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2002/07/18 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 外交防衛委員会 第27号
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2002/07/18 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 外交防衛委員会 第27号

#1
第154回国会 外交防衛委員会 第27号
平成十四年七月十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十七日
    辞任         補欠選任
     齋藤  勁君     谷  博之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         武見 敬三君
    理 事
                山本 一太君
                吉村剛太郎君
                木俣 佳丈君
                山口那津男君
                小泉 親司君
    委 員
                泉  信也君
                河本 英典君
                桜井  新君
                福島啓史郎君
                舛添 要一君
                山下 善彦君
                海野  徹君
                佐藤 道夫君
                谷  博之君
                広中和歌子君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                田村 秀昭君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
   副大臣
       外務副大臣    植竹 繁雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   政府参考人
       外務大臣官房長  北島 信一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (外務省改革に関する件)
○アジア=太平洋郵便連合憲章の第二追加議定書
 及びアジア=太平洋郵便連合一般規則の追加議
 定書の締結について承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、齋藤勁君が委員を辞任され、その補欠として谷博之君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(武見敬三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のうち、外務省改革に関する件について、本日の委員会に外務大臣官房長北島信一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(武見敬三君) 外交、防衛等に関する調査のうち、外務省改革に関する件を議題といたします。
 まず、外務省改革の進捗状況について政府から報告を聴取いたします。川口外務大臣。
#6
○国務大臣(川口順子君) 本日、外交問題に精通される外交防衛委員会の諸先生方に対し、外務省改革の現状と今後の方針を御説明する機会を与えていただいたことに感謝申し上げます。
 昨年来の外務省をめぐる様々な事件などにより、本年二月に私が大臣に就任した時点で、国民の皆様の外務省及び外交に対する信頼は大きく傷付いていました。そこで、私は、外務省改革を最優先課題と位置付け、二月十二日の開かれた外務省のための十の改革に基づき、変える会の方々の御協力も得ながら様々な取組を行ってまいりました。
 また、三月中旬、変えよう!変わろう!外務省という省内有志約六十名のグループが立ち上がっており、七月十二日、私は同グループより提言を受けました。私は、このような自分たちの手で改革を成し遂げようとの機運の盛り上がりに非常に勇気付けられているところです。
 私は、引き続き外務省改革の推進に全力を投入していく所存ですが、そのためには諸先生方の御協力が不可欠です。これに資するため、まず、昨年来の改革作業にも触れながら、私の大臣就任以来の改革の主な成果を御説明します。その上で、私の外務省改革に関する基本的な考え方、現状及び今後の取り進め方針を御説明したいと思います。
 昨年一月の松尾元室長事件を受け、外務省は、昨年六月に外務省改革要綱を策定し、改革作業に着手しました。不祥事の再発防止が最大の課題でしたので、公金の不正使用、流用を許した制度、慣行の見直し及びチェック体制の整備が急務でした。
 そこで、外務省は、報償費改革及び物品、サービスの調達一元化を始めとする予算、会計手続の改善、本省監察査察組織の創設、外部専門家の参加を得た在外公館への特別集中査察の実施等を実施してまいりました。公金の不正使用、流用を二度と繰り返さないために、これらの措置を強力に実施してまいりたいと考えております。
 また、国民の皆様の信頼を失った組織を再生するため、省内公募制や部下から上司への評価などを通じた人事制度を改革しました。また、国民のための外交、国民とともに歩む外交を実現するため、国民と最も接点の多い領事業務サービスについてソフト、ハード両面における抜本的改革、さらには外交政策に対する国民の御理解と御支持を得るため、ホームページの質、量両面での拡充等による外務省からの情報発信の促進などにも尽力してまいりました。
 しかしながら、その後、外務省をめぐる幾つかの事件を受け、外務省及び外交に対する国民の皆様の信頼は一層低下したことは御承知のとおりです。
 本年二月、私は、大臣就任に当たり、小泉総理より、次の方針に従い外務省改革を断行してほしいとの御指示をいただきました。すなわち、政治家の不当な圧力は排除し、耳を傾けるべき意見はきちんと取り入れる。外務省の体質、仕事ぶりが国民の皆様の期待にこたえるものであったかどうかをきちんと反省し、正すべきところは正す。外交の体制は総理官邸と一体となって万全を期す、との三点です。
 この御指示を基に、私は、省内外の幅広い御意見を聴取しながら、二月十二日、開かれた外務省のための十の改革を発表しました。この方針は、一、改革を考え、実行していくプロセスを極力透明なものとし、二、スピードを持って、三、実施によりどれだけの効果が生まれるかを常に意識しながら改革を進める私の決意表明でした。なお、この改革方針を打ち出すに当たり、私は、それまでの改革作業を振り返り、何が足りなかったのかを自問自答いたしました。その結果、私は、何をいつまでに実施するのかということを明示的に掲げることが必要であると考えました。改革の標語の一つにスピードを掲げたのは、このようなアクションプログラムに立脚したスピードが改革の命と考えたからです。
 三月六日以降、宮内義彦オリックス代表取締役会長を始めとする変える会の方々には、平均して二週間に一度というハイペースで集中的な議論を行い、五月九日、骨太の方針にある十の項目について中間報告を取りまとめ、多岐にわたるアイデアを提示していただいたところです。私は、改革のモメンタムを維持し、この動きを支援するためにも、できることは直ちに実施するとの方針を立て、様々な措置を講じてまいりました。
 例えば、人事制度に関し、二月、今夏までに十名を目標に外部の優秀な人材を本省、在外の幹部ポストに起用する方針を表明し、既にその多くを発令しました。
 国民との対話促進を目的に、四月、外務省タウンミーティング第一回会合を開催し、外務省改革に関し参加者の方から率直な御意見をちょうだいしました。七月二十日にはODA改革をテーマに第二回会合を開催予定であり、今後ともこの試みを継続する方針です。
 ODAに関し、三月末の第二次ODA改革懇談会の最終報告に基づき、六月二十七日、ODA総合戦略会議を立ち上げ、ODAの在り方を御検討いただく体制を整えました。さらに、七月九日、有償資金協力、無償資金協力、技術協力という経済協力三スキームすべてについて監査を導入することなどを盛り込んだODA改革・十五の具体策を発表しました。第二回のタウンミーティングでは、この方針に関し、一般参加者より率直な御意見をちょうだいしたいと期待しています。
 また、職員の公金の使用、領事業務、NGOに対する意識を改革する観点から、若手のT種、専門職職員が本省及び在外公館の会計業務や領事業務、さらにはNGOの実務に接するための各種研修プログラムの実施又は拡充強化を進めてきました。
 さらに、外交政策への透明性向上を目的に、外交政策評価パネルの立ち上げについても鋭意努力しています。
 五月九日の変える会の中間報告は、三月六日の第一回会合以来、骨太の方針にある十の項目すべてにつき、取りあえずの検討を行ったものです。同報告の中では、誤ったエリート意識の排除とお客様志向、人事制度の再構築、外務省予算の効率的使用、透明化や、大使館などの業務、人員の見直しなどのテーマについてはかなり具体的な提案が盛り込まれることとなりました。しかしながら、不当な圧力の排除、すなわち政と官の在り方などのテーマについては、更に検討が重ねられてきたところです。さらに、中間報告発表直前に発生した在瀋陽総領事館事件を受け、十の項目以外のものとして危機管理体制の整備と政策構想力の強化とのテーマの検討も必要となりました。
 このような経緯から、現在、変える会は、随時作業部会を開催しながら、七月二十二日の最終報告発表に向け最終的な詰めを行っています。また、外務省改革に関し幅広く御意見をちょうだいしているところですが、特に自民党におかれては、四月二十三日、茂木敏充議員を委員長とする外務省改革小委員会より三十一項目の外務省改革案をちょうだいし、七月三日にはそのうち特に重要と位置付けられる十項目を政治主導で断行すべき十の提言という形で提出を受けたところです。私は、いずれの提言も重く受け止めております。
 私は、国会議員の先生方や諸政党の皆様方が外務省の未来についてお知恵を絞っていただいていることを心強く感じております。私は、改革のモメンタムを維持し、このような御協力にこたえるためにも、変える会の最終報告が発表された後、それらの御提案も踏まえつつ、できるだけ早く外務省としての改革方針をまとめる考えです。変える会の方々には、最終報告発表後も定期的に外務省改革の実施状況を見直していただくようお願いしております。私は、その方々の御協力を得ながら、国民の皆様に改革の成果を示し、一日も早い信頼回復に全力を投入していく決意です。引き続き、外交問題に御見識の高い先生方の御指導、御鞭撻をお願いする次第です。
 以上です。
#7
○委員長(武見敬三君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日は、理事会の合意により、できるだけ多くの委員が質疑を行えるよう、あらかじめ質疑者を定めず、自由に質疑を行うことといたします。
 ただし、第一質疑者については各会派という順位を設定させていただいておりますので、御了解をいただきたいと思います。
 その上での御質疑、希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言いただきたいと存じます。
 また、多くの委員が発言の機会を得られますよう、委員の一回の発言時間は答弁を含め五分程度でお願いをいたします。
 なお、自由質疑方式のため、この場で答弁ができない場合もあることを御理解をいただきたいと思います。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
#8
○田村秀昭君 自由党の田村でございます。
 本日ちょっと所用がございまして、順番を一番初めにさせていただきまして、皆さんありがとうございました。
