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2002/03/22 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
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2002/03/22 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号

#1
第154回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
平成十四年三月二十二日(金曜日)
   午前九時五十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     木俣 佳丈君     浅尾慶一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 雄平君
    理 事
                中川 義雄君
                脇  雅史君
                海野  徹君
                渡辺 孝男君
    委 員
                後藤 博子君
                佐藤 泰三君
                伊達 忠一君
                仲道 俊哉君
                西銘順志郎君
                日出 英輔君
                森田 次夫君
                浅尾慶一郎君
                岩本  司君
                佐藤 泰介君
                遠山 清彦君
                紙  智子君
                小泉 親司君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       国務大臣
       (沖縄及び北方
       対策担当大臣)  尾身 幸次君
   副大臣
       内閣府副大臣   熊代 昭彦君
       外務副大臣    杉浦 正健君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        嘉数 知賢君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        安達 俊雄君
       内閣府沖縄振興
       局長       武田 宗高君
       内閣府北方対策
       本部審議官    坂巻 三郎君
       総務大臣官房審
       議官       高部 正男君
       外務省欧州局長  齋藤 泰雄君
       厚生労働大臣官
       房審議官     三沢  孝君
       国土交通省総合
       政策局次長    伊藤 鎭樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十四年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十四年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(内閣本府(沖縄振興局)、北方
 対策本部、沖縄総合事務局)及び沖縄振興開発
 金融公庫)
○沖縄振興特別措置法案(内閣提出、衆議院送付
 )

    ─────────────
#2
○委員長(佐藤雄平君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日、木俣佳丈君が委員を辞任され、その補欠として浅尾慶一郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤雄平君) 去る三月十九日、予算委員会から、三月二十二日の一日間、平成十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄振興局)、北方対策本部、沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
    ─────────────
#4
○委員長(佐藤雄平君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官安達俊雄君、内閣府沖縄振興局長武田宗高君、内閣府北方対策本部審議官坂巻三郎君、総務大臣官房審議官高部正男君、外務省欧州局長齋藤泰雄君、厚生労働大臣官房審議官三沢孝君及び国土交通省総合政策局次長伊藤鎭樹君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(佐藤雄平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(佐藤雄平君) それでは、委嘱されました予算について尾身沖縄及び北方対策担当大臣から説明を求めます。尾身沖縄及び北方対策担当大臣。
#7
○国務大臣(尾身幸次君) 平成十四年度内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算につきまして、その概要を御説明いたします。
 初めに、沖縄関係予算について御説明いたします。
 内閣府における沖縄関係の平成十四年度予算の総額は三千百八十六億五千百万円、前年度当初予算額に対し九一・三%となっており、平成十三年度補正予算を含めた一体予算としては三千五百二十三億二千二百万円、前年度当初予算額に対して一〇一・〇%となっております。
 このうち、基本的政策企画立案等経費の予算額は二百七十四億九千万円、前年度当初予算額に対し一〇九・九%となっており、沖縄振興計画推進調査費、沖縄の観光をデジタル映像により訴えるデジタルアーカイブ整備事業及び沖縄での情報通信関連企業の起業・進出を進めるためのIT産業振興設備整備事業を始めとする沖縄における産業振興関係経費、普天間飛行場等駐留軍用地跡地利用推進関係経費、沖縄懇談会事業、沖縄北部特別振興対策事業等の実施経費等を計上しております。
 次に、沖縄振興開発事業費の予算額は二千八百四十五億二千三百万円、前年度当初予算額に対し九〇・八%となっております。
 その内容は、交通体系の整備、水資源の開発、住宅・上下水道・都市公園等の生活環境施設の整備、農林水産業や教育・文化の振興、保健医療対策等、産業振興や生活環境の改善に資する公共投資を中心とするものであり、その中で沖縄工業高等専門学校の建設、平良港外貿ターミナルの整備を始めとする新規事業や沖縄都市モノレールの整備、国立組踊劇場の建設等、継続事業に係る所要の予算が計上されております。
 続きまして、北方対策本部予算について御説明いたします。
 内閣府北方対策本部の平成十四年度予算総額は十億九千九百万円、前年度当初予算額に対して九三・八%となっております。
 このうち、北方領土問題対策に必要な経費は九億六千二百万円、前年度当初予算額に対し九二・四%となっており、衛星画像に基づく北方地域の土地利用状況分析等の北方地域総合実態調査経費を計上しております。
 次に、北方領土問題対策協会補助経費は九億一千万円、前年度当初予算額に対し九三・〇%となっており、北方領土問題の解決促進のため、全国的な規模で行う啓発事業、北方四島交流事業、北方地域元居住者に対する援護措置等を行うものであり、その主なものとして、次代を担う世代の人材育成として青少年に対する研修等の実施、元島民三、四世向けの北方領土問題解説資料の作成など、事業に係る所要の予算を計上しております。
 以上で、平成十四年度の内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#8
○委員長(佐藤雄平君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○森田次夫君 自由民主党の森田次夫でございます。
 尾身大臣、熊代副大臣、嘉数政務官、そしてまた各省庁の皆様、連休の谷間の中、大臣等連休はないんだと思いますけれども、本当に御苦労さまでございます。
 最初に、沖縄関係について大臣に幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 かつての大戦で、沖縄というものは唯一地上戦が行われまして、軍人軍属あるいは住民を巻き込みました壮烈な戦争が展開をされまして、そして二十万以上の尊い方々がお亡くなりになっておるわけでございます。また、戦後は二十七年間アメリカの施政下に置かれ、そして、安全保障の問題等あるとはいえ、米軍基地の七五%が沖縄に御負担いただいておる、こういうことではなかろうかなというふうに思います。そうしたことで、沖縄につきましては、インフラの整備あるいは経済発展、こういったところに影響を与えてきた、これもまた事実であろうと思います。また、政府といたしましても、私と同じような認識を持っておられるんではないのかな、このようにも拝察を申し上げる次第でございます。
 そうしたことで、私は沖縄に対しては前々から特別な思いを持っておりました。毎年、沖縄終えんの六月二十三日には、糸満から摩文仁の丘までの、十キロでございますけれども、平和と慰霊の行進に参加をし、そしてその後、県主催の戦没者追悼式、こちらの方に参列をさせていただいております。そうした、私は特に沖縄に対する思いというのは特別な思いがある、このことをまず申し上げさせていただきたい、このように思うわけでございます。
 そこで、前が長くなりまして恐縮でございますけれども、佐藤委員長にちょっとお願いをいたしたいことがございます。
 委員長、既に御承知かと思いますけれども、予算委員長から委員長に対する委嘱でございます。この中でもって、内閣府所管の中の政策統括官の予算というのが二百十五億円あるわけですけれども、これが真鍋委員長から佐藤委員長に出された委嘱状ですけれども、この中に含まれていないという問題です。総合事務局の方は予算が百四億ですけれども、政策統括官の方は二百十五億円、倍以上あるわけですので、これは来年のことになると思いますけれども、やっぱりしっかりこの中に書き込んでおいていただいた方がいいんではないのかな、こういうふうに思います。
 安達統括官のところの担当になるんではないかなと。統括官自身としては関係ないことかも分かりませんけれども、来年はひとつ注意深くごらんになっていただきたいと、まずもってそのことをお願いをしておきたいと思います。
 そこで前置きが長くなりましたが、早速質問の方に入らせていただきたいと思います。
 本年は沖縄復帰から三十周年の節目の年であるわけでございますけれども、そうしたことで、今回の国会におきましては新たな沖縄振興のための特別措置法が提出され、来週から参議院で審議がなされるんじゃないか、このように思っておるわけでございます。
 そこでお伺いをするわけでございますけれども、十四年度から沖縄開発の根拠法となる沖縄振興特別措置法、まだ今のところは成立をしていないわけでございますけれども、また新しい沖縄振興計画も決定されるんではないだろうか、このように思うわけでございます。そうした中でもって新年度を迎えるわけでございますけれども、その質問の一つは、平成十四年度予算に計上されました沖縄振興開発事業費の予算、二千八百四十五億円でございますけれども、そういったことで、どのような形でもってこれが執行されるのかなということが一点。
 それからまた、十四年度予算及び新法の年度内成立と新振興計画の早期策定が沖縄経済にとって喫緊の課題と思いますけれども、新計画、これはいつも大体、前回の三次振計については九月ごろ、そして二次振計については八月ごろに策定されたんではないかと思いますけれども、いつごろ今回はそういったことが策定されるのかどうなのか。
 その二点について大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#10
○国務大臣(尾身幸次君) 沖縄経済の発展のために沖縄振興計画ができるだけ速やかに決定されることが望ましいという森田委員のお考えに私も全く実は賛成でございます。
 現在、今、今日、本会議で可決していただけると思いますが、沖縄振興特別法案の審議をお願いをしているわけでございますが、私どももこの振興計画、法案に盛り込まれた振興計画が一日も早く決定できるよう、今、事前の準備作業を進めているところでございます。
 ただ、この手続がかなりありまして、沖縄振興特別措置法、今、年度内成立を是非お願いをしたいと考えておりますが、施行期日が四月一日ということになっております。そういう案になっているわけでございますが、施行されて以来、正式手続に入るわけでございますが、振興計画は、沖縄県が原案を作成をして、それを受け取って国が計画を作るということになっているわけでございますが、沖縄県が原案を作成する段階で、沖縄県の審議会がございまして、その審議会におきまして各界の御意見を伺うということをしていく、その後、沖縄県の計画案を引き取った後、今度は政府の方で沖縄振興審議会を開催をいたしまして、その意見を聴いて正式に内閣総理大臣としての計画を策定すると、こういうことでございまして、このプロセス、数か月要しますので、できるだけ早めて、七月ぐらいまでには振興計画が決定できるよう全力を挙げていきたいと考えている次第でございます。
 それから、十四年度の沖縄振興に係る予算につきましては、いわゆるこの過去二年間にわたるポスト三次振計の検討の中で将来展望を行いながら予算要求を行ってきたところでございまして、私どもとしては、この新しい沖縄振興計画と矛盾するものではないというふうに考えておりまして、このために、予算成立後、通常の手続を経て逐次執行していきたいと考えている次第でございます。
#11
○森田次夫君 大変御丁寧な御答弁、ありがとうございました。
 そこで、新法では「沖縄振興計画」と、このように法文化されておるわけですが、現行法を見ますと、沖縄開発計画と比較すると、「開発」という用語が今回から削除されておると、こういうことでございます。これも、復帰三十年経まして、開発は三次振計で終わりだ、これからは振興ですよと、こういうような思いもあってではないかと、これは私は、推論でございますけれども、そんなように思うわけでございますけれども、それは法案の審議の方に譲りたいというふうに思います。
