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2002/06/10 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 行政監視委員会 第7号
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2002/06/10 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 行政監視委員会 第7号

#1
第154回国会 行政監視委員会 第7号
平成十四年六月十日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     山本 香苗君     遠山 清彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森本 晃司君
    理 事
                岸  宏一君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                小川 敏夫君
                田名部匡省君
                渡辺 秀央君
    委 員
                阿南 一成君
                大野つや子君
                近藤  剛君
                林  芳正君
                福島啓史郎君
                森田 次夫君
                森元 恒雄君
                吉田 博美君
                若林 正俊君
                脇  雅史君
                岩本  司君
                大塚 耕平君
                岡崎トミ子君
                鈴木  寛君
                千葉 景子君
                松井 孝治君
                山本 孝史君
                続  訓弘君
                遠山 清彦君
                岩佐 恵美君
                西山登紀子君
                又市 征治君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
   副大臣
       外務副大臣    植竹 繁雄君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
       文部科学副大臣  青山  丘君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        山下 善彦君
        ─────
       会計検査院長   金子  晃君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        白石 勝美君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局行政委託
       型公益法人等改
       革推進室長    小山  裕君
       内閣官房内閣審
       議官       伊藤 哲雄君
       防衛庁長官官房
       長        柳澤 協二君
       防衛施設庁総務
       部長       石井 道夫君
       総務省自治税務
       局長       瀧野 欣彌君
       総務省総合通信
       基盤局長     鍋倉 真一君
       外務大臣官房長  北島 信一君
       外務省欧州局長  齋藤 泰雄君
       外務省経済協力
       局長       西田 恒夫君
       文部科学大臣官
       房審議官     清水  潔君
       文化庁次長    銭谷 眞美君
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       経済産業省商務
       情報政策局消費
       経済部長     青木 宏道君
       国土交通省道路
       局長       大石 久和君
   参考人
       国際協力事業団
       副総裁      東  久雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (政府開発援助に対する検査状況に関する件)
 (行政の活動状況に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(森本晃司君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る七日、山本香苗君が委員を辞任され、その補欠として遠山清彦君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(森本晃司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官兼行政改革推進事務局行政委託型公益法人等改革推進室長小山裕君、内閣官房内閣審議官伊藤哲雄君、防衛庁長官官房長柳澤協二君、防衛施設庁総務部長石井道夫君、総務省自治税務局長瀧野欣彌君、総務省総合通信基盤局長鍋倉真一君、外務大臣官房長北島信一君、外務省欧州局長齋藤泰雄君、外務省経済協力局長西田恒夫君、文部科学大臣官房審議官清水潔君、文化庁次長銭谷眞美君、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君、経済産業省商務情報政策局消費経済部長青木宏道君及び国土交通省道路局長大石久和君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(森本晃司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(森本晃司君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に国際協力事業団副総裁東久雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(森本晃司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(森本晃司君) 次に、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 本日は、まず、平成十一年度決算検査報告及び平成十二年度決算検査報告に掲記された政府開発援助に対する検査状況について、会計検査院から説明を聴取することといたします。金子会計検査院長。
#8
○会計検査院長(金子晃君) 平成十一、十二両年度決算検査報告における政府開発援助に係る掲記事項の概要について御説明申し上げます。
 検査の観点及び対象。
 会計検査院では、無償資金協力、円借款、プロジェクト方式技術協力等の政府開発援助、ODAの実施及び経理の適否を検査するとともに、援助が効果を発現し、援助の相手となる開発途上国の経済開発や福祉の向上などに寄与しているか、援助の制度や方法に改善すべき点がないかなどについて検査をしております。
 そして、外務省、国際協力銀行及び国際協力事業団といった我が国援助実施機関に対する検査を実施するとともに、被援助国に職員を派遣してODA事業の現地調査を実施しております。
 検査の結果。
 一、平成十一年度決算検査報告。
 まず、平成十一年度決算検査報告について御説明いたします。
 検査に当たりましては、国内において外務省等に対する検査を実施するとともに、八か国における八十九のODA事業を対象に現地調査を実施いたしました。その結果を平成十一年度決算検査報告に掲記いたしました。
 その概要は、本院が現地調査を行った八十九事業のうち、次の四事業について援助の効果が十分に発現していないなどの事態が見受けられたものであります。
 一、タイにおける円借款事業の鉄道建設事業、貸付額約二十八億円。これは、実績貨物輸送量が計画量を大幅に下回っていて、円借款の対象となった鉄道が十分に活用されていないものであります。
 二、タイにおける円借款事業の送水管建設事業、貸付額約十億円。これは、相手国の負担で行う配水管網の敷設が遅延していることなどのため、送水管の送水量が計画を大幅に下回っていて、円借款の対象となった送水管が十分に活用されていないものであります。
 三、インドネシアにおけるプロジェクト方式技術協力の家畜人工授精センター技術協力事業、経費累積額約九億円。これは、相手国の実施機関において、移転された酪農に関する技術を活用するために必要な措置が取られなかったため、移転された技術による援助効果の発現が遅延しているものであります。
 四、エジプトにおける無償資金協力事業の米貯蔵センター改善事業。これは、供与されるべきであった機材の一部が、外務省の承認なしに無断で援助対象外の機材に変更されていて、援助の実施が適切とは認められないものであります。
 以上の事態を踏まえて、我が国援助実施機関としては、今後も相手国の自助努力を絶えず促すとともに、相手国が実施する事業に対する支援のための措置を一層充実させることが重要であることなどを本院の所見として述べております。
 以上のほか、平成十二年三月に参議院から検査要請を受けて、当行政監視委員会で決議された政府開発援助に関する決議の実施状況について検査をした結果について、同年十一月に当委員会に報告したところですが、平成十一年度決算検査報告にはその概要を掲記しております。
 二、平成十二年度決算検査報告。
 次に、平成十二年度決算検査報告について御説明いたします。
 検査に当たりましては、国内において外務省等に対する検査を実施するとともに、十か国における八十一のODA事業を対象に現地調査を実施しました。その結果を平成十二年度決算検査報告に二件掲記いたしました。
 まず、一件目についてですが、その概要は、本院が現地調査を実施した八十一事業のうち、次のバングラデシュにおける四事業について援助の効果が十分に発現していない事態が見受けられたものであります。
 一、無償資金協力事業の下水道網整備事業、贈与額約五十一億円。これは、相手国の実施機関において行うこととしていた下水管渠の補修等の関連事業が進捗していないため、援助の対象となった下水処理場の下水処理量が処理能力を大幅に下回っているものであります。
 二、円借款事業の発電船改修事業、貸付額約十五億円。これは、円借款の対象となった発電船に火災が発生し、機器に損傷が生じたことなどのため、発電船が十分に稼働していないものであります。
 三、円借款事業の苛性ソーダ工場修復事業、貸付額約二十億円。これは、円借款の対象となった苛性ソーダ工場が、安定した電力の供給が受けられないことなどのため、十分に稼働していないものであります。
 四、円借款事業の肥料工場改修事業、貸付額約百二億円。これは、円借款の対象となった肥料工場が、既存の自家発電機の故障などのため、実際の尿素生産量が計画を大幅に下回っていて、十分に稼働していないものであります。
 以上の事態を踏まえて、今後の援助の実施に当たっては、相手国の自助努力の実現可能性等を見極め、必要に応じた適時適切な助言を行ったり、援助対象事業の内容等を十分検討したりするなどの必要があることを本院の所見として述べたものであります。
 他の一件について御説明いたします。
 国際協力事業団が開発途上国に技術協力を行うための専門家を派遣するに当たり、専門家の所属する法人に専門家の人件費を補てんしていますが、その補てん額が法人から専門家への支給の実態に適合していないため、約一億六千九百万円過大に算定されていました。国際協力事業団では、本院の指摘に基づき、算定方法を改める措置を講じております。
 以上をもちまして、御説明を終わります。
#9
○委員長(森本晃司君) 以上で説明の聴取は終わりました。
    ─────────────
#10
○委員長(森本晃司君) 次に、行政の活動状況に関する件について質疑を行うことといたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○近藤剛君 委員長、ありがとうございます。
 今日は、現下の経済運営と構造改革の推進の上で大変大きな柱でございます税制改革と規制改革につきまして、幾つか質問をさせていただきたいと存じております。
 先週の金曜日に内閣府が本年の一―三月期、第一・四半期の経済成長についての発表をいたしました。前期比実質一・四%の伸びを示したという数字の発表がございました。これを年率ベースで換算いたしますと五・七%の経済成長ということであります。五月の月例経済報告では景気底入れと、そのような発表がございました。正にそのような発表を裏付ける数字が出てきたものと承知をしております。
 しかしながら、この内容をよく見てみますと、必ずしも楽観を許されるものではないということが分かるわけでございます。前年同期比で見てみますと、一・六%の実質ベースではマイナスになっているわけでございまして、また企業の設備投資を見てみましても、前期比で何と三・二%のマイナスということでございます。成長要因といたしましても、外需に依存する比率が極めて大きいのも特徴的でございます。
 そして、同様に、このような発表にもかかわりませず、国際的な日本に対する評価も厳しいものがございます。十年ほど前までトップクラスでございました日本の国際競争力、そして国債のランキングについても引下げが相次いで行われているのは御承知のとおりでございます。
 例えば、スイスのローザンヌにありますシンクタンクでビジネススクールも経営をしているIMDという機関がございますが、毎年発表をしている国際競争力ランキングでは、日本は四十九か国中、昨年は二十六位でございましたが、今年は三十位にまで低下をしている。考えてみますと、十年前までは一位であった日本が現在は三十位に低下をしているということであります。
 同じく、国債のレーティングにつきましても、従来は、少なくとも十年ほど前まではトリプルAのランクを得ていた日本の国債でございますが、今年になりましてから、四月でございますか、S&Pがランク落ちを発表しておりまして、また最近になりましてムーディーズが一度に二ランク低下させるという発表もしております。
 十年ほど前トップクラスでありましたが、実は私はそのとき、個人的には多少日本は過大評価されているなと、そのような感じをしておりました。しかしながら、過大評価されるというのもこれもまた実力のうちかなと、そのように思っていたわけでございますが、現在はどうも逆の傾向が見られるようであります。国際的にはどうも日本は過小評価されているんではないかなと、そのように思うわけでありますが、しかし一方、過小評価されるということもこれまた実力なのかもしれないなと、そのように考えるわけでございます。
 いずれにいたしましても、現在我々は大変重要な局面に来ていると思います。循環的には確かに底入れの状況にあることは間違いないと思います。しかし、今が肝心であります。九〇年代半ば以降、このような局面は少なくとも二回ぐらいあったのではないかなと、そのように思っておりますが、その都度、自律的な回復軌道に乗せることに我々は失敗をしてきたわけであります。今回こそそのような間違いを繰り返してはならないと、そのように思うわけであります。底入れから底離れ、そして自律的回復軌道に日本の経済を乗せていくためには、昨年来言われております構造改革の更なる推進が必要であろうかと思います。正に今こそ構造改革の正念場に差し掛かってきていると、そのように言えるかと思います。その構造改革の中でも経済活性化に向けた税制改革、そして規制改革の議論は誠に大切なものであると、そのように思っております。
 先週末の六月七日に、小泉総理から経済財政諮問会議に対しまして指示が出されております。税制改革に関連し、大変重要な考え方が示されたわけであります。
 私なりの解釈ではございますが、総理の示された基本的な考え方の中に大変大きなポイントがあるように思います。その一つが、経済社会の活力を最重視する、税制改革に当たって経済社会の活力を最重視をすると、そのように述べられております。そして、国際競争の向上を図っていく、そして雇用を創出していく、そのためには企業活動の活発化が大前提であると、そのように述べられているわけであります。正にそのとおりだろうと思います。そして、もう一点私が注目しておりますのは、税制改革は歳出改革と一体として推進をする、この点であります。
 そこで、塩川大臣にお伺いをしたいと存じます。
 日本経済の国際競争力強化という視点で税制改革をどうこれから組み立てていくのか、基本的な構想が最も重要であろうかと思います。経済財政諮問会議の民間議員からは、経済活性化、そして日本経済の国際競争力強化に関する非常に意欲的な税制改革の提案と議論が出されていると承知をしております。その点も含めまして、是非基本的な構想についての大臣のお考えをお示しいただきたいと存じます。
#12
○国務大臣(塩川正十郎君) 税制改正の問題でございますが、御質問の中にございましたように、総理は財政と税制とを一体として考えるということを、これを基本的に考えております。
 近年におきます税制改正は、私はどうも議論が硬直化してきておったと思っておりまして、要するに、税は、経済活性化のために減税をもって経済の活性化をしようというそこの一点に絞られてまいりました。確かに、減税をやることによって経済活性化の効力もございます。これはもう我々はこれを否定するものじゃなくして、その方向で考えていきたいと思っております。が、しかしながら、それによって財政のバランスを失った場合に、かえって後遺症として経済を悪化することも事実でございますので、その間におけるバランスを考えていきたいと、こう思っておるのであります。
 そこで、先日、総理から十五年度以降における中長期的な税制改正をにらんでの問題点が指摘されました。それは、一点で申しますならば、広く薄く公平に税を考えてもらいたいということが一点。それから経済の活性化に役立つ方向をしてもらいたいということ、それから財政とのバランスを取るということ、それから特定財源となっておるものあるいは地方交付税という、そういう個別問題についての検討を同時にしてもらいたいと、そういう項目が総理指示でございました。
 それを受けまして、私たちの方で、政府税制調査会を中心にいたしまして検討項目としておりますことは、まず所得税におきますところの諸控除制度というものがございますが、これが総理の言うように、広く薄くの精神にどのようにこれを具体化していくかということが一つございます。
 それからもう一つは、経済の活性化のためにということで、研究開発投資減税等をどのように扱っていくかということがございます。
 それからもう一つは、地方税が問題がございますことを、この解決の一助として企業の活性化、すなわち法人税の実効税率を下げることとの兼ね合いを持った検討をしていくべきではないかということで、法人税の実効税率と併せて外形標準課税の問題を検討していきたいと、こういうことも総理指示の基本方針からこれを具体化していきたいと考えております。
 そのほかに、租税の簡素化ということもございますし、それから消費税におきますところの益税というもの、この扱い方があるということでございます。
 それから、相続税の最高税率の引下げと、それから、できましたらこれと生前贈与との関係を検討し改善してみたいと思っておりまして、問題点は、大体検討する主な項目としては五つの点を挙げておるというところであります。
#13
○近藤剛君 ありがとうございました。
 さてそこで、総理の基本的な考え方に関連をいたしまして、税制面で大変気になることが幾つかございます。二点ほど申し上げたいと存じます。
 昨年の十一月の二十六日の本委員会で、塩川大臣から連結納税制度の平成十四年度導入の考えを明快に答えていただいております。
 ところが、結局、今年導入されることにはなったものの、付加税という妙な税が付くことになってしまったわけでありまして、極めて残念なことであると思っております。これでは、連結納税制度の採用を見送らざるを得ない企業が多数発生する懸念があるわけであります。
