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2002/07/12 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第8号
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2002/07/12 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第8号

#1
第154回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第8号
平成十四年七月十二日(金曜日)
   午前十時十六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     岩本  司君     山下八洲夫君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     山下八洲夫君     岩本  司君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     岩本  司君     高橋 千秋君
 六月二十六日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     岩本  司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 雄平君
    理 事
                中川 義雄君
                脇  雅史君
                海野  徹君
                渡辺 孝男君
    委 員
                後藤 博子君
                佐藤 泰三君
                伊達 忠一君
                仲道 俊哉君
                西田 吉宏君
                西銘順志郎君
                日出 英輔君
                森田 次夫君
                岩本  司君
                木俣 佳丈君
                佐藤 泰介君
                遠山 清彦君
                紙  智子君
                小泉 親司君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (沖縄及び北方
       対策担当大臣)  尾身 幸次君
   副大臣
       外務副大臣    植竹 繁雄君
       国土交通副大臣  月原 茂皓君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        嘉数 知賢君
       国土交通大臣政
       務官       森下 博之君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        安達 俊雄君
       内閣府沖縄振興
       局長       武田 宗高君
       内閣府北方対策
       本部審議官    坂巻 三郎君
       防衛施設庁施設
       部長       大古 和雄君
       外務省欧州局長  齋藤 泰雄君
       水産庁資源管理
       部長       海野  洋君
       国土交通省航空
       局次長      鈴木  朗君
       国土交通省北海
       道局長      林  延泰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (沖縄振興特別措置法制定後の沖縄振興に関す
 る件)
 (新大学院大学構想に関する件)
 (普天間飛行場代替施設に関する件)
 (沖縄振興計画に基づく産業振興に関する件)
 (在沖米軍基地の整理縮小に関する件)
 (那覇空港の整備に関する件)
 (北方領土問題等解決促進特別措置法の改正要
 望に関する件)
 (沖縄の戦後処理問題に関する件)
 (日米地位協定の見直しに関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(佐藤雄平君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官安達俊雄君、内閣府沖縄振興局長武田宗高君、内閣府北方対策本部審議官坂巻三郎君、防衛施設庁施設部長大古和雄君、外務省欧州局長齋藤泰雄君、水産庁資源管理部長海野洋君、国土交通省航空局次長鈴木朗君及び国土交通省北海道局長林延泰君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐藤雄平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(佐藤雄平君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○西銘順志郎君 自由民主党の西銘順志郎でございます。
 両大臣、本当に御苦労さまでございます。限られた時間でございますので、早速質問をさせていただきたいというふうに思うのであります。
 今年は、終戦から五十七年目の年になるわけでございます。我が沖縄県は、去った大戦で唯一の地上戦を経験し、日米両軍並びに多数の県民を含む二十万余の尊い人命が失われたということになっておるわけでございます。
 そして、その終戦から二十七か年間の異民族支配が始まるわけでございます。その間、沖縄県民は、自治権の回復運動、渡航の自由の獲得運動──当時、琉球政府から私たちは本土へ行くときはパスポートを発給されていたわけでございまして、パスポートなしで本土に行けるような運動をしようということでそういう運動がなされたわけでございます。軍用地の強制収用に対する反対運動等、様々な形で運動を展開いたしまして、祖国日本への復帰を要求し続けてきたわけでございます。
 一九七二年五月十五日をもって祖国復帰が実現をいたしまして、名実ともに日本国民としての地位を回復したわけでございます。沖縄は、沖縄戦の際に米軍に占領されて以来、本土から政治的にも分離され、米国の軍事優先政策の下で苦難の厳しい歴史を歩んできたのであります。そして、祖国復帰が実現したときには、県民生活のあらゆる面で本土に立ち後れ、道路、港湾、空港等の社会資本の面でも本土との格差が非常に大きかったということでございます。
 そこで、当時の琉球政府と日本政府は、この立ち後れの一番大きな要因を二十七か年間の米国統治にあったというふうに分析をしたわけでございます。そして、沖縄戦末期の、大田実中将が大本営あてに打電をした、沖縄県民かく戦えり、後世沖縄県民のために格別な御高配あらんことをという電文の精神に基づいて可能な限りの支援を講じていただき、今に至っておるわけでございます。
 沖縄県の振興開発に様々な特別の配慮がなされ、また、思い切った特別措置も講じられ、その結果、社会資本整備を始め本土との格差は次第に是正をされ、その成果を上げてきたところでございます。そして、今年、復帰三十年を迎えることになったわけでございます。私たちは、過去の歴史を忘れることはあってはいけないというふうに思うと同時に、これからの十年間が沖縄県、また県民にとりまして正念場であるというふうに思います。
 そこで、尾身大臣にお伺いをしたいと思います。今年の三月三十一日、沖縄振興特別措置法が衆参両院の全会一致で制定をされました。今後の取組について大臣の決意をお聞かせをいただきたいと思います。
#6
○国務大臣(尾身幸次君) 戦争末期のあの沖縄戦のとき以来、沖縄県民の皆様には大変な御苦労をお掛けしているというのが私どもの実感でございます。復帰三十周年を迎えた今日、私どもは、この沖縄振興特別措置法に基づきまして、更に沖縄の新たな振興発展を実現をしていくために全力を尽くしていかなければならないという思いでございます。
 沖縄振興特別措置法に基づきます策定作業を進めておりました振興計画につきましては、沖縄県の案を基にいたしまして、沖縄振興審議会の議を経た上で去る十日に政府として決定をしたところでございます。
 この考え方は、ただいまのお話にありますように、復帰三十年にわたります本土との格差是正ということを柱にしてやってきた努力がかなり実って、格差是正はかなり進展をしてきている。しかし、なお格差是正の必要はあるわけでございますが、同時に、二十一世紀に向かう沖縄の新たな発展の基本的な考え方は自立経済の構築ということであるということでございまして、そういう考え方に基づいて沖縄振興計画を策定をしたということでございます。
 私どもは、この振興計画の線に沿いまして、これから沖縄県側とも力を合わせて沖縄の振興発展のために全力を尽くしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#7
○西銘順志郎君 去った五月十九日に、沖縄県と政府共催で復帰三十周年記念式典が行われたわけでございます。沖縄コンベンションセンターで開かれたわけでございますけれども、その際、小泉総理大臣を始め閣僚の皆さん、あるいは衆参両院の議長等、多くの皆様が御出席をいただき、大変すばらしい式典であったというふうに思います。
 その式典の式辞の中で小泉総理大臣が、情報通信産業の高度化、バイオ関連産業の次世代基幹産業としての育成、自然科学系大学院大学の設立構想を進め、アジア太平洋地域の先端的知的産業拠点の形成を挙げ、新時代の沖縄を築くことを約束なさったわけでございます。
 尾身大臣、常々世界最高水準の大学院大学について構想を言っておられるわけでございますけれども、その点についてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
#8
○国務大臣(尾身幸次君) 五月十九日の沖縄復帰三十周年の記念式典におきまして小泉総理が、政府の方針としてこの沖縄の大学院大学の設立構想を進めるということを明言をされました。私どもはこの小泉総理の発言は極めて重いものと考えておりまして、私ども、全力を挙げてこの大学院大学の構想を実現するために努力をし、そして世界最高水準の大学院大学を作る、そのことを一つの核として沖縄をアジア太平洋地域の知的クラスターの中核としていく、そういう新しい絵をかいて、そしてその絵を実現をしていきたいと考えている次第でございます。
 沖縄の皆様におかれましても、今度はこの大学院大学を支援する県民会議を作ってくださるというような動きもあるわけでございますが、沖縄県の皆様と力を合わせてこれを実現をしてまいりたいと考えている次第でございまして、委員の皆様におかれましても、是非とも御理解の上お力をおかしいただきたく、心からお願いを申し上げる次第でございます。
#9
○西銘順志郎君 尾身大臣、沖縄にもう何回かおいでになられて、いろんな場所で大学院大学について本当に熱弁を振るっておられるわけであります。大臣の本当に決意はよく理解をできるわけでございますけれども、最近マスコミで、読売新聞でしたか、こういうようなことが報じられておりました。大変気になりましたので、質問をさせていただきたいと思うのであります。
 このマスコミの報道では、尾身大臣と塩川財務大臣の間で綱引きが表面化をしているというふうに報じられております。尾身大臣と塩川大臣の綱引きは、今のところ尾身大臣がやや優勢ではないかというような報道でありますけれども、これは、財務省が巻き返しを図ってくるのは、これは確実だというふうに報道をされておられるわけでございまして、大臣の構想を実現するためには、政府、関係部局全体一致してやらなければなかなか難しいのではないかというふうに理解をするわけでございますけれども、財政的な裏付けといいますか、財務省の巻き返しといいますか、そういう点について大臣のひとつ御感想をお聞かせいただければと思います。
#10
○国務大臣(尾身幸次君) 塩川財務大臣は実はこの構想については私もよく理解をしていただいているというふうに考えておりますが、沖縄の特殊事情等を踏まえて、この大学院大学を世界最高水準、ベスト・イン・ザ・ワールドにするためには相当のお金が掛かる、建設費で八百億ぐらい、年間経費で二百億くらいというふうに考えているわけでございますが、しかし考えてみますと、私ども政府として、沖縄の振興発展のために年間三千二百億円くらい、これはインフラの整備も含めましたいろんなものを含んでいるわけでございますが、そのくらいの資金を投入をしているわけでございまして、それはまた逆に言いますと、沖縄の重要性を示しているものだというふうに考えます。
 そういう中で、この大学の持つ将来の発展の可能性、沖縄に対する、沖縄の全体の経済も文化も社会もその体質を変えるような非常に大きなインパクトのあるものでございますので、最優先の課題としてこれを実現すべく、関係方面との協議も進めながら、御協力もいただきながら頑張ってまいりたいと思う次第でございます。
 もちろん、財政状況が厳しいということはよく分かっておりますけれども、しかし、大事なことは国としてやらなければいけないということでございますから、何が大事なことかということについての国、政府あるいは国会での意思決定ということがこの問題、この大学院大学が成功するかどうかということのキーポイントでもございまして、そういう意味でも委員の皆様の御理解、また御協力をお願いしたいと。そして、それによって必ずこれを成功させて沖縄に新しい時代を築いていきたいと考えている次第でございます。
#11
○西銘順志郎君 積極的に大臣の応援をしていきたいというふうに思うわけでございますけれども、綱引きは是非とも勝っていただきたいというふうにお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、我が党の麻生政調会長の発言についてお伺いをしたいというふうに思います。
 一九九六年四月、当時の橋本龍太郎総理大臣とアメリカのクリントン大統領との間で普天間基地の移設の合意がなされたわけであります。大臣、御承知のとおり、普天間基地は宜野湾市の市街地の真ん中にありまして、大変危険だという認識で両首脳の間で移設が合意をされたというふうに理解をしておるわけでございます。
 私たち沖縄県民は、できればこの基地は日本国外に持っていってほしいというふうに思いました。しかしながら、いろんな面で、いろんな理由で国外は駄目になり、国内も難しいということになったわけであります。そこで、あの普天間の危険性の除去を考えるときに、ベストではないけれどもベターの選択として名護市のキャンプ・シュワブ沖に移設をするということで受入れを表明したわけでございます。
 両大臣お分かりのとおり、在日米軍基地の七五%は沖縄県にあるわけでございます。そして、戦後五十七か年間、全くこの状況は変化をしていないわけでございます。私は、日米安保条約の重要性を説くならば、沖縄の基地問題は日本国全体の問題としてとらえてほしいというふうに思うわけであります。県民の気持ちを考えるときに、沖縄の最高責任者としての知事の立場、あるいは受入先の市長の立場として、新しい基地の十五年使用の期限の問題あるいは基地使用協定の条件は私は至極当然のことであるというふうに思うわけでございますけれども、両大臣の御見解を賜りたいというふうに思います。
 また、麻生政調会長が嘉手納統合案や海兵隊の訓練をグアムやフィリピンでやれというふうな発言をされておるわけでございますけれども、こういう問題は、普天間が移設された時点で嘉手納統合案とかいろんな話があったというふうに私は理解をいたしております。なぜ今ごろになってこういう話が出てくるのか全く理解に苦しむわけでございますけれども、これも両大臣の御見解を賜りたいというふうに思います。
#12
○国務大臣(尾身幸次君) 普天間基地の十五年使用期限の問題につきましては、私ども、国際情勢もありまして非常に厳しい問題であるということは認識しているわけでございますが、稲嶺知事及び名護岸本市長の御要請があったことを重く受け止めまして、アメリカ側に対しましてもあらゆる機会を通じて話をしているところでございます。私自身も、昨年九月に訪米した折に米側の要人にこの問題を提起しているわけでございます。
 この問題については、大変、国際情勢もあり厳しい問題ではございますが、私どもとしても、この国際情勢の変化に対応して、代替施設も含めまして、沖縄にいる米軍の兵力構成の全体の軍事体制につきましても今後とも協議をしていきたいと考えている次第でございます。