 そこで、一つだけお伺いしたいと思うんですが、内閣府の概算要求の決定額、いわゆる沖縄担当部局のその説明資料によりますと、沖縄振興開発事業費、二千八百四十五億円、このようになっております。また、十四年度の一般会計予算でも沖縄振興開発調査委託費という項目が見られるわけでございます。これには開発、開発と費目にはあるわけですけれども、新法の計画にはそういったことが入っていない。これをどのように理解したらいいのかなと。沖縄振興と沖縄振興開発の違い、これについて法律と予算の両面からひとつ御説明をいただければと、このように思います。よろしく。
#12
○政府参考人(安達俊雄君) 現在の沖縄振興開発特別措置法に代わりまして沖縄振興特別措置法の御検討をお願いしているわけでございますが、この趣旨として、「開発」という用語よりもむしろ「振興」という用語に開発の意味も含めて今後の取組を象徴させることがより適当ではないかという判断もございましてこういう名称にさせていただいているわけでございますが、片や、御指摘の点ではございませんけれども、沖縄公庫につきましては「開発」という言葉が依然としてございますし、また予算の関係につきましても「開発」という言葉は出てまいります。
 開発ということを私ども否定しているわけではございません。開発に係る事業というものはこれからもございます。この沖振法としての用語としては、「振興」という言葉の中に開発の意味も含めるという、そういうことでやらせていただいておりますが、個々の事業ということになりますと開発という側面は今後ともあるわけでございますので、そういった部分においては「開発」という言葉が今後とも使われる局面はあろうかと理解しているところでございます。
#13
○森田次夫君 振興の中に開発というものもこれから含まれるんである、これから開発していかなくちゃいかぬものもあるんですよと、こういう意味だろうと思います。そうしたことでもって理解をさせていただきました。
 次に、時間もございませんので、北方問題。両方お聞きしなければいけないんじゃないかなと思いますので、北方領土問題についてちょっと二、三、御質問をさせていただきたいと思います。
 一九九七年十一月のクラスノヤルスクの合意でございますけれども、これが二〇〇〇年までにできなかった。そうしたことから、元島民は言うに及ばず、国民の間にも失望感が漂っているんじゃないかと、こんなようにも思うわけでございます。
 こうした状況下で、尾身大臣も、昨年十月の二十四日の当委員会の中での所信の中でこういうふうにお述べになっておられます。歯舞、色丹の議論と国後、択捉の議論を同時かつ並行に進めることでおおむね一致したと、このように述べられており、同時並行で進められるものと私どもとしては期待をしておりましたが、御承知のとおり、ロシア側からこれを、突然といいますか拒否をしてきたと。誠に遺憾であるわけでございます。
 今回のロシアの反応を見ますと、対ロ交渉の甘さというものもあったんではないのかな、こんなようにも思うわけでございます。
 このように、北方領土返還に向けての前進が見いだせない状況下では返還要求運動の落ち込みも懸念されますが、この北方領土というのは、我が国の固有の領土であり、国の主権にかかわる基本的な問題であると、このように思うわけでございます。そしてまた、戦後、積み残されました大きな問題、これは、私は靖国神社の問題と北方領土の問題、この二つだと、このようにも考えておるわけでございます。これからも、ひるむことなく粘り強い運動を展開していかなければならぬではないだろうかな、こんなようにも思うわけでございます。
 担当大臣として、北方問題に対する取組姿勢、特に予算を伴う問題等もございますが、今後の国内世論の啓発など、どのように進めていくおつもりか、その辺、ひとつお聞かせをいただきたいと、このように思います。
#14
○国務大臣(尾身幸次君) 北方四島の帰属の問題を解決して日ロ平和条約を締結し、両国の間に真の相互理解に基づく安定した関係を確立するということが我が国の一貫した基本方針でございます。
 北方領土問題は、独立国家としての国家存立の基本にかかわる問題でございまして、あくまでも不法に占拠された北方領土を返してもらうことが平和条約締結の前提条件でございまして、日本の国家としての基本原則は変わることがないと考えております。このような基本的立場に立ちまして、国民世論の高揚を図り、北方領土返還の実現を目指して今後とも全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 この国民世論を結集して返還要求運動を強力に展開していくためには、北方領土についての正しい理解と認識の下に、少しでも多くの国民の皆様、特に次代を担う若い方々にもこの運動に積極的に参加していただくことが特に重要であるというふうに考えている次第でございます。
#15
○森田次夫君 是非ともそういった基本方針で進めていただきたいというふうに思います。
 そこで、北方領土の返還に向けての環境整備といいますか、特に北方四島住民支援事業をめぐりまして、鈴木宗男議員に関する数々の疑惑が指摘されていることは誠に残念であるわけでございます。四島住民への支援の不透明さが今回の疑惑の一因となっているんじゃないかと。そうしたことでもって、支援委員会の見直しあるいは廃止等が検討されているわけでございます。透明性の確保の問題は、ただ単に四島住民支援だけの問題ではなく、政府すべての事業にかかわる問題だろうと、このようにも思うわけでございます。
 大臣としまして、領土問題にかかわる北方対策本部の予算執行の透明性の確保について担当大臣としてどのようにお考えか、御所見を承りたいと存じます。
#16
○国務大臣(尾身幸次君) この支援委員会の担当は外務大臣でございますが、私ども内閣府といたしましては、北方領土返還についての国内の広報啓発事業、北方四島との交流事業、元島民に対する援護事業等を推進しておりまして、この事業の大宗は特殊法人の北方領土問題対策協会に対する補助事業として行われているわけでございます。
 もとより、この種の事業、できるだけ透明性を確保して国民全体の皆様の御理解をいただきながら進めることが極めて大事であると思っておりまして、今、森田委員のおっしゃいましたようなことを特に配慮していきたいと考えている次第でございます。
#17
○森田次夫君 支援委員会、外務大臣の所管ということも私、新聞等で知っておりましたけれども、例としてちょっと入れさせていただいたわけでございます。
 そこで、三番目でございますけれども、これまで、返還実現のためには北方四島の環境整備が重要であると、こういった視点からロシア住民に対しまして手厚い支援が行われてきたんではないのかな、このように思うわけでございます。
 そこで、反面、我が国の支援によってインフラだとか環境が良くなったことで生活が向上し、そして、安定することによってますますその返還が遠のいてしまうんではないかな、私はそういうことを危惧するわけでございます。居心地がいいと申しますか、居心地が良くなったんだとしたら、もう返さなくていいわ、我々でもうそこのところの国にしちゃえと、こういうふうなことになってしまうんじゃないかなと、そのことを一つ危惧するわけでございます。
 一方、元島民らが多く暮らします根室市など北方領土の隣接地への振興策は、これ、どうかといえば、基金の果実、いわゆる百億円の基金があるそうですけれども、金利が非常に低下しておる、こういうこともあって決して十分ではないんだと、こういう声が多いというふうなことも聞いております。返還運動を更に継続発展させていくためには、運動の中心的存在である元島民らに負うところというものも非常に大きいんではないか、このようにも思うわけでございます。
 そこでお伺いをするわけでございますけれども、元住民らの援護について今後どのように取り組んでいくつもりか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
#18
○政府参考人(坂巻三郎君) お答え申し上げます。
 全般の構図をまず御説明をさせていただきたいと存じますが、北方領土問題の解決の促進のための特別措置に関する法律に基づきまして、元島民の方々が多くお住まいになっております北方領土隣接地域の振興につきましては国土交通省、特に北海道局、それから、地方債等々につきましては総務省が所管をしているところでございまして、一方、国民世論の啓発、元島民に対する援護措置につきましては私ども内閣府が分担をするということでやらせていただいておるところでございます。
 また、お話にございました北方領土隣接地域振興基金、いわゆる北方基金でございますが、国が百億円の基金のうち八十億円を補助して北海道に地方自治上の基金として設置されたものでございまして、北海道が私どもと国交省の監督の下に管理運用をしているところでございます。
 地元の振興、また元島民の方々の援護につきましては、北方領土問題対策協会によります融資事業、それから相談員の設置、自由訪問の推進等々、地元からの御要望を踏まえ、国交省、北海道等関係機関とよく連絡を取り、地元の実態も踏まえながら、効果的に事業の実施がなされるよう配慮してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#19
○森田次夫君 基金の百億、これは北海道の方で管理運営をされているそうでございますけれども、非常に運営の果実といいますか、それも少ないわけでございます。
 そうした中で、百億のうちの果実、八割は国交省関係、そして北方関係は二割だと、こういうふうなこともお聞きしているわけなんですが、大変厳しい経済状況、財政状況の中だと思うんですけれども、基金の見直しだとか増額だとか、そういったことは考えていないのかどうか、最後にひとつお伺いをしたいと思います。簡単で結構でございます。
#20
○政府参考人(坂巻三郎君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、最近の低金利によりまして北方基金の運用益が減少傾向にございまして、地元等から基金の増額要望、その御指摘があることは承知しているところでございます。ただ、遺憾ながら、財政状況も非常に厳しいということもございまして、基金の増資等については非常に難しゅうございますが、私ども内閣府といたしましては、今後とも基金の安全で効率的な運用とともに、地元の実態を踏まえた、より効果的な事業の実施について基金を管理運用している北海道に対し必要なアドバイスをさせていただくこと等によりまして、運用益の確保、事業の円滑な実施についてぎりぎりの努力をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
#21
○森田次夫君 よろしくどうぞお願いを申し上げたいと思います。
 次に、DNAの鑑定につきまして御質問をさせていただきます。あと十一分しかございませんので、少しスピードアップをさせていただきたいと思います。
 そこで、さきの大戦では二百四十万の方々がお亡くなりになられ、そして遺骨が返ったのはその半分ぐらいであるというふうに、あとは各南溟の戦域の地あるいは海深くそのまま放置されたままになっておる、こういうことでございます。
 そこで、南方地域はなかなか難しいのかなというふうに思うわけですけれども、旧ソ連邦、それとモンゴル、これにつきましては埋葬地図等もある部分もあるわけですね。ですから、ある程度はその身元が判明する遺骨もあるんではないだろうかな、このように思うわけでございます。
 そこで伺うわけでございますけれども、旧ソ連邦等において収集された遺骨については、遺族の心情に配慮して、一日も早く遺族の手元に返られるよう、今DNA鑑定というのは非常に進んでまいりましたものですから、それの活用を促進すべきじゃないかと、このように思うわけでございますけれども、厚労省にお尋ねをいたします。
#22
○政府参考人(三沢孝君) お答え申し上げます。
 戦没者遺骨の特定をするためには、DNA鑑定、非常に有効な手段と、こう考えられておるところでございます。そういうことから、DNA鑑定につきましては、平成十一年度から御遺族の方々が、これは誠に恐縮なんですけれども、自費で鑑定を受けられる場合に備えまして遺骨の一部を焼骨せずに持ち帰る、そして、当時の埋葬図等から見て特定の戦没者であるということの蓋然性が高いと判断された場合には、指定された鑑定機関へ検体を持ち込むなどの協力を行っているところでございます。現在まで二十例の個別鑑定を行っております。そのうち、五例について身元が特定されているという現状にございます。
 このように、DNA鑑定、遺骨の身元特定に有力な方法の一つというふうに考えておりますけれども、これを国が一般的な方法として採用するというためには二つほど大きな検討すべき課題があると思っています。
 第一点が、遺骨からどのように有効なDNA情報を抽出するかという技術的な問題、それから二番目が、戦没者の尊厳やプライバシーをどのように保護していくかという倫理上の問題、こういう二つの問題についてあらかじめ整理すべきだろうと考えまして、昨年六月、学識経験者、弁護士、マスコミ、それから日本遺族会、日本宗教連盟などの有識者による検討会を設けたところでございます。
#23
○森田次夫君 ただいまの御答弁の中に、厚労省としてDNA検討会を設けて検討を行っているところだと、そういうふうな御答弁がございましたが、その進捗状況と、それと今後どのように進めていかれるおつもりか、その辺もちょっとお聞かせください。
#24
○政府参考人(三沢孝君) 検討会の検討状況でございますけれども、先ほど申しましたように二つの課題があるということで、技術的な問題を検討するために技術部会、それから倫理的な問題を検討するための倫理部会というものを設けております。特に技術部会につきましては、自然環境の違いによって遺骨から有効なDNA情報が抽出できるかと。例えば、シベリアのような極寒の地の御遺骨あるいは南方地方のような熱帯地方の御遺骨、そういうものでどのような違いがあるかということについては、今現在、実験研究を行っているところでございます。
