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2002/03/20 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 内閣委員会 第4号
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2002/03/20 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 内閣委員会 第4号

#1
第154回国会 内閣委員会 第4号
平成十四年三月二十日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰介君
    理 事
                斉藤 滋宣君
                松村 龍二君
                森田 次夫君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                上野 公成君
                亀井 郁夫君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                山崎 正昭君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                山根 隆治君
                白浜 一良君
                森本 晃司君
                筆坂 秀世君
                島袋 宗康君
                田嶋 陽子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    村井  仁君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  安倍 晋三君
   副大臣
       内閣府副大臣   松下 忠洋君
        ─────
       会計検査院長   金子  晃君
        ─────
   事務局側
       事務総長     川村 良典君
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   衆議院事務局側
       事務総長     谷  福丸君
   裁判官弾劾裁判所事務局側
       事務局長     天野英太郎君
   裁判官訴追委員会事務局側
       事務局長     片岡  博君
   国立国会図書館側
       館長       戸張 正雄君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      上杉 道世君
       内閣府男女共同
       参画局長     坂東眞理子君
       警察庁長官官房
       長        石川 重明君
       警察庁生活安全
       局長       黒澤 正和君
       警察庁刑事局暴
       力団対策部長   中村 正則君
       警察庁交通局長  属  憲夫君
       金融庁監督局長  高木 祥吉君
       消防庁長官    石井 隆一君
       法務省矯正局長  鶴田 六郎君
       外務省アジア大
       洋州局長     田中  均君
       厚生労働大臣官
       房審議官     水田 邦雄君
       厚生労働省労働
       基準局監督課長  中野 雅之君
       厚生労働省労働
       基準局賃金時間
       課長       石井 淳子君
       厚生労働省職業
       安定局長     澤田陽太郎君
       海上保安庁次長  須之内康幸君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   石野 秀世君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十四年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十四年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (皇室費、国会所管、会計検査院所管、内閣所
 管(人事院を除く)及び内閣府所管(内閣本府
 (沖縄振興局を除く)、国際平和協力本部、宮
 内庁、警察庁))

    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰介君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 この際、御報告いたします。
 昨十九日、予算委員会から、三月二十日の一日間、平成十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費、国会所管、会計検査院所管、人事院を除く内閣所管及び内閣府所管のうち沖縄振興局を除く内閣本府、国際平和協力本部、宮内庁、警察庁について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤泰介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査のため、本日の委員会に政府参考人として、内閣府大臣官房審議官上杉道世君、同男女共同参画局長坂東眞理子さん、警察庁長官官房長石川重明君、同生活安全局長黒澤正和君、同刑事局暴力団対策部長中村正則君、同交通局長属憲夫君、金融庁監督局長高木祥吉君、消防庁長官石井隆一君、法務省矯正局長鶴田六郎君、外務省アジア大洋州局長田中均君、厚生労働大臣官房審議官水田邦雄君、厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君及び海上保安庁次長須之内康幸君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(佐藤泰介君) この際、国会所管及び会計検査院所管の予算の説明を聴取いたします。
 まず、国会所管のうち衆議院関係予算の説明を求めます。谷衆議院事務総長。
#6
○衆議院事務総長(谷福丸君) 平成十四年度の衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十四年度の国会所管衆議院関係の歳出予算要求額は六百九十億八百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、八億九千七百万円余の増額となっております。
 次に、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、六百六十一億千三百万円余を計上いたしております。
 この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の事務を処理するために必要な経費であります。
 その増加した主なものは、新議員会館建設に係る民間資金等活用事業調査経費及び民間資金等を活用した赤坂議員宿舎整備等事業事務費を計上いたしているほか、議員秘書保険料の増額によるものでございます。
 第二は、衆議院施設整備に必要な経費といたしまして、二十八億八千八百万円余を計上いたしております。
 この主なものは、議事堂本館のセキュリティー施設及び変電施設整備、第一議員会館昇降機改修費及び本館庁舎の諸整備等に要する経費でございます。
 第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の七百万円を計上いたしております。
 なお、別途、赤坂議員宿舎整備等事業を実施するため、民間資金等活用衆議院施設整備等事業として、国庫債務負担行為を要求しております。
 以上、簡単でありますが、衆議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#7
○委員長(佐藤泰介君) 次に、参議院関係予算の説明を求めます。川村参議院事務総長。
#8
○事務総長(川村良典君) 平成十四年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十四年度国会所管参議院関係の歳出予算額は四百二十六億四千八百円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、三億四千四百万円余の減額となっております。
 次に、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、四百一億八千百万円余を計上いたしております。
 この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の所掌事務を処理するために必要な経費であります。前年度に比較し、二億八千百万円余の増額となっておりますが、これは主として、議員秘書保険料の増額、人件費所要額の増額、新議員会館建設に係る民間資金等活用事業調査経費の計上等によるものであります。
 第二は、参議院施設整備に必要な経費でありまして、二十四億六千百万円余を計上いたしております。前年度に比較し、六億二千五百万円余の減額となっておりますが、これは主として、平成十四年度概算要求の基本的方針に基づく公共投資関係費(施設費)の一律減及び平成十三年度第一次補正予算に三億一千四百万円余を計上したことによるものであります。
 主な施設整備として、傍聴参観テレビ中継施設の本体工事、本館構内の監視カメラ整備、清水谷議員宿舎昇降機の改修等がございます。
 第三は、国会予備金に必要な経費でありまして、前年度同額の五百万円を計上いたしております。
 以上、平成十四年度参議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#9
○委員長(佐藤泰介君) 次に、国立国会図書館関係予算の説明を求めます。戸張国立国会図書館長。
#10
○国立国会図書館長(戸張正雄君) 平成十四年度国立国会図書館関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十四年度国立国会図書館関係の歳出予算要求額は二百六十二億六千七百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、四十一億一千百万円余の減額となっております。
 次に、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、管理運営に必要な経費であります。その総額は二百十二億一千万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、三十一億七千六百万円余の増額となっております。
 これは主として、平成十四年度に開館を予定しております関西館の開館準備・運営経費及び同じく十四年度に全面開館を予定しております国際子ども図書館の運営経費、並びに書庫内資料の再配置等東京本館の整備経費を計上したことによるものでございます。
 第二は、科学技術関係資料の収集整備に必要な経費でありまして、八億七百万円余を計上しております。これを前年度予算額と比較いたしますと、九千百万円余の増額となっております。
 第三は、施設整備に必要な経費でありまして、四十二億五千万円を計上しております。これを前年度予算額と比較いたしますと、七十三億八千万円余の減額となっております。
 これは主として、国際子ども図書館の改修工事及び関西館職員宿舎建設工事が前年度に終了したことなどに伴い生じた減額であります。
 以上、平成十四年度国立国会図書館関係の歳出予算について御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#11
○委員長(佐藤泰介君) 次に、裁判官弾劾裁判所関係予算の説明を求めます。天野裁判官弾劾裁判所事務局長。
#12
○裁判官弾劾裁判所参事(天野英太郎君) 平成十四年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十四年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係の歳出予算要求額は一億二千二百五十二万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、三十二万円余の減少となっております。
 この要求額は、裁判官弾劾裁判所における裁判長の職務雑費、委員旅費及び事務局職員の給与に関する経費、その他の事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に直接必要な旅費及び庁費であります。
 以上、簡単でありますが、裁判官弾劾裁判所関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#13
○委員長(佐藤泰介君) 次に、裁判官訴追委員会関係予算の説明を求めます。片岡裁判官訴追委員会事務局長。
#14
○裁判官訴追委員会参事(片岡博君) 平成十四年度裁判官訴追委員会関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十四年度国会所管裁判官訴追委員会関係の歳出予算要求額は一億三千九百四十七万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、七百五十二万円の増加となっております。
 この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長の職務雑費及び事務局職員の給与に関する経費並びに訴追事案の審査に要する旅費その他の事務費であります。
 以上、簡単でありますが、裁判官訴追委員会関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
#15
○委員長(佐藤泰介君) 以上で国会所管の予算の説明聴取は終わりました。
 次に、会計検査院所管予算の説明を求めます。金子会計検査院長。
#16
○会計検査院長(金子晃君) 平成十四年度会計検査院所管の歳出予算について御説明いたします。
 会計検査院の平成十四年度予定経費要求額は百七十二億六百四十七万余円でありまして、これは日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づく本院の検査業務及び一般事務処理を行うために必要な経費であります。
 この要求額の内容について申し上げますと、人件費として百三十九億五千六百万円、旅費として八億三千八百万円、その他の経費として二十四億一千二百万円を計上いたしました。
 これらには、会計検査機能を充実強化するため、行財政改革の動向に適切かつ機動的に対応した検査を遂行するための、検査要員の増強等、有効性検査、情報通信技術を活用した検査及び海外検査等の充実を図るための検査活動充実強化経費、検査活動に資する研究及び検査能力向上のための研修の充実を図るための研究・研修経費が含まれております。
 以上、簡単でありますが、会計検査院の平成十四年度予定経費要求額の概要の御説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
#17
○委員長(佐藤泰介君) 以上で予算の説明聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#18
○斉藤滋宣君 おはようございます。自民党の斉藤滋宣でございます。
 本日は、竹中大臣、日銀の政策決定会議があるということで途中で席を立たなければならないということであるようであります。提出しました質問の順番を変えさせていただきまして、まず竹中大臣に質問させていただきたいと思います。
 去る二月二十七日、経済財政諮問会議が総合デフレ対策をまとめられました。このデフレ対策を受けまして竹中大臣は、新聞ですとかいろんな雑誌等に、対策自体の評価は様々な見方があるが、だが強調したいのは、デフレ対策がまとめられた、そのこと自体の意義である、また、数か月前までは専門家が主張しても見向きもされなかったデフレ対策がかくも注目を集めたこと自体、政策論議の進化であるとか、今回の対策で重要なのはデフレ克服に向けた政策の窓が開かれたことだということを語っておられます。
 大変失礼な言い方になるかもしれませんけれども、今回のデフレ対策、国民の皆さん方が求めておったのは、この対策によってデフレがどのように克服されるのか、そういう政策的な評価というものを大臣に期待していたんではないのかなと。そう考えますと、大臣が申されている言葉と国民の感情の中に大分乖離があるような気がしてなりません。そのことは十二分に大臣も承知した上での発言だと思います。恐らく、国民の皆様方からすれば、もうデフレでもインフレでもどうでもいい、早く景気を回復してくれ、これが本音ではないかと思われます。
 大臣は、たしか先週の週刊東洋経済の中のインタビューの文末にこう言われております。そもそもデフレ克服は教科書的正解の存在しない極めて難しい問題だ、市場の中には政府のクレディビリティーに関して厳しい評価もあるようだ、しかし、経済政策担当大臣の本音としては不良債権処理など今後の展開にかなりの自信を持っている、そのように発言されております。恐らく、国民の皆様方が本当に聞きたいのは、この大臣のお言葉にあるような自信ある不良債権処理の今後の展開について聞きたいし知りたいし、また実行してほしいと思っていらっしゃるんではないかと思います。
 そこでお聞きしますけれども、総合デフレ対策の政策的評価をもう一度大臣から、大臣のお言葉としてお聞きしたいということと、自信ある不良債権処理の今後の展開ということについて大臣がどのようにお考えになっているかをお伺いしたいと思います。
#19
○国務大臣(竹中平蔵君) 大変重要な御指摘をいただいたと思っております。
 まず、デフレ対策の意義、位置付け、評価ということに関してでありますけれども、これ、今委員も御紹介してくださいましたんですけれども、そもそも、デフレ対策をやりたいというようなことをいろいろ去年から申し上げても、実は、国民の心情として、感情としてかなりの反発がございました。それは、物の値段が下がるのは悪いことじゃない、今まで日本の物価は国際的に高い高いと言われてきて、それが下がっているんだから、そんなに悪いことなのかなという御批判がありましたし、企業家の方々から見ると、企業家というのは、実は経営者というのはコストカットが命なんだ、コストカットを一生懸命やった結果なんであって、それを悪いと言われてもなというような御批判もありました。
 ただ、消費者のその言葉をあえて言うならば、物の値段が下がってもいいじゃないかというときに何となく暗黙に前提としているのは、自分の給料は下がらないでほかのものだけ下がる、ならばいいという暗黙の前提があるわけですが、私たちが申し上げたいのは、そんなうまい話はないですよ、物の値段がずっと下がっていったら自分の給料だって下がり始めて経済が萎縮していく、特に過去に借金を持っている人、過去の借金は、これは物の値段が下がったって借金は絶対下がってくれませんから、実質的な借金が増える、このやはり悪循環を断ち切りたいということを申し上げてきた。ところが、去年の少なくとも終盤ぐらいまでは、良いデフレ悪いデフレ、デフレには良い面もあるということでなかなか合意が得られませんでした。
 昨年十二月の経済財政白書で、デフレは良いも悪いもない、やはり悪いことだ、解決を要する問題だということで私たちなりに白書を通したキャンペーンを行わせていただいた。年が明けて、これまた株価がぐっと下がってきて、いわゆる資産デフレ、デフレの中には資産のデフレも含まれますので、それはやっぱり大変影響が大きいということを多くの方々が感じるようになった。そういった中で、デフレ対策というものの重要性が認められた。ここは、実はデフレ対策が重要だということを申し上げてきた立場からしますと、やはり非常に大きな進化があったというふうに感じたわけでございます。さはさりながら、やはり結果を出さないことには政策としては意味がありません。
 これはやはり経済の活性化こそが、正に先生は景気の回復とおっしゃいましたが、経済の活性化こそが目指すべき問題であると。価格の低下を伴った経済の停滞が今あるわけでございますから、経済の活性化のための構造改革というのはずっとやっていた。その中で実は金融面が遅れていたということで、その金融面、まず要するに、要はマネーサプライを増やしたいわけです。しかし、マネーサプライを増やすには、まず日銀がベースマネーを増やしてくれなければいけない。これはそこそこやっている。しかし、そのベースマネーが増えてもそれがマネーサプライ増加に結び付かないのは、そこに不良債権があるからであると。そういった共通認識を持って事に当たった。
 その意味では、まだまだこれからやらなきゃいけないことは出てくるわけですが、その一歩を踏み出せたという意義はどうぞ御評価をしていただきたいという趣旨のことは申し上げました。
 そこで、不良債権の第二の御質問でございますが、今、御承知のように金融庁は特別検査をやっております。この特別検査というのは、やはり当局の評価と市場の評価に残念だけれどもギャップがあるようだと、そのギャップを埋めるための特別検査を今行っているわけでありますので、それを見て、この問題を終結させるために非常に思い切った措置を取るということを総理、金融担当大臣、もうみんな申し合わせているわけでありまして、そういった収束に向けて、特別検査の結果を待って十分なアクションを取ることができるのではないだろうか、正にそうしなければならない、そのように思っているわけでございます。
#20
○斉藤滋宣君 ありがとうございます。
 この今回発表されました総合デフレ対策では、金融危機のおそれがある場合には資本増強を含むあらゆる措置を講じると、公的資金注入を言及したと言われておりますけれども、金融危機そのものを未然に防ぐためには、個別行の申請によるだけではなくして、予防的、そしてまた強制的、一斉的な注入というものも考えていかなきゃいけないし、検討していかなければならないわけであると私は思っております。また、例の金融対応勘定の十五兆円の枠というものも、場合によっては見直さなきゃならないときもあるのかな、そういうことを検討した上で、各行の資本不足が明らかになった場合は、大臣も総理もそういう公的資金注入にはちゅうちょせずにやるような話もずっと聞いておるわけでありますけれども、私もやっぱり公的資金の注入というのは一つの施策として大事なことだと思っております。
 そこのところをもう一回大臣にお話をお伺いしたいということと、この公的資金を注入したときの銀行経営者の責任についてなんですけれども、竹中大臣は、たしか産経新聞だったと思うんですけれども、そのインタビューの中でこのように答えております。国民の立場では頭取を首にして溜飲を下げたいという思いがあるかもしれないけれども、行政の立場ではもっと前向きの責任が大事だというふうにおっしゃっておられます。この前向きの責任というのがどういうことを指すのか、ちょっと私理解できなくて勉強不足でありますけれども、私は、やっぱり過去二回の公的資金の注入の反省、そしてまた国民感情から見ても、やはり注入された銀行の合理化だとか経営者責任だとか株主責任というのは問われるべきだと思うのであります。
 そこのところの二点を御質問したいと思います。
#21
○国務大臣(竹中平蔵君) 公的資金に関しましては、金融危機的な状況のおそれがある場合は、おそれがある場合はしかるべく対応をすると。そういった中で公的資金の注入というのも当然ながらその選択肢に入ってくるわけでございます。これはもう御承知のような法整備がなされているわけでありますし、それに基づいて柔軟かつ大胆に措置をするというのは、これはもう総理以下、みんなが一致しているところなんだと思います。
 ただし、重要な点は、ともすれば、特にジャーナリズムの議論は公的資金の問題だけに話が行くわけでありますけれども、重要なのは、正に今行っている特別検査に基づいて市場から信頼される監督、監督を行うということなんだと思います。その監督の結果、ここが資本が不足というふうに思えば注入しますし、例えば八%の自己資本が必要だというふうに言う場合も、国内銀行であれば四%でよいということでありますから、これは仮にの話でありますけれども、自己資本が六%の銀行が出てきた場合、八%銀行として行動させることが適切であるというならば資本が不足しているということになる、四%銀行が適切であると考えるならば資本は不足していないということになりますから、そういったやっぱりトータルの監督上の判断をすると。その中で、一つのチョイスとしてやはり資本の注入というものがあるんだというふうな位置付けが必要なのだと思います。
 それとも絡みますが、二番目の委員の御質問の、正に経営責任でございますけれども、これは当然のことながら責任というのは重要であります。その新聞はちょっと非常にはしょって多分書いておりますので、私は全部の責任が必要だと、確かに経営者、頭取を含めて、株主も含めたそのガバナンスに携わってきたすべての人にやはり責任があるし、当然やはりその責任をきちっと取ることによって、モラルハザードに陥ることを防いで、事態が再来することを防止する大変重要な機能があるのだと思います。
 ただ、そこであえて前向きの責任と申し上げましたのは、過去に起こったことに対する責任があえて後ろ向きの責任である。これは、申し上げましたようにやっぱり重要です。これはもし経営の判断のミス等々をきちっと検証して、その責任は取っていただかなければいけない場合は当然のことながらあります。しかし、一方で行政、きちっとした経済政策を行っていく上で忘れてはならないのは、例えば今後新しい体制で銀行がスタートするとして、経営がスタートするとして、それでちゃんと成果を出してくださいよ、出してくれないと責任を負ってもらいますよ、これがやっぱり前向きの責任なんだと思います。その双方がもちろん必ずや重要である、私、前向きだけが必要であるということを申し上げたつもりではございませんで、その双方が重要であるというふうに認識をしております。
#22
○斉藤滋宣君 よく分かりました。
 時間もなくなりましたので、簡単に一問だけ質問させていただきたいと思いますけれども、小泉総理も大臣も、今回のデフレ対策はこれで終わりではないという認識では一致しているようであります。これから第二弾の対策を検討するということもおっしゃっておられます。
 これはだれしも認めるところだと思いますけれども、やはりデフレの主因の一つには需要不足ということが大きな要因に数えられております。それでやはり第二弾としては、税制改革だとか、いわゆる需要創出に資することができるような構造改革、そういった需要創出策というものを盛り込んだことを考えていかなければならないと思いますけれども、その第二弾というものを大体いつごろの時期にどういったことを考えておられるのか、御質問したいと思います。
#23
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほども申し上げましたように、今回のデフレ対策を取る以前から、経済を活性化する、規制緩和や様々な制度改革によって需要を生み出して、需要創出型の改革というのは当然のことながらずっと一貫して考えているつもりであります。今回、特に遅れていた金融面に焦点を当てたデフレ対策を取ったということでありますので、それ以外の政策はむしろ以前からやっているんだと。今回、更に金融を付け足して、一通りのメニューが出そろったんだというふうな位置付けをしております。
