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2002/07/18 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 厚生労働委員会 第20号
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2002/07/18 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 厚生労働委員会 第20号

#1
第154回国会 厚生労働委員会 第20号
平成十四年七月十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十六日
    辞任         補欠選任
     谷  博之君     今井  澄君
 七月十七日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     入澤  肇君
     山本 香苗君     草川 昭三君
 七月十八日
    辞任         補欠選任
     今泉  昭君     櫻井  充君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         阿部 正俊君
    理 事
                田浦  直君
                中島 眞人君
                朝日 俊弘君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
    委 員
                入澤  肇君
                狩野  安君
                久野 恒一君
                佐藤 泰三君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                今井  澄君
                今泉  昭君
                櫻井  充君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                草川 昭三君
       発議者      今井  澄君
       発議者      櫻井  充君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  狩野  安君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       文部科学省高等
       教育局長     工藤 智規君
       厚生労働大臣官
       房技術総括審議
       官        今田 寛睦君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省健康
       局長       下田 智久君
       厚生労働省健康
       局国立病院部長  河村 博江君
       厚生労働省医薬
       局長       宮島  彰君
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       厚生労働省労働
       基準局長     日比  徹君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    真野  章君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    高原 亮治君
       厚生労働省保険
       局長       大塚 義治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○健康増進法案(内閣提出、衆議院送付)
○医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提
 供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法
 律案(今井澄君外四名発議)

    ─────────────
#2
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 この際、一言申し上げます。
 日本共産党、国会改革連絡会及び社会民主党・護憲連合所属議員にまだ御出席いただいておりませんので出席要請をいたしたいと思いますが、まだ出席を得られておりません。再度、出席を要請したいと存じますが、しばらくお待ちいただきまして、出席要求、可能かどうか努力したいと思いますので、しばらくお待ちください。お願いします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(阿部正俊君) 速記を起こしてください。
 日本共産党、国会改革連絡会及び社会民主党・護憲連合所属議員に対し、再度、出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めさせていただきます。
    ─────────────
#4
○委員長(阿部正俊君) まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十六日、谷博之君が委員を辞任され、その補欠として今井澄君が選任されました。
 また、昨十七日、鶴保庸介君及び山本香苗さんが委員を辞任され、その補欠として入澤肇君及び草川昭三君が選任されました。
 また、本日、西川きよし君が委員を辞任され、その補欠として高橋紀世子さんが選任されました。
    ─────────────
#5
○委員長(阿部正俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案及び医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長大塚義治君外十名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(阿部正俊君) 次に、健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案及び医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○藤井基之君 おはようございます。自由民主党の藤井基之でございます。
 今日は、いろいろな、幅広く御質問をさせていただける時間をちょうだいいたしましたので、政府関係の皆さんに御質問させていただきたいと存じます。
 御案内のように、我が国の日本国民が世界最長の健康寿命と平均寿命の獲得達成、これに大きく貢献いたしましたのは、言うまでもなく国民皆保険制度でございます。この制度を引き続き堅持していくためには、医療制度改革、これは焦眉の課題でございます。今回、健康保険法の一部改正案及び健康増進法案をおまとめになられました関係各位の努力に対して、心より敬意を表したいと思います。
 ただ、患者の自己負担の増でありますとか保険料に対して総報酬制の導入など医療保険財政再建のために健康保険法改正の内容というのは、内容的にはやむにやまれぬ苦渋の選択ではなかったのかと推察をいたします。しかし、今回のこの改正が皆保険制度という世界に誇る医療保険体制を守っていくためにどうしても必要な改革であると、そういうことを厚生労働省の方も是非国民に十分説明をして理解をいただくよう、一層の御尽力をお願いしたいと存じます。
 そういった観点から質問をしたいと思いますが、私は、このような医療費の抑制策といいますか、あるいは財源の確保と、こういった議論だけで十分なのかというと、必ずしもそうではない。こうした財源的な側面だけではなくて、今非常に大きな問題になっております生活習慣病を予防し、健康に年を取る、寝たきりにはならないんだ、健康な高齢社会を築くんだと、そのための施策を検討することが何よりも大切だろうと存じます。その意味で、今回、健康保険法の一部改正案とともに健康増進法案が提出されていることは大変に意義が大きいと思います。健康増進法に基づく健康日本21プログラムを是非積極的に推進していただきたいと存じます。
 さて、健康増進法案は、御案内のように、基本的には現行の栄養改善法を継承する形となっているものと考えます。この栄養改善法は、昭和二十七年、終戦直後の食糧とか物資の乏しかったころに制定されたものでございます。今日の国民の食生活、生活環境が大きく変わってまいりました。今日の国民の食生活はどちらかというと、むしろ逆に豊か過ぎる食生活、多様過ぎる食生活に起因する問題が余りにも多いように思います。ちまたにはスナック菓子だとかインスタント食品、ソフト飲料等があふれ、そのために過食だったり偏食があったり、あるいは過少な食事等を来し、結果として肥満であるとか総コレステロール上昇する、逆にやせ過ぎるとか、あるいは歯列不整が増えるとか、これらは、こうした今日の食生活というものがいろいろな意味での糖尿病を始めとする生活習慣病を生み出している、このような指摘が多くの賢者からなされております。今日の健康状態を考えたときに、健康日本21の中でも食生活の改善について国民に啓発していくことが非常に大切なものだと考えております。
 また、その一方で、やっぱり気になりますのが、ここのところ立て続けに報道されておりますが、中国からいわゆる個人輸入をされたとされる健康食品による健康被害事例でございます。最近では、通常の食事によって取ることのできる栄養素までも健康食品に依存するなどの例も多々見られております。また、インターネットをのぞいてみますと、様々な健康食品であるとか、あるいは医薬品まがいと見受けられる怪しげな健康食品の広告やそれらの売買というものがはんらんをしております。
 我が自由民主党食品衛生規制に関する検討小委員会が、本年の五月の十四日に、食品の安全に関する信頼確保のための改革の提言というものをまとめました。実は、その中で幅広い食品の安全のための改革提言をしているわけでございますが、その一部としましてこの健康食品問題にも言及をいたしております。その内容は、健康食品について最新の科学的知見等から判断して、過剰摂取などによる健康被害が懸念される場合に流通を禁止できる法規定を整備しよう、そして、保健機能食品以外の食品については保健機能食品と紛らわしい広告を禁止せよと、そのような法改正を求め、そのような提言をさせていただいております。
 厚生労働省は、栄養機能食品であるとか保健機能食品などの制度もお作りになっていわゆる健康食品の健全化を図っておられるわけですが、国民が自分の健康に善かれと思って使用した食品で健康被害を受ける、これではたまったものではない。
 そこでお尋ねいたしたいんですが、近時、中国製のいわゆる健康食品、御芝堂減肥こう嚢とか、あるいはせん之素こう嚢という名前で商品名が付いておる輸入健康食品で、十三都府県で三十一名の健康被害が発生して、うち二名が死亡したという報道がございましたが、これらの健康被害事例につきまして現時点で分かっている被害状況等について、まず御説明いただきたいと存じます。
#9
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘のいわゆる中国から輸入されました健康食品と、そしてその被害状況でございますけれども、去る七月十二日に一応発表いたしましたものにおきましては、平成十四年二月から五月ごろに六十代の女性二名が服用いたしました御芝堂減肥こう嚢というものの結果、一名が二か月後に死亡し、もう一名が入院加療したということでございます。
 それからもう一つの事例は、やはり同じように中国から輸入されて、いわゆるやせる目的で使われましたせん之素こう嚢、これを服用したためにいわゆる被害症状が出たという者が八名おります。
 それからもう一つは、中国からやはり輸入されましたハーブ類を原料とするカプセル形態の健康食品でございますけれども、これにつきましてもやはり肝機能障害等の症状が発生したということで、この被害症例が二名ということで、この時点におきましては一応この三つの製品で十二名の方の症状の訴えがあったという情報提供がありました。
 その後、各都道府県からの報告が次いで参りまして、現在のところ、その十二名のほかにプラス十九名が加わりまして、合計、現在三十一名まで症例が上がっているということでございます。
#10
○藤井基之君 そういう非常に短期間に多くの被害の届出といいますか、情報が寄せられているわけですけれども、こういった食品というものを現在の法規制といいますか、法的には、厚生労働省、当然国民の食品衛生問題については全面的な責任を持っているわけでございますけれども、その国民の保健を守るために、今、法的にはどのような法律をどのように適用してこの問題に対処しているか伺いたいと思います。
 特に、これらの中の健康食品、今回の二品目はダイエットということをかなり大きくうたっているわけですね。つまりやせれるよと、こう言っているわけです。こういうことを言えば、これ薬事法という法律を見ますと、人の身体、構造、機能に影響を与えるものというのは、これ薬事法で言う医薬品そのものになっているんじゃないですか。健康食品と言っているのはある意味ではこれはまやかしじゃないかと思うんですね。それは、こういったものについては薬事法でも規制ができるのか、そしてあるいは一般の食品としての規制をするのか、その辺はどのように法的には対応しているのか、教えていただきたいと存じます。
#11
○政府参考人(宮島彰君) 先ほど御説明しました三つの製品のうち、第一例目のいわゆる御芝堂減肥こう嚢につきましては、その効能としまして減肥というものを標榜しております。これは明らかに医薬品の標榜すべき効能でありますので、いわゆる未承認医薬というものに該当することになります。
 それから、第二例目のせん之素こう嚢につきましては、その成分の中に乾燥甲状腺末とフェンフルラミンというものがありまして、この成分は医薬品のみで使用されている製品でございますので、いわゆる成分違反ということで、これもやはりいわゆる未承認医薬品に該当するということでございます。
 したがいまして、こういった未承認医薬品につきまして販売するということであれば、当然薬事法違反ということでありますので、今回もこの事例を発表しますとともに、各都道府県に通じまして監視指導の徹底を要請したというところでございます。
 第三例目のいわゆるハーブ類を原料とするカプセル型の健康食品につきましては、今申しました効能表示なり成分につきまして、いわゆる未承認医薬に該当するものが特段見当たらなかったということでございますけれども、いわゆる肝機能障害との因果関係がいわゆる疑われるということで、今回それも併せて公表し、いわゆる注意喚起を行ったところでございます。
 ただ、いずれもいわゆる個人輸入という形が多いものでございますので、なかなか薬事法によるストレートのいわゆる取締りというのが難しい状況もあると思いますので、そういう意味で一般国民の方々に注意喚起していただくということで今回公表し、周知したものでございます。
#12
○藤井基之君 分かりました。
 ただ、国民は周知させればそれで分かりましたと、こうなるのかどうかというところに問題があると思うんですね。例えば、じゃ最初のものは減肥という、やせれるということを言わなければ一般流通していいんですかといったらそうじゃないわけでしょう。私は、今回のは個人輸入という形態だから、それに特定のいわゆる業者というものはかかわっていないのかもしれないですけれども、国民はそんなことで納得しているとはとても思えないんです。
 薬事法の適用というのは、かなりこれは罰則も厳しい法律でございますから、むやみに、何ですか、刀を抜く必要は必ずしもないと思うんですけれども、法の適用というものは、やっぱり国民の対応する法の適用の運用の仕方というのはあろうと思うんですね。
 食品の方にもお伺いしたいんですけれども、先ほど言ったカプセルの、ハーブでしょうか、これは健康食品の方では成分的には医薬品というものと取りあえず直接的には言い難いという答弁がございましたけれども、食品の関係については、先ほど申し上げましたように、自民党あるいは与党三党での食の安全に対する委員会等も、今回、厚生労働省に対して、いわゆる食品衛生法を変えてでも、この健康食品というものに対してもっと適切な指導監督ができるように法体系をすべきではないかということを申し上げているわけですけれども、現在、これに対して厚生労働省はどのようにお考えで、どのような対応を取ろうとされているのか、お尋ねしたいと思います。
#13
○政府参考人(尾嵜新平君) 今、藤井先生から御指摘ございましたように、自民党の小委の方からの御提言をいただいているわけでございます。これにつきましては、食品衛生法の改正、それ以外にもたくさんの御指摘をいただいておりまして、全体の見直しの中で検討をしていくということで、現在そういった内容については整理をしている状況でございます。
 それと、そういったことの法改正の前に、今どういう形でやっているかというのを、先ほどの御質問も関係いたしますので若干答えますと、食品につきましては、御存じのとおり食品衛生監視員が監視をするということで、一般に出回っております食品という範疇の中でいわゆる健康食品につきましても、その表示によりましていわゆる成分なりあるいは効能効果というものがうたわれているようなものについては、これはもう医薬品との関係で薬事との連携を取りながら対象として監視をしているという状況でございます。
 同時に、輸入食品の関係で健康食品というものが入ってくる際には、そういったものの成分として未承認の医薬品が入っていないのかどうかというところを確認するように業者等に指導をしているというのが現状でございます。
#14
○藤井基之君 今、るる御説明をちょうだいしましたけれども、例えばテレビの報道などでこのものを見ますと、正にカプセルに入っておりまして、それは一般国民としては、食品、食品と言われても、通常の我々が持っている概念の食品とはかなり違ったものなんですね。それが新しく言われる、健康食品と言われるものかもしれないけれども、我々の感覚でいうとこれは薬そのものじゃないかという感じもするわけなんですね。
 今お答えいただきましたように、食品衛生法で、口から入るものというのは食品衛生法が所管するわけです。ただし、医薬品を除くとなっているわけですね。ですから、医薬というものが優先的な上位概念として規制対象、薬事法という法律を持ってくるわけですけれども、薬事法が抜けると食品衛生法がそれをカバーしなきゃいけないような法体系に今なっているわけでございます。
 この非常にその中間に位置するようなものというもののその法の運用というのは、正にそれこそ厚生労働省が知恵を出してそれを活用してもらわなけりゃ国民は安心できないんだろうと思います。特に、このような根拠とかあるいは本質が不明な、見ただけで分からないような、カプセルに入った食品と言われているもの、これらの規制というものは、やはり今食品の方でもお答えがありましたけれども、新しい法を新しく起こすかどうかということを踏まえ、あるいは法の運用ということについても、是非、こういった関係する幾つかの法令が絡んでいるわけですから、的確な運用をしていただきたいと思うんですね。
 そして、それの下に、今日議論が行われております健康増進法ということがこの食品の問題を取り上げているわけでございます。厚生労働省において、そういうことはないと私は信じておりますけれども、やはりその法を所管しているセクション、セクションにおけるある意味での縦割りの弊害というようなことも出るのかもしれない。是非、そういうことがないように、国民は今非常に食品に対して不安感を持っている、不信感を持っているわけです。特に食品に対して、こういったものに対して非常に注意をしなきゃいけないこと、単純に個人輸入だからいいよとか、やせれるからといって、これは何も食品だけでなくて、もう一歩間違えれば覚せい剤だとか麻薬まで手を伸ばすようなそういった環境を作り得る関係があるわけです。
 私は、これらについて、是非この食品問題を、これを契機として国民の健康、保健に責任を持つ厚生労働省として確とした対応を取っていただきたいと思います。大臣、いかがでございましょうか。
#15
○国務大臣(坂口力君) 今、委員からるるお話がございましたとおり、最近、この食品につきましていろいろのことが報道されているわけでございます。その中身を見ますと、一つは、個人が諸外国にお出掛けになりまして、そしてそこで購入をされたもの、それが一つある。それからもう一つは、食品として日本の中に輸入をされましたものの中に、果たしてこれが本当に食品かどうか、今御指摘のありましたように、これは医薬品の中に入れるべきものではないかというようなものが紛れ込んでいるのではないかと、こういうお話。大体、大きく分けましてこの二つではないかというふうに思っております。
 そして、医薬品か、さもなくばこれは食料かということになっているわけでございますから、食料ということになってしまいますと、国内にたくさんのものが既に入ってしまっているということでありますから、ここをどのように厚生労働省としましては整理をしていくかということだろうというふうに思います。
 現在、食料品として入っておりますものにつきましては、そのすべてを検査するわけにはまいりませんけれども、いわゆる健康食品と言われておりますものの大体五%ぐらいを今検査をしているようでございます。全体として抜取りしてそういうふうな検査をしているわけでございますが、これで十分であるわけではございません。これから、諸外国から更にいろいろのものが日本の国内に食品として、食品という名の下に入ってくる可能性がございますから、これからの体制をどうしていくかということが最大の課題であるというふうに思います。
 一つ重要なことは、やはり輸入をする業者の皆さん方にも、自分の会社が輸入をする製品はいかなるものを持っているものなのか、いかなる内容を含んだものなのかということをよく点検をしていただくということが一義的には大事ではないかというふうに思いますし、そして、こういうものが入っているがどうかというような御相談をしていただくということが第一義的に大事ではないかというふうに思っております。
 厚生労働省も、少ない人員ではございますけれども、これをもう少しでも、ここを増員してでも体制を強化しなければならないというふうに思っておりますが、しかし、日本国内に入ってまいります食料品全体をチェックするだけの能力はなかなかないわけでございますから、そうした業界の皆さん方と連携をどのように密にし、そして、この食品を扱われる皆さん方には今まで以上にいろいろとひとつ点検をしていただくということが大事になってくるのではないかというふうに思っております。
#16
○藤井基之君 ありがとうございました。
 我々もできるだけの支援をさせていただきたいと存じます。大臣、よろしくお願いいたしたいと思います。
 健康増進法の第五条におきまして、この法律は、国、都道府県、市町村、健康増進事業実施者、医療機関その他の関係者は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るため、相互に連携しながら協力するよう努めなければならないという、こういう規定がございます。非常に重要な規定だと私は考えます。
 先般の参考人に対する質疑でも御紹介させていただきましたけれども、これに関係して、昨年六月に沖縄県の宜野湾市は、健康日本21事業の一環として、委託事業で民間に仕事をお願いして一緒に仕事をしている、それは生活習慣改善まちかど相談所という、そういった事業なんですね。これは何かというと、疾病に関係している生活習慣、問題をお持ちの方とか、あるいはお薬の服薬管理などでいろいろとアドバイスが必要な方に対しては、町の薬局の薬剤師さんが患者さんの居宅を訪問したり薬局に来てもらったりして、いろいろ相談役をする、そういった仕事、それを市が委託をしているわけですね。
 このように、先般の参考人のお話もありましたが、ボランティア活動のような草の根運動を広げることによって国民の健康意識を向上させて健康増進を図ろうという、そういった方向というのをこの法律は目標としているように思います。
 それで一方、先般、実は大阪府がやった調査結果をちょっと見せていただいたんですが、大阪府が府内の全市町村に対しまして、地域保健推進特別事業の一環として地域薬局の活用状況について調査をした、そういった報告が発表をされたんです。その結果を見ますと、地域薬局を活用して地域住民に健康関連情報を提供していますかという問いに答えまして、イエスと、提供していますよと答えたのは実は四分の一以下なんですが、二二・七%しかない。つまり七割以上は薬局を活用していないですね。
 これは一体どうしてかなと、こう思ったんですけれども、一つには、これは薬局とか薬店を所管していますのは、地方自治体では、どうしても医薬というか薬を所管している官庁、その部局になっているわけでございますが、この健康日本21とか、そういう事業というのは、実は直接的には薬の所管している部局ではないところから情報が都道府県の薬に関係しない部局に流れてしまっている。そのために、そもそも薬局を活用するというイメージとか意識が末端になかったということを言っているんですね。この話を聞いてから、じゃ、これからどうしますかといったら、これから活用を考えますと、こういうふうな回答になっているわけなんですね。
 ですから、今まで私はそういうことはないと信じていますけれども、組織のいわゆる縦割りの弊害というのがあってはならないんだろうと思うんですよ。特に、今回の健康増進法というのは、いわゆるそういった組織横断的に国民全体を健康増進しようという、総力を挙げて対応しなきゃいけない、そういった法の施行がもう課せられておると思っておるんですよ。ですから、是非そういった関係で、今回のこの法律の運用についてはボランティアなど民間の活力を大いに活用すべし、そして幅広いそういった民間の人材とか資源を活用すべきだと考えるんですね。
 法案では、健康増進事業者を都道府県、市町村等として、また医療機関その他関係者と協力する、こういうふうに書いてある。この医療機関というのはもうある程度言葉として病院だとか診療所だと分かるわけです。その他関係者というのは言葉としてどうもはっきり分からない。もう少し事業主体として、ここを例えば法律の中に書くというのはバランス上問題があるとするならば、例えばこの法を施行する際には、具体的にこのような事業者、例えば栄養士の方々にお願いするとか町の薬局を活用するとか、そういった幅広い関係者というものをもう少し明記して、地方自治体の方々にも意識が鮮明になるような、あるいは住民の方々に意識が鮮明になるような、そういった施行をお願いしたいと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#17
○政府参考人(下田智久君) 薬局あるいは薬店は身近な地域の中で情報提供等により住民の健康づくりを支援する場として期待されているわけでありまして、委員御指摘のように、現に各地で健康日本21に御協力をいただき、非常にすばらしい成果を上げられている実績もあるわけでございます。
 そういった観点から、この健康増進法の五条に規定をしております「その他の関係者」の中には当然薬局、薬店等も含まれているというふうに考えておりますし、委員御指摘のように、いろんなボランティアの方々も含まれているものというふうに理解をいたしております。
 お話ございましたように、健康づくり、これを支援していくためには、国あるいは都道府県のみならず、いろんな機関がそれぞれ連携を取りながら実施をしなければ効果あるものにならないわけでございまして、そういった意味で、縦割り行政でそういった情報が関係するところに流れることがないといったようなことがないように、私どもとしても十分に注意をし、全体としてうまくいくような形で実施をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#18
○藤井基之君 それでは次に、ちょっとたばこの問題について質問をさせていただきたいと思います。
 今回の健康増進法の第二十五条でたばこ対策が取り上げられておりまして、これを読みますと、「受動喫煙の防止」という、第二節に一条文あるわけでございまして、大勢の方々が集まる場所あるいは職場等においては受動喫煙防止の努力規定というふうに読める条文が書かれているわけでございます。
 たばこ対策につきましては、特に長年にわたりまして世界保健機構、WHOが指摘をしているわけです。喫煙の健康影響、そういったことを考えると、たばこ対策というのはこれからの健康づくりにおいて極めて重要な課題だと考えます。確かに、たばこの問題というのは、禁煙の方もいれば喫煙の方々もいらして、なかなか議論を一つのものに持っていく、合意形成が難しいテーマであることは私も理解ができないわけではありませんけれども、これについてもやはり前向きな対応が必要だと思うんですね。
 それでお尋ねしたいんですけれども、たばこ対策、これはWHOが長い間世界に対してたばこ対策を推進するようにと訴えているわけですね。そして、現在ではWHOは、たばこ対策枠組み条約という、そういった条約を二〇〇三年の五月を目途に採択することを目標として活動して、現在既に準備会合が開かれていると聞いております。このWHOの動き、そしてそれに対する我が国の対応ぶりについて御説明をいただきたいと存じます。
#19
○政府参考人(下田智久君) たばこ対策枠組み条約につきましては一九九六年のWHOの総会におきましてその検討が決議をされております。以来、政府間交渉が続けられておりまして、来年の五月の総会での採択に向けて準備が進められておるところでございます。
 その条約の中身でございますけれども、実に多岐にわたっておりまして、税制、たばこ事業等の広告、あるいは未成年者に対するたばこの喫煙の防止の施策、あるいは自動販売機のありよう、表示規制等々、非常に幅広いものがございまして、財務省あるいは農林水産省等、関係省が非常に多くわたっておりますので、外務省等とも相談をしながらその対応に当たっておるところでございます。
 いずれにしましても、こうした動きを受けながら、厚生労働省としましては、健康日本21あるいは今回御審議を賜っておりますこうした健康増進法案、こういったものを受けながら実効あるものにしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#20
○藤井基之君 このWHOの動き等を受けまして、例えば若干愛煙家の方には不自由なのかもしれませんが、飛行機なんか大部分がもう禁煙になってしまっているわけですね。私も十数年前にたばこをやめましたけれども、それで健康になるかどうか、それは分かりませんけれども、私はやっぱり世界の流れという動きがあるんだろうと思うんですよね。
 今回、私はこの健康増進法の中にたばこ対策を取り込んでいるということについてはやはりこれは評価をしますけれども、ただ、いかにもちょっとか弱いかなという感じ、か弱いと言うと言葉が悪うございますけれども、もう少し、厚生労働省が所管する法令であるならばもうちょっと一歩突っ込めないのかという感じがするんですね。
 例えばもう民間の飛行機でさえも禁煙なんですよ。そうしたら、例えばこの中で受動喫煙禁止ということで人が大勢集まるようなところについては努力規定で書かれているけれども、例えば病院の診療所では禁煙にしろとか、そういったことを法で書けないんなら、少なくとも法を施行する側が法の意を体してもっと突っ込んだ行政的な指導によって、その場所においては、例えば学校内では禁煙だとか、あるいは病院の診療所では禁煙にするんだ、そういったことまでを突っ込んだ行政の、何というんですか、方向性、それによって国民に対して健康に対するたばこの影響というのをより意識してもらう、そういった行動があってもいいと思うんですけれども、局長、いかがでございますか。
