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2002/05/22 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 国民生活・経済に関する調査会 第7号
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2002/05/22 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 国民生活・経済に関する調査会 第7号

#1
第154回国会 国民生活・経済に関する調査会 第7号
平成十四年五月二十二日(水曜日)
   午後二時三十一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月八日
    辞任         補欠選任
     太田 豊秋君     鴻池 祥肇君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     鴻池 祥肇君     太田 豊秋君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     榛葉賀津也君     浅尾慶一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         勝木 健司君
    理 事
                北岡 秀二君
                内藤 正光君
                日笠 勝之君
                西山登紀子君
    委 員
                太田 豊秋君
                加治屋義人君
                伊達 忠一君
                中島 啓雄君
                藤井 基之君
                松山 政司君
                浅尾慶一郎君
                朝日 俊弘君
                辻  泰弘君
                本田 良一君
                松 あきら君
                畑野 君枝君
                森 ゆうこ君
                山本 正和君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        村松  帝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国民生活・経済に関する調査
 (「真に豊かな社会の構築」について)
    ─────────────
#2
○会長(勝木健司君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十一日、榛葉賀津也君が委員を辞任され、その補欠として浅尾慶一郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(勝木健司君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(勝木健司君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に北岡秀二君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○会長(勝木健司君) 次に、国民生活・経済に関する調査を議題とし、「真に豊かな社会の構築」について委員間の意見交換を行います。
 本調査会は、これまで「真に豊かな社会の構築」をテーマに調査を進めてまいりました。本日は、これまでの調査を踏まえ、初年度の中間報告書を取りまとめるに当たり、委員各位の御意見を承りたいと存じます。
 議事の進め方でございますが、まず各会派から一名ずつ大会派順にそれぞれ十分以内で御意見の表明を行っていただき、その後、一時間程度、委員の皆様の間で自由な意見交換を行っていただきたいと存じます。
 なお、御発言はすべて着席のままで結構でございます。
 それでは、これより意見の表明に入ります。御意見を表明される方は順次御発言願います。
#6
○北岡秀二君 御指名をいただきましたので、簡潔に、今までいろいろ御意見を伺ったり意見交換した中で思い当たるところの意見表明をさせていただきたいと思います。
 我が国経済社会は、バブル崩壊以降、かつて経験したことのない景気低迷の中で苦しんできましたが、今なおそこから抜け切れないでおります。失われた十年とも言われるこの期間は、戦後の輝かしい成長の軌跡を歩んできた我が国にとりましては、正に悪夢のような時の流れでありました。
 現下の動向を見ますと、先週末、景気の底入れ宣言が出されましたが、なおデフレの進行と不良債権処理の遅れが我が国の経済の上に重くのし掛かっております。そのために、国民の中に将来に対する漠然とした不安が醸成され、自己防衛、生活防衛的行動が多く見受けられます。それが国民の消費減退や消費不振となって我が国経済の足を引っ張っておるのが現状であろうと思います。個人のみならず企業もまたしかりであります。見通しの利いた明るい将来展望がなかなか描けない現状の中で、事業規模の縮小や生産拠点の海外移転など、企業のリストラは依然として続いており、正に消費の萎縮と企業のリストラという悪循環に陥っているのが現状であります。
 では、我が国経済社会がこの十年余りの間に急速に厳しい状況に陥ってしまった原因、要因は一体どこにあるのでしょうか。その一つは、この十年余りの間に急速に進んだグローバル化で国際的な価格競争力が著しく低下したことにあります。そしてもう一つは、グローバル化とともに猛烈なスピードで進んできた情報通信技術の発展を始め、少子高齢化社会がますます進展するなど、私たちを取り巻く経済社会環境の急激な変化にあるのではないかと思います。
 本調査会におきましても、これまで経済の活性化策や雇用問題、さらに社会保障制度の在り方等々について、実務経験者始め、大学などの有識者から地域経済の空洞化の現状、厳しさを増している雇用環境や社会保障制度の実情等々について幾多の有益なお話を伺ってまいりましたが、そうしたお話を踏まえた上で、なお私の考えていることの一端を申し述べてみたいと思います。
