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2002/07/19 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第4号
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2002/07/19 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第4号

#1
第154回国会 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第4号
平成十四年七月十九日(金曜日)
   午前十時四十五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十八日
    辞任         補欠選任
     峰崎 直樹君     朝日 俊弘君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         久世 公堯君
    理 事
                佐々木知子君
                佐藤 昭郎君
                若林 正俊君
                櫻井  充君
                山口那津男君
    委 員
                荒井 正吾君
                入澤  肇君
                小林  温君
                田中 直紀君
                野上浩太郎君
                林  芳正君
                浅尾慶一郎君
                朝日 俊弘君
                今泉  昭君
                広中和歌子君
                円 より子君
                荒木 清寛君
                池田 幹幸君
                小池  晃君
                岩本 荘太君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       財務副大臣    谷口 隆義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       金融庁監督局長  五味 廣文君
       総務大臣官房総
       括審議官     板倉 敏和君
       財務大臣官房審
       議官       小寺  清君
       財務省主計局次
       長        牧野 治郎君
       財務省国際局長  溝口善兵衛君
       国税庁徴収部長  立川正三郎君
       中小企業庁次長  小脇 一朗君
   参考人
       預金保険機構理
       事長       松田  昇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○金融問題及び経済活性化に関する調査
 (マイクロクレジットの活用と育成に関する件
 )
 (公的金融機関の役割に関する件)
 (地域金融機関の立て直しに関する件)
 (公金のペイオフ解禁対策に関する件)
 (外国為替市場への介入に関する件)
 (不良債権処理に関する件)



    ─────────────
#2
○委員長(久世公堯君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十八日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として朝日俊弘君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(久世公堯君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に金融庁監督局長五味廣文君、総務大臣官房総括審議官板倉敏和君、財務大臣官房審議官小寺清君、財務省主計局次長牧野治郎君、財務省国際局長溝口善兵衛君、国税庁徴収部長立川正三郎君及び中小企業庁次長小脇一朗君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(久世公堯君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(久世公堯君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に参考人として預金保険機構理事長松田昇君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(久世公堯君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(久世公堯君) 金融問題及び経済活性化に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。民主党にいただいた一時間のうち前半を私が受け持たせていただきます。
 バブル崩壊後の十年間、グローバル化の中で経済が目まぐるしく変化し、非常に難しいかじ取りを金融・経済・財政運営において求められている中で、三大臣の御出席をいただきまして質問させていただくことを大変有り難い機会ととらえております。
 まず最初に、平成十四年六月二十五日、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二」を出されました。これは実を言うと昨日いただいたんですけれども、読ませていただいて、非常に多岐にわたって問題を提起をなさっていることに気が付くわけですけれども、特に「経済活性化戦略」というところで、六つの戦略、人間力、技術力、経営力、産業発掘戦略、それから地域力戦略、グローバル戦略というように書かれているわけでございます。
 これについて詳しくお述べいただくことはできないわけでございますけれども、竹中大臣、特にこの分野におきましてタイムスパンというのはどのくらいに考えていらっしゃるのか、それから実行の御決意を伺いたいと思います。特に、その実行が、私たちとしては本当にそれが実行されることを見守りたいわけでございますけれども、実行されないとしたら、難しい課題があるとしたらそれは何であるか、それについても併せてお答えいただければと思います。
#9
○国務大臣(竹中平蔵君) 広中委員から御指摘をいただいた基本方針二〇〇二、いわゆる骨太第二弾というふうに申し上げておりますけれども、予算プロセスに入っていく前の段階で改めて構造改革を進めるための基本的な方向について取りまとめを行ったものであります。その中には、税制の改革の話、来年度の財政運営に向けた話等々ありますが、一つの大きな柱として、経済活性化戦略というのを入れております。経済活性化戦略の中には、今正に御指摘いただいたように六つの分野での戦略、人間力、技術力、経営力というのは、実は資本、労働、技術というその生産側、サプライ側の三要素に着目してこれを強化する、さらに加えて、需要的な側面にも配慮して、産業の発掘、地域力、グローバル化というような戦略を立てているわけであります。
 お尋ねのタイムスパンと、それと実行への決意という点でございますけれども、基本的には、昨年は基本方針を作って、それに基づいて工程表というのを作りました。実は今回の六つの戦略の中に三十のアクションプログラムがありますが、その中に、非常に緩やかではありますけれども、いつごろまでにどう、だれだれが、ないしはどこどこの省がいつごろまでに何々をするということをかなり明記したつもりであります。
 その意味では、昨年の工程表をも一部兼ねたものにしているということで、その実行のしたがってタイムスパンはそれぞれ異なってくるということだと思います。直近に、今年度中にやるものもあれば、少し長いスパンでやるものもある。それは、それぞれ三十のプログラムによって異なるということになろうかと思います。
 これを実行していくに当たっての仕組みでありますけれども、どこどこの省が何々をするというふうに責任を明記したことによってその実効性を担保するというのが一つの特徴であろうかと思います。
 加えまして、これ、各省庁間にまたがる横断的なものについては、特にその実行の仕組みについてもその中に明記をしております。非常に分かりやすいものは明記している、ないしは別の場で発表しております。分かりやすいものは構造改革特区でありまして、これに関しては内閣官房に特区の推進室を作るということで、これはもうその基本方針二〇〇二の翌週にこれを発足をしております。さらには、技術を市場化させるために新たなプランを作るというようなアクションプログラムもございますけれども、これについても内閣官房にそのプロジェクトチームを作るというような形を取っている。
 その意味では、その実効性も含めて担保するためのものを総合的にその中に書き込んだつもりでありますので、諮問会議においても引き続いてこの評価、点検を行うという姿勢を強く持ってその実現に努めていきたいと思っているところでございます。
#10
○広中和歌子君 民間の技術者や学者などとお話しいたしますと、その持っている技術、すばらしい技術がなかなか、諮問会議とかいろいろなところまでは上がるんだけれども、それがなかなかアクションに結び付かないといったようなお話を伺うことがございまして、そういう中で、議員の役割というんでしょうか、それも非常に大切なんではないかなと思っているところでございます。
 ですから、ここにいらっしゃる議員も含めまして、そういう民間の声というのを政治に直接つなげるというような形を是非、私、一議員としても取りたいと思っておりますし、そういうものをエンカレッジしていただく、耳を澄ませていただくということを心からお願いしたいわけでございます。
 今日いただいた貴重なお時間で、ちょっとマイクロクレジットについてお話しさせていただき、また御意見を伺いたいと思っているわけでございます。
 マイクロクレジットというのは、私が十年前に初めてこの存在を知ったわけでございますけれども、その存在は一九七三年に、一番最初に、既に御存じの方多いと思いますけれども、バングラデシュでドクター・ユニスという経済学者が設立したものでございます。
 それは、普通の銀行ですと、例えば担保があるかとか、あるいは保証人が必要であるかとか、それから手持ちの資金があるかとかというようなことで、なかなかお金が貸してもらえない。つまり、銀行が相手にしないような本当に極貧層の人にお金を貸す、無担保でお金を貸すと。そして、実験的にそれをやってみたらば、回収率が非常に良かった。少なくともグラミンバンクの場合は九八%から九六%ぐらいの回収率がある。実を言うと、こういう貧しい人たちの方がまじめにきっちり返すんではないかと。そういうことを肌で感じたこのユニス博士というのがグラミンバンクを始めて、今では二百四十万人の人がこの銀行に、このプログラムに参加している。
 その参加者は主として女性であるということでございます。女性が特にまじめにお金を借りたら返すということ、そしてもうけたお金というのは、それは家族に使う、地域に使う、貯金をすると。そういうようなことで、地域の開発、発展というんでしょうか、そういうものにも役に立っているという話を私は十年前、環境会議か何かで伺って大変感銘を受けました。
 その同じ話をクリントン大統領がかつてアーカンソーの知事であったときに聞いて、わざわざユニスさんをアーカンソー州に呼んで、アメリカでも貧困層が一杯いますし、それに当時のアメリカというのは非常に経済も沈み込んでおりましたから、アメリカの国内でこういうことができないかということを模索なさったようで、その結果として、NGO支援の、あるいは直接そういう金融機関も、貧しい人を対象とした、地域を対象とした金融というものがどんどん広がっていくと、そういうことがあったようでございます。
 それで、一九九七年にはニューヨークでマイクロクレジット・サミットというのが開かれました。不肖私もオーガナイザーの一人としてその会議に、オーガナイズする側に回ったわけですけれども、何と驚くなかれ、そのテーマというのが、一億人の極貧層の家族を救おうと、そういったようなものでございまして、非常に野心的なものでございました。当然、いろいろな三千人ぐらいの方がいらした中には、ルービン財務長官、当時の、方もいらしていましたし、それからミセス・クリントンも大統領夫人としてスピーチをなさるというようなことであったわけですけれども、それ以後、このマイクロクレジットが非常に世界的にも知られるようになっている。
 ちなみに、我が国日本では、一人でしゃべっていて恐縮です、ちょっと知っていただきたいので演説しているんですが、かつてのOECF、今のJBICも三十億、このマイクロクレジットのために支出をしている。特に、このグラミンバンクには三十億を出していて、そしてそれは非常にうまく運用されているということでございます。
 私の理解といたしましては、このマイクロクレジットというのは途上国支援のすばらしいツールであるというふうに思って、今まで外務委員会などで盛んにこのような形の海外支援というものをした方がいいんじゃないかといったようなことを言っていたわけですけれども、ふと考えますと、このマイクロクレジットというのは我が国にとって決して無縁のものではないと。
 昔、頼母子というのがあったり、様々な形で講というのが存在いたしましたよね。頼母子、それはお金を貸し借りする地域グループであったり、あるいは労働をお互いに分かち合うと。これは多分、江戸時代からずっと続いていて、特に大阪、塩川大臣のお地元などでは非常に盛んだったんではないかと思います。私の夫の田舎の山口でも戦後までそういうものが存在しておりまして、こういう地域での助け合いというものが信用金庫になったり信用組合になったりということで、地域を支えて現在に至っているんではないかと思うわけでございます。
 そういう地域金融というもの、これは今の日本、経済力が非常に大きくなりましたから、マイクロクレジットというような小さなものではないかもしれない。しかしながら、やはりこうした考え方というのは非常に大切ではないかと思うわけでございます。
 それで、金融大臣にお伺いしたいんでございますけれども、このマイクロクレジット的な発想で地域金融を活性化していこうという考え方そのものについて、そのことについて御所見がございましたらお伺いしたいと思うわけでございます。
#11
○副大臣(村田吉隆君) バングラデシュのグラミン銀行のことにつきまして、広中先生がかねてより大変御研究なさっておられて、かつて小渕外務大臣にもそのことを御質問なさった、そういう経緯も私ども承知しておりますが、そして、今先生御指摘になったように、グラミン銀行に対しましてOECFから支援がなされていたということも、私も勉強させていただきました。
 実際、私も、NHKでこのグラミン銀行についての番組がございまして、それを拝見いたしまして、本当にマイクロベンチャーみたいなところに、おっしゃるように、女性でありましたけれども、そういうところにグラミン銀行がお金を上げるんじゃなくてお金を融資しまして、連帯保証は付くらしいんですが、融資をして自立自助の精神でもって起業をする、こういうのを助けると。こういう番組を見ておりまして、開発途上国、経済の発展段階で大変なかなか立ち上がれないような貧困層にお金が行く、そういう銀行の存在というものを改めて知りまして、大変感銘を受けたのも事実でございます。
 一方において、日本の場合には、社会あるいは経済の発展段階を考えるときに、このようなマイクロクレジットのようなものが即類似のものが日本で発達するかどうかということについてはまた別の考え方があろうかと思いますけれども、公的金融としては国民金融公庫のマル経というのがありまして、これが割合簡単に借りられるという、そういう融資の内容になっておりますし、私どもが担当いたします民間金融の場合にでも、個人あるいは中小企業に対しまして無担保無保証でクイックローンという、そういう制度がございます。
 先生が御指摘なさったように、互いに助け合う無尽とか頼母子講みたいなそういう経緯があって、第二地銀は無尽から発展して第二地銀になったということでございまして、経済の発展によりましていろいろ地域金融というのも変遷を遂げていると、こういうことだろうと思います。
 民間金融という立場に立った場合には、私どももそうした零細な事業者に対しまして民間銀行が適切なリスク管理の下にお金を貸す。無担保無保証になるならば、そのリスクの審査あるいは管理というものを適正にやって貸付けを行うということは我々としても大いに期待しているわけでありまして、そうしたところにもリスクマネーあるいは中小企業の運転資金なんかも含めて資金が円滑に流れるということは我々としても大いに支援しなきゃいけないというふうに考えているわけであります。
#12
