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2002/07/05 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第3号
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2002/07/05 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第3号

#1
第154回国会 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第3号
平成十四年七月五日(金曜日)
   午前十時二十五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     荒木 清寛君     弘友 和夫君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     弘友 和夫君     荒木 清寛君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     荒木 清寛君     弘友 和夫君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     弘友 和夫君     荒木 清寛君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         久世 公堯君
    理 事
                佐々木知子君
                若林 正俊君
                櫻井  充君
                山口那津男君
    委 員
                荒井 正吾君
                入澤  肇君
                小斉平敏文君
                野上浩太郎君
                林  芳正君
                福島啓史郎君
                浅尾慶一郎君
                今泉  昭君
                広中和歌子君
                円 より子君
                峰崎 直樹君
                荒木 清寛君
                池田 幹幸君
                小池  晃君
                平野 達男君
   国務大臣
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       金融庁監督局長  高木 祥吉君
       中小企業庁次長  小脇 一朗君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
       預金保険機構理
       事長       松田  昇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○金融問題及び経済活性化に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)



    ─────────────
#2
○委員長(久世公堯君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に金融庁監督局長高木祥吉君及び中小企業庁次長小脇一朗君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(久世公堯君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(久世公堯君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君及び預金保険機構理事長松田昇君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(久世公堯君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(久世公堯君) 金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。柳澤金融担当大臣。
#7
○国務大臣(柳澤伯夫君) 去る五月二十四日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、昨年八月一日以降、預金等全額保護の特例措置期限である本年三月三十一日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。
 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。
 まず初めに、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分等の状況について御説明申し上げます。
 今回の報告対象期間中には、石川銀行、中部銀行の二行並びに十三の信用金庫及び三十一の信用組合に対し、金融整理管財人による管理を命ずる処分が行われております。石川銀行については、昨年十二月二十八日、同行より預金保険法第七十四条第五項に基づく申出がなされ、当該申出及び同行の財務状況を踏まえ、同日、管理を命ずる処分が行われております。また、中部銀行については、本年三月八日、同行より預金保険法第七十四条第五項に基づく申出がなされ、当該申出及び同行の資金繰り状況を踏まえ、同日、管理を命ずる処分が行われております。
 これら二行の譲渡先については、それぞれ金融整理管財人において、地元の金融機関を中心に鋭意折衝が進められてきましたが、預金等全額保護の特例措置期限内に受皿金融機関と営業譲渡について合意するに至らず、三月二十八日、両行ともそれぞれ日本承継銀行と営業譲渡契約を締結しております。日本承継銀行は、本年三月五日の預金保険法第九十一条第一項第一号に基づく承継銀行の設立決定を受け、預金保険機構の子会社として設立され、三月十九日に銀行業等の免許を取得していたものであります。
 なお、石川銀行、中部銀行の日本承継銀行からの再承継先については、関係者において引き続き早期確保に向けた努力が継続されているところであります。
 次に、破綻金融機関の受皿金融機関への事業譲渡等による処理の状況について申し上げますと、今回の報告対象期間中に、七信用金庫、二十四信用組合について事業譲渡等が行われ、管理を命ずる処分が取り消されております。
 また、事業譲渡等が未了の破綻金融機関においても受皿金融機関は確保されており、日本承継銀行と営業譲渡契約を締結した石川銀行、中部銀行を含め、すべての破綻金融機関について、本年三月三十一日の特例措置期限までに預金等全額保護のための特別資金援助に係る所要の手続を済ませております。
 次に、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買取りの状況について申し上げます。
 今回の報告対象期間中に預金保険機構が引き取った案件は、新生銀行については百十三件で、債権額四千四百四十四億円、支払額二千八百六十九億円であり、あおぞら銀行については二十五件で、債権額三百三十二億円、支払額二百九億円となっております。
 最後に、これらの破綻金融機関の処理に係る預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び公的資金の使用状況について御説明申し上げます。
 破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、破綻金融機関の債務超過の補てん等のために預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助額は、今回の報告対象期間中において四千四百五十億円であり、これまでの累計で十六兆四千五百八十九億円となっております。
 このうち、ペイオフコストの範囲内の金銭贈与に係る資金援助の額は、報告対象期間中で二千七百八十五億円、これまでの累計で五兆八千三百十九億円であり、ペイオフコストを超える金銭の贈与に係る資金援助の額は、報告対象期間中で千六百六十五億円、これまでの累計で十兆六千二百七十億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買取り額は、報告対象期間中で千四百九十九億円、これまでの累計で五兆五千七百十四億円となっており、金融再生法第五十三条に基づく健全金融機関からの資産買取りについては、報告対象期間中で債権簿価三千三百二億円、買取り額二百六億円、これまでの累計で債権簿価一兆三千三十五億円、買取り額五百四十九億円となっております。
 さらに、預金保険機構による金融機能早期健全化法に基づく優先株式等の引受け等の額は、報告対象期間中で千百二十億円、これまでの累計で八兆六千五十三億円となっております。
 これらの預金保険機構による資金援助等についてはいわゆる七十兆円の公的資金枠が措置されておりますが、最後に、その三月三十一日現在における使用状況について申し述べます。
 まず、特例業務勘定の特例業務基金に交付された十三兆円の交付国債の償還額の累計は九兆五百四十八億円となっております。また、一般勘定、特例業務勘定、金融再生勘定及び金融機能早期健全化勘定における政府保証付借入れ等の残高は、各勘定合計で十九兆九千七百八十四億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところでありますが、今後とも、金融庁といたしましては、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。
 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
#8
○委員長(久世公堯君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○櫻井充君 おはようございます。
 今の大臣の概要の説明をお伺いしておりまして、やはりこれだけ多くの金融機関が破綻すると、ちょっと通告してなくて申し訳ないんですが、本当に金融システムが安定しているんだろうかと、そういう気がいたしますが、大臣の御認識として今金融システムは安定していると、そうお考えなんでしょうか。
#10
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私ども、本年四月からペイオフ、最近は何か一部ペイオフの解禁というような言葉が世の中で行われるようになったようですが、いずれにしても、新しい時代に突入していくということがございまして、本報告の対象期間、つまりそういう時代が始まる前日の三月三十一日までには、やはり金融当局として、これをにらんで、四月の一日には健全性の基準に照らして皆パスをした銀行でないとこれはやはり使命を果たしたとは言えないと、こういうことでございまして、この間、鋭意検査をし、本当に大丈夫であろうかということの確認をいたしました。
 その結果、この健全性の基準に照らして不足ではないかというような金融機関に対してはその改善を求めてきたわけでございますけれども、やはり改善が思うようにいかないということで残念ながら事業の継続の断念をせざるを得ないと、こういう経営判断があって、その旨の法令に基づく手続が開始されると、こういうことの中で、私どもとしてこのようないわゆる管理を命ずる処分ということを行ったと。
 この事跡をそのまま報告をさせていただいているわけでございますが、それだからというわけではないんですけれども、四月の一日の段階で見ますと、すべての金融機関が健全性の基準を満たしたという状況の下でこの日を迎えられたということ、これは私ども、その時点でも発表させていただいたとおりでございます。
#11
○櫻井充君 要するには、システムは安定化したということなんですか。つまり、危ない金融機関は皆処理したから四月一日からは金融システムは安定したと、そう考えてよろしいんですか。
#12
○国務大臣(柳澤伯夫君) 金融システムも、その後いろんな具体的な問題を何か露呈するというようなこともないわけでございます。
 他方、私どもが申したように、四月の一日の段階で健全性の基準を満たさないところはないと、こういう事態を迎えたと、こういうことでありまして、非常に概括的なことで、システムが安定したのか否かと、こういう問いでございますけれども、その問いにつきましては私どもとしてそういう事実でもってお話をしておくのが適切なお答えになるんではないかと、このように考えます。
#13
○櫻井充君 ちょっとおかしいと思います、そこは。なぜおかしいのかといいますと、新聞紙上はペイオフ解禁が国際公約であるかのように取り扱われていますが、基本的にはこれは、ここは一度、ちょっと話題違うんですが、確認しておかなきゃいけないんですが、ペイオフの解禁というのは、これは国際公約ですか、国際公約ではないんでしょうか。
#14
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生、国際公約かどうかということでございますと、国際公約というのはどういうものだというようなことを私どもとして考えざるを得ないんですが、要は結局、預金保険法を改正して、ペイオフの時期を明示して、暫定的にそれを凍結しておくというのを決めておったわけですが、その暫定的に凍結していた期限が到来すればそれは解禁になるということ、このことは法令という国法の形で、これはどこの国、今のように緊密な国際関係の下における国際社会においては、日本のように特に先進の国ということになれば、その事実はもう公知の事実、国際社会における公知の事実になっていると、こういうことだというふうに私どもは考えていると、こういうことでございます。
#15
○櫻井充君 「やぶにらみ金融行政」という本がございまして、これは大蔵省の方が書かれた本なんですよね。その方が何て書いてあるかというと、ペイオフというのは国際公約じゃないんだと。そのときにこの方が実際に担当されていたんだそうです。この当時は匿名で書いておりました。後で、自分がやったことなんだと。
 この担当に当たられた方が、対外的にどういう約束をしたかということがここに書いてあります。一つは、日本発の金融危機で国際金融市場に迷惑は掛けない、日本の金融システム不安はできるだけ早期に解決すると、こういう約束をしましたと。そして、この早期というのはどのぐらいかということで、そのときには五年程度と、そう言っているんだそうです。これが九五年なのか九六年なのかちょっとはっきりしないんですが、この方は九六年にとおっしゃっているんですけれども、いずれにしてももう五年は経過しているわけなんですよ。この方はそうやって、その担当官自らがこうやって本を書かれているんです。
 ですから、私がお伺いしたいのは、こうやって国際的にこの方が対外折衝に当たられて、五年以内に金融システム安定化させますと言っているんですよ。これこそ正しく私は国際公約というか、国際的に約束したことなんだろうと思います。ですから、五年たった、五年以上経過した今、金融システムは安定しているんですかとお伺いしたい。
 そして、この時点でペイオフのペの字も出ていないんですよ、実際は。ですから、ペイオフというのが、新聞紙上なのかもしれません、委員会で我々がちょっと勘違いしていたのかもしれませんけれども、国際公約ではペイオフはないと。つまり、何回も、もう一度申しますと、金融システムを安定化させるということがいつの間にかペイオフ解禁という言葉にすり替わっていたんじゃないかと、そういうふうに述べられているんです。
 改めてお伺いしたいんですけれども、そういう意味を込めて、金融システムは安定化したんだというふうに国際的にお話しすることができるんですか。
#16
○国務大臣(柳澤伯夫君) 一々そうした、かつての官職にあった方の著書といえども、今はそうでない立場であるそういう方の書いた本について云々することは差し控えるべきだと思うんですけれども、彼の言っていること自体も矛盾していますね、はっきり言うと。ペイオフをしながら金融システムの安定なぞということを言い募れるような基礎は全く私はないと思っています。
 ですから、やっぱりそこのところは、親方日の丸で絶対金融はつぶれません、だから金融システムが安定しています、こういうことは私はやっぱり通らない話だろうと思うんですね。ですから、やっぱり民間として自律的な金融機関が形作るところの金融システム、もちろん日本銀行もあるでしょう、財務省もあるかもしれません、金融監督の立場もあるかもしれませんが、基本としては金融機関が自律をしたそういう立場で金融システムの一環を補い、部門を担っていくと、こういうことがやはり本当の意味の金融システムの安定ということだろうと思います。
 ですから、別にその本と私ここで論争しようとは思いませんが、ただ、彼の言っていること自体も、もし今、櫻井先生が取り上げられるような取り上げ方をしたら、私は全く見解を異にするとしか言いようがありません。
#17
○櫻井充君 不思議なのは、はっきり申し上げますと、大臣というのは何年か単位で替わっていきます。行政は継続しているんだということを我々委員会で何回も言われていますね。ですから、これはその当時の行政官の担当者ですよ。しかも、担当者で、この項を書いたときにはまだ役人であった時代に書いているんです、実は。ですから、今大臣がおっしゃっているのは私は若干違うんじゃないかと思うんです。行政とは継続しているということではないんですか。
#18
○国務大臣(柳澤伯夫君) 行政は継続しないといけないと思います。
 私も、かつて行政官だったときに、アリストテレスの自然は飛躍せずという言葉のアナロジーとして行政は飛躍せず、あるいは予算は飛躍せずという話を随分先輩から聞かされました。
 しかし、なかなかそういうことでばかり時代の変化に対応できないということが昨今起こっていることだろうと私は思います。そこを飛躍し、転換するということを政治がちゃんとできるかということが最近の状況の下で何回も試されているんだろうというのが私の認識でございますが、いずれにせよ、行政というのは基本的に継続しないとやはり、特に安定性、法的安定性というのは行政の非常に重要な機能だと思いますが、そこに欠けるところが出てくるという、これはこれで私はそういうものとして理解をいたしております。
#19
○櫻井充君 大臣、要するに我々、この先金融行政がどういうことを目指していっているのかがよく分からないところがあるんですよ。つまり、現時点でこれで本当にいいと思われているのか。それとも、今なんかはまだ、これから中小の金融機関は再編しなさいという話も出ていますよね。再編していってどういう姿にしようとしているのか、何をもってしてやはり金融は安定したんですよ、金融システムは安定したんですよと。このシステムでずっと、ずっととは言いませんけれども、もちろん時代の変化によって変わっていかなければいけないことはこれは確かなことだと思いますが、しかし、再編、再編を繰り返しているということであるとすると、やはりまだ過渡期なんだろうと思うんですね。ある部分安定化するということになればこういうシステムでいきましょうということになっていくのが普通なのかなと思うんですけれども、今の流れから見ると、昨年約五十行、四十幾つ破綻していると。
 今年になって一月から三月に掛けてペイオフの実施もあって、私、この間地元の金融機関に行ってまいりました。ある信用金庫ですけれども、総額で二千四百億円の預金の中で定期預金が千六百億円だそうなんです。そのうち、たった三か月間の間に、今年の一月から三か月の間に三百億円の預金の流出があったと、定期からです。その信用金庫の流動性預金の方に百七十億円移って、あと残りはほかの金融機関に行ったと言っておりました。
 この金融機関側から、今日は絶対にこの話はしてくれと言われているんですが、もしこれで来年の四月にペイオフ完全に解禁されるようなことになったとすると、恐らく流動性の預金のところから多額の預金が流出していくことはもう目に見えていると。そうすると、後は我々の金融機関、その金融機関からすれば破綻しなさいということなのかということだったんです。
 その金融機関の方の例えが非常に私には分かりやすかったのは、今のままの金融行政の在り方ですると、例えば大病院や中堅病院は残すけれども、開業医はほとんどなくすということなんだと。恐らくそういうことなんだろうと思うんですね。今、そういうような形で小回りの利く小さいところはみんなつぶして統合させていって、それで金融システムというのが本当に安定していくというふうにお考えなんでしょうか。
 つまり将来の、将来のどういう形の金融というか、金融機関がどうあるべきなのかと、そこら辺のところをもう少し明確にしていただきたいと思うんですが。
#20
○国務大臣(柳澤伯夫君) 当面の話と中長期的なビジョンの話とお二つ櫻井委員提起されたように思われます。