 ただいま申しましたように、今日の我が国の経済社会を取り巻く環境は、経済社会のあらゆる面でのグローバル化と根本的な構造変化が猛スピードで押し寄せ、ある意味で歴史的な転換点を迎えていると言ってもいい状況であります。しかしながら、現実の私たちの消費行動や生活習慣、さらには企業活動等々は、こうした環境変化に十分に対応したものとなっていないどころか、ある面では依然として旧来型の習慣やシステムの中で行動し、活動していると言っても過言ではありません。換言すれば、私たちの意識そのものが急速に変化する社会の環境に追い付いていっていないということであります。それはまた、角度を変えて見れば、従来の価値尺度や価値観が今日の社会に必ずしも合致していないことを意味しております。
 しかし、それでもなお私たちの周りには、美しい自然とともに、良き習慣、良き伝統が脈々として息づいております。今こそ私たちは、知恵を絞って、それらを巧みに生かしながら、今日の時代に合った新しい価値観を生み出していくことを真剣に考えていくべきであると思います。同時に、それは、これからの我が国社会の進むべき道を考える上で極めて重要な作業であると考えるものであります。すなわち、それは、これまで私たちが過去の高度成長期の過程の中で拡大、拡張を中心として積み上げてきた社会システムやあるいは経済構造、そしてまた地域社会自体のあるべき姿、教育の在り方等々、更に付け加えて申し上げれば社会保障の在り方等々を大きく変えていかなければならないということであります。
 この共通項として底流に流れているキーワードの一つに、私ども日本国民自体のライフスタイルを変えていかなければならないということも私は言えるのではないかと考えております。これまでの成長一辺倒でなく、成熟した社会における真の意味での豊かな社会を構築し、そしてその社会を持続させていくためには、その時代時代の社会環境に適合するようにライフスタイルも変えていくことが極めて重要であると考えるものであります。
 ライフスタイルをどのように変えていくか、いろいろな角度からの議論が必要であろうかと思うわけでございますが、その端緒となるかもしれない一例を皆様方の前に申し上げてみたいと思います。
 これはもう私ども自由民主党の中でも一部取り組んで具現化をしようとしておることではありますが、現在の人々の暮らしぶりを見ますと、特に大都市に住むいわゆる都市生活者は、仕事はもちろん、休日もそのほとんどを都市の中だけで暮らす。一方、大都市以外の地方、特に農村に暮らす人々は、そのほとんどを地域農村の中で暮らす傾向が強いように思われます。しかし、これからは都市生活者と地方生活者との積極的な交流、共生を通じ、言わば都市と農村との共生を図っていくことこそが重要ではないか、これも一つの大きなライフスタイルを変えていく視点になるのではないかと考えるものであります。ストレスが多くゆとりの少ない都市での生活を離れて、しばらくの間でも豊かな自然とゆったりした時間の流れを体感できる農村で生活することが可能な仕組みを作るものと同時に、その逆の仕組みも作ることができれば、都市生活者にとっても、また農村の生活者にとっても、ある意味でライフスタイルの変化につながる大きな意義があると思うのであります。
 現状のまま市場の効率性や生産性だけを追求する施策を推し進めていきますと、地方、特に農村部が取り残される危険は極めて高いと言わなければなりません。同時にその一方で、競争だけに費やされる都市部の労働者、生活者が真の豊かさを感じることができるかどうか大いに疑問であります。同じ日本の国の中でありながら都市と農山漁村が互いの交流もなくある種の断絶にも似た生活、活動を続けたのでは、それぞれが持つ豊かな資源を有効に活用しているとは到底言えません。こういう交流を通じて、新たな自分発見、新たな社会の在り方、そういうことを発見することにつながっていく、成熟社会にもつながっていくのではないかと私は考えるものでございます。
 この都市と農山漁村を共生、交流させることについて、その具体的な方法論等についてはまだまだこれから大きな課題があるわけではございますが、もちろん、本調査会で様々な有識者の方々から伺ったベンチャー企業の育成や新たな企業を起こす社会経済環境の醸成は極めて重要であり、強力に推し進めていくべきことであることは申し上げるまでもありません。しかしながら、私はそれと同時に、人々が豊かさをかみしめつつ我が国経済も活性化させていくことはできないものかと深く考えるものであります。
 これまでも地方では、町おこしや村おこしの一環として都市で生活している人々を農村に呼び寄せようという様々な工夫、試みがされてきました。しかし、それはともすると、都市の生活者がどんなことを望みどんなことをしたいと考えているのかという、言わば相手のニーズを必ずしも十分につかんだものではありませんでした。これからは双方が互いに歩み寄って知恵を出し合い、農山漁村の引く力と都市側の押す力がうまくかみ合うならば、物は動き人も動き、この国の再び活気が出てくる一つの大きな引き金になると考えるものであります。その先に人々が互いに豊かさを感じることができるなら、経済活性化の一つのモデルになるものと考えるものでございます。
 その他、いろいろな角度からの切り口、そしてまた施策も必要になってくるであろうと思うわけでございますが、先ほど申し上げましたライフスタイルを変えるという観点から一つの私なりに考える提案を表明させていただきまして、私の意見表明とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#7
○会長(勝木健司君) ありがとうございました。
#8
○内藤正光君 民主党の内藤でございます。
 今週初め、民主党会派に所属する議員が集まり、それぞれ意見交換をいたしました。それを踏まえて意見をごくごく手短に表明をさせていただきたいと思います。
 これまで政府や学者、あるいはまた経営者等から、日本経済の活性化策を始め、雇用問題、社会保障制度、起業、さらには産業の空洞化などについて多くの有意義な意見を拝聴してまいりました。そして、二年目以降は、これらの有益な意見を十二分に踏まえ、本調査会の原点でもあります真に豊かな社会の構築という軸で再整理し、議論を更に深めていく必要があるというふうに考えます。そして、そのためにはまず、国民が一体どんなライフスタイルを望んでいるのかじっくり考えてみる必要があるのではないかと考えます。
 ライフスタイルは個々人の価値観であり、国会の場で議論すべきことではないとおっしゃる方もいるでしょう。しかし、ライフスタイルと社会保障制度の在り方などは一体不可分のものであり、逆に言うならば、あるべき社会保障制度の在り方を議論するに当たっては、国民が望んでいるライフスタイルを議論するのは十分意味のあることだというふうに考えます。
 例えば、共働きについてです。