 外務省の改革に関する報告を受けまして、私はかねがね思っているんですが、自分は将来外交官になろうという決意を持って外交官の試験を受けて、それで外務省にお入りになっている方々というのは今までの日本の外交の中心であったわけですね。主要幹部の方々もそういう外交官、明治以来、そういう制度で来ているわけでありまして、私は、そういう人たちの存在というものは非常に日本の国家として大切なものだと私は思っています。
 ちょっと外務省改革に関する報告を見ますと、世間に迎合しているようなところが多々私はあると思います。だけれども、本当のプロとして、自分は一生涯それをささげるんだと言って試験を受けて合格をされて、それでそういうところに来ている人たちというものが、今のようなこういう金銭にかかわる事件というのはこれは問題外でありまして、これは外務省だけにある話じゃなくてどこの省庁でもあるかもしれない、そういうのは根絶しなきゃいけないけれども、そういうところにその人たちがモラルを、士気を喪失をしている、強い使命感を持つに至らない環境に置かれておるということを是正しない限り日本の外交はよみがえらないと私は思うんですが、外務大臣、いかがですか。
#9
○国務大臣(川口順子君) おっしゃるとおりだと思います。
#10
○田村秀昭君 そうすると、私は、民間人を何人か、外交をやろうと志した人じゃない人を何人か連れてくると、まあ世間的にはいいかもしれませんけれども、本人にしてみても迷惑な話じゃないかなと。金融をやっている人をどこかの大使に、考えたこともないことも起こるわけでありまして、そういうのを連れてくるよりも、私はそこの体質が、士気が低下しているならば、その人たちを、外交官を志した人たちをよその組織に二年間ぐらい出すとかね。来てもらっても駄目なんですよ。その人たちが士気を高めることをしなきゃいけないんだから、その人たちがよその組織に、民間でもいいし、よその組織に出て、世の中の、ああほかのところはこういうことをやっているんだなということを分かって、また帰ってやるのが一番私はいいと思うんですが、いかがですか。
#11
○国務大臣(川口順子君) 委員のおっしゃる外務省の職員が高い士気を持って仕事をするために、どういうふうにしてどういう改革をしてそういうふうになってもらうかということが改革のかぎであるわけでございますね。それで、そのための手法として、例えば競争を導入して組織を活性化させるということも一つの手段でありますし、田村委員がおっしゃるように外務省の人を外に出して外の風に当てて、世の中の普通の人たちが外交に何を求めているか、あるいはどのように前向きに仕事をしているかということを学んでもらうということもあるわけですね。ですから、そういった様々なやり方を使いまして士気、モラルを高めていくということであるわけです。
 私は、十の改革というのを出しましたけれども、それすべてが、それを実行することによっていい仕事をする外務省につながり、いい仕事をする外務省であるということは、そこで働く人たちの職員の士気、モラルが高まるということであると私は思っています。
 したがいまして、世間に迎合してやっているわけでは全くありませんで、外から外交をやりたいといういい血液を入れて、そのための基準もどういう人ならばいいかという最低の基準を作ってありますし、それについては正に競争を導入するということであって、外に出す方も今までもやっていますし、今後ともこれはやるつもりでおります。
#12
○委員長(武見敬三君) それでは、次の質疑者に移りたいと思います。
#13
○桜井新君 私は、この委員会に入って初めて質疑をさしていただくんですが、この、今あなたの外務省改革に関する報告というのを聞いている中で、私はどうしても納得のいかないのは、外務官僚あるいは外務省の組織そのものが本当に悪くてこういうことになったのか。私は、それ以前に、外務省の職員一人一人が外交の何たるか、自分の職業の目的というか、そういったことにしっかりとした意識があるのか、それに対する責任感というのが常に育成されているのか、職責ということが分からないでやっていたんじゃ、どんな組織にしたってしようがないと思うので、改革、改革と言うけれども、改革なんかしなくたって、本人一人一人の自覚があれば必ず私は国民からも世界からも理解もされ、信用される外交ができたはずだと、こう思っています。
 私、実は、九四年のカイロの人口開発会議というのを、たまたまアジアの議員フォーラムの議長をやっておったものですから、五つの世界じゅうのブロックに私の名前で呼び掛けてやったんですよ。そして、政府も中心になってそれをやった。そのときの大使は替わったばかりの片倉さんだった。大臣は河野洋平さんだった。
 たまたま、初日、二日目の日だったかな、在カイロの大使館、各国の大使館を通じて、その会議に出た大臣さんやいろんな方をみんな御招待、日本が片倉大使と外務大臣河野洋平の名前で招待したんですね。ところが、私どうしても納得できなかったのは、六時から八時といいながら、たしか四、五十分お二人がいたかどうか。あいさつが終わるといつの間にかいなくなっちゃった。しかも、エジプトのマハランという担当大臣は、必ず私には行くと言っていたんだけれども、まだ来ていないんだ。それをおれが公使に聞いたら、いや、彼は来ないよとかなんとかと言った。しかし、結果的には来たんですが。そして、あいさつが終わったら、二人の名前で招待しておきながら、いつの間にか二人はいなくなったんだ。で、どうしたんだって聞いたら、初めて大臣がカイロに来たと、それから片倉さんも初めてのものだから、それで大臣を接待するというので、二人で大使館に行っちゃったんだな、大使公邸へ。いないんだよ。で、公使があとのお客さんのこれやっているんだよ。これ一体、外交になるの、これ。
 このことも、それからペルーの大使館占拠事件、あれはきちっとした職責というものが理解していれば、あんなことにならぬで未然防止ができたはずなんだ。問題にならない。それで、この処分だって全然なってない。この間の瀋陽事件もそうだ。
 一つ一つ取ってみると、これ党の中で私は武見さんと二度もやり合った。おれ、そんなこと言っているんじゃないんだと、それ以前のことを言っているんだといって武見さんの発言を二度も抑えたんですが。これはイロハのイがなっちゃいないんだよ。今の外務省はイロハのイがなっていない。田村さんどこか行った。ああ、あそこにいた。田村さんがさっき言ったとおりなんだよ。ですから、そのことはこれ文書ずっと読んでみると一言も出ていないんだよ。改革、改革ということばかりで、そのことは一つも。
 それで、エリート意識なんというのはむしろ持ってもらわなきゃならないんですよ。誇りを持って、自分の職務というものにしっかり誇りを持って、意地を持ってやってもらわなきゃならぬ。しかし、下の者や周りの者に対する思いやりとか愛情とかというのがなければ、人間の世の中は治まらぬよ。田中眞紀子前外務大臣が部下を縛って報告の義務を課すなんて、そんなことをやったって、これは組織というものは成り立つものじゃないと思うんだよ。
 そのことについて一言も触れていない。こんなことはやったって形式的なことだけを言っているんですから、結果的には私は成功するとは思われないんだが、もう一度、あなたのその部分についての、田村さんには、そのとおりだと思いますということを田村さんに答弁しただけだ。それじゃ全然あなたの気持ちは理解できない。そのことについて、あなたはどう考えているか、それだけ教えてください。
#14
○国務大臣(川口順子君) 外務省の問題の根源がどこにあるか、組織なのか、人の責任感等の問題なのかというお話でございますけれども、私は両方だと思っています。
 いい外交をするということができていないということが今日の外務省の問題であるわけですけれども、まず組織面からいいますと、外務省の組織は十年ぐらい前に総合政策局ができて変わりましたけれども、やはり今の国際社会が要求をしている課題解決に組織が十分に合っているか、そして変えた組織もそれに沿って機能しているかという問題が一つあると思います。
 例えばアジア外交、これは近年ますます重みを増してきています。アジア局一つでアジア外交が十分にできるかという問題意識も、これは自民党の方の提言の中にもございましたけれども、そういう問題意識もあると思います。グローバルな課題、環境問題ですとか人権ですとか、そういった問題が非常にウエートを増してきている。外務省の今の組織がそれに対応できるかどうか。そういったような、まあ今例を挙げただけですけれども。それから、総合政策局がちゃんと機能しているかどうか、そういった問題点、これは組織から来る問題だと思います。
 それからもう一つは、人の面、意識の面というのもおっしゃったとおりでして、例えばエリート意識は必要なものだというふうにおっしゃった、私もそう思っています。ですから、私が二月に出しました開かれた外務省のための十の改革で申し上げているのは誤ったエリート意識の排除とお客様志向ということでございまして、エリート意識はいいけれども、誤ったエリート意識は問題なんだということを言っているわけで、そういう意味では、委員のおっしゃっていることと私の考えていることは同じ線の上にあると私は考えております。
 過去の例、カイロのパーティーあるいはペルーの話、おっしゃいましたけれども、これについて私は事実関係よく存じませんので、もし委員のおっしゃるようなことであれば、もしカイロのパーティーのホストがお客様を置いてどこかに消えてしまったということがあるのであれば、まあそれが会議とか仕事でしたらやむを得ない場合はあるかと思いますけれども、そうでなければ、私だったらそういうことはしないというふうに申し上げてもいいと思います。
 そういったことで、様々な意識の改革を進めてモラルを上げていくということのために私はこの十の改革ということが必要なんだと思っているわけです。
#15
○桜井新君 五分ということだから余計なことをしゃべらないで。私は、今あなたが答弁したようなことを聞きたくて言ったんじゃないんですよ。それ以前の話を、あなたの周りのこの北島君だって立派な男ですよ。こういう人がやる気になってやるか、もし違反したら大変だなと思ってやるか。組織じゃないですよ。それ以前のことが今の外務省に欠けているから、今の日本の官僚に欠けているからこういうことになっているんですから。そのことをしっかりとひとつ、もう一回検討し直してください。これはもう答弁は要りません。答弁は要りません。
#16
○委員長(武見敬三君) それでは、質疑者、次に行きたいと思います。
#17
○海野徹君 外務大臣にお伺いしたいんですが、今、桜井先生からのお話の中で、問題の根源は人にもあるし組織にもある、両方にあるというようなお答えであった。あるいは国際社会の実相に対して対応できていない部分もあるかもしれないということが今回の改革に向けた背景にあるというような話だったんですが。
 私は、この改革、外務省改革という議論をされるとき、一つの議論として外務省解体という議論は起こらなかったんですか。
 というのは、この報告書を見てまして私の率直な印象というのを、感想というのは、部分的な改善をすることによって全体が改革されたというような、ある意味じゃ錯覚をしていらっしゃるんじゃないかな。日本人というのは、枠組み論というかパラダイムというか、そういうものの要するに議論、下手と言われていますね。決して僕は下手だと思いませんが。そういう、要するに戦後そういうことをやらなくても済んできたのかもしれない、歴史的に。しかしながら、どう考えてももう今は枠組みを論じなくちゃいけないと思っているんです。となったときに、ゼロ、全くゼロにして、ゼロにして要するに新しく作り上げるか、あるいは新しい制度に移行するとか、そういう議論があって、一方ではね、いいんではないかなと。
 だから、そういった意味で、時々解体がというような御意見があったとかなかったとかと聞くわけなんですが、私は、だから、ある意味ではこういうような部分的な改善をもって改革と称することの危険を感ずるんですが、その辺はどうなんですか。
#18
