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2002/06/11 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 財政金融委員会 第20号
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2002/06/11 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 財政金融委員会 第20号

#1
第154回国会 財政金融委員会 第20号
平成十四年六月十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     榛葉賀津也君
     大門実紀史君     筆坂 秀世君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     榛葉賀津也君     大塚 耕平君
     筆坂 秀世君     大門実紀史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山下八洲夫君
    理 事
                入澤  肇君
                林  芳正君
                若林 正俊君
                円 より子君
                山本  保君
    委 員
                上杉 光弘君
                尾辻 秀久君
                金田 勝年君
                清水 達雄君
                中島 啓雄君
                溝手 顕正君
                山下 英利君
                大塚 耕平君
                勝木 健司君
                櫻井  充君
                峰崎 直樹君
                浜田卓二郎君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
       経済産業副大臣  大島 慶久君
       環境副大臣    山下 栄一君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  滝   実君
       厚生労働大臣政
       務官       田村 憲久君
       経済産業大臣政
       務官       松 あきら君
       国土交通大臣政
       務官       菅  義偉君
       環境大臣政務官  奥谷  通君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       金融庁検査局長  五味 廣文君
       財務省主税局長  大武健一郎君
       中小企業庁次長  小脇 一朗君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法人税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法人税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に金融庁検査局長五味廣文君、財務省主税局長大武健一郎君及び中小企業庁次長小脇一朗君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(山下八洲夫君) 法人税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○山下英利君 おはようございます。自由民主党の山下でございます。
 トップバッターといたしまして、議題になっておりますいわゆる連結納税制度、これの創設に関する法案につきまして御質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 冒頭でございますけれども、今回の連結納税制度、これは産業界からはもうかねてから本当に長く待ち望んでいた制度であるというふうに私は理解をいたしておりますけれども、今回この連結納税制度創設に至った背景、理由と申しますか、その辺の御事情をちょっと御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
#6
○副大臣(尾辻秀久君) 我が国企業の経営環境が大きく変化する中で、連結を主体とする企業会計への移行、独禁法における持ち株会社の解禁、会社分割や株式交換についての商法改正等により、企業の柔軟な組織再編を可能とするための法制等の整備が進められてまいりました。御案内のとおりであります。
 そこで、連結納税制度の創設は、このような企業を取り巻く経営環境の変化を踏まえまして、大きく目的は二つございますが、一つの目的といたしまして、実質的に一つの法人と見ることができる企業グループを一つの納税単位として課税することにより、実態に即した適正な課税を行うこと。二点目の目的でございますが、企業の組織再編をより柔軟に行うことを可能とし、我が国企業の国際競争力の強化と経済の構造改革に資すること。この二つを大きく目的として導入することといたしたものでございます。
#7
○山下英利君 どうもありがとうございました。
 今御説明をいただいたとおり、従来と違ってグループとして一つの企業の在り方を進めていくという意味で大変意義の深い私はこれ制度だと思っておるんでございますけれども、今回この制度が新しく出てきた中にありまして、付加税という問題が大きく議論をされているところでございます。この点についてお考えをお聞きをしたいと思うんですが、今回のこの付加税に対しては、経済界の方では、せっかく連結納税制度を導入するんだけれども、付加税があることから、なかなか導入というところまで行かないというふうな声も聞こえてきております。二年後には見直すという形になっておりますけれども、今、付加税を払っても新しくこの連結納税制度を導入しようという企業はどういった状況の企業なのか、教えていただきたいと思います。
#8
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 ただいま御質問がありました連結納税制度を導入するのはどういうメリットのある企業なのかという点でございますが、そもそも連結納税制度自体、ただいまの尾辻副大臣が御説明になりましたように、企業再編を柔軟に行うということが実は一番大きなメリットとしてございまして、単年度の納税額の多寡にかかわらず、いち早く連結納税制度を選択しようとする企業もあるかと考えます。
 さらには、そもそも連結納税制度導入によりまして、連結グループ内の企業の所得と欠損を通算できますために、連結付加税を払ってもなお納税額が減少する法人は当然あるわけです。例えば、一義的に申せば、極端なケースですが、親子を合算いたしますと赤字になってしまうというようなところは、実は赤字では付加税は影響ございませんので、これはもう明らかに導入するという方が損得上は有利だということになります。
 ただ、もっともこの辺りも、各企業の経営者等お聞きしていますと、むしろ連結子会社の経営責任を問うために、安易に親会社の黒字で消すのがいいかどうかというような経営上の観点から、むしろ導入をするかしないかというような判断しておられるようなところもあるやに聞いておりまして、この辺りは必ずしも損得だけで動いているわけでもないのかなというふうに思います。
 ただ、いずれにしましても、現時点では、そういう意味で、明らかに得になるところももちろんございますし、今言ったような広範囲な視点から導入するということを検討している企業もあるやに存じております。
#9
○山下英利君 どうもありがとうございます。
 今御説明をいただいたとおり、いろんな理由はございましょうが、企業としてはなかなか付加税が、アンケートなんか拝見しますと、付加税がなくなれば導入を検討しようという回答が多いということも事実でございまして、その辺は大きな理由になっているんではないかなというような気もいたします。ですから、その辺は十分踏まえた上での連結納税制度導入ということが必要ではないかなというような気もいたしておる次第であります。言ってみれば、いわゆる新しい税制を導入する場合に、減税のところがあれば必ずやはり財源というものを確保しなけりゃいけないということが要因というか、に起因してくる話ではないかなと、そう思っているわけなんであります。
 今回、連結納税制度導入のためには、まず財源の確保策として、法人税の中でいろいろ増税といいますか、税財源の確保に対して手当てをされているわけでありますが、この付加税という問題については同じ制度の中で財源を確保するというふうなことになっているわけで、この辺、もうちょっと幅広い観点から財源措置をすべきではなかったかなというふうに私自身ちょっと思うわけでありますけれども、その辺は財務省はどうお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#10
○副大臣(尾辻秀久君) 今も御答弁申し上げましたけれども、連結納税制度は連結グループ内の赤字の会社と黒字の会社の所得を通算して課税する仕組みでありますので、必然的に減収を生じます。かねて御説明申し上げておりますように、平年度ベースでは約八千億の減収になる、このように見込まれます。
 この税収減は、企業が連結納税制度を適用することにより生ずるものでありまして、率直に申し上げますけれども、現在の厳しい財政状況を考えますと、企業以外の負担でこの税収減を補てんすることは適当でないと考えておりまして、これらに対する補てん措置は法人税の枠組みの中で行うことが適当と考えております。
 すなわち、八千億減収になる、これを何とか補てんしなきゃいけない、これを法人税全体で補てんをしたい、こういうふうに考えております。そして、それを連結納税制を導入する企業にも一部を求める、一部は連結納税制を導入しない企業にもお願いをする、こういうふうに考えて私どもは今回のお願いをしておるわけでありますけれども、そして、連結納税制を導入する企業にお願いするのが今御議論になっております付加税その他でありますし、それから今度は、その他の部分は、日ごろ議論がずっと続いております法人税の議論の中で私どもは考えてこの八千億の補てんをした、こういうふうに考えておるところでございます。
#11
○山下英利君 どうもありがとうございます。
 御説明の趣旨はよく分かるんでございます。分かるんですけれども、今の経済環境、要するに経済の活性化という点を踏まえたところでやはり幅広い御議論をしていただきたいなというところは一言申し上げたいなと思っておる次第であります。
 この連結納税制度の中身についてちょっと御質問をさせていただきたいんですけれども、今回、この連結納税制度のグループ化というところからSPC、いわゆる特定目的会社というものが対象からは外れておりますけれども、この理由についてちょっと御説明をいただけますでしょうか。
#12
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 連結納税制度は、やはり一体性を持って経営され、実質的に一つの法人と見ることができる企業グループを一つの納税単位として、実態に即した課税を実現するという趣旨から設けさせていただいています。
 この特定目的会社、SPCというのは、特定の資産を企業本体から切り離しまして、そのキャッシュフローとかあるいは資産価値を裏付けとして投資者に証券等を発行することによって流動化を図るという仕組みのために設立されるものでございまして、こうした観点から、御存じのとおり、実は連結財務諸表上も連結子会社として取り扱わないということにされておりますし、実は法律上、一〇〇%の子会社の保有も実は認められていないということでございます。
 もう御存じのとおり、今回の措置というのはあくまでも親会社及びその一〇〇%子会社から成る企業グループを対象としていますので、したがいまして、今回、SPCを連結納税制度の対象とすることは適当でないというふうに考えた次第でございます。
#13
○山下英利君 どうもありがとうございました。
 SPCについてお聞きした理由というのも、これからちょっと二、三質問させていただくのと関連してくるんですけれども、やはりこれからは新しい新産業、新しい技術開発といったものをどんどん進めていかなきゃいけないときに、要するにグループのいわゆる投資目的ということでのSPCという考え方というものは、これからのいわゆる考え方として議論をするべきじゃないかなというのは私自身も思っているところなんであります。制度上、SPCは連結財務諸表からは外すというような状況になっておりますけれども、これをその内容によってどう対応するかというような議論、これはまた別な機会に譲らせていただきたいと思っております。
 続きまして、この連結納税制度の導入について改めてお聞きをしたいんですけれども、事業組織の再編というものに対してこの連結納税制度というのはどんな意味合いを持っておるかというところを、御当局のお考えを聞かせてください。
#14
○副大臣(尾辻秀久君) 今お話しのとおりでありまして、我が国企業は、厳しい経営環境に対応した企業努力の一環として、持ち株会社の設立や企業分割による分社化などにより戦略的な組織再編を進めようとしております。それにこたえようとするものでございまして、連結納税制度の創設は、税制を組織再編に対してより中立的にすることにより、このような企業の経営努力を阻害せずに柔軟な組織再編の実施を可能とするものであると考えております。このように企業が柔軟な組織再編によってその競争力の維持強化を図ることは、日本経済全体の競争力の強化、ひいては経済の構造改革にも寄与するものと考えております。
 特に、分社化と申しましたけれども、その分社化の中の一つが例えばベンチャー部門みたいなところで、分社化してしばらくは赤字になるよ、それを覚悟の上で分社化して頑張るよというようなときに、大変この税制、使っていただければと私どもは考えておるわけでございます。
#15
○山下英利君 ありがとうございます。分社化のところの考え方の尾辻副大臣のお考え方、私も同感であります。
 ただ、一方では、今回のこの措置に対して、中に措置はされておりますけれども、例えば企業の合併あるいは統合、こういったMアンドAの場合に、赤字の会社を外から買ってきてグループに入れて、それで全体としての税負担を抑えるというようなところも企業行動として出てくる話でございますので、新しい、新子会社に対する対応というのもこの今回の法案の中に盛り込まれているということもあります。
 ただ、今後は、やはり企業の事業再編を促すという意味におきましては、例えばMアンドAの場合に、新しい会社を作って、そこへいわゆる営業権、事業を移したときに、その会社をグループに入れて育てるという場合は必ずしも、内容はこれから育てる会社でございますから、それに対する税制面での配慮というのも考えていかなければ、このいわゆる事業再編、企業の活性化というものに対して更なる御尽力をいただきたいなと思う点であります。ですから、中から分ける部分と、それから外から入れてくるという部分と、両方をやはり考えてこれを運用していくことはより柔軟でしかも効果のあるものではないかなと、そのように思っておる次第であります。
 この連結納税制度を考えますと、先ほどの御説明の中でありましたけれども、従来は一つの企業、それぞれの企業が単体という枠組みの中から、大きなグループという形で一つの企業体を考えると、要するにこれは言ってみればアメリカ型の考え方だというふうに私は思っています。したがって、税が発生するというのは、グループ外との取引が発生した時点で税が掛かる、あくまでもグループの中では損益通算という形で税負担を一つにまとめて考えるという、いわゆるアメリカ型と考えてよろしいんでしょうか。
#16
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 連結納税制度につきましては、先生言われますとおり、実はアメリカ型と、むしろフランスとかドイツ、イギリス型というようなものと、大きく二つに割れるんだろうと思います。日本が目指しましたのは、アメリカ型のように、グループを一体として、一つの納税単位として課税することで、実態に即した適正な課税を行うということを目的とすると。そういう意味では、正にアメリカで導入されているような本格的な連結納税制度の導入をするということをしたわけでございます。
 ただ、それぞれの国におきましてやはり歴史がございまして、特にアメリカなどは、この制度をつくった趣旨は、むしろ節税、分社化することによって言わば節税行為がまかり通っていた時代に、むしろその節税策を抑えるという観点からこの制度はそもそも生まれたものでございまして、特に、当時はアメリカは、中小法人とかそういうところによって言わば税率を変えるという話があったものですから、分社化がどんどん進んじゃう、それで税金を逃れるという行為があった、これを防ぐところから生まれてきたという経緯があって、その辺り国によっては少しずつ仕組みは違いますけれども、いずれにせよ、今回の連結納税制度は、アメリカのような、そういうグループを一体としてとらえる、そういう考え方の下に作らせていただいているということでございます。
#17
○山下英利君 ありがとうございます。
 連結納税の制度、大企業ばかりでなくて、中小企業においてももちろん考え方としては同じ考え方になるわけですから、今御説明いただきましたアメリカ型の損益通算という中では、あるいは今度は事業展開、多角化なんかのときに、やはり中小企業としても事業推進を支援してあげられる部分、そして税収もというか財源も確保できると、そういった観点からのこの連結納税制度の運用というのが必要だと思います。その中には、例えば会計基準の問題が大きく絡んでまいります。例えば減価償却の在り方であるとか、そういった複雑なところも出てきます。今日はそういった細かい議論は差し控えさせていただきますけれども、その中における大きな枠組みの中でのグループ化という私は考え方からこの連結納税制度というものを導入させていただけることは大きな前進だなと考えている次第であります。
 そこで、もう一点ちょっと追加でお聞きを申し上げたいんですが、今回のこの連結納税制度の対象を一〇〇%の子会社に限る、実質的には親、子、孫、通算しても資本が一〇〇%になっているという形を限定された理由についてちょっとお聞かせください。
#18
○政府参考人(大武健一郎君) 尾辻副大臣も申されましたとおり、連結納税制度の意義が、やはり実質的に一つの法人と見ることができる企業グループ、それを一つの課税単位にするということを目指しておるわけです。
 そういう意味で、一〇〇%未満の子会社を制度の対象にいたしますと、例えば子会社の少数株主が子会社の欠損金の繰越控除のメリットを享受できなくなる、いわゆる一〇〇%以外、九〇ではあれ何であれ、残りの少数株主のそうしたメリットが享受できないという問題が発生してくるということでございますし、さらに、仮にこうした少数株主の利益を考慮しまして制度を設計するとなりますと、制度を相当更に複雑、実は一〇〇%でも今回お出ししたようにかなり複雑な法人税制になってしまっているわけですが、更にそれを複雑化せざるを得ない。そういう意味では、やはり現時点では一〇〇%子会社を対象にすることが適当なのではないかと、こういう判断に立ったということでございます。
#19
○山下英利君 ありがとうございました。
 新しく創設する、導入するという段階で相当細かい作業も必要となってまいります。ですから、一〇〇%に限定をされたというところは十分理解もさせていただきますけれども、先ほどの少数株主の問題等、複雑な点はありますけれども、これからの連結納税制度というものを考えたときに、この一〇〇%に限るというところは更に議論を深めていかなければいけない部分であると私は思っている次第です。アメリカでも実際には一〇〇%ということで限定はいたしておりません。これはなぜ限定していないのかというところからまず解きほぐしていかなきゃいけないのかなと、そういうふうに思っている次第であります。
 それで次に、これは連結納税制度だけに限った話ではないんでありますけれども、税の空洞化という今問題が盛んに言われておりますが、この点についてちょっと質問をさせていただきます。
 現在、七割の法人企業が実際には税金を納めていないというような状況になってきているわけです。税制改正の議論の中でその辺のところも大いに議論をされなきゃいけない部分であると、私はそのように思っておるんですけれども、これに対する税務当局としてのこれからの対策、考え方、これをお聞かせいただきたいというふうに思います。
#20
○副大臣(尾辻秀久君) まず、連結納税制度についてのいろんな問題点を御指摘もいただいております。いつも大臣も御答弁申し上げておりますけれども、まず導入させていただいて、そしてまたしっかりと議論をしていただき、今後の検討もしてまいりたい、このように思っておりますことをまず申し上げます。
 そこで、この税の空洞化についての御質問でございます。
 我が国の法人税の申告状況を見ますと、赤字申告法人が全法人に占めます割合は昭和五十年代以降上昇しておりまして、平成十二年分の税務統計によりますと約七割を占めております。また、累年にわたります法人税率の引下げと近年の企業収益の悪化等により法人税収は著しく減少しておりまして、法人税収の国税収入に占める割合は二〇%台前半まで低下しております。このような状況でございます。
 この赤字法人課税につきましては、これまで政府税調において、一つには、赤字法人といえども公共サービスを受けているのであるから何らかの応益的負担を求めるべきではないか、こういった御意見もありますし、また、課税ベースの適正化によって相応の改善が図られるのではないか、こういったような御指摘もございます。
 いずれにいたしましても、法人税における赤字法人課税の問題につきましては、このような指摘を踏まえつつ、赤字法人となっている実態を見極めるとともに、法人税の課税方式や課税ベースの見直しなど、幅広い観点から検討を行っていくことが必要であると考えております。
#21
○山下英利君 どうもありがとうございます。
 そんな中でのいわゆる法人、個人、それぞれがきちんと税を負担し、そしてこれが今度、予算という舞台できちっと資金も、予算も実行するというふうなことが今一番議論されて問題となっている部分でございます。そんな中で私なりに考えますと、やっぱり法人が税を納めていない状況、これはいろいろありますけれども、経済の状況というのももちろんあると思います。その経済の状況、景気が悪いという中にあって、やっぱり産業も空洞化が進んでいるというふうな実態も、これは大きな理由であるというふうに私は考えている次第であります。
 それで、今日はちょっと経済産業省の方から御答弁を賜りたいと、そういうふうに思っておるんですけれども、今回、連結納税制度、これを導入することによって実際に、先ほど答弁の間でいろいろお話も出ましたけれども、経済産業省としては、企業の活力、活性化、これは増していくかどうか、今後、この制度自体が企業の活力を増すものであるかどうか、この辺のところは率直に経済産業省の方としてはどのようにお考えでいらっしゃいますか。
#22
○大臣政務官(松あきら君) 山下先生にお答えをさせていただきます。
 今日、我が国企業は、経済のボーダーレス化、また技術革新の急速な進展、世界的な規制緩和の動き等によりまして、国際競争が激化するなど大きな経済環境の変化に直面をしております。もう先生の御指摘のとおりでございます。先ほど尾辻副大臣からも御答弁ありましたけれども、こうした状況の中で、企業は、新規事業の展開を始め、自らの企業戦略というものを的確に実施する体制を整えるべく、分社化あるいはグループ企業の再編に取り組んでいるところでございます。これを成功裏に進めることができるか否か、これは正に我が国企業の国際競争力の強化、ひいては我が国経済の活性化のかぎとなっていると言っても過言ではないというふうに思います。
 しかしながら、先ほどから出ております、先生もおっしゃっております我が国の現行税制においては、分社化等を行うと税負担が増加する場合がある、企業組織の再編の阻害要因となっている面があったわけでございます。そうした中で、連結納税制度の導入によりまして、企業組織の再編の阻害要因が解消されまして、自らの企業戦略を実施する上で最適な組織を選択することが可能となりまして、我が国産業の国際競争力の強化、我が国経済の活性化に大きく寄与するものと考えております。
 それから、先ほど私には聞かれませんでしたけれども、付加税につきましては、財務大臣から、法案の成立後に速やかに実態調査を行い、これを踏まえた検討を行う旨お答えにもなっていらっしゃいますし、我が経済産業省といたしましても、財務省において的確に対応されることを強くお願いをしたいと考えておるところでございます。
#23
○山下英利君 ありがとうございます。
 付加税の問題につきましても、先ほどちょっと私もコメントをさせていただきましたけれども、とにかくやはり新しい税制度、これを導入して、そしてこれを本当に民間の活性化に生かしていくということは大変大事なことだと思いますので、その辺を踏まえて経済産業省の方としても頑張っていただきたいなと、そういうふうに思っている次第なんですが。
 もう一点、ちょっと経済産業省の方からコメントをちょうだいしたいんですけれども、先ほどちょっとおっしゃったように、税負担が大きくなると企業が海外進出していく、それで、これでもって産業の空洞化が起こってくるという場合があるわけですね。じゃ、経済産業省として、税はそうだと。じゃ、税制面ではやはり厳しくなるというふうな状況を踏まえて、経済産業省としてこの産業の空洞化、これをやはり避けよう、抑えていこうといったような対策、これ、ありますか。
#24
○大臣政務官(松あきら君) 実は私は先月、山下先生の御地元である滋賀県に視察に伺わせていただきました。ちなみに私の本籍も滋賀県でございますけれども、滋賀県というのは、実は第二次産業、これが全国第一位、もちろん従事する方も全国第一位なんですね。そしてまた、製造業の産業の空洞化対策は大変重要であると県民の方が強く思っていらっしゃる方が大勢いるということに私は意を強くしたところでございますけれども、例えば立命館大学のびわこ・くさつキャンパスあるいは長浜バイオ大学など新設されるんですけれども、産学官の連携が大変に盛んでございまして、もう産業の活性化に積極的に取り組まれている、これに強く感銘を受けたところでございます。
 先生正に御指摘のとおり、産業空洞化の解決は重要な問題でありまして、私ども経済産業省といたしましても、昨年秋から大臣の私的懇談会といたしまして産業競争力戦略会議を開催しまして、その結果として五月十日に、先生も御存じのように、中間取りまとめを発表をさせていただきました。また、五月十三日には経済財政諮問会議におきまして、平沼経済産業大臣より、経済活性化に向けて、技術革新により最先端産業を創造し、我が国を高付加価値拠点化すること等を内容としました六つの戦略を提言したところでございます。
 中でも最大のポイントは、産学官の資源を集中させて我が国を世界最先端の研究開発拠点化をしまして、技術革新を次々と起こすことによりまして、二十一世紀をリードする最先端産業を生み出すことが重要と考えております。そのためのかぎとなりますのは、コア技術から実用化、市場化まで一貫した技術戦略であります。これから市場の拡大が見込まれる環境・エネルギー、IT、バイオ、ナノテク・材料の四分野を中心にいたしまして、思い切って政策資源の集中投入を図り、世界最先端の研究開発拠点を創出することが必要でございます。そのために、具体的には、試験研究税制の抜本強化、投資促進税制の創設などが重要であると考えております。
 二点目のポイントは、競争力のある企業を伸ばしていくことが重要であると考えております。企業レベルの選択と集中から国民経済レベルの選択と集中を行い、国内外の優秀な人材、資本を強みのある分野に集中させることが重要であると考えております。
 また、六月三日には、この提言の基本的な考え方、また具体的施策を盛り込む形で、経済財政諮問会議におきまして経済活性化戦略の案が提示されたところでございます。この経済活性化戦略につきましては、現在、最終取りまとめに向けて調整が行われるところでございますけれども、平成十五年度に向けた今後の政策展開における基本方針の柱の一つとして位置付けられているものと承知をいたしております。
 以上でございます。
#25
○山下英利君 どうもありがとうございました。経済産業省の方は質問は以上でございます。
 最近の報道を見ますと、今、税制改正いろいろ議論されている中で、やはり財源の確保というところがちょっと表に出過ぎているような報道もされているやにあります。これについては私は、やはり車の両輪でありまして、きちっと財源を確保していかなければそれは国のキャッシュフローも回らないわけであります。そういった点からすれば、税収の確保と経済の活性化というのは、これはどっちが欠けてもいけない話なんですね。ですから、どっちかに偏っているとかそういったような報道がされているようなことに対して、私は、何が本当なのかなと、率直に、そんなことあり得るはずがないというふうに思っているわけなんであります。
 例えば、先行減税なんていう話も報道で聞きます。先行減税をするということは、その分、財源というのはどこから持ってくるんだという話があってしかるべきことでありまして、そのことだけがぼんと大きく打ち出されるということ自体も、ちょっと私、すとんとおなかに落ちないような状況にあるんですけれども。
 今後の税制改正を進めるに当たって、今盛んに議論されております中で、いわゆる政府の税制調査会、政府税調とそれから経済財政諮問会議、それぞれの役割、在り方というものがいま一つよく見えないというふうな声も私も聞いているところであります。この辺について大臣のちょっとお考え、もしお聞かせいただけましたら大変有り難いと思います。
#26
○委員長(山下八洲夫君) 松政務官、御退席いただいて結構でございます。
#27
○副大臣(尾辻秀久君) 経済財政諮問会議と政府税調との関係についてのお尋ねでございます。
 経済財政諮問会議におきましては、基本的な経済財政政策の観点から、税制につきましてもあるべき税制の姿について大局的な議論を進めていただいておるところであります。先日、七日でございますけれども、総理指示を受けて、今月下旬には、税制改革の基本方針を含めた骨太の方針第二弾、まだ仮の名前でありますけれども、こうしたものが取りまとめられる予定でございます。
 一方、政府税制調査会におきましては、各税目の項目等について税目ごとに検討いたしておりまして、それらの項目等についてのあるべき姿を具体的に検討していただいておりまして、こちらの方も今月十四日にはあるべき税制の構築に向けた基本方針の取りまとめを行い、その後、総理の指示に沿って、来年度改正に向けて改正事項の具体化を検討する予定となっております。幾つかの検討項目が設けられておる、こういうことでございます。
 今申し上げましたように、政府税制調査会と経済財政諮問会議におきましては、それぞれの役割分担を踏まえて税制改革に関する議論を進めていただいておるところでございます。
 やや型どおりお答えいたしましたけれども、以上お答え申し上げます。
#28
○山下英利君 ありがとうございます。
 それで、今の御質問に続いてもう一点ちょっと教えていただきたいんですけれども。
 それでは、今後税制改正を進めていくに当たって、先ほど私が申し上げましたいわゆる税財源の確保、税収の確保とそれから経済の活性化というこの二つの課題をどういうふうに両立させていったらいいか、お考えあったらお聞かせいただきたいと思います。いわゆる、さっきちょっと私申し上げましたように、先行減税における財源の確保というふうなことも含んでおりますけれども、御所見お聞かせください。
#29
○副大臣(尾辻秀久君) 大変難しい御質問でございまして、むしろお知恵をお教えいただきたくもございますけれども、お答え申し上げます。
 二十一世紀においては、個人や企業の経済活動における自由な選択を最大限尊重し、経済活動に中立的でゆがみのない税制を構築することが重要であり、これが経済の活力を高めることにつながると考えております。しばしば経済財政諮問会議等でもおっしゃっておられることであります。また、公共サービスを支えるに足る安定的な歳入構造を構築することにより、国民の将来不安が払拭され、経済の活性化に資する面もあると考えられます。
 政府税制調査会では、このような考え方を踏まえながら議論が進められておりまして、私もずっと毎回と言っていいぐらい政府税調出ておりますけれども、正にこういう御議論でございまして、先ほど申し上げましたように、十四日に基本方針が取りまとめられる予定となっております。こうした諮問が出てまいりますので、私どもは最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
#30
○山下英利君 ありがとうございました。
 その中でいろいろ御議論をいただきたいと思っているんですけれども、今回、いわゆるさっき私が申し上げました税の空洞化ということと関係する部分もあるかと思うんですけれども、税の議論の中に、いわゆる国税とそれから地方税といったような区分け、これはあるんですけれども、例えば今回の連結納税とこれから議論が出てくるであろう外形標準課税、これをどういうふうに位置付けていくのか。あるいは、この連結納税制度の中でやはり私も議論し考えなきゃいけない問題として、移転価格税制という問題もあろうかと思うんです。
 これ、御当局の方にちょっと教えていただきたいんですが、この移転価格税制に対する考え方というのは、当局はどういうお考えをお持ちですか。
#31
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 昨今はやはり企業の国際化が進んでおりまして、しかし国ごとにやはり税制というのは違うものですから、そういう意味では、所得を海外移転させることによって一種の節税というか、脱税といいますか、そういう行為が大変増えてまいっておりまして、そういう意味では、それらを各国共通に、認識でございますが、OECDの場等におきましてその移転価格税制の適正化というのを、あるいはルール化と申すんでしょうか、そういうものを求めていっているという状況にございます。