#21
○政府参考人(下田智久君) 今回、健康増進法案の中にこれまで明確な根拠規定がございませんでした受動喫煙の防止あるいは喫煙に関する正しい知識の普及といったものを盛り込まさせていただいたところでございます。
 ただいま御指摘の受動喫煙防止については、更に一歩踏み込んだものにすべきであるという御指摘でございますが、たばこに関する規制の在り方については実は様々なお立場があるところでございますし、いろんな御意見もあるわけでございまして、そうした中で今回こうした規定を盛り込まさせていただきましたことは、たばこ対策にとりましてはその第一歩ということで御理解を賜ればというふうに考えております。
 いずれにしましても、今回の法的整備と併せまして、それに効果のあるいろんな諸施策も併せて実施をしたいというふうに考えておりますので、第一歩であるということで御理解を賜ればというふうに考えております。
#22
○藤井基之君 それでは、御質問のポイントを別な、いわゆる健康保険法絡みの方に移させていただきたいと思います。
 今日はちょっとお忙しい中を文部省の政府委員に来ていただいておりますので、まず文部省の政府委員にお尋ねをしたいと思うんです。
 今日、医療機関において、非常に残念なことなんですけれども、医療過誤といいましょうか、医療事故といいましょうか、その発生の報道が依然として後を絶たないんですね。非常に残念なことだと思うんですよね。これらの医療事故の中を見ますと、どうも薬にかかわる事故の比率が高いわけですね。この原因の一つには、薬が非常にたくさんあるというようなこと、あるいは薬の名前が似ているとか、外観が非常に似ているんだと、それで薬剤を間違えたんだ、取り間違えたんだとか、そういった報告が多いんです。
 厚生労働省が平成十一年から十三年度に掛けて行った、看護の方々の中心の業務において、こういう医療事故につながるかもしれない、冷やりとしたりはっとしたようなそういった事例を集めた調査、ヒヤリ・ハット事例の調査においても、こういった薬の問題が非常に多く報道されているわけなんですね。
 そして、このために厚生労働省は、今年四月の十七日に、医療安全対策検討会議のまとめた医療安全推進の総合対策という報告書を発表されているわけなんです。私は、こういうふうな状況を見ますと、この発表内容からもあるように、医療機関における医療従事者を挙げて医療安全管理体制を整備しなきゃいけないんだと、こういうふうに報告をしているわけなんです。
 私は、この医療安全管理の整備を図るポイントというのは、医療における診療の部門である、看護の部門、そして私は薬の部分との密接な連携にあるんだろうというふうに考えるわけですね。前述の、今述べましたようなヒヤリ・ハット事例を見ても、薬のものは一杯あるんだという。これらをどうやったら事故を防ぐことができるかといったことですね。やはりこの連携とともに、この薬剤を管理する部分というものをそれなりに仕事をちゃんとしてもらわなきゃいけない、そういった環境がなければいけないと思うんです。
 こういった時代に、どういうわけか、文部科学省は今年の四月の八日に突然施行通達を出されているんですよね、四月八日付けの官報に載っかったんですけれども。それによると、国立学校設置法の施行規則が改正されて、それまでにあった「薬剤部及び薬剤部長」が書かれていた施行規則の十八条というのは削除されている。突然ですよ。しかも、この施行は、四月の八日の官報に発表して、施行日いつかと見たら四月の一日だと、一週間戻って施行するんだと。一体これはどういうことなんでしょうか、ちょっと説明してもらえませんか。
#23
○政府参考人(工藤智規君) 本件については、御心配をお掛けいたしまして誠に申し訳ない限りでございます。
 私ども、国立大学の組織編制につきましてはかねがね関係の審議会で御検討いただいていたところでございますが、一昨年、平成十二年の十一月に大学審の答申がありまして、その中で、かねてからの御議論でもあったのでございますけれども、各国立大学の教員組織について、より柔軟に各大学の判断で編制できるようにすべきじゃないかということがございました。
 それを受けまして、昨年の通常国会でございましたけれども、国立学校設置法の改正を御審議いただきまして、大学の基本、いろいろな組織がございますけれども、特に教育研究組織の基本として大学発足以来ございます講座というのがございますが、そういう一番基本の講座について、これまで省令で定めるという法律上の規定がございましたけれども、それを各大学に任せる方向での法改正がなされたところでございます。
 それに伴いまして、その施行がこの四月からだったものでございますから、講座だけではございませんで、研究所におきます研究部門あるいは附属病院におきます診療科等々、大学にお任せするといいましょうか、文部科学省が省令なり訓令で定める規定になっていた部分を見直しまして規定の整理を図ったものでございまして、薬剤部を廃止するというのはさらさら私ども念頭になかったわけでございまして、この四月からの施行に合わせて改正したものでございます。
 これがたまたま、規定ぶりがほかの部と同じ規定ぶりになるものでございますから、大変事務的で恐縮でございますけれども、同じ規定ぶりの条項をまとめた結果として独立の条文がなくなったということで、関係の方々に不安を与えたのは誠に申し訳ないのでございますが、そういう薬剤部を廃止するとかなくすとかということでは決してないのでございます。
#24
○藤井基之君 今、お答えいただいたんで私は理解したいんですけれども、実際に私のところにもやはり薬剤部の職員の方々からいろんな投書なんかがございまして、それによると、やっぱりもう文部科学省の方針で薬剤部は他の部署に統合されるんだと、具体的に組織の検討を大学がやっているんだと、そういう話が実はもうちまたで言われているわけです。文部省はそれを知っているんでしょうかね、文部科学省。私は、今局長がお答えいただいたようなことで、私もそう理解したいんですよ。今、医療において薬剤使わないなんという医療は考えられないんです。
 先般の薬事法の審議の際にお話があった、例えば輸血の問題についても、輸血のセクションなんかもこれからこういった組織のいわゆる独立法人化に伴って、何というんですか、経営的にといいましょうか、そういった観点から適切な人材の配置を極力、勝手にやれるようなと言うと言葉は悪うございますけれども、文部省はもう関与しない、好きにやったらいいですよ、そのために邪魔になるところの規則は全部外しておいてあげましょうと、どうもそうも取れるんですよ。
 先般、衆議院で、厚生労働委員会でこの問題審議された際に、文部科学省はこういうふうに答えられているんですよね。今回の改正は薬剤部を廃止したり統合することではないと。現場でそのような理解をまだされていないようであれば、今後とも周知徹底をすると答弁されているんですよ、二か月前に。その後、何か周知徹底の努力をされたんでしょうかね。
#25
○政府参考人(工藤智規君) 御指摘のように、薬剤師の方々の役割が大変重いというのは私ども十分認識した上での話でございまして、五月十七日に衆議院の厚生労働委員会での御質問がございました。
 それを受けまして早速、いろんな集まられる先生方の御都合もございましたのであれでございますが、五月の三十一日には国公立大学の薬学部長がお集まりの会議が都合が付きましたので、そこでの会議、さらには六月十日には医学系の国立大学の学長会議、六月二十日には国立大学の医学部附属病院長会議、さらにはこの七月四日には同会議の常置委員会などが開かれましたので、そういう機会をいろいろ見付けまして、私ども、決してこういうことではないということを申し上げたところでございます。
 先ほどの、医療事故、特に薬に由来する医療事故が多いという現実もありますし、特に安全で安心な医療の提供ということから医薬品に関する専門家としての薬剤師の役割は大変大きゅうございまして、医療の安全への関与、あるいは患者の視点に立った服薬指導とか、あるいは医師の処方に対する監査など大変重要な役割があるわけでございますので、薬剤部の充実を図るべきことはあれ、それをないがしろにするとか廃止するというのは決してあってはならない、私ども全くそのことは毛頭考えていないところでございます。
#26
○藤井基之君 ありがとうございました。
 文部省の、いろいろ政府委員の今の御説明、私もそう信じたい、そのとおりだと思っておりますので、是非そのような対応を取っていただきたいと存じます。後があるそうですから、これで結構でございます。ありがとうございました。
 次に、別な点について御質問させていただきたいと思います。
 特定療養費の問題についてお尋ねをいたしたいと存じます。
 特定療養費制度というものについてはもう御案内のとおりでございますが、いわゆる日本は、我が国というのは保険診療でやっているわけでございまして、保険診療だとどうしても保険で行っていいですよという診療の範囲というのがおのずから限定をされてくるわけでございますね。そうすると、非常に新しい技術が、医学技術が進歩して、発展して、開発されたときに、それを保険で使うかどうかということというのは、ある程度保険診療の範囲というものを決めなきゃいけない問題だと思います。もちろん、これは当然そういった問題が常に起こるわけでございまして、これはその運用を適切にしてもらうということに最終的に答えは行き着くのかもしれませんけれども、この特定療養費についてお尋ねをしたいと思うんですね。
 これも先日の参考人質疑のときにも少し申し上げたんですけれども、実は、国際医療福祉大学の副学長が先般このような講演をなさった、あるいはお聞きになられた先生がいらっしゃるかもしれませんが。
 内容はこういうことです。日本の保険医療では、保険診療と私費診療との二つを一つの診療の中で同時に行ってはならないという混合診療の禁止の制度があります。この制度のために、新しい診療技術が開発されても、国民皆保険の日本ではそれが医療保険で採用されるまでなかなか普及できないんだと、そういう実態がある。例えば、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の治療にヘリコバクター・ピロリ菌の除菌法、これが欧米では一九九四年から遅くとも一九九六年には通常の治療法として採用されているのに、我が国では二〇〇〇年の十一月になってようやく保険適用されたと。四年以上ものタイムラグがあって、我が国の国民はこの治療を広くあまねく受けることができなかったんじゃないかと、こう指摘しているわけです。この混合診療を認める制度として特定療養費という制度があるわけでございます。
 この制度というのは、特に我々が意識しておりますが、高価な機器であるとか高度な技術を必要とするいわゆる高度先進医療について適用されているという。私、もちろんこれは、新しい診療技術というのはすべてがすべて高度の先端的な医療ばかりじゃなくて、実際には、ある意味で、簡単というと言葉は悪うございますけれども、そんな高度と言わなくても適用できる新技術というもの、これも数多く重要なものがあるんだと。欧米では既にそのガイドラインが作られている、一般化しているような診断技術でも、日本においてはまだ日常診療として普及していないようなものがある。
 これは日常診療として普及させるために、例えば、専門医の実践の積み重ねであるとか、いろいろな行政側も努力をして、そして日本の医療の質を上げていくという、そういったことが必要になってくるんじゃないかと思うんですね。この混合診療の問題について、歯止めを設けてもいいからもっと前向きに対応したらどうですかと、これが実は先ほど申し上げました国際医療福祉大学の先生の御主張であるんですね。
 私も、この医療制度の、新しい医療、特に二十一世紀というのはライフサイエンスの時代、生命科学の時代と言われている。新しい医療技術や新しいお薬がどんどん開発されて、それによって患者さんに裨益されることが多くあると思うんですね。ところが、皆保険制度で余りにも縛ると、それらが一般診療に使われないという弊害が出る。ですから、ここにいわゆる特定療養費の仕組みというのがあるんだろうと思うんです。
 私は、是非この仕組みをうまく運用していただきたいと思うんですね。そして、医療における我が国が今まで皆保険制度によって世界で最も長生きできる、医療環境ってすばらしいんだと、コストエフェクトも非常にいいんだと言われている、それをこれからも守って、これからもどんどんどんどんもっともっといいものにしてもらいたいと思うんですね。
 私は、この制度の運用について是非これからどういう方針でこの制度を運用されようとされているのか、お尋ねしたいと存じます。
#27
○政府参考人(大塚義治君) 御指摘のございましたいわゆる特定療養費制度の活用でございますが、問題意識と申しましょうか、論点といたしましては、私どもも、委員御指摘のような感じでこの特定療養費制度というものをうまく合理的に活用するということは非常に大事な課題だろうと考えております。
 もう少し具体的に申し上げますと、混合診療が原則禁止とされておりますのは、これも釈迦に説法で恐縮でございますけれども、特殊な療法が入ってくるということ、これはまた避けなければいけませんし、また別の面では不合理な患者負担を増大させるおそれもあるということで、限定的に、原則禁止にしながら、一つには一般的な新しい医療技術、医療保険として採用できるものは、これは積極的にまず取り入れていくと。しかしながら、高度な技術というのが一挙に普及するわけではございませんから、一方では患者のニーズなどに合わせて特定療養費制度という仕組みを導入したわけでございます。
 これまでも相当数の技術がこの特定療養費制度の仕組みの中で対象として指定されておりますけれども、私どもも、率直に言いまして、少し運用がハードかなと、きついかなという感じを持っておりまして、例えば、今は施設と技術と両面から個別に指定をしているわけでございます、承認をしているわけでございますが、施設基準といいましょうか、施設の実施医療機関の範囲につきましても、あるいは高度先進性という要件にいたしましても、もう少し幅広い目で検討していいのではないかということで、実は、細かい議論はこれからになりますけれども、中央社会保険医療協議会、中医協におきましてもそうした問題意識を提起いたしまして、今御議論を賜るということにいたしておるわけでございます。
 それから、薬の点につきましては、今回の診療報酬改定におきまして、一つは、これはそう大きな話ではございませんけれども、薬事法で承認された後、薬価収載前という一定の期間の中での扱いといたしまして、これも特定療養費の対象といたしましたし、今回の薬事法改正に伴いまして、医師主導の臨床研究に対しても治験という仕組みを導入すると。それに対しまして、この薬剤、その使用に係る薬剤につきましては、これは特定療養費制度の対象とするということを考えております。
 こうした形で現実のニーズに、またあるいは医学の進歩に、一方では医療保険制度の円滑かつ安定的な運営ということを勘案しながら、この特定療養費制度というのがもう少しその効果を発揮できるように、役割を発揮できるようにという観点で今後私どもも検討し、また関係者と協議をしてまいりたいと考えております。
#28
○藤井基之君 よろしくお願いしたいと存じます。
 それから次に、医療費抑制策として取り上げられております薬剤費の適正化に対する問題についてお話をさせていただきたいと存じます。
 厚生労働省だけではございません、文部科学省もそうなんですが、医療費の適正化の一環ということで、特許が切れたお薬の、その特許切れに対して市場に出てまいりましたいわゆる後発医薬品という言葉を使う、余りいい言葉だとは思わないんですけれども、そういった使用の促進ということで、厚生労働省も六月一日付けで国立病院とか療養所に対して後発医薬品の使用促進について指導通知といいましょうか、そういった通達を出されたというふうに伺っておりますが、その内容について御説明いただきたいと存じます。
#29
○政府参考人(河村博江君) 国立病院・療養所におきます後発医薬品の使用状況、平成十二年度の採用状況について調査をいたした経緯がございまして、その結果を見ますと、極めて低い比率であるということが分かりまして、その調査の後、全国の院長会議、その他各種会議等で後発品の使用促進というものを指導してまいったわけでございまして、それらに併せまして、本年六月に国立病院・療養所に対しまして改めて通知を発出いたしたところでございます。
 その内容といたしまして、院内の薬剤委員会等の活性化を図った上で、例えば、具体的に申し上げますと、医薬品の新規採用時におきまして後発医薬品の採否について必ず検討しなさいということでありますとか、あるいはナショナルセンター等を含めまして他の国立病院において現に採用されている後発医薬品を採用するということについても積極的に検討しなさいとか、そういうような形での後発医薬品の使用についての検討を積極的に行いなさいと、それで使用促進を図るように指導したというのがこの通知の内容でございます。
#30
○藤井基之君 一昨日、参考人の先生にこの問題をお伺いをしました。どうして日本において世界と比べて後発医薬品の使用が伸びないんですかと、こういう趣旨のことをお伺いしたんです。そうすると、このようにお答えになっているんですね。やはり最終的には、いろいろな理由は別にしましても、最終的には医師が医学的判断でその患者さんに最も適切なお薬を処方するときに、そのお医者さん自体が後発医薬品というものに対してやはり信頼感が少ないからなんだと、こう言っているんですよ。
 だから、価格問題だとかあるいは行政の上からの通達で単純にこれは後発使用が増えるとはやっぱり思えないんですね。やっぱり医師の意識が、やはり後発品というのは信頼に足る薬なんだという意識を醸成しない限り、幾らアジっても、あおっても、そんなに増えるものじゃないと私は思うんですね。だから、その努力がなくて、そんなの通知一本打ったら増えますよ、なかなか増えません、問題ですと言われたって、それは増えないですよ。
 それでお尋ねしたいんですね、時間も限られていますので。私は、是非、そこの後発医薬品がいかに信頼に足るかということを処方する医師に対して周知しなければ、病院に対して使え使えと言ったって、簡単にそんなので使えるとは私は思っていない。その努力もしていただきたいと思います。これはお願いです。
 それから、先ほど文部科学省の関係のときに、先ほどちょっと質問をさきにいたしましたが、医療事故の問題に関係して、先ほど申し上げましたように、厚生労働省が今年の四月十七日に医療安全対策検討会議で医療安全推進総合対策に関する報告書を公表なさったわけです。その中で、医療過誤の防止策、特に薬剤の問題に対する防止策として多くの指摘をなさっているんですけれども、その中で一つこういうのがあるんですね。安全性の観点から、病院内、できる限り採用医薬品を削減しなさいと言っているんですよ。今、先発の医薬品があって、後発医薬品をもっと使いなさい、採用しなさいと、こう言っている。ところが、安全対策の検討委員会は四月の十七日に採用医薬品を極力締めなさいと言っているんですよ。つまり、後発品が入ってくれば類似した名前の薬がどんどんどんどん増えてくる。それが、それだけ数を増やすことは事故を下手するとまた増やすかもしれないということを訴えているんじゃないですか、この報告書は。
 私は、この観点で思うんですけれども、確かにコストパフォーマンスの問題とか医師の信頼感という問題もあるんです。だから、この後発品を使うという、まず私はこの言葉がおかしいと思っているんですね。後発なんと言ったら、はなから価値観が低いような気が私はするんですね、先生方がどう思われるか、それは分かりませんけれども。
 私は、やっぱりそうじゃなくて、特許が切れて、特許がなくても、そういった権利がなくて使える、例えば日本薬局方に入っているお薬であるとか、いわゆるジェネリックというんでしょうか、一般的な、所有権を発揮しなくていい、そういった薬なんだと、そういうものを使いなさいというふうに私は言うべきだと思うんですね。後発医薬品と言われたって、後発品なんてそもそも定義さえはっきりしていないようなもの、どれが後発品か分からない人、一杯いるんですよ。
 だったら、局方という薬のバイブルに載っかったものを優先的に使いなさいとか、これは価格も安いんだから、品質ももうはっきりしているんだ、副作用も分かっているんだと、そういうふうな、どっちかといったら一般のジェネリックの薬を使う。そうすれば商品名がはんらんすることもないんですよ。局方名一つで済むじゃないですか。薬価基準だって局方名で収載しているんじゃないですか、規格で。そうすれば品目数を増やさなくていい。安全対策の観点からもその方がまずやるべきこと。
 そして、局方品であればお医者さんに対する信頼感というのは私はあるんだろうと思うんですね。中途半端に、特許が切れた訳の分からない後発品だと言うから、お医者さんはそんなもの知らないとか信頼していないと、こういう話になるんじゃないでしょうかね。保険局長はどう思われます。
#31
○政府参考人(大塚義治君) ネーミングといいましょうか、言葉の使い方の問題は確かに人によって受け止め方が違うわけでございますので、御指摘は御指摘としてよく私ども考えさしていただきたいと思いますが、やはり現実には日本の、いわゆる後発品と言うとしかられるのかもしれませんが、従来その言葉で議論さしていただいていますのでお許しを賜りたいと思いますが、このシェアは極端に低いわけでございます、諸外国と比べまして。
 したがいまして、これは、一つはおっしゃったような背景、構造的なといいましょうか、大きな背景があることも事実だろうと思いますので、そうした地道な取組というのも必要だろうと思いますし、その中にはあるいはそのネーミングの問題もあるのかもしれません。私どもの問題意識としては余りにも極端に違う。一方では、所定の審査を経て市場に出回っている医薬品でございますから、このギャップというのはやはり何とか転換をしていかなきゃならない。これも強制的にできる話ではございませんので、行政施策として取り得る手段を幅広く取って進めていく、こういうことだろうと思っております。
 ちなみに、今回の診療報酬改定上も、処方せんの発行の際に一定の差を付けるといったような形でそのインセンティブを付けられないかという試みをいたしておりますが、いずれにいたしましても、取り組む範囲、手法は幅広いんだろうと思います。そういう点も御指摘のとおりだと思いますし、名前の付け方につきまして私どももよく考えさせていただきますが、そういったことも含めて今後の課題にさせていただければと存じます。
#32
○藤井基之君 医師の信頼を得るために、その方策として、厚生労働省でいわゆる日本版オレンジブックの作成ということで、品質においては遜色はないんだということを実験されて品質管理をされているというふうに伺っております。それを所管している薬務局長、それだけで医師の信頼が醸成できるとは私はどうも思えないんですね。
 それからもう一点お伺いしたいのは、国の指導を受けて、例えば院外処方せんの二点、まあ後発品にしたら点数を高くしてあげます、お医者さんに二点与えますよと、先ほどの保険局長のお答えにあったようなことで、じゃ増えていくかといったら、確かに少しずつ増えていくと思うんですね、まだその統計的な数字出ないかもしれませんけれども。
 ただ一つ、最近、医療機関に聞きますと、厚生労働省あるいは文部科学省の指導によって病院内どうしているかというと、患者さんに処方せんを渡すところに、要は後発品というコピープロダクトですよね、変なことを言ったら。つまり、ちゃんと証明をされた、開発された薬じゃなくて、それのある意味で物まねをした商品を書くということに対して、処方する側も若干じくじたるものがあると。それで、そういった状況で国からの指導も強いと。だったら病院はどうするんだといったら、どうも処方せんが要らない薬、例えば注射薬なんかにこの後発品を使うんだと、こういうような言い方をしているんですね、そういった検討をしますという。ところが、リスクの問題からいったら、口から飲むものより直接静脈注射したりする方が、この方が本当にもっともっとちゃんとした品質管理がなされなきゃいけないと思うんですね。
 そうした観点から、薬務局長にお尋ねしたいのは、そのオレンジブックというものは経口剤について私は数多く出ているというふうに理解しておるんですけれども、そういった流れで見たら、注射の製品についてもそういった品質管理を国として、こういう規格だから問題がないということをやはり医療関係者にちゃんと周知する必要があると思うんですけれども、いかがでございますか。
#33
○政府参考人(宮島彰君) 今御指摘のオレンジブックにつきましては、従前より、いわゆる後発品につきましてはその品質性について、特に溶解性において問題があるということで、いわゆるその溶解性についての再評価を行いまして、順次オレンジブックに掲載して、その品質の同一性というものを周知してきたところでございます。
 御指摘の注射剤の方につきましては、本来的に医薬品は審査の際にちゃんと品質を審査した上で承認していますので、私どもとしては品質においては何ら遜色ないというふうに思っておりますけれども、やや御指摘のような見方ということもあるとすれば、やはりその点についても適正な御理解をいただくような努力をしていかなきゃいけないというふうに思っています。
 今回の実は薬事法の改正の中でも、今この中にも御指摘いただきましたように、いわゆる局方品の関係で、現在の局方が実態とかなりもう乖離してきているという点が前々からも問題になっておりましたので、局方に関する規定も改正いたしまして、もっと局方収載の品目数を増やして実態と近い形に持っていって、いわゆる局方掲載ということによって皆さん、お医者さん、医療関係者の信頼を得るという形もこれから進めていきたいというふうに思っておりますので、そういう環境整備をしながらいわゆる後発品、ジェネリックに対する信頼性の確保を進めていきたいというふうに思っております。
#34
○藤井基之君 大臣、最後にいかがでございましょうか。
#35
○国務大臣(坂口力君) 先生のお話をずっとお聞きをしながら、医療の世界というのは随分いろいろの点で検討しなきゃならない点が多いなというふうに思いながら聞かせていただいていたわけでございますが、この薬の問題も本当は局方名でいくというのが、これは学問的には一番それがふさわしいんだろうというふうに私個人は思っております。
 安全性の面からいきますと、いろいろなものを使うと、それは間違うじゃないかという話もありますけれども、そこは薬を製造していただきますときに、よく似た名前で同じような色で同じような形のものを作るということを、そこを避けていただくようにお願いをすれば、三種類が五種類になったからといって、そんなに私は問題はないのではないかというふうに思っている次第でございます。
 したがいまして、なるほど、おっしゃるように後発と言いますといかにも後れているような感じが確かにいたしますから、それは、内容は実はそうではないわけでありますから、もう少し内容によくマッチをした言い方でこれは表現しなければいけないというふうに思いますし、やはり信頼されるということが一番大事でございますから、その内容につきましてもそれぞれやはり医療機関の方も、単なる思い込みと言ったら失礼でございますけれども、この薬というふうにだけ思わずに、いろいろの角度から検討していただいてそれはお使いをいただくということが大事かというふうに思っております。
 まだ各方面でこのことにつきましてもかなりいろいろの手だてを行い、いろいろのこれから努力を積み重ねていかなきゃならない分野であるというふうに思いながらお聞きをした次第でございます。
#36
○藤井基之君 ありがとうございました。
 終わります。
#37
○入澤肇君 久しぶりにこの委員会で質問させていただきまして、大変ありがとうございます。
 私、衆議院の議事録等読んでまいりましたので、可能な限り基本問題に関しまして御質問申し上げたいと思います。重複がありましたらお許し願いたいと思います。
 実は、政府・与党の社会保障協議会におきまして、いろんな議論ございました。人口には三方一両損ということが膾炙しておりますけれども、私は当初から、三方一両損だけでは駄目なんで、やはり制度の基本問題についての改革が同時セットでなくちゃいかぬというふうなことを主張してまいったんですけれども、法律では、おおむね二年を目途に基本的な改革を行うということになりましたので、一応納得しているわけであります。
 それにしましても、構造改革だとか抜本改革だとか、いろんな言葉があるんですけれども、どうもその内容が必ずしもよく分からない。それから、イメージがそれぞれ先行しておりまして、各人各様なイメージを持っておるというふうな状況じゃないかと思うんです。
 そこで、この医療制度の抜本改革につきましては、私はこんなふうに考えてみたらいいんじゃないかと思っています。一つは、前提としては当然のことながら、こういう国民皆保険制度を堅持する。それから、堅持するために安定的、持続的なシステムを維持する。この二つが前提でございまして、そのためにどうするかという抜本改革の視点として、私は五つ指摘できるんではないかと思っております。
 一つは、医療に関する保険負担の、保険あるいは窓口負担の、国民負担の限度をどの程度まで認めることが適切なのか。要するに、社会保険関係のいろんな負担と公租公課を含めまして、一応国民負担率五〇%以内というふうなことを言われていますけれども、その中で医療保険負担の位置付けをどのようにするか。それから、応能負担と応益負担についてどのようなコンセンサスを得るか。もう一つは、毎年毎年増大している医療費の伸びを、何といっても国全体の経済財政の枠組みを超えて大幅に伸ばすわけにいきませんので、その経済の伸び率との関係でどのようにバランスを取るかと。負担関係ではこういうふうなことが一つ指摘できるんじゃないかと思います。
 それから二つ目には、先ほども藤井先生からお話、質問の中にありましたけれども、最新の科学技術の発展の成果を、リーズナブルなコストでこの医療保険制度の中にどのようにして速やかに取り入れていくか、そのシステムをどのように構築するか。
 例えば、新薬の開発にいたしましても医療診断の機器材の開発なんかも、これも日進月歩でありますし、それからまた制度としては、特定療養費制度なども先ほど御指摘がありましたようにあるわけでございます。最新の技術成果をどのようにリーズナブルなコスト、国民が納得し得るコストで保険制度に組み込んでいくかと、こういう視点が指摘できるんじゃないかと思います。
 三つ目は、密室での医療とか、それから医療過誤の問題でいろいろと指摘されておりますけれども、お医者さんとか薬剤師さんとか、プロ中心のいわゆるクローズドシステムの医療制度を、一般国民が理解し得るオープンシステムにするにはどのようにしたらよいか。一番難しい問題は、その中で、後で触れますけれども、診療報酬体系をもっと国民に分かりやすいものにすることが必要じゃないかと思っているんですが、このクローズドシステムをオープンシステムにするということが三つ目の視点でございます。
 四つ目は、少子高齢化に対応いたしまして、現に医療費に占める高齢者医療費の割合が急速に伸びております。高齢者の人口の伸び、毎年四%、これを上回って八%の割合で伸びているというふうに言われますけれども、この高齢者医療費をどの程度まで抑制できるかどうか。
 それから五つ目は、五千幾つ、非常に分立している保険者の制度間の調整をどうするか。特に、給付率を統一し、さらにはステップを踏んで負担率の調整へと向かう道筋を明確化することが必要じゃないか。
 こういう五つの視点から私は制度改革に取り組むべきじゃないかと思っているわけであります。特に、厚生省の出された資料、あるいは医師会とか関係団体から出されている資料を見ましても、もう改革の課題がたくさんあります。あんまりあり過ぎてどれが本当に重要なのかよく分かりません。