 私個人としては、国際競争力の観点から、世界的に見て高水準にある日本の労働コストに対する下げ圧力が働き、好むと好まざるとにかかわらず、今後共働きが普通になってくるだろうというふうに考えます。一家の大黒柱が家族を支えるというライフスタイルから共働きへというものへ変わるならば、当然それに伴って、あるべき社会保障制度や税制も大きな変革を求められることになるでしょう。
 次に、高齢者の就業についてです。
 現行の年金制度や医療制度などは皆、年齢を基準に一律に分けて対応しております。高齢者の高まる就労意識と現行の年金制度などが時として矛盾を生じることさえあります。
 実は私、このゴールデンウイーク、北欧のスウェーデンを訪れ、同国の年金制度などについて調査をしてまいりました。日本の現在の年金制度は、六〇年代、スウェーデンの制度に倣ったものなんですが、日本がお手本といたしましたスウェーデンは、このままでは少子高齢化の進展などに耐えられないとして九九年に年金制度の抜本改革に踏み切ったわけでございます。その新制度には注目すべき点が数々あろうかとは思いますが、高齢者の就業と年金という関係でいうならば、年金の受給開始年齢を保険料を払いながら先へ延ばせば延ばすほど受給開始後の受給額は増える。例えば、受給開始年齢を六十五歳から六十七歳へ延ばすとどうなるかというと、その後の毎年の受給額、二〇%増えるそうです。同様に、六十一歳と六十九歳とで比べてみますと受給額が二倍ぐらい違ってくるというふうに言っておりました。
 これは高齢者の高まる就業意識や価値観の変化にマッチした仕組みだと考えますが、やがて我が国でも年金制度の抜本改革に取り組んでいかなければなりませんが、その前に日本も早急にその前提として高齢者の就業意識を考えてみる、調査してみる必要があるんではないかというふうに考えます。
 また、日本が今後いかなる産業分野で世界に挑んでいくかという戦略も社会保障制度や税制などの在り方に大きな影響を与えるものと思います。
 戦後、日本は物づくり技術を育てていくために、職人一人一人にできる限り長期間一つの会社で働き続けてもらえるよう、会社としては長期就業ほど有利になるような福利厚生サービスを提供し、国としてもそれを制度面からサポートをしてきました。更に言うならば、欧米追随かつ規格大量生産を軸に据えたため、教育についても、自ら考えることよりも知識を重視するものとなってまいりました。
 本調査会では、過日、九州を視察してまいりましたが、そこで私たちが知ったことは、LSIの製造からより付加価値の高いシステムLSIの設計に軸足を移すということでございましたが、もしそうであるならば、当然、教育の在り方も、知識偏重というものから考えることを重視するような教育へと抜本的に見直していかなければならないでしょう。
 さらに、物づくり技術を育てるには、固定的な雇用の確保がある意味で重要でございました。しかし、物づくり技術以外でこれから日本が生きていこうとするならば、固定的な雇用確保という考え方から流動的な雇用確保という考え方に抜本的に改めていかなければならなくなるかもしれません。その際、再教育機関など、それを支えるための仕組みが求められていくことになります。
 最後に、国民が望むライフスタイルというのは、とらえどころがなく非常に扱い難い問題であるというふうに承知してはおりますが、国としても、時代の流れにマッチした制度を、社会保障制度を構築していくためにも、私はこれはライフスタイルを考えるということは不可避な課題であるというふうに、避けることができない課題であるというふうに考えます。
 このことを申し上げ、中間の取りまとめに向けた意見表明とさせていただきます。(拍手)
#9
○会長(勝木健司君) ありがとうございました。
#10
○松あきら君 これは、私の意見として述べさせていただきたいと思います。
 「真に豊かな社会の構築」というのは大変壮大なテーマであると同時に、今ほど残念ながらこれを語るのに難しい時代はないというふうに思っております。やはり、心の豊かさというのは、もちろん人それぞれ、考え方あるいは感じ方、思い方で違うとは思いますけれども、やはりある程度の社会保障を含めた経済的な裏付けがなければやはり、ということは、つまり人並みに暮らせるということがなければ真に心豊かに過ごすことは難しいというふうに思っております。正に、その基盤を作るのは私どもの仕事であるというふうに認識をしております。
 今、国、企業が、それこそ好むと好まざるとにかかわらず、厳しい国際競争を勝ち抜いていくためには、グローバリゼーションが進展する中、勝ち抜いていくためには、これまでの国内ルールでは通用しない時代となっております。正に、真に豊かな社会を構築するためにも、このいろいろな様々な規制というものを緩和して、大きな構造改革をすることがやはり急務ではないかというふうに思っております。
 こうした状況を打開するためには、例えば、総合規制改革会議あるいは経済財政諮問会議等でも六つないし七つの特区ということが表明をされておりますけれども、私自身は、この規制を緩和するということは、つまり規制されている人たちにとっては、これを緩和されるのは非常にまずい、反対であるという、またそういう意見もあるわけでございます。ですから、すべておしなべてやるのは難しい。であれば、例えば沖縄の金融特区もそうでございますけれども、教育特区あるいは国際物流特区、医療特区などの特区というものから始めていくことも必要ではないかなというふうに思っております。
 例えば、今、日本の港は、かつて神戸港あるいは横浜港など世界有数の貨物取扱量を誇りましたけれども、今では香港や釜山に遠く及ばない現状になっております。これは、接岸料も高い、内航海運コストも高い。夜間はもちろん通関、検疫ができない。ですから、二十四時間は駄目です、夜は駄目です。そして水先案内料が高い、そして外国人労働者による荷役の制限、いろいろありまして、例えば、夜遅くなれば日本の港には接岸できない、湾の外で待っているというような、こういうことになれば、例えばこれで世界の国々と競争しようと思うところにもう無理がある。これ、一つの例でございますけれども、そういうことでございます。
 ですから、そういう特区を作っていくと。そして、私は教育特区というのも非常に興味深く思っております。新学習指導要領が実施をされ、三割方いろんな授業が減るということでございますけれども、やはりこれは総合的な学習の時間が導入されたことによりまして、同じ公立学校であっても教師の創意工夫で学校間に差が付く時代となってまいります。私は、しかし、これはこれであるとは思いますけれども、こうなれば東京の品川区のように学区制を外さなければ、やはりこれはお金のある家の子だけが私立へ行けばいいということでは間違いであるというふうに思っておりまして、この辺も一度考えていただきたいなというふうに思います。正に、その上でそれぞれの特性を生かした数学あるいは英語を教える、いろいろな学校の、多様な学校が生まれることも一つ大事ではないかなというふうに思っております。
