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2002/07/04 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 厚生労働委員会 第16号
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2002/07/04 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 厚生労働委員会 第16号

#1
第154回国会 厚生労働委員会 第16号
平成十四年七月四日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月三日
    辞任         補欠選任
     今泉  昭君     櫻井  充君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         阿部 正俊君
    理 事
                田浦  直君
                中島 眞人君
                朝日 俊弘君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                久野 恒一君
                佐藤 泰三君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                鶴保 庸介君
                中原  爽君
                宮崎 秀樹君
                今井  澄君
                櫻井  充君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                草川 昭三君
                井上 美代君
                小池  晃君
                西川きよし君
                森 ゆうこ君
       発議者      今井  澄君
       発議者      櫻井  充君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  宮路 和明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省健康
       局長       下田 智久君
       厚生労働省老健
       局長       堤  修三君
       厚生労働省保険
       局長       大塚 義治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○健康増進法案(内閣提出、衆議院送付)
○医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提
 供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法
 律案(今井澄君外四名発議)

    ─────────────
#2
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨三日、今泉昭君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(阿部正俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案及び医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長大塚義治君外三名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(阿部正俊君) 次に、健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案及び医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○田浦直君 おはようございます。自由民主党の田浦直でございます。
 健康保険法の改正についていろいろ御質問させていただきたいと思います。
 一昨日、総理が来られて、長時間にわたって質疑応答があったわけでございます。私も大変関心を持って拝聴をさせていただきました。非常に情熱を持ってこの健康保険法案の御説明をいただいたなと思っておるところでございます。何かもう、総理が来られたので何か終わったような感じがいたしまして、もういつもの例でいいますとそういうふうな感じなんですよね。その中で私もいろいろちょっとおやっと思ったようなのがありましたから、ちょっとその辺からお尋ねをさせてもらおうかなと思っております。
 まず、三方一両損という言葉が随分出ておりました。私は、三方一両損というのは、講談だとか落語とか、あんなところで非常に今国民の間に流布されているようないわゆる大岡裁きですね、そのことだとばかりてっきり思っていたんですよ。そうしましたら、総理は、そうじゃないんだと、自分はそんなことを言った覚えもないし、勝手にどなたか言ったんでしょうというふうな答弁をされたので、ああこれは違うのかなと、私の思っておったことと違うのかなというふうな印象なんですよね。
 でも、恐らく国民は私と同じようなことで三方一両損というのをとらえておるんじゃないかなというふうに思うんですね。その大岡裁きではないという話であれば、ほかにも何か三方一両損がという話があるのかなと、私も寡聞にして知らないんですけれども、その辺は、この健康保険法の国民に痛みを分かち合うという話のその、何というんですか、骨格みたいな、象徴的な言葉になっているんですよね。その言葉の解釈がそれぞれ違う。総理も違う、私も違う、そしてまた恐らく皆さん方も違うんだろうと思うんですね。それではちょっといかがなものかなと思っておるんですね。
 その三方というのは、総理の御答弁によりますと、まず患者の側、そして診療側、支払側、これが一般的に議論されている三方一両損だということですね。私はこれもまた違うんじゃないかなと思うんですね。普通、大岡裁きでいえば、今の状況を当てはめるならば、一つは国民、患者ですよね、そして一つは医療機関、一つはやはり国、そういうふうにとらえておるんじゃないかなと思うんですよね。この辺がおやっと思って意外に思ったところでございました。
 坂口大臣はその三方というのはどういうふうに考えておられるのかなというのをちょっとお尋ねをしてみたいなと思うんですけれども。
#7
○国務大臣(坂口力君) おはようございます。
 先日、三方一両損につきましては、発言をされた総理から御答弁があったわけでありますから、これは御本人が一番その意味につきましてはよくお分かりのことであって、そばから聞いた者がこうだったということを言うのは大変失礼な話だというふうに思っておりますが、その話を聞きましたときにもう少し漠然と、やはりこれからの医療制度、高齢化が進み大変な中であるので、それは医療を行う側も受ける側も、各分野すべて痛みを分かち合ってもらわなければならないという、そういう漠然とした趣旨でおっしゃったのかなというふうに私は思っておりました。
 言ってみれば、一つの三方一両損という昔から言い伝えられている、みんなが痛みなら痛みは分かち合うんだよという、そういうことで言われたのではないかというふうに思っておりましたけれども、中身を見れば、今御指摘のように、医療を行う側と、それから受ける側と、そして保険者というのはあるようで、これは保険出すのは国民でありますから、これは国民と一緒になるというふうに御主張になる方もございますし、いや、それは保険者は保険者で別だという方もおみえになりますが、もう一つは、やはり国の方が、今御指摘になりましたように無駄を省いていくと。今までの制度を改革をして無駄を省いていくということもその中に含まれているというふうに私は理解をいたしております。
#8
○田浦直君 そのとおりだと思うんですね。
 私は、小泉総理が三方一両損ということをおっしゃられたその中には、国も例えば国債を三十兆以内に抑えて、本当苦しい財政の中で国もやりくりをやっているんだと、医療についてもそういうふうなことでそれぞれが痛みを分かち合って改革をやってほしいと、そういう意味じゃないかなと思うので、特別、大岡裁きを無理に否定する必要はないんじゃないかなというふうに思っておりながら聞いておったんですね。
 私は、やっぱり国民は、漠然とですけれども、講談やあるいは落語の中に出てくるようなお話を頭に描いて三方一両損というのを思っておるんだろうと思うんですね。そこは、だから国も国の責任としてこれだけのことはやっているんだということを自信持っておっしゃられた方がいいんじゃないかなというふうな気持ちを抱いたわけでございます。
 しかし、いろいろ質疑がありました中で非常に総理が出てこられてよかったなというふうな思いがするのは、質疑の中で国民の負担額というものがはっきりしないじゃないかということの意見が随分出まして、それを公式に厚生省がその負担額を提示をするということができたわけなんですね。
 本当は私もそれを早くいただいて調査をしたかったんですけれども、実は今朝もらったものですから、まあ詳しくは見ておりませんけれども、私がいただいた「平成十四年改正による患者負担・保険料負担への影響」というところの最後の結論をちょっと読ませていただきますと、「患者負担、保険料引上げの影響は、制度全体で一兆五千億円。うち、患者負担は四千八百億円、保険料引上げの影響は一兆三百億円の増。」というのが一項目ですね。それから二つ目に、「患者負担の増四千八百億円の内訳は、高齢者一部負担改正で二千億円増、三割負担改正で四千億円増、薬剤一部負担の廃止で一千九百億円減、その他の改正で六百億円増。」。三つ目に、「保険料の引上げの影響一兆三百億円の内訳は、政管健保五千七百億円、国保三千二百億円、健保組合等一千四百億円。」と、こうなっているんですね、結論ですよね。そうしますと、これだけ見ますと、今度の改正でおおよそ一兆五千億円は出てくるんじゃないかというふうなことですよね。
 そして、これ、資料の四枚目ですね、「診療報酬改定の財政効果」というところで医療費への影響というのがありますよね。これはまあ単年度ですね。九千百億円の縮減というふうになっておりますね。そうしますと、おおよそこの医療費全体でいいますと、一兆五千億と九千百億の縮小ですから、二兆五千億円ぐらい今度のこの改正で医療費としては減少、まあ財政が良くなるのかなというふうにこれ見て思ったんですが、その辺の見解はどうでしょうかね。
#9
○政府参考人(大塚義治君) 本日御提出をさしていただきました、今、先生のお取り上げになりました資料でございますけれども、結論部分は今お話しのあったようなことでございます。
 患者負担あるいは保険料負担、それと診療報酬改定、全体としての影響ということをお手元の資料、御提出した資料の一枚目に総括的な簡単な図でお示しをしてございます。ごらんいただければ幸いでございますけれども。
 ただいまお話しのございました診療報酬改定、これは最初の資料の左側の図で、まずその診療報酬改定による削減効果を言わば差し引きまして、その上で現行制度のまま推移した場合を考えますと、もちろん二枚目に書いてございますように一定の前提を置いてございますけれども、患者負担、保険料、公費負担の割合がごらんのとおりになるわけでございますが、言わばその間で、保険料不足分といいましょうか、収入支出のギャップが出てまいります。このギャップをいずれは保険料で賄わざるを得ないというのがこの図でございまして、その間に今回の制度改正で、これまた医療費自体も縮減をいたします。
 一ページの右の方の、資料の右の方の図でございますけれども、約六千億円。その上で患者負担の、約でございますが五千億円の御負担増をお願いいたしますので、その分も影響がございます。それでなおかつ所要引上げ保険料が一兆円必要になると。ただいまお示しの計数を全体として取りまとめますとこの一ページのような資料になると、こういうことでございます。
#10
○田浦直君 そうしますと、何といいますかね、サラリーマンからいうと、保険料も上がるし、三割負担になるというとまたその負担も増えるというふうなことで、ある意味ではダブルパンチみたいなものがあるんですね。したがいまして、その一部負担というのは、本来は保険としてはできるだけ少ない方がいいわけだし、いろんな保険を見ても、保険の三割も負担をするというのは余りないんですよね、いろんな保険制度を見ましても。
 それで、例えば、今この三割負担の改正で四千億円増加するという見込みなんですよね。これを仮に外しても二兆円ぐらいは浮くんですね。そうすると、必ずしもその三割にしなければならぬという根拠はないんじゃないかなと思うんですよね。保険料も、あれもこれもというふうなのを一気呵成に負担を国民に増やす、押し付けるというのはどうかなと私は思うんですけれども、その三割負担の額を、これを先送りするとか、今回の改正には入れないとか、何かそういう方法は取れないものかどうなのか、その辺について御見解をお伺いしたいと思います。
#11
○政府参考人(大塚義治君) 先ほども申し上げましたことでございますけれども、こうした患者負担の見直しを仮に行わなければ、これはまた財政に、医療保険財政の赤字という形になるか、あるいは更に保険料へのシフトをするか、こういうことでありませんと医療保険財政の安定運営が図れないわけでございまして、患者負担をやめても影響がないかといいますと、相当大きな影響があるわけでございます。
 三割負担について申し述べれば、今日御提出を申し上げました資料の参考四という資料に、部分に「三割負担改正の財政効果」をお示ししてございます。これも共通で十五年度から十九年度の単年度平均でお示ししてございますが、患者負担につきましては約四千億円増ということになるわけでございますけれども、その医療費に与える影響もございます。合わせますと、三割負担を導入することによりまして、制度改正効果といたしましては約八千三百億円、年平均でございますが、八千三百億円の効果がございます。したがいまして、仮にこの三割負担を導入しないということになりますと、この八千三百億円、保険料というふうな部分に限りますと公費負担が一部ございますから残り七千九百億円ということでございますけれども、この七千九百億円を言わば財政面から見ますと何らかの形で手当てをしなければならないと、こういう構図になるわけでございます。
 釈迦に説法で恐縮でございますけれども、医療保険財政を賄うためには患者負担と保険料と公費と、この三種類のものしかございません。さらに、全体としての医療費の規模、これが関係してくるわけでございますが、この中で適切なバランスを取りながら医療保険財政の安定的な運営を図るということをいたしませんと、先行きまた制度のあるいは制度運営の破綻が生じると。むしろ今日の状況におきましては、その破綻が目前に迫っているというのが私どもの強い危機感でございますし、また認識であるわけでございます。
#12
○田浦直君 今、影響は四千億にとどまらずに八千三百億ぐらいあるんだという御意見でした。その四千億は保険料と、あと四千三百億というのは具体的にどういうふうなものなんですか。
#13
○政府参考人(大塚義治君) これは、過去の医療保険運営上の歴史と申しますか、事実から導き出したものでございますけれども、やはり負担の仕組みあるいは負担の率が変わりますと医療費に与える影響があると、これは過去の経験からほぼ実証されているわけでございます。
 もちろん一定の推計という性格はあるわけでございますけれども、そういう経験を蓄積した中から導き出しますと、俗に私どもの実務的な用例で申しますと長瀬効果というようなことを申すわけでございますが、そうした医療費への影響、圧縮効果が生じるということが知られておりまして、それをカウントする、またすることが現実の運営としては妥当だというふうに考えておりまして、それを含めまして八千三百億ということでございます。
#14
○田浦直君 そうしますと、それは要するに、患者さんが三割負担になったために診療を受ける機会が減るんじゃないか、それによって医療費が減るんじゃないか、そういうふうなことなんですかね。
#15
○政府参考人(大塚義治君) 受診動向にもある程度の影響があると思いますけれども、受診動向だけではありませんで、言わば医療費の個別の単価にも影響する、基本的には患者一人当たりの診療日数、延べの診療日数というようなことに影響するというふうに言われております。
 例えば、診療日数でございますから、医療費そのものにつきましては、単価と言わば日数と両方あるわけでございますが、理論的には診療日数などへの影響が大きくて、トータルといたしまして、一部医療の言わば単価にも影響すると言われておりますが、その影響は小さくて、全体といたしましては医療費が縮減をすると。
 受診抑制ということ、受診の度合いが減るということにつきましては受診抑制という言葉で表現されることもございますが、必要な一方では様々な手当てがございますから適切な医療は確保されますけれども、一方で医療費縮減効果は生じるというふうに私どもは見ているわけでございます。
#16
○田浦直君 おおよそ厚生省のお考えは分かったつもりですけれども、要するに、三割負担になると患者さんも診察を受ける実日数が減るだろう、また医療機関も三割負担ということになると余り、いろんな検査をしたり投薬をしたりするのを控えるんじゃないか、そういった意味で財政効果があるんじゃないかというような御意見とお聞きしておったんですけれども、私はそれは、これは医学的なことでいえば必ずしもいいことではないんじゃないかなと思うんですね。やはり患者さんが早めに診察を受けて、そして適正な検査を受けて薬をもらって早く治すというのが、これがもう本当は医療の常道ですから、そんなのを抑えるような、そんな機会を抑えるようなことになりかねないのではないかなというふうに思うんですね。
 その中で、じゃ、例えば保険料四千億を減らすと八千億ぐらいは影響するということですけれども、ざあっと今計算しますと二兆五千億ぐらい出ているわけですから、それでも、仮に八千三百億の影響があったとしても来年から三割にしなければならぬということにはならぬのじゃないかな、一兆何千億かの財政改善はできるわけですから。
 その辺で今、先ほど話しましたように、追い打ちを掛けるような、保険料も上げます、一部負担ももらいますというふうなそういうのではなくして、一応保険料を総報酬制で上げる、そしてその経過を見て、やはり三割負担にしなければならぬということであれば三割負担にする。それが行政の国民への思いやりといいますか、そういうものじゃないかなと思うんですね。一気にどっとやるとそれで片は付いてしまうから、それは行政からいえば楽かもしれぬけれども、やはりこれはいろんな意味でマイナスに影響すると思うんですよね。
 私、大臣にちょっとお伺いをしたいんですけれども、この三割を導入するということは、もういつも言われておりますように、必ずしも医療だけのことじゃなくして経済全般にかかわることなんですよね。やっぱり老後の社会保障、医療福祉、そういったものが安定するということは大きく経済ともかかわってくるというふうに思っておるんですけれども、そういう経済的なことも考えてもこの三割導入というのはどうしても今の段階で必要だというふうなことをお考えなのかどうか、そこをちょっと大臣にお尋ねをしたいと思います。
#17
○国務大臣(坂口力君) 医療財政につきまして、その厳しい状況というのは局長が答弁をしたとおりでございます。
 さて、医療につきまして、医療の経済の中における位置付けにつきましてはいろいろの御意見がございます。しかし、先日も少し申し上げたところでございますが、医療というのは、ある意味では経済の動向とかなり私は独立したものだと思っております。景気が良くて、そして経済のGDPの伸びがいいときにはそれなりに伸びてもいいけれども、GDPの伸びが悪いときに、景気の悪いときにはそれに合わせて減らせと言われても、それは減らすわけにはいかない。インフレのときにはインフレに合わせていいかといえば、それはできない。デフレになったからといってそれに合わせていいかといえば、それもなかなかできない。
 医師会の先生方がよくこの医療の世界はなお統制経済だというふうにおっしゃいますけれども、私は、その統制経済という言葉が正しいかどうかは別にしまして、ある程度、しかし現在の自由経済の中でこの医療の分野というのは、私はそうした方向性というのは、若干普通とは違った独立した世界であるというふうには私も思っております。したがいまして、全体の中で、経済の動向に対して、例えば今回のように保険料を引き上げる、あるいは自己負担を引き上げるということが、これは経済に対する影響というのも当然やはりそれはそれなりにあるんだと私は率直にそう思います。ないと言うのはそれはおかしいので、やはりそれなりにあるんだろうと。
 しかし、ここはある程度、一般的な経済の動向の中にありますけれども、しかし、かなり独立した部分であることも事実でありまして、経済の動向がずっと悪いのが続いているから、それじゃ医療の方はいつまでも上げなくてもつかといえば、それはもたないわけでございますから、そこはある程度、やはりこの医療のことは区分をして考える、そしてその代わりに、そのことに対する、経済に対する影響はほかのことでそれを補うようにやってもらわないと困るわけでございます。
 経済財政諮問会議等におきましても、やはり経済の動向と医療の動向とが余り乖離がないようにしてほしいという話がありますけれども、それは無理だと私率直に申し上げております。無理でありますがゆえに、その医療の、これからも増加をしていくでありましょう、かなりな、今回のこの制度を導入いたしましても、なおかつ年々歳々の医療費の増加は大きいものがございます。その大きさを、この大きいものを、それをやむを得ないというふうにしていくならば、この医療の制度の中そのものもやはり努力をしていかなければなりませんし、そのことに対して、経済は非常に厳しいけれども、ここに支援をし続けていただかなければならない、そんなふうに思っているわけでございます。
 十分に御答弁できたかどうか分かりませんけれども、そうした全体の中の置かれた医療制度であるという私は認識を持っている次第でございます。
#18
○田浦直君 大臣のおっしゃることは分かるんですよね。だけれども、経済の動向だけではできないところもたくさんあるんですね。例えば、人口比率といいますか、高齢者がどんどんどんどん今増えてきておるわけですから、これはもう経済動向と関係なく増えるわけですね。高齢者が増えるということはやっぱり医療費も増えるということになるわけですし、あるいは、いろんな薬だとか機械だとか文明の利器が作られて、非常にそういう意味では早期発見にもつながるし、治療にもつながる、こういったものもたくさんあるんですよね。そういうものを、これは経済の動向でくくることはできないと思うんですね。
 それから、医療というのは、今いろんな医療事故なんかも出ておりますけれども、やはり人が中心になってやるものなんですね。これをほかの工場みたいに機械で置き換えるということがなかなかできにくい職種なわけですよね。だから、そういう意味では、逆に、もう今の時期はこの医療的な人的な資源が足らない、不足しているというふうな状況ですから、いろんなそういうことを考え合わせると、私は、経済の動向に沿って医療費を減少したり増やしたりするということは、これは正しいことではないんじゃないかなと思っておるんですよね。
 だから、その経済財政諮問会議なんかの御意見を聞いておれば、これはどちらかというと財政中心的な考え方ですし、アメリカ経済を導入して日本のこのいろんな社会にそれをなじませようと、こうしているような気がするんですけれども、なかなかこれは、風土が違うわけですし条件が違うわけですから、私はその今大臣がおっしゃられたことは分かりますが、しかし医療については、やはりある程度そういうふうな違ったもの、違った条件があるんだということは是非理解していただきたいなと思うんですけれども、ひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
#19
○国務大臣(坂口力君) 先生が御指摘になっておることを私も理解するつもりでございます。そういう経済全体の大きな流れの中にそのまま入っていくものではないけれども、しかし医療は、この医療制度は医療制度としてやはりやるべきことがあるではないか、そうしたことをやりながらこれはいくのが当然だというのは、私もそこは先生のおっしゃることをそのとおり認めなければならないというふうに思っております。
 ただ、今回の医療制度改革を行いますときに、幾つの選択肢はあったと思うんです。もっと、保険料だけをうんと上げて、そうしてもう自己負担は今までのままにおいていくという、この選択肢もあったと思うんです。医療費が要ることだけはもう間違いないわけでありますから、そのことを考えますと、そういう選択肢もあったというふうに思います。これは衆議院の方でも、自己負担はほどほどにしておいて、保険料はうんとドイツ方式で上げた方が、上げてもやむを得ないんじゃないかという御意見もあったわけでございまして、私は、それは一つの考え方として貴重な考え方だというふうには思っております。
 しかし、この若い皆さん方とそして高齢者の皆さん方との問題を考えましたときに、高齢者の皆さん方がお若い皆さんよりも五倍も医療費が掛かっているという現状を考えましたときに、それを、お若い皆さん方の保険料だけを上げて、そしてこの高齢者の医療の方にそれをつぎ込んでいくというのは、世代間の問題としてもいろいろあるわけだというふうに私は思います。そうしたことから、保険料にも若干お願いをし、そして自己負担にもお願いをするという方法を選んだわけでございます。
 保険料はもうもちろんのこと、国民健康保険の皆さん方は今までから三割お願いをしてきた、あるいはまた健保におきましても外来におきましては、御家族の外来におきましては三割をお願いをしてきたといったこともありますので、これから先のその統合一元化の問題等も視野に入れながら、負担と給付、そこを一元化をしていくという方向性、その方向性の中で考えましたときに、御負担をお願いすることもやむを得ないのではないかという結論になったということでございます。
#20
○田浦直君 何といいますか、この医療の問題で、小泉総理も避けられたような気がするんですけれども、国の負担といいますか、責任というのが少し欠けているかなという気がするんですね。社会保障を安定させるというのは国にとって大変大事なことだと思うんですけれども、その中心になるこの医療の中でいいますと、国の予算はもうこの十数年間で三〇%から二五%に減っているんですよね。その分はもう国民にそれが回っておるわけですよ。だから、私は、やっぱり国もそれ相応に負担するのが当然じゃないかなと思うんです。
 国の施策として社会保障を充実するというのは、これは大変大事なことではないかなと思うんですけれども、その辺がどうも見えてこない。できるだけ国は手を引こう、あるいは減らそうというふうな、負担を減らそうというふうに見えるんですけれども、その趣旨は私は間違っているんじゃないかなと思うんですけれども、それについて大臣はどうお考えでしょうか。
#21
○国務大臣(坂口力君) 先日、山本議員の御質問に対しましても、そのときに資料を持っていなかったものですから、少し要約をいたしまして、六分の三、六分の二、六分の一というようなお答え方をしたわけでございますが、もう少し正確にと申しますかお答えを申し上げますと、現在のところ、いわゆる保険料が五六・三%、そして公費が二七・〇%、そして患者負担が一六・七%に現在なっているわけでございます。
 今回のこの制度改正でどうなるかということになりますと、これは医療保険医療費の財源の割り振りを申し上げているわけでございますが、今回の制度改正でいきますと、保険料でこれが五三・〇、そして公費で二九・四、そして患者負担で一七・七、こうなるわけでございます。
 これは、このままで、今回の改正案をもしお通しをいただいたと仮定をした上でのことを申しますと、これで二〇二五年、平成三十七年になりますと、保険料が四九・二、五〇%をちょっと割るわけです。それから、公費が三五・七。そして、患者さんの中で高齢者が増えるものですから、この患者さんの割合が少し下がりまして、一五・一になるわけでございます。そういたしますと、このままで、この今回の改正案でいきましても、公費はだんだんと増えてまいりまして、三五・七%ということになります。平成十四年の現行制度のままで、現行の制度におきます公費は、現在のところ七・九兆円でございますが、平成十九年で、今回の改正案でいきますと、これが十・二兆円になる。そして、平成三十七年には、二〇二五年には二十三・四兆円になる。
 これはいろいろの前提ございますからでございますけれども、この改正案をもしも通過をさしていただいたとしても、公費はかなり増えていくということでございまして、これらをどう賄うかという大きい問題が待ち受けているのだろうというふうに率直にそう思っております。
#22
○田浦直君 昨日説明、おとといですか説明いただいたわけで、六分の二が公的な負担だということですから、三三%ぐらいということになると思うんですよ。国民の負担というのは、これは六分の一ということですけれども、保険料もやっぱり国民の負担ですから、これは合わせて家計に影響することではないかなと思っておるんです。だから、そっちの方が増えないように是非お願いをしたいと思っております。
 もう一つ私がこの健康保険改正法の中でちょっと問題に思っているのは、高齢者の自己負担が、今まで上限制、月額上限制だったのが廃止されて、もう窓口では、とにかく一割全部取るんだと。高額療養費は、これはまた後で返しますというふうな、そういう制度になる。つまり、償還払制度ですよね。これは私は、やっぱり制度としては悪い方向に行っているんじゃないかなと思うんです。
 これは何で悪い方向かというと、患者さんから見ると悪い方向だと思うんです。すなわち、少なくとも窓口に、医療機関の窓口に行ったときは、お金幾ら掛かるか分からないと、今回からは、十月からそうなるわけです。とにかくそれを用意していかなければならない。それを今度は払ったら、それをまた払い戻すというときには、役場に行って本人が払戻しの申請をして、そしてその二か月後に、あるいは三か月後に戻ってくるというふうな仕組みになるんですよね。
 今までどおりでやれば、患者さんはもう何にもそういうことをやらなくても済んでいるのに、何でそういう手間を取らせるのか。これは少なくとも財政的な効果は何にもないんですよ。同じ額をどこで払うかということだけですから。
 そうしますと、患者さんから見れば、これは恐らくそういうふうな高額の医療を払うという人は結構重い人が多いんじゃないかと思うんですけれども、そういう人が申告に行って、そしてまた払戻しに、もらいに行くというふうな、これは恐らく交通費も掛かるでしょうし、本人の身体的な負担にもなると思うんですよ。
