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2002/05/30 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 外交防衛委員会 第18号
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2002/05/30 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 外交防衛委員会 第18号

#1
第154回国会 外交防衛委員会 第18号
平成十四年五月三十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     山口那津男君     木庭健太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         武見 敬三君
    理 事
                山本 一太君
                吉村剛太郎君
                木俣 佳丈君
                山口那津男君
                小泉 親司君
    委 員
                泉  信也君
                河本 英典君
                桜井  新君
                福島啓史郎君
                舛添 要一君
                矢野 哲朗君
                山下 善彦君
                海野  徹君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                広中和歌子君
                木庭健太郎君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                田村 秀昭君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  中谷  元君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       防衛庁副長官   萩山 教嚴君
       外務副大臣    植竹 繁雄君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        山下 善彦君
       経済産業大臣政
       務官       松 あきら君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       防衛庁長官官房
       長        柳澤 協二君
       法務省入国管理
       局長       中尾  巧君
       外務大臣官房審
       議官       滑川 雅士君
       外務大臣官房審
       議官       林  景一君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高橋 恒一君
       文部科学大臣官
       房審議官     寺脇  研君
       文部科学大臣官
       房審議官     玉井日出夫君
       林野庁森林整備
       部長       石島  操君
       経済産業大臣官
       房審議官     大井  篤君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       河野 修一君
       環境大臣官房審
       議官       山田 範保君
       環境省地球環境
       局長       岡澤 和好君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定
 書の締結について承認を求めるの件(内閣提出
 、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に防衛庁長官官房長柳澤協二君、法務省入国管理局長中尾巧君、外務大臣官房審議官滑川雅士君、外務大臣官房審議官林景一君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長高橋恒一君、文部科学大臣官房審議官寺脇研君、文部科学大臣官房審議官玉井日出夫君、林野庁森林整備部長石島操君、経済産業大臣官房審議官大井篤君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長河野修一君、環境大臣官房審議官山田範保君及び環境省地球環境局長岡澤和好君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(武見敬三君) 気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 本件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。
 今日は京都議定書という大変重要な問題について質疑をさせていただくわけでございますけれども、外務省、防衛庁、この外交防衛委員会には、様々、いろいろ問題が噴出いたしまして、やはりそういう時の話題についても触れないわけにはいかないわけです。
 まず、防衛庁のリスト作成問題についてお伺いいたします。報道によれば、防衛庁の職員による情報公開法に基づく請求者百四十二人全員の身元を独自に調べ、リストを作成したと報道されました。この事実関係について、まず防衛庁長官、御報告お願いしたいと思います。
#6
○国務大臣(中谷元君) 本件の事実関係につきましては、現在、徹底した調査を行っているところでございますが、これまでの調査で承知しているところは次のとおりでございます。
 まず、問題となっている本件のリストにつきましては、海上幕僚監部の情報公開室の担当三佐が同室に勤務をしておりました平成十三年四月、これは情報公開が開始した当時でございますけれども、それから平成十四年の三月までの間に、当該の担当三佐が、本人が開示請求者がどういう人物であるのか把握する必要があると判断をいたしまして、担当者の個人の発意により作成したものであるという報告を受けているところでございます。
 この担当者は、平成十三年四月から平成十四年の三月中旬までの間に防衛庁に対して開示請求を行っていただきました百四十一名について、開示請求書に記載された氏名その他記載内容のほかに、開示請求者に対応した窓口でのやり取り、インターネットによって得られた情報などを基に開示請求者の氏名、職業等を一覧表の形に整理をした資料を作成したという報告を受けております。
 また、本件資料の職業を記述した欄には、例えばフリージャーナリストや学生といった開示請求書に記載されていない情報も含まれておりまして、中には報道にある受験生の母といった記述も含まれていたとの報告を受けているところでございます。
 この担当者は、平成十三年六月から平成十四年の三月までの間に、一から五回、内局の情報公開室、陸幕情報公開室、空幕情報公開室、海幕調査課保全室の担当者や本人の上司であります海幕の情報公開室長などに対して本件の資料を配付をいたしましたが、これらの者は、受け取った資料を特に使用することなく、すぐに廃棄をしたか、そのまま保管をしておりまして、他人に閲覧はさせていなかったという報告を受けているところでございます。
 現時点での状況でございますので、この件につきましては引き続き捜査を続けている現状でございます。
#7
○広中和歌子君 ちょっと幾つか確認させていただきます。
 まず、百四十二人ですけれども、それ以外の方で情報請求をした方はございますか。
#8
○政府参考人(柳澤協二君) 百四十二名と報道されておりますが、精査した結果、百四十一名の方の分でございました。そして、この数は、昨年四月以来この担当者が属しておりました三月中旬までの防衛庁に対して開示請求を行った方の数でございます。
#9
○広中和歌子君 そういたしますと、その開示請求した人は、書式には氏名と住所と開示を求める行政文書、それだけなんですか。
#10
○政府参考人(柳澤協二君) 氏名、住所、電話番号、要するに連絡が取れる連絡先、それから、何を開示されるかという請求の内容が記載された書類を提出していただいております。
#11
○広中和歌子君 というと、それ以外のことは防衛庁側でお書きになったと、そういうふうに理解していいわけですね。
#12
○政府参考人(柳澤協二君) さようでございます。
 ただ、それは、窓口に名刺を置いていかれる方とか、いろんなあれはございますが、大臣から申し上げましたように、インターネットその他を使ってこの彼が独自に収集したというふうに承知をしております。
#13
○広中和歌子君 防衛庁長官はその作成リストというのをごらんになりましたか、御本人。
#14
○国務大臣(中谷元君) この事件が報道された後、見ました。
#15
○広中和歌子君 新聞報道によりますと、私も本当に個人的な判断かなという気がしていると、そうでないかもしれないので、徹底して調査し、改めて報告したいということを、どこでしたっけ、ある委員会での質問に対して述べていらっしゃるわけですけれども、そのような印象を持たれた理由というのはどういうことなんでしょう。
#16
○国務大臣(中谷元君) 今回の事柄につきましては、情報公開の趣旨からいたしまして、あってはならない、看過できない事態でありまして、御本人の聞き取りはございますけれども、あらかじめそのようなもので断定をするのではなくて、こちらとしては、もうありとあらゆる可能性を持って、予断を持たずに調べるべきであるという観点でそのような姿勢を示したわけでございます。
#17
○広中和歌子君 もしこれが、防衛庁ぐるみと言っては失礼ですけれども、組織的なものであった場合にどのような責任を防衛庁長官として取られる御予定ですか。
#18
○国務大臣(中谷元君) まず調査をいたしまして、この事実を正確に確認をする必要があろうかと思います。その後に本件に対する処置をするということで、それぞれの実施をした者に対してそれなりの処置をしなければならないと。その後は再発防止をしなければなりませんが、そのような観点で今後、対する処置につきまして、十分に事実を関係した上で対処してまいりたいと思います。
#19
○広中和歌子君 防衛庁長官御本人の責任というのも問題になってくるんじゃないかと思いますけれども、どのように感じていらっしゃいますか、もしそういうことになるとしたら。
#20
○国務大臣(中谷元君) まず、本件につきましては、本当にどういう実態であったのであるのかということを十二分に検証いたしまして対処してまいらなければならないと思います。
#21
○広中和歌子君 もうそれ以上追及いたしません。
 次に、阿南大使の辞任、解任ですかの報道が出ておりましたけれども、この阿南大使の解任というのはいかなる理由によるものか、外務大臣、お伺いいたします。
#22
○国務大臣(川口順子君) 私は、そういう報道は承知しておりません。
#23
○広中和歌子君 ああ、そうですか。失礼いたしました。ともかく阿南大使が、あの瀋陽事件が起こる直前だったと思いますけれども、大使館員に訓示をしたその内容の一部とされるものがマスコミに流されていると。そして、いろいろ報道されているので、私がそうした報道を見たものですから、今朝の新聞です、見たものですから、それが直接関係しているのかどうかと、そのことについてお伺いしたいと思ったわけです。
