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2002/03/26 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 内閣委員会 第5号
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2002/03/26 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 内閣委員会 第5号

#1
第154回国会 内閣委員会 第5号
平成十四年三月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰介君
    理 事
                斉藤 滋宣君
                松村 龍二君
                森田 次夫君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                上野 公成君
                亀井 郁夫君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                山崎 正昭君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                山根 隆治君
                白浜 一良君
                森本 晃司君
                筆坂 秀世君
                島袋 宗康君
                田嶋 陽子君
   国務大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    村井  仁君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  安倍 晋三君
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       内閣府副大臣   熊代 昭彦君
       外務副大臣    植竹 繁雄君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        奥山 茂彦君
       内閣府大臣政務
       官        亀井 郁夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   政府参考人
       人事官      小澤 治文君
       人事院事務総局
       総務局長     平山 英三君
       内閣府政策統括
       官        江崎 芳雄君
       警察庁長官官房
       長        石川 重明君
       警察庁生活安全
       局長       黒澤 正和君
       警察庁刑事局長  吉村 博人君
       警察庁交通局長  属  憲夫君
       警察庁警備局長  漆間  巌君
       総務省人事・恩
       給局長      久山 慎一君
       総務省行政評価
       局長       塚本 壽雄君
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
       外務大臣官房領
       事移住部長    小野 正昭君
       外務省アジア大
       洋州局長     田中  均君
       国土交通省自動
       車交通局技術安
       全部長      宮嵜 拓郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (警察行政の基本方針に関する件)
 (経済財政政策及び情報通信技術政策の基本方
 針に関する件)
 (規制改革及び行政改革の基本方針に関する件
 )

    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰介君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、人事官小澤治文君、人事院事務総局総務局長平山英三君、内閣府政策統括官江崎芳雄君、警察庁長官官房長石川重明君、同生活安全局長黒澤正和君、同刑事局長吉村博人君、同交通局長属憲夫君、同警備局長漆間巌君、総務省人事・恩給局長久山慎一君、同行政評価局長塚本壽雄君、法務省刑事局長古田佑紀君、外務大臣官房領事移住部長小野正昭君、外務省アジア大洋州局長田中均君及び国土交通省自動車交通局技術安全部長宮嵜拓郎君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(佐藤泰介君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、去る十四日に聴取いたしました村井国務大臣、竹中国務大臣及び石原国務大臣の所信に対し、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○川橋幸子君 おはようございます。民主党・新緑風会の川橋幸子でございます。
 今日は、竹中経済財政担当大臣と石原行政改革担当大臣のお二人に御質問をさせていただきます。
 さて、先日、官房長官へのお尋ねの中にも、まず私の質問の導入部分では、明治維新に匹敵するような大変大きな中央省庁改革が行われまして、その実績を踏まえて、意思決定システムが所期の目的のように機動的に国の行方を決めると、このようなことが本当に実現したのかどうか、しているのかどうか、そういうことを導入部分で竹中大臣の方に伺わせていただきたいと思います。
 改革なくして成長なし、大変歯切れの良いスローガンではございますが、一向に景気は良くなっていないのではないかと思いますし、デフレ対策も、今回打ち出されましたデフレ対策も、竹中大臣としては内閣主導の経済運営の成果というふうに誇っていらっしゃるやに伺いますけれども、やはりデフレ対策は遅過ぎたのではないかと私は思っています。
 今まで、それ以前までの意思決定が審議会内部の密室であったり与党内部の密室であったりということからいたしますと、経済財政諮問会議と政府・与党、いわゆる抵抗勢力といいましょうか、政府・与党との関係、あるいは関係審議会との間で密室で議論されていたことがこう表に出てくると、これは私も評価いたしますけれども、その対立が明らかになっただけで一向に意思決定のテンポは速まっていないんじゃないかと、こういう感じを持っているのでございます。
 ということで、内閣主導の経済財政運営のこの一年近くを振り返られて、どのようにお考えになられますか。御答弁お願いします。
#6
○国務大臣(竹中平蔵君) 評価の問題でございますので、これは是非客観的に国民の皆さんに評価をしていただくというものだと思いますが、担当している立場といたしましては、第一年次としてはそれなりの成果を上げられたのではないかなと一応考えております。
 景気の問題どう考えるか、デフレ対策は不十分ではないか、そういった個々の問題につきましては、また別途御質問があるかと存じますけれども、この経済財政諮問会議、内閣府を中心とした意思決定のシステムに関しまして、次のような点を是非指摘させていただきたいと思います。
 言うまでもなく、内閣府は総理のリーダーシップを支える知恵の場であると。その知恵の場の中に経済財政諮問会議、これは総理自らが議長を務められるものでございますから、大変集中的に、速やかに意思決定するというその枠組みを持っているものでございます。
 かなりの多くの活動をやってまいりましたけれども、シンボリックに幾つか申し上げさせていただきますと、やはり一番最初に、内閣ができて二か月目にいわゆる骨太の方針、要するにどういう方向で運営をしていくのかという方向を示した。こういう骨太の方針、基本方針を明示した政権というのは基本的にはなかったのだと思います。
 この骨太の方針を踏まえまして、更に予算編成の基本方針というのを作りました。予算編成の基本、枠組みをマクロ経済とのバランスを考えてどこに設定するか、その中で予算をどのぐらい削減して新たにどのように付けるか。まあ五兆減らして二兆増やす、政策、戦略的に付けると。その場合の重点分野はこれこれ七分野であると、そういった枠組みを決めた予算編成というのも、実はこれはまあ一見地味かもしれませんが、やはり初めて行われた試みであったのだと思います。
 もちろん、これを更に効率的にしていくという努力は必要だというふうに思っておりますが、もう一点挙げさせていただきたいのは、今年の一月に経済財政の中期展望というのを策定させていただいております。閣議決定されておりますが、これも実は従来の、従来からも中期の経済計画というのを日本の政府は持っておりましたが、これとは根本的に違う形になっております。どちらかというと従来はマクロ政策、マクロ経済の枠組み、その中期的な計画を経済企画庁が策定して、財政のものは、財政に関しては大蔵省が中期試算、機械試算という形で行う。そのマクロの試算、マクロの見方と財政の間には実は整合性はなかったと。非常に特殊な形で正に縦割りの中で存在していたんだと思いますが、経済財政諮問会議、経済と財政を一緒に見るんだということで、マクロ経済と財政が整合的な形で存在するような、そういったビジョンになりました。そうすることによって、更にこれ五年次の経済の姿を示して、その初年度は十四年度でこのような予算を作るということでございますので、そういった新しい仕組みを取り入れさせていただいたつもりでございます。問題点、まだまだ改良すべきところございますけれども、一応一年目の成果としては以上のように考えております。
#7
○川橋幸子君 骨太方針を出されたころからあった議論です。
 ウサギが一匹なのか二匹なのかという話にも関係いたしますけれども、骨太方針で示されたのは競争力を強化すると、こういう経済政策が強調されたわけでございますが、最近のデフレの中にありまして、競争力強化というのは需要喚起にも役立つのだという御答弁を何回か伺っておりますが、私は以前、本会議場でサプライサイドとデマンドサイドと両面充足させるようなそんな魔法のような政策はないのではないかというようなことを伺わせていただきました。そのときは確かに魔法はないとおっしゃいまして、魔法はないんだから着実にやっていくんだという、こういうお話でございましたけれども、改めてそのメカニズムを、質問がほかにもたくさんございますので、できましたら短めにお願いしたいと思います。
#8
○国務大臣(竹中平蔵君) 構造改革に対する基本的な考え方の御質問だと思います。
 経済の発展を促すのは、中長期的にこれを持続的な発展をもたらすのは、やはりこれは経済の供給力サイドの力である、生産性が上昇して新たな付加価値を生み出していく力、これしかやはりないのだと思います。だから、中長期的にサプライサイドを強化するということに関してはどこの国も実は力を入れてきたことですし、御同意いただけるのではないかと思います。
 しからば、短期的にはどうなのかと。短期的にはサプライサイドを強化する過程で、いわゆる痛みといいますか一時的な需要の落ち込みが生じるということは、これはあり得るわけでございます。したがって、今後二年間の集中調整期間の成長率はやはり低いことを甘受しなければいけないという見込みも立てております。
 しかし、中長期的に経済を力を強くする構造改革の中にも、実は短期的に需要を押し上げるものはかなり含まれているということを先般の答弁ではさせていただきました。もうそれは、繰り返しはいたしませんですけれども、規制緩和によって、今までよりも良いサービス、品物が安い価格で提供されて消費が増えるとか、金融仲介機能が高まって起業、創業がしやすくなるとか、そういった両面、いわゆる構造改革は持っているというふうに考えております。
#9
○川橋幸子君 中長期のタイムラグ、経済が安定的な基調に乗る中長期のタイムラグは、二、三年ということなのでございましょうか。しからば、短期的にも需要喚起に効果を上げると。その短期というのはどのぐらい、すぐ即効性のあるものでございますか。
#10
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、いろんなものがあるのかと思います。
 規制緩和の例では、例えば九〇年代半ばに起きました携帯電話のセルラーの買取りの規制緩和等々は、瞬く間に需要を広げたという例もございます。しかし、企業の行動を変え、消費者の行動を変えるという意味では、一年、二年、いやそれ以上掛かるものもあろうかと思います。
 短期的な需要に関しましては、もう一点、需要政策を何もやっていないということではこれはありませんで、三十兆円の国債を引き続き出しているということは、これはこれで三十兆円の刺激政策であるし、さらには、四兆円規模の第二次補正予算、これは十四年度にほとんど効いてまいりますので、そういったことを組み合わせて、短期の需要についても適切な管理を行っているというつもりでおります。
#11
○川橋幸子君 それでは、短期のタイムラグということですと、また質問させていただく機会もあろうかと思いますので、フォローアップをさせていただきたいと思っています。
 さて、これから、経済財政諮問会議の検討内容、検討事項としましては、この不況に対応するための経済活性化、それから石原担当大臣、行革担当大臣の方から所管が回ってこられました政府系金融機関の問題、それと税制改正の問題、非常に大きなものが三つ、お役目としてあると伺っておりますが、この税制改正につきましては、今日も日経新聞に載っておりましたが、政府税調と竹中経済相の間で論議が白熱しておるというようなメディアの報道が多いわけでございます。
 同じ総理の下の諮問機関でいらっしゃるわけでございますけれども、異なる結論が出た場合にはどうなさるのかなと、いささか要らぬ心配かも分かりませんが、老婆心ながら心配をしているところでございます。やはり、調整すべきではないかと私は思います。近々その論点を出されるというふうに伺いますが、かなりこれは基本的なところの論議の白熱であるように伺っておりまして、竹中大臣としてはどのような調整といいますか、お話合いで見解をまとめていかれるのか、お話しいただきたいと思います。
#12
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済財政諮問会議と政府の税調の間には、おのずとやはりそれなりの役割分担があるというふうに考えております。
 私たちは、少人数でそんな具体的な税制の細かい制度設計ができるわけではございませんし、基本的にマクロ経済の活性化等々との関連でどのような方向を模索するかという、正に骨太の議論をすることになると思います。したがって、役割分担は本来あると。しかし、異なった見解が出る可能性は私はないわけではないんだと思います。
 もしも、しかし異なったらどうするんだということに関しては、私はこれは正にそういった多様な議論をするために民間の議員にも入っていただいて、こういった仕組みがあるわけでございますから、もしも、もしもですけれども、異なったような考え方が示された場合は、これはやはり総理の管轄の下で、総理のリーダーシップの下でオープンにディスカッションしていただくというようなことも私は一つの諮問会議の役割であると思います。ただし、今回、今日新聞に載っているような意味での意見の対立というのは、これは事実上ございません。
 昨日も、たまたまですけれども、政府税調の石会長から私、電話をもらいまして、おとといしゃべったこと、あれよかったねというふうに言っていただいて、ああいう、まあお互い頑張りましょうというお話をしたところでもあるにもかかわらず、新聞はああいう書き方をどうしてもしてしまいますので、その意味では、理論上、若干の異なったことがあっても私は構わないと思いますが、今この時点で新聞に書かれているというような対立はないというふうに認識をしています。
#13
○川橋幸子君 それでは、ちょっと質問の順番変えさせていただきまして、政府系金融機関の質問の方に先に移らせていただきたいと思います。その後でNPO支援についてお伺いしたいと思いますが。
 政府系金融機関の取扱いについてでございますが、結局これは、金融機関の在り方についてといいましょうか、金融を担当する機関の在り方についてというふうに申しましょうか、小泉総理は大変強い御意思でこの検討に臨まれたわけでございます。一省に一機関もあっておかしいじゃないかとか、あるいは税金の無駄遣いだとか、民業圧迫だとかというようなそもそも論が大変大きかったと思うのでございますけれども、こうした政府系金融機関の取扱いについては、今回、結論が先送りといいましょうか、石原大臣の方から逆に竹中大臣の方に振られたような格好に私ども見えてしまうのでございます。結局、抵抗勢力に屈したのではないかと思うのが私の感想でございますけれども、経済政策の観点に今度は振られた場合、この検討の視点というのはどんなふうになるのでございましょうか。
 今までは、国の組織の在り方としてとか、官民の役割分担の在り方としてということで議論されておったと思うのでございますけれども、そういう組織の問題を離れて、今度は業務の見直しというふうに変わっていくのか、検討のウエートが変わっていくのか。そういう組織の問題を離れた場合には、経済にこれはどういうふうに影響をするのか。
 ちょっと聞き方が稚拙でございますけれども、多分私の伺いたいことは大臣に伝わっていると思いますので、そういう観点から伺いたいと思います。
#14
○国務大臣(竹中平蔵君) 正しく理解しているとよろしいのでありますけれども。
 基本的に、やはり政策金融の問題というのは、幾つかの改革の中でもやはり特殊な要因を持っているのだと思います。あえて二つ挙げさせていただきますが、一つは、そもそも政策金融というのは政策の中でどういう役割を与えられるべきなのか。日本は非常に財政投融資制度の中で特異な形でこの政策金融制度が発展してきましたので、諸外国との比較というのがなかなか難しい例があるんですが、諸外国でもあることはある、しかし日本のやり方とは随分違う。そうすると、本当にパブリックなセクターが担うべきファイナンスというのは一体そもそもどうあるべきなのかというそもそも論が、行革問題として石原大臣が扱っておられる問題の中でもかなり特殊な問題というか、そういったものを持っているんだと思います。
 二つ目は、民間にできることは民間に任せるという大原則がこの構造改革にあるわけでありますが、その民間に任せるべき民間の金融機関が今の不良債権問題でうまく機能していないと。だから、これまたちょっと、なかなか普通の議論はできない特殊事情があると。そういったことも踏まえて、経済との総合的な考え方、政策体系での位置付けというのを諮問会議で議論することになったのだと思うのです。
 したがって、委員お尋ねの議論の焦点ということになりますと、これは極めて幅広く、そもそも政策金融というのは何を行うべきかということから入って、最終的な議論にまで何らかの形で持っていくということになるのではないかというふうに考えております。
#15
○川橋幸子君 今、この不景気の中で、中小企業の資金繰りが大変苦しい中でこの政策金融の役割は重要だと、こういう議論が蒸し返し出されている中での御議論なわけでございますけれども、本来の検討の視点を失わずに、大臣の手で大胆に処理していただきたいと要望させていただきます。
 さて、NPOの支援について伺わせていただきます。
 内閣府というのはNPO法を所管しておりますけれども、このNPO法を所管をして、申請があった場合には認証を与える、法人格、NPO法人格を与えるための認証を与えると、このような事務にとどまっているんだという、そういう説明を度々聞くわけでございます。しかし、骨太方針でも、あるいは中期展望でも、あるいは大臣の所信の中でも、NPOというのは政府でもない、企業でもない、第三のセクターとして非常にこれから日本の社会の中で必要なものだということが力説されておるわけでございますが、そういうことに、そういう所信と照らし合わせますと、今の内閣府がNPO法だけを所管している、法律だけを所管しているというのはいささか所信に対して取組が小さ過ぎるのではないかと、私はそのように思うわけでございます。
 例えば、現在、雇用対策にもNPOを活用すべきだというような意見が多くて、事実そのような予算措置もされているわけでございますが、NPOの現場の中では、体力のない、要するに財政力がないんです。それから、スタッフも十分じゃない、事務所も十分じゃない、そういう体力のないNPOに事業費だけ助成されたにしても、かえってその体力を弱めるだけと、現場ではそうした大きな混乱が起きているわけでございます。
 やはり、NPOを育成する、育成支援すると、そういう観点から私は、内閣府の総合調整機能を発揮されまして、大体、介護ですとか福祉関係ですとか、あるいは教育、国際協力といった各省庁にわたりますNPO助成策と総合してこれを考えていかないと、せっかく芽生えたNPOも、今回の行政下請に安易に使うということをやっていたのでは芽をつぶしてしまうのではないかという、こういう危惧を抱いております。
 続けて質問させていただきますが、NPO税制も、認定法人に認められたものが二件だけということで、税制優遇の措置も有効には発揮されていないわけでございまして、これから税制を考えられるんでしたら、むしろ経済活性化の観点からNPO税制というものも考えるべきではないかと思うのでございます。
 ちょうど私の年代ですので、私、自分のライフスタイルとしてよく分かるわけでございますけれども、今六十歳以上ぐらいの中高、高齢者というか中と言わせていただきますが、中高齢者が個人貯蓄の半分ぐらい持っているわけですね。物は足りている、子供の教育費に手が掛かるわけじゃない、住宅も手当てされている。何にお金を使うかというと生きがいのためにお金を使うわけでございます。NPOというのは、NPOで働いて賃金をもらうわけじゃなくて、逆に自分がお金を出しながら、ある使命感のために貢献するということに生きがいを求める、これがNPOの実態でございますので、是非NPOの支援について総合的な取組をしていただきたい。
 わけても税制というのは大変大きな問題でございますので、税制の在り方の中でも単に個別税制の話というふうに切り捨ててしまわないで、税制の在り方の中で活力を取り戻すための税制の一つとしてお考えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#16
○国務大臣(竹中平蔵君) NPO支援、税、ちょっと別々の観点からのお答えをさせていただきたいと思いますが、まず税に関しては、委員御指摘のとおり、実は今回の論点整理の中でも、やはり多様な生活、多様な活動、多様なライフスタイルを保障できるような、そういった税制が必要であると、これは非常に強く考えておりますし、そういった問題提起をさせていただきたいと思います。恐らく、そうした中で具体的な例としてやはりNPOに対する税制というのが中心になるのだと思います。
 御指摘のように、認定NPO法人制度ができて、制度はできたんだけれども、まだそれが十分に活用されているというような状況では、これはどう見てもない。これはもう少し時間を見て、問題点を整理して今後の方向というのは考えていきたいというふうに思いますが、まず税制に関しては、先ほど申し上げましたように、多様な活動を保障するという観点からNPOもその中の重要な位置付けとして取り組みたいというふうに思うわけでございます。
