くにさくロゴ
2002/07/17 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第7号
姉妹サイト
 
2002/07/17 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第7号

#1
第154回国会 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第7号
平成十四年七月十七日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十六日
    辞任         補欠選任
     高嶋 良充君     和田ひろ子君
     森本 晃司君     日笠 勝之君
 七月十七日
    辞任         補欠選任
     大江 康弘君     平野 貞夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         沓掛 哲男君
    理 事
                木村  仁君
                松村 龍二君
                矢野 哲朗君
                小川 勝也君
                佐藤 道夫君
                山本  保君
                池田 幹幸君
    委 員
                阿南 一成君
                愛知 治郎君
                有村 治子君
                泉  信也君
                金田 勝年君
                清水 達雄君
                段本 幸男君
                中島 眞人君
                藤井 基之君
                三浦 一水君
                森元 恒雄君
                吉田 博美君
                吉村剛太郎君
                池口 修次君
                小林  元君
                千葉 景子君
                藤井 俊男君
                簗瀬  進君
                山下八洲夫君
                和田ひろ子君
                木庭健太郎君
                日笠 勝之君
                井上 哲士君
                八田ひろ子君
                平野 貞夫君
                広野ただし君
                又市 征治君
       発議者      池田 幹幸君
       発議者      平野 貞夫君
   委員以外の議員
       発議者      江田 五月君
       発議者      小川 敏夫君
       発議者      大脇 雅子君
   衆議院議員
       発議者      保利 耕輔君
       発議者      町村 信孝君
       発議者      亀井 久興君
       発議者      西  博義君
       発議者      西川太一郎君
   国務大臣
       法務大臣     森山 眞弓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
       常任委員会専門
       員        加藤 一宇君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局選挙部長    大竹 邦実君
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公職にある者等のあっせん行為による利得等の
 処罰に関する法律の一部を改正する法律案(衆
 議院提出)
○公職にある者等のあっせん行為による利得等の
 処罰に関する法律の一部を改正する法律案(江
 田五月君外四名発議)

    ─────────────
#2
○委員長(沓掛哲男君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、高嶋良充君及び森本晃司君が委員を辞任され、その補欠として和田ひろ子君及び日笠勝之君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(沓掛哲男君) 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(衆第一六号)及び公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(参第一七号)の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○簗瀬進君 あっせん利得処罰法案も、どうも思いのほか早く大詰めを迎えてしまったようでございまして、もっとやりたかったなという気分でございますけれども、どうも修正協議が与野党間で私どもの期待どおりにはまいらずに、大きくとんざをしたという話を承っております。
 ということで、今日、日程では採決を迎えるというふうなことになり、修正は事実上できなかったということでございまして、その辺の経過あるいは思い等を含めて、まず野党の方から御答弁いただきたいと思います。
#5
○委員以外の議員(江田五月君) 与党の改正案に対して衆議院段階で、そして参議院に参りましても、私ども野党四会派一致して別の改正案をお出しをいたしました。
 与党のものに対して私どもの方は、もう水も漏らさぬと、そういう厳しい対案を出したわけでございまして、しかしこれは、これまでも繰り返し申し上げてきましたとおり、このとおりでなきゃならぬと、もちろん我々のものが最善だと思いますが、このとおりでなきゃならぬというよりも、むしろ、もっと厳しいところでひとつ与野党合意を何とか作りたいと、こんな思いで提案をしてまいりました。衆議院では、この修正の協議というものは、それ自体がなかなか進まないということで参議院に参りましたが、参議院で何としても修正の話合いをしたいというのが私たちの強い思いでございました。
 先週十二日、質疑が終わりまして、理事会の合意をいただいて沓掛委員長に御苦労をお願いをし、与野党の筆頭理事、そして与党案の筆頭提出者保利議員と、私、野党案の筆頭提出者と五人で協議をいたしました。なかなか与党の方は修正は難しいということですが、不可能に近いという言葉でございまして、近いというところに何かないのかと、こういうことで検討をいただきました。その夕方遅くなって与党の方から提案がございました。それは、与野党全会派そろって、附則に一条を加えて見直しを入れると、三年後なら三年後のですね、こういう提案が参りました。さらに、附帯決議などでその見直しの際の方向性は示すといったこともあったようでございます。
 私どもも、これを直ちに、そんなことではいけないというそういう態度は取らずに、野党の中で真剣に議論をしてまいりました。しかし、やはり今の政治と金の現状、それに対する国民の怒り、そういうものを考えたときに、朝令暮改ではいけないなどという参考人の皆さんのお話などもございまして、三年後の見直しというだけで全野党がそろって共同修正をするというのはやはりちょっと無理があると。
 さらにまた、衆議院の段階では、このあっせん利得処罰法の関係のほかに、政治資金規正法の関係ですね、公共事業受注業者からの政治献金禁止などを含む。こうしたものが全体としてテーマになっていて、このあっせん利得の関係だけで、しかも附則の修正で、衆議院にこれ戻さなきゃなりませんが、衆議院に戻して全野党も賛成しろというところまで、これはやはり私どもが言うのは無理があるということで、野党間、鳩首協議をいたしまして、この与党の提案では合意することはできないと。これまでの経過から、更に与党にもっと突っ込んだ修正案を提出を願いたいところですが、現実問題として、それは与党の立場としても、私ども声を荒げて言っても無理があるだろうということで、修正の協議は決裂という決断をせざるを得ないということになりまして、大変残念に思っております。
#6
○簗瀬進君 不可能に近いの、近いというよりも不可能というふうに力点を置かれていたのかなということのようでございます。
 ということは、与党の皆さんとしては、今国会で大変いろいろな不祥事が我が国会を襲いました。そして、国民全体の国政への信頼、これも正に地に落ちる異常国会であったわけでございますが、その結果としてこの法改正に及んだわけでございますから、与党としては、この法改正で今後多くのスキャンダルも防止できる、このようにお考えになっているのかなと、こう断ぜざるを得ません。私どもはそれでは不十分だと思っております。
 しかも、今回、参考人のお三方がそれぞれ口をそろえて、これでは不十分であると言った点が何点かございました。例えば、土本参考人は、いわゆる権限に基づいた影響力行使というこの要件は絶対に削除すべきであると、これ非常に強い口調で言っておりました。この点は、もう一人の法律専門家であります参考人の板倉参考人も一致をいたしておりますし、全参考人が、とにかく、権限に基づく影響力の行使というその要件を残しておけば抜け道は幾らでもできますよというようなことについて一致をしておると。
 でありますから、野党としても、せめてこれぐらいの削除は是非ともしてほしいと、こういうふうに願っておりました。参考人が一致してこのような陳述をしていただいたわけでございますので、それを与党の方としても大変尊重して修正に応じていただけるのかなと大変期待をいたしておったわけであります。それがなぜ修正できなかったのか。
 また、併せて、この今回の法改正、言うならば公設秘書を私設秘書に拡大をした、犯罪の主体を拡大をしたと、これだけで今後のスキャンダルをかなり強力に防止するという自信がおありになるのか。与党の法案担当者に答弁を求めます。
#7
○衆議院議員(保利耕輔君) 修正の問題につきましては、先ほど江田議員からお話があったとおりでございますが、私の認識と多少違うところが、ずれているところがございますけれども、おおむね江田先生の言われたことのとおりでございます。
 そこで、この与党の提案で今後政治不信を解消することができるのか、あるいは口利きビジネスというのがなくなる可能性が高いのかという御指摘でございますが、私は非常にこの今度のいわゆる国会議員の私設秘書に適用範囲を拡大しましたことというのは大きなインパクトを与えるものだと思っております。
 と申しますのは、御承知のように、国会議員の公設秘書は三名でございますが、三名の枠がございますが、その上に、特に自民党、我が党の議員などは十名以上の私設秘書を持っておるという例があるわけでございまして、非常に広い範囲にこの法が適用されるということを考えまして、また国会議員というのが非常に費用も掛かりますことから資金の需要も多い、そのために資金を一生懸命集めなければならぬということもありまして、その担当しておりますのは多くは私設秘書がやっているということもありますので、そういう意味からいって、その私設秘書のところにこのあっせん利得の処罰法を適用するということは非常に大きな意味があると、私はそのように考えておりまして、効果は大きいと信じております。
#8
○簗瀬進君 もう一点。土本参考人が前回の参考人の陳述、一番最後の部分でこう申されております。「行政への口利きこそ政治家の仕事だという日本の政治の常識を転換させることを目指して本改正作業が進められるべきものと考えるのであります。」と、このように土本さんはおっしゃられている。
 今回の野党の求めを拒絶をなさって私設秘書の点だけの法改正にとどめる、それによってこの政治家、口利きが常識だよという日本の政治の常識を根本から変えさせることができるとお考えになっていますか。
#9
○衆議院議員(保利耕輔君) 私は、政治家の本来の仕事が口利きのみであるという考え方には同調はできないと思っております。私どもはあくまでも立法府において日本国民が従うべき法律を作っていくということが第一義でございまして、そのためには国民の声も聞かなければならないということだと思っております。
 また、口利きというふうに申しますが、それでは行政府に対して立法府にある人間が何も言わなくていいのか、黙っていて選挙で選ばれた人間としての役割が果たせるのかというと、やはり所与の意見、国民の声を代表した意見というのは行政府に伝えていくという、そういう使命は持っているというふうに考えておりまして、口利きとそういう意見具申ということとの間の接点というのは非常に難しいところがあると思いますけれども、私どもはそこに倫理性というものもわきまえながら、公益のためには頑張っていかなきゃならぬ、場合によっては意見具申をきちんとしなきゃいかぬ、私益のために口利きをするということは厳に慎まなければならぬというような気持ちでおるわけでございます。そのようなことを申し上げさせていただきます。
#10
○簗瀬進君 議事録は後で法案を適用する際に大変参考になる資料でございますので、私もう一回確認だけさせていただきたいんです。
 今回の参考人の指摘、また野党の八点にわたる修正の指摘、それを全部拒否なさって私設秘書にだけ拡大をするということで、今後の口利き政治についての強力な防圧としては十分であると、こういうふうにお感じになっているかどうか、イエス、ノーで答えてください。
#11
○衆議院議員(保利耕輔君) イエス、ノーとだけ申し上げますと誤解を生じますから若干のコメントをさせていただきますが、今度のあっせん利得処罰法が改正案ができました場合には、私は、相当大きなインパクトがある、そして口利き、いわゆる国会議員の口利きによる利益、利得、そういうものが極めて厳しく制約されるというふうに考えておりまして、そういう意味ではイエスと申し上げておきたいと思います。
