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2002/05/07 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 外交防衛委員会 第13号
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2002/05/07 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 外交防衛委員会 第13号

#1
第154回国会 外交防衛委員会 第13号
平成十四年五月七日(火曜日)
   午後六時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     山下 英利君     舛添 要一君
     榛葉賀津也君     齋藤  勁君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     泉  信也君     鶴保 庸介君
     吉岡 吉典君     大門実紀史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         武見 敬三君
    理 事
                山本 一太君
                吉村剛太郎君
                木俣 佳丈君
                山口那津男君
                小泉 親司君
    委 員
                河本 英典君
                桜井  新君
                鶴保 庸介君
                福島啓史郎君
                矢野 哲朗君
                山下 善彦君
                海野  徹君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                広中和歌子君
                遠山 清彦君
                大門実紀史君
                吉岡 吉典君
                田村 秀昭君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
   副大臣
       外務副大臣    杉浦 正健君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        安達 俊雄君
       外務大臣官房審
       議官       林  景一君
       外務省アジア大
       洋州局長     田中  均君
       外務省中南米局
       長        島内  憲君
       外務省経済局長 佐々江賢一郎君
       文部科学大臣官
       房審議官     玉井日出夫君
       厚生労働省職業
       安定局長     澤田陽太郎君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   酒井 英幸君
       農林水産省総合
       食料局国際部長  村上 秀徳君
       経済産業大臣官
       房審議官     佐伯 英隆君
       経済産業大臣官
       房審議官     鷲見 良彦君
       経済産業省通商
       政策局通商機構
       部長       田中 伸男君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     松井 英生君
       国土交通省海事
       局長       安富 正文君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○新たな時代における経済上の連携に関する日本
 国とシンガポール共和国との間の協定の締結に
 ついて承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送
 付)

    ─────────────
#2
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十六日、榛葉賀津也君及び山下英利君が委員を辞任され、その補欠として齋藤勁君及び舛添要一君が選任されました。
 また、本日、泉信也君が委員を辞任され、その補欠として鶴保庸介君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(武見敬三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 新たな時代における経済上の連携に関する日本国とシンガポール共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官安達俊雄君、外務大臣官房審議官林景一君、外務省アジア大洋州局長田中均君、外務省中南米局長島内憲君、外務省経済局長佐々江賢一郎君、文部科学大臣官房審議官玉井日出夫君、厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君、厚生労働省職業能力開発局長酒井英幸君、農林水産省総合食料局国際部長村上秀徳君、経済産業大臣官房審議官佐伯英隆君、経済産業大臣官房審議官鷲見良彦君、経済産業省通商政策局通商機構部長田中伸男君、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長松井英生君及び国土交通省海事局長安富正文君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(武見敬三君) 新たな時代における経済上の連携に関する日本国とシンガポール共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 本件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○海野徹君 川口大臣、大変御苦労さまです。若干質問をさせていただきます。
 大臣が中東を訪問されているとき、私たちもインドと中国を回っております。両方で共通の話題はやはりFTAだった。やはりこれは日本に対する期待、あるいは日本も戦略的にやらなくちゃいけないなというのを痛感したわけなんですが、若干FTAに関連しながら、シンガポールとの要するに協定について御質問させていただきたいなと思います。
 まず最初なんですが、シンガポールと今回のEPAですよね、経済連携協定、これ経済投資協定じゃなく経済連携協定ということなんですが、これを要するに締結した背景がどこにあるかということなんですが、日本にとって初めてのFTAだと。これは今までの伝統的なFTAと若干違って、物、サービスの貿易だけじゃなくて、資格試験の相互承認、あるいは要するに知的所有権政策等、文化、学術面の幅広いこれ連携を含んでいるEPAだということなんですね。経済連携協定だということですから。これは進化の、ある程度要するに協定内容が進化しているのかなということも見て取れるわけなんですが、NAFTAなんかでも環境問題をこの協定内容にしているわけですから、そういった意味では進化しているのかなと。ただ、そういうことに積極的に評価したいところであります。
 人、物、サービス、金、情報の自由な国境移動、これが国内の不況を打開する起爆剤の一つになればというような期待もあり、切にそれを願うわけなんですが、また中長期的な視点から不可欠である構造改革、これを進めるような起爆剤、そういうものにもなってもらいたいなと、有効な手段となってもらいたいなという思いがあるわけなんですが、わずか日本のGDPに対して影響というのはシンガポールは〇・〇七%しかない。非常に貿易量としてはごくわずかな要するに貿易相手だということなんですね。
 ただ、こういうことは今回のFTAで何もじゃ生まないかというと、貿易量だけの問題じゃなくて、むしろ要するに初めてですから、出遅れたかなというような思いもあったのを、これは第一歩になったんじゃないかなという思いもあるわけなんですが、それともう一つ、中国がASEANとの要するにFTAを十年後にというようなこともありまして、それに対するある種の牽制かなという思いも理解はするわけなんですが、先ほど申し上げましたように、最初のFTA、EPAを相手国がシンガポールだったということが、その背景は何があったのかと、その辺をお聞かせいただきたいなと思います。
#7
○国務大臣(川口順子君) おっしゃるように、シンガポールは我が国にとって最初のFTAを含むEPAということであるわけですけれども、この理由は様々あると思いますけれども、一つはシンガポールが我が国と同じような経済についての考え方、市場経済を共有しているとか、考え方が同じ国であるということです。それから、もちろん主要な貿易相手国、投資相手国の一つでもあります。
 さらに、シンガポールはASEANの原加盟国の一つでございまして、そういう意味で、東南アジアと我が国の関係を深めていくということのきっかけという意味では大きな意味を持つということだと思います。
#8
○海野徹君 今は二点ほど大臣は背景をお話があったわけなんですが、シンガポールはいろんなところでFTAを結ぼうとしていますよね。ニュージーランドとはもう既に締結しておりますし、カナダ、メキシコとも今協議中だと。EU、タイ、香港、台湾などとももう既に協議を開始するような動きに出ているということもありますし、アメリカとの協議も早々に実現するんではないかという見方もあるわけなんです。
 こういう意味で、シンガポールというのは自らのFTAに対する積極的な姿勢をASEAN全体に拡大している、そういうような状況にあるわけなんですが、今年一月、小泉首相がASEANを訪問したとき、その演説の中で日本とASEANの包括的経済連携構想というのを打ち出しましたね。これは、投資の自由化、IT、エネルギー安全保障など幅広い分野での連携を強化するという内容なんですが、手順と目標時期の明示がこういうものって必ず不可欠だと思うんですが、それにもかかわらず総理の提案にはそういうことがなかった。
 日本とASEANのほかに、韓国、中国、オーストラリア、ニュージーランド、更にはアメリカまで、余りにも対象範囲が広過ぎるんじゃないかという問題もありますし、具体的な交渉期限など、実現を目指す期間の設定がないというようなことがあったり、あるいはFTAを前提に議論するわけじゃないよというような発言が小泉総理から出ているというようなところもあるわけなんですが、政府としてはASEAN各国との個別協議と並行して推進していく方針というように聞いているわけなんですが、日本・ASEAN包括的経済連携協定というのは具体的にどんなイメージなのか、何をまた期待しているのか、その辺について外務大臣の御見解をお伺いしたいなと思います。
