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2002/02/01 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 財政金融委員会 第2号
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2002/02/01 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 財政金融委員会 第2号

#1
第154回国会 財政金融委員会 第2号
平成十四年二月一日(金曜日)
   午前十時四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     峰崎 直樹君     内藤 正光君
 二月一日
    辞任         補欠選任
     溝手 顕正君     森元 恒雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山下八洲夫君
    理 事
                入澤  肇君
                林  芳正君
                若林 正俊君
                円 より子君
                山本  保君
    委 員
                上杉 光弘君
                尾辻 秀久君
                金田 勝年君
                鴻池 祥肇君
                坂野 重信君
                清水 達雄君
                中島 啓雄君
                溝手 顕正君
                森元 恒雄君
                山下 英利君
                大塚 耕平君
                勝木 健司君
                櫻井  充君
                内藤 正光君
                浜田卓二郎君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       金融庁監督局長  高木 祥吉君
       総務省自治財政
       局長       林  省吾君
       総務省総合通信
       基盤局長     鍋倉 真一君
       財務省主計局次
       長        牧野 治郎君
       財務省理財局次
       長        竹内  洋君
       中小企業庁長官  杉山 秀二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用
 による社会資本の整備の促進に関する特別措置
 法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨一月三十一日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として内藤正光君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山下八洲夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に金融庁監督局長高木祥吉君、総務省自治財政局長林省吾君、総務省総合通信基盤局長鍋倉真一君、財務省主計局次長牧野治郎君、財務省理財局次長竹内洋君及び中小企業庁長官杉山秀二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山下八洲夫君) 日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○内藤正光君 おはようございます。(「頑張れ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。与党からも御声援をいただきまして、ありがとうございます。民主党・新緑風会の内藤正光でございます。
 昨日の予算、そして本会議に引き続きまして、塩川大臣に主に質問をさせていただきたいと思います。
 まず冒頭、昨日の本会議でも質問させていただいたんですが、産投特会に返済された資金をどうするのか、そういった質問をさせていただきました。そのとき私は、これは認めているんです。今は、産投特会に返済されたお金は一般会計、そしてまた国債整理基金へと繰り入れられていると。それはちゃんと行われているということは私は申し上げた上で、ただ、法律上、そうする必要、即そうする必要もないような仕組みになっていると。産投特会に返済されたお金をいったんそこでプールして再び事業主体へ貸し出すということも、余地が残されていると。これを許してしまったら、私は、もう財政規律がぐちゃぐちゃになってしまう。やらないということは分かるんですが、ただ、そういう余地が残されていると。この余地をやはりふさぐべきなんだろうということを申し上げさせていただいたわけなんです。
 ところが、昨日、本会議における塩川大臣の答弁は、私が言ったことをただそのまま繰り返しただけのように思えるんです。
 そこで、やらないならやらないということで、私は法改正を視野に含めてそのところは押さえるべきだと思うんですが、いかがですか、大臣。
#7
○国務大臣(塩川正十郎君) 御質問の趣旨、よく分かりました。
 法律をもってそれをきちっと明記するという必要はあえてないと思っておりますし、やらないということは、方針をちゃんと財務省の中でもやっておりますし、政府で決めておりますので、その点は、一々法律でもってこれを縛り付けてしまうということはいかがなものかという感じがいたしまして、やらないということは言明しておきたいと思っております。
#8
○内藤正光君 そういったことは、財政規律を乱すようなことは決してやらないという答弁が今大臣の方からなされたわけです。それはそれで一つ大変前向きな発言ということでお受けさせていただきたいんですが、ただ、法律改正といってもそんな難しいことじゃないと思うんです。それこそ、社会資本整備特別措置法というものがありまして、その中の第六条でしょうか、「後日」云々というふうなくだりがあるんですが、私は、そこの「後日」というこのくだりをただちょっと修正すればいいだけの話なんです。そんな難しいことじゃないと思うんです。こんなのは、修正案なんていうのはもう数時間もあればできてしまうようなものだと思うんですが、そういったことを踏まえて、いかがですか、やらないならばそれはやはり形で示すべきだと思うんです。やはり苦しいときに、やはり窮鼠猫をかむの例えもあるように、どんなことでもすがっちゃうかもしれないんです。そういったことを、今の決意を必ず守るためにも、私は法改正をしてその変な道を完全にふさぐべきだと思うんですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、完璧を期すということになったらすべて法律になってしまいまして、それはそれなりの意味がまたあるのかもわかりませんが、これは財務省を信用していただいて、やらないと言っているんですから、これはこれで厳守していくということでございます。
#10
○内藤正光君 私は塩川大臣は信頼したいんです。ところが、塩川大臣だってずっと財務大臣の職にあるわけじゃない。もしかしたら、ほかの大臣が来たときにその塩川大臣の決意が守られない可能性もあると。そういった場合に備えて、やはり私は法律でしっかりとそういったところは押さえておかなきゃいけないんじゃないのかと思うんです。
 私は、何度も言うように、塩川大臣は個人的には私は信頼をしております。そういうことはやらないだろうと思うんですが、その後継の方々、どうなるか分からない、そういったことを申し上げているんです。
#11
○国務大臣(塩川正十郎君) しかし、仰せのことは聞いてはおきますけれども、一応私たちの中で、これは法制局ともいろいろと検討いたしまして一応はこういう措置をしたことでございますし、法律であえてしなきゃならぬという、そういう縛りをあえてしなきゃならぬという必要もないだろうという考え。それはそうしておけば完璧、がんじがらめの完璧だということでございましょうが、私は、それは一つ運用の問題もあるということで、といって、それを厳守して再投資をするということはいたしませんということを言っておるんでございますから、これはこれで了解をしていただきたいと思っております。
#12
○内藤正光君 この問題をずっと続けていても本当に、ちょっと永遠に無限ループにはまってしまいそうですので、それこそ。
 じゃ、最後に確認します。どんな、いかなる事態があっても、そのように産投会計に返済された資金をそのまま事業主体に貸し付けることはなく、即刻一般会計、さらには国債整理基金へと繰り入れると、そういうことをお約束していただけますね。ちょっと大臣のお言葉で改めてお答えいただきたいんですが。
#13
○国務大臣(塩川正十郎君) 再投資をするということはいたしません。
#14
○内藤正光君 もうちょっと全文で言っていただきたいんです。産投会計に返済された資金は即一般会計に繰り入れ、さらに国債基金へ繰り入れる、どんな事態が生じても、そのことをお守りいただくということをちゃんと全文で言っていただきたいんですが。
#15
○国務大臣(塩川正十郎君) 産投から一般会計へ繰り入れて、そして財投、いや国債整理基金へ繰り入れると、その経路を恪守するようにいたします。
#16
○内藤正光君 そのことは、塩川大臣もちろんのこと、その後継の大臣、ずうっと守っていただきますようお願いをさせていただきます。
 さて、次に移らさせていただきます。
 まず、ちょっと確認なんですが、昨日の予算委員会でもいろいろさせていただいたんですが、今回の貸付けの対象というのはあくまで改革推進に資するものばかり、新しいものばかりで、間違っても、何かどこかにほこりをかぶっていたようなものを引っ張り出してきて、それに改革推進公共投資という服を着せて今回の中に盛り込むようなことはないと、つまりラベルを付け替えるような、雪印食品のようなことはしないということですね。
#17
○国務大臣(塩川正十郎君) そんな器用なことはしておりませんので、御安心いただきたいと思っております。
#18
○内藤正光君 そこで、ちょっと昨日の予算委員会を引き合いに出して、何度も引き合いに出して大変恐縮ではございますが、昨日、私が公務員宿舎に関して質問をしたことは覚えていらっしゃるんだろうと思います。
 その質問に対して大臣は、高層化することによって敷地内に空いた土地を一般地域に開放して云々ということを答えられました。それに対して私は、それはもう町づくりじゃないかと、こんなのは補正予算でやるべきものじゃないと、もっと本予算でしっかりと腰を据えてやるものだというふうに申し上げました。そういったことに対して大臣はこういうふうにおっしゃったことを覚えていらっしゃいますでしょうか。従来からこれは用意してきたんですと、従来から、ずっと前から、今回の補正予算の編成のときじゃなくて、それ以前からずうっと用意してきたと。してきたんですけれども、ほかに予算要望が非常に強いものがございましたから後送りをずっと続けてきた、そういった事案を今回盛り込んだということを大臣おっしゃっているんですが、覚えていらっしゃいますか。
#19
○国務大臣(塩川正十郎君) 記憶にございます。
#20
○内藤正光君 これは、どちらかというと、正にラベルの付け替えですよね。違いますか。
#21
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、物事をそういういろんな角度から見ればどのようにでも見方はございますけれども、例えば地方、これは東京ばかりじゃないんです、公務員宿舎というのは。神戸、岡山、熊本とか、ずっとこれは全国で十九か所あるんですね、もう建て替えてほしいといって要望しておる、長いこと要望しておるものが。それがちょっと待て、ちょっと待てで延ばしてきたわけですから、この際に売り払うものは、ある程度跡地を売り払って、コンパクトにして高層化するというようなことをして残地を作らすと、そしてそれはやっぱり国庫に入れさすと、そういうことを計画しておったものをこの際にスタートさそうということですから。要するに、そういうこれから新しく事業を起こして、いや計画して、フィージビリティーをやってアセスメントを取ってというような、そういう長期見通しをしたったものじゃない、即効性の事業であると、こういう具合に認識していただきたいと思います。
#22
○内藤正光君 ちょっと、その公務員宿舎をもうちょっとお伺いしたいんですが、即効性、即効性とおっしゃいましたが、昨日は、新しく公務員宿舎を建て替えて高層化して、光ファイバーを敷設して、そして空き地を一般地域に開放すると、ショッピングセンターや何かもそこに店を開いてもらうとか、すばらしい案をお伺いをさせていただいたわけなんですが、そもそもそこに実はちょっと問題があるというか、本当に即効性がありとか、本当に改革推進に資するんだったらば、何もそこに公務員宿舎を取っておく必要ないわけですよ。一般の今民間企業なんというのは、そういったいわゆる宿舎とか社宅とか言われるものをどんどんどんどん売り払って、民間にすべて売って民間に利用をゆだねているわけですよ。改革推進云々だというのであらば、むしろそちらの方があるべき姿、取るべき姿じゃないんですか。
 なぜ、一般の会社が今必死になって、そうやって自分の資産を少しでも減らすべく社宅をどんどんどんどん削っていって、売り払っていっていると。しかし国家公務員というか、公務員の宿舎だけがそういうふうに、そこになきゃいけないという、そういう前提に基づいているんですか。
#23
○国務大臣(塩川正十郎君) 公務員宿舎も民間の社宅も同じようなことでございまして、今住んでいるものを、それを住んだままで他人に売ってしまって他人に整理せいといったって、これはできるもんじゃございませんから、一応官の方で、公務員宿舎ですから、官の方で宿舎に代替するものをちゃんと造ってやってそこへ移転させて、そして現在住んでおるものを取り壊して、空き地は売るものは売って、そして必要な用地を確保してそこに高層化していくと、そういう手順を踏んでいかなきゃなりませんので、住んでいるものを丸ごとふろしきに包んで売ってしまうと、そんなわけにいきませんので、そこは手順を認めてやっていただきたいと思います。
#24
○内藤正光君 手順を踏んでくれと言うんですが、民間企業も今まで住んでいたものをあしたから出ていけなんということは言いませんよ。やっぱり計画を立てて、何年後にもう新しい入居者を受け入れないとかいうことで徐々に徐々に減らしていって対応するわけですよ。民間企業もそんなことやっていませんよ、そんな、あしたから出ていけなんということは。
 まあこの辺の話は、そんなにいろいろやっていても、ちょっとほかにもやりたいことがたくさんありますのでこの程度にしますが、私は、やはり今は民間企業が必死になって、もう本当にぜい肉をどんどんどんどん削り落として、もう絞り切ったぞうきんも更に絞ろうということで必死になっていると。もうそれこそ福利厚生面の最大の一つであるそういった社宅や何かもどんどんどんどんもう削っていって、そして借り上げマンションとか借り上げアパートとかそういったものに住まわせていくと。むしろそちらの方が、今緩み切っているそういったマンション需給とか、そういったものがいいんじゃないんですか、バランスが取れて、逆に。何もずうっとその公務員宿舎に住んでもらうということを前提としなくたって、というふうに私は思います。ですから、やはり今までの前提とかそういったものをちょっと抜本的に見直して対応していただきたいと思います。
 そして、じゃ次に移りたいと思いますが、ちょっとこれ事前通告していなくて恐縮なんですが、ただ、そんな突拍子もない質問ではございません。
 Cタイプについてなんですが、今回、二次補正でCタイプは全く金額的には積まれていませんね。しかし、今回Cタイプが措置されているわけです、この法律でですね。何でなのか、なぜなのかということなんですが。
 平成十四年の当初予算を見ても、Cタイプ絡み、ないわけです。となると、勘ぐってしまうんですよね。平成十四年の補正予算でこの辺りを対応しようとしているのか。つまり、平成十四年度予算、まだ出てもいませんが、出されてもいませんが、補正予算含みで平成十四年度予算を出そうというわけですか、そういうことではないんですか。要は、なぜCタイプ、今回の法律で金額が積まれてもいないのに措置するのか、そういうことです。
#25
○国務大臣(塩川正十郎君) 内藤先生の質問の先ほどの中でこういうことがございましたね、新しい公務員宿舎として民間から借り上げてもいいじゃないかと、こういうことでございましたね。そういうものも含みにして、PFI方式というので都会地の東京、大阪のやつは考えてみたいと、こういうことでやっておるんです。もちろん、そういうことを視野に入れてやっております。
 しかし、地方の方、特に県庁所在地なんかに多いですね、公務員宿舎。そういうようなものはなかなかそういうものになじまないから、むしろこちらの方で開発して、そして産業を、新しい流通機構とかショッピングとかそういうようなものを誘致していく方法を考えざるを得ないという、そういうようなのでいろいろ考えておりまして、おっしゃっているようなことも考えておるということは申し上げておきたいと思っております。
 なお、今の質問なんですが、この公務員宿舎全般につきましては、先ほども言いました十四年度は都会地の方が中心になりますので、PFIのなにによりまして十四年度予算にかなり、準備的な費用としてかなりのものが箇所付けが盛り込まれておるということでございまして、ちょっと詳細な説明は私もまだわかりませんけれども、必要があれば政府委員の方から説明させます。
#26
○内藤正光君 続きまして、これまた昨日の本会議でちょっと問題提起をさせていただいたんですが、国債償還に関する二〇〇八年問題についてちょっと詳しく議論をさせていただきたいと思います。
 その前に、二〇〇八年問題の前提となるような話でもあるのかもしれませんが、今回、Bタイプ事業についてその償還期間を十年から五年へと短縮しているわけですね。経済への即効性を理由にその償還期間を早めたという説明を聞いてはいるんですが、償還に当たっては、この状況、よっぽどのことがないと五年後には建設国債への振替が必至だと思うんです。建設国債を発行しなきゃいけないだろうと思うんです。
 その意味で、二〇〇八年を前にそんなことをやっていいのかということなんですが、考え方の一つとして、何も五年に縮めるようなことをせずに十年のままで、償還期限を十年のままとするということも一つの手法として考えられるんだと思うんですが、なぜ五年へ短縮したんでしょうか。
#27
○副大臣(尾辻秀久君) 今お話しのとおりでありまして、今度の場合は、早期執行が可能で、委員御自身おっしゃいましたけれども、経済の即効性が高い事業を貸付対象としておりますから、従来よりも短い期間で効用を発揮する、したがって短い期間で返してもらう、こういうふうに考えておるところであります。
 ただ、おっしゃったように二〇〇八年のこぶがある、このことを私どもは全く意識していないわけじゃありません。これはもういつも念頭にありますから、そういう面があることもまた否定はいたしませんけれども、最初に申し上げた、そういうことで短い期間で返していただくことにしておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#28
○内藤正光君 二〇〇八年というこのピークを意識した要素もあるんだと。一つにはやっぱり経済的な効果をねらってのことと、そしてもう一つは二〇〇八年のピークを意識してその前にという、そういった理解でよろしいですね。
 そこで、ここに財務省の出している資料があるんです。「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」、二月に出されるものですから、一年前の二月のデータが最新のものではあるんですが、これを見ますと、借換債の収入がどうなっていくか、借換債がどうなっていくかということなんですが、平成十四年は七十兆円ですね。十五年は七十七兆円。平成十六年は八十三兆円。十七年は九十九兆円、もうほぼ百兆円。次、十八年は百六兆円ですか。その次は、十九年は百十七兆円。そして問題の二十年、すなわち二〇〇八年ですね、は大分飛ぶんですね、百三十三兆円ですね。かなりこの借換債が上がっていくだろうと。なぜ上がるかといえば、これは言うまでもありませんね、九八年、小渕元総理が大量の国債を発行したからなわけです。
 その二〇〇八年を考えてみますと、もう百三十三兆円はありますよね。それに対して新発債、新規の国債は、そのときにはもう既に三十兆円枠なんというのは機能しませんから、恐らく三十五兆円とか四十兆円ぐらい行くでしょう。そしてまた、国債とほとんど区別がない財投債、これも同額ぐらい発行されるでしょう。そうなりますと、優に二百兆円超えちゃうんですね、発行する国債の量が、単純計算すると。
 これだけもの国債、果たして市中で本当に消化できるのか、不安を引き起こさないものなのかとちょっと心配になってきちゃうんですが、いかがなものでしょう。
#29
○副大臣(尾辻秀久君) 今のお話、もう私どもが心配をしておるそのとおりでございまして、このために構造改革を進めなきゃならない、そう考えております。そしてまた、三十兆円を必死で守ろうとするのも、こうしたことを踏まえて国債に対する信頼を失わないようにさせたい、そういうことがある、率直に申し上げたいと思います。
#30
○内藤正光君 それじゃ、昨日大臣にも本会議でお答えいただいたんですが、同じような質問になるのかもしれませんが、二〇〇八年問題は本当に重々危機意識を持っていらっしゃる、これは何か対応しなきゃいけないという認識ではいらっしゃるわけですね、財務大臣を始めとする財務省。一丸となってこの二〇〇八年問題、難局を乗り切らなきゃいけないと。
 そこで、こういった重大な局面を迎えるに当たって、具体的にどう乗り切っていくのか。ちょっと改めて、今後の質問のこともありますので、お尋ねしたいと思います。
#31
○副大臣(尾辻秀久君) 全体の先ほどの借換債のことはおっしゃったとおりでありますけれども、まず差し当たって二〇〇八年のこぶの問題がありますから、これについては、平成十四年度、まず二千五百億円充てまして買入れ消却をしたいと思っております。この財源がまさに今御指摘になりました借換債の発行ということであります。そして、その後、平成十五年度から十九年度までの間は約一兆円の買入れ消却を行いたい。申し上げましたように財源は借換債でありますが、そういうことをしておきたい、こういうふうに考えております。
#32
○内藤正光君 まず来年度は二千五百億円ですね、前倒しの借換債。その次以降五年間ですか、ほぼ一兆円ずつ前倒しで償還をして借換債を発行していくということですね。
 ちょっと聞いたんですが、借換債、長期国債に重点を移していくという話も聞いたんですが、本当ですか。
#33
○国務大臣(塩川正十郎君) 一遍にはできないと思いますが、今、国債の平均期間は五年四か月なんですね。これは徐々に延ばしていきたいと思っておりまして、したがって、二十年を発行するとか三十年債を幾ら発行する、そういう具体的な計画は今のところ持っておりませんけれども、五年四か月の期間を少しでも延ばして国債の安定を図っていきたい、こう思っております。
#34
○内藤正光君 いずれにしても長期化に比重を移していくということなんですが、ただ、そうなりますと当然のことながら長期金利の上昇圧力になるでしょうし、そしてまた、更に言えば、長期国債というのは価格変動リスクがありますから、今までは受け入れていてくれた金融機関も、そういったリスクを受け入れたくないということで嫌だよなんという気持ちに正直言ってなるんじゃないかなと思うんですね。
 ますます本当に、これだけの大量もの国債、だんだんだんだん長期化へ重点を移していくと、市場で本当に消化できるんだろうかというのは不安でならないんですが、こんな不安を巻き起こしちゃいけないので、その不安を打ち消すためにも、大臣にちょっと、そういう不安は巻き起こさないんだ、引き起こさないんだということをここで明言していただきたいんですが。