#24
○国務大臣(川口順子君) そういう報道は全く承知をしておりませんので、そういう、したがって発言との関係ということも申し上げられないんですけれども、発言について。
#25
○広中和歌子君 ここに新聞の切り抜きがあります。外相は、外務大臣、川口大臣は関係者の処分をお考えになっているということで出ているわけですが、「阿南大使処分へ」とここに書いてあるんです。新聞がすべて正しいとは申しませんけれども、阿南大使、中国大使の責任を問い処分する方針を固めたというふうに報道されているんですね。これもマスコミの先走りですか。
#26
○国務大臣(川口順子君) 私は、そういうことをどなたにも言ったことはありません。処分について私が言いましたのは、これは記者会見でも言っていますけれども、昨日の衆議院の外務委員会だったと思いますが、そこでその御質問をいただきましたので、この事件、瀋陽総領事館事件にめどが付いた時点で全体を総括をして、いかなる改善点、いかなることを改善策として行うかということについてきちんとそれを出す必要がある。それで、処分についての御質問でしたので、処分についてはその過程で考えるということを申しまして、それからさらに、処分がないということはないということは言いました。
 ただ、その新聞で書いていらっしゃるように、特定の個人について何を考えるというようなことは全く言っていません。
#27
○広中和歌子君 それも大変慎重なお答えで深追いができないわけですけれども。
 いずれにいたしましても、大使がその大使館の中で話されたことの一部がマスコミに漏れて、そしてそれが今度の瀋陽事件の外交交渉を非常に難しくしているというようなことが報道されているわけでございますけれども、幾ら情報公開が大切な時代とはいえ、外務大臣が他の外務大臣と、よその国の外務大臣と話した内容であるとか、あるいはそのほか様々なことが漏れて出てきますよね。ああいう状況というのは組織としての対応として好ましくないんではないかと、そのような感じがするわけですけれども、いかがでしょう。
#28
○国務大臣(川口順子君) 広中委員がおっしゃられますように、内部での会議の模様が外部に漏れていくということは、これは内部での自由な議論ということを阻害をすることにつながると思いますので、これは非常に問題があると私は思います。組織として、きちんと規律があるという組織である必要が私はあると思います。
 いずれにいたしましても、委員がおっしゃられたように、今回の阿南大使がしたというふうにされている、報道されている発言については、必ずしも阿南大使が言ったことを伝えているというふうに私は思いませんし、それから、今回の中国、今回の事件について、中国との交渉の関係でこのことが問題になったとも思っておりません。
#29
○広中和歌子君 では、この問題は終わりにさせていただきたいと思います。防衛庁長官、どうもありがとうございました。
 それでは、京都議定書批准に向けてのテーマについて御質問させていただきたいと思います。
 リオの環境サミット、今からちょうど十年前でございますけれども、そこで幾つかの重要な議定書というんでしょうか条約が結ばれた、そのうちの一つが気候変動枠組条約でございます。しかしながら、その後も温暖化ガス、CO2などの排出がなかなか減らないということで、この議定書の具体的な数値目標などを定めることが必要だということで様々な形で会議が行われ、そして特に締約国会議というものが積み重ねられてきたんではなかろうかと思います。
 改めて私は、この京都議定書を読みまして、そして歴代の環境大臣、大木環境大臣に始まり、特に川口外務大臣におかれましては非常な御努力をなさりながら、私はこの前の本会議におきまして、やたら長くなり過ぎたんではないかと、むしろ引き延ばし作戦をしたんではないかなどと大変失礼なことを申しましたけれども、やはりこのような形でまとめ上げられたこと、その御努力というのは本当にすばらしいと思いますし、またそれに向けて外務省あるいは環境庁の人たちの努力というものも評価させていただきたいと思うわけでございます。
 ヨハネスブルクで再びこの環境会議が開かれると、十年後でございます。ですから、我が国京都で結ばれた京都議定書が、マラケシュの会議を経て、そしてそれぞれの国で、多くの国で批准されるということが非常に大切なことで、しかもその前に発効すればもっとよろしいというような状況だったわけですけれども、我が国の批准も今日に、批准のための審議というのも今日まで持ち越されてきたということで、この京都議定書の発効ですね、それについてはいつごろというふうに予想されていらっしゃるか。そして、その発効の妨げになっている要素として、まだ賛成する国が、賛成というんでしょうか、批准をする国が必要なわけですね。それはロシアであるというふうに言われておりますけれども、そのロシアの批准の見通しについてお答えいただければと思います。
#30
○国務大臣(川口順子君) 京都議定書は、大木現環境大臣が環境庁長官でいらしたときに、九七年にそこで合意がされたわけでございまして、今、委員がおっしゃっていただいたように、私も三回の締約国会議に出席をして、それなりに仕事をここでしたという感じもあるものですから、今日ここでこの議定書について御審議をいただく段階になったということについては、非常に、ある感慨を持っております。
 ここの、ここまでこれがこの段階に、京都議定書がこの段階に至る、至ったということについては、日本国、日本の国内それから世界的にやはり環境面で、特に温暖化防止が必要であるという思いを持つ人が相当いて、そういった皆さんのバックアップがあってこれができたというふうに思っておりますし、広中委員も環境庁長官をなさって環境面ではいろいろなことをやっていただいているわけで、そういった様々な人の後押しがあって本当に可能だったと私は思います。
 それで、今後の見通しでございますけれども、要件としては、発効の要件としては、五十五か国以上の締結、それからその締結した条約附属書T国の九〇年における二酸化炭素の排出量の合計が五五%以上を占めるということがありまして、今の段階で直ちにこれが満たされるかどうかということは、正にほかの国を待たなければいけないわけでございますけれども、その中で一番大きな国というのはロシアだと思います。
 ロシアに対しては、二月の二日に私が外務大臣になりました直後にロシアとの二国間会議がございましたので、その中でもイワノフ外務大臣に対してロシアのこの締結というのが非常に重要であるということのお話はさせていただきましたし、その後も書簡を出す等で働き掛けているわけでございます。
 それで、今、ロシアについては、京都議定書締結に関しての公式決定はないという、まだないわけですけれども、この締結の効果に関する分析や締結に伴って取るべき措置、これについての準備作業を進めていると承知をいたしております。
 この京都議定書につきましては、できるだけ速やかな発効を目指すということが重要でございまして、二国間あるいは多数国間協議を活用してロシアに対しても京都議定書の早期締結を働き掛けていきたいと思います。せんだって、EUのある国の大臣とお話をする機会がありまして、EUとしてもロシアに対しての働き掛けをやっているというお話がございました。
#31
○広中和歌子君 米国が議定書離脱をいたしまして、そしてアメリカとしてはロシアとの間での排出権取引ということに非常に注目していたわけだろうと思いますし、ロシア側もそれを期待していたんではなかろうかと思いますけれども、アメリカの離脱でロシアの方としては多少の戸惑いがあるのではないかと。
 そうしたときに、日本がこの排出権取引というものに対してどのような構想を持っているか、あるいはロシアに対してどのような提案をできるのか。一般的でよろしゅうございますから、排出権取引についてどういう見解を持っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#32
○国務大臣(川口順子君) 排出権取引というのは、京都議定書の中にある京都メカニズムと言われるものの一つでございまして、これを活用することによって、価格の、市場メカニズムを削減に活用するというメカニズムであるわけで、この京都議定書の会議に参加をした国々がみんな関心を持っている問題です。
 米国も、京都議定書は支持しないと言う一方で、排出権取引には関心を持っているということでございますし、ロシアもこの排出権取引市場ができた段階では売手として参加ができるということでございまして、ロシアは、売った、得たものを、売って得たものについてはこれを環境に使うんだと、環境対策に使うということも言っています。
 排出権取引の市場が今後どういうものになっていくかということについては、正にこれから議論をしていくということで、EUを始め米国も様々な取組の案を持っていまして、議論が始まっているという段階でございます。
 排出権取引という市場の性格そのものに着目をすれば、私は、世界全体で一つのマーケットができるということが望ましいということでございますので、これは、京都議定書の発効後、あるいは制度としては恐らく発効前から議論があるということになると思いますけれども、みんなで話し合っていい制度を作っていくことが必要だと思います。これが、ロシア、どのような制度ができるかということが、またロシアとアメリカがこの京都議定書に関心を持つということの一つの大きな道具といいますか材料でもあると思います。
#33
○広中和歌子君 アメリカの対応に非常に日本としても振り回されたというようなところもあるんではないかと思いますけれども、アメリカは基本的にはボランタリーな、つまり、何というんでしょうか、法律、条約、枠組みにとらわれることなく自主的にやりたいと、そういう正にアメリカ的なやり方であるわけですが、こうしたアメリカでありますけれども、昨日、ある環境関係の方に伺いましたらば、日本やヨーロッパやそれぞれの国がいかにこの京都議定書の発効後に温暖化削減に努力をしていくか、その推移を見守っていると、非常に関心を持っているというようなことも言っておりましたし、また全体的に、アメリカの議会にいたしましても環境問題に対しては非常に関心があると。
 ヨハネスブルク・サミットがございますけれども、そのときに、国務省の発表では約四十人ぐらいの議員が、上院下院両方合わせて四十人ぐらいの議員が参加するというような話も聞いたわけでございますが、日本では何かヨハネスブルク・サミットに向けて余り盛り上がっていないような印象を受けます。
 外務大臣、どのような、民間も含めまして政府関係者、議員、どのような参加を日本から予定していらっしゃるか、そして日本としてこのヨハネスブルク・サミットでどのような発信をなさろうとしているのか、お伺いしたいと思います。
#34
○国務大臣(川口順子君) まず、九二年にリオで開催されたいわゆる地球サミットで環境と開発という問題が包括的に議論をされたわけでございまして、そこでアジェンダ21という行動計画が採択をされました。ヨハネスブルク・サミットでは、このアジェンダ21の見直し、それから新しい課題の検討を行いまして、今後の持続可能な開発の在り方について議論がされるという予定になっています。
 米国は、今年の三月のメキシコでの会議に出席をいたしまして、途上国での開発問題についてブッシュ大統領が提案をしたという経緯がございますけれども、昨年の十一月のWTOの閣僚会議、それから先ほどのメキシコの会議、こういった流れの中で途上国の開発問題により焦点が当たってきているという流れもございます。