 さはさりながら、委員御指摘のように、需要面がやはり物価の下落には大変重要であるという認識は大変強く持っております。物の値段が下がる大きな理由の一つは金融面の問題でありますが、同時に、やはり需要と供給を比べた需給ギャップに関しても問題があるという認識は持っております。ただし、この需給ギャップに関しては、一般に世間で言われているほど日本の需給ギャップが大きいというふうには私たちは考えておりません。これも経済財政白書の中で数量的な、計量的な分析をさせていただきましたが、現状において需給ギャップ、その白書を作った時点では三%ないし四%の需給ギャップであるというふうに考えております。ちなみに、日本経済研究センターというところでは需給ギャップを三・五%というふうにはじいておりますので、まあこれは計測の仕方にはよるんですけれども、そんなに遠くないということなのではないかと思います。
 これをゼロ、一にするということは、これは実はなかなか難しいわけで、余り広がり過ぎないようなマネジメントはしなければいけない。実はそこで第二次補正予算というものに対して非常に大きな重きを置いたつもりであります。第二次補正予算の規模は四兆円であります。これはGDPを〇・九%、約一%押し上げる規模でありますから、単純に言いますと、三ないし四%の需給ギャップがあったとして、それが更に一%縮まるはずであるというのが私たちの計算でありますので、その需給ギャップということに関しては一応の対応策が打てているというふうに思っております。
 結果として、今回の今御審議いただいている予算に関しましても、この平成十四年度の本予算とこの第二次補正予算のほとんどは今年度に、二〇〇二年度に現れますので、トータルとして政府の支出はマイナスにはなりません。したがって、緊縮にはならないという形にしているわけでございます。むしろ総需要管理というよりは、御指摘のように税制等々を通した経済の活性化、そういったことは基本的に必要だと思っております。
 ただし、これも今年六月をめどに本格的な、抜本的な改正を今考えておりますので、パッチワーク的なことは避けながらやりたい。その意味では、最後の御質問にありました次のデフレ対策をどうするんだということでありますが、経済の状況を見ながら、特に当面は特別検査の結果がどのようになるかを見ながら、金融面でやはり信頼感のあるその政策を取っていきたい、そのように考えている次第であります。
#24
○斉藤滋宣君 ありがとうございます。大臣、どうぞ御退席ください。
 次に、警察庁に御質問したいと思います。
 ちょっと時間が大分過ぎましたので、早速本題に入りたいと思いますけれども、去る三月四日、神戸市の西区で起きました神戸、大学院生の暴行殺人事件があったわけでありますけれども、このあらましについて御説明いただきたいと思います。
#25
○政府参考人(黒澤正和君) 事案の概要でございますけれども、三月四日午前三時十八分ころでございます。兵庫県神戸市西区の県営住宅前路上におきまして、自動車の駐車方法をめぐりまして暴力団員らが被害者二名に暴行を加えまして、一名に傷害を負わせ、同一名を車で拉致した上、別の場所で更に暴行を加えた上放置しまして、殺害したものでございます。亡くなられました被害者、そして御遺族の皆様方には衷心より哀悼の意を表するものでございます。
 兵庫県警察における初動対応でございますけれども、まず、事件日後の初動対応でございます。
 神戸西署におきましては、午前三時十九分ころでございますが、有瀬でけんか、早く来てほしい、こういう旨の電話を受理をいたしておりまして、続いて三時二十分ころでございますが、亡くなられた大学院生からでございますが、やくざのおっちゃんが暴れているという旨の一一〇番通報を受けた本部通信指令室からの指令を受けまして、井吹台交番及び本署のパトカー一台に現場臨場を指示いたしております。さらに、三時三十一分ころでございますが、近くの有瀬交番にも臨場を指示しております。
 同じころ、三人ぐらいのけんかとの旨の一一〇番、続いて七、八人のつかみ合いのけんか、連れ去られよるでとの旨の二本の一一〇番が入っており、これら一一〇番通報あるいは先着したパトカーからの応援要請を受け、本部機動捜査隊一台、自動車警ら隊三台、神戸西警察署二台の計六台のパトカーが順次現場に向かっております。
 現場での措置でございますが、午前三時三十六分ころでございますが、井吹台交番のミニパトカーと神戸西署のパトカーが現場に到着をいたしまして、その際、顔面から血を流している男性が男四名に追われながら逃げてきましたので、パトカーの後部座席に保護しましたが、追ってきた暴力団員風の男たちはパトカーのドアを開けようとするなどしたことから、警察官がこれを制止しております。その直後、有瀬交番から警察官二名が駆け付けたわけでございますが、この追ってきた四名をパトカーから引き離しまして、被害者と思われる男性から事情を聞いたわけでございます。暴行した男については眼鏡がなくなったため分からない、こういったことなどを申し立てておるわけでございます。
 この間、現場にいました四名の男に交番への同行を求めたわけですが、これに応じず、その後うち一名が交番に行って事情聴取に応じる旨申し立てまして、運転免許証で住所、氏名を明らかにしまして、現場での対応を打ち切って引き上げております。
 交番での措置でございますが、その後、交番に出頭しました男に対しまして、傷害事件につきまして供述調書を作成し、面割り用の写真などを撮影した後、帰宅させております。
 概要、以上のとおりの報告を受けておるところでございます。
#26
○斉藤滋宣君 今の御質問の中で、現場に電話があって指示をして交番から署員の方々が駆け付ける。ちょっと説明がなかったわけでありますけれども、今名前の出てきた有瀬交番、井吹台交番についてお伺いしますけれども、この現場に一番近い約五十メーターぐらいのところに有瀬交番があり、四キロぐらい離れたところに井吹台交番がある。今の御説明でもあったとおり、現場に一番近い有瀬交番に第一報が入るんではなくして、井吹台交番の方に連絡を取って、井吹台交番の署員がまず現場に第一番目に到着する。それで、時間も掛かっているということだと思いますが、なぜ近い交番に指令をしないで、この離れた交番の方にその現場に向かうように指示したんでしょうか。
#27
○政府参考人(黒澤正和君) 本件では、この一番近い有瀬交番の警察官が午前三時から仮眠ということで仮眠中でございまして、出動準備に手間取るという判断等がございまして、本署にいたパトカー、そして隣接交番に現場急行を指示したと承知をいたしております。
#28
○斉藤滋宣君 時間を追ってみますと、井吹台交番の署員二人に現場に向かうよう指示したのが三時二十分ごろ。現場に到着したのが三時三十六分ごろ。約十五分掛かっておるわけですね。手間取ると思っていた有瀬交番がその後、三時三十一分に連絡を受けて現場に着いたのが三時四十一分。タイムラグは十分しかない。ましてや、本来であればすぐ近くにある交番に指示をし、そしてやはり、こういう恐らく六本ぐらいの現場からの、また目撃者からの通報があって、ただならぬ状態にあるということは西署もそれから県警本部も承知していたと思うんですね。であれば、やはり近くの交番にまず指示をして、早急に現場に駆け付けるということが私は大事だと思いますし、今、時間が手間取るという御説明がありましたけれども、現実に行っている時間を考えればはるかに有瀬交番の方が近い。
 時間がないんでもっと言いますと、このときに、井吹台交番の署員が現地に向かった。そしてまた、西署からも向かった。その現場到着が約三時三十六分ごろ。その直前にこの浦中さんが車に拉致されたと目撃者は証言しています。であれば、三時二十一分ごろ井吹台交番に指示をしたときに有瀬交番に連絡をしていれば、十分で着いているわけですから、浦中さんはまだ車に拉致されなかったかもしれない。恐らく三時二十一分に連絡すれば十分で着くわけですから、三時三十一分。そうすると、まだ浦中さんが暴力団に追い回されておって車に拉致されていない状況で有瀬交番の署員が着くこともできたんではないかということは考えられると思うんですね。
 ですから、やはり初動捜査としてすぐ近くの交番に連絡するということが私は大事だと思うし、仮眠中とおっしゃいますけれども、このとき有瀬交番には二人の署員がいたと思うんですが、二人ともこれ仮眠中だったんでしょうか。
 もう一度、そこの有瀬交番になぜ連絡しなかったのか、そこのところの御説明いただきたいと思います。
#29
○政府参考人(黒澤正和君) 有瀬交番は勤務員が二人でございまして、二人とも仮眠中ということになっておったわけでございますが、委員御指摘のとおり、仮眠中とはいえ事件発生現場から最も近い有瀬交番に直ちに現場急行を指示すべきであったと、かように考えております。
#30
○斉藤滋宣君 そして、現場での対応でありますけれども、先ほどお話あったように、浦中さんの友人を保護した、パトカーの中に保護したときにも、その暴力団員風の男性約四名ですかがパトカーを開けようとして、その友人を引きずり出そうとしているんです。これはもう明らかに公務執行妨害であるし、その友人が殴られて血を流しているんですから傷害事件だと思うんですね。
 それにもかかわらず、なぜ、ここでもって同行を求めて拒否された、後ほど出てくる冨屋容疑者が免許証を提示して自分の身分を明らかにして後ほど行くからといって、それで引き下がってしまうのか。ましてやこのときに、この浦中さんの友人は、パトカーに保護されて救急車が到着する前に、浦中さんはどこにいるんだ、浦中さんがいなかったら拉致されているかもしれないといって署員に言っているにもかかわらず、署員の皆さん方は、これだけ大騒ぎしているわけですから、たくさん目撃者もおったでしょうし、それから同行を求めた際に、浦中さんはどうしたんだ、浦中さんの行方を捜している気配もない。これは大変問題だと私は思うんですけれども、やはりそこの現場に到着して、その現場が混乱しているからなかなか難しい状況というのも理解できますけれども、やはりもう少し丁寧に話を聞いたり、また適切な対応をしていると、この浦中さんが拉致されるということはなかったんではないのかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#31
○政府参考人(黒澤正和君) 現在、捜査中、そして調査中でございますけれども、この現場に臨場した警察官がパトカーに保護いたしました被害者からいろいろ事情を聞いておるわけでございますが、浦中さんが所在不明であったにもかかわらず既にどこかに逃げたものとどうも安易に判断をいたしまして、通信指令室と神戸西署に対しまして一一〇番を通報したと思われる一名は現場からいずれかに立ち去り、一名は一一九で病院搬送と、こういったことなどを無線で報告をいたしておりまして、どうもこういった報告から通信指令室等では拉致など重大な事件に発展する可能性は薄いと、こういうような判断をしてしまったのではないかと考えて、と承知をいたしておるところでございます。
 何と申しましても、初動が大変事の正否を決する大変大事な場面でございます。また、現場で四人の男の事情聴取等も行おうとしまして任意同行を掛けたわけでございますが、拒否されて、一名の者が行くということで現場を引き上げたということでありますけれども、そこはやはり執行力といいますか、もっと執行力というものを発揮して活動を行うべきではなかったのか、かように考えておるところでございます。
#32
○斉藤滋宣君 私は、やっぱりその浦中さんの友人がきちっと署員に向かって浦中さんがいないなら車に乗せられたかもしれない、そういう具合に証言しているんですから、やはりきちっとそこでもって浦中さんの所在というのを確かめるべきだったと思うんですね。ですから、正直言って、なぜそこで現場から一人逃亡、それが浦中さんという判断なのか分かりません。私が知る限りでは、この現場には浦中さんと友人と佐藤組長、それからその関係の女性、その後に十人ぐらいの暴力団が来ている。この現場に着いたときには四、五人しかいないんですから、一人逃亡といったって、だれが行ったか分からなくなる。それで、なぜその逃げた、逃亡、現場から離れたのが浦中さんと判断するのか、非常に疑問でなりません。
 これはそこにおいておきますけれども、時間がないので先に進みますけれども、その四人に同行を求めて拒否されて、それで冨屋容疑者が免許証を出して自分の身分を明らかにしたから、じゃ後ほど警察に来いと、これも手続上ちょっと私は問題があると思うんですけれども、それをおいても、この現場を離れた後、その冨屋容疑者が四時二十分から二十五分ごろ有瀬交番に出頭してくる。このときに、この冨屋容疑者は浦中さんの友人を殴ったということをきちっとしゃべっているにもかかわらず、そこで逮捕することも何もしないで、事情聴取だけして一時間後に帰してしまう。
 もっと言えば、その後の調査で分かったことは、捜査で分かったことは、この冨屋容疑者はそこの有瀬交番から事情聴取を受けて、帰された後に浦中さんを拉致した人間たちと合流して浦中さんにリンチを加えている、その中に参加しているじゃないですか。私はこんなことはあっちゃならぬと思います。なぜこのときに、有瀬交番に出頭したときに傷害容疑ででも公務執行妨害でもきちっとした対応しなかったのか。
 さらには、このときにその有瀬交番では、容疑者の左太ももと左腕の衣服に血痕が付いていることを承知している。それで写真撮影までしているじゃないですか。じゃ、なぜここで写真撮影までしたかというと、やはり傷害容疑がきちっとあるから、後日の証拠固めといったら大変失礼かもしれませんけれども、証拠として採用するためにそこで写真を撮っているんだろうと思うんですね。それなのに、何でそこから帰してしまう。それから先分からないと言ってしまえばそれまでかもしれないけれども、挙げ句の果てには浦中さんのリンチに加わって殺人を犯している。
 一体どうしてこういうことが起こるのか、なぜここで交番はこの冨屋容疑者を帰してしまうのか、大変理解できないんですけれども、御説明いただきたいと思います。
#33
○政府参考人(黒澤正和君) 神戸西署の地域第一課長が交番に行っているわけでございますけれども、出頭した男を取り調べた警察官から、複数の実行犯をかばっておる可能性が高い、それから人を殴ったようなはれなどの痕跡が両手に認められない、ズボン等に血痕様のものが若干付着しているが、被害者の負傷程度を考えれば実行犯とは考えにくい、こういったことなどの報告を受けたことなどから、供述調書を作成しまして、面割り用のポラロイド写真などを撮影いたしました後に事後捜査によることとしたと、かように承知をいたしております。
#34
○斉藤滋宣君 やはりここまでも、そういう通報があって、現場に第一に駆け付けることができる交番に連絡をしない。それから、そこで暴れている暴力団がおって、その人たちに同行を求めて断られて、冨屋容疑者から運転免許証を提示されて、それではい終わりにして、傷害だとか公務執行妨害で逮捕しない。さらには、浦中さんが拉致されたかもしれない、そう浦中さんの友人が言っているのかもしれないのに、現場の判断は拉致ではなくして現場から離れてしまったと。
 しかし、このときに、後ほど新聞で報道されますけれども、目撃者証言では、この井吹台交番のパトカーと西署の交番のパトカーが着いたとき、そのパトカーが、浦中さんを拉致した車が止まっている駐車場の入口にそのパトカーが止まった。わずか十メーターしか離れていない。パトカーがそこに止まったがゆえに浦中さんを拉致した車は出ていくことができない。それで、パトカーの署員たちが降りてきたときに、この車から暴力団の四、五人の浦中さんを拉致した連中が、何やっているんだこらと言って警官にまた暴力を働きにくる。
 これは、確かに現場にいる警察官の皆さん方には立体的に見えませんから、平面的にしか見えませんから、それはよく理解できないと思いますけれども、目撃者証言はそこまではっきり見ているんですね。それで、パトカーが帰った後に浦中さんを拉致した車はそのまま逃走して、また暴行を加えに川原まで行くわけですね。ここまでやっぱり幾つもの判断ミス、それからきちっと手続を踏まないミスがあると私は思います。
 さらには、この日の八時半に田中署長さんが署に出てこられて、それで宿直の報告を受け、この事件のあらましを聞く。そのときに田中署長は、この冨屋容疑者に再出頭を求めたほかに、署員の方たちにこういう指示をしています。友人からの被害者調書の作成、強制捜査への準備、暴力団事務所への情報収集、母親への連絡を指示しています。それにもかかわらず、署員の方たちは何をやったかというと、組事務所に赴いた警察官は外から組事務所を見たままで異常なしと知って帰ってくる。その間、浦中さんの携帯に何回か電話をする。その前に、この現場を離れてから四時半ごろに浦中さんの携帯に電話したという、そういう報道もありますけれども、署長から指示受けた後でも数回浦中さんの携帯に電話を入れている。そして、所在がつかめないからといってお母さんに連絡するのがその日の正午という随分遅れた時間に連絡すると。この行動一連を見ても、浦中さんが現場からただ単に離れたんではないんだと、拉致されたのではないかということを浦中さんの友人も言っているんですから、この時点では、もう拉致されたということは可能性として分かっていたんじゃないかと思うんですね。それでもって署長の指示をきちっと守らずに情報収集を怠っている。
 私は、これは非常に、何違反というのかちょっと分かりませんけれども、署長の指示に対する命令をきちっと受けておきながらそれを守ろうとしない、非常に現場の怠慢といいますか、そういうものを覚えるんですけれども、いかがでしょうか。
#35
○政府参考人(中村正則君) お答え申し上げます。
 先生御質問の件につきましては、以下のような報告を兵庫県警から受けているところでございます。
 三月四日、午前八時三十分ころ、宿直責任者から本件の報告を受けた神戸西署長が署員に対し、いったん帰宅させた暴力団組員の逮捕手続を進めること、そのため同組員の所属する暴力団の関係者から情報を収集すること、所在の確認ができない大学院生の母親と連絡を取ることを指示した。同署におきましては、署長からの指示を受け、被害者に対する事情聴取や、いったん帰宅させた暴力団組員の所在捜査など、同暴力団組員の逮捕手続を進めることを中心に捜査活動を進め、同日午後四時四十八分、傷害容疑で通常逮捕しております。
 なお、先生御指摘の報道にございます、署長の指示を受けて警察官が組事務所に赴き異常なしとの報告をしたという事実は、現段階では確認されていないという報告を受けております。
 また、所在の確認できない大学院生の連絡につきましては、午前四時二十分ころ、当該大学院生の携帯電話に架電したもののつながらず、その後、午前七時三十分ころ、現場付近から大学院生の携帯電話を発見したということでございます。なお、これ以外にも所在を確認するためのいろいろな手当てを尽くしているところでございます。
 被害者である大学院生の母親への連絡につきましては、午前中に自宅及び母親の外出先に数回連絡し、大学院生が帰宅していない旨を確認いたしておりますが、その後も大学院生の立ち寄りそうな場所である大学その他での所在の確認ができなかったため、午後四時四十五分ころ、母親に対し事件に巻き込まれた可能性がある旨の説明をした、以上のような報告を受けているところでございます。
#36
○斉藤滋宣君 そうやって、携帯電話が落ちておったからほかの方法を持ってきて浦中さんの所在を捜した、それでいろいろ当たったけれども見付からなかった。僕は、そうやっていろんな手を使いながら浦中さんを確認しようということでやっていただいていることは大変大事なことだと思いますけれども、逆に、それでも確認できないんですから、だったら浦中さんの友人が言っている拉致された可能性がある、だからその拉致に対応したような自動車警ら隊だとか機動捜査隊を使って検問をするだとか、そのときにあったような車に似たようなものを捜すだとか、そういう拉致に対する可能性の対応というのをすべきだったと思うんですよ。
 まあ私が知る限りでは、何回か報告を求めましたけれども、まだ報告がまとまっていないということでお話は聞きませんでしたから、先ほどの私の事実誤認、新聞発表どおり言ってしまったところもありますけれども、やはりそういうことをきちっとしておかないからこういうことになるんだろうと思うんですね。
 もう時間がありませんからやめますけれども、非常に今回の事件は、遺族の方たちにしても大変残念な事件だと思いますし、警察にとっても残念な問題だと思います。
 今まで何回となく警察署員、職員の不祥事が言われました。平成十二年には、処分者の数が、近来まれに見るような多くの数の処分者を出すことになりました。去年も、減ったとはいえ、今までの中では大変高い水準の懲戒処分者を出すことになりました。今年はどうかと思いまして、私の知る限り、今年の一月八日から今月の十二日までどういう不祥事件があるかと思って調べました。わずか五十日のうちに記事になっている部分だけで約三十七、八回、同一事件もありますから重複を避けると三十六回であります。十日のうちに七日間も警察の不祥事が今年になっても載っている。
 今までも警察内部では、警察法の改正だとか大変な努力をしながら、こういう不祥事解決のために頑張っているのは高く評価するものでありますけれども、現実にこの不祥事は減っていないのであります。やはりここでもう一度、この不祥事を大幅に減らすべく対策というものを考えていかなければいけないし、そして不思議に思うのは、こういう不祥事が続くと必ず同じ県警で何度も続いていく。今年の例でもそうでありますけれども、千葉県警、神奈川県警、埼玉県警というような、同じところばかり続いていくんですね。ですから、警察庁で全国一律に網を掛けた対策ということだけではなくして、それぞれやっていると思いますけれども、やはりそれぞれの県警で応じた対策というものも講じていかなければ、やはりこういう不祥事撲滅というのはならないと思います。
 そして、私は残念でならないのは、今回の浦中さんの事件で、新聞報道にあるとおり、ほとんどが警察からの記者会見と同時に、目撃者情報がたくさんあります。それだけの多くの人たちが、浦中さんが暴力団に拉致されて、パトカーの目の前に拉致されている車があるにもかかわらず、責めてはいけませんけれども、せめて一本警察にでもどなたかにでも浦中さんがそこにいるよと言っていただければこんな事件は起こらなかったわけですね。私は、やっぱりある意味では、一般の市民が、警察に対する不信感があるのかな、それとか事なかれ主義になったのかな、そういう風潮も大変残念でなりません。
 ですから、今回のこの事件をひとつ教訓にしていただきまして、もう警察官が大変責任の重い、何かちょっとしたことがあればすぐ世間から批判される、そういうつらい立場であることも十二分に承知しておりますけれども、どうかそういう立場にあるがゆえに、国民の信頼にこたえるべく、この不祥事を、この事件を教訓にしながらなくしていくような努力を続けていきたいと思います。
 もう時間がなくなりましたので、最後の質問にしますけれども、厚生労働省に質問したいと思います。局長お見えですから、お願いします。いろいろ質問、趣旨出していますけれども、最後に一つだけ。
 私は、やはりこの雇用問題というのは、この景気悪化から、その前も結構高水準での完全失業率が続いてきたわけでありますけれども、この一月で完全失業率〇・二ポイント下がったといっても五・三ポイント、まだまだ高い水準にありますし、有効求人倍率といえば〇・五一、非常にまた低い水準にあります。
 もうこの失業率の問題を言いますと、どうしても中高年の問題としてとらえられる、紹介されるケースが多いわけであります。それは、中高年が社会の中の中心的な働き手である、そして住宅ローンを抱えたり、また子供の教育費がかさむ世代であるから、非常にこの失業という問題が切実であり、経済的な痛みが大きい。ですから、そういう形で紹介されることが多いのでありますけれども、でも現実はどうかというと、今回の一月調査を見ましても、五十五歳から六十四歳の失業率は四・六、四十五歳から五十四歳では四・一で平均以下であります。
 そういう中で、実際にどの層が失業率が高いかというと、十五歳から二十四歳層の失業率は平均の一・八倍の九・五、約十人に一人が失業中であります。
 この原因には、いろいろ考えられると思いますけれども、こういう低成長時代になってきて、企業が雇用をカットしよう、人員削減に踏み切ろうとしても解雇規制がありますからなかなか解雇することができない。そしてまた、今までの教育訓練費用もかさんでいるから、やはり現職の皆様方をそのまま使う。そうすると新規雇用が増えてこない。そういう問題もあると同時に、若年層の方は若年層の方で、やはり今までと違ったような、就業意識というものも変わってきていますし、就業形態も変わってきている。いろんな原因が考えられると思います。
 そこで、大変私は大事だと思うのは、日本の人口は、人口推計でいえば二〇〇六年から人口が減ることになります。そして、五年後には労働力人口も減ることになります。そういう状態になったときに、今の若年層が国の中核としての働き手になったとき、労働の生産性を引き上げなければこの国を維持していくことができないわけであります。また、できないどころか、逆に人口が減り、労働力人口が減ることによって成長が阻害されている、そういうことも考えられると思います。ですからここで、やはり中高年者に対する雇用対策というのも大変大事でありますけれども、やはり今この時期は、若年者、若年者に対する雇用対策というものをしっかりやっておかなければいけない。
 今、高校生の新規卒業者の就職率の内定も過去最低と聞いております。この将来に向かっての日本を支えていくであろう若年者の雇用対策というものをやはりしっかりやることが大事だと思いますけれども、厚生労働省はそこのところをどのようにお考えになっているのかお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#37
○政府参考人(澤田陽太郎君) 若年者をめぐる状況、それの今後への影響等は、今、斉藤委員御指摘のとおりだと私どもも思っております。
 今春卒の学生の就職内定率、大学生は昨年より若干いいわけですが、高校卒業生が特にひどいということで、私どももその原因は多々あろうかと思いますが、若干繰り返しになって恐縮ですが、企業が即戦力志向を強めているということと同時に、企業の求人自体がこうした経済状況下で縮小しているという点がある一方、先生御指摘のように、高校生のみならず、若年者全体について職業観といいますか職業意識に欠けるところがあり、かつ就職をしても、例えば高校卒の方の場合には三年以内に五割の方が離職するというようなこういう状況がございまして、こうしたことは個人にとって不幸であるばかりじゃなく、日本の将来の発展にとって正に社会的な問題になるというふうに思っております。
 そこで、私ども、まず当面の話としては、今春卒の方につきましては、内定を得ていない高校生については個人別に面談をしてフォローするということをしております。そして、この残り少ない期間ではありますが、個人に合った職業紹介、職業相談、企業開拓に全力を挙げております。
 そして、不幸にして、三月卒時点で内定といいますか就職できなかったという方につきましては、昨年の第一次補正予算によりまして若年者トライアル雇用という事業を始めましたので、この事業を三月時点からすぐ適用して、企業の方に三月ほど正にトライアル雇用で預かってもらって、現場における正に職業体験を積んでもらうと。三月の間に両方、雇う、雇われるということになれば、本格雇用に移してもらうというようなことを実施をしております。
 それから、職業観の涵養とか職業意識の形成の問題につきましては、文部科学省と連携いたしまして、在学中からのそうした機会、具体的には、職業講話をするとか企業へ行って職場見学をするとか、それからもう少しきっちりしたものとしては、高校生につきましてもインターンシップという形で、現場では作業はしませんが、夏休み等、企業に行って言わば研修等々するというようなこともやっておりまして、今後とも、事態の変化を踏まえて、いろいろな方策で若年者の失業対策、雇用対策に全力を挙げていきたいと、こう思っております。