 そこで、改革の課題につきまして、基本的な課題、それから現行制度の改善で対応できる課題、この二つに分けてアプローチすることが必要じゃないかと思っているわけです。
 私は、基本的課題としましては、一つは診療報酬体系の在り方の見直し、それから高齢者医療制度の新しい制度の確立、それからさらには保険者間の財源調整や財政問題への対応、これが基本的な課題じゃないか、この三つが基本的な課題として指摘できるんじゃないかと思っております。それから、現行制度の改善で対応できる問題としましては、これは今回実現しましたけれども、総報酬制の導入とか、あるいはレセプト、カルテ等のIT化だとか、あるいは公的保険の範囲の見直しとか、こういうものは現行制度の改善で対応できる問題。このように、基本的課題と現行制度の改善でできる課題を分けることが議論を深めるために必要じゃないかと思っているわけであります。
 そこで、まず最初に大臣にお伺いしたいんですけれども、抜本改革と言われますけれども、私が今申しましたような視点とアプローチの仕方で進めることにつきまして、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#38
○国務大臣(坂口力君) 今お話をいただきましたように、抜本改革というふうに言いますときに、それぞれの方がイメージしておみえになりますことは違うように思います。ここをどのようにしていくかということだというふうに思っておりますが、今御指摘になりました五つの視点というのは、いずれにいたしましても大変大事な視点を指摘をしていただいているというふうに私も思いながら聞かせていただいたところでございます。
 非常に抽象的な言い方をいたしますと、一つは受益と負担の公平という問題があるというふうに思います。それから、受益と負担の公平を図りながら、そしていわゆる持続的な制度というもの、これから皆保険制度というものを将来もやはり維持をしていくということ。それに加えて言いますならば、いわゆる医療の質をいかに上げるかといったことになってこようかというふうに思っております。
 そうした、しかし、抽象的な言い方をしておりましてもこの改革は前に進まないわけでございますので、今、先生もお挙げをいただきましたけれども、一つはやはりこの保険制度の統合一元化と申しますか、ここをどのように統合化をしていくかといったことが一つ大きな課題です。
 もう一つは、やはり高齢者の医療費をどうするかという問題、そして診療報酬の基本の在り方。ここを、国民の皆さん方から見ていただきましても医療従事者の皆さん方から見ていただきましても、なるほどと思っていただける内容にしていかないといけない。
 もう一つ加えますと、先生が制度を変えなくてもできるというふうにおっしゃいました部分により多く入るかと思いますが、これは、医療の質を上げますために現在の制度の中でもでき得ることはたくさんあるわけでございます。いわゆるIT化の問題でございますとか、あるいはまた医療の内容が非常に複雑になってまいりますから様々なミスも起こってくる、それをなくしていくためにどうしたらいいかとか、そうした問題もこれあるわけでございまして、また内容の公開の問題等もその中には含まれている。そうしたいわゆる医療の質を上げる部分。
 大きく分けて挙げれば、この四つに私は分類できるのではないかというふうに思っている次第でございます。
#39
○入澤肇君 ありがとうございます。
 それでは、その基本的な課題の第一としまして、診療報酬体系の見直しについてお聞きしたいと思います。
 どうも点数で表示される現在の診療報酬体系はよく分からないんです。今の体系というのは、出来高払を中心に据えまして、人件費、材料費、あるいはキャピタルコストを積み上げて報酬を決定するという、そういうコスト主義ではなくて、相対的な評価でその時々の診療科の経営状況に応じて点数が決められているというふうに言っていいんじゃないかと思うんです。
 私は、国民福祉委員会あるいは予算委員会でも御質問を申し上げたんですけれども、一次医療圏あるいは二次医療圏ごとに、診療所、専科、総合病院等々の病院経営に要する経費、それをいわゆるドクターフィーとホスピタルフィーに分けましてコストをきちんと調べ上げて、そして疾病ごと、医療行為ごとのデータベースを蓄積して診療報酬体系を新しく作り直すということが必要じゃないかなと思うんです。
 ある手術をして一万点の請求が来たと。一万点の中にはお医者さんの診断料はどのくらい入っているんだろうか、看護婦さんの技術料はどのくらい入っているんだろうか、それからまた、病院の経営には水道、光熱費だとかあるいは掃除代とか、いろんなものが入ると思うんですけれども、そういうものがどうなっているんだかさっぱり分からないわけであります。そこで、一度きちんとコストを計算した上で、調べた上で、それから新しい診療報酬体系を作っていくことが必要じゃないかと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
#40
○国務大臣(坂口力君) 診療報酬体系の中身をどういうふうに整理をしたら国民の皆さん方からもあるいは医療従事者の皆さん方からも理解をしていただけるのか、これはいろいろな考え方があると思いますし、これまた非常に難しい問題だというふうに思いますけれども、私は重要な尺度というものを三つぐらい挙げているわけでございます。まだほかにもあるかもしれません。
 しかし、その中の一つは、今、先生もお挙げになりましたコストの問題だろうと思います。一つはコスト。このコストにつきましては、いわゆる人件費、人件費はいわゆるドクターフィーというものとドクター以外のコストというものは私ははっきりさせた方がいいんではないかというふうに思っております。それから、経費の方につきましては、これはやはり薬剤費と薬剤費以外の経費というものを私はここははっきりさせておいた方がいいんではないかというふうに思っています。こうしたコストをきちっと積み上げて、そしてどれだけ掛かるものなのかと。
 それからもう一つは、やはり重症度と申しますか、重い人も軽い人も同じコストというのではなくて、やはり重症度というものは加味すべきではないか。それにもう一つ、どれぐらい時間が掛かるのか。三分で診る人も三十分で診る人も一時間で診る人も同じコストというのではやはりいけないだろう。要した時間というものは一つの物差しになるのではないか。
 大体こうしたことを中心にして、診療報酬体系というのをもう一度整理をし直すということにしてはどうだろうかと。今、検討会も作っていただきまして、皆さん方にもいろいろと御議論をいただいているところでございます。ですから、私は余り先走ったことを言ってはいけないわけでございますが、個人はそういうふうな考え方をしているということでございます。こうしたことを一つ念頭に置いてひとつ分かりやすい診療報酬体系にするということが大事だというふうに思います。
 そうしますと、結果として診療報酬が現在よりも上がるのか下がるのかという問題はあると思うんです。ひょっとしたら上がるかもしれないんです。だから、これはしかしその辺を整理をしてみないと分からない話でございますので、是非何らかの基準を明確にして整理をすべきだというふうに思っております。
#41
○入澤肇君 非常に明快な、基本的な考え方を示していただきまして、ありがとうございます。
 確かにコスト、それから重軽症度あるいは時間、これらを区分しながらデータベースを蓄積して新しい仕組みを作ることが必要じゃないかと思うんですが、若干の時間が掛かる。当面、緊急にどう対応したらいいかということについて若干お聞きしたいんですけれども、現在、医療経済実態調査というのをやっていますね。これをトータルで見ますと、その中身は五〇%が人件費、その他が五〇%となっていますね。
 要するに、医療費の抑制ということが一つ言われていますけれども、リストラして大変に失業者が増えている、あるいはそれぞれの企業におきましても人件費の抑制がある、公務員も人件費が抑制されている。こういう中で、一つの目安として、診療報酬体系がきちんとできるまでの間、医療経済実態調査を基にして、人件費の部分だけでも抑制効果が出るような診療報酬体系の点数の運用というのはできないのかどうか、ここら辺につきまして考え方をお聞きしたい。これは局長でも結構ですよ。
#42
○政府参考人(大塚義治君) 現在の診療報酬の算定につきましては、通常、予算編成時にただいま御指摘のございました医療経済実態調査その他のデータを基に論議をする、そして予算としては年末に大枠を決めるわけでございますが、今回の本年度の診療報酬改定全体といたしましては二・七%の引下げを行ったわけでございますけれども、そのうちのいわゆる薬価あるいは材料以外の部分につきましては一・三%の引下げでございました。この一・三%といいますのは、今日の物価あるいは人件費の、特に人件費が影響が多いわけでございますけれども、物価、人件費の動向も勘案して、その状況とほぼ近い数字でございます。
 ただ、医療の場合には、一つにはそれだけで、物価、人件費だけで論議ができないところがございます。医療そのものが日進月歩と言われますように非常に変化の多い分野でございますし、診療科目なども非常に多岐にわたる、あるいは診療形態も多岐にわたります。したがいまして、ダイレクトにそれを一種のルールのような形にするというわけにはなかなかいかない面がございますけれども、経済実態調査なども有力な材料としながら、また当然のことながら、その時々の経済状況、つまり物価、人件費などの状況を勘案して、やはりそこは総合的な判断で議論をし、そのときの状況に応じて判断をしていく、総合的な判断をするということになるのではないかというふうに考えております。
#43
○入澤肇君 今申しましたのは、間もなく平成十五年度予算編成が始まりますけれども、薬価差益を還元して技術料に戻すというふうなことはなかなかもうその余地がなくなってきたと。そうしますと、別の視点から医療費の伸びについてアプローチしなくちゃいけないということで、その一つの考え方として申し上げたわけであります。
 その次に大きな問題は、第二番目の問題は、高齢者医療制度であります。
 望ましい高齢者医療制度はどういうことかということについてはいろんな角度から議論をしなくちゃいかぬわけでございますけれども、保険制度という面から見ますと、医療費の財源についての保険料、それから公費、患者負担をどう組み合わせていくか。それから、若年者の支援が今でも例の拠出金制度を含めまして大変問題になっていますが、どの程度可能かということが指摘されていることはもう言うまでもないことでございます。
 今まで各医療関係の団体等からいろんな案が提案されております。独立方式あるいは突き抜け方式、年齢リスク構造調整方式、あるいは全部一本化すると、そういうふうな方式、この四つについて提案がなされておりますけれども、それぞれについてメリット、デメリットがあると思うんです。しかし、メリット、デメリットを調整しながら、やがて、しかしおおむね二年を目途にですから、一つの方式を採用しなくちゃいけない。現在、どのような考え方をお持ちかをお聞きしたいと思います。
#44
○国務大臣(坂口力君) ここもなかなか難しいところでございますが、今御指摘いただきましたようないろいろの方式が今挙げられているわけでございます。この中の方式をどれを取るかというところから先に入りますと話はなかなかまとまらない、今までもここをどの方式ということで入ったものですから、結局のところまとまらずに今日に及んでいるということだというふうに思います。
 したがいまして、どの方式であるにしろ、突き詰めていきますと、一般財源と保険料と自己負担とを大体どのぐらいな割合にするのかということに私は尽きてくると思うんですね。ですから、ここの割合をどうするか、高齢者医療の話ですよ、高齢者医療の部分のここをどうするかということをまずそこで意見の集約をすることが大事ではないかと。そして、そこを決めて、それじゃそれにふさわしい制度として一番何がいいかという順序で考えていかないと、ここはなかなか乗り切れないという気持ちをいたしております。
 今お挙げをいただきましたそれぞれの方式にはそれぞれの長所、短所があるわけでございまして、これはもう私が言うよりも局長から言ってもらった方がうまく言ってくれると思いますので譲りますけれども、全体としてはそういう考え方をいたしております。
#45
○政府参考人(大塚義治君) 既に委員よく御存じでございますので、あえて私から細かく御答弁申し上げる必要はないかと存じますけれども、お尋ねでございますので。
 従来、私どもも様々な資料の形で公にしたものもございますけれども、俗に四種類ほどの大きな御提案がございます。
 一つには、高齢者を言わば抜き出しまして独立の方式として考えるという、これも様々なバリエーションはあると思うのでございますけれども、基本的に高齢者を抜き出すということが妥当かという考え方の問題。それから、財政的に耐え得るかとか。もちろん、高齢者だけでは当然一つの保険ということは現実には無理でございますから、公費あるいは保険料、特に若い世代からのバックアップというのをどう考えるかという、財政の仕組みがうまくいくかと。さらには、単純に、現行の制度と比べますと、別に高齢者をくくりますと、バリエーションはあるという前提でございますけれども、市町村国保に財政負担が更に現行よりも増大するといったような論点がございます。
 それから、いわゆる突き抜け方式と言われますように、現役世代の最後に属した保険者にそのまま将来、高齢になっても属するという仕組みの御提案につきましては、一つには実務面の問題、果たしてそういった実務が可能かという面。それから一方では、被用者グループあるいは国保グループというグループの分け方が正しいかどうか分かりませんけれども、一種の帰属感という意味で、その助け合いという意味で納得得られやすいのではないかという議論もございますけれども、これも単純計算をいたしますと、単純な仕組みで考えますと市町村国保の負担が今よりも重くなる、こうしたバランスの問題をどう考えるかといった論点がございます。
 それから、三つ目の御提案として、一つの代表例といたしましては、年齢リスク構造調整と言われるような方式でございまして、現行制度のように分立した制度、それはそれとして一定の価値を認めまして、その代わり、各保険者あるいは制度間の言わばそれぞれの責めによらない要因による医療費負担、保険料負担というものはこれを調整する。主として年齢格差、年齢リスク構造調整という方式でこれを調整するという方式でございますが、これについては、現行の老人保健制度が一種の制度間調整でございますが、それを言わば全年齢に拡大するということでございますので、考え方として一つの考え方であるという、また諸外国でも取られている例があると同時に、現在の調整方式をより強化する形でございますので、それが適当かどうかという御批判もあるわけでございます。
 最後に、四つ目の方式のいわゆる一本化方式と言われるものでございますけれども、これは、制度あるいは場合によりましては保険者につきましても、現行の被用者保険あるいは国民健康保険という枠組みを超えて一つの仕組みにするということでございますから、恐らくその場合には高齢者医療制度はその制度の中に吸収されてしまうということになりますけれども、制度間の今日における状況によりますと、所得形態の違いあるいは所得捕捉の問題、かねて議論のございます課題が今日もなお大きく横たわっていると、こういうことが克服し得るのかどうか、こんなような課題がある。
 大変雑駁でございますが、委員よく御承知でございますので、御説明が非常に雑駁でございますが、お許しを賜りたいと思います。
#46
○入澤肇君 一つの制度を作るというのは非常に難しいと思うんですね。今、高齢者医療制度につきましては、大変多くの方々が知恵を絞ってこのような四つの方式というのを提案されておりますけれども、大臣が御答弁されましたように、新しい視点からやはり取り組まなければ、甲乙付け難くて決着が付かないということじゃないかと思うんです。是非、鋭意検討していただきたいと思います。
 ただ、その際、今回の法律改正で高齢者医療制度の中身が若干変わりました。対象年齢を七十五歳に段階的に引き上げていく、それから公費を三割から五割に引き上げていく。これは、今後新しく高齢者医療制度を作るに当たって暫定的な意味合いを持つのか、あるいはこれがベースとなって、更にその上に、いわゆる既得権となってその上に制度が積み重ねられていくのか、ここについての見通しはいかがでしょうか。
#47
○政府参考人(大塚義治君) 私どもといたしましては、暫定的という前提では必ずしもございませんけれども、一方で今後の検討課題、特に重要課題といたしまして新しい高齢者医療制度の在り方というものを考えてまいりますので、考えるということにいたしておりますので、その結果、方向にもよるということになりますが、今回の改正において導入いたしました、一つには後期高齢者というのが今後の、人口構成から見ましても、あるいは医療保険制度の運営という面から見ましても、非常に重要な対象になるというのが一つ。これは、やはり構造として今後ともそれは変わらないだろうと思っている点が一つでございます。
 それから、公費につきましても、高齢者につきまして他の世代と区分することが合理的かどうかという議論はあるわけでございますが、いずれにいたしましても、高齢者が相当程度現役世代に比べれば医療費が高いと、一人当たりに直しますとどうしても医療費が掛かるという、これまた構造は変わらないわけでございまして、その点に着目いたしますと、やはり高齢者について公費の役割というものが一つ他の世代に比べればどうしてもその意味合いが大きくなると。今回これを五割ということで引き上げるということにいたしましたが、そういう質的な面では今後の検討の前提ということになると言いましても、決め打ちはできませんけれども、過言ではないかなというふうに考えております。
#48
○入澤肇君 いずれにいたしましても、今回の高齢者医療制度の改革というのは、暫定的というよりも、むしろ今の御答弁にもありましたように、そのベースとなって新しい制度が展開されるんじゃないかというふうな私は認識を持っているんですけれども、鋭意検討していただきたいと思います。
 三つ目の基本的課題は、保険者の統合再編を含む医療保険制度の体系の見直しでございます。
 現在、五千を超える大変な数の保険者が分立しています。アメリカや諸外国はそんなにないんですね。保険集団の規模の国際比較を見ますと、日本が保険者数で五千二百四十四、一保険者当たりの平均加入数二・四万人。ドイツは四百二十、一保険者当たりの平均加入数が十七万人。フランスは、これ十五ですね、十五、約五千万人が一般制度に加入、他の保険者は数十万人から百万人が一般的だと。アメリカは六百四十三で、一保険者当たり平均加入数十二・六万人という数字がございます。
 日本のこの五千というのはいかにも国際的に見ても数が多過ぎる。この結果、要するに、特に今、被用者保険について大変な問題が出てきて、被保険者の減少が進む中で経営がうまくいかなくなって、そして解散する保険者数が増大している。国民健康保険組合など市町村を通じまして大変な陳情合戦をやっております。
 これについて政府・与党の協議会におきましても、ステップ・バイ・ステップで、例えば市町村の単位を都道府県単位にする、さらに、国民健康保険の中で財源調整した後、政管健保とか他の保険者との調整まで踏み込めるかどうか、さらには共済も含めて一本化するかどうかというふうなことが議論されましたけれども、これについての見通しなんですけれども、どういう環境条件を整備すれば保険者の数が減ってそしてまた財政基盤が安定するか、そこら辺についてのお考えをちょっと聞かしていただきたいと思います。
 今のを直ちに調整しろとか一元化しろと言ったってこれは無理なんです。どういう課題を克服することが必要なのか、どういう環境条件を整備すれば保険者が解散しなくても済むようになるのか、ここら辺についての考え方をお聞かせ願いたいと思うんです。
#49
○国務大臣(坂口力君) これも大問題でございますが、今御指摘になりましたように、五千二百からの保険者があって、いかにもこれは多過ぎる。しかも被保険者が三千人以下という小さなものがこの組合健保におきましても四五%ぐらい占めている。あるいは国保におきましても三五%ぐらい占めている。これを、余り小さな保険者というのはやはり成り立たないと言ってもいいと思います。また、これに要します事務経費も非常に多いわけでありますから、ここに無駄もかなり発生している。ここに人も雇っているじゃないか、それは雇用のために役立っているじゃないかと言われればそれはそうでございますけれども、医療費全体から見ますとここにかなり私は無駄も生じているというふうに思っております。
 したがいまして、これを統合化をしていくということでございますが、その統合化をしていくために何が前提になるかということは、なかなかそこが難しいところで、今整理をしているところでございますけれども。
 一つは、被保険者のいわゆる職域保険の場合には、今までいろいろの制限もあったわけですよ。例えば県境を越えてはいけない、都道府県単位でなけりゃいけないとか、あるいは同じになりたいというのがありましても、下請の企業はいいけれども孫請は駄目だとか、今そういうのは取っ払いつつありますけれども、そういういろいろのことも、そういったことは整理をして、そして極力やはり統合しやすい環境を一応整えなければいけないだろうというふうに思っております。
 それから、市町村国保の方につきましても、これ今は統合問題が、いわゆる合併問題が起こっておりますから、これとの絡みで一体どうなるのかということもございまして、そこを皆さん方も一番心配をしておみえになりますし、それに合わせた方針を取っていきたいというふうに思っておみえになるところが非常に多うございます。
 この町村合併が大体どのぐらいな数になるのか、どのぐらいになるのかということをちょっと予測ができませんけれども、ここが進めばその分だけ進むことだけは間違いがないわけでございますが、それでもなおかつまだ小さいといったことがございまして、これも考え方はいろいろございますけれども、この国保は少なくとも都道府県単位か、あるいは都道府県単位といいましても大阪だとか東京というのは大き過ぎるじゃないかという話もございますので、もう少しそこを、二次医療圏単位にするのか、二次医療圏単位といいますと三百六十幾つかというふうに思いますけれども、あるいは現在の小選挙区ぐらいな大きさにして三百ぐらいを考えるのか、考え方はいろいろあるというふうに思いますが、私は、大きいところは別にいたしまして、都道府県単位ぐらいまでは統合していっていいのではないだろうかというふうに思っている次第でございます。
 そこまでの手順、これは町村合併も念頭に入れながら、どういう手順でいくかということを考えないといけないというふうに思っております。
#50
○入澤肇君 介護保険制度が広域市町村圏で財源調整をするというふうなことで一歩先に進んでいますけれども、是非これはステップ・バイ・ステップで、早く国保の財源調整、赤字に対してどう対応するかということで考えていただきたいと思います。ただ、これはちょっと時間が掛かる。
 当面、来年度の、これも当面の対策で恐縮なんですけれども、間もなく概算要求しなくちゃいけない。国民健康保険の財源の問題でどのような援助措置を考えているのかということについて、考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#51
○政府参考人(大塚義治君) 今回の改正法案にも盛り込んでいるところでございますが、国民健康保険につきましては、やはり構造的にどうしても体質が弱い、国民皆保険制度の受皿という役割を担っておりますので、低所得者あるいは無職者といったような層が多いといったことも含めまして、構造的な弱さを持っているわけでございますから、この点について支援措置を講じたいと考えております。
 今回の法案に大きく三つ盛り込んでおるわけでございますが、一つには、広域化という支援策ということも含めまして一つの基金を造成をいたしまして、財政運営が楽になるようにというのが一つでございます。
 それから、二つ目あるいは三つ目につきましては、具体的に来年度の概算要求に正に、の作業になるわけでございますけれども、二つ目は、低所得者がどうしても多い市町村が財政力が弱い、逆に申しますと、他の被保険者の負担が重いという構造になりますので、もちろん現在におきましても財政調整交付金の支給という形でバックアップをしているわけでございますけれども、特に低所得者を抱えた市町村につきましては、その点に着目した財政支援、現在、財政安定基盤制度というようなものがございますけれども、これの拡充といった形になるわけでございますが、具体的には来年度の概算要求で金額は要求をしていかなきゃならないというのがございます。これが二点目でございます。
 三点目には、高額医療費共同事業、これも一種の都道府県内の、一面から見ますと財政調整ということになりますし、一面から見ますと急激な医療費負担増が生じた場合の保険者のバックアップということになりますが、これも従来、現実には行ってきておりますけれども、これを法定化すると同時に、法律上の制度とすると同時に、その内容も拡充しようということで、その規模などにつきましては具体的には概算要求と密接に絡むわけでございます。
 こうした三点が当面する比較的、今回の法案にも盛り込み、なおかつ来年度の概算要求にも密接に関連する事項ということになるわけでございます。
#52
○入澤肇君 その次に、今回の法案でサラリーマン本人の負担率を三割、それから高齢者に関しては一割というふうになりまして、また一定以上の所得者については二割とするというふうなことが決まったわけでございますけれども、衆議院の議事録読んでいまして、また本会議でも総理の答弁聞いていますと、三割、三割と言うけれども、実効負担率は一七%か一八%だというふうに大臣も総理も答弁されております。どうもよく分からないんですけれども、要するに、国民、私どもも含めまして、給付率を下げた分だけ直接的に負担が増えるというふうに思っちゃうわけですね。
 ところが、年齢別にどのぐらいの、年齢別というか制度別にどのぐらいの実効負担率なのか、実効給付率なのかということで見てみますと、例えばこの間のいただいた資料では、老人の実効負担率というのは九・一%と書いてあるわけですね。恐らくこの九・一%というのが大きく響いて、平均すると一七ないし一八%ということになっているんじゃないかと思うんですけれども、三割負担がですね。そういう言い方は、しかし、かなり誤解を生むんじゃないか。サラリーマンそれから高齢者、別々に実効負担率ということをきちんと説明しないと、三割負担、いや高いなと、しかし政府の説明によると一七%か一八%だよと、何か矛盾があるような印象を与えると思うんです。
 これについてどのようにお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
#53
○政府参考人(大塚義治君) これは、私どもの、何と申しましょうか、説明あるいは一般国民に対する一種のPRという面では反省をしなければならない御指摘かと存じますけれども、今回の制度改正で、いわゆるサラリーマン、あるいはサラリーマンの被扶養者の場合の外来も同様でございますけれども、制度を通じまして三割にいたすわけでございますが、一つには薬剤負担、従来別途にちょうだいをしておりました薬剤負担は、これは国民健康保険も含めまして廃止をするわけでございます。そうした負担の軽減分がございます。あるいは乳幼児、三歳未満の乳幼児につきましては給付率を八割に統一する、これも給付の改善の部分がございます。
 さらには、この方が大きいわけでございますけれども、三割と申しましても一定の限度、月ごとに一定の限度を超えますと、その超えた分につきましては高額療養費という形で還付されるわけでございます。そういたしますと、入院などをされまして比較的重い疾病の場合の医療費が高くなる場合につきましては、当然巨額、巨額といいましょうか相当額が返還をされるということで、そのケースだけを取り上げれば到底三割というような負担ではなくてもっと低い負担率になるということになるわけでございます。一方で、軽い疾病、医療費も少ない場合には、これは三割相当を御負担いただく。
 こういうのを全部平均をいたしますと、まず全体で申しますと、現在の制度が仮に続きますと、平成十九年度、五年後の段階、これは制度が途中順次変わっていくということもございまして、十九年度を取りますと、現行制度のままですと、医療保険制度全体でいわゆる実効負担率が一五・九%という試算をいたしております。これが、今回負担をお願いいたしますので、制度改正後で試算いたしますと一七・七%、これは一七、八%というような言い方で言われている部分でございます。これが一つ、全体の状況でございます。
 御指摘ございましたように、高齢者と若人とこれは違うわけでございまして、今回、三割負担が論議をされています若人、現役世代を中心に七十歳未満ということで整理をいたしますと、現在の制度が続きますと二二・三%の負担率、実効負担率でございますが、制度改正後は二四・三%。したがいまして、実効負担率ベースで負担率が二%アップすると、こういうことになります。
 高齢者につきましても、若干の御負担をお願いするわけでございますから、負担増をお願いするわけでございますから、現在の制度ですと八・一%、これが九・七%。この中には二割負担をお願いする層もございますので、そういう方々のケースも含めての数字でございますが、こういった数字でございます。
 いずれにいたしましても、ケースとして大変ややこしいという面もございますけれども、私どものより懇切あるいは分かりやすい説明を引き続きしていかなければならないという御指摘は誠にごもっともと存じておりまして、引き続き努力をさせていただきます。
#54
○入澤肇君 是非、幾つかのケースに分けまして、モデル的に実効負担率について現実に合った説明をしていただきたいと思うのです。そうでないと、単に三方一両損で負担が上がる上がるということばかり蔓延しちゃうような感じがいたしますので、ここは非常に重要なポイントではないかと思います。
 次に、今まで申し上げたのは私が自分なりに整理した医療制度改革の基本的な課題なんですけれども、その次に現行制度の改善で対応すべきテーマが幾つかあるんじゃないかと思っているんです。
 その一つに、伸び率管理制度というのがある、医療費の伸び率管理制度。これは、伸び率管理という言葉が非常に官僚統制的でいかぬということで猛烈な反発を食らっていたわけでございますけれども、最終的にはこの法案でも伸び率の指針を策定するという表現に落ち着いているわけでございます。
 ただ、老人医療費が経済の伸びに比べて大きく乖離して増え続けていくと、こういう状況の中で、全体として医療費の伸びを合理的にしていくということは、私は国家財政全体の観点から見て必要不可欠な喫緊の課題だというふうに認識しております。
 そこで、伸び率の指針を策定するというんですけれども、どのような考え方を今お持ちなのか、これについて御説明願いたいと思います。
#55
○政府参考人(大塚義治君) お話ございましたように、改正案作成の過程で伸び率管理制度というような御提案もした経緯もございまして、非常に大きな論議のあった点でございます。
 しかしながら、高齢者の医療費が医療保険、医療費全体の伸びの大宗を占める、これは一面では高齢人口が増えるわけでございますからどうしても避けられない面がございますけれども、一人当たりの伸び率というふうに見ましても、これも現役世代に比べて少なくとも過去のトレンドは高いというような事情もございます。トータルといたしまして、高齢者医療費を適正な伸びにしていくと。人口増による増というものが避けられませんけれども、その前提の上に立ちまして、できるだけその伸びを適正なものにしていくということは、私どもも今後とも重要な課題だろうと考えております。
