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2002/03/20 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 財政金融委員会 第6号
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2002/03/20 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 財政金融委員会 第6号

#1
第154回国会 財政金融委員会 第6号
平成十四年三月二十日(水曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     峰崎 直樹君     小川 勝也君
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     峰崎 直樹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山下八洲夫君
    理 事
                入澤  肇君
                林  芳正君
                若林 正俊君
                円 より子君
                山本  保君
    委 員
                上杉 光弘君
                尾辻 秀久君
                金田 勝年君
                鴻池 祥肇君
                清水 達雄君
                中島 啓雄君
                溝手 顕正君
                山下 英利君
                大塚 耕平君
                勝木 健司君
                櫻井  充君
                峰崎 直樹君
                浜田卓二郎君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       高木 陽介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        安達 俊雄君
       警察庁長官官房
       審議官      中川 雅量君
       財務大臣官房長  細川 興一君
       財務大臣官房参
       事官       二宮 洋二君
       財務省主計局次
       長        津田 廣喜君
       財務省関税局長  田村 義雄君
       財務省理財局長  寺澤 辰麿君
       財務省理財局次
       長        松田 広光君
       国税庁次長    福田  進君
       国税庁徴収部長  余田 幹男君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   田中壮一郎君
       農林水産省総合
       食料局国際部長  村上 秀徳君
       経済産業省製造
       産業局長     岡本  巖君
   参考人
       国民生活金融公
       庫総裁      尾崎  護君
       国際協力銀行総
       裁        篠沢 恭助君
       日本政策投資銀
       行総裁      小村  武君
       日本銀行企画室
       審議役      白川 方明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十四年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十四年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(金融庁)、財務省所管、国民生
 活金融公庫、日本政策投資銀行及び国際協力銀
 行)
○関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に財務大臣官房長細川興一君、財務大臣官房参事官二宮洋二君、財務省主計局次長津田廣喜君、財務省理財局次長松田広光君、国税庁次長福田進君、国税庁徴収部長余田幹男君及び文部科学省初等中等教育局長矢野重典君を、また、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案の審査のため、内閣府政策統括官安達俊雄君、警察庁長官官房審議官中川雅量君、財務省関税局長田村義雄君及び経済産業省製造産業局長岡本巖君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(山下八洲夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に参考人として国民生活金融公庫総裁尾崎護君、国際協力銀行総裁篠沢恭助君、日本政策投資銀行総裁小村武君及び日本銀行企画室審議役白川方明君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(山下八洲夫君) 昨十九日、予算委員会から、本日一日間、平成十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、国民生活金融公庫、日本政策投資銀行並びに国際協力銀行について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 それでは、委嘱されました予算について順次政府から説明を聴取いたします。塩川財務大臣。
#7
○国務大臣(塩川正十郎君) 平成十四年度一般会計歳入予算並びに財務省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入予算額は八十一兆二千二百九十九億九千三百万円となっております。
 その内訳について申し上げますと、租税等は四十六兆八千百六十億円、その他収入は四兆四千百三十九億九千三百万円、公債金は三十兆円となっております。
 なお、特例公債の発行等については、別途、平成十四年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案を提出し、御審議をお願いしておるところであります。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は十八兆四千九百六十億七千五百万円となっております。
 そのうち主な事項について申し上げますと、産業投資特別会計へ繰入れは一千四百五十五億二千四百万円、国債費は十六兆六千七百十二億一千二百万円、政府出資は二千四百八十億六千万円、予備費は三千五百億円となっております。
 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。
 造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出ともに三百二十一億六千万円となっております。
 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。
 国民生活金融公庫におきましては、収入二千二百八十億三千九百万円、支出二千三百四十四億九千九百万円、差引き六十四億六千万円の支出超過となっております。
 そのほか、日本政策投資銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
 なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明に代えさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#8
○委員長(山下八洲夫君) 柳澤金融担当大臣。
#9
○国務大臣(柳澤伯夫君) 平成十四年度における内閣府所管の金融庁の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。
 金融庁の平成十四年度における歳出予算要求額は百三十五億二千六百万円となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、金融庁の一般行政に必要な経費としまして百十三億千八百万円、金融機関等の監督等に必要な経費としまして十二億五千五百万円、証券取引等監視委員会に必要な経費としまして四億七千二百万円を計上いたしております。
 以上をもちまして、平成十四年度内閣府所管の金融庁の歳出予算要求額の概要の説明を終わります。
 よろしく御審議くださいますようお願いいたします。
#10
○委員長(山下八洲夫君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 なお、財務省所管の予算の説明については、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○入澤肇君 おはようございます。
 今日は、私は、経済政策等の見解を聞くというより、むしろ予算編成作業の前提となる基礎的な事実につきまして、政府の見解というよりも事実の説明を事務当局からお聞きしたいと思います。
 実は、思い違いをしていまして、三段表を見ていましたら、十四年度予算要求には従来入っていました標準的経費の欄が落とされております。実は、標準的経費というのが入ったゆえんのものは、法律で決められている定型的な予算につきましては、これは一定のルールの下に、各省が要求したら大蔵省は査定作業はすることなくそれは認めるというふうなことで、予算編成の効率化に非常に貢献してきた経緯がございます。予算委員会におきましても、役所の、国家公務員の要するに超過勤務が非常に多いと。その多い一つの理由として、国会の待機のほかに予算編成作業というのが入っておりました。
 まず、なぜあれほど貢献してきた標準予算という制度を十四年度予算から外したのか、これについて事実をお聞かせ願います。
#13
○政府参考人(津田廣喜君) お答えいたします。
 今、委員がおっしゃいましたように、十四年度の予算編成におきましては、標準予算というものは導入いたしませんでした。
 標準予算と申しますのは、例えば庁舎の維持管理費でありますとか自動車の維持費でありますとか、毎年定型的に支出をいたします経費につきまして予算編成の能率を上げるという観点から行っていたわけでございます。これは、今、委員がおっしゃったとおりでございます。
 十四年度の予算におきましては、歳出全体を根本から見直すのだということで取り組むことにいたしましたことから、その言わば例外的な印象を与える標準予算の制度につきましてもこれをやめまして、ゼロからすべてを見直そうということにしたことに伴いまして、この予算を廃止したところでございます。
 ただ、予算編成の効率化ということにつきましては、従来から我々もできるだけ意を配ってきているところでございまして、むしろ予算編成作業全体の中での効率化というものを目指しているところでございます。
#14
○入澤肇君 今のような説明は分からないわけじゃないんですけれども、例えば児童手当だとか、それから一定の行政事務を遂行するのに必要最低限の経費とか、これらについて基本的に見直すんだという話なんですけれども、じゃ、見直した結果、どのぐらい要するに効果がありましたか。
#15
○政府参考人(津田廣喜君) 結果的には一般行政経費がどうなったかということになるんだろうと思いますので、そちらの方でお答えをさせていただきます。
 一般行政経費は、十四年度におきまして総額二兆九千四百二十六億円でございます。これは、便宜上、五年前の九年度と比べさせていただきますと、三兆三千六十億円でございましたので、五年間で三千六百三十四億円の減、一一%の減少ということでございます。これは人件費、物件費合わせたものでございます。
#16
○入澤肇君 もとより、標準的な経費であっても、これは定期的に見直しがなされてきたわけであります。是非、予算編成作業が余りにも時間が掛け過ぎているというので大変な超過勤務のもとになっておりますので、今年の見直しの結果を踏まえて、新しい効率化のための予算編成作業の仕組みを考えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#17
○政府参考人(津田廣喜君) 二、三十年前と比べますと、かなり予算編成の作業も合理化されていると存じます。それは、いろんな意味でコンピューター化が図られているということもございますし、例えば、予算が最後仕上がりました概算閣議決定の日でも、従来は三十日とか三十一日になったこともあると思いますが、今年の場合は十二月二十四日に閣議決定をいただくというようなことで、年末は相当休みが取れるように変わってきていると思います。
 これから先に向けましても、できるだけ超勤を減らすように、我々も仕組みその他工夫をしたり努力をしてまいりたいと思います。
#18
○入澤肇君 是非、定型的な予算要求項目、これは行政実務を行うに必要最小限の経費、これは定型的に見直すということを前提として、新しく標準予算の制度を作った方が私はいいんじゃないかと思いますので、御検討をお願いしたいと思います。
 第二点目は、公共事業の単価のことでございます。
 公共事業の単価を、コストを見直して、そしてその事業量の確保を図るということが予算委員会等でも言われてきたわけでございますけれども、公共事業の単価につきましてはどのような見直しが行われたのか、お聞かせ願いたいと思います。
#19
○政府参考人(津田廣喜君) まず、単価の実態について申し上げます。
 砂利とかセメント、鉄鋼などの建設資材の総合的な物価指数といたしまして建設総合指数というのがございます。これは平成七年の暦年を一〇〇といたしますと、十三年の暦年は九〇・五ということでございまして、この六年間で約一割減少をしております。それから、労務の関係でございますが、公共工事設計労務単価というのがございますが、これは平成七年度を一〇〇といたしまして、十三年度は八六・六ということですから、一三、四%の減少になっておりまして、公共事業の資材、労務の単価はこのところいずれも下落傾向にあるということでございます。
 それから、コスト縮減の努力ということでございます。
 一つは、やはり入札の透明性を確保するということが大事だと思いますので、昨年、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律というのを制定していただきました。ここですべての発注者に入札者や落札者の情報の公表を義務付けるといった制度上の取組を行っております。
 それから、予算編成過程におきましても、コストの縮減を図る一つの方策として、PFI、プライベート・ファイナンス・イニシアチブの推進をできるだけ図るということをしております。これは与党の先生方からも相当言われたことでございますが、国、地方を含めましてできるだけこれを導入しようということで、具体的なプロジェクトもございます。
 それから、電子入札というのもございまして、これは国土交通省の直轄事業につきましては平成十五年度から完全実施することになっておりますが、より小規模な直轄事業につきましても一般競争入札を導入して、一定の条件を満たす事業はすべて入札に参加できる方法を、これは試みのことでございますが、十三年度から行っております。
 それから、街路事業などにつきましては、用地買収が進まないために、もうちょっとででき上がるようなところがあちこちあるわけでございますが、こういったものにつきましては、三年以内に事業を完了することを公表いたしますなどしまして、効率的な実施を進めたいと思っております。
 それから、例えば整備新幹線の事業などにつきましては、必要な事業量は確保いたしますが、できるだけの縮減を図るということで、十三年度、七百五十億円の国費でございましたが、これを七百億円にするといったようないろいろな努力を行っているところでございます。
#20
○入澤肇君 公共事業費はとかく枠予算ということで、単価については、農林水産省と国土交通省ですか、二省にゆだねてしまっているところがあるんですけれども、是非、査定当局としても、具体的に実態調査を、各省の実態調査を踏まえて内容を吟味することが私は必要じゃないかと思います。私が聞いているところによりますと、必ずしもそうなっていない。各省が実態を調べて、それがそのまま原単位として採用されているというふうなケースが多いように聞きますので、これはもう一工夫あっていいんじゃないかと。
 特にこれは、要求官庁からすると非常に楽なんですけれども、非公共の調査費と公共の調査費は全然違いますね。非公共の調査費は、それこそ紙代、鉛筆代、旅費、すべて下から積算して要求しますけれども、公共事業の調査費は枠予算であって、中は自由に使っていいというふうなことになっていますわね。ここら辺については、私は、公共事業の調査費についても、非公共みたいに詳しくやる必要はないかもしれないけれども、何かもう少しルールがあっていいんじゃないか、積算の、そういうふうに思っているんですが、いかがでしょうか。
#21
○政府参考人(津田廣喜君) 今、調査費のことをお触れになったわけでございますけれども、その執行、単価の執行状況につきましては、今まで確かに私どもも手薄な面を、あったことをこれは認めないわけにはまいりませんが、実は大臣の御指示もございまして、そういった執行状況についてもっとしっかり見るべきであるという御指示をいただいておりまして、今、それぞれの担当者が現場まで行きまして、まあほかの省庁の協力も必要ですけれども、そういう実態を更に詳しく見ることにしようということをしております。
 したがいまして、人員の手当ても十四年度予算でいただいておりますので、私どもといたしましては、そういったものも活用いたしまして、より内容に踏み込んだ予算査定に努めてまいりたいと思います。
#22
○入澤肇君 今、執行状況につきまして大臣から御指示があったということで、新聞にも出ていましたので若干承知しているんですけれども。予算委員会で申し上げたんですが、衣食足って住がちょっと問題だと。こういうときに景気対策としてすぐ公共事業を増額して財政出動をしたらいいじゃないかという議論があるんですけれども、その前に、現にある予算を効率的に使うということの方が景気対策になると思うんですね。
 そういう意味で、私は、戦後の傾斜生産方式によって日本経済が成長軌道に乗ったということに学んで、倣って傾斜配分方式を取ったらどうかということを申し上げたんです。その傾斜配分の中身というのは、あと一年か二年、今年の予算と来年二年分もらえば完成しちゃうと、そういうところには集中して予算を投下したらどうかとか、地方の意見を無視しちゃいけませんので、特に十三か所の問題などは地方の意見を無視して一方的に中央で決めるようなことがあるからああいうふうなトラブルが起きるのであって、各都道府県から十ないし二十のプロジェクト、優先順位の付いたプロジェクトを各省を含めて財務省まで提出してもらって、そして政府全体として優先順位の付いた効率的な予算配分というのを考えるべきじゃないかと思って質問いたしました。
 大臣もそれはいい案じゃないかと言っていましたけれども、もう一度大臣の、今のような考え方に対して、今年の予算の執行についての考え方をお聞かせ願いたいと思います。どうですか、財務大臣。副大臣でも結構ですけれども。
#23
○国務大臣(塩川正十郎君) それはなかなか、私も前からそういう考えを、入澤先生のおっしゃるような考えを持っておりまして、それが私は予算執行の面において便宜でもあり効率的だと思うんですけれども、長い習慣がございまして、そういうことではなかなかうまくいかなかったということもあったので、これは十分検討して勉強したいと思います。
#24
○入澤肇君 予算をただばらまくんでは私はうまくないと思うんです。全国で一万か所以上工事やって、一か所が五年、十年、二十年と掛かっている。やっぱり集中して完成させて、一つ完成したら新しいところを採択すると。
 公共事業の有効需要創出効果、乗数効果というのは直接効果と間接効果とあるわけですね。直接効果というのは資材を買ったり人を雇ったりする。間接効果というのは、完成して利用して初めて出てくる効果。これが、完成が長引けば長引くほど現れない。そのために公共事業の乗数効果は低いんじゃないかというふうなことが言われかねない。私は、是非重要プロジェクトにつきましては集中的にやって予算を配分して、そして早く供用させるということを考えていくべきじゃないかと思っているわけでございます。
 もう一つ、実は、アメリカとの約束事で六百三十兆円という公共事業の枠が、これ中期展望の中でさりげなく廃止されましたね。公共投資基本計画というのはさりげなく廃止された。これは、六百三十兆についてはいわく因縁があって、あれが要するに機関車の役割を果たすんだと、世界経済の機関車の役割を果たすというそういう重要な意味があったんですね。これは、中期展望のとき、私もずっと読んでいて、おやっと思って、ああなるほどここで廃止したのかと思ったんですが、こういうことについてはアメリカ等とその後の経緯について話し合ったことがあるんでしょうか。
#25
○副大臣(尾辻秀久君) 今お話しの公共投資基本計画につきましては、本年一月二十五日に閣議決定されましたいわゆる改革と展望によってお話のように廃止されたところであります。これに対して、米国政府に対しては竹中大臣が本年一月訪米の折に御説明されたと聞いてはおりますけれども、その内容につきましては、申し訳ございません、所管外でございますので承知をしておりません。
#26
○入澤肇君 そこで、まあそれは、説明したかどうかは主権国家の日本ですからいいんですけれども、あの中期展望では、最初、公共事業の枠をバブル発生前のレベルに戻すんだというので数字が入っていましたね。それを落としました、いろんな議論がありまして。ところが、その後の説明、文書の上では落としたんですけれども、その後の説明では、四分の三だとか、あるいは更に進んで将来はGDPの二%程度に落としていくんだなんということで説明されていますけれども、公共事業の在り方についての基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#27
○副大臣(尾辻秀久君) これも、先般閣議決定されました構造改革と経済財政の中期展望において、今お話しございましたように、国の公共投資につきましては、二〇〇二年から二〇〇六年の五か年にわたる対象期間を通じて、景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の水準を目安にその重点化、効率化を図っていくこととされております。
 したがいまして、今私がここでお答えできるのは正にこの表現から出るわけいきませんので、先生は、じゃ具体的な内容何だと、GDP比で見るのかとか、そのときの額で見るのとか、いろんな御議論ありますので、そういう御質問かとは思いますけれども、私が今ここでお答えできますのは、こういう表現をいたしております、この線に沿ってやってまいります、ここまででありますことをお許しいただきたいと存じます。
#28
○入澤肇君 私が申し上げたいのは、社会福祉施設の整備に比べて公共事業というのはもう乗数効果は低くなっちゃったんだと、だから無用なんだと、あるいは赤字国債、まあ建設国債ですね、の発行で借金を積み上げるもとじゃないかというふうな一方的な判断の下に公共事業の議論が行われるのがおかしいんじゃないかと思っているんです。ですから、効率的に使う方法も考えて、早く間接効果も十分に発揮できるような執行体制を取るべきじゃないかということを考えて今御質問申し上げたわけです。
 次に、行政改革で人員削減一生懸命やっていますけれども、一つモデル例でよろしいんですが、具体的に数字を示していただきたいんですけれども、公務員が一人当たり年間どのくらいの経費を使っているのか。これ実は民間企業では、例えば部長クラスで二千万円の年俸がある、ところが実際にはその人一人いることによって四千万円ぐらい掛かると。共通経費ですね、水道、光熱費を含めていろんな経費、四千万円ぐらい掛かっている。出向させます。出向させて、出向するのに一千万円は本社で負担します。あとの一千万円弱は、これは子会社の方に。それでも三千万円の要するに節減効果があるというふうなことが本当に言われているわけです。公務員の場合に、一体一人当たり人件費とか共通経費でどのくらい年間使っているのか。これについてちょっと数字があったら教えていただきたい。
#29
○政府参考人(津田廣喜君) 今の質問にお答えいたします前にちょっとさっきの補足をさせていただきますと、公共事業に例を取りますと、できるだけ早く工事を完成させるということにつきましては私どもも当然そういうことに意を用いておりまして、予算編成上、その箇所数、実行する箇所数をできるだけ減らすということで今取り組んでおりまして、恐らく五年ぐらい前と比べると、事業にもよりますが、箇所数は三割ぐらいは減っているのではないかということで集中的な投資に努めているということを申し添えさせていただきます。
 今の御質問でございますが、公務員一人当たりの人件費等、あるいは共通経費も含めた数字でございますが、平均的なモデル給与例といたしまして、人事院のデータ等から算出をいたしますと、四十歳、それから配偶者プラス子供二人という標準世帯で考えますと、十三年度の人事院勧告後の年間給与は約六百十八万円、それに人当庁費五万六千円ほどでございまして、合わせますと六百二十三万四千円程度でございます。そのほかに、実は先生が今おっしゃった点でいきますと、国の使用者としての社会保険の負担等がございますので、これが大体七十万円ぐらいかなと見込んでおります。したがいまして、両方合わせますと六百九十万円から七百万円程度というふうに考えております。
#30
○入澤肇君 これは、特に民間と比較したりあるいは特殊法人の職員と比較してみないと本当の意味は分からないんですけれども、そこまでは作業をしていないと思いますので、これはこれとして、事実を確認をしておきます。
 それからもう一つ、今年、例えば六十歳で定年退職したという人が、今まで賃金をもらって、退職金をもらって、これから平均寿命まで生きるとしますね、男だったら七十七歳と。そういう人たちが生涯所得として幾らぐらい国家公務員の場合稼いでいるのか。
 私、昔、実は農林省の自立経営農家育成というので、どういう農家を育成するかということを考えたときに、最後に行き着いたところが生涯所得だった。これは都道府県別に違うんですね。産業別でも違います。我が国の平均的なサラリーマンの生涯所得二億五千万という数字にぶち当たったんです。東京都は三億三千万ぐらい。低いのが南九州、それから東北各県、沖縄、二億一千万か二千万。平均的な二億五千万というのは、ちょうど高等学校を出て、営林署に就職して営林署長までになって、定年退職して年金生活へ入った人が二億五千万。
 今の時点で、今年、例えば財務省を退職した、六十歳で定年退職する人が今まで幾らもらっていて、これから平均寿命まで生きるとするとどのくらいもらえるか、この生涯所得というのをひとつ教えていただきたいと思います。
#31
○政府参考人(津田廣喜君) まず、前提を申し上げます。昭和十六年度生まれで、昭和三十五年に高卒で役所に入り、今年の三月に府県単位機関の課長で定年退職をしたという前提でございます。組合員の在職期間は四十二年。平均標準報酬月額四十万三千八百八十二円。それから、細かくて恐縮ですが、三歳年下の被扶養配偶者があって、二十八歳で結婚をして子供が二人ある。それから、六十歳の平均余命は二十一・四四年でございます。