#38
○斉藤滋宣君 ありがとうございました。
#39
○白浜一良君 初めに、昨日来いろいろ報道されております交通安全協会の問題についてお伺いしたいと思います。
 もとより警察庁は、法と秩序を守るために大事なお仕事をされているわけで、そういう警察庁の所管の交通安全協会が四億七千万の所得隠しをしてという報道をされておりますが、ちょっとこの事件に関する見解を述べてください。
#40
○国務大臣(村井仁君) そのような報道がありましたことはもとより十分承知しております。全日本交通安全協会から、昨年五月に税務当局から更正通知を受け、これを受け入れたという報告は受けております。
 この内容でございますけれども、実は私ども、まだ現段階で完全な把握ができておりませんので、委員御案内のとおり、この税の更正、税の税法の適用の問題というのは、納税者とそれから国税当局の間でしばしば見解が分かれる場合がございまして、税理士あるいは経理に当たる者の判断でやりましたものがその国税当局の受け入れるところとならないというようなことで、結果的に更正というような手続になることがあるわけでございますけれども、その辺りの状況、だから、更正決定を受けたから、だから直ちに経理の仕方として不適当であったということには必ずしもならないことはもう十分御案内のことということを前提にしまして申し上げたいと存じますけれども、実は、どういうところでそのような経理が行われたのか、その内容につきまして今鋭意調査をしているところでございまして、まだ全容を把握するに至っておりません。
 ただ、私としましては、現在、全国で運転免許証を持っている方が七千万人ということでございまして、その多くの方々が免許の更新、免許の取得、更新に当たりまして、交通安全協会に加入していただき、そしていろいろの意味で交通安全運動に御協力いただいている、そのある意味では中核的な団体でございますだけに、そこにかりそめにも経理の不正というようなことがございましたら、これは非常にゆゆしき問題であると思っておりまして、このたびこのような形で、税の面ではありましても、税務当局からこのような更正決定を受けた、そしてそれが報道された、こういう機会を通じまして、一体どういう実態になっておるのか、その辺りは最終的に国民の皆様から御信頼をちょうだいできるようにきちんとけじめを付けるように努力をしてまいりたい、そんなふうに思っているところでございます。
#41
○白浜一良君 大臣が先におっしゃったので、私、言いにくいんですけれども、全貌まだこれからだということでございますが、あれなんですよ、昨年三月に警察庁本庁として検査に入られて、交通安全のテキストありますね。あれを印刷されている、年間四十億ぐらいあるらしいんですが、これが特定の広告代理店と印刷所に決まっているんですよ。もう随意契約されていると。だから、それはふさわしくないという、警察庁が検査に入って指摘をされているという事実があります。これは認めますか。
#42
○国務大臣(村井仁君) そのような指摘をしたという事実は承知しております。
 ただ、これは一般論として、このような公的な、まあ一般論として、公益法人等のこのような業務につきましてできるだけその経費を低廉に上げるために競争入札等々を行うのは適切だという一般論はございます。その中で随意契約をやっていたということでそのような指導をしたわけでございますけれども、ただ、調べてみますと、今度は、何といいましょうか、印刷の版と申しましょうか、これを現に持っているというところにやらせた方が比較的低廉に済むというような判断も現実にはあって行われたという要素もあるようでございます。したがいまして、そのような指導を警察庁として行ったことは確かに事実でございますけれども、それに理由なくして従わなかったということでは必ずしもないような状況に私、現段階では聞いております。
 いわゆる警察庁の団体に対する指導というものはこれ命令ではございませんから、それに従わなかったから直ちに不適切だったと言えるかどうか、理由があるならばそれなりに聞くべきことは聞かなきゃいけないんじゃないか、こんなふうには思っておりますけれども、なお、この辺りも含めまして、今委員御指摘の問題の根になっているかどうかということも含めてこの機会にきちんとさせてまいりたいと思っております。
#43
○白浜一良君 まあそういう考えもあるでしょうけれども。もう版があるから安くてと、それは思い込みでございまして、版がなくても競争したらもっと安い生産できるか分かりませんよ。大臣、そういう甘い考えではこの問題はきちっと襟正すことはできませんよ、これ。
 それで、報道によりますと、協会が国税当局の調査で必要経費の一部が認められなかったので指摘に従い納税したと、こういうふうに言っているんですよ。これは本当かどうか知りません。新聞に書いていることですから、協会が本当にこういう言葉で言ったかどうか分かりませんが。これが例えば事実だとしたら、こんなけしからぬことないわけです。必要経費の一部が認められなかったのでと。じゃ、この必要経費というのは何なのか。そういう必要、これが必要経費だということが一般的に開示して、それを国民が分かるものじゃなけりゃいけないんですよ。こういう言い逃れは良くない。
 ですから、最も、七千万人のドライバーと大臣もおっしゃいましたけれども、ルールを守ることが原則、一番大事なことを教えておるところなんですから、そういうところがこういうごまかすようなことがあってはいけない。まして、その所得隠しの裏金で幹部の飲み食いに使っていたと。これは本当かどうか知りません。だから、そういうことまで含めて、これは国民の信頼度というのが一番大事なそういう部門なんですから、どうせ経緯をきちっと調査をされてきちっとした対応をするというのならば、そういうことも含めてきちっとやるべきだと思いますが、いかがですか。
#44
○国務大臣(村井仁君) まず、税法上の判断と、それから団体の経理の上の判断とが、これが違う場合というのはこれは間々あるわけでございまして、いわゆる経費性につきまして、これは、この法人が行っております教本の作成というのは収益事業と、このように観念されておりますから、その収益事業のその作成、収益事業の経費について税務当局との間で意見のそごがあった。それは私は先ほども申し上げましたけれども、あり得ることなんだろうと思います。
 ただ、いずれにいたしましても、今委員御指摘のような国民の目から見てふさわしくないような行為がその陰で行われていたというようなことがあるのは、私はこれはゆゆしきことだと思いますので、やはりある種の公の、公益法人としてもかなり公益性の高い団体でございますから、そういう意味で公務員倫理のある意味では準用の世界でございましょうか、そういう観点から、あるいは公正な職務執行というような観点から国民の皆様の疑惑や不信を抱かれることのないようにできるだけ透明にこの問題してまいる決意をこの機会に改めて申し上げたいと存じます。
 ただ、裏金というような言葉が非常に簡単に使われておりますけれども、これは私は今の段階で適切なのかどうか、何ともちょっと判断する材料持っていないという状況でございまして、その点はちょっと一言申し上げさせていただきます。
#45
○白浜一良君 重ねて言いますけれども、裏金を、裏金という概念のお金をプールしたかどうかということは、それは調査されたらいいと思うんですが。私が言いたいのは、大臣、もう当たり前の話なんですけれども、税法上の解釈の問題、それはいろいろなケースあるでしょう。私はそういう範囲のことを言っているんじゃないんですよ。要するに、そういうまあ所得隠しをして、任意に使えるお金をためたというところがもしあったとしたら、これはゆゆしき問題ですから、その点は厳密に調査しますよと、こういう、大臣、責任あるやっぱり答弁してもらわないと、この問題は終わらないんです、これ。
#46
○国務大臣(村井仁君) 正に委員御指摘のような趣旨で私もこの問題についてはきちんとさせたいと考えております。税法上の当否ということがきっかけになってたまたま表に出たわけでございますけれども、これはある意味ではいい機会でございますから、きちんと透明にさせたいと、このように考えております。
#47
○白浜一良君 きっちりやっていただきたいと思います。
 次に、雑居ビルの問題点をやりたいと思いますが、昨年秋に歌舞伎町の雑居ビルの火災がございまして大変な大惨事になったわけでございますが、以後、全国の雑居ビルの調査を消防庁がされているということでございますが、どのような状態になってございますか。また、この歌舞伎町のビルの捜査状況を含めて御答弁いただきたいと思います。
#48
○国務大臣(村井仁君) 昨年の九月の一日の未明、歌舞伎町の一丁目において発生しました火災事件でございますけれども、死者四十四名、負傷者三名という本当に悲惨な雑居ビル火災事件だったわけでございます。
 警視庁でその出火原因等を究明するために捜査を鋭意推進しているわけでございますが、今月の十七日に内部を再現した建物を使いまして燃焼実験を行うなどの作業もいたしておりますが、現在のところ出火原因の特定には至っていない、こんなふうに承知しております。
 引き続き、その出火原因についてはあらゆる可能性を念頭に、失火の可能性あるいは放火の可能性、こういったものも含めまして両面で捜査を行うとともに、それからビル管理者、それから店舗の経営者等々含めまして刑事責任があるなし、こういったことも含めて所要の捜査を行っていると、このように私は理解しておるところでございます。
#49
○白浜一良君 消防庁。
#50
○政府参考人(石井隆一君) お答え申し上げます。
 昨年九月、十月に実施しました小規模雑居ビルの一斉立入検査の結果でございますが、九割を超える対象物で何らかの消防法令違反があることが判明したところでございまして、この状況を踏まえまして消防庁としましては、警察庁や国土交通省とも協議の上で、風俗営業についての許可の申請に際して消防と警察が連携を図るですとかといったような観点から消防法令違反の是正を図る仕組みを整備します。あるいは建築行政担当部局、警察部門と共同で立入検査を実施するとかといったような点を各消防本部に徹底するような通知を出しております。
#51
○白浜一良君 それで、今国会で消防法の改正案を出していらっしゃるということで、ただ、ああいう雑居ビルは御案内のとおり風俗営業が多いわけですね。まあ言うたら、きちっとルールを守らぬようなそういう事業主が多いわけでございますが、今回法改正されるということで、いかがなものでしょう、そういう雑居ビルのルールを守らないような、そういう風俗営業の皆さんの伴う事故を防げるようになるのかどうか、言ってください。
#52
○国務大臣(村井仁君) 風俗営業とその建築物との関係でございますけれども、これは御案内のとおり、警察としましては、風俗営業の許可や営業所の構造設備の変更承認の申請を受けた場合に、その申請に係る建築物が建築基準法ですとかあるいは消防法に違反する疑いがあることが分かった場合の措置でございますが、これにつきまして、行政庁それから消防、建築行政庁それから消防行政庁との連携を密にするための仕組みを整備するように各都道府県警察に通知し、そして現に各都道府県におきましてこういった連携作業がかなり進行しているという状況でございまして、私どもとしましては、できるだけ早い時期に全都道府県でこういう体制が整うことを期待しているところでございまして、率直に申しまして、こういう行政指導全般の効果をよく見ました上で、法律的な手当てというのはまたこれは別途検討をしていくべき課題じゃなかろうか、基本的にはこんなふうに考えているところでございます。
#53
○政府参考人(石井隆一君) 今回の新宿歌舞伎町ビル火災の教訓にかんがみまして消防法改正案を今国会へ提出させていただいておるわけでございますが、その内容としましては、歌舞伎町ビルがあのような大惨事となりました主な原因がやはり何といいましても防火管理違反等の消防法令違反等にあったことにかんがみまして、一つは消防機関による違反是正の徹底、それから二つ目にはビル管理者による防火管理の徹底、それから三つ目には避難上必要な施設の管理の義務付けといったようなこと、あわせまして罰則の引上げ等を行うものでございまして、今後、このような火災の再発防止を何としても図りたいという趣旨でやるものでございます。
 なお、ああいう大惨事になりました要因の一つとして階段が一つしかなかったというような点も指摘があるわけでございますが、この点は国土交通省において建築基準法の政令の改正等も検討していただいておりまして、先ほど国家公安委員長からも御答弁がございましたが、警察あるいは建築部門、それから私ども消防、お互い協力し合ってしっかり対応していきたいと、かように考えております。
#54
○白浜一良君 それで、大臣が答えていただきましたので、多分おっしゃっていることは昨年十一月十二日付けで出された通達だと思うんですね。
 私、今それも見せていただきましたが、この通達出されて、少なくとも各都道府県で消防それから警察関係のこういうスキームといいますか、連携といいますか、そういうことを既に打合せをされて、十分な執行体制にあるという都道府県は幾らぐらいございますか。
#55
○国務大臣(村井仁君) 今年の三月の段階で、昨年十一月に出しました通達に基づきまして、関係行政庁との間で警察と地域の実情を踏まえて連携を図るための仕組みを構築するための協議を行いまして、実際にその仕組みがスタートしておりますのは二県でございます、奈良県と長崎県。それから、近く四月一日から制度をスタートさせることを予定しているものが一県ございます。それからさらに、四月中にスタートさせたいというふうに今作業をしておるものが東京都とほか一県ということでございまして、一都四県というようなのが今の現状でございます。
#56
○白浜一良君 昨年十一月に出されても、なかなか縦割り行政でございますし、なかなか都道府県で連携が取りづらいということがございますが、十一月に通達を出されて、まだおっしゃっただけでこれだけしか見込みがないわけで、特にこの大都市部を抱える都道府県は、大臣、督促されて、もし今、火災事故でも、まあどういう事故でもそうですが、起これば本当に尊い人命を失う惨事に至るわけでございますから、どうですか、もうそういう、特に都市部を抱える都道府県は、いつごろぐらいまでにめどを作れとか、そういうふうな指示すべきじゃないですか、どうですか。
#57
○国務大臣(村井仁君) よくもう一度実情を検討いたしまして、今委員の御指摘のような方向で考えたいと思います。
#58
○白浜一良君 よろしくお願いしたいと思います。
 それで、この問題で、私、一つ問題提起をしたいと思うんですが、風俗営業の許可というのは警察庁の関連でされているわけでございますが、一定の手続、書類がそろえばこれは許可すると、こういうふうになっているんですね。
 それで、ですからもう少し、安全性という観点からいいましたら、その許可を与えるときに、そのお店のビルの建築基準法上の条件をクリアしているかどうか、消防法上の条件をクリアしているかどうか、これは他省庁のそういう事業にもなるんですが、そういうことを確認してから許可を与える、免許を許可すると、こういうふうにならないんですか。
#59
○国務大臣(村井仁君) 実際問題としまして、警察の持っております実務能力等々から判断いたしまして、どうしても関係行政庁の御協力を得ながらやらざるを得ない、それから事務の処理がある程度文書上の処理にならざるを得ないというところは、その量的な問題も含めまして委員御賢察いただけるところだと存じます。
 さような意味で、どこまでどういう形で他の法令の遵守状況を確認してやるかというのは、なかなかこれ、どの行政もそうでございますが難しい問題でございまして、やはり去年の十一月に出しました通達を、できるだけ多くの、あと都は一応対応できる環境になっておるようでございますから、他の府県においてできるだけ早く実施体制に入り、そしてその実施体制に入った上でさらにその行方を見てまいるということがまず第一ではないかと、そんなふうに感じるところでございます。
#60
○白浜一良君 ちょっとくどいようで、申し上げますが、通達の中には、風俗営業の許可等の申請に対する審査の過程において、平素から関係行政庁との連携を図るための仕組みを整備すると、こういうふうに書いてあるわけですね。考え方はあるわけですね。ただ、大変手続上難しいと。
 現場の声ではこういう声があるんですよ。あれですか、書類が出されて実地調査を行っておおむね十日以内ぐらいにいわゆる許可を与えなきゃならないと、こういうふうになっているので、いろんなほかの要素があったとしても、書類がそろっているから許可せざるを得ないという、そういう所管としての問題があって、なかなか他省庁と連携しづらいと、こういうこともございますし、逆に、申請内容を他の行政官庁に伝えることは、厳密に言いますと公務員の守秘義務に当たるかどうかという、そういう心配もあるということで、これはなかなか難しくなっているんですが。しかし、そういう連携を取らなければできない、連携を取るようにという通達出されているわけでして、ここを大臣、クリアしないと、なかなかそういう雑居ビルの安全性という観点からこの改正はできないと思うんですよ。ここをきちっとやってくださいよ。
#61
○国務大臣(村井仁君) 正に今、委員御指摘のように、関係行政庁との連携というのを各府県の実情に合わせましてできるだけ的確にやってまいる、それがまず私ども警察として第一にするべきことだろうと思っておりまして、そういう意味で、消防関係行政庁それから建設関係行政庁との連携を更に督励してまいりたいと思っております。
#62
○白浜一良君 大事な問題でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、何点か、ワールドカップが本年開催されて、これは世界的な大行事でございますが、この警備上の議論というのはもう何回も大臣されていると思うんですが、私も何点か御質問をしたいと思います。
 一つは、フーリガンの問題で、今回は入国水際阻止ということで随分連携を取っていらっしゃるということで、諸外国の情報、これは外務省がやっているのかどうか知りません、知りませんが、何かそういう各国からそういう警備上のいろんな情報というのが既にもう入っているんでしょうか。
#63
○国務大臣(村井仁君) いわゆるワールドカップにつきまして、あるいは国際的なサッカー競技につきまして大変豊かな経験のあるよその国々からのいろいろな情報を、これはもうワールドカップが日韓で共同開催ということが決まりました時点から警察としては総力を挙げていろいろな形で収集をしているところでございまして、いわゆるフーリガン対策につきましてのノウハウ、これはいろいろな形で調査もし、また伝授も受けているというのが概しての状況でございます。
#64
○白浜一良君 消防庁長官、もう結構でございます。ありがとうございました。
 それで、余り具体的なお話なかったわけでございますが、それはそれでお任せしますので、よく連携を取っていただきたい。
 各国は各国でいろんなお国事情がございますので、いわゆるスポッターと言われる、各国のいろいろなそういう治安上の専門家ですね、そういう者も日本に来られて、日本の警察と一体になってこういう安全を守るというふうに報道されておりますが、これはどのぐらいの規模で来られるんでしょうか。
#65
○国務大臣(村井仁君) 失礼いたしました。少し詳細な御説明を申し上げるべきだったかも存じませんが、スポッターの人数でございますとかその辺りのところは、これはやはり私どもの対策の手のうちみたいなものを申し上げることにつながりますので、ちょっと御遠慮させていただきたい次第でございますが。
 フーリガン対策として国際的にやろうと考えておりますところでございますが、基本的には海外の治安当局との連携作業を密にするということでございますが、まず情報交換でございます。これは当然のことでございますが。それから、それぞれの国の法制で、特定の人物につきまして出国を禁止することができるというような法制を持っている国もございますので、そういうところではフーリガン出すなということでお願いをする。それから、三つ目でございますけれども、今委員御指摘のスポッターというそのフーリガン専門の識別能力のある専門家がございます。これは中にはすごいのがいるそうでございまして、その人物が現れるだけでフーリガンがおとなしくなってしまう、蛇に見込まれたカエルのようになってしまう、こういう話もございますので、そういう方々に是非お出ましをいただくように私どもの方でお願いを申し上げる。
 私からも、それぞれの国の担当大臣に対しまして直接親書を出しまして、依頼を申し上げているような状況にございます。
 各国の治安機関ともいずれも大変前向きな姿勢を示しておられるわけでございまして、さらに欧州評議会で、今年の一月でございますけれども、ワールドカップの安全に関する国際会議というのが催されたわけでございますが、そこに担当者を派遣いたしまして、フーリガンに対して日本警察として厳しい対応をするぞという姿勢を示し、欧州各国、非常にこれを評価しているというのが今の状況でございます。
 さらに、スポッターにつきまして若干敷衍させていただきますと、これはフーリガンについて非常に豊富な知識を持ったフーリガン対策専門の警察官を呼称するわけでございまして、前回のフランス大会でございますとか、あるいは一昨年の欧州選手権大会、ユーロ二〇〇〇と呼んでおりますけれども、これにおきましても出場国の警察から開催国に派遣されまして、空港、それから駅、街頭、競技場の周辺、こういったところで自国人のフーリガンの発見、それから所在情報を地元の警察に通報する、そういったようなことで開催国の警察への支援を行っているということでございまして、欧州、それから南米各国では国内外のサッカー大会ごとにフーリガン対策の一環としてこういうスポッターを大いに活用するということにしておりまして、私どもこれに大いに期待をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、私どもとしましては、大変このフーリガン問題、テロ対策と並びまして大変重大な関心を持っているところでございますが、ただ、このフーリガンの問題につきまして余りにそれが大変だというふうに言われますのも、これ、何といいましてもサッカー楽しんでいただくのも大事なことでございますから、そういう興をさますようなことにならないように運用しなければならない、これも非常に重要な要素だと思っております。
#66
○白浜一良君 るるお考えを述べていただきまして。
 ただ、一つこのスポッターの件で心配していますのは、別に日本においてはそういう逮捕する権限も捜査する権限もお持ちになっていらっしゃらないわけですね。日本の警察と一体になってそういうフーリガン対策に当たられるということで。ですから、その方々に危険が及ぶようなことがあってもいけませんし、もし事故があればその責任というのはあるわけでございますし、かといって働いてもらうためにはある程度の執行力を持ってもらわなければならない。
 そこを全部カバーするのは警察になるわけで、その辺の連携を十分実態的に打合せを、任務を実態的にですよ、打合せをされているのかどうかと、中身は言えないでしょうけれども、そういう点だけちょっと確認をしたいと思います。
#67
○国務大臣(村井仁君) 御指摘のとおり、日本の国内における警察権の執行というのはあくまで警察官の職務でございますから、スポッターとして応援を求める、その応援の程度と対応というものもおのずから限定される性格のものであることは御指摘のとおりでございます。ただ、いずれにいたしましても相互の連携を密にしてきちんと対応させてまいりたいと存じます。
#68
○白浜一良君 それから、お酒の話で、これは随分事前で調整されておりまして、ビールも含めて持込みなしよと、大体海外各国の例も大分そうなっていますね。それで、球場内の販売もビールのみと、こういう一応取決めをされたらしいんですが、それはそれといたしまして一つのルール作りをされたわけでございますが、ビール飲んで酔わない人も多いでしょうけれども、酔う人もいますわね、これ。だから、もしそういうビールを球場内で販売された上で起こるトラブル、もし生じた場合は、そういう場内の販売そのものも、これは個別的な話だと思います、全球場でということじゃないと思いますが、そういう個別的に対応する、そういうお考えはお持ちですか。
#69
○国務大臣(村井仁君) フーリガンのいろいろな行動を見ておりますと、アルコールに原因するものが結構多いというのが経験的にもございますので、警察として、今委員御指摘のように、スタジアム内にアルコールを持ち込むこと、これはもう一切禁止、それから販売につきましても厳格なコントロールの下で行うということで、いろいろJAWOCとも協議をしてまいった経緯がございます。
 これを踏まえまして、日本組織委員会では、国際サッカー連盟FIFAとの協議の結果でございますけれども、スタジアム内で一人当たり一回一杯、こういう制限をいたしまして、ビールのみの販売と、こういうことにいたしておるわけでございますが、これでもしも何かトラブルを起こしました場合には、これはJAWOCの警備センター長がビール販売の制限を行う、これは場合によっては中止もさせるというような体制で考えているところでございまして、もちろんこれ、警察とも緊密な連携を取りながらやってもらうということでございまして、警察としましても、会場の雰囲気ですとかいろいろなものも十分勘案しながら適切に対応してまいりたいということでございます。
#70
○白浜一良君 それから、トラブルがない方がいいんですが、もしトラブルが起こって、そういう暴徒と化すような方が現れた場合、当然警察としても逮捕されたり勾留されたりするんでしょうが、それは起こるか起こらないか分かりません、分かりませんが、もし逮捕なりされてどこかに留置なり勾留なりせざるを得ないとなった場合、警察の留置場に入れるか拘置所に入れるかと、こういう話になるわけでございますが、これは起こらないに越したことないんですが、しかし留置場にしても拘置所にしても、現在の段階でそんなにたくさん収容する能力があるのかなと。
 まあそんな心配、せぬでもええというたらそれでええんですが、ちょっとそういう心配もしているわけでございまして、これはどういうふうになっているんでしょうか。
#71
○国務大臣(村井仁君) 現在でも留置場のキャパシティーが十分ございませんで、非常に苦労していること、もう委員御賢察の上での御質問でございます。
 いずれにいたしましても、検察当局等々ともよく連携を取りまして、できるだけ柔軟な対応をしてまいらなければならないと思っております。
#72
○白浜一良君 法務省、来ていますか。
#73
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。
 ワールドカップサッカー大会の試合におきまして、いわゆるフーリガン、犯罪行為により多数逮捕された場合どうするかということでございますが、警察の留置場のみでは対応が非常に困難だというような場合につきましては、最寄りの行刑施設、具体的に申し上げますと拘置所があれば拘置所、拘置支所があれば拘置支所、中には県によっては拘置所も拘置支所もないところがありますが、ここはそこの県にある刑務所に拘置区というものが設けられておりますので、そういったところで一部を収容すべく、現在、警察庁とも協議をしておるところでございます。また、起訴された後はどうなるのかという被告人の取扱いについては、これは拘置所等で収容することになっております。
 なお、ただいま委員の方から行刑施設も大変過剰収容ではないかということで、確かに厳しい状況にはございますけれども、そういった特別の事態でございますので、開催地の最寄りの行刑施設につきましてはあらかじめ全国的規模で受刑者の移送を調整するというようなことも行いまして、最寄りの施設に収容の面で余裕を持たせまして、大会期間中の不測の事態に備えることを検討しております。
