博子君が委員を辞任され、その補欠として伊達忠一君が選任されました。
 また、昨日、泉信也君及び有村治子君が委員を辞任され、その補欠として鶴保庸介君及び藤井基之君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(阿部正俊君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長日比徹君外三名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(阿部正俊君) この際、厚生労働省高原障害保健福祉部長より、去る四月二十三日の本委員会における答弁に関し発言を求められておりますので、これを許します。厚生労働省高原障害保健福祉部長。
#6
○政府参考人(高原亮治君) 四月二十三日の本委員会におきまして、小池委員より、全国精神障害者家族会連合会の経営するハートピアきつれ川の保養施設の運営状況に関する御質問がございました。
 その際、私から、年間六千万円程度の赤字が出ており、累積赤字が二億円程度である旨御説明申し上げたところでございますが、年間赤字額は三千万円程度、累積赤字額は一億円程度の誤りでありましたので、謹んで訂正させていただきます。
 なお、同連合会においては検討委員会を設置し、経営改善の方策について検討していくと聞いており、厚生労働省としてもオブザーバーとして参加するとともに、その検討結果を踏まえ適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
    ─────────────
#7
○委員長(阿部正俊君) それでは次に、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○今泉昭君 おはようございます。民主党の今泉でございます。
 中小企業退職金共済法の一部を改正する法案の中身に入ります前に、退職金全般につきまして坂口労働大臣の見解を少しお伺いをしておきたいというふうに思います。
 もうこれは言うまでもないことではございますけれども、この退職金制度というものは世界でも希有な制度として大変その実績というものが社会で大きな位置付けになってきたわけでございまして、現に我が国におきまして企業の中でこの退職金制度を実施しているというのは、企業規模を総計いたしましても九割程度、八八・九%というふうな統計が労働省からも発表されておりますけれども、ほとんどの企業がこの制度を持っているという状態にございます。この中退制度に該当する更にもっと小さな規模の、百名以下の企業におきましても退職金制度というのは八五・七%の企業で実は実施しているということでございまして、ほとんど退職金制度のない企業はないと言ってもいいぐらいの我が国の社会制度に根付いた制度であることは、これは言うまでもないことでございます。
 しかしながら、この退職金制度は、時代の社会的な背景を受けまして、その存在意義というのは非常に大きく変遷をしてきたのではないかと思うわけであります。
 例えば、ある時期は、まあ当時はまだ男性中心の労働社会でございましたから、男が一生働いて一軒の家ぐらい造れと、そのための退職金制度だというような位置付けを一般の人が口にした時期もございました。また、時代によりましては、我が国の社会保障制度が大変劣悪であったと。特に、年金制度がまだ必ずしも十分に行き届いていないような時期におきましては、老後の生活保障としてこれを何とか拡充していこうというような流れがあったことも事実でございます。
 現に、私、労働界で仕事をしていたころは、この退職金要求の一つの根拠といたしまして、定年退職後の余命年数を軸といたしまして、その間の一年間の生活費をその余命年数でどれだけカバーしていくかなどというような材料を作りまして企業側と相談をしたと、こういうこともあった時代を今思い起こしているところでございます。
 かと思えば、第一次石油ショック直後は、実は退職金倒産が起こるんじゃないか、退職金制度というものを根本的に見直すべきではないかという大きな流れがあったことも事実であります。と申しますのは、当時の退職金制度というのは大体賃金の何か月分というような制度が中心でございまして、賃上げが行われれば自動的に退職金にこれが跳ね返る。したがって、これを野放しにしておくと企業の退職金コストが大変かさんで退職金倒産をしてしまう。こんなことを言われまして、退職金の在り方というのが根本的に検討され、変化をしてきたことも事実ではないかと思うわけでありまして、現在でも、大企業におきましても、退職金の計算基礎が必ずしも賃金に全部スライドしていないような形に大きく変化をしてきているということも言えるわけであります。
 今、賃金に比べてどれぐらい退職金が出ているかということを調べてみますと、五千名以上の大企業で二十年勤続いたしますと大体二十か月、賃金の二十か月は出る、四十五年勤めますと大体五十か月ぐらい出る、そういうような制度が依然として今でも残っている。さらにまた、百名以下の中小企業におきましても、これに見習ったような形で、二十年でも二十か月は確保されるというような状態でありまして、そういう意味では賃金と退職金の関係というのは非常に密接な関係があったんではないかと思うわけです。
 ところが、最近のグローバル化ということを受けまして、今、日本の企業におけるところの労働コストが高過ぎるということが盛んに言われることになりまして、国際競争力を付けるためにはこのコストの低減ということが非常に重要だというようなことが盛んに言われておりまして、この退職金もその中の一つのやり玉になっていることは事実なんであります。
 今年の春に発表されました日経連のいわゆる労働問題研究報告によりましても、総人件費に占める退職金の割合というのは大体五%から五・五%ぐらいの水準にある、所定外賃金から比べてみると九%上回っている、こういうような報告まで出されているような状態でありまして、何とかこの退職金コストを見直していこう、いわゆる退職金の性格そのものを大きく変えていく必要があるというような流れが出てきていることも事実だろうと思うわけであります。
 諸外国を調べてみましても、退職金制度がないというわけではありません。もちろん、諸外国にもそれなりの退職金制度がありますが、日本ほどこの退職金の比率が高いという国は、ちょっと諸外国と比較してもないこともこれ事実であります。高過ぎるからそれが必要でないというんではなくして、大体意義付けが違っていたわけであります。存在意義が違っていたわけでありまして、それは当然のことだろうと私は思っているわけでございます。
 そういう中におきまして、この中小企業、特に福利厚生の条件が劣悪であるというような中小企業を対象としてこの中小企業退職金共済法ができたということは、大変これはもうすばらしい制度であっただろうと私どもは評価をしているわけでありまして、こういう制度を作っている諸外国の実態というのは恐らくないんではないかと思うわけです、中小企業を対象として。それだけに、この存在意義が大変貴いものだというふうに私どもは信じているわけでございます。中でも、特にこの退職金制度が賃金以上に大企業と中小企業の格差が大きいわけでございまして、何とかそういう意味での下支えをしていかなきゃならないという労働行政のこれは大きな功績ではないだろうかというふうに私どもはこれまで評価をしてきた実は次第でございます。
 そういう中にありまして、坂口労働大臣は、時代とともに変化をしていく退職金のこの存在意義というもの、今後国際化がますます進む中におきましてこの退職金制度というものはどのように変化をしていくだろうか、その変化の中で労働行政としてはこういうところにポイントを置いて実はこの問題に対処していきたいというお考えがありましたら、まずお伺いしておきたいと思います。
#9
○国務大臣(坂口力君) 私の私見であることをお許しをいただきたいというふうに思いますが、この退職金制度というものは、今、先生からもるるお話をいただきましたとおり、非常に日本の国におけるものは世界から見ますと一つ特異な存在というふうに言えるのかもしれません。これは日本の文化が生み出した一つの考え方であった、日本の知恵であったというふうに私は理解をいたしておりますが、御案内のように、非常にグローバル化もされてまいりましたし、日本の国の中の雇用環境というものも多様化をされてまいりました。その中には、そうした退職金でありますとかあるいは年金でありますとかということよりも、そのときそのときの賃金を重視をしていくという考え方のあることも事実でございます。
 今後、一体これがどうなっていくのだろうかということを考えましたときに、不確定な非常に要素は大きいわけですけれども、働き方、そしてその賃金の在り方も含めて多様化していくことだけは間違いがないというふうに私は思います。しかし、その多様化をしていきます中で、そういたしますとこの退職金制度というものはもう要らないという労使の考え方というのも、私は労使合意でもそういう考え方はできてくる可能性はあるというふうに思います。それよりもその月々、その年々歳々のやはり賃金を十分にこれは見てほしいという考え方もあるだろうというふうに思いますが、しかしその中で、今回問題になっておりますような中小企業、ここはやはり私は選択肢というのはそれほど多くはなかなかなりにくい、いつの世にも非常に厳しい環境の中にあるというふうに思います。
 ですから、この中小企業の分野にあっては、少なくとも、少なくとも中小企業の分野にあってはこの退職金制度というこの一つの政労使によるバックアップ、そしてこのネットワークというものは今後も張り続けていくことが私は必要ではないか。そうしませんと中小企業のところで働いていただく方を確保することもなかなか難しいということになる可能性もあるというふうに私は思っております。
 大企業のところは、それぞれ力のあるところでございますから、ここはやはり大企業の中にも年功序列、終身雇用というものが働き方のこれは常道だと、これを守るのが大事だというふうに言っておみえになります社長さん方もたくさんおみえになりますから、私はそういうところはこの退職金制度というものも持続をされていくのではないかというふうに思いますし、それが私も妥当ではないかというふうに思っておりますが、そうではない、一年契約だとか五年契約だとかというような形で雇用を見ていかれるようなところにおきましては、これは退職金制度というものはかなり変わってくるだろう、その大きいところの多様化というのはかなり進むであろう、そんなふうに私は思っておりまして、この退職金制度の必要な中小企業を中心としました分野というものは今後も続くものと私は思っておりますし、ここはしっかりとやっていかなければならないのではないかというふうに思っております。
#10
○今泉昭君 分かりました。
 退職金制度と並んで、実は退職金制度の今後の推移というものを考える上で一番参考になるのは一時金制度だと思うわけであります。一時金制度はもちろん諸外国にあるんですが、日本ほどこの一時金の割合の高い国はないわけであります。しかしながら、昭和三十年代だったと思いますけれども、ちょうどあのころはまだ日本の生産性向上運動がやっと立ち上がって緒に就いたころでありまして、欧米諸国に追い付け追い越せということで欧米諸国からいろんな手法を学ぶことがはやった時代でございました。賃金制度も第一次の職能給制度の導入、あるいは職務給の導入ということがもう口やかましく言われた時代でもございまして、ちょうど今の時代とよう似ている半面があったわけでございますが、そういう中において実は一時金制度という、一時金がこんなにまで多いのはもう意味がないと、むしろ月例賃金の中にこれを入れてしまえという動きが一部ございまして、一部の企業で一時金を全部月例賃金に入れた企業がありました。
 しかし、結果的にその企業どうなったかといいますと、社会的に一般の状態が、やっぱり賃金と、毎月の月例賃金と一時金制度が定着をしている、そうすると幾ら毎月の賃金が高くてもボーナスのときに全くもらわないということは何か損をしたような気になるということがございまして、またぞろかつての一時金制度を導入していくという形に変わってきたような経験を我々は持っております。
 今、私が申し上げましたように、今、九〇%近くの企業が退職金制度を導入をして実施をしているわけでございますから、同じように、今後、退職金制度をできるだけその意義を低下させ少なくしていこうという動きはあるにしても、私はこの制度は日本の国内では決してなくならない制度であろう、こういうふうに思っているわけであります。
 今、坂口大臣は、中小企業の分野においてこれは当然今後も必要なことだということをおっしゃいましたけれども、私はそういう行政で是非あっていただきたいと思うわけでございますが、ところが現実の中ではそれと逆行するような状況が生まれつつあるわけですね。例えば、厚生労働省の予算を見てもお分かりのように、一般会計からこの中小企業退職金制度に出される国家予算あるいはまた特別会計から出される予算をずっと年度別に見てみますと、毎年減ってきているわけです。こういう状態を見てみますと、私は、何かもう退職金制度というものの存在意義が薄れつつあるんだからそれに対する指導の力点がだんだん薄れてきたのかな、こういう懸念を持つわけでございまして、是非ひとつ大臣、先ほど言われましたように、この中小企業に対する退職金制度の補完という立場でのこれまで以上に中小企業退職金共済法に対する支援というものを強化していっていただきたい、こういうふうにお願いを申し上げておきたいと思います。
 さて、今回の法改正によりまして、いわゆる大企業における退職金の水準と中小企業共済法に入っている人たちの退職金の実は支給水準が大幅に格差が拡大をするということになるわけであります。というのは、もう言うまでもないことでございますけれども、運用利回りが三%から一%に下がるということでございまして、これはいろんな見方があるでしょうけれども、おおよそ今の支給水準を一割程度これは下げることにつながっていくわけであります。
 これを見てみますと、実は退職金が自動的に下がるというのは中小企業だけになるわけでありまして、大企業は御存じのように賃金の引上げ幅は少なくなりましたけれども、退職金額を下げるというような動きは現にまだ表面化をしておりませんし、定昇だけでも上がればスライドをしてまだ一部は退職金が上がっていくという一般の企業内の、大企業におけるところの退職金はなっているわけでありまして、ますます、ただでも中小企業と大企業の格差が多いのにもかかわらず、この三%から一%に下がることによってその格差が開いていくんではないかというふうに私どもは懸念をしているわけでございますけれども、この点については労働省としてはどのように考えていらっしゃるか、見解をお聞かせ願いたいと思います。
#11
○政府参考人(日比徹君) ただいまの御指摘でございますが、大企業と中小企業とで退職金額自体格差があるのは御指摘のとおりでございます。
 なお、近時の大企業の退職金水準というもの、先ほども委員からもお話ございましたように、賃金をベースにしたものから第二賃金といいますか退職金用の別体系を設ける、あるいはその第二賃金とは更に違いましていろんな加えるポイントをベースにしたりと、いろんなことになっておりましてなかなか比べ難い点あろうかと思いますけれども、中央労働委員会事務局で退職金のモデル的なものの調査を隔年やっておりますけれども、それで見ますと平成十三年は平成十一年に比べてやや下がっているというふうな一つのデータもございます。
 ただ、いずれにいたしましても、御指摘のように、今般の御提案申し上げている案で、仮に政令でこれまた御説明申し上げておるような一%というもの、この基本部分だけで見ますと一割程度、約一割程度下がると。そのことを見ますと、大企業の退職金水準いろいろございますけれども、格差というものが拡大するのではないかという御懸念というのはお持ちになることについてはなるほどというふうな感じもいたします。
 ただ、私どもといたしましては、政令でもし定めさせていただくものが一%をベースにする場合に、資産運用等の効率化によりまして実際にそれを上回ってどの程度退職金給付水準を積んでいけるか、その点について努力をいたすことによりまして少しでもこのような格差が拡大というふうなことの是正といいますか、そういうことを起こさないようにしていきたいと考えております。
#12
○今泉昭君 具体的にどのように格差の拡大につながらないような措置を取っていかれるかということは具体的には今おっしゃっていただかなかったんですが、例えば今回の改正におきましても、具体的に今ちょっと計算しただけでも、一万円納付の掛金を納付している人が十年でもってもらえる水準が十三万円下がるとか、あるいは三十年掛けていた人が百五十七万下がるとかと、もうこういうはっきりとした数字が出ているんですが、こういう問題を避けるために例えばこの掛金を掛けている事業者に対する負担増というものを検討した経緯はあるんですか。
 もちろん、今の状態の中では中小企業事業者、大変厳しい実態にあることは事実であります。中小企業者だけではないわけでありまして、大企業も同じような状態にあるだろうと思うわけであります。そういう中においてこの制度の三%から一%の制度の改正というのは、この退職金をもらう個人に対する負担、マイナス負担、マイナス負担と言ったらおかしいけれども、その実益が低下をするということだけがクローズアップをされておりまして、掛金を掛けている事業者に対する、例えば掛金額を上げるとかということは一切検討されなかったんですか。そのことによりまして給付水準が下げることを当然防ぐこともできるわけでございますので、その点での検討というのはなかったんですか。
#13
○政府参考人(日比徹君) 内部的な意味の検討はさておきますと、掛金の引上げによってというかつての改正の際にはいろいろ検討された経過ございますけれども、それは表立ってはいたしておりません。
 それで、これにつきましては、一つには掛金刻みが、委員の方がいろいろ御存じで恐縮なんですけれども、掛金刻みの仕組み、昔は百円単位であったりいろいろいたしましたそういうような点、それから、現在、実態といたしまして通常の中小企業退職金共済の場合には掛金月額の最低五千円ということでやらせていただいていますが、実はその五千円という掛金月額でおられる方々がまだ四割少々おられるとか、そういうようなことをいろいろ加味いたしますと掛金月額の範囲なり何かを改正してというのはいかがであろうかということで、そういう意味で検討は結果としてはしていないということでございます。