 そして、日本では、GDPに対する教育費の割合では、実はOECD三十か国のうちで残念なことに最下位でございます。私は、すべての源は人づくりである、人材こそが最大の財産であり、教育は最大の投資であるというふうに思っております。私の持論でございますけれども。
 例えば、OECD平均が五・〇%でございますが、日本は三・五五%ということになっておりまして、ドイツ、イギリス、アメリカ、フランスと比較しても大変に低い水準でございます。やはり私は、これは初等中等教育でございまして、大学以上の高等教育になりますともっと差が付いているという非常に残念な結果が出ているわけでございます。やはり私は、明日への成長力のために、これからは公共事業というものは人に投資をすべきだという考えを持っております。
 そしてまた、今の日本の国は再起可能な社会ではない、やはりこれは再起可能な社会の実現を目指すべきではないかというふうに思います。
 一つは、これは中小企業だけの問題ではありませんけれども、日本の企業の資金調達、なかなか難しいです。私自身は、ミドルリスク・ミドルリターンが非常に望ましいというふうに思っております。やはりほとんどが例えば四%以下で貸すと、やはり五%を超えることはまれです、金利が。ところが、以前問題になっておりました商工ローン、今は四〇%ということはありませんけれども、年利二〇%以上の高い金利に、これは普通の金利で貸してもらえない大多数のところは逃げ込まなければならないという現状があります。やはりこうしたことは、非常に私は、日本の国が回っていくためにはおかしいのではないか。土地を担保に設定するだけでなく、やはりミドルリスク・ミドルリターンの金融を実現することがベンチャー、中小企業支援には極めて重要です。
 それとまた、私は、中小企業の方のみならず、大企業もそうですけれども、やはりこれからは、今まで間接金融が主でしたけれども、これからは直接金融に発展させる必要があるというふうに思っております。
 やはり現状においても、不幸にして倒産された方が身ぐるみをはがされてしまうという状況です。今、残念ながら、ミドルエージの死因のトップは、がんでも脳卒中でもなく、自殺です。すべてが経済的なことが原因ではございませんけれども、毎年三万人に上る方が自殺で命を落とすような社会では真に豊かな社会とは言えないというふうに思います。このために、現在の倒産法制、例えばこれなども見直すことが必要なんじゃないかと思います。
 日本では、差押禁止財産は、衣服、燃料二か月分、最低生活費二十一万、年金等の公的給付受給権となっておりますけれども、例えばアメリカなどは、車あるいは住居などは差し押さえないということになっております。やはり破産した経営者のその後の動向を日米で比較しますと、アメリカでは約半数の方が経営者として再起をする、しかし日本では一割にすぎないわけでございます。やはり、例えばアメリカでは破産もビジネスの経験としてとらえられますけれども、日本ではそうではない、再起が難しいということになります。
 そうしますと、再起が難しいということになりますと、創業ということを妨げ、創業を希望する方のチャレンジ精神というものをつぶしてしまいます。やはり私は、様々な面から再起可能な社会を構築することが必要であるというふうに思っております。
 それから、やはり私は、これからは、もちろん好むと好まざるとにかかわらず、先ほども出ましたけれども、今までは夫一人が家庭を支えているという時代で、ほぼそうでございましたけれども、これからは男女がともに働きながら家庭を支えていく時代になってくるのではないかというふうに思います。これは、ワークシェアリングということも一つのその言葉ですけれども、しかし多様なニーズ、その多様化、つまり労働者の就業に対するニーズの多様化、企業の事業環境の急速な変化に的確にこたえられなければならないというふうに思います。
 ですから、やはり私は、育児休業あるいは保育所の増設、放課後クラブ等々を始め、地方分権、もちろん都市再生、男女共同参画という、そういういろんな観点からも、私は、国民の選択肢を広げるためには夫婦別姓ということも視野に入れた広い意味での私は変革というものを考えていかなければ、真に豊かな社会の構築はあり得ないというふうに思っております。
 以上でございます。(拍手)
#11
○会長(勝木健司君) ありがとうございました。
#12
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 日本共産党を代表して、中間報告に対する意見表明をいたします。
 本調査会は、「真に豊かな社会の構築」をテーマに設定し、今期の調査を進めてきました。経済大国と言われながら、本当の豊かさを実感できないのはなぜか、この国民の疑問に答えるための政治の責任について考えてみたいと思います。
 まず、豊かさとは何かという問題です。
 この点についての参考人の意見は、仕事の場があり、安心して自分の道を選択でき、その能力を発揮できること。また、家庭や地域に非金銭的な豊かさを感じられる場があること。また、自然と共生して生きることができる、それをすべての人が享受することができるなど、大変示唆に富むものでした。
 私も、真に豊かな社会の構築のために国民が求めているものは、物質的な豊かさに加えて、いわゆる物やお金だけでは味わえない、人間らしいゆとりのある、また心の豊かさも十分共有できる新しい社会であると実感しております。
 戦後、半世紀以上、高度な経済成長のみを追い続けてきた日本は、先進資本主義国の中でもいびつなゆがみを持った国となっています。
 その下で、国民生活の実態はどうなっているでしょうか。完全失業者数は約三百八十万人、潜在失業率は一〇%を上回り、十人に一人が失業者という深刻さです。小泉政権の下、大企業のリストラ、不良債権の最終処理による信金信組の破綻が五十八件にも上り、中小企業を直撃して更なる失業者を生み出しています。デフレの悪循環、また、年間三万人を超える自殺者とその遺児の問題、長時間過密労働、少子化の進行、低賃金の女性パート労働者の増大、BSEを始めとする食の安全の問題、地球温暖化など深刻な危機に陥っていると言わざるを得ません。
 自助努力、市場原理を極端なまでに強調し、社会的弱者を切り捨てる小泉構造改革の道を突き進むことは、この一年間の経済実態や国民生活、産業の在り方を見ても、国民が豊かになっていく道とは到底考えられません。根本的な転換が必要です。
 まず、雇用対策と働き方について述べます。