#35
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、国債問題を考えるとき、企業の、ちょっとほかの話になりますけれども、日本の企業が間接金融になっているのを直接金融に切り替えなきゃならぬという問題もございますね。そういうものとも相合わせまして、社債とか国債の言わば市場というものを、これを育成していかなきゃならぬのじゃが、それが非常に遅れてきておると。したがって、長期資金というものが、日本では何か直接的な販売方法によっているというか、市場の育成を通じてそういう今御懸念しておられるような問題を解決していくべきだと、こう思っております。
#36
○内藤正光君 そこで、今回の問題にも絡んでくるわけなんですが、二〇〇八年のピークを向こうに倒すことはできない、こちらに倒さなきゃいけない、言ってみれば前倒しですよね。そういって二〇〇七年までにただでさえ国債の発行高が増えるだろうと、少なくとも一兆円ずつは確実に増えると。そんなところへBタイプ、ほぼ二・五兆円ですよ、二・五兆円。五年ですから二〇〇七年、これに重なっちゃうわけですね。これはかなり私はこの国債市場に対して不安定要因になるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#37
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、一兆円を上積みするということは確かに供給過剰になるという御懸念持たれることもあるだろうと思いますけれども、けれども私は、現在の日本の経済、ファンダメンタルズ、特に貯蓄の動向等を見ておりましたら、それだけの消化能力は十分にあると思っておりますし、これによりまして国債に非常な不安を与えるというようなことはないと断言しておりまして、心配ないと思います。
#38
○内藤正光君 余りにもちょっと楽観的なので、これじゃちょっと市場は安心しないんじゃないかと思うんです。
 国民の資産が十分吸収できるということなんですが、御存じのように、これからはどんどんどんどん高齢化が進む、そしてまた将来への不安があると。そういった中へ、果たして本当に、もっと言うと、正直言って、今、国債、個人で買う人っているんですか、本当に。銀行に対して圧力をかければ、それはまあ財務省にそんなに盾突くわけにはいかないので買う、買っているんでしょう。ところが、金融機関もそんなに喜んで買っているんだろうかと思うんですが、いかがですか。
#39
○国務大臣(塩川正十郎君) 最近、国債、えらい人気でっせ。一般の人の、金利がいいというので人気なんです。
 そこで、今必要なのは──内藤さん、ちょっと話を聞いてください。そこで大事なのは、国債がやっぱりいつでも資金化できるという市場を、健全な市場を育てていくということが大事なんです。だって、今、社債ですね、社債、物すごい人気ですよ、三年、五年物の社債。今度、私ちょっと関心を持っていまして、ある会社の社債が売り出されるので、売れぬものだったら買おうと思いましたら、早う申し込んでくれぬと売り切れてしまうと、こう言っているんですね。それはなぜかというと、やっぱり銀行預金よりは金利がいいということがだんだんわかってきたんですね。
 そういう傾向にありますので、私は、日本の貯蓄性向というものがそういうふうな長期債に向かってきておるということもあって、将来そんなにえらい心配しておるものじゃございません。けれども、だからといって安易に国債を発行するというこの精神をやっぱり引き締めていかなきゃいかぬと。それで私はやかましく国債三十兆円。やかましく言っておるのはそこに警鐘を鳴らしておるのでございますから、十分に心得て国債の運営に当たっておるということを御承知いただきたい。
#40
○内藤正光君 国債三十兆円枠と言うんですが、今回の補正予算並びに今回のこの法改正ですね、それが全くのまやかしであるということをまざまざと見せ付けているんじゃないですか。確かに今回は国債三十兆円守ったかもしれないけれども、結局は五年後への先送りじゃないですか。
 それで、先ほど私が質問した、ちょっと一つお答えしていただいていないんですが、ただでさえ一兆円上積みされる、そこへまた今回の件で二・五兆円の建設国債が恐らく五年後には発行せざるを得なくなるだろうと。これはかなり市場に悪影響を与えると思うんですが、これはどういうふうに考えられているんですか、この二・五兆円分を。
#41
○国務大臣(塩川正十郎君) 内藤さんの話を聞いていると、五年間何にも日本はやらぬで現状のままでつるっと横へ行くような感じですね。私たちは、構造改革をやって五年の間に経済成長を目指しておるんです。その経済成長が例えばどのぐらいの割で税収に、あるいは国政の財政に活力を与えるかということを昨日も、政策統括官ですか、GDPに対する一・二の、一%経済成長すれば財政上に一・二の効果があると、こう言っていましたですね。その点を見ますと、四年、五年先は我々は、もっと経済が活性化してきて、それで財政上にもそれの潤いが来なけりゃいかぬと、そうさせなければいけない。
 ですから、これからますます進んでいく先を悲観的に見るのではなくして、やっぱり私は、サンシャインとは言いませんけれども、まあまあ少しはそのぐらいの気持ちを経済の予測に持ってもいいんじゃないかと思っております。しかし、それは楽観じゃございませんで、楽観じゃございませんが、しかし今の内藤さんの話は、もうずっとこのまま行ってしまって言わば静止状態の計算をしておられる。我々はもう少しダイナミックな経済を考えておるということです。
#42
○内藤正光君 大臣はダイナミックなと言うんですが、現実はダイナミックでないんですね、この数年。もう何年も聞かされてきたんですよ。来年には景気が回復すると、この言葉、何年も何年も何回も聞いているんです。でも一向に回復していませんよね。だから、今の大臣の答弁は余りにも私は楽観的過ぎるじゃないかと思うんです。
 大臣、例えば具体的にどういう確信を持ってそういうことをおっしゃられるんですか。
#43
○国務大臣(塩川正十郎君) 何年も何年も前から聞いているけれども、それは方針がそこにぴしゃっと経済活性化へとマッチしていなかった。労働のミスマッチと同じようなもので、政策とそれから財政との間にミスマッチがあった。私は、これを根本を直すのには何だ、やっぱり構造改革、規制緩和して活性化を図っていかなきゃならぬ。そっちの方はどうも怠りにしておって、ただ財政支出だけで日本の経済の回復をしようとしたところに本当は活力が出てこなかった。これを今改めようとして、まだ私がやって八か月ですからね、何年も何年も前からとおっしゃるけれども、私は、何年も前からじゃないと、やっと始まってきたという感じなんですがね。
#44
○内藤正光君 いや、もう本当に一日本国民としては大臣のおっしゃること期待を寄せたいわけなんですが、ただ、今までのやり方、構造改革とは名ばかりで実際はもうしんが抜かれた上っ面の張りぼて改革、そんなものをずっと、言ってみれば妥協案ですよね、見せ付けられてきて、私はもうどう考えても楽観論というか、そういったものをちょっと信じ難い状況にあるんですよ。
 そしてまた、更に言うならば、一国の責任ある立場にある人であるならば、いろいろなシナリオを考えて、経済がなかなか浮上しないだろう場合も考えて、じゃ国債に不安を巻き起こさないためにはどうすべきかというのをちゃんとしっかりと押さえていく、これが一国の責任者たるものじゃないですか。だから、楽観論ばかりを挙げて、楽観論を前提にやっぱりこういう、何というんですか、国債の関係を扱うべきじゃないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#45
○国務大臣(塩川正十郎君) だから、トンネルの先にやっぱり光が見えるようにということで、まず政府は何をやるかということをこの六月に骨太の方針を示しまして、あのこと自体がもう構造改革への、あるいは経済システムの改革に相当意欲的なものを出しております。あれを実行していくということが今は大事なんでございまして、今年は改革を実行に移す年だということでございまして、十三年度後半期はこれの改革への準備と、言わば離陸への用意をしておった。これは、十四年度からはいよいよ、低くかも分からぬが、離陸を図ろうという年にする。十五年度でこの改革の実りを形あるものにし、十六年からその実を取るようにしていこうと、こういう計画でございまして、もう小泉の考えはそこにあるということを見ていただきたい。
 ですから、もうせっかちに、構造改革をやると言うたから、もうすぱっとようかんをかみそりで切るようにあしたからすぱっと良うなるんだと、そういうことでは世の中はうまくいきません。だから、ある程度の準備期間というものを我々は一生懸命努力してきた、それをいよいよ十四年度から離陸させていく時期に来たんだと、こう認識していただいて、積極的にひとつ応援をしていただくようにお願いいたしたい。
#46
○内藤正光君 骨太の方針を実行していくんだということをおっしゃったわけです。ちょっとそのことはまた後から持ち出したいと思います。しかし、今、塩川大臣の口からは確かに骨太の方針を実行していくんだという言葉は聞いたわけでございます。
 ちょっとこの二〇〇八年問題はこの辺りにしたいんですが、いずれにしても二〇〇八年問題を控えて大量の国債の借換えが前倒しで行われている、こういうことはもう既に分かっているにもかかわらず、一方で三十兆円公約を守らんがために安易にNTT資金に飛び付いてしまった。私はこれは無責任極まりないものであるということを申し上げて、次に移りたいと思います。
 次は主に総務省の方にお尋ねをしたいと思いますので、よろしくお願いをします。
 今回のNTT資金無利子貸付事業を行うに際して、地方の負担分は具体的に幾らぐらいになるんでしょうか、お答えいただけますか。
#47
○政府参考人(林省吾君) お答えを申し上げます。
 今回の補正予算に伴う地方負担についてのお尋ねでございますが、普通会計分といたしまして一兆一千五百億円程度と考えております。
#48
○内藤正光君 つまり、地方の負担分が一・一五兆円。これを各地方ではどのように具体的に手当てされるんでしょうか。
#49
○政府参考人(林省吾君) 今回の補正予算に伴う地方負担への財源措置についてでございますが、年度途中でもございますし、また地方の財政状況等も考えますと、その財源といたしましては補正予算債で対応せざるを得ないと考えております。
 原則といたしまして、その地方負担につきましては一〇〇%を補正予算債で措置し、その元利償還に要する経費につきましては、後年度、地方財政計画の策定を通じて所要の財源措置を考えていかなければならないと、こういうふうに考えております。
#50
○内藤正光君 一〇〇%を補正予算債、すなわち地方債で賄われると。そして、その各地方の地方債の償還及び利払いについては、何かいろいろお答えいただいたんですが、要は、分かりやすく言うとどういうことなのか。専門的な言葉を使わずに、要は最終的にどれぐらい地方の負担分として残るのか、お答えいただけますか。
#51
○政府参考人(林省吾君) 今回の補正予算債の将来の財源措置についてのお尋ねだろうと思います。
 具体的に各地方団体の負担につきましては、先ほどお答え申し上げましたように補正予算債で措置することになりますが、その将来の元利償還金につきましては、当該団体に財源措置をする必要がございますので、その年度の基準財政需要額に償還額を算入することによりまして、個々の地方団体の財政運営に支障が生ずることがないように対処してまいりたいと考えております。
 また、全国的には、そういう地方団体の元利償還金に要する経費をマクロ的に国におきまして措置する必要が出てくるわけでありますが、それにつきましては、毎年度、地方財政計画を策定する段階におきまして所要の公債費を計上し、それらの公債費を賄うことのできる財源を確保するような対策を講ずる中で必要財源を確保してまいると、こういうことになろうかと思います。
#52
○内藤正光君 じゃ、理論的には、元利償還に係るその負担ですね、地方によっては一〇〇%賄われるところもあるし、そうでないところもあるということですね。
#53
○政府参考人(林省吾君) 個々の地方団体にとりまして今回の補正予算債の元利償還金に要する経費は、全額当該年度の基準財政需要額に算入して、交付税を通じて措置することといたしたいと考えております。
#54
○内藤正光君 そこでちょっと財務大臣にまた、今の話を受けてちょっとお尋ねしたいんですが、その前にちょっと私一つの文章を読んでみたいと思うんです。ちょっと聞いておいていただきたいんですが、私はこれはすばらしいと思うんです。いいですか。
 現在は、特定の事業の地方負担を交付税で措置する仕組み(地方債の償還費を後年度に交付税措置する仕組み等)と補助金の組合せによって、事業費の大半が賄えることも多い。そのため、地方の実質的負担が少ない事業にインセンティブを与え、地方が自分で効果的な事業を選択し、効率的に行っていこうという意欲を損なっている面がある。こうした地方の負担意識を薄める仕組みを縮小し、自らの選択と財源で効果的に施策を推進する方向に見直していくべきである。
 私はこれはすばらしいと思うんです。これ、どこから出ている文章か御存じですか。
#55
○国務大臣(塩川正十郎君) それは学者でしょうね、評論家か学者の意見でしょうね。
#56
○内藤正光君 この出典というか出所は、先ほど大臣が守っていくんだとおっしゃった骨太方針なんですよ。骨太方針の中身を私は今読み上げさせていただいたんです。ところが、実態は何なのか。学者が書いて、それを政治的な責任を全く負わずに骨太方針に出したんですか。
#57
○国務大臣(塩川正十郎君) それはもう非常に理想的です。ただ、確かに骨太方針はそういう方向でいこうということですから、私もそれは文章を一々覚えていませんけれども、骨太ではそう出ておるんですよね。しかし、それをやろうと思ったら、実際の問題としてですよ、実際の問題として、そこは理想の目的としてやっていくんだけれども、実際にそこへ行くのにはなかなか容易ならぬ経過をたどらなきゃならぬということですから、だから学者の理想として私はすばらしい表現だと思っております。
#58
○内藤正光君 何かちょっと答弁が支離滅裂のような気がするんです。正直言って、一言一句覚えていないとおっしゃいましたが、これははっきり言えば、これはもう精神的なものですよ、もう本当に。もう本質的なものなんですよ。それは一言一句は覚えていないかもしれませんが、その方向性はやっぱり財政を預かる財務大臣はちゃんと熟知して責任を持たなきゃいけないんじゃないですか。それを、覚えていません、これは学者が作ったことでしょうと。これはちょっと私は責任ある立場の人の答弁とは思えないんですが、いかがですか。
#59
○国務大臣(塩川正十郎君) 文言は覚えていないと、だから、その方向は私は自分でもやかましく言っていることですから、それは方向と理想というもの、それを目標にしておるということはそれは間違いございません。しかし、一々その文言ですね、今お読みになったのは、私は頭が悪いからそんなの一々覚えていませんけれども、しかし、すばらしい文句やなと思うて聞いておったんですよ。それは、その目標に向かって進むべきだろう、それは当然のことだと思いますけれども、しかし、とはいえですよ、つまり現実の問題、それで片が付くのかというたら、そこへ向かって進んでいくという方針を示したんであって、それはなかなか難しいこっちゃなと私は思います。
#60
○内藤正光君 私は、一言一句文言を覚えていないことに対してとやかく言っているわけじゃないんです。この方向性を私は言っているんです、骨太方針に書かれた方針、今までのように地方にばらまきをやめましょうという方針を。
 先ほど大臣おっしゃったじゃないですか。骨太方針を守っていくんだから私たちを信用してくれと、協力もしてくれよと。そう、まだ二十分もたっていないんですよ。二十分もたっていないのに忘れちゃったんですか。二十分もたっていない。骨太方針を守るから構造改革は成功するんだ、成功に導くんだとおっしゃったじゃないですか。それを、これは学者が書いた文面だからと言っておれには責任ないよと言うのは、余りにも私はいい加減。
 私は、今回のNTT資金を活用したこの補正予算というのは、はっきり言えばこれに全く反するものだと思うんですよ。何か反論があればおっしゃっていただきたいんですが。
#61
○国務大臣(塩川正十郎君) 私はこの文句を一々覚えていないと言った。けれども、さっきも言っていますように、これはすばらしい方向だなということは言っておるんですから、そっちの方向へ向かってやっていくということはこれは当然でございまして、それをやろうと思ったら、しかしよく皆さん、この委員の先生方考えていただきたいんです。幾らでも前提あるでしょう。第一、それだけのことをやり得る自治能力をどうして自治体が高めていくかという問題もございますし、それから産業の分布から見まして税源の配分をどうするかということもございますし、いろんなものがある。そういうようなものをこの方針の方向に向かって解決していかなきゃ実現はできないということになってくるじゃないですか。
 そこを私は言っておるんで、何もこれは、今お読みになったことを、そんな、できまへんでとは言っていない。そうは言っていない。それは方向に向かってやっていくんだと言っているんだ。けれども、そこへ行くまでにはなかなかの過程が必要ですよと。
 だから、こう書いてあるからこうやれ、こうおっしゃったって、そうできるだけの現状にはないんじゃないか、そこへ向かって方向づけを、それへ向かって努力していくということが必要なんだということを言っておるんでして、これもう、すぐ直ちにこれやれといって直ちにできる話では私はない。けれども、この目標に向かって進んでいかなきゃならぬということは申し上げておきたい。
#62
○内藤正光君 何も私は、理想主義者でも何でもないと、目標があってそこに真っすぐに進んでいけなんて言っているわけじゃないんですよ。やっぱり現実の世界ですから真っすぐに進めない、いろんな方向へ、右行ったり左行ったりすることもある。だけれども、その方向性をしっかりと定めておけばとんでもない方向へ行くことはない。しかし、今回のこの骨太方針と補正予算、そしてまた今回のNTT資金の活用法、全く百八十度違うものなんですよ。どう頑張ったってこの目標に行きやしないんですよ。
 私は、何も細かいことを言っているんじゃないんです。この骨太方針の一番本質的なところ、細かいことじゃ何にもないんですよ、一番本質的なところ、大事なところ、これと全く乖離しているどころか、百八十度違う方向へ進んでいる、このことを私は指摘しているだけなんですよ。
 私は、これはちょっと大臣の言うような答弁じゃ到底納得できないんですが、これじゃ五年後大変なことになるなと。五年後どころか、ちょっと二〇〇八年に向けて大変なことになってしまうんじゃないかと。
 本当、今回のこの答弁、やり取りを通じて危機感を一層深めてしまったんですが、もしこれ、インターネットとかそういったものを通じて聞いている人がいたとしたら、これ決して不安は取り除かれるものじゃないと思うんですよ。
 もし副大臣の方から何かあれば。
#63
○副大臣(尾辻秀久君) 先ほども申し上げましたように、だから私たちはここでどんなにつらくても構造改革をやり抜くしかない、そういうふうに思っております。
#64
○内藤正光君 これ以上やっても、結構水掛け論になってしまうところもあるし、本当に私が安心できるようなちょっと答弁はいただけそうにないんでこの辺りでやめますが、いずれにしても二〇〇八年というのはもう──何かありますか。
#65
○政府参考人(林省吾君) 御質問に関連いたしまして少し私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 先ほど御紹介いただきました骨太方針についての記述についてでございますが、確かにそういう御指摘を受けております。
 交付税の算定に当たりましては、基本的には一般的な財源を保障する制度でございますので、具体的な事業費をそのまま保障していくという考え方ではなくて、いわゆる私ども静態的な配り方と言っておりますが、人口であるとか面積であるとか、そういう形で配るのを基本といたしておりますが、しかし、特定の事業につきましては、やはり事業をやられた団体に財源保障しながら国と地方が併せて効果的に仕事を執行していく必要もありますので、その一部につきまして、事業費の一部を具体的に保障する方法として、いわゆる動態的とも申しますが、事業費に応じた保障の仕方をする、それが骨太方針で指摘をされております事業費補正の分野でございます。
 確かに、余り事業費補正のウエートが高くなりますとインセンティブが強くなり過ぎまして自主的に仕事を選ぶ地方団体の判断が弱くなるというようなこともありますので、私どもは、骨太の方針を受けまして、今後の交付税の配分の仕方につきましては、それを縮小する方向で検討していかなければならないと考えているわけであります。
 ただ、本日御指摘をいただきました補正予算債の財源措置につきましては、これはもう年度途中でありますし、国といたしまして景気回復のために緊急的に実施するためのものでありまして、その財源は国においてできるだけ保障し、必要な財源を確保してあげなければならない、こういう考え方がありますので、私、先ほど申し上げましたように、その元利償還金は一〇〇%後年度基準財政需要額の算定を通じて保障するよう国が考えていかなければならないと、こういうふうに申し上げたことを御理解いただきたいと思います。
#66
○内藤正光君 いずれにしても、本当に今回のこの補正予算絡みのこのNTT資金の活用の拡大、私は、本当に将来へのツケ回し以外の何物でもないし、日本に不安を増しこそすれ安心を一向にもたらさない私はまやかし、欺瞞だと思っているんです、国民に対する。三十兆円枠を守ったと。ところが、守るどころか結局は五年後にツケ回しをすると。やっていることといったら地方へのばらまきですよ、この骨太方針に真っ向から反対する。私は、こんなことをやっていたら財務大臣が言うような楽観的なシナリオは到底描けないんだろうと思います。
 また別の機会を見付けて、本当に日本国民が、あるいはまた日本が安心を抱けるような在り方について議論を深めていきたいと思います。
 では、関連質疑に移らせて、お願いをしたいと思います。
#67
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。
 まず最初に、ちょっと基本的なことを確認させていただきたいんですが、国債整理基金残高、これは事務方の方で結構でございます、現在の国債整理基金の残高について教えていただけますか。
#68
○副大臣(尾辻秀久君) 本年度末の金額で二兆三千百二十八億円でございます。
#69
○櫻井充君 済みません、それは今年度末ということは、今回、そのNTTの売り払った資金を今回の二次補正予算に組み入れて、そのことを引いた額でその金額ということですか。
#70
○副大臣(尾辻秀久君) そのとおりであります。
#71
○櫻井充君 それから、そうしますと、今の二兆五千億円も加えた、そうすると四兆六千九百億がまだ今のところは残高として残って、残高としてあるんだろうと思いますが、これは現在は国債と、それからどこかで現金で保管されているというふうに考えていいわけですね。
#72
○副大臣(尾辻秀久君) そのようにお考えいただいて結構であります。
#73
○櫻井充君 このNTT株を売却した資金というのは、基本的には国債の償還に充てるために国債整理基金残高に組み入れたというふうな理解でよろしゅうございますか。
#74
○副大臣(尾辻秀久君) そのとおりです。
#75
○櫻井充君 この株式を売り払ったその収入ですね、これは今まで無償貸付けを行ってきたんだろうと思いますけれども、これが償還された場合、償還された場合にはNTTの売払い金としてカウントされるんですか。それとも、これはもうそういう区別なしに、これは区別なしに国債整理基金特別会計の中の、区別なしに扱われるものなんですか。
#76