#74
○白浜一良君 もう時間がないのでもう私が言いますが、おっしゃっているとおり、東京とか大阪とか都市部はもう拘置所も一〇〇%超えていますよね。大変なわけで、今、だから移送も含めてお考えになっているということで、留置場も都市部の方がもうほとんど満杯に近いんですよね。だから、その辺、よく実態的に、ここでこういう問題が起きればこういう対処をするとか、よく打合せをしておいていただきたいと。それは、ない方がいいに間違いございませんが、あった場合、適切な措置が取れるようにしていただきたい、このように要望しておきたいと思います。
 それから最後に、ニューヨークのああいう大惨事を想定するわけではございませんが、飛行機によるもしテロがあった場合、これはまた大惨事になる、もう何万という人間が集まっているわけですから。ですから、これも大臣、要するに航路ですね、飛行機の航路を外れたような飛行機が発見された場合は、迅速にその開催地と連携を取れるようなシステムというか、それはもう是非とも私、万々が一のためにこれはやっぱりやっておかなきゃならないと思うわけでございますが、この点に対するお考えを聞いて、質問を終わりたいと思います。
#75
○国務大臣(村井仁君) 本当に私どもも重要な御指摘だと思っておりまして、まず航空機を利用したテロの防止、そのためには航空機をその付近を航行させない、非常に大事な配慮だと思っておりまして、ハイジャックなどの防止対策、これはもう徹底してやらなきゃいけないと思っております。
 それから、小型航空機につきましても、飛行計画でございますとか、その所在でございますとか、そういったことを確認する、それから場合によっていろいろなそれに付随するチェックもやってまいるということを考えております。
 それから、試合開催時につきましては、競技場の上空周辺、これは飛行禁止というような措置を取っていく必要があると、こんなふうな判断もしておりまして、国土交通省が直接の所管でございますけれども、併せて警察との間で検討、調整を進めているのが今の状況でございます。
 いずれにいたしましても、本当に九月十一日以来、考えられないことが起こるこの世の時節でございますから、ありとあらゆることを想定しながら万全を期してまいりたいと思っておるところでございます。
#76
○委員長(佐藤泰介君) 午後零時四十分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十七分休憩
     ─────・─────
   午後零時四十分開会
#77
○委員長(佐藤泰介君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査のため、本日の委員会に政府参考人として、厚生労働省労働基準局監督課長中野雅之君及び同賃金時間課長石井淳子さんの出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#79
○委員長(佐藤泰介君) 休憩前に引き続き、平成十四年度総予算の委嘱審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#80
○岡崎トミ子君 福田官房長官、連日御苦労さまでございます。本日もよろしくお願いいたします。
 昨日の内閣委員会でも質問をさせていただきましたので、継続してお聞きしたいと思っておりますが、東チモールにPKOが派遣されましたときに、その自衛隊の派遣の前に是非日本軍が駐留していた時代のことに関して謝罪をしてほしいという、そういう手紙を、あちらの東チモールのNGOの代表の方が小泉総理にお手紙を出されたということでございましたけれども、その手紙、読まれましたでしょうか、御感想をお聞かせいただきたいと思います。
#81
○国務大臣(福田康夫君) 拝見いたしました。
 御指摘のありました新聞記事は、東チモールの人権団体の代表の意見を紹介した記事でございますけれども、その中で──それでいいですか、見たということで。
#82
○岡崎トミ子君 感想をもらえますか。
#83
○国務大臣(福田康夫君) 感想ですか。
 それで、記事の中では、東チモールのNGOが総理にあてた書簡について触れられておりまして、もう御案内のとおりでございます。過去の過ちへの公式な謝罪なしに自衛隊を派遣すれば、犠牲者の傷口がこじ開けられる旨、書いてございました。
 我が国の自衛隊の派遣につきましては、三月五日、ラモス・ホルタ外務・協力担当上級閣僚が記者会見で、日本の自衛隊派遣、これを歓迎するという意向を公に表明しております。また、これはシャナナ・グスマン元CNRT議長などの東チモール指導者より何回も表明されてきておるところでございまして、これらは東チモール住民の意思を体現したものと理解をいたしております。また、実際に自衛隊の派遣を希望するという意見を表明している現地NGOもございます。
 いずれにしましても、この新聞記事に掲載されているような見方をする東チモールの人々もおいでであるということは、これは事実なんだろうと思いますので、政府としては、情報提供や意見交換を通じて東チモールの人々の十分な理解を得られるように引き続き努力をしてまいりたいと思います。
#84
○岡崎トミ子君 東チモールが本当に復興の、そして間もなく独立の日を迎えるわけですけれども、その東チモールの市民社会において育ちつつあるNGOの代表でございます。そして今、福田官房長官が、多分その国民の皆さんの気持ちも代表するような形でPKOが受け入れられるというお話もございました。もちろん、それ自体は歓迎される方が多いかというふうに思います。そのことの前にということのお手紙でございましたので、是非誠意ある対応をこれからもお願いをしたいと思います。
 ところで、昨日も、韓国のこの償い事業でありますけれども、五月に終了するということでございました。しかも、韓明淑女性大臣からは、これは一刻も早く中止をしてほしいという、そういう意向もあるということが日本の新聞にも報道されておりました。ですのに、今、女性のためのアジア平和国民基金の方は、最後の追い込みといったら失礼かもしれませんけれども、慰安婦とされた方々への償いのため更なる募金が必要だということで、官房長官、このように募金に御協力くださいという、こういう、これを広告を出しておりますけれども、これ、広告に幾らお金を使っておりますでしょうか。
#85
○政府参考人(田中均君) お答えを申し上げます。
 これは、女性基金が支出をしておるわけでございますけれども、国民に募金の協力を呼び掛けるという意味で、中央紙に五紙、それから地方紙に四十三紙でございますけれども、広告を掲載されまして、その広告経費というのは約三千万であるという報告を受けております。
#86
○岡崎トミ子君 三千万円というそれだけのお金を使って、どのぐらい本当に効率的なお金になるのかなという心配がございます。
 官房長官、韓国の中では、もうこれ受け取らないということを金大中大統領もおっしゃっておりますし、やめてほしいということをずっと言ってきて、それが今、最近、これが凍結解除という形でもう一回最後こういうことになっているんですけれども、やっぱり、差し上げた、もし、償い金として差し上げたものが被害者の皆さんたちにとっていやされたことになるのか、本当にありがとうという形になるのか。そこも大変心配なわけでございまして、どうして嫌がることをこういうふうにやるのかなということで、しかもこの募金をもう一回更に募集するという形になっておりまして、私は残念ながらこれはいい結果を生まないだろうというふうに思っているんですけれども、その期待というのがあるんでしょうか。
#87
○国務大臣(福田康夫君) 今まで事業を継続してきたわけでありますし、五月一日まで継続するということでございますが、これは諸般の事情、五月一日にするということも諸般の事情を考慮してということでございまして、いろいろなケース、いろんな立場も方々もいらっしゃるし、そういうすべてを、全般を見渡してそれが一番いいという判断の下にそういう決断をしたわけでございます。
#88
○岡崎トミ子君 納得いかないわけですけれども、とにかくこれは中止をすべきではないかなというふうに私は基本的には考えております。
 ところで、二月二十五日に韓国独立記念館研究所が慰安婦八百人のリスト、これを発見しまして、今、韓国の中ではこれが公開をされております。二月二十六日の東亜日報で報道されましたけれども、このリストが見付かったというのは初めてのことなんです。当時の被害実態を明らかにする上で大変重要な発見なんですけれども、官房長官はこの発見、新しい発見について御存じでしたか。
#89
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘の内容のことを伝える報道があったということは、これは承知しておりますけれども、その詳細について承知していないということでございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
 いずれにしても、いわゆる従軍慰安婦問題は、多数の女性の名誉と尊厳を傷付けたという、そういう問題でございますので、その認識は十分持っておりますので、政府はこれまでもおわびと反省の気持ちを様々な機会に表明をしてきて、あと今、基金の事業が所期の目的を達成できるように最大限の努力を行っていると、こういうことでございます。
#90
○岡崎トミ子君 これは、韓国で八百名のリストが見付かりましたけれども、日本においては九三年八月に河野洋平官房長官が日本政府として行った第二次の資料調査の結果を発表しております。その後は資料収集の努力をされたんでしょうか。されたとすればどのような成果があったか、お聞かせいただきたいと思います。
#91
○国務大臣(福田康夫君) 平成五年八月の調査結果の公表は、政府としては全力を挙げて誠実に調査した結果を全体的に取りまとめて一つの区切りを付けたものと考えております。
 その後、関連の文書、資料が関係省庁において発見はされておりますが、平成五年の調査結果の内容を変更するような特段の事実が明らかになったわけではないということでございまして、現在のところ、政府として再調査を行うということは考えておりません。
 しかし、事柄の性質上、今後も新しい資料が発見されるという可能性がないわけじゃないということでございますので、民間の研究も含めて引き続き十分な関心を払ってまいりたいと思っております。
#92
○岡崎トミ子君 その後半の姿勢が大変大事じゃないかなというふうに思うんです。
 というのは、九三年八月のときにも、これは国として強制的に連行して行ったということについて発表されましたときには、今はもう参議院議員でいらっしゃいます、当時福島瑞穂弁護士は、慰安婦の発案者が一体だれで、どういう命令系統で管理されたか、そして政府だからこそできるはずの調査が欠けている、そして補償の専門部局を設けて人と予算を張り付けて、各省庁に全資料を出させた上で全体像を把握する、そして徹底究明が必要だということを言っておりますし、一貫してこの調査というところでも力を出されております中央大学の吉見教授も、この九三年の八月までは予備調査にすぎないんだということをおっしゃっていらっしゃいまして、もっともっと膨大な資料があるはずだと。殊に防衛庁、警察庁、朝鮮総督府関係の膨大な資料はまだ眠っているということで、例えば防衛庁にある数千冊の元軍人の業務日誌などを調べましたら、強制を含めた真相解明は一挙に進むだろうというふうに言われております。
 つまり、こうした徹底した真相究明のためのその努力がなければ、どんなものでおわび、それから償い、そして手紙、あるいはこれがお金だということで差し上げたとしてもそれは相手の心に響かないんだと。こういうことがあって、こういうことの事実が判明して、だから自然におわびがというか、謝罪をするということにつながっていくだろうというふうに思うんですね。そして、探せば発見されるということです。
 今、官房長官がおっしゃったように、順次これから、もし発見されたらばそれは公開していらっしゃいますか、きちんと公開していらっしゃるという姿勢でよろしいですか。
#93
○国務大臣(福田康夫君) これは、発表すべきものは閲覧に供するということで発表させていただいております。
#94
○岡崎トミ子君 九三年の第二次調査のときに、当時の石原信雄官房副長官、この方は現在のアジア女性基金の副理事長をされていらっしゃいますが、この方が、慰安婦強制を確認できる資料はなかったというふうにあのときおっしゃったけれども、けれども、慰安婦の証言を基に総合判断として強制はあったというふうに結論付けているわけなんですね。官房長官の、もう一度その再確認をさせていただきたいと思いますけれども、これは、戦時性的強制被害の事実に対して確かな事実として、日本軍が組織的に性的強制を行ったという認識でよろしいでしょうか。
#95
○国務大臣(福田康夫君) この平成五年八月の官房長官談話にございますとおり、慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、さらに、官憲等が直接これに加担したこともあった等々記述されております。
 ですから、そういう事実はあったんだろうというように思っておるところでございます。
#96
○岡崎トミ子君 済みません。あったんだろうじゃなく、そこのところの認識、あいまいじゃなく、総じてあったとか、どうも政府の答弁の中でそのことがあるんですけれども、強制連行であった、しっかりとした認識で、確信して言っていただきたいんですね。
#97
○国務大臣(福田康夫君) そのとおりにいたします。
#98
○岡崎トミ子君 どんどん時間がなくなっていくので、ここで用意したものをちょっともう飛ばさなきゃいけないんで、大変残念なんですけれども。
 実は、今外務省でトップでいらっしゃいます竹内事務次官ですね。ちょうど私たちがインドネシアに参りましたときにはインドネシア大使でいらっしゃいましたので、そこでも懇談をさせていただきました。
 このアジア女性基金がスタートをいたしますその前に、インドネシアにはたしか多くの友人がいらしたかどうなのか、一生懸命、個人補償としてそのお金を是非受け取ってほしいということを強く願って、その働き掛けをされたというふうにその懇談の中でおっしゃっていらっしゃいました。政府としては、やはり個人に対して補償を行いたいというお考えだったというふうに考えてよろしいんでしょうか。
 そして、今の流れの中では、確かに社会省の次官のお話ではありましたけれども、もっともっと確かめなければならないところはあったかもしれませんけれども、流れとしては、ハビビ大統領からワヒド大統領、現在メガワティ大統領に替わってきて、民主化の道を歩いているので私たちも変化があるんだと、そのことも昨日は官房長官お認めになって、変化しているんですねということをおっしゃった、しかし確かめたらそうじゃないというふうにおっしゃった。
 私は、このルートがどういうふうになって官房長官の方に届いたのか、日本に届いたのか大変心配なんです。つまり、こちらで確かめるのは一体どういうルートでインドネシア側に確かめるんでしょうか。これは大使館通してそして社会省に言って確かめて、社会省は大使館の外務省の人に言ってそれが返ってくるという、こういうルートのような気がするんですけれども、そうですか。そうすると、私たちがあそこでいろいろと話をさせていただきましたときに、個人補償という考えが強くあって、当時そうしてくれれば良かったのにという考えですから、これは政府の考え方でよろしいですよね。
#99
○政府参考人(田中均君) 委員、個人補償というお言葉を使っておられますけれども、政府の考え方といたしまして、これはインドネシアもそうでございますけれども、少なくとも、国家と国家の関係におきまして請求権の問題は解決済みであると、したがって個人補償をするという考え方は政府にはないわけでございます。
 ただ、この女性基金ができまして、正にその道義的な責任、こういうものをきちんと国民の意思としてやっていきたいということでございまして、償い金事業というものがございます。この償い金事業として寄附でいただいたお金を女性基金が元慰安婦の方々に差し上げるという事業をやってきたわけでございます。
 インドネシアにおきましては、当初そういう考え方はございました。しかしながら、インドネシア側の政府その他いろんな方と御相談をした結果、慰安婦の方の特定というのは無理であると、難しいと。いろんな名誉の問題もこれあり、したがって、その慰安婦を特定した結果でしか行えないような償い金事業ではなくて、もう少し一般的に高齢者等に対する事業、そういうものをやるべきではないかということで、高齢者の支援事業という形で基金とインドネシア側との間で合意を作りまして、それを実施してきているということでございます。
 委員、インドネシアに行かれまして、いろんな方とお話をされた中で個人補償の御意見があったということは私どもも承知しておりますけれども、少なくとも、これまでインドネシア政府との話合いの中で基金が作った合意、これに基づいて事業を実施していると、その基本的な方針に変わりはないということでございます。
#100
○岡崎トミ子君 今、本当にお答えになっていらっしゃらないし、今おっしゃったことと昨日官房長官がおっしゃったことで、だれが一体それについての情報をお耳に入れたのかなというふうに思いますのは、つまり被害者を特定することも難しいと、昨日も今の御答弁の中でもおっしゃっていましたけれども、お聞きになったことがないですよね。
 私は、韓国に一人でも調査に行ったこともございます。二回被害者の方にお目に掛かった。そして、日本にいらした皆さんの被害者の方の声も聞いてきた。今回もインドネシアでお話を伺ってきた。お話を伺ったら、この方がそうした被害者であったかどうかが分かります、分かるんです。それを、簡単に、まず特定することは難しいという言葉で語られたらどうするんですか。
 ある本を読みましたら、こんな言葉は使いたくないけれども、それは本当にその人たちを売春の仕事をしたというふうに言ってしまうようなことと同じだと。被害者に届かないようなことをやったら、全くおわびの気持ちも届かないと、謝罪する気持ちも全く届かないということにつながるんですね。
 そして昨日、田嶋陽子参議院議員もおっしゃっていましたけれども、手を挙げて私はそうだったとはっきりしている被害者の人がいたら、その人のプライバシーをしっかり守って、犯人捜しじゃないんだから、その方たちに通じることができるんじゃないかというふうに昨日も提案としておっしゃって、インドネシアでは、ああそういう方法があるんですねというふうにうなずいておられたんです。
 ですから、私たちは被害者に届く、そういう事業なりそういう謝罪も含めて、本当にごまかしごまかしじゃなく、真正面から取り組む姿勢を求めるために私は官房長官にいろいろお聞きしているわけなんです。
 是非、今のような形ではなくて、本当の気持ちを聞く、外務省というよりは、インドネシアの多くの人たちの、殊に被害を受けた人たちの声を直接聞いて、そして申し訳なかったというような形で謝罪をし、補償をする、そういう形で、官房長官、政府も是非協力をしていただきたいと思います。
#101
○国務大臣(福田康夫君) この問題は、お言葉を返すようでありますけれども、今まで担当してきた者が、この衝に当たっていた者が恐らくみんな本当に真剣な気持ちで対応してきたんじゃないかと思いますよ。ですから、そこのところはきちんと評価してあげなければいけないんじゃないかなと思います。
 今現在、今までは、インドネシアにつきましても、インドネシアの文化として犠牲者家族等の名誉を考え、公にはしたくない、こういうケースもあるんだということも聞いておりますし、また慰安婦の特定は困難であるというような、こういうような共通認識もあったということから、全体的な立場で高齢者施設への支援事業、こういうことを行ってきたんです。それは時代が変わり、また被害者と目される方々がそういう時代の流れの中でまたいろいろ考え方が変わってくるというようなことはあるんだろうということは、これは私は否定しません。ですから、今まではそうやってきたけれども、今後、その辺は両国で話合いをしながら解決すべき問題だろうというふうに思っています。
#102
○岡崎トミ子君 変わってきたのは、変わってきたことを言うよりも、被害者は変わっていませんので、一貫しておりますので、つまり……
#103
○国務大臣(福田康夫君) 被害者の気持ち。
#104
○岡崎トミ子君 気持ちですね。それは変わっておりませんので、そのことだけは訂正をしておきたいなと思います。
 昨日の御答弁の中で、官房長官は何度か謝罪という言葉を口にされました。歴代総理、官房長官はすべておわびと反省という言葉を使われまして、法的責任を認め、補償につながる謝罪の二文字は努めて避けてこられたように記憶しております。この変化を私は大変歓迎をしたいと思います。
 昨日の田嶋委員への答弁の中でも、世の中の認識も時代とともに変わっていくと、今もそのようにおっしゃっておりましたけれども、ようやく日本の官房長官の口からも謝罪という言葉が言われるところまで遅まきながら時代は来たのかなという、そういう感銘を深く感じました。感銘深く感じております。
 官房長官は昨日、あらゆる機会に謝罪の気持ちを伝えてきたと謝罪の必要性を表明されまして、これまでの形ではなかなか伝わらないと危惧もされていらっしゃいました。
 私どもが昨年提出して、当時、当委員会では現在継続審議になっております戦時性的強制被害者解決促進法案、これは正にその謝罪を目的にした法案でございまして、日本政府はきちんと謝罪することを法律で明記し、そしてこの法律ができれば、これまでのように何度謝れば済むのかというようなことは言われなくなります。誠意が伝えられます。
 確認させていただきたいと思いますけれども、謝罪とは罪を認めて謝ることでございます。官房長官が認められましたその罪というのはどういう範疇の罪か。慰安婦の強制の事実というのは、すべての人類に課せられた人権の範疇、あるいは戦争の規定に違反した罪というふうに認識しておられますでしょうか。
#105
○国務大臣(福田康夫君) 一言で申し上げれば、非人道的行為とそれに対する罪ということであります。
#106
○岡崎トミ子君 昨日の官房長官の答弁で、歴史の教訓とするということも何度もおっしゃっておりました。
 私ども、被害者と同じ女性の立場からお願いをしたいのは、生身の被害者の救済でございます。既に高齢に達して、被害者はもう何とか亡くなる前にその名誉毀損と正義の回復をしてほしいということをおっしゃいましたけれども、それは一体だれができるでしょうか。加害国しかできません。福祉とか医療のサービス、この向上は、全部ではありませんけれども、被害国もできるし民間でもできます。でも、名誉の回復あるいは正義の回復、これは加害国側しか絶対にできないんです。
 ドイツの例でありますけれども、ドイツは一昨年法律を作りまして、政府と企業が協力して戦争中の強制労働被害者に補償する基金を設置しまして、各国政府と協定を結んで、総額百億マルク、日本円にしまして五千四百億円をおよそ百二十万人と推定される各国の被害者に対して昨年の夏からその支払に入っております。被害者が高齢に達して毎月一%ずつ亡くなっているという状況の中で、シュレーダー首相が強いイニシアチブを発揮されまして企業をも説得して実現したものでございます。
 ドイツ政府も法的な責任を認めたものではありませんでした。被害者が高齢に達して次々に亡くなっているというのはドイツの場合も元ハンセン病の患者の皆さんも同じです。ドイツができたことがなぜできないのか、元ハンセン病という患者の皆さんたちに日本政府ができたことがなぜ今度のこのことにはできないのか、そういう思いを私は持ちますけれども、この日本は被害者がみんなもしかしたら亡くなるのを待っているんじゃないか、そんな本当に言われたくもないようなことを海外の友人あるいは被害者から言われることもございます。
 この十年間で名のり出られました被害者が三分の一もう亡くなりました。被害者がすべて亡くなられてからでは謝ることも和解することもできなくなると私は思っております。是非、被害者や近隣諸国が納得できる対応、対策を迅速かつ具体的に示すべきだと思っております。問題が終わったと考えている人は少ないだろうと思います。おわびと反省の村山談話の繰り返しでは被害者は納得していないだろうというふうに思うんですね。
 そこで、世界じゅうがどんな感じで見ているのかについて知っていただきたいと思いますが、実は国連人権フォーラムの中では、一九九八年のクマラスワミの報告では、我が国の慰安婦問題に対する取組を歓迎すべき努力というふうに評価していて、我が方としては、本題に関する我が国の取組に対して国際社会が一定の理解を示していると考えているというふうに、私、昨日いただきました日本政府の施策の考え方について、これいただいたんですけれども、この一定の理解というのが、官房長官、これ低い理解だということを知っておいていただかなきゃ困るんですよ。
 というのは、実は国際社会の中では大変厳しい厳しい考え方を持っておりまして、例えば日本、韓国、フィリピン、台湾、タイ、香港、インドネシアの被害者支援団体などは連帯をしております。情報交換もしっかりしております。国際機関での協力もいたしております。
 国連の場では、国連人権委員会の特別報告者のラディカ・クマラスワミ氏は、調査報告書を一九九六年、九九年に提出して、日本政府に対しては、国際法違反を認めて法的に責任を負うこと、それから早期に問題を解決することを勧告しています。それから、人権委員会傘下の人権小委員会でも、ゲイ・マクドゥーガル委員によって九八年、九九年の報告で慰安婦問題が大きく取り上げられて、これも解決に向けた勧告が出されています。また、ILOの専門委員会でも、九六年、九七年、九九年、二〇〇一年と繰り返し、四回ですよ、勧告や、被害者が望む補償を促す報告が行われています。
 そして、国連での議論の一番最近のものとしては昨年の八月です、社会権規約委員会の日本に対する総括所見がありまして、二十六、委員会では、主として民間の資金によって財源を得ているアジア女性基金によって戦時の従軍慰安婦とされた人たちに対する提供された補償金が、当事者の女性から受入れ可能な措置とみなされていないことに対して懸念を表するというふうに言っておりますし、五十三、委員会では、従軍慰安婦を代表する団体としての協議に基づいて、被害者の期待を満たすような形で補償を行う方法及び手段に対して、手後れになる前に適切な取決めを行うよう強く勧告すると、こういうふうに言っておりますけれども、こうした国際的な関心、取組の要請については官房長官はどのようにお考えになりますでしょうか。
#107
○国務大臣(福田康夫君) いろいろ御説明いただきましたけれども、先ほども申しましたけれども、やはり時代の変化とか国際環境とか、いろんな事情があるんだろうと思います。また、被害者の方々のお気持ちのこともあるかもしれないし、そういうような変化によって対応の仕方も変わってくるということは当然あり得る話ですね。ですから、ドイツだって五十年たって、今のお話だと、そういう償いをされるということをつい最近決められたと、こういうことですね。
 ですから、私は、今までのことですべていいんだというように考えるべきものではないと思いますよ。これは日本の言ってみりゃ消えない歴史なんですね、過去の歴史なんですよ。ですから、このことはしっかりと国民一人一人が胸に刻んでいなきゃいかぬと、いつまでも、ということが大事なんだろうと思いますけれども。
 そのように、国々によって考え方も、それから相手の国との関係とか、いろいろ考えて判断していくべき問題だろうと考えております。ですから、今後も、このことについてどのようにしたらいいのかということは引き続き考えていくべき問題だろうと思っております。
#108
○岡崎トミ子君 官房長官には果敢に取り組んでいっていただきたいということを心からお願いをしておきたいと思います。