#14
○今泉昭君 ある意味では、今私が申し上げましたように、掛金を掛けている事業者に対するやっぱり一部負担を覚悟してもらうということと併せて、実際にもらっている個人の退職金水準を下げないためにも政府自体のこの制度に対する補助の在り方というものの見直し、検討というのも当然必要ではないかと思うわけであります。
 と申しますのは、今回三%から一%に下げざるを得なくなったというこの経済実態、金利や株価の低下を生んだその背景というものは政府の経済政策の失敗によるところが大変大きいことはもう間違いのないことでありまして、そういう意味では政府にもそれなりの責任がこれはあるはずでございます。
 そういう意味で、政府として政府の補助の在り方を検討し直すということを考えられたようなことはないのでございますか。
#15
○政府参考人(日比徹君) ただいまの御指摘でございますけれども、委員が先ほどもおっしゃいましたように、国庫から一定の助成をいたしております。
 そこで、その助成の在り方の問題でございますけれども、これもいろんな御議論があるのはあえて承知の上で申し上げますが、一つにはいろんな給付、助成の在り方というもの、これについてどのように考えるかという一方の議論があり、また現在、国の財政状況一般あるいは一つの財源でございます労働保険特別会計の現在の状況その他というようなことも併せ考え、先ほどのように、基本的議論として退職金、本来個別企業で持つべきところ、中小企業の場合にはコスト的にもそれは非常に不利だということで、こういう言わば外部積立てで簡易に利用できる仕組みと、こういうものを作らせていただいて、その事務費等については御指摘のようにかねてより国庫補助もしておる。
 この中で更に端的には、その給付費の補助のような形、その他の補助というようなことについては、そういうもろもろのことを併せ考えますと現在のところやはりいかがであろうかということで、先ほども掛金額のときも申し上げましたけれども、事務的、内部的な話は別といたしまして、公の場という意味でございますれば、検討はいたしてきていないという状況でございます。
#16
○今泉昭君 三%から一%に運用利率が変化することによって退職金の支給水準が下がるということによりまして、この制度に対する魅力というものが相対的にこれ低下するということも当然覚悟しなきゃならないし、考えなきゃならないと思うんですが、これまでこの退職金共済法に加盟をしている一般の事業者というのは約四十万社ぐらいですか、対象人員が二百七十万人というふうに考えられているようでございますが、この実態を私見ながらいつも不思議に思うんですが、この制度の中に一般の人に比べて三つの特退共が存在いたします。その特退共の中の建退共だけで加入者というのはほぼ一般の人と同じ数字に近いぐらいの方々が実は加盟をしているわけです。事業者としての数は、規模が一般よりも小さいから数としては二十万切っているとは思うんですが、しかしながら建設業界だけの規模とそれを除く産業の規模を考えてみますと、建設業界、せいぜい六百万人ぐらいの従業員でしょう。ところが、六百万といっても、この建退共に加盟できる資格がある三百名未満の企業というのはその中の六割ぐらいでございましょうから必ずしも六百万人じゃないと思うんですが、少なくともそれ以外の一般に加盟をするところの事業者の数、従業員の数を比較をしてみますと、けた違いに一般の方が多いわけですね。にもかかわらず、一般のところはわずか六百万程度の規模の建退共の参加の数と変わらないというところは、元々この制度に対する魅力が必ずしも強くなかったということも一面あるんじゃないかと思うんですが、更にこのことに輪を掛けるようなことになって、この制度に加盟をされる方をもっと増やしていくという努力に水を差すんではないかと思うんですけれども、この運用利率の低下によって魅力がそがれるということについて考えられたことはありますか。
#17
○副大臣(狩野安君) 中小企業退職金共済制度におきましては、平成十二年度末現在で二千億円を超える累積欠損金が生じております。このままでは欠損金は更に増加することが予想されているわけでありまして、本制度は中小企業労働者の福祉の増進のために重要なものであると考えております。将来にわたって本制度を維持していけるようにしていくことが政府の責務と考え、この法律案を提出したところであります。
 今後におきましても、資産運用の効率化を図ること等により、一%を超える退職金の支払いの確保に努めるほか、掛金助成制度の一層の周知などにより加入促進等に努めてまいりたいと思っております。
#18
○今泉昭君 先ほどから申し上げておりますように、この三%の運用利率から一%に引き下げざるを得なくなった事情というのは、景気の低迷によって、株価の低下であるとかあるいは金利の低下による運用の妙味が大変下がってきたというところに大変な大きな原因があるだろうと思いますし、それによりまして二千億からの積立金不足が生じてきたと、こういうことにあるのも重々承知をしているつもりでございます。
 だけれども、その二千億という積立金不足を生んできたというのは、運用利率に対する結局は見通しの甘さ、そして経済対策の後手後手に回ったまずさというものがあるわけでありますから、そういう意味で、政府の責任においても、少なくとも二千億の積立金不足の解消を、受益者というんでしょうか、この中小企業退職金共済法に参加をしている方々にのみ押し付けるのではなくして、政府としてもこれに対する政府補助というものを当然考えられてしかるべきではなかったかと思うんですが、この点についてもう一度お聞きしたいと思います。
#19
○国務大臣(坂口力君) ここは、御指摘のことは私もよく分かるんですね。経済状態がこの十年来ずっと坂道を転げ落ちるように悪くなってまいりまして、初めはこんなに長く経済不況が続くということは予測しなかったことでございますが、これだけ長く続いてきた。そうした中にありまして、金利の方もだんだんと三%、一%というふうに下ろしてこないと中に赤字が非常にたまってくると、こういう状況になっております。こういう全体の状況が悪くなってくるときというのは国の財政もまた悪いと、当然のことながら悪いということになりまして国の方からの支援もなかなかしにくいという、すべてが悪循環を繰り返してきているということになるわけでありますが、今回こういうふうに一%にしましたけれども、しかしこれが、一%がずっとこれから続いていくというわけではございませんで、これはもう当然のことながら経済の状況が良くなればまた三%に戻り、あるいは三%が五%に戻るということもあるわけでありますから、そこは一%になったままでずっと御迷惑を掛けるということは多分私はないと思っております。これはもう一日も早く直さなきゃいけないし、直せるような状況にしなきゃならないわけですね。
 なかなか、銀行なども、下げるときには早く通知が来るけれども、上げるときの通知は遅いということが言われますが、そんなことのないように、上げるときも迅速に上げられるような体制にするということがこの制度にとりまして大事なことではないかというふうに思うんです。
 それで、どうすればもう少し魅力的なものになるのか。これは財政上の問題もございますけれども、私はそれだけではないというふうに思いますから、もう少しこの制度を魅力的なものにする努力というものもこれはしなきゃならないと思いますしいたしますので、先ほどからいろいろ議論続いておりますが、私たちももう少し、ここをどうすれば魅力的なものにすることができるのかということをちょっと真剣に考えて、そして新しい対策が立てられないか、それはひとつ検討させていただきたいと思っております。
#20
○今泉昭君 実は私、二十年ほど前、この中退金制度を審議をする中退審議会のメンバーとして実はいろいろ論議に参加をさせていただいた経過がございます。その当時の運用利回りが多分六・六%ぐらいだったと思います。それで、四十年掛ければ、一万円を四十年間掛ければ大体二千万を上回る退職金がもらえる、ああ、そこそこ立派な、中小企業にとっては立派な制度だなという喜びを中小企業の皆さん方持っていらっしゃったことは事実なんであります。
 今回の前には六・六%が三%になりました。三%になりますと、二千万を超えていたものが九百万ぐらいになっちゃっているわけですね、実は。今度はそれが更に一%になることによりまして七百万切るんじゃないかと言われているような状態であります。当時から比べますと物価が上がり、生活水準が上がっているにもかかわらず、同じ金額掛けて三分の一以下に減るというような状態は、これは全く異常ですよ、本当のこと考えて。そういう意味でも、この問題に対する政府の責任という立場に立って、もっとひとつこの補助の在り方というものを検討していただきたい、かように実は要望をしておきたいというふうに思います。
 さて、さらに、今回の実は改定の中におきまして、今まで法律でもって定めなきゃならなかったものが、この運用利回り等につきまして、あるいは支給金額につきまして、政令で決められるという形になりました。今までは少なくとも法律で決めるということでございましたから、法律で決める前にはいろんな形で受益者であるこの中退金に参加をしている人たちが意見を申し、その意見をいろんな場で反映していただく機会がこの国会の中にもあったわけであります。今回はそれが全くなくなりまして、政府のある意味ではさじ加減一つで変わっていくということになっていくわけでありまして、一体、事業者の意見とかあるいはこの受益者である従業員の人たちの意見というものをどのような形で吸い上げていかれるのか、あるいは全くそういうのを無視されるつもりなのか、そういうのをどういう機関で取り上げていこうと考えていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。
#21
○政府参考人(日比徹君) この法律が成立した場合ということになりますけれども、退職金額等、これを政令で定める場合に、公労使の代表者で構成されます審議会、これは現在、労働政策審議会の中小企業退職金共済部会ということになりますが、その審議会におきまして必ず御検討いただくということにしております。
 それから、審議会の公開性の問題でございますけれども、現在は議事録についての公表といいますか公開ということにとどまっておりましたけれども、今後におきましては審議会の議事そのものについても公開するということといたしております。
 なお、実際にこの共済制度に入っておられるそれぞれの企業なり従業員の方々の意見ということでございますが、四十万事業場なり二百七十万被共済者というようなこともございまして、その方々の意見というものをどのような形で反映していくのかということについてはなかなか困難な事情もあろうかと思っております。ただ、そういう方々の御意見が反映されるということは非常に大事なことだと思いますので、今後どのような形でその意見、全体の数も非常に多い中でございますので、どのような形で反映していくのか、そのような方法等については今後検討させていただければと思っております。
#22
○今泉昭君 実際上、この退職金制度を管理運営をしていく部隊として事業団が存在をします。事業団の役員構成、今度はこれが独立行政法人化されることになるんでしょうけれども、事業団の構成、事業団の役員構成を見ましても、恐らく理事、監事の中には事業者の代表は入っていないというふうに私は見ているんですが、どちらかといえば行政関係のOBの方ばかりに占められている、こういうような状況にあるのではないかと思うわけであります。
 途中のいろんな経過の中で、少しでも意見を吸い上げようということで、かつて参与会というものが作られておりまして、参与会の中には従業員を代表する形で労働界からの一部、それから事業団からの一部という形で参与会のメンバーがございましたけれども、実質的に参与会というのは年間にせいぜい二回、三回程度報告を受ける程度でございまして、実際上こういうものの意見を吸い上げるというような機関設定にはなっていなかったように思うんですけれども、そういう意味で事業団の在り方については今後ともこれまでと同じような形で考えていらっしゃるのか、このことについてお聞きしたいと思います。
#23
○政府参考人(日比徹君) 現在、この退職金制度を運営しておりますのは勤労者退職金共済機構という特殊法人でございますが、行政改革の一つの流れといたしまして、これはもう既に政府レベルでは予定されておることでございますけれども、いずれ独立行政法人というものに移っていくということで、その場合のどういう姿というのは現在まだ検討中ということでございます。
 なお、委員御指摘の点は、恐らく、先ほど申されましたように、例えば特定業種の方ですと事業者の方の関係では運営委員会というようなものが事実上あったり、それからいろんな諸団体の中でも評議委員会とかあるいは参与会制度とか、いろんな形で持っているところももちろんあるわけでございまして、そういう点で今後機構として、あるいはいずれ独立行政法人になるときということで、今御指摘の点は実は十分まだ検討いたしていないところでございますけれども、先ほども申し上げました加入しておられる企業あるいは従業員の方々の声、これが反映される、お聞きするということは非常に大切なことだと思いますので、なかなかいろんな諸制約ある中ではございますけれども、今御指摘いただいたようなことを含めまして何か工夫が取れないか、あるいは何か、会議体というのがなかなかこういう行政簡素化の折でございますのでいろいろございますけれども、そういうようなことについて今後速やかに検討いたしたいと思います。
#24
○今泉昭君 独立行政法人に移行することによりまして私どもが一番懸念をしているのは、中小の加入者に不利益が生ずるようなことがないように、これはもう重々注意をしていただきたいと、かように思っているわけでありまして、併せてお聞きしたいのは、この資産運用に当たりまして、今後資産運用をどのようにしていくかということは大変重要なポイントになると思うんであります。今までは例えば資産を運用するに当たりましても政府からいろんな枠が決められていたはずでございます。例えば、国債を買わなきゃいけないとか、一般の投資はできないとか、大変厳しいいろんな制約がなされていたはずでございます。これがだんだんだんだん規制緩和で少しずつ外されていったことも重々承知をしております。
 今後、資産運用に当たっての基本ポートフォリオというものをどのような機関で検討をしていくのか、外部のいろいろな専門家の意見を聞くような機関を作っていくつもりがあるのかどうか、そういう点をお聞きしたいと思います。
#25
○政府参考人(日比徹君) 現在、退職金共済機構におきましては、御指摘のポートフォリオ、基本ポートフォリオを平成十二年でございますが作りまして、それに基づいてやっておりますが、その基本ポートフォリオの作成に当たりましては、その当時、学識経験者あるいは金融機関等の専門家、いずれの方々も外部の方々でございますが、その方々、集まっていただきまして研究会を設けまして、そこでその基本ポートフォリオ案の策定等を行っていただいたところでございます。
 今後、この基本ポートフォリオをまた改めるといいますか策定するという必要が出てくるわけでございますけれども、この場合にも前回と同様、外部の専門家の方々の御意見を伺って、最終的には当然機構が定めるということになりますけれども、外部の専門家の方々の御意見をベースにして定めていくことになるものと考えております。
#26
○今泉昭君 ちょっと前の方に戻って恐縮なんですが、今この中退金に入っている事業者の平均的な従業員規模というのは十人未満だというふうに聞いておりますけれども、そこでちょっとお聞きしたいんですが、この十人未満の企業が大変多い産業というのはサービス産業、卸・小売業、そういうところが非常に中小零細の多いところではないかと思うわけであります。
 例えば、従業員の規模等だけで見てみますと、サービス産業なんかは中小事業所に働く従業者の数だけでも一千万人近くいると、こういうふうになっているわけですね。一番やっぱり今の中退金の加入者の実態から見てみますと、これらの中小が集まっている産業の人たちをいかにこの制度に加入をしていただくかという加入努力が大変必要ではないかと思うんであります。従業員の数からいいますと、一千万を上回るのは製造業とサービス産業と卸・小売業だろうと、こういうふうに思っておりまして、この三つが大きいんですが、製造業の場合は比較的規模の大きなところがありますから、何といっても中小零細の方々がほとんどこの中退金を利用されているわけですから、そこに焦点を当てていかなきゃならないと思うんですが、この分野における産業での参加者の実態というのはどのくらいの規模になっているか、ちょっとお聞きしたいんです。
#27
○政府参考人(日比徹君) 産業別でいわゆる被共済者数というものを申し上げますと、ちょっと一―四人とか何人というのは全部省かせていただきまして、被共済者ベースでございますが、二百七十二万人のうち製造業が九十八万、それからサービス業で四十八万、なお、商業を別に分けておりますけれども五十万というようなことで、被共済者ベースですと、製造業で三分の一、それからサービス業、商業、それぞれ五十万くらいずつというような状況でございます。
 なお、ちょっと対象するベースの労働者数というものを、比較がちょっと手元にございませんけれども、先ほどおっしゃいましたように、それぞれサービス業なり卸・小売というものの労働者数というのは相当の数に及ぶと思いますので、製造業では元々の企業の退職金制度もあるのかもしれませんけれども、中小企業退職金共済制度への加入率も恐らく相当高いけれども、商業、サービス業では進んでいないといいますか、相対的には低いのではないかと思っております。
#28
○今泉昭君 今御説明いただきましたように、二百七十万人のうちの三分の一以上が大体製造業で占められているわけでありまして、肝心かなめの一番多いサービス産業あるいは卸・小売業というのは必ずしも数に比例して多いわけではないわけですね。
