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2002/06/04 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 文教科学委員会 第12号
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2002/06/04 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 文教科学委員会 第12号

#1
第154回国会 文教科学委員会 第12号
平成十四年六月四日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     扇  千景君     泉  信也君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         橋本 聖子君
    理 事
                阿南 一成君
                仲道 俊哉君
                小林  元君
                風間  昶君
                林  紀子君
    委 員
                有馬 朗人君
                有村 治子君
                泉  信也君
                大仁田 厚君
                加納 時男君
                後藤 博子君
                中曽根弘文君
                岩本  司君
                神本美恵子君
                輿石  東君
                鈴木  寛君
                山本 香苗君
                畑野 君枝君
                西岡 武夫君
                山本 正和君
   国務大臣
       文部科学大臣   遠山 敦子君
   副大臣
       文部科学副大臣  岸田 文雄君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       池坊 保子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       文部科学省生涯
       学習政策局長   近藤 信司君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       文部科学省高等
       教育局長     工藤 智規君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育公務員特例法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(橋本聖子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りいたします。
 教育公務員特例法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学省生涯学習政策局長近藤信司君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君及び文部科学省高等教育局長工藤智規君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(橋本聖子君) 教育公務員特例法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○後藤博子君 おはようございます。自民党の後藤博子でございます。
 いよいよ今日はワールドカップが開かれます、日本対ベルギー。我が大分県も中津江村のカメルーンで一躍有名になりまして、今日は大分県出身の仲道先生、阿南一成先生がいらっしゃいますのでちょっと宣伝をさせていただきました。(発言する者あり)ありがとうございます。そのワールドカップも、私たちに夢や希望を与えてくれるということでは非常に意義あるものだと考えております。
 それでは、今日は教育公務員特例法に関連しての質問をさせていただきます。
 今もお話ししましたように、ワールドカップが夢を与えてくれるという半面、先日、産経の五月二十九日のこれは新聞なんですけれども、これは日本とアメリカ、中国、三か国の意識調査をした結果なんですが、「どうなる日本の高校生」と、もうやる気や自信は、夢はなし、そして自分は駄目人間だということで七三%が断トツだったんですね。
 自分は駄目人間と思っている半面、自己否定的でありながら、また自分を変えようとする意欲は見られないということが書いてあります。そして、無気力な姿勢が浮き彫りになったということ、そしてまた、先生に親しみを感じると答えた割合は日本が最低だったということ。それから、この調査は五十五年にも同様の調査をしたらしいんですけれども、「日本の高校生の無気力、無意欲、無関心ぶりが、一層激しくなっている。このままでは将来が心配だ。高校生に自信と意欲を持たせるような教育が必要ではないか」と、こういう新聞記事がありまして、本当に今の社会を物語っているなと思います。
 国の将来を担う子供たちが、この国を担うことに大きな夢や希望を抱くことができて、生き生きと成長できる制度を是非一緒に作っていきたいと思っております。そんな祈りや願いを込めまして質問させていただきます。
 新たに十年経験者研修を義務化する理由についてのお尋ねなんですけれども、教育公務員特例法の一部を改正する法律案の概要に、改正趣旨として、新学習指導要領の下、基礎・基本を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの生きる力を育成し、心の教育の充実と確かな学力の向上を実現するためには、実際に指導に当たる教員に従来以上の指導力、力量の向上が必要とされるとして、教諭等の任命権者は、教諭等の在職期間が十年に達した後相当の期間内に、個々の能力、適性に応じて、教諭等としての資質の向上を図るために必要な事項に関する研修を実施しなければならないこととすると書かれておりました。
 法律案の概要には、教諭等の資質の向上のためと、その理由の一端が書かれておりますが、この十年経験者研修制度の義務化が第一線の先生方の意欲を大いに喚起して、研修を受けることがむしろ楽しみになって、受ける側のやる気や元気が出てきて、その研修後には先生方が明るく生き生きとした顔になって、その先生方に子供たちが接することで子供たちがまたやる気や自信や夢が持てるようになる、そういう研修を、そしてその研修を本当に受けて良かったと思えるような研修であるべきだと、そういうふうにしていただきたいと思います。
 ちょっと前置きが長くなりまして申し訳ありません。
 そこで、文部科学省に、新たに十年経験者研修を義務化された具体的な理由は何なのか、教えていただけませんでしょうか。そしてあわせて、十年経験者を特に重要な立場にあるとした認識の根拠は何か、お伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#6
○副大臣(岸田文雄君) 言うまでもなく、学校教育の成否は直接の担い手であります教員の資質に負うこと、大変大きいわけであります。そういった中にあって、新しい学習指導要領、この中で、基礎・基本を身に付けさせた上で自ら考える力を育成する、おっしゃるとおり、確かな学力の重要性が指摘されております。また加えて、心の教育の充実も盛り込まれているわけでありますが、新しい学習指導要領の中でより一層教員の指導力の向上が今求められているというのが現在の状況だと認識しております。
 そうした状況の中で、平成十四年二月、中教審において、教職十年を経過した教員に対する新たな研修が提言されたということであります。今回の法改正、こうした提言等を踏まえまして、教諭等としての在職期間が十年に達した教諭に対して、個々の能力あるいは適性等に応じた研修を実施する、このことを任命権者に義務付けるということとした次第であります。
 そして、十年経験者が特に重要な理由は何かという御質問でありますが、この部分につきましては、十年に達することによって複数の学校における勤務経験を経ておるということによって、どのような指導力や力量を持っておられるか、この辺り、今後の在り方等も含めて見込みを得ることができる、更にはどのような適性を持っているか、こういったことについても明らかになってくる、これがその十年という時期だと認識しております。
 この時期に研修を実施すること、指導力や力量を確保する上からも、また得意分野あるいは個性を伸長する上からも、大変時宜を得たものだというふうに考えております。
 こういった考え方から、十年経験者研修ということの重要性を感じているところであります。
#7
○後藤博子君 ありがとうございます。
 そういう目的、いろんな先生が今おっしゃったような理由がありますが、それについては内容がどのようなものなのか、そういう内容についての今度お伺いをいたします。
 十年経験者研修において、研修の内容が最も重要と考えますけれども、具体的な研修の内容が、私はちょっと資料を読ませていただきましたけれども、ちょっと具体的な内容が分かりづらかったのでどう質問していいか戸惑うところもありましたけれども、考え付いたことを質問させていただきます。
 まず最初に、教育職員養成審議会が平成十一年十二月に出した第三次答申の中で、これまでの教職経験者研修内容について、一つは研修形態が講義形式による一斉研修が中心で受講者が受け身になりやすい、二つ目には内容、方法が画一化され、教員自身のニーズに応じた研修が少ないなどなど、研修内容についての問題点が指摘されております。
 また、今年二月の中教審の答申の中に、新たな教職経験十年を経過した教員に対する研修について、従来型の教職経験研修とは内容を異にするとして、研修プログラムはその内容において相当程度多様なものになり得るとの提言がなされております。
 この提言を踏まえ、今度の十年経験者研修は、法律案要綱に、教員の任命権者が研修を受ける者の能力、適性について評価を行い、その結果に基づいて当該者ごとに研修計画を作成するとありますが、これまでの研修と内容においてどのような工夫と改善をするよう任命権者に指導を行うつもりなのかをお伺いいたします。
 今までいろんなたくさんの研修が、初任者研修に始まり、五年、十年、十五年といろんな研修がありますが、この十年研修に関しては特に工夫と改善をということが求められていると思いますので、その工夫と改善が、任命権者にどのような指導をするかということでお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#8
○国務大臣(遠山敦子君) 今、後藤委員の方からお話がございましたように、今回の十年経験者研修におきましては、これまでの各任命権者が行っておられました研修とは違いまして、その内容、実施方法においてより効果のあるものにしようとしているわけでございます。
 お話にも出ましたように、従来の教職経験者研修では一斉研修あるいは受け身的な研修が多かったわけですね。これに対しまして、新たに今法改正をお願いしております十年経験者研修におきましては、教員の一人一人の能力、適性あるいは経験、実績などに応じたものであるということを必要といたしておりまして、教員一人一人に応じてその内容等が相当程度多様なものになっていくということをねらいとしているわけでございます。
 そのために、研修の実施に当たりましては、それぞれの教員等の能力、適性等について評価を行って、評価といいます意味が指導力についての評価ですね、をきちっと行った上で一人一人の教員にふさわしい研修計画を作成していく。この点では従来型の研修の在り方と非常に違ってまいると思っております。
 では、その具体的な研修の実施方法はどうかということでございますが、これはそれぞれの任命権者が判断するものでございますけれども、私どもといたしましては、例えば教科指導に関する研修といたしましては、授業実践といいます、授業実践を相互に評価し合う授業研究でありますとか、あるいは少人数形式による模擬授業でありますとか、あるいは教材研究を通じた研修などを主に想定しているところでございます。
 それぞれの教員にふさわしい、かつまたその研修目的が十分達成されるような研修プログラムというものをそれぞれきちんと立てていただいて、実りある研修にしてもらうというのが今回の十年経験者研修の目的とするものでございます。
#9
○後藤博子君 ありがとうございます。
 本当に一人一人のニーズ、適応に合わせた研修であるということをお聞きいたしまして、それもなかなか難しいのかなと思うところもございますけれども、その十年研修の今度内容を作成されるメンバーの方々も重要になってくると思います。
 この内容作成メンバーの中には現職の教員やまた教員の経験者は入っているのでしょうか。この内容を作成されるメンバーはどのような方々なのか、またどのような経験をお持ちの方々なのか、お伺いいたします。
#10
○副大臣(岸田文雄君) まず、研修内容あるいは実施方法につきましては、研修の実施主体であります各任命権者がその権限と責任において各地域の事情等も踏まえつつ創意工夫を凝らして決定すべきものだというふうに考えております。
 その中で経験者等がかかわるのかどうかという点につきましては、各任命権者において、研修を実施するに当たりまして、各地域の教育センター等において教職経験豊富な指導主事等が中心となって研修内容の決定等、十年経験者研修の実施に向けた準備が進められるというふうに考えております。そうしたプロセスの中で様々な教職経験者、現職教員等、関係者がかかわっていくということが考えられるというふうに思っております。
#11
○後藤博子君 ありがとうございます。
 私もいろんな場面に出させていただき、いろんな方々とお話しすることがございまして、もう本当に子供に夢や喜びを感じさせる教師を育てるにはどのようにすればいいのかということを一生懸命考えている先生方もいらっしゃいます。教師の資質向上を具体的に取り組んでいる方、あるいはそういうことを一生懸命やっている方々をそのメンバーの中に入れていただくということで、是非、任命権者の方に御指導をよろしくお願いしたいと思います。
 では、次に行きます。
 教育職員養成審議会の第三次答申は、企業などでの長期社会体験研修の機会を充実させるように求めております。この長期社会体験研修は平成元年に千葉県の試みから始まりまして、平成十三年にはすべての都道府県と二十五の市で実施されていると聞いております。なぜ急速に増えてきたのか、教師にとって有効な研修足り得たからだと思っております。
 体験重視の姿勢が重要と考えますが、学校と全く異なる環境での経験は教員に新たな息吹を吹き込む可能性が多く今回の趣旨に合致すると思いますが、このような、このようなといいますと、長期社会体験研修をということではないんですけれども、こういう社会的な経験を積めるような研修をこの十年経験者研修の内容に組み込むよう任命権者の側に指導するお考えはありますでしょうか、お尋ねいたします。
#12
○国務大臣(遠山敦子君) 今、後藤委員が御指摘になりましたように、教員にとりましても社会における体験というのは大変いろんな意味で有効であろうと思います。そのようなことから、それぞれの任命権者におきまして、研修の一環としてそういう長期の社会体験研修のようなものを取り入れているところもかなり出てまいったところでございます。したがいまして、今回の十年経験者研修の具体的な研修内容、実施方法などはそれぞれ実施主体である任命権者が企画をし、その権限と責任において工夫を凝らしてやるべきものだと思いますけれども、そういった観点も必要かと思います。
 ただ、これを一律にそれぞれの県でこの十年経験者研修の中に取り入れるようにというのは、やはりこれはまた実情によって違うものでございますから、そのことを一律にこちらから指導内容に入れ込むというのはどうかとは思いますけれども、そういう社会体験研修の重要性については一般論として非常に大事だと思っておりまして、研修の中で、全体的な研修の中でそういうものを取り組むことの重要性については、私どもも繰り返しこれからも指導、助言させていただきたいなと考えているところでございます。
#13
○後藤博子君 ありがとうございます。
 学校の先生というのはどうしても、狭くなると言うことは大変先生に対して失礼なんですけれども、どうしても学校の中だけで過ごしておりますとマンネリ化もできてきますし、親の願いとか親の考え方とか、親がだんだんだんだん若くなっていったり、世代が代わることによって親の考え方も変わってまいりますし、また社会と先生とのずれといいますかミスマッチも生じてくると思いますので、是非、先生方には、先生方自分自身がまたリフレッシュするためにも外に出ていって社会体験を積まれるということで、一言御指導の中に入れていただければ、任命権者の方々も、文部大臣が言われると、ああ、そうか、それはやっぱり取り入れなきゃといって前向きに検討するのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 このごろは本当に児童による悲惨な事件が起こっておりまして、もう毎日毎日新聞をにぎわしております。それを読むたびに大変つらくてやるせない思いに駆られることがあります。社会全体にもっと規範といいますか、道徳力というような力が社会全体に満ち満ちていればと思うことが、私だけではない、皆さんも感じていらっしゃることだと思います。
 前回、私が三月二十日の質問のときに、私の道徳教育に対する質問に対しまして遠山文部大臣は、「私は、道徳といいますか、少なくとも人間として生きる基本的なルールというものはしっかり教え込んでいく必要があろうと思います。」と御答弁をいただきました。でありますなれば、この十年経験者研修の中に道徳教育について組み込むようまた任命権者側に指導するお考えはおありになるでしょうか。すべてが任命権者にお任せというのは、そういうことがありますので、この道徳教育についてまた指導をするお考えがあるかどうかをお伺いいたします。
#14
○国務大臣(遠山敦子君) もちろん基本的には十年経験者研修のプログラムにつきましては任命権者がそれぞれの工夫において決定するものでございますけれども、今、後藤委員御指摘の道徳教育の重要性というのはもう言うまでもないわけでございます。これは、何も十年経験者のみならず、すべての教員がこのことの重要性についてはしっかりと認識をしていただき、また実際のカリキュラムの中でこれを実現してもらいたいと思うわけでございます。
 そういう道徳教育について適切に指導できる力量を持つということは大変すべての教員について求められているところでございますので、十年経験者研修の内容の一つの例としては、これは十分に取り上げてもらうこともお願いできるのではないかと思います。ただ、基本は、それぞれのところでそれぞれの任命権者が考えながらという基本は崩さないまでも、この点の重要性については申すまでもないと思うわけでございます。
#15
○後藤博子君 ありがとうございます。
 また、もう一つ、遠山文部科学大臣は「学びのすすめ」において、心の教育の充実と確かな学力の向上を強調されております。この二つの課題を実現するために、十年経験者研修の内容にどう具体的に反映させるよう任命権者側に御指導をするのでしょうか。そのお考えがありましたら、また併せてよろしくお願いいたします。
#16
○副大臣(岸田文雄君) 十年研修の内容ですとか実施方法につきましては各任命権者が決定すべきものでありますが、文部科学省としましては、各任命権者において本制度の趣旨に沿った適切な研修が実施されるよう、通知ですとかあるいは各種会議を通じまして文部科学省として想定しているものを示してまいりたいというふうに考えております。
 そして、想定している研修としては、例えば長期休業期間中に、教科指導、生徒指導等に関する研修として、指導主事やベテラン教諭を講師として、その指導の下、少人数形式による模擬授業ですとか、教材研究等を通じた研修、さらにはケーススタディー等を通じた研修、こうしたものも想定しておりますし、また、個々の教諭等の得意分野づくりを進めるための研修として、選択制によりまして、環境教育とか情報教育とかカウンセリング等の特定教科や分野に関する研修、あるいは先ほども出ておりましたが民間企業における社会体験研修、こうしたことが想定されると考えております。
 こうしたものを通じまして、御指摘の心の教育、そして確かな学力、こうした大きなねらいを実現するために成果を出してまいりたいと考えております。
#17
○後藤博子君 ありがとうございます。