 第一は、新たな失業者を作らない政策への転換です。日本でも、大企業のリストラ規制のルールを早急に確立すべきです。日本の大企業が、この間、内部にため込んだ利益は、二〇〇〇年三月期決算によっても、大企業四百二十社で百二兆円にも上っています。雇用を守るために、経営者としても最大限の努力をする、経営上の都合による解雇は最後の手段、これは近代社会の中で確立してきたルールではないでしょうか。ヨーロッパの多くの国で行われている解雇規制法を我が国でも制定することが必要です。参考人質疑で、企業内労使のみのルールづくりには限界があるので、政労使、公労使での社会的な合意形成の仕組みを作る必要が求められているとの意見は重要だと考えます。
 第二は、雇用を拡大する本腰の取組を行うことです。賃下げなしのワークシェアリングを本格的に実行に移すこと。サービス残業の根絶を行えば、九十万人の雇用を生み出せるという試算もあります。昨年四月に、厚生労働省が労働時間管理徹底の通達を出しましたが、その実効ある対応が求められます。その他、年休の完全取得を進める、教育、消防、介護、医療など国民生活に不可欠な分野での公的な雇用の拡大にも本格的に取り組むべきであると考えます。
 第三は、失業者の生活保障の問題です。この点では、ヨーロッパ並みの水準を目指した抜本的な拡充を行うことが必要です。完全失業者のうち、失業給付を受けているのはわずか三割にすぎません。その最大の理由は、失業給付が最長でも十一か月で切れてしまうことによるものです。失業がホームレスへの転落の不安と背中合わせという国は日本だけです。
 参考人の意見の中で、ドイツの紹介がありました。労働権が保障されていること、正規労働者だろうがパートだろうが、六か月働けば失業給付などの保険が付き、失業しても社会保険の掛金は国が代わって支払う。また、失業給付は三年近く支払われ、保険が切れても失業扶助が支給され、年金にも連動していくという生活の安心の土台が確立していること。また、職業訓練による労働の高度な質の向上を目指す施策もあるということです。同じ先進国として、こうした点を教訓として見習うべきではないでしょうか。
 第四は、男女ともに仕事と家庭に責任が果たせるよう、女性の仕事と母性保護をしっかりと保障し、男性の長時間労働を改め、保育所や学童保育の充実を公的な責任において図るべきです。
 次に、国民生活と社会保障に関する問題です。
 まず何よりも社会保障を充実させ、将来の不安を取り除くことが求められています。構造改革と経済財政の中期展望では、社会保障は可能な限り抑制するとしていますが、これでは将来の不安が増すばかりです。特に、今審議中の健康保険の改正案は、政管健保、組合健保合わせて、保険料の約一兆円増、健保本人と定年退職者の負担を二割から三割へ引き上げ、高齢者に更なる負担を押し付けるなど、空前の負担増を強いるものとなっています。今回の法改正がされれば、更なる受診抑制が起こり、国民の命と健康が脅かされ、とても豊かな生活など保障する道とはなりません。
 健康保険への国庫負担率を八三年の水準に戻すこと、高い薬価を引き下げることなど行うならば、国保の三割負担を二割に、そして老人医療を昨年一月前の定額制に戻すことも可能です。六歳までの乳幼児医療費の無料化には、一千二十億円が必要ですが、これはアメリカ軍への思いやり予算の半分で実現できます。介護保険については、高過ぎる保険料、利用料の軽減や、特養ホームの建設、家族介護の金銭給付など必要との指摘もあり、当然と考えます。
 母子家庭の児童扶養手当の削減と法制度の改悪も重大であり、今国会での強行は許されません。憲法二十五条は、国民の生存権を明記し、社会保障を国の責務としています。この憲法の立場に立って、税金の使い方を大きく変えることで国民の社会保障の向上は十分に可能です。
 次に、景気の回復、産業の空洞化対策の問題です。
 景気回復については、参考人質疑の中で、小手先の景気対策ではなく、消費税減税が有効であるとの指摘がありました。社会保障の充実に加え、三%に戻すことで、GDPの六割を占める個人消費を回復させることが日本経済にとって今すぐ必要な改革です。
 産業の空洞化の問題も、とりわけ深刻です。
 参考人からは、大田区工業会連合会に加盟している下請中小企業などの七九・四%が受注減となり、空洞化の影響が雇用と地域経済に深刻な事態を及ぼしていることが明らかになりました。
 大企業に対しては、リストラアセスメントなどにより、大規模な人減らし、生産縮小、海外進出を計画段階で国と地方自治体に報告させ、その影響を調査した上で計画の変更や中止を勧告できるという法整備が必要と考えます。
 最後に、参考人から、他国を思いやる文化のある日本が強調されました。今審議されている有事三法案は、アメリカの戦争に日本が武力行使を含め参戦するという憲法違反の亡国の道を歩むものです。他国の人々とともに、平和や豊かさを共有できる思いやりの深い国となるよう努力を尽くすことが真に豊かな社会への大前提であることを申し上げて、意見表明といたします。(拍手)
#13
○会長(勝木健司君) ありがとうございました。
#14
○森ゆうこ君 国会改革連絡会の森ゆうこでございます。
 私も、個人的な意見を述べさせていただきたいと思います。
 「真に豊かな社会の構築」、ある見方をすれば、私たちは、かつて理想としていたものをほとんどすべて手にしているとも言えるのではないでしょうか。
 不老長寿という人類不変の夢、これは平均寿命平成十二年で男性七十七・六四歳、女性八十四・六二歳と世界一位。不老長寿という夢を達したかに見えます。そして、戦後追い求めてきた経済的豊かさは、GDP平成十二年四兆三千五百億ドル。これは世界の富の一四%を我が国が占めている。世界第二位。これも夢を実現したと言えるのではないでしょうか。
 それにもかかわらず、真に豊かな社会を求めて今改めて議論しなければならないのは一体なぜでしょうか。かつての目標を達成した日本人が、新たな理想、そして目標を見付けられずにいるからだと思います。
 それでは、私たちが追い求めるべき理想の社会とは一体どんなものでしょうか。
 楽園という言葉があります。楽園では働くことは言わば罪である、そのような考え方だと思います。しかし、このいわゆる楽園の考え方は、日本人にとっては合わないのではないのでしょうか。日本人にとって、生涯現役として社会に貢献でき、そして何らかの形で働き続けることができる、そういう社会が日本にとっては、日本人にとっては豊かな社会なのではないでしょうか。