 これは、一つはPR不足なのか、そこに対する戦略的な加入者拡大に向けてのこれまで努力がなされてこなかったのか。あるいはまた、この制度に、競争相手と言ったらおかしいけれども、各県単位に存在する商工会であるとか中央会であるとかというところが独自にこれに近いような年金あるいは退職金制度を売り出してやっていると。そういうものから比較してみると、この中退金制度が全く魅力がないのかどうか、この点についてちょっと、どういうふうに考えていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
#29
○政府参考人(日比徹君) 今御指摘の点でございますけれども、商業等につきまして、今も委員御指摘になられました商工会議所等をベースとして税制上の一定の取扱いを受け得る仕組みというものもそれなりに普及しております。
 私どもは、例えばそういう退職金制度といいますか、商工会議所等でおやりになっているものと、言わば商売敵とは思っておりませんで、通算の仕組み等もそれなりにやらせていただいていまして、いろんな形でその選択肢が増え、それで最終的にはこの中小企業退職金共済制度というものがあるということで考えればいいのではないかと思っております。
 なお、魅力の点あるいは加入促進措置の点でございますけれども、やはりこういうことを申し上げてよろしいのかどうか、いわゆる賃金債権の保全問題もいろいろと現在真剣な御議論の時期、段階であろうかと思いますが、そういう中で、やはり外部積立て型でそういう保全という問題については、もちろん当然のことながら安心できるとか等々のそれなりの魅力はあろうかと思いますけれども、加入促進との関係でいきますと、確かに個別企業を一つ一つ訪問して働き掛けているわけではございませんので、自治体なり業界団体なり、あるいは場合によっては労働組合のお力、御協力も得ながらというようなことでやってもきて、いろんな形での業種別に見たときのばらつきというものがそういうことから起こっているおそれもないとは言いにくい。その点、今後よく考えもいたしまして、いろんな各方面のそういう団体の方々の御協力も得ながら、加入促進に努めるべき分野については十分努めてまいりたいというふうに考えております。
#30
○今泉昭君 単純な考え方をすれば、中退金の場合は政府からの一定の補助もありますし、それなりに有利な条件があって魅力があってしかるべきじゃないかと、こう単純に考えがちなんでありまして、私は、何も商工会や中央会がやっているもの全部こちらに引っ張れということは申しているわけではございませんで、どんな形ででもそういう制度に加入して従業員の人たちが退職金制度によって守られるということは非常に結構なことでありますが、ただ政府が補助金まで出している制度だからよっぽど魅力があってしかるべきだというふうに単純に私ども受け止めがちなものですから、そういう意味でもっと参加者の拡大のためにも努力というものがなされてしかるべきではないだろうかということを一言申し添えておきたいと思います。
 さて、この制度をずっといろいろ点検をしてみますと、私、びっくりしているんですが、せっかく退職金の積立てを行いながら退職金をもらわないで放置をされている、権利を喪失される方、これが大変多いわけですね。制度設立以来、もう二百五十億近くのお金が行くべきところに払わないで掛け捨てになっちゃっているようなことが聞こえてまいります。これが毎年毎年十億円以上あるということでありますから、私どもの常識からすると、びっくり仰天なんであります。
 これは一体何でなんだろうか。そういうものに対する温かい加入者との、事業団との関係というのは一体ないのかどうか、この点について、こういう人たちをなくすためにどのような手だてを取ってきているのか、これについてちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#31
○政府参考人(日比徹君) ただいま御指摘の点でございますが、時効に掛かったために支給していない金額、正に御指摘のとおりでございまして、累積では二百数十億いっておりますし、現在でも単年度で二十億円強のお金、件数にしますと一万何千件というようなことが生じております。
 さて、それで、なぜこういうことが起こっているのかという点につきましては、これはやはり、実際に被共済者となっておられる労働者の方々自体に実はこういう仕組みのところに入っていて退職したらもらえるということがやはり十分周知されていないこと、少なくともそのことが非常に大きいのだろうと思っております。
 そこで、従来何をやってきたんだということでございますけれども、これは、事業主の方から従業員が退職した場合に退職届、これが出てまいりますけれども、そういう退職時の手続の際に、中小企業退職金共済に係る請求書というものを御本人に渡すようにしてくれとか、あるいは、これも個々の従業員向けではございませんけれども、情報誌等で退職金請求漏れがないようにと、できるだけ従業員の方にそういうことが伝わるようにしていきたいということでやってきたところでございます。
 それで、細かいことを言いますと、この六、七年の間で若干ずつ件数は下がっておりますけれども、ただ、先ほど申し上げましたように、なお一万何千件、二十億というような金でございますので、これをどのようにもっと個々の労働者に確実に、支給申請手続というものを行えば出る、それから行ってもらうようにということを進めていくかについては十分検討していかなければならない問題と思っております。
#32
○今泉昭君 この中退金から出る金が、退職金が大企業の退職金に比べてどちらかといえば非常に格差が大きくて少ないとか、あるいはまた中小企業の場合は大企業に比べまして勤続年数が短いとか労働の移動が多いとかと、こういう中で支給される金額が少ないから、豊かになったからそんなのもう関心ないというような状態であるなら別だと思うんですが、必ずしも今そういうことが言えるような時代ではないと私は思うわけでありまして、そういう意味でこの制度上の欠陥があるのではないだろうか、契約者との関係、そして支払制度においてそういうものをどんどんどんどん切り捨てていくような。大体、時効なんというような表現が果たしてこれに適切なのかどうか、大変私疑問に思うわけであります。
 そういう意味で、もう少しこの制度、契約と支払の制度自体を見直してみる必要があるのではないだろうかというのが第一点。それから、一体、未払金として出てきたこのお金の処理というのはどういう処理になっているのか、この点についてもお聞きしたいと思います。
#33
○政府参考人(日比徹君) 未払金となっている金額相当のその金員の問題でございますけれども、途中経過でどういうふうに管理するかは別としますと、最終的にはこの機構の言わば収入でございますので退職金の支給に要する経費等に結果としては充てられていくということでございます。
 なお、その時効という言葉、これ制度上でございましたのであえて使わせていただきましたけれども、現実には、実は時効来たといった後でも、御当人と連絡付き、支給申請ありますと実はお払いしておりまして、それが、先ほど時効に掛かるものが二十何億だと申し上げましたけれども、それに比べると少のうございますけれども、例えば平成十二年度では六百七十五件、二億五千万円というのが実は時効だけれどもお払いしたと、そういうふうなことで、事後になることも含めてでございますけれども、できるだけちゃんとお払いするようにしてまいりたいということで努力しているところでございます。
#34
○今泉昭君 一般の中退に参加をされる方々の運用利率が三%から一%に下げられることになります。この中退金制度には一般のほかに建設、清酒、林業という特別の業種の退職共済該当者がいらっしゃるわけですが、私もいろいろチェックをさせていただいて驚いたんですが、それぞれの制度によって運用利回りが違うんですよね。一般だけが三から一になる。それで、ほかの三つの特退共に関しましては、また違った運用利率でこれが運用されている。
 さらにはまた、今回、一般は掛金の額はそのまま据え置かれたけれども、この三つの特退共に関しましては、今まで最低が百五十円だったのが三百円になるとか、掛金が。こちらの方は掛金の改定が考えられている。
 こういうような状況にあるんですけれども、この特退共の場合の運用利率は今どういうふうになっていますか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#35
○政府参考人(日比徹君) 恐らく予定運用利回りのお話だと思いますが、建設業は今時点で四・五〇、それから清酒製造業、二・三〇、それから林業、二・一〇というのが予定運用利回りになっております。
#36
○今泉昭君 それが私どもはちょっと納得がいかないわけでありまして、理由としてはそれぞれの資産状況というものが一番大きな原因になっているんだろうと思うんですね。例えば、一般の場合は二千億からの積立金不足がある、これが喫緊の課題でこれを何とか解消しようという一つの命題であったんだろうと思うのであります。
 ほかの三つの特退共の中身を見てみますと、例えば清酒なんか物すごく悪いですよね。にもかかわらず利率を変えない。例えば建退共の場合は、資産の実態は悪くはないけれども、それはむしろ証紙貼付との関係で結局余分な資金が浮いてきていると、こういうような気がするんですけれども、この問題について、今後ともそれぞれの運営母体によって運用利回りはそろえていくという気はないわけですか。
#37
○政府参考人(日比徹君) 特定業種の点は、予定運用利回りという表現を単純に使わせていただきましたけれども、実は一月、掛金納付月数につきまして何枚証紙を張ったら一月とするかと、実はこれがそれぞれの三つの業種で違っておりまして、したがいまして、実は通常の中小企業退職金ですと掛金納付月数というのは暦月で見ていますので、利回り等を見るときに一年は暦年の一年とぴったり照合するわけでございますけれども、他の三業種につきましては、個々人で見ましても、納付月数、例えば十月に至るためにどれだけで至るかというような実態がばらばらになりますし、就労実績のいい時期、いい年ですと比較的結果としては運用期間といいますか期間が短くなるとか、いろんな要因が実はあってのものでございまして、あくまで退職金表のベースとしてどういうことを前提としたかということで予定運用利回りということを申し上げました。
 したがって、なかなか比較は困難でございますし、業種別にそろえるというときに証紙貼付枚数と納付月の勘定の仕方、そこにつきましてはそれぞれの実態もあろうかと思いますので、なかなか困難な課題ではないかと思います。
 それで、もちろん先ほどの一部のところで、言わば支出のベースとなる収入と、何といいますか、証紙販売量とで差があるのではないかというようなことも御指摘いただきましたけれども、そのようなこともないわけではないやに聞いておりますけれども、いずれにしましてもそれぞれ特定業種についてはそれぞれの事情があると。
 なお、それぞれ実は財政状況はもちろん現在厳しい状況になっておりますので、各業種とも今後どのようにしていくのか、見直し検討を場合によってはしていかなければならないのではないかと思っております。
#38
○国務大臣(坂口力君) 隣で局長の話を聞いておりまして、私もだんだん分からなくなってきておるんですが、結局、今回、今まで国会で御審議をしていただいて決めておりましたものを政令で決められるということにするわけでありますから、これは、役所の責任というのは大変な責任になると思うんです。今までは国会で御審議いただいて国会で決めていただいていたんですから、逃げ道を言うわけじゃないですけれども、国会で御審議いただいたことですというふうに言えば済んでいた話でございますけれども、その国会の御審議がなくなるわけですから、それは役所は大変な私は責任をしょい込んだと思っているんです。だから、そういう意味で、私は本当にこれ、こんな大きなことをしょい込んでいいのかなと本当に思うほど大きな責任を役所はしょい込んだと思うんです。
 だから、ここは、今までもサボっていたと私は思っておりません、それは一生懸命やっていたことは間違いないんですが、これからは今まで以上に微に入り細にわたりましてよく目を見張って、いかにここに入っていただいている皆さん方にどうしたらプラスになるのか、この人らにこたえられるのかということを真剣にこれはやっていかないといけない、それだけの責任を私はしょい込んだと思っています。
 したがいまして、今いろいろ御指摘をいただいておりますように、それぞれの分野の問題もございますしいたしますが、共通する問題もございましょう。それから、個々の、それぞれ個々の特別な問題もございましょう。そうしたことも併せてこれはしっかりやっていくようにしたいというふうに思いますし、先ほど審議会の話も出たところでございますが、審議会も公開にし、そして今まで審議会でこれからの金利をどうしていくかというようなことについてまで余りやってこなかったようでございますけれども、そうしたことも、どこどこに、どこどこの企業の株をどれだけ買うかというようなことまでは、それはそんなことはしないと思いますけれども、要は、どういう方針でいくかということはそこで徹底的に審議をしていただいて、そして代表の皆さん方にもお入りをいただいて納得のいくようにしていく、明らかにしていく、そうしたことが一方で大事だというふうに思っている次第でございます。
#39
○今泉昭君 ありがとうございます。労働大臣からはっきりとそういうことを言っていただいたので、是非ひとつ今後それを現実の中で生かしていただきたいというふうに思うわけであります。
 もう時間がそろそろ切れてまいりましたので、最後にこの特退共関係をめぐりまして少しお尋ねを申し上げたいと思います。
 それは、恐らく行政監視の中でいろいろな勧告がこれまで出されてきたのではないかと思います。特に証紙の張り方を中心といたしまして厳しい勧告が出されてきたと思いますが、これらの勧告を受けまして特退共ではどのように具体的に手を打ってこられているのか、そのことをちょっとお聞きしたいと思います。
 もう少し細かいことを申し上げますと、例えば、平成十四年一月二十二日、総務省から「特殊法人に関する行政評価・監察結果に基づく勧告」、こういうものが出されております。この中には具体的に財務の状況であるとかいろいろなことについての勧告が出されているわけでございます。例えば、先ほどから問題になっている余剰金の発生の理由として、購入された共済証紙の約五%が未貼付ではないかという問題であるとか、あるいは事実上の掛け捨てが発生していると。おおよそ六百四十五億円からの掛け捨てというような状態が生まれている。共済証紙の購入実績というものは購入が必要と見込まれる額の五割から七割程度しか購入されてないというような問題、いろいろな勧告が出されているわけでございますが、これらを受けましてどのような対応策を取られてきたか、これを聞かせていただきたいと思います。
#40
○政府参考人(日比徹君) 現在、御指摘のように、共済証紙あるいは共済手帳に関しましていろいろと御意見ちょうだいしてきております。今年一月二十二日に総務大臣からやはり勧告をちょうだいしておりまして、今御指摘のように、財務状況であるとか退職金支給状況、その運営の実態を調査した上、その合理化あるいは効率化ということであると思いますが、具体的内容としては、共済証紙の確実な貼付の励行、共済手帳の長期未更新者への対応、あるいは共済証紙による掛金納付方式の見直しの検討などが盛り込まれているところでございます。
 かねて機構の方と私ども、それから国土交通省の方で、その前ですと建設省時代からでございますけれども、いろいろと証紙の問題についてはどのように改善してくるか詰めまして何項目か決めてやってきた部分もございます。ございますけれども、改めてこういう勧告をいただいておりますので、従来やってきたことはやってきたことといたしまして、例えば、大きいのは、共済証紙の確実な貼付の励行を更にどこまで徹底するのか、それから、これは本当に検討課題になろうかと思いますけれども、共済証紙による掛金納付方式ということ自体、これも実はその確実な貼付あるいはその就労実態に即した貼付というような観点からも、どのような納付方式がよいのかというのは御議論もあるところでございました。
 こういう点につきまして、今後どのように進めていくか、関係方面とも御相談しつつ速やかに適切な対応を取れるようにしてまいりたいと考えております。
#41
○今泉昭君 先ほどから特退共に関しましていろいろお聞きしているんですけれども、一般的な印象としてはなかなか分かりにくいですよね。そして、単純に一般との比較もし難いというような実例がございます。
 例えば、水準の比較を一つ取ってみましても、この三退共の比較を見ましても、この厚生労働省の資料を見ましても、例えば建設業の場合は三百六十か月で四百九十五万八千七百三十円の退職金額が一応予定をされている。清酒の場合は同じ三十年、三百六十か月であるにもかかわらず半分以下の二百四十万七千九百五十円だと。林業の場合は建設業に比べまして百万近く低く、四百二万六千九百六十円だと。
 こういう比較をそのままうのみにするわけにはいかない実態があることも我々重々承知しているわけであります。それぐらいに実は比較が難しいんですよね。この三つの特退共同士での比較でも難しい。さらには、一般と比較すると更に難しくなっている。これは参加者にとりましても、いろいろ今後の制度の改革に向けての意見を言いたくてもなかなか言えない一面があるんではないかと思いますので、これは最後になりますけれども、要望としてもう少し分かりやすい制度に工夫をすべき時期に来ているんではないかということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#42
○草川昭三君 公明党の草川であります。
 最初に、これはちょっと私、議会側としても反省をしなければいけなかったのではないかと思うのは、いわゆる会計基準制度というのがありまして、会計基準の中の退職金の引当金が引き上げられたというのがありましたね。これに対する対応が大企業の中においても決算期に非常に重い負担になっておるというのがあるわけですけれども、ほとんど実は会計基準の変更のときにかつての大蔵委員会あるいはその他関連する委員会でも退職金の引当準備金という積み増しの問題については触れられていなかったということは私ども実は今回改めて考えなければいけなかったのではないかということがあります。しかし、これは今日はあえて、全然違う委員会でございますので、私は取り上げません。
