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2002/03/08 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 予算委員会 第8号
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2002/03/08 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 予算委員会 第8号

#1
第154回国会 予算委員会 第8号
平成十四年三月八日(金曜日)
   午前九時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任
     宮崎 秀樹君     佐藤 昭郎君
     直嶋 正行君     峰崎 直樹君
     福山 哲郎君     浅尾慶一郎君
     柳田  稔君     山根 隆治君
     草川 昭三君     白浜 一良君
     渡辺 孝男君     遠山 清彦君
     林  紀子君     大門実紀史君
 三月八日
    辞任         補欠選任
     宮本 岳志君     筆坂 秀世君
     平野 達男君     松岡滿壽男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         真鍋 賢二君
    理 事
                金田 勝年君
                野沢 太三君
                日出 英輔君
                松谷蒼一郎君
                齋藤  勁君
                高嶋 良充君
                魚住裕一郎君
                小池  晃君
                平野 貞夫君
    委 員
                有馬 朗人君
                市川 一朗君
                入澤  肇君
                木村  仁君
                国井 正幸君
                佐々木知子君
                佐藤 昭郎君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                田中 直紀君
                伊達 忠一君
                谷川 秀善君
                段本 幸男君
                仲道 俊哉君
                松村 龍二君
                山崎  力君
                山下 英利君
                浅尾慶一郎君
                江田 五月君
                小宮山洋子君
                佐藤 道夫君
                内藤 正光君
                藤原 正司君
                峰崎 直樹君
                山根 隆治君
                若林 秀樹君
                白浜 一良君
                遠山 清彦君
                福本 潤一君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                筆坂 秀世君
                宮本 岳志君
                田名部匡省君
                平野 達男君
                松岡滿壽男君
                大脇 雅子君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     片山虎之助君
       法務大臣     森山 眞弓君
       外務大臣     川口 順子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       文部科学大臣   遠山 敦子君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   武部  勤君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国土交通大臣   扇  千景君
       環境大臣     大木  浩君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (防災担当大臣) 村井  仁君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  中谷  元君
       国務大臣
       (沖縄及び北方
       対策担当大臣)
       (科学技術政策
       担当大臣)    尾身 幸次君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       内閣府副大臣   松下 忠洋君
       内閣府副大臣   熊代 昭彦君
       防衛庁副長官   萩山 教嚴君
       外務副大臣    植竹 繁雄君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
       文部科学副大臣  岸田 文雄君
       厚生労働副大臣  宮路 和明君
       厚生労働副大臣  狩野  安君
       農林水産副大臣  野間  赳君
       国土交通副大臣  月原 茂皓君
       環境副大臣    山下 栄一君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        山下 善彦君
       農林水産大臣政
       務官       岩永 浩美君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       防衛施設庁長官  嶋口 武彦君
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
       法務省矯正局長  鶴田 六郎君
       法務省入国管理
       局長       中尾  巧君
       外務省欧州局長  齋藤 泰雄君
       財務省関税局長  田村 義雄君
       農林水産省経営
       局長       川村秀三郎君
       水産庁長官    木下 寛之君
       国土交通省北海
       道局長      林  延泰君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       岩尾總一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十四年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十四年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十四年度一般会計予算、平成十四年度特別会計予算、平成十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。松谷蒼一郎君。
#3
○松谷蒼一郎君 昨日に引き続きまして若干質疑を行いたいと思いますが、初めに外務大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 川口大臣は、着任早々、大変スピーディーに開かれた外務省のための十の改革をおまとめになりました。そのスピードは大変川口大臣のすばらしい統率力を示しているんではないかというように思います。
 ただ、その中に十の項目がありますが、いろいろな問題をはらんでおりまして、これからの実効いかんに掛かっているであろうというように思います。そういう意味で、大臣の実効についての御決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
#4
○国務大臣(川口順子君) 開かれた外務省のための十の改革という紙を出させていただきまして、委員おっしゃいますように実効性が大事でございまして、私もこのキーワードは透明性、スピード、実効性ということで書かせていただきました。
 実効性につきましては、とりあえず外務省としては、この報告書、今この十の改革を議論いただくために変える会というものを立ち上げまして、第一回の会合を既に開いておりますけれども、まず、この会合の結果を待つことなく、外務省としてできるものは先にやっていくということでございまして、例えば先日、夏ぐらいまでに省内の局長、審議官、課長、在外の大使等のポストにつきまして、十のポストをめどに夏までに外部の方を登用させていただくということを発表させていただきまして、現在作業中でございます。
 それから、同じポストに三年以上いる方、いる職員、この職員をできるだけ早く交代をさせるということで、その第一号として佐藤主任分析官の異動を既にいたしましたし、これも夏までにやっていく予定でございます。
 そのほか、ここに書かれておりますことについては、とりあえず三か月、したがって五月をめどに一応勉強をしていただいて、報告書を出させていただきたいと言っていまして、そのときの私のイメージは、例えば単に外務省の職員を外で研修させることが必要であるということを書くのではなくて、外務省の職員を例えば民間企業、それから海外青年協力隊という具体的なところを挙げて、そこに研修に、いつまでにその研修を、研修に出すということをいつから始める、例えば十五年度から始まる、十四年度から始まる、十四年の八月から始めるということを書いていただく。それぐらい具体的に報告書を出してくださいというお願いをいたしております。あわせて、その次に、夏までに最終的に報告書をいただきたいというお願いをいたしております。
 先日、第一回目の会合の折には、出席をしていただいた委員の方々からは、外務省の改革が必要である、これをやらないと日本の国益を損なうという非常に強い御意見をいただいております。私も本当にそう思っておりまして、これは一生懸命に、能力の限り、時間の限りこれをやらせていただきたいと思っております。
#5
○松谷蒼一郎君 この十項目の改革がありますが、その中で二、三、ちょっとお伺いいたしますが、今、大臣からもちょっとお話がありましたが、外交官、すなわち外務省の職員が外交官として海外に赴任する。しかし、国内の状況というか事情をほとんど分かっていなくて外交官として海外で働いているというような例が間々ございます。日本国内の状況も理解できていなくて、それで外交交渉ができるはずはないんですね。
 そういう意味で、この二の項目にありますが、例示にありますが、若手職員を民間企業とかあるいは地方自治体、そういったところに派遣をする、実務に携わる機会を作るということは大変重要なことだというように思います。この点はきちっと実行をしていただければというように思います。
 それからもう一つ、このたびのいろいろな事件に関連して、情報公開の重要性というのは分かりますが、しかし一方、公務員には守秘義務があるわけですね。そしてまた、外交交渉というのは高度な機密保持という重要な役割もあります。
 ところが、今回の事件でそのことが、いい悪いはちょっと別といたしましても、機密保持という観点からいえばマル秘無期限という文書が一般に流れていると、そういうようなことがございます。やはり、外務省としては、高度の機密を保持しながら外交交渉を実施しなければならないわけでありますから、その点についていかがお考えか、見解を伺いたいと思います。
#6
○国務大臣(川口順子君) 委員おっしゃられますように、機密の保持ということは外交を行う組織あるいは人間にとってはもう大変に重要な、不可欠な前提であると思っております。
 この十の改革のところに書かせていただきましたけれども、秘密保持の徹底ということで、今、現在の文書管理規則を見直しますということを例示に載せていますけれども、本当にどういうものを秘扱いにするのか、それをどのようなやり方で管理をするのかということについて省内で検討を始めております。それから、秘密を漏えいした場合の処分をどうするか。これを厳格にし、人事に反映をさせるということも考えております。
 これは例示でございますので、このほか更にいろいろな考え方、あるいはいろいろな手法があると思っておりますので、そういったことを変える会の委員の方に御意見もいただいて、いい案を考えていきたいというふうに考えております。
#7
○松谷蒼一郎君 具体的な部分がちょっと見えないというような気はありますが、この点はきちっと対応していただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、外交というのは重要な国政であります。昔、平民宰相と言われました原敬は、内政には失敗は許される、修正ができると。しかし、外交には失敗は許されないということを原敬は長州の山県有朋に対して言ったと、こういうふうに言われております。
 外交交渉というのは非常に重要な課題であります。国務の最重要課題と言っても過言ではないと思います。そういう意味で、今後、外務省改革も重要ではありますが、外交交渉にきちっとした、全力を持って取り組んでいただきたいと、かように存じます。
 外交のこれからの在り方について最後に決意をいただきたいと思います。
#8
○国務大臣(川口順子君) 委員おっしゃられますように、外交の課題に対応をしていくということはこれは申すまでもなく本当に必要なことで、そのために外務省があるわけでございますし、外務大臣がいると思っております。
 改革をまず進めませんと、外交に対してあるいは外務省に対して国民の方の信頼が得られないということで、改革は改革で重要だと考えておりますけれども、外交の課題というのは大変に重要でございまして、我が国の平和と繁栄、それを守っていく、またそれのベースになる世界の平和と安全を、平和と繁栄を守っていく、そのための外交努力を行うということでございますし、国民の生命それから財産を守っていくために全力を尽くしたいと考えております。
#9
○松谷蒼一郎君 次に、行政改革についてお伺いいたしますが、行政改革は省庁再編とか組織の改編とかいうハードな面も大事ではありますが、しかしやはり中身の業務、仕事、そういったものをきちっと改革をしていくということが重要であろうかと思います。
 その中には、慣例の廃止でありますとか、あるいは役所の中の競争という考え方が果たしてなじむかどうか分かりませんが、競争性の導入とか、あるいはスピーディーな意思決定でありますね。よく言われるんですが、関係官庁に申請等を行いますと、一週間でできるような、判断ができるようなものが三か月も四か月も掛かると。いわゆるお役所仕事であります。こういうことを改めていくということが大変大事ではないかと思いますが、石原大臣、いかがでございますか。
#10
○国務大臣(石原伸晃君) 松谷委員御指摘のとおり、ハードなものにソフトをいかに良くしていくかということが非常に重要なポイントであると私ども認識しておりますし、昨日の予算委員会の質疑を聞かせていただきましても、松谷委員の方から、いろいろな答弁に対して、そんな官僚的な答弁じゃ困る、自分の方がもっと民間的だとおっしゃられておりましたし、そしてもう松谷委員は旧建設省の住宅局長まで務められまして、日本の官僚制度あるいは公務員の抱える問題点、いいところ悪いところ、すべて分かっていらっしゃいますので御質問をされているんだと、お話を聞いておりまして思ったわけでございます。
 そんな中で、やはり今回必要なことは、今、スピードが足りないといったような公務員制度、役所の抱える問題、あるいは過去がこうであったからといって前例を踏襲するといったような問題、あるいは役所に行く人間から言わせていただきますと、何というんでしょうか、コストを本当にこの人は考えているのか、本当にサービスが悪いなといったような問題が巷間言われておりますので、こういうものを是正していくということで、今、人事制度の改革というものを着手させていただいているわけでございます。
 簡単に申しますと三つぐらいの柱があると思うんですけれども、やはり適材適所、言葉で言うのは簡単なんですが、その役人の方の持っていらっしゃる能力に見合ったところに人員を配置していく、あるいはそれによって給与の処遇を考えていく、あるいは本当にその人たちがどういうふうな仕事ができるのかできないかということを評価していく任用、給与あるいは評価というような諸制度を再構築することによりまして、今、委員御指摘されましたようなハードな部分の、外の器の中にすばらしいソフトを作っていくというような、言葉を換えますと競争原理を導入するような制度設計を現在鋭意検討させていただいているところでございます。
#11
○松谷蒼一郎君 次に、官民の交流について伺いますが、官民交流に関しては、いろいろな対策が講じられておりますが、まだまだ不徹底であるというように考えます。今後の行政課題に対応するために、早急にこれの人事交流を行うよう特にお願いを申し上げますが、これにつきまして見解を伺いたいと思います。
#12
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま松谷委員が御指摘されました官民の交流ということは、私も大変重要なポイントだと思っております。行革事務局の方にも二十有余名の方を民間から来ていただいております。そのことによりまして、民間の感覚というものがこの行政改革事務局の中にも十分浸透してきたのではないかと思っております。
 そんな中で、平成十二年の三月施行で官民人事交流法という法律を皆様方の御努力で通していただき、現在行われているわけですけれども、その実態はといいますと、十二年、十三年の実績で三十九人しか交流ができていない。何でなのかなということは、最大の問題点は、民間企業から来ていただくとき、退職をしてじゃないと来れないと。これまでやはり官民交流に対して中立性が侵されるというような観点から、必ずしも政府全体でそれが良いことであるというような認識が少なかったんではないかと思っております。
 今回の改革に当たりましては、この官民人事交流法の交流採用において、今申しました民間企業の退職しなくとも採用できるような措置を講ずるようにしているところでもございます。官民交流の人事交流をこれからも委員御指摘のとおり積極的に推進していくように考えております。
#13
○松谷蒼一郎君 次に、これは総務大臣かなと思いますが、総務大臣も御経験がおありですが、現在の役所の勤務状況というのは非常に過酷だというように思うんですね。
 私が以前政務次官をやっておりましたときに、政務次官会議でどういうような超勤の状況であろうかということで全省庁調べようじゃないかということで調べました。結果は出てきまして、いろいろ見ましたら、四時に帰ったとか五時に帰ったとかあるんです。そんな昼間の四時や五時に帰るとは何事だ、これはたるんでいるじゃないかというようなことで話しておりましたら、いや、そうじゃありません、午前四時に帰った、午前五時に帰ったというんです。本当に今は土曜、日曜、もう役所はこうこうと電気がともっておりますし、大変な超勤の状況であります。
 私どもが役所におりましたときは、非常に時間がありまして、政策についてきちっと考える時間があったんですよ。ところが、午前四時や五時、休日出勤と定常業務をそれだけやっておりますと、どうあったら、この政策を実現していったらいいかというような真摯な業務対応といいますか、使命感といいますか、そういうものがありません。それはできないですよ、そんなもう定常業務で毎日毎日朝から晩までそんなことばっかりやっていたら。
 やっぱりこれは程度問題でありまして、しかも超過勤務手当も十分には付いていない、ほとんど付いていないんじゃないかと思います。この点はやっぱり改革をする必要があると思いますが、総務大臣、いかがですか。
#14
○国務大臣(片山虎之助君) 御指摘のとおり、超過勤務というのはもう慢性的になっていますよね、中央省庁では。そこで、去年の十二月の二十五日の公務員制度改革大綱でも、超過勤務の縮減は公務員行政といいますか、それにおける最大の課題だと、こういう指摘をやっているんですよ。
 だから、やっぱり業務の見直しや適正な勤務時間の管理というのをやらないけませんけれども、しかし、一番何でこんな超過勤務か、一つは国会ですよ、いやいや本当に。やっぱり質問通告その他、国会対応がかなり。相当良くなっていますけれども、ぜひひとつ国会議員の先生方の御理解と御協力を得たいと思いましてね。その次は予算編成なんですよ。これも前よりはよくなっています。よくなっていますが、やっぱり超過勤務に大変関係がある。それから法令審査ですよね。
 そういうこと、個別のあれについてみんなで知恵を出していく、こういうことは必要だと思いますし、こんなことでは公務能率もそれから職員の心身の健康も心配ですから、是非この問題は、関係各省よく集まって、国会の先生方の協力を更に仰いでその解消に努めたいと、こう思っております。
#15
○松谷蒼一郎君 是非、総務大臣を中心にしてこの改革に取り組んでいただきたいというように思います。
 ところで、最後に、今の話に関連をいたしますが、役所や役人がいろんなことでたたかれております。それでみんな萎縮しているし、超勤、超過勤務は非常に過酷であるし、そういうような中で、我が国をどうやって、どういうふうに計画していったらいいかとか、あるいはどうしたらこういう政策が実現できるかとかいうような使命感にのっとった業務というものが今役所の中にできていないような感じがするわけですね。
 やっぱり官僚組織というのは、悪い部分もありますが、しかしこれを活用しなきゃなりませんし、みんなに、よし、我が国を再生するためにはどうやったらいいかというような活力みなぎる勤務体制というものを作っていかなきゃならぬ。
 そういう意味では、私は、小泉総理は非常に活力のある総理でありますし、政治の断行、行政改革の断行もやろうという決意にあおられております。是非この大きな官僚組織を引っ張っていって使命感にあふれた体制を作り上げていきたいと存じますが、最後に総理の決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
#16
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 役所また官僚の諸君たちは行政の責任者として多くの国民から批判をされますが、同時に、それは期待もあるからだと思うのであります。
 この期待にこたえるために、日ごろ蓄積された知識や経験を基に、何よりも大事なのは、その仕事に対する使命感、責任感、倫理感だと思います。これにもう一度心して、自らの胸に常に反省しながら職務の遂行に努めていただきたいと思います。
#17
○松谷蒼一郎君 以上で終わります。
#18
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。佐々木知子君。
#19
○佐々木知子君 おはようございます。自民党の佐々木知子でございます。
 まず、治安状況についてお伺いしたいと思います。
 昨今、治安が悪化しているとの懸念を一般国民が多大に抱いておりますけれども、実際に犯罪は増えているのでしょうか。まず、一般刑法犯の数値でお伺いしたいと思います。
#20
○国務大臣(村井仁君) いわゆる体感治安というようなことも言われますけれども、現実に、いわゆる刑法犯認知件数、警察が知った刑法犯の件数、交通事犯を除いておりますけれども、この数字で見ましても、昭和四十八年百十九万件というのがこれは過去一番低い数字でございましたが、そのころからだんだん上がりまして、昭和五十七年に百五十万件を超え、そして何と平成十年には二百万件を超えたのでございますが、それからはウナギ登りと申しましょうか、平成十二年に二百四十四万件、そしてとうとう昨年は二百七十三万六千件という過去最高の数字をまたも三年続きで更新している。
 非常に深刻な事態だと思っている次第でございます。
#21
○佐々木知子君 一般刑法犯といっても、詐欺だとかいろいろございます。治安の悪化が実に実感されるという犯罪といたしましては、殺人や強盗、それから侵入盗、ピッキングというのがよく話題になりましたけれども、あるいはひったくりというような犯罪になろうかと思いますが、この種の犯罪に関しましての犯罪の増加傾向についてお答え願いたいと思います。
#22
○国務大臣(村井仁君) 全くおっしゃるとおりでございまして、先ほども二百七十三万六千件という数字を申しましたけれども、これは例えば自転車を盗んだとかいうようなものも含まれます。殺人も一件として含まれます。
 そういう意味で、今御指摘のように、主要な罪種と申しましょうか、そういうものについて申しますと、殺人でございますが、これは十数年、大体千三百件程度で前後しておりまして、余り大きな変化が認められない。
 強盗でございますが、これは平成十三年中の認知件数六千四百件でございまして、これは五年前と比べまして二・三倍ということでございまして、明らかに悪化しているという典型的なケースだと思います。
 それから、いわゆる侵入盗と申しまして、こそ泥も含めるわけでございますが、これの認知件数が十三年中三十万三千七百件。平成九年に比べまして三七%の増、五年前に比べまして三七%の増ということでございます。
 それから、今ピッキングという例を委員御指摘になりましたが、いわゆる錠をひそかに解錠するピッキングという特殊な技法でございますが、これでやります侵入盗でございますが、これは統計が比較的最近のものしか分かりません。ただ、平成十二年に非常に顕著になってまいりまして、約三万件全国で確認されております。ただ、警視庁等を中心にしまして、例えば錠を替えていただくとかいろいろ対応しました結果、これ、また平成十三年には激減しまして二万件に一応落ちておりますが、非常に大きな問題は、これが地方へ拡散している点でございます。今まで東京とか神奈川とかそこに集中しておりましたのが地方へ拡散している、非常に問題だと思っております。
 それからもう一つ、ひったくりでございますけれども、これは正に公共空間において全く普通に行動しておられる方の財物を奪うという非常に物騒なものでございます。あわせまして、例えば、この結果けがが起こるというようなことも間々あるわけでございますが、これが平成十三年中五万八百件。何と五年前に比べますと二倍になっておるということでございまして、いわゆる公共空間における治安の悪化ということに私ども非常な懸念を持っておるものでございます。
#23
○佐々木知子君 ひったくりはフランスではたしか強盗というふうに分類されていると承知しております。こうした犯罪が増加している原因、一言で言うのは非常に難しいと思いますけれども、幾つか考えられることとしてお挙げいただきたいと思います。
#24
○国務大臣(村井仁君) この辺は大変難しい問題でございまして、経済環境でございますとか社会環境の変化というようなこともあろうかと存じます。それから、何と申しましても、根幹にございますのは、ある種の社会規範の欠如というようなものがあろうかと思います。
 この辺、いささか独断になろうかと存じますが、家庭にしつけがなくなり、それから学校教育に道徳教育のようなものが非常に希薄になり、そして社会によその国にございますような宗教的倫理規範でございますとかそういうものがない、比較的乏しい日本において非常にこういう状態が急激に進んでいるということがございますが、もう一つやはり申し上げなきゃなりませんのは、これは検挙事例を見ていて感じることでございますが、いわゆる定住外国人でない来日外国人による事犯という、逮捕事案というのが非常に急激に増えている。この点も日本の国際化ということの影の側面であろうかというような問題意識も持っておる次第でございます。
#25
○佐々木知子君 先ほど、来日外国人というふうに言われましたけれども、私が先ほど述べた殺人、強盗、侵入盗に、これは三つに今度は限らせていただきますけれども、来日外国人がどれぐらいの割合を占めているか。もし、占めているとして、国籍、もし挙げれるといたしましたらちょっとお述べいただきたいと思います。
#26
○国務大臣(村井仁君) まず、お答え申し上げます前に、誤解を避けるためにできるだけ正確に申し上げたいと存じますけれども、私は、来日外国人という、この来日外国人という定義でございますが、これは日本に永住権を有する外国人、それから在日米軍関係者、それからどういう資格で在日している、在留しているかが不明な者を除きまして来日外国人と、このように定義をいたしまして、その上で、統計を取っておる警察庁の統計上の概念であるということをまず申し上げたいと存じます。
 それから、これから申し上げます数字でございますが、いずれも検挙された人間につきましての数字でございますから、これはある意味では氷山の一角とも言えますし、しかしまた、一斑をもって全豹を推すというような言い方もございますので、その辺り十分注意しなければならない点でございますけれども、それからまた、その来日外国人につきましては、国によりまして在留していらっしゃる在留集団の規模というのがそれぞれの国によって当然違うわけでございますから、この検挙した数をもって直ちにそれがどうだというようなことを言うのはいささかまた危険があるということも付け加えて申し上げました上で、どの程度このような統計が有意かということは問題があるということを申し上げました上で委員御指摘の点申し上げさせていただきます。
 殺人につきまして、これは平成十三年中でございますが、五十九件、五十九人ございまして、一位から申しますと、中国人十七、ブラジル九、韓国八、こんな数字になっております。強盗でございますが、総数で来日外国人によるものは三百九、中国が百三十二、ブラジルが九十、それから韓国が二十一、こんな数字になっております。それから、侵入盗でございますが、総数で六百八十八人でございますが、多い順に、中国人五百六、それからブラジル人が四十二、コロンビア人三十、そんなような数字になっておるわけでございます。
#27
○佐々木知子君 ありがとうございました。
 来日外国人犯罪は最近ちょっと特徴があるというふうなことも言われておりますけれども、実際の事件を一つなり二つお挙げいただきながら、ちょっと特徴についてお述べいただきたいと思います。
#28
○国務大臣(村井仁君) いろいろ、どのケースを取り上げるかということでございますが、一つ特徴でございますけれども、来日外国人の検挙件数というのが十年前に比べまして、強盗につきまして約三倍になっているというようなことを見ますと、凶悪化ということが一つ言えるんだろうと思います。
 それからもう一つ、日本の暴力団と手を組んでやっておるという意味での組織化と、あるいは来日外国人自身が共犯をしているという、そういう意味での組織化、これも一つの特徴だろうと思っております。
