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2002/02/27 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 共生社会に関する調査会 第2号
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2002/02/27 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 共生社会に関する調査会 第2号

#1
第154回国会 共生社会に関する調査会 第2号
平成十四年二月二十七日(水曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         小野 清子君
    理 事
                有馬 朗人君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                羽田雄一郎君
                風間  昶君
                吉川 春子君
                高橋紀世子君
    委 員
                有村 治子君
                大野つや子君
                小泉 顕雄君
                後藤 博子君
                段本 幸男君
                中原  爽君
                山下 英利君
                岡崎トミ子君
                郡司  彰君
                小宮山洋子君
                鈴木  寛君
                平田 健二君
                弘友 和夫君
                山本 香苗君
                林  紀子君
                田嶋 陽子君
   副大臣
       内閣府副大臣   松下 忠洋君
       法務副大臣    横内 正明君
       厚生労働副大臣  狩野  安君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局民事局長
       兼最高裁判所事
       務総局行政局長  千葉 勝美君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        岩波 成行君
   政府参考人
       内閣府男女共同
       参画局長     坂東眞理子君
       警察庁生活安全
       局長       黒澤 正和君
       法務大臣官房審
       議官       小池 信行君
       法務省民事局長  房村 精一君
       厚生労働大臣官
       房審議官     中村 秀一君
       厚生労働大臣官
       房審議官     水田 邦雄君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○共生社会に関する調査
 (共生社会の構築に向けてのうち配偶者からの
 暴力の防止及び被害者の保護に関する法律施行
 後の状況に関する件)

    ─────────────
#2
○会長(小野清子君) ただいまから共生社会に関する調査会を開会いたします。
 共生社会に関する調査を議題といたします。
 「共生社会の構築に向けて」のうち、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律施行後の状況に関する件について、内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省及び最高裁判所当局から順次説明を聴取し、その後、質疑を行うことといたします。
 なお、説明、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございます。
 まず、内閣府より説明を聴取いたします。松下内閣府副大臣。
#3
○副大臣(松下忠洋君) 内閣府の副大臣の松下忠洋でございます。
 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律施行後の状況について、いわゆるDV法について御説明を申し上げます。この法律は、昨年十月の十三日に施行されたものでございます。
 昨年一月に内閣府に男女共同参画会議及び男女共同参画局が設置されましてから一年が経過いたしました。その間、内閣府では、男女共同参画会議において男女共同参画社会の形成の促進に関する様々な課題について検討を進めてまいりました。また、男女共同参画基本計画に基づき、政策方針決定過程への女性の参画の拡大、女性に対する暴力の根絶に向けた取組など幅広い施策を総合的に推進してまいりました。
 このうち、男女共同参画会議においては、昨年七月、待機児童ゼロ作戦や放課後児童対策の充実などについて、達成数値目標や期限を盛り込んだ仕事と子育ての両立支援策の方針に関する意見が会議決定されました。この決定に基づき閣議決定が行われ、関係府省で様々な施策を進めているところであります。また十月には、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の円滑な施行に向けた意見を決定するなど、これまでに様々な成果を上げてまいりました。また、今後、女性が様々な分野において指導的な立場を担い、新たな分野に活躍の場を広げることを目指す女性のチャレンジ支援策について精力的に審議を進めてまいります。
 こうした取組によって、男女共同参画社会を真に実のあるものとし、暮らしの改革を進めてまいる所存であります。
 さらに、アフガニスタンの復興支援を行う上では、女性の地位向上、女性のニーズへの配慮が不可欠であり、男女共同参画の視点からそうした援助の在り方について早急に検討を進めてまいります。本日、官邸で第一回の会議を開催する予定であります。
 それでは、引き続き、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律施行後の状況について御説明いたします。
 この法律は、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することによって配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図ることを目的としており、昨年十月から配偶者暴力相談支援センター等についての規定を除き施行され、今年四月に完全施行されることとなっております。
 まずは、男女共同参画会議における取組状況について御説明をいたします。
 平成十三年四月、男女共同参画会議の下に女性に対する暴力に関する専門調査会が設置され、配偶者暴力防止法の円滑な施行に向けた検討を行ってまいりました。同会議では、先ほども申したように、十月には配偶者暴力防止法の円滑な施行に向けた意見を決定し、その意見を関係各大臣に述べたところであります。その中では、保護命令制度により被害者の救済が速やかに実現するよう関係機関等の取組が必要であること、来る四月一日から施行される配偶者暴力相談支援センターの機能を果たす施設を早急に指定すること、職務関係者に対する研修が重要であることなどについて述べております。関係府省庁におきましては、この意見を踏まえ各種取組が進められているものと承知しております。
 女性に対する暴力に関する専門調査会におきましては、十月以降も引き続き配偶者暴力防止法の円滑な施行に向けた検討、具体的には調査研究の進め方や民間団体に対する援助の在り方について検討を進めており、その成果につきましては次回の男女共同参画会議に報告することとなっております。
 次に、都道府県の配偶者暴力相談支援センターの準備状況についてであります。
 本年四月一日、配偶者暴力相談支援センターの規定が施行になり、各都道府県が婦人相談所その他の適切な施設において支援センターの機能を果たすこととなっております。内閣府では、昨年十月三十日付けで各都道府県に対して、支援センター取りまとめ部局の早期決定、支援センターの機能を果たす施設の早期決定、複数の施設で支援センター機能を果たす場合の中心となる施設の決定、支援センター機能を果たす施設についての広報、この四点をお願いしたところであります。現在、各都道府県において最終的な手続を行っているようであります。内閣府におきましては、各都道府県の支援センターの業務が適切に行われるよう、適宜必要な助言を行っていくこととしております。
 次に、広報啓発活動についてであります。
 配偶者からの暴力の問題はそれを防止する社会の認識が重要となりますが、多くの人が、配偶者からの暴力は犯罪とならない、夫婦げんかだから他人がかかわるべきではないといった誤った認識を有しているのが現状であります。内閣府におきましては、配偶者からの暴力の現状、法律に規定されている配偶者暴力相談支援センターの機能や保護命令制度などを中心に広報啓発活動を推進しております。
 具体的には、法律内容を分かりやすく説明したパンフレットやドラマ形式で法律の内容を解説した広報ビデオを作成して、都道府県等関係機関、団体に配付しております。また、ホームページやテレビ、ラジオなどの政府広報番組等を活用して法律内容等の周知徹底に努めております。さらに、昨年、男女共同参画推進本部におきまして、毎年十一月十二日から二十五日の二週間に掛けて、女性に対する暴力をなくす運動を実施することが決定されました。
 ちなみに、運動最終日の十一月二十五日は国連が定めた女性に対する暴力撤廃国際日であります。本年度は、配偶者暴力防止法が制定、施行されたことから、法律内容や相談窓口の周知徹底を重点として運動を実施したところであります。内閣府では、この運動の一環として、十一月二十五日に配偶者からの暴力をテーマとしたシンポジウムを開催いたしました。プロジェクトチーム座長として立法に御尽力いただきました参議院議員の南野知惠子先生にも御講演いただきまして、約四百人の参加者を得たところであります。
 内閣府では、引き続き、様々な手段により社会認識の徹底に努めてまいります。
 次に、職務関係者に対する研修についてです。
 職務関係者が配偶者からの暴力の実態、特性等について十分理解した上で職務を遂行しなければ、被害者に二次的な被害を与えることにもなりかねません。このようなことを防ぐためにも、職務関係者に対する研修は大変重要であると考えております。
 内閣府では、去る二月十七日から十九日の三日間に掛けて、全国の婦人相談所や女性センター等の相談員約百七十人を集めて泊まり込みの研修を実施いたしました。また、基礎的な教材を作成し、この研修で使用しております。この教材については、広く必要な人に行き渡るようにしたいと考えており、現在、その方法等について検討中です。
 次に、調査研究の推進についてであります。
 内閣府では、これまで、平成十一年度の委託調査研究として男女間における暴力に関する調査を、平成十二年度の委託調査研究として配偶者からの暴力に関する事例調査をそれぞれ実施しております。今後も引き続き、被害者や加害者に関する有意義な調査を実施したいと考えております。
 次に、民間団体に対する援助についてであります。
 配偶者暴力防止法第二十六条において、「国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るための活動を行う民間の団体に対し、必要な援助を行うよう努めるものとする。」と規定されております。民間団体に対する援助の在り方については、女性に対する暴力に関する専門調査会において現在検討を行っており、この議論も踏まえ取組を進めてまいります。
 また、内閣府では、民間団体に対する援助の一つとして、平成十四年四月以降、情報提供事業を開始することとしております。これは、夫、パートナーからの暴力に関して被害者の対応に当たる関係各機関の連絡先等の情報、対応に役立つ国の取組や法律の情報等を収集し、インターネットのホームページ等を通じて関係者に提供するものであります。情報の更新、拡充については継続的に行ってまいります。
 内閣府の主な取組といたしましては以上のとおりであります。
 内閣府といたしましては、今後とも、関係府省庁の中心となり、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のため各種施策を推進してまいります。よろしくお力添えをお願い申し上げます。
 長くなりましたけれども、以上でございます。
#4
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 次に、警察庁黒澤生活安全局長。
#5
○政府参考人(黒澤正和君) 警察庁生活安全局長の黒澤でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 以下、御説明申し上げます。
 近年、女性、子どもが被害者となった犯罪が増加傾向にございますとともに、女性に対するストーカー事案、夫から妻への暴力事案、子どもに対する声掛け事案や児童虐待事案に関する相談件数は多数に上り、中には凶悪事件に発展するものも少なくないなど、女性、子どもが被害者となる犯罪等が社会的に大きな問題となっております。
 こうした情勢を踏まえまして、平成十一年の十二月でございますが、警察庁におきましては、女性・子どもを守る施策実施要綱を制定いたしました。この要綱では、ストーカー事案及び夫から妻への暴力事案に対する基本的方針を定めてございまして、具体的には別添の一をごらんいただきたいのでありますが、以後、各都道府県警察におきましてはこの要綱に沿った取組が推進されておるところでございます。
 その後、昨年の四月には、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律が成立、公布されましたことを踏まえまして、施行までに、配付資料の別添の二、三、四にございますが、法の趣旨、内容等を通達等によりまして各都道府県警察に徹底をいたしまして、適切な対応に努めておるところでございます。
 以下、何点か御報告申し上げます。
 まず、DV事案に係る相談等への適切な対応でございます。
 いわゆるDV防止法におきましては、保護命令の申立人が警察に相談し又は援助若しくは保護を求めた事実等を保護命令の申立て書に記載すれば、警察は裁判所からの要求に応じてその内容を記載した書面を裁判所に提出することとされました。警察では、裁判所からの照会への回答を迅速に行うため、全国斉一の「配偶者からの暴力相談等対応票」を用いた適正な記録及び保管を行っております。別添二の三枚目から五枚目が「配偶者からの暴力相談等対応票」、その様式でございます。
 この対応票でございますけれども、手続上、保護命令の相手方が見ることができます関係上、不必要な記録はいたさないこととしつつ、また、保護命令の決定に当たって一つの参考資料となりますことから、あらかじめ必要な項目を列挙しまして、作成者が項目に従って必要な事項を落ちなく簡単に記載できるように工夫をいたしております。この様式の作成に当たりましては、一線の各都道府県警察、そして最高裁判所事務総局の意見も伺って作ったものでございます。
 このようにして作成いたしました対応票を各府県警察に示しますとともに、作成に当たっての留意事項等を指示しまして、また、配偶者からの暴力事案の特性等を踏まえ、二次的被害の防止等、被害者の立場に立ってでき得る限りの配慮を行うことなどを指示をいたしておるところでございます。
 昨年の十月十三日、すなわち法の施行から本年の一月三十一日までの間に警察において作成されました対応票の件数は四千八百四十一件となっております。この期間にDV防止法第十四条第二項に基づく書面の提出要求を受けた件数は百九十三件でございます。
 次に、保護命令に係る被害者対策及び保護命令違反の厳正な取締りにつきまして御説明申し上げます。
 いわゆるDV防止法におきましては、保護命令が発せられますと、その旨及び保護命令の内容につきまして警察に通知されることとなっております。しかし、保護命令の主文では、申立人の勤務先その他、その通常所在する場所の付近を徘回してはならないとされているため、保護命令違反発生時に適切に対応するためには、警察では、申立人の勤務先及び申立人の通常所在する場所がどこにあるかをあらかじめ把握しておく必要がございます。
 このため、警察では、地方裁判所との緊密な連絡体制を構築いたしますとともに部内の連絡体制を構築し、保護命令に係る情報を関係する警察職員へ周知し、申立人が更なる配偶者からの暴力によりその生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きい状態にあることに留意し、申立人に対し防犯上の留意事項を教示するなどすることとしているところでございます。
 保護命令に係る情報の流れでございますが、分かりやすく図示いたしましたのが別添三の図でございます。保護命令違反を認めたときには厳正かつ適切に対処することといたしております。本年一月三十一日までに保護命令違反の事件検挙は五件ございました。
