くにさくロゴ
2002/07/09 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 厚生労働委員会 第17号
姉妹サイト
 
2002/07/09 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 厚生労働委員会 第17号

#1
第154回国会 厚生労働委員会 第17号
平成十四年七月九日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月四日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     今泉  昭君
 七月八日
    辞任         補欠選任
     今井  澄君     櫻井  充君
     井上 美代君     大門実紀史君
 七月九日
    辞任         補欠選任
     草川 昭三君     荒木 清寛君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         阿部 正俊君
    理 事
                田浦  直君
                中島 眞人君
                朝日 俊弘君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                久野 恒一君
                佐藤 泰三君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                鶴保 庸介君
                中原  爽君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                今泉  昭君
                櫻井  充君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                荒木 清寛君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                西川きよし君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
       発議者      櫻井  充君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  宮路 和明君
       厚生労働副大臣  狩野  安君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        坂  篤郎君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   楢崎 憲安君
       厚生労働大臣官
       房長       戸苅 利和君
       厚生労働大臣官
       房統計情報部長  渡辺 泰男君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省健康
       局長       下田 智久君
       厚生労働省健康
       局国立病院部長  河村 博江君
       厚生労働省医薬
       局長       宮島  彰君
       厚生労働省職業
       安定局長     澤田陽太郎君
       厚生労働省老健
       局長       堤  修三君
       厚生労働省保険
       局長       大塚 義治君
       厚生労働省年金
       局長       辻  哲夫君
       社会保険庁運営
       部長       冨岡  悟君
   参考人
       日本銀行調査統
       計局長      早川 英男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○健康増進法案(内閣提出、衆議院送付)
○医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提
 供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法
 律案(今井澄君外四名発議)

    ─────────────
#2
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として今泉昭君が選任されました。
 また、昨八日、今井澄君及び井上美代君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君及び大門実紀史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(阿部正俊君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案及び医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(阿部正俊君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案及び医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長大塚義治君外十二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(阿部正俊君) 次に、健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案及び医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○伊達忠一君 おはようございます。自由民主党の伊達忠一でございます。
 今回の健保法の一部改正、そしてまた健康増進法、そして診療報酬の改定について順次質問をしてまいりたいと、こう思っております。
 我が国の医療は、言うまでもなく、今やもう質、量ともに世界に誇るレベルに達してまいりました。平均寿命のみならず、いわゆる健康寿命においても世界でトップとなっており、WHOは世界各国の保健医療制度を評価した報告書の中で我が国の健康医療制度を世界の第一というふうに評価しております。
 こうした世界に誇れる医療が達成できたのも、言うまでもなく国民皆保険の下で国民だれもがいつでもどこでも無理のない負担で良質な医療を受けられるということを堅持してきたからだと、私はこう思っております。この医療制度をこれからも安定的にやはり私どもの子供や孫の時代に伝えていく私どもは政治家としての責任があると、こういうふうに思っております。
 しかし、この制度の中にはいろいろと制度や運用面で様々な問題があることも確かでございますから、改定をするたびに抜本改正をしなきゃ駄目だということを言ってこられたのだろうと思っておりますが、まだこれもできていないのが事実でございまして、やはり真に国民のニーズに対応し、持続可能な制度としていくためにも、この問題点を私どもはしっかりと見詰めて改正をしていかなきゃならぬと、こう思っております。
 そこで、まず大臣にお伺いをいたしますが、今回の診療報酬改定は史上初のマイナス改定ということでございますから、これはもう関係者にとりましては私は大変なことだろうと、こう思っております。特に、自由経済において医療というのは統制経済ですから、自分で料金を上げたり下げたり、優秀な技術を持っているからどうだということができないだけに悩みも多いわけでございます。
 今回の改定については、もう我が党の宮崎先生や田浦先生、そしてまた今井先生や櫻井先生も、そのほかの委員の先生方も詳しく質問しておりますから、私はできるだけ重複を、同じような質問を避けていきたいと、こう思っております。
 そういうことから、今回の改定については、大臣はこれを取りまとめる責任者でございますから思いもいろいろとあろうかと思いますが、しかし一方でお医者さんでございますから、かつて診療してきた経緯もあるわけでございまして、仮に今、大臣でなくて診療している立場、患者さんを診ている立場だとしたらこの改定についてはどう思われるのか、率直な意見をお聞かせをいただきたいと、こう思っております。
#10
○国務大臣(坂口力君) 今回の診療報酬の改定につきましては、全体で二・七%引下げをしていただいたわけでございます。とりわけその中で一・三%は、いわゆる薬の方ではなくて、医療全体にかかわります中から引下げをしていただいたわけでございますので、医療をする立場の皆さん方からいたしますと大変厳しい改正であったろうと、率直にそう思っております。全体の立場からいたしますとやむを得ざる選択でございましたけれども、しかし医療を行っていただく皆さん方からいたしますとかなり厳しく、そしてその医療経営の上からいきましても大変御心痛を煩わしているのであろうというふうに、率直にそう思っているわけでございます。
 ただ、中にかなりアクセントも付けておりまして、生活慢性病でございますとか、こうしたことにつきましては配慮いたしておりますし、また小児科の先生方が非常に少なくなって大変国民の皆さん方にも御迷惑を掛けているというようなこともございますので、小児科に対する配慮をいたしますとか、あるいはまたリハビリにおきましても、脳血管障害等が起こりました後の早期のリハビリ等につきまして配慮をいたしますとか、そうしたこともその中には取り入れてきたところでございます。
 しかし、先ほど申しますように、全体といたしましては厳しい状況をお願いを申し上げたわけでございますので、多分、私自身が診療をいたしていたといたしましたら、私もかなり困ったであろうと、率直にそう思っております。
#11
○伊達忠一君 今はもう大臣の立場で大変な御苦労をいただいていることもよく承知をしておりますから、今の御答弁も私なりにも了解をさせていただきますが、責任者ですから、廃案をした方がいいとか修正した方がいいとかということは思っていてもこれは言えないんでしょうが、何となく気持ちは分かります。
 どうもこういう私は改定のたびに思うんでございますけれども、とにかくどういう根拠でこの改定をしているのか、そういう尺度というか物差しというか、その改定の基準がはっきりと定められていないというのが皆さんが指摘をされているところでございまして、もちろん先般大臣が言いましたように、三分しか掛からない診療も三十分掛かる治療も同じ点数では駄目なんだということを言っておられました。やっぱりこういう点も私は改正をしなきゃもちろんならないと、こう思っておりますけれども、医療技術者や医療機関の運営コストがやはりきちっと公正に反映されていなきゃならぬと、こう思っております。そういう批判がやっぱり随分私はあると思うんです、今回も。
 そしてまた、医療従事者や管理者がそのことによって満足できるような状態になっていないというのも事実でございまして、現行のこの診療報酬について、先般も田浦先生ですか、お聞きしましたが、もう少し分かりやすく、我々が理解できるようなちょっと説明をしていただきたいと、こう思うんですが。
#12
○政府参考人(大塚義治君) 現在の診療報酬の改定に当たっての作業の手順を簡単に御説明することで御答弁に代えさせていただきたいと存じますけれども。
 言うまでもございませんが、診療報酬点数表というものは、ある意味では様々な診療行為ごとに保険償還価格を定める、こういう性格を持っていると申し上げてよろしいかと思うんですが、この具体的な改定作業に当たりましては、大別いたしますと二つのプロセスがございます。
 一つは、価格表全体、つまり診療報酬全体の引下げあるいは引上げの改定率を定めるというプロセスが一つでございます。そしてもう一つは、決定された改定幅の中で個々の診療行為にどういう点数を当てはめていくか、見直していくかというプロセス、この二つで構成されているわけでございます。
 前段の改定率を定める際におきましては、例えば医療経済実態調査というのを実施をいたしまして、それにより把握できました全国の医療機関の経営状況、収支の状況、まあ平均的な姿ということになりますが、それを把握をいたしますこと、あるいは物価、賃金の動向をにらむこと、さらには保険財政の状況を勘案すること、こういった要素を総合的に勘案いたしまして、中医協での御議論も踏まえて予算編成過程の中で改定率を定めるというのが第一番目のプロセスでございます。
 第二番目のプロセスで、その改定率に沿いまして個々の診療行為の点数を定めていくわけでございますが、通常ですと改定年の前年の夏、早ければ春ごろから中医協というのが、審議会が開かれまして、次の改定に当たってどういう点を重点的に評価すべきか、あるいは効率化を図るべきかといったような議論が続けられまして、そうした議論を踏まえまして、定められました改定率に沿いまして具体的な点数を定めていく、こういう作業になるわけでございますが、その過程では関係団体あるいは関係学会からの御要望なども提出されることがございます。そうしたことも中医協の議論に反映させながら、個々の診療行為の相対関係を見つつ、その時点における重点的な評価あるいは効率化の項目というのを整理をいたしまして点数化をしていく、こういう作業になるわけでございます。
#13
○伊達忠一君 長々と説明いただきましたけれども、それが分からないんですよ。それが分からないんですよ。
 ですから、手順というものは今説明聞いて分かりました。だから、内容をどういう、技術的な評価だとか何かというものをどういう具合にして決めるのかというようなことを我々は聞きたいんです。手順だとか何か、それは相対的なことで、料金表に基づいてと、こういうことなんでしょうからそれは分かるんですが、それを各委員の先生方も、前回も私は指摘をして、いわゆる透明度というか、内容が全く分からないという中で行われているというのが私は正直言って実態だろうと、こう思っているんです。今の説明聞いても、ああそうか、そういうことかと理解した人というのは余り私はいないと思うんですよ、正直言って。
 一部、検査を例に挙げれば、いわゆる検査も随分毎回下げられてきて、不採算のものが相当ございます。それで、業界としてもかなり応対をさせていただいたようでございますが、それであればとにかくその不採算の項目を出してみろと、こういうことで二十二項目にわたって出したそうでございますが、検討するからということだそうでございます。その結果、三項目は多少上げていただいて、二項目は横ばいだそうでございます。十七項目を引き下げたと、こう言うんですよ。
 それを、逆ざやを検討する対象にそういうことがなるのかどうか、むしろこれは改定じゃなくて、そういう医療費全体の枠で締めてそろばんで、算術ではじき出しているとすれば、私は、これは要するに弱い者いじめですよ。弱いところにしわ寄せをする、そういう医療改定かもしれません。そんなことで医療良くなりませんよ、正直言って。やっぱり真剣に中身を検討していただいて、そしてランニングコストなり技術を評価していただいて、そういうものにやっぱり診療の点数だとか検査の点数というのは私は定めていかなきゃならない、こう思うんです。
 それで、担当者に、今回の改正もどうやってあれしたんだと、こう聞いたら、いやアンケートを取って、それで実勢価格を出し、それに基づいて決めたというような話がございました。私は、やっぱりもう少しアカデミックに内容を検討して、これだけ検査が重要視されてきている時代というのは、私は今診療に欠かせない大きな役割を果たしていると思うんです。それなりに私はやっぱり真剣に中身を検討していただきたい。今やもう日本に誇る、世界に誇るやっぱり医療になったんですから、アンケートだとかその程度のもので私は決めるということは誠に情けないことだなと、こう思っております、正直言って。
 ですから、先日大臣が言ったように、中には鉛筆をなめて決めているんではないかというようなことを言われるというようなことがございましたが、何となくそんな感じも私はしないわけでもなきにしもあらずなんですが、やはりこの際、このような批判を回避するためにも、中医協を大臣も見直すと、こう言っておられました。
 中央医療審議会、三十六年にこれは改正されたわけでございますが、もう四十年以上たっているんです。やはり相当時代が変わってきていますし、医療はむしろ日進月歩どころか秒進秒歩でどんどんどんどんもう進んでいる時代でございますから、かつては支払側がどうだとか、診療側がどうだとか、中立がどうだとか、数があっちが多いとかこっちが多いとかという押し問答やったことも私も承知しております。しかし、もう今や私はそんな時代ではないと思うんです。やはりいろんな専門家をきちっと入れて、そしてそこで議論をして、そして医療制度、二十一世紀はどうあるべきか、やっぱり診療報酬はどうあるべきかということを専門家をたくさん入れて私は議論すべきだと、こう思っております。
 そのためにはやはり、この改正をするときに、中医協、やはり専門家を、看護協会なんかも是非入れてほしいという話もございますし、検査の専門家なんかも入れてやっぱり十分聞いていただいて検討していくということが私は必要だろうと、こう思っております。少なくとも薬業業界だとか医療材料業界なんかは、それから技工士会も二回ほど中医協に呼ばれてヒアリングを受けたということがあるそうでございますが、少なくともやはり検査の専門家を呼んでヒアリングぐらいは受けるべきだと、こう思いますが、この二点についてお伺いをしたいと、こう思っております。
#14
○政府参考人(大塚義治君) 先ほど点数の個別の設定につきましては大変概括的な御説明を申し上げましたが、おっしゃいますように、一つ一つの診療行為、一つ一つの点数が厳密にコストとリンクしているかといいますと、現行の診療報酬体系はそういう意味での一つ一つの項目とコストの直接的な関係が濃いというわけでは必ずしもございません。全体としての医療機関の経営というようなことも勘案し、一方で必要な医療の高度化等に対応するという両面から考えていくわけでございますが、こうした診療行為の点数を設定する議論の過程におきましては、先ほども少し触れましたけれども、関係者の方々から幅広く御意見あるいは御要望をちょうだいすることがございます。
 今回の改定に際しましても、例を挙げられました検体検査につきましては、日本衛生検査所協会という関係の団体から御要望をいただいております。その要望ももちろん踏まえながら、一方におきましては、衛生検査所における委託の実態というのも把握し、その状況に応じて、つまり実態に応じて見直しを行ったと。一部確かに引上げを行い、かなりの部分では引下げ、結果において引下げということになりましたが、そういう実態を踏まえた処理、対応ということであることに御理解を賜りたいと思います。
 その際に、例えば関係学会、臨床検査あるいは病理の関係学会などの専門家の御意見もお聞きをしたりするという作業の手順も途中では入るわけでございます。
 いずれにいたしましても、医療につきましては大変幅広い関係者がございます。医療機関の経営ということがどうしても一つの中心でございますし、直接医療サービスを提供するお立場ということから当事者は医療機関ということになるわけでございますけれども、その周辺、周辺といいましょうか、関連する大変幅広い職種の方々がおられて医療というものを全体として構成しているわけでございますから、関係者の御要望なり御意見を適切に把握するという努力は、これは必要でございますし、私どももどういう方法が適当かということも含めましていろいろ考えていかなければならないと思っております。
 また、中医協そのものの在り方につきましては、当委員会でも御議論があったところでございますけれども、大臣から御答弁申し上げましたように、診療報酬自体の在り方とも密接に関連する問題でございますから、この診療報酬体系の見直しの検討の中で議論していく課題と、そういう整理をいたしているところでございます。
#15
○伊達忠一君 それを是非ひとつ見直して検討して私はいただきたいと思います。
 そうじゃないと、結局、逆ざやだからということで出せということで行政指導もらえるんだと思ったら、それがまた引き下げられたということになると、そういう検査をやればやるほど赤字になるわけですから、ですから、結局勧める方としてはもうかるやつを勧めるわけですよ。そうすると、真に患者のための検査ではなくて、結局利害の検査になってしまうというようなことにもなりかねない。そうすると、私は医療の低下を必然的に招かざるを得ないということにもなりかねないと思うんです。
 是非、今、局長が言ったように、私は検討していただきたいと、こう思っております。そして、私はもうそろそろこの制度はやっぱり見直すべきだと、こう思っているんです。
 現在、臨床検査技師、衛生検査技師等の法律の中で、第四章の二で衛生検査所に関する規定が設けられております。検体検査を実施できる場所として衛生検査所が定められているにもかかわらず、現行の下では検査はできても料金の請求ができないという不合理な制度に実はなっているわけでございまして、そもそも技師の身分の法の中に施設である衛生検査所が含まれていること自体、私は矛盾があると思っております。アウトソーシングが進むこの医療において、衛生検査所を業態法としてむしろ私は独立をさせるべきだと、こう思っております。衛生検査所の役割とその責任を明確にする今時期だと私は思っております。
 また、国民の医療費を国民のために有効に活用することを目的に、検査の差益が生じないような、そんな衛生検査所による支払基金等への検体検査実施料の直接請求制度を私は確立をするべきだと、こう思っております。
 検体検査の実施と請求と表裏一体のこの制度を進める上で私はその制度が必要だと思いますので、是非ひとつ御検討いただきたいと、こう思っております。お聞かせをいただきたいと思います。
#16
○国務大臣(坂口力君) 検査の重要性というのはだんだんと高まってまいりました。かつての医療の中に占めておりました割合と現在占めております割合を比較をいたしますと、これはもう比べ物にならないほど検査の重要性というものが高まってきたことも事実でございます。
 いわゆる検査の結果それ次第によって診断は確定されるということでございますから、その重要性が高いことは十分に認識をしているわけでございまして、これまでのいわゆるそれぞれの、例えば看護師さんでありますとか、薬剤師さんでありますとか、検査技師さんでありますとか、それぞれの皆さん方に関する法律というのもそのときそのときの状況を踏まえてこれ出てきているものでございますから、かなり時間もたち、そして、先ほどもお触れになりましたように、臨床検査技師、衛生検査技師というこの二つの名前が本当は要るのかどうかといった問題も私は率直に言ってあると思うんです。もうぼつぼつ衛生検査技師一本に絞っていい時期に来ているのではないかという、私は率直に言ってそういう気がいたします。
 こうした法律そのものもございますし、それから今御指摘になりましたような法律の中身の問題もそれは当然あるんだろうというふうに思います。今ここで断定的なことを申し上げることもできませんけれども、そうしたいわゆる医療にかかわる人たちの法律そのものの在り方等につきましても、かなり医療そのものが変わってまいりました現在において、今までのままでいいのか、それとも新しい医療に対応した形にそれぞれの制度も改革をしていかなければならないのか。この検査技師法に関する問題だけではなくて、全体のやはりそうした検討を行います中で、この御指摘をいただきました検査技師等に関する法律等の問題につきましてもやはり考えていかなければならないんだろうというふうに思っております。
 先生からも平素からもいろいろ御指摘をいただいているところでございますので、十分なこれから議論を重ねていきたいと考えているところでございます。
#17
○伊達忠一君 是非ひとつ検討していただいてお願いしたいと、こう思っております。
 それから、今、一部、大臣のお言葉にございましたが、もう我が国の医療というのは世界に誇れる実は医療になってまいりました。このことについては、もちろん医師や歯科医師さん、そしてまた医学に関係する研究者や関係者の皆さんの御努力というのは私は大きなものがございます。これはもう皆さん方が高く評価しているところでございますが、しかし、その一方で私は、忘れてはならないのは、先ほど大臣も言っておりましたように、今日までの医療を支えてきたいわゆる医療技術者、いわゆる看護師であるとか、臨床検査技師であるとか、放射線技師であるとか、歯科技工士であるとか、作業療法士であるとか、こういう人たちのコメディカルの役割も私は非常に大きいものがあると思っております。
 しかし、なかなか、いまだかつて余り日の目を見ないというのも正直言って実態でございまして、今、医療、抜本改正をするという時期に当たって、私は是非このコメディカルスタッフの要するに位置付けもできればきちっとしていただきたい、実はこう思い、見直しを行っていただきたいと、こう思っております。臨床検査所や技工所から直接請求ができるようにするとか、また、医療機関からの検査を委託された場合など、委託料にやっぱり公定価格をきちっと定めるとか官報で公示するとか、検査所や技工所が安定した運営が図られるように私はすべきだと、こう思っております。
 抜本改正というのは、いわゆる不都合な点だとか不適切なところ又は見直さなければならないような、そういうところをやっぱり改革することが私は抜本改正だと、こう思っておりますので、私は、そのことが二十一世紀のやっぱりすばらしい医療を構築していくことだろうと、こう思っております。
 是非、これも大臣にひとつ御答弁をいただきたいと思っております。
#18
○国務大臣(坂口力君) 今お話しいただきましたように、検査の問題でありますとか、歯科技工士さんの問題でございますとか、あるいは看護師さんの問題でございますとか、それぞれいろいろの問題点を御指摘をいただいていることは十分に存じております。これは国民の皆さん方の御理解も得なければなりませんし、そして医療従事者間の御理解も得なければならないことでございますので、それらの点も十分に踏まえながら一つ一つこれは解決をしていく以外にないのかなというふうに思っております。
 大枠の問題として、先ほど申しましたように、医療に携わる皆さん方の業態の在り方あるいはまたこの法律の在り方という大枠の問題の検討と、そしてまた現在起こっております個々のケースの課題の問題と双方あるというふうに思っておりますから、大枠の話は大枠の話として進めるとして、しかし、現在起こっておりますそれぞれの個々のお話につきましては、それは現在既にもう発生している問題でございますので、解決のために努力をしなきゃならないと思っているところでございます。
#19
○伊達忠一君 是非この点も早急にできれば改めていただきたいし、方向を見いだしていただきたいと、こう思っております。
 次に、国民健康保険についてお聞きをいたしたいと思うんですが、国民健康保険においては、過疎化の進展などにより、運営基盤の脆弱な小規模な市町村保険者、大変増加しております。市町村も運営に大変苦慮しているのが実態でございますし、このような中で一つの対応策として国民健康保険事業の広域化というものが考えられております。
 私たちの北海道におきましても、奈井江町というところが一市五町で構成して、いわゆる広域連合が平成十一年から国民健康保険事業を実施しております。その結果、被保険者数で大体一万四千人規模となっておりまして、運営の安定が図られるとともに、市町村の事務負担の軽減にもつながっているというふうにお聞きをいたしております。このような取組は当面の運営基盤の安定のための方策として私は有効なものだと、こう考えておりますし。
 そこで、宮路副大臣にお聞きをいたしたいんですが、厚生労働省として広域化の取組についてどのような今評価をされておられるのか、そしてまた今後についてどのような進め方をしようとしているのか、お聞かせをいただきたいと、こう思っております。
#20
○副大臣(宮路和明君) 今、伊達委員御指摘のように、近年における、特に地方はそうでありますが、産業構造の変化といいますか、一次産業従事者が減っていく、そして二次、三次の方々が増えていく、一方においてまた過疎化も進展している、そういう状況が顕著であるわけでありまして、その結果、小規模の保険者が増加していること、御指摘のとおりであります。
 したがって、そうした小規模保険者におかれては、運営基盤の強化あるいは保険者機能の効率化を図っていく上で、もっと広域的な取組をやっていただくことがこれは極めて重要であると私どもも認識をいたしておるところであります。そういった観点から、今御指摘のありました、お話のありました空知中部広域連合、これは正にそれを地でいったような大変すばらしい取組であるなというふうに私どもも高くそのことを評価をさせていただいておるところであります。
 しかしながら、一般的に申し上げて、残念ながら、市町村間に保険料格差があるといったことなどが背景にありまして、ほかになかなかこうした事例が出てこないという現実の姿であります。
 そこで、今回の改革におきましては、これを促進する、こうした動きを促進する観点から、広域化等支援基金というものを創設をいたしまして、保険料格差を平準化するための貸付事業等をこの基金を通じて行う、そして広域化を促進すると、こういうことにいたしておるわけであります。
 しかしながら、さらに今回の法案附則の中において、医療保険のその保険者の統合再編、これについても一つの大きな宿題として抜本改革の一環として課せられておるわけでありますので、これを大いに検討する中でこの広域化の問題もひとつ視野に入れながら進めていけるように、本年度中にその基本方針も策定して明らかにしてまいりたいと、かように思っておる次第であります。
#21
○伊達忠一君 それでは次に、今回提出されております健保法の一部改正についてお聞きいたしたいと思います。
 これも多くの委員の先生方がいろんな、あらゆる角度から質問されてございますが、何といっても今回の改定、このままでは健康保険財政の悪化が大変な状況になるということが大きな問題でございまして、改正をされたわけでございますが、これは今まで抜本改正をするすると言っていてやっぱりしてこなかった、このことも私は大きな要因の一つだと、こう思っております。
 そして、小泉総理も就任以来、いわゆる行財政改革を徹底的にやるんだと、また財政の全面的な見直しをするんだとか、徹底的に無駄を省くんだとか、民でやれるものは民でやるんだとかというようなことを、掛け声だけは勇ましくスタートしたんですが、さっぱりこれが正直言って進んでいないというのが私は正直言って実態だろうと、こう思っているんです。
 先般、いろんな先生方がいろんな財政問題だとか、宮崎先生からもいろんな医療保険財政を真剣に見直せばまだまだ余地はあるんだというような実は質問もされておられました。
 私は、厚生労働省というのは、いわゆる全国の医療機関の統括をしているわけでございますから、どういう状況になっているかということ、日本全体の状況というのは把握できる立場に実はあると思うんです。ですから、私は、先に国民に医療の負担を掛けておいて、押し付けておいて、そして抜本改正をするんじゃなくて、やっぱり先に分布状態だとかいろんな各機関、労災病院系統もあれば社会保険もあれば国立系統もある、そういうものをきちっと見た上で判断して、あらゆる角度から検討して、もうこれでもいよいよ財政の捻出方法がないということであれば、そのときにやっぱり最終的に国民の皆様方にお願いすると、こういう私は順序だろうと、こう思うんですが、先に掛けておいて改革をして検討するというのはどうも逆でないかと、こういうふうに実は思うんですが。
 その一例を挙げれば、社会保険庁の病院、正直言って、昭和二十年ごろ造られたわけでございますから、そのときはそのときとして、私はやはり立派に役目を果たしておると思うんです。やっぱり全国的に医療施設がないときに、国民が医療を受けやすいような施設を造っていくということで造られてこられました。しかし、今はもうその役目は私は終わったと思っているんです。
 一つ例を挙げますと、札幌なんかは実は、大学病院が二つあって、道立があり、市立があり、JRがあり、NTT病院が二つあり、国立が三つあって、がんセンターがある、そして厚生病院があって、国家公務員共済運営の病院が二つある。もう病院だらけなんです、有り難いことに。そこへ社会保険病院が二つあるんです。それの一つが実は、札幌駅前の一等地に実はあったんです、この間まで。それを建て替えをしたんです。それが、いわゆる土地を新しく買って、二十六億で買って、そして建物が六十億ということで、たまたま、これも有り難いのか迷惑なのか分からないんですが、私が住んでいる区に造っていただいたんです。
 そうしたら、造ることが決まったら、今度は、それはもうその総合病院が来るわけですから、その地域のお医者さん、開業したお医者さんというのはもう大変なことなんです。これ、生活まで脅かされてしまうから。もうその医師会から何とかそんなもの造らないでくれという今度は陳情を受けて、私ども中に入って困っちゃったんです、正直言って。それも、特別な科があるんならいいんですよ。それはもう町医者と同じような、内科、外科、小児科みたいのしかないんですよ。私は、やはりもう少しその果たす役割といいますか、そういう必要なところというのはあると思うんです。そういうところに金を掛けるんなら私はやはりそんな批判をされないと、こう思うんですが、造っても、そうやって反対されるようなところになぜ百億も掛けて私は造らなきゃならないのか。
 大臣が言っているように、赤字だから廃止をするというようなことはやっぱり私は問題があると思いますし、今井先生が言うように、黒字のうちに売っちゃえばいいんじゃないかというのも一理これはあるのかもしれませんけれども、やはりもうそういう、何というか、充満している、飽和状態のところに私は、財政が厳しいといってこれだけ見直して国民に医療費の負担を掛けるんであれば、ここでもう百億浮くんですよ。
 そして、今度はもう一つの大きな、同じ北海道、これは北海道社会保険病院という名前になっているんですが、これも続いて建て替えました。これも百六十五億ですかな。そして、医師会に反対されて違うところに持っていった。それは駅前ですから、駅前ですからそれは一等地なんですよ。それはもう売れば二百億、三百億というような、八百坪ぐらい、近い土地があるわけですから。それを売らないで、そこを壊して、またそこに、何というんですかな、健診何とかセンターというのを今度六十億で造って、そして今度、結局、こういう時期なものですから、民間のドックをやったり健診やっているところが二か所が閉鎖せざるを得なくなっちゃった、新しい方がいいですから。で、そっちの方が、民間が閉鎖するというようなこと。
 だから、そこにまで割って入って、私は、金がない金がないと言って、何でこの金を使わなきゃ私はならないのかなというような気がするんです。
 それで、前に一回自民党の部会でこれをちょっと時間がなかったんですが質問したら、縦割りの弊害でしょうねなんというような話をしておったんですが、私は、今の時期に、何百億という金を使うのに、それでこれだけ財政が厳しいといってお年寄りや国民の皆さん方に医療費の負担を強いられるときに、私はそんなことで許されるものじゃないと、こう思うんです。