 この従軍慰安婦問題と差別という、大変根の深いものだというふうに思いますが、差別禁止ということについてお尋ねをしたいと思います。
 世界を見ますと、障害のある人に対する差別に限っても、ある資料では四十三というふうにも書いてありますけれども、四十か国以上の国が禁止する法律を持っております。日本はこれまで包括的に差別を禁止する法律を持っておりませんでしたが、国際的にも日本に対して包括的な差別禁止法を制定する要求というものが高まっております。例えば、昨年の三月に国連の人種差別撤廃委員会が人種差別を禁止する国内法を成立させることを求める勧告を出しておりますし、昨年八月にはやはり国連の社会権規約委員会が、障害のある人々に対する差別的な法規定を廃止して、かつ障害のある人々に対するあらゆる種類の差別を禁止する法律を採択するように勧告をいたしております。
 民主党は、これまでにも差別禁止法を制定するということも公約に掲げておりまして、人権・消費者調査会におきまして検討を行っております。民主党は人権行政におけるリーダーシップを内閣の方に求めております、内閣府に求めております。
 国際法監視委員会の勧告なども受け止めまして、包括的な差別禁止法を制定する必要性について官房長官はどのようにお考えになりますでしょうか。
#109
○国務大臣(福田康夫君) 我が国におきましては、平成五年に障害者基本法を制定しておりまして、障害のある方々が障害のない方々とともに地域でともに生活するというノーマライゼーションの理念の下に障害者施策を総合的に推進していくということになって、それを実施、実行しているところでございます。
 今御指摘の米国のように、一般の企業、事業者に障害者の雇用や様々なサービス提供における差別禁止を義務付けるという仕組みを我が国に導入するかどうかということにつきましては、検討すべき課題が多いものと考えてはおりますが、障害者の権利を尊重し、そして障害者の社会経済活動への参加の機会を確保するというために、障害者に関する様々な制度の見直しは絶えず進めていく必要があると考えております。
 今国会におきましても、障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための一括法案を提出いたしておりますけれども、それもその一部であるということになるわけであります。
#110
○岡崎トミ子君 差別禁止法の必要性ということについて、この法律の包括的なです、つまり憲法がある、民法がある、刑法がある、公序良俗でいろんなことでくくれない、そこから、この差別は一体どうしてくれるんだと立ち往生するようなことが日本にはたくさんございます。それを包括的に差別を禁止する法律、今、人権擁護法というのも準備されております、昨日も拝見させていただきましたけれども、それとも一緒に私たちがこれも、どちらかというのでは、同時にあるべきものだというふうに考えておりまして、この法律の必要性についてお伺いしました。
#111
○国務大臣(福田康夫君) これは検討課題とさせていただきます。
#112
○岡崎トミ子君 人権擁護について民主党は大変重要だというふうに認識して、その対応、そして全体的に差別を禁止するという意味でこの法律を作るという方向で是非検討をお願いしたいと思います。
 人権侵害の予防救済を確実にするためには実定法、差別禁止法が不可欠だというふうに思っております。一体何が差別であるかという基準が明確になるということが大事です。というのは、今具体的な判断を裁判官などの裁量によっておりますけれども、そこにゆだねないということがすごく大事なわけなんです。
 それから、人権侵害があった際に単に損害賠償がされるというのではなくて、実質的な権利回復、これが行われるようになることが大事ですし、懲罰的な賠償が可能になるということが挙げられております。先ほど官房長官が触れられましたアメリカの差別禁止法ですね、ADA法、これは訴訟を起こして賠償を得るだけではなくて、差別が是正される具体的な措置を獲得して、社会全体の取組となっているということですので、そのことを可能にしていくためには大変大事だというふうに思っております。
 長官の所信表明において、ESCAP主催の会議に積極的に取り組むというふうに発言をされておりました。このESCAPは国連の一機関でございますが、国連では障害者差別撤廃条約制定への動きが出ておりまして、今後、アジア太平洋の障害者にとっては、社会開発と併せて人権確立が焦点になっていくだろうと思います。
 ただ、官房長官、与党でも女性議員が懇談会を立ち上げまして、差別禁止法の必要性についてヒアリングなどを行っているようでございますので、改めて、そういう取組があるということも改めて認識をお伺いしたいと思います。よろしいですか、与党でも女性たちやっています。
#113
○国務大臣(福田康夫君) 認識しております。
#114
○岡崎トミ子君 認識していらっしゃいますか。そうですか。分かりました。それでは、本当にその取組を強めていっていただきたいなというふうに思います。
 さて、それでは官房長官にお聞きするところはもっとありますけれども、ここで一応終了いたしまして次に、あ、違います、もっとありました、ごめんなさい。失礼いたしました。失礼しました。内閣府には──問題が変わったんでございます、失礼いたしました。
 消費者問題の担当特命大臣について伺いたいんですが、内閣に五人の特命担当大臣が置かれております。官房長官自身も男女共同参画、当時、担当の特命大臣を兼務しておられますけれども、この内閣府設置法の第九条と第四条によって、内閣総理大臣が内閣の重要政策に対して行政各部の施策の統一を図るために特命担当大臣を置くことができるというふうに定めているわけなんですが、消費者の利益を擁護する、あるいは増進に関する政策に関しては、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画や立案及び総合調整に関する事務も特命大臣を置くことができる事務の一つになっているというふうに私は読んでいるんですけれども、BSE問題を見ておりますと、消費者の立場を代表する大臣というのがいないなと。
 もちろん、農林水産大臣はいらっしゃいますよ。でも、内閣として、全体として消費者の立場を代弁する、あるいは代表する、そういうところを見る大臣がいないというところで、福田官房長官、消費者の利益、擁護、増進する特命担当大臣を置くことができると考えますけれども、官房長官、兼務してはいかがですか。
#115
○国務大臣(福田康夫君) そういきなり言われても困るんですけれども。
 実は、この特命担当大臣の設置及びその任命については、これは総理大臣の専権事項なんですよ。ですから、これは総理大臣に聞いていただかなきゃいかぬと、こういうことになります。
#116
○岡崎トミ子君 それでは是非、小泉総理大臣に聞いていただけますか。──はい。是非聞いていただきたいと思います。今大きくうなずいていただきましたので、よろしくお願いします。
 ところで、竹中経済財政特命担当大臣は、もし消費者特命担当大臣を兼務したら、どのような姿勢で任務に当たるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#117
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、官房長官の御答弁にもありましたように、これはもう総理の特命、特命大臣をどうするかというのは総理の専権事項でございまして、命ぜられてもいないのにどうこうするかということは、ちょっとこれはお答えする立場にないのではないかなと思っております。
 いずれにしましても、今、内閣府には国民生活局というのがございます。その中で消費者本位、生活者本位の経済構造の改革、そういったことには取り組んでおりますので、その範囲で私なりに努力はさせていただいているところでございます。
#118
○岡崎トミ子君 もっとも、生活者の視点で政治が今行われていない、消費者を代表して私たちの気持ちは一体どこに持っていったらいいのかという、いろんなあらゆる行政の中で少しずつ縦割りで消費者問題について取り上げるところはありますけれども、それを統括して、これは消費者を代弁できるんだというような大臣がいないというところ、そして、殊にただいまの経済はそういうところで行き詰まっているというふうに私は思っておりますので、是非そういう視点でこれからの政治も竹中大臣にもお願いをしておきたいというふうに思っております。
 生活者の視点、生活者が大変に困っている、経済の行き詰まりというものも、今その生活者の視点で当てて政治が行われていけば随分回復していくのではないかという視点も含めてお願いをしたいというふうに思っております。
 それでは質問を終わります。ありがとうございました。
#119
○山根隆治君 私は、主に拉致問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 小泉総理の女房役というお立場で、二十四時間とは言いませんけれども相当の時間総理と御一緒になっていらっしゃる福田官房長官にお尋ねいたしたいんですが、小泉総理はお元気なんでしょうか。
#120
○国務大臣(福田康夫君) 至って元気であります。
#121
○山根隆治君 至って元気ということでほっといたしましたが、実は昨日、拉致された御家族の皆さんが官邸で総理に思いのたけをお訴えをする、そういう機会がございましたが、予定されていた時間は十分ということで非常に短かったんですが、ドアを開けて入って出るまでに大体二十分は掛かっていたというふうに伺っているんですけれども、その間総理が話されたことは非常に短い言葉で、非常に虫の鳴くような、蚊の鳴くような、そんなふうな声だったということで、少しがっかりしたような感想というものもお持ちだというふうにも伺っているわけです。
 福田官房長官は、昨日のその総理への被害者の方々との会談の場にはいらっしゃったんでございましょうか。──いらっしゃらない。今日は、安倍副長官をちょっとお呼びをしていたんですけれども、まだお見えにならないんでしょうか。
 それでは、時間も少し多少ずれもありましたので、質問の少し形を変えてお尋ねをいたしたいと思いますけれども、官房長官もこのやり取りについては御承知だろうというふうに思っておりますけれども、総理は御家族の皆さんにどんなふうなお言葉を掛けられたのかどうか、そのことを御承知の範囲でお聞きをいたしたいと思います。
#122
○国務大臣(福田康夫君) 昨日は私は立ち会っていなかったんですけれども、家族の方々から、私は、私たちは命を懸けている、総理に拉致問題を解決する気持ちを見せていただきたいと、こういうようなことを言われて、もう本当に切々たるお気持ちをそれぞれの方々が伝えられたというように聞いております。
 総理の方は、そういう皆さんの困っているというか、その立場はよく分かると、家族だけの問題ではなくて日本国全体の問題と受け止めて北朝鮮にしっかりとした対応を求めていきたいと、こういうことを述べたというふうに承知しております。
#123
○山根隆治君 必ずしも時間がすべてを物語っているわけではないんですけれども、歴代の総理で、実は小渕総理、それから森総理に続いて三人目の総理への要請ということになったんですが、今までの総理は大体四十分から六十分ぐらい時間を掛けていただいていろんな思いを聞いていただいたんだと。それが今回は時間的なことも非常に短かったし、小泉総理も拉致の家族の皆さんには激励の手紙を出されたり、積極的な姿勢があるというふうに家族の皆さんは思っていらっしゃったんですが、なかなか力強い声というものではなかったので大丈夫なんだろうかと、こういうふうな思いをお持ちになったということで、それで最初に、冒頭に、健康というか元気なんだろうかということで伺ったんですね。
 お元気だということで安心いたしましたけれども、是非、総理自身が拉致問題が解決しなければ日朝の国交回復の交渉ということはあり得ないということをはっきりと明言をされておりますので、是非、そうした総理の考え方に沿って官房長官も是非サポートしていただきたいということを、これは要望にさせていただきたいというふうに思っております。
 それで、実は、この拉致問題のプロジェクトチームを設置されたというふうに伺っております。そのプロジェクトチームの責任者に安倍副長官がおなりだというふうなことを承知をいたしているわけでございますけれども、そうしたお立場で、総理の方から安倍副長官に対して具体的な、今後の北朝鮮との拉致問題についてのいろんな指示、そうしたものがどんなものがあるのか、あるいはまた昨日既に第一回の会合をなさっていらっしゃるというふうに伺っているんですけれども、この内容についてお示しいただける部分があれば、是非この際お聞きいたしたいと思います。
#124
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 昨日は、PTの後、総理にも内容について御報告をしたわけではございますが、そのときに総理から、この問題は、拉致をされた方の被害者の家族の皆様にとっては大変な心配でございますが、私どもといたしましては、その方々だけの問題としてとらえるのではなくて、日本国全体の問題と受け止め、北朝鮮にしっかりとした対応を求めていくべきであるというお話がございました。
 そしてまた、PTにおきましては、各省庁間での連絡の場が今までなかったわけでございますので、これから連絡、連携の強化を行っていかなければいけないという決定をいたしたわけでございます。また、八件十一人のこの事案に対して、今までの捜査自体を洗い直すいわゆる再捜査を行うということを決定したわけでございます。
#125
○山根隆治君 今までの事件をすべて洗い直すというふうなこともお述べになっていらっしゃるわけでございますけれども、これは具体的にどのような形で、つまり海外との当然かかわりがあるわけでございますから、そうした拉致されたルートを全部追っていくという方法もありますし、様々な手法があるかと思いますが、どのような方法で洗い直すということをされるのか、お尋ねいたします。
#126
○国務大臣(村井仁君) 現在、私ども、合計八件十一名この拉致疑惑があると、このような認識を持っておりますけれども、今度の有本さんの拉致容疑事案につきましては警視庁に捜査本部を設置して捜査を進める、こういうことにいたしております。
 それから、それ以外の案件でございますけれども、これは有本さんの事件も含めてでございますけれども、外務省等関係各機関、これは国際的ないろいろな情報機関との情報交換等々いろいろございますけれども、そういうことも含めまして、ありとあらゆる手段を通じまして全容解明のために最大限の努力を重ねてまいりたい、こういう決意を申し上げたいと存じます。
#127
○山根隆治君 官房長官、明日から首相が訪韓されるというふうに承知いたしているんですけれども、この拉致の問題については韓国には様々な情報があるというふうに聞いているわけでございます。この際、金大中大統領に対して、この拉致の問題についても情報収集等の面で積極的に協力を呼び掛けていただけないだろうかという思いも、家族の方皆さんお持ちだろうと思います。そして、その後に日本の方から調査団を派遣するなりして、具体的な情報の収集を図るということが非常に大きなこの問題解決の前進になるというふうに思うんですが、この点、この私の提言に対してどのようにお受け取りいただけますか。
#128
○国務大臣(福田康夫君) 誠に妥当性のある御提言だと思います。
 従来から政府は、米国とか韓国とか、それからその他の関係国、そういう国々との協議及び国際会議の場におきましても拉致問題の解決の重要性について訴えてきております。今後も国際会議、また地域のフォーラムなどにおいても、拉致問題を取り上げ、国際世論を喚起していくということでありますけれども、それとともに中国とか韓国などの諸外国に対しても、機会をとらえて本問題を取り上げ、本問題解決に向けての協力を求めていく方針でございます。特に、韓国は北朝鮮の隣国でございますので、韓国との協議、そしてまた必要なことはお願いをすることあるかもしれぬ、そういうことも含めまして密接なる関係を保っていきたいと思っております。
#129
○山根隆治君 村井大臣にお尋ねをいたしますが、このいわゆる拉致事件というもののとらえ方なんですけれども、昨年の官房長官に最初にこの問題取り上げて御質問したときには、この拉致というのは事件だというような御認識を示されたわけです。
 村井大臣自身は、この拉致の問題というのは拉致としてとらえるか、テロとしてとらえるか、あるいはまた事変としてとらえるか、様々なとらえ方があろうかと思いますけれども、表現するとするとどんなとらえ方をされますか。テロということで御認識を持っていらっしゃるかどうか、お尋ねします。
#130
○国務大臣(村井仁君) 言葉の定義なかなか難しいものがございます。テロというのは、私は一般的に恐怖、他に恐怖を与えることを通じて自己の主義主張を通すというような行為を一般的に呼ぶものではないか、こんなふうに思っておりますけれども、そういう意味では、とらえようによっては、これ一部報道されているところ、あるいは一部の方が述べられるところによれば、革命を継続していくというような主義主張を継続するための手段として行われたという認識に立てば、一種の、ある種のテロというような把握もできるかと存じますが、ただ、警察の立場からこの事象をどういうふうにとらえるかと、こう申しますと、やはり本人の意思に反してその自由を拘束し、そして家族から引き離すというようなことでありますから、一つの事件として認識をするのが一番手堅い対応なのかなという気はいたします。
 ただ、いずれにいたしましても、国が国民の生命を守るというのはこれはもう一番根幹にかかわることでございますから、さような意味で国民の皆様の御期待に沿うように精一杯の努力をするのが当然だろうと、このように思っているところであります。
#131
○山根隆治君 非常に幅広い角度からの御答弁で、いかようにも取れる御答弁でも逆にあったかなと思うんですが。
 私自身は、この拉致の問題というのは非常に国家の意思の働いたところのものだろうというふうに受け取っております。朝鮮戦争で北朝鮮に拉致された韓国の人々は八万人いるというふうに言われているわけです。その八万人の中で現在身元が確認をされている方は四十名にすぎないという状況も実はございます。非常にスケールの大きい膨大な数字、スケールというか、膨大な数字になるんですが、石原東京都知事は、被害者の家族の方々との懇談の中でも触れられていますけれども、御自分自身の警察関係の情報というふうなことで、少なくとも拉致された方もっといらっしゃる、二十名かあるいは百名かというふうな御発言もされているわけですね。
 警察の方でも様々な情報があるだろうというふうに思いますけれども、非常にもうしっかりとした証拠固めをして、これはもう間違いないんだということで八組十一人というふうな数字を挙げておられると思うんですけれども、いろいろと寄せられている情報の中では、その辺の全体像というか、数としてはどの程度の情報が寄せられている、疑問を持たれているか、情報を収集されている範囲でお尋ねをいたしておきたいと思います。
#132
○国務大臣(村井仁君) このいわゆる行方不明になったというようなことだけで拉致事案というふうに認識できるかどうかという問題もございます。要するに、本人の意思によっていずれかの地域に、具体的には北朝鮮にいるというようなケースはこれはとても拉致と呼べるわけではございませんし、いろいろその辺が不分明な場合にどうするかというような判断もございます。
 そんなようないろいろな情報がある中で、明らかに本人の意思に反して拉致されたということが言えるものが八件十一人あるというのが警察の認識でございまして、その余のことにつきましては、やはりこれはいろいろな影響もあることでもございますので、ここで申し上げるのはこれは遠慮をさせていただくのがよろしいかと存じます。
 当局が何らかのことを申しますのと、その衝にない方が仰せになる話とは若干事柄が違うんだろうと私は考えております。
#133
○山根隆治君 ぎりぎりの御答弁だったと思いますけれども、もう少し膨らみのあることになるんだろうというふうなイメージでの御答弁でございました。それはそれでよしとさせていただきたいというふうに思いますが、二月の十九日にブッシュ大統領がお見えになりまして、参議院の本会議場で演説をされました。その演説の一節に、こういうことを述べられております。
 昨年の秋に上海で私は小泉総理から特別な贈物をいただきました。それは、箱に入った日本の矢で、箱には悪を倒し平和を地球にもたらす矢と書かれていました。これは自由の存続を確保するために勝利しなければならない戦いだ、と総理は私に話してくれました。私はそのとき、総理に断言したことを今日皆様に断言します。自由は勝利すると。文明とテロは共存できないのです。テロを打ち破ることによって、我々世界の平和を守るのです。そういう一節がございました。
 私も本会議場でその演説を聞く中で、テロと戦っていこうとする強いブッシュ大統領の決意のほどというものが伝わってきたわけでございますけれども、これにはやはりしっかりとアメリカの大統領として、世界の指導者としてテロを何としても撲滅していきたいと、こういう思いがにじみ出ている。そしてそこにまた勝負の心というものも見る思いが私自身したわけでございます。
 私は、有本恵子さんの失踪というものも拉致ということで断定をした今日において、先ほどもちょっと触れましたけれども、石原都知事は五十名規模で捜査本部を設置をしたというふうにも聞いているわけでございますけれども、私は東京だけではなくて、関係するそれぞれの各県においてもそうした捜査本部というものをこの際設置すべきだろうというふうにも思うわけでございます。それが見直しをするということにつながるものだろうと思うんですけれども、この点についてどのような御見解をお持ちになりますか。
#134
○国務大臣(村井仁君) 御指摘のように、有本さんの拉致容疑事案につきましては、有本さんと同様に二人の日本人が欧州から消息を絶った事案が関連していると見られるというようなこともございまして、一連の捜査を集約して統一的に進めるために警視庁に捜査本部を設置したものと承知しております。
 一方、七件十名の拉致容疑事案についてでございますけれども、それぞれ私どもも大変重大な事案だという認識をいたし、関係都道府県警察におきまして必要な捜査体制を取り、それから鋭意捜査をこれまでも進めてまいりましたし、今後も進めてまいるつもりでございますけれども、今回の事案のように複数の事案が関連していると見られなかったことから、これまで捜査本部を設置してこなかったんだと取りあえずは理解しております。
 なお、警察の立場から申しますと、それぞれの事案の重大性にかんがみまして、外務省等関係機関とも連携しながらこの解明に努力をしているところでございますので、今、委員御指摘ございましたが、もしこれで、もしといいましょうか、これである程度また新しい状況が展開してまいりまして捜査本部を設けて捜査に当たる必要が生じました場合にはそのような対応を取るものだと考えております。捜査本部を設ければ捜査が非常に熱心に行われており、捜査本部がなければ捜査を行わないというような誤解が生ずることを私は内心恐れる次第で、あえてそのような余計なことを申し上げた次第でございます。
#135
○山根隆治君 官邸の中で一番熱心だというふうに思われる安倍副長官は、今の点についてはどのような感想をお持ちですか。
#136
○内閣官房副長官(安倍晋三君) ただいま村井大臣がお答えしたとおりでございまして、捜査本部あるいは捜査班等があるわけでございますが、捜査本部を設置をいたしておりますのはこの有本さんのケースのみでございますが、しかしだからといって、他方その以外の、それ以外のケースについての体制が不十分であるということには私はならないんだろうと思いますが、その点は警察庁が専門的な見地からそれぞれの事案に対して対応していくということになるんだろうと、こう思います。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、副大臣会議を開催をいたしまして私どもの決意を示したわけでございますから、そういう決意で進んでいきたいと、こう思っております。
#137
○山根隆治君 先日、被害者家族の連絡会等から安倍副長官に対しまして要望書を提出がされております。
 その中で、私も前回の質問の中でも触れさせていただきましたけれども、北朝鮮という国柄からした、やはり交渉のカードを幾つもこっちは持っておかなくてはなかなか問題が進展しないと、それにはやはりある程度強制力のある措置というものも必要なんだということをお訴えをしてきた経過があるんですが、その御家族の会の皆さんも、一つには北朝鮮船舶の入港の禁止あるいは在日朝鮮人への再入国許可の停止、それから第三国経由も含めた北朝鮮への送金の禁止等の要請書を出されているわけでございますけれども、これについては安倍副長官もお目になって、見ているかと思うんですけれども、これについての御見解はいかがでしょうか。
#138
○内閣官房副長官(安倍晋三君) この拉致問題の解決については、いろんな状況を総合的に勘案しながら政府において統一的に交渉を進めていきたいと思うわけでございますが、その中で拉致家族の皆様方から要請があったようなそうした制裁的なものが妥当かどうかということも常に勘案しながら行っていかなければいけないということだろうと思います。
 ただ他方、テポドン事件のときに我が国は制裁措置を取ったわけでございますが、その中でこの家族の皆様方から要請がなされていたわけでございますが、例えば港に入る船については、開港に対してはその船を止めるということは法律上できないわけでございますし、また送金につきましても、国際的な決議あるいは国際的な取決めの中で送金の禁止はできるわけでございますが、我が国の事情のみにおいては法律上は難しいということも他方あるんだろうとこう思います。
#139
○山根隆治君 私はぎりぎりのところで可能な範囲でいろいろな措置をやはり取って交渉しないと、なかなかやっぱり突破口が開かないと。今までずっと時間を掛けてやってきて、人道的な支援ということで米も相当送ってきた、しかし一向にらちが明かないということがございますので、やはりそうした方法とまた違った角度からこの問題に取り組んでいくということは極めて大事であると思いますので、是非今申し上げた家族からの要望の点については具体的に可能なところから是非手掛けていただきたいというふうに思います。
 そういう今御答弁をちょうだいをして、今日の国会でも、衆議院でもあるいは参議院の外務委員会でも今この朝鮮、北朝鮮によると思われる拉致の問題、今取り上げておられるんですけれども、しかしそうした国会での論議の中にもかかわらず余りいい話が伝わってこないことがあります。
 外務省の元アジア局長、阿南さん、槙田さんの発言として新聞報道もされていて、おとついですか自由党の森議員の方からも指摘がありましたけれども、九人か十人ぐらいのことで日朝国交回復の流れというものは止められないんだという、非常に後ろ向きというか水を引っ掛けるようなそういうふうな発言があったと。これは自民党の組織の中での御発言だというふうに承知いたしているんですけれども、そのときに安倍副長官の方では、これしっかりと調査してみたいというふうな御答弁があったように聞いているわけですけれども、この点についてその後調査の結果等が出ていればお聞かせをいただきたいと思います。
#140
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 先般の委員会で私が申し上げましたのは、私も平成五年に初当選して以来、この問題に取り組んでまいったわけでございます。というのも、私が父の外務大臣の秘書官をしておりましたときに、有本さんのお父様がたまたま私の父の友人を通じて何とかしてもらえないだろうかということで私のもとにやってまいりました。ただ、当時はまだ情報が十分に集まっていなかったということもありまして、十分な対応ができなかったということがございます。その反省の上に立って、私も長年にわたってこの問題に取り組んでまいりましたし、何回も質問してきたということでございます。