 次は、職員教育の充実ということでございますが、全警察職員の一人一人に至るまで意識改革を図り、配偶者からの暴力事案の特性や被害者への対応の在り方等について徹底を図るため、機会あるごとに指導、教育をいたしておるところでございます。また、配偶者からの暴力事案への対応を担当する警察職員に対しましては、より専門的な知見を習得させる研修等を行っているところでございます。今後とも引き続き、配偶者からの暴力の特性に関する研修、教育に努めていくことといたしております。
 最後に、関係機関との連携強化でございますけれども、すべての都道府県に設置された被害者支援連絡協議会等を活用するなどいたしまして、婦人相談所等との定期的な会合を開催するなどいたしておるところでございます。今後とも、関係機関との連携を一層強化してまいる所存でございます。
 警察庁からの説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
#6
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 次に、横内法務副大臣。
#7
○副大臣(横内正明君) 法務副大臣の横内でございます。DV防止法施行に伴う法務省における取組につきまして御説明をさせていただきます。
 まず、保護命令違反事件の処理についてでございます。
 御案内のように、保護命令は、配偶者から暴力を受けた被害者の申立てによりまして、裁判所が加害者に対して接近禁止命令、又は退去命令を発するものでございまして、それに違反した場合には、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処することとされているものでございます。
 DV法が昨年の十月に施行されまして、一月までの間に検察庁で受理した保護命令違反事件の件数は、先ほど警察の方から送付したのが五件と言われましたけれども、そのとおりでございまして、受けたのも五件ということでございます。いずれも被疑者を起訴をしております。別添の資料の一にその概要がございます。まだ施行されたばかりでございますから、これから増加をしてくるものと思います。今後とも、本法の趣旨にのっとった適切な捜査処理を行ってまいりたいと考えております。
 続きまして、公証人、これは非常に手続的なことでございますけれども、法律の中で、公証人又は法務事務官による宣誓供述書の認証についてというのがございます。DV防止法では、保護命令を申し立てる際に、被害者が過去、配偶者暴力相談支援センターの職員とか警察職員に保護を求めた事実がない場合には、公証人の認証を受けた宣誓供述書を添付しなければならない。また、公証人がいないような地域の場合には、法務局、支局の法務事務官がその認証をする宣誓供述書を添付することになっております。
 そこで、資料二と三にそれがございますけれども、法務局、支局を指定をいたしまして、資料三のように関係職員に対する周知を図っておりまして、本法の施行に遺漏がないように適正を期しているところでございます。
 三番目に、職務関係者に関する研修でございますけれども、検察官、検察事務官、それから矯正施設や、あるいは更生保護官署の職員に対しまして適切な研修をかなり重点的に行っております。その概要は資料四、資料五にございますけれども、詳細になりますので説明は省略をさせていただきます。
 最後に、法務省は人権保護行政、擁護行政を行っているわけでございますが、法務省の人権擁護機関におきましては、従来から女性の人権問題に関し積極的な啓発広報活動を行っているところでございます。
 平成十二年七月、一昨年の七月から、従来から開設しております人権相談所に加えまして、全国で五十の法務局、地方法務局の本局に女性専用の相談電話でございます「女性の人権ホットライン」というものを設置をいたしました。夫やパートナーからの暴力を始めとする女性の人権問題をめぐる相談体制の強化を図ったところでございます。
 このホットラインには、相当な数のDV事案を始めとして相談が寄せられております。お手元にお配りしました資料の六というのが一番最後にございますけれども、十二年の七月にスタートしましてから昨年の六月までの数字しかございませんけれども、月平均で四百五十件程度の相談が寄せられており、特に最近時では増加をする傾向がございまして、この数字出ておりませんが、月、大体一千件ぐらいの相談が寄せられるようになってきております。
 こうした人権相談を通じまして、女性に対する暴力が行われているとの情報を得た場合には、法務省の人権擁護機関におきましては、婦人相談所とか警察と連携をして解決をするほか、自らも人権侵犯事件として調査を行いまして、その結果暴力行為があった、あるいは継続して行われていると認められる場合には、その行為者等に対しまして説諭をしたり、あるいは勧告などを行うことによりまして暴力行為の中止や再発の防止を図るなど、被害者の救済にも努めているところでございます。
 今後も、DV防止法の趣旨を踏まえて、関係省庁との協力を図りつつ、これらの取組を一層充実させていきたいと考えております。
 以上をもちまして法務省の説明を終了させていただきます。
#8
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 それでは次に、狩野厚生労働副大臣。
#9
○副大臣(狩野安君) 厚生労働副大臣の狩野でございます。
 近年、都市化の進行や家族形態の変容といった社会の変化の中で、家庭が孤立化し、こうした家庭の中で放置することのできない困難かつ複雑な問題が生じております。中でも、配偶者からの暴力の問題に適切に対応することは極めて重要であると考えております。
 配偶者からの暴力被害者の保護及び支援については、厚生労働省としても従来より婦人相談所等における対応を行ってきているところです。平成十二年度は、婦人相談所と婦人相談員に対し五万四千八百三十五人の方の来所による相談がありましたが、約一七%の九千百七十六人が夫等の暴力を主な内容とされていました。
 昨年、本調査会のお力で制定いただきました配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV法の円滑な施行を図るため、婦人相談所の機能強化、被害者の心のケア対策、関係機関職員の資質の向上、婦人保護施設等の施設の改善などの取組を推進し、被害者の適切な保護等に努めていく所存であります。
 本日は、お手元にございます厚生労働省説明資料に基づいて、DV法の施行に向けての厚生労働省の取組について御説明いたします。
 資料の構成は、一ページと二ページが本文で、三ページ以降は補足資料でございます。
 一ページをお開きいただきたいと思います。
 DV法の柱の一つであります配偶者暴力相談支援センターにつきましては、都道府県は婦人相談所その他の適切な施設においてこのセンターの機能を果たすこととされています。特に、一時保護業務につきましては、婦人相談所が自ら行う、又は婦人相談所が一定の基準を満たす施設に委託して行うこととなっているなど、婦人相談所が果たす役割は重要であります。このため、本国会で御審議いただいております平成十四年度予算案におきましては、婦人相談所等の機能、取組を強化するため、以下のような方策を盛り込んでおります。
 第一は、一時保護委託制度の創設であります。一定の基準を満たす民間シェルター、公的施設へ被害者及びその同伴する家族の一時保護の委託を行うことを可能とし、被害者保護の充実を図ります。
 基準につきましては、適当な施設を幅広く委託先の候補とできるよう、民間シェルター等の現地調査なども行いながら案を作成、検討し、昨年七月二十三日付けで官報告示を行いました。資料の四ページがその告示でありますが、法人格がない民間シェルターも、活動実績等を見て委託先とすることができることとしております。具体的な委託先については、およそ四十の都道府県で母子生活支援施設、婦人保護施設、民間シェルター、児童福祉施設などを候補に検討が行われています。
 次に、休日夜間の相談体制の強化であります。
 現在、婦人相談所では、緊急の一時保護については深夜や週末も対応が行われておりますが、相談についても午後六時以降と週末の相談体制を強化するため非常勤の電話相談員の配置を行います。
 次に、被害者の保護支援について、婦人相談所と福祉事務所と関係機関の連絡会議や事例検討会議など、問題解決型の第一線機関のネットワーク整備についても推進します。
 四番目は、被害者の心のケアの充実であります。
 DV被害者は、自尊心の欠如、無力感、PTSDなど、心の問題を抱えることも多く、その心理的回復を支援するために婦人相談所の一時保護所に心理療法担当職員を配置します。婦人保護施設についても、併せて心理療法担当職員の配置を進めます。
 五番目は、婦人相談所や婦人保護施設の補助基準面積についてであります。同伴者と一緒に過ごせる世帯部屋や個室の設置が可能となるよう整備基準面積の改善を行います。これは、平成十三年度第二次補正予算において既に先行実施いたしました都道府県に対し、積極的な整備を呼び掛けております。
 このほか、後ほど述べます職務関係者の研修について、都道府県で専門研修を実施するための経費や婦人相談所等関係機関のマニュアル作成の経費を計上しております。
 それぞれの事業の予算案上の金額は、資料の三ページにございますのでごらんください。
 こうした新規事業で約四億円、婦人相談所の運営費など従来からある事業の費用のうち配偶者からの暴力被害者に向けたものと位置付けられる費用も合わせると、約十二億円というのが平成十四年度厚生労働省予算案におけるドメスティック・バイオレンス関係の金額であります。
 一ページに戻りますが、医師その他の医療関係者は、配偶者からの暴力によって負傷し、また疾病にかかった者を発見しやすい立場にあることから、守秘義務に抵触せずに配偶者暴力相談支援センターや警察に通報できること等がDV法により規定されております。
 昨年十月のDV法の施行に先立ち、日本医師会、日本歯科医師会、日本看護協会等に対し、都道府県団体等に対する法の周知等の協力を依頼いたしました。また、都道府県に対しても、医療関係団体との連携を要請いたしました。これまでにリーフレットの配布や団体の会報への関連記事の掲載などに御協力をいただいております。
 次に、DV法のもう一つの大きな柱であります保護命令についてであります。
 被害者が地方裁判所に対し保護命令を申し立てる場合、それ以前に婦人相談所へ相談された経緯がありますと、地方裁判所が婦人相談所に対して相談時の状況等について記載した書面の提出を求めます。保護命令手続がスムーズに行われるよう、裁判所へ提出する書面の様式等について、昨年十月の施行に先立ち、都道府県あて通知いたしました。また、最高裁事務総局からも同通知の写しを地方裁判所等に送付いただいております。十月の施行から三か月間の書面提出件数は八十三件であり、各都道府県ごとの数字については資料の五ページを御参照ください。
 二ページをお開きください。
 職務関係者に対する研修につきましては、本省職員について婦人相談所等第一線機関関係者や有識者による研修を行ったほか、資料にもございますように、都道府県等の職員に対しても全国会議等の積極的な活用を図って実施しております。精神科医、弁護士、民間シェルター関係者等、外部の専門家による講義につきましては講義録も作成し、会議に参加できなかった職務関係者にも広く活用いただけるよう都道府県に対し送付したところであります。また、さきにも述べましたとおり、平成十四年度予算案において都道府県における専門研修の開催経費を計上しております。
 被害者保護に関する研究につきましては、DV法でもその推進が求められているところですが、今年度から三年計画で厚生科学研究費補助金により被害者の精神保健の観点を中心とした研究を実施していただいております。
 また、広報啓発についても、都道府県の取組を今後とも支援してまいります。
 婦人相談所の一時保護委託制度の創設など、四月一日の施行にかかわる点につきましては、三月に都道府県の課長級、係長級の全国会議を開催し、更に準備を進めてまいる予定です。
 なお、本日の資料の七ページ以降は婦人相談所等の現状について簡潔にまとめさせていただきました。御参照いただければ幸いです。
 簡単ではございますが、以上で御説明を終わります。
 我が国における個人の尊厳と男女の平等が実現されますよう、厚生労働省といたしましても、今後とも関係機関との連携によりまして、配偶者からの暴力被害者への適切な対応が図れるよう施策の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。
#10
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 次に、最高裁判所事務総局千葉民事局長。
#11
○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 最高裁判所の民事局長をしております千葉でございます。
 私の方からは配偶者の暴力の防止及び被害者の保護に関する法律施行後の保護命令手続の運用状況、これを中心に御説明をさせていただきます。
 まず、保護命令手続の流れについてでございます。
 法律で定められております保護命令手続の主な流れは、お手元の資料の三枚目の概念図がございます。「配偶者暴力に関する保護命令の発令まで」というこの図のようになります。保護命令事件を担当する各地方裁判所では、この流れに沿って適切にかつ迅速に保護命令手続の審理をすることができるように取り組んでいるところでございます。
 まず、裁判所は被害者からの申立て書を受理して審査を始める、審理を始めるということになりますけれども、実際には、申立てに先立って窓口で保護命令手続に関する相談に応じるということが少なくありません。申立人に弁護士が付いていない事案は全体の約六割と、被害者本人の申立ての方が多いと、こういう状況でもあります。相談の際には、申立て方法等について分かりやすく説明をしたり、申立人の状況や必要に応じて、例えば個室などで相談を受ける、被害者の保護やプライバシーに配慮するように努めております。ここの図と説明文は、被害者が裁判所によりアクセスしやすいように最高裁のホームページに掲載をしているものでございます。
 また、法は、申立て書に警察やDVセンターへの相談等の事実の記載若しくは宣誓供述書の添付を求めております。これは保護命令の速やかな処理のために必要とされることでありまして、警察等に相談等をした事実がある場合には、裁判所は受理後速やかに相談時の状況等について記載した書面の提出を警察にお願いをしているわけであります。
 加えまして、保護命令を発する場合には、原則として加害者からも事情を聴く、口頭弁論又は相手方が立ち会うことができる審尋の期日を開くことが必要とされておりますので、裁判所は相手方加害者を呼び出して期日を開くということになります。そして申立て書、それから警察等からの回答、期日での当事者の説明内容等を総合した結果、被害者が更なる配偶者からの暴力により、その生命、身体に重大な危害を受けるおそれが大きいと認めるときは、裁判所は保護命令を発するということになるわけでございます。保護命令を発令した場合には、取締りの実効性を確保するために、裁判所書記官は速やかに警察にその旨を連絡するというのが手続の流れでございます。
 この保護命令事件の処理状況でございますが、施行以後の保護命令事件の処理状況は、お手元の資料一のとおりでございます。最初に、これは各庁からの報告に基づく概数であるということをお断りしておきたいと思います。
 平成十三年の十月の十三日から同年十二月末日までに申し立てられました保護命令事件は百七十一件、終了した事件が百五十三件、十八件が未済、つまり十二月末日現在審理中というものであります。終了した百五十三件のうち保護命令が発せられたものが百二十三件、そのうち接近禁止命令のみ発せられたものが九十一件、接近禁止命令と退去命令の双方が発せられたものが三十二件になります。ほかは申立てが却下されたものが四件、取り下げられたものが二十六件あります。保護命令が発せられた事案について申立てから発令までに掛かった日数の平均でございますが、これは九・〇日でございます。
 なお、資料三は、法施行後初めて保護命令が発せられたと思われる事件について報道された新聞記事、これを参考までに配付してございます。
 次に、適切な処理のための裁判所の取組でございます。
 保護命令に関する手続は、当事者の申立てにより相手に対して刑罰の根拠となる命令を裁判所が発令するという、我が国ではこれまで同様の制度がなかった初めての制度でございます。また、法律上、速やかに裁判をすることや、被害者の人権尊重、秘密の保持が求められているものであります。加えて、事件の性質上、被害者の安全確保にも配慮することが大切になっております。そのため、裁判所としても、法の趣旨を正確に理解をして的確な運用ができるように、法施行以前から検討を重ねております。
 例えば、東京地方裁判所と大阪地方裁判所、日本で大きい二つの裁判所でございますが、法施行前から共同して協議を重ねまして運用上の留意点などをまとめたものを作成をしておりまして、これは法律雑誌に発表されて全国的な運用の指針となるような、そういう役割を果たしているところであります。