 それで、宮路副大臣も官僚御出身ですから、いい点も悪い点もよく、縦割りの弊害もよく知っているんでしょう、恐らく。ですから、そういう悪い点は指導しないで、やっぱりいい点をきちっと指導して、効率のいい、そういうところで四百億、五百億の財政が浮くんであれば、私はやっぱりそれは徹底的にやるべきだとこう思うんですが、副大臣、いかがですか。
#22
○副大臣(宮路和明君) 大変厳しい御指摘をいただきまして、どういうふうに答弁申し上げたらいいのかなというふうにちょっと悩んでおるところでございますが、御指摘のように社会保険病院、健康保険法の規定に基づいて、被保険者の受診機会の向上、保険診療の普及を図るということで、そもそもは昭和二十年の一月に第一号が誕生いたしまして、以来、大体昭和二十年代、今札幌についてのお話もありましたが、大体昭和二十年代に整備を図ってきたのがほとんどでございます。
 以来、地域医療の充実強化あるいは国全体の医療水準のレベルアップにもそれなりの一定の貢献はしてきたかと思いますが、おっしゃるように、その後の時代の変遷に伴いまして、今、委員から御指摘のありましたような、そうした社会保険病院の在り方に対する様々な御指摘もいただいておるところでございます。
 そうした結果を踏まえて、厚生労働省といたしましても、例えばその施設整備費につきましては、平成九年度、これがピークでありますが、当時は六百六十億ぐらい年間ありましたものを、平成十四年度では二百三十四億円にこれを大幅に圧縮するといったようなそういう努力はいたしておるところでありますけれども、今度の附則の中におきましても大きな改革の一項目としてこの問題が取り上げられておるところでありますので、目下、私どももその御指摘を真摯に受け止めて、そして大臣を本部長といたしますところの改革推進本部を中心に検討をいたしておるところであります。そして、この八月中には基本的な方向性を示せるように検討を急いでまいりたいと、かように思っているところでございまして、今の御指摘を重々念頭に置いて取り組んでまいりたいと思っておる次第であります。
#23
○伊達忠一君 是非ひとつ検討していただきたい、そして総理が言っているようにもう無駄を徹底的に省くんだと、するとやっぱりそういう点も見直していただきたいと、こう思っております。
 健保の一部改正の最後の質問なんですが、この医療制度は国民の安心と生活安定の基礎となるものでありまして、今日、その中核を担う医療保険制度の財政は全く厳しい状況にございます。しかし、国民皆保険体制というものをこれからもやはり維持していかなければならないということでございますから、それは先ほど申し上げたように抜本改正をきちっとやっぱりして、今のような、副大臣がおっしゃったような、見直すところはやっぱり附則に付けるだけではなくて、附則に付けても結構やっていないところありますから、前回の改正でも、ですからやっぱりきちっともう一遍見直していただくということが私は必要だろうと思っております。
 それで、毎回、改正を、改定をするたびに抜本改正抜本改正と、こう言っていながら先送りしてきたのが私は事実だと、こう思っているんです。今回も抜本改正をしますということなんですが、今までなんしてこれ手を付けてこれなかったのかなという感じがするんですが、その辺の問題と、それから、本当に今回はやはり約束どおり抜本改正をしなかったら私は大変なことになると思うんですが、その決意をひとつ大臣にお聞きをしたいと、こう思っております。
#24
○国務大臣(坂口力君) 私も、この改革に取り組まさせていただいていて、なぜ今までなかなかここができにくかったのかということを振り返って見ているわけでございますが、なかなか進みにくかったということの理由も分かるような気がいたします。
 それは、小泉総理も言っておみえになりますが、それは、関係の人たち、関係団体と申しますか、これはたくさんありますし、そのなかなか意見統一ができにくいということも率直に言ってあったというふうに思います。それから、抜本改革が抜本的になればなるほど医療の範囲から外れて他の問題とのかかわりが大きくなってくる。
 例えば、診療報酬体系をやっていくにいたしましても、それからいわゆる保険制度の一元化の問題をやっていくにいたしましても、財源問題とかかわってくるわけでありますから、保険料の問題とそれからこれに要ります税とのかかわりの問題が起こってくる。あるいは、一元化をしようというふうに、保険の一元化をしようというふうに思いましたときには、地域保険とそして職域保険の問題がある。そうしますと、今度は、地域保険の問題というのは、これはいわゆる所得の捕捉の問題に関係してくるわけでありますから、そこを乗り越えないとこの一元化というのはなかなかしていきにくいといったような問題がありまして、かなりこの問題が広がれば広がるほどそういう大きな障壁もありというようなことで今日を迎えているのではないかというふうに、率直にそう思っております。
 しかし、そうしたことを言っておりましてはなかなかこれ前に進むわけにはまいりません。したがいまして、総理の御指摘にもありますように、とにかく四月一日から皆さん方にお願いをするんだからそれまでに決着を付けろと、こういうお話でございますので、私もそれまでに決着を付ける決意を固めて今やらせていただいているところでございます。大きな問題であるがゆえにそうした問題を、しかし思い切ってこれは決断をする以外にないのであろうというふうに思っている次第でございます。
 先ほどから社会保険病院等の問題につきましても御指摘をいただきましたが、やはり厚生省自身も、自分たちの範囲の中でどれだけ改革を行うこと、断行できるかということは、医療制度全体の中でどれだけこの改革ができるかということの一つのバロメーターになるわけであります。したがって、全体のこの改革案を示す前に、今年の八月か九月、この半ばにおいて先に自分のところの改革のところをまず示せと、こういう御指摘でございますし、これなかなか厳しい御指摘でありますけれども、御指摘になるその理由というのは十分に分かっているつもりでございます。それぞれのところで多くの人が働いているわけでございますから、その多くの皆さん方の家族、生活が懸っているわけでございますので、その人数を減らして生首を切るというようなことはこれは絶対にできないことでありますから、どういうふうに今後の問題をしていくかというふうなことも含めてこれは解決をしていかなければならないと思っているところでございます。
#25
○伊達忠一君 是非ひとつ、先送りすればするほど私は抜本改正しにくくなると、こう思っておりますので、是非今回はやっていただきたいと、こう思っております。
 それでは次に、健康増進法についてお伺いをいたしたいと、こう思っておりますが、時間が大変なくなってまいりましたので途中省かさせていただく質問もあろうかと思いますが、御了承いただきたいと思います。
 この法案を見ますと、健康増進法の制定に際しては栄養改善法を廃止するという形式になっております。栄養改善法は昭和二十七年に制定されたものですから、これはまだ物の少ないうち、十分な栄養を摂取することが健康づくりのむしろ中心的な課題であった当時の法律になっていたのではないかと、こう思います。
 しかし、今日、時代の背景が大きく変化してまいりまして、栄養のほかにも運動であるとか睡眠不足であるとか酒やたばこ、また毎日のように生活習慣病の進行に大きく影響することが逆にもう問題になっておりまして、したがって、この健康増進法におきましては、栄養改善の面だけではなく、このような時代の変化をしっかりと反映した内容になっていかなくてはならないと、こう思っております。
 この点についての対応は今どうなっているのかひとつお伺いしたいのと、この栄養改善法は昭和二十七年に制定されたものですから、もう五十年以上もたっているんですね。この間、私は、とにかくこれまでの対応というのは、五十年以上もたって、私はもう遅過ぎると、こう思っているんです。もう時代というのはどんどんどんどん変化してまいりまして、この間は一体何をやっておったんだろうかという点も正直疑問になるわけでございますが、併せてお聞きをいたしたいと、こう思っております。
#26
○副大臣(宮路和明君) 委員御指摘のように、栄養改善法は昭和二十七年に、専ら栄養改善というところに力点を置きながら健康増進を図っていくと、そういうことでできた法律であり制度であるわけでありますが、御承知のように、もう最近では、そうした食生活だけではなくて運動やあるいは飲酒、さらにはまた喫煙、休養等々幅広い生活習慣というものをとらえて、そしてそこから生活習慣をどうまた直していくかということを踏まえながら健康増進をやっていかなきゃならない、そういう時代になってきておるわけでありまして、そこのところを踏まえて、今回は健康増進法を栄養改善法の抜本改正という形で出させていただいていると、こういうことであります。
 具体的には、国のレベルでは、健康づくりを総合的に推進するために全国的な目標や基本方向を国のレベルで打ち出す。それから、これまでばらばらにやっておりました健康診査につきまして、職域、学校、それから地域、それぞればらばらと言ってはなんでありますが、別個にやってきておるわけでありますが、それを共通の指針を示して、それがお互い調整されながら展開されていく、そういう道筋を付ける。それから、市町村や都道府県の段階でもこれまで栄養改善に努めてまいりました。それを大幅に、先ほど申し上げましたような観点から、保健事業ということで拡充したものを展開していく、そういったふうな体系に基本的にはいたしておるわけであります。
 一方、遅過ぎたんではないかという御指摘でありますが、こうした栄養改善法に基づく健康増進に加えて、厚生労働省といたしましては昭和五十三年から、第一次国民健康づくり対策というのを昭和五十三年に打ち出しまして、そしてそれをずっと発展させて平成十二年からは健康日本21を推進してきておるところであります。
 これらいずれもが国民運動という観点から、法律に基づくということではないわけでありますが、国民運動という観点から推し進めてまいっておりますが、今回、これを法律レベルまでレベルアップして、そして今回の医療制度改革の一環としてこれも位置付けて、両方を言わば車の両輪として、医療制度改革とそしてこの健康増進を車の両輪として我が国全体の健康の増進に役立てていくと、こういうことで健康増進法を出させていただいたということでございますので、法律にする時点がややそういう面では遅かったのかなという嫌いもなくはないわけでありますけれども、そういうことで今後一生懸命取り組んでまいりたいと思っておりますので、何分の御理解とまた御支援をお願いいたしたいと思う次第であります。
#27
○伊達忠一君 その間決してサボっていたんじゃないんだ、運用していたんだということなんですが、時代に合ったように適時見直していただければと、こう思っております。
 私は、臨床検査の場の経験も長いことから、この法案の中でも健康診査の指針に関する部分に注目を実はいたしております。法案の第九条がそうなんですが、厚生労働大臣は医療保険の保険者や学校、市町村など様々な制度の中で健診を行う主体に対して健康診査の指針を定めることとされています。
 考えてみますと、学校や職場あるいは身近な市町村でこれだけ様々な健診が行われながら、それに対して共通する国の考え方がこれまで何も示されていなかったのは私は不思議なことだなと、こう思っているんです。
 まず、今回なぜ新たにこうした指針を作ろうとされているのか、それについてお聞かせをいただきたいと思っています。
#28
○副大臣(宮路和明君) 先ほども、今回の健康増進法の眼目の一つとして、健康診査をこれまでは職域あるいは学校あるいは老人保健法など地域のレベルで、それぞれ異なる根拠法令に基づいて行っておりましたものを、そこに共通の指針を示して、そしてそれが体系的に展開できるようにすることが一つの健康増進法の眼目だということを申し上げたわけでありますが、これまでの健康診査につきましては、どちらかというと、疾病の早期発見あるいは早期治療の手段というところにどちらかというとウエートを置いてそれが実施されてきたと、そういうことは否めない事実であったかと思うわけであります。
 ところが、先ほど申し上げましたような情勢変化とも申しますか、生活習慣そのものを見直して、そして自分の健康管理の機会としてこの健康診査をやっていこう、展開していこうと、そういう時代になってまいったわけでありますので、そうした観点から、これらの個々に別々の法体系の下で行われているものをもっと整合性の取れた、相互に補完し合うと申しましょうか、ちゃんと体系的なものとして推進できる、そういうことにしてはどうかという観点から、今回、それをこの健康増進法の中におきまして一つの指針というものを示して、そして、生涯を通じて一貫性を持って個人が自分の健康管理に積極的に取り組んでいくための基盤整備を進めると、そういう観点から今回こうした措置を取らせていただくことに相なったということでございます。
#29
○伊達忠一君 この法案の中のこの指針という中で私は特に取り上げていくべきだと考えておりますのは、健康診断の精度管理に関する事項だと思うんです。
 健診の結果は、その方にとっては今後の健康づくりにおいてどんなことに気を付ければよいのかとか、そういう方向を示す言わば羅針盤のような存在でありますから、その羅針盤そのものが狂っていたんでは、せっかくの健診が無駄になるどころかむしろ害にすらなることがあるわけでございまして、この健診の精度管理の問題について、指針の中で取り上げるお考えがあるのかどうか、また、するとすれば現場の医療関係者や専門家を交えた私は十分な論議が必要だと思います。どのように考えておられるのか、もうちょっと、時間が余りないんですけれども、余り長くなくお答えをいただきたいと思います。
#30
○政府参考人(下田智久君) 御指摘のように、健康診査の結果を生涯を通じた健康管理に活用するといったことのためには、異なる検査機関による検査結果について相互に比較可能にするということは極めて重要であると、そういった意味で精度管理は非常に重要でございまして、健康診査指針の中に取り入れていきたいというふうに考えております。
 ただ、副大臣の方からも申されましたように、精度管理あるいは健康診査自体はそれぞれの制度の中で長年の積み重ねを経ておりまして、統一的な指針づくりは簡単ではないというふうに考えてはおります。
 指針策定に当たりましては、健康診査の実態把握に努めますとともに、健康診査につきましての知見を有する専門家あるいは現場の医療関係者を含めました各方面の方々に十分なる御審議を賜りまして、実効性あるものにしてまいりたいと考えております。
#31
○伊達忠一君 それでは最後に大臣にお聞きをしたいと思うんですが、これまでいろいろと健康増進法についてもお聞きをいたしてまいりました。この法案は、国民の責務として健康の実現が、いわゆる一人一人が取り組む、そういう課題であることを聞いて、やっぱり明らかにしておりますし、個人の努力とやっぱり社会全体でこれを支援していく、そしてまた、国や地方公共団体の責任はもちろん、ほかの関係者の役割も規定して設けております。
 私は全体としては大変評価をしているわけでございますし、これをあとは社会全体として積み重ねていかなければならないのだなと、こう思っております。しかし、このたびの医療制度の改革におきましては、保健医療をめぐる論議の方がどうも大きく取り上げられちゃって、この健康増進法はどちらかというと後回しになっているというのが実態でなかろうかと、こう思っております。
 私は、やはり医療においても健康増進づくり対策というのはむしろ大事な私は法案だと、こう思っているんですが、医療制度を考える上で正に大きな柱の一つでありますから、是非ともそういう意識を持って国を挙げてこれを取り組んでいく必要があると思いますが、最後に大臣のこの決意をお願いしたいと思います。
#32
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のとおり、もうここが一番大事なところだと私も思っております。
 それで、ただ単に健康診断等をやるのはいけませんので、どういう目的でやるのかというその目的を明確にして、いつまでにどれだけの成果を上げるのかという数値目標をきちっとすると。それで、だらだらやらない、でもその点を踏まえるべきところは踏まえて進めるということが最も大事なところだというふうに思っておりまして、そのようにやらせていただきたいと思っております。
#33
○伊達忠一君 じゃ、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
    ─────────────
#34
○委員長(阿部正俊君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、草川昭三君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君が選任されました。
    ─────────────
#35
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 まず本論に入ります前に、今日まで私この委員会で御質問をさせていただきまして、前向きな御答弁をいただいておることにつきまして現状を簡単に御説明いただきたいと思います。
 一点は、坂口大臣がこの委員会におきまして、五月二十一日、今国会最終までにこういうふうにしてはどうかという私の案を示したいとおっしゃっておられました無年金障害者の問題。
 二点目が、新しい道を考えさせていただきたい、何か方法がないか今いろいろと検討しているとおっしゃっておられましたスティーブンス・ジョンソン症候群、またライ症候群等に対しての救済策の問題。
 三点目が、今後真剣に取り組まなければならない、どのような有効な規制ができるか今後関係省庁とも相談していきたいとおっしゃっておられますところの、いわゆる年金担保融資の対策の問題。
 四点目に、さきに建築基準法で材料規制についてはできたわけでございますけれども、いわゆるシックハウス対策、昨日も検討会の方向が出されたようでございますけれども、私がかねがね申し上げております衛生管理基準の改定について、でき上がった建物に対しての規制というものをどうしていくかということについて。
 四点、現状また今後の対応を御説明いただきたいと思います。
#36
○国務大臣(坂口力君) 四点ございましたが、その中の年金の問題だけはちょっと局長の方から答弁をさせていただきますが、お許しください。
 無年金障害者の問題でございますが、これなかなか検討いたしておりますけれども難しい問題であることは間違いがございません。しかし、この委員会でお約束をしたことでもございますしいたしますので、今鋭意進めているところでございます。今国会終わりますまでというともう七月一杯までしかないわけでございますが、この七月中に坂口私案なるものを出させていただきたいというふうに思っている次第でございます。もう少しだけお時間をちょうだいをしたいと思っております。
 それから、年金の問題は局長に答弁をしていただくとしまして、スティーブンス・ジョンソン症候群につきましても、辻議員の方から御熱心に議論をいただきました。それで、このスティーブンス・ジョンソン症候群につきましては、現在におきましてもこれ起こらないとは限らないわけでございますが、最近は臨床の先生方の方にもかなりこういう副作用があることが行き届いてまいりまして、早く手を打っていただきますので、余り大きなことにならずに済んでいるケースの方が多いと思っております。
 しかし、既になられた方に対してどうするかという問題がございます。一つは、副作用の救済制度がありますが、これ五十五年からこちらの話でございまして、それ以前におなりになった皆さん方に対する手当てがうまくいかない。この皆さん方に対してどう、何かいい方法がないかということを検討をしておりますが、今のところ正直言っていい方法実は見つかっていない。これはスティーブンス・ジョンソン症候群だけではなくて、ライ症候群等につきましてもあるわけでございます。これらの問題どうするかという大きな問題だというふうに思っております。
 このスティーブンス・ジョンソン症候群につきましては、いわゆる涙腺がやられている方が多くいまして、涙が出なくて目が乾燥をするというふうなことがありまして、これはその救済策そのものではありませんけれども、それぞれの患者さんに差します点眼薬を今開発を急いでいただいております。その人の何か血液を採りまして、その人の独自の点眼薬を造るんだそうでございまして、これは一日に数回点眼をすれば、ほかの、眼鏡を掛けたりすることなしに可能であるというようなことが言われたりいたしておりますので、これをまず第一に急いでいただいております。それから、涙腺組織そのものを何とか再生させることはできないかというので、そちらの方の研究も着手をしてもらっているところでありまして、専門の先生方によればそれは可能であろう、何とかやってみようというので研究に着手をしていただいているというふうに今聞いているところでございます。こうした問題も加えましてこの問題に対応していきたいというふうに思っているところでございます。
 それから、シックハウス対策につきましては、これは昨年十月、建築物衛生管理検討会におきまして建築物の環境衛生管理基準の在り方についての検討をいただきましたものがございます。この報告書で取りまとめられたものもよく見せていただいておりますが、厚生労働省といたしましては、一つはホルムアルデヒドの含有量を基準に追加をするということ、それから二番目といたしまして建築物の新築、増改築、大規模の修繕、それから模様替え等を行った後濃度測定を行うということもそれに追加をするなど、必要な政省令の改正につきまして昨日からホームページにおきましても御意見を求めているところでございまして、これらのことを踏まえて適切に対応したいというふうに思っているところでございます。
 私の方から三点申し上げまして、局長の方から一問御答弁を申し上げたい。
#37
○政府参考人(辻哲夫君) 年金を担保とした融資に関する御質問についてのその後の検討状況を御報告申し上げます。
 年金を担保に供してはいけないという規定、年金にあるわけでございますが、これは年金証書を貸金業者が預かっても、受給者が新たに振り込み口座を指定すればその口座に振り込まれるというようなことから、厳密にはこの規定が問題のある行為を規制できないと。
 一方におきまして、いわゆる貸金業者規制法を所管する規制当局、これは具体的には金融庁監督局でございますが、この貸金業者に対する行政監督上の指針がございまして、その事務ガイドラインにおきましては、貸金契約に際しては年金受給証等債務者の社会生活上必要な証明書等の徴求を行ってはならない、こういうガイドラインがございます。したがいまして、このガイドラインについて指導を徹底していただくよう、あるいは規制強化ができないか、こういう観点から、この間の質問をいただきまして後、速やかに監督当局と話合いをさせていただきました。
 そのときの状況でございますが、もとよりこのガイドラインをもう徹底周知し、また御指導いただくように、これまでも行っていただいておりますけれども、これからも引き続き適切な対応を行っていただくということと併せて、規制の強化が更にできないかということについてもお話合いをさせていただきましたが、これにつきましては規制の強化が現在の登録業者の、貸金業の登録業者のアウトサイダー化を招くおそれがあるといったような様々な問題点も考慮する必要があるということもまた聞いておりまして、このような話合いをさせていただく中で今後とも監督官庁と相談を継続するという状況に現在ございます。
 また、厚生労働省といたしましても、そもそも借りるのであれば年金福祉事業団の正規のものを借りていただきたい、そして悪質な業者には気を付けるようにというポスターを配布したところでございますが、別途雑誌への掲載とか、あるいは政府広報への更なるPRの依頼といったようなことを今努力をしているところでございます。
 以上でございます。
#38
○辻泰弘君 いずれも庶民生活に大きくかかわることでございますので、どうか今後ともしっかりとお取り組みいただきたいと思います。また、坂口私案なるものを心待ちにいたしております。
 さて、もう一点確認させていただきたいと思います。
 六月四日、本委員会における薬事法改正等の質疑の中で、私の質問に対しまして、大臣は、医療廃棄物の問題は非常に影響の大きいもの、廃棄物になる直前までは厚生労働省が責任を持たなければならない問題で決しておろそかにしてはならない問題だ、こういう御答弁をいただきました。また、医薬局長の方からも、従来より都道府県、自治体を通じて指導してきた院内感染対策に関するガイドラインをベースに普及を進めていきたい、このような答弁もあるわけでございますが、今後この医療廃棄物対策の担当部局はこの御答弁をいただいた医薬局であると理解してよろしいかどうか、お伺いしたいと思います。
#39
○政府参考人(宮島彰君) 医療廃棄物につきまして少し整理して御説明したいと思いますけれども、医療廃棄物は感染性廃棄物を含んでいますので、廃棄物の処理及び清掃に関する法律におきまして特別管理産業廃棄物として事業者責任等の規制が設けられておりまして、基本的にはいわゆる廃棄物処理法を所管する環境省が中心になってやっております。
 具体的には、感染性廃棄物処理マニュアルというものがございまして、この中で医療機関における管理体制として、管理責任者の設置であるとか管理規程の作成、処理計画、あるいは医療機関の施設内における感染性廃棄物の処理として、保管、こん包、表示などについてきめ細かな指示がなされているところでございます。
 一方、厚生労働省におきましては、医療機関内における感染対策又は健康被害防止の観点から、患者又は医療従事者等への危害防止に係る体制整備について所掌しておりまして、これまでも院内感染のガイドライン等の中で感染性廃棄物の適正処理を指導しておりますし、また医療監視の際の項目の中にも感染性廃棄物の適正処理を入れているところでございます。
 御指摘の省内の体制といたしましては、平成十三年一月に水道環境行政が環境省に移管して以降、医薬局におきましては施設内の院内感染防止等の安全対策の観点から対応しておりますし、医政局におきましては施設整備等のいわゆるハード面からの対応をしているという形になっております。
 いずれにしましても、この両局が連携を取りまして、医療廃棄物の対策が適正に行われるよう進めてまいりたいというふうに思っております。
#40
○辻泰弘君 要は医薬局と医政局で、二つで担当されるということでよろしいですね。
 では、今後、大臣、そういうことで御理解させていただきますが、よろしいですか。
#41
○国務大臣(坂口力君) そのように御理解いただいていいというふうに思います。
 先日も申しましたとおり、一遍病院から出てしまいました後はこれは廃棄物として環境省の問題でございますけれども、その病院の中で収集してもらう、集めてもらう、そして一か所に集める、それまではこれはそれぞれの医療機関が中心になってやらなきゃならないことでございますし、これは大変大きな問題で、ここから今までB型肝炎が起こりましたりとか、あるいはその他の感染症が起こりましたりすることもかなりあるわけでございます。ですから、そこを明確にしておかないといけないというふうに思いますし、そしてその在り方もちゃんとしておかないといけない。
 今でもまだ、例えばビニール袋でありますとかあるいは段ボールのようなところへ入れて、そして出しているようなところもあるというふうに聞くものですから、大学病院辺りでも段ボールでやっておるところがあるというふうなことを聞きまして私もびっくりしたわけでございますが、持ち運びのときに底が抜けましたらそれまででございまして、これはもっと硬い、硬いと申しますか、外にそういったものが漏れることのないきちっとした入れ物に入れて出すということが決まっているわけでございますから、そうしたことも周知徹底をしていかなければならないと今思っているところでございます。
#42
○辻泰弘君 この点も大変重要な問題だと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 以降、本論に入らせていただきたいと思いますけれども、法案の提案理由説明、また法文等を拝見させていただきまして、大体その順番に即して今後の質問をさせていただきたいと考えているところでございます。
 まず、法案の提案理由説明におきまして、当然ですけれども、大臣がこれまで御発言をされてきたことについてまず今日お伺いする、そしてまた、その後に提案理由説明の冒頭に大臣がこのようにおっしゃっております。「急速な高齢化等による医療費の増大等により」というところから出発しているわけでございます。その意味におきまして、国民医療費の問題を聞かせていただきたい。そして、その上に立って、政管、組合健保、国保、船員、国共済、地共済、私学共済など、それぞれ個別の問題、そして引き続き健康増進法について質問をさせていただきたいと思っております。
 予定質問項目が多くて、秋から冬まで続けられるのではないかと思われる本委員会の審議で十分な議論を重ねて、国民から理解される健保法改正になるように力を尽くさせていただきたいと思っております。つきましては、民主的な委員会運営、また徹底した討論、慎重なる審議に委員長としても御尽力いただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
 さて、それでは坂口大臣の発言をめぐって幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、二月十七日、坂口大臣は、三割負担実施は社長命令で係長がとやかく言う段階ではなくなったと、このようなコメントを、マスコミでございましたか、されておるわけでございます。また、先般、七月二日の沢たまき委員の質問の折でしたと思いますが、終始一貫して改革なき改正案は駄目だとして徹底して抜本改革を主張され、取り組まれた坂口大臣の御心境を伺いたいという御質問に対しまして、心境は余り良くありませんと御答弁をされているわけでございます。上司の強引な命令で不本意な仕事をやらされれば、心境が余り良くないのは世の常、人の常かと思いますけれども、今回の改正案の決定過程を始めとする小泉総理の政治手法についてどう感じておられるか、どう評価しておられるか、お伺いしたいと思います。
#43
○国務大臣(坂口力君) 私の過去の発言をいろいろと集めていただきまして大変恐縮に思っておりますが、私がどこかのテレビで申し上げましたのは、それは、小泉総理の考え方と坂口さんの考え方と違いますねと、どうするんですかと、こう言われましたから、それは社長命令ですから係長がとやかく言うべきことではありませんと、こうそのときに多分言ったと、こう思っております。
 それは、どういうことを言いたかったかといいますと、最初、私の方は抜本改革の姿を示して、そして来年の四月一日までにそれを明確にする、そしてその後で自己負担のお願いをするという順序がよろしいのではないかと、こう私は申し上げていたわけでありますけれども、総理の方は、いや、先にこの四月一日というおしりのところの日を決めておけと、そうでないと抜本改革がなかなか進まないと。抜本改革が進まないというのは、私自身も厚生大臣をやってみてよく分かっている、だからそれをやり切るためにはそのおしりの日を切っておかないといけないと、こういう話でございまして、そこが違ったといえば違ったわけでございます。
 そうしたことがありましたので、私は、それじゃ四月一日にこの三割負担なりあるいは保険料のお願いを申し上げるということであれば、それまでに抜本改革の粗筋、そして方向性というものをより明確にしなければなりませんと。それじゃ、かなりこれは急がなきゃなりませんね、急いでそれじゃやるということを御了承くださいと。もう今までの抜本改革よりも更に踏み込んで、そしてより具体的に、より基本を明確にすることを早くやるということをお認めくださいということで、そのことを認めていただきまして今日に至っているということでございまして、私個人も、その三割の自己負担をしなければならないというのはこれは避けられないと私自身も思っているわけでありまして、そこは二割でいいとか一割でいいとかということを思っているというわけではなかったわけでございますが、しかしその手順のことを私は申し上げていたわけでございます。そうしたことがこういう言葉になったと、こういうことでございます。
#44
○辻泰弘君 総理の政治手法についてはコメントいただけませんか。
#45
○国務大臣(坂口力君) 政治手法といいますか、まあ節目節目、折り目折り目をきちっとしておかないと物事はうまく進まないという意味で、私は医療保険の問題は医療保険の問題としてそういうふうにおっしゃったんだろうというふうに思っております。
 その手法がいいか悪いかはそれぞれ取り方があろうかというふうに思いますけれども、そういうやり方もあるんだろうというふうに思っています。
#46
○辻泰弘君 昨年の衆議院予算委員会、十一月十二日でございますけれども、坂口大臣の発言、こういうのがございます。清水の舞台から飛び降りるつもりで十一月末には結論を出さなければならない、こういう御発言がございました。私、そのころからずっと大臣のお姿を見詰めてまいったつもりでございますけれども、率直に申しまして、いつ飛び降りられたのかがよく分からなかった、見失ったのかもしれないと、このように思っているわけでございます。
 いつ飛び降りられたのか。まだ飛び降りられておらず、これから一年掛けて飛び降りていかれるということなのか、あるいは実は清水の舞台の近くの社長室の非常階段から下りられたのかと、その辺をちょっと教えていただきたいと思います。
#47
○国務大臣(坂口力君) 清水の舞台から飛び降りるというふうに申しましたのは、それは、抜本改革を成し遂げるということはそれぐらいの覚悟でないとできないだろうということを申し上げたわけでありまして、まだそれで現在成案中でございますから、飛び降りる前のウオーミングアップをしているというのが現状でございます。
#48
○辻泰弘君 どうか気を付けて飛び降りていただきたいと思います。
 さて次に、六月十八日の衆議院厚生労働委員会での単独採決がございましたけれども、この点について大臣がこのような発言をされております。国対の命令で委員会の在り方を左右すると大変混乱する、健康保険とか年金は政治的決着を付けるものではない、委員会の立場がもっと尊重されるべきだと思う、円満な解決を期待するとおっしゃっておると伝えられておりますけれども、この与党の単独採決を大臣はどのようにごらんになったのか、また今後の参議院の厚生労働委員会の審議の在り方についてどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。
#49
○国務大臣(坂口力君) いろいろのことを言うものですから、後で苦労しなきゃならないわけでございますが。
 これは、衆議院の厚生労働委員会におきまして民主党の釘宮議員がこの質問をされましたときに、釘宮議員が年金とかそれから健康保険とかいったような問題は政治的な扱いをすべきものではないという御趣旨の発言をされました。私はそれを受けて、その記者会見におきましても、私もそう思うと、委員会では粛々と議論をしていただいているわけだから、最後まで粛々とひとつ決着を付けてもらいたいというふうに思っていると。非常に順調に御議論をいただきまして、五十時間を超える御議論をいただいたわけでございまして、そのことに私は感謝を申し上げているわけでございます。
