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2002/05/08 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 共生社会に関する調査会 第5号
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2002/05/08 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 共生社会に関する調査会 第5号

#1
第154回国会 共生社会に関する調査会 第5号
平成十四年五月八日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十日
    辞任         補欠選任
     谷林 正昭君     岡崎トミ子君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     大沢 辰美君     吉川 春子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         小野 清子君
    理 事
                有馬 朗人君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                風間  昶君
                吉川 春子君
                高橋紀世子君
    委 員
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                大野つや子君
                小泉 顕雄君
                後藤 博子君
                段本 幸男君
                中原  爽君
                山下 英利君
                岡崎トミ子君
                郡司  彰君
                小宮山洋子君
                鈴木  寛君
                平田 健二君
                山本 香苗君
                林  紀子君
                田嶋 陽子君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        岩波 成行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○共生社会に関する調査
 (共生社会の構築に向けてのうち児童虐待防止
 に関する件)

    ─────────────
#2
○会長(小野清子君) ただいまから共生社会に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月十日、谷林正昭君が委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子君が選任されました。
 また、去る四月十一日、大沢辰美君が委員を辞任され、その補欠として吉川春子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(小野清子君) 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(小野清子君) 異議ないと認めます。
 それでは、理事に吉川春子君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○会長(小野清子君) 共生社会に関する調査を議題といたします。
 「共生社会の構築に向けて」のうち、児童虐待防止に関する件について、本日は二時間程度、おおむね午後三時をめどに委員各位の御議論を伺いたいと存じます。
 この件につきましては、これまで政府及び最高裁判所当局からの説明聴取並びに質疑を、また、参考人からの意見聴取及び質疑をそれぞれ行ってまいりましたが、本日は、お手元に配付したテーマに沿って委員間で御議論いただきたいと存じます。
 議事の進め方でございますが、まず、各会派からそれぞれ五分程度で御意見をお述べをいただきまして、その後、委員相互間で自由に意見交換を行っていただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、御意見のある方は順次御発言願います。
#6
○田浦直君 自由民主党の田浦直でございます。
 会派の委員を代表してというよりも、これまでの調査を踏まえて私なりに感じた点を述べさせていただきたいと思っております。
 これまでの児童虐待対策が、どちらかといえば早期発見、早期対応に重点が置かれてきたこの現状を考えた場合に、児童相談所への相談件数が急増しているということは、児童虐待防止法制定の効果としてこれは評価できるわけでございます。また、これまでの各種施策が虐待の防止に寄与してきたということも考えられると思います。
 しかし、防止法及び各施策の最終目標は児童虐待の根絶でございます。そのためには、早期発見、早期対応における施策の更なる充実は当然でございますが、虐待発生の予防の重要性を再認識するところでありまして、再発防止も含めた予防に向けて、以下、四点について触れてみたいと思います。
 第一点は、育児支援の重要性でございます。
 核家族化の進展や近隣の人間関係の希薄化が子育ての孤立化を招き、ひいては虐待発生の要因にもなりかねないことから、育児支援が予防に有効と考えております。
 乳幼児健診時の児童相談体制の充実あるいは周産期からのハイリスク家庭の把握、家庭訪問支援事業等の施策が推進中ではありますが、これら母子保健施策の中核を担う保健師が不足をしております。そのため、保健師の増員、資質の向上が欠かせないところであり、併せて地域における子どもの健全育成を支援するため、児童委員、人権擁護委員、民間団体等の連携が必要となります。また、育児体験や異年齢交流を提供できる教育の場を積極的に活用すべきであると考えております。
 第二点は、子どもの心のケアの重要性です。
 暴力の世代間連鎖が指摘される中、将来の予防として子どもの心のケアは重要でございます。
 児童養護施設への心理療法担当職員の配置、児童相談所への精神科医の常勤配置等の施策が始まっておりますけれども、情緒障害児短期治療施設等の治療機関が不足しているため、養育機関である児童養護施設が実質的に治療の役割を担っており、機関の役割が混乱をしているという現状であります。治療機能の向上のため、目的に応じた機関の整備とともに、ケア専門の職員の質的、量的な確保も急務です。また、子どもの治療の効果を上げるためには養育環境の保障が前提であり、この観点からも、例えば親子分離、再統合の際の適切な手続を確保する仕組み等の確立も必要と考えます。
 第三点は、再発防止のための虐待親の心のケアの重要性です。
 保護者に対し、児童福祉司の指導を受ける義務等が防止法十一条で規定され、児童相談所では保護者へのカウンセリングの強化が図られております。しかし、介入と治療を同一の行政機関が行っていることから、まず必要とされる保護者を治療へと動機付けることが難しい現状にあります。指導の実効性を担保するため、司法手続を導入して強制力を持たせるなど、制度を工夫する必要があります。そして、そもそも心のケアについては方法論が未確立であります。虐待親の治療はどの機関が適切かの課題もあり、調査研究をし、ケアモデルを提示することが早急に求められております。
 第四点は、関係機関の役割の明確化及び連携強化の重要性です。
 虐待の要因は、社会的、経済的、心理的、精神医学的要素が複合していることから、関係機関の連携が不可欠です。実態に即した対応策を講じるためにも、福祉、医療、教育、司法の連携を強化するとともに、虐待防止に向けた対応能力の向上を図るため、児童相談所に権限が集まっている現状を見直し、関係機関の役割を明確にする必要があると考えます。
 以上が私の意見でございますけれども、今述べた点は虐待防止に向けての一端にすぎないと思います。本日の自由討議において児童虐待根絶に向けた方策についての議論が行われることを期待をして、私の意見の発表を終わらせていただきます。
 以上でございます。
#7
○小宮山洋子君 児童虐待防止法が施行されましたが、虐待は一向に減っていないという現状があるのだと思います。法の見直しは施行三年後ということになっていますが、可能な取組は多角的に随時していく必要があるのではないでしょうか。
 平成十二年度の相談が一万七千件余り、十年前の十五倍、前年に比べても一・五倍になっています。また、虐待を受けている子どもを親から引き離して生活させることを認めるよう児童相談所長が家庭裁判所に申し立てた件数が、昨年一年間で百六十九件と、過去最高を記録をしています。
 こうした現状の中で、各参考人の皆さんからの御指摘などを受けて取り組むべきだと考えられることを五点、整理をして申し上げたいと思っています。
 まず第一に、虐待を受けた子どもについて、発生予防、早期発見、早期対応、保護、指導、アフターケア、こうしたことをするための市町村のネットワークを作ることを厚生労働省では目指していますが、まだまだ不十分なのだと思います。そうした御意見も多く伺ったと思います。
 市町村保健センター、保健所、保育所、幼稚園、学校、医療機関、児童館、児童委員、そしてNPO、民間団体ですね、さらに児童家庭センター、福祉事務所、警察など、本当に多くの機関の連携ネットワークを全国的に実質的に稼働できるように充実させることが一層必要なのだと、その努力が更に必要だということが、まず第一点です。
 そして二番目に、児童相談所の役割が非常に大きいと思います。
 調査をしたり、診断、判定、措置、一時保護などをする、また在宅ケアか親子分離ケアかを決める、こうした非常に大きな役割を担っていますのに要員がまだまだ足りず、非常に現場で苦労をしていらっしゃるという実情があると思います。この児童相談所の要員の充実、そして研修などによって能力をアップすること、また親権との関係など法律上のバックアップ、そうした児童相談所が期待されている役割がきちんと果たせるように充実強化をする手だてが急がれると思います。
 そして三点目は、今の田浦委員の御指摘にもありました育児・子育て支援、これが重要だということだと思います。