 それからもう一点は、非常に憂慮すべき点でございますけれども、大都市圏以外への全国への拡散化というような問題がございます。そういうケースで、例えば山形県の鶴岡でございましたが、本当に静かなところでございますけれども、主婦それからお嬢さんがいるところへ外国人が日本人の暴力団員に手引きされて入りまして、それで母親を惨殺し、そして娘さんに傷を負わせたというような事件が、去年のこれは四月に起きて、六月に一応事案としては解決しておりますけれども、元は物取りでございます。骨とう品をねらったと、こんなふうに分析されておりますけれども、そういうような意味では、こういう非常に、またさっきもちょっと申し上げましたように、ピッキングなんかも東京は確かにかなり抑圧したんでございますけれども、地方へかなり拡散している。
 こんなようなところがいわゆる来日外国人による犯罪の一つの特徴であろうかという感じがいたしております。
 ただ、もう一点、もう一つ申し上げておきたいことは、私どもこの来日外国人に対する犯罪に対しまして、特にきちんと対応しなければならないというのは、日本が国際化するに伴いまして当然のことでございますが、多くの外国人が日本でいわゆる適切な、まともな活動をしておられる、その方々の名誉のためにも私どもはこういう違法な行動を取る外国人に対しましてきちんとした対応をしなければならない。そのためには国際的な協力もしっかりやっていかなきゃいけないと考えております。
#29
○佐々木知子君 次に、検挙率のことについてお聞きしたいんですけれども、これ非常に低下しているというふうに言われております。一般刑法犯で今どの程度になっているか、お答え願えますか。
#30
○国務大臣(村井仁君) 検挙率について、確かに非常に残念な数字でございまして、平成十三年の数字は一九・八%という過去最低の数字を記録しているのが事実でございます。
#31
○佐々木知子君 かつて検挙率は六〇%を超えていたわけですけれども、今や何か二〇%を切っている、五件に一件しか検挙されないということで、大方は窃盗が多いので、窃盗事犯は余罪がたくさんありますので恐らく検挙されにくいということもあるのでしょうが、これを凶悪事犯、殺人、強盗、それから侵入盗に限って検挙率はどの程度推移しているか、お聞きいたします。
#32
○国務大臣(村井仁君) 事実でございますので、まず五年くらいのスパンでざっと申し上げたいと存じますが、殺人の検挙率は、これは大体一貫して九〇%台を維持しておりまして、そのときによって高低ございますが、平成十三年九四・一%ということでございます。それから強盗でございますけれども、これは平成九年に七九・五%でございましたものが、平成十三年には四八・七%に低下しているということでございます。侵入盗につきましては、平成九年に七四・九%でございましたものが、平成十三年には二九・五%、こういったところまで落ちているということでございまして、確かに今、委員御指摘のように、常習性が高い侵入盗犯等につきまして、これはもう本当に国民が真に解決を求めているということで、私ども重点的に対応をしていることでございますけれども、なかなか犯罪の増加に検挙が追い付かないというのが実態でございます。
#33
○佐々木知子君 検挙率が低下している原因ですか、犯罪が増えている、取り締まる方の警察官は足りないということになれば検挙率というのは当然落ちてくるというふうにも言われるかもしれませんけれども、ちょっとそこはそういうふうには済まされないわけで、その要因についてはどのようにお考えか、お伺いいたします。
#34
○国務大臣(村井仁君) 検挙率の低下は、私どももこれは非常に憂慮している問題でございますけれども、一つは従来の聞き込み捜査などの手法を活用した捜査が大変困難化しているというのが一つの原因であろうかという感じはいたしておりますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、何といいましても犯罪の増加に検挙が追い付かない、こういうところに一番大きな原因があろうかと存じます。
 例えば、強盗でその具体的な例をとらえて申し上げますと、検挙件数、検挙人員ともに増加傾向にはございます。しかしながら、認知件数がともかく増えておるということでございまして、結果的には検挙率が率で見ますと低下する、こういうことになる。窃盗犯に典型的なことでございますけれども、今、委員正に余罪ということをおっしゃいましたが、その検挙した被疑者を取り調べる、それに非常に時間が掛かる、その結果余罪の解明が大変困難になる。
 これは、委員のお書きになりました大変立派な御本で、「日本の司法文化」という本に「超精密司法の国」という形で日本の状態をとらえられまして、例えばイギリスを例にとらえてラフジャスティスとの対比を非常に顕著にお書きになっていらっしゃいますけれども、そういう超精密の司法プロセスにきちんと対応しますだけのきちんとした調べを行う、これはやっぱり余罪捜査といってもなかなか大変でございまして、結局一件捕まえたら他に余罪十分あり得るんでしょうけれども、調べずに終わってしまう。そういったところが検挙率を結果的には非常に下げるということになっているのではないかという懸念を私持っております。
 それからもう一つ、これはもう社会の大きな変化でございますけれども、いわゆる大量生産、大量消費、大量販売、こういう時代になりまして、いわゆる遺留品から手掛かりがなかなかつかめないというような問題も、もう一つこれ大きな捜査を困難化している要因の一つであろうかと、こんなふうに思っております。
#35
○佐々木知子君 陣容もある程度不足しているだろう、それから人をたくさん得ても、その組織が動かなければ、どこかの省庁の例ではございませんけれども、なかなかうまくはいかないということになります。警察不祥事なども随分相次いでおりまして、全体に士気、モラル、プライドが低下しているということも間々聞かれます。その組織をどのように動かしていくかということは抜本的にやはり考えていかなければならないということだというふうに思っております。
 一つには、これは給与体系を是正するためにということで、中間管理職であるはずの警部補が増え過ぎまして、今警察はピラミッド組織ではなく釣鐘組織になっているということも指摘されております。やはりピラミッド型組織でなければ組織というのはうまく動かないであろうと私は思います。
 それから、全体的に職人でなければならない刑事のプロが減っているのではないかということもこれは随分言われております。全体的にサラリーマン化しているということは何も警察一つだけの問題ではなく、どこの社会でもそういう傾向があろうかと思います。これは社会の風潮であり、教育の問題であろうかと思いますが、事警察に関しましては、刑事はやはりプロでなければ、足で稼がなければ絶対に捕まらないわけです。こういうプロを鍛えていくということ、これは決して怠りなきようによろしくお願いしたいと思います。
 それから若手、これは全般的に言えることですけれども、教育のゆがみのせいか、非常にマニュアル世代になっております。マニュアルがなければ分からない、聞き込みもマニュアルどおりじゃなければ聞けないと。そういうようなことでは、やはりこれは取調べはもちろんですけれども、周りのところに聞き込みに行って、分かりません、知りません、ああそうですかで帰ってきたのではこれではもう全く駄目だということで、若手をもう本当に教育していかなければ、日本は治安という面でつぶれてしまうというふうに私は考えております。是非、警察は頑張っていただきたいと思います。
 これにつきまして、総理のコメントをお願いできますでしょうか。
#36
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 世界一安全な国にしようという、この安全神話が崩れている、それを復活させようということで今取り組んでいるわけであります。
 今言った御指摘も踏まえまして、反省すべき点、またこれからの新しい時代に対応していく機構、あるいはいろいろな足らざる、整備拡充しまして、日本というのはやっぱり世界一安全だなという神話を復活させるべく努力をしていきたいと思います。
#37
○佐々木知子君 次に、水際対策についてお伺いしたいんですけれども、日本の治安を守るためには、犯罪集団というのは日本には入国させない、もちろん薬物などは水際で押さえる、それから不法就労目的で入ってくる者はやはり水際で入れない、そういう対策が肝要だと思われるわけです。
 それで、不法残留外国人、これはオーバーステイイングと言われておりますが、今どれぐらいいますか、お答え願います。
#38
○政府参考人(中尾巧君) お答え申し上げます。
 平成十四年一月一日、最新の速報値でお答え申し上げたいわけでありますが、委員御質問の正規に入国をいたしまして在留期間を経過して不法に残留するいわゆるオーバーステイ者の外国人の数でありますが、平成十四年一月一日現在、約二十二万四千人ということでございます。
#39
○佐々木知子君 丸々一つの市ぐらいの不法残留者がいるということでございますが、ちなみに在留資格別とか国籍とか、ちょっと簡単にお答えください。
#40
○政府参考人(中尾巧君) 平成十四年一月一日現在の約二十二万四千人の関係でございますが、韓国が約五万五千人、フィリピンが約三万人、中国が約二万八千人でございます。
 この在留資格の関係で国籍に合わせて申し上げれば、韓国の五万五千のうちの九〇%が元の在留が短期滞在ということでございます。フィリピンの約三万人につきましては、四八%が短期滞在で、三四%が興行でございます。中国につきましては、就学、留学、研修、この三つで約四五%を占めております。
#41
○佐々木知子君 オーバーステイはまだ入管を通ってきているから数として把握できますけれども、密入国の場合はそうはいきませんが、大体の概数としては幾らぐらいでしょうか、お答え願えますか。
#42
○政府参考人(中尾巧君) 概数でございます。約三万人と私どもは推計しておりますけれども、他の機関、その他では五万、六万とか、あるいは十万ということを指摘するところもございますが、私どもの検挙実績等から勘案いたしまして、約三万人ぐらいの密航者がおるというふうに考えておるところでございます。
#43
○佐々木知子君 集団密航事件はどれぐらい摘発されておりますか。これは警察とそれから海上保安庁と、海と陸とで管轄が違うのでちょっとややこしいんですけれども、お答え願えますか。
#44
○国務大臣(扇千景君) これも海上保安庁と警察、両方でございますので、数だけ簡単に申し上げさせていただきたいと思います。
 平成十三年の近々のトータルでは、合計で四百十五名でございます。
#45
○国務大臣(村井仁君) 過去五年間における集団密航件数でございますけれども、失礼、集団密航事件、警察及び海上保安庁が平成九年に七十三件、千三百六十人を検挙した事例がございますが、それ以来、だんだん減少する傾向にございましたけれども、十三年には増加に転じまして、二十二件、三百十六人増の四十三件、四百十九人を検挙したわけでございまして、その九割弱が中国人であるということを承知しております。
#46
○佐々木知子君 中国人といいますと、恐らく蛇頭というのが絡んでいるというふうに思うんですけれども、蛇頭の仕組みというのをちょっと簡単にお答え願えますか。
#47
○国務大臣(村井仁君) 私ども承知しております限りでは、中国からの集団密航事件につきまして、その密航者の勧誘でございますとか、あるいは引率、搬送、日本における密航者の受入れ、隠匿、それから仕事のあっせん、こういったことまで取り仕切る密航請負組織のことをいうと。いわゆる蛇の頭と、こういうふうに書くわけでございますけれども、国境を越えて暗躍する。
 しかも、日本の暴力団と連携して行動しているというように承知しておりまして、英語でスネークヘッドと呼ばれておりますのもこれの訳であると、このように承知しております。ある種の特定の集団を指すというよりも、一種の普通名詞として使われているように承知をしております。
#48
○佐々木知子君 どうやら中国の人はその蛇頭なりそういう、ブローカーというのですか、一人頭二百万なり三百万のお金を出して日本に密入国してくると。そういうお金というのは、もちろんそれは大金ですからあるはずがないので、借金をしたりとか、自分たちの親族が借金のカタになっているということ。だから、日本では必ずそれだけの金は稼いで帰らなければ自分たちの親族の命も危ないという、こういうような仕組みになっているということで、ここに日本の暴力団が絡んでいる、今組織的な問題になっているということを指摘しておきたいと思います。
 扇大臣、その集団密航事件に絡むかどうか分かりませんが、不審船事件がございましたので、その対応につきまして、もし、一言お願いいたします。
#49
○国務大臣(扇千景君) 絡んでと言われると困るんですけれども、これは全く絡んでおりませんで、少なくとも私どもは、海上保安庁、命を懸けて日本を守るという、海の警察官としての任務を全うしております、現段階で。
 そして、この不審船に関しましては、二月の二十五日から三月の一日までということで初めてこれは捜査をいたしまして、一番最初ソナーを入れまして、今はカメラも入れました。そして、一日の早くでございますけれども、これは帰ってまいりまして、今かなりの映像を保有しております。そして、第二段階、第三段階と順次人事を、人を今度入れてという手順で、私どもは、これをでき得るならば引き揚げて、そしてお互いに明快にしていきたいというふうに思っております。
 今、絡んでというお話なので、絡んでということではないと思いますけれども、一つだけ、私は、今、事前に密航の話等々なさいましたので、私は、大変いい事例が昨年ございましたので、中国と日本とこんなにうまくいったということを言って、この件に関しても私は両々相まってお互いに助け合いたいと思っています。
 それは、昨年ですけれども、十三年の十月の十一日、これは中国から、公安部から一報をいただきまして、海上保安庁に入電が入りました。そして、密輸船があるいは人を乗せて、密航者を乗せた船が行っているらしい、要注意という通知をいただきました。そして、海上保安庁でこれを受けまして、警察も入れて合同で捜査いたしまして、十三年の十月の十三日に船を見つけまして、中国のおっしゃったとおり、九十一名の中国人の密航者、そして、今蛇頭の話がありましたけれども、この蛇頭らしき請負組織の十六名、計百七名を共同で摘発したという事例がございます。
 こういう意味で、私は、中国と日本が協力してそういうものを検挙していくという事例ができましたので、私は、不審船も中国とお互いに逆の立場で、中国のものがこっちへ来たときには日本もこれを助けることができると、そういう関係を保っていきたいと思っております。
#50
○佐々木知子君 これは外務省にお聞きしたいんですけれども、こういう不法な入国を日本にさせないようにということを中国側に申入れをしているのでしょうか。
#51
○国務大臣(川口順子君) お答えは、しております。日中の治安当局間協議、日中の領事当局間協議というような場がございまして、そこで中国側に対しまして取締り、それから警防活動の強化を要請をしているわけでございます。中国側はこれに対しまして、密航の断固取締りなどの方針を表明して、かつ種々の対策を講じて既にきているというふうに承知をしています。
 例えば、昨年の三月くらいからコンテナによる密航事件がかなり増加をいたしましたが、これに対しまして中国政府に申入れをいたしましたところ、中国側は、大連から日本向けのコンテナに密航防止用のシールを張ってということなどを行いまして密航防止策を講じているということでございます。
#52
○佐々木知子君 中国に絡んではちょっと後に外務省にまたお聞きしたいと思いますけれども、偽変造パスポートのチェックシステムが完備されればこれで水際対策は十分ではないかと思うんですが、どうやらイタチごっこのようで、なかなか追い付かないというふうにも聞いております。
 また、入国管理局の陣容というのは、不法残留者などが非常に増えたのにもかかわらず、ほとんど増えていないというふうにも聞いております。
 この点について入国管理局はどのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。
#53
○政府参考人(中尾巧君) 委員御指摘のとおり、水際対策、特に偽変造パスポートのチェックというのは極めて重要な課題でございますし、水際対策の重要な対策の一つだろうと考えておるところでございます。
 私どもといたしましても、本年度につきまして、関係各省庁の御理解をいただきまして、成田空港を始めといたします全国の主要な空海港等に最新鋭の偽変造文書鑑識機器四十四台を配備させていただいたところでございますし、この関係で偽変造文書鑑識要員を二十八名増強することができております。
 そういったことも含めまして、平成十三年度におきましては、上陸審査手続等において発見された偽変造旅券の発見件数は前年の九百五十五件から千四百四十五件と、前年比約五一%と大幅な伸びをしているところでございます。
 今後とも、体制の充実を含めまして、偽変造文書対策に最善を尽くしたいというふうに考えておるところでございます。
#54
○佐々木知子君 これ、一般の人たちと話しておりますと、例えば、新宿の歌舞伎町などに行きますと中国語や韓国語が飛び交っていて、今、何か日本人が普通に歩いていても怖いような感じがする、ここは日本ではないような感じがする、どうして警察当局や入国管理局はこういう人たちを事前に取り締まらないのか。例えばパスポートを持っていないことももちろんあります。偽変造の場合もあります。あるいは在留資格がもう過ぎている、短期滞在ですからもうオーバーステイイングをしているということもたくさんあります。
 そういうのを事前にチェックして強制送還をさせれば、それである程度、もしかしたら犯罪につながることも防げるのではないかというふうに言われており、私は法治国家としてはそうすべきであるというふうに考えておりますが、なかなかこれが手が足らないだのなんだのということで実行されないようでございますけれども、私は、その裏には実際は産業界にこうした外国人の需要があるのではないかというふうに考えております。
 殊に三K職場、きつい、汚い、危険と言われる職場では、賃金もさることながら、日本人がなかなか働こうとしない。ですから、こういう外国人を雇わなければやっていけない。不法就労助長罪なるものができておりますけれども、余り適用されたというふうには聞かない。であるからして、見付からなければ問題はないということで使っている産業界というものの実態があると。
 そういうことを私は厚生労働省にお伺いをしようと思いましたが、厚生労働省の方ではこれは把握できないということで、これは法務省の入国管理局の方の把握だということでございますけれども、不法就労者の実態というのはどのように把握されておりますでしょうか、お伺いいたします。
#55
○政府参考人(中尾巧君) お答え申し上げます。
 私どもの場合の把握は、あくまでも退去強制手続を実際に取った入管法違反外国人の調査の過程で供述等から得られたところからその実態を把握せざるを得ない状況になっておるわけでございます。
 平成十二年度中に入管法違反外国人について退去強制を取った数が約五万一千人ございます。このうちの約八五%に当たります約四万四千人が不法就労をしておったとのことを把握しております。
 職種別に見ますと、工員、ホステス等の接客業、それから建設作業員が多いわけでありまして、この三種で不法就労者全体の約六割を占めているのが実情でございます。
 稼働場所につきましては、その約三割が東京都内で稼働しております。その一方で、全国四十七都道府県に及びまして、最近は極めて地方拡散化傾向が継続しているのが顕著な特徴だろうと思います。
 さらには、就労期間につきまして、これは最近は不況の関係もあろうかと思いますが、五年を超えて就労している者が約三割も占めておりまして、これが非常に問題だろうというふうに私どもは考えておりまして、こういった長期化、定着化傾向が進んでいるように思われます。
 以上でございます。
#56
○佐々木知子君 十年ほど前、日本語学校、これは実体のない日本語学校、就学ビザを出すためだけに中国人を受け入れて、実際は不法就労させているという学校が非常に問題になったことがあります。その後、取締りがありましてかなり少なくなったというふうには聞いております。
 留学生の受入れ十万人目標ですか、文部科学省がやっていることは本当に学びたい人を受け入れるということであればそれは誠に結構なのですが、これが不法就労の隠れみのになっているようなことでは私は決して許されないことだというふうに思います。
 最近では山形県の酒田短期大学というところが非常に問題になりましたけれども、これについて文部科学省、どのように把握しておられるのか、お答え願えますか。
#57
○国務大臣(遠山敦子君) 酒田短大の一連の問題は、昨年十月に酒田短大が二百六十五名の中国人留学生を入学させようと入国申請を行いましたところ、入国管理局が、定員を上回る留学生がおり適切な授業を受けられない可能性があるといたしまして、在留資格認定証明書を交付しなかったことから発覚したところでございます。
 その後明らかになりました主な問題点を申し上げますと、一つは、定員を大幅に超過して留学生を受け入れたこと。二番目には、留学生がアルバイトのために授業を受けずに首都圏に流出していたこと。第三には、東京のサテライトスタジオでのビデオ放映をあたかも授業であるかのように取り扱っていたこと。また、留学生の奨学金等が渡されておらず、奨学金等にかかわる経理処理が不適切であったこと。そして、入学者選考におきまして、教授会の関与がほとんどないまま事務局長等が選考を行ってきたことなどが挙げられます。
 これらの問題の根幹には、留学生に依存した学校、大学運営と、留学生の学籍管理や生活面の支援体制が十分でなかったことが挙げられると考えております。
#58
○佐々木知子君 これは昨年の五月の一日現在ですけれども、入学定員が百人のところを入学者数が二百五十一人、収容定員が二百人で現員が三百九十七名ということで、その三百九十七人中三百八十四人が私費留学生で、うち一人を除いて全員中国人留学生という、こういう実態なんですね。平成十二年度四月入学者の後に十月入学者も入れまして、これ、志願者数が百四十六名、全員中国人、十三年度は四月入学者二百四十八人のうち四名を除いて全員中国人、十三年度にまた十月入学を入れようといたしましたところが、ここで入管でストップが掛かったというような事態なんですね。これ、入管でストップ掛かるまではそのままだったということなんで、これ、奨学金も使い込みを学校にされているわけですよね。
 こういうような事態がここの時点に至るまで文部科学省の方は把握できないということはいかがなものかというふうに思うわけですが、これは監督庁といたしましてこういうことでよろしいんでしょうか。
#59
○国務大臣(遠山敦子君) 文部科学省といたしましては、毎年五月にそれぞれの大学における留学生の問題について、留学生の概数等につきまして調査をいたしております。
 今御指摘のように、昨年の四月に急に多くなったということが後で分かったわけでございますが、私どもといたしましては、私学の問題でもございますけれども、今後はこういう問題の重要性にかんがみてもっとしっかりと実態把握をしたいと思いますが、本件につきましては、昨年十一月から五回にわたりまして酒田短大の学長あるいは事務局長から説明を聴取していますほか、本年二月には課長を筆頭といたしまして現地調査を実施いたしまして、一連の問題の経緯あるいは短大の経営状況など事実の把握に努めてきております。
#60
○佐々木知子君 関係者の処分なども私は必要かというふうに思いますけれども、これは多分極端な例だというふうに言われるかもわかりませんが、ここまでではないにしても、恐らく似たような大学なり各種学校が日本全国にあろうかというふうに思います。こういう実態調査をやるということが文部科学省の私は責務であろうと思います。入管に何もかもおんぶにだっこでは、これは日本の治安というのは保てないと思います。
 私が憂えていることは、この日本という平和な国家、平和な国家が他国の食い物にされるようなことがあっては決してならないということで、それを食い止めることが私は政治の責務であるというふうに考えております。
 次に、外国人受刑者の問題についてちょっとお伺いしたいんですけれども、外国人受刑者は恐らく増えているというふうに考えておりますが、その数と国籍について簡単に、法務省、お答え願います。
#61
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。
 来日外国人受刑者というのは、永住者及び特別永住者の在留資格を有する者、それから米軍関係者、それから在留資格が不明の者、そういった者を除いた外国人受刑者を指すわけでございますが、昨年末の速報値で申し上げますと、その人数は二千四百六十二人でございます。
 国籍は六十二か国で、多い順で申し上げますと、中国人受刑者千六十五人、イラン人受刑者が三百二十五人、ブラジル人受刑者が百九十四人となっております。
#62
○佐々木知子君 約半分近くが中国人だということで実態をお聞きしておきます。
 私は、実は受刑というのは、そこの国において刑務所に収容して矯正をして、そしてそこの国の市民として改善更生させるべきものであって、本来はその国でやるのが妥当であろうというふうに考えております。日本で刑務所で幾ら丁寧に収容処遇しても、その後に本国に帰すべき人ですから、これは端的な話、税金の無駄遣いではないかというようなことを指摘されれば、それもそのとおりかなというふうにも思わないこともないという側面があることを申し上げたいと思うわけですけれども、今回、日本が受刑者移送条約を批准することになりました。まず、その内容について外務省にお答えいただき、その効果について法務省にお答えいただきたいと思います。ちょっと省庁が縦割りされておりますので、このようにお答え願います。
#63
○国務大臣(川口順子君) この条約は、来週の火曜日に国会に提出をさせていただいて審議をお願いすることになると思いますが、欧州評議会で作られました多数国間条約でございます。
 内容といたしましては、締約国間にいる外国人の受刑者を一定の要件の下で母国に移送をする手続について定めたものでございます。正に委員が今問題意識としておっしゃいましたように、この目的は、外国で刑に服する受刑者を母国に移送して服役させることによりましてその受刑者の改善更生と円滑な社会復帰を促進することを目的といたしておりまして、受刑者の母国へ移送する場合の一般原則、移送を行うための条件、方法、移送によって生じる効果などについて定めているものでございます。
#64
○国務大臣(森山眞弓君) 今、先生も御指摘なさいましたように、また外務大臣からもお話がございましたように、この受刑者移送条約の締結によりまして、我が国の行刑施設に収容されている外国人受刑者を母国に移送いたしまして刑の執行の共助を嘱託することによりまして、その改善更生及び円滑な社会復帰を促進するという刑事政策的な効果があると考えております。
 これは外国の行刑施設に入っております日本人に対しても当てはまるものでございますが、このほか、受刑者移送によって刑事法分野における国際協力の推進にもつながると考えておりまして、この条約の締結は極めて有意義であるというふうに思っております。
#65
○佐々木知子君 ただ、この条約を締結いたしましても、先ほどお述べになりました中国やイランやブラジルには適用がございませんので、日本で服役しているその外国人たちにつきましてはやはり日本でそのまま収容、矯正するということになります。
 日本がアジアでこの条約の最初の締約国になるということでございますけれども、中国その他のアジア諸国では受刑者移送というのをどのように考えているのか、法務省、お答え願えますか。
#66
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。
 私どもの矯正行政に携わるアジア太平洋諸国の実務者の責任者が集まるアジア太平洋矯正局長会議というものが毎年一回開かれております。そこではこれまで国際受刑者移送の問題とかその問題を視野に入れた相互の協力というようなことが話題になっておるわけでして、昨年タイで開かれた会議でもその点が話題になりました。
 そこでの印象というか、そういうことでお答えさせていただきますが、受刑者移送につきましては、アジア太平洋諸国につきましても多くの国がその制度の意義については認めておりまして、今後検討していくべき課題であるという姿勢を示しております。
#67
○佐々木知子君 憂うべくは日本の刑務所処遇が非常に内容がいいということでして、前、中国の裁判官を府中刑務所に案内しましたところ、こんなにいいところだったら私だって入りたいというふうに言われました。月々大体平均して作業賞与金四千円も得られますし、一年だと五万円にもなります。それを四年もしたら二十万円になります。多額のお金を持って帰れることになりますので、捕まっても全然構わないというようなことをよく中国人の犯罪者からも聞かされました。これは大きな問題だというふうに思っております。
 そこで、外務省、中国へのODAの実施額は大体幾らですか。お聞きします。
#68
○国務大臣(川口順子君) 平成十二年度の数字でございますけれども、総額二千二百七十三億円でございます。ODAを受ける国としては最大でございます。
#69
○佐々木知子君 年に約二千億円も供与しているということなのでございます。ODA大綱というのを私もチェックいたしましたけれども、中国に果たしてODAを供与される資格、あるんでしょうか。それもお聞きいたします。
#70
○国務大臣(川口順子君) 中国へのODAの供与につきましては様々なあるいはお考えがあるかもしれませんけれども、政府といたしましては、ODA大綱、これについてはちょっと後で触れさせていただきますが、踏まえまして、中国の援助への必要性、援助の需要、中国の経済社会の状況、それから日本と中国との二国間関係、こういったことを総合的に判断をいたしまして、中国への経済協力を実施いたしております。
 委員がおっしゃっていらっしゃるのは、そのODA大綱との関連であるかと思いますけれども、ODA大綱では、相手国の武器の輸出入等の動向にも十分注意を払うということが書いてございます。この点につきまして、中国が第三国へどれぐらい武器輸出をしているかということについては必ずしも分かっていないということでございまして、中国との間では、この点についてもっと情報を提供する、あるいは、日本のODA大綱の考え方についてより理解をしてもらうように努めるといったことを進めていくことが必要だと考えております。
#71
○佐々木知子君 他にODA供与として多い国は、インドネシアとかベトナム、インドやタイがございますけれども、それらの国の国民は、日本のODA供与によってこういう施設が造られたんだということを知っております、おおむね。ところが、中国の国民は全く知らされていないんです。いいですか、知らされていないんです。
 ですから、立派な空港や発電所や高速道路を造っても、それが日本のお金が何分の一かここに入っているということが分かっていない。感謝なんかしようがないんです。一方的にこれはODAをしていると。そして、日本は密入国でいろんな中国人を受け入れているということで、これは私は外交姿勢としては非常に問題があるのではないかというふうに考えているものであります。
 今回、鈴木議員に関しましてのODA疑惑も出ております。国民は非常に怒っております。日本は今お金が余っている状態ではないのです。みんなリストラで困っている人、首つろうかとしている人だってたくさんいるわけです。それだけお金がないのに、なぜほかの国にこれだけお金をやって、感謝もされずに、あるいは第三国に武器輸出もされているかもしれないと。そういうようなことでは、これは血税の使われ方として誠になっていないと、私はもう本当に心からそう思うものでございます。
 何か野党のような質問になってしまって恐縮でございますけれども、国民の立場としての質問でございます。
 ODAは、やはりこれは公開されなければいけない、もちろん透明性を確保しなければいけない。何に使われたかというのをこれは国民に明らかにすることが国の責務ではないでしょうか。外務省、お答え願います。
#72
○国務大臣(川口順子君) ODAにつきまして今様々な御意見があるということはよく承知しておりますし、そういった御意見についてはどんどん出していただいて、全体としてどういうODAの在り方がいいかということを議論をしていくのがいいと私は思っております。
 それで、私がこの前出させていただきました開かれた外務省のための十の改革の中ではODAを一つの項目として挙げさせていただいておりまして、ODAをより効果的に効率的に使うということで、透明化を図るということでひとつ議論をこれからいただきたいと思っています。「国民の税金を無駄にしないよう、ODAを透明性を持った形で実施します。」というふうに書かせていただいておりまして、例えば例示といたしましては、第三者の参加を得た委員会で援助の分野、プロジェクトの優先順位を議論し、決定するということも考えたいと思っております。
 ODAは国民の税金を使うということでございますので、その過程あるいはそれを何に使ったかということは国民の方に広く開示をして、広くその過程に参加をしていただいて、それによって国民の方のODAに対する理解、これは本当にODAは必要なことでございますので、これに対して理解を十分にいただいた上で望ましい形でODAを実施をすべきであると思います。
 なお、一言だけ付け加えさせていただきますと、ODAについての情報は、今かなり開示を既にされております。私が申し上げているのは、それを更に、透明度を更に上げると、そういうことでございます。
#73
○佐々木知子君 努力していただきたいというふうに思います。
 時間の関係で、自治労問題に移らせていただきたいというふうに思います。
 昨年、全日本自治団体労働組合、自治労の関係者が逮捕、起訴されるという不祥事が発生いたしました。その内容なんですが、私がしゃべってもいいんですけれども、どういう立場にあるだれそれが、どういうことをして、どれだけ自治労に損害を与えたのか、まず起訴、公判に、起訴されて今公判中のものにつきまして、片山総務大臣、お答え願えますか。
#74
○国務大臣(片山虎之助君) 自治労という団体は、地方公務員法上の職員団体と、国家公務員法上の職員団体もあるんです、元の地方事務官なんかそうですから。それから労働組合法上の労働組合も入っているんです、第三セクターの職員なんか。そして、その他の管理職も一部入っているんです。それはもうこれは大混成旅団で、しかも、だからこれはどこの法律でどうやるという団体じゃないんです。しかも、今法人格が取れる法律ができたんですけれども、ILOの勧告で。ところがその法人格も取っていないんです。だから、あの組織体は巨大なる任意団体なんですよ。だから、役所が今管理監督するような立場にないんですよ。
 だから、詳細言えと言われても、私もそれ言う立場にないんだけれども、報道によると、自治労の関連会社の専務理事など六人が業務上横領の罪で告訴されているのと、団体としての自治労と、その自治労の元委員長など幹部二名が法人税脱税容疑で起訴されております。
#75
○佐々木知子君 ちょっと余りにも簡単過ぎてがっくりきましたけれども。
 ちなみに、業務上横領の額が約八千万円と、脱税につきましては、二億円余りを脱税している、逋脱額だというふうになっておりますね。
 それが、かなりまがまがしいことには、右翼団体も絡みますし暴力団も出てきます、ダミー会社も幾つか出てまいります。それから簿外債務が出てきますね、三十八億九千万円の簿外債務です。これは中央労働金庫、三十三億九千万円、都市銀行は五億円ということで、中央労働金庫に関しましては、これが、済みません、中央執行委員会の正式の意思表示もなしに簿外債務が発生しているという信じられないような実態でございます。これは裏口座は十六口座七億七千万円あります。自治労本部に十二口座四億七千万円、事業本部に四口座三億円と、こういうような事態になっております。
 これが一体何に使われたのか。恐らくこれは任意団体なので私のあずかり知らぬところだというふうに大臣はお答えになるのでしょうが、そうでしょうか。
#76
○国務大臣(片山虎之助君) 現在、司直によって全貌が解明されつつありますね。私が言っているのは、法律上、我々がそれについて承知したり、どうにか物を言ったりする立場にないんですよ。だから、それはちょっと言っていただいても、お気持ちは大変痛いように分かりますけれども、それは総務大臣としてはそういう立場にないということを是非御理解いただきたいと、こういうように思います。
#77
○佐々木知子君 そうしますと、組織内候補ですね、国会議員、地方議員含めてどれぐらいいるのか、そういう実態の把握ももちろんできていないということでお聞きいたしますが、多いときで三十二人いたというふうに把握しております。地方を含めますと千人ぐらいはいるのでしょうか。これも把握の限りではございませんが、たくさんいるというふうに考えていいと思います。
 日本最大のこれは労働組合ですけれども、国家公務員法、地方公務員法上の職員団体には、民間の労働組合と違いまして外部監査、一般への公表義務が規定されていないと、こういうことでございますが、これは片山大臣、改めるべきではないでしょうか。
#78
○国務大臣(片山虎之助君) 職員団体はこういうことになっているんですね。国家公務員の場合には人事院に登録をして認証されるんですよ。それから、都道府県の職員団体の場合には都道府県の人事委員会に登録をして認証をされる、認証ですね。その場合の規約の中には、必ず経理や会計上のことということが必要記載事項になっているんですよ。ただそれだけですから、それは決めてもらわにゃいかぬのですけれども、例えば監査人による監査とかその結果の公表だとかということは法律上義務付けられておりません。しかし、おらないけれども、やっぱりあれだけの巨大な組織体になるとそういうことをやるのは私は常識だと思うし、現に今年二月ですか、自治労大会で監査人をこれからは選定をして監査をすると。透明性を高めるという自治労としての意思決定はやっております。
 以上でございます。
#79
○佐々木知子君 何か本当に官僚としてのお答えをいただきましたけれども、被害者は組合費が給料から天引きされている、チェックオフですね、被害者意識が非常に薄いんですよ。今回言われて初めて、あらすごい差っ引かれているわ、驚いたとか、私の友達も許せないということをやっと言っておりましたけれども。一人月平均でどれだけ天引きされているのか。これは事件が起こってもまさか知らないということはございませんでしょうね。
 厚生労働省に、じゃお聞きいたします。
#80
○国務大臣(坂口力君) いや、総務大臣からのお答えにございましたように、組合法に載っていないものですから、私の方の本当は所轄でないわけでございますが、昨年も予算委員会でお取り上げをいただきましたときにも、そのときに調べましたところでは、約八百円ぐらい、こういうふうにお聞きをいたしております。
#81
○佐々木知子君 いや、違う。上納金が八百円。
#82
○国務大臣(坂口力君) 月、上納金が八百円ぐらいというふうに……
#83
○佐々木知子君 天引き。
#84
○国務大臣(坂口力君) チェックオフ、いや、それは私の方も分かっておりません。
#85
○佐々木知子君 何か余りいろいろ省庁はよく御存じないのでびっくりしてしまいますけれども、大体千分の十五で、平均して五千円チェックオフされているというふうに考えております。
 私は、これは原資が税金でございます。これは公務員が受けているのは税金でございます。この税金がどういうふうに使われたのか、これは自治労の全体の経理の実態を私は明らかにしなければならないというふうに考えております。もちろん今司直の手で明らかにされてはおりますけれども、御存じのように、起訴、公判になるものというのは、証拠の関係からしてある程度限られてしまいます。一部でしかございません。全体、私は把握すべきものだというふうに考えておりますので、委員長に是非、後藤森重氏にここでお話を聞きたいということを要望いたしまして、時間も参りましたので、私の質問を終わらせていただきたいというふうに、委員長にお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいというふうに思いますけれども、最後に、総理のコメントをお伺いしたいのですが、こういうふうに自治労……(「まず委員長にお願いして」と呼ぶ者あり)はい。まず委員長にお願いいたします。済みません。
#86
○委員長(真鍋賢二君) ただいまの御提言に対しまして、理事会におきまして協議いたします。
#87
○佐々木知子君 最後になりますけれども、この自治労の問題、それから最近ワイドショーなどを本当ににぎわせております鈴木議員のいろいろな疑惑、それから、その他多々ございます。政治倫理が私はやはり確立されなければ国民の信頼は得られませんし、政治というのは真っ当な方向に進まないというふうに考えております。その点について、総理のコメントを最後にお伺いいたしたいと思います。
#88
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政と官の在り方、国家公務員であれ地方公務員であれ、政治からの中立性というのは保持されなきゃいかぬということで、政治活動、選挙活動は厳しく制限されているはずなんです。それがなぜ国家公務員、地方公務員、堂々と、特定の政党、特定の候補を、選挙の応援していいのか。こういうことを厳しく私は問い直さなきゃいけないと思いますね、政と官の。役所から役人に選挙運動させる、この役人も平気で選挙運動する、これは好ましいことではありません。与党野党含めてもっと厳しく政と官の在り方は見直さなきゃいけないと思います。
#89
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。入澤肇君。
#90
○入澤肇君 極めて鋭い野党的な質問の後に、私は提案型の質問をさせていただきたいと思います。
 小泉総理が進める構造改革を更にエンカレッジするという視点に立ちまして、経済政策を中心に御質問申し上げたいと思います。
 小泉内閣になりましてから、いろんな報道がありますけれども、私は着実に改革のステップが踏み出されているんじゃないかというふうに認識して、また評価しております。
 言葉の上では、いろんな言葉がちまたを騒がしている。構造改革なくして景気回復なしと、こういう言葉もあれば、景気回復なくして構造改革なしという言葉もあります。さらに最近は、政治改革なくして構造改革なしと、こういうふうなことも言われているわけですね。正に百家争鳴であります。
 しかし、確実に言えますことは、戦後五十数年をして我が国の経済社会システムが完全に制度疲労に陥っていると。昨日の御質問を聞いていましても、例えばODA、外務省の予算の問題、あるいはBSEの問題、これらは全部、官僚組織そのものが制度疲労に陥っているんじゃないか。あるいは食品表示の問題につきましても、社会全体が倫理観なき経済成長そのものを享受するような状態になっているんじゃないかと。
 そういう中で、私は、小泉総理が聖域なき構造改革というスローガンを掲げて改革に取り組んでいることを高く評価し、また、是非初心を貫くことを期待しているところでございます。
 ただ、この間の施政方針演説の中には、改革断行という言葉はあるんですけれども、聖域なき構造改革という言葉が一つもないんですね。改めて総理の構造改革に取り組む決意をまずお聞きしたいと思います。
#91
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、構造改革なくして景気回復なし、いかに分かりやすく説明するというのには言葉は短い方がいいと。改革なくして成長なし、短くて分かりやすいでしょう。これは、あらゆる改革に通ずると思うんです。政治改革もその一つであります。
 今回、そういう意味におきまして、我々の進めていく構造改革路線、いろいろ御批判もありますけれども、それでは改革しないで今までのとおり景気対策をやっていれば景気が回復するのかと。そうじゃない、やはり市場経済、二十一世紀の新しい時代に対応できるような行政、財政、政治体制を整えていかなきゃならない。この構造問題にメスを入れない限り、どんなにお金をぶち込んでも借金をしても、また、そのお金というものは生産的な方向には回らないし効率的には運営されないというとなると、これは経済再生に結び付かない。そこで、今までの制度、機構を見直そうということが構造改革でもあります。また、民間でできることは民間にやってもらおうと。
 今までは、公共的な仕事は役所しかできないと。一歩進んで、最近では、民間は公共的な事業を補完にしてもらおうということから更に一歩進めまして、公共的な仕事はむしろ民間企業だって、民間人でやっていいんじゃないかと。公共的な仕事は役所がやる、役人がやるということにもうこだわらない、むしろ民間企業、民間人でさえも公共的な分野に進出してもらおう、それがこれからの一つの時代の姿ではないかと。
 また、財政の面から考えてみても、同じ仕事をしても、役所がやれば税金は払わない、民間は税金を払っている。こういうことから考えてみても、むしろ民間でできる仕事はどんどん民間に回していけばいいじゃないかと。規制がある、この事業は民間に参入させない。民間でできるんだったら、役所がやっている公共的な事業も民間に参入してもらえばいいじゃないかと。
 地方と中央。これは、地方分権と言っていながら何でも中央省庁に陳情に来させる。それよりも、もっと地方に、お金の使い方にしても集め方にも裁量権を持ってもらった方がいいのじゃないかと。そうすると、地方の分野、地方はどういうことをやればいいか、国はどういうことをやればいいかと。官と民の在り方だけじゃなくて、中央と地方の在り方にも取り組まなきゃならない。
 こういう面において、二十一世紀型、今まではよかったかもしれないけれども、これからの時代には合わないんじゃないかという点から構造改革を進めていこうと。そのためには、今までがいいという人が現実に多いです。今までの制度を直すとなると必ず、それを取られると、既得権益を失うグループは必ず反対に回ります。そういう既得権を手放さなきゃならないところからの抵抗や反対は、むしろ新しい時代に生きていこうという視点から改革していこうということで、それに向かって邁進していくのが小泉内閣の使命だと思っております。
#92
○入澤肇君 大変ありがとうございました。分かりやすく説明していただきまして、感謝したいと思います。
 ただ、これから政策を実効あらしめるためにはやっぱり優先順位が必要だと。今問題になっているのは、何よりもデフレスパイラルの入口にあると言われる経済状況から脱却しなくちゃいけない。この点につきまして、デフレ政策が先なのか不良債権の処理が先なのか、さらにそれは、不良債権の処理とGDP、経済成長の関係はどうなのかということについては必ずしも明らかでない。エコノミストはたくさんいますけれども、いろんなことを言っている。
 しかし、最近、官側のエコノミストで非常にいい論文を書いた方がいらっしゃいます。これは財務省の財務総合研究所次長が日経新聞に掲載している小論文ですけれども、このデフレと不良債権問題、経済成長の関係に極めて明快な分析を行っている。
 これを御紹介しながら、需要対策についてお聞きしたいと思います。
 第一に、過剰債務が減少しても実質GDPを押し上げる効果は統計的には検出されない。一方、実質GDPが一%増加すると過剰債務を二・八%減少させる効果がある。これが第一です。
 第二に、過剰債務がデフレを引き起こす効果は、デフレが過剰債務を増大させる効果に比べれば無視できるほど小さい。つまり、デフレを解消させることが先行させるべきである。例えば、国内の卸売物価が一%上昇すると過剰債務は二一・二%減少する。逆に、過剰債務が一%減少しても国内卸売物価は〇・〇〇三%しか上昇しない。
 これ非常に明快なんですね。デフレと不良債権問題、それから経済成長の問題をこんなに明快に分析したデータは今まで見なかった。リチャード・クーさんだとか、いろんな人がいろんな本を書いていますけれども、これは非常に政府としては貴重な研究成果だと思うんです。
 ここから言えることは、その次長が結論的に、要するに、思い切って金融の量的緩和を進めてデフレを阻止することが必要であると。これは、財政政策についてはちょっと言えない立場にあるかもしれませんけれども、金融政策でとどまっているわけです。
 しかし、幾ら金融緩和をやっても、今ちまたの中小企業の皆さん方の声を聞いても、まず借り手がいない、貸し渋り、貸しはがし。したがいまして、需要効果が現れないんですね。そこで、改めて需要政策について、これは基本的に取り組まなくちゃいけないんじゃないかと私は思うんです。
 ただ、この需要政策といいますと、何かトラウマにかかったような状況にあるんじゃないかというのが一つ懸念されるわけであります。
 それは、最近十年間で十二回の経済政策を打ち出しました。十年間で十二回。これは財務省からもいただいた資料ですけれども。それで、百三十七兆円の財政支出をしたという数字がございます。特に小渕内閣になってから、その在任中に八十三兆五千五百億円余の国債が発行されたと。にもかかわらず、景気が回復しなかった。したがって、その国債発行三十兆に枠をきちんと設定して、財政に依存しない経済政策をまずつなぐべきじゃないかというふうな結論があるんじゃないかと思うんですけれども、小渕内閣が八十三兆円出した、最近十年間で百三十七兆円の財政支出を行った、この支出効果は一体どんなものだったのか。我が国の経済状況にどのような影響と効果を与えたのかということをまずお聞きしたいと思います。
 財務大臣、いかがですか。
#93
○国務大臣(塩川正十郎君) 小渕内閣のときに実際、生の現金で相当補正予算をやって、十一年度で約七兆円やっておりますし、十二年度で約四兆円やっております。しかし、これは要するに、その需要喚起といいますけれども、在庫調整のための補正であったんじゃないかと思っておりまして、私は、自分の考えといたしましては、今、需要を拡大しろということはやかましく言われます。しかしながら、需要を拡大いたしましても、供給側が新しく体制を変えない限りその需要は在庫調整に終わってしまうんではないかと。したがって、新しい経済効果というのは生んでこないと、私はそう思うておるんです。
 それじゃ、供給サイドをどう変えるかといいましたら、要するに技術革新が、東西冷戦が終わりましてから激しく技術改革しましたが、その技術改革に日本の経営者はよう乗らなかった。要するに、ぼやっとしておったんですね。今になってから、これはもう大変だというので情報機器だと、あるいはデジタルだということを方向を変えておりますから、このスピードを上げさすことが私は供給サイドを確定すると思う。そうすれば景気が良くなる。そういう改革の方に、供給サイドの改革のところに思い切った金を出さなきゃいかぬ。
 それには、やっぱり民間との協議が必要だろうと。官の主導では絶対良うなりません。民間がやっぱりその意欲を燃やしてくれなけりゃ。それは、最近になってようやく民間の経営者の方も気付いてきたと思っておりまして、改革をやっています。そのたびにリストラをやったりそれから合併をやったり、部分別整理は進んできておりますので、これはもう少し進めば私はやっぱり離陸していくんじゃないかと思って期待しておるんですが、そうすれば、政府としてはそっちの離陸しやすいような方向に金を思い切って出すということ、これを必要だろうと思っております。
#94
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと私の方に質問通告をいただいておりませんでしたので、九〇年代の細かい数字のことは持っておりませんのですが、財政がお金を出して需要を喚起するというのは、一時的には間違いなく効果のある政策だと思います。しかし、それは続けていきますと効果が落ちてきて、効果が落ちないようにするためにはさらに需要を追加しなければいけないと、そういう宿命を持っているわけであります。
 したがって、需要に関しては、危機的な状況にありました九八年とか九九年にかけての支出というのは大変大きな意味があったわけでありますけれども、それを続けることはできないというのが財政拡大政策の一つの宿命であろうかと思います。
 もう一点、御紹介いただきました原田次長の論文だと思います。原田次長の、いろんな考え方があります。原田次長の御指摘は、実は需要を増やすことが重要であるということを指摘をしている点もございますが、基本的にはこれは金融によって、金融政策によって、マネーを増やすことによってデフレ及びその需要について大きな効果があるという、原田次長、非常に独自のお考え方に基づくものであるというふうに認識をしております。
 いずれにしても、物の値段が下がると、そうすると不良債権が増えるというその試算は非常に正しいものだと思います。しからば、物の値段が下がるのはなぜなのかということについては、これは実は幾つかの考え方が、異なった考え方があるというふうに認識をしています。
#95
○入澤肇君 抽象的に言葉を並べられてもなかなかこれは前へ進まない。例えば、こういう説もあるんですね。この十年間で百三十七兆円、リチャード・クーさんは本の中で百四十兆円の景気対策を打ったと丸めて書いてあります。この十年間に、逆に資産価格の下落で失われた富は、株と土地の部分だけで日本全体で千三百兆円だと、これは日本の二・五年分のGDPに相当すると、ただし、この百四十兆円を出したがゆえに日本経済がデフレスパイラルに陥るのを防いできたと、そういうふうなことを指摘しておりますが、じゃ、これについてはどうですか。
#96
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど申しましたように、政府がお金を出すことによってその需要を一時的に喚起できると、これはもう間違いない事実だと思います。しかし、先ほどの財務大臣の話にもありましたように、経済を持続的に発展させるためには、やはり経済のその供給力、生産性とか技術革新とか、そういうものを高めていかない限り、それはあくまでも一時的なものにとどまるということなのだと思います。
 政府の九〇年代の経済運営で、もしも反省するものがあるとすれば、その時々において有効な需要の拡大というのも確かにあったけれども、構造改革が残念ながら遅れたことによって、その生産性の上昇とか技術革新とか、持続的な発展の基盤が伴っていなかった。したがって、そこをきちっとしない限りやはり経済を、正に構造改革なくして成長なしということになるわけでありますけれども、それが経済政策の基本であって、経済の需要面がこれはスパイラル的に悪化するときには、これはやはり政府にはその需要を付けるという重要な役割もあると、そういう考え方になるのだと思います。
 現実に、小泉内閣はそのような形で政策を運営しているというふうなつもりでおります。
#97
○入澤肇君 正にスパイラル的な入口に立って、スパイラル的なデフレの入口に立っているからこそ需要対策が必要だということを今申し上げているんですけれども、経済を持続的に発展させるという中で経済政策も私は一貫性がなくちゃいけないと思うんです。
 二〇〇〇年の十月の補正予算で事業費ベースで十一兆円、それから前年の九九年の十一月には十八兆円の補正予算を組んだと。二〇〇〇年の十月の補正予算はマイナス七兆円の事業費になったわけであります。せっかく経済効果が表れたのが減殺されたんじゃないかという指摘もございます。株価は九八年十月を底にしまして、二〇〇〇年四月には一万円も上昇しております。二〇〇〇年度の税収は三年ぶりに五十兆円台、五十・七兆円に達しました。それから、赤字国債も二・三兆円減少しております。九八年から九九年度の積極予算と補正の効果は、これは十分あったという指摘があります。私もそう思います。
 ただ、数日前に堺屋元経済企画庁長官も指摘していましたけれども、効果が出て景気がテークオフし掛かったと思うとすぐに緊縮型の財政へ転換する、そこで景気が落ち込む、税収が減る。正にアクセルとブレーキを交互に踏んでいるがゆえに、経済政策について若干の問題があるんではないかということが指摘されております。
 この点については、竹中大臣、どうお考えですか。
#98
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済の説明ですので少し抽象的だという御批判をまた受けるかもしれませんが、財政の役割というのは少し需要を押し上げて、その下で例えば民間の設備投資とか消費とか出てくる、これが前提になるわけですね。それがちゃんと出てくる状況を作る、これが私は構造改革なんだと思うんです。確かに需要を少しかつても押し上げました。出てこなかったところが問題なんです。それによって民間の需要が健全ならば出てくるはずなのに、出てこなかったことが問題なんです。
 もしこれ本当に一部の方がおっしゃるように、民間が出てこないんだからもっと財政を付けろというふうに、一時そういうなる兆候もあったわけですけれども、それだったらどうなるかというと、結局経済はいつまでもよくならないで財政赤字だけが増えていくと、そういう形に私はなるのだと思います。
 繰り返し言いますが、したがって、一時的に財政が需要を付けて押し上げるということは可能であります。そのときに健全に民間の設備投資や消費が出てくるような正に体質を作らない限り、やはりこれは極めて一時的なもので、それで財政赤字だけが残ると、そういうことになってしまう懸念があるのだと思います。
#99
○入澤肇君 正に財政政策で経済を好転させようというときに、それならばいろんな省庁の力を動員して供給側の構造改革をもっと促進したらいいじゃないですか。
 更に、じゃ聞きますけれども、三十兆円の国債発行の枠組みを守りながら平成十四年度予算は編成されたわけです。こういうふうに限られた予算を最も有効に使うという考え方が私は大事だと思うんです。米百俵というのは、ばらまくよりも取っておいて教育に使ったら非常に効果があったという話でありますけれども、私はあれは選択と集中をやれば一番効果があるということに言い換えてもいいんじゃないかと思っているんです。私は、そういう意味でこの三十兆円の枠組みの中で取られた十四年度編成予算の執行の仕方について、今、竹中大臣がおっしゃるようなことを実行しようと思うならば、各省は相当な覚悟を持って予算支払計画に意を用いたらどうかと思っているんです。
 例えば、この前もこの委員会で言いましたけれども、公共事業なんというのは全国一万か所やっているわけですよね、一万か所。だらだらだらだらと五年とか十年とか二十年掛けて。そうではなくて、あと二、三年すれば完成すると、そういうところに一年で集中的にお金を付ける。その代わり、都市中心だとまた問題がありますから、各都道府県から乗数効果の高いところ、完成計画の早いところ、そういうところを十か所か二十か所出させて、それに各省が持っている予算を集中的に配分するような工夫があっていいんじゃないかと思うんですけれども、財務大臣、これどうでしょう。
#100
○国務大臣(塩川正十郎君) 正におっしゃるとおりでして、それが小泉内閣になりましてこの予算編成で三十兆枠絞った、その代わりに五兆を減らして二兆円重点配分する、そうやりました。その二兆円配分の中で、公共事業の配当につきましては今おっしゃるようなことに重点を置いたのでございます。
 例えば、街路事業一つ見まして、十年間ほったらかしのところ、随分出てきたんです。それは何であったか。途中で予算、土地買収の金が切れたのがほったらかしてある。こういう懐妊期間をほったままの、随分出てまいりました。そういうふうなものに対する、今度重点的に配当いたしておりましたんで、そういう趣旨は今後ともいろいろな面で生かしていきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、私がここで申し上げたいのは、民間設備投資はもう少し積極的にやってくれなけりゃ景気は回復しない。今度の発表されました、今朝発表されます数字を見ましても、民間設備投資がうんと落ち込んでおるんですね。これはどうしたものかと。やっぱり、私はそこに経営者と政府が一体となった経済対策というものを講じなけりゃ、官だけで幾ら頭を絞ってみたって図上作戦ですから、こんなんやっぱり効果は出てこない。やっぱり、一回民を呼び込んで、本当にどうすりゃいいのかということの相談をする必要があると思っております。
#101
○入澤肇君 このことは、森内閣最後の予算委員会で私は主張したところでございまして、そのときに戦後の経済成長、傾斜生産方式で軌道に乗ったと。そのことに学びながら傾斜配分方式を採用してはどうかということを申し上げたんです。
 特に、昨日も松谷委員からお話がございましたけれども、都市再生本部で、それから与党三党の都市再生PTですね、プロジェクトチームで都市再生緊急特別措置法というのが今度の国会に提出されて審議されようとしていますが、全国で、あそこの資料の中でもありますけれども、公的賃貸住宅、もう老齢化、老朽ですな、四十年、エレベーターもないと昨日話ございました。それから狭い、とにかく四十五平米とか十坪前後の住宅が多いんです。こういうのが三百万世帯ぐらいある。公的の公共老齢住宅というのは全国で三百万世帯。それから、民間のセクターも含めて一千万世帯がある。そういうものを今度の都市再生緊急特別措置法で地域指定して、例えば昨日も出ましたけれども、千里ニュータウンだとか多摩ニュータウンを地域指定して、そこの都市再生を含めた住宅建設をきちんとやるというふうなことに向けたらどうかということをこの前の森内閣のときに申し上げたんです。
 是非各省とも、今年の予算成立しましたらヒアリングをする、これは予算の張り付けのヒアリングをしますよね、そのときに、各都道府県おしなべて重点的に配分することに意を用いてもらいたい。そういうことでなければ少ない予算を有効に使えないでしょう。ただばらまくだけでは、幾ら気持ちがあったって景気は浮揚しません。重点的に選択と集中、これを実行していただくことを心からお願いしたいわけであります。
 そこで、例えば幾つか具体例を聞きたいんですけれども、国土交通大臣あるいは経済産業大臣、それから尾身科学大臣にも、は通告していなかったんですけれども科学技術の立場から、それぞれの立場からどんな需要回復政策をお考えになっているかということをちょっと簡単でいいんですけれども、御答弁願いたいと思います。
#102
○国務大臣(扇千景君) いろんなことを今おっしゃいましたけれども、少なくとも国土交通省、ある意味では公共事業が本当に注目されておりますし、少なくとも切れ目があってはいけないということで、今予算を御審議いただいておりますけれども、この予算が通った後で、各地方自治団体の審議をして実行するまでには時間が掛かるわけです。ですから、いつも四月、五月という空白期というようなものが落ち込むわけですね。それを落ち込まないためにも、少なくとも十三年度の第二次補正予算、これを通していただきまして、この第二次補正予算とこの十四年度の予算と連携して、切れ目のない景気を維持していこうと。
 そして、今おっしゃいましたように、重点的とおっしゃいましたけれども、私、国土交通省になりまして、全国十のブロックで、私は、一県ではなくて、その地域のブロックごとに十の知事さん、十か所で四人、五人ないしの知事さんを集まっていただきまして、そのブロックでどういう公共事業の優先順位を決めるか、またどこへ集中的に投資をするか、これを懇談会方式というので各全国を十にブロックに分けて作っております。そこで、県ではなくてブロックで重点的にやっていただきたい。