 その中で私の強いそうした思いがございましたから、当時のそのときの私の気持ちを申し上げたわけでございまして、個々のやり取りにつきましては、これは二人だけのやり取りもございますから、私が申し上げたということの形で、私が申し上げたということで新聞に出ているわけではないわけでございますので、個々の幹部の名前を挙げてのことについては私は言及を控えさせていただきたいとこう思うわけでございますが、当時の雰囲気はそうであったということを申し上げたわけでございます。
 また、委員会において、私が調査するということは申し上げておりません。川口大臣が調査をしようということでございます。ただ、これは二人でのやり取りということもございますから、それが果たして正確な中身がメモにない限りなかなかこれももしかしたら難しいのかなという認識も持っております。
#141
○山根隆治君 外務省が一番頑張らなくてはいけないのに、担当の局長こんなふうな発言をするということは本当に心外でございますけれども、また今日の産経新聞でも、これは私が申し上げるのがいいのかどうかあれですけれども、自民党の国対の皆さんが政府に北朝鮮の拉致事件に対して厳しい対応を求める国会決議を今国会で出したいというふうな話があったときに、それをやはり外務省のアジア太平洋局の方の幹部の方々がそれを止める動きに走ったというふうな新聞報道があるんですね。
 この件については自民党さんの方のことですから、私がこれ以上追い掛けることはしませんけれども、こういう非常にもう外務省がどこの国の外務省だか分からないような、時にはアメリカの外務省だったり、時には中国の外務省だったり、時には北朝鮮の外務省じゃないかというふうに思われるほど、日本の国益というものを最近の外務省というのは非常に忘れていると、こういう思いがしてならないわけでございますけれども、こういった姿勢について、是非これからも安倍副長官、是非厳しく御自分の立場から頑張っていただきたいというふうに思います。
 さて、この拉致問題と重ね合わせるように、国民の皆さんの関心というか、引かれたのが例の不審船の問題でございます。
 この不審船につきましては、国土交通省の方の担当かと思いますけれども、いつ引き揚げるつもりなのかどうか。そしてまた、時間もないので少しダブらせて聞きますけれども、中国の反応は今どうなっているのか、お尋ねをいたします。
#142
○政府参考人(須之内康幸君) お答え申し上げます。
 海上保安庁におきましては、去る二月二十五日から三月一日までの五日間にわたりまして、犯罪捜査の一環として、測量船に搭載をしておりますサイドスキャンソナーを用いた調査により、不審船の沈没位置付近にエコーを認めました。続いて、巡視船に搭載しております自航式水中カメラを用いた調査によりまして、不審船の外観、船名等を確認したところでございます。
 今後、これらの調査結果を踏まえまして、引き続き有人潜水による船体調査を実施することになると考えております。その上で、手順といたしましては、引揚げが可能か否かについて判断することとなろうと思います。当庁といたしましては、引揚げが必要であると考えておりますが、現場付近の天候状況を踏まえながら引揚げを行うために行動するという姿勢で取り組むことといたしております。
 なお、現場は我が国が事実上中国の排他的経済水域として扱っている海域であることもございますので、引揚げ等につきましては中国と調整をしながら適切に対処をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#143
○山根隆治君 ちょっと時間もないので、これも官房長官にお尋ねをした方がいいかと思いますが、確かに排他的経済水域に入っているところでございますけれども、ですから中国との関係というのが当然生まれてくるんですが、ただ、二〇〇〇年の六月に発効した日中漁業協定によって、漁業資源に限って日中の共同管理とした暫定措置水域であるということもあるわけですね。したがいまして、これは両国がどこでも操業できて、相手国の漁船を取り締まることができない水域ということもまた一つの事実としてあるわけです。
 したがいまして、日本の国益ということに直接大きくかかわっている問題でございますから、この引揚げについては中国政府にしっかりと交渉して理解を取り付けた上で、引揚げについては、今技術的な話がございましたけれども、政治的にもしっかりと交渉していただいて、何としてでもこれは引き揚げるという決意の表明を最後に官房長官にお尋ねをいたしたいと思います。
#144
○国務大臣(福田康夫君) 経緯につきましては今海上保安庁の方からお答えをしたとおりでございまして、今、天候が捜査に適しないということがございます。それがいつになるかというと、普通であれば五月の中旬ぐらいから波が穏やかになるというようなことで、そうなりますとダイバーが入るとか、そしてダイバーが入るということは、引き揚げられるかどうかというそういう技術的な点検ということもございますでしょうし、また引揚げをする必要があるかどうか、また引揚げの安全性の問題ですね、油漏れとか、そういったようなことがないのかどうかとかいったような点検をして、その上で引揚げを決定する、こういう手順になるわけですね。
 ですから、そういう手順を踏んで、そして捜査上必要だということであれば当然引き揚げるというのは、これはもう最初から決まっていることでありまして、その手順を踏んだ上での最終的判断はこれからするんだと、こういうことであります。
#145
○吉川春子君 まず、機密費の問題から先にお伺いいたします。
 三月十二日に機密費の流用事件で詐欺に問われておりました元外務省要人外国訪問支援室長の松尾被告に対して、東京地裁は詐欺などで懲役七年六か月の判決を言い渡しました。しかし、この事件でも、松尾元室長個人の罪は一定明らかになったわけですけれども、事件の温床となった内閣官房機密費がどのように使われてきたのか、いわゆる外務省から官邸に上納があったのかどうか、こういう点の疑惑はまだ明らかにならないままです。
 官房長官にまず伺いますが、松尾被告が流用したのは、官房機密費のうち官房長官自身に交付された機密費、報償費であったということでしょうか。確認します。
#146
○国務大臣(福田康夫君) 従来、総理の外国訪問の際の宿泊費差額、これは内閣官房報償費から支払われてまいりました。その際、松尾元室長がその在任中、総理外国訪問の際の宿泊費差額について水増しして請求を行い、内閣官房報償費の詐取を行っていたものでございます。この経費は内閣官房長官自らが管理するものから支払われておりました。
 しかし、平成十二年八月以降については、旅費法の運用方針の改正に伴い、宿泊費については実費支給ということになりまして、また、平成十三年度からは総理外国訪問に伴う宿泊費についてはすべて庁費による施設借上費として処置したということでございまして、内閣官房報償費からの支出は行っておりません。
 要するに、平成十二年八月以降、松尾元室長が詐取をしたそのやり方というのは成立しなくなったと、こういうことであります。
#147
○吉川春子君 その後、一定程度改善されたということは伺っております。
 松尾元室長が流用したお金は、内閣官房長官に交付された報償費の使い道がほとんど分からない部分が多い仕組みになっている、そこから流用事件が起こったということです。
 それで、会計検査院、お見えでしょうか。
 昨年一月から七月に掛けて、一九九六年、二〇〇〇年度分の内閣官房機密費について検査を行いました。これまでは官房長官自身に交付されていた機密費、報償費について、官房長官自らが管理して帳簿や支払を証明する書類を整備するなどの事務補助が行われていなかったために、官房長官における管理状況が十分に把握できない状況にあったということが指摘されて是正措置を求めています。会計検査院としては、現状をどのように改めることを求めているんでしょうか。御報告ください。
#148
○会計検査院長(金子晃君) 会計検査院として、三点について是正の措置を講ずるように要求をいたしました。
 まず第一点は、内閣官房及び外務省において総理外国訪問における各々の事務分担を明確に定め、その事務の分担に応じ、自らの責任において予算を執行すること。第二に、内閣官房において内閣官房報償費の出納、保管に係る事務の内容及びその実施手続を定めるとともに、管理状況が十分把握できるようその執行体制を整備すること。第三に、内閣官房において内閣官房報償費の出納、保管について定期的に内部監査を行うなど、報償費が適正に使用されているかどうかの確認を行うことができる体制を構築することを措置要求として求めました。
#149
○吉川春子君 官房長官、今も確認していただいたんですけれども、松尾被告が東京地裁で、内閣官房では機密費の支出について十分な決裁や審査が行われておらず、運用が適切だと言い難いと指摘されていますけれども、この事件で問題とされている機密費は官房長官自身に渡された機密費でした。
 会計検査院は、今報告がありましたように、官房長官における管理状況が十分把握できない状況になっていると指摘しておりまして、内閣官房長官自身に交付される機密費の出納が客観的に明確になるように改めるべきだと、こういうことなんですけれども、この指摘について、新年度から実施するということでしょうか。まず、こういうことを改めるのか、そしてそれは新年度の予算執行からきちっとそうなるようにされるのか、その点をお伺いします。
#150
○国務大臣(福田康夫君) 会計検査院報告におきます指摘を受けまして、内閣官房報償費につきましては、使途などが公開できないという性格がございますので、おのずと限界がございます。ですけれども、その性格を損なわない範囲内で事務補助の範囲の明確化、内部監査体制の整備など、その説明責任を十分果たしていけるよう、新年度から所要の処置を講じることといたしておりまして、最終的な詰めを行っているところでございます。
 いずれにしましても、内閣官房報償費の執行に当たっては、一層厳正かつ効率的な執行の徹底を図る考えでございます。
#151
○吉川春子君 そうしますと、会計検査院の指摘について、新年度から実施するというふうに受け止めてよろしいですか。確認します。
#152
○国務大臣(福田康夫君) 新年度と申しましたけれども、既に十三年度から必要な処置は講じてまいりました。そして、新年度からさらに会計検査院との間で協議をして、その厳正化、またできる限りの、その何というんですか、内部規律が保たれるような方法を講じていきたいと考えております。
#153
○吉川春子君 実は、大正十四年、話は八十年近く前なんですけれども、陸軍機密費問題が発生しましたときに、機密費の真相を暴くために尾崎行雄議員が、当時、怒号が飛び交う国会の中で演説しているという資料を私読みまして、八十年近く前のことだけれども、機密費の問題は今日にも大変共通点があるなというふうに思ったわけなんです。
 これは、二千万円の機密費がシベリア無人の地に使われたという事実があるということも尾崎議員から指摘されているわけですけれども、このように言っておられます。我が国の機密費は、真に機密費として使われておらぬのですと。この機密費の使い方も改めなければなりませぬ、実は大抵の省は機密費を与えておいても機密費に使うことはできませぬ、ごく悪い者は議員買収に使い軽き者は宴会費その他に使ってしまうのが大部分であると。かくのごときものを与えるのは帝国議会の誤りだと。ついでに、陸海軍には多少の機密費は与える必要があるがというようなこともおっしゃっておられるのですが。
 ついでに伺いたいんですが、会計検査院でも官房長官でも結構ですが、現在、自衛隊や防衛庁に機密費はありますか。
#154
○会計検査院長(金子晃君) ございます。
#155
○吉川春子君 語尾が分からなかったんです。あるんですか、ないんですか。
#156
○会計検査院長(金子晃君) あります。
#157
○吉川春子君 これはちょっと意外なお答えで、ありませんという答弁を予想していたんですけれども。
 自衛隊の存在というのは、私たちは憲法違反だと思うんですけれども、いろんな政府は別の解釈を持っていますが、少なくとも軍隊ではないし、戦力なき軍隊というふうには今はもう言えないと思いますけれども、そういう防衛庁や自衛隊にどの程度の機密費があるんですか。じゃ、ちょっと明らかにしてください。
#158
○会計検査院長(金子晃君) 防衛庁、防衛本庁の方に報償費、これは防衛庁内部、隊員にかかわるものですね。犯罪捜査のためのいわゆる機密費ですね。それから、情報及び資料収集という目的で報償費が認められております。
#159
○吉川春子君 金額をお示しください。それから、ついでに、本庁と自衛隊自身にも機密費はあるんですか。
#160
○会計検査院長(金子晃君) 金額については、今突然のお尋ねなものですから、後で調べてお答え申し上げます。
 今私が申し上げましたのは、防衛本庁の報償費であります。
#161
○吉川春子君 済みません。自衛隊自身にはないんですね。
#162
○会計検査院長(金子晃君) ちょっと、正確にお答えした方がいいと思いますので、海上自衛隊、陸上自衛隊、それから航空自衛隊、私、それぞれに、いわゆる報償費という名目ではないと思いますが、機密費と呼ばれるものがあると記憶しておりますので、防衛庁関係について調べまして、どういう報償費、機密費が認められているかということについて、後ほどお答えしたいと思います。
#163
○吉川春子君 まさか自衛隊や防衛庁が、機密費あると思っていませんでしたので通告もしていなかったんですけれども、それはもう本当にびっくりです。それで、それでは引き続きこの問題については質問しますので、性格と何に使うかということと金額を、それからどういうふうに今まで使われてきたかということを詳細に報告をしてください。いいですか。
#164
○会計検査院長(金子晃君) 調べましてお答えいたします。
#165
○吉川春子君 それでは、これ以上この質問はあれなんですけれども、官房長官、いずれにいたしましても、先ほど決意をお述べになりましたけれども、国民にまだ明らかにされない部分がかなり残っているわけなんですね。だから、改善していただくことは改善していただくというふうにいたしますと同時に、やはりそういうものを、国民の税金が多額にだまし取られているというような問題、そしていろいろ官房長官経験者を始め、マスコミをにぎわしましたけれども、たくさんの証言もあるわけです、国会議員へのせんべつとかあるいは国会対策費に使ったとか。
 こういう、どういうふうに使われてきたかということについて、私は国民に説明する義務があると思うんです。そのことについてもきちっと説明して、今後説明していただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
#166
○国務大臣(福田康夫君) この報償費の性格から考えましてその使途を明確にしないと、こういうことになっておりますので、使途に関する御質問についてはお答えすることはできない、そういう性格の費用であるとお考えいただきたいと思います。
#167
○吉川春子君 私は、今の答弁には納得できません。今後とも、私たちは、この問題について明確にするように調査をして迫っていきたいというふうに思います。
 委嘱審査ということなので、もう一つ別な質問に移りたいと思います。
 これも官房長官にお伺いいたしますが、男女共同参画基本計画と雇用の平等という問題でございます。
 雪印食品では、偽装牛肉事件を起こして企業の閉鎖に追い込まれました。二月四日、真っ先に埼玉春日部にある工場などのパート、アルバイト、一千人に対して口頭で解雇を告げました。正規社員にも、二十二日口頭で、二十八日には文書で解雇が言い渡されました。大企業のリストラ、人員削減の中で、失業率が戦後最悪、失業者数が戦後最悪となっておりますので、これらの人々についてもどうなるのかと心が痛む問題です。
 失業者や不安定雇用労働者の増大は、景気の動向にもマイナスの影響を及ぼしています。雇用の安定こそ景気回復のかなめでもあります。そういう場合に、真っ先に首を切られるのはパート労働者なんですね。パート労働者の七割以上は女性なんです。だから、パート問題は女性問題です。
 それで、男女共同参画推進のためにも、このパート問題というのをどういうふうに解決していくかというのは、非常に焦眉の課題であると思います。
 そこで、まず、これは局長に伺った方がいいかもしれませんが、男女共同参画社会基本法が制定されまして、それに基づく基本計画が作られました。雇用の場における男女平等の実現、パート労働者も含むわけですけれども、こういう問題について政府としてはどのような方針を持っておられるでしょうか、基本計画でどのように述べているでしょうか。
#168
○政府参考人(坂東眞理子君) お答えいたします。
 男女共同参画基本計画におきましては、十一の重点目標の一つといたしまして、「雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保」を掲げております。また、二〇〇五年度末までに実施する具体的施策といたしましては、男女雇用機会均等法の履行確保、企業における女性の能力発揮のための積極的取組の推進、パートタイム労働対策の総合推進など、様々な施策を記述しております。
 今後とも、政府といたしましては、この基本計画に基づきまして、男女の均等な機会と待遇の確保につきまして、所要の施策を総合的かつ計画的に関係省庁とも協力をしながら推進していきたいと思っております。
#169
○吉川春子君 男女共同参画基本法を作りまして、そこで基本計画を作ったと、その内容について私は一定の評価をすることは惜しむものではありません。
 ただ、官房長官、問題は、ここに書いてあるようなことを具体化していかなくてはならないわけですね。絵にかいたもちであってはならないわけで、それを具体的にこういう雇用の場での男女の平等というものをどういうふうに実現していくのか、そのプロセスといいますか、具体的な方法について、官房長官としてはどのようにお考えでしょうか。
#170
○国務大臣(福田康夫君) おっしゃるとおり、このパートの雇用の条件というのはよくないんですね。これを改善しなきゃいかぬということはもうかねがね言われて、御党も強く主張してこられたところだと思っております。
 これは、現実としてそういうことはありますけれども、今、こういう雇用条件と申しますか、今までの雇用形態というものが変化してきているということもございます。そういう変化は、ある意味における構造改革の流れの中にあるのかもしれませんけれども、いずれにしても、そういう時期にございます。そういうときに、いろいろな問題を提起して、そして考えていくということは大変大事だし、またいい機会だろうというふうに思っております。
 お尋ねの件につきましては、政府の方では、今、局長から答弁しましたように、男女共同参画基本計画の中のお話ございましたけれども、その計画に基づいて必要なことはやっていかなければいけないと思います。
 それから、去る二月五日に、厚生労働省のパートタイム労働研究会において、パート労働の課題と対応の方向性について中間取りまとめを行ったところでございます。引き続いて、パート問題については様々な角度から検討することが重要であると考えておりますが、内閣府といたしましても、男女共同参画会議の監視等の機能がございますので、その機能を十分に活用してフォローしてまいりたいと思っております。
#171
○吉川春子君 雇用形態の変化が物すごい勢いであるわけですよね。そして、同時に、小泉総理のおっしゃる痛みを伴う構造改革の中で失業者が増え、パートの賃金が下がり、あるいは解雇されて、痛みというか激痛を味わっていると。だから、これはやはり雇用形態の変化が非常に人為的に構造改革などの中でもたらされているということも私は指摘しておきたいと思うのですが、今、官房長官がおっしゃいましたパートタイム労働研究会の中間報告について、それではちょっと厚生労働省にお伺いしたいと思います。
 二月四日にこの報告が出されたわけですけれども、この時期にこの答申が出されたということの背景は何なんでしょうか。いわゆるパート法と呼ばれる短時間雇用管理に関する法律は、パート労働者の権利保護を決める法律ではないわけなんですね。これが制定された当時、三年程度で改正して実効あるものにすべきだと、こういう指摘もされておりましたけれども、その時期ははるかに過ぎた。今の時期にこの研究会報告が、中間報告が出された、その意味はどういうところにあるんですか。
#172
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。
 先生おっしゃいましたとおり、パートタイム労働研究会におきましては、去る二月五日に中間報告を取りまとめたところでございます。
 背景でございますけれども、これは先生御承知のとおり、パートタイム労働者と正社員との賃金格差が拡大傾向にあるということがございます。こういう実態を踏まえまして、日本の実情に合った均衡処遇のルールというものを確立していく必要があるだろうということで、こういう検討会を現在開催しているところでございます。
#173
○吉川春子君 そのパート労働者と正規労働者の賃金格差が拡大しているということですが、それでは具体的な数値をお示しいただきたいと思います。
#174
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。
 数値で申し上げますと、一般労働者とパートタイム労働者では、勤続年数でありますとか職種でありますとか、そういうものが違いがありますので単純には比較できないわけでありますが、一時間当たりの賃金格差ということで申し上げますと、一般労働者を百とした場合、直近の数字、平成十二年でございますけれども、女性は六十六・九、男性は五十一・二となっておりまして、ばらつきはございますが、この格差は徐々に拡大する傾向にございます。
#175
○吉川春子君 私、去年出していただいたかもしれませんが、男性の正規職員を百とした場合、女性のパート労働者の賃金はどうなりますか。今年の数字、分かりますか。
#176
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。
 大変申し訳ございませんが、私、手元に、平成十二年の数字でございますが、生の賃金の額で申し上げまして、男性の一般労働者が平成十二年一時間当たり二千五円であるのに対しまして、女性のパートタイム労働者、これは平成十二年でございますが、八百八十九円と、こういう数字になっております。
#177
○吉川春子君 大体百対三十五、六というふうにちょっとこの数字見て思うんですけれども、非常に大きな格差があるということは間違いありません。こういう賃金の格差があるということと、そしてもう一つやっぱり指摘しなくてはならないのは、賃金の格差だけではないんですよね、パートと正規の社員。
 それで、先ほどの雪印労働者なんですけれども、雪印一般労働組合が社員、臨時社員の雇用確保を求める要求書に対して、雪印食品はこういうふうに答えているんですね。パート労働者に対しては慰労金を支給する考えはない、パートへの解雇予告手当及び雇用契約期間までの平均賃金を支払う考えはない。このように回答してきているんですけれども、こういう労働条件の、賃金以外の労働条件も物すごい格差がある、こういうことも今度の中間報告の中では視野に入れて、これを是正していかなきゃならないというふうにお考えになっていることは当然ですよね。
#178
○政府参考人(水田邦雄君) 先生御指摘になりましたとおり、処遇の問題、これは全般は視野に入っております。
 それからもう一つ申し上げますと、働き方の違い、正社員につきますと、例えば残業を大変しているとかあるいは配置転換にこたえなきゃいけないとか、そういったことを含めまして、処遇、働き方、両方を視野に置いて検討をしているところでございます。
#179
○吉川春子君 働き方の違いがあれば処遇の差があってもいいという意味なんだろうと思うんですけれども、そういう理由でもってすごいパートと正社員の格差が付いてきているんですが、働き方の違いでもって差別をして、区別をしてもいいということは非常に危険が伴うと思うんですが、それについての規制というか、それはどういうふうにお考えですか。要するに、どういう働き方の違いがあればパートと正規の社員と待遇の差があってもいいと、このようにこの中間報告では言っていますか。
#180
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。
 中間報告におきましては、そういった違いを踏まえた合理的な説明できる違いというものも存在は肯定しているところでございますけれども、その具体的内容につきましては今後更に詰めていかれるものと承知をしております。
#181
○吉川春子君 合理的な違いという、その合理的という意味を今伺ったんですけれども、もう少し具体的に言っていただけませんか。
#182
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げますが、何が合理的かということでございますけれども、それにつきましては、職種や業種によってその働き方も多様であるということでございますので、一律にルールを示すということは困難であろうと思います。
 そういうわけで、様々な形で労使で決定していかれるのが適当であると考えられると、こういうような考え方をパートタイム労働研究会の中間報告においてはお示しをしているところでございます。
#183
○吉川春子君 職種でもっていろいろ違いがある、合理的な差は結構です、その判断は労使でしてくださいと。実はこの中間報告の中で、労使、労使という言葉が大分出てくるんですが、ルールを作るというのは客観的なルールを作るということであって、労使で決めるということはこれはルールじゃないわけですよね。その点が私はこの中間報告について非常に危惧を持つものですが、労使というのは、労働者と資本家、経営者、使用者が対等に話合いができるというそういう前提がなければ労使の話合いでというふうに言っても非常にむなしいと思うんです。
 それでは伺いますけれども、パート労働者の組織率、労働組合員に組織されている人の率というのはどれぐらいになるんでしょうか。
#184
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。
 二・七%と承知しております。
#185
○吉川春子君 たった二・七の人しか労働組合に組織されていないと。あとの九七%以上の人は労働組合に組織されていない、こういう人たちが裸で使用者と一対一で話し合うという、それはもう客観的に労使の公平な話合いでルールが形成できるというふうにはならないのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
#186
○政府参考人(水田邦雄君) 中間報告におきまして労使という言葉を、表現を使っておるわけでありますけれども、その場合の労働側と言うときには労働組合のみを想定しているものではございませんと承知をしております。職場の労働者の過半数を代表する社員でありましたり、あるいはパートタイム労働者を代表するものでありましたり、個々の企業の実情に応じて様々な形態を想定しているというふうに理解をしております。
 ただ、現段階ではまだ中間報告でございまして、個々の内容については更に議論を深めていただきたいというふうに考えております。
#187
○吉川春子君 いつもそういうふうにおっしゃるんですけれども、労働組合だけが職場の団体じゃない、それはそのとおりなんですけれども、一番強い形態で一番労使と対等に話ができるのが労働組合で、あとはもう親睦団体とか、いろいろあったとしてもそれはほとんど働く人たちの権利を守るようなそういう役割を果たし得ないということは明らかじゃないですか。