 今後の見通しでございますけれども、両部会からの意見がある程度まとまった段階で各部会から親会たる検討会に報告し、そこで総合的な評価検討を行っていただくことにしておりますけれども、私どもとしては、六、七月ごろまでに両部会から何らかの報告がいただけるようお願いしているところでございます。
#25
○森田次夫君 お聞きするところによりますと、検討会の下に設置されている技術部会、ここで自然環境に違いのある遺骨からDNAを抽出できるか実験も行っているということがございますね。私は、歯だとかそれから指だとか、そういった硬い部分であればすべてDNAというのは抽出できるんだと、そういうふうに実は思っていたわけですけれども、どうもそうではない、なかなか抽出の難しいものもあるんだと、こういうことを初めて知ったわけでございますけれども、例えばどのような状態の遺骨が難しいのか、その辺、ちょっと教えていただけませんか。
#26
○政府参考人(三沢孝君) 先生御指摘のように、硬い骨ということで、歯とか手の甲とか、かかとの骨、これは非常に有効であるということでありますけれども、ただ、DNAは水とか温度あるいは紫外線で壊れることがある、こういうことでございますので、例えば海底にある御遺骨とか砂漠の御遺骨、そういうところからDNAを抽出することは非常に難しいのではないか、こういうふうな御意見をいただいたところでございます。
 いずれにしても、こういう自然環境の異なる状態でどのような形でDNAを抽出できるか、今、実験研究をお願いしているところでございます。
#27
○森田次夫君 今、遺族からDNAの鑑定が依頼があったときには、いわゆる私費といいますか、個人負担になっておるわけでございますよね。国のために命令で亡くなったわけでございますので、やはり遺族がDNA鑑定を希望された場合に、その費用というものは当然私は国が全額負担すべきものじゃないかな、こんなふうに思うわけでございますけれども、その辺についていかがでございましょうか。
#28
○政府参考人(三沢孝君) 先生のお気持ちも十分分かるわけでございますし、御遺族の方々からも、DNA鑑定、これを国庫負担により行うべきだ、こういう御要望があることは承知しておるところでございます。
 我々としても、この問題は重要な課題だと思っておりますけれども、先ほど申し上げましたように、まずは戦没者御遺骨のDNA鑑定の技術的な問題あるいは倫理的な問題、これについて検討会での整理を終えるのが喫緊の課題ではないかと思っております。費用負担の問題につきましては、このような検討会での結論が得られ次第検討していきたい、こう思っている次第でございます。
#29
○森田次夫君 ただいまの御答弁の中で、検討会の結論が得られ次第費用の負担の在り方についても検討していきたい、こういうふうな御答弁でいいわけですね。そういうふうに理解しました。
 ただいま申し上げましたとおり、戦没者というのは国の命令で戦地に赴き、亡くなられ、そして戦死公報は来ても返ってくる遺骨というのはほとんどなくて、石ころ一個か紙切れ一枚、名前を書いた、そういう方が非常に、圧倒的に多いと言っても過言ではないというふうに思います。そうした中で、遺族の心情とすれば、せめて遺骨ぐらいと、みんなそういうふうに思っておるわけでございます。これも正に当然なことだろうというふうに思うわけでございます。
 科学技術の進歩によりまして、今ではDNA鑑定を行うことである程度遺族を特定できる。今言われるように、なかなか水分の多いというか、海だとか水のあるようなところで亡くなったり、温度のこと等で抽出できないということもあるということを知ったわけでございますけれども、ある程度特定できることにはなったわけでございまして、そうしたことで、遺族が希望された場合、全額国で費用負担することは、これは私は今申し上げたことからして国の責務じゃないか、このように考えるわけでございます。
 このことを強く指摘するとともに、これらの経費が、十四年度は検討会だとかなんとかの費用ということですので計上されておられると思うんですけれども、当然、検討会、設けられているわけですから。十五年度は、希望された場合には、国で負担して、費用は国で負担しますと、こういうことの予算について是非とも計上していただきますよう特段の御配慮をお願い申し上げまして、時間でございますので、これは御答弁要りません、そういうことを強く私として要望させていただきまして、私の質問の方を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#30
○海野徹君 おはようございます。民主党・新緑風会の海野徹であります。
 尾身大臣にお伺いをするわけなんですが、新しい振興法の問題に入るということで、その審議の前に、三次沖縄振興開発計画をどう評価するか、これ、大変重要な問題だと思います。その問題を中心に今日はお伺いしたいなと思っております。
 省庁再編によりまして、開発庁から内閣府の沖縄振興局ということになって今回新法を議論するわけなんですが、開発庁方式というのは、これがもう既に終わったんだなという印象を私は持っております。先ほど、森田委員の御質問のとき、答弁が、開発から振興へということで発想を変えたと。これ、発想の転換というのは、新法に込められる思想が相当大胆に変わっていくんだろうなという私は期待を持っているわけなんですが、なかなか現実はそうなっていないんではないかな、そんなことを思います。
 大臣、質問に入る前に一つだけ。今の点を踏まえて、開発庁方式の沖縄振興開発というのがもう三十年で終わったと、そして、むしろすべていろんな面で目標を達成できて、更なる物事を盛んにするために、振興というのは物事を盛んにすることですから、もう盛んにするための諸条件がある程度整備された上でのこれから新法だ、あるいは振興計画だというような御認識でよろしいんでしょうか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
#31
○国務大臣(尾身幸次君) この三次にわたる沖縄振興開発計画によりまして、本土との格差是正という大きな柱を立ててまいりましたいわゆるインフラの整備を中心とする振興開発が進められてきたわけでございますが、本土との格差という意味でいいますと、かなりの程度是正されてきたというふうに考えております。
 例えば、下水道の普及率で見ますと、四十八年に本土との格差という意味で八九%だったものが九〇%になり、農地の整備率につきまして、本土との比較で見て、九・七であったものが、昭和五十年に九・七であったものが平成十三年には八三・七になっている。それから、一人当たり床面積等につきましても、本土との比較で見て、本土の六九%であったものが平成十年には八三%になっていると。道路延長につきましても、昭和四十八年の四六%が平成十二年には六二%になっているというようなことで、かなり格差が縮小していることは事実でございます。
 そういう意味におきましては、私は三次の振興計画というのは相当程度成功したと言ってもいいと考えております。
 ただ、そういう状況の中で、じゃ、これからどうかといいますと、やはり次のステップは沖縄県あるいは沖縄県民の皆様が御自身の力を発揮できるような自立経済への道を模索するということが大変大事でございまして、稲嶺知事も、魚よりも釣針が欲しいんだと、こういうようなお話でございまして、そういう意味で私どもは、大きなキーワードを格差是正というところから自立経済の達成へというふうに変えてきているというふうに、変えていきたいと考えているというふうに御理解いただきたいと思います。
 さはさりながら、それではインフラの整備がこれでいいというふうに考えるのかといいますと、実はそうではございませんで、やはりインフラ整備もこれからも更に進めていかなければならないことは事実でございまして、これは進めていきつつ、同時に自立経済の達成という、そういうことを非常に大きな一つの目標にしていきたいと。その表れが、例えばIT関係の産業の振興育成とか、あるいは情報特区とか金融特区とか、あるいは大学院大学とか、そういう方向に、金額的な重点はすぐそちらに移るわけではありませんが、考え方としてはそういう考え方で二十一世紀の沖縄の振興を考えていきたいと、こういうふうに思っている次第でございます。
#32
○海野徹君 開発庁方式の功罪をきちっとやはり評価、検証する必要があるんではないかなと私は思います。
 今、大臣が社会資本を中心としたインフラ整備については三十年間で相当な整備をやってきた、だけれども、まだまだ要する部分があるから、以降これも続けると。ということは、振興計画の中に開発も含まれるんだという先ほどの答弁と一緒になるわけなんですが、功罪の功の部分ではそういう部分、確かにあると思います。罪も、私は必ず問題が深層部分であるんではないかなという思いが非常にするんですよね。
 もう一つ大臣と同じくするところは、やはり沖縄の方々が自らのペンを握って自ら総合設計図をかく今時期に来ているし、それが一番求められている、そういう思いを込めて振興という言葉が使われていくとしたら、私は、誠にそれは共通の認識でありまして、大変有り難いなと思っているわけなんですが。
 それでは、若干やはり功罪の罪の部分が、私はどうも納得できない部分が若干あるものですから、その点、細かな部分にわたりましたら大臣以外の方に御答弁いただいてよろしいわけですが、ちょっと質問させていただきたいと思います。
 三次の沖縄振興開発計画というのは、これは平成四年九月に閣議決定されました。地方自治体が本来決定して、それなりに自主的にやるべきなんですが、必ず閣議決定をしていくんですよね。こういう手順を必ず沖縄の場合、取っていくと。この辺が地方自治の本旨にやはり私はちょっともとるかなという思いもあります。
 計画の目標が、今、大臣がおっしゃった本土との格差是正、あるいは、二番目には自立的発展の基礎条件の整備、三番目として特色ある地域としての整備、こういうのが計画の目標だった。振興開発の基本方向としては、一つには特色ある産業の振興、あるいは南の交流拠点の形成、あるいは社会資本の整備、そして多様な人材の育成と学術文化の振興と、こういうのが基本方向でありました。
 それで、第三次計画のフレームとしてどういうものが具体的にあるかというと、これ、基準年次が平成二年ですから、そうすると目標年次が平成十三年。
 総人口が百二十二万人だったのを百三十万人を超えるところまで持ってこようと。今、百三十万人を超えているわけですから、百三十三万、これから十年間の沖縄の設計図をかこうというときに来ているわけなんですね。それは達成しているわけです。
 労働力人口が五十六万人だった。それを、六十五万人を目標にしようと。しかしながら、六十二万九千人、これは平成十二年。これはできていない。
 就業者数が五十四万人だった。それが目標年次のときには、平成十三年、六十三万人に持っていこうと。しかし、五十七万七千人に終わっている。これは平成十三年。
 県内の純生産が二兆八千億円。これが、四兆九千億円まで持っていく。これが目標だった。それが三兆七千七百三十億円、これは平成十三年の見通しなんです。
 一人当たりの県民所得が二百万円だった。これを三百十万円を超えるところまで持っていこうということで、しかしながら三百二万二千円、これは平成十一年。
 人口以外は余り達成したというところまで行っていないんですね。六兆七千二百七十四億円、平成十三年度の場合、約、十四年度を加えると七兆円の沖縄振興開発事業費が投入されてきております。平成十四年度予算でも二千八百四十五億二千三百万円計上されています。
 しかしながら、今言ったような大項目でさえ、要するに五項目のうち四項目はなかなか達成されたというような印象をどうしても持てないわけなんですが、その点はどのように分析されておりますでしょうか。その分析があって初めて今後十年間の設計図がかかれていくんじゃないかなと思いますが、その辺の背景あるいは要因分析、分析だけで結構ですから、対応はまた後で聞きますから、お願いします。
#33
○国務大臣(尾身幸次君) いろんな要因がございまして、一つは、沖縄は実を言いますと日本一の高い率で人口が増加しております。ここ十年間で一割ぐらい増えているわけでございまして、その人口増加に見合うだけの要するに雇用増加が、就業増加が達成できなかったという点は確かにあろうかと思います。
 それから、一人当たり県民所得につきましては、そういう中で実はここ十年間で八・五%名目で伸びておりまして、これは国全体の伸びの七・九%に比べてわずかながら上回っていると。人口増加が一割ぐらい伸びている中で一人当たりの所得も名目では全国平均より伸びているということでございまして、これは今の、ここ十年間の日本全体として、失われた十年というふうに言われておりますバブル崩壊以後の日本経済社会の停滞の中では、沖縄は比較的そういう状況にもかかわらず伸びてきているということは言えるのではないかというふうに考えております。
 まだまだ、例えば自由貿易地域等についての企業誘致が目標どおり進んでいないとかいろんなことがございますが、例えばIT関連でもこの厳しい状況の中で四千人もの雇用が増えているという状況もございまして、この日本経済全体に対する大きな逆風を考えた場合には、私どもこの三次にわたる、あるいは三次振計における政策というのはそれなりの効果を持ってきたというふうに言えるというふうに考えております。
 ただ、これからどうするかということになりますと、またこれはこれで今新しい振興新法で御議論をいただきますように、大きな一つの曲がり角に来ているというふうに考えて、もう一段の飛躍を目指して施策を推進していきたいということでございます。
#34
○海野徹君 大臣に御答弁いただいて、コールセンターを中心に四千人のIT関連でも増えているんだというお話がありましたが、コールセンター中心に確かに平成九年からIT関連の企業が続々と誘致されている、そこで雇用を生んでいるというのは、それは私も分かっているわけなんですが、ただ、雇用のミスマッチも起きているんではないかなというような実態が私は感ずるんですね。
 四千人といっても、コールセンターというのは労働集約的な仕事なものですから、そういう部分だけで、じゃ、コンテンツの部分で人材、雇用が増えているかというと、そうじゃないんですよね。その辺は、若干もう少し厳しい認識をして、問題をはらんでいるという認識をしていただいた方がいいんではないかなと思うわけなんですが。
 私は、沖縄県に県外から年間どのぐらいの資金が流入しているのかなということで調べてみました。