#12
○簗瀬進君 保利議員は大変率直なお人柄でございますので、今舌をお出しになっておりますけれども、内心の不安というようなものが表れていたのかなというふうな感じを持っております。正直な答弁というよりも対応をありがとうございました。
 さて、私は、この際野党の我々も願ったのは、もう日本の国会、スキャンダルで、それで予算委員会が止まったり、また逮捕者が出たりと、こういうふうなことをもうこの辺できっぱりと断ち切らない限りは国民から国会は見捨てられる、こういうやっぱり危機感、みんな持つべきなんではないでしょうか。
 そういう観点で考えてみますと、私はこの日本において権力犯罪を防止する全体的なシステムが極めて不備であると、こういうことを言わざるを得ないわけであります。今、皆さんのお手元に図表を、この「権力犯罪についての刑罰体系」と、(資料を示す)これを名付けたのは私が初めてかもしれませんけれども、やっぱりこういうふうなシステム的にきっちりと権力にある者の犯罪を防圧をするシステムを我が国が持っていると、これを全体的に構築をするということを考えていく必要があるんではないのかなと。そこで、この刑罰体系というようなことをちょっとピラミッド型で出させていただきました。
 刑法二十五章の汚職の罪、昔はこれ涜職と言われました、職を汚すと。そういう罪が特に公職にある議員の関係で該当されるような条文をずっと下にまとめてみますと、単純収賄罪からあっせん収賄罪まで七つございます。しかし、現在の日本の法体系における公職にある者の議員についての犯罪、それについての刑罰というのはこれしかないんですよ、実質犯としては。あとあるのは、そのピラミッド型の下にある公職選挙法とか政治資金規正法とかと、この形式犯になってしまう。その間にあるものを埋めるのがこのあっせん利得処罰法なのかなと。
 でありますから、このあっせん利得処罰法の今度の改正論議で、我々野党は抜本的な改正を求める。しかも、このあっせん利得処罰法の保護法益が、公職にある者の廉潔性というふうなことで、どうも収賄罪と違う法益だと、こういうふうに構成をされていますけれども、実際は同じであると。このような権力犯罪についての刑罰体系の刑法のみにこれが集約をされている部分を更に広げて、このことによって全体的な議員の犯罪といいますか、権力犯罪を防止する、そういう刑罰体系を作ろうという、この第一歩なんではないのかなと。
 私ども野党の、今回例えば、財産上の利益じゃなくて、これを賄賂と構成すべきだと、というのは、正にそういうことなんですよ。頂点に刑法がある。しかし、そのすそ野にあって、今までお目こぼしになっていた部分についてもきちんとチェックできる、それがあっせん利得処罰法、実質犯として。これ、土本参考人は形式犯と言っていますけれども、私どもはこれ実質犯としてとらえて、言うならば刑法規定の不十分性をあっせん利得処罰法がしっかりとうずめて、ここに言う実質犯から形式犯に至るきちんとしたピラミッドをもって日本の権力犯罪について今国会で全部これをストップ化する、それが今回の法改正の意味なんではないのかなと、私どもはこのように考えておるんですけれども。
 この権力犯罪を防止する全体的なシステム構築の必要性について、与党担当者のお考えを聞かせていただきたい。
#13
○衆議院議員(町村信孝君) 大変難しいお尋ねでありまして、にわかにきちんとしたお答えができるかどうか自信はありませんけれども、前提として、とにかく刑罰体系を整えればこうした問題が起きなくなるだろうと、一つのそれは、先生、弁護士御出身のそういうアプローチというのも否定はいたしません。
 しかし、その前提として、権力といいましょうか、政官あるいは業、そうした関係の中で、特に政とか官という立場にある者のやはり意識の問題といいましょうか、私ども国会議員であれば政治倫理綱領というもので、まず意識の面から自分たちの行動をきっちり律していこうというものもあるし、それをまた裏付ける行為規範というものを持っております。
 そういうこともやっぱり非常に重要であって、そうでないと、いかなる法律があったとしても、必ずそれをかいくぐろうというのは世の中で見ればしばしばあることであります。したがって、まず我々国会議員の立場からすれば、一人一人がそうした意識をしっかり持つことという前提の上に立ってこうした刑罰というものを考えていく必要があるんだろうと、こう思っております。
 そして、この先生のおまとめになる実質犯、形式犯というとらえ方、別にこれを私は否定するものじゃございませんが、しかし、それぞれについて、これだけではなくてほかに既にいろいろな法律もございます。例えば、公共工事入札契約適正化法というのが昨年、官の入札のより良い改善といいましょうか、透明性、公正競争という立場のものもできておりますし、官から業への談合関与を防止するという意味での官製談合防止法案というのもこの国会で今議論をされているということでございましょう。そのようなことで、いろいろな法律が相まってこうした官あるいは政の犯罪というものを防止していくというアプローチが必要なんだろうと思います。
 したがって、このあっせん利得処罰法をある部分改正したから、これでもうすべて一切のことが片付くかといえばやっぱりそうではなくて、私としては、そうした総合的なアプローチによって、議員言われるところの権力者の犯罪というものに対して法律的にも適切に対応していくということが求められているのではないだろうか、このように考えております。
#14
○簗瀬進君 今日質問をするということで、昨日も早く寝た方が頭もすっきりとしていい質問ができるのかななんて思っていたんです。夜寝ました。しかし、なかなか、いろんなことが頭の中によみがえってきて簡単に寝られません。いや、なぜこんなに日本の政治と金の問題といいますか、こういうスキャンダルというようなものが日常茶飯事的に起きるのかなと。
 私にとっては、例えば、保利議員もそれから町村議員も、かつての自民党時代の政治改革本部で薫陶を受けた先輩でもございます。そのときも、やっぱりあのリクルートの問題で悩んでおりました。何でこうなのかな、構造的な原因が私はあるのではないのかなと、日本にもまた特有な部分があるのではないのかなと。
 私は、それがどうも議院内閣制度における、今、与党の方でも政と官の在り方について御検討をなさっておりますけれども、正にその議院内閣制度、立法府と行政府が、例えば刑法の規定の適用では立法と行政府、分かれるんですよ。
 というのは、刑法は涜職罪ですから、職務ですから、これは公務員にある者、大臣にある者に対する規制なんです。ところが、日本は議院内閣制でありますから、大臣が行政の最高権力者かなと思いますと、実は議院内閣制の中ではそうなっていないという実態があるわけですよ。
 例えば、これは質問、お答えを求めるつもりはありませんけれども、鈴木宗男さんの問題が正にそうじゃありませんか。彼は外務省に籍を置いていない方でありました。しかし、外務大臣よりも外務省の皆さんに対しては強い権限を発揮できるポジションに置かれていた。しかし彼は、職務権限はそういう意味ではありません。
 また、この前の防衛庁のあのリストの問題、中谷防衛庁長官は三十八ページの報告書で結構だということで、総理官邸にもそれを報告をしてこれでよしと言っていながら、その後、与党の防衛族の大ボスと言われている幹事長の一言によって、もう防衛庁の幹部職員が三十八ページを簡単に四ページにダウンサイズする。これは現職の防衛庁長官よりも強い権限を発揮する、元防衛庁長官で今は職務にない人が発揮をしている。
 正に、議院内閣制というのはそういうことになるわけですよ。ところが、刑法の規定は職務を前提にしているという形になると、刑法はむしろ行政と国会を画然と分けているところの中で処罰を絞っているんです。しかし私は、そういう意味では、この職務云々で犯罪の成否を分けるというのはむしろ議院内閣制にはふさわしくないような権力者の犯罪抑圧システムなのではないのかなと、こういうふうに思わざるを得ないんですね。
 正に、議院内閣制で立法府と行政府が共同である場合には、権限のあるなし、表の権限よりも裏の権限によって行政が動かされているということがむしろ実態的になっている。その中で犯罪が起こったときには、そのときに限っては職務にある者しか問われないという形になると、永遠にこれは逃げちゃうじゃないですか、実際の権限を持つ人は。正に、議院内閣制の中における権力犯罪のシステムはその点が非常に不備であると、こういうふうに私は指摘せざるを得ないんですね。
 正に、だから今回のあっせん利得処罰法案でも、ここでも今度は権限、これは議員の権限ということでありますけれども、やっぱりその権限のあるなしというふうな形で、実態とは別のところでこの犯罪の成否が決まるような具合になっている。これではいつまでたっても本当の意味での権力犯罪に対するチェックというのはできないのではないのかなと。
 だから、そういう意味でも、野党の我々は、まずは請託とかあるいは権限に基づく影響力の行使とか、こういうようなものは削除すべきだと。正に、今の日本の行政実態、政治実態に合った犯罪防止システムはそこにポイントがあると我々は考えている。
 だから、参考人の土本さんのような最高検察庁の検事であった人も、私は本当はあの方は政府寄りの、与党寄りの御発言をなさるのかななんというふうにちょっと想像していたら、全く違いまして、職務権限、権限に基づく影響力の行使、これを残しておくとどんどんどんどん逃げられますよというようなことを、彼はずばりそのことを指摘した。
 言うならば、私は日本の権力犯罪をこれからチェックをするシステムとして一番主眼に置かなければならないのは、表の権限のないところで実際に影響力を行使し得る、そういう人たちの行動をどうチェックするのかと、そういう人たちの倫理をどういうふうに確保するのかと、その部分が一番ポイントではないのかなと思っておるんですが、与党の見解を聞きたいと思います。
#15
○衆議院議員(町村信孝君) 与党の見解と言われても、これは別に自民党の公式見解をここで直ちに述べるわけじゃございませんで、すぐれて提案者としての意見ということでお聞きをいただければと思いますけれども、委員言われたこの議院内閣制における政と官の関係をどう考えたらいいかというのは、大変大きな重要なかつ難しい問題だなと、こう思っております。
 今、政と官の関係で、昨日ですか、内閣の方も申合せをしたと、与党側も与党三党でそうした申合せをしている。そのエッセンスの一つは、ちょっと表現は違いますけれども、要は個別の案件に政が官に対して介入しないと、一言で言えばそういうことだろうと。まして、その裏で何か財産上の利益を得るようなことがあってはもちろんならないのは当然のことでありますが、そういうところなんだろうなと、こう思っております。
 ただ、議院内閣制における政府・与党一体ということ、これはこれでまた大切なポイントなのではないかと私は思うんです。これ、常に政府と与党が一体でないというと、議院内閣制の下で政府が出した法案が、例えば極端な話、与党によって否決をされるという事態が正常な事態だとは思えない。それはやはり、そこに一体感、意見のすり合わせというものがあってもしかるべきです。そうすると、その意見のすり合わせの過程で、今、議員の言葉をおかりをすれば、裏の権限とか裏の影響力という言葉が確かに出てくるかもしれない。
 私はこれ、一つの政策分野あるいは政策全般でもいいのかもしれませんけれども、いかなる国においてもその分野に大変熟達した、専門家とでも言いましょうか、それがおりますですね。議院内閣制でないアメリカの大統領制の下でも、よく言われているように、アメリカの外交委員長というのはそれこそ国務長官以上に影響力を持っているとか、そういう実態もあるわけでありまして、常にその分野の、名実ともに本当に見識のある方の意見が政策に反映されること自体を否定してしまうと、議員そのものが一体何をもって政治家として活動しているかと。たまたま閣内にいればそれは権限を行使できるが、閣外にあると一切のそういうことについて識見を発揮する場がないというのも、またおかしなことなんだろうと私は思います。
 そして、イギリス型のように大量に閣内に入ると、大臣に、正式な名称は分かりませんが、副大臣とか政務官と言うのか分かりませんが、今のイギリスでは百名を超える人たちが閣内に入る。これも一つの政と官の在り方を、どういうんでしょうか、形付ける一つの方法なんだろうけれども、果たしてそれが今の日本でいいことかどうか、これももう少し子細な吟味が要るんだろうと思います。
 したがいまして、まとまったお答えになっていなくて恐縮でありますけれども、やはり日本型の政と官の在り方というのをこれから我々はともに模索をしていくということが必要なんだろうと思いますし、その中で、そういう日本型の政と官の在り方の中で想定される犯罪というものに対してどう対応していくのかということを今後とも検討していかなければならないんだろうと、こう思っております。
#16
○簗瀬進君 前回の私どもの千葉さんの質問に町村さんがお答えになっている部分がございます。
 「政党における地位、役職等に基づく権限は、公職にある者が法令に基づいて有する職務権限に直接該当いたしません」と言いつつも、「国会議員である政党の役員が影響力を行使して公務員に対してあっせんをする場合を考えてみたときに、政党の役員としての影響力の行使だけではなくて、国会議員としての権限に基づく影響力の行使を含むのが通常であろうということになるわけでありまして、」と、ちょっと若干回りくどい言い方ではあるんですけれども、場合によっては、具体的な権限、影響力の行使というようなものがかなり広範に認定をされない限り、この法律の意味がなくなるということを町村さん御自身も御認識なさっているのかなと、こういうふうに思うんですが、いかがですか。端的に。
#17