○副大臣(尾辻秀久君) 一遍戻ってきた分についてですね。これはもう全体で十・一兆円という、その中の変化はいたしません。というお答えでよろしいでしょうか。御質問の趣旨がちょっと私理解できなかったんで、申し訳ございません。
#77
○櫻井充君 現時点で、十・一兆円のうちの七兆円ぐらいでしたか、七・六兆円が融資されておりますけれども、融資じゃなくて貸付けされております。この貸付けされたものが何年かたって償還されてまいります。この償還されてきたものというのは、これはNTTの株式を売り払ったお金というふうに考えるんですか。それとも、もう補助金などを入れて、それで無償貸付けとも言いながら、実際は補助金で担保しておいて返済されてきているわけですから、これのお金の扱いというのは一体どういう扱いになるんですか。
#78
○副大臣(尾辻秀久君) 整理基金にもう一回戻ってきます。それは、はっきり、NTT株を売却したものが戻ってきたという扱いは変わりません。
 御質問の趣旨はよく分からないんですが、申し上げますと、七・六兆円、十・一兆から七・六兆円引いた今度が二・五兆円ですが、その七・六兆円がもう一回出ていく、貸付けで出ていく、これはあり得ないということでございます。
#79
○櫻井充君 そうすると、全体でどんなに最大限多くても十・一兆円ということになるわけですね。その理由、理解。どれだけ今後国債整理基金特別会計からお金を貸し出そうとするときも、この十・一兆円以上は貸し出せないということですね。
#80
○副大臣(尾辻秀久君) 新たな売却益が生じない限りにおいて、おっしゃるとおりであります。
#81
○櫻井充君 それでは、もう一つお伺いしたいのは、このNTT株の売却、売却して得たお金ですけれども、これは無償貸付けをしないで、直接国債の償還に充てたことはございますか。
#82
○副大臣(尾辻秀久君) ちょっとお待ちください。──その七・六兆円の中から貸し付けた分があるかないかということ、戻ってきた分があるかないかということ……
#83
○櫻井充君 貸付けしたのは今七・六兆円ございますけれども、要するには、その貸し付けたとかいうことではなくて、元々このお金は国債整理基金特別会計に組み入れられているわけですから、そちらからここは、この特別会計は国債の償還発行に関する費途というんですか、に使用するものとすると言っているわけですから、そこの国債の償還に充てたことがありますか。直接です。つまり、貸付けしないで使ったことがありますか。政府委員でも結構ですよ。
#84
○政府参考人(牧野治郎君) 恐縮ですけれども、事務的なことでございますのでお答えをさせていただきますが、十・一兆円といいますのは、これだけ売却収入があって、その枠を貸し付けることができるという枠を決めているものでございます。
 その売払い収入自体は、整理基金の中でそれは一緒に管理されておりますから、どの部分が国債の償還に充たったかということは、それは区分できないようになっております。
#85
○櫻井充君 済みません。その十・一兆円の枠を定めていると。法律はどれですか。根拠法を教えてください。
#86
○政府参考人(牧野治郎君) お答えいたします。
 日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の第六条、「日本電信電話株式会社の株式の売払収入金に相当する金額の一部を、予算で定めるところにより、国債整理基金特別会計から一般会計に繰り入れることができる。」というこの部分でございます。
#87
○櫻井充君 実際、例えばその国債の国債整理基金残高の推移を見てきますと、平成七年に一兆六千億円までこれ減っているわけですよね。つまりは、この時期にどうなっているかというと、NTTの売却益、その売却したときに得たお金を国債の償還に充てているわけですよ。国債の償還に充てているから一兆六千億しか残っていないわけです。貸付けもして、なおかつ償還に充てているから一兆六千億しか残っていないわけです。これが全額NTTの売却で得たお金だとしても、平成七年には一兆六千億しか国債整理基金残高には残っていません。なぜ現時点で二兆五千億あるんですか。
#88
○政府参考人(牧野治郎君) お答えいたします。
 繰り返しになって恐縮でございますが、法律で定めておりますのは、売払い金額に相当する金額を一般会計に繰り入れることができるということでございます。したがいまして、さっき申し上げましたように、その個々の何といいますかお金を、これがNTTの売払い代金だ、これは別の一般会計から定率で繰り入れられたものだというような管理をしているわけではございません。
 今回の本スキームで財源として利用できる金額というものは、繰り返しになりますが、社会資本整備特別措置法の中で国債償還に充てられた金額を除くんだというようなスキームになってはおりません。あくまでその売払い収入相当額というように定められておりますので、今回の処理に特段の問題があるとは考えておりません。
#89
○櫻井充君 それは、この平成七年にお金がなくなったって何したって関係ないということですか。このお金は償還に充てられているわけであって、償還に一度使われたものは、別な形で入ってきたとしても、この残高の中で、残高の中は、もう一度繰り返して申しますが、NTTの売却益、売却から得たお金と、それから一般会計から繰り入れられてくるお金とで構成されているはずなんです。そうしますと、途中でNTTの売払い収入から得たお金を国債の償還に充てて、またたまたま一般会計から入ってきたお金が積み増しされて現在は四兆六千九百億円あるから、たまたま二兆五千億円の枠が作れているだけの話ですよね、これは。
 しかし、そういうやり方って本当に正しいんでしょうか。一回お金を使ってしまったもので、再度お金が入ってきた場合には、これはNTTの、先ほどの話では、そのNTTの売り払った収入とはみなさないというふうなお話もありましたから、そうしてくると、償還に一度充ててしまっていればこの時点で枠は縮小してくるものだと私は考えますが、いかがですか。
#90
○政府参考人(牧野治郎君) 本当に繰り返しになって申し訳ないんでございますが、この法律の中で、国債償還に充てられた場合に、その金額をこのスキームの財源から除くという法律に明示、明定されておりません。あくまで繰り入れられる金額は売払い代金に相当する金額というように定められておりますので、この点は我々、内閣法制局ではございますが、とも十分協議いたしまして、そういう理解で大丈夫だということでこの措置を取らせていただいております。
#91
○櫻井充君 「金額の一部」となっています。「金額の一部」です。十・一兆円というのは全額と読むんじゃないですか。
#92
○政府参考人(牧野治郎君) 一部の意味が、今先生がおっしゃられているような償還に充てられたとみなして、された分を引くという意味ではないということでございます。
#93
○櫻井充君 おかしいじゃないですか。だって、「売払収入金に相当する金額の一部を、」と書いてあるんですよ。全体として一部をとおっしゃっているわけであって、今使っているのは全部じゃないですか。これはおかしいですよ、この法律から読めば。
#94
○政府参考人(牧野治郎君) 「一部」と書いてございますのは、先ほど申し上げましたが、そういう償還に充てられたとみなされた部分を引けという意味ではございません。「一部を、」というのは、また同時に、その全部を使ってはいけないという意味でもございません。
 そういう意味で、我々、法律的な面につきましては内部で、内閣の中で検討いたしまして、問題がないという処理をしているつもりでございます。
#95
○櫻井充君 それじゃですね、本来であれば、全額と書いておけば全く問題ないわけですよ。「一部」となっている。
 じゃ、それじゃですよ、この法律の第一条を読むと何てなっているかというと、「国債整理基金の資金の一部を運用し、」というふうに書いてあるんです。ここにも「一部」という言葉が出てまいります。この場合ですね、これは全額使えるんですか。ここの、「国債整理基金の資金の一部を運用し、」の、これは全額使えるということですか。
#96
○政府参考人(牧野治郎君) 済みません。ちょっと今、条文を見ながらで答弁させていただきますが、「日本電信電話株式会社の株式の売払収入による国債整理基金の資金の一部」ですから、先ほどと同様に、株式の売払い収入の一部ということで、同じ意味だと考えております。
#97
○櫻井充君 だから、これは一部じゃなくて、要するにこれも全額ということですね。この一部というこの解釈、この法律の解釈からすれば、十・一兆円の枠があったとすれば、十・一兆円全部使ってもいいというふうにお考えになる。これはそういうふうに読めるということですか。
#98
○政府参考人(牧野治郎君) おっしゃるとおりでございます。
#99
○櫻井充君 もう一つ書いてあるんですね。六条のその前に、国債の償還、国債整理基金の運営に支障の生じない範囲内でと書いてございます。今、国債の残高が、発行残高がどんどん増えている中で、金利も不安定な中で、なぜここのところで年度末の国債整理基金残高を減らすことが可能なのか、その点について御説明願えますか。
#100
○政府参考人(牧野治郎君) 済みません。お答えいたします。
 整理基金からの償還に影響のないようにという趣旨でございますが、これは、償還時点が参りまして償還を求められたときに、当然一部は借換えいたすわけでございますが、それから定率繰入れで繰り入れられた財源その他をもちまして十分その償還ができるようにしておくと。NTTのこの売払い代金を使用しましてもそういう支障が生じないようにしろということで、今回はそういう支障が生じないということで売払い代金を無利子貸付けの財源とさせていただいているわけでございます。
#101
○櫻井充君 これは、数字的に大体どのぐらいだと支障を生じないというふうにお考えなんですか。その根拠となる数字を教えてください。
#102
○政府参考人(牧野治郎君) これは一概にはなかなか申し上げられないものでございますが、過去いろんな議論がありましたが、やはり数億というようなことだと御理解いただければと思います。
#103
○櫻井充君 数億。
#104
○政府参考人(牧野治郎君) ああ、数億じゃない、数兆ということだと、はい。
#105
○櫻井充君 数兆の数って幾つですか。これは大事な議論ですからね。
 これ、今、国債が暴落して金利が上がるかもしれないと言われているわけですよ。その際に、ここから当然のことながらお金が出ていくわけでして、ここのところをちゃんと残しているか残していないかというのは大事なことなんですよ、これは。
#106
○政府参考人(牧野治郎君) 済みません、具体的な数字は理財局の国債を発行するところが管理しておりまして、私ちょっと主計局なものですから、恐縮なんですが、理財局から……(「数兆ってさっき言ったじゃないか」「自分で言ったじゃないかよ」と呼ぶ者あり)
#107
○委員長(山下八洲夫君) 牧野主計局次長、数兆について。
#108
○政府参考人(牧野治郎君) 数兆を、はい。
 一般的に言われていますのは、いろんな議論があるんでございまして、一概にこれが決め手というわけではございませんが、例えば毎年借換債を含めて国債の調達をしているわけでございますが、それが仮に円滑にいかないというようなことが起きたとしても、例えば借換債の発行が円滑にいかないというような事態が生じても、その国債の償還には悪影響が出ないという水準が幾らかということでございますから、そうしますと、一回の発行額が一兆数千億ということでございますから、そういうことも一つめどにはなって、従来からそういう議論が行われているということでございます。
#109
○櫻井充君 しかし、これどう考えても、繰り返しになるのでしようがないんですが、「一部」と書いてあるのに、それで全額使ってくるというのは、これは相当な拡大解釈なんだろうと思うんですよ。相当な拡大解釈して、法律何本でしたっけ、随分作りました、分厚い。これ、済みませんが──九十何本ですか、九十四本。
 事務方の方、ちょっとこれはつまんない質問と取られると困るんですが、延べ日数でですよ、人数としてどのぐらいの方々がこの法律作るために当たられたんですか、作業に。
#110
○政府参考人(牧野治郎君) 済みません、ちょっと、日にちの方は用意していたんでございますが、日数で申し上げますと、土日を除きまして、緊急対応プログラムが決定されましてからこの国会へ御提出させていただくまでに、土日を除きまして二十日間働いております。
 それから、対象法律は九十四本でございます。
 人数につきましては、ちょっとただいま手元に数字がございませんので、お許しいただきたいと思います。
#111
○櫻井充君 二十日間も掛けて、しかもこうやって法律の解釈をねじ曲げて、何で二兆五千億円をNTTのこの売り払ったやつから出さなきゃいけないんでしょうか。つまり、単純に、何も二兆五千億円国債発行したって良かったと私は思うんですよ、ある意味ですよ。これだけ官僚の方々が無駄な労力を使ってやるんだったら、私は国債を発行してもよかったんじゃないかと思いますが、大臣、どうお考えですか。
#112
○国務大臣(塩川正十郎君) 政府としては、やっぱり国債の発行を三十兆円に抑えるということは一つの重大な政治決定をしたものでございます、これは十四年度においてですよ。でございますから、この基本方針の中において財源を少しでも捻出するものがあればということで、乾いたタオルを絞って知恵を出したというところなんですね。
 ですから、櫻井さんがおっしゃる、一部か全部かとおっしゃる議論もよく分かりますけれども、これはとにかく売払い収入で得た収入金を充てようということで、そこにあるから使っているということなんで、そういう御理解をひとつお願いいたしたいと思います。
#113
○櫻井充君 しかし、そこにあるから使っていると今おっしゃいましたけれども、実際はですよ、実際のお金の動きから見たときには、今大事なことなんですけれども、その国債整理基金残高の推移を見たときに、平成七年には一兆六千億まで減っているわけですから。ですから、本当はそのNTTの売り払ったところから得たお金は、一度は国債の償還に充てられているお金なんですよ、お金の中からいえばですよ。この国債整理基金残高のお金を鑑別すればですよ、鑑別すれば、十・一兆円最初に入りましたよね、この基金の中にお金が入ってきている。そして、あとは一般会計から毎年毎年定期的に入ってきますけれども、しかし、平成七年には一兆六千億円しかなくなっているわけです。今、大臣、あったから使ったとおっしゃいました。この時点でなくなっているんですよ、本当は、一兆六千億円に。
 ですから、一部と言いながら十・一兆円使ってくること自体は、私は法律の解釈からすればおかしいと思っているんです。(「法律違反だ」と呼ぶ者あり)法律違反ですよ、これは。あったから使ったとおっしゃるんであれば、この平成七年の時点で一兆六千億円まで減ったことに関してどう御説明されるんですか、あるから使うんだったら。なくなっているじゃないですか。
#114
○副大臣(尾辻秀久君) もう先ほど来繰り返しお答えしておりますように、これは枠の話でございますので、法律で十・一兆円という枠が定められておる。したがって、七・六兆円引けば二・五兆円の枠が残っていた、この枠を使わせていただいた、こういうことでございます。
#115
○櫻井充君 大臣は、お金が残っていたから、お金があったからと言うからまたあえて御質問させていただいているので、枠の話じゃないですよ、今の。お金があったからと言っているんですよ。
#116
○副大臣(尾辻秀久君) それは表現で、同じ意味だと私は理解してお答え申し上げたところでございます。
#117
○櫻井充君 しかし、まあ、とにかくこういう──それからもう一つ、じゃ、これはよく質問されていることですけれども、結果的にはこれは、Bタイプになってくると最後は、補助金型なので、補助金を渡してその金を償還に充てるということになるわけですよね。
 これは、現時点においてどのぐらい国債を発行しなきゃいけないとお考えなのか。その点についていかがですか。
#118
○国務大臣(塩川正十郎君) 全額国債を発行して返還しなきゃならぬとは我々考えておりませんで、そのときの地方財政の状況、あるいはまた国の方の財政の在り方、そういうものと相兼ねたもので将来の処理をしたいということでございますから、この償還は後年度において同額、二兆五千億円相当額を国債で返還すると、そうは考えておらない、いろんな要素をつき交ぜた財源でもって返済していくと、こういう考えであります。
#119
○櫻井充君 しかし、そのお金を使って、将来どうなるかは分からないけれども、取りあえずのところはここに枠があったから使ってしまおうということだとすると、中長期的な展望は何もないということですよね。
#120
○国務大臣(塩川正十郎君) この返済計画を詳細に詰めたものではございませんけれども、将来の財政状況に応じて適宜適切にこれを処理するという方針であります。
#121
○櫻井充君 ですから、その適宜適切のときに結局国債で賄うようなことになれば、現時点で発行したものと何も変わらないんじゃないですかということなんですよ。
#122
○国務大臣(塩川正十郎君) 何度も言っていますように、全額これを国債によって返すということを我々は想定しておりませんので、あの程度の国債の発行は入るかも分からぬし、それは分かりませんけれども、多様性の金でもって資金を作っていきたいと、こういうことで、補助金ですね、を作っていきたいと思っております。
#123
○櫻井充君 これ以上議論しても仕方がないところなんで、もう一つ、内藤さんも指摘されていましたけれども、今回の予算を見てくると、公務員宿舎の建て替えとかそういうところに随分費用が掛かっていまして、どうしてこれが補正予算でやらなきゃいけないものなんですか。
#124
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、先ほど内藤委員の御質問にもお答えしたように、即効性のある事業と。要するに今回のこの二兆五千億円というものは、景気のデフレスパイラルを防止する、そこへ入らないように景気の刺激に効果のあるものということでございますから、すぐに効果の、言わば資金支出ができる事業というものをやっぱり選定して、そこを重点に予算の配分をするということでございまして、先ほども申しました公務員住宅の建て替えにつきましては、地方の公務員宿舎等は長年にわたって要望しておったけれども、そのうちは予算の配当がなかった。今回、この補正予算においてそれを交付することによって、そこで新しい景気刺激の事業を起こしてもらおうと、こういうことに役立つことと、それからもう一つは、その地域の開発にも役立つようないわゆる事業にいたしたいと、こういうことで予算の配当をしたわけです。
#125
○櫻井充君 そうすると、要するに官舎を建てるという事業だということですね。要するに、箱物を作るために予算措置したという解釈でよろしゅうございますか、その点に関して言えばです。
#126
○国務大臣(塩川正十郎君) この二兆五千億円のうちの百十億円はそれやということですね。
#127
○櫻井充君 そうすると、即効性というのは、その工事をやることによって雇用が生まれるというための事業ですね、これは。
#128
○国務大臣(塩川正十郎君) そういうことであります。
#129
○櫻井充君 それから、例えば国立学校など、この辺のところで全部IT、ITという言葉が並んでいますけれども、これ大体三月までに全部お金を使い、執行することができるのかどうかという問題点と、わずか二か月ですから、その二か月後の本予算のところで組んでもいいようなものではないのかという気がいたしますが、その点についてどうお考えでしょう。
#130
○国務大臣(塩川正十郎君) 十四年度予算は、配当されますのは四月、五月以降になってくると思います。これはもう国会で一刻も早く成立させていただきたいと思いますけれども、しかし、この二次補正予算は現在審議していただいておりまして、これはもうすぐに成立させていただけると思うのでございますが、これを配当させていただくと三月の地方議会等に十分間に合うことでございまして、執行が本予算の執行よりは早いということは事実でございまして、それだけ早く景気対策に貢献するということであります。
#131
○櫻井充君 今の景気の問題の中で、やはり雇用の問題があって、短期的な雇用ということに関してではないんだろうと思うんですよ。中長期的な雇用の確保というものがなされるかなされないかというところが問題でして、こういう短期間の雇用だけを創出していくようなやり方で、つなぎつなぎでやっていくというのも一つの考え方かもしれませんけれども、本来であれば中長期にわたっていくようなことを考えて、そこに予算付けしていって、そこで雇用を生んでくるのが本筋だと思うんですよ。
 しかし、今回のやり方を見てくると、長期にわたってくるような、来年度予算なども中長期にわたった展望というもののお金を削ってきて、短期的なものだけで処理しようとしてきている。やはり、そのことを繰り返してきているからこそ今の景気の悪化の状況があるんじゃないかと思うんですよ。そういう意味でいうと、また同じことを繰り返しているような気がするんですが、その点についてはいかがですか。
#132
○国務大臣(塩川正十郎君) 雇用の形態はいろいろございまして、これが現在日本の社会の大きい問題でございまして、雇用する方、される方、双方に非常に複雑化、多様化してまいりましたので、一概にこれが正答ということは言えないと思うような状態でございますけれども、おっしゃるように長期雇用が理想であることは当然でございますけれども、しかし現在、緊急的にいかにしてでも雇用の機会をどんな形態であろうが増やしていくということは、これは国策の一つの重要な条件でございます。したがって、第一次補正予算でそういうセーフティーネット、雇用に対するセーフティーネットをいたしたのでございまして、これはやはり現在雇用関係にいい影響を及ぼしております。
 第二次におきましては、第二次の公共事業等によるところの雇用の造出を期待しておるということでございまして、あえてこれが、第二次補正はセーフティーネットのためのみに組んだ予算ではなくて、セーフティーネットに資するものとして考えておるものでございまして、短期的なものであるか長期的なものであるか、それは雇用者と被雇用者との間の関係で掌握しにくい状態でございますけれども、雇用に資するということについては間違いないと、効果があると思っております。
#133
○櫻井充君 ちょっと具体的な例を申しますと、宮城県に塩釜という港町がございまして、その塩釜の漁港は、この間ダイバーの方が潜ってみたら、その港を支えている柱がもう折れているというか、曲がっているんですね。そのために傾いていまして、港を使うことができなくなっています。一般の方がそこに入って釣りをやっているから非常に危ない状況にあるんですが、こういうマグロで食べているような方々が塩釜だと数千人ぐらいいらっしゃるわけですよ。そうすると、その港を早期に直していくということは非常に私は大事なことなんだろうと思うんです。こういうところに公共事業でお金を使ってくださるんであれば問題ないと思うんですが、こういうものには予算は一応付いているんですが、三年間掛けてやるということになっているんです。つまり、こういう魚の町で中長期にわたって雇用が確保される。しかし、もしそこで船が、塩釜以外の船が九〇%を占めていますから、そこに着かなくなってきてしまうと、その町全体が疲弊するといいますか、経済が更に落ち込んでいくような状況になっていくわけです。
 そうすると、公務員住宅を建て替えて、そこのところで建設業の方々がそれなりの雇用が生まれるかもしれないけれども、そういった社会のインフラ整備をきちんとやっていって、そこでの産業を守っていくということの方が私は大事な点なんじゃないのかなというふうに思うんですが、お金の使い方がやはり今回見ていると私はおかしい気がしますけれども、大臣、いかがですか。
#134
○国務大臣(塩川正十郎君) 塩釜漁港は私たちも知っておりますが、これは有名な古くからの伝統的な漁港の、マグロの基地ですね。こういうふうなことはよく知っております。
 ついては、十三年度当初予算で一億五千万円付いておるということは御存じでしょうか。そして、第二次のこの補正予算のとき、県から実は要望が出ていなかったんです。ですから付いていないということです。要望があれば、それは担当局の方から査定されて私たちのところに要望が上がってくると思いますけれども、現地との協議等がまだ調っておらないんじゃないかなと思ったりいたします。