 一つは、各地に今設けられています子育て支援センターを積極的に充実することが必要だと思います。保育所、幼稚園、児童館、保健所、学校など、あらゆる社会的資源を活用しまして、施設の整備や対応する人の配置のための財源を確保することを伴って、こうした子育て支援センターを一層充実させていくことが必要だと考えられます。
 また、育児支援士の養成という御提案があったと思いますが、これは内容を是非詰めて実現していければいいというふうに思います。ソーシャルワーカーが、支援が必要な人と専門家を結び付ける、そして育児中の親を具体的にサポートするという御提案があったと思います。先ほど申し上げた子育て支援センターに育児支援士がいて、常時相談や対応に当たれるようにする、そうしたことが考えられるのではないでしょうか。
 そして四番目に、虐待予防のための教育ということで、これも御指摘がありました。学校でボランティアとして、保育所や幼稚園でその育児の体験教育をする、これもやはりきちんと予算を付けて、必要性が指摘されています人間教育の一環として是非検討をしていきたいというふうに思います。ただこの場合、対象になった保育所や幼稚園が本来の機能の妨げにならないように、受入体制をきちんとした上で実施することが必要だと思います。
 そして、最後に五番目、今年の秋には児童買春、児童ポルノ禁止法が施行後三年の見直しの時期に当たります。この性的虐待も子どもの人格、人権を傷付ける虐待の一つの大きな形態だと思いますので、是非その見直しに積極的に取り組めればと思っています。
 子どもの被害者の保護とケア、これは施設がありませんし、プログラムもまだ開発されていない、実施する人の養成も必要だということがあると思います。また、司法手続での被害者である子どもの人権保障、さらに国外犯についての国際協力の強化、またインターネットなどによるサイバーポルノの規制もこの法案に現在欠けているものです。テレクラについては風俗営業法改正である程度カバーできるようになりましたが、新たに携帯の出会い系サイトなどによる犯罪が増加しているということもありますので、この児童買春、児童ポルノ禁止法についても、この調査会として見直しに積極的な提言をしていければと思います。
 以上です。
#8
○風間昶君 公明党の風間ですけれども、平成十二年の十一月に児童虐待防止法が施行されて一年半たったわけでありますけれども、今お話がありましたように、十二年度は全国百七十四か所の児童相談所で二万件近くもの相談、虐待による相談があり、なおかつ児童相談所が虐待を受けている子どもを親から引き離すことを家裁に申し立てたその申請件数も約八倍になったというような報道があったわけであります。
 児童虐待対策を更に充実させるために、党としましても児童福祉小委員会を立ち上げまして、関係機関の視察、あるいは児童養護施設の関係者の皆さん方と意見を交換をさせていただいて、そのことを通じて現場の声を吸い上げて、法施行後これまで見落とされてきた様々な課題について、十二項目にわたる提言をこのほど四月の二十五日にさせていただきました。
 その主な内容の柱は、一つは人材の育成、人です。二つ目は施設サービスです。三つ目の柱はいわゆる対応の問題でございます。
 すなわち、一つ目の柱、人材の育成と専門性の向上につきましては、児童虐待に関する相談件数が増えているということから、児童相談所や児童養護施設の職員の増員を求めるというのが一つ。二つに、児童福祉司というのがいらっしゃいますけれども、その養成に関して、大学院レベルの専門課程を各都道府県に整備して、そして高度な専門性を持った人材の育成を提案をするというのが二つです。三つ目が、児童相談所とNPOなど民間機関との連携をいかに強化していくかということでございます。
 二つ目の柱での施設サービスの問題でありますけれども、これはより身近な地域でどういう家庭支援を行っていくかという観点で、児童相談所を増設するということになると、現在都道府県と政令市に限られている児童相談所の設置主体を、現在三十市ある中核市にも広げていくようにすべきだというふうに私どもは思っております。二つ目に、乳児院とか児童養護施設を地域のサービスセンターとして位置付けて、それを開放する。三つ目に、現在もあります里親制度でありますけれども、里親と施設との連携で、週末里親、あるいは学校休暇期間、春休み、夏休み、冬休み、休暇期間里親、そのときだけ里親になってもらう、心理ケア専門の里親、あるいは親族による、親戚による里親、これは新しい試みだと思いますけれども、そういった意味で里親制度の充実を図っていくというのが地域での支援サービスでございます。
 三つ目に対応の点でありますけれども、虐待への適切なあるいは迅速な対応について、保護者と被虐待児に対する多様なケアの技術を導入するために、一つは、親子同居していただいて指導や治療が受けられるようなプログラムを具体的に検討する。二つ目に小規模施設、ファミリーグループホームなどの小規模施設でいわゆる家庭に近い環境でケアを推進していく、あるいは、先ほども話がありました情緒障害児短期治療施設などの心の治療を行うためのケアを全国に展開していくというのが二つです。三つ目に更に、退所後の親子の、特に児童の安全をどうやって守っていくかということのために、入所措置を解除したりあるいは一時帰宅する際の客観的基準と手続に関するガイドラインをきちっと作っていくということを私どもは求めて、今お話をさせていただきました十二項目を提言をさせていただいております。
 児童虐待というのは許されざる犯罪として認識をして児童虐待防止法が制定されたわけで、私どももそのリードするような立場にさせていただいてありましたけれども、子どもたちを社会全体で守り育てていくという観点から、なお力を尽くしてまいりたいというふうに思っています。
 以上です。
#9
○吉川春子君 日本共産党の吉川です。私たちの見解を述べます。
 今、社会的介入を必要とする児童虐待は年間三万件あると推計され、相談件数は一九八九年に比べると十六倍に増加しています。これは、国連子どもの権利条約の批准をきっかけに、子どもの人権思想がようやく我が国にも根付き始め、国民的関心が高まり、また児童虐待防止法成立によって行政も実態把握を始めたこと等によると思います。
 児童虐待件数激増の背景には、今日の社会の病理が反映しています。すなわち、一、核家族化による家族の孤立、過密過疎の進行、経済の激動による地域社会の崩壊で社会の子育て機能の衰弱。二、伝統的性別役割分担意識が払拭し切れず、かつ父親は長時間労働で子育てが母親一人の肩に掛かっていること、また子どもを独立した人格として見ない親の附属物であるとの思想。三、リストラ、不況による生活苦、また望まない妊娠、出産など子育てに適さない環境、両親の生活自体が追い詰められていることが考えられます。
 今なすべきことは何か、具体的に述べます。
 初めに、児童虐待を起こさせないことが一番重要です。そのためには、一、市町村保健センター、保健所で、妊婦、周産期、乳幼児期健診のきめ細かい対応。二、日常の育児支援、特に虐待に遭う率が高いとされる未熟児、障害児について手厚い育児支援、そうした家庭の周産期からの把握、地域の育児支援。離婚、死亡など養育者や養育環境の変化時の支援体制。三、行政の広報啓発活動の活発化。四、虐待をしつけとの口実になっている親権の懲戒権の見直し、子の人権を位置付ける民法改正。五、マタニティーブルー、産後うつ病など母親の精神不安、精神疾患の予防、早期発見、早期治療の体制整備が必要です。
 次に、虐待を早期に発見する必要があります。
 母子保健体制充実のため、保健所、保健センターの増設・充実と保健婦の増員。二、保育施設、安い保育料など働く母親の支援体制、保育所入所資格の拡大。三、現在二百八か所、二百八市町村で実施されている子育て負担の軽減のため、子どもを預かるショートステイの増設。四、幼稚園、保育園、小学校での早期発見を可能にするため、少人数学級や職員研修です。
 第三に、児童虐待が起きた場合の具体的な対処です。
 一、児童虐待に直接かかわっている全国百七十五か所の児童相談所は、仕事量増大のためにパンク状態で、増設、児童福祉司等職員の増員は焦眉の課題です。子ども六人に対し一人という児童養護施設の職員配置基準を改善し、国が予算措置を行うべきです。二、令状による児童の安全確保のため、住居への立入り、緊急時に令状による児童の一時保護を可能にする児童相談所の権限の抜本的強化。三、現在、民間施設はわずか全国三十か所ですが、家庭の子育てを補うため、虐待児童駆け込み寺、児童家庭支援センター増設が必要です。四、児童虐待通告受理機関、福祉事務所の相談体制の整備。五、民間の乳児院、児童養護施設への国の援助の増大。六、NPO法人のみなし寄附金制導入など税制優遇措置、民間団体への財政支援強化を図る。七、里親制度の見直し、支援強化を図るなどです。
 四、再発防止、教育については、一、虐待児は反社会的行動、精神障害など、必ず何か心の問題を持つので、ケアを行う必要があります。また、児童虐待とDVとの密接な関係も指摘されており、児童虐待について教育学術機関で調査研究が必要です。二、児童相談員、裁判官、家裁調査官、教師、医師などに対する児童虐待等についての研修。三、行政機関と民間団体の協力体制、民間団体の取組支援と児童虐待防止ネットワークの形成です。
 最後に、政府は、児童虐待防止に欠かせない保健所の削減、母子家庭の児童扶養手当のカットを行い、また東京都は母子保健院の廃止など、児童虐待対策に逆行する行政の施策が頻発しており、これは、国民の命、健康を守る責任の放棄であり、許せません。国は福祉施設の人員増加など予算措置を行うべきです。また、地方自治体によって取組に差がないように支援をする必要があります。
 児童虐待防止法改正は是非必要です。子どもの権利条約の趣旨を明記するなど、また児童相談所の増設、権限強化など、民法改正などについて、この共生調査会でPTを作り、改正案の具体的検討を行うよう提案します。また、その際、児童の商業的性的搾取についても検討することを提案し、私の発言を終わります。
#10
○高橋紀世子君 高橋紀世子でございます。
 私は、親の子ども虐待もありますし、子どもがまたいろんな虐待を行う場合もあるので、両方を検討したいと思いました。
 そもそも親権とは、子どもの人権を前提に生まれてくるものだと考えるべきだと思うんです。親権が独立して存在するかのような幻想は捨てたいと思います。親権とは、自分で自分の面倒を見ることのできない未成年者の人権を、未成年者自身が一時的に親などに委譲したものととらえるふうにしたいと思います。つまり、親権の根拠を子ども自身の人権に置くことによって、親の義務感と子どもの無力感が支配する旧来の親子関係を転換し、虐待のない新しい親子の関係を築くことができると考えます。また、乱暴しない子どもが育てられると思います。