 当面の問題については、私どもやはり基本的にペイオフというのは構造改革政策の一環だと思っております。これはやっぱり預金者の批判にさらされて非常に厳しい状況に置かれて、この状況を克服するためにやっぱり金融機関の経営者が本当に努力をされる、そういうことの中でやはり日本の金融機関の構造改革が進む、つまり本当に強靱な金融機関というものが生まれてくるんだろうと、こういうように思っておるわけでございます。
 そういう中で、自分は今後の行き先として、やはり単独でよりも、あの金融機関と一緒になるなりして、それでもっとそこの今の強靱な体質の金融機関になり得るんだというようなことの選択肢の一つとして合併ということもあり得よう。それは先般、この委員会ではありませんが、財政金融委員会の方で金融機関の大体の方が言っておられたように、いや、人材の面でもそういうことが必要だということを痛感しているんですよということを証言なさっておられましたが、私どもはそういうことはあり得ると思うんです。
 ですから、合併のことを今委員も取り上げられましたが、私ども決して合併を強制しようなんということを金輪際考えておりません。そういう構造改革の模索の中で選択肢の一つとして大いにあり得ることだろう、それだったら、それに対してちゃんとした必要な手当てを怠りなくしておいてやりたいと、こういうことを考えておるということでございます。
 それから、中長期のことについては、今私もそのことを大変必要だと考えまして、私的な先生方のお集まりを煩わせまして、鋭意その間の検討をしていただいてきたところでございますけれども、さらに、それが政府の公式のビジョンということになるということが先般内閣の方で決定されましたので、今度はそれを基礎に、金融審議会、今度は正式の金融審議会にそれをのせて、更に本格的な御審議をお願いしようというふうに考えているところでございまして、そんなに遠くない時期にそうしたものも示し得るんではないかと、このように考えております。
#21
○櫻井充君 そうしますと、金融庁が指導、金融庁主導で統廃合を図っていきましょうということではないということですね。
 そうすると、これは確認ですけれども、例えば、合併をした場合に何らかの例えば税制的な優遇措置を取るとか、それからこれは新聞紙上に書いてあったことですから、これは確認させておいていただきたいんですけれども、保護される金額が上乗せされる、例えば二つ合併すると二千万になるとか三つになると三千万になるとか、そういうようなメリットは一切ないということなんですね。
#22
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、先般のいろいろな政府の施策予定の文書にも掲げられていたかと思いますけれども、検討する、早急に検討するということになっておりまして、現在鋭意検討をいたしております。
 ではありますが、もう少し時間が掛かるのでありますが、やはりここで、形式的また実質的にも事務年度が替わるということもありまして、ここまでの段階でのそうした合併等の支援のための施策というものをやっぱり現在段階どこまで検討したかということ。これは結局は、大体こういう項目の中で、これから本当に一つ一つがどうあるべきかということを検討します、ざっと頭の中で考えるとこの辺りの項目かと思いますといった、問題の広がりというか、検討の対象の広がりみたいなものをまとめてお示しするというようなことを取りあえず考えておりまして、これは近々にそうしたことを公表させていただこうということでございます。その中には、詰めた結果どうなるか分かりませんけれども、いろいろなことがあって、今委員御指摘のようなことも入っていたかと思います。
#23
○櫻井充君 済みません。ちょっとよく分からないんですけれども、金融庁が主導では合併は進めないけれども、合併しやすいような環境は作るということですか。それでいいんでしょうか。
#24
○国務大臣(柳澤伯夫君) 大体そういうようにお考えいただいて間違いありません。
#25
○櫻井充君 それは、金融機関から望まれているから行政側が今そういう措置を取ろうとされているんですか。
#26
○国務大臣(柳澤伯夫君) 例えば、先ほどもちょっと引用させていただいたように、やはりこれだけ金融機関の数があると、これから、今までのような全部護送船団的に保護される時代から、預金者の目、株主というかそうした出資者の目にさらされるだけじゃなくて、預金者の目にもさらされるようなそういう厳しい環境の中に入っていくわけでございますけれども、そのときいろいろ考えられて、どれが一番ベストの選択か。今、別に自分たちどうこうじゃないけれども、将来の先行き見たときに、この銀行と合併した方がいいだろうというようなことを考えられることは往々にしてあり得ると我々思っております。そういう声も、現実にそういうもう動きが出ておるわけでございます。
 そういうときに、例えばコンピューターのシステムの統合というようなことになるとかなりの金が掛かると。こういうものに対して何かそれが、そういうことがネックになってそういう動きをやめてしまうというようなことのないような、そういう環境は作ってやるというのは我々の仕事だろうと、こう思っているということであります。
#27
○櫻井充君 大臣、私がお伺いしているのは、地域の金融機関から自分たちは合併したいから何らかの優遇措置を取ってくれという声が上がっているのかどうかということです。
 大臣、例えば、この間の連結納税制度なんかは企業から上がってきているわけですよね。これは、世界的にそういうものがあるから、世界と競争する中でそういうインフラが必要だから連結納税制度を導入してくれという声が上がったんです。ですから、そういう法律、制度を作っていったわけですね。
 今のお話、私はここ大事なことだと思うんですよ。つまり、当事者側から声が上がったからそのことについて整備していきましょうということであれば、それは下から上がってきた声だと思うんですよ。そうじゃなくて、下からそういう声が全然上がってきていないのに行政側がそういうことをやるんであったら、何らかの合併しやすいものを作っていきますよというのは、これは行政主導ということになるんじゃないですか。
 今、例えば信用金庫組合とか、それから地銀の組合からでも結構ですけれども、地銀協からでも結構ですが、合併しやすい環境を作ってくれという要望は上がっているんですか。
#28
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと私、そういう公式文書が上がっているかどうかということまで確認、今ここでできませんけれども、いずれにせよ、そういう声があるということは私の耳にも入っております。
#29
○櫻井充君 でも、それより圧倒的に大きいのは、ペイオフ完全実施しないでくれ、少し延期してくれないかという声の方が圧倒的に多いんじゃないですか。
#30
○国務大臣(柳澤伯夫君) それは当然といえば当然でございます。人間だれだって厳しいものを欲する人はいません。もっと楽な環境を欲するということでございますから、当然といえば当然だと思っております。
#31
○櫻井充君 それは、自分たちが努力をしたとしてもなかなか越えていけないものというのはあるわけですよね。大臣、私がよく生命保険会社のことを言うと、風評被害を招くからここの場でそういう名前を挙げないようにというふうによくおっしゃられますけれども。つまり、健全であったとしても、小さいというだけで危ないと見られてしまうと。そういうことによって預金が流出している可能性だってあるわけですよね。そうすると、本人たちが一生懸命地場のために努力をしても、なかなかそこは報われていかないということがあるんじゃないでしょうか。違いますか。
#32
○国務大臣(柳澤伯夫君) いろんなケースがあり得るだろうとは思いますから、私、今の委員の御質問に一般論で答えるのもいかがかという気もいたしますけれども、私ども今度の中期ビジョン、まだこれ先生方の御議論のある意味で途中段階と言ってもいいかとも思うんですけれども、そういう中でも、きっちりした顧客基盤をつかまえて、それでその人たちに対してきっちりしたディスクロージャーをしていくということで、がたいが小さいから生き残らないあるいは有効なサービスの提供ができないというようなことについては、先生方の御意見もむしろ否定する意見が多かったわけでございまして、その辺りのことはそうした形で子細に多分なるんだろうと、このように思っております。
#33
○櫻井充君 この話をしようかどうしようか悩んでいたんですけれども、この間、仙台の銀行へ行ってまいりました。その銀行は、徳陽シティが破綻した際に、債権を全部とにかく自分たちが放棄してしまえばRCCに回ってしまうと。そうなってくると、ほとんどRCCに行けば融資を受けられなくなりますから、恐らくほとんど破綻することになるんだろうと。
 それで、その債権を一千億円その金融機関は受け取ろうといたしました。実際、受け取ったんですよ。そのために八十億円、自己資本比率のために八十億円足りなかったので、当時の大蔵省に八十億円の公的資金の注入をしてくれないかと頼みに行ったんです。その結果、大蔵省は何と言ったかというと、今は大銀行のことで手一杯だからそういう地域の金融機関に対して公的資金を入れることはできませんと、そういう回答でした。結局、劣後債を発行して、何とか自己資本比率の八%を維持するようにいたしました。
 その後、都市銀行の整理が付いた後に大蔵省が何と言ってきたかというと、公的資金を受けてくれないかと、そういう話を持ってきたそうです。これはなぜかというと、中小の金融機関に公的資金を入れる突破口にしたいから是非公的資金の注入を受けてくれないかと、そういう話をしに来たそうですよ。そのとき、その社長は何と言ったかというと、こんな我々が必要だから、地域の産業の活性化のために自分たち金融機関が果たさなきゃいけない役割があるから、公的資金を注入してくれと言ったときにそれを拒否しておきながら、今更何で持ってこなきゃいけないんだと。無利子であるんだったらそれは融資を受けるけれども、それ以外に関してはお断りさせていただきたいと、そういうことになったんだそうですよ。
 今までこういうことやってきているんじゃないですか。そういうことをやってきて地域の経済を壊そうとしてきたんじゃないですか、違いますか。
#34
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと問題のポイントが、どういうふうにお答えしたらよろしいのか判然としません、おぼつかない面がありますが、私どもとしては、地域経済というものはこれはもう極めて大事なものだと、これはもう言うまでもないことですが、そういうように思っておりまして、したがってこれを支える地域金融機関も極めて重要な存在だと、このように考えております。
 個別のことについて私ちょっと今お答えする準備もありませんし、またお答えすることが適切かどうか、ちょっと差し控えさせていただきたいと、このように思います。
#35
○櫻井充君 その社長はこうもおっしゃっていました。我々は地域の経済を支えていくという自負心がある、その一点で一生懸命頑張ってきているんだと。その地域を支えている金融機関が今望んできていることは一体何なのかというと、結局のところ、金融システムが安定するまで、そしてペイオフの完全実施を延期してくれないか、経済状況が安定するまでそこのところは何とかしてくれないかということを話をしているわけですよ。だれも金融機関の方々は、自らが合併したいとはおっしゃっておりませんでした。
 本当に地域を守っていきたいと大臣がお考えでしたら、私はもう一度本当に地場の金融機関の声を聞いていただきたいと思います。そうでなければ、今のままのやり方だと私は地域経済、駄目になると思いますよ。その信用金庫の方々も言っていましたけれども、父ちゃんと母ちゃんと二人でやっている企業、そういう商店街、仙台の一番町の商店街を歩くと、本当に東京の資本が入ってきています。シャッター通りにはなっていないかもしれないけれども、地場の産業が次々につぶれていっています。あとは弱いものがつぶれて、そういう大きい資本だけの社会になっていけばいいんだということであれば、それはそれでいいかもしれません。しかしながら、地域を支えている金融機関というのが一生懸命今生き残りを懸けて努力されているわけですから、その声を改めて聞いていただきたいと思います。いかがですか。
#36
○国務大臣(柳澤伯夫君) 貴重な御提言、また御忠告と言えるかもしれませんが、そのようにお聞きいたしました。
#37
○櫻井充君 それでは、竹中大臣に来ていただいているので、ちょっと景気のことについてお伺いさせていただきたいと思います。
 そして今、参議院の方に医療制度改革が回ってきておりまして、自己負担を更にまた求めるような改革の案になっております。この中で、竹中大臣の御意見をお伺いさせていただきたいんですが、平成九年に橋本内閣でいろんな意味での財政再建等を行いました。
 結局、私が持っている数字でいえば、明らかに平成八年と平成十年とを比較すると景気の指標は皆悪化しているように思っておりますが、まず、その八年と十年とを比較して景気は悪くなっているのかいないのか、もし悪くなっているとすればどういう原因が考えられるのか、その点について御答弁願いたいと思います。
#38
○国務大臣(竹中平蔵君) 八年と十年とおっしゃったですか。
#39
○櫻井充君 はい。
#40
○国務大臣(竹中平蔵君) 九六年と九八年がどのように経済が悪くなったかという御趣旨でしょうか。
 九六年の実質経済成長率は三・四%であったわけですけれども、その後九七年から陰りが見えてきまして、具体的には九七年の五月が景気の山であったというふうに認識しておりますが、その後谷に向かって下降を始めまして、九八年の成長率はマイナス〇・八%ということであります。この間に経済が非常に著しく悪化している。九八年に住専の問題等々が顕在化したわけでありますが、その間に金融市場の混乱も含めて経済が著しく悪化したというふうに認識をしております。
 その理由が何であったかという御質問もあったかというふうに思いますが、これは非常に多くの要因があったのだというふうに認識をしております。一番背後にあるのは、やはり金融システムが非常に脆弱であったと、そのことに専門家を含めて多くの人が気付いていなかった。そこに景気、消費者に対する負担の増という一つのトリガーが引かれて、それまでたまっていた矛盾が顕在化する形で日本の経済が悪化したと、そのように認識をしています。
#41
○櫻井充君 特別減税を打ち切ったとか医療費の自己負担増とか、消費税を三%から五%に上げたと。個人に対しての負担というのは景気の悪化の原因の一つではないんですか。
#42
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど申し上げましたように、その一つの要因であったというふうに認識をしています。当時、九兆円ぐらいの負担増を行ったわけですから、GDPで一・八%、これはやはり大きかった。ただし、これは先ほど申し上げましたように、経済が悪くなった要因は非常に多様であるというふうに思います。その一つのトリガーを引いたというふうに思います。
#43
○櫻井充君 その多様であったという中で、今金融システムというお話がございました。平成九年、十年当時でしょうか、あの当時の金融システムと今とを比べれば、確かに都市銀行においては安定しているのかもしれませんけれども、地域、今いろいろ議論してまいりましたけれども、中小の金融機関ということで限って言った場合には、金融システムは今安定していると竹中大臣はお考えですか。
#44
○国務大臣(竹中平蔵君) 当時の混乱の最大の要因は、資産査定が正しく行われているかどうかに関する、その情報の正当性に対する信頼感がことごとく失われていたという点に私はあったのだと思います。その点からいいますと、度重なる検査の結果を反映して情報の信頼性、特に資産査定の正確な進捗が行われたという点に関しては、これは大規模な、ないしは中小規模の金融機関も含めて、全くある意味で違うぐらいに大きな進歩があったというふうに見ております。
 その上で、当時、情報がなかなか信頼性を欠いていたという点からすると、当時と今とを厳密に比較することはこれは難しいわけでありますけれども、一部の中小の機関に関しては引き続き当時と、当時も今もなかなか難しい問題を抱えているのではないであろうかというふうに私自身は考えております。
#45
○櫻井充君 難しい問題を抱えているということは、まだ安定していないということですよね。
#46
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどから、金融システムは安定化しているかどうかということに対して柳澤大臣へのお尋ねがございました。私は柳澤大臣がおっしゃったとおりだというふうに考えておりますが、私なりの言葉で申し上げるとすれば、システムの安定というのは、やはり小状況的な意味での安定と、より長期の大状況的な意味での安定というのは少し違う面があるのだと思います。
 これは週刊誌的に言えば、何月危機が起こる、またパニックになるというようなことを書き立てられて、そういった意味で、そういった意味からするところのシステムの安定性というのは、これは私は、正に小状況的には、株価の安定もこれあり、今は少なくとも半年くらい前に比べて極めて安定してきているというふうに申し上げてよいのではないかと思います。
 しかし一方で、極めて厳しい世界の環境変化の中で、システムが安定しているといっても、どこの国の金融システムも一定にはとどまっていないわけで、常に変化を続けていっている。そのような意味で、長期的に持続可能なシステムに日本の金融機関が完全になっているかどうかということに言うならば、これは正に今、柳澤大臣のところのビジョン懇等々でも議論されているようでありますけれども、本当に収益力を十分高めてマーケットの中で生き残れるような形に日本経済全体がなっていっているかどうかというようなことも含めて、まだまだそのシステム安定化のために、中長期的な安定化のために努力しなければいけないことはたくさんあるというふうに認識をしています。
#47
○櫻井充君 もう一つ。今、景気が底入れか底入れでないのかという話になってきていますけれども、平成八年と比較して、現時点というのは景気はいいと考えられるんですか。
#48
○国務大臣(竹中平蔵君) これまた比較は大変難しいんでありますけれども、先ほど申し上げましたように、景気循環的に言うと、九六年というのは、九七年の五月が山でしたから、その山にどんどんどんどん向かっていくときだったわけですね。だからこそ、三・四%も成長をしておりました。
 今は、景気の谷がどこにあるかというのはまだ判然とはいたしませんが、一つ前の景気の山が二〇〇〇年の十月、これからずっと下がってきて、どうやら底を打ったようだという状況でありますから、成長率に関しても、二〇〇二年度の成長、政府経済見通しはゼロ%の成長でありますから、これは大変厳しい。一方、さらには、失業率等々を比べてみても、これはもう厳しいことは間違いありません。平成八年度は三・三%でありましたが、今年度の経済見通しの中では五・六%というふうに考えている。
 ただ、あえて言えば、別の指標も挙げられなくはありません。それはGDP水準、実質GDP水準そのものは今の方が高い、だから国民の一人当たり所得は今の方が高い、これはもう事実でございます。マイナス成長、若干ありましたけれども、弱いとはいってもプラス成長をこの間してきているわけでありますから。
 その意味では、経済の循環的には、当時は良かった、今は厳しいということでありますが、経済の、我々の生活水準そのものは、平均値で見てでありますけれども、当時より今の方が若干だけれども良いということになると思います。
#49
○櫻井充君 ちょっと不思議なんですけれども、可処分所得、これは総務省からの発表のやつなんですね、うちの事務所で調べたのは。平成八年が四十八万八千五百三十七円で、これは平成十二年の数字なんですけれども四十六万四千七百二十三円と、また下がっている、ちょっとこれ、済みません、若干古いんですけれども。現時点はその当時よりも上がっているということなんでしょうか。
 欠損法人の割合も、これは六四・七%から六八・五%に上がっていますし、それから、大体、もう一つ不思議なのは、平成八年のときの税収というのが五十三・五兆円ございました。十三年度が四十八兆円ぐらいなんでしょうか。法人税等の切下げもありましたし、それから特別減税もありました。でも、全部それを相殺して、なおかつ消費税が四兆円か五兆円ぐらい、四兆円かな、上乗せになっていますから、その形で全部補正しても、もし特別減税等がなかった、法人税の減税がなかったとして比較しても、平成八年当時が五十三・五兆円で平成十三年は四十八・三兆円なんですよ。
 そうなってくると、この税収見ても決して景気は良くないんだろう、悪くなっているんだろうと思っているんです。こういう悪くなっているような状況の中で本当に個人負担を求めるようなやり方をしていいのかどうかということだと思うんです。
 今回の医療法の改正の中で一番大きな問題点は、政管健保の加入者の保険料が引き上げられて窓口負担が増やされるということです。つまり、どこかというと、要するに全部中小企業の関係なんですよ。中小企業に勤めている人たちの負担が増えていくということなんです。だから、地域金融だって決して安定しているような状況にはなくて、中小企業がばたばたばたばた倒産しているような状況の中で、八割以上の人たちが雇用に対しての不安を持っているわけです。そこの中で事業者に対しても負担増を求め、そして個人に対しても負担を求めていくというやり方が私はおかしいと思っているんですが、大臣としてはいかがお考えですか。