 第一の、NPOそのものをどう考えるかというような、もっと大きななかなか難しい問い掛けでございます。NPOそのものについては、総論としてこれは大変重要であるということをみんな認めるわけでありますけれども、果たしてこれを政府が支援すべきかどうかというやはり哲学的な問い掛けもあるのだと思います。つまり、自由にやっていただくからこそNPOなのであって、NPOの自由な活動を妨げるものがあるんであるならば、これはやはり政府の重要な役割になる、しかし、積極的にお金を出して支援すると。物によってはそういうものも出てくるのかとは思いますが、それが本当にNPOの趣旨に沿っているのかどうかという問題もあるのだと思います。
 これは国民生活白書、今日閣議報告させていただきましたが、そういった中でもこのNPOの活動等について様々な言及をしておりますので、これは確かに国民生活、内閣府、そういった観点からの取組が必要だと思いますので、是非、御指摘を受けまして、あるべき対応策をちょっと広く検討をさせていただきたいと思います。
#17
○川橋幸子君 それでは、ちょっと残り十分切れましたけれども、今度は石原大臣の方にお伺いさせていただきます。
 さて、大変御苦労の末だったんだろうとは拝察いたしますが、昨年十二月に決定されました特殊法人等整理合理化計画については、これもメディアの評は大変辛いと言わざるを得ないと思います。私自身もこれは鳴り物入りの改革中の改革と言われた特殊法人改革の名に値しないのではないかと、このように思うわけでございます。
 石油公団の廃止は、これはもう数年前から言われていたことで、決めて当たり前という感じがいたしますし、道路四公団、これは今国会に法案が出てまいりますけれども、結論としては第三者機関にゆだねて棚上げという、そういう意味合いが感じられます。ほかは、独立行政法人への衣替えというものが数としては大部分であるということでございます。また、最近の新聞では財投機関債への市場の投資意欲というのも非常に低いということになりますと採算問題が顕在化してくる、このようなことを考えますと、大胆な廃止を打ち出す、そうすべきだったのではないかと思います。
 石原大臣もそうなさりたかったのではないかと推察いたしますが、いかがでしょうか。
#18
○国務大臣(石原伸晃君) 川橋委員の御質問にお答えを申し上げますが、評価というものはやはり第三者の方にしていただきたいと私も思っております。そして、石油公団の廃止、我が党の堀内総務会長の御持論で議論をされてまいりましたことですけれども、これを実際に廃止するということを決めたこと、また道路四公団につきましても民営化を決めたこと、更には都市基盤整備公団、あるいは先ほどの政策金融の中の一つではございますが、住宅金融公庫の廃止、公的金融の中で七十六兆円占める民間の事業を大きく圧迫しているものを廃止するということを政府として決めたということは、やはり私は従来では考えられなかった踏み込んだ内容だと思っております。
 そして、道路公団について今先送りという御批判をちょうだいしたところでございますけれども、やはり道路四公団をどのような形で民営化するのかということは、国鉄の例を見ましても、やはりかなり議論をして国民の皆様方の利便性に資するようなものに変えていかなければなりませんし、ただいま委員御指摘されましたように、採算性というものを十分に確保していかなければ民営化は成り立たない、こういうものを一体として御審議いただく第三者機関を決める法律案をもう既に国会に提出をさせていただいておりますので、速やかに成立をして、委員の御批判にこたえるような制度の見直しが決定することを私は期待しているところでございます。
 そのほか、今回は事業見直しということにも着目をして、独法というお話しもされましたが、私は独法というものは決して問題のお茶を濁しているものでもなくて、三年から五年ごとに組織存在自体が見直される、そして今現に特殊法人が行っている事業についても見直しをすべての法人について行って、組織形態も来年、再来年度ですか、十五年度には具体化を図るというふうに整理をさせていただいているところでございます。
#19
○川橋幸子君 次は、これも大きな課題でございまして、公務員制度改革について伺います。
 先ほど、大綱でしたでしょうか、まとめられて公表されたわけでございますが、その中の一番の目玉、目玉といいましょうか重点、改革の重点としては信賞必罰と。ちょっと古めかしい言葉でございますが、要するに能力主義、成績主義を取り上げて、公務員としての誇りを持って企画立案できる、こういう人材を育てたいというようなことが主眼点になっているようでございますが、しかし、考えてみますと、物を売ったり作ったり、目に見える能率や成果というものが測られない公務の仕事につきましては、能力主義というのは非常に難しいというのがもう公務員制度発足以来のどこの国でも悩んでいる話ではないかと思います。
 私は、国家公務員法の中で現在でも能力主義というのは規定されているわけでございます。ちょっと横道にそれるかもしれませんが、以前悔しい思いをしたことがございますのでお聞きしたいのですが、男女雇用機会均等法というのは民間の雇用労働者に適用されるものなんですね。私どもは、民間、公務を問わず、働く女性の差別、不合理な差別をなくすということから公務員法も改正すべきだというふうに言ったのですけれども、国家公務員法のあの中、地方公務員法も、能力主義が取られてそれが規定されているんだから何ら差別はないんだと、このような法律の建前なんだなんて、そんな答弁を伺ったことを覚えております。
 そこで、要するに、現行の国家公務員法で規定されていながら、なぜ能力主義、成果主義というのが取られないのか、取られなかったのか。それをどういうふうに分析なさっていらっしゃるのか。そういう分析がなくて文言だけ法律を変えても、それがスムーズにそうした雇用管理に結び付くことはないのではないかと、そういう基本的な、根本的な疑問を持っております。
 それよりも、今の公務員の雇用慣行を見ますと、国会も一つのガンなのかも分かりませんけれども、サービス残業なんていうのは本当に無定限、無定量にあるわけでございますし、今、民間の方では、旧労働省といいますか厚生労働省は、ファミリーフレンドリーな企業を表彰しながら、多様な働き方を実現していくというようなことをやっていますけれども、公務員の中は画一的で、多様などころじゃないですよね。そうした根本のところの雇用管理がはっきり改善されないで信賞必罰といっても、私は絵にかいたもちであって、実現しないのではないかというのが一番根本的な疑問でございますが、いかがでしょうか。
#20
○国務大臣(石原伸晃君) 委員が御指摘されたように、どんなにすばらしい文言を飾っても、その制度が運用されない限りは、絵にかいたもちに終わるということは共通な認識を持っておりますし、川橋委員が悔しい思いをされたというふうな率直な御表現をされたいわゆる男女雇用均等法、そして公務員の世界の中での男女の比率を見れば、お題目は整備されているけれども、まだまだ女性に対する理解というものがこの世界で不足しているということは、その比率からも私は明らかだと思っております。
 そして、今回の改革の最大の焦点については、もう委員が御指摘していただきましたので繰り返しは避けさせていただきたいと思うんですけれども、やっぱりこの今、現行の勤務評定制度というものにやはり問題があるということは、委員も認識されているんじゃないかと思います。そして、この問題を認識していて、じゃ、どういうふうにして、実際にどういうふうに制度が動くかというところが重要であるという御指摘をされたんだと思いますが、いわゆる能力評価と業績評価から成る新たな評価制度というものを導入しようと考えております。
 それによりまして、能力評価においては、これは非常に難しいという御指摘で、私もそのとおりだと思うんですが、いかに客観的に明確でその能力基準というものを定めるかというところに最大私は係ってくると。こういうものを決めさせていただいて、これに基づいて、物差しに基づいて職員の能力を評価させていただく。スタンダードを決めて評価するということでございますが、そして業績、一方の業績評価、これも難しい、パブリックサービスでございますので、どれだけ物を売ってどれだけ利益を得るのが良いとされる資本主義からは離れるものでございますけれども、業績評価においては、職員一人一人の、これも私、若い公務員の方の話を聞いてびっくりしたんですが、課長さんがうちの課は何を目指すんだといったようなことも言わない課長さんがいる、一人一人の、そしておまえはどれだけのことを目標にして仕事をしろということも指導もない、こんな話を聞きました。一人一人の業務目標の達成度を見ることで職員の業績を適切に評価をしていきたいと考えております。
 そして、やはり新たな評価制度の導入に当たりまして、もう現在民間において取り入れられている手法を参考にさせていただきまして、そしてまたパブリックサービスという公務の特性を考慮した上で、評価の試行を十分に行わせていただき、その試行結果を踏まえて具体的な制度設計というものを行わせていただく、これによって実効性のある評価制度も、これまであるものに代わって整備をさせていただきたい。やはり委員御指摘のとおり、運用の部分というものが非常に私も重要だと考えております。
#21
○川橋幸子君 あと一問、三十七分までの持ち時間でございますので、もう要望で終わるかと思いますが、申し上げます。
 天下りについてでございますが、人事院の事前承認制というものがなくなりまして、各省大臣の権限が強くなったということでございますが、今回の外務省における政官の付き合い方の問題ではっきり見えましたように、これは、むしろ政治主導に名をかりた情実が増えるのではないかという危惧があるということはとにかく主張させていただきたいと思います。
 それから、天下りにつきましては、特にT種公務員なんかがはっきり出てくるわけでございますが、次官一人を二年に一回出すために五十三歳でみんないなくなると。これはいかにも異常な職業社会ではないかと思います。普通の社会にすべきだと思いますと、そういう早期退職慣行という、この是正に取り組まれなければいけないと思いますが、この点が触れられていなかったことが大変残念であるということを申し上げまして、もし三十秒ぐらいでその早期退職のところだけお答えいただけるのなら、お答えいただきたいと思います。
#22
○国務大臣(石原伸晃君) 三十秒と時間も指定いただきましたので速く話させていただきたいと思うんですが、まず、天下りについては、同じような御批判を多くの方からいただいております。これは二重、三重に人事院の関与というものも保障して、厳しくするということで国民の批判にこたえていきたい。
 早期退職慣行、これ私、正に委員の御指摘と同じ考えで、これから高齢化社会がやってきて、いつまでも今のような制度が続けられないということはもうすぐ明らかになってまいります。その一方で、人事の刷新みたいなものも重要である、そしてまた、公務員の方々で蓄積したノウハウを、専門的なノウハウを必要とする分野も出てくる。こういうことをしっかりと明確化して、新たなルールというものを構築していきたいと、こんなふうに考えております。
#23
○山根隆治君 おはようございます。
 私は、まず、朝銀の破綻に伴う様々な派生してくる問題について、この際お尋ねをいたしておきたいと思います。
 上野官房副長官におかれましては、非常に今日あちこち引っ張りだこということで、早めに質問をしろというふうなお話もございましたので、まず冒頭、上野副長官に対してお尋ねをしておきたいと思います。
 昨年の九月の十一日のアメリカにおける同時多発以来、国際政治もテロの撲滅ということで大きく動いてきております。そして、昨年のそうした事件といいましょうか、テロということを受けまして、テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約というものがございますが、いわゆるテロ資金供与防止条約でありますけれども、これは日本は昨年の十月の三十日に既にもう署名をいたしておりますが、聞くところによりますと、今国会で批准の手続を取られようということを伺っているところでございますが、もしこの条約が批准されるということになった場合の想定でありますけれども、そしてまた国連安保理の決議が、千三百七十三号を受けまして、法整備でテロ資金の提供、収集を犯罪化する法律というものが整備されてくるというふうなことになってくると思いますけれども、そういう動きの中で、もしこれらの措置が取られた場合、つまり批准が我が国において取られた場合に、朝銀──朝銀というのは朝という字を書く朝銀でありますけれども、朝銀そして朝鮮総連、さらにはそれとの絡むところの北朝鮮の関係について、これらの条約というものが日本において適用されるというふうにお考えになるかどうか、この点についてお尋ねをいたしておきたいと思います。
#24
○内閣官房副長官(上野公成君) 特定の団体といいますか、特定の国について今ここでお答えすることは差し控えたいと思いますけれども、一般論を申し上げますと、現行法でも、今委員が御指摘になりましたように、国連決議でありますとかそれから安保理決議とか、こういった国際約束、こういうことを履行するために必要があるとき。それからもう一つは、国連決議じゃなくても、例えばユーゴのミロシェビッチ前大統領ですかね、に対してEUだとかアメリカがそういう措置をしておりますので、これは国連決議はなかったわけでありますけれども、そういった国際的な努力に我が国が協力をしていくために特に必要がある場合。こういう場合には資産凍結とか送金とかいうことの停止だとかということの措置を取ることができるわけでありますけれども、ただ実際には、その措置をするかどうかということについては、我が国が具体的な事案に即しまして、関係の省庁とも、財務省がこれは主管でございますけれども、協議の上で総合的に判断しているところであります。
 そして今回、今お尋ねのように、外為法の一部改正を出しているわけでございますけれども、その法律の内容は、今御指摘のありました国連安保決議の千三百七十三号を踏まえて、今言われたような資金、資産凍結だとかそういった措置を講じる場合のテロリスト等の指定を行う。そういうことで、これは今までもできるわけですけれども、もうちょっと明確に関係省庁の協力の仕組みその他を明確にするということでございますので、そういうような中で、そういう指定に該当するかどうかということが委員のお答えになるかと思いますので。
#25
○山根隆治君 朝銀と朝鮮総連との関係が非常に深いというふうなことを言われておりますし、それを指し示す証拠というものもいろいろとございます。そして、そのことと、総連の方から北朝鮮に資金というものが流れている、このことはお認めになりますか。
#26
○内閣官房副長官(上野公成君) ちょっと私自身は、そういう話は聞きますけれども、実際にそういった、明確にあるということについては確信はといいますか、きちっとした知識を持ち合わせておりません。
#27
○山根隆治君 この委員会で村井大臣にもお尋ねしたことがあるんですけれども、いわゆる拉致疑惑、拉致問題、これをテロとして認めるかどうかというのは、なかなか言葉として、答弁としてテロということが出てきません。それは福田官房長官も村井大臣も同様でございますけれども、これは非常に奇異なことで、世界的に見れば、こうした拉致というものが行われているということであれば、それは明らかに私はテロ行為だというふうに思っております。
 そして、それをもしテロというふうに認めるならば、アメリカは穏当を欠く発言がブッシュ大統領からあります。つまり、イラン、イラク、北朝鮮についてはこれはもう悪の枢軸だというふうな発言がございます。私は、こうした表現というのは必ずしも国際的な平和ということからするといささか疑問、こういう表現をすることについては疑問を持ちますけれども、しかしアメリカはそうした言明というのは大統領自身、一般教書等で三度にわたって発言をしている。そして、テロの撲滅については、小泉総理もこれは全面的に協力する、こういうことを言ってきているわけでございます。
 そういうことからすると、もしこれから、アメリカが北朝鮮にいろいろな外交的な攻勢を掛けているんですけれども、こうした拉致問題を始めとする一連の北朝鮮の行為というものがテロである、あるいはテロ国家であるというふうに国際世論が認定するというふうなことにある意味ではなった場合には、私は、この今私が申し上げたような条約の適用というものもやはり具体的に検討せざるを得ない状況に私はなってくるんだろうと思うんですね。そうした部分では、非常に慎重に扱わなくてはいけないことではありますけれども、そうしたものも検討するということも極めて私は大事だろうというふうに思っております。
 拉致にかかわることにつきましては、北朝鮮もこのところ少し表現が変わってきて、有本さん等についての生存をほのめかすようなことを言っておられます。私は、こうした国会での論議というものがかなり北朝鮮に対して影響を、日本にとって好ましい影響を与えている、あるいは与え続けているんだろうと思うんですね。そういう意味では、この今私が提起した問題についても是非真剣に、慎重に検討をこれからしていただきたいというふうに、この点については時間もなくなりますので御要望ということでとどめさせていただきたいと思いますが。
 それで、実はつい最近ですが、金融庁と関東・近畿財務局が四つの信用組合、信組に認可を与えることになりました。これは非常に政府のいろいろな意思というものも実は入っていたと思います。つまり、朝鮮総連に対してその影響が排除されなきゃいけない、あるいは架空の名義という口座についても、この辺もしっかりとチェックされなくては公的な資金の注入というのは行えない、こういう意向がかなりある中でこの認可に踏み切ったわけでございますが。
 四つの信用組合の中で、一つ大きいところではハナ信用組合というのがございますけれども、この事業計画の概要というものがありまして、それは朝銀の信用組合の役員の経験者を新しい組合には役員としない、あるいは役員は総連のいかなる地位にも就かず職にも従事しない、総連及び朝銀で構成される団体に参加しない、総連に対する融資を引き継がず、新たな融資も行わないということを条件としてこれを認可したというふうに承知いたしているんですけれども、これはこれで評価できることでありますけれども、これがもしほごになった場合に、あるいは全部とは言わないまでもこれを犯すようなことになった場合、この認可というものを取り消すということになろうかと思いますけれども、この点についてはどのようなことになっていくのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#28
○副大臣(村田吉隆君) 委員今御指摘の点でございますけれども、朝鮮信用銀行でまだ破綻した後の受皿が決まっていない、そういう組合がございまして、それに対して四つの受皿組合が今設立の認可を終えたところでございます。
 そうした中で、朝銀信用組合につきましてはかねてよりいろいろな問題が指摘されておりましたので、我々といたしましては、新しい受皿信用組合の認可に当たりましては、今先生が御指摘のように経営の透明性、あるいは独立性を確保されるような、そうした指導をしてきたところでございまして、私どもとしては正式に今後受皿の信用組合として適切かどうかということにつきましては、適格性の認定の申請を受けまして、一連の破綻処理のスキームの手続を進めていくと、こういうことでございます。
 定款にそういうことが、定めるように我々といたしましては指導しているわけでございますが、仮にそうした定款に記載された事項が守られないという事態になるとすれば、我々としては行政処分を行う可能性があるということでございますが、まだ仮定の話でございますので、私どもとしては推移を見守りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#29
○山根隆治君 仮定の話で推移を見なくてはというのは当然のことでございますけれども、私はしっかり、これはもう国民の税金というものを過去において、そしてこれからも投入するということを、公的な資金の投入ということを考えると、総額で一兆円規模の投入というふうに言われているわけですね。ですから、国民の血税をそれだけ入れるわけですから、私は慎重の上にも慎重、そして認可したからそれで終わりということではなくて、しっかりとやっぱり厳しい目というものを、正しい目というか、そういう目を向けて、これからもいかなくてはいけないというふうにも思っております。
 朝銀と総連との関係というのはもう密接不可分なものだというのは幾つものあかしというものがありますし、そしてそれが北朝鮮に資金が流出しているということも、いろいろな状況証拠というか、話としては伝わってくることが多いわけですね。そういう北朝鮮において拉致が行われている中で国民の税金が一体どういうふうに使われるのかというのは、これはもう外国から見たら笑い物になるような状況も一つあると思うんですね。
 北朝鮮は、例えばラングーン事件を起こしたり、あるいは大韓航空機の爆破事件を起こしたりしているときも、いつもやっぱりしらを切って今日まで来ました。そして、南北の朝鮮半島の三十八度線で二つのトンネルが見付かったときも、これは韓国側から掘られたものだというとんでもない抗弁をしたという、そういうところでございますから、私はしっかりとこの辺はやっぱり国益というものを十分考えて、単なる一金融機関ということではなくて、そうした政治的な背景もあるということで、これからもしっかりやっぱり監視し続けていただきたいということで、この問題については終わらせていただきたいと思います。
 まだまだたくさん伺いたいことあるんですけれども、上野官房副長官もちょっとお時間がないということで、これで御退席していただいて結構でございます。問題を次に移させていただきたいと思います。
 それでは次に、警察官の増員の問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 各都道府県警に割り振ってある警察官の定数というものは警察法等によって定められているわけでございますけれども、定められているそのもっと前の根拠、これはどういうところからきているのか。つまり、人口であるとか、それから犯罪の発生件数であるとか、あるいは面積だとかいうことも当然勘案されているんだと思うんですけれども、その基となる数字の根拠、これはどういうところから算出をしてきているのか、お尋ねをしたいと思います。
#30
○政府参考人(石川重明君) 今お尋ねの各都道府県の警察官の定員の基準でございますが、これにつきましては、各県の人口、それから面積、あるいは犯罪や各種警察事象の発生状況、そのほか、例えば離島が多いとかそういうような特殊事情等を総合的に勘案をいたしまして定めているところでございます。
#31
○山根隆治君 各県警から毎年予算要望のときにいろいろと要望があると思うんですね。つまり、警察官、これだけ治安が不安視されている時代の中で、あるいはまた更に最近非常に多くなっているDVの問題等で警察官の増員の要望というのは非常に多いかと思うんですけれども、これらの要望にどれぐらい今こたえられているのか。数字ちょっと、これ事前に言っていませんでした、なければ結構ですが、いうことをちょっとお尋ねをしておきたい。つまり、要望に対してどれぐらいということでこたえているのか、もし数字があれば、なければ結構です。
 それで、実は警察の方で警察刷新会議というもので、諮問をされて、そこから緊急提言が出されております。我が国の警察官一人当たりの負担人口は全国平均で五百五十六人であるけれども、欧米の警察官の負担人口がおおむね三百から四百人ということであって、著しく負担が高くなっているということでございまして、当面、警察官一人当たりの負担人口を五百人となるまで地方警察官の増員を行う必要がある、こういう提言が出されているわけでございますけれども、こうした提言をそのまま受け入れるとすると、一体警察官を、充足というものを、何年ぐらい掛かるとこれは達成されるということになるのかどうか、お尋ねをしたいというふうに思います。
#32
○政府参考人(石川重明君) お答え申し上げます。
 地方警察官の増員につきましては各都道府県から増員要望というものがございます。これを踏まえまして、警察庁におきましてそれぞれの治安情勢に的確に対処するために必要最小限の人員を積算して、増員の場合に各県で措置をしているところでございます。