 だから、今の制度を何でそうしなければならぬかというのが私はちょっと理解できないんですけれども、その辺についての御見解をお尋ねしたいと思います。
#23
○政府参考人(大塚義治君) 患者一部負担の、どういう形で、どういう仕組みで御負担いただくかという問題であるわけでございますが、基本的に、高齢者以外の一般的な制度はいわゆる償還制でございまして、定率の御負担をお願いいたしますけれども、月々の御負担が余りにも高額になるということになりますと、家計の影響を配慮してそれを償還するという仕組みが従来から取られてきているわけでございます。
 一方、高齢者につきましては、これも御案内のとおりでございますけれども、かつて無料化という時代もございましたけれども、その後、一部負担をお願いをするというふうに変わってきたわけでございますが、いわゆる定額方式というものが長い間取られてきたわけでございます。
 定額の御負担ということを導入してから相当期間がたちまして、若い世代とのバランス、あるいは医療費の言わば規模に、規模といいましょうか、医療費の額に応じた御負担というのは、やはり高齢者においても同様の考えでお願いすべきだろうという議論が長い間ございまして、平成十二年の改正で、いわゆる一割負担というものを導入をさしていただいたわけでございます。
 しかし、その際、長い間続いてまいりました定額負担という仕組みとの言わばギャップが余りに多くなるといかぬという御議論もございまして、いわゆる月額上限制、医療機関ごとに一定の金額まで御負担をいただくという仕組みを導入し、なおかつ、診療所におきましては選択制により従来に類似いたしました定額制というものも選択することができるというような仕組みを講じたわけでございます。
 これは、私どもといたしましては、やはり定額負担から定率負担に切り替わってまいります一つの過程だというふうに考えておりますけれども、今回の改正案では、一割負担というのを高齢者の方についても原則的には徹底をさしていただくということを基本に置きながら、一方で、従来の月額上限制と基本的な仕組みとして変わりますのは、従来の医療機関ごとの月額上限制ということでございますと、医療機関、A医療機関あるいはB医療機関に行きますればそれぞれ御負担をいただくわけでございますが、今回の償還制は、それらの自己負担を合算をいたしまして、月ごとに合算をいたしまして、一定額を超えればそれをお返しするという仕組みに変わるわけでございます。言わば質が変わるわけでございまして、こういう仕組みでは、その制度の本質的なところにかかわるわけでございますけれども、償還という仕組みを一方では取らざるを得ない。
 さらに、高齢者につきましては、低所得者への配慮ということもございまして、低所得者については別途の負担を設定する、負担限度を設定するということになりますと、これも低所得者であることの判断というのは、やはり市町村と当人との間に、基本的には、何といいましょうか、市町村で把握するということが適当でございますので、これも償還というところにどうしてもなるということで、制度の質、仕組みが変わることによりまして償還制というのは避けられない仕組みなわけでございます。
 ただ、御指摘ございましたように、何分高齢者ということでございますから、手続面におきましてできるだけ簡素化をする、高齢者の御負担を軽減するということは、これは考えなければならないと思っております。その分、一方では市町村、実施主体であります市町村の御負担をお掛けするわけでございますけれども、市町村に御協力を賜り、また関係機関、例えば審査支払機関でございますが、そうしたところの御協力も賜り、その事務負担につきましては極力高齢者の負担の軽減に資するようにこれは今後鋭意詰めてまいりたい、こう考えているところでございます。
#24
○田浦直君 制度というのは、私は変わっていっていいと思うんですよね。若い人も今償還払をやっているからみんな償還払にした方がいいということでなくして、便利な制度ができたわけですよね。上限制というのがあれば何にもお金を用意しなくてもいいし、役場まで行かなくてもいい。そっちの方をなくして償還払の方に戻すんだというのは、どうも役所的な考えじゃないかなという気がするんですよ。やっぱり患者さんの立場で考えて、一番いい方法というのを考えてやるべきじゃないかなと思うんですね。
 仮に今度償還払になると、例えば申請は、これは本人でないといかぬということになりますか。
#25
○政府参考人(大塚義治君) 支給を受けられるお立場でありますのは受給をされます本人でございますから、申請は本人からしていただくことになりますけれども、例えば代理が可能かということになりますと、これは当然所定の若干の手続は必要かもしれませんけれども、代理が認められないというようなことは私どもは今考えておりませんで、一定のルールの下に代理による申請、例えば御家族の方が一番代表例だと思いますけれども、御家族の方による御申請、これは考えてまいらなければならないというふうに考えております。
#26
○田浦直君 申請の方法はそういう御配慮をされるようなことですけれども、受取の方はどうなりますか、その差額の受取というのは。
#27
○政府参考人(大塚義治君) これもこれから市町村を含めての御相談ということが一つございますけれども、例えば保険料の徴収につきましても、口座を通じての保険料の収納というようなこともできるだけ広げるという方向で努力をいただいておりますので、医療費の受取につきましても、例えば口座、指定口座を活用するというようなことは、これは当然考えられることだろうと思います。
 ただ一方では、先ほど申し上げましたように、それぞれの市町村の事情もございます。市町村の事務もございますから、実務的な固めとしましては今後、市町村、関係者、都道府県を通じまして、市町村の実務担当者などともよく意見を聞きまして詰めてまいりますけれども、例えば口座、指定口座の活用ということは考えられる案ではないかと考えております。
#28
○田浦直君 今答弁になられたように、市町村もまた人を増やしたり仕事が増える、お年寄りも役場まで行かなければいかぬ。何かそれで財政効果があるかといったら、それは全くない。その方法しかないかといえば、今の制度をやればそのまま何にも困る必要ない。その辺はどうしても分かりにくいというんですか、本当に国民がそこまで理解してくれるんだろうかなという気がしてならないんですよね。是非この償還払についてはもう少し検討をしていただきたいなというふうに思っております。
 それから、診療報酬についてもいろいろお尋ねしようと思っておったんですが、ちょっと時間もないようですから、これはもう附則にも診療報酬体系の見直しというのが一つの大きな柱として掲げられておるわけですけれども、これはどのような観点から大臣は見直そうとされておられるのか、その辺の御見解をお尋ねしたいと思います。
#29
○国務大臣(坂口力君) 診療報酬の在り方というのは、様々な実は御意見があるところでございますし、もう長い歴史がこれはあるわけでございます。
 それで、この診療報酬の在り方に対しては、医療関係者の皆さん方からもそのときそのとき様々な御不満が出る、あるいはまた医療を受ける側の患者の皆さん方からもなぜこれがどうしてこうなのかというようなことに対する御不満が出たりいたします。
 そういうことを考えますと、やはり診療報酬の在り方というのはもう少し、医療を行う側の皆さん方が見ていただいても、あるいは患者さんの側から見ていただいても、こういう物差しで、こういう尺度で高い低いを決めておりますといったことが単純明快に分かるようにしないといけないのではないか。いつも大変事務局は苦労をしてそれを決めているわけですけれども、外側から見ると鉛筆なめてやっているんじゃないかと、こういうおしかりを受けたりもするわけでありますから、そこは明確に物差しを決めておいて、そして行うというふうにしていかなければならない。もちろん、そこに無駄な面がありましたらここの面におきましても省いていく、それから先ほど先生がお触れになりましたように、付けなければならないところにはやはりもっと付けていくといったこともしていかなきゃならない。しかし、その尺度が明確でないとそこがあいまいになってしまう。
 私は、これによって財源が出るか出ないか、それはやってみなきゃ分かりませんし、私はここからそんなに出てくるとは思いませんけれども、しかし中の物差しは明確にしておいた方がどの立場からごらんをいただきましても御理解をしていただきやすくなるのではないかといったことで、現在それを進めさせていただいているところでございます。
#30
○田浦直君 診療報酬を検討する中医協についてもいろいろこれまでも指摘があっているんですけれども、今回の例えば診療報酬の改定で逓減制というのが大きく問題になっていますよね、再診料四回から半額とか手術は病院によって三〇%診療報酬をカットするとか。こういう医学的に全然考えられないような改定があっているのに、中医協ではそれはどういうふうに論議されたのか、問題にならなかったのか、この辺が私は不思議でならないですね。すんなりそれが出てきている。
 この辺についても、やっぱり中医協というものについてもいろいろ検討しなければならぬのじゃないかなと私は思うんですが、大臣にその中医協の見直しについて御見解をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#31
○国務大臣(坂口力君) 診療報酬体系の見直しと併せまして、中医協の在り方というものもやはり考えさせていただかなければならないだろうというふうに思っております。
 今回の診療報酬改定に当たりましても、予定の日にいろいろの御議論をいただきました結果が出まして、今年は予定の日に全部これお認めをいただいて大変有り難かったというふうに思っていたわけでございますが、終わりました後、いろいろの御批判をいただきましてこちらも面食らっているわけでございますが、そうした中での御議論をいただくいただき方といったものにつきましても、やはり検討をしなきゃならない面は検討していかなければならないんだろうというふうに思っております。
 中には、メンバー構成につきましてもいろいろのことを御指摘になる方もおみえでございますし、いろいろの角度からやはりこの問題につきましても御議論のあるところだというふうに思いますが、いずれにいたしましても、その中で決めます過程がやはり透明性を高めるようにしないといけないというふうに思っている次第でございまして、そうしたようになるように期待をし、またそのようにしたいというふうに思っているところでございます。
#32
○田浦直君 終わります。
#33
○今井澄君 おはようございます。
 前回、総理質疑を民主党・新緑風会の山本委員がされたわけですが、それを若干引き継ぐ形で質疑をさせていただきたいと思います。
 先ほども田浦委員の方から三方一両損のお話がありました。私も、七月二日に総理の御答弁をお聞きして、あれっと思って、三方一両損といえば世の中みんな大岡裁きのことを考えているので、変なことをおっしゃるなと思ったんですが、でも、それはこだわってもしようがないことだと思うんですが。
 そこで、御趣旨、先ほどの大臣の御答弁でもそうなんですが、制度改正をするのにいろいろ痛みが伴うと。それで、将来にわたって安定的な制度を維持するという意味では、不満かもしれないけれども、それぞれの立場の人が痛みを分かち合ってくれという趣旨だとすれば、それが理屈が通るかどうか。それから、だれがどのぐらいの痛みを分かち合うのか。公平性はどうか。そういうことを検討しなきゃならない。そこへ質疑を私は進めていきたいと思うんですが、まずその前提として、痛みを分かち合うとすると、それはだれとだれとだれなのかという、実はここのところが相変わらず不明確なままだと思うんですね。
 医療費の財源というのは、もう繰り返し御答弁もありますし、私も申し上げておりますが、これは保険料とそれから窓口一部自己負担と公費しかないわけですね。しかし、保険料といいましても、実はこの保険料は、国保のように被保険者が払う保険料という場合もありますけれども、被用者保険の場合には事業主とそれから被用者が払うわけですから、これは立場はやっぱり違うんじゃないだろうかというふうに思うんですね。それは、今の税制改革なんかで議論されていることとも関連をいたしまして、やっぱり事業主と被用者とを同じと見るか見ないかということで実は痛みを分かち合う立場の分け方が一つ違うと思います。
 それから、公費という場合も、これは今の税制改革との関係がありますが、国費と地方負担という違いもあるだろうと思うんですよね。本日は公費のことは申し上げませんが、例えばその場合、三方という場合、医療費の支払を受ける医療機関というのは、これは一方であるということは分かると。それから、病気になって医療機関に掛かって自己負担を払う患者は、これは一方であることが分かるんですが、その患者は、一方においては国保の被保険者あるいは被用者保険の被保険者として保険料も払うという意味で、これは日本医師会も言っておりますけれども、国民負担という意味で、家計負担という意味では、これは同じ負担をしているわけですよね、前もって払っているか掛かってから払うかの違いで。そうすると、これはむしろ一方だという考え方もあるわけですね。
 それから、この前、山本委員が御指摘申し上げましたように、保険者というのはかなりいい加減なものだと、今の段階では。金を集めて払うんだから痛いも痛くないもないんだと。むしろ、そこは、保険者機能の強化ということが今言われておりますが、これは支払機能だけではなく、被保険者の利益を守るという意味で保険者が本当に自覚をしていただければ、これはやっぱり痛みを感ずる主体になり得るかもしれませんけれども、今のままでは、保険者あるいは健保連なんというところは、申し上げては悪いですけれども、痛みを感ずる一方の当事者たり得ないわけですよ。
 そこのところを非常にあいまいにされては困るので、私はあえてここで、じゃ、痛みを分かち合うのは医療費の支払を受ける医療機関と医療費を支払う保険者と医療サービスを受けた患者という分け方をするのか。これは、私は先ほどから申し上げているように、これは意味がないと申し上げているわけですが。それとも、医療費の支払を受ける医療機関と保険料を折半で負担する事業主とそれから保険料を負担したり患者になると窓口で自己負担する一人一人の国民と、この三者で考える方が正しいと思われるのか、大臣のお考えをまずお伺いしたいと思います。
#34
○国務大臣(坂口力君) 三方一両損という話がこんなにも大きな問題になるとは私も思っておりませんでしたが、私は、先ほども申しましたとおり、少し軽い気持ちで皆が痛みを分かち合うということをおっしゃっているんだなと、こういうぐらいにしか考えていなかったわけでございますが、今、今井先生が御指摘になりますように、一つ医療機関が一方であることはこれ間違いありません。それから、患者さんと申しますか、国民の側が負担をするということ、これも間違いございません。
 それで、もう一方がどこかということにつきましては、先日の総理のお答えでございますと保険者ということであったように思いますが、これはやはり保険者が財政的な非常に危機を迎えているところもあるわけでございますから、そのことを非常に保険者として大変だというふうに思っておみえになるところもこれはある。保険者たる機能を果たしているかどうかは別にいたしまして、保険者としての財政上の苦しみというのをお持ちになっているところはある。そういった意味で、保険財政上も少々これは厳しくなるかもしれないけれども、辛抱してもらわなきゃならないぞということを言われたのではないかというふうに思っております。
 このことがありました後、総理に対しましては、もう一方、国の方もありますよね、四方ですよねということを私、申し上げたことがございまして、それはそうだと。国の方も十分痛みを分かってもらわなきゃいかぬ、それは抜本改革だ、徹底的にやってくれと、こういう話でございまして、おっしゃるのはなかなか簡単でございますけれども、聞く方はなかなか大変でございますけれども、私は率直に言ってそうだというふうに思っております。
 ですから、先生がお二つお挙げになりましたどちらかをというふうにはなかなかうまく答えられませんけれども、そうした全体を含めたお話だというふうに私は理解をしているということでございます。
#35
○今井澄君 実はここのところが非常に大事なところだと思うんです。今こういう不況状況ですし、非常に厳しい国際競争の中で日本経済に立ち直ってもらわなきゃならぬと。それが働く人々にとっても、結局これは企業でといいますか、保険料のもう一方の負担してくれる相手であります事業主が頑張ってもらわないと困るわけですから、それはそこはお互い認め合わなきゃならないんですが、ただ、私は、日本の社会保障の財源構成を見る場合に、どうも事業主が事業主負担というものを逃げてきている、特に最近は国際的なそういう状況の中で逃げようとしてきていると。私はこれは非常に大きな問題だと思うんですね。
 例えば財源の税方式、これは年金にしても医療にしても介護にしてもいろいろ税方式ということが言われて、私ども、一部主張していないわけではないんですけれども、しかし問題は、やっぱり事業主も一国民の一つとしてのいわゆる法人という形で社会的責任を果たすという形での何らかの保険料負担という、これから逃げていかれると困ると思うんですが、ただ、これは社会保障全般の議論にもなりますから今日はここではいたしませんが。
 私は、やっぱり三方一両損ということをもし国の方を今除きまして言うとすると、これは、お金をいただく医療機関、それからお金を払う、あるいは保険料を払う患者、国民、それともう一つ国民と一緒になって保険料を負担する事業主という、これが社会を構成する大事なものとしての三方だという認識を私は改めて是非共通のものにしていただければ有り難いと思うわけです。
 しかし、そこで、確かに大岡裁きのことを考えますと、国というのがどうしても頭から離れないわけですよね。初めから私も実はそう思ってきたんです。特に、これは本会議質問でも申し上げましたけれども、今度の三割負担は専ら国の問題なんですよ。健保組合が苦しいのは老人保健の拠出金で苦しいのであって、別に患者さんの自己負担が増えるかどうか、保険料の問題じゃないんですね。国保はもう既に三割なんです。専ら政管健保だけ、この財政運営を誤った国のしりぬぐいのために三割負担があるということを私はもう繰り返し申し上げているんですけれども、そうだとすれば正に、だからこそ私は三方一両損というふうに言われたときにもう疑いもなく、ああ、これは大岡越前も、要するにお金を落とした人、拾った人とは別の関係のない、本来裁きをする立場の国も、ああ一両を出すんだなと思ったわけですよ。
 その一両が何かということについてはいろいろ御議論があります。今、田浦先生の方から、公費をもっと出したらいいんじゃないかと。大臣の方から、いや、公費、これからどんどん比率増えるんですよと。それから、過日も、たしか小池先生の御質問ですか、公費をもっと国は責任を持って出すべきじゃないかと。
 実は私、民主党の中ではこれは意見まだまとまっていないんですけれども、やはり保険方式ということを考えると、安易に公費を出すことには私は賛成できないんですよね。特に、老人医療無料化で公費をぼんとつぎ込んだり、日本の場合は国保ということで全部を受け皿になるような保険制度を作った。これは日本のある意味ですばらしさであり理想であるんだけれども、半分公費を入れちゃったんですよね。そうすると、国保の中で自営業者がいるんですよ。自営業者、半分公費が入っているというのは公務員なんですかと聞きたくなるぐらい。所得捕捉ができないとか低所得ということはありますよ。ありますけれども、やっぱり公費を入れるからには相当根拠を持って入れないと、これは税金なんですよね。だから、我々は、一方で公共事業を問題にするわけです。
 確かに、今のような公共事業を削って医療費や社会保障に回すべきだと私も十年間ずっと主張し続けてまいりました。そういう意味では、今三割に増やすよりは、公共事業を減らして公費で何とかしろという御意見に私は賛成なんですけれども、ただ、原則論、一般論として、ただ国の責任は、じゃ公費を入れりゃいいかというと、私は、そんな単純なものじゃない、むしろ余り安易に公費は入れるべきでないというふうに考えています。
 むしろ、国の責任というのは何なのかというと、運営責任であり、説明責任であり、あるいは規制をしているんだったら規制をしていることの責任だし、もし民間にできることや地方にできることがあったら、それはいち早くお譲りしなきゃならない。それを握って権限を離さないことの責任が実は国の責任で、国が痛みを感じなければならないとすると、私は今度の改革においてはそこで痛みを感じてほしいと思っていたし、今も思っているんです。
 ですから、実はその大岡裁きをぴんと私はそのとおりと受け取ったのは、坂口大臣が、たしか九月十三日だったと思いますね、官邸に行かれて厚生省試案を示されるときに、これだけじゃ駄目なんだということで有名な坂口メモというものを示されて、そしてそのことが今回の附則にもつながってきていますよね。国もやっぱり国民に対して説明責任を果たし、無駄をなくし、スリム化し、やっぱり痛みを分かち合わなきゃならぬ、こういうふうに言われたと思うんです。
 現に今、四方というお話がありましたが、実は新聞を繰ってみますと、二月七日、総理が官邸で昼間、記者団に対して、いや、三方一両損じゃなくて四方一両損だ、国も痛みを、厚生労働省も痛みを分かち合わなきゃならないと、こういうことを言っておられるんですよね。それを八つ当たりというふうに表現している新聞もありますが、あるんですね。思い出してみますと、これには坂口厚生大臣が四方と言われたことも影響があるのかもしれない。
 前の晩、私、実は官邸に伺って、三割はおかしい、これは先延ばしできるんじゃないかと。我々も、九月二十五日に厚生省試案が出てきたときに、このままでいくと政管健保の保険料を千分の八十八あるいは八十九に上げなきゃならないかもしれないという説明を聞いたような気がするんです。多分、総理もそれをお聞きになったんでしょう。だけれども、後、与党との駆け引きで、診療報酬改定の幅が決まったこともこれありということなんでしょうが、そんなに上げなくて済みますよという話になって、来年四月じゃなくてもいいという話が出てきて、厚生省が仲介に飛び回ったじゃないですか。そうしたら、総理はそれに大変激怒されて、厚生労働事務次官の更迭もあり得るようなことがやっぱり新聞で二月の初旬に流れましたよね。
 総理だって悩まされたんじゃないですか、去年の九月にはというお話を私は申し上げてきて、これは工夫次第で三割は来年四月一日実施じゃなくてもできるというお話に行ったんですが、総理はどうしても頑固で、いや、これをやらないと改革が進まない、こんなところでくじけないんだということには参ったなと思って帰ってきたんですが。
 そのときに私もやっぱり国もこんなに無責任じゃいけないということを相当申し上げたので、翌日になったら、いや、四方一両損だと言われたので、やっぱり大岡裁き的に厚生労働省も、というよりも、厚生労働省も、私、実は本会議質問で間違ったことを言ったのでおわびしておかなきゃなりませんが、例の隠れ借金、利子も無利子で国に貸したと。そうじゃない、厚生労働省も随分頑張って二千八百億を超える運用益を全部、今年度ですか、昨年度で返してもらうことにしたようですので、厚生労働省のそれなりの頑張りは認めますが、しかし、国一体としてやっぱり国民の金をいい加減に使って政管健保の財政運営を破綻させた、この責任は極めて重大なんですよ。それは別にだれの責任というんじゃなくて、やっぱりそういう運営の責任をはっきり国民におわびしなきゃならない。ここでやっぱり国は痛みを分かち合わなきゃならないんです。
 同時に、小さい問題かもしれないけれども、社会保険病院。かつて保険あって医療なし、社会保険、政管健保で保険料をいただいて保険証を渡したけれども診る病院がないというときに作った。国保病院も同じですよ。だけれども、役割を果たしたら、やっぱりそういうところにお金をつぎ込むよりはさっさと整理すべきなんですよね。こういうことは各党で今議論が進んでいるわけですが、これを何か権益として持っているということ自身がおかしいので、そういうことも含めてやっぱり国も痛みを感ずる必要があるんじゃないかと思うんですが、坂口大臣、その辺いかがでしょう、重ねての確認になりますが。
#36
○国務大臣(坂口力君) 先生があらゆる角度から御指摘をいただいておりますことを、先生お書きになりましたこの御著書を何度か読ませていただいております。今回の医療制度改革で私もいろいろの本を読ませていただいたんですが、やっぱり一つは政治家がお書きになったということがあるんだろうと思うんですけれども、先生の前で上手を決して言うつもりはございませんけれども、中身でいろいろ意見の合わないところもありますが、参考になったというのではこれほど参考になった本はないと私思っております。いろいろな角度、今御指摘になりました問題もこの中でお触れをいただいております。
 それで、政管健保の運営の在り方、それはやはり全体としては考えていかなきゃならない点も私たくさんあるというふうに思っていますし、今御指摘になりました社会保険病院等の在り方につきましてもこれは考えていかなけりゃならない、今五十三か所か何かあるようでございますけれども。
 そうしたことを、このままでいいのか、役割の終わったところはないのか、それらの点を、赤字だからやめるというのではなくて、赤字でもそれなりの役割を果たしているところは私はいいと思うんですが、たとえ黒字であっても役割を果たしたところはもうそれで終わっていいんではないかという気もするわけであります。そうしたことも含めまして今やっている。
 それからもう一つは、年金、医療、介護、雇用と、この厚生労働省関係のところでそれぞれこれ徴収をしているわけでございますが、これもいただく相手はほとんど同じ人でございますから、別々にそれをちょうだいして、そして多くの、今五十三と言ったそうで、五十四だそうでございますが、済みません、別々にちょうだいをしておるというのでは事務経費もうんと掛かる。この辺のところはやはり節減をしていかなきゃならないだろうというふうに思っておりまして、そういう意味からは是非ここも徴収の一元化を図る。
 そこで、人等もどれだけ削減ができるのかということを考えなければならないというふうに思います。しかし、その人を、別の面でまた要るところもあるわけでありますから、本当に要るところへその人たちをコンバートするということにしなければならないんだろうというふうに思っております。
 そうした社会保険全体にかかわります問題も見直しを行っていくといったことを一方で行う。診療報酬のレセプトの審査等におきましても、もっとこれはIT化されました中でやり方があるんではないかといった問題もございまして、それらの問題はできるだけ早くこれは御提示ができるようにしていきたい。
 本当は私、この参議院で御審議をいただいておる間に、ここまでやりたいというようなことが、診療報酬じゃなくて、社会保険にかかわりますところは申し上げられるようにしたいという思いでいましたが、そこまではどうもなかなか行かないようでございますけれども、しかし八月か九月にはその案を御提示させていただけるように是非したいというふうに思っているところでございます。
#37
○今井澄君 国の責任、国の感じる痛みという問題については、我々政治家もある意味で反省しなければならないわけでありまして、言ってみりゃ官僚の皆さんに何から何まで頼ってきて、官僚に口利きをするのが政治家だみたいに思っていて政策そのものを作ったり、そういうことをやってきたことを反省しなければならない。これがこの間の、十年間の政治改革の主要なテーマだと思うんですが。やっぱりそこは官僚の皆さんにも率直に、これまでとは違うんだということできちっとやってもらわなければならないと思うんで、是非また、今の大臣のお考えは私も賛成ですので、お願いしたいと思うんですが。
 国立病院なんかも、私は申し上げたんですが、今、大臣が言われたように、赤字のところから整理しようというこの姿勢が悪いんですよね。赤字が問題なんじゃなくて、それが本当に国民の役に立っているのか立っていないのか、国としては何をやるべきで、地方は、民間は何をやるべきかということを抜きにして赤字のところから整理、統廃合しようとするからおかしなことになるんですね。私は、黒字のところから国立病院売ったらいいじゃないかというふうに随分言っているんですけれども、なかなかそれがいかない。労災病院の問題もそうだと思いますので、是非お願いしたいと思うんですが。
 さてそこで、やっぱり何といっても私ども、いろいろな議論をする場合にデータというものをしっかり踏まえながら議論しなきゃならない。それで、三方一両損と言うけれども、本当に三方がみんな損をしているのかどうかという。これも実は、この前、山本委員の質問の中で医療機関は損をしていないという趣旨の話をちょっと出たら、反論もありましたけれども、そのことについても、損をするかしないかは別として、やっぱり痛みの程度が違うんですよね。
 そのことをちょっと言っていきたいんですが、その前提として、まず国民負担総額はどうかということについて今日二問目でお聞きしようと思ったんですが、今日こういう立派な資料を出していただきました。これは非常に委員長を始め理事会の皆さんに感謝を申し上げます。前々からお願いしていたことなんですが、とかくやっぱり数字が口頭で言われるということはどうも審議が十分進まないということだし、もう一つ、やっぱりこういうものがきちっと閣法として出されたら政府側から資料として出される、それでこれが会議録にも付されるということが実は非常に大事なんだと思うんですね。あのときどうだったかということ。
 例えば、これは宮崎委員からもよく言われていますけれども、国民医療費二〇二五年、百四十一兆になると聞いていたら、そのうちに今度は百四兆だと減って、今八十一兆と更に減っているんですよね。だから、そういうものをちゃんと、それも資料要求、後で出していただきたいと思うんです。二〇二五年の将来医療費推計、NI比では余り変わらないということもお聞きして、そのデータを私、実はもらってあります。もらってあるけれども、これは個人でもらっていても意味がないんで、やっぱり委員会として議論する上で是非出していただきたいんですが。
 ただ、今日出していただいたこの資料を見て、隣の山本さんとも話したんですけれども、これまでの話とちょっと食い違うところがあるんですが、これはちゃんと釈明していただかなきゃいけないんじゃないかと。
 というのは、どういうことかと申しますと、一九九七年の橋本総理、小泉厚生大臣のときの一部自己負担増を中心とする健保法改正等では、国民負担、年間で平均すれば二兆円と言われたんですね。そこに特別減税の中止で二兆円、消費税二%アップで五兆円で、合計九兆円の国民負担増だと。これが一挙に景気を冷え込ませたという説もあるし、そうでないという説もありますが、その当時の二兆円に当たるものが今回幾らかということについて、今日一兆五千億ということを示され、それが今朝の日経新聞にも出ております。なぜか日経新聞にしか出ていないわけでありますけれども。