 麻生政調会長の先ほどのお話のありました名護市の辺野古沿岸域への移転の問題についての御発言でございますが、今、委員お話しのとおり、嘉手納への統合案というのも当初の段階では検討の対象になっていた案の一つであるというふうに聞いておりますが、いろんな事情もあり、もちろん嘉手納市側もそれは到底受け入れられないというようなお話もあって、いろんな曲折を経た上で今の地点に移設をするということで今いろんな手続を進めているところでございまして、私ども、沖縄県及び地元の皆様と協議を行いつつ、できるだけ早くこの普天間飛行場の代替施設の基本計画の策定ができるよう全力を尽くしているところでございます。
 実は、麻生政調会長につきましては、私どもも反省をすべきは、その時々の状況、現下の状況について詳しい説明をしていなかった点もあるなというふうに考えまして、あの記事が出た直後、七月九日でございますが、私が直ちにお伺いをして、私どもの基本的な考え方を詳しく説明をし、そして御理解をいただいたというふうに考えておりまして、与党第一党の政調会長の御発言でございますから、私どもとして、今後とも私どもの考え方をよく御説明をしていきたいというふうに考えている次第でございます。
 したがいまして、この普天間移設につきましては、私どもは昨年の代替施設協議会の取扱いの方針に沿った形でこれを着実に進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#13
○国務大臣(川口順子君) 我が国における在日米軍の施設・区域の七五%が沖縄県に集中をしている、このことによって沖縄県民の方に大変な御負担をお掛けをしているということについては私もよく認識をいたしております。この点につきまして、政府といたしまして、SACOの最終報告の実施が非常に大事だと思っておりまして、努力をいたしております。
 尾身大臣同様に、私も今まで──この件についての考え方ということでございますと、尾身大臣がおっしゃられましたように、今後とも平成十一年末の閣議決定に従いまして適切に対処をしてまいりたいと思いますし、尾身大臣同様に、私も今まで機会があるごとにこの点についてはアメリカに話をしてきております。
 先月、六月の十二日でございますけれども、G8の外相会合がウィスラーでありました折に、私はパウエル国務長官と二国間の外相会談を行いまして、その席上でも、沖縄の問題については、これは極めて重要であるということを申し上げて、SACOの着実な実施が重要であるということと、普天間基地の移設につきましては、これは使用期限について日米の双方の立場はあるけれども、引き続き努力をして早期実現を目指したいというお話をさせていただいているわけでございます。
 それから、麻生議員の御発言につきまして、私、報道で御発言は承知をいたしておりますけれども、麻生議員からその内容あるいは背景等を伺ったということではございませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#14
○西銘順志郎君 終わります。
#15
○後藤博子君 おはようございます。自民党の後藤博子でございます。
 西銘先生に引き続きまして、また西銘先生、そしてまた、ほかの委員の皆様方のお力をおかりしまして、この委員会では初めての質問でございますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 今、沖縄県を代表する西銘先生の思いが隣にいましてひしひしと伝わってまいりました。私も過去三回ぐらい沖縄に旅行をしました。すばらしいコバルト色といいますか、海を見ながら、また、沖縄の女性というのが非常にエネルギッシュで、すごく活力ある女性たちが多いんですね。私は、仕事をしておりましたときに、大分県の同友会という会で沖縄の女性と交流することがあったんですけれども、非常にエネルギッシュで明るくて、もう活発で、そういう沖縄、そしてまた、何か本土とは違う異国のような情緒、文化のある沖縄、そういう沖縄は私は大好きでございます。その大好きな沖縄について今日質問させていただきますので、本当に光栄に思っております。
 今、西銘先生がいろいろと、本土との格差是正のことやら、いろいろと御質問がありました。ですから、私もそれを質問しようと思っておりましたけれども、女性の立場として、私は尾身大臣に、沖縄に対する夢とかロマンとか、そういうことを少しお聞かせ願えれば有り難いと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#16
○国務大臣(尾身幸次君) 私も、沖縄問題担当の職責を承りましたのが昨年の四月でございまして、沖縄の将来についてどういう将来ビジョンをかくのかということを私なりに随分考えました。
 そういう中で、他方で、私が沖縄を担当しているのと同時に科学技術政策の担当の国務大臣という仕事もやっている、そのことが実は大きな要因だったと思うんでございますが、沖縄に世界最高水準のインターナショナルな大学院大学を作ろう、そして沖縄を、日本の一番外れにある島という位置付けではなしに、アジアの中心にある島という位置付けで考えていけば非常に大きな活路が開けるのではないかというふうに考えた次第でございまして、そしてまた同時に、そういう意味の、今は飛行機便などについても数が少ないわけなんでありますけれども、ここが一つの科学技術あるいは知的クラスターというような、そういう分野の中核になれば沖縄の今置かれている地理的条件、自然的条件というものは逆に非常にプラスになると、そういうふうに考えまして、例えば情報特区とか金融特区とか自由貿易地域とか、そういうものはやりますけれども、同時に、それに一つ加えて大学院大学、インターナショナルなものを付け加えていくということが実は今の全体の総合政策の中で、観光や農業はもちろんでございますが、全体の中で理想的な将来の沖縄像というのが実現できるのではないかというふうに考えてこれを進めてまいりました。
 そして、今度の振興計画におきましてもその方向が基本的に決定をされているわけでございまして、その線に沿って将来の沖縄を作り上げていくために私は私なりに努力をしていきたいと考えている次第でございます。
#17
○後藤博子君 ありがとうございます。
 そういう思いが、あるいは、尾身大臣がどこかの場所で発言されるときのその思いというものがほとばしるような力強いお言葉で表現していただければ、県民の皆様にも納得がいくかと思います。今のように大臣が答えていただいた沖縄に対する思いは、本当に日本国の全体の願いでもありますし、また沖縄県民の願いでもあると思っております。その夢やロマン、今おっしゃっていただいたことを実現するためには、沖縄のこの振興計画がしっかりと実現していくことが大事だと考えております。
 今年度、こうやって新たな十年間の振興計画が決定されまして、様々な施策を講じていくことがこの計画の中に示されております。このたびは、短い質問の時間ですので施策の中身についてはお尋ねを控えさせていただきますが、むしろ、この進捗状況をどのようにフォローアップしていくのか、具体的にどのように取り組んでいくのか。
 私は、参議院議員、国会議員になる前は一会社員でございました。会社の中でも、やっぱりプランしていくこと、それをまた行動に移していくこと、その行動に移していった結果がどういうふうに確認され、どういうふうにチェックされているか、また、それをフォローアップして次の経営に持っていくという、そういうことで私は長年やってきましたので、その経営する思いと若干違うかもしれませんが、やはり、どういう計画でも、そこで施策を講じて、その後にどういう状況なのかということをしっかりと把握していくことがまた次の施策につながっていくかと思います。
 それで、この施策の具体的なフォローアップをどのようにされるのかをお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#18
○国務大臣(尾身幸次君) 沖縄振興開発計画という名前で過去三回、十年ごとに区切って計画を立て、それに基づいて沖縄の振興開発を実現をしてきたわけでございますが、今お話しのとおり、後藤委員の経営をされるときの考え方も、ある段階でしっかりと今までの計画の進み具合を見た上で次のステップに進むというのは、正に沖縄の発展のためにも当てはまることであるというふうに考えまして、やはり十年間というのはかなり長い期間でもございますし、その間にいろんな施策をやり、インフラの整備もやり、金融特区も育て、情報特区も育て、そして、その中でどの程度の結果が出てきたのかということをやはり中間段階でフォローアップをしながら、更に追加的な対策を実現をし、長い目で見た大きな枠組みをこの十年間というタームで実現をする体制を作り上げていくということが大変大事だというふうに考えております。
 今までも、中間段階での見直しというか、レビューをしているわけでございますけれども、この計画につきましても、ある段階でレビューをしながら、ローリングプランといいますか、多少の手当てをしながら、基本的にはきちっとした方向での沖縄の振興を実現していきたいと、こういうふうに考えております。
#19
○後藤博子君 ありがとうございます。
 いろんなこの計画に、振計にかかわった方々が、十年後には、よし、やったなと、何かそういうように思えるような、是非そういう計画を立てて、実現に向かって取り組んでいただきたいと思います。
 先ほど西銘先生も質問されました。また、今アジアの中心的なところを担う島として沖縄を考えていらっしゃる。また、知的クラスターの実現も目指していらっしゃる、そういう中で、今度、計画の中に世界最高水準の大学院大学が創設されることでございますが、この世界最高水準の大学院大学にふさわしい学生をどのようにして集めていくのか。
 今年の四月二十四日付けの国際顧問会議の開催についてと題する内閣府の資料を拝見しました。この顧問会議での討議事項を八点挙げておりまして、その二番目に、トップレベルの教員や学生を引き付ける条件という事項がありました。一方、今、文部科学省がCOE、センター・オブ・エクセレンスというんでしょうか、COEという、これまた世界最高水準の研究教育拠点を認定して大学改革を進めようとしております。
 そこでお尋ねしたいんですが、私は、この大学院大学が成功していくか否かは、もちろん施設や先生方の陣容をそろえることが大変重要と思いますが、それにはやはり学生がいないことには何にもならないと思いますので、この大学院大学にふさわしい優秀な学生を集めるには、この学生を引き付ける条件ということで既に二回国際顧問会議で話をされていると思いますが、そういうときにどのようなアイデアが出されているのか。私も今、文部科学委員になっておりまして、二十一世紀のCOEのプログラムとの絡みのことがあるものですから、国内から、また海外から本当に優秀な学生を集めてくることができるんだろうかと、ちょっとそういう心配をしておりますので、お答えいただければ有り難いと思っております。よろしくお願いいたします。
#20
○国務大臣(尾身幸次君) 今、後藤委員のおっしゃったことが一番の問題のポイントでございまして、この大学院大学をベスト・イン・ザ・ワールドにするために、それこそベスト・イン・ザ・ワールドの学生を世界じゅうから集めてくるということがもう必要不可欠であります。
 この大学院大学は、講義も学内の打合せも全部英語でやる、そして、教授も学生も半分以上は外国人にする、学長ももちろん日本人ではない方にお願いをしたいというふうに考えているわけでございまして、優秀な学生は、日本も含めてでありますけれども、世界じゅうから募集をするというふうに考えております。
 そこで、学生を募集するときに、どちらが鶏か卵かなんですけれども、教授陣をまた世界最高水準にしなければならない。これは、実はアドバイザリーコミッティーの方々に御協力をいただいて、ノーベル賞学者も今四人の方に御協力をいただいておりますが、もっと人数を増やして、世界トップ水準の方々に学長の選考をお願いをするというふうにしております。そのまた学長は、最高の教授陣を世界じゅうから集められるような実力、学問的また経営的、人的な実力を持った人に就任していただく。その人の力もかりながら最高の学者を集める、そして最高の学者が集まるということによってまた学生も最高水準の学生が集まると。その最初のところが実は一番のこの大学院大学の成否を決める勝負どころであるというふうに考えております。
 それから、もとより、今はアメリカの大学などでは、大体において、最優秀の学生は、奨学金を出したりあるいは研究補助のための手当を出したりして実質的に自己負担がほとんどないような形で学生を集めておりますので、そういう資金面のこと、あるいは奨学金等についても最高の条件を出して世界じゅうから人材を集めたいと考えております。
#21
○後藤博子君 ありがとうございます。何か、お聞きしていると、わくわくするような大学ということで、すばらしい大学ができ上がるのではないかと思います。
 その大学院大学というすばらしい構想の中で、日本全国にもいろんなたくさん大学がございまして、各大学も特徴を持たせたすばらしい大学にしようというそれぞれの学校の取組があるわけでございまして、沖縄にも沖縄琉球大学というすばらしいまた大学もございますが、そういうほかの大学とのバランス、その大学院大学、すばらしいが余りに、この少子化の中で学生たちがみんなそこに行っちゃって、ほかの大学が何か経営がうまくいかなくなったとかいうようなことももしかして聞かれてくることもあるのかなと思います。
 また、沖縄では大学の進学率が非常に、二九・九%ということで、全国の四五%ぐらいと比べますとかなり差があります。地元の産業の発展のためには、大学のその低い進学率の問題も併せて御検討いただいて、その大学院大学がすばらしいことができることによって日本全体の大学のレベルアップも図れるような、そういう大学ができ上がることをお願いしたいと思います。
 次に大学院大学とほかの大学との差別化をどのようにということを質問しようと思っておりましたが、今大臣がもういろいろおっしゃっていただきましたので、そういうようなことで差別化を図るということで私は理解させていただきます。
 一つまたちょっと気になりましたのが、今、せっかくそういうすばらしい高度な水準の教育を受ける学生たちが集まってきたとします。その集まってきた学生が大学院大学まで進んで、すばらしい能力、技術あるいは人間的にも形成される。その学生たちが──これは、今の若い方は、日本というよりも、そういう勉強したことを、海外に留学しよう、あるいは海外に行って仕事をしよう、そういうことがありまして、日本人だから日本の国に貢献するんだということがちょっと今薄れてきているように思われます。せっかくそういうふうなすばらしいところを卒業した学生たちが日本に貢献していただけるような、海外に流出してしまわないような、日本に対して力を発揮していっていただくような、そういうことが大事だとは思いますが、そういう対策として何かお考えがありましたら、よろしくお願いいたします。
#22
○国務大臣(尾身幸次君) 実は、この大学院大学の卒業生は、例えばハーバードの教授になるとか、MITの教授になるとか、スタンフォードの教授になるとか、あるいはケンブリッジ大学に行って更にその次のステップの研究をするとか、あるいは日本の大学の方で更に研究を続けるとか、いろんな選択があるわけでございますが、むしろ私の方は、ハーバード大学の教授になれるような人材をここで育てたいと。つまり、ここの卒業生を世界じゅうにばらまきたいというふうに考えておりまして、この卒業生がハーバード大学の教授になれば、その後を継ぐ人もまたその方と同じようなすばらしい資質の人が来て世界じゅうに散らばっていくというふうに考えております。そのことによって、この大学が世界のどこに持っていってもトップクラスになるような人材を育てることができる大学だなという評価を確立をしていきたい。
 それは、自然に沖縄の方と結婚して沖縄に残る人もいると思いますし、そういう行ったり来たりというか、世界全体の学問レベルの向上の中でこの大学が中核になる、研究の中でこの大学が世界の中核になる、そのことが実はこの国際化の時代に大変大事だと思っておりまして、日本に人材を供給するためというよりも世界に人材を供給する最高の供給源という意味の大学院大学というふうに考えているわけでございまして、そのことによって、結果として沖縄にいろんな意味での知的資産が残り沖縄全体が自然に高い水準に上がっていくと、こういうようなことになる、そういう理想的な姿を描きながらこれを実現していきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#23
○後藤博子君 ありがとうございます。日本のレベルで私が物をちょっと考えていましたら、大臣はもう世界的レベルでこの大学を持っていかれるというもうすばらしいお言葉をいただきまして、ありがとうございます。
 もう時間がなくなってしまいました。学生を集めるための是非そういうアピールをしていただいて、いつからアピールをするんですかということをお尋ねしたかったんですけれども、時間がございませんので、そういうたくさんの方々が沖縄に来るためにはやはり交通体系の整備が非常に大事だと思っております。