○広中和歌子君 今のお答えの中にお考えがにじみ出ていたのかもしれませんけれども、例えばアメリカなんかでも、地域金融が地域を育てる、そして地域から集めたお金は地域に還元しなければならないといったような考え方がございますし、そしてそれが一部法律化され、最初はマイノリティーに対する支援であった、例えば女性であるとか少数民族であったり、あるいは高齢者であるとか。つまり、公民権法に基づいたそうした考え方から出てきたものだと理解しておりますけれども、次第に、やはり地域を活性化することがアメリカ経済、アメリカの社会全体を安定化させると、そういう考え方で最近特にそういうのが盛んになってきているわけでございます。
 CRA、地域再投資法についてどのような考え方をお持ちでいらっしゃるのか。そして、我が民主党といたしましては、地域金融に関する円滑化法、これは私も提出した者の一人に名を連ねさせていただいているんですけれども、こういうことは非常に大切だろうと思う次第でございます。
 現在の地域金融の現状はさておき、新たにでもこういったような地域金融が活性化するような方策を講じなければいけないんではないか。アメリカのことばかり申し上げて恐縮でございますけれども、どんどん新しい金融機関が、つぶれるものはつぶれ、新しいものが立ち上がっていますよね。そういうような形も望まれるんじゃないかと思うんですけれども、お考えをお聞かせいただければと思います。
#13
○国務大臣(柳澤伯夫君) CRAについてどういう評価をしているかということでございますが、これにつきましては、今、広中委員からのお話にありましたように、公民権運動の背景を持ちまして地域というとらえ方をしているんですけれども、やはりマイノリティーの方とかあるいは人種的な一つのグループというのが、歴代大統領の中には思い切ってそれを分散させて伝統的な多数派と混住させるというような試みをした方もいらっしゃいますが、事実問題としてはやっぱり一つの地域に集住をなさっていると、こういう背景があると私は思っております。
 そういう中で、地域というとらえ方をして、そしてそこに融資をするということを勧奨していく、こういうことでこの試みが始まったようですが、その結果は、トータルでどうだったかというと、いろいろな機関のリポートが出ているようですけれども、総じて、これは金融機関、そうしたことに志向した金融機関に思わぬというか予想していなかった収益機会を与えることにもなったというようなことで、そういう収益機会を与えたという意味合いでもこれがむしろ金融機関の側からも、自主的にもそうしたところに資金の供与をしていくということはいいことだと、こういうことが出てきたようです。
 そういうようなことで、CRAの施行というものについては全体として積極的な評価が行われているということを私どもも承知をいたしております。
 その上で、日本の場合にどうかということでございますが、私どもは、日本の場合に、別にそうした人種的な背景というようなものもこれはもう全然アメリカとは異なるわけでございますので、そうした意味合いでの似通った機関を設ける、あるいは行為規制を設けるというようなことは、私ども、必要ではない、マーケットメカニズムでその点は十分カバーをされるというように考えております。
 今回、私の私的懇話会がいろんな議論をしていただいたわけですけれども、最後に委員がおっしゃった、金融機関というものが新陳代謝をしていくということがアメリカではあるということでございましたが、この点については日本も同様ではないかと。つまり、ちょっと今の現状からすると飛躍があると言われるかもしれませんけれども、何でもっと日本人は、おれは銀行業をやるぞというようなことで新しい金融機関を立ち上げるというような行動が全くないんだろうか、何か銀行業の免許などというものは物すごい手の届かないところにあって、そういうようなことをもう考えることすらしないというのは一体どういうことなんだろうかというような議論を実はしておりました。
 そういうようなことで、私どもとしても、今最後に委員のおっしゃった点については、このリポート、懇話会のビジョンというんですか、そういうようなところでも、そうした、やや論争的かもしれませんけれども、そういうようなことも書かせていただいていると、こういうのが現状でございます。
#14
○広中和歌子君 お言葉に悪乗りするつもりはございませんけれども、今朝のある新聞で「大機小機」、「歴史は二度繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」というテーマで書いているんですけれども、今、政府の政策として、小さな、不良債権を抱えたような銀行同士が合併するというようなことがあります。ただ、何というんでしょうか、そういう銀行を二つ併せても、マイナス銀行とマイナス銀行を併せても決してプラスにはならないと。掛け算じゃない。
 ということで、ともかく、やはりそういうところで淘汰とそれから再生というものをもうちょっときっちりなさるというような方向で進まれるというのは、私はすばらしいことだと思います。
 それから、またお言葉を返すようでございますが、日本の中には差別がないから必要ないと地域金融についておっしゃいましたけれども、例えば女性に対して差別というのは厳として存在いたします。私は、小さなビジネスとして、例えば一村一品運動みたいなものをちょっと見てみたんですが、あれはほとんど女性がやっているんだと思ったらば、やっぱりやっているのは男性だそうでございまして、下働きは女性がするかもしれないけれども、肝心の経営というんでしょうか、そういう面では女性は排除されている。女性が銀行に行ってお金を借りてくるということはほとんど難しいと、そういうことでございますので、是非この点御理解賜りたい。
 最近は、女性がきっちりお金を返すというのは途上国だけではございませんで、日本の女性もなかなかいいんではないかと、そのような評価を持っていただくこともあろうかと思います。
 ちょっとそれはさておきまして、時間の制限もあるんですけれども、マイクロクレジットを広めていくためには、やはりある程度の保証制度というものがあれば有り難いなと思うわけでございます。数年前でしたか、日本、貸し渋り、貸しはがしが非常に大きかったときに三十兆円枠の大きな信用保証枠というのが作られ、それがその後どうなっちゃっているんだろうかということでちょっと御質問させていただけたらと思います。
#15
○政府参考人(小脇一朗君) お答えを申し上げます。
 お尋ねの特別保証制度でございますけれども、平成十年当時の未曾有の金融システムの不安の状況の中で創設をされたものでございます。臨時かつ異例の措置として導入したものでございますが、担保、保証人なしで最大五千万円まで保証をすると、こういった制度でございます。
 昨年の三月末に終了いたしましたけれども、本制度は、全体で百七十二万件、約二十九兆円の実績に達しておりまして、平成十年当時の未曾有の貸し渋りに直面する中小企業の倒産の急増等を緊急避難的に回避するのに効果的であったと、このように考えているところでございます。
#16
○広中和歌子君 それはそれで評価するわけでございますけれども、それから先、また貸し渋り、貸しはがしというのが生まれているわけですけれども、そういった中小企業を守るというんでしょうか、そういうための新たな保証制度というものはどのような状況になっているか、教えてください。
#17
○政府参考人(小脇一朗君) お答えを申し上げます。
 特別保証制度は昨年の三月に、今御答弁申し上げましたとおり終了いたしましたけれども、それ以降も中小企業を取り巻く金融経済情勢、大変厳しいものがあると、このように認識をいたしております。取引先の企業の倒産とか、あるいは金融機関の破綻に直面した中小企業の方々に対しましては、連鎖的な破綻を防ぐという観点から、私どもセーフティーネット保証制度というのを用意をいたしております。この二月のデフレ対応策の中でも、利用可能な中小企業の範囲を拡大する等々、制度の拡充を行ってきているところでございます。
 さらに、加えまして、不動産担保主義からの金融の脱却を目指しまして、中小企業がお持ちの売り掛け債権を担保として民間金融機関が融資をする際に保証をするという、売掛債権担保融資保証制度を昨年の十二月に創設をさせていただきました。
 私ども、制度の普及浸透のためにいろいろ制度改革、手続の簡素化等々を行いまして、先週末現在でございますけれども、一千三百件、総額六百八十億の融資実行に結びついておるところでございます。
 今後とも、私ども、こうした施策を始めとして、保証制度を通じまして、中小企業の資金の円滑化に万全を期してまいりたい、このように考えているところでございます。
#18
○広中和歌子君 こうした制度が新規のマイクロクレジットと、日本版ですよね、そういったものに支援をしていただけないかなと思うわけでございまして、そういう中で、NGOのグループがそういうことを始め掛けております。例えば、東京市民バンクでは女性の起業家を支援していると。これは無担保でございます。面白いんですけれども、みずほ銀行が融資機関で、そして査定をするのがNGOでございまして、元銀行員だった人、それから有識者などが集まって、その人の、起業家の人物を見ると。担保力とかそういったものではなくて、その人の人物を見ながら、やる気とかなんかですよね、お金を貸している。銀行がそのような形で動き始めているということを是非御認識いただきたいと思います。そのほか、労金を使ったNPOサポートローンの事例なんかもございます。
 こういうことはまだまだ本当に始まったばっかりなんでございますけれども、こうした新しい女性起業家支援みたいなものをいろいろやっていただければ随分世の中変わってくるんではないか。GNPに反映されるような大きな経済力になるとは思いませんけれども、今、地域通貨であるとか、大蔵大臣はお嫌いだと思いますけれども、地域通貨であるとかNGOによる、要するに一般の会社、企業のレベルから見れば収入は低くても、しかしながらアウトプットは非常に大きいとか、満足度が高いとか、そういったようなことで地域が活性化していく、そうしたシステムをこの日本で、やはり成熟社会となっている日本で作っていかなければならないんではないかなと、そのような思いがするわけでございますが、塩川大臣、最後に御感想を伺えればと思う次第でございます。
#19
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、広中先生のお尋ねの用件の中に、地域金融にそういう女性の声とかあるいはNPOの声を反映させいと、こういうことだと思っております。
 実は、国民金融公庫、政府関係機関でございますが、これが尾崎総裁が始めましたので、全国の主な支店を中心にして、六か所だったと思っておりますが、御意見を聞く会を作って第一回をやったんです。これは非常によかったと私は報告聞いておるんですが。
 それは、いろんな経営者を呼びまして、融資を受けた方、それから受けようとして受けられなかった方、そういう方集まっていただいて、意見聞いて、それを参考にして貸出しに生かしたいと、こういう具合にしておりまして、私は、これはいいと思いまして、各支店ごとにそういうようなの作って、要するに支店の評議員みたいな制度ですね、それを作ったらどうだろうと、こういうことなんです。これ一点ございます。
 それから、女性の方の実業界における活動に対して金融、どう支援するかということでございますが、ちょうど一か月ほど前でございましたけれども、女性ばっかりの経営者集まってもらいまして、私もそれから小泉総理も一緒に出席して懇談をいたしました。そのときに、特徴は、女性の経営者の、今、人材派遣業が一番多いですね。それと、一部の特殊な流通関係の人が多い。
 そのときに、金融機関の話でどんなのが一番難しいかと聞きましたら、金融機関は情報公開をおっしゃるんだけれども、私たちのやっている、つまり人材派遣であるとか流通とかいうのが、要するに売り先が、お客さんが不安定なところが非常に多いのでそういう計画書を出しにくい、それが非常に金融上困っているんだと、こういうことでございました。ですから、そういうものに対する、情報公開の検査というものをある程度勘案してもらえぬだろうかと、こういう意見ございまして、私は、このことは国民金融公庫等にお伝えしておいたので、考慮してもらいたいと、こういうことを言っておりました。
 いずれにしても、やっぱり金融を活用している人の意見というものを、それを聞かないと、どうも政府系機関だとか一般の金融機関は机に閉じこもって聞いているのが多いと思いますので、そういう点のないようにいたしたいと思います。
#20
○広中和歌子君 竹中大臣にもちょっとコメントをいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#21
○国務大臣(竹中平蔵君) 広中委員お尋ねのポイントは、要するに、市場メカニズムに基づくグローバルな規模でのバンキングといわゆるリレーションシップバンキングというようなものがやはり両方必要であって、それの両方の位置付けをしっかりすることが重要ではないかという点に恐らく集約されるのではないかと思っております。
 これは、地域通貨というのも、考えてみたらリレーションシップを大切にしようということから出てきた発想であると思いますし、恐らく市場化が物すごい勢いで進んでいるからこそ、人々の間には市場に任せるだけではなくてやっぱり別のシステムが必要だという暗黙の認識が急速に広がっている、それがボランティア、NPO、NGO等々になってきているのだと思います。
 これを政策のシステムとしてどのように形にしていくかというのは、これはまた大変難しい議論しなければいけない問題はたくさんあるというふうに思いますが、リレーションシップの部分、それをやはり市場のメカニズムを活用しながら両立させていくという仕組みをこれはもう本当に真剣に考えないと、むしろ事実の方がそれに先行していろいろ動きつつあるというのが現状ではないかというふうに思っております。
#22
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
#23
○櫻井充君 今の広中委員との質疑応答を聞いていて、ちょっと柳澤大臣にお伺いしたいことがあるんですが、先ほど、CRAのことに関して人種だというお話をされました。確かに、そういう面も元々の起こりはあったんだと思うんですよ。しかし、実際、その人種ということを全く除けば、結局は融資されない人たちということなんだろうと思うんです。つまり、そういう考え方に立つか立たないかだけであって、今の日本の金融システム上、同じようにやはり融資をされにくい人たちがいるかいないか、そしてその人たちをどう考えるかという視点に立つべきなんじゃないかと、私はそう思っているんです。
 この「金融システムと行政の将来ビジョン」の中にも出ていまして、結局、最初のところは、確かに導入は人種差別をどう解決していくかということだったと。これはそのとおりだと思いますが、その歴史的経緯はだんだん変わってきていると私は思っておりますし、今年の二月にアメリカへ行ったときにも、FRBの方が地域金融システムになくてはならないものなんだと、共和党政権になっても同じですよということを私は現場で聞いてまいりました。
 ですから、人種差別というところからやはり離れて一度考えていただきたいと思うんですが、そういうことを考えていただきたくて、そしてそう思ったとしても、それからもう一つ、ここの中には、民間金融に政策的目的を課すことによって、目的達成のために収益が犠牲になるのかと、こういう議論もなされているんですが、少なくとも、でも公的資金を入れた金融機関に対しては中小企業に幾ら貸し出せと、ここにも書いてありますけれども、これはもっとひどい目的を課しているわけでして、その意味では、言っていることとやられていることが私は大分違っているんじゃないかという気がするんですが、ちょっとその辺をまとめて御意見いただきたいと思います。
#24
○国務大臣(柳澤伯夫君) アメリカのCRAについてどう考えるか、このことについてはビジョン懇話会でも若干の議論はして、その記録はその最終の報告にもとどめておるかと思います。
 確かに、人種的な背景を持って地域再投資法という形で始めたわけですが、そこから現実に収益が上がったというようなことで、今度は銀行の方からやっぱり我々は見落としていたところがあったんだというような思いで、そういう今までとは異なった視点からいろいろ自分たちの言わば隠れた顧客を見付け出すと、こういう努力がされているということは、私もそうした議論を通じて認識をさせていただいておるわけでございます。
 そういうことだから、さて、日本でも同じようなことがあるんではないかということかと思うんですけれども、これはやっぱり日本ではそうしたことは割と少なくて、やはり今の金融機関、本当に懸命になって自分たちの収益機会を見付けようということで努力をしております。銀行が抜かっていたところについてノンバンクが進出した、それでまた新たに自分たちが見落としていたところがあるじゃないかといって、そういうようなものとの提携の中で、あるいはそれとは別個の観点でそういう収益機会を見付けていこうというような努力は、私は相当程度行われているわけであって、日本の場合にはマーケットメカニズムでそうしたことは言わば十分行われているというふうな認識を持っているわけであります。
#25