 そうすると、九八年度で総額二兆七千八百十六億四千百万円、これが県外から来ているんですよね。県外から年間、沖縄県に入っているのが九八年度で二兆七千八百十六億四千百万円。これは九九年度、二〇〇〇年度とあるでしょうから、またその数字を後で教えていただきたいなと思うんですが、そのうちの、県外受取のうち四五・五%、これは一兆二千九百八十八億円、これが財政移転なんです。一六・二%に当たる四千四百五十億円、最近は約四千六百億円と言われているんですが、これが観光収入と言われているんです。先ほど言った財政移転の一兆二千九百八十八億円、だから県外受取の約半分が財政依存なんですね。
 こういうことを見ていると、私は一概に、今、尾身大臣が県民所得は比較的全国的に比べて伸びていますよと言いますが、中身が非常に脆弱なんじゃないかなと。しかも、観光収入の四千数百億円のうち、エージェントに払う手数料とか、要するに部屋の売り方ということを考えると、二〇%から四〇%ぐらい手数料払っちゃって、本当に手取りが半分ぐらいしかないんじゃないかという数字もあるんですよね。
 この間沖縄へ、私もこの仕事に入ってから数回沖縄へ行っていまして、ずっとその変わりようを見ているわけなんですが、この間たまたまホテルのオーナーとお会いしていろいろ話していました。そうしたら、シーツ代二千円をもうかるかもうからないか、そのぎりぎりの仕事をしていますと。シーツ代の、クリーニングをする二千円が出るか出ないかぐらい。これだけ満室でそうなんですかと言ったら、そうなんだという話なんです。そうすると、やっぱり、観光植民地というような言葉があるらしいんですが、それはなるほどなという思いをするわけなんです。
 そうやって細かく分析していきますと、私はなかなか、今、尾身大臣がおっしゃったような形で、それなりに成果が出ているんじゃないかというところまで、私はもっと厳しい分析をした方がいいんじゃないかなという思いをしております。
 ただ、それと、開発事業費のうち、大臣もインフラ整備を中心に社会資本整備を中心にして沖縄に対して政策を展開してきたというお話だったんですが、確かに九二・三%が公共事業費だったんです。それで、これから進めようというIT特区とか、特別自由貿易地域ですか、あるいは金融特区とか、そういうための産業インフラはこれによって整備できていると言えるんでしょうか、その点について御質問させていただきます。
#35
○国務大臣(尾身幸次君) 簡単に言いますと、いわゆる自由貿易地域とか特別自由貿易地域、あるいは情報特区などで、情報関係とかあるいはその他の産業を税制上の優遇措置をもってその地域に誘致をしていこう、こういう考え方でその地域の敷地の整備をするというようなことをかなり進めてきているわけでございます。もとより、下水道とかあるいは土地改良とか道路整備とか港湾整備とか、そういうインフラ全般の整備はやっているわけでございますが、同時に産業誘致ということをかなり意識しながら整備を進めてきていると思っております。
   〔委員長退席、理事中川義雄君着席〕
 ただ、それでは、しっかりと産業整備、立地についてのおぜん立てをしたから、じゃ、企業がどんどんそこに進出するかというと、この全体のバブル崩壊の後始末がまだ済んでいない段階において必ずしもそれが順調に進んでいるわけではない。そして、日本全体の経済が大きな空洞化に見舞われている。つまり、日本から中国などの発展途上国へ、片方で工場閉鎖があり、片方で外国への進出があるという意味での空洞化の流れの中で、しかし沖縄についてはある程度の、徐々にではありますが工場の立地が進んでいるということは、今の全体の逆風の流れの中で考えた場合にはかなりの成果があったというふうに見てもいいのではないかと私は感じております。
 これから日本経済全体の立ち直り、これは大変なのでございますが、そういう中で、先ほど申しましたような方向での自立経済を目指していくという中で、実質的にも、本当の意味で沖縄に力を付けていただいて経済の発展を実現をしていきたいというのが私どもの考えでございます。
#36
○海野徹君 いろいろ開発庁方式でやってきた功罪の功をやはり大臣としては主張したいというお気持ちはよく分かるんですが、それじゃ、自由貿易地域のことで若干お伺いしたいと思うんですが。
 最初、那覇自由貿易地域があった。それで今、この間私も視察して、中城湾というか、中城港ですか、あのところに特別自由貿易地域と。なかなか、企業が進出してそれなりに成果を上げているというような印象は私はどうも感じなかったんですが、その辺のことについては、どなたか答弁できる方いらっしゃいますか。
 沖縄県ともいろいろ話をしたんですけれども、とても順調に目的を達成する方向に進んでいるというような印象を私は持っていなかったんですが、どうなんでしょう。
#37
○政府参考人(安達俊雄君) 特別自由貿易地域に平成十一年三月に中城湾港新港地区を指定したわけでございます。その後、県が中心になりまして、私どもも応援する形で企業誘致を進めてまいりました。
   〔理事中川義雄君退席、委員長着席〕
 現在、半導体部品製造業、機械部品組立販売業、コネクター等製造業、オートバイ製造業等の合計六社が入居し、また二社が近く立地するということで、合計八社の企業立地が実現若しくはめどが付く状況になってきております。この間、政府としまして、税制のみならず、立地の促進に有効なレンタル工場の整備ということに対しましても助成を行うというようなことで、県と連携して取り組んできたところでございます。
 このように、もう一定の集積がこの数年間で進んできたわけでございますけれども、御指摘のとおり、これで十分かというと、この中城の百二十ヘクタール余の中で一部でございまして、更に一層その企業立地を推進していかないといけないということでございます。
 その円滑化のための具体的な対応としまして、今回提案させていただいております沖縄振興特別措置法案にも制度の充実に向けた対策を織り込んでおるわけでございますし、また予算面におきましても、このレンタル工場制ということにつきまして実需の見通しに即しながら更に支援を検討していきたいというふうに考えておりますし、また企業誘致も、基本的には地元が中心になって行うものでございますけれども、政府といたしましても、ジェトロその他の機関も含めて積極的に今後とも応援していきたいというふうに考えているところでございます。
#38
○海野徹君 沖縄の振興ということで今、自由貿易地域のお話があったわけなんですが、非常に私は中城湾港を心配しております。那覇自由貿易地区の八八年設置の現状から類推しましても、やっぱり相当抜本的な問題点を整理して対策を打たないといけないんじゃないかなと、こういう思いをしております。特定の地域だけに限定するというのもこれの成果が現れていない一つの原因かなという思いがあるわけなんですが、それはまた後日に議論をさせていただきたいと思います。
 今日は時間がありませんものですから、尾身大臣、私はいろんな資料から検証しますと、これはある意味じゃ非常に大胆な表現かもしれませんが、端的に表現させていただいて、沖縄経済というのは、やっぱり低所得、低貯蓄、高失業、高借金、財政依存の経済構造というふうな表現にならざるを得ないんじゃないかなと。となると、本土との格差是正とか自立的発展の基礎条件の整備というのは、やはり三十年間の中でとても合格点までまだまだ行っていない、むしろこういうような、要するに罪の方が進んでしまったんではないかなという思いがあるわけなんです。
 やはり開発庁方式というのは、財政依存、公共事業依存、依存型経済の構造化というんですか、依存型経済の構造化を進めたのではないかなという思いがするんですが、その点について、尾身大臣、いま一度御答弁をお願いしたいと思います。
#39
○国務大臣(尾身幸次君) 私は、実はそうは思っておりません。
 なぜかというと、三十年前の昭和四十七年のときに米軍が、米軍がというか、アメリカの占領地として日本の施政権が及ばなかった時期が昭和二十年から二十七年間あったわけでございますが、その間に実はインフラ整備とかいうことが余りなされずにきた、そのために本土との格差がかなり開いてきたという実情にもありまして、そういうハンディキャップの中から、格差是正ということで約三十年間インフラ整備を中心として、先ほどのIT関連も含めまして、いろんな対策をやってまいりまして、その効果というのが実は物すごく上がってきているのが実態だというふうに考えております。
 ただ、しかし、スタート時点が非常に低かったために、まだ本土並みにまでなっていない。今、一人当たり所得七二%、本土に比べて七二%ということでございますが、更に努力は必要であるということでございまして、今までの三十年間というのは、このインフラ整備で本土の要するに財政資金に頼る経済になってしまったのではないかというような御批判は御批判としてあろうかと思いますが、全体として見た場合には、例えば観光におけるリピーターが増大しているとか、それから、農業についてもいわゆる健康食品産業が発展しているとか、IT関係もいろんなところでかなり芽が出てきているというようなことで、これから大きく発展できる可能性は持っている。
 それから、今までのところは、そういう意味で基本的なインフラを整備するということ、これ、至上命令でございましたからこれをやってきたので、私どもの政府として、沖縄対策三十年間というのは相当程度やっぱり客観的に見ると実績を上げてきたというふうに言ってもいいのではないかと。
 ただ、例えば製造業における元々のポテンシャルが低いというような、そういう点がございまして、これからまだまだやらなきゃならない点はたくさんあるとは思っておりますけれども、言わば、これから自立経済に向かっていける一つの基盤的なものはある程度育ってきたと言ってもいいのではないかと考えております。
#40
○海野徹君 尾身大臣は、非常にそういった意味で可能性は大である、期待できるんだという御答弁だと思うんですが、この新法の審議会の座長をやっていました法政大学の総長の清成先生、その審議の過程での発言なんかも聞こえてくるわけなんですが、公共投資や制度頼みの依存型経済を続けているとマインドも依存的になるというような発言をされているということも我々、目にするわけなんです。
 こういうことを聞きますと、やはり今までやってきたことをかなり厳しく検証していった方がよろしいんではないかなという思いをどうしてもぬぐい切れません。その点については、また後日、細かな点で大臣に御質問をさせていただきたいなと思いますが。
 次の質問をさせていただきます。
 失業率が高い。先ほど言いましたように、沖縄経済の状況の中で失業率が高いというのがあるわけなんですが、若年層の失業率が一五%と非常に高いんです。これには、県内雇用の場の不足だと。これは、県内の企業、要するに製造業がなかなか育たない、育てることを一生懸命やってきたんだけれどもという話があるんですが、なかなかそういった意味で、雇用の場の不足、それで県内志向、県民の県内志向の強さがあるんだ、求人と求職のミスマッチもあるんだというような理由が言われているわけなんですね。
 新しい産業が起こっていない、いろいろ今まで三十年間、開発計画を進めてきたにもかかわらず起こっていない。しかしながら、三次産業のウエートがどんどんどんどん高まっていっている。そういう場で雇用を生んでいないんだろうかというような思いがありました。
 やはり、一五%は余りにも高過ぎる。この背景というのは、単なる製造業、あるいは新しい産業が起こっていないということだけなんでしょうか。その点について御質問させていただきます。
#41
○政府参考人(武田宗高君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、沖縄県の雇用は、全体としても全国の失業率を例えば大幅に上回っておりますが、中でも若年層の失業率が非常に高い。これも、先ほど御指摘のとおり、一四・五%、約一五%という非常に高い失業率になっております。これ、全国で見ますと同年代で九・五%でございますので、この層が失業率全体を大きく引き上げているということでございます。
 そういう若年層におきますミスマッチといいますか、この原因につきましては、例えば二〇〇〇年版の沖縄産業雇用白書というのがございまして、この中でも分析をいたしておりますが、一つは非常に県内志向が高いということで、県外就職をすれば可能になるような就職の機会を逸しておるということ、それから、先ほど来出ておりますように、情報関連企業等の分野が拡大をしておりますが、そういった成長分野に対応できる技術力のある人材が必ずしも十分でない、それから、過度の公務員とか教員志向によりまして需給バランスを欠いておる、また、賃金や勤務体系への不満とか、あるいは地域的な問題としましては、那覇市とかそういった都市部への過度の集中と、こういったものが例示として挙げられているところでございます。
#42
○海野徹君 この間、資料をいただきまして、十三年の月平均で、新しい求職、新規求職申込件数が七千六十九件、求人が三千二百四十五件、実際に就職したのは千八百二十三件。そういう数字を見ていますと、確かに県内志向が強いということと同時に、実際は求人が三千二百四十五件ありながら千八百二十三人しか就職していないと。かなりこの間に、求人側と求職を、要するに職を求めている側の雇用の、自分のキャリアをどう評価するかということと、相手にどう評価されるか、職場をどう評価するかということで非常にミスマッチがやっぱりあるんだろうなというように思うわけなんですね。
 金融特区とか情報特区、IT特区のようなある種の一国二制度的なものを沖縄で実施しようというようなことが今考えられているわけなんです。
 私はここで、一つなんですけれども、これは提案させていただきたいなと思うんですが、日本の場合、キャリアカウンセラー制度というのがないんですよね。私はこういう仕事を今までこれだけやってきまして、これだけの能力があります、だからこういう仕事を求めている、あるいは、企業側にしてみれば、こういう人材を求めて、こういう条件だったら採用しますよというので、その間に立ってカウンセリングする、要するに評価をしながらカウンセリングして就業支援をしていくと、そういうキャリアカウンセラーというのは、アメリカなんかは二十万人いるんですよ。これは本当にカウンセリングをやるものなんです。