 大臣、先日、三月二十五日でしたか、シンガポールに行って、非常に沖縄は遠いというふうに感じられたということでお話しされた記事がございました。是非、今後、アジアの中核を担う沖縄に対して、世界からそういう方々が本当に短時間で学生も来、そういうすばらしい世界じゅうの方々が集められるような交通体系について一言だけ考えをお聞かせください。そして私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#24
○国務大臣(尾身幸次君) 距離的には、沖縄は、東京への距離が千五百五十キロでございまして、フィリピンのマニラとの距離が千四百八十キロ、上海へ八百二十キロということで、非常にやっぱりアジアの中心に位置している。ただ、今のところやっぱり人材の交流が少ないので航空の路線などはまだまだ不十分でございます。そういうネットワークを徐々に広げていく、これも鶏と卵の関係でございますが、広げていくということによって交通体系も整備され、正に人的な交流が進み、同時にそれによって大学院大学の水準も上がるということで、両方ともいい循環になるようなことを是非実現していきたいと考えております。
#25
○岩本司君 おはようございます。岩本司でございます。
 民主党では、これまでに沖縄政策、一九九九年七月に発表しました。また、議員立法として軍転法改正案、これは一九九九年の十二月にまとめ、衆議院に提出しております。また、日米地位協定の見直し案、二〇〇〇年の五月。積極的に沖縄政策について議論、検討してきております。また、現在、新たな沖縄の方向性を考えるべく、民主党沖縄ビジョン協議会を地元沖縄に設置しまして、精力的な活動を行っております。こうした動きも踏まえて本日は質問をさせていただきたいというふうに思います。前向きな御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
 ただ、自民党の先生方と質問がかなり重なります。しかし、これは沖縄を思う思いはやっぱり日本国民全員同じでございますので、重なりますが、御理解をお願いいたします。
 まず、沖縄振興計画の県案についての取扱いについてお伺いします。
 沖縄県から沖縄振興計画県案が五月の三十一日、平成十四年ですね、小泉首相に提出されまして、その後、沖縄振興審議会、これが開催されまして県案が協議されてき、また七月の八日、この案が審議会から首相に答申されまして、十日に計画を小泉首相は正式に決定したということでありますが、この沖縄振興計画県案を十分に生かした内容となっておるのかどうか、尾身大臣にお伺いしたいと思います。
#26
○国務大臣(尾身幸次君) この沖縄振興計画は、沖縄県の案を基にいたしまして、沖縄振興審議会の審議等を経まして、去る十日に政府として決定したところでございます。
 私どもとしては、もう極力、県の考え方を生かしながら取りまとめたところでございまして、実質的にはほとんど県案と内容が同じになっているというふうに考えておりまして、やはり県の自主性といいますか、意思、意見を十分尊重していくことがこの振興計画の本来の趣旨から見て必要であるという考え方に基づいてそのような対応をさせていただきました。
 したがいまして、そういう意味で、計画ができた後も、沖縄県稲嶺知事もこれに対して非常に高い評価をしていただいているというふうに考えております。
#27
○岩本司君 ありがとうございます。
 政府は、従来から米軍基地の整理縮小について、沖縄県民の皆様方の負担を軽減するために、まずSACOの合意事項の着実な実施が最善との方針を示されているわけでありますが、現在の進捗状況はどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#28
○政府参考人(大古和雄君) 防衛施設庁の方からお答えさせていただきます。
 SACO最終報告に盛り込まれました土地の返還につきましては十一事案ございますけれども、このうちの九事案について次のような進捗を見ておるところでございます。
 まず、普天間飛行場の移設・返還問題でございますが、平成十一年末の閣議決定を踏まえまして、現在、代替施設協議会等において協議を進めているという状況にございます。
 また、那覇港湾施設の返還につきましては、昨年の十一月に移設先となる浦添市の儀間市長から移設受入れの表明をいただきまして、同じ十一月に実務者レベルによります那覇港湾施設移設に関する協議会を設置いたしまして、沖縄県、浦添市、那覇市等との間で鋭意協議を行っているという状況にございます。
 残り七事案につきましては、安波訓練場、この返還について平成十四年に実現しております。それから、残る六事案につきましては、北部訓練場の返還等でございますけれども、地元の了解が得られまして、このうち三件につきましては既に移設工事に着工しているという状況にございます。
 ただ、二事案につきまして、まずギンバル訓練場の返還でございますが、ヘリコプター着陸帯の移設等につきましてまだ地元の御理解、御協力が得られていないという状況にございます。また、牧港補給地区の返還につきましては、関連する国道五十八号線の道路整備計画が調整中でございまして、この二件については進捗していないという状況にございます。
#29
○岩本司君 普天間飛行場移設、少し触れられましたけれども、これは尾身大臣にお伺いしたいんですが、SACOの合意事案の最大の懸念でありますこの普天間飛行場移設問題。
 昨年の十二月の第八回の代替施設協議会において、規模また具体的建設場所などを検討する会議が開かれて、沖縄県また地元の地方公共団体の意見等を総合的に踏まえて代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針が了承されております。
 それによりますと、今後はこの方針に基づいて防衛庁を中心に関係省庁の協力を得て検討を行い、協議会においてその結果を参考に基本計画案を最終的に決定するとされておるわけでありますけれども、その第八回以降、昨年の十二月以降現在までこの代替協議会は開催されていないんです。どのような状況にあるのか、尾身大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#30
○国務大臣(尾身幸次君) この代替施設協議会は、昨年の十二月に代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針を決定いたしまして、その方針に基づきまして、防衛庁等が中心となりまして関係省庁の御協力をいただきながら検討を進めている状況にございます。
 現在、地元あるいは米側とも交渉しながら内容の詰めを行っておりまして、まだその結論が出ていないわけでございますが、私どもとしては、できるだけ早期に結論を出していただいて、代替施設協議会を開催し、その基本計画の取りまとめをしていきたいと考えているところでございます。
#31
○岩本司君 現実的に、去年の十二月からもう半年以上たつんですけれども、開かれていないわけであります。
 先ほども西銘先生からも御質問があって、これ重なりますけれども、麻生自民党の政調会長が地元の新聞で大きく、辺野古移設十五年で一兆円も掛かると、駄目というふうにもう言い切られているわけであります。私も先週末沖縄に行ってまいりまして、先ほど申し上げましたけれども、地域協議会というのを開いて、地元のいろんな方々の意見を聞かせていただいているんですけれども、この話がもうすごく、どうなっているんだと、政府と意見が違うと、自民党内でもですね。民主党はどうだという話にももちろんなるんですけれども、一兆円掛かるわけですね、十五年。麻生政調会長がおっしゃっているのは、これはもう政党抜きに僕はそのとおりだと思うんです。一兆円も掛かると。
 塩川財務大臣も、やっぱり予算の関係でいろいろ尾身大臣との議論が今も続けられていると思うんですが、尾身大臣の、これ重なりますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
#32
○国務大臣(尾身幸次君) この代替施設の問題については、いろんな場所、工法等によりまして、ちょっと細かい数字ここにございませんが、少なくて二千億円くらい、多くて一兆円というぐらいの費用が掛かるだろうというふうに言われておりまして、そのどの案になるのかということを現在、技術的な検討を防衛施設庁を中心でやっていただいているところでございます。ですから、幾らになるかということはかなりの幅があるわけでございますが、いずれにいたしましてもかなりの金額の建設費が掛かるということでございます。
 そういう中で、十五年の期限の問題につきましては、新聞記事等に出ているような御発言もあったというふうに伺っておりまして、私は、政府といたしましては、この使用期限については、国際情勢もあり難しい問題であるけれども、知事及び市長の要望があることを重く受け止めてアメリカ側と話合いをするということで、先ほど外務大臣のお話にもございましたが、鋭意話合いをしているところでございます。
 そういう中で、この場所、名護の辺野古周辺という場所についての御発言もあったというふうに聞いていたわけでございまして、私は先日、御本人のところに直接、記事を見てすぐ、火曜日でしたと思いましたが、火曜日にお伺いをして、私どもの考え方をしっかりお伝えをいたしました。私としては、私どもの考え方を御理解をいただいたというふうに考えております。
#33
○岩本司君 発言された方が理解されたかどうかというのはまだあれなんですけれども、この沖縄振興計画の中にも、「今後とも米軍施設・区域の整理・縮小に積極的に取り組む必要がある。」、「在沖米軍の部隊・装備等の移転を含む米軍施設・区域のさらなる整理・縮小を計画的、段階的に進めていく」というふうにも書いているんですね、言い切っているわけです。
 これは、私はある意味ではチャンスといいますか、ここで整理縮小しないといつやるのかなと。これは私、チャンスだと思うんですね。しかし、このチャンスを逃すとピンチに変わるわけですよ。
 何といいますか、ここでもジュゴンのいる青いサンゴ礁を残した方がいいという御発言もされていますけれども、御承知のとおり、私も、前回の委員会でも質問させていただきましたけれども、シュワブ沖にはジュゴンが生息しているわけです。ジュゴンも守った方がいいと、本当にいいことおっしゃるなと思うんですよね。
 アメリカ政府は日本に対して、鯨を捕るなですとか、堂々とやっぱり政府は言ってくるわけです。鯨よりもかわいらしい、しかも日本の国の天然記念物のジュゴンがここのシュワブ沖に生息しているわけです。貴重な、もう絶滅の危機に陥っているわけですね。これは私は、アメリカ政府は反対できないと思います。世界の中心になって、鯨を日本の政府に対してやっぱり捕るなと。もう僕は、ほとんどの動物大好きですから、こういうチャンスを政府として逃していいのかと。
 私、先週末、先ほど申し上げましたが沖縄に行ってまいりまして、この委員会始まる前に尾身大臣に、この「沖縄戦 衝撃の記録写真集」、これを大臣見てくださいと、ちょっと目を通していただいて、もう今、この話をするだけで私、涙が出てくるわけでありますけれども。私は、昭和三十九年生まれで戦争を経験していないんですね。ひめゆりの塔とか行かせていただいて、本当に涙が止まらないんですよ。
 ここには、皆さんに御紹介したいんですけれども、女性が包帯を抱えて、もちろん手投げ弾も入っているんですね、かばんに。だれかを助けに走っていったところを、もちろん米軍は手投げ弾を持っているだろうと想定されてやっぱり射殺した、その写真があったり、あと、ひめゆりの塔がある糸満市の米須に進撃した米軍が写した写真ですけれども、砲弾で全滅した数家族を発見して、こういう写真。また、最後に、これたくさんあるので全部御紹介できないんですけれども、アメリカの、漫画化といったらあれですけれども、当時の日本軍の状況を漫画にしてかいているんですね。ちょっと見にくいかと思いますが、左側は兵士が日の丸の旗を立てて戦場に突っ込んでいっているわけですよ。こちらでは幹部が逃げている、そういう場面をアメリカの、米軍の方々が見てこれをアニメにして配られたと。
 この事実関係、そういうのはもちろん私も経験していませんし、現場にもいませんでしたから何とも言えませんけれども、本当にもう涙が止まらない。こういう、何というのですか、過去のこういう悲しみの上に今あるわけでして、ある意味では、今、有事の問題も議論されておりますけれども、そのまま有事の状況なわけであります、今。
 先ほども申し上げましたけれども、「整理・縮小を計画的、段階的に進めていく」と。これはどういうふうに計画的、段階的に進めていくのか。これは目先の一番の縮小するチャンス。これを逃して、チャンスを逃してピンチに進んでいくのか、日本がですね。
 現実的に、「整理・縮小を計画的、段階的」、これをちょっと尾身大臣に御説明いただければと思います。
#34
○国務大臣(尾身幸次君) 私もひめゆりの塔にも参りました。あの昭和二十年の三月から六月までの沖縄戦で、軍人の方々が約十万人、民間人の方々が約十万人亡くなられた日本としては最大、唯一の戦場でございました。そういう中で、先ほど西銘委員のお話のありました「一木一草焦土ト化セン 糧食六月一杯ヲ支フルノミナリト謂フ 沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」という電報を打って亡くなられた大田中将の電報も、私自身その時代に生きた者として痛恨の思いで考えているところでございます。
 そういう中で、現在七五%の在日米軍基地が沖縄に存在をしているわけでございまして、そのことが沖縄県民の皆様に非常に大きな負担を掛けているということは事実でございます。しかし、同時に反面、この基地の存在が日本のみならずアジアの平和と安定に大きく貢献をしているということもゆるがせにできないことでございまして、私ども、そういう中でアメリカ側と協議をした結果、SACOの合意に基づいて米軍基地の整理、縮小、統合を着実に進めていくということを基本方針にしているわけでございまして、この方針に沿って誠意を持って問題の解決を図っていきたいと考えているところでございます。
#35
○岩本司君 ありがとうございます。
 私は、もう何度も繰り返しますが、このチャンスは逃していただきたくないというふうに思います。
 たくさん質問したいことはあるんですけれども、重なって本当に申し訳ないんですけれども、ここに駐留軍用地跡地の有効利用も盛り込まれているわけでありますが、今この場で議論すべきかどうかというのも考えなきゃいけないんですけれども、有効利用とここに書かれている以上、どういうことか尾身大臣に御所見をお伺いしたいと思うんですけれども。
#36
○国務大臣(尾身幸次君) この軍用地だったところの跡地は、これは長い間米軍の用地に使われていたわけでございまして、返還をされた跡地の有効利用というのは、私ども、これをしっかりと進めなければならない大変大事な課題であると考えておりまして、地元の皆様の御意見も聞きながら有効利用を図っていきたいと考えております。
#37
○岩本司君 地元では跡地利用の話がもう前々から、数年前からやっぱり出ているんですね。私、前回の質問でも、その跡地がいいかどうかというのは別として、テーマパーク、例を取ってディズニーシーのようなものというふうに申し上げたんですが、今回沖縄に行ってまいりましたら、カジノはどうなるんだというような質問があったんです、カジノ構想。この中にも盛り込まれておるんですけれども、はっきりカジノとは書いていないですね。この沖縄振興計画の中に「雨天時及び季節を問わず楽しめるショービジネスをはじめとした多様なエンターテイメントづくりを促進する。」というふうに書かれているんです。
 この多様なエンターテインメントづくり、ショービジネスを始めとした、これをちょっと御説明いただければと思います。
#38
○政府参考人(安達俊雄君) 御指摘のように、新しく策定いたしました沖縄振興計画におきまして、同文の「エンターテイメントづくりを促進する。」ということを方針として書かせていただきました。県と相談し、また県としてもこういう方針を是非書いてほしいということでございました。
 このエンターテインメントづくりにつきましては、県の認識も私どもと同様でございますけれども、カジノを積極的に推進するという趣旨では必ずしもございませんけれども、カジノ構想をアプリオリに排除しておるというものではございません。総合的な意味でのエンターテインメントづくりということについて進めていこうということでございます。
 県におきましては、今年度から望ましいエンターテインメントの在り方について事業可能性の調査を開始するということで聞いておりまして、私ども、この調査をまずもって注目してまいりたいというふうに考えております。
#39