 各庁ではこの法施行、各庁と申しますか全国の裁判所でございますが、法施行後にも機会をとらえましていろんな協議を行うなど、より適切な事件処理ができるような工夫や検討を重ねているというところでございます。
 特に、被害者に対する裁判職員の言動等に配慮をする、これはもう当然のことでございまして、これは当然でございます。そのほか、不測の事態を避けるために、例えば、両当事者が審尋期日に顔を合わせないように、当事者の待ち合わせ場所とか、あるいは裁判所に入る、あるいは裁判所から帰る、その入庁退庁経路にも配慮をする、それから事故などの発生に備えて警備にも意を用いるなどしております。今後も引き続き、このような被害者の置かれた立場とその安全に配慮した取組を続けていきたいと考えております。
 加えて、保護命令手続の円滑な実施のためには、警察それから各都道府県下の婦人相談所、DVセンターでございますが、など関係する各種の行政機関との緊密な連携が図られることが大切であると思われます。
 先ほどもお話がございましたけれども、最高裁としましても、警察庁や厚生労働省と意見交換をしたり、様式の統一について意見交換、ディスカッションをしたり、また各庁では、各地方裁判所では、地方公共団体が開催する配偶者暴力に関する研修会とか協議会とか、そういった場に裁判所からも参加をさせていただくなどして連携体制を図ってきております。
 最後に、職務関係者への教育及び啓発についてでございます。
 裁判所における裁判官その他の職員への研修等については次のようになっております。
 まず、女性に対する暴力に関する研修につきましては、その重要性を考慮いたしまして、司法研修所における裁判官の研修・研究会、ここでのカリキュラムに積極的にこの問題を取り入れるようにしております。各種研究会でDV防止法の趣旨及び手続について専門的な観点から説明をし、その際、女性に対する暴力の問題も取り上げていますが、これに関連しまして、男女共同参画社会の在り方についての講演などを行う、そういうカリキュラムも実施しております。そのほか、刑事事件、家事事件、少年事件に関する実務研究会というのがございますが、ここにおきましても広く夫婦間の暴力の問題や犯罪被害者の保護に関する問題などをテーマとするカリキュラムの中で、女性に対する暴力に関する問題についても取り上げているところでございます。
 また、裁判官に任官する前の司法修習の段階におきましても、ジェンダーの問題とか配偶者間の暴力などをテーマとしたカリキュラムや、犯罪被害者の保護に関するカリキュラムを実施しております。さらに、裁判官以外の裁判職員を対象とする研修につきましても、書記官研修所とか家庭裁判所調査官研修所の研修の中で、保護命令制度の留意点及び夫婦間暴力の問題に関する講義等を実施しております。
 加えて、各地の裁判所においては、円滑な法の実施が可能となるように運用についての実務レベルの協議や研修などを実施しております。
 例えば、大阪高等裁判所では、管内の地方裁判所の裁判官や書記官を集めまして、配偶者からの暴力の特性とか問題点について研修を行うとともに、保護命令事件の処理に当たって考慮すべき事項等についての協議を行っておりますし、また東京地方裁判所では、裁判官の研究会のテーマに男女共同参画問題を取り上げまして、外部講師を招いて講演会を開いたりするなどの工夫、これは一例でございますけれども、こういった工夫をしておるわけでございます。
 今後とも、各種の研修の機会等を通じまして、法に対する理解を深めるように努めていきたいと考えております。
 以上でございます。
#12
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次発言願います。
#13
○有村治子君 自由民主党の有村治子でございます。自由民主党及び保守党を代表して、質問をさせていただきたいと存じます。
 議席を与えていただいてから今日が初めての質問でございます。どうすれば被害者の方々が少しでもこの法律を使いやすくできるのか、実務に携わっていらっしゃる方々の負担をいかにして軽減していけるのかという視点で、私なりに精一杯取り組んだつもりではおりますが、やはり第一歩でございます。どうぞ御教示賜りますようお願い申し上げます。
 先日の岡山と香川県での視察、独自の調査を進めていくうちに、やはり改めてこのDV法を制定されるときに携わられた先輩方、そして各省庁の方々、そして現場で実際に携わっていらっしゃる方々への敬意と御礼を改めて申し上げたく思いました。ありがとうございます。
 超党派でこの参議院の共生社会に関する調査会こそがイニシアチブを取ってこのDV法ができたということは、私自身も非常に勇気が与えられました。DV防止法に関して、有償またボランティア、NGOで働いていらっしゃる方々の善意を覚えつつ、質問を開始させていただきます。
 まず最初に、DVを防止する又はドメスティック・バイオレンスを救済するということに関する広報活動について、内閣府にお伺いしたいと思います。
 命の危険を感じているような被害者に対して、九八%は女性なんですが、彼あるいは彼女たちが最も必要とする情報が彼女たちに実際に着実に伝わっているかどうかということで、私自身はまだ疑問を持っております。
 パンフレットなど非常にすてきなパンフレットができているんですが、その表記方法についてもいろんなところで努力がされているものの、緊急のSOSをどこに求めればいいのか、どのような経路で申立てをすればいいのか、冒頭ではっきり分かるものを作成することが大事なことだと思っています。
 過去の例などを蓄積されていらっしゃると思うんですが、地方自治体がこれから広報活動を本格的にしていくというときに、広報活動にアドバイスする点、するならどのような点に気を付ければいいのか。パンフレットの書き方、あるいはパンフレット以外の書き方などでお知恵をかしていただければと思います。
#14
○政府参考人(坂東眞理子君) 内閣府におきましては、このDV法が実効を上げるためには広報が大変大きな役割を果たすというふうに考えております。お手元に配付させていただきましたように、広報啓発パンフレットあるいはビデオを作成したり、あるいはテレビ、ラジオ等の政府広報番組を活用して広報啓発活動を推進しておりまして、被害者を含めた社会一般に広くまず情報が行き渡るように努めているところでございます。
 また、地方公共団体におきましても、それぞれの地域で相談機関等の情報について広報をしていただいているというふうに思っておりますが、具体的にどういうふうな広報をすればいいのか、我々もいろいろ工夫をしているところですけれども、まず一つ言えるのは、一つの媒体に限らないでできるだけ様々な媒体を用いて広報をするということだろうと思います。幾ら大変大きな新聞で全面広告を出しましてもそれが見逃されてしまうことがあって、あるいはたまたま電光掲示板の広報が目に入るというふうなこともありますので、是非様々な媒体を用いるということが必要かと思っております。
 内閣府におきましては、インターネットのホームページに最新の情報を提供する、あるいはまた広報啓発のパンフレット、ビデオあるいは政府広報等のマスメディアの広報、それからまた最近は携帯電話あるいは電光掲示板のニュース等々、様々なメディアを活用して広報に努めているところですけれども、今後も、もうどんどんどんどんメディアはいろいろな手法が開発されておりますので、より効果的な広報啓発活動を推進していきたいなと思っております。
#15
○有村治子君 関連質問ですが、本当に緊急の女性たちがゆっくりとビデオを見てくれるか、あるいはインターネットで情報を調べてくれるかというと、緊急の事態が背後にある人たちはそこまで手が、市役所に行って情報をもらうとかということはなかなか難しいと思います。
 実際に、地方自治体も広報費用が限られていますので、いろんなルートを使うというのはもちろんそうなんですが、どのような費用対効果を考えて、どのような広報ルートが最もこの情報を必要とされる被害者の方々には効果的だと判断されているでしょうか。ビデオ、ホームページ、ラジオ、テレビ、いろいろあると思いますが、その優先順位を地方自治体の方が考えられる上でもヒントを与えていただければと思います。
#16
○政府参考人(坂東眞理子君) 配偶者からの暴力に関する広報につきましては、一般の方たちに、こういう法律があるんだよと、救いを求めることができるんだよというふうに認知していただく、配偶者からの暴力も犯罪だよというふうに広報をすることがまず第一ですが、それと同時に、今、有村先生からおっしゃいましたように、被害を受けている人たちがすぐその必要な情報を手に入れるにはどうすればいいか、しかも、その場合はその加害者の方に知られないように、こっそりその情報が手に入るということが大変必要だと思いますので、例えばこういったようなことを工夫しておりますけれども、医療機関等でこういうポスターを掲示しておきまして、(資料を示す)この部分、電話番号です、この部分だけをこんなふうにして切り取って持ち帰る、財布の中にでも入れておくと。あるいはこういった大変小さなパームリーフレット、(資料を示す)手のひらほどの小さなリーフレットを作って、これもポケットの中に入れて、加害者に見られないで必要な情報が手に入るというふうな、いろいろな工夫が必要かなというふうに思っております。
#17
○有村治子君 いろいろなヒントをありがとうございます。
 緊急の援助を必要とする人々に対しての救済に関し、正確な情報を最も必要とされる人々に理解できる形の広報を、更なる各省庁の協力を含めてお願い申し上げたいと思います。
 次に、保護命令の申立ての経路についてお伺いします。
 保護命令の申立てに際しては、生活拠点に近い警察署又は各都道府県にある婦人相談所での相談から始めるという経路のほかに、先ほどから出ています地方裁判所にも保護命令の申立てをすることができるという三つの経路があると理解しております。
 そこで、法務省にお伺いしたいんですが、婦人相談所、警察に保護を求めた事実がない場合には地方裁判所に直接保護命令の申立てを申請することになりますが、この方法での申立て件数は五件にとどまっていると理解しております。
 この地方裁判所で申立てをするために必要になる宣誓供述書を準備するためには暴力があったことなどを認めてもらうために公証人などを立てねばならず、被害者が一万一千円の費用を負担しなければなりません。この地方裁判所による申立てルートが全国でまだ五件にとどまっていることを考えるとき、この申立てルートが被害者にまだ広く認知されていないとか、着のみ着のまま家を出てきた、急いで出てきたという被害者にとって、この一万一千円という公証人への費用が被害者にとってハードルになってはいないでしょうか。問題点があれば是非教えていただきたいと思います。
#18
○副大臣(横内正明君) 確かに、御指摘のように、公証人による宣誓供述書の認証が少数にとどまっていると、五件だということなんですけれども、これは、本来は警察なりあるいは婦人相談所にかつて相談に行った場合には必要がないわけで、いわゆる補完的な手続なものですから、まだ施行して五か月しかたっていないということもありますし、そういうことで五件というふうに少ないんだろうというふうに思っております。
 そこで、委員の御指摘の、費用がちょっと高いんじゃないかと、そのために利用されないんじゃないかということなんですけれども、費用は公証人の手数料として一万一千円の費用を要するわけでございます。
 これは、いろいろ当時検討されたわけなんですけれども、公証人は公正証書というのを作るわけですけれども、それが仕事なんですが、公正証書の種類によってこの手数料というのはいろいろあるんですけれども、その中に証人の証言についての公正証書というのがありまして、それが一万一千円ということになっているわけです。この場合にも証人の証言に関する公正証書と大体類似の行為なものですから、それとのバランスで一万一千円というようになったわけでございます。
 ただ、これを作る場合にも相当、数時間にわたって非常に詳細な供述を取ってきちっと、これは裁判上の証拠資料になるものですから、数時間の時間が掛かるものですから、やはり一万一千円ぐらいの、コスト的に見ましても適正な額じゃないかというふうに考えております。
 ただ、委員もおっしゃいましたように、これの延納措置的なものがございまして、資力がない場合には支払の全部又は一部を猶予することができるという制度がございます。したがって、後納をするとかあるいは猶予をするとか分割払をするということはできるわけでございます。
 いずれにしましても、この宣誓による保護命令の申立てが利用しやすい制度となるようにこれからも努めてまいりたいというふうに思っております。
#19
○有村治子君 引き続き質問させていただきます。
 婦人相談所や警察署へ相談や保護を求めた場合と、今おっしゃってくださった宣誓供述書を添付して地方裁判所に保護命令の申立てを行った場合、この二つと一つのルートの中で、保護命令を出してもらえるかどうかの審理期間の長さに何らかの違いはあるんでしょうか。あるとすればその理由をお教えいただきたいと存じます。
#20
○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 各庁からの報告でございますけれども、昨年の十二月末までに処理しました事件、保護命令の事件が百五十三件ございますが、そのうち公証人作成の宣誓供述書を添付して申し立てたものが、先ほど委員御紹介のように五件ございますが、そのうち二件は申立ての取下げで終了しております。保護命令が発令されましたのはそのうち三件ということになりますが、この三件の平均審理期間は約十一・三日でございます。
 これに対しまして、公証人作成の宣誓供述書が添付されていない、警察に駆け込んだ、そこでの資料で審理をしたもの、そういう添付されていないものが百四十八件ございますが、そのうち保護命令が発令されたものは百二十件でございます。この百二十件の平均審理期間は約九・〇日でございます。
 ですから、これだけ比較しますと宣誓供述書を添付したのがちょっと遅いということになるんですが、ただいずれにしましても、公証人を介した事件の件数がまだ三件、非常に少ないものですから、今申し上げた数字を単純に比較してどっちが早いというのはまだちょっと時期尚早かなという感じはしておりますが、今のデータではそういうデータでございます。
#21
○有村治子君 ありがとうございます。
 次に、警察の対応についてお伺いしたいと存じます。
 配偶者からの暴力の検挙状況では、去年、平成十三年の殺人は百九十一人ということで、単純計算しますと一月に約十五人、二日に残念ながら一人が殺害されているという状況です。傷害、暴行を加えると千四百四十四件、一月に百二十件、単純計算すると一日に四件、かなり被害を受けたドメスティック・バイオレンスが表面化していると理解しております。警察庁の資料によるものです。
 保護命令が発せられる場合というのは、正しく命に重大な危険を受けるおそれが大きい、非常に危険な状態であるとも理解しております。保護命令発令後の警察の対応、特に被害者の安全確保策はどのようになっているのか、その際、被害者や被害者の家族、御近所に対する配慮はなされているのかどうか、お教えいただきたいと思います。
#22
○政府参考人(黒澤正和君) 先ほど説明のときに保護命令が発出された場合の流れ図、これもごらんいただいたかと思いますけれども、保護命令が発せられました場合にはいろんな対応をするわけでございますけれども、裁判所から保護命令が発せられた旨及びその内容に関する通知を受けましたときには、速やかに申立人と連絡を取ります。そして、申立人の住居、勤務先、その他通常所在する場所、こういったことを確認をいたします、もちろんその付近の状況等も把握をいたしますが。そして、申立人に対しまして、配偶者暴力相談支援センターの利用に関する事項でありますとかあるいはまた防犯上の留意事項等を具体的に教示をいたしたりいたします。
 また、申立人の生活実態に変化が見られた場合、保護命令の相手方に特異な言動が認められたような場合には、関係する警察署が相互に必要な連絡を取るようにいたしております。
 また、保護命令違反事件の捜査のために、保護命令の効力、内容等に保護命令に係る情報を迅速に確認できる体制を取ること、こういったことなどにより事案に応じた必要な措置を講ずることといたしておるところでございます。
#23
○有村治子君 ありがとうございます。
 実際に、先月にはこの保護命令に反して被害女性と、六か月間近寄っちゃいけないということなんですが、被害女性と面会した場合、罰金五十万が科せられる刑事的処罰も先月出ておりますので、引き続き警察の方、大変だと思いますが、是非保護命令が出ている間に被害者が更なる被害を受けないように御配慮賜りたいと思います。
 その際、幾つか私自身もコメントをいただいているんですが、被害者とその子どもたちを守るために、彼らの一時保護施設に関する情報の出し方あるいは守秘については引き続き特に慎重に取り組んでいただきまして、加害者の方がその現場を特定してそちらに攻撃することのないように、是非お取り組みいただきたいと存じます。
 次に、一時保護に際して民間シェルターへの委託制度があると伺っております。これに関して質問をいたします。