 ただ、この増員要望と申しますのは必ずしも要望数というような形で数字をもって明示されているものでもございませんので、御質問の各県警からの要望数に対してどのぐらい達成しているのかといったようなことを数字でお示しすることはできないということを御理解をいただきたいというふうに思います。
 また、今御指摘の警察刷新会議の緊急提言でございますけれども、警察官一人当たりの人口負担を五百人にするために、これはオールジャパンでございますが、どのぐらいの警察官の増員が必要になるかというと、これは単純に計算をいたしますと約二万三千人強ということになるわけであります。
 ただ、この緊急提言にも触れられておりますが、それはまず内部の合理化の努力、いろいろな形でスリムにして、そして余剰人員を今忙しい業務負担を持っているところへ回していくという努力をした上で、そしてそういう増員というものに計画をしていかなきゃならないと、こういうことでもございますので、私ども今、組織、業務の徹底的な合理化というものに取り組んでおります。そして、そうした、捻出した人員を体制が不足する部署に振り向けてもなお不足する人員、これにつきまして、今約一万人ということでございまして、今後この三年間で緊急に増員をしていきたいということで今努力をしているところでございます。
 そして、平成十四年度におきましては、このうちの四千五百人を予算でお願いをしている、こういう状況にございます。
#33
○山根隆治君 何年で私はこれ全部達成されるのかということをお尋ねしたんですけれども、そのことはなかったように思いますが、いただいた資料を見ますと、一番負担増が、負担が多いのが埼玉県ですね。これ人口が急増しているということ等もあるんですけれども、埼玉県においては来年度も一応予定としては増員の計画がかなりあるというふうには聞いているんですけれども、五百人を達成するのにはやはり十数年掛かるようなたしか計算だったかと思うんですね。
 私は、やはりその状況に応じては、単なるペーパーで計算をするということではなくて、その重要性ということにかんがみて思い切って、例えば埼玉、一番全国でワーストワンという、ワーストというか負担増、負担が多いところでございますので、そこについては、首都圏ということもあるし全国的な波及性ということ等も考えると、私はやはり特に埼玉県については特別な措置を計らうということも当然行われるべきだというふうにも考えるんですけれども、この点についてどのようにお考えになりますか。大臣の方からでしょうか、お願いいたします。
#34
○国務大臣(村井仁君) ただいま官房長から全体につきまして御答弁を申し上げたわけでございますが、昨年度、埼玉県につきまして四百人の増員を図っておる。
 そして、十三年度において四百人の増員、それから今御審議をいただいておる予算案で四千五百人の増員、全国で果たす中で、埼玉県に三百八十人の増員を図っているところでございますが、いずれにいたしましても、ある程度の重点化を図りながら三年間で一万人増員するということで関係先へお願いを申し上げ、その前提で平成十四年度四千五百人の増員ということを実現することで予算案を組んでいただいたわけでございますが、やっぱり全体、行政を大いに整理していく、行政整理をしていく、こういう環境の中で、警察だけ増やしていくというのはなかなか大変なことでございまして、国民の皆様の御理解を得ながら何とか実現していかなきゃならない、そういうことでございまして、埼玉県はその中で二年に続きまして、二年間にわたりまして少なくとも最大の配慮をしているということを是非御理解をいただきたいと思うところでございます。
 埼玉県の公安委員会からも私も強い御要望を受けておりまして、これ将来、これからどうするかということでございますけれども、これはまたその後の警察事象の発生状況等々、それからまた合理化の進展状況などもにらみ合わせまして判断をしてまいりたいと考えているところでございます。
 なお、五百人というところでございますが、確かに警察刷新会議からはそのような御提案を受けたわけでございますが、取りあえずはやはりまずは合理化を進めようと、その上でどうしても足りない一万人をこの三年間で増員をさせていこうと、いただこうと。
 もう一つ配慮しなければならないのは、やっぱり警察官にふさわしい人材を得なければならないという問題でございまして、そういう点でも御期待に沿えるような人材をそろえるという前提で対応してまいらなければならないと、こんなふうに思っているところでございます。
#35
○山根隆治君 今、大臣の方から御答弁をいただきまして、増やす前に合理化をということですが、私も一番負担の大きいところということでお話しするんですが、埼玉県の実情についてはある程度掌握しているつもりですが、これは、合理化はぎりぎりのところまでもうやってきているんですね。例えば、警察官のOBの方にも協力いただいて不在交番の解消をということに取り組んでいただいたり、様々なことを埼玉の場合もやってきているわけですね。
 よく言われる、引き合いに出されているニューヨークの犯罪が激減したというのは、テロでかなりテレビにも登場していたジュリアーニ市長、検事出身の方でございましたけれども、この方が徹底した合理化を図って、それで余剰した人たちを現場の警察官に回したというふうなことも言われていますし、あるいはまた、もう一つは徹底した事務の合理化ということで、パソコンの導入ということで余剰人員というのを作ってきたということあるんですけれども、もうそれらはすべてやり切っていますね、埼玉の場合で限って言えば。ほかの県警でも恐らく似たような事情だと思うんですね。
 ですから、合理化という言葉に逃げずに、まず、今、日本の国家について一番大事なことは何か、経済の安定ということが、先ほど竹中大臣もおられましたけれども、経済をもう一回復活させるということも大事ですけれども、もう一つやはり漠とした不安が国民の間にあるのは、やっぱり治安の問題がかなり今大きくなっています。そうした不安というのはかなり国民の間にびまんしている状況にかんがみて、私はこの警察官の増員という問題については急がれる問題であろうというふうに思いますので、最後、もう時間になりましたので、たくさん質問用意していて、おいでいただいた方、政府委員の方、申し訳ないんですけれども、最後に警察官増員の問題について決意、大臣の方からお聞かせください。
#36
○国務大臣(村井仁君) 大変御理解をいただいておりまして、感謝をいたしております。
 私どもといたしましては、いろいろ研究をいたしまして、三年間で一万人の増員を図る思い切った対応を打ち出した次第でございまして、これをお認めいただけることによりまして、将来、時間がたった後に、確かにあの時点で日本の治安の悪化に歯止めが掛かったと、このような御評価をちょうだいできるように誠心誠意努力をしてまいる決意でございます。
#37
○森本晃司君 どうも、大臣御苦労さまでございます。
 今日は私、安全、命を守るという面で交通事故の問題と、それからチャイルドシートが義務付けられるようになってからその状況はどうなっているのかと、こういった点についていろいろとお伺いをさせていただきたいと思います。
 最初に、交通局長にお伺いするんですが、昨年三月、第七次の交通安全基本計画、これが制定されまして、政府を挙げて一生懸命今交通事故防止に取り組んでおられるところだと思いますが、昨年の交通事故発生状況、特徴はどうなっているのか、お答えいただきます。
#38
○政府参考人(属憲夫君) 平成十三年中の交通事故の発生状況についてでありますが、発生件数は九十四万七千百六十九件、死者数は八千七百四十七人、負傷者数は百十八万九百五十五人となっております。
 死者数につきましては、二十年ぶりに九千人台を下回るという大きな成果を上げることができましたが、一方で、発生件数は九年連続、負傷者数は四年連続して過去最悪を更新しているところでございます。
 また、交通事故の特徴、近年の傾向といたしましては、車両相互の事故、特に追突による軽傷事故が増加をしております。また、原付以上の車両運転者による交通事故について見てみますと、十六歳から二十四歳の若者による事故の割合が減少しております。これは、平成三年に比べますと昨年は〇・八九倍というところまで減少しております。その一方で、六十五歳以上の高齢者の方による事故は、平成三年に比べますと三・二八倍という形で大幅に増加をしている、そういった傾向にございます。
#39
○森本晃司君 今のいろいろと御説明を聞きましたけれども、二十四時間以内の交通事故数は今は減少している、交通事故での死亡者数は減少しているようですが、事件発生という問題については約九十五万件、負傷者は百十八万人と年々増加しているということで、史上最悪を今も記録をしているということでございます。
 是非、この史上最悪記録を早く止めるようにしていただきたい。これは万全を期してもらいたいんですが、幸い死亡者数、今もお話ございましたけれども、昭和五十六年以来二十年ぶりに九千人以下になったということでございます。
 いろいろとちょうだいしたデータを見ますと、死亡者数が最高の年がこれは昭和四十五年、日露戦争の死亡者を超えたと言われる一万六千七百六十五人でございますが、その後、五十四年でその半分になったと。その後また、昭和六十三年ごろからまた一万人を超えたと。そして今、皆さんの努力で八千七百四十七人と、約、当時の、一番最初の最高の四十五年から比べると半分ぐらいになったと、これはいろいろな関係で御努力をいただいていることかと思います。
 死亡数がそうした、少なくなったということは、私は非常に有り難いことだと思っているんですが、どういうところにそういう死亡者数を減る努力をしてこられたのか、どういう特徴がある、その点をお尋ねします。
#40
○政府参考人(属憲夫君) 最近の交通事故の発生状況を見ますと、発生件数、負傷者数につきましては、これは年々、運転免許保有者数あるいは車両の保有台数、さらには自動車の走行台キロ、そういったものが年々増えておりまして、それに伴って増加傾向が全体的には続いているということであります。
 そういう中で、一番問題である死亡事故については、これは総力を挙げて減らそうということで、官民一体となって取り組んでおりまして、信号機等の交通安全施設の整備や、交通指導取締り、その他の街頭活動の実施や初心運転者期間制度の導入等の運転者施策を充実、さらには交通安全教育の充実強化など、そういった諸対策が成果を上げているんだろうというふうに考えております。
 特に、自動車乗車中の致死率が過去十年間で一%から〇・五%に低下しておりますけれども、これにはシートベルトの着用率が大幅に向上してきたということと、事故直前の速度が低下をしてきているといったようなことが大きいものと考えております。
#41
○森本晃司君 これからも安全対策というのは、政府、全力で取り組んでいただきたいわけでございますが、副大臣も、内閣府の方からもお見えいただいておりますが、お尋ねしたいんですが、今のような事故、やっぱり件数は減っていませんし増えているという状況で、政府としてはどのような交通安全対策を講じてきておられるのか、このことについてお伺いします。
#42
○大臣政務官(奥山茂彦君) 内閣府といたしまして、交通安全対策の推進の上からお答えを申し上げたいと思います。
 交通安全対策は、言うまでもなく、安全、安心に暮らせる社会を作る上で大変重要な課題であります。国の交通安全推進体制といたしましては、交通安全対策基本法に基づき、交通安全対策の総合的かつ計画的な推進を図るために、内閣総理大臣を会長として関係十二閣僚を委員とする中央交通安全対策会議が設置されているところであります。
 昨年三月十六日に中央交通安全対策会議が作成した第七次交通安全基本計画では、平成十七年度までに年間の死者数を交通安全対策基本法施行以降の最低であった昭和五十四年の八千四百六十六名以下とすることを目標として、高齢者の交通安全対策の推進、シートベルト及びチャイルドシートの着用の徹底、安全かつ円滑な道路交通環境の整備、交通安全教育の推進、車両の安全性の確保、それと各種施策の大綱を定めているところであります。
 政府として、引き続き第七次交通安全基本計画に基づく諸対策を関係機関、団体と緊密な連携の下、総合的かつ計画的に推進をしてまいりたいと思います。
#43
○森本晃司君 いろいろと努力はしていただいておるわけでございますが、年間で二十四時間以内に亡くなられる方が約九千人、三十日以内の死者の数はいまだ一万人以上の方がいらっしゃるということでございます。
 死亡しなかったとはいうものの、植物人間等々でなって重度障害と認定された方が随分いらっしゃいます。先週も、私は一軒そういう御家庭を訪問してまいりまして、もうずっと長い間寝たきりのままで、幸い優秀な人でございましたので、またパソコン技術等々が発達したものですから、首を振っていろいろとパソコンを操作したりしながら家族の方と日常会話をし、生活をしておられる。だけれども、そういう姿を見ると、やっぱりもう痛々しいという、本人の今頑張っている努力はすごいですけれども、そう思いますし、やはり交通事故をなくしていくということは、これはもう内閣府それから公安委員長お見えでございますが、挙げてやっていただかなければならないと。対策本部長は総理大臣がやっていただいているわけでございますが、あとどことどういう連携を取りながらどう対策を進めておられるのか。昔は総務庁に交通安全対策課があった。今内閣府に移っているわけでございますが、連携も大事だと思うんですが、公安委員長、その辺について何か御意見ございますか。
#44
○国務大臣(村井仁君) 車社会でございます。また、車の便益というものもこれもまた本当に何物にも替え難い便益を我々の生活に提供してくれているわけでございますが、その負の側面というのが今、森本委員御指摘のように正にあるわけでございまして、私どももこれは非常に深刻に受け止めておる次第でございます。
 今御指摘のように、三十日以内ということになりますと一万を超えるという死者がまだ記録されているわけでございまして、この事態を私どもも非常に重いものと受け止めておりまして、今後とも科学的、総合的にこの原因等を分析をいたしまして、交通安全施設の整備充実、それから国会の御同意を得まして先般実行したわけでございますが、悪質危険な違反運転でございますが、これにつきまして厳しく対応するような手だてでございますとか、それからやはり何と申しましてもそれぞれのドライバーのマナーというのが非常に大事でございます。交通安全教育の推進等、いろいろと含めまして、各種の措置を総合的に強力に推進してまいらなければいけない。そして、内閣府に今度は交通安全につきましての総合施策というのが移ったわけでございますけれども、これ、決して私ども警察だけでできることじゃございませんから、国土交通省を始め関係各省ともよく連携を取りまして、悲惨な交通事故が一件でも少なくなるように私どもとしても今後全力を尽くしてまいりたい、このように思う次第でございます。
 ありがとうございました。
#45
○森本晃司君 ところで、自動車乗車中の幼児の安全を確保するということで、平成十一年道路交通法が改正になりまして、チャイルドシートの使用義務化というのが図られました。我が党でも、子供たちの尊い命を守るということでチャイルドシート委員会設置いたしまして、私、委員長としてこの問題、地方議会の皆さんも踏まえて我が党として取り組ませていただきました。非常に私も関心を持っているところでございます。
 チャイルドシートが、そこの法律が施行されてどのようになってきたのか。ついこの間、私、免許の切替えがございまして、それで行きましたら、地元で講習を受けてまいりました。その講習のときに、きちんとこれは交通安全協会の人が講習されるのか、チャイルドシートの着用について一生懸命話をしていらっしゃいまして、またスライド等々を使って見せておられたんで、ああ、なかなかチャイルドシートについては浸透しているなというふうには思ったんですが、まだまだやっぱり付けていない人がいてるなということを時々擦れ違った車の中で僕らも見るわけです。
 それから、きちんと付けておられるのかなということもやっぱり気になるものでございまして、このチャイルドシート使用義務化後の状況について、着用率の推移、それからしっかり取付け状況の推移と全体に占める割合、それから乳幼児の自動車同乗中の事故発生状況、それからチャイルドシート着用、非着用での死傷者数と致死数の推移、チャイルドシート使用効果の有無についてお伺いします。
#46
○政府参考人(属憲夫君) 警察では、春秋の全国交通安全運動に際しまして、チャイルドシートの着用状況及び取付け状況の調査を実施しておりますが、昨年九月の調査では着用率は七三・一%になっておりまして、義務化直後の平成十二年四月の調査に比べますと八・五ポイント高くなっております。
 また、取付け状況の調査におきましても、しっかり取り付けられているものが昨年九月では六六・三%となっておりまして、十二年四月の調査に比べますと六・二ポイント高くなっております。また、しっかり取り付けられているものの全体に占める割合については、単純に推計いたしますと昨年九月では四八・五%でありまして、十二年四月と比較いたしますと九・七ポイント高くなっております。
 また、六歳未満の乳幼児の自動車乗車中の事故発生状況につきましては、平成十三年中では死者数十一人、負傷者は一万一千五百八十五人となっております。
 次に、チャイルドシート着用、非着用別の死傷者数ですが、平成十三年中は、死傷者一万一千五百九十六人のうち着用の死傷者数は六千六百七十人、これは全体の五七・五%、非着用が四千六百四十三人、全体の四〇%というふうになっております。また平成十二年中は、死傷者一万三百九十七人のうち着用の死傷者数が四千六百三十人、非着用が五千五百十八人となっております。
 また、致死率につきましては、平成十三年は、着用者が〇・〇三%、非着用者が〇・一九%でありますので、付けている方が約六分の一以下という低い致死率になっております。平成十二年は、それぞれ着用者が〇・〇四%、非着用者が〇・一四%となっております。
 最後に、チャイルドシートの使用効果についてですけれども、平成十三年の着用、非着用別の死亡・重傷率で見ましても、非着用の場合は着用の場合に比べまして二・二九倍と高くなっているという状況でありまして、チャイルドシートの着用は交通事故による被害の軽減に大きくつながっているものと考えております。
#47
○森本晃司君 徐々に高まっているということでございますが、内閣府にお尋ねしたいんですが、シートベルトに比べるとまだまだ着用率が低いんではないかと、このように思います。あのチャイルドシートを買わなきゃならないというところから始まるわけでございまして、シートベルトの場合にはもう既に車に付いているものですから、その点も大いに異なってはくると思うんですけど、どういう取組をされているのかお伺いします。
#48
○政府参考人(江崎芳雄君) チャイルドシートの着用率につきましては、今警察の方から御紹介がございましたが、昨年九月で七三・一%と徐々に向上しておるわけでございますけれども、その三分の一は正しい着用がなされていないという状況がございます。このため、更に着用率の向上と併せまして正しく着用するということの促進を図っていかなければならないと考えてございます。
 内閣府といたしましては関係省庁とも協力をいたしまして、これまでシートベルト・チャイルドシート着用推進協議会というものを設けておりますが、これを通じまして正しい取付け方法を普及させるためのチャイルドシート指導員養成研修会ということを実施をしてございます。また、チャイルドシートの正しい取付け方法でございますとか選び方についての普及啓発を図るためのマニュアルを発行してございます。さらには、地方公共団体の行いますチャイルドシートのレンタル、リサイクル活動への情報提供等による支援ということも行ってございます。
 今後とも、チャイルドシートの正しい着用というのは大変重要なことでございます。この春にも全国交通安全運動が始まりますけれども、こういう機会をとらえましてチャイルドシートの着用の徹底を図るために関係省庁それから関係団体と連携して対策に一層努めてまいりたいと、このように考えてございます。
#49
○森本晃司君 ところで、その当時の附帯決議の中にチャイルドシート使用者の負担軽減のためのレンタル、リサイクル云々ということで盛り込まれましたが、負担軽減対策の取組についてどうしておられるのか、警察庁の方にお願いします。
#50
○政府参考人(属憲夫君) 警察では、自治体や関係機関、団体と連携を図りながら、チャイルドシートの購入家庭に対する補助金の支給や、チャイルドシートのレンタル、リサイクル等の使用者の負担軽減のための支援が行われますように積極的に働き掛けを行っているところであります。本年一月までにチャイルドシートの購入補助金の支給を行った自治体は千百十二市区町村でありまして、またレンタル等の事業を行った自治体は九百五十六市区町村と把握をしております。
 今後とも、国民がチャイルドシートを使用しやすい社会的環境が醸成されるために、このような支援が拡大されますように更に努力をしてまいる考えでございます。
#51
○森本晃司君 つい先般、国土交通省からチャイルドシートに関するアセスメント結果が発表されまして、国土交通省が技術基準に適合したということで認定したものでも、そのチャイルドシートでも、破損して推奨しないという商品も多く出ております。ユーザーの方から、自分が使用しているものは大丈夫なのか、法律で使用を義務付けたものが破損して推奨しないなどということでは不安ではないかとか、こういう意見が寄せられております。
 私はその結果を見て、より安全なチャイルドシートが製作されることを期待しておりますが、この義務化されておるチャイルドシートについてより安全なものが普及されることが望まれますが、今度のアセスの結果についてどのように考えておられるのか、お伺いします。
#52
○国務大臣(村井仁君) まず一般論として申し上げたいと存じますのは、安全で使いやすいチャイルドシートの普及というのは大変望ましいことでございまして、そういう意味で、今度、国土交通省がチャイルドシートに関するアセスメントを実施したということ、そしてまたそれを公表したということは、非常に利用者がより安全な製品を選択しやすい環境が整えられるとともに、より安全な製品の開発が促されるということによりまして安全なチャイルドシートの普及の促進につながるという意味で大変私は有意義だったと、こんなふうに思っております。
 ただ、御指摘の、その推奨せずというのがこの中で出ている。私もこれちょっと読みまして、確かに、推奨せずと、こう書かれるといかがなものかなと。よく読んでみますと、推奨せずと、がありますが、これは面白い表現を取っていまして、「なお、「推奨せず」とされた製品も安全基準はすべて満たしています。」と、こういう表現なんでございますね。国土交通省が自動車事故対策センターと協力しておやりになったアセスメントでございますから、これについて私はとやかく言うことは余り適当ではないと思いますのでこれ以上のことは申しませんが、やっぱりもう少し分かりやすい形にした方がいいんじゃないかというのは、率直に委員の御指摘を受けながら感じておりました。
#53
○森本晃司君 ところで、今回、道路交通法改正案が出されていますが、チャイルドシートの、自動車部品についてリコール制度がその案の中に盛り込まれているということが報道されているわけでございます。私は、人の命を守るということでは極めて厳格な品質管理の下に統一の基準で製造されなければならないと、こういうふうに考えております。しかし、先ほどにもあったように品質管理にはいろいろ温度差があるようでございますが、建設省でも、旧の建設、国土交通省、建設省でもかつて公園の遊具の問題について、いろいろ規制緩和の中でも都市公園における遊具の安全確保に関する指針を策定して今年の三月に国土交通省が発表ございました。