#50
○国務大臣(竹中平蔵君) 櫻井委員、非常に詳細に数字を挙げてくださいました。いろんな解釈があると思うんですが、景気の現状が厳しいということはこれはもう疑いのないことだと思っております。そういう状況下で、今議論されているような国民の負担を求めることについてどのように認識するかという大変基本的な重要な問題であると思います。
 しかし、ここで考えなければいけないのは、これ、負担を求めなかったら一体どうなるかという問題にも尽きているんだと思います。そうすると、じゃ国がお金を出すのか、国がお金を出すということは赤字を様々な形で拡大させることである、そういうやり方を取るべきであるかどうかという問題。さらには、いわゆる保険料で払うのか、診療に対する自己負担で払うのかと。いずれにしても、これはだれかが払うわけでありますから、その負担の仕方がどれが一番適切かという問題に私はなるのだと思います。
 現実問題として、この負担というのはこれまた将来の我々の負担でありますし、そうなることによって健保の財政がますます不安化することによるマイナスの材料ということもある。結局は、これは三方一両損ではありませんけれども、何らかの形で国民経済全体として負担せざるを得ない、そこにもう支出があるわけですから。そういう問題になっている。
 今回の場合、ただ、委員の御懸念は、マクロ経済との状況で負担増に対する懸念ということでありますから大変理解できる面はあるんでありますが、比較しておられる九六年当時、九六年から九七年当時に掛けてのその負担増とはこれはやっぱり規模が違うということだと思います。当時は九兆円を上回るような負担であった。今の負担増は一・五兆円ぐらいであるというふうに考えられますので、一・五兆円ということはGDP比〇・三%ということになりますから、この程度の負担は、やはりこれは国債の格下げが行われて、中期的にはやはり財政を健全化していかなければいけないという状況の中では、ある意味では甘受せざるを得ない負担になってくるのではないかというふうに思います。
#51
○櫻井充君 平成八年から九年で九兆円とおっしゃいました。そのとおりなんですけれども、しかし十年度で特別減税を行っていますから、結局、八年と比較してみると何が個人負担になっているかというと、結局医療費で一割から二割に窓口負担が引き上げられたことと、結局消費税しかないんですよね。
 大事な点は、平成八年当時であっても、これは金融システムの問題なのかどうか分かりませんが、そこがバックボーンなのかどうか分かりませんけれども、しかしあの当時の景気の状況で、良くなってきつつあったという中で個人負担を求めていった途端に悪くなったから、慌てて特別減税をまたやっているわけですよね、恐らくは。個人負担を求め過ぎたということで。
 ですから、もし今比較した際に、あの当時よりも景気が悪いという判断をされているとすれば、一兆五千億円かもしれないけれども、今と比較したときに、今よりもいい時期の負担の割合と、それから今の悪くなっているときの負担と同じ額では比較できないんだと思うんですよ。そういう意味で、この現状の中で本当に一兆五千億円の負担を求めていいのかどうかということ。
 そしてもう一つは、国費の話になりましたが、政管健保というのは、法律上、国費を一六・四%から二〇%入れるという約束しているんですよ。今でさえ一〇%程度しか入っていないんですから。これで個人の負担増を保険料で徴収するということになると、負担割合でいうと本当は過剰な負担を求めていることになっているんです。
 だから、一部の人たちに対してだけ負担を求めることによって、特に、何回も言いますが、中小企業に勤めている人たちですから、景気の足を引っ張ることになりませんか、そういう心配をしているんです。もう一度、どうでしょう。
#52
○国務大臣(竹中平蔵君) 九七年の消費税引上げの後の九八年、九九年以降の大規模な刺激策の話も出ましたけれども、これは負担が増え過ぎたから負担を軽くしたというよりは、もっとこれはやはりマクロ的な対処であったと、経済がスパイラル的に悪くなることを抑えるための財政の出動であったというふうに理解をすべきだというふうに思います。
 結局のところ、これはやはりマクロ的にどのぐらいの負担になるのかと。いろんな相殺があります。政府は別の部分ではお金を出しているし、別の部分ではお金を引いているし、やはりマクロバランスがどうなるかというところでこれは御判断いただかざるを得ないのだというふうに思います。
 もちろん、その負担の在り方をどうするかというのは、これは別途問題としてはあるわけですけれども、繰り返し申し上げますが、私の立場からは、マクロ的な負担そのものに関しては、当時に比べて経済が脆弱であるとはいえ、それほど過大なものではないというふうに認識をしているということを是非申し上げておきたいと思います。
#53
○櫻井充君 終わります。
#54
○浅尾慶一郎君 今日は破綻金融機関の処理ということでございますので、先ほど柳澤大臣の方からペイオフ部分解禁というようなお言葉もありましたが、今年の四月一日以降と今までと、日銀と破綻金融機関との関係というのが若干変わってくるのではないかなというふうに思っていますので、その観点からまず質問をさせていただきたいというふうに思います。
 どういうことかといいますと、昨年まではすべての金融機関が持っていた債務が実質上保護されていたと。つまり、破綻した金融機関に日銀が一時的に流動性を補給するということがあっても最終的にそのお金は返ってきたわけでありますが、今年の四月一日以降はそういうことにはならないということではないかなというふうに思います。
 ただ、そうすると日銀として特融を実施する場合は、債務超過ではないということが担保されていない限り今後はできないということになってくるのではないかなというふうに思いますので、この観点から、まず過去の事例にさかのぼって、山一証券に対して日銀は、これは債務超過ではないということで総額当初一兆二千億円ですか、特融を実施をされました。しかし、これが、その後のいろんな簿外の債務があったり、いろいろなことがありまして、結果として山一そのものが自主廃業後、東京地裁に破産の申立てをし、債務超過であるということが分かって、大体現段階で残っているお金、一千五百億円ぐらい残っておるというふうに思いますが、まずその残っているお金について、まず日銀総裁に伺いたいのは、当初は債務超過ではないという認識でお金を出したけれども、現在、今申し上げました一千五百億円ぐらい残っていて、これは債務超過だからそのうちの幾らか分かりませんが、返ってこないという認識を持っておられるかどうか、その点について端的に日銀総裁に伺いたいと思います。
#55
○参考人(速水優君) 山一証券に対する特融は、九七年、平成九年の十一月、破綻の直後に大蔵大臣の声明もございまして、その中にも書かれておるわけですが、当初はピークで一兆二千億ぐらいございましたけれども、その後、返済が行われていって、七月四日現在では約千五百億円を残すことになっております。
 先行きにつきましては、今のところ、どういうふうに進んでいくか分かりませんので、私どもとしてはそれに見合う引当金を積んではおりますけれども、今後の成り行きに注目しているのが私どもの現状でございます。
#56
○浅尾慶一郎君 少なくとも日銀としても当初は山一が債務超過ではないと、つまり貸したお金は、特融という形で貸したお金は全額返ってくるという認識でお金を貸されたわけでありますが、全額は少なくとも山一からは返ってこないという状況になったわけであります。
 つまり、判断を間違えたと、日銀が判断を間違えたのか、債務超過ではないと当時言った大蔵省の責任なのかという部分が問題として出てくるわけでありますが、融資を、特融を実施した日銀の責任というものもあるんだと思いますが、その点についてまず日銀としての責任はどのように考えておられるか、総裁に伺いたいと思います。
#57
○参考人(速水優君) この山一証券の特融の実施を決定しました時点では、日本銀行としましては、同社から報告を受けるとともに、当時の同社の監督官庁であります大蔵省との間で緊密な連携に努めました。それによって得られました情報に基づいて、同社は資産超過の状況にあるという認識を持っていたわけでございます。もとより、同社が廃業、解散に向けて事業、財産の整理を行っていく過程におきまして、同社の財務内容が変動していくことは十分予想されておりました。債務超過といった事態が生じる、予見するということは、しかし、そこまでは当時考えていなかったと思います。
 ただ、日本銀行としては、山一証券向けの特融の実施を決定するに当たりましては、日本銀行の財務の健全性との関係で、山一証券が資産超過の状況であることを特融実施の条件としていたわけではございません。
 当時の大蔵大臣の談話の中で、十一月二十四日だったと思いますが、本件の最終処理も含めて、証券会社の破綻処理の在り方に関しては、寄託証券補償基金制度の法制化、同基金の財務基盤の充実、機能の強化等を図って、十分の処理体制を整備すべく適切に対処したいということを言っておられます。
 万が一、同社が債務超過の状態に陥ったような場合におきましても、特融の最終的な回収に懸念が生ずることはないというふうに判断いたしております。
 私どもとしましては、こうした大臣の談話や御答弁の趣旨に沿って適切な対応がなされるものと考えておりまして、特融の最終的な回収に懸念はないと考えておりますのが現状でございます。
#58
○浅尾慶一郎君 特融を実施した後、資産が劣化された可能性があるというようなお話を、今総裁の方から御答弁いただきました。特融実施後に日銀として、山一の資産が劣化しないようなそういう検査あるいは考査というようなことは山一証券に関して、限って実施をされましたでしょうか。
#59
○参考人(速水優君) 特融を実施しましたのが平成九年の十一月でございますが、その翌年の平成十年になって考査をいたしております。その考査で同社に対する私どもの融資した資金等の監査も十分いたしましたし、この点は、どうして債務超過になっていったのかということは、当時、急速に景況が悪化していくし、金融システムの不安があちらこちらに起こってくるといったような事態の中で、所有していた資産あるいは不動産等の売却の価格が非常に安かったといったようなことで、初め資産超過であると言われておりましたのが、二百億余りの債務超過になっているといったような情報が入ってき、そのうちにもう少しそれが大きいということが分かってきた次第でありまして、当時の経済情勢からいえばそういったことは十分起こり得たことではないかというふうに思っております。
#60
○浅尾慶一郎君 私の質問の趣旨は、今総裁がおっしゃったように、資産を売却をしていく中で、いわゆる投げ売りというようなことが行われていたということだと思うんですね、総裁の御答弁のとおり。それは、売られる人の立場からすれば、それは山一の社員の方が売っておられたんだと思いますが、それがすべてそうだったかどうか分かりませんが、巷間うわさで言われている範囲で申し上げますと、例えば、ある資産を安く売ることによってそこに再就職で雇ってもらうというようなこともあったというようなことを言われておったわけであります。
 質問の趣旨は、当然、債権者、日銀は特融の貸出しをした債権者として、そうした債権者の立場を危うくするようなことに対しては何らかの手だてを取るべきではなかったのかということでありまして、調べたらそういうことがあったということでは本来の債権者としての立場を取っていないんではないかというふうに思いますが、その点について総裁はいかが考えられますか。
#61
○参考人(速水優君) 考査に参りまして、それが平成十年十一月でございますけれども、平成十年九月末のバランスシートを基に財務状況について査定を行ったわけでございます。当時、千九億ぐらいの初めは資産超過ということでスタートしたわけでございますけれども、それが山一証券の平成十年三月期決算以降の経費や資産処分等の確定損失分に当時の市場環境等を踏まえました保有資産の評価を加えますと、平成十年三月期決算で約二百二十五億円の債務超過ということが分かりました。債務超過幅が拡大しつつあるという状況はそこで把握したわけでございます。
 しかし、そういう状況の中で今後どういうふうにこれを見ていくかという、常時情勢はウオッチしていたと思いますけれども、平成十年十一月に行った考査の時点では、なお顧客財産の返還とか約定済みの取引の決済等を進めている過程でありまして、日本銀行が同社向けに特融の目的の達成を期する上で特融実施を継続していく必要があるというふうに私どもは考えました。したがいまして、考査で債務超過であるということが確認した後も引き続き特融を実施していって、その後におけるこの返済を期待して、現に相当部分が返済されてきたわけでございまして、今まだ約千五百億円が残っているというのは大変私どもとしては残念ではございますけれども、今後の裁判の状況その他もよくウオッチしていきたいというふうに思っております。
#62
○浅尾慶一郎君 数字を総裁の方からもさっきおっしゃっていましたけれども、千五百億円ぐらい今特融残高が残っていると。今、山一の破産財団に残っている帰属先が分からない債権等の多分総額で五十億円ぐらいしかないわけですから、千四百五十億円は穴が空いているという状況なんだと思うんですね。
 それは最終的に、さっき、先ほど日銀総裁がおっしゃったように、それは過去の国会答弁でも宮澤大蔵大臣が、最終的な責任は当時の大蔵省、大蔵大臣にありますと言っておられるんで、お金は大蔵、財政から返ってくると、あるいは先ほどおっしゃった現在で言えば投資者保護基金から返ってくるんだと、返ってくるからいいんだという認識なのかもしれませんが、しかし、一義的に融資を、特融を実施した、なおかつその考査の段階で債権者の立場を弱くするようなことが分かっていて、それに対して止める手だてが取れなかったというのは大変残念なんではないかなというふうに思うわけであります。
 山一のことについて総裁に今伺っても多分それ以上の踏み込んだお答えをいただけないと思いますので、じゃ、当時の大蔵省、現在これは金融庁に移っておるのかもしれませんが、債務超過ではないというふうに間違えた少なくとも認定をしたわけでありますが、その責任について柳澤大臣はどのように思われますでしょうか。
#63
○副大臣(村田吉隆君) 山一証券でございますが、平成九年の十一月二十四日に自主廃業に向けての営業休止の届出がなされまして、そういうことを受けまして、九年の十一月以降に特別検査を実施したと、こういうことになっております。
 具体的に申しますと、その特別検査の対象が、まず第一に簿外債務の状況がどうなっているか、それから顧客の預かり資産の保全状況がどうなっているかということを主として実態把握を行ったということになっておりまして、保有資産の処分価格とか関係会社の整理に伴う費用とか、不確定な資産、負債の変動要因がありますけれども、当時の大蔵省による検査においても最終的な債務超過額を確認するということは至らなかったというわけでございまして、今、その後におきまして、三月期決算において二百二十五億円の債務超過の状態にあるということを六月に把握したと、こういうことでございます。
#64
○浅尾慶一郎君 私が伺っておるのは、先ほども申し上げました、現段階でいうと約千五百億円ぐらい最終的にだれかがその穴を埋めなければいけないということになるわけでありますが、その前提として、入口の債務超過ではないという間違った認定をしてしまったと、間違えたことは間違えたことなんだと思いますので、その点について責任を認識されないのかという質問であります。
#65
○副大臣(村田吉隆君) 私どもは、今申しましたように、当時の特別検査の対象が先ほど申しました二点にございまして、その後の資産の劣化状況とか、いろんな要因に基づいて最終的にそういう債務超過の額が生じていると、こういうことでございます。
#66
○浅尾慶一郎君 責任認めないんですかと言うと、いろいろ答えられないので、違う角度から聞きますが、これ最終的に千五百億円ぐらい今残っているわけでありますが、日銀総裁としてはこれどうやって返していただこうというふうに思っておられるんですか。投資者保護基金と財政の出動、合わせ技によって返していただきたいというふうに思っておられるのかどうか、その点について伺いたいと思います。
#67
○参考人(速水優君) 私どもとしては、今の現状で、今後のことも十分考えて、必要な引当金を積んで、千四百六十四億ですか、積んではおるわけでございますけれども、今後の裁判の方向等を見た上で手段は考えていかなきゃいけないかもしれませんが、先ほども申し上げましたように、最初に三塚大臣が非常にはっきりと言われたこと、そしてまたその後も国会の答弁において、私もそのとき席におりましたけれども、宮澤大臣等が、これは私どもで保証をしてお返しすべきものだと思っているということをおっしゃってくださっております。そういうことを考えて、私どもとしては成り行きは慎重にウオッチしてまいりますけれども、私どものところには返ってくるべきものだというふうに考えております。
#68
○浅尾慶一郎君 返ってくるべきものというのはそのとおりだと思いますが、だれが返されるんですかというのが質問で、投資者保護基金とそれから財政からの穴埋めという理解でよろしいですか。
#69
○参考人(速水優君) 具体的な方法について現時点で予断を持っているわけでございませんが、いずれにしましても、今後の破産手続の進展を踏まえながら、最終的には大蔵大臣談話の趣旨に沿って適切な対応が図られるように、引き続き関係者と十分に協議してまいりたいというふうに考えております。
#70
○浅尾慶一郎君 千五百億円、千四百六十四億円というのは、多分千五百億円マイナス現段階で残っている帰属先の不明の債権ということなんだと思いますが、約千五百億円の穴が空いていると。それは大蔵大臣が、当時の三塚大蔵大臣ですか、そして宮澤大蔵大臣も過去の委員会答弁において、今おっしゃったように、大蔵大臣に責任があると、私はそういうふうに考えていますというふうに答弁を、一九九九年の七月六日の衆議院の大蔵委員会ですか、御答弁をされておられるわけですから、それを基にして、日銀総裁としてはそれに期待をしているということなんですが、責任があるということと、したがって財政が出てくるということとは御案内のとおり違うんだと思いますが、日銀総裁はそういうふうに期待をされておるというふうに御答弁されたわけでありますが、その点について、まず財務省としてはどういうふうに考えておられますか。
#71
○副大臣(尾辻秀久君) 日銀総裁からもお答え申し上げてございますように、この問題、まだ今後の進展がございますので、これを見極めざるを得ない。したがいまして、今日この時点で確たることを申し上げられる段階でないことを御理解いただきたいと存じます。
#72
○浅尾慶一郎君 じゃ、伺いますが、今後の進展というのは、千五百億円の特融が残っていて、あと破産財団に残っている資産というのは総額は決まっているわけですから、そうすると、どういう進展があるんですか。
#73
○副大臣(尾辻秀久君) 今仰せのようなことも含めて、いろいろまだ確定したわけでないのでと、こういうことだと御理解いただきたいと存じます。
#74
○浅尾慶一郎君 残っている資産が突然増えて全額返るというふうに理解されておるということですか。
#75
○副大臣(尾辻秀久君) 先ほど来先生がお述べになっておられる数字は当然私どもも承知をいたしておりますので、お話しの数字はもうそのとおりでございますけれども、しかしまた同時に、申し上げておりますように確定しておるわけでございませんので、今ここで確たることを申し上げるわけにいかないということをどうぞ御理解いただきたいと存じます。
#76
○浅尾慶一郎君 一部に、投資者保護基金というものを使ってこの千五百億円を返そうと。投資者保護基金というのは、御案内のとおり、まずこの性格を伺ってまいりたいと思いますが、証券会社が預かっているいろんな資産、ありますね、株券とか債権。これが分別管理が本来されていなければいけないんですが、されてないで流用されてしまって投資者に迷惑を掛けてしまった場合に、その投資者保護基金でもって、その損失があった証券会社、迷惑、分別管理がなく流用されて迷惑を掛けられてしまった投資者を保護するためという理解でよろしいですか。その存在がそういうためにあるという理解でよろしいですか。
#77
○副大臣(村田吉隆君) 先生おっしゃる面、一つございます。
 証取法の七十九条の二十一の規定がございまして、その目的としては、「一般顧客に対する支払その他の業務を行うことにより投資者の保護を図り、もつて証券取引に対する信頼性を維持することを目的とする。」という、そういう規定がございまして、今先生が御指摘なさったように、保護預かり、タイムラグによって現金とかそういう保護預かりの証券について毀損の状態が生じたときに発動するというそういうことと、それから七十九条の五十九という規定がございまして、その規定によりまして、「顧客資産の返還に係る債務の迅速な履行に必要」とあり、そういうケースにおきましても発動できると、こういう規定がございます。
#78