○国務大臣(川口順子君) ここに挙げた十の改革、あるいはいろいろなところで出していただいている改革、私が書いた十の改革でいいますと、これで外務省が国民の信頼を得るような強靱な外交を展開できるようになる、これのみでできるようになると私は思っているわけではございません。むしろ、方向性としてどっちから入るかという問題はあると思いますけれども、人事あるいは意識面の改革その他いろいろやらなければいけない改革、これはやらなければならないんですね。ですから、それをやって、それだけでもちろん止まるわけではなくて、更にその組織の中で一人一人の人間がどうやって活性化して仕事をしていくかというのはその後出てくる話、その結果として出てくる話であるというふうに私は思っています。
 ですから、モラルが下がっているのは問題じゃないかということについて先ほど来出ていますけれども、これは上げていかなければいけない。上げる一番のいいやり方というのは、自分たちがいい仕事をしているというふうに思うことなんですね。優しくしてもらって、あなたたちはよく仕事をやっていると外で褒めてもらうこと、これも一つ大事なことであると私は思います。でも、それだけじゃなくて、やっぱり中から変えようという力があり、それからやはり問題になるようなことはやらない、常識がずれているところは直す、そういうこともそれぞれやらないといけない。
 そういう二つの組合せがあるわけで、双方向の組合せがあるわけで、そういう意味で、ここに書かれているような様々な形の面から問題のある制度を変えていく、あるいは研修を深める、人事登用制度を変える、そういったことはその第一歩であると、初めの段階の話だと私は思っています。
 解体論から入るというそもそもの議論というのは常に行われています。ただ、外交問題を扱う外務省がなくなるということはこれはあり得ない話でありまして、あり得ない以上は、それから現実的に考えれば今の制度をどういうふうに直すかということが重要な現実的なアプローチであると私は考えています。
#19
○海野徹君 今、外務大臣が外交問題を扱うということだったんですが、外交問題とは何か。じゃ外交問題を扱う、要するにそれぞれの所管省庁だってそれぞれマターであるんじゃないかなと私は思うんですね。根源的な問い掛けとして、やっぱり外務省がないという状態から要するに出発して積み上げていって、だから必要なんだという議論になればいいんですが、今あることを前提にして部分的な改良だけしていけば全体が全部改革できるというのは僕はあり得ないと。
 それと、今なぜそんなことを言うかというと、やっぱり組織が改革される場合というのは、内発的な自己改革力があるかどうかなんですよ。今、外務省の職員のいろんな動き、言動を見て、内発的な自己改革力があるとは思えないんですよ、私は。そういうような印象を持っているものですから、今のような質問をさせていただきました。
 以上で終わります。
#20
○山口那津男君 公明党の山口那津男です。
 まず、大臣にお伺いしたいと思います。
 外交の最も有力な手段になっているのはODAだと思います。これについて勉強してまいりますと、非常に問題点が多々あるなと思います。そして、これの改革の提言もなされているわけでありますが、しかしこれだけで十分かどうかもいささか疑わしいところがあると私は思っております。
 そうした中で、一般の国民から見ますと、職員の不祥事がいろいろありました。これで決定的な不信感が生まれました。更に追い打ちを掛けるように、政治家鈴木宗男議員の絡んだ事件も起きました。そうしますと、お金の管理について不明朗なことをやる職員が、またこのODAという莫大なお金を抱えてそれを運用すると、それにまた悪い政治家も絡んでいるということになりますと、これは到底これまでのやり方では信頼できない、こういう不信が渦巻いているわけです。
 そうした意味で、私は特にこの経済協力の責任者の人事というのは非常に大事だと思うんですね。外務省の中で経験を培った人よりも言わば外の能力、見識の優れた人を据えるというのも一つの在り方だろうと思います。
 この点について、大臣の構想があるやに伺っておりますけれども、大臣がどういう大きな構想の下にこのODAの全般の改革をお考えになっているか、そしてその上で人事をどうやろうとしているか、そのお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
#21
○国務大臣(川口順子君) ODAというのは日本の外交にとっても、それからその他の課題を国際社会で進めていく上でも、非常に重要な手段だと私は思っておりますので、財政的にも経済的にも厳しい中でODAの機能をきちんと国際社会で発揮をさせるためには、やはり効率的にお金を使う、必要なところにお金を使う、そういう意味でODAには不断の改革が必要だと私は考えます。
 そして、最近、七月の初めにODA改革・十五の具体策ということを出させていただきまして、その柱は監査、評価、NGOとの連携、人材の発掘・育成・活用、情報公開・広報といった五つの柱でございます。また、ODA総合戦略会議というのを立ち上げまして、これは私が自分で議長をやっていまして、二回、既に開催をしております。
 そうしたODAを、先ほど委員がおっしゃった、お金をきちんと透明性を持って使っているということを国民にお見せをして国民に安心をしていただいて、それでこそODAについての国民の支援があるわけでして、それをやるという意味でODAの監査が重要ですし、それからいいプロジェクトにお金を出しているという意味で評価も大事だということで、これは十五の項目をこれからきちんと実践というか実行していきたいと思います。
 それをやるODAのトップに、それをやるのにふさわしい新しい発想を持ち込める人が就くということが大事だと思いますが、個別の人事問題については、誠に申し訳ないんですけれども、これは決まる前に申し上げることができませんので、それについては今のところでお許しをいただきたいと思います。
#22
○山口那津男君 一方で、ODAばかりでなくて国全体としてみれば国際金融や貿易、これも一つの大きな手段であります。したがいまして、ここで金融を扱う財務省、あるいは貿易を扱う経済産業省、そしてODAを扱う外務省、このバランスということも一方で考えなければならないところであります。
 巷間言われる人事の下で、大臣が経済産業省の御出身、そして経済協力局長もその省の出身ということになると、このバランスということを考えた場合に、その外部からの見方がどうなるかということについて、大臣のそのバランスを保つべきかどうかという点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(川口順子君) 二つのことを申し上げたいと思うんですけれども、まずODAを進めていくということのために極力、私は省庁の壁を取り払うべきである。一つの省の観点からということではなくて、日本全体としてのどういうODAの在り方がいいかという発想を持って考えていくということが大事であるというふうに私は考えておりまして、それを是非実行したいと思います。
 それから、ODAだけではなくて日本にとって重要な政策、これについて全般的にできるだけ省庁の壁を取って、政策を同じような、切磋琢磨しながら政策を考えていく体制というのを作っていくことが、私は日本のためにとって非常に重要だと考えております。これも私の考えのその一つの大きな、一つのというか、恐らく一番大きな要素でございます。
 それから、外務省に来た人間は、私もそういう意味では民間企業におりましたけれども、私は外務大臣として行動をしているつもりでございまして、ですから、だれであれ、その人たちの職業の前歴が何であれ、それぞれのポジションでそのポジションの人として行動をするというのが国家公務員のモラル、あるいはあるべき姿であると考えておりますし、私はそういう行動ができない人間は選択を、少なくとも私は今、外務大臣でございますから、外務省では取らないつもりでございます。
#24
○山口那津男君 終わります。
#25
○小泉親司君 昨年四月に小泉内閣が発足をしましてから、この外交防衛委員会では、御承知のとおり、機密費の事件、宗男疑惑に係る北方支援事業の関係、続いて瀋陽事件、私は今度の外務省改革というのはこの問題、この事件が問われているというふうに思います。
 そこで、外務大臣はいわゆる開かれた外交の十の改革ということを変える会に対して諮問という形にしたわけですが、私はこの三つの、三大事件というか三つの問題で、この前変える会の方々にいろいろお話をしましたが、この方々が共通して言われるのはやはり外交戦略の脆弱性、日本外交の問題が、外交戦略の問題がその背景に非常に横たわっているということを指摘されておりました。
 私も、例えば北方事業支援の問題でいえば、外務省が二島返還なのか四島返還なのか、いわゆるふらふらしている。瀋陽事件についても、結局、例えばいわゆる北朝鮮からの脱出した脱北者の方々の問題、難民政策の見直しの問題、こういう問題をどうするかという問題がきちんと政策的に定まっていないと。そこにやはり一番私は大きな問題があるというふうに思いますが、まず、外務大臣が十の改革の中にそういった外交戦略の問題について触れられて私はいないと思いますが、その点については外務大臣はそういう御認識はお持ちなんでしょうか。
#26
○国務大臣(川口順子君) 今、委員がおっしゃった点というのがこの改革の行き着く点として一番重要なことだと考えております。
 私は、十の改革を出した時点で、あえて組織をいじるということについてはお出しをしませんでした。これはこれから先の段階として、どういった、必要ならば組織を考えて、外務省が強靱な外交を展開できるようにするかということが次の課題だろうと私は思っておりますけれども、変えよう!変わろう!外務省の会の中の提言の中に、外部との対話と競争を通ずる政策立案ということが出ています。それから、主管局課の縄張意識を超えて政策と情報分析の代替案を提示、検討するということが出ています。こういったことは私の問題意識でもございます。今までの外務省がこたえてきたそういった様々な外交課題に対して更に強い形でこたえていくためにどうしたらいいかということは、最終的なこの改革の到着点として達成をしなければいけないゴールだと思っています。
#27
○小泉親司君 使命感とか言われておりますけれども、例えば瀋陽事件の問題でも危機意識と、意識の問題とか、組織が本当に機能しているのかどうかとかという問題よりも、私はやっぱりその点の、外交戦略の問題をきちんとやはり議論しないとこれは定まらないと。だから、どこが問題なのか、この点が私もよく分からないんですが、例えば変える会の船橋参考人は、アメリカに傾斜した外交戦略論、戦略のなさに問題があるんだというようなことも指摘されておると思いますが、外務大臣としては例えばどの辺が問題だというふうにお考えなんですか。
 例えば、先ほどお話になったことでいくと、国民のための外交、国民とともに歩む外交を実現するためと、非常に何といいますか、理想は高いんだけれども、やることは領事業務サービスについてのソフト、ハード両面における抜本的改革と、これはホームページの質、量面での拡充と、これが開かれた外交の実現のためなのかなという私は非常に深い疑問を持っているんですが、要するに外交戦略上何が一番欠けているところなんだというふうに、どういう認識をその点でお持ちなのか、お聞きしたいと思います。
#28
○国務大臣(川口順子君) まず、変えなければいけない現実的な制度、あるいは今ある制度の機能を高めるということは必要だと、これが十の改革で出ているところですけれども、委員がおっしゃった、領事業務がいかに大事かということは、例えば、昔これだけ、千何百万人も日本人は海外に旅行に出ていませんでした。日本人はそれだけ多く海外で仕事をしていなかった。今はもうそれが非常に変わっちゃっているわけですね。そうした中で、領事業務の役割は前よりもはるかに高まってきているという行政ニーズがあります。そういったことにどうしてこたえていくかということは、一つの私は重要な外務省にとっての課題である、これは決して看過できない問題だと思っています。