○衆議院議員(町村信孝君) 幾たびかお答えを申し上げておりますが、国会議員としての権限は、議案を発議したり、修正動議を出したり、表決したり、委員会における質疑等というのがあると。それに加えて、党の役員、例えば党の幹事長ということになりますと、他の国会議員への影響力も持つと。そういう意味での政党役員としての権限がある。しかし、ここで言う権限というのは、あくまでも国会議員としての権限ということが中心であろうかなと、こう思って、回りくどいような答弁をしたところでございます。
#18
○簗瀬進君 時間も限られてまいりましたので、お手元にもう一枚図表を配らせていただいております。
 刑法百九十七条の四のあっせん収賄罪と公職者あっせん利得罪、今回のもの、いわゆる議員関係ということで秘書は除いてありますが、この二つの比較を表として出させていただきました。
 先ほど申し上げたように、土本参考人は、これは形式犯的にとらえるべきだと思いますけれども、むしろ私どもの考え方としては、公職者あっせん利得罪というのは収賄罪につながる、そういう意味では罪質的に極めて近接をしているものであると、こういうふうに認識をいたしておりまして、こう図表的に示してみますと極めてその関係がよく分かると。状況が悪くなっていきますと、公職になった場合はこれはあっせん収賄罪になるけれども、公職に就く前のものというのはあっせん利得罪だと、こういうふうな見方も可能だと思います。
 そういう意味では、今後の立法というようなことで、参考人も指摘をしておったのは何点かあるんですけれども、要求、収受、約束で、あっせん収賄罪は全部これを態様に入れているんだけれども、収受だけ取って要求、約束を除いていると。これは余り意味がないんじゃないのかなと、犯罪として制定する意味がないんじゃないのかなというのが一点。それから、報酬のところで、財産上の利益というようなことで縛りを掛けているというようなものも問題だと思うし、それから契約、行政処分という、そのあっせん内容についてもかなり明瞭な縛りを設けておるという点も問題だろうと思うんです。
 やっぱり私は、憲法四十九条で国会議員には歳費を認められているんですよ。歳費とはどういう意味かと、もう一回国会議員として真摯に考えるべきなんです。与党の皆さんはよく答弁の中で、政治活動の自由だと、だから物によっては報酬をもらってもいい、こういうふうな聞き方もできるわけですよ。しかし、憲法四十九条は、国会議員の活動でいろいろと費用も掛かるだろうと、そういうものに対しては歳費で報いている。これが憲法の考え方でありまして、政治向きの活動について、その余の報酬を取るということは憲法自体はこれは予定していないんですよ。
 だから、私は、そういう意味では、正に野党のように、あっせん行為の対価として報酬をもらったら、もうそれ自体で問題だというふうな、そういう考え方が必要なのかなとも考えておるところでございまして、是非ともそういう意味では、先ほどしつこく、今回の見直しまでしないというふうなことになっちゃったわけですから、だからそうは言いつつも、先ほど保利さんは舌を出していらっしゃったんで、これはそうは簡単にいかないぞとお思いになっているのかなと思うんですけれども、今指摘をしたような点を是非とも今後の立法の際の考え方としてベースに置いていただければ大変有り難いなと思っております。
 一点だけ質問させていただきたいんですけれども、いわゆる政党支部の関係でございます。
 第三者に対する利益の供与ということについては今回の法律には入っていないわけでありますけれども、実際、政党支部というようなことで、新しく選挙制度が変わりまして、例えば小選挙区の政党支部は、事実上はその小選挙区候補者の後援会事務所としての機能を持っているという実態があるんじゃないのか。そういうところにやっぱり政治資金として財産上の利益を供与した場合には正にこれに当たるんじゃないのかなと、こういうふうに考えるわけでありますけれども、その実態、あるいはそれに対する供与と、これについての御見解を聞かせていただきたいと思います。
#19
○衆議院議員(町村信孝君) 政党支部の実態は、委員御指摘のように、かなりそれぞれによって違いがあるということだと思います。
 これは政党によってもまた、自由民主党の政党支部、多分、民主党の政党支部あるいは共産党の支部、それぞれまた党によっても中身が相当違うんだろうと思いますので、一概に政党支部がどうかと、それは本人のダミーではないかとか、後援会のダミーではないかということはなかなか言えないんだろうと思いますが、基本的には政党支部にせよ、あるいは個人後援会にしても、本人とは別個のものというか、別個の人格を有する第三者であるというのが原則論だろうと私は思っております。したがって、政党支部への利益供与は本人への供与とは認められないというのが原則論だろうと思います。
 ただ、そこは事実認定の問題でありまして、公職にある者、本人との結び付きが大変強い政党支部、そして実質的な処分権を本人が持っていると、こう認められる場合には、政党支部に対する資金供与であっても、これは本人が収受したものとみなして本人に本法の罪が適用されるというケースもあるんだろうと、このように私どもは考えております。
#20
○簗瀬進君 最後に、もう時間も限られておりますので、若干細かな解釈論でございますけれども、今回、私設秘書も今度の改正によりまして犯罪の主体になってくるということになりました。ということになりますと、若干分かりづらくなるのは、いわゆる先ほど来議論をいたしております「権限に基づく影響力を行使して」ということのその権限というようなものは、議員として権限、例えば発議権とか質問権とか国政調査権とかというようなことで、これは従来から議論があるわけでありますけれども、それを私設秘書がやるというのは具体的にどういうケースを想定なさるのかなということなんですよ。
 私設秘書でありますから、御自身がやっぱり権限云々の話ということには直接なかなか遠いところにあると思いますので、そんなことをやるんだったら、一切やっぱり権限の部分、取っちゃった方がすっきりとしていいんじゃないのかなという感じを持つんですけれども、いかがでございましょうか、これで質問を終わりにいたしますけれども。
#21
○衆議院議員(保利耕輔君) ここに申します権限というのはあくまでも国会議員の権限でありまして、その国会議員の権限を言ってみればトラの威をかりて仕事をするというというふうに御解釈をいただきたいと思うのであります。
#22
○簗瀬進君 じゃ、終わります。
#23
○山本保君 公明党の山本保です。
 いよいよ審議が最終段階に来たということでございますので、改めまして、私どもの姿勢をまず明確にしたいということで、ちょっと述べさせていただきます。
 今お話ありましたように、公職にある者は主権者である国民から政治に関する厳粛な信託を受けております。常に高い廉潔性を保つことに努めるべきであり、公職者が役所に口利きをして、その対価として金品等を受け取るということは、政治倫理にもとる卑しむべきことであって、法律による規制のあるなしにかかわらず、自ら厳に慎まなければならないことであります。
 本来であれば自浄作用が働くべきでありますけれども、昨今の不祥事等により国民の信頼が揺らぎ、一昨年、あっせん利得処罰法が成立いたしました。しかしながら、この法の施行後、直ちに各党の幹部クラスの議員の元公設秘書等々の口利き問題が表面化したわけであります。
 あっせん利得処罰法を成立させた後すぐにこのような不祥事が起こったということにつきましては、誠に遺憾であり、また政治浄化を理念としております我が公明党の議員といたしましても国民とともに憤りを覚えるところであります。今回、事件が先行して、法整備がその後を追い掛けるというような形になってしまったことについて、大変残念であるということを改めて申し上げます。
 今後、私も常に自ら襟を正して政治活動に専心していくことを最初に申し上げまして、何点か確認のための質問をさせていただきます。
 最初に、私設秘書の定義ということについて、いろいろ議論があったわけでございますが、与党提案者にもう一度確認をしておきたいと思うところでございます。
 それは、野党案にもありましたように、いわゆる親族というような方が事実上の秘書と同じような仕事をしている場合に、この法の対象に当然含むものであるというふうに私は考えているわけであります。また、土本参考人からもそのようなお話があったと思いますけれども、議員の配偶者、子供、おいごさんとかめいごさんなど、議員と強い関係があって、なおかつ議員の政治活動を補佐するものであれば、当然、本法の処罰対象に含まれるというふうに考えますけれども、これについて御見解を与党提案者にお聞きしたいと思います。お願いいたします。
#24
○衆議院議員(亀井久興君) 今の御質問にありましたお考えのとおりだというように思っております。
 本法改正案の私設秘書の定義は、御承知のとおり、「衆議院議員又は参議院議員に使用される者で当該衆議院議員又は当該参議院議員の政治活動を補佐するもの」というようになっております。
 その意味は、国会議員の指揮命令に従って労務に服し、当該国会議員の政治活動を補佐するものということでありまして、このような実態があれば私設秘書に該当するわけでございますから、必ずしも雇用契約の存在や賃金が支払われていることを要しないということでございます。
 したがいまして、国会議員の配偶者、子供、おい、めいなどが政治活動を補佐する場合、当該配偶者等が当該国会議員の指揮命令に従って労務に服し、当該国会議員の政治活動を補佐しているというように認められれば、本法改正案の私設秘書に該当するわけでございますから、本法の犯罪主体になると。御指摘のとおりでございます。
#25
○山本保君 私設秘書というような言葉とか、また法律用語である使用しているという言葉のイメージからして、親族は含まれないというふうに野党案では考えられて念入りにあのような条文を書かれたのかなというような気がいたします。しかし、今御答弁ありましたように、これは十分この与党案においてもカバーしているということを御答弁いただいたというように思います。
 では次に、今度は財産上の利益ということの内容についてお聞きいたします。与党案では、あっせん行為の報酬として財産上の利益を収受したことがその要件となっておりますけれども、この範囲でございます。
 現金をもちろん受け渡すということになれば当然だと思いますけれども、例えば現金を使った役務の提供を含むというふうに考えるのであろうと私は思っております。
 例えば、企業の事業主などが自分の会社の社員を使いまして選挙運動に応援をさせる、日当等を当然払い若しくはその給料等にマイナスにならないように補てんをするというようなことになれば、これは当然、財産上の利益に含まれるのではないか。また、例えばゴルフなどのプレーをお金を払って提供する、させるというようなことについて、参考人からは、男女間の情交というようなものが除かれるのではないかという、そういうたしか御意見があったと思いますが、これなども、言うならばお金を使ってそのようなものをあてがうというようなことであれば、これは当然その範囲に入り、参考人の言われたことは、それは除いた、正に純粋な感情面でのことであればそれは除かれるでしょうというような意味ではないかと私は思っているんですけれども、この辺について、財産上の利益という範囲をどのようにお考えなのか、もう一度確認しておきたいと思います。お願いいたします。
#26
○衆議院議員(亀井久興君) 現行法におきます財産上の利益の収受とは、金銭的価値に評価されるものを受け取ることでございまして、金銭の受領はもちろんでございますし、サービスの提供に対してこれを受領する者がその本来支払うべき対価の出捐を免れることも財産上の利益の収受に含まれることは当然だと存じます。
 したがいまして、役務の提供を受けることも本来支払うべき対価の出捐を免れているわけでございますから、いずれも一般論としては財産上の利益の収受に該当するものというように考えられると存じます。
 一方で、選挙応援にかかわる御指摘ございましたけれども、公職選挙法上で選挙運動は無報酬でなされるのが原則であるとされておることは御承知のとおりでございますが、そのような無報酬の選挙運動は当該選挙運動を行う者の自発的な活動でございまして、一般には財産上の利益の収受には該当しないものと考えられます。
 しかし、あっせん行為の依頼者が選挙運動に対する報酬を支払った上で選挙運動員を公職にある者に派遣する場合等は、依頼者は運動員買収で公職選挙法に違反をすることになるわけでございますし、公職にある者におきましては、選挙運動に係る労務の対価の出捐を免れているという点で、財産上の利益の収受に該当する場合があるものと考えられるところでございます。
 したがいまして、委員がお尋ねになりましたことに関連をして、日当を払って選挙運動をしてもらうことは財産上の利益の収受に該当するものがあると考えられる一方で、手弁当で、全くの善意で選挙運動をしている、選挙応援をしてもらうことは、一般的には財産上の利益の収受には該当しないものというように考えられると存じます。
#27
○山本保君 ありがとうございます。そのことをもう一度確認したいと思っておりましたが、お答えをいただいたんです。
 野党案の提案理由の中にたしか、選挙応援ということが、そういう定義をなしに、すべてこの利益に係るという表現があったような気がしたものですから、私、少し危惧をしておりました。
 正に選挙というものは、国民の皆様がその議員と一体となって自分の時間、そして費用を使いまして応援をしてくださっていると確信しておりまして、そういうような行為が選挙の応援であるということから、すぐにそのまま利益であるというようなことでもし運用されますと、これは選挙の意味がなくなってしまうと思いましたのでお聞きしたかったわけでございます。今、丁寧にお答えをいただきましたので、よく理解できたと思っております。
 次に、権限に基づくにつきましては、飯尾参考人からも、幅広く解釈をするということが大事だというたしか指摘があったと思っておりましたので、これについてはこれ以上お聞きしないことにしまして、第三者供与に対する処罰規定について、先ほどもお話がございましたが、私の方からも改めてお聞きしておきたいと思います。