 殊に、心の教育の充実につきましては、心のノート、せっかくいいものが、非常にすばらしいものが出ておりますが、心のノートの有効利用が大変重要になってくると考えます。しかしながら、これは現場からちょっと声を聞いただけなので、すべてとは申しませんけれども、教育現場からは、心のノートは職員室に山積みになっているとか全然使っていないとか声がちょっと聞こえてまいりました。それで、費用といたしましては七億六千万の費用も国費をつぎ込んでいらっしゃいますし、心の教育の実践の切り札として投入されたものだけに、何とか有効な活用ができないものかと私も望んでおります。
 三月二十日に心のノートを質問しました折に、心のノートの使い方についての一律の研修は行わない旨の回答があったと記憶しております。子供たちに対する押し付けではなく、気付かせることはとっても重要なことであり、中堅教員たる十年経験者の指導や研修は必要なのではないのでしょうかと思いますが、それについてお伺いいたします。
#18
○政府参考人(矢野重典君) 心のノートにつきましては、それぞれの学校が工夫をして学校の教育活動全体を通じて活用されること、そしてまた様々な研修等の機会を通じてその活用の仕方について研究がなされることを期待をいたしているところでございます。
 そこで、十年経験者研修において心のノートの活用の仕方について取り上げるかどうかということについてでございますが、我が省といたしましては、このようなたぐいの資料としては初めてのものということもございまして、取り上げていただきたいという希望を私どもとしては持っているわけでございますが、このような十年経験者研修の具体的な内容等に係る事項につきましては、基本的にはこれはそれぞれの任命権者の判断にゆだねるべきものであるというふうに考えるものでございます。
#19
○後藤博子君 ありがとうございます。
 今回、質問を作成するに当たりまして多少なりとも勉強させていただきました。既存の研修の実体系を見れば、国のレベルや都道府県や市町村、学校、教員レベルまで、様々なレベルや経験年数、専門にかかわる研修が非常にたくさん用意されております。そして今、初任者研修に加え、十年経験者研修が義務化されようとしております。
 これら様々なレベルの研修と種類はその必要があって組み立てられてきたものであると思いますけれども、教育現場からは、先生方の声は、忙しい忙しいとの先生方の声が聞こえてまいります。そうであれば、研修の方法や種類を工夫し、研修体系をもう少しスリムな体系に見直すことはできないのか御検討をいただければと思っております。特に質問ではございませんが、もしコメントがありましたら、よろしくお願いいたします。
#20
○副大臣(岸田文雄君) 研修体系のスリム化につきましては、平成十一年の教育職員養成審議会第三次答申におきまして、その課題に適切に対処し、あるいは必要な教員の資質能力の向上を図る内容に精選することが必要であるという答申を受けております。
 文部科学省としましても、十二年二月に通知を発して指導を行ったところでありますが、この辺りの答申、通知を踏まえまして、例えば研修事業を教育センターに一元化するなど、精選、見直しが行われていると認識しております。この辺り、現状につきましてはしっかりと把握に努めるとともに、今後も指導をしていきたいというふうに考えております。
#21
○後藤博子君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 次に、じゃ簡単で結構ですので、お答えくださいますようにお願いいたします。十年経験者研修の期間についてなんですけれども、研修の期間としてはどのくらいを想定していらっしゃいますでしょうか。さきの中教審の答申には、その期間において「相当程度多様なものになり得る」と記されております。期間が研修を受ける教員のニーズに応じて決められるとしたならば、研修期間の幅の許容範囲はどのくらいまでを考えていらっしゃるのでしょうか。簡単で結構です。お願いいたします。
#22
○副大臣(岸田文雄君) 期間につきましても各任命権者の判断にはなりますが、一応その目安としまして、校外研修、校内研修それぞれ二十日程度を文部科学省としては想定しております。ただ、これは上回ること、下回ることは可能でありますし、その研修の趣旨自体が、個々の能力や適性に応じた研修というのが研修の趣旨でありますので、これは弾力的に決せられるものだというふうに考えております。
#23
○後藤博子君 ありがとうございました。
 次に、研修の評価についてのお尋ねでございます。
 研修の評価に関しまして、本年二月の中教審の答申は、これまで行われてきた各種の研修についての評価について、「研修やその成果についての評価が十分になされてきたとは言えない。」とちょっと厳しい評価を下しております。私立学校は、経営環境もありまして、総体として一人一人の先生方に対する評価が大変厳しく、配置転換はもちろんのこと、ケースによっては罷免される場合もあると聞いております。それに比べまして、教育公務員の場合、辞めさせられないとの前提があるためか、評価に対してさきのような中教審の答申になるのではないかと思います。時代は変わってきておりまして、教育公務員といえどもその成果に対し公正に評価を受けることが必要と考えております。
 そのような観点から、今回の十年経験者研修、十年経験者の研修後の評価はどのようにされようとしていらっしゃいますでしょうか。また、その基準も併せてお尋ねを申し上げます。
#24
○政府参考人(矢野重典君) 十年経験者研修の研修後の評価は、事前に実施する研修とは異なりまして、法律上の定めはなく、各任命権者の判断にゆだねられているところでございます。
 ただ、我が省といたしましては、十年経験者研修終了後も引き続き受講した教諭等の資質能力の向上を図っていくためには、研修終了後に再度評価を行って、その結果をその者に対する今後の指導や研修に活用していくことが望ましいと考えているところでございます。このため、私どもといたしましては、こうした考え方につきまして、法律案が成立した後、通知等によりまして任命権者に、それぞれの任命権者にその旨を周知してまいりたいと考えているところでございます。
 また、研修終了後における評価の基準についてのお尋ねでございますが、これはそれぞれの任命権者が判断するものでございますけれども、それが事前に行う評価とおおむね同じものになるという場合につきましては、我が省といたしましては、事前の評価の基準等について一つの参考を、参考となるものをお示しをしたいと考えておりますことから、その事前の評価の基準の参考になるものが事後の評価の際にも一つの参考になるものではないかというふうに考えているところでございます。
#25
○後藤博子君 ありがとうございました。
 任命権者、任命権者という言葉が盛んに言われておりまして、ああやはり任命権者がすべてを、責任も、その実行もされるのかなと、今ちょっと思っております。後で少しそれに関連して質問させていただきますので、次に行きます。
 研修を受けて学校現場に戻っても余り改善の見られない教員について、様々な対応をしても結果的に改善が見られない場合はどのような対策を考えておられるのでしょうか。また、どのランクの研修であれ、研修を受ける本人の主体的な取組があって初めて成果は上がるのではないでしょうか。今回の十年経験者研修に当たって、改善の見られない教員の減少が求められると思います。
 法律案要綱に、教員の任命権者が研修を受ける者の能力、適性等について評価を行い、その結果に基づいて当該者ごとに研修計画を作成すると書かれてありますが、研修を受ける前に任命権者と当該教員が十分に話し合い、その教員の自己啓発も勘案されて研修計画は作成すべきと考えますが、いかがでしょうか。受け身の研修が積極的な研修へと変わり、改善の見られない教員の減少につながるのではないでしょうか。よろしくお願いいたします。
#26
○政府参考人(矢野重典君) 二点お尋ねがございました。
 一点は、いわゆる指導力不足教員についてのお尋ねでございますけれども、この指導力不足教員につきましては、これは、今回の教職経験者研修が十年に達した者について行うわけでございますけれども、これは十年に達するか否かにかかわりなく迅速にそうした教員について実態を把握して直ちに指導力の改善に向けた指導でございますとか研修等に取り組むことが必要であるわけでございまして、今回の十年経験者研修とは別途そうした教員についての対応はなされるべきものというふうに考えております。
 我が省では、現在、すべての都道府県教育委員会等に対しまして、指導力不足教員に対応するための人事管理システムの構築が促進されるような研究事業を委嘱しているところでございまして、こうした事業等を通じまして、指導力不足教員への適切かつ迅速な対応がなされるよう、今後とも引き続き指導してまいりたいと考えております。
 それからもう一点のお尋ねは、研修計画を策定するに当たって本人の希望等を聴くことについてのお尋ねでございます。
 御指摘のように、十年経験者研修は、その者の能力、適性等について評価を行って、それに基づいて実施することとされているわけでございますが、正に御指摘のとおりでございますが、教諭等の研修意欲を喚起いたしますとともに、研修の内容をより良く、適切なものとするためには、十年経験者研修の実施前に行います評価あるいはその評価に基づく研修計画書の作成に当たりまして、教諭等の自己評価でございますとか希望等を聴取することは望ましいことというふうに考えているものでございます。
#27
○後藤博子君 ありがとうございました。
 いろんないい制度ができます。文部科学省もたくさんの、「学びのすすめ」もそうですし、先ほどの心の教育に対しての心のノートもそうです。たくさんいろんないいものを各都道府県に示し、またその任命権者にも御指導がなされているということを今までお伺いいたしました。
 今回は、この十年研修ということなんで十年研修ということで言わせていただきますが、十年研修が効果的に今度は実施されているかどうか、文部省はチェックといいますか、私ども会社、企業の中ではプラン・ドゥー・チェックというふうなサイクルがありまして、プランを起こし、行動し、それをチェックしてまたフィードバックするというそういうサイクルで行っておりますので、文部科学省も、いい研修を出した、そしてそれを行ってもらい、そしてそれをチェックして、実際有効に使われているのか、実際それがきちんと文部科学省が示したような思いの中で取り上げられて十分に活用されているかどうかという、そのチェックはあるのでしょうか、それとも、それも任命権者にやはりお任せということでなるんでしょうか、その辺を少し具体的にお伺いしたいと思います。
#28
○政府参考人(矢野重典君) 今度の国会でこの法案がお認めいただいて来年度からこの新しい十年経験者研修が実施されますれば、私どもとしては、それに合わせて、この事業を応援するようなそういう補助事業等も併せて考えたいと思うわけでございますが、同時に、この事業が各都道府県教育委員会において実施されますならば、その実施の状況をフォローいたしまして、効果的に行われているか、あるいは改善すべきことはないかといったような観点からフォローをいたしたいと思っております。そうしたフォローをして、必要な指導等については継続して対応をしてまいりたいと、かように考えているところでございます。
#29
○後藤博子君 フォローするということですが、じゃ、ちゃんと任命権者との話合いがあったり、任命権者の方々との懇談があったり、いろんなその現場でのことが十分把握できると、されているということでよろしいでしょうか。
#30
○政府参考人(矢野重典君) 私どものフォローの内容といたしましては、研修の具体的な状況、あるいはその実態も含めてフォローをいたしたいと思っております。
#31
○後藤博子君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 先ほどもう既に言われましたんですけれども、指導力不足教員についてということで、五月二十四日の日経の新聞の夕刊に指導力不足教員についての記事が掲載されておりまして、何か定義にばらつきがあるというふうなことを書かれておりました。各県の実態が積み重なってくる中でのことと思いますが、各県に対応の差が出ないように調整を図る必要があるのではないでしょうか。
 だから、定義というものをある程度国が示すことをしないと、各県の任命権者がやるんでしょうけれども、ある程度の基準があって、それで各県に合わせた自分たち独自のまた基準づくりといいますか、そういうものができ上がるのではないかと思いますが、その点についてよろしくお願いいたします。
#32
○政府参考人(矢野重典君) 指導力不足教員の定義でございますけれども、それは一般的な定義としてあるものではございません。指導力不足の教員の定義というのは、これは任命権者でございます都道府県の教育委員会が、それぞれの地域の実情を踏まえて、今後どのような指導や研修あるいは人事上の措置を講じるべきかという観点から、そのような対応を要する教員の対象をそれぞれの教育委員会、それぞれの任命権者が定めまして、それについて具体の対応を行うものでございまして、そういう意味で、国として一律にいわゆる指導力不足教員の定義というものを定めることはなじまないし、またその必要性もないものというふうに考えているわけでございます。
 ただ、一点、この指導力不足教員のことだと誤解があってはいけませんのは、昨年の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正によりまして、指導が不適切な教員、これは法律上の用語でございますが、指導が不適切な教員を都道府県の教員以外の職に転職させる、そういう制度が作られたわけでございますが、この法律の対象となる指導が不適切な教員につきましては、これは各県余りばらつきがあるようなことでは困るわけでございます、国の制度でございますから。そういう意味で、私どもといたしましては、指導が不適切な教員の具体的な類型等につきましては、既に施行通知や各種の会議等で各都道府県についてお知らせを申し上げて、周知を図っているところでございます。
#33
○後藤博子君 分かりました。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
 学校の先生方もそうなんですけれども、学校の今度事務職員のちょっと研修の制度についてお尋ねいたします。
 教育職員養成審議会の第三次答申には、学校事務職員に関して、その専門性を高めるための研修や、学校の機能的運営に一層役割を果たす意識及びそれに必要な知識を高めるための研修の充実を図るとの提言がなされておりますが、事務職員もまた教員同様、新しい時代にふさわしい力を身に付けるために研修の充実を行うべきだと考えます。
 そのために、事務職員研修の充実、制度化促進のため、文部科学省より各都道府県教育委員会あてに通知を出すお考えはないでしょうか。その際、各都道府県教育委員会、政令市教育委員会、中核市教育委員会がそれぞれの責任において、学校事務職員等々教員以外の職種の研修充実について具体的に取り組むよう通知をしていただければ有り難いと思いますが、その辺をお考えをお伺いいたします。特にリーダー研修という意味ではありません。全般的な職員に対する研修ということでとらえていただきたいと思います。
#34
○政府参考人(矢野重典君) 学校におきましては、校長のリーダーシップの下で専門性を異にする教職員、その中にはもちろん事務職員も含むわけでございますが、教職員一人一人がそれぞれの専門性を最大限に発揮しながら、一致協力して学校運営に当たることが必要であるわけでございます。また、近年、学校裁量権限の拡大等に対応するために、学校事務職員等の教職員がその専門性を向上させることが強く求められているというような状況にあるわけでございます。
 このため、我が省といたしましては、一つは、それぞれの教育委員会に対しまして、これらの教職員の専門性を高め、学校運営への積極的な参画を促す観点から、研修内容の充実に努めるよう指導をいたしておりますとともに、独立行政法人教員研修センターにおきまして指導的役割を果たす教職員に対する研修を実施いたしているところでございます。
 そこで、各都道府県教育委員会における学校事務職員に対する研修につきましては、任命権者によって適切に実施されるべきものでございますけれども、その重要性にかんがみ、御指摘のとおり、その重要性にかんがみまして、十年経験者研修を実施いたします際に通知を予定しているわけでございますが、その通知におきましても、学校事務職員等の教員以外の職種の研修充実につきまして、それぞれの教育委員会等に対して積極的に取り組むことを促してまいりたいと考えているところでございます。
#35
○後藤博子君 ありがとうございます。
 学校の現場の職員の方にも知り合いがいるんですけれども、やっぱり自分たちも学びたい、一緒に勉強したい、そういう声がありましたので、通知するかどうかをお伺いいたしました。ありがとうございました。
 後は、時間が少しありますので、この十年研修にかかわる質問と少し違ってくるかと思いますが、今いろんな、学校の現場もそうですし、家庭科のノートもそうですし、いろんなところで問題といいますか、どうなのかなと首をかしげることがあります。
 その中に、「新子育て支援―未来を育てる基本のき」という、これはお読みになっていらっしゃると思いますけれども、これは財団法人の日本女子社会教育会が文部科学省の委託事業として発行した「新子育て支援―未来を育てる基本のき」ですが、それについてのお伺いでございます。この冊子については、四月十四日に産経新聞が一面トップ記事として取り上げましたので読んでいらっしゃる方も多いと思います。
 まず最初に、文部大臣にお尋ねいたしますが、大臣はこの冊子をお読みになられましたでしょうか。また、読まれておりましたら、率直な御感想をお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いいたします。
#36
○国務大臣(遠山敦子君) 私、それほど詳しく見ているわけでございませんけれども、いろいろ話題になりましたので散見をしているという状況でございます。
#37
○後藤博子君 ありがとうございます。
 お時間も、お忙しいと思いますが、ゆっくり目を通していただきたいと思います。
 この冊子は、子育てはジェンダーフリーでという思想が軸として強調されており、その観点から様々な提言がなされております。
 その一つとして、三歳児神話に縛られていませんかとの表現も見られますが、三歳児神話に対しては定説がまだ定まっておらない段階での、定説でない学説の一部の主張が肯定的に取り上げられるのはいかがなものでしょうか。省として、民間の出版物だからとお考えかもしれませんけれども、文部省の委託事業として補助金を得て刊行されたものだけに、文部省の見解と一般にはみなされますが、省としての見解はどうなのでしょうか。
 この裏側に文部科学省委託事業ということで印刷されているものですから、これ見る方は、これは文部省が出した参考書なんだ、参考になる本なのだということで多分取り上げていくと思います。それにまたかかわる費用も掛かっているわけでございますから、文部省のこれに対する見解はどのような見解をされているのか、お尋ねいたします。
#38
○国務大臣(遠山敦子君) これは、先ほど御紹介ありましたように、文部科学省の委嘱事業としてお願いしたものでございます。
 物の見方によっていろいろとらえ方もあると思いますし、子育てについては多様な考え方があると思います。その中で、ここで取り上げていることがもし押し付け的になるのであれば、それはもう少し配慮がそれぞれの指導の場合に要るのではないかなと思いますが、この本が出てきた背景といたしましては、私は、日本の社会はまだまだ男性優位の社会であると、そんな中で女の子たちが自信を持って生きていけるようにというベースがあるのではないかと思います。
 それで、三歳児神話のことでございますけれども、平成十年版の厚生白書におきまして、母親と子供の関係を分析する中で、三歳児神話には少なくとも合理的な根拠は認められない旨の記述がありました。
 もちろん、子育てにおきます母親の役割というのは大変重要であることは申すまでもなく、接する時間の多い少ないは別として、母親は十分に愛情を注いで子供に対処すべきであると思いますが、ただ、それを母親だけに子育てを任せるというのでいいのかというような考え方はもちろんあるわけでございます。父親と母親とともに責任を持って親としての役割を果たすべきであろうかと思いますし、また、保育所を始め地域のいろんな施設あるいは関係者も子供の健やかな成長に向けて協力をしていく必要があるのではないかと思います。
 その意味で、私は、子供がしっかりとした愛情の下に、しつけられるべきことはしっかりしつけられて、そして自らの生き方について、正しいこと、そうでないことを判断する力も持ってしっかりと生きていく、そういうことが大事でございまして、そのために、いろんな資料を作ったり、あるいは学校での教育をしっかり行ったり、そういう形で、文部科学省としてはいろんな方法を用いまして健やかな子供の成長に向けて支援をしてまいりたいと思っております。