 以上の前提で申し上げますと、平成十四年三月に定年退職をした者が受けた生涯給与は、退職金を含めまして一億九千万円程度でございます。それから、今後、生涯に受給する年金の総額につきましては六千万円程度と見込んでおります。合わせますと二億五千万円程度ということでございます。
#32
○入澤肇君 私が八年前ぐらいに得た数字とほとんど変わらないですね。平均、今、二億五千万でしょう。ちょうどその営林署の職員と、二億五千万と申し上げましたけれども、八年ぐらい前、総務審議官で新農政のガイドラインを作らなくちゃいけない、ドクトリンを作らなくちゃいけないときに調べた数字と全く一致しているんですが、インフレになっていないということからすると、これはそういう数字かなと思います。
 これは、特殊法人の場合にはいかがでしょうかね、特殊法人の場合には。
#33
○政府参考人(二宮洋二君) 今御質問の部分で、人件費と共通経費の部分でございますが、人件費には給与、更に退職金等のあれも全体含めてでございます。それに共通経費で旅費、業務諸費等含めますと、平成十二年につきましては全体で七億一千、失礼いたしました、七百十八億一千三百万でございまして、一人当たり千五百万でございます。過去の平成七年辺りと比較いたしますと、その当時は一千四百万ということで、百万程度五年間の間に増えているということでございます。
#34
○入澤肇君 いやいや、私が申し上げているのは、国家公務員の生涯所得は、今、モデル例で言うと二億五千万ぐらいだと。特殊法人の方が給与体系いいですから、これは恐らくこれを上回ると思っているんです、二億六千万をね。
 実は、こういうふうなことは、なぜ申し上げるかというと、行政改革をし特殊法人を整理統合していく、あるいは人員削減をやっていく一つの物差しになるわけですね、民間と比較して。あのイチローがたくさんもらう、だれさんが、スポーツの選手はどのくらいもらうというと、そのときに多いか少ないかというのは、この二億五千万とかいうのは非常に物差しになるんですね。そういう意味で、事を進めていく場合の判断基準の一つとして活用できるんじゃないかなと思って申し上げているわけでございます。後でまた特殊法人については計算をして教えていただきたいというふうに思います。
 それから、じゃ、一、二問。
 歳入を確保するためにいろんな苦労をされた、本当に苦労されたと思うんです。できるだけ国有財産を処分しようというふうなこともありました。どのぐらい歳入確保のために、去年に、前年に比べてドライブを掛けて国有財産を処分したのか、また今後の処分する見通しはどうなのかということをお聞かせ願いたいと思います。
#35
○政府参考人(松田広光君) お答えいたします。
 未利用国有地の売却についてですが、市場性が高いと認められるものから優先的に選び出しまして一般競争入札等により売却しますとともに、入札の実施件数自体も増やすなどの措置を取ってきておりまして、かねてより未利用国有地の売却促進に努めているところでございます。
 平成十四年度一般会計予算案におきましては、国有地の売払いにより三千百六十四億円の歳入を見込んでおりまして、このため、財務省といたしましては、一般競争入札等の実施件数を対前年度比三割増しとするなど、積極的に取り組んでいくこととしております。
#36
○入澤肇君 それから、税金が払えなくて倒産しているケースがかなりありますけれども、直近時点の物納の実態はいかがでしょうか。
#37
○政府参考人(松田広光君) 物納されました国有地でございますが、金銭の代わりに納付されたものでありますことから、財務省としましては、かねてより早期売却に努めているところでございます。
 売却促進のための具体的な取組といたしましては、例えば一般競争入札については、件数増と入札参加者の拡大を図る観点から、平成十一年一月に従来型の入札に加え郵送による入札を導入しておりますほか、一般競争入札や価格公示売却で成約に至らなかった物件につきましては、より多くの事業者を呼び込んで売買契約を成約させるために、平成七年五月に不動産情報流通システムに登録しまして、宅地建物取引業者の仲介で売買を行う制度を導入しております。また、価格公示売却については、応募者の利便の向上を図るため、平成十三年一月に、従来の郵送等による応募に加え、電子メールによる応募を導入するなどの措置を講じているところでございます。
 こうした措置や、財務局における売却事務処理の効率化などの努力によりまして、平成八年度から十二年度までの五年間におきましては、一般競争入札と価格公示売却で約一万一千八百件を実施しておりまして、うち約八千百件が売却済みとなっております。
#38
○委員長(山下八洲夫君) 時間も参っておりますので、簡潔にお願いします。
#39
○入澤肇君 じゃ、終わります。ありがとうございました。
#40
○円より子君 おはようございます。民主党・新緑風会の円より子でございます。
 政府は、金融の量的緩和などあらゆる景気浮揚策を取ってデフレの克服を図ると主張しておりますが、実体経済には浸透せず、デフレの克服には全く至っておりません。日銀が量的緩和を行いましてちょうど昨日で一年になりますが、実体経済に効果をもたらしましたでしょうか、日銀にお伺いいたします。
#41
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 日本銀行は、昨年来、内外の中央銀行の歴史に例を見ないような思い切った金融緩和を行ってまいりました。これらの金融緩和措置の効果は、金融市場に強力な緩和効果をもたらしております。例えば、短期金利はほぼゼロ%になっておりまして、日々のコールレートは〇・〇〇一%というところまで低下しておりますし、マネタリーベース、すなわち銀行券と日本銀行当座預金の合計金額でございますけれども、こちらの方も第一次石油ショック当時以来の三割に近い高い伸びとなっております。このように、金融緩和は、昨年来、金融市場の安定確保を通じまして、景気の底割れを防ぐという意味において大きな役割を果たしてきたというふうに考えております。
 しかしながら、日本経済が様々な構造問題を抱えております中で、金融緩和の効果が企業や家計の経済活動を十分に活発化させるには残念ながら至っていないというのが実情でございます。
#42
○円より子君 今、表を配らせていただきました。お手元に届きましたでしょうか、両大臣の方に。
 今、日銀がお答えいただいたとおり、これ直近一年間の変化率ですから、ゼロは去年の三月の量的緩和をしたときですね。お答えいただいたとおり、日銀当座預金、マネタリーベース、マネーサプライ、これはどんどん増えておりますが、残念ながら実体経済の方は全部ゼロより下という形になっております。
 さて、私も素人でございますけれども、通常、日銀が資金供給を増やせば金融機関の貸出しは拡大しますし、そしてマネーが企業や家計に回り、経済活動が活発化し、経済は拡大均衡へと向かうと思うんですけれども、残念ながらこの表のとおり、また日銀の方もおっしゃったとおり、実体経済には何ら効果がなかったとしか言えないと思います。
 なぜこういう形で、この表を見ますと銀行貸出残高は去年よりもマイナス四・六%になっている。銀行にほとんどのお金が滞留しているとしか思えないんですが、なぜ銀行に滞留しているのか、日銀の方、もう一度お願いいたします。
#43
○参考人(白川方明君) 先生御指摘のとおり、資金が今銀行部門に滞留していまして、銀行の外側の方ににじみ出していかないということでございます。金融緩和の効果が銀行部門の外側に浸透していかないこと、その理由でございますけれども、第一に、不良債権問題を背景にしまして、信用仲介システムの機能が低下をしているということ。それから第二に、企業の投資意欲が低下をしているということ。それから第三に、家計の将来不安があるという、そうした事情が挙げられるというふうに考えております。
 こうした制約を克服していくためには、何よりも第一に、迅速な不良債権処理を通じまして金融システムの強化を図っていくということが大事ですし、それから第二に、税制改革や規制の緩和、撤廃などによりまして経済・産業面での構造改革を進めまして、企業や家計の前向きの行動を引き出していくということが不可欠であるように考えております。
#44
○円より子君 日銀の方は、今日は大変重要な会議があるということですので、これで結構でございます。どうぞ御退席ください。
 それで、日々大変御努力なさってお疲れであろう柳澤大臣にお聞きしたいんでございますけれども、今、日銀の方が幾つか銀行に滞留している問題について原因をお話しくださいましたが、私、ちょっと銀行について話したいんですが、やはり銀行が融資リスクに敏感で当然なんですが、優良企業以外に貸出しをしていない、大変消極的になっているという、こういう問題があると思うんですが、一体優良企業というのは何なのか。
 今、前回、前々回と、もうずっと私、予算委員会でも宮澤財務大臣やいろんな方に御質問させていただいておりますけれども、御存じのように、八〇年代後半のピーク時に比べまして、まず住宅用不動産は二分の一、株価は三分の一、商業用不動産は八分の一、ゴルフ会員権に至っては十分の一に下落している。こういう状況では影響を受けなかった人というのはいないわけで、ほとんどの企業もバランスシートが大きく破損していると思うんですね。こういう状況では、優良企業というのはほとんどないんじゃないかというふうに私は思うんですが、そうすると、今の日本の企業はみんな資金繰りに苦しんで、バランスシートが傷んで悲鳴を上げている、本来はこういうときこそ銀行はリスクを取って国民のために融資すべきではないかと私は思っているんです。
 銀行が、約束どおり返済されていないものは不良債権であると、きちんとマニュアルを作って金融庁が検査なさるという、そのこと自体はいいんだと思うんですが、その金融庁の検査を恐れて、どちらを向いているかというと、やはり国民の方は向いていないで、もう常に金融庁の方の顔色をうかがっているというようなそういった銀行の状態で、本来の役割と行動を銀行が放棄しているとしか私には思えない。それはどういうことなのか。その辺を是非柳澤先生にお伺いしたいと思います。
#45
○国務大臣(柳澤伯夫君) 金融機関というのは資金の融通をするということ、これが公益上の使命であるということは申すまでもないわけです。しかし他方、それではそういうことだけをやっていれば済むのかというと、それはやっぱりそうではなくて、融資をすれば必ずそこにリスクがあるわけです。貸付金債権という形ですから、これは全く債務者の返済能力に依存した資産になってしまうわけで、そういう意味で債務者の資産の状況というのは常に流動的というか、変動をするわけですから、そういう意味では債権というのは基本的にリスクを包蔵した資産になる。
 このリスクをほっておいては金融機関は成り立ちません。幾ら融資をする、あるいは資金の融通を図るということが使命でありましても、リスクをほっておくわけにはいかないということで、あくまでも融資というのはリスクの管理ということが裏打ちになっていないと、それは極めて危険な不健全な活動であるし、そういう活動をする機関は非常に不健全な金融機関と、こういうことになります。
 そこで、そのリスクの管理というのはいろんなやり方でやるわけですけれども、基本的には、今まではどちらかというと土地というものがその信用リスクを全部吸収してくれたという構造で日本の金融は行われていたと。荒っぽいですけれども、端的に言えばそういうことなんです。ところが、そのつえとも頼んだ信用リスクの吸収の道具であった土地までリスクを吸収できないということになりましたので、今や金融機関は、もちろん情報でもって危ないところは早めに手当てしていくというようなリスク管理もありますけれども、やはり大数的に危ないリスクが顕在化したときにそれを補うことができるような利益を上げておくということが必要になってきた。
 したがって、今まではどっちかというと、もう土地の担保を取っておけば、ある意味、相手さんがどのくらいリスクを持っているか、それは区々ばらばらなんですが、そういうことを無視しても、むしろ金利の面でも大体平等のレベルで貸すことができた。こういうのに割と慣れてきてしまっているということが双方にあったわけです。
 我々は、それはやっぱりおかしいということで、やはり信用リスクに見合った金利を上乗せしていただくようにしなければ、それは金融機関としての健全性にもとることになりますよ、そういうことをした上で融資をしなければ不健全ですねということを今申しているわけでございます。
 そこで、このごろ金融機関もそういうところ、リスクに見合った利益ということと同時に、過去の不良債権の処理もしなければなりませんので、それからまた今後ともそうしたリスクに対応しなきゃいけないというようなこともあって、できるだけ収益を上げなきゃいけないというようなことを私は就任以来ずっと言い続けているわけでございます。
 したがって、こういうものを見るときに、金利で折り合えなくて、じゃ、それじゃ借りるわけにはいかぬわと、私のところ、そんな金利を払えるような事業ではありませんよという格好で融資が最終的にできなくなるというようなものもあるということでございます。
 つまり、そこまで金利、リスクプレミアムを支払った上での金利の支払を伴うような融資は受けられないというようなことになるのかならないのか。優良企業というのはそれができる企業ということになるんではないかと私は思っているわけでございます。
#46
○円より子君 今、柳澤さんがおっしゃったような、そうですね、銀行がリスクに見合う金利を上げていくというそういうことで、じゃ、うちはそれじゃ無理だからと言えるところはいいんですけれども、そういうことはもっと本当は五年も六年も前に銀行がやっていたら随分助かった企業は多かったと思います。でも、ほとんどそのときにはできないで、皆さんノンバンクの方にやっぱり行って、中小企業のほとんどはノンバンクから借入れをして、今まで融資の、それこそ貸し渋りじゃなくて貸しはがされたものをノンバンクに行って金利の高いところで借りているから、どんどんどんどんまじめに働いてやってきたところがつぶれていくとか、もっとひどい状況になっていく。
 そして、今ごろ少し銀行がちょっと金利を上げてどうだと言ったって、もう借りられないわけですよ。保証協会の保証がない限り、今、銀行、全然貸しませんしね。そう言うと、柳澤さんのお話、私などよりずっと金融に詳しい専門家でいらっしゃいますけれども、どうも私は机上の空論、そういうふうに申し上げたら大変失礼かとも思いますけれども、現場で本当に零細企業、小企業で頑張っている方たちのことがお分かりになっていないような気がするんですね。
 もう一枚、先ほどお配りしました資料の、もう一枚のこの表を見ていただければ分かりますけれども、(資料を示す)今まで随分政府は、資金需要がない、企業が投資を必要としていない、資金を、融資を必要としていないとずっとおっしゃってきていましたけれども、これは日銀短観ですが、中小企業の資金繰りに関する指標は九七、九八年の金融危機のときよりも悪化しております。それで中小企業に資金需要がないという話と全く整合性がありません。
 先ほど言いましたように、こうした中小企業は事業者向けに貸付けを行うノンバンクから借りていますし、もっと、今はやみ金融から借りていますから、ひどい金利になっております。もう利息制限法なんかとっくに突破しております。そういう企業、ざらにあるんですよ、本当に。だからこそ、借金が返せなくなって、毎日ちゃんとまじめに働いていてもどうしようもないから、自殺してその保険金で返さなきゃいけないというような状況が起きていまして、今一番働き盛りの自殺がこの三年間連続で三万人超えております。これは大変異常なことです。これを二万二千人にしたいなんてばかな数字を出している省庁もございますけれども、そんな数字目当てで私は自殺は減らないと思っております。
 それで、もう御存じのことですけれども、日本では中小企業というのは事業所レベルで九九・三%あるわけです。この中小企業のほとんどがバランスシートを悪化させておりまして、先ほど言いましたように、優良企業と銀行に認定されて融資を受けるなど、また少しリスクを取って金利高く上げたって、こんなところは受けられるはずがないんです。皆さん困っています。
 そこで、政府系金融機関を含めた全国の金融機関の中小企業向け貸出残高表というのが中小企業庁から出ておりますが、平成元年が二百六十六兆円、これは前年比一一・九%増となって、その後どんどん融資額が増えて、平成七年、ここでは三百四十九兆円とピークなんですが、その後下がり始めて、一番貸しはがし、貸し渋りのひどかった平成十一年には三百六兆円と、四十三兆円も差があるんです。たった四年間で中小企業向け貸付融資は四十三兆円も減少しております。
 これにはまだ実はあれがありまして、平成十年、御存じのように、中小企業緊急対策として安定化資金制度が実施されました。これで約この二年間で二十兆円の無担保の保証付融資が実施されたわけですから、つまり政府から二十兆円が出ておりますので、金融機関プロパーでは六十三兆円も減少したことになるわけです。四年間で六十三兆円も血液を抜かれてしまったら、健全な体だって立っていることだって大変だということはどなたでもお分かりになると思います。
 それで、今度は塩川財務大臣にお聞きしたいんですけれども、私は、こういう中小企業への融資が減り続けている銀行の状況ですとか、量的金融緩和をしても全くマネーが市中に流動しない、銀行に滞留しているだけ、リスクテークのゼロの国債を買っているだけというような状況は、もう正に中小企業の人たちは人災、失政だと思っていらっしゃいますが、この点についていかが思われるでしょうか。
#47
○国務大臣(塩川正十郎君) 金融機関が、一般の市中金融機関が中小企業に貸出しを渋っておるということは、これは私はもう実態よく知っておりまして、そのことについては本当に残念に思っておるんですけれども、今の都市銀行等はそういう中小企業の信用調査能力なんて全然持っていませんし、従来からそんなに関心持っておらなかったですね。ですから、担保物を、それに対して金を貸しておったという、言わば質屋のあねさんみたいなことをやっておったわけですね。ですから、今だって中小企業の経営能力や技術能力というものを本当に知っておるのかといったら、私はやっぱり多分に疑問に思うんです。
 ですから、中小企業者もこんな大銀行を相手にしないで、地元の信用金庫だとかあるいは地銀ですね、これとしっかりとやってくれたらいいと思うんですけれども、どうしてもやっぱり手形書くのに格好いいから、大銀行とも取引やっています、これが融資が止まってしまっておる。それで今慌てて信用金庫だとか政府系金融機関に頼ってきておるような状態なんです。
 だからといって、日銀の金融を締めてしまったらますます私は金融の貸しはがしが起こってくるように思うものですから、やっぱり日銀の金融緩和というものはそれなりに、大銀行であれ地方銀行であれ、それだけの効果は私は大きく出てきておるとも思うものですから、金融緩和はやっぱり続けてもらわないかぬと、こう思っております。
 同時に、中小企業の金融の在り方について、中小企業者自身も、金融をどうするか、自分に一番適合した金融機関の選択というものもきちっとやってもらいたいし、また私は、中小企業に貸し出ししておる地方銀行なり信用金庫というものも、これも思い切りやっぱり中小企業との関係を深くしてもらいたいと思います。
 同時に、私はしばらくの間は、金融が機能を完全に回復してくるまでの間は、やっぱり政府系金融機関が市中金融機関の配慮の足りなさというものを十分にやっぱりカバーしていく方法も考えていかなきゃいけないんじゃないかなと、そういう感じを私は持っておりまして、ですから、政府系金融機関の活躍の場ということはやはり十分に、違った意味において保障していかなきゃいけないんじゃないかと、こう思っております。
#48
○円より子君 今、私は行政責任といいますか、人災、失政じゃないか、それについてどう思われるかということもお聞きしたかったんですが、もう一度後でお聞きします。
 いつも何か私が質問するときは、こういうことで柳澤さんに憮然とした顔をさせてしまうような厳しいことを言ってしまうかもしれませんが、何も金融庁だけの責任ではなくて財務省の責任もあると思っているわけで、この辺の行政責任があるんじゃないかということでお聞きしたんですね。
 実は、これは宮澤大蔵大臣が平成十一年にお答えなさっているんですが、「実は貸し渋りというのが、その前の年に始まりました中小金融機関の早期是正措置というものがあって、早期是正措置で中小金融機関が融資を引き揚げたというところから事が始まって、行政がそれに十分注意をいたしませんうちに急速に悪化しました。」とおっしゃっているんですね。やはりこれは行政の注意怠慢といいますか、注意とは私は思わないんですが、そういったところがあって、早期是正措置というのは私なんかはもう少し先送りした方がいいんじゃないかと随分最初のときに思った人間ですけれども、何でもグローバリズムがいいとは思ってないんですね。金融機関の痛みを何とかしなきゃいけない、不良債権をということはありましたけれども、中小金融機関から融資を引き揚げた、そのことが大きな影響がありまして、今、塩川さんは、中小企業も何も大金融機関からだけ借りようなんて見えを張らずに適応した金融機関から借りればいいんじゃないかとおっしゃいました。今はそれだってできないんですよ、この何年もずっと。
 例えば、先ほど私が中小企業庁の資料でお話をいたしましたが、これは金融機関別に見ますと大変面白いんですが、都市銀行は平成五年が中小企業への融資のピークだったんです。百十四兆五千七百四十四億で、それが平成十一年には九十五兆六千二百五十二億に減っております。その差額は何と十九兆なんです。十九兆も減らしてしまった。地方銀行も同じです。少ないけれども五兆四千五百四億と減らしています。信用金庫も一兆六千五百七十七億減らしている。商工組合中央金庫も五千二百二十三億減らしている。中小企業金融公庫も一兆三千三百七十一億減らしている。ずっと減らし続けて、どこが減らし続けずに増やしていったか。最後の塩川さんおっしゃったところと合致するんですが、国民生活金融公庫なんですね。これは、すべてのところが減らした、一番ひどい、さっき言いました六十三兆もの血液を吸い取ってしまったというときに、ここは平成十一年に一番ピークを迎えて、十兆二千二百三十六億、中小企業に融資しているんですね。
 ですから、私も、小泉内閣もいろんなところが官から民へというふうにおっしゃっているのも一理あると思いますけれども、今、塩川さんがおっしゃったように、こういう非常時には政府系金融機関の果たす役割というのは大変大きいと思っております。だからこそ、このとき助かった中小企業も多かったと思うんですね。
 それで、お話を続けさせていただきたいんですが、官から民へ改革をしなければいけないとおっしゃっていますけれども、実際には今私が申し上げたように、都市銀行も地方銀行も信用金庫もすべて、信組も、民は萎縮して我が身を守ることにきゅうきゅうとしています。官が救済しているという構図になっているわけですが、ここでもう一つ面白いのは、国民金融公庫、国民生活金融公庫ですね、ここの資料でいただいたものなんですが、実は昨年、十三年十一月ごろから、例えば十一月五日には大栄信用組合、東京富士信用組合、また同じ中津川信用組合、網走信用組合、次の十一月十二日には岩手信用組合、宮城県中央信用組合、十九日には大日光信用組合と、ずっと毎週毎週月曜日に国民生活金融公庫の、月曜日にその前の週の金曜日につぶれた金融機関の特別相談窓口がずっと開かれて、異常です、これを見ていますと。もう毎週毎週月曜日になると開かれているわけです。もう資料を本当お配りすればよかったかと思うくらい異常な状況が続いているわけですね。
 そうしますと、これを見ておりますと、銀行等の金融機関は全く当てになりませんで、信用保証協会や政府系金融機関を頼りにしている中小企業がいかに多いかということが分かるわけですけれども、塩川さんも柳澤さんも、もう本当にマネーフローの健全化、ちゃんと市場にお金が流動することの大切さは十分御存じだと思いますが、でも現実はそうなってないわけです。人間の体にしても水道管にしても何にしても、血管やパイプが詰まるというのはよくないことです。もうだれでも分かることです。お金もそうなんですね。でも、なぜ分かっているのにうまくいかないのか。
 これについて、もう一度、先ほどは日銀に銀行になぜ滞留しているのかお伺いしましたが、なぜうまくいかないのか、そしてそれにはどうすればいいのか、お二人にお聞きしたいと思います。
#49
○国務大臣(柳澤伯夫君) いろいろの論点にわたってお話がありましたが、まず私の議論が中小企業の実態を知らないんじゃないかということですが、私もすべてを知っているというふうに言うつもりはないんですけれども、実は一つだけこれは例を挙げさせてもらいますと、私の近親者の最も近いところで実は今倒産をせんとするところがありまして、私も倒産をすべきだというふうに言っているぐらいに間近でそういうことを、肌身で感ずるほどに近くで見ています。
 そういうことなんですが、もう一つ、円委員に少し、私もまだデータ的に完全に分析し切って以下のことを申し上げるわけじゃないんで恐縮なんですが、ただ、非常に各委員がお聞きになっているところは、そうか、そんなに中小企業の融資というのは少なくなっているかというふうに印象をお持ちになったときにちょっと考えていただきたいのは、実は四業種というものがありまして、不動産、建設、それから、何というか、卸、小売の物販、それからまたノンバンク、これはまあちょっと違うでしょうけれども、そういうところの構造的な不況業種についての不良債権化によるオフバランス化、これもまた今の残高の減少に結び付くわけですけれども、そういうものも中小企業の中にも非常に多いということなんです。非常に多いということです。
 じゃ、今、中小企業金融ということで一くくりにして論じられたわけですけれども、そういうことを避けるために、じゃこういう四業種について構造的な改革をしなければならないというところをどうすべきとお考えになってそこを議論なさるのか。
 私は、やはりバブルの影響がこういうことにあったと思うんです。つまり、過剰債務になったわけです。過剰債務というのは売上げとか利益に比べてたくさん借り過ぎたということです。そのところについては、むしろ過剰債務を解消する、これは不良債権として処理するのもいいし返してもらうのもいい。そういうことで、残高は減少せざるを得ない側面もあるということもちょっと念頭に置いていただきたい。その中身として四業種の問題がある。その中に、実は中小企業においてもこの四業種、特に三業種の問題は非常に多いということでございます。
 最後に申し上げますのは、我々も金融の疎通というのはもう本当に金融機関が奉仕すべき公益の一番最大の優先度を持っているものだというふうに考えておりまして、しょっちゅう、融資を積極化するように、金融を円滑化するように、特に中小企業の皆さんへのそれについては格段の配慮をするようにということを申し上げているわけであります。
 先ほどちょっとお話しになられたように、商工ローンというかノンバンクに駆け込む、高い金利を払うというんだったら、そういうお気持ちがあるんだったら、もう少し金利の方を、モデレートでも結構ですので、弾んで金融機関との取引をされたらどうなんだろうかというようなことを私は言って、それをスモールビジネスといって現実に始めているところもあるんでございます。
#50
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、今、中小企業金融、問題になっておりまして、私自身もいろいろ中小企業を経営しておりましたから経験もしておるんでございますが、まず金融機関の選び方が、中小企業者として私はこれはやっぱり真剣に考えなきゃいけないときだと思うんです。