 その国対のことはちょっと言い過ぎまして、後でしかられたわけでございますが、その党の方針とかいろいろありますから、それは私も党に所属しておる人間としてやむを得ないという面はあるわけでございますけれども、やはりそれぞれの委員会でできる限りお決めをいただいて、そして委員会でひとつ決着を付けていただくことが望ましいのではないかという趣旨のことを申し上げたわけでございます。
#50
○辻泰弘君 多少言い過ぎていただいた方がいいところもございますので、また今後ともよろしくお願いいたします。
 さて、三月二十二日にこういう御発言がございます。厚生労働省には優秀な人がたくさん入ってくるがすぐに辞めてしまうという御発言がございます。この点について、厚生労働省の実態、体質についての御所見、今後の対応を伺いたいと思います。
#51
○国務大臣(坂口力君) これは、特に厚生労働省に入ってまいります医師のことについて言ったわけでございます。
 何か優秀な人間はすぐ辞めていくと言いますと、今残っておるのは悪い人ばかりみたいに聞こえますけれども、決してそんなことを申し上げたわけではございませんで、立派な人も残っておるわけでございますが。いや、優秀な人が辞めていくので困るということを各局長さん方が言っていることも事実でございまして、なぜだと、なぜその人たちがもっと残ってくれないのか、何をさせているのかということを言いましたら、いや、初め来た人には毎日コピーをさせていると言いますから、それは毎日コピーさせていたら優秀な人も嫌になって辞めていくでしょうと。もっと国際的なデータですとか国際的な論文ですとかいったものも厚生労働省は集めて、世界に目を開いて、現在どういう状況に置かれているかというふうなことをもっと研究しなきゃならないんじゃないのと、そういう質的な程度を上げていかなきゃいけないんではないですかと。だから、初めて入ってきた優秀な人にはそういうことをまずやってもらって、なるほど厚生労働省に来たらいい仕事ができるというふうに思ってもらわないと、初め来た人にそんなコピーばかりさせちゃ駄目だということを私が言ったわけでございまして、そのことが外に漏れた話だと思っております。
#52
○辻泰弘君 先般、七月三日に国会と内閣に提出されました人事院の平成十三年度年次報告書、いわゆる国家公務員白書というものがございますが、これに興味深いことが書かれておりました。「若手職員には、各省幹部が党の会議等で厳しく叱責されながら政治との調整に奔走する姿は尊敬できず、将来に夢を持てないとの意見もある。」と。どこの党とは書いていないわけでございますけれども、こういうコメントがございました。
 今回の改正案の取りまとめの段階あるいは今日までの審議等の過程で、当然ながら、厚生労働省の幹部の方々、政党の会議などに臨まれていろいろと御苦労も多かったと思うわけでございますけれども、代表する形で、保険局長は今回の改正案にかかわる様々な局面で恐らく若手職員から尊敬されるような姿を示してきたと自負されるものと思いますが、いかがでございましょうか。
#53
○政府参考人(大塚義治君) 私がいわゆる幹部職員というような立場を代表する御意見を申し上げられるかといいますと、そこは言わば個人的な意見に近いということで御勘弁を願いたいわけでございますが、私も、マスコミ報道も大きくされましたし、人事院の年次報告の該当部分を読まさせていただきました。
 若手職員が我々の年代のスタッフをどう見ているかと、極めて率直な御指摘でございまして、一面考えさせられる点がございます。
 しかし一方、考えようによりましては、私どもが正に若手であったころ、上司に対して様々な批判も持っておったわけでございまして、そういう意味では健全な批判精神の現れとも見ることができるわけでございまして、私は両面から見ていいだろうと思っております。
 ただ、現実問題といたしまして、行政の施策を進める上で、与野党を問わず、政党あるいは政治家の方々との接触、接触と言うと言葉が適当でないかもしれませんけれども、御指摘をいただいたり御意見をいただいたり、あるいは私どもから御説明申し上げる機会はとても重要だと考えておりますし、実際にはその点に相当の時間を割くということも事実でございます。そのために、逆に申しますと、若手職員に様々な仕事、大変過重な負担を掛けるというケースもございます。
 恐らく、特に時間的な、大変厳しい業務に従事しなきゃならぬという意味で、スタッフの間にある意味での不満と申しましょうか、大変だなという思いを募らせておるということは、私内々心配もし気にもしているところでございますが、私どもの限りで申し上げますと、大変若手職員が厳しい勤務条件の中で極めて献身的な業務をしてくれていると感謝をしておるわけでございますけれども、私は、これは個人的な意見ということになるのでございますが、全体として大事なことは、もちろんできる限り勤務の改善というようなこともしなければなりませんけれども、やはり私どもが共通に、若手あるいは幹部というようなことに限りませず、共通の目標、特に社会的に重要なあるいは意味のある仕事をしているという共通の認識を持つということができるかどうかというのが私自身の最も大事だと思っておりますし気にしている点でございまして、そのためには、私などのできる作業といたしましては、若手あるいは幹部というようなことに限りませず、部内で、局内で率直にフランクに立場を超えて議論をするということが私は最も今注意あるいは努力をしようと思っている点でございまして、なかなか業務が厳しいということは認めざるを得ませんけれども、やはりそうした努力も併せまして、施策の推進に、我々は、若手、幹部というようなこと、分け隔てなく取り組んでいきたいという思いを率直に持っているところでございます。
#54
○辻泰弘君 今後とも、いろいろ厳しい状況かと思いますけれども、早期退庁にも努められつつ、頑張っていただくように御期待申し上げたいと思います。
 さて、国保の問題をお伺いいたします。
 五月二十二日、これは厚生労働大臣の御発言で、国保は統合を目指すべきという御発言がございました。委員会でございます。それからまた、都道府県単位が有力な選択肢と、こういう御指摘があるわけでございます。ただ、いろいろな、事務方の方も含めて御説明をお聞きしますと、都道府県単位ということになりますと保険料徴収が難しい、市町村が本気で集めなくなるんじゃないかというふうな御懸念が示されるわけでございます。
 そこでお伺いしたいんですが、都道府県単位への統合後の保険料徴収システムをどうしていくかというイメージを、大臣のイメージをお示しいただきたいと思います。
#55
○国務大臣(坂口力君) これは大変大事な御指摘だというふうに思いますが、先日も申しましたとおり、国保におきましても、一番小さいのは九十一人でしたかね、愛知県の一つの村で大変小さいのがある。そういう状況を今のままにしておいて今後やっていけないことはもう目に見えておりますから、統合化をしていく以外にないというふうに思いますが、その統合化を進めていきますとき、そのじゃ大きさはどれぐらいがいいかと。都道府県の単位の大きさがいいのか、それとも二次医療圏あるいは現在の政治でいえば小選挙区ぐらいのところがいいのか、いろいろ私はあるだろうというふうに思っておりますが、都道府県単位というのは一つの有力な単位だというふうに思っております。
 そのときに保険料を集めるのをどうするかということが最大のやっぱり問題になるだろうというふうに率直に私もそう思います。これは、保険料の徴収につきましては、やはり市町村にこれはいずれにいたしましても御協力をいただかないといけない話ではないかというふうに思っております。最終的な詰めを行っているわけではございませんけれども、何らかの形で御協力をいただくということをしなければスムーズにいかないというふうに思っておりますから、そのことが全体としての統合化の問題にも影響を与えていくということだろうというふうに思います。その保険料の徴収のことも十分に念頭に置きながら統合化の話は考えていかないといけないというふうに思っている次第でございます。
#56
○辻泰弘君 やはり保険制度でございますので、いわゆる大数の法則が働く三十万から五十万というのは一つの単位だというふうに思いますので、そういう意味で私も国保の統合化というのは賛成でございます。今おっしゃったようないろんな問題点、多々あろうかと思いますけれども、是非そういう形で統合の方向で進めていただきたいと思っております。
 もう一つ、保険のことでお伺いしますけれども、昨年十月だったと思いますが、坂口私案では、「医療保険制度は一元化をめざし、当面は職域保険と地域保険の二本建てとする。」と、先ほどの質問のときもそういうニュアンスのお言葉があったかと思いますけれども、そういう御発言があり、お考えがある。そしてまた、先般七月六日でございましたか、組合、政管、共済の制度一元化を検討しているというような御発言があったやに伝えられておるわけでございます。また大臣、二月二十五日には、政管についてはどう分割していくか、私は県単位ぐらいの大きさが一番よいと思うと、こういう御発言がございます。
 また、政管は一本であるがゆえに競争原理が働かないところがある、私も競争原理が働くようにした方が良いと思うと。これは五月二十二日の御答弁でございまして、それが、二月二十二日の医療保険改革に関する政府・与党合意事項という中で、社会保険庁の民営化ということがあったこととも連動する中で、民営化という言葉に一つのシンボリックに言われていることにつながっていくんだと思うわけでございます。
 そこで、保険の一元化、また分立、民営化という、こういう三つのある意味での大きなスローガンといいますか、ある意味での理念というものが示されているわけですが、その辺を整理して融合させたものがどういう形なのかということをお聞かせいただきたいと思います。
#57
○国務大臣(坂口力君) まず、この統合化につきましては、それぞれの制度下における統合が先行するんだろうというふうに思います。
 組合健保は組合健保の中で小さいのは統合をしていく。先日も申しましたとおり、一番小さいのは二十七名というのがあるそうでございますから、そうした小さいのをそのままにしておいては、これからやっていけないことは事実でございますので、それぞれ統合をしていく。今までは都道府県の範囲を超えてはいけないとか、あるいは下請はいいけれども孫請は駄目だとかいろいろの制限がございましたけれども、そうした問題は取っ払って、そして統合していただきやすいようにしていくといったようなことを考えているわけでございます。
 政管健保の方でございますが、全国一律でありますがゆえのメリットとデメリットがあるというふうに思っています。
 メリットの方は何かといえば、これはいわゆる事務費が掛からないということでございます。それぞれの国保におきましても、組合健保におきましても、トータルにしますと二千億円を超える事務費が掛かっている。しかし、政管健保は一本でございますから、正式なちょっと数字を忘れましたけれども、五、六百億ではなかったかというふうに今記憶をいたしておりますが、かなりそうした面でプラスの面のあることも事実でございます。
 しかし、一本であるということによるデメリットもあるわけでありまして、なかなか競争原理が働きにくい。都道府県におきましても、それぞれの都道府県で非常に医療費の安い県もあれば高い県もあるといったようなことがありましても、そのことが一本でありますがゆえに、そこには何ら反映をされてこないというようなこともございまして、もう少しここは都道府県単位ぐらいにする方がいいのではないかというのは、これは私個人のまだ考え方でございまして、全体として、厚生労働省としてそうした方がいいというふうに決めたわけでは決してございません。私は、しかし、そのぐらいの大きさにするのがいいのではないかと思っているということを先般御答弁で申し上げたわけでございます。
 その暁において、例えば国保も都道府県単位、政管健保も都道府県単位というふうにもし仮になったといたしました場合に、それじゃその後どうするのというお話も出てくるだろうというふうに思います。政管健保の場合には、そうした国保との関係で見ていくのか、それとも組合健保との関係で見ていくのかといったことも、これはこれからの大きな議論になるだろう。職域の問題として見ましたときには、組合健保と政管健保は同じ職域の問題でございますから、そちらの方で並んでいろいろと検討をしなければならないことも将来的には出てくるんだろうと。しかし、そこまで行きます前に、それぞれの制度の中の統合と、大きさを整理をしていくということが第一段階ではないだろうかというふうに思っております。
#58
○辻泰弘君 そういたしますと、大臣のいろいろなお考えで、職域と地域を分けるというようなお考えが基本にあったと思いますが、場合によっては職域と地域の融合というものも近い将来あり得るということでしょうか。
#59
○国務大臣(坂口力君) そこまで決めることは、今の段階で決めることはなかなか私も難しいというふうに思っておりますが、統合一元化という方向性、ベクトルの方向性は示しているわけでございますけれども、そこまで行きますためにはいろいろ乗り越えなければならない問題がたくさんあって、それは一概にそこへはなかなか行きにくい問題であるということは私も十分に承知をしているわけでございます。ですから、まずは地域保険と職域保険ということの割り振りの中で、それぞれの制度の中で統合化を進めていただくことが大事ではないかというふうに申し上げている点でございます。
#60
○辻泰弘君 先ほどお聞きしました中で民営化ということをちょっと申し上げましたけれども、この民営化というのをストレートにはおっしゃっていない、ある意味では幻の合意事項、ただこれは政府・与党の合意事項でございましたけれども、二月二十二日の中で社会保険庁の民営化というのがあったわけでございますが、この民営化と、公的皆保険のものについての民営化というのはどういうイメージを持たれているでしょうか。
#61
○国務大臣(坂口力君) その社会保険庁の民営化につきまして、いろいろ議論をしたことがございますが、それはその民営化というのは現在ございますような独立法人みたいなような形のものも含めて民営化というものの考え方が念頭にあったと、皆の思いの中にあったというふうに私は思っております。純粋な意味で民営化ということにもなかなか行きにくい面もあるだろうということだと思います。
#62
○辻泰弘君 個人的なことをお聞きして恐縮でございますが、大臣の加入しておられる医療保険は何でございましょうか。
#63
○国務大臣(坂口力君) 私は今、厚生労働省の共済の中に入れていただいていると。それまでは国保でございましたけれども、今はそういうふうになっていると思います。
#64
○辻泰弘君 私も今回勉強させていただきましてそのことを初めて知りました。大臣並びに政務官、副大臣の方々は、短期の組合員ということで厚生労働省の共済組合に入っておられる、短期組合員ということに位置付けられているわけでございます。また、この厚生労働省の共済組合の代表者が厚生労働大臣でもあられるわけでございます。
 私、今回、初めて知ったことで、厚生労働省には共済組合が二つございまして、厚生労働省共済組合と厚生労働省第二共済組合と二つあるわけでございます。昭和二十五年までは一緒だったのが分離したということがございます。また、平成十三年の省庁再編に伴うときも、厚生省の共済組合と労働省の共済組合は一緒になったけれども、第二共済組合だけはそのまま継続された、こういうことになるわけでございます。
 それで、今日までやはり保険の統合一元化ということをおっしゃってきたわけでございますけれども、やはり早期退庁の議論をさせていただいたときに、まず隗より始めよだと、やはり労働省自らが早く帰るという姿勢を示さないとだれも信用しないと、このようなニュアンスでのお話があったわけでございますけれども、やはりこの統合一元化ということをやっていく上で、まず足下をしっかり見詰めてそこをやっていかなければならないと思うわけでございます。
 先ほどの御答弁でも、四月の三割負担を求めるときまでに決着を付けるというような御指摘もあったわけでございますが、この足下の一元化をどう考えていかれるか、教えていただきたいと思います。大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
#65
○国務大臣(坂口力君) いや、私も今回、この質問をしていただきますまで、実はどうなっているか知らなかったわけでございますが、三つあるんだそうでございまして、一つは厚生労働省の共済組合、これに入っているのは三万一千六百十六名入っている。それから、厚生労働省の第二共済組合、これは国立病院・国立療養所及び国立高度専門医療センターに属する職員の人が入っておりまして、これは五万四千百三名入っております。このほかに、社会保険職員共済組合、いわゆる地方社会保険事務局及び社会保険事務所に属する職員の人が入っておるものでございまして、これが一万六千六百八十名入っていると、この大体三つに分かれているわけです。
 私がはめてもらっておりますのは、一番最初の厚生労働省共済組合で短期組合員、短期組合員というのはちょっと気に入りませんけれども、そういうことになっているという、私や副大臣は短期組合員ということになっていると、こういうことだそうでございます。
 御指摘のように、この共済組合というのも、これもなかなかこれから先を考えますと、大変になっていくこともこれは正直言って目に見えているわけでございますし、やはり隗より始めよ、いろいろのことがありますから、それはやっぱり自分ところの足下のところが三つありますでは済まぬだろうと率直に思います。だれにも相談しておりませんけれども、統合化を進めていきたいと思っております。
#66
○辻泰弘君 厚生労働省の共済組合の事務方の責任者、本部長は事務次官でいらっしゃいます。これは第二共済も同じでございます。また、共済組合の副本部長が大臣官房長になっていらっしゃる、第二共済が健康局国立病院部長になっていらっしゃるということでございます。大臣から今の御意向があったわけでございますが、それを受けてそれぞれのある意味での事務方の責任者の方々の御見解をお聞きしておきたいと思います。
#67
○政府参考人(戸苅利和君) 実は私、労働省の官房長をやっておりました。そのときに厚生省の共済組合とそれから労働省の共済組合の合併問題を手掛けました。非常にそのとき苦労いたしましたのは、職員の年齢構成が違うとか、あるいは労働省の場合は出先の職員まで全部含めて組合員になっている、厚生省の場合は社会保険庁が入っていないとか、いろんな要素があって短期の掛金が非常に違っているということがありました。一緒になるときに、厚生省の職員については保険料がかなり上がったということがありました。一緒にするのに相当苦労いたしました。
 あと、今御質問のありましたように国立病院ですとか、あるいは社会保険庁の地方機関ですとか、それぞれ今までの経緯の中で共済組合を運営し、そういった中で独自の給付も行いという経緯がございますので、一元化、相当苦労すると思います。
 それから、運営につきましては、御案内かと思いますけれども、事務当局、役所の側とそれから共済組合の組合員の代表者、これから成る運営審議会、ここに重要事項を諮って決めるという民主的な運営、適切な運営ということで進めておりまして、方向としては大臣のおっしゃる方向だろうというふうに思いますので、職員の意見も十分聞きながら対応しているということだろうと思います。
#68
○辻泰弘君 そのことについてまず、苦労すると思うけれども、民主的な議論を通じてやる方向で取り組みたいという、こういう理解でよろしいですか。
#69
○政府参考人(戸苅利和君) できるだけやる方向でということだろうと思います。
#70
○政府参考人(河村博江君) 御指摘の厚生労働省の第二共済組合は、国立医療機関、今二百ほどございますけれども、その医療従事者というまとまりのある一つの職域グループで構成されます共済組合、第一共済と同様、国家公務員共済組合法に従って運営をしておりまして、運営の中身につきましては、ただいま官房長がお答えしたように、運営審議会を定めて組合員の意見を十分聞きながら運営しておるというのが実態でございますが、今後、医療保険全体の改革の方向性が示されて、共済組合の在り方をどうするかということについて考え方が示されれば、それに沿って対応を検討したいということでございます。
#71
○辻泰弘君 やはり、大臣の御答弁にございましたように、隗より始めよということでございますので、やはり全国の保険の統合一元化ということをお始めになるならば、まず足下から示されると、こういう御方針で臨んでいただきたいし、事務方の皆様方も苦労するということは理解しますし、個別の事情はあるとは思いますけれども、やはり役所の一つの、国家としての政策方針をそのように掲げてやられる以上、まずその姿勢を持つところから出発していただきたいと思うわけでございます。強く御要請を申し上げておきたいと思います。
 また、大臣が短期組合員から長期組合員になられることも御期待しておきたいと思っております。
 さて、それではもう一点。五月十四日、医師会の新役員就任披露パーティーがございました。この場で、医師会長の御発言でこういうのがございました。信じられない人たちが来ている、首相と我々に真っ向からアタックしている坂口厚生労働大臣だと述べられたようでございますが、この折、大臣はどのように受け止められたでしょうか。
#72
○国務大臣(坂口力君) それは、医師会長がそういうごあいさつをされまして、信じられない人間が来ているというふうに言われたんですから、私もそこにおっていいのか悪いのかちょっとよく分からないなと思いながら立っていたわけでございますが、私もそこであいさつを、そうしましたら、あいさつをしろということでございますからあいさつをさせていただきまして、これはやっぱり、ここでは思い切ったことを言わなきゃいけないと思いまして、私は医師会のおっしゃることも十分お聞きはするけれども、医師会のおっしゃるとおりにはならないと、ただし財務省のおっしゃるとおりにもならないと、こう二つ並べて言ったことを記憶をいたしております。
#73
○辻泰弘君 小泉総理の参議院予算委員会、昨年の五月二十一日の発言にこういうのがございます。「医師会の問題もあると思いますが、一つのいわゆる特定の団体の言い分というものを聞くことは大事でありますけれども、その一つの団体に左右されることのないような公平な納得できるような改革を目指していきたいと思います。」という総理の御発言がございます。
 それを受け止められ、今のお話もございましたけれども、今回の改正というものは、一つの団体に左右されない、公平で納得できる改革、改正だというふうに考えておられるかどうか、大臣のお考えをお聞かせください。
#74
○国務大臣(坂口力君) まずはやはり国民の皆さん方から御理解のいただけるものでなければならないというふうに思っております。
 もちろん、医療のことを行います以上、医療にかかわっておみえになります各種団体の皆さん方の御意見というのもよくお聞きをしなければならない、尊重しなければならないということもございますが、結局は、一つに突き詰めていけば、国民の皆さん方に十分な御理解がいただけるものであるかどうかということが一番の焦点であろうというふうに思っております。
 それぞれの団体、多少ずつやはり御不満が残るのではないかというふうに思いますけれども、それはひとつ御理解をしていただきたいと思っているところでございます。
#75
○辻泰弘君 皆保険とフリーアクセスということについてお伺いしたいと思います。
 坂口大臣は、七月二日、フリーアクセスは患者の選択権がある大変安心のできる制度だと、このようにおっしゃっております。また、この制度は今後継続していく、その大前提に立つと、こういうお話がございました。また、閣議決定された構造改革と経済財政の中期展望、一月二十五日におきましては、「国民皆が必要な医療を安心して受けられるという国民皆保険制度を守っていく」という指摘がございますし、また昨年十一月二十九日の政府・与党社会保障改革協議会においての医療制度改革大綱におきましては、「国民皆保険体制やフリーアクセスの原則を堅持しつつ、」という指摘がございます。
 ここでお聞きしたいと思うんですが、坂口大臣のおっしゃるフリーアクセスの中身は何かということでございます。日本じゅうのあらゆる医療機関に対する完全なフリーアクセスを意味しておられるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#76
○国務大臣(坂口力君) フリーアクセスというふうに言いましたときには、国民の皆さん方がどの医療機関に掛かりたいというふうに思われましたときに、どの医療機関を選択することもやはりその国民の皆さん方の選択権によっているということだろうというふうに思いますし、私はそのことは大事にしていかなければならないだろうというふうに思っております。
 ただ、医療機関の在り方として、どこも同じことをやっている、同じ内容であるというのだけでもいけないと。やはり、国民の皆さん方にその選択権を与えるということになれば、医療機関の中の機能分化ということもやはり大事になってくる問題ではないかというふうに思っております。
 そうしたことも含めて、毎日毎日の生活に言えば、これは掛かり付け医と申しますか、自分のことを一番よく知っていただいている医療機関というものを作っていくというようなことからスタートいたしまして、そして、病院のいわゆるそれぞれの持っている機能、その特徴を持たしていくといったようなことも大事になってくるのではないかというふうに思っております。
#77
○辻泰弘君 そうすると、掛かり付け医的なところを一度くぐるといいますか、そういうことを念頭に置いていらっしゃるということになりましょうか。
#78
○国務大臣(坂口力君) もちろん、そうした制度と申しますか、そうした医療機関とそして患者の皆さん方の関係というのを作り上げていくということも大事だというふうに思いますが、それは、制度とかいったような形で作るのではなくて、自然にそういう形になっていくことが望ましいのかなというふうに思っておりますが、しかし病院の側は少し機能別になるように多少のリードはしていかないとなかなかなりにくいのではないかというふうに思っております。
 そうした意味で、国公立の病院の在り方というのもいろいろ考えていかなければならないというふうに思います。
#79
○辻泰弘君 昨年十月二十九日、新聞のインタビューにおきまして坂口大臣は、年末に向け、去年でございますので、年末に向け経済が更に冷え込めば、先延ばしせざるを得ない事態が起こらないとも限らない。その場合、どの部分の実施を先送りするか、経済との見合いで考えなければならないと、こういう答弁をされております。質問は、この不況下で負担増は厳しいのではと、こういう質問に対してでございました。
 そこで、今回の審議等での御発言等をお伺いしておりますと、先延ばしというようなことを考えておられるというふうには受け止められないのでございますけれども、そういたしますと、この時点でそれなりに懸念された、経済が更に冷え込めば先延ばしせざるを得ない事態、このような事態には今や至っていないという理解でおられると考えていいでしょうか。
#80
○国務大臣(坂口力君) 万々歳というほど経済が良くなっていないことは事実でございますけれども、しかし、徐々にではございますけれども改善されつつあるというふうに思っております。
 医療費の問題は、これは税で出していただきますか、保険料で出していただきますか、自己負担でお願いをするか、この三つに一つしかないわけでありますから、それをどうお願いをするかという話になるわけでございます。余りにも保険料だけに依存をし過ぎますとお若い皆さん方に多くの負担を掛け過ぎるということにもなってしまう、それはどうかという御意見もあります。そこの折り合いをどうするかという問題だろうというふうに思っておりまして、今回決めさせていただきましたのは、三割負担で個人にもお願いをする、しかし、この自己負担の上限額があって、そして、軽い病気になった皆さん方には三割をお願いをするけれども重い病気になった皆さん方にはその自己負担上限額によって、そして病気をしない人あるいはまた軽い病気の人たちに御負担をある程度それは持っていただくという、この折り合いのところで今回の制度というものが、まず皆さん方にお願いをすべきだということでまとめさせていただいたところでございます。
 経済との問題は非常にデリケートな問題がございますけれども、その中で、医療が医療としてやっていかなければならない問題もあるということも御理解をいただきたいと存じます。
#81
○辻泰弘君 最後に一点聞かせてください。
 大臣も先ほどおっしゃいました、八月か九月に提示するとおっしゃっておりますが、その対象は何か、それだけお聞かせください。
#82
○国務大臣(坂口力君) これは、社会保険病院の在り方、それから年金、医療、介護、そして雇用の徴収の一元化、そしてもう一つは社会保険庁内部の組織の見直し、これらのことでございます。
 それに併せて、いわゆるレセプトの整理の今後の在り方といったようなことにつきましても、整理ができましたら同じに、こういうふうな方針でいきたいということを発表させていただくようにしたいと、こういうふうに思っております。
#83
○辻泰弘君 本日、国民医療費等の問題についても御質問させていただくべく用意もし通告もしておりましたけれども、次回以降に送らせていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#84
○委員長(阿部正俊君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩といたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#85
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案及び医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#86
○山本孝史君 辻先生の質疑を聞いておりまして、大変面白い質疑だったというふうに思います。清水の舞台に立っておられる大臣の背中をぽんと押すというのは余り失礼でしょうから、一緒に手をつないで飛び降りてあげてもいいのかなというふうな思いがいたしましたけれども。それにしても、いろんな問題抱えております。しっかりとした議論をしなければいけないと思いました。
 さきの委員会で質問させていただきましたところで若干御答弁が、私、不明確だったと思いますのでもう一度お伺いをしたいのですが、それは附則に書いてございます措置をしますいろんな事項について、期限の問題であります。
 いつからなんですかとお聞きをしましたら、法律施行の本年十月より起算するという御答弁をいただきましたけれども、いつまでに何をするのかということで、法律を見ますと、例えば「おおむね二年を目途に、次に掲げる事項について、その具体的内容、手順及び年次計画を明らかにし、所要の措置を講ずるものとする。」と、こういう書き方をしてあります。「おおむね二年を目途に」というのは、検討することに掛かっているのか、あるいは所要の措置を講ずるということに掛かっているのか、どちらに掛かっているのかということをまず明確にしていただきたいと思います。
#87
○国務大臣(坂口力君) これは一日も早くやることが必要でありまして、一番少なくとも最低のおしりのところ、これまでにはやらなきゃいけませんよという最終のところを示したというふうに私は理解をいたしております。したがいまして、これは検討するのか実施するのかといえば、これはもう実施するということでやっていかないといけないというふうに思っています。
#88
○山本孝史君 明確にしていただきまして、ありがとうございました。
 実は、二項のところも、保険者の統合再編、新しい高齢者医療制度の創設、診療報酬の体系の見直しという肝心な部分ですけれども、十四年度中に基本方針を策定するということは明確に法律に書いてございます。新しい高齢者医療制度についてはおおむね二年を目途に所要の措置を講ずるものと、こう書いてございます。
 ここを読みますが、保険者の統合再編、医療保険制度の体系の在り方、診療報酬体系の見直しといったものについて所要の措置を講ずるのは、できるだけ速やかに所要の措置を講ずるということで、いつまでにとは書いていないわけですね。できるだけ早くやらなければいけないということはそうですが、この辺の見通しというのはお持ちなんでしょうか。
#89
○国務大臣(坂口力君) 高齢者医療の在り方と保険の統合一元化の話とは、これは一体の話だというふうに思っております。したがいまして、高齢者医療の問題と併せて統合の話も、これは同時決着をしていくということでなければならないというふうに思っています。
#90
○山本孝史君 今の御答弁に沿って、平成十四年度中に基本方針が策定されてくる、できるだけ早く策定をしたいという御答弁でございますので、その結果をお待ちしたいというふうに思います。
 若干質問の順番、入り繰りがあって申し訳ございませんが、負担増と総報酬制の話をお聞きしようかと思いましたが、その前に、昨日の日経新聞も出ましたので、私は、やはり医療制度改革の根本は医療費の伸びに伴う公費の負担増をいかにファイナンスをしていくかということに尽きているんだというふうに思います。私の質問でいけば四つ目の質問になりますけれども。
 今日、お手元、お配りをさせていただきました資料は、さきに厚生省の方からお示しをいただきました制度改正の影響についての資料でございます。この資料におきますと、医療費において、平成十四年度、現行制度における公費負担額、七兆九千億円、このうちに国庫負担が六兆四千億とお聞きしております。この国庫負担額は、六兆四千億といいますと、十四年度の税収の予測額、四十六・八兆円の一三・七%に当たります。医療制度改正後の平成十九年度の公費負担額、十兆二千億とお示しをいただいておりますが、うち国庫負担額は八兆二千億というふうに聞いております。そうしますと、六・四兆円の今年度から、十九年度八・二兆円に国庫負担額は二八%伸びるという計算になっております。
 しかしながら、これに合わせて税収がそのように大幅に伸びるとは思えないわけですね。平成九年の健保法の改正以降、税収が落ち込みをした、あるいは財革法が成立をした、あるいは今回の国債発行三十兆円枠という総額規制があるという中で、予算編成上の大変問題から社会保障関係の費用の削減が求められてきたのがこのしばらくの動きだと思います。サラリーマンの自己負担も一割から二割、そして三割にと上がる。今回は診療報酬の減額改定ということにもなりました。
 そうしますと、今後も財務省から公費負担削減の圧力というのは大変強いものがあるだろう。先ほど抵抗するというふうにおっしゃったんですが、こういった今医療制度でも申し上げました公費負担額のこの伸び、この五年間で見ましても大変大きいものがある。これに対しても財務省の考え方もあるんでしょう。厚生省としてどのようにこういう圧力、財務省の圧力を受け止められるのか、それにどのように対応していこうとお考えなのか、お考えをお聞かせをいただきたいと思います。