 ところが、これまでの御答弁をお聞きしていますと、どういうことになるかといいますと、これまでの御答弁で、私は山本さんと前回御答弁をお聞きしながら、少なくともはっきりしている数字は一兆六千二百億円、これに政管健保や国保を加えると、どうも一兆八千億から一兆九千億。一九九七年のときと同じぐらいの国民負担じゃないだろうかねと話していたんですよね。
 というのは、坂口大臣の七月二日の御答弁で、四千八百億国民負担、そういうお話でした。実は、宮路副大臣が五月八日に衆議院で御答弁になったときに、政管健保で事業主も全部含めて五千七百億ということの御答弁があったんですよね。これを足すと一兆六千二百億円なんですね。さらにこれに組合健保、国共済、地共済、国保は三割は直接関係ありませんが、いろいろ何かの影響が出てくるのかな、我々ちょっと試算のしようがないんですが、それを入れると一兆五千億では収まらない。何で減っちゃったのかなと思うんですが、これはどうしてなんでしょうか。
#38
○政府参考人(大塚義治君) 御質問の趣旨、取り違えているかもしれませんが、先般来お答え申し上げております患者負担、まず全体で、全制度で四千八百億、それから政管健保の保険料率、これは七パーミリ、〇・七%引上げということで五千七百億と、こう申し上げたわけでございます。この二つを足しますと一兆強でございます。
 従来から、それ以外の、政管健保以外の組合などについての保険料はどうなるんだと、こういうことが次の、それが加わるべきではないかと、負担増として加わるべきではないか、こういう御議論だったと思います。それで、私どもとしては、従来政管健保と全く様相を異にしますのは、国保にいたしましても健保組合にいたしましても、まず数が全く違いますので、両方合わせますと五千ぐらいあるわけでございまして、一つの保険者であります政管健保、しかも政府が直轄でいろんな保険者としての機能、そこが違いますので、大変ばらつきのある中でなかなか大胆な前提を置かないと数字が出しにくい、又は無責任な数字になってもいかぬということで、そこはなかなか難しい点がございますと、こう申し上げてきたわけでございますが、それはやはりおかしいと、負担増ということで今回この点につきましての整理をして、考え方を整理しまして御提出をしたと、こうなるわけでございます。
 そこで、健保組合などの保険料を、増というものをどう見込むか、それから国保組合、国保ではどうかと、私どもの今回の試算をお示ししました前提といたしましては、国保にしましても健保組合にしましても基本的には同様でございますけれども、この試算の前提のところに書いてございますけれども、国保につきましては、言わば一%程度の賃金増あるいは収入増を見込んでおりますけれども、それでもカバーし切れない部分をこれは保険料で賄わざるを得ませんので、それを算定いたしました。国保組合などを含めまして約三千二百億、それから健保組合につきましては、これは様々財政状況が違いますが、そのうち、まあ大ざっぱに申しますと二割程度が、平均いたしましてでございますけれども、政管健保と同様の引上げをすると。これを計算いたしますと、全部合わせまして一兆五千億というのが私どもの考え方でございますが。
#39
○今井澄君 私もさっきちょっと質問の内容を間違えまして、五月八日の衆議院での宮路副大臣の御答弁はそうじゃないんですね。組合健保についても大ざっぱに考えると政管健保と同じぐらいの五千七百億ぐらいを一応見込んだらどうかという御答弁があったというふうに会議録で私は承知しておりますので、そのほかに共済とか国保もあれば一兆八千億とかになるんじゃないかと我々考えていたわけですね。今日、だからこういう資料を出していただいて一兆五千億ということで、まあこれが正しいのかどうか検証のしようもありませんが、一応理解をいたしました。
 ただ、私、一言最後に申し上げておきたいのは、この前の七月二日の大塚局長の答弁は、これから試算をしますということだったんですけれども、やっぱりそこがさっきから言っている国の、国も痛みを分かち合うというところについての問題なんですよね。
 あの日は総理答弁、総理がわざわざ出てこられる日なんですよ。何のために我々は総理にお願いしたかというのは、厚生省の管轄だけではないものも含めて国全体としてどうかを聞きたかったんですよね。そのときに、やっぱり用意をしていない。あるいは国民は、一体国民負担は総額で幾らになるのかという、この痛みの規模を知りたがっているときに、そういう計算は我々の管轄ではないから知りません、言われましたら計算しましょうと。そして、二日後にこれが出てくる。やっぱりこういう態度を改めてもらいたいということなんですよ。このことはもう厳しく申し上げておきたいと思います。
 さて、ところで今日、実はこの資料を出していただいたんですが、これは厚生省試案以降何回かこういう制度改革や診療報酬改定でどれだけ財政影響があるのか、負担があるのかということを御説明いただくための随分資料をいただきました。今回、私、この質疑に当たっても資料をいただきましたので、実は今日、理事の方にも、この資料を厚生省から出してもらいたいんだけれども厚生省は余り出さないと言っているから、私の名前で出すのも、だけれどもおかしな話なので、資料請求しますよと言っていた資料と実は違うものが出ているんですね。これは要するに年平均に直すからこういうふうに出ているんですが、この中にはちょっとおかしな数字もあるんですよ。
 例えば、これは何枚目でしょうか。参考二ですよ。診療報酬改定の財政効果というのは、診療報酬改定というのは今回のでしょう。今回の診療報酬改定の財政効果がどうして平成十五年から十九年度の単年度平均に、まあ計算上はこうなるでしょう、国民負担ということで。計算上はこうなるけれども、現実には診療報酬改定は平成十四年度のものなんですよね。十五年度以降、もちろん効くといえば効きますけれども、我々がこれまで厚生省から説明をいただいていた資料では、全くそうじゃないものをいただいているわけです。
 これはもう既に周知のことだと思うんですけれども、「平成十四年度医療制度改革の影響(現行制度との比較)」ということで「合計」、そして「@診療報酬改定の影響」と「A制度改正の影響」。それで、平成十五年度になりますと診療報酬改定の影響はもうなくなって制度改正の影響だけです。ただし、そこに今度は三割負担が入ってきます。薬剤の一部負担も増える。廃止になりますから、それが今度出てきますということで平成十九年度まで各年度ということで資料をいただいているんです。
 これもやっぱり今後の審議をきちっとする上では、これはこれで分かります、今日出された資料は。だけれども、やっぱり制度改正がいつからどう効いてくるのか。これは後でまた櫻井さんの質問もあるでしょうけれども、例えば来年のボーナスからも徴収されるということになると、来年の経済への影響もあるわけですし、そういう意味でやっぱり単年度ごとの検討もしなきゃならないという意味では、これまで示されている、そして私がこの質疑に当たって厚生省からいただいた資料、これも後ほど、理事にはもうお届けしてありますが、是非資料提出をお願いをしたいと思います。
 私が今個人的にあれしましたのは、今日のこの資料じゃなくて、前にいただいた年度ごとの資料を基にして作ってみますと、三方一両損と言うけれども本当でしょうかねというのを見てみますと、患者の自己負担は、二〇〇二年度は診療報酬改定で点数が減るからむしろ患者負担は減るんですね。だけれども、来年からはもう診療報酬改定で安くなった分の影響はなくなるから、もろに制度改正で増えるというので、二〇〇三年度が四千三百億、二〇〇七年、平成十九年は五千二百億と。これは厚生省の資料から書き写したものです。さらに、この間に診療報酬改定が二回ぐらいあるんでしょうか、計算からいうと。
 さて、政管健保の保険料の方はどうなるかというと、制度改正で増えると。だけれども、診療報酬改定で減るから今年度はマイナスになると。来年度以降は制度改正でマイナスになるけれども、ちょっと待ってくださいね、これはおかしいですね。マイナスになるんですよね。マイナスになるんです。これ、プラスと書いてあるのは間違いで三角。いや、プラスです、プラスのままで。だから、こういう元の資料を出してもらわないと、ちょっと書き間違うと、夕べこうやっていて、失礼しました、政管健保は十五年度が三千百億マイナスです。当然マイナスのためにやるんですから、軽くなるために。そのプラス四千八百というのが間違いで、マイナス四千八百ですよね。「「三方一両損」と言うが…」二の「政管健保保険料」の二〇〇七年のプラス四千八百は三角に直してください。
 ということで、政管健保の保険料は得をするからこれは患者も得をするかもしれないけれども、保険者が得をすると。患者側が損をする分は上に五千二百億ですから、半分保険料で得をしたところで患者の方が損をするという差引きになりますよね。だから、患者は一方的に損しているわけです。事業主は得していくわけです。
 国庫負担はどうなるかというと、さっき何か長期的に国庫負担が増えるようなことをおっしゃっていましたけれども、さきに厚生省からいただいたものを見ますと、国庫負担は減っていくんですよね、ここに書いてありますように。今年度二千八百億減る。そうです、これは予算を二千八百億何とでも減らすためにいろんなことをやったわけですから、この二千八百ですね。来年は二千六百、そして二〇〇七年度は千九百億国庫負担が減る、その代わり地方負担が一千六百億増えると、こういうデータをいただいています。
 是非この資料を提出していただくとともに、これを見たら、三方一両損と言うけれども、だれが損をしているかというのは明らかだと思います。
 それから二番目、山本委員が先日言った医療機関の問題ですけれども、これ誤解をされるかもしれませんけれども、医療機関も減ることはないんですよね。このことを山本委員は前回質問したかった。診療報酬改定で史上初の本体マイナス改定といっても、これまで医療費は毎年一兆円ずつ伸びると言われていたんです。その伸びを減らしただけであって、前年度より総医療費が減るわけじゃないんですよ。そうすると、例えば物価、賃金が減らない限り総収入は減らないんですよね。そうすると、痛み痛みと言うけれども、患者さんだけではないの、三方一両損なんて、そんなことないんじゃないのということになるわけですね。
 ただ、私も現場におりましたから、診療報酬改定というのは非常に痛いです、マイナス改定というのは。それで、それはただ出来高だからいろんな工夫はあるんですけれども、まじめに一生懸命にやっているところほど痛いということだけは私は申し上げておきたいと思っております。
 それで、ちょっと資料を作ったんですが、これも資料を厚生労働省に完成していただけないかと思うんですが、これも厚生労働省からいただいた資料を基にして作りました。
 厚生労働省からいただいた資料では、昭和二十九年、三十年、四十年、五十九年、六十年以降、平成元年以降は毎年ですけれども、国民医療費の数字いただいています。その差を計算してみまして、これ間違っていたら私の計算間違いですが、確かに一兆円とか五千億円とかばらつきあるけれども、一兆円前後増えてきている。一九九七年が前回の改正の年でした。二〇〇〇年度は介護保険が入った年ですから、医療費としては実績見込みですが減っているらしいですね。
 どうも二〇〇一年度以降は予算額しか厚生省からいただけないんですが、予算額と医療費の実績額が過去どうだったのかということで、二〇〇〇年度以前も予算で見込んだ医療費と実績医療費がどうだったかというのを是非資料出してもらいたいと思うんです。
 私は、別途、決算委員会にいて予備費の使い方がおかしいということを指摘したことがあるんですが、医療費を、まともに伸びる、自然増を見て予算組めないんじゃないですかね。だから、組めないから苦し紛れに組んで予備費でいつも足りない分を国庫負担補てんしていたというのが過去の実績だったような気がするんですが、このところが、予算上の医療費と実績医療費が過去どうだったのか、そして現在どうなりつつあるのかということを見たいんですが、予算上見ても、二〇〇一年度と今年度では二千億円医療費は増えるという見込みで予算組んであるわけですよ。これを実は八千四百億円減らしたというわけですね、一兆円増えるであろうところを八千四百億円。その大部分は診療報酬改定で減らしたから、これは痛みは大きいです。痛みは大きいですけれども、実額が減るんじゃない、実額が増えるのは患者だけだ、国民だけだ。
 これで果たして三方一両損と、もう一つの言い方でも公平なんでしょうかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。──あるいは大臣じゃなくても結構ですが。
#40
○政府参考人(大塚義治君) 大変失礼をいたしました。
 医療費と診療報酬改定の話につきましては先般もお尋ねがございました。もちろん医療費は一定の見込みでございまして、実績は様々な要因で結果において変わってくることがございますけれども、今回の十四年度予算編成上の医療費の見込みと診療報酬改定の観点から申しますと、一定の俗に言う自然増も含めまして高齢化などに伴う医療費の増加基調があり、それをベースに一方では、医療費の単価に当たりますけれども、診療報酬の引下げを行う。差引きマイナスかといいますと、一応の試算の前提では若干のプラス、医療費としてはプラスというのが私どもの認識でございます。
 ただ、私どもの考え方といたしましては、医療費が膨らむ、言わば高齢化に伴って患者さんが増えて医療費が膨らむ、それが最大の要因でございますが、当然そのためには具体的なサービスが実施されるわけでございます。それには当然コストも伴うわけでございますから、絶対額が増えることがそもそも、例えば収入増だと、見掛けの収入増にはなりますけれども裏にはコストがあるわけでございまして、最終的にはその差引きということになるわけでございます。したがいまして、見掛けの絶対数が増えるから即利益増だということにはつながらないと思っております。
 そこは様々な検証、厳密な検討要りましょうけれども、基本的な枠組みとしてはそんなふうに考えておるところでございます。
#41
○今井澄君 確かに、今、大塚局長御答弁のとおりでありまして、コストが掛かるだけじゃなくて、私など医療現場におりまして実際感ずるのは、そこで働く人間の労働量が増えているんですよね。働いても働いても楽にならないというか、もうますます過重労働になっているということは確かにあるんです。だから、そういう意味で物すごい痛みを実は現場は感じているということも、だからそれぞれの、お金の額だけで三方一両損だとか何かじゃないんですよね。それぞれの立場が果たすべき役割においてどう痛みを感じながらそれを分かち合い、しかも乗り越えて改革を進めていくか、このことが大事なんです。だから金勘定だけでやられては大変困るわけなんで、その点をお願いしたいと思います。
 さて、前回の山本委員の質疑をお聞きしながら私ちょっと今のようなことを申し上げたんですが、もう本当に今度の健保法、これは審議すること多いんですね。衆議院でも何か五十時間だか六十時間。やっぱりやり切れないと思うんです。これを見ましても、厚生省からいただいた資料がこれですよね、調査室からいただいた資料がこれ。私、十年間でこんな厚いものというのは確かに新法以外にはこんな経験ないんですよね。それぐらいやっぱり中身がたくさんあるということだと思いますね。
 それで、なお私はびっくりしたのは、今度の法律は極めて異常じゃないか。これ、大臣にお尋ねしたいんですけれども、まず、附則ですよね。附則で異常だと感ずるのは私二つなんです。
 まず第一に、この附則というのは本来は実施時期がどうだとか経過措置がどうだとか。健保法見てみますと毎回附則が付いていて、十八条だとか二十何条だとか。健保法というのは割合に附則の付く法律ではあるんですね。それにしても、今度この中の百二十ページ分ですよ、附則だけで。七十八条、八十七条、物すごいんです、附則だけで。どうしてこんなになるのかということですね。これはやっぱりかなり問題だと思うんですよ。
 我々もついこういうものは細かいところまで目を通さないことが多いんですけれども、これは、こうなりますとやっぱり、どうしてこんなに附則のページ数、条文数が多くなって、なぜこれだけになってきたかということを、ちょっと政府の責任において整理をして、資料説明、資料提出してもらう必要があると思うんですよ。それは是非お願いしたいと思うんです。
 それともう一つ、やっぱり根本的におかしいのは、私どもだけではありません、抜本改革なき負担増だ、負担の先行だということで、前回と同じだと申し上げていますが、その批判をかわすためなんでしょう、附則第二条に重大な改革にかかわることが盛り込まれているんですよね。こんな法律がこれまでにあったんでしょうかね。法律の形態として、その法律の改正事項とは直接関係ない、あるいはその背景となるもっと大事な事項が附則で盛り込まれたということが一体あるんでしょうか。
 橋本構造改革のときには幾つかの基本法とか構造改革推進法というのが別途出ましたよね。そうすると、この附則に盛り込まれたようなことは、もし具体的なことまで書けない、この程度の抽象的なものでしかないとしても、別途、健保法改正案とともに、健康増進法案とともに、基本的には改革はこういう方向でやっていきますという、この附則に盛り込まれたことを本来別途基本法なり推進法なりにすべきじゃなかったんでしょうか。
 この法案、異常な形だと感じたんですが、いかがでしょうか。
#42
○政府参考人(大塚義治君) 前段の、附則の大変ボリュームの多い点についても御指摘がございましたので、簡単に。
 もちろん資料の御指示がございますれば整えて提出いたしますが、大変条文数は多うございますけれども、これは、大部分といいますか、ほとんどは経過的な規定でございます。ちなみに従来の健保法改正等の際にも六、七十条、六十条程度の附則は常に付いておるのが通例でございます。したがいまして、中身的には、今回平仮名法、片仮名を平仮名に変えたというようなこともございまして大変分厚い法案参考資料になっておりますけれども、そうした背景、理由がありますことを御承知おきいただければ幸いでございます。
 また、附則二条の書き方でございますが、これも委員御指摘のとおり、過去にも検討規定が様々な形で付されることが少なからずございました。今回の規定、附則の規定につきましては、一つにには、検討の内容が幅広くかつ項目が多いということはおっしゃるとおりでございますけれども、今回、法律案を取りまとめる段階で、これも政府・与党の中で様々な御議論がございました。例えば政府・与党改革協議会などでの御議論もございまして、こうした医療保険制度の将来に向けての主要課題についてその具体的な内容とその検討の期間を原則的に明示しと、そういうものが必要であろうという御議論がございました。こうした経緯を踏まえまして今回の附則にごらんいただいておるような検討規定も盛り込んだと、こういう経緯でございます。
#43
○今井澄君 いや、ちょっと今の御答弁おかしいんじゃないでしょうか。六十条、七十条も、あれですか、附則があったというのはいつのことですか。四十五条というのは確かにありますね。だけれども、前回なんかは一条ですよ。それから、その前は二十九条ですよ。その前は一条とか。随分改定されてきているんですけれども、平成十年のときが十八条と。今ここへ医療保険六法持ってきていませんけれども、ちょっと今の御答弁は納得できないですね。
 何でこうなったかということなんですよ。片仮名を平仮名に直すのに関係してのことかもしれない。とにかく、いずれにしてもなぜこう多くなったのか、過去にそんなにないはずだからあれしてください。
 それともう一つ。検討条項付けたものは過去に幾らでもあると言うけれども、そんなことないですよ。調べてください。じゃ、それ全部出してください。私は私なりに調べてありますけれども、一番古いものでは昭和三十五年の労働者災害保険法の一部を改正する法律案。それ以来ずっと探してみても、十あるかないかですよ。今の答弁は納得できません。こういう検討条項を付けた法律がどこにあるのかちゃんと出してください、資料を。そういうことだから問題なんですよ。
#44
○政府参考人(大塚義治君) 資料につきましては御指示に従いまして整えますけれども、附則の条項でございますが、例えば平成、五十九年の健保法改正が附則六十四条までございました。それから、平成六年の医療法関連法改正が附則六十七条までございました。そうしたことを念頭に先ほど御答弁を申し上げたつもりでございます。
 それから、附則の検討規定でございますが、これはむしろ資料で整えて申し上げた方がよろしいかと存じますけれども、平成、失礼しました、昭和五十九年の健保法、これは一条でございますけれども、検討規定。それから、昭和六十一年の老人保健法の附則におきましても、四条程度の検討規定。平成三年の老人保健法、あるいは平成四年、平成六年、分量は簡単なものが多いわけでございますけれども、いずれも検討規定が書かれておりますので、その点を私は前提に御答弁を申し上げたつもりでございます。
#45
○今井澄君 こういうことは議論してもしようがないんですけれども、とにかく異常なことは異常なんですよ。今御指摘になった検討規定や何かも、結局は、古くいろいろ調べてみると、審議会で決着が付かなかったままの問題があったり、あるいは最近は、特に連立になったりして与党との協議の中で、与野党協議なんかがあって、結局は本来の法律としては不正常な形で付けざるを得なくて付けたんでしょう。そういうことなんですよ。
 だから、これで正しいということじゃなくて、要するに抜本改革を今後こういう方向でやるということを、一つの検討規定を置かざるを得ない状況なんですということが問題なんですよ。私はそのことを指摘したかったんです。だから、そこについてはもう今更いいです、資料は。
 そうすると、問題はその附則の中身なんですよね、附則の中身。そこで、そうなりますと、この附則の中身なんですよね。まず附則第二条の中の第一項目で、三割以上には自己負担を今後上げませんよということが書いてあるんですけれどもね。これが本当に担保できるかということが非常に問題ですね。私どもは三割負担の早期実施自身に反対していますから、こういうことを言うのはちょっとおかしいといえばおかしいんですけれどもね。
 坂口大臣の衆議院での御答弁がちょっと誤解されて報道されている面があると思うんです。小沢議員に対する答弁とかあるいは家西議員に対する答弁の中で、将来そういうことはあるかもしれないけれども、ということなんですけれども、それはやっぱりとにかく政府として三割負担に上げないんだというようなことをこの場で、この委員会ではっきり確約をしていただきたい。
 将来の人がどう考えるかということにまで言及しますと、これはおかしなことになるわけですから、少なくとも我々が現在考えている場合にはそうだということでないと誤解を与えると思うんですね。これも反対している野党としてはおかしいんですけれども、補強する意味で、与党の皆さん、国会決議でも考えられたらどうかと思うんですよ。ちょっと余分な話に行きましたけれども。その点ひとつお願いします。
#46
○国務大臣(坂口力君) 三割負担につきましては、これは公的医療保険制度が存続をいたします限り、一つの限界であるというふうに思っております。したがいまして、政府の方におきまして、この三割を更にこれを四割にするとか三割五分にするとかというふうに増やしていくということはあり得ません。
 衆議院の方で御答弁を申し上げましたのは、我々はそういうふうにこの三割負担ということを一つの限界としてすべての医療制度改革の構成を取り組んでいきますが、しかし、将来、議員の皆さん方の方から、いや、こうしろああしろという意見が出るとすれば、そこまで我々がとやかく言うことはできませんということを申し上げたわけでありまして、政府としてそういうことはない。
 これは、厚生労働大臣は次々替わっていくわけでございますけれども、厚生労働省というのはずっと継続していくわけでございますから、厚生労働省としてこれは明確に守っていくという決意をここに表明をさせていただいたということでございます。
#47
○今井澄君 もう時間がなくなってきたんであれなんですが、附則の第二条の二項からあと六項まで、それぞれ項目を分けて書いてあるんですが、具体的な中身についてはなかなか分かりにくいところもあると。しかも、それが「二年を目途」、「三年を目途」、「五年を目途」、第六項目めは目途がないんですよね。それは何でそういう目途を付けたのか。
 それから、前回山本委員からも質問したんですけれども、例えば「二年を目途」というふうに書いてあるのは、その二年というのは例えばどこに掛かるかということですね。計画を明らかにするのを二年を目途にするのか、所要の措置を講ずるのを二年を目途にするのか。その点について、これ一々、一つずつお聞きしていくと大変なことになるんですが、どうしてこういうふうに分けたのか、年次を分けたのか、また年次を付けないものが出てきたのか、それがどうなったのかについて、もうごく簡潔に一、二分でお答えいただいて、あとは資料で提出していただけますか。
#48
○国務大臣(坂口力君) ここに二年あるいは三年、そうした年を書きましたのは、これはやはり抜本改革でありますから、今回はいかなることがあっても成し遂げなければならない、そうした意味で期限を切っておかなければならないというものでございます。
 二年とか三年とか、その理由はいろいろございますけれども、とにかくこの間に、いわゆる計画を明確にして第一歩を踏み出さなきゃいけない。この計画を、具体的な方向性、そして、これから何年間でこれを決着を付ける、そうしたことを明確にして第一歩を踏み出さなければならない。これは、私はそこのところは、来年の四月一日スタートするときに、来年の四月一日に、国民の皆さん方に三割の御負担をしていただくとか保険料を御負担いただくということが四月一日スタートをしますときに、大枠の方向性と、そして今後のスケジュールというのは明確にしてその第一歩を踏み出さなければならないというふうに思っています。
 それから、あと、物によりましては、例えば健康保険の問題、保険制度ですね、保険制度の統合一元化といいました場合には、これはなかなか、いろいろな角度からやっていかなきゃなりませんから、一遍にそこはいきませんから、何年か掛かるということだろうというふうに思いますので、最終どこまででできるかということについて書いたもの、それから書いていないものも率直に言ってあるわけでございますが、これは、私の今の考え方としては、一応五年をめど、いかに長く掛かるものでも一応五年というぐらいなめどで進めていかなければ、これは抜本改革にならないと。
 ただ、今、先ほど申しましたように、その方向性と、そしてこれからのスケジュール、何年までにどこまで行ってどうするかといったことについては明らかにしなければならないということを申し上げている。
#49
○今井澄君 どうもちょっと、これ一つずつやっていくと時間が掛かりますし、先ほどお願いしましたように、何でこういうふうに分けて、項目ごとに分けて、二年、三年、五年、あるいは期限のないものにしたのか、その理由も付して、さらに、内容の説明できるものついては今のようなことをもう少し整理をして表にして出していただけないでしょうか。
 それから、仄聞するところによりますと、来年度予算の概算要求、八月、あるいはもう早急にということで、八月までに何か明らかにする御予定で進められているものもあると聞きますので、計画を明らかにするのか、計画に着手するのかも含めて、そこを、この検討条項を整理して、分かりやすいものとして出していただきたい。
 これ、委員長にも是非この資料要求をしたい。
 以上、終わります。ありがとうございました。
#50
○委員長(阿部正俊君) じゃ、今の資料要求につきましては、一番最後に言われました附則のいわゆる抜本改正の項目についての事項について、政府に、できるところとできないところあると思いますけれども、できるだけ分かりやすく整理をして御提出いただくということで理事会で協議をさせていただきたいと、こんなふうに思います。
 それじゃ、午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩とさせていただきます。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#51
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案及び医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#52
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。
 健康保険法の審議に入る前に、冒頭、東京女子医科大学の医療ミスについて御質問させていただきます。
 まず、患者さんの明香さんの御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方にお悔やみ申し上げたいと思います。
 この事故の私はやはり一番大きな問題点は隠ぺいという体質なんだろうと思いますけれども、坂口大臣として、お医者さんでもいらっしゃいます、そして厚生大臣の立場で、今回のこの問題についてどのように認識されているのか、そして今後どのような対策を取られるのか、まずその点について御答弁願いたいと思います。
#53
○国務大臣(坂口力君) 御指摘いただきましたように、東京女子医大で起こりました事故は大変残念な事故だというふうに私も思っております。
 今お話しになりましたように、いわゆる業務上の過失致死の問題と証拠隠滅の疑い、この両方あるわけでございまして、両方とも大変あっては、大変といいますか、あってはならない問題であるというふうに思っております。
 現在、この問題につきましては司直の手によって進められているわけでございますが、本年一月に医療法に基づきます立入検査を厚生労働省としてもいたしまして、二月に東京女子医大病院より安全管理体制の確保に関する改善計画書が提出されたところでございます。そして、社会保障審議会の医療分科会におきまして今年の二月から四回にわたりまして審議をしてまいりまして、今月の十二日でございますが、一応結論を出していただくということになっておりまして、その結論を踏まえまして厳正に対処していきたいというふうに思っている次第でございます。
#54
○櫻井充君 私は、かなり厳しい処分が必要なんじゃないかと思っています。
 実は、宮城県でも、これは医療ミスではございませんで、業者との癒着が指摘された胸部外科の医者がおりまして、その病院では手術を三か月間停止処分ということになっております。業者と癒着して賄賂をもらっていたということで三か月の停止処分であるとすると、今回のこの証拠隠滅というか、この手のことに関して言うと、私はもっと重い処分が必要ではないかというふうに考えておりますが、大臣、いかがでございましょうか。
#55