#135
○櫻井充君 大変失礼いたしました。地元の塩釜の人たちから随分陳情を受けていたものですから。済みません。
 それじゃ済みません、話題を変えて大和都市管財についてちょっとお伺いさせていただきたいんですが。
 先般いろいろ質問させていただいたときに、法律にのっとって淡々とやったらああいう結果になってしまったというような御答弁を随分いただきました。
 今日は、その法律上、どこか改正点が必要なのかどうかという、そこら辺も含めて質問させていただきたいんですが、まず一つは、平成九年の十月に大和都市管財に関して業務命令を出しておりますけれども、改めてお伺いをさせていただきたいのは、その業務改善命令を出した理由を教えていただきたいと思います。
#136
○副大臣(村田吉隆君) 平成九年の十月に大和都市管財に対しまして近畿財務局から業務改善命令を出しておりますが、これは、近畿財務局が平成九年の六月から当該社に対しまして検査を実施しまして、その結果、融資先六社を含みます経営状況の実態把握を行った結果、融資先の経営状況が非常に悪化している、将来そうした融資先の経営状態の悪化が困難となる、そういう可能性を確認したということで平成九年十月に業務改善命令を発したということでございます。
#137
○櫻井充君 そして、その融資先に問題があったと。それで業務改善命令を出したわけですが、そうすると、今度、業務改善命令を出した後に大和都市管財に関して立入検査を行ったのはいつですか。若しくは、ごめんなさい、その前に、業務改善命令を出したことによって大和都市管財から、どのような反応といいますか、どのような方針が打ち出されたのでしょうか。
#138
○副大臣(村田吉隆君) 業務改善命令を出しまして、その後、平成九年の十一月に経営健全化計画を大和都市管財から提出されたと、こういうことでございます。
#139
○櫻井充君 そして、その経営健全化計画を金融庁は知って、その経営健全化計画にのっとって順調にその経営が改善しているということを御確認されていたんですか。
#140
○副大臣(村田吉隆君) 近畿財務局としては、この経営健全化計画の内容を見まして、その実施状況について報告を求めてきたと、こういうことであります。
#141
○櫻井充君 私が聞いているのは、その経営健全化計画どおり進んでいたのかどうかということについてお伺いしております。
#142
○副大臣(村田吉隆君) 経営健全化計画の実施状況でございますが、その内容については、実績は未達であったということでございます。
#143
○櫻井充君 その未達であったということを確認されたのはいつですか。
#144
○副大臣(村田吉隆君) 一々いつにということは、ちょっと私の今手元に資料がございませんが、毎年報告を提出させてフォローアップをしていたということであります。
#145
○櫻井充君 なぜ、その報告を受けて経営健全化計画どおりいっていなかったということなのに更新の登録を拒否されなかったんですか。
#146
○副大臣(村田吉隆君) 登録の更新の審査に当たりましては、大和都市管財単体での財務の状況というものを審査するということになっておりまして、そういう意味では関連会社の状況、財務の状況というのは決して好ましい状況であったわけではありませんが、本体が直ちに問題がある、財務的、財産的な基礎を欠くという状況に立ち至っていなかったからでございます。
#147
○櫻井充君 今、単体がとおっしゃいました。しかし、業務改善命令は、単体ではなくて融資先も含めて業務改善命令を出しているはずです。ですから、それはおかしいんじゃないですか。
#148
○副大臣(村田吉隆君) 抵当証券業規制法の法律上の立て方が、単体での財務、財産的基礎を把握するということになっておりまして、もちろん関連会社の経営状況というものは本体にも影響を及ぼす可能性があるわけでありますし、また、その関連会社の一部は抵当証券付きの融資をした相手先でもございますので、そういう意味では、財務局としては、注意深くその関連会社の経営状況というものを見ていたということだと思います。
#149
○櫻井充君 抵当証券規制法であればその単体しかというお話がありました。単体についてなんだというお話がありました。だとすると、なぜ業務改善命令は融資先も含めてできるんですか。どの法律にのっとって、どの根拠法にのっとってその指導ができるんですか。
#150
○副大臣(村田吉隆君) 業務改善命令の相手先は、これは大和都市管財本体でございまして、この命令書を見る限り、「経営状況の改善」というところで、まず、「貴社の経営状況の改善を図ること。」と、こういうことが書いてありまして、命令書の中身でございますが、「このため、」という形で、抵当証券発行特約付融資を行っている相手先のところの経営見通しを正確に把握しなさいと、こういうふうに書いてあるわけでございます。
#151
○櫻井充君 本体しか調査できなくて、本体が黒字であったら、業務改善命令を出す必要性は全くないじゃないですか。
#152
○副大臣(村田吉隆君) その本体につきましては財産的基礎を有しているということながら、その関連、特に融資先でございますそういう会社の経営状況というのは、本体の経営状況あるいは財産に将来影響を及ぼす可能性があるということで、本体に対しまして経営状況の改善をしなさいという命令を出したわけでございます。
#153
○櫻井充君 ですから、そうすると、融資先の状況も金融庁はその時点では把握されていたということですよね。
#154
○副大臣(村田吉隆君) 本体の大和都市管財を通じて資料を提出させておったと、こういうことでございます。
#155
○櫻井充君 そうすると、経営健全化計画の中には、その融資先に対してどうするという、そういうことも入っていましたか。
#156
○副大臣(村田吉隆君) 命令書の文言を正確に読み上げますと、関連会社「六社の今後の経営見通しを正確に把握したうえ、九年度から十三年度までの五ケ年度について各年度ごとの貴社の経営健全化計画を作成し、」というふうに書いてありまして、あくまで経営健全化計画というものの対象は大和都市管財本体ということになっております。
#157
○櫻井充君 大和都市管財は黒字なんですよ。黒字のところがどうして経営健全化計画を出す必要があるんですか。
#158
○副大臣(村田吉隆君) 度々のお答えで申し訳ありませんが、融資先の経営状況というものが本体に対して将来影響を及ぼす可能性がやはり存在しているからでございます。
#159
○櫻井充君 ですから、この経営健全化計画、業務改善命令の中には、融資先の問題があるから業務改善命令を出しているわけですよね。
 そうしてくると、そういう意図で業務改善命令を出しました。業務改善命令を出して経営健全化計画が出てまいりました。その経営健全化計画の中で、私がお伺いしたいのは、その融資先との関係はどのようにしていくというふうに大和都市管財から計画書が出されたんですか。
#160
○副大臣(村田吉隆君) ちょっと補足させてお答えさせてもらいたいのでございますが、銀行法上との法制とはやや違っておりまして、抵当証券業規制法は行為規制法でございますので、そういう意味では、本体に対しての、規制の対象というものが本体に向けられ、抵当証券発行会社自体に向けられているということをまず補足してお答えをさせていただきたいというふうに思っております。
 大和都市管財が作成してきた経営健全化計画でございますが、これは抵当証券発行特約付融資先、大和都市管財の相手の抵当証券、同社の関連の融資先六社を含めたものでございます。
 この計画の内容でございますが、融資先におきましては、ゴルフ会員権やリゾート会員権の販売に伴う登録料利益と預託金の余資運用益等によりまして経営改善を図る計画になっていたわけでございます。
#161
○櫻井充君 それで、金融庁はこれで経営が健全化するというふうに判断されたわけですね、まずその時点では。
   〔委員長退席、理事円より子君着席〕
#162
○副大臣(村田吉隆君) 近畿財務局としては、同社が出してきた経営健全化計画を見まして、その内容が確実に実施されることを期待しておったと、こういうことでございます。
#163
○櫻井充君 それは、実施されているか実施されていないかは毎年確認していたわけですよね。これは毎年確認しているわけです。
 そうすると、実施されていたんでしょうか、毎年毎年。
#164
○副大臣(村田吉隆君) 実際問題としては、先ほどお答え申し上げましたように、九年度、十年度、十一年度もいずれも大幅な未達であったということでございます。
#165
○櫻井充君 未達であった場合には登録の取消しができるんじゃないですか。なぜ登録を取り消さなかったんでしょうか。
#166
○副大臣(村田吉隆君) 未達であったことは事実なのでございますが、近畿財務局としては、登録取消しや業務停止命令の発動については慎重であるべきものであって、引き続き経営健全化計画の実行を厳しく促す方が適切であったというふうに考えていたわけでございます。
#167
○櫻井充君 この法律の二十四条に登録の取消し及び業務停止命令というのがございまして、業務改善命令違反が認定できるのであれば登録を取り消し、又は業務停止を命令することは法律上可能であったと。これは参議院の法制局から私は言われております。
 つまりは、この法律に従っても、業務改善命令に従っていなければ、その時点で登録の取消しをすることが可能でした。未達であるということが分かっていながらその登録を取消しをしなかった、そのためにあれだけの被害を出したということは、監督官庁の金融庁の責任は私は免れないと思いますが、その点についていかがですか。
#168
○副大臣(村田吉隆君) 本件のケースで多くの方々が被害を受けたということに対しましては大変遺憾に思っている次第でございますけれども、私どもといたしましては、業務改善命令を発しましてその是正を促した上で出してきた経営健全化計画の未達のみによっては直ちに取消し事由には当たらないと。
 なぜならば、私どもとしては、原則自由であります抵当証券業を登録制としている趣旨というものを考えたときに、そうした法律の規定が、登録拒否要件でございますけれども、財産的基礎等についてこれを欠くということが直ちに登録拒否要件になっていないという法律の趣旨というものはそういうものであるというふうに解している次第であります。
#169
○櫻井充君 それじゃ、この二十四条の解釈はどのように考えていらっしゃるんですか。
#170
○副大臣(村田吉隆君) 確かに、抵当証券業の規制に関する法律の第二十四条でございますけれども、登録取消しの要件が一、二、三号書いてございます。その三号に、今、櫻井先生がおっしゃるのは三号のことだと思いますが、「この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。」、こういうことでございますけれども、先ほどお答え申しましたように、改善命令を出しますが、その実行がなされなかったということで直ちに登録を拒否する、登録を取り消すということの条件には該当しない、より客観的な条件が具備されていなければいけない、明らかに我々が発した命令に対しての違反の事実ということが客観的に分からなければいけないということではないかというふうに思います。
 それはなぜかといいますと、やっぱり原則自由であるという抵当証券業、これについての規制をするときに、続いている業務を途中で取り消すという事態は、より客観的な要件を具備しなければならないと解釈しているわけでございます。
#171
○櫻井充君 自由であるべきところを、じゃ、なぜ監督しなきゃならないんですか。何のために監督しているんですか。
 それからもう一つ、客観的なというお話がありました。客観的なデータは何を取られたんですか。客観的なデータを何を取られたからこれは処分に当たらないと、その根拠を教えてください。
#172
○副大臣(村田吉隆君) 抵当証券業規制法でございますけれども、経緯が、昭和五十八年ごろから抵当証券会社がたくさんできましてその販売額もかなり増えたと、こういう状況の下で一部の悪質業者が出まして空売りとか二重売りと、こういう被害が社会問題化したわけでありまして、そういうことを背景といたしまして、抵当証券業者に対して必要な規制を行うということでもって昭和六十二年十二月に公布、翌年施行されたと、こういう経緯であります。
 そういうことでございますので、私どもとしては、繰り返しになりますが、登録期間中にその登録要件を満たさないこととなった場合において抵当証券の購入者が利益を害する事実があると認めるときは、まず業務改善命令で是正をすることが、原則自由である抵当証券業を登録制としている趣旨により合致すると、適当であるというふうに考えたわけであります。
   〔理事円より子君退席、委員長着席〕
#173
○櫻井充君 そうすると、あれだけ損害を受けた方々がいらっしゃいますが、これは、監督官庁は全く責任がないということですね。
#174
○副大臣(村田吉隆君) 先ほど櫻井委員の御質問に答えていなかった分をお答えいたしますけれども、私どもは、大和都市管財の抵当証券に対しまして購入者の返還要求があったときのその資金繰りがどうかということは引き続き注意深く見てきたところでありますが、その平成九年、十年、十一年という段階におきましては、大和都市管財の資金繰り状況というものはそうした返還請求に十分こたえ得るだけのものを持っていたと、こういう事実は把握しておったわけでございます。
#175
○櫻井充君 済みません、それは返還要求があったときに返せると。それは何年には返せるというふうにお考えだったんですか。
#176
○副大臣(村田吉隆君) 九年、十年、十一年ということで私ども業務改善命令の実施状況というものを注意深く見てきたわけでございますが、十二年の検査でもって債務超過、そしてそうした返還請求に応じることは不可能という判断をして、最終的に私ども十二年において登録更新の拒否をしたと、こういうことでございます。
#177
○櫻井充君 今、だって副大臣、返還請求にこたえられるとおっしゃっていたじゃないですか。そうすると、今の段階でいうと、十二年はそこで見たときにはできないけれども、じゃ十一年度はできるというふうに考えていたわけですね。
#178
○副大臣(村田吉隆君) そのとおりでございます。
#179
○櫻井充君 そうすると、これは金融庁の判断のミスだということにはなりませんか。つまり、それは何をもってして返還請求されたときに、後で数字をいただきたいんですけれども、何をもってして十一年度の時点で、返還請求があったときにこれは十分こたえられるというふうにお考えだったのか、その根拠をお示しいただきたい。後で数字を部屋の方に届けていただきたいと思います。
 そして、もう一点。要するに、この法律上粛々とやっていったと、そして、業務改善命令も、いろんな法律の趣旨からすると、何もしないというか、あの時点では監督だけやっていればよかったということだとすれば、今後このような被害を防いでいくためには、法律を変えなければいけないのか、若しくは、法律は問題がないんだけれども金融庁の考え方を、もう少し監督を厳しくしていかなければいけないとお考えなのか、それとも、このままで構わないと、同じような問題が起こるかもしれないけれども、このままで構わないとお考えなのか、その点について御説明願いたいと思います。
#180
○副大臣(村田吉隆君) 私どもは基本的に、抵当証券業という業態といいますか、業を登録制としている趣旨というものを尊重したいというふうに考えておりますが、しかしながら、やはり購入者に対してより情報公開がしっかりなされなければいけないと、こういうことを考えておりまして、その意味では、それに関連した様々な措置を導入したいというふうに考えているわけであります。
#181
○櫻井充君 済みません、その様々な措置というのは具体的に何ですか。
#182
○副大臣(村田吉隆君) まず、抵当証券業規制法施行令を改正をいたしまして、これからパブリックコメントに掛けさせていただくわけでございますけれども、例えば抵当証券に係る債務者の概要を記載した書面を契約前に交付することと、それから、そうした例えば抵当証券付きの特約付融資の相手方、これがどういう相手方であるか等のそうした、今回の場合には融資先が関連会社でございましたが、そうした事実を前もって明らかにして注意を促す等の措置が盛られているわけでございます。
#183
○櫻井充君 今回、本当は近畿財務局は危ないと思っていて認可を取り消したいと思っていたんだけれども、しかし、どうも政治家が関与したためにそのことが果たせなかったというような話もございます。別に圧力を掛けたとか掛けないとかいうことでは関係なしに、何人かの政治家の方が、この間、副大臣、三人とおっしゃっていました。三人の方から電話があったんだとおっしゃっていましたが、この三人の方がいつごろの時期に電話を掛けてこられたのか、そしてどなたなのか、そのことについて教えていただけますか。
#184
○副大臣(村田吉隆君) 誠に申し訳ないのでございますが、この事件が発覚いたしましてから私が責任者として庁内で調査をいたしました。その結果、かなり前のことでございますので記憶が定かでないところもございまして、そういう中での調査結果でございましたので、櫻井委員に対します前回の御答弁でも、いつからということに関しては数年前からというふうにお答えをさせていただいた経緯がございます。
 それから、具体名については、三人ということ、数字までは申し上げましたけれども、具体名の公表につきましては、誠に申し訳ありませんけれども、公表を差し控えさせていただきたいということでございます。
#185
○櫻井充君 これだけの被害が出ているわけであって、もしその方々が何も関係ないんだったら別に名前出してもいいと思うんですよ。名前を出せないということの方が、何らかの関与があったんじゃないかと思いたくなるわけですよ。
 改めてお伺いしますが、三人の方のお名前を挙げていただきたい。
#186
○副大臣(村田吉隆君) 繰り返しで大変恐縮でございますけれども、不明確なところもありますし、そういう意味では、名前、具体名は御勘弁願いたいと。
 ただし、私ども行政におきまして、そうした陳情があったがゆえに本件についての監督上の措置につきまして問題が生じたというふうには私どもも解釈は、理解をしておりません。
#187
○櫻井充君 では、まあ、その未達であったところの判断は近畿財務局が独自で行ったということにすれば、このことの判断が正しかったのか正しくなかったのかということ、これは後でまた数字をいただきたいと思いますが、十一年度ですね、その数字を見せていただいた上でまた考えさせていただきたいと思います。
 それから、具体的な名前を挙げて大変恐縮なんですが、朝日生命のことについてちょっとお伺いさせていただきたいと思います。
 朝日生命が東京海上と合併という話が出ていました。結果的に御破算ということになりましたけれども、今ちまたで言われているのは、三月決算を乗り切れないんじゃないだろうかと、そういう話も出ておりますけれども、この点について何か金融庁で分かっていることがございましたらお話しいただきたいと思います。
#188
○国務大臣(柳澤伯夫君) 朝日生命と東京海上とはかねて一つのグループを組成するということで検討を進めておりました。特に、昨年の十一月の時点で、これを前倒しするということで、新規のこの契約部分について、朝日生命の方でございますが、これを東京海上の子の保険会社の方と先行して統合するというようなこと、詳しくは申しませんけれども、そういうようなことを基本として前倒しするということを構想しておったわけでございますが、昨日、この前倒しの構想というのは、客観情勢等にかんがみて、これを実行に移すという合意をするに至らなかったということが発表されまして、昨年の一月に発表をいたしたミレアグループの統合という、前倒し以前の構想に戻って今後とも検討、その具体化を図っていく、こういうことになったということでございます。
 今、ちょっと委員、まあ私の聞き間違いかもしれませんが、白紙に戻った云々ということがございましたけれども、白紙ということ、どういう意味かあれですけれども、客観的に言いますと、前倒しの部分について、これを合意するに至らないというふうに双方が認識を共有したので、元の一月の枠組みでもってこれを検討を進める、こういうことになったということが一点でございます。
 それから、三月期にどうかというようなお話でございますが、これは私ども、一々個別の金融機関について、特に見込みの数字等について申し上げる立場にない、これは差し控えるべきものだというふうに考えておりますが、一般的に言って、私ども今、生命保険会社、それぞれの指標で私どもは監督、監視をいたしておりますけれども、これはいずれも問題が何かあるというふうには見ていない、こういう認識を申し上げておきます。
#189
○櫻井充君 先ほど私のちょっと表現が不適切だったかもしれません。
 そこの中で、東京海上の方が、朝日の何といいますか、財務諸表というんでしょうか、それを見せていただいたときに、どうも粉飾決算というか、そういう部分がかなり見られたので、それで結果的には前倒しをして、前倒しで合併を行わないというような話も入ってきております。
 それで、もう一つ。それはそれとして、今、例えば朝日なら、朝日生命なら朝日生命でいうと、三月のソルベンシーマージン比率ですと五〇〇台です。九月の中間決算でしょうか、この業績を基に算出しても四四五ということで、全く問題のない数字なんだろうと思うんです。
 ただし、一方で、私が以前から申し上げているとおり、より厳しいアメリカ式の方式で調べてみますと、その九月の時点では、余りここは名前を言わない方がいいんでしょうが、ある一社は実はもうマイナスになっていると。今の朝日は一八・幾つですか、そのぐらいの数字であると。非常に厳しい状況にあるわけです。
 ここで大事な点は、日本式の、以前も質問させていただきましたが、日本式のソルベンシーマージン比率というものが果たしてこういう生命保険会社の、生命保険会社の健全度というんでしょうか、それを表す指標として適切なのかどうか、その点について大臣、どうお考えでしょうか。
#190
○副大臣(村田吉隆君) この問題につきましても、櫻井委員から既に御質問をいただきましたけれども、ソルベンシーマージン基準に対します様々な御指摘がかねてよりございまして、昨年三月に、保険会社に対します時価会計の導入も踏まえまして、非上場株式や外貨建て有価証券等の評価損益をソルベンシーマージンに反映するというような見直しを行いました。
 そういう意味で、保険会社の財務状況の実態というものをより正確にその基準に反映させるように見直しを図ってきた、こういうことでありまして、今後とも私ども、保険会社の財務状況の把握につきましては、ソルベンシーマージン基準を活用いたしました早期是正措置制度の適切な運用を図っていきたいと、こういうふうに思っておりますが、御指摘のことを踏まえまして、今後とも業法に基づきます保険会社から報告を徴求するなどいたしまして、財務内容の適正な把握に努めていきたい、こういうふうに考えております。
 そして、これまでの破綻した生命保険会社でございますけれども、大正生命を除きまして、千代田、協栄、東京でございますが、そのソルベンシーマージン基準は、当時の基準で見ますと二〇〇%を上回っていたわけでございますが、見直しの基準を適用しますと、これは二〇〇を下回る、そういう基準になっているわけであります。
#191
○櫻井充君 ですから、やはり以前の基準というのに問題があったんだろうと思うんです。
 それで、とにかく今の基準にしても、これはちょっと違う観点ですが、三月決算、昨年の三月決算とそれから上半期の業績報告を受けて計算してみると、この時点で大手七社のソルベンシーマージン比率が平均で九〇%ぐらい下がっているんですね。この下がっている理由をどのようにお考えなのか。
 それからもう一点。今ゼロ金利、これは柳澤大臣にお伺いしたいんですが、ゼロ金利政策によって確かに金融機関や企業は救われているかもしれませんけれども、こういう形で生命保険会社は逆ざやが発生して大変苦しんでいる状況がございます。この辺の全体を含めてゼロ金利政策に関して大臣としてどのようにお考えなのか、その点についてお伺いさせていただきたいと思います。