 しかし、日本の企業というのは圧倒的に中小企業が多いということは事実であります。あるいはまた、日本の企業というものは終身雇用ということが大前提となっていることも事実。その終身雇用というものは年功型の序列ということでこれが裏付けをされている。しかも、労働組合の圧倒的な多くというのは企業内の労使関係という、そういう特別に外国から見れば位置付けがあるわけでありまして、そういう中で明らかに退職金制度というのは賃金の後払いであることは私は間違いがないと思うんですが、もろもろのことを含めて、この退職金制度というものは見直すような条件というのがたくさん来ておるのではないかと、こう思うんですが、まず政府の見解をお伺いしたいと思います。
#43
○政府参考人(日比徹君) 御指摘の日本での終身雇用、年功序列、企業内組合という三種の神器と言われてきたもの、これについていろんな観点からの見直しの御議論がある状況だと思っております。
 さて、その退職金制度の問題でございますけれども、これにつきましても、先ほど来の御議論にもございましたように、いろんな形で現在企業の方でもいろんな変化をさせておる状況だろうと思います。この点につきまして、私どもとして、政府の立場で退職金制度、これは一般的な各企業の制度でございますので、それをどう見るかというのはなかなか難しいところございます。
 ただ、先ほど来の御議論でもございましたように、大企業と中小企業とのそういう労働条件的な意味の格差の問題、そういうような観点で見ますと、退職金制度がどのように変革していくか、それは十分注意をしなければならないと思いますけれども、なおその格差があるということについての対策ということは考える必要があろうかと思いますし、また個別企業におきましてもやはりその内容等についてはいろいろと変化も見られるとはいえ、約九割の企業で現に採用されているというふうなことも考慮すべきものと思っております。
#44
○草川昭三君 先ほどの議論もあったわけですけれども、大企業はもちろん賃金の後払いという形で退職金の積立てをする。しかも、今は直ちにそういうわけにはいきませんけれども、昔は勤続三十年とか三十五年をするならば家の一軒も購入することができるであろう、だから一定の企業に生涯働こうではないかという日本の善き労使関係というのがあった。
 ところが、その日本の産業を支える底辺というのは全くの零細企業だ。こちらには退職金がないじゃないかというので、いわゆる証紙を事前に使用者側が購入して勤労者の方々の手帳に貼付をするというような珍しい制度というものを政府が主管をしたという意味では、政府が主管をした退職金制度というのは非常に私は意味があると思うんですが、今回はもちろん資金運用で問題があるということは前提にはなっておるのですけれども、制度そのものの後退ということにつながらないかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
#45
○政府参考人(日比徹君) 退職金額、これが今後政令で定めさせていただければということで御提案申し上げておりますけれども、その政令で予定運用利回りを一%を予定するということでいきますと、退職金額は下がらざるを得ない。そのことが制度の後退ということであれば、それは残念ながらそのとおりだと思いますが、なおそれに至る事情につきましてはいろんな経済情勢、金利等のことも申し上げておりますし、また今後の、仮にこういうことをやらせていただくことになりました場合に、今回の法案でも資金運用に関しまして基本方針を定める云々のことを措置しまして、これが直ちにどの程度の効果ということは難しゅうございますけれども、資金運用等にも今後十分努めていく体制を作っていきたいというふうなことで、全体として、いったんは仮に後退したとしましても、その退職金制度を安定的に維持していく目鼻を付けさせていただければ、それはそれでまたやむを得ないこういう状況の中では最低限安定的維持ということのために必要な措置を取ったことになるのではないかと思っております。
#46
○草川昭三君 先ほど坂口大臣からも率直なお話があったわけでございますけれども、加入者にとっては、今度の中退制度の法律改正ということについては、今まで退職金額についても法律で保障されていたという安心感があった。ところが、今度は政令で定めるということになりますと、その安心感を揺るがすことになるのではないかと、こう思うんですよね。そこら辺りをどう考えられるのか、お伺いをしたいと思うんですが、大臣、どうでしょう。
#47
○国務大臣(坂口力君) 二つございまして、一つ、先ほどからも議論がございますように、日本の中のこれからの雇用形態、どういう方向に向いていくのかということがあろうかと思いますが、現在は終身雇用でありますとか年功序列でありますとかというようなことが、これは崩れていくんだという話の方が非常に今多くなっているわけでございますけれども、しかし私は、もう少し落ち着いてと申しますか、経済状況の落ち着きを取り戻してまいりましたら、日本本来の雇用のこの形態というのはもう一度また見直されて、私はある程度また揺り戻しがあるんだろうというふうに思っております。
 それは、やはり企業にとりましても、優秀な技能従事者というものを一度手放してしまいますと、これはもう大変なことになるわけでありますから、やはり抱えているということがいかに大事かということはそのときになって初めて私は理解されるのではないかという気がいたします。
 昨年、ドイツに参りまして、フォルクスワーゲンに参りましてワークシェアリングの話をしましたときにも、いみじくもそこのフォルクスワーゲンの経営者が一度従業員を手放してしまったらそれは大変なことになると、時間は二〇%削減をして、そして所得の方は一五%、それでは企業側が損するではないかというふうに言うけれども、決して損ではないと、そのぐらいにしてでもやはり抱えておくということが大事だということをかなり強調をいたしておりました。
 だから、私はそういうことを前提にして考えますと、今お話しになりましたように、これからの日本の雇用の在り方の中で、今回のこの改正というものがどういう影響を与えるのかということを私も考えております。
 先ほども申しましたように、やはり政令で定めるということにしたということは、これはそれだけ大きな荷物を、大変大きな荷物を厚生労働省はしょい込んだと。これは、今まで以上に大変なこれはここに力を入れないといけないことになるというふうに私は思っております。
 国民の皆さん方から見ましても、これは厚生労働省がさじ加減でいい加減なことをするんではないということを明確にしなければなりませんし、国会の皆さん方にもそのことをよく御理解をいただかなければならないわけでありますから、審議会というものを今まで以上にそこはオープンにし、公開制にして、そしてその中で、この金利の問題等につきましても大枠はそこでもう決めていただく、どういうふうな方針でいくかというようなことは話し合っていただいて、そして決めていくというようなことが大事。
 できれば、その中のメンバーにつきましても、それはもちろんその道の学者でありますとか、そうした人たちも必要でございますけれども、経営者やあるいは中小企業の経営者等々にもこれは入っていただいて、そしてその意見を十分に言っていただくということがやはりできるようにしなければならない、そのことによって私はある程度の安心をしていただけるような状態になるのではないかと、そう思っております。
#48
○草川昭三君 念のためにお伺いをいたしますが、予定運用利回りを今回引き下げる場合ですが、既に加入している方々に対する利回りの適用はどうなるのか、改めてお伺いをします。
#49
○政府参考人(日比徹君) 何といいますか、予定運用利回りの引下げ前から入っている方々でございますけれども、この方々につきましては、予定運用利回り引下げの言わば施行日前の部分とその後の部分とに分けて考えまして、施行日前の既に納付された掛金部分につきましては従来の言わば予定運用利回りで計算し、施行日後に新しく納付されることとなる掛金部分につきましては新しい利回りに基づいてと、それを合算と言いますとあれですけれども、そういう計算で結果求められる額ということを予定しております。
#50
○草川昭三君 これは役所としては大変嫌がらせの質問に近いんだけれども、前回、平成十年の改正をしたときに予定運用利回りを引き下げたわけですね、当然のことながら。そのときはたしか千百億の欠損金だったんですか、その後も予定利回りの運用との差というのは大分開いて今日の二千億の欠損金になったわけですが、その理由はどういうことですか。
#51
○政府参考人(日比徹君) 当時、いろんな推計もいたしたところでございまして、それなりの根拠、あったろうと思いますけれども、そういうことについてるる申し上げても何ともなりませんので結果として申し上げますと、結果といたしましては、金利、株価の状況等について予想し得ない状況に至ったと、結果としてはそういう意味で利回り予想の見通しが甘かったと言わざるを得ないものと思っております。
#52
○草川昭三君 過去の予定利率と運用実績の推移を見てみますと、スタートいたしました昭和六十年のときの予定利率というのは六・二五だったんですが、運用実績は七・二九上げているんですね。だから、なかなかスタートのときは役所としてはうまく始動したと思うんですよ。
 それで、バブルがいわゆる崩壊をしたというのはたしか平成元年ですか、一九八九年の年ですが、日経平均が三万八千九百十五円のときでして、一ドル七十九円、大変な円高のときだったわけです。それで、バブルは崩壊をするわけですが、そのときには予定利回りを五・五と見ていたんですね。それでもまだ運用実績は六・〇一上げていたんですから、これも評価できるわけですよ。
 しかし、このバブル崩壊後から四・五と例えば予定利率を、目標値を定めるんですが、実際は三・八四と、こう逆ざやになってくるわけです。それで、平成十一年のときも、三%でいくだろうといったときに瞬間風速ですけれども三・〇三と、一応運用実績は上回っておるんですが、十二年になってくると二・三三という形になってくるんです。
 だから、そこは我々もまあ十分理解はするんですけれども、資産運用は本当に万全であったのかどうか、簡単に利回りを下げていいということにはつながらないわけなんで、その反省は先ほどの大臣の答弁ではありますが、今後は非常に重要なことになってくるので、念のためにお伺いをしておきたいと思います。
#53
○政府参考人(日比徹君) 資産運用の問題でございます。
 先ほども申し上げましたように、結果としてとにかくこういう事態になったわけでございましたので、今後の問題といたしましてはやはり万全を尽くすということで、大臣の御指示もございました点を含めまして資産運用について、その体制等あるいは公開という問題、審議会の運営の問題等も含めまして十分必要な努力をしてまいりたいと考えております。
#54
○草川昭三君 これもちょっと細かいことになって恐縮ですが、この機構において円建て、円貨建て外国債というのを購入しておりますね。平成八年度では六百五十億でございますが、平成十二年には一千億近い資産額になっておるんですが、今よく新聞で話題になっておりますアメリカのエンロン、これはいわゆるデリバティブで失敗をして大変な問題を提起しておるわけですが、このエンロン債の購入とか、デフォルトを起こしましたアルゼンチン債だとか、あるいは日本の国内で問題になっておりますマイカルの社債等の運用はあったのかないのか、お伺いします。
#55
○政府参考人(日比徹君) 共済機構の運用のうち、機構自らが売買するということでは、今お挙げになった債券についてはございません。ただ、金銭信託ということで信託銀行等に委託、資金運用を委託しているもの、その資金でエンロン債について保有していたことがあるということが分かっております。
#56
○草川昭三君 それで、三・四の四半期の決算報告があったと思うんですが、そこの中は結果としてはどういうことになっていますか。
#57
○政府参考人(日比徹君) 今申し上げましたように、金銭信託での運用でございますので最終的に金銭信託としての決算ということにその部分至っていないものがございますけれども、したがって決算ベースでどうかというのはございますけれども、実質的に信託会社の方で購入した価格とその時点で最終的に売れた価格、その差損が計算上は出ておりまして、それは約二億円ほど出ているというふうに聞いております。
#58
○草川昭三君 金銭信託の話が今出ましたが、過去五年間において、国債は平成八年度で四千九十二億、十二年末に五千七百五十九億の運用というふうに聞いておりますが、それから金銭信託が非常に増えておりまして、今のお話じゃありませんが、これも平成八年では四千七百億ですか、これが十二年末には一兆近く、九千九百四十億と、こういうように増えてきておりますが、こういう中で利回りの低い生命保険資産とか利回りの低下をしている金融債が金銭信託に投入をし過ぎておるんじゃないかというような感じがするんですが、これは極めて専門的な話になりますが、どういう状況でございますか、お伺いをしたいと思います。
#59
○政府参考人(日比徹君) 金銭信託、国債等の比率が高まっている点につきましては、ただいま委員からも御指摘ございましたように、生命保険資産であるとかいわゆる金融債等の利回りとの比較で行ったものでございます。
 なお、金銭信託の比率が非常に高くなっている、確かに一兆円に及ぶ状況になっておりますが、これにつきましては、実は先ほども申し上げましたが、いろんな方々にお集まりいただきまして基本ポートフォリオを作成して、そしてその基本ポートフォリオがどうしてもある程度長期、ある程度の期間を見込んで、こういう割合で運用すれば最終的には一番いいだろうというようなことで、なかなか短期的発想に立っていないという点ございますけれども、そういう基本ポートフォリオ等には従いつつやっておると。
 ただ、金銭信託のウエートというのがどの程度であったらいいのかというのは、御指摘のような感想もないわけではございませんけれども、それは今後、金銭信託といいましてもいろいろリスク度は異なる組合せもございますので、そういうような点も含めて考えていく必要があろうかと思っております。
 いずれにいたしましても、確かにこれは専門家の方々の御意見等も十分お伺いしながら、事後の評価ということも丹念にやっていくべきものであろうと思っております。
#60
○草川昭三君 今からの質問は別にこの委員会で私必要とするという意味で質問じゃないんです。自分の知識で聞きたいんですが、国債による運用について、今、御存じのとおり、国債の格付の引下げが言われておるんですが、下落の懸念もあるんですが、今後国債は購入をしていくおつもりか、あるいはまた財務省の方から国債購入についての協力依頼というのがあるのかないのか、あるいはまたいよいよこれから新しい改革が始まるわけですが、財投機関債を将来この三兆円の規模の機構の中で購入をする考えはあるのかないのか、お伺いをしたいと思います。
#61
○政府参考人(日比徹君) 国債でございますが、現在格付の問題等が論議されておるところでございます。勤労者退職金共済機構の場合には、国債につきましては基本的には償還期限まで、要するに満期償還まで保有するということを基本としておりますので、したがいまして債券価格の下落とかということは基本的には影響を受けないということで、今後におきましても国債というものは資金運用先として活用するということで予定されております。
 なお、財務省からこういう、国債のそういう現在の状況ということで何か協力要請あったかという点でございますけれども、そういうことでの要請は受けておりません。
 それから、財投機関債でございますが、これは昨年四月から発行され始めたということで、現在のところは運用対象に含めておりませんけれども、今後どうするかにつきましては、先ほど来の専門家の方々、その他のそういう方々の御意見も承りながら、どうしていくのかということは今後の課題であろうと思っております。
#62
○草川昭三君 先ほど来から繰り返し答弁は受けてはおりますけれども、資産運用について、私、非常にこれから難しい時代に入ってきたと思うんです。
 それで、専門家の方々と言いますけれども、だれが専門かもなかなか判断ができませんけれども、要するに高度の知識が非常に必要になってくると思うんですが、大変御無礼でございますけれども、今の体制で今後の資産運用に自信を持てるのかどうか、この際お伺いをしておきたいと思います。
#63
○政府参考人(日比徹君) 資産運用の体制の問題でございますが、退職金共済機構におきます資産運用の場合、安定的で確実なということがやはり大変大切な原資でございますので、そういう要因と、さはさりながら、できるだけ運用収入を確保すると。元々その問題があるところでございまして、言わば投機的な意味で、何といいますか、資産運用をやるというわけではございません。
 そういう意味で、先ほど来も申し上げましたように、国債であるとかあるいは従来の資金運用部資金とか、そういうところも相当織り込んだ上で、結局、金銭信託部分がかなり、何といいますか、不確定要素がある程度入り込む部分、その部分につきましては投資顧問の方面の業者の方々とか信託引受けのところ、そういうところの専門的な知識を活用するという前提で全体ができておるものと思っております。
 したがいまして、もちろん、本当に自信持てるのかとおっしゃられますと、今般こういう事態を招いたということもあるわけでございますので盤石ですと申し上げることは到底なかなか難しいわけでございますけれども、先ほど申し上げましたような資産運用というのは元々基本でございますので、外部の方々の本当に御意見も承りながら、あるいは事後評価のシステムをどのように作っていくかというようなことを兼ね備えますとそれなりにやっていけるものと思っております。
#64
○草川昭三君 旧厚生省の年金資金の運用基金の役職員には秘密保持規定というのがあるんですよ。ところが、この勤労者退職金共済機構の役員についてはないんですね。私は、同様な役員に対する秘密保持規定があってもしかるべきではないかと、三兆円規模の資産を運用するわけですから。その点はどうでしょう。
#65
○政府参考人(日比徹君) 役員の義務の問題でございます。
 資金運用等につきまして、これは秘密保持義務といいますか、守秘義務として手当てするのか、今回私どもの法案では、忠実義務とか利益相反行為はやるなとか、そういうことでやらせていただいておりますけれども、結果としては持つべき義務は同じようになるのではないかと思っておりますが、御指摘の年金資金運用基金の方でそういう規定があることはただいま承知しておりますけれども、ちょっとどういう趣旨か等は分かりかねております。