○櫻井充君 今、マーケットメカニズムとおっしゃいました。それから、大臣、よく金利を、それに見合った金利を取れというお話をされますよね。その点でいうと、公的金融機関がある限り、これだけ巨大に貸し出している公的金融機関がある限り、マーケットメカニズムというのは働かないんじゃないですか。そして、金利を取れといっても、補給金が入って、補助金が入って安い金利で貸し出して、しかも利益を取らなくてもいいような、そういう機関がある限り、マーケットメカニズムは働かないんじゃないですかね。
#26
○国務大臣(柳澤伯夫君) 政府関係金融機関あるいは政策金融機関というものをどういうふうにごらんになっているか、私ちょっと、そうした発言からはなかなか分かりにくいわけですけれども、国民金融公庫の企業貸しでしたか、先ほど村田副大臣が触れられたような資金というものは、これはかなり一般性を持った資金なんですが、その他の資金というのは、非常に個別具体的な政策というものがあって、そしてその政策の要件に合致したものに資金を供給すると、こういうことになっているんです。
 そういうことでありますから、一般的な資金需要というものにこたえるという形で政府関係金融機関が業務を行っている、あるいは組織をされているということはないわけでありまして、やはり非常に個別具体的な政策があって、その推進のために、いろいろな方途はあるけれども、金融というものがやっぱり有効だということからそうした融資が行われているということであって、それはそれなりに意味があって、それがすべて日本の金融、経済におけるマーケットメカニズムの障害になっていると、まあ障害になっている面もあるんですけれども、すべてを台なしにしてしまうほどの効果を持っているというのは、やっぱりやや当を得ていないというふうに考えております。
#27
○櫻井充君 本当にそうでしょうか。
 対GDP比で見たときに、日本の公的金融機関の貸出し残高というのは三四%ぐらいだったと思います。フランスが多い多いと言われても一四%でして、それからアメリカ、ドイツは四%台です。イギリスは一%台なんですよね。その数字から見たときに、公的金融機関が極めて多く貸し出しているというのは、これはこの数字が私は証明していることだと思いますし、昨日ちょっと石油特会のことを調べてみると、あの特別会計からも融資されていますし、特別会計から出資されている公益法人も融資活動を行っているんですよ。そうすると、公的金融機関以外のところも政府が相当貸し出しているということが分かったんですね。そうなると、民間の貸出し枠というのは当然のことながら減ってくるんだろうと思うんですよ。
 この点について、竹中大臣、済みません、ちょっとこれは通告していないんですけれども、少なくとも政府がどういうふうにこういう金融システムに関与していくべきかということから考えたときに、私は公的金融機関が余りに大き過ぎるんだろうと思うんです。今日、これはゴールドマン・サックスからいただいた数字を見ても、国内の銀行の貸出し額の計が四百六十九兆円で、公的金融機関が百七十二兆円という、こういう数字になっていますから、やはり大き過ぎるんじゃないだろうかという気がするんですが、いかがでございましょうか。
#28
○国務大臣(竹中平蔵君) 大変大きな問題なんでありまして、御承知のように、経済財政諮問会議において総理は、政府系金融機関の在り方についても今年じゅうにその方針を取りまとめろということで、今我々も勉強しているところであります。
 基本的な考え方というのは、やはり政府部門、公的な部門が金融機能をどのぐらい担うべきかという問題については、これは各国大変いろんな努力をしているというふうに思います。
 今、櫻井委員がお挙げになった数字はちょっと私の方では確認今すぐはできませんけれども、大変難しいと思いますのは、金融の形態が国によって違う。御指摘のように、日本は政府系の機関が直接貸す直貸しが多いというのはそのとおりだと思います。しかし一方、別の国では、それを債務保証、民間が貸したのを債務保証するなり、ないしは代理貸付けというようなことをやっていたりということで、実は比較そのものが大変難しいということを私たちも今勉強しつつあるところであります。
 重要な点は、例えばアメリカの予算教書には、アメリカの連邦政府はアメリカで最大の金融機関であるということを明示していまして、かなりの証券化したものの引受けとか金融活動をやっております。ただ、日本の場合、直貸しが非常に多くて、それが、しかもこれも貸出し条件にもよりますですね、民間とどのぐらい違う条件で貸し出しているかということにもよりますので即断はできないんですが、基本的には政府の部門が肥大化して市場メカニズムを損なうことがないようにこれはしなきゃいけないと、そういう基本的な方向で見直しの議論をしたいと思っているところであります。
#29
○櫻井充君 住宅金融公庫が僕は典型的な例だと思うんですよ。これは銀行の方々と話をすると、住宅ローンのところに入っていきたくても、まず抵当権が、第一抵当権が公的金融機関であるということと、それから向こう側は利子補給を受けているということになってくると最初から競争なんかできるはずがないんだと言うんですね。ですから、私はマーケットメカニズムというのはこれはもう完全に阻害されていると思うんですよ。いかがでございますか、もう一度、竹中大臣。
#30
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど申し上げましたように、一概に言うのは、一概には言いにくいんでありますけれども、住宅金融等々に対しては、確かにアメリカのマネーセンターバンク等々で融資の中で住宅貸付けが占める割合というのは二五%ぐらい占めているところも結構あったかというふうに思います。そういった、ある意味でおいしい部分をこれまで政府が占めていたというような面はあったわけで、であるからこそ住宅金融公庫の在り方を全面的に見直すと。そうすると、また民間から、非常にこれは民間の活力でありますけれども、それを補うような融資のパッケージが民間から出てきていると。
 そういう事実を見るにつけても、その政府系金融機関が市場のメカニズムを阻害しているという面は間違いなくこの国には、程度の差は、程度はどうであるかという問題はさておきあるわけで、その問題の見直しは必要であるというような認識は持っております。
#31
○櫻井充君 それで、もう一つ、オーバーバンキング、オーバーバンキングという話になるわけです。そのオーバーバンキングというのは、これは金融機関の数を意味しているわけじゃないですよね、大臣。まず、ちょっとそこの認識からお伺いしたいんですけれども。
#32
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっとさきの話で、必ずしも私の真意が伝わらなかったと思うのは、私は先ほどの櫻井委員の指摘というのは定性的な指摘だというふうに受け止めて、定性的に申し上げたわけですね。要するに、一般資金というのが政府機関を通じて貸し出されているということは、極めて例外的に零細な資金が国民公庫から貸されているということだけですよ、あとは極めて個別具体的な政策を推進する言わばツールとして金融が用いられているということですよということを申し上げました。したがって、定性的にはそんなに民間の金融における市場メカニズムというのが働かないということはないと私は考えますと。
 しかし、これ、定量的に言ったりして、あるいはもうちょっと現実論になってくると、私にも相当意見が実はあるんです。相当実はあるんです。
 本当に各省が、もう本当にちょっと何か政策をやると言えばすぐそのことのために政策金融機関から金が出るような、そういうものにしてしまっていないかということなんです。そういうことは極めて私は問題があるというように思っています。それが第一点。
 それから第二点は、民間の金融機関もだらしない、はっきり言って。例えば今、政策投資銀行と名前を変えましたけれども、そこがお墨付きをして自分は融資するということになればそれにみんな協調融資して金を出す、自分での審査能力というものに自信が全くないと、こういう状況になっているんです。
 こういうようなことについて私は非常に言いたい部分が実はあるんですけれども、最初の部分は全く抽象的な原理論として、政策金融というものがあれば市場ということがある限り市場メカニズムというのは働かないというふうに私受け止めましたので、それに対しては私先ほど答弁したように思うということを申し上げたと。
 それから第二番目に、オーバーバンキングの話ですけれども、論議の途中でオーバーバンキングということを明確に言われた方もおりました、正直言って。それはどういうことかといえば、日本の金融機関がおしなべてみんな低収益であるということの背景にやはりオーバーバンキングというものがあると自分は考えますと、こういうことを明確におっしゃった方もいらっしゃるんですけれども、私どもとして、最終的なそのリポートの中にオーバーバンキングという認識に立った論議はしていないということでございまして、先ほどむしろ広中委員ですか、おっしゃられたように、何で新陳代謝がないかというようなことと絡めてお話し申し上げたんですが、もっと自分はこういうところに、例えば女性銀行ですね、女性の起業者だけに対して専門的に融資をしていくぞというような銀行があったり出たりするということについては我々はむしろ歓迎ですよというようなトーンでそのリポートは書かれているように私は受け止めているわけです。
#33
○櫻井充君 そうすると、私の認識と全く同じなんだろうと思うんですよね、大臣。定量的にというお話のところになってくれば全く同じだということですよね。
 そうすると、やはり政府系の金融機関が縮小していかない限り、逆のことを言うと、だって政府が最初にやればいいだけの話じゃないですか。政府がそれを縮小していったら民間の金融機関があとはそこに貸し出せるかどうか、これからまた議論しなきゃいけないことですけれども。ですが、そういうことを、先にやるべきことは政府の金融機関を整理するということになるんじゃないですか。
 つまり、オーバーバンキングというのは、オーバーバンキングというか、要するに貸出し量が多いというのはこれは何の問題かというと、結局のところは、民間の金融機関の数とか民間からの貸出しということよりも、政府系の金融機関からの貸出しの方が問題なんじゃないかと私は思うんです。例えば、農業の従事者に対しての支援をやりますといってお金を貸す際に、農業じゃなくて、農家の方がアパート建てる、それに対して金貸したりとか、水産業の振興だというと、水産業の方々じゃなくて加工業者に今融資している方が圧倒的に多いわけですよ。
 そうしてくると、とても政策のためにやっているんじゃなくて、これはもうほかの例えば中小企業金融公庫でも何でもいいですし、それから民間でもいいし、そこが貸し出せるわけですよ。そこのところを低金利で、しかも何回も言いますが、補給金入れて補助金入れて低金利で貸し出しているとすれば、これは民間でリスクを取って金を貸し出すとかそういうことというのは絶対的にできないんだと思うんです。
 むしろ、ほとんど質問ができなくなっちゃいますが、要するに、今の状況からいうと、民間を補完するんだとすると、むしろ一〇%ぐらいの金利を取って公的金融機関が貸し出した方がいいと思うんですよ。つまり、ノンバンクとそこの間を埋めるところがないないと、民間にそれをやれやれと言ってもやらないんだとすると、むしろそういうことを公的金融機関がやっていって、そしてこれだけ収益は上がるんだということをむしろ教えてあげた方が私はいいと思っているんですよ。本当は民間がやればいいんですけれども、なかなかそういうことにならないんだとすると。
 その辺のことについて、大臣、いかがですか。
#34
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は先ほども指摘させていただいたとおり、個別具体的な法律の中に例えば金融についても配慮しなければならないというような文言をちょろっと書きまして、それがすぐ投資銀行だとかあるいは中小公庫だとかというようなところに反映して、だから中小金融公庫なんというのはこういう政策目的のことについてこういうお金を貸しているんですと、全部それでもって政策の名前を挙げればぴたっとトータルの融資額と合うと、こういうことなんです。しかし、結果においてはそれがすごいボリュームになっているということは一体どういうことなんだということをもっと詰めて考えて、本当に一本一本の融資に結び付いている政策が必要なのかということについて私は吟味をしない限り、このボリュームは減っていかないだろうと、こういうふうに思っているんです。
 それで、そういう法律を通しているのは、そんなことを言うとまたしかられますが、国会なんですね。みんなそれぞれ族的な人たちが担いでそういう法律を通していらっしゃるわけなんです。いや、顧みて他を言うということはしませんが、私は行政改革をやったんです、それで。やって、一本一本吟味して掛からないと駄目だというようなことでやり掛かったんですが、何しろそのボリュームに圧倒されるというのが現状ですよ。
 ですから、これもうみんなで力を合わせて、そういうようなことについて政府の部門がやり過ぎていないかというようなことで、これから何か政策を打て政策を打てという言葉は多いんですけれども、政策の打ち過ぎ、政策というのは本来差別化ですから、みんな政策打っちゃったら政策にならないんですよね。ですから、政策は打ち過ぎていないかと、政策が足りないんじゃなくて、政策は打ち過ぎているんじゃないかというようなこともちょっと念頭に置いてこういったことについては吟味をする必要があると、私はそのように考えているんです。
#35
○櫻井充君 御指摘のとおりだと思います。
 そして、ただしそこの、公的金融機関の整理というのは、前にもお話ししたとおり、柳澤大臣に権限があるんですよ、法律上に。ですから、今そういうことをおっしゃるのであれば、吟味しなさいじゃなくて、金融庁にはそこの権限があったじゃないですか。あの法律に書いていた。──あ、ごめんなさい。だけれども、あそこの法律では、所管大臣としていろいろそのことに対して無駄だ、無駄というか、議論できる立場にあるはずなんです。じゃなければ、前から言っているとおり、もし法律上の不備だと考えるのであれば、我々が、ここのところは金融庁に一元化すべきだと思うんですよ、公的金融機関というのは。民間金融機関の補完の立場であるというふうに考えて、そのような形で政策を打ち出していくということになったとすれば、これは金融庁が一元化したって私はいいんじゃないかと思うんですよ。その点に関しては、柳澤大臣、いかがですか。
#36
○国務大臣(柳澤伯夫君) 何と申しますか、政策金融というものは多かれ少なかれ財源なんですね。財政資金なんです。先ほどもおっしゃったように、低利の融資を行うということになれば、そこに出資でという形を取るにしろ、補助金という形を取るにしろ、財政資金が裏付けにならなきゃ駄目。あるいは、非常に超長期のお金を貸すというようなときにもやっぱり財政資金が裏付けにならないと駄目なんですね。
 そういう政策官庁が、それぞれの官庁が、じゃ金融庁に言ってくると、こういう政策をやって、今度はここに融資をするということになったから付けてくれと、そういうふうな融資制度を作ってくれと言ったら、分かりましたと言うけれども、色男、金も力もなかりけり、色男でもないですけれども。そういうことで、それじゃ分かりましたと言って今度また金融庁が財政当局とそうしたことを掛け合うのかと。これはおよそ二重手間だろうと思うんですね。ですから、やはり政策金融機関というものが財政資金と一体になっているということからすると、金融庁にこれを置くというのは、ややというか相当無理があるというふうに私は考えます。
#37
○櫻井充君 竹中大臣にお伺いしますが、その市場原理を導入することによって民間を活性化してということを常々大臣おっしゃっていますよね。
 今の議論の中で、やはり政府が、僕は柳澤大臣の話をお伺いして、もっともだと思ったんです。政府は確かにやり過ぎだったかもしれないと。そこのところを整理していくシステムとすれば、私は、例えば所管が担当省庁と金融庁でもいいと思うけれども、ある部分、やっぱり金融庁の方が強く権限を持てるようにしておかないとなかなか難しいんじゃないだろうかという気もするんですが、政府がどういう形で市場にこういう場合介入していったらいい、介入というか、どこまでが許されるとその辺お考えなのか、その辺について御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
#38
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、政策金融というのは政策的な意図、意思をどのぐらい政治的に持つかということがその基本にあるわけでありますから、非常に強い政治的な意図を持って何かやらなければいけないときというのは、それは理屈の上ではあるわけであります。しかしながら、これは言うまでもなく市場の失敗を補うものであるけれども、同時に政府の失敗というのも非常に大きいんだということを我々ずっと学んできたわけです。