 その際には、男の子、女の子ということも大事でございますけれども、私は、まず基本に、人間としてしっかりと立派な人間に育つようにということのベースが大変大事ではないかなというのは、これは私の個人の感想でございますが、そんなようなことをベースにしながら、私どもとしてもできるだけその方向に向けての努力を今後とも続けてまいりたいと考えております。
#39
○後藤博子君 ありがとうございます。
 幅広い考え方もおありになる大臣のおっしゃることも私も十分分かりますが、余りに一方的に、これ、今日は資料をお配りしていると思いますけれども、先ほど男らしさ、女らしさと、人間らしくということを言われました。その人間らしさという中に、やはりそれは男であったり女であったり、その自分の性というものをきちんと認識した上で、そして人間らしく生きるということが大事なのではなかろうかと思います。
 そういう点では、いい意味での男らしさや女らしさとしての男らしい、女らしい、子供の、この本の中なんですけれども、名前の付け方も、男だからといって男らしい名前を付けるのもおかしいとか、女だからといって女らしい女の子の名前を付けるのもおかしいとか、そういうことまでここの中に書かれているわけですね。
 そして片方で、もう一つは、そういうこともちょっとおかしいかなと思うのと、こいのぼりやひな祭りのおひな様まで否定しているんです。日本人としての伝統文化や美意識まで否定することにつながる危険性がないのかなということと、この冊子は、四月一日付けの送り状が添付されて配付されまして、同じ十七日に、さきに送付した冊子につき誤解しないようにとの説明書がわざわざ送られてきました。このことは、いかにこの冊子への批判が多かったかを物語るものだと思います。
 この事実を省として調査しておられますでしょうか。このことに対し、文部科学省はどのように考えているのでしょうか。また、委託事業費交付の基準はどうなっているのでしょうか。非常にこの「基本のき」を見たときに、中身を読んだときに、えっ、これでいいのかということを非常に思いましたので取り上げさせていただきました。よろしくお願いいたします。
#40
○政府参考人(近藤信司君) まず、委託事業費交付の基準でございますが、この委嘱事業につきましては、地域的な女性団体、グループから成ります実行委員会でありますとか、あるいは全国的規模の女性教育関係団体に対しまして、男女共同参画の視点から、地域社会づくり等に参画する学習活動やその成果の普及を図る事業を委嘱をすると、これが趣旨でございまして、その委嘱に当たりましては、団体等から提出されました事業計画書の内容を勘案し、例えば、実行委員会に男性の参画があることでありますとか、そのテーマが選ばれている男女共同参画基本計画との関連が明確であることとか、いろんな観点から選考することといたしておりまして、さらに、私ども文部科学省におきます企画運営委員会、これは学識経験者等で構成をされておるわけでありますけれども、その選考を経て決めておるわけでございまして、予算の範囲内で事業に要する経費を支出すると、こういう手続を経て実施をしておるわけでございます。
 御質問のこの冊子につきましては、私どももその財団からもお話を聞いたわけでありますけれども、趣旨としては、一般的に女の子、男の子に対してなされている多様な働き掛けの事例を掲げることで読者が性別について考えるきっかけとすると、こういう意図であるということでございまして、今、委員御指摘になりました四月十七日付けで、更にこの資料作成の趣旨、内容を改めて資料配付先に説明をしたということでございます。
 また、私どもは、ちょうど四月の下旬に都道府県・指定都市教育委員会の生涯学習・社会教育担当課長との会議がございました。その会議の場におきまして、この一連の経緯でありますとか、この資料の趣旨の説明を十分にいたしました。また、各都道府県におきますこの当該資料に対するいろんな反応等についてもお伺いをしたわけでございますし、また、この五月の下旬でございますが、全国社会教育主事の研究協議会がございまして、そこで実際に男女共同参画に関する事業を担当しております教育委員会の職員等と、この資料につきまして、この内容についてもいろいろ意見交換をしたわけでございます。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今後とも、教育委員会関係者等の意見も踏まえながら、いろんな機会をとらまえまして男女共同参画社会の実現に向けた学習の進め方について適切な対応について周知徹底を図ってまいりたいと、このように考えております。
#41
○後藤博子君 ありがとうございます。
 いろいろ、既にこうやって出てしまうんですね。いろいろ検討をされているでしょう。また、男女共同参画社会、私も大事なことだと思います。しかし、そういう中で、お話合いの中で、その方々は十分に理解してこの冊子を出されたと思いますけれども、一般的に、一般の方々がとらえたときには非常に危険性があると思います。もうこれ以上言いませんけれども、是非その辺は十分に検討されて、本当に国民に対して身近なところにいる物の考え方といいますか、そういうことを是非考えの中に入れていただきたいと思います。
 そして、もう一つは、これは「基本のき」なんですけれども、来春の高校で使用予定の一橋出版の家庭科教科書「家庭基礎」には、男らしさ、女らしさについて、自分が受けたしつけについて点検させる研究課題を生徒に与えています。ちょっと読んでみます。「子どものころ、自分が親からどんなしつけを受けたかということについて話し合おう。「女の子らしくしなさい」「男の子のくせに」と言われたのは、どのような場面で、何をしたときだったか比較してみよう。」、そういうふうに親のしつけを高校生に点検させるという、そういう教科書があるわけです。親のしつけを子供に点検させるというのはいかがなものかと思いますが、こういうことも教科書の中で来年既に使われようとしております。
 今言った、親のしつけを高校生に点検させるということについて、じゃお伺いをいたします。大臣のお考えをお伺いいたします。
#42
○国務大臣(遠山敦子君) 検定済みの教科書の記述につきましては、いずれも学習指導要領、それから検定基準などに基づいて教科用図書検定調査審議会の専門的な審査を経て、検定で許容されているものでございます。
 御指摘のその教科書の記述は、男女が協力して家庭を築くことの意義などについて考えさせるという学習指導要領の内容を踏まえて、家庭での男女平等の意義などについて学習させる中での記述であると承知しております。これは、性別による固定的な役割分業意識や習慣を見直すことなどを記述した本文との関連で、研究課題として生徒に自分が受けたしつけについて話し合わせるというものでございます。
 先生のおっしゃる意図も私もよく分かるところでございますけれども、この記述は、親のしつけを点検することを目的とするということではなくて、性別による固定的な役割分業意識などを見直すという観点から、性別によって差別されることなく男女が平等に生きることができる社会を実現する意義について理解を深めさせようとするものであるというふうに受け取っているところでございます。
#43
○後藤博子君 ありがとうございます。
 そのような考え方で指導するんだということを先生方が十分に、お一人お一人の先生方、学校にはたくさんの先生方がいらっしゃいます。十人十色と申しまして、いろんな性格の先生方もいらっしゃいますし、考えもいろんな考え方を持つ先生方もいらっしゃいますが、そういう先生方に、これは私が心配したようなことは絶対ないということがお約束といいますかできますでしょうか。
 その辺が、非常に出てしまって、教科書が出回ってしまって、そして後になって、これはちょっとおかしいと、これはちょっと行き過ぎたとか、これはちょっと考え方が余りに一方的過ぎるということを後になって反省したりいろいろ改良しても、そのときに教えられる生徒、そのときに携わる子供たちというのはそれを教えられるわけですから、それが非常に心配です。今の子供たちのこの現状を見る中で、本当に周知徹底しているのだろうか。
 国はいろんな制度を作って任命権者に投げ掛け、任命権者の方々がそれをまた受けてやるという、それはそれですばらしいことでもあります。そういうシステムであればそのシステムを尊重したいと思いますが、そのときに国が、この制度はすばらしい制度ですよ、心の教育、ゆとり教育はすばらしい制度ですよ、だから一緒にやりましょうということで、何ですか、国の文部省そのもの、大臣そのものが、これ大変失礼な言い方ですけれども、私はもっと強調されて、もっと強力な指導がそこでなされてもいいのではないかと。任命権者に任せるということで任命権者の方々、都道府県の方々を尊重されておりますが、どうもそこに一抹の不安を感じ、国としてぴしっとした態度が足らないかなと、大変失礼な言い方なんですけれども思います。
 私は、大臣始め皆様を尊敬しておりまして、私自身も一緒になって子供たちの未来のためにはどうすればいいかということを日々微力ながら考えております。だから、幼稚園、小学校、中学校、高校、そして文部科学、そして私たち国会議員、それが、今私たちが変わらないと変わらないと思っています。だから、変われ変われ、変えます変えますと言っても、私たち自身、携わる私たちがまず変わらないと国の教育も日本も変わらないと思っておりますので、是非その点を考えながら、これからも私自身一生懸命取り組んでまいりますので、どうぞこれからも御指導くださいますようによろしくお願いいたします。
 今日は本当にありがとうございました。
#44
○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。
 先週、遠山文部科学大臣、ソウルまで開会式に行かれまして、今ワールドサッカー、大変な国民の、何といいますか、人気といいますか、沸いているわけでございまして、そういう中で私も、一昨日、鹿島で、地元でアルゼンチンとナイジェリアの試合がありましたので対戦を見にまいりました。しかし、残念ながら、四万五千人ぐらい入る球場なんですけれども、約七、八千の空席があったようでございます。
 早速、国民が見たい見たいと言っていながらなかなか切符が手に入らないというふうな状況の中で、いろいろ問題があり、韓国でも閣議に報告をした上で韓国の組織委員会がFIFAに抗議をするということがあったわけでございます。我が日本も遠山大臣の決断で抗議をするということで、今まで日本政府のいろんな対外的な対応を見ますと、毅然たる態度を取るというふうにおっしゃった方もいるんですけれども、残念ながらそのようなことができていなかった。今回はそれができたわけでございます。大変そのような決断といいますか判断に敬意を表したいと思います。
 せっかくの機会で、通告をしておりませんけれども、今日はいよいよ日本とベルギー戦が始まるわけでございます。大臣のこのワールドサッカー、ワールドカップに掛ける期待というんでしょうか、あるいは日本チームに対する応援の言葉を聞ければなと思いますが、よろしくお願いします。
#45
○国務大臣(遠山敦子君) 私も、機会を得まして、小泉内閣総理大臣と開幕の式典と開幕戦を拝見してまいりました。世紀の祭典、スポーツの祭典でありますと同時に、日本と韓国とで協力をしてやっていく大変私は意義の深いサッカー大会ではないかと思っております。その席でも空席が大変目立っておりました。帰国しましてテレビ観戦をしておりましてもやはり空席が目立っておりまして、まずはこの問題については私からもFIFAの会長に抗議を申し入れ、また局長からも昨日も連絡をしということで、できるだけこの問題については国民の皆様の期待にこたえるようやっていきたいと思います。我が国内での問題は、あるいは責務については各省の御協力を得て非常にうまく今進んでおります。そういうことで、この大会が円滑に進みますように今後とも力を入れたいと思っております。
 いずれにしましても、今日、日本戦の第一戦が行われるわけでございまして、国民の期待にこたえて、大いに選手の方々も力一杯頑張っていただきたいと思っているところでございますし、特に私としましては、一観戦者ではなくて、このワールドカップについて、これが成功裏に進むことを見守る立場でございまして、私も現地に行きまして応援をしつつ、かつしっかりと運営されるように見守っていきたいと思いますし、なすべきことがあれば時を移さずやっていきたいというふうに考えているところでございます。
#46
○小林元君 大変力強いエールを送っていただきまして本当にありがとうございました。
 さて、この教育公務員特例法について質問をしたいと思います。
 今回、もう十五年になるでしょうか、初任者研修の際に、これは試行的なスタートをしてその後に本格実行といいますか、的に始まったということでございます。これは、やはりそのときのいろんな事情というものがあって、初任者研修というものは非常に大事ではないかというようなことで始まったと思います。今回は、いろんな経緯があってこれをやろうと。しかし、現実は、各県でほとんど、あるいは政令市におきましてもこの十年研修というものは行われているわけでございます。
 そういう中でなぜ法制化をしてやるのかと。初任者研修は、これもやっぱり各県でもやっていました。しかし、現在行われているようなかなり手厚い、一年間、しかも指導教員を置いて、十八億円というような大変な予算を掛けて、経費を掛けて研修をやると。しっかりスタート時においてきちんとやろうというようなことで始まっているわけでございますが、今回はどうもその辺が、更にと、どうして法制化をしてやるのかというところがいま一つはっきりしません。
 大臣の提案説明でも、この新指導要領下でいろんな課題を持っている、考える力、生きる力、いろんなことをやらなくちゃいけない、そしてまた教員の資質向上をそういうためには図っていくんだということは分かりますけれども、法制化をして任命権者に義務付けをする、当然義務付けをすれば、教員に対しても職務命令といいますか、義務化するということにつながっているわけでございまして、その辺の法制化の理由といいますか趣旨といいますか、その辺をもう少し明らかにしていただきたいと思います。
#47
○国務大臣(遠山敦子君) まず、教員が常に研修を積んでいただくということは大変大事であるわけでございますけれども、初任者研修と同時に、中堅教員段階に進んでいく期間、十年経験者に対する研修というのは、その後、その研修を受けた人たちが更に使命感、それから責任感を発揮していただいて、学校教育全体を活性化していただく中核になる方々でございまして、十年研修、十年経験者に対する研修の重要性というのは、これは言うまでもないわけでございます。
 しかし、地方で既にやっているのになぜかというお尋ねでございますけれども、確かに、現在約八割の各都道府県教育委員会におきまして十年前後の経験者に対しまして研修が実施されているわけでございますが、受講者でいいますと該当者の三分の二程度にとどまっておりますし、それから研修のやり方が、これまでのやり方はやはり講義形式が全体の約八割であるという、八割を超えているというふうに聞いておりまして、その研修内容が一律あるいは画一的というふうに言われているところでございます。
 今回の法改正で御検討をお願いしております内容は、それぞれの教員の能力、適性等に応じて最もふさわしい形の研修計画を立てて、その研修後、更に活躍していただくためにしっかりした中身の研修をやっていただこうとするものでございまして、これまでの一律的なものとは違うということが一点ございますし、それから、これまでの研修におきましては、今日教育が当面している諸課題、あるいはその時代の要請に的確に対応する内容が十分に行われていたかといいますと、必ずしもそうでもない。したがいまして、今回の研修におきましては、そういう今日教育が当面している様々な問題、今日といっても今世紀といいますか、そういう大きな視点も入れながら本当に望まれる、資質を更に向上していただくという点をねらいとしているわけでございまして、その意味で新たにこれを法制化していただくことの意味は私は大変大きいというふうに考えているところでございます。
#48
○小林元君 当面する課題、もうたくさん、これはだれしもが今教育が大変な問題を抱えている、教育改革こそが大事なんだと、これはもう国民のだれもがそのように感じておりますし、期待をしているわけでございます。
 ですから、当然、そのために研修をして教員の資質を高める、あるいは個性を伸ばしてもらうということが必要だということでありますが、これはいったん法制化すれば、当面しているそういう諸課題に対応するというだけではなくて、これからずっと、法制化をするということは、いつまで続くか分かりませんけれども、とにかくこれからの制度としてずっと脈々として生きてくるということでございますから、やはりこの十年次研修というのはどういう意味で大事なのかということはもっともっと考える必要があるんじゃないか。
 私は、後でいろいろ問題にします、問題というか質問をしたいと思いますけれども、十年目というのはどういう時期かと、教員の、そこをやっぱり十分考える必要があるんじゃないか。各県によって、例えば初任校というんですか、初めての赴任校に就いて、五年で異動させる、あるいは三年で異動させる、十年で異動させる、いろんな方針があると思います。ですが、普通にいって、大体、一校ではなくて、二校ぐらいの経験を持っている教員かなというふうに思います。
 そしてまた、自分の、先生自身もクールに振り返って、ああ、こういうことが足りないとか、いや、もっとこういうことが私は得意で、こういう指導には自信が付いてきたとか、いろんなことを自覚をしている部分もあると思うんですよね。ですから、そういうところを、長所を伸ばし欠点を補うというか、そういう本人もあります。
 そしてまた、十年というその経過、経験の中で、言わばクラス担任とか教科の授業とかというものに限らず、いろんな校務分掌というか、ことをやって、そして学校全体も大体十年すれば見えてきているんではないか。
 したがって、いろんな、今この学校でどういうことが問題かと。数学ができないとか国語ができないじゃなくて、それも重大な問題でありますけれども、そういう全体の問題というものを大体、おおむね理解をするようになるというようなことがあるんじゃないか。これらの解決をするという意味で非常に重要な時期だと、だから十年次研修はあるんではないかというのが私の勝手な考えでございます。そういう意味でこの研修というのは大事なんじゃないかと。ただ単に、例えば教員免許の更新がどうのこうのというような議論がいろいろあって、それに代わってこれをやるんだというような半端な考えではいけないんじゃないかというふうに思っております。
 時間がありませんから余計なことは言いませんけれども、それで、今、大臣が画一的と、こういうような、あるいは講義形式のことが多かったと。確かにそうだと思います。これは、教育職員養成審議会ですか、その第三次答申の中でも画一的ですとか体系的でないとかいろんなことを言われております。
 画一化という問題を承知していたとすれば、これは地方に対して、地方の教育委員会に対して、こういう研修のやり方を変えろと、いきなり法律で個性に応じて研修をするという書き方も結構ですけれども、これまでにそのような指導というか問題提起というものを文部省はどういうふうにされたんでしょうか。
#49
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のように、平成十一年十二月の教育職員養成審議会の第三次答申においても指摘されておりますように、研修につきましては、画一的な内容や一斉受講方式を改めて、教員の得意分野、個性が今後一層多様化することを踏まえて、多様な選択ができるようにするなどの改善を図ることや、可能な限り参加型、体験型研修を取り入れていくことが大変大事であるわけでございます。
 このため、文部科学省といたしましては、平成十二年の二月でございますけれども、指導通知を発出いたしまして、先ほどお話し申し上げました、御紹介申し上げました答申において示されました具体的な改善方策等を参考にして、教員研修の見直しを行うようにそれぞれの都道府県教育委員会を指導いたしたところでございます。
 この通知を受けまして、研修の実施主体でございますそれぞれの都道府県教育委員会等におきましては、例えば学校外の民間企業や社会福祉施設における社会体験研修を充実させる、あるいは教員のニーズに応じた多様な研修を実施する取組、そういうものが現在進みつつあるというふうに私どもは承知いたしているところでございます。
#50
○小林元君 あと、ちょっとさっきの問題に戻りますけれども、要するに法制化して、今回は初任研と十年研と法制化をする。しかし、地方でいろんな研修をやっております。その時々の課題というようなものに特化した研修はもちろんのことでありますが、そうでなくて、五年次研修とか十年とか十五年とか二十年とか、いろいろやっているわけです。そういう中で、ほぼ全体的にやられているのは、五年次研修というのもこれに匹敵する、この十年次研修に匹敵するものだというふうに思っております。