 政府としても、是非このリコール制度、盛り込まれるわけでございますけれども、子供の命を守るためにしっかりとしていく必要がありますが、奥山政務官、御見解をお伺いしたいと思います。
#54
○大臣政務官(奥山茂彦君) 森本委員にお答えをいたします。
 現在、チャイルドシートの安全性につきましては、先ほどのお話もございましたように、国土交通省の省令等によって基準が明確に定められて、それに基づいて製造されていると聞いておるわけであります。しかしながら、子供を交通事故から守るためには、チャイルドシートの安全性はもちろんのこと、その正しい着用が不可欠であるということで、先ほどからの話も、着用率は向上しておるわけでありますが、実際には正しい使用がされておらないということがまた問題であろうかと思いますので、そういった点にも十分配慮しながら、関係省庁と連携を図って、チャイルドシートの着用率の向上はもちろん、正しい着用の徹底に全力を挙げて推進をしてまいりたいと思います。
#55
○森本晃司君 リコール制度についてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 時間が参りましたので、一点だけ。
 これはもう私の方から詳しく議論する時間はございません。先般、山根先生も取り上げられました問題でございますが、兵庫県の大学院生の殺害事件、これに対する警察の取組、いろんな角度で書かれていますが、余りにもずさんではなかったんだろうかということでございまして、私のところへもメールが参りました。
 先日、神戸で大学院生が、駐車場でのトラブルを発端とし、警察のやる気のない捜査の果てに遺体で発見されるという事件がありました。本当に、警察がもっとまともに捜査してくれれば被害者も死なずに済んだのにと思うと全くやるせない思いです。一般市民の通報より暴力団を優先させる人たちを歯がゆく思うとともに、この事件に対する報道の少なさ、暴力団と警察の癒着ということ以外に、何か圧力があるのではないかと疑っておりますと。いろいろ国会で忙しいかと思いますが、もう二度とこんな取り返しの付かないことが起こらないように、被害者の方の死を無駄にしないように、私たち一般市民が平和に暮らしていけるようなこと、また犯罪の被害に遭われた人たちの救済の政策に全力を入れていただきたいと思います。
 高知県の藤原という女性の方からございました。
 しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
#56
○国務大臣(村井仁君) この事件でございますけれども、私も大変深刻に受け止めている一人でございまして、事案としましては、暴力団員から暴行を受けた大学院生が、一一〇番通報を受けて警察官が現場へ駆け付けたにもかかわらず、結果的に暴力団員らに拉致されまして、結果的に遺体で見付かった、非常に残念な事件でございます。
 亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族にお悔やみを申し上げなければならないと思っておりますが、兵庫県警察におきましては、現在、初動捜査に問題がなかったか等々も含めまして全容解明に努力をしているところでございます。
 私は、いずれにいたしましても、その結果を見ながら、その一一〇番通報に関しまして、本部、そして警察署との、また、それぞれの勤務に就いている職員の連携というものを組織的にしっかりやらせてまいるということが何より肝要だろうと改めて認識しているところでございまして、こういった本当に取り返しの付かない事件、これにつきましての私どもの認識を全国に伝えまして、この種事案の再発を断固防止するように努力をしてまいるつもりでございます。
 ありがとうございます。
#57
○森本晃司君 終わります。
#58
○吉川春子君 石原規制改革担当大臣にお伺いいたします。
 小泉内閣は二〇〇一年十二月二十五日、公務員制度改革大綱を閣議決定いたしました。人事管理者としての各大臣の主体的な責任と権限の強化とか、内閣の人事行政の企画立案機能、総合調整機能の強化など、これまで人事院が行ってきた国家公務員の制度になぜ使用者である内閣が改革案を出してきたのでしょうか。今後は人事院の関与をできるだけ排除していくということですか。
#59
○国務大臣(石原伸晃君) 今回の公務員制度改革は、現在政府が取り組ませていただいております行政改革の中核に位置付けられるものでございまして、それは、国民の皆様方が感じていらっしゃるように、真に国民本位の行政を確立していくことを基本理念にさせていただいているところでございます。国民の立場に立ちまして公務員制度を抜本的に改革しようというものが今回の公務員制度改革であると、まず御理解をいただきたいと思っております。
 このために、内閣のリーダーシップの下で進める改革といたしまして、内閣の重要政策に関する基本的な方針の企画及び立案並びに総合調整を行うという内閣法の規定に基づきまして、内閣官房に行政改革推進事務局を設置して、公務員制度改革を進めるとしたところでございます。
 ただいま委員御指摘の人事院との関係でございますけれども、公務員制度改革大綱、昨年の十二月に取りまとめたものでございますけれども、これはもちろん各府省と密接に連帯をいたしまして、人事院とも十分な協議をさせていただきまして、内閣官房、先ほど御説明をいたしました行政改革推進事務局を中心として取りまとめたものでございます。
#60
○吉川春子君 公務員改革ということをおっしゃるならば、真っ先に私は労働基本権の付与を検討すべきだと思います。大綱は、労働基本権の制約については現行の制約を維持というふうにしています。ということは、憲法の定める労働三権剥奪の代償措置としての人事院の役割の変更はできないと言うべきです。ところが、大綱では、財政民主主義と勤務条件法定主義の下で、勤務条件に関する事項については人事院が適切に関与するなどといいまして、人事院の関与を狭めています。
 権利は奪ったままだけれども代償措置としての人事院は更に権限を縮小するというのでは、公務員労働者の権利を守る力が縮小されるということになります。なぜ一方的にこういうことになるんでしょうか。
#61
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほども申しましたように、内閣の最重要課題の一つである行政改革の中核にこの公務員制度改革を位置付け、内閣法にのっとりまして、各府省並びに人事院と十分に御協議をさせていただきまして、公務員制度改革大綱を決定させていただいたと御理解をいただきたいと思います。
#62
○吉川春子君 人事院にお伺いします。
 労働基本権制約の代償措置として政府と国会に勧告を行ってきた第三者機関の人事院として、今回の公務員改革大綱についてどうお思いですか。
#63
○政府参考人(小澤治文君) 今回の大綱の中には、能力それから業績主義、これを推進しようと、さらに多様な人材の活用というようなことが入っているわけですが、こういった点については時代の流れに沿ったものであろうというふうに考えております。
 ただし、公務員は民間と違いまして、全体への奉仕者でありまして、職務の遂行に当たりましては、中立公正という点が求められると。したがいまして、こういう中立公正を維持する仕組みをどうするかといったような問題も今後に残されている検討すべき事項だろうというふうに考えております。
 能力、業績主義、具体的には能力等級制度、それから人事評価システム、こういった導入、新しい枠組みを導入しようということでありますが、導入しても、する以上は定着し、実際に機能すると、そのためには、一口に公務員と言いましても、職種、それから職場、非常に多様でありますので、そういった現場の声をやっぱり十分に反映する必要があるだろうというふうに思っております。
 それから、公務員制度改革全体についてですが、公務員制度、これは我が国の行政、それからひいては国民生活に非常に大きな影響を及ぼすということで、有識者等も含めて、幅広く各界からの意見を反映させて実現していくべきだろうというふうに考えております。
#64
○吉川春子君 今、人事官がおっしゃられましたように、新しい公務員の制度、能力等級の構築とか、能力等級を基礎とした新任用制度の確立とか、能力、職責、業績を反映した新給与の確立など、日本の国家公務員にとって初めて聞く制度が次々と言葉として出ているんですけれども、こういうものを導入するに当たって、どういう調査、実態調査、有識者などの意見をお聞きになったんでしょうか。大臣に伺います。
#65
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほどもお話を申し上げさせていただきましたけれども、行政改革の中核と位置付けまして、この公務員制度改革は、多方面にわたりまして、この行革推進事務局が中心になりまして御意見を聞かせていただいたところでございます。
#66
○吉川春子君 そういう抽象的なおっしゃり方ではなくて、例えば法案一つ出すにでも政府には無数の審議会があるんですよ。それから、公聴会のような制度もあるし、実態調査もあるわけです。そういうことをどういうふうにおやりになったかということを具体的にお示しいただきたいと思います。
#67
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま具体的にどなたからどういうお話を聞いたという資料は持ち合わせておりませんので、後日、御報告をさせていただきたいと思います。
#68
○吉川春子君 それはちょっと逃げの答弁だと思います。私は通告しておいたんです。
 それで、人事院に御参考までに伺いますが、これまで給与の引上げとか公務員制度、様々な勧告をしてまいりましたけれども、そういうときに、新たな勧告を出す場合に、人事院はどういう調査、どういう有識者などからの意見の聴取ということを手続としておやりになるのか、お示しいただきたいと思います。
#69
○政府参考人(小澤治文君) 人事院は、毎年給与勧告を行っているわけですが、この給与勧告、民間準拠という考えにのっとりまして、春闘が終わりました後に、民間企業の従業員の給与、それから公務員の給与、これらにつきまして詳細な調査を行っております。
 さらに、各省庁、それから職員団体など関係者の意見も聞いておりまして、それ以外に、全国各地におきまして、中小企業経営者、それからマスコミ始め有識者との意見交換というのを毎年手分けしてやっておりまして、こういったこと、さらには最近ではモニター制度を導入いたしまして、国民の声を広く吸収しているというようなことで、これを勧告に反映させております。
#70
○吉川春子君 毎年、人勧とそれから給与法についての議論はしていますので、人事院が数千か所あるいはそれ以上で実態調査をしながら毎年毎年の賃金その他の勧告をしているということは私も知っているんですが、だからといって人事院が積極的ないい役割を果たしただけではなくて、私は多くの場合は人事院に対して厳しい意見を申し上げてきたんですけれども、その人事院でも実に綿密な調査をした上で結論を出しているんですね。今度のような机上のプランで簡単にいろんなことを出してくるというような乱暴なやり方について私は大変疑義があると。今後、これがどうまとめられていくかということもありますので、是非その点は十分にお考えいただきたいと思います。
 それで、もう一つお伺いしたいんですけれども、総務省お見えでしょうか。
 国家公務員の公務を支えているのは、正規の職員だけではなくて非正規の職員、賃金職員とかいろんな呼び名がありますけれども、定数にカウントされていない臨時のといいますか、非正規の公務員がたくさんいると思いますが、その数をお示しいただきたいと思います。
#71
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。
 平成十二年七月一日現在の一般職非現業における非常勤職員の人数ですが、これは二十二万五千六百十七人でありまして、統計調査員、調査職員とか審議会等の委員、顧問、参与等の職員、医療職員、保護司等、多種多様な職員が含まれているところであります。
#72
○吉川春子君 ついでながら、定員の国家公務員の数は、概数で結構ですが、何十万でしょう、総務省。
#73
○政府参考人(久山慎一君) 正確な資料を今手元にございませんが、一般職の非常勤で……
#74
○吉川春子君 常勤です。
#75
○政府参考人(久山慎一君) 常勤ですね。常勤で五十万ちょっとだと思います。済みません。
#76
○吉川春子君 大体、一般職の常勤で五十万の公務員がいて、そのほかに非常勤といいますか非正規の公務員が二十二万いる。つまり、七十数万で公務を担っているとしてその三分の一は臨時の、非正規の公務員で、賃金も安く身分も不安定。こういう中で働いている人たちが国民のサービスということを担って懸命に努力をされているわけです。
 石原大臣に伺いますけれども、公務員制度の改革というならば、こういう国民によりよいサービスを提供するという点、そしてまた働く人たちの権利を守るという点で、非正規の公務員についても十分な改革、目配りが必要ではないかと思いますけれども、今後の考えをお聞かせいただきたいと思います。
#77
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま総務庁の方から御答弁がございましたが、非常勤職員の多い省庁としては法務省の保護司の方が四万八千人とか、農林省の統計調査員一万一千人、これらの方がいるということは承知をしております。
 先般取りまとめました公務員制度改革大綱におきましては、国家公務員のうち一般の行政職員を中心とした制度改革の方向を実はお示ししたもので、先ほど総務省の方から御説明がございましたように、また委員の御指摘のとおり、国家公務員の職種は極めて多種多様でございまして、今後、政府において、特例法により制度が規定されている職種を含めて、これまで検討を行っていない一般の行政職員以外の職種についても実は検討をさせていただくことになっております。
 こうした中で、ただいま委員が御指摘されております非常勤職員についても、今回の改革においてどのような対応を行うべきかということについても十分に審議をさせて、いい結論を出させていただきたいと今の段階では考えております。
#78
○吉川春子君 国家公務員にいかに有能な人材を獲得しようかということは、ずっと繰り返し政府当局が給与法あるいは人勧の審議のときに述べてまいりまして、それが今回、こういう形で具体化されようとしているということだと思うんですけれども、やはり高級公務員、キャリアの更にキャリアを作るような、そういうところにだけ力を入れているという印象が私はすごく強くするんですが、是非、石原大臣が今御答弁がありましたように、懸命に現場で公務を支えている、そういう非正規の職員、それからまた定員の中にあっても一般の職員、ノンキャリアもいますし、全体の公務員を視野に置いて改革をするというならそういう立場でやっていただきたいと思いますし、同時に、日本の公務員制度についてILOからも度々言われていることは、憲法二十八条の労働権規制の問題なんですね。こういうことについて厳しい指摘をILOから受けているわけで、私は、まず憲法の権利、労働三権の回復ということ、そしてキャリアだけに目を向けた、キャリアだけ更によく待遇しようとするような、そういう改革ではなくて、公務を担う、中立公正の全体の奉仕者たる公務員全体がやっぱり権利も守られ、安定的な環境の中で仕事ができる、こういう公務員制度改革にしていただきたいと思いますが、最後にその点についての決意を石原大臣から伺いたいと思います。
#79
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま御指摘されました点は極めて重大だと考えておりまして、今回の公務員制度改革大綱の中でも、いわゆる委員御指摘のキャリア、T種合格の方々とU種、V種の方々の差というものをどれだけなくしていくことができるのか。すなわち、T種で採られた方は課長まではファストトラックで速く行きますけれども、そこから先は優秀なU種の方でも局長や部長へどんどんなれるように制度を改めていくというふうに整理をさせていただいているところでございます。
 また、後段、委員御指摘のILOの問題でございますが、ILO条約につきましては我が国も条約を批准しておりますが、チェックオフの問題一つ取ってみましても、この問題を国として認めていない国もある等々、いろいろこのILOの問題をめぐりましてはいろいろな国々において独自の対応があるということも御理解をいただきたい、こんなふうに考えております。
#80
○吉川春子君 公務員制度、今後も質問で取り上げていきたいと思います。
 続きまして、国家公安委員長へ質問をさせていただきます。
 ことしの一月二十二日に埼玉県警は、川越署の元暴力団組員が絡む覚せい剤取締法違反、銃刀法違反事件、二回にわたるもみ消しについて調査結果を発表し、そしてまた関係者の処分も発表いたしました。その内容について御報告いただきたいと思います。
#81
○政府参考人(石川重明君) 事実関係でございますので、私から御答弁申し上げます。
 今お尋ねの事案は、平成七年の二月に埼玉県の川越警察署におきまして、銃刀法違反によりまして男性宅を捜索をしたわけでありますけれども、その際、覚せい剤を発見をいたしました。そのとき在宅をしておりました男性の妻を覚せい剤所持で現行犯逮捕したというのが最初の捜査でございます。
 その捜査過程におきまして、同女性の尿から覚せい剤反応が認められたわけでございますが、この覚せい剤使用については立件送致をせずに、またその過程において、男性がけん銃一丁を所持して川越警察署に出頭をしてきたというふうに経緯がございます。
 なお、この女性の覚せい剤所持事件につきましては、身柄を送致をいたしましたところ、平成七年の三月に嫌疑不十分によって不起訴釈放となりました。また、女性の釈放前にけん銃一丁を所持してきた男性につきましては、同年四月に書類送致をされまして、六月に起訴猶予処分というような経過をたどっているわけでございます。
 その後、平成十二年の四月に至りまして、その男性からの申立てによりまして、本件捜査の内容を埼玉県警察が認知をいたしまして、調査、捜査を開始をいたしました。その時点で当該女性は所在が不明になっておりまして、またこの男性は後日に至りまして申立てを取消しをした、あるいは事情聴取を拒否をするといったようなことがございまして、当時、全容解明に至らなかったという報告を受けているところでございます。
 さらに、平成十三年の十二月に、浦和西警察署におきましてその男性を新たな覚せい剤取締法違反で逮捕し送致をいたしたわけでございますが、検察官に先ほどと同様の申立てをしたことを機に、再度埼玉県警察において男性からの事情聴取を実施をいたしました。その結果、その男性からは……
#82
○吉川春子君 簡単でいいです。処分の方を言ってください。
#83
○政府参考人(石川重明君) その詳細についての供述は得られなかったんですが、所在調査によって他県に居住していた女性を発見をいたしまして、その女性が平成七年当時の覚せい剤使用事実を認めましたところから、ことしの一月十日、覚せい剤取締法違反で書類送致をし、同月二十一日に起訴、三月五日、懲役一年六月、執行猶予三年の判決があったと、こういう経緯をたどっているものでございます。
#84
○吉川春子君 いや、これによって埼玉県警の幹部などを処分しましたでしょう。そこを言ってください。簡単でいいです。結論だけ。
#85
○政府参考人(石川重明君) 関係職員の処分につきましては、平成七年の不適正捜査事案に関しましては、平成十四年の二月八日に、当時の川越警察署の警部ら三名を減給、戒告処分にいたしますとともに、犯人隠避罪で、これは時効になっておりましたが、書類送致をしております。このほか、監督責任といたしまして、当時の上司の警視を戒告処分に付しております。
 また、平成十二年に本件事案を認知をしながら処理が遅滞をしたわけでございまして、この関連で同日警察庁等は、国家公安委員会の了承を得まして、本部長及び当時の警務部長ほか五名を長官注意等の措置をしたということでございます。
#86
○吉川春子君 九五年の覚せい剤事件もみ消しの事実を、二〇〇〇年五月、内部で把握しながら、当時の県警本部長の了承で事実を隠ぺいしてきたわけですけれども、県警本部長の監督責任に対する警察庁長官注意は、こうした本部長の指揮監督責任を問うものですか。
#87
○国務大臣(村井仁君) この事案でございますが、長い時間が掛かっている上に、非常に、今、官房長からるる御説明申し上げましたが、かなりややこしい事案でございまして、どこの部分がどういうふうに不適切な処理であったか等々につきまして私どもとしましてもかなり慎重に検討をいたしたわけでございまして、その結果といたしまして、先ほど官房長から申し上げましたように、監督責任といたしましては、平成十二年にこの事案を知りながら処理が遅れたということで、国家公安委員会の了承を得ました上で、本部長ほかにつきまして監督責任を問うたということでございます。
#88
○吉川春子君 これは、今も官房長から報告がありましたように、元暴力団組員がまた最近になってこういうことがあったよということを取調べの中で言いましたのが明らかになったという事件で、埼玉県警が自ら発表したものではない。ずっと隠していたということなんです。
 それで私は、非常にこの長官の注意ということでは軽過ぎると思うんですけれども、他方、川越警察署の防犯課長などは懲戒処分というふうになっているわけですよね。地方公務員についての懲戒処分に対しては大変厳しい規定がありますけれども、国家公務員たるキャリアの警察幹部については懲戒処分の規定すらない、これは非常にバランスを欠くと思いますけれども、この点については、制度として、大臣、いかがですか。
#89
○国務大臣(村井仁君) 監督責任を問うというのは一般的に非常に難しい判断がいろいろあるわけでございまして、その事実に即しまして国家公安委員会において相当な議論をいたしまして、その結果として判断をしているということでございます。そういう意味では、私は、率直に申しまして、軽きに過ぎるというようなことではないと、こんなふうに思っております。
#90
○吉川春子君 それは私は納得のできない答弁です。
 総務省に伺いますけれども、警察庁における不祥事案対策に関する行政監察結果に基づく勧告を平成十二年の十二月に出しまして、この点について、一連の不祥事案については、地方警察官を含む監督責任の場にある者による関与や監督責任の在り方等について、国民から厳しい批判を招いたと、監督責任という性格上、一律的、類型的な処分の量定を示すことは困難であるとして、しかし不祥事案対策徹底のためには、これらの職にある者の監督責任について厳しく問うていくという懲戒処分の適用の方針や考え方を明確にすることが必要だとしていますけれども、同勧告は警察庁の懲戒指針について具体的にどんな指摘をされたんですか。
#91
○政府参考人(塚本壽雄君) 御指摘の点でございますけれども、私どもが平成十二年に調査をいたしました時点におきまして、警察庁では、各任命権者において厳正かつ適正な懲戒権の行使がされることに資するようということで、十二年九月に警察庁懲戒指針を制定したところであります。
 私どものこの調査当時におきまして、この指針の内容を見ますと、国家公安委員会が任免権を有します地方警務官、これについて対象とされておらず、またこれらの者の懲戒処分に関する基本的な指針等が明確でないというようなことがございました。また、部下職員に対する監督責任についても、犯罪に係るものを除きまして、基本的な懲戒処分事案の種類として示されていないというような状況があったわけでございます。
 このようなことから、国家公安委員会が任免権を有する地方警務官の懲戒処分等に係る基本的な方針を明確にするとともに、警察庁懲戒指針については、部下職員に対する指導監督の不適正、犯罪に限らない非違行為の隠ぺい、黙認等監督責任に係る処分についての適用関係を明確にするための措置を速やかに講ずるようということの勧告を申し上げました。
#92
