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2002/06/25 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 厚生労働委員会 第14号
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2002/06/25 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 厚生労働委員会 第14号

#1
第154回国会 厚生労働委員会 第14号
平成十四年六月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     内藤 正光君     今泉  昭君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     藤井 基之君     山崎 正昭君
     井上 美代君     緒方 靖夫君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     伊達 忠一君     片山虎之助君
     山崎 正昭君     藤井 基之君
     緒方 靖夫君     井上 美代君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     伊達 忠一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         阿部 正俊君
    理 事
                田浦  直君
                中島 眞人君
                朝日 俊弘君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                久野 恒一君
                佐藤 泰三君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                鶴保 庸介君
                中原  爽君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                今井  澄君
                今泉  昭君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                草川 昭三君
                井上 美代君
                小池  晃君
                西川きよし君
                森 ゆうこ君
       発議者      今井  澄君
   委員以外の議員
       発議者      谷  博之君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  宮路 和明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○健康増進法案(内閣提出、衆議院送付)
○医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提
 供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法
 律案(今井澄君外四名発議)

    ─────────────
#2
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四日、内藤正光君が委員を辞任され、その補欠として今泉昭君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(阿部正俊君) 健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案及び医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案を一括して議題といたします。
 政府及び発議者から順次趣旨説明を聴取いたします。まず、坂口厚生労働大臣。
#4
○国務大臣(坂口力君) おはようございます。
 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案及び健康増進法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げたいと存じます。
 まず、健康保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 急速な高齢化等による医療費の増大等により、医療保険財政が厳しい状況にある中で、医療保険制度については、給付と負担の公平を図るとともに、将来にわたり持続可能で安定的なものとしていくことが求められています。
 このため、今回の改正では、患者の一部負担金の見直し、健康保険の保険料における総報酬制の導入、政府管掌健康保険の保険料の引上げ、老人医療費拠出金の算定方法の見直し、国民健康保険の財政基盤の強化等の措置を講ずることとしております。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一は、健康保険法等の一部改正であります。
 まず、健康保険の本人及び家族の入院時の一部負担金について、各制度間の給付率を統一する観点から三割負担とするとともに、外来に係る薬剤一部負担金を廃止することとしております。ただし、七十歳以上の者については原則一割負担とし、三歳未満の者については二割負担とすることとしております。