 ですから、この法律で位置付けた研修とそうでない研修、どこがどういうふうに違うのかなと。私は余り違わないのかなというふうに受け止めているんですけれども、ただ、これだけは絶対にやってくださいよという、そういう縛りというか、が出てくるのかなというふうにも思うんですが、その辺は法制化した、しない、どういうふうに違うんでしょうかね。
#51
○国務大臣(遠山敦子君) 研修のやり方は、それぞれの任命権者で五年研修がいいと思ってやっておられるところ、あるいは十年研修、あるいは二十年と、様々なやり方があると思いますけれども、それぞれについてお答えするのはあれでございますので、初任研とそれから十年研修とをちょっと比較しながら御説明したいと思いますけれども、新任教員の時期というのは大学におきます養成段階と学校現場における実践とをつなぐ重要な時期であるということで、初任研の意味は大変あるわけでございますが、教員等には今日これまで以上の指導力の向上が必要とされておりますし、それから、正に先生が先ほど御指摘になりました、十年たつとちょうど学級担任とかいろんな教科指導とかそういうことについて経験を経た上で、今後、学校全体の運営の在り方、あるいは教科指導、それから生徒指導、あるいは初任、新しく入ってきた若手の先生方に対する指導とか、そういった学校のマネジメントも含めた総合的な力が必要となる。したがって、中堅に、中堅教員になられるその段階にある十年研修は必要だと申し上げましたのはその意味でございまして、正に先生がおっしゃったような意味を持っているというのが十年研修の意味であると私は思っているところでございます。
 そのようなことから、研修内容等につきましてもいろいろ考慮をし、それぞれの先生、教員の持っている能力、適性に応じた多様な方法を展開しながら、その後の教育活動に更に力を発揮していただくようにということをねらいとしたのが今回の十年経験者研修の内容でございます。
#52
○小林元君 先ほども大臣から御答弁がありました。この十年研に参加しているのは三分の二程度と。これは先ほど私が言いましたような、十年経過した先生方、今回、法律で十年経過後ある一定期間内というふうに、法律に書きますと大変厳重にどの時期にやるかというのを書いてあるわけなんですけれども、本来的に言うと、もう少し弾力的に考えたらいいのかなと、運用してもいいんじゃないか。
 といいますのは、そういう先生方はやっぱり学校で非常に頼りにされています。三十二、三から三十五歳ぐらいの方ですから、当然例えば授業の面で、あるいは校務分掌の面で生徒指導をしっかりやってもらいたい、体力もあるし馬力もある、エネルギーもあるというようなことでございますから、学校でも期待しています。
 そういうことで、例えば部活などでもいろいろあります。ですから、持っている部活が、いや今年は優勝しそうだ、一生懸命やらなくちゃならないというような事情とか、あるいは受験学年のクラスを担任しているとか、様々なことが、事情というものはあると思うんですね。
 やっぱり、そういう体制というものを学校の中できちんとしていただかないと、単に受けろ受けろ、義務的にやるんだよと言ってもなかなか大変なんですね。ですから、その辺の何といいますか、これは期間の問題についても、あるいは受ける時期の問題についても、十年、一年、二年のずれは多少やむを得ないと、しかし絶対やるというような考え、そして学校内の体制というものをしっかり作ってあげると、そして研修に受けやすいように、出やすいように体制を取る必要があるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#53
○副大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、十年経験者、学校運営におきまして重要な役割を担っているケース、大変多いわけであります。
 その際に、授業等の校務に支障が生じないよう、更には研修の時間も十分取れるよう配慮が必要だということ、御指摘のとおりだと考えております。
 ですから、特別の事情がある場合には、その事情に応じて柔軟に年数等決定することができるようにしているところであります。ですから、ある特定の年度に研修を受ける人数が極端に多い場合はそれを分散するというようなことも考えられるでありましょうし、また、特定の教科において一年に受ける研修者数が少ない場合は、複数年を併せて行うというようなことも可能であるというふうに思っておりますし、また、十年以外の年数を定めるということもこの判断の上で可能だというふうに考えております。
#54
○小林元君 どうぞ、今そういう、何といいますか、研修を受けられるように、出られるように体制をしっかり整えるように御指導いただきたいと思います。
 今回の研修は、教員の特性あるいは能力、そういうものに応じてやるということで、期間とかいろんなことをこれは法律上は定めないのかもしれませんけれども、具体的には構想が、先ほども議論がありましたから、校内外二十日ずつというようなことがあるようでございます。
 しかし、これは本来はもう地方分権の時代ですから、こういう今の時期、研修の時期とかあるいはこの内容について今までも地方の教育委員会は一生懸命考えてそれなりにやってきた、しかしなかなかうまく機能してこなかったという部分もあるかと思います。ですが、文部科学省としてモデル的なものを示してこれでやれということではなくて、いろいろ考えられる、そして地方は地方で教育委員会がそれぞれ競争して、競い合っていいものをより作るというようなことも必要なんではないかというふうに思いますが、モデルの問題とか、その辺についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#55
○政府参考人(矢野重典君) 今回の十年経験者研修において、各任命権者が行う研修につきましては、その研修の内容あるいは方法等は、これは基本的には任命権者の判断にゆだねられているものでございます。
 ただ、先ほど来申し上げております、例えば評価の基準の問題でございますとか、具体的な研修の中身でございますとか、これはあくまでも一つの参考として、任命権者が実施する際における一つの参考としてお示しするものであるという、そういう域を出ないものでございます。その点まず御理解をいただきたく存じます。
 それから、こういうものを、新しい制度を国として制度化するということについて地方分権の観点からいかがかと、こういうふうな御指摘もございましたが、これは当然のことながら国と地方公共団体、それぞれの役割分担があるわけでございます。そういう役割分担を踏まえながら進めていく必要があるわけでございますが、今回の措置は、今回の制度化の措置は、私どもといたしましては国として、全国的な教育水準の維持向上を図るという国としての大変大事な役割がある、その役割と責任を果たす一環としてこの制度化を提案していると、そういうものとして御理解をいただければと思うわけでございます。
#56
○小林元君 いやまあ、法制化が駄目だというふうに私は言っているつもりはありません。しかし、その具体的な中身について、もちろん文部科学省がいい案をお示しして、こんなものはどうだろうかと言うことは大いに結構なことだというふうに思っております。
 ただ、そうはいっても、もう地方分権の時代なんですから、あるいは今までも具体的にはこの研修の問題というのは、十五年前に初任研が法制化された、今回こういうことが提案されたという以前は体系的なことをいろいろ考えてそれぞれの地方の教育委員会が一生懸命やってきたわけですね。ですから、そういうことも無視してもらっては困るんだというふうに思います。
 ですから、そういういい伝統というか、地方で競い合っていいものを、いい研修計画というものを作るということにこれからも努力するんだと思いますので、そういうものはやっぱり芽を伸ばしていくということは大変大事だなというふうに思っている次第でございます。
 それから、先ほども後藤委員からの質問で出ました。やっぱり研修というのは、自らの意思でといいますか意欲がないと、それこそ一斉講義で聞かせても居眠りばっかりして耳に入らないというのが実情だと思うんですね。やっぱりやる気、御本人にやる気を起こさせる。やる気を起こさせるためには、法律上はその任命権者が研修計画を作ると書いてあります。しかし、これはやっぱり本人の希望も聞いて、あるいは関係者の、教頭さんの意見、あるいは同僚の意見を聞いて、この先生にはこんな意見、研修がいいんだよ、いいんじゃないかと、そして校長さんから、先生と話合いをして、こういうのはどうだろうかねと。要は、納得の上で長所を伸ばし欠点を補うというような研修が望ましいんだということでございます。先ほど質問がありましたし、答弁もありましたので、繰り返しません。時間が大変なくなりました。
 最後でございますけれども、この法制化をするということは、先ほども申し上げましたが、初任研のときには大変な財政資金を投じて、あるいは指導教員まで付けておやりになると。大変文部省は、当時文部省は力を入れました。今回、現在のこういう研修費に対する助成金というのは非常に少ない。一億一千万ですか、というような教員経験者研修、これだけにちょっと限って言うとですよ、そのほかにもいろいろありますけれども。一億一千万しかないんですね。初任研の方は四十億もあるんですね。この事務費と言うんですか、まあ旅費とかそういう経費でしょう、講師の費用とか。ですから、まあ人件費、指導教員を付けるという考えはないのかもしれません。あるいは予算をどうするのか。どうぞ、やっぱり法制化をしたということは文部科学省が力を入れるということですから、その辺の努力をしていただきたい。何かお考えがあればお示しをいただきたいと思います。
#57
○政府参考人(矢野重典君) この法律案がお認めいただきますれば、私どもといたしましては、この十年経験者研修制度を平成十五年の四月一日から実施いたしたいと考えているところでございます。このため、必要な予算措置につきましては、平成十五年度の概算要求に盛り込むべく、これから検討をしてまいりたいと考えているところでございます。
#58
○小林元君 以上で終わります。
#59
○輿石東君 民主党の輿石ですが、与えられた時間が三十分ということですので、単刀直入にお答えをいただきたいと思います。
 まず、この教特法の一部改正の法案が提出をされた経緯と背景というのは、もう後藤委員の方からも小林先生の方からもありましたので省きたいと思います。ただ、確認をしておきたいのは、今まで、五年研、十年研、二十年研というのがもう既にあるのになぜ法制化したのと。この答弁に対して、実施が八割、受講者がその三分の二、そういう状況と。さらには、この研修の中身が受け身で講義型であった、これに工夫を凝らしたいと、こういうこと。最後に、三つ目が、今日的な教育課題に迫るのに必要なんだと。この三つですけれども、こんなものを一々聞いていると時間がなくなりますから省略をしますが、そういう背景や経緯で出てきた。
 もう一つ押さえておかなきゃならないのは、一昨年の、平成十二年の総理の諮問機関として小渕内閣のときに教育改革国民会議で議論をされ、そして昨年の、今年の二月に中教審へ免許法の在り方、教員免許の在り方という答申がされて、そしてその免許の更新というのは見送られ、代わってこの十年研が法制化されたというふうに言われていますし、そんな議論がされますけれども。
 私が大臣に最初にお聞きしたいのは、この免許制度の更新制と今回出てきた十年研の法制化とは本質的に違うんではないか、その代わりに出てきたとあたかも言うような議論や経過が話されておりますけれども、これは違うのではないかということが一点です。
 そして、時間がどんどんたっていきますから、ついでに、分けてお答えをいただこうと思いますけれども、大臣にもう一点。
 小林先生の方からも、この初任者研が導入されたのが約十五年、六十三年の五月に三日間掛けて、参考人も呼んで、最後は総理も呼んで決着をしたこの初任研導入時に、当時の竹下総理と中島源太郎文部大臣は、この経験に応じた研修の、それを体系的に位置付けたものが五年、十年、十五年、二十年と行くわけですけれども、この初任研は、初任研が出発に当たって大事なときなので法制化します、今後はこういう経験に応じた研修は法制化をするつもりはありませんと総理も当時の文部大臣も言ったにもかかわらず、ここにその研修を法制化してきた理由がいまいち分からない。先ほど、法制化した十年目が大事な時期だからと。そんなことは十四年前にも分かっていたはずです。
 その二つについて大臣から御認識を伺いたいと思います。
#60
○国務大臣(遠山敦子君) 二点ございました。
 まず第一点は、免許更新制との関連でございますが、この免許更新制の導入につきましては、平成十四年二月の中央教育審議会からの答申におきまして、現時点における制度上の制約などに加えて、その政策的有効性についても十分検討を進めたところ、導入にはなお慎重にならざるを得ないという結論をいただいたところでございます。ただ、その一方で、教員の専門性の向上ということが大変大事だということで、具体方策としまして、教職経験十年を経過した教員に対する研修の必要性が提言されたところでございます。
 したがって、結論を申しますと、今回の法案化しようとしているものは免許更新制とは基本的に異なるものでございまして、その代替策として位置付けられるものではないというのが第一点でございます。
 それから第二点の、昭和六十三年のとき、大変な御議論の末に初任研の制度が成立いたしたわけでございます。そのときの文部大臣、中島源太郎先生でしたか、それから総理、竹下先生、いずれもどうしてそういうふうにお答えになったのかお聞きしたいところでございますが、そういうわけにもまいりませんので、その後のいろいろな経緯の中で今日の法制化に至ったわけでございますが、理由は二つあると思います。
 一つは、そのときにも法制化の中で体系的に研修の在り方について考えるようにという制度ももちろん法制上書かれたわけでございますけれども、各都道府県教育委員会におきまして実施されてきましたこれまでの研修におきましては、その内容が本当に体系的にきちんとしたものになっているかというと、まだ十分でないところもあるというのが一点でございます。その中には、内容の画一性あるいは一律にやっているようなこと等も含まれるわけでございますが、その当時、体系化をしてきちっとやろうということでねらいとしたそのことが十分でないというのが一点でございますし、それからもう一点は、先生御自身も御指摘になりました、今日要求されている社会の変化に伴う本当の意味での専門の指導性と、専門的な知識、技術に基づいた指導性の向上の必要性というような二点が私は今回の法改正をお願いしている背景にあると思います。
 同時に、十年研修の必要性につきましては、先ほど風間委員からのお話にありましたようなことが背景にあるという点ももちろん付け加えたいと思うところでございます。
#61
○輿石東君 今、大臣は、更新制と今回の十年研とは本質的に別の問題だと。この認識は私と一致したわけですからそのようにとらえて、今後更新制などというものが再び出てくるはずはないと思いますけれども、大体、免許を一回与えておいて、自動車の運転の免許じゃあるまいし、じゃ弁護士やお医者さんの免許証を一回与えたやつを更新するのか、それほど教師をばかにした話はないだろうと、こう思いますので、それは明確に違うという認識で一致をしました。
 もう一つ、六十三年の当時の初任研を入れたときのお話ですが、お二人ともいないのでお聞きしたいものだと、こういう大臣のお話ですけれども、これは何で今後経験に応じた研修は法制化をしてまいりませんというのは、私はもう一つ大変な要素があると。国で決めることと地方公共団体、任命権者に任せるというものとがあるんだという、そういう意味で何でも法制化をして義務化をして職務命令でやるという職務研修というのと、もう一つ大きな要素として、先ほどからあります自主的、意欲的に取り組む教師自らが自主研修というものがあるわけですから、この二つの要素が絡まって教員の研修が成り立っているわけで、こんなことを、地方公務員法とか教育公務員特例法の中身まで議論する時間はないでしょうけれども、そういう二つの要素があってそういう答弁をしているという認識ももう一度文部科学省も認識しなければいけないだろうと、こう思っております。
 これをやり出すとこれだけで一時間ぐらい掛かると思いますので、本題は、次の問題を今日はやりたいわけですから、入りたいと思いますけれども、少しこの国会の審議の在り方についても抜本的に考える必要があると思います。
 六十三年の初任研が導入されたときには参考までに参考人を含めて三日間やったと。しかも、延べ十九時間この初任研の導入問題で議論を参議院でもやっているわけです。今度のこの教特法の一部改正は三時間半で終わりというわけですね。だから、次に御質問をさせていただきます答弁の結果によっては、委員長を始め理事の皆さんにも今日採決していいかどうかということも御判断をいただきたいと。
 そういう意味で、次に、衆議院における文教委員会、五月二十二日での池坊大臣政務官答弁にかかわって何点か、これも時間がありませんので少し、一つ一つ追っていけばいいわけですが、何点か問題点を指摘をし、御答弁をいただいて議論を深めてまいりたいと思いますが、池坊政務官の答弁ですが、任命権者が今回の研修計画を作成をして、そして事前に評価をし、そしてこの研修に入っていくというふうに法律はうたっていると、こう思いますけれども、政務官は五月二十二日の衆議院の文教委員会の牧議員の質問に次のように答弁をされています。
 これは、一人一人のニーズに応じてと、これは、この法案は、研修はということですね。そして、その教員の適性、能力に応じた研修を受けるようになっておりますと。これは、ここまではそのとおりでしょう。次に、教員自身が、研修計画を作成することを法律上義務付けておりますと、はっきりこう述べているわけですが、これは教員自身ではなくて任命権者の明らかに間違いではないかというふうに、よくこういう形で衆議院を通過してきたものだと不思議に思うわけですけれども、国会の緊張感がないのかという感もなきにしもあらずであります。
 その点が一つであります。法案では任命権者が評価を行って指導計画を作成するとされていると思います。私は、しかし、この政務官の発言は、この法案の問題点と、こうやるべきだという示唆に富んだ発言だろうと。本来なら、この政務官が言うように、教師自身が研修計画を作ってそのとおりにしてもらえば一人一人のニーズにもこたえられるし、要望や希望にもかなえられるものだというから、先を見て答弁してくれたけれども、早過ぎたんだろうと思いますが、その点をまず政務官にお尋ねをしたいと思います。
#62
○大臣政務官(池坊保子君) 申し訳ございません。先日の衆議院の文部科学委員会において、私が教員が研修計画を策定するよう義務付けられていると申しましたのは誤りでございまして、これは任命権者が研修計画を作成するということが正しいので、訂正させていただきます。
#63
○輿石東君 後半で申し上げたその政務官の思いは、私が言ったようなところにあったんでしょうか。
#64
○大臣政務官(池坊保子君) 私は、学校を良くしたい、そして子供たちの心に響く先生方を、そのようなすばらしい先生をどうしたら多く作り上げていくことができるかということにいつも長年文部科学委員として力を注いでまいりましたので、教員の方々も任命権者が作成された研修計画に自らも参画するような熱意を持ってほしいという思いは持っております。
#65
○輿石東君 今の発言とかかわって、今日、冒頭に後藤委員の方から、この研修を受けた先生方が生き生きと、この研修を受けて良かったと、そんな結果になるような研修にしてほしい、これは委員の皆さん全員一致するところだと思います。そういうものにするために何が必要かという議論をするのには三時間半では少し足りないだろうなと。
 しかし、今、池坊政務官もこれは誤りだったということですから、委員長、この問題を引き取っていただいて、理事会なり何なりで協議していただいて、これは衆議院で起こったことですから、衆議院へ返さなければならない。その点はどうしていただけますか。
#66
○委員長(橋本聖子君) ただいま行われました議論の内容につきましては、私の方から衆議院の文部科学委員長に御報告したいというふうに思います。
#67
○輿石東君 河村委員長もお待ちでしょうから、しっかり衆議院でも議論をして、こういうことが再び起こらないように、そんなことも付加してお伝えをいただきたいというふうに思います。
#68
○委員長(橋本聖子君) はい。
#69
○輿石東君 次に、もう幾つか問題点があるというふうに思いますので。
 武山百合子議員が同じ日に質問をされていますけれども、研修計画の評価とかその研修後の扱いについての問題でありますが、その点について何点かお尋ねをしたいと思います。