#91
○国務大臣(坂口力君) 財務省は財務省としての論理でやってきますから、それはいろいろなことを多分言うのではないかというふうに思いますが、しかしお示しをいただきました少なくとも十九年の時点までの話につきましては、これは財務省も了解済みの話でございまして、ここまではそんなに切り込まれることはないのではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、医療費がこれから伸びることには間違いがないわけで、その伸び率を少し抑えてほしいということであったというふうに思っています。したがいまして、この十九年度、八兆二千億、公費全体として十兆円のところまではこれは一つ我々は了解をされたものというふうに思っております。
 これから後、一体どうしていくかという問題あるわけです。衆議院の方でもいろいろ議論が出まして、税をいわゆる投入する、公費を投入するということよりも、保険料を上げて保険料で賄うといった方の方がもうはっきりしていていいのではないかという御議論がございました。私は、それも一つの考え方ではないかというふうに私もそのときにお聞きをしながら思ったわけでございますが、しかし、さりとて保険料がどんどんどんどん上がっていくというのも、これもなかなか耐え難いことでございますから、高齢者がうんと増えていくというその分に対しましては、これはやはり国庫負担の導入というのも、これは避けて通れない問題であるというふうに思っている次第でございます。
#92
○山本孝史君 そうすると、財務省とのお話合いで、十九年度までの医療にかかわる公費負担についてはこれで話が付いていると。そうすると、医療費の大幅な想定している以上の伸びがないことがあれば制度として運営されていくということですから、これから五年間の間に保険料が上がることもなければ、自己負担が上がることもなければ、もちろんこれ以上上がることはないわけですけれども、制度改正はここから先五年間は財政的な面からすると必要ないということになるんでしょうか。
#93
○政府参考人(大塚義治君) 今回の改正におきまして、どの程度のスパンで考えるかと。
 もちろん、将来の高齢化のかなりピークに近い時期のことも念頭に置きながら考えなければいけませんけれども、やはり今日の様々な保険財政の運営から見ますと、一つのめどを五年。例えば、政府管掌健康保険におきましては中期財政運営という考え方を取っております。したがいまして、五年ということを一つの具体的な試算その他の前提といたしまして試算をいたしました。もちろん、案を取りまとめる過程では財務省と大変厳しい議論がございましたけれども、こうした五年程度の枠組みの中で最終的には政府として御提案をしたわけでございますから、基本的にはこの枠組みは御了解をいただいていると考えております。
 ただ、様々な検討課題がございます。期限が定められまして五年の間にも方向を定めるということもございますし、そのうち実施に移されるものも出てくるはずでございますから、そうした意味での間接的な影響、それは国庫負担を削減するという目的ということではなくて、制度を見直すことによる影響というのはそれは変動要因があり得るわけでございますけれども、今回、御提案の中身につきましては、政府全体として了解の上提出したわけでございますから、基本的には今後五年間はこの仕組みが前提で医療保険制度の運営が図られると考えております。
#94
○山本孝史君 これは財務省あるいは総理ともっと議論するべき話になるのかもしれませんが、財務省との話合いが付いているというお話でございましたけれども、先ほど申しましたように、今年度の国庫負担六・四兆円、十九年度で八・二兆円、一・八兆円国庫負担が増えるという計算になるわけですね。一・八兆円増えるんですが、併せて財務省がいつも出します中期経済見通し、財政見通しでいきますと、ここしばらく税収は横ばいかむしろ下がるわけですね。税収が全く上がらない、前年は歳入欠陥だということになります。今年も多分そう伸びないんでしょう。少なくとも十七年度までしか財務省としては機械的な試算もしないんですけれども、それでも十四年度の四十六・八兆円は十七年度に四十六・一兆円という計算ですから、増えないんです。
 税収が増えない中で、医療費はこうやって増やすことができますよと、医療に対する公費負担は増やすことができますよということの裏付けはどこにあって大丈夫だというふうに厚生大臣として受け止めておられるのか。あるいは、それは財務省がやってくれることだから厚生省はそこまで関知しなくていいということなのか。政府全体としてこの負担増をどうするという財源の裏付けを考えた上でこの制度は設計されているのか。その点をお聞かせをいただきたいと思います。
#95
○国務大臣(坂口力君) 財務省とのいろいろの議論の中におきましても、医療費が年々歳々上がっていくことはやむを得ない。私も、高齢者医療が上がる上がるというふうに言われるものですから、全体として毎年八%上がっておりますけれども、その中の四%はこれは高齢者増によって起こってくるものである、だから少なくともその四%上がっていく、高齢者が増えてくることによって起こるところのところは、それはやはり自然増みたいなものですから、それは十分な理解が必要ですということを最初から言い抜いてまいりました。
 いろいろ途中の議論はありましたけれども、これから高齢者医療が増えていく、医療費全体として増加をしていくのを、しかし今までの年々歳々、一兆円ずつという、これはまあ総医療費の話でございますけれども、そこは少し抑えるようなやはり仕組みと申しますか、抑えられるような施策というものを厚生労働省としても取ってほしい、しかし増えること自体は、それはおっしゃるようにやむを得ない面もあるというふうな理解であったというふうに私は受け取っております。
 したがいまして、少なくとも十九年までの、ここまでのこの数字は、これは全体で確認をしたことでございますから、これは理解されるものと思っております。
#96
○山本孝史君 財務省との協議の上、閣議決定して出てきているので、ここまでのこの医療の制度の改正にかかわる公費負担部分は保障されているというお話ですが、しかし、申し上げたように、税収はほとんど伸びない状態が続きます。
 昨日の日経新聞で、日経新聞ですから勝手に言っている話でどなたも信用していない話かもしれませんけれども、しかしながら、社会保障費を来年度予算の編成では抑制してほしいという、火のないところに煙は立ったのか立たないのか知りませんが、いずれにしても、毎年こうして社会保障関係費は削減をしてほしいという財務省の圧力があって、それに何だかんだのやりくりをして応じてきたのが厚生労働省のこれまでの予算編成だったというふうに思うんです。来年も、この記事でいきますと二千億から三千億圧縮をしてほしいということで言ってくる。この金額の話は別にして、いずれにしても圧縮の要因はここから先も減ることはないんだろうと思うわけですね。
 そうすると、この記事の中にもありますけれども、これは医療の問題はこれでけりが付いたというふうにすると、どこでその金目を引き出してくるのか。来年で考えますと、例の年金の物価スライドを凍結をしている部分、あの解除をするかどうか。解除した方がいいんじゃないかという厚生大臣の御答弁もあって、公務員賃金が下がれば賃金に見合うだけでもというような具体的なお話もあったかというふうに思います。
 今、凍結されているその割合と、今年の下がり方を含めて一%でこれが解除した場合にどのぐらいの国庫負担の削減になるのか、年金局長に御答弁をいただきます。
#97
○政府参考人(辻哲夫君) 現在三度目、三か年続けて物価下落にもかかわらず据え置く措置が取られておりますが、その累積分のまず財政影響を申しますと、累積で、物価で一・七%分が下がるべきものをとどめられておりますが、これは国庫負担ベースで十四年度八百四十億円、言わばその分要して、必要としております。
 仮に、これちょっと試算でございますので、十四年度の予算の給付費をベースにして大まかに試算いたしますと、一%例えば縮減いたしました場合には約五百億円といった額が節減されるということになります。
#98
○山本孝史君 今年も多分下がって、人事院勧告どうなるかというふうに思いますけれども、賃金下がっているということでいきますと、これ、恐らく議論をしてその方向に、法律に決まっていることだからできるだけそれに近いことをやろうということで、そういう方向で議論があったとしても、一%で五百億の金目の話なので、もし財務省が言うように、新聞記事が正しいかどうかは別にして、二千億、三千億という話をされると医療には手が付けられない、年金はこの話になる。
 じゃ、あとはどこで削るのかという議論になってくると思うんですね。根本的な議論として、その三十兆円の国債の発行額がいいのかどうかという議論はやはりこちらにありますけれども、予算を編成する上でどうするのか。いずれ八月の概算要求の段階でお決めにならないといけないことだというふうに思っているのですが、切り込みは向こうから来る話なので、こっちから先に切ってお出しになることはないんだと思いますけれども、ここら辺の説明がないとやっぱり議論が深まっていかないのではないかというふうに思います。
 十九年度まではこれでやっていけるんだという御答弁だったんですが、お配りした資料の二枚目を見ていただいて、この間御答弁の中でお使いになりました、二〇二五年に幾らに伸びていくかという推計をするとこうなりますということでお示しをいただいた数字であります。
 平成三十七年、二〇二五年に医療保険医療費六十五・六兆円で、義務的な公費負担額が二十三・四兆円で医療保険医療費の三五・七%、患者負担が現行制度でいって九・九兆円で一五・一%、保険料が三十二・三兆円で政管健保の保険料では一〇・三%に相当する金額なんだと、こうおっしゃったんですね、厚生省の方に御説明をいただいたときに。
 坂口厚生大臣が御答弁の中で、保険料負担は一〇%が限度だろうと、こういう御答弁もされておられたので、この数字を念頭にしながらその保険料のことをおっしゃったのかなというふうに思うんですけれども、そういう御答弁だったのでしょうか。
#99
○国務大臣(坂口力君) この数字も見ておりましたけれども、常識的に考えましてやはりそれ以上の保険料というのはかなり厳しい、率直にそう思っていたわけであります。もちろん、この数字も見ておったことも事実でございます。
 私はそう思いますけれども、そこから先の議論は、先ほど申しましたように自己負担でいくのか、それとも保険料でいくのかという議論は、それは当然のことながら残るわけでありまして、そのどちらで合意をされていくのかという将来の問題はあろうかというふうに思いますけれども、少なくとも現在我々が試算をしております、そのいろいろ前提ございますが、前提の上に試算をしております数字からいいますならば、二〇二五年までの間に約一〇%という上限、ここで抑えられるのではないかというふうに思っております。
 ここから先どうなるかという御議論もあるわけでございますが、ひとつ二〇二五年ぐらいなところで人口構造、一つの踊り場に出まして、そこからもう一段高齢化が進む可能性というのは、これはあるわけでありますから、その後の問題というのは、そこまでこれは至っておりませんけれども、二〇二五年の、一度この人口構成が踊り場に出ます間までは、この範囲の中でやりくりをしなければならないし、やれるのではないかというふうに思っております。
#100
○山本孝史君 人口推計がどういうふうになっていくのかということで、その影響も大変大きいと思いますし、そもそも国民の医療に関する姿勢というものもどう変わっていくのかによって医療費の伸びは随分変わってくるというふうに思います。
 ただ、一つの厚生省が思い描いている姿、将来像として、二〇二五年にはこういう姿になるだろうと。保険料一〇%とおっしゃって、この数字はほぼ一〇%の、政管健保でいくと保険料率なんですということなので、まあ良しあしは別にして、これから二〇二五年までの約二十年間の間に保険料率で二%、すなわち五年に一度、四パーミル程度引上げをしていきますとこの数字に大体近づいていくわけですね。
 公費負担はもう三割で打ち止めと、これは先の政治家がどう判断するかによって何ら担保するものではないという御答弁もありましたけれども、一応現在の自己負担の割合は置いているということなので、そうするとこの保険料、公費、患者負担といういつもの議論になりますが、保険料と患者負担の部分はある意味では見通しが立つというか、計算の立つ話だと思うんですね。そうすると問題は、やはり公費のその部分をどうファイナンスしていくかということについて見通しを出さなければいけないというか、方針を出さなければいけないんだと思うんです。
 総理と議論をしますと、だれも増税の話には乗ってこない、消費税であれだけ上を下をと大騒ぎになるんだからと、こうおっしゃるんですが、やっぱりどうこの財源を担保していくか。十九年度まではいいとしても、社会保障にかかわる公費をどのように負担をしていくかということ、まあ国費ですね、公費負担をどうしていくかということをお示しにならないと、私は、改革案というものはある意味では中途半端な改革案なんじゃないだろうかと思うんです。
 野党の立場で、この年金制度改革の問題で基礎年金の国庫負担率について議論をします。引上げをしよう、じゃその財源はどうするんだと、いつもこの野党の皆さんも、あるいは答弁に立たれる大臣の皆さんもそうおっしゃったわけです。私たちはその言葉をそっくりそのままお返しをしたい。この財源をどのように担保していこうかというお考えを持っておられないのか。おられないのであれば、十九年度まではいいけれどもその先は知らぬよという話になってしまうので、坂口大臣として、この公費の負担増というものにどう対応していくことが一番望ましいと思っておられるのでしょうか。
#101
○国務大臣(坂口力君) この次の税制改革がどのように行われるかということによりまして非常に大きな違いが出てくるというふうに思いますが、いずれにいたしましても、経済の成長率は今のようなことはなくて、もう少し成長はすると思いますけれども、高度経済成長のときのような成長はなかなか難しいという前提に立って計算をするということになれば、それはやはり税制改革というものを伴ってくるんだろうというふうに思っております。
 その税制改革につきましては、早く結論を出すということでございますから、政府の方としてもその結論を急ぐだろうというふうに思っておりますが、この二〇二五年を目指しまして、それが医療であれ、そして年金であれ、かなりな負担が増えることだけは間違いがないというふうに思っております。この辺のところを、全体の中で社会保障のところにこの財源を集中してくれるということになれば、これはいいわけでございますが、なかなかそうとばかりも言えないということになってくるとするならば、やはり税制改革というものと合わせてこれは考えていかざるを得ないんだろうと思います。
#102
○山本孝史君 全くそのとおりだと思います。
 税制改革、医療保険の、あるいは社会保障の話をすると、いろんな関係者がいて、いろんな問題が広がってとおっしゃる。いろんな問題の先はいつもこの税制の話になるわけですけれども、やっぱり税制の改革をどうするのかということを合わせ技で出していくということがとても大切だと思うんですね。
 少なくとも、財務省の数字で、平成十四年度の当初予算ベースでいきましても、国税の租税負担額は四十八兆八千億です。社会保障負担額は五十六兆五千億ですので、平成十年の年度当初から、この社会保障負担額と税制、国税の部分の負担額は転換したわけですね。常に社会保障負担額の方が大きくなっている。
 同じく当初予算でお聞きをしましたら、年金保険料が三十一兆三千億、医療保険が十六兆五千億の負担になっておりますけれども、所得税は十五・八兆円、消費税は十二・三兆円ですので、負担が大きい大きいと言っている所得税あるいは消費税に比べて、もちろん保険料は企業負担が、雇用主負担がありますからそのままではありませんけれども、消費税十二・三兆円に比べて年金保険料三十一兆三千億、医療保険十六兆五千億ですから、今や、税の改革もさることながら、この社会保障の負担をどうしていくのかということを議論しませんと、保険料は法案が改正されて自動的に上がっていきますけれども、しかしそれではやっぱりどこかで行き詰まってしまう。とりわけ公費の問題だというふうに思います。
 それから、もう少し、十九年度まではこうだとおっしゃること以上に、社会保障全体の負担をどう分担していけばいいのかという具体像を、将来ビジョンをやっぱり出していかなければいけない。これ、与野党問わずの話だと思いました。この問題が解決しない限り、いかに小手先の議論をしていても、どうも議論は進まないのではないかという思いがいたします。
 それで、問題は、やっぱり高齢者の医療制度をどう設計するかということが一番直近の話だと思うんですね。今日お示しをしました資料の三枚目は、これも厚労省に作っていただきましたけれども、昨年の制度改正前には同じようにこうした十四年から十九年まで制度改革が実現したらどのように金目が動いていくかという表を作っていただきました。
 それは制度改正前、あるいはいろいろと御議論のあった中でお作りになっていたものだったので、最終的に保険料率が総報酬ベースで八二パーミルになった、あるいは七十歳から七十五歳までの患者さんの負担の部分が変わったとか、いろいろありましたので改めてお作りをいただいて、十四年度医療制度改革が実現をすると、単年度収支として十八年度に八百億、十九年度に二千八百億の単年度赤字になるけれども、事業運営安定資金で賄えて、十九年度には事業安定資金もゼロになるということで、ぴったり十九年まではやっていけるという見事な計算式になっているわけです。
 これがもしこのとおり動くとしても、問題はやっぱり拠出金の割合だというふうに思うんです。この表の中で見ておりましても、十四年度の老人保健拠出金二兆四千七百億、退職者給付拠出金六千六百億、両方足して三兆一千三百億という拠出金の金額になります。それは保険料収入の五兆八千八百億の五三%が拠出金に当たるという計算になっています。十五年度でもその割合は四七%、平成十六年度でも四六%。健保組合でいつもだれのために保険料を集めているのか分からないという御議論があります。同じ議論がもちろん政管健保でもあり得るわけで、こうやって見ますと、政管健保として払っていただいている保険料の半分近くは拠出金、高齢者のための拠出金ということで出ていくわけです。
 今回、三割負担を求めて、かつ、いきなり一〇%も、一割も保険料率がアップをする。七五パーミルから八二パーミルと大変ぱあんと上がって、しかも三割も自己負担をするという形になって、大変な負担増を求めるのはなぜかといえば、この政管健保から出ていく老人保健や退職者給付の拠出金の増加をいかに賄っていくかということで今回のこういう制度改正になったんだと思うんです、予算編成上の問題もあって。
 そうしますと、老人加入率の上限を平成十年に二五%から三〇%に見直しをしました。あのときに健保財政に大変大きな影響が与えられたわけですけれども、今度の制度改正で老人加入率の上限が撤廃されるということになります。加入率の上限撤廃ということは、もろにリスク調整といいますか、ファイナンスの調整をするわけですね、財政調整を。
 ということになりますと、私、加入率の上限が撤廃されると、国保の保険者は掛かったら掛かった分だけもらえるという形になってしまうので、医療費の抑制努力が国保の保険者の中で薄れてくるんじゃないだろうか。その結果として、想定以上に政管健保あるいは組合健保から拠出金の持ち出しが増えるんじゃないかというふうに思うんですが、その点はどういう御認識をしておられるのでしょうか。
#103
○政府参考人(大塚義治君) 老健拠出金の加入者上限率のそれ自体の御議論としてはかなり古い時期からの議論がございまして、特に国民健康保険のお立場からしますと、比較的過疎などの小さな市町村で加入率が高いという状況もございまして、この撤廃が強く要望されてきたところでございますし、公平な分担ということからいたしますとやはりこれは整理をしなければならないということで、今回これを整理をするということにいたしたわけでございます。
 その際に、お話のございましたのは、市町村における適正化努力に陰りないしはマイナスの影響があるのではないかという御指摘でございますが、現実問題といたしまして、退職者にいたしましても高齢者にいたしましても各国保の加入者でもあるわけでございまして、それらを区分して対応するということは、これは現実問題としてできもしませんし、市町村にもそういう意識はないんだろうと思うんでございます。
 さらに、現行の仕組みでございますけれども、御案内のとおりでございますが、老人保健拠出金の算定の際に、それぞれの市町村の言わば老人医療費の大きさ、高さというものが反映される仕組みもございますので、そういうインセンティブも現行制度の中では組み込まれておるわけでございます。
 観念的にはと言ったらしかられるかもしれませんが、ファイナンスが別のところ、被用者保険の方で大部分カバーされるということになりますと、そういうことはないと断言もできませんけれども、私ども、市町村の担当者の方々と様々な議論をしたりお話を聞いたりしますときに、少なくとも市町村サイドでそういう意識は全くないわけでございまして、また実務上もそういうことは難しかろうと思いますので、そういう点での心配は私どもはいたしておりません。
#104
○山本孝史君 市町村サイドに聞いて、努力しないよねと言って、しませんと言う人もいないでしょうし、当然努力をしてもらわなければいけないわけですけれども、上限があるがゆえに何かやっぱり医療費を抑えなければいけないという思いで運営してきている部分もあると思うんですね。掛かったら掛かった分だけ払いますよというのは正に出来高払の話になって、私はこの制度は決してうまくいかないんじゃないだろうか、そんな、想定されているようにはいかないんじゃないだろうかという心配をしています。
 いずれにしても、高齢者医療に対する負担は必要だとしても、それをだれがどのように負担するかという中で、政管健保に入っている中小のサラリーマンの皆さん方の保険料の中に半分以上老人のための拠出金に当たるお金が入っているというものを何らかのやはり区別をしないと、私は、介護保険料が入ってきたときに介護保険料上乗せをして、それはファイナンスできませんからというので横に落としましたけれども、やっぱり高齢者の負担のための保険料と、実際の若い人たちのための保険料と、二つをしっかり分かるように分けて徴収をするということを考えた方がより御協力は得やすいのではないかというふうに思うんですけれども、そういうことはお考えになってないんですか。
#105
○政府参考人(大塚義治君) これも関係者の間で議論のあるところでございます。私どもも一つの考え方とは存じております。
 さらに、実務的な立場から、その上で付け加えますと、結局、最後の一種の財政責任と申しましょうか、費用負担の責任をどういう形でセットするか、定めるかということに最後にはなるんだと思います。
 例えば、仮に一種の費用徴収の代理あるいは代行的な役割だというふうな整理をいたしますと、言わば徴収し切れない分をだれがカバーするのかと、こういう問題が根っこにはございます。その点を考えなければなりませんけれども、おっしゃいますように、現状の仕組みを前提といたしましても、かなり本来の加入者の経費と拠出金という形で言わば全国民で負担する経費と性格が違うものでございますから、具体的に今どうこうという案を持ち合わせているわけではございませんけれども、一つの考え方ということで、課題の一つとして念頭に置きたいと考えております。
#106
○山本孝史君 高齢者医療制度はおおむね二年を目途にということで書いておられますので、基本方針の中でどうお書きになるのかと思いますけれども、やっぱりここの整理を付けないと入口から先へ進めないという私は気がいたしております。
 その点で少し、質問後ろになっておりまして申し訳ありませんが、附則に「新しい高齢者医療制度の創設」と、こう書いてございます。これまで厚生省がお出しになった資料、あるいは与党の中でお作りになった資料によっても、新しい高齢者医療制度といったときに、七十五歳以上の者を対象に、高齢者自らが負担能力に応じて保険料の負担をすることを基本としつつといったような表現がかねて散見されてまいりました。去年十一月の政府・与党の社会保障改革協議会でも、高齢者からの保険料徴収という考え方を打ち出しておられるというふうに思います。
 だとすれば、高齢者の医療制度については、保険者機能を持たない現行の老人保健制度の手直しで対処するというのではなくて、保険者機能を持った社会保険方式で構築をしていくというお考えに立っておられるのか、この辺の、新しい高齢者医療制度の創設といったときに、どの程度そのイメージが固まったものとしてお持ちになっておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#107
○国務大臣(坂口力君) ここはまだそこまで実は固まっていないんですね。
 それで、やり方としましては三つなり四つなり、そのどちらか、どれかを選択をしなければならないということではあるんだというふうに思うんですが、どういう形を取るにいたしましても、問題は、財政上、公費と保険料とそして高齢者の自己負担といったものとの割合を一体どうするのかという問題と、それをどのようにして集めるのかということに尽きると思うんですね。
 だから、その財政問題を、まずそこを固めれば、それに対するおのずから今度は、じゃ、それをやっていくためにはどういう制度が一番望ましいかということは私はかなりそれは選択の幅は狭まってくるのではないか。最初からこういう、例えば突き抜け方式でいきますとか、あるいは最初から独立方式でいきますとかということを決めて、そして掛かっていきますとなかなかうまくいかない。今までもそれはうまくいかなかった。
 ですから、そうではなくて、高齢者医療のその財源をどのようにするかというところをまず固めることが大事ではないかというふうに思っております。それはそんなにたくさん財源の方法があるわけではなくて、これは公費と保険料とそして自己負担と。自己負担のときには、いわゆる診療に掛かっていただきますときの自己負担もありますし、それから保険料を若干負担してもらうのか、もらわないのかということもあるというふうに思いますけれども、大きく分ければ、その三つの組合せをどの程度にするのかということによってこれは決まるんだろうというふうに思っております。
 まずそこを決めなければ、そこから先には行かない。そこが決まれば、その財政を、今度は、現在の分立されておりますそれぞれの保険者からどういう割合で財政調整をして出してもらうのかというような話になってくる。そのときに、財政調整のところまではやりますということを決めたといたしましても、そこから後、それならば保険者を一本にしようじゃないかという話も出てきますし、財政調整をそこまでそういうふうにやるのなら、財政調整ができれば、それで現在の保険者を、幾つか分かれていたとしても、それはそれでいいではないかという議論がその後で残る可能性もあるというふうに思っております。そこの先に、もう一遍保険者をどこまで統合するのかという話になるだろう。だから、その統合する話の前に保険料をどのように財政調整をするかという話にいま一つはなってくる。
 一方は公費の問題がある、一方には自己負担の問題もある。そこをどうするかということの固めというものをしなければならないのではないかというふうに思っております。そういう意味では、今、山本議員の方からもお示しをいただきました、この二枚目でございましたか、二〇二五年の大体、公費と保険料とそして患者負担というこの割り振りというのは、これはまだ全体として固まっているわけじゃありませんけれども、私は、一つの大変参考になる割り振りではないかというふうに私個人は思っている次第でございます。
#108
○山本孝史君 高齢者医療制度について、これまで政府・与党の協議会で、あるいは厚生省の試案であれ、いろんな形で示されてきたものがあって、いずれを見ても社会保険方式で高齢者御自身に保険料を負担していただくという形で書いてございます。それも決まっていないんだ、これから議論なんだと。総理にも申し上げましたけれども、既に議論は出尽くしている、後は決断するだけだ、政治力だと、こういうお話をされていて、ここから先まだ議論が続くんですというのはやっぱり時間が掛かり過ぎるのじゃないだろうかと。十九年まではこれでファイナンスがされたとしても、長くても五年の間ですから、この五年間の間にしっかりやり切るものはやり切らないとその先行けない。
 だから、そういう意味で、ちょっと今の御答弁も、まだこれから議論です、決まっていないんですと、こうおっしゃるのもちょっと私たちもその議論に参加する土俵を作っていただいていないように思いまして、もう少し明確に御答弁をしていただいた方がよろしいのじゃないだろうかと思うんです。
 高齢者医療制度をもちろん考え直さなきゃいけないのと併せて退職者の医療制度も一緒に考えをしていただきませんと、この財政の収支見通しを見ておりましても、結局、老人保健の拠出金は下がるけれども、その分退職者の給付の拠出金は増えていくということで、トータルとしての拠出金は結局増えていくことになっています。やりくりしているだけですので、そうしますとやっぱり退職者医療制度というものも当然見直しをしていかなければいけない。
 今度、七十五歳以上で高齢者医療制度を作って、その下につながる形で退職者医療制度がありますので、高齢者のようにうまく制度改革ができるのかどうか分かりませんが、そこは、退職者医療制度はどうお考えになっておられますか。
#109
○国務大臣(坂口力君) 我々が作りましたこのペーパーは、これは七十五歳にして、そしてそうしますと、それからの、この保険から出していただきます割合はうんと下がりますということを書いているわけですけれども、その代わりに七十五歳までの退職者医療というものに対しましてはそれぞれの保険で出していただくということになりますから、足しますと元々同じじゃないかという話になってくるわけでございます。ですから、この高齢者医療のことをやりますときには、退職をされました皆さんのことも当然念頭に、念頭に入れるというか、全部含めてこれはどうするかということを決定をしなければならないというふうに思っているわけでありまして、そうした考え方をこれから詰めていきたい。
 全体としましての議論は出尽くしているというのは、確かに、もうやり方としてはそんなにたくさんのやり方があるわけではないという意味では出尽くしているというふうに私も思っておりますが、どの案を選ぶにいたしましても財政的にどういうふうにするかという問題が中心になってまいりまして、そこのところの議論ができなければその先のどういう方式でいくかということがなかなか決まってこないなというふうに思っているわけでございまして、その議論を最終的に早く詰めていかなきゃならないということで、今努力中でございます。
#110
○山本孝史君 厚生省にもう一つ努力をしていただきたいと思っておりますのは、診療報酬の改定と医療費の増減がどのように関係しているのかということの検証であります。
 今日お配りをさせていただきました資料の四枚目はこの質問に対して厚生省が私に下さった資料ですが、「国民医療費増加率の要因別内訳の年次推移」と、こう書いてございます。増加率というのは、これは医療費の伸びの増加率になっています。診療報酬改定の影響は、これは診療報酬の改定されたそのままがここに書かれています。
 ちょっと待ってというふうに私は申し上げたんです。診療報酬改定の結果、医療費にどう影響したかということを考えるときに、医療費のことがあって、診療報酬の改定率をそのまま書いたんでは、じゃそのまま動いたんですかということになってしまうわけですね。人口増と人口の高齢化が当然医療費に影響しますので、そのことが書いてありますけれども、横に数字を見ていきましても、適当に数字が置いてあるようにしか思えない。人口増とか人口の高齢化はずっと同じような数字で上がっていくはずですので、年によってそれが〇・三になってみたり〇・七になってみたりとか、一・二になってみたり一・七になってみたりということはまずないんだろうと思うんです。そもそもその「その他」のところにほとんどの数字を押し込んであるように思うんですね。確かにインフルエンザがはやれば医療費は掛かるでしょう。いろんな状況があるとは思いますが、ちょっとこの表は私はずさんだと思います。
 診療報酬の改定で医療費にどう影響したのかということをもう少し精査した表が作れないものなのか、そんなことはやっていないのか。そのことについて御答弁をいただきたいんです。
#111
○政府参考人(大塚義治君) 御指摘の趣旨はもちろん私どもも理解をいたしておるわけでございますけれども、診療報酬の改定の性格、本質は、一種医療費の単価の改定ということになるわけでございます。そういう意味では、当然、医療、診療報酬の個々の点数は下がったり上がったりそのときの改定に応じて設定をされているわけでございますが、全体の医療費ということになりますと、一つには患者の受診動向、あるいは診療側、医療機関側の診療行為にも変化が生じる。それは、一つには診療報酬の改定そのものが影響を与えるというケースもございますし、全体として大きな医療の高度化といったトレンドの中での変化もございます。そうしたことがございまして、この診療報酬改定の結果を引き出すということが率直に申して極めて技術的に難しゅうございます。
 これは、現状の様々な、事務処理上電算化が必ずしも進んでいないというところにも関連をするわけでございますが、診療報酬の結果を、それを抜き出すという、言ってみれば手法がまだ開発し切れていないというよりも、見付かっていないというのが率直なところでございます。
 もちろん個々にはケーススタディーというようなことで若干ございますけれども、全体像を把握するというところまで行っておらないのが現実でございまして、したがいまして、こうした資料を作ります場合には、どうしても診療報酬改定の言わば予算時期に決定をいたしました一種の公称、公称値といいましょうか、決められた値を表示していると、こういうことでございます。
 今後の研究も重ねなければなりませんけれども、現時点において、その手法の開発について今の時点でなかなか自信が持てないというのが率直なところでございます。
#112
○山本孝史君 過去の診療報酬改定が医療費にどう影響したかということについての分析ができないままにこれから先その診療報酬をどうするんだという話をしても、結局、財政上の影響でそこは医療機関に我慢してもらうんだとかというお話にしかならないですよね。だから、今の御答弁、私は満足いたしません、当たり前の話ですけれども。
 もう少し、やっぱり何でもかんでもその他に押し込んでしまうようなことではなくて、診療報酬がどう医療費に影響するんだということの研究はもっと緻密にやっていただかないと、これから先、今回上がりましたというお話も、どうそれがまた影響してくるのかということも分からないわけですから、ちょっと厚生省としては私は怠慢だというふうに思いました。