 この観点から日本の親権法を考えるとき、民法第八百三十四条の親権喪失の宣告の規定に、子ども自身が親権の喪失宣言をできるという内容の文を加える必要があると思います。つまり、現行は、民法八百三十四条には、親権喪失の宣告として、「父又は母が、親権を濫用し、又は著しく不行跡であるときは、家庭裁判所は、子の親族又は検察官の請求によつて、その親権の喪失を宣告することができる。」とあるんですが、私はこれを、子は、いかなる場合においても、その自由意思に基づき、その親権を行う者の親権の喪失を自分から宣言することができる。父又は母が、親権を濫用し、又は著しく不行跡であるときは、家庭裁判所は、子の親族又は検察官の請求によって、その親権の喪失を宣告できるとしたらいいのではないかと私は思うんです。
 この観点から日本の親権法を考えますとき、今申し上げた民法八百三十四、親権喪失の宣告の規定に、子どもが自身が親権の喪失宣言をできるという内容を加えることが必要だと今申し上げたようにあると思うんです。子ども自分自身の意思によって親権者が選択できるようになることによって、人間はだれしもその意思に反してだれかの権威に服することを強制されることはあってはならないと思うんです。
 子どもは社会全体の宝であると私は思います。社会全体の宝である子どもを、一個の個人が、たとえそれが親としても所有することはできないと思うんです。子どもに必要なのははぐくまれることであり、権利や義務を負った大人に管理されることではないと思います。子どもは喜びから育てられるべきであって、義務感や所有意識で育てられるものではないと思うんです。愛と許しをもって大切に育てられるのはすべての子どもの生まれ付きの権利です。
 子どもを所有物の立場から解放すること、そして親を所有者としての地位から解放することが、子どもと双方のストレスを軽減し、子どもへの虐待という親の抑圧された自己表現の根を断つことができますし、子どもの乱暴からも解放されると私は思います。
 終わりです。
#11
○田嶋陽子君 社民党の田嶋陽子です。
 私が昨年来六回行われた質疑でいつも関心を持ってきたことは、児童虐待を未然に防ぐということ、それから暴力の連鎖を断ち切るということ。そのためには、現在の男と女の関係、支配、被支配の関係を変えなければいけないということ。それと同時に、社会システムを変えていかないとこの児童虐待はなくならないということを私なりに申し上げてきたつもりです。
 前回に引き続いて強調したいことは、暴力を受けているかもしれない母親が自分の受けた暴力を子どもに返していく可能性があるということです。最も単純化すると、夫が妻を殴り、殴られた妻が子どもに暴力を振るうという構図です。
 これはこの前も申し上げたと思いますが、アメリカでテロが起きてから世界じゅうの多くの人たちが口にしていることが暴力の連鎖ということで、私の考えでは、世界で起きていることは実は小さな学校の中でも起きているし小さな家庭の中でも起きている、すなわち、世の中で起きている上下関係の構図というのは家庭の中にある構図と同じ、家庭は世界の縮図なんだということです。
 児童相談所に相談があった虐待ケースの統計によれば、虐待者の半数以上が実の母であるということ、それから虐待傾向あるいは虐待ありの人は虐待なしの人に比べて夫との人間関係が悪いということ、悪くなくてもその夫と妻の間には上下関係があって言いたいことが十二分に言えないということ、夫の方は妻が何にも言わないから妻は満足していると勝手に思い込んでいるということ。
 例えば、ここにドメスティック・バイオレンスについて書いた人が、梶山さんという方ですが、「子どもをいじめるな」という本の中で、九五年に全米子どもの虐待諮問理事会がこういうことを報告しています。ドメスティック・バイオレンスは子どもの虐待死の最も重視すべき前兆だ。これは今私が申し上げてきたことと同じで、家庭内暴力、妻に対する暴力があるところでは子どもに対する暴力も母親によって起こされているということです。
 そして、やはり児童虐待をなくすためには、男性と女性との間にある上下関係、もっと言ってしまえば、おれは男だ、おまえは女だという身分関係ですね。もう身分関係は日本ではないはずなのに、男と女の間には厳然として性別役割分業という形で残っている。その身分関係をなくしていかなければいけないということです。そこから、よく言われているように、やっぱり女は家に、男は外にという性別役割分担発想を変えていくこと。
 ですけれども、女性が一生懸命働いている男性に子育てをしてくれと言うことは非常に残酷なことであって、男性は壊れてしまいます。なぜなら、今の社会システムでは男性は専業主婦がいて働ける構造になっているわけですね。ですから、そこに、無理な子育てを夫に頼むということは、これは非常に酷なことです。ということは、国が政策として男の人を働きバチにしないような、きちんと家庭が守れるような、そういう働き方を早く作り上げて変えていかなければいけないということです。
 実際、私は、働く女性が一生懸命働きやすいようなそういうサポート体制を作るように私なりに努力してきました。その結果、政府も今は、保育園その他、働く女性が働きやすくなるように努力し始めて、働く女性たちは少なくとも子どもをもっと産んでもいいと思えるような社会になりつつあります。その結果、どういうことかというと、むしろ現在は、働く女性の方が出生率が専業主婦の場合より高いんですね。
 例えば、育児の負担感ということでいうと、共働き女性が二九・一%、片働きの女性で四五・三%、片働きという言い方はおかしいですが、専業主婦の場合ですね。すなわち専業主婦の場合が、良いお母さんにならなきゃいけないというその完璧主義、世間の目、お母さんなんでしょう、一人目は、二人目は、三人目は、えっ、夫の世話もできないの、えっ、夫に一人で洋服脱がせているの、背広の世話ぐらいしなさいよ、そういうことを言われながら、一方で、一日じゅう専業主婦のお母さんたちは子どもとさしでいなくてはいけない。
 私が聞いた話の中では、これは児童虐待にまで行きませんが、余りにもおむつの取れない息子のおむつの中に手を突っ込んで、そのふんを子どもの顔になすり付けた、お母ちゃん怖いよというようなそういう状況まで起きているが、それは密室の中で起きているから、子育てが終わった後でみんなが笑い話で言えるようなことですが、これが続けば、それは児童虐待になっていくわけです。
 そういう意味で、私が言いたいことは、働く女性同様、たまたま女は家庭にと言われて育った女性たちが専業主婦になった場合には、その人たちが、先ほどから皆さんがおっしゃっているような、その人たちの子育てを助けられるような、専業主婦の人たちも気軽に子どもが預けられるような、すなわち、一日一時間や二時間自分たちの時間が取れるようなそういうシステムもこれから同時に作っていかなければいけない。
 ところが、今、そうやって子どもを育て始めたところの保育所で、例えばこれは香川県で起きたことで皆さんも御存じだと思いますが、小鳩幼児園というところで園長さんが子どもをけ飛ばして死なせてしまいました。それは、寝かせてもむっくり起き上がってくるのにいらいらしてけ飛ばして殺したわけですね。
 要するに、どういうことかというと、子育てということが世間で余りにも女の仕事として、これが社会的な仕事という認知がなくて、世の中を背負う子どもたちをみんなが育てているんだというそういう認識がないものですから、女の領域に閉じ込めていたせいで、今度、保育園が作られても、あるいは子育てを女の人たちがするようになっても人手が足りないわけですね。すなわち、お母さんも一人で密室で子育てしている、保育園でもまた人数が足りない。すなわち、徹底的にこの辺には予算が足りないわけですよね。
 ですから、本当にみんな、老後の世話を今の子どもたちに見てもらいたいと思うんなら、そのための少子化現象をやめたいと思うんなら、もっとたくさんの、たくさんのお金をここの子どもに掛けなければ、子どもに関することに、保育園に、システムに掛けなければいけないということを私は強調します。
 あと、いろんな行政的なことは皆さんがおっしゃってくださったのですばらしいと思います。ただ、私は、この連鎖をなくすためには、もう少し先を見た上での施策、本物の構造改革が必要だということをもう一度強調して、終わります。
#12
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 次に、お手元のテーマに沿って委員相互間の意見交換を行います。
 御意見のある方は挙手をしていただきまして、会長の指名を待って発言されますようお願いをいたします。
 なお、多くの方が御発言できますように、一回の発言はおおむね三分程度とさせていただきたいと思います。
 まず最初に、児童虐待の発生予防対策について御意見のある方は挙手をお願いいたします。
#13
○林紀子君 共産党の林紀子です。
 今、発生予防対策ということで会長の方からお話がありましたが、私が申し上げたいのは、この発生予防対策にも、それから早期の対応策にも保護やケアについても、全部にかかわる問題だと思いますので最初に発言をさせていただきたいと思います。
 それは、参考人、たくさん来ていただきましていろいろお話聞きましたが、その中で私が一番ああそうだなと思ったことといいますのは、エンパワメント・センター主宰の森田ゆりさんという方、おいでいただきましてお話しくださいましたけれども、そのときに、この共生社会調査会で作り上げたいわゆるドメスティック・バイオレンス法との比較で、このDV法には人権の擁護、そして男女平等の実現ということが前文でうたわれているのに、この児童虐待防止の法律にはどうして子どもの人権擁護ということがうたわれていないのかと、そういう問題を提起なさったと思うんですね。
 森田さんは、被虐待児とは人として尊重されなかった子どもたちです。その子どもたちに、あなたは人として尊重されなければならない大切な人なんだよ、もしあなたの周りの大人たちが、あなたの人としての尊厳をじゅうりんするのだったら、私たちが、国があなたの周りの大人たちにあなたを人として尊重するように言うからねと、そういうふうに言ってあげることがこの児童虐待防止法の心であると思うというふうに言われたわけなんですね。正に私はそのとおりだというふうに思うわけです。
 日本の子どもというのは、全般的に、国際的に比較しても、自己肯定感というのですか、自分を、自己を肯定するという、そういう意識が非常に低いというふうに言われておりますが、それは教育や何かいろいろあると思うんですけれども、この虐待をされる子どもというのは、一番自分が認められないような、そういう立場に置かれている子どもたちだと思います。