 牧委員の今のところを少し、終わりの辺で池坊政務官は、それを終えました後にはと、研修を終わった後にはという意味だと思いますが、きちんと評価をするということもできていますので、専門性が必ず上がるということになると思いますと。これは研修終えました後にということですから、事後評価をするということに、そういう意味なのかなと。
 事前評価はこの法律には義務付いていますけれども、研修計画を先生方一人一人のニーズやその適性、能力に応じる研修になるために事前には評価をする、その評価を基に研修計画を作るという手順だと、こう理解をしますけれども、それを終えた後に評価をするということもできているというのが、本当にそうなっているのかどうかという点が一つであります。
 それから、そして次に、それが終わったら校長等が評価することになっておりますと。だから、事後評価を校長がやるというふうに結んでいますけれども、その辺も確認をしていただきたいと思います。
 そして、最後に武山委員の質問に対して、ちょっと大事なところですから読み上げさせていただきます。
 十年研修を終了いたしました後には、受講した教諭等の教科指導や生徒指導等の諸活動において力量の向上が見られたかどうかにはしっかりと評価することといたしております。そして、その評価によって、その後の教員に対する指導や研修計画に生かしますし、それらを踏まえまして、例えばその得ました知識、技能が有効に発揮されるよう、またその後の勤務成績が優秀であると判断された場合には特別に昇給や勤勉手当などに反映されることも考えております。また、その人間が自分の持っている適性を十分に蓄え、そしてそれを発揮させ、その技量が著しくいい場合には、その専門性を十分に発揮できるような人事配置などを行うことも考えておりますので、ただ研修をしてそれで終わりということではございませんと。
 これは、今まではただ研修をして、それで終わりだったという意味も含まれているのかどうかは知りませんけれども、これをずっと見ますと、私も頭が弱いものだから、ああこの十年研修はやった後評価をして、それで優秀なのは昇給もするしボーナスも弾みますよ、駄目だった者はそれは昇給もボーナスもやらない、極端に言えばですよ、そして人事にも使いますよというようにも読み取れる。
 そんなためにこの十年研をやったとしたら大変なことで、これであなたは、政務官は勤務評定制度とちょっと混同しているのではないかなと、この答弁について。その辺についてお答えをいただきたいと思います。
#70
○大臣政務官(池坊保子君) もっときめ細やかに丁寧に答弁いたしましたらきっと御理解いただけたと思いますが、ちょっと舌足らずだったと思いますことは反省いたします。
 十年経験者研修終了時の評価については、事前に実施する評価とは異なり、各任命権者の判断にゆだねられているものでございます。文部科学省といたしましては、十年経験者研修終了後も引き続き受講した教諭等の資質能力の向上を図っていくためには、研修終了時に再度力量などについて評価を行うことが望ましいのではないかというふうに考えております。
 このような考えに立ちまして、法律案の成立いたしました後は、通知や各種会議を通じて各任命権者に、皆様方に知っていただきたいというふうに思っておりますので、そのような思いを込めて答弁させていただきました。
 勤務評定に結び付くのかということでございますが、研修制度と勤務評価は別の制度でございますから、これが一緒になることはございません。
 終了時の評価の活用法等については、文部科学省といたしましては、十年経験者研修終了後も引き続き受講した教諭等の資質能力の向上を図っていくためには、研修終了時に再度評価を行い、その結果をその者に対する今後の指導や研修に活用していくことが望ましいというふうに考えております。
 十年経験者研修における評価は、受講した教諭等にどのような指導や研修を行うべきかという観点から行われるものであり、この評価結果が直ちに特別昇給などに反映するものでは全然ございません。その辺は誤解なきように、私も答弁がちょっとごっちゃになるような印象を与えてしまったのではないかと思っておりますが、そのようなことはございません。
 地方公務員法上、公立学校教員も含めた地方公務員については勤務評定を行うこととされており、この勤務評定の結果を特別昇給などの処遇に反映させることは重要なことであると思います。
 このため、十年経験者研修を受講した者についても、この勤務評定において優れた授業実践を行うなど勤務成績が良好であると認められた場合には、その結果を特別昇給等の処遇に反映させることが重要と考えております。
#71
○輿石東君 今、確認できたことは、この十年研修において給与や人事に反映することは毛頭ないということがはっきり確認できたと思いますし、十年研修の法制化と勤務評定とは無縁のものであると、こういうことも確認できたと思います。
 そこで、あと若干しか時間ありませんが、研修の在り方についてちょっと触れたいと思うわけですが、そんな時間はないと思います。
 ただ、私は、学校というものは、これも衆議院での議論の中で遠山文部大臣はすばらしい言い方というか表現の仕方をしたなと。これはやはり教員の採用問題とかかわった部面でこんな言い方をされています。
 学校という一つの船のような多くの構成員によって運営されていく、そういう組織体の構成員として協調心も持っているという、いるかどうかというような角度からも考えていかなければならないと。教員を採用する時点ではそういうふうに専門的な知識、技術というものも必要だし、教養も必要、その上に一人では教育はできない、学校というのは船のような組織なんで、そういう組織体で、校長さんが船頭だとすれば、それをこぐ、櫓をこぐのが現場の先生と、こういうようなことで協調心を持った教師も必要だという意味で言われたと思います。正に船のようなものだという表現がぴったりだと思います。
 だから、学校というのをある意味では、別の言葉で言えば学びの共同体だと。子供が学ぶところの共同体としてみんなで力を合わせて教育効果を上げるところと。だから、むやみに競争とかそういうものを入れるんではなくて、切磋琢磨をし、教師も資質の向上を高め、そして張り合いを持ってやれるようなことにしよう、適性、能力に応じてということでしょう。そういう研修になることを是非みんなで確認をし合いたいというふうに思います。
 そんなことを、思いを伝えているわけですけれども、最後に感想でも結構ですから、大臣に締めくくっていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#72
○国務大臣(遠山敦子君) 今、引用していただきまして恐縮でございます。
 池坊政務官も答えましたように、それぞれの教員が本当にその能力を発揮して生き生きとした学校運営をしてもらうように、この十年経験者研修、これがそれぞれの任命権者の創意工夫によってすばらしい内容を展開していただくことによって我が国の学校教育がますます良くなっていく契機となるように、私どもとしてはできるだけの支援と助言、指導を行ってまいりたいと思っているところでございます。
 若干の誤解をお与えしましたことにつきましては、私からもおわびを申し上げたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
#73
○委員長(橋本聖子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#74
○委員長(橋本聖子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、扇千景君が委員を辞任され、その補欠として泉信也君が選任されました。
    ─────────────
#75
○委員長(橋本聖子君) 休憩前に引き続きまして、教育公務員特例法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#76
○風間昶君 公明党の風間です。
 五月の十日に大臣が国連子ども特別総会に御出席されて演説をされたわけでありますけれども、一字一句大臣は覚えていらっしゃらないと思いますけれども、済みません、笑って済みません。こういうふうにおっしゃっています。
  第一に、教育を受けることは子どもたちの権利です。教育は、子どもたちの潜在的な能力の開発を促し、自らの努力によって貧困や苦しみから脱却することを可能にします。また、教育は未来の地球市民の育成につながります。この際特に重要なのは、女児が男児と同様の教育を受けられるようにすることです。
  我が国は、教育を国づくりと戦後の復興の基盤としてきました。この我が国の経験は、今まさに開発の道のりをたどっている各国の国づくりのために参考となり得るものと確信しています。我が国は、教育分野において、これまで蓄積してきた教育についての諸経験を活用し、一切の偏見や独断を排し、ひたすら善意に基づく「日本の心」が見える協力を進めていきたいと思います。
というふうに大臣はおっしゃっておるわけでありますけれども、初めて出席されたのかどうかちょっと分かりませんが、総会に出席されたまず所感をお伺いしたいと思いますけれども。
#77
○国務大臣(遠山敦子君) 五月十日、国連子ども特別総会に、日本国政府首席代表といたしまして特別総会におきまして私からステートメントを発表する機会を与えられました。その中で、今読み上げていただきましたことを含めて子供の問題についてお話をさせていただきました。
 実は、この子ども特別総会は三日間にわたって行われたのでございますが、私は、国会の都合もありまして最後の一日だけ参加いたしまして、午前中の円卓会議、そして午後のステートメント等々大変厳しい日程でございましたが、そういう一日を過ごさせていただきました。
 所感をということでございますが、教育の重要性、もちろんアピールいたしましたが、そのラウンドテーブル及びいろんな機会に、各国代表、それから子供たちも円卓会議に出てまいりまして、特に途上国の子供たちが切々と今の問題を訴えておりましたことが大変印象に残っております。その意味で日本は、教育を受ける権利もきっちりと守られて、子供たちはいろんな問題を抱えながらも諸外国から比べると本当に恵まれていると。それに比べまして、アフガニスタンを始め途上国の子供たちというのは、飢えに苦しみ、病気に苦しみ、エイズの問題等々様々な社会の問題を一身に受けて、普通教育さえ十分に受けられない、そういうふうな状況にあるということを正にその特別総会の現場に行って身をもって実感させていただいたところでございます。
 そのような子供をめぐる、地球市民としての子供がすくすく成長できるように、我が国としても今後ともいろんな角度で協力をしていかなくてはいけないなというふうに私としては受け止めた次第でございます。
#78
○風間昶君 ありがとうございます。
 そこで、その最後、言葉じりつかまえるわけじゃありませんけれども、「ひたすら善意に基づく「日本の心」が見える協力を」と、こういうふうにおっしゃっていますけれども、具体的に何かイメージをされていらっしゃいましたでしょうか、そのとき。あるいは、今どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
#79
○国務大臣(遠山敦子君) これは、アフガンの子供たちに対する支援の問題も頭にございました。その他、途上国に対してこれまで日本が行ってまいりました教育協力につきましては、実は各国代表から大変評価を得ております。
 特にそういう国々の方がおっしゃるには、日本の教育協力を始めとする協力には、本当にもう日本というのは偏見もなく、正に政治的な意図もなく、善意を持ってやってもらっているということについては本当にもう言葉を何度も何度も繰り返しながらそういう評価をいただきまして、この会に臨む前もそうでございましたけれども、この会に臨んでも正にそういうことでございまして、日本の心というのは正にそういう意味でございまして、政治的意図のない、本当に子供たちが当面している問題に対して日本が何ができるかという角度からの真摯な、誠実な協力というものを今後も続けていく必要があるという意味で用いた次第でございます。
#80
○風間昶君 正に大臣が述べられたことの原理原則というのは永久不変のテーマであるわけでありまして、教育の制度作りに欠かせない視点だというふうに思います。
 今、大臣がおっしゃいました、恵まれている日本の子供たちというふうにおっしゃいました。じゃ、日本の子供たちの教育を受ける権利についてどのぐらい達成しているのかということの認識、どの程度お持ちですか。
#81
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほどの答弁のときにも申しましたけれども、いろんな問題を抱えながらということも申し上げた次第でございます。
 日本の子供たちの教育を受ける権利は憲法で保障されて得た国民の権利でございまして、その実現のために国はこれまで教育の機会均等、全国的な教育水準の維持向上の観点から、基本的な制度の枠組みあるいは全国的な基準の制定、必要な財政援助等の役割を担ってまいりました。そして、これまでの半世紀以上に上るいろんな人たちの努力によって、私は世界の国々からも目標とされるような教育の実態があろうかと思います。それは、国が制度をというだけではなくて、各学校において、各地方において、それぞれの努力がそういう結果をもたらしたと思っているわけでございます。
 こうした理念の下に日本の教育の量的、質的な充実を図ってまいりましたわけでして、義務教育につきましては本当に高い評価を各国から得ているわけでございますし、もちろん国内からもでございますけれども。また、高等学校の進学率も九七%に達しますなど著しい普及を見たところでございますし、同時に、学校施設の整備あるいは計画的な教職員の定数改善などによって教育諸条件の改善が行われたところでございます。
 ただ、その一方で、子供たちの問題行動あるいは不登校などの深刻な状況あるいは社会性や規範意識の希薄化、過度の画一主義などによって個性、能力に応じた教育が軽視されているのではないかという懸念など、教育全般に様々な問題も生じているわけでございます。また同時に、社会、経済のグローバル化、科学技術の進展、急速な情報化など、社会の大きな変化に常にきっちりと対応した教育が行われているかどうかということについても常に留意しなくてはならないと思います。
 私としては、今、そういう問題点も認識しながら、日本のこれからを担う子供たちの育成に更に力を込めていくべきであるというふうに考えているところでございます。
#82
○風間昶君 教育を受ける権利というのは、いわゆる自由権とはやや異なっていて、国や地方自治団体の責務というのを必ず伴うわけでありますけれども、そこに国や地方公共団体、地方自治体が教育にどのように関与すべきかという原点があるわけですけれども。
 ちょっと抽象的なことになりますが、初等中等教育の段階で子供たちはじゃどのような権利を有しているのか。教育を受ける権利について教えていただきたいと思いますけれども。
#83
○政府参考人(矢野重典君) 教育を受ける権利につきましては、先ほど大臣からお話がございましたように、憲法第二十六条におきまして、「すべて国民は、」「その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」と定められているところでございます。この規定の背景には、国民各自が一人の人間として成長、発達して、自己の人格を完成、実現するために必要な学習をする権利を有するとの考え方が背景にあるものというふうに理解をいたしております。
 とりわけ義務教育におきましては、知、徳、体の調和の取れた人間としての育成を目指し、国民として共通に身に付けるべき基礎・基本を習得いたしますとともに、同時に、国際化、情報化など社会の変化に対応した学習を受ける機会が与えられることが必要と考えるものでございます。
 このような教育を受ける権利を保障するために、初等中等教育行政におきましては、国と地方公共団体が、それぞれの役割と、それぞれの責任と役割を果たしながら、互いに協力、連携していくことが重要であるわけでございます。
 そういう意味で、私ども、今後とも国と地方の役割分担を踏まえながら、委員がお話しになりましたような教育を受ける権利を保障する観点から、国としての責任を十分果たしてまいりたいと考えるものでございます。
#84
○風間昶君 その教育内容が子供たちの権利、あるいは子供たちのニーズというか、子供たちの要求と権利は違うのかもしれませんが、置き換えてみたとして、子供たちのニーズにこたえていけれるかどうかということが実は大変大事でありまして、どんな教育をじゃ施すのかというと、結局決めているのは大人なわけでありまして、そこの部分のギャップが近年学校でいろんな諸問題が発生していることにも遠因としてあるんではないかというふうに私は思うんです。
 だから、私たち大人の判断が本当に子供たちの真のニーズにこたえているのかという自問と、そしてまた、こたえていくために教師、教師というのは師匠の師ですから、子供たちにとって師匠になっているのかなということも踏まえると、その教育内容の決定のプロセスに、いろんなプロセスがあると思いますけれども、今現在のプロセスに問題がないのかを点検した形でいかなければならないというふうに私は思うんですが、そこについては、これまでどおりの旧文部省からずっと行われてきた在り方にもう一度チェックをする必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがですか。
#85
○副大臣(岸田文雄君) 教育内容の在り方についての御質問でありますが、教育内容の基準であります学習指導要領でありますが、この学習指導要領の改訂等に当たりましても、子供たちの現状ですとかあるいは教育課程の実施状況ですとか、こういったものを様々な観点から十分踏まえた上で決定をしているというふうに考えております。
 例えば、今年四月から小中学校において新しい学習指導要領、スタートいたしました。この学習指導要領の取りまとめの過程におきましても、平成七年から中央教育審議会あるいは教育課程審議会において、学校関係者、PTA関係者、企業、マスコミ関係者など幅広い方々にお集まりいただき、議論をいただき、その際にも、学力調査ですとかあるいは子供たちの意識調査ですとか、こういったものも踏まえた上で答申をまとめていただくということを行っております。
 また、その後も、旧文部省におきましてまとめていただいた答申を踏まえて、多数の教員、各教科の専門的な研究者等の協力を得て具体的な学習指導要領の改訂作業を行い、平成十年十二月に文部大臣告示として公示をするという作業を行ったわけであります。
 こうした様々な手続、作業の中でいろいろな関係者の意見を反映するという工夫をしているわけでありまして、その中に子供たちの意識調査等、子供たちの意識、ニーズ、こういったものもできる限り反映させるという仕組みになっております。こうした仕組みの中で、より一層子供たちのニーズが反映できるように努力を積み重ねていきたいというふうに思っております。
#86
○風間昶君 そういうプロセスの中で、例えばパソコン教育だとかあるいはゆとり教育だとかということが文部科学省やあるいは中教審答申で決めていった、恐らく中教審の委員の方々はITに関してほとんどテクニカルなものを十分持ち合わせていない方もいらっしゃったんだと思うんです。でも、取り入れていったと。今度、それを現場の先生方あるいは学校に落とすときにどのように取り入れていってもらったのかということについてはどうでしょうか。
#87
○副大臣(岸田文雄君) パソコン教育という御指摘ですが、広い意味で情報活用能力に関する教育というふうにとらえますならば、小中高、学校各段階において、各教科あるいは総合的な学習の時間においてコンピューターやインターネットの積極的な活用を図る、あるいは中学校、高等学校においては情報に関する教科・内容を必修にする、こうした内容を今の学習指導要領、盛り込んでいるわけであります。
 これら現在の子供たちの状況、学習が受け身であって、なかなか自ら調べ判断し、自分で自分なりの考えを持つという能力が十分備わっていないんではないかという今の子供たちの現状や、情報化の進展などの社会的な要請あるいは学校現場での研究実績、こういったものを審議会等において検討していただき、その検討を踏まえて現在の体制を作り上げたということであります。
 パソコン教育、情報活用能力ということにつきましても、そういった形で様々な現代的なニーズあるいは現場の要請、こういったものを酌み取るべく努力をして作り上げたというのが現状であります。
#88
○風間昶君 ちょっと切り口変えますけれども、いわゆる四教科、五教科などの学習、基礎科目の設定とか、あるいはそれぞれの教科で習熟すべき内容ということについて、でも今日的な状況からすると、かなり変えていかなきゃならないような要素もたくさんあると思うんだけれども、そのことについて大臣はどのように考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思いますけれども。