#192
○政府参考人(高木祥吉君) まず最初の先生御指摘の点についてお答えを申し上げたいと思います。
 確かに、十三年三月末から九月末に掛けまして、大手七社のソルベンシーマージン比率は平均で約一〇〇%落ちております。その主なといいますか、もう相当大部分は株の、有価証券の含み損、つまり有価証券の含み損が拡大した、あるいは、元々益が出ている会社が大部分なんですが、それが縮小したということが主たる原因でございます。
#193
○国務大臣(柳澤伯夫君) 御指摘のような結果を生じているということは、これは私も同じ認識であります。保険会社のみならず資産の運用というものを主たる業務にしているというところは、もういずれもこの低金利政策で大変苦境に立っているということでございます。
 いつもこういうことでございますけれども、それは分かっていると、分かっているけれども、何といっても経済というのは生産の側、つまり資金を調達してそれを生産活動に回すという方をまず大きくする、そういうことによって景気を上向きにさせて、また金利を平常水準あるいは適切な水準に戻していくんだから、その間は少し我慢してくれ、こういうことで金利政策等は行われてきたということでございます。
 ただ、私、両方見ている側からしますと、これが長引くということについては、私自身、非常に苦しい立場に立たされているということでございまして、一刻も早くこの低金利政策あるいはその他の構造改革の施策が効果を上げて、早く金利を適切な水準に戻して、運用側、あるいは一般の預金者も含めてですけれども、そのような人たちが適切な利子所得を得るようにしてもらいたいと、こういうように、また我々もそのために頑張らないといけないと、このように考えています。
#194
○櫻井充君 済みません、あと大臣、ペイオフに関してちょっとお伺いしたいんですけれども、本来であれば、金融システムが安定した状況でペイオフというのは解禁されるのは、これは理想でしょうし、そしてそういう状況を作り出す約束だったはずなんですよ。そうすると、大臣の認識として、現在、金融システムというのが果たして安定しているとお考えなのかどうか。
 そしてもう一つ。我々、どうしても医者的な感覚でいうと、患者さんというのは良くなったから退院していくわけです。ところが、ベッドの事情で、ベッド待ちの患者さんがいるから、あなた、まあほぼ良くなったから出ていってください、そういう場合もあるわけですけれども。今のペイオフの在り方というのは、金融機関が本当に良くなったから、さあもうペイオフを解禁しても大丈夫ですねということではなくて、もうベッドの期限が切れたから、だから、じゃもういろんな信用を失うから、さあとにかくゴーサインを出してやりましょうと、そっちの方に近いような状態にあるんじゃないかと私は思っているんですが、大臣として、この時期にペイオフを解禁していくということが本当にふさわしいというか、できる状態にあるとお考えなのか、その点について教えていただきたいと思います。
#195
○国務大臣(柳澤伯夫君) ペイオフも、元々がペイオフを凍結するというのは臨時異例の措置であります。これはもう櫻井委員も同じ御認識でいただいている、こういうように思います。
 つまり、破綻が起こったときにその損失を税金で埋めるという制度ですね、こういうものがいつまでも続くなどというようなことはやっぱりあり得ないことでありまして、そういうことで私ども、五年の期限があったわけですが、しかし、あと一年ですね、もう度々は申しませんが、信用組合の問題がありますから、これが済むまでは待とうじゃないかということで延長した、こういうわけでありまして、私どもは、今度その信用組合の方まできちっと見まして、もう市場から退出してもらわなきゃならぬものは退出してもらう、それで残るべきものはきちっと残る。これ一巡全部しておりますから、私どもとしては、これでもってペイオフを解禁するという状況だということでございます。
 それでもし万が一金融システムに重大な支障が生ずるようなことがあれば、それはそれでまた別途、金融危機対応という別の施策を展開していく、こういうことに元来なっているわけでありまして、私どもはそういうところに粛々と進んでいきたい、このように考えているということです。
#196
○櫻井充君 最後に一言だけ申し上げたいんですが、実は、そのペイオフ解禁を控えて中小の金融機関からの貸出しが随分減っているわけですよね。そのために中小企業は随分苦しんできています。ペイオフの解禁は世界に向けての公約だからやらなきゃいけないという、そのことも分かります。だとすると、都市銀行のような世界を相手にしてやる金融機関に関してのペイオフは解禁すればいいのであって、国内の、国内向け融資に専念しているようなところに関しては、二段階論で延期しても私はよかったんじゃないかと思うんですよ。
 つまり、そういう状況に本当にあったのかどうか。無理やり合わせたために、その中小企業金融というか、地域金融が疲弊してしまっているという、そういう現状もあってかなり苦しんでいる人たちがいるし、企業倒産も私は増えてきているんじゃないだろうか。
 ですから、約束は約束で大事な点はありますけれども、現実問題に合わせて対応していくということも必要なことではないのかということを申し上げまして、私の質問は終わらせていただきます。
#197
○委員長(山下八洲夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#198
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#199
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。
 ちょっと人数が足りない──やっとそろいました。一人プラス、オーバーになりました。
 法案について伺いたいと思います。
 午前中の質疑で度々出てきたことなんですけれども、要するに国債発行額三十兆円以下という公約を守るということで、あの手この手使って何とか公約を守るというつじつまを合わせる、そんな法案だなという気持ちを一層強くしておるわけなんですけれども、そういったことに関連して伺っていきたいと思います。
 二兆五千億円ですね、この株式売却益なんですが、これについて小泉総理はいいへそくりがあったものだというふうにおっしゃったというふうに伝えられておりますが、昨日も塩川大臣もへそくりだというふうなこともおっしゃっておりましたが、一体このへそくりというのはどういう意味でおっしゃっているのか、ちょっとそれから伺いたいと思います。
#200
○国務大臣(塩川正十郎君) これは難しい表現ですが、実は財務省の中では、この財源は貴重な財源としておったと。私自身は全く財務省とか大蔵の仕事なんというのは素人でございますから、ぽこっと聞きましたとき、へえ、そんなあったのかというのが、ぽっと浮かんだのが、ああ、そこにはええもんあったなという感じなんですね。ですけれども、財務省の者は、これは国庫資金としての位置付け、そういうようなものをきちっと心得ておりまして、使える範囲内のことはどの程度ということを心得てやっておったと思っておりますが、私の感覚では全く予想もしないような金が降ってわいてきたような感じがして、それで私は自分の感覚でええへそくりが残ってたんやなという感じなんですが。
 ですから、これは世俗的な言葉でございまして、非常に財政上はまずい言葉だと思って、私はもうそれっきり使わないことにしておるんですけれども、何か知らぬがマスコミがぼろぼろと広めてくれまして、今非常に迷惑しておるというところでございます。
#201
○池田幹幸君 一国の総理がこれ堂々とへそくりだと言ったわけですが、へそくりということになりますと、ともかく隠してためた金ですから、この使い道は決まっているわけじゃありませんよね。こっそりためた金だから何にでも使えるということになるわけですね。へそくりという言葉の中にそういった考え方がやっぱりあるだろうと。すると、そういう考え方の片りんでもあれば、この問題は大変なことなんですね。
 そういったことで、少なくともこのNTT株売却収入については完全に使途が限定されていると思うんですね。そのことについて、どこにどういう形で限定されているのかということを改めて明確にしていただきたいと思うんです。
#202
○国務大臣(塩川正十郎君) この使途につきましては、これは法律で三つのタイプに規定しておりますので、それぞれについて過去においても実施しておりますし、今回もその分類に従いまして法に忠実に実施しておるということです。
#203
○池田幹幸君 要するに、国債の返済に充てるということが原則になっているわけですよね。それで、国債整理基金に繰り入れるということになっておるわけですけれども、今回の場合は、結局これ、午前中の論議にもあったんですけれども、はっきり言って借金なわけですけれども、将来の財源を担保にして金借りるわけですから、これはもう国債を発行することと何ら私は変わらないと思いますけれども、そういった金をともかく借りて、法律に定められているとはいえ、こういったAタイプ、Bタイプ、Cタイプの方へ使っていくと。しかし、今のままだったら使えないからということで、また更に枠を広げていくという形なんですね。
 結局この借金、国債発行三十兆円以下というこの公約、これは事実上、今度の二兆五千億、この借金を積み重ねることによって事実上破綻したんだというふうに私は言わないといけないと思うんですけれども、そのことの認識について大臣に伺いたいと思います。
#204
○国務大臣(塩川正十郎君) 私はその点は池田委員とちょっと考え方が違いまして、私は、三十兆円というのは、財政の秩序と節度を守るという意味におきまして、非常にそういう言わば数字の移換というよりもむしろ意識の転換ということを重点に置いた政策的配慮、こういう具合に位置付けております。
 したがって、数字の面におきましてはいろいろと取りようあると思っておりますけれども、その点において、この二兆五千億円というのは正に苦肉の策の一つの予算であるということが言えると思っておりますけれども、しかし、これによってやっぱり経済効果というものがそれだけもたらすことは事実でございますから、景気の歯止めになるということにもなるし、また、構造改革を少し進めていく意味において新規機軸を出したという意味においても意味があると思っております。
#205
○池田幹幸君 意識をどう変えるのかということはよく分かりませんけれども、少なくとも八四年の段階で、八四年、八五年、これ二年間にわたって議論されたわけですけれども、NTTの民営化。その際に、その株式の売却収入、これは国債整理基金に繰り入れるんだということを決められました。法律で決まったわけです。これ何でそれじゃここまで論議をして国債整理基金に繰り入れなければならなくなったのか、そのことについて改めて伺いたいと思います。
#206
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、電信電話株式会社そのものは御承知のとおり電信電話公社のもの、要するに政府の経営する国家資金でございますから、国民の資金でございますから、これを国家資金として使う以上は、国債整理基金に入れて国債の借金の返済をするというのがこれ一番常識的な使い方だと。けれども、とはいえ、やはり国のお役に立つことであるならば、国民のためになるならば一時それの方に転用して、そしてしかる後に国庫に返してもまあまあ矛盾はしないではないかということでこの制度が、無利子貸付制度というものが生まれてきたということであります。
#207
○池田幹幸君 私が伺ったのは、八四年、八五年の時点で国債整理基金に繰り入れなければいかぬという、法律で決まった時点のことを伺ったんですけれども、今おっしゃった無利子貸付制度というのは八七年にまた導入されたわけですね。八四年、八五年の段階では明らかにそういった方向に使うことについては予定していなかったわけですよ。八七年の段階になって、財政困難な折から、こういった方向に転用しようという考え方が出てきました。
 今、大臣御答弁のあったように、最初の段階では、NTT株というのは国民共有の資産ですから、これについては、この売却収入については、国民共有の負債ですね、借金、この返済に充てるんだという、その大臣答弁もありました。当時、竹下大蔵大臣ですけれども、ありました。そういうことで決着が付いていったし、わざわざ、これについては大変な論議があって政府統一見解というものも出されたわけですよ。その政府統一見解が、今、塩川大臣がおっしゃったように、そのことを決めております。国民共有の資産は国民共有の負債の返済に充てるんだと。ここまでやった法律を三年後には、今おっしゃったように、今度は無利子貸付制度導入ということになったんです。
 私はこの無利子貸付制度、後で言いますけれども、これ自身も私は財政法に反するものだというふうには考えておるんですけれども、こういったことをやっていきますと、本当に財政というのは節度のないものに私はなっていくんじゃないかというふうに思うんです。
 それで今度は、その無利子貸付制度の上に加えて直轄事業まで今度は繰り入れることになりましたね、今度の法律で。そうですね。そうすると、無利子貸付制度、それから直轄事業、この間には非常に大きな性格的な違いがあると思うんです。
 そこで、その無利子貸付制度を導入した考え方と、そのときになぜ直轄事業にこのNTT株売収益を使ってはいけないということにしたのか、そのことについて説明してください。
#208
○国務大臣(塩川正十郎君) 直轄事業は、それはやはり正当な、正当なというのも語弊がございますが、要するに、純粋な一般財源でもってこれを充当するのが当然のことだと思いますし、今回この無利子貸付制度というものは、御承知のように、Aタイプにおきましては公共的施設のもの、Bタイプのものは地方自治体のもの、Cタイプは民活のものという、そういう区分をしておりまして、直轄は余りこれを適用しないようにしたということは、直轄事業こそは国の本来の一般財源でやるべきであるという、そういう思想であったと思っております。
#209
○池田幹幸君 そのとおりなんですよね。
 少なくとも、この無利子貸付けを導入したときも、当時の宮澤大蔵大臣は、なかなか苦労しながら、ともかく基本的には、基本的な建前は崩していないということで言い訳されたわけですよね。ともかく基本的に国債整理基金に繰り入れて返済に充てるという建前は崩していない。しかし、直轄事業はこれできないと考えていたから当然入れなかった。今、大臣おっしゃったとおり、直轄事業できないと考えていたんですね。今度の法案でそれを直轄事業にまでこの株売収益を使うことができるというふうにしたのは、じゃなぜですか。これは明らかに間違いでしょう。
#210
○国務大臣(塩川正十郎君) この場合は恐らくあれじゃないかと思うんです、羽田空港を国際ターミナルにしなきゃならぬということと、それからもう一つは、刑務所とか入管事務所でございますね、いや、入管の施設でございますね、こういうのを緊急、急ぐ。つまりワールドカップということがあって、緊急を要するので羽田空港。それから、かねてから外国人のいわゆる治安上の問題等があって収容所が不足しておると。これを臨時急施で処置しなきゃならぬというようなことがあって、その分を、いわば本予算で組むべきであろうけれども、緊急、急いでやる必要があるというのでこれに該当するものを入れた、それが国直轄の問題だと思っております。
#211
○池田幹幸君 だからおかしなことになってしまったわけですよ。
 本当に緊急性があり国民が支持するものであれば、一般財源、要するに予算にきちんと組んで一般財源からやるべき事業、それを今度のこういった形で法改正をしてNTT株売却収益をこれに充てるというようなことにしたために非常にねじれが私は出てきていると思います。大体、八七年にその法改正したときにできないと言っていたことをやるようになっちゃったわけですよ。
 そこで伺いますけれども、それじゃ財政法九条、これ明確に書いてあるわけですけれども、「国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。」とあるんですね。今度は、今言いました直轄事業に加えてAタイプにも、民間の事業にもこれ使えるようにしたんですね。そうすると、これ明らかに財政法、まあ確かに別に法律を、「法律に基く場合を除く外」と、法律を作ればいいとも取れますから、そういう点では財政法九条違反とは言えないかもしらぬけれども、しかし、少なくとも財政法九条の精神には完全に反するやり方ではありませんか。
#212
○国務大臣(塩川正十郎君) 九条の中に、先ほど委員おっしゃった精神と同時にもう一つ、第二項にこういうことが書いてあるんです。「国の財産は、」云々して、所有の目的に応じて、最も効果的に運用しなきゃならぬと。だから、絶えず国の財産は効果的に運用するということも一つの使用の道なんですね。
 今回やりましたこの二兆五千億円の予算の配分というものは、正に効果的で即効性のあるところに使っておるという意味におきまして、池田さんのおっしゃる九条の精神の中で、第二項にぴったりの事業だと思います。
#213
○池田幹幸君 おっしゃるだろうと思ったんです。
 実は、この制度を宮澤大蔵大臣の下で導入されたときに、大蔵大臣の下でやられたのはお隣の浜田さんだというふうに先ほど伺ったんですけれども。
 要するに、苦労しているんですよ、このつじつまを合わせるために、ここでも。Aタイプについては民間、民間貸付け、これは効率的に使うと今おっしゃった。Bタイプについては、先ほど言いましたように、少なくとも、これは貸付けですから、直轄事業にやるというのは自分の右のポケットから左のポケットに金を移すだけの話ですから、こんなことできっこないんですよ。おっしゃるように一般会計でやらなければいかぬわけです。そういうものをわざわざこういうところへ持ち込んできたと。二重三重にねじれを作ってきているんですよ。
 効率的に使うと言うけれども、その第一番目は、法律に基づく場合を除くほかはこんなことをやっちゃいけないよと書いてあるんです。わざわざ法律、やっちゃいけないよというのを、法律さえ作ればやっていいよというふうに解釈してやっているのが今の政府のやり方なんで、これは法律の精神をねじ曲げるもの以外の何物でもないというふうに私は思います。
 そういったことと同時に、もう時間、ちょっと次の大門議員に譲りたいと思いますので指摘だけしておきますけれども、国債整理基金特別会計、わざわざこれを作っている意味についても、これはもう私から大臣に申し上げるまでもないかと思いますけれども、要するに国の借金、これをきちんと透明にして、透明な下で借金の返済をやっていくということをやるためにわざわざ整理基金作ったわけですよね。それをやらないんだったら普通の税収から返済に充てるというだけでいいんですけれども、それだけじゃ駄目だ、金利はどうやった形できちっと払っているかということまできちきちとやらないかぬということでわざわざこんな法律を作って、整理基金法を作って、特別会計法を作ってやっておられるわけでしょう。それを、にもかかわらずわざわざ、今度のやり方でいえば、不透明に不透明にするためにやっているとしか思えないですよね。二兆五千億円についても、建設国債を発行してやればいいのを、わざわざこんな形で持ち込んできて整理基金が見えにくいようにしていくというやり方でしかないんですね。私は、こういったやり方はやめるべきだというふうに思います。
 それからもう一つは、結局はその使い道も、中部国際空港、Aタイプで中部国際空港、Bタイプで圏央道路、こういった従来型の大型の公共事業、こういうところに金を使うということでしかない。こういう点では、もう本当に財政をねじ曲げるという点でも、そしてまたこの公共事業、反省すべき公共事業、全然反省しないで従来型で続けていくという点でも、本当にこの法律、そしてまた、借金を借金であるにもかかわらず借金でないかのように言うという、そういう二重三重にこの法律は国民にとってはとんでもないものだなというふうに思っております。
 そのことを申し上げて、大門議員に譲りたいと思います。
#214
○委員長(山下八洲夫君) 答弁はよろしいですね。
#215
○池田幹幸君 じゃ、答弁だけ。
#216
○国務大臣(塩川正十郎君) 御意見としてお聞きしておきます。
#217
○大門実紀史君 日本共産党の大門です。
 今日は、不良債権処理との関係で企業再生にかかわる問題、企業の再生ということにかかわる問題について質問したいんですが、その前に一言。
 十二月の六日に信金・信組問題で私は柳澤大臣に質問させていただきまして、その後も次々と相次いで破綻しているわけですけれども、金融庁のやり方そのものは、私ははっきり申し上げて間違っているということで申し上げて、そこは対決点だと思いますが、ただ、六日の日の質問の後、柳澤大臣、あのときもお答えいただきましたけれども、そうはいっても今実際に破綻しているところの借り手の皆さんに対しては配慮しなきゃいけないということで、後で伺いましたら、大臣と私のやり取りの会議録を各財務局に送られて、配慮するようにというふうな処置を取られたということでお聞きいたしました。
 私は、これは本当に、大臣の考え方違いますけれども、私とは違いますが、一抹の良心を感じて高く評価といいますか、させていただいているところではありますけれども、それが少しでも現場でむちゃなやり方されないで助かればと思って、そういう意味で評価させていただいていますが、ところが、私、その後全国に調査に回ったんですね。そうしたら、具体的な名前一つ二つ挙げますが、岩手信組の管財人に話を聞いたんです。大臣からそういう連絡があったでしょうと、財務局からあったでしょうと聞いたら、いや、何か配慮しろという話は聞いたけれども、具体的に何やっていいか分からないから今までどおりやっていますというふうな話なんですね。大田の二信組、倒れましたけれども、そこでは管財人が配慮しろということさえ聞いていないというふうな状況です。つまり、大臣がそれだけは何とかと思われたことが現場では財務局のところで止まって、握られて押さえられているといいますか、全然伝わっていない。強いて言うならば、この財政金融委員会で大臣と私のやり取りを送られているわけですから、言ってしまえば、もう大臣と私の連名の通達みたいなものが現場では無視されているということなんですよね。
 私、率直に言って、あの後破綻して、今も全国で十数万社ぐらいの借り手が不安な状況に今もあると。しかも、あのときは年末のことをお願いしましたが、年度末を控えてやはり大変な状況にあると思いますので、せっかくの大臣のあのときの処置でありますから、更に徹底されるように是非お願いをしておきたいというふうに思います。
 その上で本題に入りますけれども、今日、先ほど言いましたが、金融と産業の一体再生と不良債権処理との関係で、それが今政府の方針というふうになっているわけですけれども、最初に柳澤大臣にお伺いしたいんですが、この金融と産業といいますか、企業の再生をうたっているその趣旨ですね、これを簡潔にまずお述べいただきたいと思います。
#218
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権の処理、これは目下金融機関あるいは広く金融システムの大きな問題ということですけれども、この処理というものをどうするかということについて、外でもいろんな論議があることは御案内のとおりです。もう引き当てさえすればいいじゃないかと、金融機関の会計上の処理でいいじゃないか、足りると、こういう見解もあるところです。
 しかし、そうではなくて、やっぱり企業の側も、不良債権というのはやっぱり過剰債務という企業の側にとっても大きな問題ということであるから、これを解決しない限りは本当の意味の不良債権の処理はできないと、こういう考え方があるわけです。
 私は、一昨年十二月に就任して以来、やはりそこに手を付けないと駄目だと、こういうふうに思って、昨年の早いころからそのことをずっと考えてまいりまして、具体的には、森内閣の時代でしたけれども四月六日の緊急経済対策、それから小泉内閣になって六月の二十六日の骨太の方針、これにいずれもそのことが政府の言わば政策として、内閣全体の政策として掲げられたところでございます。