 そういう意味では、日本もやはり移転価格税制の強化というか、ある意味では適正化と言った方がよろしいのかと思いますけれども、進めていきたいと、そういうふうに思っている次第でございます。
#32
○山下英利君 どうもありがとうございます。
 この連結納税制度を日本も取り入れる、いわゆるグローバルスタンダードといいますか、海外とも同じ基準で物を考えていくという中で、この移転価格税制というものについてやはり日本としてきっちりと軸足を踏まえてやっていかないと、ますます税の部分でも産業の部分でも空洞化していくということは私は危惧している点でございますので、よろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、三点目、御質問をいたしますのは、金融庁にちょっとお伺いをいたしますけれども、いよいよ来年の四月からペイオフ、これはいわゆる流動性のも含めたペイオフが始まるわけなんでございますけれども、これに対応するいわゆる金融機関の名寄せというものの作業、これがずっと進んでいると思いますけれども、この辺、名寄せの進捗状況、金融庁どうとらえていらっしゃいますか、ちょっと教えてください。
#33
○副大臣(村田吉隆君) 今年の四月一日から定期性の預金についてのペイオフの凍結の解除がなされましたけれども、それに先駆けまして私どもとしては、金融機関との各種の意見交換会、あるいは財務局を通じまして金融機関に名寄せの体制の整備というものを要請してきたわけでございます。一方、預金保険機構とも連絡を取りながら、金融検査の際にそうした金融機関の名寄せの体制についても厳正に検査をしてきたと、こういうことでございます。そういう意味で、三月末をもちまして体制整備が完了したと、こういうふうに私どもは掌握をしております。
 引き続き、今後も検査等を通じまして、こうした金融機関におきます名寄せの体制、状況については確認をしていきたいと、こういうふうに考えているわけであります。
#34
○山下英利君 どうもありがとうございます。
 この名寄せはあくまでもペイオフというものに対応する名寄せということでありますから、一千万円限度、一社あるいは一人という形の名寄せだと私は理解しております。
 これは連結納税制度と直接関係するものではないというふうに理解をしておりますが、それでよろしいですね。
#35
○副大臣(村田吉隆君) 直接、今、委員がおっしゃったように連結納税制度とはかかわりはないと思いますが、私どもの名寄せは、一法人、法人ごとに確認するということでございます。
#36
○山下英利君 ありがとうございます。
 そういったペイオフ対応の名寄せの状況等、都度きちっとフォローしていただいて、遺漏のない取扱いを是非金融庁に御指導いただきたいと、そういうように思っております。
 それで、それについて、名寄せの問題もありますけれども、金融機関のシステムの問題、これはこの間の私の質問のときも申し上げさせていただきましたけれども、大変重要であり、かつもうこれは避けて通れない大変大きな事柄であります。その中で、例えば先般発生しましたみずほ銀行のシステム障害であるとか、それから、この間、先般成立をいたしました法案にも関係いたしますけれども、社債、国債のいわゆるペーパーレス化が進むというところで、金融機関に対するシステムチェックの重要性、これはますます高くなってきているわけなんですが、実際、金融機関検査における金融庁のいわゆるシステムチェックの体制、これについてちょっとお聞かせをいただきたいなと思っているんです。具体的に、例えば今人員の面であるとか技術の面であるとか、そしてまた抱えている問題、そういったことも併せてお話しいただければ幸いです。
#37
○政府参考人(五味廣文君) お答えいたします。
 金融監督庁が平成十年に創立をされまして以降で、システムチェックということでかなり集中的に行われました検査というのが二つございます。一つは、いわゆる二〇〇〇年問題に対応するための準備ができているかどうか、これを平成十年の暮れから平成十一年に掛けて行いました。それからもう一つは、今話題になりました名寄せでございます。この四月を迎えるに当たって名寄せの準備状況ができているかどうか、こうした点をチェックをいたしました。
 この際の体制といたしましては、二〇〇〇年問題をチェックいたします際に民間からITの専門家を非常勤として中途採用いたしまして、その後常勤化いたしましたが、こうしたITの専門家を中心といたしまして、更にシステム監査の能力のあります、これも中途採用した公認会計士、そしてこれらの人がオン・ザ・ジョブ・トレーニングを行いまして、素養のある検査官を言わば準専門家として育成をしてそういう人たちを投入する、こういったような形でやってまいりました。
 その間、平成十一年の七月に金融検査マニュアルができまして、いわゆるリスクベースの検査ということが実行されるようになりまして、その中のリスクカテゴリーの一つにシステムリスクというものが位置付けられております。したがいまして、平成十一年の七月以降行っております、いわゆる一体的検査、つまりすべてのリスクカテゴリーを対象とする総合検査でございますが、この検査におきましては必ずシステムリスクのチェックが行われるということになっております。
 体制といたしましては、民間から中途採用いたしましたITの専門家、これは現在四名おりますけれども、この四名を核にいたしまして、この四名が育成をいたしました準専門家ともいえる若干名の検査官、こうした人間が核になりまして、あとはシステムリスクのチェックリストに沿った研修を行うことで一般の検査官もこのシステムリスクのチェックを行うと、こんな体制でございます。
 分担といたしましては、研修を受けた検査官がチェックをいたします通常の金融機関とは別に、例えば主要行でございますとか、あるいは大手地銀、さらにはインターネット取引が中心となっているような証券会社なり銀行、そして、今検査に行っておりますけれども証券取引所、大阪、東京の証券取引所のように、システムの保全というのが業務の根幹を成すようなこういったところ、こういうようなところにつきましては、この四名の中途採用のシステム専門家を核といたしました人間を張り付けて万全を期すというような体制で行っております。
 現場の問題とおっしゃいましたが、ちょっと立ち入ったことで一言だけ申し上げさせていただきますと、現場の感じといたしましては、これだけ金融機関のシステム化が進んできておりますので、やはり専門家の数がもう少し欲しいということで、努力はいたしておりますが、なかなか市場が厳しいものですから、募集をいたしましてもこちらの要求水準をクリアするような方はそう応募してみえないし、また、実際にクリアできる方が見付かりますと、今度は待遇の面でなかなか折り合いが付かなくて採用ができないというようなことがございまして、ちょっとつらい思いをしておりますが、もう少し増やしたいというのが現場の感じでございます。
#38
○山下英利君 どうもありがとうございます。
 今、ちょっと御説明をいただいて、やはりまだ人員の面、相当厳しいのかなという感じを持たせていただきました。やはりシステムという現場に入っていって、そしてその現場を本当に自分でやりながらチェックをするという技術レベルというのはそう並大抵に養成できるものではありませんし、これもしかし抜本的に体制を考えていただかなければ、もう何か事があったときに、そのときに対応ができないということでは、これは日本の金融システムが本当にがたがたになってしまう、そういう危機感を私は持っている次第です。
 そこで、ちょっと追加でお伺いをしたいんですが、今、養成あるいは中途採用といったようなお話もございましたが、いわゆる外注、アウトソーシングというところはどうなんでしょうか。ちょっとお考えお聞かせいただけますでしょうか。
#39
○政府参考人(五味廣文君) お答えさせていただきます。
 外注とおっしゃいましたので、平たく普通のアウトソーシングであるというふうに理解をさせていただいてお答えさせていただきますが、金融検査、例えば銀行の検査でありますれば、銀行法の二十五条で罰則を伴う間接強制による受忍義務というものを金融機関に課しております。そしてまた、検査の結果に基づきまして行政処分が下されるというようなことも、早期是正措置命令を始めといたしまして、検査結果と有機的に関連する形で銀行法はこれを予定していると。他の法令でも多かれ少なかれ同じでございます。
 したがいまして、こうした国家権力の行使そのものになりますので、その一部分を外注委託というような形で外へ出すというのは、その結果を今度は行政処分なり行政指導の根拠として使おうというときに法的な問題が生ずるというふうに考えておりまして、細部にわたってはいろいろな議論はあり得るかと思いますが、現在の私の理解では、外注できたら本当に楽なんですけれども、それはやっぱりできないというのが私の理解でございます。
#40
○山下英利君 ありがとうございます。
 外注という話、なかなか難しいという御説明をいただいたんですけれども、私、なぜこのようなことをお聞きしたかというと、先般、みずほでやっぱりシステム障害起こったと。それで、公金を扱っている。それについては地方自治体も独自に検査をするというようなことも表明をしておりました。その辺のところをうまく連携して、いわゆるアウトソーシングといっても、官民の関係ということに限らず、官官の中でのそういった連携でやって、とにかく金融システムを堅持するという目的のために体制を整備する、これは考えていただいていい点じゃないかなと、私はそういうふうに思っている次第であります。
 これについては御答弁は結構でございますので、もし何かお考えございましたら大臣の方からお聞かせいただいて、私は質問を最後とさせていただきます。
#41
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま五味検査局長の方から申し上げたとおり、専門家というものを、当然、一体検査の場合にシステム検査が予定されておりますので、それに充てる要員としてそれなりに整備をしているということでございます。
 しかし、今回の具体の事案においても私も考えまして、これはボリュームの点もありますし、また複数の目が光った方がいいんじゃないかというようなこともありまして、日本銀行との提携ということで、日本銀行考査局と提携関係を持って協力して検査に当たるということにいたしまして、その意味では先生が御指摘のラインと一致したような、そういう対処をしたということが言えようかと思います。
 外注については、これは今、五味局長が言われたようなことが基本ではあろうと思うんですけれども、私は、将来において全く考えられないことなのかということは、現状の説明としてはそのとおりなんですが、こうしたことについてないのかということは、もう一度ちょっと考え直してみる余地はあるんではないかということを感覚の問題として思っております。
 要員は、検査だけではなくていろんな局面に必要になってくるし、それからまた、本当に私なんか不適格者なんですけれども、恐らくこれからのシステムが根幹になるような、そうした経済活動というものを考えたとき、経済官庁のトップですね、つまり、下というか、階層的な組織になっていますからあえて下と申しますが、下の者だけではなくてやっぱりかなり上の者もこうしたことの問題にかなりのレベルで、少なくとも本質的な部分については知っているというようなことが要請されてくるんではないかというふうに思っておりまして、これ非常に難しい問題を中にはらんでいると思うんですけれども、早くにそうした必要にして十分な体制を縦横十文字に取るということが必要になってくる。
 その場合に、一体、効率的に対処する場合にどういう体制がいいんだということはかなり根本から考えてみる必要があるんではないかと、こういうふうに私は思っています。
#42
○山下英利君 どうもありがとうございました。
 これで私の質問を終わります。
#43
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。
 今日は、午前、午後、百三十分間という時間をいただきましたので、少し、連結納税もちろんそうでございますが、かなり税制改正の問題で現在経済財政諮問会議やあるいは政府税調の方で議論されていますので、それらも含めまして質問をさせていただきたいと思います。
 さて、塩川財務大臣ほか、今、国内で最大の話題はいつもサッカーの話題になるんですね。財務大臣、先日の日曜日のロシア戦、ごらんになりましたですか。私は実は、ワールドサッカー議連というんですか、それに入っていましたので、実は横浜まで行ってまいりました。すばらしい試合を見て感動させられたという思いなんですが、大体、本当にサッカーを観戦していて、サッカーの試合はこんなに面白いのに、なぜ国会の論議はこんなにつまらないのかなと、こうつくづく思うんです。
 実は、アイスホッケーの選手だった田名部さん、田名部匡省さんという方がおられるんですが、田名部さんが、ちょうど私、サッカーの帰りに一緒で、あの方もアイスホッケーの専門家だったものですから、非常になるほどなと意味深長なことを聞いたんですけれども、それは、要するに攻守の切替えといいますか、守っているときに実は次の攻めを考え、攻めているときにまた守りも考えているんだというんですね。
 こうしたやり取りを聞いていて、実は我々、大体いつもは一方的に攻めるだけなんですね。逆に皆さん方から、峰崎あんな生意気なことを言っているから少し逆襲してやれという形での、こういう実は反論権という、そういう論議はなかなか成り立っていないんですね、今のところ。
 私は、やっぱり国会活性化していく上に当たっては、こういう法律だったら逐条審議したらいいと思うんですよ。もう要するに、一条、一条審議しながら内容の精査をしていったらいいと思うんですが。ある意味では、税制のありようを議論するときは、これはもう本当に法人税についてどう思うかという質問項目だけ出しておいて、そうして塩川財務大臣と私の間でやり取りをしていくというような、そういうやり取りというのがあって初めてディベートというのが成り立つんじゃないかなと、こう思ったんです。
 財務大臣、長い間政治家をやっておられて、これは質問に入っておりませんけれども、そういう改革についてはどんなふうに思われますか。
#44
○国務大臣(塩川正十郎君) 私も実は、一回、二回、三回のときは、もう自民党で委員会で質問ばっかり担当させられたんです。地方行政委員会に最初から属しておりまして、一番質問難しかったのは地方交付税の質問やったんです。これをやろうと思いましたら、もう本当に一週間、二週間勉強して質問したことがございました。ですから、先生方の質問は大変だということを私はよう知っておるんです。
 そこで、お互いが問答し合うのが本当は一番いいんじゃないかなと思うんですけれども、しかし、私の方から時々、ちょっと、それじゃどうしたらいいんですかと聞いたかて、これは失礼な話で、そういう質問、答弁は許されないということになってきますので私も困っておるんですけれども。
 本当は、私はそういうお互いが意見の開陳をしたらいいんではないかと思っておりまして、私は実は一回だけ経験がございます。それは、鈴木淑夫先生が衆議院の財金で、ちょうど三十分ほどですか、もう問答、質問でやり取りしたことがございます。私自身も非常に勉強になりました。そういうようなことがあればいいがなと思って、願っておるところであります。
#45
○峰崎直樹君 実は昨日、質問を取りに来られる政府の役人の方に随分失礼なことを言ったんですね。要するに、細かいところ、つまり答弁書を作るためにもう根掘り葉掘り聞かれるわけですよ。それは恐らく、大臣の皆さん方を、あるいは政務官や副大臣、今日もお見えになっていますけれども、もうとにかく恥をかかさないようにするとか、いろいろ最大限の配慮をされているんだろうと思うんですよね。
 ですから、ディベートをするに当たっては、そういう与党側だけにある特権みたいなものをなくさなきゃいけないと思うんですね。逆に言えば、イコールフッティングしなきゃいけない。それこそ、機会の平等とよくおっしゃるんですけれども、そこら辺を国会改革でやらなきゃいかぬと思うので、これは是非これからやっていきたいと思うんですが、ちょっとクレームを付けたいんですよ。
 というのは、環境省に、それぞれ、今日、奥谷政務官がおいでになるということなんですが、まだ来ていない、来られていないと思うんですね。聞くところによると、十一時十分から十二時までの間しか出られませんとおっしゃった。その理由は何ですかと聞いたら、実は向こうで環境委員会をやっているから大臣も副大臣も政務官もみんな出なきゃいかぬと。
 しかし、我々国会の改革というのは、要するに政府参考人を呼ばないで政治家同士で議論していこうじゃないですかと、こういうことでやったので、当然、各委員会で呼ばれるということはあり得る話ですよね。それが、もうあちらこちらに呼ばれてどうしてもその三人が手分けしても都合が付かないんならいいんだけれども、同じところに三人いたんじゃ、これ全然意味ないんですよね。
 そういう意味で、来られたら私言おうと思うんですが、環境省への質問は、実は道路特定財源問題の環境税への組替え問題ですから、午後からの質問でしかちょっと組み立てようがないんです。そうすると、これ質問してもいらっしゃらないということになっちゃうんです。
 こういうことはやはり非常に問題なんじゃないかと思うので、委員長、是非そこら辺の、もう一度改めて、政府側の答弁者の調整問題についてはひとつ整理をしていただきたいと思うんですが。
#46
○委員長(山下八洲夫君) 理事会で協議いたします。
#47
○峰崎直樹君 それでは、連結納税問題から入っていきたいと思うんですが、財務大臣、あるいはこれは尾辻副大臣が一貫して衆議院の方も今もお答えになっていらっしゃいますので、連結納税の目的について、尾辻副大臣、多分答弁されることは、もう大体どういう答弁されるかということは分かるんですが、改めて端的にお聞きしたいと思うんですが、もうこちらから、もう答えられたという前提で再質問しましょう。
 尾辻副大臣は先ほどの答弁に関して二点おっしゃられたわけですね。要するに、企業の国際競争力の引上げ、そしてその際に、一つは、実質的な一つの企業とみなし得る法人への課税を実態に即したものにしたい、二点目に、企業の組織再編をより柔軟に行うことを可能にし、我が国企業の国際競争力の強化と経済の構造改革に資することだ、こうおっしゃっています。
 そこで聞きます。国際競争力の強化と経済の構造改革というのは、なぜこういう形で行うことが国際競争力の強化につながるのか、その点ちょっとお答え願いたいと思うんです。
#48
○副大臣(尾辻秀久君) 先ほども山下先生の御質問にちょっとお答えいたしましたけれども、例えば、今、日本の企業が、特にベンチャー企業が国際競争力が弱い、そういうようなことも言われます。そこで、大きな企業がそういうベンチャー部門にひとつ乗り出そう、こういうときに、子会社を作ってそのベンチャー部門をやろうと。
 今までですと、それを、子会社を作って、当然、新しいところに乗り出すわけでありますから当面赤字が見込まれる。そうすると、赤字が見込まれるからそれは二の足を踏むというようなこともありましょうが、今度のグループ全体で考えて納税していただくという制度になりますと、その子会社の出す赤字分は親会社の収益の中で相殺できますから、そういうことも可能になる。こうしたことが国際競争力の強化につながる、すなわち経済の構造改革につながる、私どもはそういうふうに考えておるところであります。
#49
○峰崎直樹君 今お話聞いていて、要するに子会社を作ってベンチャーはやりたいと。
 今まで企業の中で、大企業の中で、大企業を中心に考えたときに、企業の中にも部門を分けてきたんですよね。事業部制だとかいろんな形であったわけです。MアンドAももちろんあると思うんですが、このいわゆる事業部制を一つの会社にして外に出す、いろいろ出していくという、一〇〇%子会社か、その一〇〇%ないかは別にして、いわゆる外に出していくということのメリットというのは一体何が一番その際に重要なんだろうねと。
 つまり、企業がそういうふうにいったん赤字になっても、赤字分を実は連結納税ということで一体で、税の赤字になってももうかっているところと相殺できるから、その分、実は企業が損をしないというか、中にあったのと同じことだ。しかし、私が聞きたいのは、なぜ外に出すのか、なぜ中に置いたままでは駄目だったのかというときに、一つの企業を外に出すわけですね、出したら何が変わってくるんだと、そこをちょっともし分かったら教えてください。
#50
○副大臣(尾辻秀久君) 私も会社経営したことございませんし、そういう意味では素人でございますのでよく分からないんですが、分社化というのが必要だ、そういうことはよく言われております。したがって、分社化可能、これは大きなメリットであろう、こういうふうに考えております。
#51
○峰崎直樹君 分かりました。私の質問がひょっとしたら禅問答みたいになっているかもしれぬ。
 これは私、実は連結納税制度というのは私にとってみれば非常に思い出の深い、つまり、思い出の深いというのは、一九九五年の年だったと思うんですが、五五年かあるいは五六年、ちょっと定かではありませんが、実は、純粋持ち株会社の禁止というのが起きたわけです。これは第九条、独禁法第九条というところ、隠された九条ということで純粋持ち株会社が解禁をされていなかった。解禁をした方がいいんじゃないかということを実は私、予算委員会で提起したことがあります。
 当時、日本社会党に所属していまして、社会党に所属している人間がなぜ純粋持ち株会社の解禁を指摘したのかというそんな指摘があったときに、実はこの持ち株会社を作ることによって、これは塩川財務大臣がよくおっしゃっているんですが、優秀な人材を育成するんだと、つまり、事業部制ということで事業部の部長とかなんとかになったのでは実は会社を経営するというノウハウが育たない、マーケットがどういうふうに動いているか、あるいは人事や労務はどうするのか、そういう意味での企業経営者、つまりアントレプレナーというんですか、本当の経営者を作っていくためには、実際に株式会社という一つの単位を責任持って実は運営していくという、そのシステムでなければ実は企業は発展しないんじゃないのか、こういう実は問題指摘をしたことがあるんですね。
 その意味で私は、この純粋持ち株会社が解禁をされて連結納税という単位に持っていかない限り、日本の、ある意味では今私がお話ししたようなことは完結しないんじゃないかなと思っていたので、このいわゆる完成が待たれたわけなんですね。そういう意味で私は、塩川財務大臣が前にちょっと私が質問したときに、やっぱり人材だ、経営者だ、本当の経営者がいないんだというところを指摘されたのは、私はそのとおりだろうと思っているんですね。
 その意味で、この連結納税という仕組みは、そういう意味でこの企業経営がなぜ国際競争力を持つのか、なぜ経済が活性化するのかというときには、私は、そういうチャレンジ精神旺盛な企業家をいかにたくさん作っていくのかということに掛かっているのではないかなというふうに思っているんです。
 そこで、今日は経済産業省から副大臣お見えになっていただいているので、この純粋持ち株会社は産業界で今どれぐらい広がっているのか、その点についてちょっとお聞きしたいと思うんです。
#52
○副大臣(大島慶久君) 峰崎先生にお答えを申し上げます。
 純粋持ち株会社でございますけれども、これは先生御案内のとおり、分権化による迅速な意思決定、あるいは選択と集中、こういったことを円滑化することに非常にまずメリットがある。こういったことで、今、我が国の経済は国際競争力をもういや応なしに強いられますし、いろんな意味で大変な場面に直面をしている企業が多いわけでございまして、そういった意味では、我が国の企業にとってこういった制度というのはもう極めて有効な選択肢の一つであろうと我々は考えております。
 そして、これも御案内のとおり、平成九年、独禁法が改正されまして以来、この純粋持ち株会社が認められるようになったわけでございますけれども、製造業あるいはサービス業、そして金融業を始めとする極めて広い分野で今利用されつつある、こういうふうに申し上げていいかと思います。
 けれども、我が国の現行税制においては、主要先進国の多くが既に導入をしております、今、先生が度々質問の中にも発せられております連結納税制度が導入されておりません。そういった意味で、純粋持ち株会社に移行する際に、純粋持ち株会社の下で分社化あるいはグループ企業の再編等を行う際に税負担が増加する場合があるわけでございまして、純粋持ち株会社の活用によって阻害要因となっている面があることも事実でございます。
 こうした観点から、連結納税制度の導入は経済界の最も要望の高い一つであるというふうに我々は承知をいたしております。そして、連結納税制度が導入されることによりまして一層有効に純粋持ち株会社を活用することが可能となりまして、我が国産業の国際協力の強化あるいは我が国経済の活性化に大きく寄与するものと考えております。
 以上でございます。
#53
○峰崎直樹君 要するに、これ、質問の趣旨というのは、純粋持ち株会社が必要だということはもう言ったんですよ、私。それで、問題は、純粋持ち株会社がどのぐらい広がっているのか。例えば、上場企業の中で何%を占めていますと、その中で調査をして、実はこういう要望が強いんですと、そういうことを実はわざわざ文章も書いて、私、説明求めているわけでして、事前にそのことは書いたんですよ。必要性がどこにあるかなんということを聞いていないじゃないですか。
 だから、そういう意味で私は、先ほど言ったように、ディベートじゃないんですよ。要するに、書いてもらったことを答弁しているだけなんじゃないですか、今。何のそれだと議論にもならないんですよ。普通ならこれで止まりますよ、そういうことを議論していたら。
 改めて、ではお願いします。
#54
○副大臣(大島慶久君) 数量的には把握を今持ち合わせておりませんけれども、例えばみずほホールディング、これは二〇〇〇年の九月に設立をされておりますし、日本ユニパックホールディング、これも二〇〇一年の三月、そしてJFEホールディング、これは仮称でございますけれども、二〇〇二年の十月予定をいたしております。それから、日本航空システム、これはJALと全日空の合併のようでございますけれども、実態は二〇〇二年十月に予定をいたしておりますいわゆる持ち株会社であろうと。主なところはこういうところでございます。
#55
○峰崎直樹君 要するに、今のお話聞いていると、個々の事例を挙げておられるんですが、私は金融持ち株会社はちょっとこれ別格だと思っているから、その金融じゃなくて、実際問題、純粋持ち株会社が広がっているのか広がっていないのか、純粋持ち株会社を採用したところはどんな要望が強いのか、経済産業省はそれを調査しているんですか、していないんですか、それをちょっと、イエスかノーでいいですから答えてください。
#56
○副大臣(大島慶久君) 答弁の前に、ちょっと今私は全日空と日航と言いましたけれども、これはJASの間違いでございましたので、訂正させていただきます。
 今の先生の再度の質問でございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、いろんな分野で今広がりつつあると、もうこれが実態でございますので、再度、今、先生の御質問のように、もう少しきめ細かにその実態調査をやっていく必要があるなと感じております。
#57
○峰崎直樹君 私は、鳴り物入りでこれやり始めた制度なんですよ。独禁法第九条、独禁法第九条ともうずっと長い間言ってきて、それで入ったから、その後どうなったかというフォローをしていないというのは、これ怠慢だというふうにしか思えないですね。そして、そういう企業に対するアンケート調査とか、当然それは経済産業省としてやるべきだと思うんですね。是非それはやっていただきたいと思いますし、今日は副大臣、是非責任ある形で我々にそういう方向を提示していただきたいと思います。もうその点はこれ以上申し上げません。
 そこで、次に財務大臣にお伺いしたいと思うんですが、連結付加税の見直しをされるということをおっしゃっているんですね。法案審議しているときに、もう見直しをせにゃいかぬねと、こうおっしゃっているので、我々、是非次回はこの付加税を取ったらどうですかという修正案を出したいと思うんですよね。是非、与党の皆さんも、衆議院の質問を見ていても、みんなこれはやっぱりやめるべきだという声が強いんですよね。その意味で、連結付加税を見直しをされるというんですが、いつその後の判断をされるのかなということについてお答え願いたいと思いますが。
#58
○副大臣(尾辻秀久君) これは、連結付加税は当面二年間の措置といたしておりますから、そこで議論し検討する、こういうことでございます。
#59
○峰崎直樹君 もう衆議院の議論でずっと聞いていて、もう財務大臣、尾辻さんも答えられていますが、要するに、この法案が通って、九月が締切りなんでしょう。そうすると、九月の時点で見ると、ああ、どうもこれは導入の状況が悪いと。そうすると、九月の末に締め切った段階で、これを適用するとかしないとか、付加税を取る取らないという判断をするべきじゃないですかというふうに、こちらからじゃ質問しましょう。どうですか、九月の締切り時点で、そして早急に判断をすると、こういうことでどうですか。
#60
○国務大臣(塩川正十郎君) 実は、そうせっかちにおっしゃいますけれども、これ、実は連結納税制度というのが、大企業の、上場経営しているような企業はもう一生懸命研究しておりますから、これは付加税がないということになれば積極的に採用していくと思いますよ。けれども、一般中小企業などで連結納税のまだ利得というのは本当つかんでいないと思うんですね。
 私は、今一番連結納税で、これが付加税がなくて有利だと思うて認定してきたら、積極的に取り組んでいくというのは上場を目指しておる中堅企業ですね。それから、二部上場の会社というのも、ナスダックだったかマザーズとか、ああいうようなところがありますね。ああいうところは一斉に私は連結納税を採っていくだろうと思うんです。それはなぜかといったら、連結納税の一つの楽しみはやっぱり株の公開なんですよね。ここが一番の望みで、といって、それじゃその子会社であって、中間的な子会社ではなかなか、おっしゃるように人材も集まってこないし、第一、現在の分社法によると、分割しましても、貸付金一つしようと思うたら、実は大変な手続をしなきゃならぬ。連結納税をやることによって、その貸付け、親会社から子会社に対する貸付けとか保証とかいうのは比較的イージーにやっていけますので、そういう点が実際は企業で生かしていけると言うことができるんです。
 ですから、総じて連結納税の利点というものと、この欠陥というか責任というものと、そこをもう少し私はしっかりと産業界、特に商工会議所のレベル等で本当勉強してもらいたいと思っておるんです、大企業はもう一生懸命勉強していますから。これは、私らが会ったら、よく話をしております。
 そうしますと、その制度をやったからといって、直ちにどの程度の会社がどのようにこれを利用していくかということはちょっと分からないと思うんですが、私が思いますのは、この制度ができましたら、連結納税制度についての利点、欠点という、損得というようなもの、これはもう経産省と共同して早急に大キャンペーンをやっていきたいと。このこともまた一つは産業界の活性化に役立っていくと思いますので、そんな運動を展開していきたいと。
 その中で、この付加税の問題であるとかあるいは租税特別措置法、これをどういう具合に解除してしまうかということ、問題になってくると思います。租税特別措置法ですね、これを解除するだけによっても四千億円からの財源が出てくるんでございますから、そうすると、連結納税のやり方も、これは思い切り明るい展望が出てくると思いますし、いたしますので、そんなことを総合的に一回早急にやってみたいと思っておりまして、ただ単にこの付加税を取って様子を見ているということじゃなくして、これをどう産業界と結び付いて考えるかということをやりたいと思っております。
#61
○峰崎直樹君 今お聞きしていて、中小企業の皆さん方はなかなかこれまだ十分勉強されていないかもしれないとおっしゃっていましたけれども、租税特別措置についても何か見直しをするようなことをお話しですが、ということは、退職給与引当金とか特別修繕引当金の、ある意味では、中小企業は十年掛けてやるんですよといった、それも見直すということなんですか。今そう私には耳に聞こえて、あっこれはすごいなと思って今お話を聞いていたんですが。
#62
○国務大臣(塩川正十郎君) 租税特別措置法でまだたくさん、もう要するに政策目的の終わったものがございますから、それの解除が財源になってまいりますので。
#63
○峰崎直樹君 そういう租税特別措置というのは、これをある意味では廃止をしていくというのは課税ベースを広げるというんですから、当然それは、課税ベースを広げるんだったら税率を下げていくという形で、それで付加税をなくするということなんでしょうか。それとも本体の、最近ちょっと出てきているのは本体の税率も下げてくれないかと、こういう議論が出ていますよね。これは外形標準の絡みから出てくるんでしょうから、少しちょっとややこしくなりますからまたそっちはそっちで話をした方がいいのかもしれませんけれども、そういう課税ベースを広げて税率を下げていくと、こういう考え方には変わりはないんでしょうね、そこのところ。
#64
○国務大臣(塩川正十郎君) 課税ベースを広げることによって直ちに法人税を下げることは、私たちは今そこに頭はございません。
 しかし、課税ベースを広げることによってこれは増収につながってくることは事実でございますから、それは企業の実質的な減税になるように、実効税率から見たら減税になるような方向、例えば試験研究費の償却を税額控除を見るとかあるいは特別償却をするとか、あるいはいろんな負担金の調整をするとかいうようなこと等によって法人の負担を軽減するということが言えると。
 要するに、私が言っていますのは、租税特別措置法が、もう政策目的が終わったのにかかわらず、これがあるがために企業会計を有利に計算しているというだけのことでは、これはもう私は時代にそぐわない、そこでこれを思い切って見直していきたいと、こういう意味であります。
