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2002/04/09 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 外交防衛委員会 第6号
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2002/04/09 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 外交防衛委員会 第6号

#1
第154回国会 外交防衛委員会 第6号
平成十四年四月九日(火曜日)
   午前九時三十分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         武見 敬三君
    理 事
                山本 一太君
                吉村剛太郎君
                木俣 佳丈君
                山口那津男君
                小泉 親司君
    委 員
                泉  信也君
                河本 英典君
                桜井  新君
                福島啓史郎君
                舛添 要一君
                矢野 哲朗君
                山下 善彦君
                海野  徹君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                広中和歌子君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                田村 秀昭君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  中谷  元君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       防衛庁副長官   萩山 教嚴君
       外務副大臣    杉浦 正健君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        山下 善彦君
       農林水産大臣政
       務官       岩永 浩美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       防衛施設庁長官  嶋口 武彦君
       外務大臣官房長  北島 信一君
       外務大臣官房審
       議官       佐藤 重和君
       外務大臣官房審
       議官       原田 親仁君
       外務大臣官房審
       議官       奥田 紀宏君
       外務大臣官房審
       議官       林  景一君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高橋 恒一君
       外務省北米局長  藤崎 一郎君
       外務省経済局長 佐々江賢一郎君
       外務省経済協力
       局長       西田 恒夫君
       農林水産大臣官
       房審議官     坂野 雅敏君
       水産庁資源管理
       部審議官     中前  明君
       経済産業省製造
       産業局次長    増田  優君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        松永 和夫君
       海上保安庁長官  縄野 克彦君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    飯島  孝君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       岩尾總一郎君
       環境省地球環境
       局長       岡澤 和好君
       環境省環境管理
       局長       西尾 哲茂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○オゾン層を破壊する物質に関するモントリオー
 ル議定書の改正(締約国の第九回会合において
 採択されたもの)の受諾について承認を求める
 の件(内閣提出)
○オゾン層を破壊する物質に関するモントリオー
 ル議定書の改正の受諾について承認を求めるの
 件(内閣提出)
○残留性有機汚染物質に関するストックホルム条
 約の締結について承認を求めるの件(内閣提出
 )
○外交、防衛等に関する調査
 (民間人大使に関する件)
 (パレスチナ情勢に関する件)
 (国際捕鯨に関する件)
 (日朝関係に関する件)
 (不審船引揚げ問題に関する件)
 (沖縄米軍基地問題に関する件)
 (地雷除去支援に関する件)
 (ミサイル防衛に関する件)
 (有事法制に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 現在、本委員会に付託されている条約の審査及び外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に防衛施設庁長官嶋口武彦君、外務大臣官房長北島信一君、外務大臣官房審議官佐藤重和君、外務大臣官房審議官原田親仁君、外務大臣官房審議官奥田紀宏君、外務大臣官房審議官林景一君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長高橋恒一君、外務省北米局長藤崎一郎君、外務省経済局長佐々江賢一郎君、外務省経済協力局長西田恒夫君、農林水産大臣官房審議官坂野雅敏君、水産庁資源管理部審議官中前明君、経済産業省製造産業局次長増田優君、資源エネルギー庁資源・燃料部長松永和夫君、海上保安庁長官縄野克彦君、環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長飯島孝君、環境省総合環境政策局環境保健部長岩尾總一郎君、環境省地球環境局長岡澤和好君、環境省環境管理局長西尾哲茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(武見敬三君) オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正(締約国の第九回会合において採択されたもの)の受諾について承認を求めるの件、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の受諾について承認を求めるの件及び残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。
 三件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○広中和歌子君 おはようございます。民主党・新緑風会の広中和歌子でございます。
 環境問題というのは、正に最近は、最近といいましても過去十数年にわたりまして正に外交問題でもあるということで、環境大臣を経験なさった川口大臣が外務大臣に御就任になったこと、正に適役かなというふうにお喜び申し上げております。
 最初、まず、オゾン層に関するモントリオール議定書について御質問させていただきます。
 まず、モントリオール議定書の成立、それが一九八七年以降のことでございますが、その後度々改正がされ、成層圏におけるオゾン層の破壊、ガスの濃度がどのように変わったかということについて御質問させていただきますが、実際はどの程度削減されているのか、お聞かせいただければと思います。
#6
○政府参考人(岡澤和好君) オゾン層の状況あるいは今後の予測等につきましては、UNEP、国連環境計画の科学アセスメントパネルにおきまして四年に一度科学的な評価を取りまとめているわけでございますけれども、そこの一九九八年の最新の報告によりますと、対流圏における主なオゾン層破壊物質の濃度は九〇年代以降ほぼ横ばい又は減少傾向を示しておりまして、二十一世紀中ごろには成層圏中のオゾン層破壊物質の濃度は一九八〇年以前のレベルまで戻るというふうに予測されております。
#7
○広中和歌子君 そういった状況の中で、実際にオゾンホールの状況というのはどういう状況なんでしょうか。数年前まで、ほとんど毎年オゾンホールが南極あるいは北極で拡大しているという報告がなされたんですが、それは、そういう状況は止まり始めているんでしょうか。
#8
○政府参考人(岡澤和好君) オゾンホールにつきましては、二〇〇〇年に史上最大の面積を記録するということがございましたし、また二〇〇一年にも史上三番目となるオゾンホールが観測されておりまして、深刻なオゾン層破壊が続いているという状況でございます。これは、オゾン層破壊物質の濃度は低下しつつありますけれども、オゾン層破壊の方はそれに遅れて生じてまいりますので、そのタイムラグがありまして、まだオゾンホールの破壊はしばらく、回復はしばらく望めないのではないかというふうな状況でございます。
#9
○広中和歌子君 しかしながら、あれですか、今その前の質問でお答えいただいたように、こうした対策が着実に世界的な規模で行われればオゾンホールは確実に小さくなると、そのように理解してよろしいでしょうか。
#10
○政府参考人(岡澤和好君) 大体UNEPの、先ほどのUNEPの予測では、二〇二〇年ごろまでがオゾン層の破壊のピークを迎えるであろうというふうに言われております。
#11
○広中和歌子君 我が国は八八年以降モントリオール・プロトコールに参加しておりますが、我が国の遵守状況についてお答えいただければと思います、特に附属書AとBについて。
#12
○政府参考人(高橋恒一君) 我が国では、モントリオール議定書の削減スケジュールを遵守するために、昭和六十三年に特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律を制定いたし、オゾン層破壊物質の段階的な削減を実施しております。
 その削減実施の結果、オゾン層破壊物質のうち、議定書附属書AのTフロン及びBのTクロロフルオロカーボンにつきましては、一九九六年以降、これは議定書の締約国会議の決定におきまして不可欠用途等として認められております研究分野の用途を除きまして、生産が全廃をされております。また、同附属書AのUハロン、BのU四塩化炭素及びBのVメチルクロロホルムにつきましても、それぞれ一九九四年、一九九六年及び一九九六年以降、不可欠用途として認められております研究分野の用途を除き、生産が全廃されている状況でございます。
#13
○広中和歌子君 生産が全廃されましたけれども、既にストックとして、在庫として持っている部分がたくさんありますよね。特にこうした議定書の発効に際しまして、かなりたくさん輸入をしたりあるいは生産を増強したりといったようなことがあったんではないかとかすかに記憶しているんですけれども、使用というのは依然として続いているわけでございますか。
#14
○委員長(武見敬三君) 答弁者はどなたになりますか。これは通告──はい、増田製造産業局次長。
#15
○政府参考人(増田優君) モントリオール議定書に従いまして、クロロフルオロカーボンにつきましては既に生産を中止をしているということでございますが、これに代わりますいわゆる代替のハイドロクロロフルオロカーボン、いわゆるHFCにつきましては、クロロフルオロカーボンに代わる代替物質として、冷凍空調機の冷媒あるいは断熱材の発泡材等に広く現在でも使われております。しかし、このHCFCにつきましては、議定書に従いまして二〇二〇年までに全廃をするということになっておりまして、これに従いまして段階的に今生産量、消費量の削減を図っているという状況であります。
 さらに、HCFCの代替物質というのも更に必要になってくるわけでございますが、これにつきましては、現在HFCが開発をされ、HCFCからHFCへの代替ということが進みつつあると、こういう状況でございます。
#16
○広中和歌子君 私はHCFCの以前のCFCについてお伺いしているわけですけれども、既に在庫もあり、製造は禁止し、多分輸入も禁止したかもしれないけれども、依然として使われているし、使っていいはずですよね。そしてまた、いろいろな製品の中にそれが存在すると、自動車の例えば冷媒とか。
 そういうことをお伺いしているんですが、その管理というんでしょうか、はどういう状況になっているか。そして、ついでにお伺いすると、その廃棄処理の、例えば冷蔵庫とかなんかが廃棄されるときの回収状況というんでしょうか、それはどうなっておりますでしょうか。非常に大切な問題だと認識しております。
#17
○政府参考人(増田優君) CFCの、今、先生御指摘のとおり、CFCにつきまして生産は終わっておりますけれども、先ほど申し上げました冷凍空調とかあるいはカーエアコンとかいうところでまだ使われている状況であります。
 これらをいかに減らしていくかということにつきましては、昨年、フロンの戦略というのを作りまして、その削減というものに努めているわけでございますが、加えまして、先般フロンの回収破壊法というものができまして、それに基づいて四月一日以降、冷凍空調機について施行されまして、より的確に回収、破壊というものを進めるということによってオゾン層の保護というものを更に進めていきたいということで進めているところでございます。
#18
○広中和歌子君 CFCというのが非常に便利な、何というんでしょうか、化学物質であり、使用する、したいというインセンティブは働くわけですけれども、働いて当然だと思うんですけれども、依然として、いわゆる何というんですか、マーケットメカニズムの中で利用されているんでしょうか。例えば、再生されたもの、あるいは既にストックのあるものは積極的に使うことを、通産省でいらっしゃいますか、奨励というのか、禁止はしていらっしゃらないわけですね。
#19
○政府参考人(増田優君) モントリオール議定書におきましてもこのCFCの生産の中止ということは決められておりまして、それにのっとって生産を中止してきたということでございますが、それまでに作られて既に使われていたものにつきましては、車のカーエアコンを始めいろいろな用途で大変広い分野で使われているという事態もございまして、議定書上もこれの使用を禁止をするということにはなっていないわけでございます。
 そういう中で、今申し上げたような用途の中で詰め替えをするなりなんなりという形でニーズがございますので、それに対応する形で再生品とかこういうものが扱われているということでございます。
#20
○広中和歌子君 ある専門家から聞いたんですけれども、つまり、マーケットメカニズムで非常にCFCの値段が高くなればリサイクルも進むんではないかというようなことで、余り神経質になる必要がないというようなことも伺ったわけですけれども、しかしながら、あれですね、規制を掛けながらリサイクルも十分行っていらっしゃるという、リサイクルされたものは破壊する方向なんですか。
#21
○政府参考人(増田優君) 最終的にオゾン層への影響というのは大気中に放出されるということをもって起こるわけでございますので、先ほど御紹介をさせていただきましたように、先般、フロンの回収破壊法というものを御制定をいただきましたので、これを的確に施行することをもちましてオゾン層への影響というものを減らしていきたいというふうに考えている次第でございます。
#22
○広中和歌子君 それから、先ほどちょっと、既に触れられましたけれども、今度の条約の改定にかかわるCFCの代替物質として使われてきたHCFC、これもオゾン層破壊効果というのは、CFCよりも少ないにしても、非常に温暖化に今度はかかわるということで、これ前からやめろ、やめろというNGOの団体などの声が大きかったわけですけれども、今度それに全廃をされるということで、当然それに踏み切られた理由は、やはり新たな代替物質があるということなわけですね。それが先ほどお答えになったHFCということでございますね。これについてちょっと御説明いただけますか。
#23
○政府参考人(増田優君) 議定書に基づきましてCFCをできるだけ早く代替をしていくというために、当時技術的に可能であったHCFCへの代替ということがまず図られたわけでございますが、今、先生御指摘のような点もございまして、更にこれを代替をしていくということで研究開発が進められまして、HCFCという塩素の入らない、水素と弗素と炭素、カーボンだけから成る物質が新たに開発をされ、これをもってHCFCから更に代替をするということで、今産業界始め動きを強めている、そういう状況でございます。
#24
○広中和歌子君 それでは、ストックホルム条約の方に移らせていただきます。
 そういえば数年前ですか、一九九六年に出版された「アワ・ストールン・フューチャー」という本がございますけれども、要するに、今安全そうに見えているものでも、それが私たちの体内、そして母乳、そして子孫に様々な化学物質の害の方が伝わっていくというようなことで、非常に世界的にショックを与えた本が出版されたわけでございますけれども、それを受けてかどうかは別といたしまして、化学物質を取り締まるストックホルム条約が結ばれ、そして、我が国がこれを批准しようと、しかもかなり早めに批准しようという動きをなされていることは大変結構なことだと思っております。
 化学物質、十万種類ぐらいあると。それは当然、我々がわざわざ作るわけですから、作って利用する用途が非常にあるわけですよね。非常にプラス面があるからこういうものを利用するわけですけれども、必ずそうしたものにはマイナス面もあるということで、例えばDDTなどかなり早い時期に使用が禁止されたり、PCBも大きな問題になったと。ダイオキシンなどもその例の一つでございます。