○吉川春子君 大臣、こういうことを行監の方から指摘をされているわけなんですけれども、これを受けて、やっぱり警察としては、国家公安委員長としては早急にこの勧告を受け入れた具体的な措置を講ずる必要があると思うんですけれども、その点についてはいかがですか。
#93
○国務大臣(村井仁君) この勧告を受ける以前に、国家公安委員会及び警察庁としましては、警察改革要綱、これは十二年の八月二十五日でございますが、これにのっとり、さらにこの勧告を踏まえまして、一つには公安委員会の管理機能の充実と活性化、公安委員会による監察の指示などを行いました。これは改正警察法に基づくものでございます。それから、警察庁及び都道府県警察の監察機能の充実強化という体制を取りました。それから、懲戒処分の指針を制定をいたしております。それから、四つ目でございますが、懲戒処分の発表の指針の制定というのをやっております。
 これによりまして、不祥事案の未然防止に努めることは当然でございますが、不幸にして不祥事案が発生した場合には、厳正な処理を行い、適切な公表を行うことによりまして自浄機能の強化に努めているところでございまして、私は、いずれにいたしましても、今委員御指摘のこの埼玉の事案もそうでございますけれども、隠し事をしない、ともかく徹底的に表へ出すという形で自浄作用が格段に向上すると、このように信じてやっている次第でございまして、そういう意味では、国家公安委員会、都道府県公安委員会、力を合わせまして、懲戒事案、監察の実施等々、適切に対応をする努力をこれからも重ねてまいりたいと考えるところであります。
#94
○吉川春子君 その警察庁懲戒指針について具体的にこのような指摘をしましたということを先ほど総務省の方から述べていただきました。このさっき総務省が述べた指摘について、そのことについてどういうふうに対応するのですかということをお伺いしましたので、どうぞ。
#95
○政府参考人(石川重明君) 地方警務官の懲戒処分につきましては、勧告の趣旨を踏まえまして、人事院の懲戒指針というのがあります、それと今お話しの警察庁懲戒指針を基準といたしまして、地方警務官に対しても厳正に行っているところでございます。
 監督責任のことについても触れられているわけでございますけれども、これにつきましては、指揮監督の態様あるいは非違行為の態様によりまして様々なケースが考えられるわけでございまして、具体的な事案に即して、今、厳正に処分をするように努めているところでございます。
 今後どうするかということでございますが、現在、警察庁におきましてそういった事例を分析をいたしておりまして、監督責任に係る懲戒処分が、あるいは監督上の措置が明確になるようにこれから努めていきたいというふうに考えているところでございます。
#96
○吉川春子君 それはかなり早急にそういう措置が取られるというふうに理解していいですか。
#97
○政府参考人(石川重明君) 時期は明確には申し上げられませんが、なるべく早くこの分析を進めてそういったものを仕上げたいというふうに考えております。
#98
○吉川春子君 じゃ、大臣も、今の官房長がああいう発言をしましたけれども、是非この作業を急がせるように、御決意だけで結構ですから、よろしくお願いします。
#99
○国務大臣(村井仁君) よく心得て対応したいと思っておりますが、監督責任というのは、一般的な議論でございますけれども、非常に難しい問題がございまして、一体その時点でどれだけのことをその監督責任を負う人間が掌握できる立場にあったか、リポートを受けているかどうかというような問題も含めまして、その責任の問い方というのは私は非常に難しいものがあるということを日ごろ感じている一人でございます。警察事象というものはそれこそ千差万別、また非常にたくさん起こるものでございまして、それに対してどのような形で責任を問うのかというところは、なお急いで研究をさせていただきたいと存じます。
#100
○吉川春子君 要するに、そういう制度が今ないと、それを作りなさいと言っていることであって、埼玉県警のことが頭にあるものだからどうしても守勢になりますけれども、適用のときはいろいろあるかもしれないけれどもそういう制度自体がないんだと、それの質問を今したわけで、早急に制度を作っていただきたいと思います。
 引き続きまして、銃刀法違反事件についての立件の問題で質問いたします。
 埼玉県議会に提出された資料によりますと、九五年の二月二十七日、先ほどのような事件があったわけですね。そこを省略しまして、それで、二月二十七日に川越署の防犯係長が女性を逮捕していた時点で、これを材料に元組員にけん銃を提出させようと考えて、短銃を出せば妻を釈放してやると持ち掛けたと。三月八日に男性がけん銃を提出したと、そして自首減免の手続を開始したというふうになっています。三月九日、女性は覚せい剤所持について不起訴処分で釈放となっております。
 まず、自首減免について聞きますけれども、解説書等によりますと、自首の意味は、けん銃捜索を受けている者が捜索中にけん銃所持を申告して提出した場合、通常は自首に当たらないとしています。この解釈論ですけれども、こういうふうに一般的に理解していいわけですね。
#101
○政府参考人(黒澤正和君) けん銃等の自首減免規定でございますけれども、平成五年の銃刀法の一部改正により設けられたものでございます。
 その趣旨は、けん銃等の根絶をねらって大幅な重罰化を行う一方で、このような重罪を犯した者に罪を中断する道を与えまして、けん銃等の提出を促し、当該けん銃等の以後の使用を防止しようとするものでございます。
 かような趣旨からこの要件がございまして、犯人が捜査機関に対して自己の犯罪事実を自発的に申告して自分の訴追を含む処分を認めることをいうこと、こういうことでございます。
 実体的要件と手続的要件がございますが、それぞれ判断はケース・バイ・ケースによろうかと存じます。
#102
○吉川春子君 そんな制度のことを聞いていなくて、要するに、そちらのあれですよ、警察の資料にそう書いてあるんですよ。自首の意味というのは、現にけん銃捜索を受けている者が、捜査中に、捜索中にけん銃所持を申告して提出した場合は自首に当たらないと、こういうのをそちらから文書でもらいました。
 それで、埼玉県議会の資料によれば、自首減免手続開始となっていますけれども、これはどういう意味なんでしょうか。不起訴にするから銃を出せと暴力団に言って出させたんですか、その辺どうですか。
#103
○政府参考人(黒澤正和君) 埼玉県警における調査、捜査の結果は、取引と言われるようなものは確認されていないと、かように承知をいたしております。
#104
○吉川春子君 けん銃犯罪と科刑の実情という警察学論集を拝見いたしますと、平成五年、同七年の銃刀法改正により、けん銃及びけん銃実包提出の自首減免規定が創設され、そのけん銃を所持する者が銃等を提出して自首したときは減免するとしているけれども、実務では、同規定の趣旨を踏まえて事件を不起訴処分とするケースが多く見られるとしています。そういうことですか。
#105
○政府参考人(黒澤正和君) この要件に当てはまれば必要的減免をするということでございます。したがって、必要的に減免を、減ずるは全くなくなりますけれども、減ずるは減少する、免ずるはなくなるということでございまして、これもケース・バイ・ケースでございますが、本件は起訴猶予処分となっております。
#106
○吉川春子君 その刑の減免というのは検察官がするんですか。
#107
○政府参考人(黒澤正和君) 検察官が起訴便宜主義の下に起訴をしないという処分をした場合におきましては、裁判手続に移行しないという意味において検察官のところで決まるということになろうかと思います。
#108
○吉川春子君 刑の減免をするのは、確認しますけれども、裁判官ですね。
#109
○政府参考人(黒澤正和君) 起訴された場合に裁判官が判断をいたすということに相なります。
#110
○吉川春子君 この銃刀法の改正は、検察官においてその減免の判断をするとかそういう趣旨では当然ないわけです。
 起訴便宜主義とかいろいろおっしゃいますけれども、これは松山地裁の平成八年の九月十九日の判決ですけれども、被告人らは、全国の警察において、他の事件を立件しない代わりにけん銃を提出させるような捜査方法や押収手続が一般化していると主張するけれども、仮にそういうような手続、そういうものは正当化されるものではないというふうに言っておりまして、これは、まずこういう事件が起これば罪となる事実ですから、これは起訴するということが主であって、こういうことをやると検察官が免じてくれるかもしれないから銃を出しなさいと、こういうようなことが実際に行われるとすれば、それは大臣、好ましいことじゃないと思いません。
#111
○政府参考人(黒澤正和君) いろんな裁判例も承知をいたしておるところでございます。そしてまた、いろんな指摘がなされる中で、私どもこの自首減免規定の運用につきましては、先ほど申し上げました趣旨にものっとりまして適正な運用がなされるよう府県警察を指導いたしておるところでございます。
 それぞれ個別の事案、みんな違うわけでございまして、結論はそれぞれが違ってくるわけでございますけれども、私どもといたしましては、適正な捜査という観点から今後とも指導、都道府県警察を指導しておるという現状でございます。
#112
○吉川春子君 個別の事案がいろいろあるということに逃げ込まないで答弁してほしいんですけれども、こういう、これは覚せい剤の方をもみ消しているわけですよね。それが今度その処分の対象になったわけですけれども、一般的に、銃を出せば検察官が起訴猶予にしてくれるよということを働き掛けて、こっちをもみ消すよというのは論外なんですけれども、そういうことを、起訴猶予になるよということを言いながら銃を出させるというようなことを現場ではかなりやられているんですか。その点を伺います。
#113
○政府参考人(黒澤正和君) 正に警察捜査というのは適正であらねばなりませんし、また国民の支持を得たものでなければならないわけでございまして、繰り返しで恐縮でございますけれども、私ども府県警察をよく指導をいたしておるところでございまして、今後とも指導を徹底してまいりたい、かように考えております。
#114
○吉川春子君 そういうことをしても、では違法な捜査ではないと、検察官に言ってあげるから減免になる、免除されるかもしれないよと、起訴が。そういうことをやっても違法ではないというふうに考えていると受け取っていいんですか。
#115
○政府参考人(黒澤正和君) そのようなことを申し上げているわけではございませんで、私ども適正な捜査、国民の支持を受ける捜査を展開するという観点から一線も努力をいたしておるところでございまして、また検察庁との関係では、今御指摘のような、要するに、過去の違法行為を勘弁してやるから、そしてこれはけん銃を出せというような、そういうような捜査手法を取るということはしていないと確信をいたしておりますし、また検察ともよくこの運用につきましては連絡を取らさせていただいておりますが、検察官も正義の実現という観点から、公正な刑事司法という観点から、私どもと緊密な連携を取りながら対処をいたしておると理解をいたしておるところでございまして、誠に繰り返しで恐縮でございますが、今後とも、違法行為はもちろんのこと、適正な捜査の徹底に指導をしてまいりたい、かように存じております。
#116
○吉川春子君 そういう一般論を聞いているんじゃなくて、そういうことは違法かどうかと聞いているのに、一般的に適正なことをやっている適正なことをやっているというのでは、それは答弁にならないんですよ。やっぱり私は、こういうものを勝手に警察や検察が判断して起訴しないということではなくて、これは幾ら自首減免のあれがあったとしても、やっぱり裁判にかけて裁判官が判断するということが正規の手続だというふうに思いますし、そういうかなり弾力的なというか、ある意味ではルーズなそういう運用をすべきではないということを最後に申し上げて、時間ですので質問を終わります。
#117
○委員長(佐藤泰介君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十六分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
#118
○委員長(佐藤泰介君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#119
○島袋宗康君 国会改革連絡会の島袋宗康です。
 まず、石原行政改革・規制改革担当大臣に質問したいと思います。
 行政改革は何を目指して行われるのか、行政改革によって何を実現しようとしているのかという点を伺いたいと思います。
 大臣は、所信の中で公務員制度改革について、政府としては、真に国民本位の行政の実現を図ることを基本理念として掲げ、国民の立場から公務員制度を抜本的に改革することにより、行政の在り方自体を改革することを目指しておりますというふうに述べておられます。
 行政改革、公務員制度改革は、単に財政改革の視点から小さな政府の実現を目指せばよいというものではなく、国民本位とか国民の立場とかを繰り返し強調をしておられるように、真に国民に必要な行政サービスは財政負担の問題よりも優先すべき課題であると考えますが、いかがですか、大臣の御所見を承りたいと思います。
#120
○国務大臣(石原伸晃君) 大変基本的な御質問であったような気がいたします。
 行政改革の目指すところは、今、島袋委員が御指摘されましたように、ただ単に効率、経済性だけを追うという形では私もいけないと思っておりますが、一義的には、国民の皆様方からいただいている税金によって行政、国、地方を問わず運営されておりますので、無駄を省いて効率的な政府や自治体を作るということが行政改革の目指すべきところだと思います。
 そんな中で、まず公務員制度改革について御言及がございましたので、その点からお話をさせていただきますと、公務員の皆さんというものの社長というんでしょうか、オーナーというものはだれになるのかということを考えますと、これは間違いなく国民の皆さんだと思いますし、そこで、午前中も議論がございましたが、パブリックサービスというものは効率を追求して利益を出した者が最大の評価を得るというものではない、しかしながら、国民の皆さん方がオーナーであり、かつクライアントであるという、こういう視点を私は忘れてはならないんだと思います。
 そして、既存の価値観にとらわれず新たな政策を企画立案して、国民の皆さん方から、何かと公務員といいますと前例踏襲主義とか、この年度末が近づきますとまた予算消化主義といったような批判が出てまいりますけれども、こういうものを改め、コスト意識やサービス意識というものを徹底を図っていくということが必要であり、真に国民本位の行政を実現できるように、公務員の皆様方の意識あるいは行動原理を改革することにこの公務員制度改革の焦点というものは私はあると思っております。このために、これも午前中、同僚議員の中の議論の中に出ましたけれども、人事制度に能力あるいは業績を反映したものに改めていくということを模索しているわけでございます。
 そして、三点目の御質疑は、これまた非常に本質的な御議論ではないかと思います。
 これは、パブリックサービスの持つ意味と密接に関係してくるわけでございますけれども、効率性だけを、あるいは経済性だけを追求していきますと弱肉強食の社会になってしまいます。そういうものがこのパブリックサービスの中では許されないということは、委員がもう既に御指摘されていることだと思います。弱者に対して厳しい社会にするということではこれまたいけない。この行政改革、構造改革を通じても、やはりいたわり、思いやりのある社会というものを作っていかなければなりません。
 しかしその一方で、行政改革の本質というものは、無駄を省いて効率を高めていくという、こういう目標がありますので、弱者の方々に対しては十分なセーフティーネットというものを併せて整備していくことが肝要なのではないかというふうに考えております。
#121
○島袋宗康君 大臣は、行政改革、規制改革は、聖域なき構造改革の中でも最重要課題の一つであり、キーワードは競争の導入であるとし、できるだけ無駄を省き、効率性を高めよう、商品やサービスの水準をできるだけ高めようとの取組の原動力に競争がなるとの認識を示しておられます。
 これは、効率性重視の競争社会を実現することにより経済社会を活性化させるとの発想に基づいていると思いますが、このような社会は、弱者に対して冷たい、弱肉強食の非人間的な社会を現出させる側面を持っていると思いますけれども、大臣の理想とされる社会の姿はどのようなものなのか、承りたいと思います。
#122
○国務大臣(石原伸晃君) この質問も大変また哲学的な、大変難しい御質問だと思います。
 先ほど若干触れさせていただきましたが、行政改革は、やはり無駄を省いて効率の良い行政を作っていくというものが究極的な目的にございます。そしてまた構造改革も、総理が申されますように、構造改革なくして日本の再生と発展はないという哲学がありまして、その一環としてこの行政改革に取り組ませていただいているわけでございますが、委員が再三再四御指摘されておりますように、効率性だけを重視することによって弱者の、言われる方々に対しての施し、言葉が悪いんですが、弱者の方々に対しての何というんでしょうか、思いやりみたいなものが欠落する社会は、私ども、また私も望むものではございません。
 私の理想とする社会、国内的にはどんなものか、こういう話は、政治討論会等に行きましてもいろいろな地域で質問が出ます。どういう社会を目指して行政改革をやるんですか、何が構造改革の後にやってくるんですか、こういう質問はよく受けるわけですけれども、私は、一ついつも申し述べておりますのは、やはり日本の社会というものはなかなか、一度失敗したらなかなか失敗を取り返すことができない、これはサラリーマンの社会の中でも同じですし、あるいは自営業の社会等でも一緒であります。そうしますと、どうしても安全に安全にこう仕事をしていくことによって、大きな社会変化が起きているような現在の段階では新たな飛躍というものがなかなかできにくい環境を作り出しているんではないかと思っております。
 私は、やはり失敗してももう一回敗者復活の道がある社会、そしてまた言葉を換えますと、何度でも再挑戦、チャレンジすることのできる社会というもの、そしてその一方で、人をいたわり、あるいはこれもよく言い古された言葉ですが、私の住んでおります東京でも、最近は家の周りでも所轄管内でピッキング強盗というものが非常に多発している、何百件も多発している。安心、安全という言葉も日本の社会でだんだん遠のいてきましたけれども、やはり私どもが子供のとき、また、島袋委員のお暮らしになる沖縄はまだまだ、私も何度もお訪ねさせていただいて大変好きな地域ですけれども、人情味あふれ、また安全という面でも、米軍基地の問題を除いてはかなり素朴な問題、素朴な意識を持たれ、かぎを掛けないでも出歩くことができますが、東京ではなかなかそういうことができなくなってしまった。安心、安全に暮らせる社会などの実現というものを私は改めて今考えているところでもございます。
#123
○島袋宗康君 競争社会を目指してというふうなことでありますけれども、ややもすると、競争社会というものが何というか、聞きようによっては福祉社会をある意味では切り捨てていくというふうなことにも何かつながっていくような感じもするわけですよ。
 そこで、やはり構造改革そのものを今おっしゃるようにちゃんとするためには、やっぱり国民の信頼関係が、いかに構造改革によって政府と国民が一体となってこういった理想の社会を作っていくんだというようなことでなければいけないと思うんですね。そのためには、やはりもっと国民の信頼を得るような構造改革というものがまた問われると思いますけれども、それについてはどうお考えですか。
#124
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま島袋委員が御指摘されました点は私も同感でございまして、幾ら崇高な理想、目指すべき社会を喧伝して歩いても、実際にその社会で暮らす国民の皆様方が理解をし、また賛同を得るものでなければ私もならないと思います。そういうものをいかにして国民の皆様方に御理解をいただき、ともに作っていくのかということが重要である、そういう観点で、竹中大臣おいででございますが、竹中大臣のイニシアチブによりまして、国民との対話集会、すなわちタウンミーティングというものを日本全国で行わせていただき、私も何会場か訪ねさせていただきまして、今委員から御質問いただきましたようなことについて説明をしてまいりました。
 いずれにいたしましても、行政改革、規制改革というものは二十一世紀に我が国が確固たる新たな経済社会システムを構築していくために必要不可欠なものでございますし、将来に向けて確かな発展を行うためには、やはりこういう過程をステップ・バイ・ステップで踏んでいかない限り、今のままの現状では司馬遼太郎さんの言葉をかりるならば静かなる停滞を迎えてしまう。
 そんな中で、委員御指摘のような、やはり冷たいというようなイメージを国民の皆様方が抱かないセーフティーネットの十分完備した社会、そしてまた、くどいようですけれども、一度や二度の失敗でも再挑戦して再び第一線で働けるような環境、これは経済だけではなくて、人間、日本人の持つそのメンタリティーの改革というものも重要になってくるのではないかと考えております。
#125
○島袋宗康君 大臣は、特殊法人等整理合理化計画との関連で所信の中で、このほかの特殊法人等についても、整理合理化計画に基づき、平成十四年度から事業見直しについて講ずべき措置を具体化するとともに、組織形態についても原則として十四年度中に法制上の措置その他必要な措置を講じ、遅くとも十五年度には具体化を図ることとしていると述べておられます。
 これに関連して、沖縄振興開発金融公庫は、沖縄の特殊事情を考慮して開設され、この三十年間沖縄の振興開発に重要な役割を果たしてきております。今後も重要な機能を果たすべく政府系金融機関であるとのお考えで、考えておられますか。大臣、沖縄振興開発金融公庫の存続についてはどのような見解を持っておられるのか、お聞かせください。
#126
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま島袋委員御指摘の沖縄振興開発金融公庫が沖縄の本土復帰の後沖縄経済に大変有効に、また沖縄の皆様方も親しみ、十分に御活用いただいてきたということは十分承知をしております。
 沖縄振興金融公庫を含むいわゆる九つの政府系金融機関、このうち一つの住宅金融公庫は廃止という方向が決まっておりますけれども、民間でできることは民間に、地方にやれることは地方にという原則の下に、整理縮小の方向で見直すことと実はしております。その際、ポイントは、公的金融、民間金融を合わせた日本全体の金融構造あるいは金融システムの改革の推進力となるような改革にしていくことが私は肝要ではないかと考えております。
 委員御指摘の沖縄振興開発金融公庫につきましては、昨年取りまとめました整理合理化計画の中でも触れておりますし、組織形態については現在これも竹中大臣所管の経済財政諮問会議で、民業を補完する、政策コストの最小化、機関・業務の統合合理化の原則の下に、抜本的な検討を行った上で、公的金融の対象分野、規模、組織を見直しを行うこととし、その検討結果を踏まえまして、内閣として現下の経済情勢を見極めつつできるだけ早い時期に結論を得るとしております。事務事業の見直しについては、本土公庫に準じて事業の見直しを図るとか、業務の効率化を図り事務処理コストを縮減する等の方針を実は示させていただいているわけでございます。
 この方針に基づいて経済財政諮問会議で検討が始まっておりますが、私は冒頭申しましたように、これまでこの沖縄振興開発金融公庫が担ってきた役割と、島袋委員御指摘の沖縄が抱える特殊性というか、私は過去の歴史のいきさつというものを十分重く感じていかなければならないし、その結論というものは近い将来経済財政諮問会議で示されると承知をしております。
#127