 そうした意味からいうと、やはり民間を、民業を補完するということに徹する、かつ政策コスト、政策的な意図を持ってやる場合も政策コストを最小化するという形でやる。これ今いろんな各国の事例を見ておりましても、例えばですけれども、補完に当たっては、一つの例ですよ、民間の金融機関二か所から断られたという証明書があったときに初めて政府が出すというような国もあります。ないしは、金融機関、民間の金融機関から、私たちは融資するから、しかし足りないから補ってくれという要請があったときだけやっているというようなシステムを持っている国もあります。そういったシステム全体をどのようにこれから作るかということを正に諮問会議で議論したい。
 その意味では、民間の金融と政府が行う金融活動というのは、これは間違いなく表裏一体でありますから、その意味では、諮問会議において柳澤大臣にもできる限りおいでいただいて、表裏一体となって御一緒に議論をして、いい方向を探りたいと思っているところでございます。
#39
○櫻井充君 それと、先ほどの広中委員とのやり取りの中で、銀行がどうして手を挙げて自分たちも銀行をやりたいと参入してこないんだと柳澤大臣おっしゃっていましたよね。
 たしかソニーとかヨーカ堂が参入する際に随分議論があって、なかなか我々から見ていると簡単に認可されなかったような感じがしているんですけれども、むしろ大臣にお伺いしたいんですが、こういう規制みたいなものがあって参入できないというふうにはお考えじゃないんでしょうか。
#40
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと局面が違うわけです。あの場合は他業種からの参入による銀行の設立ということがあったものですから、他業と銀行との関係いかにあるべきか、もう最も問題になるのはすぐ機関銀行化の問題ですから、そうしたことについてはかなりしっかりした規制を置かないとこれは銀行の健全性は守れないと、こういうことなんです。
 私どもが先ほど広中委員に対してお答えしたのは、そうではなくてもっと一般の方々ですね、そういう方々が銀行を設立するというようなことをなぜ考えないんだろうかと。何か銀行の免許というのは、もうソニーの銀行でもあのぐらい苦労するんだから、我々がこれをやったってもうはるかかなたの話ではないか、そのハードルはもう極めて高いんではないかと。こういうようなことをもし考えているとしたら、それは残念ですねということなんですね。
 そうではなくて、しっかりした事業計画を持って、資本なら資本もしっかり健全な度合いに持って、新しい銀行を始めようというような人があっても、これはもうむしろ歓迎ですねと、そういう新しいポリシーとか新しい顧客を相手にしようというようなことであれば、これはむしろ歓迎すべきことでありますねというような議論が行われたということでございます。
#41
○櫻井充君 どうも、まあ分かりました。
 ただ、このときにかなり、なかなか参入できなかったんで、これはちょっと大臣怒らないで聞いていただきたいし、これは大臣、名誉のためにお答えいただきたいことがあるんですが、イトーヨーカ堂が参入する際に東急エージェンシーが絡んでいて、その東急エージェンシーから、まあ金融庁なんでしょうか、どこかにお金が流れたんで、それで認可を受けやすくなったんじゃないかと、そういう話がございましたが、そういうのは、まあ全然違うことなんんですよね、これ。済みません。
#42
○国務大臣(柳澤伯夫君) ぶったまげな話なんですね、私にとっては。もうそういう何というか、ことを連想で、ある事実とある事実をつなげるというようなことは、もう天才的な方がそういうストーリーを作られるんだろうと思うけれども、私ども全くそういうことを片方の事実も知らなく、我々は本当にイトーヨーカ堂のアイワイバンクというものについてだけ考えて、その話合いが付いたということで免許したということでありまして、櫻井委員もまさか、私についていろいろ全く根も葉もないことで中傷するようなものがあったそうでございますけれども、お信じにはなっていらっしゃらないだろうと。もう片りんすらも存在しません。
#43
○櫻井充君 どうもありがとうございました。
#44
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸です。
 まず、先ほど来、興味ある論議がありました。政策というのは差別化だと。正にそうだと思うんですね。政策の出し過ぎという点では、ある面では私は賛成なんですね、大臣もおっしゃったように。昔、かつての輸銀とか開銀、あるいはOECFですね、こういったところでは、正に大臣がおっしゃったとおりのことがありました。どんどん金を出したと。しかし、じゃ、一方、中小企業どうだったんだというと、出し過ぎの面があったのかと、そうじゃなかったろうと思うんですね。
 私、今日は、先ほど来、広中委員の取り上げられた地域経済、地域金融問題、私もこのことについてただしたいというふうに思うんですが。
 昨年来、信金、信組を中心に破綻が相次ぎました。そういったところで、私、財政金融委員会なんかでも度々取り上げてきたんですけれども、ともかく地域金融、地域経済を立て直していかなけりゃいかぬということで論議してきました。また、金融庁におかれても、例の金融検査マニュアル中小企業編というのを作って、パブリックコメントにかけて一定の意見を吸い上げてやられたと。私は評価し得る前進があったなというふうに思っておるんですけれども、しかし、じゃそれでめでたしかというと、そうじゃないと思うんですね。
 国会終盤迎えまして、私、破綻した信用金庫、信用組合の職員の方や、それから取引先中小企業の方々、意見を伺ってきました。そうしますと、やはり非常に深刻な実態というのはまだ続いているんですね。特に、職員の方々に伺いますと、一番彼らは何言っているかといいますと、口そろえて言っておられるのが、受皿金融機関に引き継いでもらえなかった、それでRCCに送られた、そういったところの取引先の方々がどうなっているのか、これが一番の気掛かりだという、これが職員の方、多くの方々の声なんです。
 非常に長文の手紙を下さったある信用金庫の支店長がいらっしゃる。この人の意見というのはかなり全体的な意見を集約しているんで、若干その手紙を私紹介したいと思うんです、二点に分けて。一つは顧客の問題、一つは職員の問題です。
 まず、RCC送りになったことについてなんですが、こう言っておられるんですね。
 RCC送りになった顧客に対し、どのような援助策が講じられているのでしょうか。ほとんどの方が絶望感の中で日々暮らしているのが現実です。少なくとも取引金融機関が破綻しなければ、資金繰りなどの支援をしながら顧客の財務改善が進められたはずです。そういう意味では破綻した金融機関も存在価値があったはずですが、その価値を無視して強制的に破綻に金融機関を追い込んだ政府がその責任を取るのは当然であり、RCC送りになった顧客の満足いく施策を直ちに打ち立てるべきです。現実は実質的にほとんど無策です、ということを言っておられますね。
 それからもう一つ、この職員の問題ですよ。
 多くの職員が職を失いました。就職できたのは三分の一です。特に、長年地域金融に携わってきた四十代、五十代のベテラン職員は再就職がままならない状態。中高年の失業対策を本当に本当に真剣に考えてください。また、受皿に再雇用されたのはわずかに七分の一であり、しかも再雇用の人数が決まったのが事業譲渡日のわずか一か月前です。それまでは我々の要求も全く無視され、何ら説明もなく、結果的に就職活動が遅れた原因にもなりました。これを考えれば、この金融機関に受皿金融機関になる資格がなかったのではないでしょうか。その受皿を決めたのは、正しく政府、金融庁なのです。このことも残念な破綻、引受けの構図です。金融機関の破綻劇の陰で、どれほどの国民が今むなしい思いで政治を見詰めているか考えたことがあるのでしょうかと。
 非常に、これ、もうずっと破綻した後もその破綻処理に携わってこられて、もう本当に激務をこなしてこられた方々がこういった気持ちでいるということについてまず知っていただきたいと思うんですね。
 私はこのことを軸に今日はちょっと質問を進めたいと思うんですが、その点で、まず、ちょっと金融庁、伺いたいんですが、破綻金融機関の職員ですね、これは再雇用状況というのは一体どうなっているでしょうか。
#45
○政府参考人(五味廣文君) お答えいたします。
 平成十一年度以降破綻しました信用金庫、信用組合の職員で受皿金融機関に再雇用された職員数というのを把握しようと努めたんでございますが、ちょっと全国ベースではなかなか直ちに数字も出てまいりません。
 一例として東海財務局の管内、これは愛知、静岡、三重、岐阜の四県でございますが、これを例に取りますと、平成十一年度以降合計八つの信用金庫、信用組合が破綻しておりますが、これらの事業を受皿金融機関に譲渡することに伴いまして受皿金融機関に再雇用された職員数というのは、八信金、信組合計で二百六十一名というふうになっております。
#46
○池田幹幸君 今の手紙では、大体、ともかく就職できたのが三分の一で、受皿に引き継がれたのが七分の一という、そういう数字が先ほどの信用金庫の場合はありました。東海地方の例ではそれよりは少しましなようですけれども、依然、それでも非常に深刻な事態にあるということは間違いないと思うんですね。
 それで、大臣、ちょっとここで伺いたいんですが、要するに非常に苦労してきた方々ですね、職員の方もそうだし、その地域経済に携わってきた取引先中小企業の方々もそうなんですけれども、そういった地域金融、地域経済を考えていく上では、こういった信用金庫で携わってきた方々、非常に貴重な人材だと思うんですね。そういった方々が、今後、地域経済、地域金融立て直しのために何らかの担い手となっていけるような、そういった方策というのを考えるべきときに来ているんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょう。
#47
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私も、そうした金融機関にお勤めになられて、いろいろな取引先のことをよく知っていらっしゃる、そういうような方々がその仕事から去られてしまうというのは非常に残念なことだというように思います。
 ただ、破綻金融機関の引受けということに当たって、その人たちがまたみんな、全員がその金融機関に、承継の金融機関に雇用されてしまうというようなことはやはりなかなか難しくて、むしろリストラを進めて、本当に健全な銀行として生きていってくれという要請の方が経済的な合理性からすれば強いわけなものですから、やはりそこのところは雇用が減じられるということは、これは避け難いことであるというように思うわけです。
 ですから、今度RCCなりが、そのRCCに送られた中小金融機関の再生を考えるということを行うようになっているわけですけれども、そういうようなときにはむしろその再生の舞台に一時的にせよ雇用の機会を持つと、それで自分の蓄積したノウハウをそこのところで活用するというようなことは私あり得ると思うわけです。
 そういうことについては、今ちょうど松田理事長もお見えですので、より少し配慮をする形で、むしろその人たちを活用するということが全体のスキームがうまく運営されるということにもつながるということに着目して努力をしてもらうようにRCCの側にお伝えしたいとは思いますが、さあ、それ以外に何かアイデアがあるかというと、率直に言ってなかなか難しいと。
 それは、私もかなり地方のことをよく知っていますし、地方の金融機関とそれぞれの融資先企業との関係も知らないわけじゃないですが、余り私の立場で思い付きみたいなことを言うわけにもいきませんので、以上にさせていただきたいと思います。
#48
○池田幹幸君 先ほどの手紙にありましたように、受皿金融機関でももう少し真剣に考えてもらうような形での指導が必要だろうということに加えて、私も今日質問で提案の一つが、今大臣がお話しになったRCCでの雇用なんですね。これは現実的だと思うんです。私も後で具体的に提案したいと思いますけれども、それはひとつ真剣に考えていただかなけりゃいかぬことだなと思っております。
 それにしましても、今大臣の私的諮問機関ですか、名前が日本型金融システムと行政の将来ビジョン懇話会ですね、これが十二日に発表なさった「金融システムと行政の将来ビジョン」、これがあります。これを私読ませていただいたんですが、正直に、要するにこの議論は、「一定の規模を持つ銀行を念頭に置いたものであり、懇話会では、協同組織を含む地域金融機関の将来像については、さほど時間を割いていない。」というふうに言っておられるんですが、それでも一定の提言をしておられます。
 非常に、私、そういう点では賛同できる提言があると思うんですね。ただこうだよと言いながらその反論も書きというか、異質のいろんな両論併記、三論併記ぐらいの形で書きながらの結論ですから、一定のそれはあるんですけれども、しかしその流れを私読ませていただいて非常に重要だと思いましたのは、この指摘ですよね。ちょっと正式に全文読みますけれども、協同組織のとらえ方ですね。ここでは、「そもそも協同組織金融機関は相互扶助理念の下、利益を内部留保よりも、出資額に応じた配当に充てるものだったのが、銀行と同じ自己資本規制を適用してわずかな経営の失敗により規制を満たせず退出を余儀なくされること、また、貸出先以外からの資本調達が現実には極めて困難であることなどにつき、中長期的には別の規律があり得ないのかとの問題提起があった。」と。これに対する反論もあるんですけれども、まとめは結局、「再編などにより地域から金融サービスの担い手が消えていくことは決して望ましい事態ではない。何らかの形で金融サービスへのアクセスが確保されるよう、大手とは異なるビジネスモデルや規律のあり方につき、各方面で検討されることが望ましい。」とある。これは、私、何回も論議してきた一定の結論の方向を示唆していると思いまして、私は、ほぼこれ、こういう方向には賛成なんですが。
 さて、そこで私たちこの七月十五日に地域金融活性化法というものを提出いたしました。これは四月の段階で大綱を発表しましてやっていたのがやっと法案化されて、大分法案にてこずって時間が掛かったんですけれども、大臣にもお読みいただいていたかと思うんですね。
 私たち、大体こういう考え方が基本にあるんです。今、この懇話会の出されたそういう方向ですね。その中では、まず第一に国と都道府県、これが地域経済、地域金融に責任を持つ、責務があるんだということをはっきりさすということと、それから、片やその金融機関は地域経済に貢献するやはり責任があるんだということですね。それをはっきりさせた上で、一定の第三者機関といいますか、地域金融活性化委員会というものを作って、その指導とそれから援助というものをやっていこうかという、そういう枠組みでの考え方で作られているんですけれども、これは先ほど言いましたように、ビジョンの問題提起にもかなりこたえた面があるなと私は感じているんですが、柳澤大臣、感想を聞かせてください。
#49
○国務大臣(柳澤伯夫君) 大変難しいことでございます。と申しますのは、私、今朝ほど御党の案を表の形でちょっと、事務方が整理したもので、多分エッセンスだろうと思うんですけれども、基本のところは地域金融機関、殊につい最近において所管が替わった信組のようなところについてかと思いますが、都道府県というところにまた再度戻したらどうだろうかというようなお話も大きなウエートを占めているようにお見受けいたしました。
 これは私も一つの考え方ではあるというふうには思いますが、ただ、つい最近そうしたことをやったわけですね。そうすると、やっぱり行政というのは、法的安定性とよく言うんですけれども、法というのを広く制度というふうに考えますと、制度の安定性ということもやはり一国の政治なり行政なりが政策を進めていくときには非常に重要なファクターでございますので、今のこの段階で都道府県に戻したらどうかというせっかくの御提案にすぐに私ども賛同するということにはどうしてもならないというように思います。
 そのビジョンはもう非常に苦しい議論をしているんですね。それからまた、いろんな意見があると言ってちょっと御批判もあったような御発言でしたけれども、これは元々がもう、最初のころはもうそこにあった議論を皆紹介しようというような意気込みでやって、余り無理やりというか、意見の集約を図るということに力を入れるということは最初避けてきまして、もう自由に言っていただくということを心掛けましたので、いろんな意見が書かれているということについては御理解を賜っておきたいと思います。
 そういう中で、今言ったような中長期的なこととして、やはりこの今のやり方でいいのかということについての問題意識を念頭に置きながら、これから制度の企画立案においても、制度の運営においてもこれを、そのことを念頭に置いて進めていこうではないかと、こういうことを言っておるということで御理解を賜りたいと思います。
#50
○池田幹幸君 読ませていただいた点では、私もそのとおりきちんと読んでいます。
 ともかく懇話会として明確な意見集約はしていないと書いてあります。書いてありますが、流れでは、今、私、間違って読み取っていないと思いますよ、こういう形で結論的に書いているし。やっぱり銀行と信用金庫、信用組合、協同組織、これはやっぱり違うものだという考え方というのは持たないといけないと思うんですね。そういう形でやはり国も、それから地方自治体もこれを支援していくということが必要だと思うんです。