 それでお伺いいたしますけれども、ダイオキシン等の、こちらの説明文によりますと、非意図的に生成されたもの、つまり副産物として出てくるようなものの放出を禁止するということがこのストックホルム条約にも入っているわけですが、我が国の現状をお伺いいたします。
 ダイオキシン問題、廃棄物処理場などから非常に多く出ているのではないかということで、この国会でも問題になりまして、地域でも住民が非常な大きな問題意識を持つということがあったわけですけれども、その現状についてお伺いいたします。
#25
○政府参考人(西尾哲茂君) 政府におきましては、ダイオキシン類、ダイオキシン対策関係閣僚会議において定められたダイオキシン類対策推進基本指針に基づきまして、我が国におけますダイオキシン類の排出量の目録、いわゆる排出インベントリーを作成しております。
 このインベントリーは、これまで、平成九年から平成十二年までのデータを取りまとめておるわけでございますけれども、平成九年にはダイオキシンの排出量、これは毒性評価をいたしました上での排出量でございますが、七千三百四十三グラムから七千五百九十七グラムTEQ一年間と、こういうものでございましたが、平成十二年には二千百九十八から二千二百十八グラムTEQ年ということでございまして、これは平成九年に比べまして、平成十二年にはおよそ七割減の排出量の削減がなされた、こういうことでございます。
 政府といたしまして、この排出量は平成十四年度末までに平成九年に比べて九割削減するという目標を掲げておりますので、あと二割ということで、今取組を進めているところでございます。
#26
○広中和歌子君 そのデータというのはどういうところから取られているんでしょうか。普通、市町村が持っている廃棄物処理場などを使っていらっしゃるんでしょうか。それとも、どういう形でそういうデータは取られているんですか。
#27
○政府参考人(西尾哲茂君) インベントリーのデータの作成の仕方でございますが、このダイオキシンの排出の主たるものは廃棄物処理場、一般廃棄物処理場、それから産業廃棄物処理場などでございます。
 これらは、先ほどの数字でいいますと大体十二年のデータが二千二百前後であるのに対しまして、産業系のものは千九百ぐらいございます。これらのものにつきましては、関係省庁から廃棄物の処理場のデータをいただきまして積み上げております。そのほかに、産業系の発生源といたしまして、製鉄でありますとか亜鉛でありますとか、そういう産業のものがございます。それぞれにつきましても、各産業のデータをいただきまして、積み上げてインベントリーを作成しているということでございます。
#28
○広中和歌子君 大規模な企業とか、それから処理場、そういうものからデータをお取りになるのは当然だろうと思いますけれども、むしろ日本で問題なのは中小、ある規定以下の廃棄物処理、そのことが問題なんではないかと思います。
 例えば、病院であるとか学校であるとか、非常にそういうところで焼却が容認されているという、それはかつて数年前にもこの有害化学物質についての問題意識が高まりましたときに国会でもいろいろ問題提起がされたことを覚えておりますけれども、その後どういう改善がなされているのか、お伺いいたします。
#29
○政府参考人(飯島孝君) 委員御指摘の小規模焼却炉に関する対応でございますが、ダイオキシン類対策特別措置法では、焼却能力一時間当たり五十キロ以上の焼却炉について規制がなされておりまして、その法律の中で、附則でございますけれども、政府の検討課題とされた焼却能力一時間五十キロ未満の小規模焼却炉対策でございます。
 これにつきましては、昨年三月、廃棄物処理法の省令を改正いたしまして、燃焼ガス温度が八百度以上で焼却できる構造であること、こういった基準を設けました。適用は、既設の施設については今年の十二月からでございますが、新設につきましては昨年から適用されております。
 こういった小規模なものにつきましても、基準を強化いたしましてダイオキシンの削減に努めているところでございます。
#30
○広中和歌子君 ということは、小規模の焼却施設というのは取り払うというふうな行政指導をしていらっしゃる、指導じゃなくて命令ですよね、それをしていらっしゃいますか。
#31
○政府参考人(飯島孝君) ダイオキシン対策を始めましたころは、ダイオキシンの発生の少ない大型のきちんとした焼却炉を造っていただくということだったわけでございまして、学校等では自主的に焼却炉を廃止いたしまして市町村の大きな焼却炉に運ぶということだったわけでありますけれども、現実に小さな焼却炉も動いておりまして、ここからのダイオキシン問題を何とかしなければいけないということで、先ほど申し上げましたように、すべての焼却炉について焼却施設の構造の基準を作りまして、ダイオキシンが発生しにくいようにしたということでございます。
#32
○広中和歌子君 ということは、違反をすれば罰則があるということでございますね。
#33
○政府参考人(飯島孝君) はい。小型焼却炉の先ほどの基準を違反すれば当然これは改善命令の対象になりますし、命令を聞かなければ罰則が掛かる、廃棄物処理法の処理基準が掛かるということでございます。
#34
○広中和歌子君 日本では、廃棄物処理だけじゃございませんけれども、規制があったり罰則規定があったりしても実際にそれが執り行われないということに大いに問題があって、やり得みたいなところがあると。例えば、産業廃棄物処理場かあるいはリサイクル場か見分けが付かないようなところが平気で放置されていて、何かたまり過ぎると自然発火かなんかで燃えてしまうと。
 そういうようなことが非常にあると思うんですが、ともかく廃棄物処理の体制そのものが、非常に抜本的に変えなければならないんではないかという問題意識を持っているんですが、それについて御意見をお伺いしたいと思います。
#35
○政府参考人(飯島孝君) 委員御指摘のように、リサイクルという名目で実際には廃棄物を不法に積み上げてしまうとか野積みをしてしまうとかいった事例が後を絶たないわけでございます。
 こういった問題につきましては、実は法律でいろいろ基準は決まっていてもその施行が十分できていないんじゃないかという御批判もあったところなんですが、概してこれまでは行政指導という形で、都道府県が中心なんですが、事業者に対して指導を行ってきたわけですが、これに対してきちんと行政処分をするように、法律に基づく改善命令あるいは命令を聞かなかった場合に勧告、措置命令、こういったものを掛けるように、昨年来、環境省の通知によりまして指導をしてきているところでございまして、最近は行政処分の件数が非常に高くなってきております。
#36
○広中和歌子君 私は、一歩も二歩も前進したと評価申し上げますけれども、まだまだ十分ではないんじゃないかと。つまり、地方自治体に任せたとしても、その人数というんですか、それを監視する人員が足りないとか、もちろん知事さん、行政の長の問題意識にもよると思いますけれども、そういうようなことで、やはりもうちょっと国のこういう廃棄物に対する体制というものを、何というんですか、近代化というんでしょうか、する必要があるんではないかなと。
 それぞれの国で廃棄物処理というのは大きな問題を抱えておりますけれども、例えばドイツのような国を視察いたしますと、もっと大型の焼却炉というんでしょうか、それが発電もし地域に冷暖房を与えるといったような、つまりサーマルリサイクルというような形で廃棄物を大規模に処理をしていると。ちなみに、ドイツでは六十か所ぐらいで、日本の人口の半分よりちょっと多いぐらいの人数で六十か所ぐらいでやっているわけですよね。
 日本では千八百です。それは、いわゆる一定のレベル以上で千八百もあり、そして個人的にというか、小さな施設でやられているのを含めると、ともかく幾ら行政が監視の目を強めようとしてもできないんではないかと、そういう状況じゃないかと思いますが、こうした廃棄物処理の施設への公共投資、そういったものに関して具体的な話合いなりプランなりがございましたら教えていただきたいと思います。
#37
○政府参考人(飯島孝君) 廃棄物処理施設の高度化あるいは集約化、大型のものに集約するという考え方についてはダイオキシンの排出削減の観点からも大変重要なことでございまして、現在まで各都道府県において広域化計画というものが策定されております。集約化、広域化しようということでございます。
 また、そういった大型の優れた炉という意味で、ガス化溶融炉などの新技術を活用した施設につきましても性能指針に基づきまして国庫補助を行っているところでございまして、委員御指摘のような形で、近代化した廃棄物処理システムを構築していきたいというふうに考えております。
#38
○広中和歌子君 私は、国の公共事業費というような言い方をいたしましたけれども、PFIなんというのも活用できるんじゃないかと思います。ともかく日本全体を視野に入れて、やはり廃棄物処理というものをもっと近代化するように是非環境省がリーダーシップを発揮していただきたいと思う次第でございますが、最後に一つ、私のところにNGOから寄せられた問題についてお伺いいたします。
#39
○委員長(武見敬三君) 時間が超過しておりますので、まとめてください。
#40
○広中和歌子君 じゃ、一言お伺いいたします。
 日本で禁止されている使われなくなった農薬など、臭化メチル系も含みまして、そうしたものは海外に輸出されるということがあるのかどうかということをお伺いいたします。輸出じゃなくて、ODAとかなんかで供与されることがあるのかどうかということをお伺いいたします。
#41
○政府参考人(西田恒夫君) お答えを申し上げます。
 モントリオール議定書等々で規制対象になっている農薬につきまして、ODAでそれを供与しているという事実はございません。
#42
○山口那津男君 公明党の山口那津男です。
 初めに、モントリオール議定書の関係についてお伺いいたします。
 フロン等の規制物質に対して、現在、生産規制と併せて非締約国との輸出入の貿易規制が行われていると承知しております。しかし、この貿易規制の対象になるのは未使用の物質のみでありまして、使用済みのもの、あるいは再利用されるもの、再生されたものなどは対象になっておらないと思います。この実態について今どのように把握していらっしゃるでしょうか。
#43
○政府参考人(高橋恒一君) モントリオール議定書におきましては、委員御指摘のとおり、使用済みのもの等である規制物質の輸出入につきましては、議定書締約国会合の決定によりまして自由に行い得るということになっております。これは、議定書の目的からいたしまして、リサイクル品の使用を促進し、新規の生産を抑制するということを目的としてと、そういうために、そういうことになっておるわけでございます。
#44
○山口那津男君 今回、貿易ライセンス制度を作る内容になっているわけでありますけれども、すべての規制物質について輸出入の際に、この使用、未使用かあるいは使用済みかという規制物質の使用区分について把握して管理することによって不正な輸出入を防止しようという制度だと思います。
 現在、輸出入体制の問題点、そしてこのライセンス制度の導入によってその問題点はどのように改善されることになるのか、その点について分かりやすく説明いただきたいと思います。
#45
○政府参考人(高橋恒一君) 規制物質に関する締約国間の貿易におきましては、各国が未使用のものを再利用されたもの等と偽って輸出して、輸入国におきまして消費量の規制の実効が上がらない、そういう事態が頻繁に生ずるというような問題点がございました。こうした現状にかんがみまして、締約国の間での協議を通じまして、委員御指摘のライセンス制度が導入されることになったわけでございます。
 このライセンス制度の導入によりまして、未使用のものと再利用のもの等の区別が明確になされることによりまして、問題となっております不正取引の防止に役立つのではないかと、そういうふうに考えております。
#46
○山口那津男君 具体的な例で申し上げますと、最近、カーエアコンに使うフロンの密輸が問題になっております。これは新聞等でも報道されているわけでありますけれども、昨年ごろから旧式のカーエアコンがガス交換の時期を迎えているために、フロンの中でもCFCでありますけれども、これの需要があるわけであります。しかし、フロンについては我が国では九五年末までに全廃、生産が全廃されているために在庫にあるものを使うしかないということになるのですが、その在庫量が少なくなってきているせいか、需要を満たすことができないんだろうという背景があるだろうと思います。
 一方で、代替フロンを使う新しいカーエアコンに転換する場合には数万円の費用が掛かるために容易に転換が進んでいるという状況でもないわけであります。このような背景から生じる密輸、これについて、制度の不備が原因で生じている部分もあるのではないかと。だとすれば、これを防止する必要性があるというふうに強く思うわけです。
 この問題について、議定書のライセンス制度の導入によって完全に解決することができるか、密輸を防ぐことができるか、この点についての認識を伺いたいと思います。
#47
○政府参考人(増田優君) ライセンス制度というのは新品の、新しいCFC等につきまして規定したものでございます。我が国では既に輸入貿易管理令によりまして、新品のものだけではなくて使用済みのもの、あるいは再生のものにつきましても輸入品の規制を行ってきていると、そういうところでございます。
 一方、今御指摘いただきましたように、昨年我が国で発生をいたしました密輸事件というものがあるわけでございますが、これにつきましては、規制物質として輸入承認制度の対象であるCFC12を輸入承認を要さない他の物質、例えば潤滑油とかあるいはHFCというようなものであると虚偽の申告をする形で密輸をしたというものでございます。
 したがいまして、当省としてはこういった事件が今後発生しないようにということで関係の十一団体、ここに対しまして密輸品の購入をしないようにということで、より一層注意をしてくれということをお願いをすると同時に、密輸関連の情報の提供ということについてもお願いをしているところでございまして、関係省庁とも連絡を取りながら引き続き密輸の防止ということに取り組んでいきたいというふうに思っております。
#48
○山口那津男君 一つは、この規制について、生産規制という入口で規制を行うということが必要でありまして、これは当然のことであります。そのほかにまた出口での規制も重要だと思います。この出口の規制については、フロンの回収破壊について昨年、フロン回収破壊法というのが制定をされました。しかし、このフロン回収破壊法におきましても、販売、使用という一種の流通面の規制は十分ではないというふうに思います。それで、今密輸の問題についても、結局は需要があるからこういうことが起きてくるわけであります。
 一方で、この需要に対する代替措置ということで、新しいカーエアコン設置に対する促進策として何か別な政策を取るということも一つの方法だろうと思います。また一方では、この流通面、つまり販売あるいは使用についてもいずれこれを禁止していく、強い規制を及ぼしていくと、こういうことも必要ではないかと考えるわけでありますが、この点についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#49
○政府参考人(増田優君) モントリオール議定書におきましては、各国におけるオゾン層破壊物質の生産量を、オゾン層保護の観点からこれを規制をしていくということで、一九九五年末に日本では生産を既に終了している、中止をしているということでございますが、この枠内で認められているものにつきましては、販売、使用の禁止ということが議定書上も規定をされていないということでございます。
 一方、冷媒としてCFCを使用するカーエアコンを搭載した車というものはいまだ一千万台を超える、二千万台に近いような台数があるということでございまして、これらの車が今使用されているという中で、販売、使用の制限をしていくということは現実的になかなか難しい状況にあるというところでございます。また、先ほど御説明させていただきましたように、条約上もそのことは禁止ということを要請されている状況ではないということでございます。
 ただ、密輸というような問題はこのモントリオール議定書の全体の枠組みに大変影響をする問題でございますので、先ほど御紹介をさせていただきましたように、関係省庁とも連絡を取りながら、この密輸というものの防止ということにこれまで以上に取り組んでまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#50
○山口那津男君 次に、POPs条約についてお伺いいたします。
 シロアリの駆除剤のクロルデンについては、材木中に残留しているものが結構多いだろうと思うんです。これがどう分解していくかとか毒性が弱められていくかのメカニズムは私はよく承知しておりません。しかし、このクロルデン入りの材木が存在している以上、これがどのような環境に影響を及ぼしていくかについては大きな懸念を持っております。特に、木造家屋に使われたこのクロルデンがいずれ木造家屋の、何といいますか、処分をするときに廃材としてこれがどこかへ流れていく、廃棄されていく、あるいはその土壌にこれが沈殿していくということ、それがひいては水質等に影響を及ぼすというようなことが心配をされるわけであります。
 そこで、現在、このクロルデンについて、その適正な保管とかあるいは処分などについて明確な見通しが立っていないのではないかと思うわけでありますが、今後の対応について、言わば適正な廃棄ということも視野に入れながら、どのようなことをお考えか、お答えいただきたいと思います。
#51
○政府参考人(岩尾總一郎君) クロルデンにつきましては、昭和六十一年に化学物質審査規制法に基づく特定化学物質に指定いたしまして、その製造、輸入及び新たな使用を禁止するなど、環境汚染防止を目的とした厳しい対策を立てております。