○国務大臣(坂口力君) 医師法上の問題といたしましては、医療事故を隠ぺいするなどの不正目的のために診療録等の改ざんを行うということは、これは医師の職業倫理に著しく反する行為でありまして、明文の規定はありませんけれども、医師法上のいわゆる欠格事由であります医事に関する犯罪又は不正の行為あるいは医師としての品位を損する行為に該当いたしまして、医師の行政処分の対象になり得るものと思っております。
 また、医療法上の問題でございますが、いわゆる医療機関の従事者が診療録の改ざんを行った、このことが本人だけの問題なのか、それとも病院全体がこのことを承知していたのかということによってこれは違ってくるというふうに思いますけれども、その辺も今後の動向をよく注意をしていきたいというふうに思っているところでございます。
#56
○櫻井充君 たしか、女子医科大学には医療事故が起こった際にいろいろな形で調べたりする委員会があったんじゃなかったかと思いますが、そこが全く機能していないというところが私は極めて大きな問題があると思っています。なぜかといいますと、結局身内で構成してしまうと、結局のところは内部で全部隠してしまうということになるんじゃないだろうかと、そう思っています。
 我々は、今回、医療法の改正に対しまして、対案として医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案というものを提出させていただいております。今回の事件が起きて、我々この法律を提出したものの、カルテの改ざんに対しての、何というか、罰則規定などを盛り込んでいなかったので、その部分もこれから足していかなければいけないと思っています。
 しかし、我々はこの法案を提出して、何か医療事故があった場合には、医療適正化委員会というものを作ってありますから、これは第三者を含めてですけれども、そのような医療適正化委員会を作っていて、そこで医療事故が起こった際にどういう対処をしていったらいいのかと、そのことをきちんと対応するような組織を作るという提案もしておりますし、それから、そのような重大な事故が起こった場合には速やかに都道府県知事にその情報を提供するような、そのような法律も定めており、内容になっております。そしてもう一つは、カルテ開示をこの中にきちんと定めております。
 我々は、今回のこの事件が起きて、やはりこういう法律が必要なんではないだろうか。私は国会に来て四年たちますけれども、医療の財政の話は何回もやりました。しかし、医療の質の向上ということに関して言うと、それから国民の皆さんからどうやったら信頼されるんだろうか、そういう議論が全くなされていないということに関して、やはり非常に寂しい思いをしておりました。
 そこでですが、今回こういう案を我々提出させていただいておりますが、この案に関して、大臣、どのようにお考えでございましょうか。
#57
○国務大臣(坂口力君) 民主党の方からそういう案を提出をいただいていることも十分に承知をいたしております。
 最近、医療ミス等が多発をいたしておりますし、これらに対してやはり対応できる体制にしなけりゃならないというふうに思っております一人でございます。情報開示の問題等々も併せまして検討会を厚生労働省の中にも立ち上げたところでございまして、我々もしっかりこの辺のところを踏まえて、そして民主党から出されましたこの法案の内容もよく検討させていただきまして、私たちの姿勢も決定をしたいと、こういうふうに思っております。
#58
○櫻井充君 御検討よろしくお願いいたします。
 そしてもう一つ、済みません、これは通告なしで申し訳ないんですが、今朝の読売新聞に厚生労働省が開示請求の文書を廃棄したと、こういう記事がございました。今、情報公開をきちんとしていかなきゃいけないと坂口大臣はおっしゃいましたけれども、厚生労働省自らこうやって、何というんでしょうか、国民の皆さんからまた不信感を負うような、そういう行為をおやりになっているんじゃないでしょうか。
 この点について、大臣、どこまで御認識されているのか。済みません、通告なしで申し訳ございませんが。
#59
○国務大臣(坂口力君) ちょっと私、具体的に読んでおりませんので、その内容につきましてはお答えできませんが、今このコピーを後ろから回してもらったところでございますが、この開示請求の文書を破棄したという、この破棄したということはない、お借りしておったのをお返しをしたということであって、いわゆる文書を、厚生労働省がそれを捨ててしまったという決してことではないということだそうでございますが、それにいたしましてもお返しをしたわけでございますが、この書かれておりますことを一遍よく検討したいと思います。
#60
○櫻井充君 お返ししたとおっしゃいました。重要な資料だったとすれば、普通はコピーして自分のところに取っておくものじゃないんですか。全然重要な書類じゃなかったんでしょうか。
#61
○国務大臣(坂口力君) ちょっと今見ただけでありまして、内容そのもの、どういうことであったかというところまで調査しておりませんので、よく調査をしましてまたお答えをしたいと思います。
#62
○櫻井充君 委員長、お願いがございます。
 この経緯について、どのような文書で、そしてどういう経緯であったのか、そしてどなたがどなたに返したのか。今、返したというお話でございましたから。そのことについてきちんとした形で報告書を作っていただきたいと思います。
#63
○委員長(阿部正俊君) 分かりました。理事会で協議をして取り計らいたいと思います。
#64
○櫻井充君 それでは、健康保険法の改正に、審議をさせていただきますが、私、先日の山本委員と小泉総理の質疑を見ておりまして、小泉総理が盛んに国民皆保険の維持のために今回の改正を行うんだということを繰り返しおっしゃっているんですね。
 まず、そこで逆にお伺いしたいのは、国民皆保険を維持すること、これは極めて重要なことなんですが、これを維持していくための必要条件というのは一体どのようにお考えなんでしょうか。
#65
○国務大臣(坂口力君) 国民皆保険制度を維持していくということは、御指摘のとおり、これは一番基本に据えなければならないことだというふうに思っております。日本の医療が世界から注目されますのは、この制度があるということが一つの大きな私は前提になっているというふうに思います。
 将来にわたりまして国民皆保険を維持していきますためには、一つは、やはり保険財政の安定が確保されまして医療保険制度が将来にわたって維持可能であるということが一つ当然のことながら大事でございます。それから、必要な医療を供給するという公的医療保険制度の役割を果たすことが、具体的には一定の給付率が確保されることでありまして、この公的医療保険制度の役割を果たすということ、そして具体的には一定の給付率が確保されるということ、これも大事なことになってくるというふうに思います。また、医療や医学の進歩に応じた医療の質が確保されるということ。この三つがやはり皆保険制度を維持していくために特に大事なことではないかというふうに思います。
 まだほかにもあるかもしれませんけれども、中心のところを言えばそういうことではないかと思います。
#66
○櫻井充君 そうしますと、坂口大臣も、この間、山本委員の質問に対してこのように答弁されているんですが、三つ大事な点があると。そこの中で、一つは、負担と給付の公正を更に図るというのが一つ、それから無駄を省くというのがもう一つ、三番目に挙げれば医療の質を上げると、こう御答弁されていますが、基本的にはこの考え方だということでよろしゅうございますか。
#67
○国務大臣(坂口力君) そのように御理解いただいていいと思います。
#68
○櫻井充君 それではまず、負担と給付の公正と大臣おっしゃっておられますが、この負担と給付の公正というのは、何を指して公正と考えていらっしゃるんですか。
#69
○国務大臣(坂口力君) 給付と負担の間の公正ということを私は言っているわけではなくて、給付は給付、負担は負担の間の公正と申しますか、制度が分立をいたしておりますしいたしますので、負担そして給付、それが各制度間におきまして公正でなければならないと、こういうことを申し上げているわけでございます。
#70
○櫻井充君 負担の各制度間の公正というのは、どういうことになれば各制度間で公正だとお考えですか。
#71
○国務大臣(坂口力君) 負担の方につきましては、これは大きく現在分けまして、国民健康保険と、いわゆる職域保険とそして地域保険の二つに分けることができるというふうに思います。職域保険の中にありましてはいわゆる組合健保、共済、そして政管健保と、こういうふうに大きく分かれておりますが、こうしたいわゆるそれぞれの制度の間でやはり負担が余り違い過ぎてはいけない、この間のやはり公正というものが要求される。
 もう一つ問題なのは、いわゆる地域保険との間の負担の公平の問題でございますが、ここのところは、いわゆる所得の把握の仕方ということが元々問題になっておりますから、一概にここを職域保険と横に並べてどうかということはなかなか言いにくいところあるわけでございますけれども、これから先、所得の把握というものも進めていくという前提の上に立てば、個々の制度との間のやはり公平というものも進めていかざるを得ない、そういうふうに思っております。
#72
○櫻井充君 今回の、サラリーマンの方々が三割負担されるようになるわけですが、国民健康保険の方々も三割負担だ、そしてサラリーマンの方もだから三割負担にしましょうと、つまりこれも公正さを保つ、公正さを確立していくための一つの手段ということですか。
#73
○国務大臣(坂口力君) それも一つの手段だというふうに思っております。今後、給付の方につきましても公正化を図っていかなければなりませんが、負担の方につきましてもこれは公正化を図っていかなければならない。
 そうした上で、いわゆる医療保険制度の統合一元化の問題につきましては、いろいろのこれは御意見がございますけれども、統合化をしていくということになれば、当然のことながらそこに一元化を図っていく必要があると、そういうふうに思っております。
#74
○櫻井充君 そうしますと、三割負担で初めて負担の公正さが図れるとすると、私が医者になったのは昭和六十年ですが、その当時はサラリーマンの方々は一割負担、窓口で一割負担、国民健康保険の方々は三割負担だったわけですが、そうしますと、その当時の負担率というのは実は公正ではなかったということなんでしょうか。
#75
○国務大臣(坂口力君) それぞれの保険の制度にはそれぞれの歴史がありますから、スタートしたところは違っていたことは当然でございます。ですから、そのスタートのときのことを言えば、現在から見ればそれは公平ではなかったというふうに私は思いますけれども、それはそれなりのやはり歴史があるわけでありますから、そのスタートの点のところで違っていたことを今振り返ってどうこうというのは私は言えないと。
 しかし、これから先、この制度をやはり一元化をして、そしてどういう職業にお就きになっていたとしても同じような制度の中で医療が受けられるという形にしていこうというふうに思いますと、将来におきましてはこれは同じ負担と給付の関係にしていくことが望ましいと、そういうふうに思っている次第でございます。
#76
○櫻井充君 今、スタートの時点に不公平があったと御答弁なされました。どの点が不公平なんですか。どの数字をもってして不公平だとお考えなんですか。
#77
○国務大臣(坂口力君) 例えば、国民健康保険ですと五割だった。五割の前にもっと、五割からスタートした、五割からスタートをしていると。その時点は、スタートいたしましたときには、それは五割でスタートしているわけですから、それまでに、そのときまでは、いわゆる商工関係の皆さんだとかあるいは自営業の皆さんだとか、そういう皆さん方には制度そのものがなくて、そしてスタートしたわけでありますから、その時点でやむを得ない面があったというふうに思っております。
 しかし、それぞれの制度がかなり成熟をしてまいりました。ここまで成熟をしてまいりますと、やはりこれから先は、商工に、御商売をしているから、あるいは自営業だから、あるいはまた第一次産業に従事をしておみえになるからと、そうしたことで医療に対する格差があることは好ましいことではないと思っている次第でございます。
#78
○櫻井充君 大臣、どの職業に就いていても医療を受けられるのは同じですから、医療に対しての差というのは僕はないと思うんですね。要するに負担の問題だと思うんです。
 私がお伺いしたいのは、昭和六十年当時は、国民健康保険の方々は窓口で三割負担でした。サラリーマンの方々は一割負担でした。この当時の一割負担と三割負担というのは、負担の点でいうと不公平があったんでしょうか、ないんでしょうか。
#79
○国務大臣(坂口力君) 差があったといえば差があったわけですから、それは差があったとしか言いようがないわけであります。
#80
○櫻井充君 これは極めて重要なところなんですよ。なぜかというと、今の三割負担が正しいと、いや、別に昔がそれで何か悪いということではないんですよ、全然。これは、だからそれは正しく改めていきましょうという方向性なら全く問題ないんであって、あの当時の一割負担と三割負担というのは問題があったとお考えですか。問題があったから今是正しているということなんですか。
#81
○国務大臣(坂口力君) その当時の一割負担でと、これはお勤めになっている皆さん方は皆さんとして、そしてその中でも大きい企業なら大きい企業にお勤めになっている皆さん方の健康保険あるいは共済保険、そうしたところは若い優秀な人ばかりそこに集めているわけですから一割負担でやっていけた。だから、その当時、これはスタートしてかなり時間はたっていたかもしれませんけれども、しかし国民健康保険なんかができますときと比較をすればそれはそれでやっていけた。そういう経緯の下に組合健保として、その職域保険としてそこではスタートしているわけですから、スタートのときはそれはそれでよかったんではないか。
 しかし、それがだんだんだんだんと進んできて、そして職域のいわゆる保険というのではなくて国全体のこれが社会保障として位置付けてくるということになってくれば、それはやはり職域の違いによって大きな差があるということは私は好ましいことではないと思います。
#82
○櫻井充君 職域によって差があることは好ましいことではないと。つまりは、その職域によって差があるということは、何の差があっちゃいけないということですか。
#83
○国務大臣(坂口力君) それは、負担あるいは給付に大きな差があるということはよくないということを言っているわけです。
#84
○櫻井充君 負担のどの部分を指しているんでしょうか。保険料でしょうか、窓口負担でしょうか。
#85
○国務大臣(坂口力君) 負担の方でいうならば、自己負担、そしてあるいは保険料の問題もこれから入ってくるでしょう。そうした負担の問題に大きな差があるということは、国全体の社会保障の問題として考えるならば、私はそれは改善をしていかなければならない点だと思っております。
#86
○櫻井充君 大臣、ここは本当に大事な、本当に極めて大事なところなんです。これは、この当時なぜ一割負担だったのかというと、たしか保険料が高かった、組合健康保険の方々の保険料が高かったから、病気になったときの窓口は一割負担にしましょうと。そして、国民健康保険の方々は保険料が安かったから窓口負担は三割にしましょうと。そういうことから始まったんじゃなかったんですか。
 つまり、日ごろの保険料で負担していると、その部分、かなり多くの部分を負担しているから病気になったときは窓口で低額でいいですよと、そういうルールだったんじゃないですか。
#87
○副大臣(宮路和明君) 私も、これまでの我が国の健康保険制度の歴史を櫻井先生の御指摘にかんがみて勉強させていただいたのでありますが、先ほど大臣から御答弁ありましたように、そもそも我が国の社会保障制度は、これはもう釈迦に説法でありますけれども、職域における従業員といいましょうか労働者あるいは従事者、そういった皆さんの福祉の向上という観点から、年金にしてもそれから医療保険にしてもスタートしてきておるわけでありまして、そして昭和三十六年の国民皆保険あるいは国民皆年金を契機として、今までのそういった職域による保障というものから大きく私は転換をしてきたんじゃないかなと、こう思います。
 そういう意味で、過去は健康保険の場合は十割給付がなされておったわけでありますが、戦前ですね。ところが、皆保険制度が導入され、そして老人保健法の施行、老人保健法の施行によりまして、みんなのそれぞれの制度が一緒になって老人保健を支えていくというようなことが昭和五十八年に施行になったわけでありまして、このときから九割給付に健康保険制度はなったということであるわけでありまして、そういう長い歴史の中で、おっしゃるように国民健康保険、国保とそれから被用者保険との間には相当な差があるわけでありますが、それがだんだんと、その後の皆保険制度の発足、そしてまたその後の医療の質の高度化、あるいはまた高齢者の割合がどんどんと増えていく、そして老人保健制度もスタートせざるを得なくなった。そういう中でだんだんと、その負担と給付の公平化をだんだんと図っていくという、そういうアプローチに変わってきているというのがこれまでの歴史じゃないかなと、こう思います。
#88
○櫻井充君 もう一度お伺いします、それじゃ。
 負担の公平性って何をもって負担の公平性とするんですか。何がどういう数字になったら負担が公平ということなんですか。窓口での負担が三割だと、全員同じになったからこれが負担の公平なんですか。私はそこをお伺いしているんです。
#89
○副大臣(宮路和明君) 負担の公平といいますと、今、櫻井先生御指摘のように、負担という面から見ると保険料それから窓口の患者負担ということだろうと思いますが、ちなみに今患者の負担、医療費の負担がどうなっているかといいますと、一世帯当たりの保険料でありますが、一世帯当たりの保険料ベースで見てみますと、その負担といいますものを。国保については一世帯当たり十五万三千円、国保は。それから政管健保ですと、事業主を別にして、事業主負担は別にしまして被保険者が幾ら払っているかといいますと十五万円。それから組合健保ですと十六万ということで、ここのところは、ですから一世帯当たりの保険料というベースでとらまえてみますと、大体平準化が図られておるということじゃないかなと、このように思います。
#90
○櫻井充君 財源構成、医療制度の中で制度別の医療費の財源構成を見ますと、これはもう十分お分かりのことかと思いますが、まず政管健保でいいますと保険料が六九%を占めているんですよ。それで患者負担が二一%です。そしてあとは公費負担です。組合健保は公費が全く入っておりません。それで保険料が八〇%、窓口負担が二〇%でこれは一〇〇%、公費ゼロでございます。そして、市町村国保の場合にはどうなっているかというと、保険料が三五%で患者負担が一八%です。
 つまり、これをいったら、保険料と患者負担、窓口負担で公正なんだと、不公平がないようにするんだということになれば、当然のことながら公費も同じような割合で各保険に入れていかなきゃいけないことになるんじゃないですか。
#91
○副大臣(宮路和明君) 御指摘のように、今の保険の種類といいましょうか、制度別に見てみますと、御指摘のように国保の場合は五割の国庫負担をやっている、給付費に対して。それから、組合健保は保険料だけで国費の負担はなしと。そして、政管健保は給付費の一三%を国庫が負担していると、こういうことになっておるわけでありますけれども、これはもう、これまた釈迦に説法でありますが、先ほど申し上げたような制度の成り立ちの違い、それからまた負担能力がそれぞれの被保険者によって差があるわけでありますので、その点を考慮して、そして先ほど申し上げたその負担の公平さ、そういうことを図る見地からそれは国庫負担をやって、そしてその平準化に努力していると、こういうことではないかなと思います。
#92
○櫻井充君 駄目ですよ、そんなんじゃ。全然駄目じゃないですか。審議できませんよ、こんなんじゃ。だって負担の公平性だと言ったんじゃないですか。公平に負担してくださいと言ったんでしょう。だったら、各々、今言ったように保険料と患者負担で全然違うじゃないですか、合わせたものの負担率が。
 もう一回言いますよ、いいですか。政管健保は九〇%ですよ。健康保険組合はこれは一〇〇%ですよ。そしてもう一つは、市町村国保のところは五三%ですよ、負担率が、個人の。全然違うじゃないですか。どこが負担率が一緒になっているんですか、これで。済みません、これ、答弁になっていません。
#93
○委員長(阿部正俊君) 政府側にもう少し丁寧にしっかりお答えいただきたいと思います。
#94
○国務大臣(坂口力君) いや、今、これは副大臣が申し上げましたとおりなんですよ。これはそれぞれの保険には歴史的経緯があって今日を迎えているわけですし、そしてそれぞれの保険の中に含まれている所得階層が違うわけでありますから、それはその中に当然国庫負担というものの違いというのがそれは出てきて私は当然だというふうに思うわけです。その国庫負担はそういうふうにしても、なおかつやはり御負担をいただくところは一緒にしていった方がいいですよということを申し上げているわけであって、その国庫負担のところは、それは所得階層によって違うわけですから、そこは違って私は当然だと思いますね。違っている方が私は公平だと思います。
#95
○櫻井充君 先ほどの御答弁は、要するに負担の公平性とは何ですかと私がお伺いしたときに、保険料と窓口負担とを合わせたものが公平でなければいけないと御答弁なされたわけですよ。ですから何回もこうやって聞いているんです。つまり、もう制度が違うんだからこんなものは負担の割合が違うんだと。これは制度間で、もう不公平が、不公平というか、どういう形で公平になるのかが分かりません。
 そうなってくると、何をもってして、じゃ逆にお伺いしましょう、その公費の投入を行うことによってどういう形で公平さが保たれるんですか。何をもってして公平だとお考えなんですか。
#96
○国務大臣(坂口力君) それはそれぞれの保険制度が維持できるかどうかということだと思うんですね。維持ができるためにはやはりそれだけの国庫負担なりなんなりが必要に今までなってきたということですよ。
#97
○櫻井充君 全然違うじゃないですか。先ほどは大臣は何とおっしゃったか。負担と給付の公正を更に図っていくというのが大事な点なんだとおっしゃったんじゃないですか。
 今回の、今の御答弁は、結局は財政的な問題だから、ここの財政上難しいところには税金入れるという話じゃないですか。これは負担の公平とか公正の話じゃないですよ、大臣、違うんじゃないですか。
#98
○国務大臣(坂口力君) かなり混乱していますね。
 個人が出す負担といたしましては、保険料とそしてその自己負担の部分がある。ここを一律にしてもなおかつやっていける保険者とやっていけない保険者が存在するということを私は申し上げているわけで、その弱い人たちだけが、所得の少ない人たちだけが集まってやっておりますその保険におきましては、それはいかに自己負担それから保険料を一律にいたしましてもなおかつそれでやっていけないということになっている。だから全体としてのこの保険の統合というものを進めていこうという話になってくるわけで、そこが統合されてくればそんなことはなくなるわけですよ、全部。だけれども、そうではなくて、若くてそしてある程度経済的にも自立できる人たちだけで作っております保険とそうでない保険との間に格差が元々あるわけですから、そこは国庫負担で補っていく以外にないということだと思います。
#99
○櫻井充君 要するに、そうすると、元々の所得格差があるということなんですね。その保険組合に所属されている方々の所得格差があるということですね。そのために、そのために保険料も結局は低く設定せざるを得ないと。ですから、そこの部分は、社会保障ですから、それは税の再配分機能ですから公費を投入しなきゃいけないということですね。それでよろしいんですか、大臣。大臣です。
#100
○国務大臣(坂口力君) まあ櫻井委員がお考えになっていることが全部私分かっているわけではありませんけれども、先ほど申しましたとおり、保険の成り立ちというのは、一番最初はそれはいわゆる職域保険としてそこの企業なら企業で働く人たちの健康をどう守っていくかというところからこれスタートしているわけですよ。だから、そういうところでスタートをしましたその職域保険と、そうではない、そうすると地域の皆さん方はそこからこぼれ落ちるわけですから、この皆さん方でひとつやっていこうというのと、スタートがそもそも違った。そして、その中に含まれる人たちの所得というものは、組合健保のような一つの職域の場合にはかなりそこが均一した所得の人たちで行われているわけでありますから、それと、それからいろいろの職種の皆さん方の地域保険というものとのおのずからそこには違いがある。
 ですから、何度か申し上げますけれども、自己負担とそして保険料はたとえ一律にしたとしても、それで成り立つ保険者と成り立たない保険者が存在をする。成り立たない保険者のところに対しましては国庫負担を導入をする以外にないというのが私の主張であります。
#101
○櫻井充君 理解いたしました。
 そうすると、もう一度お伺いしますが、保険料だけで成り立つところと保険料で成り立たないところがある、だから、保険料だけで成り立たないところがあるからそこに国費を入れるんだということですよね。ですから、その国費の額は保険料によって規定されてきてしまうということなんだろうと思います。
 そうすると、保険料と窓口負担を合わせた負担率が、今度は負担の率になると思うんですけれども、ここで僕は負担の公平さという点で出していただかなければいけない数字があると思っておりまして、それは何かというと、政管健保組合に加入されている方々の平均所得ですね、そして健康保険組合に加盟されている方々の平均給与、そして同じように市町村国保の方々の平均給与にばらつきがあって、ですから、当然のことながら納められる保険料が違うのでこのような形で国費を投入しなければいけないということになれば、これは負担の公平性という点で納得いくことなんだと思うんですよ。事務方で結構でございますが、その数字ございますか。
#102
○副大臣(宮路和明君) 先ほど、実はちょっとさっきから手を挙げておりましたのは何かといいますと、ちょっと私が申し落とした点がありまして、先ほど一世帯当たり保険料の支払がどうなっているかということで、大体十五万から十六万ということで、制度別にですね、大体平準化していると申し上げましたが、申し落とした点は、政管健保の場合は十五万と申し上げましたが、先ほど申し上げたように、事業主をこれはオミットして申し上げておりましたので、事業主が実はその倍の十五万を払っておるわけでありまして、さらに、組合健保の場合は十六万と申し上げましたが、事業主まで入れますと三十六万五千円払っておるわけであります。ですから、そこで保険料が、ぐっと格差が、国保の場合とは異なっているということがあるわけでありますので、そのことが国庫補助の問題とやっぱりリンクしていると、こういうことであるわけであります。
 そして、今おっしゃった一世帯当たりのそれじゃ標準報酬と申しましょうか年間の所得がどうなっているかと申しますと、市町村国保では百六十八万円、政管健保では二百四十四万円、そして組合健保では三百八十万と。組合健保の場合は一世帯当たりの年間所得三百八十万。そしてさらに、これは共済組合、国家公務員共済や地方公務員共済なんかの場合は標準報酬が四十四万円。これは組合健保の場合は三十七万円でありますけれども、共済組合なんかは四十四万円と、こういう具合に高くなっているという、そういうようなばらつきが非常にあるということを申し上げておきたいと思います。
#103
○櫻井充君 今の数字、本当ですか。政管健保って中小企業の方々が加入されているんでしょう。ここが平均給与三百八十万……(「いや、二百四十四万円」と呼ぶ者あり)それが政管健保ですね。(「はい」と呼ぶ者あり)組合健保が……(「三百八十万」と呼ぶ者あり)三百八十万。分かりました。理解いたしました。
 そうすると、そこの中で、もう一点ですけれども、今、保険料は結局企業が持っているとおっしゃいました。今、中小企業の恐らく八割が赤字じゃないでしょうか。つまり、そこのところに負担を強いていくということが果たして公平なんでしょうか。現時点で大体法人の七〇%ぐらいがたしか赤字になっております。中小企業であればもっともっと率は高くなってくるんだと思いますが、そういうところに負担を強いるというやり方が公平なんでしょうか。
 そしてもう一つは、本来であれば、この会社が負担している分というのは個人の所得として還元されるべきものですよね。それが言わば会社負担という形になっています。これが本当に負担の公平と言えるんでしょうか。
#104
○政府参考人(大塚義治君) ただいまの御質問は、いわゆる事業主負担というものをどう考えるかということだろうと思います。
 これは、日本の制度より前に、諸外国の、日本よりも更に歴史の古い諸外国で社会保険方式を取っている国は、やはり被用者保険からスタートをし今日に発展してきておるわけでございますが、やはり淵源といたしましては勤労者福祉という観点からスタートいたしました。したがいまして、企業も勤労者福祉あるいは労働者福祉という観点から一定の拠出をするという形で発展をしてまいりました。
 したがいまして、そういう歴史的な背景がないとは申しませんけれども、またおっしゃるように、事業主負担をやめて、それと相当金額を必ず給与に上乗せをする、それで保険料をという、理論的にはそういう議論もございます。そうすべきではないかという議論もございますが、ただいま申し上げましたような経緯、諸外国におきましても、事業主負担というのは、勤労者を抱える事業主としての一種の社会的責務ということで世の中に受け入れられておりますし、日本におきましても当然受け入れられておるわけでございまして、事業主が勤労者のために拠出する費用の約半分を負担するというのは、ほぼ今日においては定着をした考え方というふうに私どもは考えております。
#105
○櫻井充君 定着した考え方だって、昔はサラリーマンの方々は一割負担だったんです。それは定着していたんですよ。だけれども、合わなくなったから二割負担になったり三割負担になっているんですよ。現在の経済状況の中で、どこが定着するって、これでやってくれっていうんですか。だから政管健保、どんどん抜けている人いるじゃないですか。みんな国保に移っていますよ。おかしくないですか、考え方が。
 大体、保険料でいったら、例えば市町村国保が、先ほど平均収入が百六十八万と言いました。組合健保が三百八十万、倍以上です。だから、税金、公費負担が半分ぐらいあるというのは、これは理論的に成り立つと思うんですね。そうすると、政管健保がどうかということなんですよ。平均給与は二百四十四万ですよ、二百四十四万。ここのところに公費が入っているのはわずか一〇%程度です。これは不公平でしょう。そしてまた、今度は政管健保の方だけが保険料も積み増しされて窓口負担も増えるんですよ。これはどう見たって制度上不公平じゃないですか、違いますか。
#106