 我が国といたしまして、開発途上国の開発に当たっては、途上国自身の自助努力が必要であるということ、持続可能な開発のためには環境と開発の両立、これが重要であるということを主張をしていく考えでございまして、また京都議定書についても、環境面で、これは我が国が、もし採決で通していただいて本会議でこれが締結が可能になった暁には、我が国として世界に誇れる京都議定書の締結ということでございますので、それについても十分アピールし、その時点でまだ締結をしていない国々に対しても働き掛けたいと思っております。
 小泉総理が、たしか所信の演説の中で自分自身も行きたいということをおっしゃられたというふうに記憶をいたしておりますし、私自身も、もし可能であれば参加をしたいと思っております。
 それから、この会議については、外務省ではNGO大使を任命をいたしまして、この大使にNGOとの関係をこのヨハネスブルク・サミットできちんとやっていただこう。NGOの参加、市民グループの参加、企業の方々の参加、そういった大勢の方の参加を得たいと考えております。
#35
○広中和歌子君 このヨハネスブルク・サミットは、リオのサミットでは環境と開発ということがテーマになったわけですけれども、ヨハネスブルク・サミットになりますと、持続可能な開発というような形で、むしろ世界の中の不公平というんでしょうか不公正というんでしょうか、貧困問題など、そうした問題に非常に焦点が集まっているわけですよね。そういう中で、我が国がこの貧困問題の解消、特に識字率であるとか、それからマイクロクレジットといったような形で、要するに単にお金を上げる、支援をするだけではなくて、いわゆる釣りざおを与えましょうといったような動きも非常に広がっておりますし、それから、ミレニアムサミットの宣言にもございましたように、積極的に貧困を削減していくと。貧困者と言われる人の数、一日一ドル以下で暮らしている人たちの数を半減していこうと、二〇二〇年でしたか。そういったような動きがあるわけですけれども、リオのサミットのときには、当時の宮澤総理が非常に大きな形で資金面でのプレッジをなさいました。
 今回のサミットにおいては、私たち日本はどのようなプレッジを具体的になさるおつもりなのか、お伺いします。
#36
○政府参考人(高橋恒一君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、今回のヨハネスブルク・サミットにおきましては、持続的な開発ということで環境と開発と両方の側面が取り上げられるわけでございますけれども、今年に入りましてから行われました一連の国際会議を通じまして、途上国側の強い希望もあって、開発、特に貧困問題等に対する関心が強まっている、高まっているということは事実でございます。
 そういう中で、先ほど委員からも御指摘がございましたけれども、この問題につきましては、ミレニアムサミットでミレニアム宣言というものが採択されまして、その中でミレニアム開発目標というものがあるわけでございます。二〇一五年までの貧困人口を半減するとか、初等教育の普及、出産死亡率、乳児死亡率の削減とか、そういった開発分野における幅広い目標を掲げているわけでございますけれども、我が国におきましても、この目標の達成のために途上国への資金協力、それから人づくりのための技術協力を通じまして、達成に向けて最大限の努力をしていくという考えでございます。
 特に、この貧困ということに関しましては、やはり教育だとか保健衛生ということの分野でのODAの活用というのが非常に重要だというふうに考えておりまして、校舎の建設、病院建設等のハード面のみならず人材育成等のソフト面への支援も重視しておりまして、保健、教育等の基礎生活分野におきまして、我が国のODAの約三割をそういう分野に割り当てておるわけでございまして、こういった我が国の考え方に基づきまして、ヨハネスブルク・サミットにおきましては、考え方とそれから教育、保健等に関しまして、約束文書という今後の各国の具体的な行動の取組を発表する、そういうのがあるわけでございますけれども、各国、それから国際機関、NGO等とのパートナーシップというものを念頭に置きながら、我が国としてどういう具体的な行動を今後取れるのかということについて打ち出していきたい、いければというふうに考えております。
#37
○広中和歌子君 ちょっと話が前後して恐縮なんですが、条約そのものの中で資金のことが何か所か書かれているわけですけれども、条約の下に設置される気候変動特別基金、資金ですか、それから最貧国基金、それから議定書の下に設置される適応基金、それぞれの各国の資金供与というのは、これは義務付けられるという、法的に義務付けられるというんでしょうか、罰則を伴うとか、何かそういったものがあるんでしょうか、お伺いいたします。
#38
○政府参考人(高橋恒一君) お答え申し上げます。
 昨年のマラケシュにおきますCOP7の合意におきまして、気候変動、京都議定書の下に三つの基金、すなわち気候変動のもたらす影響に適応するための措置や技術移転等に関する事業、エネルギー関連活動等を支援するための特別気候変動基金、それから後発開発途上国による国別適応行動計画の作成等への支援を行う後発開発途上国基金、それから第三番目のものといたしまして、京都議定書を締結した開発途上国の気候変動への適応を目的とする事業等を支援するための適応基金、この三つの基金の設置が合意されております。
 この基金への、どういう形でこの基金を作っていくかということにつきましては、基本的には先進国等からの自主的な拠出を財源とするということとなっております。
 ただ、具体的な、今後どういう形でこの基金のターゲットといいますか、ものをするのかとか、そういうことについての協議、交渉というのは、この条約が発効してから締約国会議等で討議されると、そういうことと承知いたしております。
#39
○広中和歌子君 アメリカはこの議定書には参加しないとは言っていますけれども、こういった資金面では協力をすることを約束して、あるいは約束じゃなくて表明しているんでしょうか。
#40
○政府参考人(高橋恒一君) 御案内のように、米国は昨年の三月に京都議定書からの離脱を宣言いたしております。それから、先ほど申し上げましたCOP7で合意いたしましたこの三つの基金というのは、あくまでも京都議定書の下に設けられる基金でございます。アメリカは、それまでの交渉におきましては、交渉を進展させるためにこの基金というものを交渉してきたという認識を持っておったわけですけれども、もう現時点においては一応京都議定書にはアメリカは入らないということでございますので、いずれの基金に対しても拠出を行う意図はないということを表明しております。
 ただし、アメリカは、御案内のように、京都議定書ではない自らの気候変動枠組条約の締約国としての独自の気候変動対策というものを今年の二月に発表いたしておるわけでございまして、その中におきまして、京都議定書の新たな基金については拠出を行う意図はないわけでございますが、気候変動枠組条約で想定、作っております既存の資金メカニズムでございます地球環境基金、これへの拠出に関しまして、二〇〇三年度予算において一・七八億ドルの拠出を行うということを二月に表明いたしておるわけでございます。
#41
○広中和歌子君 地球環境基金、GEFですけれども、このGEFが今度の京都議定書の様々な資金メカニズムもやはりハンドルするんではないんですか。
#42
○政府参考人(高橋恒一君) 先ほども申し上げましたように、具体的なこの基金の在り方につきましては今後検討をされるということになっておりますが、現実的な観点に立ちますれば、枠組条約の下で機能しておりますこの地球環境基金というものをどのように活用していくかというようなことが大事な点になるんじゃないかと、そういうふうに考えております。
#43
○広中和歌子君 それでは、京都メカニズムについてなんでございますけれども、要するに、非常に面白いメカニズムだなと思いながら読んでおりました。
 この京都メカニズム、共同実施と、それから排出権取引、それからクリーン開発メカニズムと、三つのカテゴリーに別れておりますけれども、いずれにしても、先進国の中で非常にクリーンな環境技術を持っている国が他の国々を支援すると。それが同じような議定書一に属している先進国である場合もあれば、途上国である場合もあるわけだろうと思います。
 そういう中で、私が非常に関心を持っておりますのがお隣の中国でございます。中国は、もう正にこれから二十一世紀、もう入っておりますけれども、大きな経済大国になるということで、何も温暖化の部分だけではなくて、あらゆる部分で中国が非常に環境に配慮した開発をしていくということは我が国にとっても非常に大切なことであり、この分野での協力というものを積極的に進めていかなければならない。
 それと同時に、そうした経済発展の仕方をすることによって、このアジア太平洋地域における環境と経済を両立させたすばらしい経済圏を作っていくと。そういうことで日本が中国などとリーダーシップを発揮できるんではないか、そのような考え方を持っているわけでございますけれども、中国をどのように巻き込んでいくかについての構想についてお伺いいたします。
#44
○政府参考人(山田範保君) 先生御指摘のように、京都メカニズムをどうやって活用して日本が国際貢献をしていくか、大変重要な課題であろうと思っております。
 私どもといたしましては、国際的な交渉におきましてこの枠組みづくりに主導的な役割を果たしていくということ、それから、でき上がりました仕組みを十分使いまして、特に途上国が関心が高いこのクリーン開発メカニズムを十分に実施していくと、この二つが日本の国際貢献ではないかと、このように思っております。
 既にボンのCOP6ビスにおきましては、大臣レベルの交渉におきまして、補完性の原則の下に具体的な数字によるシーリングということを避けまして、私どもとして最大限これを活用していくという道が開くことができたと、このように考えております。
 今後、国際的な枠組みづくりは技術的な側面のウエートが非常に高まってくると、このように考えておりますので、本年の四月から京都メカニズムに関します検討会を開催いたしまして、各界の専門家から意見を賜りまして、技術的な側面の知見を環境省として高めまして、それを活用いたしまして、国際的な、例えば来月早々ボンで始まりますSBSTA16の会議に臨みたいと、このように考えております。
 特にお尋ねの中国に関してでございますが、本年一月、北京で開催されましたASEM環境大臣会合第一回目会合の際に、国家発展計画委員会と環境大臣との間で合意いたしました協力に基づきまして、先方の国家発展計画委員会と環境省のIGES、この二つの機関でCDMの具体的な扱い方のセミナーの共同開催を探求していると、こういう段階でございます。
#45
○広中和歌子君 この前の本会議でも申し上げたんですけれども、やはりこの京都議定書の指針に沿って日本がCO2などの温暖化ガスを削減していくためには、やはり経済界の協力が必要だろうと思うわけでございますが、承るところによりますと、直接多くの方に聞いたわけではありませんけれども、新聞報道などによりますと、一部の経済界では腰が引けているというような話も聞くわけでございますが、この温暖化、京都議定書の発効に向けまして、日本の産業界はどのような受け止め方をし、どのような取組をしていこうとするのか、経済産業省からお伺いしたいと思います。
#46
○政府参考人(大井篤君) 従来、経済団体連合会の環境自主行動計画を始めといたします産業界の積極的な自主的取組というものが行われてきているわけでございます。
 ここ十年ぐらいの結果を見てみますと、産業部門につきましては、御承知のとおり、ほぼ横ばいという状況でございます。他方、民生、運輸を中心といたしまして二〇%近い、あるいはそれを超えるような増加という状況になっている。そういうことを考えますと、これまでのいわゆる自主的な取組というものは着実な成果を挙げているというふうに考えているわけでございます。