 確かに、かつてクロルデン処理されました木材につきましては、それを廃棄する段階で分別するということは外見上判断できないので容易でないというふうに考えております。それぞれの建物の建築時期あるいは建築物における過去のシロアリ駆除の実施状況などを調べることによりまして、可能な限りクロルデンが使用されたかどうかを把握するよう努力したいと考えております。クロルデン処理されたものについては、区分して適切に取り扱われるよう関係者に周知してまいりたいと考えております。
 また、クロルデン等POPsの廃棄物につきましては、現在その処理基準について検討を進めているところでございます。その一環として、クロルデン処理された木材についても更にどういう対応が必要かについては検討してまいりたいと考えております。
#52
○山口那津男君 他の農薬の処理等も併せて、国民の懸念を払拭するように是非しっかりした対策を立てていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#53
○小泉親司君 環境関連の三条約については、我が党は賛成であります。特に、残留性の有機汚染物質に関するストックホルム条約は、人の健康と環境を保護するためにPCBやダイオキシンなどの九つの残留性有機物質の製造、使用、輸出入を禁止し、廃絶のために必要な法的、行政的措置を取ることを明記しております。PCBやダイオキシンを含む四つの物質については、放出の総量削減と、実行可能な場合という前提が付いておりますけれども、廃絶を明記したということは評価できるので賛成であります。
 この条約、三つの条約を十分に審議するには余りにも私たちは時間がありませんので、PCBの、特に日本の米軍基地に残されているPCBの問題について質問をいたします。
 私もこれまで、米軍のPCBについては一昨年、特別委員会で取り上げてまいりました。この米軍のPCBについては、例えば国防総省の報告書によりますと、世界の中でも日本が最も多い四百五十・八トンであると。続いてイギリスが四百四十九・二トン、ドイツ二百四・七トン、イタリア百八十二・八トン、トルコ百八十一・六トンと。大変日本が総量、世界の総量の千六百十三トンの米軍のPCBのうち約三分の一を日本が保有しているという大変ひどい状況が続いているという点では、私は、米軍PCBの問題についてはこの条約を実施する上でも大変欠かせない問題だというふうに思います。
 その点で、この条約と米軍PCBの廃棄という問題についてはどういう関連があるのか、まず初めにお聞きをしたいというふうに思います。
#54
○政府参考人(林景一君) お答えいたします。
 この条約におきましては、委員も御指摘のとおり、PCBは附属書のAの物質ということになっておりまして、この三条一によりまして基本的には製造、使用、輸出入を禁止し、又は廃絶するために必要な法的措置及び行政措置を取るということになっております。
 我が国は、これら、PCBにつきましての流通についての適用除外等関連の規定がございますけれども、この辺りを含めまして国内法、関連の国内法、PCB特措法等関連の国内法によりましてこれを担保するということになっておるわけでございます。
 在日米軍につきましては、御案内のとおり、我が国の国内法が直接適用されるという関係にはございませんけれども、我が国の国内法令を尊重するということに相なっておりますので、こうしたPCBに関連します国内法について、日米間の話合い等も含めまして尊重をしていただけるものということであると考えております。
#55
○小泉親司君 私、一昨年の五月十日に、当時は河野外務大臣でございましたが、アメリカの国防総省の報告書に書いてあるとおり、日本に総計二百五十一トンのPCBが残存しているということを明らかにしてまいりました。そのときには河野外務大臣は、まだ在日米軍に確認していないということでしたが、七月四日、外務省は報告書を発表して、神奈川県の相模原補給廠に保管されているPCB廃棄物は百五十トン、現時点で在日米軍基地全体のPCB含有物質の総量は四百四十トンというふうな発表をしております。
 外務大臣にお聞きしますが、このPCBの処分については、この二年間でどういう変化があるんですか。
#56
○政府参考人(藤崎一郎君) お答えいたします。
 今、一昨年、小泉委員から御指摘がございましたPCBの廃棄物について米軍としてどのようにその後措置したかという御質問でございます。
 私ども、このPCBの問題につきましては、私どもといたしましても極めて重要な問題であると、国民の生活、健康に極めて大きな影響を有する可能性のある問題でございますので、この適切な管理ということについて累次の機会に米側に申し入れてきているところでございます。
 また、このPCBにつきまして、その後、私どもといたしまして環境の原則を、二〇〇〇年のこれは九月でございましたけれども、作りまして、その後、環境分科委員会というものを定期的に開催することにいたしておりまして、こういう場を通じましても引き続きPCBの問題については十分米側と協議してまいりたいと思っております。
 現在の時点で、今、米側がどういう措置をその後講じたかということについて直接今申し上げるものを持っておりませんけれども、引き続き適切な管理をするようということは事あるごとに申し入れているところでございますし、米側としても十分きちんと管理しているということは申し越しているところでございます。
#57
○小泉親司君 外務大臣、私が取り上げてきたのは二〇〇〇年五月、つまり二年間にわたって外務省が発表してから全く変化がないと。つまり、国防総省も何て指摘しているかというと、PCB廃棄物を長期に貯蔵するということに伴う危険と損失は時間とともに大きくなるんだということを言っておる。
 特に外務省の報告書によりますと、相模原補給廠に保管されているPCBの廃棄物のうち、バーゼル条約の移動禁止とされている五〇ppm以上のPCB廃棄物は百五十トンの、相模原補給廠に貯蔵されているうち五十九・六トンだと。これは、一体いつになったらこれは米軍が本国に持ち帰るのか、処理するのか、この点について私は明確に米軍にただすべきだというふうに思いますが、外務大臣、この点いかがですか。
#58
○政府参考人(藤崎一郎君) 本件につきまして、ただいま申し上げましたように、私どもといたしましても極めて重要な問題であるというふうに認識しておりまして、米側と引き続き鋭意協議してまいりたいというふうに思っております。
#59
○小泉親司君 外務大臣、いかがですか。
#60
○国務大臣(川口順子君) 今、藤崎局長からもお答えを申しましたけれども、PCBの問題というのは、環境という観点から見て、また人体への影響という点から見て非常に重要な問題であると認識をいたしておりますので、米国に引き続き働き掛けるということで対応したいと考えております。
#61
○小泉親司君 つまり、二年間、外務省が七月、二〇〇〇年の七月四日に調査した以降、全く変化がないと。変化がないのか、外務省が怠慢でこれを米軍に対して要求をしていないのか、どっちなんですか。二年間全くその総量が変わらない、こんなおかしな話はないんじゃないですか。外務大臣、どうですか。
#62
○政府参考人(藤崎一郎君) 今、私具体的に申し上げる、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、どういうふうな措置がその後講じられたかということについて具体的に今申し上げるものを持ち合わせておりませんけれども、引き続き、先ほど申しましたように、環境問題について定期的に開催される委員会等を通じまして、米側とPCB問題につきまして鋭意協議してまいりたいと思っておりますし、今、大臣が申し上げたように、国民の健康、安全に影響のある問題であるという観点から、私どもがこういう意識を持っているということを強く米側に説明し、米側にかかる我が方の考え方というものについて理解せしめると。これは十分今までもやっておりますけれども、一層、今、御指摘も踏まえましてやってまいりたいというふうに思っております。
#63
○小泉親司君 私は、この条約上も重要だとおっしゃる、しかも北米局長も繰り返しこの問題については重要だとおっしゃる。それであれば、この二年間でこのPCB廃棄物の貯蔵、保管が一体どういうふうな流れになっておるのか、そのことを確認して当委員会に報告していただきたいと思いますが、外務大臣、いかがですか。外務大臣、ちょっともう時間がないのでお願いいたします。
#64
○政府参考人(藤崎一郎君) 今、私御説明したとおりでございますけれども、本件につきまして、米側としては適切に管理しているというところを申しているところでございますが、私どもといたしましては、本件について、極めて国民の関心も高いということを踏まえまして、引き続き米側との間で環境委員会等を通じまして、私どもの本件についての関心を十分説明し、このPCB廃棄物の問題が安全かつ適切に対応されるという方向で話し合ってまいりたいというふうに思っております。
#65
○小泉親司君 いや、委員長、この問題は条約上も重要な問題だと思いますので、是非当委員会にこの経過、二年間で全くこのPCBの廃棄物は変わっていないなんという一方で、こういう条約をどんどん通す、こんなおかしな話ないと思うんですよ。その点については、委員長、報告を求めたいと思いますが、いかがですか。
#66
○委員長(武見敬三君) 理事会にて、この件に関しては協議をさせていただきます。
#67
○小泉親司君 相模原の廃棄物の百五十トンばかりじゃなくて、総量四百四十トンですから、残りはあと二百九十トンあるんです。その二百九十トンというのはどこの在日米軍基地で使用されているんですか。その点についても、私、確認していただきたいと思いますが、全く、自治体が米軍基地に対して使っているのかと言っても、この報告がない。この点も外務大臣、併せて要求いたします。
#68
○委員長(武見敬三君) 時間でございますので、次に、田村秀昭君。
#69
○田村秀昭君 ちょうど黒船が日本に来たごろに西郷隆盛は次のように述べております。
 文明とは道があまねく行われることを言うので、宮殿の荘厳とか衣服の美麗とか外観の華麗を言うのではないと。そして、文明国なら未開の国に対するときには慈愛を本とし、懇々と説き伏せて開明に導くべきなのに、未開蒙昧の国に対するほどむごく残忍なことをして自己の利益を図ろうとするのは野蛮以外の何物でもないと。こういうふうに、明治維新のときに西郷隆盛は欧米のやり方を見て、言っているわけです。
 そういうことも踏まえて、今回の同時多発テロ、アメリカで訓練をして、それで飛行機をハイジャックしてビルに突入するというような、非常に時間を掛けた計画的なテロ行為というものが行われたわけですが、アメリカはどうしてイスラムの社会からこのように恨まれているのかということについて、外務大臣の御見解を承りたいと思います。
#70
○国務大臣(川口順子君) 昨年九月十一日の同時多発テロというのは人類全体に対する攻撃でございまして、これについては極めて卑劣である、許し難いと言わざるを得ないと考えております。
 他方で、私は、これをアメリカとイスラム諸国の対立というふうに位置付けるということは正しくないと考えております。この点についてはブッシュ大統領も米国政府も非常に気を遣って、丁寧にこの点は使い分けていると私は思います。現に、ほとんどすべてのイスラム諸国がこの同時多発テロに対しての非難を行っているということからも、この問題は米国とイスラム諸国の対立というふうに位置付けるのが適当でないということを意味をしていると思います。
 いずれにしましても、今回のテロの攻撃というのは非常に卑劣なものでございまして、我が国としても、国際的なテロリズムの防止、根絶のために、国際社会の取組に積極的にかつ主体的に取り組んでいく考えでおります。
#71
○田村秀昭君 私は、テロがいいことだなんて一言も言っているわけじゃないんです。テロは許されないことですが、なぜそういうことが起きたのかという分析を外務大臣はどのようにされているかということをお聞きしているんです。だから、イスラム社会とアメリカの対立でなければ、だれとだれの対立だったのか、なぜアメリカがその標的に選ばれたのかということについて、その原因をお聞きしているのであって、テロが悪いとかいいとかという議論をしているのではありません。
 したがって、外務大臣はどのようなその原因について御見解を持っておられるのか、お尋ねしておるんです。
#72
○国務大臣(川口順子君) このアルカイダグループの同時多発テロという行動につきましては、その原因については様々な識者の様々な分析があると思います。ということで、私個人のこの分析をここで申し上げても余り意味がないと思いますけれども、私は、これは特定のアルカイダというグループの米国に対するというだけではなくて文明社会全体に対しての攻撃である、人類へのテロの攻撃であると考えておりまして、それはたまたま今回成功した、テロリストの立場から見て。実際に行った攻撃というのは米国に対してでございますけれども、潜在的にはほかのターゲットもあったようだという情報もございますので、そういった意味でそう考えているわけです。
#73
○委員長(武見敬三君) 田村秀昭君、取りまとめお願いいたします。
#74
○田村秀昭君 時間ですから次に。
#75
○大田昌秀君 外務省にお伺いします。
 モントリオール議定書の九七年度の改正及び九九年度の改正に伴って、本条約に定める規制物質の非締約国との貿易規制を導入することになっていますが、この議定書の署名国は幾つあって、そのうち締約国は幾つありますか。また、非締約国は幾つで、その主要な国々はどこどこですか。関連して、議定書を締約している国の数が少な過ぎるように思いますが、これで効果があるとお考えですか。それが第一点です。
 二点目は、汚染物質の廃絶には途上国での対策を促進することがかぎであると言われておりますが、我が国は途上国に対してそのための技術・資金援助をどう対応しておられるか、お伺いします。
#76
○政府参考人(高橋恒一君) モントリオール議定書の九七年の改正につきましては、現時点で締約国は七十二か国、あっ、七十四か国、失礼いたしました、七十四か国及びECとなっております。それから、九九年の改正につきましては、締約国数は二十五か国でございます。
 それから、この主な非締約国でございますが、モントリオール議定書の九七年改正及び九九年改正によって新たに貿易規制が導入されることになります主な非締約国につきましては、これはこの議定書の第四条におきまして、「特定の規制物質に関して当該規制物質に適用される規制措置に拘束されることについて同意していないもの」という規定がございます。こういうことから、今回の二つの改正によりまして、非締約国との貿易規制が導入されます相手国につきましては、臭化メチル及びHCFCについての非締約国につきましては、九二年改正あるいは九二年改正以前の九〇年改正及び八七年議定書を締結していない国を指すわけでございまして、ロシア、中国、インド等が主な対象国となるわけでございます。
#77
○大田昌秀君 経済産業省にお伺いします。
 いわゆる特定フロン回収法が今月一日から施行となりましたが、産業界、消費者に対してフロン回収などについて同法の実施をどのように周知徹底さしておられますか。
#78
○政府参考人(増田優君) 委員御指摘のとおり、先般制定していただきましたフロンの回収破壊法につきましては、四月一日から冷凍空調機につきまして施行されたということであります。
 これの周知徹底でございますけれども、都道府県、地方自治体の御支援もいただきながら既に百か所近いところでこの説明会等を進めさせていただいております。加えまして、パンフレット、ポスター等も使いまして精力的に今普及活動をしているところでございますが、秋に向けまして更にカーエアコンに関するこの回収破壊法の施行ということが控えておりますので、これまでにも増しまして普及啓蒙につきまして一層の努力をしてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
#79
○大田昌秀君 防衛施設庁へお尋ねします。
 沖縄の恩納通信所の返還の跡地から大量のPCBが発見されておりますが、その処理は現在どうなっておりますか。返還跡地利用ができないことによって生ずる損失について、どのように対応なさるおつもりですか。
#80
○政府参考人(嶋口武彦君) 平成十年三月以降、この汚泥の中に含まれるPCBについては処理方法がございませんので、やむを得ず恩納分屯基地、航空自衛隊恩納分屯基地に一時保管しております。
 他方、やはり早く処理方法を見付けたいということで、平成十一年度から十三年度まで約九百七十万、平成十四年度、更に実証試験のための研究で約二千四百万計上して、今その処理を急いでいるところでございます。
 損失と申しますが、あれは三年以内に引渡しができて結果的には損失は生じていなかったものでございますから、補償は考えておりません。
#81
○委員長(武見敬三君) 時間でございます。
 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正(締約国の第九回会合において採択されたもの)の受諾について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#82
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の受諾について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#83
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#84
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#86
○委員長(武見敬三君) 次に、外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#87
○福島啓史郎君 自由民主党の福島啓史郎でございます。
 まず、外務省改革と民間人大使につきましてお尋ねいたします。