#65
○峰崎直樹君 何か聞いていますと、租税特別措置を、既存の租税特別措置を見直してまた別の租税特別措置に切り替えているだけだというふうにしか聞こえないんですよね、今のお話を聞いていると。それなら何のために、租税特別措置をできる限り縮減するとか課税ベースを広げて税率を下げるとか、そういうオーソドックスな議論というものと、塩川財務大臣、ちょっと矛盾するんじゃないかと思えてならないんですけれども。
#66
○国務大臣(塩川正十郎君) だから、私が言っておる、だから政策目的の終わっているところ、あるいは政策目的としてはもう効果が十分発揮されておるようなところ、それを廃止して新しい政策目的のところに減税措置を講じていく。この減税措置は租税特別措置法とあるいは解釈されるかも分かりませんけれども、しかし、一方から見たら実質的な実効税率、法人税の引下げにもなってくる、引下げというか、軽減措置になってくる。これはいいことで、生々流転、これこそ経済の生きる道じゃないですか。
#67
○峰崎直樹君 それじゃ、あれですか、毎年、私どもは外から見て、また自由民主党、与党を中心にして税調で年末に租税特別措置の見直しをやっていらっしゃるんですよね、二年に一回とか、税制改正のたびごとに。そうすると、そこは要するにまだまだ切り込みが不十分だと。もう役割を終えたのに存続している租税特別措置がたくさんあるということを塩川大臣はお認めになったということですね。まだ残っているということですね。残っている、それだけで結構でございますので、ちょっとお聞きしたい。
#68
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は随分検討すべきものはあると思っております。
#69
○峰崎直樹君 そこで、経済産業省の副大臣にお聞きしたいんですが、中小企業を抱えている、先日もある中小企業関係の人たちが私のところにやってまいりました。今度のこの連結納税制度の中で困ったことが起きていると。何かというと退職給与引当金。特別修繕のことはおっしゃいませんでしたけれども、これについては当初は控除の率を二〇%ぐらいで止めるところまでで合意していたのに、中小企業だから十年だということであるけれども、全廃というふうに出たと。これはちょっと約束が違うんじゃないかという声が出たんです。
 中小企業を所管しておられる経済産業省として、このいわゆる連結納税に伴う、つまり中小企業の場合は塩川財務大臣がよう勉強してくれと、あんたらもうまい方法あるでっせと、こうおっしゃっているんだけれども、中小企業の皆さんからすれば、我々が連結納税をするような子会社を作ったり、そういうような仕組みというのはほとんどは考えていないところが多いんですよね。そうすると、中小企業にとってはこれは増税になりまっせ、これ、どうしてくれるんですか、こういう声が出ているんですが、副大臣、どうでしょうか。
#70
○副大臣(大島慶久君) お答えを申し上げます。
 連結納税の制度の創設に当たりましては、制度の導入によりまして税収減に対して財政措置を講ずることがまず必要である、こういう観点から退職給与引当金の廃止等の課税ベースの見直しを行うことといたしておるわけでございます。この改正は、税率を引き下げ、そして課税ベースを拡大するという法人税制の改正の基本的な方向性には合致しているものと考えております。
 そして、今、先生もおっしゃいましたように、退職給与引当金制度の廃止に当たりましては、企業に与える影響を配慮しつつ、段階的に四年間で取り崩し、さらに、中小法人に関しましては十年間で取り崩すこととなっていることを考慮すると、やむを得ない措置であるというふうに我々は考えております。
#71
○峰崎直樹君 いや、やむを得ない措置、経済産業省はそう判断したということなんですか。要するに、大企業を中心として連結納税を採用できるところ、これはある意味では比較的恵まれた、企業の中で恵まれた恵まれていないというのは変かもしれませんが、かなり零細な中小企業からすると、退職給与引当金を積めるところはまだいいのかもしれませんけれども、積めないところが多いのかもしれませんが、積めるところは、これはもう困ったことですと、こういう声が非常に強いということは私はやはり考えておくべきじゃないかなと。
 今、課税ベースを広げて税率を下げるとおっしゃったんですが、これ、今度の退職給与引当金の場合は、課税ベースを広げているけれども、税率下げますか、これ。下がりますか、副大臣。
#72
○副大臣(大島慶久君) 今、塩川大臣も御答弁にありますように、中小企業の中でもこの連結納税を活用するところもあるわけでございますので、十年で廃止するということを考える、これはやむを得ないと再度答弁させていただきます。
#73
○峰崎直樹君 余り芳しい、はかばかしい答弁をいただけないのであれなんですが、要するに、課税ベースを広げますよというのは私どももいいと思うんです。そして税率を下げていくというんですが、今度の場合は、課税ベースは広がっていくけれども、実は連結納税の導入をしないところにとってみればその分税率は何も変わらないわけですから、中小企業には軽減税率があるとはいいながらも、何も変わっていないと。そうすると、連結納税を導入することによって、実はかえって我々にとっては負担増になりますよと、それが中小企業の皆さん方からのやっぱり声だというふうに思います。
 これは、それもやむを得ないんだというふうに所管の省庁としておっしゃるということでございますので、それはもう、その判断について我々は批判的な意見を持つけれども、しかし、それ以上、けしからぬといって元へ戻るわけでもないでしょうから、その点について改めてもう質問いたしませんけれども、もう少しやはりそこら辺は丁寧に見るべきなんじゃないかなということを申し上げておきたいと思います。
 さて、本当は法人の配当益金不算入問題なんかもあるんですが、さて、本会議の今度は、先日私、代表質問させていただきまして、その答弁について、あの場で再質問をしようかなと、あるいは再質問をする権利を留保してやろうかなと思ったんですが、我が党一党だけだったものですからちょっとやりづらいなと、こう思って、今日は質問を、二時間近くありますので、前回の本会議質問についてまず質問していきたいと思うんですが、最初に、国債の格付問題についてお聞きしたいと思っています。
 私の質問、国債の格付でムーディーズが二段階下げたと、それでどういうふうに考えておられるかということについて、ちょっと読み上げてみますと、こういうふうに大臣答弁されているんです。
 この格付会社が指定しております要件などをつぶさに見て、我々のいろいろな今後の施策の中にも生かせるものはこれを採用していくべきだと、謙虚な気持ちでこれを見ている、こうおっしゃっているんですが、じゃ、素直に謙虚な気持ちで、どういうものは生かせる、どういうものは我々としては生かすことはできない、こういう判断なんでしょうか、具体的にちょっとお答えいただきたい。
#74
○国務大臣(塩川正十郎君) 一番簡単な問題は、国債の発行を無制限に発行しておるじゃないかと。要するに、GDPに対して政府というか公的負債ということが異常に高いではないかと、これを解消せいということは、これはもう当然やっていかなきゃならぬ。
 私はあれを読みまして、それはもうあの格付に対しては物すごい私は異論ありますよ、ありますよ。だから私は抗議を申し込んだんですよ。申し込んだんですけれども、あの意見書の中に書いてある中の一つはそういうことを書いてある。これはやっぱり我々も十分この意見は尊重せにゃいかぬなと。
 だから、要するに国債の発行高といいましょうか、公的負担ですね、負債ですね、公的債務の削減というものをやっぱり努力していかなきゃならぬ。これはもう当然思うておるので、これは採用していくということを言っておるんです。ほかのことを言っておるので実情に合わないことも大分ありますね。
#75
○峰崎直樹君 正にそこだろうと思うんですよね。正に、やっぱりGDPの一四〇%も達するような財政赤字をずっと累積しておると。それから、単年度でいえばプライマリー赤字はGDPの四%ぐらい行っているんでしょう、五%近く。これは、景気が回復しようが回復しまいが、それは実は存在しているわけです。
 そこで、先にちょっと経済財政、今日は竹中大臣お見えになっているので、財政のプライマリーの黒字をまず回復するというのが、二〇一〇年ごろには回復すると言ってるんです。前回、私、代表質問だったかこの委員会で質問をしたときには、今の内閣府のマクロモデルで計算をすれば、歳出カットとそれから税の、歳出の組替えとか、あるいは恐らく規制緩和とかいろんなものを条件に入れられているんだと思うんですが、要するにそういうやり方で二〇一〇年にはプライマリー赤字は黒字になるんだと、こうおっしゃったんですよね。それは本当に間違いないんでしょうか。
#76
○国務大臣(竹中平蔵君) 間違いなくそのように経済を運営したいというふうに思っているわけですが、今、試算のお話お尋ねだと思いますので、その試算の仕組みだけ申し上げておきますと、今いわゆるプライマリー赤字はGDP比四・三%に達しています。それは約十年間でということで、この委員会でも何度か申し上げたかと思いますが、平均すると毎年毎年GDP比〇・四%ぐらいの収支改善を行っていくということが必要になってくる。
 これをどのように行っていくかということでありますけれども、基本的な枠組みとしては、政府の規模をこれ以上大きくしないで、歳出を急激に、できるだけもちろん歳出は削るわけでありますけれども、現状から大幅に削るということになると、これはこれで経済に対して大変ショックが大きいわけでありますから、政府の規模を、これはほっといたら歳出はどんどんどんどん増大していきます。それを増大しないように抑える。これはこれで大変苦しい、厳しいことでありますけれども、そうする中で経済を、構造改革の成果を取り込んで経済が自律的に回復して、〇・四%ぐらい、GDP比で見てですね、プライマリーバランスを改善していくことが可能になるであろうと、こういう削減、仕組みを二〇〇六年までの試算として行っているわけです。これは、二〇〇六年までがこの改革と展望の期間であるわけです。
 さらに、それの参考の延長試算としまして、同じような収支改善が、〇・四%程度の収支改善が行われるということになると、十年ぐらいでその改善が、プライマリーバランスの回復が可能になると、そのような試算を行いまして、それに基づいて改革と展望のシナリオができているということでございます。
#77
○峰崎直樹君 一度その細かい前提条件といいますか、それを、もちろん一年一年で機械的に達成するとか、十年近いターム、中期的に判断されていると言うんですが、私どもは、例えば内閣府の研究官をやっておられる東京大学井堀先生とかいろんな方々の展望、マクロモデルを使ったモデルをずっと試算した結果なんかを見ても、税負担なくして、これは歳出削減だけでプライマリー黒字を回復することはできないとおっしゃっているんです。
 東京大学の先生でありながら内閣府の研究官というのを、恐らくやれると思うんですが、そうありながら、いや、今のお話を聞いていても、まあとにかく歳出を〇・四%ずつ、二兆円ですわね、二兆円ずつ二兆円ずつ歳出カットしていくんだ。本当にそれが実際問題そういう形でできるんだろうか。機械的に言えば、十年ですから、二十兆でいえば、プライマリー赤字をゼロに持っていくのには単年度〇・四三で結構だというのは、それは計算上は成り立ちますけれども、その間における、出生率が低下をしてくる、それから高齢者の人たちが増えてくる、さあ基礎年金の税方式二分の一だ、これは全部約束しています。そういったことが果たして本当にやられた上での前提条件なんだろうかなというふうに思うと、私にしてみると、ちょっと井堀先生の推計を支持すべきなのか。
 たしか、東京財団の、竹中さん、理事長やっておられましたことありますね。そのとき送ってくるペーパーを見ても、税負担なくしてプライマリー黒字になるなんというのは、私が見た限りでは、残念ながらあそこに参加されている一級の経済学者はだれもいなかったんじゃないかと思うんですが、何か担当大臣になられたら急に、いや、なくてもできるんだと、こういうふうに考えておられるとすれば、ちょっとそこら辺の根拠をお聞きしてみたいなと思っているんですが、どうでしょうか。
#78
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと技術的な誤解があるといけませんので申し上げておきますと、二兆円歳出カットすればそういうふうになるというふうな試算は行っているわけではありません。要するに、歳出はほっておいたら、今の制度のままではどんどん増えていきます。それはそれで、増えないように今の大体政府と同じような水準に抑えるということです。繰り返し言いますが、これはこれで大変な努力を要するものです。
 一方で、経済を自律的な成長軌道に乗せて、経済が何年かの集中調整期間が終わった後には潜在成長力に近い成長力でいけるような形で運営する。それによって、それまでにはデフレを克服するという重要な課題もありますが、名目成長率も上げることによって、名目GDPも上げることによってしかるべき税収を図っていく、税収の増を期待するということです。
 是非御確認いただきたいのは、我々が議論している改革と展望の期間というのは二〇〇六年までです。二〇〇六年以降は〇・四%程度の収支の改善をどのような形で行うかということに関しては、これは幾つかのやり方があるということを留保しているわけです。〇・四%の収支改善には、歳出を削減するのもあれば、御指摘のように、それは井堀先生を始め何人の方が言っておられるように、税収を何らかの形で引き上げるという方法もあるのかもしれません。そのぐらいの先になると経済の状況がどうなっているかということもありますから、しばらく経済を立て直す、経済を成長軌道に復帰させるということをなした時点でやはり判断すべきであるという、どのような策を投じるか、これは歳出と歳入とどちらかをいじるしかないわけでありますから、その判断をしようということを言っているわけです。
 実は、六月七日の経済財政諮問会議で、今次の税制改革について総理から指示をいただいておりますけれども、この改革と展望の期間内に必要な税制上の措置を判断するというような指示を、こういったシナリオの中で総理からも御指示をいただいているところであります。
 基本的には、やはりこれは政府が歳出をどんどん削減して、その中で経済を自律的に回復させて、それでもってプライマリーバランスを回復させていくというのがあくまでも基本線だというふうに思います。しかし、経済は生き物でありますから、経済の状況を見ながら、そういった期間内に必要な判断をしたいというのが総理のお考えだということであります。
#79
○峰崎直樹君 とすると、二〇〇六年までの間に要するに税制上何らかの形でこれは必要な措置を取ると書いてあるけれども、増税とは書いていません。書いていませんが、いずれにせよその期間までの間にいろいろ判断をしますと。
 ということは、それまでの間と言っていますから、それよりも前倒しで、いや、これはどうも税負担しなきゃいかぬとか、そういうことはあり得るということなんでしょうか。それとも、やはりぎりぎり六年まで待つと。それはもうその当時の経済情勢いかんによるんだというふうにしかもうお答えにならないんでしょうか。
 つまり、ムーディーズとか格付機関が一番やっぱり見ているのは、租税を調整する権限があると、国には。租税を調整する権限がありながら、どんどんどんどん日本の租税の負担率というのは減ってきているよ、しかも減税だとかいろんな声が起きてきて、日本というのは本当に国家が必要な税収を賄えないところまで、もうとんでもないところへ来ているじゃないかと。そこのところをいつになったら自信を持って国民に対して説得をし、これだけ必要なんだということを言えるのかという、そこを見ているんじゃないでしょうか。
 何だか二〇〇六年までとにかく歳出削減とかいろんなことを言っているけれども、どうも先進国の中でこんなにひどい国民所得に対する税収比、社会保障負担も入れても構いませんけれども、余りにもひどいじゃないかと。要するに、そこのところに何にも政府がというか政治がきちんとこたえていないところが、実はムーディーズがランクを引き下げたという大きな要因になっているんじゃないかと思うんですよ。財務大臣、そこら辺、どういうふうに考えておられますか。
#80
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、ムーディーズに対してこういうことを言ったらどうだということを省内で議論しましたときに言ったのは、すなわちそこが問題でございまして、経済というものは静止状態で見るべきじゃない。
 私はそもそも、えらい冗談になりますけれども、マルクス経済、社会主義経済、何で崩壊したかというと、技術革新というものと、それから構造改革が変わっていくということを、これを計算しなかったことが最大の欠陥なんですよ。ですから、今、資本主義社会は何で栄えたか。技術革新をどんどんやっていった、構造改革をどんどんやっていった、これが資本主義が繁栄してきた根本なんです。
 それと同じように、我々は、プライマリーバランスを取っていくまでに、二〇一〇年まで構造改革をやっていこうと言っているんです。構造改革というのはそこが大きい意味なんですよ。この構造改革をやらないで静止状態で経済を論じてきたら、おっしゃるようなそういう矛盾があるかも分からぬ、分からぬと、こうなってしまうのは当たり前だと思うんです。
 ですから、我々は、とにかく二〇〇六年までは経済政策の中で活性化を図ると同時に財政の節度をきちっとやっていこうと、こういうことをやっていこうと。しかし、それと並行して、どんどんと規制を緩和して構造改革をやっていこうと。その構造改革の跳ね上がりを期待して、経済の発展を見て、それで一〇年ごろをめどにこれを解消していこうということをしておるんです。
 そこで、学者の言っております中に、増収に頼るということを言っておられます、税の。さっきおっしゃっていましたね。この中身は何でしょうか。税率を上げて増税せいということなのか、そうではなくして経済の発展に伴うところの増収を期待せよということなのか、あるいは税制の中身を変えて増収を図れということなのか、そこらはちょっと分からぬですね。だから、そういう抽象的な言葉で判断してみたら、おっしゃるような、分からぬなということになってしまうんじゃないかと思いますね。
#81
○峰崎直樹君 いやいや、井堀先生は、たしかあれは、消費税を引き上げなきゃいかぬということで、税率どのぐらいの場合とかという、全部それは条件付けてあるんです。
 ですから、問題は、私は今ずっとお聞きしていて、そうすると、結論的に言うと、二〇〇六年までは国民からは税負担はもう、つまり税の引上げは基本的には行いませんと。所得税の引上げ問題とか消費税の問題とか法人税の問題とか、基幹税としてはいろいろございますわね。これについては、今のお話聞いている限りでは、二〇〇六年まではとにかく歳出カットやとにかく規制緩和だとかそういうところで努力して頑張っていくから、それでその上で、二〇〇六年以降二〇一〇年までの間にどうしたらいいかということは、二〇〇七年から一〇年までの四年間はその後で考えてみます、こういう理解でよろしいんですね。
#82
○国務大臣(塩川正十郎君) 二〇〇六年まで、私が言っていますのは財政節度をきちっとするということを言っておるのでございまして、ですから、大幅に腰抜かすような増税をやろうと、そんなこと考えていません。
 けれども、先ほど言っていますように、一方では削り一方では増やすということのバランスを取って、財政の中立化を守りながらそのときそのときの税制を活力あるものに活用していくということは、これは当然のことだと思います。けれども、一貫して言えることは、二〇〇五年、六年までは、財政秩序を確立するために、まず取りあえず、簡単なことを言うと一般歳出、支出を思い切り行政効率に沿って節減していくということでありまして、それをやって、その一方で経済の活力を生むと。そのためには、規制緩和であるとかあるいは不良債権の整理であるとか、そういう条件を、経済の周辺を活性化していくことによって整うということですから、経済を静止状態で見られたら、私はそれ見通しは立たない。
 是非、有機的な運営を図ることによって見通しを立てていただくと、こういうようにお願いしたい。
#83
○国務大臣(竹中平蔵君) 財務大臣のおっしゃったとおりなんでありますけれども、私なりの言葉で申し上げさせていただきますと、総理就任直後の昨年の所信表明の中で、このプライマリーバランスといいますか、財政の再建は二段階で行うんだということを明記しておられるわけですね。第一段階というのは、経済活性化をさせながら、しかしその財政の赤字が拡大しないように非常に大きな方向転換を行う。第二段階において、プライマリーバランスを明示的に目標設定して必要な措置を取っていく。その第一段階と第二段階の切替えの話なんだと私は思います。
 重要な点は、「改革と展望」において、先ほど言ったように平均値で見てですけれども、GDP比〇・四%ずつぐらい収支を改善していくんだという我々の決意と意思はもう明確に示して、それが様々なマクロバランス上実行可能であるというシミュレーション、枠組みを提示しているわけです。
 六月七日の先ほどの総理の指示のことを申し上げましたけれども、総理は明示的に三つのことを私たちにこう言っています。第一は、国と地方の歳出削減努力を加速するということ。第二は、必要な行政サービス、歳出水準を見極めるということ。国民がどの程度の歳出を、公的なサービスを地方に求めているのかということを見極めるということ。そして第三に、経済の活性化と財政の状況を踏まえるということ。その間にも、先ほど正に財務大臣が言われたように静止状態で見れないわけで、経済と財政の状況は刻々と変わっていくわけですから、そうした三点を踏まえて期間内に必要な税制上の措置を判断する。期間内にということでありますから、そこで第一段階から第二段階への切替えを慎重かつ大胆に行いたいと、そういうシナリオを持っているということです。
#84
○峰崎直樹君 何かずっと聞いていても私にはなかなか納得できないというんですか、経済が生き物だとか有機的だというのはそれは当たり前の話なんですが、決して我々は社会主義を目指しているわけじゃありませんので、我が党もですね。そういう意味で、一番心配しているのは、本当に単年度二十兆円ですよね、四・三%、二十兆円を超える構造的なプライマリー黒字が存在していて、これを、要するに十年たったらゼロになりますというときに、これを減らすのはどうしたらいいだろうと。
 なぜ私がこれを聞くかというと、私も民主党の中でプライマリーバランスを黒字化にしようということで随分やってきたんです。随分やってみて、増収策いろいろ考えました。財務大臣、今、総務大臣とやっておられるでしょう。例の郵便貯金のいわゆる預金保険料が掛かっていない分を、あれ取ったらどうだろうと。隠し財産として、私、ずっとこれどっかでいつか言ってやろうと思っていたんですが、もうとっくの昔にオープンになっていますからあれですけれども。
 いずれにせよ、そういう増収策、いろいろなことを考えても、何ぼやってもプライマリー赤字を黒字にするというのは、この五年、十年という単位で本当にできるんだろうかと。増税なしですよ、税負担なしですよ。どう考えてもできないということで、今のところ私どもはお蔵入りになっているんです。なぜお蔵入りになっているかと。選挙を意識したら、要するにこの分を税負担増ということは言えないからなんです。
 私もずっと聞いていて、ムーディーズや世界の国々の人たちは、日本の政治の水準は、要するに税負担増というのは選挙を前にしてなかなか言えない、言えないからぐずぐずぐずぐずこうやって書いてあるんだろうと、先送り、先送りで。これが実は日本の経済の一番悪い体質を税の面でも、国の基幹となっている税のところでも、実はある意味では一番政治家が責任持たなきゃいかぬところを先送りしているんじゃないのかと。
 これを実はいろいろ、いやマクロモデルでいけばいいとか、いやいや経済は生き物だから何とか努力してみたらなるかもしれませんよとか、そういうふうにおっしゃっているんだけれども、どうもそこはやはり国民の皆さんに、いきなり税負担を上げろと言っているんじゃないですよ、少なくとも問題は、我々は歳出削減だとか国会改革だとかいろんなことをやるけれども、やっぱりこれはここまで行ったら無理ですわと、この議論というものをどこかでだれかがやっていかなきゃいけないんじゃないでしょうかね。
 そのことが、さっきから私聞いているのは、絶えずそういうことを聞いているんですけれども、全然そこにまともに答えていただけないような気がするんですが、塩川大臣、是非。
#85
○国務大臣(塩川正十郎君) これは政治家の問題なんです。政治、行政の問題よりも政治家の問題でして、だって今、日本はどの政治家も全部ポピュリズムになってしまって、これが政治を非常に悪くしてきているということは自覚がないんだろうと私は思うんですよ。これをまず改めない限り、それはプライマリーバランスを云々してみたって空理空論になっちゃうと。
 そこで、この突然のポピュリズムを改正するということはなかなか難しい。であるとするならば、何をもってこれに対抗するかといったら、構造改善なんですよ、構造改革なんですよ。これをやることによって考え方も変わってくるということ。ですから、私たちが言っています構造改革というのは、ただ企業の仕組みとかあるいは経済の仕組みの問題だけではなくして、ここでやっぱり五十数年やってきたポピュリズムの考え方というものを正確に政治思想として、もっと多様な政治思想の中で日本の政治の将来を考えてもらわにゃいかぬ、私はそう思っておる。その一端として我々は構造改革を訴えておるんだと、こう解釈していただきたい。
 この中で、おっしゃるように確かに、税でそんな消費税一〇%のやつを二〇%にしようと、そんなことを今考えておるかと。絶対考えておらないんです。けれども、消費税を上げる前に、増税をする前に、現在の行政サービス、ナショナルミニマムといいましょうか、あるいはシビルミニマムといいましょうか、これが本当にこれでいいのかという検討をやっぱり政治家自身もしてもらわないといけないんじゃないでしょうか。
 そういうことから、やっぱり構造改革。ですから、私たちは予算の削減というものも、ある場合には、これまた誤解が起こったらえらいまたつるし上げられるけれども、ある場合には制度改正も伴うものも起こってくると。そうでないと、財政秩序は保てないということもあり得ると私は思っておりますので、そのようなことも、是非、峰崎先生、先頭切って考えておいてください。
#86
○峰崎直樹君 大臣、ポピュリズムだとか随分、かつての宮澤財務大臣時代にも随分ここで議論をしたんです。そのときにも、去年だったか、おととしだったでしょうか、私が今のような質問をしたときに、宮澤財務大臣はいつも、いや、峰崎さん、国と地方の関係、社会保障財源と国の税の関係、これは骨太の方針を、骨太のもので、今、内閣府、当時は内閣府じゃなかったですかね、総理府だったか、これが今モデルを作ってやっていますから必ず出しますと。あれからもう二年たつんです。要するに、国と地方の関係がようやくこの間経済財政諮問会議で、今日、滝政務官もお見えになっていますが、片山虎之助さんから試案が出てようやく議論が始まりました。これは後で議論したいと思っていますが。
 社会保障財源との関係でいえば、依然として、年金の将来像というものが本当に安定したサステーナブルなものになっていくのかどうか、国民はみんな不安に思っていますよね。だから、そういう意味でいうと、つまり将来の負担はどうあるべきなのか、今の財政はどうあるべきかということの議論というのは、もう何年も前から与党の皆さんはそうやって言っていたんですよ。それがいつまでたっても出てこないから、我々、どうなっているんだ、どうなっているんだと、こうやって聞かざるを得ないし。
 それで、実は課税最低限の引下げというのは、二〇〇二年の五月に鳩山代表が、日本の税制の中で今問題なのは、課税最低限が余りに高過ぎやしないかい、もっとここは税負担を多くの国民の皆さんに負担してもらったらどうだと。当時の加藤幹事長は、すごいことを言う、これはポピュリズムとは言えない、政権担当能力を示そうとする政党の姿勢を表しているとおっしゃった。最大限の評価だったんです。
 今それをぱくっと取られて、いつの間にか政府税調の中で課税最低限の引下げ問題が議論になっています。我々の課税最低限の考え方は、これは単純増税を意味するものじゃありませんけれども、そういう議論というのも我々はしてきたつもりなんですよ、そういう面では。今おっしゃったように、おたくでも考えてくださいよと言うが、そんなことはない、我々もずっとそこら辺のことはむしろ早め早めに与党よりも先に出してきているというふうに私は思うんですよ。
 ついでだからちょっと塩川大臣、前に、自由民主党というのはそういうことについての、税に対する基本的な考え方みたいなものを持っているんですかと言ったら、私のところに、あります、ありますと言って持ってきた。持ってこられたの何だと、政府税制調査会の二十一世紀の答申の冊子を持ってきました。あれは政府がやっているんですよね。国民の皆さんに公約してやってきた中では、税制はどういうふうに変えますというふうなことについて、あれからちょっと調べてもらったけれども、ほとんど私から見てこれは構造改革に匹敵するようなものというのは私は見えてきていないと思っているんです。もしあったら教えてほしいんですけれども、また再度。
 今おっしゃられたように、構造改革をやっていけば、税の世界でも構造改革をやっていけばこれは必ず良くなりまっせと言うけれども、その構造改革の中身が我々にも本当の意味で税に関してもよく見えないんですね。そういう点で、早くその全体像といいますか、そういうものが欲しいなというふうに思えてなりません。
 これは、もう十二時近くなっていますから、もう答えはもし午後の再開ぐらいのときにでもいただければいいと思うんですが。
 ついでに、もう国債問題の格付問題を最後にしますが、ボツワナよりも下に下がっちゃったと。ボツワナというのは日本から経済援助をやっている。それじゃ、経済援助までしている国よりも下に見られるというのは、これは経済援助をする必要ないんじゃないのかと、こういう声が我々の耳に入ってくるんです。そうすると、それはそうだなと、普通の町のおじさんにボツワナの国よりも我が国債は格付低いんだよと言ったら、ボツワナの皆さんには大変申し訳ないですけれども、ボツワナという国は財政は非常にしっかりしているんだそうですけれども、しかし経済援助をしている。それなら、そこまで立派な国だったら日本も別に、ムーディーズさんがそういうふうに格付するんだったら、じゃ、その経済援助を、私ども日本はそこまで落ちているんならどうもやはりやるわけにいきませんなと、こういうふうに発言したらどうだというふうに、私が言っているんじゃないですよ、そういう声を実は聞いたことがあるんですよ。財務大臣、何か御意見ございますでしょうか。
#87
○国務大臣(塩川正十郎君) だからこそ私は文句を言ったんです。ですから、格付会社に非常に不平不満を表明したんです。ということは、何を基準にその格付をしているのか、私らにとってはその標準が分からない。ですから、その基数を明確に示してくれということが一つ。
 それから、格付をする以上は比較があっての格付だろうから、何と比較しているのかということを明確にしてくれと言ってきた。その結果出てきましたのは数字の上だけの話でございまして、要するに国の力とか、あるいは国の潜在的成長力といいましょうか、産業力といいましょうか、そういうようなものは計算していない。要するに、単純にGDP対公的債務というものの在り方、ここを主点に置いて議論を展開しておる。そういうことを言ってきたんで、それで改めてもう一度、経済の力というものはそんなものじゃないということで第二弾の質問を出しております。それに対してぐにゃぐにゃと何か言ってきましたけれども、まだ十分納得できないというところです。
#88
○峰崎直樹君 午後からまた、午後から。
#89
○委員長(山下八洲夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#90
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 法人税法等の一部を改正する法律案を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#91
○峰崎直樹君 じゃ、午前に続きまして、昼からもう余り時間が残らなくなったなと思っているんですが、ちょっとスピードを上げてやりたいと思いますが。
 そこで、総理大臣のリーダーシップという問題について実は本会議で質問させていただきました。ちょっと竹中大臣にお聞きしたいんですけれども、私の質問に対して竹中大臣は、政府税調と経済財政諮問会議が重複して議論したことが、これも一つのリーダーシップの表れだ、それから六月の取りまとめの指示、これですかね、七日付けで第十六回の経済財政諮問会議に内閣総理大臣指示というのが出されていますが、これを出されたことが要するにリーダーシップの表れだと、こうおっしゃっているようなんですが、私は何か違うんじゃないかという気がするんですね。
 余り中身は私は評価しないんですが、レーガン税制というのがある。そうすると、レーガン税制というのはあの当時のアメリカ経済をどう立て直すかという非常に強烈なものがあったと思うんですけれども、それに比較して小泉総理のリーダーシップというのは、私は経済財政諮問会議の例えば議事録を読んでみても、何か泣き言ばっかりおっしゃっているような気がするんですね、この中身。
 時間がないので余りたくさんのこと言わないんですけれども、例えば、社会保障、年金なんかどうしたらいいんだろうかねと言ったら、担当大臣に来てもらって答え出したらどうだと言ったときに小泉議長が、道路財源なんかいい例だ、決めたら見直しに全部反対だとか、それからボトムアップはどうなんだと言ったら、小泉議長が、それは無理で、ボトムアップだと全部現状維持だとか、要するに、自分の改革が全部ネグられていかに駄目になっているかということを、ずっと読んでいくと、小泉さんの発言ってそういうところばかり出てきて、強烈に要するに日本の経済をどう立て直していくかということの中身の、ぐいぐい引っ張っていくというか、そういうものに非常に乏しいというふうに読んだんですね。最近の小泉さんの国会答弁と何か非常によく似ているなと思って、相当お疲れになっているのかなというふうにも思いますが。