 こうした状況を踏まえまして、今般取りまとめられましたいわゆる地球温暖化対策推進大綱におきましても、産業界の行う地球温暖化対策、これにつきましては、技術革新であるとかあるいは企業の創意工夫、こういうものが生かされるような自主的取組というものを基軸としているということでございます。経済産業省といたしましても、引き続き産業界と十分連携、協力しつつ、産業界の積極的な取組を進めていくという考えでございます。
 また、経済界によって受け止め方が少し違うんではないかという御指摘でございますが、私どもは、いろいろ記者会見等見てみますと、基本的には経済界の方も環境と産業をどう調和、環境と経済というものは一体どう調和していくのか、それからまた、自分らのやったいろいろ削減行為と削減の努力というものが真に効果的なものになる、そのためにも、米国であるとかあるいは開発途上国、こういったものをいかに取り組んでいくのかと、こういったことが大変重要である、そういった認識においては基本的には同じであろうかというふうに考えております。
#47
○広中和歌子君 産業界には、もちろん私、これまでの公害防止技術その他、大変評価するところは多いわけでございますが、この議定書発効の後、各産業界、分野別に削減目標みたいな、数値目標みたいなものを立てて、何というんでしょうか誘導していく、そういうようなお考えというのは入っておりますか、地球温暖化対策推進大綱の中に。
#48
○政府参考人(大井篤君) 一応、産業界としてどのくらいの削減が見込まれるのであろうかといった目安的なものというものはございます。そういった目安的なものというものを頭に置きながら、産業界あるいは経済界の中のいろんな各種の産業あるわけでございますが、そういったところが正にどういう形で、いろんな技術革新であるとかそれぞれの産業のいろんな創意工夫によって、どのように、目的といいますかそういった目安というものに近づけていくのかと、こういった努力というものが期待されるというふうに考えているわけでございます。
#49
○広中和歌子君 では、森林問題について伺いたいと思うんです。
 この削減の枠の中で、森林のCO2吸収として三・九%までカウントされる、そういうようなことが決まったわけでございますけれども、我が国の国土の森林の、何というんでしょうか、占める面積というのは既に六七%で、これ以上新規に植林をしていくということはほとんど不可能ではなかろうかと思います。
 そういう中で今現実に存在する森林を、ただ立っているだけじゃ削減は、CO2削減にカウントされないというふうに承っていますけれども、どういう形でこの三・九%に限りなく近づくような努力をなさるのか、お伺いしたいと思います。
#50
○政府参考人(石島操君) 森林の吸収量をどのようにカウントするのかということでございますけれども、この削減目標に参入し得る吸収量につきましては京都議定書において定められておりまして、その定めによれば、適正に整備あるいは管理がなされた森林の吸収量のみをカウントすると、こういう定めになっておりまして、目標を達成するためのまず大前提として日本の森林を適正に整備、管理すると、このことがまず前提として不可欠であると。その上でどれほどの森林をカバーして、私どもが整備していくかということになるというふうに認識しております。
 それで、三・九%が達成できるかどうかということでございますけれども、この点につきましては昨年閣議決定されました森林・林業基本計画というものがございます。この中で森林の整備目標というのが定められておりまして、その目標達成がなされれば、この三・九%という日本の森林の吸収の上限ですね、上限値は確保が可能ではないかというふうに推計をしております。
 ただし、現状程度の森林整備がなされた場合にはこの目標の三・九%を大きく下回って、国際約束といいますか、森林の吸収量としての三・九%の確保は極めて困難な状況だというふうに考えております。
#51
○広中和歌子君 この週末に私はある山に行ってまいりまして、天城だったんですけれども、個人所有の土地でございましたけれども、そこで伐採をしている。それは何というんでしょうか、林野庁が中心となって、多分、国費も投入しながら伐採をしていると。七割ぐらい伐採して、そして要するにすき間を作りながら新たな成長余力というものを木々に与えようと、そういうような取組をしているわけでございますが、こうした努力というのが、この林野庁の百年の森構想を含んで、とともに努力が倍加していくという、そういうようなふうに受け止めてよろしいんでしょうか。
#52
○政府参考人(石島操君) 私どもが、森林の整備がしっかり行われていくためには、森林所有者が意欲を持ってこの森林整備に取り組んでいただけるような状況を作っていかなければいけないというふうに認識しておりまして、この国産材を中心とした木材利用の推進、これは地球温暖化のための森林整備が進む上での大前提と考えておりまして、そのことにもあらゆる努力をしていきたいと思いますが。
 さらに、今回の地球温暖化防止の新しい大綱の中でも、地球温暖化防止森林吸収源十か年対策というものを展開することとなっておりまして、この十か年対策に基づきまして、関係府省と連携を図りながら、その中に四点ほどやるべきことというのは記載されておりまして、健全な森林の整備、これを推進します。二点目は、保安林等の適切な管理、保全を進めます。三点目は、国民各界各層が努力するという意味で、国民参加の森づくりを進めますと、さらに、今ほど申し上げましたが、その前提となる木材の利用、この推進にも取り組むということにいたしておりまして、私どもといたしましては、この十か年対策、これにしっかり今後取り組んでいくことによって、三・九%の目標を達成に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#53
○広中和歌子君 その天城の森で分かったんですが、教えてもらったんですが、間伐をしますよね、それが三十五年ぐらいたった立派な木なんですよ。ところが、それはもうほとんど捨てていくというんですね。つまり利用先がない、利用先がないというか、少なくとも経済性、経済に見合う、経済性に見合う利用先がないということなんですよね。
 本当にもったいないなと思ったところでございますが、日本は外材というもの、外国から木材をどんどん輸入していると。そういう中で森林の整備そのものも、それから利用も非常に難しいんではないかなと。私はかねてから、森林、木材資源に関してはWTOに例外規定を作るべきだというふうに主張しているんですが、なかなかそちらの方向に進まないんですね。もうちょっと林野庁、力を入れられてもよろしいんじゃないかと思いますが、何がそれを邪魔をしているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#54
○政府参考人(石島操君) 御指摘のように、外材が木材利用の八割を占めるような状況になってございまして、国産材の利用というものは極めて低迷しております。
 どうしてこういう状況になっているのかといえば、一番大きいのは品質、性能、この点で外材に後れを取ったというのが一点ございます。家を建てる場合に、乾燥材というのが非常に重要でありまして、乾燥の程度ということが求められているんですが、そういう木材乾燥率というのが外国の木材に対して日本の木材は極めて低いということで、私ども、今この乾燥施設に対する助成を強力に進めて、品質、性能面で外国の木材に太刀打ちできるような体制をひとつ作っていきたいと。
 二点目は、日本の森林所有が極めて零細だということで、大量に安定的に木材を供給する体制が必ずしも十分でないと。したがいまして、各地方にそういった大量に安定的に供給できる流通拠点、これをしっかり整備していくことが大事だということで、これは都道府県と一体になりまして、そういう流通拠点を計画的に整備していこうと、そういうことを通じて、外材に対抗し得る構造改革、これを進めていきたいというふうに考えております。
#55
○広中和歌子君 じゃ、残された時間、環境教育、環境学習について文部省にお伺いさせていただきたいと思います。
 この前のリオのサミットの前後の盛り上がりに比べまして、何か非常に今度のヨハネスブルク・サミットについても、またこの京都議定書についても、マスコミの報道も地味ですし、ましてや一般の人たちが環境問題についてどれくらいの認識を持っているかということが非常に危惧されるわけですが、もっとこの京都議定書の批准から発効に掛けての、なぜそれが大切なのかといったようなもうちょっとアナウンスをしていただいたらいいんじゃないかと。それと同時に、環境教育を様々なレベルで、学校レベルもございますでしょうし、大学教育の中もございますし、社会人教育、地域教育、そういうようなところで様々に取り組んでいただきたいと、そういうふうに思うんですが、この環境問題を教育の中にどのような形で今後取り組んでいこうとされるのか、お伺いしたいと思います。
#56
○政府参考人(寺脇研君) 環境の問題というのは非常に大事な問題でございます。特に、子供たちの将来に大きくかかわってくる問題でございます。
 そういう意味で、子供たちにも学んでもらいたいし、それから大人たちももちろんそれを知っていないと子供を育てていけないわけでございますので、御指摘のように、学校のみならず、地域社会やあるいは更には身近なところで家庭の中でもそういった話題が出たり、教育が行われたりするように様々な手だてを講じておるところでございます。
 具体的に申せば、学校に関して言えば、学習指導要領の中に総合的学習という形で取り込まれました、体験的、問題解決的な学習の題材として環境問題を取り上げていくということの中で、京都議定書の問題でありますとか、そういったことについても小学生の段階から必要に応じて学んでいくというようなことがございます。大学においても、そのような関係の学部、講座を次々と開いてまいるというようなことがございます。
 また、地域社会の中で大人たち同士がそういうことを議論し合う、また家庭教育でも、文部科学省が作っております家庭教育ノートという子育ての指針というか、子育ての考え方がございます。その中で、身近なごみの問題とか、そういうところから始まって、それが大きな環境の問題につながっていくというようなことを学んでいけるようにるる配慮させていただいておりますが、今後また更に努力をさせていただきたいと存じます。
#57
○委員長(武見敬三君) 時間でございますので、次の質疑者に移らしていただきたいと思います。
#58
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 私、持ち時間が十五分しかございませんので、是非、答弁される方、簡潔にお答えをいただきたいと思いますが、まず京都議定書の関連の質問をさせていただく前に、私、難民問題について幾つかお伺いをいたしたいと思います。
 じゃ、官房副長官、よろしくお願いいたします。
 今、政府内では瀋陽の事件を受けまして、難民あるいは亡命者の対応についての見直しの検討が始まっていると報道されているわけであります。川口外務大臣も、先日、この質問を受けて、法務省の中で今度難民に関する部会ができることを念頭に置かれて、法務省での検討を見守りたいという発言をされていたわけですが、私、個人的には余り釈然としておりません。なぜかと申しますと、難民対策というのは、それは難民認定という問題に限って言えば法務省の所管でありますが、実は今問われているのは、私は政府全体の難民支援策あるいは難民対応策ではないかというふうに思っているわけです。