 婦人相談所は被害者及び同伴する家族を一時保護することとされています。この一時保護業務は、婦人相談所が自分で行うか、あるいは厚生大臣が定められる基準を満たす民間シェルターに委託して行うこととされ、全国には約三十五か所、民間シェルターが認められていると理解しています。この婦人相談所と連携を図って被害女性あるいは男性の支援を行う民間シェルターの多くは、実際はボランティアとかボランティアの方々の会費などの善意に支えられて厳しい財政運営を強いられているのが現状だと認識しております。
 この一時保護の委託費については、平成十四年概算要求において二億七千五百万が計上されております。委託費については、被害者一人当たり一日利用させると、一日の利用につき六千六百円という単価方式になる見込みと伺っておりますが、この積算根拠はどのようなものになりますでしょうか。
#24
○政府参考人(水田邦雄君) 先生おっしゃいましたとおり、平成十四年度予算案におきましては日額六千六百円を予定してございます。
 この委託費の内容につきましては、被害者の一般生活費、被服費、旅費のほかに委託先の事務費も計上しておりまして、庁費、賃金、通信費、旅費、こういったものが積算の根拠の中に入っております。
#25
○有村治子君 ありがとうございます。
 この点に関して、実は多くの民間シェルター関係者が危機感を募らせているという話も聞こえてきます。
 その理由は、一時保護委託によってこれまで自治体等が独自に行ってきた助成が打ち切られるんじゃないかという懸念があることと、シェルターを運営していくには光熱費など被害者を宿泊させなくても常に生じてくる運営費や経費があって、この部分については直接の財政的支援が見込めません。よって、実際に支払われる委託費の額が予測できず、財政運営の見通しがなかなか立たないということが懸念としてある現状に対し、厚生労働省はどのような対応をお考えでしょうか。
#26
○政府参考人(水田邦雄君) 自治体の単独事業につきまして、それぞれの自治体の御判断によるところが大きいわけではございますが、今回、一時保護委託をやることによりまして、言ってみますと自治体の財政負担が軽減されるということがございます。そういうこともございますので、民間シェルターに対して被害者保護を今後とも推進するために、こういった新しい余裕、こういったものを生かして配慮していただきたいと、こういうふうなことを考えておりまして、全国会議等におきましてもお願いをしているというところが現状でございます。
#27
○有村治子君 ありがとうございます。ほっといたしました。
 関連質問です。
 例えば、被害者がお子さんなど同居家族とともに民間シェルターで一時保護を受ける場合、その同伴家族のために発生する費用というのはだれが負担するんでしょうか。その積算あるいは根拠とか、具体的な金額などがもう決まっているようであれば、お教えいただきたいと思います。
#28
○政府参考人(水田邦雄君) 同伴児がいる場合につきましては、日額千五百七十円を加算するということを、予定でございます。
#29
○有村治子君 次に、被害者及び被害者の子どもの健康と生活の立て直しという観点から厚生労働省にお伺いしたいと思います。
 今まで被害者と加害者が同居していて、加害者となった配偶者と健康保険証を共有している場合というのが考えられます。その場合、被害者やその子どもが今まで加害者とともに共有していた健康保険証を使えなくなった場合、着のみ着のまま家を出てきた被害者はどのような手段を講じて緊急的な、緊急な治療を受けることになるんでしょうか。
#30
○政府参考人(水田邦雄君) 先生おっしゃいましたとおり、多くの場合には被害者の方は健康保険証あるいは現金も持たずに避難されるということが多いわけでございます。こういった一時保護期間中に医療が必要になるといった場合につきましては、婦人相談所の職員が福祉事務所と連携をして必要に応じて生活保護の医療扶助も活用して、現在でもそういう対応をしているというふうに承知をしております。
#31
○有村治子君 例えば、関連質問なんですが、被害者や被害者が連れ添ってきた子どもたちが、継続的長期的に例えばぜんそくだったり骨折だったり、こういう治療を必要としている場合、今まで使ってきた加害者と共有する健康保険証を使えない場合は、被害者らはその長期的な医療に関してどのように健康保険を適用することができるんでしょうか。健康保険証を今は持っていない、けれども、心身ともに被害を被っている人たちの医療費を軽減するにはどのような方策が考えられるでしょうか。
#32
○政府参考人(中村秀一君) 医療保険制度の側からこういった事例についての対応、どうなのかということがまず基本だと思いますので、その観点からまず御説明をさせていただきたいと思います。
 今は国民すべてが医療保険制度でカバーされるということになっておりますけれども、いろんな形態があります。被害者になっている女性の方が、御自身が働いておられるというようなケースであれば御自身の健康保険証は持っておられますので、先生のお尋ねになっていることには該当しないと思います。一番難しいケースは、夫の方がサラリーマンで健康保険証本人であると、その被害者の方が被扶養者であるといったケースになると思います。こういった場合、もう生計維持関係などもなくなっているわけですから、別の独立した健康保険証を持つということになると思います。
 具体的には、国民健康保険の方に入っていただくということになると思いますけれども、その場合非常に難しい問題は、国民健康保険の方は受皿でございますからダブルで加入しないという原則になっておりますので、まず夫の被扶養者ではないと、この証明が要るということになります。これは実務的にはかなり困難なことでありまして、通常のケースで言えば、扶養、被扶養関係は本人に問い合わせるということになりますので、このケースでいけば御主人の方に、加害者の方に問い合わせることになると。これはまた耐えられないという話になりまして、実務レベルではかなり苦労しているところでございますが、いずれにしても処理をしなければならないということで、具体的には社会保険事務所の方に御相談いただき、そういったケースについて処理していくと。
 また、国民健康保険も実際問題としては住所の確認が必要でございまして、その住所をどうなのかと。その住所の確認というのは住民票に基づいて行われておりますので、その住民票を移す場合に知れてしまうと、加害者の方に知れることになってしまうというような問題も実務的にはありますが、市町村の方でそういった事項についても相談を受け、実際的に対応しているというふうなのが実情でございます。
 そういったやり方によって医療保険制度の方に乗れば、先生から御質問があった非常に医療上困難なケースも医療保険制度の対象として対応できると、こういうふうに考えております。
#33
○有村治子君 社会保険事務所などが受皿になっていただいて、困難な状況を克服して受皿があるというのは大変勇気が与えられるコメントでした。ありがとうございます。
 次に、被害者とともに避難、緊急避難してきた子どもたちは、全都道府県下から、一時保護されておりまして、一時保護の期間中に幼稚園や小中学校などに通学していない実態があります。この間、岡山、香川に本調査会で調査をさせていただいたときもそのような実態が指摘されました。子どもたちが学校に行かない期間が長期化してしまった場合、どのような手段を講じることができるでしょうか。
 また、被害者が連れてきた子どもたちが被害者の性と異なった場合、すなわちお母さんが例えば十三歳ぐらいの息子さんを一緒に連れてきた場合、あるいはお父さんが、例えば思春期の娘さんを一緒に、まれですけれども連れてきたような、被害者の性と異なった子どもを連れてきた場合、彼ら子どもたちをも安心できる一時保護施設というのは全国で、四十七都道府県で供給し得るものなんでしょうか。
#34
○政府参考人(水田邦雄君) 学校教育の件でございますけれども、基本的には一時保護におられる間も正に緊急一時保護ということで秘匿ということも大事でございますので、ここから通学することは想定していないわけでございますけれども、その後、この場合はお子さんでありますので、通常の場合、その姓名とはまた別の話でございますが、通常の場合でありますと、母子生活支援施設等におきまして住民票がなくても学校教育が、学籍、学齢簿ですか、を編製して就学を認める扱いがなされているというふうに聞いてございます。
 父親等が思春期を連れてきた場合等でございますが、そうしますと、年長男子でありますと婦人保護施設でなかなか継続していられないということがございますので、その場合には、やはり児童相談所と連携をいたしまして、児童養護施設等におきましてその子を預かり、学校教育を受けさせると、こういった手順になろうかと思っております。
#35
○有村治子君 ありがとうございます。
 次に、被害者の自立支援の在り方について厚生労働省にお伺いしたいと思います。
 ドメスティック・バイオレンス被害者の保護に関しては、第一段階として、取り急ぎ暴力から逃れて身の安全を確保するための規定が設けられています。しかし、被害者が受けた暴力から何とか立ち直って緊急性を脱し、いざこれから自立するぞという第二段階になると、その自立をどう支援するかについての施策はこれから私たちも本腰を入れていかなければならない領域だと認識しております。
 加害者から逃れ、経済的な安定を失った後の今後の生活をどうするのか、住む場所はあるのか、子どもを養っていけるだけの収入を得ることができるのかなど、被害者がすぐに立ち向かっていかなきゃいけない、向き合わなければならない現実的な問題は少なくありません。本調査会で先日行った岡山、香川県での視察においても、この不況下、被害者が請け負うべき内職や就職口がなかなか出てこないとの指摘をいただきました。
 このような、被害者が自立を目指す場合に立ちはだかる障害を軽減するためにはどのような方策が考えられるでしょうか。できるだけ具体的に御教示賜れば幸いに存じます。
#36
○政府参考人(水田邦雄君) こういった被害者の方々につきましては、正に一時保護期間終了後、自立のために幅広い支援が必要であると認識をしております。
 これまで婦人相談所でどういった対応をしてきたかと申し上げますと、福祉事務所あるいは母子相談員、それから公共職業安定所、こういった関係機関があるわけでございまして、就職についての相談、それから公営住宅への入居、それから生活保護などの受給、それから母子福祉資金の貸付け、こういったことにつきまして説明を行い、サービスなり資金を受けて自立支援というものを援助してきたということでございます。
 それから、十四年度予算案におきましては、特にまたそれに、これらに加えまして今申し上げました関係機関が個別の事例検討を行うような、そういった会議の開催経費というものを、関係機関とネットワーク経費という形で計上してございます。
 それからさらに、被害者の方で特にお子さんをお連れの場合ですと、特に子連れで、年もいっていて、女性で、かつ就職経験も少ないと、こういった四重のハンディを負った方々もおられると思いますけれども、そういった方々につきましては、現在母子家庭の総合的な自立支援策というものを別途、今用意をしているところでございます。
#37
○有村治子君 ありがとうございます。
 次に、コメントをいただくというよりは私からの提言をさせていただきたく存じますが、長期的視野に立ったドメスティック・バイオレンス防止法の発展の可能性について御報告申し上げます。
 主に内閣府、コメントがありましたら是非お答え賜りたいと思いますが、虐待とも関連するんですが、取り返しの付かない暴力を受ける前に講じる予防こそがかぎだとの認識は高うございます。にもかかわらず、配偶者に暴力を加えることを防止したり、暴力を受けないようにするための自衛的な姿勢や心構えを伝える実践的な教育や研修は、幾つかの先進的な事例を除けばまだまだ日本ではなかなか実施されていないのが現状だと認識しています。
 親子間の虐待にも関連することですが、長期的な視点に立てば、暴力を受けた側がやがてだんだん成長して、暴力を受けていたそのうっぷんが、結果的には今度は暴力をする方、加害者に回ってしまうというこの暴力の連鎖を断ち切る視点からも、実効性の高い教育的な防止策を積極的に開拓していただきたいと存じますが、この点についてどのような姿勢をお持ちでしょうか。内閣府の方、教えていただければ幸いです。
#38
○政府参考人(坂東眞理子君) 今の御指摘は大変重要なテーマだと思います。
 長期的には、まず、こうした暴力が起こらないように予防をするためにはどうすればいいのかと。恐らく調査研究の重要な課題として、今後とも私どもの方の専門調査会を始めいろいろな有識者の方々とも御相談しながら進めていきたいと思います。
#39
○有村治子君 関連して、加害者の更生のための指導の方法について提言をさせていただきたく思います。
 ドメスティック・バイオレンスのコストというのは、単に二人の問題ではなくて、日本の社会で生じてしまう場合、本当にもったいない社会的なコストだと私自身は思っています。その観点からも、事後的な対応、もちろんこれは緊急性が大事ですが、そのほかにやはり防止的プログラムにこれから力を入れていくことが大事だと思っています。
 現在、暴力を加えた側は被害者に近づかない、自宅から二週間離れるという待ちの受動的な命令に従うだけではなくて、自ら、加害者自らの主体性を発揮した能動的な解決、問題解決についての参加を促してほしいと思っております。
 その点で、保護命令は加害者と被害者を離すという、ほとぼりを冷ますには有効ですが、しかし、加害者がなぜ暴力に頼ってしまったのか、被害者にどんな苦痛を強いているのか、どうすれば暴力を克服することができるのかなど、暴力を振るったことに対する責任を自覚させる機会は積極的に設けられておりません。DV防止法違反で保護命令に反して被害女性と面会した場合、実際に罰金五十万円が科される刑事的処罰も先月出されています。技術的には、加害者が被害者に対しごめんなさいという心からの謝罪をせずとも、この事態を切り抜けてまたパートナーシップを再開させ、そして同じような轍をまた踏んでしまう、わだちを踏んでしまうということも技術的には可能になっています。
 ですから、できるだけ加害者と被害者を物理的に離す性質の保護命令と、同時並行的に、加害者の更生を支援するための実効性のある体験学習や双方向的な研修プログラムを受けられるような体制を整えていただきたいと心から思っております。
 私自身、アメリカの大学院で体験学習をかなり専攻しましたけれども、研修の成果というのには本当に自信を持っています。特に初犯、薬物、ドラッグやアルコール依存症が見られないケース、更生の可能性が高く有益と判断される場合には、単なる二時間、三時間の座学ではなくて、パートナーシップを安定的にやり直すためのチャンスを加害者の方にも設けていただくべきだと考えております。
 最後になりますが、私は暴力を断ち切るんだという被害者、加害者の強い決意を促して、暴力の連鎖を食い止めるためのすぐに役立つ実践的なスキルなど、せっかく実を結んで大きな第一歩を踏み出したこのDV法の立法の精神を尊び、より健全な男女のイコールパートナーとしてのパートナーシップがはぐくまれることを心から願い、第一線で御活躍の皆様に改めて感謝と敬意を申し上げながら、私の質問及び提言を完了させていただきます。
 ありがとうございました。
#40
○小宮山洋子君 民主党の小宮山洋子でございます。
 この共生社会調査会でこの法案づくりのプロジェクトチームでかかわった一人といたしまして、シェルターで支援をされたりあるいは弁護士としてかかわったり、あるいは被害者の方、いろいろな方の声もその後もいただいておりますので、そうしたことも含めて幾つか質問をさせていただきたいと思っています。
 まず、この四月から法律に基づいて運用されます配偶者暴力相談支援センターについてまず伺いたいと思います。
 その中心となるセンター、これは各都道府県でどのように設置を予定されているのか。各都道府県にあります婦人相談所が中心になるところが多いかとは思いますけれども、そうでない例もあるのか、その設置状況について伺いたいと思います。
#41
○政府参考人(坂東眞理子君) 本年四月一日から各都道府県が婦人相談所その他の適切な施設において配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすということになっておりますが、現在、二月二十五日の時点でございますが、各都道府県の支援センター機能を果たす施設につきましては、婦人相談所のみとすることで決定済みの県が十八県、それから婦人相談所のみで考えているが決裁等の手続が終わっていないというのが十五県、婦人相談所以外の施設においても支援センター機能を果たすことが決定済みというのが四県、複数になるということです。それからまた、婦人相談所以外の施設においても支援センター機能を果たすことを考えているが手続が終わっていないというのが七県、婦人相談所以外の施設においても支援センター機能を果たすこととするかどうか検討中というのがまだ三県ございます。
 今、ちょうど地方議会の最中でして、議会の議決を経なければ最終的に決定することができないというようなこともありまして、今こういうような状況でございます。