 そういう意味で、先ほどもちょっとお話ししたようなリーダーシップの中身について、ちょっとやはり非常に不十分ではないかというふうに思うんですが、改めて竹中大臣、経済財政諮問会議の担当大臣としてはどのようにお考えになっていますか。
#92
○国務大臣(竹中平蔵君) 総理のリーダーシップについてのお尋ねでございますが、私自身は総理を補佐する立場でありますから、これはそばにお仕えしていまして大変強いリーダーシップを発揮しておられると、これはもう是非この機会に申し上げたいというふうに思います。
 税制の改革のお話がありましたが、確かにレーガンもサッチャーも就任したその年にすぐ税制改革をやっている。どうしてこんなことが可能なのか。これは、レーガンの場合、三千人のポリティカルアポインティーを連れていく、四年間の準備期間でそのプランがもう大統領に就任する前からできていると。そういうその大統領制度、選挙を含めた仕組みとやっぱり日本は違う。
 先ほどから総理の諮問会議での御発言がありましたが、それは、総理がおっしゃっているのはこれはもう泣き言では決してなくて、正に総論は皆さん支持するけれども、各論になると必ず反対が出てくるという、やはりその現実を示しておられる。総理は、とにかく六月に取りまとめるんだ、それまでは各論反対も大いに含めて自由闊達に議論しろ、その上で自分が指示を出すと、これはもう早い時期からそう言っておられたわけで、六月の取りまとめに向けて正に六月の七日に指示をその意味では出されたわけです。
 この指示は是非とも後でまたいろいろ御議論をいただきたいと思いますが、これまでなかなか手の付かなかった国と地方の関係について、期限を区切ってプランを作る、工程表を作るという、これは非常に思い切った指示をいただいた、非常に重い指示をいただいたというふうに思っております。
 総論は賛成でも、各論になると様々な反対が出てくる。アメリカの大統領制度等々とは違う政策風土の中で、やはり総理のリーダーシップというのは私は発揮されている、そのように補佐する立場の者としては強く認識をしております。
#93
○峰崎直樹君 アメリカと少し、日本は議院内閣制でポリティカルアポインティーも非常に少ないですから、違うのかもしれませんが。
 そこで、ちょっとつかぬことをお尋ねするんですが、内閣総理大臣指示の中にも、第二番目に、税制改革について、「「経済社会の活力」を最重視する。」、経済の活力ではなくて「経済社会」と。別に中に黒ぽつが付いているわけじゃないんです。
 私は、実は経済財政諮問会議と政府税制調査会の役割分担を考えたときに、経済財政諮問会議のメンバーで、大臣はもちろん、あるいは日銀総裁とかそういう方はちょっと別にして、民間から入っておられる方々は学者のお二人を除いていずれも経済界ですね。奥田さんと、それから牛尾さんですか。いずれも経済界です。ある意味では、この方々が議論されると、税制を経済という観点から見られるという、それもある意味では経済財政諮問会議だから当然なのかもしれない。それに比較して政府税制調査会というのは、単にそれはもう経済界だけでなくてあらゆる階層から出ておられる。
 そういう意味で、私は、ここに「経済社会」と書いてあるんですけれども、経済財政諮問会議の議論というのはともすると、社会全体の安定機能というのをどうも阻害をするというか、阻害とまではちょっと、非常に表現はよくないんですが、余りそのことよりも経済の活力をどう高めていくかということにどうも集中していく危険性があるんではないんだろうかというふうに思えてならないんです。
 そこで、そういう意味でこの役割分担ということを考えたときに、ただ、政府税制調査会もいろんな方々の意見が出てくるもんですから、先ほども申し上げましたように、総論賛成だけれども、各論になると角が取れていって中身が非常にあいまいになっちゃう。
 私は、先ほどちょっとカナダのカーター報告とかいろいろ、政府税制調査会というところの議論というのは、むしろ石会長、今日ちょっとお呼びしたんですけれども、石会長、残念ながら政府税調があって来られなかったんですけれども、石レポートみたいなものを出してもらって、そこは学者として、専門家として今の税はこうあるべきだということを提案をしていただく。
 ですから、いろんな利害関係の団体の方々が入ると、私はまともな提案にならないんじゃないかな。経済財政諮問会議の方は、やはり税全体というよりも、どちらかというと経済の活力に関する税制上の問題というふうに分野を絞って、そういう形でちょっと整理をしないと、どうもお互いに同じようなことを議論されているような気がするし、いやしかし、どうもやはり我々が求めているものともちょっと違うような気がするんですけれども、この辺りは経済財政担当大臣として、また財務大臣として、そういうこれからの税調の在り方、あるいは諮問会議の中での税の論議の在り方というのはどうあるべきなのか、ちょっと御意見を聞かせていただきたいと思います。
#94
○国務大臣(竹中平蔵君) 財務大臣からも御意見があろうかと思いますが、今委員は、メンバーの話、それとそれぞれの組織の役割の話、両方重ねてお尋ねがあったというふうに思います。
 経済財政諮問会議は基本的には、経済政策の基本的な方向について、基本的な方針について議論をする場でありますから、この税に関して言うならば、正に活力を重視すべし、例えば広く薄く、そういった税制を目指すべき、国際的な整合性を目指すべき、そういった大きな方向性について議論をしております。それを受けて、制度的な具体的な制度設計そのものは政府税調において更に議論を進めるという、これは、自由に議論を行いながら、おのずとそういう役割分担ができてくるはずだというふうにこの場でも以前申し上げましたけれども、現実にそのようになりつつあるということだと思います。
 その際、メンバーをどのように選ぶべきか、どういうメンバー構成であるべきかに関しましては、これは様々な御意見があろうかというふうに思います。政府税調の場合は、今御指摘のように、いわば国民各層からの代表が来ておられる。これは、それぞれの社会の実態を、その御意見を反映させるという上で非常に大きなメリットがある。その反面、ともすればそれぞれの利害を反映させる各論反対的な意見が出かねないようなリスクもあろうかと思います。
 これは審議会一般について言えることだと思いますが、そうした中で、新しくできました経済財政諮問会議は、やはり経済と財政の専門家としての特性を十分に発揮していただこうということで民間から、これも数も少ないです、四名ですから、いただいている。財政の専門家ということになりますと、研究調査の観点からの御専門と実際の経済実務の中での御専門家ということで二名二名という、そういう構成になっている。
 お尋ねのメンバー構成、それとそれぞれの役割分担ということに関しましては、以上のような認識で今のところ運営されているというふうに認識をしています。
#95
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど竹中大臣がお答えしましたのとほぼ同様でございまして、私は、政府税制調査会が人数が多過ぎるので意見の取りまとめが非常に困難にしておられると思っております。そこで、でき得れば、今、峰崎さんおっしゃるように、ある程度石会長の下で意見をまとめたものを、それを諮っていくという、そういうやり方も場合によっては取っていかざるを得ないように私は思っておりますが、そこらは税制調査会を運営するリーダーシップに任していかざるを得ないと思っております。
 そのほかにおきましては、経済財政諮問会議と政府税制調査会との間の役割分担は、先ほど竹中大臣が言ったとおりであります。
#96
○峰崎直樹君 もう時間がないので、ちょっと一点竹中大臣にお聞きするんですが、新聞によりますと、山中貞則自民党税調の幹部とこの一か月ぐらいの間にお会いになったことはありますか。
#97
○国務大臣(竹中平蔵君) 自民党の政調、税調の方々と意見交換をさせていただいております。
#98
○峰崎直樹君 税調の幹部の皆さん方からの要請だったんですか、それとも竹中大臣の方からの会いたいということだったんですか、どちら。
#99
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、アレンジそのものはこちらから一方的にというようなことでもなく、ある意味であうんの呼吸で一度意見交換をということになるんだと思いますが、どちらかというと、一度こういった機会をということでこちらの方から申し上げて、是非来いと、そういうことになったというふうに記憶をしております。
#100
○峰崎直樹君 これは一対一でお会いになったんですか、山中さんとは。
#101
○国務大臣(竹中平蔵君) 党の税調の主要メンバーの方々の集まりの中に御説明をさせていただきました。
#102
○峰崎直樹君 ちょっと報道によると、山中貞則税調幹部は、具体的な項目を書き込むなら閣議決定をさせないというふうにおっしゃったというふうに報道されているんですけれども、そういう発言はあったんですか。
#103
○国務大臣(竹中平蔵君) そのような発言は特にございません。
#104
○峰崎直樹君 念のためにちょっとお聞きしたわけでありますけれども。
 さてそれでは、今、政府税調なりあるいは経済財政諮問会議等で行われている税制の議論について入っていきたいと思っておりますので、本来なら税の理念論争をやろうと思ったんですが、この間も随分本会議で時間を食いましたので、これはまた別途機会を譲るとして、最初に減税と景気の関係についてお聞きしたいと思います。
 財務大臣、実は衆議院における質疑の中で、「減税で明るい空気をつくっていきたい、積極的な刺激を誘導していきたい」というふうに衆議院の財金委員会で発言されているわけですけれども、もう一方で、減税については、単年度の減税じゃなくて、中長期的に見たら、その減税した分は増税できちんと担保してもらわなきゃ困るよと、中期的には増減税一体だと、こういう話だったですね。そういうやり方で増税と減税を一緒にして、これで明るい空気が本当に出るんでしょうかね。その点、財務大臣、いかがにお考えでしょう。
#105
○国務大臣(塩川正十郎君) 増減税一体というのは、これ財政の基本的な考え方だと思うんですが、ただ、その時期については、これは完全に裏腹で一体という意味ではなかろうと、私はそう解釈しまして、私はかねてよく言っていますように、損して得取れということもありますので、だから減税をすることによって活力を得て増収につながっていくということもあるから、そういう手法も考えていくべきだということを申し上げたわけです。
#106
○峰崎直樹君 そうすると、減税をすることによって増収になることがあると。何かあのレーガン税制のときのラッファー・カーブみたいな話なんでしょうか。それとも、政策税制のところに入っていかれて、それが活力を増すということなんでしょうか。
 つまり、景気を刺激するために、景気を良くするために税制というものを使うのか使わないのかということですね。それは必要だということでおやりになるということなんですか。そこのところがどうもこの間の景気と税制の関係については非常によく分からないので、財務大臣としては、今年度仮に、国債三十兆円枠というのがあるけれども、しかし景気を良くするために構造改革に資するための減税なら、これはやってもいいじゃないかと、将来そのことによって景気が活発になればそれでいいじゃないかと、こういうことでおやりになるということの考え方は変わらないんですか。
#107
○国務大臣(塩川正十郎君) そのとおりであります。景気が良くなるということを前提にしてやるということ、減税をするということは当然考えていきたいと思っております。
#108
○峰崎直樹君 過去何度も一九九〇年代に減税をして、これは景気のために、良くするために減税をやったんだと。そうすると、実際問題、もう今、減税をして、これ法人じゃないですよ、個人所得税の場合は特に顕著なんですけれども、果たして減税をしたら、それが本当に景気に良くなるんだろうかなと。
 個人の場合に、私はどうも今、国民一人一人は、所得税を中心とした減税では余り、じゃ減税されたからそれを消費に回そうというふうになかなかならないんじゃないか。
 もう一つ、法人は、企業のキャッシュフローというのは今ずっと余っている、プラスになっているんですよ。そうすると、投資先がないような状況になっているのに、実は更に法人税の減税すればいいという形で、景気を刺激するためにかどうかそこのところは非常にはっきりしませんが、減税政策が今直ちに景気に良くなっていくように思えないんですけれども、その点は、塩川大臣はどういう分野ならそれはできるというふうにお考えなのか。
#109
○国務大臣(塩川正十郎君) それ、すなわち政策減税をやるということでございまして、今、我々の考えております、政府として考えておりますのは、例えば試験研究費に対する投資を十分に確保するために、そういう点についてのインセンティブを与えていくということ、それから投資減税として、新しい先端的技術、例えばナノテクノロジーやとかあるいはIT関係だとかあるいは環境関係、いわゆるリサイクルでございますね、そういう関係に投資をしていくものに対しては、例えば償却率を高めるとかいうことによって優遇措置をし、それで投資の意欲を先行させていくという、そういう手腕を言っておるということです。
#110
○峰崎直樹君 そうすると、その財源はどこから捻出するんですか。減税するわけですね。
#111
○国務大臣(塩川正十郎君) 一般歳出を削ることです。
#112
○峰崎直樹君 そうすると、歳出を削って、それからそれについて政策減税に回すということですね。
 私どもちょっと聞くと、歳出を削減するというのは、将来的に財政の構造を維持するためには、要するに国債の発行額を減らしていくというような、そういう考え方も実は有力な考え方としてあると思うんですよね。財務大臣としては、それはもう政策減税として、それは歳出を削減してそっちの方に削るということで変わりはないわけですね。
#113
○国務大臣(塩川正十郎君) 政策減税の方に使うこともあれば、歳出削減を通じて国債の発行を減らすということ、これは大義名分でございますから、それにも適用するということは当然であります。
#114
○峰崎直樹君 どっちなんですか。政策減税もやってそっちの方の財源もやります、それから国債の発行額も減らします、両方やるということなんですか。
#115
○国務大臣(塩川正十郎君) そこは自由自在、変幻ばっぱで使っていきたいと思います。
#116
○峰崎直樹君 何だか変幻自在の答弁されるとこっちもなかなか苦しいんですけれども、何て答えというか、そんな余裕あるような状況じゃないんではないかなというふうに思えてならないんですが、分かりました。
 では、政策減税ということで、基幹税を減税をするということについては考えていないということですね。所得税とか法人税とかあるいは消費税とか、そういうことについては考えておられないんですか。
#117
○国務大臣(塩川正十郎君) 基幹税の減税は現在のところ考えておりません。
#118
○峰崎直樹君 実は、アメリカに二月にちょっとお邪魔したとき、日本は消費税を一回ゼロにして、それから時限を切って一%、二%といって、ずっと将来的に何年か掛けて一〇%ぐらいに持っていったらどうだと、こういう、大変高名なエコノミストの方々もそうおっしゃられたわけです。これについてはもう何度も答弁なさっているのかもしれませんが、これはそういう考え方を取ることはないということなんでしょうか。これは竹中大臣の方にも、そういうのは非常にもう、どういうエコノミストがそういうことをおっしゃっているかというのは御存じでしょうから、お答えをいただければと思うんですけれども。両方。
#119
○国務大臣(塩川正十郎君) そういう意見をマスコミを通じて私読んだことがございますが、やっぱり学者らしいなと、浮世を離れた話やなと思うて、見て読んでおりました。
#120
○国務大臣(竹中平蔵君) 今御紹介いただいたのはハーバードのマーチン・フェルドシュタインらの意見だというふうに思いますが、フェルドシュタイン教授は私が留学したときお世話になった先生でもありまして、実は大臣に就任してすぐフェルドシュタインから正にそういうことを書いた手紙を私いただきました。その後詳しく議論する機会は教授とは持っておりませんが。
 基本的には、一回下げて後で上げるというときの、そういった場合の消費のいわゆる期間の代替性、消費の代替性をどのぐらい考えるかということなのだと思いますが、基本的に今までの、これは消費税の引上げの前の駆け込み消費等々の例から考えても、トータルで見ると、それそのものがそんなに大きな効果、一時的な効果はともかくとして、あるとはやはり思えない。むしろ、将来的に税率が高くなるということを明示的に意識して、消費者が十分に賢ければその分合理的な行動を取るわけでありますから、経済的にもこれはやはりなかなか効果の読みづらい政策であると思います。
 そして、何よりやはり政治的な実現可能性、フィージビリティーを考えますと、財務大臣おっしゃいましたように、これはなかなか現実には取れる政策ではないというふうに思っております。
#121
○峰崎直樹君 分かりました。私も多分これは政治的にはなかなか難しいあれだと思っているんですが、ちょっともう一回さっきのところに返るんですけれども、塩川財務大臣、今おっしゃられたように、ゼロからまた将来上に上げていくということを明示したら景気にとっては余り役に立たないよとおっしゃいました。塩川財務大臣は、政策減税であれ、将来的には増税を担保しなきゃいかぬとおっしゃいました。そうですね。将来の増税で担保するんだと、政策減税をやっても。それはどういう税目で政策税制でやって、その政策税制の効果のどういうところを担保させるんでしょうかね。単に、景気良くなったら自然増収があるよと、これじゃちょっと担保したというふうには私はならないと思うんですよね。どの辺りを政策税制で担保させようとしているんですか。
#122
○国務大臣(塩川正十郎君) 政策減税だけで担保するものじゃございませんが、景気が良くなってきて所得が増え、実質的に生活向上すれば、これはいわゆる税の空洞化を埋めていくということも可能であろうと思います。ですから、税率を何も上げたり下げたりせぬでも、その課税対象を広げる、狭める、あるいは猶予期間を延ばしたり短縮したりと、いろんな手段がございますから、税の面白いところはそこでございまして、そういう多様性を組み合わせることによって政策的な効果を期待することが十分できると思っております。
#123
○峰崎直樹君 そういう融通無碍な話されたら駄目なんです。
 今から何年前に、私、消費税の引上げのときに与党でいましたから、そのとき、何年後にやりましょうということでそれをやったわけです。あのときも同時にやらなかったことのツケみたいなものが後で来たわけですけれども、この種のものは、後で、今お話しになったように、早めたり遅めたり、いろいろな税の持っている何とかとおっしゃっていますけれども、何の税目でどういうところで担保していきますよということをきちんと書いておかないと、先に減税した分を後で取り戻しますといって、その担保を取りますと言っても、今の説明では全然これ、答えになっていないですよね。そういう意味で、非常に減税で景気を良くしようという、おっしゃっていること、気持ちは分かるんですけれども、ちょっとやはり今のは説得力欠けているんじゃないかなと思います。
 そこで、もう一つ景気の関係で。これは自民党なんでしょうか、与党なんでしょうか、贈与税の世界ですね。住宅購入資金としては今五百五十万まで限っているわけですけれども、今度三千万まで贈与税を無税にしたらどうだと、こういう意見が出ているんですけれども、これはどんなふうに財務大臣はお考えでしょう。
#124
○国務大臣(塩川正十郎君) 三千万円と言ったり一千万円と言ったり、いろいろ皆言っておられますけれども、まだ正式に、これを議論として正式な場で議論したことはございません。いろいろアイデアがどんどんと出てきておるという段階でございまして、いずれこの問題について政府税制調査会等から私らの方に意見の開陳を求められるであろうと思っておりますが、その際までには何とか世論調査をした上で決めていきたいと思っております。
#125
○峰崎直樹君 そこで、相続税、最高税率を引き上げ、生前贈与の円滑化を図れというふうに政府税調の石会長に総理大臣から指示があった、これは財務大臣御存じですよね。
 この相続税の最高税率というのは、確かに七〇%は高いというふうに思っていますが、これで生前贈与で、将来に払うべきものをある意味では先食いしちゃって、基礎控除分のを先にやっちゃったらどうだと、こういう話だろうと思うんですが。
 実は、ちょっと私、消費税が導入されたとき、これまでの課税単位が、所得課税については個人の単位だ、一人一人の個人単位だと。ところが、相続税とかそういう資産課税については世帯単位だったと。つまり、資産を分散をして、その分散をすることによって実は税率の高まりを逃れる方法というか、節税対策だったと。それを防ぐために、シャウプの税制以来、ここは世帯単位で実は課税をしていたと。これが、消費税が導入されたときにこれが個人単位になっちゃったらしいんですね、個人単位になっていますから。そうすると、そういう本来、相続税を緩めることによって、あるいは相続税が、ごめんなさい、個人単位に相続税をしたために、贈与税を緩めてしまうと、言ってみれば所得の分散といいますか、そういう形での課税の漏れといいますか、課税の逃れといいますか、そういうものが生じてくるんではないのかという指摘があるんですよ。
 そうすると、そこのところをまず世帯単位に戻しておかないと、実はある意味では、シャウプさんが日本の税制のときに、そこは個人課税じゃなくて世帯単位にしなきゃいけないよと言ったところが、実は相当漏れていっちゃうんじゃないだろうか。もっと言えば、高額な資産をお持ちの方々が実はその資産を分散をしていくという、そういう形へと展開をしていく危険性があるんじゃないかと思うんですが、そこら辺はどのようにお考えになっていますでしょうか。
#126
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、そんなに深刻なことまでも実はまだ自分で頭の中では考えておりませんけれども、親はやっぱり子供に平等に資産を分配したいと、遺産を分配したいと、そう思っておると思っております。けれども、最近の世相を見ました場合、必ずしもその親の気持ちに子供がこたえようとしておりません。したがって、親としては自分の将来を守るために自分の資産をうまく活用したいという気持ちを持っておることも事実だろうと思って、昔の親と子の関係というか、感情的な問題というものとは大分違ってきておると思います。
 そうならば、一つの考え方として、親が将来の自分の安全をというか、安寧を保つために選択をして子供に財産を譲りたいという、この意思が働いてくるのは当然だろうと。しかも、それができるだけ自分が達者な間にやってやりたいという気持ちが働くのは当然であろうということが一つ。
 それからもう一つは、最近の状況を見ましても、先生も御存じのように、個人の資産というものが、世帯単位だとは言うけれども、依然として男子、老人に偏っておることは事実でございます。しかも、相当な年いって人に手を引いてもらわぬと歩けぬような人が多額の財産を持っておると。
 そこへ、一方、相続人に相当する人はもう相当高齢化になってきて、事業をしようにも、親の財産を使ってやっておるがために、業界においての信用も違ってくるし、金融の活動もしにくいと。
 そうであるとするならば、親はできるだけ若い間に事業の継承を、子供に譲ってもいいじゃないかということ、これは当然考えられることだと思います。
 したがって、そこに、相続財産とあるいは相続税と贈与税の関係を、これをマッチして、タッグマッチさして何か有効な方法ないだろうかと。それによって、逆に世代間の資産の移転を通じて経済に新しい活性化を作るということも考えられるのではないかということを我々発起いたしまして、贈与税と相続税との関係を考え直してみようということを今考えておるところであります。
#127
○峰崎直樹君 どうもちょっとかみ合っていないような気がするんですが、要するに、消費税の導入のときに、いわゆる世帯でもって相続関係はやっていたものを個人に切り替えた。それはどうもシャウプさんが懸念していたことに対して、ある意味では、それを現実に今こういう形で贈与税と相続税の関係を円滑化するということになると、時には、親から孫へとか非常に資産の、これは経済を活性化させるんじゃなくて、むしろため込んでいって、そしてそのため込んだものを子や孫にある意味では資産の移転をさせる、そういうインセンティブになっちゃって、かえって消費を、つまり有効活用というよりも、これ相続税なんかでもそうなんですが、ある意味では私は、余りにここを軽くしていってしまうと、それじゃしっかりためていこうというふうに、貯蓄に対するインセンティブになっていく危険性というものを非常に注意をしておく必要があるのかなと思っています。
 ですから、ここは、もうこれ以上、今ちょっとお聞きしていて、塩川大臣、相当昔から税制やっておられるから、あのときの転換の理由を御存じなのかなというふうに思ったんですが、また、これはまたいつか質問させていただきたいというふうに思っております。
 そこで今度は、いろいろたくさんあるものですから、法人税のところで外形標準の話がちょっと出てまいりましたので、外形標準の問題について。実は、これもたしか総理に対する、これ六月八日の石会長に対する指示の中に、外形標準課税導入による法人課税の実効税率の下げと書いてあるんです。
 そこで、これだけだったら分からないんです。法人税全体を外形標準にしろと言っているのか、通常言われているのは、都道府県の基幹税になっている法人事業税の外形化のことなのか。この辺りは、まず財務大臣、どういうふうにこれ総理から御諮問されたんでしょうかね、中身は。
#128
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、案として、素案でございますけれども出ております外形標準課税の仕組みというのは、これは税の簡素化に反するようなことだと私は思います。もっと単純な形で外形標準課税を導入する方法はあるんではないかなと思っております。
 ということは何でかといいましたら、現在、利益を上げて税金を払っておるところほど地方税がきつくて、横着しておって税金を払っていないやつほど地方税を払わぬでもいいと、事業税を払わぬでもいいと。これは非常に矛盾していますね。
 そうならば、地方が必要とするところの、事業税から得られるであろう法人税、これの総額が変わらないで負担の区分を変えたらいいじゃないかというのが今回出てきておる外形標準の考えで、半分は要するに粗利益といいましょうか従来の事業税に基づく方式で徴収し、あと半分は、これがごちゃごちゃごちゃごちゃ要件を入れて取ろうということなんですが、これは私は複雑だなと思っておるんですけれども、その半分と半分を分けて、その半分の方が要するに事業税を払っておる人にとっては減税になるという、そういう仕組みでございます。
#129
○峰崎直樹君 総務省から滝政務官に来ていただいておりますが、滝さん、今、大臣がお答えになったんですけれども、私が最初にお聞きしたのは、実はこれは法人税全体の外形化を目指すということじゃなくて、どうやら総理が諮問されたのは都道府県の法人事業税の外形標準化だと、そういうことだったですね、塩川さん。まあいいや、ちょっとお聞きになっていらっしゃいませんが。
 そういう意味で、法人事業税の外形標準化について、もう長年の夢なんでしょうけれども、この点について総務省の方の御見解、今、複雑過ぎてちょっと問題だねということをおっしゃっているんですが、その辺り、どんなふうにお考えになるか。
#130
○大臣政務官(滝実君) ただいま財務大臣から、これまでの総務省として提示をさせていただいている外形課税の考え方についての御披露がございました。
 この問題は、委員もかかわり合っていただいたわけでございますけれども、平成六年の十一月に、地方消費税を導入する際の参議院の地方行政委員会におきまして附帯決議をちょうだいいたしまして、赤字企業について課税の適正化を含めて事業税の外形標準化を検討することと、こういうような御指示があったわけでございます。
 以来、平成八年以来、政府税調で外形標準課税の基本的な考え方、そして最近におきましては、総務省では過去二回にわたりまして、平成十二年、十三年におきましてこの案をお出ししました。
 最初の案は、この外形標準、付加価値をもって外形標準とすると、こういうことであったわけでございますけれども、これについては厳しいということがございまして、昨年におきましては、ただいまも財務大臣からおっしゃっていただいておりますように、半分は従来の事業税の課税標準、要するに所得をもって半分は課税標準とすると。そしてあとの半分のうち、三分の二は資産という資本を基にして課税をすると。それから、残り三分の一の部分ですね、これについては、いや、失礼いたしました。三分の二は要するに付加価値でやると、それから三分の一は資産、資本をもってやると、こういうようなことを昨年総務省として提示をさせていただいております。
 したがって、これをベースにして、私どもとしては政府税調において更に御検討いただけるものというふうに考えているわけでございます。
#131
○峰崎直樹君 財務大臣と総務大臣は期せずしてあれだったんですが、昔は、私ちょっと聞いている、あの税のことを少しちょっとやったときに、総務省は、旧自治省はこれについては推進すると。しかし大蔵省、旧大蔵省時代は、いや、これは税の性格からしてどうもおかしいんじゃないかと。付加価値を軸にしたときの発想でいくと、これは消費税と変わらないですよと、将来。そうすると、地方消費税はあるわ、いわゆる外形標準という形で付加価値を外形にしちゃうと、ほとんど実態的に変わらないものになるじゃないですかということで随分角突き合わしておられたんですけれども、今お話を聞いていると、そんなになくなったなというふうに思って、なぜ財務省さん変わってこられたのかなというふうに、ちょっといぶかしい思いをしているんですが。
 そこで、経済産業省からは、ここら辺についてはどんなふうな御見解をお持ちなんですか。
#132
○副大臣(大島慶久君) 平成十四年の一月二十五日の閣議決定にございますように、この法人事業税の外形標準課税化につきましては、今後、各方面の意見を聞きながら検討を深めていきたい、こういうふうになっております。
 その際でございますけれども、外形標準課税導入によりまして、法人の所得に係る実効税率が表面的に下がるかどうかということだけではなくて、法人の法人税負担全体が実質的に増加するかどうか。また、雇用や競争力に与える影響を考えますと、経済や企業活動の実態、特に中小企業に対する影響を十分考慮する必要があると思っております。
#133
○峰崎直樹君 ところで、これ導入の時期なんですけれども、我々民主党としては、景気がこんな状況のときに導入して、やっぱり景気が良くなったときに導入した方がいいんじゃないのかと、こういうふうに言っているんですが、これは総務省にお聞きした方がいいんでしょうか。来年度からでも、とにかく景気にかかわりなく入れると、こういうことでしょうか。
#134
○大臣政務官(滝実君) 私どもの案は、平成十五年から景気が良くなると、こういうような経済見通しがこれあり、その段階では十五年から半分程度導入する、平成十七年から本格的導入と、こういうような二段構えで実は検討してまいりました。
#135
○峰崎直樹君 これ、我々説明するときに、中小企業の皆さん方、今景気良くないから所得税払っていない、法人事業税払っていないと。そのときに言うんですよ。景気が良くなってきたら私たち導入したらいいと思います。なぜかといったら、景気が良くなるということは所得が増えてくるでしょう。赤字だったのが所得が出る。所得が出てきたら実は外形の方が有利なんですよと、こういう説明すれば実に分かりやすいんで、そういう意味で、景気の判断をして私は入れる入れないをやっぱり慎重に考えるべきだと思うんですが、その点いかがでございましょうか。
#136
○大臣政務官(滝実君) 私どももとにかく、今の段階でそういうルールをお決めいただいて、景気が良くなるというところを見計らって二段階で導入していくという考え方でございます。
#137
○峰崎直樹君 今度、財務大臣にお聞きするんですけれども、私ども民主党の中でちょっと議論したときに、今、租特が停止されているやつがありますよね。要するに、今年赤字になった、去年は黒字だったと。そうすると、税の繰戻し還付というのが租特であるんです。それが実は今停止されていますよ。平成四年に停止されたらしいんですね、私、当選する前だったんですけれども。
 ずっと調べてみると、あの平成四年からずっと赤字法人が増えているんです。どうなんでしょうかね、これ。むしろ税の繰戻し還付制度というものを一年に限って、前の年のやつ、黒字企業が赤字になったら前のやつを繰り戻してもいいよと、こういう仕組みを入れた方が、企業はそうかと、景気が悪くなったときに実は景気のいいときに払っていた税金が一年戻ってくる、これだと税を払おうかという若干なりともインセンティブが働くというふうに思いませんか。その意味で、このいわゆる租特が停止された状態のままにあるんですけれども、もう一回これを戻してみようという考えはございませんか。
#138
○副大臣(尾辻秀久君) 制度につきましてはお話のとおりでございますけれども、平成十四年度改正におきましても、現下の極めて厳しい財政状況の中でございますので、引き続き停止期限の延長を行ったところでございます。
 現段階で繰戻し還付の停止を元に戻すことは、私どもは適当でないと、このように考えております。
#139
○峰崎直樹君 そんなこと言ったって、もう七割も八割もどんどんどんどん要するに赤字企業増えてきているわけでしょう。赤字企業がこんなに増えながら、よく企業が存続できるなと思って感心をしているんですが。
 しかし、いずれにせよ、そういう企業にとってみると、やっぱり節税というか、むしろ所得をきちっと出しておいた方が、景気が変動することに対するバッファーとして、そういう形で繰戻し還付というもののシステムを入れた方が、私は、何かきちんと払おうかと、こういうインセンティブが働くんじゃないかなと思っているんで、是非私たちはそれを考えるべきじゃないかというふうに思っているところでございます。