 先ほど申し上げましたように、一定の忠実義務等は、これは必要であろうということで義務を掛けさせていただくというようなことで考えております。
#66
○国務大臣(坂口力君) 今、年金のお話出まして、年金の方も随分今気を遣っているわけですが、やはりこちらの方も年金並みにやらなきゃいけないと思っているんです。信託なんかに預けましたときに、それが一年で結果を見るのか二年で見るのか、そこのところはこれは分かりませんけれども、銀行の年金の場合なども、もし仮に成績が悪かったらすぐ切っているんです、もう。切る、もう。結果を公表しまして、どこどこはこれだけしかようやらなかったという結果を出して、そして多分あそこは一年だったと思うんですけれども、一年ごと新しいところに替えている、そこにはもう出さない、そういう方針を取っているんですね。
 やはり、そして責任を明確にしていかないといけないというふうに思いますので、こちらの方もちょっとその辺検討しまして、そういうふうにしたいと思っております。
#67
○草川昭三君 今、大臣から積極的な答弁をいただいたんで大変私どもも感謝というんですか、いい答弁だと思います。是非、三兆円とそれから年金資金とは格が違いますけれども、同様な取扱いを是非していただきたいと思うわけです。
 それから、この勤労者退職金共済機構について、今、特殊法人等の整理合理化計画において、ここから適切な事後処理、フォローアップを行うようにしたらどうかというような提言もあるわけですが、その点について厚生労働省の方としてはどのような見解か、お伺いしたいと思います。
#68
○政府参考人(日比徹君) ただいまの運用の事後評価でございますが、現在、過去の運用実績等のデータで示せるもの以外について必ずしも明確な評価基準を持っておりません。したがいまして、今後、まず明確な評価基準の設定ということ、それから外部の専門家を含めた評価体制の充実などを図るべく、その具体的な検討を進めつつあるところでございます。
#69
○草川昭三君 現在、特殊法人等の改革推進本部との関連になるわけですし、提言が行われておるわけですが、独立行政法人化をするということになりますと、例えばの話ですが、情報公開をかなり積極的に行うということになると思うんですが、その点の見解はどうですか。
#70
○政府参考人(日比徹君) 御指摘のとおりでございまして、独立行政法人の場合、通則法におきましても情報公開の点、いろんな点を国民に明らかにするように努めなければならないというふうにされておりますし、またいろいろと、法律上はともかくとしましても、政府レベルでも独立行政法人ということになればいろんなことについてできる限り積極的に公表するようにというようなことも決められておるところでございます。
 今後の問題ということになるわけでございますけれども、勤労者退職金共済機構の場合、情報公開という問題につきましては、独立行政法人となる場合にはもちろん独立行政法人としてのそういうことを積極的にやっていくということになりますし、またそれまでの間、特殊法人である間におきましても情報公開については極力進めていくということで予定も組んでおるところでございます。
#71
○草川昭三君 今回の予定運用の利回りが下がることになるわけですが、これによって、先ほどの質問にもありましたが、この制度の加入者が減るのではないだろうかという若干の心配があるんですが、その点はどのように克服をされていかれるのか、再度お答えを願いたいと思います。
#72
○政府参考人(日比徹君) 今回の退職金額の引下げ措置というものが実施されることになりますと、少なくとも加入促進要因にはもちろんならないものと思いますが、加入者の従来の増減状況を見てみますと、一つは経済的な情勢というものの反映、これが比較的大きいのではないかと思いますが、同時に加入促進のためのPR活動等というものもあながち無視できないと。
 私ども、今回、加入者の問題につきましてはいろんな形で、具体的には自治体等の御協力、あるいは業界団体、労働組合等の御協力も得ながら加入促進に努めるということで、結果として加入者の減少を見ないようにしてまいりたいと思っております。
#73
○草川昭三君 今後のやり方もいろいろとあると思うんですけれども、退職金額というのが減らないようにするためには、一つは事業主に対して掛金の月掛の引上げを呼び掛けざるを得ないと思うんですよね。それで、そのために国の方としては、人件費あるいは事務費の補助で平成十四年度も予算から約四十四億ですか、平成十三年度に比べると大分減っていますけれども、こういうのも一応は確保しておるわけでございますが、そういうことも含めて企業主に対する働き掛けをどのように考えられておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#74
○政府参考人(日比徹君) 掛金助成制度、これもあるわけでございますが、これも十分周知を図ってきたつもりではございますけれども、なお実際には御存じないということもあろうかと思います。
 そこで私ども、退職金制度の重要性というようなことも併せてになりますけれども、この助成金制度についてなおいろんな形の事業主団体、これは業界団体もございますし地域別の団体もあるわけでございますけれども、そういうところあるいは自治体、それから先ほども申し上げましたけれども、労働関係の諸団体というところの御協力もいただきながら周知、広報を図ってまいりたいと。それから、毎年秋に加入促進月間というようなものを設定しまして、言わばキャンペーン等も行っておりますけれども、そういう行事ごとにつきましても、各連携すべきところとの連携を強化しまして、なお徹底してまいりたいと思っております。
#75
○草川昭三君 実際、現場の接点というのは商工会とか、それから商工中金とか、あるいはまた信用金庫、信用組合等を通じて納付をされる場合も、PRをされる場合も多いんですが、もう大分たっていますのでほとんどの金融機関の窓口では積極的なPRなんかしていませんが、もう少しそういう点にも目を向けてPRをしたらどうだろうかという提言を一言申し上げておきます。
 これは最後になりますが、中退制度を今後とも魅力のある制度にするにはいろんな考え方があると思うんですが、先ほど来から大臣も答弁をされておられますけれども、一言大臣から答弁をお願いしたいと思います。
#76
○国務大臣(坂口力君) PRの話も出ておりますが、こういう制度というのは、これはここに入ったらなるほどこれはいいということが分かりましたら、それはもう口コミでどんどん広がっていく話でございますので、自然に加入者は増えてくるということでありますから、やはり今お話ありましたように、魅力のあるものにどうするかということだと思うんですね。
 これは、何も金勘定だけを良くするというだけの話では私はないと思うんです。もう少しそこは、金のないときはないときだけに知恵を絞らなきゃいけないというふうに思うんですが、やはりいわゆる役所仕事だというふうに言われぬようにこれは頑張らないといけないというふうに私も率直に思っているところでございます。
#77
○草川昭三君 最後に、一分ありますのでこれはもう言いっ放しで、答弁なしでいいんですが、もう率直に申し上げますが、機構も私リストラをやるべきだと思うんです。ところが、この提言の中には機構のリストラの答弁はありません。
 それから、今、別にここだけの問題ではなくて、特殊法人等の見直しでかなり厳しい、いわゆるOBの天下りの規制なんかがやられておるわけです。先ほども若干出ましたけれども、局長OBの方々も、一々金額は言いませんけれども、私に言わせてみればかなり高い水準ですわ、よそに比べるとまだ低いとおっしゃるかも分かりませんけれどもね。
 それから、理事の数も本当にいいのかどうかという感じがします。
 それから、年間のもの、更にプラス年に三・五五の期末手当等も付いておるわけですから、細かいことは言いませんけれども、少なくともこういう厳しい情勢の中における零細企業の方々の退職金制度を取り扱っているという意識だけはしっかり持っていただいて、今後の体制強化に取り組んでいただきたいということを要望しまして、ちょうど時間でございますので、終わりたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
#78
○委員長(阿部正俊君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩といたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#79
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、鶴保庸介君が委員を辞任され、その補欠として泉信也君が選任されました。
    ─────────────
#80
○委員長(阿部正俊君) 休憩前に引き続き、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#81
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。
 中小企業の退職金共済制度改正法案について質問をいたします。
 私は、まず最初に、不況下で一層将来不安が増している、こういう中での改正はやめるべきだというふうに思っているんです。今回の改正というのは、中退金の財政的な問題とともに、特殊法人の整理合理化という政府方針の下で進められているというふうに考えております。
 中退金の予定運用利回りは三%から一%に引き下げるということですが、退職金は二十年の場合で三百三十万円受け取っていたのが二百六十九万円になって、そして六十一万円の減額になるんです。三十年の人はどうかというと、五百八十二万円から四百二十五万円、これは百五十七万円の減額です。高額な住宅ローンを抱えたりしている人など、本当に退職金を当てにして暮らしているのに、とても深刻な状況に追い込まれていくということがもう御自分たちも予想しているわけですね。
 中小零細の事業主にとってもまた深刻であるということを言わざるを得ません。就業規則に規定がある場合には事業主の負担が求められる場合も出てくるからなんです。中退金制度は四十七万事業所、二百七十三万人が加入していると言われておりますけれども、安全で確実そして有利な制度として発足したわけなんですけれども、この加入は進められてきておりますけれども、今回の改正がありましたら、これは国民の将来不安を本当に大きく膨らませることになるというふうに思いますし、老後への不安が一層高まるということはもう確実であるというふうに思っております。
 不況で国民が本当に苦悩している今、こういった改悪をやるべきではないというふうに思いますが、大臣の答弁を求めます。
#82
○国務大臣(坂口力君) 確かに、今御指摘になりましたように、金利が一%に固定をされてしまうということになりましたならば、これは今後非常に大きな影響を与えるであろうというふうに思いますが、金利は変動するものでございます。したがいまして、この一%の金利で将来ずっと行くということは私は全く考えておりません。
 景気の動向に合わせてこれは一日も早く回復をさせなければならないものだというふうに思っている次第でございまして、回復をさせることができ得ましたならばまた皆さん方におこたえのできるような額に戻っていくわけでありますから、我々も、この経済状況というものを早く回復をせしめる中で、この金利の上昇というものも早くまたさせなければならない、皆さん方におこたえをしなければならないと考えているところでございます。
#83
○井上美代君 今、きれいな言葉で答弁をいただきました。
 予定運用利回り、これは発足時六%でした。そして、五・五%になり四・五%になり三・〇%になって、今度は一気に一%に引き下げるということでしょう。
 私は、審議会の中でもこれについて、一%が低過ぎるのではないかということが議論されているというのを見ました。厚生年金基金でも、予定利回りは二%以上が多いようです。そしてまた、厚生年金基金では、十年国債の利回りを最近五年間を平均して値を出して、そして下限としておりまして、厚生労働省の通達でも二〇〇二年度については一・二%以上となっているわけなんです。だから、この一%というのは、中退金制度に加入したい思いにはとてもなれなくなっていくのではないだろうかということを思うわけなんです。
 大臣の御答弁をお願いします。
#84
○国務大臣(坂口力君) 一番問題はこの制度を持続をさせるということだと思います。そして、制度は持続をし、金利はその都度変化をする、それはやむを得ないことだというふうに思っておりますが、今御指摘いただいたように、この金利をできるだけ高く保っていくという努力をすることが課せられるわけでありまして、それはもう御指摘のとおりだと私も思います。
 したがいまして、できる限りこれから高金利を持続できるようにひとつ頑張らなければいけないというふうに思いますし、そのために一体どういうことをしていけばいいのかという、システムとしてやはり考えていかなきゃならないというふうに思っている次第でございます。
 今日、午前中にも一部御答弁を申し上げましたけれども、審議会等の在り方につきましても検討を加えると。そしてその中で、どう金利を保っていくか、あるいはまた、たまりましたその財源をどのようにこれを活用をしていくかといったようなことについて議論をしていただく。
 若干これを高くしようと思いますと、そうするとリスクが付きまとう。リスクを少なくしようと思うと金利が低くなる。その辺のところをどのようにひとつ皆さん方で合意をしていただいて、そしてこれからやっていくかということになるだろうというふうに思っておりますが、少しでも加入をしていただいている皆さん方におこたえのできるようにしなければならない、それはそのとおりだと思っております。
#85
○井上美代君 いつその利回りが良くなるのかという非常に不安定な中での御答弁でありましたけれども、いずれにしましても、私は、中退金の魅力をやっぱり高めてたくさんの人たちが入るということ、この分野というのは大変な人たちが固まっているところですから、やはり私はそこを、本当に安心して中退金に入れるという、そういう状況というのを作っていかなければいけない、システムを作っていかなければいけないというふうに思います。それがやはり制度の安定にも資するものであると、こういうふうに思うわけなんです。
 昨年、この中退金の助成制度が変更されました。国庫助成が削減されました。人がやはり安心して生活できるということを作り出すというのが私は政治であるというふうに思っております。中退金の財政が苦しいときに補助を削減するというのは、社会の発展、そしてまた制度の発展、これとは全く逆行した措置だというふうに思うわけなんです。従来は給付費に対する助成もありましたが、少なくとも従来並みの国庫助成で私は制度を支える必要があるのではないかというふうに思っております。私は今回のこの改正には反対です。
 私は続いて中退金制度の一環であります特定業種の一つである建設業退職金共済制度について質問をしたいと思います。
 以下、建退共という略した言葉で言わせていただきますけれども、この建退共というのは業界の中で移動する労働者が非常に多いわけですね。短期にほかの建設の現場に行く人たちもいるという、そういう実情を踏まえて、建設労働者の福祉向上のために創設した、言ってみれば国の制度であるというふうに思っております。
 事業主が共済契約をすればそこで働く労働者も加入できるという仕組みで、加入した労働者には共済手帳が配られるわけです。そして、一日働いて一枚の証紙を手帳に張っていく、そしてそれがたまって退職するときにはその手帳をあかしとして退職金をもらうという制度です。この制度によって零細な下請業者の労働者も、額は十分ではありませんけれども、退職金が出るようになっております。
 政府は、公共事業の入札において、建退共に加入しているかどうかということを評価の条件に挙げているんですね。そういうふうに事業主に言いながら事業主の加入を促進しているわけなんです。また、公共工事の請負の契約金額の中にこの建退共の掛金分を積算しているわけなんです。したがって、公共事業ではおおむね元請が一括してその証紙を購入して、それを下請に現物交付するという仕組みになっております。この仕組みがうまくいっていないということなんです。
 四年ほど前、この請負契約額の中に含まれている建退共の掛金がゼネコンに流用されていることが社会問題となり、そして大手マスコミも大きくこれを取り上げております。これは税金の使い道の問題でもあります。それ以後、政府は改善措置を幾つか取ってきましたが、まだまだ十分とは言えないと思います。
 今年の一月には総務省の行政評価局がこの建退共に対して制度改善を求める勧告を出しております。勧告というのは、証紙がそもそも下請に渡らない問題、また下請に渡っても手帳にその証紙を張らない問題、こういうものが出てきていて、様々な問題が勧告の中で指摘されているわけなんです。
 総務省の勧告と関連して、私はまず、そもそも元請が証紙を必要な枚数だけきちんと金融機関から購入をしているのかどうかということを質問したいと思います。
 政府は自治体に対して元請業者から発注者掛金収納書というのを提出するように求められているんです。この発注者掛金の収納書というのは、証紙を金融機関から買って、掛金を払ったその領収書として金融機関が元請に発行するものなんです。国土交通省の通達では原則として公共工事においてはこの収納書の提出を受注業者に求めているわけなんですけれども、このシステムを実行している自治体というのは全国で半分ほどにしかならないということなんですね。これでは実施自治体が八割や九割になっていくということはもう本当に十年以上も掛かっていくというふうに思うんですけれども、やっぱりもっとスピードを上げていく、そして増やしていく必要があるのではないかというふうに思います。そのために政府も新たな施策だとか自治体が進めやすい条件整備、これをもっとやる必要があるのではないかなというふうに思っているわけなんです。
 そこで、私は、国土交通省からもおいでいただいておりますので、国土交通省と大臣に御答弁をいただきたいというふうに思います。
#86
○政府参考人(竹歳誠君) お答えいたします。