○岩本司君 尾身大臣にお伺いしたいんですが、そのカジノの話は尾身大臣ももういろんなところでお聞きになっていると思いますけれども、クリントン大統領がアメリカのギャンブル産業の影響報告書というのを提出させているんですね。クリントン大統領の直接指示によって、ギャンブル産業の影響報告委員会、NGIC、これが一九九六年の八月に──もう直属ですから、クリントン大統領の。これ、もう本当に分厚い資料でして、これには、カジノ産業は数々のギャンブル産業の中で最も規制されなければならない、新規カジノ増設は中止しなければならないというふうに出ているんですね。
 私は、聞くところによりますと、一ドルの経済効果を出すのに三ドルの、三倍の政府からの税金、治安維持ですとか、もちろん各州ですとか、そういうところからの税金を掛けなきゃいけないというような話も聞いているんですけれども、このカジノ構想について尾身大臣はどのようにお考えなんでしょうか。
#40
○国務大臣(尾身幸次君) 沖縄にカジノを中心とするエンターテインメントの施設を造ったらどうかという話はいろんな方から私自身も聞いておりますし、またそのことについていろんな方に御意見も伺っております。そういう中で、私の認識では、まだ沖縄県全体としてカジノを進めるというコンセンサスができていないというふうに感じておりまして、この問題は事柄の性格上、慎重に扱うべきものであるというふうに考えます。
 今、沖縄県でこの問題についての事業の可能性等の調査を始める、これらのエンターテインメントの在り方ということでございますが、望ましいエンターテインメントの在り方についての調査を始めるということでもございますし、沖縄県の皆様の意向がどういうふうな方向で固まってくるのかということを私としては見極めてまいりたいと考えているところでございます。
#41
○岩本司君 県民の皆様方の御意見ももちろん取り入れていかなければならないんですけれども、こういうデータは政府としてもやはり世界から取り寄せて慎重に進めなければいけないと思います。
 NGIC、ナショナル・ゲーミング・インパクト・コミッション、一九九九年の六月十八日にクリントン大統領へ報告を行っているわけですね。もう新規カジノ増設は中止しなければならない、こういう結論もありますし、日本がカジノをもし許可した場合に、例えば、なるべくいい方に何でも前向きに考えるのがいいとは思うんですけれども、やはり先ほど申し上げた、ひめゆりの塔も行かれたということで御理解いただけると思いますけれども、やはりこういうカジノとかばくちというと、悪い方に考えちゃいけないんですけれども、売春ですとか、やはり私は本当に沖縄の女性にそういう方向に、何というんですか、私も言葉を選ばなきゃいけないんですけれども、これは慎重に議論をこの委員会でも続けていく必要があるというふうに思います。
 また、先週末に沖縄に視察に行かせていただいたときに、前回の委員会でも質問しました美ら海水族館の現場に行ってまいりました。かなりすばらしい水族館がもうできつつありました。現場に行ってみると、ああ、この水族館建設は、これは正解だったなと私は感じました。かなり以前の水族館がもう老朽化が進んで本当に古くなっているという現実もありますし、二十一世紀に対応していくという、今から観光客を、お客様を沖縄に呼び寄せるには私は大変重要な施設だと。南部にはグスクとかいろいろありますけれども、北部の方はこの水族館ですから、これが目玉のようなものですけれども。
 ただ、前回の私の質問でジュゴン保護のことを少し、ジュゴン保護に関して質問したところ、今後の課題として受け止めさせていただきたいというふうに、そういう御答弁をいただいたんですが、私は、先ほどの日米の関係ももちろんありますけれども、やっぱり国の天然記念物ですから、美ら海水族館、新しいのができるんですけれども、昔の水族館を壊して造るわけじゃないんですね。昔の水族館を残したままなわけであります。私は、何かの工夫をして、絶滅の危機のジュゴンをそこで保護するか、若しくは水族館の近くにネットを張ってでも、そこで新潟のトキのように、一応、政府としても天然記念物ですからベストを尽くすと、繁殖に力を入れていくというふうに考えるわけですが、尾身大臣の御所見をお伺いします。
   〔委員長退席、理事海野徹君着席〕
#42
○国務大臣(尾身幸次君) これにつきましては、今のを私も見に行ってまいりましたが、沖縄美ら海水族館の建設を今年の十一月に開館をするということで進めているところでございます。
 現在の水族館は老朽化が著しいので八月三十一日をもって閉館し、その後撤去することとしておりまして、ジュゴンの保護施設としての再利用は困難でありますというのが事務局のペーパーであります。したがいまして、そういうお答えなんでありますが、しかし、いろんな意味で、自然の状態で生きている生物を水族館のようなところで保護できるのかなという問題点はあろうかと思います。
 いずれにいたしましても、今のお話もございましたから、いろんな意味で長期の検討課題として勉強はさせていただきたいと考えております。
#43
○岩本司君 日本では鳥羽水族館で成功しているんですね。私、鳥羽水族館にも行ってまいりまして、飼育の責任者の方の意見も聞かせていただいたんですけれども、成功しているんです。ただ、沖縄では以前飼育していたんですけれども失敗したという、そういう事実はあります。
   〔理事海野徹君退席、委員長着席〕
 それから、先ほど私が申し上げたのは、ネットか何かで海を囲ってそこで保護できないかと。鳥羽水族館の場合は藻場、ジュゴンが食べる藻場、もうこれが一番問題でして、韓国の方から輸入されているそうです。ただ、年間に数千万円掛かると、これが現状なんです。
 そういうコストの問題もあるんですが、ただ、石垣島ですとかそういうところにはまだ藻場はたくさん生えていますので、藻場が生えているところを保護区として、ちゃんとそこにモーターボートが入るときも例えば、プロペラというんですか、あのモーターボートのスクリューのところに何か工夫するですとか、そういうところに規制をして、国の天然記念物ですから、世界に対してもアメリカに対しても私はすごいアピールにもなりますからこれは積極的に進めるべきだというふうに思いますが、ちょっともう一度御答弁をお願いします。
#44
○国務大臣(尾身幸次君) 今、私どもの方で検討をしております段階ではなかなか難しそうなのでございますが、今後、検討課題にさせていただきます。
#45
○岩本司君 その保護区域、キャンプ・シュワブ沖、ここに生息しているわけですから、チャンスですから、保護区域として、これはもう世界が認める日本の行動ですから、アメリカも反対できません、これは。だから、強く申し上げておきます。
 次に、地元から那覇空港を造っていただきたい旨のそういう要望がもう大臣のところにも、お耳にも届いていると思うんですけれども、那覇空港、沖縄振興計画の中にも空港問題、盛り込まれておりますが、この那覇空港問題に関して御説明を尾身大臣からいただければと思います。
#46
○国務大臣(尾身幸次君) これはむしろ国土交通大臣の方かなとも思いますが、いわゆる第二種空港、主要な国内航空路線に必要な空港ということでございまして、我が国の航空ネットワークの上で南の拠点空港として重要な役割を果たすべきものと考えております。
 離発着の回数等、非常に増加傾向が続いているわけでございまして、今の空港に対して平行滑走路の建設を望むという声が、地元から要望が出ておりまして、私どもの方も、先ほどの大学院大学の設置等、国際的な交流が非常に盛んになってくると考えておりますので、平行滑走路の新設は何とか実現する方向で計画に織り込んでいただきたいというふうに考えているところでございます。
#47
○岩本司君 先ほど管轄が違うというようなお話ですけれども、それは当然であって、ただそういう縦割り、これはこっちとかあっちとかそういうふうに分かれるともうばらばらになってしまいまして、これが日本の今までの悪いところでして、沖縄北方の大臣でございますので、尾身大臣に質問させていただきました。
 次に、大学院大学について質問させていただきます。
 尾身大臣は、大臣が海外に、一流大学をいろいろ視察をされていますね。ハーバード大学、フェルミ研究所ですとかカリフォルニア工科大学、あとケンブリッジ大学。
 沖縄は、この沖縄振興計画でも、読めば分かるように、もう観光主軸ということなんですが、観光学科が設置されておりますアメリカの大学、例えば、大学院レベルですね、コーネル大学のホテル学科、あとテンプル大学の観光学科、サウスカロライナ大学のホテル・レストラン観光学科、ニューヨーク大学、またフロリダ大学、ジョージ・ワシントン大学ですね。観光学科やレクリエーション、公園、いろいろあるんですけれども、この大学院大学の、先ほどの御答弁でもありましたけれども、大臣のお考えというのは私、もう本当に賛成なんです。ただ、この観光学科を沖縄で計画されております大学院大学に設置といいますか、それもお考えですか。観光学科を設置する必要があるかないかというか、大臣のお考えを観光学科についてお聞かせ願えればと思います。
#48
○国務大臣(尾身幸次君) この大学院大学を作るという考えを思い付きましたときに、どういう分野にするかなということを実を言うと随分考えました。観光という分野にしたらどうかというお話は今まで余り大勢の方から聞いておりませんが、沖縄のマリンバイオ、海洋生物、亜熱帯を中心とし海洋をバックにしておりますから、マリンバイオのような分野にしたらどうかと、深層水もありますので、そういう御意見もございましたし、それから今後、世界全体の科学技術の発展の方向はむしろバイオシステムというような分野で、生物、化学、物理、数学、コンピューター、そういうものを融合したような分野が世界的に見て二十一世紀の大きな可能性のある分野だから、それにしたらどうかというような意見もございまして、やや基本的なバイオシステムについての分野を中心としてベスト・イン・ザ・ワールドを目指すと。
 これは世界のトップの、例えばMITとか、例えばカリフォルニア工科大学とか、そういう大学も正に今後の発展分野として戦略的に重点を置いている分野でありますから、競争も大変厳しいのでございますけれども、しかしその厳しい競争を勝ち抜いていくといいますか、その中で世界最高水準になるような分野をねらっていくのがいいというのが、実は今年の四月に、四月の二十六、二十七の二日間でアメリカの有識者十数人の方にお集まりをいただいたときのおおよその皆さんの結論でございました。
 その中には物理とか生物とかのノーベル賞学者もおられたわけなのでありますけれども、やはりベスト・イン・ザ・ワールドにするのならばその分野でやるのがいいという、学問全体の、何といいますか、大きな世界の流れの中の最先端をやるということでございまして、実を言いますと、いろんな分野に広げることも将来の問題としては可能かもしれませんが、当面、学生数で五百人規模ということになりますと、ある程度世界トップを目指すある部分に集中するということも大事でございまして、今のところはそういう方向で考えているところでございます。
#49
○岩本司君 将来的にということですから、ありがとうございます。
 それから、この建設費が約八百億円掛かると。この問題で塩川財務大臣との議論になっていると思いますけれども、年間運営経費二百億円と。この世界のトップクラス、大臣が御視察なさいましたハーバード、カリフォルニア大学、あとカリフォルニア工科大学、ケンブリッジ大学、サンディエゴ校、スクリプス医化学研究所、こういう大臣が視察された大学は大体建設費は幾らぐらい掛かっているんですか。
#50
○国務大臣(尾身幸次君) 実を言うと、沖縄という地理的な制限の中で、今の計画、これは随分大規模だなと言っている人もいますけれども、実は私は、今は教授陣で約二百人というふうに考えたのでありますけれども、最初は教授陣五十人くらいの大学かなという、それがいいという提案をした人もいまして、そういう原案でございました。
 しかし、アメリカに行っていろんな大学を見ましたら、ミニマムの世界最高水準を目指す以上、ミニマム規模というのがあると。最低の規模があって、それは少なくとも教授陣で二百人、学生で五百人、それから支援部隊、いわゆる研究支援とかあるいは事務的な支援とか、そういうのでやはり三百人ぐらいの規模が必要であると。これは世界最高水準をある分野で目指すための最低の規模だと思っております。
 そういう最低の規模で考えますと、ちょっとこれは、例えばカリフォルニア工科大学というのは、規模は小さいけれどもアメリカの最高水準の大学の一つであるということで、これを頭に入れて考えましたが、このカリフォルニア工科大学よりも実は沖縄の大学院大学の方がちょっと規模が小さい、そういうことでございまして、この八百億円という、そしてまた教授陣二百人というのは、まだこれから数字を詰めていくわけでございますが、非常に遠慮した数字だというふうに実は私の方は考えております。
 そういう中で、この大学院大学の重要性を考えれば、このくらいの金は是非国として、出していただいても国家予算の無駄遣いには決してならないというふうに考えまして、これをお願いしたいというふうに考えているところでございます。
#51
○岩本司君 ハーバード大学ですとかカリフォルニア工科大学、あとケンブリッジ大学ですとか、御視察なさった。先ほどと同じ質問なんですけれども、大体幾らぐらいほかの大学は掛かっておりますか。
#52
○政府参考人(武田宗高君) ちょっと、突然のお尋ねでございますので、手元に数字は持ち合わせておりませんが、それぞれ大学、その歴史なり建設の経緯なりございますので、後ほどちょっと資料を整理して御説明させていただきたいというふうに思います。
#53
○岩本司君 いや、ちょっと、私、この点はやはり尾身大臣に申し上げたいのが、やはり八百億円という予算を投入しようとされているわけですから、こういう視察された大学が大体幾らぐらい掛かっているかということぐらいは、私はちょっと、すごく頭に入れていただきたいなと。こういうところから塩川財務大臣がいろいろおっしゃっていると思いますけれども。
 先ほどのこういう採算性、麻生政調会長の話に戻りますけれども、十五年で一兆円を使うと。やはりこれは国民の税金ですから、これはもう少し念頭に、本当にやっぱり、大臣に対して大変失礼かもしれませんが、これはもう少しひとつしっかりこの検討はしていただきたいというふうに思います。
 次に、観光にちょっとまた戻りますが、先週末、私もスーパーマーケットですとかフリー・トレード・ゾーン等を視察に行ってきましたが、特別自由貿易地域と自由貿易地域の那覇地区と、こうあるわけですけれども、今計画されております特別自由貿易地域、これは三五%の法人税の控除があって、また三十ヘクタール以上必要だというようなルールを作られているわけでありますけれども、那覇の空港を降りたすぐ左の自由貿易地域、那覇地区、これはその三五%法人税控除というのがないんですよね。ないからかというわけでもない、それがちょっとまだ分かりませんけれども、今から議論を重ねなければいけないんですけれども、これは、行ってきましたら、空港のそばにある最高の場所なんですが、お客さんがだれも来ていないんですよね。普通、お土産を買うとなると、もちろん都心部で買って、それから時間がない方が空港のそばをやっぱり探して、そこで買って空港に行くと。そこでも買えなかったら空港内で買物するとか。視点がやっぱり国民にないといいますか、観光客の立場に立っていないといいますか。
 このフリー・トレード・ゾーン、那覇地区ですね、この活性化についてお伺いしたいんですが、これも、私は沖縄選出の国会議員じゃないんですけれども、尾身大臣にお伺いしたいと思います。
#54
○政府参考人(安達俊雄君) 那覇自由貿易地域でございますけれども、この自由貿易地域は加工交易型の企業の活動を支援するための施設でございまして、観光向けの施設ではございません。そして、この自由貿易地域につきましては、現在、この入居可能面積一万平方余のうち約九〇%の入居率、ほぼ満杯に近い運営がされている状況でございます。
 三五%の法人所得控除が適用されておりませんのは、元々これは歴史的に古くからございまして、基本的には、もう大型の投資そのものが終わって企業が張り付いておった状況でございまして、三年前に特別自由貿易地域に関して法人所得控除三五%を適用した際になぜ一般自貿について適用しなかったかということにつきましては、これからの投資の呼び水効果としてこの税制を考えたわけでございまして、既に投資が行われているこの自由貿易地域にこの種の税制を適用するということについては慎重な意見であったということでございます。
#55
○岩本司君 私が尾身大臣にお伺いしたのは、今までこれは県が運営管理されているんですよね。しかし、今は本当に、閑古鳥が鳴いているとは言いませんけれども、レストランはお客さん、入っていました。しかしこれ、もう一回造って、もったいないんですよね、最高の場所にありますから。もう造って今でもずっと続いているんですけれども、活性化されていない。
 これは、沖縄選出の国会議員の先生方もいらっしゃるにもかかわらずこういうふうな現状ですから、私も大臣に申し上げて今いるんですけれども、これをもう少し活用するように県に対しても言っていただきたいというふうに思います。