 ですから、私は、これはすべてに一番根本的なところで、この子どもの人権を擁護するという言葉を今後の法律改正に当たってはきちんと入れていく必要があるんじゃないか。その中では、森田さんが言っているのは、学校や地域での啓発の場や虐待をしている親との対話の中でも、この人権を大切にするということで話合いを深めていくことができるし、先ほどネットワークのお話がありましたが、いろいろなところが協力関係を持つに当たっても、やはりその一番の中心になるのが子どもの人権を守るということ、そして子どもたち自身が、何よりも虐待を受けている子どもたちが力を回復していくのが、あなたは本当に大切な一人の人間なんだよという、そういうところで大いにケアがしていけるんじゃないかということがありましたので、この三つにわたって、それが貫く一つの大きな基本的な考え方かなと思いますので、是非今後の法律改正、プロジェクトチームを作るということであれば、その中でももっと具体的に話し合っていただきたいということで意見を申し上げました。
#14
○段本幸男君 自民党の段本です。
 先ごろ新聞で、ちょっと見ていたら、林野庁の本省の課長さんが児童買春で捕まっておられるというふうな話が載っていました。私が勤めたこともある省庁で大変恥ずかしいと思っております。本省庁の課長ですら今ここで議論されているようなことが理解されていない、そんなふうな状況ではないかというのをすごく憤りを感じるんですね。
 したがって、これから法律改正の間でいろんなことを検討する中に、今もおっしゃいましたが、啓発の問題について、公務員たる者がきちっと認識してやはり児童を守っていかなきゃいけない、そういう意識を浸透するような、そういうものを強く御検討いただきたい、こんなふうな意見を述べさせていただきます。
#15
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 いかがでございますか。先ほどの申し上げた二点、一、二、三点に及んでおるわけですけれども、林委員がおっしゃられたように三点まとめてでも結構ですし、一点ずつ絞ってでも結構でございます。
 御発言、なるべく大勢の方からと思いますので、今、代表発言していらっしゃらない方で御発言がありましたらどうぞ。
#16
○後藤博子君 ありがとうございます。自民党の後藤博子です。
 率直な感想ですけれども、もう先生方は、今日皆さんがいろんな意見を言われまして、たくさんの事例挙げながら説明がありました。ここでまたその議論を深めていくんですけれども、ちょっと私分かっていないかもしれませんけれども、これは大体いつごろまでにどういう形で具体的に、済みません、していくのかということを一つ尋ねたかったのと、一つの意見としてなんですけれども、子どもを取り巻く周りの、周囲の地域の人たち、いろんな方々がいるんですが、一番子どもを見ている、見れる人はだれなのか。親はそうなんですけれども、親以外に、地域の中で民生委員や児童委員がいると思うんですけれども、民生委員や児童委員がどのくらいの回数でその地域を把握されていて、妊産婦さんや児童の状況を把握されているのかということ。
 それが、一人の民生委員さん、あるいは児童委員さんが何名ぐらい抱えていらっしゃるのか、地域地域で違うと思いますが、それに対して民生委員さんの数が地域の中でどれだけ足らないのかというようなことと、その児童委員さん、民生委員さんがまず発見する、最初に発見する人、そして学校においては教師が子どもを発見する人、あるいは健診のときには先生が発見する人、いろんなその場面場面の発見する方々がいらっしゃると思うんですけれども、そういう方々が地域の中でたくさんいらっしゃると思います。その方々が、じゃ、発見した後に児童相談所やらいろんなところに持っていくんですけれども、先ほどいろんな先生方がおっしゃいました、それがまたネットワークに掛かってきて、そのネットワークの皆さん、横のつながりでまた防止をすることができる、発生の予防対策ができるということで。
 済みません、ちょっと私まとまっていないんですけれども、それをもうここでは分かっていると思うんですよ、いろんな問題点。ここで議論を深める一番のポイントは、問題点を、更にまたどういう問題があるかということ、この三点、四点について議論をして、次にどうするんでしょう、またその次にどうするんでしょう。そして、一年、三年の間にこの児童虐待防止法をどこまで持っていってやるのかという、済みません、私自身が分かっていないと思いますけれども、その辺の説明をよろしくお願いします。
#17
○会長(小野清子君) 私の方から一言申し上げますけれども、本日五月八日、これまでいろんな参考人の皆さんからいろいろとお話を伺わせていただきまして、そしてまた視察もさせていただきました。現場のお話を伺った段階において、各会派から五分間の先ほどおまとめをいただいた形を取らせていただき、更にまた、委員の先生たちから各自自由に今御発言をいただいております。
 これを五月の二十日過ぎ、二十三日ごろに、中間報告というのを一応出さなければならないわけでございまして、その中間報告を六月五日ごろに理事懇談会におきましてまとめさせていただきたいということの中におきまして、五月の二十三日あるいは五月二十九日ごろに、各会派の皆様に二十三日ごろにおまとめをしたものを配付をさせていただいて、それに対する御検討をいただき、二十九日ごろに各会派の皆様方の御意見を聴取あるいは調整をさせていただいて、六月五日の理事懇談会における報告書の内容の最終整備をさせていただきたいというのが今後の直近の日程でございます。
 その中間報告が出ましたところで、それ以降はまた理事懇あるいは理事会の方で御検討をしながら先の最終結論まで持っていきたい。まずは直近の中間報告のところまで持っていく点について今お話をさせていただいたところでございます。
 ですから、六月五日の理事懇談会において報告書の内容の最終調整をさせていただきたい。そのために個人の御意見を伺うのは、今このお一人三分間程度でということの中でさせていただいている三時までの時間でございまして、その前の五分間のおまとめいただいたものがこれまでの御議論と同時に、最終的な各会派の御意見として伺わせていただいたところでございます。
 よろしゅうございますか。
#18
○後藤博子君 済みません。ありがとうございます。
#19
○清水嘉与子君 今の会長の御説明でいいのですけれども、せっかくここまで私たちいろいろ議論してきたわけですので、これから児童虐待防止法を改正するときに、私たちの提案が、あるいは法律を変えなきゃいけないものもあるかもしれませんし、あるいは行政施策をもっと変えなきゃいけないものもあるかもしれませんし、そういうアイデアが幾つか出てくればそれはそれでお取り上げいただいて次の施策につながっていくんじゃないかというふうな気持ちで私はおります。それでよろしいのでしょうか。
#20
○会長(小野清子君) はい。ありがとうございます。
#21
○清水嘉与子君 それで、済みません、最初のテーマなんですけれども、もうこれは皆様方が全部おっしゃってくださったので私もうこれで特段言うことないんですけれども、実際問題として児童虐待を起こしている人の六〇%は実母であると。そして、その子どもたちも、被虐待児の年齢が、学校に行く前の子どもたちがその五割だと。つまりもう親が、庇護しなければならない子どもたちを親が実際にいじめているという、虐待しているというのが実態。となりますと、この親がどうしてそうなるのか。田嶋先生も御指摘のように、御主人からいじめられてこうというのもあるかもしれませんし、またお母さんが親としての未熟な点、あるいはどうかかわっていっていいのか分からない。恐らく一人、子どもの数も少ないですから、そういう面であると思います。
 そういうことに対して、予防対策としていろんな、皆さん方がおっしゃってくだすった専門家あるいはボランティアからのサジェスチョンを受けるとかサポートを受けるとかいうようなことが当然私も必要だと思うんです。
 ただ、今、日本の子どもたちがどういうところで出産しているかというと、病院であるとか診療所でありますとか、医療機関が九十数%ですよね。あるほんのわずかが助産所みたいなところで専門家のケアを受けると。そこで初めてお母さんが専門家のケアを受けるという場面があるわけでございまして、その後病院なんかですと、恐らくそれからずっと定期的に健康診断に行く、つながっていくと思います。それから、そうでない人たちは保健所に行ったり、今は市町村ですね、市町村に行ってケアを受けるというようなことで、必ずどこかで網の目に掛かる人たちがほとんどになってきているんだろうというふうに思うんですね。
 これも、保健婦さんが来られたときにも、実際には来ないで、ハイリスクになって、分からなくなっている人もいるように伺いましたけれども、仕組みとしてはとにかくどこかで健康相談を受ける仕組みになっているわけでして、その人たちがやはりそういう目で見てくれればいいわけですけれども、この前の保健婦さんの話でも、やはり市町村でもいろんな仕事が実はあるわけですね。母子の仕事ってすごくみんなやり慣れてきているわけですけれども、そのほかに老人が入り、そしてまた精神障害者が入り、障害児が入ってというふうに、いろんなことが市町村にみんな来ちゃっているわけですね。そして、じゃ、保健師さんはどれだけいるかといえば、本当に市町村に一人とか二人とかってわずかな人で、今、皆さん方から市町村の機能、保健所の機能、いろいろ言っていただいて、人を増やせということをおっしゃってくださいましたけれども、これは幾ら増やしても本当に足りないのではないかというふうに思うんですね。
 そこで、この前の保健婦さんの指摘でもそうですけれども、今までは虐待のことについて余り深くかかわろうということをしていなかったと。そういう意味では、もう少し研修を、研修といいましょうか、そういう態度を作るということも必要なことではないかというふうに思うんですね。そういうことを是非やりながら、数を増やせればもちろん増やした方がいいと思いますし、それと同時に、それだけでは、専門家だけの力ではどうしても足りないものですから、やはりボランティアの方々をどう組み込ませていくのかと。そしてあと、ほかにおられる専門家とどうネットワークを組んでいくのかというようなことがまず、取りあえずは必要なのかなというふうに私も思っているところでございます。
 ちょっと、まだいろいろありますけれども、取りあえずもう終わります。
#22
○山下英利君 自民党の山下英利でございます。