 例えば、法務省は難民認定、外務省は在外公館での対応、あるいは難民認定申請者に対する援助事業は外務省所管の財団法人がやっております。文部科学省、文化庁は日本語教育、それから厚生労働省は医療、保健、住居、就労のあっせん等の定住支援をやっていると。また、総務省も地方自治体での認定された難民の外国人登録や行政サービス等にかかわるということでございます。
 ですから、この難民問題というのは一般的にもちょっと誤解されていて、全部法務省というようなイメージがあるんですが、難民をどこでどう受け入れて、またどういう基準で認定をして、また認定作業中の申請者をどう処遇して、また認定された難民の方々をどう処遇していくのかと、定住支援していくのかというプロセス全体の問題であると。
 ところが、今の国会での議論を聞いていると、難民とか亡命者をどれぐらい受け入れるかという量の話ばかりで、その難民申請を日本でしている人、あるいは認定された人の庇護の在り方という質の問題、量の問題じゃなくて質の問題についての話が全然されていないと。人道的な観点からいえば、それは日本が受け入れている難民の絶対数が少ないという問題も国際社会で指摘されているわけですが、私は受け入れられた難民の方々が日本でどういう処遇を受けているのか、あるいは亡命したい、あるいは難民として申請を、認定していただきたいということで申請をしている方々が日本に滞在しているときにどういう扱いを受けているのかと、この点についてのやはり議論がなければ、政府内でなければいけないと。
 これは省庁横断の話ですから、ですから今日わざわざ官房副長官においでいただいて、総合的に政府として対応を検討すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
#59
○内閣官房副長官(上野公成君) お答えいたしますけれども、今、委員御指摘のとおり、この問題は我が国社会の在り方全般にかかわる、深くかかわる問題でございますので、御指摘のとおり、法務省だけの問題ではなくて、政府全体で検討していかなければいけない問題だというふうに考えております。
 ただ、非常に難しいいろんな扱い方につきましては、人道、人権に関する意識の動向でありますとか、国際社会における日本の役割や関係国との関係、更に国内労働に及ぼす影響、それから国内治安に及ぼす影響、いろいろございますので、そういうことを勘案して検討していく必要があるんじゃないかなと思っております。
#60
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 それで、私、一つ今日提案があるんですが、昨年の三月、国連の人種差別撤廃委員会は、日本において、インドシナ難民と、難民条約に基づいて認定された一般的に条約難民と言われる方々に対する待遇が異なっていることを指摘をして、改善するように勧告をいたしました。
 インドシナ難民に関しては、閣議了解に基づいて条約難民とは別の日本定住支援スキームがあります。これは内閣官房に事務局を置いておりますインドシナ難民対策連絡調整会議という正に省庁横断の機構によって運営されておりまして、このインドシナ難民の方々に限っては様々な手厚いプログラムがあるわけですね。ベトナムの本国から家族の呼び寄せができたりとか、呼び寄せた家族に対して生活適応指導であるとか日本語教育とか、品川にある国際救援センターなどを通じて、これは外務省の所管ですが、外務大臣、しっかりやっております。
 他方、条約難民に関しては、同じレベルの定住支援スキームがほとんど未整備です。この点をこの人種差別撤廃委員会でも指摘されましたし、また最近、昨年の九月になりますけれども、その難民事業本部から委託を受けて調査をした、日本で暮らしている百人の難民申請者及び認定難民の暮らしの状況に関するレポートが昨年の九月に出ました。
 これなどを読みますと、非常に困難な生活を強いられている条約難民、これは日本が認定した方々ですよ、認定した方々でもインドシナ難民と比べると非常に困難な生活を強いられているということがあるので、私は是非、政府としてこのインドシナ難民に対してやっているスキームの対象を拡大して、条約難民として法務省からしっかり認定された方は、少なくとも同じようなレベルの保護をしていくようなことを検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#61
○内閣官房副長官(上野公成君) 今、御指摘のとおり、国連の人種差別撤廃委員会で指摘されていることも事実でございます。
 そこで、ちょっと経緯を申し上げますと、インドシナ難民の方は、昭和五十三年に閣議了解でそういうことを受け入れているわけであります。
 一方、条約難民ですね、いわゆる、この条約難民につきましては、五十七年に発効したいわゆる難民条約と、それから国内法では出入国管理及び難民認定法に基づきそれぞれ対応を行っているわけでございますけれども、委員御指摘のように、インドシナ難民につきましては、五十四年の閣議了解で、今お話がありましたように、定住促進施設で日本語教育をしたり、職業あっせんをしたり、定住支援策を実施しているところでございます。
 それに対しまして、条約難民の方は、希望者についてはそういった同じ措置をやっているわけでございますけれども、しかしこの希望、全体の受け入れた難民に対して実際に入所している人の数は非常に少ないのも事実でございますので、先ほど政府全体で検討していくということを申し上げましたけれども、こういう点につきましても、関係省庁と協議しながら、幅広い視点から検討をしていく必要があるというふうに考えております。
#62
○遠山清彦君 副長官、今、希望者に、条約難民の希望者について同じようなことをしているとおっしゃいましたが、私が調べた限りでは、今まで条約難民でインドシナ難民に対する定住支援スキームを利用できたのは五例、五人だけで、これも弁護士さんたちが物すごい頑張っていろんな政治判断で入れたというのが実情であって、過去二十年間で日本が受け入れた二百八十四名の認定難民から見たら非常に少ない、まれなケースであるということで、私、それは例外だと思います。
 それで、法務省さんの方にちょっとこの難民について一つだけ聞きたいんですが、この難民認定を受けた条約難民の話が先ほどの話なんですけれども、この難民認定の申請をして日本で待っている方、これは正確な数字、政府は発表しておりませんが、私、三百人程度と現在見込んでおりますけれども、この方々は在留就労許可がないために様々な困難に直面して生活をしていて、その在留許可がないということは不法入国者という、法的に見れば、側面もありますので、いつ強制送還されるかという精神的におびえている。しかも、認定の結果が出るまで一年、二年と掛かることが一般的でありまして、その間ずっと日本に滞在しているんですが、不法入国者、在留資格がない。ですから、仕事もできない、生活保護も受けられない、医療保険も受けられない。病気になって病院に行ったら、一回のその医療費が一万円以上掛かると。
 こういう状況で、確かにまだ認定されていない難民ではありますが、申請して日本に滞在していることを政府も認知している方々でありまして、その人たちに対してこのような非人道的な状況に置いているのは、私は恥ずかしくて日本が人道大国なんということを国際社会に言うことができません。
 そこで、法務省さんに、この難民認定申請をして待っている人たちに対しても、一定の条件付でも結構ですから限定的に、その結果が出るまでは在留・就労許可を付与することを検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#63
○政府参考人(中尾巧君) 委員御指摘の難民認定申請者につきましては、我が国に適法に入国して何らかの在留資格を付与されている者と全く在留資格のない不法滞在者と、こういう二通りがございます。したがいまして、委員の御指摘の場合といいますのは、在留資格のない状態で難民認定申請中の者について何らかの法的地位の安定化を図る必要があると、こういう御指摘だろうと思います。これも一つの卓見だろうとは思います。
 ところが、この点に関しましては、我が国には約二十五万人という、推定でございますけれども、不法滞在者が現にいるわけです。こういう現状を考えますと、難民申請を乱用して在留を画策しようとする不法就労者等を排除するための措置は必ず必要だろうと思います。ですから、そういう措置を何らかの、それが多分、先生、委員御指摘の条件だろうと思いますが、そういう措置を講じないまま、難民認定申請中であることのみをもって一律に不法滞在者に在留資格を付与するということはやはり適当ではない、かと、こういうふうに考えております。特に最近は……
#64
○遠山清彦君 分かりました。オーケーです。
 一点指摘しておきますが、難民申請を乱用する不法入国者がいるということは私も認めますけれども、その事実をもって、真正な、つまり純粋に条約上難民と認められ得る人たちも、そういう乱用者がいるからといって、乱用していない人たちも巻き添えにしてこういう扱いをしていることは私はどうなのかなと。
 ですから、そこはしっかり法務省さんの方で、乱用している人がじゃ一体申請してくる人の何割なのか、データを出してそれは反論していただかないと私は納得できないということをちょっと申し上げたいと思います。済みません、ちょっと時間ないので。
 松政務官に来ていただいているので、環境問題に関して一点だけ経済産業省に聞きたいと思います。
 私は、このエネルギーの問題に関して、過度の原発依存から脱却をして、日本は風力発電とかバイオマスとか燃料電池などの新エネルギーの導入を積極的に進めるべきではないかというふうに考えておりますけれども、経済産業省、また環境省さんも来られておれば、この新エネルギーの普及、促進、導入について、それぞれのお立場からお話をいただければと思います。
#65
○大臣政務官(松あきら君) 遠山委員にお答えをさせていただきます。
 その原子力につきましては、我が国の電力量の約三分の一、三四・五%を供給をしております。引き続き基幹電源としてその役割を期待しているところでございます。
 加えて、燃料電池、バイオマス、風力等の新エネルギー、これは合わせましても実は〇・二%でございます。水力はちなみに九・七%。エネルギー安定供給の確保、あるいは地球環境問題の対応を図る観点から、その導入促進に最大限の努力を傾注することが重要であるというふうに考えております。
 これらの新エネルギーにつきましては、現時点では、経済性や供給面の面で課題を伴うものであります。要するに、発電コスト、設備等の、とてもお金が掛かるわけでございます。その促進を図るため、平成十四年度予算として千四百四十九億円を計上するとともに、今国会、並行しまして、今、下でやっております電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法案を提出しているところでございます。
 今後とも、それぞれのエネルギーの特性に応じまして技術開発や導入に対する支援策の拡充を図るなど、その開発、導入に向けて全力で取り組んでまいる決意でございます。
 ちなみに、例えば太陽発電しようと思いますと、山手線内に全部パネルを敷き詰めてこれをやらないと原発一基分に当たりません。パネルのお金だけで七兆円のお金が掛かるということを申し上げておきます。
 以上でございます。
#66
○遠山清彦君 環境省。
#67
○政府参考人(山田範保君) 新エネルギーの導入は大変重要であると、このように考えておりまして、新しい地球温暖化推進大綱におきましてもCO2換算で三千四百万トン相当の削減を目指して大幅な導入を図ると、このように考えております。
 既に、太陽光につきましては、実は日本は最大の供給者になっておりまして、二〇〇〇年の国際エネルギー機関の統計によりますと、全世界の四〇%を占めております。しかしながら、風力につきましては、残念ながらアメリカの二十分の一、ドイツの四十分の一ということでございます。様々な理由がありましたが、各般の努力をしてまいりたいと、このように考えております。