 それから、グアムも今一生懸命頑張っておりますけれども、グアム政府もですね。前回の質問の中にも私は盛り込んでおりましたけれども、大型のショッピングモールが大体六か所以上あると、グアム政府には。今の現状は、私が視察したところ四か所ぐらいですね。
 もうそこまで、私が申し上げているのは、特別自由貿易地域とかデューティーフリーとかそういうのに絞っているわけじゃなくて、観光客はもちろん、免税のところにももちろん集中しますけれども、免税じゃなくても地元の大型のショッピングモールがあったらそういうところにも足を運んでいくわけですよね。ですから、そういう意味で、グアムも数か所なんですけれども、特に、南部にはこういう大型ショッピングモールの計画がありますけれども、北部にはまだないんですね。北部に関してそういうショッピングモールを計画している御計画があるかないのか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
#56
○国務大臣(尾身幸次君) この国際ショッピングモールにつきましては、海外のブランド品が主な商品になっているというふうに聞いておりますが、ショッピングの魅力が増加して沖縄観光の一つの目玉になるというふうに期待をしているところでございます。
 沖縄への国際ショッピングモールの誘致は、平成八年の九月に橋本総理が宜野湾市内で行った演説の中で言及をされて以来、経済産業省を中心にこのための調査等が行われ、検討が進められてきたわけでございまして、今、宜野湾市が有力な候補地となっているというふうに聞いております。これを踏まえまして、この新しい振興新法におきましては、いわゆる沖縄型の特定免税店について、空港内のターミナル施設に加えまして、空港外の国際ショッピングモールへもこれを設置をするということを認めることにいたしました。したがいまして、この制度を活用して今後具体化をしていくことが期待されているというふうに考えております。
#57
○岩本司君 このショッピングモールも重要な問題でございまして、グアム政府は、聞くところによりますと、観光客も減ってきていますので基地を誘致してもいいというようなことをおっしゃっているとも聞いております。やっぱり、グアムとのまず競争に勝たなければいけないんですね。私は、このショッピングモールをもう少し力を入れて整備していく、また、前回の質問でも申し上げましたけれども、ヨーロッパのそういうブランド店などが沖縄に出店しやすいような、そういう法整備も積極的に進めていく必要があるというふうに思います。
 また、前回視察させていただいたときにサミットがあった場所にも私、行ってまいりまして、そうしたら、これ、尾身大臣に御答弁をお願いしていいかどうか分かりませんけれども、サミットがあった場所に前森総理がお泊まりになって、ほかのリーダー、大統領、首相、ほかのホテルに何か泊まられたということなんですけれども、私は、お客様を本来であれば新しくできた、一番会場にも近いホテルに泊めるべきではないかなというふうにも感じているわけでありますけれども、森前首相が自らそこの一番いい場所に、ほかのホテルももちろんいいんですけれども、泊まって、ほかのそういうVIPをちょっと離れたところに泊める、これはどういう意味があったのかというか、これ、ちょっとお答えいただければと思います。
#58
○国務大臣(尾身幸次君) 私もサミットに出席したわけではございませんが、何回か行っておりますから地理的な条件はよく存じております。
 そういう中で、やはり日本主催でございますから、会場の隣にあるホテルは、もちろんほかの地区のホテルと比べて特別いいというわけではありません。つまり、ホテルがいいから日本がそこを選んだのではなくて、主催国としていろんなことをやる上において会場の隣り合わせのホテルじゃないと、やっぱり車で十五分も二十分も掛かるようなところでは具合が悪いので、その便利性のゆえに選んだのではないかというふうに私は想像しているところでございます。
 外務大臣の方は、外務大臣もそのときおられなかったわけでありますから、私の推測はそういうことでございまして、結果として、サミットをやったという実績をもってあそこのホテルがほかと比べていいホテルであるかのように見られるようになったということは事実であろうと思いますが、中身の施設等が特別にほかと比べていいということではなかったのではないかなというふうに想像しております。
#59
○岩本司君 主催国の代表者としてということなんですけれども、何というんですか、一時間早く起きればいいわけであって、それは。これは私だけじゃなくて地元の方々から、何で、日本の首相が一番、地元の方はですよ、一番新しいそういうところに泊まって、ほかにVIPを泊めるんだというような御意見がありましたことを言ってくれと言われたものですから、委員会で、この場をおかりして申し上げます。
 時間が限られておりますけれども、最後に、前回、第一回目の質問で北方四島の質問をさせていただいたんですけれども、前回は外務大臣に質問させていただいたんですが、今日は尾身大臣に、沖縄北方の大臣でございますので北方四島の問題も質問させていただきたいと思います。
 大学院大学ですとか、もちろんそういう夢のある質問の方がいいかもしれませんけれども、日露青年交流委員会でございますが、この日露青年交流委員会で、前回も質問させていただきましたが、鈴木宗男議員が主催した夕食会、宴会ですね、歓迎会、出資したと言われている、そういう場があるわけです。また、佐藤主任分析官が接待したそういう、食糧費にかかわるんですけれども、お招きしている、お客様を、これが十七件あります。
 この資料も外務省から本当に素直に出していただきまして、佐藤主任分析官が接待した金額が三百九十一万八百九十九円でございます。この資料の一番下に書いてあるのが、主催者分はこの金額以外に本人が自己負担しましたと。これ、すべてこの主任分析官が自分の分は自分で払って、あとの三百九十一万八百九十九円は交流委員会が払ったということでございますか。
#60
○国務大臣(川口順子君) ということだと承知をいたしております。
#61
○岩本司君 鈴木宗男議員が、一九九九年の十二月十四日、この資料の中に「一部のみ」というふうに書かれていますね。これ、前回の答弁で、鈴木宗男議員が主催したのはすべて鈴木宗男議員がお支払いになったとおっしゃっているんですね。その中で、十二月十四日、一九九九年の、これは、一部のみということは、全部払っているんですけれども、これに関しては、一部のみ議員が支払って、あとは──この一部のみというのは、この一部を鈴木宗男議員が支払ったという、そういうことでございますか。
#62
○国務大臣(川口順子君) 平成十四年の二月末までに招聘事業でロシアより招聘をした七十九グループでございますが、そのうち鈴木宗男衆議院議員主催の会食は四十四回実施をされております。うち三回につきまして日露青年交流委員会で費用負担をした例を確認をいたしております。それ以外の会食については議員本人が負担をしたものでございますけれども、その三回、先ほど申し上げた日露青年交流委員会で費用負担した例のうち一部、平成十一年の十月十三日の夕食、これは焼き肉ですけれども、それのうち一部を交流委員会が負担をしたものがあるということでございます。
#63
○岩本司君 時間でございますので、最後に尾身大臣にお伺いします。
 佐藤主任分析官が支払ったり、鈴木議員が支払ったり、これはばらばらなんですけれども、沖縄北方担当大臣として御所見をお伺いしたいと思います。この部分は日露青年交流委員会が支払って、この部分は鈴木宗男議員ですとか、ばらばらなんですね。この件について一言。それで私の質問を終わります。
#64
○国務大臣(尾身幸次君) 外交にかかわる問題であり、政治家の倫理に関する問題でありますので、私どもとしては、政治家として、あくまでも日本を良くし、また世界の発展を図るという基本原理に立ってすべてのことを処理することが極めて大事だと考えております。
#65
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 本日、既に私の前の三人の同僚委員の方々から私が今日是非質問したいと思っていたことがかなり触れられているわけでありますけれども、若干角度の違う質問もありますので、重複する部分もあるかと思いますけれども、あえて聞かせていただきたいというふうに思います。
 私、最初は、今日るるもう本日の委員会審議でもお話ありましたSACOの合意あるいは沖縄における米軍の整理縮小の問題について幾つか質問並びに提言をさせていただきたいというふうに思っておりますが、冒頭、一言申し上げたいのは、この本日閣議報告されます沖縄の振興計画でありますけれども、振興計画としては初めて米軍の基地の整理縮小についての記述が盛り込まれました。これについては、稲嶺知事も高く評価しているわけでありまして、私も多とするところでございます。
 しかし一方、例えば総理大臣がこれを決定する前日の沖縄政策協議会においては、この米軍の基地の整理縮小に関する場所に政府が加筆、修正をしたことに対して稲嶺知事からこういう発言があったというふうに報道されております。振興計画への記述に限界があるなら、基地問題については別途、沖縄の立場から国に強く要望したいというふうに述べたということが報道されているわけでございます。
 私も個人的に稲嶺知事の立場を共有をしておるわけでございまして、これからいろいろと具体的に質問をさせていただきますが、やはりこの米軍基地の整理縮小問題、沖縄県民にとっては大変重要な問題でございまして、このSACOの最終合意の完全実施ということが重要なわけでありますけれども、また普天間の移設問題、これは正直申し上げて非常に膠着状態に今陥っているわけでありますけれども、平成十一年の暮れから、この普天間の問題についても政府が強力に取り組むということが閣議決定をされてきているわけでありますけれども、端的に申し上げて、政府の今日までの米国政府への働き掛けは全く不十分であった、俗に言えば気合が入っていないということを私は冒頭に申し上げたいというふうに思います。
 この認識の下に、以下質問させていただきます。
 最初に、防衛施設庁に伺います。
 防衛施設庁は、先日、こちら、手元にありますが、「SACO最終報告の実施状況及び今後の対応について」というペーパーを出しました。このペーパーによりますと、このSACOの最終合意で示された土地の返還案件がありますけれども、普天間を除きますと、返還済みが一件、処理が進行中のものが七件、調整中、つまり手付かずのものが二件ということになっております。これらの案件の多くが、SACOの最終合意で示された返還期限を既に過ぎたか、あるいは過ぎる公算が高いものばかりでございます。
 私は、このSACOの最終合意、改めて質問の前に読まさせていただきましたけれども、この中で期限が一番遅いものでも、例えばキャンプ桑江、平成十九年度末までを目途に返還を図るというようなことになっておりまして、私は、積み残された案件も含めて、是非今後、五年後の平成十九年度末までに、このSACOで合意された、取りあえず普天間はおいておきます、普天間を除いたほかの案件については平成十九年度末までにすべて処理をするという方向で政府に強く努力をしていただきたいと思いますが、防衛施設庁から御答弁いただきたいと思います。
#66
○政府参考人(大古和雄君) SACO最終報告におきまして、土地の返還につきまして、普天間飛行場を除きますと十件ございます。このうち、二件について調整中でございますが、八件について着実な進捗を見ているというふうに考えてございます。
 委員御指摘のとおり、報告書の発表時に比べまして初期の予定どおり進んでいないものがあるのは事実でございますけれども、現段階で、また個々の土地の返還事案について、具体的な返還事案について申し上げるのも困難でございますが、防衛施設庁といたしましては、引き続き、地元の御理解と御協力をいただきながら、最終報告ができるだけ早期に実現するよう最大限の努力を払ってまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りたいと思います。
#67
○遠山清彦君 案件の過半数は遅れているんですから、余り言い訳しないで、しっかり平成十九年度末までやりますということでお願いをしたいと思います。
 続きまして、普天間の移設問題に移りたいと思います。
 先ほど来話が出ておりますが、この問題に関しては自民党の一部、具体的には麻生政調会長になるわけでありますけれども、一部から、SACO合意を受けて地元が決めた代替施設建設プランを事実上ほごにして嘉手納基地への普天間の機能統合などを進めるべきだという声が出ております。
 尾身大臣、既に今日の委員会の御答弁で、政調会長にお話をして了解をされたということでありますけれども、私、次からの質問の前提として改めてちょっと確認をしたいと思いますが、政府の従来の立場、すなわちSACO最終報告の完全実施を推進するという姿勢に変わりがないということをちょっと確認をさせていただきたいと思います。
#68
○国務大臣(尾身幸次君) 沖縄県における在日米軍基地の存在は、我が国だけではなしにアジア太平洋地域の平和と安定に大きく貢献しているということは事実でございます。
 さはさりながら、他方において基地の集中が沖縄県の皆様に大きな負担を掛けているという状況でございまして、私どもは、これに対してSACO最終合意に即して基地の整理、縮小、統合を進めていくということでございまして、このような私どもの考え方は従来から一貫したものであり、今後ともこの線に沿って進めてまいるつもりでございます。
#69
○遠山清彦君 分かりました。
 それを確認をした上で、普天間のこの移設問題というのは早期に解決をしなければいけない。沖縄県民も、私も沖縄に毎月定期的に一、二回行っているわけでありますけれども、毎回、やはりこの普天間移設問題、早く決着をしてほしいという要望を受けているわけでございます。
 私、この委員会の場で確認をしたいんですけれども、そもそもこの普天間の移設問題が起こってきた一番大きな原因というのは、尾身大臣もまた川口外務大臣もよく御存じのとおり、普天間基地の周辺が、先ほど西銘委員からもお話ありましたけれども、普天間基地の周辺に住まれている方々がもう大変な危険にさらされているということがあるわけですね。
 騒音問題とか、ほかにもあるわけでありますけれども、とにかく一機でも米軍のヘリコプターが住宅地、密集した住宅地域に墜落をしたら、これはもう間違いなく多数の死傷者が出ることが明らかなわけでございまして、当然、米軍基地というのは日本の防衛、安全保障の関連で重要だという認識に私も立っておりますけれども、しかし他方、過度に危険であるということが分かっておりながら放置をして、仮に事故が万が一起こって多数の死傷者が出たときに、これはやはり日本国政府として、国民の生命と財産の安全を図るという立場から考えても、非常に大きな問題があると。潜在的な可能性かもしれませんけれども、非常に大きな危険があるということで、そもそもまずは普天間を住宅密集地域から移そうというところがこの話の原点であったわけでございます。その点を強調させていただいて、早期解決が大事だと。
 ところが、この解決のために今最大の課題になっているのが、これも先ほど来話のある使用期限の問題でございます。これについて、先ほど岩本委員からもちょっとお話がありましたけれども、私はちょっと誤解を正したいと思うところがあるわけでございます。
 先ほど来、十五年で一兆円というところがちょっと強調されているわけですが、そもそもなぜ沖縄県民が使用期限の問題を出したかというと、要するに沖縄は、先ほど来話があるように、第二次世界大戦後の不幸な歴史のために、他国によって強制収用された土地が基地として使われるという状態がずっと続いてきたわけです。
 今回、普天間基地を移設するとはいっても、沖縄県民が初めて任意で米国に基地を提供する。これ、初めてなんです、戦後。だから、沖縄県民は、本当は県外あるいは国外に移設をしてほしいんだけれども、県内で受け入れるということは、初めて沖縄県民の任意でこの基地を、ある場所を提供するということなので、その際にはやはり何らかの使用期限を付けさせていただきたいということがあるわけでありまして、この原点を最初に忘れて、一兆円だとか何千億円だとかという話が先行することには私は大きな違和感を覚えております。
 さて、稲嶺県知事や移設先に決まっております名護市の岸本市長が十五年の使用期限を付けることを強く要請していることは大臣も御存じのとおりだと思いますけれども、政府も、先ほど申し上げたとおり、平成十一年十二月二十八日の閣議決定で、この普天間移設問題を米国政府との話合いの中で取り上げるという方針を明示をしたわけでございます。しかし、今日までの政府の取組は残念ながら不十分ではないかと。
 私は、先ほど尾身大臣もちょっとお話をされましたし、また、川口外務大臣も米国政府の要人と、閣僚と会ったときにこの問題を出していると言っておりますけれども、ただ要人の会談で非公式に要望を伝えるだけでは、もうこの問題に対する取組としては本当に不十分ではないかというふうに思っているわけでございます。