 具体的には、伸び率指針、伸び率管理ということではなくて指針を策定いたしまして、都道府県、市町村と相協力して対応していくということになるわけでございますが、大きなイメージで申し上げますと、やはり一つ重要なことは、全国的にも、そしてまた地域的にも老人医療費の動向というものをきちんと分析をして、その増の要因を更に詳細に把握するということが一つあろうかと思います。
 私どもも従来からそうした取組をしておりますが、まだまだ不十分な点がございますので、その強化、あるいは市町村、都道府県との連携を図る、その上で、その要因分析に基づきまして、どの点が不可避の伸び、あるいはどの点はもう少し努力できる伸びということを、問題点をそれぞれの地域ごとに把握しながら取り組むというのが基本であろうと思います。
 具体的には、高齢者の場合医療費という形、出てまいりますけれども、その周辺に介護、福祉との関係あるいは健康づくり・疾病予防業務との関係、非常に幅広い関連がどうしても出てまいります。したがいまして、幾つかの柱を立て、例えば疾病、介護の発生予防というような柱、あるいは医療提供体制、特に介護施設、介護施策との関連というような柱、あるいは医療保険運営という観点からいたしますと、重複・頻回受診などの是正なども含めました患者との、医療保険者との対応、さらに事務的なことを申し上げますと、レセプト審査を含めました医療保険運営事務の効率化、相当幅広いものになるとは思っておりますが、実際に、これは地方公共団体のお力をかりる、あるいは相協力するということが不可欠でございますので、具体的な内容の策定に当たりましては、そうした地方自治体関係者の御意見もよく賜って固めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#56
○入澤肇君 指針でございますから、私は明確なガイドラインが必要じゃないかと思います。
 先ほど触れました医療経済実態調査の結果に基づきまして、ある意味では、人件費だとか機材費だとか、いろんなもののコストを基準にして、そして財政経済事情を参酌して定めるというふうな定め方が指針の基本としてあっていいんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#57
○政府参考人(大塚義治君) 私どもが今イメージしております指針は、高齢者医療費全体の伸びを適正なものにしていくと。
 少しある意味では時間を掛けながら、即効性があるものばかりではないと思っておりますが、そうした体制づくりをしていこうという点でございまして、ただいまの御指摘の点は、ある意味の診療報酬の問題の論議に近いのかなというふうに感じますけれども、ここで定めようとしております指針は、国が、あるいは都道府県が、あるいは市町村が高齢者の医療費をより適切なおかつその伸びを適正なものにするための努力すべき目標、あるいは項目、そのための具体的な取り組む方策、こういったものをお示しをして、あるいはお示しをするといいましても一方的ではなくて、その作成過程でよく御意見も賜りますが、それぞれの立場で努力をし、またその結果を分析をして、その要因分析をいたしましてその次の施策に生かしていく、そうしたローテーションをしながら、老人医療費の伸びのソフトな管理と申しますか、そういう取組をしたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#58
○入澤肇君 医療費の伸びを削減する、あるいは抑制するという一つの有力な方法としてEBM、根拠に基づく医療制度という考え方は私は非常に大事じゃないかと思うんですが、ただ、これがもっと広範にいろんな議論があっていいんじゃないかと思うんです、その進め方につきまして。
 例えば、一次医療圏、二次医療圏、あるいは診療所、専科、総合病院とありますけれども、要するに主治医制度を国民一般に普及させて、そして無駄な治療あるいは重複治療、これを極端に減らしていくというふうなことが必要じゃないかなと思うんですけれども、EBMを進める場合に、そういう主治医制度の普及とか、あるいはどのお医者さんに行ったら一番的確なのかということで広告規制の緩和とか、あるいは診てもらったけれどもその原因がよく分からない、中身が分からないということで、カルテの開示とか、こういうふうな今の医療制度の中で余り今まで進められていなかったことについて、これから改革の道を進めていくんだというふうなことを言われていますけれども、どのような考え方でこれから進めていくのかについてお聞かせ願いたいと思います。
#59
○政府参考人(篠崎英夫君) ただいま先生から広告の問題あるいはEBMの問題等、御設問がありましたので、若干、的を絞って答弁をさせていただきますと、医療制度改革を行うに当たりまして医療に関する情報提供を推進していきまして、患者による選択、こういうものを通じて医療の質を高めていかなければならぬということは大変重要なことと考えております。
 その一環といたしまして、広告規制につきましては、本年四月から医師の専門性あるいは手術件数などを広告できますように、これは今までこういうことがなかったわけでございますが、大幅に緩和をしたわけでございまして、今後も逐次緩和を進めていきたいと考えております。
 またあわせて、診療情報の提供につきましては、今月の七月の五日でございますけれども、診療に関する情報提供等の在り方に関する検討会を立ち上げまして、これはいろいろデリケートな問題もあるものでございますから、法的な問題等もありますので、年度内に結論をまとめたいと考えております。
 それから、EBMにつきましては、医療従事者に提供するデータベースの整備に今年度より着手をいたしております。また、公的機関等を使いました、先ほどの広告規制緩和とも一にいたしまして、公的機関によるインターネットなどを通じた医療機関情報の提供、こういうものも本年度から始めているわけであります。
 今後、こういう施策を通じまして、患者の立場を尊重した質の高い医療サービスの提供に努めてまいりたい、このように考えております。
#60
○入澤肇君 もう一つ、これは大変な争点になりつつあるんですけれども、病院経営を株式会社に認めろという議論ですね。日本は公的保険中心であるということと、それから医療というのは利潤追求になじまないんだということから、なかなか株式会社が直接、例外は今もありますけれども、医業経営を行うというのは、病院の経営を行うということについては相当な拒絶反応がございます。
 農業でも、株式会社に農地を取得させるということは農地法の建前からして駄目だといってこれも問題になっていますけれども、一方で、経済財政諮問会議が経済特区、構造改革特区というのを今推進しようとしていますね。その中には医療特区というものもございます。農業は農業特区というのが農地法の穴空きをねらっております。
 この医療特区だとか何かの考え方を前提にして、株式会社を医業経営に参加させるということについての考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#61
○政府参考人(篠崎英夫君) 先生御指摘の株式会社病院の件でございますが、医業経営の効率性あるいは透明性を高めることは大変重要な課題であるというふうに考えております。
 これにつきましても、昨年の十月にこれからの医業経営の在り方に関する検討会というのを立ち上げておりまして、この中で医療法人運営の透明性を高めるための方策ですとか、あるいは医業経営の近代化、効率化を図るための諸方策などについて、ただいま幅広い御意見、御検討をいただいておるわけでございます。
 この検討会におきましても、ただいま御指摘の点も含めまして、今年度中をめどに最終報告を取りまとめていただくこととなっておりまして、私どもとしては、これを受けて今御指摘の点につきましても対応を図ってまいりたい、このように思っております。
#62
○入澤肇君 株式会社性悪説というのは私は必ずしも取ってはいけないんじゃないかと思うんです。どういう限界があるのかということをもう少し冷静に議論をして、そして株式会社の持っている責任体制、株式を上場するということは投資者一般に責任を持つわけですから、単なる利潤追求じゃない株式会社の形態もあり得るんじゃないかと思うんです。しかし、ここは長年医療に携わってきた方々のいろんな反発もありますから慎重に議論するのは当然でありますけれども、逃げないで議論をしていただきたいというふうに思います。
 それから最後に、先ほども藤井先生から医薬品の話でお話ございましたけれども、私はかねがねこうしたらいいなと思っていますのは、医療の世界でも大変科学技術の発展が目覚ましいものがございます。その成果をリーズナブルなコストで保険制度に乗っけるということが必要じゃないかと思うんです。そのためには、社会保障制度の枠の中の政策と産業政策として新薬を開発したり医療機械を開発したりする政策を区別しなくちゃいけない。もっと大胆に経済産業省あるいは文科省等の経費を使って新薬の開発なり医療機器の開発、これを奨励すべきじゃないかと思っているんです。その成果を今度は保険に乗っけるときには、政府が公的な資金を出しているわけですから保険制度に堪え得るリーズナブルな価格で取り入れるという基本的な考え方を持つべきじゃないかと思っているんですけれども、その点についての考え方をお聞きして、私の質問を終わります。
#63
○国務大臣(坂口力君) 日本におきます製薬と申しますか医薬品の開発というのが少し後れてきておりまして、最近この数年間に優秀な世界的に通用するようなお薬というのが一種類か二種類かというような程度の話でございます。非常に心もとない話でございますから、この開発はどうしても進めていただかなければならないし、そして制度としていろいろなことを制約をしておるからそういうことが起こっているとすれば、それは全部取っ払わないとこれは進まないというふうに思っております。ここは日本の産業全体に対します貢献もこれは大きいものがあるというふうに思っています。そうしませんと、外国からの薬ばかりが日本に入りまして日本で優秀な薬が生まれない、これはいわゆる治験ということにもかかわってくるわけでありまして、この辺のところも大胆にここは変えていかないといけないというふうに思っております。
 でき上がりましたものにつきましては、それぞれのコストが掛かるわけでありますから、それに対してはやはりそれに対応するということにしないとこれまた製薬会社も手を付けないわけでありますから、そこは考えていかないといけないというふうに思っております。
 先ほどちょっと先生のお話、前の質問に戻りますが、株式会社の話もこれあるわけでありまして、これは経済財政諮問会議なんかにおきましてもかなり強烈に意見の出るところでございますけれども、やはり私は、その前に、私は現在の医療制度を進めていく中で人件費の問題をどう見ていくのかと。今、先ほど議論ありましたように診療報酬の中で非常にあいまいになっているわけで、現状のままで株式会社制にしましたら私は人を切り詰めるということになってしまう、そうすると医療の質をそれは落としてしまうということでありますから、そこのいわゆるコストをどうするかというところだけは踏まえておかないとこれは非常に危険だというふうに思っている次第でございます。
#64
○入澤肇君 終わります。
#65
○田浦直君 自由民主党の田浦でございます。
 前回、この改正案に提案されております三割負担とかあるいは高齢者の償還制の問題とか診療報酬等についていろいろお尋ねをさせていただきましたが、今日は薬価についてちょっとお尋ねをしたいと思っております。
 今回の医療費の改定の二・七マイナスの中で、一・三が薬価ですね。この一・三というのが過去十年の薬価の改定の中で一番低い改定なんですね。言えば、一番甘い改定だというふうに思うんですね。
 私は、薬価がなかなか切り下げられないというのは、もう薬価差というのがほとんどゼロぐらいまでになってしまって、もう切り詰めようがないというところまで来ておる。従来は、薬価差だけを薬価に反映して切り下げてきておったわけですから、もう今からは薬価そのものを変えていかなければいかないんではないかというふうに思うんですね。
 そういった意味では、今回の薬価自体への切り込みが私は不足しているというふうな認識を持っておるんですけれども、まずこの点についてお尋ねをしたいと思います。
#66
○政府参考人(大塚義治君) 今回の診療報酬改定に伴います薬価基準の改定でございますが、医療費ベースに直しまして御指摘ございましたように一・三%の引下げでございますが、そのほかに材料の関係の引下げなどもございますけれども、薬価だけを取り上げますと医療費ベースで一・三%。医療費ベースで一・三%と申しますのは、薬だけ取り上げますと、薬の比率が大ざっぱに二割といたしますれば、その五倍程度の、薬だけの分野ではつまり六%程度、六%強程度の引下げということになるわけでございますが、過去に比べて引下げ幅が小さいではないかという御指摘が一つございました。
 これにつきましては、これ、御案内と存じますけれども、従来、俗に言いますR幅と私どもの言葉で呼んでおりますけれども、一種のバッファーの幅があったわけでございますが、これを近年大幅に切り下げてきておりまして、かつて十数%という時代もございましたけれども、今日ではもう、その性格も変わりましたが、二%ということになっておるわけでございまして、過去の薬価の引下げの幅が大きかったのは、実はこのR幅の引下げという経過があったというのが非常に大きな要因でございます。
 今回は既に二%という幅になっておりますので、現実の流通の円滑化という観点からいたしますと、ここは今回は現状を維持したわけでございまして、同時に、当然のことながら市場実勢に基づく引下げ、これはルールでもございますけれども、今回も当然実施をいたしたわけでございまして、薬価そのものの引下げ率でいいますとこれが四・六%の引下げに当たるわけでございます。
 そのほかに、今回大きな課題として取り組みましたのが、先ほども名前がどうかというお話もございましたが、後発品のある先発品、先発品につきまして、これを一律に、一律と申しましても段階を付けておりますが、平均五%の引下げを行いました。これらを全部合わせまして医療費ベースに直しますと一・三%の引下げということでございます。
 私どもといたしましては、今日の状況あるいはデータに基づきまして、ある意味ではこれまた厳しい薬価の引下げをさせていただいたと考えておりますが、全体といたしましては、今後ともできるだけ適正な、なおかつ安価で効率的な、安価で効果の高い医薬品というのは国民にとってのみならず医療保険財政にとっても重要なことでございますから、先ほど来お話の出ておりますようないわゆる後発品の使用促進といったような観点も含めまして、また薬価基準の随時の見直しということも含めまして、引き続きその適正化に努めてまいりたいと考えております。
#67
○田浦直君 薬価をずっと切り下げていっているから、医療費の中の薬代、これは当然減ってきているんですね。ただ、減り方が非常に少ないのは、恐らく新しい薬をどんどん出すんですね、メーカーが。そうすると、その薬の値段というのはこれまでの薬効が似た薬の値段と比較して価格を決めていくわけですね。だから、新しく出た薬の原価というのが何にも算定されないんですね。前にあった薬との比較で決めるということですから、恐らく原価は安いものもたくさんあると思うんですよね。そういった算定方式というのももうこの辺で見直さなければならないんじゃないかなと私は思っておるんですけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。
#68
○政府参考人(大塚義治君) かつて、相当以前のことになるわけでございますが、薬価の算定方式に原価計算方式を取り入れることができないかという議論がされたこともあるわけでございます。
 結論から申しますと、今日の薬価算定方式の基本は、既に類似の薬効を持った医薬品があれば、それをそれ以上高い値段は原則付けない。逆に言いますと、そこが最大の薬価とすると。類似の医薬品がない、全く新しい効能・効果を持った医薬品、これはいわゆる原価を積み上げて計算をすると、こういうことになっておりまして、なおかつ、近年のいわゆる透明化の流れに沿いまして、いずれの場合も、すなわち類似薬をどう選定するか、あるいは原価をどう算定するかということにつきましては、専門家にお集まりをいただきました薬価算定組織というのを設けまして、そこで判定を、設定をしていただく、こういうルールになっているわけでございます。
 そこで、お尋ねの原価の方式というのは採用できないかと。もちろん理論的にはあり得るわけでございますけれども、例えばその時点における原価をどうつかむか。原価と申しますのは、その後の販売量にかかわってくるわけでございますから、その販売量が見込みということになりますので、どういう見込みを立てるのが合理的かと。つまり、販売見込みという営業上の方針にもかかわってくる、そういう要素がどうしても入ってまいります。
 それから、逆に原価で押し通すとなりますと、同じ効能・効果を持った薬でもコストが高く掛かった方が高い値段が付くと。これも果たして合理的なのか。むしろ、その点につきましては、私どもはかえって薬価を押し上げる要素というのも少なからずあるというふうに認識をいたしておりまして、かつてそういった議論もございましたけれども、今日では少なくとも類似のものがあればそれより高い値段は付けないという形で最初の薬価を算定するということにいたしておるわけでございます。
 また、いわゆるゾロというような形で同種、同効果の薬が後から出てまいります場合には、これは、これも御案内と存じますけれども、大変厳しい薬価算定をすることにいたしておりまして、少なくとも既に出ております類似医薬品の最低の価格で付けるというような、一つの例でございますが、そうしたルールも作っております。
 もちろん、様々な角度から薬価の在り方につきましても論議をすべき課題がなおございますけれども、原価方式を基本とするという方式は、少なくとも私ども現時点におきましては取るべき方向ではないのではないかという判断をいたしておるところでございます。
#69
○田浦直君 まあその辺がちょっと見解が違うんですよね。これも一つの産業ですから、販売がどうなるか分からないから価格を原価では決めにくいというのはちょっと今の時代には合わないんじゃないかなと私は思いますね。そういうふうな努力を企業が当然するべきだと思うんですよね。
 私はなぜ薬価に目を向けるのかというと、医療費を抑えなければならぬ、医療費の二五%は薬価で、薬であると。七兆円ぐらい現在あるわけですね。それを抑えるのは非常に効果があるわけですよね、医療費抑制という意味では。その価格を決めるところがあいまいになっておるということですね。これのために、例えば医療費を抑え、薬価を抑えるために会社が成り立っていかぬかというと、そうじゃないんですよね。製薬会社というのは、今もう一番日本の企業では優良会社ですね。まあトヨタとかソニーとかいろいろありますが、そんなのに比べても引けを取らない会社がたくさんあるんです、メーカーには。
 私は、この前、「会社四季報」というのをずっと見ておりましたら、株主配当というものの製薬会社のすさまじいことには驚いた。ソニーとかトヨタの三倍ぐらい株主に配当しておるんですよ。もうとにかく、まあ極端に言えば、もうけが幾ら、もうあり過ぎて困るというような感じすら私はするわけなので、そんな意味で、私は、もう少しこの薬価に切り込むべきだというふうな思いがしておるわけですね。
 例えば、外国で日本の薬を売っているのがあるんですよ。そうすると、外国では十分の一ぐらいで売っているんですよ、日本で売る薬と同じ薬を。それでも成り立つわけですから、私は日本の薬価というのはやっぱり高過ぎるんじゃないかなという気持ちを持ってならないんですね。
 まあこういうのは、そういう薬があるということは局長もよく御存じだと思うんですけれども、そういう内外価格差というのがどうして生じるのか、その辺についてお尋ねをしたいと思います。
#70
○政府参考人(大塚義治君) その前の御質問に関連して、御指摘もございました。私も誤解をもし生じたとすればお許しを賜りたいわけでございますが、薬価あるいは薬価全体の適正化というのが課題であるということについて否定をしたつもりはございませんで、御意見の中にむしろ原価方式というのを基本にしてはどうかと。方式論、薬価の算定の方法論につきましては原価方式を基本にするというのはどうかということを先ほどの答弁では申し上げたつもりでございますので、その点補足をさせていただきたいと存じます。
 それから、薬価の内外価格差でございます。御指摘のように、大変そうした非常に大きな差があるケースがございまして、これはなかなか国民にも説明しにくいという意識は私ども持っております。
 ただ、御理解賜りたいのは、これなかなか諸外国との比較というのは難しい面がございまして、例えば、国際的に通用しております上位三十品目を抜き出しましてその中で比較をしてみると、各国が共通に使っているような薬という意味で上位三十品目ぐらいで抜き出してみますと、日本と諸外国との比較を申しますと、アメリカあるいはドイツより、薬価そのもの、平均的、平均的にといいましょうか、そうした三十品目引き出してその中で比べてみますと、アメリカ、ドイツよりは若干安い、あるいはイギリス、フランスよりも高い、こういう傾向も見られるわけでございます。
 したがいまして、比較がなかなか難しいという点がまずございますけれども、おっしゃいますように大きな差があるものもございます。これはやはりなかなか説明しにくいわけでございますから、是正をしていかなければならないと考えております。
 要因は何かということでございますけれども、幾つかありますけれども、例えば、我が国の場合には市場実勢価格を基本に置いた公定薬価制度がございますし、諸外国は自由薬価制を取っている国もございます。そうした制度の違い。それから、各国における薬剤一つ一つに適応症が、範囲が違ったりいたしますし、用量、用法、これも違ったりするものもございます。したがいまして、そうした違いというのが重なり合わせますと非常に大きな差が出てくるという結果があるのではないかと。
 いずれにいたしましても、こうした要因、非常に複雑でございます。しかし、薬価算定に当たりまして外国価格と余りにも幅があるというのはおかしいわけでございますから、今回の診療報酬改定におきましても、外国価格調整というような仕組みを導入いたしまして、一定の乖離があるものについては薬価の調整を行う、薬価の算定の際に行う、また、必要に応じて再算定もするというようなことに取り組んでおりまして、一つ一つの品目というわけにはまいりませんが、全体の仕組みとしてはそうした改善措置も講じているところでございます。
#71
○田浦直君 最後に、ちょっと大臣にお尋ねをしたいと思うんです。
 一昨日、参考人においでいただいていろいろお話を聞かせていただいたんですが、その中で、町村会長さん、山本さんの話では、都道府県単位の保険の一元化をやったらいいという話があったんですね。これはこの法案の附則にも書かれておるんですけれども、同時に、そのときの健保連あるいは連合の方々の御意見では、なかなかそれは難しいというふうな御意見もあったわけでございます。これは今年度中に具体案を一応まとめるという方針になっておると思うんですけれども、幅広い議論を聞きながら検討するということは当然必要だと思うんですけれども、まあ非常に意見がまたまとまらないという感じもあるんですね。
 そんなことから、現時点において将来のあるべき医療保険制度の姿を大臣はどのようにイメージを持たれておられるのか、それについてお尋ねをして、質問を終わりたいと思います。
#72
○国務大臣(坂口力君) 医療保険につきましては統合化の方向で向かわなければならないということだけは間違いないというふうに思っておりますが、それを、統合化を進めていきますときに、いわゆる財政調整なるものを先に進める、その財政調整の手順を決めてやるのか、それとも、もうそんなことを言わずに、幾つか分立しておるのを統一をするということをしていけばもうそれで済む話ではないかということと、まあ二色あると思います。
 財政調整のことを考えながらやっていくという行き方は、財政調整はしますけれども、保険はある程度分立することはやむを得ないという考え方もその中には私は含まれているというふうに思います。だけれども、もう一瀉千里に行けという意見も率直に言ってあるわけでございます。しかし、少なくとも五年、五年か七年、まあ十年というのは私は長過ぎるというふうに思いますが、には大体どこまで行くということを私は決めなきゃいけないんだろうと思うんですね、そこまでは。そのときに、いわゆる職域の保険とそれから地域の保険と、とにかくそれぞれでまずどうしていただくかということだろうと思うんです。
 健保連の皆さん方がおっしゃるのは、それは健保とそれからいわゆる地域保険とを一緒にするのが難しいということを私はおっしゃるんだろうと思いますから、まずそこまでじゃなくて、いわゆる地域保険は地域保険として五年後には一体どこまで行くか、遅くとも七年までにはそれじゃもう最終にするかとか、とにかく少なくともそのぐらいの期限を切って私はやらないといけない話だというふうに思います。
 市町村会の皆さん方は統合賛成をしていただきますが、その代わりに知事会はなかなか反対だとか、いろいろこれあるわけでございまして、そこも非常にややこしい問題でございますが、私は先ほど御答弁を申し上げましたとおり、都道府県単位ぐらいまでは地域保険の方は統合をしていってもいいのではないかというふうな私個人は考えを持っております。
 もう一つの方の組合健保の方は、これはいろいろ今までの経緯もあろうというふうに思いますから、これをどうしていただくかという問題がある。それは、それぞれの自主性にある程度ゆだねなければならない点もあるというふうに思いますけれども、できる限りしかしここも統合化をしていただかないと小さなところがもたない。問題は、政管健保をどうするかという問題になってくるだろうというふうに思います。
 政管健保は、職域保険という枠組みでいきますならば、これは組合健保と政管健保の間でひとついろいろ考えてくださいよということになりますし、そしてこの政管健保を都道府県単位でもしこれを割っていくと申しますか、都道府県単位ぐらいな大きさにしていくということを仮定をいたしますと、そうすると、政管健保とそれから地域保険と統合はできるかという話になってくるというふうに思いますし、政管健保をどうするかという扱いが非常に私は難しいことになるだろうというふうに予測をいたしておりますが、しかし、その辺のところもやはり割り切らざるを得ないだろうと、あいまいにはできないだろうというふうに今思っている次第でございます。
 その辺のところ、各団体の御意見も聞きながらひとつ最終結論を得たいというふうに思っている次第でございます。
#73
○田浦直君 分かりました。
#74
○委員長(阿部正俊君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩といたします。
   午後零時三十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#75
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、今泉昭君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#76
○委員長(阿部正俊君) 休憩前に引き続きまして、健康保険法等の一部を改正する法律案、健康増進法案及び医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#77
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。
 坂口大臣、これだけの大きな法案の今審議中なんですが、今日は副大臣が来られておられないようですけれども、執務、大変ではないんでしょうか。
#78
○国務大臣(坂口力君) 甚だ未熟でございますけれども、一人でやり抜く決意でございます。
#79
○櫻井充君 大変だと思いますので、本来やはり副大臣を置かれた方がいいんじゃないかなとも思うんですが、いかがでございますか。
#80
○国務大臣(坂口力君) 任命は総理でございますから、一日も早く副大臣を作っていただくようにお願いをしているところでございます。
#81
○櫻井充君 坂口大臣がいろいろ、私もクロイツフェルト・ヤコブ病などで大変お世話になりましたし、いろんな大きな問題を解決されていらっしゃることはもう重々承知しておりますが、やはり国のシステムとして副大臣を置くということになっているわけですから、やはりそこは国会の開催中でもあって、私はやはり一日も早く副大臣をお決めになってこの場に来ていただくのがいいことなんじゃないだろうかというふうに思います。
 さて、最初に女子医大の問題についてちょっとお話しさしていただきたいんですが、この間の参考人質疑の際に、女子医科大学の林院長がこのように申されておりました。平柳明香ちゃんの手術の当日、今井、現在名誉教授ですけれども、三月、この手術をした日はちょうど退任教授の最終講義の準備に追われていて、教授室にいて準備をしていたと。それで、ざわざわする感じがあったので執刀医を呼んで聞いたら、特に問題はないと言ったのでまたその準備をしていたと。このように参考人質疑の場で発言されていらっしゃるんですが、実はこの当日、隣の手術室で今井教授は手術をしておられました。そして、この明香ちゃんが部屋に戻られた際に、ICUで大変なことになったといって皆さんで取り囲んでいたんだそうですが、そこのところに今井教授が来られて、まあここは今井教授が呼んだとか瀬尾先生がどうしたとか、ここはちょっと二人の意見の不一致があるんですが、しかし、少なくともその時点で協議をしています。そして、何でおれに知らせなかったんだ、こんなことはおれに知らせればよかったのにということを今井先生は自ら発言されているんだそうです。
 ということは、これは参考人として国会に招致されておきながら虚偽の答弁をされておるわけです。私は大問題だと思うんですね。
 この方の参考人、若しくは証人喚問になるんでしょうか、改めて招致したいと思いますが、委員長、いかがでございましょう。
#82
○委員長(阿部正俊君) じゃ、また理事会で協議をさせていただきます。
#83
○櫻井充君 そして、厚生労働省にお願いがございます。
 医療法のこれは二十三条になる、二十五条ですか、二十五条の三項若しくは四項のところになるのかもしれませんが、とにかく、特定機能病院の業務が法令若しくは法令に基づく処分に違反している疑いがあり、又はその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるときには、このときには当該特定機能病院の開設者又は管理者に対し、診療録、助産録、帳簿書類その他の物件の提出を命ずることができると、こうございます。
 そこで、厚生労働省にお願いがありますが、この当日のほかの患者さんの手術記録、つまりそれを取り寄せれば執刀医がだれであったのか分かるわけですから、この提出を求めたいと思います。
#84
○政府参考人(篠崎英夫君) 検討させていただきたいと思います。
#85
○櫻井充君 はっきりしてください。法律上にこう書かれているから要求しているんです。やってください。
#86
○政府参考人(篠崎英夫君) 今、ただいまの御質問でございますので私どもちょっと準備ができておりませんので、その法的な根拠でできるかどうかを含めて検討させていただきたいと思います。
#87
○櫻井充君 もう一つ、平柳さんと女子医科大学で覚書を交わしております。その覚書の中で、今後とも万一の事故発生時においては事故原因の調査を適切に行い、患者及びその家族、遺族に対して調査結果についての誠実な説明、報告を行うものとすると、こういう覚書を交わしておられる。