○浅尾慶一郎君 先ほど、いろいろな検査をした結果、簿外の債務が多分山一証券としては債務超過になった最大の理由でありまして、預かり資産を流用していたというようなことが理由ではないと思いますが、その点の確認、そういう理解でよろしいでしょうか。
#79
○副大臣(村田吉隆君) 債務超過になった分につきまして、保護基金としては、金融システム改革法の附則四十三条に基づきまして、その基金の発足前に行われた貸付けのうち、投資者の保護に資すると認められるものを当該貸付けを行った者から譲り受けることができるという規定が附則にありまして、本件の場合には、保護基金の発足前のケースでございますから、この附則の規定に基づいて、従前行われた貸付けについて譲り受けることができるということで、それに基づいて保護を行うかどうかということが発動されると、こういうことになるのではないかと思います。
#80
○浅尾慶一郎君 その点はよく分かっておるんですが、私が伺っておるのは、そもそもその投資者保護基金の目的というのは、証券会社というのはいろんな方から、債券や株券の売買をやってそれを保護預かりをされると、それを目的外に流用したときに、それで破綻してしまったら困るから作られたわけでありまして、山一の場合は、いわゆる自己勘定で行っていたいろんなものを簿外債務として持っていたということですから、そのそもそもの対象として違うんではないかということを伺っておるわけであります。
#81
○副大臣(村田吉隆君) したがいまして、私が申し上げたように、山一のケースにおきましては、この金融システム改革法の附則の規定がございまして、そういう意味でそれを引き受けてやるんだと、こういう立法がなされているということだと私は解釈しております。
#82
○浅尾慶一郎君 それではもう少しその点について詳しく伺っていきますが、その附則の中では、内閣総理大臣及び財務大臣は、認可基金に対し、前項の規定による債権の譲受けを行うことを要請することができると書いてありまして、要請したことに対して、それを総会で議決をするわけですが、議決をして否決されてもこれはしようがないという理解でよろしいわけですね。
#83
○副大臣(村田吉隆君) 御指摘のとおりだと思います。
#84
○浅尾慶一郎君 ちょっと、もう少し分かりやすい聞き方をいたしますと、山一証券の場合は、自主廃業が決まった後、しかし債務超過ではないと当時の大蔵省が発表をしました。自主廃業を発表された後、これは転換社債、山一証券が出した転換社債というのが市中で流通していましたが、大変暴落をいたしまして、最安値は幾らぐらいになっておりましたか。
#85
○副大臣(村田吉隆君) 何本か転換社債が出されているわけでございますけれども、一番低いものにつきまして、山一証券の第八回転換社債でございますが、平成九年十一月十九日時点において五十一円四十銭と、こういう値が、最安値が付いております。
#86
○浅尾慶一郎君 そうした転換社債を一部の投資家の方は、もう政府が債務超過でないと言っているんだから、五十円でも幾らでもいいですけれども、買われて、当然繰上償還の百円で返してもらっていると。莫大な利益を上げている人も、これは資本主義の社会ですから当然ですけれども、上げられたわけであります。その一方で、結果として債務超過だったということで、先ほど来だれが返すのか分かりませんが、日銀が負担しても、財政出動になったとしても、千五百億円近い穴が生まれてしまったわけでありまして、それを埋めなきゃいけないわけでありますが、そうしたことについて、これは仕方がないことなんですが、ですから、先ほど来、責任はどうなんですかということを申し上げたのは、本当は債務超過であればその転換社債はゼロ円になるはずなんですが、五十円で買って百円で繰上償還してもらっているということについてどのような感想をお持ちかということを担当の柳澤大臣に伺えればと思います。
#87
○国務大臣(柳澤伯夫君) 山一の自主廃業ということで、ずっと廃業のための資産の処分等を行った段階で、ある段階で債務超過ということで破産の申立てをしたわけですけれども、今から考えると、何と申しますか、事態の把握というものをより的確にすべき方法はなかったかという思いも、これはいつも結果から見るとそういうことというのはあるわけですけれども、しかし、そういうことで何がしかの資産が最終的な処分をした段階でも残ると、こういうことを念頭に置いて、それぞれのケースについて法律の定めるところによって処理をしていったということでございまして、これはもう極めて残念な、遺憾なことでありますけれども、やむを得ないことだったのではないかと、こう私の立場から言わざるを得ないということでございます。
#88
○浅尾慶一郎君 私が申し上げたいのは、結果から見れば確かにそういうことなんだからやむを得ないんだという言い方もあろうかと思いますが、千五百億円というのは結構かなり大きな金額でありますから、そこはやはり責任を明確にしていかないと同じ過ちを起こすんではないかなということを申し上げたいわけであります。
 その結果という言葉がありましたが、それでは、先を見据えた場合に、冒頭申し上げましたように、仮に、現段階である金融機関がその流動性が足りなくなったと、したがって日銀が特融を出しましたと、出した後、債務超過で破綻しましたという場合、日銀特融に当然穴が空くような事態になるわけでありますが、その場合の責任はどなたが取られるんでしょうか。
 まず、日銀総裁に伺います。
#89
○参考人(速水優君) 私ども、今、特融、レンダー・オブ・ラスト・リゾートとしてどこの中央銀行もやっていることなんでしょうが、これを貸すにつきましては四つの原則を作っております。
 一つは、システミックリスクのおそれがあるとき。そして二つ目は、ほかに方法がない、これしかないと、それこそラストリゾートなんだということを確認すること。それから三つ目は、そういうことをやって貸出し先にモラルハザードを起こすようなことにならないように、それを防ぐ必要があるということ。そして最後、これが一番大事だと思うんですけれども、日銀の財務の健全性という立場からいって、債務超過のところへはやはり分かっていれば貸せないと思っております。
 そういうことをよく審議、決定会合で政府からの御依頼があったときにもよく検討して決めていきたいというふうに思っております。
#90
○浅尾慶一郎君 債務超過であれば、分かっていれば貸さないというのはそのとおりなんですが、先ほど、山一の場合も、当初は分からなかったわけです、結果として債務超過になってしまった。
 今、先ほどのペイオフ部分解禁ということになった状況において、仮に、金融機関に対して特融を実施するとまた穴が空くということもあるわけでありますから、その場合の責任は日銀が今後は負うという理解でいいのかどうか、その点を端的に伺いたいと思います。
#91
○参考人(速水優君) 特融の依頼は、政府の方から依頼が来て、それを私どもが検討しておこたえすることにし、お貸しすることにしておるわけでございまして、それぞれの情勢が変わってくると思いますが、基本的には、私どもとしては今申し上げた四つのことをよく考えて、これは新しい日銀法の下でこういうことを私どもの中で決めたわけでございまして、よく検討をして、私どもの資産の健全性というようなことも十分考えて決めてまいりたいというふうに思っております。
#92
○浅尾慶一郎君 余りお答えいただけないんで、次の質問に移ります。
 金融機関の財務の健全性ということを考えた場合に、現在、繰延税金資産というものがバランスシート上認められておるわけでありますが、そもそもその税効果というものが出てくるのは、金融機関が間接償却をしようとしたものについて国税庁がそれは税金として損金扱いとして認めないということが原因だというふうに思いますが、まず金融庁としては、本来金融機関が金融庁のガイドラインに従って間接償却をするという場合には国税に対して無税償却を認めるように要請をしたらいいのではないかなと、そうすれば繰延税金資産というものは出てこないと思いますが、その点についてどう思われますか。
#93
○国務大臣(柳澤伯夫君) 繰延税金資産が生ずるというのは、基本的には今委員が仰せられたとおり、税務の会計と銀行の会計、これは一般的には企業会計ですけれども、それのそごが起こってくると、これはもう、起こってくるわけですが、この中には、そのそごが永久的に起こって全然これ将来修正されないというものはこれはもうあきらめるわけですけれども、例えば交際費なんというのはもう永久的に起こっちゃうわけですけれども、そうでないものについてはこれは一時的な差異であると、一時的なそごであるということで、それぞれ適切な税務の処理と企業会計の処理との調整を企業会計の方でやらざるを得ないと、こういうことでございます。
 その非常に大きな部分が、今御指摘のように貸出しの引き当てについてそれを損金に認めてくれないというところから起こっているということは御指摘のとおりでございまして、これが非常にジェネラスに認められてくれたらこういうことは大きな部分が生じないで済むということは御指摘のとおりでございます。
#94
○浅尾慶一郎君 私の質問は、金融庁としてあるいは金融担当大臣として、財務当局、税務当局にそういうそごが生じないように要請したらどうですかという質問なんですが。
#95
○国務大臣(柳澤伯夫君) 正に私もそうした考え方を持っておりますが、現段階というか現在の状況において、要請はするということはこれはただですけれども、自由でございますけれども、しかし、要請する以上やっぱりある程度の実現可能性というものもどうしても税制改正要望のときは考えますので、そうすると優先順位からいって、もちろん緊要性ということもありますが、実現可能性ということも考えながら税制改正要綱を作る関係で、気持ちとしては浅尾委員と負けず劣らずの気持ちを持っているわけですけれども、現実の税制改正要望ということになると、やっぱりもうちょっと優先して実現したいものがこれまでにもあったし当面あると、こういう状況にございます。
#96
○浅尾慶一郎君 何でこういうことを申し上げるかというと、金融庁あるいは柳澤大臣はオフバランス化を推進しようと言っておられるわけです。オフバランス化すればこれは税の問題は解決するということなんですが、オフバランス化をするということは、場合によっては企業をつぶすということにもつながるわけでありまして、必ずしもつぶす必要もない企業、十分な引き当てを積んでおいて、時間の経過とともに再生ができるということであれば、オンバランスで十分な引き当てを積んだ方がいいということもあるわけでありますから、それは税金が取れなくなるから要請するべきではないという観点よりかは、もう少し広いマクロ経済的な意味で重要性があるんではないかなというふうに思ってこういうふうに申し上げておるわけでありますけれども、オンバランスとオフバランス、あるいは間接償却と直接償却において、直接償却の方がいいんだという理由は何かほかにありますか。
#97
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは常識論でございますけれども、一つは、率直に言って世の中の人というのは不良債権の残高のことにやはり着目しておられるという現実がございます。
 今回も、特別検査の結果、不良債権の残高が増えました。しかし、特別検査の結果ということになれば、もう通常以上にこれは十分な引き当てが行われるということが片っ方で行われているわけですが、それにもかかわらず、そういうふうにはお取りにならなくて、いや、やっぱり不良債権の残高が増えて、こんなに不良債権の処理に七兆七千億も使いながら不良債権が増えちゃった、これはどういうわけだと。
 これは一般の人たちの認識というのはそういうことなんでございまして、本当に何ともかんとも、私はもう本当にどうして分かってくれないかということで切歯扼腕することが多いわけでございます。そういうことが実際問題としてございます、現実にはございます。
 それからもう一つは、もうちょっと実質的な話で、やっぱりこれをいつの段階で債務者企業との間で話をして、そこの間の何というか、不良化した部分の事業というものの立て直しをしていくか、あるいはそこをあきらめて別途の元気なところを伸ばしていくような、そういう体制にしていくかということがもう一つあろうと、こういうように思います。
 私どもはまた、そういうふうにした方が実は金融仲介機能も働きやすくなるし、また率直に言って収益も上がってくると。こういう銀行経営の立場からいってもその方がメリットが大きいと、こういうように考えておりまして、できるだけ債務者企業と話し合ってその立て直しを図っていく。ただ銀行内の会計処理だけでひっそりと手当てをしておく、こういうことでないようにした方が我々にとってもメリットがあると、このように考えているということであります。
#98
○浅尾慶一郎君 今日は、経済にお詳しい竹中経済財政担当大臣もお越しですので、ちょっとこれ質問通告していないんですが、金融不良債権とか金融の問題について、諸外国の例とか考えた場合に、その一番の問題は、銀行が不良債権に対して十分な手当てをしていないんじゃないかという不安が一番の問題ではないかなというふうに思うわけでありますので、その点について間接的な引き当てでも、むしろその諸外国の例をお話しいただきたいんですが、まず間接的な引き当てを全部積み終えて、その後それを証券化して売るなりなんなりというのが一般的な例ではないかと思いますが、その点について経済学者として何か御意見いただければと思います。
#99
○国務大臣(竹中平蔵君) 久しぶりに経済学者として話す機会を与えていただいたような気がいたしますが、基本的にはまず間接償却をしっかりと行って、引き当てを行って、それによって資産査定をするというのが、もうおっしゃるとおり、私も原則だと思います。
 ただし、二点、それでも更に付け加えるべきことがありまして、一つは、そこで引き当てで行ったことはこれまだマーケットでは決済されていないわけですから、それが更に変わる可能性があるという意味で、またリスクが含んでいますねということなんだと思います。オフバランス化するという意味は、ある意味で決済されるということでありますから、そこで確定する、その問題がある。
 もう一つは、今正に柳澤大臣がおっしゃったことで、決済して返ってきたものを更に有効な貸付運用を行うことによって収益を高める。これは同時に、資産の有効利用という意味で社会的にも意味のあることである。この点では間接償却が勝る点があるということも事実であろうかと思います。
#100
○浅尾慶一郎君 時間が参りましたので終わりますけれども、間接償却の意味というのはかなりあると思いますので、是非、税務との整合性を取っていただきますように御要請したいと思います。
#101
○委員長(久世公堯君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ─────・─────
   午後一時三分開会
#102
○委員長(久世公堯君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を再開いたします。
 金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#103
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。
 先般、報告いただいたものによりますと、昨年度下半期で信金、信組の数多くの破綻が処理されているという結果だったと思います。明年のペイオフ解禁を控えて、例えば預金シフトが起きているかどうかなど、信金、信組の経営基盤を弱めるような現象が現実に起きているのかどうか、この点についての御認識をまず伺いたいと思います。
#104
○国務大臣(柳澤伯夫君) 昨年度の下半期とほぼ期間を同じくする期間における破綻金融機関の処理に関する状況の報告をさせていただきました。
 それによりますと、昨年度下半期は、今委員御指摘のように、率直に言ってかなりの数の信金、信組を始めとして、地銀、第二地銀ですか、そういったものについても管理を命ずる処分、つまり破綻認定をせざるを得ないという状況に立ち至っております。誠にこのこと自体は遺憾でございますけれども、いずれにせよ、これらの経営者にも元々経営の継続を模索をしてもらったわけですけれども、それが不可能であるということで、破綻の申出が行われたという経緯でございました。
 そのことと預金の動向とはどういう関係にあるだろうかというようなことかとも思うんですが、私どもとしては、そのことは必ずしも密接な関連があるとは思っておりません。そういうことではなくて、今先生、もう一方で御指摘になられたように、いわゆるペイオフの凍結の解除をしたというような客観情勢の変化を念頭に置かれて、正しい知識によって自らの預金をどういうふうに配分した方がいいかということをお考えになられたその結果が若干の預金の変動に現れていると、このように認識しております。
 大ざっぱに言いますと、定期預金から流動性預金への変化が非常に、総じて大きい、ちょっと非常にというのは訂正しますが、大きいということでございまして、これは例えば都市銀行のようなところで一番比率としては高いというようなことが実際はございます。
 それと同時に、預金の総額において、地域の金融機関において若干の減少が最近においても見られておりますが、どんどん深まっていくということではなくて、むしろ横ばいというか、場合によっては若干微減するというようなことでありまして、これらの預金動向、少なくとも現在段階のところを見る限り、今委員がおっしゃられたように、経営基盤を弱めるというような状況には立ち至っているというふうには全くこれ認識いたしておりません。
#105
○山口那津男君 明年のペイオフを凍結すべきであるという主張が時折見られるわけでありますが、こういう主張が出てくる背景として、政治的思惑絡みのものは別にしまして、金融業務の実態を見てそういう主張が出てくるかどうか、この点の背景についてどうお考えになっていらっしゃるか。
 そして、今後の金融業務の動向によって来年のペイオフを延期するとかあるいは凍結するとか、そういう可能性が全く排除されない、断固実行するということなのか、それともそういう可能性は排除されない、動向次第である、こういう御認識なのか、その辺も含めて御答弁いただきたいと思います。
#106
○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに最近、特に政党幹部の方々が多うございますけれども、来年のペイオフの完全実施と申しましょうか、そういうものを延期したらどうだろうかというような御意見が出されているということは私どもも承知をいたしております。ただ、その意味合いがどういうところから発しておるかということについては、私ども、どうもちょっとまだ正確な認識を持ち得ているというふうには申せない段階でございます。
 元々が、ペイオフの凍結というのは預金者の保護ということであったわけなんですけれども、どうもちょっと最近の御議論というのは、預金者の保護ということなんだろうかと、論拠が。そういうようなことが若干いぶかしいところもありまして、私どもちょっとよく分からないなということも、実は戸惑っていると言っては少し大げさかもしれませんが、もうちょっと整理をして考えてみなきゃいけないなというふうに考えております。
 そういう中で、金融当局としての判断というか、今先生のお尋ねのところは決意のようにも聞きましたが、我々は決意とかということじゃなくてやっぱり判断だろうと思っておりますが、我々、判断においては現在段階のところ、預金の動向について先ほど申したような現状認識に立っておりますので、それとまたペイオフの凍結解禁というものの政策的な意味合いからいって、今これを変更しなければならない状況には全くないと、このように考えております。
#107
○山口那津男君 最近、アメリカでワールドコムあるいはエンロン等の破綻が起きまして、これの粉飾決算の疑い等、事件化している部分もあるわけですね。これにかかわった監査法人等が、知っていて粉飾をしたとすればこれは犯罪でありますけれども、知らずにそういうことを見逃していたとすれば、これはもう監査の意味がなくなるわけですね。いずれにしても、この監査制度、システムに対する信頼性というのは今大きく揺らいでいるだろうと思います。
 また一方で、我が国におきましても、昨日、公認会計士協会が言わば実務のレビューをした結果を公表したわけですが、調査対象の九割近くが何らかの問題点を抱えている、つまり協会で示した実務指針を文字どおり実行していないと、こういう結果が出ているわけですね。こうしたことはゆゆしいことだと私は懸念をいたしております。
 そこで、この企業の破綻を防ぐためには、やはり監査のところで破綻に結び付くような情報、懸念情報というものを開示させるということも検討すべき課題の一つだと思います。
 そういう観点から、例えば破綻懸念情報として、巨額の損害賠償請求訴訟を起こされているとか、あるいは社債の償還資金の手当てが付かないとか、あるいは銀行からの新規融資を拒否されたとか、主要な取引先を失ったとか、あるいは重要な人材が流出した、これら大きな情報の開示を公認会計士協会の実務指針を改訂して義務付けるという考え方についてどのように思われるでしょうか。
#108