 ジュネーブ軍縮代表部大使に、このたび猪口上智大学教授が発令が決まったわけでございます。御案内のように、猪口教授は軍縮あるいは平和問題の専門家であり、適任だと思うわけでございますが、その選任プロセスと今後の在り方につきましてお聞きしたいと思います。
 まず、どういう経過で選考されてきたのかということ、また民間人にはどういう大使ポストを何人ぐらい考えておられるのか、これにつきまして外務大臣のお考えをお聞きします。
#88
○国務大臣(川口順子君) まず、猪口大使を、その選考の経緯ということでございますけれども、このポストにどういう資質をお持ちの方がふさわしいかという観点から考えまして、猪口教授がふさわしいというふうに考えましてお願いをいたしましたところ、上智大学、本人及び上智大学が快く御承諾を、御同意をいただいて、今回発表させていただいたということでございます。
 それから、全体として民間の大使をどれぐらいということにつきまして、今、何人というように決まった数字は、お話を申し上げるものはございませんが、先般発表させていただきましたのは、この夏をめどに、大使、局長、審議官等といった本省の幹部に約十人を目途に外部の方を、に就いていただくというお話をさせていただきました。
 ただ、これで全部ということではございませんで、今、この点には変える会でも、つきまして変える会で議論いただいているところでもございまして、いい、適材の方がいらっしゃれば柔軟に考えていきたいと私は思っております。
#89
○福島啓史郎君 もう前回も外務大臣に申し上げたわけでございますが、主要国の大使の半数ぐらいは民間人の方が適当ではないかと私は思うわけでございます。
 それで、そうした任命の、大使任命の透明性を高めるための基準及び手続を明確化すべきではないかというふうに考えるわけですが、これについてはいかがでしょうか。
#90
○国務大臣(川口順子君) 外部、外務省以外の人材に大使になっていただくということがございました場合に、その過程につきまして透明性を持たせるということは重要だと私は考えております。そういったことについてどういうようなことが可能か、あるいは適切かということにつきましても、変える会で御議論をいただきたいと思っております。
#91
○福島啓史郎君 十分変える会等で御検討いただき、そうした基準なり手続は、基本的な考え方を外務省職員の大使任命の場合にも適用すべきだというふうに考えます。
 次に、パレスチナ問題につきましてお聞きいたします。
 現状はどうなっているのか。特に、先日、茂田特使を、外務大臣、派遣されたわけでございますが、どういう報告が入っているか。また、最近、ブレア首相とブッシュ大統領が会談したわけでございますが、そうしたときのその様子など、どういうふうに現状を把握しておられますか。
#92
○国務大臣(川口順子君) 現下のパレスチナ情勢でございますけれども、相次ぐパレスチナの過激派によるテロ攻撃及びそれに対する報復としてのイスラエル側のパレスチナ自治地区の侵攻、特にアラファト議長の議長府の包囲といった問題がございまして、暴力が悪循環になっていくということについては非常に危惧をいたしております。情勢は非常に不透明でございまして、私どもとしては憂慮をしているわけでございます。
 茂田前大使を二日の時点で現地に派遣をいたしておりまして、茂田大使は精力的にイスラエル側、パレスチナ側及び米国のジニ特使と会談をしております。イスラエル等でお会いを茂田大使がいたしましたのは、ペレス外務大臣、アヤロン首相外交担当補佐官、パレスチナ・サイドではアブ・アラ立法評議会議長及びエラカート地方自治庁長官、それからジニ特使にお会いをしているわけです。それで現地のそれぞれの考え方について聞いておりまして、また私が託した書簡をお渡しをしているということでございます。
 今、また今朝の時点で、まだ私、報道でしか確認を、聞いておりませんで、確認はしておりませんけれども、様々な動きがまた今あるようでございまして、こうした動きについてもきちんと確認をして適切な我が国の対応を考えていきたいと思います。
#93
○福島啓史郎君 ちょうど第一次オイルショックのときに三木特使を政府が派遣をして、アラブ諸国側を回られたわけでございます。そのときに、二階堂、当時の官房長官から談話を発表したわけでございます。
 その内容は、一九七三年の十一月二十二日でございますが、我が国の、我が国政府は、中東紛争解決のために下記の諸原則が守られなければならないと考えていると。その第一点として、武力による領土の獲得及び占領の許されざること。二番目に、一九六七年戦争の占領地からイスラエル兵力の全面撤退が行われること。三番目に、域内のすべての国の領土の保全と安全が尊重されなければならないということ。四番目に、中東における公正かつ永続的平和実現に当たってのパレスチナ人の国連憲章に基づく正当な権利が承認され、尊重されることという原則を守らなければならないということを示しております。かつ、そうした原則に従って、我が国政府は、イスラエルによるアラブ領土の占領継続を遺憾とし、イスラエルが上記の諸原則に従うことを強く要望するという談話を発表しているわけでございますが、この談話は現在におきましても引き続き有効というふうに解釈してよろしいわけでしょうか。外務大臣にお聞きします。
#94
○国務大臣(川口順子君) そういうふうに御理解をいただいて結構かと思います。
#95
○福島啓史郎君 今、様々な動きもあるわけでございますが、その中の一つには、同じような、第一次オイルショックと同じようなアラブ諸国が原油の禁輸措置を検討しているという情報もあるわけでございます。したがって、我が国といたしまして我が国のポジションを明確にする必要があると思うわけでございます。
 そのポジションの原点は、やっぱりこの一九七三年の二階堂官房長官談話、これを原則とすべきだというふうに考えるわけでございます。総理かあるいは外務大臣からそうした我が国のポジションを世界に向けて発声する必要があるというふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
#96
○国務大臣(川口順子君) 我が国のポジションにつきましては、今まで総理あるいは私からパレスチナ及びイスラエルに対してはそのポジションをずっと述べてきているわけでございます。それからさらに、オスロ合意あるいはミッチェル調査報告書、それからテネット了解等の国際的な、あるいは国連の決議ですね、国際的な積み重ねがございまして、現在ジニ特使がそういったテネット了解につきまして今後の実施の段階についての調停をしていただいているわけでございます。
 我が国としては、そういった国際的な動き、それから我が国としても重要に思う点を踏まえまして、国際社会、一致協力してこの問題に対応していくべきだと考えております。
#97
○福島啓史郎君 もちろん事態は動いているわけでございますが、その場合の基本的な原則ですね、基本的な考え方、それは先ほど申し上げましたこの一九七三年の二階堂官房長官談話が我が国のポジションの原則であるということは、これはそういうことで、そういう理解をしてよろしいわけでしょうか。
#98
○国務大臣(川口順子君) この二階堂談話のそれぞれのポイントと、現在ジニ特使等が調停をしようとしている調停案との間のそれぞれの項目の違いについて、私は、きちんと精査をいたしておりませんので、はっきりこれ二階堂所感そのものですと申し上げることができるか分かりませんけれども、基本的には二階堂先生のこのポイントが我が国の考え方であると思っております。
#99
○福島啓史郎君 これ、別に二階堂先生個人の見解じゃなくて、内閣官房長官としての政府の談話でございますので、この原則に立ったポジションを明確にし、かつ活動されることを改めて要請しておきます。
 次に、IWC、今回下関で開催されます国際捕鯨委員会の年次会合につきましてお聞きいたします。
 今回の下関年次会合の重要事項といたしましては、まず北西北太平洋の調査捕鯨の拡充、それからアイスランドの議決権の回復の問題、それから豪州、ニュージーが提案をするとされております南太平洋のサンクチュアリーの設定の提案、それからブラジルが提案するとされております南大西洋の同じサンクチュアリーの設定提案、それからRMSの完成等があると考えるわけでございますが、こうした重要事項につきましての対処方針について、岩永政務官にお聞きいたします。
#100
○大臣政務官(岩永浩美君) 今回、下関における第五十四回IWC年次会合において、今、委員御指摘があった持続的利用の原則、科学的根拠重視の原則、食糧問題の長期的な対策、あるいは文化の相互理解の四つの原則の下に、資源的に問題がないことが明らかな鯨類については、科学的根拠に基づく持続的な利用が認められるべきという立場に立って対処することにいたしております。
 御指摘をいただいた各事項に関して申し上げますが、一つ調査捕鯨の拡大については、第二期北太平洋鯨類捕獲調査、海洋生態系における鯨類の役割の解明を目的といたしており、今次会合においても、過去二年間の予備調査の結果を報告するとともに、本年から本格調査の計画に対する各国の理解と支持を働き掛けることにいたしております。
 アイスランドの加入問題については、条約の解釈に関する技術的な問題でありますが、関係国間の話合いによって本件問題が解決するように努めたい。
 鯨類サンクチュアリーについては、豪州及びニュージーランドが太平洋に、ブラジルが南大西洋に鯨類サンクチュアリーの設置を再度提案しておりますが、これらの提案は科学的根拠が欠如していることから、その採択には反対することにいたしております。
 また、鯨類資源の新しい管理方式である改訂管理制度については、唯一未完成となっている監視取締り制度を完成することを目指しているところでございます。
#101
○福島啓史郎君 今言われた対処方針の貫徹をお願いしたいと思います。
 それで、今の鯨資源の状況等を見ますと、私は商業捕鯨再開の必要性が高まっていると思うわけでございます。すなわち、鯨は人類が食べる資源の三倍ないし五倍食べているという結果が出ているわけでございます。また、アメリカの西海岸で鯨の胃を調査したところ、その中身はエンプティーである。要するに中身がないと。要するに食べていないということなんですね。えさが少なくなっていると。それから、最近海岸に、これは日本でもありましたし、アメリカでもあるわけでございますけれども、海岸に打ち上げられている鯨多くなっていると。そういうことから見て、私は適正な、鯨についての適正な数量管理が必要となっていると思うわけでございます。
 特に、二年後、平成十六年に南氷洋の調査捕鯨が終了するわけでございますが、この調査捕鯨終了後の商業捕鯨再開に向けての方策についてどういうふうに考えているか、これは水産庁、お聞きいたします。
#102
○政府参考人(中前明君) 捕鯨問題に関しましては、我が国は従来から、持続的利用の原則、科学的根拠の重視、食糧問題への長期的対策、文化の相互理解、この四つの観点から取り組んでおります。
 資源的に問題がないことが明らかな鯨種については、科学的根拠に基づきまして、持続的な利用が認められるべきと主張しております。このような我が国の立場にのっとりまして、我が国は鯨類の捕獲調査も実施しております。鯨類の年間捕食量は約二・五億トンから四・四億トンと、人間の海面漁獲量である約八千万トンの三ないし五倍にも上ることが明らかとなっております。平成十三年三月のFAO水産委員会でも、鯨類と漁業との競合についてFAOは調査を行うことが全会一致で合意されております。このように、近年、我が国の立場に対する理解が徐々にではありますが諸外国に浸透しつつあり、鯨類の持続的利用を認める流れが強まりつつあると認識しております。
 我が国といたしましては、鯨類捕獲調査から得られる科学的情報を利用しつつ、海洋生態系の合理的利用の観点からも、持続的な捕鯨ができるだけ早く実現されるよう、一層努力してまいりたいと考えております。
#103
○福島啓史郎君 そのためにも、先ほど申しましたRMS、これは要するに捕獲限度計算が既に九四年に終わっているわけですね。今まで何をやっているかというと、要するに監視取締り制度について延々と議論しているという状況でございますので、早くこのRMSの完成に向けて特段の努力をお願いしたいと思います。
 それで、今回の下関会合の重要な提案であります我が国の北西北太平洋の調査捕鯨の拡充の問題でございます。これは、IWCの規約上、調査捕鯨は加盟国の、締約国の権利でございますから、やると言えばそれはできるわけでございますが、問題はアメリカのペリー修正法による制裁でございます。今まで三度ばかり、この捕鯨に関しましてペリー修正法の制裁問題が起きたわけでございます。これらのこの三度の経緯につきまして、まず外務省から、経済局長、御説明お願いします。
#104
○政府参考人(佐々江賢一郎君) お答えします。
 我が国の捕獲調査に関しましては、米国政府により、まずこの二〇〇三年の北西太平洋調査の拡大のケースを含めまして、先生おっしゃられましたように過去三回制裁が検討されているわけでございますが、いずれの場合も実際に貿易制裁発動に至ったことはありません。
 二〇〇〇年のケースについて申しますと、クリントン前大統領が同年十二月の末に、その時点では取りあえず発動を見送るということを議会へ報告して、現時点に至っていると、こういうことでございます。
#105
○福島啓史郎君 副大臣、お聞きしますけれども、こうしたペリー修正法という問題が出ますと、その制裁問題という問題が出ますと、我が国の方針といいますか調査捕鯨に対する方針がぐらつくといいますか、のが今までの例だったわけでございますが、今回はそういうことなく、仮にアメリカがペリー修正法による制裁問題をちらつかせたとしても断固やるという方針を明確にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#106
○副大臣(杉浦正健君) 福島先生におかれましては、捕鯨問題に深い御理解と関心を持っていただいて本当に感謝しておるところでございます。
 私どもの世代は、終戦直後、大学生ですが、あのころは鯨が唯一のたんぱく補給源で大変おいしゅうございました。それが、近年なかなか鯨にお目に掛かれなくなっているのは残念であります。鯨は古来、我が国にとっては海の幸の一つでございまして、先生がおっしゃるように、物すごい量の魚を食べますから、魚の資源、食物チェーンを維持するという点からも適切な管理がなされることは大事だと思っておるところでございまして、先生のおっしゃる趣旨を踏まえまして対応していきたいと、こう思っておる次第でございます。
#107
○福島啓史郎君 外務大臣は、先日ブッシュ大統領が訪日されたときに、パウエル国務長官とお会いされているわけでございますが、その際に捕鯨問題も出たやに聞いております。また、別な議員、訪米議員等から、最近アメリカの態度は変化しつつある、捕鯨問題につきましてアメリカの態度は変化しつつあるのではないかという話も聞いておりますが、パウエル国務長官との会談等はいかがでしょうか。
#108
○国務大臣(川口順子君) 二月の十八日にパウエル国務長官と会談をいたしました折に、先方から調査捕鯨についての懸念が表明されました。
 私から、この問題についてはIWCの場で議論をしていきたい、また米国とこの件につきまして対話をしていきたいという応答をいたしまして、我が国の立場を伝えたわけでございます。
#109
○福島啓史郎君 もちろん対話はしなければならないわけでございますが、先ほど申しましたように、調査捕鯨はIWC規約上、締約国の当然の権利でありますので、その点を十分踏まえた対応をお願いしたいと思います。
 それで、今次会合は重要な、下関年次会合は重要な会合でございます。外務大臣も是非出席をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#110
○副大臣(杉浦正健君) 御指摘のとおり、捕鯨問題は重要でございますので、外務省より、現在、水野外務政務官に出席してもらう方向で検討しております。ちょっと大臣は国会の関係で難しゅうございますので、そう対応する考えでおります。
#111
○福島啓史郎君 下関は日帰りもできますので、時間が、余裕といいますか都合が付けば、是非、夕方のレセプションだけでいいと思うんです、お出掛けいただきたいと。検討をお願いしたいと思います。
 次に、有事立法につきましてお聞きいたします。まだ検討中の法案でございますので流動的であるわけでございますが、その基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
 まず、今回の有事立法の全体像でございます。この緊急事態対処法制あるいは危機管理法制の中心としましては、その中核はやっぱり武力攻撃事態への対処だと私は思うわけでございます。したがいまして、その武力攻撃事態への対処ということを今回この武力攻撃事態法案におきまして基本方針あるいは対策本部あるいは事態対処法制の整備等、方向を出しているわけでございます。また、それに併せまして、今回、自衛隊法等の改正を行って、そうした事態におきます自衛隊の円滑、的確な防衛活動等が確保できるようにしようというねらいでございます。
 それで、その全体像でございますが、そうした武力攻撃事態における対応と、言わばその外側として、武力攻撃事態には該当しないわけでございますが、国民の安全にとって重要なテロなり不審船あるいは大災害への対応、これにつきましては、今回の法制の整備を参考としながら必要な立法措置を含めて必要な施策を可及的速やかに講ずるというのが政府の方針だと考えるわけでございますが、上野官房副長官、いかがでしょうか。
#112
○内閣官房副長官(上野公成君) 今、武力攻撃事態法案ということでございますけれども、政府で今検討している中では平和安全法案ということで検討しておりますけれども、今御指摘のように、武力攻撃事態というのは我が国に対する外部からの武力攻撃の事態でありますので、その今おっしゃられたようなテロの行為につきましても、そのテロ等が外部からの我が国に対する武力攻撃に当たる場合は対象になりますし、武力攻撃に当たらない場合は対象とならないというのが、これはそういうことでございますけれども、法案と別に、現在、法制面とか運用面とかで多角的な観点から検討も進めております。