 この明香ちゃんと同時期にAさんというところのお嬢さんがやはり同じような形で、まあちょっと、手術した後一か月ぐらいたってから亡くなったんですけれども、元気な子供さんが亡くなっていらっしゃいます。そして、その死因がはっきりしないので、そして説明が不十分であったので、いろいろ問い合わせをしているんですが、ナシのつぶてでございます。
 厚生労働省の方にこのAさんから申入れといいますか、きちんと調べてほしいと、そういう申入れがあるかと思いますが、それはいかがでございましょう。
#88
○政府参考人(宮島彰君) その申入れの件については、今承知しておりません。
#89
○櫻井充君 しかし、審議会の方でこの間御審議いただいたわけですよね。女子医大の特定機能病院の取消しをするかしないかという御審議をいただいたはずです。その際に、証拠書類といいますか、必要な書類なんでしょうか、それとして、そのAさんの件が提出されているはずですけれども、いかがでしょう。
#90
○政府参考人(篠崎英夫君) 三月二十五日の分科会の場面でその資料を委員に配付をしております。
#91
○櫻井充君 その資料の中に、きちんと調査してほしいという申入れを行ったという、その一行が書いてあるんですけれども、そちらにその資料ございませんか。
#92
○政府参考人(篠崎英夫君) ちょっと手元にその資料がありませんけれども、記憶するところによれば、そういう趣旨のことが書いてあったということでございまして、私どもとそれから医薬局の方がそれを持っております。
 それで、分科会の場におきましては、そういう提出されたものも含めまして議論をしていただいて、特定機能病院として返上という意向ではあるけれども、そうではなくて取消しが相当であるというような考えをまとめていただいたということでございます。
#93
○櫻井充君 それだけじゃないんですよね。Aさん親子は、説明されなかっただけじゃなくて、今井教授に手術をお願いしたいのであれば百万円出せと、そういうことも言われているんですよ。そのことについても調べられていらっしゃいますか。
#94
○政府参考人(篠崎英夫君) その件については現在のところは調べておりません。
#95
○櫻井充君 この件についてもきちんと調べていただきたいと思うんです。
 それで、実はこういうことが数年前にあったわけです。今井教授が、今、別な病院に赴任させられたお医者さんがいらっしゃいまして、医療事故を起こしました。そのときに瀬尾医師もそこの場に立ち会っていたんですが、今井教授からカルテを改ざんしろと、そう指示されているんですよ。そう指示されて、その医者はカルテを改ざんしました。しかし、医療訴訟になって敗れてはおりますけれども、そういう指示をしていた。瀬尾医師はそのときのことを鮮明に覚えておりまして、実は今回のこの問題があったときに、今回この問題があったときに、今井教授から、理事長に呼ばれて、理事長に呼ばれて何もなかったとそう伝えたので、あとはおまえ分かっているなと、そのように取り計らえと言われたので、自分はカルテの改ざんをしなければいけないんだろうと思ったと、そう供述されているんですよ。
 大事な点は、組織ぐるみなんですよ。何回も繰り返されているんです。こういうところで医者が研修したら、まともな医者が育つでしょうか。坂口大臣、いかがですか。
#96
○国務大臣(坂口力君) 今、初めて聞くお話でございますが、もしそういうことが事実として行われていたとしたら、それは大変なことでございますし、そして医師としてもそうでございますが、医師を育てる大学のことでございますから、そこで新しい医師を育てるところでございますから、あってはならないことが行われているように思います。
 しかし、私、そのことを調べたわけではございませんから、一度そういう御発言につきまして、これは徹底して私たちも調べたいと思っております。
#97
○櫻井充君 この間、林院長から結局虚偽の報告を私はされていると思っておりますし、今井教授に対しては何の取調べも行っておりません。今井天皇と呼ばれていたんですから事実なんだろう、仕方がないんだろうと思いますが、その意味において、当委員会で私はこの問題をきちんとしていくためには、今井元名誉教授を参考人として来ていただかなければいけないんじゃないかと思いますが、委員長、よろしくお願いいたします。
#98
○委員長(阿部正俊君) その件も併せて理事会で協議をさせていただきます。
#99
○櫻井充君 さて、健康保険法の中で医療費の削減ということを、医療費をどう抑制していくのかとかいろんな議論されているわけですが、私は何といっても、医師をどうやって育てていくのか、いい医師を育てていくことが一番大事なことなんだと思っております。
 そこで、この女子医大の問題を取り上げているのはなぜかといいますと、実は法律上、例えば女子医大にいろんな問題があったとします。しかし、研修指定病院から取り外すことができないんですね、現行法では。要するに、文部科学省が所管する附属病院と、ここのところにそのように決められていまして、ですから厚生労働省が指定した病院は、不適格であった場合にはその指定病院を取り外すことができるんですが、残念ながらそういうことを取り外すことができないような法律の組立てになっております。
 厚生労働省が研修医を育てるわけです。それの責任は私は厚生労働省が負っているものとまず考えておりますが、その認識は間違っていませんね。
#100
○政府参考人(篠崎英夫君) 臨床研修につきましては医師法の中で決められておりまして、その中に大学病院のことも触れられておるわけでございますので、厚生省の所管の法律ということでございます。
#101
○櫻井充君 しかし、その厚生省の所管の病院でありながら、残念ながらその病院が不適格であったとしても現時点で厚生省が取り消すことができないという法律の内容かと思いますが、私の認識はそれで間違っているんでしょうか。
#102
○政府参考人(篠崎英夫君) 医師法におきまして臨床研修というところは「大学の医学部若しくは大学附置の研究所の附属施設である病院」、つまり大学病院ということ、「又は厚生労働大臣の指定する病院において、臨床研修を行なうように努めるものとする。」という規定になっております。また、その厚生大臣の指定する病院につきましての指定要件等がございまして、厚生大臣の指定をした臨床研修病院については、それが不適格な場合には厚生大臣が取り消すことができるということでございますが、大学病院そのものは厚生大臣の指定でなっているわけではございませんので、今、委員御指摘のとおりでございます。
#103
○櫻井充君 現行法で、こういう病院で何かいろんな問題が起こったときに取り消すことは可能ですか。
#104
○政府参考人(篠崎英夫君) 現行法上は、今申し上げましたような取消しという要件は厚生大臣の指定する臨床研修病院のみでございますから難しいというふうに思いますけれども、関係の省庁と連絡を取って、大学病院に対しても指導を行っていただくというような手はあろうかと思います。
#105
○櫻井充君 指導を行うということがあったとしても、指定の取消しはできないんじゃないですか。
 ここにありました。医師法の十六条の二のところにあるんですけれども、「医師は、免許を受けた後も、二年以上大学の医学部若しくは大学附置の研究所の附属施設である病院」と書いてあるんですね。結局、後は何も要件を定めないまま何でもいいんです、ここだったら。つまり、最初大学の附属病院でございということになったら、後は何をやったって、ここは研修病院から外されないんですよ。
 私は、この点は、立法府にいる人間ですから我々がこれから改正しなきゃいけないんだろうと思いますが、坂口大臣、このような決め方であったとすると、私はいい医者が育ってこないんじゃないだろうか。つまり、何か問題があったときには厚生労働省が指定している病院はきちんと厚生労働省が管理監督して、いい医者を育てようという努力をできる病院だと思うんです。
 ここは文部科学省の所轄ですから、なかなかそういう手だてができないとなってくると、やはりこの管轄の問題も含めて、大学病院というもののこの位置付けというのを改めて考え直さなきゃいけないんじゃないかと思いますが、大臣、いかがでございましょう。
#106
○国務大臣(坂口力君) これは大学自身の在り方の問題だと私は思いますね。ですから、研修病院だけの話ではなくて、医師を養成する大学としてふさわしいかどうかということにかかわってくる話でありまして、正しくここは文部科学省の方の大学として適切かどうかという問題でないかというふうに思います。
#107
○櫻井充君 もう一点申し上げておきますと、私は看護記録もここに入手しておりますが、看護記録も恐らく改ざんされているんだろうと思います。
 ほとんどの内容が、どの子供さんを見ても同じような内容で、日勤の記録者の名前、そしてその次の日の準夜のときに、この方は記録もされているんですけれども、もうほとんど内容が同じです。ICUでこんな日勤の状態で、たった三行しか書いていない、こういうことというのは一般的な病院であり得ないことなんだと思うんですよ。ましてや、特定機能病院で心臓移植の指定病院でもあるような、そういうところの病院のICUの看護婦がこれしか記載していないなんということはあり得ないんですよ。組織で隠ぺいしているんです、間違いなく。
 若しくは、隠ぺいしていないんだとすれば、この場に来てきちんと説明してもらわなきゃいけないと思いますし、私は厚生労働省がきちんとした形で立入検査を行って、証拠書類を押収してきて、そしてここの場できちんとする私は役割があるんだと思います。
 ただし、問題は一つあるんだろうと思っているのは、現行法の法律で、果たしてそこまでやれるかどうかなんです。このことに関しては、厚生労働省、いかがなんでしょうか。
#108
○政府参考人(宮島彰君) 現在、医療法に基づきまして立入検査というものを行っておるわけでございますけれども、この医療法に基づく立入検査につきましては、その対象は、人員配置基準あるいは構造設備基準というものが病院において遵守されているかどうかという点を中心に立入検査をやっているところでございます。
 したがいまして、診療内容に踏み込むような形のものは、現在行っている立入検査の対象としては難しいんではないかというふうに思います。
#109
○櫻井充君 心臓の移植手術が行われている、こういう指定病院だとすると、やはり心臓の手術を行っていて、その手術成績というのは極めて重要なことになるんだろうと思うんです。この手術成績を提示してくださいということぐらいは私はできるんじゃないかと思いますが、全体の成績とか、そういうものというのは開示していただけるものでしょうか。
#110
○政府参考人(宮島彰君) 診療の実績なりそういうものはある意味でその病院の評価にかかわるようなことでもあろうかと思いますので、いわゆる医療法に基づく立入検査の対象になじむかどうかという点については、ちょっと今定かには、ちょっと判断できかねるところでございます。
#111
○櫻井充君 それじゃ、全国で三か所しか心臓移植が認められない施設なんですね。この施設が、済みません、これは通告しておりません。答弁できなければ後で資料いただきたいと思いますが、この要件は何ですか。なぜこの病院が指定されているんですか。
#112
○政府参考人(篠崎英夫君) ちょっと手元に資料がございませんので、後ほど御連絡させていただきます。
#113
○櫻井充君 そしてもう一つ。こういうところは一回指定されてしまったら、その後は何があっても取り消されないんですか。どういう場合には取り消されるんですか。その取り消し要件というのは決まっているんですか。
#114
○政府参考人(篠崎英夫君) 今、先生の御質問は心臓移植の方でございますか。
#115
○櫻井充君 そうです。
#116
○政府参考人(篠崎英夫君) これはちょっと私の所管ではございませんけれども、合議体みたいなものがございまして、その中で議論をしていただいて決めているということでございまして、法的に決めているというものではないというふうに思っております。
#117
○櫻井充君 合議的に決めているというのは、だれが参加されて合議的に決めるんですか。そして、合議的に決めている際に、何を参考にして、どういうデータを参考にして議論されるんですか。
#118
○政府参考人(篠崎英夫君) 専門家から成る会議等がございまして、その中で、心臓移植というのは非常に大きな高度先端的な医療でございますので、過去の実績など踏まえまして決めるということでございまして、たしか関西に二か所と、それから関東には一か所というふうに記憶しております。
#119
○櫻井充君 そうすると、過去の実績ですね。でも、また年が経てくれば本当にいいかどうか分からないわけであって、もしかするともっといい病院があるかもしれないわけです。そうなってくると、適切か適切でないかということは、ある程度単位年度を置いて、その時点でもう一度見直してみるということは、これは必要なんだと思うんですよ。
 この方々だけじゃないんです、実は。これからまたチャンスがあれば何回でもほかの方々のことについてお話しさしていただきますが、もう少しきちんと調べていただかないと、日本の医療全体の信頼感を失うんだと思うんですよ。私は真っ当にやっているお医者さん方は気の毒だと思いますよ、これでは。天下の女子医大なんですから、もう少しきちんと厳しく対応されるべきじゃないでしょうか。いかがですか。
#120
○政府参考人(篠崎英夫君) この移植の施設の件につきましては、たしか前回の御質問のときにも申し上げましたと思いますけれども、ただいまそのことを含めて検討しているということでございます。
#121
○櫻井充君 それでは、検討していただいて、その結果を後で御報告いただきたいと思います。
 それから、別な話になりますが、ちょっとこれも健康保険法から外れて申し訳ないんですが、ダイエットの食品で随分被害者が出ております。ただ、今回のダイエットの健康食品ですが、たしか三月ぐらいにイギリスの医師はこの食品は危ないんだということを論文で掲載されていたはずですし、このダイエット薬の中に含まれている主成分がたしかアメリカの中では認可されていない成分が含まれていたんではないかと思うんです。
 まず、その事実確認なんですが、私の認識はそれで正しゅうございましょうか。
#122
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘のものは、いわゆるフェンフルラミンというものの含有する製品に関してのものだというふうに思っておりますけれども、これは今御指摘のイギリスの方におきましては、それを含有した製品によって障害が起こっているということで学会誌等に発表されておったという事実がございます。それから、アメリカの方では、平成九年に一応販売禁止の措置になっているということを承知しております。
#123
○櫻井充君 結局、後手後手なんですよね。
 この健康食品というのの所轄もこれは厚生労働省でよろしいんでしょうか。
#124
○政府参考人(宮島彰君) 今お話し申し上げましたフェンフルラミンにつきましては、実は厚生省時代におきましても、やはりそのフェンフルラミンが含有される中国から輸入のお茶につきまして一度問題になったことがございまして、これにつきましては、平成八年の九月に、このフェンフルラミンを含有するお茶につきまして、現在と似たようなケースでありますけれども、障害が起こっているケースがあるんで、注意喚起ということで、都道府県に通知するとともに、中国当局にもその旨を伝達した経過がございます。
 それから、その後、現在問題になっておりますいわゆるせん之素こう嚢、これがフェンフルラミンを含んでおりますけれども、この製品につきましても実は過去にやはり問題がございまして、当省からも平成十二年十二月と平成十三年六月の二度にわたって、やはり都道府県を通じて必要な注意喚起と監視指導を要請しているということでございますので、従来からいろいろ問題のあった製品でございますけれども、今回また被害症例が出たということで、再度発表し、注意喚起し、都道府県を通じての監視指導を徹底させたという経過でございます。
#125
○櫻井充君 BSEのときと全く一緒ですね、これは。BSEのときだって、注意喚起か何かしたわけですよ、肉骨粉を使うなと。それで、結局のところは、水際で止めていたつもりかもしれないけれども止まっていなかったというのと全く同じじゃないですか。薬害エイズのときも同じだし、クロイツフェルト・ヤコブも同じですよね。
 なぜその注意喚起で済むと思ったんですか。
#126
○政府参考人(宮島彰君) このフェンフルラミンを含有している製品は、これはいわゆる薬事法上の未承認医薬品でございますので、未承認医薬品を販売するということであれば、当然薬事法違反ということで取締りの対象になっております。そういう趣旨で、都道府県を通じてその取締り指導を徹底させたということでございます。
 ただ、今回の経過を見ますと、いわゆる個人輸入の形で入手されたケースが結構ございまして、そういうものについては、いわゆるその輸入される方御自身に対してむしろ直接的な注意喚起をして、そういうものを使用しないというものを併せて行わないと効果が上がりませんので、そういうものを含めて今回行ったということであります。
#127
○櫻井充君 これまでの行政措置というのは適切だったとお思いですか。
#128
○政府参考人(宮島彰君) 私どもとしては、このフェンフルラミンの含有する製品が問題であるということは従来からフォローしておりまして、したがいまして、さっき申しましたように、何度かその取締り指導の徹底と注意喚起を行ってきたということでございますので、できる限りのことはやってきたと思いますが、ただ、これは先ほど申しましたいろんなルートで入ってまいりますので、それを行政サイドで一〇〇%阻止するといいますか、というのはなかなか難しい点がございますけれども、今回改めてそれを重ねて指導通知でもって徹底と注意喚起を行ったということであります。
#129
○櫻井充君 それでは、今、行政だけでは難しいということになってくる。だとすると、あとはどういう形でその被害に遭わないようにすることができるんでしょうか。
 つまり、個々人が購入した際に、その個々人の知識で、何らかの成分の名前が書いてあって、その成分の名前から自分はこれは危ないから買うのをやめようと、そう判断できる人が果たしてこの世の中にどのぐらいいらっしゃるんでしょうか。そのことを考えてくると、どこかで何らかの形で阻止しない限りは難しいわけですね。
 じゃ、アメリカはなぜそのところで、もうこれは使用禁止ですよね、若しくは販売禁止でしょうか、その措置を取っているわけでしょう。それから、イギリスもそういう形で警告を発しているわけですね。
 なぜ日本はここで販売禁止とかそういう措置にはならないんですか、輸入禁止とかですね。輸入禁止でもいいと思うんですよ。輸入禁止なり、個人輸入でやってきている人たちに対してでも結構ですが、その輸入禁止措置は取っているんですか、じゃ。
#130
○政府参考人(宮島彰君) これは先ほど言いましたように未承認医薬品ですから、正に薬事法上は販売禁止といいますか、販売することは違法になるということは明白であります。
#131
○櫻井充君 つまり、これはもう販売しているだけで違法なんですか。
#132
○政府参考人(宮島彰君) 未承認医薬品の販売行為そのものがもう薬事法違反になります。
#133
○櫻井充君 これ、仮に健康食品という位置付けになった場合はどうなるんですか。
#134
○政府参考人(宮島彰君) 私が申しました未承認医薬品というのは、今回のケースで言いますと、一つは減肥といういわゆる薬の効能を表示、標榜したという点、それからもう一つのケースは、いわゆる乾燥甲状腺末、フェンフルラミンという医薬品でなければ使用できない製品を含まれていたということでもっていわゆる未承認医薬品であることが明白であるために薬事法違反ということを整理したわけであります。
#135
○櫻井充君 しかし、何回も繰り返しますが、健康食品という位置付けになった場合には、そうすると、これはどういう網を掛けることが可能になるんですか。薬事法ではなくなるわけですね。
#136
○政府参考人(尾嵜新平君) 先生の御質問にお答えするには、薬事法の面からと食品衛生法上の面、両面からの対応を御説明することになろうかと思っております。今、医薬局長からお答えしましたのは薬事法上からの対応という面からのお答えでございます。
 私の方からは、食品衛生法上の取扱いという、食品という形での取扱いについてお答えを申し上げますと、いわゆる健康食品という形で、今、医薬品として承認をしないで売られていると、いわゆる薬というふうに判断されるものについては薬事法上の取扱いで違反であるというふうな取扱いになっておるわけでございますが、そういったものは当然食品でないと、医薬品であるという取扱いになるということがまず一つでございます。
 そうでない、そういった成分が含まれておらない、医薬品と考えられるような成分がないというものについては基本的には食品というふうに取り扱われるということでございます。薬でないという範疇を除けば食品、お口に入ってくるものは食品と、そういう整理になります。
 そうした場合に、じゃ食品としての取締りはどうなのかということでございますが、私どもの方は、健康食品というのは、例えば海外から輸入される食品の中にいわゆる健康食品というカテゴリーで検疫を通るものがございます。そういったものにつきましては、その中身で、今御議論ございましたような、そういった医薬品あるいは医薬部外品に相当するような成分が入っていないかどうかというところを薬事担当部局の方で確認をしてもらうようにということを業者にまず指導をしておるということが一点ございます。
 それと、国内で販売されておりますいわゆる健康食品という中で、それぞれがいろんな健康食品としてうたっている中身がございますが、そういった中身につきまして、表示の問題でございますとか、あるいは場合によってはその製品を収去してどういった成分が含まれておるかと、そういったものを食品衛生監視の面からの対応をしているというのが実情でございます。
#137
○櫻井充君 ちょっと別な角度からお伺いしたいんですが、このフェンフルアミン自体は今、日本では販売なり、どんな製品でも結構ですが、販売なり使用はできないことになっているんですか。
#138
○政府参考人(宮島彰君) このフェンフルラミンはいわゆる医薬品としても現在は承認されておりませんので、まして食品としての流通も認められていないという状況であります。
#139
○櫻井充君 これは、まだこれまで認可されていなかったということなんですか。それとも、アメリカやイギリスのように認可されたものが取り消されたということなんですか。
#140
○政府参考人(宮島彰君) 元々こういうものを含有する医薬品なりは承認してもおりませんし、当然、食品としても流通を認めないということであります。
#141
○櫻井充君 そうすると、こういう事故をこれから減らしていくためにはどういう手だてができるとお考えなんでしょうか。
 もちろん、根底にあるのは、やせれば美しくなるんだという勘違いするようなコマーシャルを流したりとか、本当にもう雑誌からテレビからラジオから、何でもやせればいいみたいな感じになっているわけですよ。この勘違いを取ってくるということは極めて重要なことだとは思いますが、それ以外に、やはり何らかの、こういうことで、これは輸入できませんよとか使用できませんよということを徹底していくためにはどのような形の、行政として対応、どう行政が対応すればいいとお考えですか。
#142
○政府参考人(宮島彰君) 日本国内にはいろんなルートで入ってまいりますし、国内に入りましたら、当然、私ども薬事法なりあるいは食品衛生法の立場から必要な取締りをやるわけでありますけれども、なかなかそれについても限界がございますので、やはりいわゆる元から断つといいますか、やはり私どもも、今回、中国当局に対しまして、こういう日本で起こっている状況を伝達しまして、やはり中国当局においても必要な規制なり取締りをやってもらうということを要請していきたいと思いますし、今後とも、中国当局と適宜情報交換して、やはり相互の、両国で協力し合ってこういう製品を排除していくという措置を取っていきたいというふうに今考えております。
#143
○櫻井充君 被害者がこれ以上出ないように、できるだけ努力していただきたいと思います。
 それでは、前回、ベッドの削減のことについてお伺いいたしました。そのときに、ほとんどベッドが減っておりませんでした。今回、ちょっとびっくりしたことがあるんですが、これは千葉県の例です。千葉県の例で、東葛南部というところで、特例加算だといって基準ベッド数よりも千八百七十七増やしていいとか、印旛・山武でも千二百四十九ベッドを増やしていいという特例措置が取られているんですね。
 ベッドが多い多いと言って、ベッドを削減しなきゃいけないと言いながら、一方でこういう特例区を設けてくるというのは、これ極めておかしな話だと思いますが、いかがですか。なぜ、こういうことをやっているんですか。
#144
○政府参考人(篠崎英夫君) 千葉県の東葛南部と印旛・山武という医療圏のことについての御質問でございますが、経緯を申し上げますと、昨年の十二月に、千葉県知事の方から、ここの病床数の加算について協議がございました。
 県の方の意見といたしましては、この二つの地区につきましては、人口急増地域で今後とも医療需要の増大が見込まれるということ、また、現時点において救急医療を始めとする医療資源が極めて不足をしているということ、そして、そういうことがありますので、ほかの地域への入院患者の流出が非常に顕著であるというようなことなど、この地域におきます医療提供の確保のために病床数の特例加算が不可欠というのが千葉県からの意見でございました。
 厚生労働省といたしましては、平成十二年の第四次医療法改正の際に、基準病床数の算定について、これは今申し上げた二次医療圏の基準病床数という意味ですが、基準病床数の算定については新しい算定方法に基づく医療計画制度の運用に当たって基準病床数の変化の大きい地域の実情に十分配慮すると、こういうような意見が医療審議会から出されていることも考慮いたしまして、この東葛南部と印旛・山武の医療圏につきましては基準病床数の加算を認めたものでございます。
 ただいま先生が合計で三千百二十六床の増ということを申されましたけれども、既にこの地域の病床数に加えるという意味では千九百八十七床加えるということでございます。
#145
○櫻井充君 不思議なんですよ。それは現行のベッド数がもう、これは今のところで足りないという規定、考え方じゃないですか。だからそれに上乗せしなきゃいけないですねということでしょう。この間の御答弁違っていましたよ。この間は宮路さんだったかもしれません。
 この間の話では、現行のベッド数が多いから減らしましょうと言っているわけですよ。そうだったとすると、今のところ足りないから増やすという考え方は間違っている、方向、全然違うんですよ。今の、これから人口増のところは実は適正数なんです。人口が増えないところこそ、そういう地域のベッドを減らしていくというのが基本的な考え方じゃないですか。こんなんでどうやってベッド削減できるんですか。
#146
○政府参考人(篠崎英夫君) 日本全体の病床数という意味では削減の方向に向かうべきだというような意見があることは事実でございます。
 ただ、それぞれの地域におきましては、今申し上げましたように、人口が急に増えることが予測されている地域、また現に増えつつある地域、そういうところにつきましては知事の特例加算、つまり地域によりましては病床を増やす場合もある。ただ、国全体として見た場合には病床は減らしていく傾向が必要なんではないか、またそういう傾向も見られると、こういう御答弁と思います。
#147
○櫻井充君 減っていないじゃないですか。
 この間答弁もらったとき、何床だったか忘れましたけれども、増えていますよ。減らしてある傾向なんて全然違うじゃないですか。ベッドが多ければ医療費がどんどんどんどん増えていくからベッド削減しなきゃいけないとおっしゃっているわけでしょう。平成九年にそう言ったんじゃないですか。それなのに、こんな特例措置だといってベッドを一方で増やしていたら説明付かないじゃないですか。医療費をどうするかということだったわけでしょう。無駄な医療をどうやって減らしていくのかという議論なわけですよね。言っていることとやっていること違うじゃないですか。
 もう一回御答弁、大臣、こういう特例区を設けてどうやってベッドを減らしていくんですか。
#148
○国務大臣(坂口力君) 人口というのは、これはかなり変動するわけでありますから、人口がうんと減っていくところもあれば増えてくるところもある。この千葉県のこの例が、人口、ここが急増して、余りにもベッドが少な過ぎるということでしたのなら、それは一方において人口が減ったところは、当然のことながら減らしていく。日本全体としてのベッド数を減らしていくということでなければこれは整合性がないというふうに思っております。したがって、全体としてはこれはもう減らす以外にありません。減らしていきたいというふうに思います。
 ただ、減らしていきたいんですが、ベッドを減らして、そして入院日数を少なくしていくと、こういうふうに言いましても、その人たちがどこか、そうしますと早く病院から退場していただかなきゃならないわけでありますから、それがすぐに御家庭に戻っていただけるのか、それともそれを受けていただく中間施設が必要なのか、この辺のところをどうするかという問題は残ると思うんです。
 先日、今井先生が前、院長をしておみえになりました諏訪中央病院へお邪魔させていただきまして、タウンミーティングでお邪魔したものですからあそこを拝見させていただきましたが、平均日数十五・五とおっしゃいましたか、六とおっしゃいましたか、そのぐらい。十四日にしたいというふうに言っておみえになっている。その代わりに地域ぐるみで、市長さん始め、地域でその代わりにその患者さんを引き受ける、各家庭に引き受けていただくというシステムを全体としてお作りになっている。やはり、病院だけが孤立をしてどうしようといってもなかなかできにくい問題でありますから、地域含めてそういうことがやられないとこれはなかなか難しい問題あるなというふうに私、拝見をしてきたわけで、その辺のところも併せてこれは、厚生労働省だけの範囲を逸脱いたしますけれども、そこを整理をしていかないといけないというふうに思います。
#149
○櫻井充君 おっしゃるとおりなんです。この間、私、そのことについて指摘させていただきました。要するに、住宅政策などでやっていくんじゃないだろうかということ。
 となると、この地域に病院を造ること、ベッドを増やすことじゃないんですよ、大臣の今の御答弁でいえば。その地域こそモデル地域として、そういったほかの退院できる人たちは退院できる施設を造っていく。病床を増やすんじゃなくて、むしろそういうことをやってベッドが増えないようにしていく努力をすることが筋じゃないですか、大臣、違いますか。
#150
○国務大臣(坂口力君) それはそのとおりでありまして、そういうふうにできることがベストというふうに私は思います。
 ただ、しかし、全体がそういう状況になっていない。都市部の場合には住宅が狭いとかいろいろのこともあって、なかなかそういう環境になっていないこともまた事実でありまして、そこを全体でどのように受入れ態勢を作っていくかということもこれは検討していかないといけない。
 だから、ここが人口が増えたからといって安易にこれから増やすということは、これは僕は余りやっちゃいけないと思いますから、そこはしっかりとやっていくようにしたいと思います。
#151
○櫻井充君 だって、今、土地の問題の話もされましたけれども、別に、そこに病院造るわけですから、別に病院じゃなくて介護の施設でもいいんだと思うんですよ。そしてもう一つは、社会的入院で、これからとにかく、リハビリも兼ねてでも結構ですけれども、そういう人たちの施設を同じような敷地内に造ればいいということなんじゃないでしょうか。