 どうもありがとうございます。
 自由討議ということで本当に自分の実感ということをベースにしてちょっとお話をさせていただきたいと思うんですけれども、ここで今日、自由討議させていただいて、それで、これからPT、プロジェクトチームを組んで、具体的ないろいろ細かいところを詰めていくという段階に入っていくんだと思います。
 したがって、自由討議ですから、もう本当に種々雑多、いろいろな意見が出てこないとこれから先の発展はないと私は思いますので、たまたま清水先生が今ほとんど私と同じような話をされたものですから、どういうふうにしようかなと思いながら挙手をさせていただいたんですけれども、やはり今一番、諸先生方がおっしゃる中でも出てきているんですけれども、問題の原点というのを、私が思うところは、母親がやっぱり子どもの子育てで非常に苦しい部分があって、それが児童虐待に結び付いているというところが、それがすべてではないですけれども、かなりの部分を占めているということは、これは否めない事実だと思います。
 その中でも、やっぱり子どもの発達の遅れとか、それから行動の問題が原因になっているというところから、それをカバーしてあげる子どもの子育て支援、そしてまた、更には教育の体制といったものをやはり私は考えていかなきゃいけないんじゃないかなと思います。
 例えば、具体的に言いますと、最近、登校拒否、いわゆる学習障害児というのがありまして、これはラーニング・ディスアビリティーというんですけれども、これは学習障害児というのは要するに知的障害ではない、だけれども、一般の水準からはちょっと外れているというようなところで、非常に厳密な規定が難しい部分があるわけです。
 例えば、教科でいいますと、算数は全く駄目だ、だけれども、歴史なんかだともうすごく進んだレベルを持っている、そういう子どもに対して、じゃ、算数ができない、数の勘定ができないということでもっていじめに発展するというふうなところもあって、ところが、先生から見ると、算数は駄目だけれども、ほかの教科がいいからこの子は普通なんだと。普通として扱おうとするから余計学校に対していづらくなっていく。これは一つのいじめにもつながっていく。それで、今度反対に行くと、お母様、親の目から見ればもうこの子は普通なんだと。ちょっと障害があるということに対してだけでも大変な抵抗があるところですけれども、ましてやそういった意味での知的障害だ、LDだなんと言われることに対しては物すごく抵抗があるわけですね。
 日本の今の教育制度を見ると、要するにだんだん認識は深まってはきていますけれども、いわゆる養護学校というのは、これは知的な遅れです。だけれども、その中間にあるいわゆる学習障害というものに対する対応というのは大変遅れているように私は思っているわけです。
 細かい話になってしまうけれども、こういった子育ての支援、それから養護施設の充実といった中の方法論として、学習障害というのは、要するにもう子ども、育児の段階からこれが早期発見で分かってくるというような時代に入っている状況を踏まえた教育の問題というのを考えていってもいいんじゃないかなというのが、私の今ちょっと考えた意見でございます。
#23
○有馬朗人君 有馬でございます。
 二、三申し上げたいことは、中教審の会長をしているときに問題になったのは、子どもたち同士の殺人事件というようなことがあって、あるいは子どもが先生を刺すというそういうことがあって、私は心の教育ということを随分議論していたんですが、その結果パンフレットを二つ作りました。
 まず、子どもたちを育てる親に対するお願いをしようというので、一つは生まれたての子どもたちに対するものと、もう一つは小学校、中学校、義務教育を受ける子どもの親に、どちらも親に対するものですが、こういうふうに育ててくれというふうなパンフレットを作って全国に配ったわけです。
 その中には、お父さん、お母さんが余り子どもを甘やかしちゃいけませんよ、甘え、欲しいものを余り勝手に与えてはいけないとか、余計に与えてはいけないとか、こういうことを書いたんですが、考えてみるとその中に命を大切にするということは書かなかったような気がするんですね。母子手帳と一緒にそれを配っているんですが、母子手帳の中に、お母さんに対して子どもの命を大切にするということを書いておく必要があるんじゃないかと思って、もう一度私は母子手帳を見直そうと思っております。ですから、具体的に言えば子どもが生まれた直後のお母さんに対して母子手帳を配るわけですが、その中に命の大切さということをもう少し書き加えたらどうか。これは見てみなきゃいけませんけれども。
 それからもう一つ、私はそのときに気になったのは、お父さん、お母さんに育児手帳のような格好、教育の上での育児手帳のようなものをお渡ししたんだけれども、お父さんが果たして読むだろうかと。お母さんは多分読むんだと思うんですね。ですけれども、お父さんが読むだろうかということが非常に気になっている次第です。
 そこで次の問題ですが、先ほどもある官僚の問題が指摘されておりましたけれども、男の教育は本当に大丈夫なんだろうかと。私は実は自分のところの婿なんかを見ていますと、どうも江戸時代の崇拝者なんですね。明治以降の今日の状況がどうも分からない。皆さんは大丈夫だろうと思うけれどもね。要するに今の三十代、四十代を見ていても、男の人たちが本当に子育ての上での男の重要性、役割とかそういうことをちゃんと理解しているんだろうか、それから女性との対応に対して理解をしているんだろうか。どうも江戸時代の感覚で振る舞っているような気がするんですね。
 そういう意味で、これは男女共生の問題でもあるんだけれども、もう少し教育をきちっと考え直さなきゃいけないんじゃないか。これもかつての中央教育審議会の会長として一つ気になり始めたことですね。もう一度見直してみなきゃいけない。その中にやはりもう一度男も女も含めて、お父さん、お母さん両方含めて子どもたちの命を大切にするんだというその気持ちを教えていかなきゃならない。
 それから三番目に、私、自分のうちの孫を見ていてちょっと気になったことですけれども、娘が弱いものですから、私のうちはついこの間まで三代一緒に住んでいましたので、親や、私の母やなんかが子どもに対していろいろ、こうしたらどうかというようなことを言っておりましたし、今私たちが娘の子ども、すなわち私の孫をいろいろ手伝いながら育てております。
 しかし、社会的にもっと積極的に弱い母親に対して支援をするという体制が作られると有り難いと思うんですね、なかなか安心してお手伝いをお願いするというふうな制度がどうも十分ではないと。まして、十分な経済力のないところだったら、とてもじゃないけれども外の人にお願いをして子育てを手伝っていただくということはできない。ましてや、じいさんやばあさんのいないおうちだったらば、母親が一人で、父親が外に働きに行っている間は母親が一人で育てなきゃいけない。その母親が弱かったらどうだろうかということが非常に気になって、私のうちは私なり家内がやっていますから、手伝っていますからまだいいんですけれども、弱い母親が一人で住んでいたらどうなるだろうか。やっぱりそこではいじめが出てくると思うんですね。
 それで、もっと社会が積極的にそういう弱い母親、貧しい母親を積極的に助ける方法がないだろうか。これは見ていれば分かると思うんですよ。外から見ていれば、一人で、父親がいてもいなくても昼間は一人で子育てをしなきゃならないという母親が大勢いるだろうし、その母親の健康状態、経済状態はどうかということは、これ社会的にすぐに見えると思うので、そういうときの支援体制ということをもう少し組めないだろうかということで、三つのことであります。
 母子手帳ということの中に何か書けないかということ。それから、男に対してもう少し教育をする必要があるんじゃないか。それから三番目に、育児支援ということが社会的にできないだろうかということであります。
#24
○会長(小野清子君) 児童虐待の早期発見、早期対策等についてもどうぞ。それから、被虐待児の保護あるいはケア及び虐待者対策という点についてもどうぞかかわって結構でございます。問題がかぶさっても結構でございます。
#25
○有村治子君 自民党の有村でございます。
 今、有馬先生のお話を受けてなんですけれども、やはり子どもを産み育てることへの心理的な称賛、特に一番直接掛かってくるのはお母さんだと思うんですが、お母さんありがとうというようなメッセージが、その家族だけじゃなくて社会的に、その人によく頑張っているよね、頑張ってね、応援するよというようなメッセージがもっとある社会であってもいいのかなというふうに思います。
 先日、日系のアメリカ人が日本に戻ってきたときの新聞投書欄を見たんですが、日本は、電車にその人が乗っていたときに、妊婦さんとか小さな赤ちゃんを抱えているお母さんを立たせておいて平気でいる日本人、私の祖国だった日本はこんなに落ちてしまったのかというような読者の投書があったんですが、やはり、私の世代というのは今赤ちゃんを産んでいる世代なんですけれども、友人の話なんかを聞いていても、電車に乗っていると妊婦でいることが悪いぐらいに自分が思っちゃうぐらい皆さんが冷たいということを複数の人から直接聞いています。
 ですから、例えばこの間、私たちが香川に行ったときに、香川でみんなで子育てを応援しましょうということで、ミルクを上げるためにお湯を無料で提供しますよというようなサインを出していこうというのでコンビニなんかも協力しているというふうに私たちも学びましたけれども、そういうことを社会全体でできるようになっていくというような積極的なメッセージもこの共生社会の調査会から出せたらいいなと思っています。
 沖縄は地域が子どもを育てるということで、産みやすいというのは非常に言われますけれども、やはり小さなお子さんを抱える家族には近所の人たちが食料を持っていってあげたりとか、本当に積極的なメッセージを出しているという地域性があるというふうに伺っています。
 もう一つ具体的な案なんですけれども、例えばなんですが、やはりプレマリッジクラスというのがいいということを参考人がおっしゃいましたけれども、例えば結婚前のカップルが結婚式場に、自分の結婚式をしたい、レストランでしたいという、相談するカップルに対しては、こういうプレマリッジクラスというのがあっていいですよというような、オープンドアで開かれた、堅苦しい何かお説教じみたことを言われるんじゃなくて、あなたたちの将来はどうやってやりますかというような問い掛けをベースにしたプレマリッジクラスに行こうという、行きたくなるなというような動きがあって、結婚式場と提携するとか、そういう無料の体験型のレッスンがあってもいいんじゃないかなというふうに思います。