#42
○小宮山洋子君 やはり、それぞれのところで被害者の方やそれを支援している方たちはどこがセンター機能を果たすのか非常に注目をしておられますので、そこはなるべく早く決定をして、ここがセンターだということをしっかり周知をしていただきたいと思います。
 そして、センターが中心になりますけれども、それぞれ女性センターですとか男女共同参画あるいは人権擁護のための施設など、社会的資源は有効に使うということになっていると思いますが、その辺りはネットワーク化がうまくいっているのか。また、こうした施設がかなり全国各都道府県でばらつきがあると思うんですけれども、少ないところについてはどんな対応を考えておいででしょうか。
#43
○政府参考人(坂東眞理子君) 御指摘のとおり、地域の社会資源を有効に活用するということをうたっておりますけれども、婦人相談所以外の適切な施設がない都道府県につきましては、電話相談あるいは出張相談等を活用するとか、関係機関との連携を強化するとか、それぞれの都道府県の実情に応じて工夫していただくということになっております。
#44
○小宮山洋子君 それから、やはりこうした暴力は夜間とか休日とか相手が家にいるときに起こることが多いわけですけれども、普通の施設で昼間の時間だけの対応では間に合わないので、できれば作った側としては二十四時間しっかり対応してほしいということを再三申し上げていますが、それは各自治体の判断に任せるというお答えしか今までいただいていないんですけれども、そこの点は何か進展がないんでしょうか。
#45
○政府参考人(坂東眞理子君) 今のところ自治体の方でお決めいただくということで、我々としては是非被害者の方たちのニーズに応じてそういう対応をしていただきたいなと願っているところです。
#46
○小宮山洋子君 それだけではちょっとまだ心もとないので、もちろん各自治体が主体的に行うのは分かっておりますけれども、例えば全国的に、関東であればここへ電話をすれば適切な対応ができるとか、少し足りない部分を補うようなことを内閣府が中心になって、できれば考えていただきたいというふうに思います。
 それからあと、婦人相談所の、そこにいろいろな専門職の方なども必要だと思うんですね。かなり複合的に心のケアが必要な方というのも多いと思うんですが、そうしたカウンセラーとか心理療法士とか精神科医の方とか、そういうような専門職の配置についてはどうなっているでしょう。
#47
○政府参考人(水田邦雄君) 心理療法担当職員につきましては、婦人相談所、一時保護所に十四年度予算でございますけれども配置するということで予定をしております。
#48
○小宮山洋子君 それから一時保護の部分について、これは厚生労働省かと思いますけれども、その一時保護、これまでよりも、やはりこの法施行によってこれだけ保護命令も発せられたりいろいろな形の中で、需要が増えてくると思うんですけれども、例えば定員を増やすとか、四月以降しっかりと受皿となれるという体制が取れているんでしょうか。
#49
○政府参考人(水田邦雄君) 一時保護所の内容と申しますか職員配置につきましては、一応標準的な形として、五十人以下の施設……
#50
○小宮山洋子君 職員ではなくて、受け入れる人数です。
#51
○政府参考人(水田邦雄君) 失礼しました。
 一時保護所につきましては、まず施設整備につきましては積極的に対応したいと考えておりますし、加えまして、必要な場合には民間のシェルターの活用ということで対応していきたいというふうに考えております。
#52
○小宮山洋子君 施設整備についてはもう少し詳しく、例えばこれぐらい定員を増やすとか、計画があれば教えてください。
#53
○政府参考人(水田邦雄君) 一時保護所につきましては、施設整備につきまして、今まで同伴者の対応等が困難であったということもございますので、世帯部屋でありますとか個室の設置が可能になりますように、補助基準を改善を、実はこれは十三年度の二次補正で前倒しをして実施をしておりまして、実質的には一施設当たり二十人定員で、現在の倍まで行きませんけれども、かなり大きいきちんとしたものが作れる仕掛け、仕組みにしております。
#54
○小宮山洋子君 それから、入所の条件ですとかあるいは利用期間とか同伴する子どもの年齢など、利用規則というのは各自治体に任せてしまうのでしょうか。かかわっている方からは、できれば施設運営のガイドラインなどを国として出してほしいという意見もあるんですが。
#55
○政府参考人(水田邦雄君) 具体的には、今年の法の施行に合わせまして指導のための通知を出そうというふうに考えております。
 さらに、もう少し立ち入った運営につきましてはマニュアルを早急に整備したいというふうに考えております。
#56
○小宮山洋子君 そのマニュアルに書かれている重立ったことでいいですので、どんなことを決められているのか教えてください。
#57
○政府参考人(水田邦雄君) マニュアルはこれから作ろうということでございまして、都道府県の実態も聞きながら、実態に即したものを作っていきたいというふうに考えております。
#58
○小宮山洋子君 今もう何日ですか、二月の末ですよね。四月からそれぞれ受け入れてやろうというのに、これからマニュアルを作って間に合うんでしょうか。もっと早く、本当はもう既に配られているぐらいでなければ受け入れる方としても困るのではないかと思いますので、是非早急にやっていただきたいというふうに思います。
 それから、やはり一時保護のところは必ず安全が確保されなければいけないわけですけれども、その安全の体制というのは取れているのかどうか。昨年でしょうか、それぞれ警備のための予算を付けられたりということはあると思いますが、安全確保は十分なのか教えていただきたいと思います。
#59
○政府参考人(水田邦雄君) 予算的には、平成十三年度以降、婦人相談所、婦人保護施設、それから母子生活支援施設、必要があればこの夜間警備体制を準備するということについて予算は準備しております。
 ただ、もちろんこれはそれぞれの都道府県等におきましてその必要性を判断するということが掛かってきますので、国としては、今申し上げた施設につきまして全部のところで夜間警備体制が取れるだけの予算は用意しているということでございます。
 実態につきましては、なかなかこれ難しいんでございますけれども、つまり一時保護所が単独の場合でありますとか併設の場合でありますとか、あるいは児童相談所と併設とかいろんなケースがございますが、例えば一時保護所単独のケースで申し上げますと、全体二十一あるうちで実施していないというところは四か所と、こんなような、これ十三年度の状況でございますけれども、状況であるというふうに聞いております。
#60
○小宮山洋子君 今、単独、併設というお話がありましたけれども、そのセンターというのは相談機能を果たすためにどこにあるかをなるべく周知したいわけですね。ところが、一時保護の施設というのは、加害者が襲ってこないように、追い掛けてこないように伏せておきたいわけですね。ところが、単独でやっているところの方が少ないのではないかと思うんですが、東京ですとか幾つかの県ではそれぞれ、例えば女性センターで相談を受けて、それから婦人相談所が一時保護をすると、分かれているところもございますけれども、それが合わさっているところでは非常に悩んでいるわけですね、周知をしなければいけないことと安全確保のために。その辺りについてはどういうふうにお考えでしょうか。
#61
○政府参考人(水田邦雄君) 正にその辺りにつきましては、都道府県等でそれぞれの実態に即した対応を単独で作りたいということでありましたら、それに対して積極的に私どももこたえたいと思っております。
 そのように、まず自治体の方で実態に即した御方針を立てていただいて私どもに相談をしていただけますと、それに対しては積極的にこたえていきたいというふうに考えております。
#62
○小宮山洋子君 できればその辺りについても、国としてどのような援助というか対応ができるのかもう少しフォローをしていただけるといいのではないかというふうに思います。
 それから、相談をした場所と一時保護の場所が離れている場合ですね、その移動の間の安全確保というのをケアしている方は非常に心配をしていらっしゃいます。その間の安全確保のために、例えばパトカーで送るとか、その辺りの対応についてはどうなっているんでしょうか。
#63
○政府参考人(水田邦雄君) これは保護命令がかかわってくることだと思いますけれども、どの例えば婦人相談所の職員が一緒に行くかとかいうことについては秘匿をされるというふうに承知しております。
#64
○小宮山洋子君 婦人相談所の職員といっても女性が多いわけですよ。それでその方と被害者だけがただ動いていくというのは、ちょっと幾ら何でも危ないのではないか。その辺りはやはり警察のパトカーとかですね、そういう体制を、警察の方としてはいかがですか。
#65
○政府参考人(黒澤正和君) 具体的な事案に応じまして適切に対応をいたしたい、かように考えておるところでございます。
#66
○小宮山洋子君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 それから、先ほども有村さんからの御質問にもありましたけれども、民間シェルターへの委託について、これはどういう形で財政支援をするか随分プロジェクトでも悩みに悩んだ結果、厚生労働省から一時保護の委託という形を取ったわけですけれども、その場合に、やはり都道府県によっていろいろ受け止めが違うようですので、できれば一定レベルの基準をクリアしていれば委託費が行くというように、国から。それに対してちゅうちょしている都道府県は指導をしてほしいという意見があるのですが、その点はいかがでしょうか。
#67
○政府参考人(水田邦雄君) 先生御承知のとおり、委託基準そのものはもう昨年発出しておりますので、それに則してお考えをいただくわけでございますが、あの基準自体、非常に設置主体につきましても幅広くしておりますし、ハードも緩やかなものにしておりますし、ちゃんと婦人相談所と連携を取るとか、あるいは契約をきっちりやるとか、そのような手続的なことはございますけれども、かなり幅広く受け入れられるようになっているんじゃないかと思います。
 したがいまして、これもやっぱり個別のケースについてもしも何か困難がございましたら、御相談をしていただくということになろうかと思います。
#68
○小宮山洋子君 その相談というのは厚生労働省の方にすればいいわけですね。
 そのことと併せてもう一つ、これも先ほどお話にありましたけれども、委託料が出るからというのでこれまでの補助金をカットしようと考えている自治体が結構あるように聞いています。そうすると、やはりその運営上非常にやりにくくなる、かえってやりにくくなるというような声が出ますと、何のためにこの委託費を付けたのかということになるんですけれども、その辺りへの対応はどのようになっているんでしょうか。
#69
○政府参考人(水田邦雄君) それにつきましては先ほどもお答えしたところでございますけれども、私どもとしましては、施設に対する配慮というものをお願いをしているということでございます。自治体固有の単独事業でございますので、私ども指示はできませんが、お願いはしているということでございます。
#70
○小宮山洋子君 先ほど伺った、何か個別の事例があったときはどこへその声を持っていけばいいんですか、御相談くださいということでしたが。
#71
○政府参考人(水田邦雄君) これは何と申しますか、通常の御相談でございますので、所管課の方、私ども、局、雇用均等・児童家庭局でございますが、担当課は家庭福祉課というところでございますので、御相談、一般的にいろんな御相談されて、受け付けておりますので。
#72
○小宮山洋子君 次に、作るときに一番苦労いたしました保護命令のことについて幾つか伺いたいと思います。
 最初、非常に使い勝手をよくしたいということと、それから実効性を上げるために罰則を付けたいということの間で相当いろいろな議論をしたわけですけれども、結局、罰則を付けるために多少使い勝手が悪いのかなと心配をいたしましたが、これまでかなりの利用件数がありまして、その辺りは割と上手に利用されているのかなというふうに思います。
 先ほどから幾つか御説明にもございましたが、私たちが第一のルートと考えた警察での書面か婦人相談所の書面、これがほとんどを占めていると思いますけれども、それぞれの件数、それから公証人の面前での宣誓供述書、これは非常に使いにくいんじゃないかと思ったんですが、それが五件ということですが、その辺の割合、正確な数字をちょっと教えていただきたいと思います。
#73
○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 昨年の十二月末日までに終了しました保護命令事件百五十三件のうち、先ほど百四十八件と申し上げましたが、それは間違いでございまして、百四十一件につきましては警察の方に書面提出の請求をしております。
 公証人の方の宣誓供述書、先ほど言った五件と、こういう状況でございます。
#74
○小宮山洋子君 婦人相談所からはないわけでしょうか。
#75
○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 警察とそれから婦人相談所との割合については把握してございません。
#76
○小宮山洋子君 そうですか。──何かありますか。
#77
○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 両方で百四十一件ということだけでございます。
#78
○小宮山洋子君 できればどういうルートで保護命令が申出をしやすいかとか、これからまた三年後の見直しも含めまして、公証人役場での宣誓供述書というのは、大体どこに公証人役場があるのかも分からないし、非現実的だという話もあったんですが、これはどちらにも行けない人のため第三の道として確保するということでしたので、やっぱり婦人相談所と警察と、それぞれ別にデータをできれば取っていただきたいというふうに思います。
 それから、公証人役場を使った例というのは先ほど五件ということがありましたけれども、公証人の方がどういう方かを調べたところ、大体七十代ぐらいの年輩の男性の方というので、その方たちへの研修というか、そうしたことはどうなるのだろうということがあったんですけれども、何か行われているのでしょうか。
#79
○副大臣(横内正明君) 公証人に対する研修は日本公証人連合会という組織がございまして、そこで研修等は行っているということでございますが、ちょっと詳細については把握しておりません。
#80
○小宮山洋子君 是非、そちらもやはり使う方あると思いますので、研修をしていただければと思います。
 それから、保護命令が出されたものは分かるんですけれども、取下げとか取消しとか却下されたもの、それがどれぐらいあるのか。例えば却下の内容というのはどんなものかというのは公表されないんでしょうか。
#81
○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 百七十一件昨年末に新受件数がありまして、既済百五十三件でございますが、取下げにつきましては二十六件、それから却下については四件ということでございます。
 その取下げと却下につきましては、個々的な事件をこちらは調べておりませんので分かりませんが、恐らく保護命令を発令する必要な要件に欠けている、あるいは命令申立てをした後、何らかの事情変更あるいは話合いができたのか、取下げになったというようなことがあろうかと思っております。個別の事情は承知しておりません。
#82
○小宮山洋子君 それから、保護命令違反につきましてはここに五件ありまして、略式請求の場合は二つ、罰金五十万円というのが出ておりますけれども、こうした起訴をして、その結果どういう判決があったかということは情報は開示されているんですか、これは。
#83
○副大臣(横内正明君) まだ判決が出ていないものですから、今おっしゃったのは、五件について罰金が掛かっているかどうかということですが、まだこれは係争中でして、判決が出ていないものですから。
 失礼しました。お手元の私どもが出した資料の一ページにございますけれども、二件、五件のうち二件について罰金五十万円というのが出ております。
#84
○小宮山洋子君 この情報を、できればこういう情報をきちんと開示をしていただきたいのですが、そういう体制になっているのでしょうかと伺ったんですが。
#85
○副大臣(横内正明君) 判決ですから特に秘密にしているということはないんですけれども、必要がありましたら、こういったデータみたいなものは法務省の方から適宜出すようにしたいというふうに思います。
#86
○小宮山洋子君 それから、あと警察の対応について一件どうしても伺いたいんですけれども、警察ではこうした暴力に対する対応としてどのように対応するのかというマニュアルはお作りになっているのか。作られているとすれば、その内容をちょっと教えていただきたい。