 建退共の加入促進、履行確保につきましては、今御指摘のように、発注者の方から指導するというのが極めて効果的であるということで、公共工事の発注機関に対しまして、工事契約を締結した場合において、建退共制度の発注者用の掛金収納書を工事を受注した建設業者から提出させるよう要請しているところでございます。
 委員御指摘のように、現在、市町村について見ますと、平成十三年度末現在で千六百二十八市町村と全体の約半分が実施しているという状況でございます。県については一〇〇%実施しております。
 実施市町村については毎年実は着実に伸びているところでございますが、いまだ半数という状況でございますので、未実施の市町村に対しましては機会をとらえまして再度掛金収納書の提出を求めるような要請をしてまいりたいと考えております。
#87
○国務大臣(坂口力君) これは制度としてはなかなかうまく考えた制度だと思うんですね。いい制度だと思いますが、しかしこれ実行されなければ何にもならないわけでありますから、国が関与をしております制度でもあるわけでありますので、市町村におきましても一〇〇%これが行き渡りますように、これはもう早急に努力いたします。
#88
○井上美代君 早急に努力するということで、私はやはりもういっときも待てないと思うんですね。ここで働いている人たちの状態を私お聞きしましたけれども、とても大変だというふうに思いますので、そういう意味でも本当にいっときも待たずしてこれを改善してほしいというふうに思います。
 次に私がお聞きしたいのは、元請という、発注先ですか、請負のところですけれども、一括購入する証紙の枚数がそもそも不十分なんじゃないかということを思っております。
 元請が証紙を買う際の枚数についてなんですけれども、元請が必要枚数をどうやって把握しているのかというふうにいいますと、下請からの報告に基づいてやっているんですね。下から下から上がってくるその報告を待って、そしてやっている。ところが、建設業というのは、皆様もよく御存じのとおり、二次下請、三次下請、四次下請とずっと下まで下請の重層構造の中で仕事をしているわけなんです。だから、途中の段階で建退共に加入していない事業者がいたり、そしてまた自分の下請の事務までやっていないところがあったりということがあるんですね。そしてまた、元請は下請と全く会わないというそういうところも、よく顔が会っていないというところもありますので、この下請の労働者の数がきちんと報告されないという現状があるわけなんです。下請の労働者が一括購入する元請に対して請求する仕組みはありません。こういう問題が広範にあるということを私はもう本当に現場の方々に細かく聞いてとてもよく分かったわけなんです。
 こういう実態を厚生労働省は把握しておられるのでしょうか。私は政府参考人の答弁を求めます。
#89
○政府参考人(日比徹君) ただいま御指摘の証紙をめぐるいろいろな状況の問題でございますが、今御指摘もございましたけれども、証紙の購入につきましては、今も御指摘ございましたけれども、必要枚数の把握あるいはその簡便的な措置として、工事契約高との関係での目安を示すなどということもやってまいった、その過程で私どももいろんな情報を得たところでございます。
 ただ、今御指摘のように、いろいろと十分でない状況があるということは、残念ながらまだそういう部分があるというふうに認識しております。
#90
○井上美代君 やはり、今言われたように、非常にやっぱり、大臣もいい制度だと言われたんですけれども、私はこれが本当にうまくいけばいい制度だと思うんですね。もう何か月か働いて、また次の建設現場に行き働いて次の現場に行くわけですから、そして、全国どこへでもこの手帳を持っていけば、証紙を張ってもらえば、それで退職金もらえるわけですから、そういう点で非常に不十分だということがはっきりしていると思うんですね。だから、そこをやはり改善するということが大事だというふうに思うんです。
 元請が下請の分も含めて必要な全体数を確認する必要があるのではないかというふうに思っているんですけれども、こういった状況をやはり解決するために、元請が、二次とか三次、四次の下請がずっとありますよね、必要枚数の全体をきちんと確認するということが必要だというふうに思うわけなんです。
 だから、そこのところを確認するということがどういうふうにやられているのかいないのか、その辺を御答弁願いたいと思います。
#91
○政府参考人(日比徹君) ただいまの元請が一括して購入する際、その必要枚数の把握ということでございますが、これは、私どもとしては、現在元請で一括購入ということを、こういうことをやっておりますのは、建設業界では昔から元請が様々な面で下請の面倒を見ると、こういう慣習もあり、また下請の中には事務処理能力が必ずしも十分でないというようなことなどから元請が下請に代わって事務処理を行うことができるようにということにしておりますし、また現実にもそれをお勧めもしておるということでございます。
 その際、枚数の把握の仕方でございますけれども、これはやはり私どもとしては適切に把握していただくという以上になかなか出ませんで、これをどのように把握をするのか等につきまして、先ほど申し上げたような状況からこういう元請での一括購入ということをやっておりますので、元請の事務負担等の点も考えますと余り義務的になるのはいかがというように考えているところでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、最終的には証紙というものがきちんと張られていくということ、就労すれば張られていくということが大切でございますので、その点の確保を図っていきますれば必要枚数というものもおのずから購入されていくものというふうに思っております。
#92
○井上美代君 証紙を張るというところまでやらなければいけないと思うんですが、そもそも今まで取り上げたような問題が証紙の問題からしてずっとありますでしょう。元請業者が下請業者の労働の処遇についてきちんとやはり指導をしていないこと、ここにやはり私は問題があるというふうに思っております。建設業法でも元請の下請に対する指導が規定をされているんですけれども、やっぱりそこをきちんと守っていくということが重要であるというふうに思います。いずれにしましても、私はこの問題を解決するには元請の責任が大きいということ、ここをやっぱりしっかり据えなきゃいけないんじゃないかなというふうに思うんです。
 そこで伺いたいんですけれども、旧建設省が一九九九年三月に出した「建設業退職金共済制度の普及徹底について」という通達があります。そこを読んでみますと、下請業者の規模が小さく、そして建退共制度に関する事務処理能力が十分でない場合には、元請業者に建退共の制度への加入手続、そしてまた共済証紙の共済手帳への貼付、張ることですね、そういう事務の処理を委託する方法もあるので、元請の業者においてできる限り下請業者の事務の受託に努めることということで、元請業者がやらなければいけないことを、努力義務ではありますが、ここに、通達に書いてあるわけなんです。
 元請は証紙を一括購入して下請に現物交付しておしまいということ、そこまでもやれていないんですけれどもね、それでおしまいということではいけないというふうに思うんです。やはり加入の手続だとか、そして証紙を手帳に張るところまで、もう本当にできるだけ、できる限りそこのところ、きちんとやれるというそういうものでなければいけないというふうに思うんですね。
 手帳に貼付をするところまで事務を受託してやっている元請というのがどれぐらいあるのかということを聞きたいんです。政府は実態を把握しておられますでしょうか。参考人の御答弁をお願いします。
#93
○政府参考人(日比徹君) 現時点、証紙の手帳への貼付まで元請で受託しているケースは一件だけでございます。
#94
○井上美代君 大変な状況であるということがはっきりいたします。
 この通達の今読み上げました部分なんですけれども、この通達を、この読み上げた部分も含めまして、通達全体を出されたということを私は非常に良かったというふうに思っているんですが、背景と理由について、一体何でこの通達を出されたのかということをお聞かせください。
#95
○政府参考人(竹歳誠君) この通達の背景と理由についてのお尋ねでございます。
 平成十一年三月に建退共の改善方策を取りまとめるに当たりまして調査をいたしました。その中で、元請による下請に対する建退共への加入指導が十分でないとか、小規模企業が多い下請業者で建退共関連事務の負担感が高い等が判明いたしまして、それでこのような通達を出したわけでございます。
 そして、国土交通省といたしましては、当時の建設省と労働省が協力いたしまして、処理要綱というものを作成いたしました。元請事業主による建退共制度関係事務受託処理要綱というのを作成いたしまして、要綱に沿った取組を各事業主にお願いするとともに、公共工事発注機関に対しまして、委員御指摘の通達によって、元請業者においてできる限り下請業者の建退共事務の受託に努める、こういうことを説明するようお願いしたものでございます。
#96
○井上美代君 その後、この通達についてどのようにやられているかということについてはずっと追い掛けておられますでしょうか。また、追い掛けるつもりでいらっしゃいますでしょうか、御答弁願います。
#97
○政府参考人(竹歳誠君) 十一年に出した通達でございますが、その後特に実態は調査しておりません。
#98
○井上美代君 やはり、この建退共の対象としている人たちの、労働者の性格上、そこをきちんとしないとなかなか大変なんだというふうに思うんです。厚生労働省と国土交通省は、是非この通達で言っているような、元請がきちんと責任を持つ体制作りというのをやはり進めてほしいというふうに思うんです。
 私は、まず何よりも政府が模範を示してほしい。政府の直轄工事において、自分が出した通達に基づいて、元請による証紙の貼付までを含めた事務受託を進める必要があるのではないかというふうに考えておりますけれども、国土交通省の参考人の御答弁を求めます。
#99
○政府参考人(竹歳誠君) 直轄事業においてこのような指導を行うべきではないかという御指摘でございますが、発注者、また元請においてすべての労働者を確認するということになりますとなかなか事務負担が大きいと考えられますので、現在の仕組みを前提としたままで直ちに国土交通省の直轄事業に導入するということは困難ではないかと思います。
 ただ、建退共全体の改善方策の一つといたしまして、今はもう情報化の時代でございます、証紙以外の方式、労働者個人個人が張る代わりに確認できるような、そういうようなことについても検討しようということで実証実験なども行っておりまして、こういう方式によりますと、発注者とか元請に過度な負担を掛けることなく、より効率的で確実に現場の労働者に退職金の制度が適用できるというようなことが可能となるんではないかと強く期待しております。
 したがいまして、国土交通省といたしましては、厚生労働省と十分に調整、連携をしながら新しい制度についても検討してまいりたいと、このように考えております。
#100
○井上美代君 新しい制度と言われましたが、具体的には今日は言ってはいただけないんですよね。今、進行中ですか。
#101
○政府参考人(竹歳誠君) 言ってはいけないことはないんでございますけれども、今実験中で、例えばカードのようなものを作って、それを労働者の方が持っていると。いわゆる現場では出面と言いますけれども、現場に行ったらそれでピッとやると出ましたと。ただ、出たけれどもすぐ帰っちゃったということになっちゃ困りますから、ちゃんと出て働いたとか、そこら辺の仕組みが検討課題になるんだろうと思います。
#102
○井上美代君 いや、私はちょっと話では聞いてはいたのですけれども、それを何か十六年ぐらいまでにという話を聞いているんですけれども、私は全国どこへ行っても活用できるというそういうカードというのは非常にいいというふうに思うんですけれども、金額もどうなのかというのも心配はされますけれども、それができれば随分便利になるというふうに思いますけれども、余りにも遅いと思うんです、十六年というのは。だから、一日も早くやっていただかなければいけないというふうに今思います。もうあと二年ぐらいしかないわけでしょう。だから、私は是非それを早く速度を付けてやっていただきたい、十六年を待たずしてやっていただきたいというふうに思うわけなんです。何にしろ、検討はされているということですから期待をしますけれども、早くお願いをしたいと思います。
 それで、私はまた次に進みますけれども、今この点について自治体レベルでは様々な試みが始まっているんですね。北海道が早いのですけれども、北海道の帯広では一昨年の十月から公共事業が終わった際に証紙がきちんと貼付されたかどうかということを下請の人たちの部分も含めて報告させる制度を始めているんですね。これはもう本当にやむにやまれない人たちの知恵だというふうに思うんですけれども、労働者一人一人についてきちんと報告をさせているというところが特徴なんです。だから、この帯広のやり方というのは北海道のそのほかにもずっと広がっているんですね。そして、函館だとか旭川だとか、そして札幌だとかというふうにずっと自治体のところで採用されてきているんです。都道府県レベルでは埼玉県が今年度から実施に踏み切っております。これも元請にきちんと責任を持たせるやり方の一つであるというふうに思うんですね。
 だから、やはり大いにこの教訓を学ばなければいけないんじゃないかと。そして、総務省の改善勧告も出ているわけですけれども、元請が建退共制度の履行に最後まで責任を持つ体制のところをどう改善していけば最もいいかということを、知恵を是非出してほしいというふうに思うわけなんです。
 そこで、厚生労働大臣にそこのところをお聞きしたい、新しいいろんな制度が自治体でも開発されているんですけれども、それをお願いしたいというふうに思います。大臣の御答弁を求めます。
#103
○国務大臣(坂口力君) 先ほどからのお話に出ていますように、制度としてはなかなかいい制度でございますし、これをどう実現をしていくかということだと思います。これはやはり元請のところで指揮を取っていただかなければなかなかそこから下請の方には行かないというふうに私も思いますので、元請のところでどのように采配を振るってもらうようにするかという、そのちょっと手順を決めないといけないと思うんですね。
 先ほどから建設省の方からお話しいただいているものがどんなお金が掛かるものなのかちょっと私分かりませんけれども、余り高くお金の掛かるものですとすぐにあしたからというような調子にはいかないというふうに思いますけれども、そうでなければ、システムだけの問題であればシステムを早く確立すればいいわけでありますから、急いでこの法律、御審議をいただいて成立させていただきますと同時に、急いで私の方も取り掛かりたいと思います。
#104
○井上美代君 私は、やはり今まで国の方も調査をちゃんとしていないということもあるんですけれども、それだけの困難を抱えた課題なんだというふうに思うんですね。だから、やはり元請に責任を持たせるというふうに言いますけれども、じゃこの元請がどのようにして二次、三次、四次のところまで、下請まできちんと握れるかというのは、やっぱりそこに人も派遣しなければいけないだろうし、何らかの細かい手だてが大事だと思うんですよね。だから、厚生労働省におかれましても、国土交通省におかれましても、そのことを新しく開発するということでやっていただきたいというふうに思います。
 そして、私は、繰り返しますけれども、公共事業でそれができなければもう民間なんかできないと思うんです。だから、やはり公共事業が範を示していくということが大事であるというふうに思うわけなんです。国土交通省の方はこの辺はどうでしょうか。先ほどからICカードなどは出てきておりますけれども、システムを下までずっととらえていくという、その調査などについてはどうですか。チェックをしてみるとか、そういうのはどうでしょうか。
#105
○政府参考人(竹歳誠君) 御指摘のように、大規模に下請を使う特定建設業者については、下請についてすべてを把握するということで、例えば現場には施工体系図とか施工体制台帳とかいうので下の方の下請についても把握することが建設業法上も求められております。
 ただ、今一番大きな問題になっておりますのはやっぱり、例えば三次の下請さんのところに何人働いているかというのが正にこの建退共の制度の問題になるわけで、下請自体は把握していても、その日に応援が例えば増えてたくさん来ましたとか、なかなか元請が全部把握するというのは困難だというのが今のような実情になっております。
 ただ、我々もこの制度は非常に重要な制度と考えておりまして、新しい方式の検討も含めて、きちっとやはり建設現場労働者の方々が退職金をいただけると、このような仕組みに運用できるように努めてまいりたいと考えております。
#106
○井上美代君 ちょうど時間になりました。これで質問を終わります。
#107
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
 まず、中小企業退職金の共済法からまず冒頭大臣にお伺いいたします。
 労働審議会の建議の一つ目に「改正に当たっての基本的な考え方」が示されてございますけれども、この後段ですけれども、後段の辺りに「中退制度の加入企業労働者にとっては痛みを伴うものであり影響が大きい」というふうにございます。審議会の会議録も読ませていただきまして、この「痛み」という文言に大変議論もございましたし、それだけ審議会の委員の方々の思いというものも表現されている部分ではないかなというふうに私自身も思います。そしてまた、それだけに、今後の中退制度を安定させることはもとより、中小企業で働く方々への福祉の向上については、厳しい状況であればあるほどしっかりと対応していかなければならない重要な課題であると思います。
 改めて認識を強くしたところで、まず大臣に、この「痛み」という表現をどのように受け止められておりますか、まず冒頭御答弁願います。
#108