○政府参考人(大塚義治君) 公平論、なかなか難しい議論だと思いますけれども、すべて全く一律ということになれば一つの制度にせざるを得ないわけでございまして、一方では、一億二千万人の国民をどういう形で医療保障していくかというシステムの問題として考える必要があるわけでございます。
 したがいまして、今日、できる限り保険者が自律的に運営できるというところには自律的な運営をお願いし、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、構造的な格差につきましては、歴史的にも、また社会保障の発展という経過とともに、公費、国費を中心にいたしました公費負担で格差を調整するという考え方で公費負担を導入しているわけでございます。
 政管健保には、特に組合健保などとの格差、実際上の格差があるということで、現に国庫負担を一割程度、一割強でございます、基本的には一割強でございますし、給付費の一三%、今後増大をする老人拠出金につきましては一六%を負担をいたしましてそのバランスを取っている。
 こういうことでございまして、正しくぴしゃりすべて全くイコールの制度ということになりますと、それぞれの保険者の言わば経営努力と申しましょうか運営努力を損なうことにもなりますので、保険のシステムとそして一方では公平の問題と、こういう両面からの議論が必要ではないかと考えております。
#107
○櫻井充君 抜本改革なんでしょう。抜本改革なんでしょう、あなた。だって、いいですか、何回も言いますけれども、財政再建だと言っているんでしょう、個々の。財政再建で、そしてしかも負担は公平にしたいと言っているわけでしょう。抜本改革なんですよ。今あなたは詭弁でしょう、三つの保険が一緒になったらみんな同じですよなんて。そうなるように、ほとんど差がないようになるようにやるのが抜本改革じゃないんですか、違いますか。
#108
○政府参考人(大塚義治君) 私から御答弁申し上げるのが適当かどうか分かりませんけれども、私も公平というのは重要な要素でないと申し上げているわけではございません。ただ、全くイコールということになればと、こう申し上げたわけでございまして、方向といたしましては、今日の各制度、分立した仕組みの中で、あるいは将来としてはそれをどう考えていくか、それは今後の課題で、重要な課題であると考えております。
#109
○櫻井充君 全く公平じゃないんなら、それはそれで結構ですよ。私は不公平だと思っています。この制度の中でいったら、財源別構成でいったら、私は政管健保の組合の方々が一番負担を強いられていると思いますよ。私は不公平だと思います。
 大臣、いかがですか。
#110
○国務大臣(坂口力君) そこは、保険に入っている皆さん方の年齢でありますとか、どれだけやはり疾病に罹患をされるかといったことを考慮に入れていかないといけない。それは国保の方は高齢者が非常に多いんですから、ここは若い人の五倍ぐらい疾病にかかるわけでありまして、罹患率というのが非常に高いわけでありますから、ここで必要になります医療費というのは当然のことながら多くなる。
 それに比較をいたしますと、政管健保のところはまだ若い人たちですよ。政管健保とそして組合健保の年齢構成というのは、僕もちょっとそこまで調べておりませんけれども、やはり政管健保の場合には国保のようなことはない。これは若い人たちがかなりいるということでありますから、それは健保と政管健保と比較をしていただきましたときに、若干のそこに政管健保の所得格差もありますけれども、どれだけ疾病に罹患をするかということもここには響いてきているというふうに思わざるを得ません。
#111
○櫻井充君 大臣、社会保障制度というのは年齢に関係するものなんですか。社会保障制度というのは所得の再配分機構ですよ。税は応能負担なんです、基本的なことを言うとですね。つまり、そうなってくると年齢じゃないんです、所得なんですよ、本来はね。本来、今の日本の制度でいうと、大体年収五百万から六百万以上の方がそれ以下の方々に再配分しているんです。
 そして、今の再配分機能でいうと、これは厚生労働省の資料ですよ、大臣、読んでいただければ分かりますが。我々のような四十代半ばの人が一番再配分を受けていないんですよ。非常に不公平なんですよ。年を取っているから社会保障を手厚くしましょうじゃないんじゃないですか、基本的には。
#112
○国務大臣(坂口力君) そこが民主党の御意見と我々の意見とは違うところなんですね。
 衆議院の方でもそういう御意見ございました。高齢者に対して手厚くするということはおかしいではないか、一割負担というのもおかしいではないか、同じように三割なら三割、二割なら二割で全部、年齢のことを言わずに一律にすべきではないかと、こういう御意見ございました。私は、一つのそれは考え方ではあると私も思って、それも一つの、なるほどそういう行き方もあると。
 しかし、疾病にかかる、罹患をする程度が違うわけでありますから、同じ一割ずつ、同じ三割ずつというふうにいきました場合に、高齢者はそれじゃそれで本当に医療に堪え得るかといえば、私は堪えられないと。そこはやはり配慮をしていく、年齢による配慮というものを私たちは必要だというふうに思っている。そこがやっぱりちょっと違うところだと私も思います。
#113
○櫻井充君 私が申し上げているのは、四十代の方々の再配分された後の、いいですか、大臣、大事な点は、元々の所得の話をしているんじゃないんですよ。元々の所得は六十を過ぎると急激に落ちてまいります。それで二十代の、これは厚生労働省の資料ですよ、本当に、二十代の方々の辺りからが高くて、その後どんどん三十代、四十代で低くなります。なぜかというと、これは所得が自分たちの子供に一部分移転しているというふうに考えて構成されています。そして、五十代、六十代になってくると当初所得が上がりまして、その後七十、八十になると下がってくるんです。
 再配分されるとどうなるかというと、三十代、四十代の人たちももちろん下がるんですよ、当初所得からね。六十代の方々はここからどうなるかというと、下がっていたのが上がっていくんですよ。
 だから、本来は社会保障というのは再配分機能なんでしょう。そうすると、皆さんが同じように公平になるように、基本的にはなるたけなるようにやっていく制度が社会保障制度なんじゃないんですか。だから、わざわざなぜああいう資料を厚生労働省が作られているんでしょうか。
 ですから、今現在、年金だとか医療だとか介護だとかそういう部分で再配分を受けているわけです、高齢者の方々が。ですから、そこで見たときに、三十代、四十代の人と比較したときに差が出ているから、そこを是正していきましょうという考え方で高齢者の方々にも負担していただかなきゃいけないですねという話になっているはずですよ。
 ですから、私が言いたいのは、今、中小企業の方々は物すごく苦しんでいらっしゃいます。そこの中で、企業にまず負担を強いていくことと、先ほども言いましたが、所得のあくまで再配分機能ですから、そうすると、所得に応じて基本的には比例して渡していくような、全部が比例しろとは言いませんけれども、それに近い額にしていかなければ公平ではないんじゃないかと思っています。
 つまり、ここは大事なことなんですけれども、制度設計の在り方なんですよ。その制度設計を抜本改革だから今回きちんとしようとしているわけでしょう。負担と給付の在り方を見直そうと言っているわけでしょう。負担をなるたけ公平にしようと言っているわけでしょう。そうすると、私は、政管健保の方、政管健保の加入者の方々の保険料を上げるんじゃなくて、財政的に苦しいんだったら、この給料だったら、この給料だったら保険料を上げるべきじゃないですか。保険料じゃない、ごめんなさい、公費負担を増やすべきじゃないですか、むしろこの構成だったら。違いますか。
#114
○国務大臣(坂口力君) 保険料を増やすか、それとも国庫負担の導入額を、投入額を増やすか、それとも自己負担を増やすか、この三つに一つしかないわけですよ。衆議院の方でも議論がありましたのは、これは国庫負担を増やすべきではなくて、そしてここはその保険料を高めていくのが、これが常道だ、これがやはり正しい行き方だという御意見がございました。
 確かに保険料を高めていくということは大事でございますが、今御指摘のように、景気の動向によりまして、保険料がその動向によって払いにくさということも確かに出てくることも事実でありますから、私は、これは国庫負担、それから保険料、そして自己負担、その三位一体でいく以外にないというふうに思っております。
 したがいまして、その保険料をどこまで上げるかということは、これはやはり考え方として持っていなければならない。今日、午前中にもお示しをいたしましたけれども、二〇二五年にはいわゆる保険料は約五〇%、四九%という数字が出ておりますけれども約半分、そして三十数%が保険料、そして自己負担が一五%、こういう割り振り。全体の、これは、一人一人じゃないですよ、全体としての国庫負担を、全体としての国の医療費を見ましたときに大体そのぐらいの割り振りでいくのが妥当ではないかということを御提案を申し上げているということです。
#115
○櫻井充君 全体の割り振りは結構でございます。
 小泉総理、何とおっしゃっているか。サラリーマンの方も三割負担で、国民健康保険の方も三割負担で、みんな公平でいいじゃない、そういうふうにおっしゃっているわけですよね。ですから、負担が公平になるからいいんだという、そういう御趣旨じゃないんですか、窓口の三割というのは。
 そういう意味でいったら、何回も言いますが、保険料と患者負担とを合わせた額と、それからもちろんそこは所得を勘案してそこに公費を入れていくことは、もちろんこれはその制度ごとで所得が違うんですから、それは当然のことなんだろうと思うんです。そうなってきたときに、この所得の人たちがどれだけ負担をするかという考え方に立たなきゃいけないんですよ、本当は。窓口の三割が同じだから負担の割合がみんな一緒ですねというのは、これは暴論なんですよ。
 現時点でも、現時点でも窓口負担が三割とはいいながら、結局、高額療養費とかいろんなものがありますから、政管健保の場合には、政管健保の場合には患者負担が今でさえ窓口で二一%になっている。健康保険組合で二〇%、市町村国保で一八%です、窓口負担の占める割合がです、財源。そうなってくると、これでまた一〇%上がるということになれば、恐らくは五、六%上がるでしょうから、二五%とか二五、六%ぐらいになるんでしょうか。ここだって窓口負担には差があるんですよ。
 それは金があるからそうやってくださいなのか。病気になる人たちは僕は年齢関係ないと思っているんです。私は医者でずっと治療をやってまいりましたけれども、子供だって病気になるんですから。そういうことから考えてくると、ここの、患者さんになった、病気になってしまった人たちですら、ここで差が出てくるんじゃないですか。私は、その負担の公平性という点でいうと、今回の改正ではとても公平にならないと思うんですが、そこについていかがですか。
#116
○国務大臣(坂口力君) 病気になる人も、外来に行く人と入院をする人とは違うと思うんですね。入院をされる方につきましては自己負担の上限額がありますから、全体としての負担額というのは少なくなってくるわけですよ。
 ですから、午前中にも申しましたとおり、トータルで見ますと、今回の改正で個人負担は約一八%、一七%から一八%ですよ。これから先、この高齢者の一割負担というものを続けていくというふうにすれば、将来は高齢者の数が増えますから、全体としては自己負担の割合は、これは一五%に落ち着いていくと、こういうことを申し上げているわけです。
 ですから、それは個人によっての違いはある。そして、その人たちが入院をするかあるいは外来でちょっとした治療を受けるかによっても、そこは違っているわけですから、一概にそれは言えません。私は、そこはそれぞれの疾病によっての違いは、それは当然のことながらあるというふうに思います。
#117
○櫻井充君 じゃ、改めて大臣にお伺いしますが、大臣としては今回のこういう財源構成というものは現時点ではベストだとお考えだということなんですね。
#118
○国務大臣(坂口力君) やむを得ざる選択だというふうに思っております。
#119
○櫻井充君 もう時間がなくなってきちゃったんですが、予定していたものの一問しかできませんでした。
 景気のことについてちょっとお伺いしておきます、この次のために。
 平成九年度に医療制度の改革がなされました。この平成九年度の改革によって、医療制度、もちろん、それから消費税の三%から五%の増税、特別減税の打切り等がございました。この中で明らかに平成八年から平成十年に掛けて景気は悪くなっております。景気が悪くなっている。もちろん、まず最初に、景気が悪くなっていると坂口大臣は認識されているのか。そして、そこの中で、医療制度の自己負担を増やしたことによって影響があったとお考えなのかどうか、まずその点について御答弁いただけますか。
#120
○国務大臣(坂口力君) それは何年の話、八年の話でしょうか、八年の話。
#121
○櫻井充君 九年。九年に改正して、九年に負担を増やして、八年と十年とで景気がどうなっているか。
#122
○国務大臣(坂口力君) 八年と十年を比較をいたしますと、平成八年度がプラス三・四%であったのに対しまして、平成十年度はマイナスの〇・八%というふうになっております。したがいまして、そこには落差があるということは御指摘のとおり。しかし、その後の平成十一年度、十二年度には、それぞれプラス一・九%、プラス一・七%というふうに回復をしてきている、こういうことでございます。
#123
○櫻井充君 私が聞いているのは、医療制度改革で自己負担が増えたことが経済に悪影響を及ぼしていますかと。ないということですか。
#124
○国務大臣(坂口力君) 全くないとは、それは言えないでしょうね。だけれども、それだけであのときに景気が悪くなったのではない。これは、この年の秋以降に、金融機関の相次ぎます経営破綻でありますとか、アジア通貨あるいは経済危機などの問題がこのときに起こったということが大きな影響になっていることを忘れることはできません。
#125
○櫻井充君 今、大臣、そうおっしゃいましたけれども、金融危機とおっしゃいましたけれども、昨年だけで、昨年だけで中小の金融機関、五十もつぶれているんですよ。つまり、金融危機なんて終わっていないんです。
 それからもう一つ、今GDPのことについて申されていらっしゃいますが、十一年、十二年でプラスになっているのは何かというと、小渕内閣で公共事業を積み増ししたんですよ。公共事業を積み増ししたから、あくまでGDPは増えているだけです。国税で見てくると、平成八年から比べてくると、どんどんどんどん下がってきているんですよ、税収がですね。しかも、十年とか十一年とかというところは、消費税が平成八年から比較すると約四兆円増えていますから、それだけ増えていても、税収は落ちてきているんですよ。このことは何を物語っているのかと。
 それから、これはお配りしていませんけれども、法人の会計も、八年ぐらいまではほとんど横ばいだった赤字の会社が、そこから以降、急激に増えているんです。失業者の数が、あの当時三%ぐらいだったのが今五・四%ですし、それからもう一つ、これは是非知っておいて、済みません、時間超過していますが、知っておいていただきたいんですが、可処分所得が、可処分所得が平成八年は四十八万八千五百三十七円でした。これが平成十三年、これは総務省からのレポートですけれども、可処分所得が平成十三年には四十六万四千七百二十三円と、これ減っているんですよ。
 こうやって減ってきているところにまた自己負担を求めるということになってきたら、間違いなく景気悪くなりますよ。坂口大臣は、景気を考えて、経済状況を考えて三割負担にするかどうかということをおっしゃっていますよね、ここに記事がありますけれども。そのことから考えて、本当に今、三割負担を強いなきゃいけないんでしょうか。
#126
○国務大臣(坂口力君) その過去の経済の問題あるいは税収の問題等は、これは様々な要因があってそうなっているわけで、税収が減ってきたことに対しましては、それは消費税は上がりましたけれども、所得税、法人税はそのときに下げたんですから、がくっと。だから、それらの影響もあることは当然です。
 ただ、トータルで見ないとこれは分からない話でありますから、GDPはそうしたことも全部含めてトータルで見た数字であって、その中を個々に見ればそれはいろいろのことがあるでしょう。それはやむを得ないんで、トータルで見た数字ですから、GDPでいけばそういうことを言わざるを得ません。
 そして、経済の動向の中では、これは、経済というものについての配慮というものもやはりそれは忘れてはなりませんけれども、経済全体の中で、経済の流れというものとこの医療の世界というのとは若干異質なところがあるということを今朝も申し上げたわけでありまして、経済が良くなったから、インフレになったからといってこの医療費をそれに合わせて上げるわけにはいきません。デフレになったからといって急に下げるわけにはいかないというこの医療の世界の難しさというものにも配慮していく必要があるということを私は申し上げたわけであります。
#127
○櫻井充君 時間が来ましたので……
#128
○委員長(阿部正俊君) 時間も考えてください。
#129
○櫻井充君 分かりました、終わります。
 一言だけ言わせてください。
 先ほどの税収のことは、法人税収から何から全部減税されているのを差っ引いて、所得税減税も全部差っ引いて計算しております。それだけでございます。
 ありがとうございました。
#130
○草川昭三君 公明の草川であります。
 今朝、午前中に今井先生の質問をお聞きして、非常に感銘深い気がしたんですが、先生が去年の九月ですか、総理官邸に行かれていろいろと御党の医療政策についてお話しになり、最終的には意見が一致をしなかったもののという、こういうお話がありました。
 私は、その話を聞いておりまして、もう十か月ぐらい前になりますか、坂口大臣は非常に苦労をされまして官邸に何回かの出入りをされていたわけでありますし、また与党の中でもいろんな様々な意見がございましたし、あるいはまた各種団体等と連日のごとくお話しになりまして、ようやくと言うと言葉が悪いんですが、今日に至りました。大臣の御努力に敬意、あるいはまた関係者の皆様方の御努力には率直に言って敬意を表させていただきたい、こう思うわけであります。
 そこで、実は過日のこの委員会の中で、国民医療費の将来推計と伸びの適正化問題等を宮崎先生始め、非常に厳しく御発言をなされました。それで、確かに国民に痛みを伴う改革をお願いをする以上は、この将来推計あるいは伸びの適正化目標等については国民の信頼を失うようなことがあっては相ならぬということは、私、痛切に感じたわけでございます。
 それで、特に二〇二五年の医療費を百四十一兆円と見込み、実際は下方修正が繰り返されている、こういうことについて今朝ほども局長の方からの答弁があったわけでありますが、改めて国民医療費の将来推計等について少し、もう一回丁寧にポイントを突いた御答弁を願いたい、こう思います。
#131
○政府参考人(大塚義治君) 社会保障の長期的な運営を図る、あるいは制度改正をするという際に、どうしても長期見通しというのが必要になりますので、必要な時期におきまして、その時点における将来推計というものをこれまで発表してきておるわけでございます。
 その時点におきます将来見込みの計数が大きく変化をしてきているというのも、率直に申し上げて事実でございます。このような数字の違いと申しますのは、要は前提条件をどう設定するかということにどうしても掛かるわけでございまして、長期推計のある意味では宿命といいましょうか、限界になるわけでございますが、その時点におけるそれまでの過去の実績をベースに置きまして一定の前提条件を設定する、こういう作業にならざるを得ない面がございます。
 その条件を設定いたしますと、それを一定期間延ばす、こういう形で長期推計をいたしておるわけでございますが、具体的に申し上げますと、一つは、医療費の伸びをどう見込むかというのは非常に大きな要素でございます。もう一つは、社会保障の運営、特に医療保険制度の運営を考えますときに、例えば国民の経済力といいましょうか、国民所得の伸びをどう見るか、この二つが極めて大きな要素でございまして、ここの前提条件をどう設定するかということでその後の金額がはじかれる、こうなるわけでございます。
 幾つか数字が大きく変化したという事例がございますので、その時点における前提条件につきまして、ちょっと細かくなって恐縮でございますが若干触れさせていただきますと、まず医療費について申しますと、平成六年の推計時点では、一人当たりの平均的な伸びを四・五%というふうに見込んでおりました。また、その四・五%といいますのは、それまでの直近の実績から見ると自然な姿であったわけでございますけれども、その後、後ほど申しますが、経済の動向も同様でございますけれども、医療費の伸びはやや低下、その伸びの率は鈍化をしてきておりまして、直近の数字で申しますと二・五%という前提で推計をするというのが妥当な数字というふうに見込みまして作業をしておるわけでございます。そうしますと、四・五と二・五の差ということになります。
 同様に、特に御了解賜りたいと思いますのは、国民所得の伸びも同様なことがございまして、平成六年の段階での国民所得の伸びは、これは幾つかのケース、A、B、Cケースというような形で置きましたけれども、五ないし三%ということで見込んだわけでございます。これはまだ、当時、今から思えばバブルの経済の影響が背景にあったということで高い伸びになっておりますけれども、今日その状況が大きく変わっておりまして、直近の推計では当面は一%程度、一定期間以降二%というような前提に置き換えております。
 したがいまして、こうした前提の置き方が、その計数の見方、計数の出てくる結果に大きく影響するわけでございまして、国民所得と例えば医療費の比率というふうに見ますと、実はそんなに大きな差はないわけでございますけれども、今後、こうした長期推計、どうしてもその都度必要でございます。新しい手法の開発というのもなかなか難しゅうございますけれども、そういったことも念頭に置きながら考えてまいらなければなりませんけれども、幾つかの大きな異動のあった数字の背景、要因といいますのは、ただいま申し上げたような事情でございます。
#132
○草川昭三君 そこで、実は昭和五十九年の健保法改正ということがございました。当時、私はまだ衆議院でございましたが、厚生大臣がたしか橋本龍太郎さんでございまして、長い間国会対策の中心になってみえた方で吉村さんという方がおみえになりました。皆さん方の大先輩であります。ミスター厚生省と言われたぐらいいろいろと努力をされた方であります。
 この吉村さんは、例の薬害被害者救済基金制度を作られた方で、大変苦労されてもう亡くなるわけでございまして、当時橋本さんが名誉ある殉死だなんという形で非常に評価された方なんです。その方が言ったことを私今でも頭にあるのでございますが、当時、厚生大臣が国会の場では、国民所得を医療費が上回らないようにするというのを基本に今後の医療というものを考えたいということが当時のテーゼというんですかね、大きな柱であったような気がするんです。
 しかし、国民の医療費は、先ほど来の答弁にもありましたが、平成四年度以降、国民所得の伸びを上回って伸び続けているのは、これはもう現実なんですね。今日でも、この医療費の伸びを国民所得の伸びの範囲内に抑えるという適正化目標というものを維持されようとしておるのか、あるいは高齢者がこういうように増えておみえになるわけでありますし、老人医療費の伸びは避けられないという状況になっておるのでございますが、そういった点についてどのようにお考えか、大臣の御見解を賜りたいと思うんです。
#133
○国務大臣(坂口力君) この医療費が国民所得を上回らないようにするというお話は、これはその当時は右肩上がりの大変経済成長の強いときだったんだろうというふうに思いますから、そういう時点で考えますとそうしたことも言えたんだろうというふうに思いますが、一九九二年からでございましょうか、経済成長の伸びが鈍化をして、そして医療費の伸びの方が増える、その伸び率の方が高くなる、その一九九二年ぐらいでクロスしたと思っています。それ以後、経済の成長は低成長になったわけでございますし、そしてそれ以後も医療費は伸び続けてまいりました。
 現在の医療費の伸びの中で特に大きいのが高齢者医療でございまして、高齢者医療は平均して大体八%、七%か八%ぐらい増えてきておりますが、その八%の中の四%は、これは高齢者の増加によりますところの私は伸びだというふうに思っております。そういたしますと、その残りの四%は何で伸びているかということが今問われているというふうに思います。
 そういう状況でございますので、私は経済の成長に合わせた医療費の伸びというものを実現せよと言われましても、これはできないというふうに率直に私は述べているところでございます。
 経済が低成長であり、あるいはマイナス成長であったとしても、医療費をそれに合わせてマイナスにするというわけにはいかない。ここは経済の成長と医療費との違うところでございまして、この医療費の中の伸びの中で、私たちも最大限無駄がありましたらそれは省かなければならない、その努力は最大限しなければなりませんけれども、それでもなおかつこの人口動態からいきますとやはり伸び続ける可能性がある。可能性があるといいますよりも、伸び続けるというふうに言い切った方が私はいいと思います。
 そうした状況でございますので、私は、経済の成長率、経済の動向に医療費を一致させるということはできないというふうに率直に申し上げた方がいいのではないかというふうに思います。
#134
○草川昭三君 適正化目標についての今日的な視点に立つ考えが必要だということを今、大臣は答弁されたと思うんです。
 それで、ここ二回ほど本委員会での議論をお伺いをし、あるいはまた衆議院での議論を参考にさせていただきますと、国民皆保険を守るということはお互いに与野党とも同意をする、そして増大する医療費というものについての現実方向についてもそれは認識をする、そこを先ほど大臣が答弁なされたように、どのようにだれが負担をするかという問題を熱心な先生方によって議論をしておるというのが率直なところであったと思うんです。
 そこで、どうしても将来目標について国民の負担増が一体どれぐらいになるんだろうという正直な質問というのも国民にはあるわけです。そのことについて、今も大臣が何回か答弁をなされておりますし、役所の方も昨日来までは各健保組合の財政も様々なものがあるから具体的な数字が出ない、こうおっしゃっていたんですが、今日は一応こういう資料も出たわけでございますが、改めて将来の国民負担増のポイントは一体何かという、そのポイントのところをだけ、繰り返しの質問になりますが、お答えを願いたいと思うんです。
#135
○政府参考人(大塚義治君) 本日、御提出をいたしました資料によりまして、これは先ほど申し上げたとおりでございますが、今回の制度改正によりまして患者負担それから保険料負担、合計をいたしまして、今後五年間の単年度平均ということでございますから中期的な患者負担増ということ、あるいは保険料負担増ということになりますが、合わせまして一兆五千億、一定の前提を置いた推計でございますが、こういった推計をお示ししたところでございます。
 さらに、その後につきましては、高齢化が進み医療費の増も見込まれますし、また今後様々な制度的な検討もしなければならないわけでございますが、今日の改正後の姿を前提にいたしまして少し先まで見ましても、例えばこれは政府管掌健康保険を例に取らせていただきますけれども、今回御提案を申し上げております保険料率八・二%でございますが、ピーク時におきましても、今回の制度改正の姿におきまして一〇%を少し超える程度にはとどまるのではないかと。
 これは諸外国、例えばフランスあるいはドイツといった社会保険方式を取っておる国は現時点におきましても一三、四%という保険料率でございますから、そう大きな負担、保険料負担という水準ではない、御負担をいただける可能な範囲というような見通しを立てておりますが、いずれにいたしましても、それはピーク時の我々の推計でございまして、今後様々な制度改正あるいは医療費の伸びの今お話のございました適正化への取組などによりまして数字は動くかもしれませんが、大ざっぱな我々の見通しを申し上げれば、そんな見込みを立てているところでございます。
#136
○草川昭三君 患者負担と必要な医療の確保及び医療の質の向上を図るという問題も、これは与野党の中にもあったと思うんですね。要するに、患者負担を増やすことによっていわゆる受診抑制になるのではないだろうかという心配が医療機関側からあることは事実であります。あるいはまた、組合員の立場からもそういう立場を表明してみえる方も衆参を通じてあるわけであります。
 そこで、昭和五十八年の老人医療における患者負担の導入から、あるいは五十九年の健康保険法、本人の一割負担の導入、いろんな形で患者負担の見直しが行われてきておりますけれども、そういうものを一つの踏み台にして、WHOは日本の国の医療技術の水準というのは非常に高い、医療サービスも非常に立派なものだという評価が一面ではあるわけですよね。そういう面も見ながら、私ども改めて今回の改正によって患者負担の増大ということが医療の質の向上を妨げるのかどうか、この点を率直にお答え願いたいと思います。
#137
○政府参考人(大塚義治君) 患者負担の在り方によりまして一定程度の影響が出るということにつきましては、やはり本日お示しをしました資料の中で計数でお示ししてございますけれども、もう少し長いトレンドで見ますと、今お話のございました昭和五十八年に老人保健法が施行されて以降、数次にわたりまして患者負担の見直しといったような点を中心に制度改正が行われてきたわけでございます。
 しかしながら、ただいまお話がございましたWHOの保健システム評価の結果で一位という大変高い評価をいただいておりますけれども、例えば昭和五十七年、これは五十八年の直前でございますが、昭和五十七年から平成十一年で見た計数でございますけれども、非常に概括的な数字でございますが、平均寿命の伸び、例えば男性で七十四から七十七、女性で七十九から八十三、順調に推移をしてきている。それから、当然のことながら乳児死亡率、妊産婦死亡率も同じように改善をしておりますし、さらにはいわゆる健康寿命ということも伸展をしてきていると、こういうことが評価の対象になったのだろうと思います。
 また、医療保険の世界で、やや細かい数字を申し上げますと、俗に言う受診率というようなことがございますが、これも年々、年々といいましょうか、逐年変化はございますけれども、大きな流れで申しますと、九年以降、比較的近い方の方が全体としては高くなってきております。その年によりまして若干のプラス・マイナスはございますが。
 そういったことを総合して勘案して考えますと、医療費そのものも、先ほど来お話が出ていますように、毎年相当程度の伸びもございます。単なる高齢者増といったような人口動態を超えて医療費も伸びている。それだけ費用が追加されている、投入されているというようなこともございまして、こうした状況を踏まえますと、患者負担の見直しが直接、必要な医療の確保あるいは医療の質の向上を妨げるということは私どもは大きな観点から見ましてないものというふうに考えておりますし、その背景には、関係者、医療関係者あるいは保険運営者などといった幅広い方々の御努力ももちろん背景にあってのことというふうに考えておるところでございます。