 次に、保険料について、総報酬制を導入するほか、政府管掌健康保険の保険料率を千分の八十二とするとともに、中期的に保険財政の均衡が図られるよう、少なくとも二年ごとに保険料率の見直しを行うこととしております。
 このほか、片仮名書き・文語体となっている健康保険法の表記を、平仮名書き・口語体に改め、表記の平易化を図りたいと存じます。
 また、船員保険法につきましても、健康保険法の改正に準じて所要の改正を行うこととしております。
 第二は、老人保健法の一部改正であります。
 まず、老人医療の対象者を現在の七十歳以上から七十五歳以上に、老人医療費に対する公費負担割合を三割から五割に、いずれも五年間で段階的に引き上げることとしております。
 また、老人医療の一部負担金について、月額上限制及び診療所に係る定額選択制を廃止し、一割負担の徹底を図ることとしております。あわせて、一定以上の所得を有する者については、二割負担とすることとしております。
 このほか、老人医療費の伸びを適正化するための指針の策定、老人医療費拠出金の算定方法の見直し等の措置を講ずることとしております。
 第三は、国民健康保険法の一部改正であります。
 一部負担金について、各制度間の給付率を統一する観点から健康保険法と同様の改正を行うほか、広域化等支援基金の創設、高額医療費共同事業の拡充・制度化、低所得者を多く抱える保険者に対する支援制度の創設等、国民健康保険の財政基盤を強化するための措置等を講ずることとしております。
 最後に、この法律の施行期日については平成十四年十月一日とし、三割負担、薬剤一部負担金の廃止及び総報酬制に関する事項については平成十五年四月一日としております。
 あわせて、医療保険各法の給付率については、将来にわたり七割を維持することとするほか、保険者の統合及び再編を含む医療保険制度の体系の在り方、新しい高齢者医療制度の創設並びに診療報酬の体系の見直しに関する基本方針を平成十四年度中に策定し、その方針に基づき所要の措置を講ずることを始め、医療保険制度の改革に関する各般の課題について改革を進めることとしております。
 次に、健康増進法案について申し上げます。
 我が国における高齢化の進展や疾病構造の変化に伴い、国民の健康の増進の重要性が増大しており、健康づくりや疾病予防を積極的に推進するための環境整備が要請されております。
 このため、健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の健康の増進を図るための措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、国民の健康の増進の総合的な推進を図るために、厚生労働大臣は基本方針を、都道府県は都道府県健康増進計画を定めるものとし、市町村は市町村健康増進計画を定めるよう努めるものとしております。
 第二に、厚生労働大臣は、健康保険法その他の関係法令に基づき行われる健康診査の実施等に関する共通の指針を定めるものとしております。
 第三に、厚生労働大臣は、国民健康・栄養調査を行うものとするとともに、国及び地方公共団体は、生活習慣病の発生の状況の把握に努めるものとしております。
 第四に、市町村は、生活習慣の改善に関する相談等を行い、都道府県等は、特に専門的な知識及び技術を必要とする保健指導等を行うこととしております。
 第五に、多数の者が利用する施設の管理者は、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならないこととしております。
 第六に、特定給食施設の設置者は、当該施設における適切な栄養管理を行わなければならないこととするほか、現行の栄養改善法に基づく特別用途表示及び栄養表示基準の制度を引き継ぐこととしております。
 このほか、栄養改善法の廃止その他所要の規定の整備を行うこととしております。
 最後に、この法律の施行期日は、一部の事項を除き、公布の日から起算して九か月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上が健康保険法等の一部を改正する法律案及び健康増進法案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ、慎重な御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いを申し上げる次第でございます。
#5
○委員長(阿部正俊君) それでは次に、発議者谷博之君。
#6
○委員以外の議員(谷博之君) おはようございます。
 ただいま議題となりました医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案につきまして、民主党・新緑風会を代表して、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、医療事故の多発、事故の際の医療機関側の不適切な対応の相次ぐ発覚などによって、国民の医療に対する信頼は大きく揺らいでおります。また、患者の権利意識の向上等を背景に、医療を提供する側の権威主義的な対応や、診療情報が十分に提供されていない現状に対し患者の側が強い不満を持つようになるなど、患者と医療を提供する者との関係の在り方が改めて問われるようになっております。
 そもそも、医療は、患者を中心として、患者と医療を提供する者との共同作業として行われるべきものであり、医療が患者の理解と選択に基づいて行われるためには、医療を提供する側が診療情報を積極的に開示することにより情報が共有化されることが必要です。そして、そのことによって初めて、患者と医療を提供する者との間に信頼関係が生まれ、良質かつ適切な医療が行われることが可能となるとも言えるのであります。