 特にこれから、高齢者人口が全人口の三分の一になる我が国では、この高齢者の生き方が大きな課題となることは明白です。その方法として、高齢者の生き方を充実させる方法として更なる社会保障制度を拡充することを主張する方もいらっしゃるでしょう。しかし、これは真の豊かな社会をつくるものでしょうか。社会保障は元々主役ではありません。生涯元気でその人らしい活動の場がある社会が理想であり、その理想が全うできないときにお互いに支え合う、それが社会保障だと思います。
 まず必要なのは、生涯、社会で活動することのできる場所、働く場所を確保するための新しい雇用政策であると思います。定年などの現在の労働体系を見直して、そのためには、新しい賃金体系を作り、シニアのための言わば別体系を作るべきだと考えます。
 そして同時に、なかなか小泉構造改革では話題に上りませんが、社会政策としての新しい農業政策を考えるべきではないでしょうか。地域を守り、そして高齢者が生き生きと生きがいを持って働ける場所としての社会政策としての新たな農業政策を考えるべきと思います。
 これは少し言い方が乱暴なんですが、社会保障というのは、多くのお金を投じ、そして政治家にとって、いや、政治屋かもしれませんが、大きな票となることだと思います。しかし、必要なのは、この少子高齢社会に適した社会インフラの整備を主役とした政策を作っていくことだと思います。社会環境の整備に予算を使い、そして政府がその先頭を進んでいくとの姿勢を見せていくべきではないでしょうか。
 高齢者の問題と同様、キーワードはもう一つ女性の問題があります。特に、子育ての期間、産休ではなく、社会のシステムとして再雇用を認める制度を作り、出産、子育ての機会費用は社会が負担することによって少子化に歯止めを掛けることが必要ではないかと思います。そのような社会環境整備を整えるには地域の実情に沿って作るべきだと思います。そのためにも、早急なる地方分権を実現する必要があると考えます。そして今、正社員、パートタイマーで著しく格差のある賃金体系を根本的に見直すべきだと思います。
 ただし、日本が今さらされている国際競争の現状を考えるとき、今まである賃金体系の見直しといいますと、とかくその格差を是正するために、例えば今、正社員の賃金にパートタイマーの賃金を合わせるというような形でやられることが多いわけですが、そうではなくて、全体として、正社員もパートタイマーも含めて、全体として利益を再配分するにはどのようなシステムがいいかという視点が重要だと考えます。
 そして、この日本がこれからの国際競争の中で生き残っていくためには、日本にはそれを引っ張っていくためのリーダーの育成が必要ではないでしょうか。日本は、全体としてはまだまだ他の国に比べて国民の潜在的な能力は高いと思いますが、しかし、先進諸国と比べてキャリアのリーダーシップが足りないのではないでしょうか。キャリアは能力主義でなければなりません。そのために、私たちは学校教育というものをもう一度見直す必要があると思います。今までの結果の平等にこだわった教育ではなくて、社会を牽引していけるリーダーを育てる新しい教育の姿を考えるべきときが来ていると思います。
 以上、簡単ではございますけれども、私の意見表明とさせていただきます。(拍手)
#15
○会長(勝木健司君) ありがとうございました。
 以上で意見の表明は終わりました。
 これより意見交換を行います。
 意見交換はおおむね一時間程度といたしたいと存じます。時間が限られておりますので、委員お一人当たりの発言時間は五分程度までにおまとめいただけますようお願いをいたします。
 なお、御意見のある方は挙手をもってお知らせいただくこととし、発言は会長の指名を待って行われますようお願いいたします。
 それでは、御意見のある方は挙手をお願いいたします。
#16
○日笠勝之君 五人の方の意見表明を感銘深くお聞きいたしました。
 私は、平素の持論的なことを若干申し上げたいと思いますので、これは個別具体的な施策というよりは非常に抽象的な話になるかもしれませんが、少々述べさせていただきたいと思います。
 今回、「真に豊かな社会の構築」という大変壮大なテーマでの今議論をしておるわけでございます。豊かということについて若干考えてみたいと思いますが、これはその時々の社会情勢によって違うんだろうと思います。かつて歴史的に振り返ってみれば、池田勇人元総理大臣のときには所得倍増論ということでございました。宮澤元総理の時代は資産倍増論、小渕元総理の時代は空間倍増論と、こういうことでございましたが、私個人は、現在は心の豊かさ倍増論と、こういうふうな社会にしていかなければならないんではなかろうかと思います。
 それを申し上げると、何か清貧の思想というか、質素倹約をモットーというような感じになるかもしれませんが、決してそういう意味ではございませんで、ある程度の所得だとか資産だとか、それから健康ですね、こういうものが備わった上での心の豊かさということが大事だと思っております。
 もっと翻って言えば、人間なぜ生まれてきたのかというそもそも論からいけば、自己実現、また個の確立ということが達成できる社会というものが真に豊かな社会の構築だろうと、こういうふうに思っておるわけであります。
 そこで、心の豊かさ倍増論ということになりますと、やはりノーブレスオブリージュということで、地位ある者は貢献をしていくと、こういうふうな生き方というものも非常に大切なんじゃなかろうかと思います。
 二十一世紀のキーワードは、恐らく環境ということだろうと思います。すなわち、地球益だとか人類益だとか、そういうことを優先していけるような心ばえといいましょうか、一人一人の考えというものが大切になってくる社会ではなかろうかと思います。
 今、国会でも京都議定書のこととか地球温暖化のことが議論されておりますけれども、そういう意味では、これからの社会すべてはキーワードは環境と、こういうようなことであろうかと思いますので、そういう意味では、先ほど申し上げました、そういう中でどういう貢献ができるか。NPOなりNGOなり、またボランティア等も、こういう立場で、人それぞれのできる立場で貢献をしていけるような、そういう社会へインセンティブを持って誘導していかなければならないと思います。
 また、去年は文化芸術振興基本法というような法律もできましたので、こういう心の豊かさを更に倍増させるような法律もできましたので、是非それらも活用しながら、地域において、また家庭において、個人においてもこれらが発現できるような社会へ持っていかなければならないのではなかろうかと思います。
 最後に、やはりライフスタイルというものが大変大切でございます。
 都市と農村の交流については、先ほど北岡理事からもお話ございました。私も、かつてソ連が崩壊する前にソ連に行ったことがございますが、いわゆる食料不足で難民が西ドイツへ押し掛けるのではないかと、こういうことが連日日本のテレビ、新聞でも言われておりましたけれども、結論からいうと一人も行かなかったというのが現実でございます。