#89
○国務大臣(遠山敦子君) この四月から新しい学習指導要領に基づく教育課程が各学校で実施されております。
 申すまでもなく、新しい学習指導要領のねらいは、基礎・基本をしっかり身に付けた上で、自ら考え自ら判断することができる、言わば新しい世紀に自信を持って生きていける、そういう生きる力を持った子供を育てようということで、長年にわたり準備をして今日に至っているところでございます。
 私どもとしましては、その中で、特に確かな学力をしっかり身に付けさせる、また心の教育ということも重要視していくということで、今、そのことの徹底に向けてそれぞれの学校で取組が始まったところでございます。それは、日本の子供たちが置かれた現状でありますとか、あるいは学校現場はもとより各界からの幅広い意見を踏まえた上で作り上げた新指導要領のねらいであるわけでございます。今は、まずはこの実現に向けてしっかりと取り組んでいく段階だと思います。
 さはさりながら、教育の問題につきましてはいろんな意見もあるわけでございますし、私どもとしては、常にそういう声にも耳を傾けつつ、しかし子供たちがしっかりと生きていくその基礎を与えるという点には揺らぎをもたらすことなくこの問題についても考えていかなくてはならないと思っております。
 なお、学習指導要領につきまして、これまでおおむね十年に一回改訂してきたところでございますが、今後は、全国的な学力調査を継続的に行いますとともに、子供や教員等を対象とした意識調査も行って、それらの結果などを踏まえて不断にその改善に向けた検討を行うことといたしているところでございます。
#90
○風間昶君 子供たちの本当のニーズというのは、我々の判断するところとはやっぱり異なるところがあるように思えてならないんですね。そのニーズ自体が時代環境あるいは社会環境によって急激に変化を生じた場合に変わらざるを得ないということでありますから、そうすると教育技法についてもやはり絶えず研究が行われなければならないという意味で、先ほど来、午前中議論になっていた十年選手、十年経験者の研修もあるというふうに、それを位置付けるというふうに考えられるわけでありますけれども、私は、昔医療をやっていたときに、医療の現場だと患者さんは嫌な治療あるいは嫌な先生だと逃げれるんだけれども、学校は子供たち逃げれないんだよね、嫌な先生がいても。そこのところが、免許の点では同じかもしれないけれども、違うなという感じを私はしました。
 したがって、だから、子供たちのニーズにどうやって忙しい中、現場の先生方が、自分が師匠であり父親であるという、あるいは母親であるということを子供たちに受け入れられていけれるような知恵と工夫が必要なんだろうなというふうに思うわけでありますけれども、そういう意味では、乱暴な言い方ですけれども、教員免許を持っていようがいまいが子供たちのニーズを満たす方がいればどんどん補完的な意味でも採用していくということが大事じゃないかというふうに思いますけれども、それがある意味では学校の役割だというふうに思うわけです。先ほど船の話しましたけれども、校長が船長だったらクルーは先生たちで乗客が生徒だとすると、その船が、その学校によってその船がどこに行くのかと、右側通行なら右側通行で行かなきゃならないわけでありますけれども、そこの部分について、学校の役割の変化についてどういうふうに認識していますか。
#91
○政府参考人(矢野重典君) 社会経済や子供を取り巻く環境が時代に応じて大きく変化する中で、子供の教育につきましては、学校の教師のみならず家庭や地域がそれぞれ役割を果たして、社会全体で取り組んでいくことがこれから大変大事になろうかと思うわけでございます。
 その際、学校が子供一人一人の多様な力と才能を引き出し伸ばす場となるように、そのニーズに応じて様々な方々、様々な人材に学校での諸活動に参加していただいてその協力を得ることが重要であるわけでございまして、そのことが今後の新しい時代の学校の在り方の一つではないかというふうに私どもは考えているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、現在、学校外の方々の協力につきましては、特別非常勤講師制度を設けて、教員免許状を有しない外部の方の協力を得ることも可能としているところでございまして、平成十二年度におきましては約一万一千六百人の方々に特別非常勤講師として学校教育活動に御参加をいただいているところでございます。
 さらに、三年間で約五万人を目標といたしまして、全国の学校に社会人を補助教員として導入して、学校教育の一層の活性化や子供たち一人一人に目配りの利いた教育を実現することをねらいとする学校いきいきプランというのを推進しているところでございます。
 文部科学省といたしましては、今後とも、先生御指摘のございましたような子供のニーズに応じて外部の方々に学校教育活動に積極的に御参加いただけるような、そういう意味での学校の在り方、学校の運営について努力をしてまいりたいと思うわけでございます。
#92
○風間昶君 そこで、教育技法も問題なんだけれども、教師の役割というのも必然的に変容を迫られるというふうに思うわけで、先ほどの議論の中でも、十年経験者研修、自治体が八割、実際の受講者は全体の七割に止まっている、メニューも受け身で講義形式であったということでありましたけれども、じゃ七割受講した十年経験者研修の成果はどの程度あったのかというふうに認識しているのかということと、受けなかった三割の人たちはどういうふうに文部科学省としてとらえているんでしょうね。そのこととまた別だと思うんだけれども、全体として十割受講していただくための義務付けに取られるこの法案でありますけれども、そことの関係について是非ちょっと教えてもらいたいですな。
#93
○政府参考人(矢野重典君) 今、私、定量的に、あるいは資料をもって御説明する用意がないわけでございますけれども、私どもの評価といたしましては、十年経験者研修、これまで、先ほど来お話し申し上げましたように、約八割の自治体において実施されてきているわけでございまして、その研修の成果、その効果というものは大変大きいものがあるというふうに認識しているわけでございます。
 そういう意味で、なお参加者において三分の一、また自治体において二割の自治体においてなされていないという状況をかんがみまして、そうした十年研修の意義にかんがみて、そうしたことも背景にして、今回、全国的な一つの制度として御提案を申し上げたという次第でございます。
#94
○風間昶君 全部答えてないね。三割受けてない方々についての評価、総括はどういうふうにしているわけですか。
#95
○政府参考人(矢野重典君) なかなかそれは私どもきちんと御説明できる用意がないわけですが、基本的に、その研修に参加した人あるいはその研修の事業についての高い評価があるというわけでございますから、逆の意味からいいますれば、参加しなかった方々については、その分だけ教員としての資質能力を向上させるという意味で必ずしも十分な機会が与えられなかったというふうに考えるものでございます。
#96
○風間昶君 そんなことは日教組か何かに聞いた方がある程度分かるかもしれないんじゃないの。どうですか。
#97
○政府参考人(矢野重典君) 今の先生の御質問の御趣旨はよく分かりませんが、ある一面、いずれにいたしましても私どもこの十年経験者研修、これまで各自治体において実施をされてきて、その研修の意義、またその効果というものについて高い評価をいたしているわけでございますので、それを今回踏まえて法律上の制度として御提案を申し上げて、すべての教員、十年を経過した教員についてすべてその研修が受けられるようにいたしたいと考えるものでございます。
#98
○風間昶君 先日、こんな要望書というか手紙来まして、この法案に反対であろうと思われる組合の方からです。一回読んだだけで、またお聞きになっただけで分からない文脈です。「国会では今、教員免許法と教育公務員特例法の一部改正案の審議がすすめられています。」、ここまでは分かります。「この法案は、教員免許更新制の導入見送りから論議され、そのおもな内容は、「専門性の向上」の観点による新しい「教職十年研修」の制度化については、専門性の向上、主体性・選択性、共同性などをふまえ、現場の教職員のニーズに応える内容となり、教育現場で真に生かされるような研修制度となるよう強く要請します。」。本当に私はこれ何回読んでも、主語がどれで、何を要望しているのかも分からないという意味不明な、こういうことを精査をしないで送ってくる先生だとしたら大変問題だなというふうに私は思いました、個人的な意見でありますけれども。
 創価教育学の父と言われる牧口常三郎先生は、子供たちがみんな小説家になる必要はないんだ、時候のあいさつの手紙がみんな書けるぐらいの文章力を身に付けさせることが教育の一つだというふうに、非常に分かりやすい例を述べておりますけれども、いよいよ絶対評価の導入が図られました。私は個人的には、小説家が書くような文章を書かなくたって、日常のあいさつがちゃんと書けれるような、手紙のような文が書けれれば私は通知点五をやってもいいと思っております。
 ともかく、それはそれとして、この要望書で、現場の教職員のニーズにこたえる改正を望むというふうに受け止めれば、私はちょい待てよと、現場の子供たちのニーズにこたえる改正となるような法案でなければならないというふうに思うわけでありますけれども、最後に、時間ありませんので大臣に所見をいただいて、大臣に所見をいただいて、大臣に所見をいただいて、終わります。
#99
○国務大臣(遠山敦子君) この文章を読んでみますと、やっぱり人間は、教員のみならず、自分の表現したいことをしっかりと表現していく能力というのが基礎的に非常に大事だなと思わせられるところでございます。
 で、教職員のニーズもさることながら子供たちのニーズをという今の御指摘でございます。
 もちろん子供のニーズだけによって基礎・基本がしっかり身に付くとも思えませんけれども、それぞれの学校現場において、子供たちが持っている、あるいはもっと学びたい、もっと優れた指導をしてほしいというような期待にこたえる、そのことが私は教員にとって大変大事な役割であろうかと思っております。その意味で、そういう子供たちの要望にもこたえられ、また教員自身が、しっかりした表現力はもとより、しっかりした指導力を持つ教員として更に御活躍いただけるようにこの十年経験者研修が生かされていくことを私としては切に希望するところでございます。
#100
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。
 まず最初に、今行われておりますワールドカップサッカーのチケット問題、特に空席問題について伺わせていただきます。
 今回、史上初の日韓共同開催ということで大変白熱をしております。今日からはいよいよこの日本で日本代表の試合も始まるということになっております。
 しかし、新聞などの報道でも「日本戦空席数千か」などと、日本戦のチケット購入を目指しながら一次販売で約二百倍の厳しい競争率で落選をした多くのサポーターにとりましては、大量の空席が出た場合に、本当に許し難い運営上の失態ということにもなり得るというふうに思うんですね。三日までに日本国内で開催された五試合だけでも五万近い空席が出ておりますし、三日の新潟ドームでの空席数は収容総数の二五%を超える高い比率になっている。こういう事態というのは、できるだけ多くの人がスタジアムで直接ワールドカップを楽しむという開催趣旨からいっても極めて遺憾のことだというふうに思います。
 ある知事さんからは、このまま推移すれば海外販売チケットを扱うイギリスの代理業者バイロム社を訴える、こういうような声も出ておりまして、もう各自治体が本当に努力をこれまでされてきたわけですけれども、主催国日本としても、FIFAやあるいはJAWOCに向けて本当に事態解決に向けて努力していただくということを主催者である日本の政府として遠山文部大臣からも、この事態の早急な解決のための御努力をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#101
○副大臣(岸田文雄君) まず多数の空席が発生したことの原因は、正式にはFIFAから説明がなされていないわけですが、そのほとんどがバイロム社が取り扱った海外一般販売分の未販売分及び外国サッカー協会販売分の返却分が大量に発生したものだというふうに推定はしております。
 いずれにしましても、そういった理由があるにせよ、多数の空席が発生したこと、大変残念なことであり、関係者に対してはやはり強くその善処を求めていかなければいけないと考えております。
 昨日、文部科学省としましてもFIFAに対しまして要請文書を送付したところでありますし、また昨日、FIFAとJAWOCが東京で会合を持ちまして、これに対してどう対応するのか、その検討をし、発表をしたというふうに承知しております。
 先ほど申しました仕組みの中での発生でありますが、文部科学省としましても引き続き関係者に働き掛けをして、この問題、国民が納得できる形でその対応をしてもらわなければいけないというふうに考えております。
#102
○畑野君枝君 本当に前大会に次いで二度目のこういう事態が起きているわけで、ファンは二の次、利益第一ではないかという声も上がっているわけですね。そういう点では文部科学省としてもいろいろな取組をされていらっしゃるということですが、是非、再度、遠山文部科学大臣にそういう立場を御確認させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#103
○国務大臣(遠山敦子君) 正に私どもも同じ気持ちでございまして、実は波状的にここ一週間ぐらいこの問題をもう一生懸命やっておりまして、私からもFIFAの会長に出しましたし、今、副大臣から説明いたしましたように局長からも出しまして、今もなおやってもらっております。いろんな案を出してFIFAと交渉するようにやっておりまして、そして、特に今日第一戦でございますので、その会場でできるだけ多くの人が見てもらえるように今も鋭意努力中でございます。
 ただ、問題なのは、FIFAが請け負った分につきましては、そこでFIFAが売ったといったものにつきましては、日本で仮に空席であっても日本側が売るとなりますと、これは契約上の違反になりまして、大変難しい国際上の問題になるという点もございます。
 いずれにしましても、今、本当にじゃFIFAが受け持った分については売れたのかということについて確認をし、もうあとしばらくしますと担当の方でその結果について公表さしていただくつもりでございますが、刻々と開会が迫っておりますし、その点について今、同時並行的に一生懸命やっております。今日のことは、できることということは今一生懸命やっておりますが、同時に、今後まだ幾つも試合がございますので、更に知恵を絞って、できるだけのことはやっていきたいと思っているところでございます。
#104
○畑野君枝君 九日には横浜ということも含めて、今後の対応も含めて、実態を明らかにしていただきながら、是非努力を強めて進めていただきたいというふうに思います。
 さて、教育公務員特例法の一部改正案について具体的に伺います。
 まず最初に伺いたいのは、そもそも教職員の研修の主体はだれなのかと。これは一般公務員とは違う態様になっていると思いますが、その点について伺います。
#105
○政府参考人(矢野重典君) 一般の公務員との比較において御説明申し上げますと、一般の公務員につきましては、国家公務員法及び地方公務員法におきまして、勤務能率の発揮及び増進のために研修を受ける機会が与えられなきゃならないというふうに定められているわけでございますが、一方、教員につきましては、教育公務員特例法第十九条では、教育の本質が児童生徒との人格的な触れ合いにあることから、研修について特例が設けられております。
 具体的に申し上げますと、第十九条第一項におきましては「職責を遂行するために、」とされておりまして、教育公務員にとって研修が職務遂行上不可欠なものであるというふうに位置付けされております。また、教育公務員は絶えず研究と研修に努めなければならないとされておりまして、教育公務員にとりましては、教員にとって教員研修の必要性と重要性についての自覚を促すために、教育公務員自身に継続的な努力義務が課せられているところでございます。更に申し上げますと、第十九条二項におきましては、任命権者の任務につきましても、より積極的に研修に関する計画を樹立し、その実施に努める旨規定されているところでございます。
 なお、研修の主体についてのお尋ねでございましたが、そういう意味では、第十九条第一項の研究及び修養、すなわち研修につきましては、これは自己研修ということと任命権者が行う研修、両方の研修を含んでいるわけでございますので、そういう意味では、任命権者が行う研修については、これは研修の主体は任命権者でございますし、自己研修、自主研修については、これは自らが行う、自らが研修の主体ということになるわけでございます。
#106
○畑野君枝君 そうしますと、そもそもそれは主か従かというふうに聞いた場合に、大体法理的には最初に来た方が主になると思うんですが、そもそもそういう点では、より重いのは、主体は一項ですか二項ですか。
#107
○政府参考人(矢野重典君) それはどちらが重いとかどちらが従ということではございません。いずれも大事なものでございます。
#108
○畑野君枝君 その認識の論議をしている時間はないので、私の考えを申し上げておきますと、それはそもそも一般公務員と違って特例法を作った立法の趣旨があるというふうに思うんですね。
 この法律を作った当時の一九四八年、創設の際に提案理由の補足説明というのがされております。その中では、権利としても研修を成し得るような機会を持たなければならない、これは一般公務員と違うんだ、だから特例法を作るのだということが言われ、そもそも大臣の説明の中でもそのことが言われてきたわけでございます。
 つまり、なぜかと言えば、ユネスコ・ILOの教員の地位に関する勧告の中では、いろいろと言われておりますけれども、例えば、教職は専門職と認められるものとするとか、あるいは、すべての教員はその専門職としての地位が相当程度教員自身に依存していることを認識して、そのすべての職務においてできる限り高度の水準に達するよう努めるものとするということで、子供たちに直接接する教職員そのものが自ら高めて意欲的に行うものということが導き出されるというふうに私は思います。
 そして、その点につきましては、二〇〇〇年の国会での審議の中でも、教養審の第三次答申を引用しつつ、そういう政府答弁が行われてきたというふうに思うんです。政府の答弁、政務次官ですが、当時、「第三次答申では、第一に」ということで、長くなりますから省略しますが、「「教員が生涯を通じてこのような資質能力の向上を図っていくためには、何より日々の職務に傾注することにより様々な力量を身に付け、それらの職務の遂行を通じて見いだされた課題について研修を行い、その解決を図っていくことが必要である。」「このため、今後は、個々の教員の自発的・主体的な研修意欲に基づいた研修を奨励し、そのための支援体制の整備を図ること」」、このように言って、「文部省としても、」「自主的、主体的な研修活動を奨励、支援していく」、そして、「もっと選択制、幅の広い選択を持たせて、みずからの意思によっていろいろな研修が選べるような形もとっていく必要があろうか」と、このように御答弁されているわけなんです。
 こういう自主的、主体的な研修を奨励する、これは文部科学省の立場としては変わっておりませんね。
#109
○政府参考人(矢野重典君) 今の具体的な答弁分かりませんけれども、私が推察いたしますのに、これまでともすれば研修のありよう、とりわけ教育行政の在り方としては職務研修に重点を置いてなされてきたという、そういううらみがある、そういう意味では、今後は職務研修と併せて自主研修の奨励ということについても行政としては力を入れなきゃならない、そういう趣旨で恐らく答弁をしているのではないかと思うわけでございます。
 そういう意味で、私どもといたしましては、教員の資質能力の向上のためには、職務研修とそれから自主研修両々相まってその実を上げることができるということでございますので、私どもとしては、今申し上げたようなスタンスで今後ともそういう研修の充実について取り組んでまいりたいと思うわけでございます。
#110
○畑野君枝君 自主的、主体的な研修活動を奨励するというのは当然のことだと思うんです。しかも、それは第一項がそういうふうに主体者は教育公務員というふうにまず述べて、そして行政の側は、正に教育基本法十条にもかかわりますけれども、条件整備を本当に進めていく、奨励していくというふうになっているからだというふうにも思います。
 それで、そもそも自主的な研修を推進していく、推奨していくというふうにも言ってこられたわけですが、また既にそういう自主的な研修が行われているのに、なぜ今回、十年の義務付けをされるのかということを伺いたいのであります。