 そういうことで、私どもとしては、要するに金融機関側だけの会計処理ではなくて、金融機関が債務者企業と一緒になって、債務者企業のどの事業が再生可能な部分か、どの事業がこれはもう見切るべき部分かと、こういうことをきちっと検討して、そしてそれに応じた金融機関側の対応もして、で、バイアブルナな、再生可能な部分についてはより元気になってもらうと、こういうことがこの金融問題、過剰債務問題を解決すると同時に日本の経済の構造改革にも一致するんだと、こういう考え方でそういう施策を進めていると、こういう状況でございます。
#219
○大門実紀史君 要するに、銀行の不良債権さえなくなればいいというものじゃないと、企業もきちっと生きる道をということだと思いますが、今、マイカルとかダイエーとか流通大手の破綻が相次いでいる、破綻と再建問題ですね、再建がクローズアップされている中なんですけれども、私、幾つかそのダイエーなんかも調べましたけれども、どの破綻処理見ても、あるいは再建策を見ても、要するに、大手スーパーの本体だけ何とか残して、本丸だけ残して再生させるけれども、例えばその従業員が大量に首を切られたり、あるいは関連取引の中小企業が取引を停止されたりと、つまり本丸だけ残して、言ってしまえば万骨枯るといいますか、そういうふうな形が実際問題今企業再生で平然と行われていると思うんです。
 これが本当に企業再生なのかという気はするところですが、特に中小、関連中小業者の皆さんがこの流通大手のいろんな処理の中で今大変苦境に陥っておられまして、全国各地で大きな問題になりつつあるのが、例の会社更生法下にありますが長崎屋の問題です。
 若干経過を申し上げないといけないと思いますが、長崎屋というのは、創業者の岩田一族とメーンバンクの第一勧銀がバブルのときに投機に走って、それに失敗すると。九二年から事実上、第一勧銀が社長、専務、常務を送り込んで、第一勧銀の管理下に実質的になるわけなんですけれども、その後経営は改善せずに、この改善しない理由については後で申し上げますが、ただの商売上の問題じゃない、ただの事業上の問題じゃない、ほかの背景があって経営がどんどん悪化していったと私は思うんですが、とにかく経営改善せず、二〇〇〇年の二月十三日に倒産をして、今、会社更生法の適用申請をやって管財人の管理下にあるというのが今の長崎屋の状況なんです。
 その中で、去年の十一月の十二日に、長崎屋の更生管財人、桃尾重明さんという方ですが、一月の、つまり今年の、半ばに全国の三十一の店舗を閉鎖するということを発表されまして、実際その閉店予定日は二月の十一日にずれたようですけれども、いずれにせよ、わずか二か月ちょっとで閉店すると。そして、そこに入っているテナントの皆さんに、店を閉めると、だから出ていってもらわなきゃならないというようなことをわずか二か月程度前に通知をされているわけです。
 大体、その長崎屋本体は、それはいろいろ責任あるんでしょうが、テナントの皆さんには何の責任もないわけですから、商売の常識上、二か月前に、閉めますから出ていってくれと。これそのものも大変問題だと思います。
 さらに、今月、長崎屋の再建スポンサーになるかどうかと言われていましたアドバンテッジ・パートナーズ社、AP社というんですけれども、そこが共同スポンサーになることを降りるということで、残る五十二店舗の存続も今非常に危ぶまれているという段階です。
 先ほど申し上げました三十二店舗、もう閉めますと言われたところにテナントとして入っていらっしゃる方は、およそ四百五十から五百ぐらいのお店があります。今申し上げた五十二店舗ももしも閉めるということになりますと、全国で千二百、約千二百ぐらいのテナントの皆さんが急遽出なきゃいけないという事態に今なっている。大変な問題が各地域で今起きているところです。
 それだけではありませんで、この更生管財人は、その長崎屋が倒産した後、本当にもう一片の文書で、皆さんから預かっている敷金、保証金は、これ一般債権でありますので、ほんのわずかしか返せませんというふうな通知を各テナントにされています。
 このテナントの皆さんというのは、一部のナショナルチェーンを除いて、ほとんど地元の本屋さんだとか床屋さんだとか、地元の中小業者の方々なんですね。そういう方々が、店はもうあとちょっとしたら出ていけと、しかも敷金、保証金は返さないというようなことを今突き付けられて、大変な事態に陥っておられます。
 この管財人の問題は、私、ほかのところで別途で取り上げたいと思いますが、非常に更生管財人として債権者平等とかいろいろ問題のあるやり方をされていると思います。これはしかるべき関係委員会で改めて取り上げたいと思いますが、大体、そもそも敷金、保証金を返さないというのは、商売の常識から考えて、一般の売掛金とか貸付金と違うわけですよね。これは、たな子に何かあったときのために担保で取っておくものなんですよね。家主に何か損害を与えた場合に差し引くとか、そのために取っているものですから、純粋な私は預り金だと思いますけれども、それがこういう事態になって売掛金や貸付金と同じように返せないというふうなことが言われているという状況です。
 この敷金、保証金問題も、法務委員会等当該委員会がありますから、これはまた別途取り上げたいと思いますが、今日は、そのテナントの皆さんの今大変苦境に陥っておられる問題を先に申し上げたいと思いますが、金額で言ってもすごいんですね。全国のテナントの方々が預けているのは、約百五十億を超える金額を長崎屋に預けている状況です。それぞれの店舗の方々でいきますと、数百万円から、一番多い方、中小業者の方で一番多い方は五千八百万円ぐらい預けているんだけれども、返ってくるのが百万円とかほんのわずかしか返ってこないということで、それがなければ、店を出ていってくれと言われても、店を移転したり新たに再出発する資金が何もないわけですね。これで今もう大変な問題になってきている。もう正に倒産とか廃業の危機に立たされているという事態です。これは一部マスコミが今報道し始めていますけれども、大変な事態です。
 テナントの皆さんは、先月の六日の日に、長崎屋テナントの権利を回復する会ということを結成されました。実は私、今月の二十二日の日にこの会の代表の方々と平沼経済産業大臣にお会いをいたしまして、こういう状況だから何とかしてもらいたいという話をテナントの代表の皆さんもされまして、平沼大臣は、これは大変なことだ、これはもう何か本当に対応しなけりゃいけないことだ、できることとできないことがあるけれども、至急、経済産業省としてはやれることをやりましょうと、また、敷金、保証金の問題もこのままでいいのかどうか考える必要がありますというふうな、非常に積極的な平沼大臣の答弁を、答弁といいますか、そのときの応対をいただいたわけです。
 今日は、その直接の所管であります中小企業庁長官に、何か会議の前で大変な時間らしいですが、急遽お越しいただいて、この平沼大臣がおっしゃった二つの点、一つは、今実際に大変な目に遭われているテナントの皆さんの救済策といいますか、セーフティーネット保証を含めて、そういう問題と、今後、これだけ流通大手が破綻が続きますと、長崎屋だけの問題じゃないんですね。これは全国のスーパーのテナントに入っている方々の不安が広がっている問題でもあります。そういう点では、中小企業庁として、このテナントの皆さんの営業権あるいは敷金、保証金をどうこれから保全していくのか、こういうことを検討しなきゃいけないと思うんですけれども、ぜひ中小企業庁長官のお考えをお聞きしたいと思います。
#220
○政府参考人(杉山秀二君) 流通企業が破綻を来しまして、あるいはそれによって閉鎖をされるという場合には、そのテナント等の関連の中小業者の方々にいろんな深刻な影響が出るということだと思っております。大臣からも、その後、セーフティーネット保証あるいは貸付けというものについて、引き続き万全を期すようにというお話がございました。
 具体的に申し上げますと、こういった事態が発生いたしました場合に、私どもといたしましては、関連中小企業者対策ということで、相談窓口の設置でありますとかあるいは運転資金融資等の措置を速やかに講ずるということにいたしておるわけでございまして、そういったものにきちっと対応するということだと考えております。
 具体的に申し上げますと、相談窓口といたしましては、政府系の中小企業金融機関だとかあるいは全国の保証協会、こういったところにそういう窓口を作りまして、関連の中小企業の方々の相談にきめ細やかに対応するということでございます。
 また、テナントを含めまして、影響を受けます中小企業の方々に対しましては、政府系の三機関から運転資金を別枠で貸し付ける、いわゆるセーフティーネット貸付制度というものを速やかに適用をいたしております。
 また、保証につきましても、別枠でいわゆるセーフティーネット保証制度というものを、テナントあるいは関連の中小企業者の方々、これに発動するというようなことをやっておるわけでございまして、長崎屋に具体的に御言及がありましたけれども、貸付制度は既に発動いたしております。
 また、セーフティーネット保証制度につきましても、店舗が閉まるというような事態になれば、直ちに今のセーフティーネット保証制度というものを発動するということを考えておりまして、そういった意味で、きめ細やかな対応をして、できる限りの支援をやっていきたいというふうに考えているところでございます。
 なお、敷金、保証金の問題に御言及がございましたが、私がお答えするのが適当かどうか分かりませんが、いろいろこういったテナントの敷金、保証金の返還請求ということにつきましては、従来、更生手続の中で処理がされているようでございまして、裁判所の管轄の中でいろいろ当事者間で話し合われるというふうに承知をいたしておりますけれども、いずれにしましても、担当部局でそういった推移はフォローをきちっとしたいというふうに考えているところでございます。
#221
○大門実紀史君 ぜひ急いで対策をお願いしたいと思います。
 今日、この問題は、私、調べてまいりましたら、単に長崎屋とテナントだけの問題ではない、こういうふうな事態になっている、もっともっと長崎屋、第一勧銀の深い構造があるということが分かりました。
 それで、結論から言いますと、大臣が言われた企業の再生どころか、メーンバンクである第一勧銀は、いろんな手法を使って長崎屋から自らの資金回収をやって、むしろ追い込んできたというふうな疑いが非常に濃い、そういう材料を、幾つか事実を分かりましたので、その点を明らかにしたいというふうに思います。
 まず、何よりも、第一勧銀は、九二年から長崎屋を事実上自らの管理下に置いたわけですけれども、その管理下に置いてから、倒産した二〇〇〇年の二月直前まで、異常な長崎屋から債権回収を行っています。
 これは、長崎屋の資料によりますと、九三年の第一勧銀が管理を開始した、銀行の管理下に入ったときは一千七百億円、長崎屋に対して債権があったわけですけれども、倒産の直前には七百九十一億円、つまり七年間で九百十億円も回収しているんですね。こんな異常な回収をやられたら、長崎屋は経営が行き詰まるのはまず当たり前だと、常識的に考えて、というふうに思います。
 ただ、それだけではありませんで、ありとあらゆるといいますか、非常に巧妙な手段を使って長崎屋から資金の回収をやっているということで、資料を用意させていただきましたので、配付をお願いしたいと思います。
   〔資料配付〕
#222
○大門実紀史君 今日は、もう時間もわずかしかありませんので、ここにその元資料全部ありますけれども、お手元に配ったのは私のお話しする要点のメモといいますか、チャート図と、ほんの一部の資料です。裏付け資料は全部ここに用意していますけれども。そういう点で、そういうことでお聞き願いたいと思います。
 まず三つほど、もっとあるんですけれども、三つほどこんなことが許されていいのかということがありますが、時間の関係で先に三つとも、ちょっと長くなりますけれども、説明をさせていただきたいと思います。
 資料1ですけれども、これは何なのかといいますと、長崎屋の中に不動産業務部門として長崎屋エステートという会社、そして陽光エステートという会社があります。ここには、各テナントの皆さんが各店舗に、長崎屋の店に賃借料を納めるわけですが、それを集めていくという仕組みになっています。
 まず第一点の問題は、テナントの皆さんは払うわけですけれども、長崎屋が、テナントの皆さんからもらったよりも過払い、過剰にこの両エステートにお金を払っている。これは裏付け資料がありますけれども、細かいこと、あと抜きますけれども、要するに今分かっているだけで、私が調べて分かっているだけで年間約五十億円余分に払う仕組みになっています。
 例えば、新潟にあります聖籠長崎屋の例で分かりやすく言いますと、あそこは四千七百坪あるんですけれども、四千坪、そのうちの四千坪ぐらいがテナントの部分なんですが、一坪当たりテナントの皆さんは七千円払っているんですね、七千円払っているんです。ところが、長崎屋はこのエステートに一万円払うんです。何で払わなきゃいけないのかってありますけれども、とにかく過剰に払うんです、過払いするんです。長崎屋そのものがもう第一勧銀の管理下にありますから、これは第一勧銀の判断私はあると思いますが、過払いさせると。この二つのエステートから第一勧銀が支払利息という形でそのお金を吸い上げると、これは事実資料ありますが、そういう仕組みになっています。
 特にこの陽光エステートという会社は非常に不思議な会社で、これは九段にあるんですけれども、私見てまいりました。これはペーパーカンパニーです。三つの子会社書いてありますけれども、これもペーパーカンパニーです。驚きました。ポスト一つに、この三つの子会社はポスト一つなんです。この四つの会社は、たった一つのビルの一室です。ペーパーカンパニーを作ってやっているんです。この陽光エステートというのは、第一勧銀が長崎屋を事実上自分たちの管理下に置いてからわざわざ作られて、しかも不思議なことに、作られた当初から第一勧銀から百六十七億金を借りているという形になっている、こういう仕組みがわかりました。
 これは要するに何が問題かといいますと、長崎屋にとってはもらっていないものまで余分に払う、これは背任の疑いさえあるんですね。長崎屋に損失を与えているわけですから。これをだれがやらせたのかというのが問題ですけれども、私は第一勧銀にほぼ間違いないというふうな疑惑を抱いております。
 そういう形で長崎屋を、事実上自分の管理下にある長崎屋を使って資金回収をすると。これにはいろんな不思議な事実がありますけれども、何で過払いするのかと。これは営業支援だと、子会社の営業支援という形になっていますが、この子会社だけが黒字なんですよ、長崎屋エステートなんというのが。長崎屋グループで唯一黒字なんだけれども、そこに営業支援するという名目で金を出させて吸い上げているという問題が一つです。
 もう時間の関係で二つ目の問題を申し上げますけれども、資料の三ですね。これは大変大きな問題だと思いますが、コンビニエンスストアのサンクス、これはもう有名なコンビニですけれども、これ調べてみましたら非常に不思議な取引になっております。
 このサンクスは長崎屋の子会社であったわけですけれども、九四年二月に長崎屋が福井市にあります小野グループというところに百八億円で売却をしています。それが九八年十月にサークルケイ、いわゆるKマートですね、Kマートに三百七十億円で売却されているんです。これだけ見れば、ただ売っただけということですが、実はこの小野グループというのは、元々スチール製造とかの福井市の中小企業なんですが、どういうわけか今は第一勧銀が投資をして企業売買、企業の買収をやっている会社です。つまり、長崎屋は非常に安く、百八億円という安い値段で小野グループに売ると。
 このサンクスというのは、当時でも業界七番目の売上げがあった、一千六百億ぐらいあったコンビニなんです。百八億で売ること自体、非常におかしいと言われていたんですけれども、とにかく安く売った。それをサークルケイに転売して、二百六十二億の収益を小野グループに入る。小野グループそのものはお金を持っていませんから、第一勧銀の資金で売買やっていますから、その見返りが第一勧銀に入るという仕組みです。これも私は非常に背任の疑いがある事例だというふうに思います。
 何よりも問題なのは、三つ目の話ですが、これは資料の四です。これは謄本だけ用意いたしましたけれども、これは国民の税金が、国民負担が絡む問題ですので特に重要だと思いますけれども。長崎屋の、まあ謄本だけ見ると何のことかってありますが、要するに長崎屋の倒産の三日前に、当時国有銀行であった長銀に長崎屋から五十三億円の債権が譲渡されています。この三日前というのは、先ほど申し上げましたとおり、倒産したのが二〇〇〇年の二月の十三日ですから、二月十日のことなんですけれども、倒産三日前に長崎屋が五十三億円もの債権を当時国有化段階にあった長銀に譲渡したということです。
 この二月十日というのは何の日かといいますと、これは非常に意味のある日でして、次の謄本の後ろに付けてありますけれども、預金保険機構に対して長銀がいわゆる損失補てんといいますか、特例資金援助、要するに国民負担でお願いする、その申請日なんですね。申込日なんです。つまりこの二月十日、つまり、国民負担で長銀が処理してもらえるのに駆け込み的に長崎屋は長銀にこの不良債権、恐らくもう間違いなく不良債権でありますけれども、譲渡したということなんです。
 なぜ不良債権というのが明らかかといいますと、この登記簿謄本見てもらって分かるとおり、これはちょっと専門的になりますけれども、債権譲渡特例法というのが御存じのとおりございまして、これは、不良債権をできるだけ手続を簡素化して、あるいはバルクセールをやるために、大量に処理するために、登記さえすれば移せるというのがこの特例法なんですけれども、これを使っているんですね。これを使っているということは、すなわち不良債権を処理するための仕組みを使っているからこれは不良債権に間違いないんです。長崎屋は自らの、実質的に言えば第一勧銀は、自らの不良債権をこの長銀の特例資金援助に間に合わせるように駆け込み的にこの日に間に合わせて譲渡したと、これは資料から明らかなわけであります。
 時間の関係で一つ一つ聞かないで一遍に申し上げましたけれども、初めて大臣もお聞きになるということになると思いますが、私、これ非常に重要な問題を抱えているというふうに思います。特に長銀の問題含めて、この経過について金融庁として第一勧銀、少なくとも、調査の前の段階で結構ですが、第一勧銀を呼ばれて事情を聞かれるべきではありませんか。大臣。
#223
○副大臣(村田吉隆君) いや、私からまずそれじゃお答えいたします。
 ただいま大門委員からの御指摘の件でございますけれども、資料によりまして御説明をいただきましてありがとうございました。しかしながら、御説明、御質問のあった件につきましては個別の銀行の個別の取引にかかわることでありますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
 それから、最後の点でございますけれども、一般論として申し上げますれば、特例資金援助額につきましてそうした決定があって、その後に弁済とか保全がある場合には調整がされると、こういうことになっているということをお答え申し上げたいと思います。
#224
○大門実紀史君 私は具体例でお聞きしているんですけれども、一般論を聞いているんじゃないんです。大臣、どうですか。これは公的資金を約一兆円も受けている銀行ですし、非常に長崎屋といいますか、実質的に勧銀が入っているわけですが、長崎屋自身で言えば背任の疑いもあると。これは監督責任あるんじゃないんですか、これ、当然。大臣の考えをお聞きしているんです。座っていてください。もう時間ありませんから、大臣、最後お答えください。
#225
○国務大臣(柳澤伯夫君) 極めて具体的な話を聞かせていただきました。ただ、個別の取引について我々が一々コメントをするということはやはりいろんな差し支えもありますので、これは控えさせていただいておりますが、いずれにしましても、私どもは、銀行につきましては、業務の適切性に疑義が生じた場合には、必要に応じてまず二十四条の報告を徴して、それからもし更に改善すべき点があれば改善させる等々、それにまず引き続く手続も規定されておりますので、仮にそういうようなことがあればそういう対処を適切にいたしたいと、このように考えています。
#226
○大門実紀史君 報告を是非お願いしたいと思いますし、資料ここにありますから、担当官私の部屋へよこしてください。全部お見せしますし、調査する必要のある事例だというふうに申し上げておきたいと思います。
 マスコミも動いておりますので、もうBSEにしろ外交機密費にしろ、マスコミで取り上げられてから動くのが今までの政府でしょう。これだけは主体的にやったらどうですか。是非このことをお願いして私の質問を終わります。
#227
○平野達男君 国連の平野でございます。
 どうも竹中大臣ありがとうございます。
 塩川財務大臣がデフレスパイラルはどうも独り歩きしているんじゃないかというようなことを言っておられましたけれども、本当に独り歩きをしまして、昨年の十一月、十二月でしたか、緊急対応プログラムの中にどっかり座ってしまいました。
 それで、今日は、そのデフレスパイラルの前のデフレなんですが、このデフレにつきましては、竹中大臣は、三つの発生要因があるということで、二番目に内需の減少からくる需要の減少だということを言っておられます。私は、今日はこのデフレの中でも特に需要という面に着目して議論したいんですが、いわゆる潜在供給力と需要との差というのをデフレギャップと言っていたり、GDPギャップというふうに言っていますけれども、その差額を具体的に見ますと、企業から見ると恐らくこれは過剰設備、それから過剰投資、金融から見ますと、全部が全部じゃないですけれども、一部は不良債権、そういったことで理解していいかと思います。
 そこで、構造改革なくして景気回復なしというふうに言ってきましたけれども、いわゆるその構造改革を進めるというのは、一つはそのデフレギャップを縮めますよと。縮めるについては、その不良債権の処理をする、あるいは過剰債務を変える、同時に、できれば需要も喚起する。そこで供給と、本当の実際の供給と需要との接点を見いだして、そこから企業が、過剰債務が整理されれば、あるいは不良債権が整理されればそこから再投資していく。その再投資が、竹中大臣が言われるように、短期的に見れば需要だと。需要と供給が相乗に効果して景気が回復するというのが恐らく竹中大臣の描いたストーリーではなかったかと思います。
 ところが、ここでちょっと予期しない事態が出てきたと。それが私はデフレだと思います。緩やかなデフレだと思います。今までの骨太の構造改革の方針の中には、今の現状があって、改革をやった後の姿は描かれておるんですが、改革に至るまでのプロセスというのは必ずしもきちっと描かれていない。特にその中で、今日のような緩やかなデフレとか、ましてやデフレスパイラルの入口に立つようなストーリーというのはなかったと思うんです。ここは竹中大臣、どうでしょうか。
#228
○国務大臣(竹中平蔵君) デフレそのものは、私が大臣に就任する以前から、景気判断の中で日本は緩やかなデフレの状況にあるということが既に言われていたかと思います。その意味ではデフレの状況が新たに現れたということでは決してないと思います。日本は既に四年、もうGDPデフレーターで見る限り四年間下がり続けているわけでありますので。ただ、このデフレというものがやはり思っていたよりもやはり深刻なものであると。なかなか厄介な問題である。これが継続すると不良債権の処理等々に非常に大きな問題が生じかねない。そういった意味で問題をより重く位置付けたということは、これは確かにしております。
 そういう意味で、お尋ねの趣旨は、そのデフレというものをどのように位置付けているのかということであろうかと思いますので、そういう認識を持っているということでございます。
#229
○平野達男君 私の趣旨は、今までの構造改革をやるときのストーリーの中で、このデフレというものがどういう影響があるかというのはしっかり組み込まれていなかったのではないかという趣旨です。