○副大臣(村田吉隆君) 今、委員が御指摘の破綻懸念に関します情報について、どういう状況になっているかといいますと、本年一月に企業会計審議会が取りまとめました監査基準の改訂に関する意見書におきまして、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象や状況が存在する場合には、企業が財務諸表において一定の開示を行うということが提言されたわけであります。
 その意見書では、これは開示を行うべき事象や状況について、売上げの著しい減少、債務超過、重要な債務の不履行、新たな資金調達が困難な状況、重要な取引先の喪失、事業の継続に不可欠な重要な資産の毀損といった、今先生も御指摘なさいましたが、そういった事項が指摘されているわけであります。
 これを受けまして、日本公認会計士協会で監査上の取扱い及び開示事項の細目や注記の文案等についての実務上の指針の検討が進められていると、こういうことでございます。
 実務指針でございますが、今の状況はどうかというと、六月十九日までにコメントが求められまして、それを集めたところで更に今検討が続けられていると、こういう状況にあります。
#109
○山口那津男君 今、御指摘いただいた公認会計士協会の実務指針というのはあくまで協会の自主的なルールでありまして、これを法律で何らかの義務付けや罰則を付けるということでないと思います。仮にこういうルールを新しく作り上げたとしましても、会計監査人の立場である公認会計士は、こういう拘束を受けたとしても、そこで破綻懸念情報が開示される状況に至れば、一方で、法律的に義務を課せられた監査人の立場でその情報を基にして業務監査をしなければならない、これには制裁もあると、こう思います。
 こういう監査人の立場で業務監査するに当たって、その破綻懸念情報を基にどういうことを監査するか、具体的にどうすべきなのか、この点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#110
○副大臣(村田吉隆君) この監査基準、改訂された監査基準によりますと、第一に、継続企業の前提に関する開示を行う者は経営者自体と、こういう形にありまして、公認会計士は、その継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象や状況が存在する場合に、適正な開示が行われているかどうかについて監査を行うと、こういうこととされているわけであります。
 具体的には、当該事象とか状況の内容、経営計画の合理性、注記の真実性などには適切な開示がなされているかどうかについての検討を行いまして、開示が適切に行われている場合には監査報告書にその情報を追記する、それから継続企業の前提が成立していない場合には不適正意見を表明する、こういうこととされているわけでありまして、ただいま申しました具体的な監査手続については、今なお公認会計士協会において、先ほど申し上げましたように詰められていると、こういう状況にあるわけであります。
#111
○山口那津男君 公認会計士、会計の専門家としての監査をする立場と、またそういう業務の執行の適正を監査する業務監査の立場とはやっぱり地位が違う、立場が違うと思うんですね。ですから、公認会計士協会で何か議論して指針を作ったら、それで監査人として、法律上の監査人としての義務がすべて特定されるということではないのではないかと私は思うんです。
 ですから、もっとこの形式的な監査のやり方を脱していかないと私は破綻を防ぐことはできないと。むしろこの監査する側の権限というものをもうちょっと強めないと、実質的な監査を行って株主の利益あるいは債権者の利益等を守るということはできないのではないかと、こう心配をいたしております。
 そこで、その取締役あるいは執行役員等、そちらの役員が破綻につながる重要な情報を隠している、明らかにしないという疑いを持った場合には、それに対抗する権限あるいは監査人の側が免責される権限、そういう手段として、監査を拒否する、こういう拒否権のようなものを考えたらどうかと、こうも思うわけでありますが、その点についてはいかがですか。
#112
○副大臣(村田吉隆君) 今言われたように、経営者がそういう実態を隠匿しておった、監査の実施に必要な資料が提示されなかったと、こういう場合には、現状の監査基準でも同じでございますが、監査意見を表明するための十分な合理的な基礎を得るに至らなかったと、こういうことでございまして、そのときには意見の表明はしてはならない、こういうふうにされておりまして、そういう意味で十分な対抗ができるのではないか、これは現在の監査基準でも同じ規定になっていると、こういうことであります。
#113
○山口那津男君 私は、十分な対抗ができるかどうか、極めて疑わしいと思っております。それが実際に現実に行われていたとすればアメリカでそんな大きな破綻事件なんか起きないはずでありますし、またやっぱり監査法人といえども企業側と契約をして言わば依存しているという関係もありますし、また監査人であれば、これはもう会社の組織の一部ということにもなっているわけで、独立性が必ずしも強くない、こういう制約の下での今お述べになったような手段でありますから、対抗手段として十分だということにはならないんではないかと、こう思います。
 それはともかくとして、こういう議論についてもっと監査制度の実質を高めるための工夫というものを御議論いただきたい、検討いただきたいと思います。
 次にお伺いいたしますが、昨年、売り掛け債権担保融資保証制度というのを作りました。年度明けて実施状況を見ていたわけでありますが、当初なかなかこれが利用されなかった、利用状況が進まなかったという実態だったわけですね。
 そこで、いろいろ調査をしまして、その利用が促進されるために、例えば手続を簡素化するとか、あるいは中央、地方の行政主体が調達する場合に債権譲渡禁止特約が付いていたわけですが、これを部分解除するということを我々は強く求めました。その結果、運用が改善され、また利用の状況が変わってきたと思うんですが、その実態、状況について、まず中小企業庁さんにお伺いしたいと思います。
#114
○政府参考人(小脇一朗君) お答えを申し上げます。
 私ども、売り掛け債権担保融資保証制度の利用を促進するために、これまで普及広報活動あるいは債権譲渡禁止特約の解除等々に積極的に取り組むとともに、今先生御指摘の制度改善に努めてまいりました。例えば、具体的には、中小企業者と売り掛け先との継続取引要件、これを三年を一年に短縮する等々、改善に努めてきたわけでございまして、去る四月二十二日より実施をいたしたところでございます。
 こうした取組の結果、本保証制度の保証承諾実績の累計でございますけれども、四月末の二百六十一件、七十億円から、五月末には三百九十九件、百八億円、六月末には一千十七件、二百十二億円と増加してきているところでございます。
 私ども中小企業庁といたしましては、こうした最近の増加傾向を今後とも維持強化をするために引き続き本制度の利用促進に全力を挙げてまいりたい、このように考えております。
#115
○山口那津男君 不動産担保融資が主流であった我が国において、こういう債権を担保にする、特に売り掛け債権を担保にする融資制度が進むということは、また新たな道を開くことになって好ましいことだと私は思います。ただ、まだまだ利用の仕方に対する様々な懸念や障害がありまして、乗り越えるべき課題はあろうかと思いますが、ただ、今御報告にもあったように、ここに来て急に実績が伸びていると、こういう利用状況だと受け止めました。
 そこで、柳澤大臣にお伺いしますが、この制度の利用状況の変化を見てどのように評価されているか、また今後こういう制度が日本の金融に果たす役割についてどのようなことを期待されているか、この点についてお考えをお述べいただきたいと思います。
#116
○国務大臣(柳澤伯夫君) いろいろと中小企業の金融を疎通させるために、特に、従来、もう絶対的なものだと、人によっては本位制だなどと言われた土地、不動産の担保価値が変動するというようなことの中で、それとは別のもう少ししっかりした担保、金融の疎通の基礎になる担保はないかというような探求の中で売掛金債権というものを見付け出されまして、これを制度化してくださった。これ、大変有り難いことでございまして、殊に、当初はやっぱり慣れないというか、というようなこともあるし、制度上の制約もあったわけですが、それがおいおい改善されて、最近かなり急速にこれが活用されるようになったということは、私どもとしてもこれを積極的に評価しているというのが実情でございます。
 何と申しますか、いずれにしても、債権がそういうことである種の流動性を持つというようなことというのは、これから先の金融を考えるときに、またもうちょっと違う局面でも非常に、何というか、示唆的なというか、ほかのいろいろな債権の流動化のきっかけになるかもしれないというような側面も私持っているだろうと思いまして、そういうことで、従来のように一回債権債務の関係ができたら死ぬまでこれをずっと持ち続けるというようなことでない関係ができてくるというのは、金融システム全体の中でも積極的に評価できることではないかと、このようにも考えております。
#117
○山口那津男君 これまで我が国では証券取引法などで銀行と証券の業務が分離をされてきたわけでありますけれども、最近、大臣の諮問機関といいますか私的懇話会、日本型金融システムと行政の将来ビジョン懇話会というところで報告書がまとめられることになったと伺っております。その中で、日本の行政が証券化商品の発展の障害となってきたと。
 今、債権が金融手段となるということを好ましいという御評価もありました。その意味で、行政がそういう商品の発達を妨げてきたんだと、こういう認識が示されているわけですね。この点について大臣の評価をお伺いしたいと思います。
#118
○国務大臣(柳澤伯夫君) 何と申しますか、証券化という言葉と流動化という言葉が二つあるということを先生方、学者の先生方に指摘を受けました。それは何かというと、債権を証券化するというのは、証券取引法上の証券に変化させ転換していくということをもって証券化と言うと。で、証券取引法上の証券でない証券と言うのかどうか、そういうような場合には流動化とこれを言うというようなことがやっぱり学問の世界でもあるというような指摘も受けまして、それはなぜそうなのかというと、結局、銀証分離ということを非常に強くする考え方の中で、有価証券取引法上に乗る証券かそうではないかということを非常に厳格に考えていくということが、そういう考え方が出てくる背景にあるということでございます。
 しかし、債権の、何というか、債権を分割して、そしてまた違う方に持ってもらうというときに、転々流通をするか転々流通しないかというのを最初から決めてカテゴリカリーにそこを区別していくというようなことになると、やっぱりなかなか、そこのところを最初じっと考えてしまって、そういった発想が柔軟にできないというようなことにもなるんじゃないかと、こんな御指摘もあったかと思うわけでございます。
 そういうことの中で、我々としては、そこは余り厳格に考えると、債権の広い意味での流動化ですから、もう私自身の言葉遣いも困ってしまうんですけれども、そういうようなものというものがもうちょっと盛んに行われるというようなことが非常に大事だというふうに考えるときに、やはり翻って、銀証の分離というようなものについて、必要なファイアウオールというものは考えるにしても、もう少し柔軟に考えていくという考え方があっていいんじゃないかと。こういうようなことが、実はまだ途中でしょうけれども、議論されていると、こういう状況でございます。
#119
○山口那津男君 そうした議論を受けて、具体的に銀行の店舗において銀証の分離厳格化、これを若干緩和していこうと、こういう具体的な措置を取るお考えがありますでしょうか。その場合に、どの辺が限界になるというふうにお考えでしょうか。具体論でちょっとお述べいただきたいと思います。
#120
○国務大臣(柳澤伯夫君) 実は、ここは非常に、何と申しますか、我々のビジョン懇でも、最終の議論の段階においても、これのプレゼンテーションのいかんによっては非常に大きく世論に混乱を巻き起こすおそれがあるぞと。だから、そういうことのないようにしなきゃいけないというようなこともあって、まだその表現等については工夫をしている段階かというふうに思います。
 要するに、金融というものの流れをどういうふうにするかということで、金融商品のプロデューサー、製造業者とディストリビューターというものを分けて、金融というものの機能をもっと分化していく、分けていくと、そして専門化していくということが必要なんだということを、ひとつ業態から機能へという言葉でもってとらえているという側面があるんです。
 それからもう一つは、消費者に対して金融商品をできればワンストップサービスでやるというものも、そういうディストリビューターもいてもいいですねというような話もあるんですね。
 ところが、そういうことを言うと、ああ、これはもう金融というのは機能分化させておいて、全部商品を並べる総合金融機関というものを考えているんじゃないかといって若干早合点をして報道に流れたりして、そんなこと考えているのかといってすぐ反響があったりいたしましたが、必ずしもそうではなくて、機能分化というのは、機能分化するんだけれども、それはワンストップサービスでいろんなものを商品を並べる、一つの店舗でそういうものが並べるようなところもあっていいし、また専門的で、私のところのお店はこれしか扱いませんからねというようなところがあってもちっとも構わないというようなこともありました。
 それから、今言ったことは全部、何というか市場型金融の分野でございまして、もう一つは、従来型の産業金融型の分野も十分これからも成り立っていくんだということで、総体の絵としては複線型の金融システムということを言っているわけでございます。
 いろいろ言うとすぐ誤解が起こってすぐ反応が起こりますので、私も聞かれないことまでちょっとお話を申し上げたわけですが、誤解のないようにちょっとしていただきたいということです。
 それから、今の御質問にその上でお答えするわけですけれども、どういうことを具体的に考えているかということでございますが、それはもう機能分化をしていったりしたらいろんなことが考えられるわけですが、そのことについて、私どもは今ここで具体的にこうですよというようなことはむしろ言わないがいい。つまり、ビジネスモデルというのはそれぞれの金融機関が自主的に考えるからこそビジネスモデルであって、何か役所が画一的に、こういうビジネスモデルがありまして、そのいずれかにあなた方は属してくださいなんということは言ってはいけないことだということなのであります。
 さはさりながら、しかし、じゃ銀行と証券との関係で今どうなのかというと、例えば、山口委員、今ちょっと恐らく御念頭にあられるかと思うんですが、今の法制の下でも銀行で証券の仲介をすることは許されているんですね。許されております。こういうものがありますよというようなことを言って仲介することは許されているんですが、それが何となしに銀証分離の中で、慣例といっては若干何か我々の方にそういう規制があるのかとも思いますけれども、そういう法律上許されていることまで全くやっていないというようなこともありまして、その辺は少し、もうちょっとこれから機能分化した、専門化した、あるいはワンストップサービスの金融機関というようなものを考えたときに、その言わばはしりとして、そういう今現行の制度の下でも許されることは、さしずめその可能性を探求したらどうかというようなことを考えているといえば考えているわけでございます。
#121
○山口那津男君 最後に、同様の銀行の役割、預金に偏っていた業務というものが証券との境目を緩めると、こういう指摘があるわけですけれども、同時に、郵便貯金によって集められた資金が政府系金融機関を通じて出ていると、こういう部分も銀行に対する批判と同様にこの懇話会の報告書では指摘をされている部分があるわけですね。この点についてのお考えを一言いただきたいと思います。
#122
○国務大臣(柳澤伯夫君) お考えと言われて初めてはっと気が付いたんですが、私の考えではないわけです。私は問題提起はいろいろさせていただきましたが、考えは懇話会の先生方の考え方ということで御理解をいただきたいんですけれども。
 郵政事業、あるいはそれの一環としての政府系金融機関についてはなかなかドラスチックなことが指摘をされておりまして、これは中期ビジョンでございますから、若干そこは先の議論、イメージあるいはビジョンということになるわけでございますが、いずれにせよ、郵政事業というものについてもう少し考え方を整理していただくということが必要なんじゃないかということでございます。
 要するにミニマムの貯蓄の機会を与えるということ、ナショナルミニマム的な貯蓄の機会を与えるということなんだろうか、あるいは、そうだとすると今の金額はどうだろうか、それから、そういう元本保証ということを国のあれで言うんだったら、その運用というのはやっぱりかなり確度の、確率の高い例えば公債というようなものに限られるべきではないかというようなこと等々が論議されたように御紹介できるかと思います。
#123
○山口那津男君 終わります。
#124
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 最初にお尋ねしたいんですけれども、七十兆円の銀行支援の枠からこれまでに投入された公的資金、借入金残高や交付国債の償還累計額、預金保険機構のそれぞれの勘定ごとに一体幾らになるのか。冒頭、三月末の数字は御報告ありましたけれども、六月末の数字でお答え願いたいと思います。
#125
○参考人(松田昇君) お答えをいたします。
 平成十四年の六月末時点における、まず借入金の残高の問題でございますが、一般勘定で三兆七千七百二十三億円でございます。特例業務勘定では三兆四千四百六十八億円でございます。金融再生勘定では五兆三千八百七十四億円でございます。金融機能早期健全化勘定では八兆二千二百四十七億円でございます。合計いたしまして、二十兆八千三百十二億円の借入金等の残高がございます。なお、この中には預保債としての三・六兆が含まれております。
 また、国債の償還の問題でございますが、十三兆の枠にあります国債の中で、十四年の六月末時点までに償還を受けましたものは九兆四千三百九十三億円ということになります。
#126
○小池晃君 借入金残高が総計で二十兆八千三百十二億、それから交付国債の償還額が九兆四千三百九十三億、合計すると三十兆二千七百五億円ということで、ついに三十兆円を超えたということになるわけであります。
 この三十兆円という数字は、これは意味のない数字ではありませんで、当初、三十兆円の公的資金枠というのがございました。私も、当時の宮澤大蔵大臣、四年前に議論させていただいたときに、宮澤大蔵大臣があれだけの額は使えないというふうに三十兆円のことをおっしゃっていた。そのことを質問したことがございます。とうとうその三十兆円を超えたと。大変な額だと思うんですね。
 このうち、一般勘定と特例業務勘定が特に増えております。これは、正に相次ぐ金融機関の破綻処理の影響です。特例業務勘定のうち、交付国債償還した額は先ほどあったように九兆四千三百九十三億円と、これはもう既に返ってこないということになるわけですね。その上、例の瑕疵担保特約によって買い戻した債権のロスもある。それから、長銀、日債銀の処理にかかわって一時国有化中に発生したロスもある。譲渡の際に買い取った株式の含み損もある。更に返ってこない額、国民負担が増えていくということも避けられないと思います。
 尾辻財務副大臣にここでちょっとお伺いしたいんですが、以前、国民福祉委員長をされていて、私も御一緒させていただきました。今、正に健保の法案の審議の真っ最中で私もありまして、三十兆円というと私には別の数字が思い浮かぶんですね。国民医療費の総額です。世界が全く違う話ではあるんですが、これだけのお金が銀行に公的資金としてつぎ込まれていると。効果があるならともかく、まるで栓を抜いたお風呂にお湯を入れているようなもので、全くどんどんどんどん減り続けている。不良債権は増え続けている。私は、もう率直に、国民の感情から見れば、これは税金の使い方が間違っているというふうな声が上がるのは当然だと思うんですね。
 財務を預かる、財政を預かる立場として、こういう歯止めなき公的資金投入をいつまでも続けていていいのかということについて、率直な御所見をお伺いしたいというふうに思います。
#127
○副大臣(尾辻秀久君) 仰せのとおりに、先生もそもそもはお医者さんでいらっしゃいますけれども、国民医療費が三十兆円という額でございます。その額に匹敵する三十兆円という額でありますから、これは極めて大きな額でございます。そのお金の使い道、これは当然慎重であらなければなりません。ただ、今先生の御指摘のように、これを無駄遣いと見るのかやむを得ざる出費と見るのか、これはいろいろ見方もあろうかと思いますので、今ここで私がそのいずれかであるとかというようなことを申し上げるのは控えさせていただきたいと思います。
 ただ、大変巨大な額である、そして私たちは税金をお預かりしている立場として、それを極めて慎重に有効に使わなきゃならない、このことだけは肝に銘じなきゃいけないということは申し上げさせていただきたいと存じます。
#128