#68
○遠山清彦君 以上で終わります。
#69
○小泉親司君 京都議定書について質問をさせていただきたいと思いますが、まず初めに、質問に入る前に、防衛庁の情報公開のリストを作成した問題について質問をさせていただきたいと思います。
 この問題は、防衛庁が情報公開によって定められた国民の情報公開の権利を逆手に取って、申請者の思想や信条を調査していたというもので、人権、プライバシーの上からも看過できない重大な事件だというふうに思います。私は、この委員会で集中的な審議をするべきだということを求めておりますけれども、今回、この質問の機会に幾つかの問題について質問をさせていただきたいと思います。
 今回の事件は、海幕三佐が情報公開請求者の百四十一名のリストを回覧したというふうな問題でありますが、防衛庁は、これは個人の問題で、言わば上司に報告したものだというふうに説明しておられる。
 そこでお尋ねしますが、先ほど防衛庁長官は、このリストが渡った先について、海幕の情報公開室、本庁及び陸空の情報公開室というふうに答弁をされましたが、その他はどういうところに渡っているんですか。
#70
○国務大臣(中谷元君) 現在、本件において調査を続けておりますけれども、現時点におきまして、内局の情報公開室、陸幕の情報公開室、陸幕の総務課、空幕の情報公開室、海幕の調査課保全室の担当者及び海自の中央資料隊調査課長の担当者に対して、海自の中央調査隊調査課長の八名に対して配付を行ったということでございます。
#71
○小泉親司君 このリストがなぜ海自の中央調査隊や調査課保全室といういわゆる情報、諜報部門に渡っている、なぜこれは渡したんですか、どういう調査されて、この点については。その理由は何ですか。
#72
○国務大臣(中谷元君) 先ほど八名と申しましたが、七名でございます。
 なぜここに渡ったのかという点につきましては現在調査をしている段階でございます。
#73
○小泉親司君 いや、中央調査隊や調査課というのは情報部門であると、これは防衛庁長官もお認めになるわけですね。
#74
○国務大臣(中谷元君) 中央資料隊の調査課の業務ですか。
#75
○小泉親司君 ちょっと、中央調査隊なんですか、中央資料課なんですか。そんな中央資料課なんという組織があるんですか。
#76
○国務大臣(中谷元君) 中央調査隊の調査課でございまして、本件に、本組織の役割、任務につきましては、海上幕僚監部並びに東京都に所在する海上自衛隊の部隊及び機関の保全のために必要な資料及び情報の収集整理及び配付に関すること等を業務といたしているところでございます。
#77
○小泉親司君 ということは、中央調査隊や調査課といったいわゆる情報部門から今回の点での指示が行ったというふうな事実はあるんですか。
#78
○国務大臣(中谷元君) 現時点においてそのような指示があったというふうには聞いておりませんが、本件につきましては更に詳しく調べをいたしている状況でございます。
#79
○小泉親司君 ということは、中央調査隊や調査課から指示があったかどうかというのも調査の対象に入っている、こう理解してよろしいですね。
#80
○国務大臣(中谷元君) そのことについても現在聞き取り調査等を行っております。
#81
○小泉親司君 私、この調査隊というのは、先ほど長官も述べられましたが、これは例の防衛庁設置法の改正によりまして、今度、情報保全隊に改編される組織ですね。その組織の具体的業務を見ますと、自衛隊に対する外部からの働き掛け等から部隊等を保全するために必要な資料及び情報の収集整理などと。今度は新編後になりますと、働き掛けなどが発生及び発生した疑いのある一定の場合にも実施していたほか、おそれのある場合にも実施する等、一層の機能強化と。
 つまり、この部隊に入っているということは、現実問題として、この自衛隊に対する外部からの働き掛け等から部隊等を保全するために必要な資料、情報の収集だということになると、事実上こういうふうなところに資料が渡っていたということになると、現実問題として、単なる個人の働き掛けという問題ばかりにかかわらないで、当然自衛隊の常態的な業務としてやっていた、組織的な、ぐるみ云々よりも常態化してこの任務としてやっていたというふうになるんじゃないですか。その点で私重要だと思いますが、その点、防衛庁長官、いかがお考えですか。
#82
○国務大臣(中谷元君) 現時点までの聞き取り調査によりますと、受け取った本人は全くそれを業務上に使っていないということでございます。なお、どのような経緯において配付に至ったのかという点については現在調査をしている段階でございます。
#83
○小泉親司君 防衛庁が五月二十九日に「開示請求者の個人情報を記載したリストについて」という発表文書を出しておりますが、この中で防衛庁は「このような資料作成は、思想・信条の調査を行っていたかのような誤解を与え、」というふうになっておりますが、これはあれなんですか、個人の行為かどうかは別にして、思想、信条の調査そのものなんじゃないですか。それとも、それは誤解を与えたことなんですか。
#84
○国務大臣(中谷元君) 個人の思想、信条等につきましては、自衛隊としましては、思想、信条、信教の自由は尊重されるべきものであると考えておりまして、調査隊においても思想、信条、信教について一般的に調査を行うということはいたしておりません。
 しかしながら、自衛隊は我が国の平和と独立を守り、国の安全を確保するということを任務としておりまして、これらの任務を適切かつ円滑に遂行するためには、職員等が特定の団体の影響を受けて規律違反等を行ったりすることがないよう厳正な規律を維持することは重要でありまして、また未然に規律違反を防止する必要がございます。こういう観点から、職員において所要の信条把握等を行いまして、また職員に対して規律違反を脅かすおそれのある団体等については所要の情報収集等を行っているわけでございますが、本件につきましては聞き取り調査の段階でございますが、個人的にはこの資料を全く使っていないということでございます。
#85
○小泉親司君 私、大変その点ではこの事実関係はまだ不明確だと。
 そこで、五月の二十八日に防衛庁長官は防衛庁で記者会見をやっておられますが、この中で新聞記者の質問に答えまして、防衛庁長官が「外務省とか防衛庁等の場合は、国の機密でやはり外交・安全保障に関する情報も扱っております。そのような官庁としてどうあるべきかにつきましてはもう少し調べてみたいと考えております。」と、こう答えたことに対して、今のお話を聞きますと、事務手続で思想、信条が必要な場合もあるということですかという質問に対して、「やはり国家の機密的なことがございますので。」と。これは大変私重大な発言で、事務手続上思想、信条が必要な場合があるということを防衛庁長官自身がお認めになった。
 ということは、情報公開の中でもこういうことが必要だということを長官自身もお認めになっているんじゃないですか。
#86
○国務大臣(中谷元君) その記者会見の中で、私としてはこのような情報公開の制度にかんがみまして、開示を申請する人に対しては公平に扱い、また分け隔てのなく対応すべきだというふうに申しております。したがいまして、国の安全上保全すべき情報があるというのは当然でございますが、本件のように情報公開等の制度におきましては、分け隔てなく対応するというのが趣旨でございます。
#87
○小泉親司君 さらに、防衛庁長官は、リストを作ることについてはどうお考えかという質問に対しまして、個人の身上、身の上ですね、とか背景などを載せたリストは作るべきではないと答えておりますが、これなぜ作るべきじゃないんですか。法律的に禁止されているからなんですか、憲法上抵触するとお考えなんですか、どっちなんですか。
#88
○国務大臣(中谷元君) それにつきましては、今回の情報公開制度と申しますと、いわゆる開かれた政府を実現するための重要な手段でありまして、いわゆる国民の知る権利に基づいて正当な手続をもって申請をしてこられる方に対しては、そのようなプライバシーの保護をするのが当然でありますし、公平公正に扱っていかなければならないということでございます。
 もとより、請求をしてこられる一般の国民の方に対して、個人の信条とか思想等を調べるということはあってはならないことだというふうに思います。
#89
○小泉親司君 あってはならないことだと私も思いますが、請求者の個人情報を防衛庁・自衛隊が調査すること自体私は憲法違反だという認識を持っていますが、その点は防衛庁長官も同じような御認識なんですか。
#90
○国務大臣(中谷元君) 本件につきましては、開示者や国民の皆様に不安やまた御迷惑をお掛けしたことでありまして、極めて遺憾でございまして、本件につきましても厳しく反省をする必要があると考えております。
#91
○小泉親司君 いや、私が御質問しているのは、あってはならないことだというのは私も同じようにそう思いますが、自衛隊自身がこういうふうな請求者の個人情報を調査するということは、憲法上のゆゆしき問題だという認識があるのかないのかということをお聞きをしているのであります。
#92
○国務大臣(中谷元君) 情報公開の請求に対して、この請求者、個人の背景等に関係なく開示、不開示の判断を行うのは当然でもございますし、その業務に必要がないにもかかわらず個人の情報について、所掌事務遂行上必要とは、調べることは必要とは言えません。よって、個人情報の保有の目的を逸脱しているものと考えておりまして、個人情報保護法に照らして問題があるというふうに考えております。
#93
○小泉親司君 もう一つ、私は、今回の情報、個人情報の自衛隊による収集問題というのは、長官自身がこういうリストが作成されていたということを知らないという問題も大変ゆゆしき私は問題だというふうに思うんです。その点は、防衛庁長官としてはどういうふうに認識されているんですか。
 これは単なる内局ということじゃなくて、自衛隊の海幕三佐という極めて自衛隊の身分としましては重い方、つまり極めて高い地位の方がおやりになっていることでありまして、これは単なる、私は、一個人の問題では済まされない問題であると同時に、こういうふうなことが防衛庁でまかり通っているということになったら大変重大な問題だと思いますので、その点、防衛庁長官は御自身自身がこの問題について知らなかったということについてはどういうふうなその重大性を認識をされておられるのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
#94
○国務大臣(中谷元君) この情報公開制度というのは、昨年の四月から行われたわけでございまして、とかく市役所とか県庁のように住民の生活に密着をした仕事を多くする官庁でしたら、非常にこういった窓口業務、申請に基づく手続についてはもう経験があって慣れていた部分があったと思います。しかしながら、防衛庁におきましては、このような情報公開をするという業務は初めてでございまして、この点につきまして、やはりこの認識とまたその趣旨というものが十二分に理解をされていなかった部分があったというふうに思っております。
 まず、私の処すべきことは、なぜこのようなことが起こったのかということに関する事実関係を明らかにするために徹底した調査を行うことと、そしてその調査結果に基づきまして厳正に処分を行う考えでありますし、またその上で、二度とこのようなことが起こらないように適切な防止策を講じていくということが私に対する責任であるというふうに考えます。
#95