 そこで、川口外務大臣に、この点について、今までの取組、やってきたけれども不十分ではないか、平成十一年の十二月からもう二年間この問題、やってきているけれども、ちょっと今までは個別にちょろちょろっと要望を伝えるという程度が多かったんではないかと思いますが、この点、いかがでしょうか。
#70
○国務大臣(川口順子君) 普天間飛行場の代替施設の使用期限の問題につきましては、これは平成十一年の閣議決定に従いまして適切に対処をするという考え方でおります。
 そして、今、委員がこれを非公式に米国と話しているというふうに言われたわけでございますけれども、これは非公式ということではございませんで、日米間の公式な話合いの中で取り上げてきているわけでございます。
 今年の二月の中旬にブッシュ大統領が訪日をなさいました折に、私はパウエル国務長官と公式の会談を持ちまして、その中でも取り上げてきましたし、それから先般、六月の十二日にカナダのウィスラーでG8の外相会議がございまして、その折にもパウエル国務長官と二国間の公式の会談を持たせていただきまして、そこで私は、SACOの着実な実施が重要である、特に普天間基地の移設につきましては、使用期限について日米双方の立場はあるけれども、引き続き努力をして早期実現を目指したいということを申し上げているわけでございます。
#71
○遠山清彦君 分かりました。私の不勉強で、公式な大臣同士の話合いの場で取り上げたということなんですが。
 私、ちょっと今日、提言させていただきたいと思いますけれども、日米間の安全保障問題に対する協議で一番ハイレベルな協議は安全保障協議委員会、SCCと言われるものでございまして、あるいは俗に2プラス2ということで、日本側からは外務大臣、防衛長官、米国側からは国務長官、国防長官が参加する協議の場でございます。このSCCの目的は、ちょっと読みますと、日米両政府間の理解の促進に役立ち、及び安全保障の分野における協力関係の強化に貢献するような問題で安全保障の基盤を成し、かつ、これに関連するものについて検討するということになっておりまして、私は、正に普天間の問題はこのSCCで取り上げて本格的に協議をすべきであるというふうに思っているわけでございます。
 そこで、私、調べましたら、防衛白書に書いておりますが、平成十二年の九月のSCCで普天間問題に日本政府が言及をしたと、しかし、本格的な協議はされずに、その場で普天間実施委員会、通称FIGで協議の継続が決められております。これは平成十二年の十月、翌月に開かれているんですけれども、ここでは実質的な協議が行われておりません。
 ですから、SCCで取り上げられて、FIGで取り上げられたんですが、平成十二年は本格協議に入らないまま、平成十三年はテロ事件があって開かれなかったということになっているわけでございます。
 改めて外務大臣に伺いたいと思います。
 例年の、今までの状況を見ますと、今年も九月ぐらいにこのSCCが開かれるんではないかというふうに私、予想をしておりますけれども、九月じゃなくてもいいんですが、本年、仮にSCCが開かれた場合に、日本政府としてあるいは外務省として、この普天間の移設問題、特に使用期限の問題について本格的に取り上げて、米国政府と継続して協議をする御意思をお持ちなのかどうか、お聞きしたいと思います。
#72
○国務大臣(川口順子君) 委員が今おっしゃられましたように、普天間飛行場の代替施設の使用期限の問題について、平成十二年のSCC、日米安全保障協議委員会、それから普天間実施委員会の場でも取り上げられてきているわけでございます。
 今年の九月にSCCが開催されるかどうかということについては現在のところまだ決まっていないわけでございますけれども、九月であれ、あるいはほかのときであれ、これが開催をされるということになりました折には、私は再びこの問題について取り上げるつもりでおります。
#73
○遠山清彦君 外務大臣、前向きな御答弁、ありがとうございます。
 この使用期限の問題に関しては、沖縄県民は、これは日本の政府が沖縄県民に約束をした公約だというふうに思っている問題でありますので、これが国家間同士の交渉の場に持っていくとなるといろいろと難しいことはあると思いますけれども、私は日本政府が重大なアカウンタビリティーをこの問題に関しては沖縄県民に対して負っているというふうに思いますので、今日も、外務大臣、赤い服をお召しになっていて、勝負服でございますけれども、連日、最近多いようでございますが、是非、米国との協議の場でも勝負服を着ていただいて、この問題では強く言うべきことを言っていただきたいというふうに思うわけでございます。
 この問題に関して、最後に尾身大臣にちょっと伺いたいんですが、SACOの最終報告、これは平成八年に決められているわけでありますけれども、にはこの普天間飛行場に関してはこう書かれております。「今後五乃至七年以内に、十分な代替施設が完成し運用可能になった後、普天間飛行場を返還する。」というふうに明記をされているわけですね。これ、一番多い七年を取っても平成十五年末ということになりますから、もうこの最終報告の文言を実現することは不可能ということになっております。
 新聞でも報道されておりますが、沖縄の地元側は、使用期限問題の決着が代替施設建設開始の前提であるということまで言っているわけでありまして、政府は、先ほど来申し上げているとおり、真剣にこの問題、取り上げなければいけないわけでございます。
 ただ、私、個人的に、先ほど縦割り行政の弊害みたいな話もちょっとありましたけれども、この問題も内閣府の尾身大臣がおられて、また防衛庁長官あるいは外務大臣もかかわっておられて、何となく、外から見ておりますと、米軍基地の問題決着するのに最終的なリーダーシップを発揮しなければいけないのは総理大臣としても、もう一つ下のレベルでこの問題を取りまとめる方がなかなか見えないなという感想を持っておりまして、とっぴな発想でありますけれども、思い切って沖縄における米軍基地の問題解決担当の特命相を内閣に設けるべきではないかと。これは、尾身大臣がもう一個肩書を多く持っていただいてやっていただいてもいいかと私は思っておるんですが、やはり沖縄の問題をよく知悉した方が内閣でこの問題の総責任者になって取り組まなければ、決定権も分散化してなかなか米国政府との交渉もうまくいかないんではないかと思いますが、尾身大臣の感想をいただきたいと思います。
#74
○国務大臣(尾身幸次君) 日米安全保障問題の協議は、日本側でいえば外務大臣と防衛庁長官、アメリカ側は国務大臣と国防担当の大臣ということになっているわけでございます。
 今、これを──いつも私、実は就任をしてすぐに、沖縄問題は、在日米軍の区域的に言うと七五%が沖縄に存在しているという事実にかんがみ、日米で沖縄問題を話合いをするときは、今までの2プラス2ではなくて、私も入れた2プラス3にしてほしいということを申し上げたことがございます。
 しかし、まだこれが実現をしていないわけでございますが、もちろん沖縄の基地問題担当というような肩書を付けるということを、私はそれが適当であるとは考えておりませんで、やはり外務省、防衛庁とともに、沖縄の基地問題についての日米間の交渉をやる際には沖縄担当の国務大臣も加えて三者でやった方が問題の有効な解決に資するのではないかというふうに私は考えておりますが、まだ実現をしていないということでございまして、これは今後の課題であると。特に、今も普天間の移設問題につきましてずっといろいろ折衝をしていただいているわけでございますが、現に担当の安達統括官は、外務省及び防衛庁の担当の方と協力をしながらいろいろとその相談に加わっているわけでございまして、今後の検討課題としては、今の御提案の、肩書の問題は別といたしまして、考え方というのは十分あり得るものと考えております。
#75
○遠山清彦君 大臣、ありがとうございます。
 私の尾身大臣の肩書をもう一つ増やすというプランは実現しそうにありませんが、しかし、より実現可能性の高い、先ほど2プラス2のこの会議にやはり沖縄の事情をよく分かった閣僚の方がもう一つということで2プラス3にという逆提案を大臣からいただきましたけれども、私、それは大変すばらしいアイデアだと思いますし、また、与党公明党の立場でも検討して、私個人としては是非そういう形で実現をしていただきたいというふうに思います。
 残余の時間、残り少なくなってきましたが、別の質問をさせていただきたいと思います。
 国土交通省に、那覇空港の件で、先ほども出ましたけれども、お伺いをしたいと思います。
 現在、国土交通省では、次期の空港整備計画について交通政策審議会で審議中というふうに聞いておりますが、五月三十一日の第五回空港整備部会の報告によりますと、国内の航空ネットワークの今後の整備の審議の中で、主要地域拠点空港として三つの空港が挙げられているわけですが、それが新千歳、福岡、那覇というようになっているわけでございます。
 先ほど来話があったように、もうどうしても那覇空港の整備拡充をしてほしいという地元からの強い要望があるわけでありますけれども、次期の空港整備計画に私は那覇空港の整備拡張を明確に盛り込んでいただきたいと思うわけでありますけれども、審議中の案件ではありますが、国土交通省から御意見を伺いたいと思います。
#76
○政府参考人(鈴木朗君) 那覇空港でございますけれども、沖縄の経済社会の発展に伴いまして着実にこれまで利用実績が伸びてきております。
 平成十二年度で申し上げますと、年間の旅客数が約一千百万人、これは全国第七位でございます。それから、年間の航空機離発着回数は約十一万四千回でございまして、これは全国第六位でございます。ちなみに、平成十二年度の航空路線の数で申し上げますと、国内線が三十五路線、国際線が三路線でございまして、合計三十八路線、これ、国内線の路線の数では全国第三位でございまして、正に国内航空ネットワークの拠点といたしまして大変重要な役割を果たしているものと認識しております。
 このような那覇空港の利用状況にかんがみますと、今後の需要の増加への対応策を検討することは必要でございまして、当面の既存ストックを活用したターミナル地域などの整備方策に加えまして長期的な航空需要に対応した空港能力の確保策などにつきましても検討していくことが課題であると、このように考えております。
 先生御指摘のとおり、現在、今後の空港整備等に関する方策につきまして交通政策審議会の空港整備部会におきまして審議が進められているところでございまして、那覇空港などの主要な地域拠点空港の在り方につきましても、先ほど御紹介のとおり、議論されております。
 私どもといたしましては、その審議の状況を踏まえまして新しい長期計画における対応を検討してまいりたいと、このように考えております。
#77
○遠山清彦君 大変前向きな御答弁をありがとうございます。
 今、路線の数とかいろいろと数字をちょっと挙げていただきましたけれども、同じく主要地域拠点空港に挙げられている新千歳、こちらは那覇空港と比べますと若干指標、上だと思いますけれども、ほぼ同様な、エリアによっては那覇空港の方が勝っているようなところもあると私、思いますけれども、新千歳は三千メートル級の滑走路が二つあるということで、那覇空港は一つしか今ないと。さらに、もっと言うならば、那覇空港は全国の民間の空港の中でも自衛隊機の発着回数が一番多いんですね。
 ですから、新千歳は同じような指標を出していながら二つ滑走路があって、那覇は一つしかない。その一つしかないところを軍民共用と申しますか、自衛隊も大変に頻繁に使っているという状況でありますから、私は、是非、地元からも要望の強い那覇空港の平行滑走路、これをやはり早期に政府として進めるべきではないかというふうに思っております。
 ちょっと時間がなくなりましたので、次の話題に移らさせていただきたいと思いますが、私、沖縄振興に関して、沖縄のスポーツ施設の充実を図ることが非常に重要だというふうに考えております。
 沖縄は今、プロ野球やJリーグチームの春季キャンプ地として大変に人気がございます。今年の春の実績で申し上げますと、プロ野球チームは八チーム、Jリーグチームが五チーム、沖縄でキャンプを張りまして、過去最多でございました。特に、プロ野球チームの八チームの中には韓国のプロチームも二チーム、二球団入っておりまして、SKワイバーンズとLGツインズという韓国のプロ野球チームも初めて沖縄でキャンプを張りまして、日韓親善にも貢献をするような状況になっていると理解をしております。
 また、私、今手元に持ってまいりましたが、平成十二年の二月に琉球銀行の調査部が「県内におけるプロ野球春季キャンプの経済効果」というような調査を出しておりまして、これは、簡潔に申し上げますと、平成十二年二月、このときはプロ野球チームが六チームだけ来ただけなんですが、そのときに、この琉球銀行の試算によりますと、県内直接支出で八億六千万円、また、それに伴う生産誘発額が十一億三千万円と、ほぼ二十億円規模の経済効果があったであろうというふうに試算をされているわけでございます。
 こういった観点から、今後、沖縄県のスポーツ施設の拡充整備を図っていくべきであると。特に、沖縄には沖縄を本拠とするプロ野球チームもJリーグチームもないわけでございまして、現在、沖縄ではJリーグチームを是非誘致したいという運動があるわけでありますけれども、ただ、これもJリーグの公式戦開催可能なスタジアムがないというような状況でありまして、那覇市内にモノレールも今後整備されることも含めて、奥武山公園というスポーツ総合公園が那覇にありますけれども、モノレールの駅もそこにできますけれども、こういったところにJリーグの公式戦開催可能なスタジアムを造るとか、そういったことも含めて是非考えていただきたいと思いますが、尾身大臣の御所見をいただきたいと思います。
#78
○国務大臣(尾身幸次君) 今、プロ野球あるいはJリーグのキャンプ地として非常に沖縄が活用されていることを私ども大変歓迎をしているところでございます。
 そういう中で、やはり冬も十分にスポーツが楽しめるという利点を生かしてスポーツ施設の整備をするということは、基本的な方向としては私も賛成でございまして、いろんな機会にそういう方向を考えながら進めてまいりたいと考えている次第でございます。
#79
○遠山清彦君 以上で終わります。
#80
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 私は、北方領土解決促進のためのいわゆる北特法の問題について質問いたします。
 この北特法で、世論啓発、それから元居住者への援護、そして隣接地域の安定振興に対しての特別措置を講じていますけれども、この振興基金と市町村事業の補助率かさ上げの特別の助成について、十分な支援の措置になっていないということで改善の要望が関係自治体、地元住民から寄せられています。
 まず、この北方領土隣接地域振興基金についてなんですけれども、金利がどんどん低下してこの運用益が激減をしていると。そういう中で、当初の想定の三割から四割まで減少しました。最高時で五億九千万円使えたものが、平成十四年度の計画では二億四千五百十一万円ということです。この結果、基金による支援事業がかなり縮小して関係自治体の期待に沿えない状況になっていると。
 根室市の場合でいいますと、水産資源をもっと増やしていこうということの対策あるいは厚生施設の整備事業など、約一億円が支出をされて二億円の事業が行われているわけです。しかし、実際にはもっともっとたくさん要望が上がっていて二倍近くあるわけですけれども、財源が不足しているということで、学校や福祉施設なども含めた整備ですね、なかなか手が入れられないということで借金でやらなきゃいけない状況にもなっていると。
 それからまた、啓発事業ということで見ても、今まで十四回、北方領土返還祈願望郷ラインサイクリングということで、知床半島の羅臼のところからずっと根室半島に掛けてサイクリングをして、そして、島を見ながら大いに返還運動を盛り上げていこうという事業をやってきて、市民も含めて三百人前後の方が参加をするというのをずっと続けてきていたんですけれども、これもお金が足りないということで中止せざるを得なくなったと。
 ですから、こういう状況を踏まえたときに、やはりこの基金の事業を是非改善すべきだと思うんですけれども、そのおつもりがあるかないか、いかがでしょうか。
#81
○政府参考人(坂巻三郎君) お答え申し上げます。
 先生のお話の中にございましたように、北方基金百億円の基金のうち、国が八十億円を補助、北海道から二十億出していただきまして、北海道の自治法上の基金として設置されたものでございます。
 これを国債、地方債、それから金融機関の預金等で運用いたしまして、その運用益を使って三分野の事業、隣接地域の振興、住民の生活安定、国交省の関係でございますが、一言申し上げますと、これは市町村単独事業に対する補助でございまして、地域の振興の全体の事業は国交省ほかの枠組みがございます。それから二番目に、北方領土問題、その他北方地域に関する諸問題についての世論の啓発、それから元島民の方の援護等の事業に対して補助をいたしているところでございます。