○小池晃君 これは正に、今大臣おっしゃったように、国民の大切なお金、一円たりともこれを無駄にしてはならないということだと思うんですね。
 財務省は、預金保険機構の適正な運営の確保について共管もしているわけでありまして、そういう観点で、預金保険機構が厳格にこの問題に取り組んでいくように常に対応されているというふうに思いますけれども、その点いかがですか。
#129
○副大臣(尾辻秀久君) 私どももそのように努力をいたしておるところでございます。
 先生の御質問の趣旨が、この後また先生の御質問で更に明確になってくるだろうと思いますので、先にお答えするのがいかがかと思いますが、あえて言わせていただきますと、預金保険機構は業務方法書を作成しておりまして、これを内閣総理大臣及び財務大臣が認可しておるところでございます。そして、ここで資金援助の額につきましても最小限必要と認められる金額とする、このように定められておりますので、このことだけは私どももきっちりと見守らなきゃいけない、こういうふうに考えておるということを申し上げたいと存じます。
#130
○小池晃君 そこで、具体的な問題を伺っていきたいと思うんです。
 この間、我が党は、多くの信用組合、信用金庫が強引な検査で破綻させられたという問題を取り上げてまいりました。今、それらの地域金融機関の破綻処理が最終段階を迎えて、預金保険機構の運営委員会のたびに、これは数多くの破綻した地域金融機関の資金援助額を決定しておりますね。
 預金保険機構にお伺いしたいんですけれども、三月以降の運営委員会で議決した資金援助の件数と金額の合計、これは運営委員会ごとに、三月以降だけで結構ですが、御紹介願いたいと思います。
#131
○参考人(松田昇君) 本年三月一日以降は先生御指摘のとおりで破綻が多数発生し、かつ全額保護を全うしなきゃいけないというはざまの中で運営委員会を開いているわけでございますが、三月一日以降は五回運営委員会を開催いたしております。
 そのうち四回が資金援助案件を含む案件でございまして、決定しました資金援助案件は四十九件、金銭贈与額は一兆六千五百七十八億円、それから不良資産のRCCに対する買取り額、これが五千八百九十四億円でございました。残り一回は、資金援助の決定をした後で精査をして減額をさせている案件でございまして、これが四件で、減額額は二十億円と、こういうことになっております。
#132
○小池晃君 今、合計全部をおっしゃったんですけれども、例えば四月十七日の運営委員会、これは十九件処理して一兆二千億円を超える資金援助を議決していますね。例えば、この運営委員会というのは大体どのぐらいの時間を掛けてやられているんでしょうか。四月十七日の運営委員会、御紹介願いたいと思います。
#133
○参考人(松田昇君) このときは案件が非常に多うございましたが、審議時間と申しますか、運営委員会の開催時間は二時間余でございます。
#134
○小池晃君 十九件、一兆二千億円を超える資金援助をわずか二時間で議論をすると。そんな時間で一件ごとにきちんと報告を受けて議論をすることは到底不可能だと思うんですね。
 私、以前、佐々波委員会で、これはラインシートを見たのか見なかったのかという議論がございました。かなり大問題になったんですね。そのときに比べると、資金援助額というのは、これは債務者の切り分けあるいは引当金の積み増し、これを決めていく。こういう案件を二時間余りで十九件、一兆二千億円、一体どういう議決をされているんでしょうか。ちょっと様子を聞かせていただきたいんですけれども、破綻金融機関の債権について細かく精査されているのか、具体的にどんなふうに議論をされているのか、お伺いしたいと思います。
#135
○参考人(松田昇君) まず段取りでございますが、今までになく一番多い案件の審査でございました。
 まず、運営委員会の構成は金融実務に精通している委員によって構成をされております。まずそれが前提にございまして、会議をする事前、例えば一週間前に会議で使います説明資料あるいは各種のいろいろな原資料がつづってあります附属資料というつづりがあるんですが、それを各委員に配付をいたしまして、場合によっては説明もいたしまして、各委員におかれてはその案件を十分に事前に審査、精査されて、御理解の上で委員会に臨んでいただいております。その上で各審査案件ごとに審議を行い、議決をしている、こういうことでございます。
 預金保険機構としては、まず与信性の貸出債権の価格の設定が非常に問題になるものですから、その適性性を担保するために、まず、破綻金融機関の金融整理管財人が管財人だけの判断ではなくて監査法人の適正なチェックを受けて自己査定をして債務者区分を決めておられるということを確認いたしますし、またそうもされているわけですが、さらに、担保の評価も非常に問題になりますから、担保については、大口、大きなものにつきましては、具体的に不動産鑑定士の鑑定結果を経た上で金融整理管財人が決めておられる、その上で一定の方式にのっとった私どもの算定方式で価格を決めているわけでございますが。
 その間、必要に応じて破綻金融機関の金融整理管財人あるいは受皿機関あるいはRCC等から意見等がございましたら、適宜私どもは指導をいたしておりますし、現にそれが戻ってまいりますと、戻ってまいりますとと申しますか、手続が進みまして受皿金融機関と破綻金融機関の両方で私どもに資金援助の申請がございますと、やっぱり国民負担の最小化、費用の最小化に向けてという観点から、債務者区分、担保評価、それが適切になされているかどうか、あるいは譲渡コストが適切なのか、決算損失をされているのが適切なのか。場合によりましてはいろいろな資産調査報告書、不動産鑑定書あるいは支払伝票や見積書なども一々審査をいたしまして厳重に審査をした上で、これで間違いないというところで運営委員会に諮っている、こういう手順でございます。
#136
○小池晃君 きちんとやっているんだというふうにいろいろおっしゃいますけれども、一兆二千億円を二時間で決めると。私は、どう考えたってこの運営委員会の皆さんが一つ一つの案件、債権がどうなっているかということについて、これほど大量の処理を短期間で行われれば、重大な問題が見逃されても不思議ではないと思います。
 それから、監査法人がきちんと査定していると言いますけれども、これは全く現場の実態をわきまえない私は議論だというふうに思います。
 これは私たちは調査を続けてきていますけれども、実態はどうかというと、時間に追われて監査法人と一緒になって受皿金融機関が切り分けしているんですよ。ある例では、監査法人の職員に対して受皿の職員と管財人団がこっちはもう破綻懸念先にしろとか圧力を掛けていると。そういう場面を目撃しているという証言もあるんですね。ある受皿金融機関は、貸出金の査定を預金保険機構に任せたら、預保は極力資金援助を少なくするのが基本姿勢なので、多少無理をしても専ら自ら行うというふうに言って、持参金の増額を目的にして管財人団に受皿金融機関の職員を送り込んだ、債権の切り分けをしていたと。これは国会で指摘をされて、受皿金融機関の職員を管財人団から外したという経過もあったわけであります。
 私は、一日で十九件も、一兆二千億円も流れ作業のように議決していて、全くチェック機能が働いていないんじゃないだろうかというふうに思わざるを得ません。しかも、最小限負担、最小化でやっているとおっしゃいますけれども、その引き当てのやり方がどうなのか。これが余りにもいい加減なんじゃないかということを次にちょっと議論をしたいと思うんですが、果たして最小になっているのかということであります。
 債務者区分ごとの引当金の問題でお配りした資料をごらんいただきたいんですけれども、これは債務者区分ごとに合理的な引当金はどの程度かということで、主な銀行の例をディスクロージャー誌で調べてみました。これによれば、正常先と要注意先の債権は、これは一般引き当てということで、債権の総額に対する割合であります。要管理先、破綻懸念先は担保アンカバー分についての引き当てなんですね。これで見ると、大体都市銀行の場合に、正常先一%以下、それから要注意先は三から六%程度、要管理先が約二〇%、破綻懸念先が七〇%前後。
 これ金融庁にお伺いしたいんですが、大臣しかもうおられませんのでお伺いしたいんですけれども、このような引き当てというのは、これは金融検査マニュアルから見て問題があるんでしょうか、それとも妥当なものというふうに言っていいんでしょうか。
#137
○国務大臣(柳澤伯夫君) どういう、これはディスクロージャー誌から取られたということでございますので、私ども、この資料を私どもの手元でチェックをしていないという前提で申し上げますけれども、いずれにせよ、これは検査マニュアルに基づいてやっているものだというように承知をいたしておりますが、そこにありますように区々でございます。これは、例えば正常先とかを含む破綻先よりも上のカテゴリーに属するものについてはある種の確率でやっておりまして、貸倒れ率であるとか倒産確率に損失率を掛けたものであるとかというような、過去の実績に基づいてやっておるということでございまして、いずれにせよ、それぞれの機関がそれぞれの自己査定の方針に基づいてやっており、それを我々の方も時宜を得て検査をさせていただいている結果の数字だというふうに認識しております。
#138
○小池晃君 今、示したような引当金がマニュアルから見ても妥当なところだと。
 ところが、こういう主な金融機関の引き当て率に比べて、預金保険機構は破綻処理の中で貸出金の引き当てを算定する場合に引当金控除方式という方式を取っています。これはもう極めて簡単な引き当て率なんですね。要注意先については担保アンカバー分について一律五〇%、それから破綻懸念先以下については一〇〇%引き当てる、一律全部そうなんですね。その額を譲渡損失として金銭贈与しているということだと思うんです。
 この引当金控除方式という極めて簡略なやり方について、「金融法務事情」で預金保険機構法務統括室室長の佐々木さんという方は、要注意先債権は実質的には破綻懸念先債権に準じて処理するのが相当であると、かなり乱暴なことをおっしゃっております。その結果、これどうなるかといいますと、例えば要注意先債権で見ると、都市銀行では全債権の大体三%、高いところで六%です。それに対して引当金控除方式でいくと、仮に担保保全部分五〇%とすると、担保アンカバーの五〇%の引き当てですから二五%、そうすると、もう八倍もの大幅な引当金積み増すということになるんですね。あるいは、破綻懸念先で見るとどうか。これはもう破綻懸念先は預保は破綻先と同じだということで、もう再生あり得ないという考え方で、七〇%程度を都市銀行がやっているところを一〇〇%にした、三〇%増しの引当金付けていると。その引当金がそっくり受皿機関に金銭贈与される。
 先ほど財務副大臣も最小限でやるとおっしゃっていますけれども、私は、これは預金保険機構にお伺いしたいんですが、費用最小化原則という点から照らして、こういうラフな、大ざっぱな引き当てでやるというのは、これは最小化原則に反しているんじゃないですか。
#139
○参考人(松田昇君) 先生御指摘の引当金控除方式というのは、私ども破綻金融機関の処理をするときに作っている方式でございます。いろいろ試行錯誤した後にたどり着きまして、十年ごろから採用しているものでございますが、大数の法則に従って大体この割合でやっているのがほぼ妥当な結果を生んでいるということで、私どもは今なお引き続きその方式を採用しているわけでございますが、先生御指摘の要注意先との比較でございますけれども、これは恐らく、先生のお示しの配付資料によりますのは、債権全体に対するこれは割合でございますよね、我々の方は信用部分のアンカバー五〇%なので、ちょっと一概にすぐ比較はちょっとできない、多分、僕は重なってくる部分があるんじゃないかなと思っております。
 それから、破綻懸念先以下は、確かに御指摘のとおり、我々は担保アンカバー分の一〇〇%を引当金相当額だと、こう見ているわけでございますが、これにつきましては、一応我々としてはこういう評価をされる、ゴーイングコンサーンのときの場合とちょっと事情も違うのではないかなと、そのように思っております。
 救済金融機関にとってみますと、破綻金融機関の回収に疑義があるような要注意先、特に破綻懸念先以下につきましては、それを新たな取引先とする場合でございますので、ロスが発生しないか厳しい目で査定すると、そういう気持ちになるのは、これは一つは当然であろうと思います。
 こういう点を踏まえまして、引当金控除方式では、要注意先以下の引き当てを担保不保全分、アンカバー分五〇%、それから破懸以下は一〇〇%、こうしているんでございますが、これは、企業会計上将来の回収に疑義のある場合あるいは回収可能性が不明な場合など先行き不確実な債権に対する引き当てを考える場合に、おおよそ全体としては引き当ての誤差を最小にする考えであると、こういう考え方に基づいておりまして、これは監査法人からも妥当であるという評価を得ているところでございます。
#140
○小池晃君 いや、妥当だと言いますけれども、例えば監査法人のトーマツが船橋信用金庫の整理管財人に出している報告書によりますと、こう言っているんですよ。要注意先及び要管理先に対する債権については、債務者の状況としては破綻に至る可能性は必ずしも大きくない。そんな評価がされているにもかかわらず、要管理先だということで一〇〇%、担保アンカバー分五〇%ということが一律に規定されていると。
 私は、いろいろとおっしゃいますけれども、こういう一律な基準でやっていくということは、正に費用最小化の原則ということから見て大変問題が大きいというふうに言わざるを得ない。
 しかも、それだけじゃないんですよ。例えば、船橋信用金庫でいうと、わずか十四億円の債務超過で破綻させました。その処理に八百十一億円もの公的資金使いました。八百十一億円の資金援助のうち四百六十億円が金銭贈与、受皿機関に渡るわけです。
 これは、引当金積み増してやったからだけじゃないんですね、実は。担保の評価も大幅に引き下げるために、これは担保の掛け目を原則七〇%で算定している。あの厳しかった金融検査でも九〇%だった、これを七〇%にする。これを船橋信用金庫の収計表に基づいて試算してみると、四百六十億円の金銭贈与のうち、引き当てを都市銀行並みにして担保不動産の評価も金融機関の九〇%、金融検査の九〇%にすると百五十億円を超える減額ができるんです。これ、三十兆円超える公的資金を投入した、国民の大切な財産ですよ。だとすれば、一円たりともあいまいにはできない。債務者の切り分けでも、担保の評価でも、残りの引き当てでも、こんなに大ざっぱなことをやられたら国民はたまらないと思うんですね。
 ゴーイングコンサーンだからというようなお話ありましたけれども、だったら百歩譲って、こういう処理をした後で改めて、受皿に行った後、精査をしておかしいというふうになったら、それはきちっと戻すということをするのが当然じゃないですか。急いでやんなきゃいけないからしようがないんだ、ゴーイングコンサーンだからしようがないんだというのであれば、その後できちっとこれ最小化原則に基づく清算をすべきだと思いますよ。これはどうですか。
#141
○参考人(松田昇君) 御指摘のように、費用最小化の原則に従いまして私たち行動しているわけでございますが、一つは、運営委員会で今も申し上げたように資金援助を決めまして、決めた後、実際に営業譲渡というのはその後行われるわけですが、その間に回収等いろんなことで思いもよらぬプラス要因が生まれることがあります。それについては減額をきちっとそこでさせていることになります。
 ただ、引き渡した後、これは私は適正な価格で引き渡したと思っていますから、受皿にとっても得でもなく損でもなく引き渡したものだと思っておりますから、その後は経済情勢の変化によって、あるいは当該受皿銀行の経営管理の良否によっていろんな状況が起きるわけでございますから、そこをいつどの段階でとらえてどのように検証してどうやって払っていくかと、それに掛かる我々の事務負担のコスト、そういうことを総合的に考えますと、今のところはこれを引き渡した価格が正当と、このように認識しているということで御理解いただきたいと、このように思います。
#142
○小池晃君 こういう大ざっぱな引き当てでやっておいて、それで引き渡した額が正当だと、清算もしないと、こういうことで果たして本当にいいんですか。国民の大切なお金を使うやり方として私は極めてずさんだと。
 例えば、じゃ、こういうケース、具体的に幾つか聞きたいんですけれども、船橋信用金庫の職員の住宅ローン、これがどう扱われているかという問題ですね。
 これ、以前ここでも議論になったと思うんですが、これは全部一度、勤め先が破綻したからということで職員の住宅ローンは破綻懸念先に分類される。その引当金だけで約三億円になるんですよ。この職員が受皿の東京東信用金庫に再雇用された。この職員のローンというのは、これは来年の三月末までに債務者区分の見直しをすれば当然正常先に戻ると思うんですね。これ正常先に戻したら、破綻懸念先として引き当てた部分はこれは当然返却されるんでしょうね。
#143
○参考人(松田昇君) 債務者区分が変わりますと、もちろん引当金控除方式ですから、その債務者区分に従って減額なりその他の措置は取ることになります。
#144
○小池晃君 じゃ、こういうケースどうですか。
 再雇用を拒否されてしまった人も、これは退職金と相殺されるというケースが出ているんですね。これは、譲渡を前後して返済されたお金というのは、これは当然預金保険機構に返還すべきだと。預金保険機構も返還をこれはきちんと求めるべきだというふうに思いますけれども、これはいかがですか。
#145
○参考人(松田昇君) 申し訳ありません、ちょっと質問の趣旨がよく分からなかったんですが。済みません。
#146
○小池晃君 再雇用、要するに、先ほどのは再雇用、東信金、受皿に再雇用された人の場合。再雇用を拒否されてしまった、その場合に、今、船橋信金では退職金と相殺するということがやられているんですよ。それでもう住宅ローンを相殺してしまおうと。こういう場合、譲渡を前後して返済されたお金というのは、これは当然返還すべきじゃないかと。預金保険機構も返還をきちんと求めるということは当然だと思うんですが、この点はどうなんですか。
#147
○参考人(松田昇君) 先ほどは失礼しました。
 そういう相殺の話でございますと、それが判明したところで減額をするということになります。
#148
○小池晃君 当然だと思います。
 更にお聞きしたいんですが、これはこういうやり方をしますと何が起こるかというと、受皿金融機関の中にダブルスタンダードができるわけですね。すなわち、同じ要注意先でも、以前からの受皿金融機関が持っていた債権は三%か四%の引き当てと。一方、破綻金融機関から引き継いだ要注意先というのは、これは二五%。例えば担保はカバー五〇%だとすると二五%の引き当てと。これは、来年の三月になって引当金を見直したときに、当然その金融機関の水準に統一されると。差額の引当金、例えばさっきの住宅ローンみたいに税金で積んであげたという部分については、これは返ってくるんですね。この点についてはいかがなんですか。
#149
○参考人(松田昇君) 私どもの引当金控除方式と、言葉がちょっと悪うございますけれども、引当金相当額控除方式というのが正しいわけでございまして、お渡しするときに引当金として何か付けて渡すということではございません。その債権の評価をして、それを受皿金融機関に渡すわけですから、そこはそういう簿価として向こうが引き取って、後どういう管理をするかは受皿金融機関のマナーというか経営管理の問題と、このように思います。
#150
○小池晃君 そうすると、こういうケースについては返ってこないということになってくるわけですね。
 今日いろいろと、最小化原則ということに照らしてどうなるのかということを議論させていただきました。
 引継ぎに当たって時間的な問題もあるんだと、ゴーイングコンサーンだというようなことはありますけれども、私は、もしそういうことを言われるのであれば、百歩譲って、その清算の段階できちっと戻していくということがやられるべきだと。
 そういう点で振り返ってみると、九五年から二〇〇〇年度まで金銭贈与の経過を見ますと、大体十二兆二千百四十九億円の金銭贈与が行われていると。しかし、結果としてその金銭贈与後の清算後の変化というのは十二兆二千百四十九億円から十二兆千百六十七億円ということで、九百八十一億円、わずか〇・八%しか減少していないという実態があると。
 これでは、非常にラフなやり方で金銭贈与、引き当てを決めている、あるいは担保の問題についても非常に厚く評価も引き下げている。こういうことをやっておいて、後での清算もまともにやらないということでは、これは三十兆円も公的資金を使っておきながら、これだけの国民の税金を注ぎ込んでおきながら、私はこういうやり方では国民の納得は到底得られないというふうに思うんですね。
 このやり方、根本的に見直すべきだというふうに思いますし、これまでも一度入れたものを修正してきたということはあるわけですから、国民に説明の付くように、やはり慎重にこれ精査し直して、今までやったものも含めて、余分なものはもう返させるということを当然すべきだというふうに思いますが、この点いかがですか。
#151