#138
○草川昭三君 じゃ、今度は少し話題を変えまして、国保財政の現状と納付率についてお伺いしたいと思うんですが、どうしても国保財政は財政基盤が弱いわけでありまして、どこの国保も厳しい財政状況にあります。この市町村の保険財政状況の現状を簡単でよろしゅうございますからお答えを願いたいと思います。
#139
○政府参考人(大塚義治君) 御指摘がございましたように、国保の構造的な要因もございまして大変厳しい保険運営をしておられるという状況は私ども強く認識しておるところでございます。
 平成十二年度の決算を例にいたしまして何点か御報告申し上げますと、平成十二年度決算の単年度経常収支でございますが、まず、全体の赤字保険者数が五割を超える、五三%を超えるというふうな状況でございます。赤字総額で一千二十九億円という数字でございますが、これには、実はそのほかに各市町村が一般会計繰入れという形で事実上の自主的な赤字補てんというようなものをしているわけでございます。この部分が二千二百五十四億円ございます。したがいまして、実質的な赤字ということになりますと約三千億円を少し超えるというような状況でございます。
 大変厳しい事情であることは私どもも重々認識しておりまして、今回の改正法案におきましても三点ほど国保のこうした問題に対するための財政支援措置を盛り込んでおりますが、こうした形で国保の財政運営の安定化に資するように努力しているところでございます。
#140
○草川昭三君 その納付率の問題ですが、どうしても保険料を納めない人が増えてきておることも事実だと思うんですね。いわゆる制度に対する信頼がこれでは揺るいでいくわけでありますし、国民皆保険の基礎であるところの国保が成り立たないということになるわけであります。特に都市部では田舎の地域に比べて納付率が非常に悪いということが言われております。
 それで、これも三年か四年前でしたか、地方事務官制度というのがございまして、それを国に一元化するというときに、実は私、ちょうど衆議院で国対委員長をやっておりまして、労働組合の方々が陳情に見えまして、随分、最後は、社会保険庁の方も抵抗があったんですが、一定の条件を出していただいて、当時の野党の方々も一部を除いて法案に賛成をしていただいた経緯があるんです。そのときにも、地方のこの納付率の問題が組合の立場からいろいろと訴えられておりました。
 改めて非常に難しい問題に直面してきたねということを率直に思うわけでございますが、納付率の向上についてどのようなお考えを持っておられるのか、お伺いしたいと思います。
#141
○国務大臣(坂口力君) 納付率につきまして、今お話しございましたように、だんだんと状況は悪化してきていることはもう御指摘のとおりでございまして、ここをどのようにして改善をしていくのか。いろいろのことをやっていることはやっているわけです。例えば、口座振替の推進でありますとか、徴収員によります徴収の強化でありますとか、あるいは制度の周知徹底を図りますとか、あるいはまた短期被保険者証でありますとか資格証明書の活用でありますとか、様々なことをやっているわけでございますが、しかしそれでもなおかつ良くなってこない。
 しかし、この良くなってこないのにはそれなりのやはり理由があるんだろうというふうに思うんです。皆さんが、国保に入られない皆さん方がすべてもう病気になっても大丈夫だというふうに思っておみえになるわけでは決してないわけでありまして、中には負担が非常に重いというふうにお考えになっている方もあることも事実でございますし、少数ではございますけれども、もう保険にはお世話にならないというふうにおっしゃる方もあるわけでございます。高額所得者も中にはいるといったようなこともありまして、中もいろいろでございますが、しかし、もう少しやはり現実のこの状況を直視をして、もう少しその内容を、なぜそうなのかということをもう一段ひとつ下りてと申しますか、もう一段詳しくここは調べてそれに対応をしないと、一律の対応の仕方ではでき得ないのではないかというふうに思っているわけでございます。
 今般、この制度改正によりまして、都市部のいわゆる収納率の向上を図りますために、コンビニエンスストア等に委託をすることを可能にするといったようなことも今回取り入れているわけでございますが、そうしたことだけでこれが改善するということはなかなか私も望めないというふうに思いますので、ここはもう少しきめ細かさが必要ではないかというふうに考えておりまして、そうしたことを念頭に置きながら対策を立てていきたいと思っております。
#142
○草川昭三君 時間があと三分でございますので二問続けて質問をしますので、お答え願いたいと思うんです。
 これも先回の委員会でも出ておりますが、老人の方々の一部負担の償還払のシステムを考え直せというのが繰り返し委員の先生方から出ておるわけです。それで、局長の方からは、今日も午前中お伺いをしていると、家族が代行することはいいですよとか、あるいは市町村の実情を踏まえ市町村の方もなるべく簡素化をする受付をしますよというようないろんなことを言っておみえになりましたが、これはやはりこの法案がうまく成立するかしないかの大きなポイントになると思うんです。私は、今日直ちにすぱっとした答弁は出ないにしても、まだこれからも議論が続くと思うんですが、必ずこの点については納得できる、あるいはまた診療機関側あるいは患者のサイドに立っても納得できるような具体的な方針というのを是非打ち出していただきたいと思います。
 それから最後に、地方分権問題でございますが、平成十四年、今年の六月十七日に地方分権改革推進会議というのが発表しておるんです。何を発表しておるかといいますと、規制緩和ということをずっとたくさんいろいろと打ち出しているんですが、その中のごく一部に、ごく一部ではなくてその中の一部に、いわゆる各県、市町村の保健所長の医師資格要件についてはこれを廃止すべきだということを言っておるわけであります。
 これは、私は地方分権の仕事も若干やっておるわけで、これ、いつどこでだれがこんなことを決めたのかという問題であるし、これについて厚生労働省として本当にタッチしていたのかどうか。この地方分権はこれから各省庁との闘いになるわけでございますが、これも年内に一応結論を出し、来年に向けてというのが一方ではどんどん進んでいくんですが、私は、保健所長の医師資格要件というのは、これからの、今法律に出ておりますが、健康増進の事前の役割も非常に保健所の役割は大きいと思うんですが、その点についての見解を賜って、私の質問を終わりたいと思います。
#143
○国務大臣(坂口力君) 時間もないようでございますから簡単にお答えをさせていただきますが、最初の方の問題は、これは宮崎委員始め皆さん方から取り上げられた問題でございまして、私たちも、この問題、謙虚に受け止めながら、どうするかということをもう少しやはり詰めなければいけないだろうというふうに思っております。
 それから、二番目の問題につきましては、保健所長を医師以外の者にしてもいいかということにつきましては、これはやはり、やっております仕事柄、私は医師が中心になってやるべきものだというふうに、私は個人的にはそう思っております。これが、こうしたことを決めるところに我々がかんでいたのかどうかということについてはちょっと私も具体的には分かりませんが、厚生労働省がそういうことを主張してこういうことになってきているというわけでは決してございません。私は、このことには異議を申したいというふうに思っている次第でございます。
#144
○草川昭三君 どうもありがとうございます。
 終わります。
#145
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。
 私は、今回の健康保険等改正法案が高齢者に及ぼす影響について質問をいたします。
 今回の法案が成立すると、来年度には国民全体で一兆五千億円もの負担増となることは既に明らかになっております。高齢者の外来では、一回八百五十円の定額制を廃止して、そして一割負担が徹底された上に、患者の自己負担上限額が例えば外来では三千二百円から八千円、また一万二千円と、このように大幅に引き上げられます。
 お年寄りからは、一昨年の公的年金の削減、そしてまた介護保険料、利用料の負担、そしてまた医療費の値上げでは本当にたまらないという、こういう声が上がっております。私は、この質問をするに当たりまして、地域へ伺いましていろいろな人たちを見て、そしてその怒りを自分の体で受けてまいりました。私は、今回の負担増というのが今までの政府の答弁からいっても許されないのではないかと、こういうふうに思っているわけです。
 高齢者医療については、昨年の一月から一割負担の定率制が実施されております。高齢者に大きな負担増となっておりますけれども、そのときの国会の審議の様子を議事録で見てみますと、当時の森首相は我が党の小池議員の質問に対して、定率制の導入に当たりましては、外来について比較的低い月額の上限を設けるなど、高齢者の方々の状況に応じたきめ細かな配慮を行っていると、このように答弁をしているのであります。また、当時の保険局長が答弁をしておりますが、定額の月額の上限を置いたということで、高齢者の方々に無理がない範囲で現行制度とほぼ同水準の負担をお願いしましたと、こういうふうに述べておられるわけなんです。
 私は、今回はその無理がない範囲から、今度は負担上限を大幅にアップするということですから、本当に無理を承知でこの負担を国民に求めているということになるのではないだろうかと思うわけなんです。是非、大臣に御答弁をお願いいたします。
#146
○国務大臣(坂口力君) 医療制度の改革につきましてはいろいろの御意見がありますことは十分に存じ上げております。
 私は、この医療制度に対しましては、将来ともに安定した制度をどう作り上げていくか、そしてその中で、もし仮に重い病気になったときに、その重い病気に堪え得る制度が存続できるかどうか、そこがやはり多くの皆さん方が一番御心配になっているところではないかというふうに思っております。
 過去にいろいろの発言をした経緯があるかもしれません。しかし、だんだんと医療費が高騰をしてまいりましたことも事実でございます。そして、そのいろいろの高騰をしてまいりました中で、その原因はいろいろあるというふうに思いますが、少子高齢化の進展でありますとか高額医療の問題でありますとか、それから先ほどから議論があります経済的な動向というのもあるいはその一つになっているかもしれません。そうした問題を踏まえて、今日まで参りましたこの医療保険制度の中で、再び国民の皆さん方にも御負担をお願いをしなければならないということになってきたわけでございます。
 現役世代とそして高齢者の間のバランスといったことも考えていかなければなりません。先ほど三千円、五千円のお話が出ましたが、今までは一つの医療機関に掛かるごとに三千円、五千円という上限が付いていたわけでございますが、今回は幾つの病院を替わりましてもその上限を八千円とか一万二千円ということに決めたわけでありまして、そこに、そういう決め方をしたものですから、幾つもの病院を替わられるという、あるということを前提にして、しかしそれをプラス、それを全体で八千円ですると、こういうものですから、それじゃ、それをどう償還をするかというような問題がそこに発生をしてきたといったことになっているわけでございます。そうした点も御理解をいただきたいと。
#147
○井上美代君 私は、もうこの間のことですからね、もうずっと前のことではありませんので、今、大臣が御答弁くださいましたけれども、そのようなことを聞いているのではないんです。
 だけれども、大臣はやはり無理のない範囲で今回上げるというふうに考えておられるんですか、御答弁願います。
#148
○国務大臣(坂口力君) 無理のない範囲、それはその人の所得によっても違うでありましょう。したがいまして、所得の低い人にはそれなりに低所得の人の割合というものも決めてあるわけでありまして、所得ごとに対応できるようにいたしております。しかも、低所得の範囲を今までよりも大きく取ってございますから、低所得の皆さん方にはそれなりに配慮をしてあるというふうに思っております。
#149
○井上美代君 低所得者に対して無理なことを言っていないというふうに考えておられるんでしょうか、御答弁願います。
#150
○国務大臣(坂口力君) いろいろの制度ございますから、それらを総合的に勘案をしていかなければなりませんが、低所得の皆さん方にも御負担をいただかなければならない点もあるというふうに思います。しかし、その皆さん方が大きい病気になられたりしたときにその皆さん方が大きな負担がないように、そうした意味での配慮というものは十分にしているつもりでございます。
#151
○井上美代君 私は、やはり大臣が、今答弁されましたけれども、無理のない範囲で今回の健康保険法の改正案を出しているというふうに言っておられるというふうに聞こえます。
 私は、今度のこの法案というのは、大臣がおっしゃるように本当に無理のない範囲なのかと。大臣は先ほどから安定的な医療とか、重い病気になったときにはそれがちゃんと治療できるようにとかというふうにおっしゃるんですけれども、今出されているこの法案というのは大臣が言っておられるのとは違った方向に行くと思うんですね。逆になるというふうに思うわけなんです。だから、大臣はそのように思っておられるのであれば、私はこうした無理のない範囲でやっているなどということを考えてほしくないし、そんなことで答弁してもらいたくないです。
 私は、昨年一月からの負担増の影響について質問をしますけれども、この改定というのは老人医療費に対してどのような影響を及ぼしましたでしょうか、御答弁ください。
#152
○政府参考人(大塚義治君) 昨年の一月にいわゆる定率一割負担を導入したわけでございますけれども、計数から見ますと、一つにはその前年と比較する場合に、平成十二年は介護保険の施行がございまして、介護保険の制度との入り繰りがございますから、なかなかそういう意味では見方が難しいわけでございます。また、十三年一月前後の状況といたしまして我々特記しなければならないと思っておりますのは、この年はインフルエンザがそうはやりませんで、なおかつやや後ろにずれたというようなこともございます。
 こうしたことを一応念頭に置いていただいて、特に介護保険の影響、入院関係は非常に介護保険に移行した分が多いものでございますから数字だけ見ると大変大きな変化がございますので、外来について見ますと、平成十三年一月、これが前回改正の施行日でございますけれども、一月から三月の伸び率を見ますと、老人受診率が三角の一・一%でございます。それから、稼働日数補正後、これは月単位で見ますとどうしても医療機関の開院している日にちが少し違いますので、それを調整をするという意味なんでございますが、そうした後の老人一人当たりの医療費が二・二%の減少ということでございます。この中には、先ほど申し上げましたが、一部介護保険に移行したがゆえの減も入っているわけでございますが、そんな状況でございました。
 しかしながら、十三年四月、翌年といいますか数か月たちますと、最直近、二月まで分かっているわけでございますが、受診率はプラスの〇・三%、また一人当たり医療費もプラスの三・一%ということで、前年同期比増加ということでございますので、この辺りから総合的に判断いたしますと、一時的な影響はなしといたしませんが、今日時点においてはトータルとして大きな影響は見られないというのが私どもの認識でございます。
#153
○井上美代君 今、下がったのの影響、そしてまた介護保険の影響もあったというふうに答弁がありましたけれども、前の年と比べるのだから、二年後からは回復をして当たり前だと思うんですよね。だから、私は今の答弁に納得いたしません。
 老人医療費が介護保険の影響を除いても昨年の一月から三月で前年比で下がっているわけです、私、ここに表を持っておりますけれども。昨年の負担増の影響について私は実態調査を持っております。
 これは、一部を皆様方に配りました資料の一ページ目の上の方にありますけれども、全国保険医団体連合会というのがあります。これは開業医が九万五千人で作っている会なのですけれども、昨年の二月の上旬に一千四百二十一の医療機関に対してアンケート調査をしました。そこを見ていただきますと、老人外来の受診回数について、受診回数が減ったと答えた医療機関が医科で五四%あります。そして、歯科で四二・三%あります。また、この患者負担増が原因と思われる受診中断がありましたかという上から二番目の表ですけれども、この質問に対して、あったと答えた医療機関が医科で二五・二%あります。そして、歯科で一九%あります。
 そして、この中断のあった病名というのは、高血圧症、そしてまた高脂血症、糖尿病などなんですね。これは、言ってみれば優性的な疾患が多かったのが特徴ということになります。こうした病気を考えてみますと、この治療が中断されると健康悪化を非常に招く、そういう重い合併症などがある病気です。命を脅かす本当に危険な病気がこの中に入っているということなんですね。
 必要な医療が受けられなくなる、こういう受診抑制というのがあったということをこのアンケートは示していると思うんです。このアンケートはかなり大きな調査ですので、そういう意味でも私はこの受診抑制の問題というのは否定できないと、このように思うんですけれども、受診抑制というこの影響について大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。この表も見ながら御答弁願います。
#154
○国務大臣(坂口力君) いろいろのアンケートの取り方によりましていろいろ数字は変わってくるというふうに思います。
 私のところにも私の方の調査がございまして、十三年一月の一割負担導入の際に、経済的要因によって受診が減ったかどうかを聞いているわけでございますが、十三年一月になってから医療機関への掛かり方が変わりましたかというので、これは医療機関じゃなくて国民の側に聞いているわけでございます、変わったが七・九%、特に変わらないが八二・五%。変わったというふうに答えた七・九%の人たちに対してその内容を更に聞いておりますと、掛かるのをやめたが四・六%、頻度が減ったが三〇・一%、こういうふうになっているわけでございます。
 でありますから、私も全く影響が皆無であるとは申しませんけれども、この結果からするならばそれほど大きな変化ではなかったと、そう思っております。
#155
○井上美代君 医療機関への調査であります。私は、やはりここから見ても受診抑制はあっていると思うんですよね。個人に聞かれたというので、今、患者に聞かれたというので出されましたけれども、この受診抑制について、なぜこの受診抑制がないように言われるのかということが私は不思議なんですよね。受診抑制はあっているんです。だから、私は、そこをきちんと見なければいけないんだと思うんですね。行かなくなるんです。高くなるから行けなくなるんです。だから行かないんです。我慢するんです。病気が重くなってからやっと行くわけなんです。だから、私は、そこはしっかり見なければいけないというふうに思うんです。
 厚生労働省はこうした次々と改正をやっておられますけれども、その影響調査ということをされたことがあるでしょうか。あればその内容について答弁ください。
#156
○政府参考人(大塚義治君) ただいま大臣が御答弁申し上げた、これは民間団体の調査ではございますけれども、そうしたものもございますし、基本的には私ども、毎月の医療の受診動向を各制度にわたりまして調査し、公表しておるわけでございます。要はその分析をいかにし、いかな傾向を読み取るかという作業になるわけでございますが、調査をしているかということでございますれば、全体の医療費あるいは受診動向などの調査につきましては、毎月、各審査支払機関を通じて報告されますデータに基づきまして、これを整理し、分析をするという作業をし、もちろん公表しておりますが、そういう作業をしておりますし、逐次ただいま申し上げましたような民間の調査なども把握をして、その全体の状況把握に努めているということでございます。
#157
○井上美代君 私は、やはり病気というのは早期に発見して早期に治療するということが非常に大事だというふうに思っております。だから、やはり自分が病気だなと思ったら直ちに病院へ行くのが大事だと思うんですね。だけれども、やはりずっと答弁を聞いておりますと、無駄な医療機関へ行くということを省くというのがあるようなんですけれども、私は、早期発見、早期治療の立場から、やはり受診抑制がないようにしていかなければいけないと思うんですね。だから、今回の値上げについても私は受診抑制が出てくるというふうに思いますので、そういう点で私は受診抑制がやはりあるんだということを見ながらやっていただきたいというふうに思います。
 次に行きますけれども、次も資料を皆さん方のお手元に入れております。それは、今度は下のなんですけれども、大阪府保険医協会調査というふうになって、そこにちょっと文字が小さいんですけれども書いてあります。昨年の九月に調査したものです。
 今度は、実際に自己負担が増える高齢者八百十一人に行ったアンケート調査です。それによりますと、今年、「十月から」というのは今からいえば昨年の十月になるわけなんですけれども、介護保険料の引上げと更に医療費の自己負担が増えた場合どう対応されますかと、こういう質問があります。ここでは四二%が「回数を減らす」と、このように答えているんですね。
 今回の改定が受診抑制を引き起こす可能性がもう私は否定できないというふうに思っておりますけれども、今回の引上げについて大臣は受診抑制との関係でどのようにお考えになっておりますでしょうか、お聞かせください。
#158
○国務大臣(坂口力君) 高齢者の場合には一割負担、今回も変わらないわけでありますし、そしてまた政管健保等の場合にも今までから外来は三割負担であったわけでありますから、その点につきましても大きな違いはありません。ただ、高額の、外来で高額の医療費が必要な方につきましては若干違いがございますけれども、我々の方の調査でありますと、外来で五千円以上払わなければならない人というのは全体の三、四%でございます。ほとんどの方はそれ以下でございますので、今までと大きな変わりはないというふうに思っております。
 また、いわゆる定額制から定率制に変わりますけれども、これも、例えば風邪なんかで外来に行かれるといったような場合には七、八千円、全体としての医療の額が七、八千円でありますから、一割負担というのは今までの定額制とそんなに変わらないということでございますから、そうした病気におきましては私はそんなに大きな格差が出るとは思っておりません。
 そして、入院をされて大きい御病気のときにどうするかというところにつきましては、先ほども申しましたとおり、これは一定以上の所得のある方と一般の方とそして低所得の方というふうに分けてございますし、そして低所得の人の範囲というものを拡大をいたしておりますから、多くの皆さん方におこたえができるというふうに思っている次第でございます。
#159
○井上美代君 私は、次に低所得者対策についてお聞きをしたいというふうに思っています。
 それは、今、大臣が御答弁くださったその問題そのものなんですけれども、私は、外来でも、例えば在宅の寝たきりの高齢者などは大変負担増になるというふうに考えているんですね。
 この間、行って見てまいりましたけれども、酸素濃縮器を使ってとか呼吸していたり、それから経管栄養といって胃に穴を空けて管で栄養補給をしたりしている、こうしたケースがあるんですけれども、やはり限度額を目一杯使うというケースが多いですね。
 だから、私は、今、大臣が言われました、現行で三千二百円とか五千三百円とかというのが、幅を少し広げたというふうに言われるけれども、低所得者のT、Uというふうにあります、ここは八千円というふうになっております。この八千円になるということがどんなに大きな負担であるかということを強調したいわけなんです。二百床未満ですけれども、三千二百円ですね。これが八千円になるということは、二・五倍になるわけなんですね。今三千二百円で行っている人が八千円になったらどういうことになるかということを私は見なければいけないんだというふうに思います。やはり低所得者対策の名に値するものであるのかどうか。
 大臣やまた政府の方々は、低所得者対策だから枠も広げた、そして八千円に下げたというふうにおっしゃるんですけれども、私は、今三千二百円を八千円に上げたというのが、国民にとって、そしてまた低所得者にとってどんなに負担が大きいかということを強調したいというふうに思うんですけれども、大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
#160
○国務大臣(坂口力君) 先ほども申しましたとおり、外来、それから入院の場合にはもちろん違います、入院の場合には現在までの二万四千六百円、一万五千円というのをそのまま据え置いているわけでございます。そして、これは高齢者じゃない、一般の方の話ですよ。そして、一般の方につきまして、外来の場合には最高八千円というふうにいたしましたけれども、しかしこれは、幾つの病院に行っていただきましてもトータルで八千円。例えば、整形外科に行って今までは三千円が上限、また眼科に行って三千円が上限、あるいはそのほかの皮膚科に行って三千円が上限という、こういうふうだったわけですけれども、それぞれがそれぞれ、全部トータルで八千円というふうにしたわけでありますから、そこは幾つもの病院に通っておみえになる方もあったわけでありますので、若干高くなったかもしれませんけれども、私は、そうしたトータルで見ればそれほどの御負担にはならないと。
 しかも、多くの皆さん方はそう高額の病気にかかっておみえになるわけではありませんで、先ほど申しましたように五千円以下、自己負担が五千円以下が九七、八%になっておりますから、その残りの三%ぐらいな方がここに掛かってくるということでございますので、私は、中にはそういうケースもございますから、その皆さん方に若干の御負担を掛けるということはあるだろうというふうに思いますけれども、全般としては私はそれほど今回のこれによって多くの御負担を掛けるということはないと思っております。
#161
○井上美代君 今、一般で、大臣が、外来で三、四%という数字を言われました。これは九割のところからすれば三、四%というのは低いように……
#162
○国務大臣(坂口力君) 済みません。ちょっと数字間違って、申し訳ありません。九七%と言ったのは九四・七%でございますので、済みません。五千円未満のところが九四・七%。ちょっと失礼しました。
#163
○井上美代君 今の数字の訂正がありましたけれども、そのような数字というのを少ないと見るのか多いと見るのか、そこがあると思うんですね。
 私は、恐らく仕組みを変えたということが八千円が出てきたところではないかなと思っているんですね。だから、全体が上がっておりますので、低所得者に対して八千円ということで配慮をしたということなんだろうというふうに理解はしておりますよ。理解はしておりますけれども、納得はしていないんです。
 前は月額上限制でやっていたわけですよね。これからやるのは、今出してきている法律でやるのは、大臣が言われましたように、医療機関は複数になって、それを一緒に合算するということだと思うんですけれども、そして償還払としてその仕組みの中で全額を窓口で払っていくということになると思うんですね。
 高齢者の場合、先ほどは大臣は一般の方をおっしゃったんですけれども、高齢者でいけば、レセプトで見れば一・七だと思うんです。それで、多くの高齢者というのは今までずっと一つの機関に通っているわけですね。そんなにたくさんにあっちもこっちもというふうには行っていないわけですよね。だから、一・七というのは二か所に行っていないんです。二か所には行っていないんです。だから、三つも四つも行っているわけではないから少ないんですけれども、やはり一つの機関に通っている高齢者にとっては、自己負担の上限というのは三千二百円から八千円になるというのは、これはもう本当に避けることができない。この法案が成立したら、それこそ三千二百円から八千円に上がるわけですね、この外来のところで見ますと。大幅な負担増がやはり多くの低所得者、高齢者に襲い掛かるというふうに見なければいけないと思うんです。
 だから、そういう点で、私はとても、この高齢者の、低所得者のために八千円というのを置いたんだというふうに言われるんですけれども、それは納得いきません。そのように二・五倍も一遍に上げられたら本当に国民は生活できない。その実態が私が行きましたところでも叫び、叫びなんですね。もう、あんたは議員だからやらなきゃというふうに言われるぐらい物すごい叫びと怒りがそこにあったということを考えますときに、どんなにこれが大きな負担になるかということを私たち国会議員としては考えなければいけないんじゃないだろうかというふうに思っております。
 大臣、何かこの辺もう少し、いろいろ相当複雑なこれは制度だと思うんですよ。そういう中で八千円を入れてきておられるから、なお複雑になって大変なんですけれども、国民はこれを理解することさえできない、難しくってと思いますけれども、これをどのように、やはり低所得者対策だとお思いになっているんでしょうか。
#164
○国務大臣(坂口力君) 先ほど触れましたとおり、一定以上の所得のある方は上限が四万二百円なんです。そして、一般の方が一万二千円、そして低所得の人につきましては、これは第一、第二ありますけれども、両方合わせまして八千円というふうにいたしております。
 先ほど一・七というふうにおっしゃいましたが、そうしますと、お一人大体二か所弱掛かっているということになるわけでありますから、二か所掛かれば今まで六千円になったわけで、目一杯行けばの話ですよ。だけれども、現実問題としては、皆さん方が外来に掛かっておみえになりますときに、そんなに高くまで行くのは多くない。ただし、先ほど申しましたように、四七・五%ぐらいの皆さん方は今までも五千円を超えていたわけでありますから、その五千円を超えるような皆さん方に対しましては若干、その人が一か所に限って行っておみえになるということになれば、それは御負担を増やすことになるというふうに思います。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
#165
○井上美代君 私は、低所得者というのが本当にどんなふうにこの社会の中にいらっしゃるのかということに少し触れたいというふうに思います。
 高齢者は低所得者が多いのが特徴だというふうに思います。もちろん、お金がある方もおいでになることも事実です。生活保護水準でもある年間所得二百万円以下の世帯が全高齢者世帯の四割いらっしゃるわけですね。そして、二〇〇一年版の国民生活白書では、もう大変厳しい高齢者の生活について書いてあるんです。そして、所得が少なくても金融資産があればそれを取り崩しながら生活することができるが、実際は所得の少ない高齢者世帯は金融資産の保有額も低い傾向があるというふうに書いてあるんですね。私は、これは事実だというふうに思います。