 最終的には、やっぱりお金、財政的に支援するというだけではなくて、お金に頼らないで、それぞれの、だんなさんの、奥さんの、私たち国民の自由意思とか主体性とか尊厳に働き掛けるものがなければ、幾ら児童虐待を防止するために施設にお金を掛けたとしても、私たちの心が動かなければ虐待防止の効果というのはかなり限定的になってしまうんじゃないかなと思います。
 ですから、法律を変えるというその奥に、私たちの意識を変える、特に虐待を防止するための直接のあれだけではなくて、赤ちゃんを育ててくれる、子どもをはぐくむということに対する、その当事者たちに対する尊敬、敬意というものが社会的に発せられるようなやっぱりメッセージというのを同時に発していくべきだと私は考えます。
 以上です。
#26
○山本香苗君 もう我が党の見解につきましては風間委員の方から述べさせていただきましたので、私の方からは法改正を視野に入れて何点か五月雨式に御指摘をさせていただきたいと思います。
 先ほど、早期発見という点でありますけれども、通告件数がもうぐっとアップしてきていると。しかし、やっぱりまだまだ通告、啓発が足りないんじゃないかなと、こういった事件が起きるに際して感じます。幾ら親がしつけのつもりでやっていても、子どもの側が例えば心や体に傷を負っているんであったら、やっぱり虐待としてほかの人がとらえて通報しなくちゃいけないんだということをもっともっと浸透させていかなくちゃいけないと。
 法律の中に明確に虐待の定義というものが今回書かれて画期的だということだったんですけれども、実際いろんなところを見せていただいて、虐待って一体、しつけって一体何なのかなということをもう一度自分自身も考えることがありました。この虐待の定義というもの、法改正の中でこれからもっと明確化することができるのかどうかというのはちょっと私自身分かりませんけれども、更に明確にしていくような努力はしなくちゃいけないと思います。
 また、主体という点で、いろんな形で保護者とか保護者以外の方々の大人からの虐待というものが、いろんなものがごちゃごちゃになってきたこの児童虐待という言葉がいろんなところではんらんしているようなところがあると思います。特に報道等々で見られると思いますけれども、児童虐待というものが、どういうところまで、どういうものなのかということをきちっとしていく、これも役割分担等々、何かいろんな形ではっきりとしていかなくちゃいけないんじゃないかなと思っております。
 先ほど高橋委員の方からもお話ありましたけれども、これが議員立法という形で作られた。早く作らなくちゃいけないということもありまして民法に触らないで作ってこられたのかなということもあったんですけれども、やっぱりどこかで親権というものが出てくる、いろんなところで出てくる。どこかできちんと親権の在り方にも検討が必要だと思います。
 また、法律上、十八歳未満ということがこの児童虐待の定義となっておりますけれども、十八歳、十九歳も、一応日本国では二十歳以下が未成年ということでありまして、十八歳、十九歳というのが保護されないような状況になっていると。ここの整合性もこれから視野に入れていかなくちゃいけないんじゃないかと考えております。
 以上です。
#27
○田嶋陽子君 ありがとうございます。
 先ほど有馬委員の方からお話がありましたが、命の大切さということですが、これですと、まるでお母さんたちは命の大切さが分かっていないように思われるかもしれないんですが、虐待を繰り返すお母さん、あるいは虐待まがいの、もうちょっとで虐待に至るぐらいの状況のお母さんたちは、いつも子どもを殴ったり子どもをいじめた後に自己嫌悪に責めさいなまれて、こんなにかわいい子をどうして殴ってしまうんだろうという、そういう気持ちでいるんですね。命の大切さが分からないわけでも、子どもがかわいくないわけでもないんです。そこのところをよく分かってほしい。それでも起きてしまうから法律作らなくてはいけないし、いろんなシステム作らなければいけないという、そういうことだと思うんです。ですから、文字に書くことは大事ですけれども、もう一歩踏み込んでいただきたいというふうに私は思います。
 それからもう一つ、子育てというのは二十四時間なんですね。で、ここに、近ごろ女の人たちは、主婦の人たちが自分たちの気持ちを表すようになりました。そして、筆の立つ人たちは本を書くようになりました。そういう人たちが集めた主婦の言葉の中にこんなものがあります。要するに、世間では、子育てはすばらしい、子育てをしながら自分は育つ、子育てだって立派な仕事なんだ。これは物すごい若いお母さんたちにとってはプレッシャーなんですよね。それで、お母さんたち、若いお母さんたちはそんなふうに思っていないんです。でも、そういうことを言われるたびに、自分が悪いのかな、自分が至らないのかなとまたストレスに駆られてまた子どもを殴ってしまうという、その悪循環もあるんですね。
 で、その人たちは何と言っているかというと、仕事、男のする仕事はくだらないかもしれない、でも子育てはそれよりも更にくだらないと言っているんですね。ここを一度きちんとその人たちの立場に立って見てみないといけないと思います。子育ては三K以上につらくて、きつくて、くだらないと思っているんですね。それでも子どもがかわいいから、この子が大きくなるまではと思ってみんな我慢に我慢を重ねている。でも、夫は手伝ってくれない。周りから、子育てはいいことなんだよ、あんた、お母さんとして不十分なんだと言われてはプレッシャーで苦しんでいると。しかも、女はみんな一度は家庭に入りたいと思って家庭に入るわけですけれども、それだって何かといえば、子育てはすばらしいと言われて家庭に入るけれども、この人たちに言わせれば、結局、女が家庭に入って子育てすれば安上がりなんだろうって。ということは、結婚して子どもを産んでみて初めて分かるわけですね。
 で、今度はその上に、あんたは主婦やっていて夫に食わしてもらっていいねって、またここでもう一つダブルバインドが掛かる。そのプレッシャーの中で、若い女の人たちは手も足も口も出なくなってじっと我慢して、そして当たるところが、自分が唯一自由になる子どもだけなんですね。
 そういう状況を知らないと、みんな命の大事さは分かっているんです。要するに、もっと言ってしまうと、この問題を解決するには、老人介護と同じ発想を取り入れてちょうどいいと思います。老人介護、要するに介護保険ができてから、少し女たちは苦しみからその気になれば解放されるようになりましたよね。それぐらいの施策を取らないと子殺しは続くということを私は肝に銘じてほしいんですね。
 そして、例えばちょっとここにあることを読んでみます。簡単に、省略しますけれども、この人が言っていることは、女たちは子育てしている人は常時疲れていると言っているんですね。それは第一に、これまで書いてきたような子育ての現実的な、具体的な、雑用的な、退屈な、体力を要する、忍耐力を要する、泣きたくなるような部分を家庭内で一手に引き受けていることによる疲れであると私は思うと、こう書いています。
 よく子どもなんて子犬と同じだと言いますけれども、この人が言うには、犬は少なくとも自分でできる範囲しか要求しない。食べる、排せつする、眠る、走る。しかも、これを大抵独力で犬は行うことができる。最悪の場合でも外に出してやれば何とかなる。しかし、子どもはそうはいかない。子どもは一人では何もできない。家の中にいて何かしたいときには必ずそばにいる母親を頼ってくる。トイレに行きたい、のどが渇いた、おなかがすいた、パンツはかせろ、鼻水が出た、こういったことを数分ごとに要求してくるベルトコンベヤーに乗った荷物だと言うんですね、部品。
 さらに、子どもは一緒に遊んでほしいと言う、本を読めとせがむ、公園に行ってシーソーに乗りたいと言う、キャッチボールをしてくれと言う、おしっここぼす、うんちこぼす。挙げ句の果て、ジュースこぼす、駄々こねる、それを二十四時間です。夜中にむっくり起き上がってくる。これがけ飛ばして殺した園長さんですね。耐えられなかったですね、人の言葉です、あるかもしれませんし、もう仕事、職業意識を忘れちゃったわけですよね。
 こういう現実は、恐らくこの中でも男性でも子育てをしたことのある人は分かると思います。それを思い出していただきたい。そして、老人介護と同じぐらい、介護保険を作ったのと同じぐらいの施策をしないと、きれい事の言葉を並べたってどうにもならないということを私は政策としてもっときちんと取り上げてほしいと思うんですね。それでないと児童虐待は予防できない。すなわち、児童虐待予備軍の人たちはごまんといる、ほとんどがぎりぎりそこにいるということです。
#28
○段本幸男君 先ごろ、三月の初めごろに東京で児童虐待のシンポジウムの、民間のシンポジウムがありました。参加してきました。そのときに幾つか意見が出ておりました。その意見の中から御紹介して、御検討いただければというふうに思っております。
 先ほど来、各党から、児童相談所の人員確保と組織拡充について意見が出ておりました。そのことについて格別反論するものではないんですけれども、ただ人を増やせば、組織を拡充すればいいというものではないということを、盛んにその場所では出ておりました。
 清水委員からも少し意見ありましたけれども、例えば児童虐待が起こったときに全部児童相談所に持ち込まれてしまって、もうそこだけがパンクしているような状態だというふうになってしまっている。しかし、本当は、その場で出た意見なんですけれども、児童相談所というところは総合病院で、各市町村に児童相談室みたいなものがあって、これが町医者なんだと。本当はそれが上手に連携できればもっとうまく機能するんだけれども、そういう連携システムを頭に入れた上で組織強化をしてほしいんだと、こんな意見が市町村の担当から出ておりました。今後以降、法律の検討にあってそういうことも頭に入れておく必要があるんではないかというふうに思っております。
 それから二番目に、児童虐待、やっちゃいけないということはどの母親でも分かっている。でも、分かっていてもどうしてもやめられないような状況に追い込まれてしまっていく。田嶋委員、先ほどおっしゃったけれども、いろんな形で追い込まれていくんだというふうな状況があるんではないかというふうにおっしゃっていました。
 そういう母親を上手に導くようなシステム、このためにはお医者さんのやはりかかわりを抜いてはなかなかできない。ただ、そのお医者さんが、悪いケースは、なかなか、この子どもを児童虐待と認めてくれ、要するに何かあざ作って行ったときに、これは虐待だというのをお医者さんが認めてしまうのを、非常にかかわるのを嫌がるというんですかね、そういうことがあって、そのことが解決を遅らせているというふうな報告があっていました。やはりお医者さんを巻き込んで、児童虐待をどういい方向に導くのか、こういうことが必要なんではないかと思っています。