○参考人(松田昇君) 先ほど申し上げましたように、受皿金融機関に完全に渡って、営業譲渡で渡ってしまった後にもう一度我々がどの時点で行って精査をして、どの債権がどのぐらい劣化して、その劣化した理由は何だったのか、元々あった瑕疵なのか、その後の経営管理上の、あるいは経済情勢の変化によって起きた劣化なのか。そこを全部やるというのは、これは事務負担というコストから考えてもなかなか大変なことですし、それから現にいったん我々適正価格としてお売りしたわけですから、それを売った受皿金融機関がその企業の再生なり融資の継続なりに十分意を用いるべきなのが筋ではないかなと、このように考えております。
#152
○委員長(久世公堯君) 小池君、時間が参っております。
#153
○小池晃君 もう質問、今やめます。
 こんなことで、受皿がもらった者勝ちというようなやり方では国民は絶対納得しないということを申し上げて、私、質問を終わります。
#154
○平野達男君 国会改革連絡会(自由党)の平野達男です。
 まず最初に、不良債権に関しまして何点か御質問をしたいと思います。
 不良債権問題を正常化させるということを柳澤大臣あるいは小泉総理も本会議で言っておられます。この正常化という意味について、何をもって正常化と言うのか、これをまずお聞かせください。
#155
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私ども、不良債権の正常化ということを申させていただいておりますが、これは不良債権問題の解決だとかいうような言葉を従前使っておったんですが、そうしますと、世の中の人は不良債権が本当になくなってしまうことだというように誤解を生ずることが間々ございました。そこで、私どもは正常化ということで、要するに不良債権というのは正常な状況としてもある程度発生するということを含意したような表現にさせていただいたわけです。
 それで、通常の場合どうかということでございますけれども、これについてはアメリカの例であるとか、あるいはアメリカの格付機関のカンファタブルというか、問題がないというようにしているレベルがございまして、不良債権比率で申しますと三%台後半から四%程度ということだというふうに私どもとしては理解をいたしておりまして、この不良債権比率という辺りになることを正常化と申させていただいておるわけです。
#156
○平野達男君 今の不良債権比率の定義をもう少し具体的に言いますと、不良債権の定義は再生法開示の債権という理解でよろしいでしょうか。
#157
○国務大臣(柳澤伯夫君) そういうことで御理解いただいてよろしいです。
#158
○平野達男君 そうしますと、これは金融庁からいただいた資料なんですけれども、今の十四年三月末ですと不良債権比率八・四%という数字になります。これを三%ないし四%まで下げるという状況が達成されれば、これは正常化の達成だというふうに理解すればよろしいと、こういうことでありますね。はい、分かりました。
 次の質問に移らせていただきますけれども、お手元に横紙の、大変粗末な資料で恐縮なんですが、私の手書きの入った資料をちょっと今日は出させていただいております。
 ここで申し上げたいことは、平成十四年三月期に御存じのように特別検査が入りまして、六・九兆円という不良債権が新たに、これは、この場合は破綻懸念先以下の債権ということでありますが、発生しております。ここの六・九兆円という見方ですけれども、これは従来、今までは銀行が自主査定をして、それに金融庁が後から検査に入ってその妥当性をチェックしてきたと。だから、基本的には銀行にその自主性があるんだという話でやってきましたが、どうも今回の特別検査入りましたら、今までのリストははるかに、はるかにというか、かなり離れた六・九兆円という数字が出てまいりました。
 この評価なんでありますけれども、これはやはり銀行の自主性、これを受けた形で、もう銀行の自主査定、これにはもう任せられないんだというような認識に柳澤大臣は変わられたのかどうか、これをちょっとお伺いしたいと思うんですが。
#159
○国務大臣(柳澤伯夫君) そういうことではございません。
 銀行の自己査定というものが徐々に、検査マニュアルというものが制定され、そして一巡目、場合によっては二巡目の検査が行われたということの中で、検査マニュアルの言わんとするところがどういうことであるかということがだんだん明確になっていくということがございまして、そういうことで自己査定のレベルもだんだん上がってきているというふうに思うわけでございます。
 そういうことの中で、今回、百四十九社という債務者の数でいうと割と割合は低いわけですが、主要な大口の貸出先について検査をしまして、そういうリアルタイムの検査をすると。そのときのマーケットの評価を勘案して、そういう勘案の下でラインシート等を精査するというようなことをやった結果がこういうことであるわけでございまして、もちろん我々も、今後ともこうした、何というか、マーケットの評価が急速に変わるというようなものがあった場合には同様のことをやろうかと思っておりますけれども、それはそんなに数がたくさんのもので起こるとは思っておりません。
 基本的には自己査定を尊重してまいりたいと、このように思っております。
#160
○平野達男君 この不良債権の量の確定についてはいろんなことを言われておりまして、仮にこれから新たに不良債権が発生するということを想定した場合に、私は三つの要素があるんじゃないかと。一つは、要するに銀行が隠していたという要素が一つ。それからもう一つは、これは景気が悪化したと。これはどうしようもない話ですね。それからもう一つは、これは明らかに正常先だと思っていたんだけれども、どうも突然やっぱりばたっと倒れてしまった。企業自体が隠していたということもあるかもしれません。マイカルの例なんかはこれに属すると思うんですが。
 今回の十五・四兆円という不良債権の額が決まっていますけれども、この額以降は、例えば、先ほど三つの要素を言いましたけれども、突然、予期せざるものとそれから景気の問題というのはこれは別だと思いますが、銀行がいわゆる意図的に隠しているものというものはもう出ないと、ないんだというふうに理解してよろしいんでしょうか。これは、竹中大臣と柳澤大臣にお二人にお伺いしたいと思います。
#161
○国務大臣(柳澤伯夫君) 銀行の隠しておいたというようなことがどういう意味を言っていらっしゃるかというのがちょっとよく分からないんですね。つまり、大体において両者の意見が衝突したりするのは再建計画の見方という場合が非常に多いわけです。ですから、その見方が、銀行はこう見ている、ところが検査官はそうは見ないというようなことで起こるわけですので、隠しているという言い方をすると、ちょっと理解ができません。
#162
○平野達男君 言い直させてください。隠すという表現は確かに適切でなかったと思います。
 要は、いわゆる体力の範囲内でやる、一気に債権処理損を出さないようにする、自己資本を要するに当該年度にどんと落とさないように平準化するように、つまり迅速処理というのが一方で求められている中で、銀行は自分の要するに経営方針の中で、そういった迅速処理ということよりはむしろ自己資本比率の確保を見ながらその不良債権の額を出してきているというふうなことがないかどうかということであります。
#163
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、その御質問に対して、何と申しますか、何かもやもやしたような答えは当然できないわけでございます。
 何と申しますか、あえて平野さんもう率直な方ですから私も率直に言いますと、例えば特別検査とかそういうようなものがあって、どんとほかも不良債権の損失損、処理損を出すというと、これはみんな何というか、思い切って出すという一つのそのときの雰囲気がありますからね、余りうがった見方はこういう場でなすべきでないですが、私は、今回はかなりそういう意味で、御懸念のようなことが今後ないと、なくなるだろうと、こう思っているわけです。
#164
○国務大臣(竹中平蔵君) 平野委員のお尋ねでありますが、私は、銀行の検査監督等々をやる立場ではありませんので、直接判断するものを、確固たるものを持っているわけではございません。その意味で、柳澤大臣がおっしゃったとおりであるというふうに思います。
#165
○平野達男君 そうしますと、これからの不良債権は要するに景気動向に左右されるというふうな、そういう視座で見ればいいということになりますね。
 そうすると、私、先ほど言いました不良債権の正常化という定義は何かということをお聞きしたんですけれども、それは私は、その景気動向に左右される分については不良債権の発生というのはある意味では止めようがありませんから、そういった意味では、この数字自体、今の状態をもし本当にそれが正しいとすれば正常化というふうに見れないこともないのかなという感じがしますが。
 ただ、いずれにせよ、これからの不良債権比率、失礼しました、不良債権比率はまだ非常に高い状態でありますから、これをまずとにかく一生懸命やって下げていくということだと思うんですが、繰り返しになりますけれども、そうすると、マクロ経済政策の位置付けというのがいよいよ大きくなってくると思いますが、竹中大臣、御所見をお願いします。
#166
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のとおり、マクロ経済の状況が不良債権の状況に非常に大きな影響を与えるというふうには思いますし、同時に、不良債権の状況によって逆に景気の動向が大きな影響を受けるというのもまた一面の事実かと思います。
 いずれにしましても、経済、マクロ経済全体に関しては、その外的なショック等々がないことを想定した上で、私たちとしては今年一月の改革と展望で示したようなマクロ経済の緩やかな健全化というのを想定しているわけでありまして、そういった方向に、改革と展望のシナリオに沿って運営していくことが大変重要であるというふうに考えております。
#167
○平野達男君 質問をちょっと変えますけれども、不良債権の要するにオフバランス化、新規発生については五割、八割、十割、三年でオフバランス化しますと、古いものについては二年でやりますということですけれども、これの担保はどのように取るのでしょうか。
#168
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、私どもそういうことを強く要請してありまして、各銀行、この場合には大手行でございますけれども、この方々もこのことを了承しておるということでございます。もちろんその中には、そうは言っても、これはもう飛び切りいいとされる銀行なぞでの言葉ですけれども、なかなか時間が掛かりますよというようなことを言って、わざわざ会議等で発言する人もおります。そんな機械のようにはいかないということ。しかし、それは我々十分承知していながらも、この基本方針でやらせてもらいたいということを申しているということでございます。
 もし仮にこれが実現されなかった場合どうかということですが、私どもとしては、当該の銀行の姿勢からして本来この要請にこたえようと思っていないというようなことがはっきりしているという場合には我々は業務改善命令までいこうと思っております。しかし、もう非常な努力をしたということであって、何か少し未実現の部分があるというようなことについては、これはできるだけ早くにその状況を修正してもらうというようなことを求めていきたいと、このように考えております。
#169
○平野達男君 若干細かいことをお伺いしますけれども、新規の不良債権につきましては三年が絶対なんでしょうか、五、八、十が絶対なんでしょうか、この二つ両方でしょうか。
#170
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、私ども三年の枠というのはもうちょっと前に作りまして、今回それを更に、もう初年度に五割いってくれということを申しまして、もう大宗を二年ぐらいで終えてもらいたい、残り、しっぽがあっても二割ぐらいですよと、こういうことを言っておりまして、両方とも私どもの同じ重みでの要請だと、このように御理解賜りたいと思います。
#171
○平野達男君 分かりました。
 そうしますと、先ほどお配りした資料をもう一度目を通していただきたいんですが、この手書きで書いたものがこれから処理をしなければならない、いわゆるオフバランス化しなければならないという不良債権の額であります。十二年九月期のもの、これは二年ですから本当は十四年の九月までにこれはゼロにしなくちゃならないんですが、一応仮に一年でオフバランス化すると四・七兆円。それから、十四年三月期で六・九兆円出ました。これは半分ですから、大体三・四兆円ぐらいオフバランス化しなくちゃならない。それ、間でも一・八兆円ぐらいのものがありまして、全体として十・二兆円のオフバランス化をしなければならない、こういう数字になります。十三年三月期からの一年で見ますと、これは六・一兆円。
 こういった形でのデータを取ったのがどうやら十二年の九月以降だということで、それ以前には数字がないということなんで、なかなか前との比較ができないというのは残念なんですが、十兆円というオフバランス化をするときの経済に対する影響というものを、これは竹中大臣、ちょっと最初に失礼な聞き方かもしれませんが、五、八、十となったときに、平成十四年三月、仮に新規の不良債権がゼロとなった場合に、想定したとしても、十兆円のオフバランス化をしなくちゃならないというような数字は、ということは事前に把握しておられたでしょうか。
#172
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的にはその数字そのものは出てくる数字なんでありますけれども、その数字を把握することによって、私たちがマクロの経済を考える場合に、どのぐらいの重みがあるかということに関しては、実は評価はなかなか難しいというふうに思っております。
 その意味は、オフバランス化して様々な形で最終処理がなされるとしても、どのような形でそれが整理されていくのかということによってインパクトは著しく違う。これは平野委員もよく御存じのように、ちょうど去年の今ごろ内閣府が行った試算がありました。それによって一体どのぐらいの雇用への影響が出るのかと。この雇用も非常にどのような処理をされるかによって幅があるし、同時にその規模を、企業が規模を縮小するときに労働市場がどのような動きをするかと。例えば、非労働力が労働力人口化するのか、再就職を求めるのか、これ様々な可能性がありますので、容易な議論はできないと。
 その意味で、直接のお尋ねは、このぐらいの数字は把握していたかということに関しては、一応の、正確な計算ではありませんけれども、めどは私なりに承知をしておりましたが、それをもってマクロ的な影響どうこうということを議論するのはなかなか難しいというふうに考えております。
#173
○平野達男君 今までの議論の中でも何回も言われましたけれども、オフバランス化をすれば短期的にはデフレ圧力に働くということでありまして、これ、十兆円をやる過程の中で、いろんなやり方があると思いますが、ある企業は企業再編をする、リストラを迫られる、それから、そういった形で十兆円が処理されるわけですから、相当の圧力になるんじゃないかなと思うんです。
 こういったことを念頭に置かないで、さきに、先ほどの冒頭に言った五割、八割、十割という数字に戻るんですが、それを何も考えないで五割、八割、十割を出したというのは、これは全体として不良債権の処理に対する全体の見方、思慮が、見方が非常に足りないんじゃないかなという印象を持つわけです。
 六兆というのとか十兆では、最近ここで不良債権の処理の話をすると単位がもう兆単位ですから、数字の多さがちょっと分からなくなるときがあっちゃうんですけれども、十兆円というのは大変な額だと思います。これに対しての、経済に対するインパクトについてのある程度の分析をしなければ、分析をしておくというのはこれは重要じゃないかと思うんです。それを踏まえた上で五兆、五割、八割、十割ならいいんです。三年が重要だったら、例えば五割、八割、十割だったら、五割、三割、二割ですね、処理のやつが。三、四、三だっていいわけです、山を削らせばいいんですから。
 そういった議論がなぜできない、されていないのかということに対して私は非常に危惧といいますか、要するに、そこの部分だけ見て全体の姿が見えない、見ていない。これは医療制度改革も同じだと思います。そういったところもここに一端が表れているんじゃないかなというような感じがするんですが、柳澤大臣、ちょっとその辺、ちょっと御所見を伺いたいと思います。
#174
○国務大臣(柳澤伯夫君) 易しいことだとは思っていないわけです。しかし、努力をして手が届かないレベルだとは思っておりません。その辺りのことはある程度瀬踏みをして出している数字でございまして、どのぐらいの緊張度でやってこれが実現されるかということ、むやみやたらに五、三、二とかということを言っているわけではないということは御理解賜りたいと思います。
 時間もあれでしょうから余り詳しくは申しませんけれども、例えば新規発生の中にかなりの部分の今度の特別検査による部分がありますけれども、こういったものについてはもうかなり具体的になったけれども、協定というか合意、完全な形式的な合意まで取れなかったというものがここに落ちている部分もございまして、そういうものはいずれ、年度がもう既に改まっておりますが、年度が改まれば、いずれ整理の方針というか再建の方針が付いて、それは、残りの残債については上位に格上げされるというようなことでオフバランス化が実現するというようなこともございます。もちろん、非常に難しい部分もあることは先ほど申したとおりです。
#175
○平野達男君 今、柳澤大臣がお答えになったのは、ちょっと、実は私が次にやろうと思っていた質問に対する答えでありまして、それは要するに、十兆円が今度は技術的に見て本当に処理できるかという質問を次にしようと思ったんですが。
 先ほど私がした質問は、これをやることによる経済的な影響、むしろこれは竹中大臣にお聞きすべきであったかもしれませんけれども、こういうことをしないで五割、八割、十割を出すということが本当にいいのかどうかということでの質問をやったつもりだったんですが。竹中大臣。
#176
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどこれも私が先走って少しお答えしているかもしれませんけれども、まず、その正確なマクロ的な影響ですね、オフバランス化による、これは非常に難しいということが基本的にあります。
 しからば、そのマクロ的なインパクトを何も考えていないのかというと、それはそんなことはございません。「改革と展望」の中で、今後、特に二年間、集中的な調整期間として、この間はデフレ圧力が比較的強くて、結果的に成長力が低まるというようなことを明示的に我々はシナリオとして描いているわけであります。もちろん、不良債権の処理、一兆円とその成長率の一対一の関係というのを出すのは大変難しいというのは御理解いただけると思うんですが。
 それにしても、先ほどちょっと申し上げた、例えば失業へのインパクトに関して言うならば、これは去年の試算でありますけれども、十二・七兆円の不良債権を最終処理することによって失業者の増加は十六万から十八万の増加というような数字を私たちは出しております。これは実は、これは難しいんですけれども、非常に長期均衡値的なインパクトと考えるならば、それだけ就業者人口が、労働のインプットが減るということを考えるならば、GDPに置き直して考えるならば、実は多分〇・二%とか〇・三%とか、そのレベルの話なのだと思います。
 もちろん、瞬間的にこういうことが起こるときに、これ以上のインパクトが起こる可能性は、可能性としてはあるわけでありますけれども、したがって、いずれにしても長期均衡値的なインパクトとしては、そんな経済にデスペレートな影響が及ぶようなことではないというふうに基本的には判断をしているわけです。したがって、恐らく、今の数字から判断していただけると、五〇、八〇、一〇〇を四〇、七〇、一〇〇とかに変えた場合のインパクトは極めてもう小さなものになるというふうに私は思っております。
 正確に、済みません、失業者の増加は十三万人から十九万人の増加であります。先ほど十二万人から十八万と申し上げたかもしれませんが、十三から十九であります。
#177
○平野達男君 それだけの失業者が出るというだけでも、十二兆、今大臣は十二・七兆円のオフバランス化というふうに言いましたですね。これ、今回、このとおりの数字でいきますと大体十兆円ですから、これに仮に新規の不良債権が発生して、まじめにやろうと思ったら十兆円を超えてしまうわけです。それぐらいの失業者が出るということですから、これはそんなに看過できない数字じゃないかと思うんです。
 こういったことをしっかり念頭に置いた上でいわゆる不良債権の処理のスケジュールを立てているということであれば、それは政府の考え方としてそれは分かりますけれども、どうも今までのお話を聞いていますと、こういったことについては余り議論を、内閣の中で議論をされていなかったんじゃないかという感じが、これは揣摩憶測になってしまったら謝るしかないわけですが、そういった懸念をちょっと持ちましたので確認をさせていただいた次第ですけれども、いずれにせよ、余りインパクトが大きくないということはちょっと答弁としては当たっていないんじゃないかなと思いますが、どうですか。