 御承知のとおり、連結納税制度は、国際競争上必須の、日本企業にとりましてはインフラであろうかと思います。また、そのような視点から導入が図られたものと承知をしております。しかしながら、総理の基本的な考え方、経済の活性化、日本企業の国際競争力の強化に資するこの連結納税制度が付加税の導入ということで事実上骨抜きになってしまったわけであります。
 税務当局は、一千億円の税収、この税収の欠陥があるということで、付加税の導入を強く推進をしたと言われております。しかしながら、一方で、退職引当関係の損金算入制限、あるいはほかの幾つかの見返りの措置によりまして、連結納税を採用しない企業に対しても新たな税が発生をすることになっております。全体で見るとネットで増税になってしまう懸念もあるということが現在関係者の間で話題になっております。
 今年度からより多くの日本企業への連結システムの導入を図る、そのような視点から、是非この付加税の適用に関して御配慮を賜りたい、そのように考えております。具体的には、付加税の適用停止を今年度からしていただけないものかどうか、そのようにお伺いをしたいと思います。それが第一点であります。
 そして次に、今、大臣からお話しございました広く薄くという話でございまして、その観点から、法人事業税の外形標準課税の導入についてお話がございました。
 世界各国見渡しますと、かかる税金、発展途上国ではかなり見られるわけでございますが、先進諸国においてはもうほとんど見られない形になってきております。一部ございます、ヨーロッパでもアメリカでも一部の州ではまだあるわけでございますが、しかしながら、だんだんとこれは卒業をしていくと、先進国型の税制体系にはなじまないシステムであると、そのように言われております。これは、正にそのようなタイミングで日本だけが時代に逆行をして外形標準課税を導入をするということは、どうも総理の基本的なお考えである日本企業の国際競争力の強化という視点からは間違っているのではないかなと、そのように存ずる次第であります。
 一方で、赤字企業は行政サービスを受けながら税金を払っていないではないかと、そのような指摘のあるのは承知をしております。しかしながら、ただ乗りだというこの一部の主張は現実を無視したものだと、そのように私は思います。
 例えば、赤字の企業であっても固定資産税、都市計画税、事業所税、あるいは法人住民税均等割、そのような外形的な地方課税を既に負担をしているわけでありまして、さらに営業活動で使います自動車につきましては揮発油税あるいはそのほかの諸税を払っているということでもあります。また、従業員に対しては賃金を支払っている、その賃金からは所得税が支払われているわけであります。
 外形的に、資本金の額あるいは賃金の額あるいは売上げの額、そのようなものに対して税金が掛けられる。これは、我が国の企業に求める姿、要するに、自己資本を拡充してほしい、あるいは雇用を拡大をしてほしい、あるいは売上増を通じて経済の活性化を図ってほしい、そのような期待にこたえる企業に対して逆にペナルティーを課していこうという、そういう考え方になる、結果としてそのような考え方になるわけであります。加えて、日本経済の状況が非常に厳しいこのような折にあえて外形標準課税の導入を図っていく、その政治的な判断を疑わざるを得ないわけでございます。
 地方財源の確保の必要性があることは私も承知をしております。しかしながら、一方で地方自治体における歳出の見直し、あるいは行政改革の真摯な取組の姿勢が見られないという国民の声もあることもまた事実であります。増税を言う前に、まず行政改革、歳出の見直しが先行すべきであろうと私は思います。
 歳入の欠陥、歳入が不足をする場合、民間企業であればまず経費を徹底的に見直します。大企業であろうと中小企業であろうと、大変な努力をして経営の合理化を図っている。役員の賃金の役員報酬の返上すらもうほとんどの企業で行われている。そのような中にあって、地方自治体のそのような歳出の見直しの努力が少なくとも国民の目には印象深い形で映ってこない、そういう現実があるわけであります。
 かかる状況を踏まえまして、本当に外形標準課税の導入をこの時点で検討されるのかどうか、さきの連結納税にかかわる付加税の問題と併せて、塩川大臣のお答えを賜りたいと存じます。
#14
○国務大臣(塩川正十郎君) 御質問が多岐にわたっておりましたので、ひょっとしたら答弁漏れるかも分かりませんが、その点、失礼をお許しいただきたいと存じます。
 まず最初に、連結納税制度を導入することによって、これを導入しない企業にも増税になってくるではないかという御質問でございまして、それは恐らく、おっしゃっていることは、退職給与引当金が改正されることに伴うものだと思っております。
 これは、今回の連結納税制度を、法人税法の一部改正の中に入っておりますけれども、実は数年前からこれ課題であったものでございまして、今回、たまたま連結納税制度と法案が一体となって出して、提出さしてもらったところに誤解を生んでおると思っておるんでございますが、その点は、以前からの懸案を今回の宿題として出してもらったということで御理解をしていただきたいと思っておりまして、連結納税制度と直接結び付いてこの増税策を検討したということではないということの御認識をお願いいたしたい。しかも、退職給与につきましては、大企業と中小企業との扱い方を全然別個に扱っておりますので、この点も御理解をひとついただきたいと思っております。
 続いては、連結納税の付加税の問題でございます。
 これは、確かに近藤さん御指摘のように、これを導入するということは、言わば連結納税がグローバリゼーションに対応する一つの活性化への税制改正であるという、そういう趣旨から見ましておかしいじゃないかとおっしゃるのは私当然だと思っております。したがって、連結納税制度を当初検討いたしましたときに、これに見合うところの財源補てんをどこかの税制改正の中で見付けられ、発見できればと思うて随分と検討したのでございましたけれども、それができない。しかも、連結納税によるところの税のダメージというのは非常に大きいということから、若干ではございましたですが、付加税を導入さしていただいた。
 したがいまして、連続納税から起こってくるところの減税に対する補てんとして十分なものとは言えないと思っておりますが、これも導入したことは事実でございまして、これについて私たちは、この連結納税制度が実施されてその実施状況が非常に悪いという場合、その原因はどこにあるのかという実態を調査いたしたいと。恐らく、まだ納税制度を実施してその結果が予測付きませんので、その結果によってはこの付加税の在り方を直ちに検討したいと思うておりまして、これをずっと連結納税の対案としての増税策であるというふうなことを固定したものとは考えておらない。だから、二年の限度ということを付けておるのでございますんで、その点、御承知いただきたいと思っておりまして、これ直ちに検討いたすようにいたします。
 それから、外形標準課税の問題でございますけれども、これは地方税と国税と密接に関係してまいることは事実でございます。
 おっしゃるように、地方税の問題を考える場合に、これは歳出削減と同時に税制を考えるべきだということは、これはもう地方、国を通じまして共通の問題でございますんで、これはこれなりで私たちも懸命に努力をしてまいりたいと思っておりますが、要するに、今、法人の中で事業税を払っておらない企業が七割以上になってきておるというこの事実は、私は、税の公平な執行という面からいいましても、税の負担の公平から見ていかがなものかという感じがする。そうしますと、広く薄くという精神からいうならば、この際、地方税も一緒に我々検討したらどうだろうと。これが一点。
 それからもう一つは、企業の側からいいまして、実効税率が非常に高いとおっしゃいます。けれども、法人税のみを取ってみました場合に、国際的に比較いたしまして、決して日本は高くはない。
 それじゃ、実効税率、若干高いという印象を持たれるのは何かといったら、ここに事業税の負担があるということでございまして、しかも、この事業税の負担が、要するに、納税をしておる優良企業にきつく当たってきて、納税しておらないいわゆる赤字会社には薄く当たっておるという、そういう不公平が出てまいりますんで、これをバランス取るということでいたしまして、その結果、現在考えておりますことは、所得割とそれから付加価値、所得割以外のもの、すなわち付加価値税、付加価値割と資本割というものを入れまして適当に組み立てて構成してみようということでございますが、これは、総理諮問を受けて、具体的な問題として税制調査会で考えてくれという段階でございますんで、まだ確かな、私からこういうことであるということを発表するような段階にまで煮詰まっていないということで御承知いただきたいと思っておりまして、早急にこの問題の中身を詰めていきたいという、そういう段階であることでございます。
 以上です。
#15
○近藤剛君 ありがとうございました。連結納税システムに係る付加税について、弾力的に結果を見てお考えいただけるということでございまして、大変心強くお伺いいたしました。
 そしてまた、実効税率、法人の実効税率についてのお話も賜りました。外形標準課税の導入につきましては、是非慎重にお考えを賜りたいと存じます。
 そしてまた、実効税率につきましても、日本は比較的低いんだと、こういうお話でございましたが、しかしながら先進諸国の間で、例えば実際の課税の査定の段階で、交際費課税等は最も厳しい国であろうかと思います。そういう意味で、決して先進諸国の中で我が国の実効税率が法人に対して優しい税率ではないということは、また一方で事実だろうと思います。
 いずれにいたしましても、この税制の議論、これから本格的に始まるわけであります。是非、関係者、そして特に経済の第一線で働いておられる皆様方、あるいは中小企業の皆様方の声を十分聞いた上で議論を進めていただきたいと、そのように改めてお願いをしておきます。
 さて、先ほど申しましたように、現在、日本経済は大変重要な局面に差し掛かっております。恐らく今年から来年に掛けてが、自律的な回復軌道に乗せることができるのかどうか、正に正念場であろうかと思います。国際社会の認識も同じだろうと思います。特に、今月末のカナナスキスにおきますサミットを控えまして、国際経済関係者は日本の打ち出す次なる経済政策をかたずをのんで見守っているわけであります。そういう意味で、現在、政府部内において検討をされている第二次デフレ対策が大変重要な意味を持つと考えております。そして、その中心は政策的な税制であろうかと思います。
 この政策的な税制は、小泉総理の御指示にありましたように、中長期的な税制改革戦略に沿ったものであることが求められるわけでありますが、また同時に、その財源を安易に増税に求めないということも一方で重要だろうと思っております。そのような視点から、当面の対処策としてどのような税制面での処方せんを考えておられるのか、お聞かせ賜りたいと思うわけであります。
 カナダでの蔵相・中央銀行総裁会議、そしてサミットを間近に控えまして、時間的余裕は余りないわけであります。しかしながら、一方で、今度打ち出す第二次デフレ対策は、国際社会に対しても説得力のあるものであることが求められているわけであります。カナダでの蔵相・中央銀行総裁会議、そしてサミットで予想される各国の議論、そして想定される日本に対する期待と注文に関する大臣の基本的認識、そして日本の対処方針についてお伺いをしたいと思います。
#16
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、さしずめ、経済財政諮問会議で議論されておりますことを集約いたしまして、それをハリファクスのG7で発表いたしたいと思っております。
 その骨子となりますものは、一つは、これからの日本経済の先端的産業の分野を育成していくということ、つまり産業構造を積極的に改革していくということが第一点であります。
 それから、第二点といたしましては、政府の行政改革を積極的に進める。この行政改革の中で、民間でできることはできるだけ民間に任すということで、すなわち行政が抱えておりますところの公的経済の分野を民間に積極的に開放していって、民間に活力を与えていくということが一つの行政改革のねらい。もう一つは、行政で制限しておりますところのいろんな規制でございますけれども、規制を緩和して民間での活動の自由を保障していくという、そういう問題がございます。
 それから、次に問題となりますのは、不良資産のできるだけ早い解消であろうと思っております。
 最後に、四番目の問題として、税制によるところの積極的なインセンティブを活用することによって刺激を与え、活力を増していくということでございまして、それにつきましては、当面する税制改正の中で、中長期的のみならず、短期的で効果のあるものとしては研究開発の助成、それから投資減税、そういうものに対して思い切り我々も努力してみたいと思っております。
 それと同時に、今、世代間の資産の移転を通じて若い世代に資産を移して活用するということも大きい関心事になっておりますので、これも今回の税制の中で検討してもらって、できるだけ早い時期に実施するようにいたしたいと。
 そのようなことを総合的に取りまとめまして、日本のこれからの新しい経済のデビューとしてみたいということでございまして、そのうちにデフレ対策というものを特段して言うとするならば、それに更に加えて金融の緩和というものが私はデフレ対策の大きい努力目標ではないかと、こう思っております。
#17
○近藤剛君 ありがとうございました。是非、有意義な蔵相・中央銀行総裁会議及びサミットになることをお祈り申し上げます。大臣、ありがとうございました。
 さて、竹中大臣に次はお伺いをいたしたいと存じます。
 まず、先ほど冒頭で申し上げましたように、日本経済は大変今重要な局面に来ていると思っておりますが、経済財政担当大臣として、日本経済の現在の状況、景気の現状、そして今後の見通しにつきましてどのように認識されておられるのか、お示し賜りたいと存じます。
#18
○国務大臣(竹中平蔵君) 冒頭で、近藤委員が非常に広い観点から日本経済の現状について御指摘くださいました。正に御指摘いただいたすべての点が、私自身が持っている認識と共通しているというふうに申し上げてよろしいかと存じます。
 御承知のように、五月の月例経済報告では、「景気は、依然厳しい状況にあるが、底入れしている。」という表現で、初めて底入れという表現を使わせていただきました。これは言うまでもなく循環的な、経済には常に循環的な動きとトレンドとしての動きがありますが、この循環的な動きに関して正に底入れしている状況だと、これ以上悪化が続くような状況ではなくなったという認識を示させていただきました。
 これをちょうど反映するような形で、先般の一―三月期のGDP統計、プラス前期比で一・四%、この数字にもこのような循環的な認識が、私たちの認識が反映されているというふうに考えております。ただ、これまた委員御指摘になりましたように、その中身は、一・四のうち外需が〇・七、内需〇・七、かつとりわけ設備投資が厳しい状況にあると。そういった点では、引き続き非常に注意を持って状況を見守らなければいけないという認識を持っております。
 何よりも重要なのは、循環的な動きというのは、いつの時代にも、どこの経済にも必ずあるものでありますから、この循環が少し良い状況になった今こそ、このトレンドをしっかりと引き上げるというような政策を取らなければいけないということに尽きているのだと思います。それが正に構造改革、今が正念場であるぞという委員の御指摘にもつながっていくのではないのかというふうに思っております。
 当面、厳しい雇用・所得環境がありますので、これが民間需要にとっては一つのリスク要因である。特に、国内的には設備投資に注目しなければいけない。一方で、輸出の増加、在庫調整の進展というのは今後の景気を下支えする要因でもあろうかと。そういった循環的なせめぎ合いの中で構造改革をいかに一気に進めて、とりわけ不良債権の処理の問題の加速でありますとか、先ほど財務大臣がるる議論された規制改革、それと活性化のための税制、そういったものを強力に進めていくことが何よりも必要であるというふうに思っております。
#19
○近藤剛君 ありがとうございました。
 非常に分かりやすくお答えいただきまして、よく構造改革の推進が重要であるということが理解をできました。
 さて、先週の金曜日に経済財政諮問会議に対しまして、小泉総理大臣から税制改革を含む五つの分野についての御指示がございました。
 小泉総理大臣より税制改革の方向付けがなされたわけでございますが、経済財政諮問会議としてこれからどのように、どのようなタイミングで具体的に動いていかれるのか。特に、政府税制調査会との役割の分担、あるいは与党との関係をどのように、またどのようなタイミングで調整をされていかれようと考えておられるのか、基本的なところだけで結構でございます、竹中大臣の現在のお考えを教えていただきたいと存じます。
#20
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済財政諮問会議では、今、総理の御指示によりまして六月中をめどに経済運営の基本方針を取りまとめるということをしております。これは、昨年六月末にいわゆる骨太の方針、これも基本方針でありましたですけれども、取りまとめさせていただきましたが、言わば我々の間では第二骨太というふうに呼んでおりますが、そういった基本方針を取りまとめたいというふうに思っているところでございます。
 この第二骨太は三つの大きな柱がございまして、そのうちの一つが税制ということになります。もう一つが経済活性化戦略、さらには十五年度の経済財政運営ということで、歳出を含む来年度の財政運営についての枠組みの問題でございます。今お尋ねの、したがいまして、税制のお話はこの基本方針の一部として我々として基本的な考え方を取りまとめるというふうに考えているわけであります。
 この方向に関しまして、諮問会議としては基本的な方向を取りまとめると。それを受けて、政府税調、党税調等々で更に制度設計が進むということになるのだと認識しておりますが、総理からは四点御指摘があったわけでございます。抜本的にやれ、活力を重視せよ、すべての人が参加し負担し合う広く薄い税にしよう、財源なくして減税なし、歳出改革と一体化せよと、そういう指示でありました。そういった指示を盛り込みまして、月内にこの基本方針として取りまとめを行いたいと。
 あわせまして、政府税調に対して総理からは幾つかの分野も例示しながら具体的な制度設計の取りまとめを行えという指示が出ておりますので、諮問会議としては基本方針を取りまとめた上で、更に今後の具体的な制度設計の中で経済、財政が一体的に運用されているかどうかについていろいろと議論を深めていきたいというふうに思っているところでございます。
#21
○近藤剛君 ありがとうございました。
 税制改革は第二骨太の一部であるということでございますが、しかし一方で、ほかの分野と並びでは決してないんだろうと思うわけであります。税制改革の進捗いかんで構造改革の成否が決まると言っても過言ではないと私は思っております。歳出の見直し、社会保障制度の見直し、あるいは行政の見直し、中央と地方との関係、すべてこの税制に集約されるわけであります。しかしながら一方で、経済社会の活力強化のためには規制改革も強力に同時並行的に進めていく必要があろうかと思います。当面のデフレ対策においてもしかりであろうかと思います。
 先ほど、塩川大臣から金融政策も含めまして四点の柱をお話し賜りました。税制改革と規制改革が同時並行的に推進されることが大きな軸になろうかと思います。
 規制改革推進のための構造改革特区構想も小泉総理から言及がございました。いわゆる経済特区におきましては、規制改革のみではない、税制の配慮もそこに必要だろうと私は思っております。しかし、経済特区のみでは究極の目標、目的を果たすことはできないわけでありまして、規制改革、税制改革ともに、経済特区に限らず、それ以外の地域でも地道、着実に実行していくことが必要であることは言うまでもないことであります。
 以上の視点を踏まえまして、税制改革、規制改革の二点について具体的にどのように、間もなく発表されるデフレ対策、そして経済特区構想に盛り込んで実施されていこうとされているのか。基本的な方向で結構でございます、竹中大臣のお考えを伺いたいと思います。
#22
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほども少し述べさせていただきましたが、経済を活性化するということが何よりも構造改革の重要な目的であります。