 おっしゃったように、信用組合について、都道府県から国に移したというようなこともありまして、そうなったときに、ある自治体の長の方ですけれども、やっぱりあの後、ビッグバンとか金融検査マニュアルとかいろいろ出てきたと、そのときに薄々感じていたんだが、どうしてそのときに地域の住民、事業者と金融機関が協力していく関係を強めていかなかったのか、私は非常に悔やんでいるというふうにおっしゃっているんですね。
 やっぱり、確かにそういうふうにしたけれども、間違っていたということに気付けばすぐまた元へ戻すということだって考えなけりゃいかぬし、単純に戻すのではありません、私たちの提案は。信用金庫も含めまして、国と自治体が責任を持つこと、責務があることを明確にした上でこれをやるわけですから、そういった点では是非御検討いただきたいなというふうに思います。
 それから、先ほど御提案のあった、私たちも提案したいんですけれども、破綻した信金、信組の職員の方を、RCC等で大いに働いていただく、企業再生のために働いていただくということについて少し議論したいと思うんですけれども。
 この間、RCCに送られた取引先なんですね、これがどうなったかということなんですけれども、これはちょっと統計的なことを伺いたいんですが、破綻した信金、信組の取引先のうちRCCに送られた取引先、これは九九年度から二〇〇二年度まで何件ぐらいになっていますか、そのトータルでいいですから教えてください。
#51
○政府参考人(五味廣文君) お答えいたします。
 平成十一年度から平成十四年の六月末までの統計でございますが、この間に受皿金融機関に対して事業譲渡をされた先数でございますが、失礼しました、その先数のうち整理回収機構に売却された資産に係る先数でございます。これは、破綻いたしました信用金庫二十四金庫合計で二万四百九十三先、それから破綻をいたしました信用組合、六十九組合ですが、この先数のうち三万三千百六十先、これが整理回収機構に売却をされております。
#52
○池田幹幸君 そうすると、約五万三千、合計五万三千件ですね。このほかにも破綻した銀行からRCCに送られた取引先があります。これはいただいた資料によりますと約二万件超えています。合わせて七万数千件になるわけなんですけれども、このうち正常先と要注意先でRCCに送られたものは二万件あるんです。これ、RCCに送る際にどうやっているんだということで大分この場でもいろいろ議論になりました。受皿金融機関がかなり身勝手な形でやっているぞということも指摘してきたわけなんですけれども、先ほどの手紙でも紹介しましたように、非常にこのことで大きな不安が広がっているんです。
 昨日の財政金融委員会では、松田理事長、預保の松田理事長が、たしか昨年十一月以降の企業再生の件数は十四件というふうに言っておられます。これ、昨日伺ったら、その十四件、今日、今朝、表をいただきました、預保から。それを見ますと、ほとんど、確かに、中小企業法ですか、それによる分類でいくと確かに中小企業がほとんどのようです。しかし、ほとんどのようですけれども、中小企業の中でも確かに中小企業らしいといいますか、中堅企業といいますか、そういったところであって、ほとんど、いわゆる小零細といいますか、そういったところはほとんどないんですね。
 預保では小零細の再生というのはもう考えてないんですか。
#53
○参考人(松田昇君) 先生、今御質問、御指摘ありましたように、十四件のうちで対象となった企業は、いわゆる中小企業というのは十一社になります。それは事実でございます。
 ただ、中小企業の概念にはいろいろ定義がございますけれども、私ども取っておりますのは、中小企業基本法、あるいは日銀で使っておられる区分を使っているわけですが、その中には、御指摘のようなもっと零細の個人の企業の方、あるいはもっと小さな零細な企業の方、そういう方が含まれているわけですけれども、少なくとも、現在、私どもが再生の俎上で検討して手続に入っているのにはそれは入っておりませんけれども、しかしそれであっても、なおかつ我々としては再生の可能性について検討をして、早期に検討をして、可能性ありと思えばその再生に当たるという基本方針には変わりはございません。
#54
○池田幹幸君 そういう形でやっておられるんだろうとは思うんですけれども、現実には小零細の再生というのは本当に厳しいものになっているんですね。
 これ、六月にRCCに送られた中小業者の方の話なんです。送られてから一か月以上たつのにRCCからは振り込み先の通知だけ、今後の取引や返済にかかわる具体的な連絡は一切ないという。これはもう長期間ほったらかしということですよね。そうなると、中小企業がどうなるのかと。これはもうRCCに送られたというだけで相手にされなくなっているところへ持ってきて、そういう状況だとどうなるかはもう目に見えているわけですね。
 そうすると、今ちょっと伺いたいんですけれども、再生に携わっている職員というのはどれぐらいいらっしゃるんですか。
#55
○参考人(松田昇君) RCCが整理回収という柱のほかに企業再生をもう一つ重要な柱にしようということで、企業再生本部というのを昨年十一月に立ち上げましたけれども、それが少しずつ拡大をいたしまして、現在、役員としては社長が本部長で四名おりまして、職員が六十名ということになっております。
 これは全国の拠点に配置をいたしておりまして、再生案件の掘り起こしと可否の検討、それから可否が検討で通ればその後、手続に入ろうと、こういうようなことでございます。
#56
○池田幹幸君 これは、法改正のときに参考人を呼びましてやったんです。そのとき、私の質問に対する参考人の、松村参考人、弁護士の方ですけれども、その答えがあるんですよ。このとき、こう答えておられるんですね。
 やはりRCCの中に会社の再建にかなり熟練した方々が必要だと、再生の任務をRCCに与えるならですね。今、それまでそういうことをやっていなかったわけですから。それは、「そういった方々が千人でも二千人でも力を合わせて、それで企業の側に入って帳簿をチェックし、同時に取引先に頭を下げてお願いし、条件変更するなりしていけば、ほとんどの中小企業はよみがえると思います。」と。実際、その企業再建にずっと手掛けてこられた弁護士さんです。ここでみそは、「千人でも二千人でも」というところなんです。確かに人手が要るんですよ。六十人ぐらいで、全国、RCC送りになった今さっきの五万数千件、すべてについて最初から再建はもうあきらめたということでほったらかすんじゃなしに、すべての面について再生できないか見るとおっしゃっているんです、預保はね、そういう説明でした。しかし、見るといったって、六十人でそれを見たって駄目なんですね。千人、二千人、実際それくらいの、それに携わるたくさんの人が必要なんですよ。
 そうすると、先ほど柳澤大臣がおっしゃったように、正にその地域のことについても熟達しているし、こういう面で専門分野のエキスパートですし、こういった方々を、例えば五年は雇用できるわけです、RCCは。少なくとも当面、こういった方々、RCCに雇って、企業の再生に働いてもらうといったことを大英断下すべきときだと思うんですけれども、大臣、いかがでしょう。
#57
○国務大臣(柳澤伯夫君) 方向としては私は、やはり早めにとにかくRCCももっと案件に目を通すことが大事だろうと、こう思います。それで、再生の可否というものについて見当を付けるというか、そういう事務も必要でしょう。
 そうしますと、確かに六十人というのは相当の技量を持っていらっしゃる方ですから、レベルは高い、必ずしも低くないと、こういうようには思いますけれども、私、今ここで、RCCは株式会社で経営という側面もありますから、にわかに明確な答弁はできませんけれども、方向としてはそういう方向で考えるべきものだろうと、こういうように思います。
#58
○池田幹幸君 大いにそれを進めていただきたいというふうに思います。
 あと、本当に残り時間少なくなってしまったんですが、ちょっと質問する時間がありませんので、実情だけちょっと申し上げておきたいと思うんです。
 一つは、金利の引上げの問題です。
 リスクに見合ったリターンということで、金利についてはしっかりやれよということを盛んにおっしゃる。それは原則論としてはそれでいいんだろうと思うんですが、それを金融機関に今の情勢の中で強調するとどういう形になって現れるかということなんですが、こういう形になって現れているんです。
 中小企業に銀行は金利の引上げを迫っています。引き上げる理由。金融庁の検査の結果、格付の変更とそれに見合った金利を取るように指導されている、という形で、金利上げなさい。それを断るとどうなるのかと、いや、今後の取引はできませんねと、こうなるわけです。断れないという形で、泣く泣く金利の引上げに応じざるを得なかったということが言われている。
 もっとこれいろいろありまして、一つ一つ質問にお答えしていただいている時間はありませんので、まとめてお示しした上で、こういうことがないということを私は信じたいと思いつつ質問しているんですけれども、実際そういうこと。一人や二人じゃないんです。銀行の名前も申し上げれば、あさひ銀行です。違うところから同じようなことが上がってきているから、これ申し上げているんです。例えば、埼玉ではどんなことになっているかというと、今言ったようなこと。
 それから、これはいわゆる保証協会の保証付きの融資についてまでそういうことを言っているという点もまた一つあります。
 それから、どんなやり方をしているかといいますと、金額の大きいところから無差別的にだっと出掛けていって、この金利引上げの要求をしているんですね。そのやり方はもうちゃんと書類もでき上がっています。銀行内の格付別に上乗せ金利を記入しまして、A、B、C、D、E、Fまであります。そこで、ありまして、Fランクでは三・七ポイント、三・七%引上げを要求するというふうにでき上がっているんです。そういうことを示して、それを示して迫るというやり方になっています。
 これは、リスクに見合ったリターンを取りなさいという指導がこうなっているのか、それとも、それを、リスクに見合ったリターンの指導は現場に行くと金融庁からちゃんと金利引き上げろという指導になっているのか。もしそうであるとすれば、こういった指導は直ちに改めるべきだろうというふうに思いますが、大臣にお答えいただきたいと思いますが。まあ大臣分からなければ、現場の監督局で結構ですが。
#59
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもは、やはり今の金融機関というものが担保にばかり目が行ったり保証にばかり目が行っているというのは良くないということで、やはりリスクは金利に反映するという、そういう考え方があるんだぞということを申し上げて、リスクに見合ったリターンを取りなさいということを言っておるわけであります。
 池田委員に言われたから、私、ここでふにゃふにゃになるわけにはいきません、正直言って。いきませんが、やはり、じゃ、そんなすごい勢いで本当にそれが実現しているんだったら、もうちょっと利ざやの幅も顕著な改善が、改善はしていますよ、若干なりとも、しかしもっと顕著だろうと思うんですね。やはりそこは、貸出し先、債務者との間でいろんな話合いをした結果、実現している部分と、そこは、じゃ、よく話が分かったからこれまでと同様にしましょうというような話もあって、結果として現在の利ざやの改善幅になっているんだろうと、こういうように考えます。
 ですから、まあ一番、今の池田委員の話を聞いて、それじゃやめましょうと言ったら、これはもう全部やめることになりますからね。せっかく取れるところからも取れなくなってしまうということになりますと、これはもう私どもとしては、金融機関の収益力の向上がなければ健全性の向上もないんだというその根幹にかかわってくる話になりますから。池田委員もうまくいったところばかり挙げられて、多くの部分で話合いの結果、現状維持ということにもなっている部分があるんだということについてやはりもう少し御理解を賜っておきたいと、このように思います。
#60
○池田幹幸君 一言だけ。
#61
○委員長(久世公堯君) もう時間をかなり超過しておりますので。
#62
○池田幹幸君 まあ行間の意味は私も感じます。感じますが、実際に私、何度もこの現場のことをこの国会ずっと取り上げてきました。私が申し上げたことで間違ったことなかったということは柳澤大臣御存じだと思うんですよ。今度のことについても、やっぱりそのことはしっかりととらえた上で行政を進めていただきたいとお願いしまして、終わります。
#63
○委員長(久世公堯君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#64
○委員長(久世公堯君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、金融問題及び経済活性化に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#65
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。今日は、ペイオフの関係について幾つか質問させていただきたいと思います。
 本年四月から一部解禁になりまして、流動性預金以外の預金について様々な自治体がその公金の運用等について工夫をし始めたところであります。そして、来年四月からはいよいよ完全ペイオフを予定されているわけでありますが、それに備えて預金者自らその判断と責任において金融機関を選択しなければならないというようになるんだろうと思います。
 しかし、また一方で、地方自治体にとりましては、地域の金融機関、これに混乱を招かないという一方での責任があるわけでありまして、それを損なわないようにしながら公金の保全という目的も達しなければならないというところで悩みを抱えているという実情であります。
 そこで、地方自治体は、本年四月から来年四月へ向けて現在どのように取り組もうとしているか、まず総務省にこの点をお伺いしたいと思います。
#66
○政府参考人(板倉敏和君) お答え申し上げます。
 ペイオフの解禁後は、地方公共団体も、他の預金者と同様に自らの公金預金の管理運用に関しまして自己責任が前提となります。このため、地方自治法の趣旨を踏まえまして、安全で確実かつ有利な公金の管理に取り組むということが必要となってまいります。
 総務省といたしましても、地方公共団体や有識者、金融機関関係者等とともにペイオフ解禁への対応方策を検討いたしまして、全国出納長会議や市町村の担当課長会議など、様々な会議とか研修会を通して、重ねて地方公共団体に助言をしてまいったところでございます。
 具体的には、預金債権と借入金等の債務との相殺、指定金融機関からの担保の充実、国債等の債券による運用等の方策を周知を図ってまいりました。また、金融関係の知識を有する人材の育成等を進めるとともに、必要な情報の収集や資金の管理運用等に係る方針の明確化など、適切な対処を求めてきたところでございます。各地方公共団体におきましては、ペイオフ対策の組織づくりですとか資金管理の方針などを定めるなど、対策が逐次講じられてきているというふうに承知をしております。
 一方、今御指摘がございましたとおり、地方公共団体は、自らの公金預金の保全に責任を有することは当然でありますが、一方で、風評被害を引き起こして地域経済の安定を損なわせるようなことがあってはならないという責務をまた負っていることも事実かと考えております。このため、過剰な反応により地域経済に無用の混乱を生じさせることのないように冷静な対応を要請をしてまいっております。
 いずれにいたしましても、私ども総務省といたしましては、今後とも、地域の実情をよくよく伺いながら適切な対応をしてまいりたいと考えております。
#67
○山口那津男君 今お述べになられたような自治体のそれぞれの工夫、そして努力というものが行われているわけでありますが、そうした中で、地方税などの収納金といいますか、地域住民から自治体に納められてくる様々なお金があるわけであります。これについては、収納代理金融機関等を通じて自治体が指定した金融機関に収納されることになるわけでありますが、実際に指定金融機関に収納されるまでの間、若干の日数を要するわけですね。代理金融機関というのは地域の、自治体によってはもう全金融機関を代理機関にしているというのが現状に近いかと思いますけれども、これはもう取りも直さず住民の納付の便宜というものを配慮しているわけであります。
 そうした現状からしますと、仮にこの代理金融機関に様々なリスクの顕在化とか破綻の懸念とかというものが生じてきた場合に、納付から実際の指定金融機関に収納されるまでの間、万が一破綻が起きたらどうなるかというような懸念を抱くような自治体もあるわけですね。こうした点で、だからといって金融機関を自治体がリスクの内容に応じて選択をするというのはもう本当に非常に困難、こういうことを軽々にやれば決定的な地域経済の混乱を招くということも心配するわけであります。
 こうした問題について、これから総務省としてはどのように取り組んで指導されるおつもりか、お考えを伺いたいと思います。
#68