 もう一つは、私、政府がついこの間発表されました高齢社会白書というのをずっと読んでいます。私は、特に女性の人たちがどんなふうに大変かというのがそこにリアルに書いてあるわけです。独り暮らしの女性高齢者は最も大変な人たちです。六十歳以上の男性の平均、六十五歳以上の男性の平均所得というのは三百十六万円です。じゃ、女性はというふうに見たときに、女性は百七万円です。男性の三分の一で暮らさなければいけないんです。そして、今やはり独り暮らしが大変増えております。私は、八千円がどんなに重いかということを、こういう人たちのことを思いながら考えております。
 Tさんというところを私はお訪ねしました。八十五歳、東京で独り暮らしをしています。収入は厚生遺族年金と障害者手当で月々八万四千円だけです、だけです。年間でほぼ百万円ですけれども、貯金は百五十万円持っているというので、通帳も見せてもらいました。そして、月々の支出というのは、家賃と公共料金、そして墓苑料、お墓ですね、それに一万四千円。介護保険料と利用料と、それから国保税、そして医療費で一万五百円でした。食料と雑費で四万円。この最低の生活費だけで六万四千円になるんですね。これを引けば手元に二万円残ります。これが日々の中でまた少しずつ消えていく。少しは旅行などもしたいと、こういうふうに言っておりましたけれども、収支はほとんどもう均衡して手元には残らないという、そういう状況の方でした。元気なうちにもっと旅行にも行きたいけれども、見たい芝居もあるがチケットが高くてとても我慢するしかないと。食費は今千円に決めて自分でやっているけれども、もう医療費が増えたら食費を削るしかないと、このように言われました。
 医療費というのは命綱だと言われているんですけれども、やはり女性の命が切られるということは、私としてももう耐えられないことですし、私は、女性の生活を引き上げるためにもこのような引上げはやめてほしいというふうに思います。
 一九九八年の国民生活基礎調査によりますと、年間の所得が百万円以下、貯金も百万円以下というこのTさんのような生活をしていらっしゃる人というのは一割弱を占めているんですね。貯金も二百万ぐらい持って、そして年間の収入も二百万円以下、貯金も二百万円、こういう人がどのぐらいおいでになるとお思いになりますか。二五%いらっしゃるんです。言ってみれば四人に一人ですね。だから、やはり相当大変なんだということがこれでも分かるわけなんです。
 だから、私は高齢者というのは非常に格差があると思うんですね。もう多様なお年寄りがいらっしゃるから、所得のある人もいるけれども、所得格差が非常に激しいというふうに思いますし、平均値だけでは絶対見ることはできないと、こういうふうに思います。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 所得も貯蓄も少ない高齢者がたくさんいるわけですから、そういう点でも私は、今回のこの引上げという、しかもそれを低所得者のためにこれを八千円にしたんだというそこのところは私はもっと下げてほしいというふうに思うんです。高齢者のことを考えながら下げてほしいというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#166
○国務大臣(坂口力君) 様々な立場の方がおみえになりますから、今、委員がお挙げなりましたような立場の方もやはりおみえになるんだろうと、率直にそう思いながら聞かせていただいたわけであります。
 所得は少ないけれどもお子さんからの仕送りで生活をしておみえになる方もございますし、それから本当に、今御指摘になりましたように、本当に仕送りもないし、そしてただ年金だけで生活をしておみえになる方もあるし、それは私は様々あるだろうというふうに思っております。
 それで、今お話がございましたように、医療にも要る、そしてまた介護にも要る、そうしたものを保険料や、あるいは医療に掛かる、それでそういう方はトータルで一体どれぐらいになるのか、これはトータルだと思うんですね。医療に要ります、介護に要りますというようなことがトータルだと。それで、それぞれの低所得の皆さん方でトータルで、そうしたことがトータルで多く掛かる人に対しまして、トータルでそれを抑制をしていこうという制度を作りたいというふうに思っているんです。これは医療だけではない、介護の問題もあるでしょう。そうしたトータルでどれだけ掛かられるか、そのトータルで見まして、多く掛かられる皆さん方に対してそれを抑制する制度、そしてその皆さん方が堪え得る制度を作っていきたいというので、その項目につきましてもこの附則の中に入れてあるところでございまして、早急にその内容を詰めたいというふうに思っているところでございます。
#167
○井上美代君 私は、トータルでトータルでとおっしゃるんですけれども、資料の中に入れました。資料の裏側に「高額医療費の計算例」を入れました。これがトータルというものだと思いますけれども。
 私は、トータルでやるとおっしゃるのであれば、まず私は低所得者の医療費を下げることだと思うんですよ。もう上げないということだと思いますよ。だから、それを先にやってくださいよ。そして、トータルもどうなるか分かりませんけれども、私は、先ほどから坂口大臣の、安定的医療とか重い病気が治療できるようにとかとおっしゃるけれども、それは私も願っていることですよ。だけれども、今のようなお話では到底そういうふうにはならないと思うんです。
 だから、そういう意味で、私はまず低所得者、これはもう何%という数字がしっかりと握られているわけですから、そこを上げるようでは本当に今の政治に期待は掛けられないわけです。だから、そういう意味で私は、そこをもう本当に下げて低所得者にきちんと対応をしていく、対策を取っていく、これをやってほしいと思います。大臣、いかがでしょうか。
#168
○国務大臣(坂口力君) この裏に書いていただいてあります数字というのは、これは高額医療費の計算例でありますから、これは全然違いますね。これは全然違います。
#169
○井上美代君 はい、分かりました。失礼しました。慌てていて、時間がなくて。
#170
○国務大臣(坂口力君) ですから、今御指摘になっております点につきましては、だから医療費も介護も必要なんでしょう。だから、中には、ある程度医療費も要るしある程度介護も要るしという方もあれば、介護は要らないけれども医療費だけたくさん掛かるという人もあるし、医療費は要らないけれども介護だけたくさん掛かるという人もあるでしょう。だから、それをトータルで見て、そしてその皆さん方に堪え得るような制度を作ろうと、こういうことを言っているわけですから、そんなにしかられることではないと私は思いますが。
#171
○井上美代君 トータルにして少し楽になる人もいらっしゃると思いますことは確かですが、そのために低所得者の方々をやはり足げにして踏みにじってやっていくというわけにはいかないと思うんです。低所得者は支援されなければいけないし、救出されなければいけないと思うんですね。だから、副大臣が頭をかしげられましたけれども、是非そこのところを考えていただきたいというふうに思います。
 私は、次の老人医療費への国庫負担の問題についてお尋ねをしたいというふうに思います。
 四月に自民党の丹羽前厚生大臣がテレビ番組の中で発言をされました。その中で、七十五歳以上の高齢者をまとめて独立した高齢者医療制度を新たに作るということを、案を示しています。それによりますと、この健康保険は、政管健保の被扶養者になっている高齢者三百万人を含めて一千万人以上いらっしゃるということで、新たな保険料の負担が課せられるということを言われております。
 私は、高齢者の医療を考えるに当たっては、やはり、先ほどからいろんな方もおっしゃっておりますけれども、国がどう責任を果たしていくのか、特に国庫負担をどうするのかということ、これをしっかりと出していく、国庫負担を負担していくということが大事だというふうに思うんですね。
 そこで、一九八〇年代以来の国庫負担、老人医療費に対する国庫負担の割合がどうなっているのかということを参考人にお聞きしたいと思います。
#172
○政府参考人(大塚義治君) 老人医療費に係る国庫負担でございますけれども、現在の仕組み、御案内のとおり、拠出金という形で各保険者から拠出をお願いする部分がございます。それに対する国庫負担というのも別途ございますから、これらを合わせて申し上げたいと存じますが、一九八三年、昭和五十八年に、金額で申しますと国庫負担額総計で一兆四千八百八十九億円でございます。一九九九年、平成十一年でございますけれども、介護保険の施行前でございますが、四兆五百四十八億円でございます。したがいまして、約二・七倍でございますが、平成十四年度の予算におきましては三兆七千八百三億円でございますけれども、これは、ただいま申し上げました十一年度の数字とのギャップは、介護保険の方にかなりの部分が移っておりますので、そういう数字になっているわけでございます。
 計数を申し上げれば以上のとおりでございます。
#173
○井上美代君 今、割合を言ってくださいましたか。割合を言ってほしいんです。
#174
○政府参考人(大塚義治君) 大変失礼をいたしました。
 老人医療費に占める国庫負担の割合、ただいま申し上げましたような前提、すなわち拠出金に関するものを含めて申し上げますと、一九八三年、昭和五十八年が四四・九%でございます。それから、一九九九年、平成十一年、介護保険施行前でございますけれども、三四・四%でございます。それから、今年度、十四年度予算におきましては三三・一%という数字でございます。
 当然のことながら、この前提は、制度が変わっておりますので、単純に率だけで申し上げますと今のとおりでございますが、この間、様々な制度の改正がございますので、その点を前提にした上での数字というふうに御理解をいただきたいと思います。
#175
○井上美代君 今言われましたけれども、一九八三年ごろからは二十年間ぐらいで大体国庫負担というのは一〇%以上下がっております。
 今回の制度改正で、二〇〇七年度に向けて七十五歳以上の高齢者の公費負担を現在の三割から段階的に五割に引き上げていくということになっているわけですね。国庫負担を引き上げていく方向のように見えるんです。三割から五割にするというふうにおっしゃるから、びっくりして喜んでというふうになるわけなんですけれども、七十歳以上の医療費で見ますと、今回の制度改正をした場合と現行制度のままで行った場合、二〇〇七年度の段階で国庫負担の割合はどうなるかということを教えていただきたいと思います。
#176
○政府参考人(大塚義治君) 何に占める割合かということをまず前提に申し上げなきゃなりませんが、一つには給付費、言わば保険料その他でカバーすべき給付費に占める国庫負担割合というのが一つございます。それで申し上げますと、現行制度のまま平成十九年度に移行するといたしますと、給付費に占める割合が三六・三%でございますが、今回の制度改正によりまして三七・〇%ということになるわけでございます。
#177
○井上美代君 七十歳以上の高齢者に占める割合、医療費に占める割合というふうに私、申し上げたんですけれども、それで計算していただきたいと思いますが。
#178
○政府参考人(大塚義治君) ただいま私、申し上げました数字は、給付費に対する比率、給付費におけるシェアを申し上げました。
 同様の前提におきまして、すなわち、現行制度がそのまま平成十九年度に行った場合、制度改正をした場合のシェア、七十歳以上の医療費について申し上げますと、今度は医療費に対するシェアということで申し上げますと、端数が若干ございますけれども、数字といたしましては、現行制度、制度改正後、いずれにおきましても三三・四%という数字でございます。
#179
○井上美代君 今言われました三三・五%ということで、四%ですね、これは、言ってみれば現行制度は三三・四%ですから変わらないということなんです。国庫負担は下がったまま変わらないということなんですね。要するに、もうほとんどこの国庫負担割合は変わらないわけですから、結局ここに患者負担増が国民に強いられていくというふうになるわけなんです。
 私は、高齢者の負担増を言う前に、やはり高齢者の医療について、国庫負担割合を元に戻すという方向で計画的に引き上げていくということをやはりきちんと見通しあるようにしてほしいというふうに思うんです。特に高齢者医療についてこれをやってほしいわけなんです。そういった方向こそ私は、大臣自身が言っておられるその希望も満たせるんじゃないでしょうか。医療制度改革の中で本当に進めるべきはそこだというふうに思うんですよ。だから、国庫負担を高齢者については上げるということで御答弁願いたいと思います。大臣。
#180
○政府参考人(大塚義治君) 大臣からの御答弁の前に一言、先ほどの御説明で補足をしなければいけないと思っておりまして、それを前提での御質問かとは存じますけれども、老人医療費に占める割合が変わってきたことを御指摘でございました。私、計数だけを申し上げましたけれども、例えば老人医療費、老人保健制度における公費負担割合は、当然のことながら制度創設以来変わっていないわけでございます。
 お示しの老人医療費全体に占める国庫負担の割合の変化というのを単純に数字で申し上げましたけれども、この間には、一つには老人保健制度が制度発足当時とその後、例えば老人医療費拠出金の按分率も大きく変わっておりますし、また平成十二年には介護保険制度が導入されました。老人保健制度に占める国庫負担の、公費負担の率は変わっておりませんし、また、これを支える拠出金に対する、例えば国民健康保険の拠出金に対する国庫負担の率も変わっておりませんし、同様に、政府管掌健康保険が拠出する拠出金についての率も変わっておりません。
 しかしながら、ただいま申し上げましたような制度全体の枠組みが変わることによってその計数、シェアが変わってきたということを補足して申し上げたいと存じます。
#181
○国務大臣(坂口力君) 国庫負担でというお話でございますが、国庫負担をするということは、これは国民の皆さん方に税でお願いをするということに言葉を換えればなるわけでございます。それが果たして許されるかどうかということもあるわけでございますが、この公費だけを見ましても、平成十四年度の現行制度で、現在、公費四・九兆円。これは老人医療に対してですよ。老人医療費に対します公費は四・九兆円。これがこの制度改正後は、平成十九年度でそれでも六・四兆円に増えるわけであります。現在、全体に占めます公費の割合は四二・三%でございますが、十九年度には五一・七%と増えるということでございまして、かなりこの公費は増えていくということでございます。現状のままで行きましたらもっと増えるということでございます。
#182
○井上美代君 私は国庫負担をやはり引き上げてほしいと。高齢者に対してこのままではいかないと思いますよ、もう高齢者は本当に大変になってきますから。だから、私は、国庫負担を引き上げるということをきちんと決めていただいて、それは、考えてみれば、薬剤費の中の無駄をなくすとか、それから予防医療の充実などで国民負担は十分回避できるというふうに考えています。
 今回の政府案は、安心して医療に掛かる国民の権利を奪っているというふうに思うんですね。そして、国民皆保険ということをもう繰り返し繰り返し言っておられますけれども、私は、このままで行けば皆保険は崩れてしまうというふうに思うんです。だから、断固、私は今度のこの問題について、もう撤回すべきだというふうに思います。
 時間がなくなってしまいましたけれども、私は、もう一つ質問をしたかったのは償還払制度についてです。
 午前中も出ておりましたけれども、償還払ということでやはり、私は先ほど間違ってこの資料の裏のを言ってしまいましたけれども、これで合算していくんですね。そして、世帯ごとに見ていくということなんですけれども、これは何しろお金が相当要ると、もう予想が付かない。だから、経済的な問題、そして寝たきりの老人が本当に増えていくんです。そして、単身でヘルパーさんをお願いしながらやるような人たちにどうしてこの手続、複雑な手続、計算だけでも大変ですけれども、そういうものをどうしてやっていくということができるのか、可能だと思っているのか。そして、これは、聞くところによりますと、何しろ相当の負担をして医療費を支援してあげるんだから、それを自覚するようにということでこれをやったというふうにも聞いておりますけれども、そのようなことについて御答弁をいただきたいと思います。
#183
○政府参考人(大塚義治君) 今回の仕組みの変更につきましては、午前中の御審議を含め、度々出ておりますので御答弁を省略さしていただきますが、医療費をどの程度掛かっているかを認識してもらうためにというようなことではございませんで、先ほど来大臣からも御答弁申し上げておりますように、各医療機関を合算してその限度額を超えた場合に償還をするという仕組みを考える、そういう仕組みに移行する以上、どうしても償還の手続ということになるわけでございまして、これも繰り返し申し上げておりますが、その際に、高齢者ということもございますから、できる限り高齢者の事務的な御負担を軽減するという方向で市町村あるいは関係機関とも御協力をいただき、御協議をしながら、高齢者の事務負担に、過大な負担になりませんように更に詰めてまいりたいと考えております。
#184
○井上美代君 今、御答弁いただきましたけれども、これはこれから自治体等にも頼んでというようなことを考えておられるのだろうと思うんですけれども、私は何しろ表を見まして、自分ももう本当に計算できないんですよ。大変な複雑な計算ですね。これをどうしてお年寄りに理解するように話ができるんですか。自治体に対しても理解ができないということで問い合わせがたくさん来ているというじゃありませんか。こんな難しいことをやって高齢者を痛め付けるということ、私は断じて許されないというふうに思うんです。これももう撤回するしかないというふうに思います。
 そのことを申し上げて、終わります。質問を終わります。
#185
○西川きよし君 西川でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、まず、本題に入る前に、ポリオ感染のことについてお伺いをいたします。
 先月十一日の産経新聞でございますが、このような報道がされておられました。
 ポリオの生ワクチンで予防接種を受けた二歳の長女の父親、大阪の方ですが、三十九歳、手足のしびれなどを訴え、京都市の病院でポリオと診断されていたことが十一日に分かった。父親は現在も麻痺が残り、リハビリ中という。父親は海外の渡航歴はなく、長女の体内で増殖したウイルスがおむつを替えるなどした際に二次感染をした可能性が高いんではないか。厚生労働省などは、発病判明が遅れて本人や長女からウイルスが検出できなかったため、二次感染と断定できないとしている。父親はワクチン接種を受けていなかった、このような内容の報道がございましたが、まず事実関係を政府参考人にお伺いしたいと思います。
#186
○政府参考人(下田智久君) 御指摘の事例につきましては、昨年十月、ポリオの生ワクチンの接種を受けました子供の父親が麻痺症状を呈しまして、ポリオが疑われたという事例でございます。
 本件につきましては、日本ポリオ根絶等委員会というのがございますけれども、その場におきまして、本年一月から、症状、麻痺の原因等につきまして予防接種との因果関係を含めて総合的な検討がなされてきたところでございます。
 現時点におきましては、本例は、ウイルスそのものを分離できなかったといったことから確定診断にまでは至っておりませんけれども、ポリオ生ワクチンによる二次感染が強く疑われるという点で専門家の間では意見が一致しているところでございます。
#187
○西川きよし君 このケースは、昨年の十月中旬に長女がポリオワクチンを経口接種いたしまして、そしてその父親が十一月の十日に発症、十二日に大阪市内の病院を受診、十四日に緊急入院。その後、十二月の十日、京都市内の病院へ転院、翌日、十一日に京都市内の病院から京都市に情報提供されております。
 この発症から京都市に連絡されるまでに一か月もの期間が経過をしておったわけですけれども、なぜ一か月も掛かったのかと大変大きな疑問を持つわけですけれども、この場合、本人からウイルスが分離されなかったためポリオとは確定されていない。また、子供からの二次感染であることを特定することができなかったとのことですけれども、聞くところによりますと、二週間から約一か月の間に検査をしなければウイルスが検出をされないこともあるということでございます。
 今回は正しく検査をする時期が大変に遅れたわけなんですが、この辺りの医療機関としての対応の在り方というのは、情報提供等々が徹底をされていないのではないでしょうか。また、その他の検査方法による診断はできないのかどうか。そういった点も是非今日、本日お伺いしておきたいと思います。
#188
○政府参考人(下田智久君) 我が国を含めましてポリオ根絶を達成した国におきましては、臨床医がどうしてもポリオ自体を間近に診るという機会が減ってまいります。そうしたことから、ポリオの迅速かつ的確な診断を行うことがだんだん困難になってきつつあるというふうに聞いておるところでございます。
 ポリオの診断につきましては、臨床症状あるいは画像診断といった補助的診断、補助的な診断の手段として幾つか有用なものはございますけれども、どうしても確定診断にはウイルス分離が必要であるということでございます。
 今回の事例につきましては、どうしても臨床現場での診断が遅れておったと。こういったことからウイルス分離ができなかった、そして確定診断には至らなかったと、こういうケースになろうかと存じます。
 こうしたことから、厚生労働省といたしましては、ポリオの迅速かつ的確な診断に結び付けるために、ポリオが疑われる事例が発生した、こういった場合には地方衛生研究所あるいは国立感染症研究所によります相談・助言体制を整備する、あるいは直ちにウイルス分離等をお手伝いをすると、そういったことをやってまいりたいと思っておりますし、また、医療従事者への予防接種副反応を含めましたポリオに関します正しい情報の提供を行っていきたいと、このように考えておるところでございます。
#189
○西川きよし君 よろしくお願いを申し上げます。
 これまでにも何度か私も質問をさせていただいたわけですけれども、これはやはり患者の立場としては、その麻痺なり症状がまさか子供のポリオワクチンと結び付くかと、そこまでの知識は一般的には本当に難しいことだというふうに思いますし、そこは医療機関の初期判断、初期対応というものを徹底していただかないといけないと思います。
 そこで、こうした二次感染によりまして健康被害に遭われた方に対する救済の問題でございますけれども、現在の予防接種法では、被接種者、つまりこのような場合ですと子供さんについては救済をされるけれども、お父さんのように、今回の場合のように二次感染されたお父さんの場合に、この救済、いわゆる救済対象とされておりません。この点について、衆議院の御議論の中では、この第二次感染の救済についても検討されるというような御答弁を、これは宮路副大臣、されておられますけれども、これは具体的にどのような問題認識で、いつ、どの機関で検討されるのか、それから不活化ワクチンへの転換についてのお考えも併せて本日御答弁をいただきたいと思います。
#190
○国務大臣(坂口力君) 今、御指摘をいただきましたように、現在、日本で使われておりますポリオワクチンはいわゆる生ワクチンと言われているものでございまして、ポリオウイルスを弱毒化したものでございます。したがいまして、いわゆる被接種者のふん便等に排出されましたウイルスを取り込みました者が、ポリオの予防注射をその人がまだ受けていなかったといったようなときには、極めてまれではありますけれども発病することが報告されているところでございます。
 大阪で起きました不幸な件もその中の一つにあるいは数えられるのかもしれません。
 現在の予防接種法におきましては、予防接種によりまして健康被害が起こりましたときには、その人に対しまして、その人を対象として対応することは考えられておりますけれども、いわゆる二次感染の人まで対応することになっていないと、こういうことでございます。
 こうした議論が行われましたので、一つは、現在の生ワクチンを不活性化ワクチンに替えようと。今までは、不活性化ワクチンにしますとその抗体のできる程度が少し下がるんではないかとかいろいろの議論があったわけですが、諸外国がこの不活性化ワクチンで十分その能力を発揮しているというふうに主張しておりますし、私たちもそうしたことをやはり十分配慮して、日本におきましてもこの不活性化ワクチンへの移行というものを検討しなければならないということで、そういう方向性を持ちまして今検討に入っているところでございます。
 もう一つは、二次感染の場合のその被害者をどうするかという問題がございまして、この問題につきましても併せて今検討に入っているところでございます。
 その他の二次感染の問題等もございますので、それらをひとつ同じに行うことができるのか、それとも、このポリオワクチンの場合にはほかの薬剤とは少し違いますので、これは特別な法律が必要なのか、その辺も今検討に入っているところでございまして、早く国民の皆さん方に安心をしていただけるような体制にしなければならないと決意しているところでございます。
#191
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。
 第二次感染者に対して救済措置が取られるにしましても、このように検査が遅れたり、その結果、因果関係が特定できないということでは何ら意味がないわけでございますので、どうぞその辺りの医療機関への情報提供あるいは接種をされる親御さんに対する注意の喚起等々よろしくお願いを、対応をまた徹底していただきたいというふうに思います。
 それでは法案に入らせていただきます。
 本日、私の方からは老人医療費の伸びを適正化するための指針についてまずお伺いしたいと思いますが、この部分については、これまでの過程の中で厚生労働省として伸び率管理制度を提案をされてこられました。しかし、これまでの御答弁によりますと、様々な批判なり指摘があったことで時期尚早という判断をされたということでございましたが、この批判なり指摘なりというのは具体的にはどういったことであったのか、御答弁いただきたいと思います。
#192
○国務大臣(坂口力君) 昨年の九月でございますが、厚生労働省の試案を作りましたときに、高齢者数の伸び率に一人当たりのGDPの伸び率を乗じまして、掛けまして目標値を設定をする、そして当該年度の伸び率が目標値を超過した場合には次々年度、次の次の年度の診療報酬支払額を調整することを内容とするいわゆる伸び率管理制度というものを提案をした経緯がございます。
 しかし、この伸び率管理制度につきましては、政府・与党社会保障改革協議会等の中でも、伸び率管理の手法をめぐりまして、例えば医療の必要性よりも経済のみを優先させていけば医療の質の低下を招くおそれがあるといったことでありますとか、老人医療費の水準や伸び率の地域格差、医療機関の種類や診療科目などの医療費の伸び率の違い等もある、そうしたことを考えると一律に調整することは不平等ではないかといったような御意見、それから、例えばインフルエンザが大変流行したといったようなことになりましたときに、医療機関に責任のない医療費の増加分までこれは調整をしてもらうことになるのかといったようなこと等がございまして、一応この伸び率管理制度というものについて考え直す、もう一遍再考をするということに現在なっているわけでございます。
 そして、最終的には、昨年十一月に先ほど挙げました協議会で取りまとめられました医療制度改革大綱、この中では、老人医療費については指針を定め、その指針を遵守できるように有効な方法を検討し実施すると、こういうふうに決めたところでございます。
 でございますので、指針を決めるということになっておりまして、現在まだここに着手をいたしておりません。どのような形にしたら最も妥当性のあるものになるのかといったことも含めましてこれから検討をしたいというふうに思っているところでございます。
#193
○西川きよし君 そこで、この適正化というのはどういうことが適正化とされているのかを引き続き具体的にお聞かせをいただきたいと思います。政府参考人、よろしくお願いします。
#194
○政府参考人(大塚義治君) 適正化という言葉自体の意味を具体的に規定するというのはなかなか難しゅうございますけれども、その基本的な背景といたしましては、今日、医療費の伸びの大宗を高齢者医療費の増が占めるという状況がございますし、そのまた背景には、高齢者の医療費が若い世代の五倍というような状況になっている。諸外国でも、当然のことながら高齢者の方が医療費は高いのでございますけれども、やはり日本の場合には諸外国と比べても老若の差がかなり大きいというふうに言われておるところでございますし、さらに、今度は医療費の伸びの要因を分析してみますと、高齢者の増による医療費の増加というのはこれは避けられないところがございますけれども、その単価に当たります一人当たり医療費の伸び自体も、現状におきましては若い世代の伸びよりも高齢者の方が高いというような状況は幾つかございます。
 こうしたことを考えますと、前提といたしまして高齢者の増加に伴う医療費の増大は避けられないにいたしましても、極力これをノーマルなといいましょうか、医療の質を確保しながら極力伸びが緩やかなものになるようにということが基本でございます。
 では具体的な数字で、あるいは具体的な量でということはなかなか難しゅうございますが、少し長いスパンで見なければならない課題でもございますので、要は若い世代との状況あるいは医療の質の変化ということを勘案しながらできるだけ老人医療費の伸びを緩やかなものにしていく、それがひいてはそれを支える国民全体の負担の軽減につながる、こういう考え方でございます。
#195
○西川きよし君 その指針の内容ですけれども、以前、衆議院で大塚局長が答弁をされていた一つに、健康づくりの、疾病予防施策、それから医療提供体制、高齢者のつながりですね、そして高齢者医療費の適正化、こうした内容を挙げておられましたんですけれども、この健康づくり、そして疾病対策について更に詳しくお聞かせいただきたいと思います。
#196
○政府参考人(大塚義治君) 衆議院の御質疑におきまして、今後具体的に地方自治体の関係者などの御意見あるいは有識者の御意見なども聞きながら固めてまいらなければならないと思いますが、現時点における幾つかの柱を申し述べたところでございます。その中に、今御指摘のございました健康づくり、疾病予防というような柱、それから医療提供体制の効率化といったような柱、あるいは保険運営の効率化といったような柱、幾つかあるだろうと、こういう柱を申し上げたつもりでございます。