 それはなぜかといいますと、先ほど言いましたように、デフレギャップを縮めますよと言ったときに、本来であれば需要が本当はそれ以上下がっては困ったはずだったんです。ところが、供給側のそのギャップを縮めるときに一回過剰設備を排除しなくちゃなりませんから、これをまず上から下に持ってくる。ところが、この需要がその中ですとんと下がってきたわけですね。このすとんと下がってきたということに対する対応が、今の構造政策のいわゆる骨太の方針の中にはきっちり明示されていないし、こういうことは起こらないという前提で組み立てられていたんではないかということの趣旨なんですが。
#230
○国務大臣(竹中平蔵君) その意味では、当初骨太の方針を考えたときに比べて需要の落ち込みが急激であるということが起こったというのは事実でございます。
 その主たる要因は二つあるというふうに申し上げられると思いますが、やはり世界的なIT不況が予想より深刻であったということと、やはりさらに大きいのは九月十一日の例の件でございますね。そういうことに対応するための緊急対応プログラムという発想に、だからつながってくるわけでございます。
#231
○平野達男君 その点で竹中大臣との御認識は一致したと思います。
 そこで、一つの問題が出てくると思います。
 そうしますと、需要がどんどん落ちてきますと、需要が落ちているときに潜在供給力だけ仮に上げたとする、つまりこれが供給サイドの強化ということなんですが、デフレギャップがどんどん広がるんじゃないかという説が一つあります。
 それから、不良債権は、これを急ぎますと、不良債権の処理が短期的に見たらデフレ圧力につながります。例えば、最近では日立四千人の削減、日商岩井五千人の削減。竹中大臣は、デフレスパイラルに移行する前に一つの支えとしては個人消費がまだそんなに落ちていないということがありまして、不良債権をこんなどんどんどんどん進んでしまったら、実はもう個人消費も落ちてくるんじゃないかという、そういう状況です。
 そうしますと、骨太の方針、大きな変更、これは必要になってくるんじゃないでしょうか。
#232
○国務大臣(竹中平蔵君) 構造改革によって供給力をしっかりさせるんだということを申し上げてきましたし、今、委員も御指摘くださいました。
 そこで重要になるのが、どういう供給力を付けるのかということなのだと思います。需要のない、今まで人々がもう見向きもしなかったようなものの供給力を増やしても、これは供給力が増えるだけで需要が付いてまいりません。しかし、これは総理がよくおっしゃるように、民間でできることを民間に、地方でできることを地方に、そうする中で、今まで考えも付かなかったような新たな需要を掘り起こせるような部門で供給力が付いてくる、これがまさに構造改革の意味だというふうに思います。規制改革によって新たな需要が作り出されると、これは総理がよくお話しされるストーリーでございます。
#233
○平野達男君 別なことを言うと、全体の生産性を高めて労働、土地、資本を低生産性部門から高生産性部門に移行するんだということですね。
 私の趣旨は、それが実現する前に、それを阻む大きな要素、つまり先ほどのデフレギャップの話に戻りますけれども、それを縮めてそこからばねをもって景気を上げようとするストーリーの中で、需要がどんどんどんどん下がってきていると。この需要を押さえるためのまず施策、それから需要が下がることに対するストップ、歯止め、これを掛けるための施策の提示が求められているのではないかということを言っているわけです。
#234
○国務大臣(竹中平蔵君) ここは本当に難しい問題であろうかと思います。
 需要が正にスパイラル的に悪化するようなリスクがかいま見えると。であるからこそ、今回四・一兆円の規模の中規模の補正というものもこの中に入ってくるわけでございます。ただし、本当にスパイラル的に落ちていくかというと、これは実はやはりさらに精査してみる必要があると思います。
 例えば十月、十一月の家計消費に関しては、実質がこれはまだプラスに出ていると。月によって変動しますので評価は大変難しいんでありますが、その意味では、委員御心配のようにスパイラル的に需要がどんどん悪化していくという状況ではないというふうに認識をしています。
#235
○平野達男君 今の竹中大臣の中で、需要の喚起のために四・一兆の補正予算という話がありました。
 ここから塩川大臣にも話が飛んでいきますけれども、そうしますと、今まではっきり言っていたのは、景気の刺激策として基本的に財政需要は発動しないと言ってきました。これをはっきり言ってきました。そして、第一次補正予算のときに、あの総理は、総理大臣は、二次補正予算は組まないと言ってきた。今回二次補正予算を積んだのは、もうこれ以上景気需要、すなわち需要のかさ上げを積極財政に発動しなければよらないということを表明したことになりませんか。
#236
○国務大臣(竹中平蔵君) ここは是非重要なポイントでありますのではっきりと申し上げたいと思うんでありますが、私たち今まで申し上げてきたのは、いわゆる景気の微調整、ファインチューニングとしての財政による需要管理は、これは慎むべきであると。これは、そうすることを繰り返すことによって、どうしても不況のときは財政が増える、しかし好況のときは減らせないということで財政赤字を構造的に増やしてしまう、これは幾つかの先進国で経験しているわけです。
 しかし、同時に、総理がこれまた繰り返しておっしゃってきたのが、つまり経済が危機的に悪化するような状況の場合はこれを管理しなければいけない。したがって、不況であるから需要を付けるということではなくて、まさにデフレスパイラル的に悪化することを防ぐために、危機に立ち入るのを防ぐために今回のその措置を取っていると。ここは、哲学的には全く違う政策であるというふうに認識をしています。
#237
○平野達男君 じゃ、少なくとも、その想定というのは骨太の方針にはなかったというのは、これはそのとおりですね。骨太の方針にこういうデフレスパイラルが起こって危機的な状況を管理しなければならないことが想定されていなかったということは、これは事実ですね。
#238
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、ちょっと表現正確には記憶しておりませんが、骨太の方針においても、さらにそれ以前の一番最初の総理の施政方針の、所信表明の演説においても、危機的な状況になったときは柔軟かつ大胆にやると、そういう形で明示してきたと思います。
#239
○平野達男君 それでは、ちょっと話がまた竹中大臣に戻ると思うんですけれども、その危機的な状況というのは塩川大臣も認識は一緒でしょうか。
#240
○国務大臣(塩川正十郎君) ちょうど九月の十一日にテロ事件ございましたですね。あの事件はやっぱり大きいショックがあった。あの事件がなくても、何か世界経済全体が沈滞しておると。したがって、あの事件によって更に一層悪化するんではないかと。それがいわゆるデフレスパイラルを防止しなきゃならぬという思想に結び付いて、緊急に、これは非常な措置であるという認識の下に第二次を決意したということです。
#241
○平野達男君 そういう認識が一次補正予算のときになぜなかったんでしょうか。こんなものを、ええ加減な答弁していたら大変なことですよ、これは。国会であれだけやったときに二次補正予算は組まないと言ったんですよ。今日の話の中では竹中大臣だって塩川大臣だって全然答弁変えているじゃないですか、危機的な状況、危機的な状況と言って。危機的な状況で、そんな危機的な状況がここ一か月の中でそんなにぐっと変わったということじゃないでしょう。一次補正の予算の議論をしていたのは昨年の十二月ですよ。ここはどういうことなんでしょうか。
#242
○国務大臣(竹中平蔵君) セーフティーネットに重点を置きました一次補正を編成しなさいというふうな指令、指示が総理から出ましたのは九月の最初でございます。九月の最初。それで我々作業を始めたわけでありますけれども、それで九月十一日にああいうことが起きました。しかし、その時点でも実はこれがどういう形になるのかというのは全く読めなかった状況であるというふうに思います。
 それから約一か月して、十月の中ごろになって実はアメリカのアフガン進攻がある。このアフガン進攻がどのようになるかによって世界の経済は大きな影響を受けると。まあやっぱり刻々その状況は変わってきたんだと思います。二週間後ぐらいに良くなったり悪くなったりする、そういう状況に基づいて十一月に判断したということでございます。
#243
○平野達男君 それは後付けの説明であって、そんなものの説明はもう世の中通じないというのは竹中大臣が一番分かっているじゃないですか。そういう答弁をやってしまったら、ちょっと後の話に移りますけれども、この補正予算、要するに政府の方針が本当に信用を置けなくなっちゃうんですよ。
 そして、今度は塩川大臣にお聞きしますけれども、そういう危機的なときの補正予算であって、需要の下振れを抑えるという重要な予算ですよね。その予算の額を決めるときに、何でNTT売却益の残額が二・五兆だからそれを使いましたという説明になるんですか。
#244
○国務大臣(塩川正十郎君) いろんな財源を探索しておりまして、この中にそのNTTの資金を活用してもあながちこの精神には、無償貸付制度の精神には反しないということの判断がございます。
#245
○平野達男君 今の先ほどの認識の中では危機だというふうにおっしゃいました。そしたらば、財源の規模がどれだけあるかというのをまずしっかり議論すべきじゃないですか。財源じゃなくて、投資の規模が。
 そういうふうに言っておきながら、一生懸命になって財源探しました、そこに二・五兆ありました、これを使いましたなんて言っているのは、方針とやっていることがギャップがあるじゃないですか。これこそ、デフレギャップじゃない、政策ギャップですよ、これは。
#246
○国務大臣(塩川正十郎君) これを、第二次をやらなかった場合、編成しなかった場合、やはり私はデフレの進行はですね……
#247
○平野達男君 委員長、全然答弁と違うことを言っている。この質問に答えてくださいよ。私は補正を駄目だったとは言っていないですよ。補正が必要だという前提に立っているんですよ。その説明ぶりと考え方をしっかり説明して、今それを聞いているわけですよ。
#248
○国務大臣(塩川正十郎君) 小泉内閣の一つの基本的な方針の中に、国債発行三十兆円ということのかんぬきを入れて、そして財政の節度を保つ、同時に経済の刺激を図っていくという、そういう二兎を追っていくその政策が根本的に成立しておるわけでございますから、ですからそれを選択しておるということは、これは平野さんの言うとおりになっていないからといって、これはやっぱり政治の違いなんですから。
#249
○平野達男君 違います。分かりました。
 それじゃ、今の意見をもう一点だけ確認しておきます。平成十四年度については二兎を追うということですね。
#250
○国務大臣(塩川正十郎君) そうですよ。
#251
○平野達男君 そうですね。いいですね、それは。もう変えないでくださいよ。いいですね、塩川財務大臣。
#252
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は二兎を同時に追えと言っていません。
#253
○平野達男君 いや、追うと……
#254
○国務大臣(塩川正十郎君) 同時に追えと言っていない。(発言する者あり)
 僕は、国債発行三十兆円で、財政の節度を堅持しながら、よろしいな、そしてそれやりながら景気刺激も求めると。
#255
○平野達男君 二兎を追うとはっきりおっしゃいました。
#256
○国務大臣(塩川正十郎君) だから、二兎を追うんです。二兎を追うんだが、順序が違うということ。
#257
○平野達男君 手を、挙手してから発言させてください。
#258
○委員長(山下八洲夫君) 委員長の指名があってから御発言を願います。
#259
○平野達男君 私も瞬間湯沸器と言われておりまして、どんどんどんどんエスカレートしますので、ここの点は御容赦ください。
 その順序が違うというのは、どのように違うんでしょうか。
#260
○国務大臣(塩川正十郎君) まず三十兆円を、かんぬきを守る。その次に、でき得るだけ財源を探して景気刺激をやる。
#261
○平野達男君 そうしますと、今回の場合はあくまでも財政の規律優先をして、そのうちに危機、その今回やったデフレスパイラルという、先ほどは危機という言葉がありましたけれども、その危機の対応についてはそちらを優先して今回の補正を組んだと、そのような理解でよろしいですか。
#262
○国務大臣(塩川正十郎君) それは議論をあえて混乱さすための議論です。
 私は、率直に言っていますのは、まず三十兆円の国債を守る、その上でなおかつ経済の刺激要因を追加して実施していくと、こういうことですから。
#263
○平野達男君 それでは、そこはもう考え方の違いということになるかもしれませんが、以下、じゃ私の考え方を述べさせてもらいます。
 危機的状況というのであれば、ここはやっぱり財政規模というのはしっかり検討されてしかるべきです。そして、なおかつ財政の規模の、規律が本当に必要だというからこの額でやったという話なら分かります、それは。ところが、NTTが二・五兆あって、それでもって三十兆の枠を決めます。ここがありますから補正予算を作りましたというふうにしか見えないんです。
#264
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、それぞれの理論の立て方の問題でございまして、それは政治の決定に結び付くことですから、あえて平野さんがおっしゃっていることが、それが普遍的な公理であるとは思いません。また、私の言っていることも、私の言っていることも、これは絶対間違いではないとは、間違いではないとは申しません。
 しかしながら、政治の決定からいいまして、我々は、もう一度言います、まず財政の節度を守る、そのためには三十兆円の発行枠を守る、けれども、なおかつ、その中において許される財源を活用して経済の刺激をする、そういうことでやったんだから、これは一番正統な道ですよ。
#265
○平野達男君 さきに私は何回も確認したのは、今のこのデフレスパイラルの入口にというのは、どういうことがあって、どういう意識ですかというのを確認しました。
#266
○国務大臣(塩川正十郎君) それは意識していますよ。それは意識していますよ。
#267
○平野達男君 意識している、意識していないじゃなくて、どういう、どのような認識かと言ったら、危機的な状況だという危機感をにじませました。
 この話……
#268
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、深刻になるとは言いましたが、危機的とは言っていません。
#269
○平野達男君 どうも財務大臣とは、外務大臣と次官とのあれになっちゃいましたね、言った言わない、言った言わないといって。
 そんな話じゃなくて、先ほどの危機的な話で、ついさっきの話ですから。危機的な状況ということでは、竹中大臣も先ほど認識されましたよね、そのとおり。それは少なくとも竹中大臣ははっきり言っておられます、そこは。(発言する者あり)
 ちょっと議事止めてくださいよ。
#270
○国務大臣(竹中平蔵君) 別の委員会でもお話をさせていただきましたが、危機という言葉の中には何か非常に広い幅がありますので、正確にはデフレスパイラルのリスクを回避する、デフレスパイラルが起きるというのは危機的でありますから、その意味では、正確に言うならばデフレスパイラルのリスクを回避する、財務大臣のお話はそういう点であろうかと思います。その意味では私も一致をしております。
 平野委員の先ほどからの御質問は、もしそういうことを目的とするんであるならば、先にその金額が決定して、その後で資金調達の方法を決定すべきではないだろうかと、そういう御議論というふうにお見受けいたしましたが、基本的にはこれはもう立場の違いで、私はマクロ経済を考える立場でありますから当然のことながらそういうふうに考えております。財務大臣は国庫をしっかりと預かる立場でございますから、当然のことながらファイナンスの仕方について非常に強い思い入れがあるのは、これは当然のことであろうかと思います。
 その観点から申し上げますと、ラフに考えて、やはり中規模の補正を組みたい。具体的に言いますと、GDPを一%程度刺激するような補正を組みたい、そういう形で話を私の立場からは進めてまいりました。それに対して、財務大臣の方でしっかりとその財源の調達の方法を御議論いただいた。それが今のような第二次補正予算になっているというふうに御理解ください。
#271
○平野達男君 竹中大臣の説明はよく分かります。
 その次は、その議論をしたときに、今どなた様か言われていますけれども、その規模で本当にデフレスパイラルの危機が回避できるかどうかという議論になるわけです。
 何回も言いますけれども、今そういった言い方なら分かるんです、私の見方にすれば。塩川大臣の考え方というのは違うという見方もあるかもしれません。ただ、補正予算を組んで、目的の中にデフレスパイラルに陥ることを阻止するというふうに書いてあるわけです。それならば、それに達するための金が、そのお金が十分かどうかという検証がなされなければ駄目なんです。それを財政の規律がどうのこうのとこっちの話を持ち出して、私は財政規律が重要ですよと言いながら、片方で、デフレスパイラルの阻止が必要ですよということで目的に書いているわけです。この整合性が必要ではないかということを申し上げているわけです。
#272
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、デフレスパイラルを完全に防止できるとか言っていません。ある程度これで防止をするということに役立つということを言っておるわけでございまして、これでデフレスパイラルを完全に払拭いたしますとは一言も言っていません。
#273
○平野達男君 ちょっと答弁、質問に対して答弁答えられていると思いますか、委員長。
 私は、デフレスパイラルで、今回の予算で止められますかなんというのは聞いていませんよ。
#274
○委員長(山下八洲夫君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#275
○委員長(山下八洲夫君) 速記を起こして。
 大変恐縮ですが、平野委員の方からもう一度分かりやすく塩川大臣に御質問をお願いいたします。
#276
○平野達男君 私が分かりにくいんでしょうか。それとも答弁が分かりにくいんでしょうか。どっちなんでしょうか。
#277
○国務大臣(塩川正十郎君) 分からぬですね。分からぬです。
#278
○平野達男君 私は、塩川大臣は私の答弁に沿った答弁をしていないということはよく分かります。
#279
○国務大臣(塩川正十郎君) そうですか。
#280
○平野達男君 はい。
#281
○国務大臣(塩川正十郎君) もう一回言ってください。
#282
○平野達男君 私は、今回の話の中でずっと順序立てて考えたときに、デフレスパイラルに陥らないようにすることがこれも重要だというふうに聞きました。今回の補正措置だけでデフレスパイラルは回避できるというふうには思っておりません、これは。それはそのとおりです。
 ただ、竹中大臣が言われたように、GDP比一・一%の伸びが必要だというのは、そういった分析があって──ちょっと数字はごめんなさい、そういったものがあって財政規模の発動が決まってくる、こういったまず説明があってしかるべきじゃなかったんですかというのを言っているわけです。
 ところが、塩川財務大臣の話は、いや財政規律、財政規律というふうに言うから、それは二兎を追うという、それはそれも方針でしょう。だけれども、今回の補正というのは、そういった意味では、ここから実はそっちの議論に移りたかったんですけれども、補正の意味のメッセージが非常にぼけてしまっているんです。そういう印象を受けています。
 ただ、そこの議論に走る前に、移る前に残念ながら言った言わないの議論になってしまいまして、私の時間過ぎてしまいました。しかし、私の言いたいのは、今回の補正予算というのは、本当にデフレスパイラルに陥らないということを初めてうたいました。このメッセージというのは、私は、民間の方、一般の国民に訴える、受け取り方というのは本当に大きいと思います。にもかかわらず、なぜ二・五兆円なんですかという説明が今までの説明の中ではなかったんです。これは、効果はどうですかと言ったときには、実質何だか〇・九とか一・一%という説明はありました。
 財源は何でそれに二・五──ごめんなさい。その過程の中で、峰崎委員の、本会議の中では二・五兆円がなければ補正予算は組まなかったんですかという本質的なことを聞いたときに、小泉総理は、あったじゃないですかという、こんないい加減な答弁をしているんです。これ、え、あったじゃないですかというのは、子供に言ったら、おい、そこで何やっているんだ、だってそこにあったんですもんといった、この程度の答弁ですよ。これで二・五兆を使って事業費四・一兆を使って、これで経済が回復する、デフレスパイラルをやる、こんなメッセージ送れますかということなんですよ。ということを言いたかったんです。
 以上です。
#283
○国務大臣(塩川正十郎君) それはあなたの理論です。私は私の理論で言っているんです。そこが、自分が言っていることが、私がその答弁しなかったからというてけしからぬと、そういう言い方はおかしいと思いますよ。
 私は、財源が二兆五千億円あったからこれを使ったんです。じゃ、これがなけりゃどうするのかということになります。そういうことを聞きたいんでしょう。
#284
○平野達男君 違います。
#285
○国務大臣(塩川正十郎君) いや、ちょっと待ちなさいよ。いや、そうでしょうが。だから、その二兆五千億円なければ、それじゃほかの財源でやったのか、やらなかったのかということでしょう。
#286
○平野達男君 いいですか、私はそんなことを聞いておりません。方針をもっと強烈にメッセージとして伝えることが必要だという観点に立ってしゃべっています。
#287
○国務大臣(塩川正十郎君) いやいや、ちょっと待ってください、私に言わせてください。
 デフレスパイラルを止め、防止するということは、これは何遍も内閣は言っていますよ。本会議の答弁でも聞いてごらんなさい。デフレスパイラルを止めるために、防止するためにこの予算を組んだということを私は予算書を提出するときにも言っていますし、今さら何がメッセージですか。ずっと以前から言っているじゃないですか。
#288
○委員長(山下八洲夫君) 時間になりましたので、簡潔にお願いいたします。
#289
○平野達男君 これは核心の議論です。
#290
○国務大臣(塩川正十郎君) そんなことは前から言っているじゃない。今さら言っているんじゃない、何を言っているんだ。
#291
○平野達男君 私は一言もデフレスパイラルを回避することは言っていなかったなんて言っていないんです。
#292
○国務大臣(塩川正十郎君) じゃ、何を言いたいんですか。
#293
○平野達男君 さっきから言っているとおりです。さっきから言っているとおりなんです。デフレスパイラルを回避するということを目的に入れたのは政府ですよ。そういう重要な目的を入れておいて、じゃ、それを決めるための財政支出の規模はどうやって決めたんですかということを……
#294
○国務大臣(塩川正十郎君) 二兆五千億あったから補正で決めたんですよ。
#295
○平野達男君 こういう答弁は、私は本当おかしいと思います。
#296
○委員長(山下八洲夫君) 発言は……
#297
○平野達男君 財務大臣としてそんな答弁で本当にいいんでしょうか。
#298
○国務大臣(塩川正十郎君) 何遍も私、申して……
#299
○委員長(山下八洲夫君) まだ指名申しておりません。
#300
○国務大臣(塩川正十郎君) どうも済みません。
#301
○委員長(山下八洲夫君) 時間が過ぎておりますので、質疑をまとめていただきたいと思います。
 これで最後にしていただきたいと思います。
#302
○平野達男君 それでは皆さんに、皆さんに聞きます。この議論は本質的な議論だと思います。議論は終結していません。これでいいんでしょうか、本当に。
#303
○委員長(山下八洲夫君) 持ち時間がもう過ぎておりますので、まだ次の機会もございますので、御容赦いただきたいと思います。
 それでは、発言者、時間が参りましたので終了させていただきまして、次に移らさせていただきます。
#304
○平野達男君 討論でいろいろ述べさせていただきます。