 診療報酬改定をこれからしていかれる、あるいは検討項目に挙げておられます、附則の中で。診療報酬改定をするということで、若い人からお年寄りの皆さんに財政的な負担をしているということと同じように、医療費が低いところの地域の人から医療費が高いところの地域の人たちに今負担をしているわけですね、全国一本でやっていますと。そうしますと、それも何かおかしいんじゃないかという思いがしますが、診療報酬改定を考えられるときに、こうした低医療費の地域の人たちの問題、すなわち医療費ですとかあるいは人件費ですとか施設の整備費ですとか、そういったことを勘案しながら作る診療報酬体系というものも検討課題としてお挙げになるのか。あるいは病院と診療所の診療報酬体系についてどうするのかということも言われておりますが、こういったことも検討課題としてお挙げになって検討をお加えになるんだと思うんですが、そう理解してよろしいんでしょうか。
#113
○国務大臣(坂口力君) 診療報酬の問題を行いますときには、診療報酬をどういう基準によって決めるかということを一つは明らかにしていかないといけないというふうに思っております。これは前にも申し上げたことでございますが、そこを明確にいたしませんと、なぜ診療報酬がここが高いのか低いのかということがよく分からない、説明が十分にできにくいということがございますので、まず幾つかの基準を明確にする。
 一つは、やはりそういう意味ではどれだけコストがここに掛かるのか。コストにつきましては、医師のコスト、医師以外の人のコスト、そうしたものもあると思いますし、薬剤のコスト、薬剤以外のコスト、そうしたものがどれだけ掛かるのかということがあるだろうというふうに思っています。それから、時間的な物差しということもよく申しますけれども、時間を掛けてやらなければならない医療と、そして短時間に済む医療と、それも同じにこれを片を付けるというようなこともどうかという気がいたします。
 そうした物差しを明確にしていくということをいたしまして行っていくわけでありますが、地域における問題というのは、診療コストでこれを見るのか、それとも地域におけるその差は保険料で見るのか、そこはいろいろの私考え方があるというふうに思います。保険料というのはなかなかやりにくいので、むしろ、例えば長野県が非常に医療費を抑えているといったようなことになりましたときに、県単位にもしもすれば、長野県の保険料を下げるといったことは、これは私は可能ではないかという気がいたします。
 そうした保険料並びに診療報酬の在り方といったときに、そうしたことも念頭に置きながら当然やらなければならないというふうに思いますが、どちらかといえば保険料でそれは整理をした方がしやすいのではないかという気がいたします。保険点数の場合には、今申し上げましたようなコストや重症度や、あるいは時間的な問題等、そうしたことをやはり明確にしていくことが必要だというふうに思います。
 今例えば大きい病院で、そうすると、ベッド数によって、何ベッドある、ベッドによって医師の数だとか看護婦さんの数というのは大体決められている。ところが、ベッドの回転を早くすると、一人の人が三十日入院しておりましたのを二十日にしてしまうといったようなことになりますと、同じベッド数でありましても、それは忙しさは大変な違いに私はなってくるんだろうというふうに思います。したがいまして、国立病院等、もっとベッドの回転数を良くしろとかなんとかというようなことを言ったりいたしますと、それは現場は非常に負担が大きくなってくるという可能性もあって、そうした場合に果たして今までの保険の在り方でいいのかとか、いろいろ問題が私は出てくるだろうというふうに思っております。
 そうした問題も踏まえまして、この診療報酬の在り方というものは、その基本のところを明らかにしながら進めていくということにしないといけないと思っている次第でございます。
#114
○山本孝史君 質問が入り繰りになってしまいましたけれども、先ほどの医療費の伸びの部分のお話でもう一つ聞かなければいけないと思っておりましたのは、これは制度改正の影響もいろいろ入っておるんですけれども、薬剤の別途負担は医療費の削減に良しあしは別にして非常に効果的だったというふうに思います。効果的であったがゆえに、与党の中で早く外せという話になったんだと思いますが。薬剤の別途負担ということはある意味では分かりやすい負担の仕方かというふうに思いますけれども、今回、廃止ということになりました。どのように制度として検証しておられて、今後、もう一度俎上に上ることはあるのかどうか、どのようなお考えの整理をしておられるのでしょうか。
#115
○政府参考人(大塚義治君) お話ございましたように、平成九年の改正におきまして、薬剤いわゆる別途負担というものを導入をしたわけでございますが、当時の議論といたしましては、特に薬剤の医療費に占める大きさ、あるいは薬剤使用の適正化という観点から、これを導入するということで制度化されたわけでございます。
 そのときに、当然のことながら、御負担をお願いするわけでございますから、これも一定の前提を置いた推計にならざるを得ませんけれども、と申しますのは、そのときにあわせまして、いわゆる二割負担に引き上げたといったような患者負担の見直しも併せて行いましたので、そのうち薬剤だけの影響というのを抜き出すのは、これは大胆に前提を置かざるを得ませんけれども、当時の影響として、十二年満年度の影響でございますが、おおよそ給付費の減という意味で七千九百億程度と見込んでおったわけでございます。したがいまして、少なからず影響があったわけでございますが、これは当然御負担をお願いしているわけでございますから、給付費は減ると、また御負担をお願いすることに伴う医療費の減というのもある、それら合わせての数字でございます。
 しかしながら、この薬剤別途負担につきましては、一つには制度が複雑だという御指摘、あるいはいわゆる定率部分でも薬剤の負担が含まれておるわけでございますから、一種の二重負担ではないかというような御議論が非常に強くございました。これを整理するという観点で、老人、高齢者につきましては、平成十二年改正で整理をいたしました。一割負担の導入と併せて整理をしたと。
 今回、若い世代につきましても、現役世代につきましても、七割給付の統一と併せまして、各制度横断的に給付率を整理するという観点から薬剤負担を廃止をした。今回、各制度を通じまして定率負担ということになるわけでございますので、そういう意味では、薬剤につきましても当然のことながら定率分の御負担をお願いするわけでございますから、基本的にはこれで薬剤関係の負担全体を含めまして整理をされたと。今回の提案で一つの最終的な整理がされたと、こういうのが私どもの考え方でございます。
#116
○山本孝史君 財政効果は非常に大きかったということと、制度が分かりづらいからやめたんだと、こういうお話ですが、やっぱり二回これまでに入れたわけですよね。で、途中でやめたわけですね。それから、薬剤別途負担の制度の良しあしというものは、複雑であるかどうかということもありますけれども、メリット、デメリットを含めてもう一度整理をしてきちんとしたものを出していただきたいというふうに思います。
 私は、別途負担をしていることで、お薬がいかに高くて、あるいはそれが今の診療報酬の中でどう含まれていてという辺りも整理がされてきて、もっと私はすっきりした制度になり得る可能性のあるものだというふうに思っていますので、そこの整理をお願いしたいというふうに思います。
 時間がなくなってしまいましたので、御指摘だけ、あと、私が時間があったら聞きたいと思う問題だけ是非聞いておいていただきたいというふうに思います。
 医療提供体制の見直しについて、これも十二年改正の医療法あるいは健保法の改正で仕組まれているので、そこから先、話が出てくるんだろうとおっしゃるんですが、私は、八年十一月に出ました九年改正のときの前年の医療保険審議会の建議書の中にかなり医療提供体制の問題が書き込まれていて、病床数あるいは医師数は減らすと、こうなっていましたよね。ですが、病床数は、平成三年十月で百六十八万五千、十二年の十月で百六十四万七千、お医者さんの数、平成二年で二十一万千七百九十七、十二年で二十五万五千七百九十二、お医者さんの数においては減るよりも増えている、病床数は全く減っていないという現状があります。
 地域医療支援病院も進めるんだとおっしゃいましたけれども、平成十四年の一月一日現在で、三十九しか地域医療支援病院はできておりません。この平成八年十一月の医保審の建議書あるいはその後の試案、与党協のいろんな考え方はほとんど整理がされていて同じことを言い続けてきているんだというふうに思います。だから、そこは決断の時期に来ているというふうに思うんです。
 やっぱり医療制度改革の根本は、いかにして公費を負担するかというファイナンスの部分をどう整理を付けるかということと、それから保険者機能をしっかり発揮できるように、地域保険に再編をするということだというふうに思います。国保は、長野県は八割給付が続いておりました。驚いたことに、名古屋市が昭和三十六年から国保、世帯主八割負担だったんですね。今度、この保険制度が変わることで七割給付にしてしまわれるそうですけれども、やろうと思えば大きな都市でも八割給付ができるんだと思います。
 その意味でも、私は地域医療、地域保険にしっかり再編をして、保険者機能を発揮しながら、その中でいかに医療費を適正に支出をしていくかということだというふうに思いますということを御指摘申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#117
○沢たまき君 私は、前回の質問で時間切れで、健康増進法に関する質問を積み残しましたので、その点をまず最初に伺わせていただきたいと思います。
 さて、学校、病院、介護施設などでは、食事について業者に委託しておりますが、この受託業者もこの特定給食施設に関する規定に該当するのかどうかお伺いいたしましたが、お答えは、設置者が対象になるということで該当しないという御答弁でございました。
 そこで、引き続きお伺いいたします。
 現在の医療保険制度では、被保険者等が病気やけがで保険医療機関に入院したときは療養の給付と併せて食事の給付が受けられることになっております。入院時の食事療養費は現在幾らになっているでしょうか。そして、入院患者が支払う標準負担額は幾らになっているのでしょうか。
 病院が食事を委託業者に委託する場合、診療報酬の点数と、それから委託料との関係はどうなるのでしょうか。また、委託料が低い場合でも質はきちんと確保されるべきと考えますけれども、こうした指導はきちんとなされているのでしょうか、お伺いいたします。
#118
○政府参考人(大塚義治君) 入院時食事療養費という形で入院の際の食事について保険給付が行われるわけでございますが、食事療養が栄養士によって管理されているといったような条件はございますけれども、基本的には医療機関に患者の御負担も含みまして一千九百二十円、一日当たり一千九百二十円が支払われることになります。そのうち、患者の方には、一般の場合でございますけれども、食材費相当という考え方で七百八十円御負担をいただきまして、したがいまして保険の方から支払われる額はその差の一千百四十円ということになるわけでございます。これが基本的なパターンでございまして、それに加算などが付く場合がございます。
 こうした形で医療保険からの給付がございますけれども、それを外部に委託する場合でございますけれども、これは医療機関とその受託業者との契約によって決定をされるわけでございまして、この今申し上げました金額がそのまま支払われるというものではございません。一般的に申し上げますと、この診療報酬点数表上定められておる金額よりも合理化ということで低い金額で委託されているケースが多いようでございます。
 この場合でございますけれども、この金額につきましては当事者の契約にならざるを得ないわけでございますが、医療の一環であります患者給食でございますので、その質の確保ということは当然必要でございまして、この給食業務を委託する場合、これは医療法の規定に基づきまして、一定の基準を満たす業者に委託をしなければならないという規則が定められておりまして、必要に応じまして、その規則がきちんと守られておるか、究極的には給食の質が担保されておるかという観点で必要な指導を行っているところでございますし、今後ともその指導が適切に行われるようにしてまいりたいと考えております。
#119
○沢たまき君 競争原理といっても、委託する側と委託される側ではもう圧倒的に委託される側の方が弱くなります。そして、競争原理で業者に委託されるとしても、医療保険から入院時の食事療養費が給付されているわけですから、当然、診療報酬に沿った値段は維持されるべきではないかと思います。
 食事の質の競争はあっても、価格にまでその競争原理が働くことは行き過ぎだと感じざるを得ません。価格については、病院側と委託業者側の契約であるとはいえ、やはり診療報酬単価に沿った価格とすべきだと思いますけれども、公正取引委員会の御見解を伺いたいと思います。
#120
○政府参考人(楢崎憲安君) 先ほど厚生労働省の方から御答弁ございましたように、入院時の食事療養費につきましては一定の基準が示されているところでございますけれども、外部の委託、給食事業者等に委託する場合におきましては、基本的には当事者間の自由な交渉によって取引条件が定められるというふうになっていると承知しておりまして、診療報酬単価と実際の委託料が乖離すること自体、直ちに独占禁止法上問題となるというものではございませんですけれども、独占禁止法には優越的地位の濫用行為が不公正な取引方法として規制されているところでございます。
 この医療機関と給食業者の関係が優越的地位にあるかどうか、これにつきましては個別に取引依存度とか他の医療機関を選択できる余地があるか、個別具体的に判断することになると思いますけれども、優越的地位にあるというふうな場合におきまして、一方的に不利益な取引条件を押し付けるというふうなことは不公正な取引方法になるというふうに考えておりますので、個別ケースごとに具体的に判断していくべき問題だというふうに考えてございます。
#121
○沢たまき君 ありがとうございました。
 では次に、健康保険法についてお伺いいたします。
 今回の改正は、少子高齢化による社会構造の変化に伴う高齢者医療費の著しい支出に伴う医療財政が危機的状態を生じていることから、医療制度の持続可能性を確保するための抜本改革を進めようとするものであります。
 そこで私は、医療保険の給付体系のあるべき姿を考えた場合、今回の改革では、今までと比較して、少子高齢化社会に適合させたものとして私は評価できるのではないかと思います。すなわち、これまでは制度の違いや本人か被扶養者かによって給付率が異なるという仕組みになっていました。例えば、組合健康保険の場合、創設時の考え方がそこで働く従業員の健康を守るということでしたから、本人の給付率を高くするとしたわけでございますが、それはそれで合理的であったと思います。これを今回の改正では、三歳未満、三歳から七十歳未満、七十歳以上で、それぞれ二割、三割、一割という、ライフステージに応じた給付体系に再編することとしております。
 特に、今回初めて医療保険制度に少子化対策の観点を持ち込んだことは重要な意味があると考えます。医療保険制度の歴史を見ても、昭和四十八年の老人医療費の無料化以来、昭和五十八年、十年後の老人保健制度の創設、その後の度重なる改正の経過を見ても、どうしても高齢者問題がクローズアップされてきた傾向にあったと言えます。もとより、高齢者医療が重要な課題であることは当然ですが、医療保険制度を支えていく次の世代あるいは子育て世代に配慮した制度にしていくことも社会保険制度の土台を成す国民の連帯意識を強めていく上で極めて重要な意味を持っていると考えます。
 そこで、今般の改正による給付率の体系を二割、三割、一割と年齢に応じた体系に再編した考え方について御説明をいただきたいと思います。
#122
○政府参考人(大塚義治君) ただいまお話がございましたとおりといいましょうか、その趣旨に沿うものと考えておりますけれども、今回の改正では、もとより厳しい医療保険財政という状況下ということもございますけれども、同時に、制度間あるいは世代間における給付というものを、これを統一して整理をいたしまして、公平で分かりやすい制度にしよう、給付体系にしようという考え方でございます。基本的には、全体といたしまして患者負担は三割をお願いをする、これを基本に置きます。
 当然のことながら、一定の限度額というのを設けておりますけれども、その上で、三割を基本に統一するということを基本に置きつつ、高齢者につきましては、一般の世代に、現役世代に比べましてかなり医療リスクが平均的に高いわけでございますので、そういうことを勘案いたしまして、七十歳以上につきましては一割の御負担をお願いをすると。ただし、若い世代と遜色のない負担能力のある高齢者については二割の御負担をお願いをするという整理をいたしました。これが二点目でございます。
 三点目は、これもお話にございました少子化対策という観点に立ちまして、厳しい保険財政の状況下ではございますけれども、三歳までの乳幼児につきまして、その医療負担の軽減ということで、一般の三割負担に比べましてこれを軽減する二割負担、八割給付ということにいたしたわけでございます。
 全体の制度間あるいは世代間を通じました整理ということで今回御提案をしているところでございます。
#123
○沢たまき君 今回の三歳未満の乳幼児については、少子化対策の観点から給付率を八割に改善いたしましたけれども、これについて、地方自治体では既にもう乳幼児に対する医療費無料化を実施しているところがほとんどでありますから、余り意味がないという声もあります。
 私は、先ほども申し上げましたように、この少子化対策は大変大きな意味を持っていると評価しております。自治体の負担が三割から二割になることによって、自治体が推進している様々な少子化対策の拡充に向けてその予算を確実に配分することによって、ほかに回さないで確実に配分することによってその効果があると思っておりますが、厚生省のお考えを伺わせていただきたいと思います。
#124
○政府参考人(大塚義治君) 私どもが今回のこの乳幼児に関して八割の給付にするということの議論の過程で、これもただいま御指摘ございましたけれども、現実には既に地方自治体の大部分で、ほとんどの地方自治体で何らかの形で乳幼児医療について軽減措置を講じている、現実問題として意味があるか、効果があるかという議論も、内部的にもまた外部の方との意見交換でも議論が出たことがございます。
 一つには、確かに地方自治体、相当数あるいはほとんどの自治体で何らかの形で乳幼児の医療費軽減について実施をしておりますけれども、その内容はかなりばらつきがございます。所得制限のあるなし、対象年齢、あるいは外来、入院の扱いが違うといったようなかなりばらつきもございますので、国の制度としてと申しますか、医療保険制度の観点で八割給付に統一というのが一つやはり大きな意味合いがあると思っております。
 二つ目に、現実問題としては、これもお話ございましたけれども、地方公共団体の負担の軽減に大きく資するものでございます。今回のこの改正が、私どもも、広い意味での少子化対策という観点に立った措置でございますので、これは希望を申し上げればということでございますけれども、地方公共団体の負担軽減になる部分につきましては少子化対策、それぞれの地域の実情に応じた少子化対策に充当していただくというのは私どもとしても希望するところでございますが、最終的にはそれぞれの自治体で御判断をいただきまして、効率的な使用をされるということになろうかと思っております。
#125
○沢たまき君 ありがとうございました。
 余ったのを確実にそう使ってもらいたいんですが、やっぱり実際には最後は任せるということでしょうか。そうですね。
 次に行きます。
 経済財政諮問会議の民間議員の皆さんが医療制度の公平性についてお述べになっておりますように、生活インフラとしての医療がすべての国民に尊厳ある形で人生を過ごせる基本的人権を十分に担保する公平性を備えていなければ国民の不満が解消されないのではないかと思います。そのためには子育て世代と高齢者のバランスを考えた医療制度を拡充していく必要性があると思いますが、是非、抜本改革を進めるに当たり、子育て世代への負担にも配慮して進めていただきたいと思いますが、坂口厚生労働大臣、いかがでしょうか。
#126
○国務大臣(坂口力君) 少子化がこれだけ進んでまいりますと、あらゆる制度の中に少子化対策というのはやはり取り込んでいかなければならないんだろうというふうに思っております。ただ、一方におきまして、余り年齢各層によって差を付けることもいかがなものか、やはりそれ相応の負担をしてもらっていくべきだという御意見があることも事実でございます。
 しかし、高齢者、それから非常に若年者の、若年者と申しますか、乳幼児の場合に、疾病にかかる可能性が非常に高いことも事実でありまして、若いお父さんやお母さんにかなりな負担になっているということもあり得るわけでございますので、今回、八割にさせていただいたところでございます。
 八割にいたしますと、先ほど御指摘ありましたように、今までから地方自治体としてはもう六歳ぐらいまでは無料化をしているところもあるではないか、例えば東京都でありますと六歳まで無料化ですかね、そういうふうになっているところでは意味がないではないかという御意見もございますけれども、その分、今度は地方自治体が他の分野にその財源を回していただくことができるわけでございますから、それなりに私は意味のあることだというふうに思っている次第でございます。
 何と申しましても、高齢者対策が一番中心でございますけれども、今まで余り子供の方には目が向いてこなかった。社会保障給付費の六七%は高齢者に対してでございますが、乳幼児に対しましては三%しか回っていないという現状を考えますと、やはりもう少し乳幼児に対しましても手を差し伸べる必要があるというふうに思っている次第でございます。
#127
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。
 そこで、今回は高齢者のうち一定以上の所得者は二割負担としておりますが、所得に応じて給付率を変えるという考え方も初めて導入されました。医療保険制度の持続可能性を高めるという観点からすれば、社会保障構造の在り方について考える有識者会議も提言しておりますように、支え手を増やすということが重要であって、負担能力のある方は極力支えられる側から支え手に回るということも考えていかなければいけないものと考えます。そのことが結果として低所得者の負担、子育て世代の負担を軽減することにつながると思います。
 そこで、今回の改正で高齢者のうち一定以上所得者を二割負担としたその考え方をお伺いをしたいと思います。
#128
○政府参考人(大塚義治君) 今後ますます高齢化が進展していくわけでございまして、また高齢者の医療費は現役世代に比べますとかなり大きなものでございます。
 これは高齢者が持つ一種特有なものでございますから、それ自体はある程度やむを得ないことでございますが、いずれにいたしましても、高齢者の増加に伴いまして高齢者医療費が増加をしていくわけでございまして、全体としての医療制度を持続可能なものとしていくという観点からいたしますと、高齢世代と現役世代とが適切なバランスを持って負担を分かち合うということが必要だろうと考えておるわけでございまして、今回の一連の見直しも高齢者の負担と現役世代の負担のバランスを取るという考え方に基づいたものでございます。
 その中で、高齢者でありましても現役世代と遜色のない負担能力がある方については、原則一割負担の中で二割の御負担をお願いをするということといたしました。この点についても、かねてそうした観点からの見直しが必要でないかという御指摘を多々受けておったところでございます。
 具体的に申し上げますと、政府管掌健康保険を例に取りまして、その平均的な、つまり現役世代の平均的な所得、収入を有する方とほぼ同等というふうに考えられる収入のある高齢者につきましては二割負担をお願いをするということでございまして、例えば、これは一定の前提を置いた数字でございますけれども、高齢者二人世帯の場合を考えますと、年収約六百三十万円程度ということになりますが、こうした方につきましては二割負担をお願いすると。
 ちなみに、全体の高齢者の中でのシェアを申しますと、約一割強、一割ちょっとといったようなシェアでございます。
#129
○沢たまき君 私は前回の質問で、二〇二五年に高齢者がピークを迎えるときに耐え得る、この世界一と言われる我が国の皆保険制度を確立することが抜本改革の目的であると、こう申し上げました。しかも、附則において、個人負担は将来においても三割を維持するとしているわけであります。その条件の中で、現役世代にだけ支えてもらうことは余りにも負担を掛け過ぎることになるのではないかと危惧いたします。
 したがいまして、高齢者の中でも高額な所得を得ている方には御負担をしていただき、その代わり所得の低いお年寄りあるいは子育て世代には手厚い配慮を行うというめり張りが重要であろうと思います。毎年高額所得番付に載る方は高齢者も多く含まれているのではないでしょうか。是非、抜本改革において、高齢者医療制度の見直しの中では御検討を賜りたいと思います。
 今回、高齢者医療制度の患者負担の見直しでは、低所得者への配慮という観点から、低所得者Tの範囲を拡大することとなっております。現在、老齢福祉年金受給者以外は、低所得者でも入院した場合は一月の限度額が二万四千六百円となっておりますが、今後は低所得者Tに該当すれば入院した場合の一月の限度額は一万五千円で済み、一万円近く一か月の負担額が軽減されることとなります。これは入院を余儀なくされている低所得の方々にとっては大変な朗報ではないかと思います。
 そこで、今回の改正によって低所得Tの高齢者が具体的にどのくらい拡大することになるのか、数字でお答えいただきたいと思います。
#130
○政府参考人(大塚義治君) 先ほど、高齢者の中でも現役世代と遜色のない方につきましては二割負担をということを申し上げたわけでございますが、逆にいわゆる低所得、負担能力が低いという方につきましては、またそれについての配慮が必要でございます。
 従来の制度におきましても、いわゆる負担限度額につきまして、低所得者につきましては一定の低い限度額が定められておったわけでございますが、今回も基本的にはこの限度額を据え置くということと同時に、従来、一番低いと申しますか、自己負担限度額が一番低い一万五千円、今お話のございました一万五千円の負担の対象となる方につきましては、従来は老齢福祉年金受給者ということにいたしておりました。現実問題といたしまして、この老齢福祉年金受給者は数が相当減っておりますし、試算によりますと制度のその対象となる方は全体の高齢者の中の〇・七%というような数字でございました。
 今回、この点につきましては、老齢福祉年金受給者という条件を外しまして、一定の所得までということで一五%、〇・七%を一五%程度に拡大をするということといたしております。別の数字で申しますと、改正前は対象者が約十万人程度、十万人弱でございますが、であったものが、今回の見直しによりまして、一万五千円で月々の負担が限度となる方の対象数は約二百四十万人というふうに見込んでいるところでございます。
#131
○沢たまき君 前回と今回の質問を通じて私が一貫して訴えたかったことは、日本の皆保険制度を守り次の世代に引き継いでいくための意味で、今回の改正は次世代への新機軸を打ち出している点で、これまで余り指摘されていないことですけれども、今後の抜本改革の一角を担っているという見方もできるのではないかと思います。また、今後の抜本改革においてもこうした視点を生かして更に改革を進めていただきたいと思います。
 さらに、今後は医療保険制度だけではなく、年金、それから介護保険、さらには少子化対策も含めて、社会保障制度のトータルとしての在り方を考えていく必要があると思います。特に、社会保障制度の将来を考えますと、高齢化ということは避けられませんが、少子化は何としても食い止めなければいけないと思っております。
 そこで、厚生労働省として社会保障制度における少子化対策をどのような位置に位置付けているのか、大臣の御所見をお伺いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#132
○国務大臣(坂口力君) この医療制度の問題を考えていきますときに、医療制度だけではなくて社会保障全体のグランドデザインをどう描くかということがやはり大事になってくるんだろうというふうに思います。先ほどの山本議員の御質問にもそのことがあったというふうに思っております。そうした中において、全体の中におきますこの医療制度改革という位置付けでしておかないと、本当にこの制度がうまくいかないんだろうというふうに思います。
 そうした中でございますが、社会保障全体の中で考えていかなければならない大きな課題は、やはり少子高齢化の問題であり、高齢者の問題につきましては、かなり今までからも手掛けられてまいりましたが、併せて少子化の問題もこれからは熱心にやっていかなければならない。少子化対策の中で優先順位をどう付けていくかということは、これは大事な問題でありますし、また人々によりましてもなかなか意見の一致しないところでございますが、厚生労働省としましても何が必要かということのアンケート調査等も行ったところでございまして、間もなく発表できる段階になっているところでございます。それを、内容を拝見をしますと、やはりお勤めになっている方とそれから御家庭におみえになる皆さん方とはかなり優先順位も違う、何を一番必要とするかということの意味がかなり違ってきているように感じております。そうした両方の皆さん方の御意見も聞きながら、この少子化対応というものはしていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
 全体としてバランスの取れました社会保障制度を確立をしていきますためには、そうしたことを忘れてはならないというふうに感じている次第でございます。
#133
○沢たまき君 ありがとうございました。
#134
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 私は最初に、今回の一・五兆円の負担増と景気との関係について質問したいと思います。
 坂口大臣は、今回の一・五兆の負担増だけでは景気が悪くなるとは一概には言えないというふうな答弁を繰り返してこられたわけですが、先ほどもありましたが、徐々に景気がよくなっているというふうなこともございましたけれども、消費で見ますと、これは内閣府も認めておりますとおり、かなり依然厳しい状況にあるというふうに思います。
 この消費との関係で、今回の一・五兆円の負担増が私は押し下げの大きなインパクトを与えると思いますが、大臣、どう思われますか。
#135
○国務大臣(坂口力君) 全体の中で医療制度改革が経済に無関係であるというふうに決して私も思っているわけではございません。ただ、医療制度を維持していくという段になりますと、それに対する財源をどう確保していくかということが大変大事になってまいります。それは、いつも申し上げておりますように、公費の負担かあるいは保険料か自己負担か、さもなくば、一方におきましていわゆる医療を行っていただく皆さん方に対して医療費をより少なくしていただくか、これしかないわけでございます。
 今般は、診療報酬の改定によりまして二・七%、今までになかったことでございますけれども、この医療を行う側の皆さん方にも御負担をいただくということになったわけでございますが、それだけでこの高齢化に伴います医療費の伸びを抑えることはでき得ない。そうした意味から御負担をいただくということになったわけでございますが、例えば自己負担を行わずに、自己負担を増やさずにその分をすべて保険料で賄うということになれば、いわゆる働く皆さん方の可処分所得はそれだけ全部下がるわけでございますから、これもまた経済に大きな影響を与えるわけでございます。
 そうしたところも勘案をいたしまして、保険料で一部御負担をいただきますが、それは総報酬制で、いわゆる多くのボーナス等をもらっておみえになる皆さんにより多く、より多くと申しますか、より御負担をいただくということにしながら、月々の保険料としては少なくしたい、こういうことでございます。
#136
○大門実紀史君 私、後で負担論の問題、指摘したいと思いますが、今お聞きしているのは今の消費に与える影響をお聞きしているわけです。
 資料をお配りさせていただきましたけれども、資料の一に「勤労者世帯の家計の状況」、これは九六年から二〇〇一年の状況をまとめてあります。これは御存じのとおり総務省のデータをまとめたものです。
 大臣おっしゃるような悠長なあれこれという状況では今ないというふうに数字が表していると思うんですが、まず実収入が、九七年の負担増ありましたけれども、九六年、二〇〇一年比べて実収入が四・八八、約五%下がっていると。今、可処分所得のお話もございましたが、可処分所得もやはり五%近く下がっていると。税と社会保険料も総額ではやはり五%ぐらい下がっているんです。ただ、中身を見てもらえば分かるんですけれども、実収入が減少すれば、当然、税負担が減ります。ただ、高額所得者の減税もありましたけれども、そういうことも含めて、直接税の負担は一六・五六%もこの数年で下がっているんです。これは不況の影響だと思います。
 ところが、社会保険料負担というのが独自に七%近く上昇をしています。通常、実収入が下がれば社会保険料負担も下がるはずなんですけれども、これは不況でそれぞれの保険財政が減収する、これを保険料を引き上げることで埋めてこられた、したがってこういうふうに社会保険料負担だけが七%近く上昇しているというふうな数字です。結局、このために可処分所得が減少している、このことの大きな原因になっているというのがお分かりかというふうに思います。
 もう一つは、下の方の段に書いてありますが、保健医療サービス、保健医療費です。これは九七年以来の自己負担の増加が非常に大きいわけですけれども、一一・四四%も上昇していると。これがすなわち消費支出に大きく影響を与えて、消費支出が四・七五%の減少になっているということなんです。
 つまり、九七年の負担増、やはり二兆円規模でしたけれども、それ以来、社会保険料と保健医療費が非常に家計を圧迫する、これは実は九六年以前には余りなかったことなんですけれども、そういう状況が今進行しているんです。細かい資料付けておりませんが、実収入に占める社会保険料の割合というのも、割合、シェアそのものも一%以上増えております。したがって、医療費の九七年の負担増でこういう状況に今、家計は大きく変わってきている、社会保険料と医療の自己負担が家計を非常に圧迫していると。非常に特異な状況に今なっているというふうに思うんです。
 こういう状況でも、更なる医療の、この一・五兆の負担増が消費を押し下げないというふうなことが言えますか。
#137
○政府参考人(大塚義治君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおりでございますけれども、(発言する者あり)もとより社会保険料の増加なりあるいは自己負担の増加、これはいわゆる可処分所得に影響するわけでございますから、そういう意味で、大臣も申し上げましたとおり、影響がないということではないわけでございますが、実際にどの程度消費に、消費性向に影響するかというのは多様な要素がございますので、それを申し上げているところでございます。