 デフレ対策という言葉にいろんな立場の方々がいろんな思いを寄せられるわけでありますが、デフレ対策の基本は正しく経済を活性化させることに尽きると。その経済を活性化させるための枠組みを作るということが今回の基本方針の非常に重要な目的にもなっております。であるからこそ、その中に税制の改革も経済活性化戦略、歳出歳入一体となった財政運営というのがすべて入ってくるわけでございます。この中でこれを、したがって、中期、長期的な観点からこの基本方針を着々と着実に取りまとめるということがデフレ対策の非常に重要な部分を構成するというふうに認識をしております。
 その上で、税に関しては、先ほど塩川大臣の話もありましたように、既に総理が当面の十五年度の改正に向けて取り組むべき項目を示している、こういったこと、特に短期的な問題としては、先ほど塩川大臣のお話にもありましたように、研究開発の枠組み、税的な枠組みの問題等々が重視されるのではないかなというふうに思っております。
 特区でございますけれども、これは実は、経済活性化戦略の言わば一つの目玉として、総合規制改革会議でも議論された特区について、やはり諮問会議でも是非ともこれを推進したいという方向で今取りまとめをしようと思っているところであります。総理の指示においても、構造改革特区を含め規制改革を推進することなどにより民間の知恵と活力を引き出すことが不可欠だという方針が示されております。
 具体的にどのような枠組みを作るかということに関して、これは非常に大胆にやらなければいけない、非常に強いリーダーシップをもってやらなければいけないということでありますので、この特区の枠組みを決めてそれを実行する、正にその主体といいますか、実行主体をしっかりとさせることが大変重要であるというふうに思っておりまして、今、総理、官房長官と相談をさせていただいているところでございます。
#23
○近藤剛君 ありがとうございました。大変重要な局面でございます。是非、今お話しいただきました諸点も含めまして強力に推進をしていただきたいと存じます。お忙しいところ、竹中大臣、ありがとうございました。
 次に、石原大臣にお伺いをしたいと存じます。
 昨年の十一月二十六日の本委員会の席上におきまして、規制改革に関する基本的な考え方、そして具体的な進捗状況などを大臣から御説明いただきました。その後、昨年の暮れ、十二月十一日に総合規制改革会議が小泉総理に対しまして規制改革の推進に関する第一次答申を提出をしております。そして、今年に入りまして、三月には規制改革推進三か年計画の改定版が閣議で決定をされております。そして、先週の金曜日には、総理の指示として、構造改革特区を含め規制改革を強力に推進するようにとの御指示があったわけであります。
 これらの進展を踏まえまして、今後の規制改革に対する基本的な進め方、そして優先順位等に関連する大臣のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
#24
○国務大臣(石原伸晃君) 昨年十一月にも近藤委員の方から規制改革の進捗状況と昨年度の方向についての御質問があったことを私は記憶しているところでございます。
 その席でも申し述べさせていただきましたけれども、必要のない規制というものを取り除きまして、民間の自由な競争によって、消費者あるいは生活者の立場として、物が安く、質の高いサービスを受けられることを目指すということが一つのこの規制改革の目的でございますし、委員がこの議論の中で再三再四御指摘されておりますような、民間のビジネスチャンスというものを拡大して経済の活性化を図るということが極めて重要であるという点においては、正に委員の御指摘と私どもの認識は軌を一にしているのではないかと考えております。
 今、委員が御指摘されましたように、今年の三月には規制改革三か年計画の改定を行わせていただきまして、医療、福祉、教育、人材、環境、都市生活、いわゆる社会的な重点六分野を中心に、そのほか経済の活性化に資する合わせて十五分野における答申というものを発表させていただき、ただいまその実現に向けた取組を政府として積極的に行っているところでございます。
 また、小泉総理より各閣僚に対しまして、景気刺激効果の高い事項については早期実現、前倒しを要請したことなどを踏まえまして、内閣といたしましても、先ほど塩川大臣が税と規制改革が大事だというようなお話を述べられておりましたように、規制改革を経済活性化策と位置付けまして推進をさせていただいているところでございます。
 先ほど来出ております総合規制改革会議においても、今年度、十四年度はやはり経済活性化を総括的なテーマとさせていただきまして、新規事業の創出や、あるいは委員が再三再四御指摘され、竹中大臣からも御答弁をさせていただきました規制改革特区などの、言ってみるならばテーマを、分野を横に切ったような、横口というんでしょうか、そういう問題についての討議、検討を進めておりまして、七月にも中間取りまとめを行わせていただき、その中で、委員が重要であると御指摘されておりますこの規制改革特区についてもイメージがより具体化できるようなものを示すべく、今関係省庁あるいは関係団体、また関係各地域からいろいろなアイデアが出てきておりますので、ヒアリングを行わせていただいているところでございます。
#25
○近藤剛君 ありがとうございます。
 最近、景気浮揚に役立つもの、あるいは経済社会の活力増強に役立つものということで、規制面の緩和あるいは撤廃についていろいろな提言がなされているわけであります。
 これから大臣もいろいろな声を聞きながら進めていかれるということでございますが、経済活動の現場あるいは生活者の視点からいろいろな提言がなされている中のうち、大変頻繁に耳にする規制の撤廃あるいは規制の緩和の案件が幾つかございます。そのうち三つほど時間の関係もございますので具体的にお話をさせていただきまして、関係者の皆様方からもし何かお答えがいただけるのであれば是非お答えいただきたいと、そのように考えるわけであります。
 まず、一つ具体的にお話しさせていただきたいのがいわゆる非接触型、要するに無線のことですね、ICカードの普及ということでございます。
 これは非常に有名な事例でございますので具体的に御説明するまでもないと思いますが、特にこのICタグと言われるものは物流の合理化に大変重要な役割を果たすものだと言われておりまして、欧米諸国におきましてはこれがかなり普及をして物流の合理化に大いに役立っているわけであります。ICを組み込んだタグ、小さなタグを例えばコンテナに装着をする、そうするとコンテナの移動が、港から倉庫に行き、倉庫から工場に入り、そういうことで物流の把握が非常に容易に行われるというシステムでございます。
 ところが、これの採用につきまして、日本には大変不都合な規制が幾つかあるということが指摘をされております。非接触型ICカード、いわゆる無線カードに関する規制でございますが、まず、これは電波を発信をするということでありますので、法律上、無線局とみなされるということでありまして、この無線局の免許を取得をしなければICタグを付けることができないというようなことになっております。
 そしてまた、この無線局の免許を取得したとしても、その密着性あるいは近接性というんですか、要するに、狭い範囲でしかそれを使用することができない、また、その域外に出たらまた新たに免許を取得しなければいけないと。膨大な事務時間、そしてコストが掛かるわけであります。
 これが欧米並みに改善をされたといたしますと、この市場創出効果は、二〇〇五年時点で推計をいたしますと、約五千三百億円もあるんだと、そのように言われているわけであります。
 それから、もう一つ例示的にお話しさせていただきたいのは、電気通信機器の基準認証制度でございます。今お話ししましたような、電波法に定める特定無線設備及び電気通信事業法に定める端末機器につきましては、技術基準への適合について指定機関の証明認定が必要だとされております。
 指定機関といいますのは、財団法人テレコムエンジニアリングセンターあるいは財団法人電気通信端末機器審査協会でございますが、製造者あるいは供給者が自ら技術基準への適合を宣言をするというのが欧米諸国の一般的な習わしでありますが、我が国ではこのような指定機関の証明認定が必要だということになっておりまして、それに要するコスト、これは認証手数料だけで言っても年間十六億円、そしてこれによって時間的なロスもあります。欧米緒国と比較をいたしまして、年間二千五百億円に上る損失を被っていると、そのような試算もなされております。
 もう一つ、これは生活者の立場あるいは輸送業界の立場でもございますが、もう一つ具体的に指摘させていただきたいのがETCであります。有料道路の料金の徴収システムでございますが、このETCが日本ではなかなか普及をしないという現実があるわけであります。
 それには理由があるわけでございまして、なかなか、普及をしている特に欧米諸国あるいは一部のアジア諸国に比べると大変な我が国ではハンディキャップを背負っての出発、このETC制度の発足があったということでございます。
 例えば、アメリカにおきましては、最近、東海岸ではいわゆるイージーパスと言われる制度がございます。これは車のフロントグラスに張り付ける形のカードでございますが、このイージーパスは二十ドル保証金を納めるだけでこれは車に搭載をできるわけでございまして、不要になったときにはこの保証金は当然返してもらえるということで、コスト的な負担はほとんどないシステムになっております。
 そしてまた、イタリアにおきましては、ヨーロッパではイタリアが一番この面では進んでいると言われておりますが、テレパスという制度がございます。今申し上げましたアメリカのイージーパスと同様のシステムでございまして、この場合には月額約二百円相当の使用料を支払うということでテレパスの車への搭載が可能になっております。
 ところが、日本におきましては、自動車用品店などでこの積載器、要するに、電波の免許はこれは不要でございますが、三万円から五万円ぐらいする機器を購入をしてそれを取り付ければいいんですが、それだけじゃないんですね。昔の建設省の外郭団体でございますので国土交通省になるんでしょうか、セットアップと呼ばれる手続が必要なんですね。そこで、その手続の後、修理工場に行って取り付けてもらう、そして別にクレジット会社に申請をしてETC専用のICカードを発行してもらわなければいけないと。こういうことで、コストばかりではなくて手間暇、大変な負担になっている、その結果としてETCがなかなか機能しない。
 このETCは、これもし普及をよりさせていくことができるとなりますと、渋滞解消につながることはもちろんでございますが、それに伴って時間的なロスがなくなるということで、これが企業サイドでしたら生産性の向上につながりますし、あるいは環境面でもCO2の排出量の削減につながる。要するに、減速して加速する、これがCO2の排出に大変悪い影響を及ぼすわけでありますし、それからまた、料金徴収の現場において人件費が節減されますので関係公団の経営の改善にもつながると。要するに、いろいろな効果はあるわけですが、どういうわけか、非常に高いコストと複雑な手続が依然として必要だと、そういう現状がございます。
 以上三点につきまして、何か現状それから今後の方針につきましてお答えいただけましたらよろしくお願いをいたします。
#26
○政府参考人(鍋倉真一君) 総務省でございますが、ICタグの話とそれから通信端末機器の自己適合宣言につきましては私どもの所掌でございますので、お答え申し上げたいと思います。
 まず、先生御指摘のICタグでございますが、これは先生御承知のとおり、非接触型ICカードの一つの利用形態ということで、タグとして物品管理等に利用される等新たな利用ニーズが非常に高まってきているというものでございます。
 このICタグを含むICカードそのものについて、いろいろなものに現在使われてきておりまして、例えばJRのSuica、自動改札などにも使われているという状況にございます。
 これ、当然、ICカード一枚一枚については許可とか免許とかそういうものはございません。ただ、今の現在のシステムですと、例えばJRの改札口を例に取りますと、一駅について一システムということで電波法の免許が要るという状況に今ございます。
 そういうニーズの高まり、あるいは専門家の技術的な検討も踏まえまして、このICタグを含むICカード全体、非接触型ICカード全体につきまして、今現在、繰り返しになりますが、JRであれば一駅に一つ、改札口から電波が出ますので、改札のところから電波が出ますので、そこの部分について一駅について一つの免許が必要なわけでございますが、これも含めて免許を受けずに自由に装置ができるように、製造業者があらかじめ一つの機器について型式指定を受ければあとは自由という形で緩和を図ろうということで、今、現在既に、五月十五日、電波監理審議会の方に諮問をいたしまして、七月下旬に答申をいただけ次第そのようなことを施行していく所存でございます。
 それから、通信端末機器の自己適合宣言の問題でございますが、これは政府の規制改革推進三か年計画におきましても十四年度中に検討して結論を得るということになっておりまして、これを受けまして、私ども総務省の中で今研究会を設けて、自己適合宣言制度の導入をすることとした場合の対象となり得る機器の範囲、あるいは制度の枠組み、必要となる事後措置等について検討を行っております。
 実は、私ども、こういう、この検討会でいろいろ研究をしておりますけれども、欧米でも全く公的関与がない、全くのフリーの自己適合宣言というのは有線の端末でEUで行われているということでございまして、あとの場合には何らかの公的な関与はございます。しかし、その中でもできるだけ私ども自由にしていきたいというふうに考えておりまして、どういった制度を導入するのか、あるいは、一般に自己適合宣言を導入した場合には、基準に違反した場合、市場からの回収命令等が欧州ではございます。そういったものも含めて、十一月には検討結果を出していきたいというふうに思っております。
#27
○政府参考人(大石久和君) ETCについてお尋ねでございます。
 ETCの普及状況につきましては、全国展開からおよそ半年が経過いたしました五月末現在で、普及台数が約三十一万台、普及率、利用率二・四%、毎月四万台程度増えているという状況でございます。平成十三年の十一月三十日に全国展開いたしましたから、その後の展開から見まするとおおむね三倍に拡大したと、こういう状況でございまして、現在急速に普及中でございます。
 御指摘のとおり、ETCを利用するためには車載器とETCカードを別途に用意する必要がございます。これは、日本のETCシステムが世界で初めてのISO規格、ITU勧告に全面的に対応した規格でございまして、人と車を個別に識別するシステムとして構築されたことによるものでございまして、例えばアメリカでは二十ほどの有料道路で先生がおっしゃいましたようなシステムが普及いたしておりますが、それぞれ有料道路間で互換性がございません。我が国は、有料道路が極めて多様で近接しているといったようなことから、一枚のカードですべての有料道路が通れる、このようなシステムとして初めからそういうシステムを構築したものでございます。
 車載器につきましては、現在、カー用品店、カーディーラー等で販売されておりまして、登録手続に関するオンライン設備のない店舗におきましてはセットアップに一週間程度掛かるということがございますが、オンライン設備のある店舗におきましては車載器のセットアップ及び取付けに要する時間は合わせて一時間を切る、そんな状況でございます。
 現在、全国に一万四千店余りのセットアップ店がございますが、オンライン設備のある店舗は二〇%程度でございますが、車載器購入者のうち八〇%が当該オンライン設備のある店舗でセットアップを行っておりまして、オンライン設備のある店舗の市場競争力が高いと考えられますから、今後オンライン設備を持った店舗が更に増えるものと期待をいたしておるところでございます。
 また、ETCカードにつきましては、クレジットカード会社に申し込む必要がございます。カード会社によって若干異なるものの、申込みから発行までの期間は審査期間を含めまして二ないし四週間程度、これは新たにクレジットカードを申し込まれる際とほぼ同様でございまして、したがって、クレジットカードを既に所有しておられる方々につきましては十日ないし二週間でこのETCカードの発行ができているというような報告を聞いてございます。
 現在、これらの手続の簡略化のために、例えば、車載器購入時にETCカードの申込みを同時に行う車載器販売店や、あるいは公団が行う割引、現在一万円を限度に二〇%ずつ一回の利用ごとに割り引くと、こんなシステムを入れておりますが、この割引の登録手続を代行するカード会社など各社の連携によりまして手続の簡略化が図られているところでございます。
 いずれにいたしましても、このETCが普及することによりまして、多様な料金システムが可能になるなど道路利用者に対しまして多くのサービスが提供できる、また、今までにできなかったような新たなサービスが提供できるということから、手続の一層の簡素化等を図りまして、関係公団等を指導しながら、関係業界にも要請を行い、ETCの早期普及を図りたいと考えております。
#28
○近藤剛君 それぞれ緩和、自由化、あるいは合理化、簡略化に向けて是非スピード感を持って進んで、進めていただきたいと思います。
 次に、石原大臣にお伺いしたいことが一点ございます。今後の規制改革の方向についてでございます。
 大きくは経済規制あるいは社会規制は撤廃ないし緩和の方向に進んでいくということだろうと思います。しかし、一方で新しい事態も生じているわけでありまして、例えば食品の安全あるいは環境の保全といった分野では、新しい規制の導入あるいは規制の強化が必要だろうと思います。
 この場合、三つほどの視点が私なりに必要ではないかなと思っているわけであります。
 まず一つが、従来型の形式重視の規制ではなくて、効果を重視した規制に変えていくべきだということであります。事前規制から事後規制へ移行させていくという言い方をしてもよかろうかと思うわけでありますが、いずれにしても、民間の知恵と創意工夫を生かして、目的に向けたより合理的で効果が最大限上がる、そのような規制の仕組みをこれから考えていかなければいけない。そして同時に、行政の過剰介入を防いでいく視点が必要だろうと思うわけであります。
 二つ目の視点といたしましては、規制にはコストが掛かるということを国民に理解をしてもらうということであります。規制で得られるメリットとコストを比較考量を常に忘れないということが重要であろうかと思います。コスト超過では規制の意味がない、社会的な意味もないわけであります。コストを常に念頭に置くという考え方が必要であろうかと思うわけであります。例えば、既にアメリカにおきましては、新しい規制措置を実施する場合にはメリットとコストの数値比較が義務化されております。日本におきましてもこういう視点が必要ではないかなと。このような合理的な考え方がないと、どうしても規制が先行をする、歯止めが利かなくなる。従来、日本はこういう点の配慮がなかったということで規制コストが過剰な社会ができてしまっているのではないかと、そのように考えるわけであります。
 それからもう一つが、規制は原則として時限であるべきだと思うわけであります。少なくとも、一定期間の後には、政策評価と同時に見直しの作業が必要ではないかと思うわけであります。時代の変化とともに規制の必要性も変わってまいります。したがいまして、原則サンセットにする、そして必ず政策評価を加えた上で、それを継続するのかどうか、あるいは修正するのかどうか、あるいはそのまま廃止してしまうのかどうか、改めてその時点で国会の判断を得ると、そのような考え方が必要ではないかなと思うわけであります。
 このような規制の新規導入、あるいは継続、強化、修正につきまして、考え方として、是非、総合規制改革会議におきましてもこの点についての議論もやっていただきたいなと、そう考えておりますが、大臣、先ほど関係省庁から三点についてのコメントもございました。その点も含めまして、最後に何かコメントがございましたらお聞かせ賜りたいと存じます。
#29
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま近藤委員が民間で商社という正に規制の壁に当たることが多々多かったような業界で働かれ、そしてまた議員になられても規制改革に取り組んでこられた観点からるる御指摘がありましたことを大変楽しく、また心強く拝聴させていただいてまいりました。特に例を出されました三点につきましては、私も常日ごろからこんなものすぐやめちゃえばいいのにと思っているような三点であったと思います。
 基準認証にいたしましては、公益法人改革の中でこういうものはできる限り撤去していこうと。さらに、この指定機関が財団法人であったり、天下りの温床になっていて、そこで生活をしている人がいるためだけにこんな高い認証料で行っているような事例を幾つも見たわけでございますので、こういうものは厳に戒めていかなければならない。