 そういう意味で、途中で、今継続の事業もなるべく集中投資して仕上げる。十年のところを八年に短縮して仕上げれば、これはコストも削減できる、スピードアップもできる。一挙両得ですから、その分をどこへ回すと、そういうことを各ブロックごとにしようという組織も国土交通省として作っておりますので、そういう意味では私は、小泉内閣で特に十四年度の公共工事予算、重点七分野、都市もそうでございますけれども、結節点、開かずの踏切等々、目に見えた私は公共工事を集中的に、なおスピードアップをしてコストダウンすると、そういう方式に取っていきたいと思っております。
#103
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 委員御指摘の選択と集中というのは非常に大切な視点だと思っています。平成十四年度の予算におきまして、私どもはやはり日本の産業の持っている潜在力をいかに引き出すか、こういうことに観点を絞りまして予算編成をさしていただきました。その前段として、昨年六月に閣議決定をいたしました骨太の方針で重点的な分野というものがクローズアップされました。
 その一つは、私どもにとっては情報通信、ITでありますし、更には少子高齢化、これを逆に成長のエンジンにしていこう。それからまた、環境の問題、それからエネルギー、この二十一世紀はエネルギーの時代と言われています。そういうことで、いかに対応していくかと。
 そういう重点的な分野で、数限りなくありますけれども、具体例を若干出さしていただきますと、情報通信に関しましては、例えば非接触のICカード、こういうものの普及というものを一つの力点に置いて、そしてこれによっていろいろな需要を掘り起こしていこうと。もう一つは、例えばIT社会といっても、それをうまく使いこなせる者がなかったら需要は喚起できませんから、文部科学省と連携をしながら、教育体系、そこにも予算を配分をしようと、こういうことであります。
 それからまた、そういう中でエネルギーの分野について申し上げますと、非常に大きな潜在力を持っている、例えば燃料電池、これは二〇〇三年には一兆円と言われていますけれども、二〇一〇年にはこれは確実に十兆になると言われています。そういったところにやはり予算を、その十兆を目指してインセンティブを与えていく、そういうことを我々はやっていかなきゃいかぬということで、予算の中にも盛り込ましていただきました。
 科学技術分野については尾身大臣からお答えになられると思いますけれども、ここはやっぱり科学技術立国でございますので、やはり科学技術の予算というものをしっかりと執行することによって新たないわゆる産業の創出と雇用の拡大を図る、こういったことで、我々一生懸命に、先生おっしゃった選択と集中、こういうことに力点を置いて組ましていただきました。
#104
○国務大臣(尾身幸次君) 今の景気の現状は、私は三つの要因があると考えております。
 一つは、いわゆる景気循環のサイクルが底に来ていると。二つ目は、バブルの後遺症。土地の値段とか株価が非常に低い水準になっていて、その問題からまだ脱却できない。それから、三つ目が産業の空洞化であります。
 前の、経済、景気循環の話とバブルの後遺症というのは、関係の皆様いろいろ御苦労しておりますが、ある時期が来れば解決する。しかし、産業の空洞化という問題は構造的な問題でございまして、日本経済の体質を強化しなければならない。このためには、先ほどもおっしゃいました選択と集中ということが大変大事でございまして、十三年度の補正予算で科学技術については大変大きな予算をいただきました。特に、産学官の連携、それから地域の科学技術の発展ということで予算をいただきまして、これを今使っているわけでございますが、各地方におきまして、私は北海道から沖縄までずっと回っておりますが、この中小企業の技術開発とか、あるいは大学と企業の産学連携が十三年度補正予算で物すごく進んでおりまして、各地で極めて活発な新しい技術開発の芽が何百と実は出ております。
 そして、今度、十四年度予算でも、全体の予算は二・〇%の一般会計減少でございますが、科学技術関係は二・三%増で三兆五千億の予算を今計上していただいているところでございまして、これも更に追い打ちを掛けて各、日本全体での産学官連携あるいは地域の科学技術の発展という方向に大きく日本経済の構造改革が進むと考えております。
 したがいまして、そういうことを突破口として、新しい産業を起こし、新しいビジネスを起こし、雇用を増大させると、そういう方向に持っていくことが小泉構造改革の一番の基本になる。それと同時に、片方で規制緩和、規制緩和が大事でございまして、民間企業がいろんな分野に進出できるようなことをやる必要がある。この規制緩和と科学技術の振興という二つのポイントを通じて経済を前向きに進める構造的な改革を推進していくことは極めて大事だと。そういう意味で、十四年度の予算は、少なくとも科学技術に関しましては極めて意欲的な予算であり、かなりの効果が期待できると考えております。
#105
○入澤肇君 大変ありがとうございました。
 ただ、いろいろと調べてみますと予算の執行面で非常に問題があるということが言えるんじゃないかと思うんです。昨日も、先ほども松谷委員から、政府は、大臣は非常に物分かりよくて、あることを指示するんだけれども、それを実行するのに物すごく時間が掛かるという話がございましたね。
 第一次補正予算、第二次補正予算ですね、これ、あんなに急いで緊急避難的に緊急対策として実行したんですけれども、第一次補正予算のあの緊急雇用対策、これすらまだ地元、各地方に行くと実行されていないという話を聞くんですよ。昨日、厚生労働大臣は、一般的な話がありましたけれども、例えば都道府県で条例を作らないと三千五百億円の基金は使えないんだと。ところが、条例がまだできていないんだといって、今の時点におきまして。それでは緊急対策にならないじゃないですか。
 第一次補正予算、それから第二次補正予算の執行状況は一体どうなっているんでしょうか。
#106
○国務大臣(坂口力君) 第一次補正におきます、全体としましては五千五百億、その中で今御指摘いただきましたいわゆる特定交付金三千五百億、これにつきましては年末、大体十二月の二十五日ぐらいから一月の半ばぐらいに当たりまして、全都道府県にこれはもう配付を終わりました。都市部、東京都辺りが若干遅かったんですけれども、でも、十五日ぐらいには終わっております。
 その中で、これはもうどういうふうにしていくかということを検討されまして、今現実問題としてもうそれが起こっているところがかなりたくさん出てきております。現在のところ、それが全部どういうふうに使われているかということまで私のところでまだ今分かっておりませんが、しかし、それは前回に二千億の一度経験をいたしておりますので、今回の三千五百億の場合にそれをうまく、それがそのときのようにいかない点もありましたから、いろいろチェックポイントも明確にいたしましてそれはお渡しをしたわけでございまして、前にそういう一つの経験がございますので、都道府県といたしましても、その分につきましては私はかなり迅速に行われているものというふうに今承知をいたしております。
#107
○入澤肇君 第二次補正の執行状況はどうでしょうか。
#108
○副大臣(尾辻秀久君) 御案内のとおりに、第二次補正予算は本年二月一日に成立をいたしました。現時点で数値的な把握はまだできておりません。したがいまして、速やかな執行に努めておるところでございます。
#109
○入澤肇君 二次補正はそういうことだと思うんですけれども、一次補正ですね、あれだけ早く緊急避難的に作った予算がまだ都道府県によっては条例ができていないから執行されないんだという。これじゃ何のために補正予算やったか分からない。私は、今度の平成十四年度予算も同じようなことになるんじゃないかというふうな気がしてしようがないんです。
 そこで、その補正予算、本予算がまだ上がらないうちから、この程度の規模では景気浮揚効果が少ないんだから、大いに需要対策として大型の補正組むべきだという意見が与党各党の実力者の皆さん方から出されております。これは、予算の審議中になかなかはっきりしたことは言えないと思うんですけれども、需要対策のために、この本予算の成立を見てから、更に柔軟かつ大胆な政策を打ち出す考えがあるのかどうか、財務大臣、どうですか。
#110
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、今、本予算をやってもらっているんですから、取りあえずこれを成立させていただいて、早く配分して、おっしゃるように配分を早くしなければ、地方と共同で事業をやっておりますので、そういう点が成果が出てこないと。どうぞひとつ、一刻も早くよろしゅうお願いいたします。
#111
○入澤肇君 そういうことだと思うんですね。今は予算の成立を早くやって、そして第一次、第二次補正予算と本予算を含めて重点的に執行することによって景気対策をきちんとやるということが私は王道ではないかというふうに思います。
 その次に、不良債権の処理についてちょっとお伺いしたいと思います。
 BIS規制ですね、BIS規制。これは言葉を換えて言えば自己資本本位制とでもいうんでしょうか。要するに、八%、四%の自己資本比率がシーリングになりまして、これを維持しようとしますといろんなことをやらなくちゃいけない。例えば、資本勘定の毀損分、減額が一兆円だとしますと、その十二・五倍の十二・五兆円の資産を圧縮しなくちゃいけない。十二・五兆円の資産の圧縮ということは十二・五兆円の貸出しを抑制するということであります。既に、九七年から九九年の間の株価の下落によって、大手十九行で四兆円の株式の含み損が発生した。これは、その当時の大手十九行の資本勘定に算入された株式の含み益の全額に相当しています。このことによって十二・五倍、五十兆円の貸し渋り、貸出し圧縮ということで大規模な信用収縮が発生したということは、これは統計でも明らかです。ピーク時で六十兆円、九九年度末で実績四十七兆円の貸出しが減少している。
 こういうふうに見ますと、やはり金融機能の早期回復のためには不良債権のもとになっている銀行の株式保有、これを思い切って短期間に縮小させなくちゃいけない。株式取得機構法は、あれは自己資本の範囲内となっていましたね。アメリカは銀行本体では株式の所有を禁止している。それから、ドイツなどは自己資本の六割ぐらいにシーリングを設定している。我が国は自己資本の範囲内となったんですけれども、私はもう一歩進めて、銀行の株式保有を縮小する、あるいはなくすというふうなことがあっていいんではないかと思うんです。
 アメリカでは、国防と金融というのは大統領の非常大権だとまで言われている。今、柳澤大臣が非常に苦労されているのは、民間が一生懸命やる、それを政府が支えるという形なんだけれども、もっと、この金融の非常事態なんですから、政府が前面に出てやったらいかがと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#112
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権の処理というものについて政府が前面的に出てやったらいいじゃないかと、こういうお話ですけれども、私は、そこでどういうことを意味されているか、イメージされているか、必ずしも正確にとらえているかどうか、それはおぼつかないにしても、基本的に、本当の危機のとき以外はやはり民のことは民に任せるということであるべきだというふうに考えます。
 ですから、結局、恐らく入澤委員のおっしゃることの前提として、今の金融情勢というものをどう見るかということにかかわってくるんだろうと思うんですけれども、私は、先ほどの需要拡大論あるいは需要追加論と極めて似ているんですけれども、要するに、一時的な安定をしゃにむに求めなきゃいけないというとき、正に金融危機のときですが、これはもう資本注入なりなんなりして公的にこれを支えるということはいいと思うんですが、本当のねらいというのは永続的な安定なんです。永続的な安定というのは、やっぱり金融機関がしっかりしたビジネスモデル、もうかるビジネスモデルを作って、そしてしっかりした利益を上げていかなければ、常に資本が減額してくるという危機にさらされるようではこれは真の安定ではない。一時しのぎに終わってしまう。
 じゃ、そういうものがどうして作り得るか。そういうビジネスモデルを官が作り得るか。作り得ません、これは。あるいは不良債権の処理にしても、じゃ、不良債権、この企業良し、この企業悪いというようなことの切り分けを本当に民より正しくできるのか。私はこれは大なる疑問だと、こういうように思っています。私は、ですから、本当の危機が、あるいは危機が来るおそれというものがない限り、できる限り民の力をかりて民の間でこういったものを処理していく、マーケットメカニズムの仕組みを使って処理していくということが正しいだろうと、こういうように思います。
 なお、入澤委員は株のことをお触れになりましたけれども、アメリカは確かに昔からグラス・スティーガル法というものがありまして、銀行本体の問題で株の保有を認めないということをやりましたけれども、つい最近になって、グラス・スティーガル法がマスコミの一部では廃止と言われたんですけれども、緩和でしょうね、子会社による株式の取得というものは認めるに至っております。つまり、金融機関の資産の持ち方ということについてもできるだけ自由度を認めていこう、こういう考え方。片方、この株価というのは非常に市場での価格変動のリスクがあるから、リスクウエートというものを高めていって、そしてそれについて金融機関としてしっかりしたリスク管理をやらせていこうと、こういう方向に行っているように思います。
 我々がなぜそれでは株価の保有高を自己資本の範囲に収めたかという背景ですけれども、これも実はあの法律に書いてあるんですが、暫定的、取りあえず当面そうしますということを書いたのでありまして、この株価あるいは株式という資産のリスクウエートをどう見るかということを、どういうふうな国際的な合意ができ上がっていくかということを眺めながらこの問題について対処していこうと、こういうことで、取りあえず、当面この自己資本の範囲に収めたということであることを御理解いただきたい、このように思います。
#113
○入澤肇君 財政金融委員会で私もそのことを質問したのでよく分かっているんですけれども、柳澤大臣が発言すればするほど、不良債権の処理が滞るんじゃないかとか、何か株が下がるんじゃないかというふうな印象を与える。極めて正当なことを言っているんですよね、大臣は。極めて正しいことを私は言っていると思うんです。だけれども、民が先に出て官が後に行くんじゃなくて、少なくとも並行して共々にやるぐらいの姿勢を示すことの方が私いいんじゃないかと。韓国政府はそれをやったんですね、韓国政府は。韓国はかなり、日本と国情も違います、制度の仕組みも違います、大統領制ですから違いますけれども、しかし、かなり官が中心になって不良債権の処理を迅速に行ったということがあります。
 我々は、要するに、不良債権の処理が大事であるとすれば、例えば金融関係の法律も改正して、おそれがあるときどうのこうのじゃなくて、健全行においても公的資金を注入できるような仕組みを作ってもいいし、それからまた、そのときの、今、公的資金の注入、危機管理対策ですか、その三条件というのがありますけれども、そこら辺についても見直してもいいし、いずれにいたしましても、もう一歩前向きの姿勢を示すことがこの不良債権処理にとっては必要じゃないかというふうに思います。
 時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、是非構造改革と景気浮揚対策を全力を挙げて取り組んでいただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#114
○委員長(真鍋賢二君) 以上で松谷蒼一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#115
○委員長(真鍋賢二君) 次に、白浜一良君の質疑を行います。白浜一良君。
#116
○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。
 総理、通告してないんですが、先ほどメモが回ってまいりまして、もう御存じだと思いますが、元加藤紘一議員の秘書の佐藤さんが逮捕されました。加藤事務所も地検の捜査が入ったと、こういう報道をされております。
 この政治と金の問題というのは、一番国民が不信に陥るわけでございまして、新しい国づくりを目指して総理がこの改革の先頭に立っていらっしゃるわけでございまして、こういう問題を毅然たる態度で、私は総理がそのリーダーシップを発揮して対応されていくべきだと思うわけでございますが、この逮捕されたという事実に関しましてお考えを伺いたいと思います。
#117
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治と金にまつわる疑惑、また政治家と秘書との問題、いわゆる政と官の問題も含めまして、政治改革の大事な一環の問題だと思います。私は、疑念を持たれ、疑惑を持たれた議員は、率直にその疑惑に答える責任を自覚して、きちんと対応すべきではないかと思っております。
#118
○白浜一良君 この問題は後ほどまた議論したいと思いますので、本題に戻って御質問したいと思います。
 昨年秋の臨時国会で私は代表質問に立ちまして、国民に痛みを伴う改革をやろうということでございますので、まず、国会議員が先頭切ってその痛みを共有すべきだということで歳費削減の話をいたしました。本院でも議院運営委員会でいろいろ議論が進んでおりまして、ほぼこの四月から歳費の一割カットというものが実現される見通しになっております。
 と同時に、私たち議員はやっぱり国民の公僕ですから、国家国民のために仕事をしている立場でございますので、様々な慣例としての特権を見直そうということで我が党が与党内で呼び掛けまして、その改革の流れを作ってまいりました。この議論もほぼ流れができておりまして、四月から多分実施されていくと思いますが、例えば二十五年以上の現職議員は毎月三十万の特別交通費が出ております。これは慣例でございますが、こういうことをやめようと。また、五十年議員をやっていますと年間五百万円の功労年金が出ているわけでございますが、もうこんなのは時代に合わないからやめようと。ほぼこの四月から実施される見通しになっておりますが、この大変な不況の中で新しい国づくりのリーダーとしてこれからも頑張っていただくわけでございますから、この措置に関しまして所感を伺いたいと思います。
#119
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、行政改革、財政改革、構造改革というのは、分かりやすく言うと、今までの既得権を手放すことなんだと。そうすると、まず最初に率先垂範という言葉があると、国会議員の既得権は何だということで、二十五年議員を務めれば表彰されて、月々三十万円もらって、百万円の肖像画が、国会に掛けてもらうと。これは本当に必要か。私は、既に五年前にこういうのは必要ないということで表彰も特別手当も肖像画も辞退いたしました。ようやく今それに向かって賛同者が出てきていただいたということは極めて結構なことだと思いますし、政治家が襟を正して既得権に切り込むということでこの構造改革を進める一環に資していただければ有り難いと思っております。
#120
○白浜一良君 それで、もう一貫してここのところ話題になっております今回の鈴木議員に伴うこの外務省関連の問題を通しまして、これも大変なもう国民の不信の眼が強くあるわけでございますが、私、今回の問題を通しまして二つの大きな問題があると、このように思うんです。
 一つは、外務省のいわゆる関連の事業というものが大変不透明だ、国民にとって分かりづらいと、ここを一つはきちっとせないかぬと。もう一つは、いわゆる政と官の関係というのはどうしたらいいのかと、この在り方の問題。この二つの大きな問題が私はあると思うんです。
 それで、少し具体的に聞きますが、最初の点に関しまして。例えば、外務大臣、まあ就任されて間なしで申し訳ないんですが、これは外務省の問題でございますから。例えば、北方領土における支援事業で、まあこれは外国ですから、今までも議論されておりますが、消費税を払わぬでもええと。だけれども、そういう請求に対してお支払をされているという、それは、これどう理解したらいいのか。国民から見たら、何かお手盛りでやっているのかと、こういうふうに思うわけでございます。
 だから、このいわゆる消費税の分も含めて支払ったという事実に関しまして釈明してください。
#121
○国務大臣(川口順子君) 消費税の件でございますけれども、北方四島におけるその工事に関しまして、全部ではないんですけれども、幾つかの件については消費税が、これは国内でございますので、払われるべきであるという前提の下に、事務局から、支援の委員会の事務局から業者の方にお払いをしているということは事実でして、まあ確かに消費税をめぐる問題というのは非常に、どういう状況の場合に消費税を払い、どういう状況に払わないかというのはややこしいということはありますけれども、そこをきちんと精査をしないで、払う、払われるべきであるというふうに判断をして払っていったというのは、仕事の仕方がずさんであると言われても仕方がないというふうに思います。
 ということでございまして、事務局で現在、弁護士や税理士の助言を得ながらこの問題について、返還請求も含めまして、どういった対応ができるかということを、検討を今、至急いたしております。外務省としても、その結果として適切に対応が取れるように最大限の指導をしていきたいというふうに思っておりますし、そうなるように自ら努力をしていきたいと思います。
#122
○白浜一良君 外務大臣、そういう答弁をされるからあきませんねん。
 要するに、今日、中継されていますから、聞いていらっしゃる国民の皆さんもいらっしゃるわけで、これは消費税をこの北方領土での事業で払うべきか払わなくてもいいのかというのはこの支援委員会の事務局が国税に確認しているんですよ。確認していながらそういう事実があったんですよ。そこのことを言わなあきませんねん、はっきりと。その税理士とか弁護士を入れて調査しているとか、そんな段階じゃ今ないんですよ。もう一度きちっと言ってください。
#123
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたように、これは消費税についてもっときちんと自ら調べた上で、このそれぞれのプロジェクトについて、消費税が払われるべきプロジェクトかそうでないかということをやるべきであったと思います。
 それで、先ほど委員がおっしゃられました、まあそういうことを申し上げた上で申し上げますが、先ほど委員がおっしゃられた確認をいたした件につきましては、これは九六年のことでございまして、私どもも事務局にこの件について確認をいたしました。
 国税庁にある資料によりますと、北方領土における請負工事、全部のプロジェクトではなくて請負工事ですけれども、それについては国外取引となって消費税は課税されないということを国税庁側は回答になられたということで、これ以外のものについては実はどういうことだったのかよく分からないんですが。それから、事務局の方の記憶で、記録ではございません、記憶でございますけれども、こちらは国税庁に対して電話で照会をしたけれども即答が得られなかったということでございました。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、これは今それぞれの案件について事務局の方で精査をいたしております。たまたま私どもで、今日の段階で、それぞれの企業に対して、支払をされた企業に対して、これが国税当局に納税されたかどうかということも聞いておりますけれども、お払いをしたところからお返事をいただいたところでは、それぞれ納税をしているというお返事があったというふうに聞いておりますが、いずれにしても、元々は事務局でこういったことについてきちんと確認をしなかったということが非常に問題であったと私は思いますし、これについての対応方法については、税理士、弁理士、失礼しました、税理士それから弁護士の方と御相談をしながら、今その返還の可能性、返還請求を行う可能性等についても検討をいたしております。
#124
○白浜一良君 私が言うのもなんですけれども、大臣、例えばはっきり国民が分かりやすいようにこう対応しますとおっしゃった方がいいんですよ。もし事務局が知っていながらそういう請求したというならば、そういう間違った指示をした役人を処罰します、過って支払った消費税ならば責任を持ってそれは返還させますと。
 調査されているのは分かっているんですよ。その結果の部分をはっきり言わないと分からないんですよ、国民は。私はそこのところを言っているんです。もう一度言ってください。
#125
○国務大臣(川口順子君) 私といたしましては、これはいろいろな過去において問題があったことでございますので、どうしてそういうことになったのか、これは実は調査をする必要があると思っていまして、今日、実はもう発表をいたしましたけれども、今までお願いをしていた監査法人でない別な監査法人に、この今までの経緯、これは支払、会計の点だけではございませんで、業務の執行の在り方、消費税についてどうしてそういうことになったのかということも含めまして監査をお願いをするということで取り掛かっております。
 それから、その先について申し上げますと、例えば、これは支援委員会の仕事の仕方、それから入札の仕方等も含めまして、予算の執行の仕方については非常に問題があったと思っておりますので、どういった点で改善ができるかということをお考えいただくために、専門家の方々、これは援助の専門家の方もいらっしゃいますし、にもお願いをしようと思っていますし、弁護士、税理士、それからロシア問題の専門家等々といった方にお願いをして、今後、是正をする、これをやらないと駄目であるということを幅広く国民の目線に立ってお考えをいただくということもやることに決めました。
 ということで、その過程で過去についてはいろいろ調べていきたいと思っておりますし、問題がある点については、これは、支援事務局の方もそれからそれに関係をした外務省の職員も両方含めまして、それなりの人事の面での対応をしなければいけないと思っております。
#126
○白浜一良君 言いづらいんでしょうが、そういうことだと思います。きちっとした対応をします、処置をしますとおっしゃったら、私は、それはそれで国民が大変分かりやすいと、こういうことだと思うんです。
 それから、もう一つこの事業に関して、外務省全般の事業がそうなんですが、海外で行われているということなんで、この会計検査の在り方が、国民の税金を使って事業をやっているんですから、これ外務大臣、ODA全般の問題でもあるわけでございますが、ここをどうするかということも大事な問題でして、この点に関しましてお考えがあればお話しください。
#127
○国務大臣(川口順子君) この支援委員会を通ずる支出あるいはその前提となった入札の手続その他、今まで御議論をいただいていますように、様々な問題があったと私は思っております。
 ということで、これについては、先ほど申しましたように、監査をやり直すということを考えておりますけれども、会計検査の、会計検査院による検査につきましては、今まで会計検査院から御答弁もございましたけれども、これは国際機関でございまして、直接に会計検査院はできないと、支出をするところまでということでございまして、できないということでございますけれども、外務省に対する会計検査院の実地検査の際におきましては、会計検査院の求めに応じまして、これは十分に御説明をさせていただきたいと思っています。
 いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、この新たなる監査を通じまして、またきちんと今までのことについてはしたいと思っておりますし、今後につきましては、支援委員会の業務はこれは監査を、したがってするということで、会計検査院ではなくて事務局としての監査ということが必要になりますので、これがきちんと適正に、なおかつ十分に説明責任を果たす形で行われるようになるということが大事だと思っておりますので、そういった指導は十分に外務省としてもやっていく所存です。
#128
○白浜一良君 それで、これだけ事件が起こりましたので、いわゆる日ロ外交はどうなるんだろうと。非常に矮小化した北方領土の問題になっているわけでございますが、いっとき何か二島先行返還論があって、あと二島は継続協議とかいうような報道をされたこともございますし、もう一度、これは支援をするならばすると、それはいいんです、いいんですが、いわゆる日ロ外交の基本方針を、総理、もう一度きちっと定めて、その上で私はこの支援の在り方を考えるべきだと思うんですが、この基本方針をもう一度きちっと言ってください。
#129
○国務大臣(川口順子君) ロシアに対する外交姿勢でございますけれども、政府といたしまして三つの課題がロシアとの間であると思っておりまして、一つは平和条約の締結、もう一つは経済分野における協力、それから三番目に国際舞台、これは広くいわゆるグローバルな場におきまして協力をしていくと。この三つの課題、これを同時に前進をするということ、それからロシアとの間で幅広い分野で関係を促進していくことが大事だと考えております。
 このうち平和条約の締結問題につきましては、私はこの前、イワノフ外務大臣とも話をさせていただきましたけれども、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するということで、一貫とした方針とこれをいたしておりまして、これには全く変更は従来からございませんで、今後精力的に交渉を進めていきたいと考えております。
 ちなみに、間もなくモスクワで次官級の会談がロシアとの間で行われることになっております。
#130
○白浜一良君 総理、この問題、総理もいろいろ御発言をされておりますが、このいわゆる日ロ外交の基本方針にのっとって、それを促進する観点からやっぱりこういう支援というのは、支援事業をされるべきだと。これは当たり前でございまして、もう一杯手あかにまみれているので、一度、予算組まれております、支援事業の予算、これを一度凍結して、もう一度きちっと基本方針から組み立てて、それから執行しようと、こういう考えの方が分かりやすいんじゃないでしょうか、総理。
#131
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) このロシアとの外交方針は一貫して変わっていないんです。多少受け止め方に誤解を持たれた面もあるかもしれませんが、四島、北方四島の帰属を明確にして平和条約を締結するという日ロの外交方針、日本側の方針には何ら変更ないんです。
 この辺に沿って、日本とロシアの友好関係をどう築いていくか、あるいは北方四島の返還交渉をどのように進めていくかというのは非常に大事なことでありまして、今回の支援委員会の問題につきましても、今までの衆議院、参議院等の質疑を伺ってみても、いかに支援委員会がずさんなものだったか、こういう反省に立って、支援委員会そのものを抜本的に再検討しなきゃいかぬ、そういう観点から、できるだけ早くこの支援委員会の過去の経緯、今後の在り方も含めて見直していかなきゃならぬと思います。
 その上で、日本とロシア、ロシアも民主的政治体制、市場経済移行を目指しております。そういう中で、日本との友好関係を深めていく方策は何がいいのかということをしっかり見詰めながら、日ロの友好発展を図り、最終的には北方四島を返還し平和条約を締結するという目標に向かって進んでいきたいと思います。
#132
○白浜一良君 それ、きちっとなるまで、当面、予算を執行停止されたらどうかというお話も聞きたかったんですが、答えづらいですか。
#133
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、予算は予算として、今までの執行に問題があれば、それは当然見直していくべきものがあるでしょう。その中で、執行の面で考えることは十分あると思います。
#134
○白浜一良君 次に、政と官の基本的な在り方の問題で何点か議論したいと思うんですが、今の話題と関連して申し上げますと、外務大臣に伺いますけれども、鈴木議員が佐藤さんという方と十九回にわたって海外に出張されている。それで、政府の高官のお立場で六回行っていらっしゃる。それから、総理特派として三回行っていらっしゃる。しかし、一与党議員、自民党の議員、党内ではいろんなお立場あるでしょう、だけれども、として十回行っていらっしゃる。そういう、私的と言ったら言い過ぎかも分かりませんが、与党議員、自民党の議員としてそういう役人が随行されるというのは、ちょっとこれ不自然じゃないでしょうか。
#135
○国務大臣(川口順子君) おっしゃるように、元々、国会議員の御出張に役人が同行するということはないわけではないと思います。幾つか例は外務省の例でもございます、鈴木議員以外の議員に御同行させていただいたということでございますけれども。ただ、おっしゃるように、十回、総理の特使として行かれたとかそういうことを除いても、佐藤分析官が御一緒をしたという回数が多過ぎるんではないかということで言いますと、私が過去の経験等を通じて思いますのは、やはり感覚としてこの数は多いというふうに思います。
 それで、一般的にこの話は、どういう状況のときに政府の役人が国会議員の方に同行をするかということについての物事の考え方をきちんとするということが、これは外務省だけではなくてほかの官庁、それから政党との間でしていただくということが大事だと思っておりまして、外務省としては、変える会で政と官の関係についてはこれから議論をさせていただきますので、その中で議論を当然いたしますし、広くほかの場でもこの点についてはむしろ国民の方々も含めた形で御議論をいただくのが、私としては希望をしているところでございます。
#136
○白浜一良君 総理、これは別に外務省だけじゃないんですね。各役所全部あるわけで、政府のお立場で行かれるのはこれは当然仕事ですからおのずから、いわゆるたとえ与党であれ、議員に随行される場合は、これは私は本当に、議連で超党派で行かれると、目的を定めてですね、そういう場合はあるかも分かりません。しかし、私はあくまでもこれは例外だったと思うんですよ。
 だから、この政と官の在り方の、見直す場合、このいわゆる役人が出張、同行されるということのけじめもその一つとして私は作るべきだと思うんですが、総理、いかがですか、各省庁にわたりますから。
#137
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これから各役所と国会議員等との接触については、これは多々あると思います。別に、役人と政治家が会合したり、相談したり、意見交換するのは決して悪いことではないですね。しかし、この接触の在り方、付き合い方、これはおのずから一つの規範といいますか、節度がなきゃいかぬという点について、外務省のみならず各役所は今までの在り方も含めて検討すべき、あるいは反省すべき点もあるんじゃないか。
 今後の一つの役所と政の、政治家との在り方、改革に資する方向で各役所は今検討を始めておりますので、どういう正常なあるべき付き合い方があるかということをできるだけ早く結論を出すようにまとめていきたいと思います。
#138
○白浜一良君 それで、官房長官、こういう政と官の在り方のガイドラインを作ろうというような御発言をされたという報道を見たことがございますが、これは何か協議をされておるんでしょうか、どういう具合になっているんでしょうか。
#139
○国務大臣(福田康夫君) 政と官の問題は、これは今、総理から申されましたけれども、適切なる関係、適切なる政官の緊張関係も含めて、良い関係とかそういうことでない、適切なというのは非常に分かりにくいけれども、政治家として適切なといえばどの程度かというのはよく分かることでございますので、そういう関係を持ってお互い協力関係を築いていくということはこれは大事なことでございますので、そういう上で、今、委員御指摘ございましたガイドライン、ガイドラインというものを作るということを明確に申し上げたわけじゃないんですけれども、適切な関係ということでは分かりにくいということであるならば、具体的な必要最小限の指針のようなものはあってもいいのかなというようなことは考えております。これは内閣官房を中心として今考えまして、そして、あと閣僚と相談もさせていただこうと、こんなふうに考えております。
 しかし、そういうルールを作らなくても、今現在いろいろルールはあるんですよ。ルールと申しますか、例えば政治家でいえば政治倫理綱領とか、これはもう本来、政治家すべて承知していなきゃいけない問題である。その中にも、全体の利益の実現を目指し、そして特定の利益の実現を求めて公益の、公共の利益を損なうことがないようにしなければいけないとか、また一方、公務員の方も公務員倫理規程というのがございます。その中にもきちんと書いてございまして、公務員は国民全体の奉仕者である、国民の一部に対してのみの奉仕者でない、常に公正な職務の執行に当たらなければいけないと、このようにも規定されております。
 こういうことを常々胸にきちんとしまってあるということを思い出していただいて日常の業務をしていただければ、決して悪いことにはならないだろうというふうに思っておりますので、我々一人一人が大いに反省しながら、日常、政治活動を続けていくということが一番大事であるということは申し上げたいと思っております。
#140
○白浜一良君 政治倫理綱領だけで全部正しくなればこれほど幸せなことはないわけでございます。そこがもう一歩突っ込んだやっぱり指針が要るというお話申し上げたわけでございます。
 総理、政府側としてもいろいろそういうお考えがあるみたいでございますが、我が党の神崎代表が、与党の側ももう一度この政と官の在り方を議論したらどうかと。総理というお立場ではございますが、自民党全体の責任者でもございますので、与党でそういう協議機関を、政と官の基本的な在り方についてというそういう協議機関を作ってはどうかという我が党の代表が提案しているわけでございますが、どのようにお考えでしょうか。
#141
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 賛成です。これは、与党でよく相談した方がいいと思います。
#142
○白浜一良君 次に、冒頭申し上げました、いわゆる政治家と金の問題で、これ何らかの措置をしていくべきだと思います。
 それで、少なくとも冒頭申し上げました佐藤容疑者の問題もそうでございますし、民主党の前副代表の鹿野議員の元秘書の事件も大きく報道されているわけでございます。せっかくあっせん利得処罰法案という法律を作ったんですが、これは秘書の定義が大変難しいと、私設秘書の場合は。ということで成立した経緯もあるんですが、しかし少なくとも佐藤容疑者の場合は加藤事務所の代表でございます。政治資金管理団体の会計責任者でもあるわけです。また、尾崎容疑者の方は、昨年四月まで鹿野事務所の秘書の給料を払っていらっしゃったと。深い関係にあるわけです。少なくとも、そういう方が逮捕をされても何の罰することもできない法律であるというのは、総理、これやっぱりちょっと、改正しなければならないんじゃないでしょうか。
#143
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治家と秘書の在り方に関してあっせん利得罪が今議論進められておりますね。秘書の定義の問題についても、どのように定義するかという今議論が進められていると思います。その中で、このような不祥事起こらないような、一歩前進させたような法律がどうあるべきか、私はこの辺について、今国会中に実のあるものにしていくような法案になるように努力したいと思っております。今協議中ですから、それは三党でまたいろいろ議論するべき問題でもあると思います。
#144
○白浜一良君 与党三党でこの問題も協議今しております。しておりますが、少なくとも、こういう私設秘書の定義は大変難しいのは間違いございませんが、こういう本当に実質的に事務所の中心でやってきた人は適用されるというそういう法改正を、私設秘書の、こういう中心的に働いている私設秘書は当然その対象にすべきだということぐらいは、総理として当然そうだというお考えを僕は述べていただきたいと思うんですが。
#145
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは形だけの名前だけの秘書と、秘書の肩書なくても実質的に本当の正式の秘書以上の働きをしている方もいるという議論もあるわけですね。ですから、その点の議論も深めて、実質的な秘書をしているという者に対してはどのように法律で定義するか、対象にするか、こういう難しい法律の問題もありますから、議論の中で進めていきたいと。一歩でも二歩でも実効あるものにしていくべきだと思います。
#146
○白浜一良君 そうだと思います。
 それからもう一つ、役所の側の問題もあるんですね、これ、こういう公共工事に伴う不正というのは。だから、役所の側が談合をして不正な入札をしているということもあり得ますので、これを防止するために、今既に与党三党のプロジェクトではこれ決まったんですね、これやろうということで、官製談合防止法案を作る。
 だから、党内手続がそれで難しいんですが、これだけ大きな事件も起こっておりますので、この法律もやっぱりこの国会で成立させるべきだと、方向性を総理からいただきたいと思いますが。
#147
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 公共事業に関する入札、この問題もいつまでたってもこの事件なくならないんですね。何とかなくなるように、政治家がこういう公共事業の入札に口出しする必要がない、口出ししてはいけないと、また役所も公正な入札が行われるような措置はないものかと、今与党で議論を進めているわけでありますけれども、これも今までかなり議論をして、ああこれは難しい、難しいということでできなかった部分もあると思います。しかし、これではいけないと。今国会中にこの問題に国民から信頼を得られるような形で進めるような措置を是非ともしたいと思います。
#148
○白浜一良君 それでもう一つ、問題はこの入札の在り方の問題なので、これはいろんな事業がございますから何省というわけにいきませんが、国土交通省が一番こういう公共事業の入札問題では一番リードされるお立場でございますので。
 確かに、昨年入札契約の適正化法ができまして、これはもう全部オープンにせざるを得ないと。大変これは改善されたわけでございますが、更にこの入札の透明性を図るためには、よく横須賀方式と言われておりますが、談合しにくいように、電子入札というか、もうコンピューターで機械的に入札がぱっとできるように、そうすると何かいわゆる入札の説明会とかする必要もございませんし、そういうもう一歩この入札を透明化するという御努力をされるべきだ、このように思うんですが、いかがでしょうか。
#149
○国務大臣(扇千景君) せっかく昨年の通常国会で公共工事の入札と契約に関する適正化法、通していただいたにもかかわらず、まだこうして事件が続々と出てくる。昨年の四月からこの法案を施行していますから、それ以後は私、許さないと言っているんですけれども、現在もまだ過去のこととはいいながら続いております。
 今、先生がおっしゃいました電子入札、これもこの法案の中に、電子入札というのが法案に書いてあります。ですから、横浜で実験されていますけれども、これは横浜の地域だけでございまして、私は全国一年間に国土交通省関係で直轄で四万四千件の入札がございますので、これも十五年度までに完全に電子入札にしようと、こういうふうに努力しております。
 それからもう一つは、工事のお金を事前公開したらどうだと。こういう事業でこういう金でやるよと、金額を事前に公開してしまった方がむしろいいんではないかということも言われております。これも一つ実験もいたしました。けれども、これはメリット、デメリットございまして、国の法律によって、国の直轄に関しては事前に公表することはならないという法律に基づいておりまして、そういう意味では特殊法人等々地方もこれはオーケーということで実験してみましたら、先にお金を出してしまいますと積算の努力をしない、何にも積算しないで大体これだけだなということ、このデメリットもあります。また、これがコストダウンしないというデメリットもあります。
 ですから、それぞれ努力しながら、少しでもこの法案を通していただいた効果と、電子入札をして談合の機会をなくすということと、そして私たちもこのコストダウンさすためのメリット、デメリット、両々相まって改めてこの法案の周知徹底を地方自治団体あるいは市町村にまで徹底さすように、二月に改めて事務次官を筆頭にして、この法案のまず徹底をさすということを今、国土交通省、図っております。
#150
○委員長(真鍋賢二君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#151
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十四年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。白浜一良君。
#152
○白浜一良君 午前中の質疑の中で、私、ODA事業念頭にございましたので、外国という話でちょっと誤解を与えたかも分かりません。北方領土は我が国固有の領土でございますので、当然のことでございますが、確認をしておきたいと思います。
 それで、中小企業の支援対策について議論したいわけでございますが、昨年、臨時国会でいわゆる売り掛け債権の担保融資制度というのを作りました。貴重な融資制度であるんですが、実際どのぐらいこれを利用されているか、経済産業大臣。
#153
○国務大臣(平沼赳夫君) 両院の御理解をいただきまして、昨年の秋の臨時国会で成立をいたしまして、十二月十七日から発効をいたしているわけでございます。ただ、一生懸命PRに努めておりますけれども、現時点までは五十五件で十二億円の実質保証と、こういうことであります。
 これに関しては、施行と同時にPRに努めておりますけれども、三つやらなきゃいけない。そして、早急に取り組むべきデフレ対応策にも盛り込ましていただきましたけれども、一つは、やはり周知徹底すること。このために、テレビを使いましたり、あるいはチラシを二百万部使いましたり、あるいは九つある我が省の経済産業局、これも総動員をいたしまして、そして商工会議所、全国商工会連合会、こういったところで今一生懸命鋭意PRをしております。
 それから二つ目は、やはり債権を担保に出すというようなことで企業サイドに若干の抵抗感があることも事実です。ですから、それを払拭するために更に啓蒙しなければならない。これも私ども重要なことだと思っております。
 そういう中で、私どもといたしましては、ちょうど一昨日、全国保証協会の代表者の懇談会を開かしていただきまして、全国五十二の各地区の代表が集まりました。その中で、私も出席をさしていただいて、その周知徹底と、そして懇切丁寧なそういう説明体制を取ってほしいと、こういうことを要望さしていただきました。
 また昨日は、柳澤金融大臣のところで、この年度末を控えてのやはり金融対策の会合を開いていただきまして、我が方からも副大臣を出さしていただきまして、そして、これまた金融庁サイドからも、そして我が方からも、しっかりお願いをさしていただいているところであります。
 いずれにいたしましても、今厳しい中小企業のそういう資金状況でございますんで、私どもとしてはその周知徹底をし、そしてもう一つ条件としては、これは政府が率先して改めなきゃいけないんですけれども、中央官庁でございますとか、あるいは地方自治体、大企業が、譲渡禁止特約というのがございまして、縛りを掛けている面があります。そういうことも解除をして、やっぱり使いやすいようにしなきゃいけないと。これも率先して今やっているところでございまして、これから皆さん方に幅広く利用していただくように最善の努力を尽くしてまいりたいと、このように思っています。
#154
○白浜一良君 今、お話にもございましたが、なかなか思い切ったこの制度なんですが、私が聞いているのは三月一日現在で四十四件、十一億と、こういうことでございまして、全然、今おっしゃったように、まだまだ使われていないということでございまして。
 今お話ございましたように、いわゆるこの譲渡債権の禁止特約ですね、債権譲渡禁止特約というものがネックになっているとして、これ一つの大きな理由になっているわけで、少なくともこういう債権がいろんな裏の世界まで流通するとこれはもう大変でございますので、ただ、やっぱり担保としての価値はあるわけでございますから、金融機関とか保証協会とか、それはこの禁止特約の例外にしようと、これは民民の契約で国が強制するわけにいきませんが、そういう啓蒙をされるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#155
○国務大臣(平沼赳夫君) それはもう委員御指摘のとおりでございまして、先ほどの答弁でもちょっと触れさせていただきましたけれども、やはり中央官庁がまず率先してやる、こういうことで私どもは関係省庁にも既にお願いをしております。
 また、当省関係の百三十二のあらゆる団体に関して、これも私どもは既に行動を開始しておりまして、それから、これは更に大企業等そういう縛りを掛けているところにはやはりしっかりとお願いをして、少しでも利用しやすい、そういうことを私どもは徹底していきたいと。おっしゃる趣旨はそのとおりだと思っております。
#156
○白浜一良君 じゃ、経済産業大臣、伺いますが、そういう啓蒙を主体的にやっていらっしゃるということでございますが、まず少なくとも中央官庁の仕事はこれまあすぐ手が付くわけですね、こういう特約は例外にしようということで。じゃ、経済産業省がそういう実績、既にございますか。
#157
○国務大臣(平沼赳夫君) 百三十二のそういったところに通達を出したということなんですが、隗より始めよで、中小企業庁からは、中小企業庁からまず始めると、こういうことでこれは動き出しております。
#158
○白浜一良君 実績ありますか。ないでしょう。
#159
○国務大臣(平沼赳夫君) まだ中小企業庁の中ではございませんけれども、対応は可能になっております。
#160
○白浜一良君 総理、経済産業省が中心になってこれやっているんですが、やっぱり国のいろんな事業ですね、特に中小企業を相手にした契約というのがこういう譲渡債権になりやすいように、少なくともそういう金融機関、保証協会はこの特約の、禁止特約の例外にしろというふうなことは少なくとも国の事業はできるわけでございますから、各省庁にわたって督促されるべきだと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
#161
○国務大臣(平沼赳夫君) 総理も同様の答弁をされると思いますけれども、それはそのとおりだと思っております。
#162
○白浜一良君 じゃ、そうしましょう。
 それで、じゃ、一番大手の国交省に伺いたいと思いますが、いろんな大企業相手の契約もございますから、それは別にして、少なくとも中小企業を相手にした契約もあると思いますが、そういう契約の在り方を十分踏まえて検討するという前向きのお考えを示していただきたいと思います。
#163
○国務大臣(扇千景君) 今、白浜委員がおっしゃいましたように、少なくとも十三年度の一次補正予算、これ五十億増やして今百億あるわけですね。けれども、御存じのとおり、今実際的に調べましたら、受注者の皆さん方が自由にこれを発注者の個別の承諾を得ないでよそへということで、危なくなったところがいろんなところへ二重担保みたいに出してしまったのではこれは困るということで、今、先生がこれを外せとおっしゃいますけれども、債権の譲渡禁止というようなことを特約で付いているわけですね。
 ですけれども、私たちは、国土交通省だけではありませんけれども、公共工事というものに関しては、公共工事の発注ということに対しては、一応、通常的にはこれは禁止特約ということで特約が、禁止されているということになっているので、今おっしゃったように政府として、うちだけではありませんからね……
#164
○白浜一良君 いや、金融機関、保証協会だけですから。
#165
○国務大臣(扇千景君) ですから、そういう意味では私たちも広げようというふうに努力していますけれども、今申し上げました、やっぱり危なくなっていろんなところへ売っていくということがないように、これを注視しながら、ましてそれを保証して、一つだけのところであれば、今、金融機関でも政府金融機関の間違いないところへというふうにおっしゃれば、ただ、今申しましたように、百億あっても全然使い手がないというのでは何のためか分かりませんので、せっかく一次補正で五十億増やしたんですから、何としても利用していただきたいと。私たちも、大いにこれで中小企業等々下請がみんな助かるわけですから、そのためのセーフティーネットでございますので、最優先して、私たちも率先してみんなに利用していただくように、これを見ていらっしゃる方も、ひょっとしたら、あっ、それだったらまだ間に合うななんて、たくさん枠がありますので、これ、先着順でどんどん使っちゃっていいわけですから、先着順なんです、枠もありません、是非お申込みいただきたいと思います。
#166
○白浜一良君 今の話は多分誤解されていますわ。私、その話したんじゃないんです。いわゆる契約の禁止特約を金融機関を例外にしようと、こういうことでございまして、ちょっと今の話は、いわゆる下請企業のセーフティーネットのお話されているわけで、その話は今していないんで、私は。
 時間がないので、取りあえずしっかり経済産業省中心になってこの制度が生きるようにしていただきたいと、こういうことだけ要望しておきたいと思います。
 それから、雇用問題で一つ厚生労働大臣にお伺いしたいんですが、いろいろ、今年になってハローワークの拡充とかいろいろされております。民間機関への助成とか、それぞれ力を入れていらっしゃるのは分かりますが、一つ、地方自治体がそういう就職のあっせん業みたいなものを主体的にやろうと、こういうことを意欲を持っていらっしゃる自治体があるとしたら、厚生労働省としていろいろ応援されますか。
#167
○国務大臣(坂口力君) これは、我が方のハローワークが非常に人手不足になっておるわけでございますし、なかなか全部の皆さん方にできないという状況でありますから、民間の皆さん方にもお願いをして、民間のハローワークも認めてやっておるようなときですから、地方自治体がおやりをいただくというのであれば、それは私はおこたえをしなきゃいけないというふうに思っておりますが、この地方分権推進計画、平成十年でございますが、これを決めましたときにはちょっとすみ分けをしまして、国の方がやります仕事と地方がやりますことと若干分けたんですね。それで国の方は職業紹介事業、雇用保険事業等をやる、それで地方の方は地域の実情、ニーズに応じた施策を自主的にやると、こういうことにすみ分けをしているわけでございます。
 しかし、そうはいいますもののこれは非常事態でございますから、今までから地方におきましては公益法人等を作っていただいて、そして障害者ですとかあるいは高齢者の雇用のことをやっていただいているわけでございますから、そうした形を通じてでも、それを拡大をして、お若い皆さん方の雇用の問題をお取り上げいただくのは私は認めていくべきだと、そういうふうにしていくべきだというふうに思っているところでございます。
 今は非常に雇用問題が厳しいときですからこういうことになっておりますが、もし将来良くなって、そしてもう余り雇用のことをやらなくてもいいような時期になったときに、国と地方と同じようなまた所を作って、そしてダブって仕事がなくなってくるというようなことになってくれば、それはまたそのときにそれを考えなきゃならないだろうというふうに思いますから、そこのところはちょっと注意をしながら、そういう公益法人等の中でそこはしっかりやっていただくということになれば非常に都合がいいんだがなというふうに思っている次第でございます。
#168
○白浜一良君 自治体を所管されています総務大臣、お考えございましたら。
#169
○国務大臣(片山虎之助君) 今、厚生労働大臣が言われましたように、地方事務官制というのがあったんですよ。これは国か地方か分からないあいのこみたいな制度で、これをなくしようと、地方分権推進計画でね。そこで、法律に基づく職業紹介だとか雇用保険、前の失業保険、雇用保険はこれはもう国にしようと、その他が地方だと、こうなったんですが、だから法律に基づく職業紹介事業は国と言わざるを得ないんですね、法的には。
 しかし、地域の雇用対策は、これは地方のある意味では責任ですから、私は似たようなことはできると思うんです。ただ、そこは国の方のハローワークその他と連携をして、情報を交換して、そういうことでやっていくのは私は構わないんじゃなかろうかと、こういうふうに思っておりまして、特に非常事態ですから、その辺の十分な検討をいたしたいと、こう考えております。
#170
○白浜一良君 実際、リストラとか倒産で失業されている方、たくさんいるわけでございますから、地域の実情に合った形でよく連携取っていただいて進めていただきたいと思うわけでございます。
 次に、行政改革という点で一点だけお伺いします。
 会計検査院が公益法人等の基金を調査いたしまして、九十四の基金を調べて二十七の基金の事業に有効性に問題があると、こういう会計検査院としての報告が出たわけでございます。これは会計検査院だけでございますから、約一兆円以上がこの基金に拠出されているわけでございますが、この問題、いろいろございます。
 ちょっと具体的に申し上げますと、農水省が所管されている大日本水産会、ここに漁業経営基盤強化推進基金というのがあるんですが、これは平成十年にできたんです。一度も使っていらっしゃらない。それから、財団法人農林水産長期金融協会の農山漁村振興基金、これもこのずっと基金が蓄積されていると、こういう実態あるんですが、これ見解を述べてください。
#171
○政府参考人(木下寛之君) お答え申し上げます。
 本基金は、漁協の合併を促進するため、一定の要件を備えました合併漁協が水産物の加工、処理、販売施設等の整備に要する経費につきまして利子助成を行うものでございます。平成十年度以降、低金利の影響を受けまして、実績が上がっていないというのは御指摘のとおりでございます。こういうこともございまして、平成十三年度からは、金利の実態に合わせた改正、また利子補給対象資金の追加等々を行ったところでございます。現在、こういうような制度改正もございまして、事前審査中を含め相当数の要望が上がっております。
 いずれにいたしましても、これまでの実施状況あるいはその効果等を踏まえまして、その在り方につきまして検討していきたいというふうに考えております。
#172
○白浜一良君 そういう答弁したらあかんねんて。
 要するに、十年にでけて、その利子助成は一回もされていないんですよ。そういう事実は認めないかんと言うてるねん。要するに、変な、これから、そういう事情があるとか、そういう言い方はしなくて。
 大臣、もっと明確に言うてくださいよ。
#173
○国務大臣(武部勤君) 私は、歴史と伝統を誇るようなそういう時代じゃないと、こう思っておりますので、スクラップ・アンド・ビルドという視点に立って事業そのものを総点検し見直しをすべきだと、このように思っております。当省所管の公益法人等についてはそういう考え方で徹底させてみたいと、かように存じます。
#174
○白浜一良君 そこで、提案があるんですが、行政評価法という法律、この四月から実施されます、これはもう難産の上でけた法律でございますが。
 ですから、総務省がこの少なくとも基金の洗い直しをして、不要なものはもうやめる、必要なものは続けると、ここを明確にするべきだと思うんですが。だから、これ、総務省、もう半年とか時間を切ってやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#175
○国務大臣(片山虎之助君) これは今、白浜委員御指摘のように、平成十二年度の決算報告の結果、会計検査院が指摘したんですね。だから、当面はそれぞれの責任ある省庁が対応をまず考えて、それは会計検査院自身も決算報告の中で、引き続いてやりますと、こう言っているんですね。だから、十三年度の決算出ますから、またおやりになるに違いないんで、その結果を見て必要なら、政策評価法も四月施行ですから、我々としても対応を考えたいと、こういうふうに思います。
 まず、各省庁の対応が一義的には私は必要だと、こう思っております。
#176
○白浜一良君 各省の進展具合を見て、適切にやっていただきたいと思います。
 それから、BSE問題でひとつ農水大臣に伺いますが、三月中にこの調査検討委員会の報告をするということでございますが、いつごろ出されるのか。そして、その調査結果に基づいて、私は責任問題も含めて、これだけ国民にいわゆる不安と被害を与えたんですから、全くどこに責任もなかったというような、そんなことはあり得ないんです。そこの責任を明確にすることがこの調査の中で一番大事なことなんで、いつごろされるかということと、しかるべき責任ある結果を出すということを明言していただきたいと思うんです。
#177
○国務大臣(武部勤君) 第三者委員会は、三月中を目途に取りまとめを行うということで進めているわけでございますが、作業の実態を聞きますと若干遅れぎみだということもございます。したがいまして、四月にずれ込む可能性もあるんじゃないかと、こう思っておりますが、お話しのとおり、農林水産省の行政対応の問題についても厳正に評価されるであろうと、かように思いますし、そういった取りまとめの報告に対して最大限私どもは真剣に、真摯に対応してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
#178
○白浜一良君 まあ、この問題以降、食品の表示にもううそばっかりだという事件が相次いで起こりまして、私は、まあ一民間企業がもうけのためにやったというならそれも問題ですよ、それ取り締まれなかったというのも問題ですが、先日、全農傘下のチキンフーズですか、全農というのは国内の畜産業、農業を育成する立場じゃないですか、そういう責任ある立場の傘下の企業が海外のチキンを国産チキンだと言って売っていたと。
 これどうですか、農水大臣。どういう農水大臣として厳然とした対応をされていますか、この問題で。
#179
○国務大臣(武部勤君) お答えいたします。
 国民に対して安全な食料を供給するというのが全農系統の私は責任だと、かように思いますが、かかる不祥事を起こしたということはもうこの上ない遺憾千万なことでございまして、私どもは、全農が消費者のみならず真摯に経営に取り組んでいる生産者まで裏切るようなそういうことをしているということであれば、これはもう許し難いことでありますので、今、立入検査をすると同時に、農協法に基づいて厳正な調査をしているところでございます。
 委員御指摘のような考え方は、私、全く同じような価値観を共有できる話でございますので、そういう決意で対処してまいりたいと思います。
#180
○白浜一良君 もう一点ちょっと確認しておきますが、この全農の会長は、しかるべき全部調査、整理した上で辞任すると、こう表明されたと伺いました。しかし、会長が辞めて済まないんですよ。私は、農水省としてこういう構造的なここに問題があったということをきちっと私は調査した上で処置すべきだと、そこまで含めて答弁していただきたいと思います。
#181
○国務大臣(武部勤君) 厳正に調査の上、しかるべき措置を明らかにしたいと、このように思います。
#182
○白浜一良君 それで、これ、食生活というのは一番やっぱり国民の基本生活、基本的な文化、一番大事な文化の部分でございます。そこに虚偽があると。これまかり通っているということが、子供たちから見て何か大人はうそばっかりついて商売しているのかと。そんな環境の下で健全な教育ができますか。だから、単に処罰が甘いとかそんなんで済まないんですよ。だから、そういう面で、これJAS法の改正問題、どうなりますか。
#183
○国務大臣(武部勤君) 農林水産省といたしましては、二月八日に食品表示制度対策本部を野間副大臣を本部長に設置いたしておりまして、今、食品表示制度一一〇番等々行って、そのことによって様々な問題が露呈してきているという事実もございます。JAS法の改正を視野に入れまして、消費者保護を第一に、消費者サイドに軸足を置いた農林水産行政を展開する一つのチャンスでもあると、かように考えておりますので、制度の見直しとその改善強化を図る決意でございます。
#184
○白浜一良君 私の持ち時間が来ましたので、最後に総理に。
 この食品の問題は大変な問題でございまして、私はやっぱり消費者の立場から、これは農水省の所管だと、こっちは厚生労働省所管だとするんじゃなしに、消費者に対して食の安全という見地から、昨日もそういう議論されておりますが、国としてしかるべき機関も含めてちゃんと対応するという総理の基本的な方針をお示しいただきたいと思います。
#185
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) BSE問題について、調査検討委員会、今報告を急いでおります。この報告を得て、農林水産省のみならず、厚生労働省、各省庁が縦割り行政の弊を排して、どういう食の安全を図ることができるような機構ができるか。BSE問題についてはもうかなりの経験と対応を持っているイギリスやあるいはドイツ、フランス等の例を参考にしながら、日本としてどのような体制を取れば国民から、また消費者から食の安全に対する信頼を取り戻すことができるかどうか、それを踏まえて今議論をしておりますので、その議論を踏まえながら対応を適切に取っていきたいと思います。
#186
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。福本潤一君。
#187
○福本潤一君 公明党、福本潤一でございます。
 今、質問の中に、白浜委員からもありましたように、政官の関係、また政治家、また官僚、また経済界の方々に対する不信も現在渦巻いておるところだと思います。
 小泉総理、聖域なき改革ということで取り組んでいただいてはおりますけれども、最近のこういう政治また官僚、経済界、実態を見て、このままでは日本の人心がうんできて、制度疲労も来ているのではないかというふうに思われます。今後、米百俵の精神ということも言っておられましたけれども、哲人政治というか、プラトンのような方が出てきてやらないといけないぐらいの状況になっているのではないかというふうに思います。
 そこで、人間小泉純一郎、また政治家小泉純一郎に、今後のこの国の在り方、いかように考えておられるか、これを最初にお伺いしたいと思います。
#188
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ここ数年、いろんな分野で不祥事が続出しております。政治家も官僚も警察官も裁判官も、そして企業も教師も、こんなことまでしていたのかと、本当に日本どうなっているんだろうという、こういう不安と疑念を持っている方も多いと思います。やはり、新しい時代に、日本全体が今までの先人たちの歩んできた道を振り返りながら、どうしてこれから力強い日本の再生に向けて立ち上がっていくか、反省すべき点は非常に多いと思います。
 そういう中で政治としても、言わば、あらゆる、多くの国民の生活の担い手であるという、そういう自覚、使命感を失わずに、まずこれからの日本に自信と希望を取り戻すような体制をすべての面で率先して作っていくための先頭に立たなきゃならないのが政治家であり、政党だと思っております。そういう意味において、我々の責任は非常に重いと思っております。
#189
○福本潤一君 責任感重く、今後の日本の政治、また日本の進路を考えていっていただきたいと思います。
 私、時間余りありませんので、外務省改革のことで具体的な提案、二点させていただこうと思います。
 最初に、今回の予算委員会の予算書の中に予算総則という項目があります。財政法二十二条で、六項目だけそれに入れてあとの歳入歳出等は附属の書類だということだということで承知しておりますけれども、その予算総則に、外務省松尾事件もありました、この総則の中に報償費、具体的項目、各省庁にありますけれども、入れる提案をしてみたいなというふうに思いますが、小泉総理、これ是非ともこういう形で具体的に外交機密費の問題も対応していただけるかどうか、お答えいただければと思います。
#190
○国務大臣(塩川正十郎君) 報償費につきましては各種類たくさんございまして、それぞれの各省に細かく配分されております。財務省といたしましてはその総額は掌握しております。その使途につきましては決算で、しかも会計検査院で厳しく検査を受けております。政府全体の補正といたしましては五十五億円、十四年度五十五億円にいたしておりまして、昨年度よりも相当減額いたしたつもりでございます。
 なお、このお尋ねの中であると思うんでございますが、外務省報償費等につきましては四〇%減となりまして三十三億円でございますし、内閣官房におきましては、これも一〇%減額いたしまして十四億円といたしております。その他、小さい金額は各省に分かれております。それが合計いたしまして五十五億ということになります。
#191
○福本潤一君 いや、それを予算総則の中に入れる方向性を検討していただきたい。
#192
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、予算総則の中には報償費の全体としては入ってはおりますけれども、項目ごとには入っておりません。
#193
○福本潤一君 今の予算総則の中に二十二条を改正してでも入れるという形で対応していただきたい。総理にこれをお答えいただければ。
#194
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほども申しましたように、合計額は書いてはございますが個別には書いてございませんので、個別に書けということだと思いますので、それは検討させていただきます。
#195
○福本潤一君 検討して前向きに対応していただければと思います。
 もう一項の具体的な提案と申しますのは、ODA、また無償資金の問題がありました。公明党、ODA基本法を提案しておりますし、さらに国際調査会のODA小委員会でも提案したことがございます。このODA基本法を制定するべき時期に来ているのではないかと思いますので、この点も前進、前向きに検討していただきたい。
 総理、この点についてもお答えいただきたいと思います。
#196
○国務大臣(川口順子君) ODA基本法、今、委員がおっしゃられましたODA基本法は、ODAの透明性を確保し、それに国民の理解と支持を得るためにいい方策であるということで、かつて国会で議論をされたということは私も承知をいたしております。他方で、ODAを進めていくためには、これは相手国の二国間関係を含む総合的な外交判断が必要でございまして、また機動的かつ柔軟に対応するということも必要でございます。
 そういったODAの性格から、基本法の制定につきましては、私としては慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
#197
○福本潤一君 慎重な検討と言われて、あのときも抵抗勢力が出てきた時点がございます。総理、この点、本格的に検討すべき時期に来ていると思いますので、対応をよろしくお願いいたします。
 さらに今回、私、環境問題で様々な具体的な問題が起こっている中で、カネミ油症の問題を質問させていただこうと思います。
 このカネミ油症が、当初PCBが原因だというふうに言われていましたけれども、最近、国会質疑でもダイオキシンが原因であるということが厚生大臣の答弁でありました。ある意味では、ダイオキシンを直接摂取による人類史上初めての食品公害、食べ物から入ってきた健康被害であるというふうに思います。
 これ具体的に、厚生省、環境省、ダイオキシンであるということをいつ認識したかということと、時期を含めて経緯、経過を御説明いただきたいと思います。
#198
○政府参考人(岩尾總一郎君) 環境省の事務的な経緯について御説明いたします。
 環境省は、カネミ油症を契機としてできました化学物質審査規制法を昭和四十八年からそれを受けまして化学物質の環境汚染実態調査を実施してまいっております。昭和五十八年にごみの焼却場飛灰からダイオキシンが検出されたということを受けまして、環境中の実態把握を目的としたダイオキシン類似化合物についての検討を専門家を集めて行いました。その結果を昭和六十年の三月にいただきましたが、PCDD及びPCDFは人工有機物質の中で極めて毒性の高い化合物と言われているという報告を受けて、同じ年、昭和六十年の五月に全国の自治体に向けましてダイオキシン類の類似化合物も含めて測定を目的とした調査検体採取の依頼を行っております。その後、これらの採取された検体の分析、データの精査を進めまして、昭和六十三年のPCDFをダイオキシン類として分類した上で報告書として取りまとめております。
 したがいまして、PCB、PCDFをダイオキシン類ととらえて環境調査をまとめたのは昭和六十三年ということになるかと思います。
#199
○国務大臣(坂口力君) 今御指摘ありましたように、カネミ油症の場合には、最初はPCBというふうに言われていたわけでございますし、そのときにはそのPCBしか分かっていなかったわけでございますが、以後のいろいろの研究調査によりまして、PCBが変質をいたしましてPCDFが発生をする、量は非常に少ないんですけれども、その毒性が非常に強いということが分かってまいりまして、そしてPCDFによる中毒と申しますか、このPCDFによって影響が出ているということがだんだんと明らかになってまいりました。それは、今環境省の方からもお話ございましたとおり、最初それがささやき始められましたのは昭和五十八年当時でございますが、正式にNATOの毒性評価によって示されましたのは六十三年でございます。
 そういう経過をたどって今日に至っているわけでございますので、その辺のところを踏まえまして、PCDFが中心であります以上、PCDFを中心にした対策というものを立てていかなければならないというふうに思っている次第でございます。
#200
○福本潤一君 昭和六十三年時点では明確にダイオキシン被害だということが分かったということでございます。
 私、カネミ油症の患者の方、直接陳情も受けていますし、今回、福岡また五島列島も行って調査してまいりました。
 具体的にどういう症状が現れているかというのをお見せしたいと思います。(資料を示す)
 これでございますが、これは塩素にきびと申しまして、体の中からうみが出て、三十二年後の今も治らないと。PCBなら十年で大体治るだろうと言われているのが、今もこういう状態で続いていると。
 引き続き、これはベトナム戦争のときの同じような枯れ葉剤に被曝した両親から生まれた十四歳の子供の塩素にきびでございます。やはり、同様にダイオキシンの被害だということがこれでも容易に連想ができると思います。
 さらに、もっと大変な被害の写真が一杯あるわけでございますが、これは成長しない性器ということで、環境ホルモンは生殖機能も侵すといいますけれども、十九歳でこの方は自殺されております。同じ悩みで割腹自殺も生まれておりますし、現在は精巣減少等も現れております。
 同じように、これはベトナム戦争のときのダイオキシンの被曝二世でございます。シャム双生児、三世にも現れておりますし、ベトちゃん、ドクちゃんはまだ軽かった方だ、まだ分離手術ができない状態の子もたくさん生まれております。
 さらに、これでございますが、油症患者から生まれた黒い赤ちゃん、コーラベビーとも言われておりますが、これは二世、三世からも今も生まれて、ダイオキシンの生殖毒性さらに残留性を示しております。
 同じように、こちらの写真も、カネミ油症のとき、六本の指、又は多指症、指がたくさんある、さらには四つの手足の変形、こういったものが具体的に出てきておるわけでございます。
 こういうことで、九九年にダイオキシン問題が、国際会議が開かれたときも、カネミ油症問題はイタリアのセベソよりももっと大変な問題だということがございました。ですから、この認定患者の見直し、また医療費補助等を厚生省も対応していただきたい、これをお答えいただきたいと思います。
#201
○国務大臣(坂口力君) 大変ショッキングな写真でございますが、そうした状況が今日まで続いているというふうでありますならば、これは早急に対策を講じなければなりませんし、今までPCBだというふうにして、それを中心とした対策を立ててきた、そのことに誤りがあるというのであるならばPCDFを中心とした対策に変えなければならない、早急に対策を立てたいと思っております。
#202
○福本潤一君 こういう意味で、具体的にダイオキシン対策、厚生省、またさらには今後どう対応されるか、総理にも全体的な、今の写真も見て本格的にどういう形で対応していかれるか、お二人に最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#203
○国務大臣(坂口力君) 先ほど申しましたように、新しい立場からやりたいというふうに思いますが、その前にはやはりもう少し調査をさせていただかなければなりませんから、早急な調査をさせていただきたいというふうに思いますし、それにのっとりまして、何をなすべきか、現在何をなすべきかということを決定したいというふうに思っております。
#204
○国務大臣(大木浩君) 福本先生には釈迦に説法なんですけれども、今のカネミ油症の原因がPCBの問題かダイオキシンの問題かとなると、これはもう非常に化学的でございますから分類の仕方によると思いますが、いずれにいたしましても、大変に重大な問題が発生しておるものでございますから、私どもとしては、例のダイオキシンに関しては既に議員立法でいろいろと対策を立てていただきましたけれども、これは今ひとつ、カネミ油症の問題については、それ自体としてまた私どもとしても真剣に関係各省と連絡を取りながら検討を続けさせていただきたいと思っております。
#205
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いかに後々まで影響を及ぼすかという大変ショッキングな写真でございますが、ちょうど私が厚生大臣のときにダイオキシン問題が大きく取り上げられまして、このようなダイオキシンというか環境全体に対する問題、政府一体となって、後世にかかわる、また地球全体にかかわる問題でありますので、総合的に取り組むべき問題だと思っております。
#206
○委員長(真鍋賢二君) 以上で白浜一良君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#207
○委員長(真鍋賢二君) 次に、筆坂秀世君の質疑を行います。筆坂秀世君。
#208
○筆坂秀世君 私は、外務省と鈴木宗男議員をめぐる問題について幾つか質問をしたいと思います。
 鈴木議員と外務省をめぐる外務省の調査報告によりますと、いわゆるムネオハウスについて、この仕事を受注した渡辺建設、犬飼工務店、このほかに四社が入札説明会に参加したというふうにありますけれども、この四社とはどこですか。
#209
○委員長(真鍋賢二君) 外務省齋藤欧州局長。(発言する者あり)
 外務省、スピーディーに御答弁願います。指名してあります。
#210
○政府参考人(齋藤泰雄君) ただいま調査してすぐお答えいたします。──大変失礼いたしました。お答えいたします。
 入札説明会に参加した会社は、村井建設、渡辺建設工業、犬飼工務店、大和工商リース、第一土建工業及びサンキュウと読むのでしょうか、山の九つでございますが、以上の六社が入札説明会に参加いたしました。
 失礼いたしました。
#211
○筆坂秀世君 この場合の入札参加資格はどうなっていましたか。
#212
○政府参考人(齋藤泰雄君) 入札資格の主なポイントは、北海道内に本社を有する者であって、気象条件が国後島に近似する根室管内(根室市、別海市、中標津町、標津町及び羅臼町)において類似施設建設工事の施工実績を十分に有する者であること、それから、最新の経営事項審査における業務一式の総合評点が単体又は共同企業体、JVのいずれかの場合においても九百点以上の者であること等でございます。
#213
○筆坂秀世君 この外務省の報告を拝見しますと、入札参加資格を有するほかの三社というふうにありますね。この入札参加資格を有する他の三社、つまり渡辺建設工業、犬飼工務店以外の他の三社とはどこですか。
#214
○政府参考人(齋藤泰雄君) 先ほど申し上げました六社の中から先生御指摘の二社及び大和工商リースを除いた三社でございます。
#215
○筆坂秀世君 大和工商リースは、そもそも参加資格がなかったということですね。これは、本社が北海道内にはないと、したがって参加資格がなかったということです。
 じゃ、山九の本社はどこにありますか。
#216
○政府参考人(齋藤泰雄君) 本社の所在地についてちょっと調べさせていただきたいと思います。
#217
○筆坂秀世君 山九の本社は東京にあるんです。
 つまり、大和工商リースも北海道にはないんですよ。大阪と東京にあります、本社は。山九も東京にあるんです。何でこれが入札参加資格あるんですか。この報告じゃ、大和工商リースは入札参加資格ないと、北海道に本社がないから。しかし、山九だって北海道に本社がないじゃないですか。
#218
○政府参考人(齋藤泰雄君) 支援委員会事務局に確認する必要があると思いますけれども、もしそういう事実関係において誤認があったとしたら大変遺憾なことであると思います。
#219
○筆坂秀世君 この報告が間違っているということになりますね。まず一か所間違いがありました。
 それじゃ、施工実績不足で辞退した二社、施工実績が足りなかったと。十分な施工実績を有する者というのがありますよね。十分な施工実績がなかったというので辞退したのが二社あると書いてありますでしょう、報告書に。これはどこですか。
#220
○政府参考人(齋藤泰雄君) 至急、事務局に確認の上、お答えしたいと思います。
#221
○筆坂秀世君 この問題は、今度の国会で大問題になって、異例の、外務省が、園部参与とおっしゃいましたか、調査して国会に報告されたものでしょう、川口外務大臣の責任で。そんなことが何ですぐに答えられないんですか。そのぐらいの資料を準備しておくの当たり前でしょう。質問を一々一々、十問全部何を聞くか、そんなこと言うわけないじゃないですか。何について聞くから調べてきなさいと言ってある、ちゃんと。駄目です、それじゃ。(発言する者あり)
#222
○委員長(真鍋賢二君) 外務省。
#223
○政府参考人(齋藤泰雄君) 申し訳ございませんが、細部に至るまでの事実関係、事務局に照会させていただきたいと存じます。
#224
○筆坂秀世君 じゃ、国土交通省北海道局ですか、来られていますね。来られていますね。
 村井建設、こちらは根室管内で十分な施工実績はありますか。
#225
○政府参考人(林延泰君) お答えいたします。
 実績ございます。
#226
○筆坂秀世君 中身、言ってください。
#227
○政府参考人(林延泰君) 中身ですか。北海道開発局が、今の、年度は、についてもでございましょうか。
 平成九年度から十一年度までの間の北海道開発局が発注いたしました建築工事のうち、村井建設が受注した工事件数は平成十年度の二件でございます。
 以上でございます。
#228
○筆坂秀世君 それは根室管内ですか。
#229
○政府参考人(林延泰君) 一件は釧路市、それから一件は阿寒町でございます。
#230
○筆坂秀世君 つまり、根室管内じゃないですね。さっき言いましたでしょう、根室管内というのは根室、中標津、標津、こういうところですよ。釧路と阿寒なんだから、根室管内では実績ゼロだということです。つまり、村井建設はこれ外れるということです。
 さっきも答えできないんで、私の方から言いましょう。だって、何でこの二社ぐらい分かんないんですか。第一土建工業と山九ですよ。つまり、四社全部入札資格ないということでしょう。六社入札に参加したと言うけれども、本社が大阪にあるものが、大阪とか東京にあるものが二つある。施工実績が全くないものが、これ三つある、ダブりがありますから。つまり六社と言うけれども、実際に入札資格を持って参加したのは渡辺建設工業と犬飼工務店しかないということですよ。
 これ、どういうことですか。一般競争入札に見せ掛けるために参加資格がないものを四社呼び込んだということでしょう。正に偽装工作じゃありませんか。
 そして、この外務省の報告というのはそこを全く解明していない。そのままですよ。偽装報告じゃありませんか、これは。大臣、どうですか、これ。
#231
○国務大臣(川口順子君) この報告書につきましては、これは園部参与が、外務省、行政機関である外務省が、国会で御指摘があって資料を、調査をお約束したものについて、強制権がないという制約の下で最大限の努力をしていただいて作った報告書でございまして、園部参与には知り得る限りのことあるいは把握できることをヒアリングあるいは資料で調べていただいたものでございます。
#232
○筆坂秀世君 答弁になってないですね。私、昨日今日で調べたものだ、これ。こんなものすぐ分かるじゃないですか。
 しかも、この文章自身がおかしいんですよ、報告書読んでごらんなさい、あなた、川口大臣。「入札参加資格を有する他の三社のうち、二社は自社の施工実績が不足であるとして参加を辞退し、」、実績不足だったらそれは参加資格ないんですよ。ところが、この報告じゃ参加資格がある中に入っているんですよ。こんなでたらめな報告がありますか。直ちにこれは再調査する、そして国会に報告する、当然じゃありませんか。
#233
○国務大臣(川口順子君) 園部参与には、十日間という中で全体を、最大限の努力をしていただいて、休日も返上してやっていただきました。こういった点についてヒアリングができること、あるいは資料で可能なことにつきましてはしていただいたわけでございまして、新しい何か、こういうことが違うということが御指摘ございました分については、また調べさせていただきます。
#234
○筆坂秀世君 大臣、聞いてなかったんですか。今したでしょうが、いかにこの報告書がでたらめか。園部さんの責任にしちゃだめですよ。だって川口大臣の名前でこの報告出したんでしょう。そんな無責任な答弁ないですよ。
#235
○国務大臣(川口順子君) もう一度繰り返させていただきますけれども、先ほど申し上げましたのは、新しい情報、新しい御指摘をいただいたことについては調査をさせていただきますというふうに申し上げました。
#236
○筆坂秀世君 実に役人的な答弁ですね。今、私が指摘したんだから、その指摘に基づいて再調査します、そしてこの部分については少なくとも再報告します、それが日本語の答え方でしょうが。評論家のような話じゃないですか、それじゃ。まあいいでしょう。
 それは再調査して報告するということですね。そういうことですね。そういうことですね。
#237
○国務大臣(川口順子君) 御指摘がございましたことについては、そうさせていただきます。
#238
○筆坂秀世君 だって、これ大問題でしょう。一般競争入札でやったのが、実はそうじゃなかったと。そこで鈴木議員の関与があったということが大問題になったんですよ。しかも、それに外務省がかかわって偽装工作やっていたという話じゃないですか。本当に事の重大性が大臣はお分かりになっていない。
 次に、もう一つ聞きます。
 ロシア支援のために支援委員会というのが作られています。昨日も、総理が支援委員会の在り方については、これはもう抜本的に見直す必要があるという答弁もされておりました。
 この支援委員会が作ったものに、ロシア国内に七か所の日本センターというのがあります。対外支援のために、こういう出先機関ですね、一つの国の中に七つも同じような日本センター作っている。もちろんODAのところはJICAが中心ですから名称とか形は違いますけれども、JICAにはこんなものはないでしょう。一つはありますよ。一つの国に七つも日本センター作っていると、こんな例はほかにありますか、ロシア以外に。
#239
○政府参考人(齋藤泰雄君) この日本、失礼しました、支援委員会の日本センターということでございましたら、ロシアに七か所、あと、キルギス、ウクライナにそれぞれ一か所あると承知しております。
#240
○筆坂秀世君 ですから、七か所も作っているような国がロシア以外にありますかと聞いているんです。
#241
○政府参考人(齋藤泰雄君) 日本センターにつきましては、ロシアだけでございます。
#242
○筆坂秀世君 この七つの日本センターのうち、鈴木宗男議員が開所式に出掛けたものはありますか。
#243
○政府参考人(齋藤泰雄君) サハリンとニジュニノブゴロドの二か所の日本センターに出席されたと承知しております。
#244
○筆坂秀世君 この日本センターというのも、やはりこれ鈴木宗男議員とまた結び付いているんです。サハリンには行かれている。そして、ニジュニノブゴロドというところの日本センター、これは招待もされて鈴木宗男議員は行っています。
 この七つの日本センターの所長というのは民間企業の出身者で占められていますけれども、出身企業名はどうなっていますか。
#245
○政府参考人(齋藤泰雄君) モスクワにございますミルビス日本センターの所長の前職は丸紅でございます。ハバロフスク日本センターの所長の前職は住友商事でございます。ウラジオストク日本センターの所長の前職はニチメンでございます。サハリン日本センターの所長の前職は丸紅でございます。MGU、モスクワ大学の日本センターの前職の、所長の前職は伊藤忠商事でございます。サンクトペテルブルグ日本センター所長の前職は日商岩井でございます。ニジュニノブゴロド日本センター所長の前職は松下電器というふうに承知しております。
#246
○筆坂秀世君 ちょっと資料を配付してください。
   〔資料配付〕
#247
○筆坂秀世君 今、答弁があったとおり、実態は日本商社センターですよ、松下電器除けば。有名商社、ほとんど全部入っています。異常ですよ。今、資料を配付していただいておりますけれども、これ見ますと、商社から日本センターに行く、俗に言う一種の天上がりのようなものですね。
 これ、逆に今度外務省から商社への天下り、これもなかなかすごいものがあります。お配りした資料の一ページ目ですけれども、日商岩井から二人、住友商事、三菱商事二人、豊田通商、丸紅、伊藤忠商事二人、三井物産、そしてトーメン二人と。中でも注目すべきは、いろいろ最近話題になる都甲岳洋さん、欧亜局長、ロシア大使経験者ですね、これは三井物産。あるいは枝村純郎さん、ロシア大使、住友商事。日本センターの方には商社から行く、商社からは外務省に行く、こういう関係ができ上がっている。
 しかも、この資料の右の欄を見ていただきたいんですけれども、主な受注件名というのが書いてあります。黒丸が北方四島支援事業です。白丸がロシア支援事業です。これはみんな受けているんですよ。しかも、天下ったその年やその前後に、この問題のロシア支援、北方四島支援事業、こういうものを全部受注している。
 私、総理にお伺いしたいと思うんですけれども、支援委員会、そして日本センター、外務省、そして商社、この関係というのはこれは正常なまともな関係だというふうに私は思えないと思うんですけれども、総理の御認識を是非お伺いしたいと思います。
#248
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、この資料は初めて拝見いたしましたけれども、支援委員会そのものがいかにずさんだったかというのは、この衆参の委員会の質疑を聞いて私も理解できます。
 そういう点から、この問題については、委員会で指摘された問題についてよく調査して疑惑のないようにしなきゃいかぬと思っております。
#249
○筆坂秀世君 しかも、これらの商社からは、自民党の政治資金団体である国民政治協会、ロシア支援が始まってからの十一年間で二十一億一千九百三万円と巨額の政治献金なされている。もちろん、これが全部ロシア支援と結び付けて私、言うつもりはありませんが、しかし十一年間で二十一億ですよ。年間二億円近いですね。やはり、こういう企業から結び付いてそして巨額の企業献金を受け取る、これは鈴木議員、突出しているわけですけれども、同時に私は、自民党政治全体がこれは見直すべきことだということも併せて指摘をしておきたいというふうに思います。
 次に、なぜ鈴木宗男議員という人があれほど熱心に、熱心過ぎるぐらい北方四島支援に取り組むというか、のめり込んできたのか。私は、一つは、今回の一連の経過の中で明らかになったように、それ自体を食い物にしている、ここに大きな動機があったことはこれはもう否定できないと思うんです。しかし、それだけにはとどまらない、私は重大な疑惑があると、こう思います。
 資料でお配りしております四枚目ぐらいに入っていると思いますが、こういうものがあります。(資料を示す)これは、名古屋市にある広小路という不動産会社が、元歯舞諸島に住んでいた方あるいは色丹島に住んでいた方、こういう方々に、是非土地を売ってほしいと、色丹島や歯舞諸島に持っている土地を売ってほしいということを書いた往復はがきです。これはお名前がありましたけれども、御迷惑掛けますので根室市とだけ残してありますが、実際に根室市に九五年十月十一日、これはこの方は元志発島に住まわれていらっしゃった方です。
 それで、どう書いてあるかと。当社は、ちょっと略して読みますが、北方領土に関心があり、このたび、貴殿所有の北方領土についてお答えをいただければ幸いに思います。現在、北方領土は、売買による所有権移転登記は法務局では受け付けられていません。返還されるめども全く付かない今、将来の夢を求め貴殿所有の土地を譲り受けたく、今回のアンケートをする運びになりました。つきましては、貴殿所有の物件所在地をお知らせくだされば、当社では譲受け額を提示し、売買契約に応じたいと思います。何とぞ御協力くださいと。こういう往復はがきが実際に、これは根室市に住んでおられる元島民の方のところへ送られてきたものであります。
 私自身、今月の五日、六日と根室に調査に行ってきました。そうしましたら、少なくない人が、この会社からこういうはがきを受け取った、あるいは電話をもらった、そして是非土地を売ってくれないかということを言われたという証言を幾つか得てきました。中には、この会社に土地謄本を全部送って、そして売買契約の交渉をやった、しかし金額で、この方によれば折り合わなかったので私は売らなかったという証言でありました。
 総理は、こういう歯舞や色丹で、ここの土地を将来返ってくることを見込んで、買いあさりといいますか、こういう動きがあるということを御存じだったでしょうか。
#250
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、今初めて聞きました。日本の領土とまだ認めてない、ロシア側は。それを日本人が持っていると、それを売ってくれという話ですか。こんなことあるんですか。初めて聞きましたよ。
#251
○筆坂秀世君 総理が初めて聞かれたのも無理もないと思う。私も実は、これを見て初めて知りました。
 もちろん移転登記はできないんです、今は。これは法務局でも受け付けられません。ですから、やり方はどうかといいますと、念書を出すそうです、念書を。もし返ってくれば必ず私どもが買いますと。そのときの値段を前もって決めておくと。そして、手付金のようなものを払うそうです。これは、私が聞いたところによれば。まだ登記できませんからね。そういうやり方をやられている。返還の、残念ですけれども、これは残念なことだけれども、めどは率直に言って今立っているとは言えません。そういうときに、こういうものを買いあさる。
 私、どういう会社か調べてみました。資本金が一千万円。ちょっと古いですけれども、九七年から八年に掛けての実績を見ましたら、賃貸の取扱いはゼロ、建物、土地の仲介実績がわずか七件しかない、取扱い実績は一千四百六十七万円、利益は出ていない、営業損益が出ていると。
 会社も訪ねていきましたよ。ビルに行ったら、ビルにも看板がない。部屋に行くと、一室にやっと看板がある、広小路という。とても色丹島や歯舞島を買いあさろうと、こんな会社には私は見えなかったですよ。しかし、現にこういうものが届いている、電話もある、これは間違いないです。
 これは、元歯舞諸島の方の、私たちが調査に行ったときに伺った証言ですけれども、こういう証言がありました。一九九九年、今から三年前、鈴木宗男さんが島の土地を欲しがっている、買いたいと言っているのでだれか売る人はいないかという話があったと。この方は四十分ぐらい話をしたそうですが、土地を持っている人は限られている、そして売るわけがない、そんな人はいないという話をしたそうです。
 さらに、今年の三月、今月です、やはり同じ歯舞諸島の人からこの方に話があって、鈴木宗男さんから土地を売ってくれと言われていると。売ったかと聞いたら、売っていないと。この方は頭にきたのですぐに鈴木宗男議員の釧路の事務所に電話をしたという。土地を買いたがっているようだが、島でも返ってくるのか。私たちは一生懸命、今返還運動をしているんだ、何をしているんだというので、文句を言ったという。そしたら、その事務所の応対に出てきた方が、だれが売った売らないという話をしたんだと言う。まあ名前を言ったそうです。ちょっとここでは言えませんけれども。そしたら、ああそうですかというので、一切話を否定する者はこの鈴木事務所からはなかったということであります。
 根室じゃ実はこのことが話題になっています。どこそこの企業が動いているとか、どこそこの不動産会社が動いている、どこそこの建設会社が動いている、こういうことが話題になっています。広がっています。
 私は、これはほうっておけない問題だと。一体、一体本当にこういう動きがあるのかと。私は、これは外交問題にもかかわる問題ですし、あるいは領土返還交渉にもかかわる問題です。こういう動きがあるというのをほうっておけない、私はこう思うんですけれども、総理の御認識を伺えたらお伺いしたいと思います。
#252
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も今初めて聞きまして、何でそんなことをしているのか、奇怪な行動ですね。私の知識では理解に苦しみます。どうなっているのか、またどういう意図があるのか、分かりません。
#253
○筆坂秀世君 領土問題というのは今、日ロ間にまたがる言わば最大の外交案件というふうに言ってもいい問題。そこに政治家まで絡んでこういう動きがあるということになれば、これは外交上も本当に許されない問題になってくると思います。
 しかも、今行われている土地買いあさりの対象となっているのは、これはどこでもじゃないんです、どこでもじゃないんです。私たちがつかんだ限りで言えば、歯舞諸島の中では志発島というのと、そして多楽島という、そしてもう一つは色丹島です。国後、択捉、これは入っておりません。国後、択捉にはこういう動きはありません。つまり、歯舞、色丹しかないということです。
 色丹というのは元々九九%が国有林、民有地は一%ぐらいしかないと言われています。そしてその民有地というのが、穴澗湾というところと斜古丹湾というところに、海岸べりにくっ付くようにして民有地があり、かつて島民の方はここに住んでおられた。入り江になっていて、聞きますと、箱庭のような、本当に風光明媚なところで、大変きれいなところだという話でありました。
 私は、何でこんな動きが起こってきたのか、鈴木議員らが唱えている二島先行返還論、こういうものが背景にないのかと、これは無関係なのかということを私は考えざるを得ないと思っています。
 鈴木議員が一九五六年の日ソ共同宣言に基づく二島先行返還論という立場に立っていることは有名な話です。問題は、この立場というのが、日ロの領土問題交渉担当者にとってこの先行論というのがどういう理解になっているかということです。
 例えば、ロシアのロシュコフ外務次官はこう言っています。日ソ共同宣言から交渉を始めるというなら二島返還が最終決着になる。つまり、歯舞と色丹で終わっちゃうということをロシュコフ外務次官は言っている。
 一方、日本でも、対ソ連外交、対ロシア外交に深くかかわってきた、今回オランダ大使更迭と報道された東郷和彦さんという方、自らの著書の「日露新時代への助走」という本の中でこう言っています。二島返還、つまり歯舞、色丹返還、そして二島は交渉継続。二島返還、二島継続という案には大きな難点があって、事実上二島返還と同じだと。つまり歯舞、色丹に終わると。つまり、日ロの交渉担当者がいずれもこの立場は二島返還で終わるよということを言っておるわけです。つまり、鈴木宗男議員が言う二島先行返還論というのは先行論じゃないんです。二島のみ返還論というのがその実質だということであります。
 私は、率直に言って、こういうことまで利権にしようとしているのかという疑いを持たざるを得ない。
 だって、昨日だって、ここで、民主党の委員の方から指摘がありました。佐藤優主任分析官が、まず二島だ、まず二島だというので走り回っている、二島だけだったらすぐ返るというふうな幻想を振りまいている、そして北方四島支援だってどんどん金額を増やしてきた、そういうものがこの背景にあるということであります。
 私たち、この問題は独自にも今後も引き続き調査をしていきたいと思いますけれども、総理、政府の方でもやはりこういう問題についてよくつかんで調査をしていただきたい、このように思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
#254
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今初めて聞いた話ですので、この問題、どういう調査の方法があるか分かりませんが、領土交渉、北方四島と日ロ平和条約交渉に関して、損なうような形でこういう問題がもし事実であるとすれば広がっていくのは好ましいことではないと思いますので、政府としても、この動きに注目して今後の交渉に支障のないような体制を整えていきたいと思います。
#255
○筆坂秀世君 私たち、この北方領土といいますか、歯舞、色丹、千島の問題については、歯舞、色丹は元々北海道の一部だと、これはサンフランシスコ条約に基づいても日本から奪う権利はどこもない。同時に、千島も歴史的に日本の領土だと。全千島が日本のものなんだというのが私たちの立場でありますけれども、その立場の違いはあったとしても、こういうものが利権にされているというふうなことは絶対にあってはならないということを指摘して、最後に次の問題に移りたいと思います。
 北海道矢臼別でのアメリカ海兵隊による実弾砲撃演習と鈴木宗男議員の介在についてであります。
 私どもの佐々木憲昭議員が衆議院で、防衛庁の内部資料について、これを明らかにしましたけれども、防衛庁長官、この内部資料は本当に内部資料だったということでしょうか。
#256
○国務大臣(中谷元君) おとといの三月六日に衆議院の予算委員会におきまして佐々木委員から御指摘がありまして、その資料が存在するかどうかという点につきまして当庁で調査をした結果、昨日ですけれども、三月七日に防衛施設庁の関係課におきましてその資料と同様の資料の所在が確認をされたところであります。
 現在、この資料に基づきまして事実関係を調査中でございます。
#257
○筆坂秀世君 この矢臼別への海兵隊の実弾砲撃演習が移転をするという話が持ち上がったときに、関係自治体、厚岸町、浜中町、これはどういう態度を一番当初は取っておりましたか。
#258
○国務大臣(中谷元君) 当初は、八月のお盆前辺りから防衛庁長官自らが地元に理解をいただくように接触を、説明に行かれたり、また地元の局も対応いたしました。そして、最終的に年末の十二月二十日にこれの受入れを認めていただきましたけれども、その際の立場といたしまして、厚岸町長は、まだ容認できる環境ではなくて反対であるが、国が政策決定した以上やむを得ないものがあるという立場でありました。また、浜中町長は、あくまでも反対であるが、他町が容認し、国防上の見地から決定したことについては誠に遺憾でやむを得ないものがあるという意向が示されたところでありますけれども、その日、北海道知事さんとかまた関係者等が協議をした結果、受入れに合意をするということで文書において確認をされまして、それぞれ受入れを表明していただいたといういきさつがございました。
#259
○筆坂秀世君 今、防衛庁長官からも御答弁あったように、当初、厚岸町そして浜中町、これは絶対反対だと、最終的に受け入れるのはやむを得ないというときにも、反対だと、あるいはあくまでも本当は反対だと、こういう態度を取られていました。
 そこへ乗り出してきたのがまたまた鈴木宗男議員なんですね。厚岸町の沢田町長は、鈴木議員に恫喝された、一九九六年十二月二十日のことをこの厚岸町議会全員協議会の場で、人間扱いをしてもらえなかった、屈辱の一日だったということを全員協議会の中で答弁されているほどです。実際、この九六年十二月二十日というのはどういうことかというと、国に陳情するので羽田に降り立ったと、そうしたらそこには既に防衛施設庁の職員が待機していて、そしてそのまま鈴木議員のところへ連れていかれたと、そしてそこで恫喝をされたと。まあ拉致されたようなものですね、これ。こういうやり方までやって、そして無理やり押さえ込むということがやられました。
 それだけに終わりませんでした。今度は特別交付金で異常な差別をしました。最初に受け入れた別海町、これはベッカイチョウじゃなくてベツカイチョウというのが正確です。五〇・六%増、前年比。反対だがやむを得ないと言った厚岸町は三〇・三%増、あくまでも反対だと言った浜中町は伸び率ゼロと。これ、鈴木議員本人が、海兵隊を受け入れれば増やすのは当たり前だと、私がこういうことをきちっとやったんだと。やりたい放題です。
 しかし、だれがアメリカの海兵隊の実弾砲撃演習を自分の町でやることを歓迎する町長がいますか。いるわけないじゃありませんか。やむを得ず受け入れている、それが全国の実態でしょう。
 ところが鈴木宗男議員、何と、その海兵隊が矢臼別に最初に乗り込んできたとき、その歓迎会を自衛隊で行っている。防衛庁、間違いありませんか。
#260
○国務大臣(中谷元君) 平成九年の九月十六日に別海駐屯地内で開催をいたしたというふうに承知をいたしております。
#261
○筆坂秀世君 実は送別会まで行っていますね。それが佐々木憲昭議員が明らかにした防衛庁の内部資料に書かれています。
 海兵隊の演習というのは、大分県日出生台、宮城県の王城寺原、そして東と北の富士演習場。国会議員が主催して歓迎会やったところありますか。
#262
○国務大臣(中谷元君) ほかの地域で開催したということは承知いたしておりません。
#263
○筆坂秀世君 何で鈴木宗男議員が歓迎会までやったのか。私、分かる気がします。また新しい利権が、これで作ることができると思ったからですよ。そう思うしかないですよ。
 防衛施設庁に聞きますけれども、矢臼別演習場におけるSACO関係経費による工事契約で、食堂厨房新設工事を請け負った企業、海兵隊用の隊舎新設工事を請け負った企業はどこですか。
#264
○政府参考人(嶋口武彦君) 食厨につきましては十一年度にございまして、犬飼工務店、高部電気、池田暖房工業、寺井建設でございます。
 あと……
#265
○筆坂秀世君 隊舎。
#266
○政府参考人(嶋口武彦君) 隊舎でございますね。
 隊舎は十二年度にございまして、食厨もございまして、十二年度もございまして、犬飼工務店がやっています。それから、渡辺建設、高部電気、奥村工業、別海工業建設でございます。
#267
○筆坂秀世君 聞いた名前ですよね。食堂厨房二億三千四百六十七万五千円、これは犬飼工務店。隊舎は一億九千二百十五万円、渡辺建設工業と。あのムネオハウスでジョイントを組んだ企業二つがここでも大口の建設工事です、これは。これはしっかり取っているということであります。
 しかも、資料にお配りしましたけれども、SACO関連の事業を受注した企業、これは鈴木議員に多額の献金を行っています。防衛庁の、防衛施設庁発注の事業では、ここにありますけれども、資料でお配りしましたけれども、二十社で三千四百七十三万四千円の献金を行っています。同じように、SACO関連事業で別海町が発注者となった事業、これでは五社で三百三十五万円です。合わせて総額三千八百八万四千円という献金が鈴木宗男議員に入っておると。異例の歓送迎会までやった理由がよく分かるというものであります。
 総理、私はこうして鈴木宗男議員の行動を見たとき、自分がかかわり合ったあらゆるものを利権にしている、こういう政治家だというふうに思わざるを得ません。しかも、省庁も多岐にわたっています。鈴木宗男議員は自民党所属議員です。私は、外務省、防衛庁、いろんなところ出てきますけれども、やはり総理でもあり総裁でもある小泉総理自身がこの問題の徹底究明にやはり責任を持つ、こういう立場に立つべきだということを最後に時間が参りましたので申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#268
○委員長(真鍋賢二君) 以上で筆坂秀世君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#269
○委員長(真鍋賢二君) 次に、松岡滿壽男君の質疑を行います。松岡滿壽男君。
#270
○松岡滿壽男君 国会改革連絡会(無所属の会)の松岡滿壽男でございます。
 一昨日、本年度予算は夜半十二時近くに衆議院を通過して参議院に参ったわけでありますけれども、ODAという重大な疑惑を抱えながら、しかも一兆円近い予算があるわけでありますから、無理やり参議院に送付されてきたわけですけれども、証人喚問は来週の月曜日ということであります。事態が解明されないまま、このまま行きますと四月の四日には、これは憲法で決まっておるわけですから自然成立するわけです。
 そういう点で考えますと、この参議院での審議というものが誠に形骸化したものにならざるを得ないということは残念に思うわけでありますけれども、本来の参議院の役割からすれば、やはり行政監視と決算、こういうものに重点を置くべきだというふうに思うんですが、衆参両院の役割分担をもう少しきちっとしていく時期に来ていると思います。
 井上議長から国会改革協議会、近く発足しましてそういう問題も議論していきたいと思いますが、何といいましても、自民党さんを中心とする与党の皆さん方の意見というものが、大きく左右されるわけでありますから、この辺につきましてひとつ十分に総理のお考えをいただきたいというふうに思います。
 そして、予算を作るまでは物すごく熱心なんですね、役所というところは。ところが、作ってしまうとぽかっと穴が空いてしまう。それでああいう問題が、先ほど来いろんな議論がありましたが、繰り返し行われる。それで、決算は二年後にここにあるわけですから、今年の正月だって平成十一年の決算をやっているわけでしょう。普通、民間でしたら、去年の実績を生かして今年はどうするかということになるわけですけれども、その部分がない。民間は、やはり決算で経営者から全部評価される。途中でどんどん予算も替えていくということをやるわけですが。
 総理、参議院の予算委員会をどのようにお考えになっておられるのか、もう一つは官と民との見方ですね、この予算と決算の、これがどうしてこういうふうに懸け離れているのか、お考えがございましたらひとつまずお聞かせをいただきたいと思います。
#271
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本の議会は、衆議院、参議院、二院制ですので、これの役割というのはどういうものか、それはいつも国会で議論されているところでございます。
 慣例に従ってやられる場合が多いんですが、今後とも二院制の在り方としてどういう議論が好ましいのか、よく両院で協議をしていただきたいと思います。
#272
○松岡滿壽男君 是非そのようにお取組をいただきたいというふうに思います。
 今日はロシア問題が中心であったようですけれども、バランスを取りまして、私は日米問題につきまして総理の御見解をちょっとただしてみたいというふうに思うんです。
 もちろん、日米は基軸でありますし、大事な同盟国であります、パートナーであります。しかしながら、このところ、各界各層の有識者の中から、日米関係についていろんな見直しをしたらどうかという意見も実は出てきております。
 たまたま私は、一九八三年にレーガン大統領が来られまして、アメリカの大統領として初めて国会で演説がありました。それから、クリントン大統領が九六年に来られて、そしてせんだって十九日にブッシュ大統領が国会で演説をされました。
 私どもの世代は、やはりマッカーサー元帥が朝鮮戦争のときにトルーマンと、中国に対して原爆を使うか使わないかとか、戦略上の見解が違いまして解任をされました。その後、アメリカの上院で、アングロサクソンを四十五歳とすれば、ドイツも同じぐらいだけれども、まあ日本は十二歳の子供だというような発言がありました。
 どういうレーガン大統領がごあいさつされるかと非常に関心を持って聞きましたけれども、非常に、調和こそが日本の文明の伝統の特質であって、それがアメリカ人の心を引き付けるんだとか、あるいは、もう日本は既に世界の人たちに対して教える立場にある、日本に来てみなさいということを述べられたり、芭蕉の「草いろいろ おのおの花の手柄かな」という句が好きですというようなお話がありました。
 そして、クリントン大統領は、沖縄での少女の暴行事件を述べられて、謝罪をされたわけであります。
 今度のブッシュ大統領は、やはり、中国に行かれる、あるいは韓国に行かれる直前でありましたからその辺の意識をしておられたんでしょうけれども、日米同盟を強調されたわけです。そして、あれだけ損失を被ったのにテロの犠牲者の遺族のために愛媛県民の皆様からの御寄附をいただいたことに特に心を打たれましたと感謝の言葉を述べられたわけでありますけれども、えひめ丸の事件については謝罪の言葉は言われなかったわけです。テロに対する貢献国のリスト、二十六か国ありましたが、それは落ちていたと、日本が。しかし、総理がおっしゃっておられるように、国会ではそれについてはきちっと触れておられるんですが、このえひめ丸の問題について全然触れられなかったという点はどうもちょっと我々、割り切れない思いがしたんですけれども、総理はいかにお考え、感じられたでしょうか。
#273
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ブッシュ大統領は、えひめ丸の事故に対して遺憾の意を表明されていますし、過去の私の会談におきましても。そして先日、国会での演説も、そういう事態にもかかわらず、あのえひめ丸事故の引揚げ等、遺族の皆さんから感謝の意を表明されたということに対して非常に心打たれたというような話もしておりますし、今回も、テロで犠牲になった方に対して愛媛県からの寄附までいただいたということに対して触れて、心からなる謝意を表明しているわけであります。
 本来、不幸な事故であるにもかかわらず、友好裏にこの事件を解決することができ、そして最後はお互い感謝し合うという、言わば対立しても、あるいは非難されても仕方がないこの事件に対して、極めて冷静に、お互いの友好を深める形でこの処理を終わることができたことに対しては、日米関係にとっても大変好ましいことだったというふうに述べておりますし、私としても、遺族の皆さんも大きな悲しみを超えてこの問題に立ち向かったということに対して深い敬意を禁じざるを得ません。
 お互い、ある場合においては非難し合い、対立し合う場面もあると思いますが、大きな立場から友好を促進するという形に乗り越えていったという努力は多としたいと思っております。
#274
○松岡滿壽男君 もう一つ気になりましたのは、ブッシュ大統領は、福沢諭吉を明治維新の英雄というような表現をされました。レーガン大統領はきちっと、偉大な教育者、天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらずと、平等を推進したという評価でありましたが、コンペティションという訳を最初にした人だと、競争ですね。どうも何かえらいアメリカンスタンダードを押し付けるような印象を受けてしまったんですけれども、これは福沢諭吉の競争ということを何かこうえらい、その当時はやはり和魂洋才ということで、選別して私は受け入れていたと思うんです、明治の先賢の人たちは。これを何か競争という形でこう出してきている。
 アメリカが自国の利益をまず優先するという、それは当然だろうと私は思うんですけれども、例えば今回、鉄鋼製品のセーフガード問題ですね、これ長いいろんな日米構造協議から始まって、様々な貿易のトラブルをやりながら今日に至っておるわけですけれども、これなんかも、最初はとにかく競争原理だ、アメリカンスタンダード、アングロサクソンスタンダードだと、強い者が勝つんだということを押し付けながら、肝心なところになると自分だけ守ってしまう。これをやられると、やっぱりEUは今度は生き残るためにアジアにどんどん持ってこなきゃいかぬ。日本の鉄鋼も今非常に厳しい状況になっていますね。
 こういうダブルスタンダードを平気で使ってくるという、こういう姿勢に対して、やはりブッシュさんの友人としての小泉総理、この問題をどのようにお考えになっておられるか、お伺いいたしたいというふうに思うんですが。
#275
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いろいろな個別の案件につきましては対立する問題も多々あります。貿易の際には、それぞれ友好国間の間でも、自国の産業を保護するという立場から規制なりあるいは割当てなりいろいろな対策を講ずることがあると思いますが、今回のアメリカの鉄鋼に関するこのセーフガードにつきましては、日本としても遺憾に思っております。
 しかし、これはアメリカの産業界においても賛否両論あるようであります。また、日本だけの問題ではなく、日米間だけでなく欧州との関係もあるようであります。当面意見の対立あったとしても日米友好、更には自由貿易というこの重要性をよく認識しつつ、円満な解決に向けて日本としては努力をしていきたいと思っております。
#276
○松岡滿壽男君 一月十七日付けのブッシュ大統領の総理に対する親書、これを見ますると、かなり具体的な懸念を表明しておられますね、デフレ問題を中心として。国会演説では、小泉総理のおかげで改革が進んでいると。総理は投げられた球をすべて打ち返すことができるイチローを思い起こさせるというお話をしておられました。確かに、総理は頑張っておられるし、努力をしておられるわけですけれども、眞紀子問題とか宗男問題とか、ファウルボールが自打球になって大変痛い思いを今しておられるんだろうと思うんですけれども、是非痛みに耐えてよく頑張ったと国民が言うように頑張っていただきたいと私は思うんですけれども、このブッシュさんの国会演説とそれから親書の隔たりですよね、私どもは非常に気になるんですね。
 それと、あれだけ頑固に総理はとにかく構造改革だと言っておられたけれども、デフレ対策にかじ取りを変えられましたね。これは、ある面ではこれは当然のことかとも思うんですけれども、これはやはり政策転換はアメリカからの親書が、やはりこういうふうに大きく影響しておるんでしょうかね。その辺がちょっと私は気になるんですね。国会演説と親書の中身の隔たりと、それから、総理の政策転換というのはやっぱりこれが大きく影響しているのかという点につきまして、非常に気になるものですから、その辺を御説明を願いたいというふうに思います。
#277
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、ブッシュ大統領とじかに意見交換しているんですから、今回のデフレ対策にしても、日本の経済再生のために必要だということで対応しているわけであります。
 構造改革なくして成長なし、景気回復なしという方針をブッシュ大統領も理解し、支持し、激励してくれている。その方向に向かって確固たる歩みを進めていきたいという姿勢に全く変わりはありません。
#278
○松岡滿壽男君 日本問題の専門家のジョン・ダワーという人が、日米外交、いつも米国の政策に従属する奇妙な日米ナショナリズムが生まれたこと、自立した外交は存在せず、自らの理念やビジョンを示せない、これでは米国の世界政策の支店のようなものだという指摘をしておるんです。
 この前、本会議でも御指摘をさしていただいたんですけれども、アメリカの国家情報会議が、二〇一五年に日本がこのまま漂流を続けるなら日米欧から脱落するんじゃないかと、自己改革能力が欠けているという指摘をしておるんですけれども、総理はこの辺のダワーの指摘、それからアメリカの見方に対してどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思いますが。
#279
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) アメリカ国民の中にも日本国民と同じように一つの問題に対して全く違う見方する人がたくさんいます。それはそれとして、日米関係の友好協力の重要性を私は認識しているつもりであります。ブッシュ大統領もそうだと思います。中には異論を差し挟む人が日本にもアメリカにもいることは承知しております。
 しかしながら、実際に首脳同士で会談をして、日米友好の重要性は単に日本とアメリカの関係にとどまらないと、二国間だけではないと。世界の平和と安定のためにも日米友好協力関係というのは実に大事だという共通の見解を持っているわけですから、それに進んでこれからも友好協力関係を発展させていきたいと。
 特に、一つの問題、典型的な例ですけれども、日米安保条約は、我々は日本の平和のために必要だと思っております。しかし、日本国民の中にも、日米安保条約は、これは戦争に巻き込まれるんだといって反対している人もいまだにいます。事ほどさように、一つの問題について見方が全く違う。アメリカに協力すると言うと追随と言う人がいる。
 私は、人によって取り方まちまちなんですよ。それは御自由です。しかし、私は、日本の、世界の各国と協調していく中で日米関係の友好協力、これは最も大事な二国間関係だし、世界のためにも好ましいものだと思っております。
#280
○松岡滿壽男君 グローバリゼーションということは、やはり情報も動き、人も動き、物も動くということなんですけれども、日本の場合は、かなり今、いろんなところ留学生が増えているようですけれども、レーガン大統領が演説されたときには一万三千人が大学生が来ているということでしたが、最近はもう二十万人ぐらい行っているんですね。閣僚の皆さん方も随分留学をされておられる。いいところを学ぶと、これは私は非常にいいことだというふうに思うんですが、なかなか日本人というのは、本当は外には出て行きたくない、だから本当の意味でのグローバリゼーションにはかなり遠いものがあると思うんですね。
 アメリカ流の、やはり強い者が勝つ、資本主義至上主義といいましょうか、そういう形でずっといきますと、やはり小泉改革、私は、方向性はそれでいいんだろうと私も思っているんですけれども、なかなかうまくいかないということは、どうも日本の体質というものに向かない部分も出てきているんじゃないかと。どうも徳川三百年の太平、それからブッシュさんが指摘しているように、日本は革命は好まない、維新だということを言っていますね。
 そういう点では、小泉改革の方向というのはどうもアメリカ的なものを目指しているんじゃないかという見方がないことはない。終身雇用とか年功序列とかそういう中で、みんなで渡れば怖くないという形でずっと来ている。そこにいきなり個人の能力だということになると様々な問題が出てきているというふうに思うんですね。
 この辺、総理、いかがなものでしょうか。国民に分かりやすく、小泉改革、本質的なものは何なんだ、だからこういう形で協力しろというお話をしていただきたいと思うんですけれども。
#281
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) アメリカはアメリカとしての一つの価値観を持っておりますが、その価値観は、日本としても共有できるものもたくさんあると思います。
 例えて言えば、自由と平和、民主主義体制、市場経済重視。この共通の価値観を持った国が今サミット参加国で毎年会議していますね。今、アジアにおきましても、できれば民主主義体制と言論の自由、そして市場経済重視、そういう国々を世界に広げていきたいという希望をアメリカも持っていると思います。我々も、ソ連からロシアになった、ロシアも民主主義、市場経済重視体制に進んでいくことを我々は支援しております。
 しかし、民主主義、市場経済といっても、その国々によって、すべてがアメリカの考えと同じかというと、そうではありません。競争するにしても、一つのルールを守るためには、公正な競争をするためにはある程度の規制も必要でしょう。いろんなやり方あると思います。
 しかし、総体的に言って、自由貿易の重要性、さらには、統制経済よりも市場経済の方が国民に発展と富をもたらすというのは各国の今までの歴史の事実が証明しております。
 私は、アメリカ流の民主主義を参考にしながら、あるいはイギリス流の民主主義を参考にしながらも、日本は、イギリスの議会制民主主義とも違う、アメリカ流の議会制民主主義とも違う、でも日本は民主主義国であるということも言えると思います。それぞれのいい点を取り入れながら、日本国民が調和できるような、発展できるような体制を恐れることなく取っていくことが必要であると思っております。
#282
○松岡滿壽男君 またしてもいろいろ、外務省問題、鈴木問題、ODAの問題。ロッキードから始まってリクルート、昨年のKSDですね。またかという感じで、徳島県の現職の知事が逮捕される、茨城県の二人の現職の市長と。こういうことばっかり続いてくると、国民はもうやりきれない気持ちでいると思うんですね。タイは頭から腐るという言葉があるんですね。一番大事なところから腐っていく。このやりきれなさ。
 これをもう何とかしなきゃいかぬというところにあるんですけれども、やはり私設秘書の問題、あっせん利得の対象から外した。それは、さっき総理も、それは形だけの秘書で実質的なもの等いろいろあると言うけれども、私はもう秘書という名前は、形であろうと実質でやっていようと、やっぱり一緒にすべきだと思うんですね。これも、だからちょっと手抜かりがあったと。
 それから、企業献金の中止ということもこれはできていない。
 それから、やはり緊張感が足りないといいましょうか、チェック機能が十分に、首長の場合ですよ、知事とか市長とかですね、これが機能していない。だから、情報がうまく流れていかないという様々な問題があるんですが、私はもうそろそろ、多選禁止の問題も大分前に国会でも議論しましたけれども、そろそろやはりきちっと考えて、できるところからやっぱりきちっとやっていくということが私は必要だと思うんですけれども、総理、お考えいかがでしょうか。
#283
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 多選禁止の問題については、何選までがいいのかという問題は今までも何回か議論されてまいりました。それと、憲法の問題に抵触するのじゃないかという議論もされております。個人の職業選択の自由という問題もあります。
 私自身は、一定の枠をはめる、アメリカ大統領は三選禁止ですか、二選までは認められると。三選禁止になっていますね。そういうことから、日本の知事とか市長にも三選禁止論というのが出ているのは承知しておりますが、これもそれぞれ議論が進んでおりますが、賛否両論があってなかなか決められないというのが実情じゃないでしょうか。私は、一定の期間たてば、それ以上知事なり市長なりには再度立候補できないという規定は設けられてもいいなと思っておりますが、これは今後の議論の展開を待ちたいと思います。
#284
○松岡滿壽男君 私は、我が国の根本的問題、いわゆる人心の荒廃、経済の行き詰まり、政治の混迷、これを打開するためには、やはり日本のあるべき姿を国民にはっきり示すということが大事だろうと思うんですね。だんだんゆでガエル現象に日本はなってきている、ぬるま湯の中で。意識改革は私はもう難しいと思うんですね。だから、組織とかシステムを根底から変えると。
 例えば、片山総務大臣、やっと都道府県の見直しをやるということを衆議院の総務委員会で言われたようですけれども、やっぱり道州制を導入するとか、そういうことをやる。あるいは政界再編を思い切ってやって、きちっと国民が選べるようなシステムを作るとか、そういうことをやはりやらなきゃいかぬところに今来ている。意識改革は難しい、組織、システムをやり変えるというところに来ておるというふうに思うんです。
 後藤田正晴氏が、平和、自立、共生、米国からの自立、日米安保条約を見直して友好条約に切り替える、国際的にも国内的にも強者の理論が強くなる傾向があるが、これ以上格差を広げる論理には反対だと、国際的にも遅れた国に手をかしてともに生きる国でありたいと論じておられますが、私は、やはりその方向性というのは正しいと思うんですね。
 国連開発計画で見ると、世界で所得の多い上位二〇%の人たちと少ない下位二〇%の人たちの所得格差が、一九六〇年は三十対一だったと。ところが、一九九〇年には六十対一になっている。さらに、二〇〇〇年には九十対一になっている。このように、グローバルな市場が結局弱い者をより、強い者をより強く、弱い者をより弱くするという格差の資本主義に加速しているという現状をやっぱり冷静に見詰めながら、日本が果たすべき役割をきちっと示していくということが大事だと思いますが、最後に総理の御意見を伺って終わりたいと思います。
#285
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本としても、発展途上国に対する支援、援助というのは、大変日本外交の重要政策の一つとして位置付けております。今後も、世界の発展があって日本の発展があるという観点から、積極的に取り組むべき大事な問題だと思っております。
#286
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。
#287
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。平野貞夫君。
#288
○平野貞夫君 最初に、外務省人事問題についてお伺いします。
 外務大臣、野上前次官を官房付に残している理由は何でございますか。
#289
○国務大臣(川口順子君) 野上前外務省の事務次官につきましては、二月の十九日付けで事務次官を免じまして官房付といたしました。任期途中で事務次官を辞任するということは、それ自体、非常に大きな重みがあると考えております。その上で更に公務員を免ずるということが、国家公務員法の規定に照らして適切であるというように私としては考えておりません。
#290
○平野貞夫君 どなたが官房付に任命されましたか。
#291
○国務大臣(川口順子君) 私でございます。
#292
○平野貞夫君 総理、あなたは、田中外務大臣と野上次官を相打ちと、両方、そういうことで更迭された。田中外務大臣は辞めさせられた、野上次官は職種を変えた。これは免職させるべきではなかったんですか。
#293
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、両氏、国会の事態正常化に協力いただけないかということで、更迭を両氏が了承したということでございます。
#294
○平野貞夫君 この野上さんを結構重要な仕事にさせているというのは、何か政権の中で何か御事情ありますか。
#295
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いえ、次官を辞められたわけですから、御本人は無念だったと思いますが、今、官房付になっているはずであります。
#296
○平野貞夫君 一連のこの外務省の問題の本質は、私はアフガン支援会議ではなくて、それはまあほころび口だったと思います。根本問題の一つは報償費上納問題をいかに隠すか、もう一つは北方領土返還で四島一括か二島先行かの争い問題、これが、この二つが外務省人事、これをめぐる紛糾であったと私は推測しますが、総理の御所見をお伺いしたい。
#297
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まあそれはいろいろ見方がありますが、報償費については、それは機密にしなきゃならない費用と明らかにできる費用、これはどこでもあるわけであります。そういう点で、削減なり改革をしようということで、既にその体制は取っておりますし、ロシア問題については、これは全く誤解なんですね。外務省が二島返還論を取ったということなんか一度もないんです。ただ、いろいろな議論の中で、ロシア側はそう受け止めているという議論はありました。しかし、日本政府として二島先行返還論などと、政府で、また外務省でそういう方針を立てたということなどは一度もありません。北方四島の帰属を明確にしてロシアとの間に平和条約を締結するんだという方針に一貫して変わりありません。
#298
○平野貞夫君 反論したいところですが、時間の関係で次に進みます。
 北方領土問題は、ムネオハウスをスタートに疑惑が判明しました。ところが、報償費の上納問題は、森内閣から留任されている福田官房長官らにとっては外務次官をだれにするかということは、私、政治生命にかかわる問題だったと思います。
 そこで、この人たちが田中外務大臣に強い圧力を掛けて、ずっと去年からの人事を見ていますと、川島次官の後任に衆目の一致する加藤氏を退けて野上氏という最も協力を一体的にしてくれる人物になったと、こういうふうに私は見ておるんですが、要するに上納の仕組みを理解している人たちで次官を続けたいという背景があったと思いますが、いかがでございますか。これは官房長官でも総理でも結構でございます。
#299
○国務大臣(福田康夫君) 私もそうでありますけれども、官邸サイド、これは総理も当然ですよ、外務省の次官にだれをするということを言ったことはございません。外務省からの推薦でございます。
#300
○平野貞夫君 私は、やっぱり報償費の上納問題の解明が外務省の、これなくして外務省の改革はないと思います。
 ちょっと私の体験を申し上げますと、昨年、共産党がこの「報償費について」という古川メモ、現在の古川官房副長官の筆跡と言われる資料を出されたんですが、国会に出されたんですが、私は本物のコピーだと思います。
 というのは、私は古川さんをよく知っております。当時の政官の一つの付き合いなんですが、私は役人当時よく官邸にいた古川さんと会ったこともあるし、また私が政治家になり、細川政権ができたときに彼が厚生事務次官のときに、原爆被災者補償法案をつぶしてくれたら厚生省に関係することは何でも聞くというふうに言われたことでございます。彼の筆跡も知っております。したがって、これは非常にやっぱり確率の高いこれは本物と思っております。
 それからもう一つ、私は昭和四十一年ごろから衆議院の事務局に勤めて、の勤務の中でやはりこの内閣の機密費や報償費にかかわる仕事をしておりました。率直に言いまして、五五年体制の事の運びというのは、税金である報償費でもって国家意思を決めたり、あるいは場合によっては政党の分裂の要素に使われたりしたようなことをかいま見ております。したがって、やっぱりこの外務省から上納されるという問題を解明しなくてはやっぱり日本の民主主義は成立しないという意見でございます。今後もこの問題を取り上げていくということを申し上げまして、次に移ります。
 鈴木宗男氏の疑惑問題でございます。
 平成十三年四月、小渕首相が脳梗塞で倒れて、日本の統治機構が異常な状況のころ、鈴木宗男氏はロシアを訪問しております。このときの日程、資格、用向き、外務大臣、教えてください。
#301
○政府参考人(齋藤泰雄君) 小渕総理は、二〇〇〇年三月二十六日にロシア大統領に選出されましたプーチン大統領代行、正式に大統領に就任しましたのが五月の七日でございますが、当時プーチン大統領代行と、四月の連休を利用いたしましてロシアの地方都市におきまして非公式かつ率直な会談を行う方向で検討されておりました。その日程調整等を行うために小渕総理は鈴木議員を総理特使としてロシアに派遣することを決定し、右決定は同年三月三十一日に対外発表されております。
 その後、小渕総理が四月二日に急遽緊急入院されたわけでございますけれども、鈴木議員は予定どおり四月三日に出発いたしまして、四月四日にプーチン大統領代行と会談いたしました。
 鈴木議員がプーチン大統領代行との会談の際に、小渕総理からの親書を手交いたしましたけれども、親書の主な内容は、大統領選挙勝利のお祝い、大統領の早期訪日への期待、九州・沖縄サミットへの準備に向けての協力、創造的パートナーシップを構築するとの方針の確認、それから平和条約締結問題につきましてはこれまで両国首脳間で達成された諸合意に基づき真剣な話合いを行っていくこと等が盛り込まれております。
#302
○平野貞夫君 こんな異常なときにその特使として親書を持って行かすということはおかしいじゃないですか、総理大臣もまだ決まらぬのに。外務省は止めようとしませんでしたか。
#303
○国務大臣(川口順子君) そのころの具体的な事情について私はよく分かりませんが、新聞、プレスに向けて実はこの鈴木宗男衆議院議員が訪ロをなさるということについて三月三十一日でお知らせをいたしておりまして、それを読みますと、鈴木議員は四月四日にプーチン次期大統領と会談する予定であるということが書いてありまして、これはその前に既に決まっていたということだろうと思います。私、推測でございますが、そういったことが影響をしてそのまままお続けになられたということだろうと思います。
 外務省として特に止めたかどうかということについては、私はちょっと知りません。
#304
○平野貞夫君 私の調査によりますと、外務省はやっぱり大分抵抗したようなんですが、このときに、五人組と言われる密室で森後継を決めた方たちがお前行けということを決めているようですね。
 そこで、鈴木・プーチン大統領代行との会談の内容は何だったか教えてくれませんか。
#305
○国務大臣(川口順子君) 先ほど齋藤局長から御説明をいたしましたように、小渕総理がお話をなさりたいという御希望を持っていらっしゃって、その準備であったというふうに私は承知しています。
#306
○平野貞夫君 このときにはもう昏睡状態で、もう総辞職も決まっているときですよ。
 それから、報道によりますと、鈴木さんは、プーチンさんに小渕親書を渡すときに小渕首相の最後の言葉ですと言って渡したという報道があるんですよ。こんなばかなことないでしょう。外務大臣、どうですか。
#307
○政府参考人(齋藤泰雄君) 小渕総理が四月二日に緊急入院されましたことは先ほど申し上げたとおりでございますが、その小渕総理からの日ロ関係を大きく躍進させたいという思いをプーチン次期大統領に伝えてほしいということで鈴木特使に話がありまして、予定どおりロシアを訪問されたというふうに伺っているところでございます。
 この会談におきましては、四月二十八日から三十日の間のいずれかの時点でモスクワ以外の地方都市で非公式首脳会談を行いたいという話がございまして、またプーチン大統領の、プーチン次期大統領の公式訪日につきましても、九州・沖縄サミットからその年の秋までの間に行いたいという発言がプーチン大統領からあったというふうに承知しております。
#308
○平野貞夫君 その後継首相の予定者の首脳会談の日程を決めたり、まだ国会で首班指名していませんよ。国会をないがしろにしていますよ。こんな憲法の運営はないと思います。どうですか、どう思われますか、総理、こういうやり方。
#309
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、その当時の事情分かりませんので、ちょっと何とも言いようがございません。
#310
○平野貞夫君 今日は時間がありませんので後ほどまた整理しますが、要するに、今日総理が四島一括論を打ち立てられましたから安心しましたが、鈴木さんはずっとそれ以来、二島先行の方に流れを作り作りとしている、それが一連の北方領土疑惑なんですよ。
 したがって、鈴木という政治家は、外務省を使って支援委員会を濫用して、北方領土問題でロシアの利益を図り、自己の利権をあさって日本の国益を侵そうとした人ですよ。そうは思いませんか。
#311
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いろいろな議論が今されておりますし、また証人喚問も行われるようであります。事実の解明に向けて、今後、委員会としても努力していくべき問題だと思っております。
 また、外務省としても、その議論を踏まえ、御指摘というものを真剣に受け止めて、この事態の解明に政府としても努力をしていきたいと思います。
#312
○平野貞夫君 分かりました。
 次に移ります。
 法務省にちょっと聞きたいんですが、例の北方領土の発電設備のことで、巨額な消費税が支払う必要ないと分かりながら支払ったということがあります。
 仮に、支払う必要がないということを承知した上で支払ったとすれば、その責任者は私は犯罪行為だと思います。背任罪辺りになるんじゃないかと思いますが、どのような御見解でしょうか。
#313
○政府参考人(古田佑紀君) 個別の実際の問題を前提としてのお尋ねでございますが、御案内のとおり、何らかの犯罪が成立するかどうかは、これは証拠によって決せられるべきものでございますので、その点についてのお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
 背任につきましては、他人のためにその事務を処理している者が、自分あるいは第三者の利益を図るとか、あるいは本人の利益を害する、そういう目的で任務違背の行為をする、その結果として財産に、本人の財産上、本人に対しまして財産上の損害を加えたと、そういう場合が犯罪になるということでございます。
#314
○平野貞夫君 場合によっては背任罪の可能性もあると私は理解します。
 なぜ私、この問題にこだわるかといいますと、総理、日本、ロシア両国の専門家から私は教えてもらったんですが、この金は、この消費税分はアングラマネーとなって、日ロで折半して、ロシアの分のうち約一億円がロシアマフィアと言われるところに流れたという説があります。現に、南クリル地区行政府のゼーマ地区長が、日本からの支援資金の着服とやみ資金と関係があったということで解任されています。国家の権威にかかわる事柄でありますので、是非調べていただきたいということを強く要望します。
 もう一つ。一連のこの問題は、私、朝日新聞に、読んだんですが、七日の、鈴木さんの後援会の人の話で、三年間で六十万円を献金した北海道の建築業者は、生きていくためには地元の自民党議員を応援しなければならないと談話を話しています。
 要するに、小泉改革といいますが、生きていくために自民党に献金しなければならないという構造こそ真っ先にやらなきゃいけない構造改革だと思って、私の質問を終わります。
#315
○委員長(真鍋賢二君) 以上で松岡滿壽男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#316
○委員長(真鍋賢二君) 次に、大脇雅子君の質疑を行います。大脇雅子君。
#317
○大脇雅子君 今般、鈴木宗男議員の圧力と外務省の対応については様々な事件が噴出してまいりました。これは国民の信頼を大きく損ね、国会議員と政府、これは相伴って信頼回復のために努力をしなければならないと考えるものでございます。
 しかし、一つまだ真相が究明されていないことがございます。それは、アフガンの復興会議に対するNGOの参加の拒否の問題でございます。これは、だれが拒否をして、どういう理由で拒否をしたのか。
 政府見解によりますと、「アフガン支援国会議へのNGOの参加決定にあたり、特定の議員の主張に従ったことはない。」というものがございますが、これは「引き続き関係者の申述等を聴取し、事実関係の確認に努める。」ということで、大西参考人の陳述もございました。政府としては、この見解を今でも維持されますかどうですか、総理にお尋ねいたします。
#318
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この見解よく読んでいただきたいと思うんですね。「NGOの在り方については与党も含め各方面の議論がなされ、その過程で外務省に対しても様々な意見表明がなされたことはある。」、「アフガン支援国会議へのNGOの参加決定にあたり、特定の議員の主張に従ったことはない。」、このとおりであります。
#319
○大脇雅子君 そうすると、鈴木宗男議員の参加決定に当たっての拒否をすべしという意見表明はなかったというふうに政府は考えられますか。
#320
○国務大臣(川口順子君) 鈴木議員から、個別のNGOの参加、不参加について意見が述べられたことはないと私は承知をいたしております。NGOの不参加は外務省自身の判断として決定をしたものでございまして、この外務省の判断におきまして、この二団体の不参加を、参加について不許可の決定を行うに至った直接の要因は一月十八日の朝日新聞の記事であったと承知をいたしております。
#321
○大脇雅子君 そうしますと、外務省で直接不参加を決定されたのは野上事務次官なんですか。それともそのほかの人ですか。それはどういう調査によって確定されておりますか。
#322
○国務大臣(川口順子君) 野上事務次官まで上げて決定をしたと承知をいたしております。
#323
○大脇雅子君 そういたしますと、先ほども平野議員が質問されましたように、現在官房付となっている。そして、鈴木宗男議員との関係でも小町官房長、重家中東アフリカ局長、東郷和彦オランダ大使等々、官房付になっておりますが、これは正式に人事院規則に基づいた処分ではないということですが、処分はされるのでしょうか、されないのでしょうか。
 このNGO不参加問題というのは、NGOの機能と活動を根幹から揺るがす大きな問題であり、責任は重大だと考えます。
#324
○国務大臣(川口順子君) 事務次官につきまして、事務次官が辞めた理由につきましては先ほど総理からもお話があったとおりでございまして、私が二月の十九日付けで官房付にいたしました。任期の途中で事務次官を辞任するということは非常に重い、重みがあるものだと考えております。
 それから、小町官房長と重家局長につきましては、今日付けで官房付となりました。小町前官房長につきましては、それまでに一月の二十四日の夜の会食の件、これは重家局長も一緒でございましたけれども、これについては国民の信頼を外務省が回復をしなければいけない時代、時期にそういうことがあったことは非常に遺憾だということで、文書で注意を私はいたしました。
 それからもう一つ、小町官房長につきましては、たしか一月、済みません、二月の十一日か十二日かだったと思いますけれども、国会に御提出をお約束をした資料につきまして、資料の提出、資料の詳細について確認をする必要があったため、官房のある若い人が鈴木議員にお会いをしたということがありまして、それについて問題があると、同じような理由で、先ほど申し上げたのと同じ理由で問題があるということで厳重注意に、内規に基づく厳重注意をいたしました。
 それから、東郷駐オランダ大使は現在オランダにおりまして、大使として仕事をいたしております。
#325
○大脇雅子君 NGOの参加拒否問題の責任というのは、田中外務大臣の更迭と比較した場合に、単なる事務次官を辞めたというだけでは非常にバランスを欠くと思います。官僚出身の大臣でありますから役人に甘いのではないかというのが世上の様々な批判ではないかと私は思いますが、外務省改革を掲げられる大臣としてはしっかりとした処分をなさるべきではないかと思いますが、外務大臣と総理にお尋ねいたします。
#326
○国務大臣(川口順子君) 先ほどから官僚らしい政治家とかあるいは政治家のような官僚とか、そういう言葉が飛び交っておりますけれども、野上前事務次官につきましては、私は、先ほど申しましたように、任期途中で事務次官を辞任するということは非常に重みがある行為だというふうに考えております。それから、更にその上で公務員を免ずるということは、これが国家公務員法の規定に照らしまして適切であるかどうかということが問題になるわけでございますが、私としてはそれは適切であるとは考えておりません。
#327
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回のいろいろな問題、特に外務省のNGO対応とか支援委員会への問題等、いろいろ反省すべき点があると思います。
 そういうものを含めて、今後の外交体制を推進していく上においてしっかりした体制を取らなきゃいけないと、またいろんな疑惑に対して真摯に検討し、外交というもの、それを推進する外務省の職員も国民に信頼されるような行動をすべきだという観点から、私は川口外務大臣に人事の刷新を指示しているところであります。
 いずれ、この事態見極めた上で大掛かりな人事の刷新がなされるものと私は期待しておりますし、川口大臣もその意向で今鋭意調査を進め、新しい外務省改革に意欲的に取り組んでいるところだと思っております。
#328
○大脇雅子君 NGOの拒否問題というのはそうたやすい責任、軽い責任で済むものではないと思います。旧大蔵省では、ノーパンしゃぶしゃぶ事件で辞職をさせているんですね、事務次官を。それとの比較から考えたら、外交の基本的なところでの問題というふうにしっかりと受け止めてしていかなければ、外務省は甘いということになるのではないかと思います。
 さて、支援委員会の設置に関しまして様々疑惑が起こっております。私もインターネットで調べましたが出てこない。そして、その当時の、設置の当時の審議録を見ようと思いましたが、それも出てこない。結局、探しました結果、それは国会の承認を要する条約で国際機関が設定されたのではなくて、行政取決めにすぎなかったということが判明いたしました。
 結局、七六年当時の大平外務大臣の国会答弁の中で明らかにした大平三原則というのがございまして、一つ目は新たな立法措置を含む場合、二つ目は財政支出の義務がある場合、そして三つ目は政治的に重要な場合、支援委員会の設置に関する協定はこの財政措置を含む国際機関ですから、当然に条約で設置すべきだ、KEDOのような形でやるべきだというふうに考えますが、ここに一つの大きな誤りがあったのではないかと思いますが、総理、いかがでしょうか。
#329
○国務大臣(川口順子君) 先ほど委員がおっしゃられましたように、昭和四十九年に大平三原則というものがございまして、国会承認条約は三つ、すなわち法律事項を含む国際約束、二番目に財政事項を含む国際約束、三番目に、国家間一般の基本的な関係を法的に規定するという意味で政治的に重要な国際約束であって、発効のために批准が要件とされるもの、この三つのいずれかに該当するものをいうということでございます。
 それで、この支援委員会設置に関する協定は、第三条に「日本国政府は、日本国の関係法令及び利用可能な資金の範囲内で、委員会に対し、自らが決定する額の資金を拠出する。」と、日本国政府がですね、ということになっておりまして、「関係法令及び利用可能な資金の範囲内で、」ということでございますので、このために財政事項あるいは法律事項を含む、要するにそれについて特別に国会の御了承をいただくということではない、毎年の予算の範囲内でできるということでございます。特にこのために新しい法律を作る必要もないということでございまして、したがって、国家承認条約では、国会承認条約ではないと、そういうことでございます。
#330
○大脇雅子君 そういうところを行政改革で改革をしなければならない。
 この支援委員会というのは、事実上、九三年に三回だけ委員会が開かれただけで、外務省のOBが中心を占めて、ほぼ外務省と事実上同一の機関であります。そして、預金は現在、財務報告を見ますと、百五十七億円というものを擁しているという委員会でございまして、やはりODAなども含めまして、こうした財務支出に対する外務省の明るい、透明性を確保するというためには新しいチェックシステムを解明しなければならないというふうに思いますが、ODAの透明性を確保するためのチェックシステムについて外務大臣と総理にお尋ねいたします。
#331
○国務大臣(川口順子君) この支援委員会の今までの仕事ぶりについて様々な問題がある、あったということにつきましては、もう委員もおっしゃるとおり、私も全くそう思います。したがいまして、支援委員会のやり方について抜本的に改革をする必要があると思っております。
 今朝ほど実は記者会見で私、申し上げたんですけれども、そのために二つのことを今やろうと考えております。
 一つは、この支援委員会の事務局の仕事につきましては、毎年今まで監査法人によって監査をいただいておりますけれども、従来とは異なる監査法人によりまして改めて監査を行う。その際には、経理の面だけではなくて、事業の、仕事のしていき方でございますけれども、そういうことについても監査をお願いをするということを決めました。
 それから、予算執行面の抜本的な改革が必要でございますので、これにつきましては専門家の方、例えば企業の監査あるいは財務の専門家、法律家、国際機関でこれはございますので国際機関のマネジメントの経験者、援助問題の専門家、ロシア問題の専門家等にお集まりいただきまして、正にこの問題について実務的な識見、大変な識見を持っていらっしゃる方々にお集まりいただいて、どういうふうに仕事のやり方を改めるべきか、支援委員会をどう変えていったらいいかということについて御議論を、これは来月中に結論をいただきたいと思っております。先ほどの監査法人による監査は、できるだけ早くというふうに考えております。
 こういったことを行いまして、委員御指摘のように大変に問題があると私も思いますこの支援委員会につきまして、十分に問題点を洗い出し、改善をしたいと思っております。
#332
○大脇雅子君 私は、こうした北方支援の援助のほかに、ODAも含めまして、やはりODA基本法といったような大きな構造的な改革案を出すという必要があるんだというふうに今つくづく思うわけであります。
 最後に、総理と厚生労働大臣にお尋ねしようと思うんですが、今、失業率は五・三%ですが、若者の完全失業率は一一・四%、十五歳から十九歳までですね。それから二十歳から二十四歳までが九・一%、二十五歳から二十九歳までが六・四%であります。サラリーマン川柳の入選作で「安定所何度行っても不安定」というのがございまして、総理はそうしたハローワーク、職業安定所に足を運んで是非いただきたいというふうに思うのです。
 平成十一年度から十三年度までは百七十万人の正規雇用が減って、二百五十万のパートや派遣や臨時職員ができた。そして、大学卒で三割、それから高校卒で五割、中学卒で七割、七五三と言われまして、その人たちが転職してまいります。こういう人たちは賃金が低くボーナスもない、健保や年金や社会保険もない、クレジットも組めない、雇用保険もないということで、二十一世紀の半ばでは二人に一人しか働かない状況が日本は来るのではないか。
 こういう同じ仕事の場合同じ報酬をする、働き方に差別や格差があってはならないということ、これこそ構造改革ではないか。小泉首相の構造改革は今、若者を置き去りにしている、弱い人たちに競争を強いる。働き方の構造改革なくして構造改革なしと思うわけでございますが、これの改正のために是非お二人の御意見を伺いたいと思います。
#333
○国務大臣(坂口力君) 確かに、失業者の中で若年者のところが非常に大きくなっていることは御指摘のとおりでございます。若年者につきましても特別なハローワークで課を設けましたりいたしまして、とりわけ大都市部におきますところにおきましてはそうした行動を行って、そして若者を特別に御相談に乗るようにもいたしておりますしいたします。
 ミスマッチの中で若者が一番突き当たりますのは、それは労働条件でございます。賃金並びに労働条件でなかなかそこが、その壁が乗り切れないということがございますので、そうしたことにつきましても、今詳細にひとつ相談に乗っていきたいというふうに考えております。
 若い人たちの中にも、特に高校生の場合に非常に低いわけでございますが、高校生の場合には、やはり全体の環境といたしまして若い高校生のような皆さん方をなかなか採りにくい、即戦力を今求めるというそういう傾向がございますので、そうしたことを念頭に置きながら、この人たちのやはり雇用につきまして我々も今相談に乗っているところでございます。
#334
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 厚生労働省を中心にして、今、坂口大臣が答弁いたしましたように、雇用対策等きめ細かい対策を展開しております。
 十年ほど前には、日本の労働者は足りない、外国人労働者を大量に受け入れないと日本の労働需要を賄えないんじゃないかということが真剣に議論されました。今十年たって、雇用対策、過信もいけません、自信過剰もいけませんが、余り自信喪失するのも良くない。早く改革を推し進めて、再び日本経済再生して、多くの若者も新しい職場に、新しい仕事に就くことができるような雇用づくりにも鋭意腐心して、できるだけ日本の経済再生を早く実現したいと思います。
#335
○大脇雅子君 終わります。
#336
○委員長(真鍋賢二君) 以上で大脇雅子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次回は来る十一日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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