 そこで、余りもう時間も多くありません。消費税のことについてちょっと。今回の中身の中で、消費税の免税点制度などの見直しと、こういうところが触れられているわけでありますが、消費税の引上げ問題というのは非常に国民にとって難しい問題というか、厄介な問題だろうと思うんですけれども。
 実は、五月二十一日の衆議院の財政金融委員会で塩川財務大臣は消費税に絡んでこういう発言をされておられるんですよね。ちょっと読み上げてみたいと思いますけれども、これは石井啓一さんですか、公明党の方に対する、質問に対する答弁なんですけれども、どういうふうに言っているかといいますと、「税の方は高額所得者の方に偏り過ぎておるということは、いわゆる消費税が低いものですから、どうしても高額所得者の方に偏ってくるということは否めない事実だと思うんです。そこを広く薄くしてもらうことによって、税の負担全体が」と、こうずっと言っているんですけれども。
 要するに、消費税の税率が低いからいわゆる累進税率の高い高額所得者にウエートが掛かっておると、こういう理解をされておられるんですが、そうすると、消費税を高くすると高額所得者の税率は下がってくると、こういう理解なんでしょうか。そこら辺、直間比率の是正問題とかよく言われるんですけれども、塩川財務大臣のこの消費税と高額所得者との関係についてはどういうふうに理解をしたらいいんでしょうかね。
#140
○国務大臣(塩川正十郎君) その答弁の前に議論がありまして、これからどんどんと社会保障が進み当然増的負担が増えてくるということが前提であって、しかも現状のままの消費税で移行するというのだったら、私は、高額所得者の方に税の負担も掛かってくるだろうと、こういうことを申しておったと思っております。
 したがって、これからの消費税の問題は、消費税をこのままで据え置いて、そして社会福祉がこれからどんどんと実額が増えてまいりますから、その実額が増えてくるものを、これを財政で補うということになると、一つは、非常に他の行政経費に削減を強要することになってくると、そのバランスが取れるかどうかということが一つ心配でございますことと、それからもう一つ、行政に依存するということでなければ、それじゃ保険料なり年金の掛金という料金を引き上げていくのかということになってくる。
 いずれにしても、当然増は相当な額で増えることは当然でございますから、それをどういう形で負担を分担していくのかということが問題でございまして、それは将来の問題として、是非、国会で大問題になるものですから、今からしっかりと考えておいていただいたら結構やと。
#141
○峰崎直樹君 そこで、今、高額所得者とかあるいはいろいろ税についてのいろんな議論をするときに、大前提として私たちが知っておかなきゃいかぬデータ、要するに、所得階層別に見て税負担は本当のところどのぐらいの税負担なんだろうか、このデータがなかなかないんです。
 つまり、所得階層に応じた勤労所得税というのは分かるんです。そうじゃなくて、勤労者であれ何であれ、勤労所得であれ資産性所得であれ、帰属所得は別ですが、その所得というものの性格を全部合算をしてどのぐらいの所得があるんですかと。例えば百万から二百万、一千万、一千五百万、二千万、三千万、五千万、一億、それぞれが実際に所得があって、それに対する税率というのは一体どうなっているんだろうねと。このいわゆる所得階層別の負担構造というものが我々全然頭の中にないために、今おっしゃった、塩川大臣がおっしゃった、高額所得者に偏るんじゃないかとおっしゃった。だけれども、高額所得者の本当の意味での実効税率はどのぐらい行っているんだろうか。そのデータありますか。ありますか。いわゆる所得税は勤労所得だけじゃありませんよ、資産性所得であれ雑所得であれ。
#142
○国務大臣(塩川正十郎君) 私、直接作ったこともございませんので、ちょっと事務当局にあるかどうか聞いてみまして。
 じゃ、大武主税局長が答弁します。(「登録していない」と呼ぶ者あり)
#143
○峰崎直樹君 ごめんなさい。多分、大武さんがおっしゃっているのは、このいわゆる所得階層別の実効税率という表がありますよね、収入の。
 問題は、所得捕捉率なんですよ。そして、資産性所得あるいは雑所得、様々な所得が本当の意味でつかまれて、その上で、いわゆる税率がどのように実効税率上なっているんだと。このいわゆる表があるかないか。
 実はこれは、ちょっと私、今日朝、勉強会があったものですから、勉強会で、アメリカから来られたスタインモという先生が日本の国税庁に問い合わせに行ったそうです。調査に行かれたそうです。行って、いわゆる所得階層別の本当の実効税率というものがどんなにやっても出てこなかったということなので、私は、そこのところのデータをしっかりと出さないで、これから、いや、負担が重くなるとか、いや、税率構造はこう変えるべきだとか、そういう議論をする上に当たっても、そういう改革のある意味ではどんな結果が国民の皆さん方にもたらされるのかと。このデータがなかったら、恐らく判断がしようなくなるんじゃないかと。非常にアバウトに、いや、直間比率をやると金持ちに優遇だとか、そうでないとかと言うけれども、本当にそれがどのように実効税率が変わっていくのかといったような、そのデータを私はやはり税務当局としてはきちんと把握をすべきじゃないかと思うんですが、この点いかがでございましょうか。
#144
○副大臣(尾辻秀久君) 今、捕捉率のお話ございましたけれども、正に捕捉率をとらえるということは極めて難しいことでありまして、アメリカにおいても果たしてきっちりできているかどうかということは私も承知をいたしておりません。
 そうしたことを含めまして、今突然のお話でございますので、後ほどお答えさせていただきたいと思いますので、お許しください。
#145
○峰崎直樹君 不公平税制はどうかということだけしか聞いていませんでしたので、是非、今朝その勉強会で指摘を受けて、本当に我々も考えてみたら、税率構造なんかデータがありませんので、どういう構造になっているのかというか、つかみようがないなというふうに思っています。それはクロヨンについても、つまり所得捕捉の正確性というものも、やはりこれは納税者番号制度が要るんでしょうか、そこら辺は是非しっかりとした答弁をいただきたいし、またそれ、是非そういう議論の上に提起をしてもらいたいと思うわけであります。
 さて、難しい問題の方にちょっと移っていきたいと思うんですが、実は道路特定財源問題を始めとして、これは総理大臣のいわゆる内閣総理大臣の指示の中に、実は歳出改革の中に特定財源のところが出てくるんです。そこで、今日は道路特定財源問題について、本当は今年どれだけ改革があったかとお聞きしようと思ったんですが、国土交通省からもまた総務省からもおいでになっていただいていますよね。
 来年三月三十一日で道路整備五か年計画が切れます。ガソリン税等の暫定税率も見直すチャンスです。一番肝心なのはそこなんですね。多分、自動車重量税のところで改革があったということを恐らく今年はおっしゃられたいと思うんですが、あれだけ去年鳴り物入りで小泉総理大臣が出されて、一体、この暫定税率が来年三月三十一日に切れるということは、このいわゆる一年間の間に結論を出さなきゃいけないわけですね。ところが、これ見ると何て書いてあるかというと、「可能なものは平成十五年度から具体化する。」、「これら諸税の税率については、これらの税が有する種々の環境改善効果などに十分配慮し、決定する。」と、こうなっているわけです。
 そこで、この問題こそある意味では一番、自由民主党の中で道路問題というのは一番大きい問題だと言われています。道路族だとかよくいろいろ言われているわけですが、ここが改革をしない限り本丸に迫ったことにならないと思うんですよね。ところが、それは可能なものからと、こう非常にオブラートになって、本当に道路特定財源の中のガソリン税、揮発油税のところをきちんと改革をするというそこのメスは、今年は恐らく余りぱっとしたもの出ないのかなというふうにこれで見ると見えるんですけれども、財務大臣、ここのところはどうなっていくんでしょうかね。
#146
○国務大臣(塩川正十郎君) 着実に改革進んでいますよ。だって、この前この参議院で、本会議で道路改革の、何という名前ですか、道路関係のありましたね、本会議で設置法、改革委員会の設置法、認めてもらったじゃないですか、ついこの前ですよ。それを組織して道路の改革をやろうということも具体的に手付いてきているじゃないですか。だから、峰崎先生が言うのは、何かここ、総理が言うたら明くる日からようかんかみそりでぱっと切ったようにそこから変わるんやと、そんなわけにはなかなか世の中いかない。だから、そこへ行くまでの道程というものはやっぱり時間掛かるものですから、着実に進んでいます。
 それともう一つ、道路財源の問題につきましても、これは道路から外してしまって、一般財源として福祉に使うんだ、教育に使うんだ、そんなことは全然一言も言っていません。もっと、道路に関することであって、道路以外のことで道路に直接関係あるもの、あるいは間接にあるもの、もっと幅広く、いわゆる道路環境の整備に使えるように幅広く使いたいということを言っておるのであって、従来からのように、特定財源の慣習として道路五か年計画のとおりぱっぱぱっぱとそのまま使っている、そういうことはやめましょうと、こういうことを言っているんです。
#147
○峰崎直樹君 塩川大臣、もう一つ実は塩川大臣、約束していることがあるんですよ。何かというと、公共事業のいわゆるGDPに占める比率はヨーロッパ並みに下げますと言っているんですよ、二、三%に。何年か先だったでしょうか。
 そうすると、この五年間また、この道路特定財源、七兆円近い大変な金額にメスを入れなかったら、実はその目標なんか実現できませんよ。それと同時に、GDPに占める政府固定資本、いわゆる公共事業の比率というのが高過ぎるわけですね。それに引換え、教育費だとか医療費とか、そういうものが低過ぎるわけ。ここは、ある意味では財源を徐々にシフトしていくということは、これは当然出てくる話なんです。そのときに、この道路特定財源問題の根っこのところ、一番大きいのはガソリン税ですわ。この問題にメスを入れなかったら、あなたのおっしゃった、いわゆる将来のGDP比の中の二%程度までに公共事業の比率を下げるということは実現できませんよ。そこの整合性をどう考えているんですか。
#148
○国務大臣(塩川正十郎君) だけれども、また半面からいいまして、必ず質問があるのは、道路のためにと思うてガソリン税を払ったユーザーは、そうなのにそれを全く違うところに使うのやったら契約違反じゃないかという声が出てきますから、ですから、このガソリン税あるいは軽油引取税を払ってもらう方々は、やっぱり交通関係、道路に関係するもので、広場であれ道路であれ、あるいはモータープールであれ連続立体高架であれ、そういう道路の交通に有利に使ってもらえるようにしてくれるならば納めても結構だという納得はしていただけると。ですから、この財源を一般財源として福祉やとか教育だけに限ってしまうということじゃないということを言っておるのはそうなんです。
 そうすると、従来から道路関係に、いろんな都市計画やとかあるいは駅前整備計画やとかという事業等に使っておったそういう歳出予算、そういう予算はもっとほかへ使えるんではないかということで、予算の使用に多様性を持たせてもらうことによってこれは有効に使うと、これこそ有効に使うことになるわけです。
#149
○峰崎直樹君 そんな、いや、去年はそういうことの、いわゆる重量税を変えたぐらいですわ、法律を改正しなくて済んだから。しかし今、道路特定財源を含めた特定財源の一般財源化という問題を実は総理は提起されたんじゃないんですか。我々はそれを含めて、これは本当にやり切れるかなと。
 しかも、来年三月三十一日に暫定税率切れます。そのときに、暫定税率というけれども、税率を見ていただいたら分かるように、ヨーロッパの税率、これは別に暫定税率じゃありませんよ、揮発油税、道路に使っているかどうかは別にして、一般財源として使っているものの税率は、日本のいわゆる暫定税率を入れたこの金額とほとんど変わりがないです。むしろヨーロッパの方が高いぐらいです。アメリカだけちょっと特例ですわ。そうしたときに、国民の皆さんに対して、これは一般財源化をしていきたいと言うことは、これは重々できると思うんです。それに、実はここに書いてあるように、環境税への組替え問題というのが出てきているわけですね。今日、日本経団連の会長さんも環境税に前向きになっています。
 環境省からお見えになっていますね。是非そこら辺、もういわゆる環境税の問題は二十一世紀の大きな課題ですから、是非、一般財源化をすると同時に、環境税への組替えという問題について前向きの少し考え方を提起していただければと思うんですが、環境省からお願いします。
#150
○副大臣(山下栄一君) 環境省としましてもこの環境税の問題、極めて大事な問題であると認識しております。
 京都議定書を批准していただいて、また国内担保法としての地球温暖化対策推進法を改正していただきました。その前提となる推進大綱の中に、経済的手法として税、課徴金、これは大事な問題であるので総合的に検討すると、こう書いてあります。これは政府として決めました。
 環境省としては、今、この環境税の具体的な制度面の検討について中環審、中央環境審議会の温暖化対策税制の専門委員会、対策の専門委員会を作りまして、そこで去年の十月から検討しておりまして、この問題をどうするかと、より効率的に京都議定書の目標達成を実現する可能性があるという認識の下に今審議をしておりまして、近々中間取りまとめを行うと、こういうふうになっております。
#151
○峰崎直樹君 たしか一月に総理大臣は、政府税調だったか、指示されたんですね、環境税の導入やあるいはこの特定財源の見直しの問題を含めて。正に今環境省がやっているようなことについて、やはり改革をすべきだという提起を私はしていると思いますので、そこは財務省、さっき暫定税率に一回戻してとかという、それもちろん、法律の建前上、そういう暫定税率というのは作っていますから、それを一回本則に戻してそこから先どうするかという議論の立て方ももちろんあり得ると思います。あり得るんですが、しかし私は、やはりCO2税のことを考えたときに、今よりも暫定税率を半分に税率を下げて、どんどんまたこれガソリンを使ってくださいという活性になっちゃうと、CO2税の目的からすれば逆行しちゃうと思うんですね。
 そういう問題を含めて、その在り方についてどのようにお考えになっているか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#152
○副大臣(尾辻秀久君) 議論の本筋には必ずしも関係があるとも思いませんけれども、事実関係ですのでまず申し上げますけれども、今お話しございました、今年一月に総理より政府税調に対して環境税に関する諮問がなされたと、こういう事実はございませんので、申し上げておきます。
 そして、その環境税のこと、それから今、道路特定財源のことなどいろいろ御議論いただいておりますけれども、いずれにいたしましても、今正に経済財政諮問会議や政府税調で議論をしていただいておりますので、この議論を待ちまして、そして私どもは、いずれにいたしましても平成十五年度予算から反映させていきたいと考えております。
#153
○峰崎直樹君 ちょっともう時間ないんで先に急ぎたいと思いますが、ちょっと地方と国との関係で、内閣総理大臣の指示のところで、竹中大臣、これ実は税源移譲問題というのがこの中に出てこないんですね。かつて、たしかこれは総務大臣が出されていたんでしょうか、税源移譲という考え方が出ていたと思うんですが、この総理の指示を読むと、まず国庫補助事業の縮減は年内をめどと、それから今後一年以内に国庫補助負担金、交付税、税源移譲と、こうなっているわけですけれども、そういう意味でいうと、税源移譲問題というのは交付税改革と一体のものになっているんですか、それともこの国庫補助負担事業の補助金の問題の削減とセットになっているんでしょうか。そこの辺りはどのようにとらえていったらいいんだろうかなというふうに思っているんですが。
 そういう意味で、この一年以内にというところが、一つは、なぜ一年以内なのかなと。今年、この年末なら年末に改革ができないんだろうかなと。私はどうも先走り過ぎているのかもしれませんが、これが一点です。
 それから、総務省にもちょっとお聞きしておきたいんですが、それは、総務大臣が、このやり取りをする中で、交付税の役割なんですけれども、財源保障機能とそれから財源のいわゆる格差調整機能、この二つは分けられないと、こうおっしゃっているんです。これ、本当に分けられないのかどうか、この点お聞きしたいと思っています。
#154
○国務大臣(竹中平蔵君) まず私に対して、一年ということでありますけれども、少しおっしゃった税源移譲との絡みでありますけれども、ここの、今お手元に委員もお持ちかと思いますけれども、要するに今回の指示の重要なポイントは、補助金、交付税、税源移譲を一体で考えるということです。
 これ正に一体で考えないと意味がないわけで、それを一体で考えるということは、これは非常に大きな連立方程式を解くような問題で、非常に考えなければいけない問題がたくさん出てくる。それの総合調整をうまくやりながら、これは一年でやれというのは、遅いという御指摘かもしれませんが、我々にとっては一年でこういう大きな工程をまとめるのは大作業であるというふうに認識をしております。
 その意味では、税源移譲の問題はこれは一体だということ、それと、一年という期間は、一体で工程表まで描くと極めて調整する項目が多いということを考えますと、かなりきつい作業であるというふうに申し上げたいと思います。
#155
○大臣政務官(滝実君) 総務大臣が、この財源保障機能と財政調整機能は分けて考えられないと、こういうような趣旨の発言をいたしておるわけでございます。基本的には、理論的に申しますとそれは分けて考えることはできると思ってございますけれども、実際問題として、今の地方財政全般を考えた場合にこれを分けて扱うというのはなかなか難しいと、そういうようなことも踏まえて総務大臣は、この二つの機能を全く別個に扱うというのは実際問題として考えられないと、こういうふうに申し上げていると思います。
#156
○峰崎直樹君 ところで、総務省にお聞きするんですが、国と地方のいわゆる借金ですね、交付税特会の。これはどういうふうにこの処理をしていく考えなんでしょうか。
#157
○大臣政務官(滝実君) 現在ございます交付税特会における借金のうち、地方負担分が三十兆あると思いますけれども、この三十兆については、平成三十七年でしたか、それまでに年次計画でもって償還していくと、こういうような長期的な見通しの下に考えているわけでございます。
#158
○峰崎直樹君 果たしてその財源どこから持ってくるのかなと、非常に気になるところなんですが、今日はもう時間ありません。
 最後になりますが、実は、環境問題も国際的な議論なんですが、実は、最近EUでもトービン・タックスというのが随分議論になっているとお聞きしております。そこで、あれは為替取引、金融取引に何回も、ヘッジファンドだとかそういうものの取引に対して税を掛けていくということで、非常にこれは重要な役割を果たすのではないかというふうに言われておりますが、これについて財務大臣や金融担当大臣は、トービン・タックス、もしかするとG7あるいは将来サミットの課題などにもならないとも限らないと思っておるんですが、その点についての御見解をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#159
○副大臣(尾辻秀久君) 投機的な為替取引の抑制等の観点から為替取引に税を課そうとする、今おっしゃいましたいわゆるトービン・タックスにつきましては、欧州連合等では話題とされておりますけれども、現実に導入された例はない、このように承知をいたしております。
 したがいまして、昨年七月のG7、財務大臣から各国首脳への報告書においても実行上の様々な問題点が指摘されておりまして、その導入につきましては慎重な検討が必要であると考えております。
#160
○国務大臣(柳澤伯夫君) トービン・タックスの概要については今、尾辻副大臣のお答えになられたとおりでございます。
 私ども、資本の自由化をやった後、ともすると、それが行き過ぎたんじゃないかというような思いで、これに対して何らかの手だてが講じられないかというようなことは、正にそうしたことが起こる都度に考えさせられるわけですけれども、このトービン・タックスも、結局そうしたことの中で、フィージビリティーというか、現実的な制度の可能性といったようなことについてまだ必ずしもいい知恵が同時に出されているというような状況にはないように私ども理解をいたしております。
 それやこれや考えますと、非常にこうした、特に短期の投機的な資金の取引というものをどうとらえるか、つまり、短期資金の動きとそれからこの実体経済との関係というのをどううまく調和させていくかということの中での議論の一つというふうに私ども受け止めておりまして、これにつきましては今後とも耳を傾けてはいきたいと、このように考えております。
#161
○峰崎直樹君 終わります。
#162
○浜田卓二郎君 私は、連結納税制度とそれから国債格付、それに関連して我が国の税構造について質問をしたいということで質問通告をさせていただきました。午前中の山下委員の質疑と現在までの峰崎委員の質疑でほぼ私の質疑をしようと予定していた項目が全部出尽くしておりますが、少し角度を変えながら聞いてみたいと思います。
 連結納税制度については一点だけ、午前中の議論を聞きながら感じておりますことを伺いたいと思います。
   〔委員長退席、理事円より子君着席〕
 私は、連結納税制度を導入するということは、時期的にも、また従来からの経済界の要請を考えてみても適切なことであるというふうに思っておりまして、その点は賛成でございます。ただ、二%の連結付加税というのがどうしても説明しづらいこぶみたいなものになっているなと思うわけでありまして、山下委員もその点はいろいろ指摘をしておられました。
 私、よく分からないのは、峰崎委員の質問にも出ておったわけですけれども、これをどういうタイミングでなくすのか。なくすというのが、元々こぶみたいなものですから、二%乗っける必然的な理由はないわけですからどこかでなくすわけでしょうけれども、このなくす理由というのが、どういうふうにお考えなのかということですね。
 一つは、景気が悪いから、税収が少ないから、景気が良くなったら二%は外しますという話なのか、付加税を乗っけておっても皆さん連結納税をどんどん導入なさるんならば、そのままついでに余分にいただいておこうというお考えなのか、その辺り、どこで見直すかという、そしてどういう理由で見直すかと、そこをもう一度伺ってみたいと思います。
#163
○副大臣(尾辻秀久君) 先ほどから同じ答えを繰り返しておりまして誠に申し訳ないんですが、まず、二年間という期限を切っておりますので、期限を切っておるといいますか二年後に見直すということでございますので、そこでいずれにしても見直すと、こういうことであります。
 ただ、そのときにどうなるんだと。もしなくすんならなくすで、なくす理由は何だ、こういうことでございますが、これもまた、ここの部分は率直にずっとお答えしておりますように、とにかく連結納税制度を導入することによって、平年度ベースで約八千億の税収減がある。今日の財政事情の中でそれは何とか補てんしなきゃいけない。そして、その補てんするための一つとして付加税を考えておりますから、そのときの景気の動向、税収の動向、そういったようなことが一つの目安になろうと思います。
 同時に、導入して、これは導入された各企業の皆さんのいろんな御意見出てくると思いますので、そうしたものも当然参考にするといいますか、議論の中に入れてみると、こういうことだと思います。
 アンケートでもいろんな数字が出ております。例えば、連結納税制度を導入するのかと聞かれると、しない。理由は何だというと、付加税だと。こう答えておられるところは非常に多いんですが、じゃ、それを反対側に、付加税なくなったら導入しますかというと、必ずしも、じゃそうしますというアンケート結果にもなっておりませんので、そうしたようなことを今後導入した後見てみる必要があろうかと、こういうふうに思っております。
#164
○浜田卓二郎君 ちょっと私は議論がおかしいと思っていまして、連結納税制度を導入したい企業というのは、そうした方がグループとしての企業経営、それに適切だと思うから導入したいわけであって、それに二%がくっ付いているから嫌だという理由はあるけれども、その二%を歓迎して入れるという人はいないわけですから、元々、連結納税制度を導入してあげるんならこんな余分なものはくっ付けない方がよろしいと。
 だから、それをくっ付けざるを得ない理由は、純粋に税収が落ち込むからだ、補てんだと。それを素直にお認めになって、だから二年に別にこだわらずに、早く法人税が回復をできるとか、あるいは私は、今日の議論は、そういう景気に左右されないしっかりした税構造というものをやっぱりこの際考えていかないともう手詰まりだよと。手詰まりなんですよ。手詰まりだから妙なこぶみたいなものを乗っけざるを得ない。そしてしかも、それが余り適切な方法じゃないと思っているから二年というような期限を切らざるを得ないわけですから、これはできるだけ速やかに景気の動向を見ながら解消したいということで、私はそういう方向で行っていただきたいなというふうに思います。
 財務大臣の以前からの御答弁は、その気持ちを表しているからできるだけ早くということをおっしゃっているんで、むしろその方がきちんとした私は考え方であると思いますが、大臣、よろしゅうございますか。
#165
○国務大臣(塩川正十郎君) あえて初めから付加税の撤廃を前提にした議論で私は言っているんじゃございませんで、それよりも、実施してみて、これは確かに私は付加税がこぶ的な役割になっておるということは認識しております。けれども、それ以外にも連結納税のいろいろな制度上の問題点が提示されてくるだろうと。そういうものと併せて考えていけばいいと思っておりますので、取りあえずこれを実施して制度として発足して、できるだけ早い時期に私はこの連結納税制度を各産業界で検討してもらいたい、そして実際にそこに議論を起こしてもらいたい、その上で決定していきたいと、そう思っております。
#166
○浜田卓二郎君 繰り返しになりますから申し上げるだけにいたしますが、二%はなきゃないでいいに決まっているんですよ。つまり、そこを聞く必要はない。連結納税制度が企業経営、グループとしての企業戦略にとって必要だと思ったら導入される、私はそういう素直な制度でいいというふうに思っておりますが、この問題はこれだけにいたします。
 それで、峰崎委員と全くダブりますけれども、一つは国債の評価の問題で、スタンダード・アンド・プアーズ社が格付を引き下げた後にここで一度問答がありました。そのときに、政府として注文を付けるんだという御答弁があったというふうに思いますが、どういう注文を付けられて、それに対してどういう対応があったのか、なかったのか、その辺の経緯をお願いいたします。
#167
○副大臣(尾辻秀久君) 大きく申し上げますと、格下げをいたしました根拠として言っておりますことが、私どもからいいますと、日本の経済力、ファンダメンタルズをしっかり見たものでない。それからまた、そうしたことに対する、格付に対する定性的な説明が十分なされていないといったようなことを指摘して回答を求めたわけでございます。それに対して、一言で言いますと、十分な回答が得られなかった。
 先日も申し上げたかと思いますけれども、例えば、デフォルトの可能性などについてリスケジュールがあるんじゃないか、償還の、というようなことを言っておりますけれども、私どもは毛頭そんなことは考えておりませんし、極めてあいまいな指摘といいますか、私どもにもっとストレートに言わせてもらいますと、いい加減な指摘がある。したがって、今これに反論しなきゃならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
#168
○浜田卓二郎君 その質問書というか、反論書というのはどこに出されたんですか。
#169
○副大臣(尾辻秀久君) 各格付会社に対して出したものであります。
#170
○浜田卓二郎君 それはもちろんムーディーズ社にも出されたわけですね。その結果が今回の二段階引下げということですね。それについてはどういうふうにお考えですか。
#171
○副大臣(尾辻秀久君) 一言で言うと、腹立たしいといいますか、私どもの言っていることを理解してくれなかったなと、この思いに尽きます。
#172
○浜田卓二郎君 私が今日は言いたいことは、その腹立たしいという言葉が聞きたかったんですよ。単に腹立たしいだけじゃ駄目なんですね。
 実は、今日の日経新聞で、ゴールドマン・サックス社が、格付がおかしいと、やっぱりスリーAでいいんだということを何かペーパーを出しているそうです。
 それも、多分書いてあることは、実は私はこういう質問をしましたけれども、その財務省の発出した質問書なるものを読ませていただきました。誠にごもっともなことが書いてあるわけですね。要するに、貯蓄意欲は高いし、そしてしかも対外的な債権も多額にあるし、支払能力は十分あるんだと、何もここでデフォルトを心配される必要はないということが書いてある。それはそのとおりなんですね。
 じゃ、そのとおりなのになぜ格付が下がるか。実はここが私は根本問題だと思っているんですけれども、いかがですか。
#173
○副大臣(尾辻秀久君) 難しい御質問でありますけれども、最近思うんですが、たかが格付、されど格付みたいなことを私は強く感じておりまして、たかがの部分はいろいろありましょうけれども、されどという部分でいいますと、やっぱり全部彼らの指摘を我々が真っ向否定できるものでもない、反省すべきものもあるというところは当然含んでおりますから、そうしたものがあるのかなと。あるのかなというか、あるということは率直に認めざるを得ない、今後に我々が生かさなきゃならないものがある、一つはそういうことがあろうと思います。
 一つは、大塚先生がこの前御指摘になりましたけれども、かなり政治的な側面を持つ。これは、アメリカがあの双子の赤字を抱えて苦しんでいたころもアメリカの国債はトリプルAから変化しなかった。それに比べて、今何で日本の国債が同じ視点に立つならば下がるんだというようなことも言えますから、やっぱりそういったところから見ると、政治的な側面もあるのかなと思ったりもしながら見ておるところでございます。
#174
○浜田卓二郎君 先ほどの峰崎委員に対するお答えの中で、塩川大臣がたしか、経済の力とか国民の力は十分あるんだと、それをどう考えているんだというような趣旨のお話をされました。財務省の発出した質問書も正にそう書いてあるわけですね。これだけの力がある、それをなぜ評価を下げるんだということなんですが、私は、国民の力とか経済の力のほかにもう一つ、国家の力というのをあえて言わなきゃいけないんだろうと思っているんですよ。
 つまり、税金をもらえなくなった、あるいは税金をもらう意思を非常に弱めてしまった国家という、その国家の評価が国債の格付に、一社のみならず二社までも同じようなランク付けをしてくるというふうに私は受け止めておりますけれども、その点に対して塩川大臣の御感想を聞かせてください。
#175
○国務大臣(塩川正十郎君) 私はそこまで深刻に考えてはおりませんけれども、しかしいずれにしましても、格付会社というのは、要するに社債とかそれから特定機関の発行条件等に基づいて算定しておる、言わば計数的に物を見る、そういう習性のある会社でございますから、国力のいかなものか、あるいは国の政策的な配慮はどこにあるかということの考え方が足りないと思っておりまして、そこを見た場合に非常に残念だということで文句をあえて言っていった次第です。
#176
○浜田卓二郎君 そこの考え方、見方なんですけれども、ゴールドマン・サックスが見てくれるのは、国民の勤勉さ、貯蓄性向、あるいはまた技術力、そういった経済の力、国民の底力。その面から見れば、当然その国民が構成する国の国債であるから評価ができる、そういう見方、これは一つ私は成り立つと思うんですね。でも、そういう見方が成り立つだけに、余計、そういう国民の力を生かし切れていない国家という、そういう視点が私は今深刻に、行政や政治に携わる、我々国会も政府も含めてですけれども、受け止めなければいけない問題ではないか、私はそう思うんですね。
 そこで、ちょっと角度を変えて御質問申し上げたいと思いますが、これは事務当局の御答弁で結構ですが、毎年、財務省、大蔵省時代からですが、財政収支の試算を国会に提出しておられます。これは、私も前に予算委員会で取り上げて同じことを申し上げたわけですけれども、昭和五十年度が初年度で、初めてこの案が作られたわけです。昭和四十八年度に大きな歳入欠陥がありまして、それを前提として、昭和五十年度を起点にして今後の財政の在り方というのを計算をしてみようということでありまして、これが大平大蔵大臣の下で提出をされて、そして、そのときは一般消費税といいましたけれども、今日の消費税導入の議論のきっかけになった。また、我々は、私は当時担当者でありましたけれども、そういうことを意図してあえて誤解を招くことを恐れずに試算を出したという記憶がございます。
 この財政収支試算というのは、非常に単純化された計算なんですけれども、非常に正確なんですね。後でずっとたどってみると、もう国債累積があの当時すぐ百兆円になるよという言い方をしておりましたけれども、そのとおり百兆円になりました。そして、その後もこの財政収支試算で出してくる収支差額を埋め切れないまま今日まで国債の累積をもたらしてきているわけですね。
   〔理事円より子君退席、委員長着席〕
 そこで、私が演説してもしようがありませんから事務当局に伺いますが、この国会に提出された資料で、今後の、今三十兆で国債発行を止めようということで言われているわけですけれども、これがこの試算で十五年度、十六年度、十七年度、それぞれ国債発行額は幾らになっていきますか。
#177
○副大臣(尾辻秀久君) 事務方参っておりませんので私から申し上げます。
 今お話しいただきました影響試算でございますけれども、単純に歳出とそれから税収との差額を国債発行だと、こういうふうにいたしますと数字が出てまいりますけれども、これはそのときのいろんな事情ありますので、単純にこれをイコール国債発行額というふうにも言えませんということはまずお断りを申し上げてお答えをいたします。