#9
○政府参考人(田中均君) 一月の総理のシンガポールでの演説の中で、ASEANとの経済連携、包括的な経済連携構想というものを打ち出しました。
 なぜ時限が付いていないのか、なぜ方法論、具体的な方法がないのかというお尋ねでございますけれども、一つはASEANとの外交といいますか、基本的な考え方として、物を一方的に押し付けるというわけにはいかないということがあります。総理が演説をした中でも、ともに歩みともに進むというのが基本的な考え方で、基本的な趣旨としては日本とシンガポールでやったようにより深い経済的な連携をやりたい、これが日本の東アジアの外交にとって、ASEANあるいは韓国、こういう国々とより深い経済的な連携を進めていくということが日本の外交にとっても大きな利益だというのが基本的な発想だろうと思います。
 その具体的な中身でございますが、これは今後ASEANと相談をしていくということでありますし、具体的には、物とかサービスとかのみだけではなくて、情報であるとかあるいはいろんな、科学技術、教育、そういうより深い経済的な連携を作っていきたい。これにつきまして、具体的な方法論でございますけれども、先般、日本・ASEANフォーラムという、これは次官レベルの会合でございますが、この場で日本の考え方を説明をし、ASEANとの間で一つのコンセンサスができました。それは、具体的な方法としてツートラック、二つの道筋でやりましょうと。一つは、そのASEAN全体との関係で、どういう分野で連携が可能かということについて引き続き協議をしていきましょうということが一つ、それからもう一つのトラックは、準備ができている国と二国間でやっていきましょうということでございます。これにつきましては、具体的に、タイが真っ先に手を挙げて、日本との間でより深い経済連携を詰めていきたいと、こういうタイ側の意見というのもございまして、具体的にタイと協議を進めていくということになっております。
#10
○海野徹君 外務省としての見解は、何か期待するか、あるいはどういうイメージを持っているかという、杉浦副大臣に。
#11
○副大臣(杉浦正健君) 実は、FTAにつきましては、小泉内閣発足と同時に副大臣会議の中にFTAプロジェクトチームというのを発足いたしました。もう何回か会合をやっておりますが、その昨年の第一回あったのは七月ぐらいだったと思うんですけれども、その時点での政府部内の状況を聞きますと、この状況としては、うまく進むかどうか分からないというような、非常に雰囲気としては消極的雰囲気があったわけです。
 ところが、その後、急速に盛り上がってまいりまして、その時点ではメキシコとやっておりました。韓国とは民間レベルのあれやっておったんですが、シンガポールとは政府間でやっておったんですけれども、政府全体としてFTAについての前向きな姿勢がここのところ強く出ているように思います。今日、通産とか農水の関係者が来ておられますけれども、シンガポールがその先鞭を着けたということだと思います。
 今年の一月に小泉総理がASEAN諸国を訪問されまして、田中局長言われたように、経済連携協定、ASEANとの、打ち出されたわけですが、その小泉総理のスピーチは、一月十四日ですけれども、シンガポールで政策スピーチをなさったわけです。小泉総理の政策スピーチのその一つが日・ASEAN包括的経済連携構想なんですけれども、小泉総理はその中で、ともに歩みともに進むコミュニティーを東アジアで作っていこうという非常に格調の高いスピーチをなさいました。
 小泉総理の師匠である福田総理が、もう四分の一世紀前ですけれども、福田ドクトリン、マニラで打ち出されました。福田総理は、イコールパートナーシップ、心と心の付き合いということを強調されたある意味で歴史に残る演説だったんですが、それを小泉さんが私は意識しておられるんじゃないかという感じがいたしました、正直言って。
 そのスピーチは、さっき田中局長が言った、日・ASEANフォーラムというのをもう十八回か十九回やっているんです、もう長年にわたって。その積み重ねの上で出てきた小泉総理の考えだと思うんですけれども、私は、この日本の政府がFTAを含むこの包括的経済連携構想、いろんな形で、いわゆるWTOの多角的なマルチの自由貿易へ向けての枠組みを補完する、バイあるいは地域的なFTAなり包括的経済連携構想に向かって私は小泉内閣になってからかじを切られたんじゃないかという認識を持っております。
 シンガポールはその第一歩になったわけなんですけれども、これはシンガポールの事情もございましたし、というのは、ゴー・チョクトン首相に私は昨年七月会ったんですが、ゴー・チョクトンおっしゃっていましたが、シンガポールは小さなこまみたいなものだ、回っていないと倒れる、だから可能性のあるあらゆる国々とFTAの話を、さっき先生がおっしゃったように始めているんだ、始めようとしているんだということをおっしゃっていました。
 シンガポールはもう事実上関税ゼロに近くて、入ってくるものはほとんど自由なんです。ただ、相手国との間でもっと広範な関税引下げその他の仕組みを作って、その自由貿易、関税ゼロに近い状態の恩恵をもっと広げたい、そしてこまは速く回したいと、こういう考え方でいらっしゃるんじゃないかというふうに思ったわけでございます。
 これから、今、韓国、メキシコと政府間協議、産官学の協議を始めておりますし、タイも熱心です。この間、総理がベトナムに行かれましたら、投資協定をやろうという申出があって、これ前向きに進め始めるようです、ベトナムでございますが。
 だから、いろんな形で各国との間で、より自由な相互間にお互いに恩恵のある枠組みを作っていこうという動きが進んでいくんじゃないか。進んでいくことがまた、いろいろ困難ありますけれども、日本の経済への活性化、構造改革、発展にとってプラスになる面も多いんじゃないかというふうに思っている次第でございます。
#12
○海野徹君 今、副大臣お話がありましたが、若干やっぱり東南アジアの見方というのは、我々が評価するほど要するにいい評価というよりもかなり厳しい評価をしているというようなことが聞こえてくるんですけれども、経済産業省にちょっとお聞きしたいんですけれども、もう少し戦略的に積極的に今言ったような問題点、期限とか目標年次とか、そういうものをやはりもっと詰める必要があるんじゃないかなと。押し付けるんじゃなくて、やっぱりお互いによりよく発展していくわけですから。
 これは、たまたま上海では、私ども、上海国際問題研究所というところで所長が基調講演をやったのを私聞いていたんですが、中国なんかは要するに友達、ダブルウイングでいこうなんというようなことを言っていました。やっぱりお互いが相互に協定を結ぶことによって更なる発展を目指していくということがこれはもう期待されているわけですから、もう少し今言ったような、対象範囲を要するに広げ過ぎているような連携構想じゃなくてもう少し絞った形で、具体的な交渉期限なんかを、実現の期間設定なんかをすると、そういうことというのはお考えられないんですか。
#13
○政府参考人(佐伯英隆君) お答え申し上げます。
 経済産業省といたしましては、発展するアジアの熱気といいますか成長要素をより一層積極的に我が国に取り込んでいくということが日本の経済の活性化に非常に大事と考えております。そういうのがベースにございまして、先ほどから御議論になっておりますASEANの包括的経済連携構想でございますが、単にFTAだけではなくて、人材の交流ですとか技術の交流、あるいは観光までも含めた非常に幅広い分野を取り上げるのが適当と考えております。
 その今後の、今後どういうふうに進めていくか、いわゆるタイムスケジュールでございます。
 これは、御指摘のとおり、いわゆるタイムフレームというのは現在の段階で明確なものはないわけですが、実はASEANとの間では経済大臣レベルでの定期的会合があります、日・ASEAN経済大臣会合でございますが。これで、昨年、日・ASEAN経済連携強化のための専門家会合というのが設置が合意をされまして、今回までに既に二回専門家会合が開かれております。この検討結果、あと二回ないし三回開きまして、今年の秋に再度開催が予定されております日・ASEAN経済大臣会合に報告をして、その報告、この経済大臣会合から、我々の希望としては、その後、首脳会合に報告をされて、そこら辺で何らかの政治的御決断を首脳にいただくというのが、我々がイメージをいたしております、経済産業省としてイメージをいたしております一つの流れと考えております。
#14
○海野徹君 アジアにおける日本のFTA、今回のASEAN包括経済連携構想というのは、やはり昨年の十一月に中国とASEANが十年以内にFTAを締結しようと、そういうような合意がされたという中国の動きというのが大変刺激になって、急速な日本側からASEANへのアプローチがあったかなというようなことが、確かに積み重ねはあったにしても、そういうことが要するに急速に進展をさせたということがあるのかなと思うわけなんですが、FTAを通じて東アジアに投資市場を作りながら、あるいはより大きな発言力の獲得をWTOなどの多国間機構において目指す、そういうことは日本の外交戦略上非常に有益なアプローチになると思いますし、ある意味では、EAECあるいはAMFなんかで必ずしも成功しなかったというようなこともありまして、だから、そういうことを踏まえると、この連携構想が要するに意味、意図するところということは分からないわけじゃないんですが、外務省としては、アジアにおけるこの自由貿易構想というのは、具体的なイメージというのは戦略的に持っていらっしゃるんですか。
 また、ある意味では、ヨーロッパとか、アメリカ州というんですか、全体の北米、南米含めた、あるいはアジアの、要するに三極体制というようなものを確立するというようなイメージまで持っていらっしゃるのかしら。その辺のことを御見解をお聞かせください。
#15
○副大臣(杉浦正健君) 日本政府、外務省全体としての統一見解と言えるかどうか分かりませんが、私は総理の演説、スピーチを拝聴しまして、総理のお気持ちの中には、ともに歩みともに進むコミュニティーを東アジアに作ろうではないかと、コミュニティーという言葉を使っておられます。具体的には、ASEAN10プラス3、日韓中、そしてオーストラリア、ニュージーランドぐらいまで含めた広範なコミュニティー作りをしようじゃないかということを呼び掛けておられるわけなんで、総理の念頭の中には、例えば今、EUという形でヨーロッパの統合が進んでおりますけれども、そういった事柄を念頭に置いておられるんじゃないだろうかと。