○小泉親司君 私は、先ほど申し上げましたように、この問題というのは人権やプライバシーにかかわる問題で、特に情報公開という極めて画期的なものを悪用したといいますか、それを逆手に取ったという点では大変重大な思想、信条の侵害であるという点で、その事実報告については、調査についてはこれを当委員会にも報告をしていただきたいということを強く要求をしておきたいというふうに思います。
 それでは次に、本題の京都議定書に基づきます気候変動枠組条約について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 我が党は、今回の条約は地球温暖化を防止する初めての国際的取決めであって、その第一歩として歓迎をするという立場で賛成であります。
 その立場から幾つか私は質問させていただきたいのは、まず一つはアメリカの問題であります。この条約の枠組みにアメリカが当然入らなければならないというのは、もう議論をまたないことだというふうに思います。そこで、これまでもこのアメリカの参加の問題については国会でもいろんな議論がされてまいりました。
 そこで、一つだけお尋ねしたいのは、アメリカはブッシュ政権になりまして、御承知のとおり、大変国際的な枠組みについて、この問題ばかりじゃなくて、国際的枠組みに参加しないということが非常に顕著になっておりますが、この地球温暖化の問題では、今年の二月十五日に気候変動の政策として言わばこの条約の対案的なものを発表された。これに対して、このアメリカ提案に対して、EUの公式見解の声明でも、排出絶対量の増加を許すもので気候変動に効果的に取り組む上では極めて不十分だという声明を出しておられます。
 そこで、外務大臣にお尋ねしたいんですが、外務大臣はこの提案についてはどういうふうな評価をお持ちなんですか。
#96
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃいますように、米国は世界最大の温暖化ガス排出国ですから、このアメリカが温暖化ガスの削減に向かって真剣に取り組んでいくということは非常に重要なことだと私も考えています。
 米国が京都議定書を支持しないと言いまして相当に長くの間、この発表があったのは次の年の二月ですから、三月から二月までのほぼ一年に近い間、米国は、いかなる形で米国が温暖化の問題に取り組むかということについて閣僚レベルで議論を真剣に行っていたわけでございます。
 私は、その過程で、環境大臣でしたので、しばしば米国に対して、その閣僚レベルの会合で早く結果を得て米国がこの温暖化ガスの削減問題に取り組むように働き掛けを行いました。九月十一日の同時多発テロなどを経て少し議論が時間を取ったということはありますけれども、米国はおっしゃった二月にこの新しい案を発表いたしまして、そのときに私は談話を出させていただきました。
 その談話を紹介をさせていただきたいと思いますけれども、まず、米国がその温暖化問題に対して真剣に取り組む姿勢を見せた、発表することによって姿勢を示すということについてはこれを評価をするということを言っております。
 それから、米国の考え方の内容として、温暖化対策を推進する技術の重要性を言い、この技術開発を奨励し、そして経済と環境の両立に配慮をするという考え方を出しておりまして、これは京都議定書の考え方あるいは我が国の考え方と全く軌を一にするということでございますので、その考え方というのは重要であるということでございます。そして、今後、米国の取組が一段と強化をしていくということを望むということを言っているわけでございます。
#97
○小泉親司君 長々とお答えになりましたが、結局、建設的な提案だと御理解されておるわけですか。
#98
○国務大臣(川口順子君) 米国が一歩前に進んで、考え方を発表した、取組の具体案を出したということを評価をする、そしてその考え方の柱については共通な部分があるので、その考え方が重要であって、今後一層強化をしてほしいと、そういうことを言っているわけです。
#99
○小泉親司君 そもそも、だってアメリカはこの京都議定書にも一度は参加しているわけですから、そういう意味では別に取り組むことについては一向に、今までも繰り返し表明していることで、私が質問しているのは、二月十五日のいわゆる代替案というアメリカの地球温暖化の政策、この問題について外務大臣はどう評価しているのかと。長々と御答弁をしていただかなくてもいい。要するに、建設的だと理解されているんですか、それとも、これは全くけしからぬ中身だと、中身ですよ、を考えられているんですか。どっちなんですか。
#100
○国務大臣(川口順子君) 米国がこの具体的な案を発表したことを評価をし、そして、考え方の内容である技術開発を進めるという考え方と環境と経済の両立を図る考え方については、我が国としても重要であるということを言っている、重要と考えているということを言っているわけです。そして、更なる一段の取組の強化をアメリカに期待をしていると、そういう内容です。
#101
○小泉親司君 余り中身のことをおっしゃらないので次に行きますが、今度の条約につきましては、世界と日本のNGOは、抜け穴が二つある、一つは森林吸収という問題、もう一つは京都メカニズムという問題、こういうことを指摘しております。
 そこで、お尋ねしたいんですが、日本の削減目標は六%ということになっておりますが、この六%のうち、森林吸収で削減が見込まれるというのが何%で、京都メカニズムで緩和されるというのが何%なんですか。実質的には、これを差し引きますとどのくらいのパーセントの削減目標になるんですか。
#102
○委員長(武見敬三君) 川口外務大臣。──答弁者は。では、高橋国際社会協力部長。
#103
○政府参考人(高橋恒一君) 失礼いたしました。
 森林吸収によってカバーしようとしておるのは三・九%でございます。
#104
○小泉親司君 じゃ、京都メカニズムは。
#105
○委員長(武見敬三君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#106
○委員長(武見敬三君) 速記を起こしてください。
#107
○国務大臣(川口順子君) まず、私、二つのことを申し上げたいんですけれども、私どもはこれが抜け穴であるとは全く考えていないということでございます。
 それで、なぜかといいますと、まず、京都メカニズムというのは価格メカニズムを使って温暖化の削減をするということでございまして、例えば同じ金額のお金を使うとしたらば、京都メカニズムがあることによってより多くの温暖化ガスを削減できると、そういうシステムですから、これは決して抜け穴ではなくて、むしろ経済的に考えたときによりいいシステムであるということであるということです。
 それから、森林については、これは当然に吸収をしているわけですから、それ自体は正に抜け穴ではなくて、本来持っている機能を条約上、議定書上認めたと、そういう考え方であるということです。
#108
○小泉親司君 いや、私がお聞きしているのは、森林吸収で先ほどお答えは三・九%、じゃ、京都メカニズムで何%なんですかと。
#109
○国務大臣(川口順子君) 実際にどういう数字に結果としてなるかということは、これは全く別な話ですけれども、各国の合意によりまして温暖化、森林についてはこれは三・九%という数字が合意をされていまして、これは六%のうちの三・九ではなくて、実際に考えなければいけないのは、我が国が既に九〇年の水準を一〇%ぐらい今の時点で温暖化ガスが削減をオーバーしていますので、それを入れた分の削減量の中でその数字が実際に削減をするということが必要になっている中で三・九%という、そういう数字と御理解をいただきたいと思います。
 最終的にどういう数字で削減ができるかということについては別な問題ですし、京都メカニズムをどこまで使えるか、我が国が実際にこれで何%分になるかというのは、これはやってみないと分からないと。ある程度のいろいろなルールはございますけれども、その中であればということです。
#110
○小泉親司君 しかし、いずれにしろ森林吸収と京都メカニズムで削減目標が緩和されるということは事実でしょう。それを言っているんですよ、私は。
#111
○国務大臣(川口順子君) ですから、京都議定書の中で取り決められている森林の数は、パーセンテージでいうと三・九%、私の記憶では千五百万トンであったと思いますけれども、それ分が認められているということでして、京都メカニズムについてはそういう決まった数値はない、そういうことです。
#112
○小泉親司君 私は、ですから、申し上げているのは、削減目標の六%のうち、森林吸収では三・九%とおっしゃった。私らの説明を受けたのは、京都メカニズムで一・六%という。そうすると、どんどんどんどん削減目標は必然的にそのことによって減らされていってしまう、実質的には。だから、NGOの人たちはこれは抜け穴だと言っているわけで、その事実関係が私、鮮明にならないままに、いや、削減目標、京都メカニズムについてはいろいろあるんだと言われても、それは私はちょっと納得がいかないと。
 時間が参りましたので、この点については引き続き私ちょっと質問、後で質問させていただきたいと思いますので、時間が参りましたので、ここで質問は終わります。
#113
○田村秀昭君 京都議定書の締結について承認を求めるの件については賛成でございますので、本日は、防衛庁長官に、今話題になっている件について御質問させていただきます。
 まず、防衛庁長官は政治家として、自分の国は自分で守るという決意を持っているのか持っていないのか、どっちかだけはっきり、時間が短いですからね、決意があるとかないとか、それだけ答えてください。
#114
○国務大臣(中谷元君) 決意は十分に持っているつもりでございます。
#115
○田村秀昭君 そうしたら、この隊員を、持病があると、それを採用するかしないか、採用したらずっと中央病院で入院するような隊員を採用しますか。そういう情報は非常に重要なんですよ。
 それから、相手の攻めてくる指揮官がどういう性格のやつでどういう持病を持っていて、どういう女癖が悪いとかいいとか、そういうのを全部調べなきゃいけない。これは今の瀋陽の総領事も全部盗聴されているんですよ。これを国家としてその国民の生命、財産を守るということに決意を持っていたら、そんなの当たり前の話じゃないですか。
 あなたね、この人、処分したら大変なことですよ。だれも何もやらなくなるよ。サラリーマンの自衛隊になっちゃうよ。それでもいいのか悪いのか、返事してください。
#116
○国務大臣(中谷元君) 優秀な隊員を採用する上でその適性を判定するということは必要でありまして、その面では委員のおっしゃるとおりでございます。
 ただ、防衛庁が情報を収集するということにつきましては、その所掌事務を遂行する上で必要な範囲において、また法令に違反しない限りにおいて情報を収集する場合があるというのは当然のことであろうというふうに思います。
#117
○田村秀昭君 何言っているんだか分からないけれども。
 防衛庁は、作成した防衛庁のこの件に関する資料を、コメントで、思想とか信条の調査は行っていないと。何で行わないんですか。おかしなやつ入れてどうするのよ。もっと自分の国を、国民の生命、財産を守るという決意があったらきちっと毅然としてやったらどうですか。防衛庁長官として不適なんじゃない。
#118
○国務大臣(中谷元君) いろいろと与えられた任務を遂行するということは第一でありまして、防衛庁・自衛隊といたしましては、職員のことにつきまして所要の信条の把握などを行い、また、職員に対して規律違反などを犯すおそれのある者についてその所要の情報収集等を行うものは当然であるというふうに考えております。
#119
○田村秀昭君 何言っているんだかよく分からないけれども。
 この資料を一生懸命作った三佐というのは今、岩国に勤務しているんですよ。それで、この人は同期から見ると非常に昇任が遅れている、それでも一生懸命やっていると。こういう人を処分したら、もう防衛庁も解体した方がいいよ。