 個々のニーズに沿ってというふうにおっしゃっておりますけれども、教員の希望や自主性に沿って創意工夫をすればいいことであって、それは三次答申でも言われていることであって、それが任命権者の行う奨励ということになるのではないかと思いますが、その点いかがですか。
#111
○国務大臣(遠山敦子君) 個々の教員の資質向上のために自主的な研修を行うことはもちろん大事でございますし、それぞれが工夫をされたり、あるいは大学院へ修学するための休業制度を国としても作ったり、様々な機会をとらえて自主研修に励んでいただいていると思いますが、その自主的な研修のみに任せるだけでは、すべての教諭等について今日求められております指導力向上を図られるかというと必ずしも十分ではない。このために、今回、教育公務員特例法の一部を改正いたしまして、すべての教諭等に中堅教員として今後更に活躍していただくために、個々の能力や適性等に応じた研修を実施するよう、任命権者に十年経験者研修を義務付けることとしたものでございます。
 なぜ、じゃ十年研修かということにつきましては、これまでも再三お答えしておりますように、既存の研修、十年前後に行われております研修だけでは十分でない、また個々の教諭の能力、適性に応じた研修を行っていく、そういうことの必要性から今回法改正をお願いしているところでございます。
#112
○畑野君枝君 聞いても、なかなか理由としてそういうふうにはっきりと分かるかというと、本当に分からないと思うんですね。
 実際、いろいろなところでいろいろな努力をされているところもありまして、これは例えば埼玉県の十年次教員研修の手引というのがございますけれども、いろいろな選択メニューなども作って努力をしているんですね。それで、運営委員会などに現場の教員も来て、そして去年やった中身などの改善なども含めて努力をされていると思うんです。
 今回、十年次研修を義務付けるということになると、こういう各県ごとのいろいろな創意工夫、そういうものは一体どういうふうになっていくんでしょうか。
#113
○副大臣(岸田文雄君) 文部科学省としましても、研修の内容ですとか方法につきまして、基本的な事項について想定しているものを示していきたいというふうには思っておりますが、これはあくまでも参考として示すものでありまして、具体的な研修内容、方法については、各都道府県教育委員会等がその権限と責任に基づいてそれぞれの事情も勘案した上で創意工夫して決定するべきものであるというふうに考えております。
 ですから、決してそういった創意工夫をつぶすものではありませんし、逆に文部科学省としましては、従来、各都道府県教育委員会を始め、各任命権者でこれまで蓄積してきた創意工夫、こういったものを是非これからも生かしていただいて、有意義な、この趣旨に合った研修が行われることを逆に期待しているというのが文部科学省のスタンスであります。
#114
○畑野君枝君 それで、今度の法案で新たに入っているのが、十年目研修の内容を能力、適性等で評価し計画書を作るということなんですよね。
 それで、教育もそうですし研究と修養もそうなのですが、研修もそうだと思うんですが、まず本人のやる気というか意欲というか、そういうのがあってやっぱり人というのは伸びていく、変化していくというふうに思うんです。しかし、何でその個々人を評価して選別をしていくのかと。
 さっき、このそもそもの立法趣旨である提案補足説明でも、権利としてというふうにこれを認めてきたものを阻害するものになるんじゃないかと、大変懸念があります。そういう点での、自らの希望だとか、こういうところに自分は研修に行きたいという自己評価、そういったものは一体どういうふうになるんでしょうか。
#115
○副大臣(岸田文雄君) 研修を効果あるものにするためにそれぞれの意欲とか主体的な姿勢、これを大切にしなければいけないというのは御指摘のとおりだと思います。ですから、今回の制度の中で評価や研修計画書の作成に当たり、教諭等自身が自己評価を行うこと、あるいは教諭等の意見や希望を参考として聴取すること、これは望ましいことだというふうに認識をしております。
 ただ、この十年経験者研修は職務命令に基づく研修である以上、本人の自己評価ですとか意見等をそのままその研修計画等に反映させるということは不適切だというふうに思っております。そういった考え方の中でその自主性、意欲を尊重する研修が図られるということを期待しております。
#116
○畑野君枝君 論議の中でも、加えまして評価を受けると、自分の希望する中身でないかもしれない評価を受け、研修を受け、そしてその後にまた研修結果の評価も受けるというような話がされております。そういうことが実際どのように進められるんでしょうか。
#117
○副大臣(岸田文雄君) 研修後の評価についての御質問だったと思いますが、終了時の評価につきましては法律上の定めはなく、各任命権者の判断にゆだねられているというのがその実態であります。実際はそういうことになっております。
#118
○畑野君枝君 先ほどの議論にもありましたけれども、一番懸念しているのは、評価をされて研修を受けて、その結果がどうだったかというまた評価を受けて、その先どういうふうにつながっていくのかという出口なんですよ。さっきもお話があったように、特に重大なのは、二〇〇二年、今年出された中教審答申が、免許更新制十年の可能性、検討したけれども慎重にならざるを得なかった、無理だと。その代わりに専門性の向上を図るために研修の評価をしなくちゃいけないと、そういうことを言い出したわけでしょう。
 そして、そこでは、学校現場に戻ってから余り改善が見られない場合は更に特別な研修を課すべきであり、それでもなお研修成果が現れない場合は他職種への配置転換の措置にもつなげることも必要だと。そういうふうに評価されて、研修して評価されて、また研修して評価して、駄目だったらもう本当に他職種に配置される、こういうことになるのかどうか。あってはならないと思うんですけれども、その辺はどうなんですか。
#119
○政府参考人(矢野重典君) 少し整理しながら申し上げたいと思います。
 一つは、研修後の評価についてでございますけれども、これは先ほど副大臣からもお話し申し上げましたけれども、法律上の定めはないわけでございますけれども、終了後の評価についても、これは私どもとしては望ましいと、実施することが望ましいというふうに考えているわけでございます。ただ、この研修終了後の評価といいますのは、これはその結果をその者に対する今後の指導やあるいは研修に活用していくという観点からなされるものであるということについて、まず御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 そこで、中教審において触れております指導が不適切な教員についてのお話がございましたけれども、このいわゆる指導力不足教員につきましては、これは教職研修が十年に達するか否かにかかわりなく迅速に把握して、直ちに指導力の改善等に向けた指導、研修を行うことが必要であるわけでございまして、そういう意味では、この十年経験者研修とは別途に対応すべきもの、別途のものとして考えていただく必要があるし、私どももそういうふうに考えているわけでございます。
#120
○畑野君枝君 こんなような研修結果の評価ということを、今まで法律でも触れたことないし、今その法律にも書いていないということなわけです。しかも、おっしゃったように、今度の二〇〇二年度の中教審答申の、そういうことではないということですね、確認をしますけれども。
 今度の研修の評価というのは、こういう他職種へ異動させるということではないということでよろしいんですか。
#121
○政府参考人(矢野重典君) おっしゃるとおりでございまして、この研修後の評価というのは、先ほど申し上げておりますように、その者の今後の指導や研修に活用していくというものでございまして、他職種への転職といったような観点で出されるものではございません。
#122
○畑野君枝君 続いて、それでは、そもそも能力、適性等の定義や、あるいは評価の基準ですね。衆議院で答弁されたのは教科指導の評価基準だったと思いますが、それ以外の、つまり教科外指導の基準ですね、こういったそもそもの話について伺いたいと思います。
#123
○政府参考人(矢野重典君) 少し前置きをさせていただいて恐縮でございますけれども、私ども、今回の研修におきましては、能力、適性等を評価して、それに基づいて研修計画を策定して実施することとしているわけでございます。
 その場合の能力、適性等の等でございますが、等の内容といたしましては経験ということが含まれておりまして、具体には個々の教員等の採用後の研修履歴でございますとか、十年経験者研修を受講するまでに勤務した学校の状況等が含まれるわけでございます。そういうものを、能力、適性等を総合的に評価をして行うわけでございます。
 そこで、評価の基準でございますけれども、評価の基準につきましては、これは基本的には、まず事前に行う評価でございますが、これは個々の教諭等の教科指導、生徒指導等に関する指導力を詳細に分析して、その教諭等の能力、適性に応じた研修としてどのような研修を行うべきかと、そういう観点に立って行う、そういう研修でございます。
 したがいまして、これは都道府県教育委員会が実施する研修事業の内容にかかわってくるわけでございますけれども、かかわってかなり変わって、その内容にかかわって異なってくるものでございますけれども、我が省といたしましては、評価の基準等、評価の具体的な方法についても一つの参考となるものをお示しをしたいと考えておりまして、例えば衆議院では教科指導について具体的な例をお示しをいたしましたけれども、例えば生徒指導について申し上げますれば、日ごろの学級経営の状況でございますとか、あるいは個々の児童生徒の把握の状況、さらには保護者との関係、地域との関係等を評価項目といたしまして、それらが適切になされているかどうかを実例を示しながら評価を行うこと、それを一つの参考例としてお示しをしたいと考えているところでございます。
#124
○畑野君枝君 本当にあいまいもことして、恣意的に運用されるんではないかというような疑念を持たれるような中身だというふうに思います。
 伺いたいんですけれども、その研修をしたと、しかしその教員の資質向上にならなかったと、その場合にその責任はどこにあるというふうになるんでしょうか。本人なのか、それともそもそも計画を立てる上での評価そのものが間違っていたのか、研修内容が悪かったのか、その辺はどうなりますか。
#125
○政府参考人(矢野重典君) それは、個々のケースによっていろんな理由が違ってまいろうかと思うわけでございます。そういう意味で、私どもとしては、この事業がより効果的な事業として実施されますにつきましては、まず任命権者において十年研修が効果的になるように事業内容等について真剣にこれは取り組んでいただくことが必要であるわけでございますし、また、受講する教諭におきましても、自らの力量の向上に向けて研修について真剣に取り組んでいただくことが必要であろうかと思うわけでございます。
 さらに、この事業が国会でお認めいただいて、来年度から制度化されました後には、私どもといたしましては、各任命権者からヒアリング等を通じてフォローアップを行いながら、この制度がより実効性あるものとなるように必要な指導、援助をしてまいりたいと考えているところでございます。
#126
○畑野君枝君 これまた本当によく分からない答弁でございまして、大体、先ほど申したように、研修の評価ということについて、教養審の第三次答申では、そもそもどの研修に参加させる、するのかという評価はなかったんですね。それで、研修後の評価についても、それはさっきもおっしゃっていましたけれども、その後のどうするかということよりも、研修内容が良かったのか、教員にとって本当に資質向上になるようなものだったのかと、反省材料としてそれはされてきたというふうに思うんですね。しかし、そうではなくて、評価、評価というふうに教職員を評価するために使っていけば、本当に学校の和が壊されていく、本当に選別されていく、そういうことになっていくと思うんです。
 科研費で東京大学の浦野教授らが最近校長さんや教頭さんへのアンケート調査を行いましたが、あなたの学校を改善する上で重要度の高いものは何かというふうに聞きましたら、教職員の同僚性の形成を挙げる方が校長を含めて一番多い結果になっているんです。つまり、一般公務員と違う教職員の特質のもう一つはチームワークで行う、そういうこともあるわけなんです。自由記述の中では、意見を言ってもまともに取り上げられない、発言すること自体に勇気が要る雰囲気になってしまったと東京のベテラン教師が書かれております。東京では業績に応じて教師を競争させる研修制度がある、このこととも関連があるのではないか。
 私は、時間が参りましたので、最後に一問伺いたいのは、こうした研修の評価というのが人事評価とリンクするのかどうかということなんです。不適切教員の研修とはリンクしないということでありましたけれども、例えば今各地でこの人事評価システム作りが進められております。ここには神奈川県が教職員の新たな人事評価システムの施行に当たってということで、いろいろ事細かにそういう取組が進められているわけなんですけれども、そういう点では、これはこういういろんな項目で評価したことが今回の十年目研修の評価基準にされるとか、利用されるとか、下敷きにされるとか、こういうことはどうなのでしょうか。
#127
○政府参考人(矢野重典君) 十年経験者研修の実施に当たりまして任命権者が行います評価は、先ほど申し上げましたように、当該教諭の能力、適性に応じた研修としてどのような内容を実施すべきかと、そういう観点に立って行われるものでございます。一方、勤務成績の評定は、これは勤務全般を対象としてその評価の結果を人事異動や昇給等の身分取扱いの上で活用することによりまして、校務能率を増進させるために、そういうために実施されるものでございまして、今私が申し上げました十年経験者研修に際して行う評価とは目的や趣旨を異にするものでございます。
#128
○畑野君枝君 終わります。
#129
○山本正和君 まず、私は、実は参議院の宿舎に電話が掛かってきたり電報が来たりしまして、教特法に反対してくれと、こういうふうに言われた。大分やいのやいのと言ってきて、電話で掛かってきた人といろいろ話をいたしました。そうしたら、今度の教特法の改正というのは、勤務評定に使うんだからけしからぬとか、それから要するに学校の管理体制を強化するために使うんだからけしからぬとか、こんな話を聞いて反対だと、こう言う。そんなことは僕は想像付かぬので、国会で質問しますと、こう言うた。
 要するに、今度の改正は教育公務員特例法というこの法律の趣旨の中で行うものであって、他の法律とは関係なしに、要するに教育公務員特例法の精神に基づいて行う改正であると、このことをひとつまず大臣から御答弁いただきたいと思います。
#130
○国務大臣(遠山敦子君) 結論を申せばそのとおりでございまして、今回は、教員に必要な研修制度の中で、十年経験者に対しまして、より指導力を確実にしていただくため、あるいは今後学校運営でありますとかマネジメントでありますとかそういう学校教育を更に豊かに充実したものにしていただくためのいろんな能力を更に高めていただくために、十年経験者研修と銘を打ちまして、それぞれの任命権者が創意工夫を持ってやっていただきたいという趣旨でございまして、それが直接勤務評定にかかわりますとか云々のことは、これまでの答弁でも明らかにしてまいりましたが、そういうことではございません。
#131
○山本正和君 そういう大臣の御答弁でひとつ通していただきたいと思うんですが、ただ、衆議院での、今日の午前中ありましたけれども、答弁だとか、それから先ほど私も聞いておったんですけれども、やっぱり誤解を招くようなことが飛び交うわけですね。
 私は、恐らく先ほどの政務官の御発言は御自身の御意図とは違うんだろうと思うんだけれども、聞きようによってはこれは勤評にも使いますよと。要するに、この研修の結果が非常に良かったら、例えば昇給することもあるしというふうに聞こえるようなニュアンスが彼女の言葉に出てくるんですね。それが大変な影響を与えるので、これは大臣からひとつ。
 私は、昔、自民党の七十代の人とよう仲良かったものだから酒飲んだりいろいろするんですけれども、そうすると、与党が一番つらいのは政府の立場に立って答弁するときだと。自分の気持ちはいろいろだけれども、立法の趣旨はこうですよ、間違えて答弁したら大変なことになる、だから、法律を作って、自分が大臣になったり政務次官になったりするときには本当に勉強してから物を言わにゃいかぬぞと、こう言ってしかられたと、昔。その辺はひとつ、責任者は大臣ですから、副大臣はしっかり法の趣旨に基づいて先ほどから答弁されておられるので私は安心だったけれども、政務官はちょっと心配なので、その辺はひとつ御注意のほどをいただきたいと思います。
 そこで、私はここで申し上げたいんですが、実は教育公務員特例法というのも、私は教員になったのが昭和二十四年ですが、特例法もちょうどその時期にできておる。これは当時文部省が大変な苦労の中で作られた法律。なぜ教育公務員だけ教育公務員特例法と。教育公務員法で言うところのこの教員というのはだれかといったら、大学の学長まで入るんですよ。大学の学長まで全部教員、教育公務員の中に入るんですね。だから、研修というのは、ここでは、法律の中にわざわざ研究と修養という言葉を使っている。すべて教員は研修に努めなければならないという責務なんです、これは。だから、研修せぬようなやつは教員やらせず首切ったらいいんです、本当の話。本来そういうものです、研修というのは。それぐらい重要な意味を持っているものなんだと。また、教員はそれだけの自覚を持たなければいけない、こうなんですね。
 そのことは、当時、教育関係団体、戦争負けたばっかりですけれども、全部、随分議論したんです。そして、当時の日教組もよく分かりましたといって賛成してつくった、教育公務員特例法。ところが、昭和三十二、三年ごろから日教組がだんだん減ってきまして、それまでは日本じゅうの教員皆入っていたんですよ、これは北海道から、沖縄はまだ復帰していませんけれども、鹿児島まで全部入っていた。校長先生も皆組合員。三十三、四年ごろからだんだん日教組の中もおかしくなりまして、理論闘争が先に来ちゃって、今は三〇%台ですよ。そんな日教組が日本の文教政策に影響を与えるような時代でなくなっちゃった、誠に残念ながら。私は本当は一〇〇%がいいと思うんだけれども、そうなっていませんけれどもね。
 そういうふうな中で、しかし、なおかつ私はこの教育公務員特例法というものの重要性、本当に今ひしひしと自分は思うんですよね。それはなぜかと言いますと、いわゆる戦争負けるまでの教員というのは官吏に待遇する、官吏待遇、待遇官吏ですね。ところが、その後の法改正の云々で一時的に全部官吏になったんです、官吏に。官吏ですよ。公務員じゃない、官吏です。それを、公務員法制定ということで、国公法を作ったり地公法を作ったりしていった。地公法ができたのは昭和二十五年ですよね。そういう中で、一体それじゃ教員の身分をどう位置付けるかということをめぐってさんざんかんかんがくがくの議論をした。昔は小学校の担任の先生から、親が呼び付けられて、あんたはどういう家庭教育をしているのって親がしかり飛ばされた。それは官吏だからですよ。天皇陛下の命を受けてやっているから。今そんなことをしたら、すぐもう親から総スカン食らって辞めにゃいかぬですよね、時代が違うわけですけれども。
 そういう中で、しかしなおかつ文部省も議論し、当時の教育学者も議論したのは何かといったら、我が国は三歩下がって師の影を踏まずとかいって、特に明治時代に先生というものを非常に大切にした教育、教わってきたと。しかし、かつて中世では、奴隷を先生にしたんですよ。自分の奴隷を子供を教えるのに使った。そういうヨーロッパやアメリカの教育というものと明治以来やっている日本の教育とどう調和するかということで随分苦労して苦労して、最後に、ここだけはちゃんとしようというので作ったのが教育公務員特例法という法律なんです。
 ですから、研修というのは当然の義務なんだ。また、研修を与える責任が政府にある。しかし、本当は政府との関係で、それは地方公務員法ができましたから、これは地方自治体にゆだねたという経過なんです。と同時に、私学に対しても国が、教育に関しては国の責任ということになっていますから、私学の教員の身分だとかなんかも含めて、免許状なんかも含めて国が全部ちゃんとやっておった。しかし、それも含めて変更していく中でこの教育公務員特例法できているわけですから、私はこの教育公務員特例法というのは世界に誇る大変立派な法律だというふうに思っているんですよ。大切な我が国の法律だと思う。
 そうすると、したがって、この教育公務員特例法に基づく研修という概念の中で、教育公務員特例法で言う研究と修養、研修という概念を生かすものとしてのこの十年研修であるということでよろしゅうございますか。
#132