 ヨーロッパの統合も、あれは鉄鋼共同体から始まったんですね、終戦直後。経済の共同体を作ることから始まって、五十年たってそこまで、今のところまで来たわけで、アジアはもっと複雑で多様な世界ですから、なかなか一直線にはいかないと思うんですけれども、そういう大きな東アジア全体のまとまりを念頭に置いていらっしゃるのかなという印象は一面ございました。
 それはそれとして、この経済の広範な連携を図っていくことはお互いの経済のためにプラスでございますし、これも困難はいろいろあるんですけれども、これはお互いの利益だと。アジアの中にも本当にいろいろ様々な意見があることは承知しておるわけなんですけれども、日本、日・ASEANフォーラムの、もう何年やっているんですか、長い間やってきている議論の流れを見ても、アジアの経済がどんどん発展してくる、これはもう日本も含めてお互いに提携していこうよという、そういうこの大きな気持ちの流れというのはあるように思うんですね。
 先生がおっしゃった、中国が呼び掛けた、ASEAN10プラス中国でFTAをと。実はそれは中国のお考えはお考えなんですけれども、それより先に日・ASEANがフォーラムを作ってやっていた流れとは別でございまして、中国の方が意識しておられるかどうか分かりませんが、それはそれでいいと思うんです。それはそれでできる、日・ASEANはASEANでできるというのもいいと思います。
 私は、ある意味では副産物だと思うんですが、韓国が去年の秋ぐらいの時点では、とても日本とのFTAなんて話にならないという声が聞こえてまいったんですが、中国の提案がございましてから、その民間レベルでやっておったフォーラムの話を聞きますと、急に韓国が熱心になったと。つまり、中国が発展する、それでASEANとの関係もずっと進んでいく、日本とASEANも進んでいく、そうすると韓国は間で埋没しちゃうんじゃないだろうかという気持ちを韓国の経済界の方々が持たれたようだと、これは印象ですけれども。で、去年の秋口以降、韓国側は非常に熱心になられて民間の合意ができ上がった。それを基にして、総理が韓国に行かれたときに政府間協議を金大統領に申し上げて、で、向こうが応じて、正式に産官学の協議が始まったわけなんですけれども。そういった、私に言わせていただきますと、副産物のようなものがあったのかなという感じがいたします。
 いずれにしても、韓国も含めて、様々な、非常に多様な世界です、複雑な世界ですし、発展のレベルも様々でございまして、ダイナミックな世界でございますから、そんなに一直線にいくとは到底思えませんですけれども、紆余曲折しながら、次は日韓、あるいは日本、メキシコ、あるいはベトナムとの投資協定、タイの方も何か非常に熱心にアプローチしておられるようですから、そういうマルチあるいはバイの話がこれから様々な形で進んでいって、それが東アジアに投資しようというと、まあ一遍にはいかないでしょうけれども、自由なマーケットができ上がっていく方向に向かうんじゃないかという期待を持っておるわけなんですが。で、それは日本にとっても大変にプラスになることだと、私はそう思っております。
#16
○海野徹君 外務大臣にお伺いしたいんですけれども、今、副大臣からお話ありました。私、インドへ行って、インドの政府要人からも要するにFTAの話が出て、FTAの前にFTZだという話も出たんですよね。現場の人たちと話しても、要するにそういうFTZから始めませんかという話もあるんですよね。で、非常にインドというのは中国を意識していますから、だから韓国から東南アジアを含めて南アジアまで、日本との要するに自由貿易協定を結びませんかというような話も出てきているわけなんです。まあこれは食事をしながらの話ですから公式的な話じゃありませんが、しかし非常に日本に対するそういう意味での要するにリーダーシップ取ってほしいという期待があるわけなんですよね。
 今、副大臣もお話があったんですが、更に進めて、東南アジアから南アジアまでを含めた要するに自由貿易連携構想というようなことについては、大臣、御見解ございますか。
#17
○国務大臣(川口順子君) FTAあるいはまあそういった精神を酌む幾つかいろいろな枠組みがあると思いますけれども、同じような考え方があると思いますが、そういったものが議論をされ実現に向かっているというのは、それは今のWTOの枠組みを更に深掘りして貿易を自由化するという試みですから、私はうまくその合意ができた間同士でそれが進むというのは非常に結構なことだと思っています。
 貿易の自由化が進めば、当然、経済の活性化が進むわけでございまして、それなりに経済で、貿易の自由化の結果、マイナスの影響を受けるセクターも当然あるわけですけれども、それが経済の活性化にうまく転換が進むことによって経済の活性化が進むということになるというふうに思います。
 ただ、どことでもできるということではありませんで、それなりに各国考え方がありますし、我が国としては当然、まあ今考えているのは東南アジア、ASEAN地区で考えているわけですけれども、その次の段階として私は更にそれがほかの地域をも含むように広がっていくということはあり得ることだろうと思っております。
#18
○海野徹君 今、大臣おっしゃるように、その次の段階としてという話なんですが、やはり大きな中長期的な観点から、そういうようなプログラムというんですか、あるいは要するに工程表というんですかね、やっぱりそういうものを持ってこれからやっていただきたいなという思いをします。
 現実に話していますと、やはり話の要するにほとんどがそういう方向へ行くんですよね。日本に期待するものは非常に大きいんじゃないかなと思います。
 その中で、今回のシンガポール協定の中で、との連携協定の中で約二千の農水産物が適用除外になっている、二千種類。このことがやはりこれから日本がFTAを進める中で非常に限界を、この要するにわずか、シンガポール、あるいはGDPの中での影響、FTAでの影響が〇・〇七%と言われるシンガポールにおいてすら二千種類の農産物が適用除外となっているということは、要するに日本がこれからFTAを進める非常に限界を露呈してしまったんではないかなというような懸念を持つわけなんですが、それを、要するにそうじゃないというお話なんでしょうが、どうもその辺が気になるんですよね。
 今進めているという韓国あるいはメキシコあるいはASEAN、どうしても、要するに農産物を除いたら余りFTAとする魅力というのはなくなっちゃうんじゃないかなという思いもありますし、その点について、なぜ、要するに規模的に第一歩として、あるいはモデルとしてもしこれを位置付けるんだったら、そのことまで含むことはできなかったんだろうかと。
 確かに、ある意味じゃマイナスのセクター、マイナスの影響があるセクターがあると、これはもう当然なんですよね。それを、要するに克服する、あるいは国内的な調整をしながら進めていくという第一歩を踏み込んでほしかったなと思うんですが、その点について非常に気になるものですから、御答弁いただきたいなと思います。
#19
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 先生が今指摘されたことは、コップの中に入っている水があるとして、この空の部分の方を主として見るか、水の入っている部分の方をまず重要だと思って見るかという差はあると思います。
 御指摘のとおり、この協定での農業貿易のカバレッジというのは必ずしも一〇〇%でないわけでございますけれども、重要なことは農業分野がカバーされているということであるというふうに思っております。
 ガットの二十四条協定上の実質上すべての貿易を自由化するという点に質的な意味で農業貿易は排除してはならないということでございますし、また、この協定においては実際上、ガットの無税それから実行無税について二割、品目ベースで二割程度はカバーされているわけでございますから、かつ、全体として見れば、シンガポールからの輸入の九四%は自由になっているわけでございますから、全体としては非常にガット上も遜色のないフリー・トレード・アグリーメントであるというふうに思っているわけでございます。
 農業につきましても、実行の無税あるいはガットの無税につきましてこれをオファーをしたということなんでございますけれども、これがすべての今後も進むであろうFTAあるいは経済連携協定の、そのまま踏襲されるかどうかということについては、それぞれの国との間の貿易の状況、更には既に始まっております新ラウンドの交渉の動向を見ながらやっぱり考えていかなければいけない問題だと思いますし、貿易の自由化と同時に、正当な国境保護、国内産業の保護という観点も重要であるというふうに思っております。
#20
○海野徹君 先週の日豪首脳会談でも、オーストラリア側では、すべての分野で日本との自由貿易協定を希望しているというような発言があったやに聞いております。しかしながら、声明では、最終的に目指すべきゴールとややトーンダウンした形になっているという報道に接しました。将来的なFTA締結を視野に入れながら実績を積み上げていくことの方が重要というような文言もありましたが。
 そういう表現になっていくと、やはり農業分野での市場開放について日本の態度が余り、要するに、態度を決めかねてその辺の問題を先送りしているんではないかなというふうな、本当に国内調整というのがなかなか苦手な、要するに、それが何なのか、縦割り行政の弊害なのかあるいはほかに問題があるのか、そういう印象を与えてしまっているんじゃないかなと思っているんですが、その点についてはどうなんですかね。決してそんなことはないということなんですか。
#21
○副大臣(杉浦正健君) 確かに、このFTA交渉、日本の場合、一番農業問題が大きな問題になると思います。シンガポールの場合は、幸いあそこは農業、ほとんどないと言っていいぐらいの国ですから話がうまくいったわけで、例えば韓国になったらそう簡単にはいかないと思います。
 ただ、農業関係の交渉がWTOの分野でこれから進められていくわけですね。バイのFTAの場合は、お互いの問題について、国内の問題が様々ありますから、そこへ配慮してお互いが納得できる線を話し合って決めるということも不可能ではないと思いますんで、例えばオーストラリアでも、あれはケアンズ・グループと、肉とか乳製品なんかはすごいんですけれども、実際問題としてすごくあそこから輸入しておりますし、これからの話合いで絶対に不可能だというふうにも私は思えないんですが、そのお互いの長所を生かし合いながら、しかもお互いの弱者に配慮をしながら私は話合いはできないことはないと思っているんですが。
 ただ、先生が言われた、縦割り行政の話が出ましたですけれども、副大臣PTでも農水省が一番腰引けていますね、それは間違いないですね。それは後ろに農家という問題の多い人たちを抱えているからだと思うんで、しかし、ここのところ農水省の方も少なくとも後ろ向きじゃありません。農水省の人、来ているかな。一言あったら言ってほしい。