 なぜそういうことを言っているかというと、実はここの八千代市に女子医大が来ようとしているんですよ。その女子医大が来ようとしているときに物すごい莫大な金を積んでいるんです、最初の見積りより大分減らされましたけれどもね。どうもここのところにまたいろんなどろどろどろどろした動きがあるんですよ。ですから、こういう地域に病院を増やしていくよりは、今、大臣が正しくおっしゃったようなことを私はやっていくべきだと思いますので、改めてここの点について御検討いただきたい。
 今、まだ現時点で千床程度増やせることになっているんですが、その部分は取り消されたらいいんじゃないかと私は思うんですよ。取り消すか取り消さないかはこれから地方自治体との話合いがありまして、私みたいな宮城県の人間が言うと、おまえ、何勝手なことを言っているんだと怒られますから、ですから地域の方々とこれこそ合議された方が、一度合議していただきたいと思うんですよ。そして、ほかの施設を造って、病院じゃないほかの施設を造って医療費の削減の方向に考えられたらいいんじゃないかと思いますけれども、いかがでございましょう。
#152
○国務大臣(坂口力君) そこは地元の知事さん始め、皆さんともよくお話をさせていただきたいというふうに思います。我々の思っておりますこともお聞きをいただきたいというふうに思います。
 先ほど、諏訪中央病院の十五・五と申しましたが、十五・八日でございました。ちょっと訂正させていただきます。
#153
○櫻井充君 では、是非御検討いただきたいと思います。
 それから、入院費のことに関してもう一つ提案がございますが、いわゆる院内感染がございます。その院内感染の患者さん、要するに抗生物質が効かなくなったりとか、MRSAとかいろんな菌が発生して肺炎を起こしたりとかすると一体どうなるか。
 これはある病院のデータなんですけれども、非感染群の平均の在院日数が二十六・八日、九八年から九九年に掛けては十七・六日だということなんですが、感染群になるとどうなるかというと、入院日数が四十五・七日で、九八年から九九年は二十七・六日でして、請求の点数の平均が非感染群だと十一万五千点ぐらい、感染群だと二十一万五千点だというんです。つまり、感染を起こすと一か月でこれだけ医療費が違ってくるんですね。
 そうすると、変な話ですけれども、院内感染を起こしてちょっと入院長くしちゃった方が病院としては収益上がるんですね。これはなぜかというと、抗生物質の第三世代とか第四世代と言われているものがあります。これを使った方がMRSAに感染しやすいと言われていまして、この方が薬価高いんですよ。そうすると、そういうものを使って、言葉は悪いですけれども、感染者が増えた方がむしろ病院としての収益が上がってくるような今構造になっているんですね。
 どうやってこういう院内感染を防いでいこうとしていらっしゃるのか、その点について御説明願えますか。
#154
○政府参考人(宮島彰君) 院内感染につきましては、今御指摘のように、やはりこれをできるだけなくすということは非常に重要なことでございまして、そのためには一応、発生の防止、それから感染拡大の防止、発生した事例の原因究明というポイントを中心にいたしまして今取り組んでいるところでございます。
 具体的なケースが起こった場合については、その原因究明に取り組んで、自治体なり国から必要な学問的、技術的な支援を行うということ、それからいわゆる薬剤耐性菌の状況を把握するということで、現在、院内感染対策サーベイランスの実施をしておりますので、そういう院内感染のもととなるいわゆる原因の菌を常時フォローアップして、それに対して適切な対応をしていくということ。
 それから、医療機関につきましては、いわゆる院内感染のためのガイドラインを作っていただくということで、国の方におきましても、現在、総合的ガイドラインを策定しておりますし、それから今後、院内感染についての総合的な対策をするということで院内感染対策有識者会議というのを開催いたしまして、幅広い視点から全体の見直しを行って、有効な院内感染対策を構築しているという方向で今取り組んでいるところでございます。
#155
○櫻井充君 果たして今のやり方で実効性はどれだけあるんでしょうか。つまり、いろんな教育をしますといったって、現場できちんとやれなければ全く、残念ながら机上の空論でしかないんだと思うんですね。
 私が一つ提案させていただきたいのは、今は治療したら何点なんですよ、院内感染に関して言ったら。そうじゃなくて、病院に院内感染で起こった、例えばMRSAならMRSAでの治療費は幾らしか払えませんと最初からマルメ方式で出してしまったら、みんな必死になって金使わないで済むように努力するわけですよ。むしろ、そういう保険点数でインセンティブ掛けていった方が私はいいんじゃないかと思っているんですが、いかがでしょうか。
#156
○国務大臣(坂口力君) ここは院内感染だけの話ではないと思うんです。ほかの、例えば褥瘡を作るのと作らないのでしたら、褥瘡を作った方が長く入っているんですよ、これは。褥瘡を作らずにちゃんとお世話して、そして看護をした方が安く付く。それから、関節の拘縮を起こしてしまえばこれまた長くなるわけです。だから、いい医療をしているところが安くて、いい医療でないところの方が高くなっている。だから、ここをやり抜きますためには、診療報酬の中でそのことをどう評価するかということに私はなってくると思うんです。
 だから、この評価の中で、いい医療を行ったところに対する評価、そしてそうでないところに対する評価、これをどうするかということを考えないといけないと思うんです。
#157
○櫻井充君 大臣、正しく本当におっしゃるとおりだと思うんです。何か九月に内閣改造があるのかもしれませんが、是非、大臣、また続けて厚生大臣やっていただきたいなと私は思いますが。
 本当にそういうことなんだと思うんですね。そして、そういう努力をして医療費が増えてくるということになれば、国民の皆さん、納得されるんだと思うんですよ。さっきの、例えばベッドの問題についても話をしました。あるところはもう特例区だから増やしてもいいとかいうことになっちゃったら、どこもここもみんな特例区になっちゃったら、いつまでたったって減らないし、何もできないわけですよ。
 そういう努力をされた上で医療費がこれだけになりましたと。高齢化社会だから、僕は高齢化社会だから医療費が増えてくるというのは若干違うと思っていまして、それはなぜかというと、高齢化と病気を勘違いされている方々が数多くいらっしゃるからですよ。それは、だんだん息切れしてくるというのは、大変申し訳ないけれども老化としては当然のことでして、それを医者側が医療で何とかできると思っているところも間違いですしね、患者さん方もそれを何とかしてほしいと思っているところは、もうここはあきらめてもらわなきゃいけない部分もあるんだと思うんです。
 そういうことを考えていけば、必ずしもみんな、これから国民の方々も含めて全員で努力をしていくことが極めて大事なことなんだと思うんです。しかし、そういう努力をした上でやはり医療費はこれ以上削減できませんねということになったら、二割負担は仕方ないから三割にしてくださいとか保険料を上げてくださいということになれば、これは皆さん納得するんだと思うんですよ。
 でも、ベッドは削減しますと言って一つも減っていないようなこういう状況で二割を三割にしてくださいと言ったって、それから政管健保の皆さんに保険料をちょっと多く払ってくださいよと言ったって、私は納得していただけないんじゃないかと思うんですよ。
 医師会の方もたしか大反対に、衆議院のときはたしか賛成されていたはずなんですが、反対に回ってきましたから、やはり医療の現場でどういうことが起こってくるかということが分かってくるんだと思うんですね。
 改めてお伺いしたいんですが、本当に今まで努力をされてきたのか。努力をした結果、やはり負担増を求めなきゃいけないのかどうか、その辺について御答弁いただけないですか。
#158
○国務大臣(坂口力君) それは、今までは今までなりにそれなりの努力は重ねてきたんだというふうに思います。
 しかし、努力を重ねてはきましたが、少子高齢社会に直面をしたこの時点で考えれば、更に大きな改革が必要だということだろうというふうに思います。今までの延長線上で考えていたのではいけない、改革、思い切った改革が必要になってきている。そのことは、今御指摘のように、ベッド数の問題もそのとおりでございますし、そして何をもって評価をするかということも問題でございますし、その一番根幹のところにやはり切り込まないとこの医療改革はできないと思っております。
#159
○櫻井充君 是非、国民の皆さんが納得できるような、そういう形にしていただきたいと思います。
 それからもう一つ。これは救急医療をやっている現場の先生からいただいた声なんですけれども、医師の労働条件、特に救急医療をやっている方々は、当直をやると、何時間でしょうか、三十六時間ほとんど寝ずに働かざるを得ないんですね。
 この当直というのは、これは勤務になるんですか、それとも時間外ということになっているんでしょうか。
#160
○政府参考人(日比徹君) 今お尋ねございました件でございますけれども、いわゆる宿直の取扱い問題であろうと思いますが、労働基準法的に申し上げますと、いわゆる宿直につきましては、一定の条件を満たしたものとして監督署長の許可を受けた場合には、例えば一日八時間を越したときの時間外割増手当、この支払等をしなくてもいい場合が起こりますが、その場合でも、今例えば三十六時間ぶっ通しでというようなお話されましたので、先ほど申し上げました一定の条件を満たした許可の場合でも、その中で現実に、いわゆる監視、断続的業務ではなくて治療行為等が現実に入ってくるということになりますと、その時間分につきましては当然割増賃金の支払を要する労働時間ということになるということでございまして、もし御指摘が、例えば三十六時間というようなケースのときに、当直勤務あるいは宿直勤務部分について労働時間の規制、したがって割増賃金の支払が要るかということになりますと、先ほどのような要る場合、要らない場合が起こるということでございます。
#161
○櫻井充君 賃金云々じゃなくて、労働条件のことなんですよ。
 私も全く寝ないでその後次の日勤務したこともありますけれども、もしその夜も基本的に、例えばもうこの日は当直というふうに割り当てられたとすると、週四十時間というまず労働条件が決められているわけですよ。三十六時間続けて働いてもいいのかもしれませんが、そうなったら、一週間当たり幾らという今度考え方に立ちますね。一週間で四十時間と、まず。後は超過勤務なら超過勤務の扱いになるのかもしれないけれども。
 その基本的な四十時間の中に当直というのは当てはまるんですか。
#162
○政府参考人(日比徹君) 労働基準法の状況から申し上げますと、いわゆる監視、断続的労働と一般的に呼ばれるもの、これはございます。それから、労働には密度がそれぞれございます。したがって、どういう場合に労働時間と呼ぶかということを一律にあらかじめ申し上げることはできないわけです。
 ただ、お尋ねは、恐らく本来、業務をやっておって、そのほかに宿直とか当直と言われる、これが実態はいろいろだろうと思いますけれども、恐らく宿直とか当直と言っているのは、他の時間帯に通常行っている業務じゃないつもりでといいますか、一定の巡回をするとか、そういうものとして予定されて当直あるいは宿直と言われているのが一般でございまして、そういう場合であれば、先ほども申し上げましたように、一定の条件を満たしておれば四十時間の外になると。
 ただ、御指摘がいろんなケースお含みでございましょうから、今申し上げたのは、法律ではそういうふうに取り扱っておると。実態がまた異なれば実態に合わせて判断しなければならないということでございます。
#163
○櫻井充君 そうすると、救急病院なんかの場合に、勤務をする、そして日常ほとんど、例えば睡眠時間が数時間とかそういう確率だったとすると、ここは基本的な労働時間の中にもう当てはまると考えていいわけですか。
 なぜかというと、過労死している人もいるからですよ。体の具合が悪くなっている人もいるからなんです。当直明けで勤務しなきゃいけないというのは物すごく大変なんですよ。宮城県のある病院は、当直一人じゃ済まなくて、もう夜間外来です、こんなの。夜中の外来ですよ、深夜外来。当直医、ついに二人になりました、二人体制にしましたけれども。もう現状、そういうところは一杯あるわけですよね、救急病院の中でいうと。
 そうすると、その人たちの労働というものがどういう条件なのかということをもう一度考えていただかなきゃいけないと思うんです。
 そして、もう一点。こういうことで考えてきたときの労働条件だったとすると、今の医者の数なんて絶対足りないんですよ、現場に行けば。この人たちが例えば三十六時間働くということになると、四十時間しか働けないんだから、もうあとわずかしかないわけです。そうしたら、三日間も四日間も続けて休めるかといったら、現場じゃとても休めないわけですから。
 そういうことを考えてくると、医者の数だって足りないんじゃないかと私は思っているんですよ。坂口大臣、その辺はどうお考えですか。
#164
○国務大臣(坂口力君) 医療従事者の在り方というのは全体にやはり見直しが必要だというふうに思いますのは、現在の何時間働いてというようなことも、今まで非常に大学病院を始め大きい病院もかなりルーズに私はやられてきたと思うんです。何時間寝ずに夜やったから、それが皆時間外になるとかならないとか、請求もしないし、今まで。そして、それが労働時間に入れるとか入れないとかということ、もうそんなことを抜きにしてやってきたという今までの経緯があるものですから、大変なことに正直なところなってきているところがある。それは医師だけではなくて、看護婦さんも含めて医療従事者全体についてそうなってきているところがある。
 また、衆議院の方では、大学病院辺りから、今度はよその病院に、どこへ行けということを派遣するときに、それは派遣業とかなんとかというようなことを取っているのか取っていないのかというようなことも問題になってきている。そんなのをなしに、あそこへ行ったらどうだ、ここへ行ったらどうだという話に今までなっていたのが現実だと思うんですね。余り、いわゆる労働契約的なことというのは抜きにした話に今までなってきていた。しかし、事ここまで参りますと、それはしかしそうはいかない事態に立ち至っているというふうに思います。
 ですから、今度、診療報酬体系の見直しの中でホスピタルフィーやドクターフィーを明確にいたしますときに、そうしたこともやはり考慮に入れて、一体、病院なりそして診療所なりがどれだけの費用が掛かるのかということをひとつ明らかにしていかなければいけないというふうに、私は率直にそう思っております。
#165
○櫻井充君 おっしゃるとおりだと思うんです。
 それで、急性期病院、慢性期病院となったときに、急性期病院の人員配置というものをもう一度考え直さなければいけないと思っていますし、労働条件というのも改めて検討し直さないとなかなか難しいんじゃないだろうかと、そう思っています。
 そしてもう一点。そこの中で、今度は医者の診療報酬といいますか、その報酬が一体どうなのか。
 ちょっと今日は一例だけですけれども、例えばアメリカの入院期間は短いといって一日しか入院しない。例えば盲腸なんかの場合でも大体二百四十万円ぐらいだと言われています。日本ですと、一週間ぐらいだとしても三十万円から四十万円ぐらいだということになっていて、医者の数をある部分減らして、ベッドをある部分減らしていく、その代わり医者をどこかに集中させて、なおかつ労働条件というものの見直しもする必要性がありますが、そこの中でいったときに、やはり医療のある部分の技術に対しての評価というものも変えていただかないと、こういった幾ら統合していこうと思ってもなかなか制度として難しいんじゃないかと思っていますが、この点について、最後御答弁いただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#166
○国務大臣(坂口力君) そこは全体の中で考えていかなければなりませんし、評価すべきところは評価をしていかなければならないというふうに思います。
 ただ、全体のそういう構造改革をやるということは、先日も申しましたとおり、必ずしも医療費を抑制できるというわけではありません。無駄を省いていくというところは徹底的に省かなければなりませんけれども、増やさなければならないところには増やしていくということでなければ、構造改革はできないというふうに思っております。
#167
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。
 今日は、貴重な時間を是非健康増進法に絞ってお尋ねをしたいと思います。
 あえてこの健康増進法に絞って御質問させていただきますのは、たまたま今回健康保険法とこの健康増進法とがセットで提案をされてきておりまして、部分的に健康増進法にかかわる質疑はこれまでにもところどころでお聞きをしたんですが、まとまってこの法律についてどう考えるかという議論が必ずしも十分ではなくて、このまま成立するというのはいささか問題なしとしないと、こういう気持ちで幾つか問題をお尋ねしたいと思います。
 まず、この健康増進法という法律は一体どういう法律なんだろうかということをちょっと考えてみました。当然、この法律の「目的」というところを読んでみますと、「国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定める」と、こういうふうに書いてあるわけですね。そうすると、これは相当に健康問題に関する基本法のような法律なのかなというふうに最初思いました。しかし、ずっと各項目を読んでいきますと、どうもこの法律は健康という概念、WHOが定めている健康という概念とは違って、かなり狭い範囲のことしか想定していないんじゃないか。
 健康の増進の総合的な推進に関する基本的な事項ということではなくて、むしろ従来から言われていた、日本で言われていた健康増進にかかわる、あるいは健康づくりの施策にかかわる部分についての法律で、しかもその中はいわゆる生活習慣病の予防対策を主に目的というか、ターゲットとして作られた法律というふうに読めてなりません。
 私は、本来でしたら、まず健康の問題を考えるに当たって、健康に暮らせるための基礎的な総合的な施策が必要だ。例えば都市環境、ディーゼルの排ガスの問題から様々な騒音の問題まで、あるいは東京で言えば日照権、日が当たらない住宅がたくさんある。さらには、最近しばしば食の安全が脅かされている。BSEの問題しかり、先ほどの健康食品の問題もしかり。食の安全確保がどのようにきちっと確保されているのか。さらには、最近シックハウスという言葉が出てきた。そこの住宅、そこの建物に入るだけで不健康な状態になる。
 こういう住むところあるいは暮らす町、そういうところの基本的な健康のための環境づくりというのが、まず第一に健康を保つためには、あるいは健康を増進するためには、そこのところにまずは問題意識をきちっと当てるということが必要なのではないかというふうに思っているわけです。それが健康政策の基本だろうとまず思っているんですが、その点についてはこの法律では何も記載されていないし、問題意識すら読み取れない。ここは一体どういうお気持ちでこの法律を作られたのか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#168
○国務大臣(坂口力君) そこはなかなか痛いところを突かれているわけでございますが、健康そのものを増進を図るということには、今御指摘のように、一つはこれはもう生活様式、そして環境、そして食生活、これはやはり健康を守るための三要素と申しますか、三大条件だというふうに思っております。
 ただ、今回のこの法律は、そういう全体のことを、それはもちろんのこと哲学的には背景とはいたしておりますけれども、その中で一番何が現在大事になってきているかということになれば、生活様式を始めといたします、生活様式と食生活、そうしたことによって日本の、日本国民の健康が大きくむしばまれていると。これも事実でございまして、そこに焦点を当てた法律にしたということでございまして、だから、その周辺ネグられているところは必要ないのかといって先生に詰められますと、それは決してそういうことではなくて、大きな環境の問題等もあるんだろうというふうに、率直にそう思っております。
 ただし、この法律の中でそこまでよううたっておりません。それはもう率直に認めなければならないと思います。
#169
○朝日俊弘君 随分素直にお認めになるのでちょっと話が続けにくいんですが、私は、せっかく作るんなら健康政策に関する基本法みたいなものを是非作ってほしかったと思うんですね。
 そういう観点で、ちょっと非常に期待が大きいものですから、その期待の大きさに比例して、中身を見るとがっかりする度合いも大きくなると、こんな感じでおります。是非、少なくともこれからどうするかということをお互いに考えなきゃいけないと思いますが、健康政策にかかわる基本的な項目についてどこかできちっと整理をし、あるいは明確に提起する必要があるんだということは是非御確認いただければ大変有り難いというふうに思います。
 さてその次に、じゃ取りあえず健康づくりの推進というところに焦点を当ててこの法律を具体的に運用していこうと、こういうお考えだとして、だとして、それでも、その健康づくり全体の活動の中でも、どうも目が健康診査、健診のところに向いているような気がしてならないんです。
 これは従来から公衆衛生の分野に活動してきておられる皆さんに共通するある種の視野狭窄だと私は思っているんですが、例えば健康づくりを推進していくためには、まず一つは基礎自治体である市町村で、どういう健康づくり推進のための支援プログラムあるいは相談活動、こういうことがどれだけ着実に積み重ねていけるか、あるいは実態として作り出していけるか。さらには、学校や職場においても、最近極めて注目されているメンタルヘルス、心のケアの問題も含めて気楽に相談できる健康相談体制がどうやって作られていっているのか、安全衛生対策がどのように進められているのか、こういう基礎的条件がないと、本来目指そうとした健康診査の意味も十分に生かされないんです。それどころか、下手をすると、健診だけをやりますと健診ノイローゼを作る。
 だから、あくまでも、そういう支援体制あるいは支援プログラムあるいは相談体制ということがあって、そういうことの上に健診があれば十分にそれを生かすこともできるし、また問題が起これば受け止めることもできると、こんなふうに思うんですが、そういう点について、丁寧に見ると書いていないではないなと思いつつ、どうもやはり力点が、健診、そして健診のデータの問題に焦点が当たっているような気がしてならないんですが、この点についてはどうお考えですか、大臣。
#170
○国務大臣(坂口力君) そこは、それほど健診の問題に絞っておるわけではないというふうに思います。
 これもう健康は、もう一度繰り返しになりますけれども、健康を見ましたときには、そこにすべてのものが健康に集約されてくるわけですね。先ほど先生が御主張になりました、環境の問題にいたしましても住生活にいたしましても栄養の問題にいたしましても、そのトータルとして健康度というものが存在すると私は思います。そうした意味ではすべてのことが含まれてはまいりますが、とりわけその中で今一番大きく問題になっております生活習慣病対策等、いわゆる元気な長寿社会、その目指していくために何が必要かというところに、一番の中心になっていることは事実でございます。
 そして、それを行っていきますためには、やはり個々の人のいわゆる生活に対する相談ということが一番大事でございますし、それはマンパワーがそこで一番大事になってくると思うんですね。ここを抜きにしましてなかなかこの事業は進まないというふうに思います。それは、必ずしも医師でなくて結構でございます。保健師さんであり、時には栄養士さんであり、あるいは看護師さんであるかもしれません。そうした皆さん方の、あるいは薬剤師さんももちろん入っておりますし、薬剤師さん抜かしますとしかられますが、そういうあらゆる分野の皆さん方の御協力を得てやはりやっていくんだろうというふうに思います。
 そういう相談事業と、だから大きく言いますところの健診といいますものの中には、今まで健診といいますと、身長測って体重測って、レントゲン掛けて、打聴診ちょんちょんとやってというようなことが健診のイメージとして浮かび上がってくるわけですけれども、これからの健診は、それが地域の健診であれ、あるいは企業の中におきます健診であれ、そうした全体のことに対する相談をどうこなしていくか、メンタルな面も含めましてどうこなしていくかということがやはり大きな課題になる。したがって、一日、日を取って、一日に全従業員でさっとやってしまうというような健診では本当の健診にやはりならないだろうというふうに私も思っている次第でございまして、その辺の今後の取組を一体どういうふうに改善をしていくかということが最大の課題になると思います。
#171
○朝日俊弘君 大臣のお答えになるようなことがこの法律を読んでいてもちょっと読み取れないんですね。ですからこれは、今おっしゃったような問題意識をお持ちでしたら、例えばこれから基本指針などをお定めになるようですから、十分伝わるようにお願いしたいなと。それは、法律に書くとこういう書きぶりになるんだということなのかもしれませんが、どうも正直言って読み取れません。
 じゃ、もう一つ違った側面から聞いてみます。この法律を、まず最初に第一条、「目的」というのがあります。先ほど御紹介したとおりです。そこからがちょっと気になるんです。第二条が「国民の責務」とある。ずっと読んでいくと、国民は「生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。」、こういう書きぶりになっている。この書きぶりも、それはこう書くしかないんだとおっしゃるのかもしれないけれども、もうちょっと書き方があるんじゃないのと。つまり、私がもしこの法律を組み立てる立場にあるとすれば、まず目的があって、その次に国の責務があって、それから地方公共団体の責務があって、そして様々な健康増進事業の実施する実施者の規定があって、そしてそういう規定を背景にして、健康づくりの主役である国民は何をなすべきかということを書かなければいけないんじゃないか。
 だから、順番にしろ書きぶりにしろ、どうも、何と表現したらいいんでしょう、「生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。」という、こういう書き方では、これ最近の若い人は読んだだけでかちんとくると思いますよ。せっかく健康づくりに主役としてやってほしいということを期待を込めて作られた法律なんだろうけれども、本人に嫌気を差すような条文ではこれ話にならない。
 この点については、大臣、どう思いますか。
#172
○国務大臣(坂口力君) ここは少し朝日先生と意見を異にしておりまして、個人の健康というのは、やはりそれぞれの人がまず自覚を私は持ってもらわないといけない。そこから私はスタートをしているというふうに思っております。もちろん、国や地方自治体の責務というものも十分に私はあるというふうに思いますが、スタートはやはり個人がそれぞれ自分の立場でその思いを持っていただくところからスタートをすると。改めてここに書いたから問題なのかもしれませんけれども、本当はそういう思いを持っていただいた上で国が何をするかと、こう書けば先生の御批判はなかったのかもしれませんが。
 しかし、砕いていえば、僕はやはりそこはそうではないかと。だから、現在の人がそういう思いは持っていなければ、僕はやはり持ってもらわないといけない。やはり、食べたいだけ食べて、飲みたいだけ飲んで、それでさあ治せと言われたってそうはいかないわけですから、それは、個人でそこはやはり自覚をまずそれぞれしていただくという、スタートはそうではないかと。
 やはり、この法律の書き方としてそれが適当であったかどうかは、私もちょっとそれはよく考えてみないといけないと思いますが、そこはやはり個人がまずその自覚を持っていただくというのがスタートではないか、そう思います。
#173
○朝日俊弘君 私の議論を変にねじ曲げないで、答弁しないでください。
 私は、もうあえて論争はしませんが、個人の健康を増進し、あるいは健康を守り、育てていくためには、やっぱり本人がその気にならなきゃいけない。しばしば、健診データに基づいてお説教をされればされるほどやる気がなくなるという例があるんですよ。ですから、そうではなくて、やっぱり本人の気持ちというか自発性というかをどう導き出すか、そしてどう健康づくりの取組に促していくか、それを国や様々な関係団体がどう支援していくか、こういうのが基本的なスタンスでないといけないと私は思います。大臣の方から反論されましたが、私はその反論には納得できません。しかし、いずれにしても、この法律の書きぶりは正直言って余り感心できない書きぶりになっているということを指摘しておきたいと思います。
 さて、じゃ今度はこの法律がどういう組立てでできているかということで、ちょっと丁寧に縦、横見てみました。そうすると、この法律は大まかに三つの部分からでき上がっています。
 一つは、厚生労働省がお作りになった新旧対照表というのを見せていただきました。私は、この法律は新法だと思っていたんですね。ところが、ちゃんと新旧対照表があるんです。何だろうと思って見てみたら、十四本の法律がずらずらずらっと並んでおりまして、それぞれの法律の中にこういう規定があるんです。それぞれの保険者が行う健康の保持増進のために必要な事業に関して必要な指針を公表することができる、するものとするというのが入って、その指針というのは、健康増進法に規定する健康診査等の指針と調和が保たれたものでなきゃいかぬということで、健康保険法、国民健康保険法、それから学校保健法、母子保健法、ずっと関連する法律が十四本並んでいまして、それぞれの各法の部分改正がまず一つのグループとしてあるんです。だから、これは今回新たに定める健康増進法の規定をそれぞれの各個別法にもきちんと取り入れてくださいよと、こういうことだというふうに読めます。
 それから、もう一つの部分は、栄養改善法をほとんどそのまま引き継いだ部分が大変たくさんあります。ずっとマーカーで線引っ張ってみましたら、半分くらいが栄養改善法をそのまま引き継いでいるんですね。ですから、これは何か大半は栄養改善法の一部改正で済む話ではないのかと。何でこれが健康増進法という話になってきたのか、どうも組立てがよく分からないなというのが二つ目の部分。
 それから、三つ目の部分は、新たに、それこそ新たに新しい法律として、とりわけ健康日本21という具体的な健康づくりのプランを進めていくための法的根拠といいますか法制化にかかわる部分、基本方針を定める等々についての部分と、こういうふうな三部構成になっているというふうに私は読みました。
 しかし、それにしては、幾つかの既存の法律の一部改正の部分とそれから栄養改善法に係る一部改正の部分が専らでして、どうも新たに盛り込んだ部分というのは決して多くはないし、十分ではないし、極めて限定的なものになっているなという印象を持つんですが、ちょっとこれ、どういうふうに考えたらいいのか、解説をしてください。
#174
○政府参考人(下田智久君) 今回お願いを申し上げております法律案でございますけれども、健康増進法案の制定に伴いまして栄養改善法を廃止するという形を取ってございます。
 これは、元々、栄養改善法が制定されましたのは昭和二十年代ということでございまして、低栄養による健康障害が見られるという時代に作られたものでございまして、それに比べまして現在では、過栄養あるいは偏った食生活によります肥満でありますとか糖尿病等の増加が見られまして、様々な生活習慣と関連する健康上の課題といったものが顕在化してきたといった背景を踏まえまして、従来、栄養のみに焦点を当てておりました栄養改善法から、生活習慣全般に着目をいたしました健康づくり支援のための法律へと抜本的な拡充を図るという考え方に立っております。