 今のハローワークにはその権能はあっても、実態としては絶対できていない、一人十分ぐらいの面接時間しかありませんから。じゃ、ハローワークの人員を拡充するかと、それはもうできない話ですから、だから、私はある意味では、一国二制度的なものを金融とかITでやるんだったら、キャリアカウンセラー制度についても、こういうことで若年労働者の失業率というんですか、そういうものを低めていく、あるいは失業率を低めるというキャリアカウンセラー制度というのを導入すべきじゃないかなという思いがあるんです。
 これは、また後日、質問としてさせていただきますが、今日は提案だけさせていただいておきます。
 それから、産業構造の特徴として、沖縄の、県内総生産の構成比、これは一次産業、二次産業。昭和五十七年、一次産業が五・一%、二次産業が二二%、三次産業が七五・二%。これが平成十一年度の場合は、一次産業が二・三%になっている。これは県内総生産の構成比です。二次産業が一七・六%、これも減っている。第三次産業は、先ほど言いましたように八三・七%、増えている。そのうち、相変わらず多いのが政府サービス業、一六・七%なんですよ。これは、離島県である沖縄において、公務や公立学校及び病院のサービス業及び公的企業等の事業所数が相対的に多いためではないかと言われているわけなんですね。
 政府サービス業というのがこれだけ占める割合が大きいわけなんですが、これ、レクのとき、レクの担当者といろいろ議論になったんですけれども、市町村合併を今政府は進めようとしている。それ、沖縄の方々は、反対していらっしゃる方もそれぞれ町村にあるわけなんですが、こういう政府サービス業の割合というのが、市町村合併を進めていくということで、それは、効率化してポストが減る、あるいは生産性を上げていくということで下がっていくものなんでしょうか。あるいは、下がらないとしたら、下がる下がらない、下がるということもあるし上がるということもあるだろうし、それに対する、そういうことも進めないということもあるんでしょうが、そのことについての考え方を今、内閣府としては、沖縄振興局としてはこういう問題について何らかの方向性をまとめようとしていらっしゃるのかどうか、その点について御質問させていただきます。
#43
○政府参考人(安達俊雄君) 沖縄におきましては、正直申しまして、各都道府県の面積に対する市町村の数というのを計算してみますと非常に多いわけでございます。やむを得ない部分として、やはり一つの離島があったときに、これを、それなりのその地域における特色を持った行政をしていかないといけないというようなことで、離島県であると、いろんな離島に分かれておるというような面もございます。
 さはさりながら、やはり自治体としての効率性、あるいは人材面もあるいは財政面も含めまして、より効果的、効率的に行政をやっていくということが望ましいわけでございまして、内閣府として具体的なビジョン、方向ということを持っているわけではございませんけれども、総務省を中心としたこの市町村合併の促進ということについて私どもも全く同じ考え方であり、沖縄の抱える問題を考えた場合にも、制約あるものの、できるだけ効率的な行政体制というのが望まれるのではないかというふうに考えているところでございます。
#44
○海野徹君 時間が限られているものですから、二点ちょっとお伺いして質問を終えたいと思うわけなんですが、尾身大臣提唱されている大学院大学構想のことについて、大臣の方からお考えをお聞きしたいなと思うと同時に、これ、単なる国立大学がまた沖縄にできるというものであってはならないと思っておりますから、そのことを念頭に置きながら、私は、そうじゃないという思いを期待しながら大学院大学構想をお聞きしたいなということが一つと。
 この点は大臣、ちょっと、非常に気になった部分がありまして、大学院大学構想ではなくてもう一点の問題なんですが、これ、感想をお述べいただければ大変有り難いわけなんですが、新たな沖縄振興開発政策の立案段階で、沖縄振興策を一手に引き受ける内閣内政審議室沖縄担当室長がこう言ったというんですね。
 これは、打合せのとき、これ、メモに残っているということを言うわけなんですが、沖縄新法は沖縄に対する政府のプレゼンみたいなものだと、沖縄にしてみれば政府がどれだけやってくれるかが関心事だ、沖縄では地方分権の発想は評価されない、新法が沖縄で利用されるかどうかは、需要があるかどうかは気にする必要はない、とにかく法律を作ることが目的でニーズは二の次だというような発言をしている。安保関係者以外は沖縄は全然重要ではないというのが本当のところだというような発言をしているという、こういうメモがあるというんですね。
 この辺が、先ほど言った開発庁方式が終わったにもかかわらず、振興局がこういうようなことであっては、私は、今まで三十年間とまた同じことを繰り返すのではないかなという心配をするものですから、このメモがないことを祈るわけなんですが、あると言っているものですから、その辺のことを、感想をお聞かせいただきたいと思います。二つだけお願いします。
#45
○国務大臣(尾身幸次君) 後半の部分に関しては全く事実無根であるというふうに考えております。
 沖縄の大学院大学につきましては、先ほどからお話しの問題点のいろんな指摘がございましたが、その指摘の裏返しとも言うべきもので、沖縄自身の全体としてのポテンシャルを高めるということを考えているわけでございますが、しかし、この大学院大学構想は、後で詳しい説明をする機会もあると思いますが、自然科学系の、特にバイオを中心とする大学院でございまして、全部英語でやる、学生及び教授陣も半分以上は外国の人にするということで、世界最高水準の大学院大学を作るつもりでおります。
 そして、アジアやアメリカやその他の国々の、例えばアメリカのカルテックとかあるいはスタンフォードとかMITとか、その種類、そのクラスの大学との連携をしながら進めていきたいと。それによって、これは沖縄の人だけを対象にするものではなしに、むしろ世界全体から最高の学生を集めてきて、最高の教授陣を集めてやるということでございまして、日本の大学の枠に、大学の法律の枠に全くはまらないものだというふうに考えております。
 国はお金を出すことを中心にしていきますが、しかし、その内容とか運営の仕方とかは全くインターナショナルでフレキシブルなと。このインターナショナルという言葉とフレキシブルという言葉をキーワードにして、システムとしても最高のシステムでやっていきたい、それによって最高の人材を育てて世界に送り出すということをしていきたいと考えております。
 そして、その送り出すプロセスにおいて、場所は沖縄でやりますから、沖縄にいろんな形での人材も育ってくるだろうというふうに思いますし、沖縄全体の水準も高くなってくるだろうと。そういうことをねらっているわけでございまして、また、いずれ機会を見て、少し詳細に説明をさせていただければ有り難いと思います。
#46
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 尾身大臣始め内閣府の皆様、連日御苦労さまでございます。
 今日は、この委員会、委嘱審査ということで内閣府の予算を基本的に審議しているわけでありますけれども、私、時間が大変限られておりまして、来週月曜日に振興新法の審議も当委員会でするわけでありますけれども、本日の私の質問も、幾つかこの振興新法に係ってお聞きをすることもあるかと思いますけれども、是非御了承いただきたいというふうに思うわけでございます。
 最初に、沖縄におけるIT化の促進についてお伺いをいたしたいと思います。
 私は、今年の一月、この委員会の委員派遣で、佐藤委員長を始めとしてほかの同僚の委員、理事の方八名と沖縄に行って様々な場所を視察させていただきまして大変に勉強になったわけでございますけれども、その中に名護市のマルチメディア館もあったわけでございます。
 私は、やはり沖縄の経済の自立化を図っていく中で、IT化というのは大変大事であろうと。これは当然、私が申すまでもなく、九八年に沖縄県のマルチメディアアイランド構想が出てから、地元といたしましても、このIT化促進しようじゃないかと大変熱心にやっているわけでございます。
 私は、内閣府から出ている文書とかを読みますと、この沖縄のIT化というのは二つの柱があるというふうに理解をしております。
 一つは、情報通信関連産業の育成並びに誘致ということが一つの柱であると。もう一つは、やはり沖縄県が島嶼県ということで、大変広大な地域にたくさんの離島を抱えている県であるということが一般的には不利といろんな面で言われていたわけですけれども、逆にこの距離があるということを生かして、その一般レベル、草の根レベルでのIT化を進めることによって、はっきり申し上げると、日本のほかの地域よりもIT化の効果が非常に高い、社会に対するインパクトが高いと、それがもう一本の柱であるというふうに私、理解をしております。
 これは、余り沖縄に関係ない話なんですが、私、ある出版社の社長さんと東京でお話をしておりましたら、こういう話を言われました。
 遠山さん、アメリカでIT化が進んで日本でなかなか進まない原因というのは、一つは土地の広大さだと言うんですね。アメリカではもうこの距離がすごく離れている。この人、出版社の社長ですから、最近はインターネットとかコンピューターの画面で本をあたかもバーチャルに読んでいるようにページめくってくれると、こういうのがアメリカでは大変はやっていると。ところが、日本でそれを導入してもなかなか売れないと。何でかといったら、やっぱりみんなコンピューターで本読むよりは本屋さんに行って本を買うと。ところがアメリカでは、本屋さんが何百キロ離れているというところに住んでいる人たちは、やっぱりこのITを使って今まで地元の図書館だとか本屋にはない本も読めるようになったと、こういうことなんですね。
 ですから、私はこういう観点からいうと、沖縄で、一般レベルで、特に離島に住んでいる方々にとってのこのIT化のメリットというのは大変大きいと、同じ理由から思うわけでありますが、ただ、まず最初にここで聞きたいのが、それを前提に、私も宮古島とか石垣島とか何度か、昨年、両方合わせて十回ぐらい行きましたけれども、なかなか、やはり離島に行って島の方々と話をすると、インターネットとかEメールとかコンピューターで本を読むとかと言っても、はあと言われちゃうわけなんですね。必要は発明の母という言葉もありますけれども、やはりニーズを感じなければ、あっても使わないという側面、すごくあると思うんです。
 私は是非このITを、インフラ整備とかあるいはITはすばらしいというふうなスローガンだけでいくんじゃなくて、具体的に離島に住んでいる人たちにとってこのIT化、コンピューターとかインターネットはどういうメリットがあるのか、例えば地元の図書館にない本がコンピューターで読めるようになるんですよ、沖縄本島へ行って那覇の大きな本屋さんに行って本買わなくても宮古島で本読めるんですよとか、具体的にそういう啓蒙活動、広報活動していかないと、これ、草の根レベルでのIT化というのはなかなか進まない。進まなければ、やはりITの産業を持ってきても沖縄の地元から出る人材が育たない、出てこないという側面があると思いますので、是非こういった観点の啓蒙活動をもっとやっていただきたいと思うんですが、大臣の御見解をお願いしたいと思います。
#47
○国務大臣(尾身幸次君) 私も、正におっしゃるとおりだと考えております。
 特に離島でございますと、アメリカよりもっと時間、距離が長い。情報のセンターにアクセスするための物すごく労力が掛かるわけでございまして、例えばインターネットでいろんな本を読むとか、あるいは物を買うとか、そういうことが本当にできるように既になっているわけでございますが、なっているんだということを体験的に沖縄の人々が理解をしたならば沖縄におけるIT化というのはかなり急速に進むような状況になるんじゃないかと。
 現在ただいまそういう状況にはなっていないと思いますけれども、そのための例えばITの教育とかPRとか、そういうことをやっていくことが大変大事だと思いますし、おっしゃるように、アメリカと同じような意味において離島がかなりある沖縄においては、IT化のメリットというのはほかのいわゆる都市中心部にいる人々にとってよりもはるかに大きいものがあるというふうに私どもは考えておりまして、そういうことも含めて力を入れてPRに努めて、本当に生活とか経済にITのシステムといいますか、そういうものが根を下ろしたような状況を一日も早く作り上げていきたいというふうに考えております。
#48
○遠山清彦君 大変前向きな御答弁、ありがとうございます。
 今、正に大臣が体験的とおっしゃっておりましたけれども、私、今、日本全国でも高齢者の方とかいろんな方々対象にIT講習とか、我々公明党も頑張って導入したわけでありますけれども、ただ単にコンピューターを使えるようになるということだけではやっぱり人間使わないと思うんですね。だから、逆に言えば、コンピューター使えない人でも、コンピューターを使ったらこんなことができるということが分かれば、だれも教えなくても本人はやると思うんです。
 そういう面で、やはりこれから是非そういう体験的に、コンピューターで本をオーダーしたら本当に本が来て、それで体験的に喜ぶとか、そういう経験を離島の方にしてもらう企画とかイベントとか、そういうことをどんどんやっていただきたいというふうに思うわけでございます。
 続きまして、今度、金融特区のお話をさせていただきたいと思いますが、今、内閣府、これは来年度の予算の中でも、金融産業育成のために内閣府として基盤整備とそれから人材育成が大事だということで事業費を予算で計上しているというふうに理解をしておりますが、二点、お伺いをしたいと思います。
 一つは、金融関連産業の誘致のための基盤整備というのは具体的に、私はちょっと書類、あるんですが、余りにも抽象的なので、具体的に何をやっていくのかということが一つでございます。
 それからもう一つ、金融に係る人材育成のモデル事業と。これは、平成十四年度から十六年度まで二年間で三千万円掛けて内閣府が事業主体になりまして教育研修セミナーを実施すると。
 これは、総受講人数が三百名ということで、金融基礎、コールセンター、金融各論について勉強をするコースをやるということなんですが、まず私が聞きたいのは、この三百名の受講資格、どういう基準で受講者を選んでいかれるのか、これが一つです。
 それからもう一つは、この研修場所はどこなんでしょうか。