 同時に、先ほども申し上げましたとおり、今日の医療保険財政の状況から見て、医療保険制度そのものが崩れてしまう、これが最も国民にとって言わば恐るべき事態でございますから、まずその点をきちんと対処するということが極めて重要だろうと考えております。
#138
○大門実紀史君 あなたは保険局長なんだから経済のことなんか分からないでしょう。大臣に聞いているんですよ、大臣に。大臣、答えてください。
#139
○国務大臣(坂口力君) 医療というのは経済全体の中で、例えばインフレならインフレになりましたら、それは上げてもいいかといえばそうはいかない、デフレになれば下げていいかといえばそうはいかない。医療というのは一つの独立した分野であります。だから、経済が変化をしたからそれに合わせて医療を変えろと言われてもそれは変わらないんです。経済財政諮問会議におきましてもそういう議論がございました。経済の動向に合わせて医療というのは変えていくべきだという議論がございましたが、それはとんでもない話であると。(発言する者あり)あなた、やかましいんですが、あなたが質問しているんじゃないんでしょう。
 だから、そういう経済の動向に合わせて医療というのを改革をするということはでき得ないということを私は申し上げているわけで、経済が厳しくなってまいりましたならば、その経済の厳しくなってまいりました中であっても安定した医療制度を維持をどうしていくか、そのことが国民の皆さん方に一番安心を与えることになり、そのことが経済に大きく影響するということを申し上げているわけであります。
#140
○大門実紀史君 私、申し上げているのは、内閣府は、今、大変危険な状況だと、消費に関して言えば、いつ消費の底割れが起きるかわからないし、底割れが起きたら日本経済はデフレスパイラルに陥るかもしれないと。これは竹中大臣が私との予算委員会の議論で認めておられることです。すなわち、そういう事態になったら、あなたのおっしゃるような将来の医療保険とか、そういうものはないんですよ。目の前の経済がクラッシュしたら終わりじゃないですか。元も子もないじゃないですか。後で指摘しますけれども、あなた方が出している財政試算なんか全部破綻しますよ。だから、それに対して影響あるかどうかをお聞きしているのに、そういう抽象的なことじゃなくて、はっきり影響はあるかどうかを聞いているだけですから、どう思うかお答えくださいよ。
#141
○国務大臣(坂口力君) ですから、医療制度というのは経済動向によってパラレルに動くものではないということを私は申し上げているわけです。動かしてはならないものだということを私は申し上げているわけであります。
 ですから、それを維持をしていこうと思えば、現在までの保険料は保険料としてやはり維持をしてもらわなければならない。経済の動向が悪くなればそれに合わせて保険料を下げてもいいとかということになってまいりましたら、医療そのものを、それじゃ、内容を悪くしていってもいいかといえばそれはそういうことではないんですから、全体の経済の中で、統制経済という言葉が適当かどうかは分かりませんけれども、医療の世界というのはある程度そうした問題でありますから、現在の自由経済の中の動向に合わせてこれを変化をさせることはでき得ないということを私は申し上げているわけであります。
#142
○大門実紀史君 ですから、私が指摘しておりますのは、あなた方は今変化をさせるわけでしょう、負担増という変化を押し付けられるわけでしょう、それについてどういう影響が出ますかと、大変なことになるんじゃないですかと話をしているわけですよ。
 安心安心とおっしゃいますけれども、大臣御存じじゃないかも分かりませんけれども、将来不安を解けば、解消すれば消費も上向くというような話を、そんなことを念頭に置かれて安心できる云々とおっしゃっているかも分かりませんけれども、厚生省の九九年の社会保障制度に関する調査、御存じかと思いますけれども、この中で将来不安というのはそういうことではないんです。とにかく今より改悪されることが一番不安なんだと、あなた方の調査でそういうアンケート出ているじゃないですか。今より改悪したら将来不安が更に広がって消費が落ち込むということをあなた方の調査ははっきりしているわけですよ。だから、そういう将来不安も含めて消費を落ち込ますんじゃないかという質問をしているわけでしょう。
 どうして答えられないんですか。あれこれすり替えたことを、小泉総理みたいにいろいろすり替えて言わないでくださいよ。はっきりと答えてください。
#143
○国務大臣(坂口力君) だから、しっかり答えているのにそれを御理解をいただけないのは大変残念だと僕は思いますが、医療制度を将来ともに安定したものにしていくということが国民にとりましては一番大事なことなんですよ。将来これが不安だったら、一番ここが国民にとっては困るわけなんです。将来安定しているということは、それは経済に大きな影響を与えるわけですよ。だから、現在の医療制度の改革を改悪だと思う人もあれば、こういうふうに改正をしないことにはやはり将来はもたないというふうに思う人もあるわけでありまして、それは人の取り方によって様々だと私は思います。
 ですから、ここでの……(発言する者あり)
#144
○委員長(阿部正俊君) 不規則発言はおやめください。
#145
○国務大臣(坂口力君) ここでの議論をごらんをいただきましても、やはり上がっていくことということは、それは将来の少子高齢社会を考えたときにやむを得ないという議論だってあるじゃないですか。その中でどうしていくかということを考えますとともに、こういう少子高齢化の社会においても将来ともに安定した制度を作り上げていくということが一番国民に対して安心を与えることである、そう私は申し上げているわけで、そのことが経済に影響を与えないわけがないということを申し上げているわけであります。
#146
○大門実紀史君 将来安定するかどうか、後で安定しないということを指摘したいと思います。
 私が取りあえず今聞いているのは、この今の経済状況で、消費の状況でこの負担増は大変なことになると、それを認めるか認めないかと、このことを申し上げているわけですけれども、一向に認めようとされませんが。
 それではお伺いしますけれども、来年予定されている負担増というのは実はこれだけではありません。厚生労働省関係でも雇用保険料引上げあるいは介護保険料引上げということももう既に日程に上り始めていますし、私は財政金融委員会所属ですけれども、増税、税制改革という名でかなりの増税メニューが出されておりますし、非常に具体的な検討に入ってきています。
 大臣は、当然こういう国民負担増全体、来年に国民の皆さんに係る国民負担増全体を一応掌握されて今回の提案をされているんですか。そのことをお聞きしたいと思います。
#147
○国務大臣(坂口力君) 全体の中で年金がこれからどうなっていくか、あるいはまた介護がどうなっていくか、それからまた雇用保険をどうするかという議論は今始めたばかりでありますから、これはどうなっていくかということの決定はまだいたしておりません。
 しかし、少子高齢化社会というのは、お互いに分かち合いはいたしますけれども負担は増えていく社会であることだけは間違いがないわけであります。そのことをお互いに理解をしてこの制度を作り上げていかなければ、それは、その負担になりますところを税で出すかあるいは保険料で出すか自己負担をしていただくかということに違いはあったといたしましても、この少子高齢社会というのは負担のある社会である、負担をしなければならない社会である、その中で経済をどう運営をしていくかということを考えなければならない、このことを抜きにして経済は成り立たない、私は逆にそう思っております。
#148
○大門実紀史君 何度も申し上げるようですけれども、そういう一般論を言っているんじゃなくて、今、大変日本経済は、ちょっと底入れだとか何だとか言ったって、あんなものは一喜一憂の範囲ですよ。海外頼みじゃないですか。内閣認めたとおり、今の消費、家計がどうなるかがかぎだと、それが非常に厳しい状況にあると。今年、来年のことを私申し上げているわけですよ。一般的な経済論を聞いているわけじゃないですよ。
 そういう点で、財務省が今メニューを掲げて検討に入っている増税計画案、これは個人負担の部分だけでも一遍にやれば九・五兆円ぐらいですよ。その中でも、財務省が特に熱意を持っている課税最低限見直し関係、これだけでも三兆円ぐらいですよ。こういうものを全然何も掌握されないで、厚生労働省関係だけの負担増だけでこういう提案されているわけですか。あなた、大臣でしょう、閣僚の一員でしょう、経済全体とか来年の国民負担増どうなるのかとか、そういうことを把握されないで自分の担当省庁のことだけ提案されているんですか。どうですか。
#149
○国務大臣(坂口力君) 全体のことを考えているから今お話を申し上げているわけです。
#150
○大門実紀史君 経済のことを言っている、経済のこと。
#151
○国務大臣(坂口力君) 経済の状況、今年一年だけのことを考えているのが経済じゃ私はないと思います。これから将来どうあるべきかということを考えていくのが経済でしょう。この一年の、一日一日の株の上がり下がりのことだけを考えているのが経済じゃございません。もっと長い目で見ていくのが経済にとって一番大事なことなんです。そのことを考えていきますときに、日本の国としては少子高齢社会は避け難い問題である、そのことを中心にして経済をやはり立て直していくということが大事であって、経済が先にあって、それに合わせてどうこうするかということでは私はないということを申し上げているわけなんです。
 ですから、そのことを中心に考えますならば、現在の経済の動向、少し上がり下がりはあったといたしましても、その中で現在の保険料あるいはまた自己負担が多少厳しいことがあったとしても、将来安定した制度を持続するということが経済にとりまして大変大きな意義を持つということを申し上げているわけです。
#152
○大門実紀史君 私が申し上げているのは、九七年のときも、当時、厚生省と大蔵省が別々に、医療負担と増税とを別々の時期に時間差で決めて、国民の皆さんにほぼ同じ時期に、半年ぐらいの時期に両方ともかぶさったわけですよ、九兆円の負担増というのが。だから申し上げているわけですよ。トータルで考えないと九七年の二の舞になりますよ、五年前を繰り返しますよと。どうしてこういうこと申し上げていることが分からないんですか。どうして、政府全体で来年の国民負担増どうなって、それがどれぐらい経済に悪影響を与えるかもしれないと、だったらこうしようとかああしようとか、そういう議論はないんですか。そのことを申し上げておるわけです。無責任じゃないですか。政府として経済に責任を持たないんですか、来年の経済に。ちゃんと答えて下さいよ、ちゃんと。
#153
○国務大臣(坂口力君) 来年の経済の動向につきましては、閣議の中で、あるいはまた全体の議論の中でどうするかという大きなデザインを描いて今やっているわけです。しかし、その中には、社会保障の中のお互いに痛みを分かち合っていただかなければならない部分もその中に含めながら議論をしているわけです。もちろん、負担をしていただくこともあるでしょう。それに対しまして、その影響を考慮に入れながら、それでもなおかつ経済を立ち直らせていくためにはどういう手だてが必要かということを今やっているわけでありまして、そうしたことをトータルで経済というのは見ていかないと、部分部分で見ておりましても経済のことは分からないわけでありますから、私はトータルで見ている話をしているわけであります。
#154
○大門実紀史君 申し上げたいことは、トータルではなくて縦割りで、それぞれの省庁が縦割りで勝手に、自分勝手に負担増をどんどんどんどん次々出してきていると。トータルじゃないんですよ。そういうことを申し上げているわけです。
 例えば数兆円の、合わせて来年の春以降、春かあるいは秋に掛けてか分かりませんけれども、数兆円の負担増にもしなった場合、大臣御存じかどうか分かりませんけれども、来年の政府の経済見通しは実質〇%ですよ。数兆円の負担増というのは国民負担率で約一%以上になりますから、成長率でいえば〇・四から〇・五引き下げるわけです。すなわち、政府の見通しがゼロ%の見通しであったのがマイナス成長に陥るかどうかと、こういう話を親切に提案しているわけですよ、分からないから。大事な問題でしょう。いずれにせよ、ちょっと経済音痴のような気がいたしますので、お分かりにならないんじゃないかと思います。
 委員長、私、是非検討をお願いしたいんですけれども、来年の負担増、あるいは税と社会保険料の在り方、非常に財政金融委員会と共通で討議しなきゃいけないことが私多いと思います。是非、私、財政金融委員会でも提案いたしますので、厚生労働委員会と財政金融委員会の連合審査をしていただくように理事会で御検討をいただきたいというふうに思います。
 その上で、次に、先ほどから財源論等の話がありましたので触れたいと思いますけれども、大臣は、要するに税か自己負担か社会保険料しかないんだと、このことをずっと今日も言われておられました。財源論でいえばそのとおりです。私どもが申し上げているのは、その税、国庫負担、増やす方法があるんじゃないですか、増税しなくてもと、このことを申し上げているわけです。この委員会では自民党の皆さんも今回、三割、国庫負担を増やして、三割自己負担やらなくてもいいんじゃないかという意見が出ているくらいです。
 実はこのことは、九八年、わずか四年前に、あなたの所属する公明党の皆さんも主張されていたことです。例えば九八年の三月三十一日の衆議院本会議で、当時は新党平和という名前でしたけれども、福島衆議院議員がこういうことをおっしゃっています。財政構造改革というと真っ先にやり玉に上がるのは社会保障の負担でありますけれども、むしろ国民にとっては負担から給付を差し引いた純負担こそが問題なのであり、ここに大きくメスを入れるのでなければ、本当の意味の改革にはなり得ないと。いいことをおっしゃっていると私は思いますよ。
 これは、純負担というのは、厚生白書によりますと、要するに国民負担率から社会保障給付率、つまり家計に戻ってくる分を差し引いた負担ですね。だから、社会保障以外の公共事業だとかほかのものに対してどれぐらい負担しているか、これを純負担と厚生白書に書いてありますけれども、その部分にメスを入れなければ、メスを入れれば税金の使い道変えられるし、そうやって医療費の患者負担なんかはするべきではないということをあなたの所属する公明党はわずか四年前におっしゃっているわけですよ。どうしてそういう方向の努力ができないんですか。
#155
○国務大臣(坂口力君) ですから、今年の予算におきましても、ほかの部分におきましては一〇%という非常に大きな切り込みをされておりますけれども、社会保障の方は増加をさせているわけです。全体としての若干の切り込みもありましたけれども、増加額はこの社会保障が一番大きいわけです。ですから、来年もそうなります。再来年もそうなっていきます。それだけに社会保障の必要な額がどんどんどんどん大きくなっていきますから、しかし大きくなり方をできるだけ、そこは節減できるところはしてくださいよという話でありまして、それは私は当然の話だというふうに思っております。今年も大変大きな増額でございました。
#156
○大門実紀史君 今年でいえば、例えば公共事業の、一〇%というのは公共事業のことをおっしゃっていると思いますけれども、結局補正で二・五兆増やして、減っていないんですよ。来年度予算だって、公共事業も減らすけれども、財務省は社会保障費も抑制するんだということを言っているじゃないですか。公共事業を減らして社会保障に回すなんという話になっていないでしょう。
 自然増で額が増えるのは当たり前じゃないですか。もっと根本的な割合を変えていくべきじゃないかということを公明党の皆さんも主張されていたんじゃないですか。そのことを申し上げているんですよ。
#157
○国務大臣(坂口力君) ですから、社会保障の割合がだんだんと大きくなってきているわけです。
 新聞にいろいろ出たりいたしますけれども、そういうことを考えているのかということを問い合わせましたら、財務省はそういうことは今考えていないと、こういうことをはっきり言っているんですから。それは新聞も本当のこともあればうそのこともありますよ。だからそれを、新聞に書いてあるからといってそれを真に受けておっしゃるのも僕はどうかというふうに思いますが、そんなことよりも、社会保障というのは大きくしていかなきゃならない、これはあなたのお考えと私一緒なんです。
 社会保障につきましては、もう切り込むところはびた一文ありませんと私は申し上げているわけですが、その社会保障の方を伸ばしていくんだけれども、これは人口の中で高齢者の割合がうんと増えていく、これはそれに対しまして増えるのは医療なら医療でもごく当たり前のことだと思っているんです。だから、そのことをとやかく言われても困る。それは、高齢者が増えていくんだから、その分は増えていくんだと。しかし、全体として見れば、高齢者の増え方は全体として四%、そして高齢者の増え方以外のところが約四%と、こうあるものですから、それじゃその高齢者の増え方以外のところについてできるだけ節減してくださいと言われることについては、それは私たちも努力をしなければならないというふうに申し上げているわけです。
#158
○大門実紀史君 経済財政諮問会議では社会保障費は削るという方向で議論されておりますので、新聞報道で私申し上げているわけではございません。
 資料の二に付けておきましたけれども、税の割合でいきますと、これは国立社会保障・人口問題研究所の資料ですけれども、ドイツは社会保険料で相当社会保障財源やっておりますけれども、それでも国民所得比の税の入れ方というのは日本の倍以上です。アメリカでさえ日本よりもたくさん税をこちらに入れている。ですから、まだまだ余地があるどころじゃなくて、高齢化社会になっていくのは事実ですから、相当構えて、相当そこにきちっと出していくという切替えをやらないと、後で申し上げますけれども、医療保険財政なんかもちませんよ。そういうことを私申し上げているわけです。そういうことをやらないで、国民負担増だけ取りあえず押し付けて経済を悪くしたら、これ税収だって減りますよ、景気がもっと悪くなったら。医療保険財政だってもっと破綻しますよ。そういう悪循環に陥る、イタチごっこになるということを先ほどから指摘しているわけです。
 このことを具体的な話で指摘した方が答弁もはっきりしてくると思いますので、医療保険財政そのものでこういうことを指摘していきたいというふうに思います。
 今日の医療保険の財政が赤字になってきた原因は、これはもう既に触れられているとおりであります。一つは経済状況が悪化して保険料収入が減少してきた、もう一つは高齢化社会に急速に進行したんだとおっしゃいますが、要するに保険財政でいえば老人保健拠出金が増加したということです。
 お聞きしたいんですけれども、この老人保健拠出金が増加したというのは、単に高齢化社会になってきたと、それだけのことですか。
#159
○政府参考人(大塚義治君) 国民医療費の中の増加、この最大の要因は、高齢者の増に伴う、もちろんその単価の問題もございますが、老人医療費の増でございますから、基本はそこにあるわけでございます。
#160
○大門実紀史君 拠出金の増加の理由をお聞きしているんですが、違っていたら御指摘ください。
 もちろん、高齢化というのがおっしゃったとおりバックグラウンドにあるのは確かです。資料の次のページに「老人医療費の負担割合の推移」というグラフを付けました。
 まず最初にちょっとお聞きしておいた方がいいと思いますが、これは国庫負担、被用者保険の拠出金、患者負担、それぞれ年度の推移をグラフにしたものですけれども、ちょっと最初にお聞きしておきますけれども、この国庫負担割合はずっと四四・九から三一・五に減ったと、各保険の老人保健拠出金が三三・三から四一・八に増えたと、この原因は何ですか。
#161
○政府参考人(大塚義治君) 老人保健制度が創設をされました昭和五十八年以降、様々な制度改正がございます。昭和五十八年のスタートの時点では、いわゆる按分率というのが五〇%でスタートをいたしました。そのころから比べますと、まず制度が変わっております。ちなみに、老人保健制度における公費の負担割合は当時から変わっておりません。
 したがいまして、ここでのシェアの違いは、老人保健制度の按分率を始め、あるいは最近におけます介護保険制度の導入まで制度改正による間接的な影響で、例えば国民健康保険が拠出する分については国庫は半分の負担をしておりますから、例えば国民健康保険の拠出分が減りますと国庫もそれに連動して減ると、こういう構造になっております。
 そうした全体の医療保険制度改革、老人医療を含む、老人保健制度を含む医療保険制度全体の改革の結果において、こうしたふうにシェアが変わってきているということであろうかと思います。
#162
○大門実紀史君 つまり、この老人拠出金制度というのは非常にややこしい仕組みですが、簡単に言いますと、按分率が一〇〇%になった後のことを、九〇年以降を申し上げますと、国保の方は老人加入率がずっと高まると、高まってきていますよね。各被用者保険の方はそれほど上がっていない。ただ、その平均、全制度平均の加入率で拠出金をそれぞれ出さなきゃいけませんから、国保の老人加入が増えれば各被用者保険の老人保健拠出金は増えていくということですね。国保の方はその分、助けられるということになるわけですよね、簡単に言えば。
 ところが、これは元々、連帯の名で老人医療をみんなで支えようということから始まった拠出金制度ですけれども、一方で、それぞれが、各被用者保険が拠出金ががっと増えていくと。一方で、先ほど局長言われましたけれども、国保に対する国の負担というのは給付の五割ですから、国保が老人保健拠出金、ほかのところに負担してもらって少なくなっていけばいくほど、結局、国の国保の中の老人保健に対する負担割合が減ってくるということでこういうグラフになったということですよね、局長、おっしゃったのはそういうことですね。
 そうすると、結局、高齢化社会になってきたというのはもちろんバックグラウンドでありますけれども、各医療保険財政を悪化に導いた一番大きな原因のこの拠出金というのは、先ほど言った国保を救済するということはありますが、その一方で、国庫負担が減らさなければ、みんなにも負担してもらったんだから国庫も割合増やそう、国の方も頑張ろう、支えようという努力をしていればこういうグラフにならなかった。すなわち、各被用者保険の拠出金は今ほど膨れ上がらずに、この財政危機、財政悪化、招かなかったということになりませんか。
#163
○政府参考人(大塚義治君) 数字の観点だけからいいますと、国庫負担、その分だけ何がしかの手当てをして国庫負担をとにかく入れるということであれば、数字上の問題はそうおっしゃるとおりになるわけでございますけれども、元々、老人保健制度の成り立ちから申し上げまして、今日の我が国の医療保険制度の皆保険制度を形作るために被用者保険と国民健康保険という大きな二つの制度で支え合っておりまして、構造的に高齢者が国保に偏るという仕組みの中で今日の老人保健制度が施行され、今日に至っているわけでございますから、そこは制度としてどう仕組むか、またそれぞれの制度に対して国庫負担を中心に公費をどう投入するかという全体の中での考え方でございます。
 国庫負担をとにかくつぎ込めばいいというわけにはまいりません。これは、国庫負担も当然のことながら最終的には国民負担になるわけでございますので、それは取り得ぬ考え方でございまして、それぞれの制度の趣旨、それから経緯も含めまして、どの部分にどういう国庫負担、公費負担を投入するかという議論の中で導かれる結論だろうと思いまして、ただ単に国庫負担をやみくもにと言ったらしかられるかもしれませんが、継ぎ足せばいいというものでは、これは長い目で見ればそうはならないわけでございます。
#164
○大門実紀史君 今、局長、数字を私が申し上げたとおりと。すなわち、申し上げたとおり、各被用者保険は老人拠出金をみんな頑張って、苦しいながら頑張って増やしてきたけれども、国保に対する国の負担割合というのは決まっていますから、それが連動して国保が助かれば国の国庫負担は減るということで減ってきたということはそのとおりとおっしゃいましたけれども、その後いろいろ言われましたけれども、だから国庫増やせるとさっきから言っているんじゃないですか。税金の使い道変えて増やしなさいと言っているんじゃないですか。その話はいいんですよ。
 だから、そういうことですね。この老人医療に対する国の割合が減って、各被用者保険の拠出金が増えてきたというのは、お認めになったとおり、そういうことだということだったらば、今日の医療保険の財政危機というのは正にそこにあるわけですから、そこを改善するしかないじゃないですか。どうして、国が国庫負担減らしてきて医療保険財政を悪化させたと、間接的にその仕組み、からくりを通じて悪化させたわけですから、そこのところを戻すしかないじゃないですか。国の割合増やしていくしか解決の方法ないでしょう。このまま続けたら、どんどん自己負担か、拠出金負担か、保険料引上げかと、ずっとそうなってしまうじゃないですか。違いますか。ほかに解決方法ありますか。
#165
○政府参考人(大塚義治君) 今日の医療保険運営、国民健康保険、被用者保険を通じてでございますけれども、なぜ厳しい状況にあるかと。やはり、それは国庫負担というよりも構造的な問題であるわけでございます。
 これは、御指摘ございましたけれども、一つには高齢化の進展でございます。これが具体的には老人医療費の増という形で現実に極めて大きな伸びで毎年重なっているわけでございます。これが一つでございますし、もう一方では経済の低迷というのがあるわけでございます。これは保険料の確保という点で非常に厳しい状況にある。この二つが重なり合いましたのが今日の状況だと思います。
 国庫負担につきましては、数字だけから申し上げればおっしゃるとおりでございますけれども、冒頭申し上げましたように、老人保健制度に対する国庫負担の考え方というのは制度発足以来変えておらないわけでございまして、その基本には、高齢者の医療を国民全体でどう賄うかという制度をどう仕組むかということでございます。制度スタート時は、例えば按分率にいたしましても、制度発足時ということを勘案いたしまして五〇%ということにいたしましたが、制度の成熟に伴いましてこれを一〇〇%にする、これは公平な考え方であろうと思いますので、今日一〇〇%になったと。また、介護保険につきましては、介護という要素に着目して適切なサービスを行うということで、医療保険制度から切り離して別途の制度を作ったという影響もございます。
 したがいまして、国庫負担を単に削減したわけでございませんで、今後の高齢化社会をにらみながら、どういう制度を仕組めば将来的により安定できるかという観点で改革を進めてきたわけでございます。ただ、私が申し上げましたのは、先ほど御指摘もございましたけれども、国保の国庫負担という仕組みを通じて結果においてこういうシェアの変化が起きているわけでございまして、ただ単に国庫負担を戻せという議論には、残念ながら私どもは取り得ないわけでございます。
#166
○大門実紀史君 とにかく、もういろいろ言われましたけれども、今日の医療保険財政の悪化の最大の原因がこの老人拠出金制度を通じた国庫負担の削減ということはもう明らかなわけです。そこはやっぱり手当てしていかないと、戻していかないと、幾ら制度をいじっても、抜本改革といって突き抜けか構造リスク調整か、いろんな制度を何やっても、国庫負担をこのまま減る仕組みを残して割合を減らしていくという方向だったらば、結局、どんな抜本改革をやったって、しわ寄せは、増税にしろ自己負担にしろ保険料にしろ、国民に行くということなんです。それを先ほどから指摘しているわけです。
 ですから、抜本改革といっても、結局、大臣言われたとおり、国民負担でやっていくしかないということしかないと。そうじゃなくて、税金の使い方を変えればやりようがあるということを我が党だけじゃなくてこの委員会でそういう発言が出ているわけですから、そういう方向に切り替えていただきたいというふうに思います。
 政管健保の財政の問題に移りたいと思いますが、資料の五です。これは先ほど山本委員が求められた資料とほぼ同じで、私も別個に保険局の調査課に資料を請求して作っていただいたものです。
 政管健保も同じなんですよね、先ほど申し上げていることと。景気の悪化で保険料収入が今まで減ってきたと。老人保健の拠出金が増えてきたと。加えて言うならば、我が党の小池議員が指摘しましたけれども、九二年のときに国庫補助を一六・四から一三%に引き下げたと。これは赤字になったら戻しますという約束があったのにもかかわらず、これ引き上げないで来たわけですよね。これだけで一兆六千億ぐらいですよ、十一年間で。それを元に戻しただけでも政管は今回の自己負担なんか必要ないわけですよ。ですから、この三つの理由ですよね、今回の政管の財政悪化というのは。
 そのことを踏まえて今回のこの厚生労働省が試算されている五年間の見通しというやつですけれども、これ非常にアバウトなものしか最初出ませんでしたので、こういう詳細な資料を作っていただきました。
 最初に、この上の段から聞きたいと思いますけれども、この歳入の部分の保険料収入についてですが、これは標準報酬月額の伸び率というのは何%で見ておられますか。
#167
○政府参考人(大塚義治君) 基本的に賃金の上昇率を一%、各年度一%という前提で試算をいたしております。
#168
○大門実紀史君 その一%の根拠は何でしょうか。
#169
○政府参考人(大塚義治君) 一つには過去の推移でございますが、もちろん景気変動がございますけれども、平成十一年度前五年間の平均というのが一つでございます。
 それから、それは直接の根拠ということではございませんけれども、一つ念頭に置きましたのは、一月二十五日に経済財政の中期展望を閣議決定をいたしましたけれども、その参考資料という形で内閣府が取りまとめられました参考資料では、平成十四年度から十八年度、名目GDP成長率、年一・四あるいは一・五というような数字もございます。これは直接ここから一%を導いたわけではございませんけれども、具体的に取りあえずの根拠といたしましたのは平成七年度から十一年度の政管及び組合健保の賃金の伸び、これをベースにいたしております。
#170
○大門実紀史君 余り直接関係ないこと言わないでください。
 過去の政管健保の実績だと、私調べましたけれども、一%にならない、〇・五少し、半分程度にしかならないと思いますが、これどうしてですか。なぜ過去の実績が一%なんですか。
#171
○政府参考人(大塚義治君) ただいま申し上げましたけれども、政管と組合健保、被用者保険でございますね、被用者保険の平均標準報酬月額の伸びを実績といたしました。
#172
○大門実紀史君 なぜ健保と一緒にする必要があるんですか。政管のことなんだから政管の実績だけでいいじゃないですか。なぜですか。
#173
○政府参考人(大塚義治君) そこはまあ選択の問題ではございますけれども、政管健保の方は財政試算でございますから政管健保に限っておりますけれども、私どもといたしましては、被用者保険あるいは国保も含めて全体的な状況も把握する必要がございます。
 また、それぞれの制度ごとの伸びその他はその時々によって違うということもございます。ここは一定の前提ということでございますので、厳密に申しますと国保の場合も同様の率を使わざるを得ませんけれども、被用者保険の大多数を、政管と組合健保で大多数を占めるわけでございますから、その伸びを平均的に使ったということでございます。
#174
○大門実紀史君 従来は政管なら政管の実績で計算されておったと思うんですが、なぜここだけ政管の実績を使わないで健保組合と一緒にすると。それでも、私調べましたら〇・八九で、一になりませんけれどもね。それでも多くなるんですね。高くなるんです、健保組合と一緒にすると。なぜわざわざ、それを使わないで、政管だけの低い数字を使わないで、多めの数字を使ったのか。これ、水増しじゃないですか。収入の水増しになりませんか。
#175
○政府参考人(大塚義治君) 例えば他の制度も参考にいたしますと、厚生年金、これは政管なり健保という区分ではないわけでございますが、これもほぼ一%を使っておりますし、実績として使っておりますし、総合的な判断をせざるを得ないわけでございますが、ただいま申し上げましたとおりでございますけれども、被用者保険の政管と組合と合わせますと大宗を占めるわけでございますからそれの平均を使ったということで、いずれにいたしましても、端数を前提にしたような推計というわけにはなかなかまいりませんので一%ということにいたしました。
#176
○大門実紀史君 本当に、そういうことでこんな、今回のこの改定案の最大の焦点なんですよ、政管の財政というのは。それの見通しをそんないい加減な、ああだかこうだかみたいな数字でやられたわけですか。これもし〇・五四計算だとどれぐらい収入減ることになりますか。
#177
○政府参考人(大塚義治君) 済みませんが、ただいまその前提での試算をいたしておりませんので、直ちにお答えをすることは御容赦願いたいと存じます。
#178
○大門実紀史君 私、計算しました。五年間合計で約四千五百九十三億円、四千五百九十三億円になります。これは大ざっぱに見ても、大体五年間で八千億ぐらい増えていますから、これ一%で八千億ですから、半分としたら、半分の伸びだと四千億と。ただ、この被保険者数が減っておりますから私も大体アバウトですけれども、四千六百億ぐらいという数字は間違いないというふうに思います。
 これ、もしも実績どおりまじめにそういう保険料収入で計算していたら、四千六百億これより減収になるわけですね。そうすると、これだと五年間で、五年間もつというあれですが、三年で事業運営資金使い果たして、三年目でもう破綻するんじゃないですか、この財政見通し。そういうことになりませんか。
#179
○政府参考人(大塚義治君) それは推計でございますから、どういう前提を使うか、その前提が合理的か、妥当かどうか、こういうことだろうと思います。前提でございますから、極論をいたしますと、いかような前提を置くことも可能なわけでございます。したがいまして、ただいまの仮に〇・五四というような数字を使えばといえば計算上はそうなるのでございますが、その前提について現時点において合理的か、妥当な範囲かと、こういう御議論だろうと思います。したがいまして、計数を違うことによって試算をするという意味は、必ずしもそれだけで意味がある数字とは思いません。
#180
○大門実紀史君 前提が水増しじゃないかと、前提が水増しじゃないかと申し上げているわけです。
 これは厚生労働省の管轄だから御存じだと思いますけれども、五月の毎勤統計で給与は実質二・四%減ですよ、五月給与が。マイナス二・四%、減ですよ。一%だってどうなるか分からないと、来年一%はどうなるか分からないと。そういう状況なのに、わざわざどうしてこうやって水増しして、収入を多く見せて帳じりを合わせていくと。こんなでたらめな数字で議論しろと言うんですか。
 この財政見通しそのものは、私、個人的にお願いしたのはこの詳細だけれども、この皆さんが出した財政試算そのものに今回の政管健保の見通し、五年間載っているこの数字ですよ、トータルで言えば、そんないい加減なもので国民の皆さんに負担増を強いて、ここで議論しろと言うわけですか。こんなでたらめな数字で議論なんかできるわけないじゃないですか。