#22
○海野徹君 非常に副大臣は楽観的なことをおっしゃっているんですけれども、平沼経済産業大臣も四月五日の閣議後の会見で、農業分野はどの国でも非常にセンシティブと言いながらも、農業分野とて聖域ではなく、十分に状況を踏まえながら関係国との間で解決を見いだすのが肝要であるというようなお話をしていますね。正にそうだと思うんです。私も、農家出身でお茶を作っているものですから、新茶の時期は大変だったんですけれどもね。まあ、それは余分なことで。
 やっぱり、農水産物、農林水産物というか、それも含めて、対象に含めて聖域なきFTA、こういうのを締結すべきだと、やっぱりそれが大事じゃないかなというように思うんですが、もう一度御答弁いただきたいなと思いますけれどもね。
#23
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 先ほどガットの二十四条協定、二十四条の話をいたしましたが、実質上すべての貿易を自由にするという意味は、主要なセクターを除外してはいけないというふうに解釈されているわけです。したがいまして、FTAを結ぶ場合に、農業が入らないFTAはあり得ないというふうに思うわけです。問題は、その中でどの程度農業の市場開放、あるいは保護のレベルを下げることが可能かということだろうと思います。シンガポールの場合は、現在のレベルを固定化したということでございます。
 ほかの国の問題については、それを、国内の状況を十分踏まえながら、先ほど先生がおっしゃられましたような市場の更なる自由化によるインパクト、その構造改革上のインパクトも考えながら考えていくということではないかと思います。したがいまして、これは必ず一つのフォーミュラがあるんだというふうには思っておりません。国別によって、競争力の格差も違いますし、それから農業貿易の占める比重も違いますので、それぞれの国の状況を勘案しながら考えていくということではないかと思います。
#24
○海野徹君 その後の状況を考えながらということですが、それはもう当然のことなんですね。FTAを締結するということ自体が要するに目的じゃありませんから。要するに、締結する理由とその後の経済社会をどう考えるかというのがこれは重要だと思うんですよね。これは国内においても国外においても同じだと思うんです。ある意味では、企業活動を円滑化するとかアジア諸国との対話を通した外交安全保障のこれを一助にするとか、あるいは信頼醸成など、日本のFTAを進める目的をやっぱり明確にしていく必要があるんじゃないかなと思うんですが。
 外務大臣、今、シンガポールを始めとして、メキシコ、チリとかカナダとかオーストラリアというのは全部相手が言ってきているんですよね、日本に、FTAどうですかと。というふうな私は状況かと思うんですが、日本から積極的にどうだろうかというようなFTAの積極性がどうも私は感じられない。これは要するに私どもの入ってきた情報が誤った情報なのか分かりませんが、そういうようなことを感じるわけなんです。
 これから日本が戦略的にFTAを締結したいと思って今進めている国は一体どこが具体的におありなんでしょうか。向こうから来たんじゃなくてこちらがね。あるいは、その理由は何なんでしょうか。そういうものというのはあるのかないのか。今、私が言ったような国以外とは一切FTAの話をしていないということなのか。
#25
○国務大臣(川口順子君) まず、日本がこの点について全部受け身なということでは、受け身であるということではないということでございまして、今話が進んでいるASEAN、これは我が国から持ち掛けて話を進めているということでございます。
 そのほかのことについて、今どういうところと話が進んでいるかということは経済局長からお答えします。
#26
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 韓国とメキシコについては既に、韓国につきましては民間あるいは学界のレベル等で既に研究が行われておりましたけれども、これは経緯的に言いますと、もちろん韓国の方で非常に強い意向が当初あったわけでございますけれども、日本側の方にもそうしたらどうかなということがありまして、元々の経緯からいうと、双方がこの問題について非常に関心を有したということが事実ではないかと思います。
 現在行われている、これから行おうとしている政府も入りました研究につきましても、これは双方の合意でやっているということで、決して日本が後ろ向きであるということはないと思いますし、それから、メキシコにつきましても既に研究が行われております。恐らく今年の夏ごろにはこの研究も終了するのではないかなというふうに想定をしているわけでございますが、それにつきましても、日本政府としてこれを受け身でとらえているということはなくて、これを踏まえて更にどういうふうに前に進めていくかということを考えるということになるのではないかと思います。
#27
○海野徹君 受け身か受け身でないかということ、積極的にやられていると思うんですが、こちら側から提案したかどうか、多分向こうが提案があったものをこちらがやっているんじゃないかなということだったんですが、その辺は結構です。
 それから、これは今後のFTAのことなんですが、国内の構造改革というような視点からも必要ですし、安全保障あるいはアジアとの共存というような視点からも十分に私はこれ取り組んでいく必要があるんじゃないかなと思うんですが、日本のFTAに対する積極的、主体的な取組というものを大いに希望するわけなんです。政府としては、外務省としては、その辺についてこれからどういうようなプログラムを持っていらっしゃるのか、あるいはどういうような姿勢で今臨んでおられるのか、ちょっとお伺いしたいなと、重ねてのお伺いなんですが。
#28
○政府参考人(田中均君) 何点か申し上げたいと思うんですけれども、一つは、FTAと申しましてもそんなに簡単なものではないというふうに思います。これは、先ほど農業の問題がございましたけれども、それぞれの国において保護している分野というのはあるわけですから、今のWTOの規則において、すべての貿易分野、九十数%を関税ゼロにしなければいけないというのはそんなに簡単なことではない、非常に難しいことだと思います。特に、途上国にしてみれば、それは非常に難しいことであると思います。ですから、そういう意味で、自由貿易協定というのがそんなに簡単に短時間でできる性質のものではないということが一点あると思います。
 それから二点目は、同時に、FTAというのは、正に経済、物とか人、サービス、それを自由化していくということですから、余り遠い国とやっても意味がない。輸送コストが非常に大きいような国とやっても余り意味がないので、基本的には日本の近隣諸国、特に東アジアにおいて経済連携、特に物だけではなくて、人とかあるいは技術、サービス、金融も含めた相当深掘りをした経済連携を作っていくというのが外務省としては正しい戦略ではないかというふうに考えているわけです。
 ですから、そういう意味で、ASEANがそうですし、韓国がそうですし、将来的には豪州、ニュージーランドとは何らかの形の経済連携ということを考えていくべきだと思いますし、それが長い将来は、先ほど副大臣からお答えを申し上げましたように、東アジアにおける一つの経済的な、統合といえば大げさかもしれませんけれども、そういう一つのマーケットに向かって進んでいくということが、先ほど委員も御指摘がありましたように、日本の安全保障という観点からもそうですし、日本の外交政策としても正しい方向ではないかと。
 取りあえずは、この東アジアというものの中で経済連携の網の目を作っていきたいというのが基本的な考え方ではないかというふうに思います。
#29
○海野徹君 大変難しい問題であることは要するに十分承知しているわけなんですが、アメリカがFTA、非常に熱心ですよね、積極的ですね。二〇〇〇年以降はFTAの取組というのは非常に積極化しているんです。それで、ブッシュ政権も二〇〇一年三月に通商課題というところでFTAの推進を課題の一つに挙げているんです。四月には、二〇〇五年の五月までにFTAA協定締結交渉終結、十二月までに発効確認というようなコメントも出しているんですよね。そういうことを考えると、やっぱりもっともっと要するに我々は積極的にやるべきじゃないかなという思いがあるんです。
 それは問題はありますよ、大変ですよ。特に、アメリカはアジア、中南米においてFTAAの協議を加速しているんですよね、これはもう十分御存じだと思うんですが。中南米とのFTAA交渉というのはテロ、麻薬対策の国際的強化という意味合いもあるみたいですし、アメリカとシンガポール協定にはアメリカにとって戦略的な意味もあると。いわゆる地域横断的FTAというようなもので、非常にアメリカのFTA戦略というかFTA政策というのははるかに進んでいるなという思いがあるんですが、この点について、じゃ学ぶべきものがあるだろうし、我々も要するにそれを凌駕しなくちゃいけないぐらいの気概が必要じゃないかと思うんですが、その辺どうなんでしょうか。
#30
○政府参考人(田中均君) 私も、是非委員のような御意見が日本の国内で強い意見になっていけばいいなという気持ちはありますが、ただ同時に、日本もようやくシンガポールで最初のケースを開いた。これは大変膨大な作業であったわけですし、新しいことをやっていくというのは相当多大な労力が必要になる。ですから、それが一つの基礎としてできたわけですから、この基礎の上に立ってまずASEANとか韓国とか、そういう周りをやはり固めていくということではないかというふうに思います。
 確かに、米国はFTAA、アメリカ大陸すべてを自由貿易地帯にしようというものがありますが、そんなに簡単なものではないし、もっとずっと前から始まっているんですね。過去十年ぐらい掛けてそういう構想が議論がされてきた。現に、ヨーロッパでもそうですけれども、何十年掛かってより高い市場の統合ということになってきている。ヨーロッパの場合には、要するに同じような発展段階の国々の自由貿易地域ですから比較的容易であったと思います。それでもあれだけ時間が掛かっている。
 米国も元々米加ということで始まっているわけで、そういう意味で、日本はこの地域において同程度の先進国がいなかったというのは非常に大きなハンディキャップになっていたことも間違いないと思うんですね。ですから、そういう意味で一朝一夕にできるものではない。シンガポールを一つのベース、モデルとして、是非まず東アジアにおいてそういう網の目を作っていきたいというふうに思うわけでございます。
#31
○海野徹君 それはよく事情は分かるわけなんですが、とにかくそれだけに急いで頑張っていただきたいなという思いがあります。