 特に、ここで私が気にしているのは、沖縄本島の方も北部から来ると遠いわけですけれども、那覇とかでやる場合、離島からこういう研修に参加したいという方に対してどういう対応をされるのかということと、あともう一つは、この三百名の方が、このセミナーを受講された方が、終わった後に就職のあっせん等をしていただけるのかどうか、あるいは、そういうあっせん等はないんだけれども、研修セミナーを、内閣府のやるセミナーを受けたことでこういうメリットがあるというような観点でお話を聞かせていただきたいと思います。
#49
○政府参考人(安達俊雄君) まず、最初の御質問にお答え申し上げます。
 金融業務特別地区における基盤整備でございますが、具体的な対応に向けて来年度の予算として二千三百万、計上させていただいております。
 総合的な調査検討を行いたいと思っておりますけれども、一番中心として地元自治体からも期待が強いのは、インフラといいますともう道路からすべてということではございますけれども、何といってもやはりこういった企業の受皿となるようなインテリジェンス性を持ったようなオフィス、そういったものをどう整備していくかということが一番要望としては強くございます。したがって、そういったファシリティーをどういうふうに整備していくのがいいのかというようなところがどちらかというと中心的に検討すべき課題ではないかというふうに考えておるところでございます。
 それから、人材の育成でございますけれども、受講資格、研修場所等についての詳細はこれからの検討でございますが、受講資格という面で考えましたときに、一つは、先ほど来議論も出ておりますけれども、若年労働者の失業の問題というのは非常に深刻であるということでございまして、若年層を中心に研修をしていくというのは適当ではないかというふうに考えているところでございます。
 研修場所については全く未定でございまして、今後検討させていただきたいと思いますが、受講資格の関係において申し上げますと、離島からの研修生というのは当然これを歓迎するものでございます。宿泊費までは持てませんけれども、この研修については無料にしたいというふうに思っておるわけでございます。
 それから最後に、就職に結び付くような、例えば就職のあっせんといった対応はできないかという御質問でございます。こういった直接な対応は予定しておりませんけれども、私ども、この人材育成ということと雇用、この面での雇用というのは並行して進めていかないといけないというふうに、ただ供給サイドだけやっていくということではバランスを欠いておるというふうに思っております。したがって、この研修につきましても、既に沖縄に新たに進出いたしました金融関係の企業ともよく相談をしてまいりたいというふうに思っております。
 名護におきまして、最近におきまして投資顧問業、そしてインターネットを通じた証券活動、インターネットの証券、ネット販売といいますか、そういったことを行う企業が立ち上がりまして、インターネット証券、ネット証券の業務としましては今年の五月から業務を開始する予定というふうに聞いているところでございまして、具体的な人材のニーズというのは既に出てきているわけでございまして、うまくこのマッチングができるように行政サイドでもきめ細かく対応していきたいと思っております。
 以上でございます。
#50
○遠山清彦君 ありがとうございました。
 基盤整備に関してオフィスの整備が一番大事だということで、私もそうかなというふうに思いますし、今、金融特区ができたときに、恐らく名護にほぼ決まっていると思うんですけれども、そちらの方に新しくまたオフィスなど整備しなければいけないんだろうと思いますが、金融特区に関しては、今日時間がありませんので、ほかにもいろいろ質問あるんですが、あと一点だけ質問させていただきたいというふうに思います。
 これは、振興新法の五十六条に書いてある内容ですし、また以前、特定自由貿易地域でも同じような要件があったと思うんですけれども、この特区の中に誘致をする金融業者の一つの条件として常勤従業者の下限を政令で定めると。これは、もうマスコミに出ているとおり二十名ということになっているわけでありますけれども、確かにこれは沖縄の雇用対策の一環としてこういう政令が出ているんだろうというふうに私は理解をしております。それはそれで分かるんですが、しかし、今、金融業の中でハイレベルの金融の企業の中には少数精鋭で知識集約型でオペレーションしているところもたくさんあると。つまり、二十名以下で大変に生産性の高い金融取引を扱う企業というものがあると言われております。そうすると、この二十名という下限があると、こういった企業、来れないと。
 私は、日本で初めて、沖縄でも初めて金融特区をやるということであれば、なるべく要件は緩和をしていろんな企業が、小規模のところも入ってくるようにした方がいいのではないかというような考えをちょっと持っておるんですけれども、それについて御見解を伺いたいと思います。
#51
○政府参考人(安達俊雄君) 御指摘のように、この金融業務特別地区におきます要件として雇用人数二十人以上ということが、具体的にはこの税制の決定の中で既に方針として出されておるわけでございます。
 ちょっと正確に申し上げますと、この金融特区制度に関連する税制は二つの制度の選択制になっております。法人所得控除三五%、これ、先進国としての我が国の税制としては目一杯でございます。タックスヘーブンの閾値に近いところまで来ているわけでございますけれども、この法人所得控除という制度が一つ。もう一つは、一五%の投資税額控除、これも我が国では例を見ない水準の投資税額控除でございます。
 この二つの制度を選択適用、選択すればいいということになっておりまして、投資税額控除につきましては、実際の投資に見合って税制の恩典が付与されていくわけでございますので、こういった要件は課しておりません。したがって、法人所得控除ということで見た場合にということでございます。
 このいきさつでございますけれども、実は、この制度というよりは三年前に特別自由貿易地域制度を設けましたときに、正に沖縄の特殊事情ということで思い切った制度をということが強く望まれ、その際も法人所得控除三五%が同様に選択制度として認められたわけでございます。
 しかし、一方におきまして、NIRA研究会における議論の中で憲法上の平等論ということがございました。場所が違うだけで同じ国民、法人も含めまして、全く税率が違うというのは明らかに憲法の平等権に反しておる、どういう工夫が必要なのかという議論がございました。そういった議論、与党サイドも含めた議論の中で、やはり沖縄経済への貢献とそして思い切った税制による受益という、貢献とその受益と、貢献による負担と受益というもののバランスという考え方が重要ではないかという議論がございました。それとともに、それじゃ貢献といった場合に政策的に何が一番貢献が期待されるのかというと、雇用問題でございます。
 というような中で、最低限の水準として二十人以上ということが決定されたといういきさつがございます。その点の御理解を賜りたいと思っております。
#52
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 安達さん始めとして内閣府の方々が大変難しいこの金融特区の問題で政府内で御尽力されてここまでこぎ着けたということは、私は高く評価をしておりますし、今、選択制ということで、この法人税の所得控除制度を利用しない場合、もう一個の方を利用した場合にはこの要件はないということでございますので、それはそれで理解をいたします。
 ただ、この金融特区に関しましては、元々モデルにしたのがアイルランドのダブリンにある国際金融サービスセンターというところでありまして、これに関しては、私、次の機会にちょっともう一回深い議論をしたいと思うんですけれども、いろんな要件がアイルランドの場合、あったと言われております。
 アイルランドのケースと沖縄を比べると、やはり幾つかの条件で大変沖縄が後れている、未整備である、あるいは条件が悪いというようなところがありますので、こういったところを克服するということも考えたときに、やはりアイルランドと比べても、ちょっと言い方は悪いですけれども、異常なくらい優遇措置を取らないとうまくいかないんではないかというような感じを私は持っておりますので、その点を今日は強調させていただいて終わりたいと思います。
 国交省さん、今日来ていただいて申し訳ないんですが、また次の機会に観光振興についてちょっとお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 これで終わります。
#53
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 私は、まず最初に北方墓参の問題で質問をさせていただきます。
 今回、鈴木宗男氏の利権疑惑にまみれたこの北方四島の住民支援額ということでいいますと、ピーク時には三十億八千四百万円と、初年度の百二十倍に膨脹し、湯水のようにお金が使われたわけです。島が早く返るためだというふうに言いながら、その見通しもなく、結局はこの利権疑惑が増えるだけでした。その一方で、肝心の旧島民への支援、これは訪問経費への助成とか旧漁業者への融資程度の本当にわずかなスズメの涙の対策でしかないと思うんです。
 予算にしても、今言いましたのは一億円とか二億円というくらいですが、尾身大臣にお聞きいたします。旧島民への対策はこのような現状でいいと思われているでしょうか。
#54
○国務大臣(尾身幸次君) この旧島民の皆様への対策につきましては、これ、議員立法でできた法律によりまして百億円の基金がございます。その基金の運用果実を元にしていろんなことをやっているわけでございますが、近年、金利低下の傾向もございまして、実際に使用できる金額が少なくなっていることも事実でございます。
 私ども、そういう中でいろんなやりくりをしながらこれを進めているわけでございますが、基本的には、議員立法でできた法律でございまして、それに基づく支援をやっているということで、政府といたしましては、その枠内でできるだけやりくりをしながら旧島民の皆様に対する支援をしているということでございます。
 これについてどう評価するかということについてはいろいろ御議論もあろうかと思うわけでございますが、私どもとしては、当面、現在のままでいろいろやりくりをしていくより仕方がないかなというふうに感じているところでございます。
#55
○紙智子君 元島民の皆さんは──問題になりました例のはしけ、友好丸、二億円掛けているわけです。それで、色丹島には港もあるし、ああいうはしけが本当に必要なんだろうかと、それに引き換え、我々が墓参や自由訪問で行く船はもうちょっと何とかならないのかというふうな声が出ています。
 大臣、墓参に使う船ですけれども、これは官庁の漁業取締船とかあるいは訓練船ですね、元々若い人たちが訓練のために使うという、そういう造りになっているわけですけれども、高齢者の皆さんにとっては肉体的にもとても厳しいものがあります。私も居住者連盟の皆さんとお話をしたときにこの話、出ていましたけれども、チャーター船、民間のチャーター船も含めて、やっぱり狭くて、そして階段が物すごく、はしごといいますか、急で、非常にきついと。二段ベッドで非常に狭い。寝返りを打つのも大変というような状況になっていて、行きたいけれども、もう本当に元気なうちに一度は行ってお墓参りしたいとか、そういう思い、希望はあるんですけれども、やっぱり体力的なことを考えますと、これはもう断念せざるを得ないというようなことであきらめる人も増えているんですということなんです。
 今、提供している船舶がこういう状況にあるということを御存じでしょうか。
 そして、当面私は、やはり北海道の北方墓参事業への国の助成を組んで、そして少しでも快適な旅ができる船を提供すべきだというふうに思います。それをやれば、それだけじゃなくてビザなし交流や自由訪問にも使えると。国の専用の船舶を考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#56
○政府参考人(坂巻三郎君) 恐縮でございますが、事実関係をちょっと申し上げさせていただきます。
#57
○委員長(佐藤雄平君) 端的にね、端的に。
#58
○政府参考人(坂巻三郎君) 二つありまして、ビザなし交流は民間の船舶をチャーターしておりまして、三百トン強の船でございます。それにつきましては、居住性が良くないので、高齢化した元島民の皆様方から大型化をするようにという御要望がございます。
 もう一つ、墓参につきましては、これは北海道が事業としてやっておりまして、直接国からの予算的な支援はできないということで、私どもができるということで、国の保有船舶を内閣府の方からいろいろお願いをしまして無償で提供していただいております。
 それで、ちょっと事実関係を申しますと、例えば運輸省の航海訓練所の船を提供していただいたことがございますが、そちらの方は逆に五千トンぐらいの船でございまして、元島民の方々からは、非常に居住性はいいですが、向こうの港湾設備がありませんので、その五千トンの訓練船には北海道の方からまた伴走の形でもうちょっと中くらいの船を用意していただきまして、それでもまた高齢の方々が島には渡れないものですから、向こうの今のお話のはしけというようなものを出してもらいまして、三段階、四段階で乗船をしているということがございます。
 最後に、先生、もうちょっと船舶については考えるようにということでございますが、ほかの訓練目的の船をたまたま北方四島の方に行っていただくという形を取って無償で提供していただいているものですから、非常な制約はございますが、墓参というのは非常に人道上の重要な問題でございますので、できるだけ余り大き過ぎないような船というようなことも考えましてお願いをしてまいりたいというふうに考えております。
 事実関係でございます。失礼いたしました。
#59
○紙智子君 要は、言いたいことは、そういう御高齢になられて、そして渡りたいという思いでいるわけで、できるだけやっぱり負担が掛からないような形でいろいろ考えていただく必要があるんじゃないかと。やはり、元々その島に住んでいたわけですから、そういう自分の島を奪われて、そして領土の問題がなかなか解決しないと。これ、地域ではどうともし難い問題ですよね、国の責任にかかわる問題なわけですから。そういう中で、せめてもの旧島民の皆さんの願いにこたえるということでは、国の支援を強めていただきたいということをお願いしたいと思います。