 試算は、実質経済成長率を〇・五%に見た場合と、それから一・五%に見た場合の二つの試算をいたしておりまして、その差額を申し上げますと、年度は順次申し上げますか。十五年度から申し上げますと、〇・五%を前提にいたした場合は、十五年度が三十五・六兆円、十六年度が三十九・八兆円、十七年度が四十二兆円、こういう数字であります。次に、経済成長率を一・五%と見た場合の数字でありますが、十五年度が三十五・二兆円、十六年度が三十八・二兆円、十七年度が三十九・二兆円、こういう数字でございます。
#178
○浜田卓二郎君 現状のままでいけば、来年度が三十五・六、それから三年後が四十二兆円ですか。問題は、成長率が、言わば景気が回復して実質成長率が十六年度以降二・五%という成長率を設定した後も、実はこの収支差額は今御答弁のように増え続けているんですね。実質成長率二・五%で成長していってですよ、経済が。つまり、景気が予想以上に、今日予想できる以上に回復をして後にも、この収支差額は実に順調に増え続けておるんですね。そして、平成十七年度、四年後というのか、三年後ですか、三十九兆円になるということですね。
 峰崎委員の質疑等の関連で言えば、私はもう、なぜこういう結果になるか。これを歳出削減だけでやろうというのは、これはもう到底無理だという明らかな数字ですよね。だから、財政当局としても、もうこの明らかな数字を外に出しながらやっていかざるを得ないわけでありますから、じゃ、それに対してどうするかという議論が私は真剣に始まらなきゃいけないし、そこのところが非常に悩ましいわけですよね。
 じゃ、もっと具体的に、私は結論から言うと、日本の税構造というのがもう縮まり過ぎちゃっている。この縮まり過ぎちゃっているやつを幾ら延長したって答えは出てこないと。だから、それを歳出削減で身を細るようにしてやっていくという、これは限界があるわけですから、その限界を早く認めた上でもっと前向きな税の議論を、小泉内閣の得意な言葉で言えば、それこそ骨太にやってもらいたい。
 だから、先ほどの付加税二%の話なんかだって、いじましい話ですよ。本来こうあるべきだと言いながら、なかなかできないから二%乗っける。そしたら、その税によるいろいろな誘導策とかなんとか言いながら、効果減殺じゃないですか。それと、今、政府税調あるいは諮問会議とかいろいろなところで議論が始まっているようですけれども、パイが小さければどんないい議論したって財源がないじゃないですか。だから、やっぱり日本はもう国家としてぎりぎり追い詰められるところまで来ちゃっているんだと。その責任はどこにあるかと。塩川大臣はすぐ怒られるかもしれませんけれども、やっぱり私は、私もかつて大蔵省でしたから余計そう思うんですけれども、国庫当局ですよ。
 例えば、後で消費税の議論をしますけれども、医療改革の議論をしてきましたよね。これから法案がかかりますよね。あの中で、この前も申し上げました、国庫負担率を三〇%から五〇%に上げるわけでしょう。上げるときにその財源の議論がないじゃないですか。やったにしても、結論としては出てきていないじゃないですか。私は、あれは消費税でいくべきだと思いますよ。だから、そういう、つまり国家として国民にきちんとした税をいただいていく意欲というものを示していかないと、国家の力はどんどんどんどん減退していくんですよ。本当にそう思いますよ。その瀬戸際に今ある。
 ニューズウイークの先週号の、先々週号だったかな、面白い記事が載っていましたよ。日本のスイス化という論文なんですね。スイスという国がどういう国か私よく分かりませんけれども、要するに日本はもう引退しようとしていると、そういう見方があるという論文なんですね。引退して何をするか。ゴルフをやるんだそうですよ。ところが、最後の締めくくりは、まだ引退するには十分な金がないというんです。十分に金がないのに引退しようとしている国家であったら、それはどんなに国民一人一人が豊かで勤労意欲が高くても、それは悲劇ですよね。私は、そういう意味でも、何か日本というのは、今、戦後六十年たつわけですけれども、国家としての分かれ道に来ているような気がしますね。
 国民が豊かだから国家が滅びないという保証はないんですね。私、歴史は余り詳しくないんですけれども、ベネチアなんという国は、多分あれは経済力とか通商力からすればまだまだ生き長らえた国家だったと思うんですよ。ものが決められなくなっちゃったんですね。それは衆愚政治のいい例として出されるわけですけれども。
 そこで、もう一つ実態だけ伺っていきたいと思いますけれども、法人税については、今朝ほどの議論、峰崎さんの議論だったのかな、七〇%の企業が、法人が法人税を納めていないんですね。所得税についての実態をちょっと説明してください。
#179
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 所得税につきましても、消費税の導入等というようなこともございますが、累次の税制改正によりまして課税最低限の引下げ、さらに税率構造の引下げというようなことにございまして、累進緩和をされました結果、大幅な負担軽減が図られていると。その負担水準は、ある意味では主要先進国の中でも最も低いものになっておりまして、国民所得比でも、所得税だけを取りますと四・三%というようなことで、他の国はすべて二けたでございます。アメリカが例えば一一・七%というような国民所得比。というのから比べると極めて低い水準でございまして、その意味では、財源調達あるいは所得再分配、いずれの機能も空洞化してきていると、こういう状況にあるかと存じます。
#180
○浜田卓二郎君 大武局長、もっと具体的に答えてほしいんですけれども、この課税最低限というのは今幾らで、その結果、何%の方が所得税を納めているか納めていないか、数字をちょっと教えてください。
#181
○国務大臣(塩川正十郎君) 課税最低限は標準家庭ということでやっておりますが、それは夫婦と子供二人、それで三百八十四万円まで課税最低限が下がっております。そして、そういたしますと、給与所得者でございますが、給与所得者の四分の一が、四人に一人ですね、が課税最低限の適用を受けておるという状態になっております。
#182
○浜田卓二郎君 課税最低限の問題がそういう問題でありますが、さらに、税率の刻みの問題がありますね。私どものもう大分年配になってきた者の記憶では、日本の所得税というのは非常に税率が厳しくて、世界で最も高い、厳しい所得税だという記憶をまだ引きずっている方がいるんですね。ところが、実際はそうじゃない。
 課税最低限は今、大臣御答弁のとおりですが、その結果、この刻みの税率で最低税率を、一〇%ですね、最低税率の適用を受けている人の割合はどのくらいなんですか。
#183
○政府参考人(大武健一郎君) 今日は、一応限界税率のブラケット別で見ますと、約八割の方が一〇%で済んでしまうという事態になっております。
#184
○浜田卓二郎君 大武局長に続いて伺いますが、日本は直接税中心の国と。まだそうですね。アメリカとかイギリスとか、そういう国の所得税の実情はどうなっていますかな。
#185
○政府参考人(大武健一郎君) 適用税率で今お話がありましたので申し上げますと、例えばイギリスですと、二二%という税率のところに約八〇%、八割の方がいらっしゃるわけでございます。
 それから、アメリカの場合ですと、実は一五%に七割、それから二六%の方は二八%のところにいらっしゃるということでございまして、全体合わせて、一五%が約七割で、二八%のところに二六%から二五%ぐらいいらっしゃるというようなことでございます。
 それから、フランスの場合には、一〇・五%という刻みがあってこれに五割、それから二四%のところに三六%の方がいらっしゃる、こんなような数字になっているかと存じます。
#186
○浜田卓二郎君 ですから、課税最低限が非常に高いというだけではなくて、一〇%という税率のところで実に納税者の八割が納税をしていると。今の御答弁ですと、アメリカの場合は一五%のところで七割ですか、そうですね。それから、イギリスの場合には二二%の税率のところで八割ですよ。だから、日本は直接税中心の国なんて言えないですね。もうこれだけ税制が縮こまっちゃっているんですね。そこから出発して、将来の健全な財政とか、それから当面の政策減税とか議論できないですね、という気がしますね。
 それから、あえて質問するんですけれども、消費税の実態について教えてください。日本、世界の実態について教えてください。
#187
○政府参考人(大武健一郎君) これは先生御存じのとおり、欧州の指令というところでは、一応最高二五、最低一五という幅の中で選択できるということになっておりまして、例えばヨーロッパの国々ですと、フランスだと一九・六、ドイツですと一六、よく言う北欧の国々、スウェーデンとかデンマークは二五%というようなことでございます。イギリスは一七・五%、それからイタリアが二〇%ということになっています。
 今、五%という税率、日本と同じ税率は、今一応OECDの国々の中では実は日本だけでございまして、OECD外の国で台湾が一応五%、それからシンガポールが三%というのがございますが、いわゆるOECDの国々の中では日本だけ。
 あと、アメリカだけは御存じのとおりいまだに付加価値税というのを導入しておりませんで、州税で小売売上税という税でやっているということでございます。
#188
○浜田卓二郎君 税は安ければ安いほどいいという面があるわけですけれども、この消費税でも今おっしゃったような現状であるわけで、私に説明をしてくだすった若いお役人さんは、ワールドカップに参加している国の中で五%の税率であるのは日本とチュニジアだけですというお話でしたね。あとは全部一〇%以上ですよ。しかも中国は、世界の消費税といいますか、付加価値税の平均税率でいこうということで一七%にしたそうですよね。
 ですから、もちろんそれぞれ全部の税体系を見ていかなければいけないわけですけれども、まず今朝から明らかになっていることは、法人税を納めていない企業が七割、それから所得税を納めていない勤労者が四分の一、しかも納めている方の八割が一〇%の税率を適用されている。消費税は世界で、まあ世界で一番と言っていいのかどうかですが、一番低いと。これじゃ議論が始まらない。実はそこまで日本という、あえて今日は大げさに国家という言葉を使うんですけれども、日本という国家は追い詰められてきている。それがいいという議論もあるんですね。別に国家が滅びたって国民が栄えていりゃいいと、ボーダーレスだからいいという議論もあるんですよ。
 大体、今中国を論ずる人も、別にあれを一つの国家として論ずる必要はないと、長江デルタとか珠江デルタとか一つ一つの経済圏で論じていけばそれでいいと。私は、その議論もだんだん正しくなってくるのかなという気がするんですね。そうしたら、国民が栄えていれば国家は滅びてもいいということかもしれません。
 あるいはまた、ニューズウイークの言うように、日本はもう引退だと、あと残った金でゴルフやって生きていりゃいいじゃないかと、ゴルフやれるかどうかは問題ですけれども。実はそういう、私はぎりぎりのところまで日本の国家は追い詰められてきている、ここが岐路だと。だから小泉さんの構造改革を私は支持するんですよ。下手くそですけれども、言い方もやり方も下手くそですけれども、これしかないという思い込みは私は大事だと思うんですよ。
 ですから、もう一つ景気の問題もあるし、いろいろ問題があるのは分かっているわけですけれども、どうかひとつ、日本の国家がここまでぎりぎりまで来ているということを認識をされて、国庫当局として、やっぱり景気も大事だけれども、あるいはまた選挙も大事だけれども、しかしこの議論だけはしていかなきゃいけないという議論をしてくださいよ。それをできるのは私はもう自由奔放なる塩川財務大臣だと思っているわけでありまして、今日はそういう一つのエールを送りたかったわけであります。
 最後に、私、たばこのまないんですけれども、塩川大臣はたばこ税なんかには熱心ですよね。そうじゃないかもしれません。だから私は、今必要なことは大筋の議論であって、取れるところから取ろうという議論は駄目だと、それは申し上げたいんですよ。全体の税のバランスとか、それもやっぱり考えながら骨太の、これから国としての基本的な収入をどう確保していくか。今年できないんなら来年、せめて景気が良くなったらこうするぞという議論は早く始めてほしい。そして、それを選挙のテーマにするんですよ。
 私は、是非塩川大臣から小泉総理に言ってほしいんだけれども、次の税構造の改革まで含めた全体の構造改革のプラン、国家改造プランみたいなものを骨太に作って、それをテーマにして選挙やったらどうですか。それを勝ち抜かなければならないぐらいの追い詰められたところに日本の国家としてのポジションがあるということを、今日は生意気ですけれどもあえて申し上げて、私の質問を終わります。
#189
○国務大臣(塩川正十郎君) 浜田先生、応援していただきましてどうもありがとうございました。
 私も全くそのような感じでおりまして、やっぱり基本に戻って物を考えるということだと思っております。そして、先ほどお話にございましたスイスのようになってはいかぬと。私はあれを読みまして、そのような傾向になっておること、ただし、そこで一つ違うことは、スイスは七十歳以上を高齢者にしております。日本は六十五歳を高齢者にしております。そこが一つ違うということと、それから、スイスは高齢者ではあるけれども高齢者の中での所得の再配分をもう一回やっている、日本は六十五歳以上の高齢者は全部平等に扱っていると。そこの違いがあるというのを、私はそこらも併せてよく研究してみたいと思っております。
 ありがとうございました。
#190
○大門実紀史君 最初、竹中大臣にお願いしたんですけれども、まだ時間が掛かりますかね。そうしたら……
#191
○委員長(山下八洲夫君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#192
○委員長(山下八洲夫君) 速記を起こしてください。
#193
○大門実紀史君 改めて、日本共産党の大門です。
 せっかく浜田さんが今回の税制改革、応援する質問をされましたけれども、水を差すようですけれども、私の方はかなり厳しい税制改革の御批判をさせていただきたいというふうに思います。
 最初に竹中大臣に、今のこの日本経済の実態との関係で、今回の税制改革の方向について幾つかそもそも論をお聞きしたいというふうに思います。
 GDPの一―三が出たわけですが、全体として、どういいますか、私から言わせると、しょせん一喜一憂の範囲にすぎないといいますか、根本的にそのベースは良くなっていないというのがまだ厳しい実態だというふうに思います。
 これは、経済主体別というふうに、セクター別にこれは月例経済報告等で見てみますと、大企業の方は製造業中心に回復の基調にあると、リストラの費用計上が一段落してアジア向け半導体の輸出等が伸びてきているというところで、V字型かU字型かは別としてそういう兆しが見えていると。日銀短観なんかでも、下げ止まりつつある、先行きについても改善を見込んでいるというふうになっていると思います。
 ところが中小企業の方は、これは日銀短観でも悪化しておりますし、三月倒産件数等々見ても引き続きかなり厳しい状況にある。個人の方も、家計調査の勤労者世帯を見ますと、一―三の消費支出というのはマイナスになっておりますし、四月の実収入も実質で一・三%減、可処分所得は三・一%減ということで、大企業の方は少し兆しが見えていますけれども、中小企業、個人の方は依然厳しい状況にあるというのが今の経済の実態ではないかというふうに思います。
 そこで竹中大臣にお聞きしたいのは、今回の総理の税制改革の指示の中にも、経済社会の、先ほどもありましたけれども、活力を最重視するというふうにありますけれども、率直に言って、今の経済の状況を見ると、最もその活力に欠けているのは、セクターといいますか、経済主体で言うならば中小企業セクターと個人セクターではないかというふうに思いますが、その辺の認識をまずお伺いしたいと思います。
#194
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、五十五分からと承知しておりましたもので、お待たせして大変申し訳ございませんでした。
 今、大門委員御指摘のように、景気は底を打ったという認識を持っておりますし、一―三月期のGDPも、数字そのものはプラスになったということではありますが、これはやはり循環的なもので、良くなったり悪くなったりする経済の一環でありますので、そのベースの部分というふうに申し上げるべきか、正にトレンドとしての日本経済の実力は引き続き大変厳しい状況にあるというふうに認識をしております。同時に、その中でも特に中小企業を取り巻く環境は厳しい、雇用・所得環境などが個人消費等の民間需要を押し下げするリスクもあるという、そういう厳しい認識を私たちも持っております。
 ただ、大変評価が難しいのは、大企業の中でも良いところと悪いところが非常にはっきりとしているし、中小企業の中でも良いところと悪いところは非常にはっきりとしていると。その意味では、それぞれなかなか、このセクターセクターで今とらえるには、非常に大変経済が多様化しているというのが現状ではないかと思います。
 そうした観点から、総理の指示も含めて税制改革でやはり考えなければいけないのは、付加価値を生み出す法人部門の活力を高めるためのやはり税制であると、それを国際的な整合性の中でやっていくということが私はやはり大変重要なのではないかと思います。
 御承知のように総理からの指示は四点出ておりますけれども、包括的かつ抜本的にやるということと、経済社会の活力を重視するということと、すべての人が参画し負担し合う公正な社会を作るということと、それとマクロ的には財源なくして減税なしであると。そういった枠組みの中で経済の、これは以前から申し上げているように、供給サイドを強化するための法人部門の税負担の引下げというのを活性化の一つの軸にしていく必要があるのではないかというふうに思います。
 個人消費についても、申し上げましたように所得環境等大変厳しいというふうに認識をしておりますが、これは数字ですから短期でとらえるべきじゃないと思いますが、一―三月期の個人消費はかなりのプラスに貢献しているという点は、事実としてはございます。
 決して楽観しているわけではありませんが、そうした経済の供給サイドを強化する中での活性化というのを図りたいというふうに思っているところです。
#195
○大門実紀史君 基本的な認識としては私と一致されるというふうに思うんです。ここにありますけれども、中小企業セクター、個人セクターはやはり厳しい段階にあると。
 そうなりますと、もちろんそれにはいろんな手当てが必要になると思いますが、少なくとも税制改革の総理の方針で出てきた方向といいますか、それが、先ほど言ったような弱い部分に対する対応としては、どうも私、逆さまになっているような気がするんです。
 今のところ出されているメニューの段階ですけれども、例えば大企業セクターでいきますと、今日議論の連結納税もそうですし、実効税率の引下げあるいは試験研究費減税などがメニューに挙がっていると。ところが、厳しいはずの中小企業の方には、課税ベースを広げるんだということで議論になっているのが、消費税の益税解消とかあるいは外形標準課税、もう一つは中小企業投資促進税制も整理するというようなことが今議論されています。個人の方のセクターは後で取り上げたいと思いますが、広く薄くということで、これも課税ベースを広げるということですが、先ほどありました課税最低限の引下げあるいは消費税を引き上げていくと。メニューからいきますと、さっきの経済実態とは逆の方向といいますか、厳しいところにはもっと厳しくなるというふうなメニューが出されているんではというふうに思います。
 このことは自民党の中からも懸念の声が上がっているというふうな新聞報道があります。例えば平沼経済産業大臣は、外形標準課税については中小企業に十分配慮すべきだと。消費税の免税点引下げも、小規模事業者は事務コストが掛かっているんだから、これは益税かどうかと慎重に検討すべきだと。
 あるいは自民党の堀内総務会長は、外形標準課税は中小企業が苦しむから反対だと。課税最低限の引下げについては、弱い立場の人を苦しめる、こんな景気にマイナスになることは反対だと。経済諮問会議の在り方についても、人に温かみがない、非常に観念的な税制論議がされているというふうなことを苦言を呈されております。
 私も、この堀内さんの言われるとおりだというふうに、この間の経済諮問会議での議事録なんかを見ますと、何といいますか、みんな財界の代表みたいな、とにかく政策減税や、これも後で指摘いたしますけれども、本当に政策減税なのかどうかというのはありますが、とにかく大きな、輸出を中心とした大きな企業にいろいろ手厚く、中小企業は、あるいは個人は税金納めていないやつがいるからけしからぬというような話ばっかり議論されているというふうに思います。
 私は、別に財界、大企業が社会的責任を踏まえた上で頑張ってもらうことは何も否定しませんけれども、この経済状況の中で、どうしてそこだけ手当てしてほかに厳しくするのか、どうしてそういう議論になるのかというのが分かりません。堀内さん指摘されているように、もう少し経済諮問会議でも、人間味のある議論といいますか、本当に今大変で苦しんでいる人たちをどうするかという議論が一向に出てこないのはなぜかというふうに、非常に疑問に思うところです。
 そういう点では、中小企業や個人を助けようというふうな方向での税制議論が一向にないというのは一体どういうことなのか、教えていただきたいと思います。
#196
○国務大臣(竹中平蔵君) 諮問会議に対する誤解を是非解いていただきたいというふうに思うわけでありますけれども、諮問会議での議論というのは、先ほどの峰崎委員に対する答弁でも申し上げましたけれども、基本的には基本方針であります。物事の考え方とか、世界の税制の動きに沿って、例えば広く薄くするとか、具体的なその先の制度設計そのものは、これは我々のような少人数の組織では行えないということで、基本的な我々が考え方を示して、それを受けて政府税調、党税調等々で今後議論が進んでいくというふうに考えているわけでございます。
 抽象的な話になりますと、その意味では非常に目に見えない、冷たいというような議論にもなるのかもしれませんが、これは決してそういうことではなくて、とりわけ大企業を優遇して中小企業に冷たいということは、これは私はそうではないというふうに思います。
 我々は制度の話を行っておりません。したがって、外形標準課税をどうするかというような議論は、これは諮問会議として、議員のメンバーそれぞれについてのお考えがあると思いますが、詳細に議論は特にはしておりませんけれども、例えばですけれども、恐らく大企業で、商社のように世界的に利益分散を行って所得税を払っていないところにはしっかりと外形標準を払っていただくということは、やっぱり必要なんだと思うんですね。
 そういった意味からすると、大企業、中小企業というような観点から議論をしますと、これは少し議論がミスリーディングになるのではないかというふうに思います。頑張っている中小企業に対しても広く薄くというのは大変大きなメリットがあるわけで、そういった点も是非御理解いただきたいと思います。
#197
○大門実紀史君 実際に出ている私は議事録を読んで質問をしているわけですが、そこで出てきているメニューでいきますと、今言われたような話のことは、メニューとしては挙がっていないと。やはり、さっき言ったような、どう見ても中小企業、今のこの赤字で苦しんでいる中小企業には増税、中低所得者にも増税ということばかり議論されているというのは、これは事実だというふうに思います。
 竹中大臣、限られた時間だということなので、私はそもそも、竹中大臣とは予算委員会等々で何回も、どこの部分に手当てしなければ日本経済はよくならないかという議論をさせていただいてきまして、平行線でなかなか、大臣は企業利益を上げれば所得・雇用が増えるんだというふうな、セーの法則ですか、そういう議論を言われますが、私は、この十年で見ると、いわゆる会社が、企業が利益を上げればダムの水があふれるように国民に回っていくというのは、これは昔の経済企画庁もそういう時代になっていないというふうに認められているとおり、もうそういう時代、今はそうなっていないと。減収増益が基調になっていますから、利益を上げるためにリストラをやって、それでまた消費が低迷して、失業が増えて、会社の売上げが落ちて、更にまたリストラやらなきゃいけないと、こういう悪循環に陥っているという議論をさんざん大臣としてきたわけですが、いずれにせよ、今日はそういう議論、また改めてする時間ありませんのでやめておきますけれども、その方向が、この方向だとやはり景気全体が良くならないんではないかという疑問を持っているということだけ今日は申し上げておきたいというふうに思います。
 せっかくの機会ですので、竹中大臣にはもう一つ、そもそも論でもう一つ別の話をお聞きしたいんですけれども、広く薄くというのがございますよね。この広く薄く、後で個別の中身は主税当局に質問したいと思うんですけれども、この基本的な理念といいますか、この広く薄くの税制でどういうふうな社会を目指していくのかというふうなところをお聞きしたいんですが。
 簡単に言いますと、広く薄くというのは、応能負担の原則とか、あるいは課税の累進を緩和するとかフラットにしていくと。それは大臣言われるように、一生懸命稼いだ人はたくさん残るということで報われるという意味は確かにあるかも分かりません、稼いだ人にとっては、所得の高い人にとっては。ところが、それはやっぱり結果の平等を追求するというふうな話になるかと思いますが、その中で、所得の再分配機能というのが当然累進を緩和すれば落ちてくるわけですよね。所得税やなんかはそうですよね。これは、その世代にとっては結果の平等の追求でいいと仮になったとしても、その次の世代といいますか、子供の世代にいきますと、やっぱり高額所得者の子供は高額所得者から出発するというふうな、いわゆる機会の平等が失われていくというふうなことにつながっていくと思うんです。ですから、広く薄くというのは、何か耳障りが良くて、何か重いものの負担が軽くなるような印象を国民に与えていますけれども、実際にはそれだけではない、非常にもっと問題のある中身も含まれていると私なんか思います。
 特に、この近代社会というのは、そういうふうに貧富の差が広がっては困るということでわざわざ累進制を持ち込んだり、そういう貧富の差が拡大しますと社会不安が広がるということでわざわざ長い時間を掛けて歴史から学び取って、そういう機能を持ってきたと思うんですよね。それがこの広く薄く論で今進めていくとどうなっていくのかと。
 この間調べてみますと、ただでさえ資産格差あるいは所得格差、ジニ係数等が広がっているわけですから、このままずっと推し進めていくと、何か昔の十九世紀の資本主義といいますか、そういう最初の資本主義みたいなところに戻っていくような気がしてならないんですけれども、その広く薄くというので目指す社会というのは、大臣はどういうふうにお考えになっているのか、お考えを聞きたいと思います。
#198
○国務大臣(竹中平蔵君) 目指す社会というのを口頭で一、二分で申し上げるのは大変難しいかというふうに思うんですが、今の御指摘の中で、やはり所得再配分は重要だというその御指摘にある意味で尽きているのではないかというふうに思うんですが、それは私たちも全く否定するつもりはありません。非常に極端に、全員を人頭税にしろなどとは全く我々は考えないわけですね。累進構造は残る、当然のことながら残ると。それは私はやっぱり当然社会の安定のためにあってしかるべきだと思います。問題は、その意味では、その程度ということなんだと思うんです。
 それともう一つ、今回、公平を公正と読み替えようということをあえて申し上げさせていただいたのは、正に今委員がおっしゃった機会の平等というのを大切にしよう。これは税の面でも大切にしますけれども、実は規制緩和等々を行ってみんなが同じようなチャンスを得るというのも、これまた大変重要な機会の平等でありますので、これは税の中でもそうでありますけれども、構造改革全体の中でそういった機会の平等は是非保障していきたいというふうに思います。
 基本的には、日本のような非常に今一時的に弱くなっている経済は強くしなければいけない。強くするためには、フロンティアに立って走れる人にやっぱりある程度頑張ってもらわなければいけないわけで、その意味で、法人等々の税負担を低くするということは私は重要であろうかと思います。しかし、それは決して、非常に極端に貧富の格差をとてつもなく大きくしてしまうということを容認するわけでもありませんし、一つの世界的な潮流及び時代認識として、フロンティアを切り開いていけるような強さを日本の経済の中に取り戻したいと、そういうふうに考えているわけです。
#199
○大門実紀史君 程度の問題ということですが、方向としてはその機会の、規制緩和はちょっと別な話だと私は思いますので、税制における話でいきますと、やっぱり機会の平等が低下していく方向に今進みつつある、そういう提案をされているんじゃないかと思います。
 その点でもう一つ、そういうふうな方向でとんでもない話が出てきたなと思っているのは、タックスペイヤーデモクラシー論ですね。納税者民主主義ということですかね。これは、牛尾さんが諮問会議でも言われていて、よくこんなことが平気で言われるんだなと思いますけれども、要するに、こういうふうな大胆な改革をやると、大企業優遇だとか中小企業切捨てとか、金持ち優遇、弱者切捨てと批判されてしまう、そこは是非御理解を賜ってタックペイヤーデモクラシーを実現したいと。話は急にすり替わっているなという気がするんですが、要するに、みんなが税金を払い、この国を支えていく、それで余った金の中で政策税制を部分的にやってほしいというのが私の考えだと。
 竹中大臣も、今週の日経ビジネスですかね、日本の民主主義が試されているんだと、税金は苦しくてもみんなが負担して初めて税金、それが民主主義だと、そういうことを言われていますよね。簡単に言えば、税金を払わない、さっきも塩川大臣、払わない横着者がいるという言い方をされましたけれども、払わない者とか払えない、いわゆる低所得者が何か民主主義に参加する権利がないとか資格がないごとき、そういうふうなことをイメージさせるような表現が始まっていると。私、これ非常に危険だなと思っています。
 大体、国民が一〇〇%税金を納めている国なんか世界じゅうないですよ、九割だってないですよ。ないですよね。昔、税金を払わなければ参政権を与えないと、昭和三年以前ですかね、そういう時代ありましたけれども、何かそんなアナクロの話でね、これは全然別なんですよね、その税金の問題と政治参加とか民主主義というのは。長い時間掛けて、さっきも言いましたけれども、近代社会というのは税金が納められないあるいは社会的弱者をみんなで守るシステムを築き上げてきたのに、急に何かアナクロの、何といいますか、税金取りたいからか知りませんけれども、何か貧すれば鈍すると、私、本当に指摘したいと思いますけれども、どうしてこんな議論を、税金少しでも払うことが民主主義なんだと、こんな荒唐無稽な議論が出てくるのか。本当に怒りを感じるぐらいです、このことは。
 これはいかがですか、竹中大臣。
#200
○国務大臣(竹中平蔵君) 牛尾会長の議論等々御紹介がありましたが、決して、税金を払っていない人は民主主義に参加する資格がないなどと、そういうことは牛尾会長も一言も言っておられないはずだし、私ももちろん、塩川大臣もそういうことは言った覚えはございません。
 申し上げたいのは、この委員会では何度か議論されていると思いますけれども、就業者のうちの非常に大きな部分が、三〇%とかそういった大きい部分が所得税を現実問題として払わない、払っていない。そういう中で、所得税の空洞化という言葉も使われるようになりましたけれども、これはやはり、基幹税としては余りにやはりちょっと行き過ぎているのではないだろうか、そういう認識から出発する。
 デモクラシーという言葉をあえて用いるかどうかはともかくとして、民主主義の社会というのはみんなが負担し合うということを前提にしているはずだから、そういった観点からも考えて、抜本的な仕組みを再考しましょうと、考え直しましょうということで提起しているのであって、決して、委員言われたように、そういう民主主義に参加する資格はないとか、ましてや投票にどうこうというような、そういう議論では全くないというふうに申し上げたいと思いますので、是非その点は御理解いただきたいと思います。
#201
○大門実紀史君 もうそういうふうに誤解される言葉ですので、そういうことでないならば、ほかの表現を使われるようにお勧めいたします。かなり誤解されますよね、はっきり言って、民主主義なんかと納税とを結び付けるとね。御指摘したいと思います。
 大臣、お約束の時間ですので、これで結構です。ありがとうございました。
 今、大臣言われた空洞化のことがほんまかいなというのを、次に主税当局に聞いていきたいというふうに思います。
 広く薄くで、広くの方、広くというのは、今は狭いということですよね。薄くというのは、今は厚いと。だから広く薄くしていかなきゃいけないと。これはそういう方向性かもわかりませんが、先ほど言われましたけれども、徹底的にやったら大変な世の中になると。だからそういう方向性でやっていくと。
 その中で、財務省の方では特に、薄くはやってきた、これからは広くだというふうな話になっていると思います。そのためにいろいろ、国民を納得させるためにといいますか説得するために使われているのが、先ほどから竹中大臣言われましたけれども、税金を納めていない人が四分の一もいる、あるいは税率一〇%の人が八割もいると。さらに、今少し申し上げましたが、タックスペイヤーデモクラシー論が出てくると。いろんなことを言って、納めていないやつが多いんだ、けしからぬのだと、そういうことをどんどん流布して、で、何か税金を掛けていこうという、昔の大蔵省もそうでしたけれども、割と世論操作的に、世論誘導的にいろんなことが私、言われているんだというふうにはっきり指摘したいと思います。
 そういう点でいきますと、最初に、働く人の四分の一が所得税一円も払っていないと。これはもう既に衆議院でも、私もこの委員会で一度申し上げましたけれども、はっきり言って、だからどうなんだという数字なんですよね。