 最後の質問なんですが、アメリカが輸入鉄鋼製品に対するセーフガードの発動をしたと。日本も報復関税の発動を準備しているというようなことが聞いているわけです。アメリカも、そうしたら更に何らかの対抗手段を打つ構えのような話も聞いているわけなんですが、その点について今御意見というか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#32
○政府参考人(田中伸男君) 経済産業省の田中でございます。
 先生の御指摘のとおり、今、米国が鉄鋼製品につきましてセーフガード措置を発動をしたわけでございますけれども、基本的な問題は、やはり米国鉄鋼産業のリストラが遅れて競争力がなくなってきたということがその根本にあるわけでございますので、これを基本的に海外からの製品の輸入を制限して克服しよう、救おうというのは大変遺憾なことであるというふうに我々は考えておるわけです。
 先日、平沼大臣が訪米いたしまして、ゼーリック、エバンス両閣僚とちょうちょうはっしの議論をしてきたわけでございますけれども、このアメリカの措置というのはやはりWTOの協定上非常に問題があるというふうに思っておりまして、撤回を求めてきています。やはり、アメリカは、先生御指摘のとおり、自由貿易の旗手として頑張ってもらいたい、適切な対応を取るべきであるということをさんざん言ってきているところでございます。
 御指摘のありました報復関税等々の対抗措置という御議論でございますけれども、基本的にはこの措置、リバランシングの措置と申しますけれども、米国が取ったセーフガードについて即リバランスを打つことについては、私ども輸出国に認められた当然の権利だというふうに考えておりますけれども、EUと緊密に連携を取りつつ、今その事務的な検討を行っているところでございます。
 これと併せまして、代償をアメリカが本来出せば基本的により貿易は拡大するわけでございますので、代償を出したり除外を出してもらうということが、自由貿易メカニズムを更に進めるという意味でアメリカのリーダーシップを発揮することになるんじゃないかということで、私どもは話合いを続けているわけでございます。
 今後とも話合いは続けていくわけでございますけれども、いろいろな措置の検討に当たりましては、国内の消費者、産業への影響、こういった点を十分考えて対応したいと考えております。
#33
○海野徹君 時間が来ましたから。ありがとうございました。
#34
○小泉親司君 日本・シンガポール自由協定について質問をいたします。
 我が党は、今回の協定は、平等、互恵、経済主権の見地に立っているという点で賛成であります。
 以下、質問をいたしますが、今回の協定は我が国にとって初めての自由貿易協定になるわけですが、既にWTO協定があり、各国の貿易の枠組みが定められております。今回の二国間の自由貿易協定では、関税の完全撤廃へ向けての取組が非常に強調されている。例えば、資料で見ますと、品目ベースで見た関税撤廃でいきますと、シンガポールから日本への品目の関税については、WTOでは三四・二%の無税状況に対して本協定では七六・九%、日本からシンガポールでは、一六・六%に対して一〇〇%というふうなことになっています。
 そこで、私、重要な点は、この二国間の自由貿易協定が国内の地場産業、中小企業、農林水産分野について大きな悪影響を及ぼさないのかという点が非常に心配するところなんですが、何か農林水産分野についてはシェアが一・五%で、そう大きな影響はないというふうなことが言われておりますが、例えば繊維産業などで競合する分野があるというふうに指摘されています。こういう分野についての悪影響については、今度の自由貿易協定では出ないのかどうなのか。そのことについて、まず初めにお尋ねしたいと思います。
#35
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 先ほども議論ございましたけれども、政府といたしましては、このWTOを中心とする多角的貿易体制をまず維持強化するということが政策の基本でございまして、その上で、貿易自由化や経済活性化を図っていく上で他の国、地域とFTAを積極的に推進していく、こういう考え方に立っておるわけでございます。したがいまして、シンガポールの協定もそういうものとして、できる限り自由化をできるものは両国の間でしていくという観点に立って交渉を行ったわけでございます。
 その際に、当然のことながら、関税を含めた自由化を更に推進していくときに、国内への影響がどうなるのかということは当然に勘案しなければいけないことでございまして、農業分野につきましてはとりわけ国内でセンシティブな面があるということで、基本的な対応として、現在、WTOに対して無税を譲許しておりますもの、それから実行税率で無税であるものを基本的にシンガポールにオファーして交渉したということでございまして、実態上の意味からすれば、その現状を法的に固定化したということで、更なる悪影響というのは基本的には防がれているというふうに思うわけでございます。
 工業品分野につきましても幾つかのセンシティブな品目がございまして、この部分についてはそれなりの手当てを行って自由化をしたということでございます。
#36
○小泉親司君 今回のシンガポールの場合は、農林水産分野が極めて小さいことから締結が容易であったというふうに説明されております。今後、外務省によりますと、韓国やメキシコやASEANなどとの自由貿易協定の締結の可能性を探るというようなことが行われてきているというようなことでありますが、やはり、今後、こういう国々によりますと比較的農林水産分野が非常に大きくなってくる可能性もあるという点では、こういう分野への影響が及ばないような、そういう慎重な取組がなされるべきだというふうに思いますが、外務大臣にその点だけお尋ねしたいと思います。
#37
○国務大臣(川口順子君) おっしゃるように、FTAをこれから我が国が進めるに当たりましては、我が国や相手国の国情や、何を考えているか、あるいはセンシティブな産業分野が何かといったようなことを考えながら、幅広い観点から議論、検討していくことが必要と考えております。
#38
○小泉親司君 次に、鈴木宗男疑惑の問題について質問させていただきます。
 四月の三十日、連休前の四月の三十日に、宗男氏の秘書宮野氏と渡辺建設工業社長、犬飼工務店社長、日本工営、日揮の関係者が逮捕されました。この逮捕は、偽計業務妨害事件被疑事実の要旨によりますと、六月上旬、北海道釧路所在のいわゆる鈴木議員の事務所において、日本工営の担当部長が渡辺建設工業と犬飼工務店のジョイントベンチャーに対し、予定価格を漏えいして入札を不調に終わらせ、支援委員会との随意契約に持ち込んだとされているものであります。
 この点について外務省の報告、いわゆる園部レポートは、この入札の経緯について、今回の調査の範囲では明らかとならなかった、また本案件受注に至る経緯について、今回の調査の範囲では鈴木議員の関与は確認されなかったとしております。
 私、コンサルタント会社である日本工営がこのような入札に非常に深く関与していたということは極めて重大な問題だというふうに思います。その点で、今度の調査は検察当局ばかりでなく、外務省としても改めて私、調査すべきだというふうに思いますが、まず、外務大臣にこの点をお尋ねしたいと思います。
#39
○国務大臣(川口順子君) 園部参与の調査につきましては、またそれからその後、監査法人で調査を行っておりますけれども、それはあくまで任意の調査でございまして、制約がある条件の下での、そういう意味での制約がある条件で調査を行ったものでございますけれども、そういった制約があるということを考えれば、可能な限りの調査、解明を行ったわけでございまして、その意味では外務省が行う調査といたしましては、それに尽きていると考えております。
#40
○小泉親司君 私どもの調査では、この鈴木宗男代議士の事務所に集まったのが六月三日、これは外務省の調査報告でもはっきりしていることであります。この六月三日に先立ちまして六月一日、支援委員会の事務局において、外務省の支援室、支援委員会、日本工営、この三者が集まりまして、総工事費を目標額の三億五千万円にするということが協議された、こういう事実を私どもの調査で明らかにしております。この点、外務省もこれは参加している会議であります。そういう事実があるのかどうなのか、まず外務大臣にお尋ねいたします。
#41
○国務大臣(川口順子君) これにつきましては、現在捜査中の案件でございますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#42
○小泉親司君 この問題については、続いて六月三日に鈴木事務所で協議が行われ、六月八日、支援委員会の担当者と日本工営との間で総工事費は三億九千八百万円というふうにすることが電話において合意されたと、こういう事実がありますが、この点はいかがでございますか。
#43
○国務大臣(川口順子君) これもまた恐縮でございますけれども、今捜査中の案件でございますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#44
○小泉親司君 それでは、見積額が三億九千八百万円ということであったという事実については確認できますね。
#45
○国務大臣(川口順子君) これも誠に恐縮なんですけれども、今捜査中の案件でございますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#46
○小泉親司君 外務大臣、いい加減なこと言っちゃいけないと思います。この日本監査委員会の、あなたがおっしゃった監査法人の中に見積額、予定価格は三億九千七百万、ちゃんと書いてあるじゃないですか。何でそれが秘密なんですか、おかしいですよ、そんな。
#47
○国務大臣(川口順子君) ちょっと確認をさせていただきます。ちょっとお時間下さい。
#48
○小泉親司君 私は通告しておりますのでね。
#49
○国務大臣(川口順子君) 監査法人の報告書でございますけれども、これによりますと予定価格が三万、九千七百万円であったということが書いてございます。ちょっと待って……。
#50
○委員長(武見敬三君) 答弁を続けてください。
#51
○国務大臣(川口順子君) 失礼しました。
 予定価格が三億九千七百万円であるというふうに設定されているということは書いてあるわけでございますが、それだけでございます。
#52
○小泉親司君 見積額とどう違うんですか。
#53
○国務大臣(川口順子君) 見積価格というのは、その予定価格の前の段階にコンサルタントが見積もって出すものだという、それが見積価格と予定価格の違いであるというふうに理解をいたしております。
#54
○小泉親司君 じゃ、ということは、私が調査をしまして、まず総工事費の目標額三億五千万円だった、それが今度は六月八日に総工事費は三億九千八百万円に変えられた、こういうふうなことを今、外務大臣はお認めになっているわけですが、そういうことなんですか。