 それから、続きまして領土返還問題にかかわって御質問をいたします。
 今度の鈴木宗男氏の疑惑の背景にこの北方領土の返還問題が大きく関係していることが次々と明らかになりました。特に、外務省の文書でも明らかなように、鈴木氏はこういうふうに述べています。「そもそも、北方領土問題というのは、国の面子から領土返還を主張しているに過ぎず、実際には島が返還されても国として何の利益にもならない。」、もう驚くべき発言をしているわけです。その上、「戦後五十年もたって返還されないという事実を踏まえ、我が国は領土返還要求を打ち切って、四島との経済交流を進めて行くべきと考える。」というふうに言っているわけです。
 つまり、鈴木氏の本音は、領土返還問題にあるのではなくて、四島との経済交流、北方支援があって、それを自らの利権の対象にしてきたと言われても決してこれは過言じゃないというふうに思うんです。
 こういう批判が集まっていることに対して鈴木氏は、私が言っているわけじゃない、これは、返還運動をやってきている人がそう言っているのであって、それを言ったまでの話だということをおっしゃっておられるわけですけれども、しかし、これは外務省が文書で出しました。その外務省の見解でも、あの文書については、あれ以上もこれ以下もないんだということではっきり完全に否定をされているわけです。
 さらに、先日、十九日に我が党の志位委員長が会見で明らかにいたしましたけれども、鈴木議員とロシア外務次官との秘密会談記録ですね。その中で二島返還先行論と。これ、実際には二島返還先行じゃなくて、二島返還でおしまい論と、二つ返ってきたらもうそれでおしまいというような話になっているわけですけれども、いずれも、これが領土返還運動に非常に大きな困難をもたらしたというふうに言えると思うんです。
 そこで、外務省、今日は大臣はいらっしゃらないんですが、副大臣、そう思われないでしょうか。
#60
○副大臣(杉浦正健君) まず、御指摘の西田参事官の作ったメモでございますが、あのメモについては問題点がございまして、議員の部屋へ説明に行った西田参事官に対して、北方四島、書面によれば、それについてのいろいろな意見開陳の中でのメモとして記載されておるわけであります。
 鈴木議員は、党籍、自民党を離れられる声明その他の中で、今、委員がおっしゃったように、そういう意見を持った人がいるという趣旨で紹介したと抗弁しておられるわけです。
 あのメモそのものがクロスチェックを受けていない。メモを作った際に鈴木議員のところへ持っていって、先生の御発言はこうでございましたねと確認を取った上でできたメモではない。私は弁護士なんですが、反対尋問を受けていない内容のものだという問題点はあると存じます。
 西田参事官は、参議院でしたか、予算委員会の答弁で、あれ以上のものでも以下でもないと言っておるわけですが、そういう内容のものでございますので、その点について、西田参事官はそういうことを言っておる、鈴木先生はそういうふうにおっしゃっておるというわけで、これは裁判でやって確定するかどうかという性質の問題でもないと思うんですけれども、問題点があるということは御指摘せざるを得ないと思います。その上で、あの御発言について外務省の立場でコメントするということはいかがなものかと、こう思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、鈴木議員は一連の疑惑について政治的、道義的責任を取られまして自民党を離党されたということであることはもう申し上げるまでもないと思います。
 それから、志位委員長がプレスで発表された文書につきましては、会談があったことは事実でございますが、これは鈴木議員が一議員としてのお立場でロシア側との間で非公式に行われた意見交換の場でございますので、外務省としてあるいは政府の立場でコメントすることは適当でないと、こう思っております。文書の出どころも不明でございまして、外務省としても、その内容や存否につき確認することは差し控えさせていただくのが適当だろうというふうに思っております。
#61
○紙智子君 今いろいろお答えになったんですけれども、志位委員長が指摘をした文書の中身でもその会議があったということは認められています。そして、その会議に外務省から東郷氏が参加をしていたと。
 これ、私的な立場でというふうにおっしゃいますけれども、外務省の人間が、しかも来ている相手の方は正式な立場で来ているわけですから、そういうことはやっぱり言い逃れになるんじゃないかと。やっぱり多くの人たちがそのことについても大きな疑惑を抱いているわけで、これについてもきちんと責任を持った対応が必要だというふうに思います。
 ちょっと時間がありますので、そのことも含めてお考えいただきたいということで、次の方に移らせていただきます。
 それで、友好の家の入札資格の疑惑をめぐる問題です。
 この問題は既に予算委員会で我が党の筆坂秀世参議院議員が取り上げました。入札説明会に参加したのは、受注した渡辺建設及び犬飼工務店を含む他の四社です。そのうち入札資格がなかったのは、大和工商リース、これ本社が大阪にある、それから山九、これは東京に本社がある、それから第一土建工業、これは施工実績が不足という三社で、残りの村井建設だけが参加資格があったというふうにしています。
 そこでお聞きしますけれども、この入札参加資格では、「根室管内において施工実績を十分有する者であること。」というふうになっていますが、とてもこれ、抽象的なんですね。さっぱりよく分からない。施工実績を十分有しているという基準があるはずですけれども、具体的にどうなっているでしょうか。
#62
○政府参考人(齋藤泰雄君) お答えいたします。
 村井建設の根室管内における実績でございますが、同社に照会いたしましたところ、平成三年十二月から平成九年十月に掛けまして二件の民間会社の支店を建設したほか、五件の公共事業を元請で担当しておりまして、こういったことから、もし同社が仮に資格審査書類を提出していれば、入札参加資格ありと認定されたであろうと思われます。
#63
○紙智子君 具体的な施工場所、受注額、ジョイントの状況ですとか、具体的にちょっと答えていただけますか。
#64
○政府参考人(齋藤泰雄君) 請負金額については御容赦いただきたいと思いますが、平成四年、根室市道営住宅、元請、単体でございます。平成六年二月、標津、標津特別借受け宿舎、元請、単体でございます。平成七年、中標津、北海道根釧地区高等養護学校、元請、ジョイントベンチャーでございます。平成九年、根室、根室警察署庁舎新築工事、元請、ジョイントベンチャー。以上でございます。
 そのほか、二件の民間会社でございます。
#65
○紙智子君 受注額は幾らですか。
#66
○政府参考人(齋藤泰雄君) 公共事業の部分について御説明いたします。
 平成四年の根室市道営住宅でございますが、一億一千五百六十五万円、六年の標津特別借受け宿舎、一億六千九百五十万円、平成七年の北海道根釧地区高等養護学校、一億五千百五十一万円、平成九年の根室警察署庁舎新築工事、二億五百八十万円でございます。
#67
○紙智子君 最後、もう一回、何とおっしゃいました。
#68
○委員長(佐藤雄平君) 齋藤局長、はっきり。
#69
○政府参考人(齋藤泰雄君) 根室警察署庁舎新築工事でございます。
#70
○紙智子君 その村井建設の事業について、この間、私たちもずっと聞いてきたわけです。それで、実際に七件あるというふうに最初、お答えになりました。それで、その七件の中で調べていきますと、結局、最初の言われていた三件については根室管内じゃないところだったわけですよね。その後、また今言われたことが出てきたわけですか。
#71
○政府参考人(齋藤泰雄君) 村井建設に照会したところは、先ほど申し上げたとおり、場所につきましては、根室であったり中標津であったり、あと標津でございますか、この三か所七件でございます。
#72
○紙智子君 当初私たちが聞いていたところでは、最初に言われていた三件というのは、阿寒ですとか、それから根室管内の外に作っているのが三件紹介されて、それ以外はまだ分からないという話だったわけですね。そのほかに今言われたところがあるということなんですか。
#73
○政府参考人(齋藤泰雄君) この案件につきましては、入札参加資格の中に根室管内というふうに明記されているところでございまして、具体的には根室市、別海町、中標津町、標津町及び羅臼町、こうなっているわけでございますが、村井建設にこの管内において施工した工事で実績として何がありますかというふうに照会したことに対して私どもが得た回答がただいま申し上げたところでございます。
#74
○紙智子君 それは間違いないですね。
#75
○委員長(佐藤雄平君) 齋藤局長、時間が迫っておりますので、端的に。
#76
○政府参考人(齋藤泰雄君) 村井建設に照会したところを御紹介した次第でございます。
#77
○紙智子君 この間、いろいろやり取りしてきましたけれども、非常にそういう点では、外務省の方からの回答が、疑惑が本当に大きくなるような回答しかされなかったわけです。
 それで、元々、同種または類似工事ということで、友好の家との関係でもそういう入札資格というふうになったわけですけれども、私たちは、やはり本当にこの入札そのものが形式的で、そして偽装的なものではないかと。結局、自動的に渡辺建設に受注されるということが初めからあって、そういう中でこの事態がなかなか明らかにされないできたのではないかということでは、今聞いたことを私たちも更に調べますけれども……
#78
○委員長(佐藤雄平君) 質問時間が過ぎておりますから。
#79
○紙智子君 はい。
 引き続き追及するということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
#80
○島袋宗康君 国会改革連絡会の島袋宗康でございます。
 多くの方々が似たような質問をされましたけれども、どうぞ質問にお答え願いたいというふうに思っております。
 まず、沖縄県は今年、復帰三十周年を迎えます。この間、十年単位の三次にわたる沖縄振興開発計画が策定されました。そして、いずれの計画でも本土との格差是正及び自立的発展の基礎条件整備がうたわれております。しかし、沖縄県では、相変わらず一人当たり県民所得は全国平均の七〇%程度、失業率は全国の二倍以上という状況を低迷しております。
 沖縄振興開発計画で掲げられました目標は、いずれも達成できておりません。それは一体どこに原因があるのか、担当大臣に御説明をお願いいたします。
#81
○国務大臣(尾身幸次君) この三十年間に三次にわたる計画を策定して、本土との格差是正あるいは自立的発展の基礎条件の整備ということで私ども全力を挙げて取り組んできたところでございまして、この間に六・八兆円の国費を投入をいたしまして振興開発のための施策を講じてまいりました。施設整備面を中心として本土との格差につきましては相当程度是正をされてきておりまして、着実にその成果を上げてきているというふうに認識をしております。
 しかしながら、なお失業率、本土と比較して、もちろん二倍とまでは行きませんが、本土の五・三%に対して七・二%と高い水準にあること、一人当たり県民所得も本土の七二%という水準にとどまっていること等、なおこれから一層施策を充実していかなければならない状態であるというふうに考えております。
 そういう中で、一つの大きな方向は、格差是正からむしろ自立経済の達成という、言わば民間主導型の形でいきたいというのがこの法案の趣旨でございまして、今後そういう方向で努力をしてまいります。
 ただし、だからといって、格差是正についてはもうこれで終わったということではもちろんございませんで、今後ともこの点も当然重点的に考えて施策を推進してまいりたいと考えております。
#82
○島袋宗康君 大臣、ひとつ、いろんな意味で大臣が努力されている点については非常に日ごろ感謝しておりますので、より頑張っていただきたいと思います。
 沖縄県では、産業振興と雇用の場を確保すべく様々な試みがなされております。例えば、特別自由貿易地域の制度もその一つであります。しかし、この制度も当初の思惑どおりに運んでいるとは思えません。したがって、この問題点というのがなかなか、改善の余地があるのかどうか、もしあるとすればどういう方向でこの自由貿易地域の問題について改善をされていかれるのか、御所見を承りたいと思います。
#83
○政府参考人(安達俊雄君) 平成十一年三月に、特別自由貿易地域としまして中城湾港新港地区への指定をいたしました。以来、合計八社の立地が実現若しくはめどが付く状況になってきております。そういう一定の成果を上げてきているわけでございますけれども、この指定した百ヘクタール以上の用地ということも考えてみますと、更に立地を大いに促進していく必要がございます。
 御質問の改善の点といたしまして、具体的な改善の一つといたしまして、立地の円滑化を図るために、今回の法案におきましては──入居企業へのビジネスサポート業務等を行う管理運営法人、ここをきちっと設定をして対応を図っていきたいという県の強い要望がございます。これに対しまして、地方税の減収補てん措置等の支援措置を法案の中に盛り込まさせていただいているところでございます。
 また、レンタル工場ということで、一から土地を取得して工場、建屋を建ててというよりは、簡便に工場の操業をスタートできるレンタル工場、賃貸工場というのが非常に有効であるというのがこれまでの積み重ねでも、沖縄におきますこの自由貿易地域での実績も示しているとおりでございまして、今後の増設の要望が県から出てきましたときには、私ども、よく中身は検討させていただきますが、前向きに検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
 また、企業誘致活動は、従来に比べまして、ここ数年来、県としては非常に力を入れてきてくれているわけでございますけれども、私どもとしてもなお一層積極的に企業誘致活動にも取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#84
○島袋宗康君 今、金融特区構想が持ち上がっております。それはどのような構想なのか、世界の先進モデル地域はどこなのか、仮にその構想が実現した場合には沖縄経済にどのような波及効果があるとお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
#85