○島袋宗康君 やはりこの沖縄開発金融公庫というものは、やはりそれなりに私は県民が非常に利用しやすい、そしてまたこれからも一次産業、二次産業というふうな産業振興、あるいは経済自立のためにも是非、もし構造改革によって沖縄県民の期待に反するような構造改革をされたのではたまったものじゃないというふうに私は思っているわけですね。
 したがって、今例えば県内では、唯一県内に鉄道がないと、軌道がないということで、那覇から名護までどうしても鉄軌道が欲しいというふうなこともあるわけですね。しかし、その反面、またモノレールを、都市モノレールというものを建設、やがてこれも運用開始が始まるわけでありますけれども、そういったモノレール一つの問題においても、この開発金融公庫の果たす役割というのは非常に大きいわけですね。
 そういった面からすると、やっぱり県民から何としても残していただきたいというふうな要望があると思いますので、それにこたえるべく、やはり何とかこの県民にこたえられるような存続の方法といったものを何かお聞かせ願いたいというふうに思っています。
#128
○国務大臣(石原伸晃君) 私も冒頭申しましたように、個人的にもあるいは沖縄の歴史等も勉強させていただいておりまして、この沖縄振興開発金融公庫というものが担ってきた役割というものは十分承知しております。また、その一方、公的金融と民間金融のあるべき姿、公的金融、政府系金融機関がどのぐらいのボリュームでどのぐらいの仕事をどの地域でどういうふうにやっていけばいいのかといったような、幅広い観点の御議論をいただいた上で、個別の機関につきましてもそのあるべき姿というものの結果というものが出るのではないかというふうに認識をしているところでございます。
#129
○島袋宗康君 竹中大臣は、平成十四年度において政府は聖域なき構造改革の更なる推進と世界経済の持続的発展の貢献を重点に取り組んでいくとおっしゃっておられます。そして、構造改革を推進していく中で考えられる様々なリスクには十分留意し、経済情勢によっては大胆かつ柔軟な政策運営を行っていくと述べておられます。
 そこで、構造改革を進めるには様々なリスクが考えられると言っておられますけれども、一体どのようなリスクを伴うと考えておられるのか。そしてそれにどのように対処していくお考えなのかをお聞かせ願いたいと思います。
#130
○国務大臣(竹中平蔵君) 様々なリスク要因を考えて必要に応じて柔軟かつ大胆なというのは大変必要な重要なポイントであるというふうに思っております。
 リスクという場合に何を想定するかというのは、なかなか想定できないものもリスクの中に入りますので難しいのでありますが、マクロ経済の運営という観点からすると、一つの日本経済の大きなダウンサイドリスクとして懸念されるのはやはり不良債権の問題ということになるのだと思います。この点に関しては、十分に留意しながら、慎重に状況を見ながら、正しく柔軟かつ大胆に考えなければいけないのだと思います。
 ただ、同時に、個々の経済主体が直面するリスクというものに対する政府としての配慮も必要なのだと思います。これは、国民としては一生懸命働いていても会社が倒産して失業に直面するリスク、様々な要因から親会社が倒産したことによって倒産というようなリスク、そういったリスクを個々の経済主体も抱えております。
 そうしたものに対しては、いわゆるセーフティーネットの整備というのがいわゆるリスクに対応するための手段ということになる。これは、七つの改革プログラムの中でセーフティーネットへの対応というのは大変大きな位置付けを与えているというところでありますので、今申し上げたような方向で、マクロ経済のリスク、個々の経済主体が直面するリスクに対する適切な対応を是非行っていきたいというふうに思っております。
#131
○島袋宗康君 竹中大臣は、聖域なき構造改革の重要なねらいの一つは、消費者、生活者本位の経済社会システムを実現するとともに、国民の安全を確保し、安心して暮らせる社会を保障することです、このために進めていくことの一つに我が国の高コスト構造の是正ということに言及しておられますけれども、それは容易なことではないのではないかと思いますが、どのように実現されるお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#132
○国務大臣(竹中平蔵君) 高コスト構造の是正というのは、生活者の立場から見て極めて重要な問題であるというふうに、私自身はもう以前から非常に強く認識している問題であります。
 これは評価の問題でありますけれども、いかがでしょうか、日本の高コスト構造というのはやはり近年かなり目に見えて変化してきているという言い方も私はできるのではないかと思います。特に、海外からの安い輸入品の問題、規制改革によりまして、以前は非常に高いと言われていた国内の航空運賃なども、非常にいわゆる内外価格差の是正というのは私は進んでいるのであろうかと思います。
 そうした中で、逆にデフレの問題というのも起こってくるわけでありますが、委員御指摘の高コスト構造というのは、いわゆる相対価格の是正、相対的に高いところを低くするということでありますので、一般物価水準は大幅に下がらない、適切に保ちながら、相対的に、今まで相対的に高かったことをうんと、ぐんと下げていくと。規制改革が中心になるわけでありますが、そうした形での高コスト構造の是正をこれまでよりも更に加速できるように、これは石原大臣の管轄でもございますが、規制改革、民間でできることは更に民間に任せるという意味での民営化、加速をさせていきたいというふうに思います。
#133
○島袋宗康君 大臣は、IT革命の推進のため、本年は、二〇〇五年までに世界最先端のIT国家となることを目指すという政策の柱となる情報通信インフラ整備の推進、教育の情報化、人材育成の強化、電子商取引の推進、電子政府の実現、情報セキュリティーの確保を着実に実施し、更なる加速、前倒しを図りますと述べておられます。
 それぞれの施策に対してはどのような予算的な裏付けをされているのか、どういうふうに取り組んでいかれるのかということについて御説明をいただきたいと思います。
#134
○国務大臣(竹中平蔵君) 御承知のように、このIT革命、五年で世界最先端のIT国家を作るということに関しましては、e―Japan戦略という基本的な戦略を立てまして、それに基づいてe―Japan重点計画という一種のアクションプランを作っております。それに基づいて政府が実施すべき施策を迅速かつ集中的に講じている、それに併せて予算も編成しているというところでございます。
 予算面について申し上げますと、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する予算という形で、平成十四年度政府予算で約一兆九千五百四十五億円を計上しておりまして、積極的な施策の推進に必要な予算の確保に努めているところでございます。
 細かい項目は割愛させていただきますけれども、情報インフラ、人材育成、電子商取引、それと申請、いわゆる電子政府・自治体の実現、暗号技術の評価などの情報セキュリティーの確保等々でございまして、その中では、金額的には電子政府の実現というのが一兆九千億のうちの一兆三千七百九十億を占めますけれども、それぞれの分野につきましてしかるべき予算措置を講じているところでございます。
#135
○島袋宗康君 村井国家公安委員長にお尋ねします。
 最近の少年非行及び青少年をめぐる問題状況について概要を御説明まずいただいてから、次に移りたいと思います。
#136
○国務大臣(村井仁君) 近年、いわゆる少子化現象というのが進んでおりまして、総人口に占める二十歳未満の少年、これは昭和二十五年に四五・七%を占めていたわけでございますが、平成十三年には半分以下、二〇・三%まで落ちているわけでございますけれども、一方、少年の全刑法犯検挙人員に占める割合というのは、二十五年当時二三・六%だったものが平成十三年には四二・六%を占めるに至っておりまして、少年犯罪が我が国の犯罪情勢に及ぼす影響、これは極めて大きいものがあると、このように認識しております。
 なお、念のために申し上げますと、この犯罪の比率でございます、要するに全刑法犯検挙人数に占める少年の割合というのは、その時点におきましていろいろ高くなったり低くなったり、いろいろしておりますが、ただ、大づかみに昭和二十五年と平成十三年をとらえてみますと、今申し上げたような状況でございます。
 人口比で見ました場合に、少年の検挙人員というのは成人の検挙人員の八倍以上になっておりまして、少年対策というのは治安上大変重要な問題だと私ども認識しております。
 さらに、内容的に見ましても、先般、東村山で発生いたしました中学生等によるホームレス男子傷害致死事件等に見られるように大変凶悪化、粗暴化が著しく、深刻な事態になっていると、こんなふうに思っているわけでございまして、この原因、背景としましては、少年自身の規範意識が非常に欠けているんじゃないか、あるいは家庭においてしつけがなくなった、あるいは学校においては道徳教育がなくなったというような問題、あるいは地域社会における少年問題への無関心とか、少年を取り巻く環境の悪化等が複雑に絡み合っていると思っておりまして、警察といたしまして、このような少年犯罪、少年非行に的確に対処することがいずれにしても非常に重要な喫緊の課題だろうという認識を持っているところでございます。
#137
○島袋宗康君 その状況に対してどのような取組がなされているのか、それをまたお聞きしたいと思います。
#138
○国務大臣(村井仁君) 基本的には、キャッチフレーズ的に申しますと、強く優しい少年警察という言い方を私どももしておりますが、いずれにしましても総合的な非行防止策を進めているところでございますが、一つは、少年事件に的確に対処しまして、立ち直りを図るための少年事件捜査体制の充実強化、これは一つございます。それから、少年相談ですとか街頭補導活動等を通じまして問題行動の段階で不良行為少年等を早期に把握して指導、助言をしていく。三番目でございますが、少年サポートセンターを中核とした関係機関、団体、ボランティアとの連携強化。それから四番目でございますけれども、地域における少年犯罪防止への取組機運の醸成に向けまして、積極的な情報発信でございますとか広報啓発をやっているところでございますが、こういうことを申し上げましても、少年問題の原因、背景、これは非常に複雑で根の深いものがございまして、警察だけでなくて地域、それから学校、家庭などがお互いに連携しまして取り組んでいかなければならない課題であると思っております。
 二十一世紀の日本を担う少年の健全な育成に向けて、幅広い視野を持って取り組んでまいらなければいけない大きな課題だと思っております。
#139
○島袋宗康君 ちょっと時間がありませんので、前に進みます。
 外国人の犯罪、その現況と対策について御説明願いたいと思います。
#140
○国務大臣(村井仁君) 来日外国人犯罪という言い方で申し上げた方がよろしいかと存じますが、過去十年間、平成三年から平成十三年を比較いたしまして、検挙件数で二・七倍になっております。それから、検挙人員で二倍ということでございまして、特に昨年の検挙人員、過去最多を記録しております。
 近年の来日外国人犯罪の特徴でございますが、凶悪化、組織化、全国への拡散傾向というのが見られまして、大変憂慮すべき状況でありまして、我が国治安上の最重要課題だと私も認識しております。
 そのために、昨年七月に官房長官を本部長にいたしまして、私、副本部長として、関係副大臣で国際組織犯罪等対策推進本部というものを内閣に設置いたしまして、政府全体として不法入国でございますとか不法滞在対策、組織的な窃盗対策等の強化を推進しているところでございますが、これは、警察のみならず入管あるいは海上保安庁、税関等の関係機関とも連携を強化して進めなきゃならない課題だと思っておりますし、また、外国の捜査機関としての連携も非常に重要でございますので、そういう意味でも一層緊密にやってまいりたいと考えまして、今年の一月には実は中国を私、訪問いたしまして、中国の治安責任者と協議を行ってきたところでございますが、こういった連携をいずれにしましても強化いたしまして、来日外国人犯罪を抑圧するように努力をしてまいりたいと思っております。
#141
○島袋宗康君 時間です。終わります。
#142
○田嶋陽子君 村井大臣は所信表明で、女性や子供を被害者とする犯罪が多発しているとおっしゃっています。
 昨年、横浜で第二回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議が開かれました。日本はスウェーデンで開かれた第一回の世界会議で世界最大の児童ポルノ発信国との汚名をもらいました。その汚名返上のために、児童買春、児童ポルノ禁止法が成立したわけです。その後、日本国内の事件に関する対応はかなり進んだと思いますが、まだ海外で児童買春した日本人が日本国内で裁かれるケースが少ないように思います。
 今年はその児童買春、児童ポルノ禁止法が改正される時期ですので、現行の法律の見直しをも視野に入れてお伺いします。
 児童買春や児童ポルノを販売して捕まった人は、二〇〇一年一月から十二月、去年です、一年間で検挙された人は千二十六人、検挙された件数は千五百六十二件、それは前年に比べて三五・二%増加しています。
 村井大臣は、第二回世界会議を受けて、また今年は法改正の時期を迎えますけれども、この問題にどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、所感をお聞かせください。
#143
○国務大臣(村井仁君) 私も、昨年の十二月に横浜で開催されました会議にも、懇親の席でございましたけれども、参加をさせていただき、諸外国から参加された方とも懇談をさせていただきましたが、児童買春でございますとか児童ポルノに代表されるような児童の性的搾取というのは、その防止、根絶、これを図りますのは国際的にも重要な課題でございますし、文明国としての日本のもう本当に恥ずかしい問題だと思っておりますので、全力を尽くさなければならない問題だと思っております。
 今後とも、国外犯を含めまして、この種の事犯の取締りの強化を進めますとともに、一つ重要な問題は、ダメージを受けた児童被害の精神的負担を軽減するためのカウンセリングの継続的な支援でございますとか、あるいは児童買春、児童ポルノを根絶するための広報啓発活動でございますとか、こういったことを一層推進して、警察として児童の権利擁護にできるだけのことをしてまいる、これが大切なことではないか、こんな認識を持っております。
#144
○田嶋陽子君 黒澤生活安全局長にお伺いします。
 前年に比べて検挙者数が三五・二%も増加したのにはどのような要因があるとお考えでしょうか。
#145
○政府参考人(黒澤正和君) 警察といたしまして、児童買春、児童ポルノ禁止法に基づきまして積極的な取締りを行っております結果だと存じますが、殊に、児童買春事件のうちテレクラあるいは出会い系サイトを利用したものが、前年対比で十三年見てみますと、件数で三百六十六件、二百五十四人、人員で増加をいたしておりまして、これらテレクラ又は出会い系サイトを利用した児童買春事件の増加が要因の一つとも考えておるところでございます。
#146
○田嶋陽子君 先ほど申し上げた千二十六人という検挙者数のうちで、児童買春で捕まった人は八七・五%、出会い系サイト、テレクラで捕まった人は六六・一%で、とても多いんですね、出会い系サイト、テレクラ。
 例えば、皆さんも御存じのように、高等裁判所裁判官四十三歳は、携帯電話の伝言サービスで知り合った児童を介して紹介された女子中学生二年生十四歳に対して対象供与、お金を上げるとか何か欲しいものを買ってあげるとか、そういう約束を交わして性交をしたとか、そういう似たような例が幾つかありますが、みんなテレホンクラブとか、最近はやり出した競りクラ、店外デートをする料金を競りで決める新手の営業方法なんというのも出てきています。すごいです。
 それで、第二回世界会議では衆議院議員の谷垣禎一さんもこう言っていらっしゃいます。携帯電話、私の携帯電話にも多くのメールが来ると。このように、出会い系サイトは言わば無店舗タイプの買春あっせんの一形態になっていると思います。しかも、多くの子供たちが持っている携帯電話からたやすくアクセスできて、お手軽に会う約束ができるのは大変危険だと思います。私は、すべてを取り締まればいいとは思いませんが、野放しにしてはおけないと思います。
 私は、このテレクラというのをどういうのか分からなかったものですから、今日は質疑ですから、昨日、うちの事務所でみんなでテレクラに電話をしました。実態は、いきなり電話に出た人が、四月一日から風俗営業法規則が変わって、電話を掛ける側も受ける側も十八歳以上だということを仲介業者に確認しなければいけないということを向こうから言ってきました。私の声で言ったんじゃないです、若い女性が電話をしました、秘書。
 最初に出た取次ぎの人から、まず生年月日とえとを聞かれたんですね。そして、取り次いでもらった後で、電話に出た相手側の男の客はそんな法律のことは全く知らないと話していました。仲介業者は知っているけれども、客は知らないんですね。たまたまそのとき、本当に偶然なんですけれども、私の秘書の携帯電話にも出会い系サイトのコマーシャルが入りました。これは先ほども申し上げた谷垣議員のところに入ってくるものと同じものだと思います。
 この出会い系サイトについてですけれども、岩下久美子さんという方が「ヴァーチャルLOVE」という本の中で、どういう書き込み内容があるかというと、まず友達になってください、ドライブに一緒に行けるといいなとか、海を見に行きたいとか、そういう言い方がベストスリーなんだそうです。
 昨日、電話をしていまして、私は、秘書が電話しているのを隣で聞いていますと、非常に会話が弾むんですね。私はどきどきしてしまって、秘書はもしかしたら付いていってしまうんではないかしらとか心配したほど会話が弾むんですね。非常にそれが軽やかな調子で進んでいって、楽しげに進んでいって、こういう調子だとハードルを越えるのは非常に簡単だという思いがしました。
 すなわち、本当に日常生活のレベルで一歩向こうはがけっ縁という、そういう危険が待ち受けている、うっかりそこに行ってしまうという、本当に何か際どいものを感じました。でも、一方でこういう出会いを渇望している人が多いということも事実だと思います。
 そこで、黒澤生活安全局長にお伺いします。
 出会い系サイトが児童買春の温床の一つになっているということ、このことに関して警察庁ではどのような対策を考えておいででしょうか。
#147
○政府参考人(黒澤正和君) 委員御指摘のとおり、出会い系サイト、大変大きな問題になっておるわけでございますけれども、この児童買春に限らず、出会い系サイトにおきましては、やはり出会いがあるわけでございますので、児童買春が多いわけでございますけれども、それ以外に、例えば殺人事件でありますとか強盗でありますとか強制わいせつ、恐喝、傷害、こういった事件の被害者にもなる状況が出ておりまして、しかも、これは十八歳未満じゃなくて未成年者でございますけれども、平成十三年中には出会い系サイトに関係した事件の検挙件数が八百八十八件となっておりまして、大変増えておるわけですが、その約八割が未成年者、被害者が未成年者八割という状況にございます。
 出会い系サイト利用に係る児童買春事件につきましては、これは十八歳未満ということでございますけれども、平成十二年中が四十件であったものが、昨年は十倍の三百七十九件に増加をいたしておるわけでございます。
 警察では、こういった現状にかんがみまして、事件に少年が巻き込まれることのないように、広報啓発に努めているところであります。また、今申し上げました事件の検挙にも努めておるところでございまして、更に今後とも出会い系サイトの実態の把握と、それを踏まえました諸対策を講じてまいる所存でございます。
#148
○田嶋陽子君 広報啓発だけですか、今のところは。対策は。
#149
○政府参考人(黒澤正和君) 広報啓発以外に、今申し上げましたが、紹介をいたしましたが、各種事犯の取締り、検挙、更にはもろもろの対策の中には制度面を含めた検討というのも行っておるところでございます。
#150
○田嶋陽子君 もう一度黒澤生活安全局長にお伺いします。
 ちょっと角度を変えます。児童買春事件や児童ポルノ事件で検挙された人の性別、年齢層、職業を教えてください。
#151
○政府参考人(黒澤正和君) 昨年の数字でございますが、先ほど来出ておりますが、児童買春、児童ポルノ禁止法違反で千二十六人検挙いたしておりますが、男女別で見ますと、男性が九百九十五人、女性が三十一人でございます。
 年齢別では、三十歳代が最も多くなっておりまして、三百九十八人、次いで二十歳代が三百十六人、十四歳から十九歳までの少年が四十人、六十歳代が二十一人、七十歳代が五人とそれぞれなっておるところでございます。
 職業別でございますけれども、自営業者が百五十人と最も多くなっております。次いで販売従事者が百三十六人、無職が百三十人の順となっております。それから、これは被用者、勤め人の中に入るんですが、会社役員等の管理的な職業あるいは教員でありますとかそういった職業、これは、その他医療でありますとか保健従事者なども含めた統計の取り方をいたしておりますが、専門技術職というような統計の取り方でございますけれども、大きなくくりでは被用者、勤め人でございますが、そういった会社役員等の管理的職業、専門的技術職に従事する者の検挙人員が百十二人となっておりまして、この全体に占める割合が約一一%でございまして、この種職業に従事する者、同じ数字、比較ができるんですが、全刑法犯に比べると極めて高いというようなことが特徴として挙げられるかと存じます。
 以上でございます。
#152
○田嶋陽子君 私たち一般に偏見だったと思いますけれども、こういうことをする人はある種の職業の人とか学歴が低い人とか、そういうふうに思っていましたが、近ごろそうでないということがだんだん分かってきまして、今お話にあったような、管理職だとか専門技術的な職業だとか、会社の社長だとかあるいは学校の先生だとか、いろいろそういうことが出てきました。例えば、先ほど申し上げたように、高等裁判所裁判官のような方でもこういうことをなさったわけですね。
 もしかしたら、これはちょっとお伺いしたいんですけれども、いわゆる買春者らしくないという偏見、例えば私がかつて持っていたような、そういう偏見で捜査が遅れるというようなことはないでしょうか。
#153
○政府参考人(黒澤正和君) そのような御指摘はないと考えております。
 私どもはこの種事犯につきましていろんな端緒を得まして捜査をいたしておるところでございまして、さらにまた、児童ポルノ等についてはサイバーパトロールでありますとか、あるいは当然のことながら、外国との連携でありますとかもろもろの活動を行う中でこの種事犯に対応いたしておりますので、そういったことはないと考えておるところでございます。
#154
○田嶋陽子君 児童買春をする人が必ずしも小児性愛者だとは限らないと思いますが、例えばここで、ロン・オグレディという人が「アジアの子どもと買春」という本を書いていて、その中で、典型的な小児性愛者、いわゆるペドファイル、ペドファイル像は専門的職業を持つ中年男性である、医者なら小児科医であることが多かったり、教師とかソーシャルワーカーとか宗教関係といった職に就いている人も多いと。それから、困ったことは、ボーイスカウトとか少年聖歌隊やYMCAなど、子供に関連した地域活動に参加している人も多いということです。
 私は、子供の性的虐待常習者だったり秘密結社のように仲間内で情報交換する真性ペドファイルタイプと、それから子供を買春したことで結果的にペドファイルになってしまう仮性タイプの両方の方がいると思うんですね。
 真性ペドファイルの人は治療しなければ治らないんです。あるいは釈放されなければ治りませんが、この人たちは釈放された後に次々と治さないと犠牲者を増やすということが予想されると思います。また、児童ポルノのホームページを見たり、海外に行って買春をする際、エイズの心配もなくて済むなどの理由でより若い子を求めた結果が買春、売春につながり、眠っていたペドファイル度が増して仮性ペドファイルが常習者に転じる可能性もあると思います。