 それから、より基本的なところで、どうやったら強い外交ができるかということについては、これは正に日本国全体が国益がどこにあるかということを考える、その足場をはっきりするということが一番の基本であって、これは日本全体としてあるいは内閣全体として常に議論をし、検討していくということだと思いますけれども、外務省として、例えば、対話と競争を通ずる政策立案。一つ、私は、重要なことは、外務省のやっている政策が常に競争にさらされているという環境に置いておく、常に批判にさらされているということだと思います。そうやっていろいろな意見を、手段としては吸収をしながら考えていくということによっていい外交ができるんだと私は思っています。そういったことは組織にもかかわってくるかもしれませんし、組織以前の、人の考え方から、あるいは物事の動き方から、いろいろなところにかかわってくると思っています。
#29
○大田昌秀君 社民党の大田でございますが、外務大臣に二点ばかり伺わせてください。
 最初の質問は、ただいまの小泉委員の質問と重複いたしますが、大臣は先ほど、国民のための外交、国民とともに歩む外交を実現するため、ソフト、ハード両面における抜本的改革、更には外交政策に対する国民の理解と支持を得るため尽力してこられたとおっしゃいました。しかし、日本外交の基本的理念や戦略が国民に十分に理解されているとは到底思えません。そこで、改めて確認させてください。
 冷戦時代と冷戦後の日本外交の基本的な戦略、方針はどこがどう違うんですか。
 それからもう一点は、外部からの変える会と、内部からの変えよう!変わろう!外務省の提言、報告の間に基本的な違いといいますか、提言の内容で何か特に目立った点があるとしたら教えてください。
#30
○国務大臣(川口順子君) 二つとも非常に、五分でお答えするには中身が、お答えが非常に長くなってしまう御質問なんですけれども、まず、冷戦前と冷戦後で日本の外交政策がどのように変わったかということですけれども、私は、基本的な理念という意味では同じだと思います。それは日本の、我が国の平和と安全、繁栄、それを守っていくということが日本の外交の理念であるということについては、全くこれは変わらないと思います。
 変わったのは、それをじゃどうやって具体化をするというその手段、戦略のところでございまして、それは明らかに冷戦終了後、世界は東と西の対立が一極の世界になった、国際社会になっていったということが違うわけでございまして、当然我が国としてアメリカが同盟国であるということは変わらないわけでございますけれども、その他、アジアに対してよりウエートが大きくなってくるという、アジアの大きな力としての日本の役割はますます今までよりも大きくなってくるということであると思います。世界がむしろ多極化をしたということで、それぞれの地域で日本として対応が必要になってきている面ということがあると思います。それは戦略ないし戦術なりに影響を与えることであって、一番基本的な理念は、そこは変わっていないと私は考えます。
 それから、その変える会と変わる会の提言の違いは何かということでございますけれども、変える会の方の提言はまだ出ていませんので、基本的な、細かい中身ということではありませんけれども、対象としていることが異なっているということだと思います。
 変わる会の方ですけれども、これは中のグループですから、例えば中のグループならではの事務合理化、意識改革・マナーと、これは五つの分野に分けているうちの二つですけれども、これは変わる会、変えよう!変わろう!外務省の方で、変わろう、変えよう、外務省ですね、それで扱っている。これについては、変える会ではそれほど、全く触っていないわけではないですけれども、やっていない。広報、それから制度改革、これはもう非常に、それから政策立案強化、これは変わる会、変えよう!変わろう!外務省という長い名前ですが、そちらの方で扱っていますが、それはそれぞれ別な形で、違った切り口で変える会の方では扱っているということでございます。
 基本的に、変える会の方がどちらかといえば範囲としては網羅的だろうけれども、中の事務合理化ですとか職員のモラルの話ですとか、そういうことについては扱っている範囲は狭いと、そういうことだと思います。
#31
○委員長(武見敬三君) それでは、ほかに質疑者いらっしゃいませんか。
 それでは、たくさんいらっしゃいますね。取りあえず、先に手を挙げられました福島委員、どうぞ。
#32
○福島啓史郎君 ありがとうございます。自由民主党の福島啓史郎でございます。
 大臣にまずお伺いしたいんですが、やっぱり私、外務省改革のまず一丁目一番地というのは、外務省というのが国益を実現するための組織であるという意識改革だと思うんですね。その意識改革はやっぱり人事でもって裏打ちをしなければならないと思うんです。
 まず第一の質問は、先ほどの変えよう・変わろうですか、若い人の意見、人事についてどういう要望があったか、お聞きしたいと思います。
#33
○国務大臣(川口順子君) これについてはかなり多くのことを言っています。例えば、V種職員のキャリアパスをきちんとするということが必要である。競争原理の徹底を図ることが大事である。それから、専門能力の強化、活用、これはV種にもかかわりますけれども、専門職の点についてもということが必要である。それから、評価制度、これを充実することが必要である。研修をすることが必要である等々でございます。
#34
○福島啓史郎君 いずれも私は重要な点を提言していると思うんですね。それを真摯に受け止めていって、この変える会の中にも生かしていただきたいと思います。
 それから、次の質問は、私、そういう人事ということを考えたときに、先日の変える会のメンバーの方々との意見交換の中でも出たわけでございますけれども、要するに外務省の構造が、特に幹部職員の構造が逆ピラミッドになっていると。要するに、普通の組織は、普通の役所なりあるいは普通の会社、企業にとりましても、上に行くほどポストは少なくなるわけでございますが、逆に外務省の場合は大使等のポストが上に行けば行くほど多くなるということで、この逆ピラミッド構造をなくさなきゃいけないということが、これは意見の一致を見たところでございます。その逆ピラミッド構造をなくすには、一つは、外部から登用していくということが第一でございますし、また第二は、若いときから大使を経験させるということではないかと思うわけでございます。
 まず、大臣の意見を、それについての大臣の御意見、また事務方で人事を担当する官房長の御意見、お二人の意見をお聞きしたいと思います。
#35
○国務大臣(川口順子君) 逆ピラミッド構造について二つの考え方があると思います。
 私は、逆ピラミッド構造が結果として逆ピラミッドの中にいる人たちの競争力を失わせることになるから問題だという考え方が一つあると思います。それは正に私も賛成でして、できるだけ競争を導入をする。それは、一つは、もちろん外部の優れた人材を入れるということはあると思います。
 それから、大使、上のレベルと申し上げた方がいいかもしれませんが、についての評価をきちんとする。例えば、大使であれば一つ一つのポスト、外務省の職員は今まで二つとか三つとかの大使ポストをやる人が多いわけですけれども、一回の大使のポストを終わるごとにきちんとそこのポストで何を成果として上げたかということを評価をしていって、その評価によって次のポストを考えるということをきちんとするということもあると思っています。
 それから、民間から、民間といいますか、外務省外から大使を登用するときに、外の人であれば何でもいいというわけじゃ全くありませんので、適材適所でなければいけないし、その選ばれるプロセスあるいは基準は透明でなければいけない。そういうこともきちんとやる必要があると思います。
 もう一つの逆ピラミッドについての考え方というのは、大使というポストが、これは少数意見だと私思いますけれども、そもそもゼロベースで日本全体から大使をリクルートすべきである。外務省の人はもちろんそのための非常にいいプールだと思いますけれども、それ以外に大使というポストを別なところから持ってくるという考え方もあると思います。
 いずれにしても、逆ピラミッドの在り方については二つの考え方がありますけれども、どっちの立場を取るとしても、私は基本的に競争を強化をするということをやっていくということで、今回、外務省で様々な御提言を受けて考える外務省の行動計画にそれを入れていきたいと思っています。
#36
○委員長(武見敬三君) 官房長、簡潔に一言だけ。
#37
○政府参考人(北島信一君) 事務方としましても、競争原理の導入ということで、大使、公館長を含め、外部から人に来ていただくということ、それから委員が指摘されました若い人を登用すること、年功序列にこだわらず若い人を登用すること、そういったことについては我々も重く受け止めています。
#38
○吉岡吉典君 私は、答弁というよりは、幾つか長い外務省との付き合いで感じたことを二、三申し上げて、むしろ参考にしてもらいたいなと思いますけれども。
 私は、赤旗記者時代から長い間外務省に大変お世話にもなってきまして、個人的には物すごく有能な親切な人々の集まりであって、私は、国連憲章の勉強から国際法の勉強から、ほとんど外務省へ行って手ほどきを受けてきました。ところが、そういう人々が集まっているところで一連のあんな事件が起こる。これは私、この間、変える会の人々にも言いましたけれども、個々の人が悪い素質を持っていたからというより、やはり外務省の中にそういうところへ陥っていった弱点があるんじゃないかと。そこを、どこにあるかということをここで回答してくださいとは言いませんけれども、やはりそれは一つの研究課題にしてもらいたいと思います。
 それからもう一つ、ずっと長い付き合いで考えたことは、これは外務省には体質的に過去を自分で検討することのできない体質があるなというのは、これはもういつも考え、感じ続けてきたことです。それで、答弁にも私はそれが表れている場合がしばしばあって、問題を前に進めるよりは、過去との間でのつじつま合わせをどうやるかというところに重点が置かれていると思いました。
 私は、そういう点で一つの例を申し上げますけれども、今は正されましたけれども、日本の韓国併合、これは自由ないし対等な立場で結ばれた条約だという答弁が一九六五年の日韓国会で行われました。私はその答弁は、当時、新聞記者として取材しておって、これはもう大変な答弁だと、これは歴史に大きな汚点を残す答弁だと思って、ずっとそのことを新聞記者として書き続け、国会議員になると質問でも何回も取り上げ、外務省の幹部にもこれだけは最低訂正してくれということを言い続けましたけれども、それが正されたのは一九九五年、四十年掛かったんです。
 しかも、それは、私がそれを正してもらいたいという質問したらとんでもない答弁が村山総理大臣の口から出て、韓国は非難決議をやって、それで初めて大騒ぎになって正されるということで、韓国併合が自由ないし対等な立場での条約だったなんということは、それは六五年の日韓条約を結ぶときの何かの外交作戦で言ったかどうかは別として、これはもう事実を考えるととてもそんなことを言えるものでないのを直すのに四十年も掛かる。その間、どういうことを私は答弁で聞いたかというと、先輩がやったことを改めることはよほどのことがないととても我々の力ではできないという答弁を聞きました。
 それで、あるときには、あなたはソウルの街頭演説でそういうことをしゃべる勇気があるかと言ったら、そんなこと言ったらたたき殺されるわと。じゃ、たたき殺されるようなことをなぜ国会で正さないのかと言ったら、それは外交、外務省が積み上げてきたことを変えるということはできないんだという答弁でありました。それは九五年、正されるに至りましたけれども、僕はそういう答弁聞くたびに、こういう過去に目を向けて自分で正すべき点は正していくということができない外交はこれは必ず大変な事態になるなということを考え、また言い続けてきたつもりですけれども、そういう点が一つと。