 以上で質問を、答えてください。
#120
○国務大臣(中谷元君) 本来、防衛庁の任務等を考えますと、情報を保全しなければならない、また調査しなければならないという点はございます。しかしながら、情報公開制度と申しますと、開かれた政府を実現するために法律を作ってそれを中央官庁でも実施するという趣旨に基づいて置かれた制度でありまして、これの実施につきましてはこの法律に基づいて行っていかなければなりません。
 そこで、この情報公開の業務を考えますと、業務上必要がないにもかかわらず本件の資料に掲載されている個人情報については、所掌事務遂行上必要なものと言えませんし、個人情報の保有の目的を逸脱しているものと考えております。
 また、情報開示を申し込むために窓口を通じて申し込まれた一般の国民に対して、思想、信条を調査するということはあってはならないと考えております。
#121
○田村秀昭君 平時に役立つ人は有事には役立たないんだということを念頭に置いて任務を遂行してほしいと思います。
 それで終わります。
    ─────────────
#122
○委員長(武見敬三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君が選任されました。
    ─────────────
#123
○委員長(武見敬三君) 質疑を続けます。
#124
○大田昌秀君 防衛庁長官、大変お忙しいでしょうから、一問だけ素朴な質問をさせていただいて、どうぞ御退席いただきたいと思います。
 今回の自衛隊の、先ほど来質問がありました件につきまして、自衛隊は戦前の軍隊とは違うということを常々言っておりますけれども、今回の事件を契機にして見ますと、どこが違うのかよく分からなくなっているような声も出ておりますが、端的に自衛隊と戦前の軍隊の基本的な違いというのはどういうふうに認識しておられるか、お聞かせください。
#125
○国務大臣(中谷元君) まず、戦後におきましては日本国憲法が制定をされまして基本的人権やまた民主主義の基調にのっとって国づくりを行うということでございます。それにのっとって自衛隊が整備をされて国防の仕事をしているわけでございまして、基本的には戦前の憲法と戦後の憲法が違う、それによって自衛隊の運用も違ってくるというふうに考えております。
#126
○大田昌秀君 ありがとうございました。もうこれで結構ですので、どうぞ御退席ください。
 地球温暖化対策についてお伺いします。
 我が国は、地球温暖化防止京都会議の議長国として、京都議定書の発効とその合意目標の達成に大きな責任を負わされていると思っております。そこで伺いますが、本条約の発効の条件の一つに締結国が五十五か国以上というふうになっておりますが、現在、締結国は何か国になっているか教えてください。
#127
○政府参考人(林景一君) お答えいたします。
 気候変動枠組条約、この議定書の親条約でございますが、この枠組条約事務局の最新の発表として私どもで承知しておりますところでは、京都議定書を締結しております国は五十四か国でございます。なお、EU十五か国、及び欧州共同体は五月三十一日、明日を目標に、同時に締結文書の寄託を目指しているというふうに承知しております。
#128
○大田昌秀君 今年は一九九二年にブラジルで開かれたいわゆる地球環境サミットの十周年の節目の年に当たっております。国連は、今年の八月の末に持続可能な開発に関する世界サミットをヨハネスブルクで開催し京都議定書の発効を確認することになっていると報じられておりますが、ヨハネスブルク・サミットでは日本が中心的な役割を果たしてくれるものと世界じゅうから期待が寄せられていると理解しております。
 環境大臣も務められた川口外務大臣の、この大会に臨む御決意をお聞かせください。
#129
○国務大臣(川口順子君) 今年の八月のヨハネスブルクでのサミットは、今後の持続可能な開発への取組の在り方について議論される会議でございまして、我が国は過去において公害を克服しながら経済成長を果たしたという意味で環境と開発を両立をした経験を持つ国であるわけですので、そういった我が国の経験を踏まえて持続可能な開発という点について主張をしていきたいと考えています。
 また、京都議定書につきましても、我が国が締結をそれまでにし、寄託をするということが可能であれば、それについても宣伝をしアピールをしていき、まだ締結をしていない国に対してもそれをアピールをしていきたいというふうに思っています。
 我が国が今考えておりますそこで提示をしたい考え方というのは、地球規模の共有ということでございまして、英語で言うとグローバルシェアリングということになりますけれども、国際社会が戦略、責任、経験を共有することによって持続可能な開発を実現すべきであるという考え方でございます。そして、我が国自身、水、森林、エネルギー、保健、教育等の緊急の課題について具体的な行動を起こす考えでございまして、この我が国の知見あるいは支援の実績、これを生かしたプロジェクトを形成をいたしまして、サミットに貢献をしたいというふうに考えております。
 私自身、もし可能であればこのサミットに出席をして、自らこうした日本の考え方をNGOや企業やその他の方々と一緒に主張していきたいと考えています。
#130
○大田昌秀君 温室効果ガスの排出量の削減目標について、我が国は京都議定書では六%となっていますが、毎年増える排出量を加味しますと実質的には一三%程度になると言われています。したがって、この目標数値の達成は厳しいように思われますが、いかがお考えですか。
#131
○政府参考人(高橋恒一君) 本年の三月十九日に新しい地球温暖化対策推進大綱を策定しておりまして、ここにおきまして、京都議定書の六%の削減約束の達成のため、百種類を超える個々の対策の導入目標量、その削減見込み量などを定量的に明らかにしております。
 この新大綱を基礎にいたしまして、京都議定書の実施のため、今通常国会に併せて提出して御審議いただいております地球温暖化対策推進法の改正に基づきまして、京都議定書目標達成計画を策定するということになっております。二〇〇四年及び二〇〇七年に二回にわたりましてこれらの対策の進捗状況、排出状況等を定量的にレビュー、評価いたしまして、その結果を踏まえて必要に応じ追加的な対策、施策等を講じていくと、そういう計画でおります。こうした方法を取ることによりまして、新大綱の実効性の確保を図り、円滑かつ確実に六%の削減というものを達成してまいりたいと考えております。
#132
○大田昌秀君 今回、地球温暖化対策推進法の改正案が提案されていますが、我が国の温室効果ガスの排出量の四〇%を占めている産業界に対しては、削減目標の達成は自主努力となっています。
 先ほど、産業界は成果を上げているという趣旨のお話がございましたけれども、まだ十分とは思えません。ですから、産業界に対しましては、温室効果ガスをどれだけ排出したか、その量や抑制等の具体的な措置を公表させるなど、もう少し強くと言ったら変ですが、厳しく当たる必要はございませんか。
#133
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。
 去る三月十九日に地球温暖化対策推進大綱が決められたわけでございます。その中では、エネルギーを起源とする二酸化炭素の排出抑制対策など、いろんな分野において技術革新であるとか、あるいは経済界の創意工夫が生かされる自主的取組と、こういうものを対策の基軸にしておりますのは御指摘のとおりでございます。
 経済産業省といたしましては、当面はこうした取組というものを中心に、引き続き産業界と十分連携協力しながら対策を進めていきたいというふうに考えております。その上で、節目節目でこうした取組の効果につきまして検証を行いまして、その検証結果を踏まえて、効果が上がっている政策についてはこれを充実強化する、それからまたさらに、新しい施策が要るのか要らないのか、要るということであればそれを積極的に導入していくというような、ベストミックスといいますか、そういうものを図ることによりまして段階的に必要な対策を講じていきたいというふうに考えております。
 こういったことを踏まえまして、京都議定書の目標達成に万全を期していきたいと、こんなふうに考えておるところでございます。
#134
○大田昌秀君 先ほども他の委員から御質問がありましたので、一部重複するかもしれませんが、いま一度確認させてください。
 政府は、太陽光発電とか風力発電など、自然エネルギーの利活用にどう具体的に取り組んでおられるか教えてください。
#135
○政府参考人(河野修一君) 太陽光発電、風力発電などの新エネルギーについての利活用の状況についての御質問でございますが、エネルギー安定供給の確保、それから地球温暖化問題への対応ということから、開発導入というのは大変重要なテーマでございまして、私ども一生懸命推進をいたしております。
 例えば、太陽光発電につきましては、二〇〇〇年時点で実績を見てみますと、三十二万キロワット日本では導入されておりますが、これは世界一の導入実績となっておりまして、アメリカ、ドイツの倍以上の導入量になっております。しかしながら、総じて申し上げますと、新エネルギー全体としては、技術的、経済的な課題というのがございますので、現状では残念ながら一次エネルギー総供給に占める割合というのは一%程度ということでございます。
 ただ、先ほどのようなエネルギー安定供給あるいは地球温暖化問題への対応という観点から、これを二〇一〇年には約三倍の三%、千九百十万キロリットルという目標を掲げまして、政府としても一生懸命取組をやっているところでございまして、予算で見ましても、過去五年間で新エネルギー関係の予算倍増以上になっておりますし、今年度も千四百五十億円程度の予算を確保しております。こういうものによりまして、例えば住宅、個人で住宅に太陽光発電を入れたい方の補助金等が支出されているわけでございますが、こういうことで利活用が着々と進んでいると。
 さらに、今国会におきましては、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法案という法案を出させていただいておりますけれども、こういう施策を今後とも総合的に活用していけば、更に利活用が進むのではないかというふうに期待をいたしております。
#136
○大田昌秀君 地球温暖化対策の目標を達成するためには、米国や開発途上国を含むすべての国が参加できる共通のルール作りというものが不可欠だと思いますが、その点についてはいかがなさっておられますか。
#137
○国務大臣(川口順子君) おっしゃるように、この温暖化という問題は、地球を取り巻く温暖化ガスというのは一つでございますから、すべての国が参加をする枠組みができるということが望ましいと私どもは考えています。したがいまして、米国や途上国も参加ができるような、参加をする共通のルールの構築に向けまして、米国の建設的な対応を求めていきたいと考えております。
#138
○大田昌秀君 終わります。
#139
○委員長(武見敬三君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書の締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#140
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、本件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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