 ただ、武力攻撃以外の国家の緊急事態への対応も大変大事でございますから、このことについての規定、必要な規定も設けることも検討はしております。
#113
○福島啓史郎君 それで、このいわゆる平和安全法案、ちょっと名前が少しソフト過ぎるように思いますが、この武力攻撃事態法案ないし平和安全法案におきまして、国民保護法制、それから自衛隊支援法制、それから米軍支援法制を検討するということに、法制の整備をするというふうになっております。これは何年以内に行うのか。どういうふうに考えておられますか。官房副長官にお聞きします。
#114
○内閣官房副長官(上野公成君) 今、平和安全法案におきましては、武力攻撃事態への対処に関する国の基本方針、それから意思決定の仕組み等を定めるほか、武力攻撃事態への対処に関して必要となる個別法制の整備事項について規定することになっています。
 今お話ありました国民の安全だとか、生活維持に関する法制とか捕虜の助け合いとか、それから国際人道法の実施の確保、いわゆる第三分類と言われているものにつきましては、ここに整備事項として書き込むと。その個別の法案をこれからやるわけでございますけれども、それを、今国会に出るのは少し無理でございますけれども、できるだけ早い時期に出したいと思っておりまして、これは何年以内にというのを今検討中でありますけれども、○○年以内にという形で書き込むように努力をしているところでございます。
#115
○福島啓史郎君 できるだけ早く、○年はできるだけ短い数字で書き込むことをお願いいたします。
 それで、防衛庁長官にお聞きしますけれども、先日、同僚議員から周辺事態法とこの武力攻撃事態法案ないし平和安全法案との関連につきまして質問がありました。私は、両方の事態はまずそれぞれ別な概念であります。かつ、周辺事態からこの武力攻撃事態への移行というのもあり得ると思うわけでございます。したがって、そうした両方の事態となったら両方の法律が適用されるというふうに考えるのが筋ではないかと思うわけでございますが、防衛庁長官の見解はいかがでしょうか。
#116
○国務大臣(中谷元君) おっしゃるとおりでございます。周辺事態と武力攻撃事態というのは、それぞれ別個の判断に基づくものでありまして、両者は異なる概念の事態であります。
 しかし、例えば我が国の周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態である周辺事態が継続している場合において、状況によっては武力攻撃事態の認定が別個にされて、周辺事態と武力攻撃事態が併存する場合というのはあり得るわけでございます。
#117
○福島啓史郎君 外務大臣にお聞きいたしますが、北朝鮮拉致事件につきましてお聞きいたします。
 四月三日から六日まで北朝鮮を訪問した林東源、韓国の金大中大統領特使に対しまして、北は日本の言っております拉致事件はないと、行方不明者なら調査をする用意があるというような態度を示したと。また、近く北朝鮮の赤十字社から日本の赤十字社に対しまして、行方不明者の調査について話し合うというような話があるようでございます。
 こうした北の見解は、全く我が国の立場を無視し、深く傷付けるものであります。あくまでも我が国といたしましては拉致事件ということで解決を進めるべきだというふうに考えますが、外務省の見解はいかがでしょうか。
#118
○委員長(武見敬三君) 時間が超過しておりますので、簡潔に取りまとめてください。
#119
○国務大臣(川口順子君) この問題につきましては、政府といたしましては、従来から北朝鮮により拉致された疑いのある事案として問題解決に向けて北朝鮮側の真剣な対応を求めてきているわけでございます。こうした政府の立場には全く変更はございませんで、政府といたしましては、今後とも北朝鮮側の真剣な対応を粘り強く求めていきたいと考えております。
#120
○福島啓史郎君 終わります。
#121
○広中和歌子君 引き続きまして、今度は一般、外交問題について質問させていただきます。
 このいただきました貴重な時間、中東問題、そして不審船問題、そして沖縄の基地の問題について三点に分けて伺わせていただきたいと思います。
 最初に中東問題でございます。パレスチナ自爆テロに対するイスラエルの行っているパレスチナ自治区への侵攻、そして議長府のアラファト議長の包囲、そして暗に亡命を求めている、こうしたイスラエルの行動に対する日本政府の基本的な立場について、まず外務大臣にお伺いいたします。何らかのアクションを示されているのでしょうか。
#122
○国務大臣(川口順子君) 我が国のイスラエル・パレスチナ問題についての基本的な立場は、両当事者が交渉によってイスラエル、パレスチナの二国家が安全が保障され、かつ相互に承認された境界の中で平和裏に共存をすることに合意をするということでございまして、この紛争が解決されることを希望するということでございます。
#123
○広中和歌子君 そんなことはだれでも希望しておりますよね。
 世界じゅうがこの中東地域における平和ということを願っているわけでございますけれども、それが非常に複雑であると。そういう中で我が国がどのようなイニシアチブを発揮できるんだろうか、あるいは、もしその行動が単独でできないのであればどのような形で世界と協調してやっていくかと、そういうことが問われているんではないかと思いますが、もう一度御答弁をお願いいたします。
#124
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申し上げたのは基本的な立場でございますけれども、具体的に何をそのためにやるかという御質問につきましては、これは、私は三月の下旬、二十九日でございましたけれども、お招きで来日をしたアブ・アラ立法評議会議長とお話をいたしました。また、三月の三十一日にはペレス・イスラエル外務大臣とお話をいたしまして、更に今月の一日にパウエル国務長官ともお話をいたしました。そして、二日には前イスラエル大使の茂田大使を現地に派遣をいたしまして、茂田大使は今までにパレスチナサイド、イスラエルサイド、それから現在、調停のための作業を現地で行っていらっしゃる米国のジニ特使とも会談をいたしております。
 こういったその一連の動きを通じまして、我が国は、パレスチナの過激派によるテロの行為及びそれに対する報復としてのイスラエル側のパレスチナ自治区侵攻及びアラファト議長府包囲といった暴力の悪循環を止めるよう、イスラエルがパレスチナ自治区から即時撤退をするようメッセージを発して、それを求めているわけでございます。
#125
○広中和歌子君 いろいろな御努力をなさっていることは分かりますが、現地の情勢が非常に重大な局面にある中にありまして大使が不在であると。駐イスラエル大使が空席のままになっているという状況があるようでございますね。これの理由は何でございますか。
#126
○国務大臣(川口順子君) 現在、イスラエル大使につきましては手続中でございまして、できるだけ早く現地に派遣をしたいと思っておりますけれども、空席になったというのは、いろいろな、国会開会中に人事異動を行うということが非常に困難であるということ、及び様々な、はっきり申し上げて不祥事等がございまして、外務省の中の人事異動にいろいろ円滑でない部分もございまして、そういった関係でただいま現在は空席になっているということでございます。
#127
○広中和歌子君 それから、アラファト議長が幽閉されていると、幽閉という言葉が適当かどうか分かりませんけれども、こうした現状に対しては我が国は何か行動を起こしていらっしゃいますか。
#128
○国務大臣(川口順子君) アラファト議長が現在、幽閉という言葉が適切なのか、あるいは監禁されていると言うことが適切なのか、いろいろな言葉の使い方はあると思いますけれども、このことにつきましては憂慮いたしております。この観点から、先ほど申し上げましたいろいろな取組の中でイスラエル側に働き掛けているということでございます。
 いずれにいたしましても、イスラエル側に対しましては、アラファト議長の監禁状態の解除、それからパレスチナ自治区からの撤退、即時撤退といったことを含め、最大限の自制を求めているわけでございます。
#129
○広中和歌子君 我が国は欧米に比べて、こう言ってはこの言葉も適切かどうか分かりませんけれども、アラブ諸国についてより緊密な関係があると。そしてまた、我が国も中東への石油依存度というのが非常に高いわけでございますけれども、何か積極的にアラブカードを切れる、切るといったようなことがあるんではないかなというように想像いたしますけれども、いかがなものなんでしょうか。
#130
○副大臣(杉浦正健君) 先生の御指摘になる点は、そのとおりだと思います。
 ただ、今度のこのイスラエル・パレスチナ紛争のキープレーヤーは、これを収めていくやはりアメリカだと思います。イスラエルに対して最も影響力の強い国であります。EU代表団は、この間行きましたが、シャロン首相に、追い返されたと言うと失礼ですが、会えなくて帰っております。怒った声明が出ておりますが、EUも我々ももちろん大臣がおっしゃったような努力はいたしますけれども、やはりキーはアメリカであって、したがってアメリカのパウエル長官に大臣からもよく話をしていただいているわけでございます。
 将来、復興プロセス、ピースプロセスと復興のプロセスがあるわけですが、そうなった場合には、我が国はもちろんその共同の主役の一人になり得ると。それこそ、アラブや周辺国や当事者と協力をしてお役に立っていけるというふうに思っております。
#131
○広中和歌子君 先週の時点で、パウエル国務長官が先週の時点で、来週早々にもと、この現地を訪れるということだったんですけれども、今日は火曜日で、もう既に中東のどこかにいらっしゃるんでしょうけれども、まだ現地に入られていないということで、何か、こんなことを言ってはあれかもしれませんけれども、時間をイスラエル側に与えているのではないかといったような勘ぐりもあるわけでございますが、それについてはどう思われますか。
#132
○副大臣(杉浦正健君) アメリカのブッシュ大統領とシャロン首相は直接電話でやっておりますし、ブッシュ大統領は再三にわたって即時完全に撤退するということを強く言っておられるようであります、これは報道によりますが。
 パウエル長官は、これも報道ですけれども、金曜日ぐらいに入ると。その間、モロッコ等のアラブ各国を回って入るという日程だと聞いておりますが、周辺の国の反応といいますか、を見ながらイスラエルへ入るという段取りは、それはアメリカの判断から出ていることで、ちょっと何とも申し上げようがございませんが、いずれにしても、一刻も早く入っていただきたいというふうに私どもは思っておる次第でございます。
#133
○広中和歌子君 このイスラエル・パレスチナ問題というのは、もう長いこといろいろなプロセスの中で、平和に近づき掛けると、そうすると自爆テロであるとかそれに対する報復だとかといって、いつもぶち壊す勢力も同時に存在しているわけですよね。それは、恐らくパレスチナ側にも存在するし、そしてまたイスラエルにも強硬派がいるということで、本当に繰り返しになっているわけでございますけれども、イスラエル側が期待するアラファト議長の統治能力というんでしょうか、要するに自爆テロも含めてテロをやめさせてほしいという、そういう要求に対して次から次へと自爆テロがやまずに出てくるわけですが、統治能力についてはどのように考えていらっしゃいますか。
#134
○副大臣(杉浦正健君) アメリカ側は統治能力に非常な疑問を持っているような、記者会見等、パウエル長官とかブッシュ大統領の会見等を見ますと、そう見ておるようでございます。
 正直に申して、私も昨年夏、選挙の後、イスラエル、パレスチナを訪問し、その周辺四か国、全部回らせていただきました。アラファト議長にも、当時はまだ幽閉されておりませんでしたが、テロをやめればシャロン首相は即時話合いに応ずると言っているんだから、鶏が先か卵が先かじゃない、ともかく民間人に対するテロですから、それはやめてほしいということを申し上げたんですが、彼はそれに対してイエスともノーとも言いませんでした。ただ、国際社会が関与してほしい、そうじゃなければ収まらないということを繰り返すだけでございました。
 ただ、アラファト議長は民主的手続によって選ばれた指導者でございます、議長でございます、パレスチナの人々から。そういう立場は変わっておりませんので、統治能力の有無が疑われるとしても、しかし、私どもも国際社会もヨーロッパもそうですが、アラファト氏に主役を演じてもらうという立場でやっておるわけでして、アメリカもそこまで否定するという考えではないようでございますので、引き続きアラファト議長に役割を果たしてもらう。大臣のお手紙にもそういうことを触れていただきましたが、そういう立場で責任を果たしてもらうということで話をさせていただいておるところでございます。
#135
○広中和歌子君 イラクが石油の、原油の輸出というんでしょうか、それを一か月停止するとか、石油に絡みまして中東というのは我が国にとって非常に大切な国なんでございますけれども、そこへ加えて九月十一日の、昨年九月十一日のテロ問題もあったりして、要するにこのイスラエル・パレスチナ問題がより大きな中東戦争の火種になるのではないかと、本当にそういう危機意識を多くの人が持っているのではないかと思いますけれども、外務省としてはどのような考えでこの問題に当たっていらっしゃるんでしょうか。
 ともかく、根っこが深いということと、周辺への波及ということを考えますと、本当に、不祥事の問題もいろいろあるでしょうけれども、外務省は総力を挙げてこの問題に、取り組んでいただかなければならない問題というふうに私は認識しておりますけれども、それについてお考えをお伺いいたします。
#136
○副大臣(杉浦正健君) 歴史的にも紀元前五百年代からの根深い問題でありますし、宗教問題も絡んでおりますし、非常に根深い問題でございます。
 先生の御指摘の点は非常に憂慮してやっておるわけでございますが、周辺国との関係などの状況は審議官から報告させます。
#137
○政府参考人(奥田紀宏君) 中東和平問題でございますが、ただいま焦点になっております西岸に対するイスラエルの侵攻という現象は、それ自体大変憂慮すべきことでございますけれども、先生御指摘のとおり、この中東の問題が、中東の問題、中東全体への問題として広がっているということは確かでございます。
 イラクは、必ずしもすべての原油を輸出停止するということではございませんが、たしかトルコに対して三十日間石油の停止ということを言っておりまして、それは我々としても気にはしているところでございます。
 他方、ついせんだってカイロで行われましたアラブの緊急外相理事会では、必ずしも石油の問題までは議論がされていなかったようにも承知しておりますので、多少まだ余裕があるかなという感じでございますので、この多少の時間の余裕のある間に我々としても全力を挙げてこの問題に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#138
○広中和歌子君 それでは、中東問題についてはこれくらいにいたしまして、不審船問題に移らせていただきたいと思います。
 これまで行われている調査は、まず位置確認、そして実態、状況を調べるという、そうした調査、そして最終的には引揚げに至ると、そのように理解してよろしいんでしょうか。
#139
○政府参考人(縄野克彦君) 私どもとしましては、不審船がどのような行動目的で出没したのかということについて解明をするために、最終的には引き揚げたいというふうに思っております。
 これまで、今お話ありましたように、二月末に不審船の位置あるいは船の特定の調査を行いました。この後、潜水船による調査を行いまして、引揚げが可能かどうかという船体調査を行いまして、その結果を踏まえて、引揚げが可能であれば中国と調整をした上で引揚げを図りたいというふうに思っております。
#140
○広中和歌子君 この事件が起きてからの中国、中国の排他的水域で沈没しているということで、当然、中国がどのような考え方を持っているのか、それに対して注目が集まっているわけでございますけれども、私ども日本人からすると非常に何か不可解な感じがするわけでございます。
 唐家セン外相の発言、ともかく状況を更に悪化させ複雑化させる可能性のある行動を取らないようにといったような、そのような発言があり、そしてその後、李鵬首相が日本に来日されますと、今度は全く違ったメッセージを与えるということで、非常に困惑しているというんでしょうか、分からないんですけれども、それをどのような形で受け止めていらっしゃるのか。外務省あるいは防衛庁あるいは海上保安庁、どのようなお考えでいらっしゃるのか、お伺いいたします。
#141
○政府参考人(佐藤重和君) ただいま委員御指摘がございましたとおり、この事案が発生をいたしましてから中国側とは緊密に情報交換を行ってきておるわけでございまして、中国側は当初から、この不審船が中国側の経済水域内に沈没をしたということ、また、そしてそれに基づいて、その中国側のその関係の権益とその中国側の重大な関心を十分に尊重すべきであるということを一貫して表明をしてきているわけでございます。
 先ほど御指摘がございました唐家セン外交部長の発言、それから今回、李鵬全人代委員長が訪日をいたしましてからの発言ということでございますが、こうした発言について、私ども日本政府の方から、これはこういう意味であろう、これはああいう意味であろうと解釈をするというのは必ずしも適当ではないかもしれませんが、私どもといたしましては、唐家セン外交部長の発言あるいは李鵬全人代委員長の発言、これも一貫をしておりますのは、先ほど申し上げました、中国側として、この船が中国側の経済水域内に沈没をしておると、それを前提にいたしまして、中国側の経済水域にあるので、中国側はその経済水域の海洋法上の主権的権利であるとか管轄権というものがあるんだと。そうしたものを前提として中国側の権益とか関心というものを尊重をしてほしいということは、これは全体、その中国側の発言の全体を貫くその基調になっている、ベースになっているものだというふうに考えております。