 実質的にその本人が収受している、先ほどありましたように、政党支部というような場合でも、例えば所属している議員が一人だけであって、そしてその金銭等については実際上議員が指揮をしているというような場合においては、形式だけ言えば明らかに第三者ということになると思いますけれども、これは実質的に言えば、その議員に対する利益の供与というふうに考えるべきだと私も思いますが、改めて、そのように確認してよろしいか、御答弁をお願いいたします。
#28
○衆議院議員(亀井久興君) ただいまの答弁の前にちょっと補足をさせていただきたいと思いますが、先ほどの御質問の中で、山本委員が、財産上の利益の範囲ということに異性間の情交ということもおっしゃったように思いますけれども、異性間の情交は財産上の利益には入らないものだと、そのように存じております。
 それから、今のお尋ねでございますけれども、第三者供与の処罰規定を設けるかどうかということにつきましては、私ども十分に今議論を重ねてきたところでございますけれども、公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性と、これに対する国民の信頼を守るということが本法の保護法益でございますから、国民の政治不信を招くような行為、すなわち、実質的に公職にある者と本人があっせん行為の報酬たる財産上の利益を収受した場合のみ処罰すれば十分であるというように判断したものでございまして、外形的には本人以外の者があっせん行為との間に対価性があると認められる財産上の利益を受け取ったとされる場合でも、当該財産上の利益に対して本人が事実上の支配力、実質的な処分権を有するものと認定できる場合には、本人が収受したものとして本人に本法所定の罪が成立する可能性があることは御指摘のとおりでございます。第三者供与の処罰規定を設けなくても本法の保護法益は十分保護される、そのように判断をしておるところでございます。
 逆に、本人が形式的にも実質的にも財産上の利益を収受していない場合まで処罰範囲にすることは、あっせんを受けた公務員に正当な職務行為をさせ、あるいは不当な職務行為をさせない場合にも犯罪が成立するという本法の性質にかんがみまして、不当に処罰範囲を拡大するものであって、妥当ではないのではないかと、そのように考えたところでございます。
 参考人が述べられましたように、本法のあっせん利得罪について、第三者供与の処罰規定を設けるべきではないかという議論に先行して、刑法上のあっせん収賄罪について第三者供賄の処罰規定を設けることを検討すべきではないかという意見があることについては、私どもとしても承知をいたしているところでございます。
 刑法のあっせん収賄罪についての法務委員会等での検討を待って、本委員会で本法のあっせん利得罪に第三者供与の規定を設けるべきか否かについて検討を進めるべきではないかとの委員の御指摘については、答えるべき立場にはございませんけれども、提案者といたしましては、さきに述べた理由から、本法において第三者供与の処罰規定を設けることは相当ではないという判断をした上で本法の改正案を提出したものでございます。
#29
○山本保君 ありがとうございます。
 おっしゃったように、刑法についてここの委員会でお聞きするのはどうかなと思って今回はお聞きしなかったんですが、前回にもそのような旨を申し上げました。やはり、刑法についても、もっと私ども早く規定を作ることを努力すべきではないかと思っております。
 以上で各論点について終わりましたが、私ども、この審議に当たりまして真摯に議論を進めてきたつもりでございます。与党として、事実上野党の御提案が生かされる修正の提案もしたと思っておりますけれども、残念な結果になってしまいました。
 しかしながら、これまでの議論は、本法の運用とか今後の見直しの際に大きな示唆を与える有益なものになると私は確信しております。これからも、いわゆる政治と金をめぐる諸問題について、与野党とも一致団結して疑惑の解明と、より良い政治倫理の確立に努めたいと考えております。
 質問の終わりになりまして、御尽力いただきました委員長、理事、また各党の委員の先生方、提案者の先生方にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 終わります。
#30
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 帝京大学の入試の口利き問題で宮路厚生労働副大臣が辞職をいたしました。口利きを依頼をした後援会の幹部関係者の医療法人から宮路氏に政治献金が渡されていたということも明らかになっております。国民の多くは、往々にしてあることというこの宮路氏の発言や、こんなことで辞職したら副大臣できる人などいない、こういう自民党内の言葉の報道に触れるにつきまして、大変怒りの声を上げております。宮路氏の辞任に当たっても、国会審議に迷惑を掛けたというだけで、この口利き問題そのものには、総理からも反省の声は出ませんでした。
 今国会の会期を通じまして、公共事業から、こういう教育、命にかかわる問題まで口利き政治が蔓延をしているということが明らかになったわけで、逆に言いますと、この口利き政治からどう抜け出していくのかと、それが今国会に問われておりますし、本委員会の結論に注目があると思うんです。真剣に政治への国民の信頼回復というものを考えるならば、参考人質疑でも強調されたように、このあっせん利得処罰法が使いやすく、実効性のあるものにしていくということが求められていると思います。
 全員の参考人が削るべきだと主張されました、権限に基づく影響力の行使の問題について、まずお聞きをいたします。
 本院にとって一番重大な問題は、井上前参議院議長の元秘書半田好雄氏が逮捕された事件だと思います。この事件は、新東建設の元社長中村功等が、さわやかプラザ軽井沢の建設入札に絡んで入札価格を事前に手に入れたものであります。その際、半田元秘書が、鎌ケ谷市の皆川前市長等に三千万円を渡しております。半田元秘書は、この三千万を含めまして六千四百万円をその成功報酬として中村元社長からもらっていると、こういう構図であります。
 この半田元秘書の行為は、本法律で処罰をしたい典型的なものだと私は思うんです。請託はあった、それからあっせんの見返りとしての財産上の利益もあると。問題は、この権限に基づく影響力の行使ということであります。
 国会議員の公設秘書が地元自治体の公共工事に関して口利きをしたという構図でありますが、一般論として、国会議員又はその秘書が地方自治体の公務員に対して権限に基づく影響力の行使をするというのは、具体的にはどういう事例になるのか、まず確認のためにお聞きをいたします。
#31
○衆議院議員(町村信孝君) 先ほど口利きのお話がありました。個別の地元からのいろいろな案件についてどう対応するか、なかなか悩ましい問題が率直に言ってございます。時折、地元でも耳にする話ですけれども、共産党の皆さん方も、それは対価を受け取っているのかどうか私は知りませんが、個別に例えば民生委員さんが生活保護世帯として認定しない場合を、これは是非認定すべきであるという形で共産党の市会議員さん等が市の理事者に働き掛けをするというケースもあるというような話を地元では耳にするのでありまして、それもある意味では口利き政治なんですね、言葉の定義の問題ですよ。ですから、そうした個別のいろいろな陳情、要請にどう対応するのかというのは、これは何も自民党だけの問題ではなくて、それは共産党さんにもどの政党にもある問題だという前提でお考えをいただければと思っております。
 その上で、今、地方公共団体に対する権限に基づく影響力の行使、どういうような場面が想定されるかということでありますけれども、例えば、国会議員又はその秘書がある県の職員に対して、その県のやっている公共事業に対する国の補助金は多過ぎるのじゃないかとか不適正に使われているんじゃないかというようなことを所管委員会で質問をするぞと、あるいは国会議員に質問をするようにその秘書が伝えますよと、などと言いながら特定の業者との間で物品納入契約を締結するように働き掛ける場合というようなのが考えられますし、あるいは国会議員又はその秘書がある県の職員に対して、その地域の地域振興立法というのがございますけれども、そうした法律の一部改正案に反対すると、あるいは国会議員に反対するように伝えると秘書が言う、こういうようなケースで特定の業者を指名競争入札に参加させるように働き掛ける場合というようなことが考えられるのではなかろうかと思います。
#32
○井上哲士君 私たちは、国民の皆さんの様々な要求を行政の側に反映をさせていく、こういう活動は大いにそれぞれの党がやろうと。問題は、それに対価として賄賂などをもらうと、この言わば口利きビジネスという問題が問題にされているんだということを言っておきたいと思いまして、そのことをまず明確にしておきたいと思います。
 その上で、今お答えがありましたけれども、いわゆる国の補助金を削るぞというお話がありました。そういう補助金がない地方自治体の単独事業に対して口利きをするという場合もかなりあるわけですね。そういう単独事業の場合も今おっしゃったような権限に基づく影響力の行使をするということは、当然これは認められるということでいいわけですね。
#33
○衆議院議員(町村信孝君) 単独事業の場合であっても、先ほども申し上げた、例えば半島振興法とか、あるいは北海道開発法ですか、北海道という例がいいかどうか分かりませんが、例えばこういう法律があって、それに私は反対するということを言いながら、その地域、その県がやる単独事業、単独の公共事業について例えばこれこれの業者を使えというように働き掛けることもあるわけでありまして、これは権限に基づく影響力の行使として認められると、こう思っております。
#34
○井上哲士君 新聞報道によりますと、この鎌ケ谷市長は井上前参議院議長をおやじと呼び、前議長の方はこの鎌ケ谷市長を息子と公言をしていたというふうに言われております。ですから、言わばツーカーの仲で、電話一本で話が通じるような仲だったと思うんです。
 大体、参議院議長であるとかその秘書が口利きする際に、これに反対の質問をするとか採決で反対するとか地方自治体の補助金を削減するとか、そういうようなことを明言をしてやるというのはほとんど考えられないと思うんですね。○○の件よろしく頼むと、こういう依頼の仕方だと思うんです。
 こういう最も一般的に考えられる口利きの形態の場合は、先ほどおっしゃったような形でいいますと、この権限に基づく影響力の行使、極めて立証が困難になると思うんですが、その点いかがでしょうか。
#35
○衆議院議員(町村信孝君) 質問をするとか反対をするとか、こういうことを明言をしなくても、権限に基づく影響力の行使と認められる場合もあろうかと思います。どういうような形でそれが行われるかということによるだろうと思います。すべてこれは具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題ではございますけれども、あっせんを行う公職にある者の立場、先ほど議長という例をお出しになりましたが、そうした立場であるとか、あっせんの際の言動、あるいはあっせんを受けた被あっせん公務員の職務の内容、そうしたいろいろな事情を総合して判断をするということでございまして、明示的に質問をするぞとか反対するぞということを明言しなくても、これは権限に基づく影響力の行使として認められるケースもあるんだろうと思います。
 立証が難しいんじゃないかという御指摘もありましたけれども、これはすべて具体的な証拠に基づいて認定をされるべき問題でありまして、直ちに立証が困難であるということは一概には言えないのではなかろうかと思います。
#36
○井上哲士君 しかし、事実の問題としまして、この間問題になってきましたように、この一年間、実際に立件されたのは和歌山の地方議員の例だけであります。この場合は正に質問するぞと明言をした非常に乱暴なケースでありまして、可能性はあると言われるけれども、実際には使われてこなかったというのが実態だと思うんですね。
 この間、いろんなこの権限に基づく影響力の行使の例も挙げられましたけれども、結局、委員会での質問とか採決の態度というのがベースになっております。議長は質問しませんし、閣僚経験者なども質問に立つことはまれなわけでありまして、結局、こういう人たちは影響力は非常に強いと、しかし、権限に基づく露骨な圧力というのは掛けなくなるわけですから、結局、いわゆる大物議員になればなるほどこの権限に基づく影響力の行使の認定は極めて困難になり、事実上外されていくということの、こういう仕組みだと私は思います。
 先日の土本参考人も、こういう縛りを掛けるとシンプル、簡素化、広く浅くという要請に反して、守れない法律に堕してしまう可能性がある、本罪は顔を利かせて口利き料を取るということ一般を対象として規制するということに徹するべきであろうと、こういう指摘をされております。少なくともこの部分は私はやはり修正に応ずるべきではなかったかということを指摘をしておきたいと思います。
 その上で、こういう口利き政治、口利きビジネスを正すという点で、このあっせん利得処罰法の抜本改正とともに、公共事業受注企業などからの献金の禁止ということを野党は訴えてまいりました。政治資金規正法改正案が衆議院に提出をされておりますが、いまだに審議すらされていないというのは極めて遺憾であります。
 町村提案者は、この間、公共事業以外にも国や自治体へ鉛筆一本、消しゴム、コンピューター、ビルメンテナンスなどいろんなものが納められており、日本の企業の九割九分まではそういう公的契約を持っていると、それを全部駄目ということになれば、実質的に政治献金禁止になると、こういう答弁を繰り返されております。私、大変見当違いだと思っておるんです。
 私ども日本共産党は、政治献金は個人に限るべきだとかねてから主張し、そういう法案も出してまいりました。それは、国の進路を決めるのは主権者国民であり、参政権を持っていない企業がその言わば財政力をもって政治に介入をすると必ずゆがめられるという立場からであります。