○政府参考人(板倉敏和君) 今御指摘のございましたような問題点につきましては、確かに地方団体等からも何らかの対応をということで御要望があることは承知をしております。
 地方税などの収納金につきましては、一時的に滞留をしているということでございますので、流動性預金という形で保管をされているというふうに考えられます。来年四月にはペイオフの全面解禁ということでございますので、この収納代理金融機関に滞留をしているものについて万一の場合に危ないのではないかという、こういう御指摘でございます。
 私どもといたしましては、収納代理金融機関から指定金融機関への振り込み期日をできるだけ短縮化するということが一つの大きな対策ではなかろうかというふうに考えておりまして、今後、どこまでこれが可能になるかということを含めまして十分検討をしていきたいと思います。
 さらに、これらを含めて、収納金の保全のための方策について、地方団体の御意見もよく伺いながら適切に対応をしてまいらなければいけないと思っております。その際には、指定金融機関の役割というものもまた念頭に置きながら対応してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#69
○山口那津男君 金融担当大臣にお伺いしますが、今のような問題に対して、やはり地方自治体の預金というのは、公金預金というのはある種の公益性を持っているお金だろうと思います。また、納付から収納に至るまで、そういう手続的な現状の制約というものもあろうかと思います。
 この点についていろんな工夫の余地はあろうかと思いますけれども、結局、大事なことは、万が一に備えて特別な保護対策というようなものを講じる必要があるのではないか、そういうことを検討する余地があるのではないかと私は心配しているわけでありますが、大臣、この点について今どうお考えになられるか、お答えいただきたいと思います。
#70
○国務大臣(柳澤伯夫君) 仮に、都道府県の問題で今お話があったようですので、その点で考えますと、じゃ都道府県の公金を保護するために、これは全額保護でしょうと、こう言って国が税金で保護するということにどれだけの合理性があるか。
 仮に、それじゃ、それはやっぱり地方税で、地方の団体でやるべきですよと言ったら、行って来いで同じことをやっていることになりますよね。ですから、つまり、穴が空いたから自分のほかの公金で穴埋めするということになれば、結局ここで支出が、負担が起こっているわけですから同じことですね。預金に損失が生じたということと財政の方で損失が生じたということとは同じことでございます。ですから、これはロジカルに考えてみますと、まあ公金だから公金で保全するということになるわけでありまして、何を言っているかよく分からないということになるという側面が私はあろうと思うんです。
 それから第二番目に、確かにセーフティーネットですから、つぶれたときのことをお考えになるのも、それはお考えとして分からないではないんですが、つぶさないようにすると。地域の経済の重要な担い手でもある地域の金融機関をつぶさないようにしていく、そういうふうに監視をしたりいろいろの手だてを講じていく。経営者が放漫なことをやっていたら経営者替えろというようなことを、いろんな形で影響力を行使して替えさせると。
 そういうようないろんなことでもって、私は、都道府県たるもの、現実には対処をされています、正直言って。いろんなことをやっていただいているんです、つぶさないように。
 ですから、つぶれたときのことを考える、頭ひねって考えるんだったら、つぶれないようにすることにそのエネルギーを費やしていただきたいというのが私の考え方でございます。
#71
○山口那津男君 今、大臣のその前提なる考え方は当然のことだろうと思います。
 その上で、私は国に対する納付手続においても同様の問題があろうかと思うわけであります。納税者が言わば収納、歳入代理機関に納付する、また、これが国庫に納まるまでの間に破綻が生じる、こういうことも考えられるわけでありますが、今日は本当は日銀に来ていただきたかったんですが、諸般の都合で来れないということでありますので、まず国税庁に伺います。
 納税者が歳入代理金融機関に納付した後、その機関が破綻した場合に、よもや二重払いさせられるということはあり得ないと思いますが、その点、確認させていただきたいと思います。
#72
○政府参考人(立川正三郎君) お答えいたします。
 納税・納付確認手続について御説明申し上げますと、納税者の方が日本銀行歳入代理店たる金融機関で納税をされました場合、所轄税務署は当該日本銀行歳入代理店から送付されます領収済通知書により納税の確認を行うこととなっております。したがいまして、この納税の確認がいったんできました場合には、仮に当該金融機関が破綻したといたしましても、再度納税者の方に納税を求めるようなことはございません。
 なお、万が一、国税を領収しました日本銀行歳入代理店から領収済通知書が送付されなかったといたしましても、納税をされた納税者の方は領収証書をお持ちでございますので、その領収証書をお示しいただければ納税の確認を行うこととしております。
 以上でございます。
#73
○山口那津男君 万が一破綻をした場合に、それが結果として国庫に歳入として納まるのかどうかという点について、財務省にお伺いしたいと思います。
#74
○政府参考人(牧野治郎君) お答えをいたします。
 金融機関は、あくまで日銀の代理店として国庫金の出納事務を行っております。したがいまして、金融機関が納税者から現金の出納を受けましたら、その時点におきまして国庫に納付されたということになります。
#75
○山口那津男君 先ほど、大臣の方からは、公金の穴が空いた部分を公金をもって償うというのはもうトートロジーで、こんなことは意味がないとおっしゃいました。正にそのとおりだと思います。
 国においてはその点は当てはまるわけですが、ただ、主体としましては国と自治体というのは別であります。ですから、自治体にそういう先ほどのような破綻による心配事が顕在化した場合に国がどう取り組むかということは、一つ考える余地はないではないと思います。
 現実に自治体がその収納されるべきお金が使えないことになったということになれば、それは地域住民に言わば負担が及んでいくことになるわけでありますから、私は、この点でまず破綻をしないように様々な努力をする、これが第一課題であります。そして、言わば収納に至るまでの滞留期間、これをミニマムにするといういろんな努力、これは実務的努力も相当工夫の余地があると思います。最後に、それでも賄い切れない場合があれば法的な措置を取るべきことがあるのかどうか、そういう順番で、まず心配事が顕在化しないような工夫、努力をしていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
#76
○大渕絹子君 御苦労さまでございます。
 今日は、為替の問題と市場への介入のことについてちょっとお伺いをしていきたいというふうに思います。
 まず、塩川財務大臣にお尋ねをいたしますけれども、昨年の三月から今年の四月まで、外国為替市場はおおむね一ドル百二十円を超える言わば円安傾向で推移をしてまいりました。そうした円安傾向が我が国の輸出の拡大に貢献し、景気を持ち直す力として働いたことは、これはもう間違いないというふうに思いますが、それが五月半ば、政府による景気底入れ宣言へつながっていったものというふうに思っております。しかし、景気の底入れ宣言をしたころから、為替市場では今度は逆に円高ドル安へと潮目が変わってまいりました。
 今回のこの為替の動きについて、その背景、要因について政府はどのような認識をなさっているのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
#77
○国務大臣(塩川正十郎君) 為替は、これは現在はもう世界各国全部フロート制を取っておりますので、自由に上下をいたすわけでございまして、日本も、それによりまして国益に裨益するときもあれば、またそれが被害を与える場合もいろいろ出てまいります。これは市場が決定するものでございますから、政府、直接支配しこれを操作をするということは、お互い各国ともこれは控えて自粛しておるものでございまして、それは世界経済の安定と自由な貿易を促進するためにはやむを得ないことだと思っております。
 しかしながら、先月からちょっと円高の傾向が出てまいりまして、私は、それで非常に心配いたしましたのは、円が高い安いという円の評価そのものよりも、ドルがどうなるかということが一番の主たる動向でございました。それをじっと注意深く見ておりましたら、そこへアメリカの方において証券や株式の不祥事の問題だとか、あるいは会計基準の問題とか不適正というのが出てまいりまして、これがために、ドルが一挙に弱含みになって推移していったということでございまして、その反応がすぐにヨーロッパ通貨に出てまいりまして、ヨーロッパは一挙に強くなってしまう、ユーロが強くなった、ポンドも強くなった、そうなりますと、それにつれて日本の円も強くなってきたと、こういう経過をたどっておるところでございまして、私は、あくまでもこれが急激に変化してくるということに対しましては非常な心配をしておりまして、それに対しましては、いろいろと注意深くいろんな手を、対応を取っておるというところであります。
#78
○大渕絹子君 その背景については、私も大臣と同じ認識をしているわけでございます。
 今回の為替の動きは、言わば円高というよりもドルの全面安というような側面が強く現れている。その理由は、米国経済の予想外の悪化、それから不正会計処理等々が明るみに出ることによって、米国経済への信頼が揺らいでいる、あるいは海外の資本が米国から流出するという、つまり過去数年間米国に非常に投資が集中をしてきていたわけですけれども、それがこのアメリカの状況を見て、その資本が欧州やアジアに再配分をされ始まっているんだろうという、そうしたドル安の局面を作り出しているというふうに思います。
 ニューヨーク株式市場での平均株価の下落が著しいが、その背景には海外資本の流出、つまり引揚げがあると思われます。
 そこで、四月以降の欧州主要国における米国との間の資本の流出流入状況と、我が国資本の米国への流入流出状況を具体的な数字で示していただきたいと思います。
 事務方にお願いをしてありますが、よろしくお願いします。
#79
○政府参考人(溝口善兵衛君) 米国の最新の発表された統計によりますと、四月までの数字しか出ておりません。四月中の収支報告から、米国へのネットの証券投資の額でございますが、英国から四十四億ドル、ドイツから九億ドル、フランスから二十七億ドル、イタリアから六億ドル米国に流入をしております。ほかに欧州の国幾つかありますが、欧州全体としては百二十三億ドルの流入でございます。
 それから、日本から、日本と米国との関係でございますが、これは四月、五月の数字がございます。四月は全体で、ネットでございますが、米国に流入した額が一兆一千四百二十三億円でございます。五月は三千三百七十三億円ということで、米国へ流入しております。
 以上でございます。
#80
○大渕絹子君 流出から流入を差し引いた額ということですか。
#81
○政府参考人(溝口善兵衛君) そうです。
#82
○大渕絹子君 差額ですね。はい、分かりました。
 こうした中で、政府、日銀は、五月二十二日以降六月下旬までに七回にわたって非常に大規模な市場介入が行われたというふうに報じられていますけれども、介入規模はおおよそどの程度だったのかということを円換算、ドル換算で示していただきたい。そして、その買った、買い支えたドルはどのような形で運用されているのかを示してください。
#83
○政府参考人(溝口善兵衛君) 介入の額につきましては、先生よく御承知かと思いますが、昨年から毎月、毎月の数字といいますか、毎回の介入の額を三か月たったところで発表いたしておりまして、今年の先ほど申された数字は八月の初めに発表の予定でございます。
 したがいまして、そこまでお待ちいただきたいわけでございますけれども、ただ、介入したときには、市場の関係者でありますとかあるいはメディアの方々が介入したかどうかについては当局に確認を求めてまいりますので、私どもとしてはそれは分かることでございますから介入をしていましたという発表をしますが、幾らしたかということにつきましては、これは当局のいろんな介入に対する手法それからスタンスを明かすものでございますから、介入の効果を上げるためにしばらくたって発表するということになっていますので御容赦願いたいと思いますが、報道にありますように相当額に上っております。いずれ出ますから、ちょっとお待ちいただきたいと思います。
 それから、介入したものにつきましては、大体金利を生む外国の証券類あるいは預金等に運用しているわけでございます。
#84
○大渕絹子君 いずれ出るといいましても、もう国会終盤でございまして、今回のこの委員会も今日で多分終わりということですから、今日辺り言っても何ら差し支えはない数字だろうと思いますよ、過去もう三か月前に行われたことですからね。どうぞ言ってください。
#85
○政府参考人(溝口善兵衛君) その点につきましては、私どもも、統計をいつ発表するかというのは市場の皆さんほかの方々に常に明示をして出すものでございまして、それを部分的に事前に出すのは、いろんな関係がございますから、厳密な数字は御容赦願いたいと思いますが、報道等では数兆円の規模と言っておりますけれども、かなりの、そういう額に上るというふうに御理解いただきたいと思います。
#86
○大渕絹子君 買ったものの運用。
#87
○政府参考人(溝口善兵衛君) 運用も、申し上げますが、外貨証券でございますね、そういうものに運用しているということでございます。
#88
○大渕絹子君 その大部分が米国債の購入に充てられているんではありませんか。そこ、ちゃんと答えてください。
#89
○政府参考人(溝口善兵衛君) 大体ドルと円の関係で行き過ぎが生じたような場合に介入するわけでございますから、円を売りましてドルという資産を買います。したがいまして、円のレートが余り高くならないようになるわけでございます。したがいまして、政府の会計はドル資産を得ますから、そのドルをまた円に替えてしまうと逆の介入になりますからいけませんし、ユーロに替えるとユーロに影響与えますから、大体買った資金で、ドルの資金が入りますから、ドルの証券類に運用するということが中心になるということでございます。
#90
○大渕絹子君 そのことが我が国経済とかアメリカの経済にどのような良い影響を与えるんですか。
#91
○政府参考人(溝口善兵衛君) 通常、介入はそう多くやるわけではございませんが、市場はいろんな要因で動きます。場合によるとやや投機的な動きをいたしまして、例えば円高が急速に進み過ぎるとあるいは急激に変動が起こるということがございまして、そういう場合には、先ほど大臣から申し上げましたように、急激な変動を避けるという観点から介入をするわけでございまして、急激な変動を避けるということはやはり日本の企業の経営等々にいい影響を与えるというふうに私どもは考えておるところでございます。
#92
○大渕絹子君 竹中大臣にお聞きをいたします。
 報道によりますと、四月から六月の円売りドル買い介入額は、四半期ベースで過去最高額の三兆三千億円に達すると、こういうふうに言われているわけでございますが、確かに民間のエコノミストたちに言わせますと、今こそ市場介入を積極的に行うべきで、それは無制限でもよいというようなことを言われる方もあるわけですけれども、今回の為替の変動の背景が米国経済の信頼の揺らぎからきていることを直視すれば、我が国政府の人為的な介入がドル安を食い止めることなどできないのではないかと私は思うんですね。一国我が国だけが頑張っても、これは食い止められるようなドル安の動きではないのではないかと私は思うのですが、大臣はどう考えますか。
#93
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと通告もいただいておりませんでしたし……
#94
○大渕絹子君 通告しています。
#95
○国務大臣(竹中平蔵君) ドル安に対する対応ということでございますので、失礼いたしました、ドル安問題に対する御通告はいただいておりますが、私の直接の所掌ではありませんので、極めて為替介入をどのように考えるかという一般的なお答えしかできないのでありますけれども。
 この問題は、マーケットがドル建て資産に対する需要と供給の中で資産価値であるところの円ドルレートが決まっていく、それに対して、マーケットの力は大きいですから、政府が介入できる余地というのは実は非常に乏しいと。しかし、先ほど局長からの話もありましたように、スペキュレーションといいますか、一種の期待が非常にゆがんで、それがマーケットにひずみを与えるようなときには、当局の意図等を示すことによってそのレートを適正化させる、ないしは変化のスピードを適正化させて民間の企業が適応できるような条件を整えるということは、これはこれでやっぱり重要な役割なのだと思います。
 今般、それがどのような状況にあるかというのは、これは正に当局の判断によるところにあるわけでありますけれども、一般には非常に変化の速度が速過ぎるということに対するやはり民間の戸惑いはあったと思いますので、そういった変化の速度に対する一つのコーションというような意味での介入というのは、私はこれは十分にあり得るものであったのではないかというふうに思っております。