 なぜかならば、土日はモスクワの駅から汽車で一時間以内のところにダーチャという、いわゆる菜園付き小屋ですね、別荘とは言いません、小屋が延々とあります。そこで土日は野菜を作ったりしながら、それを持ってまたモスクワへ帰ってくるということで食料不足は何もないということで、冷蔵庫には野菜が一杯あると。そういうふうなのをテレビで見ましたけれども、正にそういうふうな土いじりといいましょうか、農村におけるそういう菜園付きコテージ、小屋、別荘といいましょうか、そういうものを大いにやっていただいて、町の方が土日には行くと。
 反対に、土日には俗に言う農村の方が都市部へ来て、ワンルームマンションでも結構です、レンタルリースでも結構です、買っていただいても結構です、そこを基点にして、文化芸術の振興ですから平素見れないような映画だとか劇であるとかオペラだとかショッピングだとか大いに楽しんでいただくと。そういう都市と農村との交流ができるような税制上、財政上の何らかの措置をこれから考えていくということも心豊かさ倍増論の一環ではなかろうかと、かように考えておるところでございます。
 時間が来ましたので終わりますけれども、いずれにいたしましても、幅広いテーマでございますので、雇用の問題、ワークシェアリングでございますけれども、是非オランダ型のようなそういうワークシェアリングになるように、政労使の三者会談、合意がもっともっと進んでいく、そして法改正もできるような、そういう立場で私たち国会議員も頑張らなきゃならないのではなかろうかなと、こういう所感を持っております。
 時間が来ましたので以上で終わります。
#17
○会長(勝木健司君) ありがとうございました。
#18
○畑野君枝君 本調査会でいろいろ議論がされてきたというふうに思いますけれども、私はやはり……
#19
○会長(勝木健司君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#20
○会長(勝木健司君) 速記を起こしてください。
#21
○畑野君枝君 それで、二十一世紀の今後の在り方について、私は一つは雇用不安の問題、それからもう一つは将来不安の問題、その解決が必要ではないかということを申し上げたことがございます。それに対しまして、参考人の方からは、例えば一生を通して国は安定的な基礎的なことはちゃんと人間の尊厳を尊重してやりますよということが必要ではないかと。そういう点からいえば、日本は決して豊かな国ではないという御発言もいただきました。私は、この雇用不安や将来不安を本当に解決していくということが必要ではないか、それが真に豊かな社会の構築に当たって日本が今直面している現状を克服する上で重要なポイントではないかというふうに考えているところです。
 最近、日本の最新の将来人口予測が出されまして、私も社会保障・人口問題研究所の方からお話をいろいろと伺いました。これは、更に深刻な少子化の状況が進んでいるという話でありまして、二〇五〇年には八千九百七十万人、それが三〇〇〇年になりますと百二十二人、日本人口が百二十二人、三三〇九年には一人になって、三三八七年にはゼロになる、本当に日本国民が滅亡してしまうと、こういう資料も、最新の状況を見せていただきました。
 こういう状況を放置して日本が豊かか豊かでないかということはもう論じられないわけですから、この点では真剣にこういう現状の打開を考えていかなくてはいけないときではないかというふうに思っているんですけれども、なぜこういう少子化の状況が進んでいるのかというのを、大変示唆に富むお話を伺いました。それは、一九六〇年代以降の若い方たちが、これまでは非婚、結婚しないということが主な理由だったのですが、それに加えて結婚しても子供を持てない状況が進んでいるんだという新しい分析結果が出されたというんですね。
 これを本当に変えていくためにどうしたらいいのかというお話が担当者の方からございまして、一つは、女性が結婚退職したりあるいは出産退職をしますと、正規社員で一生、定年まで働いた場合と比べて失う収入というのが、これは西山議員も紹介していましたけれども、生涯四千四百万円とか五千万、六千万、こういう状況がグラフで具体的に示されました。例えば、アメリカにいたしましても、いったん出産のときに仕事を休んでも正規社員で戻れるというんですね。北欧などではその間は、子育てしている間はワークシェアリングとかしながらも、やはり正規社員で定年退職まで女性が働ける。それに比べると、日本の場合はいったん退職してしまうと戻れるのは本当にパート中心という特殊な状況がある。こういうことをきちっと解決しなくてはいけないのではないかという提起をいただいたんです。
 それからもう一つは、保育のキャパシティー、容量を、これをきちっと保障すれば出生率は増えるというシミュレーションも教えていただいたところなんですね。例えば、二〇一〇年には保育のキャパシティーが改善されれば四万人出生数が増える、出生率も〇・〇五ポイント増えると、そういうような紹介もいただきました。
 ですから、本当に百年単位とか大きな話にはなりますけれども、今後の日本の在り方を考えていく上でこうした雇用の問題、あるいは社会保障を含めた問題の解決というのが重要になってきているのではないかというふうに思っているところです。
 それで、そういう点では私も質問の中でも触れましたけれども、やはりヨーロッパなどと比べて後れている日本のパートの待遇を、処遇を改善していくという点では、既にILOのパート条約、日本は批准しておりませんけれども、こうした批准の問題、あるいはそうした法的な整備というのが当然必要になってくるのではないかというふうに思っております。
 それから、時間がもう最後になりましたけれども、空洞化の問題、日本の経済の問題との関係で一言申し上げておきたいと思います。
 大田区の工業連合会からもお話がありましたが、日本の中小企業の役割、大変大きな集積を含めて、日本の産業に大きな役割を果たしている。ここへの支援がまだまだ弱いのだという要望もありました。私は、やはり為替レートと併せて、日本の場合は、その国の賃金でどれぐらいのものを買えるかという購買力平価との乖離が非常に高くなっていると。だから、日本の賃金というのは世界一高いと言われてきたけれども、それは為替レートでいえば高いかもしれないが、実際の購買力という点から見れば、この十年間最も先進国の中では賃金の伸び率は低いと、こういう状況にあるわけですね。こういう問題もきちんと是正するということが必要になってきているのではないかというふうに思います。これは空洞化との関係でも関連をしていることではないかということで、一言申し上げておきたいというふうに思います。