 そもそも、この四分の一の根拠の分母ですよね、これは前回指摘しましたけれども、就業者六千四百四十六万人、これを分母に置いて、納税者を上に置いて掛けてみると、七四%しか納めていないという話ですよね。この分母そのものが、毎月の最後の一週間に一時間以上仕事した人まで含まれるというふうなアバウトな数字ですから、非常に実態がどうなのかというのもはっきりしないということがありますし、それは指摘したとおりです。
 例えば、資料をお配りしましたけれども、資料の一番目に、これは財務省の提出資料ですけれども、業種別の所得者と所得納税者人員の推移と。これで手書きで括弧を付けてありますが、要するに、この業種別のデータで合計していくと、非納税者は一千四百六十五万人と。ですから、先ほどの、今までは四分の一と言われている千六百七十三万ですか、これとは二百万以上数字が違うわけです。この一千四百六十五万ですと、比率でいくと納税者七七%が納めている、納めていないのは二三%という数字になります。
 私は、そもそもこれは二三でも二六でも大した話じゃない、そんなのどちらにしろ問題にする話じゃないというふうに考えています。
 といいますのは、資料の二番目に、納税者の割合の推移、これも税調の提出資料ですけれども、グラフにしてあります。例えば、八五年なんかは三割の人が納税していないわけですよね。このデータありませんが、調べてみましたら、八〇年当時なんかは三四%が納税していないんです。
 何で今、昔は三〇%でも三五%でも納税していなくても問題にならなかったのが、今、二六とかあるいは私が申し上げた二三でそんなに騒がなきゃいけないのかというふうに私思うんですが、まずこの点、いかがですか。
#202
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 ちなみに、広く薄くというのは、もう先生の方が御存じのとおり、消費税の導入のときからというか、その以前から私ども主張してきた話で、ある意味では、所得税でも法人税でもある意味では薄くというのをかなりやってきたと思っております。その結果が、先ほど浜田先生の御質疑にあったとおり、所得課税におきましても世界の中での国民所得比では極めて低い水準になっているというのが一つの背景かと思います。
 今御質問のありました、所得税の非納税者が四分の一というのを何で今言うのかという御質問でございますが、その点につきましても、実は、御存じのとおり、我々今議論しておりますのが、あるべき税制ということで、それこそ総理から諮問をいただきまして、十年、二十年の先の社会も含めて議論させていただいています。
 そうなりますと、先生御存じのとおり、二〇〇六年からいわゆる日本の人口そのものがピークアウトするという事態になる。そうなったときに、先ほど竹中大臣も言われましたが、高齢化が進み人口が増えない、むしろ減るという中で、みんなが支え合わない限りこの国家というのは成り立たないのではないか。もちろん、その一つとして消費税というのも入ってきたわけですけれども、やはり所得税においてもある意味では、今日、果たして、課税最低限の議論が先にあるんではないんで、みんなが払い合うという意味で、家族構成によっては他の家族よりも優遇されている部分があって、それが本当にいいのかどうか、そういうものも含めて、それこそ男女共同参画社会というのが一方で言われておりますが、そういう問題も含めてこの際課税ベースを考えていこう、こういう観点から議論しているということでございます。
#203
○大門実紀史君 私、聞いているのは、そのことは後で、課税最低限は私また資料に基づいて申し上げますが、要するに、この四分の一納税していないとかなんかは、今言われたのは租税負担率の問題ですね、基本的にはね。つまり、それは受益と負担の問題ですから、もっと根本的な、社会保障の負担も含めてもっと根本的な議論をしなきゃいけない話で、私が今聞いているのは、そうじゃなくて、皆さんが言われている四分の一納めていないからどうのこうのという話が絶えずまくら言葉で付きますので、皆さんが言われなきゃ言いませんけれども、言われるものですから、それでけしからぬという話までされるわけですから申し上げているわけでね。
 そしたら、これは余り意味がないですか、はっきり答えてください。
#204
○政府参考人(大武健一郎君) ただいま御説明したとおり、それこそ人口が増える、そして経済力も伸びていくという状況においては、ある意味では、その四分の一である方々が非納税者であるということが、ある意味では国家を営む上で可能であったんだろうと思います。ただ、今後高齢社会になって、みんなでお年寄りを支え合うということを考えると、やはりその四分の一の方々の中にも払っていただける方がいらっしゃるならお願いしていかなければいけないんじゃないかと、そういう思いがあるので申し上げているという趣旨でございます。
#205
○大門実紀史君 そういうことですね。
 それじゃ、もう一つ。それは後で課税最低限の中のことが含まれますので。もう一つ、この間言われている中で、税率一〇%の人が八割もいると。先ほどせっかく浜田先生が質問されたことを覆すようで申し訳ないんですけれども、資料Bにその数字、データ、これも税調の資料ですが、あります。これも非常にトリッキーな、ためにする資料だなと私思うんです。みんな国によって税制違いますよね。例えばイギリスは個人住民税がありません。したがって、日本に個人住民税を加えるとどうなりますか。
#206
○政府参考人(大武健一郎君) 一五%になります。
#207
○大門実紀史君 ですから、そうするとアメリカ程度じゃないですかね。いや、いいです。いいです。
 要するに私が申し上げたいのは、これだけぱっと見れば、日本は一〇%の人が八割だ、こんな低いのかと、こう使われますよと。使ってほしいために出しているのか分かりませんけれども。こういう何かためにする、専門家でしか分からない資料をぱっと分からない人が見たら、けしからぬ、何だ、一〇%、八割かというふうになっちゃうから、そういうふうに資料を出すべきじゃない、もっと正確な議論をされるべきだということを申し上げたいわけです。
 さっきの大武さん言われた話に深く入っていきたいと思うんですけれども、そうすると、大武さん言われましたね、四分の一、事実として納めていない人がいる、こういう人たちにも税金を納めていってもらいたいんだと、それが財務省の希望といいますか、方向だと。
 そうしますと、どういう層なんですか、この四分の一、今現在、非納税者になっている人たち。どういう層だというふうに分析されているんですか。どういう層に課税したいんですか。
#208
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 先ほども申し上げましたとおり、課税最低限を下げるのを目的にしているわけではありません。
 これは、課税最低限というのは、もう先生らが御存じのとおり、いわゆる人的控除と、給与所得者の場合でしたら給与所得控除とか、そういうものの諸控除を積み上げた結果が実は課税最低限になっているわけでございます。
 その場合に、やはりこれから人的控除を例えば取ってまいりますと、果たして、総理からの検討指示にもございましたけれども、特定扶養控除、これは十六歳から二十二歳のお子さんについてだけ二十五万円割増しがあるとか、あるいはさらには配偶者特別控除、これは配偶者控除に加えて更に配偶者特別控除というのが上乗せされていて、奥様を持っておられると要するに二倍になるとか、こういうところをむしろ見直していく、社会状況の中で見直していくという中から、もちろん課税最低限が結果として下がることがあるかもしれません。
 ただ、これもこれからの議論でございまして、その意味では、そこでもし浮いたものがあるとすれば、それを他の控除に使うということだってあるかもしれません。特に、三控除という、扶養控除、配偶者控除、基礎控除辺りはやはり慎重な御議論の上で検討されるべきだと思っております。
#209
○大門実紀史君 どこを見直すか具体的な話をお聞きしているわけじゃないんです。四分の一の人が税金を納めていないと、この人たちがどういう層なんですかということをお伺いしているわけです。
 私の方で資料を作ってみました。皆さんの方ではちゃんとした資料ありませんので。これは資料Cにまとめたものだけですけれども、これは実は、国税庁の民間給与の実態の年収別を、非常に細かいデータありますが、それをまとめただけです。もちろんその全体の四分の一という数字を出すためには自営業者を入れなきゃいけませんので、取りあえず、民間サラリーマンの中でどういう方が非納税者なのかというのをデータを作ってみました。
 民間サラリーマンでいくと九百九十一・三万人が非納税者です。一年通じて働いている人が六百六・七万人、一年未満の勤務者が三百八十四・六万人。いろいろ年収別に細かく書いていますが、結論からいって、これをまとめますと、この九百九十一・三万人の内訳ですけれども、年収二百万円以下の層が七百八十万人になります。住宅ローン減税の適用者が約八十万人、七十八・三ですが、約八十万人。その他が約百三十万人と。具体的にこれは皆さんのデータをただまとめただけですが、こういう数字になります。
 こうしますと、具体的に非納税者をもっと税金を納めてもらうというふうになると、住宅ローン適用者というのは、これは政策減税ですから何年かたてば納税者になっていきますので、この人たちに掛けるというふうにはならないと思うんです。そうすると、一番目に@の二百万以下の低所得者の人に税金を納めるような税制にしていくか、あるいは、三番目ですね、百三十万人。これは具体的に言いますと、課税最低限、国税庁モデルの、財務省モデルの三百八十四万人、その前後の方が多いわけですけれども、百三十万人。ですから、@かBのどちらかにどういうふうに掛けていくかという問題になるというふうに思います。
 この点ではどういうふうにお考えですか。
#210
○政府参考人(大武健一郎君) いわゆる諸控除を見直す結果、この二百万以下の方に掛かる可能性もあるかもしれません。ただ、この場合も、例えば世帯構成によって、例えば単身者の方と家族がいらっしゃる方もありますし、さらに、ここに出ている二百万というのは世帯主でない場合もかなり多いだろうと思います。そういう意味ではパートの方もこの中には入っているということだろうと思いますし、そういう意味では、果たしてどういう方々がこの中に包含されているのか、果たして分かりません。
 その結果、例えば配偶者特別控除を見直したとしても、単身者にはおよそ影響がない話ですから、そういう方には影響が及ばないでしょうし、あるいは逆に、単身者でない家族持ちの方ですと課税最低限が結果として下がることもある。そういう意味では、これに直接どのように響くということは必ずしもこの表では分からないのではないかと思う次第です。
#211
○大門実紀史君 ですから、私、申し上げているのは、皆さん個別に今挙げられている配偶者特別控除だとかいろんな税目と、非納税者を減らすということが必ずしもリンクしていないわけですよね。どこそこターゲットがあるわけじゃないわけですよね。
 具体的にとにかく納税者を増やそうとすると、今の経済実態といいますか、リアルに見れば、二百万以下の層に税金を納めていただく方向になるとか、あるいは、百三十万人の課税最低限の今議論されているところにいろいろかかわる方々に納めていってもらうか、どちらかしかないわけですけれども。
 例えば、年収二百万以下の層といいますのは、調べてみますと、これ大体実質的には百五十万前後なんですね、年収。だから、今のこの不況の中でいろんな方がいらっしゃるわけですけれども、さらに、百万から二百万のレベルでいきますと平均年収百二十八万ですよ。この層に課税をしていこうと、何らかの課税していこうというのは、これは先ほどからの議論と逆で、国際的には非常識の範囲に私は入ってくると申し上げたいというふうに思います。ですから、この層に掛けるようなことは、そこまでやるのかと。非常に、日本が非常にきつい、酷な税金の国になるということになります。
 三つ目ですけれども、例えばここで課税最低限を見直しをやったとして、この百三十万人全員が税金を払うようになったとしても、納税者比率というのは二%しか上がりませんよ、二%しか。そういうことになると思うんですが、だから、非納税者を減らすということとの関係では何もリンクしたものはないということですか。
#212
○政府参考人(大武健一郎君) あくまでも、今申し上げましたとおり、どういう控除の見直しをするかに懸かっているわけで、先生は一方的に掛かっていない人に掛かるという部分だけのお話されていますが、実は控除の見直しは高所得者にはより高い税率でその分は響いてくるわけでございまして、あるいは一〇%で掛かっていた人も、あるいは二〇の方も、その分が限界税率で利いてくるということになります。したがって、それはみんなで広く負担するという観点から見直しをするということであるということです。
 それからさらに、その意味では、いわゆる四分の一であるか何かでともかくとしても、いずれにしてもみんなが負担していかないと成り立たなくなっていることは事実で、何も消費税だけではなくて、稼げる方はやはり少しでも払っていただけないかという思いがあると。その意味では、控除というのをもっと整理してみんなが払っていただけるようにしたいという思いで見直しをしようと言っているだけで、個別に、じゃどれだけの目標にしようとか、そういうことを言っているわけじゃありません。結果として多くの方が払うようになっていただいた方が、元気なうちはですね、そういう思いだということでございます。
#213
○大門実紀史君 ですから、何も決め付けているわけじゃなくて、皆さんが非納税者が四分の一もいるということをまくらに立てて物をおっしゃると、ここをどうするんだという話になりますよという意味で申し上げているわけで、それは、幾つかの控除がすべての所得の人に掛かるのなんか十分分かっていますよ。だから、逆に言えば、今議論されている広く薄く論というのは、中堅所得者なんかは、自分には関係なくて、どこかで税金払っていない人がいて、その人の問題だろうと思わされている。そういうふうにインプットされている人もいるわけだから、正確な議論をするんだったら、この四分の一非納税という話を再三取り上げてまくら言葉にするのはやめられた方がいいということを申し上げたいわけです。
 もう一つ、資料の二枚目に戻っていただいて、少し、そもそも課税最低限、あるいはそれによって非納税者、納税しない人が増えてきたと、それも本当なのかどうかというのを質問したいというふうに思います。
 資料Aのカーブを見ていただきますと、平成十年から十二年まで非常に底を打って上がって下がっていると。こういうふうにじぐざぐのカーブを描いています。
 理論的には、そもそもこういう課税最低限あるいは納税者の比率というのは、理論的に言えば、所得税制に変更がなければ、名目賃金が上昇して平均年収が上がって非納税者というのは減っていくというのが通常ですよね。時々そこにいろいろ減税だとか各種控除の引上げがあると、そうするとその直後には一遍納税者が減って、また、経済の状況にもよりますけれども、納税者が増えていくと。これが今までのいろんな控除、減税やったときの納税者との関係だったというふうに思うんです。ところが、さっき言いました平成十年―十二年のカーブというのは非常に異常なカーブになっていると。さっき言ったような、理論的には名目賃金が伸びていけばこうならないのがこうなっているというふうに思います。
 具体的に見ていきますと、平成十年には定額減税がありましたし、平成七年ですかね、以降は、九八年だから平成十年の一回きりの減税を除けば人的控除というのは基本的に据置きだったはずですから、本来ならば、もちろん細かいいろんな原因ありますけれども、非納税者はもっと少なくなる、納税者増えているはずだというふうに私このグラフを見て思います。ところが実際には、平成九年を底にして、定額減税が行われた平成十年を除いても、平成十一年ですかね、二三・四、平成十二年が先ほど言われた二六%と、かなり非納税者の方が増えています、この何年間、三年ぐらいで見ると。
   〔委員長退席、理事円より子君着席〕
 この原因、もちろん住宅ローン減税がこの間ありましたけれども、これはわずかだと思うんですよね、全体の一割ぐらいの影響だ、非納税者の中の影響だと思うんで、そんな大きな影響じゃないと。そうすると、これは単に課税最低限が高いとか各種控除制度があるからということじゃなくて、あるいはそれは一時的な原因にすぎないで、やっぱり根本的には、この間の景気が悪い、失業が増えている、あるいは正社員が減ってパート労働が増えていると。正社員が一年間で百万人減ってパート・低賃金労働者が七十万人ぐらい増えているわけですから、この辺の雇用状況あるいは賃金の推移、名目賃金の低下、こういうものがあって、この三年で見れば非納税者が増えているというふうに見た方が科学的だというふうに私は思いますが、いかがですか。
#214
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 ちなみに、そういう面もあるかもしれませんが、事実関係だけちょっと御説明させていただきます。
 先生からも出ましたように、住宅減税の大幅拡充というのがこの十一年に行われておりますので、その影響をないがしろにはできないということと、同じく特定扶養控除がこの時点で、恒久的減税のときに定率減税外で課税最低限の引上げとして引上げが行われているということも響いているのかと存じます。
#215
○大門実紀史君 その影響調べましたけれども、例えば住宅ローン減税は三年間で非納税者全体の増加分の一割程度にすぎません、数からいきますとね。だからそんなに、もちろん影響ないとは言いませんが、大きな原因ではないと。
 もう一つ、私の資料の一番最後ですけれども、四人世帯給与額に対する課税最低限の累年比較、これも財務省の資料を、それを削るべきところを削っただけです。これ見てもらっても、私先ほど申し上げましたとおり、相対的に言って、給与が伸びていないから相対的に課税最低限が高くなって非納税者が生まれるというふうな相関関係がこのグラフでも分かるんではないかと。ですから、決して、先ほどから、今日議論されているように、課税最低限が今高いから非納税者が生まれているというような単純な話ではないと。多分にこの間の賃金、名目賃金の状況、雇用状況が反映しているというふうに言えるというふうに思うんです。
 課税最低限そのものも、既に衆議院等々で議論ありますけれども、国際的に比べたって、購買力平価で見たら、ドイツやフランスなんか五百万、六百万ですから、それに比べたら高いわけじゃありませんし、何をもって高いと言うのか私分かりませんけれども、いずれにせよ、非納税者が、つまり税金払わない人が課税最低限が高いから生まれているんだというような単純な話ではないと。経済状況の方が多分に影響しているというのが皆さんの提出された資料でも私は言えるというふうに思います。
 ですから、今、それにもかかわらず、経済状況が非常に大きな原因を成しているにもかかわらず、更に、税金が納められないレベルの人たちに更に課税していこうとなると、更に景気が悪くなって、景気が悪くなって、結局、さっき言った、マクロ的に言えばまた非納税者が増えていくというふうな悪循環になる可能性が私はあるというふうに思います。
 これは最後に、そういう面で、この税制改革の方向というのは何か経済を良くするんじゃなくて悪循環に落ち込むと。今、所得水準厳しいときに、所得の低い人に低い人に目を向けて課税していくというのは、今の将来不安の問題もありますけれども、更に消費を冷え込ませて悪循環に陥って、マクロ的にも税収が落ち込むというふうになると私は結局思うんですけれども、最後に塩川大臣のお考えを伺って、私の質問を終わりたいと思います。大臣、是非一言お願いします。
#216
○国務大臣(塩川正十郎君) 課税最低限の問題につきましては、これはおっしゃるように景気循環、景気の問題等あるかも分かりません。それは私は否定いたしません。
 けれども、そもそも外国といろいろ比べて議論を展開しておられましたけれども、外国では、課税最低限の問題と併せて議論する場合には、消費税の導入が行われておるということ、これは非常に所得の、例えば英国等、考え方をおっしゃっていましたけれども、英国は消費税が相当高いですから、これは所得のカバーをしておるということも言えますし、いろんな点において総合的に見ていかなきゃならぬと思っておりますが、我々も何も、課税最低限の引上げだけでもって、税の空洞化といいましょうか税の公平化を改正したいと、そういうことだけを思っているんじゃなくて、税全体の構造の中で考えていきたいと思っておりますので、十分に我々も研究してやっていきたいと思います。
#217
○平野達男君 平野でございます。
 今回の連結納税制度に関連しまして、基本的なことを何点かお伺いしたいと思います。質問の内容につきましては、もう既に何人かの委員が立たれまして、かなり重複する部分があるかと思いますが、御容赦願いたいと思います。
 まず、一点目なんですけれども、今回の改正では、連結納税制度の創設に伴う財源措置と名を打ちまして、減収分を幾つかの政策によって補てんするというような中身になっております。連結付加税の導入あるいは退職給与引当金制度の廃止などの課税ベースの見直しによる増税ということになっておるわけですが、ここで貫かれているのはいわゆる税制中立ということだと思うんですが、一方で、今いろんな税制改革が議論されておりますけれども、この税制中立というのは、財務大臣のこれからのいろんな税制、それからあとは財政改革、いろんなことを考えるに当たっての基本方針なのかどうかということをまず冒頭ちょっとお伺いしておきたいと思うんですが。
   〔理事円より子君退席、委員長着席〕
#218
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、一言で言いまして、政府対民間の税におけるバランスが中立であるということでございまして、要するに、政府に甘く、また民間に甘いということではないと、こういうことでございます。
#219
○平野達男君 もっと端的にお聞きしますと、減税分は常に何らかの形で増税でふさぐということは基本方針ではないかどうかということをお聞きしたつもりなんですが、そこはどうなんでしょうか。
#220
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、増減税は絶えずバランスを取っていくべきだと。
 ただし、その増減税のバランスという中で、国富が思い切り豊かになった場合、その場合は民間との関係がございますから、その場合は減税が先行するということもございましょうし、財政がきつくなって国富が衰えてくればそれは増税をやっぱりお願いしなきゃならぬということでございまして、国と、つまり官と民との間の所得の分配のことを中立化に、私は中心に置いて考えておると、こういうことです。
#221
○平野達男君 なぜ今のような質問をしたかということについては次の質問の中でちょっと触れさせていただきますけれども、今回の連結納税制度、併せて一般の税制改革の中の背後には、やっぱり財政再建と景気回復という問題が横たわっているというふうに思っています。
 特に、この財政再建と景気回復についてはナローパスということで、両方達成しなくちゃならないんだというふうに言っておるわけですが、その景気については、先ほど竹中大臣が言いましたように、どこかでやっぱり底入れした感があるよと、GDPが一月―三月の通算ではやっとプラスになったんだということですが、その一方で、とはいっても輸出頼みでまだまだ日本の景気は本物じゃないと、脆弱だという指摘もあることについてはもう御承知のとおりであります。
 問題は、もう本当にこれから上向くかどうかということで、設備投資は落ち込んだまま、個人消費もまだまだ横にスライドしている状況だという中で、これをどうやって持ち上げていくかということだと思います。
 それで、もう一つあるのはやっぱり財政再建でありまして、これは午前中の峰崎委員あるいは浜田先生からもいろいろ御指摘があったとおりでありまして、内閣府がいろいろと長期見通しを出しておりますけれども、これを見ますと、基本的には歳出のカットだけでもって、まず政策としては歳出を抑えますと。
 それからもう一つは、税収は名目成長率に比例しますから、名目成長率を二・何%という数字で、かなり上がるという見通しを立てておりまして、これはかなり楽観的な見通しではないかと思います。だから、名目成長率が上がらなければ税収がそれだけ落ち込みますから、プライマリーバランスはなかなか、対GDP比に対する比率は減らないという状況になるわけでありまして、という状況であります。
 その一方で、今行われているのは不良債権処理、構造改革と名を打って不良債権処理あるいは規制改革というふうに言っていますが、これだけで本当に、今の現下の経済の状況の中で、私は、今の状況の中は非常にクリティカルな状況、まだ非常事態にあるという認識なんですが、この認識が共有できないと次の議論がなかなか進まないと思うんですが。
 こういった中で、短期的に需要刺激策というのはやっぱり必要なんじゃないかなというふうに私は思っておるんですが、塩川財務大臣は短期的に見た場合の需要刺激策の必要性についてはどのように認識されているのでしょうか。
#222
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、やはりソフト産業をもっと振興さすべきだと思っております。
 今までの経済成長の中の要因の一番大きいのは、やっぱりハードに重点を置いた統計から経済成長を算定しておりました。私は今、日本の経済の中で、実勢とそれからいわゆる公表されておる経済動向の指数との間、若干違うような感じがしてならぬのです、どこが違うかということは分かりませんけれども。そこはどこがどう違うのかということを見ると、ソフトの面がGDPの中にはっきりと計算されておらないんではないかなという感じがしてならぬのです。ですから、ソフトに関係しておる企業は非常に要するに業績もいいし、非常に成長もしておりますが。
 そこで、私は、さしずめの経済効果を上げるのには、ソフトに関する部門、例えばITであるとかあるいは研究開発、こういうところに思い切った資金を投入すべきじゃないかと。それと同時に、それをやっぱり実行化して製品化して工業化していくのに伴うところの設備投資というものは必要ですけれども、設備投資は、私、ソフトから遅れてもいいんではないかと、そう思っております。
#223
○平野達男君 そうすると、その中で税制というのは具体的にどういう役割を果たすべきだというふうにお考えでしょうか。
#224
○国務大臣(塩川正十郎君) 私はやはり、雇用とそれから試験研究関係の投資、そこは最優先したいと思っております。
#225
○平野達男君 つまり、投資減税を行うということですね。
 そこで、また冒頭の問題に戻るんですけれども、そのときの財源をどうするかということで、ほかのところでやっぱり増税をするといういわゆる税収中立、いわゆる収支のバランスを取るということをやっぱり貫かなくちゃならないというふうにお考えなんでしょうか。
#226
○国務大臣(塩川正十郎君) 私どもが考えておりますのは、できるだけ歳出削減によって資金を、減税資金を賄っていくということが基本であります。
#227
○平野達男君 私も、できるだけ歳出カットでやるということについては賛成であります。
 その視点でまたこの連結納税制度の創設に伴う財源措置を見ますと、今回、特にこの連結付加税についてはもう何回も何回も議論されて、恐らく答えは同じになると思うんですが、この七百三十億なんかにつきましては、まあ歳出カットというのはできるかどうかということなんですけれども、いわゆる節約というのを毎年毎年掛けております。要するに、予算を一回配分しましたけれども、保留を掛けておけばいい。保留を掛けておいて節約をして、それを吸収するということで、七百三十億ぐらいだったらいつでもこれ吸収できたと思います。
 それから、あと、この退職給与引当金の廃止につきましても、これはちょっと話がずれますけれども、四年間、中小企業については十年間なんですが、四年間だけ一応増税しますよということなんですけれども、全体のバランスから見ますと、連結納税制度の創設に伴う減収額の措置としては四年間の措置だけだということで、ここも何かバランスを取るという割には若干、ちょっと中途半端な感じがしています。
 ちょっと今話が、退職給与引当金の廃止についてはちょっと話の内容が別なのでこちらにおかせていただきますが、いずれにせよ、連結付加税の導入につきましては、先ほどの節約という観点でこれはやった方がよかったんじゃないかと思うんですが、こういった議論というのはされなかったんでしょうか。
#228
○副大臣(尾辻秀久君) 歳出カットということは、これはもう私どもはできる限りのことをやっておるつもりであります。したがいまして、それをやった上でのまだ足らない分の補てんどうするか、こういう議論であったと御理解いただきたいと思います。
#229
○平野達男君 私、七百三十億ぐらいの財源を、本当に議論したら、生み出せないというのはなかなかちょっと腑に落ちない感じがします。
 これは、先ほどの連結付加税の浜田委員のお話にもありましたけれども、これ政策性が何もないんですよね。あくまでも、要するに、片方で連結納税について減税しますから、いろいろ差引きの計算でどうも穴が空くから、じゃ二%ぐらいでやりましょうというぐらいの話ですね。
 だから、その前提の中で、その中でそれを、今回の場合せっかくこれだけの制度をやるんですから、政策性というものを前面に出すんであれば、ここはやっぱり歳出カットということでやるべきだったというふうに思うんですが、本当に見直したということなのか。どうも私はもう差引勘定で、措置としてはこれは非常に楽なんですよね、要するに二%ぽんと入れてしまうのは。それで、各省にいろんな手間も、要するに協議する必要もない。財務省としてはここちょっと手を抜いたんじゃないかなという感じが非常にするんですが。どうぞ、いいですよ。
#230
○政府参考人(大武健一郎君) 済みません、お答えさせていただきます。
 連結付加税は、実はやはり連結納税制度の創設に伴う平年度ベース八千、さらに初年度でも五千四百億円余の言わば減税でございますから、それの財源措置としたときに、基本的には従来からの法人税の言わば課税ベースの拡大ということで、退職給与引当金の見直しとか従来から言われてきた課題の解消で税源を出させていただいたんですが、ただ、他方でそれらは、はっきり言いますと、連結納税制度を採用できない企業にも適用される措置でございます。
 そういう意味では、連結納税制度を選択し、税負担減少のメリットを享受する企業にも相応の負担を求めないとバランスが取れないというような観点もやはりあって、短期間ではあっても応分の負担をお願いしたいというのがこの措置の背景にあったということでございます。
#231
○平野達男君 ですから、私、今回の措置の中で、やっぱり今回連結納税制度を出したわけですから、この持つメッセージをどうやって強烈に与えていくかということをちょっと今議論したいわけです。
 今、先ほど言いましたように景気が非常にクリティカルな状況にある。それで、需要刺激も何かしなくちゃならない。それから、小泉さんは、小泉内閣は、これからは民力だと言っている。それで、国の財政発動よりは民間の資金でもって、民間の活力でもって景気を上げようと言っている。そういうときに片方でここでぽこっと出てきたのが、やっぱり税収バランスということで国の事情を出してきちゃったと。これはやはり政策としては非常に中途半端な感じがするということをもう一度ここで申し上げておきたいと思います。どうぞ、御意見ございますならば。
#232
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 先生申されるとおり、連結納税制度というのは、やはり国際化の流れの中で、企業サイドのみならず、やはり税の中立という観点からも、一つの課税単位としてその連結対象をとらえるという意味では税制としての一つの課題であったと存じます。
 ただ、他方で、この制度を取りますと、結果として大きな減税措置になるということも事実でございまして、実は、大きな減税ができるときとかあるいは自然増収が見込まれるときとか、そういうときに導入できればよかったんですが、実は、企業分割税制をまず先行し、そして御存じのとおりこれだけの大改正になったものですから今日になった。その一方で、やはり三十兆という非常に財政の中立性を守る中でやるとなりますと、このような措置をぎりぎり選ばせていただいたということ、選択させていただいたということかと存じます。
#233
○平野達男君 先ほど浜田委員から本当にいい御意見を私も賜ったなと思うんですが、ただ問題は、今の時期に本当に増税を仮にやっていいのかどうかということについては、私は時期の問題として異論があるところでして、むしろ今は思い切った歳出カットをすると、歳出カットをした上でその分で減税をするということで、将来的に見た場合に、やっぱり名目成長率をプラスに持っていかなくちゃなりませんから、そこの道筋をしっかり作るということが大事じゃないかなというふうに思っていますし、自由党はこれをずっと言い続けてきているわけですね。やはり増税に頼るというよりは、増税ももちろんいいんですけれども、今の段階ではやっぱり名目成長率をプラスに持っていくと、プラスに持っていって自然増収で将来的にはプライマリーバランスをいい方向に持っていくんだという方向を是非出すべきだというふうに思いますので、その流れの中でいけば、今回の退職給与引当金の廃止につきましても、もう四年間の措置ですからこれは廃止するなら後でやってもいいと。今、本当に景気が非常にクリティカルな状態でわざわざこれを持ってこなくてもいいんじゃないかなという感じもしますし、これも最後に併せてもう一言だけ言っておきますが、答弁は結構です、先ほどの答弁で大体分かりますから。
 それから次に、これは衆議院で我が方の議員が質問したことの繰り返しになっちゃうんですが、いわゆる源泉徴収制度の問題であります。
 今回の税制改正の中では、これは本会議でも質問したんですけれども、取る、取らない、要するにそういう議論をしているんですけれども、もう一つの議論は、やっぱり国民が今の税制、税にどのように参加するかという、これはやっぱりもう一つの大きな議論にならなければおかしいというふうに思います。私は、やっぱりどんな方でも少しでもいいから納税すべきだという考え方の持ち主なんですが、それについては賛否いろいろあると思います。