 また、ETCにつきましても、テレビや新聞等のアンケート等々を見ましても、付けるメリットがないじゃないかと、そういうような御批判もいただいておりますし、欧米の各国、私も見てまいりましたけれども、日本の技術を利用して彼らがうまくやっているのに、我々は技術を持っているのにうまく使えていない。構造的な問題を目にいたしまして、一日も早い改良というものが必要であると考えております。
 そしてまた、最後の質問の中で委員が御指摘されましたように、効果をいかに出していくかと。もちろん必要な規制というものはあると思いますが、過度の行政の介入というものを防ぐ。どういたしましても行政は自分の権限というものを手放したがりませんので、それが恒常的に規制として残っていく。委員は規制についてもサンセット方式という御提言をされましたが、税の方は、租税特別措置というのは大体時限立法で一年、二年なのに、規制はフォーエバー続いていると。こういうものは一挙に、委員の御意見のとおり、民間委員から構成される総合規制改革会議などを活用して、こういう障害を乗り越えて、日本経済の再生のために規制改革の観点から取り組んでいくということが重要であると考えております。
#30
○近藤剛君 ありがとうございました。終わります。
#31
○岩本司君 岩本司でございます。私は、民主党・新緑風会を代表しまして、国民の皆様方に分かりやすい質問をさせていただきますので、分かりやすい御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、防衛庁リストの問題でございます。
 防衛庁の個人情報リスト作成問題について、この調査の状況でございますが、既に組織的に作成したことが明らかになっておりますが、陸幕、空幕、海幕、内局のほかに、ほかにリストを作成したところはないのか、お答えいただきたいと思います。
#32
○長官政務官(山下善彦君) ただいまの質問にお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、今、委員が若干触れておられました今日までの調査経過につきまして若干御説明をさせていただきたいなと、こんなふうに思うわけでございますが、防衛庁は、元海上幕僚監部情報公開室三等海佐が情報公開請求者の個人情報を基に新たなリストを作成をしていたという問題に関しまして、今日まで厳正かつ徹底した調査を行ってまいりましたところでございます。
 その結果、昨日、防衛庁長官を中心に中間の調査に対するいろいろの質疑等も行いながら判明をいたしました点がございますので、この際御報告をさせていただきたいなと、こんなふうに思うわけでございます。
 第一点目は、同三佐は、情報公開法におきまして毎年度総務大臣が同法の施行状況の概要を公表することとされておりますことから、海上幕僚監部としても統計を取る必要があるのではないかと考えて本件リストの作成を開始をしたと、こういう点。
 それから二点目には、作成に当たって上司の指示や許可をどのようにしたかということでございますが、この点につきましては、上司の指示や許可を得ることなく、同三佐自身の意思によったものであること、これが判明をいたしました。
 三点目には、同三佐が作成したリストにつきまして、海上幕僚監部調査課や海上自衛隊中央調査隊などに配付をされたこのリストでございますが、配付を受けた者の調査をしたところ、業務上、当該リストを活用はしておらなかったということが、以上三点が昨日現在で判明をいたしたところでございます。
 また、当該調査を行っている過程で新たな問題も出てまいりました。
 同三等海佐が個人情報を含むリストを作成したことに加えまして、内局、陸上幕僚監部及び航空幕僚監部においても情報公開業務の処理、受付状況の管理のための資料で職業、会社名など個人情報が含まれているものが作成をされ、防衛庁のLANシステムに掲示をされていたということでございます。
 これらの報告が真実であるならば、行政機関電算処理個人情報保護法との関係で問題となり得ることから、庁内におきまして調査体制を更に強化をいたしまして、内局、陸上幕僚監部及び航空幕僚監部において作成されました資料の中に特定の個人を識別することができる情報が記録されているかどうかといった観点から、現在、人事担当部局を中心に、連日、昼夜を分かたず調査を徹底的にいたしておるところでございます。
 今後、可能な限り速やかにかかる調査を終了させていただきまして、その結果をぴしっと報告をできるようにさせていただきたい、こういうことでございます。
#33
○岩本司君 速やかにということでございますが、現実的に大体いつごろまで掛かるのか、ちょっと再度確認させていただきたいんですが。
#34
○長官政務官(山下善彦君) 現実的にいつまで掛かるかということでございますが、御案内のとおり防衛庁も大変な大きな組織でございまして、その中でもこの調査には大変な人数が掛かっております。そういうことで、明日あさってということは言えませんけれども、恐らく今週じゅうぐらいにはまとめができると、こういうことでございます。
#35
○岩本司君 ありがとうございます。結構でございます。
 次に、支援委員会について質問をさせていただきます。
 外務省の専門家会議は四月に支援委員会の廃止を提言されましたが、この支援委員会は今も存続されているんですか。
#36
○副大臣(植竹繁雄君) 今、委員お尋ねのように、支援委員会は現在廃止と決めております。そして、新しい枠組みを作るべく検討中でございます。
#37
○岩本司君 廃止ということでございますが、現実的には事務局長の元コンゴ大使の高野さん、今でも事務局長として事務局に出勤されているんですか。
#38
○政府参考人(齋藤泰雄君) お答えいたします。
 支援委員会につきましては、先ほど植竹副大臣から御答弁申し上げましたように、これを廃止して新しい枠組みに作り換えていくという方向で今検討しているところでございますが、今日現在において支援委員会が存在している、あるいは支援委員会の事務局が存在していることは事実でございまして、高野事務局長は依然として事務局長として出勤をいたしていると、こういうふうに承知しております。
#39
○岩本司君 廃止と決めて今でも出勤されていると。本当にこれはやっぱり国民の皆様も納得いかないと思うんです。
 支援委員会は、九二年度から総額約五百九十億円の拠出金を日本政府から受けまして、今年三月末現在の繰越金は約百三十億円に上っているわけであります。四百六十億円使ったわけですが、この繰越金の処理の見通しをお答えいただきたいと思います。
#40
○政府参考人(齋藤泰雄君) 先ほどの答弁にちょっと補足させていただきたいと思いますけれども、支援委員会を廃止することにしているというのは、我々日本政府としてはそういう方針を固めているわけでございますけれども、この支援委員会は、ロシアを始め旧ソ連を構成していた十五か国のうちバルト三国を除きます十二か国との間で締結いたしました支援委員会設立協定に基づいて設立されたものでありますがために、これを廃止することについては、ロシアを始めとする他の締約国との協議が必要であるという事情があるわけでございます。
 それから、先ほどの繰越金でございますが、今年三月末の時点での繰越額は約百四十二億円というふうに聞いておりますけれども、これをどうするかということにつきましては、先ほど申し上げました新しい枠組みを考えていく過程におきまして、財務省を含めまして関係者と検討をしてまいりたいと思っております。
#41
○岩本司君 支援委員会の問題もまだ深く追及しなきゃいけないんですが、日露青年交流委員会、この事務局長も元コンゴ大使の高野保夫さんが兼務されているんです。この日露青年交流委員会は今も存続しているんですか。
#42
○政府参考人(齋藤泰雄君) そのとおりでございます。
#43
○岩本司君 これ、本当に問題だと思うんですね。私も、別の委員会で、三月十五日にこの問題、もう指摘させていただいているんですよ。もう三か月たとうとして、だからまた行政監視委員会でこうやって質問しなきゃいけないわけですけれども、我々民主党も無責任に見て見ぬふりできないんですよ。
 また、これ鈴木宗男議員がロシアから七十九グループ、合計人数で五百二十一名、接待件数は四十四件なんですが、七十九件の中の四十四件接待されているんですね。鈴木宗男議員が出席していない会はほとんど飲み食いがないんですが、ほとんどそういう本当の青年の交流の場には顔を出していないわけでありますが、ですから、青年交流委員会というのがなぜか青年じゃない方々の何か委員会にいつの間にか乗っ取られているといいますか。
 これは元々、エリツィン元大統領と故小渕総理が、日本とロシアの将来のために青年が交流して何とか、北方四島の問題もそうですが、何かいい関係を作れないかと、そういう思いで作られた委員会が、いつの間にかこれ、言葉は悪いですけれども、何か乗っ取られたというか。しかも、小渕総理がお亡くなりになる大体半年ぐらい前から佐藤主任分析官がこちらに登場してくるわけでありまして、また、小渕総理がお亡くなりになる三か月前ぐらいに元コンゴ大使の高野保夫さんがここの事務局長に就任して、ここで役者が三人そろうわけでありますが、本当にこういう先輩方の日本とロシアの将来を考えた思いがこんな、こういうふうに使われているというのは、本当にもう口が開いてふさがらないわけでありますが。
 宴会の席で、これが一九九九年の十二月九日から十六日まで、外務省関係者グループが二十名いらっしゃっています。ここに四十四件宴会があるんですが、ここの一か所だけ一部のみ参加と、鈴木宗男議員が。この一部って何ですか。
#44
○政府参考人(齋藤泰雄君) 青年交流委員会の関連で、個々のケースについてのお尋ねでございました。
 大変、私どもの手違いかと思いますけれども、質問予告と異なっておりましたので、今関係者をこちらに呼んでいるところでございますが、先ほど先生の御質問が、鈴木議員が一部に参加したという御質問か、あるいは鈴木議員が行った会食の経費を交流委員会が一部負担したという御質問であるか、そこのところ、ちょっと明確でなかったのでございますが。
#45
○岩本司君 私が質問させていただいたこの一部というのは、四十四件の接待を鈴木議員がされているんですけれども、一か所だけ一部のみと。ということは、一般的に考えたら、来られても、もうそういう意地悪な質問を僕はしませんけれども、一次会とか二次会とかあるじゃないですか、その一部のみ参加しているんですよ、一件だけ、四十四件の中の。
#46
○政府参考人(齋藤泰雄君) 一部だけ参加したということではなくて、恐らく、その具体的な日にちを確認させていただきますけれども、四十四回接待されたうちの、私の記憶ですと、三回交流委員会が費用を負担しているものがございます。そのうちの一回については一部を負担している、残りの二回については全額を交流委員会が負担していると、こういうふうに私記憶しておりまして、その一部といいますのは、たしか赤坂の焼き肉屋で接待したときのことだったと思いますけれども、事情はわかりませんが、何万円かの、ごく、一万円とか二万円とかその程度だったと思いますけれども、その額を交流委員会の方が負担したという事実がございまして、それは推測するに、追加的に必要になった部分を交流委員会の方が負担したのではないかというふうに推測しているところでございます。
#47
○岩本司君 いや、ちょっとこれ今の答弁おかしいですよ。その四十四件の接待の中の三件だけが委員会が負担したというんですか。ということは、四十一件、これあとは鈴木議員が個人で接待されているわけですか。
#48
○政府参考人(齋藤泰雄君) その四十一回については鈴木議員の方で負担されたというふうに理解しております。
#49
○岩本司君 これ、そんなはずないと思いますよ。これ、例えば若手将校を、一九九九年十一月二十五日から十二月六日まで、五十人昼食会に接待しているんですよ、五十人。その後、今度は佐藤主任分析官主催の夕食会と書いてありますね。これ、五十人。佐藤主任の方というのは五十人も、これだけじゃないですよ、十七件、接待しているんですけれども、東京湾クルーズとか横浜クルーズとか、年収が一億とか二億とかあるんですか。
#50
○政府参考人(齋藤泰雄君) 鈴木議員が招待されたグループが、先ほど先生がおっしゃられました七十九グループのうち四十四グループを招待しているわけでございますが、うち四十一回については、費用は鈴木議員の方で負担されたと。三回については、先ほど申し上げました一部を負担したケースが一回、それから全額を負担したケースが二回ということでございます。
 先ほど五十人のお話をされましたけれども、これはたしか自民党本部で昼食会の形で懇談されたときの費用を交流委員会が負担したというふうに記憶しております。
#51
○岩本司君 五十人、それは一件だけじゃないんですよ。国境警備庁の太平洋地域局関係者十五名や、あと非常事態省の関係者や、あと戦略対策センター、あと外務省関係者。でも、このデータには、それは外務省、おたくから提出された資料ですよ、これ。佐藤主任分析官主催と書いていますけれども、じゃこの件はどうですか。十二月四、五、佐藤主任分析官主催の夕食会、また十二月十四日、佐藤主任分析官の主催の夕食会(東京湾クルーズ)、これはどなたがお支払いになったんですか。
#52
○政府参考人(齋藤泰雄君) 私、先ほどから御説明申し上げましたのは、鈴木議員主催の四十四回について、四十一回は鈴木議員の方で負担されて、三回が一部を含めまして交流委員会の方で負担したということでございますけれども、佐藤前主任分析官が主催したものにつきましては、交流委員会が負担したものは相当数あるはずでございます。
#53
○岩本司君 何か本当、訳分からなくなってくるわけですが、鈴木議員は四十一件夕食会やいろいろ接待されて、佐藤主任分析官が接待した十七件、これは交流委員会が負担されたという認識でよろしいですか。
#54
○政府参考人(齋藤泰雄君) 佐藤前主任分析官が主催したものにつきましては、交流委員会が負担したものあるいは一部外務省が負担したもの等ございます。
#55
○岩本司君 これ一部外務省が負担したり交流委員会が負担したり、それはだれがどうやって決めるんですか。
#56
○政府参考人(齋藤泰雄君) この事業のプログラムの中での会食の経費につきましては、日露青年交流センターが負担するかどうかということにつきましては、会食の主催者がだれであるか、あるいはその会食がどういうふうに設定されたかと、その経緯、あるいは会食の性格等、いろいろな要素を総合的に勘案してセンターが外務省と協議して決定していったというふうに理解しております。
#57
○岩本司君 元に戻りますけれども、これは私の認識では、一部のみ出席していると、鈴木議員が、それが一件だけなんですよ。この解釈は、四十四件は二部、三部、四部、五部、二次会、三次会、四次会とか五次会、どこまであるか分かりませんが、そういう意味だと、私はそういうふうに受け取っていたんですね。それはそれでいいです。
 これ、資料を請求、委員会でちょっと議論していただいて、議論というか請求したいんですけれども、よろしいですかね、請求を、委員長に。
 済みません、ちょっと自分も頭、整理しなきゃいけないんですが、全部の委員会の予算、これ二十億円と聞いておりますけれども、ちょっと正確な数字をお答えください。
#58
○政府参考人(齋藤泰雄君) 平成十年度に十九・二億円の補正予算でスタートいたしまして、毎年、運営管理費として約三千七百万円程度、通常予算で拠出しているということでございます。
#59
○岩本司君 この日露青年交流委員会の決算報告書と、それと飲食、何件、どこで、何というんですか、宴会、これ僕は、ホテル貸し切ったり、そういうのを全部がそれを鈴木宗男議員がされるとは僕は思えないんですけれども、その辺も細かく資料を請求します。よろしくお願いします。
#60
○委員長(森本晃司君) 岩本君、もう一度お尋ねいたします。
 請求資料は何と何でしょうか、明確にもう一度おっしゃってください。
#61
○岩本司君 この四十四件、一応外務省にデータがあるということは、鈴木宗男議員が払ったとかそういうふうにおっしゃっていますけれども、この四十四件のすべての何というんですか領収書ですね。あと、佐藤主任分析官が一部は出したけれども一部は何というんですか外務省が負担したとか、そういうことをおっしゃっていますけれども、そのすべてのそういう請求書、領収書、これを要求いたします。
#62
○政府参考人(齋藤泰雄君) 繰り返しで恐縮でございますが、鈴木議員が主催した四十四件のうち四十一件につきましては、費用は鈴木議員の方で負担されたということでございまして、我々は支払に、我々といいますか日露青年交流センターは支払に関与しておりませんので、それについて詳細御説明する立場にないわけでございます。まして、領収書がどうなっているかということは、私どもとしては承知していないわけでございます。
#63
○岩本司君 鈴木議員がじゃ個人的に接待したのを何で交流委員会の資料として載っているわけですか、そういう情報が。しかも、この交流委員会というのは、お金の出所は税金ですから、それはちょっとおかしいと思うんですけれども。
#64
○政府参考人(齋藤泰雄君) この日露青年交流計画は、先ほど先生も言及されましたように、小渕総理のときに日ロの青年交流を積極的に行おうということで一九九八年にスタートをしたものでございますけれども、スタートをした時点で鈴木議員は官房副長官でいらっしゃいまして、この計画の推進に非常に熱意を持って当たられたわけでございまして、ロシア側から来る一行には時間の付く限りできるだけすべてのグループに会うという意向を示されていたわけでございます。そういった観点から、日程の調整の付く範囲内において鈴木議員が会食を主催されたというふうに理解しているところでございます。
#65
○岩本司君 ちょっと繰り返しになりますけれども、交流委員会のすべての決算報告書、数字が合うはずですから、飛行機代とかそういうようなのは交流委員会が支払って、そして接待は鈴木議員とかいうのであれば、ただ、もう一部、先ほども答弁されていますから、一部は主任分析官が支払ったり、一部は外務省とか言っていますから、もうトータルの決算報告書をちゃんと明確にこれ出していただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
#66
○政府参考人(齋藤泰雄君) 先生の御関心にできるだけ沿えますように、別途御報告させていただきたいと思います。
#67
○委員長(森本晃司君) ただいまの岩本君要求の件につきましては、その取扱いを理事会において協議させていただきます。
#68
○岩本司君 ありがとうございます。
 支援委員会、また交流委員会と同様に国会承認を必要としない相手国との協定によって設立された国際機関は幾つあるんですか。
 また、今後のこれらの機関の予算の使われ方のチェック、見直す考えがあるのか、植竹副大臣、お願いします。
#69
○副大臣(植竹繁雄君) 二十六機関ございます。本部事務局が海外にあるものは十七機関でございます。国内に本部事務局があるのは九機関ということになります。
 それから、予算執行につきましては、加盟国によります国際機関等への理事会等の参加、あるいは国際機関等の政策を通じまして、予算の適切な執行や国際事業の改善につき協議いたしております。また、外部監査や加盟国に対する事業報告といった手段を通じまして、加盟国が必要なチェックを行うなど、何といっても透明性の確保というものは重要でございます。
 したがいまして、個別機関の具体的な問題点が明らかになる場合には加盟国として適切に対処する、そういうことが必要であり、現時点では国際機関の全般的な大きな問題があると考えるところであります。あっ、大きな問題があるとは考えておりません。失礼しました。
#70
○岩本司君 そういうような国際機関の繰越金はどうなっているんですか。もし多額にあるとしたら政府に返還するべきではないかというふうに考えますけれども、副大臣、お願いします。
#71
○副大臣(植竹繁雄君) 今おっしゃいました繰越金につきましては、今間違って答弁言いましたように、重要な問題とは考えておりませんが、関係諸国と協議の上、可能な限り拠出金の趣旨にのっとって有効に活用してまいりたいと考えており、繰越金が生じているものについては直ちにこれは国庫返納するべきだとは考えていないものでありますが、金額についてはまた事務局からこれを答弁させるようにいたします。
#72
○岩本司君 もう一度副大臣よろしいですか、ちょっと分かりやすく質問させていただきますので。
 国際機関は幾つかと、二十六とお答えいただいて、これらの機関の予算の使われ方なんですけれども、金額を教えていただきたい、繰越金の金額を教えていただければと思います。