#142
○広中和歌子君 いや、本当に分からなくて、単なるメンツの問題以上のものがあるのかななんてちょっと勘ぐってしまったわけでございますけれども。
 それで、引揚げをするといたします。そうすると、いろいろなことがその船から分かるんではないかと思うんですけれども、仮にどこかの国のスパイ船だと分かった場合にどういう行動を日本政府としてはお取りになるのか、お伺いいたします。仮定の質問にはお答えできませんといったようなお答えは願い下げに、よろしくお願いいたします。
#143
○政府参考人(縄野克彦君) 仮に、引き揚げた場合に捜査機関でございます私どもとしてやるべきことは、海上保安官に対する殺人未遂という犯罪で捜査をしている立場でございますので、その背景にあったその犯罪の動機は何であるか、つまり不審船の活動内容は何であるかということについて、その事実関係を船内を調査することによって解明をしたいということでございます。
 それによりまして、いろいろ想像で言われておりますけれども、新たにあるいは想像どおりのいろんな事実が確認できた場合には、私どもの国内法令に照らしまして捜査を実施するということになろうと思います。
#144
○広中和歌子君 外務大臣、お伺いいたします、今の私の問いに対してでございますけれども。
 そうした殺人罪云々ということ以上に、どのような装備がされていて、その装備はどこから来ているのかとかいろいろなことが絡んでくるんではないかと思いますけれども、それに対して徹底的に究明をなさり、そして一つの国として、我が国として毅然たる態度でその関係する国々に対応していくのか、対処していくのかどうか、お伺いいたします。
#145
○国務大臣(川口順子君) 委員が先ほど、先のことは先のことということではいけないと言われましたけれども、やはり現在やっていますのは鋭意調査をしているということでございまして、次の段階というのは、先ほど海上保安庁からお答えがありましたように、今の状況を踏まえて次の段階に進んでいくということでございます。
 したがって、それぞれ、その段階でどういう事実関係が明らかになっていくかということによって更にその先の対応が決まってくると私は考えておりますので、今の時点で、先、こういうふうにしますということは申し上げにくいわけですけれども、この調査、解明についてはきちんとやっていく必要があると私は考えております。
#146
○広中和歌子君 ともかく、箱を開けてみたらどうにもならないような状況が起こり得るかもしれないと、ある程度の予測をしながら調査を進められているんではないかと思います。その中身につきましてはお答えできないということなのかもしれませんけれども、本当に正に、何というんでしょうか、私ども日本人としても非常に関心のあるところでございますので、非常に慎重に、かつ、やはり日本の国益を損なわないような対処をしていただきたいと思うわけでございます。
 それで、これまでもいろいろなこうした不審船のような活動があったのではないかと思います。その数とか推定国籍について今まで分かっている部分について、海上保安庁、お答えいただければと思います。保安庁長官、お願いいたします。
#147
○政府参考人(縄野克彦君) 今まで私どもが承知しております不審船の隻数は全体で二十隻ではなかったかと思いますが、その中で国籍が特定をしておるというものは入れておりませんで、例えば高知沖で覚せい剤の犯罪にかかわって立件の段階で北朝鮮の船から覚せい剤を受け取ったというものがございますが、これは特定されておりますのでその不審船では数えておりませんけれども、それ以外のいわゆる行動目的、国籍が明らかでないもの、これらにつきましては、私どもの今の統計ですと、前回の東シナ海の不審船を除きまして二十隻、能登半島は二隻と数えてございますが、二十隻でございます。
#148
○広中和歌子君 その船というのは、いわゆる追い掛けても逃げられてしまった船、つまり捕獲してないわけですね。
#149
○政府参考人(縄野克彦君) この二十隻、昨年のものを入れると二十一隻でございますが、捕獲したものはございません。
#150
○広中和歌子君 海上保安庁の現体制におきまして、不審船発見能力はどのようなものだと自己査定していらっしゃいますでしょうか。
#151
○政府参考人(縄野克彦君) 私どもは、巡視船あるいは航空機によりまして、あるいは私どもだけではなくて、一つは関係機関の監視活動から得られる情報によりまして、さらには、これは特に海の場合には不審な行動をする船というものを漁業活動あるいは海運活動に従事する人から情報を得ることによって、いろんな目で監視のための支援もいただきまして、情報を私どもとして得て、その上で対応をするということに努めておるところでございます。
   〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕
#152
○広中和歌子君 我が国が、外国と国境を陸上で接していないで海に囲まれているということ、それは我が国の国防上非常に有り難いことだと思うんでございますけれども、同時に、ちょろりちょろっと我が国の領海の中に入られたり、あるいは密輸船が来たり、あるいは拉致されたりと、いろいろなことが起こり得るようなそういう状況の中で、私は日本の海域を守るということ、非常に大切なことだと思います。
 海上保安庁が非常に頑張っていていただいていることは十分理解するにいたしましても、今後、このような不審船が来ると、そしてあるいは武力行使に至るかもしれないというようなことを考えたときに、私は、海上自衛隊とそれから保安庁との連係プレーというんでしょうか、それがもっともっと密になる必要があるんではないかと。起こってから一緒にやりましょうというより前に、共同で、例えば日米安保で一緒に共同、アメリカ軍とやっているように、保安庁と一緒に、何というんでしょうか、共同作戦的なものをやっていらっしゃるのかどうか。もしやっていらっしゃらないとしたら、今後、是非それをやる必要があるんではないかと思います。それができないんであれば、海上保安庁そのものの体制をもっともっと強化する必要があるんではないかと思いますが、御意見をお伺いいたします。
#153
○国務大臣(中谷元君) 海上自衛隊と海上保安庁との連携につきましては、これまで共同対処マニュアルを作成をし、また現実に共同訓練も実施をいたしておりまして連携をしているところでございますが、今般の事案等も参考にいたしまして、現在、海上保安庁との連携の在り方につきまして必要な検証、また協議を行っているところであります。
 具体的には、不審船情報に関する海上保安庁との連携、連絡の在り方、これは不確実であっても早い段階から不審船情報を連絡、共有をすること、また不審船対処における自衛艦、艦艇派遣の在り方、これは武装工作船の可能性のある不審船に対して、なるべく早い段階から海上自衛隊艦艇を派遣できないかなどについて検証を行っているところでありまして、このような検討を踏まえて防衛庁としても適切に海上保安庁との連携を対処してまいりたいと考えております。
#154
○広中和歌子君 海上保安庁。
#155
○政府参考人(縄野克彦君) 今、防衛庁長官からお話があったとおりでございまして、不審船というのは正体が分からないという意味で不審船というものでございまして、私どもとしましては、海上保安庁は警察機関でございますので、政府の対応方針としましては一義的には警察機関たる海上保安庁が第一に対処いたします。
 ただ、海上保安庁ではいろんな意味で対処することが不可能あるいは困難という場合には、海上警備行動、警察行動としての海上警備行動を総理の承認を得て防衛庁長官が発令をするという仕組みがございますので、それによって海上自衛隊が、自衛隊が対応するということになろうかと思いますし、それに至らない段階でも、私どもの求めに応じて自衛隊に必要な協力をもらうということを私どもと自衛隊との間で共通の認識にしておるところでございまして、今お話ございましたように共同訓練も実施しておりまして、今回の事件を教訓にして更にその連携体制を強めたいというふうに思っております。
#156
○広中和歌子君 やはり守りなければ、憂いなしで、不審船がちょろちょろするような状況というのは、こちら側の体制がしっかりしていればもう大幅に減っていくんではないかと、そのように予想しておりますので、今後とも防衛庁、海上保安庁と海上自衛隊の連携をよろしくお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 次は、沖縄なんですけれども、SACOの最終報告を受けて九二年に、普天間飛行場が返還されることになった、これはすばらしいことでございまして、なわけですけれども、移設に関するその後の政府の方針などずっと見ておりますと、非常に問題があるんではないかなと。
 返していただいて代替地を差し出さないのはいけないということで慌てて、多分普天間──じゃなくてどこでしたっけ、名護市に移転を決めたんではないかと思うんですが、その後いろいろ問題が出ていますよね。例えば、受入れの条件として十五年の使用問題というのもあります。それから、協議会、第八回代替施設協議会によりますと、リーフ上であり、軍民共用であり、工法は今後検討するというふうになっている。リーフ上であるということで、環境の問題もございます。
   〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕
 それから、軍民共用ということはどういうことかといえば、最初は普天間基地というのはヘリポートですから、小さいものがひゅっと沖合に浮かんでというようなイメージを多くの国民は受けたと思うんですけれども、軍民共用となりますと二千八百から三千メートル級でございます。
 私も普天間基地にも行ってまいりましたし、それからキャンプ・シュワブにも行ってまいりまして、彼らが意図しているのはやはり二千八百から三千メートル級のものを造りたいと。それは軍民共用であろうとなかろうと、そういうことを意図しているわけでございまして、米軍が意図しているものと、それから沖縄県民が期待しているものと、それから日本全体として沖縄の発展がどうあるべきかという視点から考えましても非常に問題があるんではないかというふうに思っているわけでございますが、だれにお答えいただいたらいいんだろう──防衛庁長官、まず、私のこうした疑問に対してどのようにお答えいただけますでしょうか。
#157
○国務大臣(中谷元君) この移設の問題につきましては、地元と常時協議をしつつ進めているわけでございますが、これまでの経緯によりまして、平成十一年の沖縄県知事による移設候補地の表明、名護市長による受入れ表明を受けて、同年末に閣議決定をいたして、その場所についてはキャンプ・シュワブと決定をしたところでございます。
 この決定において地域住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことがないよう最大限の努力を行うものとされているところでもありますし、またこの規模、工法、具体的場所、基本計画等に必要な事項につきましては代替施設協議会において鋭意協議を行っているところでございまして、現在、このキャンプ・シュワブ周辺内の名護市、辺野古沿岸域ということで、この計画に沿って協議を続けているところでございます。
#158
○広中和歌子君 私は、やっぱり最初からやり直さなきゃいけないんじゃないかといったような問題意識を持っております。
 まず第一に、アメリカは、森総理のときもそうでしたし、小泉総理にも人為的期限があり得るとは思えないというふうに言っていらして、十五年の使用期限を決めて普天間からキャンプ・シュワブの沖合にというようなことを想定していないので、まずそこに誤解があるんではないかと思います。
 それから、防衛庁長官、キャンプ・シュワブの海岸に立たれたことございますか。非常に美しい海岸線がございます。そこにどのようなものが建とうとも、仮にサンゴを、というか、サンゴだけではなくて自然に、自然環境に非常に配慮をして何かが仮に建ったといたしましても、三千メートル級の空港があそこにできるということを想像してみただけで正に私はこれはもうクライムだと、もう犯罪行為だと思うわけでございます。
 沖縄というのはどういうところかと。亜熱帯の、日本では珍しい亜熱帯の島でございます。沖縄はこれからの観光、じゃなくて産業振興の目玉に環境を据えております、環境と観光を据えているわけでございます。そういうときに、幾らいろんな国の人々を、いろんな地域から人々に来てもらうためであれ、ああいうところに、海上に空港を造るといったようなことはもう正に自己否定にもつながるんではないかと、そのように思います。
 だから、沖縄県民の立場からいっても、それからアメリカの立場からいっても、十五年の期限を区切ってあの大きな埋立て工事を、飛行場を造るということは間違いではなかろうかと。むしろ新たに陸上に飛行場を造り、それは軍民共用でもどちらでもよろしいわけですけれども、是非そういう方向で検討をし直していただきたいという要望を持って今日質問しているわけでございます。いかがでございましょうか。
#159
○国務大臣(中谷元君) 本件につきましては、地元である沖縄県また名護市、また地元の関係者の方々と密接に協議をして、手順を踏んで、御了解をいただきながら推進をいたしておりまして、現時点におきまして、必要な対策を講じつつ、地元の御理解と御協力をいただいて実施をいたしておりまして、これの早期実現につきまして沖縄県民の皆様方の御理解をいただきたいというふうに思っております。
#160
○広中和歌子君 ただ、最初の出発点が間違っていれば、どんなに協議をしても、どんなに努力をしてもうまくいかないということはあり得るんではないかと思います。
 こんなことで石垣島の例を出しては大変恐縮なんですけれども、あの空港を造る際にも、埋立て案というのが地元で決まりまして、もうほかにはあり得ないと言い続けていたわけです。もちろん、環境の視点から埋立ては反対だということでNGOや政治家やいろんな人が声を掛けたんですけれども、結局、陸上の代替案については不可能だ不可能だと地元の人は言い続けていた。いったん決まったことをやめるということは非常に、メンツのことだけでもなくやはり利害関係も絡みますから大変なことだと思います。
 しかしながら、結局そこにある種の問題が絡んでいるということが分かって、それだったら空港を造らないという状況が出てきたときに、ちゃんと陸上に新しい飛行場の場所が提供されて、そしてそれが造られたということもあるわけでございまして、この沖縄本島のキャンプ・シュワブ沖ということしかあり得ないと、そこでの、何というんでしょうか、小さな話合いで問題が解決するとは私は到底思えないし、沖縄の将来の発展のためにも、そして本来の軍用施設としての適正さからいっても、十五年という期限が限られるような、そういったものを……
#161
○委員長(武見敬三君) 時間が超過しておりますので、まとめてください。
#162
○広中和歌子君 キャンプ・シュワブ沖に造るということに関しては是非是非考え直していただきたいと御要望申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 答弁、もしできたらお願い、外務大臣、いかがですか。
#163
○委員長(武見敬三君) 時間が超過しておりますので、次に移ります。
#164
○山口那津男君 公明党の山口那津男です。
 まず、日朝関係についてお伺いしたいと思います。
 先般の当委員会の質問におきまして、坂口厚生労働大臣がシンガポールにおいて北朝鮮の保健大臣と在外被爆者の関係について会談をするという予定について質問をさせていただきました。ここで日本人拉致問題についても日本側の考え方をしっかりと説明すべきであると、こういう意見を私は申し上げたわけです。しかし、残念ながら、これは北朝鮮側の都合によってキャンセルになったようであります。
 そして、先ごろの報道によりますと、金正日総書記は、この拉致問題ということではなくて不明者の問題であれば応じる用意があるという発言をしたかのような報道もなされております。さらに、今訪韓中の森山法務大臣は、韓国の法務大臣との会談において、拉致問題における日本側の姿勢についての理解を求め、それに対する応分の理解を得られたと、こういうことだと承知いたしております。
 そこで、昨日、金大中大統領の特使が北朝鮮を訪問いたしまして、様々なことについて合意が成立したと言われております。これが米朝関係あるいは日朝関係の今後について進展の兆し、シグナルだとする見方もあろうかと思います。このデリケートな北朝鮮との関係について、これらの最近の一連の出来事を踏まえて、外務大臣として、これからの日朝関係、拉致問題に限定はいたしません、この日朝関係について見通しをお伺いしたいと思います。
#165
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃいましたように、韓国の林特使が北朝鮮にいらっしゃって、そのときに金正日総書記と会談をし、日本との関係では、金総書記が日本とすぐに赤十字会談を開くと言及をしたと、例えばそういうことなど、日本との対話の再開に関心を表明したということは承知をしております。
 このような対話の再開に関心を金正日総書記がしたということにつきまして我が国といたしましては留意をいたしまして、今後とも、日朝国交正常化交渉等の場で、拉致問題を始めとする人道上の問題、安全保障上の問題等につきまして、その問題の解決を目指して、精力的にやっていきたいと考えております。
#166
○山口那津男君 次に、不審船問題についてお尋ねいたします。