#178
○国務大臣(竹中平蔵君) インパクトが大きくないという趣旨じゃなくて、経済に対してデスペレートなインパクトが生じるというようなことではないというふうに認識をしている。もちろん、十二万、十三万、十九万の失業の増加というのは、これは大変大きなインパクトでありますし、当事者にとっては一〇〇%の重大問題でありますから、そのことを看過しているつもりは全くございません。
 同時に、内閣としての方針ということでありますれば、まずもって昨年の第一次補正予算から雇用に焦点を当てた様々なその措置は取ってきたつもりでありますし、今回、先ほど、先週閣議決定をいたしました骨太第二弾においても雇用を確保するための様々な活性化措置をそのためにも議論しているということでありますので、我々の問題意識の中に平野委員おっしゃるような問題点はかなり厳しくとらえているつもりでございます。
#179
○平野達男君 先ほど、次の質問として、じゃ十兆円が本当に処理できるんだろうかという技術的な問題をお聞きしようと思ったんですが、先ほど柳澤大臣からそれに答弁いただきましたので、はい、分かりました。
#180
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほどちょっと言い落とした点がありますが、もう一つは、やっぱり私ども、ちょっとこれは言い過ぎかもしれませんがあえて言わせていただければ、ラストリゾートとしてRCCを考えているという面がございます。
 ただ、これについて、最近ちょっと話題になったことですけれども、ある大手行が数千億のRCCへの売却をしたいというところで非常に減額の余儀なきに至った。どうしてだと言ったら、これが特別保証のというか、保証協会の保証の対象であったというようなことがありまして、そうだとちょっとこれは非常に難しい問題をそこで引き起こしているわけで、この点についてはもう少しそこを交通整理するようにということで今協議をしておりますけれども、そういう若干制度的な問題が実は引き起こってきたということが実情でございます。
#181
○平野達男君 時間がなくなってまいりましたので、今日は松田理事長に来ていただいていますので、預金保険機構についてちょっと一問だけ、何問か、相当通告申し上げたんですけれども、時間がありませんので一問だけちょっとお聞きしたいと思います。
 先ほどの小池委員の質問に関連してであります。
 贈与が今まで十六兆四千五百八十九億円でありまして、これが一般勘定で五兆八千三百十九億円、これはもう預金、一般保険料でこれから払わなくちゃならないということで、実は私はこれについても非常に問題があると思っているんですが、今日は時間がないので次に譲らせていただきます。
 特別勘定については十兆六千三百億円ということで、これはもう交付国債ということで事実上の補助金であります。そこで、先ほど小池委員が言われたのは、このお金が本当に適正に使われているかどうか、それに対して理事長が、非常に事務的コストが掛かって、行った先のものについてなかなかチェックすることはできないというふうにおっしゃられました。ただ、私は、これは今一定の割合でその引当金を出して、積んで、それでお渡しをしているということですから、少なくともモデル的にこれをピックアップしてフォローアップすることは、これはできると思うんです。
 それで、先ほどの、先ほどというか平成十一年十二月二十一日の金融審議会で答申が出されていまして、前回の委員会でも若干プロフィットシェアリング、ロスシェアリングに関しての御質問させていただきましたけれども、やはりプロフィットシェアリング、ロスシェアリングをやるべきだという提案がここでされているわけです。これを受けた形で、一部はできるものはやっているということの御答弁だったと思うんですが、私は、これは少なくとも十兆、十六兆ぐらいのお金を、使っているお金が本当にきちっとした使われ方がされているのか、全部の銀行が無理だとしても、少なくともピックアップをしてそのフォローアップをして、今の引き当て率が妥当かどうかというのは、これはチェックしておく必要があるんじゃないかと思うんです。理事長、どうでしょうか。
#182
○参考人(松田昇君) 私どもの考え方は先ほど御答弁したとおりでございまして、一回性の原則と申しますか、取りあえず受け皿金融機関にお渡しするときには適正な価格としてお渡しをしているというのが原則でございます。
 先ほど先生がおっしゃいましたようにロスシェアは今度の新しい預金保険法には設定されまして、プロフィットシェアとロスシェアとありますね、あれはもう極めて短期間に営業譲渡をしなければいけない、したがって受け皿が十分にデューデリができない、そういうときにどうしようかというのに備えた規定でございまして、全額保護下で今までやってきましたように、受け皿がデューデリをきちっとして自分なりに納得して受け皿が債権を買っているわけでございますから、それにつきましてもう一度どうなると、後になってそれは行き過ぎたんではないか、行き過ぎではないではないか、返せ、こうせい、という話になりますと、ちょっと今の私どもの機構ではやり切れない話ではないかなと思っております。
#183
○平野達男君 締めます。
 いずれ私が申し上げたのは、返せ、積み増ししろという話じゃないんです。適正かと、引き当て率が適正かどうかについてチェックする必要があるんじゃないかなということです。いわゆる引き当ての額、今一定の率ですべからく十割、七割という形で、五割でしたか、先ほど決めていますけれども、その妥当性について何らかの形でチェックしておく必要があるんじゃないですかという質問でありまして、これにつきましては以下、その他まだまだ、若干預金保険機構さんにお聞きしたいことがありますので、一般質疑をやるということになっていましたかどうか忘れましたが、やるみたいですから、そのときにまた続きをやらせていただきたいと思います。
 終わります。
#184
○若林正俊君 本日報告を受けましたこの報告書の中で、協同組織金融機関の破綻処理に関することをまずお伺いしておきたいと思います。
 この報告書で、半年間のうちに十三の信用金庫と三十一の信用組合が破綻をしたわけでございますが、これらいろいろこう性格的に分類して、破綻の要因というのを性格的に分類するとどういうような要因によって破綻をしたんだというふうに考えておられるか、まず教えてもらいたいと思います。
#185
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。
 今回のFRC報告の、報告の対象期間中、これ、つまり十三年の八月から十四年の三月でございますが、先生御指摘のように十三信金、三十一信組が破綻をいたしております。その破綻に至りました要因でございますが、いろんな要因がございますし、またそれが重なっているものも多くございます。
 そういうことで、厳密に類型化して申し上げることは難しい面がございますが、あえて整理して申し上げますと、破綻に至った信金、信組の多くは、そもそも信用リスクや市場リスクの管理が不十分なまま不動産関連融資のウエートを高めていくと。同時に、資金需要が低迷いたしておりますから有価証券運用のウエートを高めていたという背景がございます。
 そういった背景の下で、破綻の主な要因といたしましては、一つは、不動産関連融資が不良化したことがございます。また、二つ目といたしましては、外債や仕組み債などリスクの高い有価証券を保有しておりまして、そのリスクが顕在化したことがございます。また、三つ目といたしましては、過大な有価証券投資に失敗したということがございます。こういったことがございまして、その結果、多額の損失が発生し、債務超過の状況に陥ったというものが多いというふうに認識いたしております。
 また、さらに、このほか御承知のように景気低迷が続く中で地域における構造的な不況が顕在化したといったこと等によりまして、多額の追加引き当てが生じて債務超過に陥ったというものもございます。
#186
○若林正俊君 これらの協同組織金融機関が今大変来年の四月に全面解禁になるペイオフ解禁に本当に心配をしております。
 そこで、今年の四月の定期性預金についてのペイオフの解禁によりまして、先ほど大臣は、定期性預金から要求払いの預金の普通預金へのシフトはかなり大きなシフトがそれぞれの金融機関について見られたと、それから預金全体として言えば、こういう地域金融機関といいますか、中小の金融機関から都市銀行などへのシフトは若干ではあるがそういう傾向が見られたと。
 この数字についてお伺いしようと思いましたけれども、時間がございませんから、そういうことを前提としながら、地域金融機関から都市銀行など大手の金融機関への預金シフトというのが全面解禁によってどうなっていくんだろうかと、その辺の予測といいましょうか見通しといいましょうか、今、金融当局としてどういうふうに考えておられるんですか。
#187
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、日々私ども預金の動向についてはかなり細かく見ているわけでございますが、何かそこからその延長線上で将来を見通すことが可能だろうかと申しますと、これは極めて困難なことであると言わざるを得ません。その時々の経済の状況とか、あるいは、何と申しますか、経済の突発的ないろんなことも将来はあり得るわけでございまして、私どもとしては注意深くその動向を見ていくと言うほかないのではないかと考えております。
#188
○若林正俊君 具体的にどの程度見込めるかというのを見込むのは容易ではないんですが、かなり不安定な、見通しができないほど不安定な状況にあるということが予想されるんではないかと思います。
 中小の金融機関、経営体力の弱い金融機関から大都市銀行の方に預金がシフトをすると、そういう現象も若干見られたと、こういうお話でございますけれども、こういうなぜ中小の金融機関への預金が大銀行の方にシフトしているとお考えですか。どうしてそういう現象が起こってきているかというふうにお考えですか。
#189
○国務大臣(柳澤伯夫君) 残高で見ますと、中小の方が微減の状況にあると。それで、預金全体が増えておりますので、その増えたところの受け手としてはむしろ地方銀行以上の業態の大きなところが増えていると、こういうことなんですが、私どもとして中小の方から預金を引いてこっちの方に移っているというようなことは、残高で追っておりますので私どもとしてはそれは観察し得ていないわけでございます。残高で追って、それをどう見るかということに尽きるわけでございます。
 どうしてじゃそうなっているんだろうかということでございますけれども、何と申しますか、早い話が、多くの人はひょっとしてこの前の定期性預金についても分散をしたかもしれないということがあろうと思うんですね。そういうことの中で、結果においてこういうことが起こった。それからまた、とりあえず定期の期限が来たときに、それをもう一度定期に預けないでそのままにしておいてくださいよというようなことがあったんだろうと、こういうように思います。どちらかというと、都市銀行の方では預金の増加の部分の受け手になっておるということではないかと。
 だから、こっちからこっち持っていってというようなことは、残高だけ追っ掛けていますので、なかなか我々トレースし切れていないということですので、ちょっと今の委員の問いにはお答えにならないかもしれませんが、いろいろ推測をするということにとどまっているということでございます。
#190
○若林正俊君 残高ベースで分析、解析しようと思っても難しいと思うんですよね。
 いろいろ信用金庫の方々や信用組合の方々からいろんなお話を聞いてまいりました。不安も聞いております。とりわけ、信用金庫の中央会の長野会長が先般総会でお話をしておられました。
 その中で、当局への要望としてお話をされた決済性預金の全額保護の必要性という中で、このさきの四月の定期性預金のペイオフ解禁が実施された結果、大手銀行への資金移動、定期性預金から流動性預金へのシフトが顕著になりましたと、こうした現象は、厳しい経済情勢が続く中で、金融機関が必死になって不良債権の処理に努めているにもかかわらず、新たな不良債権が発生し、金融システムの安定、回復についてなお預金者が確信を持てないことがその背景になっているものと考えられますということを会員にお話しになっておられるわけです。
 やはり、業種別、業態別に、金融庁の方もそういうシフトの状況というのを、残高ベースで見るというようなことで大丈夫だろうというような話をされてもなかなか預金者の不安は消えないわけですし、我々も金融システムの安定というものを前提としていろいろな政策を組み立てているわけですから、もう少し突っ込んで預金、金融機関の相互における類型ごとの預金シフトがどういうことで起こってきているのか少し分析を深めていただきたいと、これは要望をいたしておきます。
 それから、こういう中小の金融機関が預金者のサイドから見て大変に大丈夫かなという不信感が出るというのは、先ほどの報告にございました十三信用金庫、三十一信用組合、それぞれ破綻に至った要因は非常に分析難しいけれども、お話にございましたある種の経営者の能力によるもの、あるいは経営者の経営姿勢、そういうものによるものがかなりあるようでございますけれども、これを昨年の八月からの状況で見ますと、十月に四機関、十一月は十七機関、十二月が十一機関、一月で六機関といったように非常に集中的に、当時、これにはもう毎週週末には一機関出てくるといったような状況が発生をし、報道をされました。
 やはり、こういう協同組合系の金融機関が経営力が弱いんじゃないかというような不安感、不信感というのはかなりの広がりを持っているように私は感じます。そういう意味で、そういうものを払拭していかなきゃいけないという意味で、このような中小の金融機関の体質の強化と、これについていろいろ金融大臣も御検討をいただいているわけでありますが、骨太第二段といいますか、その中で、その中の「企業・産業の再編、経営のあり方」のところで、「主として地域金融機関を念頭において、合併等を促進する施策を早急に取りまとめ、これにより、収益性の改善等による経営基盤の一層の強化及び中小企業金融の円滑化を図る。」と、こう決めているわけでございます。
 そこで、合併等を促進する施策というふうに書いてございますが、まず、この中小の金融機関の合併を進めるための手法として、手段として、どのような手段を検討になっておられるのかを伺いたいと思います。
#191
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、合併ということが一番単純に考えられることでございますけれども、場合によっては子会社化するとか、あるいは営業譲渡をしてしまうとかというようないろいろなタイプが考えられて、そういうようなことを通じて、今申したような競争力の強い、また収益性が高い金融機関を作るということが一つの選択肢として、経営判断として出てくる場合があろうと。その場合には、言わばそういうことがしやすい環境を作っておいた方がいいじゃないかと、こういう考え方でございます。
#192
○若林正俊君 先ほどの答弁の中にも、合併を何も、言わば無理無理とまでは言いませんが、合併に向かって金融行政としてこれを強力に推進していくんだといったようなことではなくて、その合併を選択できるような環境条件を整えることに力を入れると、こういうお話でございました。その環境条件を整えるという中に、中に、一つは、合併に伴う税制上の特例の措置というのが考えられると思うんですね。それからなお、報道されるところによれば、合併に伴ってペイオフ上限を合併機関の数に応じただけ引き上げていくというようなことが言われております。これも一つの方策として考えられるのかどうか。
 さらに、実はこういう協同組合金融についていいますと、制度的な制約をいろいろ受けているわけですが、法制上の地域限定だとか、対象の中小企業の企業者限定でありますとか、いろいろな制約が、預金を受ける相手方の制約とかいろいろあるんですけれども、そういう中小協同組合金融そのものの持っている制度的な制約、その制約のうち、体質強化という観点からなお検討すべき、緩和について検討すべき余地もあるのではないかといったようなことが考えられるように思います。
 最後に、実はこれは大変な問題で、今後まだ自民党内においても議論しなければならないことですけれども、中小金融機関に限って公的資金の注入をてこにして合併条件を整えていくとか、あるいは経営基盤の強化を図っていくとか、そういうようなことも考えられるのではないか、どうなんだろうかという思いもあるんです。
 それらの今私が挙げました諸方策について、それぞれ検討課題になるかならないか、およそ検討の対象にならないと考えているのかどうか、その辺のところを率直に伺いたいと思うんですが。
#193
○国務大臣(柳澤伯夫君) 若林委員のようなこういう協同組織形態の専門家からいろんなお話承りまして、全部が全部、私、消化し切れておりませんので、個々、委員の御質問に対して的確に一対一で今委員の言われた、これとこれとこれはというようなお話ができません。私どもとしては、広く、最初のときは、最初のときというか、最初の段階でこれ一応取りまとめて公表したいと思っておりますけれども、そのときにはむしろ非常に問題の広がりというか、消えちゃうものもあろうかと思うんですけれども、今までいろんなときに委員のように御議論をいただいた面もありますので、そういうものをできるだけ広範にピックアップして御披露して、それから議論を詰めていきたいと、こんなことを考えているわけでございます。
#194
○若林正俊君 そういう検討の素材として、大臣の下に日本型金融システムと行政の将来ビジョン懇話会というのをずっとやってこられまして、近々この懇話会としての大臣への報告が出るやに伺っております。それはいつごろ出されると見ておられるのでしょうか。
#195
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先般、蝋山座長が司会をされながらおっしゃったところでは、中旬ということを、今月の中旬ということをおっしゃっていましたので、そんなことを私自身も心積もりさせていただいております。
#196
○若林正俊君 言わば、報告が大臣に出された後、骨太第二弾でありますような中期ビジョンとして、金融行政の中期ビジョンを金融庁として策定するというのはいつごろを念頭に置いておられるんですか。
#197
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、今までの私的な懇話会の議論を基礎と多分してくださると思うんですけれども、正規の金融審議会という審議の場にこれを上げるわけでございます。これは先生方、特にこれは第二部会になるのかもしれませんし、また別途に、それではということで、タスクフォースみたいなものを審議会の中に作ろうというような話になるか、その展開も私まだ全然聞いていないわけでございますけれども、そういったことを、その審議の場の作り方を含めてこれからの審議会の先生方の御意向を尊重していかなきゃならないと、こう考えておりますが、私自身としては、お願いの仕方としては、できるだけ早期にお願いしたいということを申し上げたいと思っております。
#198
○若林正俊君 これから経済がどういうふうに成長軌道に乗るためにどんな動きをしていくのかというのはよく分からない面がございますし、預金者心理というのがどんなふうに動いていくのかということについてももう少し金融庁自身にも詰めてもらいたいことがあると思うんですけれども、今既に出てきている話としては、先ほど申し上げました全国信用金庫協会の長野会長あるいは日本商工会議所連合会の山口会頭なども、来年の四月一日に全面的にペイオフを解禁するのはいかがなものかと、こういう疑問、不安を述べておられますし、また、政府・与党の政策責任者の中でもそういう議論が今出てきております。
 その意味で、安易にこれを延ばしたらいいというふうに主張しているわけではないんですけれども、どうか各方面の状況をお調べになり、また意見も十分聞いた上で判断をしてもらいたいと。もう決めたことなんだからこれはもう変えられないんだと、これでやるんだというふうに言い切ってしまうと大変ストレスが多くなるし、議論が正しく進まないような気がいたします。その点を要望をさせていただくとともに、この検討に当たっては、非常にデリケートですけれども、協同組合金融については、協同組合金融自身の制約を持っているということを念頭に置いて、協同組合金融についてこのペイオフの取扱いを特別に扱うことの是非について、この点についても少し御検討いただいて、我々といろんな論議を交わしたい、こういうことを希望を申し上げたいと思います。いかがでしょうか。
#199
○国務大臣(柳澤伯夫君) 若林さんのような協同組合組織の大専門家の御意見でございますので、今日のところは委員のそういう御要望をお聞きしたということにとどめさせていただきたいと思います。
#200
○若林正俊君 終わります。
#201
○委員長(久世公堯君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時散会
ソース: 国立国会図書館
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