#73
○副大臣(植竹繁雄君) これ、繰越金については、出ているものと出ていないものとありますが、この点について今私の方は手持ちに持ち合わせはございませんが、出ているものに関しては報告させるようにいたします。
 国際機関で明らかに出ていないもの、明らかになっていないものがありますし、明らかになっているものもありますから、明らかになっているものについてはこれ御報告するようにいたします。というのは、これは相手国との、相手機関、これ機関でございまして、外務省自身のものではございませんから、そういう意味で、その機関から公表されているものにつきましてはこれは提出できますが、公表されていない点については外務省としては直接公表できるとは言えないものでございます。
#74
○委員長(森本晃司君) 質問者に対する答弁がちょっとかみ合っていないように思います。ちょっと整理をして御答弁願います。
#75
○政府参考人(北島信一君) 委員が御指摘になりました行政取決めにより作られております国際機関の繰越金でございますけれども、二十六の国際機関につきまして、申し訳ありません、私、手元に繰越金の額を持っておりませんが、他方で非常に多くの繰越金があるということで問題とされた、例えば核兵器廃棄協力委員会、これにつきましては、ロシア、ウクライナ、カザフスタン、ベラルーシとの間で四つの委員会があるわけですけれども、これにつきましては総額百六十五億円程度の繰越金があるということを御説明してきております。
 それから、もう一つの例を申し上げますと、例えば日中民間緑化協力委員会でございますけれども、これは当初百億円規模の基金の設立がございまして、この基金を使って、基本的にはその運用益を使いながら緑化を進めていくということをやっているものですから、結果として現時点での繰越金が九十億円を超えるかなり大規模の繰越金があるということでございます。
 要するに、これらの行政取決めに基づいてできております国際機関、たくさんあるわけですけれども、その中には事業執行プロセスに比較的長い時間を要するといった事情から一定の繰越金が生じている場合があるということでございますけれども、二十六の国際機関にすべて共通しているということではないわけです。
 他方、いずれにしましても、そうした拠出金につきましては、先ほど副大臣から申し上げましたとおり、今後、国際機関や、場合によっては関係国と協議の上で可能な限り速やかに拠出金の趣旨にのっとった形で有効に活用したいというふうに考えているわけで、ケース・バイ・ケース、問題によって違いますけれども、一般的な言い方を申し上げれば、繰越金が生じているものについては直ちに国庫に返納すべきであるというふうには必ずしも言えないというふうに考えております。
#76
○岩本司君 この二十六の国際機関は出せないところもあるというような副大臣の御答弁ありましたけれども、やっぱり日本からお金出しているわけですから、ある程度そういう国にも何に使われているのかと、これ、言う権利はあると思うんです。ですから、その二十六の機関、これすべて、繰越金で結構ですから、今までどうのこうのと、そういうあれじゃないので、ちょっと資料の請求を委員会でさせていただきたいんですが。
#77
○副大臣(植竹繁雄君) 委員お尋ねの資料のことでございますが、今申し上げましたとおり、できるだけお答えするように、提出するようにいたしたいと思います。
#78
○委員長(森本晃司君) 岩本君要求の件につきましては、その取扱いを理事会において協議させていただきます。
#79
○岩本司君 副大臣、ありがとうございます。
 次に、ちょっともう時間が交流委員会でほとんど使ってしまいまして、もうポイントがずれてしまいましたが。
 今年の三月に第二次ODA改革懇談会が外務大臣に最終報告を提出しまして、この最終報告の提言は、国民参加、先ほど副大臣もおっしゃいましたけれども、透明性の確保、効率性の向上が示されて、ODA改革の具体的な方策を掲示しています。川口外務大臣は、最終報告の提言をできることから直ちに実施していくとおっしゃっているわけですね。これ、川口大臣に僕は質問をしたかったんですけれども、副大臣の御決意をちょっと改めて聞かせていただければと思います。
#80
○副大臣(植竹繁雄君) 何といってもこのODAの問題、一番は国民の活力を生かしたものになるためには透明性というものが非常に重要でありますし、また、いかに質的にどういうふうに使われるか、いわゆる効率の向上という問題、あるいは体制を抜本的に整備するといったこの三つの基本から成っておりますし、この点については、外務省でもODA改革タスクフォースを作りまして、立ち上げて、第二次ODA改革懇談会の提言を早期に具体的にやっていくということが必要だと思っております。
 そして、何回も申し上げましたが、この透明性の確保、効率的な運用というものを考えますときに、ODAの総合戦略会議というものを早急に立ち上げまして、また透明性という確保から外部監査の導入等を入れまして、厳格にこれをやっていきたいと考えておるところであります。
#81
○岩本司君 副大臣の御決意、これはもう本当に頑張っていただきたいと思うわけですが、現在、外務省を中心とはしつつも、実態は十三省庁がばらばらにODA事業を実施しているわけであります。総合戦略がもう立てにくい、先ほどおっしゃった透明性の確保、監査も難しいわけであります。
 二〇〇二年の五月に出されました変える会の中間報告も援助庁の設置を提言しているわけであります。援助の一元化と実施機関の統合を早急に検討する必要があるのではないかというふうに思うわけでありますが、この援助庁の設置、副大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#82
○副大臣(植竹繁雄君) 援助庁の問題でございますが、私も変える会に出ておりますが、外務省は、政府の全体のODAに関する企画等、政府全体を通じて調整の中核として外務省があるわけでございます。しかも、このODAの全体の省庁を見ますと、大きいのは外務省と文部省あるいは経産省というものが大きいので、あとは非常に細かいということでございますので、外務省が中心となってこれを、先ほど申し上げましたODAの戦略会議等を通じましてやっていく方がいいということでありまして、特に援助庁を設けるということは、行政改革、改善などを考えますと私は必要ない。ただ、変える会の中としては意見があったということだけでございます。
 ですから、従来どおり、外務省としてはこの各省庁の連携強化というものを中心にしてやってまいりたいと考えております。
#83
○政府参考人(西田恒夫君) 一点だけ、技術的に補足をさせていただきます。
 今、副大臣より申し上げました予算の各省庁配分は、いわゆる技術協力についての一般会計の予算の配分でございます。
#84
○岩本司君 変える会のメンバーなんですけれどもそういう声があったということですが、ODA予算の削減についてどのように考えているのか。変える会の座長は、宮内社長さんはオリックスの会長ですね、オリックス株式会社の代表取締役会長をされている方ですけれども、こういう変える会からそういう声が出てきたと。
 今までODAの削減はもう何年も削減すべきだという声が上がっているにもかかわらず、今でもやはり多い。一兆の枠を超えているわけですね。一兆以上のODAを海外に思いやりといいますか、それも確かに分かるんですよ。海外に対する思いやりが国民に重いやりになって逆に返ってきているわけですよ、本当に。年に、政府が発表しております自ら命を絶たれる方々の数も三万三千人とは言われておりますけれども、やっぱり御近所の手前、自殺と言えないという方も多いわけですよ。実際は四万人とも五万人とも言われているんです。毎年ですから。
 ですから、変える変える、削減すると言ってもなかなか削減しない。ですから、私は、この変える会の有識者の方々が僕は本当に、何というんですか、キーグループといいますか、こういう方々にも参加していただいて、一緒にやっぱり変えていかないと、もちろん外務省の皆様にも御協力をいただかないとこれは本当に難しいと思うんですよ。御答弁をお願いします。
#85
○副大臣(植竹繁雄君) お話しの削減という意味ですが、効率的な意味でこれ見直しといいますか、それは必要だと思います。
 実は、私もこの一年間に三十数か国、地球七回りぐらい回っております、見ております。具体的に申しますと、国内はともかくも、世界が今、国連、この間加入国、百九十二か国になりましたが、その中で百八十九も入っているわけです。どんどん世界の国が増えていくわけです。そしてなお、例えばアメリカとか先進諸国以外にも、先般のWSSDにも私出てまいりましたが、そのときの一票というのは、アメリカも一票、ところが途上国の国も一票なんです。世界の仕組みというのがだんだん変わってくる、そういうときに対応するために、私はODAというのは削減とするというものは、外交上私は大変これは考え物だと思っておるわけです。
 日本国内では大変厳しい財政の中で拠出するということは必要でありますけれども、しかし、国際的に現実にODA予算があるからこそ世界の経済の発展につながる、あるいは環境問題でもこれは協力できるということでありまして、私は地球全体のことから考えますと、私はむしろこれ増えていいんじゃないかと考えております。しかし、内容的には、質的には変えることは必要だと思いますが、やはりこれから日本が世界の先進諸国の中で相当基軸の国であるとすれば、私はこれ増えていくのが当然だと思います。
 現場を見るとつくづく分かるわけです。しかも、今度の気候変動条約についてヨハネス・サミットに向かっていく場合に、途上国に対する、その投票というのは非常に必要なわけであります。あるいは、先般のIWCの国際捕鯨委員会でも、例えばモンゴルなんて海がない国が日本のためにサポートしてくれる。これは日本のがどうやって伸びていくか、こういうことはやはりODAとかそういう関係の予算というもの、影響力は非常に大きいわけです。
 私は、そういう点から考えると、削減、国内のいろんな問題はともかくも、国際的に私は必要だと、これは私個人の考えでございますが。
#86
○岩本司君 湾岸戦争のときも、たしか橋本大蔵大臣だったですかね、たしか一兆円お支払いしましたですね。約一兆円、国民皆様一人一万円ですけれども。あのバブルのときの状況とは違うんですよね。自殺者がこれだけ出ているときに他国にそんなに大盤振る舞いして、僕は信用を逆になくしていくんじゃないかなと。確かに副大臣がおっしゃるように、僕はODAは必要だと思うんですよ、私も。私も三十か国近くもう若いころいろんな国回っています。必要ですよ。でも、今の日本の現状がありますから。
 今回のアフガンの、もう時間がないので、アフガンの問題に移しますけれども、アメリカ政府もお金出してくれと一言も言ってないじゃないですか。日本の国内の景気を良くしろと、もうそれが先決だとアメリカ政府も言っているわけですから、そこのところはやはり、バブルのときからもうずっと計画した金額の枠でODAを続けるんじゃなくて、やっぱり削減するところは削減していくべきではないかというふうに思います。
 ちょっとこれ簡単にお答えいただきたいんですが、ODA開発援助の評価結果、先月二十四日に外務省が発表しましたその評価結果、在外公館が評価した七十二事業について再評価を行ったもので、新たに導入した外部評価制度に基づいて評価したものですけれども、ブルガリアの浄水場施設建設、またブラジルでの生産性品質向上プロジェクトについて社会的効果が十分ではなかったと指摘して、二事業が失敗であったと認定しているんですね。
 今までこういうことなかったんですけれども、これ、なぜそのようになったのか、短めに、簡単にお願いします、一分ぐらいで。
#87
○政府参考人(西田恒夫君) 外務省は、これまでも評価につきましては、一般的により第三者の要素を導入することを通じて客観的な評価を行うように努めてきております。
 その一環としまして、毎年、いわゆる評価報告書を出しておりますが、ただいまのような御指摘における、すなわち十全の効果というものを発現しなかったということを例示を挙げたのは去年が初めてではありません。さらに、今回につきましては、全く外部の方が外務省の評価を基に外部としての評価をされたものでありまして、それにつきましても、外務省の行いました日本のODA部分についてはそれなりの役割を果たしているけれども、残念ながら被供与国の方における役割の方が全体として不十分だったため、より上位のシステムとしての効果というものが十分じゃなかったというものを例示的に挙げたというふうに考えておりまして、そのことを直ちに失敗というふうには理解をしておりません。
#88
○岩本司君 もう時間があと二分ぐらい、三分ですか、三分弱になってしまいましたので、済みません、地図を急いで配っていただきたいんですが。(資料配付)
 川口外務大臣がイランに五月三日から五日まで訪問されまして、ハラジ外相との間で日・イラン外相会談を行いました。その報告書の中で、ハラジ外相は、麻薬、難民、教育、医療等の分野での日本との協力を期待すると表明されているんですね。でも、これ、実際ハラジ外相は道路整備の要望をされているんじゃないんですか。
#89
○副大臣(植竹繁雄君) 外務大臣はハラジ外務大臣とアフガニスタン復興に支援するように、イランは新しいアフガニスタンの国づくりに協力しておると。麻薬やあるいは国境地帯の協力あるいは道路建設、さらには警察の設置等に関する協力を大臣から言われました。したがいまして、日本との間にも協力していきたいというような要望がございました。そして、日本は、今言った麻薬とかそういう点につきましては非常に興味を持っていることであるけれども、お互いにアフガニスタンの復興のために協力していこうということを述べられました。
 そして、この問題につきましては、今発表していないというのじゃなくて、これは伏せていたということじゃなくて、これは後、記者会見、ブリーフのときにはちゃんとこのことを申し上げたのでありますけれども、そういう点が非常に抜けていた点については、この点を誤解を生みましたということであれば反省をしてまいりたいと思っております。
 それから、一言言いますけれども、先ほどの件は個人的な件で、削減の方は、法律的にこれを見直すということございますが、ただ、私の個人的な、全体のことを申し上げたので、ここの点については削減というか、それを効率的に見直すということでございますので、ちょっと舌が足りなかったところでございます。
#90
○岩本司君 ちょっと本当に時間がないんですが、お配りした地図を、ここのドガルーンという町からヘラートまで、ここの道路整備をイラン政府は要求しているんですね。
 私も年末、イラン、またアフガニスタン、現地にも行ってきまして、ハラジ外相にもお会いしまして、現場のスポークスマン、また、ほか国連の所長さんですとか皆さんの御意見をお伺いしまして、イランもパキスタン同様三百万人近い難民がイラン国内にいらっしゃるわけですね。一日も早く帰っていただきたい、今のイランの失業率が一六・一%なんですが、パキスタンとは違ってイラン政府はアフガニスタン難民に高等教育まで、また職も与えているんです。ですから、アフガニスタン人も早く母国に帰りたいんですが、イラン政府も早く帰ってもらいたいんです。
 そこで必要なのがこの百二十キロのドガルーンからヘラートまでの道路です。ちなみに、国益重視じゃないですよ、申し上げておきますが。しかし、この厳しい中で六百億円という税金を投入するには、一石二鳥、三鳥、やはり将来の我々の子供、子、孫のために徳となって積まれるような、そういうお金の使い道をするべきだというふうに考えております。
 ちなみに、フランスは、これ、ちょっと載っていませんけれども、アフガニスタンからパキスタンまでの道路整備をもう掛かっております。ロシアはここに、ちょっと資料が……
#91
○委員長(森本晃司君) 岩本君、時間が過ぎておりますのでよろしくお願いします。
#92
○岩本司君 済みません、すぐ終わらせます。
 ロシアは、サランダトンネルという、二・五キロの復興ですね、この地域にトンネルがあるんですが、ここのサランダトンネルを制する者は北部アフガニスタンを制すると言われているんですけれども、ここの着工に、復興にもう入っているんですね。
 ですから、お金出すからには日本もこういうものに使ってくれと。しかも、イランの天然ガスの埋蔵量は世界で第二位ですから、先のことも考えながら、やはり国益もちょっと考えて、大切な税金ですから、大切に、アフガニスタンだけじゃなくて、イランやウズベキスタンや周辺諸国のお役に立てるような税金の使い道をしていただきたいと強く要望して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#93
○渡辺秀央君 時間がありませんので、せっかく今日は会計検査院長から我が委員会に対しての、国会法百五条に基づいて、その延長線の中で報告をしていただきました。大変御苦労さまでございました。
 私は今日、特別、事前の質問事項について申し上げてありません。というのは、今日の会計検査の報告に基づいて、これはいただいた資料に基づいて、私の感じ、それから会計検査院あるいは外務省の考え方を若干問わせていただきたい、質問させていただきたいと、こう思ったわけであります。
 院長、よろしいですか、金子さん、いいですか。会計検査院長、よろしいですか。──会計検査院長はどうして来てないの。変わったから間に合わなかったの。──ああ、そうなの。いや、これは、これに報告があったから、当然、僕は出席していると思ったんだけれども。ああ、していない。それじゃ、それで結構です、仕方がない。それじゃ、私の方も少し手抜かりがあったかも分かりません。
 それじゃ、外務省の方に少し矛先を変えますが、先ほども副大臣からこのODA会議、戦略会議という、ODAに対する総合戦略会議の話があり、十三省庁のまとめ役、調整役として外務省いろいろ骨を折っておられるということはよく承知しておりますけれども、この十三省庁の調整ということが、いわゆる調整であって、本当に個別の問題に至るまでしっかりとフォローし、あるいはチェックしているのかということを考えると、これ、局長、なかなか難しいことだと思うんですね。
 各省で予算を組んで、そして各省で決められたその予算の執行について、外務省が、言うならば現地のいろんな情報というのを背景にして役所のプロジェクトは若干その環境が整っていないのではないかと言ってみても、既に予算は決められている、執行を待つだけになっている、予算が国会で成立すればそうなるわけですから、その辺のところの不便さというか、あるいはまた実効性、効率性というのがどうも上がっていないように思うんですよ。
 僕は、会計検査院の人たち、会計検査院の院長から、金子院長から今日報告を受けた中で、確かに無償、それから円借款、それからプロジェクト方式、合わせて一兆一千数百億になるわけですね。これらのものを本当に実効あらしめる、あるいはまた日本の、先ほど来のお話もありましたように、日本の国民の税金、そういうものを善意の協力としてやっているにしては、どうも今日の報告を見ても極めてずさんとしか言いようがない。
 すべてとは言いませんよ、この報告書に基づいて指摘されていることについて、これごらんになりましたか。植竹大臣、これごらんになったですか。例えばこれごらんになって、今日の報告書ごらんになってどんな感じですか、まず。
#94
○副大臣(植竹繁雄君) いろいろ、会計検査院のいろんな内容につきまして、報告について指摘された点について多々ございますが、その点につきましては、これ真摯に受け止めて今後の対応をしていかなくちゃならない。しかも、その中におきましては相手国に関係することもございますし、そういう場合には事態の改善措置を講じるようなこともやっていかなくちゃならない、あるいは専門家を派遣しましてそのフォローアップをしていかなくちゃならないということも追加的な措置として考えており、実際にそういうふうに処置しておるところでございます。
#95
○渡辺秀央君 そういう答弁になるんでしょう。
 東さんね、要するに事前の協議、これ、国内の協議もそれから国際的にも協力事業団は情報を取っているわけですね。そうですね。そして、それが本当に実行可能かどうか、しかも可能性があっても、その効果が効率的に上がるのかどうかということが、これを見て、今日のこの報告書だけでも、これ極めてちょっとおかしいのではないかという感じが私はしたんです。
 ということはどういうことかというと、いわゆるこのODAに関して私どもが一番危惧して、私は自民党時代もそういう危惧でやっていたんですから、今野党だから言うんじゃないんですよ。そういう意味で、どうも惰性、あるいはまたその仕組みのマンネリ化、要するに、事業プロジェクトができて、そしてそれが実施に移されていく、あるいはまた、具体的にその国が主導権を持った建設ないしは我が国のアドバイスをもらって建設をする、いろんな仕組みがあるわね、局長。どうもそこが今までと、もうこの数十年間同じことなのじゃないかねと。