 それともう一つは、やっぱりきちっとした自己申告をするということが非常に重要だと思います。たとえ課税最低限で税金を払っていなかったとしても、申告をすることによって自分が実は税金を払っていないんだということが分かるというだけでもこれは非常に重要だと思います。
 あと、そういった政策性からいけば、今の源泉徴収制度ということについては思い切った見直しをするということも是非今回の税制改正の中で議論すべきだと思うんですが、財務大臣、どのようにお考えでしょうか。
#234
○国務大臣(塩川正十郎君) これは非常にいい提案をしてもらっておると思って、私も、衆議院のときでも確かに、中塚先生だったかな、御質問あったと思っております。大体自由党というのはそういう理想主義を持っていますね。非常に、それで経済政策でも多分にロマン的ですよ、ロマン主義的なところがあると思っております。
 私は、もう当然その方向に行くべきだと。特に、金融資産というものがこれから非常に税の中心になってくるということになってまいりますと、その公平的な執行をしようとしたら、そういう納税者番号を付けて、これによって自主申告してもらうという方法が一番正確ではないかと思いますが、しかし、今これやり出したらそれはもう選挙ぐちゃぐちゃになってしもうて、非常に難しいと思いますね。
#235
○平野達男君 そこが先ほど塩川大臣が言った、今、全部の政治家ポピュリズムに陥っているんだというようにおっしゃいましたから、そういうふうに陥らないように、やっぱりあるべき姿というのはきちっと追求するということだと思いますし、先ほど中塚議員の名前出されましたけれども、あのときの議事録読みますと、塩川大臣、面倒くさいというような言葉をちょっと言っておられたんですよね。面倒くさい、納税者にとっては面倒くさい。確かに面倒くさいんですけれども、政策としてどうあるべきかということについてはやはりきちっと議論していく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
 それからあと、ちょっと最後の質問ですけれども、減税について、アメリカで、レーガン税制が非常に効果があったという見方と、いやそうでもないんだという見方があるようです。個人所得税の最高税率、七〇%から五〇%に下げたり、あるいは減価償却、急速償却というんですか、それを認めたりして、それが一つのモデルになり得るんだというような意見があります。その一方で、やっぱりそうじゃないと。向こうの税制改革というのはやっぱり供給不足のときに起きている、日本はまだまだ需要不足だ、全然状況が違うんだと。それから、そもそも要するに減税自体がそんなに効果があるもんじゃないんだというような見方、いろいろあるようですけれども、塩川財務大臣はここはどのようにお考えになっているかということを最後にお聞きして。
#236
○副大臣(尾辻秀久君) 今お話のとおりに、このレーガン減税の評価というのはいろいろございます。そしてまた一期と二期とございますので、この評価は当然そこで分かれるわけでございます。そこで、一概にお答えできませんけれども、一般にこの評価がどのようにされておるかということをお答えを申し上げたいと存じます。
 レーガン政権第一期の税制改正におきましては、経済成長を通じた税収増を期待して減税が行われました。減税を先にするとその後税収増がある、こういうふうに見たわけでございますが、期待されたほどの経済成長は実現せずに税収が伸び悩んだことから、不十分な歳出の抑制等と相まって、結果的に大幅な財政赤字を招いたと承知しております。失敗だったという見方の方が多い、こういうふうに理解をいたしております。
 それに対して、第二期の税制改正は、減税ではありませんで歳入中立となっております。これは所得税の税率構造の簡素化、法人税率の引下げと同時に、租税特別措置や諸控除の縮減を通じて資源の効率的配分を図り、公平、簡素かつ経済成長を促す税制の構築を目指した改正であり、課税ベースの拡大と税率引下げ、広く薄くと言えるわけでありますが、という考え方はその後の主要国の税制改正の方向性に大きく影響を与えた、このように考えております。
#237
○平野達男君 質問は終わりますけれども、時間がありますので、一つだけ要望を申し上げておきたいと思います。
 例のソブリン格付、ムーディーズとS&Pの格付の下がったということで、財務省と格付機関がいろいろやっているというのはマスコミ等を通じて知っていますし、今日もいろいろと財務大臣のお話にありました。
 これ結構、地元に帰りますと、国債の格付というのは、中身はよく分からないのだけれども大変なことじゃないかというふうに思っている方がたくさんいます。これはやっぱり格付機関と財務省がやると、いろいろやるというのはもちろんそうなんですけれども、それが一通り、一段落しましたら、何が問題だったんだと、向こうが言ったかと、我が方に対してはこうなんだということをきちっと整理して国民に分かりやすく是非やっていただきたいなというふうに、これはやる予定があるというふうにお聞きしましたけれども、是非やっていただきたいという要望をお願い申し上げまして、私の質問を終わりにします。
#238
○国務大臣(塩川正十郎君) その問題、私も非常に大事だと思っておりまして、近く、問答は二回やっておりまして、もう一回返事来るはずでございますので、それを来ました段階で、小泉総理のメールやっていますね、あのメールが約二百七十万部出ておるんです。あそこにまず第一弾としてこれの経過を私のところで書いて出したいと思っておりまして、それと同時に、政府広報に通じても中身を知らせていきたいと思っております。
#239
○大渕絹子君 財務省は、普通、国が行う行政の費用というのを予算化するわけですけれども、その予算総額をできるだけ税収入で補うという責務を負っているというふうに思うんですよ。ところが、平成十三年度の一般会計税収は四十九兆六千億円と、一般会計予算総額の六割しか確保できていない状況ですね。平成十四年度は更に税収入が減少するという状況で、四十六兆八千億円しか見込まれていないという現状です。
 こういう現状なのに、あえてこの連結納税制度を導入をして減収に拍車を掛ける、税収入を減収させていくというこの意義について聞かせていただきたい。今回あえてこの連結納税制度を導入する意義について、この税の減収というところから聞かせていただきたいと思います。
#240
○副大臣(尾辻秀久君) これは再三お答えいたしておりますように、日本企業の国際競争力を増す、そして企業に強くなっていただく、そのことがまた経済活性化につながって、今おっしゃるような、企業が元気が出れば税収は増えるわけでありますから、そういうことを期待して今回私どもが行うものであります。
 ただ、当面、おっしゃるように減収になる分がありますから、それは何とか補てんをさせていただきたいということで、いろいろ併せてお願いをしている、こういうことであります。
#241
○大渕絹子君 日本の企業は国際競争力が非常に高かったんじゃないでしょうか、かつて。そのときには、経済の高度化などということで非常に分社化とか子会社化を進めて、そして企業の経費負担、いわゆる税負担を軽減をする措置を積極的に取って企業を応援してきた。
 今度は、赤字子会社がその企業の経営を圧迫するような状況になってくれば、この連結納税制度を導入をしてそして更に企業を救済しようとするような動きですよね。ここを私どもは、今回の連結納税制度というのはやっぱり大企業を優遇する税改正ではないかというふうに思うわけですけれども、いかがですか。
#242
○国務大臣(塩川正十郎君) そういう印象を持って考えられたら我々も非常に困るんですが、そういう断定的な印象ではなくて、実はこれはもう前からずっと、数年前にやらなきゃならなかった言わば税改正なんです。それが遅れてきたということが第一点、これ知っていただきたい。
 それはなぜかといったら、御存じのように、今、会計上は連結決算認めていますね、会計上は。ですから、各会社の今決算報告をどの会社もやっていますけれども、連結決算の報告、株主に報告しておるでしょう。つまり、会計上は認めておる。世界各国、会計上も認めておるし納税上も認めておるのに、日本は、会計上は認めているけれども納税上は認めていない。これがグローバリゼーションの中のいわゆる国際化に対応していない一つの大きい原因だったんです。これを早くやろうということが一つの問題だったと。こういうことが一点あるということ。
 どうぞまた。
#243
○大渕絹子君 そうですよね。それだったら当然強制制にすべきじゃないんですか。なぜ任意制を今回取ったわけですか。黒字企業の大部分がこの連結納税制度は導入しない方向。ということは、連結納税制度を導入すれば黒字企業は、いわゆる競争力のあって強い企業は連結納税制度によって減税にはならないんですよね。かえって増税になっていくということが試算されている。だから、黒字の企業はそれは導入をしない、赤字企業に限って連結納税制度を導入することを認めるというのは、税の公平とか中立とかということからすると非常に私はここ分からないところなんですよ。
 なぜ任意制なのか。なぜ税制度を改正するときに、例えばグループ企業でやって国際競争力を高めて、そして企業の再編成を図っていくというならば、強制制度にしなきゃならないのじゃないかと、こう思うんですけれども、いかがですか。
#244
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 連結納税制度は、税法の観点で言いますと、やはり経営実態が一体をもって経営されるという場合には一つの企業グループで判断するというような意味でこの制度を作らせていただいたということで、何も大企業だけではありませんで、いわゆるオーナー型の中小・中堅企業などにはこの連結納税制度採用ということが言われているところもあるやに聞いております。
 ただ、今、先生の御質問がありました強制の点ですが、やはりこれを強制をいたしますと、これは企業活動に、特に全部の企業に正に影響することになりますから、企業によってはやはりその事務作業が、特にその冊子にもありますとおり、かなり膨大な追加的事務負担を強制することになります。そういう意味では、やはりその適用について法人の選択にゆだねないとならないと。その代わり、いったん選択したら、それをほとんどやめられないという形に取っているわけです。したがって、採用した場合には、それは事務負担が対応できるということですから、それは任意には離脱をさせないという形を取ったということでございます。
#245
○大渕絹子君 しかし、一般の国民が税改正を受けるときには、もういや応なしに全部強制的に政府の方針に従って税改正というのは行われてきますよね。こうした企業が、さっき大臣は、連結決算を取るようになって、それがグローバル化だと、だから導入せざるを得なかったと、こう言っているわけですから、それじゃ、そのグローバル化に合わせていくならば、連結決算を導入をしている企業には強制的に連結納税制度というのを導入をしてしかるべきだと私は思うわけですよね。だから、そこのところが任意制になって赤字の企業だけを救済できる仕組みになっているというのは、この税制度を非常にゆがめているというふうに思うわけでございます。
 それでは、連結納税できる子会社を一〇〇%子会社に限定された理由はどこにあるのでしょうか。
 例えば、企業組織再編成と言うけれども、赤字子会社は、他社から買った、あるいは七〇%とか八〇%の持ち株会社の場合は、採算性が合わなければ当然それは連結のところからはもちろん入れられないわけですから、当然それをじゃどう処理するかということになってくると、ここを切り捨てていってしまって閉めてしまうか、あるいは他社に売ってしまうかというようなことで、当然、企業のリストラというようなことは進んでくるだろうというふうに思うんですね。弱者切捨てのことが加速をする。それを企業再編成だと言うならば、それはまたそれで一理あるわけですけれども、ここ、一〇〇%子会社という規定をしたことについて、どうしてかということを教えてください。
#246
○政府参考人(大武健一郎君) これは連結納税対象というのは、先ほども申しましたとおり、企業を一体として判断するという、その実質的一体という判断をやはり一〇〇%に限らせていただいているということです。それは、いわゆる少数株主というのが存在いたしますと、言わばその配当であれ何であれ、少数株主の方の利益というのは言わば無視されることになりますので、やはりそこは一〇〇%に限らせていただいて連結納税制度を発足すると、こういうことにさせていただいたということでございます。
#247
○大渕絹子君 そうしますと、例えば一〇〇%子会社の会社が相当の利益を上げているというような場合に、一〇〇%でなく九九%、一%の株を手放したことにして、九九%の子会社にしてこの連結納税制度から外して、そして納税をすることも可能になるんじゃありませんか。
#248
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 正にそこは、各企業集団の株式の保有割合というのは当然各法人の選択にゆだねられておりますから、税制上それを制約するということではありません。ただ、今申されたような意味で離脱をいったんしますと、五年間は連結グループには再加入できないということになりまして、これによりまして、子会社の言わばそういう恣意的なことは抑えられるというふうに思っております。
 また、株式の取得等で一〇〇%子会社化を逆に図るとか、それらがもし租税回避をねらいとする場合には、包括的な租税回避行為防止規定によりまして、それは連結納税適用を否認するという逆のケースですけれども、そういうことも措置を置いているところでございます。
#249
○大渕絹子君 五年間は再加入できないということですけれども、黒字企業、経営がばんばんとしている企業であれば五年間というのは非常に短いというふうに私は思います。
 また、先ほど、やむを得ない事由がない限りにおいて、一度採択をした連結納税制度をやめることはできないということを言われているわけですけれども、このやむを得ない事由というのはどういうことなのか、具体的にここで議事録の中に残させておいていただきたいと思います。
#250
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 正に先ほど来申し上げましたとおり、連結納税制度自体が税制上企業グループを一体として課税することが適当だということですから、ある意味では、取りやめが自由に行える仕組みや恣意的な租税回避行為につながるということでございます。
 そこで、連結納税制度を選択した場合には、継続して適用することを原則として、その取りやめはやむを得ない事情があるときと、今先生が言われたその規定を置かさせていただいて、国税庁長官の承認を得た場合に限ることとしています。
 このやむを得ない事情というのは、例えば連結納税制度を継続することによる事務負担が著しく過重になる、例えば実質的に会社自体が十人とか本当に数少ない人数になってとても連結をやれないような経済状況になる、そういうような限られた場合を想定しておりまして、いわゆる単体納税の下での税負担がその方が減少するからというようなことでの取りやめは認めないということを考えているということでございます。
#251
○大渕絹子君 連結主体となる親会社を普通法人と協同組合等に限定をして、その法人税率も親会社に適用される税率を適用することにしていますけれども、軽減税率が適用される協同組合等やあるいは特定の医療法人が親会社である場合は、普通法人である連結子会社の所得について、今は三〇%課税になっていると思いますけれども、この一律軽減税率を適用することになるわけですね、今度の連結制度では。これは著しく税の公平性というのを阻害するのではないですか。
#252
○政府参考人(大武健一郎君) 今度の制度というのは、あくまでも普通法人と協同組合等につきまして言わば連結納税制度というのを作らせていただきました。いわゆる普通法人なり協同組合というところの下にある会社というのがその連結の対象になるわけですが、それは、全体としてその法人の言わば所得がどのような対象になるかということに応じて判断させていただいているところでございます。
#253
○大渕絹子君 あれですよね、協同組合等とか医療法人等が適用されている軽減税率をそのまま連結納税制度で使うことになるわけですよね。税の公平性ということを言っているわけですけれども。
#254
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 例えば、中小法人である連結親法人の場合には軽減税率が二二になる。それから、協同組合等である連結法人の場合には軽減税率が二三。それから、今言われた特定医療法人である連結親法人の軽減税率は二三。それからさらに、特定の協同組合等ですが、規模の大きい協同組合等が連結親法人の場合の税率が二六というような税率になっておるところでございます。
#255
○大渕絹子君 学校法人とかその他の公益法人等が一〇〇%子会社で経営している普通法人に対してはどのような扱いになるんですか。
#256
○政府参考人(大武健一郎君) 公益法人の場合には公益の追求を目的とするものでございますから、収益事業から生じた所得のみが実は課税対象となるわけで、実は連結納税の対象外とされております。加えまして、連結納税制度は継続適用を原則としていますから、こうした収益事業を営むことが自然でない、ある意味では特別に収益事業を生じるというような場合ですので、ある意味でその事業を開始や取りやめが任意にできちゃうという意味では、連結納税制度の適用になじまないということから外させていただいているということです。
#257
○大渕絹子君 税財源が減収をするということの見返りに、退職金引当制度の廃止という問題が非常に大きくなってきていますけれども、これは東京税理士政治連盟から、退職金引当金制度の廃止を中止をしてもらいたいということで要望が来ております。これは、退職給与引当金制度というのは廃止の方向でもう既に段階的に経過措置が取られている状況にあるわけで、ここに来て、四年間、十年間というような形で退職給与引当金を廃止をする方向を今明快に打ち出されてきたのは非常に問題であるので、これはもう中止をしてもらいたいというような要望も来ているわけですね。
 私が先ほど一番最初に、税減収があって、それの見返りのためにこうしたことが行われることは税制のあるべき姿として本当にいいのかなというふうには思うわけですけれども、この税理士協会の指摘に対してどうお答えになりますか。
#258
○政府参考人(大武健一郎君) 先ほど来、連結付加税のところでも申し上げたわけでございますが、やはりこの連結納税制度自体が、初年度は五千億強、平年度で八千億強の減税になる。その中で、言わば国際的な調和という中で、長年築いてきたこの連結納税制度を導入するということを決めました以上、今年の言わば財政状況を考えまして、やはり何らかの増収をお願いしなければならない。そのときに、法人税の減税である以上やはり法人税の中でということになりまして、その場合、やはり長年課税ベースの拡大ということで、ある意味では小渕総理のときの減税のときに一部残してきた幾つかの租税特別措置の見直し、あるいはこうした退職給与の引当金等の課税ベースの拡大をまずお願いする、そして足りないところを連結付加税でお願いする、こういう実は位置付けで財源措置を考えさせていただいたわけです。
 やはり退職給与引当金そのものは、これは内部拠出といいますか、内部積立てなものですから、やはり長いこれからの言わば労働者というか労働している方々のことを考えれば、徐々に外部拠出へという制度に変わっている過程でもございまして、やはりこの制度自体は見直していくべきだということで、そういう点で、この制度を四年、それも余り短期ですとそれこそ負担が大きくなるということで、大企業であれば四年、中小企業なら十年間で均等で落としていっていただきたいというお願いをしているのがこの法律でございます。
#259
○大渕絹子君 退職給与引当金については廃止の方向で動いていくというところは、それは私も認めているところでございます。しかし、いったんやめる方向が決められて、既に経過措置に入っているものをあえてこの財源として持ち出してくるというこのやり方というのは、非常にもうつじつま合わせ、こそくな手段と言わざるを得ないのではないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 中小企業庁に来ていただいておりますけれども、法人事業税に外形標準課税を導入しようという動きが総務省にありますけれども、十五年度税制改正に盛り込みたいとの報道も政府の方からあるわけですけれども、中小企業からは導入反対の声が高く上がっています。
 中小企業庁としては、中小企業を育てるという、育成をしていくという立場から、この外形標準課税の導入に対してどのような対処をなされているのか、お聞かせください。
#260
○政府参考人(小脇一朗君) お答えを申し上げます。
 お尋ねの外形標準課税でございますけれども、外形標準課税につきましては、本年の一月二十五日の閣議決定にありますように、今後、各方面の意見を聞きながら検討を深めてまいりたい、このように考えております。
 その際、外形標準課税導入によりまして法人の所得にかかわる実効税率が表面的に下がるかどうかではなく、法人の税負担全体が実質的に増加するかどうか、あるいは雇用や競争力に与える影響等々、経済や企業活動の実態を十分考慮する必要があろうと考えております。
 特に、中小企業に対する影響でございますけれども、厳しい経営状態にあります中小企業の担税力の問題、あるいは、特に賃金を課税標準とした場合には、労働集約的であります中小企業の経営やあるいは地域の経済に与える影響、これらを十分考慮することが必要である、このように考えておるところでございます。
#261
○大渕絹子君 導入をする方向で多分話が進められているんだろうと思いますけれども、個々の中小企業に対して、じゃ、もし導入をされたらあなたのところは大体こんなことになりますよというような、もうちょっときめ細かな相談ができるような対応を取っていただくことが私は必要だろうというふうに思いますので、是非中小企業庁としてはそういう努力をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#262
○政府参考人(小脇一朗君) お答えを申し上げます。
 ただいま御答弁を申し上げました今年一月二十五日の閣議決定でございますけれども、「今後、各方面の意見を聞きながら検討を深め、具体案を得たうえで、」云々と書いてございまして、今後、議論が深まるに従いまして具体的案が出てまいります。そうした過程では今先生御指摘のようなこともいろいろ考えてまいりたい、このように考えているところでございます。
#263
○大渕絹子君 法人税に応能負担の原則を貫いて累進的な多段階税率にすべきだという、中小企業、今、同じ要望が来ている中に書かれているんですけれども、財務大臣、これからの日本の法人税の在り方について、今の段階で塩川財務大臣はどのように考えておられますか。
 この多段階、例えば、所得総額の限度において一五%にしろとかあるいは二〇%にしろとかというのがあるわけなんですよ。この要望書をもっと具体的に読ませていただきますと、所得の一千五百万円までは一五%、これは資本金一億円未満、あるいは所得五千万円までは二五%、所得五億円までは三四・五%、所得五億円以上は四〇%に変更しろと、中小企業ではこういうことを言ってきているわけですけれども、今、現状は、中小企業が二二%、そして大企業は三〇%という税率に去年引き下げられているわけですよね。
 しかし、中小企業の人たちから見ると、担税能力があるところにはもう少し負担をしていただいてもいいのではないかという、こういうことが要望書として上がってくるというような時代になっているんですけれども、法人税率の在り方について、将来的にどうあるべきなのかというようなことを今お答えいただけたらお願いいたします。
#264
○副大臣(尾辻秀久君) お話しのとおりに、個人の所得税には累進課税が行われております。これは、申し上げるまでもないわけでありますが、所得再分配機能というのを求めて行われておるわけでありますが、果たしてそれを法人税に当てはめることが適当であるかということになりますと、私どもは適当でないと、こういうふうに考えております。
 そして、更に申し上げますと、もしそういうことを認めますと会社が際限なく細分化していく。小さくなる方が税率が下がるんで、小さな会社を一杯にしてしまうというようなことも当然考えられますし、私どもとしては、今のその考え方は適当でないと、こういうふうに考えております。
#265
○大渕絹子君 だって、その連結納税制度を導入するのは、そうした細分化をして更に活力、国際競争力を上げるんだというようなことをおっしゃっているわけですから、その今の答弁は、全くそれじゃちぐはぐじゃありませんか。私は今言うつもりはなかったんですけれども、余りにもちぐはぐなのでちょっと言わせていただきました。
#266
○副大臣(尾辻秀久君) 同じ細分化と、今私が申し上げたのは細分化というふうに言いましたのでそのように御理解ください。分社化と細分化はやっぱり違うと私は考えております。
#267
○大渕絹子君 終わります。
#268
○椎名素夫君 今日はもう随分長いことやっておりますし、私自身も座っていてくたびれちゃったので二十五分全部使うつもりはありません。ムーディーズのその格付の話と、それから一、二、連結納税のことを伺おうかと思っていたんですが、もう既に随分、午前中以来、峰崎委員とか、あるいは先ほどは浜田委員、大変雄弁に私の言いたいことを相当言っていただきましたので、もう余り言うことはありません。
 それで、ちょっと付け加えると、日本の円建て国債の格付の問題ですが、余りそういきり立つこともない話だと私は思うんですね。というのは、何も日本の国力について議論したわけでも何でもない、要するに証券市場に出ている日本の円建て国債という商品をどう思うかということを、将来にわたって、あいつ間違ったといって失敗しないように言っておくというのがああいう格付会社の格付の問題でございまして、ちょっと私のこの位置付けというのはそんなものであると思っているわけです。
 だからといって、しかし、じゃどうしてそんなに低くしたというのは腹立たしいという先ほども言葉がありましたが、確かに腹が立つところもある。ましてや、これは引き合いに出されて気の毒な国だと思うんですが、ボツワナとどうのこうのという話になる。あれを聞いてみますと、簡単な話で、ボツワナというのは、これも失礼なことを言うようですが、木造の小さな船である、船に例えれば。こっちは何十万トンの鉄でできた物すごい巨船である。穴が空くと、向こうは沈まないんですね。こっちは、穴が空いて浸水すると沈むんです。そのことを言っているんです。このままだと穴が空いて穴が広がっちゃうよというおそれがあるよと、こういう話なんです。
 これはやっぱり我々もう一度よく考えた方がいいと思うんですが、それで思い出すんですけれども、私、八〇年代の前半ぐらい特にあれですが、日米の国防協力、安保協力で少しお手伝いをいたしました。向こうとこちらの政府の間でいろんな話をしたんですが、当時、日本の中でも、事実、七〇年代の最後から八〇年代というのはこの西太平洋辺りで結構当時のソ連が一生懸命やりまして、余り愉快な感じじゃなかったんですね。だから、非常にやる必要があったと私は思ったのでやったんですが、日本の中の議論でも、日本は相当経済力が伸長して、その経済力に見合ったぐらいの貢献をしなきゃいけないというようなことを言う人も随分増えておりました。向こうもそう思うんですね、アメリカの政府辺りの人間あるいは議会。そうしましたら、こっちはとてもそういうわけにはいかないよというのが政府の言いぐさでありまして、日本、国全体としては確かに金持ちに見えるかもしれないけれども、政府は言わばおやじなわけですが、一家の中の。おかみさんにすっかり財布のひもをほとんど押さえられちゃって、それから長男、長女その他に小遣いをやり過ぎちゃって、おやじには実は金がないんだと。この財政の中で、おまえ、そんなにやるわけにはいかないというのが一番強い論拠でありまして、できないできないと言うので、私などはよく、ノーと言える日本とかいう話がその後出てきましたが、毎日毎日ノーばっかり言っていたような感じなんです。ですから、どういうことかというと、日本の中にお金があっても政府にお金がなければ貧乏なんですから駄目ですと、こういう話。
 ところが、今度のを見ていますと、けしからぬと、あんな格下げをしやがってけしからぬという話で、その中に、いろんなことを挙げておられますけれども、相当重要な要素としては、日本には千四百兆の個人金融資産があるし大丈夫だというのが相当重要な要素として挙げておられるように思うんです。
 これは、昔は、あれは人の金ですから使えませんと、配っちゃったから。言っていたのを、今度は、あれがあるから大丈夫ですと言っているんだね。そこ辺りがよそから見ると非常に分からない話で、この話が先ほどの浜田委員のお話にもつながるんだろうと思うんですが、都合のいいときには、あれは私は手を付けられない、都合が悪くなると、いや、良くなるか悪くなるかどっちか知りませんが、いや、あれがありますからというその首尾一貫性のなさ、この辺りがもうまたかという話なんですね。これは一つ気を付けなきゃいけない。
 それからもう一つは、今のこの法案に対しても国際競争力の何のという話が随分出ますが、八〇年代少なくとも中ごろまでは、日本の企業の競争力というのは物すごい、もう世界じゅうを席巻するんじゃないかというようなことを言っていたし、現に経営者の方々も、もうアメリカとかヨーロッパに学ぶところは何もないなんというようなことを言っておられた。それから、おだてると本が売れるものだから、日本のことを褒めた学者なんかがアメリカ辺りでたくさん現れて、みんな喜んでもうけさせたというようなこともありました。それから、お付き合いがあった当時金融で証券とか銀行のトップの方々が、本当は向こうはその背後にある金が目当てで呼ぶんですが、何か会議に是非来て御高見を承りたいといって講演させて、講演一しゃべりするとみんなが寄ってきて、いやもう実に洞察に満ちたお話を伺ったとかいっておだてられていい気になっていたのが、もう本当に昨日のようなことだと思うんです。
 ところが、今やどうなっちゃっているかというと、もうすっかり意気消沈して、何かというと政府が何とかしろとか政策が悪いとか何とかかんとか言っていますでしょう。ある意味では銀行なんかもその一番の例ですが、企業のガバナンスというのがもう全く廃れちゃっているというのが一つある、いろんな掛け声は別にして。
 それから、政府は相変わらず、それこそ税金もきちっと集めることもできない。千四百兆というのがありますありますと言うけれども、あれでしょう、要するに人の金だと昔言ったもので、現実的にあれは人の金なんですね。よく、この政府の大赤字というのは国民一人にすれば三百何十万円の借金をみんなしょっているんですよといって脅かしますが、これは借金じゃなくて債権なんですね、国債の持ち主からいえば。それで、もし国と一緒に債務をしょっているというのが本当の解釈ならば、例えば相続税のときに国債を持っていたら、その部分控除してまけてもらわなきゃいけない。ちゃんと取るでしょう、財産として。これは債権なんですよ。
 何かそこのところはよく間違えると思うんですが、みんな一緒になって苦労しようというようなことに引きずり込むという、マインドコントロールみたいな要素がどうも入ってきているんじゃないかという気がしまして、これは是非直しておいていただきたいと私は思います。
 それで、あとは、そういう意味で政府、それから、いわゆるポピュリズムで政治家もきちっとしたことを言わないし、ちょっとさっきから言われているこぶみたいな話で、これは取り返そうとかどうしようというような細かいいじましい話しかしていない。
 それで、今日もここで一日、丸一日使っているわけですけれども、どこを見ても、この穴がきちっとふさがるのかどうかという確信が持てないと、そういう債権というのは今すぐにはどうということはないけれども、そうお勧めできるものじゃないよという話なんですね、あれ。
 だから、そこのところは私はよく考えて、何をやればいいか。総理を始めとして改革だと、こう言っておられるでしょう。事実そのとおりだと思うんです。やってみせて、後であなた方が恥ずかしい思いをするよと一言言っておいて、やるべき仕事をどんどんどんどん進めるか進めないかというところに日本の本当の意味での勝負がある。それが進めばいやでも応でも格付なんというのはぼんと上がるんです。だけれども、相矛盾、前後矛盾するような話で、経済の潜在力とか何とか、まあ怪しげな話で余り一生懸命なさると、大国の誇り今やいずこかという話になりますから、そういうような感じでこれ是非やっていただきたいというふうに私思います。
 それから、この連結制度の話ですが、本当にガバナンスのスピリットが何かなくなっちゃったようなものを元気づけようって、だけれどもそれが物すごく効くんだったらば、ちょっとやそっとの税収減取り返そうなんという話はもうやめた方がいいという気がいたしますね。何も今年減ったものを今年取り戻さなきゃいかぬという話でもないし。そうでなかったら、もうちょっと待ってもらったってどうってことないというような、これはもう全く感想でありまして、大臣から答弁を求めようという気もいたしませんが、是非お考えを願いたいということをお願いして、終わります。
#269
○委員長(山下八洲夫君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#270
○委員長(山下八洲夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法人税法等の一部を改正する法律案の審査のため、来る六月十三日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#271
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#272
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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