○政府参考人(安達俊雄君) まず、モデルということでございますが、これにつきましては、私ども、諸外国の事例を調査してまいりました。平成十年度、十二年度及び今年度十三年度でございます。
 具体的には、米国のフロリダのタンパ、それからテキサス州のオースティン、スウェーデンのスンズヴァル、アイルランドのダブリン等の調査でございますが、直接その特定の地域をモデルということとして設定しているものではございません。
 続きまして、その波及効果でございますけれども、分野は異なるわけでございますが、IT関係につきましては、ここ数年非常に政府としても努力し、平成十年の情報通信産業振興地域制度を創設して以来、他の施策も併せまして、県も努力いたしまして約六十社、四千人を上回る新規雇用の創出を実現したところでございます。
 金融におきましても、できるだけ多くの企業がこれによって立地し、雇用効果を発揮していくということを期待しているところでございまして、現実の動きといたしましても、名護におきましてネット証券の会社が五月にも業務を開始するということを伺っているわけでございまして、こうした動きを更に加速するように頑張ってまいりたいというふうに思っております。
 なお、やはり最初の何社かを立ち上げるというところが一番苦しいことだと思います。ITのときもそうでありました。私自身、一社一社訪ねて、どうか沖縄に立地してくれということで、前例はあるんですかと、ありません、ないと非常に難しいなと言われながらも一社一社実現をお願いして、そしてある程度の立地ができますと、むしろ他社に負けまいというようなことでどんどん流れができてくるというようなことでございまして、金融業務の集積も、最初何社かを成功事例として立ち上げるのは、一番苦しい時期あろうかと思いますけれども、政府としても熱心に頑張っていきたいというふうに思っております。
#86
○島袋宗康君 どうもありがとうございました。
 尾身大臣は、沖縄の大学院大学構想に熱心に取り組んでおられることに対し敬意を表します。その視察のために今夕にはシンガポールへ向けて旅立たれるとのことで、誠に御苦労さまでございます。
 そこで、今、大臣がお考えになっておられる大学院大学構想とはどのような構想なのか、世界にそのモデルはあるのか。また、世界の優秀な頭脳を集め、陣容を整えるためには、研究施設や資料センターやあるいは宿泊施設等、かなりの条件整備が必要であると思います。その点について御所見を承りたいと思います。
#87
○国務大臣(尾身幸次君) 沖縄について、これから自立経済を目指して頑張っていただきたいというふうに考えているわけでございますが、私はこの沖縄担当の大臣であると同時に科学技術政策担当でもございまして、そういう中で、結局、自立経済を達成するためには沖縄自身の水準を科学技術面で高めなければならないということを強く感じた次第でございます。
 そこで、就任以来いろいろ考えてまいりましたが、この沖縄に、政府として沖縄振興は政府の政策の大きな柱でございまして、そういう政策的な重点を置ける沖縄ならば、現在の日本の大学の在り方にこだわらない理想的な大学院大学、研究とそれから人材育成、両方できる大学院大学ができるのではないかと考えて、要するに世界最高水準の国際的な大学院大学を作るということを考えたわけでございます。
 そこで、ベスト・イン・ザ・ワールドという考え方の理念を守り抜いて、どういう大学院大学にするかということを今いろいろ関係者の御意見を聴いているところでございますが、そんなに規模は大きくないんですが、全部英語で学内の会議も授業もやる、こういう大学は日本にありません。それから、外国から半分以上の学生及び教授陣を連れてくる。それから、外国のいろんな研究施設、大学等と連携をするということ。それから、それに基づいてその周辺に、筑波型にはしたくないと思っておりますが、筑波が必ずしも成功していると思っておりませんが、この大学を中核とする企業関係の研究施設も誘致をする。誘致をするというよりも、大学の水準が高くなれば自然にこの周辺に研究施設が集まると思いますし、そういうふうにしていきたい。
 提携すべき相手先も今検討中でございますが、例えば、アメリカのカリフォルニア工科大学とかスタンフォードとか、カリフォルニア大のサンディエゴ校とか、あるいはMIT、マサチューセッツ工科大学とかでありますが、同時に、実を言うと、シンガポールは、リー・クアンユー首相がバイオ関係の科学技術の発展をひとつやっていこうということで、ITから実はバイオの方に戦略の重点を移して、その代わりバイオでは世界一を目指そうということで、シンガポール大学にそういうところを充実しております。
 そこで、このシンガポール大学と連携をすることが沖縄の大学院大学の非常に大きな重点になりますので、是非行って、向こうの大学の幹部の方、それから首相にも会ってまいりますけれども、そういう方と話をして、先日、小泉総理が行かれたときも日本とシンガポールの科学技術の交流を促進するというのを首脳同士で決めておりますので、具体的にはこういう大学ベースの協力、連携も大変大事だと思って、その方向を模索していきたいと。
 先方も私が今まで会った限りにおいては大変前向きでございまして、そういうところから一つのネットワークを組んで、国際的なネットワークの中でこの大学院大学をしっかりしたものにしていきたいと考えている次第でございます。
#88
○島袋宗康君 時間も大変迫っております。最後にちょっと、沖縄で非常に問題になっております総務省の移動通信分野における市場支配的な電気通信事業者指定の対象に沖縄セルラー電話が盛り込まれておる、これはもう、この前も質疑がありましたけれども、恐らく総務省と調整付いているんじゃないかというふうに思いますけれども、その沖縄セルラーの問題について沖縄担当大臣としてどのように見解を持たれますか。
#89
○国務大臣(尾身幸次君) 総務省の方は、沖縄にある沖縄セルラーを、沖縄におけるシェアが四八%なんでございますが、高いという理由で支配的事業者に指定をしたいということで電気通信審議会に諮問をかけているという状況でございます。
 稲嶺知事からも私、陳情を受けておりまして、加入者数で見ると全国の〇・五%である、言わば全国的な規模から見たら全くの零細でございます、従業員も二百人しかいませんし、売上げも二百五十億ぐらいだと思いますが。
 そういうことで、ほかは、例えば北海道、それから東北、関東、近畿、九州とブロック別で地域を考えているのに、沖縄だけはなぜか県別で考えて、そのシェアが高いからこれを支配的事業者にするというようなことでございますが、これをいたしますと、例えばKDDIのこれ五一%子会社なんですが、沖縄のいわゆる資本もかなり入っております。そういう中で、KDDIとセットで料金割引制度も今使っているんでございますが、支配的事業者という指定を受けますとこれができなくなるというようなことで、大変に実は心配をしているわけでございます。
 かつては、この会社は一九九六年には六四%のシェアを持っていたのが、ドコモがどんどんシェアを増やし、それからJフォンもシェアを増やして、六四%からこの六年間、七年間くらいで四八%までシェアが減ってきております。
 そういうことで、その中で今のサービスも使って全力で頑張っているわけなんでございますが、シェアが全体として減ってきている。実態的には零細企業であるものを電気通信事業法上、支配的事業者の指定をして、なお競争条件を不利にしてしまうというようなことは、この電気通信事業法の支配的事業者の権利濫用を防止するという基本的な精神から見たら全く合わないじゃないかと。まして、沖縄の上場企業の六社のうちの一つでございまして、そういうふうにして締め付けられるとこの会社のシェアはどんどん下がって、いずれ、簡単に言うと、つぶれてしまうかKDDIに合併しなきゃならないようなことになるということで、是非思い直しをしていただきたいというふうにお願いをしておりますが、まだこの問題の解決が付いていないということで私ども大変心配をしております。
 そういうことで、また本委員会におきましても、是非、委員の皆様の御理解をいただきたいと考えている次第でございます。
#90
○委員長(佐藤雄平君) 以上をもちまして、平成十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄振興局)、北方対策本部、沖縄総合事務局及び沖縄振興開発金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(佐藤雄平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十分開会
#92
○委員長(佐藤雄平君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を再開いたします。
 沖縄振興特別措置法案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。尾身沖縄及び北方対策担当大臣。
#93
○国務大臣(尾身幸次君) 沖縄振興特別措置法案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 本年は、沖縄の本土復帰三十周年に当たり、新たな沖縄の振興に向けた取組の出発点となる歴史的な節目の年であります。自立型経済の構築が課題となっている中で、沖縄の特性を生かした産業の振興、沖縄の長期的発展の基盤ともなるべき人材の育成等に重点を置くとともに、世界的視野に立脚した科学技術の振興や国際化の推進等、新たな分野を加え、今後の沖縄の発展の新しい制度的基盤ともいうべき本法律案の策定作業を進め、ここに本法律案を提出申し上げる次第であります。
 次に、本法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 第一は、沖縄振興計画の策定であります。
 この計画は、内閣総理大臣が沖縄県知事の作成した案に基づき決定するものとし、産業の振興、職業の安定、教育及び文化の振興、科学技術の振興、福祉の増進等に関する事項のほか、圏域別の振興に関する事項について定めることといたします。
 第二は、産業振興のための特別措置であります。
 沖縄の基幹産業である観光の振興のために、観光振興計画の策定を始め観光の利便性の増進、観光振興地域における施設の整備、環境保全型自然体験活動の推進、沖縄の観光振興のための免税、本土―沖縄路線に係る航空機燃料税の軽減措置等を講ずることといたします。
 また、新たな沖縄の基幹産業と期待される情報通信産業の振興のために、情報通信産業振興計画の策定を始め情報通信産業振興地域制度の拡充、情報通信産業の集積の新たな牽引力となる情報通信産業特別地区の創設を行うことといたします。
 さらに、沖縄の製造業等その他の事業の高度化のために、産業高度化地域制度の創設、自由貿易地域及び特別自由貿易地域制度の拡充を図ることといたします。
 これらの措置に加え、銀行業、証券業等の金融業務の集積を図るための金融業務特別地区の創設、農林水産業の振興のための措置、電気の安定的かつ適正な供給の確保のための措置を講ずることといたします。
 また、沖縄の中小企業の振興のために、中小企業経営革新支援法の特例等の措置を講ずるとともに、沖縄振興開発金融公庫の行う新事業創出促進業務等について必要な規定を設けております。
 第三は、雇用の促進、人材の育成、その他の職業の安定のための特別措置であります。
 沖縄の厳しい雇用情勢の改善に資するため、職業安定計画の策定を始め地域雇用開発促進法に基づく地域の要件を沖縄において緩和する等の措置を新たに講ずるとともに、沖縄失業者求職手帳の発給、雇用・能力開発機構による失業者の再就職の促進等の措置を引き続き講ずることといたします。
 第四は、文化、科学技術の振興及び国際協力等の推進であります。
 沖縄固有の文化的所産の保存及び活用等、文化の振興に関する施策の推進を図るほか、沖縄における科学技術の振興を図るため、研究開発の推進等、必要な措置を講ずるとともに、国際的に卓越した教育研究を行う大学院を置く大学その他の教育研究機関の整備、充実等、必要な措置を講ずることにより国際的視点に立った科学技術の水準の向上に努めるものとしております。その他、国際協力及び国際交流の推進のため、必要な措置を講ずることといたします。
 第五は、沖縄の均衡ある発展のための特別措置であります。
 沖縄における離島等の地域の振興を図るために、無医地区における医療の確保、離島における高齢者の福祉の増進、交通の確保、離島の小規模校における教育の充実、離島の旅館業に係る課税の特例等の措置を講ずることといたします。
 第六は、駐留軍用地跡地の利用の促進及び円滑化のための特別措置であります。
 沖縄における駐留軍用地跡地の利用に関する基本原則を明らかにすることとし、大規模振興拠点駐留軍用地跡地及び特定振興駐留軍用地跡地の指定等の手続を定めるとともに、大規模跡地給付金及び特定跡地給付金の支給の措置を講ずることといたします。
 第七は、沖縄振興の基盤の整備のための特別措置であります。
 沖縄における社会資本の整備のために、沖縄振興計画に基づく事業について国の負担及び補助の割合の特例等の措置を講ずることといたします。
 第八に、沖縄振興審議会を設置することとし、その権限等について必要な規定を設けております。
 以上のほか、附則において、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律に規定する酒税等に関する特例を五年間延長するとともに、沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律について、本法律案の期限である平成二十四年三月三十一日限り、特定の規定を除いてその効力を失う等の措置を講ずることといたします。
 本法律案を新たな時代における沖縄の振興に関する確固たる指針とし、沖縄の自立的発展及び沖縄の豊かな住民生活の実現のために実効あるものとなることを期するものであります。
 以上がこの法律案の提案理由及び概要でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
#94
○委員長(佐藤雄平君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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