 今後、二十一世紀は、国際交流が進む中でいろいろな外国との交流も進んでいくと思います。そういう中で、もちろん不況の問題にとどまらず、環境問題ですとか、あるいは南北格差の問題、いろんな問題が生じてきているわけですが、そういうものを、二十世紀に作ってきた人間同士、世界同士の人間的な交流、連帯とか、それから社会への責任の果たし方、これは大企業を先頭にやるべきだと思いますが、そうした責任を果たしていく問題、本当に人間の尊厳が尊重されるような、そういう二十一世紀の社会に日本が大いに貢献していく、それが正に真に豊かな社会の構築の在り方ではないかということを申し上げて、一言意見とさせていただきます。
#22
○会長(勝木健司君) ありがとうございました。
#23
○本田良一君 私は、この間もちょっと申し上げましたけれども、もう確かに生活、今日の理事の報告の中にもありましたが、生活が豊かであること、それが経済的に、それが重要だ、それが裏打ちされることによって豊かな人間社会となるとおっしゃっておられました。
 それは確かに重要なことですね。だから、今までの参考人の質疑も、日本の経済の再生とか、個人のいわゆる生活が、賃金によってライフスタイルが豊かになるとか、こうありました。しかし、豊かということは、本当に富める者が豊かさを感じるものなのか、余り経済的に富めなくても豊かであるのか。この二つは、私はいずれにしろどちらでも味わうことができると思います。
 だから、日本はもうそろそろ、生活の糧を得るためから、豊かさを心で求められる、そういう時代に来ているんではないかと。そうしたら、これは心で求める豊かさをどう作り上げるか。これは、ひとつの習慣とか倫理観とか、何といいますか、そういうものを作り上げて社会が今からいく、そうするとその豊かさも味わえるんではないかと思いますね。
 これは何を言わんとするかといえば、まず人口としてとらえますと、この間ある学者が、日本人は極めて恵まれた人口の中に入るということを参考人が言っておられました。これは、世界の人口が今六十億近くあります。ところが、その中で豊かな人口といえば約三億。アメリカの二億のうちの半分の一億。日本の人口の一億は大体丸々入ると言われますね。ヨーロッパのEUの一億。この三億が世界の中で豊かな、極めて豊かな人口だと。あとの五十七億をこの三億で支えていかなくちゃいけない。そうしたときに、日本はそういう五十七億の人口に恩恵を与える一つの大きな役目をもう持っているわけです。
 だから、我々日本人が、経済的な豊かさだけを求めるために、私は経済の再構築を言ってずっと委員会でも質問をしておりますけれども、豊かな社会を作るという、今回のこの調査会では、もうそれだけを求めていく、別な方にもう一つそういう心で豊かさを感じるものを作り上げていく、そのためには社会のそういう貢献をするシステムを作る、このことが重要だと。
 ヨーロッパは、既に皆さんも御参加の例えばライオンズという組織があります。これはヨーロッパ人が考えた社会貢献の一つの大きな、経営者たちが社会貢献をそれによってやっております。ロータリーとか、極端には日赤、赤十字ですね、ナイチンゲールの、ボーイスカウトとか、こういうヨーロッパ人の発想でそういう社会貢献のシステムが既に長い歴史の中で、貧しい中でもそういうシステムをヨーロッパ人は作り上げてきました。
 日本が発信をして、そういうシステムを世界に作り上げているのが今ありますでしょうかね。ないですね。海外協力隊が一つ、私は特筆するのは強いて言うならあると思いますが。今やっと個人ではNPOというのが、この五年間国会でも論議をされてでき上がってまいりました。
 だから、企業は、そういう企業家たちは、ライオンズ、ロータリー的な精神で社会に貢献をすると。日本の企業は、ずっと戦前も戦後も、ただもう世界に輸出をするだけでやってまいりました。だから、企業が何かの財団を作っていろんなことに社会貢献をする、そうすると豊かになると思います、企業の精神は。
 私たちも、経済的なことを求めておりますが、一方、私はライオンズに入っておりますが、ライオンズで何かの奉仕活動をやります。そうすると、奉仕活動をやったその一日は非常に豊かですね。豊かさを感じることができるんですよ。奉仕活動をやることによって、ああ、本当に自分は何か豊かな、ゆとりのある何かをやったなというのを感じます。
 だから、そういう、やったな、豊かさを感じることの、やったなというのを感じる、そういうシステムを日本はもうそろそろ作り上げていかなくちゃいけないと。経済的なことを追求しながらも、それがさっき言った、世界の人口の中で恵まれた、極めて恵まれた人口の中に入っておりますから、世界にそういう社会的な貢献をするためにはそういうシステムを作る、個人はNPOでそういうシステムを作って、これは自分で、個人で考えたっていいわけですから。そして奉仕をすることによって豊かさを心で感じ取る、そういうことをこれからやっていかなくちゃいけない時代にもう来ておりますし、私はこれはもちろん遅いと思っているんだけれども、私はずっとこれを言い続けてきている一人の、二十年近く言っておりますが、社会に貢献を何かやらなくちゃいけないと。人間が生きている以上は社会に貢献をする。そのためには、心で感じる、その心で感じることは奉仕だと。奉仕の精神、それを、だから、大きな、金がなくてもいいんですよ、何かのことをやれば、奉仕をすれば、本当に奉仕をしたときの一日は心さわやかです。
 だから、そういうシステムを作り上げるために、政治家として国会の中で、いろんな参考人の意見を聞きましたけれども、もうそろそろそういう社会貢献のシステムを日本全体に呼び掛けて、それが一つの日本国民の倫理観となって、いろんな方がNPOを作り、あるいは企業は財団を作って社会貢献をする、そういうライフスタイル、企業スタイルに変えていく。そういうことが今から問われると思いますので、今後、参考人招致の中では、そういうことを頻繁にやっている企業とかあるいは個人、そういう人たちを呼んで参考人を招致していただきたいと思います。
 以上です。
#24
○会長(勝木健司君) ありがとうございました。
 御意見のある方は挙手をお願いいたします。
 他に御発言がないようですので、以上で委員間の意見交換を終了いたします。
 皆様方から貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。本日の調査会を踏まえまして、理事の皆様と共々十分協議の上、初年度の中間報告書案を作成してまいりたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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