○国務大臣(遠山敦子君) そのとおりでございまして、教員の職務といいますものは一般公務員とは違いまして、児童生徒、学生も入りますけれども、その人格形成あるいは知的向上に努める、そういう責務を持っておりますが、それは言わば普通の公務員とは異なる特殊性があるということからこの教育公務員特例法が定められたわけでございます。
 そして同時に、今、委員がおっしゃいましたように、その十九条におきましては「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。」と明確に書いてございまして、その中には、自ら自主的に研修する部分と職務研修等も含めてそういう研修に努めなければならない。正にそれは教育公務員が負っているその特殊性、言わば崇高な仕事、その責務に対応してそういう努力義務というものが明確にうたわれているものだと思います。
#133
○山本正和君 そこで、研修は十年たってやるということは私は別に悪いことじゃないと思いますし、毎年毎年もっと研修はしっかりやった方がいいと思いますけれども、一つのけじめですからね、やってもいいだろうと、より効果的にしたらいいと思いますが。
 ただ、心配なのは、例えば高等学校で、教科担任ですよ、ほとんどね、高等学校の場合ね。ところが、その研修をするについて相談するときに校長先生が何やかやいろいろやらなきゃいけないとなると、例えば、こんなこと言ったらおかしいけれども、古文の授業を、英語のずっと専門で担当していた者が校長先生になったと、古文の授業を見に行って分かるかといったら、絶対分からぬですよ、これ、正直言って。教科の場合ですよ。同じようなことで、例えば校長になったといっても、その校長の教員の今までのいろいろな経歴の中で、自分で理解できる部分と理解できない部分がある。
 しかし、たった一つみんなが共通しているのは何かといったら、子供を育てる。子供と自分たちも一緒になって生活しているという中での、そこのところでの共通点があるわけであります。そういう意味で、先輩として後輩を指導する、あるいは長所短所を見るということはできるでしょう。しかし、教えるということについて、じゃこの教え方がいいか悪いかと。
 実は、私も高校の教員をしておって、初めは、昭和二十四年、教科書なかったから自分で作ったんです、教科書をね。しかし、その後ずっとやっておって、今度進学校へ行って教えたら、そこで、私の先輩教員で京都大学の理学部化学科出た人ですよ、大学の教授になる人です、その人が私と同僚でおった。それで、私が化学を教えるのに小説を引用して、あれはゲーテの「親和力」だったですかね、Aという男性とBという女性が恋愛関係にあるところにCという男性とDという女性がやってきて壊れちゃって、AがDとひっ付いてCとBがあれがという、そういうことを例に取って、相引くものが強いものが結ばれて、そこにそれしか、世にA、B、C、Dしかいなかったら、残った二人がいや応なしに結ばれちゃったんだと、こんなようなことも化学で勉強するんだという話をしたら、生徒はよく分かって興味を持ったんだ。そうしたら、その京都の理学部化学科の先生が、山本さん、あれちょっとえらいぞといってしかられた。ところが、私の教えたクラスの方が大学に余計入ったんですよ、しかも化学取ってね。それは、いろんなやり方があるんです、人間の、個人というのはね。
 だから、先生が自分の研修するということはいろんな意味で大変なものがある。そのことに対してこれでどうするかといった場合に、私はこの十年という時期は非常にいいと思うんですよ。だから、そういうものを生かすようにするためにどうしたらいいかといったら、文部省からは様々な例示はしていただく必要があるだろうね、こういうことをやったらいいんじゃないか、こういうことをやったらいいんじゃないかと。しかし、それを強制するんじゃなしに、あくまで都道府県教育委員会が現場に即して、また、先ほど言った教師の自己評価というか希望というか、そういうものを十分に勘案しながら教育委員会が決定すると。決定したら、職務命令で研修させるわけですからね、これね。そういう手続でいくものだというふうにして理解してよろしゅうございますか。
#134
○副大臣(岸田文雄君) そのとおりだと考えております。文部科学省として基本的な事項については示していきたいというふうに思っていますが、あくまでも各任命権者の責任において方法、内容等は決定する、そこで創意工夫が行われて有意義な研修がされること、大変望ましい姿だと考えております。
#135
○山本正和君 そこで、実は、小学校の場合は発達段階が大変六年間で大きく変わってくるわけですね。これはまたこれで大変なんですけれども、小学校の教員をお互いに研修するときの議論はいろいろできるんですよね。ところが、どうも前の文部大臣がお見えになるのでやりにくいんですけれども、大学の教員の研修というのはどういうふうにするんだろうかと、こういう質問を私は受けまして、じゃ、次、聞いてくるわと、こう言ったので、この辺で文部省から、大学の先生方の研修はこうやっていますよということをちょっと聞かしていただきたいんですがね。
#136
○政府参考人(工藤智規君) 教育公務員特例法は大学の教員も対象になってございますので、およそ学校の教育者たる者、絶えず自己研さんに努めなきゃいけないというのは大変重い責務であろうかと思ってございます。それは高校以下の場合と大学の場合と変わるところはないわけでございますが、ただ、大学につきましては学問の府としての性格もある中で、基本的には教員個々人、それから各大学の強い自覚と自己責任において第一義的には行われるべきことではないかと思っておりまして、任命権者である文部科学省あるいは文部科学大臣が事細かに何か研修計画を立てるというのはいかがなものかというふうに考えてございます。
 現に、各大学いろいろな御工夫をいただいてございまして、しかも、今大学改革の折から、大学審議会の御答申を受けまして、平成三年以降いろんな制度改正をしてございますけれども、その中で、大学によりましては新任の教員の先生方の研修でございますとか、あるいは、教員同士がややもすればそれぞれの教室別々にやっていたのでございますが、お互いに授業を見ながら切磋琢磨するようなことを行うとかいうこと、いろんな努力をなされてございます。
 私どもも、国公私の大学行政を預かる立場からでは、大学設置基準などを改正いたしまして、そういう各大学の御努力、片仮名語で恐縮でございますが、私どもファカルティーディベロプメントと言ってございますけれども、それぞれの大学における教育の質の向上のための御努力を言わば努力義務として設置基準上示させていただいてございます。
 また、設置者の立場からは、幾つかの大学でセンターなどを設けまして組織的にそのような努力を学内挙げて応援しようというような大学もございますので、予算等の上でそういう条件整備のお手伝いをさせていただいているところでございます。
#137
○山本正和君 要は、特に国立大学の場合、私立大学の場合を問わず、アカデミックフリーダムという立場を尊重しながら研修が行われるということだろうと私は思うんですね、大学の場合は。そのことは、大学の先生たちに逆に自信と勇気を与える、また意欲を与えるということだろうと思うんです。
 正直言って、私は坊主が慶応の教授しておるもので時々一杯飲みながらやるんだけれども、おまえ、ちっとも勉強していないじゃないかと私は親だから言うんですよね。いや、おやじが知らぬところで勉強している、こう言うんだけれども、目には見えませんよね、正直言ってね。
 こういうふうに十年になったから全部集めて勉強したら、これは目に見えますよね。だから、そういう目に見えるという格好でやらせて、何かマスターベーションとは言わぬけれども、研修させていますよというふうな印象を与えないようにこれやらぬと、せっかくのこの教育公務員特例法に基づく十年研修というものの意味が誤解されるんじゃないかということを私は心配してならないんですね。
 そこで、実はこれをやった段階で、私は、これを計画し、これは職務命令まで発してやるわけですから、やったところの機関は、そのやった研修が、企画が、あるいは実施の実態というものが良かったか悪かったか、どういうところに長所があったか短所があったか、あるいは次やるとしたらどういうことが参考になるか、こういうふうな評価というのは、これはこの前、政策評価法という法律が通ったわけですからね。あれは、こんなことじゃなしに、もっと一般的なことだけれども。当然そういうことはやるべきだと思うんだけれども、ちょっと法律の中にはそこ書いていないけれども、その辺のことはどういうふうに考えておられますか。
#138
○政府参考人(矢野重典君) 研修についての評価という場合二つございまして、先ほど来御議論がございますのは、研修が終わった後の受講した者に対する事後評価といったようなことが一つであろうかと思いますが、研修そのものについて、研修プログラムといったような研修そのものについての評価という面もあるわけでございます。
 そういう意味で、研修終了後、受講者に対する評価の話は先ほど来申し上げましたのでもう繰り返しませんけれども、研修そのものについての評価というのも大変大事なことであろうかと思ってございます。そういう意味で、私ども、例えば研修を受講した者からアンケート調査をする等々様々な工夫をして、研修そのもの、研修自体についての評価を行うことが大変大事であろうというふうに思っておりまして、そのことは、この研修制度が発足して都道府県に対する指導通知をお示しする際にはその点についても留意をして指導を申し上げたいと思っております。
#139
○山本正和君 ということは、政令かあるいは通達かは別にして、何らか手を打たれるというふうに思うんですが、私は是非、これは研修に参加した者から、今回行われた研修についての感想というか、逆評価です、下の方から。この企画は良かったと思うか悪かったと思うかと全部必ず聞けと、どこが悪いかというのも全部参加者に聞いて、それは取り入れて次を改めるというふうに。
 要するに、今度はいわゆる教育公務員特例法で言うところの研修、これは個々の教員はすべて研修の義務を負っている、やらなきゃいけない。やらなかったら教員じゃないんですよ、これは。やる義務を負っている。
 しかし、と同時に、今度は、あれでしょう、都道府県教育委員会、本当は国立大学なら文部省も、文部省は大学に任せているからあれだけれども、国立大学、大学ですよね、大学の学長なんかは教授には務まらぬですよ。しかし、職務命令をもって今度やらせるということであるならば、そういうことをやる人はもっと自ら厳しく、教育公務員特例法に基づくこの研修というものの成果があったかなかったのか、厳しく問われる、自分を問い返すべきだろうと思うんですね。
 そういう意味での取組については、これは法律には書いていないけれども、省令若しくは通達その他の指導でもっておやりになるということでよろしゅうございますか。
#140
○政府参考人(矢野重典君) そのとおりでございます。
#141
○山本正和君 それでは、ひとつ様々な誤解がある部分を是非解いて、そして本当に日本じゅうの教職員が、先生の本務は子供を教えることもだけれども研修であるということが更に徹底するように、それも、先ほど言われた職務研修と自主研修とある。両々相まっている。しかし、実は、相まっているんだけれども、混然一体となって分からないんですよ。
 例えば、また私は自分の経験で言うけれども、化学の教員だけれども、化学の授業をするときに化学以外のことを話した方がよく分かることがたくさんある。しかし、その場所じゃ、勤務時間中にそんな本読んだら、給与から差し引くと言われたら本読めませんよね、職員室で。しかし、大部分の教員はみんな学校におりながら、例えば、今言われているこういうすばらしい論文があるとする、自分の教科に関係ないけれども読もうかと、あるいは読書会やってみる、そんなことも学校でやるんですよね。しかし、それは学校の中でやっておるときは校長先生気が付かぬから給料払っている。もし、自分のうちでやったら、これは一生懸命勉強していることになるんだけれども、実際はこれ給料払わぬですよね。だから、教員の研修というのは非常に多種多様な形態がある。そこのところが誤解されると私は大変なことになると思いますよ。
 だから、大学の先生が私は一番いい例だ。大学の先生がなぜ本気になって自分たちの自己研究ができるかといったら、湯川さんがあれ得たときに、夢の中であの素粒子論をぱっと考えた、中間子論をぱっと考えたと、夢の中で。夢の中で彼勤務しておったんですよね、正直言って。
 それぐらい、だから教育というものは、いわゆる時間でもって何時から何時までの勤務だとか、大概は決められない。一番大事なことは、子供を教えるということについて教師の自己責任。悪いやつは辞めさせたらいいんですよ、本当に。私はそう思う、大賛成だよ。また、辞めていかなきゃいかぬですよ、本当からいえば、そんな者はね。
 しかし、そういう教師が自己責任を持てるようにするのは社会なんですよ。社会が教師を大事にせぬと駄目ですよ。社会が先生をぼろくそに言って、新聞でも悪いことばかり取り上げます、ちょうど政治家もそうですけれども。一人悪いことをやったら、まるで五百人の国会議員みんな悪いというように言われるのと同じで、先生の場合も何かあると全部書かれる、新聞に。しかし、そうじゃないんですよ。
 それから、もっと言えば、親が人間とは何か、自分の生きざまは何かということを子供によう言うかと。よう言わぬ親は一番学校に文句言うてくる。親がしっかりしていれば絶対学校に文句言いに来ぬですよね。それぐらい様々な問題の中で先生は研修に苦しんでいるんですよ。
 だから、文部省はこの教特法を出すについて、あくまで現場の教員の自主研修というものも大事にするようにした方がいいですね。自主研修も、十分校長先生も含めてしっかり頑張れよということを併せて、温かみを持って通知をしていただくようにしていただきたいと思いますけれども、この辺は大臣から、文部省としての研修に当たってのひとつ全教職員に対する訴えという格好で何か一言お願いしたいんですがね。
#142
○国務大臣(遠山敦子君) 私は、教員も含めて、人間は常住座臥、自らを磨き、学ぶべきものは学ぶ、そういう姿勢を生涯貫くのが人間であると思っております。いわんや、子供たちを指導し、子供たちを全人格的に育て上げていく、あるいは子供たちに必要な知識、技術をしっかりと教えていく、しかもそれを工夫しながら教えていく、そういう役割を持つ教員の方々は常に自己研さんに努めていただきたい。
 と同時に、やはり日本国全体の教育水準を高めるために国の制度として今般導入しようとしております十年経験者研修におきましても、その成果が十分上がるように、これは教員の方々自らが自分の責務として、義務として考えてもらいますのと同時に、任命権者もそれぞれの教員の特質を十分反映した優れたプログラムを組んでその成果が上がるようにしていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、私は、多くの教員の方々は非常に力を入れて、また力を持って日本の教育に当たってくださっていると信頼をしているわけでございます。その信頼に十分こたえていただきたいと思いますし、今回の法改正がそういう意欲を更に高めていただけて、日本の教育がまた一歩前進することができるように是非とも、私どもも努力いたしますが、それぞれの地域及び教員各位におかれても頑張っていただきたいものだと思っております。
#143
○山本正和君 終わります。
#144
○委員長(橋本聖子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#145
○林紀子君 私は、日本共産党を代表して、教育公務員特例法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対する理由は、教職十年経験者研修を法律で義務化し、個々の教員を評価し、それぞれの能力、適性に応じた研修を行うこととする本改正は、教員の資質を向上させるどころか、教員をふるい分ける手段となるものだからです。
 この十年経験者研修は、十年を経過した教員すべてに対し能力、適性などについて評価を行い、その結果に基づいて計画書を作成し、実施するとされています。質疑で明らかなように教員はランク別の研修を受けることにもなり、これでは教員のランク付け、ふるい分けにもなりかねず、到底認めることはできません。
 また、中教審では、研修後の評価によっては他職種へ配置転換もできるとしており、本改正は、人事評価と連動して、指導が不適切な教員として切り捨てるものとなるという疑念は払拭できません。
 現在の教育の困難を打開するためには、教員の指導力の向上が重要なことは言うまでもありません。それは、実際に子供たちと一緒に学び、教員同士の自主的、主体的な研修、保護者などとの共同によって図られるものです。しかし、今回の改正による十年経験者研修は、研修の名によって教員をランク付けし、競争を強いるもので、ILO・ユネスコ共同の教員の地位に関する勧告に反するものとなり、教員の自由、創意及び責任を減殺するものになりかねません。
 現在の教育の困難に心を痛め、本当に教員の指導力の向上を求めるのであれば、教育基本法がその前提としている教員の身分の尊重、待遇の適正に目を向けるべきです。それは、官製の研修に追われる教員の実態とその内容の見直しであり、多忙化の解消や少人数学級の実施による負担軽減など、教育条件を改善し、教員が自主的に、主体的に研修を行えるようにすることです。
 本改正は、教員の指導力の向上ではなく、むしろ教員をふるい分け人事管理の強化につながるものであり、認めることはできません。
 以上の理由から、本法改正に反対することを表明し、私の討論といたします。
#146
○委員長(橋本聖子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 教育公務員特例法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#147
○委員長(橋本聖子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、小林元君から発言を求められておりますので、これを許します。小林元君。
#148
○小林元君 私は、ただいま可決されました教育公務員特例法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    教育公務員特例法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について配慮をすべきである。
 一、十年経験者研修の実施に当たっては、教員一人一人の専門性の向上や得意分野を伸ばすなど、真にニーズに応じたものとなるよう、実施に当たる任命権者等においては、実施期間、場、実施方法等に関し様々な創意をこらすこと。
 二、任命権者等においては、十年経験者研修がその効果をあげ得るよう、研修企画の策定や研修内容の評価に当たっては、関係者等と連携し、教員のニーズや現場の意見の反映などに努めること。
 三、十年経験者研修においては、事前の自己評価を行うことなどによって、教員の自主的・主体的な研修意欲が喚起されるよう促すこと。
 四、十年経験者研修は、各教員の能力・適性等に応じた研修を行うことにより教員の資質能力の向上を図ることを目的とするものであることにかんがみ、研修終了時の教員に対する評価結果が直ちに勤務評定につながるものではないことに十分留意すること。
 五、国や任命権者等においては、研修の実施に伴って教育現場に支障を来さぬような態勢の整備及び財政措置等の条件整備に努めること。
 六、これからの学校教育においては、様々な得意分野や専門分野を持った教職員が協働して教育効果等を高める必要があることから、教員だけではなく、様々な職種の専門性向上のための施策の検討や、研修機会の充実を促進すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#149
○委員長(橋本聖子君) ただいま小林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#150
○委員長(橋本聖子君) 多数と認めます。よって、小林君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、遠山文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。遠山文部科学大臣。
#151
○国務大臣(遠山敦子君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
#152
○委員長(橋本聖子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#153
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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