#181
○政府参考人(大塚義治君) ただいまも申し上げましたように、いかに前提を置くかということだと思います。例えば保険料の改定につきましては、御案内のように、十五年四月からという前提で組んでおりますし、その際の伸び率を、その後の伸び率を、五年間平均でございますから、どう見るかということでございます。政府におきます中期展望におきましても、十七年度までは、十七年度程度までは厳しい状況続きますけれども、その後の状況につきましては改善を見込んだ中期展望ということもございます。
 したがいまして、五年間平均一%というのは、これは今後の経済対策、政府としてもちろん、全体として最重点課題として取り組むわけでございますけれども、そうしたことも考え合わせまして、五年平均で一%、各年一%というのは、現時点における見通しといたしまして、私どもは決して無理な前提とは考えておりません。
#182
○大門実紀史君 五年平均じゃないですよ。一%上がったものに一%掛けているわけですよ。ちょっと計算、変なこと言わないでくださいよ。
 先ほど申し上げましたけれども、実績でいけばこれよりも四千六百億も減収になると、その分何とかしなきゃいけないということになるわけですね。あなたおっしゃるように一%伸びなくて、私が申し上げた実績かそれ以下になった場合どうされるんですか、減収になったらどうするんですか。
#183
○政府参考人(大塚義治君) 仮にという形での御議論は、その前提がどこまで具体的な見通しに基づくかということでないと必ずしも意味があるとは思いませけれども、医療保険は基本的には歳入歳出、これがバランスをするということにいたしませんともたない、制度自体がもたないわけでございます。もちろん単年度で単年度収支がきちんとイーブンになるということには限りません、中期的な見通しの中で財政バランスを取るということでございます。
 したがいまして、観念的な議論ではございますけれども、歳入が不足するということであれば、必要な支出が決まっておって歳入が不足するということであれば、何らかの形でのファイナンスが必要になると、こういうことでございます。
 具体的に申し上げれば、どうしてもファイナンスができないという状況になれば、これは保険料というのがまず出てくる選択肢でございます。また、その時々の医療費の動向にもよると思いますけれども、あえて仮定の議論ということであれば、ファイナンスをする手段といたしましては保険料ということになろうかと思います。
#184
○大門実紀史君 ですから、取らぬ皮算用の試算をして、実績よりも倍に見て、今度百六十条の六項で、保険料の総額の減収を補う必要がある場合も保険料を社会保険庁長官が申出できるというふうにわざわざ改正されますよね。要するに、保険料が減収すれば、今までは保険料の減収だけでは値上げできなかったのを今度はそれでもできますよというふうにわざわざ改正されますけれども、百六十条の六項ですね、これはそういうときのためじゃないですか。これが要するに水増しの、どうなるか分からない財政収支だから、担保として、ファイナンスとして保険料値上げできるような改正も今回一緒に出されたんじゃないですか、そういうことになりませんか。
#185
○政府参考人(大塚義治君) それは誠に曲解と申し上げざるを得ないわけでございます。
 医療保険でございますから、先ほどから繰り返し申しておりますように、支出が、必要な支出額が確定するならば、それに伴うファイナンスが必要でございます。したがいまして、仮に、仮に財政的に余裕ができますれば、今の現行の制度におきましても保険料の引下げということは制度上は可能でございます。
 それから、社会保険庁長官の申出によりまして弾力的に、ある程度緊急的にと申しましょうか弾力的に保険料を課すことが、社会保険庁の長官が申し出ることができておりますけれども、おっしゃいますように、近年において正に保険料の減、保険料の実質収入減という事態が生じました。これは過去の歴史の中でごくごく最直近のケースでございます。もちろん、被保険者数の減というようなことも比較的最近初めて経験をしたことでございます。そうした現実を踏まえまして、一部法律改正をいたしたわけでございますが、そのために、そのために法律改正をしたと思われるのは心外でございますし、曲解でございます。
#186
○大門実紀史君 あなた、いろいろ言われたけれども、今自分の答弁の中で認めておられるんですよ。そういう答弁を今されたわけですよ。
 私が申し上げたいのは、これは政管だけじゃないんですよ。わざわざ四日に出された患者負担・保険料負担への影響というのを出されました。全体で一・五兆だと。保険料の引上げが一兆三百億だと。内訳が政管五千七百、国保三千二百、健保組合一千四百と。これを出されました。これがすべていい加減だと私は思うわけです。
 まず政管が、今言ったように、これではもたないと。明らかじゃないですか。私が言っている実績というのはまだ堅い話でしょう。一%なんて水増しでやっていらっしゃるわけでしょう。今お聞きしたら、国保も一%で収入増を見ていると。こんなことあり得るわけないじゃないですか、今この不況で。もっとひどいじゃないですか、政管よりも、国保の加入者の方が。
 もう一つ、健保組合についても、この一千四百億、ほんまかいなというのが、昨日、健保連が発表した資料で分かりました。そもそもこの一千四百億の根拠といいますのは、健保組合等については政管健保の試算を基に各制度の財政状況を勘案して試算すると。つまり、具体的に言いますと、健保組合のうち二割は政管と同じような財政悪化状況だろうということではじいたのがこの一千四百億というふうに私レクでお聞きしました。ところが八日の健保連の発表によりますと、健保組合のうち、政管の料率八・五を超える組合が健保組合の中で全体の五割、過半数を占めていると。こういう数字が出てきました。もちろんその五割全部が財政悪化とは言いませんけれども、この二割という試算は政管と同じぐらい、財政悪化二割という試算は余りにも低過ぎるというふうに思います。健保組合の一千四百、国保の三千二百、さっき言った政管の五千七百、合わせて一兆三百億。これは非常にでたらめな数字だと、根拠のない数字だと、水増しされた上で試算した数字だというふうに思いますけれども、改めて資料を出し直してくださいよ、もっとちゃんとした堅実な。こんな水増しでいい加減な財政見通しでどうして負担増を求めるんですか。負担だけお願いしますというのは変でしょう、ちゃんとした見通しも出さないで。
 こういう、後から後から出てくるけれども、不正確、そういう資料ばかり出すんだったらこんな審議できるわけないじゃないですか。
#187
○政府参考人(大塚義治君) 試算の、特に先ほど来、賃金の伸びの前提の置き方での御議論がございますが、これは先ほど来繰り返し申し上げていることですので繰り返しませんけれども、今健保組合の負担増のお話がございました。これは資料を提出いたしますときに御指摘がございまして、私どもといたしましてはなかなか前提の置き方が難しいということで最初、当初お出しができなかったわけでございますが、一定の前提を置いて提出するようにという御指示もございましたので、一定の前提を置いたということでございますが、健保組合について申し上げるならば、一定の前提といいますのは、いわゆる保険料率、標準報酬に対する保険料率ではございませんで、いわゆる法定給付に対する必要な保険料率、俗に財源率と私ども呼んでおりますけれども、その財源率で見ましてなかなか、政管健保に近い状態というようなことをどう見るかというので約二割ということを算定をいたしました。
 そういう前提を置きましての提示でございますので、私どもとしては現時点における最大限の見込みと考えております。
#188
○大門実紀史君 とにかくこういう大ざっぱなといいますか水増しした資料に基づいて国民の皆さんに負担増を求めると。つまり、最初から申し上げているとおり国庫負担の在り方に、それを変えない限り、こういういろんな繕いをやっても破綻が生まれてくると。こういうふうな大変愚かな改革案はもうすぐさま撤回して、廃案されることを主張して、私の質問を終わります。
#189
○森ゆうこ君 国会改革連絡会(自由党)の森ゆうこです。
 坂口厚生労働大臣、やっぱりこの健保法の改正案は廃案にした方がいいんじゃないですか。最初に伺います。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
#190
○国務大臣(坂口力君) よくすべてのことを理解をしておみえになります森議員のことでございますから、十分に理解をした上でお話しになっているというふうに思いますけれども、現在のこの状況を考えましたときに、そしてこれからの少子高齢社会のことを考えましたときに、やはり改革を重ねていかなければなりません。これからのやはり抜本的な改革をやりますための第一弾としても、今回のこの改正は必要でございます。ここを乗り越えないことにはやはり次の抜本改革には結び付いていかないと私は思っている次第でございます。
#191
○森ゆうこ君 その順番の話についてはまた後でじっくり聞かせていただきたいんですけれども。
 本会議でマクロ経済についての影響ということを質問させていただいて、その後、厚生労働委員会ではそれが何かトレンドになったようでございますけれども、まだ私の方では本会議にさせていただいた質問でまだ明確な答えをいただいていない部分が幾つかありますので、一つ一つ確認させていただきたいと思いますが。
 まず、一・五兆円、約一・五兆円の負担増の試算というのがようやく先週この委員会に提出されましたけれども、他の社会保障費の見通しを伺いたいと思います。
 介護保険について本会議で質問いたしましたけれども、余りはっきりした御答弁はなかったと思いますが、一号被保険者の負担、そして二号被保険者の負担、そして総額、なかなか試算は難しいということもあるかと思いますが、見通しをお聞かせいただきたいと思いますが、政府参考人にお願いいたします。
#192
○政府参考人(堤修三君) 介護保険の費用でございますけれども、利用者から一割の負担をいただきますほかに、給付費については国、都道府県、市町村、これが公費で半分を持ちます。保険料で残りの半分を賄うわけでありますが、この半分の保険料については、六十五歳以上の一号被保険者が給付費の約六分の一、四十歳以上六十五歳未満の二号被保険者、これが約三分の一ということでございます。
 介護保険では、各市町村が三年ごとに介護保険事業計画、これを策定をして、介護サービスに必要な費用を見込んで、それに連動する保険料の額を設定するわけでございますけれども、現在、各市町村は平成十五年度以降の事業計画をちょうど策定している途上にございます。まだ現時点で私ども、平成十五年度における全国の市町村が作ります介護の費用の見込み、あるいは保険料の見込みについて把握をしていないわけでございます。
 ただ、いずれにせよ、介護に要する費用でございますけれども、高齢化の進行に伴う要介護者の増加、あるいは各人のサービスの利用の総量、トータルの費用が増加をいたしますので当然増加傾向にあることが予想されるわけでございまして、それに伴いまして、国、地方団体の公費負担、それから一号保険料、二号保険料、それから利用者負担の総額、それぞれの負担割合に応じてそれぞれ当然増加するものと予想はされます。
#193
○森ゆうこ君 ということで、介護保険料、介護保険についての国民負担も上がるということでよろしいわけですね。
#194
○政府参考人(堤修三君) サービスの費用も増えますし、それに伴う費用負担も増えるということでございます。
#195
○森ゆうこ君 それでは、失業保険についてはいかがでしょうか。先日、値上げの方向というのが打ち出されたように存じておりますけれども、政府参考人に伺います。
#196
○政府参考人(澤田陽太郎君) 雇用保険の積立金残高で象徴的にお話しいたしますと、平成十三年度末補正予算ベースで約五千億でございますが、十五年度中には積立金が完全に枯渇し資金不足を生ずることがほぼ確実な状況となるなど、保険財政は極めて厳しい状況に直面しております。
 こうした状況を受けまして、現在、労働政策審議会の雇用保険部会におきまして雇用保険制度の在り方全体について御議論をいただいております。御議論いただく基本としては、雇用保険受給者の早期再就職の促進、もう一つは雇用保険が雇用のセーフティーネットとして安定的に運営されるようにする、こういう観点から五点ほどの検討事項をベースに御議論いただいております。
 一つは能力開発を含めた早期再就職の促進、二つ目の観点が多様な働き方への対応を保険制度としてどういうふうに取るか、三つ目が再就職の困難な状況への対応、四点目が以上のような論点を踏まえた上で安定した制度運営の確保と当面の対応をどうするか、五点目が雇用保険の言わば本体給付とは別建てのいわゆる事業主の保険料負担のみで運営しておりますいわゆる雇用保険三事業の見直しという点でございます。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 こうした審議会で御議論いただいておりますのは、給付と負担の両面から見直しをするということでございますので、その議論を踏まえて私どもは適切に対処していきたいということで、御質問の保険料引上げ云々については正に今後の議論の行方に懸かっているということになります。
#197
○森ゆうこ君 今論点になっているという五番目の三事業ということに関連してここで確認しておきたいんですけれども、このたび起きました佐世保重工業、SSKの生涯能力開発給付金不正受給並びに中高年労働移動支援特別助成金の不正受給、この問題について経緯と今の状況をお願いします。
#198
○政府参考人(澤田陽太郎君) SSKの不正受給問題を含めまして、雇用保険関係の助成金につきましては、基本的には現下の厳しい雇用失業情勢の中で積極的に活用いただいているというふうに認識しておりますが、助成金制度が浸透するに伴いまして不正についての手口が巧妙化するという面もございまして、今般のSSKのような不正受給事案が生じ、詐欺容疑によりまして逮捕者が出たことは私どもも深刻に受け止めております。
 助成金の支給に当たりましては、これまでも必要に応じまして関係労働者からヒアリングをしたり現地調査に赴いたりということで、厳正な審査に努めてまいりました。また、実際、不正受給が確認された場合には、当然ながら支給額の返還措置を講ずるとともに、悪質な事案につきましては刑事事件として告訴する等の措置を取ってまいりました。
 今回の件について申し上げますと、職業能力開発関係の助成金、それから中高年齢者の労働移動関係の奨励金につきましては、既に長崎県警の方に告訴をいたしておりますし、雇用調整助成金につきましては、私どもの方でチームを組んで調査をし、その調査資料につきまして県警の要請に基づいて提供し、県警の捜査にゆだねているという状況でございます。
 今後の対応についてでございますが、書類選考だけでという面が若干ありました。したがいまして、今後は現地調査を徹底するとかあるいは他の雇用保険データとの突合をしっかりやって、相互に矛盾がないかとか、そういうこともやっていきたいと思いますし、基本的には、三事業の助成金自体について重点化、効率化を図る、そして現に起きてしまった不正受給につきましては、そのチェック体制を整備していきたいと、このように考えておりまして、国民の信頼を得られるように努力していきたいと、こう思っております。
#199
○森ゆうこ君 今回の佐世保重工業の問題に関して、完全に不正と分かったわけではない部分もあるんですけれども、その佐世保重工業関連で受給している助成金の総額はお幾らでしょうか、お答え願います。
#200
○政府参考人(澤田陽太郎君) 不正部分とまだはっきりしていない部分、合計いたしますと、ちょっとトータルありませんが、まず能力開発助成金につきましては三億七千七百万円強、それから中高年労働移動支援特別助成金につきましては約十七億円、そして雇用調整助成金につきましては合わせまして十億七千万円強ということになります。
#201
○森ゆうこ君 一つの企業が受け取る助成金の額にしては余りにも多いのではないかと思いますが、この点について、大臣、見解お願いします。
#202
○国務大臣(坂口力君) 先ほどお話ございますように、まだすべてが非常に不正であったということは分かっておりません。適正であったのもあるいはあるのかもしれませんけれども、一つの企業として全体で受ける額としてはかなり大きいなという印象を持っております。
 これから、いろいろの制度がございますし、会社の大きさにももちろんよりますけれども、それぞれの企業が受けていただきますときに、やはりトータルでどれくらいということも一応見ていかないと、様々なものがございますから、いろいろの制度を一つのところがたくさん使われるというのもいかがなものかという気がいたします。
 もちろん企業の大きさ等にもよりますが、その辺もこれから少し注意をしていく必要があるのではないかと思っております。
#203
○森ゆうこ君 今回のこの国民の負担増というところにつきましては、とにかく財政大変だと、大変だ大変だ、お金がない、お金がないというところから国民負担をという話になってきているわけですね、簡単に言うと。そう一方で言っていながら、このような巨額の税金が不正に使われているのでは、今言っていただいた金額がすべて不正だというまだ証拠はありませんけれども、少なくともやっぱり一つの企業に対して補助金、助成金という形でこんなに多額のお金が行っているということ自体がまず不思議だと思います。そこを指摘したいと思いますが。
 この問題につきましては、この前、厚生労働省に対しまして、雇用保険三事業から補助の総額が多い企業とそのランキングを下さいと、その企業名を出すのが今の時点ではなかなかということであれば、企業名は伏せてもいいからたくさんもらっている企業のベストテンを提出してくださいということをお願いしておりますが、いまだ返事がございません。
 この件につきましては、政府参考人、いかがでしょうか。
#204
○政府参考人(澤田陽太郎君) 現在作業中でございますが、助成金ごとに支給実績の多い企業をずっとリストアップして、それを今度は名寄せするという作業になりますので、それから過去に年度によってまた打ち出すということがありますので、もうしばらくお時間をいただきたいと、こう思っております。
#205
○森ゆうこ君 こういうことがやっぱりはっきりしないうちに国民に負担増を求めるということをここで決めていくわけにいきませんよね。
 これ、副大臣にじゃ伺いたいんですけれども、今のこれ失業保険の話なんですが、これは被用者の、そういう雇用されている側の国民の負担増だけではなくて、今回の様々な社会保障の負担増というのは企業活動に影響する面があると思うんですが、そういう意味でもデフレインパクトがあるということがあるんですけれども、この点も意識していらっしゃいますでしょうか。
 企業に対するデフレインパクトということで、副大臣に、狩野副大臣、お願いします。
#206
○副大臣(狩野安君) 大変いろいろと問題が多く、私も憂慮いたしておりますけれども、この雇用保険制度につきましては、労使の連帯から成る雇用のセーフティーネットとして、これからもとても安定的に機能するようにしていく必要があるというふうに考えております。
 このためにも給付と負担の見直しが避けられませんけれども、この検討に当たりましては、まず給付の在り方について、再就職促進を始めとする制度本来の機能が適切に発揮されるよう、必要な見通しを行った上で負担面の見直しを図ることが重要であると考えております。審議会での議論を踏まえて適切に対応してまいりたいと思っています。
#207
○森ゆうこ君 とにかく国民に負担増を求めるのであれば、その使い道がきちっとしたものであるかどうかということが皆明らかにならなければやっぱり国民に新たな負担を求められないと思うんですけれども、社会保障費が例えば雇う側の企業にとっては非常に負担になるからということで、私、今日ちょっと持ってくるのを忘れちゃったんですが、ある大手企業の系列企業への経営指南書の中に、正社員を雇用すると社会保障関連の負担がますます重荷になるので、できるだけ新たな正社員は雇用せず、すべてパート、アルバイトに切り替えていくようにという、そういう経営指導書まで今出回っている、そういう状況ですね、一般の社会の状況。
 そうしますと、一方で税金がきちっと使われていない、一方で負担増だけを求めていくと、こういうことでいいのかどうか。これに関しまして、大臣、やはり一言お願いいたします。
#208
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のところが必ずしも十分に私理解できているかどうか分かりませんが、全体といたしましては、この社会保障全体の中で社会保障全体のあるべき姿を考えていかなければなりません。
 その中で、先ほど税金とおっしゃいましたが、税金じゃなくて、これは保険ですから保険料として提出をしていただいたものにおきまして、しかし保険料といえどもそれは皆さん方が相互扶助の形でお出しをいただいたものでありますから、そういう適正でない使われ方がしておりましたらそれはもう許せないことでありますから、そうしたことをもう少しこちらの方も徹底して見ていくということは大事だというふうに思っております。
 そうした、これは雇用保険として皆さん方にいざというときにお使いをいただきますときに作った制度でありますから、お使いをいただくこと自体はいいわけでありますけれども、それが適正でなかったということになればこれは問題でありますので、そこは我々もしっかりと見ていきたいというふうに思っている次第でございます。
 それからもう一つ、何かありましたですかね。
#209
○森ゆうこ君 いや、いいです、取りあえず。
#210
○国務大臣(坂口力君) はい。
#211
○森ゆうこ君 適正でなかったらとおっしゃいましたけれども、もう既に適正じゃない部分が相当出てきています。このような問題をそのままに、今対処中ということですけれども、ほかにもたくさんあるわけですね、税金が。先ほど税金と保険料は違うというふうにおっしゃいましたが、この間も本会議で申しましたけれども、国民の財布は一つなんです。保険料であろうと税金であろうと、負担に変わりはないんですね。
 そういうことでいえば、鈴木宗男問題に触れたくはなかったんですけれども、鈴木宗男問題というのは、正しく税金がある特定の企業を潤したり、そしてそれがまた還流してある特定の政治家の勢力を拡大するために使われているのではないか、正しく税金の使われ方が問題になっている。これが政治とお金の問題ですよね。それが次々に出てきているこの国会の中で、何も問題が明らかにされていない状況で、つまり国民から集めてきているお金の使い道が不正に使われている。そのことが何も解明されていない状態で、財源がありません、財源がありません、お金がない、お金がないから負担してくださいと。私はこんなことは決められないと思うんですけれども、これについていま一度大臣の御答弁をお願いいたします。
#212
○国務大臣(坂口力君) いろいろの問題が現在の国会の中で出ていることはよく承知をいたしておりますが、この医療制度といいますのは将来の状況というものをかなり予測のできるものでございます。
 現在の置かれておりますこの少子高齢社会の状況等々を考えますと、将来これがどうなっていくかということはかなり予測のできるものでございますし、これから先、この制度を安定化させていきますためには、皆さん方にお願いすることはお願いをしなければならない。そして、その結果としてそれがどうなるかということにつきましては、これは明確にしていかなければならないというふうに思っている次第でございます。
#213
○森ゆうこ君 それでは、いま一度、マクロ経済的視点からの実体経済のシミュレーションというところに戻りたいと思います。
 先週出されました約一・五兆円の負担増、今ほど、介護保険料も、介護保険に伴う介護保険制度についての国民負担増もある。失業保険も、さっきの佐世保の問題なんかを全部解明してからだと思いますが、失業保険も値上げの可能性がある。こういう状況の中で、少なくとも医療費だけでも一・五兆円の負担増の、これの実体経済への影響をシミュレーションしたのかしないのか、これは内閣府に伺います。
#214
○政府参考人(坂篤郎君) 内閣府は、医療制度改革でございますとか介護保険でございますとか、そういうことだけということで試算をしたということは実はやっておりませんが、実は、先般も当委員会でも御説明したような気がしますが、「改革と展望」という書類を作っておりまして、これの参考試算という部分がございます。
 この参考試算のところは、財政でございますとか、正に今おっしゃいましたマクロ経済でございますとか、そういったものをワンセットにしていろいろな計算をいたしておりまして、その中には、例えば御指摘の医療制度改革でございますとか、そういうことにつきましても、できるだけ将来を読みまして大胆な仮定を置きまして、それでそういうことを含めますと将来の成長率がどうなるかといったような計算をいたしております。
 その試算では、集中調整期間中、この二年間ということでございますが、経済成長率はゼロ近傍でございますけれども、様々な構造改革への取組、こうしたことを通じて生産力が上がったりするわけでございますけれども、そういったことを継続的に進めることによりまして、二〇〇四年度以降は実質で一と二分の一%程度あるいはそれ以上、名目でございますと二と二分の一%あるいはそれ以上の民間需要主導の着実な成長が達成されるといった試算をいたしております。
 ただ、医療制度改革というものがどういうふうに、どこまで詳しくその前提として組み込んであるかと申しますと、医療の制度というのは、例えば所得階層別にもあるいは年齢別にも極めて違う、複雑な仕組みというものでございますから、私どもの経済財政モデルはそこまで複雑なのをそのまま取り入れるというふうには実はできておりませんで、そういう意味では、医療制度改革が詳しくその前提として取り入れてあるかということであれば、詳しくは取り入れておりませんということでございます。
#215
○森ゆうこ君 詳しく取り入れている、いないというところは何かよく分からないんですけれども、じゃ日銀に伺います。
 厚生労働委員会には初めてお越しになっていただきまして、ありがとうございました。
 それで、先ほど大門委員からも提案がありましたけれども、この問題は、今日はこの厚生労働委員会に初めて日銀の局長さんから来ていただきましたけれども、やっぱり非常に経済に悪影響を与える懸念が大きい。税の問題もありということで、やっぱり財政金融委員会と合同審査をすべき問題だなと最初に申し上げておきますが。
 じゃ、日銀に伺いますが、今回のこの社会保障費、この医療費に限らず様々なものが負担増になるということで、これがマクロ経済、短期のものですけれども、マクロ経済にどう影響を及ぼすと考えていらっしゃいますでしょうか。
#216
○参考人(早川英男君) 今回の健康保険法改正に伴います実体経済への影響ということでございますけれども、一つは、確かに負担増ということの結果として、例えば医療需要自体あるいはそのほかの個人消費に対して何がしかの影響は及ぶという可能性はございます。ただ他方で、しかし現在の医療制度の下で医療保険財政が将来的に成り立ちにくいというふうに皆さんが今思っているとすると、その問題を解消することが逆に消費活動にとってプラスの影響を与えるという側面もございます。
 いずれにいたしましても、こういった問題につきましては、なかなか、先ほど内閣府さんの方からもお話がございましたけれども、既存のモデルに組み込むということができる性質とはちょっと違いますものですから、定量的にこれでどれだけの影響が出るかということの計算は大変難しいと言わざるを得ないと考えております。
 しかしながら、いずれにいたしましても、今回の改革が我が国のマクロ経済に対して一定の影響を与えることは事実だと思います。したがいまして、私どもとしましては、今後も経済情勢を見ていく上で、そうした点も併せて注意して見てまいりたいと思っております。
#217
○森ゆうこ君 今ほどの御答弁の中で、国民がとは言わなかったかもしれませんけれども、要するに、この医療制度を維持していくために負担増もやむを得ないという理解が得られれば、これは経済には悪影響ではないというふうな御趣旨の御答弁があったと思うんですが、果たして今回のこの医療制度改革が国民全体にそういうふうな、これは制度、国民皆保険を維持するために今この負担増はどうしてもやらなければいけない、国民は痛みを分かち合おうというふうに受け入れられるものでしょうか。日銀の局長さん、お願いします。
#218
○参考人(早川英男君) 私どもは、医療制度の将来及びその維持可能性について、現時点で確かなデータも持っておりませんが、一般論といたしましては、先ほど来お話ございますように、日本の高齢化はかなりの勢いで進んでいくものでございますので、そういう意味では、我々、これまでのいろんなアンケート調査等を見ましても、医療及び年金等々についての将来に関する不安といったものはこれまでのアンケート調査等でも出ておりますので、そういった一定の不安をみんなが持っているということは事実である、こういうことだけは申し上げることができるかと思っております。
#219
○森ゆうこ君 つまり、それはこの今回の健保法改正案が医療制度の抜本改革であるということが皆さんが納得されればということだと思うんですけれども、ここでもう一度順番の話をしたいと思うんですが、坂口厚生労働大臣は小泉総理独特の理屈に屈したんだなと私は思いました。
 最初、その順番が違うと、私と同じような、全く同じ考えをお持ちだった。まず抜本改革があって、それの道筋を示して負担を求めるということに非常にこだわっていらっしゃったんですが、緊急の事態だからということでまずは負担増ということになったんですけれども、これは平成九年のときと同じ構造ですよね。要するに、財政が立ち行かなくなるから負担増を今ここで決めて、そして医療制度抜本改革は必ずすると約束して、全く同じことをやっているんですけれども、一体平成九年のときとどこが違うんでしょうか、大臣。
#220
○国務大臣(坂口力君) 平成九年のときのことは私は余り知りませんので、私、野党側に座っておりましていろいろと言っていた方でありますから余りそのときのことは分かりませんけれども、しかし小泉総理からお聞きをすると、やはり抜本改革というのはかなり大きな広がりがあるし、それをやっていくためにはいろいろの御意見があってなかなかまとまりにくいものであることも間違いないという、それは私もそのとおりというふうに思っておりますが、しかしもうそれは許されませんので、この際、この抜本改革というのはやらせていただきますということを先日来申し上げているわけでございますし、現在着々とそれを進めているところでございます。
 そして、来年の四月一日から御負担をお願いをするわけでありますから、それまでに改革案をまとめさせていただきますということを申し上げているわけでございます。
#221
○森ゆうこ君 それは政策が信頼されていると、政府が約束したことが必ず実行されるという、信頼視されているという前提がないといけないと思うんですけれども。
 日銀にはせっかく来ていただいたのでもう一個だけ質問させていただきたいんですが、今市場は、マーケットは政府が必ず言った政策を実行するという信頼、政府に対するその政策への信頼というのを持っていますか。
#222
○参考人(早川英男君) 残念ながら、市場を見て政府に対する一般的な信頼ということで、どの点に関する信頼、一般的な信頼があるかないかというのはなかなか一言でお答えできるようなものではございません。
 そうは申しましても、例えば長期金利というのを一つ見てまいりますと、日本の長期金利は現在十年もので一・三%ぐらいということでありますから、政府の赤字というのは相当大きな規模であるにもかかわらず一・三%でとどまっているということは、いずれどこかの将来において何らかの形での財政改革が行われて一定の赤字の歯止めが掛かるということについてはそれなりの信頼を持っているというふうには思っておりますけれども、申し訳ありません、一般的に信頼と言われてもなかなかお答えしづらいものがございます。
#223
○森ゆうこ君 じゃ、同じ質問を内閣府にお願いいたします。
 私、内閣府のどなただったか、にうちの党の部会で聞いたんですけれども、とにかく市場が政府の出す政策を信頼していないと。ですから、次々に追加の、例えばデフレ対策ならデフレ対策、次々にこうやります、ああやりますと、政策、信頼してもらえるような政策を次々に打ち出していかなければいけないような状況だというふうな説明を受けた記憶があるんですけれども、いかがでしょうか。
#224
○政府参考人(坂篤郎君) 私、先ほどの「改革と展望」の例で申し上げますと、「改革と展望」というものを作った一つの理由というのは、いろいろな理由があるのでございますけれども、一つの理由は、やはりマーケットに対して、マーケットというのは主として国債や何かを売買している人たちでございますけれども、その人たちに対して、政府としては今後財政というのを少なくとも発散させるような、発散というのは要は収拾がつかなくなるという意味でございますけれども、ある程度財政赤字が広がってまいりますと、どういうふうにやってもどうにもならないという、そういうところに行ってしまうわけですけれども、そういうようなことになるようなことにはしないように努力をすると。その最初の一里塚としてプライマリーバランスの均衡というものを目指すと。「改革と展望」では二〇一〇年代の初頭ごろにはプライマリーバランスの均衡というものが達成できるでありましょうという、そういう言わば見込みを示しているわけですが、同時にその見込みのバックになるような、例えば今後こういう財政運営をやります、あるいは経済というものをこういうふうに活性化をしてまいりますといったような構造改革のいろいろな考え方を同時に示しておるわけでございまして、そういったことを通じて政府というものがどういうことを考えていると、あるいはどういうことをやるつもりであるということを市場の人たちにも知っていただくという、そういう意味も「改革と展望」というのは持っているんだろうというふうに私どもは思っております。
 そういう意味では、先ほどの早川さんのおっしゃったところによりますと、国債の金利が今のところ安定しているというのは信用をしていただいているのかなというふうに思っております。
#225
○森ゆうこ君 それで、そもそもの話に戻りたいんですけれども、もうちょっと待ってくださいね、この健保法の改正案が出されたのは大分前のことだと思うんですけれども、国民の負担増が幾らになるかというこの負担増の試算というのは先週なんですよね。この厚生労働委員会に出されたんですよ。衆議院では六十時間に及ぶ審議をし、その前にもいろいろな経緯がありましたけれども、大臣、最初にこの試案、財政試算というものを大臣もやはり御存じなかったんですね、先週までは。その点について伺います。
#226
○国務大臣(坂口力君) 私はいろいろの試算を見せてもらっておりますし、それはいろいろの前提を置いた上での話でありますから、前提によりまして多少の数字の違いもあるし、それはよくその前提を見てこの議論をしないといけないというふうに思っておりますが、今まで見ていたものと今回出たものとが同じなのかどうか、それは全く同じではなかったかもしれませんけれども、私はそれなりのそのデータは見ておることは当然であります。