 しかし残念ながら、現実は、医療を提供する側の意識改革も、そのための体制の整備も十分に進んでいるとは言えない状況にあります。また、診療情報の開示等の法制化は今や世界的な潮流となりつつあるにもかかわらず、我が国では、一部に根強い慎重論などもあって、それらに関する法制度は未整備のままであります。この点、法制化に消極的な医師会の側では診療情報の提供に関する指針を作成するなどしておりますが、医療を提供する側の自主的な対応にゆだねるだけで現在の問題状況を変えることには限界があり、診療情報の開示に関する法制度の整備が必要不可欠であります。そして、診療情報の開示の法制化は、自己情報のコントロール権を医療の分野で保障することにもつながることになります。
 他方、医療において何より優先されなければならないのは患者の安全であり、そのためにも医療事故の防止体制を確立することが急務であり、その点から、事故やヒヤリ・ハット事例の情報が医療機関内で収集、再発防止策として生かされるシステムの整備、医療事故が発生した場合の情報開示の徹底が不可欠となっております。また、医療に関しては医療技術の進歩等も相まってその質が問われるようになっており、医療の質の向上と効率化を進める手段として、科学的根拠に基づいた医療、医療の第三者評価を促進することの重要性が増しております。
 この法律案は、以上のことを踏まえ、患者の理解と選択に基づいた医療の促進、医療の透明性と安全性の確保等を目的として、患者に対する医療情報の提供と、安全かつ適正な医療を確保するための体制の整備ということに特に着目をし、それらに必要な基本的事項等について定めるものであり、そのことによって、医療の信頼性の確保及び向上と、患者の権利利益の擁護を図ろうとするものであります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、基本的理念及び責務であります。医療が患者と医療従事者との信頼関係の下に患者の理解と選択に基づいて行われること、診療情報が患者と医療従事者との間で共有化されるべきことなどを基本的理念として定め、これを受けて、医療機関と医療従事者、患者等の責務についても規定しております。
 第二は、医療機関に関する情報の提供であり、医療機関は、その体制、施設設備、実績等を記載した書類を備え置き閲覧させるとともに、患者の権利等につき医療機関内に掲示すべきものとするほか、医療機関の広告の規制緩和について、原則自由化の基本的な方向を示しつつ別に法律で定めることとしております。
 第三に、診療に関する説明等であります。医師及び歯科医師は、診療に関し適切な説明を行い、患者等の求めに応じてその概要を記載した書面を交付するとともに、説明と異なる診療又は適切でない診療が行われた場合には、速やかに患者等に対しその事実などを報告しなければならないものとしているほか、患者等は、診療について医療適正化委員会に相談することができることとしております。
 第四に、診療記録の開示及び訂正等であります。患者、遺族等は診療記録の開示を請求することができ、医療機関の管理者は患者に悪影響を及ぼす場合などを除き診療記録を開示すべきこととしているほか、診療記録の情報に事実に関する誤りがあるときはその訂正等を請求できるものとしております。また、医療機関は、患者等から申出があったときは医療に要した費用の明細書を交付するものとしております。
 さらに第五は、安全かつ適正な医療を確保するための体制の整備であり、医療機関に医療事故防止の具体的指針の策定などを求めるとともに、一定規模以上の医療機関にその構成の中立性に配慮した医療適正化委員会の設置を義務付け、医療事故及びその防止対策の調査審議などを行わせるほか、重大な医療事故が発生した際の都道府県知事等に対する報告を義務化しております。また、適正な医療等を促進するため、医療技術評価及び医療の第三者評価の促進についても規定をしております。
 そして第六は、苦情の解決であり、医療適正化委員会に対する患者等の苦情の申出とその処理手続、都道府県等による苦情に関する相談やあっせん等について規定しております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の趣旨及び内容の概要であります。
 政府が提出している健康保険法等の改正法案は、医療制度の抜本改革を先送りにして、国民に負担増と給付の削減だけを押し付ける内容であり、三方一両損、三割負担が抜本改革につながるなどといった論理は国民の理解と支持を得られてはおりません。これに対し、民主党は、医療保険財政のみに偏ることなく財政と医療サービスの内容の二つの側面から整合性を図るという視点に立ち、かつ、患者を消費者ととらえることを基本とする医療制度改革案を発表しており、本法律案はその改革の主要な柱の一つを成すものとなっております。
 そもそも、医療制度改革を進めていくためには、その前提として、医療そのものが国民に信頼され、かつ、医療を取り巻く環境の変化に十分対応し得るものとならなければなりません。この法律が定める医療情報の提供と安全かつ適正な医療の確保は正にその基盤ともなるものであり、そのような意味からも、この法律の制定が是非とも必要です。
 委員各位には、本法律案の趣旨と意義につきまして十分に御理解を賜り、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#7
○委員長(阿部正俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 三案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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