 しかし、衆議院に野党が提案をしているこの政治資金規正法の改正案は企業献金自身は認めるという政党も含めて出しているものでありまして、公選法の百九十九条の選挙に関する寄附規定の考えを政治活動に関する寄附について適用をしようとするものであります。
 総務省に来ていただいておりますけれども、公選法百九十九条の一項で、国又は地方公共団体と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は当該選挙に関し寄附をしてはならないと定めておりますが、この「請負その他特別の利益を伴う契約の当事者」、この概念についてお願いをします。
#37
○政府参考人(大竹邦実君) お答え申し上げます。
 公職選挙法の百九十九条第一項におきましては、ただいま御指摘ございましたように、国、地方公共団体と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者の選挙に関する寄附を禁止しているわけでございますけれども、ここに言いますところの「請負その他特別の利益を伴う契約の当事者」とは、まず第一に、請負契約を現に結んでいる者、次に、請負契約以外の契約で、例えば物品の納入契約でございますとか施設の使用契約等の契約でございまして、特別の利益、つまり利益の契約全体に対する割合が通常の場合と比較して特に大きい契約、又は利益の割合は通常であっても利益の総額が特に大きい契約を現に結んでいる者を指すものと解されるところでございます。
 なお、具体の事例におきまして特別の利益を伴う契約の当事者に当たるか否かにつきましては、契約内容に即しまして個々具体的に判断されるべきものと考えております。
#38
○井上哲士君 今ありましたように、利益の額、率の特別に大きいものということが対象なわけでありまして、鉛筆一本とか消しゴム一個納入しているというのはこれに当たらないのは明確であります。しかも、国会議員の場合は国との契約者に限定をしているわけであります。
 町村さんの支部長を務める北海道第五支部の二〇〇〇年の政治献金の届出も見させていただきましたけれども、例えば、いわゆる建設業以外にも、明星自動車株式会社十万円、福山醸造株式会社十一万円、横山食品株式会社十二万円と、およそ国との契約がないと思われる企業がたくさん並んでいるわけであります。
 ですから、いわゆる公共事業請負企業など、つまり、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者からの政治献金を野党案のように禁止をしたとしましても、九割九分まで政治献金が禁止になる、実質的に企業献金禁止になる、全面禁止になる、こういう町村さんのこの間の御答弁は私は事実と違うと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
#39
○衆議院議員(町村信孝君) 子細にお調べをいただいて大変恐縮をしております。
 企業が献金をすることの是非、これは委員のお立場ではお認めにならない、他の野党はお認めになる、いろいろ違いがあるのかもしれませんが、やっぱり私どもは、会社は自然人たる国民と同様に国や政党の特定の政策を支持、推進又は反対するなど政治的行為をなす自由を有するものであり、政治資金の寄附も正にその自由の一環であるという昭和四十五年の八幡製鉄政治献金事件最高裁判決、またこれを踏襲した二〇〇一年七月十八日の大阪地裁判決、高裁判決等々がありますので、まず、政治資金は悪ではないし、企業は社会的な存在として政治活動の自由を有するという前提でまず考えているわけであります。
 そして、九九%というのは別に厳密な計算をしたわけじゃございませんで、相当数、大部分がという意味で申し上げたわけでございますが、先ほどちょっと私も全部聞き漏らした、自動車会社、ハイヤー・タクシー会社というのは、やはり国なり自治体なりとハイヤーのチャーター契約を結ぶこともあるでしょうし、食品会社であればそれは自衛隊にビスケットやら乾パンやらを納めたりとかというようなこともあるでしょうし、そういう意味で、およそ国なり自治体なりとそうした契約関係を結ばない可能性のある企業というのはほとんどないんじゃないのかなという意味で申し上げたわけでございます。
#40
○井上哲士君 度々、八幡製鉄の判決を持ち出されるわけでありますが、平成五年の十一月に、やはり衆議院の政治改革に関する調査特別委員会の参考人に岡原昌男元最高裁の長官が出ておられまして、この判決の問題についてお話をされております。
 当時、非常に企業献金が行き渡っていたと、それを違憲とか違反ということを言いますとこれはもう全部引っ掛かって大変なことになる、だから言わば助けた判決なんだということを最高裁長官自身が言われているわけですね。ですから、ああいう判決を出したけれども、実際にはこれは企業・団体献金の禁止の方向に向かうべきだということだと思うんです。
 その上で、今のお話でありますが、先ほども総務省からありましたように、言わば特別な利益を与えるものでありますから、しかもその契約から一年ということでありますから全部が引っ掛かってくるということではありませんし、九九%という言わば誇大な数を持ち出して、口利き政治をなくそうという国民の皆さんの期待に私は反する発言だったと思うんです。
 改めて総務省にも聞きますが、この百九十九条一項の立法趣旨でありますが、二〇〇〇年八月七日の参議院予算委員会で我が党の緒方議員の質問に対しまして、「その契約の当事者たる地位の取得、維持または公開等を求める代償として相当額の寄附がなされた場合には、そのために選挙及びその後における政治の上に好ましからざる影響の及ぼされるのを防止しようという趣旨から設けられている」と、こういう答弁をされておりますけれども、これで間違いないですね。
#41
○政府参考人(大竹邦実君) 公職選挙法の百九十九条第一項でございますけれども、この規定は、国や地方公共団体と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者たる地位にある者が当該特定の選挙に関し寄附をなすことが、ひいては選挙の公正を害するおそれがあるということから、これを防止しようという趣旨で設けられたものと承知してございます。
 なお、選挙におきますところの公正確保がひいては選挙後におきますところの政治活動の腐敗防止に資するということは当然であろうと思いますけれども、この本条の規定につきましては、先ほど申しましたように、第一義的な目的は選挙の公正確保にあると考えております。
#42
○井上哲士君 じゃ、改めて自民党の提案者にお聞きしますが、今ありますように、国との契約関係にある企業が選挙に関して寄附をすれば、その選挙だけでなく、その後における政治の上に好ましからざる影響が及ぶと。にもかかわらず、同じ企業が政治献金として寄附をすれば政治の上に好ましからざる影響はないと、こういうふうに皆さんはお考えなんでしょうか。
#43
○衆議院議員(町村信孝君) 選挙と政治活動というのは、やはりきちんと分けて考えるべきものだと思います。
 選挙というのは、言うまでもないことですが、特定の候補者の当選を図ることを目的として行われる選挙運動、これに関する政治の寄附の在り方と政治活動というのは選挙以外の時期に常に行われているわけでありまして、選挙運動に対する規制と同じ規制を本来自由に行われるべきである政治活動に加えるということは、やはりそこは問題があるんだろうと、こう思います。それはやっぱり分けて考えて慎重に議論しなければいけないことだと、こう思います。
#44
○井上哲士君 お答えになっていないと思うんですが、同じ企業が寄附しても選挙資金だったら政治に好ましからざる影響があり、政治資金だったらそれはないということになるのかとお聞きしているんです。その点はどうですか。
#45
○衆議院議員(町村信孝君) ですから、選挙と政治活動というのは別に考えていく。選挙というのは、かなり日本の政治、公職選挙法というのはぎちぎちに厳しく縛ってあります。それはなぜかというと、選挙の公正確保という法の目的があるから厳しく縛っているわけであります。他方、政治活動の自由というものはあるわけでありまして、しかし別途、政治活動の自由の中にあっても一定の、資金に関しては一定の制約が必要であろうということで政治資金規正法というものがあって、それはそれなりの規制があるわけであります。
 ですから、あくまでも選挙における規制とそれから通常の政治活動におけるお金に関する規制というのは、そもそも公選法と政治資金規正法が別建てになっているように、それぞれ法の目的に沿った形での規制がそれぞれあるんだというふうにお考えになって、考えるべきではなかろうかと、こう私は思います。
#46
○井上哲士君 もちろん別の法律でありますけれども、しかしこの政治への悪影響をなくして国民の信頼を回復をするということを考えれば、私は、やはりこの政治活動への献金というものの持つ悪影響ということを見てきちっと対応するべきだと思うんです。
 大体、献金する方は、これは政治献金かとか選挙向けの献金かとかということを区別して寄附しないわけですね。受け取る方が選挙に関する寄附として届け出たけれども、後から違法性を指摘をされて慌てて政治資金になったというふうに届出を変えたというような例も多くあるわけです。実際には選挙に関する寄附であっても、受け取る側が政治献金として処理をすれば、これは選挙に関するものだということを立証しない限り罰せられないということになりますから、これも実際上、事実上は抜け道ということになっているわけです。
 再度総務省に聞きますが、第一次選挙制度審議会の答申は国との特別の利益を伴う契約の当事者の政治献金について報告していると思いますが、どういうふうに報告をしておりますか。
#47
○政府参考人(大竹邦実君) 請負契約、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者の政治献金に関しまして、第一次それから第二次、第五次と選挙制度審議会はそれぞれ答申出されておるわけでございますけれども、第一次選挙制度審議会の答申におきましては、これは昭和三十六年でございますが、会社、労働組合その他の団体が選挙又は政治活動に関し寄附をすることは禁止すべきものであるという基本的考え方に立ちまして、その実施時期等については引き続き検討を加えるものとし、取りあえず次の措置を講ずることといたしまして、国又は公共企業体と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は、選挙に関するもののほか、政治活動に関しても寄附をしてはならないものとすることとされているところでございます。
 なお、第二次の選挙制度審議会の答申におきましてもこの第一次選挙制度審議会の答申の考え方がそのまま踏襲されているわけでございますけれども、昭和四十二年の第五次の選挙制度審議会の答申におきましては第一次の選挙制度審議会の答申とは異なる考え方が示されているところでございます。
#48
○井上哲士君 この第一次、第二次で、企業団体献金は禁止をすべきだが、取りあえず特別の利益を伴う契約の当事者は選挙でも政治活動でも寄附をしてはならないというような方向が報告をされているわけであります。こういう指摘がありながら、やはり改正を怠って抜け道を残してきたというのがこの間の自民党の私は責任だと思います。
 公明党の西提案者にお聞きをいたしますが、六月五日の衆議院の倫選特で、公共事業受注企業などからの献金禁止について、今後の重大な課題として私どもまじめに取り組んでいくと、こう述べておられますが、なぜ、どういう点、まじめに取り組んでいく課題とお考えなのか、お願いいたします。
#49
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。
 委員御存じのように、昨今の公共事業の入札に関する不祥事、これは大変重大なことであると、こう私ども受け止めております。その上で、不当な口利き行為が入札の適切な実施を阻害することのないように環境整備をしていく、このことが何よりも重要である、こういう認識をしております。あわせて、政治資金は国民からの疑惑を持たれることがあってはならないということで、そのあるべき姿について引き続き広く検討していく必要があると、こういう認識でおります。
 公共工事受注企業からの政治献金、また公共工事の入札の在り方等について、このことを真摯に受け止めて議論する必要があると、こう私が考えて御答弁申し上げた次第でございます。
#50
○井上哲士君 真摯に受け止めて議論をする必要があると、そういう御認識であれば、衆議院で与党として直ちに審議入りに応じるべきだと思うんです。
 さらに、保守党の提案者の西川議員に問いますが、国土交通省が今年の四月に各種建設業者の団体長あてに政治献金についての、寄附についての通達を出しております。この趣旨について扇大臣は、公共事業について、そこから献金をもらうのは厳に慎むべき、出す方も悪いけれどももらう方も悪いと、こういう答弁をされております。出す方ももらう方も悪いと、こういう認識で一致をされているんでしょうか。
#51
○衆議院議員(西川太一郎君) お答えを申し上げます。
 五月二十七日、御党の緒方先生のお尋ねに対しまして、扇大臣が答弁申し上げているわけでありますが、国土交通省を所管する大臣という立場でこの御答弁をされておりまして、それを読みまして私といたしましては、これは公共事業入札にかかわる不祥事を重大に受け止めまして、不当な口利き行為が入札の適正な実施を阻害することがないようにするということがまず大事であると。そして、そのようなところからの献金をいやしくも国民から疑惑を持たれるようなことを政治家はあってはならないという意味で御答弁を申し上げているというふうに思いまして、その趣旨であれば私も全く同感であるというふうにお答えをしたいと存じます。
#52