 そういう職場の現実を見たときに、これから中間報告でいろいろやりますとおっしゃっても、基本的には労使でその働き方の違いとかそういうものを話し合ってくださいよということで労使にかぶせることは客観的なルールを作るということにはならないと思うんです。
 それで、私は是非、今後本格的な答申が六月に出ると聞いておりますので要求したいんですけれども、そういう労使にゆだねるということではなくて、やっぱり労働組合があってもなくても守られるような、働く人が守られるような、そういうルールを作ることがこの研究会報告の、そういうルールを作る案を出すことが研究会報告の役割ではないかと思うんですけれども、労働省、そうは思いません。
#188
○政府参考人(水田邦雄君) パートタイム労働研究会におきましては、この均衡処遇のルールについて二つの考え方を示しているところでございます。
 一つは、フルタイムかパートタイムかの違いだけで、あとは職務も責任も配転等の拘束性も同じであれば処遇の決定方式を合わせるべきであるとのルールでございます。これにつきましてはある程度客観的に判断できるルールであると考えております。
 もう一つは、先ほど申し上げましたように、処遇の決定方式を合わせられない合理的な理由がある場合にどうするかということでございますが、これにつきましては先ほど申し上げましたとおり、職種や業種によって多様でありますので、一律にルールを示すということではなくて、そのルールの決め方につきまして労使で決定していくのが適当であるという判断を示したところでございます。
 いずれにしましても、具体的内容につきましては今後御審議をいただきたいと考えております。
#189
○吉川春子君 今後審議するということは前提で聞いていますので、そこはもう繰り返さなくても、私もそれはのみ込んだ上で質問していますが、働き方が同じだという場合であればフルタイムとパートタイムとの格差を設けないんだとおっしゃいましたが、働き方が同じかどうかというのはだれが判断するんですか。パート労働者において判断できるんですか。
#190
○政府参考人(水田邦雄君) お言葉でございますが、その点も含めまして現在御審議をいただいているところでございます。
#191
○吉川春子君 どういう働き方をしているかという判断はこれは使用者などがするということも文章の中にありましたよね、そこを聞いているんですよ。どうなんですか。
#192
○政府参考人(水田邦雄君) 具体的な詳細についてはまだ決まっておりません。
#193
○吉川春子君 どういう働き方をしていて同じなのか違うのかという判断を使用者がするんじゃ、これはもう何にもならないわけでしょう。やっぱりそれは客観的にこういう場合は同じです、こういう場合は違うんですというルール作るんならとにかく、全部労使あるいは使用者がということになれば、これはもう働いている人たち、特にパートでいつ首切られるか分からない、雪印労働者の例も申しましたけれども、そういう中で働いている人が自分の権利を守るということはできませんので、そういうことを念頭に置いて、やはり使用者が決めるような形ではなくて、客観的な判断をするようなルール作りであってほしいということを要求します。
 それで、均等処遇のルールの確立というふうに今おっしゃいましたけれども、その均等処遇の上に日本型が付くんですよね、日本型。日本型の均等処遇というのは何なんですか。
#194
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。
 これも先生、重々御承知かと思いますけれども、我が国におきましては、西欧諸国に比較しまして職務概念が明確ではないということ、それからまた年功的な賃金制度など独自の雇用慣行がありますので、そういうことなどを踏まえまして、単なる職務だけではなく経験や能力、それから成果等にも配慮し、日本の実情に合った均衡処遇のルールの確立による雇用システムの見直しは必要であるということでございます。
 職務概念が明確でないこと、年功的な賃金制度など独自の雇用慣行があること、そういうことを指しております。そういうことを踏まえたものであることを指して日本型と言っているものと承知をしております。
#195
○吉川春子君 その中間報告をまとめるに当たって諸外国の雇用ルールについても研究されたというふうに書いてありますけれども、EU指令とかフランスとかオランダとか、こういうところで定めている雇用ルールというのは日本には当てはまりませんよということを今おっしゃったんですか。
#196
○政府参考人(水田邦雄君) EU等におきましては、職務概念がはっきりしているということがございます。そういう点では、もちろんEU諸国の動き等も踏まえた上で、それと日本とは違うということを申し上げているところでございます。
#197
○吉川春子君 そのEU指令あるいはフランス、オランダなどは、非常に、同じパート労働者であっても均等待遇というか、時間だけがパートだと、パートかフルかということで区別しているんであって、身分的な違い、同じ時間働いた賃金の、日本みたいに一対三・五のような、そういう違いというのはないルールが確立しているわけですよね。
 だから、そういうものを本来だったらば日本に取り入れて、そして均衡処遇と。私は、均衡という言葉じゃなくてイコール、バランスではなくてイコール、平等というふうに考えているんですけれども、そういうものを入れるべきであって、もう最初からEUとは違いますよ、日本型の均衡ですよと。グローバルスタンダードが横行するときに雇用だけは日本型の均衡だと言うのは、企業が言うんだったら分かるんですけれども、厚生労働省や、やっぱり専門家会議がこういう形で出してくるというのは非常におかしいと思うんです。企業が言うなら分かるというのは、企業が言っていいという意味ではなくて、企業は利潤追求ということでいえばそういう発想も出てくるだろうと。
 それを抑えるのがやっぱり客観的なルールを作るという今度の、今の研究会の目的なので、そういうことについて、この日本型均衡処遇というのについて、私はこれはちょっと撤回してもう一度研究し直してほしいと思うのですが、ILOのパート労働条約ありますね、これについてはどういう議論がされてきたんでしょうか。
#198
○政府参考人(水田邦雄君) ILO百七十五号条約のことかと思いますけれども、ちょっと御質問の通告、事前になかったので、正確に覚えておりませんけれども、あの場合、パートとフルタイムの職員の賃金をまず同じ会社の中で比較をする、そこで比較対象が同じ会社でなければ別の会社と比較すると、こういう手順を踏むルールだというふうに承知をしておりますけれども、これも、申すまでもありませんけれども、我が国の場合、正社員同士でありましても同種の事業でありましても、賃金の立て方は必ずしも同じでないという現状がございます。しかも、同じ職務をしておりましても、我が国の場合、年功賃金ということでございまして必ずしもそこの、正社員においても処遇を比べることが難しいという現状がございます。
 こういう現状を踏まえますと、やはり一挙にと申しますか、EU型を採るのはなかなか難しいという状況を踏まえまして、日本型の処遇均衡ルールをまず作るべきだと、こういう、何と申しますか、ロジックになったものだと承知をしております。
#199
○吉川春子君 官房長官、今までのちょっと議論をお聞きいただいたと思うんですけれども、パート労働者と正規の労働者の間には賃金だけではなくて物すごい差がある、これを何とかしなくてはならないということで今研究会中間報告がなされているんですけれども、日本の労働者の年功賃金、年功賃金といいますけれども、そんなのもう今がらがら崩れているじゃないですか、一言言っておきますけれども。
 それで、例えばヨーロッパ諸国あるいはEU指令あるいはILO条約の中では、かなりの部分、パート労働者についての処遇を正規の労働者とイコールにせよと、こういう形で賃金にしてもその他の労働条件にしても仕組んできているわけですね。
 ところが、日本は、それはもう全く関係のないところで、だから日本型均衡処遇なんという言葉が出てくるんですけれども、こんなに経済がグローバル化して、そしていろいろな、人権の保護とか働く人たちの権利の保護というのも国際的にいろいろ水準が上がってきている。でも、日本の労働者はそのらち外に置かれているという実情があるんですよ。
 それで、これは労働問題ではあるんですけれども、やっぱり世界がもう、資本主義国ですよ、EU諸国も、みんな資本主義国なんですけれども、そういうところで到達している基準に、今ちょっと経済がかなりおかしいけれども、曲がりなりにも世界の最大の経済大国である日本の労働者が物すごい差別された状態の中にいる、無権利の状態の中にいると。これは国際的に言っても大変恥ずかしいことなので、是非視野を国際的に持っていただいて、そして同じ資本主義国が到達しているレベルには日本の労働者のレベルも到達すべきではないかと思うんですけれども、その点について官房長官の御意見を、男女共同参画担当大臣としての御意見を伺いたいと思います。
#200
○国務大臣(福田康夫君) 日本は、特に民間企業は永年勤続ということでもって、日本の企業社会というものはそれが当然のことというふうにみなされてきたわけですね、今まで。そして、そのことが日本の経済の成功の原動力だったというように言われてきたんですよ、実は。その日本の永年勤続がいいんだということでアメリカまでしばらく前に日本の労働形態を見習おうと、こういう動きもあったぐらいなんです。ですから、それはそれでいいところはあるんだろうと思いますね、永年勤続というのは。
 そういうことをベースにしたパートタイムということになりますと、パートタイムというのはやっぱり附属的な立場に置かれるということになると思います。しかし、先ほど来お話ありましたとおり、雇用形態も産業社会の変化につれて変わってきているということもありますし、今ここでもって改めていろんな形を考えてみる、そしてそういう中においてパートタイムはどういう位置付けになるかということも十分考えていかなきゃいけないと思います。
 そして、女性も男性も、これはパートタイムというのは女性が多いというそういう観点からいえば、女性も男性もその個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会を実現するというそういう観点から、正社員とパートの均衡を考慮した適正な労働条件の確保や雇用管理の改善を図るということはこれはもう大変重要な課題でございますので、男女共同参画会議において十分な議論をしてまいりたいと思っております。
#201
○吉川春子君 是非、国際的な視野を持って、国際的な水準がどこまで到達しているかということも視野に入れて、内閣府においても男女共同参画の立場から考えていただきたいと思います。
 そして、私は、厚生労働省にも最後に一言申し上げたいんですけれども、これはガイドラインを作るようになっているんですけれども、ガイドラインでは駄目なんですね。行政指針では駄目なんです。行政指導の指針では駄目なんで、やはり法律の制定ということがどうしても必要です。
 雇用機会均等法が一定程度の効果を発するとすれば、それは法律で義務規定にしたからなんです。だから、パート労働者の権利を守るためにも、ガイドラインではなくて是非法律の制定、法律で差別を禁止するというところへ持っていってほしいと。これは答弁が分かっていますので答弁は要りませんが、私はそういうことを強く要求、要望いたしまして、時間ですので質問を終わりたいと思います。
#202
○島袋宗康君 最近の新聞報道によりますと、よく警察官が関係する不祥事の記事が目に付いております。往時の日本の警察官は、法と正義の具現者として国民の信頼と尊敬の対象であったと思うわけであります。近年、その評価は余り芳しいものではないように思います。それは一体なぜなのか。最初からレベルの低い人を採用しているのか、あるいは教育制度に問題があるのか、勤務条件や待遇に問題があるのか、不祥事多発の原因がどこにあるとお考えになりますか。国家公安委員長として御所見を承りたいと思います。
#203
○国務大臣(村井仁君) 今の状態を不祥事が多いと認識するかどうかという辺り、いろいろ御見解があるとは存じますけれども、私はやはり是非御認識いただきたいと存じますのは、近年、新たに発生した事案も確かにありますけれども、昨年四月から警察における監察体制を非常に厳密なものにいたしました。これによりまして、平成十二年以前に発生したいろいろな事案でございますが、これが表ざたになってきたということが一つ申し上げることができるんじゃないかと思っております。
 不祥事案の姿というのはこれはいろいろでございまして、原因につきましてもこれ一概になかなか言いにくい面がございます。全体二十六万人という規模でもございますし、その中にはいろいろな事例がありまして、警察職員個人の問題、あるいは倫理意識、あるいは上司の指揮監督能力でございますとか業務管理能力の欠如というようなものが原因というようなものもあろうかと存じます。
 ただ、幾つか申し上げたいことがございますが、一つは、私は警察が不祥事案につきまして、今までですとともすれば中でかばい立てをしまして表に出さないようにしたというようなことがありますけれども、これはもう何といいましてもよろしくない、どういう事案であれこれをきちんと表に出して、そして国のレベルでございましたら国家公安委員会、地方でございましたら各都道府県の公安委員会にきちんとお示しして、そしてその判断を仰ぐというような体制を取った。それによりましてオープンになってきた。これはひとつ是非御認識をいただきたい。そして、それを仲間内のことだからといって処理することなく、きちんとどういうふうになったということも表へ出すようにしている。そのことを是非まず御認識いただきたいと存じます。
 その上で、警察官の採用に当たりましては、確かに適性、適切な、何といいましょうか、適性のある人物を採用するということは非常に大事なことでございますので、採用試験につきましてもいろいろ工夫を凝らしておる。それから、活力のある組織を維持するためにいろいろ工夫もさせていただいている。また、大変厳しい勤務でございます。二十四時間、そしてまた二十四時間昼夜を分かたず、また暑い日寒い日を問わず、非常に緊張した、命を懸けた勤務を強制される職務でございますから、そういうことにふさわしい処遇というものも考えていかなきゃいけない。そしてまた、国民の皆様から大変な期待をされている。また、品位を正すという立場にあるということもよく承知をして、倫理規範と申しましょうか、そういうものを重んじて行動をしてもらわなきゃいかぬというようなことで、今後とも、私どもの言葉で教養という言い方をしておりますが、教育訓練につきましてもしっかり今後とも工夫をして対応してまいらなければいけないと思っております。
 私は、いずれにいたしましても、警察を管理する立場の国家公安委員長という立場でこの不祥事につきましては、これはなかなかそれはもう簡単に絶滅とはいきませんが、ともかくこういう御質問をちょうだいすることが少なくなるように、ともかく精一杯の努力をしてまいる決意でございます。
#204
○島袋宗康君 この不祥事について、今後どういうふうな根絶を図っていくのかというふうなことについて、説明もありましたけれども、再度、本当に根絶をしていくような体制というものが公安委員会としてこれからどういうふうな施策で展開していくのか、その辺についてもう少し。
#205
○国務大臣(村井仁君) 私は、やっぱり今冒頭に申し上げましたことでございますけれども、不祥事案が起こりました場合にこれを内輪で隠し合うと、かばい立てをするということなく、きちんと表へ出していくと、これ非常に大事なことではないかと、このように思っております。そして、そういうことをすることによりまして、国民の皆様から警察はもう本当にきちんと自分の身内をかばい立てするようなことはなく対応しているんだという御信頼をちょうだいする、それを通じまして国民の皆様から、できれば警察の職務につきまして御理解をちょうだいし、そしてまたお巡りさんを尊敬していただける、そういうような状態に何とか持っていかなければならない。そのためにいろんな工夫をしてまいりたいと存じます。
 さっき申し上げた中にも含めたつもりではございますが、余り明確に申し上げなかった中に、もちろん採用において厳しい選択をやるのは当然でございますけれども、一方で、採用してみたものの、いろいろ教育訓練を施しました途中で不適切だ、不適任だというようなことになりましたら、これは何らかの措置によりまして淘汰をしていくというようなこともそれはあっていいのではないか。いずれにいたしましても、警察の職務に適切な、適性を備えた人物を充てることによりまして、そしてまたその中で十分な職務に対する自覚を求めまして、いずれにいたしましても国民の皆様の御期待にこたえるような、そういう集団として、実力集団としてきちんと仕事をさせてまいりたいと、このように思う次第でございます。
#206
○島袋宗康君 私、新聞の投書をちょっと、非常に感動したんで紹介しますけれども、要するに昨年刑法犯が非常に検挙率が低くなっているというふうなことで、ニューヨークの場合は物すごく犯罪が多くて、私はニューヨークに行ったときも大変、大変なところだなと思う感じをしたわけでありますけれども、そのニューヨークが今非常に治安が維持されているというふうなことを書いてありますけれども、それは当時のジュリアーニ市長ですか、この方が元検事で、そして徹底的に軽犯罪を取り締まったと。それでニューヨークのあんな大変な世界的に有名な犯罪の多い市が、今非常に治安が維持されている。それはやっぱり一指導者の大きな貢献度があったと。しかも、軽犯罪を徹底的に追及をして取り締まっていくというような体制がやっぱり整っていったというのが大きな要因というふうなことを書いてありますけれども、その辺について是非公安委員長として、日本の全国にまたがって本当に軽犯罪をなくしていくという体制をどう作っていくかによってこの刑法犯そのものが、あるいは重大な今の犯罪行為というものをなくしていくというふうなことにつながっていくかということを真剣にその辺を考えていただきたいと思いますけれども、その辺について御所見があれば承りたい。
#207
○国務大臣(村井仁君) 確かに、私もニューヨークへ参りましたときに、例えば落書きが多いとか、ごみが本当にひどい汚い町だなとも思いましたのが、先年参りましたときに、本当に見違えるような状態になっていた。それと同時に、私も昔、地下鉄に乗りましたのを、え、地下鉄に乗ったのって、こう住んでいる人から驚かれた。犯罪の巣だったようなことでありますけれども、現在では非常に安全な乗り物になっている、大きな変化だと思います。
 それについて、ジュリアーノ市長が大変、軽犯罪も含めて厳しい対応をしたというのは一つ有名な事実でございます。確かに軽犯罪を無視せずにきちんと対応していくというのが、やはり社会の倫理規範をきちんとしていく一つの方向であるということはおっしゃるとおりだと思いまして、それも私ども学ばなければならない点だと思いますが、今の日本について、率直に申しまして、私どもが今真剣に悩んでおりますのは、やはり二百七十万件を超える水準まで刑法犯認知件数が増加したということでございまして、しかもここ三年、四年、毎年のように刑法犯認知件数が増大している、そしてそのうちの四割以上というのは少年による犯罪である、そのような事態を考えますと、本当にこれは大変な事態だなと。そしてまた、結構凶悪犯も増えている、重要犯も増えているというようなことでございまして、おっしゃることはよく分かりますし、一つの手段だと存じますけれども。
 一方で、警察官の数が残念ながらそう多くはないのが今の日本の実情でございまして、ただ平成十四年度の予算案におきまして、更に、三年間で一万人増員するという計画の中で、初年度四千五百人の増員をお願い申し上げているわけでございまして、これによりまして、できればこういったことを通じまして、できればこの平成十四年度辺りの時点で日本の治安の悪化に歯止めが掛かったと後世言っていただけるような状態にできれば有り難い、私はそう思っておるわけでございまして、今年の一月、仕事を始めるに当たりまして、警察庁の幹部に私がちょっと感想を述べた中で、警察としては初年度四千五百人、三年間で一万人の増員という言わば言い値を人数という点ではかなえていただいた。そういうことであれば、これからともかく警察が本当にいかにきちんと仕事をしたかということで、言わばボールはこちらのコートにあるという決意を持ってやってほしいということを申したわけでございまして、私としても不退転の決意でこの治安悪化の歯止めのために努力を重ねたいと思っております。
#208
○島袋宗康君 是非、今の決意どおりで日本の治安維持を保っていただきたいと要望しておきます。
 それで、東京都新宿区の歌舞伎町には非常に多数の風俗営業店が集中しております。国際化とともにたくさんの外国人も居住したり、旅行で来訪したりという状況であります。内外国人が入り乱れて生活や営業活動を行っており、そのような盛り場において犯罪も非常に多発しておると。そのため、所轄の警察署では最近防犯用のビデオ監視カメラを町の至るところに設置して、常時、町を往来、活動している人を無差別に監視できる体制を取っているとのことであります。
 これは一歩運用を誤れば個人の人権を不当に侵害するおそれが多分にあると思いますけれども、現在、このカメラの設置状況と運用の実態及び人権を不当に侵害しないための配慮、そのための担保はどのようになされているのか、御説明願いたいと思います。
#209
○政府参考人(黒澤正和君) 警視庁におきましては、新宿歌舞伎町という犯罪が多発する地域におきまして、犯罪の予防と、事件事故発生時の迅速的確な対応に資するということで、五十台の防犯カメラを設置いたしまして、本年二月二十七日から運用を開始したと承知をいたしております。
 警察におきましては、公共空間における防犯カメラの設置に当たりましては、犯罪の発生状況を踏まえた被害の防止等の必要性、それから地域住民の意見、要望、そして通行人のプライバシーの権利等を総合的に勘案しまして、その適否、運用方法等を判断すべきものと考えております。
 御指摘の歌舞伎町における防犯カメラにつきましては、東京都公安委員会及び警視庁におきまして、地域住民の要望を踏まえまして、犯罪の多発する地域に設置することとし、その設置場所を標識等で表示すること、運用責任者を指定し、国民の権利を不当に侵害しないよう慎重を期すること、録画いたしましたデータは、犯罪の捜査等のため必要な最小限度において活用できること、データを活用した場合は、東京都公安委員会に報告をすること、運用状況につきましては、定期的に公表する、こういったことなどの規定などを定めまして、その適切な運用というものが図られるように配意されていると承知をいたしております。
#210
○島袋宗康君 昨年九月十一日の米国における同時多発テロ後、我が国の米軍基地を警備するために多数の警察官が動員されました。この件について何点かお伺いいたします。
 米軍施設の警備はいかなる理由でいつから始めたのか、そして、いかなる理由でいつ規模を縮小したのか、そして、現在も警備を続けているのはなぜか、いつ終了させるのか。
 これは非常にまだまだ聞くことがたくさんありますので、簡潔にお願いします。
#211
○国務大臣(村井仁君) 九月十一日のあのアメリカにおける同時多発テロ以来、私どもといたしましても日本にある米軍関連施設、基地を含めてでございますけれども、これは計らざる危険にさらされているというような判断をいたしまして警戒態勢を取ったわけでございまして、基地だけで申しますと、約七十か所ほどを対象にいたしております。
 ただこれの、それから、その警備を縮小したのかとおっしゃいますけれども、これは確かに、二月の二十日でございましたか、確かに警備態勢を変更はいたしておりますけれども、私ども、警備のレベルとか、どのような対応で警備をしていた、あるいはいるのかとか、この辺りは、やはりどういう形で危害が加えられるか分かりませんので、基本的には明らかにしないという方針を取らせていただきたい。私はですから、二月二十日に警備態勢を変更したということまでは申し上げますけれども、縮小したという言葉はあえてこれは避けさせていただきたい。同時に、例えば警察官の人数がどのくらいであったとかいうようなことも含めまして、これもやはり発言を控えさせていただくのがこういう事柄の性格から適切ではなかろうかと思っております。
 いずれにいたしましても、是非御理解いただきたいと思いますのは、私ども一番大事にしておりますのはこういった問題にかかわります情報でございまして、それに基づきまして国民の皆様が、そしてまた国の様々の機能が円滑に働きますように、私どもとして所要の最大限の努力をさせていただいているということを申し上げさせていただきたいと存じます。
#212
○島袋宗康君 確かにいろいろ公にしていけないところもあると思いますけれども、それじゃ私まとめてお伺いしておきますので、もしその点で資料が出せるようなものがあれば出していただいて結構ですので、あるいはお答えいただいても結構ですので、次の四点ばかりお伺いします。
 全国の米軍施設を対象として実施されているのか、その施設名をすべてお答えください。
 それぞれの、二番目ですね、それぞれの施設に対して何人の警察官が動員されたのか、施設ごとの動員数をお答えください。
 また、これらの動員に要した総経費及び施設ごとに掛かった経費の額は幾らか、そしてそれを予算のどの費目から支出されたのか、お答えください。
 次、この支出は通常想定された警察活動の範囲内のものだったのか、それとも想定外の予期せぬ支出であったのか、お答えください。
 以上でありますけれども、もしそれについて何かコメントございましたら。
 それから、申し上げます。警備開始後いずれかの米軍施設で問題となる事案は発生したのかしなかったのか、発生の有無、件数、事案の態様、態様ですね、対処の結果について御説明ください。
 米軍施設に対する、次ですね、米軍施設に対する警備の終了はいつ、だれが、いかなる理由によって決定するのか、お答えください。
 最後に、これらの米軍施設に対する警備行動は、いわゆる大山鳴動何とやらという類の過剰反応なのか、それとも必要不可欠のものであると認識するのか、その評価についてお答えください。
#213
○国務大臣(村井仁君) まず、全国でどこをやったのか施設名を全部挙げよというお話でございますが、これはやはり、どこをやってどこをやっていないというようなことも含めて、お話し申し上げるのは適当ではなかろうと。
 人数につきましても、先ほどちょっと申し上げましたけれども、私ども、ある意味では手のうちを外に出すということでございまして、これも避けさせていただきたい。
 経費でございますけれども、これにつきましても個別には申し上げかねますけれども、ただ、今回のテロ事件を踏まえましてテロ対策の強化を図ることとしました。それで、いわゆるNBCテロ対応専門部隊、Nは核、Bは生物兵器、Cは化学兵器、こういったテロのために対応できる専門部隊を六道県につきまして、つまり北海道、宮城、神奈川、愛知、広島、福岡、これに増設をし、それから全国警察に生化学防護服等の増強配備などを行いまして、平成十三年度補正予算において約七十五億円の措置をお願いをいたしております。このことは、今の御質問に、予算でどのくらいのことをしたのかという御質問につきましてお答えができるかと存じます。
 それから、特段の問題が発生したのかということでございますけれども、いろいろそれは細かい話はございますが、いわゆるテロ事案と呼ぶべきものはそれは特に発生はしていないと私ども認識をしております。
 そこで、それにつきまして、最後の、それでいつ終わるのかというお尋ねでございますけれども、これにつきましては、私どもはその必要がなくなった時点でやめるということを申し上げるにとどめさせていただきたい。必要な限りは私どもとしてはこれはやらざるを得ないと思っております。