 児童買春や児童ポルノの需要を喚起しないようにすることが必要だと思うんですが、その点について何かお考えになっていらっしゃることはありますでしょうか。
#155
○政府参考人(黒澤正和君) いわゆるペドファイルでございますけれども、今お話ございましたように、大変正確に実態をつかむということは難しいと考えておるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、児童買春、児童ポルノ事犯の検挙等を通じまして実態把握に努めてまいりたい、また外国の事例なども含めて今後検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#156
○田嶋陽子君 すると、真性ペドファイルと仮性ペドファイルの区分けといいますか、その見分け方に関する研究はまだ付いていないということですね。
#157
○政府参考人(黒澤正和君) 御指摘のように、この分野につきまして私ども専門的知見の蓄積等はございませんと言っていいかと思いますので、今後の課題というようなことで検討してまいりたいと存じます。
#158
○田嶋陽子君 私たちはやっぱり結果が欲しいわけでして、子供が一人でも二人でも傷付けられない状況が欲しいと思います。
 例えばほかの国を参考にしますと、アメリカやイギリスですが、アメリカは大変はっきりした対策を打ち立てているわけですね。イギリスでも一九九七年にアメリカを模倣してそこを修正しながら性犯罪法が制定されました。一定の犯罪者は自分の住所などを警察に届けなければならないという制度が設けられたわけですね。ここで、性犯罪者の情報というものを警察で記録するだけじゃなくて、必要な場合には関係機関や個人に教えてほしい。
 例えば公園があって、学校があって、子供たちがよく遊んだり通ったりするところの校長先生だとか保護者だとかに、その近所にそういう人がいるかもしれないということは、もしかしたら教える義務があるんではないのか、そんなふうに思います。その点に関してはどうでしょうか。
#159
○国務大臣(村井仁君) 立法の問題ということになりますと、やはり衆参両院のいろいろな御議論が必要なことかと存じますので、私の立場から特段のことを今の段階で申し上げる用意がございませんが、やはり犯罪、どういう形態の犯罪でもあれ、それを犯す可能性があるという人につきまして、どの程度の情報を開示していいかという問題というのは、これはもう申し上げるまでもなく人権の問題と非常に密接にかかわる問題でございまして、田嶋委員の御懸念、問題意識は分かりますけれども、なかなか各国法制の違いもございましたり、直ちにその方向でいくべきだというふうなことを申し上げる用意がないというのが私の今の心境でございましょうか。
 ついでながら、例えば犯罪の捜査あるいは逮捕等々における手続につきましても、英米法の国と日本の場合は随分違うわけでございまして、日本の場合は非常に厳密な手続を要求しているということはもう委員十分御案内で御発言になっていらっしゃると思います。
#160
○田嶋陽子君 国情の違いもありますし、いろいろあると思いますけれども、毎日のように子供か女性が殺されているという事実は重く見て、是非、村井大臣ならではの方法があるならば、是非考え付いて、即座にでも私はこういう人たちを守ってほしいと思います。
 それから次に、外国との関連でお伺いします。日本国内では法律や人の目があってできないことを海外でする日本人がいます。旅の恥はかき捨てとか昔よく言ったものですけれども、それが性的なことでも行われています。法律ができてから、日本人が海外で児童買春を行った場合にも処罰されることになりました、することができることになりました。
 児童買春についてですけれども、例えばその日本人がフィリピンで行った子供買春についてですが、いろんな例があるんですけれども、例えば弁護士の坪井節子さんが、明石書店から出した「アジアの蝕まれる子ども」という本の中で、例えばこんな例があります。日本の男性が行ったことですが、実業家の息子で会社員で四十代で、マニラ市内に住む自宅に十三歳から十七歳までの三人の子供を軟禁し、暴行、脅迫をしてレイプしたほか、少女らとのセックスの様子を自らビデオや写真に撮影していたこと。それから、逮捕時には六本のビデオと五百枚以上の写真が押収されているということ。この男性が自宅に軟禁してレイプした少女の数は三十人に上ると報道されています。また、次の例は、自称小児科医、三十九歳の男性ですが、宿泊先のホテルに五歳から六歳、十歳前後の少年少女を部屋に連れ込んで、子供たち同士に性行為をさせたり、自分のペニスを吸わせたり、縄で縛ったりして写真に撮影したと。
 このほかに、もっとひどい例は、加害者は日本ではありませんけれども、フィリピンでは子供を物扱いしている人たちもいます。児童買春に関して、大変悲惨な事件ですけれども、ロザリオちゃんという人が、十一歳の女の子ですけれども、ストリートチルドレンです。外国人から膣にバイブレーターを入れられて、それが取れなくなってしまったまま、生活のために体を売らなければならず、体内に残ったバイブレーターが腐食して亡くなったという、これは一冊の本にもなっている事実です。
 やはり、子供が大人の性の道具として物扱いされてはいけないと思います。この法が施行された後、何人の日本人が国外犯として児童買春、児童ポルノ禁止法によって逮捕されておりますでしょうか。
#161
○政府参考人(黒澤正和君) これまでに三件の事件、児童買春、児童ポルノ、国外犯、検挙をいたしております。法施行以後、平成十二年十一月にタイ王国における児童ポルノ製造事件、平成十三年一月、カンボジア王国における児童ポルノ製造事件、そして平成十三年十二月、カンボジア王国における児童買春事件、三事件計九人を検挙いたしておるところでございます。
#162
○田嶋陽子君 今おっしゃられたカンボジア王国での事件ですね。この男性は三十歳です。土木作業員で、そして販売目的で子供の裸体を撮影し児童ポルノを製造した罪で、二〇〇一年一月、大阪で立件されました。この男性は、日本に帰国して大阪府警察が必要な調査を行って、二〇〇一年一月九日に大阪地方検察庁に書類送致されたわけですけれども、まだ現在も裁判が続行していると聞きました。
 この事件は、当初、個人的趣味の範囲では立件が難しいと言われていたものだそうです。なぜなら、児童買春、児童ポルノ禁止法で、頒布、販売、貸与、公然陳列目的での児童ポルノ製造と定められているからで、それ以外では取り締まれないということ、要するに個人的趣味の範囲ではということですよね。しかし、頒布、販売を目的にしていなくても、その写真やビデオテープには紛れもなく性的虐待があった事実が残されているわけですね。ですから、販売目的であろうとなかろうと処罰の対象にしなければいけないのではないかと思います。
 法律を作るときの議論では、児童ポルノの単純所持、ただ持っているだけでも罪になるという、このことを含めるかどうかで議論になったわけですが、頒布・販売目的になったんですが、頒布・販売目的に限定したのだと聞いています。もし、この規定があるために個人的趣味の範囲で販売目的ではないというケースを立件できないようなら、法律を変えることが必要だと思います。
 この男性は、何年間も児童買春目的で東南アジアに旅行に訪れていたようですが、その間、何回くらい児童買春を繰り返していたのか分からないわけで、考えただけでも身の毛がよだつ気がします。
 この土木作業員のように、児童買春、児童ポルノ禁止法で捕まった人が、再度海外旅行をしようとするときに、パスポートを返納させて国外に出さないようにすることはできるものでしょうか。
#163
○政府参考人(小野正昭君) 御質問の買春の国外犯についてでございますが、旅券法に基づく旅券の返納命令の適用ということは可能と考えております。実際の法令の運用につきましては、法務省等の関係機関から通報を受けまして、外務省として個々のケースについて検討をしていくということとなると思います。
#164
○田嶋陽子君 この件に関しての質疑はこれで終わりますが、ちなみに最近、女性議員たちで会った女性にニコル・カスティオーネさんというスイスの代議士がいらっしゃいます。この女性の代議士の方は代議士になったパリの娼婦という、この方は元娼婦だったわけですね。その人が言うには、欧米の調査では売春している人の八五%が少年期、少女期に体と心に傷を受けている。この娼婦から代議士になった女性も、実は五年間、知っているおじさんに小さいときから性的虐待を受けていたと。この人が言うには、このために自信がなくなって、世の中の事柄で何に価値があるのか分からなくなってしまったと言っています。すなわち、性的虐待を受けた人は、すべて売春をするわけではありませんが、幼児期の虐待によって女性の自己評価が低くなる、その後、自分の人生を全うできなくなる可能性が多いということです。
 そして、もう一つ言いたいことは、これはもう日本でも皆さんだんだん分かるようになってきましたけれども、被害を受けた人が、必ずと言ってはいけませんが、数字が出ていますね、何十%かは将来加害者になる可能性があるということです。
 ですから、たかが子供のこと、たかが女のことという発想は毛頭持ち合わせていらっしゃらないと思いますけれども、やっぱり子供を今傷付けるということは、将来の日本に不安要因を残すということです。将来の日本が幸せになるためには、今の子供たちを傷付けるようなことは、限りなく傷付けてはいけないということだけ、そのための協力をしていただきたいということをお願いしておきます。
 あと三分あります。
 次は、警察の、警察官の増員についてお伺いします。
 先ほど山根議員が村井国家公安委員長に質疑をなさいましたが、そのときに村井大臣は警察官にふさわしい人材をそろえたいということをおっしゃいましたが、警察官にふさわしい人材とはどういう人材ですか。
#165
○国務大臣(村井仁君) 大変難しい御指摘でございますけれども、基本的にはまず、健全な常識を持った社会人であるということが私はまず第一に大事なことだろうと思っておりますし、そういう意味で、いろいろな不祥事案などを見ておりますと、やっぱりいささか適性を欠くのではないかというようなケースがないわけではない。そういう意味で、そういう適性のある人を選びたいという意味を申し上げたつもりでございます。
#166
○田嶋陽子君 この健全な常識を持った人というのが一番危ないような気がします。
 私は元大学で教えておりましたが、私の学生たちが電車の中で痴漢に遭ったり、教師にセクハラに遭ったり、いろんな人にセクハラに遭った場合、警察に訴えていた場合、そこでもう一度セクハラを受けます。どういうセクハラかというと、あんた、遅く帰るのが悪いんだよとか、そんな服装をしているから悪いんだよ、女のくせにその口の利き方は生意気だ。すなわち、その警察官たちは、男らしさ、女らしさでがんじがらめになっていて、人を見る視点がないんですね。女だろう、男だろう、そこが常識なんです、その警察官たちの。そこで、みんながそこでもう一度セクハラに遭ったり、セカンドレイプを受けたりするケースが多いんですね。
 ですから、私は、ふさわしい人材というあいまいな言い方ではなくて、警察官にきちんとジェンダーフリーの教育を、トレーニングをする必要があると思うんですね。そのことを私は前にもお願いしたと思うんですが、私は具体的にそのことをきちんと、計画を見せてほしいと思います。
 私も警察官の人と時々お話ししますが、とてもいい人たちです、いい人たちなんですが、ちょっと話を進めていくと、先生、独りだろう、寂しいんだろうとか、結婚していようとしていまいとこっちの勝手だいと、そう思うんですけれども、そういうことをちょっと親しくなると、でも、それは親切心なんですね。先生、もうちょっと口の利き方気を付けたらいい人見付かるよとか、余計なお世話だ。でも、そういうことを平気で言う。それが健全な常識人の警官なんです。それが一般人なんですね。
 それって、もうこの時代では時代遅れで、健全でも常識人でもなければ、非常識人なんですね。そこを私は、警察の中はマッチョだから、もう少し村井大臣に、そこのところの教育をきちんと先生を呼んでしていただきたいと思うんですね。
 なぜなら、これから、実はちょっと調べたんですが、警察増員するに当たって、山口県と長崎県には警察の増員がありません。ゼロです。ところが、調べてみましたら、これは婦人相談所の統計ですけれども、何と長崎県はドメスティック・バイオレンスの相談が、県のうちで十一位です。三千九百四十四件もあるということは、その背後にどれだけドメスティック・バイオレンスに遭う人がいるかということ。ということは、それだけ警察の用事が増えるということですよね。そして、山口県でも二十六位。これは日本全国の半数以下ですが、私としては、もう具体的に警察官の人がどういう作業をしてくださるのか、仕事をしてくださるのか、女の人の命を救ってくださるのかどうか、そこがうんと大事なんですね。
 だから、警察官を増員なさるときにも、もう時間が来たからお願いです、ちゃんとカウンセリング能力のある人と、もし署内でできないならばそういう人を募集してください。それから、ちゃんとジェンダーフリー教育を受けるという、受けた人を採る、それがふさわしい人です。そういう人を採っていただきたいと思います。もし、そうでない人を採ったんなら、署内で教育してほしいと思います。
 それともう一つ。なぜ警察官の女性はスカートをはいているのですか。あれでは銃は撃てないでしょう、あれでは走れないでしょう、おかしいと思うんですね。そのこともできたらお伺いしたいと思います。
 終わりなんですけれども。
#167
○委員長(佐藤泰介君) 最後のところだけ、じゃ村井大臣。
#168
○国務大臣(村井仁君) 御意見はよく承りまして、また勉強させていただきますが、ちなみに女性の警察官はスカートだけじゃございませんで、もちろんいわゆるパンツも使っております。そのことは申し上げておいた方がよろしいかと存じます。
 それから、今、委員いろいろ仰せになられました中で、私がイメージする良識のある、何といいましょうか、警察官というイメージの人物は、多分、田嶋委員に対して、あるいは田嶋さんに対してそのようなことを多分言わないんじゃないかと理解している次第でございます。
#169
○委員長(佐藤泰介君) 時間です。また続きは後日お願いします。
#170
○西銘順志郎君 自由民主党の西銘順志郎でございます。
 村井大臣、午前中から大変御苦労さまでございます。また、安倍官房副長官、大変お忙しいところ、ありがとうございます。
 私は、北朝鮮による日本人拉致事件についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 この問題は、官房長官の質疑のとき、あるいはまた、委嘱審査のときにも複数の議員の皆さんが御質問をなさったわけでありますが、私は、平成十二年十月の内閣府の外交に関する世論調査というものがございまして、これによると、北朝鮮に対する関心度では、関心があるというのが六三%、その中身を見てみますと、やはり日本人拉致問題が六八・六%、ミサイル問題が五二・一%、食糧支援に関するものが五〇・五%というような数字が示されているわけであります。
 こういうような数字を見ていただいても、この拉致問題というのは私は国民の最大の関心事であるというふうに思いますので、何点か質問をさせていただきたいというふうに思うわけであります。
 平成十二年の十月の時点でのこれは調査でありますが、現時点で調査をすればまだまだ高くなっていくんではないのかなというふうに思っております。
 まず一点目に質問をさせていただくわけでありますが、北朝鮮と我が国との関係を振り返るときに、どうしても同国は、北朝鮮は、自国の経済状況や食糧事情が深刻になると、米の支援を求めて日朝国交正常化交渉や両国間の人道問題の改善に向けた姿勢を示すわけであります。一方、我が国上空へのミサイルの発射問題に対する対抗措置、あるいは日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインの関連法の制定に際しては、日朝関係は冷却や悪化の水準を超え戦争の瀬戸際に立っている、あるいは日本の戦争法案の採択は我が方に対する宣戦布告である等、これは本当に恫喝に等しいような態度を取ってきたというふうに私は思うわけでございます。
 そういう中で、やはり日本人拉致問題の解明、解決は、これは両国間の今後の関係を築いていく上で避けては通れない問題であるというふうに思います。そういう観点から、政府はこの問題の早期解決に向けてどのような措置を取ってこられたのか、御説明をお願いをしたいと思います。
#171
○内閣官房副長官(安倍晋三君) ただいま西銘委員おっしゃったように、この拉致問題につきましては、私どもといたしましては、この拉致問題の解決を棚上げにして日朝の国交回復はない、こういう基本的な考えでございますし、総理も再三そのことは表明をしてきたわけでございます。
 この問題につきましては、委員を始め自民党におきましても、熱心に解決に向けていろんな先生方が活動を続けてこられたわけでございます。私も、官房副長官になる前、議員としてもこの問題、もう数年来にわたって取り組んでまいりましたし、質問も何回もいたしておりました。そうした党の方針、強い熱意が私は外交を動かしてきたんではないかと、このような自負を持っておる次第でございます。
 ただいま政府におきましても、いろいろな努力をしながら、今何とかこの拉致問題の解決に向けて努力を行っているところでございます。
 先般、ブッシュ大統領が来日をされた際にも、この問題について日本の懸念を総理、大統領に表明したところでございますし、先般、小泉総理が訪韓されました際にも、金大中大統領に、日本の抱えているこの拉致問題、国民の厳しい感情等について説明し、日本の立場の理解を求めたところでございます。
 そうした国際的な場においてこの拉致問題の存在また協力を今、日本が訴えながら、北朝鮮にこの拉致問題を前進させるように今後とも働き掛けていかなければいけない、こう考えているところでございます。
#172
○西銘順志郎君 三月十二日、日本赤軍の元妻、八尾恵証人の証言によりますと、一九八三年の有本恵子さん行方不明事件は、これは北朝鮮にいるよど号ハイジャック事件のメンバーが北朝鮮労働党員の外交官と共謀して実行した事件であるということがはっきりしたわけであります。
 警察庁が正式に認定した拉致事件は、拉致被害者は、八件、十一人となったわけでありますが、実際には数十人にも及ぶものというような指摘もあるわけでございます。北朝鮮当局者又はその指示を受けた者の犯行によると推定される事件の数及び被害者についての把握状況はどのようになっているのか、お聞かせを願いたいというふうに思います。
 また、この拉致事案に認定されるような事件というのは、どのような証拠あるいは確証が得られれば拉致事案に認定するのか、根拠をお聞かせいただきたいというふうに思います。
 また、北朝鮮の関与が疑わしいすべての事件については改めて徹底的に洗い直す必要があると考えますが、村井国家公安委員長の御所見を賜りたいというふうに思います。
#173
○国務大臣(村井仁君) 警察といたしまして、一般に、本人の意思と反して連れていかれたことを指して拉致と、こう呼んでいるところでございますけれども、これまで御家族その他の関係者からの事情聴取、あるいは所要の裏付け捜査、関係機関との情報交換など一連の捜査の結果を総合的かつ慎重に判断しまして、八件、十一名の事案につきまして北朝鮮による拉致の疑いがあると、このような判断に至ったものでございます。
 警察としても、それ以外の事案にきまして北朝鮮による拉致の可能性があるとは見ておりまして、こうした事案につきまして引き続き重大な関心を持って関連情報の収集に努めていると承知しております。
 しかし、それ以外の事案につきましては、これはあくまで拉致の可能性があるという段階でございまして、その件数ですとか被害者の把握状況に言及するということは、これは捜査の必要ございまして、控えさせていただきたいと存じます。
 いずれにしましても、警察としましては、八件、十一名以外の幾つかの事案についても北朝鮮による拉致の可能性があると見ておりまして、こうした事案も含めて引き続き重大な関心を持って関連情報の収集など努めていくよう、私の立場からも警察当局を督励をしてまいりたいと存じます。
#174
○西銘順志郎君 警察庁が北朝鮮による拉致と認定して、また拉致未遂と認定している事件は、今回の有本さんの事件及び一九八〇年の事件の一件を除いて、一九七七年、七八年の二年間に集中しているわけであります。その理由を分析なさったかどうか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
 また、九九年、一九九九年の韓国政府の発表では、北朝鮮による拉致と認定された韓国国民が四百五十四人に上っておるというふうに言われておるわけであります。同国の拉致の時期はどういうような状況になっているのか、知っている範囲で御説明をお願いをしたいと思っております。
#175
○政府参考人(漆間巌君) 警察といたしましては、北朝鮮による拉致の疑いのある事案というのは現在までのところ八件、拉致が未遂であった疑いのある事案としては一件、これを認定しておるわけであります。
 今、委員御指摘のありましたように、一九七七年及び一九七八年、すなわち昭和五十二年及び五十三年の二年間に集中しているというのは正に御指摘のとおりであります。その理由につきましては必ずしも明確なことは申し上げられませんが、何らかの北朝鮮の国家的意思が推認されるところであると我々は考えておりまして、警察としては今後ともこうした点を含めまして、全容解明のために全力を尽くしていきたいと考えております。
#176
○政府参考人(田中均君) 委員お尋ねの韓国の件でございますけれども、一番新しい二〇〇二年度版の統一白書というものによりますと、一九五三年の休戦協定締結以降に北朝鮮に連行されて、北朝鮮に抑留されている韓国人の数は四百八十六名であるというふうに述べられております。年代別でございますけれども、これもやはり韓国の、政府ではございませんけれども、韓国統一研究院発行の資料によりますと、一九五〇年代に三十五名、一九六〇年代に二百三十四名、一九七〇年代に百九十七名、一九八〇年代に十七名、一九九〇年代に二名、二〇〇〇年代に一名と、こういうふうになっております。
 委員御指摘のとおり、六〇年代から七〇年代に掛けて韓国人が抑留をされているというケースが多いということだと思いますし、これはやっぱり南北関係の緊張の度合いということを反映しているのかもしれないというふうに考えているわけでございます。
#177
○西銘順志郎君 村井大臣、去った十四日の当委員会の所信表明で、米国同時多発テロ事件や不審船事案の発生により、国際テロへの懸念が高まっているというような認識を示されたというふうに私は理解をいたしております。
 ところが、アメリカ合衆国は、テロリズムを、国家よりも下位にある集団又は秘密工作員が非戦闘員を標的として計画的にかつ政治的動機に基づいて実行する暴力行為というふうに定義付けています。また、二以上の国の市民又は領域を巻き込むテロリズムを国際テロリズム、自ら国際テロリズムを行い、又は国際テロリズムを行う相当数の下部集団を擁するすべての集団をテロリスト集団というふうに呼んで定義付けておるわけであります。
 こういうような条項に照らしていきますと、これは国際工作員が、工作員を使って、我が国を含む複数の国の一般の国民を暴力又は偽計を用いて拉致させ、あるいは重武装をした偽装工作船と工作員による他国の領海、領土を不法に侵犯することを繰り返す。拉致された被害者を自国内において長期にわたって監視をし、その被害者本人の意思に反して強制的に結婚をさせる。また、何らの事前の通告もなしに他国の上空をミサイルを通過させていく、そういうような脅迫をする。そういうような行為に対して、大臣並びに官房副長官、どのような評価を与えるべきだというふうにお考えになりますか。御見解を願いたいと思います。