○井上哲士君 時間が参りましたけれども、最初申し上げましたように、金と政治の問題に国会がどう自ら解決をしていくのかということが注目をされているわけであります。本当に国民の信頼を真剣に回復をするのであれば、あっせん利得処罰法の与党案を大幅にやはり修正すること、そして公共事業受注企業などの献金禁止に踏み出すべきだということを重ねて申し上げまして、質問を終わります。
#53
○広野ただし君 自由党・無所属の会、国会改革連絡会の広野ただしです。
 今国会ほど政治と金にまつわるスキャンダルが連続的に起こり、それこそ鈴木宗男元自民党衆議院議員、そしてまた加藤紘一元自民党幹事長、そして井上裕参議院議長と、続々とそういうスキャンダルが出たわけでありますけれども、これに伴って本法の改正と、こういうことに与党提案なっておりますが、実質的に今回の改正は国会議員の私設秘書を追加するということのみと言っても過言ではありませんが、こういうことで、口利きビジネスと言われておりますが、そういうものが本当になくなるのか、胸を張っていい改正なんだと、こう言えるのか、是非提案者にもう一度お聞きしたいと思います。各党からよろしくお願いします。
#54
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。
 もちろん本法の改正も一つの大きな私は要素だと思いますが、その前にやはり我々自身の問題が大きいんだろうと、こう思っております。主権者たる国民、住民の厳粛な信託をいただいて選出されたこの公職にある者が、私利を求めずに国民、住民全体の利益のために奉仕、行動する、そういう責任があるということをまず我々自身が自覚をする必要があろうかと。自らの政治活動をまず厳しく律していく、ここから私は始まるんではないかと、こう思っております。
 その上で、今回この本法の改正案において、一つの重大な要件である国会議員の私設秘書を新たに加える、このことの、このインパクトの大きさは先ほど保利提案者から申し上げたとおりでございます。
 この意味で、本法は、政治に携わる公職にある我々の政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持して、これによって国民の信頼と負託にこたえていくと、こういうことを更に強化しようとするものでございまして、この改正と相まって、公職にある者の政治活動自体の在り方を変えるものである、更に今後も十分な抑止効果を発揮して実効性がより確保されると、このように考えている次第でございます。
#55
○衆議院議員(保利耕輔君) ただいま公明党の西議員からお答えしたとおりでございます。
 私どもとしても、従来、公設秘書だけに限っていたものを私設秘書というもっと幅広い範囲に適用するということは非常に大きな効果があるというふうに考えておりますし、政治資金を扱う者の多くが私設秘書という形でおりますし、また地方にも、我々の選挙区に私設秘書が存在しているということも考えますと、非常に大きな効果が期待されるものと考えております。
#56
○衆議院議員(西川太一郎君) さきのお二人とほぼ同じ意見であります。
 先生も御承知のとおり、我々も地方議員や国会議員をやっておりますと、いろいろなことを依頼されることがあります。しかし、そういうときに、この法律が少なくとも厳しく改正をされたという事実を踏まえて、私設秘書も含め、私どもがそうしたことに対してしっかりと対応していくということになれば、これは私は大きくそれらを防ぐことができると、こういうふうに信じております。
#57
○広野ただし君 少々は効果はあるかもしれませんが、大きく効果があるというふうにはとても思えないわけでありまして、国民の皆さんの批判、また、マスコミでどんどん強い批判が出てきたから、まあ何とかお茶を濁しておこうというような非常に場当たり的な、そういう感じを受けるわけです。
 元々、一昨年の第百五十国会のときにも、野党側でそういう話をしていたのを拒否して、万全だからということでやってこられたものでありますから、今回加えたからといって、私設秘書を加えたからといって本当に効果あることになるのか。私はもう、また二の舞、三の舞というようなことで、何回も政治と金との、政治家と金とのスキャンダルが繰り返されると、こういうことになって、この間、土本参考人が言っておられた、朝令暮改的なことを繰り返したんでは、結局はまた国民の皆さんの政治不信を非常に、解消しないばかりじゃなくて増大をさせると、こういうことになるんではないかということを懸念するわけであります。
 この間、鈴木宗男元自民党衆議院議員の逮捕許諾、そしてまた辞職勧告決議案が通り、賛成をされた。そのことについて、辞めるべしということを本当に今思っておられますかという御判断を皆様にお聞きいたしました。そうしたら、町村議員だけが辞めるべきだということをはっきりおっしゃいました。ほかの議員さんは、提案者の皆さんは、御本人の判断に任せると、こういうことで、これでは、これだけ毎日、いまだに毎日のように鈴木宗男議員とお金をめぐる話がどんどん出ております。それなのに、まだ御本人の判断に任せる、議員を辞めるかどうかはですね。こういうことは、勧告決議案に賛成をしながらまだそういうことをおっしゃるというのは、結局は鈴木議員を擁護しているということになっているんではないかと私は思うわけですが、西公明党議員に伺います。
#58
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。
 先日のお答えは、たしか私の記憶が間違いじゃなければ、議員辞職勧告決議案に賛成したということはお辞めになるべきだというふうに思っておりますと、こう答えたと感じております。済みません。
#59
○広野ただし君 どうも失礼しました。
#60
○衆議院議員(保利耕輔君) 私は、議会制度の在り方からいって、この問題は非常に難しい問題だと思っております。
 かつて同じような問題が衆議院で議論をされましたときに、私は議院運営委員会の委員として列席をしておりまして、この問題をどう扱うかということで非常に細かな議論をさせていただきました。
 当時の議運の委員長は小沢一郎先生であられたわけであります。この問題は、やはり議員の身分に関することであるから、非常に慎重に扱わなければいけないということ、それから、議員の地位というものは有権者から与えられているものであって、有権者の考え方に基づかなければいけないということ、ということで、多数決をもって議員に対して辞めろということを言うということは、与党の議員がその対象者になっている場合は別でございますが、野党の議員に対して多数党が辞めろということを決議をするということが起こってはいけないんだと。議会制度の中でそういうことがイギリスでかつて、古くそういう例があって、少数党弾圧のために使ったということがありましただけに、非常に慎重にやったわけであります。
 そこで、私も非常に悩みまして、あのときはもう退席させていただこうかと思ったぐらいでありました。しかし、党としての決定と申しますか、これは賛成ということで決められましたものですから、党員であります以上、党で決めたことには従うということで賛成をしたという経緯がございます。非常に難しい問題でありました。
#61
○衆議院議員(西川太一郎君) 私も、辞めるべきだというふうにお答えしたと思っておりますが。
#62
○広野ただし君 どうも失礼しました。
 どうも受け止め方が、どうも誠に失礼なことになったのかもしれませんが、やはり辞職勧告決議案に賛成もされたということでありますから、もうそこははっきりとそういう態度を取っていただきたいと思いますし、この間、私、小泉総理にもお伺いしました。そういう辞職勧告決議案も出た、そして総裁であるということを考えますと、ひざ詰め談判でもして、説得をして辞めてもらうということをやることが本当の政治家の責任ある態度ではないのかと、こういうことだと思います。ただ言いっ放しでそのままにしておくということは、本当に国民の皆さんから見て、本当にこれはどうしておられるんだということになるんではないかと思っております。
 私は、国民の皆さんからも言われております。いや、国会議員っていいですねと。捕まって勾留されておっても、国会に出てこなくても、ちゃんとお金もらえるんですねと。病気ならいざ知らず、何の働きもしないでちゃんとお金もらえる、国会議員っていいですねと。これが庶民の声なんですよ。
 やっぱり、そこは厳しい態度で私たちは政治倫理というものを、また正義感というものをしっかりと持ってやらなきゃいけないのに、そこをあいまいにしてしまいますと、結局どんな法律を作っても駄目なんじゃないのかという話になってしまうんではないかということを恐れるわけであります。
 それと、この間もちょっと申し上げたんですけれども、政官業といいますか政官財といいますか、そういうものの癒着体質、癒着構造といいますか、そういうことがやっぱり根本にあるんではないか。それを断ち切らないと、あるいは族議員ということ、そういうものを断ち切らないと本当に国民の政治不信というのはなくならない。そしてまた、いろんな政策を打ち出しても、本当に国民の皆さんが、おお、それはいいという話にはなかなかならないということを恐れるわけです。
 ですから、この政官業の癒着構造、この根本をどうやったら断ち切れるのかということで、保利提案者に伺いたいと思います。
#63
○衆議院議員(町村信孝君) いろいろな問題をすべて政官業癒着という一言で片付けるのはどうかなというふうに実は思っておりますけれども、今求められていることは、公共事業の入札とか手続でいかに不当な関与を防ぐかというようなこと、透明性、公正性を確保するということだろうと、こう思っておりまして、そういう意味から公共工事入札契約適正化法というものも施行されているところでございますが、更に官製の談合を防止して官と業の関係をより透明なものにしようということで、今この法案も審議をされているということでございましょう。
 そして、政官業の関係につきましては、既に刑法の関係、贈収賄罪とか競売入札妨害罪、談合罪といったような罪もありますし、独禁法による談合の防止というものもございますし、また今回のこのあっせん利得処罰法もまたその一助だろうと、こう思っております。こうしたものを総合的に的確に運用することによって、こうした三者の関係が適正なものになるようにということだろうと思います。
 ただ、癒着と言うと、それはもう自動的に悪いという言葉のニュアンスがありますが、しかしお互いにお互いが何を考えて、例えばこの業界にはこういうやっぱり問題がある、その問題を的確にやはり把握した上でそれを行政が政策に反映する、あるいは国会がそれを受け止めて法律化するといったようなことというのはあるわけでありまして、そうしたきちんとした意思疎通を行うこと自体が否定されるべきものではないんだろうと。
 そこに、裏に不透明なお金が例えば裏金で動くとか、そういうことがあると、それは正に癒着ということになるんでしょう。やっぱりそういうものはきっちりと防いでいくような、先ほど申し上げましたもろもろの法律を適正に運用していくことが、厳正に運用していくことが必要なんだろうと、こう思っております。
#64
○広野ただし君 正にそのとおりで、この法律だけですべてのものが、政治と金にまつわることがきれいに整理されるというものではないと思っております。
 ですから、私もかねがね申し上げていますが、例えば地方分権を徹底的にやって、地方から、地方のいろんな箇所付けのことですとか、あるいは地方のいろんな道路を拡幅する、あるいは幼稚園、保育所をどこに設ける、学校はどうだと、こういうことを全部中央がコントロールしている、そのことのために一々陳情をする、こういうことでは、もうやはり一つの陳情政治といいますか、そういうことに陥りがちになる。
 ですから、徹底的な地方分権をして、私たち自由党では、第二交付税と言いますが、補助金というものをもう一括して地方に渡して、どの、うちは教育でいきます、福祉でいきます、あるいは道路を整備をしますというようなことは地方が決めればいいんだというような一括交付金を第二の交付金として渡してやっていくということをやれば、どれだけ地方からの陳情も減って、そこで権限を振り回すという、そういう政治家もそういうことをやらなくてもいいようなことになりますし、正に地方が決定できるという政治になるんではないかと思っております。
 そしてまた、それこそ政と官の在り方ということからいいますと、官はまず政治的には中立でなければならない。あの高祖事件のように政治運動をやったりするということがあってはならないし、また今、昨日も閣議懇談会で決められたようですが、政と官の在り方、これは私たち自由党では国民主導の国政を実現をするための基本法案というのを出しております。やはり官僚主導の政治を官僚の手心に乗ってやっているような政治であってはならないんで、政治家がきちっとやっていく。だから、官僚はあくまで政治家の、大臣、副大臣等の補佐官、補佐なんだというようなことをきちっと決めた基本法案というのを出しております。ですから、その中で、大臣の命によって接触をするのはいいけれども、官僚が根回しのためにどこへでも出しゃばって出ていくというのはおかしいんではないか、こういうふうにしているわけであります。
 そういうような総合的な施策というものがあって初めて政治と金、政治家と金というもののスキャンダルというものが解消され、国民の不信というものがなくなってくるんではないかと思いますが、それぞれの各党の提案者にその点をお伺いさせていただきたいと思います。
#65
○衆議院議員(町村信孝君) 幾つかの点をお触れになりました。例えば、地方分権についての考え方は私どもも基本的に同じ考えでおりますし、地方分権を大いに進めようということで、今、小泉内閣も一生懸命取り組んでいると、こう思っております。
 ただ、やっぱりその際に、私どもとしては、気を付けなきゃならないのは、地方分権すれば今度は国会議員の介入の余地がそれはなくなるかもしれませんが、今度は地方議員の介入の余地というのが大幅に増えるわけですね。この問題をきっちりと、やっぱり国の場合は、どういうんでしょうか、会計検査院もありますし、メディアの目も相当きつうございますし、いろんな意味で……(「いいことと悪いこととある」と呼ぶ者あり)ええ、ですから地方におけるチェック体制というものを相当同時に充実強化していかないと正にこれが蔓延をしていくと、地方に、全体に。そういう問題があるということをよく広野議員御承知の上での御発言かと思います。