#55
○国務大臣(川口順子君) 今、委員がおっしゃったことについては、私が申し上げましたのは、予定価格が三億九千七百万円に設定をされているということがこの報告書に書いてあるということを申し上げたわけでございまして、それ以外の、ここに書いてありますこと以外のことにつきましては、恐縮ですが今捜査中の案件でございますのでコメントは差し控えさせていただきたいということでございます。
#56
○小泉親司君 捜査中、捜査中とおっしゃるけれども、日本監査法人の公開されたものでは、「入札は同年七月七日におこなわれ、予定価格は三億九千七百万円に設定されていたが、三回にわたり執行された入札では四億三千万円、四億二千三百万円、四億二千万円と予定価格に達しなかった。そこで支援委員会事務局は、契約事務取扱規則に定めるとおり随意契約に移行し、協議の結果、予定価格と同じ三億九千七百万円で合意した。」、こういうふうに書いてあるじゃないですか。
 これは明白に、予定価格といわゆる随意契約の価格が一致したと、こういうふうなことを言っているわけで、この点について私は、この捜査当局の理由に、今私が言った六月三日の前後、つまり六月一日に外務省も参加して三億五千万円を決め、続いて六月八日にそれを上回る三億九千八百万のいわゆる見積価格が設定されたと、こういう事実について外務大臣、こういう点についても調査をしないんですか。
 これは別に私は、捜査の問題ばかりじゃなくて、外務省として当然これは調査してしかるべきものなんじゃないですか。これだけ明らかにしているんですから、どうですか。
#57
○国務大臣(川口順子君) 先ほど、ここに書いてあること以外はと申し上げました、ここに書いてあることというのは今正に委員がお読みになったことでございまして、ここに書いてあることはここに出ているとおりでございまして、全部読み上げませんでしたけれども、そういうことでございますが、ここに書いてあること以外、要するにこの報告書に書いてあること以外につきましては捜査中の案件でございますのでコメントは差し控えさせていただきたいということを申し上げたわけでございます。
#58
○小泉親司君 それじゃ、まずお聞きしますが、私は、六月一日に支援委員会の事務局において外務省の支援室が参加して、外務省ですよ、対ロ支援室が参加して会議を行った、こういう事実は外務省としてお認めになるんですか、認められないんですか。
#59
○国務大臣(川口順子君) これも恐縮でございますけれども、今、委員がおっしゃっていらっしゃるのは、予定価格を決めるまでの過程のお話をお聞きいただいているわけですけれども、捜査中の案件でございますのでコメントは差し控えさせていただきたいわけでございます。
#60
○小泉親司君 何でそれが捜査と関係あるんですか。外務省が、私は、参加したのかしないのかとお聞きしているんで、それがどういうふうにじゃかかわりがあるのか、そういう説明をしなかったらこれは答弁にならないんじゃないですか、外務大臣。
#61
○国務大臣(川口順子君) それも含めましてコメントを差し控えさせていただきたいと申し上げているわけです。
#62
○小泉親司君 私は、この問題というのは単なる検察当局ばかりじゃなくて、外務省改革と言っているわけですから、外務省が当然やるべきことはやる必要があるんじゃないですか、外務大臣。
 その点では、外務省も参加した会議が支援委員会で行われた、しかもそれに日本工営が参加して三億五千万という一応総工事費の見積価格を決めた、これを決めたのに外務省が参加しているのに、それもなんですか、捜査の関係で公表できない、こうおっしゃるんですか。それは少し私は、ちょっと外務省の責任逃れの答弁以外ないと思いますが、いかがでございますか。
#63
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたように、外務省の調査といたしましては、園部参与の調査、それから監査法人の調査ということで、二回にわたって行いました。これは任意の調査でありまして、制約があるということも先ほど申し上げさせていただきましたけれども、そういう中で二回やったわけでございまして、外務省がやり得る調査ということはこの二つの調査に尽きていると思います。
 その上で、この報告書に、今までの二つの報告書に出たことについては捜査中のことでございますのでコメントは控えさせていただきたいわけでございますけれども、当然のことながら外務省といたしましては捜査には協力をいたすわけでございますし、捜査を通じまして問題が明らかになるということを期待しているわけでございます。
#64
○小泉親司君 私、日本工営というコンサルタント会社が今回のように見積価格を漏らす、それから、漏らすばかりじゃなくて見積価格に上乗せしていわゆる予定価格を設定する、こういうことが本当に許されていいのか。
 日本工営というのは、外務大臣も御承知のとおり、このムネオハウスばかりやっているんじゃないんですよ。ODAではアジアにおいてもアフリカにおいても様々なところでやっているわけですよ。こういうコンサルタント会社がこういうふうなことをやって、しかもこのコンサルタント会社はプロポーザル方式での契約ですから極めて随意契約的にやり、こういう予定価格を漏らすというようなことがあったら、今後、やはりいつまでたっても外務省のこういう問題についての改革は私はできないと思います。その点で、私は外務省が改めて調査すべきだという点をこの点では要求をしたいというふうに思います。
 もう一つ、私もこの間、三島へのディーゼル発電所の問題についてを追及してまいりました。島民の要請がないままにディーゼル発電所を三島に提供したということを私、指摘してまいりましたが、しかも国後島へのディーゼル発電所の問題では、建屋の改修だけだったというものがいつの間にか二十億円の発電所の提供に変わった。外務省は私の質問に対して、実は四つの報告があって、二つは発電所の更新が早晩必要不可欠であるというトーンでなされているのだというふうに答弁をしてまいりました。
 しかし、私、今日初めて数か月ぶりに外務省からすべてのこの間のディーゼル発電所に関する報告書を入手いたしました。しかし、私、見てもどこにもそのトーンが必要だという記述はない。これは局長の答弁でありますが、発電所の更新が早晩必要不可欠であるというトーンでなされているどころか、例えば国後島の発電所については、七基のディーゼル発電ユニットが設置されているすべてのユニットは運転可能な状況であるが、効率が悪く、スペアパーツが不足しているんだと、このスペアパーツを何とかやれば十分これで間に合うんだということを指摘して、発電所建屋については改築するということを言っているけれども、現実には、発電所を造れ、造る必要があるということを強力に言っている報告書じゃない。この間の外務省の答弁とはちょっと違うというふうに私は考えております。
 その点では、一体どこにこういうふうな早晩必要不可欠であるというトーンがなされた報告書があるのか、その点を私は明確にお示し願いたいというふうに思いますが、いかがでございますか。
#65
○国務大臣(川口順子君) その今、委員がおっしゃっていらっしゃる報告書のことでございますけれども、これについて私が理解をいたしておりますところは、ちょっと長くなってしまいますけれども、古釜布にある発電所は、七基のディーゼル発電機を備えて総設備容量が五千八百キロワットであると。しかし、老朽化により設備容量の五〇から六〇%程度しか発電できない。
 発電所建屋は、非常に短期間に建設をされたため実際には未完成のまま使っており、さらに平成六年の北海道東方沖大地震により発電所建屋の壁が崩れそうになっているがそのままの状態で使っている。発電ユニットを更新するとすれば現在の建屋を使うことはできない。さらに、このような現状を踏まえまして、既存の設備はそのままとして、既存発電所の近くに新しい発電所の基礎と建屋を建設し、そのスペースに一、二台の発電機を日本が供与し、将来的に台数を増やすことが最適であるということを提案をしているというふうに承知をいたしておりまして、したがいまして、早晩、発電所の、発電施設の更新が必要不可欠になるとした平成十年の六月のJICA専門家の参加を得て実施した調査の報告とトーンを同じくするものであるというのが私が承知をいたしているところでございます。
#66
○小泉親司君 それは外務大臣、もう一度すべての、四つの報告書とあなたが言っておられるので、その四つの報告書を全部読んでいただきたい。
 今、外務大臣がいみじくも言ったように、建屋の話なんですよ、これすべて。いわゆる建屋というのは、いわゆる発電所を覆う建築物が非常に老朽化しているということを指摘しているわけで、例えば今度新たに出ました、この先ほど言いました新日本監査法人の国後島ディーゼル発電施設について、調査の結果、地熱発電については技術的な観点から支援することが難しいとの結論に達し、ディーゼル発電所を供与することになった。ロシア支援室は当該調査結果については、鈴木内閣官房副長官に報告することにした。また、同年十月の国後島、これはムネオハウスの完成式典の際に、島側の行政府の地区長が鈴木議員に対して国後島へのディーゼル発電施設の供与を要請した経緯があるというふうに報告しておりますね。
 この点に、ということは、いわゆる、これまでは国後島のディーゼル発電は、非常に、地熱発電を検討するということで、この時点までは検討されていなかった。しかし、これ、何で決まったときに鈴木内閣官房副長官に報告することになったんですか。何でこんなふうに鈴木議員におもねる必要があるんですか。
#67
○国務大臣(川口順子君) この部分に、この報告書、新日本監査法人による調査報告書につきましては、今、委員がおっしゃった国後島の地熱発電に関する現地調査の結果について鈴木内閣官房副長官に報告をすることとされていたという部分がございまして、これにつきましては園部報告には書いて、の段階では分からなかったことであるわけですけれども、これがなぜそういう鈴木内閣官房副長官に報告をすることとされていたかということについては、よく確認ができません。
#68
○小泉親司君 調査していただきたいと思います、その点は。これは私が言っているんじゃなくて、あなた方が依頼した新日本監査法人が言っている中身ですから、これを明確に調査をしていただきたいと思います。
 この点については、例えばこのディーゼル発電所の問題については、例えばなぜ三島ともすべて三井物産に落札されたのか。ここが非常に多くの疑惑が持たれているところなんです。