 それからもう一つ、これが過剰であったかどうかという話、大山鳴動してネズミ一匹も出なかったではないかと、こういうようなお話かと存じますけれども、しかし、これはやはり警備というのはそういうものでございまして、何か起きた場合には完全に私どもの落ち度ということにされる可能性があるわけであります。なくて当たり前ということでございまして、そういう営みであるということを是非是非島袋議員に御理解をいただきたい。ありがとうございます。
#214
○島袋宗康君 大変時間が迫りましたので。沖縄のテロ事件以来、やはり観光客が減った、そして沖縄、五十二億円も損害を受けているというふうな実態というものは、やっぱり機動隊を沖縄に送ったということも大きな要因になっていますから、一日も早く撤退か、今変更とおっしゃいましたけれども、私どもはむしろ撤退していただきたいということを、一日も早く実現していただきたい、要望しておきます。
 官房長官、済みません。内閣府本府における平成十四年度歳出予算要求額が、四千百三十四億円の経費の中に沖縄対策と沖縄振興開発とを分けて挙げられておりますけれども、それぞれの予算額は幾らか、また、沖縄振興開発費とは別建ての沖縄対策費とはどのような趣旨の経費なのか、御説明願いたいと思います。
#215
○国務大臣(福田康夫君) お尋ねの沖縄対策とそれからもう一つ、沖縄振興開発と二つございますけれども、前者の方は平成十四年度歳出予算要求額は二百七十四億九千万円、後者の方は二千九百十一億六千百万円になっております。
 この沖縄対策というのは、内容は御案内かと思いますけれども、主に政策統括官、沖縄担当政策統括官でございますが、これが、ここが所掌します基本的な政策企画立案等の経費、そしてまた後者の方の沖縄振興開発は沖縄振興局が所掌する公共事業費等の沖縄振興開発事業費などを意味しております。
#216
○島袋宗康君 官房長官は、情報収集衛星の導入など情報の収集及び分析機能の強化に万全を期すと述べておられます。収集の対象となる情報はどのような種類の情報なのか、軍事情報なのか経済活動に関する情報なのか、特定の国を対象にしたものか、お伺いいたします。そして、内閣官房における平成十四年度歳出予算要求額八百三十七億七千四百万円の中に情報収集衛星のシステム開発費は幾ら計上されているのか、いつ開発の完了を見込まれているのか、お伺いいたします。
#217
○国務大臣(福田康夫君) 内閣官房にございます内閣情報調査室におきまして、テロ対策のような内閣の重要政策に関しまして、政治、経済、軍事など幅広い観点からいろいろな国、それから地域の情報を収集、分析しております。さらに、我が国の安全保障及び大規模災害、自然災害を含む大規模災害等への対応などの危機管理のために必要な情報の収集を主な目的として現在、情報収集衛星の打ち上げのための開発をしております。平成十四年度及び平成十五年度に二機ずつ打ち上げようと、こういう予定でございます。
 予算のことにつきましては、内閣官房にかかわる予算八百三十七億七千四百万円のうち六百七十六億七千八百万円がこのシステム開発に使われると、こういうことになっております。
#218
○島袋宗康君 竹中大臣は、構造改革の結果、経済の好循環により当面の集中調整期間後は消費や投資が安定的に拡大し、二〇〇四年度以降は実質一・五%以上の民間需要主導の着実な成長が可能であると、極めて楽観的な見通しを立てておられますけれども、その根拠はどのような点にあるとお考えになっておられるのか、お伺いいたします。
#219
○国務大臣(竹中平蔵君) 改革と展望の中で委員御指摘のような数字を示させていただきました。これが楽観的かどうかというのはいろいろ御評価の問題だと思いますが、基本的には、日本の経済が持っているキャパシティー、能力を活用することによってどのぐらいまで成長が可能かというようなことをまず議論するわけであります。それは、我々の労働力、資本力、それと技術進歩率、そういうようなことを積み上げるとおおむね日本の経済はやはり二%程度の成長力を持っているというのが多くの専門家の議論だと思います。今、それを阻んでいる要因があると。それは不良債権の問題であったり規制の問題であったり、そういうことを解きほぐすことによって次第にその形に近づいていく。集中調整期間を終えて、その本来持っている二%成長に需要、供給、両方の面から近づいていくんだというようなシナリオを描いているわけであります。
#220
○島袋宗康君 時間です。終わります。ありがとうございました。
#221
○田嶋陽子君 社民党の田嶋陽子です。
 今日はポルノのこと、児童ポルノのことをお話しします。
 日本はこれまで、世界各国から児童ポルノの輸出国としてこれまで非難を浴びてきました。日本の技術力の高さ、児童ポルノの作成でも発揮されて、画像の良いものも多く、世界じゅうの愛好家を喜ばせてきたからです。
 私は、昨年十二月に横浜で行われた第二回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議に参加しました。その際、警察庁でも、児童の商業的性的搾取に係る犯罪に対する国際捜査協力に関する会合を開いていて、児童ポルノをなくすために努力しておいでだということが分かって、うれしく思いました。その会合で、国際刑事警察機構、ICPOの事務総局、人の密輸担当課、すごいですね、人の密輸、マックロッコ氏はポルノに関してこう定義しています。性的興奮を起こすもの、ポルノは巨大ビジネスであり、ある程度許容され、世界にあふれている。媒体は雑誌、ビデオ、プリントアウトされた写真やデジタル写真、映画、書籍、テレビ番組、絵画や彫刻などである。そう述べた上で、児童ポルノは絶対に許せない、重大な犯罪の視覚的記録であり、被害に遭った子供たちは何度も繰り返して虐待されるのと同じことだと述べていますが、私も同感です。
 児童ポルノの中でも、とりわけ性的虐待を受けた子供の画像がインターネット上に残ることによって、その被害者は何度も繰り返し見られることで、繰り返し被害を受けることになります。例えば、アメリカでは一九七〇年代に撮影されたフィルムが今でも繰り返しダビングされていると聞きました。この被写体になる子供は、日本では児童といいますと十八歳までですけれども、何と一歳から二歳の乳幼児、二歳の子供がレイプされるシーンも流れます。もちろん小学生、中学生、高校生の年代の子供も同様です。
 児童ポルノの実例に関してですけれども、日本のNGOで、ストップ子ども買春の会というグループがありますが、そのストップの会が翻訳した本に「沈黙する子どもたち 子どもポルノに利用された子どもたちについて」という本がありますが、その中で、被写体になった子供たちはどういう行為をさせられるかというと、単に裸の写真を撮られることではなくて、いろんな形での肉体的な接触をさせられるということです。まず、大人から、大人のマスターベーションを助ける行為、それから子供のマスターベーション、それから大人と子供のセックス、子供同士のセックスなどが実例として挙げられています。これは少女だけではなくて少年も被写体として使われているということです。
 世界各国の警察は、この児童ポルノの大半がインターネット上に移動したと報告しています。児童ポルノという、ほかの人には知られたくない商品を購入しにポルノショップまで出掛けるという危険を冒さなくても、自宅にいながら自分の趣味の世界に浸れるという利点を考えれば当然の流れかと思いますが、児童ポルノを購入する人にとっては最高の状態が、児童ポルノの被写体としての子供たちにとっては最悪の結果になります。
 私は、昨日、従軍慰安婦の質問をしましたけれども、その問題と同じで、やはり弱者の名誉と尊厳にかかわる重大な問題であると思っています。
 そこで村井国家公安委員長にお伺いします。
 インターネット・ウオッチ・ファンデーションの調査では、一九九七年に日本は世界シェアの二三%だったんですが、二年後の九九年には二%に減少しています。これは法律ができたからとも考えられていますが、事態が深刻であることには変わりありません。
 そこで、インターネット上で画像が流出した場合、ビデオテープもビデオデッキも必要ないわけですが、愛好家がお手軽に画像を入手できるというこの深刻な状況をどのように改善なさろうとお考えでしょうか。
#222
○国務大臣(村井仁君) 大変痛ましい、また残念な話でございますが、今、委員御指摘のように、九七年、IWFのリポートによりますと、日本発の児童ポルノが二三%を占めていたのが、九九年には二%まで落ちている。これは私はやはり児童買春、児童ポルノ法に基づく取締りが積極的に推進された一つの効果というものであろうかというふうに認識しておるものでございまして、インターネット上の児童ポルノ事犯につきましては広域あるいは国境を越えての事犯が多く、都道府県警察官の合同、共同捜査というものを積極的に推進するとともに、外国の捜査機関と連携した捜査を積極的に推進することが重要だと私も考えております。
 私も、今、委員御指摘の横浜の第二回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議のレセプションに出席をさせていただき、関係者とも懇談をさせていただく機会を得ましたけれども、いずれにいたしましても、私どもとしましてはインターネット上の児童ポルノにつきまして、取締りと併せまして、児童ポルノ画像の根絶を目的にサイバーパトロールの実施など各種の施策を講じまして、児童の権利擁護に全力を尽くすよう今後とも努力してまいりたい、このように思っております。
#223
○田嶋陽子君 警察庁が十四年度予算で要求している児童ポルノ画像検索システムができましたら、例えば画像に付いているキャプションのキーワードでこういうのがありますね。無垢な乙女とか、清純な乙女とか、純真な処女とか、そういう言葉があるわけですが、そういうものが載っているホームページにわなを掛けて実態を知ることができるんでしょうか。
#224
○政府参考人(黒澤正和君) ただいまお尋ねの件でございますけれども、これはあくまでも児童ポルノの、世界、グローバルに流布されるそういう危険性があるわけでございまして、今、私どもが考えておりますことは、いろんな画像の中でいろんな項目、これは正に検討いたしまして、どういう項目で合わせるかというのを考えておるところでございますけれども、画像の中で各種項目を選んで、そしてそれを合わせるということで検索をするものでございます。そしてまた、そういった画像と同時に、今御指摘のような文字の情報についても組み合わせをしまして検索をする、そういうようなことで考えておるものでございます。
 また、世界的にグローバルに流布されるわけでありますけれども、今各国捜査機関が持っておるものと同時並行的に、地域的にといいますか、並列的に合わせるというものと、それから過去出回ったもの、先ほど一回でも出ちゃったらそれはどんどん広がっちゃったりもするというようなお話もございましたけれども、時系列的といいますか、過去に出たものと合わせる、そういった両面から捜査の効率あるいは事犯の特定等にも役立つ、そういったことなどをいろいろ考えておるところでございます。
#225
○田嶋陽子君 そういう実態を知ることと同時に、システム作りと同様に大切なことは、インターネット業界のモラルを高めることだと思うんですけれども、その方策はどのように考えておいででしょうか。
#226
○政府参考人(黒澤正和君) 取締りだけではこの種事犯の根絶ができないことは当然でございまして、私どもの取締りのみならず、プロバイダー等による適正な管理等の自主的措置が重要でございまして、府県警察におきましては、プロバイダーと連絡協議会、こういったものを作っておりまして、そういった場などを活用いたしまして、理解と協力を求めておるような実態にございます。
 また、事案によってはプロバイダーでありますとか、あるいはそのサイトを設置運営しておって共犯に問えるというような事案については共犯で立件する、これは取締りの方でございますけれども、いろいろ工夫をいたして対処いたしておるところでございますが、いずれにいたしましても、インターネットにかかわる各界各層の幅広い対応が重要でございますので、今後とも、関係方面の理解を得つつ、厳しく対応してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#227
○田嶋陽子君 確信犯的な児童ポルノ専門業者は児童買春、児童ポルノ禁止法のことを知っているんでしょうけれども、一般の人にはそれほど法律が浸透しているようには思えないんですね。でも、供給が需要を喚起するということもあると思うので、ふとした好奇心から見てしまって児童ポルノにはまっていく人もいると聞いています。
 多くの人が見る検索ページのトップページなどに、十八歳未満の子供のポルノは児童買春、児童ポルノ禁止法違反ですとかいう、そういう広告を出して警告するというアイデアはどんなものでしょうか。
#228
○政府参考人(黒澤正和君) 禁止法についての説明で、法に触れない範囲内のものであれば観念的には考え得るのかもしれませんが、いずれにしても法に触れるものを堂々と表示し宣伝するということは考えられないと思いますし、また子供にとって、また青少年にとって大変有害な情報だと思いますので、なかなかそういった御指摘のようなことは難しいのではないかと思います。
 また、違法ではないが有害である、あるいは好ましくない、そういったものについては、委員も御案内のとおり、例えばフィルタリングシステムを活用する、あるいはレーティングシステムを取り入れる、そしてまたそれを、特に家庭におきましては必ずしもフィルタリングシステム等についての理解といいますか、そういったものについての知識が必ずしも高くはないというような数字も出ておる例もございますので、そういった意味での広報啓発でありますとか、各種もろもろの施策を講じましてこの種案件に対応していくことが肝要ではないかと考えております。
#229
○田嶋陽子君 今年は、児童買春、児童ポルノ禁止法が成立して、見直しの時期がやってきました、三年後になりますので。この法律は議員立法ですから、私たち議員に改正する責任があるというふうに思っています。
 法律に沿って動く警察庁として、この法律に関して整理してほしい点とか改善してほしい点、動きやすくなるためのベターな法律にするために何か案がございますか。
#230
○政府参考人(黒澤正和君) 本年、目途としております三年という時期に差し掛かっておるわけでございますが、本日ここでこういった点ああいった点、具体的に申し上げることは控えさせていただきますが、私ども、この種事案の対応で法律を運用する中で、実務をしておる中でいろいろ感じておる点あるいは思っておる点がございますので、そういったことにつきましては、またいろいろと御説明なり、国民の皆様方に知っていただくような、そんなことを考えておるところでございます。
#231
○田嶋陽子君 児童買春、児童ポルノ禁止法が成立してから、インターネット上の児童ポルノは何件取り締まりましたか。
#232
○政府参考人(黒澤正和君) 平成十二年中が件数で百十四件、人員で八十五人、十三年が百二十八件、九十九人とそれぞれなっておりまして、法の施行以来、平成十三年の末の間でございますけれども、児童ポルノ事件のインターネット利用にかかわるものは、件数で二百五十一件、人員で百九十四人となっております。
#233
○田嶋陽子君 児童ポルノの発信源は雑誌やビデオから完璧にインターネットに移りつつあるというふうに理解していいと思います。
 一九九六年にスウェーデンで開かれた児童の商業的性的搾取に反対する世界会議では、日本に対して児童ポルノの発信基地としての批判が集中しましたが、このような世界的な批判の集中砲火を背景に、日本でも児童買春、児童ポルノ禁止法が成立したわけです。
 日本からインターネットで発信される児童ポルノのうち、欧米から、国際刑事警察機構、ICPOを通じて警察庁に寄せられた情報提供や摘発用件は、こちらで調べたところ、九七年に二十件、九八年に四十一件、九九年に三十四件、二〇〇〇年に三十件、二〇〇一年に四十九件に上ります。欧米などから寄せられた情報提供や摘発要請に対してどのような対応をなさっておいでですか。
#234
○政府参考人(黒澤正和君) ICPOなどの国際機関や外国の警察機関からのインターネット利用に係る児童ポルノ事件に関する情報提供でありますとか国際捜査協力依頼につきましては、外国の捜査機関等との緊密な連携の下、積極的な事件化を推進をいたしておるところでございます。
 また、先ほど申し上げましたデータベースの件でも、G8等の枠組みでいろいろと検討をいたしておるところでございまして、今後とも、関係国との国際捜査協力をより一層推進しまして、外国捜査機関等からの通報に迅速的確に対応するなど、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
#235
○田嶋陽子君 その昨年の第二回商業的性的搾取に反対する世界会議では警察庁が会合を開かれましたが、その会合で、ロンドン警視庁部長のキャロル・ハウレットさんが、現在、国際的な児童性的搾取の映像のデータベース、ストップUプロジェクト作成を試みていると話しておいででした。
 インターネット上の児童ポルノの利点というのは、先ほども申し上げましたが、自宅にいながら世界じゅうの児童ポルノを見ることができるということですから、取締りのためには国際的な協力が必要だということは先ほど皆さんもおっしゃっていらっしゃることですが、警察庁が十四年度予算で要求している児童ポルノ画像検索システムは、ストップUプロジェクトなど海外のデータベースとどのような連携を図る御予定ですか。
#236
○政府参考人(黒澤正和君) 御指摘の件につきましては、検討課題と申しますか、検討をしてまいりたいと存じます。
#237
○田嶋陽子君 では、その児童ポルノ画像検索システムを国内ではどのように使っていきますか。
#238
○政府参考人(黒澤正和君) 合わせる、検索する方法につきましては先ほど申し上げたようなことでありますけれども、これは各都道府県に端末を置きまして各都道府県からも検索ができると、こんなようなイメージで仕組みを考えておるところでございます。
#239
○田嶋陽子君 まだ日本ではいろいろ後れていて、その被害者の子供のケアということとか、あるいは加害者、その被害者が加害者になるかもしれないというその予測の下にのケアシステムはないように思うんですね。けれども、この検索システムを用いて児童ポルノに出演させられた子供を特定できた場合、警察庁は今のところどのように対応するつもりでいらっしゃいますか。
#240
○政府参考人(黒澤正和君) 委員御指摘の子供のケアというのは大変重要な課題でございまして、いろいろその被害児童につきまして、例えばいろいろお話を聞くような場合につきましては、特性を配慮いたしまして、例えば事情を聞く場合には、子供にもよりますけれども、女性を充てるとか、そういった方面に専門的に研修等をしておる職員を充てるとか、いろいろ工夫をいたしたい。
 それから、サポートセンターといいまして、これは、少年非行、それから犯罪被害に遭ってダメージを受けた少年等に対しまして各県で専門的にそういった少年たちの相談に応じたりケアをする、そういったセンターがございまして、そこに配置されている職員は元々、少年の心理、生理、そういった被害に遭った少年等につきまして専門的な知識、経験を有しておりまして、そういったチームが中心になってフォローをする。
 さらにまた、この十二月に、昨年の十二月に横浜市で開催された世界会議の後、本年の一月でございますけれども、この種事犯の捜査員、全国の捜査員を集めまして会議をいたして指導をいたしたわけでございますけれども、そういったことなどいろいろ考えておるところがあるわけでございますけれども、子供の保護のために、そしてまた受けたダメージの回復のために各種の努力をしてまいりたいと存じます。
#241
○田嶋陽子君 とてもうれしいです。是非そうしてください。
 ですけれども、日本では少年犯罪に対するカウンセリングとかケアとか、やっぱり一歩日本はまだ遅れています。私は、やっぱり先を進んでいる国の在り方を警察庁の方から人を派遣していろんな国で学んできて、最新のやり方でもってケアに当たってほしいと望みます。
 それから、有害、違法なホームページを警察が発見したからといって、そのホームページを直接閉鎖するなどの介入は難しいと思います。日本では表現の自由を標榜する方もいらっしゃると思うんですが、一、二歳の子供をレイプするようなそういう画像を流す、性的虐待ですね、それを流すことが表現の自由だとは私は思いません。やっぱりその被害にさらされている子供たちを守るためにも、やはり表現の自由と子供の人権ということをもう少し表に出して議論するなり考えていくべきだと思っています。私自身は子供の人権を侵害してまで守る表現の自由はないと思っております。(発言する者あり)ありがとう。
 次、ODAです。ODAのことでお伺いします。
 日本は今、巨額の財政赤字を抱えて厳しい状況にあります。ODAを強く求める途上国の状況を考えたとしても、現状の水準を今後も維持することは容易でないのではないかと思います。そこで、私はODAの効率的な運用が求められていくと思います。NGOの参加もあります。でも、もう一つは、やっぱり相手国からも喜ばれるODAとするためには、この税金がどう使われているのかを国民の目に見えるようにしてもらいたいと思います。そうしたら、みんなが疑いを持つようなODAの私物化、ある企業、ある政治家の私物化というものはなくなっていくのではないかと考えます。
 そこで、納税者は政府に対して今強い不信を持っているわけですけれども、国民はやっぱり税金がどう使われているかを気にしています。ODAに関しても同じで、そこで私は、会計検査院はODAの予算の使われ方もチェックしているのだということをお話しいただきたいと思います。
#242
○会計検査院長(金子晃君) 委員のお尋ね、会計検査院、どういう基本的スタンスでODAに対し検査しているか、また実際にどういう検査をしているかというお尋ねだろうと思います。
 ODAは、私、被援助国において、今委員言われるように、有効かつ効率的に執行され、被援助国の発展及び被援助国国民の生活の向上をもたらすということが日本国民の願いであり、また期待であるというふうに認識しております。
 したがいまして、こういう観点から、会計検査院では従来から重要な検査対象としてきております。検査に当たりましては、検査権限を実際に有する外務省、国際協力銀行、国際協力事業団などが、我が国援助実施機関に対する実施検査を会計検査院は実施しておりますが、それと同時に、実際には検査権限が及びませんけれども、被援助国に対しまして、計画的に調査対象国を選定して、ODAが、事業が行われております現場の実地調査を行っております。そして、これらの実際の検査は、個々の事案についての不適正さだけではなくて、ODAの実施についての基本的な問題点、そしてどのようにODAを実施すればより効率的かつ有効なODAの実施になるかということを問題提起していこうということで検査をしているわけです。
 こうした検査、調査の結果につきましては、検査状況及び援助の効果が十分発現していないなどの事態を毎年検査報告に掲載するということを行っております。
#243
○田嶋陽子君 では、具体的に会計検査院は平成十二年度にODAについてどのような検査を行って、どのような問題点を指摘されましたか。
#244
○説明員(石野秀世君) 今お尋ねは十二年度ということでございますが、今私、昨年、十三年におきまして検査した実施状況ということをちょっと詳しくお答えさせていただきます。
 昨年の例で申し上げますと、バングラデシュを始め十か国に本院の職員を派遣いたしまして、農林水産業でありますとか水供給、あるいはエネルギー分野といったような合計で八十一のODA事業を対象にいたしまして現地調査を実施しております。このうち、昨年の検査報告では四事業につきまして援助効果が十分に発現していないということで検査報告に掲記しているところでございます。
#245
○田嶋陽子君 十二分な効果が上がっていないという検査報告をなさったわけですね。その場合、どういう問題があって十二分に効果が発揮されていなかったんですか。
#246
○説明員(石野秀世君) 四事業というふうに申し上げました。一つは、下水道の網の整備事業におきまして、これは無償資金協力事業で行っているわけでございますが、その下水道の関連事業といいますか、下水道の末端の網の整備の方が十分追い付いていないというふうなことで全体としての効果が十分発現していないとか、あるいは発電船の改修事業ということでございまして、発電いたします船が火災等を起こしたため動かなくなっているということに対しまして、それがそのままになっておるというふうな事態、あるいは苛性ソーダの工場ですとか肥料工場におきまして、それぞれ安定した電力の供給がないというふうなことを背景に十分な稼働が行われていないというふうなことで、供与しました政府開発援助が十分にその効果を発揮していないということを報告しているところでございます。
#247
○田嶋陽子君 そうしますと、その原因というのも会計検査院はいろいろ調べる権利があるといいますか、調べていいんですね。だれが悪かったのか、何が不足していたのか、どういう状況だったのか、そういうことは調べてこちらに報告できるんですね。
#248
○説明員(石野秀世君) 検査報告の中で、こういうふうに至った状況の説明とともに、今お話しの原因といいますか、どういうことでこういう事態になっているかということについては触れておるところでございます。
 例えば、電力の分野、今申し上げました電力の分野で申し上げますと、バングラデシュの状況を踏まえますと、そういった電力供給がまだ満足にない、十分でないという状況を十分踏まえた上で援助を実施すべきであるとか、あるいはそういった供与国の、相手国の自助努力の実現可能性といいますか、そういったものを十分見極めた上で、その実施内容の範囲等を十分検討をして援助を実施していく必要があるというふうなことを、何といいますか、本院の所見というふうなことで述べておるところでございます。
#249
○田嶋陽子君 私は、今回、十三年度の資料はなくて、十二年度しかいただいていないのでちょっと、何でいただけなかったのか残念だったんですけれども。
 そうしますと、そのODA予算が目的にかなった使われ方をしているのかどうかをチェックして、この場合、日本の政府に、内閣に報告なさるわけですよね。すると、政府は会計検査院が指摘した問題をこれまでに改善したことはありますか。
#250
○説明員(石野秀世君) 検査院の今申し上げました検査報告を受けまして、外務省等の援助実施機関におきましては、そういった援助効果を十分発現させるためには更に我が国としてどういった追加的な措置が取れるかというふうな点の検討、あるいは相手国の実施機関に対しまして更に必要な働き掛けといいますか、相手国の取り得る手だてというものを要請を行うというふうなことをやってその事業の改善に努めているというふうに承知しておりまして、検査院におきましても、そういった外務省等の改善状況といいますか、フォローアップの状況というものは、その時々に応じましてその説明を受けるというふうなことで、その状況については常々注視しているところでございます。
#251
○委員長(佐藤泰介君) 恐縮でございます。一分オーバーしておりますので、四十分まででございますので、まとめの質問をよろしくお願いします。
#252
○田嶋陽子君 まとめの質問、済みません、終わりました。この続きは次にやります。
 ありがとうございました。
#253
○委員長(佐藤泰介君) 以上をもちまして、平成十四年度総予算の本委員会における委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#254
○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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