 それからもう一つは、この間、変える会の人にも、この論議の中でも、今、小泉議員も言ったことですけれども、やはり日本外務省が一致結束して向かう明確な日本の外交目標がなければ外務省の力を本当に一つにして発揮することはできないということを私も強く感じております。
 以上の点を改革の中で是非生かしていただきたいと要望いたします。
#39
○委員長(武見敬三君) 川口外務大臣、一言何かありますか。
#40
○国務大臣(川口順子君) きちんと伺わせていただきました。きちんと受け止めたいと考えます。
#41
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 私は、先ほど山口委員からも質問がありましたODA改革に関して二点、簡潔にお伺いしたいと思っています。
 現在のODAというのは、財務省、経済産業省始め各省庁に分かれている、そういうふうな事業だというふうに考えておりまして、これを一元的に取り扱うODA庁ですか、という新設機関を作るという構想が最近の新聞報道でもされておりまして、川口大臣もそれに対していろいろコメントもされておられます。
 このことは、私は質を高めるものであればそれは大変結構なことだというふうに思っておりますが、そうであれば、この際、現在のODA大綱というものをODA基本法というふうな法の制定を視野に入れた、そういう法整備にまでこれを抜本的に見直して早急に取り組んでいくということも必要なのではないかというふうに考えておりまして、ここら辺についての大臣の御見解をお伺いしたいと思っています。
 それからもう一点は、特にODAに関して、現在有償援助、それから有償援助に続いて無償援助の部分でも、環境、社会の配慮するガイドライン、これを作る動きが現在出てきているわけですけれども、そうした中で、特に有償援助については世銀、世界銀行などに倣って公平性のある、合理性のある、そして効率性のある、そういうものを担保するいわゆる異議申立て機関、これを設置するということがこれは一つの大きな課題になっていると思います。
 先ほど山口委員から質問がありましたけれども、今回の経済協力局長人事で、もし大臣が考えておられるようなそういう人事になったとしたときに、そういうふうな異議申立て機関の設置等の動きが後退するのではないかという、そういうふうな危惧をしている人たちもおられるわけですけれども、そういうものがどうなるか。
 特に、私はこのODAにおいては、大臣も以前環境大臣もなされておられましたし、そういう意味ではODA事業そのものが相手国に対してどのような環境に影響を与えるかということもあります。そして、それぞれの国々が、そこの国民も含めて、住民も含めて、いろいろとその事業によって、特に東南アジア等ではいろんな動き、反発の動きもあるわけですから、そういう意味ではこのガイドラインというのは非常にしっかり作ることが必要だと思っています。
 したがって、私は、今言った環境、社会の配慮というのは外務省及びODA改革の一番不可欠な柱だというふうに思っていますが、御所見をお伺いしたいと思っています。
#42
○国務大臣(川口順子君) まずODA庁でございますけれども、私は国会答弁でも申し上げておりますけれども、ODA庁という考え方については賛成をいたしておりませんし、それから内閣で今ODA庁を検討をしているということはないわけでございます。
 それから、ODAの基本法というお話がございましたけれども、これも今までいろいろ出ているわけですが、ODAというのはやはりその時々、様々な緊急に柔軟に対応するべき課題というのがあるわけでして、であればこそ、正に外交の重要なツールとなり得るということでございますので、ODA基本法ということにつきましては私は慎重に検討しなければいけない課題であるというふうに考えます。
 それから、環境その他についてそういった、ちょっと御質問をきちんと理解できたかどうかよく分かりませんけれども、例えば環境についてのルール、アセスをしていくということは私は大事であると思います。この間、JBICではこの環境アセスのルールを作りまして、それが動き始めています。これをまたODAの違う世界にも広げていくことというのは大事だと思いますけれども、様々な改革をODAについてやっていく過程で更なる必要な改革はどんどんやっていきたい、追加的にやっていきたいと私は考えています。
#43
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 私は、外務省の中の人材育成、キャリアパスの問題について絞ってちょっとお伺いしたいと思いますが、まず官房長にお伺いしますけれども、外務省の方は中に入ってから在外研修ということで海外行かれて研修するわけですが、これはキャリア、ノンキャリアにかかわらず、また行った国々によって事情違うと思うんですけれども、私が知っている範囲で申し上げると、学位を取られる方もいらっしゃるし学位を取られない方もいらっしゃると。しかし、学位取らなくても取っても、余りその後の外務省内の人事であるとかキャリアパスに影響はないと私、現状を理解しておりますが、それは間違いないでしょうか。
#44
○政府参考人(北島信一君) 国によって学位を取ることが難しいケースがございますけれども、例えば、英語圏であれば学位を取ることができるということで、原則全員が学位を取っていると思います。他方、フランスとか違う言葉の国では学位を取ることがなかなか難しいということで、取れるケース、取れないケースとございますけれども、そういう場合には、その結果によって特に人事の評価に大きく影響するということはないかもしれませんけれども、当然学位を取った人はそれなりに評価されてきているということだと思います。
#45
○遠山清彦君 今ちょっと若干確認をさせていただきましたけれども、私の問題意識は、外務大臣、在外研修から始まって、国内でも本省でいろいろ研修を受けて一人前の外交官になっていくと思うんですけれども、語学にしろ、あるいは将来的に政策立案に生かされるような専門知識にしろ、そういうことを一生懸命努力して付けていっても、T種か専門職であるかというところで、結局あれは無駄だったんではないかというような思いを抱かせるような状況が外務省の中に一つあるんではないかと。
 また、そういった専門知識や語学で頑張ったことが、実際には、私、以前この委員会でも、本省に来ると仕事は地獄、その何か大部分が国会の問題があるというお話もありましたけれども、本省は地獄で在外公館に行ったら天国だから、どうしても在外公館に行くと緩んでいろいろ自分中心な行動に走ってしまうという話もありましたけれども、私はこれはどこの組織でもそうだと思うんですが、それぞれの職員がしょせん自分は歯車の一つにすぎないという思いを抱いてしまって、その結果、例えば国民は、あるいは我々国会議員も、外務省の職員の方々ほとんどの方々に対して、十年先の日本外交どうあるべきか、あるいは長期的な外交戦略ですね、それぞれの専門分野における長期的な外交戦略というものを持った上で仕事をされているんだろう、あるいはしていただきたいという期待を持っているんですが、実際に外務省内に入ると、いや、しょせん自分たちがやっている仕事は大した仕事じゃなくて歯車の一つでというような士気の低下というか、そういったものが出てくるケースがあるんではないかと。
 あるいは任地がいろいろ変わる、あるいは部局が二年置き三年置きに変わるために、実は周りが期待しているほどそれほど専門家に特定の分野でなり切れないというような制度的な問題があるんではないかというようなことで、私が今申し上げている点は、恐らく外務省、変わる会の中でも出てきているでしょうし、新聞でも様々そういった議論がされているというふうに聞いておりますけれども、こういった、何というか本人が努力をいろんな面でした際にそれがやはり将来的に生かされる、また、それぞれが持っている個人の能力が有効に集積されて、外務省の政策立案能力であるとか、あるいは弱いと言われている戦略を描いていくところに生かされるようなキャリアパスにかかわる制度の構築が私は非常に重要ではないかと思っておりますが、その点についてお伺いしたいと思います。
#46
○国務大臣(川口順子君) おっしゃったところが非常に重要だと思います。
 私は民間企業にいて、どうやって民間企業が中の職員の人たちの努力を認め、それをその人のプラスになるような形で生かしていくかということを見ております。役所にそれを適用しようと思いますと、本当にいろいろな制約があってそれができない。例えば給与というのを、幾ら働きが良かったからといってボーナスをその人にばんと付けるということはできないわけですね。それからポスト、能力のある人をそれなりのポストに就けるとますますその人は忙しくなってしまうということにもなります。
 その中で、もう本当に、多少、例えば人材の登用をするのに、幹部のところで年功序列を他の省に比べると、そこを緩やかにして、あるいは年功序列を無視して人材の配置しているというようなことはやっています。外務省の一番若い局長というのは、役所の年次でいうと四十九年に国家公務員になった人、外務省に入った人ですけれども、霞が関を見渡していただいて、四十九年に入った人が局長になっている省というのは、一般的に言っちゃいますと外務省しかありません。実は例外的にありますけれども、これはその省の特殊な事情があるのでちょっと外務省と比較できないという意味で、これは財務省見ていただいても経産省見ていただいても、そういうことにはなっていない。
 そういう中では、できない制約のある中で、多少なりともそういう努力はしているつもりでございますが、まだ今後、それはV種の人、専門職の人、それぞれのキャリアパスの中でそういうことが生きるようなことは考えていきたいと考えています。
#47
○佐藤道夫君 私からお尋ねいたしますが、大臣は今日も赤い服を着ておられない。どういう御心境なのかよく分かりませんけれども、しかし、たるみのないようにしていただきたいと、こう思います。
 そこで、私は一般論、抽象論というのは余り意義を認めていない。よく役所なんというのは、何か問題があると発表しまして、それが発表が終わると、あ、これでおしまいということでいつとはなしに忘れられてしまうと。今回のケースも同じような、この変える会がいろんな発表をしましても、それがどれだけの効果をもたらすのか、私極めて疑問だなと思っておりますが。
 具体的ケースを取り上げて、それで議論をしていただくというのは本当は大変重要な意味を持つんだろうと思います。この変える会が立ち上げて、そして真剣に議論をしている段階で、誠に絶好のタイミングといってもいい瀋陽事件が起きたわけですよね。あれはもう本当に、変える会の人たちは、自分たちは外務省のことについてこれだけ勉強をして、こういう議論をしているのに、こんなことが起きたと。一体なぜ起きたのか。国民は、本当に外務省何をやっているんだと、皆そういう目で見ているときに、外務省本省がベストを尽くしたのか。それから、現地の大使館は何をしていたのか、皆それぞれベストを尽くしたんだろうかと。現場の瀋陽の総領事、首席領事その他の領事もやっぱりやるべきことはやったんだと。しかし、中にはやるべきことをやらなかった者もいる。それは一体だれなのか、なぜやらなかったのか。そういうことを彼らに考えてもらって、それを受け止めるということが、あなた、一番大事なことだと私は思うんですけれどもね。
 この前、ちょうどいい具合に変える会のメンバー、会長以下が四人来ておりましたから、私、この問題を取り上げて聞いたんですけれども、何と何と、驚き入ったことには、何も考えておりません、何もあの処分について軽い、重い、議論も一切しておりませんと。なぜなのかと、こう聞きましたらば、あの宮内という会長に至っては、諮問を受けていないからしようがないんですよと、こういう感じでした。
 これ私、本当に涙が出るくらい情けない思いがしましたよ。大臣としては、すぐあの方々に連絡を取って、この問題について真剣に議論してください、具体的ケースです。それを基本にして外務省改革の抜本的な議論をしていきましょうと。だれだって、そういうふうに頭は回るんじゃないでしょうか。