 というのは、結構やはり現場で対応がまずい例も幾つか聞こえてきております。例えば、暴力振るわれて骨折の写真もあるのに、相変わらず夫婦げんかなんだからこの程度で起訴なんかできると思うなということを警官に言われたという例も実際にありましたり、そういうことがありますので、そのマニュアルの作成と、やはり一度にはできないでしょうけれども、研修を是非その現場の方にしっかりやっていただきたいと思うんですが。
#87
○政府参考人(黒澤正和君) ただいま委員御指摘の点でございますけれども、先ほども申し上げましたが、私ども、職員一人一人によく行き渡って意識改革ができるようにということで教養等にこれ努めておるわけでございますが、完全に浸透し切ったかと言われるとやや自信のないところもございますが、懸命に努力をいたしておるところでございます。
 先ほどごらんいただきました別添資料等も、これはマニュアルということではございませんけれども、留意事項でありますとか、あるいはこうこうこうしてこうしろというようなことを記載したものでございますし、また全職員には分かりやすく問い答え形式で作った資料等もございまして、いろんな事例も積み重ねまして、本格的といいますか、しっかりした具体的な、より詳細な具体的なマニュアルも作ってみたい、そんなふうに思っております。今後とも、教養研修に一生懸命努めてまいりたいと存じます。
#88
○小宮山洋子君 一つずつ省庁に伺うことできませんけれども、とにかく現場で対応される方への研修、もちろんたくさん人数いらっしゃるから一度にはできないんでしょうけれども、研修やマニュアルなどを是非お願いしたいと思います。
 最後に内閣府の方へ伺いたいと思いますが、せっかく男女共同参画局となって総合調整機能を持てるようになられて、主体的に取り組まれるテーマとしてはこの暴力防止というのは非常に最適のテーマなのではないかというふうに思っております。専門調査会も作っていただいておりますけれども、三年後の見直しに向けて、例えば先ほど御指摘のあった加害者の更正プログラムにつきましても、できれば今回入れたかったわけですが、アメリカの先進的なところでも効果がある、あるいは効果がない、全く正反対の答えが出ていたり、日本でどんなプログラムがいいかとか分からない部分がございますので、この更正プログラムについては内閣府に宿題と言うと申し訳ありませんけれどもお渡しをしてあると思います。
 そうしたことも含めて、今どんな状態にあって、今後どういうふうに取り組まれるか、決意のほどを伺って質問を終わりたいと思います。
#89
○政府参考人(坂東眞理子君) 御指摘のとおり、本当にこの配偶者からの暴力の防止と被害者の保護に関する法律が円滑に施行されるように、女性に対する暴力に関する専門調査会の方で九月にまず意見を出していただいて、今また三月に、九月の分では議論していただく時間がなかった調査研究とか、民間シェルターへの支援の方策についても意見を出していただく予定にしております。
 中でも、特に今御指摘のありました加害者の更正プログラムにつきましては、来年度予算で私ども諸外国の事例の調査、あるいは国内の実態調査の調査研究の予算要求をしておりますので、もし予算が成立いたしましたら、是非そうした先進的な事例を研究して、日本にふさわしいプログラムを開発できるように関係機関とも連絡をしながら進めていきたいと思いますので、また今後ともいろいろ御指導いただければと思います。
#90
○小宮山洋子君 終わります。
#91
○風間昶君 公明党の風間ですけれども、まず駆け込みシェルターについて伺いたいんですけれども、北海道も何か所かあるんですが、いわゆる民間のは。シェルターは、あなたが今後の準備をする間お手伝いします、数週間滞在できます、そしてまた同じような境涯、境遇に遭っている方にも出会うことができますと。場所によって違いますけれども、一日大体二千五百円から二千六百円ぐらい掛かっているわけでありますけれども、こういったシェルターは民間だけでなくて地方自治体あるいはそれぞれの法人立あると思うんですけれども、どのぐらい実際にあるのか、把握されているのか、教えていただきたいと思います、設置者別に。
#92
○政府参考人(坂東眞理子君) 配偶者からの暴力の被害者を一時的に保護する、いわゆるシェルターとして利用できる施設といたしまして法律に規定されておりますのは、婦人相談所、婦人保護施設、母子生活支援施設でございますが、婦人相談所は売春防止法に基づき各都道府県に必ず設置されております。各都道府県に一か所ございます。
 また、婦人保護施設も売春防止法に基づき設置される施設で、全国に五十一か所設置されております。その内訳、公立が三十六、私立が十五か所でございます。母子生活支援施設は児童福祉法に基づいて設置されている施設でございますが、全国で二百八十六か所設置されておりまして、公立が百八十二か所、私立が百四か所となっております。
 このほか、法律では規定されておりませんが、民間の団体等が自主的に運営しているいわゆる民間シェルターも存在しておりますが、内閣府で把握しているものは全国で三十五か所ございます。その法人格につきましては、三十五か所のうちNPO法人が七か所、社会福祉法人が二か所、財団法人と宗教法人がそれぞれ一か所で、法人格のないものが全体の七割、二十四か所を占めております。
 以上でございます。
#93
○風間昶君 そうしますと、トータルすれば四百十九、四百ちょっとの言わば保護施設、一時保護も含めて今やっているという状況だと思うんですけれども、本当は行政がきちっと、国がこういった民間の部分も含めてやるべきだと思うんですけれども、要するにそういう意味で行政の支援を、今まで作られている民間は、先ほどからも質問、議論が出ているように、非常に民間にとってみれば行政の支援を心待ちにしているというのも大きなあれで、ある意味では国は民間に肩代わりしていただいているという側面も否めないわけでありますけれども、そして特にNPOを取っていないところなんかは非常に自分で持ち出しをしながらやっているということも御承知だと思いますけれども、そういう意味で財政支援をそれぞれ、今回の厚生省の予算でも十二億近い中で二億七千五百万円、一時保護、婦人相談所における対応強化ということでありますけれども、こんなもので本当にいいのかということが考えられるんだけれども、いかがでしょうか、そこは。──それは一義的には厚生労働省があれじゃないの。会長、違いますか。
#94
○会長(小野清子君) 厚生労働省は帰っちゃいました。
#95
○風間昶君 そうしたら、掌握している内閣府じゃないの。
#96
○政府参考人(坂東眞理子君) 私どもは、全体としての実態の状況は把握しておりますけれども、具体的にどうした財政支援をするかというプログラムは今現在持っておりません。
 そしてまた、民間シェルターは御指摘のとおり、大変大きな役割を果たしている、先駆的な役割を果たしているにもかかわらず、財政的に非常に厳しい状況にあるということも承知しておりまして、先ほど御紹介いたしました女性に対する暴力に関する専門調査会でも、民間シェルターに対する援助というものを十分配慮するようにということを強調されております。
 内閣府は、財政支援のプログラムはございませんが、できることは情報提供とか、そうした非マネタリー、ノンマネタリーなサポートを一生懸命やっておりまして、夫、パートナーからの暴力の被害者の対応に当たる関係各機関の連絡先の情報、あるいは対応に役立つ国の取組や法律の情報等を収集してインターネットのホームページあるいは冊子によって提供するという、情報提供事業を四月から開始するといったような形で民間団体の活動を何とか支援をしていきたいなというふうに考えております。
#97
○風間昶君 そうすると、厚生労働省が出してくる予算をどういうふうにしていくのかということが、内閣府としては仕事になっていくということなんですね。
 厚生労働省、私、きちっと質問通告をしていなかったからあれなんですけれども、本当は二億七千五百万円、新規で今回十四年度予算に盛り込んでいるから、私は大変評価できるんだと思うんだけれども、それは現状の認識の中で二億七千五百万円ということなのか、将来的にもっと拡充しなきゃならないという、その第一歩としてそうしたのかということが、ちょっと背景が分からないものだから伺ったんですけれども、いずれにしても拡充していくことについて前向きな答弁を、厚生労働副大臣いらっしゃいますので、いただきたいと思いますが。
#98
○副大臣(狩野安君) 厚生労働省としては、適切な施設を幅広く一時保護委託先の候補とできるように現状の調査などを行って公示をしたわけですけれども、十四年度予算案についても、これから委託先の単価について、被害者の生活費のほかに委託先の事務費も計上し、内容の充実も可能な限り配慮しているところです。これからこの内容を充実させていきたいというふうに思っております。
 それで、民間シェルターに対する財政支援ということでございますけれども、私たちも条件を、基準が満たされた民間シェルターにはできるだけ委託制度を適用して施行するように努力をしていきたいと思っております。
#99
○風間昶君 ありがとうございます。
 被害者は、身体的な暴力を受けることによってドメスティック・バイオレンス法が適用されるけれども、むしろ、実際に相談に来る中にはうつ病、うつ状態になっていたり、あるいはPTSDの状況になってきて、合わさったいわゆる精神的なダメージもかなり実際には深刻なことで、この間も、当調査会として岡山に行ったときに、県の部長の方から、このDV法の三年後の見直しに当たって、身体的条項での暴力だけではなくて、精神的な因子も是非加味した形、あるいは条項として入れてほしいというのを立法府である我々に要望があったところであります。
 そこで、都道府県の婦人相談所などにこれから開設していく、四月一日からの配偶者暴力相談支援センターへ心理担当、心理療法、心理判定員、心理療法士の配置、現状はどうなっているのか、内閣府でどう押さえていますか。
#100
○政府参考人(坂東眞理子君) 今現在、我々が把握しているところでは、全国で六十八人の心理判定員が配置されているようでございます。
#101
○風間昶君 それも、厚生労働省が一義的に今回の十四年度予算案で心理療法担当職員の配置を、新規に配置するということで六千六百万円の予算の計上を図っているわけですけれども、これは現在六十八名の心理療法士プラスアルファの人件費として考えているのかどうか、伺いたいと思いますけれども。
#102
○政府参考人(坂東眞理子君) また、その六十八名は心理判定員で、新たに心理療法担当職員を配置するための経費というふうに理解しております。
#103
○風間昶君 分かりました。ということは、六千六百万円分の、何人に相当するのか分かりませんけれども、相当またそういう意味では心のケアも充実していく方向に向かっていくというふうに理解していいわけですね。
 そこで、先ほども有村委員からもありましたけれども、母親が暴力を受けているときに子どもが見たり目撃したりする場合もあって、要するに今度、妻に対する暴力の手段として、子どもが代償的に暴力を受けるケースも実際にはあろうかと思います。したがって、子どもに対するカウンセリングをどうやるのかということで、先ほどの議論では、一時保護ではカウンセリングできないから相談所にあるいは母子生活支援施設に行ってということになっていくと思うんだけれども、学齢期の子どもではスクールカウンセラーが学校には配置されているけれども、これがどうなっているのかということが一つ。
 それから、幼児期だと児童相談所との連携がこれは非常に大事になってくる話でありますけれども、こうした子どもダブルで、母親だけじゃなくて子どもも暴力を受けているというような場合も含めた、子どもに対する心のケアについての連携体制をどう取っていくのかということが実際上大事なことになってくると思うけれども、男女共同参画局長、どういたしましょうか。
#104
○政府参考人(坂東眞理子君) 配偶者からの暴力の問題は、本当にいろいろな要因、問題が複雑に絡み合っていることが多くて、一つの機関あるいは一つの団体だけですべて対応できるということは難しいのではないかと思いますので、御指摘のとおり、関係の機関、団体と連絡を取って、それぞれこのケースにはどこの機関が一番ふさわしいか等々のケース・バイ・ケースの対応を図っていかなければいけないかと思いますが、特に子どもが密接に関係する場合には、必要に応じて児童相談所等々、各都道府県において専門の機関、団体等の間で連携を図らなければならないなというふうに思っておりますし、内閣府におきましては、是非そうした連携に役に立ちますような必要な情報を提供してまいりたいと思っております。
#105
○風間昶君 それでは、対策の一部を伺ったわけですけれども、やっぱり基本的には予防をどうするか、一般的な予防、特殊の予防、あると思うんですけれども、先ほども啓発活動について御報告いただきましたけれども、根本的な問題解決はやっぱり一般啓発、情報公開を含めた予防だと思うんですけれども。
 どうしても、これを見ても、まだいいんだけれども、例えばこんな表面に国会議事堂のパンフレットなんかがあったって何なんだこれはという、真っ先に飛び込むならどこへというぐらいのものがないと、国会議事堂の絵で、あなたは悩んでいませんかと、私はそのセンスを疑いたいわけでありますけれども、これはこれでいいですよ。
 いいですけれども、いずれにしてもこういうように非常に、挿絵は多少はかわいらしい絵になっているけれども、硬い。硬いのをどう軟らかくしていくかということが一般啓発には非常に大事なことで、先ほどの、一般啓発と実際に暴力を受けている方々に対するのと二つの啓発普及活動をお話がありましたけれども、そういう意味では、例えば文部科学省辺りだと文部科学省推薦の映画を作ったりなんかしているわけで、アニメでも作ったらどうかなというふうに、一般には。なかなか難しいかもしれないけれども、宮崎駿さんに頼む必要もないんだけれども、要するにアニメも含めた様々な媒体を使うということは大事じゃないかと思うんだけれども、どうでしょうか。
#106
○政府参考人(坂東眞理子君) このパンフレットに国会議事堂をかきましたのは、この法律は、もう本当に画期的な法律ができたぞということをアピールするためにはやっぱり国会議事堂の絵もいいかなと思ったんですが、はい、今後また別のいろいろな工夫をさせていただきたいと思います。
 また、このビデオはドラマ仕立てになっておりまして、ごらんになった方々は、本当に政府広報らしくないいろいろ工夫をしているなと言ってくださる方もいらっしゃいますが、今御指摘のとおり、是非身近な形で情報提供をする工夫を一生懸命固い頭で考えていきたいと思いますので、今後ともいろいろなアイデアがございましたらアドバイスいただければと思います。
#107
○風間昶君 おっしゃるとおり、軟らかい頭でやっぱりやっていくということが非常に大事じゃないかというふうに思います。
 時間も余りありません。先ほどから議論になっておりまして、さっき平成十五年度予算で加害者に対する処遇のプログラムを、予算を付けていくことも検討されているというふうに聞きましたけれども、アメリカではカリフォルニア州やアリゾナ州で、加害者とそれから加害者間あるいは支援するサポートグループとお互いの、自分の体験も含めて気持ちも、犯罪を犯してしまって今何年かたってこういう状況だということのツーウエーのディスカッションをやって、互いに心を開いて助け合っていこうというプログラムが今なされているようでありますけれども、施設内処遇は、一義的にはこれは刑務所だと思うんですけれども、非常に昔に比べたら進んでやられているというふうに思いますけれども、問題は施設を出た後、加害者が社会で適応していくための社会の受皿づくりと自分自身の社会からの受け入れられ方、ここについてどういうふうに具体的に検討していくのか、これは調査中だと思うんだけれども教えてください。
#108
○副大臣(横内正明君) 委員が御指摘がありましたように、行刑施設という、刑務所ですね、刑務所内の処遇につきましては、最近は最新の社会心理学的ないろんな手法を用いて、特に生命尊重教育というようなことを言うんですけれども、暴行とか傷害とか人の生命なり身体に傷害を与えるような、そういう受刑者なんかに対しましては、その罪の意識というか贖罪感覚というものを強めるような、そして被害者に対する謝罪の気持ちみたいなものを誘発させるような、そういう新しい手法に基づいた指導は行っております。
 それで、委員がおっしゃる社会内処遇というんでしょうか、刑務所まで行かぬまでも保護観察の対象になっている、執行猶予とかあるいは刑務所を出た後の処遇の問題ですけれども、これにつきましても、保護観察官あるいは保護司のいろいろな教育、そういう保護観察官や保護司に対する研修等を通じて適切に行われるように努力をしております。特に、こういう加害者というのは子どものころ虐待を受けているとか、非常に本人の人格とか生育歴に問題のある、こういうDVなんかを起こす人たちというのはあるものですから、やっぱり生活全般の相談に応じながら、本人自身が自分の性格がそういうように偏っているんだとか、本人自身がそれを理解するような、そういう指導をしていく必要があるというふうに言われておりまして、そういう観点から、保護観察官や保護司さんなんかに十分な研修を行い、そういう改善更生をするように指導をしているというところでございます。
 これからも部外の専門家、関係機関との連携に努めながら処遇の充実に努めていきたいというふうに考えております。