 それからもう一つ、一括補助金というお考えも確かに一つの考えだろうと思いますが、しかし、例えばこの間、私はたまたま前、文部科学大臣をやっておりまして気になったのは、あなたの県ではこれだけの例えば図書館の図書を買ってくださいねと言って交付金でお渡ししたところ、それが全部図書以外の公共事業等々に化けていってしまったと。やっぱり国が要求主体、国がナショナルミニマム的にこのくらいはやっぱりやってくださいねとお願いするものが、地方自治の名の下に全部それがすり替えられていくというのはやっぱりおかしいので、例えば教育の水準を一定程度維持するという意味で義務教育国庫負担金というのがあります。二分の一、教員の人件費を補助すると。これもやっぱり一定の水準を維持するということが求められているのに、これを全部交付金にして本当にいいんだろうかなと。この辺は相当な議論をしていかないといけないのではないだろうかと、こう思ったりしております。
#66
○衆議院議員(西博義君) 余り時間がなさそうなので、簡潔にお答え申し上げます。
 今、町村提案者答弁された、基本的には、とおりでございます。
#67
○衆議院議員(西川太一郎君) いろいろシステムも含めて改革をしなければいけないという御主張、傾聴に値するというふうに思いますが、やはり基本的には私ども政治家が一人一人きちっとした自覚に立って、いやしくもこのようなことを国会で議論しないで済むようにしなければいけないというふうに思っております。私は、さきの先輩の御答弁に付け加えて、それだけにしていただきたいと思っております。
#68
○広野ただし君 終わります。ありがとうございます。
#69
○又市征治君 社民党の又市です。
 せんだってこの場所で、予算委員会でも御指摘申し上げたんですが、小泉内閣が、今国会冒頭の所信表明以来、重要法案と位置付けてこられたいわゆる有事法制、私に言わせれば憲法違反の戦争準備法制と、こう言わざるを得ませんが、国民の総反撃を食らって今衆議院でとんざをしています。
 そのとんざをした要因の大きな一つに、先ほど来からも出ておりますけれども、今国会中に、議員辞職勧告決議にもかかわらずまだ議員にしがみついておる鈴木宗男さん、あるいは辞職をされた加藤紘一元自民党幹事長、さらに我が参議院の議長であった井上さん、その上に駄目押し的に最近の宮路副大臣まで、政治と金の問題が噴出してきた、こういうことがやっぱり背景にあると思うんです。
 現行あっせん利得処罰法のできた二年前、与党側は、審議のさなかに私設秘書が融資に関する口利き事件で逮捕されたにもかかわらず、最後まで私設秘書を含めることを実は拒否をされました。与党の理屈はわずか二年にして現実に追い越されてしまった、こう言わざるを得ぬのだと思うんです。だというのに、なおまだ与党の皆さんはまた小出しの改正でしのごうとされている。
 そこで、今日は観点変えて、法務省からおいでいただいていますが、刑事局長にお伺いをいたしますけれども、あなた方の先輩である最高検検事出身の土本さん、せんだって、ここの参考人としておいでいただきました。当時からこの処罰法の積極論者でありまして、雑誌論文で、議員立法で議員が自らを律する以上、大胆に広く浅く立法すべきだ、こういうふうに実は指摘をされておられたわけです。土本さんは今回もこの場所で、朝令暮改は提案する議員の皆さん、みっともないですよ、簡単に言えばこんなふうに忠告をされ批判もされているわけです。
 法を運用していく責任のある法務省にそういう意味では伺うわけですが、今から当時を振り返ってみますと、あのときの狭い立法は国民の期待にこたえたことになったと言えるのかどうか、率直な感想を述べてほしいと思います。
#70
○政府参考人(古田佑紀君) あっせん利得処罰法は、ただいま委員の御指摘のとおり、政治公務員の政治活動の廉潔性の維持と、そういう観点から議員の御提案によって成立したものでありまして、その際、この犯罪の主体としてどういう範囲を含めるべきかということについては様々な観点からの御議論がなされ、その結果として現在の主体に限られたというものと承知しております。
 しかし、その後様々なことが起こったことから、この国会におきまして改正案が御審議されているということでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、政治公務員にかかわります政治活動の在り方と、こういうふうな問題でございますので、法務当局としてはその議論を見守りますとともに、捜査機関におきましては国会において定められたところに従いその適切な運用に努めていくものと考えております。
#71
○又市征治君 そうおっしゃるんですが、第三者供賄罪だって、衆参両院の附帯決議が付いたのに刑法本体の改正は全然進んでいないわけですよね。怠慢だと言わざるを得ぬと思うんですよ。国民の倫理観の向上に合わせて変えていくことに、法務省もやっぱり私は責任があると思うんですよ。
 そこで、次に移りますが、参考人質疑の結果、三つの重要な点、つまり、一つは首長や自治体議員の秘書への拡大の問題、二つ目は「権限に基づく影響力を行使して」というなくもがなの限定句の削除、それから三つ目は政党支部を始めとする第三者供賄の追加と、この三点についてはどの参考人からもほぼ賛意が示されたわけです。
 このうち第一の点、つまり首長、自治体議員の秘書への拡大について法務省に伺いますけれども、さきの参議院前議長、井上さんの疑惑では、その地元である鎌ケ谷市の皆川市長が収賄を認めているわけですね。その代理である私的な人物が仕切ってあっせんをしておった。野崎さんという方ですが、彼は正にそういう格好で、参議院議長秘書の肩書はあるんですけれども、日常はむしろ市役所に入り浸りで、市長室長とも懇意であり、市長の選挙も手伝っていた。つまり、市長側の政治活動の補助をする者、こういう格好にあったということはもう法務省もお調べのことだろうと思いますけれども、言わば市長室長が公設秘書に相当して、この野崎さんは私設秘書に相当する、こういうことだろうと思います。
 与党側が今おっしゃる、公設秘書がいないから私設に広げることはできないというのは、土本参考人も、これはもう論理矛盾だ、こういうふうにずばりおっしゃっているわけですけれども、この例について法務省としての見方をお聞かせいただきたいと思います。
#72
○政府参考人(古田佑紀君) ただいま御指摘のありました例につきましては、前参議院議長の元政策秘書らから賄賂を収受したとの事実で、元千葉県鎌ケ谷市長及び犯行当時市長公室長でありました元助役を公判請求して、現在審理中でございます。
 法務当局といたしまして、秘書の法令上の一般的な定義ということを申し上げるという立場ではございませんけれども、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたとおり、この法案につきましては、政治活動に対する信頼の確保という観点を踏まえながら、どのような範囲で処罰をすることが適切かということを様々な観点から国会において議論されているものと承知しておりまして、その範囲は国会において御判断されるべきことと存じますので、法務当局としてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
#73
○又市征治君 いや、論理矛盾にならないかと、こう聞いているんですよ。立法するのはそれはもちろんここなんですよ。だけれども、私が聞いているのは、公設秘書がいないから私設にも広げるべきではないということで言われているけれども、これは論理矛盾だというふうに思わないか、法律家としてのあなたに聞いているんですが、お答えになりませんか。
#74
○政府参考人(古田佑紀君) 先ほども申し上げましたとおり、どのような範囲でその処罰範囲を定めるかということについては様々な角度からの議論が必要なものと考えておりまして、私どもとしてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
#75
○又市征治君 ある程度の限界があることは分かった上でお呼びしたんですが、ちょっと余りにもひどいですね。
 時間の関係で次に移りますが、最後に残ったこの議員の兄弟姉妹等の親族の問題です。
 これらも地元選挙区の公共工事であっせん利得を得ているケースが幾つかあるということで、私もせんだって一番冒頭には名前を挙げたんですが、その後余り、ぼかして言っておりますが、これもまた刑事局長に聞くと名前を挙げるとまた話は進みませんから、例えば、著名な国会議員の弟が選挙区内の神奈川の自治体を相手にコンサルタント業をやっておって、公共事業を落札させて成功報酬を得ていたということがこれ明らかになっているわけですね。幾ら本人が、いや、全くの経済活動なんだと、こう言い逃れをしましても、周りは、つまり業者も自治体側も、あの政治家の弟だからという理由で頼んだり応じたり実際はしておる、あるいはしておった、こういうことがはっきりしているわけですね。
 仮に政治家本人は知らないとしても、親族が彼の影響を勝手に行使をしてあっせん利得を得ることは、このように可能なわけです。
 これは、一体、現行法では処罰をできるんですか、その点をお伺いをします。
#76
○政府参考人(古田佑紀君) ただいまお尋ねの件につきましては、ある様々な仮定を置いて考えなければならない問題ということになろうかと思いますけれども、端的に申し上げますれば、現在の刑法の賄賂罪あるいはあっせん利得罪、これの共犯というふうに認定できる場合には処罰は可能でございます。
#77
○又市征治君 私もここの場で参考人質疑あるいは一般質疑含めて三回やってまいりましたけれども、今具体的なそういう例を幾つか挙げてお話もさせていただいてまいりました。しかし、残念ながら、今、司法当局そのものが、こういう具体的な例を挙げても残念ながら答えれない、あるいは、困っているんだろうと思うんですね、現実問題としては、実際上は。
 だから、そういう意味で、あの土本参考人がずばりそのものを見事に言い当てられたように、広く浅く網を掛けてそのままやるべきだ、こういう格好で言われて、そのことをやれば、今具体的に挙げたようなこういうケースも、だれが考えても国民の側は、もうこんなことは犯罪だ、こう見ている、こういう状況になっているんだと思うんですよね。
 ですから、結局はこれでは、国民の信頼はこのような法案では回復はできないんではないか、国民の政治倫理観というのは与党の皆さんがお出しになった法案よりもずっと進んだところへ来てしまっているんではないか。そういう意味では、この与党案のレベルでは、もうすぐに歴史の審判に堪えれなくなってしまう、いや、むしろ堪えれなくなってしまっている、こういうことになっているんだろうと思うんです。
 そういう意味で、是非、改めてこの、幾らかでも改正をする御意思が全くおありにならないのか、これで万全だというお考えなのか、最後に提案者側筆頭に改めてお聞きをしておきたいと思います。
#78
○衆議院議員(保利耕輔君) 法律というのは、憲法を見ても分かりますように、改正論議というのは今起こってきているわけであります。ですから、未来永劫ともこの法律を変えないということは私も言う自信はありません。
 しかし、私どもは、党の組織、そしてまた与党三党の中で議論に議論を重ねましてこういう提案をしてまいりましたので、九項目についての修正要求、さらにまた、江田議員との話の中では三項目に絞って何とか検討できないかというお話もございましたが、申し訳ないけれども私どもで本当に時間を掛けて議論をした結果であるのでということで、失礼をさせていただきました。
 今回の法律改正によりまして国会議員の私設秘書についてこの網が掛かるということでございますから、大きな効果が期待されるであろうということは私も申し上げることができると思います。
 さらに、この国会におきます、特に参議院におきまして非常に濃密な御議論をしていただいたことが国民各位にあまねく知れ渡って、いわゆるあっせんということを国会議員に頼んではいけないのだというムードが国民の中にできてくることを私は大きく期待をいたしているところであります。
#79
○又市征治君 本当に残念でしようがありません。今お話がありましたように、せっかく参考人までこの参議院では招致をして、そしてそれに絞って論議も深めていって、かなりそういう意味では共通項ができたなと、こう思うんですが、国会議員の私設秘書のみの拡大と、こんなところでとどまってしまって、先ほども申し上げましたけれども、もう歴史に堪えれるどころか現実にもはや堪えれないという、こういう中身になっている。やっぱり野党案でないと、これはそういうものについて本当に網が掛けれなくなってしまっている、こんなことが明らかになったんだろうと思います。
 そのことを最後に申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#80
○委員長(沓掛哲男君) 他に御発言もないようですから、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(衆第一六号)の質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#81
○委員長(沓掛哲男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大江康弘君が委員を辞任され、その補欠として平野貞夫君が選任されました。
    ─────────────
#82
○委員長(沓掛哲男君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#83