 それから三点目に、この法律には各機関が連携を取ってきちっとやっていくことというふうなことが書かれております。基本的にはやはりそういう方向で解決していくしかないというふうに思うんですけれども、ある児童施設の方は、事が起こったときに連携システムでその問題の母親を全く包囲網を作って封じ込めてしまうというのは、むしろ逃げ場をなくして事態を悪くするようなケースもある。その連携の仕方というのをよく、ただ単に周りがもう全部囲んでしまうという格好ではなくて、やはりそれぞれの形で生きていくようなシステム、先ほどだれかがおっしゃっていましたけれども、上手にNPOを入れたり、民間施設をうまく連携さすことによって、そういう官側だけの包囲網ではない柔らかさが出てくるんだ、そういうところを意識しないとせっかくの連携システムが生きてこないんではないか、こんなふうな意見が出ていました。
 以上三点、御参考までに申しておきます。
#29
○中原爽君 自民党の中原でございます。
 先ほど会長から御説明がございましたように、今調査会としてはこれから中間報告書を作るということでありますけれども、そうしますと、報告書の項目に、例えば今日テーマに上がっております児童虐待の予防対策というふうな項目がある、あるいは早期発見という項目があるということになるとは思うんですけれども、それ一つ一つの項目として今いろいろ御意見が出ておりますけれども、例えば医療の話が出ておりましたけれども、熱がある、発熱をしている、とにかく熱を下げなきゃいけないので解熱剤を投与すると。それ一つの対症療法なんですね。ここに上がっているテーマの幾つかは、今とにかく何とかしなきゃいけないという対症療法をやっている項目が並ぶと、こういう感じを受けるんですけれども、実は熱が出ているという、その発熱の本当の原因は何かということが今まで参考人の方々からも本当の説明がなかったような気がいたします。
 で、言われておりますことは、核家族が原因なんだと、そういうふうにおっしゃる方もあるし、あるいは少子化というような現象の中で、今の子育ての年代、これは男女ともですけれども、やはり一人っ子で育った年代であると。それが核家族の経過の中からそういう年代が今ちょうど子育てに入っている、それが大きな原因なのかと、いろいろあると思うんですね。
 そうすると、その原因を取るということになると核家族をなくすということですから、昔の大家族に戻せばいいのかということになってくるし、そういう原因、これの一番に児童虐待の発生予防の対策と、こうありますけれども、発生していることを予防するわけなんですけれども、その発生は何かということなんですよ、問題は。それは核家族であるのかもしれませんし、核家族の中から生まれてきた現象なのかもしれませんし、そこのところをテーマとして、報告書のテーマとして何かお考えをいただければというふうに思います。
#30
○後藤博子君 先ほどはありがとうございました。何かはやる心を抑え切れなくて、ついつい今後のことを質問させていただきまして、申し訳ありませんでした。
 私もいろんな方の今お話をお伺いいたしまして、心のケアはだれがするんだろうと思ったときに、実は突き詰めていくと、今いる私たち一人一人ができることじゃないかというふうに思います。
 私の体験の中で、実はおばあちゃんが、自分の子どもも育ててきたんですけれども、自分の子どもを育てているときには非常に厳しいしつけの中で育ててきた子どもだったんですが、そのときは虐待ということは余り言われなくて、虐待という問題にも至らなかったんですけれども、自分の孫ができたときにその孫を虐待してしまう。そのおばあちゃんは、幼いときにやはり虐待をされたおばあちゃんなんですが、自分の子どもには虐待というところまで行かずに、今度逆に一緒に住んでいる孫を虐待してしまっている。それを見たときにどうしていいか分かりませんでした。
 結論から申し上げますと、そのおばあちゃんに、おばあちゃん、あなたも愛されているんですよ、おばあちゃん、あなたも大事なんですよ、大事な家族の一員なんですよということを、態度や言葉やいろんなところから愛情を持って接したときに、おばあちゃんは孫に対する虐待をやめてしまっているわけですね。
 ですから、それは専門的に指導を受けた委員でもなければ、お医者さんでもなければ、何でもない普通の主婦、普通の人間、普通の女性なんですが、そういうことを思ったときに、先ほど私が言い掛かった、一番民生委員や児童委員が見ることが多いんじゃないかと言ったんですけれども、圧倒的に多いのは、周りにいる何でもない普通の人たちが一杯いるわけですよ。だから、役割分担、役割分担と余りに言い過ぎて人ごとのようになってしまう。役割、自分がその役割じゃないから知らぬ顔してしまうような今のこの世の中、それは国会議員を含める私たちが非常に問題にしなければならない今の状況があるんではなかろうかと思いました。
 先ほど田嶋先生がおっしゃいましたけれども、子どもを育てていて、感動して、毎日喜びを感じている私の知り合いのお母さんもいらっしゃいます。だから、子どもを育てていることがすなわちイコールすべて苦痛だとかいうことではなくて、子どもを育てることによって感動や喜びを感じているお母さんも身近にたくさんいらっしゃるわけです。その感動や喜びを感じているお母さんが、同じ子どもを持つ親同士の輪を広げていっていることも実際にはあります。
 そして、イギリスでは、キャリアウーマンが家庭に返り始めているということがもう数年前の記事にありましたけれども、キャリアウーマンが、仕事をしている自分たち女性が、何かこれはおかしい、ずっとこれで仕事をしていっていいんだろうかということから、子どもを育てる、命をはぐくむということに気が付き始めて、キャリアもある、収入もある若い三十代の女性が家庭に返り、子育てを始めていっているということがもう既にイギリスの社会の中にもあります。
 そういうことが事実あるということから、心のケアや人の愛とかいうことは何かただ役割分担だけで決められる問題じゃなくて、国会議員自ら姿勢を正していかなければならないのじゃないかということをちょっと感じましたので、済みません、意見として述べさせていただきました。
#31
○吉川春子君 私も、子育てしてきて今お話に出ているような追い詰められた経験はなかったなと思いつつ、なぜだろうと思ったときに、やっぱり子育て支援体制が十分にあって、しんどかったんだけれども、しかし子育ての中から大変いろんなものを学びながら今日まで来たんじゃないかなと思います。それで、子育て支援は、経済的な問題もあるし、肉親との関係もあるし、そういう個人によってすごく差が出てくるんですけれども、やっぱり、個人で差が出てくるような子育て支援ではなくて、ある程度というか、かなりの部分社会的なサポートをしていかないと児童虐待という悲劇が生ずるんじゃないかということを改めて感じました。
 それで、私は二点発言したいのですが、一つは、児童虐待でどうしても避けて通れないのは、やっぱり性的商業的児童虐待の問題だと思います。今私たちがやっているこの問題と重なる部分と重ならない部分がありますが、今後、次代を背負う子どもたちをきちっと育てていくということから考えたときには、性的商業的児童虐待、搾取という問題は避けて通れないので、この委員会としてどうかかわっていくかというのが一つ考えなくてはいけないと思います。
 それからもう一つは、今後の方向として中間まとめで議長への報告を出すわけですけれども、それは立法活動ではないわけですね。この調査会でこういう問題があると思いますよということで議長へ通常国会の終わりに報告を出すということですが、先ほど来いろんな方から言われております立法活動、法改正の問題についてどうするかと、それについて皆さんの活発な御議論があった方がいいかなと思います。
 といいますのは、議長への報告はそれで終わるんですけれども、立法活動についてはやっぱりこれはまた特別なチームなりなんなり作らないとなかなか詰めてやれませんので、そういうことまで必要なのか必要でないのかということも皆さんの御意見の下に理事会で相談していった方がいいんじゃないかなと思いますので、その二点について発言をいたしました。
#32
○林紀子君 私は、今の吉川議員の発言では、やはりこの一年間掛けて皆さんいろいろ参考人などからお話を聞いて大分煮詰まっているわけですから、法律を改正するのはどうしたらいいかというところももうちょっと、プロジェクトチームを作るのかどうか、その辺は御相談いただいたらいいと思うんですけれども、やはり改正に向けてきちんと成果を残していくということができたら望ましいのじゃないかなというふうに一つ思っております。
 それから私は、先ほど御意見がありましたけれども、児童相談所の件ですね、段本議員からお話がありました。確かに数だけ増やせばそれでいいということではないと思います。専門性などももちろんあると思います。しかし、今の現状を見ますと、やはり圧倒的に数も少ないし、それにかかわる職員の方たちも少ないんじゃないかというふうに思うわけですね。先ほど来お話がありましたが、この児童虐待の件数というのが十年間で届け出られたもので十六倍になっている。ところが、児童福祉司の数は十年間で一・四倍にしかなっていないということだけ見ても随分大きな開きというのができてきているんじゃないかと思うわけです。
 これも、保健師である徳永雅子参考人のお話で、私は胸が痛くなったんですが、平成十二年の末に発生した段ボールの中に三歳の女の子が入れられて餓死事件、餓死をしたという、その例を引いて、全部、生まれたときからの、新聞の報道などを追って表をまとめてくださったんですが、三か月健診のとき体重六・八キロだった女の子が死んだときには体重五キロになっていたと。ネグレクトで食べることもさせなかったという事件なんですが、この事件ではネットワークということで保健師さんがかかわっていたし、お医者さんもかかわっていたし、そしてみんなで相談をするというその場に児童福祉司の方は来られなかったというんです。それは、事情は細かくは分かりませんけれども、やはり余りにたくさんの相談事を抱えているために、そういう場をセッティングしても中心である児童福祉司の方が来られなかったんじゃないかと、これは「か」というところでとどまっているんですけれども、思うわけです。