#109
○風間昶君 終わります。
#110
○吉川春子君 まず、内閣府にお伺いいたします。
 ドメスティック・バイオレンスに対する対策は、都道府県の裁量の部分が大変多いと思いまして、県によって取組に差が出てくることも予想されます。それで伺いますが、男女共同参画社会基本法では、都道府県に対して男女共同参画基本計画の作成が義務付けられておりますが、DV防止についてはどの程度の県で行動計画に入れているでしょうか。
 そして、じゃ、まずそこで。
#111
○政府参考人(坂東眞理子君) 御指摘のとおり、男女共同参画社会基本法で、都道府県は政府の基本計画を勘案して都道府県の計画を定めるということに規定されておりますが、現在すべての都道府県が男女共同参画に関する計画を策定しております。このうち、DV防止について盛り込んでいるものは四十三都道府県ございます。その他、あと四県でございますけれども、現在改定作業中の新たな計画には盛り込むというふうに聞いております。
#112
○吉川春子君 それで、今、行動計画よりも更に法的拘束力を盛り込むということで条例作成がほとんどの県で計画されていると思うんですけれども、先日、当調査会で行きました岡山でもこれが盛り込まれておりまして、大変進んでいると思いますけれども、条例策定の内容について政府が物を言うということは地方自治との関係でなかなか難しいこともあると思うんですが、是非、条例策定の中にも行動計画に盛り込んだ内容を入れるような、そういう何らかのシグナルを送るとか、そういう工夫はできませんでしょうか。
#113
○政府参考人(坂東眞理子君) 今、内閣府で把握しているところでは、二十の都道府県がいわゆる男女共同参画に関する基本的な条例を策定しておりますが、そのほとんどにおきまして配偶者からの暴力に関する規定、あるいはそれも更に広範な女性に対する暴力全般に関する規定が盛り込まれております。
 是非、例えばグッドプラクティスといいますか、非常にいい条例を規定しているような例を紹介する等々、いろいろな機会を通じて、これから条例をお作りになるようなところにいい条例を作っていただくように情報提供してまいりたいと思っております。
#114
○吉川春子君 DVの発生予防といいますか、加害者のプログラムについては私も質問通告しておりましたが、いろいろ議論が出ましたので省略をいたします。
 続いて、法務省にお伺いいたしますが、十二条により保護命令の申立てを行う場合の手続なんですけれども、必要事項を記載した書面で行うことになっておりますが、警察や婦人相談所に相談していないときは公証人の作成した文書によらなくてはならないということになっておりまして、その件数が非常に少ないということは先ほど来議論になっておりました。それで、例えば弁護士とか民生委員とか、あるいは第三者の立会いの下の文書であればそれを裁判所が受け入れるというようにすることについては何か法律上の障害があるのでしょうか。
 そして、先ほど警察庁が資料として配付いたしました配偶者からの暴力相談対応票というものを拝見いたしますと、こういうものに書き込んで裁判所に持っていけばもうそれでいいというふうにしても構わないのではないかと思いますが、その点についていかがでしょうか。
#115
○政府参考人(房村精一君) 保護命令につきましては、「被害者が更なる配偶者からの暴力によりその生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きい」と、こういう場合に裁判所が発令をすることになっておりますが、裁判所は、そのためにはそういう要件が存在することを判断するだけの資料を出していただかなければならない。そのために、配偶者暴力相談支援センターへ、あるいは警察へ相談をしている場合には、その旨を申立て書に書いていただいて、裁判所から直接、センターあるいは警察の方へ……
#116
○吉川春子君 仕組みは分かっています。
#117
○政府参考人(房村精一君) その間の状況を書いていただく。で、そういう公的機関の作成した書面が裁判所に提出されることによって、公的機関の作成した資料で当然証明力が高いということで裁判所は認定できるわけでございます。
 そういうところに、公的機関に関与を、相談していない場合に、公的機関が作成したものと同じような証明力の高い資料をどうやって裁判所に提出していただくかと。そういう仕組みを考えて、そのためには定型的に信用力があるということが制度的に担保されている、そういう文書にしないといけないと。そのために、公証人の面前で、記載されている内容が真実であるということを宣誓していただいて、それが違った場合には過料の制裁があるという、そういう宣誓供述書という仕組みがありますので、そういうものを使えば、通常の文書に比べて証明力、信用力が高いと。
 したがって、そういうものが出てくれば、裁判所はそれを前提にして……
#118
○吉川春子君 仕組みは分かっていますので、障害があるかどうかだけ聞いているんです。
#119
○政府参考人(房村精一君) いや、ですから、そういう通常の文書に比べて証明力が高いという制度的な保障のあるものでないとできないということなんですね。
 ですから、単純に第三者が作ったというだけでは法律が考えているそういう資料にはなかなかならないのではないかと、そういうことを申し上げているわけでございます。
#120
○吉川春子君 公証人役場というのはポピュラーじゃなくて、また数も多くなくて、それがさっきの件数になっていると思うんですよね。
 だから、単なる第三者の文書と私は言っていないんで、公証人以外でも、何かそういう工夫をして、もっと違う形でアクセスできる道を開いたらどうですかと。公証人以外は駄目ということで、何か障害があるのですかということを伺っているんです、法的に。
#121
○政府参考人(房村精一君) ですから、公証人に限るかどうかということよりは、そういう制度的に証明力が高いというような仕組みが作れるかどうかということだろうと思いますが。
 ですから、公証人の場合には、そういった職務があって、かつ法律に基づいて、宣誓に違反した場合には制裁があると、そういうような制度的仕組みができ上がっておりますので、それを前提にやっていただいたわけですが、そのほかの文書を利用する場合に、その文書について、そういう定型的に証明力を高くするような仕組みがあるかどうかという、そういう問題になろうかと思います。
#122
○吉川春子君 公訴提起する場合だって、自分で文書を書いて持っていけば裁判所は受け取ってくれるんですよね。別に公正証書にして持っていかないと裁判起こせないというものでもないので。やっぱり公証人役場一本ということではなくて、もう少し、何というんですか、柔軟にその方法を検討していただきたいということを申し上げて、時間がないので次へ進みたいと思います。
 それで、厚生労働省にお伺いいたします。
 一時保護委託制度の創設によって民間シェルターに補助金が行くという制度は非常に積極的なものだと私も思っております。それで、これはNPOの資格がなければ駄目とか、そういうことではないわけですよね。そして、具体的にどれぐらいの補助金が行くのか、お示しいただきたいと思います。
#123
○政府参考人(岩田喜美枝君) 厚生労働省としましては、適切な施設を幅広く委託先の、一時保護の委託先の候補とできますように、昨年、民間のシェルターも含めて現状調査をいたしまして、昨年七月に委託の基準を告示としてお示しいたしました。
 その中で明らかにしているわけですけれども、地方公共団体、社会福祉法人その他の法人格を持っておられるところはもちろんですけれども、それ以外の法人格のない団体であっても、被害者保護の実施に関して相当の活動実績があるという、そういうところも受託していただけるような、そういう基準にいたしました。
 また、十四年度の予算案におきましては、どういう単価で相手に委託するかということですけれども、被害者の生活費にプラスをいたしまして、委託先の事務費等も勘案いたしまして可能な限り内容を充実したつもりでございますが、一人当たり一日の単価、十四日以内の場合ですけれども、六千六百円ということにいたしておりまして、子どもさんなど連れておられる場合にはまた更に加算するということもしたいと思っております。
#124
○吉川春子君 それから、電話相談員の配置人数、そしてその給与ですか報酬について、具体的にどういう数字になっていますか。
#125
○政府参考人(岩田喜美枝君) 電話相談員の経費について、ちょっと手元に具体的な数字はございませんけれども、特に、すべての婦人相談所で夜間あるいは休日も相談体制が整うようにということで、手当てをいたしております。
#126
○吉川春子君 その一時保護委託制度以外の形での民間シェルターへの支援ということは考えられないのでしょうか。
#127
○政府参考人(岩田喜美枝君) 私どもの立場は婦人保護、婦人相談所、婦人保護施設を運営するというその部分を担当するという立場でございまして、この民間のシェルターへの一時保護の委託も、結果としては民間のシェルターに財政的な支援が行われるという、そういう効果もあるかもしれませんけれども、これはあくまでも一時保護という事務の委託でございます。
 ですから、私どもの所管をしている範囲内で考えておりますことは、婦人相談所なり婦人保護施設等をしっかり使っていただいて、DVの被害者の保護、自立支援の施策を拡充したいということでございます。
#128
○吉川春子君 今後の課題ということで受け止めていただきたいと思います。
 それで、DVによって心の傷を受ける女性に対して心理療法担当職員の配置もされるということですけれども、その心理療法担当職員の資格はどういう内容でしょうか、求められている資格は。
#129
○政府参考人(岩田喜美枝君) 済みません、後ほどお答えしたいと思います。
#130
○吉川春子君 はい、分かりました。
 私、レクで、心理療法担当職員の資格について若干そちらからお話伺いましたら、例えば大学の心理科を卒業した程度の人でもいいというようなお話もありましたので、私としてはそれではちょっと心もとないかなという気がいたしまして、もう少し専門家の養成ということにも、専門家を養成して配置するということも今後お考えいただきたいと思いますが、その点についていかがでしょうか。
#131
○政府参考人(岩田喜美枝君) 事前に、申し訳ございませんが、お答えの準備をしておりませんでしたので具体的にお答えをしかねるんですけれども、先生がおっしゃる趣旨はよく分かりますので、婦人相談所ですとか婦人保護施設で活躍していただかないといけない心理療法の担当の職員の資質の向上、資質の確保のお話かと思いますので、検討したいと思います。
#132
○吉川春子君 これはちょっと通告してなくて申し訳ないんですけれども、例えば夫の追跡をかわすために、住んでいるところから別の市町村に行ったり、あるいは別の県に行ったり、こういうふうに逃げないとならない状態というのは時として発生するわけですよね。そのときに、広域的な対応を婦人相談所とか警察とか、いろいろそういう施設の方でやっていただけるんでしょうか、その仕組みについて伺います。
#133
○政府参考人(岩田喜美枝君) おっしゃいますように、場合によっては、夫などからの追跡を逃れるために住居よりも遠い場所に移った方がいいというようなケースはございます。婦人相談所は各都道府県に一つずつございますけれども、県境をまたがって移動した方が解決に資するという場合には、関係都道府県と連絡を取って、広域措置と言っておりますが、広域的な対応ができるようになっておりますし、そういう実績も出てきております。
 また、お子さん連れの場合ですが、母子生活支援施設に入所していただくということがあるわけですけれども、これは福祉事務所が所轄しておりますけれども、福祉事務所の所轄の地域をまたがって別の市あるいは別の県の母子生活支援施設に入所していただくというようなこともできるようになっております。こちらも実績が出てきております。
 また、十三年度からは、さらに必要に応じてこういった広域措置が取られやすくなるように、そのために必要な旅費なども予算化いたしておりますので、各自治体の御理解をいただいて、必要な場合には積極的な広域措置を取ってもらいたいというふうに思っております。
#134
○吉川春子君 具体的にいろいろなケースがあって、私たちも聞くんですけれども、ある県、私、埼玉に住んでいますので埼玉と仮にしますと、もう埼玉ではちょっと対応できかねるので、例えば、じゃ、あなた、東京都の方にこういう施設があるからあなたが行って申し込んだらどうですかとか、こういう扱いをされる場合があるんですよね。埼玉でという意味じゃないんですけれども、そういう場合があるんです。
 そういうときに、やっぱりその女性はもうせっぱ詰まっているので、是非受け取った県なり市町村の方で、やっぱり広域的に対応してもらって連絡を付けてもらうとか、そちらの方から援助がもらえるようにしてもらうとか、そういう柔軟な対応を是非していただきたいと思いますが、そういうことはシステムとしてはできるわけですね。
#135
○政府参考人(岩田喜美枝君) 運用の問題だと思います。
 被害者がまずどこに飛び込むのか。婦人相談所だったり福祉事務所だったり様々だというふうに思いますから、その後は関係機関がよく連携していただいて、どこでお受けするのが御本人のために、またそれぞれ、何というんでしょうか分担もございますので、その分担の上でも合理的かということをその都度判断していただくということだと思いますが、キーポイントは最初に駆け込まれたところが適正な判断をするということと、あとは関係機関が非常に日常的にいい関係を作っておいて、そのネットワークの力を使って問題を解決するということだと思います。
#136
○吉川春子君 私、もう時間ですので終わりますが、やっぱりDVの保護法を作りまして、非常に何というんですか、そういうものが隠れていたのが顕在化して対応も進んでいると思います。まだまだ行政の対応というのは第一歩、始まったところですけれども、これからも是非積極的に対応して、女性の人権を守るために奮闘していただきたいと、そのことを申し上げまして終わりたいと思います。
#137
○高橋紀世子君 高橋紀世子でございます。
 結婚の在り方とDVの関係について私は関心を持っております。昨年、二〇〇一年に施行されるようになったDV法が実行されるようになりました。そのプロセスでどんな問題が起きるか、まだ未定だとは思いますが、大変気にしておりますので、ここでお話しいたします。
 DVが発生しているケースで、被害者が離婚を望んでいる割合はどのくらいあるんでしょうか。加害者が離婚を望んでいる割合はどのくらいあるんでしょうか。被害者が離婚を望まない理由にはどんなものがあるんでしょうか。加害者が離婚を望まない理由にはどんなものがあるのでしょうか。配偶者への心理的経済的依存心とDVの発生率に関係がありますでしょうか。あるのだったらどんな関係でしょうか。配偶者を扶養しなければならないという義務感の強さとDVの発生率の関係があるとしたらどんな関係でしょうか。
 このことについて、まだこれからだとは思いますけれども、もし何かお分かりのことがあったらお話しいただきたいと思います。
#138
○政府参考人(坂東眞理子君) 配偶者からの暴力を受けている被害者のうち、どのくらいの割合の被害者が離婚を望んでいるかにつきましては、明確な、そこに焦点を絞った調査がございませんので確たることは申し上げられませんが、幾つかの調査から類推、いろいろ推測いたしますに、被害者が離婚を望んでいる場合もありますが、今後の生活のことを考えるとやっぱり離婚するわけにはいかないとか、それぞれの置かれた立場によって非常に離婚という選択肢を現実的に考えるかどうか差があるようでございます。
 そしてまた、今お尋ねのいろいろの扶養義務、そういったような負担感と申しますか、それがDVにどういう影響を与えるか、与えているかにつきましても明確な調査はございませんけれども、自分が扶養しているんだと、この相手は自分から自立して、経済的に自立して生きていけないから何をしてもいいんだというふうなことで、間接的に暴力の背景になっているかなということは考えられると思います。
#139
○高橋紀世子君 このテーマは大きな課題だと思います。DV法が施行されている過程の中でまだ確実な回答は出ていないかもしれませんが、大切に思いますので、これから留意していただきたいし、またこの次にいろいろ教えていただきたいと思います。
 また同じような質問なんですが、結婚している夫婦にDVの問題がなぜ起きてしまうんでしょうか。結婚という形に抑えられてストレスがたまり、暴力的な行為につながっているのではないでしょうか。そして、その中で、現行の婚姻制度の在り方とDV法の関連性があるとお思いになるでしょうか、ちょっとお話しいただきたいと思います。
#140
○政府参考人(坂東眞理子君) 現在の婚姻制度そのものというよりも、結婚なさいますと、夫婦だから何をしても許されると、夫婦げんかの一つのカテゴリーなんだというふうな程度で、本人は人権を侵しているという意識なしに暴力を振るってしまうということがあるというふうに言われておりますし、また、基本的には、昔ながらの男尊女卑というのでしょうか、妻は夫にサービスをすべきだと、そのサービスのレベルが低かったり悪かったりすると暴力を振るってもいいというふうな思い込みで暴力を振るうようなケースもあるということで、正しくケース・バイ・ケースなんですけれども、いろいろな理由が暴力、夫婦間の暴力の背後にあると思います。