 健康づくり、疾病予防につきましては、よく長野県の例が引き合いに出されますように、長野県におきましては老人医療費が全国で最も低い水準でございますが、一方で例えば平均寿命などは高い、こんなことを言われておりまして、その一つの、様々な要因ある中の一つに、昔から地域における保健活動、ヘルス活動、健康づくり、疾病予防活動が盛んであるというようなことも言われております。
 そのほかにも、例えば数字の面から見ますと、いわゆる平均在院日数が短い、これは地域における、言わば在宅における医療あるいは医療を含む高齢者への在宅対策が充実しているとか、いろんな要素があると言われておりますが、そうしたことも参考にしながら地域で地道に取り組むということがやはり基本になるんだろうと思っております。
 それだけに、市町村あるいはこれを含む都道府県といった地方自治体の御協力も相当得なければなりませんので、今回、また国としても健康増進法というようなものも提案をさせていただいておりますので、その実施というものと併せながら、かなり地方自治体の御協力も得て、お互いに相協力して、高齢者の医療費の、先ほど御質問のございました適正な伸びあるいは適正な医療の確保ということを念頭に置きながら指針を定めてまいりたいと考えております。
#197
○西川きよし君 ありがとうございました。
 少し、よう分かったような分からないような何ですけれども、もう少し高齢者の健康づくりとか疾病予防とかというような観点からのお話も聞きたいような感じではございましたけれども、できる限り、みんな年を取っていくわけですから、お年寄りはできる限り健康で元気でやっぱり御活躍いただきたい、それが基本中の基本であると思うわけですけれども、やはりそのためには高齢者の健康づくりあるいは疾病予防なり介護予防対策を強力に進めていく、そうした地道な取組こそが必要ではないかなというふうに今私は思うわけですけれども。
 例えば長期入院の問題、それから外来医療においても多受診でありますとか頻回受診といったことが老人医療には大きな影響を与えているというふうに言われておられるわけですけれども、そういう意味では、老人保健事業で言われている例えば健康手帳、健康教育・相談、健康審査、機能訓練、そして訪問指導と言われるこの六事業の一層の充実を図ることが重要になるというふうに思います。
 現実に、老人保健事業なり介護予防、疾病予防を積極的に取り組んでいる地域は医療費を減らすことができているわけですけれども、今も局長さんの方から御答弁がありましたけれども、長野県であるとか淡路島の五色町であるとかというようなところもあるわけですけれども、ここは強力にこういったことを進めていただくべきだと思います。
 この辺りの基本的な認識をひとつ厚生労働大臣に御答弁いただけたらと思いますが。
#198
○国務大臣(坂口力君) 健康づくりのための政策というのは様々なことが出されているんですが、これはやっぱり国民の皆さんにそれを実施していただいて初めて効果の上がることでありますから、実施のできないようなことをどれだけ言いましても、これは駄目なんですね。ですから、本当にそれが実行に移してもらえるかどうかということが最大のポイントだというふうに思います。
 あるがんの先生が、二時間に及んで口角泡を飛ばしてがんの予防の必要性を説いて講演をなすって、その終わった後、そこに来ている聴衆の皆さん方に、あなたはがん予防のための検診を受けますかと言ったら、受けるという人は三〇%しかいなかった、それでその先生も愕然としたというお話を聞いたことがありますけれども、知識として分かっていてもそれを自分が実施に移すかどうか、これはまた別な話でございます。
 そこが一番大事なことでございまして、生活習慣病という慢性の疾病が非常に増えてまいりましたし、これはそれぞれの方がやはり毎日毎日の生活をしていただいているその積み重ねによって起こる病気でありますから、そこがどこかにひずみがありますと、そこで生活習慣病ができてくるということであります。だから、一人一人に対しまして、それが、あなたはどこにひずみがあるかということをやはり話し合う人たちが必要だと思うんです。
 長野県のお話が出ましたが、長野県は医者の数は少ないんですね。全国で三十七番目なんです。四十七都道府県で三十七番目。少ない。少ないですけれども、保健婦さんが多いんですね、保健婦さんが。全国四番目ぐらいで保健婦さんが多い。私は、これが、これがと言うと、いや、しかられますが、保健婦さんじゃない、保健師さんですね、失礼しました。保健師さんの多いのが私は非常に長寿、そしてお元気、医療費の低下、そこに私は役立っているんではないかと思います。これは、それだけ一人一人の皆さん方に合ったそういう指導をこつこつとやはり積み重ねられているのではないかという気がいたします。
 そういうふうな意味でございますから、午前中にも田浦先生がおっしゃいましたように、医療あるいは予防というのはこれはマンツーマン、人の問題でありますから、そこにこつこつとしたそうした努力が払われているかどうかということが医療費に私は結び付いてくるというふうに考えております。
 したがって、その辺のところは、医療費は少なくなったけれども、あるいは市町村がそういう保健師さんを雇ったり、その他のことにいわゆる予算を組んだりして、予防、健康増進、あるいは疾病予防といったところにかなりこれはお金を使っているのかもしれないと思って、これはよく聞いてみないと分かりませんけれども、そうしたことが大事ではないんだろうかというふうに私は考えております。
 したがいまして、厚生労働省が一律に全国に対しましてこうやろうというようなことを言ってはいけないので、それぞれの地域に見合いました対策というものをそれぞれの地域も一緒になってどう作り上げていただくかということ、そのことに対して国がどう支援をしていくかということが一番課せられた課題であって、大事なところであると思っている次第でございます。
#199
○西川きよし君 御丁寧に分かりやすく御答弁ありがとうございました。
 本当に今回の大きなテーマとなっております後期高齢者の増加、そしてここのところの医療機関の機能分化、そして介護保険によるサービスも含めまして、どのようなときにどのような医療機関なりサービスを利用していいのか、余りにも複雑になり過ぎていると申しましょうか、なかなか適切な利用の仕方がやっぱり分かりにくくなっていることも否めないと思いますし、先日も、地元の大阪の方の地域ではございましたけれども、ある地域で広報活動をやりたいので西川さんも呼び掛けに協力してくれぬかというふうに依頼を受けたことなんですけれども、スケジュールが合う限りやらせていただこうと思っておりますし、本当に複雑化しているのではないかなというふうに思います。
 この場合、この老人保健事業の訪問指導なり、そして介護予防支援事業などを通じてしっかりと個々の高齢者に対する指導、支援をしていかないといけないと思いますし、結果、健康状態が維持できずに医療費の高騰につながっていくわけですから、この訪問指導については特にしっかりとした対応が必要ではないかと思うわけですけれども、この訪問指導でありますけれども、この訪問指導の取組の内容、被指導人員のこれまでの推移についてお聞かせをいただきたいと思います。
#200
○政府参考人(堤修三君) 老人保健事業のメニューの一つとして訪問指導という事業がございます。これは療養上の保健指導が必要な方やその御家族に対しまして、保健師さんなどが訪問をして、その健康に関する問題を総合的に把握をした上で、例えば介護を要する状態になることの予防、例えば閉じこもり、転倒の予防ですね、そういったような介護予防、あるいは生活習慣病の予防など、心身の機能の低下の防止と健康の保持、増進を図るという目的で全国の市町村で行われております。
 全国で大体二百万人以上の延べの対象者の方々を対象として行っておりまして、必要に応じまして医療機関に対する受診の勧奨、あるいは介護保険サービスの紹介、あるいは連絡調整、あるいは引き続き保健指導を継続をして行うといったようなことをやっております。
 最近の保健指導、訪問指導を受けられる方の推移でございますけれども、平成九年、十年は約二百八十万人ぐらいの延べでございますが、延べ人数でございます。平成十一年が若干減りまして二百五十万、平成十二年度が二百十万というのが大体延べ人員の最近の推移でございます。
#201
○西川きよし君 ありがとうございました。
 そこで、平成十一年度、十二年度の被指導員が大幅に減少しておるわけですけれども、これはまあ介護保険の影響もあったと思うわけですけれども、この辺りの、介護保険との実情というのはいかがなものでしょう。
#202
○政府参考人(堤修三君) 介護保険制度の導入に伴いまして、介護保険制度のメニューの中にございます例えば訪問看護ですね、訪問看護などは訪問指導と重複する部分もございますので、訪問看護が利用できるような方は介護保険の訪問看護を使うといったようなことの指導をしております。
 そういうことで、十二年度は、介護保険で訪問看護などを利用した方について、訪問指導の対象から外れて被指導者、被指導の延べ人員が減ったのではないかと思います。
 平成十一年度も若干減っておりますが、これは恐らく、推測でございますけれども、介護保険スタート前夜ということで要介護認定等の準備に市町村の保健師さんなども駆り出されて、大変忙しくて訪問指導まで手が回らなかった部分が一部あるのかもしれません。
#203
○西川きよし君 ありがとうございました。
 ただ、この訪問指導となりますと、現場の声といたしまして我々が耳にいたしますのは、介護保険の対象となる方については要介護認定をお受けになりますからこの実態も把握できるわけですけれども、その一歩手前の方であります、その一歩手前の状況にある方は、こうした方々の実態の把握が、特に都市部の方ですね、難しゅうございます。大変に難しいという声をお聞きいたしますし、その一方で、そうしたお年寄りや家族側にとりましても、要介護認定を受けていれば、ああそうだ、ケアマネジャーさんに相談をすればいいというふうにお感じになるわけですけれども、そうでない場合は今度はどこに相談をすればいいのかなというふうに悩んでおられる方もよく耳にもいたしますし、聞きます。
 この辺りのマッチングというものがうまく機能していないのではないかなというふうにも思いますし、そうしたことを日々の生活の中では感じる人がたくさんおられますけれども、この辺りはどういう御答弁になりますでしょうか。
#204
○政府参考人(堤修三君) 今、先生御指摘のように、訪問指導の対象で要介護認定に至っていない、要介護状態になっていない方であっても、心身の状況とかあるいは居住環境とか、そういうことからして療養上の保健指導が必要な方というのもいらっしゃるわけでございますので、そういう方に対して支援を行っていくという意味でもこの老人保健事業の訪問指導の機能、役割というのは十分まだあるんだというふうに考えております。
 実際の訪問指導に当たりましてはどういうふうに対象者を選んでいくか、探していくかということでございますけれども、私どもは、まず、市町村に今対象者の名簿を整備をしていただくということをお願いをしております。そのきっかけは、本人や家族からの御相談がある場合、あるいは健康診査、あるいはそれに基づく健康度評価の事業、そういうものに伴って、ああこの方は指導が必要な方というのをピックアップするということもございますし、あるいは医療機関や福祉関係機関などから依頼を受けるというようなこともございますので、そういう様々なチャネルを通じて対象者を把握し、名簿をきちんと作っていただくということを市町村にも指導といいますか助言をしているわけでございます。
 やはり関係機関との連携を上手に取るというのが大変重要なことでございますし、介護保険の対象外の方もちゃんと訪問指導の対象になるんだよということを更に周知徹底をしていきたいと考えております。
#205
○西川きよし君 大変難しいことではありますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、この保健事業の第四次計画ですけれども、第四次の計画も平成十二年からちょうど折り返し地点を過ぎたところでありますけれども、これまでの事業実施の評価あるいは今後の見直しの必要性があるのかないのか、今後の対応の在り方も含めて、これは厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。
#206
○国務大臣(坂口力君) この保健事業の第四次計画といいますのは、平成の十二年から十六年という間にこれは行うという四次計画でございます。現在、これ進行をさせているところでございますので、今はまだ完成しておりませんから、現在の時点で見直すというところまで正直言って至っておりません。この四次計画をまず着実に遂行し、そして成果をできるだけ上げたい、そういうことで今、皆一生懸命になっているところでございます。
 この四次計画におきましては、個別の健康教育の導入などによります、先ほどからも申しております生活習慣病、この改善等を通じました疾病予防対策、それから介護を要する状態になることを予防する対策といったようなところに力点を置いているところでございます。こうしたところを是非成果が上がるようにしていきたいというふうに思っておりますし、ここはしかしなかなか先ほどからお話ししておるように難しいところなものでございますから、十分な成果が上がらないということになればまた新しい角度からここを、どうすればこの成果を上げることができるか、これはもう成果を上げなきゃいけない部分でございますので考えなければならない。今現在のところは、ただしこの四年間やるべきことをしっかりやりたいと、こう思っているところでございます。
#207
○西川きよし君 ありがとうございました。
 次に、これは医療費の適正化ということから議論する事項ではないかも分かりませんけれども、あえて本日、皆さん方にお伺いしたいのは、高齢者の終末期ですね、終末期の医療の在り方、大変大切なことだと私自身考えております。是非お考えを、御答弁を拝聴したいと思うわけですけれども。
 いつも当委員会におきましては、我が家は年寄りが多いとか、年金、保険、たくさんお便りをいただくとかいうようなことで質問をさせていただいておりますが、我が家は四世代、生活をさせていただいているわけですけれども、度々例に出していろいろと質問をさせていただくわけですが、僕の父親、家内の母親。
 家内の母親は、約三十五年、一つ屋根の下で生活をしまして、今年の一月の十九日に亡くなったわけですけれども、年老いてからも大変元気でございまして、介護が必要になったのは本当に亡くなる前の三年程度だったと思うんですけれども、きっかけはやっぱり転倒、骨折ということでございました。その後、しばらくは家族全員で全介助が必要となったわけですけれども、みんな交代制でやりまして、それぞれにノートを作ったりして申し送りをしまして、真夜中も全部家族が連携でやりましたんですが、介護、家族による介護と介護保険サービス、ショートステイ、こういったものもやっぱり途中からみんなで考えなければいけないな、でないと、みんながばててしまう、倒れてしまうということでございまして、そしてそういったものも利用し、対応してまいりました。
 そして、昨年の八月ごろからですけれども、ショートステイ先の施設でお世話になっておりましたら、連絡を受けまして、体調を崩されましたので病院に搬送をしないといけませんということで、それから五か月間、またみんなで病院の方へ、スケジュールを作りまして、それぞれが手分けをしておばあちゃんのところに行っておりましたんですが、ついに病院で一月の十九日に亡くなりました。
 今日、終末期医療という分野において、単なる延命と申しますか、延命だけの医療はやめようというような機運が広がりを見せている中で、そういった報道も目にしたりするんですけれども、その状況に立たされた家族の立場、あるいは一線を引きまして客観的に医療の在り方という視点から、それぞれに様々なことを考える機会を自分自身も与えられたと思います。
 この高齢者の終末期医療と申しましょうか、死のみとりと申しましょうか、大変つらいものがありますけれども、この死のみとりの現状をどのようにお考えであるのかという大変難しい質問ではございますが、坂口大臣でしたらいいお話を聞かせていただけると思いまして、御質問をあえてさせていただきますが、よろしくお願い申し上げます。
#208
○国務大臣(坂口力君) 私もまだ考え方が十分にまとまっているわけでは率直に言ってございません。
 現在、病院で亡くなられます方が全体の八割ぐらいでございましょうか、だんだんと病院で亡くなられる方が増え、自宅で亡くなられる方が少なくなっていることも事実でございます。しかし、最近になりまして、やはり最後は自宅で人生を終えたいというふうにおっしゃる方がかなり今増えてきたというふうに私は感じております。いろいろな方とお話ししましたときに、そういうことを発言される方が増えてきているように思います。
 また、病院と自宅ではなくて、これからいわゆる介護施設ができますが、いわゆる老健施設でありますとか、あるいは特別養護老人ホームでありますとか、ケアハウスでありますとか、そうしたいわゆる介護施設の中でこれから最後を迎えられる方もあるんだろうというふうに思うわけです。
 そうしたことを併せて、一体どうしていくかということをもう一度ここでよく立ち止まって考えなければならないときを迎えたというふうに思っております。
 中には、毎年一月の一日になりましたら、今年もし仮に自分が終末を迎えることがあれば、現在言われているところの終末医療はしないでほしいという、何といいますか、遺書、遺書と言ったらちょっとあれですけれども、自分の意思というものを毎年一月一日には書き直すという方がおみえになりまして、経済界の中にもそういうことを率直にお話しになる方も増えてきているというふうに思っております。
 御本人でそういうふうに書かれるという場合には、これは意思もはっきりいたしておりますし、いたしますが、御病気も徐々に進行をしていきますときには、それは御本人で、いや、自分は間もなく最終を迎えるかもしれない、そのときにはこういうふうにしてくれということをおっしゃる方もそれはおありでございましょう。
 しかし、急に悪くなられた場合には、その方がどういうお考えであったかということは分からないわけでございまして、毎年そういうふうに一月の元旦にはそういうふうに書いておみえになるような人であればそれはいいわけでございますが、そういう人でないということになりました場合に、御本人の意思というものが十分に分からないわけでございますので、そうしたときに一体どうするか。御家族の御意思というものを尊重するのか、それとも今までのような医療を継続するのかといったところ、大変難しいところがございますので、その辺のところも含めて、御本人の意思が明確であればそういうふうにしていいのか、あるいはそれでもなおかつそういうことをすることは法に照らしてこれは具合が悪いのか、その辺のところも少し整理をしなきゃならないときを迎えているというふうに思っております。
 そうしたことも含めて我々も少し検討したいというふうに思っているところでございますが、今御指摘のありましたように大変難しい、人の命、そして医療はそれを回復せしめるものということになっておりますから、なかなか難しい問題のあることを承知ではございますけれども、しかし、そうしたことも十分に整理をし、検討しなければならないときを迎えていることも間違いないというふうに理解をいたしているところでございます。
#209
○西川きよし君 御丁寧にありがとうございました。
 これまでに、終末期の医療あるいは在宅医療という点については、厚生労働省におきましても様々な観点から私は研究もされてきたと思います。もちろんしておられるとも思います。もちろん、人間としての幸せ観あるいは人生観、いわゆるQOLの観点からも、それからやはり医療の経済的な視点からの問題も大きな問題であるというふうに思っても間違いではないと思います。
 しかし、本質的に患者のQOLを維持向上させることを重視すべき問題であると思うわけですけれども、現状における問題認識といたしましてはどのようにとらえているのかを、是非、政府参考人の立場でお願いいたします。
#210
○政府参考人(篠崎英夫君) ただいま先生から終末期医療に対する私どもの問題認識といいますか、意識についてのお尋ねがございました。
 私どもも、今、先生がおっしゃいましたように、終末期の医療あるいは在宅医療につきましては、患者さんのQOLの向上が最も尊重されるべきものであるというふうに考えております。このためには、個々の患者さんにふさわしいサービスが提供できるよう、これらのサービスを担う医療従事者の確保あるいは養成が重要であるというふうに考えております。
 このことから、これまでも医師や看護婦などを対象とした研修、あるいはそのためのマニュアルの作成、普及、そして訪問看護などの充実に努めてきたところでありますけれども、今後とも、在宅での療養を希望する高齢者を支援するため、在宅医療の推進に努めていきたいと考えております。
#211
○西川きよし君 平成十二年の三月ですけれども、医療経済研究機構による終末期におけるケアにかかわる制度及び政策に関する研究の報告書の中からです、何点かこの中からお伺いをさせていただきたいと思うわけですけれども、まずは、人が亡くなる場所についてでございますが、我が国の場合は、先ほど大臣の方からも御答弁がございましたけれども、病院で死亡する人の割合が非常に高いわけですけれども、一方で、介護・看護関連施設で死亡する人の割合が低いというのが特徴でございますけれども、病院で死亡する人の割合は、一九六〇年の二二%から一九九八年の七九%、もう急増しておるわけですけれども、この要因というのはどういうふうに分析をされているのか、是非お伺いしたいと思います。
#212
○政府参考人(篠崎英夫君) 御指摘のとおり、我が国におきましては病院で死亡する人の割合が大変増加をしてきておりまして、その要因でございますけれども、一つは、医療の進歩あるいは病院の病床が整備をされてまいりまして、それに伴って病院などに入院する機会が増えたということがまず一つ挙げられると思います。また、一九六〇年代から以降、核家族化の進行あるいは住宅事情が変化したことなど、そういう医療環境及び社会環境の変化がそのような要因ではないかと考えております。
#213
○西川きよし君 イギリスとかアメリカとの比較もございますけれども、その中では、特別養護老人ホームや老人保健施設で亡くなる方の割合が日本の場合は極端に低いのが現状でありますけれども、アメリカでは二一%、イギリスでは一三%、日本についてはわずか二%ということでございまして、この点については、現在のシステムとして、介護施設は医療機関ではありませんから医療の対応ができないのも当然のことでありますけれども、病院への搬送とならざるを得ないというふうに思うわけですけれども。
 私が今回体験をいたしましたのも正しくこうした状況であったというふうに思うわけですけれども、ちょうどショートステイでお世話になって、先ほどお話ししましたけれども、朝まではふだんどおりの体調であったわけですけれども、夕方辺りから体調が変化して、施設の方から病院に連れていってくださったわけですけれども、家族が病院に、連絡があって我々が病院の方に一緒に行きました。そして、やはり家族の立場として、果たしてこのまま、このまま入院生活を続けて亡くなるのを待つべきなのか、それとも家に連れて帰って静かにみとるべきなのか、しかし最後までできるだけの治療をしてもらいたいというふうに、その現場に立ち会ったらやっぱり皆さんそういうふうに思われると思います。
 アンケートなどによりますと、在宅で死を迎えたいと希望する方が多いという、今、大臣のお答えもありましたけれども、やはり現状のような、ほとんどの方が病院で亡くなっている、亡くならざるを得ないというような状況であるわけですね。大変難しい問題でありますけれども、これは改めていく必要が、僕自身は体験をいたしましてそういうふうに考えたんですけれども、再度、大臣にこの内容の御答弁をいただいてもよろしゅうございましょうか。
#214
○国務大臣(坂口力君) おうちで亡くなることのできない人も様々だというふうに思います。都市部におきますように、非常に住宅が狭いとか住宅難のようなこともございますし、それから、お若い皆さん方がお勤めになっているがゆえになかなか在宅での治療が受けにくい、最終を迎えることができにくいといったような人もおみえになるというふうに思います。
 しかし、中には、おうちも広いし、見ていただく人もあるけれども見てもらえないという人もあるわけでございます。いつかもここで申し上げたかもしれませんけれども、いわゆるエリートだと言われるような人に限ってなかなかよう見てもらわないということが私はあるような気がいたしておりまして、そういう立場からいいますと、大体ここにおみえになる人は大体難しい人が多いのではないかというような気もいたしますけれども、やはりそういう最終を迎えるまでのその人の生き方、人生としての生き方も、私はおうちでそういう最期を迎えることができるかどうかということにかなり影響するように思えてなりません。お互いに最終、家で自分の自宅で最期を迎えたいというふうに思うときには、やはりそれなりの人生を送らなければならないということになるのではないかと私は思っております。
#215
○西川きよし君 ありがとうございました。
 難しい御答弁だったと思うわけですけれども、本当にあえて日ごろからいろいろと御質問させていただきまして、すばらしい御答弁をいただきますので、こういった点、今回の法案にもいろいろ関係してくることがたくさん、やっぱり現場で立ち会ってよく理解ができましたし、ただ、そうは申しましても、ほとんど意識もなく、説明をさせていただきますと、酸素吸入を付けまして、そして点滴をしております。
 そういった状態で果たして家に連れて帰れるのかとなりますと、これはとてもとても家族で相談を幾らいたしましても実行に移すことはできないと思いますし、病院から在宅あるいは介護施設に移すということになりますと、そこには相当な療養環境の整備なり看護機能のより高い施設等々の整備が必要になってくると思うわけですけれども、高齢者の終末期医療の場を在宅なり施設に移していくということについてはどのようにお考えになっておられるのか。また、それを実現可能にするためにはどういった環境整備を必要としていけばいいのかという、大変難しいまた御質問ですけれども、今度は大臣には小休止をしていただいて、政府参考人にお伺いをしたいと思います。
#216
○政府参考人(篠崎英夫君) 先ほど来お話がございますように、できる限り御本人の意思を尊重しながら最期が迎えられるように、在宅ですとか、あるいは福祉施設、あるいはまた人によっては病院など様々な場所における終末期サービスの充実について検討したいと考えております。
 今年度、先ほど大臣が申されましたように、終末期医療に関する調査検討会を設置をいたすことにいたしておりまして、この検討会において、今、先生からるるいろいろ御指摘をいただきました事柄も含めまして、具体的な環境整備の在り方について検討してまいりたいと考えております。
#217
○西川きよし君 是非よろしく、細やかなひとつ審議をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 我が家でも、四世代一緒に生活はしておりますが、うちは今、ただいま、おばあちゃんが亡くなって九人おるんですけれども、臓器提供のカードだけでも大変いろいろ賛否ございまして、九人の中で僕と娘だけしか、まだ二枚しか勇気を持ってカードは持っておりませんけれども、あとの者にもいろいろ勧めはするんですけれども、こういった問題は本当に難しゅうございますし、今申しましたように、老衰で、だれがどう見ても現状は老衰で駄目だと、回復してもらいたい、でも回復しない、どう考えても考えられない状況。点滴を打ち、酸素吸入が付けられているわけですけれども、しかし、それを延命とするのか、治療と判断するのか、これはやっぱり家族にとってはなかなか判断がし難い問題でございます。
 ここはやはり、自分自身の選択なり意思というものを示しておくというか、先ほど大臣の方からも御答弁がありましたが、新しい年を迎えるとというその意思表示カードといいますか、カードか何か、どうかは別にいたしましても、自分の意思表示をきちっとできる仕組みを作ることがこれからは必要ではないかなというふうに私自身思いますけれども、その点について、再び坂口大臣に御答弁をいただきたいと思います。
#218
○国務大臣(坂口力君) これは平成九年に実施しました意識調査でございますが、延命治療を望まないことを文書で事前に意思表示しておくことにつきまして、賛成するという方は四八%でございました。五〇%をちょっと切っております、これは平成九年のことでございますが。そういう状況でございますので、皆さんの御意見もやはり賛否両論あるのであろうというふうに私は今思っているところでございます。
 文書による一連の意思表示がなされるか否かよりも、現在のところは、患者の皆さん方と医師とがどのような終末期医療を迎えるかにつきまして、その信頼関係をどのように構築するかということがやはり大事になってくるのではないかというふうに思っております。
 何か、これを一つの制度としていこうではないかという大変立派な御提案でございます。そうした御提案も十分尊重させていただきながら、これからこの問題にも取り組んでいきたいというふうに思っている次第でございます。
#219
○西川きよし君 ありがとうございました。
 最後の質問にさせていただきます。
 今年度予算では、改めて終末期医療に関する調査を行うとされていたと思うわけですけれども、その調査の中では、これまでになかった介護あるいは福祉施設の職員の意識を調査されるとお聞きしておりましたが、今後、高齢者あるいはお若い方で末期がんの状況にある方、そうした方々の終末期医療の在り方につきまして、どのような考えで研究また検討されていかれるのかを最後にお伺いをいたしまして、大臣に答弁をいただきまして、終わりたいと思います。
#220
○国務大臣(坂口力君) これもなかなか結論の出ていないところでございますが、今年度の予算におきまして、この職員の皆さん方の意識調査というのもやるということになっておりまして、鋭意今進めているところでございます。介護保険制度の実施に伴いまして、介護施設等におけるみとりについて検討する必要が指摘されておりますので、今年度のこの調査事業におきましては、介護施設職員の意識調査というのを実施をすると、こういうことに今なっているわけでございます。
 これらの調査結果、まだ出ておりませんが、これを踏まえまして、そして今後の介護施設におきます在り方、そしてそういうことを望まれる方に対してどうするかといったことにつきましても検討を加えていきたいと考えているところでございます。
#221
○西川きよし君 終わります。
#222
○委員長(阿部正俊君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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