 例えば、それではその事業費積算と応札額との関係はどうなっているかというと、例えば九八年の十一月に、パシフィックインターナショナルが事業費積算をやったのは、色丹島のディーゼル発電十四億八千六百八十五万円、応札額は同じく十四億四千五百万。択捉島は、事業費積算は五億九千六百六万、応札額は約百万円しか違わない五億九千七百万。先ほど国後島が出ましたが、国後島の、二〇〇三年に、パシフィックがやった積算見積りは二十億五千万、それに対して応札額は二十億九千二百万。極めて事業費積算と応札額が一致している。この点では、パシフィックインターナショナルと三井物産と、それからその二つの関係というのは、この三つのディーゼル発電にすべて関係している。
 なぜ、こういうふうなパシフィックインターナショナルというコンサルタント会社と三井物産が一体となってこういう事業が、三つも同じような仕組みが行われるのか、この点について私、甚だ疑問で、その点についてはこれまで鈴木議員の関与がなかったというふうに、私、答弁、外務省は答弁してきたけれども、現実問題としては、鈴木議員がこのディーゼル発電の問題では非常に深くかかわっているということは、この監査法人の報告書でもはっきりしているのではないかというふうに思います。
 その点で、この点についての調査も改めて私する必要が外務省はあると思いますが、いかがでございますか。
#69
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申し上げましたように、外務省は、園部参与にしていただいた調査とそれから新日本監査法人でやっていただいた調査と、二回この問題については調査をしておりまして、これは任意の調査であるという制約がある下でベストを尽くして調査をしたものでございまして、したがって、外務省ができる調査というのはこの二つに尽きていると私は考えております。
#70
○小泉親司君 あなた方は、国後島のディーゼル発電の問題について、私は、パシフィックインターナショナルが九八年の六月にやった調査においては、この国後島へは発電所の供与は必要なかったということを報告書で発表している。しかし、この新日本監査法人の報告書によりますと、いろんな調査をしましたと、しかし、調査の結果、元々地熱発電について技術的な観点から支援することの検討をしていたんだが、それが難しいと判断されて、ディーゼル発電所を供与するということになったというふうに報告している。ところが、あなた方の答弁というのは、これまでは、既にこの問題については川奈会談、橋本・エリツィン会談でこのディーゼル発電の三島への供与は全部決まっていたことなんだ、政策判断が先にあったんだということを繰り返し言っている。
 その点で、私は、これまでの外務省の答弁とこの新日本監査法人の報告書とも違う。だから、その違いを私は指摘しているわけで、その点では改めて外務省自身がこの点の調査をしないと、新監査法人の言っていることとあなた方がやっていること、言っていることとは全然違うじゃないですか。この点についての矛盾は外務大臣はお認めにならないんですか。
#71
○国務大臣(川口順子君) 違いはないわけでございまして、従来から申し上げていますように、外務省としてはそういった各種の報告書の精査をいたしました上で、従来から国後島からなされていたディーゼル発電機に対する支援の要請、それから、今、委員もおっしゃられました川奈における日ロ首脳会談での意図表明、更に色丹、択捉両島に設置をして国後島だけに設置をしないということはバランス上好ましくないといった政策判断を勘案しまして、九九年の十二月に国後島へのディーゼル発電施設設備を設置を具体化するということを決定をいたしたわけでございまして、これは従来からお答えを申し上げているとおりでございます。
#72
○小泉親司君 私、先ほども申し上げましたが、この点については明白にこれまでの外務省答弁と違う。この新日本監査法人の報告書は、元々、あなた方は初めから、例えば国後島へのディーゼル発電については、行政府の地区長から外務省に対して要請があった、要請があったと繰り返していた。しかし、実際には、この監査法人の報告は、九九年の十月に初めて鈴木議員に対して国後島へのディーゼル発電の供与を要請した、行政府の地区長が要請したというふうなことを言っている。この一つだって私は違うんじゃないかというふうに思います。
 その点で、私は、改めてこの点の調査を外務省がもう一回やるべきだと。外務大臣、この点を私お聞きして、時間が参りましたので、そこの答弁を求めて終わります。
#73
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申し上げましたように、外務省の調査は二回にわたって制約条件下で行っておりまして、これで外務省ができる調査ということは尽きているというのが私の考えていることでございます。
    ─────────────
#74
○委員長(武見敬三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉岡吉典君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。
    ─────────────
#75
○委員長(武見敬三君) 質疑を続けます。
#76
○田村秀昭君 我が国とシンガポールとの間の協定の締結について、我が国については承認を求める件については、我が国が初めて締結する自由貿易協定であり、日本とシンガポールの経済の一体化を進めて、両国間の関係をより一層緊密化するのみならず、我が国とアジア太平洋諸国との経済連携を進める上でも有意義なものでありますので、この協定には賛成いたします。
 先ほど、同僚議員の質問で、外務大臣は、捜査中であるからお答えできないと言われましたけれども、よくそういうことを言う大臣おられるんですが、捜査中だとどうして答えられないんですか。
#77
○国務大臣(川口順子君) 捜査中でございますので、捜査の過程で物事を明らかにしていただくということが適切であるというふうに考えているわけでございます。
#78
○田村秀昭君 司法の場で捜査しているわけで、行政の立場にある外務大臣がお答えになれないというのは、捜査を混乱するとか、そういうような意味ですか。何で、よその人がやっているから答えないんだというお答えですけれども、そういうのちょっと理屈が通らないんじゃないですか。
#79
○国務大臣(川口順子君) 捜査が現在行われているわけでございまして、そういった捜査の過程が今どういう状況であるかよく分かりませんので、捜査に影響を及ぼすような発言は控えさせていただきたいと考えているわけでございます。
#80
○田村秀昭君 外務大臣のお答えがそんなに捜査を混乱させるとは私は思いませんけれども、行政官として答えられる立場にあるわけですからお答えになるべきだと私は思いますけれども、見解の相違ということで次に進ませていただきます。
 外務省は十の改革というのを掲げられているわけですけれども、これ、私も読ませていただきましたけれども、同時にこんな十個も改革ってできるんですか。せいぜい、私、一つぐらいをやれば大改革になると思いますが、この十個全部おやりになる決意でおられるんですか。具体的に本当におやりになるんですか。
#81
○国務大臣(川口順子君) 項目を十挙げさせていただきましたけれども、これらは相互に関連があるものばかりでございまして、今、既にこの十の改革は進み始めて、動き始めているわけでございます。十というのは、これは数え方によっては二十にもなるかもしれませんし、五つになるかもしれませんし、これはたまたま私がそういうふうに分類をしたということでございまして、というようなことは、改革を多くの分野において進めていって、外務省の改革あるいは外交に対する国民の信頼を早く戻すべく改革を行っていくということだと考えています。
#82
○田村秀昭君 私、三番目に書いてある「人事制度の再構築」というところが非常に重要なんじゃないかと思うんですよね。それで、ここに書いてあるのを読むと、「主要国の大使を始め本省・在外幹部ポストに民間を含む各界の優れた人材を積極的に起用します。」と書いてあるんですが、例えば、主要国の大使を始め、本省幹部ポストに民間を含む各界の優れた人材を積極的に起用すると言っていますけれども、全部で二十あったら、三分の一は上級職を取ったキャリアにする、三分の一はT種職員以外の職員をもって充てるとか、三分の一は民間から選ぶとか、そういう具体的なことがないと、積極的に起用しますといっても、何人、どのくらい、全体のどのくらいをやるのか分からないんですが、どういうおつもりなんですか。
#83
○国務大臣(川口順子君) この十の中の項目として出させていただきましたのは、これは「例示」としてございますように、ここのカテゴリーの中の、この分類の中での何をやるかという例示でございます。具体的にこれを、何をやったらいいか、どうやったらいいかということについては、今、変える会でも議論をしていただいておりますし、また同時に、変わる会、これは外務省の中の組織でございますが、本当の名前はもうちょっと長い名前のグループですけれども、そこでも議論をしています。更に自民党の小委員会でも御議論をしていただいたわけでございますし、いろいろなところでこの点について今議論をしていただいていると思います。
 私は、しばらく前に、この夏をめどに約十の本省、在外の幹部ポストについて外部の方、民間を含む各界の優れた人材をというふうに申し上げておりまして、既に軍縮大使については猪口大使を発令をさせていただきましたし、また先日、経済局の参事官のポストに外部の方をお願いをいたしました。今年の夏までに十のポストということで今考えているわけでございます。
 数量、数字という意味ではそういうことで申し上げているわけでございますけれども、基本的に外部の方をできるだけ積極的にというふうに考えておりまして、まずこれは、本省のポストにせよ在外のポストにせよ、特に在外のポストについては日本国を代表する重要なポストでございますので、適材適所をもって充てたいというふうに考えております。
#84
○田村秀昭君 それは、今十名とおっしゃったのは、全体が三十名ぐらいの主要ポストについて言っておられるんですか。
#85
○国務大臣(川口順子君) 主要ポストの全体というのは、何をもって主要ポストと言うかということでございますけれども……
#86
○田村秀昭君 いや、ここに書いてあるからね。僕が言ってるんじゃない。あなたが書いているから。
#87
○国務大臣(川口順子君) これは、全体としては非常に数が、例えば大使のポストですと百十ぐらいあるわけでございまして、それから本省の幹部ポストももっと、ちょっと今、数はすぐに出ませんけれども、かなり多いわけでございます。
 十というふうに言いましたのは、この夏を目途にということで申し上げたわけでございまして、既に民間の方あるいはよその省の方で本省の幹部ポストあるいは在外の大使ポストに就いていらっしゃる方もいらっしゃるわけです。
 それから、更にこれから引き続きこういったポストについては民間の方を含む各界の人材を適材適所で配置をしたいというふうに考えておりますので、現時点ではどれぐらいの数ということを申し上げることはできないと思いますが、この点については皆さんで今御議論をいただいている段階であるわけです。