 今一番問題になっております信用組合。私は、昭和二十五年でございましたが、市街地信用組合法が改組をされまして信用金庫になりました、これは皆さん御存じないと思うんですが。そのときに信用組合というのが協同組合法によってできたんですけれども、これは金融機関じゃないんですね、本当は。それが金融機関として扱われておるんですが。ですから、今になって信用組合が問題起こるのは、やっぱり構造的な問題があって起こるんでございまして、これはやっぱり早く合併なんかで強化してちゃんとした金融機関に政府が育成していく責任はあると思うんですけれども。
 これは別としても、信用金庫なんというのは地域に本当に根差した金融機関ですし、地銀もそうなんです。これの利用の仕方が、中小企業者としてやっぱり真剣に考えるべきだと思うんです。私はよく中小企業者と付き合っておりますが、そういう今までの付き合いが、中小企業者としては勝手な使い方をしておったと私は思っております。ですから、大銀行との付き合いを中小企業者がやっておられて、これが今非常に詰まってきておるというところなんですね。
 というのは、大銀行の支店長なり貸出しの責任を持っております次長クラスですが、これは大体三年で替わっていきます。ですから、本当にその企業のことを分からぬじまいなんです。だけれども、それじゃ何で融資しておるかといったら、そうなると担保しかもう頼りにするものはないから、そこで大企業と中小企業者と、銀行と大企業の間が問題が起こっておるんです。ところが、信用金庫だとか地銀というのはそこの企業を熟知しておりますから、ですからこれらはなかなか根強い金融が続けられるということを思います。
 そういうことをやっぱりこの金融危機のときに、円さんは非常に中小企業は金融機関が悪いと、こうおっしゃいます。確かに中小企業に悪いけれども、私、中小企業者自身もこの際にきちっと考えるべきだと思うんです。というのは、大銀行の金利と地方銀行、信用金庫の金利が、そこには段差があってもいいわけなんです、リスクが違いますから。リスクが違うから違っていいはずなんですけれども、それを同じ金利でやっぱり中小企業者も要求しておるということ、ここにも大きい問題があります。
 先ほど柳澤大臣が言っておりました、金利の問題ということは金融として大きいファクターとして考えなきゃならぬですが、この問題については案外今無関心にやってきたこと、これが市場原理としての金融機関の考え方に非常にこれから大きい問題だと、響いてくるんです。それじゃ、そのリスクをどうカバーしてやるかということは、これは政府も考えなきゃならぬ問題だと私は思っております。
#51
○円より子君 私は、こうしたもう本当にデフレスパイラルに陥っている日本の経済が大変なときに、また財政が大変なときに財務大臣や金融担当大臣をお務めになっていることは大変なことだろうと、そういう気持ちは持っておりましたが、今のお二方の答弁を聞いて本当にがっかりいたしました。
 ノンバンクに行くよりも、金利が高くてもその辺を銀行と話し合ったらどうか、それはやはり今の現実を余りにお知りにならないお話だと思います。だれもノンバンクになんか行きたくない。もっと、先ほど申しましたように、ノンバンクも貸してくれなくてやみ金融まで行っているという人たちもたくさんいる。別にそれは悪くなくてもですよ。先ほど言いましたように、どんどんどんどん今の政策が失敗をして、ずっとこの何年間かずっと駄目になってきているから悪くなっているだけなんです。そういう人たちが銀行に金利高くても貸してほしいと言ったって、貸さないのが今銀行です。
 また、中小企業だけではありません。このごろは個人の住宅ローンまでそうなっています。弁護士さんのところに駆け込む人が多い。どういうのかといいますと、夫がリストラされた、失業になった、お給料が減った、住宅ローン、今まで毎月幾らだったのが払えなくなったから、その何分の一にしてほしい。そうしますと、約定どおりやってくれと言って、ちゃんと毎月少しでも返して、それが五年で返せるのを十年にしてほしいと言っているのに、約定どおりにならなければ駄目ですと銀行が言いに来て、家を売りなさい。住んでいるところですよ。今、もうそういうふうに個人のところに全部来ています。こういう状況で住むところもなくなって、今、子連れのホームレスだって増えています。大阪なんかでは女性で子連れのホームレスもいます。東京も増えています。
 そういう状況を余りに御存じなくて、銀行がずっと悪く言われていますが、銀行の人だって困っている。塩川さんおっしゃったように、支店長は全く分かってなくて、その下の人たちが、ちゃんと財務内容も良くてきちんとやっている。バランスシートは悪いけれども、ずっと貸しはがしとかがやっぱりあったから、どんどんどんどん一億貸していたのが今二千万にその銀行はなっている。この二千万も支店長は貸しはがせと言う。そこで、必死になって間に入って頑張って苦悩している銀行員の人もたくさんいます。
 でも、今はそういう状況なんですね。そういうことを私は見てほしいと言っているんです。それでなければ、今もう日本は本当に沈没してしまうと思います。
 政府系金融機関じゃなくても……(「それはよく知っていますよ。それはよく知っていますからね」と呼ぶ者あり)ええ。もうどこであっても……(発言する者あり)知ってたって駄目なんですよ、実行してなければ。みんなつぶれていっていますよ。人々も、あれですよ、そして私は……
   〔国務大臣塩川正十郎君「それはですね、ちょっと発言させてください」と述ぶ〕
#52
○円より子君 いやいや、まだ途中です。
#53
○委員長(山下八洲夫君) 指名があってから発言お願いします。
#54
○円より子君 答弁していただきますから、お待ちくださいませ。そんなに焦らないでも大丈夫だと思います。
 先ほど言いましたけれども、優良企業というその区分け、現実と全然違うんですね。私は、前に大門先生がとてもユニークなことをおっしゃって印象に残っているんですが。不良、不良って不良債権のことを言うけれども、昔、子供のころ不良少年だった子もちゃんと社会へ出たらまともに一人前のいい市民になるじゃないかと。私、ああ、いいことおっしゃるなと思ったことを覚えているんですが。
 優良企業にばかり銀行が貸していたって、本当に日本は沈没していきます。それこそ括弧付きの不良企業ぐらいに貸すぐらいの気力がないと、今もう。五年では返せないけれども十年たったら返せますと、こつこつ返す人。それから、保証協会も、あのとき金融、緊急的にやりましたけれども、デフォルト率は物すごくなるんじゃないかと言われたけれども、これだって低いんです。今少し高くなって、三%近くなっているかもしれませんが。でも、みんな日本の国民ってまじめなんです。今、今すぐ返せと言われたらできないけれども少し待ってほしいというそういう国民の、日本の健全なまじめさというものを信頼して、私は、今だけを見る、そういう木を見て森を見ざる政策ではないことをしないと、本当にこの国は駄目になっていくと思います。
 皆さんが、分かっている、やりますと言っている間に私はつぶれると思います。全員野たれ死にするし、もうきっとそれこそ、いろんなところのテロよりも柳澤さんや塩川さんや政府をのろう人の方が多くなるんじゃないかと私は思います。それはお二人だけではありません。私たち、今、国会議員をしている私たちだって同じです。どこへ行ったってのろわれています、うらまれています。
 そういう状況、別にうらまれているから嫌なんじゃなくて、やっぱりこの国を助けていかなきゃいけない、そう思うんですね。是非、それをしっかり分かっていらっしゃる方だからこそ実行していただきたいと思います。
#55
○国務大臣(塩川正十郎君) いろいろおっしゃいましたけれども、確かにそれは、私は問題があることは知っておるんです。ですけれども、やっぱり借りる方もリスクの問題というものを考えないでただ一方的に同じ条件でと言ったって、これは無理な話。そして、選択を間違った金融機関に何ぼ交渉しても無理だということを、ここはやっぱり考えてもらわないかないと思うんです。
 先ほどおっしゃいました貸しはがしの問題、私も随分と相談を受けています。貸出しを受けるときに、証書貸付けなのか手形貸付けなのか、何約定関係でどういう貸付けで借りたのかということは、中小企業者も分からぬで借りてくる場合が多いんです。そこら不親切なんです、実際は。ですから、手形貸付けでやっているものは、期限の利益がありませんから返してくれと言われちゃうんです。証書貸付けの方はそれはできません。ちゃんと銀行は期限守っております。
 そういう問題が僕は、いろいろとトラブルありますから、ですから、銀行へ行った人、私はやかましく言います。言いますけれども、銀行は民間企業だからして政府の指導なんてもう行政権が及ばないと、こう言いますから、なかなかそこに難しいことあります。私は、地元へ帰ったらぎゃんぎゃんと大企業だとかあるいは地銀、市銀には言っていますけれども、それはなかなか民間の契約になっていくと介入できないようになるところがありまして、そこが難しい。
 そこで、我々としては、この金融のシステムを考える場合にそういうふうなものをどう考えるかということ。そのためには、じゃ借りる方は、ユーザーの方も銀行の選別とそれからリスクの負担ということを考えてもらわないかぬ。
 国民金融公庫、確かに安い金利でたくさん細かいやつ、一番細かいのを貸しているのが国民公庫だと思います。現在、百五十万件から貸していますから、これはもう大変な貸付けしておるんです。その代わりに、かなりなリスクしょっていますよ。そのリスクは国家が保障しておるから、国家がそのリスクをかぶっているから金融公庫は業務ができるんです。それじゃ民間のそのリスクは政府がかぶってやると言うならば、それはやるでしょうけれども、そこの問題が非常に難しいところでございますので、円さんなんかもよくそういう実態を調査して我々に情報を入れていただければ、我々もその情報を十分大事にしていきたいと思っています。
#56
○国務大臣(柳澤伯夫君) 一言だけ申しますと、今、塩川大臣がおっしゃったことも全く同じなんですけれども、リスクの負担、要するに、もうみんなリスクに注目して、今、資金を量的に融通することが大事だと思う人はいないですね、こんなにお金はあるわけです。だけれども、リスクをだれが負担するかという問題なんです。
 で、私が最後に言ったところは、リスクは金利に反映させて負担をさせていただくしかないんです、民間の金融機関としても、ということを申し上げて、スモールローンの、スモールビジネスローンの例を挙げたんですね。それは言わばノンバンクの方々の高い金利、それから通常の今まで担保が有効に働いたときの金利、その中間、もっと当然通常の金利に近い方ですけれども、そういうような仕組みになりつつあるんだということをやっぱり利用者の皆さんにもある程度知っていただかないと、今まで担保でリスクがほとんど吸収できた時代と同じように金利による差別というものがなくて済む時代は、もうやはり残念ながら日本では過ぎつつあるということをみんながまず知っていただくことが大事じゃないかということを申し上げたつもりでございます。
#57
○円より子君 お二方ともありがとうございます。一生懸命考えてくださっているのもよく分かりますし、努力してくださっているのも分かるんですが、銀行の現場ってやはり相当ギャップがあるんです。
 リスクということをどう見るか。これは人なんですね。見るその判断基準を今やはり自信を失っている現場が多くて、みんな先ほど民間が萎縮しているんじゃないかと言いましたけれども、自分がやっぱり責任取るのが怖い。支店長もそうです。銀行の上のトップの人もそうでしょう。今、経済界みんなそうかもしれません。どこもそうかもしれないぐらい日本人は責任を取るとかそういうことができなくなっている。
 そういう時代に、やはり言われたとおりの形でリスクをやはり考えるというような状況になってきますと、本当にこの人はこのぐらいリスクあるけれども、でも必ず十年後には返すだろうとか何年後に返すだろうという、見ること、人物を見たり、そういうことのできない人が増えている。そうすると、金融庁の検査マニュアルの方ばかりが気になるという、やはりそういう現場も多いので、是非、先ほど柳澤さんは、ノンバンクに行くんだったら銀行で金利高くしてもらって借りなさいとおっしゃってくださいました。それをもっと徹底してやっていただきたいと思いますし、先ほど塩川さんからも御提案がありましたように、私もいろいろ今の状況を打破するための方策は考えております。またそのうち御提示させていただきたいと思いますので、是非本当に国が一丸となってという、余り一丸となってなんて言葉は好きじゃないんですが、何とかこの日本丸が沈没するのを助けていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
#58
○勝木健司君 同じく民主党・新緑風会の勝木健司でございます。よろしくお願いします。
 今、円さんからデフレ対策、デフレ問題についてお話がありましたので、私もこのデフレ対策と税制上の措置について財務大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 先月の二十七日に取りまとめられました早急に取り組むべきデフレ対応策におきましても、この税制の抜本的見直しのため、総合的な検討を六月ごろをめどに基本的な方針を示すとされておるわけでありますが、このデフレ対策は緊急の課題でありまして、速やかに具体策を示すべきであるというふうに考えます。税制上の措置についても六月の基本方針においてということでありますが、基本方針という枠組みを超えてでもこのデフレ対策の具体策を打ち出す必要があると考えますが、この点、六月に具体的な税制上の措置を示す考えがあるのかどうか、塩川大臣にお伺いしたいと思います。
#59
○国務大臣(塩川正十郎君) 六月に税制改正の基本的な方針を示したいということは、これは予定のスケジュールでございますが、私はもっと早くやってもいいんじゃないかと思うて主張しておるんですけれども、しかし、御承知のように、今税制考えますのに、まず、ざっくばらんに言いまして、政府税調がございます、それから内閣の中に経済財政諮問会議ございます、それから自民党、与党の税制調査会ございます。この三つの間の意見を総合し、国民との対話を進めていくとなってきたら、なかなかスケジュールが厄介なものでございますので、それで十分な時間を取って六月ということにしてあるんでございますが、六月には基本方針を出すことは間違いございません。
#60
○勝木健司君 このデフレ策、対策という観点からは、税制上、土地資産等に係る資産課税の在り方をどうするのかということが一つの大きな課題となっておるわけでありますが、これについては、例えば住宅資金の贈与に係る非課税枠の大幅な拡大などが自民党内でも、与党内でも取りざたされておるわけでありますけれども、この贈与税を含めた相続税制あるいは資産課税に関しては、最高税率なりあるいは中小企業の事業承継対策など多くの問題を抱えておるように思います。これらの根本的な問題の解決を抜きにして、安易に資産課税の見直しというものはかえって問題を引き起こすのではないかと思うわけであります。
 資産課税の見直しに当たっては、その負担水準を生活基盤の形成を阻害しない水準に置くという原則に立ち返りまして、立ち返って、そして税率及び課税ベースの見直しを行うことによって個人消費の活性化につなげていくという視点が私は重要だと思いますが、その点、塩川大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#61
○副大臣(尾辻秀久君) まず、相続税について申し上げます。
 相続税の負担に関連して、基礎控除額につきましては、政府税制調査会において、まず昭和三十二年以来、中間層の生活基盤の形成を阻害しない水準という考え方を取ってきております。こうした考え方を今後も妥当とするか否かについて、まず、相続税の位置付けがどうで、どうあるべきかの議論を前提として問い直す必要があります。高齢化の進展や経済のストック化の進展により、相続人の生活基盤の形成過程に相続税が及ぼす影響は小さくなってきていることに留意すべきである旨の指摘がなされておるところであります。
 ここで申し上げておりますのは、今、相続なさる方の年齢というのが、かつてよりも高齢化によってうんと高齢化しております。すなわち相続なさる方の年齢が六十近い、もう六十超えておられたりもするわけですが、その辺の年齢になっておられますので、既にその方自身にストックがある。そこに相続されるわけでありますから、従来の考え方でいいのかどうか、この辺をどう見るかという議論をする必要があるということを今申し上げたところでございます。
 次に、贈与税について申し上げますと、贈与税を含めた資産課税の見直しを個人消費の活性化につなげていくべきとの御指摘もあったかと思いますけれども、相続税、贈与税の在り方の問題につきましては、今申し上げましたように、政府税制調査会等における議論もありますし、また現行の、御案内だと思います住宅資金の贈与の特例による負担軽減の水準、その活用状況、それからまた、相続税そのものの性格でありますけれども、相続税の課税回避防止という基本的な機能といったこと、いろいろございますので、あるべき税制の構築に向けた取組の中で、経済活性化や税制全体の再分配機能をどう考えるかといった観点も含め、幅広い観点から検討することが適当であると考えております。
#62
○勝木健司君 デフレに対応する税制という点では、単に今までどおりの、従来型の投資促進という観点ではなく、個人消費の拡大という観点が重要だというふうに私は思えます。
 家計調査によりますと、住宅ローンを抱える世帯においては、住宅ローン返済額の可処分所得に占める割合が昭和五十四年以降初の一九%台に達するなど、住宅ローンあるいは教育ローンなどの負債デフレが個人消費の足かせになっていることは論をまたないわけでございます。このデフレを克服し、個人消費を拡大するためには、例えばローンの利子に係る所得控除の制度の創設と、個人の消費支出の拡大のための税制の整備等々が必要じゃないかというふうに思うわけであります。
 あわせてもう一点、この資産デフレの進行という点でもう一つ大きな問題は、マイホームの買換えと、この際の損失に対する問題でございます。
 マイホームを買い換えたいと思っても、土地価格の下落で、やはり場合によっては何千万円という損失が出てしまい、こうした声は切実なものがありまして、これにきちんとこたえていく必要があるんじゃなかろうかと思うわけであります。
 現行税制においても、こうしたマイホームの売却、買換えに関しましては、譲渡益が発生する場合の三千万円の特別控除、あるいは軽減税率の特例、あるいは買換えに係る課税繰延べのほか、譲渡損失が出た場合の三年間の繰越し控除など各種の特例が設けられておるわけでありますが、しかしながら、これらの特例はそれぞれ要件が異なっておりまして、分かりにくいばかりでなく、どのような層に配慮していくのかという点が不明確じゃなかろうかというふうに思うわけであります。
 そういった意味で、このマイホームの買換えに関して言えば、住宅ローンと資産デフレのダブルパンチに苦しむ中低所得者層を中心に配慮した制度に改めていく必要があるんじゃなかろうかというふうに思うわけでありますが、財務大臣の見解を求めたいと思います。
#63
○国務大臣(塩川正十郎君) 勝木先生、十分御存じだと思うんですけれども、買換えの、資産の買換えですね、マイホームの、これは条件が非常に変わってまいりました、最近。
 と申しますのは、過去十年の間に二度にわたって建築基準法が変わりまして、家屋の安全性というものが非常に基準が強化されてまいりました。そうしますと、それ以前に取得したマイホームというのは、その基準に合わないものだから担保価値が全然なくなってしまったんです。土地だけしかないと。そうしますと、逆にその撤去料まで土地に掛かってくるという、地価に掛かってくるということ、そのような状況になってまいりました。ですから、最近のマイホームでそれを担保に金を借りるといったって貸してくれません。そういう状況があるので、そこを私たちは、どういうふうに、マイホームが売れるようにどうすべきかなということはこれはやっぱり研究してもらいたいと思っておるんです。そのトラブルが方々にございまして、この是正。
 それともう一つは、新しく住宅を取得する者に対しまして税制上はいろんな措置を講じておりますし、また融資金額も、ほとんどもう四千万円前後だったら頭金なくても買えるぐらいのことになってきておりますので、そういう、そっちの新しく取得する制度の方に重点を置いた改善をしていくべきだと思っております。
 ただ、さっきお尋ねの買換えによるところのロスの補償ということは、これは私は至難な問題だなと思っております。
#64
○勝木健司君 いや、ローンの利子に係る所得控除制度等々について。
#65
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、住宅の今の優遇措置、これは余り複雑過ぎると思うんですよ。もう少し私は今度の税制改正のときには簡素化した方がいいんじゃないかと思うんです。何かもうメニューがたくさんありまして、そのメニュー全部知らぬ人がたくさんありまして、そこらに、不動産屋とうまく、利用の仕方によって違ってくる、程度が違ってくると思います。それも、おっしゃる点も入れて税制の中で検討するようにして、簡素化する方向に持っていきたいと思っております。
#66
○副大臣(尾辻秀久君) 今、大臣からお答えいたしましたもののほかに、先生の御質問の中にローンの利子に関しまして所得控除制度のようなものを考えたらどうかと御質問がございました。そこのところについてお答え申し上げたいと思います。
 もう正に先生に釈迦に説法みたいなことを申し上げますけれども、所得税というのは経済生活を営むための原資になるその所得に対して課税するものであります。じゃ、ローンの利払い費は何ぞやというと、やっぱりこれまた正に生活費の、生活費そのものである、こういうことになります。したがって、そこを所得控除するということになりますと、所得税そのものを言うならば否定するような話になってしまうものですから、そこはちょっと私どもとしては取り得ない考え方だということを率直に申し上げたいと思います。
#67
○勝木健司君 取り得ないことはないと思いますけれども、見解の、考え方を改めていただきたいというふうに思います。
 同じく政府系金融機関の関係ということで、ここで柳澤金融担当大臣に住宅金融公庫に関してお伺いしたいと思うんです。
 国土交通省の問題かもしれませんが、金融担当ということでお伺いしたいと思いますが、この住宅金融公庫に関しては昨年末の特殊法人等整理合理化計画によりまして五年以内の廃止、独立行政法人への移行などが決まっておるわけでありますが、個人のマイホーム取得との関係で問題となる融資業務に関しては、利子補給を前提とせず段階的に縮小し、独立行政法人設置の際に最終決定するとされておるわけであります。平成十四年度の住宅金融公庫の財投機関債の発行予定額は六千億円となっており、発行額も最多となっておるわけでありますが、こうした観点も踏まえ、今後の融資業務の方向性や独立行政法人への移行に向けた財政基盤の確立の在り方などが検討の課題になってくるものだというふうに思われます。
 そこで、お伺いしたいわけでありますが、住宅金融公庫が整理縮小されていく、そういう世界ができつつある、そういう一方で、その一方で、不良債権を抱える金融機関がきめ細かなリテール部門を果たして充実さしていくことができるのかという、そういう相矛盾したそういう住宅政策と金融政策とが重なり合う課題を前にして、今後の金融の存在意義という大きな視点からどのようなグランドデザインを金融担当大臣として住宅政策に関連付けて考えられておられるのか、お伺いしたいというふうに思います。
#68
○副大臣(村田吉隆君) 新しい金融機関がビジネスモデルを開拓していく中で、こうした収益性の高いリテール部門に非常に力を注いでいくということは大変重要なことであろうかというふうに思いますし、また一方において、今、先生御指摘のように、住宅金融公庫のサービスが今後縮小されていく、こういう中にあって国民の住宅取得者のニーズを満たさなければいけない、こういう二つの要請があるというふうに思います。
 先生御指摘のように、私どもとしては、こうした民間金融機関がこうした個人の住宅ローンの分野にどんどん進出していくということは大変望ましいことではないかと、こういうふうに考えております。ただ、大変、リスク管理をしっかりやっていただくということが長期のローンであるがゆえに大切だと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#69
○勝木健司君 次に、生命保険の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 低金利や株安の影響によって生命保険会社の経営は厳しさを増しておるところでありますが、このため、多くの保険契約者は、生命保険会社が破綻した場合に、自分の契約、つまり将来の約束が守られるのかどうかということで不安を募らせておるわけでございます。
 保険契約者の不安を解消するには、生保のセーフティーネットであります生命保険契約者保護機構の役割が当然重要になるわけでございますが、これまでの生保会社の破綻が相次いだことによりましてこの保護機構の財務状況は極端に悪化しておるというふうに聞いております。今後の破綻処理のための原資が枯渇しているとも言われておるわけでありますので、まず、この保護機構がこれまでに破綻処理の費用として拠出した金額は幾らか、お尋ねをいたしたいと思います。
#70
○副大臣(村田吉隆君) これまで生命保険契約者保護機構が行った資金援助でございますが、合計で五千三百八十億円でございます。
#71
○勝木健司君 五千三百八十億円ということは、この保護機構の財源のうち業界が負担する部分は五千六百億円ということですから、この金額のほとんどを使い切ってしまっておる計算になるわけであります。
 今後、この保護機構に更なる処理負担が生じて業界負担の限度額を超えてしまった場合に、業界負担の拡大を求めるのか、政府からの補助金で費用を賄うことに、どちらかになるわけでありますけれども、金融担当大臣としては、今後の保護機構の財源対策についてどのように考えられておるのか。また、この政府の補助は平成十五年の三月末までとなっておるわけでありますので、それ以降のセーフティーネットの在り方については金融担当大臣としてどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#72
○副大臣(村田吉隆君) 機構の財源といたしましては、今御指摘のように民間拠出分の五千六百億円と、それから政府が財政措置から行える四千億円があるわけでございますが、十五年三月末までに破綻した生命保険会社にかかわる保護機構の資金援助額の合計額がその五千六百億円を超えるようになった場合には、その時点で、業界の負担能力等の要件について検討した結果必要と判断される場合にはその時点で所要の予算措置を講ずると、こういうことになっているわけでございます。
 なお、十二年六月施行の保険業法等の改正法の附則第三十一条におきまして、この法律の施行の後三年以内に、「保険契約者等の保護のための特別の措置等に係る制度等の実施状況、保険会社の経営の健全性の状況等を勘案し、この法律による改正後の保険契約者等の保護のための制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて保険業に対する信頼性の維持を図るために必要な措置を講ずる」とされているところでありまして、この法律の規定によりまして、政府としては今後、その検討、議論をしていきたいというふうに考えておるわけであります。