 それで、これまでの実績でございますけれども、五十八年度から十三年度までの運用益による補助金の総額は約六十億円となっておりまして、三分野の事業、隣接地域の振興は大体八割を運用益使って、あとの残りの二割を啓発と援護に使っているということでございます。
 隣接地域の振興に四十八億、それから啓発に六億、それから援護に六億が支出されておりまして、有効に活用はされてきたというふうには思っておりますが、先生御指摘のとおり、近年の市場金利の低下により基金の運用益が減少傾向にございまして、一般的な金利の低下ということもございますが、もう一つは運用の仕方ということもございまして、北海道とも相談をいたしまして、従来、利率の低い定期預金に預けていたものをもっと利率の高い公債の運用に回していただくと。今まで預けていたものを急に引き揚げるということはできませんので、定期預金の期限が切れたときに高い方にというようなことも工夫を加えまして、運用益が来年度は少し増えまして二億四千五百万、昨年度が二億二千六百万でございますので、わずかではございますが、運用の仕方を工夫することによって増えたということもございます。
 それから、全般の運用益自身もそんなに大きくないわけでございますけれども、できるだけ効率的に使っていただくということで工夫を進めながら、わずかながらでありますが改善を進めていきたいというふうに基金の関係については思っております。
#82
○紙智子君 今、基金の運用益の問題についてお話があって、様々なやり方を工夫して考えるということでもあるんですけれども、この補てんということでは、例えばJR、国から譲り受けてその後、運営、運用しているわけですけれども、JR北海道、四国、九州、ここに対する支援策で、経営安定基金の運用益の確保のために、運輸施設整備事業団がこの経営安定基金から一定の高い金利で借り入れるということでもって運用益の確保を図っているという例がありますね。
 ですから、そういう形で本当にやる気になればいろいろな形でできるということでもありまして、その意味では、実際にやはり運用の目減りが相当されているわけですから、そこを是非予算措置で補うということで検討していただきたいと思いますが、もう一度お願いします。
#83
○政府参考人(坂巻三郎君) 今、基金の関係に限ってということでお答えしましたが、北方領土隣接地域につきましては、北方領土問題に係る経費が非常に多額に上るという趣旨から、総務省の関係でございますけれども、地方交付税の特別交付金、例えば十三年度であれば一市四町に三十七億、核となります根室市はたしか十三億だったと記憶しておりますが、そういう手当てもされております。
 ただ、せっかく今、先生からのアイデアの御紹介もありましたので、そういうのは事務的にも勉強していかなければならないというふうには存じた次第でございます。
#84
○紙智子君 それから、補助率のかさ上げの特別助成の問題ですけれども、これが発足以来十七年間、根室市と別海町にはただの一度も適用されていない、羅臼町はわずか一回だけということなんですけれども、これ、間違いありませんか。
#85
○政府参考人(林延泰君) ただいま委員の御指摘のとおりでございます。
#86
○紙智子君 一回も適用されていない、指摘のとおりということなんですけれども、そうなりますと、やはり法の趣旨に基づいての特別措置というふうに言えないんじゃないか、法の目的が実行されているというふうには言えないんじゃないかというふうに思うんですが、その点もやっぱり改善するべきではないんでしょうか、いかがでしょうか。
#87
○大臣政務官(森下博之君) 国土交通省といたしましては、昭和五十八年四月に同法が施行されて以来、北方領土の隣接地域の安定振興を図るための施策を積極的に講じてきたところであります。今後とも、地方自治体の御意見を承りながら、関係省庁との密接な連携の下に同法に基づく諸施策を積極的に推進をいたしまして、北方領土隣接地域を安定した地域社会として形成をするように努めてまいりたいと考えております。
 なお、同法の見直しにつきましては、同法が議員立法により制定されたものであることから、関係議員の皆様方や関係機関との十分な御相談を申し上げてまいりたいと考えておるところでございます。
#88
○紙智子君 議員立法でということで、もちろん国会としてやらなきゃいけないと思うんですけれども、議員立法だから行政は関係ないというわけではもちろんないわけで、その意味ではきちっとやっぱり検討していく必要があるというふうに思うんです。
 それで、一回も適用にならなかったということには、この補助率かさ上げの特別助成が結局、制度に矛盾があるからじゃないかというふうに思うんです。
 対象となる事業、特定事業ですね、この地元負担額がその市町の標準負担額、これが財政収入の一〇%ということなんですけれども、それよりも多くならないと適用されない。そうすると、非常に大変大きな規模の事業でなければ適用されないということになってしまうと。それで、適用されるためには規模を大きくしなきゃいけないということで、必要でないものも含めてといいますか、余りそんなに必要とされていないこともやっぱり含めてそういう計画を作らなきゃいけないということになると、ただでさえ今、地方自治の財政、大変な中で、これはなかなか自治体には負担が大き過ぎて使えないということになっていると。
 それで、一方で沖特法が先日決まったわけですけれども、沖縄の場合、今度、振興法でほとんどの事業が補助率で言うと六〇%などを法律で定めているわけですね。北方問題も、やっぱり領土問題ということでは政府間の交渉で左右される、そういう特別の問題があるからこそ作られてきた、そういう法律だというふうに思うんです。
 補助率の特別助成が適用されるようにするには、せめて地元の負担額が標準負担額を上回るという厳しい条件といいますか、これを撤廃することも含めて検討すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#89
○政府参考人(林延泰君) お答えいたします。
 委員御指摘のこのかさ上げの問題、この第七条でございますが、この七条というのは、国の補助を受けて実施する事業で政令で定める特定事業について廃止前の新産・工特財特法の例により補助率のかさ上げを行うということを規定しているわけでございますが、この同条が廃止前の新産・工特財特法の規定を例としている趣旨は、一つは、かさ上げ率が当該年度の特定事業に係る地元負担が多くなるに従って高くなる仕組みになっていること、もう一点は、地元市町の財政力指数によってかさ上げ率が調整されることなど、特別の助成として国と自治体の間の適切な負担配分を行うものであることからそのスキームを援用しているものと理解してございますが、先ほど政務官が答弁されましたが、同法が議員立法により制定されたものであることから、関係議員の皆様方や関係機関等と十分御相談してまいりたいと存じてございます。
 以上でございます。
#90
○紙智子君 今、新産・工特財特法というんですか、これに基づいてというような話があったんですけれども、それ自体も、果たしてこういう領土問題が解決しないために財政が落ち込んでいるという、そういうところに適用するということ自身もどうなのかなということも含めてやっぱり問題は議論しなければいけないことだというふうに思います。
 それで、今、北海道も同様の要望をまとめようということも聞いていますし、北海道や関係自治体とも協議すべきだというふうに思いますが、それにこたえる用意はあるでしょうか。
#91
○政府参考人(林延泰君) 関係市町とその辺は十分相談してまいりたいというふうに考えてございます。
#92
○紙智子君 協議をしていくということですね。
 それでは、漁業にかかわっての質問をいたします。
 昨年の日ロ漁業交渉で、ロシア側がオホーツク海の外国船の操業を禁止し、その他の海域も自国の企業優先のオークション、競売による販売方式を強めている、日本を始め外国船の操業縮小の方向を強めているということなんですけれども、現地の根室では、このまま日本政府の対ロ漁業外交が続くならば、根室の漁業は、ロシア水域はおろか、四島の周辺水域からの撤退も余儀なくされかねないと非常に強い危機感を持っています。
 近年、ロシア側の要求というのはエスカレートしてきています。オブザーバーで乗船が義務付けられているロシアの公務員に法外な日当が要求されて、日本からは、日本の漁業経営というのはそんな状態じゃないんだということで厳しい状況を伝えて、その支払う能力もないと言って拒否して、ようやっと下方修正して、それでも一万二千円だというようなことになっているとか、あるいは花咲港や釧路港などでは、市場にまでロシアの監視員が視察に来て、サケ・マスの荷揚げの監視をしている、何匹揚がっているかということまでやっていると。そのほかにも、いろいろと日本側も監督者の機嫌を取らなきゃいけないということですとか、非常に日当の支払や市場の監視なども屈辱的だと、主権侵害になるんじゃないかというような声も出ているわけです。
 これについて外務大臣、こういう話は御存じでしたでしょうか。そして、どのように思われますか。
#93
○国務大臣(川口順子君) 今、委員がおっしゃられましたロシアの経済水域で外国の操業を減らしていこうとか禁止をしようとか、あるいはロシアの乗船をした人に高いお金を要求しているとか、それから市場に来ているとか、お話ございましたけれども、まず、ロシアの経済水域で外国漁船の操業を禁止をしようという報道は見たことが、承知をしていますけれども、それについて事実関係を照会しましたけれども、そういう事実はないという、確認をされませんでした。
 それから、市場その他であるいはロシアの人がチェックをしているとかということについては、私は事実関係は承知をいたしておりません。
#94
○紙智子君 現地では本当に、だからもう何とも言い難いという怒りを持っているわけですよね。
 それで、要求のエスカレートということでいいますと、北方四島の周辺の安全操業協定ということでも同じです。毎年、操業条件を決める交渉で、二〇〇〇年の十一月の交渉から、漁業者が払う協力金ですね、この協力金、それから、機材供与のほかに今度支援委員会の技術支援が加わっているんですね。内容は、サハリンへの重機が四億数千万円というふうに報道されています。
 この安全操業協定ではそのような技術支援が必要と記されていないわけなんですけれども、それなのにどうして盛り込まれるようになったのか。また、この支援委員会の規定に照らしてこういう支出が許される根拠が一体どこにあるのかということについて、欧州局長、お願いします。
#95
○政府参考人(齋藤泰雄君) お答えいたします。
 御指摘のサハリン州に対します技術支援でございますけれども、これは、サハリン州におけます市場経済への移行を目指す改革を支援することが対日理解の促進にも資するという考えの下で実施しているものでございます。
 このような支援を行いますことは、四島周辺操業枠組み協定に基づきます操業等の円滑な実施に資するという意味におきましてこの協定と付随的に関連するものでございますけれども、入漁料ですとかあるいは漁獲量に見合った対価ですとか、そういった性格のものではございません。
 このサハリン州に対します技術支援の根拠はどうかというお尋ねでございますけれども、これは、サハリン州におきましてエネルギー状況が非常に慢性的に危機的な状況にあるという状況にございまして、石炭採掘機材の老朽化が問題となっておりまして、重機を供与することによりましてこういった事態の改善が期待され、また同地域の経済安定化、改革促進に貢献するということで、市場経済への移行を支援するという支援協定の規定に合致するものだというふうに考えているわけでございます。
#96
○紙智子君 今の回答では全然よく分からないんですよね。
 支援委員会の規定の中でも、第三条にそういう規定というのはないわけですよね。やっぱり、人道支援かあるいは緊急のいろんな問題が起こったときに、緊急的な立場でやるとか人道支援とか、そういうことが主になっているわけで、今答えられた中身というのは全然違うんじゃないかと。
 そして、漁業を操業していく上での円滑化にもかかわるという、直接協力金とかではないけれども、そういう円滑化にかかわるというんですけれども、漁業者の負担を軽くするかといったら、全然そうじゃありませんよ、実態は。とにかく、四千万円ですかの協力金を出さなくちゃいけない、そのほかにも機材供与も強いられていると。それで本当に負担を軽くするというのであれば、本来は国が援助すべきだというふうに思うんです。
 こんなおかしな、技術支援がなければ操業できないというのは問題だと思いますし、こういう枠組みを作るのに結局、鈴木宗男議員の関与が取りざたされているわけで、この支援の内容それから業者、これは二〇〇一年の三月の十一日に鈴木議員が参加したサハリン州のユジノサハリンスクの日本総領事館の開設パーティーでこの支援の内容と業者を発表した、披露したそうですけれども、入札がこれに間に合うように無理に急いでいるというのが見て取れるわけですね。通常は、二億円以上の物件は、入札は新聞で公告した後、二十数日間掛かるわけですけれども、この場合は公告が新聞に出たのが三月一日だと。説明会もやっていないと。それで、公告開始のわずか八日後に行われているわけですから、これは鈴木議員の訪ロに間に合うように急いだというふうに言うしかない実態だと思うんです。
 それで、外務省はこの鈴木議員の関与についてはどのように把握しているのか、それについてお答え願います。
#97
○政府参考人(齋藤泰雄君) ちょっと今の御質問にお答えする前に、先ほどの支援委員会設置協定との関係でございますが、この協定第三条一(b)(6)におきまして、「受益諸国における市場経済への移行の円滑な実現に資する活動のために必要な物品、機材等の購入」という条項がございまして、重機の供与は、先ほど私が申し上げました理由によりこれに該当するということでございます。
 それから、鈴木宗男議員との関連でございますけれども、鈴木宗男議員の地元であります北海道の漁業者に関係するということで、同議員がサハリン州に対する支援に対しての強い関心を有していたということは事実でございまして、我々、そのように思うわけでございますけれども、対サハリン支援について同議員から何らかの圧力があったというようなことは確認をされていないということでございます。
#98
○紙智子君 とにかく、余りにもちょっと不自然だということでは、是非、外務大臣、これ、調査していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#99
○政府参考人(齋藤泰雄君) この点につきましては、新日本監査法人にお願いした第三者による調査の対象に含まれておりまして、その調査結果では、具体的な関与については確認できていないということでございます。
#100
○紙智子君 全然納得できるものではないですけれども、いずれにしても、この肝心の四島周辺の漁業絡みの問題で言いますと、この漁獲量は、割当てというのは本当に少なくて、実際に捕れないし、おまけに設置した網がロシアのトロール船でずたずたにされると。それに対する補償もないという事態ですし、多額の協力金も払う、そして赤字も大変だと。この上、こういう支援委員会の多額の支出がないと操業できないというのであれば、今この支援委員会の廃止をどうするかというようなことをめぐって議論になっているわけで、ますます協定に基づく操業というのは不安定になってくるんじゃないでしょうか。
 大臣、この経営が成り立つような条件で安全操業ができるように努力するのかどうか、その決意をお聞きしたいと思います。
#101
○国務大臣(川口順子君) 外務大臣といたしましては、これは、交渉ということは外務省の所管でございますけれども、漁業が成り立つような状況かどうかということについては水産庁が所管をいたしておりますので、いずれにいたしましても、水産庁とよく相談をしたいと考えます。
#102
○紙智子君 今後の漁業交渉の問題ですけれども、元々、日ソ地先沖合漁業協定は、それぞれの国の主張、二百海里、この水域を認めた上で成り立っているものだと思います。
 協定の前文に、「千九百七十七年五月二日付けの日本国の漁業水域に関する暫定措置法に基づく漁業に関する日本国の管轄権並びに千九百八十四年二月二十八日付けの」、ずっとあって、ソ連邦の「主権的権利を認め、」云々ということで作られているわけですけれども、ロシアと他の国の二百海里をめぐる交渉の結果、境界が画定していないけれども、お互いに話し合って重複する水域での共同水域を定めてやっているとかいうことは外国の例であるのでしょうか。
#103
○政府参考人(齋藤泰雄君) ロシアとの間で二百海里水域の境界線が画定していない部分を有している国としましては、ノルウェー、米国及びウクライナがあるというふうに承知しております。