 なぜなのか私分からないんですよ。もし仮に外務大臣から諮問がなければ、彼らは彼らでこれをやろうと、そして外務省の欠陥というものをえぐり出して、それを、その結果を外務大臣に報告しようと、こう考えるのが当たり前でしょう。高い諮問料か何かもらっているんでしょう、彼らは彼らで。聞かれたこと十項目か何かに答えるので忙しいんですから、そこまでやれませんでしたという感じなんですね。私あきれ果てましたよ。よく言うのに税金泥棒ということがありますけれども、こういう汚い言葉は使いたくないんですけれども、現に使っちゃいましたけれども。
 いずれにしても、大臣として、こういう機会に変える会を利用して外部の良識者の意見を十二分に聞いて、そして、最終的には処分はこういうふうにいたしますが、皆さん方、これでよろしゅうございましょうかと諮問をする。当然のことでしょう。
 この前、大臣は、何か有識者の方に聞いたら、何人かはこんなものかなと言っておられたと、中には、何人かは軽過ぎるんじゃないかなと言っていたと。どうもその対象者にはこの変える会のメンバー入っていないみたいなんですね。彼らは何も大臣から諮問受けていないと、こう言っていましたので。それやこれやで、五分以内に回答をお願いできればと、こう思います。
#48
○国務大臣(川口順子君) 変える会の皆さんにつきましては、瀋陽事件の後、項目を付け加えていただいて、危機管理体制について御議論をいただいて、それが最終的な報告の中に取り組まれて、入ってくるというふうに伺っております。この問題については、変える会の立場から関心を持っていただいて御議論をいただいていると思います。
 それから、処分についてなぜ話をしなかったかということですけれども、この処分というのは外務大臣の正に人事権でございまして、この問題について私はよその方に御議論をいただいた上で決定をするということをすることは考えておりません。おりませんでした。したがって、いたしませんでした。この処分の考え方については、前々からいろいろ申し上げているとおりでございます。
 有識者に聞いたそうだがとおっしゃられましたけれども、これは事前にそういうことは事前にはしておりませんで、軽い、重いといういろんな意見がありますということをお話をしましたのは、事後、いろいろな声が耳に入ったということを申し上げているだけです。
#49
○泉信也君 巷間言われております経済協力局長に経産省からの人材を充てられるということは、私は問題があるというふうに思っておるんです。それは外務官僚の皆さんの思いと少し違うところがあるやに仄聞をいたしております。そのことが外務省のパワーを、あるいは一時的かもしれませんが、そぐようなことになりはしないか、そう思っている。しかし、それでも大臣がお決めになればこれは実現できるだろうというふうに思うんです。
 そこで、外務大臣に限りませんけれども、大臣の力というのは物すごいパワーだと、そういう観点に立ちますと、今日の外務省の有様は歴代の大臣の姿勢の結果ではないかと私は思うんですね。ですから、そのことに立って二つだけお尋ねしますと、第一に、今、川口外務大臣がお考えになる外務大臣としての理想像というか在り方、どういうことが最も重要であるというお考えかというのが第一点。もう一つは、瀋陽の処分あるいは今回の人事、あるいは変える会、変えよう会等からの答申を省内で検討される際に、副大臣、政務官、そういう、あるいは事務次官も官房長も含めてもいいと思いますが、いわゆる政治家が一緒になって考える場を積極的に重用されるというお考えがおありなのかどうか。この二点だけ伺わさせてください。
#50
○国務大臣(川口順子君) 一番最初の方の御質問、ちょっときちんと伺えたかどうか分かりませんが、御質問は、外務大臣として何が一番大事と考えるかということであったというふうに私は理解をいたしましたけれども。
#51
○泉信也君 歴代の外務大臣の姿勢が今日の外務省を招いておるんではないか。したがって、外務大臣とはいかにあるべきか、外務大臣としての在り方論についての大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
#52
○国務大臣(川口順子君) 私は、外務大臣として幾つかの大事なことがあると思います。一つは、まず国益が何かということをきちんと踏まえるということだと思います。それから二番目に、その国益を実施に移していく段階でどういうふうにやるのが一番いいかという実施面をきちんとやっていくということだと思います。それから三番目に、組織の長ですから、組織の管理者としての役割、その三つあると思っています。
 それから、処分の段階で政治家グループ、官房長、次官と相談をしたかどうかということでございます。相談はいたしました。政治家のグループ、これは副大臣それから政務官とは大体こういう、どういうような感じをお持ちかということは伺っております。それから事務次官、官房長については、これは役所として先例はどういうようなことであったか、あるいは人事院の規則はどういうことであったかということをきちんと調べて教えてもらわないといけませんので、そういうことで助言、情報をもらっています。
#53
○木俣佳丈君 日々御苦労さまです。外務省の改革ということで、新聞の今日も一面に大きく援助庁、先ほども同僚議員から質問がありました。大いなる改革をしなければ、十年前の改革という名の改善、ちょっとした改善ぐらいに終わってしまうと思いますので、この際大胆に、そしてまた継続的に、変える会が報告を出したらそれで終わりではなくて、まず一点目は、御質問になりますが、必ずフォローアップの会合として変える会を残していただきたいと。これについての御意見を一つ。
 そしてまた、先般、二問目でございますが、変える会の方々ともやり取りしておりますが、やはり民間から大使を導入するときの目安としての数値目標は必ず入れたいと、こういう強い決意がありまして、現在、今日の御報告でも進行中の改革とはいいますけれども、猪口さんほか大使二人は、小川さん、浅井さん、小川さんは宮澤さんの親戚、宮澤喜一先生の親戚、浅井さんは中谷さんの親戚でもあり、杉浦さんと何か大学の同級生というような非常に俗人的な、しかも与党との関係というようなことでどうも大使に選んでいるのかなと。しかも場所的にも、いや別にチリ、ガーナが悪いというわけじゃございませんが、しかしながら、もう少し人材というのは私が見る限りでも民間におりますので、大臣も御拝察のとおりでございますが。ですから、やはり数値を入れるということを決意いただきたいということですね。
 これはやはり、私もすばらしい大使何人も知っています。アフガンでもパキスタンでも会った大使は本当に私、心底すばらしい方だと思いました。しかしながら、しかしながらなんですね。しかし、なかなかそういう大使にお目に掛かることが逆に少なくて、競争原理が本当にないなというような思いをしております。
 ですから、やはり数値目標を入れるということが非常に私、人事の面で大きな効果を発揮するだろうということが二点目。
 三点目は、人事選考委員会というものを、大使を入れるときの選考する委員会を独立して作らなければ今言ったような俗人的なものになるということで、委員の藤原さんもこれは絶対作りたいということを申しておりましたが、大臣はどのようにお考えか。この三点、お願いします。
#54
○国務大臣(川口順子君) まず、変える会をフォローアップをする場として残すということについては、既にお願い済みでございます。
 それから、民間からの登用の大使の数値をどうするかということですけれども、これは様々な考え方があって、変える会の中でも、あるいは外の世界でもいろいろ御意見があるところですけれども、私は個人的には目安ということであれば前向きでございます。適材適所を貫かないといけないということなので、厳密に入れてしまうとこれはどうしても守れない可能性というのは私はあると思うので、ただ目安を出してそれぐらいの、したがってその結果として探す努力を外務省が行うということは大事だと思っています。
 それから三番目に、人事の選考の委員会ということですが、検討する価値があると私は思っています。それで、外から登用する場合に一応の基準を出させていただきました。それで、その基準については実態を反映しながらまた変えていきたいと思っていますけれども、外務省、その選択の範囲を広げるという意味では、外務省だけでなくて広く世の中全体からの人を、知っているような人を入れて考えていただくというのは大事だと思います。それは外から登用する人の場合。中から大使を登用するときにどうするかということについては、また別な問題があるので、より慎重に検討することが必要だと思っています。
#55
○山本一太君 川口大臣、今回、外務省の経済協力局長に、先ほどからお話が出ておりますけれども、現役の経済産業省の審議官を抜てきするという意向を固められたと、こういうふうに伺っております。私は、以前からこの外務省の経済協力局長には外部から人材を登用するということはいいと思っておりました。ODAを担当するこの経済協力局長に外の違う血を入れるということは、ある意味、外務省の意識改革にも非常に意味があるというふうに思っておりましたので、その点、川口大臣が経協局長というポストにやはり着目をされたというのはさすがに御見識が高いなというふうに思いました。
 ただ、率直に申し上げますと、私の感覚は、どっちかというと、経済協力局長に登用するとすれば、例えば援助についてきちっと理論が語れる、さらに国際経済が分かる、いわゆる日本の国家戦略、国益が分かる、例えば新進気鋭の経済学者とか、あるいは世界を舞台に飛び回っている、もちろん経済協力も熟知した経済人とか、そういう方ではないかというふうに思っておりました。
 ふたを開けてみると、これは大臣の隠し玉といいますか、経済産業省の現役の審議官が来るということをお聞きをいたしまして、ちょっと意外だったのと、誠に正直申し上げまして、この人事がもたらすメリットとデメリットということについては、私の中でもまだはっきりよく分からないものがあります。
 ただ、現職の経済産業省の審議官を持ってくるということで、外務官僚の間にいろんな意見があったり反発があるということは私は大事なことでは全然ないと思っていまして、それは大臣は政治家、御自身は政治家でありませんけれども、外務大臣というポストで政治的に決断されたことですから、それはもうはっきり言いますと官僚の反発というのは関係ありません。やっぱり外務省にとって外交の機能を上げるために必要だったらその決断を貫かれたらいいんであって、そこはもう非常にシンプルに考えております。ただ、この件について正直申し上げまして、個人的な見解としてどういうメリット、デメリットがあるのかということには結論が出ておりません。
 私の質問は、大臣がこれを御決断になってなさるということであれば、二つの点について大臣の御見解を伺い、御要望を申し上げたいと思います。
 一つは、私は前から外交通商省を作ってもいいんではないかというような考え方がありまして、別にほかの省庁から現役の人を持ってきてもそれは構わないんじゃないかというふうに思っておるんですが、これを機会に、経済産業省の現役の審議官を経協局長として持ってくるんであれば、これはこれを契機に、いわゆる歴史的に確執のあった経済産業省と外務省の間の人事交流というものをきちっと始めたらどうかと。それも、例えば外務省が、これは省益の話じゃありませんけれども、経協局長というところに経済産業省の審議官が来るんであれば、それじゃ例えば同じ局長ポストに同じようにやはり例えば外務省の局長を送り込むとか、そういう多少大胆な発想で、むしろ省益という意識を変えていく一つの契機にしてはどうかと。これは経済産業省の話ですから、大臣のできることというのはいろいろとまた限界もあるかもしれませんが、そういうことを是非、大臣のイニシアチブで考えていただきたいということが一つです。