○国務大臣(坂口力君) ここで皆さん方が議論をされて「痛み」ということをどういうことでおっしゃったのかということを的確に私も把握することはできかねますけれども、とにかくこの制度を維持していくためにはやはりこの金利を下げるということがなければこの制度を維持することができ得ない、さすればそのことがこの加入者の皆さん方にとって痛みを与えることになると、こういうことなんだろうというふうに思います。とりわけ労働側の皆さん方の御主張でこの文言が入ったということだそうでございますので、そういう思いでこの文言をお入れになったんだろうというふうに思います。
 我々といたしましては、できるだけこの痛みの期間が短いように、そしてこの痛みが少しでも小さなものであるように努力をするやはり責任があるというふうに思っている次第でございます。
#109
○西川きよし君 そこで、私の方から次にこの中退金制度について、特殊法人等整理合理化計画に関連をして是非お伺いしたいと思うんですが、小泉政権の発足後、それぞれの特殊法人につきましては原則廃止か民営化で検討するということが小泉総理大臣の大きな旗印と申しますか、その一環といたしまして今回の勤労者退職金共済機構につきましても政府部内におきまして廃止の可否また民営化の可否について議論をされてきたところであると思うわけですけれども、最終的には廃止、民営化ということにはならなかったわけですけれども、そうした結論に至るまでの政府部内の検討の経緯につきまして是非御答弁をいただきたいと思います。
#110
○政府参考人(日比徹君) ただいまの特殊法人等整理合理化の過程におきまして勤労者退職金共済機構のことも当然のことながら検討をされてまいりました。これにつきまして、今御指摘のように、全般的には廃止又は民営化の検討ということでございました。
 私どもは行革担当の方々との議論の中で、やはり中小企業の退職金制度そのものが大切であること、そしてその制度は法律に基づく国の制度として継続的に実施していく必要があると考えているということを申し上げまして、もしこういう法律に基づく国の制度として継続的に実施していくということにかんがみますれば、廃止するのはもとより、民営化というのもいろんな形態あろうかと思いますけれども、一般的に申し上げますと民営化も困難であろうと申し上げてまいりましたし、そういうことでこういう廃止、民営化とならなかったという御結論に達せられたものと思っております。
#111
○西川きよし君 そこででございますが、昨年の八月ごろですか、行政改革推進事務局から見直しについて数項目の指摘がされたわけですけれども、その中の情報公開についての指摘に対して、具体的にどのような問題点があったのか、そしてまたその指摘に対して「充実強化に努める。」とのことであったわけですけれども、どのような対応をお考えであるか、是非御答弁をよろしくお願いいたします。
#112
○政府参考人(日比徹君) 昨年八月、今御指摘のように、いわゆる行革推進事務局から情報公開に関しまして指摘を受けております。その一つは「特殊法人に係る情報公開の対象法人と同様の情報公開を行う。」という点、またいま一つには運用内容、これは資産のでございますが、「運用内容や結果について、適切に情報を公開する。」と、この二点でございます。
 まず、第一点目の点でございますが、この退職金共済機構は特殊法人ではございますが、特殊法人に係る情報公開の対象法人ということに共済制度だということでなっておりませんでした。そこで、この点どうなんだろうということで、私どもも行革の事務局の方ともお話もしまして、やはり特殊法人である以上外れているのはおかしいのではないかと、私どももそう考えておりましたので、こういう御指摘を踏まえて、この点につきましては、今年の秋を目途として、いわゆる共済の加入者かどうかは問わずに、どなたから求められても情報公開をするということ、またそのために文書等につきましても管理ファイル簿も作成しまして一般の閲覧にも供し、したがって情報公開が適切になされるよう、そういうふうに措置をしていくということを予定しております。
 なお、運用内容や結果についての情報公開の御指摘もいただいておりまして、この点につきましては現在既にホームページ掲載等で資産運用状況等一定の情報は御提供申し上げてはおりますけれども、この法案でも運用に係る基本方針等について定めるというふうなことも考えさせていただいておりますので、その点も含めた情報公開ということを今後、今般のこの法案の成立をさせていただきますれば、その後そういう関係も含めまして公開準備に入りたいと思っております。
#113
○西川きよし君 それから、資金運用体制ですけれども、資金運用体制の整備でございますが、共済事業の資金を一括して運用する体制を整備してはどうかという指摘があったと思うわけですけれども、この点については最終的な計画には盛り込まれておりませんが、その結果に至るまでの背景についても併せてお伺いします。
#114
○政府参考人(日比徹君) ただいまの点につきましては、行政改革推進事務局の方から資金の一括運用体制をということについて御指摘があり、そのことにつきまして担当所管庁といたしまして私どもは一定の意見を申し上げました。
 その意見のポイントをごく簡単に申し上げますと、建設業あるいは清酒製造業等々の業種別のもの、あるいは中小企業退職金共済、それらにつきましてはそれぞれ対象とする事業主、労働者が異なったり、あるいはいわゆる数理計算等も別に行うと、そういうことで区分経理、また資金の融通禁止等の必要があるなどの点がございまして、運用責任の明確化の点も併せ考えますと、やはり一括して運用するということにはいろんな問題があり適当ではないということで私ども御意見を申し上げました。その御意見が最終的には御理解いただいた結果として、その御指摘が計画には載ってこなかったという経過だと承知しております。
#115
○西川きよし君 ありがとうございました。
 次に、今度は融資事業についてお伺いをしたいと思います。
 この事業については過去に二百件を超えていた時期もあったということでございますけれども、当時はある一定の役割も果たしてきたのではないかなというふうに私自身も感じております。ここに来まして、全体で二十五件程度という状況ではございますけれども、二十五件程度であれば廃止もやむを得ないのかなという思いもいたしますが、さりとて実際に少数とはいえ必要としている方もおられるわけで、廃止後の受皿と申しましょうか、何かお考えなどがございましたら御答弁をよろしくお願いします。
#116
○政府参考人(日比徹君) 御指摘のような状況で融資事業は推移してまいっております。
 今般、特殊法人改革の一環としまして、各特殊法人で行っております融資の事業につきまして、政策金融を見直すという、そういう観点で見直し作業が行われ、その場合には民業補完といいますか、民でできることは民でやっていく、そして最低限の政策金融をやると、そういうような観点からの見直しでございました。
 そういう点から必要性について検討しましたところ、ただいま委員も御指摘なられましたように、融資実績が二十件―三十件ということに現在なっておりまして、一方、この融資対象でございますのは労働者住宅、社宅等でございますけれども、そちらの方は、これはきちんとした数を把握しておりませんけれども、年間それなりの戸数を実はできておるだろうと。そういたしますと、ほとんどのケースでは市中銀行、一般金融機関からの借入れで賄っておられるのではないのかと。そうしますと、政策金融としてあえて残さなければならないということはいかがであろうかということで廃止するに至ったものでございます。
#117
○西川きよし君 細やかに御答弁いただきまして、ありがとうございます。
 それから、今後の方針でございますけれども、独立行政法人化をしていくとの方針でございますが、この場合、当然法人としての自主性が重視されるわけですけれども、一方で組織の在り方あるいは役員の在り方も見直されていくんだろうと思うわけですけれども、今後の独立行政法人化についてはどのような将来像をお持ちであるか、これは是非副大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
#118
○副大臣(狩野安君) 独立行政法人化につきましては、原則として平成十四年度中に必要な措置を講じることとされておりますので、役職員数を含めた組織体制等につきましては、今後、特殊法人改革の趣旨に沿って決めていくこととなります。
 独立行政法人化に伴い、目標管理、業績評価、定期的な組織・業務の見直し等を行うことになりますので、責任の明確化や業務運営の効率化等が十分に期待できるようにすることが大変大切なことだと考えております。
#119
○西川きよし君 補助金の削減についてお伺いをいたします。
 行政改革の一環といたしまして、小泉総理大臣はこういう方針の中で特殊法人関係の補助金を一兆円規模で削減をするということが言われております。この機構への今年度の影響というのはどの程度あったのか、また加入者へ与える影響はなかったのかどうか、そういった点について引き続き御答弁をいただきたいと思います。
#120
○副大臣(狩野安君) 先ほどからも議論がございましたけれども、勤労者退職金共済機構に対しましては、退職金共済事業に係る事務費、人件費及び掛金助成のための経費を国から補助しております。
 平成十四年度予算における国庫補助額は百五十二億円でありまして、前年度と比べ約二億二千万円減少をいたしましたが、これは主として勤労者退職金共済機構における事務の合理化等によるものでありまして、加入者への影響はないものと考えております。
#121
○西川きよし君 次に、直接今回の法案には関係はいたしておりませんが、同じく行革推進事務局から指摘をされておりました社会福祉施設等退職手当共済制度についてもこの機会に是非お伺いをしておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、この制度の内容について、政府参考人、御答弁をお願いします。
#122
○政府参考人(真野章君) 社会福祉施設職員等退職手当共済制度は、社会福祉事業に従事いたします人材を確保し、福祉サービスの安定的な供給と質の向上を図るための制度でございます。
 具体的には、社会福祉法人の経営をいたします社会福祉施設などに従事いたします職員が退職した場合にその職員に退職手当金の支給を行う事業でございますけれども、これは社会福祉法人などの相互扶助の精神に基づく制度でございまして、その職員に支給いたします退職手当金の支給に充てる財源はこういう社会福祉施設などの経営者が負担する掛金と国及び都道府県の補助金によって賄われておりまして、そういう財源をもって退職手当金を支給するという制度でございます。
#123
○西川きよし君 ありがとうございます。
 そこで、昨年八月当時の行革推進事務局案では、この制度に対しまして、「介護保険における民間とのイコールフッティングの観点から、国庫補助を段階的に縮減し、最終的に廃止する。」との指摘がされておりましたが、この制度の国、地方の補助金の割合、金額について御説明をお願いいたします。
#124
○政府参考人(真野章君) 今申し上げましたように、退職手当金の支給に要する費用につきましては、国それから都道府県それから施設の経営者、三者で原則として三分の一ずつ負担をするということになっております。
 平成十四年度予算におきましては、私ども給付額は約五百八十億と見込んでおりまして、国庫補助金それから都道府県の補助金はそれぞれ約百九十億というふうになっております。
#125
○西川きよし君 そして、それに対する厚生労働省の意見といたしましては、「国庫補助を縮減又は廃止することは困難である。」と回答されているわけですけれども、事務局案で言われた「介護保険における民間とのイコールフッティングの観点」ということに対してはどのように考えておられるのか、御答弁をお願いいたします。
#126
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘のように、昨年八月の「特殊法人等の個別事業見直しの考え方」におきまして、行革の事務局案からは、今、先生おっしゃられたように、「イコールフッティングの観点から、国庫補助を段階的に縮減し、最終的に廃止する。」という御意見がありました。
 私どもといたしましては、これに対しまして、社会福祉事業に従事する人材を確保し、福祉サービスの安定的な供給と質の向上を確保するためには社会福祉施設退職手当共済は重要な役割を果たしておりまして、国庫補助を縮減又は廃止することは困難だという御意見を申し上げました。
 事務局案からお示しがありました介護保険におきます民間とのイコールフッティングの観点ということにつきましては、この退職手当制度の見直しの際の一つの観点ではあるというふうには思っておりますけれども、意見でも申し上げましたように、社会福祉に従事する人材を確保する、それから福祉サービスの安定的な供給と質の向上を確保するということを考えますと、退職手当制度は重要な役割を果たすというふうに私どもは考えております。
#127
○西川きよし君 どうぞ、これからを考えますと大変難しい問題ではございますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 そして、最終的に昨年の十二月の特殊法人等整理合理化計画、その中で、「平成十七年を目途に行われる」「介護保険における民間とのイコールフッティングの観点から、助成の在り方を見直す。」とされたわけですけれども、今後、国庫補助の在り方を含めた財源問題をどのように見直していくのかが今後の課題になるのではないかと思うわけですけれども、この方向性といたしまして国庫補助の削減を念頭に置かれているのかどうかも含めてこの問題に対する現在のお考えを是非田村政務官に御答弁をいただきたいと思います。
#128
○大臣政務官(田村憲久君) 先生の御質問、御指摘の点でありますけれども、繰り返しになるわけでありますけれども、おっしゃられましたとおり、昨年の十二月の閣議決定、特殊法人等の整理合理化計画の中において、十七年の見直しに合わせて民間とのイコールフッティングという立場からこの問題をどう見直していくか指摘をいただいております。
 そのような観点ももちろん考えながら、この国庫補助という財源の問題、この制度に関しては考えていかなきゃいけない部分もありますが、先ほど来こちらから御説明しておりますとおり、やはり福祉事業に従事される方々、人材をどう確保していくか、それからまたサービスをどう安定的に供給していくか、質の向上をどう図るか、こういう問題を多角的に勘案させていただきながら、また先生からのいろんな御指導も賜りながら、この問題に関しては慎重に決めてまいりたいな、このように思っておるような次第でございます。
#129
○西川きよし君 ありがとうございました。
 確かに、福祉施設で働く職員の方々が安心をして働いていただくという意味において大切な制度であることはもう十分に皆さんが御理解をいただいていると思います。しかし一方で、介護保険に民間企業が進出している中で、やっぱり不公平があってはならないということも十分にみんなで考えていかなければいけないことだとも思います。
 この二つの制度も含めまして、今後更に具体化をしていく作業が進めていかれるわけですけれども、少し時間が早いようですけれども、最後に坂口大臣の特殊法人改革に対する基本的なお考えをお聞かせいただいて、私の最後の質問とさせていただきたいと思います。よろしく御答弁をお願いいたします。
#130
○国務大臣(坂口力君) 特殊法人改革は、これはもうやらなければならない大変重要な課題でございますが、その中におきまして、我が厚生労働省が担当いたします、特にセーフティーネットにかかわります分野におきましては、これはよく検討しながらこのセーフティーネットという理念を失わないようにしながらどうするかということだろうというふうに思います。制度やそれから財政的な面でこれを効率的なものにしなければならないことは当然でありますけれども、一方においてその理念を失うことがあってはならない、そこの歩み寄りと申しますか、その一点を踏まえた上でのことでなければならないというふうに考えているわけでございます。
 新しいまた法人等を作ったりということになりますが、新しい法人をまた作って屋上屋を重ねるようなことでもいけませんし、一体どこが変わったのと言われるようなことでもいけませんし、しかしまたその内容がこれで初めの趣旨とはひどく違ってきたなと思われるようなことになってもいけない。そこは十分に我々考えながら受けていかなければならないというふうに思っております。
 経済財政諮問会議等でもいろいろの御意見が率直に言ってございます。その中ではどちらかといいますとやはり経済効率を求められる。そこは、経済効率を求められるのはそれは私もやむを得ない、ある程度耳を傾けなければならない点あるというふうに思っておりますが、この福祉の面というのは、医療や福祉の面というのは経済効率だけではない、医療効率とか福祉効率とか、そうした福祉は福祉としてのやはり効率もあり得る。ただ単に経済効率だけではない。そこは私たちが声を大にして、やはり経済効率だけじゃありませんよということをいかにそこを主張するかということが私たちにとりましても大事なことだと思っておりまして、聞くべきところは聞きますけれども、しかしすべてその経済効率だけで割り切られることには大きな抵抗を示しているというのが現状でございます。
#131
○西川きよし君 ありがとうございました。
 終わります。
    ─────────────
#132
○委員長(阿部正俊君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、草川昭三君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君が選任されました。
    ─────────────
#133
○大脇雅子君 中小企業における退職金制度の現状と課題についてお尋ねをいたします。
 最近の厳しい雇用情勢の下で、そもそも大企業に比べて賃金その他退職金も含めて大きな格差があるという傾向が指摘されているのが通常でございますが、この中小企業の退職金制度というものも最近の企業経営環境の悪化が直接に影響している実態があるかと思います。とりわけ中小企業退職金共済制度に加入している中小企業がこのところ経営悪化等を理由に制度から脱退したり、あるいは納付する掛金額が低減化したりする傾向があると危惧されておりますが、実情はどのようになっているのでございましょうか。
#134