 ロシアとこれらの国との間で問題となっております水域での漁業問題の取扱いぶりについて、我々が承知しているところは以下のとおりでございます。
 まず、ロシアとノルウェーの間でございますけれども、バレンツ海における境界線の引き方が画定していないということから、協定の中で問題の水域を特別の漁場として定めまして、毎年協議して、漁船数ですとか操業ルールを決定しているというふうに承知しております。
 また、米ロ間では、ベーリング海において境界線をめぐる交渉が継続されておりますが、暫定的な境界線が決められておりまして、漁業については、米ロ両国が暫定的な境界線の内側でそれぞれの国内法に基づき操業を行っているというふうに承知しております。
 また、ロシアとウクライナの間では、黒海及びアゾフ海における境界線が画定しておらず、漁業問題については毎年の両国間の協議により決定されているものと承知しております。
#104
○紙智子君 今紹介いただいたように、やはりそういう協議をして、それを踏まえて共同漁業の水域を設定して漁獲を認め合うという形になっていると思うんですけれども、そういう例から見ても、私は、日本の主権が存在している、そういう立場を明確にした漁業交渉の在り方を検討すべきだと思うんです。
 我が党は、二十数年前から、この領土問題が未解決の下で両国の二百海里水域が重なる部分の共同管理方式を提案をしてきました。資源管理も含めて、地域の機関を作って両国が共同でやると。これは国連海洋法の立場にも合致するものだと思いますけれども、少なくとも北方四島の管轄権のある、立場に見合った交渉方針を検討するときではないかというふうに思うんですけれども、外務大臣、いかがでしょうか。
#105
○国務大臣(川口順子君) 北方四島が我が国の固有の領土であるということについては、これは言うまでもないわけでございますが、北方四島がロシアの不法占拠の下にあるという厳しい現実があるということも、これまた事実でございます。
 この日ソ地先沖合漁業協定におきましては、日ロ双方が自国の関係法令に従って、北西太平洋の自国の二百海里水域において他方の国の国民及び漁船が漁獲を行うことを許可をしているわけでございます。この協定の下で北方四島に対する日ロ両国の領土的主張が重複をしていることにかんがみまして、我が国の二百海里水域とロシアの二百海里水域が重複をして設定をされているということでございます。こうした異常な事態の解消には、遺憾でございますけれども、北方領土問題そのものの解決を待つほかないというふうに考えております。
 ただ、北方四島に対する我が方の立場につきましては、この協定の第七条に「いずれの締約国政府の立場又は見解を害するものとみなしてはならない。」という規定が置かれておりますので、この協定のいかなる規定も領土問題に何らかの影響を及ぼすということでは全くないということでございます。
#106
○紙智子君 時間になりましたけれども、やはり今のままではじり貧になっていくということの中で、改めてその解決の方向、抜本的な対策ということと、今日明日どうかなるということではないわけで、その意味では、その抜本的打開策と併せて当面する振興策ということでも是非力を出していただきたいということを最後に述べまして、質問を終わります。
#107
○島袋宗康君 国会改革連絡会の島袋宗康でございます。
 両大臣、もう最後の私、質問者になりましたけれども、大変お疲れのところ、質問が重複するかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思います。
 去る三月二十九日の当委員会における沖縄振興特別措置法の可決の際の附帯決議の一項で、沖縄における不発弾処理や旧軍飛行場などの戦後処理等の諸問題に引き続き取り組むという方針が沖縄振興計画の振興の基本方向の中に取り入れられたことは、誠に結構なことと考えております。
 そこで、尾身大臣にお伺いいたしますけれども、不発弾処理の問題については既に取り組まれておりまして、不発弾が出てくるたびごとに住民を避難をさせて処理されておるということは、もうこれは御承知のとおりであります。
 ところで、旧軍飛行場用地問題についてはこれまで全く手が付けられておりません。この問題については非常に沖縄県民として大きな関心事でありますけれども、尾身大臣としてはこれからどのようにしてこの問題について解決していかれるか、手順等についてお示し願いたいと思います。
#108
○国務大臣(尾身幸次君) 今のお話のとおり、旧軍飛行場用地問題につきましては、この参議院の決議もございますし、七月十日に決定されました沖縄の振興計画におきましても、「沖縄における不発弾処理や旧軍飛行場用地など戦後処理等の諸問題に引き続き取り組む。」ということを盛り込んでいるところでございます。
 この旧軍飛行場用地問題は、これは財務省の所管の問題でございますので、今後、沖縄県及び財務省において適切な取組がなされるように、私どもとしてもこれをしっかり見守ってまいりたいと考えているところでございます。
#109
○島袋宗康君 先ほど申し上げましたように、非常に沖縄県民、大きな関心を持っていますから、是非、尾身大臣、努力していただきまして、財務省と交渉して成果が上がるようにお願いしたいというふうに思っております。
 それから、振興計画の中の「県土利用の基本方向」に「駐留軍用地跡地の有効利用」の項目が掲げられております。そこに、「米軍施設・区域については、大規模かつ高密度に形成され、しかも沖縄の振興を図る上で重要な位置に所在し、県民の良好な生活環境の確保、都市の形成、体系的な道路網の整備等、社会経済の面で大きな影響を及ぼし、県土利用上の制約となっている。」というふうに正しい認識を示しておられます。
 そこでお伺いいたしますけれども、政府は、沖縄の米軍基地の整理縮小について、これまで判で押したようにSACOの合意を実施することが整理縮小につながると繰り返し述べておられます。SACOの合意では沖縄の米軍基地の整理縮小は私はできないというふうに思っております。振興計画のような内容の認識を持っているとすれば、基地の縮小についてもっと積極的な対米交渉を行うべきであると考えておりますけれども、所管の川口外務大臣の決意をお伺いしたいと思います。
#110
○国務大臣(川口順子君) 我が国における在日米軍の施設・区域の七五%が沖縄県に集中をしているということによりまして沖縄県民の方に多大な御負担をお掛けをしているということについては、私も認識をいたしております。この沖縄県民の御負担の軽減のために、政府としては、SACOの最終報告の着実な実施が最善であると考えておりまして、これまでも最大限の努力を傾注をいたしてきているわけでございます。
 私といたしましては、今年二月に外務大臣になりまして以降、二月の十八日にアメリカのパウエル国務長官と会談をし、あるいは先月の六月の十二日に再度会談をいたしましたけれども、その二回の会談において、日米両国がSACOの最終報告の実施に向けて協力を継続していくことが必要であるというお話をさせていただいて、日米の間でこの点については一致をいたしております。
 いずれにいたしましても、政府といたしましては、地元の皆様の御理解、御協力を得ながら、関係の機関と協力をしつつ、沖縄県の方々の御負担を軽減すべく、SACO最終報告の着実な実施に最大限の努力をしていきたいと考えております。
#111
○島袋宗康君 私が申し上げましたように、SACOの合意の実施ではあの県内の基地の整理縮小につながらないということを申し上げているわけです。
 そこで、そういったSACOの合意の内容を超えて真剣に日本の政府として沖縄県民の負担の過重を軽減するような努力を全くしていないんじゃないかというふうに思うわけです。ですから、これからのいわゆるSACOの合意を実施するという段階では、やっぱり県民は、これが全部成功したにしてもわずか五%しか整理縮小はできないというふうなことですから、今、海兵隊は沖縄駐留米軍のいわゆる六五%を占めておりますから、その六五%の海兵隊をグアムやハワイに撤退させることによってしか沖縄のいわゆる米軍基地の整理縮小はできないというふうなことを私どもは考えておりますので、是非その辺をもっともっと積極的に取り組んでいただいて、そうすれば初めて、復帰時に約束された、いわゆる佐藤総理が述べられた核も基地もない平和な沖縄、そして本土並み、基地の整理縮小というふうなことが実現するのであって、今のようなSACOの合意を整理するというだけでは県民は納得しませんので、いま一度何とかその辺を、尾身大臣も含めて、これは沖縄県民の期待にこたえられるような筋道を立てていただきたいと、こういうふうに思いますので、何かありましたら御答弁をお願いしたいと思います。
#112
○国務大臣(尾身幸次君) 沖縄に駐留する米軍の存在は、沖縄県民の皆様に多大の御負担をお掛けしているということは事実でございます。そしてまた、同時に、日本だけではなく、アジア太平洋地域の平和と安定に大きく貢献しているという実態もあるわけでございます。
 それらをいろいろと考えまして、SACO最終合意を着実に実施をして、基地の整理、統合、縮小を図っていくというのが私どもの考え方でございまして、この線に沿って今後ともしっかりと頑張ってまいりたいと考えている次第でございます。
#113
○島袋宗康君 余りかみ合いませんけれども、是非沖縄の県民の立場で御理解いただきたいというふうに思います。
 それから、日米地位協定の改定問題についてお尋ねいたします。
 沖縄では、県内の五十二の市町村のうち四十九の市町村で日米地位協定の改正を求める決議が可決されております。外務大臣は御承知でしょうか。
#114
○国務大臣(川口順子君) 承知をいたしております。
#115
○島袋宗康君 それではお尋ねいたします。
 政府が日米地位協定の改定に踏み出さないのは、国民世論が日米安保条約の本体の見直しまで波及するのではないかというふうなことを恐れているのではないかというふうに私は思えてしようがありません。米国側に日本の刑事司法手続の後進性を指摘され、是正要求されることを恐れているのではないか。
 国民の多数が、現在の日米地位協定は日本にとって不利な協定であるというふうなことで改正すべきであるということを主張しておるわけであります。政府が言を左右にしてそれを実行しようとしないのは、私は外交の怠慢であると言わざるを得ないというふうに思っております。
 いま一度、外務大臣の決意のほどをお伺いしたいんです。
#116
○国務大臣(川口順子君) 委員が今おっしゃいましたように、沖縄の五十二市町村中、四十九で決議がされているということは、そういう状況はよく承知をいたしております。
 政府といたしましては、日米地位協定につきましては、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるという考えの下で運用の改善に努力をいたしてきているところでございまして、これが十分に効果的でない場合には、我が国だけで決定し得ることではございませんけれども、日米地位協定の改正も視野に入れていくことになるというふうに考えております。
#117
○島袋宗康君 これもかみ合わないわけでありますけれども、やっぱり県民の要求として、私たちは絶えずこの問題については指摘しておきますので、なお努力していただきたいと思います。
 そこで、SACOの合意に基づいて政府が推進している米軍普天間海兵隊飛行場の移設の問題について若干お尋ねいたします。
 稲嶺沖縄県知事は、名護市の移設予定地での新基地の使用期限を十五年間とすることを県民に公約しております。この条件を承知の上で政府は移設を進めようとしておりますけれども、県民への知事の公約の実現を政府は担保できるのかどうか、その辺について率直にお聞かせ願いたいと思います。
#118
○国務大臣(尾身幸次君) この使用期限の問題につきましては、政府といたしましては、国際情勢もあり厳しい問題であると認識をしておりますが、稲嶺知事及び岸本市長からの御要望がなされたことを重く受け止めて、これまでも総理、外務大臣、防衛庁長官等から米国側に対してこの問題を提起しているところでございます。私自身も、昨年九月に訪米をいたしました折に先方と会談を行い、これを取り上げてお話をさせていただきました。
 政府といたしましては、国際情勢もあり厳しい問題ではございますが、今後とも、国際情勢の変化に対応して、代替施設を含め、沖縄にいる米軍の兵力構成等の軍事態勢につきまして米国政府と協議をしていくとともに、併せて国際情勢が肯定的に変化していくような努力をしていきたいと考えている次第でございます。
#119
○島袋宗康君 この問題は、同僚議員からも指摘がありましたように、非常にアメリカ側としては、ある意味では日本側のあるいは沖縄県側の要求についてはのめないというような方向がある程度私どもも確認みたいな感じをしておりますけれども、これは、相当な努力をしないと稲嶺県知事のいわゆる十五年使用期限の公約というものは果たせないというふうに思いますけれども、これはやっぱり外務省としてももっともっと積極的な立場で要求していかないといかぬじゃないかというふうに思いますけれども、外務大臣の御意見も承りたいと思います。
#120
○国務大臣(川口順子君) ただいま尾身大臣がおっしゃいましたように、外務省といたしましても、平成十一年末の閣議決定に従いまして、国際情勢の変化に対応して、この施設を始め在沖縄米軍の兵力構成等の軍事態勢につき米国政府と協議をしていく考えでございますし、併せて国際情勢が肯定的に変化していくような外交努力を積み重ねてまいりたいと存じます。
#121
○島袋宗康君 なぜ沖縄県民がこの十五年の期限を設けてまでその基地の新設を受け入れるというふうなことを要求しているかといいますと、これは御承知のように、冷戦時代が続いている時分には沖縄の基地というものはそれなりの価値もあったし、また冷戦構造の状態で米軍基地が必要であるというふうなことは私たちも認識しておるわけであったわけでありますけれども、最近では、いわゆる冷戦構造が崩壊していますから、全世界でそういった軍縮の方向にあるわけですから、沖縄県民がいつまでもこういった占領時代から、いわゆる地上戦からずっと占領されて、強制収用されて今日に至っているわけですから、県民感情としては、もうこの辺で、戦後五十七年もたった現実の中で、これ以上の負担は困るというふうな意味で、せめて、じゃ基地を受け入れるんなら十五年の期限を付けて、もうこれまでですよというふうな立場で要求しているわけですから、その辺のことをしっかり踏まえて日米交渉当たってもらわないといかぬじゃないかというふうに思います。
 それだけ申し上げておいて、是非頑張っていただきたいというふうに思います。
 時間がありませんので、次に移ります。
 名護市は、普天間飛行場の移設受入れの条件として、基地の使用協定を締結すると言っております。この協定については、その当事者、その法的性格あるいは法形式、そしてその内容及び実効性の担保等について、まだまだ不透明、不明確な点があります。
 外務大臣は、米軍がこのような基地使用協定を承認し、遵守するというふうに思いますかどうか、その辺のことについてお聞かせください。
#122
○国務大臣(川口順子君) 普天間飛行場の代替施設につきましては、平成十一年末の閣議決定におきまして、地域の安全対策及び代替施設から発生する諸問題の対策を講じますために、政府関係当局と名護市との間で代替施設の使用に関する協定を締結することとされているわけです。つまり、平成十一年末の閣議決定では、飛行ルート、飛行時間の設定、騒音対策、その他の環境問題、代替施設内への地方公共団体の立入りなどにつきまして、政府関係当局と名護市との間で協定を締結するという考えを出しているわけです。
 政府といたしましては、平成十一年末の閣議決定にありますとおり、この政府関係当局と名護市との間の使用協定締結に当たりましては、誠意を持って米国政府と協議を行う考えです。また、この協議の結果、日米間で一致をした事項につきましては、米国政府もこれに適切に取り組むものと考えております。
#123
○島袋宗康君 先ほどの地位協定の問題についても、なかなか政府としては、交渉、県民の期待にこたえておらないというふうな感じもあります。
 そこで、この名護市長の使用協定というのはかなり私は重みを持っていると思いますので、これは相当の努力をしていただかないと実現する可能性はないというふうにも思うわけです、今までの経過からいたしますとね。だから、その辺を踏まえた上で、十分な名護市の市長の立場で是非使用協定が実現できるように要望いたしまして、時間でありますので終わります。
 ありがとうございました。
#124
○委員長(佐藤雄平君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後一時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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