#305
○大渕絹子君 今の委員長の采配に非常に私は不満でございます。私たちがこの場で議論を聞いていても、質問者の質問と大臣の答弁はかみ合っておりません。そこを自民党の理事さんも十分承知だというふうに思いますので、仲介に入っていただいて、もう一回今の議論がきちんと精査できるように整理をすべきだというふうに思います。私の質問時間にもし食い込むことがあって許されるなら、どうぞやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#306
○委員長(山下八洲夫君) それぞれ、発言者も答弁者もそれぞれ自説を述べていらっしゃいますので、これはなかなか一致するとは思いません。ですから、一応持ち時間が参っておりましたので、そのような処置をさせていただきました。
#307
○大渕絹子君 平野議員の質疑を聞いておりまして、最初から理論付けて、危機的な状況にあるデフレスパイラルを止めるための補正予算ということを明快に答えておられます。ところが、その後の、今のやり取りの中では、二・五兆円あったからこれで組んだのがなぜ悪いかと、こうなってくるわけで、全くここは理解できないところだというふうに思っておりまして、それは私の今聞いた中でのことでございますけれども、そうした財務大臣の御答弁を聞いて、ますますこの予算について私たちも賛意を表明することはできないなという思いを強くいたしているところでございます。
 国債発行の三十兆円枠を何が何でも堅持しなければならないために、そのことが優先されるためにこの二・五兆円のNTT株の売却益を使うというこの発想になっているということが今よく分かりました。私たちは、この財源についても、国民の共有の負債であります国債の償還に充てるということを大前提にするべきだということの議論も踏まえ、そしてさらに、本当に危機的な状況を回避をしていくためであるならば、もう少し補正予算の組み方があるのではないかということも考えております。
 そしてさらに、その中身についてでございますけれども、本当に今必要なことに必要なお金を流していこうとするならば、この従来型の公共投資に特化をして予算を流していくこの補正の在り方というのは、今の現状の認識とは違っている。今、大変失業率が高くなっており、特に若年層の失業者が非常に多くなっているという状況、ここらに光を当てていく補正予算こそ組まなければならないというふうに思っておりまして、私どもも、今の経済の現状において何か手を打たなければならないということは分かりますけれども、こうした小手先の三十兆枠にこだわりつつ、そして小手先の今まで従来型の公共投資に特化をしながら補正予算を組んでいくことについては、本当に賛成できないという思いで一杯でございます。
 もし、ここまでの間で大臣何かお答えがあれば。
#308
○国務大臣(塩川正十郎君) いや、賛成していただきたいと思いますけれども、できないのなら仕方ないこと、考え方の違うことでございますから。人それぞれ考え方が違うからこれはやむを得ないと思いますけれども、趣旨は、ここで幾らでも金を出して景気対策をやれというのは、それは気楽な話ですよ。それは政策を担当した者として、あるいは財政を預かっている者としてそんな気楽な、何ぼでも金出して景気対策やれと、そういうことじゃ節度つきません。ですから財政の節度、もう一度申します。大渕さん、よく聞いておいてください。もう一度申します。
 まず第一に財政の節度を守って、その上で、少しでも景気刺激に、デフレスパイラルの防止に役立つことがあるならばそれを実施していこうというのが二次補正予算なんであります。そのために、財源は何かということをいろいろ当たってみましたら、ちょうど二兆五千億円が活用できると思いましたのでこれを活用した。それじゃ、これがなければどうしたのかということになれば、あるいは持っておる株式を売ってその財源に充てたかもしれませんし、いろんな方法、他にあったと思います。思いますけれども、とりあえずこの財源を有効にすぐに、第二次補正はできるだけ即効的に組まなきゃ、編成しなきゃなりませんので、この金を準用しようということをやった。
 それは、批判する立場からだったら何とでも言えます。しかし、我々はこれが最善の方法やと思うてやっているんですから、それは議論は幾らでもしていただいて結構ですが、我々はこれは最善の方法だと思っております。
#309
○大渕絹子君 今、現実にここにあったお金を使うというのは、私たち家計の中のやりくりでも当然よく行うことでございまして、その手法が全く悪いという批判をするわけではありませんけれども、しかし、このNTTの売却益については、当然また、結果的に五年後とかにはきちんと国債を発行して補助金を入れてそして償還をしていくというこの道筋でございますから、三十兆枠の先送りにすぎないということは御指摘をしておきたいと思います。
 さてそれでは、今日は私はNTT株の現状についてお聞きをするところから入らせていただきたいと思います。数字の問題ですから、事務方の方、とんとんと明快に答えていただきたいと思いますが、今のNTT株式の現状を教えてください。
#310
○政府参考人(竹内洋君) NTT株でございますが、政府保有のNTT株、多分売却額と保有額ということでお尋ねと思っておりますが、昭和六十一年度以降、計八百四十万株の処分を実施してまいりました。その結果、現在、政府はNTT株七百四十万四千株を保有しているところでございます。このうち、産業投資特別会計におきましては五百三十万四千株、国債整理基金特別会計においては二百十万株が帰属しておるところでございます。
#311
○大渕絹子君 整理基金特別会計に五百十万株を保有をしておりましたが、その中で三百万株の売却が既に済んでいますけれども、十三年度の百万株については今後どうなさるつもりですか。
#312
○政府参考人(竹内洋君) 十三年度、御指摘のとおり処分限度額として百万株をしているところでございます。十三年度におきますNTT株式売却の実施につきましては、株式市場の動向等を十分注意しつつ、多様な処分方法の活用を含め適切に判断していく所存でございます。
#313
○大渕絹子君 今年度の、十三年度の国債の整理基金特会の中に計上されております百万株の売却益というか予算計上は七千三百七億円ということになっているわけですが、現状の株価からいたしますと、非常にそこまでには行かないという状況にあるというふうに思うんですね。そうしますと、国債の償還に充てる財源について支障が生じてくるのではないかという懸念がありますけれども、いかがでございますか。
#314
○政府参考人(竹内洋君) 御指摘の点は、国債整理基金残高二兆三千億円の中にNTT売却収入を見込んでいるということでございますけれども、今申し上げましたように、NTT株式の売却については適切に判断していくということでございます。
 また、二次補正におきまして無利子貸付けの一般財源への繰り込みを見込んでおりましても、国債整理基金の運営自体について資金繰り的に支障を生ずるということはないと存じておるところでございます。
#315
○大渕絹子君 急激な株価の下落が続いているわけですけれども、平成十二年度に新株三十万株を発行するということが許可をされて新株を発行、売却ということがやられていますけれども、総務省来ておられますか。来ておられますね。その経過についてお聞かせをいただきたいと思います。
#316
○政府参考人(鍋倉真一君) 先生御指摘のとおり、平成十二年十一月に三十万株の新株をNTTは発行いたしました。これは、NTT持株会社の新株発行によって資金を調達をしまして、子会社でありますNTTコミュニケーションズへの出資を通じて、このNTTコミュニケーションズが海外展開に必要な資金の一部に充当されたものでございます。
#317
○大渕絹子君 その三十万株の株式の新規発行と百万株の株式の市場の売却というところから株価が一気に下落をしていくんですけれども、新株発行について法改正が十三年度の法改正でなされておりますけれども、この仕組みについてお聞かせをいただきたいと思います。発行株式数についてどのような扱いになっているか答えていただきたいと思います。
#318
○政府参考人(鍋倉真一君) NTT法の施行規則の第十三条に規定されているわけでございますけれども、新株につきまして届出で済むように改正を法律で、昨年の六月のNTT法の改正でいたしましたが、それに基づきまして届出でできる範囲というのがNTT法の施行規則十三条で決まっております。
 これによりますと、金融会社がNTT株を持っておりますけれども、その株の二分の一に、それから政府の所有しなければいけない三分の一の株、五百三十万四千株でございますが、これを足しまして、それに三倍をしまして、それで現在の発行株式の数を引いた数の限度におきまして届出で済むように改正になっております。
#319
○大渕絹子君 具体的に数字を入れて答えていただけませんか。お願いします。
#320
○政府参考人(鍋倉真一君) 現在、金融機関が持っておりますNTTの株式は直近のもので二百二十万株弱でございます。ということで、届出によりまして新株発行ができる上限額は、先ほど御答弁しました数式に基づきますと三百万強ということになります。
#321
○大渕絹子君 その三百万強の株式を発行するときに特別の規定がございますか。総務大臣の認可が必要ということですけれども、認可を出すに当たってのその基準みたいなものはあるのでしょうか。
#322
○政府参考人(鍋倉真一君) 先ほどちょっと御答弁をいたしましたけれども、この三百万の限度におきましては事前の届出で済むようになっております。
#323
○大渕絹子君 そこで、財務大臣、こうして新株をNTTが発行したいと思ったときには、総務大臣に届出をし、財務大臣の、協議をするんですかね、協議を得て、そして許可をいただくということになっているということなんですけれども、届出さえすれば三百万株について新規株式の発行はいつでもできる状況に変わったんですね、昨年の法改正によって。そういたしますと、NTTがこれから、非常に景気低迷の中で、あるいはほかの通信会社がどんどんと市場拡大をしていく中で競争に打ちかっていくということが必要になってきたとき、あるいはまた新たに投資をしなければならないときには自由に株式を発行することが可能なわけでございます。
 そうしますと、新規の株式の発行がなされるたびに、政府が保有している五百三十万余の株についても、その資産価値というのは、株数が多くなればなるほどその資産価値というのは下がってくるというふうに思わなければならないというふうに思うわけですけれども、この点について大臣の認識を聞かせていただきたいと思います。
#324
○国務大臣(塩川正十郎君) その問題は、私、先ほど平野先生の答弁の中にもちょっと申しましたように、財源がなければ株式を売ろうかという議論もあったんです。そのときに株式を売りますと、もう暴落をしてしまうことにもなるし、国民的に見た場合、損失を起こしてしまうから売却をやめようということになりました。また、新株をそれじゃ、いやいや新株じゃない、その保有株をそれじゃいつにするかということは、経済を良くした上で考えればいいではないかと。そこで、さしずめ二兆五千億円を活用しよう、こういうことになったということでございまして、今、大渕さんが御心配になるように、この株を売ることによって資産の価格が低下するということを我々は心配しておりますからこそ慎重に扱ってきた、こういうことです。
#325
○大渕絹子君 株を売るといっても、何の株を売るんですか。NTTの株はもう売れるものはないんじゃないでしょうか。そう思いますよ。この法案によって使える財源となるべき株式はないというふうに思いますので、先ほどから大臣はそう答弁されているけれども、おかしいなというふうに私は思います。
 総務省にもう一度私は申し上げておきたいと思います。
 今、私が申し上げましたように、新しい新株を自由に発行できる枠組みができていますけれども、ここは、NTTの株式は、ほかの株式会社と同じような形で新株を発行していくときに、政府保有の株式等々にもこれからすごい影響があるし、市場を引き下げていく要因にもなっていくというふうに思いますので、軽々な株式発行の許可というのは、許可は要らないのよね、届出だけで済むことですから、これをどうやったら歯止めが掛けられるのかというのは今日聞いておかなければならないと思ったわけですが、この歯止めなんですが、そういうことの議論はどうなっているんでしょう、総務省では。
#326
○政府参考人(鍋倉真一君) 新株発行をある程度の限度で届出で済むように昨年いたしました趣旨は、NTTは特殊会社という一面も持っておりますけれども、もう一面でやはり経営の機動的な自主権というものもございまして、その間を取って、政府保有株三分の一に余り影響を与えない限度において自由をある程度拡大しようという趣旨で届出制にしたものでございます。ということで、届出の枠の限度というものが省令で決まっているということでございます。
#327
○大渕絹子君 NTTの株式の三分の一は国が保有するということで決められていますけれども、その三十万株発行したときの三分の一は国に帰属をしているんでしょうか。
#328
○政府参考人(鍋倉真一君) 新株の部分につきましては母数に算入をしないということになっておりますので、正確に申しますと三分の一弱に今なっているわけでございます。
#329
○大渕絹子君 そうなんですね。わかりました。
 それでは、産業投資特別会計の中に組み込まれている五百三十万株について、年間にどのくらいの配当金が政府に入るのでしょうか。
#330
○政府参考人(竹内洋君) 十三年度の予定でございますが、二百三十九億円を計上しているところでございます。
#331
○大渕絹子君 過去においてもそれだけの金額が配当金として入ってきているわけですけれども、金額は違いますけれども毎年配当金が入ってきているわけですが、その配当金の使途について、どのようなものに使われていますか。
#332
○政府参考人(竹内洋君) 今御質問の配当金の使途でございますが、産業投資特別会計に帰属するNTT株式の配当金は、技術開発等のための出融資の財源に充てることとされておるところでございます。具体的には、新エネルギー・産業技術総合開発機構あるいは通信・放送機構といった技術開発を担う法人に対する出融資等に充てられているところでございます。
#333
○大渕絹子君 そのほとんどが特殊法人の基金として使われているというふうに承知をしていますけれども、今、政府は特殊法人改革で、民間でできるものは民間でというような形で、特殊法人の廃止といいますか統合といいますか、そういうことを進めていますが、特殊法人をなくしていって、このNTT資金、産業特会に入っている五百三十万株について、私は、国債の償却をするための基金の方にもう一回繰り戻すというか、そういうことがこれから先必要になってくるのではないかというふうに思っています。
 そして、その配当金につきましても、その三分の一の保有を、NTTをきちっと補完していくためにまだ当分政府が、国が持ち続けなければならないということであるならば、せめてその配当金については国債償還に充てられるような形で組替えをするべきではないかというふうに、こう思うわけでございますけれども、ここはまだ大変、産業特会法の中で決められておりまして、法律を変えるということも必要ですし、今までの経過もあり、直ちに特殊法人の基金として使うことが、使わなくてもいいというようなことにはならないかもしれませんけれども、将来においてそういう方向性を目指すべきではないかと私は強く思っているわけですけれども、大臣の御見解をお聞かせください。
#334
○国務大臣(塩川正十郎君) 将来的にはそれが、おっしゃるとおりが私は正論だと思っております。
 しかし、当面の間しばらくは、技術開発とかNTTの先端技術をやっておりますし、私は、そういう面あるいは学術的な関係にも当面は使用することもあながち国益に反するとは思いませんが、しかし、将来はおっしゃるように整理基金に入れて一刻も早く国債の償還に充てるべきものだと、それはそのとおりだと私は思います。
#335
○大渕絹子君 大臣から将来はそうすべきだというお答えをいただいたと確信をいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#336
○委員長(山下八洲夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 この際、暫時休憩いたします。
   午後二時四十分休憩
     ─────・─────
   午後五時二十八分開会
#337
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、溝手顕正君が委員を辞任され、その補欠として森元恒雄君が選任されました。
    ─────────────
#338
○委員長(山下八洲夫君) 日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#339
○円より子君 ただいま議題となりました政府提出の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法等の一部を改正する法律案に対し、私は、民主党・新緑風会を代表し、反対の討論を行います。
 NTT株式売払い収入を財源とする今回の二次補正は、改革推進とは名ばかり、体裁だけを取り繕った改革後退予算であることは、株価の一万円割れ、国債価格の続落が証明しております。
 本来、国債償還に充てるはずのNTT株式売払い収入を原資とする無利子貸付制度は、昭和六十二年、当時の円高不況を乗り切るために作られた制度ですが、導入当初より財政規律の観点等から様々な議論があったものです。今回の無利子貸付事業は、補助金型、収益回収型、民活型のいずれであっても、負担を先送りする隠れ借金と言わざるを得ません。
 NTT無利子貸付事業は、過去にずさんな資金管理をしてきました。収益回収型とは名ばかりで、問題三セクに貸し付けているケースが多々見られ、かつ税金で補てんされているのが現状であり、しかも、情報が十分に開示されておりません。また、補助金型は、地方自治体に裏負担を強制するものであり、逼迫している地方財政を更に窮地に追い込むものであります。
 法改正により、補助金型は対象事業が構造改革に資する七分野となるとしておりますが、実態は地方の救済策、つまり需要追加から改革に看板を変えただけで、今までと変わらないばらまきにすぎず、改革推進とはおよそ懸け離れたものです。
 内閣推進と言うなら、内閣府主導で各事業を波及効果の観点から精査すべきですが、その形跡が見られません。政府は第二次補正予算で平成十四年度予算の公共事業関係予算削減分の埋め合わせをしております。見掛け上は総理の公約の国債枠三十兆円内を維持しているように見えますが、正に粉飾予算ではないのでしょうか。NTT株式の売払い収入は国債の償還に充てるという本来の趣旨に逸脱しており、隠れ借金以外の何物でもありません。
 このようなやり方では、国難とも言えるこの経済危機を全く救えるものではないことを警告し、私の反対討論を終わります。
#340
○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、いわゆるNTT株売却益運用法案に対し、反対の討論を行います。
 反対する理由は、第一に、二〇〇一年度第二次補正予算の財源として、過去のNTT株式の売却収入から二兆五千億円を流用し、小泉内閣の国債発行額三十兆円以下という公約を取り繕うつじつま合わせそのものだからです。
 今回の措置は、当面の国債増発を回避しても、すぐさま国民にツケが回ってくる紛れもない隠れ借金であり、到底認められません。
 第二に、本案による新スキームを用いた無利子貸付け等の対象となるのは、圏央道、中部国際空港など、無駄が指摘されている従来型の公共事業であり、大半が大手ゼネコン、大企業のもうけに直接つながるものです。
 これは、国民共通の財産であるNTT株を国民全体のために使うというそもそもの原則に反するとともに、貸し渋り、高金利の強要など資金繰りに苦しむ中小企業に比べて、大手ゼネコン、大企業を優遇する措置であり、到底認められません。
 第三に、対象に直轄事業を新たに加え、二兆五千億円のうち一兆三千億円も投入することです。
 直轄事業に使われると、NTT株の売却収入は一般会計などに繰り入れられて、そこで使い切られることになり、もはや貸付けと呼べるものではなくなります。本改正案は、政府保有資金の有効活用という観点から、公共団体や回収が見込める事業への貸付けに限定してきた現行のNTT無利子貸付制度の性格を根本から変えるものです。
 以上、本改正案には断固反対であることを表明し、私の反対討論を終わります。
#341
○平野達男君 私は、政府提案の日本電信電話株式会社の株式の売却収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本法案は、第二次補正予算編成の財源として、国債発行額を三十兆円以内にとどめるという政府方針を堅持する建前の下、本来国債の償還に充てることとされているNTT売却収入二・五兆円を公共事業等に活用するものであります。
 まず、本法案の中身について論じる前に、法案とセットになっている第二次補正予算案について論じておく必要があります。補正予算案は、言わば及び腰になって編成されている及び腰予算であるということに問題が凝縮されています。
 補正予算案は、デフレスパイラルに陥ることを阻止するための財政の追加発動による需要の喚起を大きな目的にしています。しかしながら、三十兆円枠にこだわり、財政発動のあるべき規模については何ら検討することなく、単純にNTT売却益の未貸付分の額二・五兆円から規模を決めてしまっていることです。これでは、たまたまそこに財源があったからとりあえず補正予算を編成したということにもなり、せっかくの補正予算でありながら、デフレスパイラル阻止に向けた政府の断固たる決意がぼけてしまっています。その分、市場に与える影響もマイナスで、補正の効果も減じられてしまいます。
 また、補正予算は、これまでの財政発動によらない構造改革、景気回復という政府の基本方針を大きく変えた予算であります。しかしながら、重要な政策転換が行われていることを、政府はデフレスパイラルの阻止という強い表現を持ち出すことで目をくらませ、意図的に明確にしておりません。このことは、政府のこれまでの経済政策の破綻を覆い隠すものであると言われても仕方ありません。この点からも補正予算は及び腰であります。
 法案の趣旨、その説明についても問題があります。
 NTT売却益の無利子貸付制度といいながら、基本的には、その償還はほとんどが後年度において補助金という形で国が負担するものであります。実質、償還期間五年の隠れ起債であり、国の借金による財政発動という点では国債発行と同等のものであります。政府の借金をかえって分かりにくいものにしているということからすれば、財政規律を乱し、これまで財政規律の堅持を建前としてきた政府の方針とも完全に矛盾しています。入るを量りていずるを制す、これはどこへ行ったんでありましょうか。
 また、総理は、本財源をへそくりと言っています。しかし、へそくりは、それを使っても後に問題を残さないものをへそくりと言うものであって、へそくりを使った後、後でその穴を自分の財源から埋めなければならないと、これはへそくりとは言いません。財源についての塩川流、小泉流の言葉のごまかしであります。
 最後に、あらゆる手段を大胆かつ柔軟にという総理の言葉は、無原則、無定見、その場限りと同義語であります。補正予算はこのことを正に証明するものであります。
 以上、原理原則をしっかりしない、明確にしない補正予算及び関連法案たる本法案に反対することを述べ、討論といたします。
#342
○委員長(山下八洲夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#343
○委員長(山下八洲夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#344
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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