#96
○大渕絹子君 我が国だけでは支えられないのではないかということをお聞きしたかったんですけれども、その点はどうですか。短く。
#97
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、一般論としましては、非常に大きなドル建て資産の取引に対して、我が国だけで介入できる余地というのは大変小さいと一般には思います。しかしながら、場合によっては、協調が望ましいとは思いますが、場合によっては円の価値を守る、適正に運用するというのはやはり政策当局の意思でありますから、場合によってはそういった介入もあり得るのだというふうに思います。
#98
○大渕絹子君 塩川大臣にお伺いをいたします。
 ドル買いを支えるための円資金を調達をするための外国為替資金証券の発行額が、その上限が大変近年拡大をしています。昭和六十年には十三兆円でしたのが、平成十一年には三倍の三十九兆円、そして十二年度には五十九兆円になり、十四年度では六十九兆円に拡大しています。もちろん、これは上限枠ですけれども、この資金を使ってドルを買い支えています。その結果、六月末の外貨準備高は四千四百六十二億ドルにも達しています。ある程度の外貨準備は当然必要ですけれども、我が国のように市場介入によって増えてきた場合には、その背後に巨額な評価損を計上するという問題が出てまいります。
 その評価損ですけれども、平成十二年度末決算のときには八兆六千三百六十六億円余り、それから十三年度の見込みでは十兆円を超えています。十四年度の見通しは約六兆円ということで予算書には書かれているわけですけれども、これはあくまで見通しで、決算が近づくと増える傾向にあるというふうに思います。
 為替水準のコントロールがなかなか難しい中で、巨額な評価損を抱える危険のあるドル買い介入を大規模に行うことというのは大変問題であると思いますが、大臣の見解をお聞かせください。
 竹中大臣には、終わりましたので結構でございます。
#99
○国務大臣(塩川正十郎君) 数字は後で溝口局長が答えると思いますけれども、考え方言いますと、これはやはり通貨危機を招かないために、世界では投機資金がうんと動きますから、それに対する警戒心は絶えずこちらの方で付与していかなきゃならぬ、警戒心付けていかにゃいけませんので、介入することもあるし、また介入しないでそれを見過ごしておくこともあるし、いろいろございます。
 しかし、いずれにしても、日本の外貨準備は主としてドルで持たざるを得ない。それは貿易機構がそうなっておるんです。私も先日もお願いしたように、もっと円高取引をやってくれればいい、貿易で。ドル取引でございますから、絶えずそれだけに準備をしていなきゃならぬ。そうすると、ドルで持っていなきゃならぬということがございます。ですから、かつては大変もうけたときもある、その積立てがずっと残っております。今でも積立ての残が利益で残っておりまして、ですから少々は現在損をしましてもその積立金でカバーできるぐらい残っておるんです。
 ですから、単年度を取って、これでどうのこうのということはなかなか難しいんです。しかし、十分にそれは注意はしておりますけれども、長い流れの中で為替の相場を、操作をやっていかなきゃならぬと思うんです。その具体的な数字は局長が答えますから。
#100
○大渕絹子君 後で、数字は私また後で個別に伺いますので、済みません、時間がありませんので前に進みます。
 百十五円程度が輸出の採算ラインと、こう言われているわけですが、一円円高になると日本の経済に与える影響というのは一体どのくらいになるのかということを政府は試算をされているかどうかということでお聞きをしたいというふうに思います。また、その採算ラインである百十五円を超えて円高になっていった場合に、政府としては取るべき措置というのはどんなふうに考えておられるか、併せてお聞かせください。
#101
○副大臣(谷口隆義君) 百十五円、今日は百十五円台のようでございますけれども、一般に円高になった場合に我が国経済にどのような影響を及ぼすかということになるわけでございますが、基本的にはいろんなプロセスを通じて経済全体に影響を与えるものですから一概に言うことはできませんが、内閣府の乗数がございまして、この乗数をあえて機械的に試算を行いますと、百十五円から一円の、本日百十五円台でございますが、百十五円から一円の円高、すなわち〇・八六%の円高によります我が国経済への影響は、実質GDPの影響につきましては〇・〇一%程度のマイナスになるというような機械的な試算がございます。
#102
○大渕絹子君 これからも更に為替が変動が激しくなってきた場合に、私は塩川大臣がアメリカと情報交換をしながら対応している旨が新聞に報道されているのでちょっと安心をしているんですが、もう少し欧米諸国、主要国と積極的に為替の安定について首脳国間で話し合われて、メッセージをしっかりと世界の市場に対して発するべきだというふうに思うんですけれども、そういうことに是非御努力をいただきたいと思います。
 そして、過度に今までは日本経済はアメリカ経済に依存をしてきたということで、アメリカの動向によって日本経済も乱高下をするという状況を招いてきたと思いますが、これからはユーロを、一ドルが一ユーロになったということもあり、ユーロ圏へもきちっと日本経済を伸ばしていく、あるいはインドとか中国とかがポストアメリカと言われているような時代に、アジアである日本が、そうした国々、アジアの諸国に対してしっかりと経済で共有なものを持たないということは私は非常に残念に思っていますので、そこらにも幅広く手を広げていって、一国アメリカ経済にだけ依存してきた体質を抜本的に改善をしていくという努力が今求められるだろうと思います。
 最後に、塩川さんにお考えをお聞きして終わります。
#103
○国務大臣(塩川正十郎君) 私も外貨保有はできるだけ多様化する方が安定であると思っております。しかし、御承知のように世界の貿易決済の大体六〇%はドル建てになっておりまして、しかも我が国の場合は大体七〇%近くがドル建て決済になっておるという状況でございますので、これをできるだけ貿易取引におきましても多様化してもらうように、並行してやっていくような努力を積み重ねていきたいと思っております。
#104
○平野達男君 国会改革連絡会の平野でございます。
 今日は、前回に引き続きまして不良債権のことについて柳澤大臣と竹中大臣にお伺いしたいと思います。
 第一問目は、前回のこの金融特での議論のまとめというか確認という形になりますけれども、いわゆる不良債権の処理というのは構造改革の一つの柱でございました。柱であります。この不良債権の処理につきましては、何を意味するかということについては大きく二つあるんじゃないかというふうに申し上げました。一つは、債権区分の実態に即した分類であると。それからもう一つは、そうして分類して、破綻懸念先以下というものに分類されたものについてのオフバランス化の促進。この二つではないかと。
 更にいえば、債務区分の実態に即した分類というのはまた二つあるんじゃないかなと。それは何かといいますと、従来、先送りされてきたものについてのきちっとしたここでの区分。先送り、いわゆる不良債権とみなされていたものが先送りされてきたというものがあるんじゃないかというふうに言われていましたけれども、そういったものをきっちり処理する。それから、新たにこれは、今度は景気等の動向でどうしても景気が悪くなれば不良債権が新たに発生しますから、これもきっちり区分をするという、そういった分類ができるんではないかと思います。
 前回の議論では、こうした不良債権の処理の中で、特に債権区分の中で、今までどちらかというと市場の中で滞貨として残されてきたものと、こういったものはさきの金融特別検査の中においてきっちり処理をしたというようなことでとらえたいというような趣旨で私は質問をしましたけれども、柳澤大臣はそうだというふうにお答えになったような気がするんですが、ととらえたんですが、どうでしょうか。
#105
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権の処理についていろいろ世上言われていることも、私、承知をいたしてきておるわけですが、私なりに世上の議論を整理させていただきますと、不良債権の認識についていろいろそごが起こるというか、そういうことというのは大体四つに分類できるんじゃないかと、こういうように思っているんです。
 一つは、検査マニュアルが出たわけですけれども、それ以前のものとは、やっぱり明確に包括的に規定されたというようなこともあって、やっぱり基準が変わっている。不良債権の認識の基準が変わったというものがあるわけです。昨今でも、実は条件緩和債権、そういうものについては、べた貸しについても信用リスク相当額の金利を上げ下げしなければ、それはもうべた貸しと認めない、要管理債権ということで不良債権の中に入るんだと、こういうようなことを明確化したんですけれども、そのことの影響でやっぱり増加したというようなことも現にございました。
 それからもう一つは、今先送りということでございますけれども、作為があったと、本当は不良債権だと分かっているんだけれども、何かこういろんな都合でこれを表にするのはできないなみたいなことがあるのかないのか、この問題も論議をされることがあります。
 それからその次は、これは認識能力、本当に誠実にやっているんだけれども能力がなくてそれはやっぱり見破れなかった。これは昨今いろいろ、いろんなエンロンだとかそういうワールドコムだとかというようなことであるわけですけれども、そういうものも、例えば監査法人もだまされちゃうというようなことがあるわけですね。これは、能力の問題もある、絡む問題だということは。そういうことからも、そのものずばりではないんですけれども、お分かりいただけるかと思う。
 それから最後は、やっぱり客観情勢が変わってきたということで変化が起こるということでございます。
 私はいつも言うんですが、例えば自己査定と検査の関係で、能力に不足があるかというようなこともそれは言われることがあるんですが、それはないとは言えないと、正直言って。それはもうアメリカ等でもあるわけですから、ないとは言えないと。それから、基準の変更も、率直に言って最近、もうほとんどありませんけれども、ありましたと。作為があったかといえば、少なくとも金融監督庁ができた以後、もう検査官は自分たちの組織のレーゾンデートルを懸けてやったわけです。だから、ない。客観情勢はどうか、これは当然ありますということでございます。
 今の委員の質問は、何というか、もう作為はないですねと。もう作為がないですねと言われると、私もちょっと答えようがなくて、もうその前からありませんと答えるしかないということでございます。
#106
○平野達男君 かなり不良債権について明確に整理していただきましたので、次の議論に移りますけれども、要は、今大臣の言われているところのこれからの不良債権というのは四番の要素が強いんだということでありましたので、それを確認したかったわけです。
 そうしますと、その考え方の前提に立ちますと、私はこの不良債権の取扱いについてやっぱり微妙に内閣の方針が変わってくるんじゃないかなという気がしています。特に、ここに「金融システムと行政の将来ビジョン」、これはこの間、大臣の私的諮問機関ということで出されましたけれども、この中で、例えば、ちょっと読み上げますけれども、「フロー及びストック両面でデフレが進行している限り過剰債務は拡大し、不良債権の最終処理は困難となるし、銀行側で不良債権処理を進めても、資金需要の拡大ひいては景気の回復にはつながらない。」、それから、「不良債権問題を克服するためには、当事者間の努力はもとより、まず、デフレを克服しなければならず、そのためのマクロ経済政策が先決という認識が導かれる。」というようなことが書いてありまして、あといろいろなこと書いてありますけれども、かなりはっきりと書いてありまして、今の大臣の不良債権のこれからの位置付け、特に四番目ですよということからしますと、今のような結論は当然導かれてくるんだろうと思うんです。
 こういう、これはあくまでも政府の答申ではありません、私的諮問機関の報告書であります。この報告書に対して、竹中大臣、こういう認識を共有できるかどうかをちょっとお尋ねしたいと思います。
#107
○国務大臣(竹中平蔵君) かねてからいろいろな場で申し上げているのは、マクロの問題と不良債権の問題は表裏一体の問題であると。ここでの今御紹介くださった報告書の部分については、そのマクロ政策が重要であるということを確かに書いておられるんですけれども、この報告書のほかの部分には、その相互作用がやはりあるというようなことも書いていらっしゃいまして、そこは必ずしも一方通行ではなくて、やはりこれは相互依存、コインの両面、やはり同時解決していかなければいけないというような認識をこの報告書もお持ちなのではないかなというふうに思っております。
#108
○平野達男君 今の竹中大臣の言われたことは、三十七ページの多分、デフレ進行による新たな不良債権を問題視するか、再建可能性のない企業の延命によるデフレの進行を問題視するかは、必ずしも認識が一致していないというところに該当するんではないかと思うんですが、先ほどの柳澤大臣のお話で言いますと、二番目に言った再建可能性のない企業の延命によるというその延命は、これはさせないという方向でこれは動いていると思います。
 確かに、それは能力の問題、いろんな問題あるかもしれませんけれども、ここの問題はないというふうに考えれば、やはりこれからの政策というのは不良債権、つまりマクロ経済が先ということが先に立って、それで不良債権を見てくるという結論になるんじゃないかなと思うんですが、どうでしょうか。
 つまり、ここでは、従来何回も言われてきましたけれども、不良債権の処理の遅れが景気回復の足かせなのか、それとも景気回復が遅れているから不良債権が発生するのか、要するに鶏と卵ということを竹中大臣何回もおっしゃいましたけれども、ずっと今までの議論をある間を整理してみますと、もうそろそろこれについて決着を着けるときが来ているんではないかということで、今質問しておるわけですが。
#109
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、どうしてもこういう議論は水掛け論的にならざるを得ないのでありますけれども、例えば、じゃマクロ経済を良くしようと。マクロ経済が良くならない理由は何であるか、これはいろいろ要因があります。例えば、経済を活性化させるために特区を含めた規制改革をやっていく、これはこれで重要であって、そういうことによってマクロ経済が良くなって、それが金融面に良い影響を及ぼすということを我々も期待をしております。
 しかし同時にもう一つ、少なくとも現段階ではマネーサプライはなかなか増えてくれないと。ベースマネーが増えてもマネーサプライは増えていないということは、これは不良債権問題等々によって金融仲介機能が依然として非常にまだ疲弊しているということであると思いますので、これは恐らくこちらだけ片一方動くということではなくて、規制改革等によってマクロを良くします、そうすることによって不良債権の状況が良くなってマネーサプライが増えれば、さらにこれがマクロ経済の方も良くしていきますと、そういうことがやはり重要で、むしろこれが同時、両輪となって動き始める一つのきっかけには今なり得る状況になってきたと、そのように認識すべきなのではないかと思っております。
#110
○平野達男君 そこは、両輪ということでは恐らくはそのとおりだと思います。
 しかし、やっぱり先ほどの柳澤大臣等のお話、私もそうだと思うんですけれども、やはり不良債権については、今年の金融特別検査について、やはり一つの区切りを付けたと。これを五割、八割、十割という形でオフバランス化していきますということで、これから始まるわけです。確かに片方で破綻懸念先以下の不良債権があって、これを処理するのに三年掛かりますから、それがマイナスの影響を与えることは、これは間違いないと思うんです。
 しかし、こういう形で一回整理を付けたということでありますれば、これは不良債権ももう、不良債権問題もちろん分かりますけれども、やはり政策の重点というのはやっぱりマクロ経済に行くんだということを明確に言った方が、私はこれからの日本の経済対策、景気対策を議論するときに非常に分かりやすいし、方針がはっきりする。不良債権だ、要するにマクロ経済だという、もうそういうことについてのある程度の一定の目安は付いたんだというようなことで、これは整理をできる段階に来たんじゃないかなというふうに思うのですが、もう一度、竹中大臣どうでしょうか。
#111
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、経済財政諮問会議等々でもマクロ経済の関係とその金融システムの関係については常に議論をしておりますが、柳澤大臣の御努力によって特別検査を行い、その資産査定等々について、従来により比べて非常に改善されたという強い認識を私たちも持っております。