#73
○勝木健司君 生命保険会社は毎年一兆五千億前後の逆ざやを出しておるということでありまして、これが生命保険会社の財務基盤を圧迫しておるということであります。
 最近、この逆ざやを軽減する方策として、保険相互会社が株式会社に転換する際に、高利率の保険契約の予定利率を引き下げて、その代償として過去の契約者が保険会社に残した剰余金あるいは株式を優先的に割り当てるという案が一部の有識者から提案をされておるわけでありますが、これらの案は、逆ざや軽減には確かに有効である一方で、予定利率の半強制的な引下げにつながったり、あるいは保険契約者間の不公平、公平性が保たれないんじゃないかという意味でのデメリットも多いものと考えられるわけでありますが、この点、こういう案に対する評価、あるいは逆ざや解消の具体策については柳澤金融担当大臣はどういうお考えを持っておられるのか、お伺いしたいと思います。
#74
○国務大臣(柳澤伯夫君) 昔の法制では行政処分で逆ざやを解消する方途が当局の方にゆだねられておったんですが、これはいろいろ問題があるということで、最近のことですけれども、そういう条項が削除されていることは御案内のとおりでございます。その結果、現行の法制の下では予定利率の引下げというのは破綻処理の場合のみに許されると、こういうことでございます。
 そこで、私ども、もう少し何か工夫の余地はないだろうかということで、例えば総代会というのが本当に保険契約者のすべてを代表するというようなことで機能しているならば、そこでの特別決議とかそういうようなことでお互い、何と申しますか、船が沈没してしまうよりも、少しだけ予定利率を下げることによって企業の継続を求めた方が全体として利益じゃないかという判断もあり得るのではないかといったような方向で実は金融審議会の御議論もいただいて、一つ可能性としてはあり得るかなと。しかし、パブリックコメントを求めてみようということで求めましたところ、まだその環境は整わないということで、いったんこの話は横に置いておくというようなことになっていることでございます。
 要するに、基本のところは保険契約者全体の合意というものがなければならない、それはしかし非常に元々難しいわけです。今、既に非常に利率が低い人もいるし高い人もいるということで、高い人は減られちゃ困るというような話に当然なりますから、なかなか難しいんですが、何らかの格好で擬制として、これは総意、総契約者の合意であるというものが形作れないかというところが最大のハードルで、そこのところがうまくクリアできる方策は何かということなのでございますけれども、今日なかなかそこのところが難しい状況にあると、こういうことでございます。
 そういうようなことで、今御指摘のような識者の御意見もありまして、これはまた我々、幅広く検討させていただきたいとは思いますけれども、しかし、どこまで行っても基本のところはそういう合意、総員の合意をどうやったら擬制でも作り上げることができるかというところにポイントがある。何かまたお知恵があればいろいろ御議論いただいた上でいただきたい、このように思っております。
#75
○勝木健司君 時間が参りました。終わります。
#76
○委員長(山下八洲夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#77
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に文部科学大臣官房総括審議官田中壮一郎君を、また、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案の審査のため、財務省理財局長寺澤辰麿君及び農林水産省総合食料局国際部長村上秀徳君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#79
○委員長(山下八洲夫君) 平成十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、国民生活金融公庫、日本政策投資銀行並びに国際協力銀行を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#80
○山本保君 公明党の山本保です。
 久しぶりの質問なので、ちょっと今日は、最初の、大きく三つ昨日お願いをしたんですが、第一問については余り自分でも具体的なのが決まらなくて、ちょっとここでお話をさせていただきますと言っておりました。それで、通告詳しくしておりませんので、御返事はもしできればいただければということを思います。月曜日にまた予算委員会でやらせていただこうと思っております。
 少し考えておりましたことがちょうど今日午前中のお話にあったので、それに引っ掛けましてといいますか、少し発展させたいと思ったんです。大臣は、今の銀行が信用、評価能力と言われましたですか、調査能力とか評価能力というか、こういうものが大変少ないと、小さい、持っていない、だから実際にはもううまくいかないんだと。私も、銀行法ですか、第一条には「国民経済の健全な発展に資する」という文があり、いろいろ解釈論はあるのかもしれませんけれども、この条文ぐらいを基にしまして、銀行というのがやはり一般の企業を応援する立場ではないかなという気がしております。
 この分野余り詳しくありませんから、歴史的にそうであったのか、いやそうあるべきだというのであるか、この辺はちょっと私つまびらかにいたしませんけれども、今のこの日本の経済を考えましたときに、今日入澤先生からお話がありましたが、銀行まではたくさんお金が行っていてもそれから先になぜ行かないのかということについて、少し考えたいと思っております。
 そこで、具体的にちょっと提案めいたお話になるんですが、大臣、例えば中小企業なり会社経営ということを専門的に応援する専門家というか専門職として、平成十二年にですか、経済産業省の方で、中小企業診断士という以前からありました資格を全面改正しまして、大変格の高いものをねらった資格として作られております。
 例えば、銀行というふうなところで働いている方、すべてとは言いませんが、その分野の中に当然この企業経営、それも各分野のものを応援するような能力若しくはその経験をした人、こういう方が当然いなくては駄目なんじゃないかなという気がするんです。
 役所と同じで、大学を出て優秀な成績で、その理論については詳しく、またその実務についても、金融の実務については詳しいかもしれないけれども、実際経済の動き、またその中での経営を応援する、展望を見ていく、こういうことのできる人材が銀行にいるんでしょうか。おられるんでしょうか。私は、この辺はもっときちんとそういうことを銀行の機能として位置付けたらどうかなと思うんですが、柳澤大臣、じゃ、よろしくお願いします。
#81
○国務大臣(柳澤伯夫君) 銀行の案件、融資案件の申し出を受けたときの審査能力というわけでございますけれども、これがどういう状況にあるかということでございます。
 余り長話は慎みますけれども、要するに、いったん日本の銀行の審査部門というのが廃止されたことすらあるわけでございます。それはバブルのときでございまして、土地の値段がどんどん上がっていくというようなときに、もう審査なんかで内部でいろいろ頭ひねっているような人材は不要だと、それよりももっと営業でどんどん案件を掘り起こして貸し出していったことの方が銀行にとって利益になるというようなことで、本当にそういうことを、信じたくもないんですけれども、実際には審査部門を廃止したというようなこともあったわけでございます。
 それが、今回こういうようにバブルがはじけて、逆に担保によってリスクをカバーするわけにはいかないんだと、本当にその案件なりあるいはその企業なりの返済能力というようなものを見て貸し出さなきゃいけないということで、正直言って今審査の能力の向上を図っているという状況のように私は受け止めているわけでございます。
 それと同時に、もう一つは、非常にこれ、その過程で計数化ということがやはり非常にウエートを増してきているように思います。
 これは、ある意味で審査というものの効率化を図ろうというようなことにも配慮してそういうことになっているんだろうと思うんですけれども、要するにスコアリングシステムというか、従来だったら銀行の支店長には相当の金額のところまで自分の裁量で融資をするというシステムになっていたはずなんですけれども、それがバブルの崩壊でリスクテークの力がなくなったというようなこともあって、本店でスコアリングシステムというのを置いておいて、貸出し先の財務諸表の数字をそれにインプットしますと、スコアリングがあって、この融資案件は何点なんだというようなことで、あるいは企業は何点なんだということで答えがある程度出てくる。それを乗り越えるような個別の事情があるのかないのかというようなことがむしろ支店長さんの力量というか。
 ですから、支店長さんはそれを乗り越えるような、何というか、非常に個別のそういうプログラムの中に乗り難いようなファクターがあれば、これを乗り越えてオーバーライドして貸すことができるんですが、なかなか本店のそういうスコアリングシステムからの評価というものを乗り越えてやるという、何というか、根拠も薄いというようなことになると、そういうようなことになると。
 これはある一面で非常に効率化の役に立っております。これは審査に時間が掛かるというお客さんのニーズにも実はこたえるという意味もありまして、余り時間掛けてやらないでくれというようなことも当然あるものですから、お客さんのニーズにこたえるという側面もあるんですが、同時に効率化を図る、更に客観化、合理化を図るというようなことで今審査能力のあれが、向上が図られていると、こういうことであるというふうに思います。
 審査能力については日本には伝統的な話が残っていまして、それは特に長期資金の供給ですけれども、そのときには、日本の長期資金というのは最初は日本興業銀行、これは国策銀行としての興業銀行にビルトインされました。これはアメリカの投資銀行の審査のいろんな項目を勉強してきて、そこにビルトインされて、今それがどこに行っているかというと、日本政策投資銀行に移っているんですね。
 そういうようなことで、その中で一番大事なのは経営者の力であるということが言われておりまして、昔の興銀は非常に経営者の人物というものを見たということもありますが、そういうことでいろいろ勘案して、これからはそこのところを力を入れていかなきゃいけないと。
 大変長くなりまして恐縮でした。
#82
○山本保君 私の方も問題を整理まだしておりませんので、また改めてお聞きしたいと思っておりますが、少しだけ私、今お話を伺いながら気が付いたことについて。
 塩川大臣も午前中言われましたが、以前は、確かに会社というのを経営するというのは経験だと思いますが、こういう時代ですから、やはり専門職化ということで今社会も動いているんではないかと、経済学、経営学の方でも。ですから、こういうのはもっと入れたらいいんじゃないかなと思います。
 それから、今おっしゃった評価というものは、私も教育、専門でやった目から見ますと、評価というのは目標に対してどれぐらい成ったかということを見るのを評価というわけでして、個別目標がないときに答えが出てくるようなものは本当は評価とは言わないわけであります。ですから、個別の目標というものをきちんと設定できるような能力をある方がいなければ機会があったとしても駄目なんじゃないかなという気はしました。
 それで、もう一つ、これは申し上げるだけにしましてこの議論は次にしたいんですが、例えば銀行、今検査を、特別検査をしていると。国際的な基準で行われていると思いますが、私は、例えば銀行が、銀行なり金融機関がどれだけ中小企業を守ったかとか、それを伸ばしたかとか、そういう評価基準というのがあるのかどうかという気がしております。多分、ないんじゃないかなという気がするんですよ。
 評価というのは、正に今お聞きしていて非常に、柳澤大臣おっしゃったとおりに、数値化され、非人間化されたようなものがどうもイメージとして受けました。だとすれば、そんな努力をしたとか、どれだけ頑張って会社が良くなったかなんということ、多分検査項目の中に入っていないんじゃないかと思うんですが、私は、外国とは関係なしに、日本の金融機関というのの特質というのをそこに置いて、さっき言いましたそういう機能というものをもっと位置付けて、そのことで金融機関を評価するという、その中の一つの重要なファクターにするということが必要じゃないかなということが二番目です。
 それから三番目には、今度はそれを中央官庁で申し上げるとちょっと耳の痛いことかもしれませんが、もうやっているよと言われるかもしれませんけれども、正に今日入澤先生が、戦後復興のときのように傾斜生産というんですか、そのことをやったらどうだと。私もそう思うんです。
 ただ、そうなりますと、経済・産業政策というものと財政・金融政策というのがもっときっちりいかなくちゃいけないはずなのに、どうも見ていましてそんな気がしないんですよ。ここに竹中大臣も出られませんし、平沼大臣も来られませんしですし、本当に与党が──でも、やはりこれはもっと、正に国こそが、国こそが、今進めるべき経済政策について、金融、財政ときちんと専門家がタッグマッチ組んでいるんですかというようなことを今感じましたので、これは改めてまたやらせていただきまして、ちょっと細かいお話に少し返らせていただきます。
 次に、細かいといいますか、そうなりますと、金融の、特にお金を、融資じゃなくてやっぱり投資型の直接金融というんですか、こちらの方にもっと今よりも向けておかないといけないなという気が午前中もお聞きして感じました。
 そこで、尾辻大臣にお聞きしたいんですが、最近、特に個人、もう一般の方に株を買っていただこう、参加していただこうと、こういう積極的な行政を行われているとは思うんですけれども、どうもはっきり言いましていま一つぴんとこないんですが、最近のこういう面についての動きを教えていただきたいと思います。
#83
○副大臣(尾辻秀久君) できるだけ丁寧にお答えするようにという御指示だったそうでございますので、丁寧にお答えをさせていただきたいと思います。
 証券税制につきましては、御案内のように、昨年秋の臨時国会におきまして、いわゆる骨太の方針に記された貯蓄優遇から投資優遇への金融の在り方の切替え、正に今先生御指摘になりましたように、間接投資から直接投資へということを踏まえまして、平成十五年から株式譲渡益課税を申告分離課税へ一本化することにより、すなわち源泉分離課税をやめるということであります。透明性、公平性の高い証券市場への構築に資するとともに、税負担やリスク負担の緩和を図る観点から、それから今、先生これまた御指摘のように、個人投資家への証券市場への参加を促進するという観点、この二つの観点から税率の引下げや損失繰越制度の導入などの措置を講じたところであります。
 もっと具体的に申し上げますと、今の税率二六%でありますけれども、これをまず平成十五年から二〇%にする、さらに、一年超えて保有していただいた上場株式の譲渡に対しては、これを暫定的にでありますけれども、具体的に言いますと、更に具体的に言いますと十五年、十六年、十七年の三年間でありますけれども、一〇%に引き下げるということをいたします。さらに、昨年十月から適用されている百万円の特別控除制度につきましても、その適用期限を平成十七年十二月三十一日までに延長いたしますし、さらに緊急かつ異例の措置として、本当にこれはもう極めて異例の措置でありますけれども、本年末までに購入された上場株式のうち、その購入額一千万円までのものにつきましては、一定の要件の下、平成十七年から十九年までの三年間、その譲渡益を非課税とする、こういうようなことをいたしたところでございます。
 このほか、十四年度税制改正におきましては、申告分離課税の一本化に際しまして個人投資家の申告事務の負担の軽減に配慮する観点から、証券会社に設定いたしました特定口座を通じて行われる株式の譲渡につきましては、所得計算及び申告不要の特例を設けることといたしております。これで個人投資家、随分やりやすくなるだろうと私どもは考えております。
 このように、昨年来の一連の証券税制の見直しや十四年度の税制改正により、個人投資家にとって安心して証券市場に参加できる環境の整備が図られるよう最大限の配慮を行ってきておるところであります。
#84
○山本保君 丁寧に教えていただいて、確かに一千万円まで買ったときは税金掛からないよとか、百万円まで控除があるよとか、またあれですか、一〇%でいい。ただ、やっぱり私、地元でとかいろいろ話していまして、株に移行しましたよといった反応は、お金持ちだけじゃ得しますねという反応ですよ、はっきり言いまして。そうじゃなくて、一般の方が買ってもいいしという、こんなに得するんですよと。お金持ちといっても、日本の場合、そんな諸外国のように大金持ちがいるとは思いませんし、非常にまあ全部、一億総中流ということですから、その辺の方がしかし株というのはお金持ちの話じゃないかというふうに思っているというのが一つ私、問題じゃないかと思います。
 今のお話は、絵だとか分かりやすく新聞なんかでもっと宣伝された方が、しなくちゃいかぬのじゃないかなと思うんですけれども、塩川大臣のにこにこ顔でもっと株買いなさいと、もうかりまっせというようなそんなPRは、そんなこと、大臣どうですか。
#85
○国務大臣(塩川正十郎君) 私も今、株たとえ千株でも買いたいなと思うときが、今買いどきですよ、本当に。本当に今買いどきだと思うんですがね。ところが、政治家は買ったらいかぬというので我慢しているんですが。
 私は、やっぱり日本の証券会社が大衆との結びつきを間違っていると思うんです。宣伝はするけれども、本当の相談相手になっていないというところが非常に問題ですね。郵便局だとか信用金庫は何で行きやすいかといったら、話し相手になってくれるということがあるんですね。証券会社でこれだけ信用を失ってしまいますと、株屋が来たからと言うて、株屋にしてしまっているんです。株屋が来たからと言って安心して投資しようとしませんですね。
 だから、私は今、証券会社に言うんですが、まずはともあれ自分らの力で投資信託の、既発の投資信託の価格の復活をやりなさいと、そうでない限り株を信用しませんよと言っておるんですがね。やっぱりここが一番問題だと思いますね。やっぱり郵便貯金は国が保証しているというこの絶対的な信用というもの、大きいと思うております。
#86
○山本保君 今度、柳澤大臣もちょっとお聞きしたいんです。
 そうしますと、僕は大臣、今、塩川大臣の言われたのと今度反対の考え方を持っているんですよ。これは専門の方に非常に失礼な言い方という意味じゃなくて、話のロジックだと思って聞いていただきたいんですが、野村証券の本なんか読みましても、一生懸命株屋さんというのを、そうじゃない、金融マンとしていかに作ってきたかというのを見ました。でも、やっぱり私は心の中に、株でもうけるというのはやはりギャンブルの一種じゃないかという気もしないでもないんですよ。今までの経験でも、ふだんの日から、昼になると、昼休みになると株のあれを見ているような前、昔、上司がおりました。まともに仕事を、製造業だとかいろんな仕事をしている人にとって、ウイークデーにそんなことをするというのはおかしいんじゃないかなという気がしてしようがないんです。
 そこで、逆に、株はギャンブルなんだと、じゃ土曜日、日曜日にもっといろんなところで安く買えるようにできないのか。競馬の場外馬券には何万人と人が行っておりますね。その横で、私のような格好をした人が、馬券じゃないけれども、大当たり株ですよと言って売ったっていいんじゃないか。まあこれは極端な言い方ですよ。しかし、何かみんな役人のような顔をして、ネクタイをして、公務員のような顔をして売っていることが問題じゃないかなという気がしてしようがないんですけれども、何かこういう、もっと大衆化するための方法というのをお考えじゃないですか。
#87
○国務大臣(柳澤伯夫君) いや、今、先生のお話聞いてなるほどなというふうな感じも持ちました。そういう株式市場というのもあり得るのかなという意味でございます。
 しかし、今私たちが考えているのは、もう少し長い目での投資ということを実は考えております。
 このごろ、私どもは投資家教育というものを随分やってくださいということで勧奨しているわけですけれども、そういうものの中に、せんだっても、ある新聞社が主催した投資STOCKリーグという、株式市場の運用をバーチャルにやってみましてその運用実績を競うコンクールがありまして、大学とか高校生とか女学生とかが参加しまして、その最後にリポートをお願いしたわけですけれども、そのリポートに非常に面白いいろんな視点があったんですが、結局は、ある会社の株を買うというのは、自分たちが、その会社の製品なりサービスなりが自分たちにとって大事だというもの、それからもっとそれを発展させてほしいという会社の株を買うということが一番大事なんですねということが確認できたというようなことのリポートがありまして、正にそういうことでやっていただくと、長期的な投資、つまり、我々がその会社が作っているものが好きだとか大事だと思う、いい製品だと思う、そういうところに投資をするということでやっていきますと、結局、その会社が伸びていって配当なりあるいは場合によってキャピタルゲインが得られるということだというのが我々の趣旨でございまして、私どもとしては、むしろ今、証券会社が一つのビジネスモデルとしてやったいわゆる回転売買、しょっちゅう売ったり買ったりさせて手数料を稼ぐ。それで、今、山本さんが言うように、それでもいいじゃないかということもあるかもしれませんが、そうではなくて、やっぱり資産の運用、資産の運用の一つとして株式投資というものを考えていただいたらどうか。そうすると、それは長期的なものでして、今言ったような、先ほど言ったのは女学生のリポートに書かれた文章の趣旨ですけれども、そういうようなところに投資していくというようなことがむしろ望ましいということで、そういう方向性での個人投資家の参加というものを是非増加させたいということでやらせていただいているということでございます。
#88
○山本保君 大臣がもちろんおっしゃったことは確かにそのとおりだという気がするんですけれども、今ここで私たちの関心というものを少し変えるためにも、といっても、例えばギャンブルがいけないとかそういう意味じゃないわけですから、認められた職業なんでございますしね。実際には多くの人がそういうところにも参加しているわけですから、そのときに、自分たちの持っているお金をどのように殖やすかということについて、こういう方法もあるということをもっと私はまともに取り上げていいんじゃないかなという気がしてしようがないんです。
 そこで、ちょっときょうはもう時間があれなので、文部省に来ていただいておりまして、中学校三年生公民科というのがありますが、ここで株の取引とか株式についてどういうような教え方をしておられるのかということを、学習指導要領にはどう書いてあって、ちょっと時間が余りありませんけれども、幾つか教科書を見せていただきましたので、後で少しお話は私の方からもまとめたいですが、少し御紹介していただけますでしょうか。
#89
○政府参考人(田中壮一郎君) 中学校の公民の教科書におきます株取引や投資に関する記述についてのお尋ねでございますけれども、株取引や投資に関しましては、中学校の社会科の学習指導要領におきまして、現代の生産の仕組みのあらましや金融の働きについて理解させる、社会における企業の役割と社会的責任について考えるなどと記述をしておるところでございまして、これを踏まえまして、平成十四年度から使用されます中学校の公民教科書、八種類ございますけれども、すべてにおいて株式の仕組みや株式によります資金の調達、利潤の配分などの内容が取り上げられているところでございます。
 具体的には、例えば、株式によって多くの人々から多額の資金を集めることができること、会社が利潤を上げたときには株主は所有する株式数に応じて利潤の配分を受けること、会社が倒産しても株主は自分の出資した範囲内で損失を補てんすればよいことなどが記述されているところでございます。
 以上でございます。
#90
○山本保君 これで最後の時間ですね。
 学習指導要領には、見ましたら、この金融といいますか、この経済の仕組みのときに、金融については特に具体的に指導するようにという一文もありました。
 それで、教科書を見せていただきますと、新聞の上場株式の表が載っていて、その中からやらせたいというような非常に現実的なものもあるかと思いますと、反対に、言わば株というのは割と不安定であるとか、また、今ちょっとお答えがありましたけれども、会社の側から、株式会社が資金を調達する手段という面にほとんど記述が僕は偏っているような気がして仕方がないんです。一般の方が投資をするということについては、会社によっては大変面白いものもあるんですが、どうもそうでない会社の教科書もあるようでございます。
 この辺、もう少し、また中身に即して、私思いますに、子供のころから郵便貯金をしろということは、小学校一年生に入ったときに子供貯金通帳というのを渡されて、それこそ一円、二円なんということをやったわけでございますが、正に今特殊法人が問題だ問題だと言っておきながら、我々はすべて、お金はお上に任せて、後はお願いしておけばいいんだという教育しか受けてなかったような気がしてしようがないんですよ。自分の力で、周りの仲間で会社を作って動かしていくというようなことが必要だと思いますので、この辺についても今後またお話を伺いたいと思っております。
 じゃ、時間が来ましたので、今日は終わらせていただきます。
#91
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 大臣、お疲れのようですけれども、柳澤大臣、今日はソフトにやりますのでリラックスして答えてもらえればと思いますけれども、私の質問に入る前に、午前中、円議員の大変切実な問題の御質問があったわけですが、それに関連して一言だけ御指摘したいなといいますか、質問通告しておりませんけれども、大臣言われましたけれども、これからはリスク管理をやって、リスクに見合った金利を取って中小企業に貸していけばいいんだというお話しされましたけれども、私、この間、今日はちょっと、じっくり次回やろうと思ったんですが、この金融検査マニュアルをずっと調べさせていただいているんですけれども、その話にはちょっと矛盾があるというふうに思っているんです。
 といいますのは、この金融検査マニュアルは、要するに、信用リスクの計量化するときに、もう時間があれで簡単に言いますけれども、予想損失率とかをはじき出す前提として、倒産率とか貸倒れ損失、この率を計算されて信用を測る、計量化する、そういうものがあるわけですけれども、これは実は過去三年ぐらいのところでそれを測るというふうになっているんです。外国の例を調べますと、そんな直近ばかり測っていなくて、景気循環がありますので長期的に見てリスクを測っているんですが、そういうやり方で過去三年ぐらいの割と近いところのものでリスク管理をやるような仕組みになっていますと、これは、御存じのとおりもう十年来長期不況が続いているわけですけれども、ずっとこの不況の、悪いときの倒産率とか貸倒れ損失とか、これでずっとやっていきますと、だんだんだんだんこうやって景気がデフレで下降しているときになりますと、本当に流動性の必要なとき、本当に貸してもらいたいときほど、リスク管理だけでやるものですから金利が高くなっていってしまうというメカニズムといいますか、この仕組みに根本的に私は矛盾があるような気がしておりまして、大臣おっしゃるように、簡単にこれからはリスクに応じて金利を取ってというふうにはならないし、それだけやられるとますます中小企業融資、私は厳しくなるような気がしているんです。
 今日はこれ通告しておりませんけれども、改めてこのマニュアル問題じっくりやるときに御見解を伺いたいと思いますが、もし御見解あればお願いします。