 これは、JICAに対しても、私は実はもう一々言いません、時間がないから言いません、よくやってもらっているはいるんだけれども、数十年前にせっかく作った、そこにフォローがされていなかったり、あるいは今ここに出てきているこれらの点を指摘すると、好意的に見て、あるいはこれから、私も国際協力に関しては応援団の一員のつもりですけれども、だけれども少し、単なるいわゆる十三省庁の調整を外務省がやるということで果たして実効性が上がるんだろうかという心配をするわけなんです。
 もう一つ根っこを言いますと、私はODAに関しては外務省に一方まとめて、さっきの援助庁なんというんじゃなくて、外務省がしっかりとそれに対応できる省内体制を整えていく。そして、日本の顔ですから、それは悪いけれども外務省にしっかりしてもらわないと、日本というのは外に向けては外務省なんですから、そういうことから考えると、外務省のこのODAに関する取組方は、今までにない、鈴木君の問題とかそんなことじゃなくて、もうこの新しい時代に、JICAの方も今までのことを少なくとも精査をして、そして、本省の方も実際のことを実施面にわたってもう一回精査をして思い切った改革をこの機会におやりにならないと、もう一度信用をなくしてしまうと、これ外務省の問題、外務省の官僚の諸君の問題でなくて、日本の国全体の問題になっていくという心配がされて仕方がないんです。老婆心かも分かりませんが。
 そういうことについて、例えばJICAにおいて今、外務省は今努力しているという話は、さっきの同僚議員の質問に対して答えありました。もうちょっと私は深くその質問をしたいんですけれども、JICAにおいては少しこの改革、具体的にこういうことを大きく変更しています、あるいは改革しようとしているというようなものがあったら、若干お聞かせをいただければと思います。
#96
○参考人(東久雄君) 国際協力事業団の副総裁の東でございます。
 渡辺先生から大変温かい御叱責をいただきました。私ども、常日ごろからこのODAの実施機関として、できるだけ立派な事業になるようにということを心掛けております。少し、先生の方からJICAとして一体、その辺のマンネリに陥ることなく、いわゆる改革といいますか、そちらの方向についてどういうふうにやっているんだというお話でございます。
 私ども、大変多くの事業を進めておりますけれども、一昨年から地域別の各課を設けまして、それぞれの地域ごとに、それでその相手国との間の緊密な連携を取るという形、もちろん在外事務所もやりますけれども、在外事務所の場合はその国だけになります。しかし、地域全体を見ながら事業を実行していく。それで、まず事業を実行する部と、それからその地域を見る部と、両方で牽制関係を持つような形で事業を進めていくという体制を取りました。
 また、評価室というのを設けまして、事前評価も厳しく、これはまず事業を実施をするところで事前評価の基準を設けて、その評価を途中で一度評価し、更に最終評価をやるというような形で、評価ということを非常に充実させたつもりでございます。
 また、これらの評価結果を含めまして、できるだけいわゆる部外の方に分かっていただくということで、これを資料をほとんど一切公表するという形で、効率的な、しかもまず日本の国として立派な形を取っていきたいと考えております。
 ただ、先ほど副大臣からお話のとおり、この協力事業というのは相手国の状況で時々大きく振り回されることがございます。これらも外務省の方、大使館なんかにお願いいたしまして、できるだけの調整をしていくという形で進めております。
 今後とも、しっかりした実施体制を取っていきたいというふうに思っております。
#97
○渡辺秀央君 大変結構だと思うんですが、地域別に相当専門家ができてくると思うんですね。その専門家がとかく、別に佐藤君のことを言うわけじゃないが、専門家がとかく、やっぱり目が届かない、国内のことと国際のことだから。だから、そこはJICAが本省に対して遠慮なくやっていかなきゃいかぬ。要するに、これはJICAと本省とがある意味においては競争的共存みたいな形でないと、お互いに監視し合う、いい意味で。それで効率が上がっているか上がっていないかの追跡調査もやっていくということが大事だと思うんです。
 時間があと八分しかなくなってしまったんで、僕は実はもうちょっと、今日の質問全部今質疑をやっている間にチェックしたんですけれども、大変質問したいことがたくさんあるんですが、文部省からも来てもらったのは、例えば歴代内閣総理大臣は、東南アジアを始めとして交換留学生、いや、むしろ招聘留学生と言っていいでしょう、大規模には数百人、あるいは数千人というときもありました。私もかつてそのプロジェクトで官邸でやったことがありますが。そこまでは分かるんですけれども、文部省として、いわゆる今までの留学生、日本の国に招聘して教育して国へお帰しをしていく、その向こうに行った、現地、自分の国に帰った人たちの後のフォローはどうなっていますか。
#98
○政府参考人(清水潔君) お答え申し上げます。
 留学生の帰国後のフォローアップに関してでございますが、私どもの役所関係では、国レベルの対応として、まず第一に帰国留学生に対する専門的な学会誌等の学術雑誌の送付、あるいは研究等の分野で母国で活躍する帰国留学生を我が国に再招聘する事業、あるいは研究に従事する帰国留学生のために日本の大学等の指導教員を派遣する事業、帰国留学生のデータベース構築事業、あるいはアジア諸国の博士号取得を希望する者の招聘、あるいは指導教員の派遣する事業などといった支援を行っております。
 外務省におかれましては、帰国留学生の我が国への招聘、あるいは各国において組織されている、元日本留学者によって構成される帰国留学生会への支援等が行われるというふうに承知しております。
 私ども、全体として予算の状況等非常に制約がございますけれども、今後は私どもの方向性として、以上に加えて、各大学において帰国留学生に対するフォローアップというものがより積極的に活発に行われる、そういう方面に向かって促していきたいというふうに考えております。
#99
○渡辺秀央君 これは文部省ばっかりじゃないんですが、その名簿はできていますか。例えば、国別に今までずっと、数十年間のそういう名簿はできていますか。それから、JICAの方は、技術的な協力、教育、そういうものに対して、その国ごとにどういう、どれぐらいの人、それからどこで今現在その国で活躍しているかというようなこと、併せてそういうそれぞれの、フォローというのはそういう意味だね。それは、全般的に目の届く範囲ならそれはだれでもできる。しかし、我が国の財産でしょう、言うならば。財産という言い方は表現が適当でないかも分からぬが、友好親善における非常に大きな礎でありますね。そういったことの整備がきちんとできているでしょうかというのをちょっと参考までに聞きたい。
 というのは、ある国において、実際にはもう日本に留学して帰ったら、日本の、これは今度外務省の方も、在外大使館が全くその人たちの居場所も分からない。例えば、せっかくお医者さんにして仕上げて、もう時間がなくなったからやめるけれども、仕上げて、それでその国に送った。その人は日本で一生懸命勉強して、それで要するに過疎地、へき地の医療、これは農村に入ろうというんで入っちゃった。その国の事情にもよりますよ。しかし、どこで働いているか分かんないという、そういう事例があるんですよ、幾つも。これはちょっと考えるべきではないか。というのは、具体的に民間でやっているじゃないですか。日本財団の笹川理事長のところを見てごらんなさい。中国との、お医者さんを個人が全部一人ずつきちんとなっているじゃない。できないことないですよ、やる気になれば。
 そういう現状、もしやっていなかったらやっていない、あるいはこれからやるならこれからやる、あるいはできているところとできていないところがある。どうぞちょっと答えて、あと時間がありませんので簡単でいいですよ。
#100
○政府参考人(清水潔君) 先ほど帰国留学生データベースの構築事業というふうに申し上げました。基礎となる外国人留学生の情報を一元的に集約したデータベースをということで、国別、分野別、あるいは同窓会別、大学別というような形のデータベースを構築しているところでございます。
 ただ、先生御指摘のように、必ずしも、例えばそういう中でのデータベースがその後様々な形、例えばどういう分野で今活躍されているかというようなことについてまだ必ずしも十分でないという現況もございます。
#101
○参考人(東久雄君) 御指摘の技術関係を中心にした研修員でございますが、私の方、それぞれの国で帰国研修員を中心に同窓会を作るようにできるだけ事務所の方から指導しておりまして、今ちょっと手元にありますのは、七十七か国に八十三の同窓会を今作っております。複数あるところもございます。その同窓会を中心にいろいろな形で、JICAの事業の宣伝、それから場合によってはシンポジウムを同窓会の方でやっていただくというような支援をしております。
 それから、青年招聘という形で短期に来られる方がございます。これはちょっと別途、お帰りになってからのフォローを別途の形で、また滞在したところとの関係等も付けながらやっております。人につきましては、各事務所で完全に把握しているはずでございます。
#102
○渡辺秀央君 もう一つ、正にあと一分ぐらいしか時間がなくなってしまいました。今度は日本の学者さんあるいは経験者、こういう人たちを海外へ行かせますね。あるいは海外でアドバイス、アドバイザーとして大変お役に立って喜ばれている。その人たちのリストはしっかり確保されていますか、JICAで。
 同時に、それはなぜそういうことを言うかというと、せっかく数年間、十年間その国のことについて携わってきた、ところが、内閣の方で突然大きなプロジェクトが始まる、そうすると、もう個人で積み上げてきた、何年間も、十年間も、自分の私費まで投じて積み上げてきた、そういう人たちが抜きにされて、ゼロから政府はその調査団始めるんですよ。こんな例が幾らもあるよ。これ後で、もう今日は、ここはもう委員会だから議事録に残しませんけれども、幾らでも指摘しますけれども、これはちょっともったいない話だと思う。
 むしろ、それは国内、日本側のそういう人たちの意見を、それは大調査団、財界中心に、そんなものは悪いけれども商売が目当てなんだ、一つは。それはそれで悪いとは言わない。だけれども、そうでない、もう一つ純真に、本当に日本の国のことを、その国のことを好きでやっておられるエキスパートというのはできているんですよ。そういう人たちのリストは、少し、局長、これからJICAと連携を取りながら整理して精査しておく必要があると私は思う。
 というのは、正にこのODAの、もう質問終わりますが、ODAのこの一兆一千億からの我が国からの協力、資金を提供していく、これがきちんと見えてこない、国内的にも。国際的はもちろん、さっき副大臣口が滑っているけれども、しかし実際にそれは見えてこなきゃいけませんよね、日本の善意が。だけれども、国内でももうそろそろ、我々田舎に帰ると、それは中小零細企業がこれだけ苦しんでいるのに海外に協力なんていうのは何だというような声すらもう出始めてきている。
 であればあるほど、それだけに、きちんと見えるあるいは成果、あるいはこれからの将来展望というものが臨めるような形は是非この改革の中で仕組みとして、そういう人たちを無駄にしないことも考えながら是非考えていくべきではなかろうかなというふうに、これも老婆心の一つとして申し上げ、かつ、具体的にちょっとこの間も一例、二例ばかりあるんです。いきなり大きい調査団がどんと行っちゃって、全く今までのネグレクトされちゃっている。もったいない。そこはゼロから始まっている。こっちは十年の実績がある。これはもう国費の無駄、国民の善意の無駄と言わざるを得ませんね。
 そういう意味で、なかなかこれ、これからはJICAの方もきめ細かく要求されると思う。また、期待されると思う。是非、文部省の方の人づくり、人育て。この間も私、私的に東南アジアの最も実力者の指導者とお会いしました。全く喜んでいる。日本のおかげで、立派な若い者を育てて、我が国の国内で活躍してくれていると。そこまでは良かったんだけれども、それらの人たちが本当に同窓会をしっかり作って、現地の日本の大使館、あるいは日本から行ったときに、交流と交歓と、そして親善と信頼をもう一つきちんとしているかねということを私はひそかに反省として感じさせられたわけです。
 今日のODAの報告にちなんで自分の考え方も若干述べて、是非今後大いに頑張っていただきますように、成果を上げていただくように、自信を持って進めていただくように。それには、オープンできれいな、本当に相手の国が弱っているところを援助するのに、その利権をあさるようなことは絶対にいけない。私は本当は、場合によったら私はこれから摘発して歩きますよ、場合によったら。いや、本当に。それぐらいのつもりだ。それはみっともない、日本の政治家としても、日本の国としても。だから、そういうことにならぬように、その土壌はJICAであり、外務省がしっかりと作らないとという決意で臨んでいってもらわなきゃならぬというふうに思います。
 本当に老婆心ながら一言申し上げて、これからの大いなる成果を上げてもらうことを期待して、質問を終わります。ちょっと済みません、延びてしまいました。
#103
○続訓弘君 石原大臣、今日は御苦労さまでございます。
 私は、二十一世紀臨調の緊急提言に関連して何点か御質問させていただきます。
 去る五月の二十日に、経済界や学識者等で構成されます新しい日本をつくる国民会議、いわゆる二十一世紀臨調が公務員制度改革について緊急提言を小泉総理に提出し、総理は理解を示された旨、五月二十一日の各紙に社説を含めて一斉に報道されました。私たち公明党も、去る五月三十日、緊急提言の背景及びその内容について同臨調の西尾勝代表幹事から直接意見聴取いたしました。
 そこで、本日は、この緊急提言について、以下数点にわたって石原大臣に御質問申し上げます。
 最初に、この提言をどう評価し、これからの国家公務員法等改正案にどう反映させるおつもりでしょうか。また、この提言では、昨年十二月閣議決定された公務員制度改革大綱の方針は各種の人事管理権限を人事院から各省大臣に移し、かつ権限を拡張しようとすることを危惧して、方針の撤回を主張しております。この点についても、石原大臣の御見解を承りたいと存じます。
#104
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま続委員から御指摘のございました二十一世紀臨調の西尾先生と曽根先生とは、実は、総理のところに行かれた四日後でございますが、二時間ほど私もお話を聞かせていただきまして、率直な実は意見交換をさせていただいたところでございます。
 この中で、公務員制度改革大綱の中で打ち出した改革の中で、能力等級を基礎とした任用・給与・評価制度の導入、いわゆる公務員の世界にも競争原理を導入しようと、そういうところについては意見が一致しまして、それはいいことではないかという話でございました。
 一方、西尾先生方のお話を聞かせていただきますと、政と官の役割分担の観点から、各主任大臣の人事管理権者が主体的に責任を持って人事・組織マネジメントを行う、今、委員も念頭にあられることだと思うんですけれども、そこについては改革の方向としてベクトルが逆ではないかといったような問題点の指摘が披露されました。
 私としては、全体としての印象なんですけれども、改革の必要性や方向性自体については大きな差異はないんですけれども、詳細部分や、あるいは現場の人事担当者の方々の声というものを西尾先生たちは余り聞かれていなかったのかなというような率直な印象を持ったところです。今後とも、やはり公務員制度改革は国家百年の計を成す大きな大事業だと思いますので、賛成、反対とかそういうものにとらわれないで、幅広い関係者の方々から率直に意見を聞いて、大綱の具体化に向けた作業を進めて、やはり公務員の方々、そして国民の皆さん方の御理解、ああ、こういうふうにやって良くなるなと、そういう形で改革を目指していかなければならないんじゃないかということを、二時間ぐらいのディスカッションでございますが、双方で協力し合いましょうと、そういう話でございました。
 これも当委員会や内閣委員会で、一番今回の大綱の中で議論のあるところを続委員が二番目の質問としてされたと思うんですけれども、いわゆる人事管理権限を人事院から各省大臣に移すということによって、縄張ですか、ある意味での、各省の縄張が広がる、そういうところは改革の方向性としていかがなものかというような御指摘を西尾先生、されておりました。
 私もそこで先生方にもお話をさせていただいたんですけれども、内閣や各省の大臣というのは、実はこれまで人事行政の企画立案についても、人事の細かいことについても、はしの上げ下ろしから、すべて大きく人事院に依存して、運用についても人事院などの事前かつ詳細なチェックを受けていたと。それと、人事管理に対する各省庁側の認識不足が相まって、責任を持って行ってきたとは言い難い状況に陥ったのではないんでしょうかと、そういうふうに見ているんですという話を実はさせていただきました。ですから、今回、思い切った改革を打ち出していかなければいけないと大綱を取りまとめさせていただいたんですという話を実はさせていただきました。
 時代の要請に応じまして、言葉で言うのは非常に簡単なんですが、総合的とか戦略的な政策立案というものが役所の側でなされているか、あるいは効率的な行政サービスの提供というものがなされているのかということを考えると、どうもクエスチョンマークが付くと。そんな中で、やはり行政事務を分担管理し、行政運営についての責任を持つ大臣が、自分の部下であるところの公務員の方々を、人事・組織マネジメントについても責任を持つということは、一般の企業で人事権を持たない、人事行政をやらない社長さんが、外のアウトソーシングにそれを任せて、本当に士気を鼓舞してサービスといい商品を提供できるのか、そんな素朴な疑問点を私は持っているんですという話も実はさせていただきました。
 そして今、世の中の流れが、事前審査というんですか、事前に細かく見てもらって、よし、それにのっとっていればいいですよというものから、規制緩和の流れの中から、後から見てそれが合致していればいいですよ、いわゆる事後チェックにすべてを流すのがトレンドになっておりますし、そういうことを考えると、人事院のきめ細かい事前詳細な制度的規制を見直すということも規制改革の流れなのではないかと考えているところであります。
 内閣が公務員制度の企画立案に責任を、これも前回でしたか前々回でしたか、続委員から御質問をいただいた点だと思うんですが、私はやはり責任を持つということが非常に重要ですし、内閣府という役所もありますし、内閣機能を充実させようということも決めたわけですから、内閣が人事管理にかかわる総合調整機能を発揮するような姿に変えていくということなんですという話をさせていただきまして、御理解を賜ったものと考えております。
#105
○続訓弘君 今、大臣から、西尾代表幹事と二時間にわたって議論を重ねられ、そしてお互いに理解をし合ったというお話を承れば、以後の質問は何もできませんけれども、せっかくですから具体的な問題について何点か伺わせていただきます。
 今この委員会でも天下りの問題については大変問題になりました。それと同時に、国民の皆様の関心事でもございます。この規制について、私は去る四月の一日の当委員会で、民間企業に対する天下りや特殊法人、認可法人に対する天下りは大臣承認制ではなく内閣で一括所管すべきだと石原大臣に御要望を申し上げました。今回の提言でも、特殊法人、独立行政法人、公益法人等への再就職を含め、広く再就職を審査、承認し、あっせんする事務を内閣官房の所管とすることを提案しております。
 そこで伺います。大臣は、四月一日の私の質問に対して、内閣で総合調整するとの御答弁をされましたけれども、今回の提言を受けてどのように対処されるのか、改めて伺わせていただきます。
#106
○国務大臣(石原伸晃君) この点についても、西尾先生などとかなり突っ込んだ話を実はさせていただきました。委員が前の委員会で御指摘されましたような特殊法人や公益法人やあるいは営利企業等への公務員の方々の天下り審査、承認、あっせん、内閣が責任を持ってやれというような話ですけれども、これは前回も答えましたように、それは一つの私はすばらしい考え方だと思います。内閣という各行政を所掌する最大の機能が、しっかりとしたそれこそ人事担当大臣でもいましてきめ細かく目を配って行うということは一つの方法だと思いますし、これはもう当委員会に限らず、この天下りの問題は国民の皆様方の最大の批判の対象、また関心事になっていると思っておりますので、内閣として国民の信頼を確保し得るよう責任を持って対応していく上でもそれが一つの方策であるとは思っております。