 先日の三月十三日、予算委員会におきまして私が質問したことに対し、海上保安庁長官は、潜水士による調査を実施する予定であるという御答弁をされました。水中カメラによる調査は行ったわけでありますが、これではなお足りないものがあるので潜水士による調査が必要だとお考えだと思います。この潜水士による調査によって、どのようなことを調査をさせるのか、あるいはどういう作業を行わせるのか、これらを含めて、この潜水士による調査の予定について御説明をいただきたいと思います。
#167
○政府参考人(縄野克彦君) 二月の末に行いました水中カメラによる調査は、船があの不審船であるということを特定するための調査、それから、あわせまして、水中カメラで見れる範囲で、大きな損傷がないかどうかということも併せて確認をいたしました。
 今回、潜水士による調査を予定をしておるところでございますが、その目的は、潜水士によりまして、引揚げが可能な状況で沈んでいるかどうかということを子細に調べたいということが目的でございます。引揚げが物理的に可能かどうかということを確認をするということでございます。時期としましては、波の高さ、風の強さ、そういう気象、海象の条件次第でございますが、今月半ば以降というふうに考えております。
#168
○山口那津男君 一方、この不審船の問題については、中国の排他的経済水域であると日本側は考えているわけでありまして、この中国側に対する情報伝達等の配慮というのは当然必要だろうと思います。
 この点に関しまして、先日、李鵬全国人民代表大会常務委員長が訪日された折に、外務大臣も李鵬氏と言葉を交わしていらっしゃると思います。その他、政府関係者との会談において、この李鵬氏の発言を踏まえて、中国側の態度というものを、不審船問題に対する態度をどのように認識されていらっしゃるでしょうか。
#169
○国務大臣(川口順子君) まず、この件につきましては、中国側とは、事件が発生をしたその当初から外交ルートを通じまして随時情報提供を行ってきております。今後とも、こうした情報提供は引き続き行っていきたいと考えております。
 先般、李鵬全人代委員長が来日をされたわけでございまして、その際に、この不審船の問題についてお話をさせていただきました。中国の方がその折々に発言をした一つ一つについて私どもの立場で解釈を加えていくということは必ずしも適切ではないと思いますけれども、私からは、その李鵬全人代委員長との会談の折には、日本国の、日本国民の中に船体を引き揚げるべきであると考えている人が非常に多いということを申し上げて理解を求めました。その際、李鵬委員長からは、引揚げにつきまして具体的な言及があったわけではありませんけれども、不審船の問題を日中間の政治的なあるいは外交的な問題とすることなく、外交当局間で理性を持って話合いをしていき、適切に処理をしていくべきであるというお話があって、その点で認識が一致をしたわけでございます。
#170
○山口那津男君 今おっしゃられたような認識の一致を基にして、これからの作業について中国側に可能な限り情報を伝達すべきであろうと思うわけであります。その際、少なくとも中国側の言わば主権的権利、環境あるいは漁業資源あるいは鉱物資源等に対する利益を侵害しないと、あるいはそれに十分な考慮を払って我が国が不審船に対する作業を行っていくと、このことに関する情報をしっかりと伝えて信頼をつなぐ必要があると思うのでありますが、この情報伝達のこれからの姿勢について外務省としてどのようにお考えになるでしょうか。
#171
○国務大臣(川口順子君) おっしゃったとおりでございまして、この地域は中国の排他的経済水域ということでございまして、当然ある権益を、天然資源あるいは海洋環境についての権益を中国側として持っているわけでございます。したがいまして、その点について、仮に船体を引き揚げる場合には、中国側の権利との間で問題が生ずるのであれば調整を図っていく必要があると考えておりまして、李鵬全人代委員長がおっしゃられましたように、適切なチャネルで理性的に問題の処理をしていくということで考えております。
#172
○山口那津男君 そこで、実際の作業をするに当たりましては、この沈没場所が中国側の漁場、公的な漁場であるということと、それからまた国際、公海でありますから、言わば国際航路が付近にあるということもあろうかと思います。そうしたところで作業するに当たっては、その漁船やあるいは航海するその他の船舶との言わば整理が必要でありましょうし、また、実際に潜水作業をする人の安全を確保するということも当然必要だろうと思います。
 この点への配慮に対して、海上保安庁長官、どのようになされるおつもりでしょうか。
#173
○政府参考人(縄野克彦君) この点につきましては、前回の水中カメラによる調査の場合もそうでございますが、私どもの海洋情報部からすべての船舶に対して航行警報、ここでこういう作業を行いますよということを行いますし、それを発出した上で現場において巡視船艇、航空機により必要な警戒を行います。今回も、潜水士が潜るわけでございますので、その作業の安全確保を図るという観点からも厳重な警戒態勢を取りたいというふうに思っておりまして、巡視船艇、航空機により万全の態勢を取りたいというふうに思っております。
#174
○山口那津男君 海上保安庁は、その海上あるいは上空からのそういう作業はできるわけでありますけれども、一方でこの海の中を潜水艦が航行するということも考えられないではありません。あるいは、その船を調査するに当たって爆発物と遭遇すると、こういうこともないとは言えないわけでありまして、海上保安庁が保有していない能力については、防衛庁がこれについての協力をすることが必要だろうと思います。
 防衛庁長官、防衛庁としてどのような協力を考えていらっしゃるでしょうか。
#175
○国務大臣(中谷元君) 海上保安庁が行う有人潜水調査に対する防衛庁の協力につきましては、海上保安庁の安全確保に関する検討を踏まえまして、例えば艦船、また航空機等による警戒監視を行うというようなことが考えられるわけであります。
#176
○山口那津男君 海上保安庁長官に伺いますが、この潜水士調査で、先ほどどのようなことを調べるかということをお伺いしたわけでありますが、私はそれだけでこの捜査の目的等を遂げることはできないんじゃないかと思うわけであります。したがいまして、その潜水士調査の結果を踏まえて、更に引揚げによる言わば船の中の調査ということも及んでいく必要があるだろうと思っているわけでありますが、この点についてのこれからの考え方についてお伺いしたいと思います。
#177
○政府参考人(縄野克彦君) 潜水士調査は深さ九十メートルぐらいの海底の船体を調査するわけでございますけれども、母船、支援の船からホースをつないで潜水をする方式でございます。そういう意味で、船の中に潜水士が入れるわけではございませんので、潜水の目的は、先ほど申し上げましたように、あくまでも引揚げに耐えられるような状態になっているかどうかということを船の外側から確認をするにとどまります。
 そういう意味で、私どもとしましては、この不審船の行動目的、つまり犯罪の動機、目的が何であったかということを解明するためには船の中の調査が不可欠であるというふうに考えておりまして、物理的に引揚げが可能であれば、引き揚げた上でそのような調査をすることが是非とも必要であるというふうに考えております。
#178
○山口那津男君 このEEZについてどのようなかかわり方をするかということは、まだまだ様々な課題を持っているだろうと思います。したがって、これからこの関係国、沿岸国の言わば国際的な情報交換、そしてまた共同して行動すべきこと等々、そういう機会を広げていくべきであると、こう考えるわけであります。
 そこで、防衛庁長官に伺いますが、かつて日本海で海上警備行動を取ったこともあります。今回の奄美沖においては、そこには至らなかったものの、海上自衛隊の艦艇を出したということもあるわけであります。そして、実際に海上保安庁の船が武器を使用したと、こういう結果もあったわけでありまして、この点について、私は特に中国の軍の関係者に対しても、この海上保安庁と海上自衛隊の関係、あるいはこの武装不審船に対処する我が国の基本的な方針、法令の適用関係、こういうことについて一応の理解を求める必要があると思うわけであります。
 中国の軍関係者と近々会って、この点についての説明をするお考えはありませんでしょうか。
#179
○国務大臣(中谷元君) 私の訪中につきましては今月下旬に行う方向で中国側と調整中でありますが、日中防衛首脳会談等の場におきまして、不審船に対しての我が国の取組方や自衛隊の立場、これは海保が主体的に行っており、その協力を行うということをよく説明をしておきたいというふうに思っております。
 また、同時に、周辺諸国とも情報交換等を行い、適切に対処していくことが重要であると認識しておりまして、この訪中の際には、防衛庁の不審船の対処の考え方についても説明をし、理解をいただきたいというふうに考えております。
#180
○山口那津男君 地雷除去支援について、最後に外務大臣にお伺いしたいと思います。
 公明党としては、この地雷除去支援の小委員会を作りまして、これまで探査ロボットの開発の研究の現場とか、あるいは地雷除去をするための処理の機械、具体的にはショベルカーの先にロータリーカッターを取り付けて、植栽を取り除き、そして地面を掘り返し、同時に埋設地雷を破壊すると、こういう作業ができる、そんな機材も調査、視察してまいりました。それらの調査の中で感じていることを三つ申し上げます。
 一つは、この地雷の処理そのもの、もちろん大事でありますけれども、このショベルカー、ロータリーカッターを使ったショベルカーを応用いたしますと、土を掘り返し、余分な植栽を取り除くことによって、その後すぐに農業活動、つまり畑になるということであります。この機械を使えば、土壌中和剤とかあるいは肥料とかいうことも土に取り混ぜて土壌改良もできるわけでありまして、非常に多目的、応用範囲の広いものであります。したがいまして、我が国がこれらに支援する場合には、地雷除去だけの観点ではなくて、こうした農業開発にも注目した、言わば総合的な支援の在り方というものを検討していただきたいと思います。
 それともう一つは、武器輸出三原則との関係でありまして、これは、この原則は外務省の所管ではありませんけれども、しかしこれは従来厳格に管理されてきた、これはこれでよろしいと思いますけれども、人道目的による支援については、私はもう少し柔軟な、かつ武器輸出三原則の趣旨を曲げない、そういう対応が必要であろうかと思います。特にその支援の現場にある外務省といたしまして、この点についての考え方をこれからよく検討し直してもらいたいと思います。
 もう一つは、国内でロボットやそうした処理機材の開発をやっている方々というのは大勢いらっしゃるわけであります。是非、この国内のこういった言わばソースといいますか資源といいますか、こういうものに対して、外務省が近々設置する企画官というポストもあるようでありますから、是非現場、国内の様々な現場をこの目でこの耳で確かめていただいて、効果のある支援策を打ち立てていただきたいと思うわけであります。
 以上の三点、感想を申し述べましたが、外務大臣の所感をお述べいただいて、私の質問を終わります。
#181
○委員長(武見敬三君) 時間が超過しておりますので、次の質問者に移りたいと思います。
#182
○小泉親司君 アメリカの議会調査局が、三月七日、現在行われているアメリカの議会に対して日米関係・百七会期の課題と題する報告書を提出いたしました。その中身について少しお伺いをしたいと思います。
 この議会調査局の報告書は、テロ特措法や京都議定書、捕鯨問題、普天間基地の十五年使用期限問題、日米ガイドライン、日米ミサイル防衛研究など、日米関係の大変全般的な問題について報告をしております。十五年の沖縄基地の使用期限問題では、沖縄の知事が十五年使用期限問題について非常に強調しているということを取り上げながら、ブッシュ政権と国防総省の高官は、日米地位協定を変更することにおいても、沖縄での新しいアメリカ軍の基地の時間的な制限を設定するということについてもずっと反対してきたということを述べているということを指摘しております。
 この中で、テロに対する協力という項目では、日本のテロ特措法について、日本が取った幾つかの対策は憲法で禁止されている集団的自衛権行使の過去の解釈を踏み越えていると見られていると指摘しております。外務大臣はこのような集団的自衛権の解釈を越えると言っている報告書がアメリカの議会に提出されていることについてまずどう考えるのか、まずお聞きをしたいと思います。
#183
○国務大臣(川口順子君) 御指摘の文書は、米国の議会図書館の中にございます米国議会調査局、これは言ってみたら大変に大きな調査をする部門でございますけれども、ここが事実関係を中心といたしまして議員の参考資料として作成をしているのが御指摘の文書でございますので、我が国としてこの文書に政府としてコメントをすることは適当ではないと考えております。
 御質問にありました様々な日米間の課題につきましては、これは私は米国政府との間で政策対話を緊密に行っていく考えでおります。
#184
○小泉親司君 安全保障の問題では、九七年に締結された日米ガイドラインが取り上げられております。ここでは、小泉内閣が集団的自衛権行使に言及していることを強調した上で、ブッシュ政権は、日本周辺地域での危機を含め、九七年の日米ガイドラインを実行する上での日本の役割を向上させるための協定を要求し続けているということが指摘されておりますが、どのような協定を作る、そういう協議を外務省はされておるんですか。
#185
○国務大臣(川口順子君) ガイドライン実施につきましてですけれども、我が国を取り巻く国際情勢には依然として不安定、不確実な要因が存在をしておりまして、効果的な日米防衛協力関係を構築することが引き続き重要であると考えております。この認識の下で、日米両政府は、昭和五十三年に作成されました日米防衛協力のための指針を見直しまして、平成九年九月に新指針を公表いたしました。
 昨年六月の小泉総理とブッシュ大統領の首脳会談におきまして、両首脳は、指針の継続的な実施を基礎として、安全保障協力における今後の方途につきまして様々なレベルで安全保障協議を強化をするということを決定をいたしております。今後、日米間の安全保障協議の中で、両国の役割、任務等につきまして、引き続き指針の実効性の確保に努めてまいりたいと存じます。
#186
○小泉親司君 今、外務大臣がお話しになっていることは新しいことだと思いますが、ということは、日米ガイドラインの中で、その実効性を確保する上で日本の役割を向上させる新しい協定をこれから締結していこうということなんですか。
#187
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたのは、日米間の安全保障協議の中で、両国の役割及び任務等にも焦点を当てつつ、引き続き指針の実効性の確保に努めてまいりますというふうに申し上げておりまして、新しい協定と今、委員おっしゃられましたでしょうか、そういう検討をしているということではございません。
#188
○小泉親司君 私、このような協定を作るということまで言っている報告書がアメリカの議会、先ほど外務大臣もアメリカの議会の議員に参考資料として配付をされておるということをお認めになりましたが、こういうものがやはり出回るというのは非常に私重要な問題だというふうに思います。
 もう一つ、私お聞きしたいのは、日米の、ミサイル防衛の日米共同研究の問題でもこの報告書は、日本では様々な憂慮があるにもかかわらず、日本の防衛当局者は国家ミサイル防衛能力を取得することに高い関心があるように見えるというふうに指摘をしております。
 そこで、防衛庁長官にお尋ねしますが、報道によりますと、アメリカの国防総省が二〇〇五年度に初めての日米迎撃ミサイル共同飛行実験を計画をしている、こういうふうな指摘がありますが、このような計画はあるんですか、そのようなことに日本は参加するおつもりなんですか。その点をまずお聞きしたいと思います。
#189
○国務大臣(中谷元君) その前に、先ほど外務省のお尋ねで、協定を結ぶというふうに言われましたけれども、これ、原文がアグリーメントというふうになっておりまして、合意を追求するというふうな意味として認識をいたしております。
 それから、ミサイル計画のお尋ねでございますけれども、この共同技術研究、日本がやっている研究というのは、海上配備型の上層システムの迎撃ミサイルに関して日米が共同して行っているものでありまして、現在、日米間で合意しているのは、十三年度予算の設計及び試作にかかわる作業までであります。今後、試作品を用いて必要な試験をどのように行うかにつきましては、現在、日米で実施形態を含めて調整中でありまして、報道にあるような共同飛行実験についても実施するかということについては、確たることを申し上げられない、前の段階でございます。
#190
○小泉親司君 報告書については防衛庁長官の方がよく読んでいると思いますので、もう一つだけお尋ねしますが、せっかくですから。
 じゃ、合意とおっしゃっていることは、日米ガイドラインの実効性を確保するための新しい合意をこれからは作っていく、そういうことなんですか。
#191
○国務大臣(中谷元君) それぞれ閣僚級又は審議官級で協議をいたしておりますけれども、現時点において具体的に新しいものを、協定を結ぶというようなことは考えておりません。
#192
○小泉親司君 だけれども、先ほど合意ということを結ぶんだと、それはアグリーメントという合意だとおっしゃったわけですから、そういう合意を追求していくということなんでしょう。違うんですか。
#193
○国務大臣(中谷元君) これは、共同訓練とかまた国際間の二国間協力とか、より実効性のある日米関係の構築という観点で実際に実施し得るものにつきましては、お互いに話し合いの上、合意をしていくわけでありますけれども、取決めをするというようなことを現在念頭に置いているわけではございません。
#194
○小泉親司君 大変あいまいですが、どうも合意ができるような、そういうお話であります。