#92
○国務大臣(柳澤伯夫君) 誠に難しい問題なのでございます。それは、現在のような不況の時期に、過去三年なんというのんきなことを言っているなと、もっと倒産の確率は過去の実績以上にプラスアルファして十分な引当金を積み、その引当金のコストに見合うような金利を取らなきゃ駄目だと、こういう話も健全性を強く言う方々はなさるわけです。
 先生のように、非常にゆったりした、一九八〇年代ぐらいの、日本の経済が割と順調だったときの倒産確率で十分じゃないかと言ってくださる方はむしろ少なくて、金融機関の引き当てが甘い甘いと言って、過去三年なぞと言わないで一年の一番高いところを取れと、それで引き当てなきゃ不健全だと、こう言う方もいらっしゃるわけでございまして、私ども、そういったいろんなことを勘案して現在のようなマニュアルになっているということを御理解賜りたいと思います。
#93
○大門実紀史君 またじっくり、このマニュアル問題のときにお話ししたいと思います。
 本題に入ります。
 私は、一昨日の予算委員会で信金、信組の破綻問題、質問いたしました。昨日は我が党の池田議員がここで質問をいたしました。昨年十二月からだけ数えても、我が党は衆参合わせてこの信金、信組の破綻問題でもう十三、四回質問しております。大臣ももうちょっとうんざりというようなところあるかもわかりませんが、今日もこの問題を取り上げさせてもらいたいと思います。
 といいますのは、大変重大な大きな問題だということなんですね。五十六になりましたけれども、預金量で四兆円超えると思います。約四兆円を超える金額で、しかも全国都道府県の半分の地域で破綻が起きているし、各地域で大問題になっていると。その正確な数字がまだ問い合わせしても出ませんけれども、その破綻したところで借りている中小企業は大体三十万から四十万ぐらいになるんじゃないかと思います。もちろんもう破綻、譲渡が終わったところもありますから、今現在で恐らく十数万人の中小企業の方々がRCCへ送られるのかあるいは引き継がれるのかというふうな状況になっておりますし、その職員の人たちも何千人と雇用がどうなるかという点で、今現在大変な問題が起きているというところで、もう一貫して看過できないということで質問をさせていただいているわけです。
 それで、この間の質問した中で二つほど具体的に確認をさせてもらいたいことを先に申し上げます。
 昨日、池田議員から質問して指摘させてもらいましたけれども、船橋信金の職員の皆さんの住宅ローンが全部破綻懸念先にされているという問題ですね。これは、昨日、仕組み、池田議員が説明しましたけれども、ランクを落とした方が資金贈与が多くなるんで、そういうインセンティブが働いてわざわざランクを落としていると。これはもう確実に退職した場合でも退職金と相殺できますし、絶対破綻懸念になるわけがないものをわざわざ破綻懸念していると。
 昨日、指摘したら、すぐこのひがしん、受皿のひがしんの方で、この問題含めて会議をやられたそうです、三時間に及ぶ、国会で指摘されたと言って。恐らく改善されたかどうかわかりませんけれども、これ正常先に戻されたかどうか、確認されておりますか、金融庁。
#94
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、ある金融機関が破綻をしたという場合に、その職員に対する住宅ローン債権は、通常、破綻後はやっぱり破綻懸念先になるという、そういう債務者区分になるわけでございまして、この点は監査法人の査定でも同様の扱いになっていると、こういうことであります。
#95
○大門実紀史君 じゃ、その規定そのものがおかしいんじゃないですか。破綻しないですよ、住宅ローンですから。なぜそういう規定になっているんですか。規定がおかしいんじゃないですか。
#96
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、昨日も池田委員に申した常識的なことで言っても、住宅ローンというのは基本的に消費者ローンでして、消費者ローンというのは、何かその資金を元手にしてやっている事業から返済資金が生まれてくるものではありません。別途、給料なりなんなりで、その消費者が別途その資金と関係なく稼得する所得というものが原資になるということでございまして、その稼得先が破綻したということになりますと、これはやはり破綻懸念先という扱いになるのは私は常識的かなと、こう思います。
 実際、それがじゃどれだけそういう、先ほど池田委員のこの質問と関連するわけですが、資金援助の額と相関関係が強くあるかといえば、それは余りないようでして、これは、住宅ローンの場合には土地、建物等の担保によってカバーされている部分がありまして、信用部分は相対的に少ないということから、それほど大きな差異は生まれてこないということのようです。
#97
○大門実紀史君 このマニュアルによりますと、具体的に判断しなさいと書いてあるわけですね。私、具体的な問題で指摘しているわけですけれども、ふなしんの職員の皆さんの住宅ローンは退職金で相殺、退職する場合はされるということがもう決まっているんですよ。何でそれで破綻懸念先なんですか。その時点で正常先にしてもいいんじゃないですか。少なくとも要注意でいいんじゃないですか。実態に合わせていないんじゃないですか。
#98
○国務大臣(柳澤伯夫君) ふなしんの住宅ローンにつきましては、住宅ローン債権と退職金とについて相殺の規定はないそうでございまして、したがって、退職時におきまして、当然ローンの期限の利益は喪失されるわけですけれども、だからといって船橋信金の側から一方的な意思表示で退職金と相殺するということはできないという、そういう契約上の枠組みからそうした判断が行われているということのようでございます。
#99
○大門実紀史君 規定にはなくても、もう相殺するということが通告されておりますので、もう一度お調べいただきたいと思います。
 もう一つ、大阪相信で、これ予算委員会のとき私が指摘させていただきましたけれども、特定の業種について受皿の大阪信金が受けないと、預金保険機構が了承していると、これ調べていただいて預金保険機構から結果の報告がございました、私の部屋に。そういうことは預金保険機構は一切言っていないしそういうことはしてはいけないということで、そういう話があったら指導するはずだというふうに預金保険機構はおっしゃいましたけれども、これはその後、そういう特定の業種が実際に受けないというようなことになっていないかどうか確認されましたか。
#100
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは確認をいたしましたが、そういうことに最終的にはなっていないという事案の処理が行われたということでございます。
#101
○大門実紀史君 預金保険機構の話ですと、当初やっぱりそういう文書が出たと、それはまずいんで途中で訂正の文書を出したということですが、もう最初に出した段階で切り分けがされたはずなんですが、それは戻っていますね、そうしたら。そういう業種によってはじかれるということはないですね。
#102
○国務大臣(柳澤伯夫君) そういうことがないということを確認しております。
#103
○大門実紀史君 それでは、幾つかこの問題で質問したいと思いますが、私は、予算委員会のときに、特定のところにかなり厳格な、厳格なといいますか、もうマニュアルに書いてあることさえ認めない大変厳しい検査をやられているという指摘をいたしましたけれども、大臣はそれはそれで実情に応じてやったんだろうというふうな話をされましたが、ちょっと質問の角度を変えますけれども、この間の五十幾つの破綻というのは金曜日に発表されて、大体が金曜日に発表されて、ほとんど月曜日にはもう受皿が決まっている。入札にもかけられない。とにかくもう手品のように、ほんの少しでぱっと受皿が出てくる、基本合意が発表されるというふうな、大変段取りが良過ぎるぐらいいいんですけれども、青写真といいますか、それぞれの地域でどう整理統合、統廃合しようかというような青写真があったんじゃないですか。
#104
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、私、アメリカのFDICを訪ねたときも、実際の破綻処理、PアンドA方式でやっているようでしたけれども、たまたま私が行ったときもその事案が起こっていましたが、もう内々に受皿を決めるということが非常に大事な作業であるというような話も聞いておりまして、やっぱり金融機関、円滑に業務を進めていって、預金者あるいはその利用者に迷惑を掛けないための努力の一環ということで私は理解したところでございます。
 今回の場合に、何かねらい撃ちをしたんじゃないか、それからあらかじめ青写真があってそういうことをやったんではないかというようなお尋ねでございましたけれども、全くそういうことはございません。
#105
○大門実紀史君 分かりました。幾つか信金中金がその当該地域の信金を集めて相談していろいろやっているという状況、まだ状況の話ですが、話が入ってきておりますので、改めて資料をそろえて、証拠をそろえてこの問題はまた追及したいと思います。
 金融庁から、私、二月に、二月の末に資料をいただいたものがありまして、債務超過額と資金援助の資料をいただきました。昨日、池田議員が指摘いたしましたように、債務者区分を落とせば落とすほど資金援助が増えるというふうな仕組みになっているということの言ってみればマクロ的な数字なんですけれども、大変驚くような数字が出ています。もちろん、昨年内の五十六で破綻処理まだ終わっておりませんので、その数字はまだですけれども、過去に破綻したところの資金贈与額と債務超過の金額等資料を金融庁から出していただきました。
 要するに、例えば、道央信用組合というのがありますけれども、北海道の、ここは平成十二年三月末に債務超過十九億円で破綻をいたしました。そこに投入された税金といいますか、資金贈与額は五十八億円ですね。例えば、神田信用金庫、これは五十七億円の債務超過で破綻して、何と四百五十六億円も資金贈与がされています。京都のみやこ信金は、平成十一年三月末に債務超過二百六億ですけれども、これは平成十三年に二千四百八十六億円も資金贈与がされています。もう十倍のお金が投入されています。
 このデータを大体計算してみますと、債務超過額の八倍ものお金が、約八倍のお金が、国民の税金がそこに投入されているというふうになっています。昨日の資金贈与の仕組みからいっても、こんなことはおかしいんじゃないでしょうか。
#106
○国務大臣(柳澤伯夫君) 債務超過額とその最終的な預金の全額保護あるいはその他の債権者の全額保護を実行するために、言わば損失補てんとして資金を贈与する金額との関係でございますけれども、一つには、その資産、債務の双方を評価をするその時点が違うということが一つございます。これは、その時間のずれに応じて劣化をするということがあるわけでございます。
   〔委員長退席、理事円より子君着席〕
 それから、もう一つを申し上げますと、これは引き当ての方式が異なるということがございまして、これは一つのルールなのでございますけれども、預金保険機構の方でその資産の評価をするときの準則というのがある意味で固め、これはどこの金融機関にもそういうことが、その原則が当てはまるわけでございますが、そういうことになっているというようなことがその差としては考えられると、今とっさの御質問でございますが、そのように私は理解をいたしております。
#107
○大門実紀史君 そういうふうな数字じゃないと思うんですよね。もう十倍、債務超過の金額よりも十倍のお金が投入されている、九倍、八倍投入されていると。それは資産が劣化したとか、何か、わずか二年ですからね、そんなに一遍に資産が劣化するわけもないし、これは例えば、京都みやこなんかでも昨日池田議員が指摘したようなことがあるんですよ。区分を下げれば下げるほどお金をもらえるんやということを、これどこかで御指摘したと思いますが、京都信金、受皿の方ですね、受皿の方のところが話していることがあるんですよね。
 これおかしいと思うんですよね、国民の税金ですから。こういう形で、持参金といいますか、そういう形で投入されていくと。すごい金額が、国民の税金がこういう形で投入されていいのかどうかと。さっき大臣が言われたようなことでは説明が付かない、八倍から八・何倍ぐらいになると思いますけれども、説明が付かないと思うんですが、いかがですか。
#108
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、そういう御質問であれば、その手続がそうしたものを許すような手続になっているかということでお答えするということになろうかと思うんですけれども、私どもの方は、預金保険機構がそのために、この債務者区分というものを改めて行うときには監査人というのを指名して入れているわけでございます。それは預金保険機構が指名をするということでございまして、預金保険機構はベクトル、力の方向としては、とにかく国民負担最小の原則というものを実現すると、こういうことの使命を負った機関でございますが、その人たちが指名した監査人が公正、妥当な債務者区分を行うと、こういうことだということで御理解をいただきたいと、こう思います。
#109
○大門実紀史君 大臣、私が予算委員会で質問したときに、結局、受皿、私がいろいろ受皿のやり方がおかしいんじゃないかという指摘をしたら、要するに受け取るのは受皿なんだから、協議でやっているんだというような話されましたけれども、今、一定のルールといいますか、そういうものもあるんだというような話をされたような気がするんですけれども、例えば資金援助申込みの前提となります適格性申請というんですか、それの認定といいますか、その判断基準ですね、それを認定する判断基準というのはどういうものがあるんですか。
#110
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、ちょっと協議をするというのは、これは債務者区分を終えた、それで引き当ても済んだものについて、その債権をRCCに買い取ってもらうのか、承継してもらうかということを協議するということでありまして、私が先ほど言ったのは、その前提として、債務者区分をするということについては預金保険機構が指名したかの監査人でやっているんですよということを申し上げたということでございます。そういう、ちょっと一応その手続の段階で分かれているということですので、御理解を賜っておきたいと思います。
 それから、適格性の認定の要件というのは、預金保険法六十一条三項に規定がございまして、それによっているわけでございます。これもうとにかく相手先、事業譲渡、合併等が行われる先が預金者その他の債権者の保護に資するようなものであることということで、簡単に倒れられちゃ困りますよと、その事業譲渡等を受けた金融機関が簡単に倒れられちゃ困りますよということでございます。
 それから、機構による資金援助が行われることが当該合併等を行うために不可欠であるということでございまして、これはある意味で当然のことを言っているわけでございますけれども、資金援助が行われなければちゃんとした銀行として成り立っていかないということで資金援助を行うんですよということが書いてあるわけでございます。
 それから第三号には、これは、そういう合併等によることが行われない場合には、その地域であるとかその分野であるとかいうところの金融に大きな支障が生ずるということでございまして、これらのことが六十一条三項に書かれていると、こういうことでございます。
#111
○大門実紀史君 その適格性認定の判断基準、それに合わないことが一杯起きていると思われませんか。
 先ほどの、わざわざランクを落として資金贈与をたくさん受けようとか、あるいは職員の問題でも、ちょっと後で時間があれば触れますが、ちょっともう時間ないので職員の問題、先やりますけれども、船橋信金の受皿の東京東なんですけれども、東京東が、東京東の内部文書なんですけれども、人事関係の作業の留意点ということなんですけれども、こんなことが書いてあるんですね。職員の再雇用をどの程度やるかは適格性認定における判断の重大な一要素だと、適格性の判断の重大な要素だと。ところが、こんなこと書いてあるんですよ。現実には再雇用を全く行わないでも適格性が否定されることはないと思われると。
   〔理事円より子君退席、委員長着席〕
こんなこと本当よく書くなと思いますけれども、皆さんが今おっしゃって、大臣おっしゃっていただいたそういう判断基準の中に職員の問題入っていると思いますけれども、全部関係ないと、大丈夫なんだということを受皿の方でこういうふうに文書にしてみんなに流しているんですね。
 その言われた判断というのは、どうチェックされて、どう守られるような仕組みになっているんですか。
#112
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、結論的に申しますと、このただいま私が御説明した法定要件の中には雇用の問題は含まれておりません。
 事業譲渡というのは、本来、その資産、債務の譲渡ということを譲渡の目的物にしておりまして、合併と違いまして雇用はそこでいったん切れるという法律関係になって、その切れた雇用関係を一体どうするかというのは、基本的に新たな雇用契約の問題だということになるというふうに解しております。
#113
○大門実紀史君 そうじゃないんですね。その地域経済あるいはその地元に与える影響という中には店舗の問題と、できるだけ、地元の人が多いわけですよね、信用金庫とか信用組合というのは、働いている人も。そういう配慮というのは今までもされてきましたし、そういう判断が含まれてきたんですよ。これは私、幾つかのところで管財人さんとお話しして、岩手だとか栃木だとか、管財人さんそのものがもう意識されているんですね。店舗の問題と職員をできるだけ引き継いでもらうとか、再雇用ですね、引き継いでもらうというのは適格性認定の重要な判断なんだと、その一つの判断、重要な要件なんだと。
 ですから、その文書、お手持ちに書いてないかも分かりませんが、先ほど言われた地域経済に悪い影響を与えないようにというところでは職員の問題と店舗の問題と入っているわけなんですね。ですから、わざわざ、東の方はよく分かっているから、だけれどもそれをやらなくたって否定はされはしないというようなことで書いてある、わざわざそういう文書を内部で配っているものですから、問題ではないかという指摘をしたわけです。是非、この適格性の認定基準については再度きちっと徹底をするようにお願いしたいと思います。
 最後に、またの機会でやることも一杯ありますけれども、今日は一つだけ最後にどうしても取り上げておきたいのは、出資金の問題です。
 船橋信金、大阪相互は出資金が戻ってこないということで、今大問題になっています。
 大臣は、商法百三十一条で出資金というのはこれこれこういうもので、戻らないのは仕方がないという話をされましたが、協同組合の出資というのは、通常の出資金とか、あるいは銀行は株式会社ですけれども、その出資、株券とは全然性格が違いまして、そういう面もありまして、今まで破綻したところは業界の努力でこの出資金を保護してきたわけなんです。それが、業界の方でそれを保護する資金が底をついてきたということで、このふなしんと大阪相信については保護できない、返せないということに今なって、大問題になっています。
 一月二十五日にふなしん、破綻したんですけれども、二十四日の日に、出資に応じて出資した人、何百万も出資に応じた人なんかはもう目も当てられないわけですよね。これは中小企業の皆さんですよね。これだけでも資金繰り困っているという状況が今広がっているといいますか、起きているわけなんですけれども、これは金融庁の指導で何とかならないんですかね。ちゃんと、受皿にちゃんと引き継がせるとか、当然やるべきだと思いますが、いかがですか。
#114
○国務大臣(柳澤伯夫君) 大門委員、あちらからこっちから弾を飛ばしているような気がするわけでございまして、国民負担最小の原則を貫けと言われたかと思うと、今度は出資金の補てんまで政府がしろというようなお話のように聞こえましたけれども、私としては、やはり出資金は出資金としての位置付けでやっていただく、そしてそれをどうされるかというのはやっぱり業界内の、私もよく承知しております、業界の団体がそういったことについてある程度のカバーをしてきたということが行われたことも承知をいたしておりますけれども、できるだけそうした方向での努力をお願いするということだろうと思っております。
#115
○大門実紀史君 最後に申し上げますが、私が申し上げたのは、必要もない受皿が意図的にやって随分税金が取られている、片や守るべき人たちには出資金でさえ保護されていない、これがおかしいということを指摘したんでありますので、よく御承知おきをいただいて、引き続き調査すべきものはしてもらいたいと思います。
 終わります。
#116
○平野達男君 今日は株の空売りについて質問したいと思いますが、塩川財務大臣、空売りはやっておられないでしょうから、どうぞ、席を外しても結構ですので。
 それで、空出張とか空手形とか余り言葉は良くないんですけれども、株の空売りというのは立派なこれは商取引であるということだそうです。しかし一方、いろんな新聞情報、新聞なんかを読みますと、空売りというのは非常に悪いイメージで取られているし、現に空売りを悪用して不当な利益をもうけたというような外国の会社もあるというふうに聞いていますが、要するに不当な空売りと本当のいい空売りというのは、区別というのはどのようになっておるんでしょうか。
#117
○国務大臣(柳澤伯夫君) 要するに、空売りというのは人の株を、つまり自分が持っていない株を売るということで、人の株を借りてきて売るということでございます。
 それ自体は私ども別に悪いと言っているわけでは毛頭ないわけですけれども、空売りというのが得てして作為的な相場形成の手段として用いられるということがありますので、作為的な相場形成にそのことを用いるということは不適正であって、これはやめてもらいたいと、こういうのが考え方でございます。
#118
○平野達男君 その作為的というところの区別がなかなか難しいというところが、またこの空売り規制の難しいところじゃないかなと思うんですが。
 先般のこの「早急に取り組むべきデフレ対応策」の中にも空売り規制が打ち出されまして、これが、大きく見ますと、どっちかというと不当に近い空売りを規制するやつと、過度に空売り規制をやっては駄目だというような空売り規制ということで、後半の場合は品貸料の値上げというようなことが作用するんだと思うんですけれども、この空売り規制が功を奏したかどうか分かりませんが、株がちょっと上がっている。一万二千円ぐらいまで一回、一時戻って、峰崎委員がこれは官製相場じゃないかというような質問を昨日されたようですが、この空売り規制というのは本当に株価の下落防止、あるいは値上げに本当にそれで効果あったんでしょうか。柳澤大臣の分析というか、所見をちょっと伺いたいんですが。
#119
○国務大臣(柳澤伯夫君) 空売り規制が今回の株、株価の動向にどんな関係があったかということかと思うんですけれども、私ども、株価の動向について要因分析をするとか、あるいはそのことを、それもできませんけれども、仮にできたとして、それを公表するなどということはこれまでやってございません。それは正にマーケットの決めるところだということで一貫をさせていただいているわけでございます。
#120
○平野達男君 ただ、この中には、このデフレ対応策の中にはもう明らかに過度な空売りを防止するということを書いていますよね。この中に、過度な信用取引に対して貸株の品貸料の引上げを機動的に実施したというようなこと書いています。ただ、過度な信用取引そのものを抑制しますよということ自体はもうはっきりとした株価に対する介入とも取れる行為だと思うんです。今回の株のこういった空売り規制等の強化をしながら、今回の株価に対するいろんな影響を分析しないというのはちょっと筋が通らないような気がするんですが、どうでしょうか。
#121
○国務大臣(柳澤伯夫君) 元々、空売りに対しては、投資家、一般の投資家の皆さんに、これは空売りですよと、これだけ取引量が多くなっているけれども、そのうちのこの部分は空売りですよということを知らしめるという言わば公示の義務を掛けているわけでございます。そういうことをやっていることでして、何と申しますか、投資家に対するそれが非常にどんどんウエートが高まっていくというようなことについては、ある意味で投資家へのウオーニングと同じ路線で、それについてはそれなりの注意を払わなきゃいけないと、こういうことを申しているに尽きるということでございます。
#122
○平野達男君 今日の日経にハバード委員長さんが空売り規制批判という何か記事が出ていまして、お読みになったでしょうか。デフレ対策に対して「株価を引き上げるために規制策を使うのは賢明とは言えない」ということで、この新聞を読む限りにおいてはこの空売り規制に対して批判をしているということなんですが、これに対して柳澤大臣、どのように思われますか。
#123
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは何と申しますか、実は私、昨日、ハバード委員長とも御面会したんですけれども、時間が少々短くて、ハバードさんからそういう問題提起を受ける時間がございませんでした。
 私としては、もし受けたらそのときに御説明しておかぬといかぬなと思ったんですけれども、基本的にアメリカと同じような規制内容にしたということでございますので、何かとがめ立てをされるようなことはないということで、正しい理解をお願いしたかったなと、このように考えております。
#124
○平野達男君 株価が上がったということなんですけれども、どうも今の日本の状況を見ると、まだまだファンダメンタルズがしっかりしていないというか、景気動向は若干上向き加減なんですが、そんなにぼんと株価が上がるような状況にはないというふうに言う方が正確な見方に近いんじゃないかと思います。
 とすれば、一回ここまで上がりますと、何かが上がりますとまた株が下落する、下落局面に入りますとまた空売り規制が入ってきやすいという状況になってくると思うんですが、当然、空売りの規制、空売りについては不当な空売りといい空売りがあるんですが、その監視の強化というのを相当しっかりやっていかにゃいかぬというふうに思います。
 最近、最近というか、この間担当者に聞いたら、いや、もう人が足りなくて大変だとか何かいろいろ言っていましたけれども、もし不当な空売りでもって株価の、起こる必要のない株価の下落が防止できるということであれば、コストベネフィットから考えたら、しっかり監視するというのは決して割に合わないことではないというような感じがしますので、その辺の体制の整備ということについてはしっかりやった方がいいと思いますが、これについて、もし御所見があれば。
#125
○国務大臣(柳澤伯夫君) 正直言って、今の日本の株の空売り規制あるいは信用取引規制といったものに対する遵法水準というのは正直言って高くありませんでした。これは検査の結果分かったわけでございます。
 そういうようなことから、再びこうしたことが繰り返されることのないようにしっかり見ていかないといけないと、このように考えております。
#126
○平野達男君 それと、先ほど山本委員の言われたことと関連しますけれども、私も株をやったことないんですが、これだけ空売りとか品貸料とか、あと何か空売り側の空売り規制はどういうふうにしてやるんですかというのを聞いたら、板寄せ方式とかざらば方式とかいろんな難しい言葉が出てきたんですが、本当に難しいというか、もう要するに何か訳の分からない世界だという感じを私自身持ちまして、本当に一般投資家が株に入るということに対して、いろんな株に関するこんな記事が出ますと非常なブレーキになっているという感じを私持ちました。ここはもうちょっとしっかりとした宣伝をしなきゃならないというのは、もう山本委員と私も同じような意見です。