#88
○田村秀昭君 最終報告を夏までに上げるとおっしゃっていますね。そのときまでにはきちっとするということですか。
#89
○国務大臣(川口順子君) 今、変える会で御議論をいただいておりまして、ポストを、数字を、ポストについてどれぐらいという数字を変える会のところでどういうふうに御判断なさるかということは、今、変える会で正に御議論をいただいておりますので、その御議論の結果を待ちたいと考えております。
#90
○田村秀昭君 そうしますと、やっぱり人事改革をしないと変わらないんですね。私は人事を変えないと変わらないと。
 上級職の、T種の職員というのは外交を専門にやるという、ノーブレスオブリージュというか、そういう人たちなんで、その人たちのことも十分に考慮しないと、本当に優秀な外交官が、精神が弛緩しただけであってと僕は思うんですよ。だから、そういう点はどういうふうにお考えなのか。本当の改革になるのかなというふうに私は思うんですけれどもね。
#91
○国務大臣(川口順子君) 人事改革が改革の中でも特に重要であるということは、私もそういうふうに思っております。それについては、先ほど申し上げた十人という例からお分かりいただきますように、そのほかにも幾つかのもう既に改革はやっておりまして、例えば省内の公募制ということにつきましても、たしか五十のポストを公募の対象といたしまして既に省内では発表済みでございまして、応募を待っているといったようなこともやっておりますし、それから人事の評価についても、下からの評価ということもやっているわけでございます。
 そういった評価を、人事の改革を行いながら、これは正に外交をするポストでございますので、外務省の内外を問わず、適材適所で人事配置が行われることが日本の外交のために重要だと考えているわけでございます。
#92
○田村秀昭君 時間ですから。
#93
○大田昌秀君 外務省にお伺いします。
 現在、世界で自由貿易協定を締結している国々というのは、大まかで結構ですが、何か国くらいあるでしょうか。教えていただきたいと思います。
#94
○政府参考人(佐々江賢一郎君) WTO事務局の調べによりますと、本年一月現在で、ガット、それから九五年以降はWTOでございますが、に通報されて現在も効力を有しております地域貿易協定は、やや重複分がございますので、それを除きますと百四十になるということでございます。
 例えば、ECは中・東欧諸国等と多くのFTAを締結しておりますし、二〇〇〇年の七月にはメキシコとのFTAを発効させております。また、メルコスール、南米でございますが、これとも地域間連合創設に向けて協力を推進しているということです。それから、米国もいろんな国とやっております。
 ということで、主として上位三十か国・地域のうち、GDPでございますが、現在のところ、いずれの地域貿易協定にも属していないのは、我が国のほかには中国、韓国、台湾、香港のみでございます。
#95
○大田昌秀君 先ほども関連質問がございましたけれども、いま一度お聞かせいただきたいと思います。
 小泉総理が今年の一月十四日、東南アジア諸国歴訪中のシンガポールで、東アジアの中の日本とASEANと題して新経済政策を発表されました。その中で提起された日本・ASEAN包括的経済連携協定構想と東アジアコミュニティーの構築の提唱というものはアジアを重視した政策と思われますけれども、東アジアコミュニティーの構築ということがいま少しイメージがわいてこないんですが、御説明いただけたら有り難いと思います。
#96
○副大臣(杉浦正健君) 先生のおっしゃるとおり、総理のスピーチの中で、ともに歩みともに進むコミュニティーということで、具体的にはASEAN10と、日韓中、オーストラリア、ニュージーランドの国を念頭に置いて東アジアでそういうコミュニティーを作っていこうと。
 年限も入っておりませんし、言葉の使われ方としては、コミュニティー、その基礎に広範な経済連携協定、そのほか人の交流等々、五つの事業を言っておられるわけですが、そういうのを積み重ねていって、バイ、マルチで積み重ねていってそういうコミュニティーを作っていこうというお考えをお示しになっておられるわけでございまして、正直言って、先生のおっしゃるとおり、例えばEUのようなもっとしっかりしたものを目指されるのか、年限が入っていませんが、はっきりいたしませんが、しかし、先生がおっしゃられたとおり、アジアを重視してこの同じ地域に、東アジアにある国々で力を合わせていろいろな意味で手を携えて一つのつながりを、コミュニティーを作っていこうという気持ちというか、方向性は明確に示されていると思っております。
#97
○大田昌秀君 先ほども、今のコミュニティーを形成する上で心と心の結び付きが大事だという趣旨のお話がございましたけれども、去る太平洋戦争で我が国がシンガポールに与えた言わば影響といいますか、人命の損害とかそういうことについてはどのように把握しておられますか。
#98
○副大臣(杉浦正健君) 私もシンガポールには何回か行っておりますが、あそこには碑ができておりまして私も参拝いたしましたが、当時の占領軍、日本、占領軍がゲリラ、中国系華僑の方々の便衣隊に苦しめられたようでございまして、相当シンガポール側からすると、無差別に民間人が殺傷されたという、被害が大きかったようでございます。非常に今でも華僑系の方々の中に傷跡が深く残っております。今でも毎年慰霊祭をなさっておって、シンガポール大使も出席しておるようでございますが、いまだに傷跡は深いというふうに拝察をしております。
#99
○大田昌秀君 具体的に数字を挙げていただけますか、どれくらいの損害を人命に与えたかという。
#100
○副大臣(杉浦正健君) ちょっと数字は私、正確には存じておりませんで、相当の数の方々がいるというふうに記憶しております。
#101
○大田昌秀君 やはりこの種の問題は、東アジアのコミュニティーを構築されるとおっしゃるのであれば、やはり心と心を結び付けるということもおっしゃるのであれば、そのようなことについて実態を把握されて、そのことを相手の被害国に対する、人々の心をいやしてあげるようなそういう配慮がなければ、コミュニティーというのは作れないと思うんですね。ですから、その辺り、是非御配慮いただきたいと思います。
 それから、我が国最初の自由貿易協定の相手国としてシンガポールを選ばれたという理由をもう一度お聞かせいただきたいと思います。
#102
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 先ほど大臣の方から御説明いたしましたけれども、基本的には、シンガポールは我が国の主要な貿易投資相手国の一つであるということがまず第一でございます。輸出につきましては第六位でございますし、投資につきましても第四位の地位を占めているということでございます。
 それから第二に、この貿易自由化、市場経済体制等、この基本的な考え方、価値観をかなり共有していると、先進国に近い考え方を有しているということで、共通の土俵で貿易の自由化ができるということが第二でございますし、それから第三に、このASEANの現加盟国として非常に重要な地位を占めていると。
 したがいまして、シンガポールのような国とまず先駆けて行うことによって、他のASEAN諸国に対する一つのモデル協定を提供するという意味があったというふうに思うわけでございます。
#103
○大田昌秀君 シンガポールとの協定によって、プラスチック製品などの化学製品、ナフサなどの石油製品が自由化されますが、この産業分野でのシンガポールの国際競争力は大変高いと伺っておりますけれども、国内的な影響についての御心配はございませんか。
#104
○政府参考人(佐伯英隆君) 我が国の石油化学産業でございますが、平成十三年のエチレンの生産量が数字で申し上げますと七百三十六万トンで世界第二位でございまして、このうち、エチレンに換算いたしまして二百五万トンが輸出をされております。輸入の数字は四十二万トンとなっておりますが、シンガポールの石油化学産業は、同じく平成十三年のエチレン生産量で推定百十九万トンでございます。したがいまして、御指摘のとおり、相当な生産量はあるわけでございますが、その多くは中国を中心とするアジアのASEANの域内並びに中国に輸出をされておるのが実態でございます。
 シンガポールから我が国への輸入の割合でございますが、世界から日本に入ってまいります石油化学製品の輸入金額の一・八%程度でございますので、現状におきまして、この協定の締結によりまして我が国の石油化学産業が直ちに大きな影響を受けるというふうには認識をいたしておりません。
#105
○大田昌秀君 自由貿易協定をこれからほかの国々にも枠を広げていかれると思いますが、国内的な整備との関連で一つ伺いたいんですけれども、例えば沖縄で一国二制度的なものを設けるという話があったんですが、最近の沖縄のフリーゾーンについてごく簡潔に、時間ございませんので教えていただきたいと思います。
#106
○政府参考人(安達俊雄君) 沖縄におけるフリーゾーンでございます。お答え申し上げますが、先生御高承のとおり、那覇にございます自由貿易地域那覇地区がございます。そして近年、特別自由貿易地域といたしまして中城を指定したわけでございます。
 那覇の自由貿易地域でございますが、現在、物理的に見ますと、近々入居する一社を含めますと入居率が約九〇%ということで、そういう面ではフル操業に近い状況にございますけれども、いかんせん手狭でございます。ということでこの平成十一年に、更なる発展を目指してその中城の新港地区に、更に税制上の強化を図って特別自由貿易地域を指定したわけでございます。
 その後、現在、めどは付いている状況も含めて約八社の企業が進出してきております。この八社が少ないかという御指摘もございますけれども、ここ数年でこういっためどが付いておるということについては一定の成果を得ているんではないかというふうには思うわけでございますが、なお一層努力してまいりたいと思っております。
#107
○大田昌秀君 終わります。
#108
○委員長(武見敬三君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 新たな時代における経済上の連携に関する日本国とシンガポール共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#109
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、本件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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