 一般的にもバーンアウトとか、本当にもうこれ以上仕事ができないほど仕事を一生懸命して燃え尽きてしまうというような状況というのもあるわけですので、やはりこれはもっと人員を増やしていくし、先ほどお話がありましたように、児童家庭支援センターというんでしょうか、各行政区でつないでいく、それももっともっと増やしていかなくちゃいけないなというふうに思うわけです。
 制度の面、法律の面での改善ということでは、立入調査とか一時保護というのに当たって児童福祉司の方が一番悩むというか、困難に直面するということは、親のところに訪ねていってもかぎを開けてくれなかったら、その中で虐待がされているという、現行犯であれば警官の援助も受けてそこへ踏み込むことはできるけれども、そうじゃなくて、そういう中のことが分からないけれども、親がかぎを開けてくれないなんというときはそれを壊してまで入る権限はないというお話が今までもありましたけれども、これはやはり家庭裁判所の令状というのを取ってそこへきちんと入れるようにするということが必要じゃないかというふうに、今までの参考人のお話の中にもありました。
 そして、私、この児童虐待防止法が制定されるとき、参議院で論議がされたその議事録を読んでみましたら、その中で、どうして家裁の令状を持って踏み込むようなことを考えなかったのかというその質問に対して、発議者の答弁が、親子とそれから児童相談所の職員との信頼関係というのはその後も保っていかないとケアということがなかなかできないと、だから、いきなり踏み込むみたいな、令状で捜査をするというようなことというのはやはり差し控えた方がいいだろうということになったんだという答弁だったんですね。
 私はそれを見て特に考えるのは、児童相談所というのはやっぱり子どものケアというのをちゃんとしていくところだ、そして親のケアというのはやはり別のところでした方がいいんじゃないか。幾ら踏み込まなくても、児童福祉法の二十八条を使って強制的に子どもを一時保護施設に入れたりするわけですから、やはり別のところでやっていくということも今後見通して考えていくべきではないかなというふうに思いました。
#33
○岡崎トミ子君 民主党の小宮山洋子さんの方から既に提言もされておりますけれども、私の考えとしても、小宮山さんが発言された中で子育ての支援とそれから学校での、教育の中でのボランティア、そういう精神を育てていくという点に関してなんですけれども、家庭の中に本当に埋没してしまうような児童虐待というものを、どういうふうにそれを表面に出してくるのかというのはなかなか大変なことなんだなというふうに思うんです。
 私が体験したことでは、私の事務所のことなんですけれども、秘書さんが子どもを産みまして、ちょうど四月で一歳になったんですね。その間に、毎日事務所に子どもを連れてくることを可能にしまして、私のところで子育てを支援をしましょうというふうにして、身近で子どもを余り見たことがなかったものですから、この一年間は、いかに母親が子育て不安の中で苦労しているのか、子育ては喜びでもあるけれども常に病気と隣り合わせの面もあって、この間に入院などもしておりましたから、そういう状況を見ておりますと、その私の秘書の子どもの話ではなくて、入院をしたときのほかのお母さんたちが、これはまた本当に男女共同参画社会に移行し切れていないところから、家族の支援がないんですね。入院をしましても二十四時間体制で、もう親子密着型で常にいなければいけない。これは別に入院したときだけではなくて、家庭の中においても親子密着型でいて、だれからの支援も受けられないでいる。夫も泊まり掛けの出張で来ることができないというところで、ちょっと優しい声を掛けただけでも涙になってしまうという、大変孤立した中でお母さんというのは子育てをしているんだなということをこの一年間見させていただいたんですね。そういう中で、必ずしも児童虐待に移行するということはないわけですけれども、児童虐待に移行する可能性があるということを身近で見ました。そういうことを考えていきますと、いかに育児支援のシステムをしっかりとさせていくのかが大事かというふうに思います。
 行政の方で決められた機関が明確にその仕事をしていくということも大事ですけれども、民間が担っていくことも大変大事で、段本さんを始め、ほかの、もちろん民主党の小宮山さんもNPOの問題について触れておりましたけれども、民間の人たちがそういうことで支援しようというふうに立ち上がって始めた場合には、多分すべてのそういうグループは財政支援というところで大変困難な状況だというふうに思います。
 NPOの法案を、私たちは財政支援ということを、税の支援ということをもっとしっかりしなければいけないという提言をずっとしてきておりますけれども、その民間団体が認証制度を受けてきちんと取らなくても、その前の段階であっても援助していくというのはそれぞれの自治体でやっているんですね。でも、もちろんそれを、認証制度の中できちんと法人格を取得したそういうところは税制支援を受けやすいことになるはずなんですが、残念ながら今は、吉川春子さんが内閣委員会で公表しておりましたのは、六千七百ぐらい法人格を取得したNPOがあるうち、たった五つだけが税制支援を受けることができたと。これは子どもの支援ではないんですね。でも、私は地元を見ましたら、チャイルドラインを始めとして、そういう子育て支援のために、子どものそういう暴力のために何か一生懸命しようとして立ち上がっているグループがあるんですけれども、そこが大変困難だということでありました。
 是非とも、税制支援をクリアすることができるためには、この委員会だけではなくて、これは内閣委員会、またそのほかNPOを担当している竹中平蔵財政担当大臣のところ、こういうところも連携して、NPOが法人格を取得した後に税制支援を受けやすいような体制を作っていくことが大事ではないかなというふうに思います。
 学校教育の中でも、私は、森田参考人が、参加型プログラムの中で子どもたちが学校の授業時間を利用して行っていると。過去六年間に三十五万人の子ども、四十万人の教師及び親がこのプログラムを受講しているということで、だれかが通報してここが危ないと言うだけではなくて、学校全体で取り組んでいるということが日本全国で行われたら大分違ってくるのではないかなというふうに思いました。
#34
○小宮山洋子君 一つは、法改正をしなくても今ある仕組みを上手に使う中でできることとしては、先ほど有馬委員が母子手帳とおっしゃいましたけれども、今多分、両親手帳という言い方になっているかと思うんですけれども、そういう中に書き込むこととか、あと、文部科学省がやはり何とか手帳というのを作っていますよね、家庭教育のための、そういうものとか、あるいは警察でも虐待防止のためのリーフレットとか作っていると思いますので、そういう中に何を今書いているかをちょっとチェックをして、そういう中にこの虐待防止につながるような、子育てを応援できるようなことを書いていくというのが一つあるかなと思います。
 それからもう一つは、余り具体的な形にはなっていないんですけれども、こういう公的な仕組みでなくても、地域のコミュニティーの中で、やはり今非常に、一つの家庭の家族の数が二・七人ですか、とても小さくなってしまっていることがやはり子育ての知恵が代々受け継げないことにもなると思いますので、いろんな形があり得ると思うんですけれども、地域の中にどこか場所が設定されれば、元気も知恵も時間もある高齢者の方と子育てに困っているお母さんが子どもを抱えて来られるような、そんなことを割と柔軟な仕組みとして考えることも一つあるのかなと思っています。
 それから法改正については、先ほどお話あったように、この共生社会で前の期でDV防止法を作ったときも、最初の一年は全体で討議をして土俵を作っておいて、その後、残りの二年はまた違うテーマをやりながら、別に理事会の下にプロジェクトチームを作って一年間検討して、それをまたここへ上げてくるというような形で作ってきましたので、そういう形を取るといいのではないかなと。
 ただこれの場合は、法律の生まれ立ったところが衆議院の青少年特別委員会で児童虐待防止法は恐らく作られたんだと思うんですね。一時それがなくなっていたのがまた今年できたというふうにも聞いていますので、その辺り、衆議院との関係も整理をしながら、できることなら検討してきたことが成果になるようにプロジェクトチームなりなんなりを作って実が上がるようにしていけばいいのではないかなと、そういうふうに思います。
#35
○田嶋陽子君 済みません、さっきちょっと誤解を招いたみたいで、後藤さんからもそんな発言がありましたし、何か私の言い方だと子育てをやっている人が全部苦しんでいるみたいと言うけれども、どうしてそういうレベルになっちゃうのかと。だって、ここでは虐待をしている母親とか、しそうな母親のことを話しているわけですよね。私の話し方が悪かったんだろうと思ったら謝りますけれども、そのレベルに落とさないでください。差別があるといって幸せな女性もいるからとか、すぐそういう反論が出るというのはちょっと違うと思うんですね。構造を話しているんですから。それと同じで、子育てのことも、今虐待しそうな母親、している母親がどういう気持ちでいるかを話したわけです。そのことを誤解しないでくださいね。よろしくお願いします。
 それから、今、両親手帳ということをおっしゃった。進んだなと思ったけれども、私は、両親いない子どももいるわけですから、これから片親で産む、片親という言い方もおかしいと思いますけれども、産むと思いますから、もし皆さんその気があったら、やっぱり親手帳とか保護者手帳に変えてほしいと思う。親でない人がもう子育てしているかもしれないんですよね。ですから、保護者手帳とか、何かその辺はもう少し全般に配慮した方法に変えていったらいいと思います。
#36
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 それでは、御意見も尽きないようですけれども、まあまあ大体出尽くしたと申し上げてよろしいでしょうか。本日の意見交換はこの程度で終わらせていただきたいと思います。
 委員各位には、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。本日の御意見も含め、これまでの調査の論点を整理をさせていただきまして、各理事とも御相談の上、中間報告書の取りまとめに向けて対応してまいりたいと思います。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後二時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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