 もう一つは、今度来られる古田さんという方を私、存じ上げないので分かりませんが、恐らく大臣が、たまたま古巣の経済産業省からということではありますけれども、もちろん行政能力のある方で、大臣がよく熟知されて選ばれた方ですから、これはもちろんすばらしい方だというふうに思っておりますけれども、まだ御本人を存じ上げませんが、この古田さんが経済協力局長として外務省に来る、外部からの登用で来ると。外務省のかなりの予算を握っているODAの部分について現場の指揮を取るということですから、これもなかなか大臣がどうするということはありませんが、古田さんは来るからには経済産業省には戻らないと、つまり省益という観点からやはりODAの現場の責任者という役目を私は果たしてはいけないと思います。
 ですから、そこら辺のところ、感情ではなくて、やはり省益を離れて官僚の役目というものを考えるということがこれから新しい官僚文化の一つの潮流だとすると、私は、古田さんには経済産業省には戻らないと、ODAについて経協局長として全力を挙げて、外務省の省益でもなく、経済産業省の省益でもなく、国益のために頑張るというのがこれは本来の姿であって、経済産業省に戻らないで、ほかに戻ろうが民間に戻ろうがいいんですけれども、そういう覚悟で来いということをやはり大臣の方から是非これは古田さんに言っていただくのがいいんではないかということで、この二点について大臣の御見解を伺いたいと思います。
#56
○国務大臣(川口順子君) 先ほどからいろいろな方から局長人事についての御質問が出るたびに、実は私は非常に申し上げていることについて隔靴掻痒の感を持ちながら申し上げておりまして、というのは、大変に申し訳ございませんけれども、個別人事の話でございまして、これはしかるべきプロセスを経て決まっていくということでございますので、そういう段階にないことについて、私は人事権者でございますから、私からこういうことですと申し上げるわけに、本当に残念ですが、いかないということで、今ちまたで報道されていることについての本来の目的なり考え方なりいろいろなことについて、いろいろ憶測はございますけれども、そういったことについて、可能ならばいろいろ申し上げたいことはございますけれども、個別論については、申し訳ないんですが、差し控えさせていただきたいと思います。
 その上で、一般論で申し上げたいんですけれども、まず人事交流といいますか、よその省の人がある省に来て交流をするということは、私は非常に大事で意味があることだと思っています。それから、外務省の場合に、外務省の意識改革をするということが、今ほかの省のことはどうでも、そういう意味ではよろしいんでございますけれども、外務省として意識改革をするということは非常に大事であると思います。それからもう一つ、別な考え方として、経済協力について改革を行うということはこれも非常に大事であると思います。それから、省の壁を乗り越えて、ある日本にとって重要な政策について立場をお互いに理解し合いながら切磋琢磨して共通の課題として考えていく土壌を作っていくということも非常に大事だと思います。
 いろいろなそういったことを、今の時点ではちょっと問題意識として、一般論として申し上げさせていただきたいと思います。
#57
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 人事交流のことで大分御質問、御意見が多いようでございますけれども、大臣は環境大臣も経験していらっしゃると思います。環境庁のほとんどのトップ人事というのはよその省庁で占められている。大蔵省、通産省、農林省、そして環境庁の下から積み上げた人がなかなか上に行けないという、そういうことがあるわけでございまして、そういうことを考えますと、上をばっちり占められていることの弊害はございますけれども、よその省庁の方が来たからといって、意識改革というか刺激にこそなれ、それほどダメージがあるとも思えないわけです。ましてや、外務省、一人、二人、三人、せいぜい十人ぐらいよそから別の血を入れるということで大騒ぎするほどのことはないんじゃないかと思います。
 ただ、私は、そこにまず、経済協力局ですか、そこの局長を替えられるというんで、ここで今、特にODAの改革ということが望まれているわけですから、ODA庁といったようなものも視野に入れて、ここの部分で正にグッドガバナンス、透明度、効率、効果、そしてパーティシペーション、参加ですよね、そういうものが守られるような新しい形が生まれれば大変結構だと思っておりますので、そういう形で応援させていただけたらと思います。
 それからまた、同僚議員の質問の中で、外務省の役割って何だろうか、ゼロから考え直すべきだという意見がございましたけれども、私も時々考えます。つまり、現在の外交のかなりの部分が、昔ですと大使がいわゆる国の全権を引き受け、特命全権大使というんですか、そういう形で外交交渉をやる。それは軍事の面であったり、それから経済の面であったりするわけですけれども、最近ではいわゆるサミットというやつ、トップ会談がございますし、また環境の問題であるとか貿易摩擦の問題なんかになりますと専門家会議というのがあり、そしてそれぞれの省庁の実力者が出ていくと、そういう会議が非常に多いんじゃないかと思います。
 そういう点で、外務省の役割、外務省の方たちは、何をしたらいいんだろうかと、そういうこともお考えになるんじゃないかと思いますから、そういう面でも外務省の方たちが経済産業省に行くとか、環境庁に出向するとか、済みません、環境省に出向するとか、そういうふうなことでも実力を付けていかれるということ、非常にいいことではないかなと思っておりますし、現実に環境省には外務省の方がいらしているということだろうと思います。
 そのほかに、外務省としては、情報を集めるとか領事業務とかいろいろあるわけで、それは大変なことだろうと思いますけれども、ちょっとお伺いしたいのは、外交の基本政策というのはどういうふうに作られるのかということでございます。
 時々、私ども、勉強会で御説明を聞いたりするんですけれども、大臣にはここに行っていただくとか何をしていただくとか、あたかも大臣が要するに上に乗っかっている人にすぎなくて、操り人形のような言われ方をしていることがあるわけです。それは外務大臣だけじゃないと思います。特に外務大臣の場合にはそういうことが多いんじゃないかというような気がいたしますんですけれども、外交の、今、外務大臣の政治的なリーダーシップというのは非常に大切だと思いますけれども、外交の連続性ということを同時に言われますよね。連続性と外務大臣のリーダーシップと、どのようなことになっているのか。
 ですから、外務大臣が何かしたいと思われるときに、果たして外交の継続性とかなんとかかんとかと、外務省の特殊事情のために封じ込まれてしまうというんでしょうか、包み込まれてしまう、そういうふうなことがあるのかないのか。特に、御自身のリーダーシップについて、忌憚のない御意見がいただけるんだったら幸いと存じます。
 以上でございます。
#58
○国務大臣(川口順子君) 大変に難しい御質問の御提起でございますが、その前に、難しい質問でございますが、おっしゃっていらっしゃるのは、これ外務省であろうがよその省であろうが、政治家グループとそれから官僚との関係がどうあるべきかということだと思います。これは各省それぞれの歴史あるいは政治家グループの、そういう意味でいえば政策を指示する力、官僚の強さ、いろいろな要素によって多分その省ごとに今違っているんではないかなと思います。
 自分自身の評価ということでおっしゃられますと、なかなか本当に難しいということなんですけれども、やはり政策の全般についてある程度の判断ができるようになるためにはそれなりの勉強も必要でございますし、時間も必要かなと思っておりますけれども、私としては、やはり政治家は基本的に方向を、政治、そうですね、は方向性についてきちんと出していくということが務めでありますので、そういうことで行動をする努力はいたしているつもりでございます。
#59
○広中和歌子君 ちょっと申し上げます。
 政治家の皆さんに申し上げたいと思っているんですが、ケネディが大統領のときに、ギブ・ミー・ファクト、事実を、情報をくれと。アイ・ウィル・メイク・ザ・ディシジョン、私が決定すると、そういうふうに言っていたそうでございます。
 以上です。
#60
○委員長(武見敬三君) 他に質疑者、まだ一回も質問、質疑しておられない先生がいらしたら、是非質疑に加わっていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#61
○舛添要一君 外務省の頭脳というのはどこにあるんですか。というのは、地域局ありますね、機能局ありますね。総合政策局があって、それで総合調整をやっているはずなんですけれども、つまり諸外国と比べたときに非常にルーチンワークが多くて、長期的な戦略、そういうことをしっかり考える、しかも今の広中議員の話じゃないですけれども、ファクトをちゃんと乗った上に。私は、だから総合政策局というのは、それの機能を果たしているかどうかよく分からない。
 これも見直さないといけないし、それから北島官房長にお伺いしたいんですけれども、官房の中、大体官房というのはどういう役割をやっていて、官房というのは頭、頭脳があるのかと、頭脳なのかというのは、私はフランス長いですけれども、フランスのキャビネ・ミニステリエールというのは、大臣官房というのはそこで正に外務大臣のための政策をやる。これは翻訳の仕方の問題ですから。そうすると、外務大臣が全体的な政策を統合してやろうというときに、じゃ手足になるのはどこにいるのかと。
 それで、これは外務省だけじゃないですけれども、植竹副大臣もおられますが、じゃ外務大臣と副大臣、政務官、これ副大臣二人、政務官三人おられる、これのチームワークはどうなっているんですかと。私は、本来的には大臣が副大臣と政務官を任命、実質的に決めるべきであって、今のような形で決めるべきではないと。つまり、チームを組んでおやりになっているのか。それから、これは我々の責任でもありますけれども、大臣が外に出て外交をやらないといけないときに、大臣の答弁がなきゃけしからぬというようなことでは何のために副大臣を置いたか分からない。
 ですから、要するに外務大臣を中心として政策が動いているという形にはどうも見えないんですね。こういうことあったの知っていますかと、政務官も知らない、副大臣も知らない、初めて自民党の部会で知りましたみたいなことを副大臣だって答える。もう当然、外務大臣のところにも行っていない。そうすると、これは政が官をコントロールするのではなくて、官の、つまり外務省の役人の上に、のっとってやっているだけですから。
 ですから、外交政策というのは基本的にそんなにふらふらしちゃいけませんけれども、私は前回もお話を申し上げたのは、外部人材の登用基準について、年齢六十三歳以下とか外国の経験があるとか、特に学者について公職、審議会などにたくさん就いているという。だけれども、これは野党の諸君にもしっかりしてもらって政権取っていただきたいんですけれども、政権交代があるということを全然前提にしていない。ですから、政権交代があったときにころっと外交政策が変わるということはあっていいわけですよ、極端に言えば。だから、そういうことを前提にしないようなシステムになっているんではないかなということを日々不満に思いながら見ているわけです。
 ですから、今日は率直に、自由なディスカッションですから、そういうことを申し上げているわけです。
#62
○国務大臣(川口順子君) 舛添委員がおっしゃっていらっしゃる問題意識は、私も率直に申し上げてシェアをいたします。
 まず、総政局、基本的な調整機能が弱いんじゃないかということについては、総政局ができたときの意識としては非常にいい、そういうことであったわけですけれども、その後の十年間の歴史を経てそうなっているかといえば、そうではないと思います。これをどうやって強くするかということが一つの課題だと認識していますが、これをするときに私は一つ考えなければいけないのは、どういうツールを与えることによって強くできるか。ただ、今の組織を前提に強くなりなさいということだけでは解決をしない、人の問題だけでは解決をしない。より長期的に制度化するということが大事で、それは何をやることによってできるかということを考えなければいけないというのが私の問題意識でございます。