 しかし同時に、やはり引き続き金融機関をよりロバストな強いものにして、リスクを取って新しい企業家を支えてくれるような金融システムになっていってくれないと経済が更に強くならないということも事実でありますので、その意味では非常にその危機を回避するための受け身のリアクティブな金融行政から更に踏み込んで、より強いロバストなシステムを作るシステムに今金融行政が移行していると、そういう認識を私自身は持っておりますけれども、引き続きやっぱりマクロと金融の関係は両輪として考えていかなければいけないというふうに思っております。
#112
○平野達男君 ちょっと私の認識が間違っているかもしれませんが、少なくとも昨年までは不良債権の処理というのがもう構造改革の一番最初に立っていたということだったと思います。
 私が言いたいのは、それについては一山越えましたと。不良債権の処理、これからも先ほど言った債権区分の実態に即した分類、これきっちり進めるわけです。それから、そういうふうに破綻懸念先に指定されたものについては、きっちりオフバランス化を進める。だけれども、やっぱり片方ではもう残っている、それは定例として進めていくわけですけれども、不良債権が先かどうかという議論はもうなしだと。やはりこれからはマクロ経済、マクロ経済というのは、政策というのは何かというのは、私、後でちょっとまた議論させていただきますけれども、よく分からないところがありますから。そういった方向で整理する段階に来ているんじゃないかなということをもう一度ちょっと申し上げておきたいと思います。これまた水掛け論になるかもしれませんが、ただ引き続いてこの議論については、またどこかで私もよく整理させていただいて議論させていただきたいと思います。
 ちなみに、この金融システムと行政の将来ビジョン、ちょっと一言だけコメントさせてください。私も必死になって読みました。中身についてコメントできるだけの能力ありません。ありませんが、一言だけ言いますと、分かりづらい。これは専門家が作りまして、作ったということで分かるんですけれども、とにかく片仮名の文字が物すごく多過ぎて、明治時代に英文が入ってきたとき、日本人は、我々の先祖は何をしたかというと、仏典、経典を当たって、いろいろ言葉がないかといって、それで探して言葉を和訳したというふうに言われていますけれども、多少そういう努力があってもいいんじゃないかなという感じがします。
 これを見ますと、やっぱり金融というのは分かりづらいということを思ってしまうんじゃないかなと思うんです。これは一般向けに作ったというわけではないということは理解しますけれども、せっかくこんなたくさんの方々が集まって作っていただいた報告書でありますから、もうちょっと分かりやすくやっていただきたいという、これは要望でありまして、これを読むのに、とにかく言葉をちょっと理解するだけで非常に苦労したということがありますので、これはちょっと要望という形で言っておきたいと思います。
 そこで、今度はまた不良債権のオフバランス化の話に戻りますけれども、これもかなり観念論的な整理になるかと思います。観念論的な議論になるかと思うんですが、今、五割、八割、十割でオフバランス化を三年間で進めましょうというふうに言っている。ところが、先ほどの柳澤大臣のお話を伺いますと、やはりこれからの不良債権というのは景気動向に左右されて出てくるものが多いと。ということであれば、しばらくは五割、八割、十割ということで進めるというのは、これは間違いないだろうと思うんですが、いずれ二、三年のうちに実は下がれば、景気が良くなれば破綻懸念先以下のやつが戻る可能性もあるわけですね。そういった意味において、五割、八割、すべからく全部オフバランス化をするというようなルールというのは早晩やっぱり見直さざるを得ないんじゃないかなと。
 もちろん破綻懸念先以下というふうに不良債権を処理する場合には将来の見通しというのを入れてやっているとは思うんですが、少なくとも不良債権の性格が今までの議論から整理されますように変わってきていますから、オフバランス化に対する見方というのもやはり変わってこざるを得ないんではないかという気がしますが、柳澤大臣はどのように考えられますでしょうか。
#113
○国務大臣(柳澤伯夫君) 要するに、破綻懸念先というものについてもやはり再生可能性というものを常に吟味します。吟味するということは何かというと、結局は再生計画あるいは再建計画というものを立てられるかということですが、仮に立てるといって、そして例えば債務超過の状態が、あれは五年でしたか、五年で解消できるという絵がかけるかどうかなんです。そういう見通し、これはそうなりそうだとか、なりそうもないとかという見通しのときに、見通しの能力というのが問われるんですよ、実は。
 それで、この前も、特別検査は何か先送りを解消した、先送りだった分を解消したような、そういう位置付けに何かお話の中でなっているようにも聞こえるんですが、そうじゃないんですね。そうではなくて、当時、再建計画を立てて、これで五年以内で大体再生できるねと思われていたのが、その後の景気の状況でその企業の売上げか何かが予定どおり進んでいないということで、これは駄目だわといって破綻懸念先になると、そういうプロセスを取っているわけですね。
 ですから、逆から言うと、今度、今、平野委員が言うように、景気が良くなってくると、この見直しにおいて、やはり今までは駄目だったけれども今度は良さそうだということになればそれは要管理に上がるという格好でオフバランスというか、もう要管理より要注意に行けば完全にオフバランスですね、そういう形になりますということでございます。
#114
○平野達男君 分かりました。
 じゃ、次のテーマに移らせていただきますが、マクロ経済政策という、まあ経済政策なんですが、今まで政府は第一次、第二次デフレ対策ということは言っていませんが、いわゆる第一次デフレ対策、これは不良債権の処理の促進と空売り規制の強化等々がございましたし、いわゆる第二次デフレ対策がこれも先般出ました。第一次デフレ対策は二月だったと思うんですが、これはもう既に動いているもの、あるいはすぐにやれるものということですぐに動いて、結果的に見ればかなりの効果は出たのかなという感じはします。
 ただし、第二次対策については、これは税制等についてが主になっていまして、まだほとんど動いていない。この第二次デフレ対策を立てた、要するに、将来、今の現状、経済がどうなっているか、これからの経済の見通しがどうなっているか、そういったある程度の前提条件を作って対策を打ち出していると思いますが、その前提条件をどのように考えたかをまずお聞かせ願いたいと思うんですが。
#115
○国務大臣(竹中平蔵君) 第二次デフレ対応策と言われるものは、基本的にはデフレを克服するためには経済の活性化こそが最大のポイントであって、経済の活力を回復させるための、いわゆる骨太第二弾に書かれているものの中でできるだけ早くできるものをやっていこうではないかと、それが第二次の中身になっているわけでございます。したがって、税制等々についても、可能な範囲で、一月、来年の一月一日に遡及できるようなものも含んでやっていこうと、そういうことが中身になっております。
 それをどのようなシナリオの中で実行しようとしているのかというお尋ねだと思いますが、この基本的なシナリオは、今年一月に取りまとめました「改革と展望」でのシナリオであります。その中で、今年度ゼロ%成長、しかし来年度は若干のプラスになることを期待して、集中調整期間を終えた時点で本来の二%成長の近いところに持っていくと。それのシナリオの基本的には今範囲にあるわけでありますけれども、そのシナリオの実現をより確実にするために、できることから早く活性化政策をやっていこうではないか、これが第二次のデフレ対応策の中身になっております。
#116
○平野達男君 ちょっと質問の仕方が悪かったかもしれません。前提条件というのは、例えば経済は、又は景気は底を打った、底を打ちつつあるという認識で作ったのか。あるいは株価についても、これは株価については大きな下落はないというような前提で作ったのか。例えばそういった具体的な指標を前提にして作っているのかどうかというお話であります。
#117
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的な考え方は、短期的な経済のアップ・アンド・ダウンに対応して、それのための政策を行うということではありません。中長期的な改革と展望のシナリオにあくまでも現状は沿っている、その沿っている中で景気も底打ちしたというふうに認識をしています。しかし、活性化はやっぱり急がれますから、その中でできるものは早くやっていくにこしたことはない、それが総理の常におっしゃる基本的な方針であって、でありますので、骨太第二弾の中にあるものの中で前倒しが可能なものをできるだけ早くやっていこうと、そういう組立てになっているわけです。
#118
○平野達男君 これは想定の問題ですけれども、先ほど言った第一次デフレ対策というのは非常に対策を打ち出して行動が早かったと。昨今、今、先ほど、今日の議論にもございますけれども、円安問題が非常に議論になっていますし、株価も非常に怪しい動きになってきているという中で、そういった大きな変動があった場合には、これはもう新たな対策を打ち出すという用意はあるというふうに考えておられますか。
#119
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には、平野委員にも何度かお答えさせていただきましたけれども、景気の微調整というような形で財政政策を中心とした政策を使うということには決別しなければいけないと思っております。しかし、非常にパニックを起こすような何らかの非常に大きな外的ショックがあった場合は、これはもう柔軟かつ大胆にやるということは、これはかねてから申し上げていることでありますし、今回の第二次デフレ対応策の中にも、そういったことがもし想定されるならば柔軟かつ大胆にというような言葉はその意味でも入れております。
 アメリカの経済、恐らく御質問の趣旨は、アメリカの経済等々で非常に大きな不安があるかもしれないというような、そういう見方も市場にありますので、そういうものを想定しているのかということであろうかとも思いますが、現状において私はアメリカの経済が大崩れするということはないというふうには思っております。しかし、何らかの外的なショックがあって、それで非常に大きな混乱があるような場合は、これはもう柔軟かつ大胆にという用意は常に心積もりはしております。
#120
○平野達男君 分かりました。
 五分しかありませんが、次の質問に移らせていただきます。
 これはさきの日銀報告のときにもちょっと質問させていただいたんですけれども、いわゆる今年の四月のペイオフ解禁、定期性預金のペイオフ解禁があったわけですが、その影響を受けてだろうと思いますけれども、いわゆる預金の動きを見ますと、定期性預金、定期性から流動性への資金の移動が起きたというふうに取れるデータが出ております。
 これを見ますと、特に都銀については全体の預金の合計も増えていて、流動性預金も大きく増えている。しかし、第二地銀あるいは信用金庫等々に行くに従って流動性預金は確かに増えているんですけれども、伸び幅は小さいと。そういったことで、大きな銀行ほど預金量が増えて、かつ流動性預金が増えたというような傾向にあります。
 ここで気になりますのは、やはり何といっても来年の四月に予定されている流動性の預金に対するペイオフの解禁であります。これから業態別の資金の流動についてこれはよくウオッチしておく必要があるんじゃないかなというふうに思いますが、これをきっちりフォローアップして逐次報告する用意があるかどうかというのが一つ。
 それからもう一つ、やはり金融の破綻処理が随分相次いでいまして、例えば、今日は預金保険機構さんに質問する時間がなくなって、ないんですが、例えば、預金保険機構、平成十二年度だけで連結行政コストは約五兆円掛かっている、主要行だけで。あと処分損が六兆円、合わせてそれだけでもう十兆円。
 それからあと、預金の保険料を見ますと、元来でありますと、特別保険料、平成十三年度でこれ廃止になっていますね。これは法律で特別保険料を設定したんですけれども、これが廃止されるときには一般勘定及び特別業務勘定というのは収支ゼロになっているはずだったと。ところが、これ平成十三年度末で三兆八千億円の赤字抱えています。これをこれから、本来でありますれば一般保険料下げてもよかったんですけれども下げ切らなくて、毎年五千億ずつ一般保険料を徴収して、これも償還しなくちゃならない、こういう非常に厳しい状況にあります。
 それからあともう一つは、この中にも出ていますけれども、これどのように理解すればいいかちょっと分からなかったんですが、銀行貸出しはオーバーキャパシティー状態にあるということをここに言っています。これがあるからリスク分散をしましょうという結論になっているわけですが、この報告書の中では。ただ、読みようによっては銀行過剰だというふうに言っているようにも読めます。
 それからもう一つ、もう一つの要素は、だから市場に銀行が要するに過剰だというのが伝わっているのかどうか、よく分かりませんが、そういった雰囲気があるんではないかということが二つ目。
 それからあと、やっぱり何といっても先ほど述べましたペイオフなんですが、こういったものを控えている中で、今後の資金移動、先ほど言った一段目はフォローしますかという質問だったんですが、二つ目の質問は、この流動性預金の例えば第二地銀から都銀への移動、あるいは信金から都銀への移動、こういったことが起こってくる可能性についての柳澤大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#121
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと盛りだくさんの御質問を一度にいただいたので、整理をしてお答え申し上げますけれども、まず第一に、ペイオフについては、これは私ども構造改革の一環であるというふうに思っておりますので、この基本を揺るがすわけにはいかないというように考えております。しかし、かねてから申し上げておりますように、信用秩序というか、金融当局というのは常に信用秩序が混乱するようなことは起こしていけないわけでございまして、その意味ではしっかりと預金の動向をウオッチしているということと同時に、そういうことが起こらないように常に金融システムのより強固な構築のために不断に努力をしていくと、こういうことが必要だというふうに考えております。──いいですか。
 それで、ウオッチをしていることについては概括的にはこういう、委員もお持ちだと思いますけれども、預金の動向というような形でその都度必要な資料はお配りしておりますので、今後ともそれは継続いたしますということでございます。
 また、預保の行政コスト絡みのお話でございますが──それはいいですか。それはもう今日はなしということでございますので、それはお答え申し上げません。
 じゃ、オーバーキャパシティー問題あるいはオーバーバンキング問題ですけれども、これは若干そういう意見を言った方がいらっしゃるんです。かなり明確に言われました。その各人別の意見のところを見ていただければ明確に言っていらっしゃる方もいらっしゃるということですが、全体としてそうかというと、むしろそのことよりも、そこによく書かれているようにバンキングビジネスをもうちょっと機能別に分化して、そしてその機能を、ある機能を特化して受け持つ銀行があってもいいし、全部その機能を保有して総合的な金融サービスを提供するような銀行もあってもいいというわけで、いろいろなバラエティーを持って金融のサービスを行うということが力点を置かれて論議されたということであるというふうに申し上げたいと思います。
#122
○委員長(久世公堯君) 時間が参っておりますので、簡略にお願いいたします。
#123
○平野達男君 簡略にいたします。済みません。
 今、この業態別の預金の動向につきましては、これは年度ベースごとに整理されたやつを私は持っています。来年の四月に向けて、例えば二か月に一遍とか、毎月とか、とは言いませんけれども、そういうものを公表するかどうかということだけちょっと確認して、あるいは公表していただきたいというこれは要望なんですが、お願いいたします。
#124
○国務大臣(柳澤伯夫君) 我々の方も月別の、月末時点の預金の動向を委員の先生方にもお求めに応じてお配りしているかと思いますが、その原資料というのは全銀協の資料であったり日本銀行の資料であったりいたしておりますので、我々もサービスをいとうわけではありませんから、これまでどおりやらせていただきますが、基本的にはそういうそれぞれの機関が出しているということをちょっと付言させていただきます。
#125
○平野達男君 非常に重要な資料だと思いますので、これはまとめて公表すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
#126
○委員長(久世公堯君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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