 米議会の調査局報告書、また、この報告書とは別に弾道ミサイル防衛に関する日米協力という報告書も、大変分厚い報告書も出されております。この中で、弾道ミサイル防衛の日米研究の現段階を非常に詳しく具体的に分析をされている。例えば政党の問題、自民党がどういう態度を取っているとか、民主党がどういう態度を取っているとか、共産党がどういう態度を取っているとか、そういう詳しいことまでこの報告書の中では述べられております。
 その中で、日米研究の目的というのは、北朝鮮のミサイルと台湾、つまり中国のミサイルに対抗するものだというふうな指摘もある。同時に、このミサイル防衛能力は中国の高まる軍事能力に対抗する一つの方法だということも指摘している。
 防衛庁長官は、こういう中国のミサイルに対抗する日米研究というものは、この研究自体も認められる、そういうお考えなんですか。
#195
○国務大臣(中谷元君) この報告書につきましては、外務大臣もお答えになられましたけれども、あくまでも米国議会の調査機関が、米国政府の公式的な見解としてではなくて、また防衛庁に意見の照会とか問い合わせなど関与を全くしないグループが作成したものというふうに認識をいたしておりまして、この記述につきましては一つ一つコメントする政府として立場にはございません。
 なお、このミサイルの研究等につきましては、先ほどもお話をしたとおり、技術研究段階でありまして、第三国のミサイルがどうこうというのではなくて、日本に接近するミサイル等に対して技術的に対処を念頭に置いたものでございますので、特に中国というようなことではございません。
#196
○小泉親司君 何か、あなた方はこの文書を非常に何か出所不明のような印象を与えようとされておりますが、私も三年近くこういうことを取材してまいりましたが、アメリカの議員は全部こういう報告書を読んで、それで対応しているわけです。日本問題についてもこういうふうな資料を基に対応しているわけです。
 ですから、実際にこれは外交問題じゃない、いわゆる安全保障の問題ではないというふうに言っても、それはやはりこういう資料が現実に米議会に報告されている以上、私はこの点をどうかということを指摘しているので、この点をきちんとお答え願いたいと思いますが。
 報告書は、二〇〇一年のクリントン政権がミサイル防衛の目的を変更したということを指摘している。その政策変更というのはどういうものかというと、初期段階や中間段階でミサイルを迎撃する、つまり攻撃するということを目標としたことなんだというふうに指摘をしております。
 こういうやはり政策変更したもの、つまり初期段階や中間段階でもう撃ち落としてしまうと、ミサイルを、そういうふうな研究に日本の技術を提供しても何らの問題はないというふうに防衛庁長官はお考えなんですか。
#197
○国務大臣(中谷元君) この報告書につきましては、個人的な意見としては、現状を分析して客観的に書かれたものであると思いますが、これは一つの御意見であるというふうに認識をいたしております。
 それで、ミサイル等につきましては、基本的には、この記述につきましては、米国のミサイル防衛の概念等に基づいて、アメリカのミサイル防衛の考え方に立った記述でございますが、我が国としては、当初ミサイル研究を実施する際に官房長官が発言をされておりますけれども、基本的に我が国として主体的に対応するためにBMDを研究をするという観点で研究をいたしておるわけでありまして、その基本的な考え方は現在も維持しているわけでございます。
#198
○小泉親司君 防衛庁長官もこの報告書が大変詳細に分析しているとお認めになりましたので、私もそのように読みました。
 この報告書の中では、例えばクリントン政権の政策変更したときに日本の防衛当局者はびっくり仰天したと、こんなことになったら大変だということを指摘をしておりまして、その中でクリントン政権の政策変更についても、ミサイル防衛の共同研究からは日本は脱退しなかった、しかし日本の指導者を動揺させて、二国間のBMD協力に新しい政治的障害を作ったというふうに指摘しながら、この変化は、日本がアメリカのミサイル防衛網の一部となる技術の開発において共同を可能とする立場に立つことになり、日本の政策に複雑な問題を付け加えている、このステップは多くの日本人が集団的自衛権の憲法上の禁止を超えるものだというふうに見ているというふうに指摘をしております。
 つまり、こういうふうなものに対する共同研究への技術提供は、憲法上、集団的自衛権を超えるという憲法違反だというふうに見られているんだと報告書は指摘しておりますが、防衛庁長官はこれでも憲法上も問題はないというふうに見ておられるんですか。
#199
○国務大臣(中谷元君) このミサイル防衛につきましては、私も二度ほどラムズフェルド国防長官にお話をしておりますけれども、あくまで我が国が検討しているBMDは我が国を防衛することを目的とするシステムであって、米国との関連において、集団的自衛権との関係で問題を生じるものではないという観点でこの当初の基本方針を説明をいたしておりまして、この点につきましても米国から理解が得られているところであります。
#200
○小泉親司君 報告書は、日本の現在の五か年計画、いわゆる中期防の中で日本はBMD協力の予算を付け続けている。確かに、この予算委員会に提出されました防衛庁の資料を見ますと、平成十三年度、二〇〇一年度が三十七億八百万だったのに対し、今度は一・八倍、六十九億三千七百万円の技術提供の予算が付いている。もう一・八倍に跳ね上がるというのは大変なことだと思いますが、この予算を続けると同時に二隻のイージス艦を建造中で、BMD能力を支援する技術の取得のための予算をこれまでもずっと約束してきているというふうに指摘をしております。
 ということは、イージス艦というのはこのミサイル防衛にとって欠かせないもの、BMD協力にとって欠かせないものだというふうなことを指摘しておりますが、この点は防衛庁長官もお認めになるんですか。
#201
○国務大臣(中谷元君) イージス艦につきましては、通常の経空脅威に対処するものでございます。
#202
○小泉親司君 BMDと関係ない。
#203
○国務大臣(中谷元君) BMDにつきましてはまだ研究段階で、これを開発、配備するという段階になりましたら改めまして判断をする必要がございます。現時点におきまして、このBMDを搭載するということを決定しているわけではございません。
#204
○小泉親司君 委員長、最後に。
 米議会調査局の報告書というのは、私は、この日米共同研究が憲法で禁止されている集団的自衛権の行使に当たるという点を随所で指摘しているわけですね。それにもかかわらず日本政府が今やっているのは、研究だから開発、配備にならないといって、そういう理屈でごまかしているということもこの報告書の中では述べられております。しかも、この中には、日本が膨大な負担を強いられると。報道では一兆円だと言われている。
 私は、こういうアメリカのミサイル防衛を引き続き進めることはやはり憲法上も重大な疑義があるという点で、この日米研究自体はやめるべきだという点を指摘して、私の質問を終わります。
#205
○田村秀昭君 外務大臣に引き続き、先ほどの質問に引き続き質問をさせていただきます。
 我が国は、日米安保条約の下、米国と深く付き合っていかねばならない二国間関係にあります。したがって、米国をよく理解していかねばならないと考えている者の一人です。お互いの理解度が、我が国がアメリカを理解する、米国が日本を理解するという意味では、まだ十分な段階に至っていないという認識に私は立っております。
 アメリカ人が共生できる相手は、米国に住みたい、英語を学びたい、働きたいといってやってくる人たちとは共生できますが、アメリカ人は異なる価値基準を持った異民族とは共生するのが弱点ではないかと私は思っておりますけれども、外務大臣はどのようにお考えになっていますか。
#206
○国務大臣(川口順子君) 日本にとってアメリカは非常に重要な同盟国でございますし、日米間の経済関係、相互依存度ということを考えますと非常に強いものがありまして、その観点で、委員がおっしゃられるように、日米、日本人とアメリカ人が相互に理解をし合うということは大変に重要なことだと私は思っております。
 それが十分になされているかどうかということにつきましては、私は相互理解については満点というものはないと思っておりまして、多々ますます弁ずということだと思います。したがいまして、現在、日本人と米国人の間には相当高いレベルでの相互理解が存在をすると思っておりますけれども、更に相互理解を増すように努力をしていくべきものだと考えております。
#207
○田村秀昭君 外務大臣のおっしゃったことに私は賛成でございますが、具体的に、今のような状況で、今のような状況というのは、今のような日米関係の構築で更にお互いを理解するということはそんなに進まないと思うんですよね。だけれども、どのような方法がお互いを理解するいい方法なのかということについて外務大臣はどのようにお考えになっているか。私は、アメリカが世界各地で行っている考え方、価値基準というものを理解していくことが非常に重要だと私は思っておりますけれども、その点、どのようなお考えを持っておられるかお聞きして、時間もありませんので、質問を終わらしていただきます。
#208
○国務大臣(川口順子君) 私のこれは本当に個人的な感想を申し上げるということになると思いますけれども、私は今まで相当に長い期間米国に住んだ経験を持っております。その経験をベースに米国人を見て私が思っている印象は、アメリカの社会は大変に重層的な、様々な、多様な社会だということでございます。したがいまして、アメリカ人を一つの色で染めて見る、あるいは一つの眼鏡で見て判断をするということは、私は適切ではないと考えております。
 それをまず前提として申し上げまして、アメリカ人が更に世界の各国の異なる多様な状況について十分に理解を持ってもらうということは重要だと思いますし、それからまた、日本人、特に日本の若い人たちが米国の現在の社会の在り方あるいは米国人の考え方、そういう意味ではアメリカ人だけではなくてアジアの人々、イスラム社会の人々、西欧の人々、アフリカの人々、様々な国、人々に対してより深い関心を持っていくということも重要でございまして、教育やあるいはその他の情報を適切に与えて関心を持ってもらうということの努力は我が国にとってもまだまだ必要だと思っております。
#209
○大田昌秀君 外務省が設置したイスラム研究会の座長を務められ、中東と沖縄の関係にも造詣の深い板垣雄三東大名誉教授は、雑誌「世界」のインタビュー記事の中で、沖縄や横須賀が米国の対中東戦略の要衝であることは、沖縄県民を除き、一般国民には意識されていないという趣旨の御指摘をなさっております。
 私も全く同感でございますが、先日来、国際問題調査会などにおいて、我が国にとって中東諸国との友好関係がいかに重大であるかということについて議論されてきたわけでございますけれども、今申しましたように、沖縄を始め在日米軍基地が中東をにらんだ出撃拠点であるとともに補給基地になっています。この事実について、外務大臣と防衛庁長官の御認識を伺いたいと思います。
#210
○国務大臣(中谷元君) アジア太平洋地域において引き続き不安定要因が存在する中で、日米安保条約とこれに基づく日米安保体制というのは、我が国の安全及びこの地域の平和と安定のために重要な役割を果たしております。在日米軍につきましては、このような日米安保体制の中核を成すものでありまして、我が国に駐留する米軍に対し必要な施設・区域を提供するということは、日米安保条約の目的達成のために不可欠なものであるというふうに認識をいたしております。
 したがいまして、在日米軍基地は我が国の安全及びアジアの太平洋地域の平和と安定のために重要な役割を果たしているものであり、中東に向いているという御指摘は当たらないものであるというふうに考えております。
#211
○大田昌秀君 外務大臣、お願いします。
#212
○国務大臣(川口順子君) 私も、防衛庁長官が今おっしゃられましたように、この地域におきまして依然として不安定性、不確定性があるわけでございまして、我が国としては、今後とも米軍のプレゼンスを確保いたしまして、その抑止力をもって我が国及びアジア太平洋地域の安全と平和を確保していくことが重要であると考えております。
#213
○大田昌秀君 外務大臣にお伺いします。
 外務省から沖縄に派遣されている沖縄大使の職務と権限はどうなっていますか。大使制度を設けて以来、何が変わり、何が変わっていないかについて御説明ください。
#214
○政府参考人(原田親仁君) 沖縄担当大使でございますけれども、沖縄担当大使は、次に申し上げます事項について、沖縄にございます外務省事務所の事務を総括して、必要に応じて上京して政府関係者に報告するという職務を担っております。
 その職務の第一ですけれども、在沖米軍に関係する問題及びその関連における日米安保体制全般について、沖縄県の自治体、議会、民間団体等から意見、要望を聴取する。その二は、在沖縄米軍の諸活動や地位協定の具体的運用に関する事項について、在那覇米総領事館、在沖縄米軍との間で連絡調整等を行ってこれらの問題に対応する。第三に、沖縄県の自治体や民間団体等と在沖縄米軍との間の交流事業について可能な支援を行う。第四に、日米安保体制の意義、沖縄米軍基地問題に関する政府の立場について、沖縄県の自治体、議会、民間団体等に対して説明、広報を行うことでございます。
 その設置以来、それ以前は外務省の機関がなかったわけでございますけれども、その設置以来、国、地元、米軍の円滑な意思疎通、交流、問題の解決等に大きな役割を果たしてきていると考えております。
#215
○大田昌秀君 国際的に環境問題が非常に注目されるようになっておりますけれども、先ほど採決されたように、様々な国際的取決めが環境について行われております。しかし、その一方で、環境破壊が際限もない形で進んでいるという事実もございますが、まず沖縄県内で、実弾射撃演習などによって復帰後今日までの山火事の発生件数、焼失面積とその防止策について教えてください。
#216
○政府参考人(嶋口武彦君) 復帰後から十三年末までに四百二件でございまして、実弾射撃訓練に伴う山火事が起きています。そのうち三百八十件については、どの程度焼けたかということにつきまして記録があります。それによりますと、三千百ヘクタール。ただ、全然新しい部分が焼けたということじゃなく、いろいろ重なってでありましょうけれども、三千百ヘクタール。あと、二十二件については記録がございません。
 このことについて、私ども、大変周辺の住民に不安を与えると、いろんな迷惑を掛けておるということでございますので、累次、米軍に対してはこういうことが起こらないように申し入れています。具体的に申し上げますと、訓練に際して天候等よく考えてくれとか、できるだけ火災の発生するようなものを撃たないでくれとか、こういうようなことを申し入れております。
 また同時に、私どもといたしましても、もっと消火を早くしてくれということで、従来は現地の部隊から基地、司令部を通じてヘリコプターのある部隊に通報して、それで消火するというようなことをやっていますけれども、それじゃ遅いんで直接やってくれというようなこと、それから消火用の道路、これは消防車が通りやすくするような道路整備だとか防火用の道路の幅を広げるというようなことで様々な工夫を話しておるところでございますけれども、引き続き努力してまいりたいと考えております。
#217
○大田昌秀君 外務大臣と防衛庁長官、お二方にお伺いいたします。
 SACOの最終報告が出た後、国防総省は二度にわたってその普天間の移設先について報告書を出しておりますが、一方、アメリカ議会の会計検査院の方も実に詳細な報告書を出しておりますけれども、防衛庁長官、その報告書の内容をお読みになったこと、若しくはスタッフからレクチャーを受けられたことがありますか。同じ質問を外務大臣にも伺いたいと思います。
 そして、その報告書の中で環境問題についてどのような指摘がなされているか、御説明ください。
#218
○国務大臣(中谷元君) 委員の御指摘は、国家環境政策法とかベースマニュアルのことでしょうか。この点につきましては事務方から説明をいただいておりまして、環境面、雇用面に配慮した施策を取っているということでございます。
 我が国の場合は、環境面に関しては汚染についてあらかじめこの蓋然性等を調査をし、適切に除去、処理、処分することとされておりますし、また、雇用面に関しては、駐留軍従業員の雇用対策について、雇用の安定的確保に向けて知識、技能の習得のための職業訓練対策の強化を図ることなどという内容を跡地対策準備協議会等の基本方針にまとめて、これに基づいて実施をしているわけでございます。
#219
○大田昌秀君 その前にちょっとお願いします。
 若干、私の質問と内容が違っておりますので、外務大臣に端的に御説明をお願いしたいんですが、今申し上げた国防総省の報告書と会計検査院の報告書において、普天間の代替施設について環境問題との関連でどういうふうに述べておられるかということをお伺いしているわけでございますから、端的にお答えください。
#220
○政府参考人(原田親仁君) 申し訳ございません。今、手元には米国会計検査院の報告書の抜粋のみしか私、持っておりませんので、追って調べて御報告したいと思います。
#221
○委員長(武見敬三君) それでは最後に。
#222
○大田昌秀君 はい。最後に申し上げますけれども、報告書の中では、この移設先についての環境問題と関連して、二重の意味で環境破壊のおそれがあるということが具体的に指摘されておりますので、どうかその点を確認していただきたいと思います。
 以上で終わります。
#223
○委員長(武見敬三君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後零時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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