 このため、その構成でございますけれども、委員御指摘のように、大まかに、従来の栄養調査あるいは栄養相談、集団給食施設、そういった従来の栄養改善法から引き継いだ部分も相当あるのは事実でございますが、一つ一つにつきましても今日的な観点から見直しを行った上で引継ぎを行っておるということでございます。また、新たに、食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康など、生活習慣全般に関する健康づくりの基本的な事項につきまして健康日本21を展開してきたわけでございますが、この部分の法制化という観点から設けた規定、こういうふうに分けることができるというふうに考えております。
 この新しく設けました規定の中には、健康づくりに関する全国的な目標、あるいは基本的な方向の提示、地方公共団体等におきます健康増進計画の策定の根拠、健康増進に関する調査研究の推進、健康診査に関する共通の指針の策定、受動喫煙防止のための措置といった、今後、健康づくりを展開する上で必要と考えておる事項を盛り込んだ内容になっておると、このように考えておるところでございます。
#175
○朝日俊弘君 何か、さっき私が申し上げたような基本的な三つの構造の部分に突如、受動喫煙の話が入ってきたりという、何か不自然さがぬぐえないんですよ。例えば、喫煙の問題でいうと、今日の午前中にも議論がありましたけれども、もっときちんと、受動喫煙の問題だけじゃなくて、きっちり喫煙に関する部分を何項目か立てて、もっと厳しく言うべきところは厳しく言ってという書き方だってあると思うんですよね。
 だから、何が言いたいかというと、何か基本的枠組みが非常に古めかしさを残したところへ新しい健康日本21という部分と幾つかの部分が唐突に現われて、非常に整合性のない法律になっているという感じがしてならない。私は、むしろそれならそれで、栄養改善法の一部改正と、別途、冒頭に申し上げたように健康基本法という基本的な法律をきちんと定めて、その中で健康日本21の部分について総合的に触れるということがなぜできなかったのかなという気がしてなりません。そういう意味で、この法律の組立て方については極めて私は不満足であります。一から作り直せと言うつもりはありませんが、そういう意味では幾つかの組立てそのものに限界を持っているというふうに指摘をせざるを得ません。
 さて、次に、もう少し具体論に入っていきます。
 特に私が注目したいと思いますのは、この法律の中で、先ほども御紹介しましたように大臣が基本指針を定めるということになっております。特にその中で、何項目か基本指針を定めるという項目が挙げられているんですが、私はこの中で、五番目のところに書いてある健康増進事業実施者間における連携、協力に関する基本的な事項、この部分について、どういう中身を基本指針として想定されているのか是非お伺いしておきたいなと思うんです。
 といいますのは、実は先日、十六日、参考人をお呼びしたときにもお伺いをしたんですが、私は、これからこの法律に基づいて、地域保健、学校保健、そして産業保健、今までばらばらに、あるいは個別に行われていた事業が実際に本当にどこまでどのように連携、協力できるんだろうか。そのためのシステムはどう作られていくんだろうか。あるいは、そのための支援はどのように行われるんだろうか。例えば、具体的には財政的な支援も含めて考えられているんだろうか。
 まずは、健康増進事業実施者の幾つかの実施者間における連携、協力を可能にするための体制づくり、システムづくりに関する指針について、どんなふうに中身をお考えか、お聞かせください。
#176
○政府参考人(下田智久君) ただいま御指摘の厚生大臣が定める基本方針の中で、「健康増進事業実施者間における連携及び協力に関する基本的な事項」といったところがございます。その内容のお尋ねかと存じますが、まず、健康増進事業実施者といったものは何かということでございますが、これは法の第六条に規定をしておりますけれども、健康保険法等の医療を確保、あるいは学校保健法、母子保健法、労働安全衛生法、いろいろ各種の法律がございますけれども、こういった法律に基づきまして、健康教育、健康相談、健康診査等の事業を行うものを実施者というふうに定義付けているわけでございます。
 この実施者が事業を行う場合に、極めて委員御指摘のように幅広い方々が参画されるわけでありまして、学校保健から労働保健、職域保健、地域保健、いろんな方々が御参画をされるということになるわけでございますので、こうした方々の協力の在り方等々に関する事項をここで定めるわけでございます。
 具体的にはどういうことかといいますと、例えば効果的な事業実施のための人材確保、養成、資質の向上といったことを考えております。これは各般にわたる方々がこの事業に協力をいただくことになりますので、こういった方々の相互のお互いの事業をどういうものかという理解がまず必要だというふうに考えますので、そういった研修を行うとか、あるいはお互いの場合によっては人事交流を行うとか、そういったことによる資質の向上が必要だと考えております。
 また、健康増進法の中で健康診査に関する共通指針というのがございますが、その中で、健康診査のデータの連続性を確保するといった観点からはそれぞれが連携、協力をしなければならないというふうに考えておりまして、そのありようをここで書きたいと思っております。
 また、こうした継続的かつきめ細かな連携、協力を確保するためには、それぞれの分野の方々がお集まりいただきまして、協議会等、調整の場を作っていただきたいというふうに考えておりまして、そういう組織の設置、こういったことをこの中で書いてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#177
○朝日俊弘君 念のため確認させてください。それは大体いつごろをめどに作られる予定ですか。仮にこの法律が成立をしたとすれば、いつごろをめどに出される予定ですか。
#178
○政府参考人(下田智久君) 九か月程度の余裕を見て実施をしてまいりたいと考えております。
#179
○朝日俊弘君 相当に、また後でも関連した質問をしますが、随分とその発想というか手法というかノウハウというか、あるいは置かれた立場というか、違う人たちが連携、協力するわけですから、これは日本人の最も苦手とする部分でありますから、是非そこのところを十分踏まえた指針をお願いしたいなと思うんですが。
 さて、そこで今の御説明の中にもちょっと出てきましたが、健康診査、健診をやっている、それぞれ地域保健の分野、学校保健の分野、産業保健の分野で行われている健診の実施に関する指針もこれ別途お定めになると、こういうことのようでありますが、ちょっとどんな、健診にかかわる指針についてはどんなことを内容をお考えなのか、お尋ねしたいんですが。
 といいますのは、ちょっと気になりましたのは、これも先日、参考人のお話を聞いていまして、高知の甲田先生が何か厚生労働省の依頼でモデル事業を行われていると。そこでは個人の健康情報の標準化と健診データのデータベース化についても検討をしてほしいと、こういうふうに要請を受けているということで、いろいろ苦労話も含めて御説明があったんですが、今回の健康増進法に定めるこの健診の実施に関する指針の中身は、一体どういう中身まで想定して作られようとしているのか。特に、後の質問とも関連しますが、健診のデータのデータベース化についてはどう考えているのか、御説明をいただきたいと思います。
#180
○政府参考人(下田智久君) 生涯を通じまして個人が自らの健康管理に積極的に取り組むための基盤整備を進めるといった観点から、今回の健康増進法の法案の中では、個別の法律に基づく各種の健診につきまして共通の指針を策定し、それに合わせて実施をしていただきたいという考え方に立っているわけでございます。
 この指針の中におきましては、まず一つは異なる健診機関によります検査結果につきまして相互に比較可能なものとするための方策を取り入れていただきたい、何か考えたい。例えば、適切な精度管理はどうあるべきか、検体の運び方はどうするかとか、そういったようなことになろうかと存じます。
 二つ目としまして、健診がその場限りでなく生涯を通じて経時的に比較できるような結果の通知方法、どういった方法があるのかいろいろあろうかと存じますが、そういった通知方法。あるいは、個人が健康情報を管理するといった観点からの健康手帳の標準的な様式を定める。また、個人の健康診査データの取扱いをどうするか。事後指導の徹底とその手法をどうするか。こういった観点からこの共通指針を定めていきたいというふうに考えておるところでございます。
 なお、その委員御指摘の高知での事例でございましたが、データベース化等につきましては、まだ研究段階といったようなこともございまして、今回、この当指針に盛り込む予定はないわけでございます。
 また、この共通指針の実効性を高めるといった観点から、先ほど委員が御指摘になりましたけれども、附則におきまして医療保険各法、学校保健法、母子保健等、個別の法律にここで定める指針と調和が取れたものでなければならないとするような規定を置いておりまして、実効あるものにしていきたいというふうに考えているところでございます。
#181
○朝日俊弘君 そうすると、確認ですが、これは神戸市からすこやか手帳というのをいただいてきましたが、こういう個人が持つ健康手帳にデータなりあるいは診療記録なりを書き込んで本人が保有することはあっても、その個人の健康情報、診療情報をどこかにデータベース化する考えはないということですか。何か微妙な言い方をされましたね、まだ研究段階なのでこれからやるというような。ちょっとそこのところをはっきりしてください。
#182
○政府参考人(下田智久君) ちょっと今の健康手帳の扱いでございますが、あくまでも健康診断のデータにつきましては個人が保持をするという考え方に立っておりまして、その手帳、これは例えば就職するまでは今の母子健康手帳をそのまま継続するといったやり方もあるかと考えておりますし、いろんなやり方があろうかと存じますが、自らがその健康手帳を保持し自分の生涯の健康管理に役立てていただきたいという観点に立っております。
 したがいまして、先ほど申しました実施者、この方々が実施をされました健康診査のデータは、その個人に送られまして、個人が健康手帳に貼付しやすいような様式にしたらどうかと。それから、血圧とか体重とか、こういったものにつきましては経時変化を見られるようなグラフをその中に作っておくと。こういったことを考えているわけでありまして、データベース化云々につきましてはこれはまだまだ先の話であるということでございまして、これは実用化につきましては相当時間も掛かるんであろうと思っておりますし、現行の健康増進法につきましては、あくまでも健康手帳は個人が管理し、個人が生涯の健康管理に役立てると、こういう観点で考えておるところでございます。
#183
○朝日俊弘君 じゃ、今回の健康増進法に基づく健診の実施にかかわる指針についてはデータベース化までは考えていない、あくまでデータは個人が、例えば個人の持つ健康手帳などに記載して保持するということしか考えていないということは確認させてください。
 その上で、しかしどうも、もう少し研究を重ねてデータベース化を考えたいというお言葉が、思いがちらほら出てきているので余計気になり始めたんですが。
 といいますのは、今たまたま個人情報保護法案の問題が議論になっていることもあるんですが、必ずしもそのことと結び付けて考えているのではなくて、実はついこの間もこんな例がありましたよね。新生児のモニタリングで赤ちゃんの検査をスクリーニングでやって、たまたまフェニルケトン尿症という診断を受けて、そのお母さんがたまたまそのことを正直に申告したら簡易保険に入れなかったという、こういう実例があったんですよ。
 つまり、個人の健康情報というか診療情報というのはそれほどセンシティブですから、そこの取扱いについては、特にデータベース化については相当に慎重にしないと、いわゆる目的外使用に利用される可能性は極めて大きいと思いますし、しかもデータベース化されればされるほど大量にデータが流れる危険性があるという意味で、私は非常に気になっています。
 そこで、次の質問に移ります。
 つまり、個人の健康情報あるいは個人の診療情報について、もし仮にそのデータを一定程度集めよう、データベース化しようと思えば思うほど、データセキュリティーとプライバシー保護が絶対必要条件だと私は思っています。ところが、現状は極めてお寒いというか、不十分な状況だと言わざるを得ません。
 まず、この個人の健康情報、診療情報にかかわるデータセキュリティーとプライバシー保護について、現行、国レベルでどのような法制度上の枠組みがあるのか、どういう形でプライバシー保護が守られるようになっているのか。今の国会で審議されている個人情報保護法とは別途に、現行はどうなっているか、ちょっとお聞かせください。
#184
○政府参考人(下田智久君) 個人の健康情報、極めて保護の必要性の高いものでございまして、その取扱いについては特に慎重を期す必要があるというふうに認識をいたしております。
 委員お尋ねの、現行の法制の中でどうなっているかということでございますが、まず医師、薬剤師等に対しましては刑法によりまして、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、衛生検査技師等に対しましてはそれぞれの資格法におきまして、健診情報を含め職務上知り得た人の秘密を正当な理由がなく漏らしてはならないという守秘義務が課されているというところでございます。
#185
○朝日俊弘君 つまり、今後、いろんな検討がされるんでしょうが、少なくとも現段階で考えると、幾つかの資格職種にかかわる守秘義務の規定で辛うじて担保されているというか、プライバシー保護に対する配慮がされているというにとどまるということですね、国レベルでは。
 じゃ、もう一つは、自治体レベルでどうなっているのかというのがあるんですが、私もちょっと総務省の方に尋ねました。自治体レベルで個人情報保護条例についてどんな制定状況でしょうか。非常に大ざっぱに言うと、自治体レベルで条例を持っているところ、持っていないところ、それから持っているけれどもその規定ぶりがかなり厳密なところと、かなりルーズなところと、ばらつきがあるんですね。それは自治体によってそれぞれの御判断なんでしょうが。
 さて、そういう自治体は、そういう個人情報保護条例の制定状況あるいは実態にあるとして、そういうところで例えば母子保健あるいは老人保健、保険者が市町村で行っている場合には、そういうところに個人情報が集まりますよね。さて、そこのところの扱いはどうなるんでしょうか。現状、国レベルでは身分、資格に関する守秘義務規定しかない。一方、自治体レベルでは個人情報保護条例があるけれども、ばらつきがある。どんな取扱いになると思いますか、自治体レベルで。
#186
○政府参考人(下田智久君) 個人情報の保護に関しまして、多くの地方自治体におきまして条例の整備が進められているということは承知をいたしております。
 ただ、その内容につきまして、またどのような差があるかにつきましては十分承知をしていないところでございますが、健診情報の取扱いにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、健康診査等に関する共通指針の中で個人の健康診査データの取扱いということも定めてまいりたいというふうに考えておりまして、こうした地方の条例の具体的な事例、こういったものも検討いたしましてこの指針を定めていきたいと、検討していきたいというふうに考えております。
#187
○朝日俊弘君 こだわりますのは、八月五日から住民基本台帳のシステムが動くという話も一方であるわけですね。ですから、国レベルだけではなくて、自治体レベルでこういう情報がどう扱われていくのかということは、かなり丁寧に配慮をしないと思ってもみない使われ方になりかねないので、そういう周辺の状況というか、あるいは基礎的な自治体の実態をきちんと把握される必要があるんじゃないか。まず実態を把握していただいた上で、どのようにこのデリケートな、あるいはセンシティブな個人健康情報を取り扱っていただく必要があるのか、十分ここは気配りをしていただかないと困るな、注文を付けておきたいと思います。
 そのことと関連して、既に、これまでに行われているがん登録事業の問題についてお尋ねしたいと思います。
 多くの皆さん御存じかどうか、全国で三十数県、既に地域がん登録という事業を行っています。このがん登録は、新たにがんという診断を受けた場合に、医療機関が登録票を自治体の登録室に送る。ここに何も書いていないんですね、本人の同意を得てということが書いていない。医療機関が登録票を自治体の登録室に送付する。登録室において、登録の重複排除、罹患情報と死亡・生存情報の統合を行う。つまり、もし仮に私ががんだという診断を受けたら、本人の意思にかかわらず、その事業をやっている自治体の登録室に送られるわけですね。この登録事業との関連もあって、最近、疫学研究に関する倫理方針というのが検討された結果、取りまとめられたというふうに伺っておりますが、倫理指針ですね、失礼。その疫学研究に関する倫理指針についての概要と、その指針が現在行われているがん登録事業へきちっと適用されているのかどうか、この二点についてお尋ねします。
#188
○政府参考人(今田寛睦君) 御指摘のように、疫学研究に関します倫理指針につきましては、最近のプライバシーの問題あるいは個人の情報保護の観点から、そのよるべき規範を明らかにしてほしいと、このような御要望、それから、平成十三年の閣議決定で規制改革推進三か年計画が定められたわけでありますが、そこでも疫学研究等において医学全体の発展を通じて公衆衛生の向上あるいは公益の実現を図る観点から、個人情報の保護を図りながら情報の適正な利活用を可能にする仕組みについて検討するようにと、このような御指摘をいただきました。
 これを踏まえまして、私どもと文部科学省と一緒に検討させていただきまして、今御指摘の疫学研究に関する倫理指針を取りまとめました。これを七月一日から施行ということになっております。
 その内容でありますけれども、疫学研究のまず科学的合理性でありますとか、あるいは倫理的妥当性の確保を始めといたしまして、研究者が遵守すべき基本原則を定めたということ、それから研究機関に倫理審査委員会を設置いたしまして、研究の実施前に審査を行うように求めております。また、研究を実施する場合における研究対象者からのインフォームド・コンセントあるいは情報公開の手続につきましても定めているところであります。
 御指摘のがん登録事業との関係でありますけれども、この指針そのものはがん登録事業には適用をされておりません。ただ、収集されたデータを利用して疫学研究を行う場合には当然この指針は適用されると、このように考えております。また、がん登録事業におきます個人情報の保護の必要性を踏まえまして、指針の審議の際にがん登録事業にこの指針を準用するのが好ましい、その場合の取扱いについて整理したものをこの指針に併せて通知を示したところであります。
 なお、がん登録につきましては、平成八年にがん登録事業の関係者によりまして地域がん登録における情報保護に関するガイドラインが作成されておりまして、事業を実施するすべての地方公共団体において、これに沿って個人情報保護への配慮が行われている、このように聞いております。
#189
○朝日俊弘君 ということは、あれですか、がん登録事業は疫学研究ではないということですか。
 つまり、これ読んでみますと、「がん登録事業については、本指針は適用されないが、実施主体での運用に資するよう、」公表することとする、「実施主体の判断で本指針の全部又は一部を準用することが望ましい。」と、こういう書き方でして、要するに実施主体の判断ですよと。
 しかし私は、どう考えてもがん登録事業というのはがんの疫学研究なんじゃないかと思うんですよ。その際に、データセキュリティーあるいはプライバシー保護という問題、ガイドラインで一定定められているというのは分かるんですが、根幹はインフォームド・コンセントですよ。インフォームド・コンセントを取っているかどうかですよ。少なくともこれからはそれを原則とするかどうかという点が引っ掛かっているんですが、この点、もう一度お答えください。
#190
○政府参考人(今田寛睦君) がん登録事業そのものは適用ではございませんが、先ほど申し上げましたように、これを利用して分析し、あるいは仮説を立てて検証するということになりますと、これは疫学研究であると、このように申し上げたわけであります。
 そこで、本指針をがん登録事業そのものにおいても、この指針が述べているところは、個人保護でありますとかあるいはインフォームド・コンセントという観点からこの指針を準用してほしいというのがこの報告の基本であります。
 そこで、この指針を準用するに当たってどういうことに留意をすればいいかという点につきまして、今委員御指摘の、疫学研究に関する倫理指針とがん登録事業の取扱いについてという通知の中でそのことに触れております。
 さて、今御指摘になりました本指針を準用する場合に、このがん登録事業におけるインフォームド・コンセントの取扱いについてはどこに該当するだろうかということについても触れられております。指針の原則に従いますと、インフォームド・コンセントの項の「観察研究を行う場合」の「人体から採取された試料を用いない場合」の、なおかつ資料に基づく場合ということに該当するであろうと。その場合には、「研究対象者からインフォームド・コンセントを受けることを必ずしも要しない。この場合において、研究者等は、当該研究の実施についての情報を公開しなければならない。」ということに該当するであろうと。さらに、他の機関における、つまりデータを出していただく医療機関との関係においても、その施設、つまりデータを出していただく施設が取るべき措置についても併せて準用するのが好ましいと、こういう形になるだろうということについてもそこで触れておりますが、その後段につきましては詳細は省略させていただきます。
#191
○朝日俊弘君 ちょっと時間がなくなってきたので、後できちんと説明を聞かせてください。
 いずれにしても、私は、準用していただくとか、判断は実施主体にしていただくとか、いささか無責任ではないかと。いつまでもこのままでは良くないのではないかという気がします。
 そこで、最後に大臣にお尋ねします。
 今、幾つかお尋ねしてきました。少なくとも健康増進法に基づく指針の中では、十分に個人の健康情報についての取扱い注意をする、少なくとも当面、データベース化を考えていない、こういうお話までははっきりしたんですが。
 しかし、後半お尋ねしたように、現に行われているがん登録事業の問題もこれあり、さらにはこれからあちこちで行われていくであろう様々な健康情報の、あるいは診療情報のデータベース化の動きもこれあり、私は、個人の健康情報あるいは診療情報については、ある意味では独特のセンシティビティーを持っているために、ある独自の領域、ルールづくり、ガイドラインから法制化に向けて一定の考え方をそろそろ取りまとめていくべきではないか。大網をかぶせるような個人情報保護法の中でどうのこうのということよりは、個別的に具体的に個人健康情報、個人診療情報についてそのようなルールづくり、法制化を視野に入れたルールづくりを考えるべきではないかと思うんですが、大臣のお考えをお伺いして、質問を終わります。
#192
○国務大臣(坂口力君) 先ほどから委員と局長との間の意見、交互の発言を聞いておりまして、話が順調に進んでいるわけでありますから、私が余分なことを言って話の混乱をさせてはいけないわけでございますけれども、若干、私は先ほどから聞いておりまして言いたいことがございます。
 それは、個人の診断を、それぞれいろいろの検査をするなりなんなりして個人の診断ございます。それは、この診断の結果は個人の健康診断に役立てることは、当然これはそれが主体であるというふうに思いますが、ある職場とかあるいはある地域での集団としての傾向を見なければならないことも私はあると思うんですね。この村において特別にある疾病が多いのか少ないのかといったようなことを見なければならないことも私はあると思う。
 そこはしかし、集団として扱いますときに、どこどこのだれべえさんという名前は要らない、しかし性別、年齢別ぐらいなその傾向というものは必要になるときがある。それもできないということになると、私はちょっとできにくいことがある。そこは私も慎重にこれは、先生御指摘のように、ここは網をかぶせるところは網をかぶせてちゃんとやっていかなければならないというふうに思いますが、それができるようにはしておかないといけないのではないかというふうにちょっと思っておりますので、先生がそこをどう、時間来ておりますけれども、先生、そこをどうお考えになっているのかということでもうちょっと、一言だけお聞きしてみたい。
#193
○朝日俊弘君 私が丁寧に個人健康情報、個人診療情報と言っているのは、個人が特定できる情報ということで表現しています。
#194
○草川昭三君 公明の草川です。
 まず最初に、大臣に被用者保険の在り方の見直しについてお伺いをしたいと思います。
 今回の改正案には、医療保険制度の改革に関する数多くの検討規定が盛り込まれているわけですが、その中に、保険者の統合及び再編を含む医療保険制度の体系の在り方、また政府管掌健康保険事業及び当該事業の組織形態の在り方の見直しに関する検討規定が盛り込まれているわけでありまして、本委員会でも議論になっておるところです。
 最近の報道というよりは、大臣もテレビに出ていろいろと対談をしてみえるわけでございますが、そんなところからニュースに流れておるところを見ますと、政管健保については民営化を含めて検討、あるいは政管健保と組合健保の統合を検討というような報道が流れてきておるわけであります。あるいは国会の場でも政管健保と組合健保との間の財政調整が今後の課題とも答弁されておられますし、また事実、かつて政策審議会長のときにも若干本問題についての御見解を賜ったこともあるわけでございますが。
 政管健保は、健保組合の総加入数を上回る加入者、もちろん中小の方々も多いわけでありますから、加入者を抱えておりますし、被保険者の立場から、その運営については健保組合に比べれば非効率ではないだろうかという指摘もあるわけです。また、今回の改正で導入をされますいわゆる総報酬制の下では、政管健保と組合健保の保険料率に大きな差が生じていることも事実でありまして、かねてから財政力の面でもこの二つの格差というものが問題になっています。
 いずれにせよ、政管健保と組合健保の運営と組織の在り方については見直しが避けられないのではないだろうかと思うわけでありますが、しかし政管健保というのは、先ほども触れましたように、中小企業者の方々の被用者が非常に多く加入をしていることも事実でありますし、言わば被用者保険の受皿であって、国保とともに国民皆保険のかなめとなる制度ではないだろうかと思います。
 将来にわたってこの制度を安定的なものとして維持していくことは国としての責任でもあるわけでありまして、改革を進めるに当たりましてこの点については十分な留意をすることが必要であるというのが私の意見でもあるんですが、そこで、この被用者保険制度の在り方に関する一連の大臣の御発言についてその趣旨をお伺いをしたいと、こういうように思うわけであります。
#195
○国務大臣(坂口力君) 政管健保をどうするかという問題は、医療保険制度をこれからどうするかという中で最大の課題になるであろうというふうに思います。先ほど御指摘をいただきましたように、三千七百万人ぐらいこの中にお入りになっているだろうというふうに思います。最大のこれは保険であることも間違いがございません。
 これから統合化を図ってまいりますときに、政管健保をどのような形で統合化をしていくかという問題が浮上してくるだろうというふうに思います。政管健保といたしましては、これはもう現在全国一本になっているわけでありますから、非常に効率よく運用されているというメリットもあるわけであります。その代わりに、逆に、メリットがあります反面、競争原理が働かないというデメリットもあるということが言われております。
 今後どうするかということにつきましてまだ決定をしているわけでは現在のところございませんが、マスコミ等で聞かれましたときに、民営化をするんですかというふうに聞かれるものでありますから、もし仮に民営化ということがあるのならば、それは独立行政法人のような形を民営化というふうに多くの人は思っているのではないかということを私は申し上げたわけでございます。
 いずれにいたしましても、今後、健康保険の統合を進めていきます場合に、将来、国民健康保険を例えば都道府県単位なら都道府県単位に集めていくというのも一つの有力な方法だと私は思いますが、そのときに政管健保を一体国の一本で置いておくのか、政管健保も四十七都道府県ぐらいに分割をしていくのかという問題が必ず起こってくるのではないかというふうに予測をいたしております。
 そのときに、地域保険と職域保険との間でそれぞれをまず統合化していくという考え方からいくならば、組合健保と政管健保の間の財政調整その他を行いながら統合化をしていくということがあるんでしょうし、それから今度は、それぞれの地域でもって統合するという考え方に立てば地域保険と、いわゆる国保と政管健保の一体化ということが将来話題に上る可能性もあるしと。そこをどうするかというところまでまだ議論は現在のところ詰まっておりませんし、今後の課題だというふうに思っている次第でございます。
 しかし、これからその統合化をしていきます過程の中で、一本化はされておりますが、そこは余りにも大きくなり過ぎておりますから、それぞれ少し競争原理を働くようにしようとすればどうするかということが政管健保に課せられた課題であるというふうに思っております。現在のところはその段階でございます。
#196
○草川昭三君 今、大臣の答弁でよく分かったわけですが、たまたま、新聞の書き方というのは非常に見出しではポイントというんですか、衝撃的な刺激的な見出しを書くと思うんですが、たまたまテレビで金子慶応大学の教授との対談を、多分新聞はそれを利用したと思うんですが、見出しは「政管健保 民営化含め検討 厚労相「組合健保と統合も」」というので、最後のところで「都道府県単位が望ましいとの考えを改めて示した。」なんという決定的に何か将来方向が書かれているようでございまして、私も、今、大臣の極めて今日的な御判断が答弁されたということについては評価をさせていただきたいと思います。
 それから二番目に、実はこれ、私ども公明党も非常に熱心に取り組んできておることでございますが、衆議院でも議論になっていませんので改めてお伺いをしたいわけですが、被用者保険の出産育児一時金の見直しという項目があるんです。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 現行の被用者保険の出産育児一時金は、被扶養者のうち配偶者が出産した場合に限って支給されているため、これは当たり前のことですが、奥さんが出産をしたということを対象にしているわけですが、妊娠中に配偶者と不幸にして死別をし母子家庭になったというような例も随分あるわけです。妊娠中のために働くことができなくて、自分自身は自分の親の被扶養者になる場合、これはありますね、当然のことながら親の扶養者になる、こういう場合。あるいは、今日のように非常に厳しい経済情勢であり、子供夫婦が失業してしまう、あるいはリストラに遭ってしまってもう御主人も職がないという場合に、お父さんの、いわゆる親の被扶養者となっているケースもあると思うんですが、このケースの場合では、子供夫婦が出産した場合については出産育児一時金というのが支給されないんですよ。