○池口修次君 私は、民主党・新緑風会を代表し、野党四会派共同提案の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に対し賛成し、与党共同提案の同改正案は、その余りにも不十分な内容から反対する討論を行います。
 そもそも現行法が審議された一昨年の第百五十回国会において、我々は、与党案は抜け道が多く、法の実効が期し難いことを厳しく指摘しました。しかし、与党はあえて世論からも抜け道だらけのざる法と厳しく批判される法制定を行いました。
 しかし、その後も政治と金をめぐる事件、疑惑が後を絶たず、公設、私設を問わず、秘書による公共事業等への口利きの不祥事が相次いで発覚し、我々参議院の長までが議員辞職する事態となりました。図らずも我々の主張の正しさが証明されたわけで、与党各党は猛省と国民への謝罪を行うべきであります。
 にもかかわらず、委員会質疑においても与党は、第百五十回国会で繰り返していた、罪刑法定主義に反するので私設秘書は対象にできないとの詭弁を撤回することもなく、今回、自らの改正案に私設秘書を加えることの自己矛盾、それも国会議員の私設秘書に限定するという不合理、いずれも論理的な説明がなし得ておらず、到底国民の理解を得られるものではありません。
 また、与党の改正案は、我々野党が改正案で示しているその他の様々な抜け道をふさぐ手だてには一切手を付けておりません。
 我々が野党案をもって強く主張していることは、一つに、処罰の対象に政治家全般の私設秘書を含めること、二つに、処罰の対象に政治家の親族を加えること、三つに、請託を要件から削除すること、四つに、「権限に基づく影響力を行使して」という構成要件を削除すること、五つに、公務員の職務全般を対象とすること、六つに、第三者に供与させる場合も処罰すること、七つに、要求、約束も処罰の対象とすること、八つに、報酬の範囲を拡大すること、九つに、第六条「適用上の注意」を削除することであります。
 この中でも、参考人質疑においてすべての参考人が、一つ、国会議員に限らず政治家全般の私設秘書も対象に加えること、二点目に、「権限に基づく影響力を行使して」という構成要件は削除すること、三つに、第三者に供与させる場合も処罰することで完全に一致をしました。
 我々は、委員会がお呼びした参考人各位の一致した御意見を重く受け止め、この三点に絞った修正を与党に呼び掛けてまいりました。にもかかわらず、与党はこれらの一切を拒否しました。これは、参考人各位を全くないがしろにする行為であり、参考人をお呼びした当委員会、そして国会の議論の在り方を愚弄する暴挙にほかなりません。できるだけ抜け道を残しておきたいという与党の相も変わらぬ、そしてなりふり構わぬ醜悪な姿を国民は決して見逃すことはありません。
 国民の政治不信は今や極限に達しております。正に口利き政治との決別こそ強く求められているのであります。国民の信は我が野党案にあることは自明の理であります。
 このことを最後に申し上げ、野党案に賛成し、余りに不十分な与党案には反対する討論を終わります。
#84
○木村仁君 私は、自由民主党・保守党及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました自由民主党、公明党及び保守党三党共同提案の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院送付)に賛成の立場から討論を行います。
 申し上げるまでもなく、政治は国民の信頼を得なければ成り立ちません。ところが、最近、政治に対する国民の信頼を裏切る行為が相次ぎ、国民の間に重大な政治不信を招いていることは極めて残念なことであります。国民の政治に対する信頼を取り戻すことこそ、私どもが今、真っ先になさなければならないことであります。
 このような中で、国民の不信に対する信頼回復の第一歩として、与野党がともにいわゆるあっせん利得処罰法の改正法案を提出し、良識の府と言われる参議院において精力的な審議を行ったことは極めて有意義なことと考えられます。
 今回の、与党三党提案に係る本法律案は、議員秘書あっせん利得罪の犯罪主体に、その実態に着目して、公設秘書のほか、衆議院又は参議院議員に使用されている者で政治活動を補佐する者、すなわちいわゆる国会議員の私設秘書を追加することとしておりますが、これは、最近の政治的不祥事事件において、いわゆる私設秘書が大きな役割を果たしてきたことにかんがみ適切な措置であるとともに、構成要件の明確性の観点からも十分な検討を経たものであり、その他、国外犯の規定の整備、施行期日等についても妥当なものであります。
 これに対し、この際、あっせん利得罪の犯罪主体を大幅に拡大し、構成要件をほぼ全面的に緩和することによって処罰の可能性を高めようとするいわゆる野党案が提出されたところでありますが、この野党案には、法案の基本的な理念及び政治活動の自由に対する配慮の点で問題があることを指摘しなければなりません。
 そもそもあっせん利得処罰法は、主権者たる国民から国政等に関する権能を信託された代表である公職にある者は、自らの良心と責任感とを持って政治活動を行わなければならないという観点から、公職にある者の政治活動の性質に着目して構成されており、その保護法益を公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性及びこれに対する国民の信頼といたしております。この罪は、公務員の職務自体の性質に着目し構成されている刑法の賄賂罪とはその趣旨を根本的に異にしているのであります。
 これに対し、いわゆる野党案は、財産上の利益という文言を賄賂と改めるなど、刑法の保護法益との関係があいまいになるおそれもあり、本罪の法的性格、位置付けの点において疑問を抱かざるを得ません。
 また、そもそも、私ども政治家は、国民や住民の声を政治に反映させることこそが通常の政治活動として何よりも基本的な職務であります。そのためには、国政、地方議会を問わず、一切のものに束縛されない自由な政治活動が十分に保障されていなければなりません。この点、野党案のように構成要件を過度に緩めることは、自由な政治活動の保障という憲法上の要請との関係で調和の取れたものと言えるかどうか、非常に疑わしいものであります。
 このことは、本委員会の審議における三人の参考人の方々の意見陳述においても、野党の要求された九項目の検討項目のうち、参考人全員が明確に賛意を表したものが少なかったことからもうかがわれるところであります。
 以上、本法律案に対する賛意を表明し、本法律案の成立こそが国民の政治に対する信頼回復の第一歩であることを申し上げまして、私の討論を終わります。
#85
○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案、野党四党案に賛成の立場から与党案に反対の討論を行います。
 本来、本法律の目的は、政治公務員が特定の利益を得させる目的を持ってあっせん行為をする、その対価として利益を得ることを処罰し、政治に対する国民の信頼の回復を図るものです。それゆえに、目的を達成できるような形で構成要件を少なくして実効性を高めることが求められています。
 本改正案に反対する理由は、与党案が処罰の対象に国会議員の私設秘書を加えたのみで、請託など様々な障害を設けて実効性のないものになっている現行法の欠陥をほぼ全面的に残すものとなっているからであります。
 とりわけ以下の三点は、参考人がそろって指摘した点でもあり、本委員会の質疑でも明らかになりました。
 第一は、第三者供与の問題です。現行法では政党支部など第三者が見返りを得る第三者供与の処罰規定がないため、口利きによる対価を政党支部が献金として受け取った場合、口利きをした政治家や秘書は処罰されません。政党支部が口利きの対価としての利益の受皿になることは明々白々です。
 第二は、権限に基づく影響力の行使の問題です。地方自治体等の公共事業に対する国会議員の秘書の口利き事件が発覚し、参議院議長が辞任をしましたが、本法を適用するには、自治体の補助金を削る、関連法案に反対するなどの圧力が立証されなければならないという重大な障害を持っています。
 第三は、地方議員など政治的公務員の私設秘書に処罰の対象を拡大することです。公設秘書と私設秘書とでは実態的に区別が付かないことを理由に私設秘書を処罰の対象に取り込んだ以上、地方の私設秘書を除外する理由は全くありません。実態としても、地方政治では公設秘書がいない分、私設秘書の役割が重大となっています。
 以上で反対討論を終わります。
#86
○広野ただし君 私は、自由党・無所属の会、国会改革連絡会を代表して、ただいま議題となっております自民、公明、保守党三党共同提案の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に対して、反対の立場から討論を行います。
 今日ほど政治と金、政治家と金の問題が国民の政治不信を増大させているときはありません。元自民党の鈴木宗男衆議院議員、加藤紘一元自民党幹事長、井上裕元参議院議長等、本人又は秘書の口利き、あっせん行為の疑惑や逮捕が相次いでいます。口利きビジネスなどとやゆされる始末です。
 政治家は、高度な倫理観、正義感に基づき、国民全体の立場に立って職務を遂行すべきであります。
 そもそも、現行法が審議された一昨年の百五十回国会で、我々野党は抜け道だらけの欠陥法だと厳しく指摘しました。我々が強く主張した私設秘書も対象に含める案も拒否された経緯があります。
 その後、公設、私設を問わず口利きの不祥事が相次ぎ、マスコミが騒ぎ立てると、今回のように国会議員の私設秘書に限って対象に追加するという、与党は誠に場当たり的、無原則、無責任な対応を取っています。朝令暮改的な法律の制定では、国民の政治不信は解消しません。
 また、これまでの審議で明らかになったように、与党案では、首長、地方議員の私設秘書は対象外になっている。さらに、犯罪の構成要件に「その権限に基づく影響力を行使して」という文言があるため、抜け道が多くなる。また、第三者供与の処罰規定が明記されていないため、脱法行為がしやすいなど、多くの問題点があります。
 このことは、最高検元検事や法律学者などの参考人がひとしく指摘したところであり、野党案に比べ与党案は実効性の乏しい、ざる法とも言うべき法案であります。我々野党は、この法律の実効性を高めるため、与党と修正協議を行いましたが、結局、与党は大事な修正に応じませんでした。
 このことは、自民、公明、保守の与党、そして政府は、口では政治腐敗の防止を格好よく言うものの、根本では、政治と金の問題について真っ正面から厳しく断固たる決意で取り組むのではなく、国民の批判が強いので適当にお茶を濁しておこう、甘いがまあまあで抜け道を残しておくという態度だと言わざるを得ません。
 こういう行為は、国民の信頼を裏切り、結局、国民の政治不信をますます増大させることになる。そして、その責任は重大だと強調して、私、広野ただしの討論を終わります。
 ありがとうございました。
#87
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりましたあっせん利得処罰法改正案につきまして、与党案に反対の立場で討論を行います。
 鈴木宗男議員、加藤紘一前議員を始めとする政治と金の問題に象徴されるように、今国会ほど不祥事や疑惑、失政が噴出したことはかつてなかったのではないでしょうか。
 にもかかわらず、小泉内閣と与党三党は、自らの保身にきゅうきゅうとするばかりで、責任の所在を明らかにしないばかりか、ことごとくふたをし、国民の政治不信を増幅させた、その責任は極めて重いと言わざるを得ません。
 一昨年秋の中尾元建設大臣の逮捕を受けてようやく法制化に乗り出した際、野党側は、大物政治家の金庫番に私設秘書が多く、ダーティーな裏の仕事はむしろ私設にやらせている事例が多いことから、私設秘書を対象に加えることを強く求めてきました。しかし、与党は、審議の最中に私設秘書が融資に関する口利き事件で逮捕されたにもかかわらず、最後まで私設秘書を対象に加えることを拒否したのでありました。与党の皆さんは、過去の過ちを率直に認めるべきではないでしょうか。
 与党案は、犯罪対象が狭いことに加え、抜け道を許す現行法の問題点を多々残したままであります。法の抜け穴をふさぎ、実効ある手だてを取るべきだという国民の期待を裏切るものと言わざるを得ません。
 衆議院では行われなかった参考人質疑ですが、我が参議院においては、首長、自治体議員の秘書への拡大、「権限に基づく影響力」の削除、第三者供賄の追加の三点については、どの参考人からも賛意が示されました。
 現職議長の引責にまで発展をした参議院としては、与野党の別なく、政治倫理を自ら確立をし、国民の政治に対する信頼を回復するよう、正に自浄能力の発揮が求められておりました。にもかかわらず、国会議員の私設秘書だけという小手先の改正にとどめようとの与党の姿勢は極めて残念でなりません。
 小泉総理は、自民党をぶっ壊すどころか、政官業の癒着構造、利益誘導と金権腐敗体質にメスを入れる姿勢も覚悟もないということが国民の共通の認識になってきたのではありませんか。
 最後に、事件が起こるたびに罰則が強化されたり新法が制定されたりするのですが、それを乗り越えてまた腐敗が生じるイタチごっこに国民はもうあきれ返っています。
 近い将来、再びあっせん利得処罰法の改正問題が論議されるようなことにならないことが大事であり、その意味では野党の案がこの国民の期待にこたえる道だろうと思います。抜け道だらけの与党案には反対をして、私の討論を終わります。
#88
○委員長(沓掛哲男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(衆第一六号)に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#89
○委員長(沓掛哲男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(沓掛哲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト