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2002/03/04 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 予算委員会 第6号
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2002/03/04 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 予算委員会 第6号

#1
第154回国会 予算委員会 第6号
平成十四年三月四日(月曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十八日
    辞任         補欠選任
     山根 隆治君     峰崎 直樹君
 三月一日
    辞任         補欠選任
     浅尾慶一郎君 ツルネン マルテイ君
     柳田  稔君     池口 修次君
     大沢 辰美君     紙  智子君
     西川きよし君     田名部匡省君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         真鍋 賢二君
    理 事
                金田 勝年君
                野沢 太三君
                日出 英輔君
                松谷蒼一郎君
                齋藤  勁君
                高嶋 良充君
                魚住裕一郎君
                小池  晃君
                平野 貞夫君
    委 員
                有馬 朗人君
                市川 一朗君
                入澤  肇君
                木村  仁君
                国井 正幸君
                佐藤 昭郎君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                田中 直紀君
                伊達 忠一君
                谷川 秀善君
                段本 幸男君
                仲道 俊哉君
                松村 龍二君
                山崎  力君
                山下 英利君
                池口 修次君
                江田 五月君
                小宮山洋子君
                佐藤 道夫君
            ツルネン マルテイ君
                内藤 正光君
                藤原 正司君
                峰崎 直樹君
                若林 秀樹君
                遠山 清彦君
                福本 潤一君
                渡辺 孝男君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                宮本 岳志君
                田名部匡省君
                平野 達男君
                大脇 雅子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   参考人
       国際協力NGO
       センター理事長  船戸 良隆君
       ピースウィンズ
       ・ジャパン統括
       責任者
       ジャパン・プラ
       ットフォーム評
       議会議長     大西 健丞君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
 (NGO問題に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のうち、NGO問題について、本日の委員会に国際協力NGOセンター理事長船戸良隆君及びピースウィンズ・ジャパン統括責任者・ジャパン・プラットフォーム評議会議長大西健丞君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(真鍋賢二君) 予算の執行状況に関する調査のうち、NGO問題に関する件を議題といたします。
 本日は、本件について参考人の方々から御意見を求めることといたします。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただき、ありがとうございました。本委員会といたしまして、NGOの活動状況やNGOと政府とのかかわり等のNGO問題について議論を深めるため、関係者の方々から御意見を伺う必要があると判断し、本日御出席いただいた次第であります。両参考人におかれましては、忌憚のない御意見をお伺いしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、会議の進め方について申し上げます。
 まず、お一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後で委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 それでは、まず船戸参考人にお願いいたします。船戸参考人。
#5
○参考人(船戸良隆君) 本日、NGOの活動につき説明をする機会を与えられ、感謝申し上げます。
 時間の制約もありますので、以下の三点につき説明させていただきたいと思います。第一はNGOの現状とその問題点、第二にNGOと政府機関との関係、第三にその責任と将来への展望、国会議員の皆様への要望などです。
 まず、NGOの現状ですが、現在、日本には国際協力をする民間の組織が約四百から四百五十あると言われています。しかし、そのうち、活動内容がはっきりと分かって統計の取れる団体は半数の二百十七団体です。活動分野は、開発途上国の子供に対する教育協力、農村開発、環境保全、医療、保健、人権擁護、難民救援など多方面にわたっています。規模としては、年間予算が四十億円を超えるところから数百万円に満たないところと様々ですが、三百万円以上五千万円未満の団体が全体の七〇%を占めています。これに携わっている人は、さきに述べた二百十七団体に限定して言えば約五千人、うち有給職員が約千五百人、そのほかは無給、ボランティアと呼ばれている人です。海外で働いている人は約二百五十人。
 以上が大まかな数字ですが、日本のNGOが欧米のNGOに比して財政面で、また人的にも規模が小さいことは否めません。
 現在、日本のNGOが直面している最も大きな問題は、NGOの趣旨に賛同し、これを支える会員が少ないということです。会員総数約三十五万人で、日本の人口比にしてわずか〇・三%にすぎません。また、全収入のうち本来ならば中心となるべき会費の占める割合が二〇%以下という団体が全NGOの約七〇%もあり、財政面においても脆弱であるということです。最近、緊急援助において、NGO、政府、財界が一体となった組織、ジャパン・プラットフォームが作られたことは画期的なことであると高く評価されています。今後ますますこのような試みが発展することを期待しております。
 しかし、御記憶いただきたいことは、NGOの活動の非常に多くの部分は草の根という言葉に表されているように緊急というよりは極めて日常的な地道な活動であります。
 私的な経験で恐縮でございますが、最近、私の近くで二人の保健婦さんが相次いでがんで亡くなりました。保健婦さんの一人はタイの北部山岳地帯で山岳民族のために医療活動をしていました。私自身も彼女と一緒に文字どおり山を越え谷を渡って全く道のない密林を一週間ほど歩いて医療活動に同行しましたが、最後にはインスタントラーメンのおつゆだけをばさばさの御飯に掛けて食べるというような状態でございました。もう一人の看護婦さんは、バングラデシュの首都ダッカから車で八時間ほど掛かる農村で日本人独りで十年ほど結核予防の活動に従事していました。二人とも亡くなったときは四十歳代後半でございました。
 私は、ここで二人の活動を英雄的なこととして称賛しようというのではありません。このようなことはNGOの活動においてごく当たり前のことであります。特に大きな注目を浴びることもなく、その葬儀もしめやかに行われました。正に草の根の活動だったのです。私は、皆様方にNGOの活動の大部分はこのような活動であることを御理解いただきたいと思います。
 第二に、NGOと政府機関との関係です。
 今回のNGO二団体出席拒否の問題は、私たちの出した声明にもありますように大変残念なことであり、この点については私どもは強く抗議いたしました。しかし、このことを直ちにNGOと政府機関とは対立関係にあると見るならば、それは全く違います。NGOはノンガバメント、すなわち非政府組織ではありますが、アンチガバメント、反政府組織ではありません。もちろん、NGOと政府組織とは立場も役割も異なり、支援の方法なども異なるわけですから、ともに働く際に意見の違いもあるでしょう。それは当然のことであります。しかし、そういう場合でも相互に信頼関係を持ちつつ対話を続けなければならないと考えております。事実、一九九六年よりNGO・外務省定期協議会が年四回開かれ、相互の対話と協議が続けられてきました。近年においても、財務省、国際協力事業団、国際協力銀行とも同じような協議が続けられ、良い結果を出しています。
 NGOと政府とは、イコールパートナーとして互いにお互いの特質を生かしつつ共同していかなければならないと考えております。しかし、イコールパートナーという以上、NGOも現在以上に体質を強化しなければならないことは言うまでもありません。国際協力NGOセンターはJICAと協力し、NGO・JICA相互研修を実施しています。また、ユニセフとも協力して今年より五か年計画でNGOリーダーの体質強化に取り掛かりました。このようにして、私たちは自らの体質強化にも取り組んでおります。
 第三に、NGOの責任と将来への展望につき述べさせていただきます。
 既にお手元に配付させていただきましたように、私たちは九五年一月にNGO行動指針を作成し、構成団体において厳守することを申し合わせました。その経緯については、表明に当たってという文の中に記されておりますが、市民によって支えられているNGOは、同時に市民に対して社会的責任を明確にしていく義務を担わなければならないというものであります。特に最近は、外務省を始め、政府機関の公的補助金に負うところが大きいわけですから、その使途については明確な責任を要求されるのは当然であります。
 私たちは、NGOは善意を持って仕事をしているのだから多少の失敗には目をつむっていただきたいとか、そのような甘え、ないしNGOが聖域であるという考えは許されるべきではないと思っております。人々の御好意である会費、寄附によって成り立ち、市民の税金をいただいているからこそ、私たちは最も厳しく自らを律していかなければなりません。
 経理面においても、国際協力NGOセンターは、「市民活動団体の会計」という、こういうテキストを作成し、各地で講習会を開き、経理の透明化に努力しています。NGOに正すべきことがあれば厳しい御批判をいただかなければならないと考えています。
 一般に、親が子を育てる場合、ただ甘やかしていては丈夫でたくましい子が育たないのと同様であります。しかし、その場合、同時に愛情を持って批判するということも子育て同様であります。生まれて間もない日本のNGOを後ろ向きの姿勢で批判するならば、元も子もなくなるでありましょう。そのとき、日本は世界の中においてどのような位置を占めることができるでしょうか。十年先、いや五十年、百年先の日本社会はどうあるべきか、世界において日本のNGOはいかなる役割を果たすべきか、また果たすことを期待されているのかという歴史的展望の上に立った御批判をお願いしたいと思います。
 最後に、私は、国会議員の皆様に訴えたいことがあります。
 世界人口五十五億人のうち、一日一ドル以下で生活している人が十三億人。そのうち一億六千万人の子供が栄養失調です。経済のグローバル化が進む中で貧富の格差はますます拡大されています。昨年九月のニューヨークにおける悲惨な出来事もこれらのことと無関係ではないでしょう。
 現在、全世界百九十か国のうち百五十八か国が開発途上国であると言われています。日本のNGOは、そのうちの約百か国を対象に活動しているのであります。しかし、NGOの活動はNGOだけでできるものでないことは言うまでもありません。今、私たちにとって最も必要なことは、国民、市民の皆様一人一人によって支えられることであります。一人一人が国際協力は地球市民としての私たちの責任であるとの自覚を持って国際協力に参加してくださることです。
 そして、全世界の多くの人々は、この二十一世紀をその方向に向かって歩みたいと望んでいるのです。国民、市民から選ばれ、国政に参画し、二十一世紀の日本がどうあるべきかを指し示す期待と責務を負わされている国会議員の皆様が世界における日本の役割を明らかに示すことによって、日本の国民、市民、そして若者に夢と希望を与えていただきたいのです。そして、国際協力を通じて、世界の人々から真に期待と尊敬を受けることのできる国づくりに邁進していただきたいと願います。NGOもその一端を担わせていただければと願っております。
 御清聴を感謝いたします。
#6
○委員長(真鍋賢二君) ありがとうございました。
 次に、大西参考人にお願いいたします。大西参考人。
#7
○参考人(大西健丞君) ピースウィンズ並びにジャパン・プラットフォームの大西健丞と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 今日は、短い時間の中、簡単に皆様には二点ほど述べさせていただきたいと思います。現場の視点から見たNGOの感覚をお話ししたいと思います。
 一つが、何ゆえ私がそのNGOとかかわり出したか、どうしてピースウィンズ・ジャパンを皆様の、いろんな方の協力を得て作らしていただいたか。二点目が、どうしてジャパン・プラットフォームという、政府と協調して又は経団連を中心とした経済界の御支援もいただいて、財団、メディア、有識者、そして一般の方々の支援も得て、そういったものを紛争地帯で特に初動に焦点を当てて作らせていただいているか、その二点に関してお話しいたします。
 私は、数日前までイラク北部のクルド人自治区におりまして、ついさっき帰国いたしました。残念ながら、現場の状況はどんどん悪くなっております。よく皆さん御存じのように、イラクに対しては今危機が叫ばれておりますが、現場のグラウンドベースの視点で見てもすべての指標が残念ながら戦争の方を向いております。本当に、よく御存じのように、一九九一年の三月辺りに湾岸戦争が終わりまして、百万人以上のクルド人難民が諸外国、それから避難民として発生いたしました。非常に悲惨な状況だということは皆さんお覚えだと思いますが、その状況が少し緩和されつつもまだこの十年続いております。
 私がイラクの北部のクルド人とかかわり出してからそろそろ十年になりますが、最初そのきっかけは、論文を書いたんですが、イラクの人道介入というものを書いたんですが、知識不足、それから経験不足、なおかつ現地に対する認識が足りないということで全く現実にそぐわないものを作ったなという思いがいたしました。
 現場に独り九三年イラク北部に参りまして、現地をとにかく見てみたいということで入りました。そこで私が驚いたのは、もちろん悲惨な状況にある人々は当然だったんですが、一番驚きましたのは、ヨーロッパのNGO、欧米のNGOですけれども、特にヨーロッパのNGOは非常にパワフルに、しかも迅速に被災者とか戦争未亡人、難民、国内避難民に対して支援活動をされていたということなんです。本当に高いレベルで支援されておられまして、その当時イラク北部のすべての欧米のNGOの予算の総和は、その当時そこにおられた国連の予算の総和よりも大きかったです。なおかつ、NGOならではのスピードを生かした迅速な展開によりまして、非常に有効な活動をされていたように思いました。非常にNGOの強みを感じました。
 本当に、東南アジアで開発の本当に地道な活動をされているNGOをその前に見ておりましたが、私そこでまた新たなNGOの一面を発見したような気がいたしました。
 それから、私はある日本のNGOにチャンスをいただきまして、九四年の末ぐらいからイラク北部のクルド人自治区にNGOの人間として派遣していただきました。そのころから、残念ながら治安状況がどんどん悪化いたしまして、時には銃撃戦、砲撃、たまには地雷原に迷い込みましてなかなか出てこれないという思いをいたしました。時には曳光弾が頭の上三十センチ上をばりばり飛んでいったこともあります。
 そういった中で、治安に関しても非常に勉強させていただきましたが、一番そこで思いに残っていることは、難民キャンプ、避難民キャンプで、私どもは医療、それから食糧支援をさせていただいていたんですが、資金がそろそろ底をついているころでした。そのときに、難民の老婆が私の方に参りまして、孫を連れておりまして、この子の栄養状態というのがよくならないと結局幾ら薬をもらっても意味がないというふうなことをクルド語で訴え掛けられたと思いますが、私が残念ながら今日は調査だけですというふうに申しましたら、取り乱されまして、私はつばを吐き掛けられました。
 そういったケースというのは何回かその後にあったんですけれども、私は別につばを吐き掛けられても構わないんですが、残念だったのは、現場にいながら何もできないという悔しさが募ったことです。それは資金がなかった、人材がいなかった、ストックがなかった、資材がなかったということなんですけれども、そういった悔しさを胸に、NGOとして、事業体として、組織体として現場に責任がしっかり持てるものがないかというふうに考えまして、ちょうどそのNGOがその地域から撤退されるということだったので、多くの人の協力を得てピースウィンズを立ち上げることができました。
 その後、自己資金を中心にイラク北部のクルド人自治区で活動をしてまいりましたが、国連との協調で国連と一緒にやらせていただいて勉強になりました。その後、コソボ、東チモール、それからアフガニスタン、アフリカの紛争地帯といろいろプロジェクトを伸ばさせていただきまして、本当にいろんな勉強になりましたが、また一つコソボで悔しい思いをいたしました。
 というのは、また百万人以上の難民が大量に出てくる中で、欧米のNGOがしっかりとした難民キャンプを設営しておりました。ただ、私どもはまだ組織力が不十分でしたので、そういったいわゆる破綻国家、現状では国家崩壊を起こしている地域は破綻国家というふうにだんだん言われておりますが、それは研究者に譲るといたしまして、その破綻国家の中で、五十万人以上ルワンダのように人が殺されたり、それから百万人以上の難民が大量に出てきたりという現象が破綻国家という名前でこの十年以上続いております。研究者によれば、今後二、三十年は続いてもおかしくないというふうに結論付けられている方もいらっしゃいます。そういった中で、我々、コソボの中で難民キャンプを立ち上げることができずに、結果的に悔しい思いをもう一度いたしました。
 そこで、我々は一NGOとしての限界を感じました。破綻国家の中で一NGOだけではどうしようもないという思いを抱きまして、コソボの紛争がある程度一段落しましたときに帰国しました折、いろいろな方々の御協力を得まして、初動、つまりNGOというのは募金を集めるのに時間が掛かるわけですね。そうすると三、四か月掛かってしまう。一番大事なのは、緊急援助に関しては最初のところで何とかすると、しかもある程度大量の物資を短期間にスピーディーに入れないと費用対効果に合わないということはよくあります。
 そういったことを可能にするために、経済界では経団連を中心に、それから財団、もちろんNGO、それから当時の大蔵省、そして外務省、本当に経済協力局の方にはお世話になりました。その方々、それから一般の方々のいろんな支援を得ましてジャパン・プラットフォーム、つまり破綻国家の中で特に緊急のものを担当させていただくシステムを作らせていただくことができました。
 現在、その皆様の努力のおかげで、アフガニスタンでは約十の日本のNGOがアフガンの国内、それからアフガンの周辺国で活動しております。比較的ではありますが、迅速になおかつ大量のもの、それから機材、人がアフガン周辺国に展開できたのではないかと思います。
 最後に、アフガン復興会議の参加拒否問題を通しまして、私も含めまして様々なNGOに対する中傷を含めた報道がなされました。そういったものを海外におりましてファクス等でいただいて見ておりまして、大変思い悩みました。ただ、自分の結論としては、NGOの私は現場で自分の信条を証明する以外にないという思いに至りました。先ほど申しましたように、イラク危機はどうも近づいてきているように思います。もし、イラクの国内で日本のNGOが必要とされることがもしありましたら、相応のリスクを覚悟してその危機に臨みたいと思います。そうすることによってしか自分の信条を証明できないと思うからです。
 今、日本の若者、特に私よりももっと若い人たちが、二十代の人たちがアフリカ、中央アジア、東南アジア、紛争地帯、危険な地域で日々リスクを負いながら活動しております。ただ、我々はまだ未熟ですので本当に皆様のお力が必要です。一般の方々の御支援も必要です。どうかよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#8
○委員長(真鍋賢二君) ありがとうございました。
 以上で両参考人の御意見の陳述は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○日出英輔君 自由民主党の日出英輔でございます。
 今日は、船戸参考人には、二十八日にお願いしておいて延期して、また御承諾いただいてありがとうございました。また、大西参考人には、イラクの北部からわざわざこの委員会においでになって、本当に御苦労さまでございます。ありがとうございました。
 さて、私は、今回のこの予算委員会の開かれた趣旨は、先ほど船戸参考人がお話しのように、やはり一連の出来事の中で、NGOとは何か、NPOとは何か、あるいはこの役割とは何だろうか、こういったことをやはりこの委員会でもう少し明らかにしないと、ただのニュースの洪水になってしまうというところを恐れたからだろうというふうに思っております。
 先に、順序でございますので船戸参考人に伺いますが、最初に、いろいろ包括的なお話はいただいたんでございますが、船戸参考人は、いわゆる国際協力NGOの中で、ネットワーク型というふうに言っていいんでしょうか、大西さんのところが緊急人道支援型ということだとしますと、ネットワーク型ということでいいんだと思いますが、この船戸参考人のやっておられます国際協力NGOセンターのお仕事をごく簡潔に御説明ください。
#10
○参考人(船戸良隆君) 国際協力NGOセンターといいますのは、いわゆる開発型ですね、先ほど私が申し上げましたように、アジア、アフリカ、その他の開発途上国に参りまして、そして、そこの様々な問題点をともに解決していこうという、そういう活動をしているNGOがありまして、そういうNGO、開発型のNGOの連合体、それが国際協力NGOセンターというものでございます。私ども、そういう個々のNGOが六十七団体集まりまして、そして一つの連合体を作っております。その連合体の名称が国際開発NGOセンターといいまして、そして、そのセンターそのものの役割といたしましては、その各加盟している個々のNGOの活動をより一層促進していくということがその目的になっております。
#11
○日出英輔君 私は、昨年、西アフリカのブルキナファソへ行ってまいりまして、八日間ほど現場を見させていただきましたり、あるいはカンボジアには十二月に参りまして、NGOの方々のお仕事ぶりも直接伺ってまいりました。また、昔からオイスカという活動団体がございますが、こちらで世界各国で植林をやったり、あるいは各国から人を呼んで研修をやったりということについても私も相当知っておるわけであります。
 そういう意味で、NGOのお仕事ぶりというのは、私も知っておりますし、今日おいでのこの予算委員会の同僚の議員もそれなりによく知っていると思いますが、一般的にNGOとNPOはどう違うのかとか、この一連の出来事の中でいろんな問題が出たわけであります。
 私は、時間がありませんので、先ほどの船戸参考人のお話の中で、NGOと政府機関との関係をちょっと伺いたいと思うわけであります。
 下世話に言って、NGOの、日本のNGOの財政基盤が少し、非常に弱いという話がありました。公的な補助金とかあるいは国連関係のお金なども出ているわけでありますが、言ってみて、政府はお金を出すけれども口は出さないと、こういうような付き合いでNGOと政府というのはいいんだろうかどうなんだろうかというところをまず船戸参考人に伺いたいと思います。
#12
○参考人(船戸良隆君) NGOと政府との関係でございますが、NGOとして申し上げたいことは、NGOというのは独立した、そして自らの考えを持った団体であるということをまずNGOとしては申し上げたいと思います。
 もちろん、現在のNGOは公的機関から様々な補助金などをいただいております。ですから、そのいただいている資金をどのように使っているかということを明確にしなければならないということは確かなことでありますし、またある場合には、そのことについていろいろと相談をしなければならないということも出てくるかと思います。けれども、お金を出すから自分たちの言うことに従えと、そういう方はいらっしゃらないと思いますが、もしそういうような意見が出るとしたならば、それはおかしいのではないかというふうに私たちは考えております。
#13
○日出英輔君 私ども、同僚も含めて、そういう方はいないと思いますね。
 ただ、先ほど船戸参考人もお話しになりましたように、このNGOの仕事が多岐にわたっておる、非常に多くの国でやっておりますときに、政府のパートナーという言葉を使っていいのかどうか分かりませんが、皆さん方のいろんな刊行物はパートナーという言葉を使っておられますね。そういうことになりますと、やはりそこでいろんな議論もなさるし、また自分たちの得意技、あるいは自分たちの至らないところ、そこをしっかり自覚しなければならないというふうに私は思います。
 そこで、もう一歩進んで、この公的なお金をかなり入れている、ウエートが高いNGOが多いと思いますが、先ほどちょっと船戸参考人もお話しになりましたが、会計処理の問題であります。これについては、私はホームページなどを見ても、しっかり書いてあるような気もしますし、そうでないような気もいたします。いろいろ問題点が起きてからのこのホームページを見てみますと、もう少しこの財務会計の在り方について、それぞれのNGOがホームページにしっかりと、例えば外部監査を受けたとか、だれから受けたとか、こういったことをしっかり書くとそれなりの信頼感が得られるのではないかと思いますが、この辺のところについてはどうお考えでございましょうか。
#14
○参考人(船戸良隆君) 全くおっしゃるとおりだと思います。ですから、私ども国際協力NGOセンターは、「市民活動団体の会計」という、こういう本を出版いたしまして、この本は、小さなNGOでも会計処理がきちんとできるということをかなり詳しく書いております。これをテキストにいたしまして各地で講習会を開いて、そしてNGOの特に経理面をきちんとしようという、そういう運動を展開しております。
 それから、私どもに入って一緒にやっていこうというそういう団体、NGOの方々からは、毎年必ず収支決算を私どもの国際協力NGOセンターに送っていただくということにしております。そして、私どもはそういうふうに送られましたものを全部ファイルしておきまして、そしてどなたが来て見ていただいてもいいようにそのことをやっておりまして、原則としてはそういう経理の透明化といいますか、どなたが来て見ていただいてもいいということを心掛けております。
 ただ、問題は先ほどの外部監査ということでございますが、私どももそのような形で進めていきたい。またあるNGOは、もうきちんと公認会計士、そういうような外部監査をしていただくというようなことをもう既にしております。ただ、先ほど申しましたように、日本では四百から四百五十ぐらいの大変たくさんのNGOがございますので、その中にはまだ外部監査がきちんとなされていないというところもあると思いますが、そういう方向でNGOは活動したいということを考えておりまして、またその試みをいたしております。
#15
○日出英輔君 もう一つ伺いたいのは、外部監査、会計経理的な問題のほかに、もう一つ、外国ではこのNGOにつきまして外部の格付といったことをやっているという例も聞くのでありますが、私もやはり、このNGOに対するイメージ、これは清く正しく美しくというイメージの人も多いし、会計処理等でいろいろな問題が出たということになりますと、あれっという人もいます。私は、この外部の格付というのも大変大事な観点だと思いますが、これについては船戸参考人、どういうふうにお考えですか。
#16
○参考人(船戸良隆君) 格付ということでございますが、まだ日本のNGOというのは先ほども申しましたように、歴史が三十年、四十年くらいしかございませんので、そろそろ大きなNGOも出てまいりましたけれども、その大部分は非常に小さなNGOが多いわけでございますね。
 ただ、今おっしゃられた趣旨というのは、私たちも確かにそのとおりであるというふうに考えますが、ただその場合、じゃ、だれがどういうような基準を持って格付をするかということは大変大きな問題になってまいりますし、その格付次第によっては、あるNGOはもう駄目になってしまうというようなことも考えられないことはないのでございまして、その点に関しては十分にNGOの意見も入れながら、どういう形でしていったならば日本のNGOを発展させていくために良いかというようなことを考え、ともにそういうものを作るように努力していったらというふうに考えております。
#17
○日出英輔君 九五年にNGO行動指針というのを船戸さんのところでお作りになっておられて、その後、今回の一連の出来事の後で、二月十五日にこの参議院なり衆議院なりの先生方に届けられた声明文がございます。これも実は拝見をしてしっかりと読ませていただきました。私は、この九五年に書きました行動指針とこの今回の二月十五日に書かれました声明文で、九五年のこの行動指針は少し抽象的な感じがいたしますが、今回のは非常に具体的にNGOの強さ、弱さあるいは問題点、先ほどお話になったこと等々についてきちんと書いておられるということを感じました。
 私は、この九五年のこの行動指針をもう少し、もう一度また、今回の一連のお話などもありましたから、NGOの皆様方とお話し合いをいただいて、もっと明確な、NGOに対する信頼感を今回はやっぱり得たところもあるし、そうでなかった面も不幸にしてあったような気もいたしますので、この行動指針の見直しということについて私はお願いしたいのでございますが、どういうお考えでございましょうか。
#18
○参考人(船戸良隆君) 私ども、九五年にこの行動指針を作りました。そのときにはもう非常にたくさんの意見が出て、そしてその集約としてこのような六項目をまとめたわけでございますが、若干抽象的ではないかというような御意見は確かにそうかもしれません。そして、現在、私ども国際協力NGOセンターは、行動、まあ倫理綱領のようなものを、おっしゃいましたように、これをもう少し具体化したようなものを作ったらどうかということを考えまして、そして実際の活動に移っております。
 ですから、そういうものについても、これはNGOがNGOだけでそういうものを作るというよりは、むしろ皆様方の御意見をいただいたり、それはいろいろな分野の方々の御意見もいただきながらそういうことを作るということが私は非常に大切だというふうに考えております。
#19
○日出英輔君 では、次は大西参考人に伺いたいと思います。
 船戸参考人には、最後にまたちょっと伺うことがあると思っております。
 クルドの自治区で活動なさるというのがこのピースウィンズ・ジャパン、平和の風でしょうか、日本語で訳しますと、大変すさまじいところに目を付けられたという気がしております。私も、今日質問するに当たりまして、中川喜与志さんという方の本も読ましてもらったり、余り参考になる本がありませんので少しあれしましたが、読んでみまして、大変クルドというのが、五か国の国境の山岳地帯にある、民族的にいえば世界最大の民族で国家を持っていないという、そういうことなどもちょっと初めて私は知ったわけであります。
 そこで、このピースウィンズ・ジャパンのお話をいろいろ伺いたいのでありますが、一つだけ伺いたいのは、まず最初に伺いたいのは、緊急人道支援型のお仕事をされますね。どこからか復興型の仕事になっていきますね。これは、大西さんがやっておられますこのピースウィンズでは、この緊急のあれと復興というのをどういうふうにして分けておられますか。
#20
○参考人(大西健丞君) お答えします。
 先ほど申しましたように、そういった国が壊れている地域を破綻国家と申しますが、我々はそれをパッケージとして考えております。緊急から入って、その後復興に移るわけなんですけれども、その間に切れ目があってはならないので、全体、国が壊れている破綻国家の現状を全部認識した上でパッケージとして扱っておりますので、アフガンでも当然復興支援まで含むというふうに考えております。
#21
○日出英輔君 私は、そういう面で、緊急人道支援型と開発協力型と言っていいんでしょうか、余りタイプ化して言うのはちょっと申し訳ないんでありますが、そういう方たちとの連携とか、あるいは政府なり政府機関なり、そういったものの連携も大変大事なことだと思っております。
 そこで、一連の報道の中で少し私どもが迷いましたといいますか、よく分からなかったのは、ピースウィンズ・ジャパンというこの大西さんがやっておられるところとジャパン・プラットフォームとの関係ですね、これがいまいちよく分からない。言葉が似ているものですからよく分からない。ちょっとここを御説明願いたいと思います。
#22
○参考人(大西健丞君) 横文字なのでちょっと混同されるときがあるんですが、基本的にピースウィンズというのは一NGOであります。ジャパン・プラットフォームというのはNGOではなくシステムであって、これは政府も含めた上で、外務省ですが、政府も含めた上で連携を持ちまして、プラットフォームというのは元々土台という意味ですけれども、そこにみんな乗って、破綻国家の問題とか緊急人道支援とか復興とか、その先行くぐらいまでを考えてやっております。
 ですから、ジャパン・プラットフォームはNGOではなくて、ある意味では新しく破綻国家の問題に対処するために作り上げられたシステムだと考えていただいて結構です。
#23
○日出英輔君 もう一つ分かりませんのが、このジャパン・プラットフォームの中のNGOユニットというのがもう一つあるみたいですね。このジャパン・プラットフォームのホームページを見ますと、このNGOユニットが、あれでしょうか、どのNGOを参加させるかどうかといったこと、あるいは緊急援助の実施でありますとかシナリオ、プラン等の作成するものなんでしょうか。ちょっと、このNGOユニットというのがまたこのプラットフォームの中でどういう位置付けになっているのか、教えてください。
#24
○参考人(大西健丞君) NGOユニットに関しまして、基本的にはジャパン・プラットフォームの意思決定機関は評議会というところです。評議会は、NGO代表二名、二票、それから政府の外務省、財団、有識者、それから経済界の経団連がそれぞれ一票を持っておりまして、そこで意思決定を行います。
 参加、NGOの参加基準ですが、これは客観指標を決めておりまして、年間予算が幾ら以上で、海外でこういう活動を何か所以上しているという客観指標を満たしましたら、申請しましたら自動的に入れます。ただし、客観指標ですので、満たせない場合は入れません。
#25
○日出英輔君 私はちょっと、この組織を非常に、伺いましたときに、なかなかこういった、先ほどお話しの初動を迅速にするということとしては大変立派ないい組織だと思います。それから、NGOのほかに、財界でありますとかあるいは政府でありますとか、あるいは他のNGOも入っておられる、これも立派なことだと思います。ややもして、政府なり財界の何かそういうものが入りますと嫌だと、こういう方もおられるでしょうから、私は立派だと思います。
 ただ、ちょっと私は、今日のこの大西さんの履歴の中でもちょっとありましたように、このピースウィンズの統括責任者をなさり、更にこのジャパン・プラットフォームの評議会の議長をなさり、更にこのジャパン・プラットフォームのNGOユニットの代表理事をなさっておられる。ちょっと私が拝見した限りでは、このジャパン・プラットフォームで五億八千万でしたか、外務省から前に入れてもらったお金、あるいは経団連の一%クラブから入れてもらったお金をある意味では配っていく仕事だと思いますが、配っていく仕事のこの評議会、評議員の、評議会の議長さんと、何かいただく方のピースウィンズ・ジャパンの統括責任者が御一緒で、かつ、何かNGOユニットの代表理事ということになりますと、一人何役もしておられる。しかも、どうもちょっとよく分かりませんのは、もらっている方と出す方が一緒に、判断をする方と判断をされる方が一緒になっているような感じがするんですが、この辺が実は今回の一番分かりにくかった話の原因の一つじゃないかと思いますので、そこを御説明ください。
#26
○参考人(大西健丞君) 私が代表を務めさせていただいておりますのは、NGOユニットで選ばれまして、それからNGOの意思をできるだけ尊重しようということでNGOが代表に選ばれました。
 御質問の点ですけれども、基本的にもらう方とそれから配る方が同一でいいのかという御質問だと思いますが、予算の配分に関しまして評議会で議論いたしますときに関しましては、NGOはすべて退室しております。NGO以外のそれぞれの評議員の方々に議論をしていただきまして、予算の額とかそういう子細に関しては別のNGO以外の方に決めていただいて、それを後で承るという形にしております。
 本来、そういった予算の微妙なことに関してちゃんとそういう委員会を作ってそこで議論をしていただくはずだったんですが、残念ながらアフガンの危機までには間に合いませんで、変則的にNGO抜きの評議会で決定するということを行わさせていただきました。
#27
○日出英輔君 今のところ、ちょっとあいまいなところがあったので、もう少し詳しく教えてください。
 その評議会は六名ですか、先ほどのお話ですと、六名で、大西さんはそれの議長をなさっておられる。そこである意味では大枠のどのNGOのどういうプロジェクトにどれだけのものを出すかという議論はなさるんですか、なさらないんですか。
#28
○参考人(大西健丞君) そこで私どもNGOが入って議論することは、例えばアフガニスタンで援助を実施するのかしないのか、どういった援助が必要なのかという現地の情報を持ち寄っての議論はNGOが入ってやりますが、予算をどのNGOにどれぐらい付けるかということに関しましては退室してからやっていただいております。その点に関しては非常に神経を遣うべきかと思いまして、かなり距離を置いた部屋に行きまして、一時間、二時間お待ちして、十分結論が出てから参加をしたというふうに思っております。
#29
○日出英輔君 そうすると、大西参考人のところのNGOともう一つのNGOの方は退室なさって、四人の方で議論なさるというふうにおっしゃったんでしょうか。
#30
○参考人(大西健丞君) 学識経験者、それから財団、それから経済界、それから外務省、その四人が表決権を持っておられまして、プラス、アドバイザーでメディアの方が入られて、これは表決権ありませんが、五人で議論された結果を承りました。
#31
○日出英輔君 分かりました。
 やはりそれなりに気を遣っておられるのだと思いますが、ここら辺が一番今回の議論の分かりにくかったところの一つだと思います。
 それからもう一つ、さっきちょっとお話しになっていましたNGOユニットに入れるか入れないかという客観的な参加基準というふうにお話しになったんですが、これは一体どういう基準なんでしょうか。
#32
○参考人(大西健丞君) 二つその基準がありまして、一つはフォーマルステータスと言われるもの、もう一つはアソシエートと言われるもので、二段階に分かれております。
 フォーマル、アソシエートに関しては、年間海外のプロジェクトで使う予算が五千万円以上で、三か所以上のそういう実務経験があると、現場で実務経験があるという条件が必要です。アソシエートに関しましては、もう少し基準が緩いんですけれども、少なくとも現場でそういった活動をしているという条件が必要でして、それ以外に会計基準として複式簿記の採用、これはNPO法人では常に複式簿記を求められているわけではないんですけれども、プラットフォームでは複式簿記の導入を求めております。その他、プラットフォームが求めております現地監査とかモニターそれぞれに関しましても当然応じる義務が生じますので、それを通過したものだけが入れます。
#33
○日出英輔君 大体分かりました。
 次に、大西さん自身のところのこのピースウィンズの方の、これも実は大変誤解のもとになっておりましたのは、幾つかあると思うんですが、一つに会計処理の問題というか、その透明化の問題ではなかったかと思います。
 特に、NPO法人でありますと収益事業はやれるわけですね、当然。その収益を株主とかなんかに配らなければいいわけでしょうから、そういう意味では、一方で公的な資金ももらう、一方では収益事業もされる。これは別に禁止はされていないというふうに思って大西さんの方のピースウィンズを見させていただいたわけでありますが、今そういう清く正しく美しくというふうなイメージでNGOを見ておられる方々にとりますと、一方で収益事業をなさっているということについて、これは収益事業という言い方はいいかどうか分かりませんが、なさっているということで、やっぱりややけげんな感じもします。けげんなといいますか、そういう感じがします。この辺はどういうふうな御感想をお持ちですか。
#34
○参考人(大西健丞君) ピースウィンズが行っておりますものに関しては、基本的にフェアトレードと申しまして、現地の農民が、特に小作の農民が作ったコーヒーであるとか、それからモンゴルの未亡人とかが作って精製をしております現地の岩塩であるとかを入れて、それを一般の方も含めて販売をしているんですけれども、ただ全体の予算に占める割合は五%以下でありますし、それが私どもの給料に還元されるということはありません。それで幾ら収入がありましても私の給料が増えるということはありませんし、それを元に仕事を作り出して、それ自体が支援であるということと、もし利潤が出ましても、それをもう一度戻すための共益費等、事務所を借りるお金とかに使用しております。
#35
○日出英輔君 そうしますと、今ちょっとよく分からなかったんですが、収益事業をなさっているということは、大西さんのところで活動している地域で、この支援活動をやっているときの密接な関係があるという形でそういうことを、収益になるかもしれませんけれども、そういう事業に限っているというふうにお話しになったんでしょうか。
#36
○参考人(大西健丞君) 世界的に見まして、NGOがフェアトレードという、直接農民とつながって貿易をして、それで利潤を分配するんではなくてそれを還元するということは一般的に行われておりますので、ピースウィンズはそれを行っております。
#37
○日出英輔君 ある方の本を読んでおりましたら、大西さんのところのピースウィンズについて、御商売も上手だと書いてあるところがありまして、貿易商顔負けであるというふうに書いてあったように思います。それはそれとして、ですから、今のお話で言いますと、御自分たちが各国へ行かれて活動することとの関連で収益的なことが一部生まれる、そういうふうに理解をして話を進めたいと思います。
 そこで、私先ほど申し上げましたように、一方で公的な資金もいただく、一方で会費、寄附ももらう、あるいは一方でそういった、一部でしょうけれども収益的な事業もなさる。これについての今の会計経理の仕方について、大西さんは大体うまくいっているというふうにお思いでございましょうか。
#38
○参考人(大西健丞君) お答えいたします。
 もちろん、創立してまだ六年少ししかたっておりませんので、当然、最初の段階では未熟な部分もありましたけれども、現在では、会計基準の改善に取り組みまして、すべての会計を外部監査法人にお願いしまして、今は監査を受けております。
#39
○日出英輔君 私も急遽、ピースウィンズのホームページなどのぞかせてみたんですが、例えば、私はこういう問題が出るときに、外部監査を受けている、どういう人に受けているといった名前をウェブ上に載せるとかなんかされますと、もう少し、そういった意味でできますよと、それから収益事業についても、やっぱり収益事業とぽんと書かないで、ちょっと言葉は収益事業と書いてあったような気がしますが、これはこういうことでやっているんだというようなことを書きませんと、大変やっぱり誤解を生ずるんではないかということを、ちょっと余計な話でありますが、私も今日の同僚の皆さん方も、NGOを支援することについては皆さん同じでございましょうけれども、余計な誤解を受けたんではやっぱりうまくないと思いますので、そういうことをちょっと申し上げさせていただきます。
 それで、少しずつ進みますと、私は一番、今回の一連のこの出来事の中で一番、大西さんのお話で言えば、一月十八日付の朝日新聞のこの大きな大西さんのお顔ですね。今そのとおりでありますね。大変大きなお顔であります。この中で、やっぱり私自身もほかの方と一緒に心配をしたかもしれぬし、気になったかもしれぬと思います。私自身はやっぱり一番下の「お上の言うことはあまり信用しない」という一言ですね。大西さん、大阪出身で、言葉は余り大阪の言葉は出ていませんが、大阪の方に言っちゃ申し訳ないんでありますが、よく大阪の方はこういうことをぽんぽんとおっしゃるような気もしないではないんでありますが、こういったことは、大阪の方をあれするわけじゃありませんのでちょっとあれですが、こういったことはよく出がちではありますが、これの真意は何なんでしょうか。
#40
○参考人(大西健丞君) もちろん私の言葉でありますが、実はそれは文脈が違いまして、私がいただいた質問は、そのときは、大学院まで出てどうして国連とかを目指さなかったのですかと言われましたので、風土ですかねというお話をしまして、何ですかと聞かれましたので、私は大塩平八郎中斎先生のお墓と、それから山片蟠桃さんのお墓の間で育ちましたと。そういった気風の中で、お上を信用しないという風土がありますので、そういったものが影響して国連には応募しなかった、それでNGOを選んだのではないですかと。ですから、これはお上というのは、そのときの文脈では国連のことなんですけれども、そういった状況です。
#41
○日出英輔君 伺って大変よかったと思いますよ。大分違った文脈を取られた、こういうのが時々マスコミの悪さだと思います。大変残念なことであります。
 ただ、私は、大西さん、もうちょっと気になりますのが、この中で、最後の方でちょっと読ませていただきますと、「ぼくたちにとって「顔が見える支援」とは交渉相手と認めてもらって、その先の政治プロセスなどにもかかわってゆくための手段。」だという部分があるんですよ。これはちょっと、よくよく丁寧に伺わないといかぬかなと思っておりまして、ここは少し、ここの方がむしろ有識者は大西さんのイメージを別な意味で見ているかもしれませんので、ちょっと丁寧にでもいいですから御説明ください。
#42
○参考人(大西健丞君) 御説明します。
 それはちょっと言葉足らずになっておりまして、私の責任でありますが、本当の意味は、紛争地帯で活動しておりますと、基本的に紛争当事者同士が紛争を続けていると難民がずっと生まれ続けるわけですね。ですから、難民を生まないような環境を紛争の間に入って、つまり紛争解決とか、紛争当事者の感覚でNGOが担っていくところもあるわけです。そういったものの懸け橋、英語ではブリッジングとかコンフリクトレゾリューションとか、いろいろ言いますが、そういったものの役割をNGOが果たしていける可能性があるというお話をしたんですね。
 ですから、政治的プロセスというのは誤解で、一般の政治という意味ではなくて、あくまで紛争当事者の中に入って、何らかのパイプラインをつなげたり紛争を止めるようなブレーキ役を果たせる可能性がNGOにあるという発言をしたのがそういう形になりました。
#43
○日出英輔君 大体はそういうふうに取らないんですよね。余りいい言い方じゃありませんが、NGOの一部の方には、やはり何といいますか功名心といいますか、ちょっと申し訳ない、そう悪い意味で言っているわけじゃありませんが、一部の方でそういうことがあるやに伺っておりますし、そういう意味でいいますと、特に緊急人道支援型というのは一見目立ちます。目立ちますが、やっぱり先ほど申し上げましたように、相手国との関係でいえば、緊急にやること、その後復興あるいは開発、こういったことがしっかりつながっていきませんと、その国は言葉どおりの自立になりませんわね。ですから、私はこのくだりが一番実は気になったわけであります。
 やはり先ほど船戸参考人もお話しのように、アンチガバメントじゃなくて、やっぱりパートナーとしてやっていくというお話が、多分大西さんも同じようなお気持ちだと思いますが、ここはよく私は、これからいろんなお仕事をなさるときでも丁寧にこれはこういう意味だったよということをおっしゃいませんと、いつまでもやっぱり政治の渦の中に入ってしまうような気がします、余計なことですが。
 それで、私は、このピースウィンズ・ジャパンを支援していただいている方々へということで、二月二十日に衆議院の集中審議を受けた後、各、広報から出ておりますね。
 この中で、いろんな事実関係についてこれは事実だとかなんとか書いてありましたが、後の方に、私は、弊団体はあくまでも支援活動を本業としており、アフガニスタンやイラク北部クルド人自治区など多くの危険地域に日本人スタッフを駐在させております。これら地域での緊張が高まる中、東京本部でも、現地派遣スタッフの安全の確保や支援事業の円滑な運営のためにも、本業に集中する必要を感じております。
 私は、これを見ましたときに、一般の方はこの前段の方の本当か本当でないかとかいったようなところに目が行ったのかもしれませんが、私は何かジャパンウィンズの皆さん方のこの声明文は早く本業をやりたいというふうに感じたわけでありますが、これについて御感想がありましたら伺いたい。
#44
○参考人(大西健丞君) 現在、御指摘のように、危険の問題があるんですが、実はPKO要員よりも人道援助活動に携わる者の方が年間多く死亡しております。そういった中で、我々は危険地帯を抱えておりまして、非常に神経を遣いながらやっておりまして、私はほかの日本人スタッフそれからそれぞれの現地スタッフのいわば命も含めての責任者でありますので、そちらに集中しないと責任が全うできないという意味でその文章を書かせていただいたと思います。
 自分としましては、早く本業に専念して、本当にもし危機が来るのであればそこで自分の本分を全うしたいと考えております。
#45
○日出英輔君 今、船戸参考人に伺いたいんですが、大西参考人にいろんな話を伺っておったのでありますが、先ほどきちんとした政府との関係を船戸参考人はお述べになりましたが、今のようなこういった一連の話の中で、もう一度伺いたいのでありますが、政府と特に大西さんのやっておられるところが、何といいますか、ベンチャー的NGOと言っていいのかちょっとわかりませんが、いろんな創意工夫もしながら、比較的新しい新興のNGOだと思いますが、こういったところとの政府とのかかわり合いみたいなことについて、もう一度御感想を伺いたいと思います。
#46
○参考人(船戸良隆君) NGOの活動というのは非常に多岐にわたっておりますし、またそうでなければならないというふうに私は思っております。ですから、大西さんたちの試みは、私は非常にNGOの中でも今後考えていかなければならない、また非常に重要なポイントを突いているというふうに理解をしております。
 政府との関係でございますが、先ほど申しましたように、NGOはNGOとしての独自の見解があり、また方法もあるわけで、そのことも十二分にお考えいただきまして、しかもまた、NGOは何か自分たちだけがいいことをしているんだとか、自分たちがやっていることは正しいんだとか、そういうふうな独断に陥ることなく、NGOもやはり聞くべきことはきちんと聞いていく、そして政府との協議もしていく、その間に信頼関係を持って事を進めていくというのが私は最も重要なことではないかと。お互いに疑心暗鬼で、こんなことを言ったらこうじゃないかというような、非常に政治的というか、それは悪い意味でですよ、悪い意味で、そういうようなことではなく、互いに一つの目標があるわけですから、その目標をどういうふうに達成するかということについてはお互いに信頼関係を持ちつつ協議を続けていくということがもう基本ではないかというふうに私は考えております。
#47
○日出英輔君 最後にお二人に、ちょっと時間がありますので。
 一つは税の問題でありますが、NPO法人の税制優遇措置についてのお考えを簡潔に伺いたい。
 それからもう一つは、国なり国連なりの予算の関係でありますが、私が伺いましたJEN、JENというところの方から伺った話では、事業別のプロジェクトごとの予算でやりますと、例えば日本側の、日本でいいます単年度主義になっていましてうまく使えないとか、やっぱり少し継続性のあるような話になりますと、事業別ではなくて、団体を見た、団体別の予算というのを組み立てる方が必要なんではないかということを非常に強くおっしゃった方がおられました。
 この税の話と公的な予算の方の立て方の話について御意見がありましたら、簡単でいいですが、どうぞ。
#48
○参考人(船戸良隆君) 税の問題につきましては、NPO法というのが、制定していただきまして、そしてそこにおいても少し免税措置というようなことが言われておりますが、しかしそれは大変いろいろな複雑な手続があって難しいということを、これは国会議員の先生方もそれをおっしゃっておりますので、今後その面を改善するように御努力をいただきたいというふうに思っております。
 それから、単年度主義のことでございますが、これは国際的ないろいろな仕事をする場合でも、どうもやはり日本は単年度で継続性が、もちろんそれは継続性を考えていろいろなことを御配慮いただいておりますけれども、やはり制度的にそういうようなことになっておりますので、これはもう少し事業が継続するような形で予算をお考えいただければなお良い成果が生まれるのではないかというふうに私どもは望んでおります。
#49
○参考人(大西健丞君) 手短にお答えいたします。
 税控除に関しては、切に希望いたします。
 二番目、単年度主義に関しましては、やはり単年度主義という問題は海外では非常に問題となっております。ただ、財務省、外務省の御協力で、ジャパン・プラットフォームの場合は、いつ緊急が起こるか分かりませんので、いったん入れていただいたお金を繰り越していいというふうにしていただいております。つまり、単年度主義の壁はジャパン・プラットフォームにおいては既に壊れております。
 それから、最後の、NGOごとにファンドをということで、お金を、資金ということで、これは海外でブロックグラントと言われておりますが、これに関しては、基準を明確にした上で、それを超えれるNGOに対してブロックグラントを提出して、出していただくということは非常に重要かもしれません。イギリス政府は既に四団体に対して相応のブロックグラントを出しております。
 以上です。
#50
○日出英輔君 まだまだ時間があればいろんなことを伺いたいのでございますが、最後でございます。
 私、先ほど、このピースウィンズ・ジャパンの二十日の声明もそうでありますが、何かこういった一つの政治的な出来事の中で今回NGOの問題が出されてきたということは、いい面もあったし、繰り返すようですけれども、やっぱりあれあれという話もありました。やっぱりお二人には、このNGOのお仕事、大変大事でありますから、そういった誤解が出ないような御配慮もしていただきたいと思います。
 それから、参考人としての、ちょっと今回、船戸参考人、大西参考人においでいただきました。特に大西参考人には、クルドから、クルド自治区から来られて、本当は大事な仕事をなげうって来られたんだろうと思います。党派を言ってはなんでありますが、自民党は大西さんをお呼びすることについては別に積極的ではなかったのでありますけれども。ただ、やっぱりこういうことでありますから、事態をしっかり解明するためにお願いをしたわけであります。ただ、私は、大変大事なクルドでのお仕事をこの参考人の質疑によってやっぱりちょっとディスターブしたという面もあろうかと思いまして、これはおわびを申し上げて、お話を、質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#51
○佐藤道夫君 民主党の佐藤でございます。
 両参考人、今日は本当に御苦労さまでございます。厚く感謝申し上げたいと、こう思っております。
 そこで、私から両参考人にお尋ねしたいと思いますけれども、最初に私のいささかの感想を述べておきたいと、こう思います。
 NGOとはそれは一体何だというのがついつい最近までの国民の、何か聞いたような名前だが一体何をやっているんだと、それからNGOとは何の略称なんだと、これを知っている国民がまずいなかったと、こう言ってもいいと思います。こういう国会が皆さん方を参考人として来ていただいて、そして話をお聞きする、それをNHKテレビがまた全国に放映する、こういうことも初めての試みではなかったのかと、こういう気がいたします。かつては知名度がゼロに等しかったと、ところが今や知名度抜群と、こう言ってもいいと思います。
 学校でも、職場でも、家庭でも、折に触れてNGOの活躍状況、あるいはまた今回の紛争、それが話題にされる。今回の紛争という言い方は大変おかしいのでありまするけれども、衆議院の予算委員会で田中眞紀子前外務大臣、それから鈴木宗男衆議院議員、参考人として出頭いたしまして、それぞれの思いを述べたと。あれが大変なテレビの視聴率、十何%に達したと。あの直後は、本当に電車に乗ってもおばさんたちが一生懸命あの議論をしている。いや面白かったね、うん面白かったと、またやってほしいねと。最後が、あれどっちがうそつきですかと、こういう質問が出まして、物知り顔の人が、そんなことは分かっている、あの顔を見りゃ分かるじゃないかと。私、だれのことを言っているのか分からなかったんですけれども、それが大体国民の共通の感覚であろうかと。
 それが尾を引いて、今でもNGOについては国民が大変関心を持って、折に触れて話に出ると。これもまたあした、各家庭、各職場で、各学校でこういう話が出ることになるんだろうかと、こういうふうに思っておりまして、そういう意味では、大変申し訳ないんですけれども、皆さん方にとりましては紛争様々であった、騒動様々であったと、こういうふうに言っても、大変失礼ですけれども、いいのではないかと。
 こういう機会に、どうかこれからも正しいPRと、大金を使って何をやる、かにをやるということではなくて、どうすれば自分たちの人道支援といいますかそういう活躍が国民に理解していただけるのか、そして国民が本当に、あっ、これは本当のわずかでございますけれどもこの浄財をお使いくださいませとそう言って寄附してくれる、そういう時代が来ることを私、皆さん方と一緒に希望しておきたいと、こう思います。
 そこで、今回のこういうNGOのPRになりましたこの元の騒動につきまして、最初に大西参考人にお尋ねしておきたいと思います。
 率直に私申し上げますけれども、まず結論だけをお聞かせ願えれば、一体あの場合に、田中前外相、鈴木宗男議員、どちらの言うことが真実に反していたのか、世間的な言い方をすればうそつきはどちらかと、こういうことであります。
 なぜこんなことを取り上げるかといいますと、やっぱりNGO自体に、あの統括する外務省、これに政治家の圧力があるのではないか、行政の筋が曲げられているのではないかと。何か知らぬけれども、あのNGOを今度のアフガン復興会議に呼びましょうということになったら、それがあっという間に覆されて今度は呼ばないということになった。それがそれがどうしてまた覆されまして、ぜひお入りくださいということになった。これ、大西さんも日本国民ですから、役所からこんな扱いを受けたら大変憤慨するでしょう。一体何をやっているんだとだれだってそう思いますよ。最終的に入れたからいいじゃないかと、そんなことで済む問題ではありません。
 一体なぜこんなことが起きたのか。それについてはこの前の衆議院の予算委員会で田中前外相は、事務当局である野上事務次官、それから重家中東アフリカ局長の話によれば、鈴木宗男議員から圧力が掛かってああいうことになってしまいまして、一回決めたものを取り消して参加させないということになりましたと、こういうふうに特定議員の名前を挙げてはっきり話をしてくれましたと、それを今申し上げておるのでございますと。これに対して鈴木議員は、一切その問題には関与していないと。これも新聞に出ていたことですけれども、何しろあの外務大臣は、前外務大臣はうそつきだからなと、こういうことまで言っておりまして、国民は一体どっちが本当なんだろうかと。これはうやむやのままに済ませるような問題でないことは確かです。
 なぜかといいますと、仮にこれは実力議員が外務行政に介入して筋道を曲げたと、けしからぬということでその議員を排除してみましても、また同じような議員が乗り出してきて、今度はおれの言うことを聞けと。外務省が、外務省で今改革のために大騒ぎをしておりますけれども、ああいうていたらくではどこまで本当に改革できるのか、私疑問、大変疑問だと、こう思っております。
 そういうことで、物事をはっきりさせて関係した者の責任を明らかにして、そうしてやることが何よりの再発防止だと、こういうごたごたはもう二度とあってはならないと、これは皆考えている、国民すべてがそうだ、そうだと言っている。それについては政治家も外務省もしっかりしてもらわなきゃいかぬと。
 じゃ、どうすればいいんだと、一体今回の騒動の本当の原因はどこにあるんだと、みんなそういう感じにとらわれるわけです。ですから、NGOのPR、これも結構なことではございますけれども、その第一歩として、今回の紛争の本当の原因がどこにあったのかということを明らかにする、これも大切なことだと思いまして取り上げたわけでございます。
 そこで大西参考人、あなたの体験にかんがみまして、一回あなたの関係するNGOの団体を参加させると言っておいて、今度は参加させないということになりました。それについて、田中前大臣の発言と鈴木議員の今回の発言、どちらが本当のところを言っているわけでございましょうか。白か黒か、はっきりした話でありまして、片方が本当ならば片方はうそだと、こういうことにもなるわけでありますから、どうか慎重にお考えの上、はっきりと結論だけでもお述べいただきたいと思います。
 外務省に対する遠慮があると。さっきもお上というのは国連のことですよなんて、だれがあんなことを、あなた、信じられますか、率直に言いまして。少なくとも、あれを読んだ人はみんながみんな外務省のことだなと、こう思っていたわけでありますけれども。
 いずれにしろ、あなたは今回の騒動についてどちらの方の発言が正しいと。あなたは被害者の一人であり、被害者の一人というより被害者そのものでありまして、本当に奔走されて、身の置きどころもないくらい悩まれたこともあるでしょう。人をばかにしやがってと、おれだって日本国民なんだと、主権者の一人なんだと、そういう考えを持ったこともありましょう。
 それから、外務省の批判をするとこれから自分の事業に多少の影響が出るのではないかと一切考えない方がいいですよ。民主主義国家というのは、行政や政治をきちっと批判する、そこから新しい民主主義が生まれていくわけですから、何か外務省に有利な発言をしておけばこの次何かのことで面倒を見てもらえるななんというのは民主主義の何たるかを理解しない人だと、こう言ってもいいわけで。
 そこで、最終的に、あなたの今回の紛争についてどちらの議員の談が正確、正しいんでしょうか。それをまず結論だけでも教えてください。
#52
○参考人(大西健丞君) お答えいたします。
 私、鈴木さん、田中前外相それから外務省、四者当事者が多分いたと思いますが、その四者の当事者に関して、事実の認識というか意見が完全に食い違っておりました。
 私が今申せますことは、私は当事者ですので多分第三者的な判断はできないとは思いますが、ただし、私が言っておりましたことを最後まで守っていただきましたのは田中前外務大臣だけでありました。
#53
○佐藤道夫君 結論的に田中前外相の発言が真実であったと、こういうふうに理解していいんだろうと、こう思います。
 しからば、これに反する鈴木宗男議員の発言、これはいささか問題がある、疑問がある、あるいは率直に言えばうそではないのかと、こういうふうに理解してもよろしいわけですね。
#54
○参考人(大西健丞君) それぞれ個々の事実に関してどうかという是非に関してはそれぞれ私、意見を持っておりますが、全体的なことに関して一概に言い切ってしまうというのはどうかと思うんですが。
 ただ、私、繰り返したいのは、資料としてお出し、マスコミにお出ししていたことに関しては、今まで変更も偽りもありません。
#55
○佐藤道夫君 せっかくこういう機会に来ていただいて、あなたのお立場もよく分かりますけれども、しかし、国民に向けて話をする絶好の機会でもありますから、どうか虚心坦懐に、考えておることをストレートに言っていただければ大変有り難いと思います。あんなことを言って、あいつ生意気だからまた外せなんということが、そんな役所があろうかとは思いませんけれども、もしあれば、またこういうところで、あなたは大変けしからぬということを言えばいいわけですから。
 そこで、少し細かい点についてお尋ねしたいと思います。
 最初、あなたは、アフガン復興会議に参加してほしいということは、いつ、外務省のだれから連絡がありました、連絡の方法は、電話なのか書面なのか、はたまたお会いした際の口頭なのか、その辺もちょっと説明してください。
#56
○参考人(大西健丞君) 出席依頼に関しましては事務局がやっておりまして、今帰ってきたところなので、正確に覚えているかどうかは御容赦いただきたいんですが、その週の木曜日にEメールで出席の旨の通知をいただいております。
#57
○佐藤道夫君 一月十八日、先ほども話題になっておりましたけれども、朝日新聞にあなたのプロフィールが掲載されまして、大変好意的な記事でありまして、あなたの今までの御活躍、御経験その他を、一種のPR的な記事になっておりまして、立派なものだと読んだ人は皆感激したろうと思います。
 先ほども言いましたけれども、末尾に、一番下の欄に、「お上の言うことはあまり信用しない」ということが出ておりまして、あれを読んだ人は、大阪の人は特別かもしれませんけれども、みんな、お上というのは役所のこと、外務省のことだなと、百人が百人そう思ったことだと思います。それにつきまして、あなたがもし自分の言ったことと記事が違っておると言えば、すぐ外務省に連絡をして、あの点は違っております、外務省の批判なんかしておりませんよというふうな弁明をなさいましたか。
#58
○参考人(大西健丞君) 弁明は一切行っておりません。
#59
○佐藤道夫君 外務省の方から、今朝の記事を読んだら、あなたは、お上すなわち外務省を批判していますねと、どういう理由なんでしょうか、それをお聞かせ願いたいと、こういう問い合わせはありましたか。
#60
○参考人(大西健丞君) 十九日の四時に外務省の重家局長からお電話をいただくまでは全くございませんでした。
#61
○佐藤道夫君 その重家局長からの電話の内容を少しく正確に、多少長くなっても結構ですから話してください。
 これは行政が、行政が国民の意見にどの限度で介入できるかと、大変重大な問題で、これが先例になりますと、もう行政の批判は一切するなと、どんな不利益を受けるか分からぬぞと、主権者である国民がしり込みをしてしまう。要領のいいやつだけが外務省に取り入って、外務省、外務省と持ち上げて、いろんな仕事をもらってくる、回してもらうということにもなりかねない。
 あなたも、先ほど言いましたけれども、日本国民の一人ですから、主権者ですからね。外務省なんというのは公僕、パブリックサーバントと、こう言いますけれども、しょせんは我々の使用人ですから、何も遠慮することはない。きちっと言っていいわけですからね。その点いかがなんでしょうか、あなたの考え自体をまず聞いておきたいと思います。
#62
○参考人(大西健丞君) 済みません、あなたの考えというのは、それは重家局長とのやり取りでしょうか、それともパブリックサーバント等に関する考えでしょうか。
#63
○佐藤道夫君 ここまで言いたくないんですけれども、何か事が外務省となりますとあなたが奥歯に物が挟まるのかと、こういう感じもしまして、これからの、今までのこともありますけれども、これからの御発言もひとつ率直に言うようにしていただければと思います。
 それで、重家局長の電話の内容を詳細に話していただければと思います。
#64
○参考人(大西健丞君) お答えいたします。
 まず、二十日から二十一、二まで開かれましたアフガン復興国際会議ですけれども、東京会議ですけれども、その件で、一月十九日土曜日の四時というお約束で、緒方貞子共同議長にお会いする約束をプラットフォームの評議員とともにしておりました。
 もちろん、四時数十分前にその現場の高輪プリンスホテルに参りまして、そこで午後四時前後に、重家中東アフリカ局長から私の携帯へお電話が掛かりました。
 その際の御発言は、重家さんが、ちょっと大変なことになった、朝日の「ひと」欄を見て鈴木さんが大変怒っていて、出席させるなと言っている。緒方さんにお会いする直前だったので、その場では取りあえずお電話をお切りしました。で、緒方さんとお会いしてからまたお電話、二回目のお電話をいただきました。それは、重家さんが、鈴木さんがもう一度十八日の朝日新聞の「ひと」欄を見て大変怒っていると、そういうけしからぬ団体は出席させるなと言っている。で、私は鈴木さんとは鈴木宗男さんのことでしょうかというふうにお尋ねいたしました。そうだというふうにお答えになられました。で、非常に困ったことになったと、鈴木さんに謝りの電話を入れてくれないかと。その後、お話をした後に、参加自粛をしてもらうわけにはいかないだろうかと。
 私は、はっきり覚えておりますのは、私の個人としての参加ではありませんので出席を訳の分からない理由で取りやめるわけにはまいりませんし、理由も納得がまいりませんと。ここははっきり覚えておるんですが、外務省の言葉で完全に無理であるということを意味する、非常に難しいというお言葉を使いましてお返しした覚えがあります。そして、重家さんはとても困った様子で、うっとうなられまして、後で担当から連絡させるからまたちゃんと電話には出てほしいというふうにおっしゃって、電話を切られました。
 以上です。
#65
○佐藤道夫君 その際にあなたは、電話でもいいんですけれども、直接会いに行かれてもいいんですけれども、鈴木さんと外務省はどういうかかわりなんでしょうかと。なぜ外務省の決定することについて、鈴木さん、大変力があるんだということですけれども、しょせんは一介の、一介と言うとまた怒られるかもしれませんけれども、一介の国会議員ですから、なぜそういう役所の決定について口を挟むのか。私だって国民、鈴木さんだってそういう意味では同じ国民。国民対国民が、何か不愉快なことを言うと謝りに行かねばならぬと、それはどういう意味でしょうかと。普通ならこういう理屈を立ててきちっと重家局長と議論をするわけですけれども、それは考えられなかったですか。
#66
○参考人(大西健丞君) 当日は会議の前の日でして、事務作業等が一杯ありました。
 ただ、その中で私は申しましたのは、「ひと」欄、朝日の「ひと」欄というものの中で、確かに私の本意とはちょっと違った形で報道された部分もあるんですけれども、ただあれは、物を言う自由が保障されている国ではあれは問題になるべきではないと考えましたので、私はそういう理由で参加を自粛とか拒否されるということは間違いだと思いますということは言った覚えがあります。
#67
○佐藤道夫君 それに対する重家局長の答えはどういうことでしたか。間違っていないと、おれは局長だと、あんたが間違っているんだと、こんなことでしたか。
#68
○参考人(大西健丞君) いや、真摯に逡巡されておりまして、うんとうなっておられるというのが現状で、本当に、威張った感じは本当になかったと思います。
#69
○佐藤道夫君 余り、言葉じりにこだわるようでありまするけれども、やっぱり大事なことは大事なことですから、なぜ同じ国民の私が同じ国民である鈴木議員に謝罪せねばいかぬのか。外務省から、これは外務省に対する批判でしかも間違っていると、謝ってほしいというなら分からぬでもないけれども、なぜ鈴木氏に私のあのコメントで謝らねばならないのか。それはだれだって疑問に思うわけですからね、当然お聞きになったと思うんだけれども、お聞きにならなかったんですね。
#70
○参考人(大西健丞君) 私が謝罪する理由が全く分かりませんとは申しました。ですから、謝りに行くことはできませんと、はっきり重家局長にお伝え申し上げました。
#71
○佐藤道夫君 鈴木氏と外務省の関係についてはかねがねいろんなことを聞いておられたと思います。そういうことに根付いて考えると、やっぱりあの人のところに本来は謝りに行くべきなのかと、そういうふうに外務省が判断するのも無理からぬと、そう考えられましたか。
#72
○参考人(大西健丞君) 私は、副大臣、外務大臣でない方で、鈴木さんのところに謝りに行くのは筋が違うと思いましたので、先ほど申しましたことを述べました。
#73
○佐藤道夫君 その後、それでは参加を拒否するというふうに言ってきたのはいつで、その方法は、先ほども聞きましたけれども、電話か書面か、いかがでしょうか。
#74
○参考人(大西健丞君) 数度ありました。まず最初は、正式なというお言葉をいただいたのが三度あります。
 一月十九日夜十時、宮原中東アフリカ、済みません、中東二課長より私の携帯にお電話がありまして、まず出席を拒否せざるを得ないという簡単な御連絡をいただきました。
 その後に、深夜の、二十日になっておりましたが、一時に私の携帯にまた電話がありまして、当課長から、正式に連絡します、大西さんは、朝日の「ひと」欄の記事による、政府に対して、朝日の記事によると、政府に対して非協調的なので、大西さんが代表を務める二団体が、これは、ピースウィンズは私は代表を務めておりませんが、統括というか執行責任者なんですけれども、彼、担当課長がおっしゃった言葉は、大西さんが代表を務める二団体を政府が主催する国際会議に出席させることはできないと申されました。ただ、その際に私は、ジャパン・プラットフォームは外務省もお入りになっておられますけれども、それを御承知ですかというふうに伝えました。
 そうすると、一時十五分ぐらい、深夜の一時十五分ぐらいに再度連絡がありまして、同課長から、訂正しますと、ジャパン・プラットフォームはNGO以外にも経済界、外務省、財団、メディア、学者などが入っているのでNGOとしては認められないと。ですから、NGOの出席を優先したいので、ジャパン・プラットフォームはNGOでないから出席を拒否しますと、ピースウィンズに関しては、私の先ほどの理由、非協調的だと、政府に対して非協調的だという理由で参加は拒否させていただきますという内容でした。
#75
○佐藤道夫君 これも実は大変重大な問題がありまして、あなたは外務省がそう決定したということを聞いて、当然大臣まで話は上がって、大臣の了解の上出席を取り消したと、国民なら皆そう思うわけです、あなたもそう思われましたか、これは大臣の了解済みの上だと。
#76
○参考人(大西健丞君) もちろん議論の、議論というか討議の過程で確認をいたしましたが、大臣という言葉は使いませんでしたが、一体どのクラスの方が意思決定をなされているのですかという質問をいたしましたら、相当上の方が、相当上の者が意思決定をしたので私としてはどうしようもできないという回答でした。
#77
○佐藤道夫君 相当上の方といいましても、大臣と事務次官では天と地ほども違うわけです。事務次官というのは、単なるこれは事務方のトップにすぎませんから、こういう政治的な判断を要する事項、特に国民に対して一回出席という権利を認めて、どうぞと、来て自由に御討議くださいと言っておいて、それをあれだけの記事でもって、あんなことはしかし、いろんな今まであなたが政府に対して批判的な言辞を弄していたことも外務省は知ってのことで、さらに、それは分かりますと、どうぞ全部参加してくださいとこう言っていた、権利を与えたわけですよね。それを、大臣に相談もせずにそういうささいな理由で取り消してしまうなんということはできるわけがないんです。お分かりでしょう、これは。
 仮に裁判に訴えれば、あなた勝ちましたよ、あの時点で。分かったと、じゃ私は裁判に訴えて権利を擁護してもらうからと、それでよろしいなと、こう言っていいわけで、ちょっと理屈っぽい人なら皆そういう議論をするはずですけれども、そういうことは頭にありませんでしたか。まあお上の言うことだ、しようがないかとは思われなかったんですね、何か翌日また記者会見や何かしておられましたから。その気持ちをちょっと率直に話してください。
#78
○参考人(大西健丞君) 裁判は考えませんでした。なぜかというと、本国、日本では裁判時間掛かりますし、また、裁判をやっていますと私の本分である本業が十分手が回らないという判断がありましたので、それは念頭にありませんでした。
 ただし、私としましては非常に不服でありましたので、その次の日に記者会見を行って、透明性を上げるために、もう皆さんにすべてを公開するしかないという決意を持って、その次の日十二時に記者会見を行いました。
#79
○佐藤道夫君 外務省は事務当局が大臣を無視してああいうことをやっていると、一体これ、日本のお役所なのか何なのかという疑問は当然持たれたと思いますけれども、そういうことでしたね。
#80
○参考人(大西健丞君) 真偽に関しましては外務省の中のことなので私は分かりませんが、私が持ちました印象は、外務大臣に情報は上がっていないというふうな認識を持ちました。
#81
○佐藤道夫君 そこで、あなたが記者会見をされて、それが一つの問題提起ということになって、外務省から、また方針が変わって是非とも出席してくれと、こういう要請が来たわけですけれども、それはいつ、今度はどういう連絡だったか。
 それと、外務省が、本当に申し訳ないことをしたと、そういう謝罪の言葉を吐いておりましたか。国民の人権を踏みにじっておいて、また元に戻せばいいだろうと、そんなものでないことも確かなんですよね。本当に申し訳なかったと、話はそこから始まるわけですけれども、そういう真剣に反省する態度、言葉がありましたか。
#82
○参考人(大西健丞君) 謝罪に関しましてはございませんでした。謝罪、外務省からの私に対する謝罪に関してはございませんでした。
 あと、参加に関しましては──ちょっとお待ちください。済みません、ちょっと、帰ってきたところでまだジェットラグで頭がぼけておりまして。二十一日に外務省から、十時ちょっと前だったと思います、九時過ぎだったと思いますが、重家局長と、最後の連絡をいただきまして、参加を認めますということで、結局、残りの限られた部分に関しては参加を認めるということの御発言をいただきました。
#83
○佐藤道夫君 外務省と鈴木議員とのかかわりについてでありますけれども、あなたは、昨年の十二月計三回、本年の一月八日一回、計四回にわたって鈴木さんを訪ねておりますね。あのいきさつをちょっと話してください。鈴木氏は、呼び付けたんじゃないんだ、向こうが何か会いたいと言うから招き入れただけだと、こういうことを言っておりましたけれども、事実関係はどうなんでしょうか。
#84
○参考人(大西健丞君) お答えいたします。
 まず最初、十三日に私の携帯に突然、鈴木議員の秘書から電話がありまして、初めて私の携帯にそういう方からお電話が掛かってきたのでびっくりいたしました。で、ちょっと待ってくれということで、どなたが出るのかなと思っていたら鈴木さん御本人が出られまして、おまえはマスコミにちゃんとレクチャーをしているのかということでずっと三十秒ぐらいどなられておられまして、その後に、ちゃんと説明しに来いと。ちゃんと説明しろということでどなられましたので、分かりましたということで行くことに、事務所に行くことになりました。
 その他に関しましては、四回あるんですが、そのうちの真ん中の二回は、私どもピースウィンズのスタッフが私の代わりに、つまり私はアフガンに行っておりましたので私の代わりに行っております。私は、一番最初と一番最後、四回目に出席をしております。二回目、三回目に関しましては、外務省からとにかく来てくれという御要望等がありまして、外務省の手配で鈴木議員の事務所を訪ねたという事実です。四回目に関しましては、これは呼び付けたということではなくて、間に、調停にいろんな方に入っていただきまして、調停というか、話し合いということで鈴木議員の事務所を私が訪ねたということになっております。
 ですから、一、二、三回に関しては、私どもとしては望んで行ったわけではないと。四回目に関しては、調停ですので、もちろん意思を持って参りました。
#85
○佐藤道夫君 これまた大変おかしいのですけれども、あなたが鈴木事務所に行く際に外務省の担当官が付き添っているようです。同行しているようですね。あれは何なんでしょうか。公務として行っているのか。
 先ほども言いましたけれども、一議員にすぎませんからね、あなたが行って会って話をすればいい。場合によったら、忙しければ、じゃ、こちらに来てくださいと、あなたの事務所に鈴木議員に来てもらって話し合ってもいいわけでして、それに、公務か私用かよく分かりませんけれども、お役人が立ち会っている。あなた、不思議に思いませんでしたか。
#86
○参考人(大西健丞君) 一回目に関しましては、私、突然そういった口調のお電話をいただいたので、びっくりしまして、外務省にお電話をしまして、これどういうことでしょうかと、まず大体私の携帯の番号がどうして鈴木事務所の方が御存じなのか分からないと。外務省の方は御存じだったので、多分そこだと思ってお電話しまして、どういうことかというふうにちょっと説明を求めましたら、一緒に行こうということにその電話でなりました。
 終わります。
#87
○佐藤道夫君 先ほどから同じことを言って、そういう場合に外務省の方に、あなたどういうお立場でしょうか、それから鈴木議員と外務省とはどういう関係でしょうか、私がなぜ呼び付けられて外務省ではなくてあそこに行かねばならぬのかと、そういう質問はしませんでしたか。
 これ、大事なことなんです、これから日本の民主主義ということを考える上で、国民と行政のかかわり、あるいは国民と政治のかかわりを考える上で。皆あなたのように唯々諾々となって、ああ行きます行きますと言って、それに何か知らないけれども外務省の役人が付いてくる。一体何なんだと、これはということをやっぱり一人一人が考えて、それを議論をして、外務省の言うことが正しいと思えばああそうですねと言ってそれに従えばいいだけですから。疑問を呈することが大変大事なんですけれども、そういう考えについてどういう御感想をお持ちでしょうか。
#88
○参考人(大西健丞君) もちろん、本来は外務省もしくはどこか公的なスペースでそういうお話をすべきだというふうな頭は当然ありました。私、イギリスに留学させていただいておりましたので、そういう過程をつぶさに見させていただいておりましたので、その過程がいびつであるということは十分承知しておりましたが、ただ、この国の慣行としてそれがまかり通っているというのも存じておりましたので、問題の本質は、その制度のことをそのときに話していたわけではありませんので、政治制度のことを、援助のことでしたので、あえて慣行に従わせていただきました。
#89
○佐藤道夫君 今、後ろの方でNGOの在り方を議論してほしいなんというやじが飛んでおりますけれども、こういうことが実は政治と行政の基本なんですよね。NGO、幾らきれい事を並べてみても、政治とべったりだ、行政に支配されている、一体何だと、こういうことになりかねない。やっぱり、NGOにかかわる人が、一人一人自分の信念に従って、考えを持って、議論するところはきちっと政治と行政と議論をしていく、これが民主主義の根幹だということをひとつ考えていただければありがたいと思います。
 それから、あなたが去年から今年に掛けて鈴木事務所に行った際に、いろんなことでどなられたと。鈴木議員に言わせると、どなってはいないと、若干声が高いだけだと。あの人の声の高さというのは相当な高さですからね、大分気にもされたんでしょうけれども。
 先ほども出ていましたけれども、税金の話が出て、税金はおれが集めているんだと、おまえらは何だと、使う一方ではないのかという話があったと。それから、これは、あなたか、それともあなたの職員が行ったときか、何か民主党の議員を案内したと、野党と与党を同じに考えている、けしからぬということも言われたという話が新聞にも掲載されておりました。
 そのほか、あなたの立場で鈴木氏の話を聞いて大変気になるようなこと、NGOの在り方について自分が支配しているとか支配していないとか、それから、外務省と自分とのかかわりについて、おれは何でも外務省に言い付ければすぐ実現するんだとか、国民の立場で気になるような話、耳に残るような話があれば、どうぞ遠慮なく皆さん方に話してやってください。二度とこういうことがあってはならないと、こういう前提でお尋ねしているわけですから、何ら遠慮は要りません。
#90
○参考人(大西健丞君) お答えします。
 先ほど申しましたように、税金のお話とそれから民主党等の方々を御案内した件に関しましては、真ん中の二回でして、私アフガンに行っておりましたので、私どものスタッフが、最初は二人ですね、それから次が一人で呼ばれたときにメモした、その後にメモしたものを使っておりますが、ただ、これは実はできるだけ客観性を持たせるために、二人で行った場合にはもちろん二人の意見が一致するところだけを残して、なおかつ形容詞や副詞は全部省いてあります。一か所だけ人の人格攻撃という部分がありましたので、その単語も修正してあります。
 以上です。
 一般的な印象に関しましては、私の父親も昭和一けた生まれで、そういったどなるということはよくありましたけれども、ただ、ですから、すべてが悪意だとは思わないんですけれども、声が大きかったと。ただし、私が思いましたのは、初めて、ほとんど初対面に近い民間人に対してよくこういうお話の仕方をされるのかなというふうに印象を持ちました。
#91
○佐藤道夫君 これも何度も、質問の繰り返しになりますけれども、自分と外務省のかかわりについて何か説明しておられましたか。こういうことで自分は外務省の問題について君に尋ねているんだと、自分の立場はこうなんだと、そういう説明がございましたか。
#92
○参考人(大西健丞君) 全くございませんでした。
#93
○佐藤道夫君 大分時間もかさみましたのでこのぐらいにいたしますけれども、大切なことなのでお断りさせていただきたいと思います。
 先ほども言いましたけれども、政治や行政を批判するのは国民の権利です。国民はそれを、政治家あるいは官僚はそれを厳しく受け止めて、直すべき点があれば直すと。それは国民の権利でもあり、私はよく言うんですけれども国民の義務でもあるんですね。いい加減な政治家だなと、こう思ったら遠慮なく、こういう点は先生おかしいですよと、直してくださいと。それから、官僚に対しても、あなた方これはおかしいんじゃないですかと、私とあなた方の問題になぜだれとも知らぬ政治家が首を突っ込んでくるんですか、あなた方それをおかしいと思わぬのですかと、そういうことを国民が声を上げることがこの国の民主主義を確実に前進していくルートだということをお考えいただければ有り難いと思います。
 その次に、何といいましたっけ、船戸、失礼、失礼、参考人にお伺いいたします。
 私、一つのこれ提案なんですけれども、あなたは行動指針、NGO行動指針の第六項で「厳正な資金管理」ということを提案しておりますね。これ先ほど話出ていまして、私も全くこのとおりだと思います。
 我々はもう全人類のために身を粉にして頑張っているんだと、少々の金ぐらい余り文句言うなと、こういう気持ちになっては誠にもってけしからぬ話なので、そういう崇高な仕事をしているからこそ、金については一言も、だれからも文句を言わせない、きちっとやっておると、こういう姿勢が大切なんだろうと思います。
 「厳正な資金管理」と、これでどういうことをお考えでしょうか。
#94
○参考人(船戸良隆君) おっしゃるとおりだと思います。
 それで、私どもは、先ほどもちょっと出ましたけれども、NGO行動指針というものを出しておりますが、それは若干抽象的に過ぎるというふうに思いまして、私どもはNGO行動指針の見直しと行動倫理委員会の設置ということを考え、それからまた、第三者によるNGO監査機構の設置というようなことも考えて、今後この問題についてNGOの中でも話し合うと同時に、多くの有識者の方々、また先生方、国会議員の皆さんと、そういういろいろな方々からお知恵をちょうだいいたしまして、そういうものを確立していきたいというふうに考えております。
#95
○佐藤道夫君 また冷やかすようですけれども、余り偉い方々を集めて、国会議員だ何だかんだ集めてさあといっても余りまじめな討議は行われない、私の今までの経験からいいましても。
 むしろ、内部に資金管理あるいは調査委員会的なものを立ち上げまして、そしてほかのNGOの団体が、あの団体がおかしいんじゃないかと思ったらそこに連絡をして調査をすると、若い職員を配置して活発に行動できるようなスタイルを考える。外部のものも、どうもあの団体はおかしいですよ、税金をあれだけもらいながら、懐に入れているんじゃないでしょうかという疑問があったら、NGOを通じてその調査委員会に連絡をして調べてもらうと。そして、最後は、手に余るようならば、やっぱりこれは刑事告発も考えていかなければならないことで、いささかの不正も許されないことだけは確かでありまするから、どうかそういうことで今後のNGOの新しい歩みということを考えてもらいたい。今や二十一世紀ですから、今までと同じ、そんなことで通る時代ではないと思います。
 以上をもちまして、私の質問は終わります。(拍手)
#96
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 両参考人には、またお忙しいところ、また遠くからわざわざおいでいただきまして、感謝を申し上げます。
 お二人の先行の委員からもお話がございましたが、確かにNGOに関してこれほど話題になった時期はないのではないかと思いますが、ある意味では絶好のチャンスなんではないか、国民的理解をどう深めていくか、日本社会の中におけるNGOを今後どう発展させていけるかどうか、これが非常に今大事な岐路に立っている、このように思っております。
 NGOといいますと、国際協力的なNGOもあれば、国内のいろんな介護活動とか医療活動とかやっている組織もございます。船戸先生のところから送っていただきましたこのNGOの立場表明についてという、そういう中でNGOの定義みたいなのがありますが、そこでは、地球社会の問題に市民の立場で自発的に取り組み、国境を越え、また国籍や文化の違いを超えて活動する国際協力市民組織、こういう定義、これは確かにそう、当たっているな、市民というより私はもっともっと全人類的な基礎といいますか民衆組織、そういうふうに言っていくべきなんだろうなというふうに思っておりますが、ただ、いろんな活動をし、またいろんな、玉石混交なんて言っては怒られてしまいますが、組織があるわけで、それをどのように育成をしていくか。先ほども船戸参考人からも御意見がございましたけれども、その点についてお聞きしたいと思うんですが。
   〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕
 二月の二十一日付けの南日本新聞で、カラモジアが破綻したという記事が載っておりました。そんなものも含めて、ちょっと簡潔にその育成策といいますか、船戸参考人の方から御示唆いただければと思います。
#97
○参考人(船戸良隆君) 具体的な育成策ということは、今、NGOの中ではキャパシティービルディングというふうに言われておりますが、体質強化ということでありまして、先ほど私が申し上げましたように、それは例えばJICA、国際協力事業団ですね、そういうところと一緒になって研修というようなこともしております。
 それからユニセフ、そういう国連機関などとも一緒になって、そして私どもその体質強化にかかわっておりますが、また個々のNGOにおいても、それから私ども国際協力NGOセンター、JANIC、こういうふうに申しますが、JANICにおいてもさまざまなプログラムを作りまして、そして今やキャパシティービルディングブームと言われるくらいに多くのプログラムが作られ、そして私どもNGOの体質強化のために努力をしております。
 しかし、先ほども申しましたように、大変多くのNGOがありまして、そしてその中には様々な意図を持つ団体がありますので、ある団体においては多少問題があるというような団体も出てくるかもしれません。そういうときに、私どもはどういうふうにして問題を解決していくかということで、例えば一例を申しますと、もし私どもの団体、国際協力NGOセンターに所属している団体がそういう問題を起こした場合には、私どもの理事会にその団体の事務局の責任者の方に来ていただきまして、そして内容を詳しく伺う。そして実際にどういうふうに、なぜそういう問題が起こったのかということをともに調べていき、どうしたらそういう問題を防げるかということについて話合いを実際にさせていただいたと、そういう例もございます。
 ですから、私ども、極力そういう問題が起こらないようにいろいろな形で工夫をしながら進んでいきたいというふうに考えております。
#98
○魚住裕一郎君 そういう中で、会計の問題等が先ほど出されたところでございますが、種々努力されているわけでありますが、例えば、寄附をしたいなというような市民の立場からしてみますと、寄附先がどういうところか分からない。そうすると、どんな活動をやっているのか、あるいは財務上どんな形になっているのか。それで格付というようなことも出てくるんだろうというふうに思いますが、ただ一方、この市民組織あるいは民衆組織という考え方からしますと、やはり市民の創造性というか自発性、これが大事になってくると思うんですね。その裏付けとしての会計でございますので、その点どういうふうな調節といいますか、図っていこうとお考えでしょうか。船戸参考人。
#99
○参考人(船戸良隆君) 先ほどもちょっとお話にありましたように、今、割合に重立ったNGOは大体ホームページというものを持っておりまして、そういうところにある団体は経理まできちんと出して、そしてどなたでもそれは見られるというような形を取っているところもございます。
 必ずしもそれが全部の団体に徹底しているということはまだ言えないかと思いますが、先ほど申しましたように、私どもに加盟している、国際協力NGOセンターに加盟している団体に関しましては、年に一回の会計年度のときにそういうものをすべて資料として私どものセンターに送っていただくということを義務付けておりまして、そしてそういうものは、送られたものはすべて公開をするということの了承をいただいております。そのような形で、なるべく皆さんからいただきました会費又は寄附というものは正しく使われているという、そういうことを分かるように努力をしていきたいというふうに考えております。
#100
○魚住裕一郎君 船戸先生のところの国際協力NGOセンターの中にもいろんなNGOがあると思うんですけれども、今回、政府とNGOの関係ということがかなりクローズアップされたんですが、ここに新聞記事なんですが、馬橋憲男先生の記事といいますかコメントが載っているんですが、政府との関係において、政府とNGOのパートナーシップが確立しているカナダや北欧諸国を見ると、NGOなりNPOなりは社会のために市民の力や創造性を引き出す拠点であり、同時にセーフティーネットであるという社会的なコンセンサスができていると、そういう認識を示された上で、政府も議会制民主主義を補完する回路としてNGO活動を奨励しており、こういうような記述があるんですね。
   〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕
 政府と、NGOの政府に対する姿勢、いろいろあると思います。これは批判的なところもあれば、あるいはもう協調してやっていこう。例えば、イギリスの例ですと、イギリスの外務省は二年ぐらい前からNGOと人事交流を始めたということでございますが、それでも環境NGOとか遺伝子組換えとか核燃料で、そういう問題については政府と対決する。しかし、温暖化とかあるいは捕鯨問題ではがっちりと政府とスクラムを組む。いろいろ対政府との間の姿勢でばらつきがあると思うんですね。
 恐らく船戸参考人のところでもあると思いますが、今後、政府との関係を作っていく上において、NGOセンターとして、理事長としてどのようにお考えか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#101
○参考人(船戸良隆君) 基本的には、先ほども申しましたように、NGOというのはノンガバメンタル・オーガニゼーションでございますので、それは政府の組織とは違うということは、もうこれはもう初めから自明なことでございます。ですから、政府の意見と全く同じでなければならないということはないというようなことはもう当然のことであります。
 先ほどお話がありました人事交流というようなことでございますけれども、これは諸外国ではごく当たり前のこととしてなされております。
 ただ、日本のNGOというのはまだ生まれて間もないということもございますので、専門家ということですね、政府の諸機関と人事的に交流するということはNGOの側でもかなり専門性が要求されるわけです。ですから、私たちとしましてはその点も努力をして、いわゆるプロフェッショナルになっていくという努力は当然続けなければならない。
 ですから、先ほども申しましたように、イコールパートナーといいましても、なかなかNGOの方の力量がそこに到達しないというような面もありますので、それは十分にNGOの方も実力を付けるように努力をしていかなければならないというふうに私は考えております。
#102
○魚住裕一郎君 続きまして、大西参考人にお聞きをしたいと思います。
 先ほど本当に現場からならではの参考意見といいますか、御意見をいただいたわけでありますが、最後の方で、現場で自分の信条を証明するしかないというような真情も吐露されておりましたが、今回の一月の末以来といいますか、一連の経緯の中で、先ほど先行委員の質問の中で、田中元外務大臣あるいは鈴木宗男代議士、圧力云々とか、あるいはどちらが正しいか、そういうような御質問があって、御意見の中で、貫いてくれたのは田中元外相であると、そういうようなお話もございました。
 ただ、政府で、いろいろ新聞で問題になっているというのは、言った言わないを含めまして、どっちかというと大西さんはその外といいますか、じかに言った言わないと、その現場にいたわけではないわけですから、いろんな姿勢として、結果として報道で知り得る範囲内でそういう印象を受けたということで受け取ってよろしいんでしょうか。
#103
○参考人(大西健丞君) 私が今まで申しますことは、私が直接お話しした方、例えば重家局長その他の外務省の方と、その以前に鈴木さんとお会いしていた過程のことでありまして、そこまでが私が知り得る事実であります。その先の推測に関しましては、私からの推測に関しましては述べておりません。外務省の中でのお話に関しましては私は当事者ではありません。
#104
○魚住裕一郎君 じかに直接経験したことと、また推認に基づくもの等は本当にかき分けてしっかり聞いていきたいなというふうに思っております。
 昨年十一月の四日付けですか、新聞に大西さんが「NGOを生かす」という、そういう特集なんでしょうかね、これ、こういう新聞記事、日経新聞がございますけれども。「日本を「人道援助大国」に」、正にそのとおりだなというふうに思うところでございますが、今、NGOをどう育成するか。先ほど船戸参考人にも聞いたところでありますが、現場で、世界各国回っておられて、ここにも若干書いておりますが、どうすれば、自分も育成される側といったら変な表現になりますけれども、どうすればもっともっと活躍できるNGOを育てていけるのか。思っておられることをちょっとかいつまんでお話をしていただけますか。
#105
○参考人(大西健丞君) では簡単に。
 NGOだけの問題ではなくて、実はこれは日本社会の問題だと思います。今は一般に市民社会とかシビルソサエティーとか言われておりますが、そういったものは多分財団、それから財団がしっかりして、研究所があって、NGO、NPOがあってという、そういったすべてを総合してシビルソサエティーとか市民社会とか言われているんですけれども、その中のNGOは一つですので、いわゆる市民社会が育ってこないと、シビルソサエティーが育ってこないと多分NGOも伸びていかないと。
 ですから、NGOだけの問題ではなくて、これはもう財団と、財団の力が弱いとNGOも育たないし、政府との関係でもある意味で対等なパートナーシップがないと育たないと。これはパッケージだと思います。
#106
○魚住裕一郎君 この新聞でのインタビューの中では、もっと、外務省の支援姿勢は評価したいと言いながら、額をもう少し大きくしてもらいたいということが一点。二点目が、本部の管理費の問題について、事業費の一定割合を何とか使えるようにしてもらいたい、そういうお話も出ております。
 また、昨年の十月から始まったNPO支援税制も問題点が多い、使いづらいと、そういうような視点も述べられておられたところでありますが、先ほどフェアトレードの話が出てまいりました、収益事業。これは、私は、政府からの援助であるとか、あるいは市民の寄附とか募金とか、そういうのはあるけれども、迂遠だと。私も、働いてもうけてそれをNGOの活動に生かしていくべきであると私は個人的には思っておるんですが、そういう公益的な活動で、みなし寄附の控除というのがあるのを御存じでしょうか。まだその税制が要請はしているところでございますけれども、その点についてコメントございますか。
#107
○参考人(大西健丞君) 税のことは専門でないので間違うかもわかりませんが、フェアトレードで収益をした収益部門が出た利益を本業のいわゆる海外での援助活動に寄附をしようとしますと、まだ税控除にはなりません。税金が取られます、同じ団体の中でも。それはぜひ是正していただきたいと思います。
#108
○魚住裕一郎君 先ほども引用がございました「ひと」の欄のことでございますが、新聞記事でございますが、「お上の言うことはあまり信用しない」、私もそれを聞いて何か半分そうだなというふうな気もするんですね。それはなぜかといいますと、これは民主主義というのは、そもそも不信に基づいてと言ったらおかしいと思いますが、しかしやはりしっかり政治を有権者が監視をしていく、これが一番大事なんだな、全部信用しちゃったら独裁か民主集中かどっちかしかないな、そんなふうに思っているわけでありますけれども、そういう立場からしますと、この発言は、ああ、なるほどなというような気もします。
 ただ、せっかくジャパン・プラットフォームを作られて、今までの活動よりもより広く、政府も巻き込みという表現よりも、政府にも来ていただいて、また財界にもいろんな資金であるとかいろんな製品を通じてこのNGO活動に協力をしてもらう、そういうような土台を作られてきていく中で、今後、政府、財界とのかかわりをどのように構築を図っていこうとされているのか。今回の事態、一月、あるいは十二月からの事態は、本当にそれをきっかけにしていい方向に行ってもらいたいなと私は思っているところでございますが、この点はいかがでございますか。
#109
○参考人(大西健丞君) 従来から、先ほども申しましたように、いわゆる破綻国家の問題を取り扱っておりますので、NGOだけではどうしようもない問題です。国連だけでも無理で、政府だけでもうまくいかない。そういった問題を取り扱うときに、やはりこの社会全体で、政府も含めて取り扱う必要があるという信条でやっております。
 ただ、大阪出身ですので、お上に対しての姿勢というのは個人的には少し違うものがありますが、私は、破綻国家の中で援助活動を優先したいので、自分の仕事でそういうことをやるときは協調の姿勢を取っております。
#110
○魚住裕一郎君 また、船戸先生、国会議員に送られたいろいろの資料の中、意見表明の中で今後の対応について種々お話が出されております。この中で大事なことは、国会議員とNGOの対話の場を設けるという項目がございました。
 私も国際協力NGO活動推進議連に参加させていただいているわけでございますが、小杉先生が一生懸命やられてきておりました。今回もその対話がしっかりできていれば、要らぬ誤解から出発したというのは表現が悪いんですが、もっとスムーズにいったのではないのかなというふうに思うんですが、特に、今後どのように、議員連盟のことですから先生のお立場で云々というのも限界があるかもしれませんが、どのようにこの推進議連を活性化させていくのか、ちょっとお考えがあれば御披瀝をいただきたいと思います。
#111
○参考人(船戸良隆君) 私は、国際協力NGO活動推進議員連盟、これを前に作っていただきまして活発な活動をしていただいたことで、大変私としては感謝をしております。
 そしてまた、今後ともこういうような形で対話を続けていかれたらというふうに思っておりますが、これはもう私個人の感想で大変恐縮でございますが、この会長を務めておられました先生、また事務局長を務めておられた方がともに前の選挙で落選をするという形を取っておりますね。ですから、国際協力をするという議員の方々が当選できないというようなこの日本の風土があるということが私は問題であるというふうに考えているんです。ですから、皆さんが、是非その、もちろんいろいろな方々の御意見を聞くということも大切だろうと思いますけれども、選挙区にいらっしゃって、国際協力というものは日本にとってもこれは重要なんだということを是非国民、市民の皆さんに訴えていただきたいと、それがNGOを育成する大きな力になるというふうに考えております。
#112
○魚住裕一郎君 終わります。(拍手)
#113
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。お二人の参考人には大変御苦労さまでございます。
 今回の問題は、言った言わないという小さな問題ではないというふうに私たちは思います。大西さんもおっしゃっているように、鈴木宗男議員の圧力で外務省の外交がねじ曲げられたということですね。政治家がNGOを参加させるなと言えば、外務省はすぐにそれに屈服をする、そして言うことを聞いてしまうと。それがアフガン復興会議という非常に大事な会議に大きな汚点を残したというのが私は今回の問題だと思うんです。
 その圧力は、この国際会議への参加という問題だけでなくて、最近では北方四島への人道支援始め外務省のありとあらゆる問題に及んでいるということも明らかになってまいりました。
 そこで、まず大西参考人にお伺いするんですけれども、大西さんが一番最初に鈴木氏と面識を持たれたのはいつか、どういう場面であったかということをひとつお話しいただけますか。
#114
○参考人(大西健丞君) 一番最初は、たしか十月ごろに三十秒だけちらっと、よろしくお願いしますと言った覚えがあるんですが、ほとんどそれは、多分お互いに、私は覚えておりますが、お互いに、向こう、鈴木さんの方は覚えていらっしゃらないぐらいだと思います。正確にコンタクトがちゃんと来たのは、先ほど申しましたように、十三日の、私の携帯電話に突然鈴木さんがお電話を、先に秘書がされてこられたんですが、秘書の方が。その後、鈴木さんが出られて、先ほど申したとおりの接触が実質上初めてと言っていいと思います。
#115
○宮本岳志君 じゃ、十三日にお会いになったときというのは、ほとんど初対面というか、面識がないという状況でお会いになったわけですね。
 それで、年内に三回、年明けに一回ということがございましたけれども、今回のアフガン復興支援会議にかかわって言えば、やはりこの一月の十九日の午後四時に携帯電話に掛かってきた重家局長の電話から始まったやり取りというのが中心問題になると思うんです。
 それで、先ほど大西参考人は、そのとき重家局長は、朝日に出た「ひと」欄を見た鈴木さんが大変怒っている、出席させるなと言っている、鈴木さんに謝りの電話を入れてくれないかと述べたと。この事実を先ほどもお認めになりました。これは間違いないですね。
#116
○参考人(大西健丞君) 私の記憶している限り、間違いはございません。
#117
○宮本岳志君 ところが、政府がこの間発表した政府見解によりますと、「アフガン支援国会議へのNGOの参加決定にあたり、特定の議員の主張に従ったことはない。」というふうに述べられているんですね。つまり、特定の議員の意見によってそこに参加させるかさせないかということを考えたことはないというふうにここには書いてあるわけですけれども、そうなりますと、この政府見解というものは間違いだということになると思うんですけれども、いかがでしょうか。
#118
○参考人(大西健丞君) 私も当事者ですので、片方の方の調査結果を一方的に間違いと言うのはフェアでないと思いますが、ただ、私の立場に立ちますと、私の認識している事実とは違うと思います。
#119
○宮本岳志君 この十九日午後四時の重家局長の電話というのは、辞退できないかという話はあったと思うんですよ。しかし、参加を拒否するという電話ではなかったと思うんですが、そうですね。
#120
○参考人(大西健丞君) はい。はっきり覚えておりまして、重家局長は、私に対して、おまえがそんなことを言ったからなったんだというような態度を取られなくて、逆に僕は立派な方だとそのとき思ったのではっきり覚えているんですが、参加辞退ではなくて困ったと、どうすればいいかというようなニュアンスで終始お話しされておられました。
#121
○宮本岳志君 実は、この四時の時点ではまだ決定はされていなかったというふうに思うんですね。実はこの日、鈴木氏はロシアにいたわけです、この前日まで。十九日の午前十一時過ぎにロシアから日本に帰国をした。そして、慌てて重家局長があなたに電話を入れた。そして、最終的に確認、この参加拒否ということが伝わるのは、多分ホテルに駆け付けてきた課長が、午後七時ごろということになろうかと思うんですけれども。
 その点で、この四時の時点の電話を受けて、もちろんこれは仮定の話ですけれども、鈴木氏に謝罪の電話をもしあなたがしていれば、事態は変わっていたというふうにお感じになりますか。
#122
○参考人(大西健丞君) 推測の域を出ないのでお答えしにくいんですが、ただ、私は電話をしなかったのは、もちろんそれが正しいとは思わなかったのと、もう一つは、それをしても無駄であるというふうな判断をその場で下したからであります。
#123
○宮本岳志君 重家局長は国会答弁で、参加拒否の理由については、外務省自身の判断であると、それはつまり「ひと」欄で信頼関係が傷付いたからだというふうに述べられているわけですよ。
 この十九日の外務省とのやり取り、重家さんとのやり取りでそういう理由だというふうにお感じになりましたか。それとも、やはり鈴木さんが怒っているということが主要な理由だとお感じになりましたか。
#124
○参考人(大西健丞君) 今まで一緒にいろいろと仕事をさせていただいていましたので、まあ若輩者の私が少し新聞紙上で言ったことに対して、重家さん、外務省の方々がそれで怒って参加を拒否するというふうには私には思えませんでした。
#125
○宮本岳志君 鈴木氏は、実はこの間、北方四島の人道援助をめぐっても様々な圧力を外務省に働き掛けてきたということが明らかになりました。いわゆるムネオハウスと言われる国後の友好の家を作らせるその事業を自分の選挙区の建設業者にやらせるように働き掛けたということも、我が党の追及で明らかにしてまいりました。今日、朝発表されたこの外務省の報告書でもその働き掛けた事実というのが確認をされているところです。
 この間、鈴木氏と様々な場面で面識を持ってこられた大西さんが、このこういった鈴木氏のこういう問題についての圧力ということについて、直接他の問題で何かそういう圧力があったということを体験されたことや、あるいはNGOの運動の中でそういうことを、そういうことが議論になったと耳にされたことはございませんか。
#126
○参考人(大西健丞君) 余りそれまで鈴木さんとそんなに接触を持っていたわけではないので分かりかねますが、端的に申しまして、アフガンの復興会議、政府がやられた復興会議の前にNGOで会議を催しました。それが私どもも意外なほどメディアが関心持たれまして、それでそのころから鈴木さんとのいわゆる接触等が始まっておりますので、その前に関しましては私どもNGOはそんなに相手にされていなかったのではないかというふうな印象を持っております。
#127
○宮本岳志君 先ほど、鈴木氏のところに十二月の十三日呼び出されたときに外務省と一緒に行ったことについて、先ほどの質問に対して、外務省の決定についてその過程がいびつであるということはつぶさに見てきたというふうにもお答えになったように私お聞きしたんですが、少しその中身をお話しいただけるでしょうか。
#128
○参考人(大西健丞君) 制度の問題のことで、イギリスのことをちょっと念頭に置きながらお話ししました。
 本来、私は意思決定に関しては意思決定責任者がすべきだと思いますので、外務省に関しては外務大臣、外務副大臣、政務官、政治家の方がなられている場合にはその方々が本来の意思決定をすべきだと思いますので、それ以外の方が意思決定をされるということに関しては、責任の所在があいまい、それから透明性、責任、説明責任が消えてしまいますので、それは問題であるというふうに個人的に考えておりましたので、そういうふうな、つぶさに見てきたというのはそういう思い、つぶさに見たというのはイギリスのことですけれども、そういった少し違うなという思いを持ちました。
#129
○宮本岳志君 先ほど、これも答弁の中で、田中外務大臣には情報が上がっていないという印象を持ったというふうにお答えになりましたね。これは具体的にどういう場面でそういう印象をお持ちになられたんでしょうか。
#130
○参考人(大西健丞君) 最後、深夜に最終決定を携帯にいただく以前に、担当課長とずっとお話ししていた過程で、何度も私はどなたの責任で決定をされたのでしょうかと、別に責めていたわけではなくて、ひょっとしたらちゃんと物事が上に上がっていない可能性があって、私としてはこれは大問題になるという感覚というか危機感がありましたので、だれが決定をされているのかと確かめましたが、もし大臣であれば一番上の大臣であるということを素直に言われたと思うんですが、そうではなかったので、違うという印象ですね、印象を持ちました。
#131
○宮本岳志君 田中眞紀子前外務大臣は、二月の二十日に衆議院の予算委員会で参考人として御答弁されておられます。大西さんは、このときの田中眞紀子さんがお述べになったことに対して、どのように御感想をお持ちになっているかということはお伺いできるでしょうか。
#132
○参考人(大西健丞君) 本当のことを言いますと、私はイラク北部でおりましたので、通信状態が極めて悪く、普通の電話回線もありません。衛星携帯しかないので、すべてを拝見したわけではありません。部分的な断片的なファクスしか送られておりませんので、全体的な印象というのは本当に分かりかねます。
#133
○宮本岳志君 我が党の調査によりまして、二〇〇〇年三月、アフリカのモザンビークの洪水災害に国際緊急援助隊医療チームを派遣しようとしたとき、出発直前に外務省が鈴木議員にお伺い立てたと。そうしたら、鈴木議員が慎重にと、こう述べた一言で、成田空港にまで集まっていた隊員がいたにもかかわらず、隊はたちまち解散になってこれが終わったという事実が明らかになりました。外務省の担当者も、これは事実としてお認めになっております。
 大西参考人も、テレビのインタビューで、鈴木議員が自分のエゴで中止させたと発言されておられますけれども、このことについて御存じのことをお話しいただけますか、大西さん。
#134
○参考人(大西健丞君) 私がテレビで発言いたしましたのは、その当事者の方から私はこういう状況になったので応援メールをいただきまして、つぶさにそのメールの中でいろいろと状況を説明していただきました。ただ、どうしても匿名でということでしたので私は発表いたしませんでしたが、その過程だけは明らかにということでお話をいたしました。
#135
○宮本岳志君 少し、この参加拒否、国際会議参加拒否以前の四回のやり取りについてもお伺いをしたいと思うんですけれども、政府報告書とそして大西さんが発表されたこのメモとを見比べて、一番大きく食い違っているのは一月の八日の訪問のときのやり取り、一番最後の四回目のやり取りだと思います。
 それで、政府の報告書では、ピースウィンズ・ジャパンの活動の状況を報告し、鈴木氏がこれに耳を傾けたと、こう書いてあるんです。一月の八日にやったことは、ピースウィンズ・ジャパンが報告して、鈴木さんがこれに耳を傾けたと。ところが、大西さんのメモを見ますと到底そういうものではないですね。おい、おまえ、と机をたたいて、新聞記事なんかでもてはやされているから調子に乗るなと、ふざけるなというんだよと、アフガン会議では一銭も金はやらぬからな、覚えておけと、こういう生々しいやり取りになっております。
 これはどういうことかというふうに思いまして、これも今日、朝、今朝発表された外務省の、これは北方四島の住民支援についての鈴木氏の関与の報告書ですけれども、この中にも実は、外務省に対して激怒し、欧亜局関係者をどなり付けながら云々とか、あるいはその後のページでは、激高し、声を荒らげて強く要望したとか、とにかくどなったり声を荒らげるというのはこの中にも各所に出てまいります。
 実際にこういうやり取りがやられたのではないか、つまり大西さんのおっしゃるとおりのやり取りがやられたのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#136
○参考人(大西健丞君) 一月八日のこの私どもが発表させていただきましたメモの文章に関して、私の認識では全く偽りも変更もございませんので、このとおり、若しくはそれ以上の会話が行われたというふうに認識しております。
#137
○宮本岳志君 そういたしますと、一月の八日、これは政府報告書ですけれども、無償課長ほかと大西代表が鈴木委員長を往訪と。ピースウィンズ・ジャパンの活動の状況を報告し、鈴木委員長はこれに耳を傾けたと、こうなっているんですけれども、こういうものではなかったということでしょうか。
#138
○参考人(大西健丞君) トータルの時間の中で最後の四分ほどは、我々の、女性のスタッフがおりまして、イラク北部に展開しているスタッフがたまたま帰ってきておりましたので、その女性のスタッフが説明した部分四分ほどに関しては鈴木さんは耳を傾けて聞いておられました。
#139
○宮本岳志君 大西さんは大阪の方だということで、私も大阪の人間なんですけれども、「お上の言うことはあまり信用しない」という表現は、私は、なるほど大阪ではごく普通に語られる言葉だというふうに受け止めております。これを理由として参加を拒否をするというのは私はちょっと考えられないというふうに思うんですね。
 先ほども、物を言う自由のある国では問題になるような発言ではないと大西さん述べられましたけれども、私も全く同感です。これが理由でないといたしますと、これはもう鈴木氏から、つまり、謝りの電話を入れてくれという話があったように、鈴木氏が怒っているからということしか考えられないと思うんですが、ここはそういうふうな御認識でいいわけですね。
#140
○参考人(大西健丞君) 私であれば、この朝日のやり取りを理由にせずに、もう少しうまい理由を探したと思います。
 以上です。
#141
○宮本岳志君 今日は船戸参考人もお見えですので、併せてお伺いしたいと思うんです。
 そもそもNGOの活動というのは、私も国際協力NGO活動推進議員連盟に加えていただいておりますので、批判的精神を持って、そして政府とは異なる立場や視点から政府に対して率直な意見を述べていくということはNGOの使命であり、また、政府活動を監視し補正していく上で不可欠の役割だと思っております。その点で、鈴木議員による、政府を批判する者がなぜ政府の会議に出るのかという発言は非常に重大だというふうに私も思いますし、船戸参考人の事前のペーパーでもそういうことが述べられておったというふうに思うんですけれども、この点、先ほどのお上の言うことは余り信用しないと言う者を会議から排除するという問題とも併せて、船戸参考人の率直なお考えをお伺いしたいと思います。
#142
○参考人(船戸良隆君) ただいまお話がありましたように、政府に対して批判的なことを言うというのは、それは政府と立場を異にしているNGOが時によってはそういうようなことがあるということは、これはもう十分に考えられることであると思いますし、それが日本全体に対して、日本の政策その他に対してプラスになるということは十分に考えられ、またあることだと思いますので、そのようにNGOが発言するということは、もうこれは当然のことであるというふうに私は思っております。
#143
○宮本岳志君 今日、世界ではきめ細かな援助ということを考えたときにNGOの役割というのは本当に決定的になっていると思うんです。そういう点で、アフガンの復興支援国際会議にNGOを排除したというのは、本当に世界に対して恥ずかしい重大な汚点だったというふうに私は思います。
 それで、アフガニスタンの人々へのきめ細かい効果的な復興や協力を進める上で決定的なNGOの皆さんの会議への参加という点で、これはピースウィンズ・ジャパンやジャパン・プラットフォームに限らず、NGOの参加手続について問題があったというふうに船戸参考人はお考えになりますでしょうか。
#144
○参考人(船戸良隆君) 国際会議へのNGOの参加でございますけれども、これについては今まできちんとしたルールができていません。その時々によって、ある場合にはこの団体、ある場合にはこの団体というような形になっておりますので、今後はそれは外務省なりどこかなりとそのルール作り、国際会議にはどういうようなNGOが出られるのか、そしてその基準は一体何なのかということをきちんと双方で基準作りをして、そしてそういうような問題が起こらないように今後努力をしていくべきだというふうに私は考えております。
#145
○宮本岳志君 どうもお二人の方、ありがとうございました。(拍手)
#146
○田名部匡省君 その前に、行政監視委員会で実は二年、このODAの問題でやりまして、委員会で決議したものがあるんですよ。今日はこれはお尋ねしませんけれども、いずれ行政監視委員会においでいただいて御意見も伺いたいと思いますので、お渡ししてよろしいですか。
#147
○委員長(真鍋賢二君) どうぞ。(田名部匡省君資料を手渡す)
#148
○田名部匡省君 私たちが委員会でこの問題をやったときに、一番大事なことは、やっぱり組織をきちっとすること、それから情報を公開すること。それには、外務省だけではなくて国際協力銀行、それから事業団、特にNGOを入れてやりなさいと、事前に、それから会計検査院、こういう人たちが、どういう援助をすることが一番効果的なのか国によって違いますから、そういうことを、先ほど船戸参考人言われたようなことが大体これで決めてあります。
 かつて小渕総理が総理就任のときに、ODAの透明化、効率化を関係閣僚に指示をしまして、そこで対外経済協力関係閣僚会議の幹事会というのを局長レベルで作ってくれた。
 これはなぜこういうことになったか。もう先ほど来、鈴木代議士との話はよく分かりました。私も、呼ばれていないのに何で四回も行ったのかなという気がしておりましたけれども、もうそのことは各委員のお話ですから終わらせていただきますけれども、一番大事なことは、この今申し上げたように、援助の仕方というもの、特に、従来からこのODAの援助というのは随分不正事件がありましてね、インドネシアだとかフィリピンだとかブータンだとか、随分賄賂の問題があった。あるいはコンサルタントの問題もあった。そっちだけでやっているのかなといったら国内の方でもやるということになると、これは国民が汗水流して働いた大事なお金ですよ、みんな。この使い方が不明朗だということでこの行政監視委員会、二年やりましたよ。立派に作ったと思っておりますので、それは後でごらんをいただきたいと、こう思います。
 そこで、大西参考人、あなたテレビで、私どもは現地調達ですからということ、僕はえらい気になって聞いておったんですけれども、そういうお話、されませんでした。資材のことだと僕は思ったんですけれども。現地で調達されると、援助物資を。
#149
○参考人(大西健丞君) はい。どの報道かは覚えておりませんが、もし私がそういうことを言っていたとしましたら、多分、できるだけ廉価でなおかつ現地の経済に益があるように現場近くで人道援助物資を仕入れるということがよくあるといったような発言をしたかもしれません。
#150
○田名部匡省君 私がボランティア基金というのを作るときの通信部会長でした。当時、吹田あきら先生、自治大臣やられた、それから亡くなりましたが、近藤元次、私の前の農林大臣、三人でやったんですよね。マダガスカルに最初やろうやということで、地元から着るものがないと、一遍行って帰ってきまして、これは何か援助してやろうと、あの子供たちがかわいそうだしというので、新潟と山口と青森で、衣類、古着ですよ、それでもまあ着れる立派なものでしたけれども、それを五十万着集めた。
 地元から運ぶのに一千万か二千万掛かるというので、ある運送会社の社長さんに頭を下げて、そして今度はマダガスカルに運ぶのにどうするかと。ちょうどたまたまマルハのエビの運搬、帰りに船が空いているというのでそこへお願いして、三年配分に掛かったんですよ、不正が起きるものですから。
 そして、大使と首相に会って、配分委員会を作ってくれ、そしてみんなに渡るようにしてくれというのでやって、あそこにODAとはもう全く別個の、子供たちが本当に集まれるところを作ろうというので、これに第一号、援助したんです。まあ二回目行ったときはクレヨンからみんな持っていったものですから、子供たちが壁に、絵をかいて張ってありました。あれを見て、皆さんの活躍というものは大変だなと。
 ですから、この決議のときも、皆さん方を入れて、現地を一番分かっているから、そこに合ったものをやりなさいと。そのときに、私もあちこち見て歩いたら、何でこんなところに三億円も掛かるんだと、こう聞きましたら、鉄筋もサッシも皆日本から持ってくると、こういうことなんですね。そこにもそれなりの家はみんな建っているわけですから、どうして地元の、やれないものはそれはしようがありませんよ。どうして、地元だってあれだけの建物が建っているんだから、その人たちにやらせて、自分とこの材料でやればこれは安くできるのにな、そうすると国民の負担も少なくてやれるなと、こう思ったんです。
 この考え方について大西参考人、どう思いますか。
#151
○参考人(大西健丞君) 全くそのとおりだと思います。
#152
○田名部匡省君 そこで、これからの問題として、やっぱり基本的な、日本というのはまだまだ、自分のことには一生懸命だけれども、国内で見ておっても、人の困っているとか災害が起きたといっても割合、全部だとは言いませんが、余り関心を持たない国民だなと。まして、外国のことになるとこんなに一生懸命になるということはない中で、税制でも何でもいろんなことでやっぱり恩典を与えて、そしてやっぱり皆さんがどんどんどんどん外国に負けない活動をできるようにするのが一番いいんじゃないかということで、これはまあ船戸参考人、そういう面ではどう思いますか。
#153
○委員長(真鍋賢二君) どちらになりますか。
#154
○田名部匡省君 船戸参考人。
#155
○参考人(船戸良隆君) 日本の方々が余り外国のことに対して関心を持たないんじゃないかという御指摘ですが、そういう側面も確かにあると思いますが、例えば今回のアフガンに対する皆さんの反応、また多くの方々が浄財をささげてくださったというようなところを見ましても、決してそうばかりではないというふうに思います。ただ、そういうものをどういうふうにうまく使っていくかということについて、私どもは真剣に考えなければならないというふうに思います。
 そして、私は、国際協力の仕事というのは、ただ単に外国に行って、外国でいろいろな仕事をするということだけにとどまらないと思うんですね。そういうところで仕事をして、そこで私たちがいろいろなことを学んできたものを国内に持ってきて、そして国内の方々に、私たちは国際社会にあってどうなければならないのかということを、そういう具体的な実例を通して私たちが学んだこと、また事実ですね、それを国内の方々に知っていただくというような作業も私は国際協力の非常に重要な側面であるというふうに考えております。
 ですから、国内に対する、国民、まあ市民の方々に対するアピールといいますか訴え掛けといいますか、そういうことも私は国際協力の大変大きな仕事ではないかと。そういうことがきちんとなされて初めて市民の皆さん一人一人に支えられた国際協力になっていくんじゃないかというふうに私は考えております。
#156
○田名部匡省君 そこで、私は日本の場合ばらばらなような気がするんですね。それぞれ外務省は外務省とか農業の場合は農林省、厚生省、労働省。
 そのときに、それにも書いてありますけれども、ODAを一生懸命やっている国、あるいはNGOもそうですけれども、一遍この国はどの部分に力を入れるべきかということを相談したらどうかと。
 例えば、教育なのか農業なのか漁業なのか医療なのか、そういうことを基本的に決めて、それで援助国はそれぞれ分担して、そして皆さんと一緒になって活動していくというやり方をしないと、勝手にあっちへ造ったり港を造ったって、港を造ったり学校を建てる、それが本当にその国のためになるのかどうか、それは国によって皆違うと思うんですね。
 そういう意味では、私はNGOの皆さん方を大いに活用すべきだと。例えば、ダムを造る。ダムがいいのかですね。小型の発電所で電気を起こす程度のことでその村ぐらいを使えるようになるのか。ですから、その経費もいかに効率よくやるかということは、やっぱり皆さん方が現地に入っておって、いや、ここにやったらこの国はいいなというのは分かるんだろうと思うんです。
 ですから、日本の組織というのをそういうふうにしなさいということを、それにも言ってありますけれども、この考え方はどうでしょうか。
#157
○参考人(船戸良隆君) 全くおっしゃるとおりだと思います。
 そして、ODAのことに関しましては、NGOもその一端を担わせていただくということは、実は第二次ODA改革懇談会の答申などにもそのことがはっきりと書かれておりまして、これは世界の趨勢から見ましても、ODAのお金がNGOにというようなそういう流れでございますので、それに対してNGOも十分な責任を持たなければならないというふうに考えております。
 それから、ばらばら行政に対してどうしなければならないのかということも、その第二次ODA改革懇談会の答申に、やはりそれはどこかで一つ司令塔のようなものを作って、そしてそこが一応のまとまりを持って、どこにどういうことをすべきかというようなことを考えたらどうだろうかというような案が今挙がっておりますので、おっしゃるとおりであると私は思っております。
#158
○田名部匡省君 このときも政府委員の答弁で、一つの庁を作って、そのという答弁があったんです。でも、やらないことになりましたと。こういうことですが、いいことは率先して、そうしてみんなが効率よく動けるようにすべきだと私は思いましてね。
 かつて安倍外務大臣のお供をして、イラン・イラク戦争のとき、野上徹代議士と私と今の官房副長官、安倍外務大臣の奥様も一緒に行かれまして、戦争さなかでしたから。そのときに行って、イラクに、これは日本からの援助だというので病院が、すごいの建っているんですね。こんなのでなくてもいいのになと思うようなのがありました。
 それから、私は、かつて予算委員会の理事のときに、大野明先生が二時間やるからと言うので、ODAをやろうと思ったら、とてもやれた代物でなかった。海外研修員が事前に全部打ち合わせて、援助の何をどう納めるかまできちっと教育されて帰されてという話が出てきまして、質問をやめましたよ、あのときは。
 どうぞ、ODAにまつわる問題、NGOの皆さん方の問題というのはまだまだ、そういうことをきちっと国民の信頼を得る組織を作っていただいて、これからも大いに活躍をいただきたい、このことを最後にお願い申し上げて、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#159
○大脇雅子君 社会民主党の大脇雅子でございます。
 今日は、お二人の参考人におかれましては、御苦労さまでございました。
 アフガニスタン復興支援国際会議に参加の拒否を大西さんたちのグループがされたということは、NGOの独自の役割や活動の根幹を否定しかねない重要な問題だと思います。
 そこで、率直にお尋ねをしたいのですが、鈴木さんは、十二月の十三日、鈴木事務所から説明しに来いとどなられて、事務所に行ったと。この際、一緒に行った外務省の幹部はどなたでしょうか。
#160
○参考人(大西健丞君) 無償課長がプラットフォームの担当ですので、無償課長です。無償資金協力課長です。
#161
○大脇雅子君 あなたは、その際、こういうお話の仕方をよくされるなあという感想をお述べになりましたが、具体的に鈴木宗男議員から何を言われたのか、もう少しあなたの口から具体的に語っていただきたいと思います。
#162
○参考人(大西健丞君) 既にオープンにしておりますペーパーに書いておりますが、基本的に最初の日は、マスコミに出ました報道に関することに関しまして、マスコミにちゃんとレクチャーをしているのか、それから、毎日新聞はどうして出たんだと、そういった内容でありました。
#163
○大脇雅子君 結局、鈴木議員はあなたに何を言いたかったんでしょうか。
#164
○参考人(大西健丞君) 自分としても、まずどうして呼ばれたのかということすら分かりませんでしたので、本当に、まあおっしゃりたかったことは多分、どうしてそういう報道がなされるのかということだったと思います。多分御本人はそういったことではなかったというふうに思っていらっしゃったんだと思います。
#165
○大脇雅子君 それでは、その一月八日のやり取りをめぐってですね、一月八日ですね、この四回目、あなたは調停をしてもらうために衆議院第一議員会館へ出掛けていったということですけれども、この際同道した外務省の官僚の人たちはどなたとどなただったんでしょうか。
#166
○参考人(大西健丞君) また担当課長の無償資金課課長と、もう一人政府の方がおられました。
#167
○大脇雅子君 政府の方というのはどなたでしょうか。
#168
○参考人(大西健丞君) 昨日帰国いたしまして、まだその方にここでお名前を出していいかどうかということを御相談しておりません。信義上の問題として私の口からここで申すわけにはまいりません。
#169
○大脇雅子君 でも、それは何も同意の問題ではなくて、国会でお尋ねをしているわけですから、率直にその政府の方のお名前をおっしゃっていただきたいと思います。
#170
○参考人(大西健丞君) 本当に、省庁の方ですけれども、善意で、本当に善意で自分のエキストラの仕事としてやっていただいたので、本当に信義上の問題として、ここで言うといろんな迷惑とか本当に心痛を掛けることになると思いますので、この点に関してだけは御容赦いただきたいと思います。
#171
○大脇雅子君 率直に語られるべきだと思いますが。
 このときに、あなたのメモは私も拝見しておりますけれども、具体的に鈴木宗男議員があなたにどう言ったのか、もう一度具体的にそのやり取りをお述べいただきたいと思います。
#172
○参考人(大西健丞君) 端的に、アフガン会議のことで話があると、責任者の大西君はおまえだなと、で、基本的に、外務省が何もできないということはどういうことかと、そういうことばっかり言っているんじゃないと、ちゃんとマスコミに対応して、そういったことに関してはちゃんと新聞等に抗議しろという内容でした。
#173
○大脇雅子君 メモによりますと、ふざけるなっていうんだよというふうに言って、机をたたいたというような記者会見をされておりますけれども、それは間違いありませんか。
#174
○参考人(大西健丞君) 間違いありません。
#175
○大脇雅子君 そのほか、二回目、三回目、外務省の手配で、来てくれと言われてそのほかのNGOのスタッフが行かれたということですけれども、これはやはり外務省から来てくれと言われて鈴木事務所へ伺われたのでしょうか。
#176
○参考人(大西健丞君) はい、お答えいたします。
 私は自分のスタッフからちゃんと聴取したところによりますと、基本的にこちらの認識としては、来てくれと言われて参ったということです。
#177
○大脇雅子君 そういたしますと、あなたが、鈴木議員が朝日の新聞記事で謝りに来いと言われたというふうに十九日、一月十九日の四時に言われたわけですけれども、これまで鈴木さんとのやり取りの中で、このような鈴木さんの外務省に対する態度というものについてはどのように受け止められましたか。
#178
○参考人(大西健丞君) それまで余り接触が鈴木さんとはなかったので、外務省に対する態度に関してはそんなに私は実は印象はなかったんですね。NGOの問題は余り関係ないのではないかというふうな思いを持っておりました。
#179
○大脇雅子君 そうしますと、あなたは先ほど、田中外務大臣は私の言ったことを守ってくださったと、しかし、出席を拒否した人は相当上の人たち、上の人の決定だったというふうに言われましたが、この田中外務大臣との何かやり取りとか電話とか、そういったことがあってこのような発言をなさったんでしょうか。
#180
○参考人(大西健丞君) 一度事実確認として、田中外務大臣からそういうことは本当にあったのかという電話が掛かってまいりました。私が答えたのは、私がメディア等で申していることはすべて事実というふうに確認しておりますと申しました。
#181
○大脇雅子君 田中外務大臣は、そのときあなたに聞かれたことを国会で話しておられるんでしょうか、どうでしょうか。あなたはそういう認識ございますか。
#182
○参考人(大西健丞君) 私は詳細に関しては申し上げませんでしたので、私の言が影響したというふうには私は思いません。
#183
○大脇雅子君 そうした、その場合、田中外務大臣の更迭の理由について様々な世論の批判がございますが、これについて両参考人はどのように受け止められておられるでしょうか。
#184
○参考人(船戸良隆君) 済みません、ちょっと再確認をさせていただきますが、田中外務大臣が更迭されたことについてどのように考えるかということですか。
#185
○大脇雅子君 はい。
#186
○参考人(船戸良隆君) それを、それについて答えるということは、どうでしょうか、今私がここで参考人として呼ばれている、お答えしなければならない範囲をちょっと超えているのではないかというのが私の率直な感想でございます。
#187
○参考人(大西健丞君) 深夜に記者の方から電話が掛かってまいりまして、その事実を知りました。私が申せることは、大変ショックでありましたということだけです。
#188
○大脇雅子君 国際会議の参加のルールというところが非常にあいまいであると。したがって、NGOの自立性、多様性というものを判断した場合に、やはり今回のケースでは様々に外務省やその他相互のNGO間の信頼関係に水を差したというふうに言われております。
 国際会議の参加のルールというものはどんなものであるべきかということについて、両参考人にお尋ねします。
#189
○参考人(船戸良隆君) ルールについてはこれから外務省並びにそのほかの皆さんと一緒に作っていきたいというふうに考えておりますが、国際的な慣例からいいまして、最近は、そういう国際会議にNGOが代表として参加し、そしてはっきりとした発言をするということはもう慣例になっておりますので、是非NGOにもそういう機会を与えていただきたいというふうに私は願っております。
#190
○参考人(大西健丞君) 選択基準を公開して明確にし、そしてできればNGO自身に選ばせる、そういったことが必要だと思います。
#191
○大脇雅子君 終わります。
#192
○委員長(真鍋賢二君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、参考人の方々に一言お礼申し上げます。
 本日は有益な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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