 じゃ、大綱じゃどういうふうに整理をさせていただいているのかということなんでございますけれども、これはちょっと重複して恐縮なんですが、民間企業への再就職については内閣が厳格かつ明確な承認基準を定めますとともに、各府省における運用の総合調整を行う、明らかに内閣の責任を書かせていただいております。特殊法人の再就職については、これも内閣が透明で客観的なルールを定めて公表して、各府省に対する監督体制を強化すると。
 公益法人についてはと申しますと、これまで役員の就任状況や報酬や退職金について情報も開示されていませんでしたけれども、これは情報開示しますし、また、特に一度自分の作った、役所にいるときに作った自分の、自分の公益法人と言ったらおかしいんですけれども、自分で作った公益法人に、自分で作ったと錯覚しているかどうか分かりませんが、八十歳ぐらいまでずっと役員やっている方がいるんですね、本当に。こういうものも、やはりこれはちょっと、幾ら自分で作ったとはいえ、自分の会社じゃないんですから、自分の会社でもやはり会社というものは社会のためですから、個人のためじゃございませんので、退くときは退く、こういうものにも役員の退職年齢の基準を整備する、それを各府省が指導監督せよというようなことも言わせていただいております。
 これはこれからの公益法人改革の中での論点になるんですが、この公益法人というのはネーミングがいいですからね、公益のために資するなんて言っていますから、だれもいじらないで来たら百年たっちゃったみたいで、それこそたくさん作った課長さんが偉い課長だなんて昔は役所の中で言われたなんて話も聞くぐらいで、その数は地方も合わせますと、行政委託型はかなりの精査というものを今度させていただいたんですけれども、まだ二万六千もあるわけでございます。こういうところも、やはり天下りの対象となっている以上は、国民の皆さん方の信頼というものにしっかりと内閣として責任を持ってこたえていかなければならないというふうに整理をさせていただきました。
 再就職全般に対して、なかなかこの問題は本当に古くて新しい問題で、もう何十年間もこの天下りの問題は議論をされているわけでございますけれども、本当に二〇〇六年には日本の人口が減少に転ずるという中で、平均寿命は女性の方はもう八十歳、男性の方はちょっと若いんですけれども、これもまだ延びていくと思います。そんな中で、年金の受給も六十五歳になっていくわけですので、六十歳定年で辞めてその後はだれも何の面倒も見ませんよということもまた乱暴な議論ですので、責任を持って信頼に堪え得る制度改革というものに取り組んでいかなければと、そんなふうに考えております。
#107
○続訓弘君 提言では、大綱が早期勧奨退職慣行を維持する方針に基づいていることに反対して、早期勧奨退職慣行を廃止すべきだと主張しております。このため、当面は段階的には在職年数を五十七、八歳にまで引き上げ、より長期的には国家公務員の定年年齢を六十五歳までに引き上げるべきだとしております。この提言につきましては小泉総理も賛意を表されたと報道されておりました。
   〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕
 この点についても、私は去る四月八日の行政監視委員会において、石原大臣に、早期勧奨退職慣行是正のための推進計画を各府省に作るよう提言されてはいかがですかと、こういう御質問を申し上げました。大臣からも前向きの回答をいただいたところでございます。
 そこで、早期勧奨退職慣行の是正策について現時点でどのようにお考えか、改めてお考え方を伺わせていただきます。
#108
○国務大臣(石原伸晃君) この点につきましても続委員から、前回でございますか、御質問いただきまして、委員の考え方と私の考え方は同じではないかというような話をさせていただきましたし、現実問題としてこれをどういうふうにして延ばしていくのかと。今大体職員の方の例えば課長にいる期間というのは一年ぐらいが平均でございますけれども、これを在職を二年にしていけば、物理的に五つ上げるには十年掛かれば勧奨退職の年齢というものも上がっていくことができます。しかし、その一方で、じゃ新規採用をどうするのかといったような問題や、あるいは働く側、これは若手の公務員の方と話すと、四十五になっても課長補佐ですかと、民間企業でももう四十過ぎたら課長で、もう上場企業でも四十前に社長が出ているのに、それじゃ魅力のある職場とは言えない、こんな話も聞きます。
 そういうものを併せて考えていかなければなりませんし、さっきも言いましたように、現実問題としてはもう元気で高齢者になる、そしてまた高齢者の方の数も増えてくるわけですから、そういうもので、その一方で、先ほど来御指摘の出ております公務員の方の再就職、天下りに対する厳しい国民の皆様方の目があるということを考え合わせたら、やはり段階的に是正していくことが私は絶対に必要だと考えております。事務方に具体的にどういうふうにやっていけば何年ぐらいで可能になるのかと、方向性は正しいわけですから、これはもう平成九年の行革大綱等にもしっかりと橋本行革の中でも明示させていただいております。
 先ほど言いました、五十になっても課長さんになれないみたいなことでも困りますので、そういうことと併せまして是正すべき方向を今模索している最中でございますので、もうしばらく、どういうふうにしたらというような具体的な案については御猶予をいただければと考えております。
#109
○続訓弘君 提言では、大綱がいわゆるキャリアシステムを今後も引き続き維持しようとし、メスを入れていない点を批判しております。
   〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕
 提言において指摘されているとおり、T種試験合格者がその資格で採用されなかったためにU種試験合格者の資格で採用されている事例が現実に現れていることを踏まえると、このキャリアシステムはもはや時代遅れではないかという声すらございます。提言は、将来的にはT種試験とU種試験を統合して一本化しながら、その採用者の中から幹部候補職員を厳選し育成するシステムを構築すべきだと提案しております。
 キャリアシステムの見直しは、今や国民の求める声だとも思いますけれども、石原大臣の御見解はいかがでしょうか。
#110
○国務大臣(石原伸晃君) 私も、続委員が御指摘されましたように、これまでのキャリアシステムというものはやはり今の時代に適応していない、時代遅れになってしまったんじゃないかということを強く感じています。すなわち、年功序列で、いつになったら課長になって、そこまでは保障する、それも一部のT種試験を合格した人だけがなると。しかし、現実は、T種試験に通らないからU種試験で優秀な人が入って、そういう人も現に育ってきているわけです。私どもの大綱の中でも、これは、これもまた賛否の分かれるところですけれども、この採用試験を資格試験的にしていく上で合格人数を増やそうと苦肉の策を立てている訳も、実はそういう試験制度の弊害によっているところだと思います。
 その一方で、よく考えてみると、やはり国の行政を支えていくんだという高い志と能力を持った人たちを育成していくということも、国の行政を円滑につかさどっていく上では私は必要だと考えております。これは意見の分かれるところですけれども、私は、やはりエリートと言われる、当然エリートは国家国民に奉仕するというこの高い志がなければ、踏ん反り返っているようなエリートは必要ないと思いますけれども、私は必要だと考えております。
 そしてまた、最近は、九〇年に冷戦が終わりまして、外国の企業が日本にかなり進出してまいりまして、かなり優秀な人材の引っ張り合いというものも起こっているんだと思います。
 私の友人で、ある外資系のインベストバンクのアジアの支配人がいるんですけれども、彼はちょうど八五、六年ですか、日本に人事担当者としていまして、私、そのときからの付き合いなんですけれども、そのとき彼がぼやいていたのは、優秀な人間がたくさんいるんだけれども、そして民間企業や公務員、日本の国家公務員と比較しても条件としてはいい条件を出しても、必ずその学生さんたちが言うのは、帰って外資ですので両親に相談させていただきますと言われて、なかなかいい人材を確保できなかったと。それが、彼は九六年に日本に戻ってきまして、やはり人事をやってみて何が変わったか。一番びっくりしたのは、外資であるから、こういうことを言う人はいなくなって、学生さんの方も、三年契約でも結構です、しかし給料も三割アップしてくださいと、年間給与ですね。そういうようにすごく意識が、日本人の若い方の意識が、優秀な方の意識が変わったという話を聞きました。
 そういう現実がある以上、やはり、お金で転ぶということはないんでしょうけれども、仕事でなかなか優秀な人材をこれまでのように公務員のサイドも確保することが難しくなってきています。そんな中で、業務経験や留学などの限られた育成機会というものを集中的に活用できることで有能な人材というものを養成していくことが可能だと思います。しかし、その一方で、年功序列で必ず課長になるみたいなことは間違っていると。ですから、イギリスなどで実施されているのは、ファーストストリーマーというんでしょうか、あるところまでは行くけれども、そこから十年間ぐらいは早く行くけれども、そこで優秀じゃない人間は振り落とされて──T種、U種の試験、私、将来的にはT種、U種の試験は一緒になっていくものだと思っています。
 そういう中で、まだ現にT種の試験に受からなくてU種で入った優秀な方もいらっしゃいますから、そういう人たちの方が志が高くて優秀な方いるわけですから、そういう人たちと今度は競争して、審議官とか局長には競争して差を持たせないで就任していくと。そういうシステムを作っていかなければ、これからの社会の中で優秀な方を確保するというのは難しいんじゃないかなと、こんなことを考えております。
 結論的には、やはりキャリアシステムというものは思い切って見直していかなければならないと、こんなふうに考えております。
#111
○続訓弘君 最後に、実は私は、今、お父様がお勤めの都庁に三十八年間も勤めておりました。都庁にはキャリアシステムはございません。したがいまして、お父様は、大臣も経験されました、官僚の良さも十分御存じだと存じます。同時に、都庁の組織も、今現職であられますので十分御存じだと存じます。したがいまして、要するに今のキャリアシステムが、都庁方式がいいのかあるいは官僚制度がいいのか、どこにメスを入れるのかということについて、機会があったら懇談をさせていただいて、是非これからの公務員制度の問題について一定の方向を見いだされることをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました、どうも。
#112
○岩佐恵美君 食品添加物としての香料の製造にかかわる違反事件を起こしました協和香料化学の食品衛生法違反事件について、簡単にまず説明をしていただきたいと思います。
#113
○政府参考人(尾嵜新平君) 五月三十一日に、茨城県は、協和香料化学株式会社の茨城工場に対しまして、食品衛生法で添加物として使用が認められていないアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ヒマシ油の三種の化合物を使用していた香料を製造していたとしまして、食品衛生法上の営業の禁止及び違反品の回収を命じたところでございます。
 簡単に経緯を申し上げますと、五月二十日に、この工場が食品衛生法上使用できないヒマシ油等につきましてかなり以前より使用しているという匿名の投書が東京都にございまして、東京都の方から茨城県に調査依頼がございました。これに基づきまして、五月の二十一日から三十日に掛けまして六回にわたりまして茨城県が工場に立入調査に入りまして、こういった事実を確認し、三十一日付けで行政処分を行ったというものでございます。その後、六月六日に、更に別の指定外の添加物二物質につきまして使用していたことが確認されまして、これを含む添加物の回収を指示したという旨の報告を茨城県から受けているところでございます。
#114
○岩佐恵美君 違反のアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、それに新たに違反が判明した2メチルブチルアルデヒド、イソプロパノール、いずれも合成香料です。日本では使用が認められていません。ヒマシ油は天然添加物ですが、九六年以降の使用は禁止されています。にもかかわらず、この会社は三十数年もの長い間違反し続けていたということです。
 食品の製造工場への立入検査の実態は一体どうなっているのでしょうか。
#115
○政府参考人(尾嵜新平君) 食品の営業施設に対します立入検査に関しましては、都道府県等の食品衛生監視員によって行われておりまして、政令によります業種別に監視又は指導の回数の目標を定めているところでございます。
 平成十二年度の立入検査につきましては、全国四百二十八万五千余の施設に対しまして四百二十五万余回の立入検査を実施しているところでございます。また、添加物の製造業につきましては、二千三百七十三施設に対しまして二千六百三十九回の立入検査を実施しているというのが状況でございます。
#116
○岩佐恵美君 今日、皆様のお手元に、委員長のお許しをいただいて、業種別の監視率の一覧表、厚生労働省が作ったものをお配りをさせていただいております。
 政令規定監視回数のところで六回、この欄の一番下、これが添加物の製造ということで、今回の事案に関することですね。一七・六%しか検査率がないわけです。政令に定められた監視指導の基準が守られていないという実態です。
 しかも、協和香料化学の場合、地元の保健所は九七年、九九年に立入調査をしていましたけれども、その後三年間、一回もやっていない。その上に、九九年の立入りで私はなぜ違反を見付けられなかったのか、そのことが非常に不可解なんですね。
 厚生労働省として六月三日に「添加物製造施設に対する監視指導の強化について」という通知を出していますけれども、その内容はどういう内容なのでしょうか。
#117
○政府参考人(尾嵜新平君) 今、先生からお話ございました六月三日付けで都道府県等に対しまして、全国の添加物の製造施設に緊急に立入調査を行いまして、食品衛生法上認められていない物質を使用して添加物等が製造されることがないよう、原材料の使用状況及び表示内容などを検査しまして、違反が確認された場合には回収、公表等の必要な措置を取るように指示をしたところでございます。その結果については、都道府県等から報告を受け、公表していく予定にいたしているところでございます。
#118
○岩佐恵美君 今回の事件をきっかけに、全国二千三百七十か所の添加物製造施設への立入検査を実施するということですけれども、従前から原材料の使用状況を台帳やあるいは倉庫の点検できちんと押さえていれば、私は今回のような事件は防げたはずだと思います。企業に対して厳格な、やるべきことをやってこなかった、検査もしてこなかった。企業に甘いこうした国の姿勢がこのような大きな事件を引き起こす原因を作ったと思うんですね。
 BSE問題に続いて、食品偽装事件が起こりました。そしてまた、今度は子供たちが食べるお菓子類を主体とした食品の違反事件でございます。本当に消費者の食の安全、安心に関する信頼が大きく失墜しました。全く今国民はやりきれない思いでいます。
 大臣、そこで伺いたいんですが、今後の検査の実施回数あるいは内容ですね、本当にしっかり強化をして、企業に対して厳しく対応すべきだと思います。そのためにも、食品監視員の体制を強化すべきだと思いますが、その点いかがでしょうか。
#119
○国務大臣(坂口力君) 今御指摘をいただきましたように、監視体制をどうしていかなければならないかというのが一番大きな問題だと思います。
 御承知のとおり法定受託事務になっておりまして、保健所から監視をする、監視員の皆さん方がチェックをするということになっているわけでございますが、今このパンフレットをいただきましたように、六回年間やらなきゃならないことになっている。これも本当に六回もやらなきゃならないのか、こんなに回数は多くなくてもいいから、もっとちゃんと、一遍行ってもちゃんと検査ができるようなことが大事だと思うんですね。
 ですから、これ、作りましてからそれ以後、非常に業界の増えているものもあると思いますし、また少なくなっているものもあるというふうに思いますから、これらの政令規定も一遍見直しを行って、そして本当に安心できるような体制にするのにはどうしたらいいかという立場から検討をしなければならないというふうに思っておりますし、どれほど、何回行かなきゃならないといいましても、保健所そのものがその体制になければこれは何にもならないわけでありますから、その辺の、国とそして都道府県との連携を密にしていくということをやらなければならないというふうに思っておりますので、その辺の見直しを行いたいというふうに思っております。
 そして、いつものことなんですが、何かが起こりますと通達を出して、そして見直しをしろというようなことではいけませんので、国が決めておりますことを都道府県にお願いをしておりますことは、ふだんからそれが正確に実行されているかどうかということをもう少しやはり丁寧に見ていなければいけないというのが今回の反省だというふうに思っております。是非そういうふうにしたいと思います。
#120
○岩佐恵美君 私も、エラーをする捕手が何人いてもこれは仕方がないということは、それはそうだと思うんですね。ただ、一年に六回やるということが守られていないことが問題なのですけれども、それはそれで問題なんですけれども、一年に一遍もやられていないということが問題であるし、それからその内容が、今度の通知で出したように、例えば台帳をちゃんとチェックをしなさい、倉庫に何があるかをチェックしなさいという通知を出しているわけですが、元々そういう通知に基づいて検査をしていれば今回のような事故というのは防げたし、また企業の方もそういう厳しい検査があるなと思えば三十数年間も違反を繰り返すということをしなかっただろうと思うんですね。
 ですから私は、今度の事件というのは、一つは、やっぱり厚生省が、業界は悪いことをしないんだと、BSEのときもそうでしたけれども、業界性善説に立っている、それが一番の問題なんだと。行政はやはりそういうことではなくて、食の安全、安心にかかわるわけですから、きちんと厳しく対応していく、そういう姿勢にいつも立っていかなければいけない、緊張して物事に対応していかなきゃいけないということだと思います。私は、そういう点で大いに厚生省も農水省と同じように反省していかなければいけないというふうに思っています。
 それからもう一つ、こういう違反事件が起こりますと、例えば、アセトアルデヒドは欧米では使われている、あるいはヨーグルトやチーズに含まれている、ヒマシ油はADI規格で違反事件の量なら健康被害の発生はないなどということが言われるんですね。もしこのことに、今回の違反は大したことはない、仕方がない、企業のモラルハザードをかばうという、そういう釈明の意図があるならば、私はこれは絶対に許されないと思うんですね。こういうことを言っている限り違反の再発は絶対に防げない、そう思います。
 そこで、食品添加物というのは、すぐに健康被害が発生しないから、微量だから大丈夫、安全ということには決してならない。一つ一つの香料は微量でも、様々な添加物を体内に取り込めば総量は多くなるんです。複合汚染もあり得るんです。特にお菓子は子供たちが食べるもので、大人以上に影響が心配されます。
 そもそも食品添加物については、一九七二年の食品衛生法改正の際に国会で「食品添加物の使用は極力制限する方向で措置すること」という附帯決議がされ、その後、指定添加物を減らす努力がされてきました。欧米では使われているからいいとか、ごく少量だから健康被害はないからいいだとか、そういう言い逃れというのは私は国会決議に反すると思います。そもそも「食品添加物の使用は極力制限する」という基本方向をちゃんと貫いて食品安全行政に当たるべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#121
○国務大臣(坂口力君) 附帯決議にありますように、必要最小限度にこれはやっぱりしていくべきだというふうに私も思います。
 今回もそうした制限の中で起こったことでありまして、やはり本当に必要なものならばきちっと認めてもいかなければなりませんし、最小限度で抑えなきゃならないものはこれは抑えていかないといけないというふうに思います。
 アセトアルデヒドやヒマシ油が幸いにしてそんな毒性の強いものでなかったということで許されるものでないことは私もそういうふうに思っておりますが、しかし、これ、もっと毒性のあるものだったらこれどうなったかといいますと背筋の寒くなる思いがするわけでありまして、不幸中の幸いで毒性のないものであったということで、正直言って少しほっとしているところでございますけれども、しかしそういうことではいけないというふうに私も思っております。
#122
○岩佐恵美君 毒性が強いとか弱いとかというのは問題外なんですよね。要するに違反をしたということがもう問題なんですから、そこは大臣がお認めになるとおりだと思います。
 食品添加物である合成香料について品質規格はあるんですが、食品への使用基準はないんですね。さらに、食品の成分表示も香料と書くだけで、その成分の表示義務はないんです。使用基準を決めて、食品への香料成分の私は表示を義務付けるべきだと思いますが、時間が余りないので、大臣、簡潔にお答えいただきたいと思います。
#123
○国務大臣(坂口力君) 香料というのは微量でいいものですから、どことも余り多量に使わないということから、上限というのは余り決めていないことは決めていないんですね。しかし、中に含まれているものが一括して表示をされていたのでは分かりにくいので、もう少しこれが分かるようにしようではないかという話があることも事実でございまして、これらのことも併せて検討したいと思います。
#124
○岩佐恵美君 六月七日付けの日経新聞の社説で、大変私はなるほどと思う記事がありました。「企業秘密の壁はあるが、」、香料というのはかなり企業秘密にかかわる問題なんですね。「企業秘密の壁はあるが、情報開示の徹底が第一歩だ。消費者の安全より上位に置くべき企業秘密などは存在しない。」。私はそのとおりだと思うんですね。こういう姿勢できちんと香料成分の表示を義務付ける、そういうことをやっていただきたいと思います。
 次に、中国からの輸入冷凍野菜について、これも農業団体から違法な残留農薬の指摘があってようやく国も重い腰を上げて検査をすることになりました。結果はどうなっているでしょうか。
#125
○政府参考人(尾嵜新平君) 中国産の冷凍野菜の残留農薬検査につきましては、有機燐系の農薬については、三月二十日から、分析技術が確立いたしました十八種の下ゆでされた冷凍野菜につきまして輸入時のモニタリング検査を開始をいたしております。四月二十二日に基準値を超えるパラチオンが検出されましたことから、現在は生鮮のものも含めモニタリング検査の対象を全届出に拡大をしておるところでございます。
 それで、さらに五月十四日に、クロルピリホスに係る違反が継続して確認されたために、これにつきましての検査結果が確認された後でなければ輸入を認めないという措置を現在取っているところでございます。
 有機塩素系の農薬につきましては、四月二十二日より、有機塩素系の農薬三種類について現在一〇%のモニタリング検査を開始をいたしておりますが、これも五月二十一日に基準値を超えるディルドリンが検出されたために、生鮮のものを含め全届出に対しまして有機塩素系農薬の検査を行い、検査結果が確認された後でなければ輸入を認めないというふうにしておるところでございます。
 六月六日までの輸入時の検査におきましては、二十四件の残留農薬違反が発見されているというのが状況でございます。
#126
○岩佐恵美君 基準を上回る残留農薬が、わずか二か月間で二十四件も発見されているんですね。本当に私は驚いたんですけれども、今までは野放しだった、消費者は食べさせられてきたんですね、ずっと長いこと。本当にこういう実態というのは許されないと思うんですね。
 さらに、ダスキンが中国から輸入した大肉まんを始め、最近、輸入加工食品で指定外添加物の使用が次々と発覚をしています。これについて委員会にやはり一覧表をお配りをしてありますので、簡単に御説明をいただきたいと思います。
#127
○政府参考人(尾嵜新平君) 五月の二十日から以降の指定外の添加物の使用に関します違反事件は、今お話しございましたダスキンの中国産の大肉まんからTBHQという指定外の添加物が使われておったということが判明したのが契機といたしまして、その後、先生から御提出の一覧表にございますように、台湾産の大根もち、あるいはハインツ日本のソース、あるいは米久の中国産の鍋つみれ、そういったものからTBHQが使用されているということが判明いたしております。
 また、それとは別に、徳山物産の韓国産のコチュジャンのポリソルベートの使用、あるいは今回の先ほど御質問がございました協和香料化学の事案、あるいは六月一日にニシフミートのブラジル産の軟骨の空揚げ等のTBHQの使用が確認されております。また、六月四日には、マルハの方の中国産の飲茶のTBHQの使用が確認されたところでございます。
 それと、直近では、六月七日に東京都の方が、秋田合成化学工業というところの植物油脂に指定外の硬化ヒマシ油の使用をしていると、これは会社の方からの自主検査の結果の報告がありまして、食品衛生法違反として確認したというのがこれまでの状況でございます。
#128
○岩佐恵美君 五月二十日から六月七日までですか、わずかな期間で九件ものこういう違反事件が発覚をしている、本当に大変なことですね。
 ここで、その輸入食品、輸入加工食品の検査についてどうなっているのか、簡単に御説明ください。
#129
○政府参考人(尾嵜新平君) 輸入加工食品中の添加物の検査の件でございますが、加工食品を輸入する際には、届出事項といたしまして、原材料や製造方法等のほかに、添加物を含む場合には当該添加物名を記載するということになっております。また、検疫所におきましては、これら届出事項や同様の加工食品の違反状況を踏まえ、必要に応じ添加物に係る検査を実施いたしております。
 十三年度の実績を申し上げますと、二万九千百八十三件の添加物に係ります検査を実施いたしておりまして、そのうち四百二十七件の食品衛生法違反が確認されておりまして、それらにつきましては廃棄、積み戻し等の措置を講じたところでございます。
 国内におきます添加物に関します食品衛生法違反の発見事例相次いでいることから、輸入食品、輸入の加工食品の添加物に係る安全性を確保するために、六月七日付けで、検疫所及び輸入関係業者に対しまして、原材料段階から添加物の使用に関する確認の徹底をお願いをしたところでございます。
#130
○岩佐恵美君 大臣、二〇〇〇年は輸入件数百五十五万件に対して行政検査というのはわずか三・四%にしかすぎないんですね。九六年からずっと三%台が続いています。しかも、水際でチェックするんじゃなくて、モニタリング検査なんですね。だから、食べてしまってから分かるということなわけです。私は、これではもう本当に国民の安全の確保はできないというふうに思います。
 是非、検査率の向上、そして水際検査をしっかりやるということをやっていただきたいと思うんです。そのためにも、国内の検査も人を増やさなければできません。恐らく輸入検査も人を増やさなければできないと思うんですね。その点、厚生大臣の決意というか、ちゃんと国民の命と健康を守るんだという、そういう決意を伺いたいと思います。
#131
○国務大臣(坂口力君) 私も増やしたいのはやまやまでございますけれども、なかなか思ったようにはいかないわけで、現在二百六十八名でやっているわけでございます。これ、以前のことを思ったらかなり増えてきたんですけれども、これだけの人数であると。
 それで、一つは、どれほど声を大にして叫びましてもそんなに多く増やしていただけない状況にあるものですから、対応できるような形にしていかなければいけない。それは、食品衛生法を改正をいたしますときに、今までのように、輸入時に検査をして、そして非常に農薬等が多いというようなことが見付かりましたら一々みんなチェックしているわけですね。だから、そうではなくて、二回なり三回なり続けて違反があるということになれば、しばらくの間、その国からの輸入は禁止するといったような、少しそういう点で強化をして、そうしてやっていかないと少ない人数で効果的な方法は取れないというふうに私は思っております。
 食品衛生法の改正のときに、もう間もなくやりますので、そのときにそうしたことも織り込みたいと思っているところでございます。
#132
○岩佐恵美君 終わります。
#133
○又市征治君 社民党の又市です。
 私は、この委員会で毎回、天下りと、それが生み出している業務上の癒着やあるいは無駄な公金支出について指摘をしてまいりました。この特権官僚の天下りについては、人事院も何度かの答弁では認めましたように、民間企業への分だけではなくて、特殊法人や公益法人への分も規制しなければ意味がないと思います。
 そこで、今日は、三月末に閣議決定をしている公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画に絞って、特にその中の「補助金等の見直し」の中の別表6、第三者分配型、別表7、補助金依存型及び別表8の役員報酬助成型について伺いたいと思います。皆さんのお手元には資料をお配りさせていただいています。
 行革推進本部にお聞きをいたしますけれども、この三つの型について、改革すべきだという件数、それから金額は全体で幾らになるのか、そしてその目標はいつまで達成する計画なのか、この点をお伺いをしたいと思います。
#134
○政府参考人(小山裕君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のございました、三月二十九日に閣議決定されました公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画におきましては、三つのジャンルの補助金につきまして改革対象としているわけでございます。
 そのそれぞれについて申し上げますと、まず第三者分配型補助金につきましては二百九件で約二千二百億円、補助金依存型の法人にかかわるものにつきましては八十七法人で約三千百億円、役員報酬に対する助成につきましては三十二件で約十二億円が改革の対象とされているところでございます。なお、これらの額につきましては重複もございますので、純計でいきますと約三千九百億円になるわけでございますが、これらにつきまして、実施計画に定められたところによりまして平成十七年度までの集中改革実施期間中に措置をするというふうにしておるところでございます。
#135
○又市征治君 調べてみますと、四年掛かって金額にすると一千百億円程度と。つまり、約三割達成というペースなわけですね。
 今言われた第三者分配型補助金等というのは、分かりやすく言えばトンネル補助金、トンネル法人ということになるんだと思うんです。記者発表資料では丸投げ型とか丸抱え型というふうに言われているわけでありまして、この方がずっと意味が分かりやすいと思います。その中に、余り国民との接触がなくて丸投げや丸抱えの事業を必要としないと思われる役所でも、何かと外郭団体を作って天下りと本来業務の下請化だとか事業と権限の拡大を図っている。
 今日は、時間の関係でそうした省庁の例を三つ挙げたいと思いますけれども、まず、防衛庁関係でお伺いしてまいりますけれども、今、先ほども出ましたけれども、役所の情報公開と個人情報保護との関係が問題になっている下で、陸海空すべての部隊と内局が情報公開請求者の身元を調べて、そのブラックリストを共有していたということが明るみに出ました。情報公開法のあからさまな違反だと、こう言わざるを得ませんし、正に有事法制の先取りだという、こういう批判さえも出ているわけであります。聞くところによれば、この情報公開室の隊員というのは、その多くが調査隊、つまりスパイ部隊の出身者だという、こんな話なわけでありまして、極めてこういうところにこういう人々を置くということ自体が問題だということを抗議しておかなきゃならぬと思います。
 そこで、質問ですけれども、防衛庁関連でこの二つの公益法人、延べ六件、純額で五十五億円が改革リストに上がっています。一つは基地への住民の不安をなだめるための、もう一つは退職自衛官を有事に予備役として動員するために税金を配っているという事業だと思いますが、ちなみに、現在の役員に占める官庁の出身者がどうなっているか、お伺いしたいと思います。
#136
○政府参考人(柳澤協二君) 申し上げます。
 私の方の防衛本庁が所管してございますのは財団法人自衛隊援護協会でございます。これは今、先生は有事に予備自衛官の招集とおっしゃいましたが、私ども、これは任期制の隊員とか五十代半ばで退職する若年定年の隊員の再就職のあっせんの事業を行っておる法人でございまして、役職員の出身で申しますと、理事長、理事、監事で二十七名おりまして、そのうち防衛庁出身者が七名、厚生労働省出身者が二名でございます。うち常勤の役員につきましては、防衛庁出身が二名、厚生労働省出身が一名ということで、計三名が常勤でございます。
#137
○政府参考人(石井道夫君) 財団法人防衛施設周辺整備協会について御説明いたします。
 常勤役員について限って御説明しますと、理事長一名、専務理事一名、常務理事三名、計五名でございます。五名とも防衛施設庁の出身者でございます。
#138
○又市征治君 自衛隊は国民を守ると常々言っておられると思ったら、実は逆で、自衛隊を援護する協会というのを作って、形の上で、退職予定自衛官の就職援護業務の名目で年間五千二百万円も役員報酬まで税金から出している。これにはちょっと驚かざるを得ないわけです。
 もっと詳しく述べたいところですけれども、今日は公益法人改革の全体像を見たいので、先に進みます。
 外務省に次はお伺いをいたしますが、外務省所管では、九法人、延べ十五件、四十二億円がリストに上がっています。外務省は、内部も機密費不正使用に始まって鈴木宗男さんに絡む疑惑、最近では総領事館問題など、今最も国民の信頼を失っている役所だと言われています。ところが、これら公益法人の改革については、このうち四件について、特段の理由があるからという反論をしておとがめなしにしようというふうにやられているわけですが、こういう姿勢では、自ら改革するんだと、こう言われても国民はだれも信用できない、こう言わざるを得ません。
 ちなみに、この外郭団体などの役員の構成、天下りはどうなっているのか、お伺いをしたいと思います。
#139
○政府参考人(北島信一君) お答え申し上げます。
 公益法人改革において、外務省所管の九公益法人が検討の対象となっているわけでございますが、この九法人の常勤理事数及び外務省出身者について御説明申し上げます。
 まず、アジア福祉教育財団でございますが、常勤理事がおりません。それから、国際協力会、アジア親善交流協会及び日韓産業技術協力財団は各々一名常勤理事がおりますが、公務員出身者はおりません。さらに、日本国際医療団、これにつきましては常勤理事が一名ですが、外務省出身でございます。さらに、フォーリン・プレスセンター及び国際農業者交流協会は常勤理事二名のうち一名が外務省出身でございます。さらに、交流協会ですが、常勤理事が三名で、このうち二名が外務省出身、一名が経済産業省出身でございます。最後に、日本国際問題研究所は常勤理事が三名おりまして、すべて外務省出身でございます。
#140
○又市征治君 お聞きのとおりというか、もう少し詳しく申し上げると、大使経験者かなり多いですね。それから、今出ましたように高級官僚の天下りと、こんなわけでして、先ほど石原大臣も言いましたように、かなりそういう意味では、もう大使まで経験されてきた人がこういうところの役員に就いて、それで高給を更にいただいている、こういう格好になっている。そういう意味で、この仕事の内容も本当に必要なのかどうか疑問も多いわけで、そういう意味では、外務省改革と言われても非常に心もとない、こう言わざるを得ません。
 次に、内閣府、石原大臣の足下の内閣府の件についてお伺いしますけれども、ここでは五つの法人が挙げられていますけれども、指摘された額が合計で八億九千八百万円。ところが、これについては、何と五法人すべてが特段の理由があるからと書かれておって、今後四年間でわずか一五%の削減という形でお茶を濁している、こういう状況です。先ほど説明がありましたように、全省庁で約三百三十件の指摘がされた中でもこんなにずうずうしいのはどこにもないわけであります。それでいて成果物は一切公表されない、こういう中身でありまして、これらの法人は言うまでもなく旧内閣調査室系の、つまりスパイ機関ですね。理由にもそう書いてあるわけで、つまり、我が国の情報調査の必要性から、この法人の存在は不可欠であり云々と、こうなっているわけです。
 私は、本当はこの五つの法人それぞれの、どの方面のどういう分野の調査をされているのか、こうしっかりと、本来ならば国会ですからきちんと出していただきたいというふうに思います。それから、これらの業務がどう我が国に役立っているのか、また実はアジアの平和を脅かしているのか、詳細に検討したいところですけれども、今日は役員構成、天下りの実態だけをお伺いをしておきたいと思いますので、お答えいただきたいと思います。
#141
○政府参考人(伊藤哲雄君) 内閣情報調査室から業務を委託している五法人の役員構成についてのお尋ねでございますが、五法人と申しますのは、財団法人世界政経調査会、あと四つは社団法人でございますが、東南アジア調査会、国際情勢研究会、国民出版協会及び民主主義研究会という団体でございます。
 この五法人の合計の数で申し上げますと、昨年十月一日現在で役員は理事、監事合わせて四十三名でございます。そのうち、内閣情報調査室関係の出身者は九名、他省庁出身者は六名でございます。また、先ほど申し上げました全体の役員四十三名のうち常勤は十一名で、このうち内閣情報調査室関係の出身者は八名、他省庁出身者はなしとなっております。
#142
○又市征治君 以上申し上げてまいりましたように、これら防衛庁あるいは外務省、内閣調査室といった権力機関の業務及び問題公益法人への委託業務についてももっと情報公開と改革をやっぱり進めて、天下り規制というものをやっぱりしっかりやっていくということが非常に大事なんだろうと思うんです。
 ちょっとこれは質問予告しておりませんが、今お聞きになって、行革推進本部の方はどう思われますか。御意見をお伺いしておきたいと思います。
#143
○政府参考人(小山裕君) 私どもがこのいわゆる改革実施計画を中心となって作成したわけでございますけれども、ただいま先生からお話ございましたように、公益法人にかかわる問題の中で、やはり国民に対する情報公開度というものが極めて低いと。これは今御説明のありましたところに限った話ではございません。
 そういうこともございまして、私どもといたしましても、やはり、特に国から業務を委託されている、あるいは補助金を受けているといったいわゆる行政委託型公益法人につきましては、今後とも国民の目に十分さらされるという形で業務を行っていく必要があろうということを考えておりまして、この三月二十九日の閣議決定の中で、今後、「国の関与等を透明化・合理化するための措置」ということで広範な情報公開等を定めた取決めをしておりますので、今後、これらの公益法人に対する情報の公開というものは各省庁のホームページ等を通じて更に行われるということになっているわけでございます。
 また、私どもといたしましては、この改革実施計画と併せまして、公益法人全体の抜本的な改革を政府として行っていく、今年度中に大綱をまとめるということにしておりますので、その中でもこのような問題を取り上げていくことになるかというふうに考えております。
 以上でございます。
#144
○又市征治君 最後に、委員長にお願いをいたしますけれども、間もなく会期末を迎えて、この委員会の審議もまとめに差し掛かっているんではないかと思うんです。とりわけ、この特権官僚の天下り規制の問題につきましては、先ほども続先生からも出ておりましたけれども、与野党問わず多くの委員の皆さんからこの問題については質疑が行われて、一定の方向性あるいは共有できる問題が見えてきたんだと思うんです。是非これを当委員会の決議にまとめていただいて、国民のやっぱり期待にこたえていく、そうした方向にやっていただくように要請を申し上げて、私の今日の質問は終わりたいと思います。よろしくお取扱いをお願いいたしたいと思います。
#145
○委員長(森本晃司君) 又市君の要求につきましては、その取扱いを理事会において協議いたします。
 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。
   午後四時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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