 それでもう一つ、株に対してちょっとこれはおかしいんじゃないかなということをちょっと質問したいと思いますけれども、今、個人の人が投資するときには、証券会社に行って株を買うという方法と、あるいは信託銀行に行く方法、あるいはファンドで証券を買ってそれで運用してもらうという方法があると思うんですけれども、最近どうもファンドが低迷しているというような話を聞きましたけれども、これは事実でしょうか。
#127
○副大臣(村田吉隆君) 証券投資信託でございますけれども、大きく分けて株式投資信託と公社債投信があるわけでございますが、株式投資信託について申し上げますと、純資産総額ベースで見まして、平成十三年三月末に約十八兆円ございまして、そして直近の平成十四年二月末では約二十兆円になっております。この間の設定と解約の差額が約四・八兆円ありますことを見れば、株価の低迷などからいたしまして約二・八兆円の運用減と、こういうふうになっているわけでございます。
#128
○平野達男君 運用減ということですね。
 ちょっと私が質問したいのは、証券会社と投資信託委託会社の関係です。
 証券会社は、御承知のように、とにかく株の売買の仲介をやってその手数料を取る。それから、投資信託委託会社は、今のお話にあった投資信託受益証券といいましたっけ、投資信託受益証券を売ってそれでファンドを形成して、株とか社債を買ってそれを運用して、そこで利益が出れば投資家に配当を返しましょうというような、そういった会社だと思います。
 証券会社は基本的には、もう本当に株式の取引が多ければ多いほど手数料がたくさん入りますから、それで収益が上がるということだと思うんですが、投資信託委託会社と証券会社が例えば資本提携している、資本提携というのはこれは独占禁止法で何か禁止されているという話もあるらしいんですが、資本で非常に密接な関係がある、あるいは人的交流をしているというような実態があるというふうに聞いています。
 そうしますと、投資信託委託会社というのは何々証券の下の関連の何かアセットファンド何だか何だかと言うらしいんですけれども、そういう会社らしいんですが、いろいろあるらしいんですが、そこは基本的にはもう投資家の利益中心で見るべきところが、証券会社と信託会社、信託、要するに投資信託委託会社と関係を結ぶことによって、証券会社はとにかく何でもとにかく株の数をこなせばいいという関係ですから、投資信託委託会社の方が証券会社と結託することによって、投資家ではなくて、企業対企業との関係で株を運用するんじゃないかというような見方があって、これが一部の投資家にとっては非常な不信感になっているというような指摘がございますけれども、これは事実でしょうか。
#129
○国務大臣(柳澤伯夫君) 投信会社、今委員がおっしゃられた投資信託委託会社には証券会社と縁のあるものと独立のものとがあるわけでございます。
 縁のあるもの、いろんな形で縁の、資本関係とか人的交流であるんじゃないかというお話ですが、そうした縁のあるものといえども受益者の方を向いて仕事をしなければならないのは当然でございまして、これは投資信託法そのものに、まず受益者に対する忠実義務というようなものがうたわれておりますほかに、受益者を害する不正な行為を行うことを禁止するという規定がございます。
 したがって、このような法令に違反するケースがあれば厳正に処分をするということになっておりまして、この関係はそうした形で担保されております。現実に処分をされた例もあると、こういうことでございます。
#130
○平野達男君 そういうことはやってはいけないということなので法律で禁止をしている、それはそのとおりだと思います。そうすると、法律で禁止しているかどうかというのは、それは金融庁がチェックするわけですね。法律に反しているかどうかというのは、当然それは金融庁がチェックをするということなんですが、そのチェック自体が本当に万全かどうかというのはよく分からないということが問題だと思うんです。
 私がちょっとあるところからもらった資料によりますと、平成十一年末のいわゆる株式投信の証券会社と銀行等の全体の取引量のシェアを見ますと、平成十一年末だと証券会社八八・五%、銀行等六・四%、平成十三年十一月ですと、証券会社六五・八%、銀行等が三〇・五%なんです。これはこれで、要するに証券会社は信用できないからこっちに移ったということでいいかもしれませんけれども、柳澤大臣が常々言われるところの市場の厚みだとか株式の活性化だということからすると、どうも証券会社に対する不信感というのがやっぱりあるんじゃないかと。
 そのセットとして、私もこの仕組みはよく分からなかったんですが、いろいろ話聞いてみると、どうも証券会社の中には、先ほど言った何々証券となると、その関係の中にアセットマネジメント何とかというのが必ずくっ付いているというような、どちらかというとちょっと分かりにくい構図があると。
 そのチェック自体の仕方にどうも限界があるという感じがするんですが、チェックというか、金融庁がそれを全部検査をするというのは、片方で金融検査もしなくちゃならない。不良債権の処理、不良債権の処理は金融庁の仕事じゃないですね。そういったこともしなくちゃならないですね。ちょっと限界があるように思うんですが、どうでしょうか。
#131
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、我々の検査業務のマンパワーをどういう方向、方面に振り分けていくかということでございますけれども、新しい金融監督庁及びその後を継いだ金融庁においては、いわゆる金融機関、それから証券会社、今の投資信託委託会社はこの証券会社の範疇に入るわけですけれども、それと保険会社、こういうようなものについて検査をして、それは健全性の観点から、あるいはコンプライアンス、先ほど言った法令違反等についての検査、両方が行われているということでございます。
 この検査については、我々お願いして関係方面の御理解を得て、徐々にですけれども増員を図らせていただいておる、そして検査が充実するような方向での努力をさせていただいておると、こういう状況でございます。
#132
○平野達男君 ちょっと通告申し上げていませんでしたけれども、ちなみにそういった摘発というか、それは年間どれぐらいあるんでしょうか。それは持っていませんか、ありませんか。
#133
○国務大臣(柳澤伯夫君) 投信絡みでの話ということになると、九年五月と十二年七月に、これ業務停止以上の処分でございますけれども、二件ということでございます。
#134
○平野達男君 二件というと、数が多いのか低いのかというのは、多いのか少ないのかというのは判断に迷いますが、決して数は多くないということのようにも思います。
 先ほどの空売りの話にも絡めまして、そういった何か不当な行為が行われている。特に今回の場合の証券会社と投資信託委託会社の関係が非常に密接な関係があるということ、こういったことが温床になって何か株式市場が必ずしも不透明、透明でないというような印象があるとすれば、例えば証券会社と投資信託委託会社との資本提携を一切禁止する、人的交流は一切なしというような、そういった強い規制を、そういう行為は駄目よという規制をするんじゃなくて、根本からのその規制を掛けて、証券会社は証券会社で純粋に株の取引による仲介だけをやる、投資信託委託会社は証券会社とは基本的には分離されている、独立した会社であると。あくまでも投資家との関係で信頼関係が成立する、証券会社との関係はないというようなきちっとしたやっぱり体制作った方がずっといいと思うんですが、どうしてこれをやらないんでしょうか。
#135
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと委員の御質問の方向と違うわけでございますけれども、逆に投資信託委託会社の方に証券業務の兼業を認めるというような規制緩和を最近しているというようなことで、規制緩和の方ではむしろ、いろんなサービスを、つまり投信をやってもいいし、また通常の証券業もやってもいいというような方向での規制緩和がむしろ何というか勧奨されていると、こういう状況であります。
#136
○平野達男君 そこの話は今ちょっと初めて聞きましたけれども、しかしやっぱり、株の売買して手数料をもうける、仲介料をもうける、それから、きちっと株を買って市場を見ながらどれだけキャピタルゲインを取って投資家にお金を返すか、これはやっぱり相反する仕事だと思いますね。それを一緒に兼業するということが本当にいいのかどうか、今、私初めて聞きましたので後でよく勉強してみますけれども。
 いずれにせよ、そうやって相反するやつを一つのところに一緒にやっておく、あるいは本来は別々の会社が相密接な関係を持って仕事をしている、これはやっぱり私はおかしいと思います。これはもう私も引き続きちょっと勉強しまして、引き続きの課題にしたいと思います。
 不良債権の話をちょっとお聞きしたかったんですが、時間になりましたので次に譲りたいと思います。
#137
○大渕絹子君 塩川大臣にもう少し、昨日質問し残したところをちょっと質問させてください。
 新自由主義改革、いわゆる小泉構造改革というのは、今の現代の言葉で言うと新自由主義改革と名付けてもよいだろうという論文を読ませていただきましたけれども、とにかく生産効率を高めて市場原理を追求をしていく。そして、強い者はもちろん強くなっていい、成功者には成功者のそれなりのきちっと見返りがある、いわゆる努力をした者が報われる社会という言葉で言っていますけれども、そういう社会を具体的に作っていこうという流れがようやくはっきり見えてきましたけれども、この小泉さんが進めようとしている構造改革を進めていくと、生活格差というのはもっともっと広がってくるのではないかという懸念が私には大変強くございます。
 そして、もちろん貧富の格差が広がれば広がるほど社会不安が充満をしてくるというのは、これはもうアメリカ社会などを見ておればはっきり分かるわけでございまして、アメリカは自由主義を進めて市場原理一辺倒でやってきたがために、もう一般家庭では銃も持たなければ自分の身も守れないような状況に陥っているということで、極めて高い貧富の差が構築してきているわけですけれども、こういう社会を求めて小泉政権は更に突き進めようとしているのかということが一点目。
 それから、競争による生産性の拡大というのはもはや限界に来ていると思うんですよ。私たち一般家庭でも欲しいものは余り見当たらないわけで、新しい製品が生まれればまたそれは別ですけれども、もう商品もあふれている。うちの中にもあふれている。それらの商品が耐用年数が来てようやく買い換えるという、この循環型の社会に入っているにもかかわらず、更に生産性を拡大をする政策を構造改革で取り続けることは非常に、これからは欧米諸国のように個人個人の家庭生活、自らの個性で生活を楽しむという社会に入ってきているにもかかわらず、それと逆行するような形で構造改革が進められることに非常に私は危惧するんですけれども、大臣はどういうふうにお考えでございますか。
#138
○国務大臣(塩川正十郎君) えらい哲学論争で。
 私たちは、小泉総理もそうだと思いますけれども、アメリカ式の自由主義という、新自由主義とかあるいはグローバリゼーションなんて、そんなことは全然考えておりません。ただ、グローバリゼーションに迎合していかなきゃならぬということは、国際競争に勝たなければ存立できないではないかという意味においてグローバリゼーションに適応した、適応したということであって、グローバリゼーションを目標にはしておらないということ、そこらはひとつ御理解していただきたいと。
 もちろん、おっしゃるようにグローバリゼーションを徹底化していき、そして競争社会の自由主義というものを前提にしてこれを推進、極端に推進していきますと、弱者と強者、そして貧者と富者というような対立が出てくるのはこれは当然でございますから、そういうことは望ましいことではない。もし、よしんばそういう状況がある程度自由主義社会においては出てくることはやむを得ないと思います、これは、競争の原理が働くものですから。もしそういう社会ができたとしても、その格差を是正していく努力というものが、これが政治の役割だろうと思うておりますから、それは決してそう思うておりません。
#139
○大渕絹子君 そこはありがとうございました。その御答弁をいただきたかったというふうに思います。
 認識をそういう、政治は何を何のためにやるのかというその原点に立ち返ってやっぱり政治をしていただく必要があると思うのですけれども、しかし今の政府がやろうとしていることは、現実的にはどうですか。大企業がもう大リストラ時代に入って、中小企業は連られて倒産をするというような状況で、失業者がもうあふれてくるという状況ですが、この失業者対策を十分にやるのが政治の私は役割だというふうに思っています。もちろん、こういう不況の時代で、民間にその失業者を大幅に抱え込めといってもこれはなかなか無理なことでございますから、この大切な労働力をどう使っていくかということが政治に最も求められることだと思います。民間でそれが吸収することができないならば、やっぱり公的なところに雇用の需要をしっかりと作って失業者を抱え込んで、そして国民の生活をきちっと確保するということが必要だというふうに思うんですね。
 例えば、今まで、高度成長していくために、やむなく偏った公共事業にお金を、予算をつぎ込まざるを得なかったわけですけれども、今度は、生活の質を高めるという観点からすれば、まだやり残されている下水道の完備も必要でしょう。あるいはダイオキシンや環境ホルモンなどの対策も叫ばれていますけれども、わずかな予算の中で全然進まない状況にございますけれども、こうした対策を更にやるというようなこととか、あるいは今水が大変汚染をされておりますけれども、人間の健康にとって欠くことのできない水政策にもう少し大胆に予算を使っていくというようなことが当然あってもいいと思うのですけれども、さっきの大臣のお答えでしたらば当然そちらに向かうということになるわけですが、いかがでございますか。
#140
○国務大臣(塩川正十郎君) この予算問題をこの委員会で御審議いただく過程でも私はしばしば申しておりますが、五兆円削減して二兆円の重点配分と。その新しい重点配分をしました先の一つの大きい目標に使っておりますのは循環型社会の形成にあるわけでございまして、その意味におきまして、廃棄物処理、今回は廃棄物処理に対しまして相当な予算を配分しております。確かに対前年度一七%ほど増やしたと思っておりますが、そういう措置をしております。
 それから、水資源の問題でありますけれども、これに対しまして森林涵養という面で、見えない分野に随分と配分しております。この森林対策、いわゆる緑を守る予算というのは細かく分かれて、多方面に分かれておりますのでなかなか分かりにくいと思うんですが、地方行政の中にもこの資金が行っておるという、それほど細かくやっておりますので、私たちの将来の子孫に美田を残すという意味で一生懸命やっております。
 それから、雇用対策の問題でございましたけれども、若年者が今非常に多いんです、失業者。これは事実です。そこで、今労働省等で、私も所管外ですけれども、やっておりますのは、まず、大学卒業した人で未就職の人で、就職を希望しておるにもかかわらず就職ができないという人の登録をしっかりとさそうと。そして、その登録ができましたら、その人たちに対して、何をやりたいのかと意識調査をして、そこに専門教育、再教育をやっていこうと。そして、三番目の段階として、その人たちに個別就職指導をしようと、そういうふうな配慮をしておりまして、そういうふうな予算もある程度、若干でございますけれども、計上しておるということです。
 ですから、第一次、第二次の、十三年度第一次、第二次の補正予算でセーフティーネット関係の資金というものはかなりそちらの方に使っておる、こういうことであります。
#141
○大渕絹子君 政府は温暖化対策に新しい大綱を作ったというのを新聞発表されておりますけれども、私は、最も今の時期、大切な政策だろうというふうに思っております。南極の巨大な棚氷というんですか、厚い、厚さ何百メーターもある氷が解けてしまうという状況が起こっています。こういう状況は地球環境にとって本当に深刻な事態。今、桜が咲いているというのを、この時期に、お彼岸の時期に東京で桜が咲くということも温暖化の現象かなとも思っていて心配しているんですけれども、この温暖化対策に、これ、財源がなかなかなくてというようなことが書かれていますけれども、道路特定財源を使うというような本当に大胆な踏み込みをする時期に来ているのではないかと思います。
 道路特定財源は、今回の予算でも一般財源化をするということの中で一部一般財源化をされていますけれども、もっと大胆に、自動車の導入、あるいは工場で石油を燃やす、あるいは火力発電所で石油を燃やすというような形で、石油を燃やすことによって温暖化が加速をされていることはもう皆さん承知をしているわけですから、この道路特定財源と言われていた税財源を地球温暖化対策にもう大幅に振り分けていくという、そういう時代が来ていると思いますけれども、いかがでしょうか。
#142
○副大臣(尾辻秀久君) 特定財源の見直しについての御質問でございます。
 総理も再三お答えしておるわけでございますけれども、お話しの道路特定財源を含めまして、特定財源及びその税制の見直しにつきましては、基本的な在り方につきまして、これはもう何回もこの場で申し上げておりますけれども、今、経済財政諮問会議や政府税調の場において幅広く検討を進めておるところでございまして、平成十五年度予算に反映させていきたいと考えております。
 今検討しておりますので、そして広く言いますと、今お話しのような環境税というようなこともこの中で検討されると考えております。
#143
○大渕絹子君 柳澤大臣に今度伺わさせていただきます。
 政府は、デフレスパイラルの様相を呈してきている今の状況をとらえて、デフレ対策を発表いたしました。私は大変遅きに失しているんではないかなというふうに思うわけですけれども、我が国政府がデフレの状況にあるということを公式に認めたのは平成十三年の二月なんですね。私は、その以前からも、当委員会でもデフレではないかということをずっと言われ続けてきておりますけれども、このデフレ対策が大変後手後手に陥ってしまったのは、このデフレの状況にある認識が非常に遅れてしまったからではないかと、こう言われているんですけれども、柳澤大臣はこの点はどう考えていますでしょうか。
#144
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は度々申し上げますように、何というか、小さな小さなところを担当しているわけで、そういうマクロの経済の問題は論じるというような立場にないんじゃないかと日ごろ思っているんですけれども、確かに、何の政策でもそうですけれども、私も、要するに、ある経済政策やるときに、まず認識ラグというものを短くしなきゃいけないと。事態が起こっているのを認識する、その事態が起こっていることを認識をしたということのタイムラグを短くしなきゃいけない。それからまた、それに対してどういう対策を打つかということの検討と成案を得る、この時間を短くしなきゃいけない。さらに、これがなかなか難しいんですけれども、その政策を打った場合に、その効果が現れる時期もできるだけ短いような、そういう即効性のある対策の方が望ましいかもしれないと。三段階のタイムラグがどの経済政策にもあるわけでございまして、そういう意味合いでは、常に経済政策を実施に移す場合にはこのことに配慮をしなきゃいけないということをずっと心掛けているわけでございます。
 この場合、私、デフレの問題についてあえて言えば、認識ラグは、まあまあ、実際に消費者物価、CPIが下がってきてからほぼ一年でこれはデフレではないかという認識に至ったということで、これを長い、遅れたと見るべきか、短いと見るべきか、割にラグは少なかったと見るべきか、これなかなか難しいところですけれども、デフレというのが連続的、継続的にCPIが下がってくることということを考えると、まあ許される範囲かなと、こういうように思っています。
 私は、ここを言っちゃいけないのかもしれないんですけれども、むしろ対策を考えるラグがいまだに続いているんじゃないかということを考えるわけでありまして、これは専門家に言っても非常に難しい、この局面に有効な手を考えるのは難しいということを言われるわけでございますので、専門家でもない私が横合いからそんなことを言っちゃいけませんが、まあそこのところに悩みがあると、こういうふうに考えておるんです。
#145
○大渕絹子君 そうなんですよね。柳澤大臣がおっしゃるように、政府の政策が一貫していないから非常にぐらぐらぐらぐらするわけなんですよね。
 小泉さんは、構造改革を進めることがデフレ克服の近道であると、改革なくして成長なしとか言っていますけれども、しかし、その改革を進めれば進めるほど、さっき言ったようにデフレ状況がもう歯車が大きく回っていってしまって、止めどもなく企業倒産が起こり失業者があふれてくるという状況が起こってくるわけですから、ここは、余り言ったことにこだわらないで、旗を下ろすならいったん下ろして、景気対策をしっかりやってデフレ状況から脱出をさせてからまた構造改革を進めればいいのではないかというような話もありますけれども、しかしここが一貫していないわけですよね。
 二兎を追うのか追わないのかという話もしょっちゅう予算委員会などで出ておりますけれども、この方針がしっかりしないために、デフレ対策もまあまやかしの状況。そして三十兆円枠は守らなければならないわけですから、新しい財政出動をして景気対策もできないという、これ、手足縛られていてデフレ対策をやれと言われているところは極めて厳しい状況にあるんじゃないかなというふうに思いますけれども。
 今回出されたデフレ対策の中でも、不良債権の早期処理とかあるいは金融システムの安定化などということが一番目、二番目にこううたわれておりまして、この件につきましては柳澤金融担当大臣も所信の中で明快にきちっと対処をするということを述べていただいておりますので今日はあえて聞きませんけれども、さっき同僚委員からも空売りの防止についてどうするのかというような話が出ていましたけれども、空売り額を毎月公表するというようなことを東京証券取引所が発表してくれたというふうになっていますけれども、その空売り規制が今の株価の上昇に多少なりとも役立っているのかどうかという点が一点と、それからもう一点は、銀行等保有株式取得機構の前倒し活用ということが実施をされましたけれども、その実績についてどうなっているのかお聞かせをいただきたいと思います。
#146
○国務大臣(柳澤伯夫君) この空売りについての御質問、あと後半は副大臣がなさってくれるということで分担させていただいております。
 ただ、立ち上がったから答えがあるかというと、答えがないので立ち上がったようなことでして、私どもは、要するに、株価の動向の分析あるいは要因といったようなものについては市場の声を御披露することはできますけれども、どれがどういうふうな効果を持った、ウエートを持ったかということについて政府当局がこれにコメントを加えるということは、本当に恐縮ですけれども差し控えさせていただいております。
#147
○副大臣(村田吉隆君) 続きまして、株式買取り機構の買取り状況についてお答えいたしたいと思いますが、結論から申し上げますと、誠に申し訳ないのでございますが、現時点での実績という数字は、市場に対しての影響もございますし、公表を差し控えさせていただきたいというふうに思います。
 ただし、法案御審議の過程でも申し上げましたように、法律に従いまして機構の財務諸表は公表、いずれ公表されるということになっておりますので、三月末時点での数字はそのときに発表されることになろうかと思います。
#148
○大渕絹子君 詳細は言えないにいたしましても、金融庁は違反取引の監視を強めて、昨年十二月以降、証券会社四社に一部業務停止命令、あるいは三社に業務改善命令を出したと、こう報道されているわけで、実際にはもう実施をしているわけですよね。そのことが株価維持に良い影響があることぐらいは答えた方がよろしかったんじゃないかと私は思いますけれども。
 終わります。
#149
○委員長(山下八洲夫君) 以上をもちまして、委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#150
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#151
○委員長(山下八洲夫君) 次に、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#152
○円より子君 民主党・新緑風会の円でございます。
 まず、塩の輸入自由化に伴う関税化につきましてお聞きしたいと思います。
 塩の専売制は平成八年度に廃止され、その際、激変緩和の趣旨で精製塩につきましては財団法人である塩事業センターを通して一元輸入されてまいりました。今回、その措置が終了するので関税措置を設けるということなんですけれども、基本税率の設定のほかに、国内製塩業界に構造改革努力を促すとの観点から、関税率を最初に高く設定して段階的に徐々に引き下げるという三年間の暫定措置が設けられております。
 御存じのように、私どもにとってもう本当に塩は生活必需品でございます。また、輸入品であっても安価に購入できることが消費者たる国民の利益になると思いますが、輸入品の方が安くなって国内の塩が高くなるという反対のことも大いにあり得るんですが、最近、私もそうなんですけれども、女性たちはスーパー等で塩を買うときに、本当に様々なおいしい塩が出ておりますので、随分塩も選択肢が増えていろんなおいしい塩を選ぶようになってきております。
 こういうときに、国内での塩の生産が今後どうなるのか、国内業界の将来性がどうなのかということももちろん大変重要になってくると思うんですけれども、その原則自由という市場構造の転換は大変大事なことだと思いますけれども、今申し上げましたような国内業界の競争力の確保はどうなのか。また、五年間、今まで経過措置があったわけですが、その間に構造改革が進まなかったのか、もし進まなかったのならその原因は何なのか。今回、関税による対応のほか、また新たな助成措置が必要になってくるのかどうか。こういったことを、今後の国内業界の将来も含めながら、御意見を聞かせていただければと思います。
#153
○副大臣(尾辻秀久君) 塩の国際競争力の確保の問題に関してでございますが、今お触れになりましたけれども、平成九年四月の専売制度改革時には、輸入天日原塩を国内で粉砕加工する場合との価格差に問題がございました。これは本年三月三十一日までの経過措置期間に解消いたしたと考えております。しかし、新たに輸入精製塩との競争力格差の問題が生じましたので、生産体制整備を含む構造改革を更に進めることが必要となったところでございます。
 そこで、製塩業者は生産体制の再編を含む構造改革に平成十七年三月末をめどとして取り組むこととしておりまして、これに対し助成する措置を講じることといたしております。
 なお、塩の輸入自由化に伴う関税措置につきましては、製塩業界の構造改革に合わせ、三年間の暫定税率の措置を講ずることといたしております。すなわち、今申し上げましたように、構造改革と、それから助成措置と、それから暫定税率と、いわばこの三点セットで国際力の確保をいたしたい、このように考えております。
#154
○円より子君 ありがとうございました。
 では次に、昨年十二月十一日に中国のWTO加盟が発効したことから、対中国特別セーフガードについてお聞きしたいと思います。