 これ、実は私も非常に不勉強でありまして、そんなものは子供が生まれれば、出産、どうあろうともらえるんじゃないのと言ったら、いや、とんでもないよと。これは、何回か申し上げますが、配偶者が、被扶養者のだんなさんの奥さんが出産した場合に限ってということになっているんだよと、よく法律読めよと、こう言われたんですが、そんなことを一々読んで、出産一時金の支給がどうなっているかというのは、残念ながら私も恥ずかしい、反省をしなければならないんですが、支給されておりません。
 そこで、こういう場合に、国民健康保険の被保険者であれば、出産育児一時金が片一方の国民健康保険の場合は支給されるという、こういう制度になっておるわけですから、制度間で取扱いが違うということは私は問題があると思うんです。
 そこで、国民皆保険の下ではすべての国民の出産費用を保障するという出産育児一時金の趣旨にかんがみれば、このような谷間というんですか、はざまが生じるような取扱いは解消すべきであると考えるんですが、今回の改正案ではこうした問題について何か対応が立てられているのか、細かい話でございますが、お伺いをしたいと思います。
#197
○政府参考人(大塚義治君) 御指摘のケースでございますが、結論を先に申し上げますと、今回の改正案の中にこの問題を解消する項目を入れておるつもりでございます。
 御指摘のように、今日現在までの法制度によりますと被用者保険における出産育児一時金は、被扶養者のうち配偶者の場合に支給するという規定でございました。現実問題としては当然のことながらこのケースが大部分でございまして、率直に申しまして私どももそう大きな問題があるという認識が薄かった時期がございました。
 ちょうど今お示しのようなケースがあり得るわけでございまして、実は私ども、例えば国民健康保険を運営をしております市町村の実務の担当者などとの会議などで、被用者保険ではそういうケースによっては出産育児一時金が支給されないということもあるので便宜、出産時に国民健康保険に移られるケースがあると。もちろんそれは決して正しい方法ではないのでございますが、そういうケースもあるんだというようなことも耳にいたしたりいたしまして、今回これは手直しをする必要があるということで、具体的に申し上げますと、従来は法文上は健康保険法における規定では、被保険者の被扶養者たる配偶者が分娩したときと、こういう規定であったわけでございますが、今回被保険者の被扶養者が出産したときはというふうに手直しをいたしまして、御指摘のような問題はこの改正で解消できるというふうに考えております。
#198
○草川昭三君 今の答弁で再確認をしまして、私もいい報告ができると思うのでございますが、子供さんが生まれた場合には国民健康保険では三十万円、ですから今回のこの健康保険制度の改正で一児につき三十万円を支給するという、こういうことになったわけでございますので、これは非常に一つの私はメリットというんですか、ことではないだろうかと思います。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 それで、もうこれは答弁は結構でございますが、この三十万円をもらうわけでございますが、その以前に貸付金制度というのがあったわけでありまして、それを担保と言うと言葉が悪いのでございますが、それを担保にして役所に行ってお金を借りるという若い新婚さんも随分お見えになるわけでありまして、是非この出産の貸付制度についても各地方自治体等で窓口でいい対応をしていただきたいと思いますし、細かいことを言うようではございますが、お金を、貸付制度を利用する場合に印紙税が要るんだそうですね、印紙税が。非常に細かい話ですが。
 その印紙税の金額は余り大きくございませんけれども、いかにも私は役所的と言うとあれでございますが、しかし、法律はやはり行政からお金を立て替えて前払いをするわけでありますから、それなりの手続が要るといえばもうそのとおりで一言もないわけでございますが、そういう点はひとつ今後の運用に当たって是非柔軟なまた対応、あるいはいい知恵があるならば住民サイドの立場に立つ行政を是非やっていただきたい、これは要望でございますので十分考えておいていただきたいと思います。
 その次に、これも私も非常に不勉強でございましたが、大学病院の診療報酬体系の見直しの中で包括化というのがあるんですね。今回の診療報酬改定については、これまでの審議の中で再診料などの逓減制や手術の施設基準などについて数多くの委員の方々からいろいろと取り上げられてきておりますけれども、この内容を改めて私も勉強させていただきますと、今後の診療報酬の体系にかかわる重要な項目も入っているのではないかと思います。
 その一つが、大学病院等における医療機関別の包括化という言葉になるんですが、包括化であります。これはアメリカなんかでもいわゆる診療群別定額報酬支払方式、DRG―PPSというように専門用語では紹介をされているようでございますが、これとは異なる手法であると私どもは理解をしておりますけれども、この趣旨及び来年の四月の実施に向けてどのような検討状況になっているのか、お伺いをしたいと思うんです。
 これは、小さなクリニック、病院等においても、あるいはまた先端医療を担う大病院も、同じ診療行為であれば基本的には言うまでもなく同じ点数というのが現在の体系でございますけれども、これを見直すというようなことが中医協等々でも幾たびか提言をされておるわけですが、そういう意味では一つの第一歩だと考えてもいいと思うんですが、これからの今後の診療報酬体系の見直しに当たって、基本的な視点、どういうところに視点を置いてこの報酬体系の見直しをされるのか、この包括化という問題をどう生かしていかれるのか、お伺いをしたいと思います。
#199
○政府参考人(大塚義治君) 医療機関別のいわゆる包括評価の導入についてのお尋ねがございました。
 お話がございましたように、今回の診療報酬改定におきまして、主として、様々な視点はあるわけでございますけれども、医療機関の機能分担をより進めると。特に、高度医療を担う特定機能病院等におきましては様々な、多様な、なおかつ高度な患者あるいは疾病を対象にしておりますので、それぞれの医療機関の特性も生かしていただくという趣旨も踏まえまして、これらの医療機関につきましては、従来いわゆる診療行為別の出来高払と言われるような仕組みから患者の疾病別の包括払に転換をしようということで中医協でも御議論をいただいたわけでございます。
 基本的に、方向としては、いわゆる診療する立場あるいは支払をする立場、両側からそういう方向で進めようという御賛同を得ましてその方向で進めるわけでございますが、具体的な点数の設定などにつきましては一年ぐらいの検討期間が要るということで、来年度、おおむね一年後から実施ということになっております。
 と同時に、この間に、当然のことながら大学病院関係者の御意見なども承る必要があろうと思いまして、既に数次にわたりまして御説明会というような形で、この制度の趣旨、目的あるいは今後の検討のスケジュールなどを御説明を申しております。
 さらに、具体的な内容についてはこれから詰めさせていただくと、こういうことになっておるわけでございますが、一点だけ念のために申し上げておきますと、先ほどDRG―PPSというアメリカを中心とした支払例をお取り上げになりました。これも今後の議論の課題、対象の一つでございますが、当面大学病院などに導入をするという方向で考えておりますのは、疾病別ではありますけれども、それぞれの大学の実績も踏まえる、病院の実績も踏まえるという点で若干の質の違いがございます。全く同じものではございません。その点だけ念のために申し上げておきますが、大きな枠組みはかなり類似をしたものになるということも言えようかと思っております。
 と同時に、それを踏まえまして、今後の診療報酬体系の見直しでございますが、これにつきましては午前中も大臣から御答弁を申し上げておるところでございますけれども、現在の診療報酬体系が施行されて四十年を経過をいたしました。その間に、医療提供体制も、また疾病構造も大きく変化をしてきております。もちろん、それぞれの時期に応じまして、原則として二年に一度の見直しの中でそうした実態に対応する検討、見直しが行われておりますけれども、やはり非常に複雑になり分かりにくくなっているという御指摘は否めないわけでございまして、今後改めて診療報酬を定める基準あるいは尺度というものをはっきりさせていこう、明確化させていこうという問題意識の下で、基本に立ち返った見直しを行うという方針でございます。
 具体的に申し上げますと、これも午前中の御質疑の中で御論議がございましたけれども、医療機関の機能あるいは規模に応じたコストというものが適切に評価される仕組みはどういう仕組みが適当か、あるいは技術の難易度、あるいは診療に要する時間、患者の疾病の種類あるいは重症度に応じた評価というものをどういう仕組みで診療報酬上体系化するのが合理的かと、こういったような観点で検討を進めたいと存じておりますが、今、有識者などの御参加も得て御議論させていただいているところでございます。
 引き続き幅広く関係者の御意見も聞く必要もございますし、さらに今年度中に基本方針を定めるということにいたしておるわけでございますので、鋭意検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
#200
○草川昭三君 今、おおむね一年後を目途として、ただいま包括評価の導入を図るという答弁がございましたが、特定機能病院の入院基本料についても一年後に今度は廃止をするというようなことも併せて何か出ておるんですか。そこをちょっと答えてください。
#201
○政府参考人(大塚義治君) これはちょうど、今も申し上げました、来年、一年後を目途といたしました入院医療の評価の包括化を前提とした見直しの裏腹でございまして、現在は入院基本料というものの上に様々な診療行為ごとの出来高と、こういう体系になっておるわけでございますが、今回、これを包括いたしますと、その裏返しといたしまして特定機能病院等における基本料というのは、この部分は廃止をすると、ちょうど一体のものと御理解いただければ有り難いと存じます。
#202
○草川昭三君 じゃ、少し今度は問題を変えまして、臨床心理職問題についてお伺いをしたいと思うんです。
 私は今年の二月八日の参議院の本会議でもこの問題を取り上げたわけでございますし、四月十六日の当委員会でも、近年急増しております心身症や神経症の患者に対する治療体制の充実を求める立場から幾つかの問題提起を行いました。
 最近、若い人たちの間に、心の不安や体の不調が原因となって起きるいわゆる引きこもりや不登校、それから食事を食べないという拒食と食べ過ぎの過食を繰り返す摂食障害、あるいは強いプレッシャーで急に動悸や息苦しさを感ずる過呼吸症候群というんですか、といったような症状が大変増えていると専門家の方々から指摘をされています。これは本会議でも申し上げたんですが、子供さんだとか学生ばかりではなくて、最近、社会人の間にも、もう会社に行くのが嫌だと言ってある日突然出社困難に陥ってしまうという方も随分お見えになりまして、家族ばかりではなくて企業等々においても非常に労務担当者から心配の相談を私どもも受けているわけです。そこで、専門家である心療内科医や臨床心理士などの援助がどうしても必要だということを本会議でもあるいは当委員会でも申し上げました。
 それで、今申し上げたような心身症や神経症を専門にするお医者さん、心療内科というんですか、これはお医者さんの数が少ない上に診療報酬などの面でも十分な手当てをされていないということを、これは私はその際も申し上げたわけです。
 一方、ここ最近、心療内科を標榜する開業医を訪ねる摂食障害に悩む患者の中には、いらいらなどが原因で起きて、自分の体を自分で傷付ける自傷、自らを傷付けるという、そういう重い症状の方々が目に見えて増えているわけです。今日は細かいことを申し上げませんけれども、私がかねてから主張しております摂食障害患者専門の入院施設の設置を改めて強くこの際要望をしておきたいと思うんです。
 そこで、心の専門家である臨床心理士などの問題でございますが、現在、厚生労働省は臨床心理士職の資格制度について研究班を作っていただいているようでありまして、医療・保健領域に限定をした医療保健心理士という名称の国家資格案をまとめつつあると聞いておるわけですが、私は、臨床心理士を始めとする臨床心理職の方々が公の資格、公的な資格がない中、それぞれの分野で活躍をされていることを非常に評価をいたしますし、何人かの方々にも私お会いをさせていただきましたが、その能力とか専門知識を安定的に生かすためには、何らかの公的資格があってもいいのではないかという立場なんです。
 ところが、厚生労働省がまとめようとしております医療保健心理士については、現場で臨床心理職に携わる関係者から疑問の声が出ておるわけでありますし、過日も某新聞に論点として投稿をされている方もおみえになります。
 それで一つ、一点目は、私は問題提起なんですが、臨床心理職の業務が医師の指示の下に行うとされている点で、心理職は医療以外の領域で心理的援助業務を行う場合も医師の指示が必要となるのではないか。これは私どもの素人の見解ですが、やっぱり医師との関係はそういうものが必要ではないかということですね。
 それから二点目は、心理職の教育について、医学教育に重点が置かれ、心理学というものが軽視をされていることになるのではないかという問題。
 これについて厚生労働省は現在どのように考えておられるのか、改めてお伺いをしたいと思います。
#203
○政府参考人(高原亮治君) 草川委員御指摘のとおり、これは極めて重要な領域でございまして、その臨床心理技術者の業務と資格の在り方につきましては、厚生科学研究費の事業におきまして研究をこれまで継続してきたところでございます。その報告書に関するお話だろうと思っておりますが、その報告書には次のような見解が示されております。
 この研究班で対象といたしました業務ないしは資格につきましては、医療機関における医療サービスの分野に限定しております。したがいまして、それ以外の領域については何も述べておりません。それから、この臨床心理技術者が行う心理療法若しくは心理的な関与を行う対象は、何らかの心身の障害や疾病を有している人が医療機関に来たというその場合の想定でございます。そういうふうな前提を置きまして、病院や診療所などの医療施設における臨床心理業務については医師の指示に従うというふうな構成で報告書をいただいている。
 これは、あくまでも研究班の議論でございまして、政府として、ないしは厚生労働省としての考え方は、これをまた諸般の関係者の意見を聴いて踏まえることになるわけでございまして、あくまでも研究班の議論でございますが、この研究班の議論にしたところでも、医療保健心理士、これは仮称でございますが、制度が適用される範囲を保健・医療分野に限定しているところでございます。厚生労働省の所掌分野の中でも、例えば福祉分野についてはこの制度でくくるということは取りあえずこの研究班では考えておりません。また、もちろん、例えば教育心理学のような教育分野に関する心理業務、そういった福祉分野や教育分野等について、そういった領域における心理業務にまで医師の指示が及ぶことは全く想定されておりません。
 それが委員御質問の第一点の話でございますが、続きまして第二点でございますが、この受験資格につきましては、大学において心理学を履修していただく、これは大前提でございます。更にそれに加えまして、医療・保健分野で、保健・医療分野で働いていただくわけでございますので、医療・保健関係法規等については履修していただくということも重要なことかと考えております。その後、医療機関での実習などによりまして臨床医学に係る基本的事項も修得することを要件として想定されております。
 したがいまして、心理学の基礎知識を必須とする、これは当然でございまして、心理学の軽視という御指摘は必ずしも当たらない、私どもはそう考えておるわけでございますが、あくまでもこれは研究班の報告書であるということで御理解いただければと考えております。
 以上でございます。
#204
○草川昭三君 たまたまそういう心配をする投稿もこれあり、今の質問をさせていただいたわけですが、前回も申し上げましたが、この問題は、厚生労働省と財団法人臨床心理士資格認定協会、これを所管する文部科学省との間に長年にわたって意見の相違があるわけでありまして、この点は四月十六日の当委員会においても私が取り上げまして、坂口大臣からいつまでも捨てておいてはいけないとの御答弁をいただいたわけであります。
 臨床心理職に対する期待は、医療に限らず教育やあるいはまた今日の司法矯正の分野からも寄せられているわけでありまして、どうかこの業務に携わる様々な立場の方々が忌憚のない意見を出し合う中でいい結論が生まれるよう、行政としても御指導のほどをお願いを申し上げたいという要望をさせていただくわけであります。
 そこで次は、この健康増進法案について少し議論させていただきたいわけでございますが、栄養不足時代の栄養改善法という法律から、豊かな時代における生活習慣全般にかかわる健康づくりの支援法にこの法律というのは拡充する、こういう呼び掛けというんですか、メーンスローガンで審議をしたわけでございますが、過日の参考人質疑等もいろいろな御意見があったわけでありますが、この問題を進めるに当たっては、各省庁間の縦割り行政の壁を乗り越える必要がある、政府全体として健康づくりに取り組む体制づくりが必要であるというように私は痛感したわけでありますし、また多くの委員からも同様の御発言があったと思うんですが、改めて、この点についてどう取り組まれるか、基本的な姿勢をお伺いしたいと思います。
#205
○国務大臣(坂口力君) 国民の健康を守ってまいりますときには、一生涯通じてその人がどういう経歴を踏んできたかといったようなことも大事でございますので、ある年齢によりまして厚生労働省でありましたり文部科学省でありましたり、あるいはまた厚生労働省に戻ったりといったようなことでは、なかなかうまくそこがいかないというようなことから、健康診断一つにとりましても、できるだけ生涯を通じて見られるようにしていこうといったことを言っているわけでございます。
 そういたしますと、各省庁間の連携というものが大事になってくることは御指摘のとおりでございます。これは、そこを乗り越えてやっていかないと、やはり国民の皆さん方から見て一番それがいい方向に行かないといけないというふうに思っております。
 また、健康診断一つを行うにいたしましても、先ほどからお触れになりました臨床心理士の問題一つを取り上げましても、これは厚生労働省と文部科学省との間でよく話をしないといけない。いつまでも同じようなことで、そして対立したままで放置をするということは許されない。やはり、そうしたこと一つ一つを早く積み重ねていかないと、国民にとりましては甚だ迷惑なことだというふうに思いますから、そこは私たちも真剣に取り組んでいかなければならないというふうに思います。
 それぞれの省庁がそれぞれの経過を持って設立したことであったといたしましても、それは省庁のためにあるわけではなくて国民のためにあるわけでありますから、譲るべきところはお互いに譲っていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
 その他、とりわけ地域とそれから職場の問題につきましても、地域と職場は、これはもう一人の人にとりまして、家庭に帰れば地域の人になるわけでございますし、またお勤めになれば企業の人になられる方も多いわけでありますが、それを企業の人あるいはまた地域の人というふうにふるい分けをして管理をする、あるいはまた健康の問題を考えるというのもいささかどうかというふうに思います。
 大変多くの省庁にまたがる話もあるわけでございますけれども、そこはひとつ大いに議論をすることは結構でございますが、一つの方向性に行けるように、よく協議を進めていきたいと思います。
#206
○草川昭三君 今、地域というお話がございましたが、全くそのとおりだと思うんですが、今回のこの法律についての資料を大分厚生省からもいただいておりますが、身近な自治体を中心に住民も参加をしておるというような先進的な活動をしている自治体としていい例があれば、この際どんな例があるか、少し御報告を願いたいと思います。
#207
○政府参考人(下田智久君) 平成十二年から実施をいたしております健康日本21の中で、地方自治体が地域の特色を生かして計画を作るようにというふうに呼び掛けてございます。平成十四年五月の時点で、三百を超える市町村が健康づくり計画を策定されたというふうに聞いておりますが、その中には地域の実情に応じて非常にユニークな形での計画が幾つか見られるところでございます。
 その中で先進的あるいはほかのモデルとなるような事業というものも様々ありますけれども、例えば栄養・食生活の分野の例といたしましては、佐賀県の江北町にございます祖父母と孫と共同で料理を作っていくと、こういった面白い取組をなされておるところもございます。また、運動といった分野でいきますと、岩手県の胆沢町、ここは住民からそれぞれのいろんな自分に合った運動による健康づくりのアイデア、こういったものが出されておりまして、運動アイデアブックといったものを作成し、配っておるというふうに聞いております。また、岐阜県の多治見市では、休養といった観点から、「こころいきいき生活宣言」なるものを推奨いたしまして、個人の休養に係る意識を促すという取組をされておられますし、滋賀県の大津市では、市民の健康づくりを支援する店あるいは商店街を登録するといった健康づくり応援事業といったものを町ぐるみでおやりになっていると、こういったユニークな取組を聞いておるところでございます。
#208
○草川昭三君 今具体的に幾つかの例が答弁されましたが、健康日本21の地方計画の策定状況というのを見ますと、すべての都道府県において、計画策定済みというのが、三千二百四十六のうち、策定済みというのがまだ百四十、十三年度中に策定予定というのが二百七十四、平成十四年度中に策定を予定するというのが八百三十九、それで平成十五年度に策定予定は二百五十一という、こういう数字が厚生省からいただいたのにあるわけでして、まだ未定というのが千七百四十二あるわけですよ。
 これはこれから始まることですから、そうあっという間に全国が一斉に動くというわけにはいけないと思うんでありますけれども、せっかく平成十四年度の事業費に予算も付いたわけでありますので、効率的な、ひとつ年代に応じた健康スポーツの振興だとか、あるいは生活習慣改善のための教育だとか健康診査の充実等、様々なメニューもあると思うんで、是非それは進めていただきたいと思うわけです。
 そこで、ちょっと飛びますけれども、時間がどんどん過ぎますので。
 気になることがあるんですが、若いうちから健康づくりが非常に重要だと思うんですが、働き盛りの世代の男性に肥満が増えていると聞くんですよ、言葉が悪いんですが。笑っている人がいますけれども、ちょっとここは真剣にこの議論をしなきゃいかぬのですが、どうも私もそういう感じがするんです。男の方が多いんです。
 それで、こうした世代に健康づくりに取り組むように、何かどういう方法があるのか。厚生省の数字を見ましても、肥満者の割合の変化というのは明らかに男性の方が右肩上がりで、女性の方が減っているんですね。これはもう何とかさんというような女性の有名なスターなんかを見ているから、そちらの方に引っ張られるかも分かりませんけれども、男がちょっとこれ上りが、カーブが高過ぎるような気がするんですが、その点はどうお考えか、お伺いしたいと思います。
#209
○政府参考人(下田智久君) 確かに、国民栄養調査を眺めてまいりますと、男性の肥満者の割合というのがすべての年代で高くなっているということは事実でございます。逆に、女性の若い世代、二十代とか三十代のところはやせている方々が増えているという、その逆の傾向も見られておりまして、非常にその辺は、男性の肥満とそれから若い女性のやせといった問題が最近注目をされておるということは事実でございます。
 そこで、成人の肥満者の減少といったことを健康日本21では目標の一つとして今まで運動を続けてきたわけでございますが、このことにつきましてはすべての様々な年代層に働き掛けをしなければ、どこか一つだけやっても効果がないといったこともございます。
 そういったことから、すべての年代に働き掛ける必要があるわけでございますが、特に働き盛りの壮年期にあって無理なく肥満解消を含めました健康づくりに取り組めるといったことをするために、休日、休暇を活用しました健康増進のための活動の促進、あるいは休養の重要性といったものを健康増進法案の基本方針の中に定めまして、関係団体等の幅広い協力を得ながら、この個人の健康づくりを支援する環境づくり、これを作ってまいりたいと考えております。
#210
○草川昭三君 是非それは進めていただきたいし、またPRもやっていただきたいと思います。
 それから、この健康づくりについて、実は私ども公明党はプロジェクトチームを作りまして、温泉をもっと活用したらどうだろう。これは地域の活性化という面もあるわけでございますが、健康づくりにおける温泉の活用をもっと大々的に、それこそ地方自治体等の協力を得たり、あるいはまた、何かこれは年齢別でも結構でございますし、いろんなやり方があると思うんですが、提案をしておるんですが、厚労省としての考えがあればお伺いをしたいと思います。
#211
○国務大臣(坂口力君) 温泉療法の有効性につきましては、もう少しやはり科学的なデータの蓄積ということも大事ではないかというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、昔から、健康と温泉というのはかなり皆さんの心の中にももう定着をしてきていることも事実でございます。健康づくりに対します社会的な支援の重要な柱の一つであることは間違いないというふうに思いますので、この基本方針の中にも位置付けまして、更にひとつ普及に努めてまいりたいというふうに思っておりますが、ただ、温泉というだけではなくて、いわゆる水を使いました健康療法、それは温泉の場合もございましょうし、それから冷水の場合もございましょうし、そこでの運動の問題もございましょうし、いろいろの問題があろうかというふうに思います。
 そうしたもう少し幅広い運動あるいは体に対する刺激、そうしたものの中で健康の問題をやはり考えていってはどうかというふうに思っております。
#212
○草川昭三君 これは是非、私どもも繰り返し、またこれからいろんな知恵を出し合いながら問題提起をしたいと思いますので、是非御協力をお願いをしたいと思うんです。
 それで、時間がどんどん迫ってまいりましたので、最後になりますが、社会福祉士関係について二問ほど質問をしたいと思うんです。
 それで、社会福祉士という制度がありますが、これは、日常生活に支障がある人に相談だとか助言あるいは指導、援助をする制度ですけれども、この資格を得るには社会福祉系の大学で指定科目を修了するなど、そのほかにも四つの方法があるんだそうですが、大変難しい国家試験を受けてこの資格を取るわけです。なかなか難関なようでございまして、ようやくパスをするという方々も御苦労されておみえになりますが、現在、この有資格者の現状あるいは希望状況、専門学校に入る場合にもテストがあるというようなことだそうですが、どんな現状になっておるのか、お伺いしたいと思います。
#213
○政府参考人(真野章君) 平成十四年六月末現在で社会福祉士の資格を取得されている方、これは三万七千八百二十二人おられます。
 社会福祉士の国家試験創設以来、受験者、それから合格者、両方とも年々増加傾向にございまして、昨年といいますか、昨年度、十四回目、今年の一月に実施をいたしました社会福祉士の国家試験では、二万八千三百二十九人の方が受験をされまして八千三百四十三人の方が合格をされた。三割弱ぐらいの合格率ということで、福祉士を希望される方が年々増加をしてきているという状況でございます。
#214
○草川昭三君 非常に私はいい傾向だと思うんですよ。しかも、若い方々が非常に熱心にトライをしておみえになるわけでございますし、今お話がありましたように、二万八千人の方が例えば最近受験をされている。難関で三〇%だという答弁でございますが、問題は、せっかく国家資格を取ってもなかなか勤め先というのがないんですね。有資格者は、障害者施設だとか老人福祉施設あるいは児童福祉施設等の指導員だとか福祉施設のケースワーカーとか社協、いわゆる社会福祉協議会の職員になることができますけれども、いわゆるそういう職員はまた別途の採用基準というのがあるわけでありまして、この必須条件にはなっていないんですね。
 ですから、せっかくの国家試験を取得しても利用されないような制度では宝の持ち腐れではないだろうかという声も非常に強くあるわけでありまして、もっと今日の福祉社会における活用方法というのは考えるべきではないだろうか。あるいはまた、何らかの施設なんかの許可の場合には、こういうせっかくのこの国家試験を受けられた社会福祉士というのをある程度何人か採用すべきだというような、そういう行政指導を私はあってもいいのではないかと思うんですが、その点どのようなお考えか、お伺いをしたいと思います。
#215
○政府参考人(真野章君) 平成十三年の三月に、職能団体であります社団法人日本社会福祉士会が言わば資格を持っておられる方の調査を行っております。
 回答をいただきましたのは七千八百人ほどでございますので、先ほどの資格を持っておられる方三万八千人弱に比べますとかなり母数は少ないのでございますが、回答されたうちの六割の方は、福祉施設等において相談員、指導員、又はソーシャルワーカーというような職種に従事をされているという回答をされております。
 こういう社会福祉に関します専門的な知識及び技能を有します社会福祉士がこういう福祉施設等の現場に広く活躍していただくということは、福祉サービスの質の向上につながるということで、私ども、非常に期待をいたしておりますし、望ましいことだというふうに思っております。
 また、最近のいろんな制度改正の際には、例えば介護保険法に関連いたしまして、いわゆるケアマネジャー、介護支援専門員の受験資格に社会福祉士というものを位置付けておりますし、平成十二年に児童虐待防止法、いわゆる児童虐待防止法が制定されましたけれども、その際、児童相談所のいわゆるケースワーカーであります児童福祉士の任用資格、又は児童相談所の所長の要件、これに社会福祉士というのを法律上明記をしていただきました。
 また、平成十二年の社会福祉事業法等の改正、社会福祉法の制定の際の目的の一つでございました例えば苦情処理、それから地域権利擁護事業、これらを県の社協に置かれます運営適正化委員会が行うということになっているわけでございますが、その運営適正化委員会の社会福祉に関して学識経験を有する者である委員、これに社会福祉士を明示をしていただくと。そういうようなことで、社会福祉士の持っておられる能力、それを積極的に活用するということでいろんな形の努力を行っております。
 今後とも、そういう福祉の現場における積極的な活用につきまして努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#216
○草川昭三君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、是非、今のような答弁を具体的にまた発展をさせていただきたいと思います。
 今日は、本当は最後に医療安全推進総合対策について幾つかの質問を事前に申し上げておりましたが、ちょうど時間になりましたので、また次の機会に譲らせていただきたいということで、おわびを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#217
○委員長(阿部正俊君) それでは、本日の質疑はこの程度といたしまして、これにて散会いたします。
   午後四時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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