#141
○高橋紀世子君 ありがとうございました。
 やはり関係があるというふうにとらえますけれども、その行動になってしまう。やはり婚姻制度の在り方にも問題があるのではないかと私は思ったものですから、今日はお話聞かせていただいてありがとうございました。
#142
○田嶋陽子君 社民党の田嶋陽子です。
 最初に、厚生労働省の狩野副大臣にお伺いいたします。
 婦人相談員のサポートについてですけれども、これまで婦人相談員は公務員として中立的な立場であったと思いますけれども、この配偶者暴力相談支援センターでは被害者側に立つことになります。その結果、DV加害者は、被害者を取り返すために、直接被害者をサポートする婦人相談員に対して脅迫とか嫌がらせとかストーカー行為などを、個人攻撃ですね、それをしている事実があります。このことをどのように認識していらっしゃいますでしょうか。
#143
○副大臣(狩野安君) 御指摘のとおり、婦人相談員は被害者からの相談に応じるなど被害者と密接な関係を持つので、被害者を追跡する加害者からの攻撃にさらされるおそれがあります。
 このため、厚生労働省では、平成十三年度予算において婦人相談所の夜間警備体制の強化のため費用を計上したほか、被害者に対応した婦人相談員の氏名が加害者に知られないように、婦人相談所がDV法に基づき地方裁判所へ提出する相談記録の書面について、婦人相談員の氏名ではなく、婦人相談所長の氏名を記入する取扱いとするなど、婦人相談員の安全確保に配慮しているところです。
 今後とも、婦人相談員の安全に配慮しつつ、被害者保護を推進してまいりたいと思っております。
#144
○田嶋陽子君 はい、ありがとうございます。
 被害者保護の前面に立つことになる婦人相談員を組織を挙げて守る必要があると思うんですが、今の氏名を流出させないとか所長の名前を使うとか、そのほかにどのようなことを、方策を考えていらっしゃいますでしょうか。
#145
○副大臣(狩野安君) 婦人相談員など暴力の被害者の支援に従事する職員には、被害者から深刻な暴力の相談を受けるうちに自分も同様の心理状態に陥るいわゆる代理受傷や、納得のいく解決策が容易に見出せないまま今まで熱心に行ってきた業務に対して急に意欲を失うバーンアウト状態に陥りやすいとの指摘がありますので、被害者の支援には相談員自身の心身の健康が重要であることから、相談業務が相談員のメンタルヘルスに与える影響についても調査研究を行っていきたいと思っています。
#146
○田嶋陽子君 それでは、調査研究の段階で、まだカウンセリングを置くとかそういうことにはなっていないということですか。かなり緊急な問題だと思うんですが。
#147
○副大臣(狩野安君) これからいろいろと研究をして取り組んでいきたいというふうに思っています。
#148
○田嶋陽子君 私の手元にある資料では、平成十一年ですけれども、それでも既にそういうストーカー行為があったりした県が十七県あるんですね。ないところは三十県。ですから、五〇%以上でそういうことが起きています。これから、DV法が施行されてからはもっと増えると思うので、緊急に対処をよろしくお願いいたします。
 それから次に、警察庁に対してお伺いいたします。
 警察庁は、ドメスティック・バイオレンスの加害者から個人攻撃される婦人相談員を守る必要性についてはどのような認識を持っていらっしゃいますでしょうか。
#149
○政府参考人(黒澤正和君) もちろん危険に脅かされているそういうような状況はあってはならないことでございますので、事案に応じまして適切に対応してまいりたい、かように存じます。
#150
○田嶋陽子君 今のはちょっと不安ですね。適切に対応してとか言われても、私が駆け込んでも、何を言っているんですかそんなのとか、何か言われそうな気がして安心できないですよ。
 例えば、ここには警察官職務執行法第五条にあります。「警察官は、犯罪がまさに行われようとするのを認めたときは、その予防のため関係者に必要な警告を発し、又、もしその行為により人の生命若しくは身体に危険が及び、又は財産に重大な損害を受ける虞があつて、急を要する場合においては、その行為を制止することができる。」とあります。
#151
○政府参考人(黒澤正和君) 当然、警察は、警察法、警職法に基づきまして、法の要件というのが今、先生読み上げられたところにもございますけれども、そのような要件にのっとって正に適切に対応するということでございます。
#152
○田嶋陽子君 適切、適切といつもおっしゃる。そこがよくわからなくて、具体的にじゃどんなふうになさいますか。私が交番に駆け込んだら、あるいは電話をしたら、そこにいるお巡りさんはどうしてくれますか。
#153
○政府参考人(黒澤正和君) 正にケース・バイ・ケースでございまして、例えば今、正に犯罪の被害に遭おうとしておる、それは制止をするでしょうし、そしてまた犯罪に遭った、今、正に遭ったということであれば、それは何々罪で現行犯逮捕するということもあるでしょうし、それは正に事案に応じて異なるわけでございまして、それを適切に対応してまいりたい、かように申し上げておるわけでございます。
#154
○田嶋陽子君 話にならないというか、不安ですよ。非常に不安です。だって、さっき、骨折した人を見たって、こんなことで訴えられるかみたいなお巡りさん、いらっしゃるわけですから、私はやっぱりきちんとした教育を徹底させていただきたいと思います。末端の末端までお巡りさんたちにこのことをよく伝えてほしいと思います。よろしくお願いします。
 それから次は、被害者以外の女性の福祉についてなんですけれども、厚生労働副大臣にお伺いいたします。
 一部の婦人相談所では、現在、福祉事務所の窓口に来た相談者がこういうことを言われるんですね、ドメスティック・バイオレンス被害者かそうでないですかと。もしそうでないと言うと受入れを拒否されることもある。すなわち、ちょっとここにフリップがあるんですけれども、(資料を示す)駆け込む人で、婦人相談所に駆け込む人は、夫の暴力は例えば四八%だとすると、そうでなくて、帰る場所もないとかそういう人が二〇%いるわけですけれども、その人たちも今度DV法が施行されてからはそちらの方が重んじられてしまって、そうでない人はDVではないと言うと対応してもらえないようなことも起きているという話を聞いています。それって恐ろしいことだと思うんですね。
 というか、何ですか、不手際ですか何ですか、それともうまく伝わっていないといいますか、行政に。その辺の対応を、事を分けてきちんとしていただきたいと思うんですけれども。運用が間違っているといいましょうか。
#155
○副大臣(狩野安君) 婦人相談所は、DV法施行の前から、売春防止法に基づき、現に売春を行うおそれのある女性のほかに、配偶者からの暴力被害者や恋人からの暴力被害者などについても婦人保護事業の対象者として相談や保護を行ってきております。
 ですから、厚生労働省では御指摘のような事態は承知はしておりませんけれども、婦人相談所はDV法施行以降も、恋人からの暴力被害者など、配偶者からの暴力被害者以外の者に対して従前どおり相談や保護を実施するものと考えております。今後とも、配偶者からの暴力被害者はもちろん、それ以外の相談者に対しても積極的にその保護に取り組んでいきたいと思っております。
#156
○田嶋陽子君 御指導のほどよろしくお願いいたします。いろんな勘違いも起きていることと思いますので、本当によろしくお願いいたします。
 それから次は、先ほどから加害者のメンタルケアというものが出て、お話が出ていますけれども、私は、このことに関してはむしろ意見というか、先ほどの内閣府のお話ではもっと外国のことを勉強してからというお話もありました。それはそうだと思いますが、既に日本でも、市民団体で日本DV加害者プログラム協会とか、あるいは市民団体の日本トラウマ・サバイバーズ・ユニオンとか、いろいろできています。その人たちの思想というのは、DVを振るう加害者というのは一つのアルコール中毒や何かと同じ嗜癖といいますか依存症だという発想に基づいていて、私もそんなふうに思っています。
 ですから、私は内閣府の方にお願いしたいんですが、これをぜひとも、加害者はもうカウンセリングを義務づける、それをやっぱり法的措置を取らないといけないというふうにしてほしいんですね。要するに病気ですから、嗜癖というのは、依存症は。ですから、その病気を治してからということをもっと考えておく。じゃないと、その人たち、逃げちゃえば終わりですね。
 それで、私の考えですけれども、というか、もう皆さんも既におっしゃっていることですけれども、この間、長野県で起きた、餓死させた、女の人を家の中に取り込んで。その男の人も、一人の女の人が逃げるとまた女の人を連れ込んでは暴力を振るって、また逃げるとまた連れ込んで最後が餓死させるような、三年掛かって緩慢なる殺害を行ったわけですよね。それを近所の人たちもみんな知っているわけです。知っているけれども通報しなかったというのは、さっきからお話に出ているように、まだ一般にそういうことは流布していなかった。だから、言ってみれば近所の人たちもある意味では加害者だったわけですね。殺される、痛いと言ってもう三年間わめいていても、それを通報しなかったという、これは重大事だと思いますから、これはもう皆さんがお願いしていらっしゃるように本当に周知してほしいということ。
 もう一つは、その加害者に義務づける、病気なんだからきちんともうこれは法的措置を取って病気を治療してから外に出る。先ほどのお話ですと、生育歴に関係があると横内副大臣もおっしゃっていらっしゃいました。それを義務づけて、病気を治すという形で社会に出してほしいということをひとつお願いしたいと思います。
 それからもう一つですけれども、今度は子ども、先ほどから皆さんも子どものことをおっしゃっていて、本当に私もその意見に同感なんですが、子どもは今度、母と一緒に暴力を受けるだけではなくて、子どものメンタルケアというのは非常に大事で、私は教師を三十年間近くやってきまして、大学生を見ていて思ったことは、今、恋人を殴っている子、殴られている子の話を聞きますとどういうことを言うかというと、男の子は女は殴るものだと思ったと言うんですね。なぜかと聞いたら、うちのおやじが殴っていたから。そういう男の学生は、もう一つのパターンは、絶対におれはああいうおやじのようになりたくないということを親のやったとおりにやる子と、それから女の子も、お母さんのようにはなりたくないと言いながら、気が付いたら殴られる男と一緒になっていたと。気が付いて別れて、またいつの間にか殴る男と一緒になるという、このパターンの繰り返しなんですね。
 結局、子どもたちは夫婦の暴力を見ていると、それを学習して、大方が学習して繰り返していく、遺伝みたいに。メンタルの遺伝ですよね。それを阻止するためには、母親が暴力を受けて一緒に母親と逃げてきた子どものメンタルケアを徹底してやらないといけないと思うんです。そのことも私はきちんと予算を取ってやっていただきたいなということを、もうお願いしちゃいます。はい。
 まだあるんです。もう一つあります。
 それから、自立支援対策なんですけれども、私は厚生労働省の狩野副大臣にお聞きしたいと思いますが、自立支援対策の究極のイメージとして、女性がどうあったらいいというふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
#157
○副大臣(狩野安君) 自立支援のイメージということですか。ごめんなさい。
#158
○田嶋陽子君 恐れ入ります。済みません。
 自立支援は具体的だと思うんですが、その具体策を作るに当たっては、まず被害を受けた女性たちが将来どう生きていってほしいかということを厚生労働省がきちんとイメージしていないと対策は立てられないと思うんですね。その意味で、女性がどうあってほしいとイメージされているのか、具体的に考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
#159
○副大臣(狩野安君) 田嶋議員のおっしゃることは、本当に私自身もよく理解をしております。
 やっぱり女性が一番精神的にも、それから自立することがとても大事なことだと思いますので、いろんな意味で婦人相談所も福祉事務所や母子相談員など関係機関と連絡しながら、就職についての相談とか、それから公営住宅への入居の仕方とか、生活保護などの受給や母子福祉資金の貸付けについての説明などを行いながら自立支援を実施していきたいと、してきておりますけれども、これからもそれを支援をしていきたいと思っております。
 経済的にも、それから精神的にも自立するということをいろんな面で理解をしていただけるように私たちも努力をしていくことが一番大事なことじゃないかというふうに考えておりますので、力を入れてやっていきたいと思っております。
#160
○田嶋陽子君 はい、ありがとうございます。
 例えば、こんな状況はどんなふうにお考えになりますか。暴力を振るう夫から逃げてきたときには、まず住民票がないという状態から再出発ですよね。生活の具体的な手段として生活保護の受給なんかが必要なわけですけれども、先ほどもお話ちょっと出ましたけれども、生活保護を受けるに当たって、関係の悪くなっている家族に、あるいは夫に扶養照会というものをするんだそうですね。要するに、福祉事務所が言うことは、その夫とか家族に対して、彼女を扶養しますかどうかとか、そういうことを尋ねるんだそうですね。それで扶養しないと家族が答えると、生活保護を受けるために一つのハードルをクリアしたという、それが被害者にとっては非常に屈辱的でストレスになると。ここまできてなおかつ扶養照会をしなきゃいけないのかどうかと私は疑問なんですが、その点はどんなふうにお考えになりますか。
#161
○政府参考人(岩田喜美枝君) ちょっと直接の担当でございませんので、担当局の方とまた議論してみたいというふうに思いますけれども、やはり婦人相談所と、そういう生活保護などをお世話しているのは福祉事務所ですから、福祉事務所などが本当によく連携をして、そして適切なサービスが速やかに提供できるということが大事だというふうに思うんですね。
 ですから、生活保護に依存せずに、何とか経済的に自立していかれる、そちらの方が望ましいわけですから、そのために、今言いましたような機関、それにプラスして公共職業安定所その他の関係機関がありますから、そのケースごとに自立支援を助けるためのチームを関係機関で作るぐらいの気持ちで自立支援をやるべきだというふうに思います。
 それでもできない方については生活保護ということになると思いますが、その生活保護の手続をするときに、もし極めて何か不都合なことがあればそれは再検討しないといけないというふうに思いますので、今日御質問があったことについては、担当局の方とまた御相談してみたいと思います。
#162
○田嶋陽子君 はい、ありがとうございました……
#163
○会長(小野清子君) 時間。
#164
○田嶋陽子君 あと一つ。
#165
○会長(小野清子君) 田嶋陽子君。
#166
○田嶋陽子君 はい、ありがとうございます。
 では、例えばその被害者はいろんな後遺症があるわけですね。うつ状態になっていたり対人恐怖になっていたりするわけですけれども、それでも福祉事務所の対応する人いかんだと思うんですけれども、子どもを抱えながら働けと言われてしまうという、これはうつ状態になっている人は大変ですよね、そういうような対応をしてしまうところ。それから後は、出ていってアパートを借りるんですが、保証人がいなくて断られてしまう。それから、仕事もフルタイムがほとんどない。せめて私なんかは、保証人なんかは何か、保証人いないんですよね、逃げてくるんですから。それなのに、保証人を見付けろとか保証人出せ、じゃなきゃアパートに入れないという、こういうのってもう青信号と赤信号を一緒に出しているようなもので、非常に残酷だと思うんですけれども、そういうのの対応はどんなふうになさっていらっしゃるんでしょうか。
#167
○政府参考人(岩田喜美枝君) これも直接の所管でございませんで、国土交通省の方でおやりになっていると思いますが、今、母子家庭対策を検討している中でその問題がやっぱり出てきておりまして、公営住宅には優先的に母子家庭を入居させていただくようにという、こういう仕組みがありますけれども、それだけでは足りない場合に、民間のアパートなどをお借りになる場合に保証人をどうするかということについて、今そういう保証業務を行う民間の会社も活用するという道もあるそうでございますから、そういうことを活用していただくということにプラスして何が、母子家庭の住宅の安定のために何ができるかということを正に今、国土交通省で御検討されているというふうに理解しております。
#168
○会長(小野清子君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。
   午後三時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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