 それから、政と官の関係、先ほど広中委員がおっしゃったことでもございますけれども、これは今、多分にまだ過渡期であるかなという気がいたします。過去の五五年体制が変わりつつある段階で、この制度も変わっているわけですけれども、まだまだ実質的に変えていかなければいけない部分はたくさんあると思います。
 それから、ほかにもありましたような気がしますが、取りあえず官房長にどうぞ。
#63
○政府参考人(北島信一君) 大臣が申し上げたことに特に付け加えることはないんですが、恐らく委員が持たれている印象、国内官庁によっては官房が総合政策機能といわゆる人事、会計等の官房機能を両方やっていると。委員が御存じの諸外国の例でもそういうことが多いということなんだろうと思うんです。
 外務省におきまして、従来、官房がその種の機能を両方やっていたところを、十年前に総合外交政策局ができた。言わば総合外交政策局が中長期の外交政策の企画立案をして、官房はいわゆる伝統的な官房業務をする、言わばこの両局が外務省の両輪としてきちっと機能するということだと思います。その点について、委員から御批判があるということであれば、それはそれで十分に重く受け止めたいと思います。
#64
○副大臣(植竹繁雄君) それから、ちょっと私の方から。
 先ほど舛添委員からお話ございました二人の副大臣、そして三人の政務官との意思の大臣との疎通という点については、確かにおっしゃる点もありますが、できるだけ大臣と例えば昼食を取りながら打合せをするということを先般もやっております。
 ただ、外務省という特殊なところでありますので、とにかく世界は百九十二も国があります。そして、できるだけ外交というのは、そういうアフリカの国とか南米の国とかあるいは中米とか、そういう国に行って、出ていくことが必要だと思っております。特に、相手国にとっては政務官、副大臣、大臣あるいは総理といった方々が、来ないということで、非常に向こうでは期待しておると。それが世界の大きな会議のときにそういう結果がいろいろと表れるという点もございますので、できるだけスケジュールを見ながら海外に出ているという、しております。現に、現在も杉浦副大臣はアフリカから中央アジアへ行っておるところでございます。
 以上でございます。
#65
○河本英典君 私も考え方を少し述べさせていただきたいと思いますけれども、誤解があったらちょっと困るので、考え方として聞いていただきたいんですけれども。
 外務省改革、やっていただくということは大事なことでありますし、それから組織であるとか仕組みを変えるということ、これも大事でありますし、そしてもう一つ、先ほどから話がありました意識とか責任感とか気概とか、そういった心の問題、この二つがあると思うんですけれども。
 しかし、ちょっと同情的に取られるかもしれませんけれども、私は、外務省というのはどこが特別なんかなと思いますと、やはり今、副大臣おっしゃいましたように、百何十か国に出先、何か国あるかちょっと正確に知りませんけれども、大変国内じゃなしに海外にたくさん出先があるという特別な組織であるということ。
 これ考えますと、ちょっと似ている組織といえば、例えば日本でいえば総合商社というのがあるんですけれども。これ、総合商社のちょうどトップの方とお話ししておったら、こんなたくさん出先一杯いて、それぞれの人間がおられるのに、うまくやっていますなというお話ししておったら、これはやはりもうけりゃいいんだという一つの営業活動といいますか、利益を上げればいいという一つの目標がはっきりしておりますんで、それぞれ自立的に組織として動いておる面があるわけでありますけれども。
 外務省という国の外交をつかさどるということは、国の意思の下に中央の考え方を末端まで浸透ささないかぬということについては、非常に私は難しい組織であるというふうに思うわけであります。幾ら通信手段が発達して連絡が良くなったといっても、考え方というのはやはり人と人が会って意思の疎通して初めてその考え方の下に動くわけでありますから、そんな意味で、大変気の毒な役所であるかなというふうに思うわけであります。
 もう一つ、改革のいろんな問題が出てきましたけれども、この一年間たくさん。これは、一つは、私の考え方は、まず役所であるから仕方がない部分があるわけですね。それから、組織として海外にたくさん組織の出先があるということ、伝わりにくい、こういった特別な部分があることを差し引けば、ある程度やむを得ない部分があったんじゃないんかなというふうに、これ誤解されたら困るんですよ、改革を止めろという意味で言っているわけじゃないんですけれども。そういった部分をよく理解してやらないと、幾ら制度制度で、大使がどうであるとか、そういうことをやることも大事でありますけれども、そこのところしっかりみんなが把握しておかないと、また同じ問題を繰り返す可能性が大いにあるというふうに思いますんで。世の中が変わって、組織的に変えられていない部分は変えないかぬということでいろいろ出てきているわけでありますし、しかしこれに頼っておったら絶対駄目だというふうに思っておりますんで、組織というのは、やはりリーダーといいますか指導の問題でありますから、究極突き詰めて考えれば、やっぱりこれは政治の責任かなということも痛感しておるわけでありますんで。
 余り偉そうなことを言うつもりはございませんけれども、改革については少しはいろんな形で参画させていただいて、いろんな考え方を盛り込む作業に参加させていただいたわけでありますけれども、根本は、特別な組織である、海外に広がった特別な組織であるということをこれ忘れてはならぬというふうに思いますんで。なかなか意思疎通できない、帰ってきて何とか大使会議とかいろいろやりますけれども、ろくろくしゃべらぬわけでありますから。この辺はきっちりとした意思の伝達といいますか、これは中央集中的な意思決定の下に下ろすわけでありますから、トップダウンであるわけでありますから、そこのところはよく理解しておかないと駄目じゃないかなということを申し上げておきたいというふうに思うわけでありますんで、改革について水差すつもりでも何でもないんですけれども、そういうふうに取られる可能性ありますけれども。
 ちょっと外務省に同情的な面があります、私は。ここ来て、随分何か畳み込まれるようにいろんなことが起こったなという気があります。役所は一巡して、既に各省いろんな形で、この十年二十年振り返ってみていろんな批判を受けたわけでありますけれども、外務省が、私は財務省が最後かなと思っておったら、外務省が最後になったなというのを実感しておるわけでありますんで、ひとつよろしくお願いしたいというふうに思います。
 何かお言葉いただきたいと思いますけれども。
#66
○国務大臣(川口順子君) 外務省という組織の本質的なところを見ていただいて、大変に有り難いと思っています。
#67
○吉村剛太郎君 もう最後になろうかと思います。
 先ほどからの経済産業省の人材を外務省の方に持ってくるというお話、それはそれで私は画期的なことだろうと、このように思っております。
 ただ、印象を言わしていただきますと、これに対して外務省が大変反対をしたと。中には職を辞するということまでちらつかせて反対をしたというようなことが報道をされております。事実関係は知りませんが。しかし、何とかそこまで行かなくて落ち着いたというようなことでございますが。
 これ、大変奇異なことで、人事に対して内部でそのような形ででも抵抗するということは、正に縦割りの悪いところが出てきた典型的な例ではないかなと。そういう矮小化されたところで賛成とか反対ではなくて、もうちょっと日本外交の、外交力のアップのために、広い気持ちでこういうものは、いいものであれば、いい構想であれば受け入れるべきではないかなと、このように思っております。
 ちょっとこれに関連してですが、例えば、経産省から局長が来ると。落下傘で一人ぽんと降りてきても、今のような雰囲気の中で、しゅうと、こじゅうとかいっぱいあって、何となく二階に上げられるというようなことで、本来の力量を発揮できないんではないかというおそれもこれはある。
 これはまた、大使なんかでもそうじゃないかと思いますね。民間大使を登用して、せっかく行っていただいて、有能な人材であっても、遠く離れた外地で、正に二階に祭り上げられるというようなことでは、本来の外交の仕事ができないと。
 この辺をどういうお考えをお持ちか、構想をお持ちか、またお聞きしたいというのが一つと、先般も、変える会の方々に申し上げたんですが、いわゆる中央省庁改革によって、かつての建設省と運輸省が一緒になったとか、郵政省がなくなったとか、文部省と科学技術庁が一緒になったとか、あのときに、各役所はもう大変動揺と、しかし、あれ大きな刺激だったんですね。
 独り外務省は、まず論議の俎上にもあのときのらなかったんではないかなと。非常に特殊視された分野だという感じが、かえって刺激がなくて、いろいろな問題が表へ出ないまま、また意識も改革されないまま今日に至って、じゃ今度、がらがらぽんで外務省を解体して、根本的に組織を作り直そうじゃないかと。極端な例は、儀典だけを残して、あとは全部各省庁に任していいんじゃないかというような意見も出ておるほどなんですね。
 その辺について、大臣、どのようなお考えか簡単に、もう時間ありませんので、お聞かせいただきたいと思います。
#68
○政府参考人(北島信一君) 委員の御指摘の冒頭の点でございますけれども、外務大臣が今度、経済協力局長に外部から人材を登用したいという考え方につきましては、外務省の中、省内の理解を得ております。これを申し上げておきたいと思います。
#69
○国務大臣(川口順子君) 省全体として刺激を常に受けながら行政をしていくということは大事であると思います。
 そういう刺激の源、源泉は、人だったり組織の改編だったりいろいろするわけですけれども、そういうことは大事にしていかなければいけませんし、人の場合には、組織としてバックアップをしていくということが大事だと私は考えています。
#70
○委員長(武見敬三君) それでは、予定の時刻が参りましたので、本日の質疑はこの程度にとどめます。
 暫時休憩することとし、再開時刻は追って御連絡をいたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後三時開会
#71
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 アジア=太平洋郵便連合憲章の第二追加議定書及びアジア=太平洋郵便連合一般規則の追加議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。川口外務大臣。
#72
○国務大臣(川口順子君) ただいま議題となりましたアジア=太平洋郵便連合憲章の第二追加議定書及びアジア=太平洋郵便連合一般規則の追加議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 これらの追加議定書は、平成十二年九月にテヘランで開催されたアジア=太平洋郵便連合の第八回大会議において採択されたものであります。
 これらの追加議定書は、アジア=太平洋郵便連合の組織及び運営の合理化のため、アジア=太平洋郵便連合憲章及びアジア=太平洋郵便連合一般規則の改正について規定するものであります。
 我が国がこれらの追加議定書を締結することは、引き続きアジア=太平洋郵便連合の加盟国としてアジア=太平洋地域における国際郵便業務を円滑に行う上で必要であると認められます。
 よって、ここに、これらの追加議定書の締結について御承認を求める次第であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
#73
○委員長(武見敬三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会をいたします。
   午後三時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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