○政府参考人(日比徹君) ただいまの御指摘の、まず脱退の状況関係でございますが、共済契約者、要するに事業主単位でということでございますが、その脱退状況を見ますと、平成八年から十二年度までの数字、いずれも次第に傾向としては伸びている、数字が多くなっているという傾向にございます。なお、新規に加入する事業主も一方いますので、期末在籍数ということでは何とか増加してはいるという状況でございます。
 それから、掛金月額の減額の問題でございますが、これも平成十年度から十二年度、それまでの数よりはかなり多い二万件台というような数字になっております。
 それで、いずれの数字につきましても実は理由というのは必ずしも十分把握できておりません。できておりませんが、一つ推測できますのは、事業主単位での脱退の状況につきましては、実は全員退職による脱退か、あるいは全員解約による脱退か、この二種類だけの区別は分かっておりまして、推測しますに、全員退職というのは倒産などのために事業場ごとなくなるケースが多分多いのであろうと、全員解約は経営が厳しくて掛金が納められないということだろうと推測し得るのですが、そうやって見ますと、実は全員退職の方の数字が非常に全体を占めるウエートも多うございます。平成十二年度全体で二万三千三百件余りの場合、そのうち二万三百件余りが全員退職、つまり破産等かなと思われる、そういう方でございまして、そちらの数字が伸びておる状況でございます。
#135
○大脇雅子君 そうしますと、こうした人件費削減の指向というものも倒産とともにあると思いますが、正規雇用者がパートや臨時職員に代替をしていくという傾向の中で、正規労働者とそのパートタイム労働者について本制度の加入の促進状況あるいは掛金あるいは退職金の保障内容等、どのようになっているのでしょうか。そして、こうしたパートタイム労働者に対する施策というのはどのようになっているのでしょうか。
#136
○政府参考人(日比徹君) 御指摘のいわゆるパートタイム労働者でございますが、この退職金制度におきましては、まず掛金月額につきまして通常は五千円を最下限といたしておりますけれども、労働時間の短い方々の場合には最低二千円からの掛金月額を可能とするとともに、そういう方々につきましては新規加入に伴いましての掛金助成について通常の助成に上乗せをして結果として助成率が高くなるという、そういう結果になる助成を行っております。
 また、短時間の方々につきまして、これはどうしても、後からこういう仕組みを作りましたので、なかなか加入が進まないというのでは困るということで、特別にパンフレット等も作りまして加入促進等に努めておるところでございます。
 なお、ちなみに数字的にどうなっているかということで申し上げますと、実は短時間労働者と申しましても、最初、加入時に御本人といいますか申出があった方々の数と、それから五千円未満の掛金ということでこれは短時間の方だということが分かる数字と実は二つございますが、そのいずれで見ましても、平成八年度から十二年度に掛けまして五割近い伸びとはなっておりますが、まだ多い数字で見ましても三万四千、五千円未満の掛金ということで見ますと二万七千というようなことでございまして、なお加入促進に努めてまいらなければならない状況だと思っております。
#137
○大脇雅子君 ありがとうございました。
 それでは、今回の改正内容につきまして、予定利回り三%を下回る状況が続いて累積赤字が約二千億円ということ、これが改正の重大な問題であり、私どもも非常にそれは中小企業の人たちが予想された退職金の額が下がるということで、非常に制度運用上の問題を考えながらその方たちに与える影響ということを考えますと、大変大きなやむを得ない面がありながら苦悩するところでございます。
 数字的なパーセンテージを見直すだけでは今後の制度維持が担保されることにならないのではないかと。これ以上下がるということではとても制度が維持できないし、中小企業の退職金制度が崩壊するのではないかという不安を労働者に与えていることについてどのような基本的な考え方をお持ちでしょうか。大臣にお尋ねをいたします。
#138
○国務大臣(坂口力君) 今お話をいただきましたように、二千億円という累積債務ができ上がってしまったわけでありまして、これはお預かりをしておる方としても本当に申し訳ないというふうに思うわけでございますが、こういう状況の中でこのまま進んでいきますと、これのまた累積債務が更に膨らんでくる。
 じゃ、どうするかということになれば、今回のように金利を引き下げるということにするのか、それとも加入をしていただいている企業の皆さん方の掛金を上げるのかと、こういうことになるわけでございますが、現在の経済状況からいたしまして、企業の皆さん方に、とりわけ中小企業、中小企業と申しましても零細企業の皆さん方に掛金の額をお願いをするというのはいささか言いにくい状況にあると。そうしたことから、大変これは申し訳ないけれども、ひとまず金利を下げさせていただいて、そしてこの急場をしのぎながら、経済の再生とともに少しでも早くまたこの金利を元に戻させていただくということが今取り得る最善の道ではないかというのが我々の考え方でございます。
 そうしたことでございますので、確かにこの一%というのはなかなか厳しい数字でございまして、本当に共済として機能していけるかどうか、もう最低限のところだというふうに思いますから、もうこれ以上下がるというような危惧はないというふうに思いますけれども、ここからいかにして一日も早くこれを上げていけるようにするかということが今後我々の努力を課せられたことだと思います。
#139
○大脇雅子君 是非、御努力をお願いしたいと思います。
 予定利率を今回政令に委任するということによって柔軟な対応が可能になる反面、制度運用の責任が希薄化するという面が指摘されております。中小企業を退職金倒産に追い込むなという悲痛な声も上がっております。加入後や掛金の増額後一年間の助成措置は現行制度でもありますが、なかなかにこうした中小企業対策としては財政出動等、政府の責任を果たすということが必要ではないかと思いますが、今後どのように対処していかれるつもりでしょうか。
#140
○副大臣(狩野安君) 委員御承知のように、掛金助成は、中小企業退職金共済制度に新たに加入することによる負担あるいは掛金を引き上げることによる負担を軽減することにより、中小企業退職金共済制度への加入や退職金の引上げの促進を目的とするものでありまして、これはこれで一定の効果を上げているということが考えられます。
 国際的な競争の激化などの事情によりまして退職金額を引き下げざるを得ない状況にありますけれども、この経済情勢が厳しく金利水準が予想外に低迷していることによりまして、だからといって、退職金額を引き下げざるを得ないからといって掛金助成を充実しなければならないということも考えてはおりませんけれども、だからこそ掛金助成制度の一層の周知を図ることにより加入促進等を図ってまいらなければいけないというふうに考えております。
 なお、掛金助成の財源である労働保険特別会計が大変厳しい経済・雇用情勢を反映して財政的に厳しい状況にあることも考慮する必要があると考えております。
#141
○大脇雅子君 勤労者退職金共済機構の業務の縮小に伴いまして、中小企業に働く労働者の不利益が生じたり、あるいは制度への信頼が損なわれてはならないと思います。
 例えば、融資業務の廃止に伴う中小企業事業主への影響、あるいは既に融資を受けている者への手だてをどのようにしていくのか、お伺いいたします。
#142
○政府参考人(日比徹君) 融資業務の問題でございます。
 これは主として労働者住宅の取得ということでの融資でございますが、近時、二、三十件というような件数になっておりまして、実際には労働者住宅を取得するケースというのはかなり多いであろうところ、そういう実績でございますので、相当部分が市中の一般金融機関からの資金提供を受けながら対応しているのであろうと考えられるところでございます。そこで廃止するということにいたしたところでございまして、各事業主の方々への大きな影響はないものと考えております。
 なお、既に融資を受けているものとの関係でございますが、既に融資している場合というのは償還期間等も約定いたしておりますので、融資業務を行いませんけれども、その償還期限が来るまでこれを繰り上げたりはせずに、そのままで、従来約定どおりの形で、何といいますか、その債権回収を行っていくということを予定しております。
#143
○大脇雅子君 雇用の流動化が進んでいる昨今では、中小企業に働く労働者も例外ではありません。この中小企業退職金共済制度に加入していた労働者が定年とか自己都合、あるいは倒産、合併等によって中小企業を退職して他の退職金制度に加入をする、いわゆる企業間通算制度というのは重要な保障制度と考えます。
 できるだけ長期に安定して雇用が確保される重要性の意義は今更言うまでもありませんが、企業間を移動した労働者にとっては、この通算制度の保障はどのように現実に機能しているのでしょうか。もちろん、転職後、加入を二年以内に申し出た者が通算されるということですが、こうした件数はどの程度現実にあり、今後はどのような施策を講じていかれるのか、お尋ねをします。
#144
○政府参考人(日比徹君) 御答弁はまたございますけれども、まず数字の方、お尋ねがございましたので。
 中退制度に関します通算制度の状況でございますが、中小企業退職金制度内部、つまり加入企業間の移動、これから申し上げますと、平成十二年度で千八百六件、十三年度は一月末までの数字でございますが千五百件でございます。それから、特定業種退職金共済制度内部の問題、これにつきましては十二年度十三件、十三年度一月末までで二十九件でございます。業種間の細かい動きは省略させていただきます。それから、一般の中小企業退職金から特定業種の退職金共済制度にという形の者が十二年度で九百三十九件、十三年度一月末までで七百三十三件でございます。それから、特定業種から逆に一般の中小企業退職金共済に来た者、これが平成十二年度で二千八十件、十三年度一月末までで千三百七十二件となっております。
 なお、そのほかに商工会議所等で行っております特定退職金共済制度との通算もございますが、その特定退職金共済からこの中退の制度に来た者は平成十二年度六件、十三年度一月末までで五件でございます。それから、一般の中退の制度から特定退職金共済制度の方に行った者は平成十二年度で一件、それから十三年度の一月末までで二件という実績になっております。
#145
○副大臣(狩野安君) 今、局長が答弁いたしましたように、複数の企業に勤務する方は実態としてよくありますけれども、その場合に退職金をまとめて受け取ることができるようにすることが大切なことだということは認識をいたしております。
 ダブるかもしれませんけれども、このために、中小企業退職金共済制度の加入企業間で通算を認めているほか、商工会議所等の実施する特定退職金共済制度との間での通算制度を設けております。これらの通算制度が十分生かされるように制度の周知を図ってまいりたいと思っております。
#146
○大脇雅子君 平成十二年度で約三十万件の退職金支払等があると理解しているんですが、その中での数字ということになりますと、まだまだ通算制度の機能というのはこれからではないかと思います。
 今後とも、制度加入者の増加と保障内容を充実するために取り組んでいかれたいということを申し上げまして、最後に大臣の御決意をお願いして、質問を終わります。
#147
○国務大臣(坂口力君) この制度を質的にいかに向上させるかということが大事でございますが、その前に、この制度をいかにして維持するかということが大事でございまして、この中小企業の皆さん方の制度をまず何はともあれ維持をしていかなければならない、そのためにあらゆる手を打たなければならないということだろうというふうに思います。そして、維持をする以上、少しでも中小企業の皆さん方のために、これがより良い制度だと皆さん方にもよく理解をしていただく、よく喜んでいただけるような制度にそれをどう作り上げていくか、今後厚生労働省に課せられた任務は非常に大きいというふうに思っておりまして、身を引き締めて頑張りたいと思っております。
#148
○委員長(阿部正俊君) 他に御発言もないようですので、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#149
○委員長(阿部正俊君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、宮崎秀樹君が委員を辞任され、その補欠として中島啓雄君が選任されました。
    ─────────────
#150
○委員長(阿部正俊君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#151
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
 反対の第一の理由は、退職金が大幅に減額となることです。
 同制度加入者が受け取る退職金額の算定の基礎となる予定運用利回りを現行の三%から一気に一%にすることになっており、退職金額は、掛金一万円の場合、二十年で六十一万円、三十年で百五十七万円もの減額となります。中小企業主が労働者に減額分を補てんしようとすると、二十年雇用で月額二千円、三十年で四千円もの掛金増額をしなければなりません。さらに、来年四月からねらわれている政管健保の保険料引上げと合わせると、二十年雇用、月給平均三十二万円、一時金百十万円の百人雇用の企業では、事業主負担が年間六百万円も増えることになります。これが景気と雇用の回復に逆行することは明らかです。
 第二の理由は、予定運用利回りを法律事項から政令事項へと変更していることです。
 政令事項への変更によって、国会審議を経ずに退職金額を変えることが可能となり、老後の生活に対する不安がますます深刻化します。
 第三の理由は、国の財政上の責任が放棄されていることです。
 中退共制度への国の補助金は、掛金収入に対する比率で見ると、一九八八年度の八・八%から後退を続け、二〇〇〇年度には四・八%へと半分近くにまで削減されています。中退共制度の財政危機を言うなら、まず国庫負担の復活こそなされるべきです。政府の経済失政によるツケを労働者と中小企業だけに押し付ける本改悪を認めるわけにはいきません。
 第四の理由は、運用方法の範囲を拡大し、信託会社への包括信託を認め、機構が特定の投資顧問業者との契約を締結する際の厚生労働大臣の承認を廃止することです。
 これにより、機構はリスクの多い運用の場合でも事前承認なしで契約ができるようになり、投機的運用の危険性が大きくなることは避けられません。安全性の確保からも賛成できるものではありません。
 同制度には現在三百七十四の地方自治体が独自の補助を行っており、この方向を一層広げることが求められていますが、中退共制度に対する魅力が大きく後退することによって自治体の援助意欲に対して水を掛けることにもなりかねません。
 退職金は、公的年金とともに労働者の退職後の生活を支えるため、ますます重要なものとなっています。今回の改正は、同制度の発足以来掲げてきた安全・確実・有利な退職金制度の根幹を変えるものであり、到底許されません。
 長期にわたる景気の低迷と超低金利は、国の経済政策の責任です。国の補助金を復活させる等、財源を確保し、中小企業労働者の福祉の増進を図るための制度として充実することこそ国の役割であることを強調し、反対討論を終わります。
#152
○委員長(阿部正俊君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#153
○委員長(阿部正俊君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、柳田君から発言を求められておりますので、これを許します。柳田稔君。
#154
○柳田稔君 私は、ただいま可決されました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、退職金制度が高齢社会において中小企業で働く労働者の老後の生活保障として今後ますます重要な役割を果たすことにかんがみ、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、退職金水準の向上のため、中小企業の経営環境の改善に向けて取り組むとともに、加入企業に対して掛金の引上げに努めることを求め、運用状況が良好に推移した場合には、総合的に判断の上、予定運用利回りの引上げを検討すること。
 二、勤労者退職金共済機構について、加入企業及び被共済者が制度の運営並びに運用利回りの状況を的確に把握できるよう、情報公開を更に進めるとともに、外部評価システムの導入など事業運営の一層の透明化に努めること。
 三、勤労者退職金共済機構の役員について、資産運用等制度運営に係る責任を明確化するとともに、基本ポートフォリオの作成に当たって外部の専門家の意見を聞くなど、資産運用管理体制の充実強化を図ること。
 四、地方公共団体や関係諸団体の協力を得つつ、本制度の普及促進を図るとともに、パートタイム労働者等に対しても加入促進策を積極的に進めること。また、特定業種退職金共済制度において、共済手帳の交付及び共済証紙の貼付が確実に行われるよう指導、監督を徹底すること。
 五、適格退職年金制度の廃止が予定されていることにかんがみ、中小企業退職金共済制度への円滑な移行について遺漏なきようにすること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#155
○委員長(阿部正俊君) ただいま柳田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#156
○委員長(阿部正俊君) 多数と認めます。よって、柳田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂口厚生労働大臣。
#157
○国務大臣(坂口力君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、全力で努力することといたします。
#158
○委員長(阿部正俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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