#227
○森ゆうこ君 ということは、負担の総額は御存じで、内閣府も同じだと思いますけれども、国民の負担増ということの総額、データが示されたのは先週ですけれども、それぞれ御存じで、それがかなり実体経済に、短期ですけれども、影響を与えるというのは覚悟の上、それでも政治的判断で決断したと、この健保法の改正案、改正案というか要するに負担増を決める法案を提出することを決められたということでよろしいでしょうか。内閣府そして坂口大臣、それぞれお願いいたします。
#228
○国務大臣(坂口力君) 私が今まで十分に分からなかったのは、これは組合健保がどうなるかということについては十分分かっておりませんでした。しかし、政管健保その他につきましては詳しい数字を見ておりますから、それは十分分かっていたということでございます。
 だから、それを組合健保にも当てはめたときに、組合健保はいろいろの前提条件がありますから、前提条件によっては数字が違ってくるということもあって、いろいろの前提を置いて一・五兆円ということになったわけでありまして、その前の段階のところは分かっていたということでございます。
 それらのことは全体の中の現在の経済の中でこれだけのことは来年の四月以降、もし法案が通ったとすれば御負担をいただかなければならないということになるわけでありますから、それはそれなりの覚悟を決めて我々も掛からないといけませんし、このことを全体の経済の中で、医療保険というのはこういうふうになりますということを折り込んでもらって、全体の経済運営というものを考えてもらわなければならないということを申し上げてきたわけであります。
#229
○政府参考人(坂篤郎君) 実はシュミレーションをやっていたときというその時点の問題と、それから先ほどちょっと申し上げましたけれども、モデルというのがそんなに精緻にできているわけでもございませんで、ありとあらゆる変数が全部登場するというふうにできているわけでもございませんですから、何といいますか、技術的な意味で言いますと、実はそのシミュレーションに、何というか、完全に反映されているとか完全に組み込まれているということは、先ほども申し上げましたけれども、ございません。
 したがいまして、ただ全体としては大体のことは私ども知っていて、その計算なんかをしたりいろいろ、あるいはモデルのを離れまして、今年度のあるいは来年度の経済の様子というのを考えるときには大体のことは知っていてやっておりますので、そういう意味では大体知っていてやっていたということかと存じます。
#230
○森ゆうこ君 そうしますと、小泉総理がおっしゃっていました、やってみなければ分からないということではないわけですよね。一応影響はあるけれども、それよりもこの健保の財政を守ることの方がより重要だという判断の下に決断されたということでよろしいんですね。
#231
○委員長(阿部正俊君) だれに対する御質問でございますか。
#232
○森ゆうこ君 内閣府。
#233
○政府参考人(坂篤郎君) 決断したのは私どもじゃないんでございますけれども、言わば経済的な側面から見ますと、私どもから見ますと、結局医療の、つまり保険に対する需要といいますか、どれだけの方がどれだけお医者さんに行かれるかと、こういうことでございますけれども、これが増えていっていると。これは高齢化や何かの関係がありまして増えているわけでございますが、そうすると、結局その医療費の増大をこれはだれかが払わなきゃいけないわけでございまして、保険料を引き上げるか、あるいは税金を増やしてそれで賄うか、あるいは患者さんが御自分で今度のように例えば三割といった形でお払いになるか、どこかでだれかが払わなきゃいけないわけでございます。
 それを何にもしないということになりますと、先ほどもちょっと御議論がありましたけれども、将来どうなるか分からない、将来はきっと駄目になっちゃうんじゃないかと。例えば、医療保険制度というものがどんどん赤字が増えていけば当然パンクしちゃうわけでございまして、そうすると言わば不安感というのが広まってくる。こういった社会保障制度に対する不安感というのは、やはり経済的に見ますと、その分、そうすると、じゃ自分で貯金しようとか、そういう反応を招いて、むしろ消費なんかを抑制してしまうといった可能性があると思います。
 そういったことも考えますと、やはりしっかりした社会保障制度、この場合ですと医療制度、医療保険制度というものができるということは、将来の経済が、例えば消費といったような面から見てもいいことであるというふうに私どもは考えているというところでございます。
#234
○森ゆうこ君 これ堂々巡りになっちゃうんですけれども、それは、これが抜本改革であって、国民がこれは将来にわたって継続される制度にここで変わったというふうに思わなかったら将来に対する不安が払拭されたということにはならないんじゃないかと思いますが、これをいつまでやっていてもしようがないので、内閣府と日銀の方、結構でございます。
 それで、大臣、再度伺いますけれども、もう先ほども議論がありましたけれども、方向性を決める、どう決めるのかとか、そういうことについての議論はもう出尽くしているわけですよね。平成九年の負担増のときにも様々な議論出てきていると思うんですけれども、それをとにかく先延ばし先延ばしして改革を遅らせてきた。ここへ来てやっていることは九年前とどこが違うんですか。
 もうやっぱりこの法案はいったん廃案にして、むしろ今回の附則の部分を、附則の部分というのは、今日も資料の提出がありましたけれども、それぞれ個別の改革をいついつまでにやると約束する部分ですよね。この部分だけをやればいいんじゃないですか、今。過去に健保財政が危機になったとき、保険料の値上げじゃなくて別な形で賄ったことがありますよね。今、それをやればいいんじゃないですか。大臣、いかがでしょうか。
#235
○国務大臣(坂口力君) 抜本改革のことを言いますときに、抜本改革をやれば財政的な節減ができて見通しが付くんじゃないかという御意見がございます。しかし、抜本改革というのは、一部におきましては無駄なところを削減をして、そして財政の捻出をいたしますけれども、新しくまた付けなければならないところも私は率直に言って出てくるというふうに思っております。したがって、抜本改革をやりましたから財政的にそれが成り立つということではなくて、財政的な厳しさは将来ともに続くというふうに私は覚悟をしなければならないんだろうというふうに思っております。
 そういう過程の中で、そういう考え方の中で今抜本改革のことに取り組んでいるわけでありますが、現在の行っております、今回お願いをしておりますのは、突き詰めていきますと、公的負担とそして保険料と自己負担の割合をこれからどうしていくかということを、これは財政面から改めてお願いをしているわけであります。
 そして、先日もお答えを申し上げましたとおり、二〇二五年ぐらいになりましたときの自己負担の割合は約一五%、そして保険の場合には四九%、そしてこの公費負担の分は三五%ぐらいになる、そうした姿を示して、先日、一番最初総理がお見えになりましたときには、もう少しそこを分かりやすい数字で、六分の三、六分の二、六分の一という数字でお示しをしたわけでございますけれども、それぐらいな割合に私たちはしていこうと思っておりますという、その枠組みの中で今回のこの法案を御提示いたしているところでありまして、そのことが抜本改革によって、そしてその額がうんと減っていくかといえば、それは私は非常に難しいんだろうと。新しくしなきゃならない。
 これだけ医療ミスが起こっておるところを考えますと、やはりマンパワーというものは今まで以上にこれからは必要である。それはやはり付けていかなければならないということになるだろうというふうに思いますと、そうした面はそうするとこれは余分に今までよりも要ることになってくるわけでありますから、私は、削減すべきところは削減をして、そしてそうしたこともやらなければならないということを考えますと、抜本改革即それは財源のそれで削減ということではない。財政の問題は財政の問題として先に進めていかなければならない。そして、制度の改革は改革としてこれから進めていかなければならないということではないかというふうに思っております。
#236
○森ゆうこ君 なかなか本当の制度の改革というところまで話が進まないんですけれども、そう言いながら、結論を先送りにしないという保証はどこにもないというふうに指摘したいと思います。
 それで、もっと、もちろん今までにいろいろ議論が出たものも必要なんですが、そもそも根本的な理念。私たちは今ここで、例えば尊厳死の問題や、例えばリビングウィル法というんでしょうか、四十歳以上の人は、毎年お正月に延命治療を受けたくないとか、命続く限りあらゆる医療を受けさせてくれとか、それは個人の選択だと思いますが、そういうものを意思表示するというような制度を作るというふうなものですとか、そういうことについて議論をすべきではないでしょうか。
 そして、財政の問題でいえば、医療費がどんどん上がるといいますが、まだまだきちんと整理をすれば医療費を削減できる問題もあると思いますが、例えば医薬品の適正使用に関してですけれども、後発医薬品の使用促進に関しては、先日、厚生労働省から国立病院院長あてに通知が出されましたけれども、実際には地方自治体の経営する病院や私立の病院の方が数は多いわけですから、そこにも広く働き掛けていくべきではないかと思うんですけれども、ちょっと具体論になってきましたけれども、政府参考人に御答弁をお願いいたします。
#237
○政府参考人(篠崎英夫君) ただいま先生から御指摘ございましたように、効率的な医療を図る観点から、後発医薬品の使用を促進することは大変重要であります。厚生労働省といたしましては、これまでも先発品と同等の溶出性を確認するなどの品質再評価の実施とその結果の公表を行いますとか、あるいは後発医薬品の安定供給を確保するために製薬企業を指導いたしますとか、あるいは後発品を処方した場合の処方せん料に関する診療報酬上の評価などを行ってまいりました。
 先月、国立病院・療養所に対しまして、医薬品の使用促進を図るよう通知を出したところでございますけれども、その他の医療機関等に対しても、御指摘の点も踏まえまして、今後関係機関とよく相談をしながら、後発医薬品の使用促進に努めてまいりたいと考えております。
#238
○森ゆうこ君 医薬品についてなんですが、医薬品を適切に使用するということは医療費の削減につながるだけではなくて、またその逆に、その不適切な使用が深刻な害を引き起こすということは私が言うまでもないことだと思うんですが。
 それで、七月五日付のアメリカのリポートなんですけれども、最後の抗生物質と言われていましたバンコマイシンの耐性菌、これについては前から発生が確認されているわけですが、このたび、今までのものの四倍の耐性のある新しいものが四十代の男性から発見されたという報告がありました。この報告を踏まえて、日本での対策につきまして、政府参考人に伺います。
#239
○政府参考人(宮島彰君) 厚生労働省におきましては、平成十二年七月から、病床数二百床以上の病院約五百施設を対象にした院内感染対策サーベイランスを通じて薬剤耐性菌の発生状況を把握しているところでございますが、現在までのところは、アメリカで報道にあったようなバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌の報告はございません。
 また、耐性菌対策といたしましては、従前より抗生物質製剤の添付文書等におきまして、使用に当たって、耐性菌の発現等を防ぐために原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめるよう記載して注意を喚起してきたところでございます。
 また、特にバンコマイシンにつきましては、耐性菌が出現した場合有効な治療等がなくなるおそれがあること等から、製薬企業に対しまして、感受性調査を含む適切な市販後調査を継続し情報収集すること、さらには収集した情報を解析し、適正な使用を確保するため医療機関に対し必要な情報提供を継続することを求めているところでありまして、こうしたことを通じまして、抗生物質製剤の適正使用についての周知徹底を引き続き図ってまいりたいというふうに思っております。
#240
○森ゆうこ君 今の御答弁というのは、抗生物質の使用のガイドラインというものが既にあって、それが各、全国津々浦々の医療現場にきちっと伝達されているという理解でよろしいんでしょうか。
#241
○政府参考人(宮島彰君) 今申しましたような経過を踏まえますと、当然抗生物質について適正使用を促すガイドラインというのが重要性があるわけでありますけれども、厚生労働省といたしましては、平成十一年度及び十二年度に関係学会に対しまして副作用予防と耐性菌防止を目的とした抗菌薬使用のガイドラインの作成を委託し、日本化学療法学会と日本感染症学会において「抗菌薬使用の手引き」というガイドラインが作成されまして、これを医療関係者に周知しているというところでございます。
 それから、今後とも引き続き、先ほど申しました院内感染対策サーベイランスによりまして、院内における薬剤耐性菌の検出状況の把握をしますとともに、その情報をも各病院へフィードバックするという形で各医療機関の関係者の注意を引き続き喚起する、さらには医療従事者への適切な抗生物質投与に関する研修・教育、こういうものを通じまして薬剤耐性菌の出現防止に努めていきたいというふうに思っております。
#242
○森ゆうこ君 現場のお医者さんの話を聞いてみますと、そのようにきちんとかなり拘束力のあるガイドラインが出ているというふうには受け取られていないようですけれども。
 じゃ、大臣、先週の新たなVRSAの発生について、この海外の危機、今までの四倍、アメリカではもう既に対策シートなるものが各医療機関に配布されているというふうに聞いておりますけれども。私は結構、このバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌検出というのは非常に大きい、ショッキングな出来事で、最後の特効薬と言われていた薬がもう効かなくなってきたということで、非常に重要なことだと受け止めているんですが、この点についてどのような認識でしょうか。
#243
○国務大臣(坂口力君) 抗生物質というのはいつの日か必ず耐性菌ができてくるものでありまして、それはいつできるかということだというふうに思います。こういうお薬は常に新しいものを開発をし続けないと、したがいまして耐性菌に常に悩むということになりますから、更にまた新しい抗生物質を開発をしていくということに努力をしていかなければならないんだというふうに思います。
#244
○森ゆうこ君 いえいえ、安易にたくさん抗生物質を使うとその耐性菌の発生も早くなるという、そういうことですよね。ですから、やっぱり薬の適正使用、先ほど言いましたが、医療費を削減するだけじゃなくて、そういう危険も防ぐという点でこれは非常に重要なことだと思うんですが。そのガイドラインがちょっと弱いんじゃないかということと、抗生物質の使用量、これが日本国内での使用量は国際的に比較した場合どんなふうな状況になっていますでしょうか。政府参考人、お願いいたします。
#245
○政府参考人(篠崎英夫君) ちょっと、諸外国の比較のデータはたまたま手元に持っておりませんけれども、国内で経年的な変化で例えば申し上げますと、それで、使用量ではなくて生産金額の方で申し上げさせていただきますが、例えば一九七〇年には全医薬品生産高のうち抗生物質製剤が生産されるその金額の値は一五・三%でありました。一九八〇年が増えてきまして二三・四%でございましたが、一九九〇年一一・二%、直近の二〇〇〇年は六・〇%ということでございますので、先生御指摘のように、抗生物質の使い過ぎということは、先ほど医薬局長が答弁されましたように、いろいろなガイドラインあるいは医療関係現場にはそういう認識は広まっておるというふうに考えておりまして、そのような傾向を反映して抗生物質の使用量も一九八〇年ぐらいから比べますと減少傾向にあるのではないかというふうに思っております。
#246
○森ゆうこ君 時間がなくなってきましたので、最後に。
 私は、当然大臣と同じように考えておりまして、高齢化が進む、公費負担の拡大もやむを得ない部分もある。でも、それと同時に、今なかなか議論できなかったんですが、医療の更なる効率化、透明性、そして他の部分での公費がきちんと使われているか。先ほども雇用保険の関連の話をいたしましたが、とにかく国民がたくさん負担を次々に求められるけれども果たしてそれが本当に公正に使われているかと。この政府への信頼、国への信頼というのが崩れている。このことが今一番問題なのであって、そういう状況のときに、えっ、またまた負担増かよという、これはいけないんじゃないかということを最後にいま一度主張して、私の質問を終わります。
#247
○大脇雅子君 私は、まず政府の健康保険法改正案提出の基本的考え方についてお尋ねをいたします。
 法律案提案の理由説明において、医療保険制度については、給付と負担の公平を図るとともに、将来にわたり持続可能で安定的なものとしていくことが求められているとされています。
 給付と負担の公平を図る上で、具体的には、国民を含めて、給付の主体や負担の主体をどのようにとらえるのか。この場合において、公的責任主体である国、地方自治体はどのような役割を担い、機能を果たすと考えておられるのでしょうか。
#248
○国務大臣(坂口力君) 給付と負担をまず公平にするということでありますが、その中で、やはり給付の方をまず公平にする、これは大事なことだというふうに思います。
 そして、それに必要な負担の方を一体どうするか。これは、保険あるいは自己負担ということもございますが、ここに公費を投入もしていく。それは、各年齢層が同じような構成になっておればそんなに大きな問題は起こらないんだろうというふうに思いますけれども、最近のように逆三角形になった年齢構成の中でありますから、どういたしましても保険だけではうまく負担がいきにくい。特別に負担が若い人たちに掛かり過ぎるということもございますから、そこはプラス公費ということで、公費の役割が大きくなってくるというふうに思っております。
 したがいまして、制度間あるいはまた保険者間で給付内容や保険料の負担の在り方が異ならないようにどうしていくかということが大きな課題であるというふうに思っているところでございます。
 国と地方自治体の役割でございますが、医療保険制度の運営に関しましては、国は制度全体の安定的な運営に責任を有しておりますし、市町村は国保の保険者として国民皆保険の受皿としての役割を果たしております。また都道府県は、市町村を支援しますほか、医療供給体制の確保に関しましても責任を持っているところでございます。
 これらの大きな役割分担の差というものがあるというふうに思いますけれども、そうしたことを念頭に置きながら、しかし相連携して、携えていかなければならないものと考えております。
#249
○大脇雅子君 さらに、将来にわたり持続可能で安定的なものとして医療保険制度を維持していくということは、一九六一年、国民皆保険制度を実現して、だれもがいつでもどこでも安心して医療制度を利用できるという、こういう制度を確立したということは大変重要だと考えます。
 この安定的なものとしていくという意味で、この改正案でこの安定的に込めた意味というのはどう解釈したらよろしいんでしょうか。
#250
○国務大臣(坂口力君) 今御指摘をいただきましたように、現在だけではなくて将来も安定した制度を持続をする、そして公的保険制度、医療保険制度を持続をし、フリーアクセスを維持していく、このことがやはり最も国民の皆さん方に対して安心感を与える大切なことだというふうに思っております。
 そうした意味で、皆保険制度を維持をしていきますためには、年齢構成の変化等を考えまして、それらも考えながら今回この御提示を申し上げて、こうした方向でお願いを申し上げたいということを申しているわけでございます。
 そして、もう一言付け加えさせていただきますれば、更に加えてこの抜本改正を行っていくといいますのは、これは負担と給付を公平にするということ、そして医療の質を上げるという、この二点が大きなこれはもう一つ課題であるというふうに思っております。
#251
○大脇雅子君 先ほどファイナンスはまず保険料という言葉が政府委員の方から出ましたが、今の大臣の御答弁によりますと、公費の役割ということの重要性を認識をされての御答弁と思われました。
 さて、健康保険の各制度間の給付率を統一する観点から三割負担というふうに言われるわけですけれども、なぜ三割負担なのかと、制度間の給付率を統一するということはやはり少々安易ではないのかと。
 これまでの審議で、今回の改正による試算として、先回の大臣答弁によりますと、実質的な負担は、風邪等の軽い病気の場合は三割でも、がん等重い手術を伴う病気を含めて、前期高齢者までの範囲で一七、八%、七十歳未満で二四%だというふうに実績を御提示されたわけですが、こういう推計も含めて実質的に高い数値を、もっと将来にわたり八〇%とかあるいは七五%等もう少し高い数値を示せるのではないかというふうに考えられます。抜本的改革を目指す現時点においては、国民的コンセンサスを確立するためにはこのような実効的な目標値を提示するということは必要ではないかと思われます。
 とりわけ、三百七十万世帯という国保の保険料滞納率の上昇を抑えてインセンティブを働かせるというためには、こうした不況の厳しい雇用情勢の下で、長期的な視点に立てば、今なぜ三割かということが問われると思うのですが、いかがお考えですか。このような政策判断については、私は少し、少しというか基本的に疑問を持つものですが、いかがでしょうか。
#252
○国務大臣(坂口力君) 現在の医療の経済情勢、財政情勢を、これを立て直していくと申しますか維持をしていきますために、考え方としてはいろいろあると思うんです。自己負担は今のままにして、二割なら二割にしておいて、その代わりに保険料を増やしていくという行き方も、それは私は選択としてはやはりあると思っております。
 しかし、そのときには国保の方もまた二割にするということになってまいりますと、保険料としてはかなりこれは厳しいものになっていく。国保の皆さん方の場合にも、今よりも多くの保険料を払っていただかなければならないということになりますし、そしてまた、勤労者の皆さん方の保険料というのもかなり大きなものになっていかざるを得ない。それは制度間の問題もありますけれども、制度間だけではなくて世代間の問題も考えていかなければなりません。
 若い皆さん方の保険料がかなり高くなるわけでございますから、果たしてそれで若い人たちが御理解をいただけるかどうかという問題もございますので、自己負担の問題とそして保険料ということ双方にある程度ずつお願いを申し上げるという現在のこの制度というのは、一つの選択肢として私は大事だというふうに思っている次第でございます。
#253
○大脇雅子君 三百七十万世帯という国保の保険料滞納率の問題、この改善策についてはどのようにお考えでしょうか。
#254
○政府参考人(大塚義治君) 国民健康保険におきましては、市町村が保険料徴収に率直に申し上げまして大変御努力をいただいていると思っております。しかしながら、徐々にではございますけれども、収納率が下がってまいっております。
 その全体的な状況から見ますと、一つには都市部においてその収納率が低い。これは従来からの傾向でございますが、もう一つには若年、比較的若年層の滞納率が多いと。したがいまして、経済状況もございますけれども、やはり基本的には国民健康保険制度の趣旨の徹底、制度の重要性の理解ということがまず基本に置かれなければならないと考えております。
 ただ、そうは申しましても、具体的な方法でアプローチをするということもございまして、一言で申し上げれば、更に保険料を納めやすい、納めていただきやすい条件づくりということを考えなければならないと思っております。
 一方では、一種の督促、督励ということも更に努力をいたしまして、徴収員などの確保などもしていただいておりますけれども、例えば今回の法案で申しますと、私人、私の私人でございますが、具体的に申しますと、都市部などではコンビニなんかも保険料収納に使えるような、そんな法律上の根拠も設けておりまして、今後の具体的なスタートはこれからでございますが、そうしたことも含めて保険料徴収のための非常に幅広い対策が必要でございますが、それぞれに更に強化を図るように市町村とも相協力をして努力をしてまいりたいと考えております。
#255
○大脇雅子君 今回の法改正と抜本改革との位置付けについて、これまでの審議では、予算案との関係から来年四月一日という期限を区切って法改正を実現すると同時に、附則の二条に規定する具体的な内容、手順及び年次計画を明らかにした基本方針を策定するとされております。政府は、当該基本方針に基づいて、できるだけ速やかに所要の措置を講ずるとされています。さらに、第二号の新しい高齢者医療制度の創設については、おおむね二年をめどとされていますが、第一号の医療保険制度の体系の在り方、第三号の診療報酬体系の見直しについて、速やかな措置がなされるのはどのくらいの期間を考えておられるのでしょうか。あるいはまた、これら三点の措置の方向や内容について具体的にどのように考えておられるのか、医療制度の改革推進本部における現在の検討の進捗状況はいかがでしょうか。
#256
○国務大臣(坂口力君) 私を中心にいたしました省内に検討部会を作りまして、三部会に分かれまして、今議論を重ねているところでございます。
 かなり頻回に議論をやっておるところでございますが、その中で、高齢者医療の問題とそれから医療保険制度の問題は非常に関連が深いものでございますから、一つにまとめてやっております。したがいまして、高齢者医療問題の解決と同時決着でこの保険制度の問題もやりたいというふうに思っておりますし、また診療報酬体系の基本の見直しにつきましても同時期に決着を付けたいというふうに思っているところでございます。
 そのほか、もう一つは医療の質を高めるという方向からの検討も行っておりますが、これはカルテの開示の問題でありますとか電子カルテの問題でありますとか、あるいはまたEBMの問題でありますとか、それにまた更に加えれば、救急医療の問題でありますとか、そうした問題も加えまして、もう一チームやっているところでございます。
 その中で、基本的な物の考え方につきましては何度かもう申し上げたこともございますが、高齢者医療につきましては、今日も御答弁を申し上げましたけれども、やはり高齢者医療についてのどういう制度を作るかという前に、高齢者医療に必要な財源をどのように確保をするかということをまず決めないといけないというふうに思っております。
 この内容は、もうもちろん一つは公的資金であり、一つは保険であり、一つは自己負担の問題だというふうに、その割合だというふうに思っておりまして、ここをどうするかということを決めた上において、それじゃそれを当てはめれば制度としてどの制度が最もふさわしいかということを考えていくのが妥当ではないかというふうに思います。
 時間もあれでございますから、もう少し簡単に申し上げますと、それから診療報酬体系の方につきましては、診療報酬の在り方を決めるその基本、基準と申しますか、そこを現在よりももっと明確にしていかなければならないというふうに思っております。
 これは私の私案でございますけれども、一つは重症度、重い軽いの重症度によって一つの基準を作る、それからもう一つは時間が掛かる掛からないということによる基準を作る、もう一つは、これはいわゆるコストがどれだけ掛かるか、人的コスト、物的コスト、それらをどう見るかと、大体これぐらいを一つの基準にして、そして基準を明確にしていく。これは医療機関の皆さん方にも、そしてまたそれをお受けになります国民の皆さん方からも分かっていただけるようなことにしていきたいというふうに思っているところでございます。
#257
○大脇雅子君 診療報酬の二・七%削減は現場で人件費のコストの削減衝動を強めるのではないか。で、ますます要員不足化を招く事態にはなってはならないと思います。
 レセプトを分析したり、あるいは大病院を中心に考えたり、あるいはアンケートを調査したりということだけで果たして実態が分かるのだろうか、適正な診療報酬基準ができるのだろうかと。専門家や各界の意見を聞くということも重要だということも先ほど質問で指摘されました。
 しかし、多くの国民は地方の診療所とか個人病院に掛かっているわけでありまして、そのお医者さんがどういう苦闘をしながら患者を診て医療の質を確保しようとされているのかというような、真摯な多くの方たちの実態をやはり厚生労働省としてはきちんと見ていただいて、具体的な対応策を講ずるということが必要ではないかというふうに考えます。
 今、三基準というものが大臣から示されましたが、実際、厚生労働省は、そうした最も地域に密着した医療の実態調査等について、そして具体的な対応策についてどのようにお考えでしょうか。
#258
○政府参考人(大塚義治君) 診療報酬をどのように決めていくか。今後の大きな課題につきましてはただいま大臣から御答弁申し上げたわけでございますけれども、今回二・七%のマイナスということにいたしたわけでございますが、先ほども、午前中でございましたか、御質問がございましたので申し述べましたけれども、これも一つには医療機関の経営状況というのを見るために実態調査をいたしまして、かなり大掛かりな調査になりますけれども、その把握をしながら、医療機関経営あるいはコストの分析というのをある程度しながら全体の診療報酬の改定率を定めていくわけでございますし、個別の点数につきましては、それぞれの現場の状況、現場と申しましても、私どもの立場からいたしますと関係の団体あるいは関係の学会などからの御要望なり御意見という形でお聞きをするということになるわけでございますけれども、そうしたものを総合的に収集をいたしまして、中医協という審議会、言わば支払う側と医療を提供する側というそれぞれのお立場から、代表となります方々でかなり細かな、詳細な議論をして決めていくという作業をいたしておるわけでございます。
 本当の現場の実態という点ではなかなか詳細な調査というところまで手が届かない面もございますけれども、でき得る限りのデータを集めながら御議論をいただいているわけでございまして、今後も、それぞれの医療機関の運営ということが一つ、患者の側から見た医療という面で必要度の高いものに重点的に評価をするといったような観点、さらには全体として効率的な診療報酬体系、今後、全体としての見直しは進めてまいりますけれども、その過程におきましてもそうした観点で考えてまいりたいというふうに承知しておるところでございます。
#259
○大脇雅子君 附則第二条第三項第一号についてお尋ねをします。
 これまでも行政改革に伴う国立病院の統廃合や移管が進められてきたいきさつがあり、地域、とりわけ過疎地における医療施設の不足がもたらす地域住民の医療の貧困と不平等ということが問題とされてきました。
 この附則第二条第三項第一号にございます「健康保険の保険者である政府が設置する病院の在り方の見直し」によって医療体制はどのようになるのでしょうか。また、地域住民にとっての医療水準ということが低下することはないのでしょうか。
#260
○政府参考人(冨岡悟君) 社会保険病院につきましては、今般の法案附則の趣旨に基づき、社会保険病院が公的病院の一つとして今後果たすべき役割、それから病院整備費の在り方、それから病院経営の効率化といった観点から検討を進めているところであります。この検討に当たりましては、地域医療の実情をよく踏まえて検討してまいりたいと考えております。
#261
○大脇雅子君 次に、政府が保険者である社会保険及び労働保険の徴収事務の一元化を実施するということですが、これによる具体的効果をどのように考えておられるのでしょうか。
#262
○副大臣(宮路和明君) 政府が保険者であります社会保険といいますと、厚生年金とそれから政管健保があり、そして労働保険といいますと、労災保険それから雇用保険、四つが大きく言ってあるわけであります。それが、今現在ばらばらに徴収事務等が行われている。
 それを、例えば今検討しておりますことは、平成十五年度の電子政府化に合わせましてインターネットによる届出の一元的な受付を行うといったようなこと。それから、保険料の収納等につきましても、例えば役所に事業者が届けますところの届出、保険料算定の基礎となる賃金やあるいは保険料額の届出、それを一元化する。あるいは賃金、保険料の額に関します事業所調査、これを一元的に調査を実施する。それから、滞納についての督促あるいは滞納処分、こういったものも一元的にできないかといったようなことを検討しておるところでありまして、基本的な姿は八月中にこれを打ち出していきたいと、こう思っておるところであります。
 その結果、申すまでもなく、事業主の負担軽減が図られてまいりますし、また行政事務の運営効率化の図られるところといったようなもろもろの効果が期待をされておるところでございます。
#263
○大脇雅子君 としますと、これは電子政府を見通してといいますと、結局、住民基本台帳ネットワークの結合等を頭に入れていらっしゃるわけですか。
#264
○副大臣(宮路和明君) この電子政府化は直に、現在、市町村段階で進められておりますところの住民基本台帳ネットワークの問題とは直接かかわる問題ではないということでございます。
#265
○大脇雅子君 健康増進法案についてお尋ねします。
 国民の高齢化や疾病構造の変化に対処するために国民の健康増進を図る施策を積極的に行うということは意義があると考えられますが、本法案の対象や施策の範囲等、基本方針に具体的に盛り込まれる内容はどんなものがあるのでしょうか、お尋ねをいたします。
#266
○国務大臣(坂口力君) 一つは、これは生活習慣病と言われております例えば動脈硬化でありますとか、あるいは糖尿病でありますとか、そうしたものを予防するためにどういう活動を必要とするかということが一つ。それからもう一つは、誕生から入学、就労、それから退職までの生涯にわたる健康づくりに対しましてどう取り組んでいくか。健康診断等も小さいときからやっておりますが、それが厚生省管轄にありましたり、あるいは文部科学省でありましたり、また今度は厚生労働省に戻ったりと、こういうことなものですから、一貫して健康管理というものをもう少しやっていけるように、どういうふうにしていくかといった問題がございます。
 先生が御指摘になりました問題、必ずしも私、十分にちょっと今理解できなかったんですけれども、健康づくりを総合的に推進するために国が全国的な目標や基本的な方向を明確にすると、一つ。それから、地方自治体において健康増進計画を策定していただいて御協力をいただく。それから、先ほど申しましたように、職域、地域、学校などの健康診査につきまして生涯を通じた自らの健康づくりを一層活用できるものとするために共通の指針を作ると、こうしたことを中心にしてやっていきたいと考えております。
#267
○大脇雅子君 ありがとうございました。
 終わります。
#268
○委員長(阿部正俊君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト