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2002/07/01 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 行政監視委員会 第8号
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2002/07/01 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 行政監視委員会 第8号

#1
第154回国会 行政監視委員会 第8号
平成十四年七月一日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十日
    辞任         補欠選任
     遠山 清彦君     山本 香苗君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森本 晃司君
    理 事
                岸  宏一君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                小川 敏夫君
                田名部匡省君
                渡辺 秀央君
    委 員
                阿南 一成君
                大野つや子君
                近藤  剛君
                中島 眞人君
                森田 次夫君
                森元 恒雄君
                吉田 博美君
                若林 正俊君
                脇  雅史君
                岩本  司君
                大塚 耕平君
                岡崎トミ子君
                鈴木  寛君
                千葉 景子君
                松井 孝治君
                山本 孝史君
                続  訓弘君
                山本 香苗君
                岩佐 恵美君
                西山登紀子君
                又市 征治君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       国土交通大臣   扇  千景君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    村井  仁君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣     石原 伸晃君
   副大臣
       内閣府副大臣   熊代 昭彦君
       総務副大臣    若松 謙維君
       財務副大臣    谷口 隆義君
       文部科学副大臣  岸田 文雄君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    中島 忠能君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        白石 勝美君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局公務員制
       度等改革推進室
       長        春田  謙君
       警察庁交通局長  属  憲夫君
       総務大臣官房審
       議官       衞藤 英達君
       総務省行政評価
       局長       塚本 壽雄君
       消防庁長官    石井 隆一君
       文部科学大臣官
       房長       結城 章夫君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       文部科学省高等
       教育局長     工藤 智規君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  石川  明君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       国土交通省総合
       政策局長     岩村  敬君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (行政の活動状況に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(森本晃司君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六月十日、遠山清彦君が委員を辞任され、その補欠として山本香苗君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(森本晃司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官兼行政改革推進事務局公務員制度等改革推進室長春田謙君、警察庁交通局長属憲夫君、総務大臣官房審議官衞藤英達君、総務省行政評価局長塚本壽雄君、消防庁長官石井隆一君、文部科学大臣官房長結城章夫君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、文部科学省高等教育局長工藤智規君、文部科学省高等教育局私学部長石川明君、厚生労働省医政局長篠崎英夫君、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君及び国土交通省総合政策局長岩村敬君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(森本晃司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(森本晃司君) 次に、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 本日は、行政の活動状況に関する件について質疑を行うことといたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○森元恒雄君 自由民主党の森元恒雄でございます。今日は、四点にわたりまして質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、公務員制度改革についてお聞きしたいと思います。
 政府は、昨年の十二月に公務員制度改革大綱を閣議決定をいたしまして、現在、法案作成のための準備作業に入っているかと思います。この公務員制度改革は、森内閣時代に橋本行革の一環として着手され、それが今の小泉内閣に引き継がれておるわけでございまして、石原行革担当大臣の指揮の下に鋭意作業が進められているというふうに承知しております。
 ただ、今回のこの大綱につきましては各方面からいろんな点について意見あるいは批判というようなものが寄せられておるわけでございまして、その点についてこの場で改めて確認をさせていただきたいと思います。
 確かに、戦後五十年経過いたしまして、現在の日本の官僚制度、いろんな面できしみが生じてきておることは御案内のとおりでございまして、一種の制度疲労を起こしている感があるわけでございます。かつて日本の国の成長あるいは民意の安定というものを支えた大きなパワーでありましたいわゆる官僚に対して、国民の信頼も大きく揺るいでおるというのが否めないところかなというふうに思っております。
 今回のこの公務員制度改革について、政府としてはどういう点に問題がありというふうに考えておるのか、あるいはまたそれをどう改めていく必要があるというふうに考えているのか、その点についてまず初めにお聞きしたいと思います。
#7
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま森元委員が御指摘されましたように、これまで国民の皆さん方の信頼を得ていた官僚制度に度重なる不祥事あるいは制度が抱える時代に対応できない問題等々、時代の要請に応じた政策の策定や国民のニーズにかなった行政サービスの提供が効率的に行われ得なくなってしまったのではないかというような批判がなされており、またこのような批判や指摘にこたえるために、やはり政策の企画立案能力の強化を図りますとともに、国民の皆様方から厳しい御批判のあるところの前例踏襲主義あるいは予算消化主義等に代表されますような官僚制度の抱える大きな問題点を改める必要があるという考えに立ちまして橋本行革がスタートし、今日に至っているものだと考えております。
 公務員制度改革の中では、職員の能力、成果をどのようにこれから適切に評価して、その結果を任用や給与に有効に、何というんでしょうか、活用する仕組みが不十分である今の制度をどう改めていくのか、そこが一つのポイントではないかと考えております。
 その中で、能力、業績に基づく適材適所の人事配置が可能な任用制度、あるいは能力、職責、業績を反映した給与制度、またそれをしっかりと評価できる制度等々の導入によりまして、過去に公務員制度が確立していた国民の皆さん方の信頼というものをしっかりとかち得るようなものにしていかなければならないと考えておるところでございます。
#8
○森元恒雄君 私も、今、大臣のおっしゃられたような日本の国、日本の社会が置かれている状況を的確に判断して、今何をなすべきかというようなことについて役所、官僚がしかるべき答えを出していく、しかもそれを効率的に執行していくというような体制に改めていくということはそのとおりだと思いますし、今回の改革大綱の中でいわゆる能力主義でありますとかいうような点が重視されているということは評価するわけでございますが、同時に、今までから日本の官僚制度の大きな問題点の一つとしてセクショナリズムということが言われております。昨年のいわゆる中央省庁の再編に伴います役所の大くくりでありますとか、あるいは内閣の機能の強化というものも、やはりそれはセクショナリズムを打破しようというような意図が一つ目的としてあったんじゃないかなと、こういうふうに思うわけでございます。
 しかし、今回の改革大綱は、むしろそういう点についての問題意識というものが余り表にうかがわれない。と同時に、各省の大臣に人事管理権を移す、あるいは強化するというような方向が打ち出されておるわけでございまして、そういうことになりますと、かえってこのセクショナリズムを解消するんじゃなくて助長するんじゃないかと、こういうふうにも思われるわけでございますし、また現にそういう意見も出されておるわけでございますが、この点について大臣としてはどうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま森元委員が御指摘されましたセクショナリズム、日本語で言うと縦割りの弊害というのでしょうか、省庁が自分の省庁のことだけを考えて国のことを考えないといったような批判が寄せられていることは事実だと思います。
 各主任大臣等は所管いたします行政の運営について責任を負う立場にございますが、所管行政を的確に運営するためには、所管する行政組織の人的資源を限られた中で最大限に活用して機能的、効率的な行政運営を図る必要があるということは、森元委員の行政官としての御経験の中からも御察知されているのではないかとも考えております。このために、実は今回主任大臣等を人事管理権者として位置付けたわけでございます。
 また、内閣が人事行政にかかわる企画立案機能を積極的に発揮するとともに、人事管理にかかわる総合調整機能を発揮することにより人事行政の統一保持を図ることとしておりまして、いわゆる各主任大臣等に、これまで、今、委員が指摘されてきましたような縦割り行政あるいは各府省のセクショナリズムというものが、逆にこの権限を強化することによって責任者が明確になることによって、そういうことを行ったら批判は大臣に行くわけでございますので、そういう弊害は除去されていくのではないかと考えているところでございます。
#10
○森元恒雄君 そこは若干私の思いとずれがあるわけでございますが、私は、やっぱり各省ごとに任用する、あるいは現役中に各省大臣が責任を持って人事管理を行うということによっていわゆる役所の中での意識というものが強まってくるという面は、これは避け難い面があると思いますが、同時に、そればかりじゃなくて、いわゆる退職後の自分の身の振り方というものが出身官庁にずっとやっぱりお世話にならないといわゆる就職先がなかなか確保できないというような実情にあるということもやっぱりセクショナリズムを助長している大きな要素になっているんじゃないかなとかねがね思っておるわけでございますが、このいわゆる役所の再就職、一般に天下りと言われている問題は当委員会でもいろいろな観点から議論度々ございますが、この点について、今回の改革では、従来の人事院によります事前承認制を廃止して、むしろ各省大臣の権限の下で実施していくということになっておるわけでございますが、こういうことになると、いわゆる役所の中でのお手盛り的な人事というものが行われやすくなってしまうんじゃないかなと、またこういう批判もあるわけでございますが、この点について的確なお答えをいただければ有り難いというふうに思います。
#11
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま森元委員が御指摘されたのと同じ話を、実は先般お話を聞かせていただきましたさわやか財団の堀田力理事長がお話にされておりました。
 堀田先生が官房長をされていたのは一九九〇年代の前半でございますので、現在は変わっているかもしれないがというような言い方ではございましたけれども、官房長仲間が集まると、自分たちのOBをどういうふうに就職させるのか、これが頭の痛いところだと、率直な意見の御開陳をいただきまして、今、委員もおっしゃられたように、自分たちのOBをどこに再就職させるのかといってセクショナリズムを助長している、逆を返しますと、自分たちのOBが行けるところをどれだけ抱えるかといったような縦割りが起こっているということは、私もなるほどなと考えている大きな問題だと思っております。
 そしてまた、この公務員の方の再就職という問題は、実は国民の皆さん方のこの公務員制度改革の中で一番大きな対象になっていると承知しております。
 今回の改革では、第三者機関である人事院に承認基準の設定や承認をゆだねる現行制度を抜本的に改めさせていただきまして、内閣自身が厳格かつ明確な承認基準を定め、内閣自身の総合調整の下、内閣が総合調整機能を発揮するために内閣府という役所もできた、橋本行革の線にのっとっているわけでございますけれども、各大臣が責任を持って再就職の承認を行うことによって、国民の皆さん方に、先ほども御答弁させていただきましたけれども、だれが責任を持っているのかということを明確にしたわけでございます。
 民間企業への再就職についても、これまでの制度とは変わりますけれども、人事院については、引き続いて承認基準についての意見具申の申出や承認事務についての改善勧告を行うとして人事院にもその専門性を十分に発揮していただこうと考えておりますし、これも国民の皆様方の大変批判の多いいわゆる特殊法人の再就職についても、今回の改革によりまして退職金の大幅削減、役員給与の削減、これも小渕内閣のときでございますけれども、野中官房長官の発案によりまして天下った方の給与が次官の給与よりも高いというものを下げたんですが、理事長、総裁は下がったんですがその下が下がらないといったような、三角形じゃなくて台形になっていたものをこの四月一日から全体的に下げるというような改革を行いましたし、透明で客観的なルールを定めて公表しますとともに、各府省において、ここは各府省が責任を持って監督体制を強化していただいております。
 そしてまた、大切なことは、国民の皆様方の関心が一番強いわけでございますので、情報公開を徹底するということだと思います。
 このような再就職のルールの確立をしっかりと目指していかなければ、国民の皆様方の御批判、そしてまた、委員御指摘のお手盛りというようなことが絶対起こってはならないように制度をしっかりと運用していくことが重要ではないかと考えております。
#12
○森元恒雄君 私は、今お話しのような運用のやり方についていろいろ改善、工夫をしていくということについては大いに是非やっていただきたいと思いますが、一点、やはり各省ごとにそれを行うということになりますと、先ほどから申し上げているようなセクショナリズム、縦割り行政ということとの兼ね合いでやはり問題が残るんじゃないかなと。そこはやはり内閣が一元的に管理をしっかりとしていくというような方向に持っていくべきではないかと、私自身はそう思っておることを申し上げたいと思います。
 同時に、その天下り問題を抜本的に改善、解消しようと思いますと、そのやり方について工夫、改善するというだけではやっぱり問題の根本解決にはならないんじゃないかと。私は、なぜこの日本においてこれほど天下り問題が世間の耳目を集めるのかということを考えますと、それはやっぱり、定年が六十歳にもかかわらず五十を過ぎますと年々肩たたきが始まって、次官まで行っても六十まで勤めるという人はまずほとんどおられないというような公務員の人事管理の在り方に大きな原因があるんじゃないかなというふうに思うわけです。
 アメリカなんかは、聞きますと、公務員にそもそも定年がないと。それじゃいつまで勤めるのかと聞くと、年金がもらえるようになったら大体の人は辞めますけれども、それまでは働きたい人は働くと。あるいは、イギリスはどうだと聞けば、定年までほぼ全員が勤めて、後は恩給で余生をゆっくり暮らすというのがイギリスの公務員の生き方だと、こういうふうに聞いておりますが、日本の場合にはやっぱり五十歳で肩がたたかれると。したがって、先ほど大臣もおっしゃられたような、人事当局としてはその後の世話を見ないといかぬということの悪循環ではないかなと。
 したがって、日本のこの天下り問題を抜本的に解消するためには、六十歳定年前の勧奨退職というものをこれはやめる、基本的にはやめるということが必要じゃないかなと、こういうふうに思うわけであります。
 しかし、そうなりますと、昇進が遅れますし、若手の人たちの意欲をそぐとか、あるいは組織管理上もそんなにポストはないわけですから、一人が次官あるいは局長となっているときに、課長であったり係長であったりというようなことで、本当に全体としての士気が維持、高揚するのだろうかというようなことを考えますと、それについてもいろいろ問題はあろうかと思いますが、しかし、そこのところをじゃどうしたら一番いいのかというふうなことについて真剣にやっぱり今議論すべき時期に来ておるんではないかなと。そこをはっきりしないと、いつまでたっても国民の方々からの批判というものがなくならないんじゃないかと、こうも思うわけでございまして、この点について大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
#13
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま森元委員が御指摘されましたいわゆる肩たたきの早期勧奨退職制度、これは平成九年、やはりこれも橋本内閣だったと思いますが、段階的に是正をしていこうということを政府として決定しております。その趣旨にのっとって、今、委員がその弊害も御指摘されましたように、これまでのような一律的な昇給あるいは昇格システム、年功序列型で行きますと、もちろん課長になる年数、係長になる年数が遅くなるのは当然でございます。それを穏当ならしめるためには、やはり抜てき制度をこの公務員制度改革の中で仕組んでおります、優秀な方々は抜てきをして差を付けて適材適所で働いていただく、こういう制度が導入された後には、今、委員御指摘いただきましたようなこの問題の是正というものが図れますので、この早期勧奨退職制度を見直すことがすぐに可能になってくると思っております。
 やはり私は、現在、平均で調べますと五十二、三歳程度の早期のこの勧奨退職というものを、段階的に時間を掛けて、取りあえず五十七、八歳ぐらいまで持っていくということがまず現実的な対応ではないかと考えております。
#14
○森元恒雄君 今、大臣もお話しいただきましたように、この問題は一朝一夕に抜本的に改まるということはなかなかできない問題だと思うんです。人の人事が絡んでおります。したがって、年次を追って、正に段階的に解消していく以外にないと思います。
 しかし、そのためには、やはり一日も早くまず政府としての方針を明確にしていただいて、その上で五年なり十年掛けてこういうふうにするんだというような具体的な計画を、責任を持ってこうしますというような計画を作ることが非常に大事じゃないかなと、そういう考え方がないかどうかということをお聞きしたいのと、併せまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、できるだけ定年に近くまで勤められるようにする、しかし組織上との兼ね合いをする一つの方法として、今回の改革大綱の中にも盛り込まれておりますが、特殊法人なり独立行政法人へ現役出向する道を設けるという案がございます。
 今まででも一般の職員については現役出向があったわけでございますが、役員についても今後そういう道を開いていくということが一つの方法だろうと私も思いますし、できればその範囲を特殊法人とか独立行政法人に限定しないで、民間の企業となりますといろいろ法制上問題があって難しい面もあろうかと思いますが、もう少し公共的な性格の団体まで含めて、そういう現役出向というような方法を活用することによって調整を図っていくというようなことをお考えになったらどうかと、こう思うわけでございますが、その点についての御意見をいただきたいと思います。
#15
○国務大臣(石原伸晃君) 二点につきましての御質問でございましたと思いますが、一番目の御質問に対しましては、先ほど御答弁させていただきましたように、平成九年に早期勧奨退職は是正していくということを政府として決めておりますので、その方向に沿いまして、委員が御指摘のように一朝にしてできませんけれども、段階的に是正していくというような形で、成案を得るべく今議論を詰めさせているところでございます。
 また、後段の部分につきましても、実はこれは森元委員の方が詳しいと思うんですが、これまで官民の交流はどちらかというといいことじゃないと、そういう立場に政府として取っていたと思いますが、これからはやはり、委員御指摘のとおり、官民の交流を早い段階で行わせて、あるいはまた役職者としても行けるというようなことも十分検討に値するというような考えに立ちまして、今成案を得るべく公務員制度改革の中で検討を重ねている最中でございます。
#16
○森元恒雄君 じゃ、ちょっと一点、別の話題でお聞きしたいと思いますが、今回の公務員制度改革大綱の中には能力等級制度を導入するという考え方が示されております。
 正に能力本位で適材適所の人材配置を推進していこうという考え方、先ほど大臣もおっしゃられた目的、趣旨がここに反映されておるかと思いますが、問題は、現在の制度でも、じゃ果たして適材適所、能力主義が取れないかと。私は、決してそうではないし、ある程度やっていると思うんですね。ただ、十分であるかどうかといえば十分でない。特に、特別昇給でありますとか勤勉手当率の決定とかいうのが正に横並び、一律主義を取っておるということが問題だろう。そうであれば、じゃなぜ制度があるのに制度の趣旨に沿った運用がなされていないのかということを突き詰めないと、多少制度をいじくってもやっぱり運用は相変わらず変わらないということになりかねないんじゃないかと。
 能力を評価するということは、口で言うのは易しいんですけれども、実際やるとなると非常に難しい。私もそういう立場にあったときに、第三者、他人を評価するということの困難さというものを本当に身に染みて感じましたけれども、またその怖さというものも思い知ったわけでありますが、特に、役所、公共、公務ベース、公務の世界では実績というのがなかなか数字になって出てきませんから、評価そのものも客観的に行うということの難しさが伴うかと思うんです。
 その点について、今度この能力等級制度というのを新たに導入しようというお考えを出されておるわけでございますので、評価の具体的な方法についての工夫というものについて、特に何かおありであればお聞かせいただきたいというふうに思います。
#17
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員が御指摘されましたところが本当に適材適所を図っていく上で非常に重要な点ではないかと考えております。
 そしてまた、委員が御指摘されましたように、現行制度の勤務評定制度の下でもできることにはなっておりますけれども、評価結果の用途が必ずしも明確でないこと、あるいは評価基準が具体的に設定されていないこと等々、十分にこの機能が、制度上は担保されても機能し得ない仕組みになっていると考えております。
 このため、今冒頭申しましたこの評価制度においては、評価結果を職員の任用、給与等にどのように反映させるかを明確に位置付けますとともに、評価基準を、これはもう定量的、定数的、難しいんですけれども、そういうものをかっちりした、明確化しまして、それを評価する評価者に対する訓練を徹底することによりまして、実はこれまで上司が部下を評価するというようなことはなかなかなされていなかったわけでございますので、そういうトレーニングを行うことによりまして、能力、業績に基づく人事管理の基礎として、委員御指摘のように、これまでとは違って十分活用できるシステムにしていかなければならないと思っております。
 また一方、公務の特性も考慮した上で評価の試行を十分に行うこととしていますけれども、さらに、職員自らが新たな人事制度の意義を十分に理解することが、理解なくして制度を変えましても評価に対して不満、不平というものも出てくるわけでございますので、その点にはこれから十分留意して取り組んでまいりたいと考えております。
#18
○森元恒雄君 それじゃ、最後にもう一点だけお聞きしておきたいと思いますが、今回の公務員改革大綱は、ざっと読ませていただきましても、専ら幹部候補生となるべきような層の公務員を対象とした改革案になっているような感を受けるわけでございます。
 しかし、公務員、国家公務員、非現業だけでも五十万人弱いるわけでございまして、いわゆる幹部候補生と言われているような方以外のその他の多くの公務員について、今後どういうふうな方向、方針で改革していこうとしておられるのか、いわゆる今回のこの改革大綱に準じた形で十分だというふうにお考えなのかどうか、その点だけ確認を最後にさせていただきたいと思います。
#19
○国務大臣(石原伸晃君) 取りまとめました公務員制度改革大綱は、一般の行政職員を中心とした制度改革の方向性を示したものでございますけれども、行革の趣旨については基本的には国家公務員すべてに当てはまるものと考えていると言わさせていただきたいと思います。
 したがいまして、一般の行政職員以外の職員に関する制度については、それぞれの職種の特殊性を十分勘案しながら、大綱に示した一般の行政職員にかかわる制度の改革案に準じて必要な検討をこれから別途していかなければなりませんし、現在進行形で行っていると御理解をいただきたいと思っております。
#20
○森元恒雄君 それじゃ、石原大臣、どうもありがとうございました。
 それじゃ、次にPFIについてお聞きをしたいと思います。
 平成十一年の七月にPFI法が制定され、翌年の三月に基本方針が策定されました。おおむね二年経過したわけでございますが、現在どの程度実施されているのかというのを伺いますと、既に実施方針が公表されている事業数は国、地方団体合わせて五十七事業、うち既に契約済みのものが十九事業と、こういうふうに聞いております。
 二年間の実施状況がこのような姿でございますけれども、このことについておおむね順調に進んでいるというふうにお考えなのか、多少予想していたよりははかばかしくないなというふうにお考えなのか、まずその辺の現状認識について竹中大臣にお伺いしたいと思います。
#21
○国務大臣(竹中平蔵君) 森元委員今御指摘のように、これは十四年の六月二十一日現在の数字でありますけれども、全国で五十七のPFI事業について実施方針が出されて手続が進捗中であるということであります。
 二年以上経過したところなんですけれども、事業件数の推移としましては、十二年度までに十五件、十三年度はこれが三十二件と倍増していると。この数字そのものをどう評価するかどうかということに関してのお尋ねだと思いますので、まあまあそこそこのグッドスタートであるというふうに考えております。更にこれを積極的に増強していく方策をこれは当然のことながら考えたいというふうに思っております。
#22
○森元恒雄君 私も、このPFI事業というのは、日本のいわゆる社会資本整備、あるいは公共事業の整備、あるいはその管理運営をするに当たって新しい手法として導入されたものでありますし、今日のいろんな日本の状況を考えましたときに、積極的に推進することが望ましい事業であるというふうに考えております。
 ただ、新しい事業であるだけに、まだその環境整備といいますか、条件整備が必ずしも十分整っていない面がございますし、認識も十分でないために運用に当たっても必ずしも適正的確に行われているとは言い切れない面もあるんじゃないかと、こんなふうに思っておりますが、これ所管大臣として、このPFI事業を今後更に推進していくために今まだ残されている課題、あるいはこれをどう進めようとしているのか、その辺のお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(竹中平蔵君) 総理よくおっしゃいます、民間にできることは民間にと。正に民間の活力を生かす非常に重要な手法であると考えておりますので、これを更に積極的に活用しなければいけないと思っております。
 今後の課題いかんということでありますけれども、ないしはそれへの対応策いかんということでありますけれども、このPFIそのものについてやはり正しくこれは公的な部門の方にも民間の部門の方にも御認識をいただくというのがそのベースであろうかというふうに思います。決してこれコストが全く掛からないわけではなくて、当然のことながらそれなりのコストが掛かるものでありますから。
 実は、先週いわゆる第二骨太の方針、基本方針を閣議決定しておりますけれども、その中でも、こういった問題意識から一つ重要なことを決定させていただいております。これは、各府省が一定範囲の事務事業についてPFI等の活用の適否を検討し結果を公表する方式を試験的に導入する、これはイギリス等々で行われてきたユニバーサルテスティングの一つの試みであると、形態であるというふうに私は理解をしておりますけれども、そういうことを通して更にこれを積極活用する基礎を作っていきたいというふうに思っております。
 また、地方公共団体に対しても実施方針の策定などに関する調査補助制度を設ける、これはもう予算措置も付いておりますので、そういったことも活用していただいて、広く正しくこのことを御認識いただくということが重要であると思っています。
#24
○森元恒雄君 次に、扇大臣にちょっとお聞きしたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、この五十七、現在進んでおります五十七事業を見ますと、いずれもいわゆる箱物と言われるような事業でございまして、教育文化、ごみ処理等々のいわゆる施設を整備し、それを管理運営するというのが多いわけでございますが、この公共事業の中で大臣が所管しておられます道路、港湾、河川等のいわゆる基幹的な事業についてこのPFI方式を導入した事例がまだ今のところ一例もないようでございます。
 これは、私が思いますには、PFI事業の良さというのは、設計施工と造られた後の維持管理、管理運営を一体としていろいろな面で工夫をすることによってトータルのコストを安くしようということが主たる目的として作られた手法であるから、管理運営のウエートの高いものからまず採択されておるんではないかなと、こういうふうに思うわけでございます。
 それはそれで趣旨にかなっておることでいいことだと思いますよ。大いにこれからもそういう面も進めていかなければいけないと思いますが、同時に、やっぱり公共事業の大半を占めますいわゆる基幹的な道路とか河川、公園あるいは港湾、土地改良というようなところにどうしてPFI方式が採用されないんだろうかなというのをかねがね疑問に思っておったものでございます。
 内閣の方でお作りになりましたこのPFIのパンフレット、これを見ましても、真っ先に道路、鉄道、港湾、空港、河川、公園、水道、下水道、工業用水道等、こういうものがPFIの対象になる事業の例として挙がっておるわけでございまして、そういう意味でも、是非こういうものにもPFIが採用されるようにいろんな面で工夫をしていただきたいなというふうに思うわけでございますが、所管大臣としてのそのお考えあるいは方針をお聞かせいただければ有り難いと思います。
#25
○国務大臣(扇千景君) 所見ということになれば、まず全く違った方向から、森元議員ならお分かりだろうと思うので申し上げたいと思います。
 PFIを実行するに当たって、まず我々は、国務大臣として国土交通のみならずほかにも関連しますので申し上げたいと思いますけれども、今まで各省に営繕というものがございます。そして、例えば病院を造るにも厚生労働省の営繕はこうしなきゃいけないという規制、学校を建てるとなれば文部科学省営繕がこうしなければいけないという、そういう基本的な各省の持っている営繕のノウハウ、技術、そういうものを、森元議員が御存じだと思いますけれども、土光臨調の最終答申に各省庁の営繕は一元化するものと明記してありました。ところが、今日に至ってもそれが実行できていない。
 ですから、今、森元議員は箱物というふうにおっしゃいましたけれども、私はPFIというものを我々は推進しています。また、実行もしています。今、竹中大臣からもお話ございましたように、我々は官庁営繕もしようということで、個別的には、今回の官庁の施設の文部科学省あるいは会計検査院の建て替え、そういう中央合同庁舎の第七号館をPFI事業で実施するということを決めて、しかも今年の六月の十日に実施方法の公表を行って八月までにPFIの事業者の募集を開始することにしておりますけれども、それとても、あらゆる面で官庁営繕というものを預かっていた国土交通省の営繕も含めて私はPFIに持っていくためには、各省の営繕の一元化といった土光臨調の最終答申というものは私は二十一世紀になって一番これはしなければいけないことである。そうして、今までの営繕の技術とノウハウは一つにして維持しながら私はPFIにしていかなければ、いつまでたってもお前たちにやらせてやるというような考え方では私はPFIというものはなかなか本当の民活にはならないと。
 そういうのが、所見をということですからあえて申し上げれば、そういうことを今皆様方からも御論議いただいて、特に森元議員は役所を御存じの人なんですからそういう声を出していただいて、我々はその趣旨に沿って、より民間にできることは民間にということを図っていくというのが現実ですし、なぜ箱物とかあるいは社会資本整備はならないかとおっしゃいますけれども、今までやった例がないんですから、初めてやるんですから、みんなはどういうふうにどこへ申し込んだらいいか分からない。その手続も知りません。ですから、我々は、国土交通省としては道路、河川、あらゆる港湾等々の今までやったことのないものの手順をまずこういうふうにしてくださいということも公表することにしておりますので、やっぱり順序というものがあって、私はまずPFI以前に根本を私たちは内閣として変えていくということも是非先生方の御協力をいただきたいと思います。
#26
○森元恒雄君 今、大臣がおっしゃられたその営繕関係で進みつつあるというのは、私もいただいている手元の資料で十分承知をしております。
 私がお聞きしたかったのは、それはそれとして、プラスですね、今、大臣もお話しいただいた道路、港湾等についても今後PFIをもっと積極的に取り入れていくべきじゃないかと、それを所管の大臣としてどうお考えですかということをお聞きしたわけでございますが、大臣からもそういう方向だということを今お聞きいたしましたので、是非積極的に今後も進めていただければというふうに思っております。
 それで、その関連で総合政策局長さんの方にお聞きしたいと思いますが、仮にその道路、河川あるいは港湾等にPFIを導入しようとしました場合に、特に補助事業方式の場合には、いわゆる補助金の採択が、PFI方式を取った場合でも普通の請負発注方式でやった場合と同様の補助金が交付されないと、なかなか地方団体の方は踏み切ろうということが難しいかと思うんですが、その補助についてのお考えをお聞かせいただければというふうに思います。
#27
○政府参考人(岩村敬君) 地方公共団体が実施するPFI事業に対する補助でございますが、今、森元委員の方からも御指摘ありましたように、従来型、すなわち地方自治体が実施する事業に国が補助をする、そういった場合の補助といわゆるイコールフッティングを図ることが大事だということは今御指摘のとおりでございます。
 具体的にじゃそれぞれどういう形で今補助の要綱を改めているかということでございますが、御承知のように、PFI事業、二つの方式がございます。
 BTO方式、すなわち建てて直ちにその施設を移管する、そして運営は公的主体の方で行うというBTO方式の場合でございますが、こういった場合には地方公共団体に移転される際に補助金を一括して交付することが可能になっているわけでございます。既にこのBTO方式に対応可能な事業制度がございまして、平成十四年度におきましては、都市公園事業、下水道事業、市街地再開発事業及び公営住宅整備事業について補助を予定しているところでございます。そして、この補助を一括補助ではなくて複数年に分けますいわゆる分割交付におきましては、交通安全施設等整備事業費補助で実施すべく、現在補助要綱の策定をしているところでございます。
 それからBOT方式の方でございますが、こちらにつきましては、PFI事業者が長期間安定的に公共施設等を管理運営するということが前提になっているわけでございまして、そしてその事業期間終了後にその公共施設、そしてその敷地が公共側に移転されることが担保されなければいけないわけでございますが、そういうことが担保されるのであれば補助対象とすることは可能でございます。しかしながら、この長期間安定的な管理運営をするという、そしてそれを担保する仕組みにつきましては、個別具体の事業ごとに審査を行う必要があろうかと思います。そういうことで、個別に相談を受け付けることといたしているところでございます。
 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、地方公共団体の実施するPFI事業に対して今後とも積極的な支援に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#28
○森元恒雄君 BTOとBOT、あるいはBOOとある中で、いわゆるPFIの趣旨によりかなった方式はBOTだというふうに言われておりますので、是非BOTについても補助金が交付できるように御努力をお願いしたいと思います。
 もう一点、地方の単独事業についてお伺いしておきたいと思いますが、私はやっぱりこういう新しい方式を導入する際には多少試行錯誤を経ないといけないという部分がどうしても出てくるんじゃないかと。そうした場合に、地方の方で先進的なところがいろんな試みをしてみようという芽をできるだけ育てるということが大事じゃないかと思います。
 この単独事業について、事業所管省としてのお立場でどうお考えなのか、総合政策局長さんにお聞きしたいと思います。
#29
○政府参考人(岩村敬君) 地方単独のPFI事業でございますけれども、地方公共団体が地域の社会資本整備の水準、また個々の公共施設等の整備事業の必要性、更には財政需要等を総合的に勘案して適切に実施していくべきもの、すなわち地方自治の本旨に基づいて地方が自ら行っていくものだというふうに考えますが、ただ、国土交通省といたしましても、今、委員から御指摘のように、まだ事業として緒に就いたばかりのものでございますので、当省主催のPFIセミナーの実施などを通じまして、地方単独のPFI事業に対しまして情報提供等の支援を今後とも積極的に行っていきたいというふうに考えております。
#30
○森元恒雄君 それじゃ、竹中大臣にもうあと二点ばかりお聞きしたいと思いますが、一点は、このPFI方式は何かしらお金がなくても事業ができるような魔法のつえみたいなふうに一部ではとらえられておる嫌いがあります。財政が非常に急迫している中でこれ以上借金を重ねるのが難しい、さすれば当面の、当座の資金が要らなくて事業ができるんなら非常にいいじゃないかと、こういう声が一部にあるわけでございますし、またこのPFIを進めるに当たって、政府の基本方針の中にも、民間の方から積極的な提案を出してもらって、それを受けて事業を検討するというふうにすべきであるというふうにうたわれておるわけでございますが、しかし私は、やっぱりPFIというのは一〇〇%民活ではないわけであります。一〇〇%民活であれば民間が全く独自におやりになればいいわけで、役所とは何も接触する必要はないわけです。基本は、やっぱりこれは公共部門が本来やるべきところを民間の創意工夫、民間の資金力等を使って、利用させていただいて、一緒になってリスクも負担し合いながら実施しようということでございますから、公共側のリスクはどうしても残るわけであります。
 その点について、やっぱり事業実施に当たってのそういうポイントというものをしっかりとつかんでおかないと、これが何か将来に禍根を残すことになってもいけないんじゃないかと、こんなふうに思うわけでございまして、この点についてどういうふうにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#31
○国務大臣(竹中平蔵君) 正に委員御指摘のように、これは魔法のつえではないということを認識することが大変重要であると思います。
 プライベートなイニシアチブでありますから、ファイナンス、もちろん資金はありますけれども、それだけではなくて、経営ノウハウとか民間が持っているノウハウそのものを活用して、全体として事業のコストを減らす、更にはその資産を有効に活用して利便性を高めるというところにこのPFI制度の基盤があるわけでありまして、これは例えば事業実施のための債務負担行為を設定するとか、借入金と同じように将来の財政負担を伴うことにもなるわけであります。
 この辺はしたがって、先ほど冒頭で申し上げましたように、この制度の意義、ここをきちっとやはり民間にも地方公共団体にも、まあ国自身もですけれども、認識することが大変必要でありまして、いわゆる財政の健全性の確保に十分留意すべきである、短期のキャッシュのアウトフローが少ないからといってそれでイリュージョンを持ってはいけないと、この点は大変重要であるというふうに認識をしています。
#32
○森元恒雄君 最後にもう一点お聞きしたいのは、このPFI方式というのは確かにいい方式だと私も思いますけれども、しかしこれを実際に実行するとなると大変手間が掛かる方式でもあるわけです。
 それはなぜかというと、最初の企画段階から最終的な管理運営までを見通して、ワンセットでどういうようなやり方をするのが一番合理的、効率的、しかも割安でできるかと、そういうことを総合評価して方式を決め、事業者を決めるということですから、膨大なコンサル作業、あるいは業者選定作業、あるいは協定の締結作業、あるいはそれが完全に実施されているかという事後チェックの作業というものが必要になってくるわけでして、金額が小さい事業にはなかなか実施しようと思ってもしづらいという面もあるわけだと思うんですね。
 したがって、私は、PFI法によるいわゆる純然たるPFIはともかくとして、必ずしもこの方式に、この法律が想定しているような方式に限る必要はないんじゃないかと。もう少しPFIの考え方というものを部分的に取り入れてやればそんなに手間暇掛けずにでき、また小さい規模の事業にも手軽にできるんじゃないか、言わばPFIまがい、PFIもどきというような事業も考えていいんじゃないかと、こういうふうに思うわけですけれども、この点についての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#33
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員の御質問は先ほどの扇大臣への御質問と少し重なっている部分があるかと思いますけれども、建設と維持管理と運営を一体化して考える、もちろん法律上はこれを切り離して事業とすることも可能なわけでありますけれども、一方でこれが、先ほどの将来の財政負担とも絡みますけれども、単なる延べ払いのやり方として使われてはならないということも重要なポイントだと思いますので、PFIの立ち上げとしてはやはりこれを一体的に考えて、全体を通じてのコスト、事業コストを削減していくという形をPFIの原型として定着させることが私はやはり初期の段階として重要なのではないかなというふうに思っております。
 こうした観点から事業実施プロセスに関するガイドライン等を取りまとめているわけで、法律的にはもちろん様々なことが可能でありますから、今後、そういった多様性をにらみながら、しかしPFIの本来の趣旨を生かせるような運営を是非していくべきだというふうに思っております。
#34
○森元恒雄君 それじゃ、扇大臣、竹中大臣、大変ありがとうございました。
 次に、総務副大臣に行政評価について二点ばかりお聞きしたいと思います。
 いわゆる行政の事務事業の執行に当たってプラン・ドゥー・シーというものが非常に大事だということは改めて言うまでもございませんが、ただ、残念ながら今まではどちらかというとこのシーというものが割と軽く見られておったんではないかなというふうに思います。そういう反省から、今、全国的に地方も、あるいは国の方も評価というものをいろんな面で重要視していこうという動きになっておることは大変いいことである、適当なことであると私も思うわけでございます。
 特に、欧米型のモデルというものがなくなった、自分たちの進む道は自分たちで切り開いていかなければいけないという状況の中で、いろんな施策を立案し、実施していくということになりますと、先ほども申し上げましたように一〇〇%成功するという確証はないわけであります。しかし、手をこまねいておるわけにもいけないということになりますと、やっぱり段階段階できちっとチェックをしながら、とどまるべきか、前に行くべきか、あるいは進路を変更すべきかというようなことを確認して事業を、事務事業を実施していくということが非常に大事ではないかなというふうに思います。
 そういう意味で、この四月からいわゆる行政評価法が実施され、本格的な行政評価が行われる段階に入ったわけでございますが、しかし、評価というのも、やはり先ほどの人物評価と同じように言うはやすき行い難しではないかなと。民間企業のような収益性という一つの尺度がある世界と違って、行政の目的は本当に多岐にわたっておるわけでございまして、それを客観的に評価するということがなかなか簡単にできるんだろうかなというふうに思うわけでございます。
 行政評価法の実施に当たってのこれからの行政評価の工夫というものについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#35
○副大臣(若松謙維君) 行政評価に関する質問をいただきましてありがとうございます。
 この行政評価制度の先進国は、アメリカが九三年にGPRAという法律をしまして、九七年までいわゆるパイロットテストというかトライアルの期間があったわけですね。そういう試行錯誤を得て今アメリカは現在の行政評価制度になっていると。
 日本は今年から始まりまして、諸外国に見られますいわゆる従来の予算を獲得してそれを忠実に執行するという行政の在り方から、しっかりと目的を持って予算を使う、その成果、いわゆる成果主義行政に今移行している。こういった時代の流れに、当然これは民間でも当たり前のごとく今までやってきた、こういう前提から、じゃ、いよいよこれから行政として行うということでございます。
 そこで、いわゆる行政評価の、特に政策の評価の効果、これが現実には委員も御指摘のとおりなかなか目に見える形で把握しにくい、そういう性格がございます。さらには、外部的な要因で政策の効果が左右される、そういう面もございまして、技術的にも困難な面があるという、正に委員御指摘のとおりでございます。しかしながら、政策評価の結果がいわゆる政策に反映されるべきもの、これは当然でありまして、さらには、国民に対する行政の説明責任を的確に果たしていく、こういった観点から、いわゆる行政評価、特に政策評価は客観的かつ厳格に実施されることが大変重要であると認識しております。
 そこで、今年の四月から行います特に政策評価制度の導入に当たりましては、私どもとしましては三つの観点からの評価を実施することにいたしました。一つ目は事業評価、二つ目は実績評価、三つ目は総合評価と、こういう三つの観点から各府省に対してその評価の基準等を示しておりまして、現在、その政策評価の厳格な、かつ客観的な実施というための準備を行ってきたところでございます。
 いずれにしても、民間が行っているいわゆる業績評価、やはりこれは何といっても政策の結果というものをできる限り定量的な形で示すことが必要だと考えておりまして、また今、各省に一般的な名称としては評価委員会というものが作られておりまして、その評価委員会には各省の政策の特性に応じた学識経験者、こういった方々の知識をおかりして、それでこれは民間でいうと社外取締役的なそういった意味合いの委員会も作って、さらにこの評価結果を一般に情報公開をする、こういったことも義務付ける措置を行っております。
 いずれにしても、この政策評価制度でございますが、今年の四月から開始されまして、今、我が省として最初の取組としては、これは昭和六十二年に法律ができましたリゾートのいわゆる総合開発推進、これがある意味で御存じのように閑古鳥が鳴いているリゾート施設も一杯あると。そういう状況のときに、まだその法律が残って、かつ補助金制度もたくさんあると。これを、今までなぜそういったいわゆる古い制度を残してきたのかな、そういった制度をなくす制度が今までなかったのかなと。そういうことを考えますと、本当にこの政策評価制度がこの四月から実施されたということは日本の行政の在り方を大きく変えるものだと私ども期待しておりまして、是非とも当委員会におきまして、これから出てまいります政策評価の報告書、更には独立行政法人の評価の報告書等、活発な御議論を是非ともよろしくお願いしたいと念願しているところでございます。
#36
○森元恒雄君 総務副大臣、じゃ、ありがとうございました。
 もう一点、じゃ、行政評価局長さんの方にお聞きしたいと思いますが、今、副大臣の御答弁の中にもありましたように、各省が行政評価を行うに当たって、学識経験者も含めた、いわゆる第三者を含めた委員会が中心になって作業を進めると、こういうことでございますが、やっぱり私は、評価の中身と評価のやり方、二つの面で国民の信頼が得られるかどうかというのが決まってくると思うんですね。
 やっぱり自分たちのやっている事業を自らがチェックするというのは、どうしても身びいきといいますか、自分に甘くなってしまうんじゃないかなと。それをカバーするものとして総務省が更にその上で点検をするということにもなっていますが、総務省といえどもやっぱり政府の中の一つの役所であるわけでございまして、そういうことであれば政府自らがチェックするということにどうしても尽きてしまう。
 アメリカのエンロンの事件を引き合いに出すまでもありませんけれども、やっぱり国あるいは行政というものがどれだけ信用、信頼を保ち得るかということがこの評価の成果に懸かっている、そういう面が非常に大きいんじゃないかなと。それだけに、行政評価の方法について、そういうことを配慮して今どういうふうにお考えか、御意見があればお聞かせいただきたいと思います。
#37
○政府参考人(塚本壽雄君) ただいま委員御指摘のとおり、行政評価、政策評価が国民の皆さんの信頼をかち得るためには、評価の運営の仕方と同時に方法論において、できるだけ客観的なものが用いられるようにすること、極めて重要であると私どもも認識しているところでございます。
 前者の方につきましては、御指摘もございましたように、総務省が各府省と異なって、私ども行政評価局が政策そのものを担当しないという立場から、いわゆる客観性担保評価というものを行ってまいる、また、その内容につきましては、総務省に置かれました政策評価・独立行政法人評価委員会という第三者機関の御意見を伺いながらやっていくということで確保しようとしているところでございますが、一方、方法論の点、この点につきましては、まだまだ導入されたばかりで、各国においてもこれまでの経験の中でいろいろな困難な点があるということを私どもも認識しているところでございます。
 そこで、私どもといたしましては、何よりもこの前、政策評価法、行政評価法の実施に当たりまして昨年暮れに基本方針を閣議決定いたしましたが、その中で、総務省が各府省とよく協議をしながら政策評価の一歩一歩の方法論の確立等を行ってまいる、また政策評価のプロセスとその結果につきましては、これを公表させていただくことによって外部からの御批判もいただきながらますますそのための努力を重ねてまいる、こういう仕組みで取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。
#38
○森元恒雄君 正に始まったばかりでございますので、引き続き実施していく中で更に改めるところはないかどうか、十分これもお考えいただきながら進めていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
 じゃ、大変長い間お待ちいただきまして恐縮でございます。最後に、岸田副大臣に私学の問題について二、三お聞きしたいと思います。
 まず初めに、高校についてお聞きしたいと思いますが、平成十二年三月に大阪府が実施いたしました府民世論調査、こういうのを見ますと、子供さんが公立高校に実際に通っている保護者の方に聞いた質問でありますけれども、仮に学費で私立と公立に差がなかったとしたら、あなたのお子さん、あなたはどちらの学校に行かせましたかと、こういうふうに問いを掛けましたところ、公立というふうに答えた人が一七%、私立と答えた人は三八%、私立の方が二倍を上回ったと。同じ質問を実際に私立に通っておられる親御さんにお聞きしますと、公立は五%に対して、当然ですけれども私立は七四%ということでございます。
 この数字から見て分かりますように、学費に今大きな差があるわけであります。授業料だけでも三、四倍近く、あるいは入学金を入れますと五倍近くの差が全国的に平均的にあるんじゃないかなと、こういうふうに思うわけですけれども、これほど大きな差があるために公立の方を選考する人が多い、もしそれが同じだったらやっぱりもっと私学を選ぶ人がいるんじゃないかと。
 私は、小中学校と高校とは違うんじゃないかなというふうに思うんです。小中学校で私学に行く人は、それは正に自分たちの自由な意思による選択で行っておられる。しかし、現在既に高校の方は九七%の人がもう進学している中で、公立に行けないからやむなく私学に行くと。好んで私学に行く人ももちろんおられるわけですけれども、それは別として、やっぱりやむなく私学に行くという人が相当いるんじゃないかと。そうしますと、今申し上げたような保護者負担の格差が現在のように大きく開いているということはこれはやっぱり放置できないんじゃないかなと、こういうふうに思うわけですけれども、副大臣としてのお考えをお聞かせいただければというふうに思います。
#39
○副大臣(岸田文雄君) 我が国の私立学校ですが、それぞれ建学の精神に基づいて特色ある教育あるいは魅力ある教育を展開しておると考えております。ですから、我が国の公教育におきまして公立学校とともに重要な役割を果たしているというふうに考えておりますが、今、先生御指摘のように、その保護者の授業料等の負担等に関しましては、公立学校と比較しまして大変大きな差がある、負担が高額になっているという指摘、事実であります。
 これに対しての文部科学省の考え方あるいは取組でありますが、やはり教育条件の維持向上あるいは就学上の経済負担の軽減に資するために、まずは経常費補助を中心とした私学助成を充実していかなければいけないというふうに思っております。これを引き続き努力したいと考えておりますし、またあわせて、私立学校自身に対しましても、授業料納付等については極力抑制するように経営努力を要請するということを続けていかなければいけないと思っております。
 私立学校の重要性にかんがみて、我が国は大変厳しい財政状況の中にあるわけですが、今申し上げました努力を通じまして父母負担の軽減に努めていき、そのことによって負担の格差の解消に少しでも努力していかなければいけないと考えております。
#40
○森元恒雄君 今、副大臣のお答えでは、私学に対する助成に対して拡充の方向で努力をしていくというお答えでございますけれども、しかしその現状を見ますと、私立高校、公立も余り差はありませんが、一人当たりどのぐらい経費掛かっているかというと、全国的な数値今手元にありませんが、大阪の場合でいけば、公立が九十万強、私立が八十五万弱と、こういう数字です。これに対しまして国庫補助金がどれだけ出ているかというと、一人当たり三万五千円程度しか出ていないんですね。これは幾ら頑張っても、二倍にしても一割まで行かない。こういう状況では、先ほど申し上げたような格差を一気に縮めていくということはなかなか難しいんじゃないかなと、こんなふうに思うわけです。
 私は、同時に、国の直接的な補助もそうですが、交付税の方も現在は非常に大きな差がありまして、公立の場合ですと、これは計算方法が違いますから正確なところはあれですが、ざっと申し上げて六十五万程度、それに対して私立の場合は二十万程度しか措置されていないわけですね。こういう国の補助金なり交付税の財政措置にそもそも差があることが保護者負担に大きな差をもたらす最も根本的な原因じゃないかなと、こんなふうに思うわけでして、ここのところをガラガラポンをしない限り、幾ら対前年度増額しましたということを幾ら何年積み上げていっても差は詰まらないんじゃないかなと、こんなふうに思うわけでございまして、この辺の考え方について副大臣の御所見承ればというふうに思います。
#41
○副大臣(岸田文雄君) 財政措置の在り方については、今、先生御指摘のとおりであります。公立学校に対する措置というのは要は設置者としての責任を果たしてもらうための措置でありますし、私立学校に対する措置は私立学校に対する助成という内容の措置でありまして、その現状、今御指摘のような形になっているわけですが、そうした私立、公立に対する助成の在り方、要はそれぞれ私立、公立がどのような割合でその地域に設置されるかというようなことにつきましては、基本的には各都道府県の判断で決められることに現状なっているわけであります。憲法や教育基本法に定められている国民の教育を受ける権利を保障し、そして教育の水準維持あるいは機会均等を図る見地から、今、法律上、都道府県が私立高等学校の状況も考慮しつつ公立学校の配置、規模の適正化を定めるという法律になっておるわけですから、まず都道府県がその辺の私立、公立の在り方を考え、それに基づいて国が助成するということになるわけですから、現実問題、私立、公立の在り方は各都道府県がそれぞれの保護者の要請ですとかあるいは財政状況に基づいて判断する、決定するというのが基本的な考え方でありますので、その辺もしっかりと考慮した上で都道府県が判断する、それに基づいて国が助成するということになっておりますので、その結果、現状の形になっているということも御理解いただきたいと思います。
#42
○森元恒雄君 制度論といいますか、としてはおっしゃるとおりだと思いますし、余り文部科学省というお立場で個々の案件に踏み込むのはいかがなものかとおっしゃる趣旨もよく分かるわけでございますが、問題は、都道府県がまず第一にどう考えるかということはそのとおりであるとしても、都道府県が判断するときのメルクマールは何だというふうになりますと、国の財政措置に依存しているわけですね。今のような仕組みですと、各都道府県からすれば、公立の方を抑えて私学の方をもう少し助成を増やしていこうと思っても、結局、身銭を切って自分の懐の中でやるしかないんで、そうなると、地方も非常に財布が厳しい中でそういう選択というのはほとんどないに等しい。ですから、国の財政措置が結局その地方の判断を左右する大きな要素になっていると、こういうことじゃないかと私は理解するわけですが、これは今すぐになかなか解消できる話でもないかと思いますので、今後、少しじっくりと腰を据えて私の方も議論させていただきたいと思いますので、引き続き文部科学省としても御検討をお願いしたいと思います。
 時間がなくなりましたので、一点だけ申し上げたいのは、同じようなことが幼稚園についても言えるわけでございます。
 幼稚園については保護者の負担が大きく差があるということでございますが、これは例えば私立だと年間二十五万円強に対して公立の場合はその四分の一程度にとどまっているんじゃないかなというふうに思いますが、一方、その経費の方は高校と違いまして公私間で二倍ぐらいの差が多分あるんじゃないかなというふうに思うんです。公立の方は経費が掛かっているけれども保護者負担が少ない、私立の方は経費を抑えて保護者負担が重い、こういうふうになっておりまして、やっぱりこれは財政の在り方、あるいは保護者、国民の立場から見ての在り方ということ、両方から考えても問題じゃないかなというふうに思うわけでございます。幼稚園についてもやっぱり公私間の格差をどうしていくのか、根本論に踏み込んで御検討をいただきたいと思いますが、この点、一点だけ御所見を伺いまして、終わりにしたいと思います。
#43
○政府参考人(矢野重典君) 幼稚園についてのお尋ねでございますけれども、これは、幼稚園は公立幼稚園、私立幼稚園ともに地域の実情に応じてそれぞれの役割を果たしているところでございまして、いずれの設置形態が望ましいかについては一概に言えないわけでございます。
 ただ、公立幼稚園と私立幼稚園の保護者負担の問題につきましては、これを、その格差を是正するために、文部科学省といたしましては幼稚園就園奨励費補助とそれから私立幼稚園に対する経常費補助を行っているところでございまして、文部科学省といたしましては、御指摘の点にも十分留意しながら、幼稚園就励費補助それから私学助成の充実に今後とも努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#44
○森元恒雄君 終わります。
#45
○山本孝史君 民主党・新緑風会の山本孝史でございます。
 従来でございますと、交通安全対策特別委員会というのがございまして、交通事故の状況について、あるいはその防止策について審議をする場所がございましたが、委員会がなくなってしまいました。今日はこの委員会の場で交通事故の状況あるいはその被害者の救援、とりわけ救急医療の問題について御質問させていただきたいというふうに思います。大臣には最後に御所見をお伺いするという形で、よろしくお願い申し上げます。
 まず、昨年の交通事故死者でございますが、二十年ぶりに九千人を下回った。これはどこまでも警察の数字でございますので、実際はもう少し多いというふうに思いますけれども、その背景にはどのような要因があってこの死者の減少につながったという御認識でしょうか。警察の方から御答弁をお願いします。
#46
○政府参考人(属憲夫君) 委員御指摘のとおり、昨年の交通事故死者数は二十年ぶりに九千人を下回ったわけでありますけれども、交通事故の発生件数、負傷者数は過去最悪を記録しておりまして、依然として交通情勢は大変厳しいものがあるというふうに認識をしております。
 死者数が減少したことにつきましては、自動車運転中の死者数が大きく減少したことがその大きな要因でありまして、これについてはシートベルト着用の徹底等の施策が効果を上げてきたというふうに考えております。また、負傷者数の増加につきましては、交通量全体の増加によるところが大きいというふうに考えておりますけれども、特に近年は高齢ドライバーによる事故が増加しているという点が大きな特徴でございます。
 警察といたしましては、これまでも交通安全施設の整備、交通指導取締り、交通安全教育の推進などに努めてきております。さらに、ただいま申し上げました交通事故の特徴も踏まえまして、昨年道路交通法を改正をしております。免許更新時の高齢者講習の対象年齢を七十五歳以上から七十歳以上に引下げをするとか、あるいは悪質・危険運転者対策の強化ということで罰則を大幅に引き上げるといったようなことなどを内容とする改正道路交通法の的確な運用に努めまして、交通事故防止を一層推進してまいりたいというふうに考えております。
#47
○山本孝史君 死者は減ったけれども、車の走行距離数に応じて事故もあるいは負傷者の数も実は減っていないということですので、観点としては、ある意味ではリスクをどう管理するかという観点からすれば、重大事故をいかにして減らしていくか、被害に遭われたときにその被害をいかにして少なくするかということなのかなというふうに思います。
 シートベルトが大変に効果的であった。一方で高齢者のドライバーの問題どうするかということですけれども、今答弁の中でお触れになりました危険運転致死傷罪の適用状況、あるいはその世間の受け止め方ということについてもお伺いしたいというふうに思いますが、昨年の十二月二十五日から施行されております。ほぼ半年がたちました。どのように受け止められているのか、運転者の側あるいは被害者の側からの反応はどのようなものがあるのか、お答えをいただきたいと思います。
#48
○政府参考人(属憲夫君) 危険運転致死傷罪は昨年の十二月二十五日に施行されたわけでありますけれども、施行後五か月間のデータで見てみますと、八十七件を全国で立件しております。その類型で見てみますと、アルコールや薬物の影響による事故が四十六件ということで最も多いわけであります。次いで、信号の殊更無視による事故が三十三件、進行制御が困難な高速度による事故が六件、通行妨害を目的とした事故が二件というふうになっております。
 危険運転致死傷罪が適用された事案につきましては、新聞、テレビ等でも度々大きく取り上げられるなど社会的な関心も高いものがございます。警察としましては、危険運転致死傷罪が悪質、危険な運転行為によって人を死傷させた者に対する厳重な処罰を求める国民の声を踏まえて創設をされたということを十分認識の上、今後とも交通事故の被害者、遺族の心情に配意をして、事案の内容に応じた的確な交通事故事件捜査を進めてまいりたいというふうに考えております。
#49
○山本孝史君 実際のところ、不起訴になった、不起訴処分とした事案はないというふうにお伺いしておりますけれども、この事故であれば適用されてしかるべきではないかとか、あるいは適用されたとしてもなおかつ被害者の側としての心情をおもんぱかればもう少し厳罰化してもいいのじゃないかとか、いろんな声もあるんだというふうに思いますけれども、どんな声が上がってきていますか。
#50
○政府参考人(属憲夫君) 先ほど八十七件立件しているというふうに申し上げましたけれども、そのうちまだ刑が確定したものというのは私どもで知っている範囲では二十一件でございます。
 その中には、例えば埼玉県の事故ですけれども、酒を飲んでもう全然よく分からないような状態になって、仮睡状態に陥って、歩行中の三名に次々と衝突をして、そのうちの二名の方を死亡させたという非常に悪質な事故がありましたけれども、これにつきましては懲役七年という判決が下されております。従来の業務上過失致死傷罪であればこれは最高五年の法定刑でありますので、今回は最高十五年までになっておりますので、そういう意味ではこういう七年という重い判決も出るようになったなと。
 そういうことで、こういうことが広まってくれば交通安全上も非常に効果が出てくるんじゃないかというふうに受け止めております。
#51
○山本孝史君 効果が出てくるのではないかということでございますので、罰則を重くしてというのは方策としては一番最後の道筋かなというふうに思っておりますけれども、是非厳格な適用をしていただきたいというふうに思います。
 それから、いろんな交通事故の安全、交通事故防止に資するいろんな施策が講じられているわけですけれども、一つ取り上げておきたいのは歩車の分離信号ですね。歩行者とそれから車のそれぞれに対応する信号を分離するという形でございますけれども、私、大阪でございますが、福島の駅前にございます、福島区の野田阪神の駅前の大きな交差点がございますが、ここにこの分離信号が導入をされました。警察署長さんに導入前にお話をお伺いしましたら、ここでやるときっと大変大きな効果があるだろうと、こういうふうにおっしゃっておられましたので、先日も新聞に御紹介がされていたところであります。
 また、この土曜日でございますけれども、大阪の豊中市の教職員組合が主催をいたしまして、学童の通学路の安全性チェックということについてのシンポジウムがございました。通学路にある二十五の交差点を分離信号にしたら安全性が高まるんではないかというような調査結果も報告をされていたところでありますけれども、これは前にもお取上げをさせていただきましたけれども、この歩車分離信号の今後の展開についてどのようにお取組をいただけるものなのか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
#52
○政府参考人(属憲夫君) 警察庁では、本年一月より半年間、全国で百か所の交差点を選定いたしまして、歩車分離式信号のモデル運用を行ってまいりました。
 御指摘の大阪の野田阪神駅前交差点もその一つでありますが、これまでの運用状況を見てみますと、渋滞が増加したといった状況は認められませんで、その一方で、実施前後の半年間を比較いたしますと、交通人身事故の発生件数が十三件から七件に減少しているということで、安全面で一定の効果があったというふうに報告を受けております。また、地元の警察署協議会の委員あるいはその住民の方々からも、安心して交差点を渡ることができるようになったといったような声が寄せられていると聞いております。
 歩車分離式信号機の実際の導入に当たりましては、それがどのような交差点であるかというようなことをよく見ながら、地域住民、関係行政機関等の意見、要望等を総合的に勘案した上で、都道府県公安委員会がその適否を判断することになります。
 一般的に申し上げれば、歩行者や右左折車両の事故が多く発生しているような交差点、通学路が付近に存在する交差点とか、歩行者等が多くて歩車分離した方が交通の円滑の面からも効果があるといったような、資すると考えられるような交差点などにおいて設置すれば有効であろうというふうに認識をしております。
 今後とも、そういったモデル運用期間中に寄せられた住民の方々からの意見も踏まえながら、よくその効果を分析の上、今後の交通安全施設の整備に活用してまいりたいというふうに考えております。
#53
○山本孝史君 十三件から七件に減ったということで、道路の構造によるんですけれども、導入できるところは是非そういう形で導入をしていっていただきたいというふうに思います。
 あわせて、警察署長さんと話していて思いましたのは、やはりそこの地域を所管しております警察の皆さんが、この交差点だったらこういうことができるんじゃないか、ここはこういうふうに危険だからこういうふうに改良したらいいんじゃないかということを大変よく知っておられるというふうに思います。恐らく熱心なところと熱心でないところがあるんだと思いますけれども、そういう意味でも、交通事故、管内の交通事故死者を出していないとか、それから長い期間続いているとか、あるいはこういうことをお取組をして大変いい成績が上がったとかといった警察署の取組は、是非、例えば表彰してあげるとか、あるいは公表してあげるとかといった形で、そういう働く喜びも是非感じさせてあげることも必要なんじゃないだろうかというふうに思います。それと、併せて地域での取組が大変重要でございますので、地域の住民の皆さんたちとのいろんな取組、一緒にやっていくということが大切だというふうに思います。
 登下校時の子供の交通事故からの防止という観点については、昨年の十一月の六日に内閣委員会で村井大臣に御質問をさせていただきまして、交通安全対策の点検が行われるよう全国各地で努めてまいりたいという御答弁もございましたので、引き続き通学路の安全点検に取組をしていただきたいというお願いをしておきたいというふうに思います。
 それからもう一点の問題は、救急医療の問題なんでございますが、厚生省も来ていただいておりますけれども、先ごろ、島崎修次杏林大学教授を主任研究者とします厚生労働省の研究班の調査結果がまとまりまして、学会でも報告をされたところでございます。新聞にも出ましたけれども、救急医療体制が整備をされていれば外傷死の四割は死なずに防ぐことができたという調査結果が出ております。病院にせっかく運ばれてきても、そこで治療が十分に行われないために四割の方がなくさなくてもいい命を落としてしまうという調査結果が厚生労働省の調査でも出たわけですけれども、これは三十年前のアメリカの状況だそうで、救命の成績には地域間格差あるいは施設間の格差が大変大きいものですから、地域単位での救急医療体制の検証とその構築が望まれるというふうに思います。
 これも前に御質問させていただきましてお答えをいただいておりませんので、改めて御質問をしますけれども、救急医療の対策協議会を作れというのが総務省の行政監察局からの行政監察の結果としてもうかなり前に出たわけですけれども、その後、残念ですけれども、なかなかこの協議会の設置が進んでいない。恐らく、厚生省の方が病院を所管していて、搬送する救急車の方が自治省という形になっていて、その間にまた警察がいてということで、縦割り行政の間ですっぽりとはまり込んでいるような気がするんですが、そこで改めて厚生労働省に、この救急医療の対策協議会、地域の病院なりあるいは消防署なり関係者が全員が入って作るこの協議会の設置の状況と今後の取組についてお尋ねをしたいというふうに思います。
#54
○政府参考人(篠崎英夫君) 御指摘の救急医療協議会の設置につきましては、平成九年の検討会報告を受けまして、二次医療圏ごとに救急医療関係機関による恒常的な協議の場を設けることといたしております。平成十二年一月時点での話でございますが、全国、全部で百五十八あるんでございますが、そのうちの百四十八の救命救急センターが参加する二次医療圏ごとの協議会の数は二百七十七整備をされております。また、都道府県単位におきましては、四十都道府県において都道府県単位の協議会が設置されているというのが平成十二年一月の時点の話でございました。
 また、同じ平成十二年の病院前救護体制の在り方に関する検討会、それの報告書におきまして、メディカルコントロール体制整備の主体となる救急医療関係者等による協議の場を設けて、これを各都道府県及び各二次医療圏、各都道府県四十七、二次医療圏三百六十三に設置することが求められたところであります。
 このため、私どもといたしましては、医療法に基づく医療計画を作成する、そういう指針におきまして救急医療協議会の設置を図るよう指導をしてまいりました。また、消防庁との連名で都道府県に対して通知を発出をいたしまして、メディカルコントロール体制の構築に必要な協議の場の設置をこれも指導をしてまいったところでございます。
 救急患者に対して適切な救急医療を提供するためには、こういう協議の場を設けることは不可欠であるというふうに考えております。ですから、引き続き、総務省、消防庁との関係機関との連携を取りまして、今年度中には全都道府県及び全二次医療圏において協議会の設置が完了できるよう努めてまいりたいと考えております。
#55
○山本孝史君 今年度中に完了したいということですので、是非していただきたい。
 この間も千葉の救急救命センターの責任者の方にお伺いをしましたら、千葉県全然そういう動きがないのでというふうにおっしゃっておられましたので、今の言葉、是非お守りをいただきたいと思います。
 ただ、一つ質問飛ばしてお聞きしますけれども、法律の中に実は救急法という法律はありません。消防法という法律がありまして、その中で消防車はこういうふうに走れるとか、消防署はこういうふうな体系にするというのはありますが、救急車はこういうときにはこういうことができるとか救急医療体制はどうだということは、実は法律、救急法という名前の法律はないんですね。ここはやっぱりそういう法律があった方が省庁間にまたがる仕事はきっとうまくいくんじゃないだろうか、そんなふうな思いがするんですけれども、総務省と厚生省、それぞれにお伺いをしたいというふうに思いますが、救急医療体制を整備するためのそういった法整備の必要性についてどのようにお考えでしょうか。
#56
○政府参考人(石井隆一君) お答え申し上げます。
 ただいま委員お話しのように、現在、消防法では市町村消防機関が救急業務ができるという規定がありまして、またその救急の中身としては、現場から病院への搬送、それから併せまして搬送の段階で一定の応急手当てができるといったようなことが規定されているわけでございます。傷病者の救命を図るためには、いずれにしても救急隊員による適切な応急措置、それから医療機関への早期の搬送、それから医療機関での適切な治療がスムーズに実施されると、こういったことが必要なわけであります。
 今お話に出ましたように、消防庁としては、救命率の向上のために、現在、今話題になっております救急救命士の措置範囲の拡大の問題につきまして、今、厚生労働省さんといろいろと具体的な検討を進めておりまして、まずはこの早期実現を図るということに今全力を投球しております。それから併せまして、消防機関と医療機関とのメディカルコントロール体制も整備する必要があるということで、今、医政局長からもお話がございましたけれども、私ども消防サイドとしても努力をしているわけでございます。
 当面こういったことでしっかり対応していきたいと思いますが、今、委員御指摘の救急法ということにつきましては、今の消防法と、あるいは医療法、あるいは例えば救急救命士でいいますと救急救命士法、既存の体系の中でどういう規定が更に整備されないとどうしても患者さんの救命率が上がらないかというようなところをもう少し具体的に勉強した上で、また当然、諸外国の仕組みもよく調べました上で研究をさしていただきたいと思っております。
#57
○政府参考人(篠崎英夫君) 御指摘のように、救急医療の充実というのは大変重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
 私どもといたしましては、医療法、医師法、そして救急救命士法というような法的な枠組みの中で消防庁ともよく連携を取って体制を整備していきたいというふうに考えておりまして、現在、ただいま長官が御答弁されましたと同じように、私どもも既存の法体系を充実強化することによって今後の救急医療対策の充実を図っていきたいと、現在ではそのように考えております。
#58
○山本孝史君 既に法律がある中で既存の法律がちゃんと適用されていれば四割が死んでしまうというような状況もないし、国民のもっと救急医療に対する安心感も高まったはずだと。
 今、議論がどちらかというと救急救命士の気管内挿管の問題、薬剤の使用の問題に何か行ってしまっていますけれども、私は、本来は救急医療体制はどうあるべきかということの議論がしっかりとなされるべきであって、それを裏付ける法律の体系が要るんだろうと。救急車で運ぶだけだ、運んだ後、一体どうなっているのか、運び方は良かったのか、あるいは運ばれた後、その患者さんはどういう措置をされてそれで助かったのか、そのことがフィードバックしてくれば今のような話はもっと昔に解決をしている。総務省はずっと昔から言っていたわけで、そこが動かなかったのはやっぱり私は法律がなかったからじゃないだろうか。消防法という中で物事を対処してきたところにやっぱり問題があるのじゃないかなというふうな思いがいたしますので、今の御答弁を聞いておりますと、多分これ役所は作れないんだというふうに思いますから、議員の側でそれぞれ知恵を出し合って議員立法という形ででも救急法というものを作らざるを得ないのかなというふうに思っております。その節には是非厚生省もそれから総務省もお力をかしていただきたい、村井大臣にもその先頭になっていただきたいという思いでございます。よろしくお願い申し上げます。
 時間になりますので、最後に大臣に。
 やっぱり九千人、減りましたといってもやっぱり九千人の方が交通事故で亡くなっております。様々な政策が必要なんだというふうに思いますけれども、総理大臣を長とするところの交通安全対策本部というものがあって国を挙げての施策としてやっているはずなので、どういうお気持ちで今後お取組をいただけるのか、最後に御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
#59
○国務大臣(村井仁君) この問題につきまして大変御熱心に常々関心を持っていただいております山本委員のお話をずっと拝聴をさせていただいてまいりました。
 確かに昨年、八千七百四十七人、二十年ぶりに九千人を割ったということは大変結構なことなんではございますけれども、しかし一方では、先ほど交通局長から申し上げましたように、事故の件数というのは増えている。そしてまた、今御指摘のように、いろいろな意味で関係者の連携というものがきちんと行われているかどうかというような点での御疑問も呈されたわけであります。
 私どもといたしましては、一つは、やはり何と申しましても、先ほど歩車分離交差点等につきましてお話ございましたけれども、交通安全施設の整備というのは、これやっぱり一つ考えなきゃならない問題だろうと思います。
 それから、事故の内容にいわゆるシルバードライバーの増加というような問題が一つあることも交通局長から申し上げましたが、これに対する対応、そしてまた自覚というものもまた国民の皆さんに求めていく必要もあるんだろうと思います。
 それから、今御指摘の通学路の安全確保というようなお話も先ほどございましたが、これももちろんやっていかなきゃなりませんが、今仰せになりましたお話の中の、救急法というお話ございました。とりわけて各省庁の間の連携が余り密ではないのではないかというような御指摘がございますが、私どももこれは非常に意識している点でございまして、例えばパトカーが、その当の緊急車両が接近した場合に、交差点付近に設けました信号がそれなりに反応いたしまして早く緊急車両を通すことができるというような施設があるんでございますが、これを例えば消防関係の自動車あるいは赤十字関係の自動車にも適用するようにしようというような試みでございますとか、いろいろ工夫もいたしております。また、医療関係との連携もこれもまた密にさせようということで、いろいろな形で協力関係を組んでおります。
 関係者の中で、いずれにいたしましても、今、委員御指摘のような諸点も踏まえまして、しっかり御期待にこたえるようにやる努力を重ねてまいりたいと存じます。
 私の立場から一言だけ申し上げさせていただきたいのは、やっぱり法律で定めなきゃならない点として具体的にどんな点があるだろうかということだと思います。その点につきまして明確な問題点が出てまいりましたら、これはやはり法律を作ってまいる。これ、場合によっては政府も真剣に考えていいのではないかと思いますが、その点がまだちょっと私、イメージがはっきりしないということを率直に申し上げさせていただきたいと存じます。
#60
○山本孝史君 先ほどお話をしました地域の医療協議会、救急医療協議会を設置するとか、ちゃんとしたデータをお互いで交換をし合うといったこともありますし、あるいはドクターカーにしてもドクターヘリにしても整備が進まない、それをバックアップする形も要るんでしょうし、いろいろと仕組まなければいけないことはあるというふうに思います。
 それともう一つ、交通安全の施策も、交通安全施設とおっしゃいましたけれども、これも限界がありまして、多分発想を変えなければいけないのは、事故を起こさない車を造る。ぶつからない、ぶつかっても被害が少ない、今いろいろやっていますけれども、恐らくそういう新しいテクノロジーを使った車を造れば日本の自動車産業としてはもっともっと生き延びていく道もあるというふうに思いますので、そういったところも重要な観点として政府全体で取組をしていただきたいということを御要望して、終わります。
 ありがとうございました。
#61
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。
 本日は、私立大学医学部と入試、そして寄附金の問題、とりわけ最近新聞報道などでも、マスコミ報道などでもこの問題、世間の関心が高まっております帝京大学グループ、その中でもいわゆる所得隠しが疑われている問題、あるいはグループの財団元理事長らの資産流用問題について御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 聞くところによりますと、文部科学省におきまして先週このヒアリングをされたというふうに聞いておりますけれども、この問題についての一連の経過と、それからこのヒアリングの結果、あるいはそれ以外文部科学省が把握しておられる現状について御説明をいただきたいと思います。
#62
○副大臣(岸田文雄君) 帝京大学問題についてでありますが、六月二十四日、帝京大学関係者が合格発表前に受験生と接触し、募っていた寄附金に関し、帝京大学の関連財団及び帝京大学総長の親族が国税当局から所得隠しを指摘されたという報道がされました。これに対しまして、文部科学省としまして、六月二十七日の夕刻に帝京大学冲永荘一総長始め大学幹部五名から、帝京育成財団等に対し行われた東京国税局の税務調査、指摘の内容など、一連の報道内容について事情聴取を行ったところであります。
 この事情聴取におきまして、大学側からの説明としましては、まず医学部の入試の合格発表以前に受け入れた寄附金が一部あったことがまず判明しました。しかし、これらは前事務局長、この前事務局長は平成十四年三月に死去をしておりますが、この亡くなった前事務局長が銀行と一緒に事務処理をしていたものであるという説明がありました。また、帝京育英財団が大学から依頼を受けて寄附金のあっせん業を行っていたとしてなされた課税更正決定につきましては納得ができないという説明がありました。また、大学幹部等と保護者の合格発表前の接触、仲介者の存在、あっせん等は承知していないという説明があり、更には入試については公正に実施をしているという説明があったわけであります。
 これが大学側の説明でありましたが、まず文部科学省としましては、合格発表前の寄附金の受入れは、大学の入学選抜の公正さを疑わしめ、また大学に対する社会的な信頼を損なうものであるということで禁止をしているところでありまして、今回このような昭和五十六年の通知に違反する行為が判明したことは誠に残念であり遺憾であると考えております。
 そして、今回事情説明を受けたわけでありますが、この事情説明を受けた事項を含めて報道された事項につきましては、文部科学省も納得をしていないし、また社会も納得をしていないというふうに考えておりまして、是非納得が得られるような調査報告書を、口頭ではなくして書面で七月十五日までに作成の上、提出するよう厳に求めたところであります。この書面での調査報告書を待って文部科学省として厳正かつ適正に対応していくという所存であります。
 これが現状であります。
#63
○鈴木寛君 今もお話がございましたが、文部科学省、昭和五十六年に私立大学医学部における入学者の選抜の公正確保についてという通知を出しておられるわけですね。これは五十二年に出されて再度五十六年にも出された、こういうことでありますが、今の副大臣のお話によりますと、五十六年の局長通達に一部違反があったということで理解をしてよろしいのかどうか、もう一度御確認をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#64
○副大臣(岸田文雄君) 事情聴取の中で一部そういった寄附金があったことを先方が、大学側が認めたということであります。それも含めて書面でもう一度報告書を出すように指示をしたということであります。
#65
○鈴木寛君 ということになりますと、その通知では、公正が害されたと認められるときには当該学部についての私立大学等経常費補助金を交付しない措置を講ずるというふうに明記をされているわけでございますが、報告書が正式にあった場合に、私立大学等経常費補助金の交付をしない、あるいはさかのぼってそれを返還をするというようなことになると理解をしてよろしいんでしょうか。
#66
○副大臣(岸田文雄君) これから提出される報告書、あるいは今回の所得隠しについての捜査等を踏まえて、我々としてはあらゆる限り厳正に対応しなければいけないというふうに思っております。ですから、その対応の仕方としまして、御指摘のようなことも可能性としてはあり得ると考えております。
#67
○鈴木寛君 少し、この帝京グループに対する国庫補助金、これについては資料請求、金曜日というところなのに、非常に時間のない中で速やかに資料を出していただきましたことについては努力を多とするわけでございますが、いただいた資料によりますと、平成十三年度、帝京グループ関連の大学に十億円、十一億円弱、それからいわゆる高等学校とか中学校とか幼稚園ですね、大学以外に対して二十五億円、合わせて三十五億円平成十三年度で交付をされているというふうな資料をいただいております。
 少し年度をさかのぼりますと、平成十二年が大学だけで二十七億円、平成十一年度が三十七億円、それから平成十年度二十六億円という大変に多額な補助金が、毎年大学だけでも二十億から三十億台にわたる、そして高等学校、中学校、幼稚園につきましては加えて大体二十五億円ぐらいの、総計でいいますと五十億ぐらいの補助金が出ているわけでございますが。
 聞くところによりますと、これもいただいた資料でございますが、平成十三年度分については、学校法人帝京大学から、「今回の問題で世間を騒がせたということに対する自粛の念と、」云々ということをもって平成十三年度の私立大学の下記補助金について御辞退申し上げますという書類をいただきましたが、今申し上げましたこの平成十三年の十億分についてはいわゆる辞退がなされたといいますか、返還がなされたというふうな理解でよろしいんでしょうか。
#68
○政府参考人(工藤智規君) 今お話しのグループというのをどうとらえるかあるんでございますけれども、冲永氏あるいはその親族の方々が関係していらっしゃる学校法人全体を挙げると、平成十三年度十億余りの助成金が出ているわけでございますが、昨年秋にこの疑惑が報道されまして、それ以来私ども事実の究明に努めているところでございますが、これまでの経緯は、大学名としては帝京大学についての疑惑が中心でございましたものですから、大学側からも帝京大学にかかわる十三年度の年度末に交付される補助金についての辞退があって、他については特にお申出がなかったところでございます。
#69
○鈴木寛君 そうしますと、確認でございますが、十億円、要するに十億九千百七十八万五千円だと思いますが、それ全額ではなくて、学校法人帝京大学分で申し上げますと、これは四億七千四百万ですかね、その部分だけが返還がなされたということで理解をしていいのかどうかということでございます。
 それと、もう一点御質問をしたいのは、「今回の問題で世間を騒がせたということに対する自粛の念」という表現があるわけでありますが、これだけ読みますと、「今回の問題で世間を騒がせた」というのは、どういう問題がどのように世間を騒がせたと文部省が御認識をしておられるのか、再度その内容について御説明をいただきたいというふうに思います。
#70
○政府参考人(工藤智規君) 昨年秋に新聞等に報じられまして、また国会でも度々御質問あったわけでございますが、帝京大学の医学部の入学に係る寄附金の収受が不適切に行われていたのではないかということでございまして、今のお話の世間をお騒がせした云々のお話は、まだ調査の途上であるけれども、結論が出ていない段階ではありますけれども、結論を出すにはちょっと時間が掛かりそうなんで辞退したいという趣旨と受け取ってございます。
 金額的には、帝京大学全体について十三年度に見込まれておりました経常費の補助金、全体は十五億余りなのでございますけれども、そのうち、これは、補助金は一次交付と二次交付というのがございまして、年度末に二次交付するのでございますけれども、既に交付されておりました四億七千万余のほかに年度末に十億余りの私学助成、経常費補助金が予定されておりましたけれども、この後期分を辞退されたということでございまして、四億七千万は既に交付されております。
#71
○鈴木寛君 そうしますと、もう一度戻りますけれども、いわゆる通知違反があったということが明確になってということになれば、既に交付されてまだ返ってきていない十三年度分の四億七千万、要するに十三年度すべて交付された金額ですね、まだ交付されたままでそのまま返ってきていないものが数億あると。
 それから、これも文部省から御説明を金曜日いただきましたところによりますと、この寄附金をめぐる疑惑といいますのは七年間続いていたと、こういうことになりますから、そうしますと、平成七年から七年間、平成十三年度までのこの交付額全部について少なくとも精査をし、そして返還を求めるということが筋だというふうに理解をするわけでありますが、そういう理解でよろしいんでしょうか。
#72
○政府参考人(工藤智規君) 新聞等で報じられ、あるいは国税当局で認定された不正脱税行為に係る事実は、過去七年ほどさかのぼるようでございます。そのうち一部、先ほど副大臣の方から御答弁申し上げましたように、入試に絡んで一部不正な収受があったという認定がございましたので、それがどの程度のものなのか、報告を待たなきゃいけない部分もございますけれども、その内容次第によっては、事帝京大学だけのことに限られるのか、他のいわゆるグループの機関にまで及ぶのかございますし、それを含めて精査しなきゃいけないと思ってございます。
 それから、年限については、過去七年間、できるだけ私どももそういう事実については確認したいと思いますけれども、国の金銭債権の時効等との関係あるいは帳簿処理、大体五年保存なものでございますから、過去に同様のケースでの事例は、最大さかのぼりましたのは今までで五年まででございます。それも含めまして、実際の報告書を精査し、事実関係を究明しながら適切に対処してまいりたいと思っております。
#73
○鈴木寛君 これもお尋ねに答えていただきまして我々承知したわけでありますが、文部科学省のOBの方が学校法人帝京大学グループ及び関連の財団に行っておられるというようなことでございます。
 私どもの同僚の木下衆議院議員が以前お尋ねしたときは五名だったわけでありますが、恐らくその後に御退職されて、現在は三名の方がいらっしゃると、こういう話でありますが、いただいた資料によりますと、帝京大学グループ及び関連財団の要請に基づき再就職をされたと、こういうことになっておりますが、どういう趣旨でどういう御要請をされて、どういう選考基準といいますか、考え方の下に今の三名の方が行っておられるのかということについての経過、経緯についてお話をいただければと思います。
#74
○政府参考人(結城章夫君) 文部科学省の職員が私立大学などに再就職する場はいろいろございますが、例えば国立大学の教官が定年退職をいたしまして自分で応募をして、例えばこの場合ですと帝京大学の教官になるというようなケースはこれは別にいたしますが、これはちょっと今のお話には当たらないと思っておりますけれども、旧文部省あるいは現在の文部科学省といたしまして、帝京大学のグループの方からこういうポストに旧文部省あるいは文部科学省のOBで適当な人があれば受け入れたいという要請があり、その要請に基づいて私どもの人事当局が適当な職員を紹介し、再就職に至ったというようなことが昭和六十年からございます。
 それが大学だけですと五人でございますけれども、延べ数で五人でございますが、今回、関連の財団まで含めて調べろということでございましたので、関連の財団まで含めますと、延べ数で六名の者がそういう形で帝京大学グループの大学なり財団法人なりに再就職をしております。そのうち、現在も在職しておる者がそのうちの三名ということでございます。
#75
○鈴木寛君 副大臣にお尋ねをさせていただきたいんですが、昭和六十年から文部省のOBの方が何らかの形で帝京大学の事務局、事務職員という形で入っておられる。その間、昭和五十六年の通達もありながら、そして報道が事実であるとすれば、この七年間そうした通知違反の実態が行われていた可能性が非常に高い。それは七月十五日に提出される報告書によって明らかになるんだと思いますが、この件についての文部省の監督責任、あるいは正にOBをも送りながらそういう実態が七年間も続いていたということについての文部省の責任といいますか、これから明らかにしていく部分もあると思いますけれども、取りあえずの御所見をお伺いをいたしたいと思います。
#76
○副大臣(岸田文雄君) まず、今回の寄附金問題につきましては、調査報告書の内容あるいは交付税等の調査等を踏まえまして、まず厳正に対応しなければいけないと思っております。補助金の返還も含めて、これはあらゆる手段を検討しなければいけないとまず考えております。
 そして、ただ、今御指摘いただきました人事の面でありますけれども、文部科学省としましては、これは従来から、帝京大学のみならず、あらゆる私立大学より職員の採用が要請あった場合は、できるだけその要請にこたえて再就職希望者を紹介してきているということであります。
 そういった状況でありますので、この帝京、今回の問題とOBの派遣の問題、これは必ずしも直接に関連するものではないというふうに認識しております。それぞれやはり厳正に、不都合がないのか、対応すべきものだというふうに考えております。
#77
○鈴木寛君 今の問題については七月十五日にまた報告書が出てきたところでいろいろ御議論をさせていただきたいと思いますが、少し、私も是非これは、医学部の経営に非常にお金が掛かって、あるいは教育にお金が掛かって寄附金が必要だということは私も十分に理解をしているつもりでございますが、この五十六年の通知の趣旨も、寄附金の収受と入学者の選抜ということがリンクしてはいけない、こういうことなんだろうというふうに思います。
 私からの御提案とそれから七月十五日の報告書提出に向けてのお願い、要請でございますが、要するに、その学校法人がだれから幾ら寄附金をもらっているかということを、学校法人というのは正に税金が入っている公の器、公器でございますから、そして帝京大学だけでも年間グループ全体でいえば五十億、七年間でいえば三百五十億というお金が入っているわけでございますから、やはりそうしただれからどういうふうな寄附がなされているのか。正に最近は、やっぱりすべてを透明にして、トランスペアレントにして、そしてパブリックプレッシャーでもって適正なガバナンスを図っていくというのがこれ最近の傾向といいますか、我々が目指すべき二十一世紀の行政だと思いますので、再度繰り返しますが、是非帝京大学に対してだれからどういう寄附があったのかという実態を文部省が把握をしていただいて、そしてできますならばそれを世間に公表するということについて御検討をいただきたい。
 それから、制度的な御提案といたしましては、学校法人が受けている寄附、だれから幾ら受けているのか、どういう目的でということでも結構だと思いますが、そうしたことをより把握をされて、そしてむしろ積極的に公開をしていく。
 アメリカなんかはその寄附者の、ドネーションしてくれた人の名前を冠して図書館とか研究室とかできているぐらい、大学に寄附をするということは非常に名誉なことでありまして、そのことを世の中にどんどんどんどん積極的に発表をしていくという制度といいますか文化というのはアメリカで十分定着して、これはこういうことが日本でも行われたらいいと思いますので、今申し上げた学校法人に対する寄附、これをトランスペアレントにするということはいろんな意味でいいことではないかというふうに思っておりますが、そうした政策論についての御検討をいただけないかどうかということについての御所見をいただきたいと思います。
#78
○副大臣(岸田文雄君) まず最初の、帝京大学の調査報告書についてでありますが、それにつきましては、入学者選抜の公正を確保する観点から、合格発表前に寄附金を収受することを禁じているわけであります。ですから、このような寄附金に該当するか否かを判断するためには、その寄附金の入金時期を確認するということ、これは大変重要だと思っております。ですから、今回の報告に当たりましても、その寄附の時期あるいは金額、これについては明らかにするよう求めなければいけないというふうに思っています。
 ただ、御指摘の寄附者の名前、個人名につきましては、プライバシーの問題等もあり、それを明らかにすることについては意見が分かれるところだというふうに認識しております。
 それから二点目の、私立大学全般に対する寄附の在り方についての調査でありますが、御指摘の趣旨は分かりますが、文部科学省として、権限として、制度としてどこまでその実態を把握し調査する権限、能力を持っているかという点があります。実態を把握すること、あるいは明確化していくこと、この重要性は認識いたしますが、文部科学省として何ができるのか、これについてはちょっと考えてみなければいけないと思っています。
#79
○鈴木寛君 この問題につきましては、また正確な報告書が出た段階で引き続き民主党としてもいろいろな質疑を深めさせていただきたいと思いますが。
 先ほど、幾つかだけ御指摘をさせていただきたいんですが、入金時期といいますのは、その入金時期をいわゆる合格者決定後にするというのは、これは普通、常識的にはそういうふうにするわけでありまして、しり抜けといいますか脱法をされる可能性というのは大いに高いなということを常識的に推測をせざるを得ないわけでありまして、やはり本当に実質的に、そうした寄附金と入学者選考とのリンクというものを形式的に絶つということじゃなくて、実質的に絶って、そして本当にまじめに勉強された方がきちっと入学をされて、そして適正な教育を受けて将来お医者さんになる、我々の命を預かっていただくお医者さんになる、こういう若者を養成をするということであり育成をするということでありますから、ここはやはり名実ともにきちっとやっていただくという姿勢を是非お示しをいただきたいということでございます。
 それからもう一つ、プライバシーというお話がございましたが、しかし先ほど御説明を申し上げさせていただきましたように、この七年間でも三百億円とか数百億円の我々の税金がこのグループに入っているわけですね。そのことは是非、単なる任意の、あるいは民間の団体の話ではないんだと、我々の本当に血税が二百億も不適切に交付をされていたかもしれないと、そういう実態に我々は直面をしているわけでありまして、そのことをどう乗り越えていくのかと。
 正にパブリックプレッシャーというものを使いながら、世論というものを使いながら、トランスペアレンシーということを使いながら適正化していこうと、こういうことについての御提案でございましたので、それを単にプライバシーということだけで済む問題ではないんではないか……
#80
○委員長(森本晃司君) 鈴木君、時間が参りました。
#81
○鈴木寛君 というふうなことだけ御指摘させていただきまして、次回以降の、ほかの委員会も含めた衆参での民主党のこの問題についての質問の皮切りとさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#82
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
 本日は、食の安全第二弾ということで、前回に引き続きまして坂口大臣にお伺いさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、ここ最近、ミスタードーナツの肉まんの問題、協和香料化学の無認可添加物使用の事件等々が相次ぎまして、消費者の食に対する不安が高まっております。一体何を食べたらええんかというような状況でありますけれども、これらの事件で使われた添加物、これはアメリカやEU等で使用することが認められているそうですが、なぜ日本では認められていないのでしょうか。
#83
○政府参考人(尾嵜新平君) 添加物につきましては、食品衛生法の第六条の規定に基づきまして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、人の健康を損なうおそれがない場合として指定したもの以外は使用等を禁止すると、そういう形になっておりまして、いわゆるポジティブリストという形での指定したもの以外は使えないという制度でございます。
 この指定につきましては関係企業からの要請に基づき検討することとされておりまして、指定に当たっては、安全でなければならないことは当然でございますけれども、それ以外にも必要性が認められるものについて行うことを原則としまして、海外において指定が認められた添加物であっても、我が国の食文化の特性等を踏まえ、その必要性を評価しているというところでございます。
 今般、問題となりました添加物の多くは欧米で広く使用が認められているというものであったことから、業界団体に対しましては、国際的に広く使用されている添加物については国際的な流通状況や安全性、あるいは我が国におきます必要性等を勘案の上に、必要な場合には添加物としての指定要請を行う等の対応を検討するように指示をしたところでございます。
 なお、欧米等の諸国におきましても我が国と同様の取扱いという形でございまして、ポジティブリスト制というもので行われているという状況でございます。
#84
○山本香苗君 つまり、今長く説明していただいたんですが、安全ではないからというわけではなくて、申請、要請がなかったからというのであれば、もし今後企業から要請があった場合、認可されるんでしょうか。
#85
○政府参考人(尾嵜新平君) 先ほどお答えした中で申し上げましたように、添加物の指定に当たりましては、安全性の問題は当然安全でなければいけないということでございますが、必要性が認められるかどうかというところも検討することになっておりますし、我が国の食文化の特性等を踏まえてその必要性を評価をしていただく、審議会の方で評価をしていただくということでございますので、個々の要請があった場合に、それについて審議会の方で御審議をいただいた結果として指定するかどうかという判断になるということでございます。
#86
○山本香苗君 必要性があって安全性があれば、そういった場合に要請すれば認可される可能性が高いということだと思うんですけれども、それにもかかわらず、企業が要請していないこの現状を厚生労働省としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。
#87
○政府参考人(尾嵜新平君) 現在、添加物の指定の手続に関しましては、いわゆるガイドラインを私どもの方からお示しをさせていただいておるわけでございます。そういった中で、添加物の安全性の確認のためには、要請者から、ガイドラインで示された各種毒性試験に係る資料、そういうものが基本的には必要であるということでございます。
 ただ、外国等で実施、評価されました試験結果の受入れなどにつきましては、その要請がスムーズになされるよう個別の相談に応じていると、そういう現状にございますが、いずれにいたしましてもこういった制度の運用をやっておりまして、一つは、こういった企業を、要請をしようという側の企業のこういったデータをそろえるというふうな負担、そういったものが基本的にはあろうかと思っておりますし、行政側の私どもの考え方としまして、これまでの食品衛生法の改正の中で、四十七年の改正に当たりまして附帯決議が衆参両院でなされておりますが、そういった際にも、こういった添加物につきましては極力その使用を制限するような、そういった措置を取るようにというふうな附帯決議をいただいているわけでございます。
 そういったこともございまして、企業側あるいは行政側のそういった姿勢と申しますか考え方によって今のところ要請が出てくる数が非常に少ないという状況にあるというふうな認識を持っております。
#88
○山本香苗君 必要最小限ということは大事なんですけれども、それで違反があったら元も子もないわけでございまして、要請件数というのがこの三年間に六件で認可が二件、要請にはメーカーの今おっしゃられたように毒性検査などのデータをそろえる必要がありまして、新しい添加物だと数千万円から億を超える費用と数年の年月が掛かるとお伺いしました。
 もちろん、要請に時間やコストが掛かるからといって無認可の添加物を使う、そんな企業の行為は許されないことではありますけれども、要請しにくい制度自体にも何か、何らかの問題があるんじゃないかと思いますが、これを見直すといったお考えはございますでしょうか。
#89
○国務大臣(坂口力君) 添加物の指定問題というのはなかなか、今、局長が申しましたように過去の経緯というのがございまして、いろいろ難しい点もあるというふうに思うんですが、しかし、諸外国どの国でも常識として使われておりますようなものが日本だけ使うことができないようになっているというのもいささかどうかなというふうに、率直に私もそう思っております。
 ただ、申請があって、そして申請があればそれを許可するというやり方を取っているものですから、申請がないといつまでたちましても日本の中でそれが許可されないという、許可と申しますか、それが使用されないということになってしまうわけですね。
 したがいまして、その中間を取ると申しますか、できるだけ輸入業者でありますとか、あるいは日本の中の製造業者でありますとか、そうしたところに、諸外国で十分使われて毒性がもうないということが明確になっているようなものにつきましては申請をどうぞしてくださいと。そして、諸外国で使われて安全性が確立されているものを一から全部検査をするということもしなくてもいいんだろうと思うんですね。ある程度日本独自の立場からの検査というものは必要だと思いますけれども、根っこのところから全部の検査をするということは要らないというふうに思いますから、そうしたことも含めて、少し柔軟な対応が必要ではないのかというふうに思っております。
#90
○山本香苗君 それに付随しまして、今、申請がない限りずっとずっと認められないものも出てきてしまうということでありますけれども、そこで、逆に、海外で認められていないけれども日本では逆に認められているものもございます。代表的な例がステビアでありますけれども、食のグローバル化、そうしたものがどんどん進んでいく中で、先ほど部長も言われましたけれども、国際的な利用状況、安全性、国内の需要、そうしたものを考慮して、本当に必要な添加物、指定しなくちゃいけないような添加物については厚生労働省が指定要請をすべきではないかという御意見もありますけれども、これについてはどうお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
#91
○国務大臣(坂口力君) 先ほど申し上げたことに関連するわけですが、非常に諸外国ではたくさん使われている、そして日本では使われていないといったような場合に、日本の政府の方からこれをひとつ申請をしてもらったらどうですかと。
 たくさんこういうものは使われるようになってまいりましたし、輸入をするとそれは入ってくる可能性がありますというような誘い水と申しますか、こちらから少し御意見を申し上げて、そして申請をしていただく、要請をしていただくといったことがやっぱり大事になってくるのではないか。そして、それに対しましては、先ほど申しましたように一から検査をやるということではなくて、現在まで諸外国で積み重ねられてまいりましたものを参考にしながら、その上に少し日本独自の調査等を行って、そしてそれにこたえるということになればよろしいのではないかというふうに思っている次第であります。
#92
○山本香苗君 採算を度外視できないのが企業でございまして、誘い水のように情報を提供して、どんどん申請してきて、ゼロからじゃなくてもいいよとした場合でも、おのずと限界がちょっとあるんじゃないかなと思います。物によっては厚生労働省が指定要請していくことも今後検討していただきたいと思います。
 さて、今の日本人の食生活というものは御都合主義で、健康や安全への関心は高いけれども知識はない、添加物についても、不安だと言いながら添加物が一杯入ったハムを買うといった指摘がございます。
 私も、自分自身の食生活をちょっと振り返ってみました。テレビなんかで、牛乳にゴマの粉末を入れたら健康にいいとか、のどにはレモンティーがいいなんて聞くとそればかり飲んでしまったりとか、そのくせ、夜、事務所で仕事をしているときにおなかがすいてしまうと、何とかおなかにたまるものだったら何でもいいやとカップラーメンやスナック菓子を食べてしまっています。もちろん、自宅に帰って自炊をすればいいことはよく分かっているんですけれども、お湯を入れて三分とか電子レンジでチンの方にどうしても走ってしまう傾向にございます。
 企業は消費者のニーズに沿って物を提供いたします。消費者が食生活を問い直し安全な食品を求めるようになれば、企業の方も違反した添加物を使用するというインセンティブは抑えられるのではないかと思います。しかし、消費者は何が安全かよく分かっていないというのが実情でございます。
 添加物使用について、消費者に正しい情報を提供し正しい知識を持ってもらうことが重要だと思いますが、今回の一連の添加物の問題に関して、例えば身近なところでいえばミスタードーナツの肉まんやチョコレート、アイスクリームなどが問題になったわけですけれども、このメーカーのチョコレートは大丈夫なのとか、具体的に問い合わせができるようなところはあるのでしょうか。
#93
○政府参考人(尾嵜新平君) 今回の協和香料化学の関係に端を発しまして、いろんな添加物につきまして指定をしていないものが使われておるということがございました。
 そういった情報につきましては、一つは、六月三日に全国の都道府県に対しまして、こういった指定をしておらない物質を使用した製剤なりにつきまして、食品等の回収の指導及び確認を行うように指示をいたしておりますが、その結果につきましては順次当省の、厚生労働省のホームページで公表をいたしているところでございます。
 また、こういった添加物につきまして、現在立入調査を各自治体にお願いをいたしておりますが、そういった内容につきましても六月中に報告をいただいておりますので、近々公表をいたしたいというふうに考えております。
 こういったことをマスコミの方にお知らせをする、あるいは今申し上げましたホームページなりで見られるようにいたしておるということでございまして、こういった形を取っていきたいと考えておりますし、また直接のお問い合わせにつきましては、こういった情報が自治体の方にも行くようにしておりますので、そういった自治体、窓口になりますのは保健所が中心でございますが、そういったところでも対応していただけるというふうに考えておりますし、本省の私どもの厚生労働省の方でも、担当課の方ではそういった御質問等にお答えできるというふうに考えているところでございます。
#94
○山本香苗君 いろいろとあるということですが、まだまだ広報が足りないんじゃないかなと思います。私の周りにも、どこに電話したらいいのという声をよく聞きます。
 例えば、今インターネットで広報していらっしゃるとおっしゃっていらっしゃいました。見せていただきました。トップページをくるっとかなり下の方に行かないと、下の方に載っておりまして、一項目載せるだけでは、ぱっと目に付くような形になっていない。分かりやすい形で出さなきゃ駄目だと思うんです。情報提供、広報というものの基本というのは、発信者じゃなくて受け手の立場に立って考えないといけないと言われております。受け手の立場に立った広報を是非ともお願いいたしたいと思います。
 また、消費者が食品に関する情報を得る大事な情報源というのは食品の表示でございます。私も海外に留学していたときに、日本食の食材というのはめちゃくちゃもう貴重なものでありまして、大事に大事にしていたんですけれども、あるとき、日本人の先輩が帰国するということで、私たちに、大事に取っていた日本のレトルト食品とか乾物とか、そういったものを分けてくれました。しかし、手に取ってみますと、どれもこれも賞味期限が切れておりました。
 留学してきてまだ日が浅かった私は大丈夫かなと不安そうに眺めていたわけなんですけれども、既に三年ぐらい留学している人が、賞味期限というのは一番おいしく食べれるときを表示しているんだ、だからこれを過ぎて食べたってどうってことはないんだ、においをかいでみてまずいな、変だなと思わない限り大丈夫やと言われました。すると、ほかの人が、何言うてんねん、賞味期限を過ぎたものを食べるとおなか壊すぞと、そういうふうに言われました。
 私は、この二人のやり取りを聞きながらも、しっかりと賞味期限切れの食材をもらって帰って大事に大事に食べたわけでございますけれども、この賞味期限のほかに品質保持期限というものがございます。私は、これはてっきり食べれるぎりぎりのリミットの表示で賞味期限とは異なるものだと思っておりましたけれども、実はこれ同じものだということを最近知りました。
 こうしたややこしい表示は統一してほしい、またその意味も人によってまちまちにならないようにしっかりと周知してほしいと思うんですが、今後、この賞味期限と品質保持期限の表示は統一されるんでしょうか。こうした表示に関する懇談会が開かれているとお伺いしましたけれども、この進捗状況はどのようになっていますでしょうか。
#95
○政府参考人(尾嵜新平君) 今、先生から御質問ございましたように、食品の表示につきましては、食品衛生法上の規定、それから御存じのJAS法の規定というふうなものとか、今幾つかの法律にまたがった中で整理をされているというのが現実でございます。
 そういった中で、今の賞味期限なり品質保持期限というものについては、これは両方とも同じものを、法律上はどちらを使ってもいいという形になっておりますから、同様のものを指しているわけでございますが、日本語的に考えれば、若干やはりこの日本語の意味するところは違うんではないかと私自身は思っておりまして、こういったものについての消費者からの、二つもあるというのは分かりにくいという御指摘は当然今も出ておるわけでございます。
 そういったところは、一つの形に持っていくという方向がやっぱり考えられるというふうに思っておりまして、今、二つ目の御質問にございました表示に関します懇談会を関係省庁と連携をいたしまして今六月から開催をしておりまして、これまで二回会議を開いておるところでございます。
 私どもの予定としましては、この中で、今御指摘のような事柄、あるいはそのほかの表示にまつわります消費者からの要請、あるいはその表示の義務的な範囲というのをどういうふうに考えるかとか、表示に関します検討項目につきまして現在整理をいたしているところでございます。そういった中で、この懇談会では、今のところ七月中に一応の中間報告的なもののおまとめをいただければということでお願いをいたしているところでございまして、これから今御指摘のようなことも含めた中で検討し整理をしていただこうというふうに考えているところでございます。
#96
○山本香苗君 消費者の視点に立った、だれにでも分かるような食品表示というものを是非ともお願いいたしたいと思います。
 さて、次に、最近問題となっている中国からの輸入冷凍野菜の残留農薬の問題についてお伺いいたします。
 六月十日の議事録を読ませていただきました。事細かく時系列で検査体制の変遷を追っていきますと、今年の三月二十日から下ゆでした十八種の冷凍野菜についてモニタリング検査を開始、四月二十二日から生鮮野菜を含めた全品モニタリング検査開始、違反事例が継続的に出ているものに対しては検査結果が確認した後でなければ市中に出さないという措置を開始したのがよりによって私の誕生日でありました五月十四日でございました。というわけで、検査結果が出るまでに市中に出さないといった体制を取るまで二か月近く時を要している。この二か月といったのは何なのか、御説明していただけますでしょうか。
#97
○政府参考人(尾嵜新平君) 現在、御質問にございました輸入の冷凍野菜の関係でございますけれども、対象は加工品でございます。生鮮野菜とは別の加工した野菜ということで、これまではこの輸入の加工の野菜については基準がございませんで、これは国際的にも基準がないということで検疫所の方では検査をしておらなかったわけでございます。
 そういった中で、一般に市中に出ている中の、民間の検査機関が検査をした結果、違反といいますか非常に高いものがあると、生鮮野菜の基準から見て高いものがあるというふうな検査結果が出たわけでございます。そういうことを受けまして、私ども、検査方法につきましての考え方を整理いたしまして、生鮮野菜と同じ基準が適用できるいわゆる加工度の低いと申しますか、下ゆでと言っておりますが、湯通しをしたようなものについては検査をしその基準を適用するということで、三月二十日から検査を検疫所の方で開始したわけでございます。
 当初は有機燐系の農薬についてスタートいたしまして、途中から塩素系のものについても追加をしてまた検査をしているというのが実態でございます。その中で、当初のスタート時点では、こちらの方としまして検疫所として検査をするのは初めてでございますので、モニタリングという形で、これはほかの輸入食品についても同様のやり方でございますが、モニタリングということで届出の一〇%に対しまして検査をするという形でスタートいたしております。
 そういった中で、違反が複数回見られるという場合には、今お話しございましたような検査をしていただいて、その結果が違法な検査値でないというものが確認されないものについては市中に出回らないようにする、確認されたものについてはオーケーをする、そういうことでございますので、その間に、検査をスタートした時点とそれから今御指摘ございました全届出に対して検査結果が出るまで出さないというもののタイムラグがあるというのは、そういうふうな経緯の中でのタイムラグでございまして、ここのところは最初からすべてを、全届出を検査するという体制でスタートしていない、モニタリングという形でまずスタートしたということからの結果としてのタイムラグがあったというのは事実でございます。
#98
○山本香苗君 でも、モニタリング検査では私たちのおなかに入った後で違反だったと分かる場合もあるわけでして、モニタリング検査は検査結果が出る前にこの通関手続が取られてしまって出てしまうわけでありますから、これを初めにどうしてやったのかなというところで質問させていただいたんです。
 ともあれ、今の検査体制、市中に出さないで検査をするというこういった措置を臨時のものとしないで、きちんと違反が続いているものについては政令で命令検査の対象としていただきまして、今後も検査をしっかりと行っていただきたいと思います。
 もう一つ、なぜ残留基準を超す農薬野菜が出るのか、輸入業者と行政の思惑が元凶であるという見出しの新聞の記事がございました。他方、飽食に浸る消費者の過剰消費が生産現場での農薬使用を促しているという意見もございます。この二つの意見についてどのようにお考えでしょうか。
#99
○政府参考人(尾嵜新平君) 今の輸入業者と行政の思惑が元凶であるというのは、具体的にあの新聞記事でも、読みますと、余り具体的なことには触れておらないというふうに理解をいたしておりますが、いずれにしましても、残留農薬の対策につきましては、輸入時の検査も当然十分対応しなきゃいけないということがございますが、その輸出国におきます農薬の使用規制とかあるいは輸出時のその国での検査とか、そういった点につきましての対応も十分取っていただくということが重要だというふうな認識をしております。
 そういった中で、私ども、今回の一連の違反事例が出ておる中で、中国大使館の方にはそういった検査の輸出前の強化、あるいはその使用の適正化というものの要請をいたしておりますし、また先月には私どもの職員が現地に、中国の方に参りまして、そういった実態なりあるいは中国当局の対応というものにつきまして、今申し上げたような要請をしていただくようにやっているところでございまして、そういった対応を今後必要に応じてやってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#100
○山本香苗君 いろいろと御質問させていただきましたが、今本当に私たちの食生活についてもう一度よく考え直さなくちゃいけない、そういった岐路にあるんじゃないかなと思います。新しい食の安全に関する行政組織も立ち上がることですし、是非とも食生活について一度大々的に世論調査を行っていただきたいと最後にお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#101
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 今日は、看過できない社会問題になっております赤ちゃんの急死問題について、行政の在り方についてただしてまいりたいと思います。
 まず最初に、坂口厚生労働大臣と村井国家公安委員長が来ていただいておりますので、お二人に全般的な問題でお聞きをしたいと思います。
 先日、私たちは赤ちゃんの急死を考える会と国会議員団といたしまして懇談をさせていただいたわけです。事件や事故までシーズ、SIDSということですが、こういうふうな診断がされて処理をされているという、こういう実態を伺いました。会の皆さんは各党にも申入れをされておられるわけですけれども、私もこの実態をつぶさにお伺いをいたしまして、これはやはり一日も見過ごすわけにはいかない、小さな命、せっかく生まれてきたんだから、本当に幸せに育てる責任が社会にも政治にもあるだろうというふうに考えます。
 そのときにこういう「公開質問並びに要請書」というものをいただいたわけですが、これは会の方々が厚生労働大臣や警察庁長官やそれからいろんな学会の方にも出しておられるものでございます。
 この「公開質問並びに要請書」、ちょっと御紹介をさせていただきますと、最近、事件、事故による乳幼児の死亡が乳幼児突然死症候群、SIDSという名の診断名で安易に処理されている実態が明らかになってきたことから、関係機関に対してこれまでの事例についての検証を求めるとともに、乳幼児の急死の取扱いについて抜本的な改革をするよう要請する次第だということに始まり、その背景として、昨年には認可外保育所ちびっこ園で二十二人の乳幼児が死亡していることが発覚し、その多くがSIDSということで処理されていると。死因に大きな疑念が持たれている。また最近、香川県の小鳩幼児園の元園長が幼児に対する殺人事件で起訴されましたが、この事件も当初SIDSの疑いという死体検案書が作成され、捜査が打ち切られたまま終わるおそれがあったと、こういうような背景を述べておられます。現在までに五十件を超える裁判が乳幼児の急死をめぐって提起がされて、病院又は保育所側が必ずといってよいほどSIDSであるというふうに言ってきたと。最近では二つの裁判の勝訴の例も出ているようでございますけれども。
 そこで会の皆さんが、私たちの経験からしてもこれらは氷山の一角にすぎず、病院や保育所における事件や事故のほとんどがSIDSという診断名を安易に付けることで隠ぺいされ、やみに葬られていると言わざるを得ませんと。日本では、本来、除外診断名であるはずのSIDSが、解剖もされず、死亡状況も明らかにされないまま、家庭や職場の平和を守るなどの理由で安易に利用され、その結果、文字どおり犯罪の隠れみの、不法行為者の免責の役割を果たしていることは明らかですと。このままではSIDSと診断されたまま葬られたたくさんの赤ちゃんたちが浮かばれないばかりか、病院や保育所の管理体制が改善されず、今後も事件、事故による乳幼児の死亡は後を絶たないと思う、だから改善を要求を求めたいという文案になって、あとは非常に細かな具体的な内容になっているわけでございます。
 まず、私、両大臣にお伺いしたいと思いますけれども、こういうふうに会を作られて社会に訴えるという、そういう行為に立ち上がられたこの御両親の、被害に遭われた方々の多くの気持ちというのは、我が子が何のために死亡したのか、その原因をはっきりさせたい、子供が浮かばれない、そして原因が分からなければこれから先乳幼児の死亡事件や事故が防ぐことができない、この二つのことからこういう行為に立ち上がられたんだと思います。両大臣はこの思いがお分かりになるでしょうか。そしてまた、この思いをどのように受け止めて、どのように対応されるおつもりか、まず大きなところでの御決意なりをお伺いしておきたいと思います。
#102
○国務大臣(坂口力君) 赤ちゃんの急死を考える会の皆さん方から出されました要望書、私も拝見をさせていただきました。中にそれに対する資料等を一つ求めておみえになる点もございますが、できるものは早く出したいと思っております。
 ここには二つの大きな問題があるというふうに思っております。一つは、やはりこのSIDSというものが、その原因が、一体どうして起こっているのかというこのSIDSそのものの原因、そしてまたそれに対する対応、これをどう進めていくかという問題と、それからもう一つは、今御指摘になりましたように、個々の原因が明確でないがゆえに、一つの症候群であるがゆえに安易にSIDSにしてしまっていないかという問題と、問題点は二つあるというふうに思っております。
 したがいまして、まず解明しなければならないのはSIDSの原因、それは一つの原因なのか、二つの原因なのか、それは分かりませんけれども、その辺のところに対する研究というものを精力的になお進めなければならないというふうに思っております。
 しかし、そうは申しますものの、それが今日言って明日できるというわけにはまいりませんから、そうしたものと、そうしたものにすべてがしわ寄せられるということがあってはいけませんから、この親の会の皆さん方が御指摘になっておりますように、そのときには解剖等をしていただいて、そしてそこが明確になるように、少しでも明確になるようにやはりしていかないといけないのではないか。諸外国でもあるようでございますが、諸外国の場合には解剖というのはこの病気に限らずすべての病気で進んでおるということもありますけれども、ほとんどが解剖されておりますが、日本の場合にはそうしたことが少ないといったような問題点がある。
 このお子さんを亡くされました親の会の皆さん方のお気持ちというものを十分にやはり掌握をして、そして我々これから進めていかなければならないと思っているところでございます。
#103
○国務大臣(村井仁君) かわいい盛りの乳幼児の方を本当に突然亡くされる親御さんのお気持ち、それはもう本当に想像に余りあるものがあると思います。
 ただ、このSIDSということが、今、厚生労働大臣からお話もございましたように、現実問題としてどうして起こるのかというその原因が必ずしも究明されていない、そういう環境の中で、警察の立場からいたしますと、親御さんのいろいろなお気持ちもおありでございましょうし、できるだけそれなりの対応をしなければいけないということはございますけれども、やっぱり医師の権威ある御診断というものが一つ前にありまして、基本的にはそれによって、またその周辺をいろいろ見ながら、そこに違法のことがありましたらそれなりのきちんとした対応をしていくというのが、これがまた基本的な姿勢であるべきだろうと考える次第でございます。
 お子さんを亡くされた方が、例えば言われている事例でございましたら、例えば保育所でございますとか、そういうところにおける扱い等につきましていろいろ御主張になられた場合でありましても、果たしてそこにきちんとした因果関係があるかどうかというようなことになりますと、これはそこで言われる被疑者の人権の問題というものも当然のことでございますけれども考えながら対応しなければならない、そういう問題でもあろうかと存じます。
 ただ、いずれにいたしましても、赤ちゃんの急死を考える会の皆様から出されましたこの文書、私も読ませていただきました。非常に重い問題を取り上げていらっしゃるということはよく認識をしているところでございます。
#104
○西山登紀子君 個々の事例についてはお答えができないと思うんですけれども、最近の例では、香川県の香川町の飛士己君への事件ですよね。医師がSIDSの疑いと書いてしまった。親御さんが何回も、六回も捜査をお願いしながら、最後には殺人ということで起訴ということに、百八十度の転換がされるという事件が起こったわけです。
 その医師は、大きな問題に、親御さんが訴え、社会に訴えたんですけれども、こういうインタビューをやっていますね。とにかく、死因が特定できなかったのでどういう死因を付ければいいか分からなくて、まあ間違いだと指摘されているが、今から思えばやっぱり不詳検索中というのが最も正しい死因というか、そういう記載が正しかったのかなと思う、まさかこんなに大きな問題になるとは夢にも思っていなかった、後日死因が特定できればと思いSIDSの疑いと書いたというふうに書いています。
 法医学の高津教授らの出しております平成十一年三月の「乳幼児突然死症候群(SIDS)診断の法医病理学的原則に関する提言」というのが、これが現物でございますが、その中には明確に、今の日本のSIDSの診断にはその精度に非常に幅があり過ぎる、もっと厳密にしなきゃいけない、精度の高い解剖や、死亡児に関する十分な情報の収集や、外因死や虐待の可能性が完全に否定されているかどうかなどをきちっと調べて、うつ伏せ状態で死亡していた場合、安易にSIDSと診断することは避けなければならないという提言を書いておられますし、更に言えば、今、日本SIDS研究会の「乳幼児突然死の診断の手引き」というのが出ているんですけれども、それに対する意見で、SIDSの疑い、こういった文言はやはり付けてはいけない、削除されるべきだというところまで厳しく提言をされているわけですね。
 ですから、村井大臣にももう一度お伺いしたいわけですけれども、やはり今社会問題になっておりますのは、子供の事故死あるいは事件が、SIDSあるいはSIDSの疑いというふうな診断が書かれてしまいますと、これはもうその子供に原因があるんであって、捜査をすることはできないんだと、そういうふうにして安易に処理をされている、こういうことが一番の今の問題なんですけれども、もう一度お伺いいたします。こういうことが社会問題になっております。ですから、厳密に捜査をしていただきたい。この法医病理学のこういう高津教授らの研究の提言なども非常に重要な指摘だと思いますので、そういう点も含めて、今後の捜査の姿勢をもう一度お伺いしておきたいと思います。
#105
○国務大臣(村井仁君) ある意味では繰り返しになるわけでございますけれども、警察におきましては、この香川の事例なども十分踏まえまして、乳幼児の死亡を認知した場合に厳正な捜査を行いまして、いずれにいたしましても適正に対処してまいらなければならない、そういう課題だと思っておりますけれども。
   〔委員長退席、理事清水達雄君着席〕
 ただ、やはりそこでどうしても難しい問題は、いわゆるSIDSという症候群があるという御議論が専門家の世界であるわけでございますから、そこで警察としてそれにかかわった人を何らかの罪で、何といいましょうか、検挙するというようなところにまいりますまでにはそれなりのきちんとした証拠固め等々の作業が必要であるということも、これは是非御理解をいただきたいことでございます。
#106
○西山登紀子君 SIDSというのは病名ではなくて除外診断名であるということを改めてはっきりと認知をしていただかなければならないと思います。
 時間がないので質問を急ぎますが、厚生大臣、このSIDSで一体どれぐらい子供さんが亡くなっているのかと思ったら、平成七年には五百七十九人、平成八年は五百二十六で、ずっと、平成十二年には三百六十三人ということで、SIDSといわゆる診断をされているお子さんはそういうことなんですけれども、具体的に私がお伺いしてもなかなか資料が出てまいりません。
 実際、三百六十三とかいって、総体としてSIDSで亡くなったのはこれだけだというわけですけれども、そのお子さんの例えば年齢別の人数だとか、それから保育所で亡くなったのか、あるいは病院で亡くなったのか、またその保育所というのは認可の保育所なのか無認可の保育所なのか、また発見されたときのその状態というのはうつ伏せ死だったのかそうではなかったのか、あるいはそういう状況に置かれているようないろんな危険な育児環境というものがあったのかなかったのか。
 その辺の点で、これだけ社会問題になっているわけですから、厚生省としては、やはりきちっと実態把握をされて、そして今、確かにSIDSが安易に診断されないようにするということも肝要ですけれども、赤ちゃんのこの死亡例というのは、年間百件ぐらい亡くなっているというような、保育園でですね、そういうことも聞いておりますので、やはり無認可の保育園での保育環境などのきちっとした調査を行うべきじゃないか、そうでなければこういう状態の改善が図られないのではないかというふうに思いますけれども、厚生大臣の御答弁をお願いします。
#107
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のように、平成十二年度の人口動態統計によりますと、SIDSによる死亡例は三百六十三名でございます。その中で、年齢別に見ますと、ゼロ歳が三百十七名、一歳が三十二名、二歳が十一名、そして三歳が二名、四歳が一名、こういう数字になっております。死亡した場所別に見ますと、病院におきまして二百十八名、そして診療所で十名、そして自宅で百二十一名、そしてその他で十四名、こういう数字になっております。
   〔理事清水達雄君退席、委員長着席〕
 それで、保育所の問題は十分に把握できないんですけれども、これは都道府県で今把握をしてそれを報告をしていただくような形になっているものですから、平成十二年において国に報告がありましたこの内容を見てみますと、許可保育所におきましてはこれはゼロ、それから認可外保育施設において八件、こういう数字が出てきているところでございます。
#108
○西山登紀子君 平成十二年ということですけれども、毎年こういう形で今事件が告発され起こっているわけですから、きちっと全国的なそういう調査を、今私が申し上げましたように、どんなふうな状態で、またどんな劣悪な保育条件でそういう死に至ったのかというふうなことをもう少し具体的にきちっと調査をして、公表し、報告をされるということをお約束いただけないでしょうか。
#109
○国務大臣(坂口力君) 先ほどからお話が出ておりますように、SIDSの診断というのがなかなか難しいという前提の上に立ちますと、その難しい前提の上で出します統計というのがどれだけ信頼性があるかということも私はあり得るというふうに思っております。
 ただしかし、何もないというのではいけませんから、これは死亡診断書なりなんなりのことを中心にしてやる以外にないわけでございまして、それらのことを中心にして分析をし、その結果というのは皆さん方にできるだけお知らせをするようにするということは当然だと思っております。
#110
○西山登紀子君 最後に、二つだけお伺いします。
 今直ちに解決できる方法は、もちろん先ほど解剖でもきちっとやるというお話をいただきましたけれども、解剖をやってそれもまた原因が分からないときには安易にSIDSだとかSIDSの疑いだとかというふうには付けないと、原因不詳だと、こういうふうに書くようにするということがまず第一の改善策ではないかと思います。そうでなければ、やはり問題性がありましても、これは子供に問題があるんだということで子供の死がやみに葬られてしまう、こういうことになるわけですから、まずその点のお約束を今していただきたいと思います。
 それからもう一つ、厚生省はSIDSの研究班を新たに構成をし直すというようなことでおやりになっているようですけれども、私は、薬害エイズの問題で安部英、例の医師とこの場で最初の証人喚問を行った一人としても、この研究班というものの存在というのは非常にもろ刃のやいばというか、そういうものになる危険性もございます。今大変懸念が会の皆さんの中から出ているわけですね。ですから、このSIDS研究班の人選のやはり公正、公平、それからやっぱり審議についてはきちっとメモなりそれからテープなりを取る、それから公開をする、こういうことをお約束をしていただきたいと思います。
#111
○国務大臣(坂口力君) その最後の方の研究班の問題につきましては、これは研究者からの応募によって決めておりますので、御応募いただきました先生方にお入りをいただく。それは現在まで小児科学あるいは法医学、病理学、こうした三学会の関係の幅広い人にお呼び掛けをしているということでございます。
 その後の審議をどういうふうな形で進めていくかというようなことにつきましては、そこで決まりました皆さん方でお決めをいただくということになるだろうというふうに思います。
 それから、前半の死亡診断の……
#112
○西山登紀子君 記録と公開はどうですか。記録をきちっと取っていく。
#113
○国務大臣(坂口力君) だから、そこは新しいそういうメンバーが決まりましたら、そのメンバーがどういう方向でやっていくかということはお決めになる。記録は当然取ることは間違いありませんけれども、その運営の仕方はその先生方に一任することになるだろうというふうに思います。
#114
○西山登紀子君 済みません、追加で。大臣のお考えをお伺いしたいと思います。公開するかどうか。
#115
○国務大臣(坂口力君) ですから、そこはその研究者の皆さん方にゆだねるわけでありますから、研究者の皆さん方に中心になってどういうふうな形でおやりをいただくかは決定をしていただきたいというふうに思っております。この先生方が公開でやろうというふうに言っていただいたら、当然それは公開で結構でございます。
 それから、前半にもう一つありましたね。もう一つは死亡診断のお話だったというふうに思いますが、死亡診断書の書き方というのはこれはなかなかまた難しい問題でございまして、これはその医師の権限にもよるわけでございますから、何々の病気の疑いというのは全然書けないということになると、そうしますとSIDSというものが非常に除外をされるということになってしまう。だから、そこは私は非常に難しいところですから、よく検討してそれは決めないといけないというふうに思います。
#116
○委員長(森本晃司君) 西山委員、時間が過ぎております。
#117
○西山登紀子君 はい、分かりました。
 ちょっと質問の意味がお分かりいただけていない。
 今安易にSIDSだとかSIDSの疑いということを書かれることによっていろんなトラブルが起こっています。事件がいろんな形で隠ぺいされるというようなことで、裁判にまで訴えるという事態が今起こっているわけですから、解剖できちっと行うと大臣はおっしゃいました。それでもなおやはり分からない場合があるわけですから、そういうときにはやはりSIDSの疑いというふうなこと、あるいはSIDSというふうに書かないで、原因は不明だというふうに書くべきではないかということなんです。
#118
○国務大臣(坂口力君) ですから、そこはSIDSというふうに明確に書いてあればいいのか、疑いというふうに書いてあったらいけないのか、ここもその判断によって私はいろいろ違うと思うんですね。疑いという言葉がなかったらそれは正しいのかといえば、そうでないことだってあり得るわけですから、どういうときにそれはこのSIDSというふうに診断をし書くかという基準をもう少し明確に決めないといけない。
 今学会のいろいろの基準が出ておりますが、法医学会から出ておるものもあれば、厚生省が出しておるものもあるし、小児科の先生方から出ておるものもある。そうしたものを一元化をして一律にして、どういうふうにしようかということをこの検討会でやってもらおうと、こういうことを今進めているわけでございますから、そうした結論を踏まえてその辺のところは明確にしていきたいというふうに思っております。
#119
○田名部匡省君 塩川大臣、どうも今日はありがとうございました。
 私は初めて当選したころ、福田先生から政治は税そのものなんだということをよく言われたんですよ。大臣も一緒でしたからよくお分かりだと思うんですが。
 私は、最近のマスコミでいろんなことが報道されるのを見ておって、これは本当に日本大丈夫なのかなと。大臣は税収を上げてどう使うかということに努力されるわけですけれども、国の借金である国債や借入金の総額が二〇〇二年三月末で六百七兆円だと。
 これは、私は予算委員会と代表質問で宮澤大蔵大臣に、バランスシートでやってみてくださいと、日本も。ドイツと日本だけがやっていないんですからと言って、やってくれて、二年発表してくれました。
 この間、片山総務大臣に来てもらいまして、地方もやってみてくださいよと。というのは、国民の意識は私はどうやったら変わるかなと、この国は。今までのやってきたことがもう行き詰まっているのに、国民は全体が、困れば国が何とか面倒を見てくれるんだろうと、こう思っているんです。自分たちで何かやろうという意識がもう全くない。これを変えるのには、まず財源がどうなっているか。
 この前も、ここで言ったか国土交通委員会で言ったか、青森県の一人当たりの借金百万円以上のところが町村で二十ぐらいあるんですね、一人当たり。五十万以上のところが三十幾つあるんです。あれを見て初めてみんなびっくりしたと思うんですよ。そういうことが全国的に、まず一体自分たちは、国が一人当たり幾らあるのか、県が幾らあるのか、そして自分たちの住んでいるところがどれだけあるのかと、これをやっぱり情報公開してやるということをやらない限りはなかなか難しいと。
 しかもこれ新聞報道で六百七兆円というのが出ておって、一年間で六十九兆増えたということが出ておりました。国土交通委員会でも、今度は財投債を発行して事業をやるんだと。一体これは本当にどこまでうまくいっているのか。
 今日、部屋へ帰りましたら、特殊法人に関する調査結果に基づく通知という、これは総務省で出している、さっきすっと見てみたんです。どこもひどいものです。惨たんたるものですよ。こういうものを、私は縦割り行政、日本の縦割り行政が一番のネックになっているなと。例えば、狂牛病にしたってあれは農林省だけではやれない。あるいはシックハウスのことだって国土交通省だけではやれないんです。ですから、何かプロジェクトみたいなものを作って総合的にやる必要があるんじゃないか。
 それは私は財務省でやる仕事かどうか分かりませんが、全体をきちっと把握して、その上でどうするかということをやらないと、片っ方では、年金はもう大変だ、医療も介護ももうすべてのことが大変だ大変だと。しかも、抜本的に変えるんだと言いながら、もう医療の改正だってどれだけ先延ばしになってきました。そうしているうちにだんだんおかしくなる。しかも、出生率はずっと低下して、少子化、高齢化だと。それで将来はこれだけの負担になるとか、これだけ減らしてもらわぬとならぬとか、そんなことばっかり議論して、国民、全く今もう惨たんたるものだと思うんです、気持ちの上では。
 そういうことで、基本的に私は大臣にお伺いしたいのは、やっぱりどこかで国全体のことがしっかり分かって対策を立てるということにしないと、いや、総務省、それはそっちだ、特殊法人はそれぞれにいろんなものを持って無駄に使って赤字を出して、それはもう各役所だというようなことをやっておっては、これは改革できないなと、こんな気持ちで見ておるんですが、大臣の御見解があれば承りたいと、こう思います。
#120
○国務大臣(塩川正十郎君) いや、もう田名部先生のおっしゃるように、従来から政府の方とも、地方自治体もそうでございますけれども、行政側は予算を組む、そこまでは一所懸命やるんですけれども、その予算を配分してしまって、どのように使われておるかというその行政効果というものに対して余り深い関心を持っていなかったということは事実でございまして、それが方々で無駄を生み、その無駄に対しまして、対前年度幾らということで予算のまた編成しておるということが繰り返してまいりました。
 私は、昨年の六月に、そういうことじゃ困ると思いまして、予算の中でも、企画をする、プランを作る、それから実行していく、これは地方自治体も国営もございましょうが実行していく、そしてそれを監視していく、その効果を評価するという三つに分けまして、主計局の中にセクションを新しく作りまして、それで今、行政執行評価会議というのを立ち上げまして、現在第一回目でございますけれども、平成十三年度の実行、実態を調査いたしましてその信憑性をやっておるところでございます。
 十二年度の分は現在評価いたしまして、それを大体三十項目に分けまして中身を公開いたしまして、これは閣議にも報告しております。近く議員の先生方にもお配りいたしたいと思っておりますが、それをもっと対象を広げまして、その事業の実態を言わば査定していただいたら結構かと思っております。
 そういうことを基準にして、次年度の予算の編成にそれを資料として有効に活用いたしたいと、このように思っておりまして、御心配になっておりますように、予算の無駄遣いをできるだけ減らすためにそういう手段を講じておるということを御承知いただきたいと思います。
#121
○田名部匡省君 そこで、私は、この行政監視委員会で最初に石油公団総裁とエネ庁長官来ていただきまして、余りにもでたらめなんで、カナダのドーム社というところに六百五十億の出資をして、そのドーム社が倒産しちゃったんです、自分の借金三百何十億払って。で、親会社が引き受けたというんですけれども、普通、私は事業やっていますけれども、取引するときは、大口やるときは、銀行とかいろんな調査機関を使って、あそこは大丈夫かどうか調べてから取引やりますよね。そんなものも何にもなしで、それで、石油掘ったら返してもらうんだと。で、いつ掘るんだと言ったら、まあこれから二十年ぐらい先でしょうという、そういう話で。
 それから、住宅金融公庫、八十何兆円も借金しているのに、いつ返すんだと言ったら、七十年ぐらい先だという。職員生きているのは一人もいないじゃないかと、ここに。子供や孫に借金残すなといって、余り、言っているのに、ひ孫の話かと、返す子供は生まれていないと、こう言って怒ったんですけれども、何ともやりきれない。
 この間、これマスコミで、関空を二期工事をやるかとかやらぬかとか言ったら、大臣はまあ地元だから、いや、これはやらなきゃとかと言って新聞出ておったというんですがね。それで、今度はあそこに、向かい側に、あれ神戸空港ですか、を造るんだと。三つもあってどうするんだろうと思う、この関空だって相当赤字になっちゃっているのに。
 大臣、御承知だと思うんですが、私は運輸委員長のときに視察に行ったんですよ、伊丹が余りうるさいからどこかへ持っていけ持っていけ言われて。それで沖合展開することになって、ヘリコプターで上からしゅんせつ工事のときに見て、それで、できたときに廃止だと言ったら、今度は残せという反対運動起きて残っちゃったという経緯がある。そのときに、三年間で黒字にします、九年で配当する、二十何年で借金返すと、こう言っていた。
 アクアラインだって何だって、守られたことないしね。私はこの間、堂本さんの選挙の帰りにあそこ通ってみたら、私の前、車三台走っていた。後ろ振り返って見たら、一台しか来ないんだ。それですぐ国土交通省に、これどうなっているんだと言ったら、一日四万台通ることになっていますと言う。それで今何ぼだと言ったら、初年度が一万台って。あれは亀井君が大臣のときに、高いからって安くして三千円になっていたぞと。そうしたら、今七千台ぐらいに落ちてきているんですね、一日の。で、どこからこの四万台出したんだと言ったら、一兆何千億かの工事費と利息を何十年か払う分で計算すると、一日四万台出てきた。
 で、私は扇大臣に、今度は、何やってもいいから名前残してくれと、だれが考えてだれがこれ決めたか。だれがやったんかと言うと、皆いなくなっちゃっているんですから、もう。これだけ無責任だと、こう言ったんです。やるなとは言わぬけれども、本当にやっぱり国民の税負担、財投債だって何だって、国が保証したりなんかしているでしょう。これ、駄目になったら、結局国民の税金で全部しりぬぐいですから。
 ちょうどこの間は、本会議で代表質問のとき、大臣は何か出ておられなかったんで、踏んだりけったり、後何と言うかおれ知らないが、小泉総理知っているかと言ってやったんですよ。国民の金を使って、預金を使って、そして財投債にしていろんなものを作って赤字を出して、去年五兆三千億も税金から、国民の税金で負担して、そこを通るときは料金を取ると。これ称して、踏んだりけったり何とかじゃないかって質問したんですけれどもね。
 もうちょっとやっぱり、こんな時期に税収も私はなかなか伸びないと思う。私も、土曜日帰りまして、ガソリンスタンドもやっているんです。もうとても駄目だと、これ以上やったら従業員も大変だし、人に迷惑掛けないうちにやめようと言うんで、これをやめることに決めてきたんです。それほど厳しいですよ。もう全く惨たんたるもの、地方は。
 そういうときに、税収も思うに任せないということになっていくんだろうと思うんです。ですから、私は塩川大臣に本当にしっかりしてもらって、やっぱりやってもいいけれども、私は国会の移転、首都の移転の問題、皆さん賛成したようですけれども、私は反対したんですよ、凍結しておけって、どこから金持ってくるんだって、官邸も建て替えて。これ作れば、委員会作って委員会開いて金掛かる。視察に行ってこなきゃならぬ。陳情には来ると。こういうことをどうして賛成しちゃったのかなと。
 やるなとは言いませんよ。景気良くなったとき考えればいいんで、今はやるときでないというんで私は反対のボタンを押しました。
 今日は余り質問を用意して、昨日、サッカーを応援に行って夜中遅く帰ってきたものですから何にも準備していませんでしたが、塩川大臣だから安心していろいろ申し上げましたが、私の今までの話聞いていただいて、どうお考えになりますか。
#122
○国務大臣(塩川正十郎君) いや、もう非常に難しい質問で、どう答えたらええか。要するに、おっしゃる趣旨はよく分かるんでございまして、私たちもこの経済の流れ、社会の流れというものに敏感にやっぱり対応してこなかったということが非常に問題だろうと思うんです。
 例えば、先ほどおっしゃいました高速道路あるいは湾岸線の道路にいたしましても、一つは建設のときのフィージビリティーが甘かったということはこれはもう事実でございまして、そうであるとするならば、高速道路でなくても、言わば主要幹線道路といいましょうか、そういう、あるいは主要地方道並みの規格でやるとかいう、そういう方法はいろいろ取れたと思うんですが、建設費の言わば規格を余りにも順調に守ってきて高い高速道路を付けてきたということが一つの原因だったと思っておりますし、また道路だけじゃございませんで、学校建設一つ見ましても、先ほど言いました予算執行評価会議で出ておりました資料で見まして、私どもの主計官が調べてまいりましたら、学校の教育の校舎が、マンションだとか普通の建築基準よりちょっと違う、ちょっと違うところが物すごい単価が高くなってきておる、こういうことが出ておりまして、それじゃそのちょっと違う基準を平準化、一般の標準の基準にしたらどうなのかというと物すごい下がってくる、そういう問題が実は出ております。そういうことを細かく今評価しておりまして、それを準用して財政の健全化に資していきたい。
 保育料にいたしましてもそうでございまして、例えば市によりまして、東京でも三鷹市と港区とはもう相当に一人当たりの、保育児一人当たりの単価が違ってきておるということ。ましてや、鳥取県あるいは青森県の保育所と東京と比べたらもう格段の差があると。それはどこに原因があるのかと調べてみましたら、やっぱりそれぞれの原因が出てまいりました。一つは保育士の給料の問題もあるし、それから収容人員の違いということもあるし、いろいろ出てまいりましたが、そういうようなものをこれからきめ細かく時間は掛かるでしょうけれども詰めて、だんだんと毎年対象を広げていって行政評価の確実な成果を取っていきたいと、こう思っております。
#123
○田名部匡省君 時間がありませんで、この間、地元の新聞にこういう記事が載っておりました。ここ十年間、東北六県で公共事業が、山形が一番多いんですよ。青森県が山形県の半分、金額で、というのが出ていまして、ああこんなに差があるのかなという気がしました。特に十年間の累計で、山形が六千四百五十億、青森県は二千五百四十七億、山形県との差が三千九百三億円、これが国の公共事業の実態ですよ。
 何でこんなに差があるのかな。いろいろそれは、公共事業は道路だ河川だ、いろんなありますよ、そういう国の直轄事業の多いところは多いことは分かるけれども。こういうことを見ると、やっぱり財源をもう地方に配分して地域の住民の考え方で、道路を造ろうが介護施設造ろうが何造ろうが、責任でやっぱりやるというふうに変えていかないと、陳情にぞろぞろぞろぞろ、この間もこれ扇大臣に言ったんですよ、僕は。もういい加減やめなさいって、あれ。何ぼ掛かっているんですって、あれに、陳情に来る金が。何十年もやって、国土交通省は一番多いやといって言ったんですよ。
 ああいう無駄なことを、しかも人数は割当てやられて、今度は県が一生懸命市町村に何人出せといって、それでぞろぞろ、来る方はまあ東京へ行って遊びに行けると思って来ているかもしれぬけれども。そういう無駄なことを一つ一つやっぱりやめていく、大切に使うと、必要なところにはこれはもう投資せざるを得ない、そういうめり張りを付けたことを財務大臣として是非これからやっていただきたい。
 新聞にも出ておりましたよね、産業保護政策が日本の失敗の原因だって、あなたのところの財務総合政策研究所というのが発表して、正にそのとおりだと思いますよ。私は、同じ村におったときはあなたを安倍さんの後継者にしようと思って一生懸命頑張って、病気になられたけれども、どうぞこれからも、今私が申し上げたこの気持ちというのは私はもう生涯変わりませんから、これはもう私の哲学だと思ってやり抜く覚悟でおりますので、ひとつ財務大臣として、全体を把握して、全体の配分を公平、公正になるように是非おやりいただきたい。このことをお願いして、終わります。
 今日はありがとうございました。
#124
○国務大臣(塩川正十郎君) 御趣旨はよく分かっておりますから、我々も全県平等になるようなそういう方向は持っておりますけれども、しかし、何といたしましても、それぞれの自治体からの要請がございまして、そこにめり張りを多少は付けるということも当然やらなきゃならぬので、よく県と自治省、いや、今総務省でございますが、とも協議をいたしまして万全を期したいと思います。
#125
○田名部匡省君 ありがとうございました。終わります。
#126
○又市征治君 社民党の又市です。
 始めに一言ちょっと苦言を申し上げたいと思うんですが、先ほどまで石原大臣、ここにおられましたけれども、今日は並行して道路四公団の民営化の会議があるということで退席をされたそうであります。私はこれまで、大臣の答弁を踏まえて今日の質問を準備し、答弁も要求をしたわけですけれども、極めて遺憾であります。国会軽視だと声を大にするつもりはありませんけれども、行革事務局は、行革担当大臣がこの委員会の主要な答弁者であるということを是非十分認識して対応いただきたいということをまず始めに申し上げておきたいと思います。
 さて、天下り問題とその大臣承認制の問題点については先ほども自民党の森元委員もお触れになりましたけれども、この委員会では私に限らず複数の委員が繰り返し取り上げられてまいりました。そこで出された実例は、単に人事ポストの問題だけでなくて、それを通じて継続的に国民のための予算であるとか国有財産が横流しをされたり、あるいは消費をするという、こういう構図になっている、こういうことが述べられています。しかし、今回出された政府の公務員制度改革大綱では、更に天下りを身内である各省大臣限りの権限にできるように緩和しようというふうになっているわけであります。
 今日も一つ実例を挙げてお伺いをしてまいりたいと思いますが、まず始めに人事院にお伺いしますけれども、農林水産省から木材企業への再就職は人事院の天下り規制の対象になると思いますが、その限定条件なり制限条件というのがあればお示しいただきたいと思います。
#127
○政府特別補佐人(中島忠能君) 最近、やまりんというのが問題になりましたけれども、新聞を読んでおりますと、国有林の買取りというんですか、そういうような関係がある木材企業が結構あるという記事が出ておりましたけれども、そうしますと、売買契約という、契約当事者ということになりますので、国家公務員法の百三条の第二項の規制の対象になるというふうに御理解いただいていいんじゃないかと思います。
#128
○又市征治君 今この中でお答えになっていないわけですが、八級以上と以下とということで、少しこれは、人事院が直接承認したり審査をするというものと各省にゆだねているもの、こういうことであると思うんですが、そういう規定もあるんですけれども、極めてそういう中でも構造的な利権づくりと結び付いている例がある。
 今、総裁から話が出ましたから、私はそれを聞こうと思ったんですが、鈴木宗男議員が逮捕されたやまりんの国有林無断伐採事件の背景に、営林署職員の天下り受入れがあるわけですね。報道によりますと、やまりんが営林署からの天下りを受け入れて、引換えに国有林の伐採量を増やしてもらうことが暗黙の了解だった、ところが、その後、公式には伐採量を増やせないので無断伐採を黙認していたと、こういうふうにあるわけです。この間に営林署の署長など六人がやまりんの取締役などに天下っているという、こういう状況になっているわけですね。
 そこで、行革副大臣にお伺いをしてまいりますが、天下りの規制強化こそが今求められているということは、これはもう十分、何度も指摘されているわけですが、例えば、この木材企業への天下りは、農林水産大臣限りのもし承認制とした場合にはますます天下りが進んでいく。これを俗に、猫にかつおぶしの番をさせる、こういうことになるんじゃないかと思うんです。中立第三者機関である人事院による承認制を廃止をして大臣に権限をゆだねるというのでは、こんなことがもうずぶずぶに進んでいくんじゃないのか。少し納得いく説明をしていただきたいと思います。
#129
○副大臣(熊代昭彦君) 公務員制度改革で天下り規制を実質的に強化しようということでございまして、これを緩めろなどという意図は全くございません。
 現在のシステムの中で承認されているという御事例の御質問だと思いますけれども、それはそれといたしまして、新しい制度は、やっぱり任命権者である大臣が、人事院が認めてくれたからもういいんだ、これは私の責任じゃないんだ、こういうふうにしてはいけないと。やっぱり政治家が大臣になることが多いでしょうから、政治家が大臣として責任を持って、実質的に天下りということで変な癒着が起きないようにと、取りあえず第一に責任を持ってそれをやってもらうということでございます。
 しかし、仮にお手盛りになるという心配もございますから、それを防ぐ手だてもなければいけないということでございまして、第一に政治責任を持ってお手盛りにしないということ、それが一番でございますが、内閣で承認基準を政令で定めて承認制度の運用についての総合調整を行うと、内閣できっちりとした規則を定めます。大臣が承認した案件はすべて詳細に公表します。おかしいところはないかということをちゃんとチェックしてほしいということでございます。人事院の方は、それにつきまして、承認基準そのものについて、この基準はおかしいんじゃないかと御申出もいただきますし、承認事務の実施状況について、あの大臣の承認はおかしいんじゃないかと、そういう御指摘もいただけると、こういうシステムにしたわけでございます。
 それからもう一つは、行為規制を付けまして、とにかく口を利いてもらえるから受け入れよう、そういうことではいけないと。国家公務員は能力があるから来てほしい、能力で活躍してほしいということにしてもらうということでありますから、後輩に電話を掛けたり誘ったり、いろいろして、影響力を及ぼして採用してもらったことに報いる、そういうことを徹底的にやめようということでございまして、行為規制で、例えば刑罰が掛かる。現在検討中でございますけれども、例えば懲役六か月とか、そんな厳しい案もございますし、最低限罰金は掛かると。
 これはしかし、余り効果がないという話もございますけれども、現在これだけマスコミの大変な監視下にありまして、私自身はマスコミは自由主義社会の宝であるから大いに監視して大いに活躍してほしいと思っておりますけれども、そういう中でこの行為規制というのが付くというのは激烈な効果があると私は思います。
 そういうことでございまして、二重、三重の仕組みで現在のシステムでうまく動かないというところを思い切って変えていきたいというのがこの案でございます。
#130
○又市征治君 お言葉を返すようですけれども、その今おっしゃった厳格な承認基準なども作っていくんだと、幾つか、四つぐらいのことをおっしゃったわけですが、じゃ、そういう話はずっとあるんですが、どういう具体案が今あるのか、それをもう少し具体的に示してください。それから、どれほど今の人事院基準よりも厳しい基準を設けようとされておるのか、これは示していただかないと、お手盛りにならないんだ、厳しいんだ、こうおっしゃるだけで、全然明らかにならない。
 それから、お手盛りにならないというんですから、それならばやはりそのことを政令ではなくて法律にするぐらいの国民に透明性を示すべきではないのか、こういうふうに私は思うんですね。
 この二つをまず行革副大臣の方にお伺いします。
 人事院総裁にもお伺いしますが、今話がありましたけれども、再就職後の行為規制という話がありました。民間に行った後になって個人の行為を追っ掛けてみたって、これは限界があるでしょう。この点についてどうお思いになっているのか。
 それからもう一つは、先ほど聞きました立法化の問題ということについては人事院総裁はどのようにお考えになっているのか、お伺いをしたいと思います。
#131
○政府参考人(春田謙君) ただいま御質問いただきました承認基準の具体的な内容でございますが、私ども、承認基準の内容につきましては、不承認とすべき権限あるいは予算関係、こういったものを明確に列挙するなど、各大臣が行う承認の審査におきまして統一的で客観的な判断の下に適正な運用が確保されるようなものとするということと考えております。具体的な内容につきましては、現在、行政改革推進事務局が中心となりまして検討中の段階でございます。
 承認基準につきまして、政令ではなく法律で規定すべきではないかというお話でございましたが、承認基準そのものにつきましては詳細なものとするという必要もございますので、政令に委任するということになるものと考えております。
 私ども、平成十五年中に国家公務員法の改正案につきまして取りまとめをし、国会の方に御提出をしていくということを昨年の末に閣議決定をさせていただいたところでございますが、国家公務員法の改正案の法案の審議におきまして、承認の基準の考え方ということにつきましても御説明申し上げることになるというように考えております。
#132
○政府特別補佐人(中島忠能君) 二つ御質問があったと思います。
 一つは、行為規制の話です。
 この行為規制の話が出たときに、当時の新聞等ジャーナリズムは、当該本人が働き掛けなくても、その意向を受けた企業の人が働き掛けるということ等によってこれは規制を免れることができるんじゃないか、余り効果がないというようなことを当時のジャーナリズムは批判しておったと思いますが、そのことは別にいたしまして、実はこの行為規制というのはアメリカで現在採用されておる制度でございますが、アメリカと日本では実は基本的に違うことがございます。
 日本の場合には、官庁が勧奨退職をする、そして官庁が勧奨退職に応じた職員を責任を持って企業にあっせんする、就職あっせんするということを行っておる。したがって、官庁と受入れ企業との関係ということがそこで成立しておりまして、再就職した本人は特段働き掛けなくても官庁の方が面倒を見るというのが日本の再就職構造の特色だということがよく言われております。当たっていると思います。
 ところが、アメリカの場合には勧奨退職という制度がございません。したがって、官庁が再就職あっせんするということがございませんので、再就職する人は自分の責任でそれぞれ再就職先を探して、そこで民間企業的なものを経営している。したがって、その本人は、元おった官庁が面倒見てくれないものですから、働き掛けるということが行われておるということが調査の結果分かっております。
 したがいまして、この事後行為規制の意味というんですか、位置付けというのが日本とアメリカでは異なりまして、日本の場合にはそれほど効果がないんじゃないかと言う人がかなり現在調査が進むに従って出てきております。その点をひとつよくわきまえて検討していただく必要があるんじゃないかというふうに思います。
 それから次に、立法の話ですが、法律で規定したらどうだという話でございますが、平成十二年の十二月に行政改革大綱というのが世に出されまして、それ以来、この天下り問題については随分国会等、またジャーナリズムの世界でも議論されております。したがいまして、これだけ議論されてくると、公務員の再就職をめぐる制度というのはその承認基準も含めて法律できちんとすべきじゃないかという議論はそれなりに説得力のある議論だと思います。細部の技術的なことは規則等に任せるにいたしましても、そこは法律で規定したらどうだという議論はそれなりに説得力があるし、国権の最高機関の議論としてはそれはあるだろうというふうに思います。
 ただ、国家公務員法全体を改正、全般的な改正というのが予定されておりますので、その全般的な改正の中の法的なバランスというんですか、どういう事項を法律で決めて、どういう事項を規則で決めるかという、そういう法律的なバランス論というものもまた見てみる必要がある。したがいまして、今度の予定されておる改革の中で、どういう事項が法律事項になりあるいは国会の議決事項になるのか、どういう事項が規則事項になるのかということをよく眺めて、バランスが取れた改革が行われようとしているのかどうかという観点からもよく眺めてそれは議論してみたい。
 いずれにいたしましても、人事院も、その全体のバランスといいますか、法的なバランスというものが取れるようによく検討して御意見を申し上げたいというふうに思います。
#133
○又市征治君 そこで、ちょっと事前通告でないので恐縮ですが、六月三日のこの委員会で石原大臣は、大臣承認になれば前の年に比べて数が増えればその大臣の責任が明確になるというふうに答弁されているんですね。すると、大臣が審査をするとすれば、人事院とは違って基準を満たしていても不承認にするということが一体あるのかどうかですね。
 そんなことは当然考えられないわけですよね。第一に、今の人事院承認制の下においても人事院に承認申請をしているのは大臣なんですよね。そうでしょう。そして、各大臣がそれでは天下りを抑制をすれば天下りは現実は減るわけですよ。ところが、現実には、人事院が各省の自然体を見ようという、前のときに人事院総裁からそういうお話がありまして、平成十三年の分、早速これ増えたわけですね。そういう状況にありながら、どうして天下りがそういう意味で減ると言われるのか、あるいは大臣の責任が明確になるからそんな増えていくことはないんだと、こうおっしゃるのか。実態が全然そうなっていないんじゃないですか。この点。
 それからもう一つは……
#134
○委員長(森本晃司君) 又市君、時間が過ぎております。
#135
○又市征治君 はい、済みません。
 増えたらその大臣が責任を取るというふうに答弁されている。一体全体、この承認した大臣が責任なんて取れるのかどうか。責任問題が浮上したときの大臣になってしまうんじゃないのか。そんな、言ってみれば、そのことが問題になったときに後の大臣が責任を取るなどということはとんでもない話で、こういうのを後の祭りと言うんだろうと思うんですね。これじゃ国民は全く納得できないわけですよ。
 そういう点で、言っていることと現実進んでいることが全く違っているんじゃないか、この点を最後にお聞きしておきたいと思います。
#136
○委員長(森本晃司君) 時間が過ぎておりますので、簡潔に願います。
#137
○副大臣(熊代昭彦君) 簡潔に答弁させていただきます。
 大臣が申し上げたのは、一人の大臣として、政治家である場合が多いでしょうけれども、もし前年から増えていればそれは承認がおかしいんじゃないか、しっかり見てみなきゃいけないんじゃないかということを、その基準を動かすわけにはいきませんけれども、基準がきっぱりと適用されているかどうか、形式ばかりじゃなくて実質にも及んでそういうふうに見られるんじゃないかということでございまして、そういうことでありますから、大臣が、しかもそれはすべて公表されるということでありますので、十二分に意を用いられるだろうと、そういうことを申し上げたんだというふうに思います。
 責任取るというような話は、それは政治的責任でございますから、その本人あるいはその後の人、それはその場の状況でだれの責任かということがはっきりすると思いますので、責任の取りようも公表ということで大いに影響があるというふうに思います。
#138
○委員長(森本晃司君) 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。
   午後四時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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