 今回の改正案で設けられる中国に対する特別セーフガードは、一般セーフガードに比べまして発動要件が緩くなっていると理解してよろしいのか、また、発動に向けたガイドラインは作成しているのでしょうか。
#155
○副大臣(尾辻秀久君) この一般のセーフガードと対中国経過的セーフガードの発動する要件の違いは幾つかございますが、そのうちの一つに、一般セーフガードでは国内産業に重大な損害があることを要件としておりますし、対中国経過的セーフガードでは国内産業に市場の攪乱があることを要件とする、こういうふうに書いておりますので、今御指摘いただきましたのは、この重大な損害という言葉と市場の攪乱という言葉、この違いをどう解釈するんだ、こういうことだろうと思います。
 これにつきましては、言葉は違っておりますけれども、ではどちらが容易に発動できるかということになりますと、一概に申し上げることができません、こういうお答えになります。
 それから、発動のガイドラインについてでございますが、これは、発動する場合はケース・バイ・ケースで判断せざるを得ないことでありますけれども、一方、制度運用の指針が分かりにくいという御指摘、これはもちろんございますので、今申し上げたこの市場の攪乱という言葉、これをどのような指標で判断するかといったことについては、現在関係各省、すなわち経済産業省、農林水産省とでございますが、検討いたしておるところでございます。
#156
○円より子君 それでは、昨年、ネギ、生シイタケ、畳表の三品目に対して一般セーフガードに基づいて中国に対する暫定的な関税率の引上げを行われましたが、それに対して自動車、エアコン、携帯電話について中国から報復措置がございました。
 今回のこの特別セーフガードが、また仮に日本がこれを発動した場合、先ほどの重大な損害と市場の攪乱と一概にどう解釈するのか言えないとおっしゃっていますが、そうしたことがあったとき、中国から報復措置が取られる可能性があり、また、それに対してどういう対応をする予定、予定というか可能性があるのか、またその対応はどうなさるのか、その辺の御見解をお聞かせください。
#157
○副大臣(尾辻秀久君) 中国は、御案内のとおりに既にWTOに加入いたしておりますので、このWTOの加入議定書においてどういう定めになっているかということでございますが、この中国の対抗措置につきましては、輸入の相対的増加の場合、輸入国側の措置発動後二年間、それから輸入の絶対的増加の場合、輸入国側の措置発動後三年間、これは措置を取ることが、報復措置を取ることができないという定めになっておりますので、そのようになります。
 したがいまして、我が国が仮に措置を発動した場合に、中国側が我が国の措置を問題とするのであれば、必要に応じWTO加盟国としてWTOルールに沿った紛争処理手続に移行する、こういうことになります。
#158
○円より子君 ありがとうございます。
 それではここで、あとの時間を税関についてお伺いしたいと思っております。
 と申しますのは、皆様も御存じのとおり、我が国と外国との接点にある全国各地の海、空の港において輸出入貨物の通関・課税及び出入国旅客等の旅具通関、旅具、旅の具、道具と書きますが、旅具通関並びにけん銃、覚せい剤、大麻等の社会悪物品の密輸取締りなどを行い、円滑な物流の確保、適正な課税などを通じて貿易秩序の維持と経済の発展に税関の職員は貢献なさっている、そういう役割を持っていらっしゃるんですが、昨年の九月十一日にテロが起きて以来、ますますその税関の業務というのは大変になってきているのではないかと思います。
 ところで、私は昨年の臨時国会以後この財政金融委員会に所属させていただいておりまして、それまでは全く別の委員会だったものですから、この法案に対して平成十三年までで十九年も連続二十一回にわたって同じ附帯決議が出ているということを知りませんでした。国会での附帯決議というのは何の役にも立たないのかしらという思いがしてしまって、今回、野党の筆頭理事として、また附帯決議を作る立場にある者として、十九年連続二十一回も同じ附帯決議が付いているのか、これはちょっと大変なことではないかという思いから、税関についてお聞きしたいと思っているんですが。
 その中の、附帯決議にありますのが、税関職員の定員確保はもとより、その処遇改善等に特段の努力を払うこととの附帯決議が全会一致で十九年連続二十一回可決されてきたのですが、政府の配慮は、なかなかその特段の努力が十分にいまだ払われていないのではないかという、やっぱりそうですよね、本当、政府だけではなくて国会も、何のために毎回毎回附帯決議出しているのかしらという気がしないではないんですが。
 そこで、まず税関の業務量というものの推移についてお伺いしたいと思っております。
#159
○政府参考人(田村義雄君) お答え申し上げます。
 税関の業務量の推移ということでございますので、この十年間を取らしていただきますけれども、まず空港の入国者数にありましては約一・六倍になっておりまして、輸入申告件数、直接当たるものでございますが、これが約二・四倍と増大をしております。かつ、御承知のように、その業務内容自体も複雑困難化している中で、税関におきましては今お触れになりました覚せい剤、麻薬、銃砲等社会悪物品、あるいは他法令規制物品の水際取締りの強化に努めているという状況でございまして、輸入申告件数を代表といたしますと二・四倍というふうにお答え申し上げたいと思います。
#160
○円より子君 ちょっとごめんなさい。今、聞き取れなかったんです。いつからいつの二・四倍なんでしょうか。
#161
○政府参考人(田村義雄君) 平成二年から平成十二年という数字を取っております。
#162
○円より子君 ありがとうございました。
 十年間で二・四倍にということですか。
 私の持っているものでちょっと言わせていただきますと、税関の主要業務の一つに輸出入通関の許可件数というのがあるかと思うんですが、これが平成八年は千七百八十四万件でした。去年、平成十三年が二千三百二十五万件で三〇・三%増になっております。後で間違っていたら教えてください。
 それから、国境を越えて人や物を運ぶ船舶や航空機の入港隻・機数、これも五年前に比べますと、船舶で六・五%の増、また、外国貿易機、つまり航空機で一〇・五%の増となっております。
 それに比べますと、この五年間、もちろん公務員の人員がずっと削減されていることを十分に存じておりますが、その中で、税関は大変だというので、削減されてもまた増員もあるという形なんですが、五年前、これちょっと、平成九年八千二百七十五人、全員でですね、から平成十四年、五年間で四十名の増加、これは〇・四八%なんですね。いかにも、一%もないわけですから、〇・四八%の伸びと先ほどの私の申し上げました仕事量の多さ、それから今お答えいただいた十年間の二・四倍ということを比べましても、これで十分な人員確保ができていて税関の仕事が大丈夫なのかという気がするんですが、いかがですか。
#163
○政府参考人(田村義雄君) 今、先生のおっしゃった数字のとおりでございますが、今十年を取りましたので、定員についても御参考に十年の数字を申し上げますと、平成二年が七千八百七十五名が、平成十二年で八千二百四十名ということですから、これも四・四%しか伸びていないということでございます。業務量については先ほど申し上げたとおりでございますから、確かに定員、非常に厳しい状況であることは事実でございます。
 そういう状況の中で、例えばコンテナ貨物の大型エックス線の検査装置を導入するとか、そういった事務の機械化を進める、あるいは重点化を進めていきまして、業務運営の効率化に努めるというようなことも併せてやっておりまして、厳しい行財政事情の下ではございますけれども、何とか必要な定員の確保に努力をしているところでございます。
#164
○円より子君 ありがとうございます。
 それでは、少し、警察庁とそれから海上保安庁の方にも来ていただいておりますので、これとの関連で税関についてお聞きしたいと思っておりますが、最近のまず密輸入傾向について、まず税関でお分かりでしたら、特に不正薬物ですね、覚せい剤ですとか大麻ですとか、それと銃器について増えているのかどうか、どの程度のキログラム数があれなのか、教えてください。
#165
○政府参考人(田村義雄君) もう先生御承知のように、現在、我が国の治安情勢、第三次覚せい剤乱用期と言われるように、薬物乱用問題が非常に深刻化しておりますし、また御指摘の銃器を使用した犯罪も多発傾向にあるなど、依然として厳しい状況にあるわけでございますが、こうした中で、税関におきましては、覚せい剤、大麻等の不正薬物及び銃器、いわゆる社会悪物品の密輸入阻止、これを最重要課題の一つとして位置付けておりまして、その積極的な取締りを実施しているところでございますが、昨年の数値をちょっと申し上げますと、昨年の税関におきます覚せい剤等の不正薬物の密輸押収量は約一トンでございまして、ここ三年連続して一トンを超える大量押収が続いているところでございます。特に大麻につきましては、これまで年間押収量が過去最高でありました平成十一年、これ約〇・七トンでございますが、これを上回って〇・八トン、史上最高値となっております。また、銃砲の密輸押収量は二十一丁ということでございまして、そのほか、けん銃部品十二点も押収しております。
 私からは以上でございます。
#166
○円より子君 私、覚せい剤って、ここに実はあるんです、なんて言ったら皆さんびっくりなさると思いますが、これはお砂糖を入れてあるんですけれども、ちっちゃいんですが、これで〇・三グラムなんだそうです。後でちょっとお回しいたします。
 それで、今おっしゃったここ数年一千トンで推移しているというような不正薬物の、その一回の、使ったことがありませんので分かりませんが、お聞きしましたら、一回の平均使用量というのが、覚せい剤って今は注射じゃなくて何かいぶり出してそのあれを吸ってというような形にするので注射の跡が残らないんだそうですけれども、一回の平均使用量は〇・〇三グラムなんだそうです。これ、ここにあるのが〇・三グラム。たったこれだけで十回分なんです。そうすると、千トンというのは物すごい量になります。(「一トン」と呼ぶ者あり)一トン、一トン。一トンって千キロですね。大変な量になるかと思うんですが、こういったものを税関でしっかり取り締まることは必要だと思うんですが、全部きちんと一〇〇%取り締まれるものなのか。今取り締まっていらっしゃるものは大体、これは推定しかできないんですが、どのくらいのパーセンテージぐらい、今までの、勘で結構なんですが、取り締まっていらっしゃいますでしょうか、押収していらっしゃるんでしょうか。
#167
○政府参考人(田村義雄君) 全体でどのぐらい入っているかということはこれは実は分かりませんけれども、私どもの押収量、ここ最近三年間ずっと一トンを超えていると申し上げました。水際の押収量が全体の摘発量の大体七割、年によっては八割を大体水際で押さえております。
 そういう意味では、かなりしっかりと把握しているつもりではございますけれども、まだ末端価格等なんかの状況を見てもまだまだ入っていることは事実でございますので、これからもしっかりと見てまいりたいと思っております。
#168
○円より子君 それでは、警察庁にお聞きしたいと思いますけれども、警察でも、税関と協力をいたしまして、随分この不正薬物や銃器についての密輸についての取締りをしていらっしゃると思いますが、ここ数年の摘発件数といいますか、そういったもの、犯罪件数について分かりましたらお願いいたします。
#169
○政府参考人(中川雅量君) それでは、最近の薬物と銃器情勢、犯罪情勢について御説明をしたいと思います。
 最初に、最近の薬物犯罪情勢ということでありますけれども、我が国で乱用されている薬物の大部分は覚せい剤ということであり、薬物犯罪組織による覚せい剤の大量密輸入、それから無差別販売などによりまして、中高校生や一般市民にまで覚せい剤乱用のすそ野が拡大し、平成七年以降、戦後第三回目の覚せい剤乱用期という深刻な事態を迎えております。
 覚せい剤事犯の検挙人員が平成九年には二万人に迫り、その後も高水準で推移していることに加え、平成十一年には史上最高の二トンと、それから十二年には約一トンという大量の覚せい剤が押収されたほか、平成十三年には、MDMAと呼ばれる錠剤型の合成麻薬や乾燥大麻の押収量が過去最高を記録するなど、現下の薬物情勢というのは大変、極めて厳しいものと認識しているところでございます。
 次に、銃器犯罪情勢でありますけれども、銃器発砲件数が平成八年以降増加傾向にあり、特に昨年は暴力団の対立抗争によると見られる発砲事件の増加によって、前年に比べて約六二・二%増加した上、死傷者数は平成六年以降で最多の発生となっておるというところでございます。
 一方、発砲に至らない事案も含めたけん銃、けん銃様のものも含みますけれども、このけん銃使用脅迫事件の発生というのはここ数年増加傾向にありまして、中でもけん銃使用の強盗事件は平成七年と比べ倍増しているというところであり、このように、銃器犯罪も依然として平穏な市民生活に対する直接の脅威となっていると認識しているところでございます。
 こうした厳しい状況を踏まえまして、警察といたしましては、薬物、銃器問題を治安の根幹にかかわる最重要課題の一つとしてとらえて、税関あるいは海上保安庁等国内関係機関や外国取締り機関と緊密に連携しながら、密輸・密売事案の検挙等を一層強力に推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#170
○円より子君 それでは、海上保安庁にも同じことを伺いたいと思います。
#171
○大臣政務官(高木陽介君) 海上保安庁でも、従来から、警察また税関等の国内の取締り機関と連携取りながら不正薬物又は銃器の水際阻止に努めておりますけれども、平成十三年には、海上保安庁が関与した薬物の押収事案というのは十件で、覚せい剤は十三・八キログラムと、覚せい剤の錠剤が八百六十一錠、大麻六・八キログラム、麻薬八・四キログラムを押収いたしました。
 昨年は、平成十一年、また平成十二年と続いた覚せい剤の大量押収事案、これは海上保安庁で取り扱ったんですが、見られなかったものの、今年に入ってから、一月に玄界灘の海上において船籍不明の漁船を発見し、同船から覚せい剤の約百五十キログラムを押収するという、不正薬物の密輸が相変わらず憂慮すべき状況にあると思います。
 また、けん銃、銃器等の押収事案は、平成十三年は五件、けん銃を二十丁押収いたしました。
 これ、不正薬物、銃器とも相当の部分が海外から海上ルートによって密輸されると考えられることから、これらの流入を水際で阻止するということが重要な課題であると認識しておりまして、このためにも、警察、さらに税関、国内、また海外の関係取締り機関としっかりと連携を取りながら対応してまいりたいと考えております。
#172
○円より子君 ありがとうございます。
 最近は盗まれた高級車の不正輸出も大変多いと聞いておりまして、それはコンテナの中で、最初は別の荷物を入れてあるものですから税関ではなかなか見つからないと。それで、コンテナごと透視できる機械を導入してというのもあって、そこに高級外車が中に入っていることが分かるようになっているらしいんですが、でも、それを何百というコンテナに当てていくなんということはもう不可能で、大変税関の業務が厳しい。そして、盗まれた高級車がどんどん不正輸出されるということも聞いておりますが、これは税関と警察が本当に連携が重要になってくるかなと思うのですが、今後、海上保安庁の方も警察の方も税関とますます連携、協力関係を深めていきたいとおっしゃいましたが、何か税関に要望とかこういうことがあればということがもしございましたらお願いいたします。
#173
○大臣政務官(高木陽介君) 特に要望というよりは、今までも、しっかりと連携を密にしようということで、具体的に申し上げますと、人事交流、これも実施しておりまして、海上保安庁の場合には、警察との間で十名、税関との間で五名。そのほかにも、日ごろから船舶への合同立入検査、これは平成十二年には三千六百回、また合同訓練ということで平成十二年には二十回行っておりまして、さらに、こういったことを海上保安庁だけではできませんので、税関そして警察との連携を密にしていき、今御指摘のありました密輸事犯については積極的に取り締まってまいりたいと、そのように考えております。
#174
○円より子君 ごめんなさい、警察の方にもお願いいたします。
#175
○政府参考人(中川雅量君) 今、海上保安庁からもお話があったとおりでございますけれども、いろんな面で三省庁、水際対策ということで緊密な連携を取り合っております。
 ただ、まだまだ、その中にあって、それぞれの省庁の中で本当の情報というものがやはり出てこないという面もございます。そういう意味で、今は大分良くなりましたけれども、お互いに、何というんですか、検挙に結び付く情報というものを更に交換し合えれば大変いいというふうに考えておりますので、お互いにやっていきたいなというふうに、それができれば更に検挙が進むんじゃないかと思っております。
#176
○円より子君 率直な御意見、ありがとうございます。
 本当に犯罪を抑止し、人々が安心して暮らせるように、また人々が気軽に不正薬物を手にすることのないように、是非、警察庁、海上保安庁と税関の方々の協力をもっと密に本当にしていただいて、頑張っていただきたいと思っておりますが、税関の方にお伺いいたします。
 昨年五月に、特恵関税制度を悪用して冷凍タコの輸入時に約四億円の関税を脱税した大手水産会社の事件が発覚しましたけれども、こうした事件に携わる業務として税関には事後調査というような業務もあると聞いておりますけれども、こうしたセクションへの増員というものがまだまだ足りないとか、それから、今回、昨年ですか、今回ですか、増員として認められた百八十一名の約八六%に当たる人たちは成田、羽田が多くて、成田百二十一名ですね、羽田は二十二名、地方空港は十二名という空港要員なんですね。やはりこれはテロの関係かとも思うんですが、地方官署への人員配置や事後調査といったセクションへの増員等々、いろいろ税関業務の複雑性、専門性、危険性等にかんがみて適切な配置をしていただきたいなということを要望したいと思いまして、そのことについて一つと。
 もう一つは、先ほど、今までも通関手続の電算化ですとか、それから予備審査制の導入、また簡易申告制等々、重点的な審査、検査を行う体制を構築なさり、かなり工夫を凝らしていらしたと思います。業務処理を迅速にできるように図っていらしたということは分かっているんですが、機械化、OA化だけではなくて、やはり警察なんかや海上保安庁もそうかなという気がするんですが、物事はすべて、私、午前中に予算の委嘱でも銀行のこと等についての、融資についての質問をさせていただきましたが、やはり現場の人の目というのは大変、どんな部署においても大事で、長年の経験や知識に基づいて適切、適正に業務を処理するための人の目というのはすごい大事だと思うんですね。ですから、ますます税関が国民の安全な生活のために頑張っていただくために、今後も附帯決議をもう二十何回もしないで済むような形に是非御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#177
○政府参考人(田村義雄君) お答え申し上げます。
 二点ございまして、一つは定員及び人員配置の件でございますが、先生おっしゃるように、確かに平成十四年度の増員の中心は、一つは成田空港が暫定滑走路が供用に伴いましてこの増員、あるいは羽田空港の深夜、早朝の国際チャーター便の運航に伴う増員、こういったところが中心であることは事実でございますが、今先生おっしゃられましたように、事後調査、これは非常に重要な部門でございますので、今後、人員配置に当たりましては、これは各税関の調査保税部になりますけれども、この辺の事後調査辺りはきちっと充実を図るという意味で、ここ四、五年も人員を増やしてきておりますので、これからも十分そういうところに配慮してまいりたいと思います。
 それからもう一点、いわゆる迅速通関との関係と人間の問題でございます。
 迅速通関ということは適正通関と並びまして二大要請でございますので、私ども少しでも迅速通関ということを進めるために、今先生おっしゃいました、例えば予備審査制の導入とか、あるいは簡易申告課税制だとか、様々な制度を導入するとともに、一方でIT化といいますか、いろいろ機械、機器を導入して効率化に努めているところでございます。
 例えば、先ほど申し上げました大型エックス線装置といいましても、確かに、人がずっと見ると二時間ぐらい掛かるものを五分ぐらいで通るのでございますけれども、どのコンテナを選ぶか、どれが怪しいと思うか、これは結局税関職員の勘といいますか、やっぱりそこは人でございますので、これからも、いわゆるキャパシティービルディングと申しましょうか、税関職員の研修等を含めまして、人間のそういった勘等を研修等で養っていくこと、オン・ザ・ジョブ・トレーニングを進めていくことについては十分尽力してまいりたいと思っております。
#178
○円より子君 終わります。
#179
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 今回の改正の中に、加工再輸入減税制度の対象にニット製衣類の追加がありますけれども、これは財務省でも経済産業省でも結構なんですけれども、従来、この制度の対象からニット製品が除かれていたと思いますが、今回追加になった理由を教えてください。
#180
○政府参考人(岡本巖君) お答え申し上げます。
 ニットの業界、ニットの生地の輸出の振興を目指すということで、ニット工連の中で議論をいたしまして、全会一致でこの加工再輸入減税制度の創設をお願い申し上げるという機関、組織としての決定をした次第でございます。
#181
○大門実紀史君 私が伺っているのは、今まで外されていた理由をお聞きしておるんですけれども。
#182
○政府参考人(岡本巖君) 繊維の業界の中で、ニットの場合もそうでございますが、一部に逆輸入を心配をするという向きもあることはあったわけですが、ニット工連の中では、昨年来議論いたしまして、相当もう輸入浸透率が高くなっているところで、今、業界全体として、特にニット工連がそうでございますが、攻められるだけじゃなくて自分たちも外へ出ていくんだという、輸出振興の方向に向けての機運というのが盛り上がっておりまして、そういう中で機関決定として加工再輸入減税制度の創設をお願いしたいという組織の意思統一に至った次第でございます。
#183
○大門実紀史君 連合会の要望は承知しておりますけれども、今まで要するにこれが外されていたのは、やっぱり連合会が言われるような事業展開ができるところばかりじゃなくて、なかなか一定規模以下のといいますか、そういうところは大変な面があったので外されていたんだというふうに思います。
 今、国内のニット業界は、国内の市場供給量の八五%ぐらいが輸入に占められている事態で、それはそのままでいけばかなり存亡の危機にあるんじゃないかと、ちょっと認識違うかも分かりませんが、私、思うんですけれども。
 そういう点では、樋口さんというニット工業組合連合会の理事長さんは率直なことを言われています。これ以上の輸入は食い止めたい、せめて供給量の三割は国内で生産したいんだと、問題は過剰供給であって、現況は秩序なき輸入なんだという言い方をまたされているわけなんですよね。ですから、非常に先ほどおっしゃいました連合会の要望に表れたものだけではないというふうに承知しております。
 また、平成十二年の十二月二十二日には、新潟県議会が全会一致で国に意見書を上げています。短いのでちょっと読みますが、近年、中国を始めとして東南アジア諸国から繊維製品の輸入が急増し、ニットの、上着の方ですね、上着の方全体では我が国の市場供給量の八五・四%であり、このうち、セーター類では実に九四・三%が輸入製品で占められている。この影響を受け、本県のニット業、本県は新潟県ですね、本県のニット業においては十年前に比べ製品出荷額、企業数及び従業員数のいずれも四割の削減を余儀なくされ、地場の基幹的役割である繊維業界では更なる生産規模縮小が危惧されているというふうな決議を新潟県議会で全会一致で上げられています。
 これは、いろいろ深刻な事態が、新潟の方では新聞等にも出ておりますけれども、例えば見附市では、分かっているだけでもこの間九人のニット業者の自殺があって、それが大きく新潟の方では報道されて社会問題になっていますし、ような状況です。
 ですから、まだまだこれで非常に苦境に追い込まれる方々、ニットの縫製業者の方、特にそうだと思いますが、おられると思いますけれども、経済産業省としてこういう方向で行くとしても、そういう方々に対する対策として具体的に何を考えておられるか、お聞かせください。
#184
○政府参考人(岡本巖君) 私ども、生地の関係で外へ出ていく、攻めていくという点においては加工再輸入減税制度も大変大きなサポートになるかと考えておりますが、先生今御指摘のように、これに尽きるものではございませんで、輸入浸透率がもう九割弱ということでございまして、新しい活路を見いだしていくという産地の方々、それから特に、中小零細の企業の方が多いんですけれども、そういう方々のお取組を応援をするということで、いろんな角度からの支援を申し上げているところでございます。
 その一つとしまして、新しい製品を開発をするとか新しい販路を開拓するということに向けまして、産地活性化補助金ということで十三年度で約、事業費規模ベースで六億円の予算を繊維だけのために特別に用意をしていただきました。その中で、ニットの関係で二十三件、一億八千万円というものを実際にお手伝い申し上げるということで決定をいたしておりまして、そういうものを使って、一つだけ例を言及させていただきますが、山形の佐藤繊維という本当にもう家族経営的なニットの業者の方々でございますが、新しい製品を開発して去年五月、それから十月に相次いでニューヨークの見本市に出展をいたしまして、それで大変好評で、最初の五月で五十社ぐらいのアメリカのバイヤーの方々と成約に至ったと。十月に再度出したときにはその四倍もの成約があったということで、いい技術を基にして新しい製品を用意するという場合には、ニットの零細の業者の方々の場合でもそういう新しい活路を開いていくという好例が出てきているような状況でございまして、私ども、ほかの地域の方々においても、紋切り型の対応じゃございませんで、文字どおりそれぞれの立場での工夫を凝らした前向きの取組というものを地元の県、市町村と一緒になって強力にお手伝いをしていきたいというふうに現に進めているところでございます。
 そのほかにも、繊維の関係で申しますと、取引慣行というのがどうしても後れているものですから、公正取引委員会と一緒になってこの辺の取引慣行を直していくとか、あるいは人材の養成というようなことにも注力をいたしているところでございます。
#185
○大門実紀史君 その特別な、今大変な状況におられる方はたくさんおられるんですけれども、特別な融資だとかあるいはその相談窓口とか、そういうものはどうですか。
#186
○政府参考人(岡本巖君) 融資ということについて申しますと、これは中小企業一般の金融対策ということになってこようかと思います。繊維の業界の方々からしばしば強い御要望をいただきますのは、商工中金を始めとする政府系のところで運転資金を含めて是非ともこういう時期なものですから面倒を見ていただきたいというような要望はよく私ども意見として接します。その都度、関係の部局にお伝え申し上げて善処方をお願いしているところでございますが、そういった中小企業政策の一般の中でお手伝いを申し上げる部分というのも少なくございません。
#187
○大門実紀史君 是非、私どもにも具体的な相談が来ておりますので、また個別の対応も含めて対策をお願いしたいというふうに思います。