#178
○国務大臣(村井仁君) 北朝鮮が過去、ビルマのラングーン事件でございますとか、あるいは大韓航空機爆破事件などを実際やったというのは、これは国際社会における一つの定説だろうと思いますし、今、委員正に御指摘のように、我が国においてもいろいろな事例がございます。
 また、戦後、北朝鮮関係の諜報事案というのは、約五十件ほど実際に検挙をしているというような事実もございます。現在でも相当数の北朝鮮工作員が日本で活躍しているというふうにも見ております。また、先ほど来お触れの拉致事案等々もございます。
 アメリカは、テロリスト国家というようなところを今お話のような形で定義付けているようでありますが、それはそれで彼らの持っているレトリックといいましょうか、言葉遣いでございましょうから、それを直ちに取るかどうかというところは、いずれにしましてもちょっと私どう言ったらよろしいか、それをそのまま採用するのはいかがかと思いますけれども。
 ただ、この北朝鮮の国家意思が様々な行為について確認され、我が国の国益を害し、国民の生命、財産に、生命、身体に危険を及ぼすというようなことになれば、これはもう治安上非常に重大な問題でございますから、私どもとしましても全力を尽くしてそれに対する対応をしなければならない、こんなふうに考えるところであります。
#179
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 我々政治家の使命、また政府の使命は、まず第一に国民の生命と財産を守ることでございます。その意味からしていえば、十三歳の少女を含むこの十一人の人たちが拉致をされた疑いが極めて高い、これは私は我が国にとって大変重大な事実として考えていかなければいけない、そのように思うわけでございます。
 そういう意味においては、まず北朝鮮がこの問題について積極的に解決をしていく姿勢を示すべきではないか、このように考えております。
#180
○西銘順志郎君 正に先ほど申し上げましたように、私はテロ国家だというふうに言ってもいいというふうに思うんですが、大臣、副大臣、副官房長官等も、内閣の中におられてなかなか言いにくい場面というのはよく理解をするわけでありますが、今申し上げたものに対する所感があったらひとつ、大変言いにくいと思いますが、公安委員長、どうですか。
#181
○国務大臣(村井仁君) 繰り返しになりますけれども、私どもは我が国の国益を害する、非常に、何といいますか、危険な問題をこれまでも惹起してきた可能性がある、そういう意味で治安上重大な問題であると、このような認識を持っているということを重ねて申し上げたいと存じます。
#182
○西銘順志郎君 小泉総理は、この拉致問題、あるいはこの拉致問題をほっておいて、いい加減にしておいて北朝鮮との国交正常化はあり得ない、これは日本全体の問題で、北朝鮮にしっかりとした対応を求めるというふうに述べられまして、事件解決への強い決意を強調しているわけであります。
 また、拉致問題に対処する副大臣のプロジェクトチームを発足させ、副大臣レベルにおける省庁間の連携と強化、政治主導による拉致問題解決への取組の方針も決定されたというふうに報道等でも私は見ておりますし、安倍副長官がせんだっての委員会でもおっしゃったのをよく理解をいたしておるわけであります。
 しかし、これ二十三日の産経新聞なんですが、この新聞報道によると、これ名前言っていいのかどうか分かりませんが、外務省のアジア大洋州局長の進言で、政府首脳がこのプロジェクトチームの活動を止めたという報道が出ているんです。これ事実でしょうか。まず、官房副長官にお聞きしたい。
#183
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 私、その報道を詳しく読んでおりませんのでよく承知をしていないわけでございますが、この会議自体は、私が提唱いたしまして、総理の御指示も仰ぎながら十九日に第一回目の会合を開催をいたした次第でございます。そしてまた、次回は外務省からもヒアリングを行おうということで、第二回目も開こうということを既に決めているわけでございますので、要は私どもが決めることでございますから、いろいろな議論がなされたという報道があるということでございますが、私はそのことは全く知って、承知をいたしておりません。
 要は、大切なことは、しっかりと私どもがこの問題に取り組んでいくという姿勢を内外に示すことではないだろうかということでございますから、要は次回の会合を淡々と開くということになるのだろうと思います。
#184
○西銘順志郎君 少し、官房副長官、多分韓国に行っておられてお分かりにならないんだろうというふうに思いますので、字が細かいので読みにくいんですが、同局長の働き掛けを受けて、政府首脳はプロジェクトチーム開催に反対する意向を外務省に伝達したと。これは、政府首脳と言っていますが、総理は一生懸命やれやれと言って、政府首脳はやったら駄目だよみたいな話になったら、これはもう閣内不一致という形になっていきますので、こういうことがないようにしていただきたいというふうに思います。
 副大臣、その点についてひとつ御説明をお願いをします。
#185
○副大臣(植竹繁雄君) 今回の拉致問題というのは、国民の生命にかかわる重要な問題であります。それで、内閣においても副大臣会議においてそういうプロジェクトチームができたというのはよく存じておるところでございます。そして、国家のこのような主権にかかわる重大問題であるとすれば、これはもう官僚と政治家との間に、国会議員の間に緊張感があるような、そういう論議、議論が行われるということは、これは一般論としては通常あることだと思っております。
 他方、しかし、そうはいっていても、越権行為があるようなことがあれば大変望ましくないということでございます。そして、今委員がお話しございました、田中局長が政府首脳に対して副大臣プロジェクトチームの開催中止を働き掛けたというようなことにつきましては、その事実は全然ありませんし、本件について越権行為はなかったと、そういう認識でおります。
#186
○西銘順志郎君 もう副大臣、官僚の皆さん、局長の皆さん、もちろん大変優秀なことはよく理解をいたしますが、やはり今、政と官との問題、いろんな問題が指摘されている中で、今、こういうような記事が事実だとすれば、私は大変なこれはもう越権行為じゃないかというふうに思ったものですから、この問題を取り上げて外務省、副大臣にお聞きをさせていただいたわけであります。
 こういうことがないように、再度副大臣、本当に決意をお聞かせを願いたいというふうに思います。
#187
○副大臣(植竹繁雄君) これは、私、外務省の副大臣といたしましても、これは大変な問題でございますので、このことが絶対行われないように、大臣以下一丸となって対処していきたいと思っております。
 なお、委員がおっしゃったことは、よく私どもも非常な貴重な御意見として承っておるところでございます。
#188
○西銘順志郎君 続きまして、ワールドカップについて質問させていただきたいというふうに思います。
 いよいよワールドカップまであと六十六日と迫ってきたわけであります。私は、前回の、臨時国会のときに、ワールドカップについて村井大臣に質問をさせていただいたわけであります。
 しかし、その後の進捗状況について質問させていただきたいわけでありますが、まず、去った二十一日から二十三日の日程で小泉総理大臣が韓国に訪問をされたわけであります。総理は、昨年の十月十五日、また十月二十日と、過去二回金大中大統領と首脳会談を行っております。今回で三回目という形になりますが、私どもも先日、テレビで総理と大統領がお互いのネーム入りのユニホームを交換している姿を見せていただいたわけでありますが、この両首脳の今回のワールドカップに懸ける意気込みといいますか、どのようなことを話し合ってこられたのか、知っている範囲で御説明をお願いをしたいと思います。
#189
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 今般のワールドカップは、日韓の両国の共催という形でございまして、これはもう初の試みでございます。いかに日本と韓国が相協力をすることができるかどうかが成功のかぎとなるわけでございます。そういう意味におきましては、日本と韓国、今までかなり緊密に連絡を取りながら、協力体制はでき上がりつつあるのではないかと、こう思うわけでございます。
 その象徴といたしまして、総理が韓国を訪問いたしまして、金大中大統領と首脳会談を行い、そしてお互い共通の認識を持ち合うことができたということは極めて私は大きな意味があったんだろうと、こう思うわけでございます。そして、開会式には小泉総理が韓国を訪問し、そして閉会式、決勝戦、閉会式には金大中大統領が訪日をするということが、相互訪問も決定をしたわけでございます。そういう意味では、現在のところ、正に私は息がぴったり合っていると。これを契機として日本と韓国が、ワールドカップということだけではなくて、未来に向けた関係を築いていく私は第一歩になるのではないかと、そういう気もいたしている次第でございます。
 そういう意味からも、勝ち負けも大切でございますが、まず本当にやって良かったなと、両国国民がそう思うことが私は一番の成功ではないかと、このように思う次第でございます。
#190
○西銘順志郎君 副長官、しっかり、歴史問題、歴史教科書問題等で少しこちらで関係がありましたので、これを契機にしっかり外交というものをひとつ見直していただいて、両国の歴史の中で一ページを築いていただきたいというふうに要望させていただいておきます。
 フーリガンについてお伺いをさせていただきます。
 これは、前回のフランス大会でも、あるいはまた各種の国際大会でも、このフーリガンというのはもう違法行為を繰り返しておるわけであります。ヨーロッパにおいて約数千人いるんじゃないかというふうに言われておりますが、このフーリガンの一部が今回のワールドカップで我が国にも入国をしてくるというのは、これは阻止できないのではないかというふうに私は見ております。
 そういう意味で、このフーリガンは、これは本当に観客だけじゃなくして、一般の市民の皆さん、商店街の皆さんにも大変な危害を及ぼすというふうに言われておるわけでありまして、これは、この対策はやはり入国を阻止すること、あるいはもう徹底的に取締りをすること、そしてまた、これは参加国の関係当局が出国措置を発動する等が大変極めて重要なことであるというふうに思うわけであります。
 小泉総理と金大中大統領との間でも話題になったと思うわけでありますが、実務者レベルでのフーリガン対策についてお聞かせを願いたいというふうに思います。
#191
○政府参考人(漆間巌君) 実務者レベルでの日韓両国の協議の場というのは、安全対策に関する日韓定期協議という、この場がございまして、昨年五月とそれから九月と十二月、既に三回開いておりまして、今年は四月の上旬に第四回の定期協議を行う予定にしております。
 この場でいろいろな連携を図っているところでございますが、フーリガン対策につきましては、昨年の十二月の第三回の日韓定期協議におきまして、今委員が御指摘されたような、フーリガンの入国を認めないこと、それからフーリガン行為に対しては取締りを徹底すること、及び参加各国に対してフーリガンを国外に出国させない措置を講じるなどの協力を求めていくことで一致したところであります。
 今年の一月に入りまして欧州評議会で開催されましたワールドカップの安全に関する国際会議に日韓両国から担当者を派遣いたしまして、この第三回定期協議での合意事項につきまして両国から説明を行いまして、欧州各国の理解を得たところであります。
 また、昨年十二月の警察庁長官と韓国安全対策統制本部長との会談における合意に基づきまして、大会期間中にリエゾンオフィサーを相互に派遣して、日韓両国で連携してフーリガン対策を推進していくということにしておるところでございます。
#192
○西銘順志郎君 今、警備局長からリエゾンオフィサーという話が出ましたので、スポッターと警察官の連携についてお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
 今、欧州各国の警察がフーリガン対策として国際サッカー大会開催国への警察チームの派遣を行っているわけであります。このチームは、本国と開催国との情報連絡を担当するリエゾンオフィサー、開催地において活躍するスポッター、それからスポッターの現場指揮官であるコーディネーターから構成されるというふうに聞いております。
 今回、我が国はこのスポッター等の派遣を受けてフーリガン対策に当たるわけでありますが、問題は、これらの外国人警察官、要するにスポッターと日本の警察官の意思の疎通や連携をどのように図っていくのか。言葉でも大変一つの問題があるというふうに私は理解しているわけでありますが、こういう課題についてどのように取り組んでおられるのか、御説明を願いたい。
#193
○政府参考人(漆間巌君) 実効あるフーリガン対策というのを推進するためには、我が国の警察としてはこのフーリガンに対していろいろな対策を講じたという実践的な経験がないということもございますので、EUのみならず南米の国に対しても、このスポッターというものを派遣していただくように要請しておるところでございます。
 委員御指摘のとおり、この派遣されたスポッターと、それから一緒に活動する我が国の警察官、その意思疎通、これは十分にできないとこれは正に的確なフーリガン対策ができないわけでありまして、その一番基になりますのはやはり何といっても語学という問題があろうと思います。したがいまして、我が方の警察官、このスポッターと一緒になって動く我が方の警察官につきましては、実務経験が豊かな上に外国語で意思疎通のできる、そういう警察官を当該スポッターと一緒に行動させる、こういうことによって意思の疎通を図ってまいりたいというふうに考えております。
#194
○西銘順志郎君 このスポッターの法的な立場並びに身分保障についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 このスポッターは、空港や駅や街頭あるいは競技場周辺において自国のフーリガンを発見したり、所在情報の開催国への、警官への情報の提供あるいは警備に関する助言等、日本の警察の支援を行うものというふうにされているわけであります。これは大変重要なことであるわけでありますが、もちろん、日本の警察官は、これは警察の執行権というんですか、これはちゃんとできる状況にあるわけでありますけれども、このスポッターは日本において警察力を発揮することができないというふうに思うわけでありますが、身分的にはこれはどういう形になっていくんでしょうか。
#195
○政府参考人(漆間巌君) 確かに、スポッターは、これはそれぞれ外国の警察官でございます。したがいまして、日本に関しては正に協力関係で来ていただくわけでありますけれども、日本の主権であります警察権の執行、これはもちろんできないということになります。したがいまして、そのスポッターのいろいろなアドバイスに基づいて実際に執行務を行うのは日本の警察官、こういう位置付けになります。
#196
○西銘順志郎君 この警察権を執行できないわけでありますから、このスポッターが自国のフーリガンと面が割れているというんですか、言葉はよく分かりませんけれども、こういうときに、例えばあいつはおれのところの警察官だ、いつもあいつにやられているから、おれ、ちょっとやってやろうというような者が出てきたときには、これ、どういう形になるんですか。
#197
○政府参考人(漆間巌君) 確かに、これは派遣国の方からも我々要請を受けておりまして、正にスポッターである外国の警察官は、確かに相手方のフーリガンに対しては面が割れているという点はございます。さはさりながら、日本では強権を発動することができないということでございますので、したがいまして、必ずスポッターに対しましては、先ほど申し上げた語学のできる警察官のみならず、管轄の都道府県警察の別の警察官も数名付けまして、フーリガン等によってスポッターに対する襲撃が行われる、こういうことがないように、またそれが起こった場合でもしっかりと守れるように、そういうような連携活動をするように、今そういう形でシステムを構築しているところでございます。
#198
○西銘順志郎君 これは、スポッターが万が一、そういうことがないように願うわけでありますけれども、負傷したときに、この身分の、負傷したときに、これは例えば病院とかいろんなところへ連れていかないといけないわけであります。今回、ワールドカップで予算として約五十億近いお金を計上しているというふうに聞いていますけれども、この中にそういう負傷とかいろんなものが含まれるのかどうか教えてください。
#199
○政府参考人(漆間巌君) 予算の中で含まれるかどうか、ちょっと今それは直接まだ検討してはおりませんけれども、ただ全体の問題として、確かに万が一負傷した場合にはどうするのかというのは大変大きな問題でございまして、今派遣国ともいろいろ協議をしておりまして、派遣国の負担になるのか、あるいは日本が負担することになるのか、この辺のところはよく詰めることになりますが、いずれにしても日本の保険に加入していただくという形にするということで今協議を進めているところであります。
#200
○西銘順志郎君 時間があと少しでありますので、村井国家公安委員長にお伺いをしたいというふうに思っております。
 先ほど先生方からいろんなお話がございまして、今、刑法犯が戦後最悪を記録したんだと。まず来日外国人の犯罪、あるいはハイテク犯罪、DV、ドメスティック・バイオレンスとか、さらにストーカー等、新たな課題があるというふうに思うわけでありまして、日本の治安というのも、日本は一番治安は安全だというふうに言われていたわけでありますが、昨今はもう危険な状態にあるというふうに私は思っています。
 そこで、やっぱり先ほど山根さんからお話しございましたように、十四年度から三年計画で地方警察官を一万人増員するというようなことになっているというふうに聞いておるわけであります。大変、国、地方とも財政状況極めて厳しい中で一万人の増員でありますから、やはり日本は平和であってほしい、早く平和な日本にしてほしいんだという国民の私は強い期待の表れであるというふうに思います。
 そこで、大臣の国民の安全と安心に有効かつ効果ある対策をお聞かせ願いたいと思います。
#201
○国務大臣(村井仁君) 今、西銘委員、正に御指摘になられましたように、今、日本の治安、本当にある意味では瀬戸際に立っているというのが私どもの認識でございます。
 確かに、数字の上でも刑法犯認知件数が増えている。それから、特に私ども重視しております問題の一つは、公共空間における犯罪が増えている。これは、具体的には、町中でのひったくりというものは結構増えているという問題がございます。それから、非常に凶悪な事犯も増えておりましたり、また来日外国人による犯罪、あるいは特に凶悪な犯罪というようなものもあるということでございまして、空き交番というような状態があることではこれはもうとても対応できない。いろいろ合理化の努力もしてみましたが、こういう財政状況、国も地方自治体も非常に厳しい時期ではございますが、特段の御配慮をお願いしまして、三年間で何とか一万人の増員をお願いしようということにしたわけでございます。
 私といたしましては、何年かたちました後に、あのときに三年間で一万人の増員をした、あそこで日本の治安の悪化に歯止めが掛かったんだなと、このような御評価をいただけることを是非こいねがいたいと思いますし、また私は、警察の幹部に申しておりますのは、言ってみますと、三年間で一万人、初年度で五千人というのが昨年予算要求の段階で警察庁の門を出ました要求数字でございましたが、三年間で一万人を前提にして、その初年度として四千五百人の増員を御了解いただいて、今予算案としてお出ししているわけでございますので、言ってみますと、警察としての立場から申しますと、言い値をそのままお認めいただいたに近い状態である。ある意味では、ボールは我々の警察のサイドのコートにある。
 これは、もう我々の責任で治安の維持のために全力を尽くしていかなきゃいかぬという決意で頑張ってくれということを私も常々申しているところでございまして、そういう決意でこの問題に取り組んでまいりたいと存じますが、あわせまして、社会全体として、やはり犯罪に毅然とした態度で対応していくということもまた重要なところでございまして、地域のいろんな御協力でございますとか、あるいは学校、家庭等々におけるしかるべき対応というようなものが、それぞれの場面で国民の皆さんの御協力というものが欠かせないものだということも是非この機会に申し上げさせていただきたいと思う次第でございます。
#202
○西銘順志郎君 そこで、時間もありませんので最後の質問になろうかと思いますが、女性警察官の問題でございます。
 やはり、先ほど申し上げましたように、DV、ドメスティック・バイオレンス、やっぱりストーカー、こういうような犯罪に対しては、やはり女性特有の能力と申しますか、非常にそういう問題では発揮をされて、力を発揮されていくというふうに思うわけでありますけれども、しかしこれ以外にも、もう本当に男女平等だというような話でありますから、これはやはり、犯罪捜査、暴力団対策はどうか、女性に適しているかどうかよく分かりませんが、やはり警護、警備というような分野で女性の警察官が進出していくのはもう当然のことだろうというふうに理解をするものであります。
 これ、平成十三年の四月一日現在ということで、全警察職員が二十七万人、そのうち女性警察官と一般職員が二万一千人というようなことであります。これは、本当に八%弱にしかすぎないわけでありまして、本当に、先ほど申し上げましたように、男女平等とあるいは男女共同参画社会の実現のためにも、こういう数字を何としてももっと上げていっていただかなければならないんじゃないかというふうに思いますが、大臣の御所見をお願いを申し上げたいと思います。
#203
○国務大臣(村井仁君) 全く私同感でございまして、私も、国家公安委員会委員長になりまして、女性警察官、婦警、婦人警察官という言葉が過去ございまして、女性の警察官は結構多いわけでございますから、もうちょっと、何といいましょうか、高いランクのところへ上がっておられ、活躍している方が多いのかと思って調べてみましたら、今、委員御指摘のように、比較的少ないという状況でございまして、非常に残念なことだと思っております。
 DV、ドメスティック・バイオレンスの問題ですとか、あるいはストーカー事案でございますとか、家庭内暴力あるいは児童虐待でございますとか、そういう特定の事象に限らず、私は、一般的にほかの警察事象につきましても、正に性の、ジェンダーの問題を問わず、それぞれにかかわっていっていくのがある意味では当然のことだと思っておりますし、そういう意味ではその対応がいささか遅きに失したのではないかという感想を持っております。
 警視庁では、たしか平成の初めごろでしたか、女性の署長が、警察署長が誕生しておりますけれども、その後必ずしもたくさん女性の署長が登場しているという状況ではないようでございまして、またこれはT種採用者というのをどのように認識するか、いろいろ御議論のあるところであることは承知しておりますけれども、T種の女性職員を採りましたのが平成元年でございまして、これが現在警察署長を務めているというようなことがございます。
 こういった動きを大いにこれからもエンカレッジし、またこのような職種の場も思い切って増やしていくように警察を督励してまいりたいと存じます。
#204
○西銘順志郎君 ありがとうございました。終わります。
#205
○委員長(佐藤泰介君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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