 法案の方はそれぐらいにいたしまして、残った時間、塩川大臣にデフレの問題で御質問したいというふうに思います。
 財務省の財務総合政策研究所が一月の末に「デフレーションと過剰債務」というリポートを出されました。私、読みましたけれども、かなり実証的に計量的に、久々に政府としては実証的なものを出されたというふうに思って、研究させていただきました。
 この中で、ただちょっとこの間の政府のデフレ対策と余りぴったりこないような研究報告の内容になっている気がいたしますけれども、例えば、もう長々申し上げませんが、要するにこの財務省の財務総合政策研究所のレポートによりますと、デフレかあるいは不良債権かと、どちらを、二者択一というのも何ですけれども、どちらを解決しなきゃいけないかというと、やっぱりデフレをまず解決する、これに全力を注がないと不良債権はどんどんどんどん新規発生してしまうというふうなことを一点このレポートで言われています。
 もう一つは、これは面白いなと思ったんですが、過剰債務が、つまり不良債権が今の景気低迷の原因であることは検証されなかったと、不良債権そのものが景気を低迷さしているということは検証されなかったと。
 この二つの点が非常に特徴的だなと思うんですけれども、ですから言ってしまえば、この間予算委員会でも私、この問題で竹中大臣に質問してきましたけれども、この不況のどん底のときに、もちろん不良債権というのは計画的に需要動向を見ながらなくさなきゃいけないと思いますが、この不況のどん底のときにわざわざ不良債権をなくすことだけ急ぐと、失業、倒産、デフレ圧力になって、また新規発生してしまうと。これは自民党の麻生政調会長も御指摘されているわけですけれども、そういう指摘をしてきたんですが、正にこの研究所のリポートによりますと、まずデフレだと、不良債権を急ぐよりもデフレを解決する策を取らなきゃいけないと。
 もう一つは、不良債権処理なくして景気回復なしと、総理、一度そういう言い方をされたことありますけれども、そうではなくって、やっぱりまず需要の低迷を何とかするといいますか、デフレを何とかすると、それでこそ不良債権がなくなるし、別に原因にはなっていないというのを財務省のリポートで言われておりますが、塩川大臣の御見解を伺いたいと思います。
#188
○国務大臣(塩川正十郎君) 私も、今お話の中で、デフレの中に私は、いやデフレじゃない、不良債権の中には二つ考え方があると思っておるんです。おっしゃるように、デフレからくる不良債権、これは確かにあります。新しい不良債権として言われております。もう一つの不良債権は、いわゆるバブルのときに過剰投資をして、いわゆるずさんな経営からきたところの思惑違いのそういう不良債権と二つあると思うんです。
 その思惑違いからきたところの不良債権というのは、どちらかといったら大企業に多いんですね。金融力のあったところでございますから、そういうところが多い。そこがやっぱり積極的に解消さすようにすべきだと思っております。
 しかし一方、中小企業等のデフレというのは思惑からきたというよりも、いわゆる、いやいや不良債権は思惑からきたというよりも、要するにデフレからきた不良債権が多いんですね、中小企業は。そういうものに対しましては、おっしゃるように、デフレ対策だからといって不良債権の整理を中小企業にまで強要するということはちょっと私は無理なように思うんです。
 私も地元へ帰りまして中小企業を見ますと、そのデフレからくるところのいわゆる資産の目減り、資産の目減りからくるところの金融難、その金融難が運転資金の枯渇につながっていって経営が悪くなっているという、そういう中小企業の悪循環、これを私は何とかやっぱり対策を講じないかぬと思うんです。
 しかし、一方において、よく言われますように、思惑外れて、投資のばくち的な投資をしたところ、そういうようなところはもうやっぱりどんどんと整理ささな金融の秩序が立たないんじゃないかと思いますね。
#189
○大門実紀史君 おっしゃることは分かるんですけれども、もうこの十年で七十数兆ぐらい不良債権は処理されておりまして、バブルのツケというのは、これは大銀行、中小企業にかかわらずほとんどもう処理は済んでいて、この財務省の研究所のリポートにも書かれておりますが、大体今あるのは、やっぱり不況、デフレによって生じている不良債権が多いというふうになっておりますので、大臣言われたとおり、それを無理やり、その七割は中小企業ですから、無理やりやると大変なことになるし、たとえ大企業であっても乱暴なやり方すると関連中小企業の倒産にもなりますし、私どもは別に不良債権いつまでもあっていいと言っているわけではないんですけれども、計画的にやっぱり需要動向を見ながらなくしていくべきだと。猪突猛進になくすと大変なことになるという意味でずっと御指摘させていただいているわけです。
 もう時間なくなりましたけれども、質問通告しておりませんけれども、是非、塩川大臣、大阪で実体経済にもあるいは中小企業金融にも大変実感持たれていると思いますので、この信金、信組の問題で、私ずっと取り上げてまいりましたけれども、大臣、どういうふうに思われるか、御感想で結構ですが、最後に聞かせてもらえればと思います。
#190
○国務大臣(塩川正十郎君) 実は私、この機会だからちょっと共産党の皆さん方にも申し上げたいと思うようなことがあるんです。
 それは、信用金庫の不良債権の整理と突っ込んでおられますけれども、確かに検査に不公平があったかどうかは、それは分かりません、私は。知りませんが、信用組合と信用金庫とは相当事情が違います。これはやっぱり認識してもらわないかぬと思うんです。
 といいますのは、私は、昭和二十五年ですけれども、市街地信用組合法が廃止になりまして、それが信用金庫になりました。そして同時に、協同組合法に基づく協同組合に金融機関の業務を行うことを許可したんです。私は、その当時、ある信用金庫の理事長をやっておりまして、役員もやっておりまして、それが切替えになりまして、それで実は、私らの仲間が信用組合を作ろうというので、協同組合を作って信用組合、いわゆる協同組合に対する金融業務を行う法、何とか法律というのに基づいてやったんです。ところが、やりましてしばらくたってから、これは相当事情が違う。というのは、金融的な機関、機能じゃないんです。やっぱりこれは中小企業対策なんですね。ですから、監督官庁が府県庁でございました。
 第一、非常に不思議なことは、役員の審査、全然やらないんです。ですから、その出資の、一口、二口の出資で発言権の多いやつが勝っちゃうんですね、総代会というのが来ましてね。そういうことの運営と、それから信用金庫のように、要するに理事に就任する者はその経営能力と前歴をきちっと調べて、そして合議制で貸付けをしておる金融機関と全然違うということが分かりまして、私は五年ほどでもう役員を辞めたことがあるんです。その後をずっと見ていますと、信用組合はどうもやっぱり個人的プレーによって経営している面が非常に濃いですね。
 それともう一つ、これは言っていいか悪いかは分かりませんが、これはちょっと発言は不穏当だと思うんですけれども、信用組合の貸付けは、要するに導入預金に支配されることが多いんです。ここが、私は今回の信用組合の整理に際してここは非常に難しいところだと思うんです。これは架空預金とよく呼ばれておりますが、要するにその架空預金というのは導入預金なんですね。このこと等を見まして、私、預金保険機構の在り方等に見ましても、私は相当これは慎重な審査を必要になるんじゃないかと思うんです。
 そこで、私は、地域金融機関、要するに地域金融機関というのはやっぱり信用金庫を地域金融機関の主体としてこれを育てていく必要があると思っております。そのためには、信用金庫の中で非常に経営が偏っているところがあるんです。それは、役員が特定の業種に偏っている人が役員になっている信用金庫はどうしても経営がうまくいっておりません。ですから、どうしてもこれを地域的に育てるということ、これこそ地方自治体と組んでやっぱり私は育てていく必要があるだろうと思っておりまして、そういう感じを持って信用金庫を私は一生懸命応援しようと思っておるんです。
 ちょっと感想だけ申し上げたような次第でございます。
#191
○平野達男君 私も、精製塩に関する関税措置について若干の質問をしたいと思います。
 これは、平成九年に専売制度を廃止しまして、五年間、六年間ですか、の経過措置ということで、今年三月にはそれが切れるということで、原則自由市場構造へ移行させようということで取っている措置だというふうに理解しています。
 これは、世界的にも、国内的に見てもそうなんですけれども、いわゆる貿易障壁はなくそうという方向は理解できるんですけれども、この塩に関しての自由化というのは一種の国際公約、あるいは国内からのいろんな声に対する約束事というのはあったんでしょうか。
#192
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。
 明治三十八年以来、九十年余り続きました塩専売制度につきましては、塩の供給及び価格の安定に寄与してきたという評価がある一方で、塩の製造、輸入、流通を包括的に管理するシステムであるために、規制が強く、市場原理が働く余地が少ないために、産業発展を阻害する要因ともなっているという指摘がなされてきたわけでございます。
 塩専売制度を廃止するという基本方針は、行政改革の流れの中で、昭和五十四年及び五十五年の閣議決定において打ち出されました。また、昭和五十七年七月三十日の臨時行政調査会基本答申、いわゆる第三次答申と言っておりますが、これにおきまして「塩産業の自立化の目途が得られた段階で、現行の塩専売制度を廃止する。」とされたところであります。この「塩産業の自立化の目途」といいますのは、当時、塩の製造価格が国際的な水準に達する見込みがないという状況であったものですから、こういう書き方をされたというふうに承知をしております。
 こうした状況を踏まえまして、平成元年十二月から、たばこ事業等審議会におきまして塩の専売制度廃止に関して議論を開始をされました。その結果、平成七年十一月に、同審議会におきまして、国内塩産業の一層の発展に資するとともに、多様な消費者ニーズに適切に対応することが可能となるよう、塩専売制度を廃止し、原則自由の市場構造に転換する、その際、塩専売制度、塩産業の自立化の達成を確実とするための配慮が必要であるという答申が提出されたわけでございます。
 塩の安定供給を確保するための所要の措置を講じるとともに、塩専売制度廃止後一定の期間はなお塩産業の自立化の達成のための経過措置が設けられておりまして、先生御指摘のように、本年三月でその措置が切れると、こういうことになっているわけでございます。
#193
○平野達男君 そうすると、純粋に国策としてこの方向を進めてきたと、こういうことですね。
 そうすると、これが、輸入精製塩との競争力格差がトン当たり三千三百円、これコストでどれだけの割合ですかということをお聞きしましたら、四割だというふうに言っていました。トン当たりの生産費に対して三千三百円がどれだけの価格差かというと四割、つまり逆に言えば、この四年間で四割のコスト削減をしなくちゃならないという、これ単純に考えますと相当きついコスト削減になると思います。
 もっとも、これ暫定措置があって、四年、五年でしたか、五年間の暫定措置がありましたから、そこまでいろいろ準備をしていましたよということになると思うんですが、この急激なコスト削減というのが果たして本当に可能かどうかということについてちょっとお聞きしたいと思いますが。
#194
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。
 まず国内塩産業の現状を御説明する必要があると思いますけれども、塩工業会を構成しております国内製塩業者は七社ございます。七社で現在、年間百三十万トンの製造を行っております。この七社のうち五社が瀬戸内地方に集中している。残りの二社につきましても福島県と長崎県ということで大消費地から離れた立地になっておりまして、輸送コストの問題を抱えているということでございます。
 この立地条件に起因いたしますコスト問題から、輸入自由化後におきましては、輸入塩との競争を考えてみますと、小ロットで消費地に近い港に荷を下ろすことが可能である輸入塩との競争関係で、やはりそういったものについては輸入塩の方が競争力が高いということでございますので、現在百三十万トンの生産を行っておりますが、国内塩の市場規模は年間百万トン程度にまで縮小せざるを得ないというふうに業界は想定しております。その場合には、設備過剰等の問題から七社の、七社体制の維持は困難であるということで、再編等による生産体制整備を含む構造改革が必要になってくるということでございます。
 こうした状況を踏まえまして、国内精製塩業界は、今後三年間、自主的な経営判断によりまして構造改革に取り組むということでコスト削減を実現するということにしておるわけでございまして、今般の塩の関税化、今お願いしております関税化におきましても、こうした業界の構造改革に合わせて、三年間、関税の暫定税率を設定していただくようお願いしているところでございます。
#195
○平野達男君 いずれにせよ、三年間でとにかくやるということで業界も覚悟ができていると、こういうことなんですね。
 ここで、確かに国策として自由化の方向で進めるということも分かるんですけれども、非常にタイミングとして、他方で不良債権の処理をしてリストラが進む、失業率もどんどん上がっていく。七社を五社にするということになると二社が仕事からあぶれるということで、いずれの段階ではこれはやらなくちゃならなかったと思うんですが、タイミング的に非常に悪いタイミングでやるということになりますね。その辺りの関税措置の、精製塩に対する関税措置の実施のときにタイミングという問題というのは議論にならなかったんでしょうか。もっともっと景気のいいときにやっておけばほとんど問題なかったと思うんですけれども、わざわざこういう本当に悪いところにやってしまうというその時期の問題なんですが。
#196
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。
 五年間の経過措置を設けましたときには、国内の塩の製造コストと輸入塩との間のコスト差を意識しておりましたのは、実は天日原塩と申しまして、主にメキシコ、オーストラリアから輸入される塩との価格差を意識して経過措置を設けたわけでございます。
 これにつきましては、この経過措置期間中にコスト差を全部解消いたしました。イオン交換膜等の合理化を行いましてコスト差が解消したと。その後、新たな問題として、岩塩等を原料といたします輸入精製塩とのコスト差の問題が出てきたというのが経過でございます。
 そこで、平成九年の廃止の際に考えておりました経過措置の基本的な考え方は一応クリアをしたわけでございますが、新たな問題が出てきたということを踏まえまして、昨年一月に財務大臣から、塩の製造、輸入、流通にわたる原則自由の市場構造への移行を円滑に進めるための対応について諮問があったわけでございます。
 この審議の過程において、この経過措置を延ばすか延ばさないかというのはきちっと議論をされておりますが、答申におきましては、あくまでも経過措置は暫定的な措置であり、延長すべきではないという意見が大勢であるとされたわけでございます。また、経過措置が終了し自由化されることは、国内塩産業にとって改革の好機であり、競争の促進による消費者ニーズに対応した創意工夫や新たなビジネスモデルが生まれる中で、国内塩産業の発展が期待される、また消費者にとっての利益が増進されるというふうにされておったわけでございます。
#197
○平野達男君 政策としてのそれ自体はいいと思いますけれども、やっぱり国全体の施策としては今本当に悪いタイミングでやらざるを得ないという、そのミスマッチというのはここでもちょっと起きているかなという感じがちょっとします。
 次の質問にちょっと移りますけれども、日中間の農産物三品目に、シイタケ、ネギ、畳表、これは昨年の八月まで暫定措置としてセーフガードを設定していましたけれども、その後、今どういう状況になっておりましたでしょうか。
#198
○政府参考人(村上秀徳君) お答えいたします。
 三品目の貿易の問題につきましては、昨年の十二月二十一日に、北京におきまして、武部農林水産大臣、それから平沼経済産業大臣、石広生対外貿易合作部長が協議を行いまして、最終的な決着を図ったところでございます。
 その決着の中身としまして、日中双方、ネギ等三品目に係る貿易スキームを早急に構築して、農産物貿易協議会を中心として三品目の秩序ある貿易を促進するということで意見の一致を見たところでございます。
 これを受けまして、その具体化のために、二月の七日、八日に上海で両国の生産者など幅広い関係者が参加いたしまして、その三品目に係る協議会、第一回目の農産物協議会を開催いたしました。その場で、ネギ等三品目に係ります日本市場における需要の見通し、あるいは日中双方の生産の見通しなどについて意見交換、情報交換をいたしたところで、理解を深めることができたところでございます。
#199
○平野達男君 今の段階では、その協議会の枠組みの中で、輸入の量を実質上、制限というような言葉はおかしいですけれども、突出した輸出をしないというような枠組みも決めていると、こういうことですね。
 これから、今のところ、シイタケ、ネギ、畳表というのはそういう状況なんですけれども、これからイギリス、大変失礼しました、中国の農産物の輸出攻勢というのはやっぱり掛かってくるんじゃないかという懸念が非常にありますし、昨日、塩川大臣が、元の切り上げの話がここでございましたけれども、まだまだ労務費その他考えればもう圧倒的な差があるということで、本格セーフガードの発動をどうするかという問題がやっぱり残っていると思います。
 御承知のように、本格セーフガードを発動してパネルに持ち込まれたやつがたしか世界で大体五件ぐらいあったと思うんですが、いずれも持ち込んだ、発動した方が負けている。つまり、発動したときの挙証責任が全部発動側に与えられていまして、きちっとした説明はするんですが、ついに負けているということで、セーフガードを発動しろ発動しろというものが、去年の暫定措置が切れたとき、いろいろ議論が出ましたけれども、また何かの品目がごおっと輸入が増えてきますと必ず出てくると。そのときにセーフガードの発動をするための考え方ですね、基準、基準と言ったらおかしいですけれども、覚悟のほどと言ったらいいかもしれませんが、これに対して農水省はどのように考えておるのかということをちょっとお聞きしたいと思います。
#200
○政府参考人(村上秀徳君) お答えいたします。
 先ほど、昨年の十二月二十一日の三大臣によります合意を受けまして、日中双方で貿易スキームというものを早急に構築するということで意見の一致を見たわけですけれども、その中で、その三品目に係る協議会に限りませず、日中農産物貿易全体につきまして随時協議をしていくということで、そういうものについても協議の場を持っていこうということを意見の一致を見ているところでございまして、まずは、その場におきまして需給状況等の情報交換を行いながら、秩序ある貿易を確保していくというのが第一ではないかというふうに考えております。
 また、発動について、一般的なセーフガードの発動につきましての件につきましては、個々の事案ごとにその品目の実態に応じて調査を行う。それから、それに応じまして、その調査の結果によって要件を認定するということでございますので、その品目の種類とかその時々の状況にかかわらないで、一律に定量的な基準を設けるというのはなかなか難しいのではないか、やはりケース・バイ・ケースで判断せざるを得ないのではないかというふうに考えているところでございます。
#201
○平野達男君 今の段階での答弁はそうなると思いますけれども、いずれ、セーフガードを発動するような状況にならないのが一番いいわけですが、発動しなければならないというような状況になると必ず議論が起きてしまう。ちゅうちょして、結局ずるずるずるずる延ばすというようなそういう状況も想定されますので、かちっとした基準とか考え方というのは示せないと思いますけれども、いずれそういうことが来るということを想定して、頭の体操は十分しておく必要があるというふうに思います。
 終わります。
#202
○大渕絹子君 今回の平成十四年度の関税の改正品目数は、税率の引下げ、撤廃等が四品目、その他が三品目、合計七品目と、こうなっていますけれども、今回のこの法改正によって関税の収入はどういうふうに変化をするのかというのを教えていだたきたいんです。
 この当初予算、十四年度の当初予算では、関税収入は八千九百八十億円、一般会計分は八千六百億円、特別会計分は三百八十億円と、こうなっているわけですけれども、今回の法改正によって、この金額そのものは前年度に比較してマイナスになっているのかプラスになっているのか、まずお答えください。
#203
○副大臣(尾辻秀久君) 減収見込みになっておりまして、その額は三十億円でございます。
#204
○大渕絹子君 政府は昨年来大変御努力をいただいて、シンガポールとの二国間協定を結ぶことをいたしましたけれども、このシンガポールとの二国間貿易協定は我が国にとってどれだけのメリットがあるのかというのを私は知りたいんですね。
 ガットの第二十四条は、自由貿易協定の要件として、構成国間の実質上すべての貿易について関税等を廃止することを求めているという。これはWTOの整合性というふうに呼ばれているんだそうですけれども、そういう条件の中で、二国間のこの協定に踏み込んでいった日本のメリットについてお聞かせください。
#205
○副大臣(尾辻秀久君) ただいまお触れになりました日本・シンガポール新時代経済連携協定は、貿易及び投資の自由化に加えて、金融サービス、情報通信技術、人材育成、観光等の幅広い分野での協力強化を内容としております。
 そこで、どういうメリットかということでございますが、本協定の締結によりまして、関税の引下げや貿易・投資環境が改善されることによりまして、両国間の物品、サービス、資本、情報等の交易、交流が促進され、また、金融資本市場等における両国間の経済連携が強化されることにより、両国経済が一段と活性化、発展することが期待されております。
 まあ、こういう答えになります。
#206
○大渕絹子君 具体的に、じゃ、それでは聞かせてください。
 輸出入バランスはどういうふうになっていますか。
#207
○政府参考人(田村義雄君) シンガポールとの間で今、正に先生おっしゃったように自由貿易協定を結ぶ場合には、WTOとの整合性、特に、その実質上すべての貿易というところをどう解釈するかということでございますが、今の点で申し上げれば、日・シンガポール間は今回この協定を結ぶことによりまして両国の往復勘定になりますが、輸入のうち九四%が関税ゼロということになりますので、実質上すべての貿易というのに当たるであろうということで自由貿易協定としているわけでございます。
#208
○大渕絹子君 輸出入の金額的なバランスを──済みません、今、輸出入の額、どうでしょうか。シンガポールと日本での輸出入バランスというのをちょっと聞かせていただける。ちょっと通告してないから、分かんないかな。
#209
○政府参考人(田村義雄君) 我が国からシンガポールへの輸出で、これは二〇〇〇年の数字でございますが、輸出でございますけれども、二兆二千四百三十九億円ということで、我が国全体では対輸出のシェアが、四・三%が対シンガポールでございまして、逆にシンガポールからの輸入が六千九百三十六億円ということで、これはシェアでは一・七%ということで、こちらのかなり出超ということになっております。
#210
○大渕絹子君 この数字で見れば、日本にとってはそんなに不利な条件ではないのかなというふうに思いましたので、分かりました。
 それでは、沖縄のことについてちょっとお聞きをさせていただきたいと思います。
 今回の沖縄の関税の措置において、沖縄復帰に伴う特別措置に関する法律における関税特例措置というのが平成十四年の五月十四日に期限切れになって、これらの取扱いについては今後どうなるのかというところから入らせてください。
#211
○政府参考人(安達俊雄君) 沖縄復帰に伴う特別措置に関する法律におきまして、税制特別措置を設けているわけでございますが、これは本土復帰に伴う激変緩和の経過措置として設けているものでございまして、これまで五年ごとに見直しを行ってまいりました。
 基本的な考え方としては、激変緩和でございますので、余り長い期間設けるのはいかがかということで、今回、関税の軽減措置三つを含めまして、現在ございます十一の項目につきまして、県ともよくお話をしながら、三つの軽減措置を含めまして、十一の項目中三つのみを残すということにさせていただいたものでございます。
#212
○大渕絹子君 沖縄側とも十分に審議をさせていただいたということですから、あえて言うことはないわけですけれども、本土並み復帰と言われて久しいわけですけれども、沖縄県は非常に本土並みではなくまだ格差のある状況に置かれていると思いますので、慎重に取り扱っていただかなければならないというふうに思いますけれども。
 それでは、関税の優遇措置を施行する状況の中で、沖縄県に対して国税、それから関税、地方税についてどれだけの特典、恩典が与えられているのか、具体的な数字で教えていただきたいと思います。
#213
○委員長(山下八洲夫君) どなたが発言いたしますか。
#214
○政府参考人(安達俊雄君) 御質問、自由貿易地域関係ということでお聞きいたしましたので調べてまいりました。
 この部分については非常に小そうございます。私ども、企業の方からのヒアリングということで聞いている数字でございますけれども、投資税額控除関係で約二百万円、地方税、事業税の課税免除で約四百万円、固定資産税の課税免除が約四百万円ということで、合計一千万円程度でございます。平成十二年度でございます。
#215
○大渕絹子君 非常に、それほどそれによって優遇されているという数字にはどうしても思えないわけでございますが、じゃ、今回、沖縄県、特定免税店制度の仕組みを変えられた経過についてお聞かせください。
#216
○政府参考人(安達俊雄君) 三年前にお願いいたしまして、特定免税店制度、これは国内観光客向けのデューティー・フリー・ショップと言っていいものでございます、これを空港内に限って認めるということでスタートしたわけでございますけれども、橋本総理のとき以来、別途、国際ショッピングモール構想というものがございまして、経済産業省を中心に数年にわたってフィージビリティーを詰めてまいりました。かなり具体的に煮詰まってまいりまして、空港外展開について、この特定免税店制度の空港外展開を図るというのが国際ショッピングモール構想の非常に制度面での非常に中心的な支援措置でございまして、地元からの強い御要望がございまして、税関係者の御理解を得て、今回この空港外適用を認めていただく制度をお願いしておるわけでございます。
#217
○大渕絹子君 最後に、塩川大臣に、沖縄のそこの関税の特典について、今後も十分に配慮していただけるという御答弁をいただいて終わりにしたいと思います。
#218
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、これ自由民主党が以前から沖縄の経済特区のことを言っておりまして、特に金融特区を中心とし、あるいは保税地域を拡大するとかいうこともやっております。
 沖縄に対する経済の活性化により一層の努力をしたいと思っております。
#219
○大渕絹子君 終わります。
#220
○委員長(山下八洲夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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