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2002/03/14 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 予算委員会 第12号
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2002/03/14 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 予算委員会 第12号

#1
第154回国会 予算委員会 第12号
平成十四年三月十四日(木曜日)
   午前九時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     入澤  肇君     鶴保 庸介君
     草川 昭三君     沢 たまき君
     小泉 親司君     大門実紀史君
     宮本 岳志君     林  紀子君
     広野ただし君     森 ゆうこ君
     田嶋 陽子君     大脇 雅子君
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     柳田  稔君     今井  澄君
     山口那津男君     山本  保君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         真鍋 賢二君
    理 事
                金田 勝年君
                野沢 太三君
                日出 英輔君
                松谷蒼一郎君
                齋藤  勁君
                高嶋 良充君
                魚住裕一郎君
                小池  晃君
                平野 貞夫君
    委 員
                有馬 朗人君
                市川 一朗君
                木村  仁君
                国井 正幸君
                佐藤 昭郎君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                田中 直紀君
                伊達 忠一君
                谷川 秀善君
                段本 幸男君
                鶴保 庸介君
                仲道 俊哉君
                松村 龍二君
                宮崎 秀樹君
                山崎  力君
                山下 英利君
                浅尾慶一郎君
                今井  澄君
                江田 五月君
                小宮山洋子君
                佐藤 道夫君
                藤原 正司君
                峰崎 直樹君
                柳田  稔君
                若林 秀樹君
                沢 たまき君
                山本  保君
                渡辺 孝男君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                林  紀子君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
       法務大臣     森山 眞弓君
       外務大臣     川口 順子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       文部科学大臣   遠山 敦子君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   武部  勤君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       環境大臣     大木  浩君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (防災担当大臣) 村井  仁君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
   副大臣
       内閣府副大臣   松下 忠洋君
       内閣府副大臣   村田 吉隆君
       総務副大臣    若松 謙維君
       外務副大臣    植竹 繁雄君
       財務副大臣    尾辻 秀久君
       文部科学副大臣  岸田 文雄君
       厚生労働副大臣  宮路 和明君
       厚生労働副大臣  狩野  安君
       農林水産副大臣  野間  赳君
       経済産業副大臣  大島 慶久君
       国土交通副大臣  佐藤 静雄君
       環境副大臣    山下 栄一君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  滝   実君
        ─────
       会計検査院長   金子  晃君
        ─────
   事務局側
       事務総長     川村 良典君
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       司法制度改革推
       進本部事務局長  山崎  潮君
       内閣府政策統括
       官        岩田 一政君
       内閣府国民生活
       局長       永谷 安賢君
       警察庁生活安全
       局長       黒澤 正和君
       警察庁交通局長  属  憲夫君
       消防庁長官    石井 隆一君
       法務省民事局長  房村 精一君
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
       法務省人権擁護
       局長       吉戒 修一君
       外務大臣官房長  北島 信一君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高橋 恒一君
       外務省欧州局長  齋藤 泰雄君
       外務省経済協力
       局長       西田 恒夫君
       財務省理財局長  寺澤 辰麿君
       文部科学省高等
       教育局長     工藤 智規君
       文部科学省国際
       統括官      白川 哲久君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省健康
       局長       下田 智久君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       厚生労働省保険
       局長       大塚 義治君
       社会保険庁運営
       部長       冨岡  悟君
       林野庁長官    加藤 鐵夫君
       環境省地球環境
       局長       岡澤 和好君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十四年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十四年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十四年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、質疑を百三十八分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党・保守党四十五分、民主党・新緑風会四十分、公明党十七分、日本共産党十七分、国会改革連絡会十三分、社会民主党・護憲連合六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#3
○委員長(真鍋賢二君) 平成十四年度一般会計予算、平成十四年度特別会計予算、平成十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。山崎力君。
#4
○山崎力君 おはようございます。自由民主党の山崎と申します。
 最近、どうも外務大臣の答弁の機会が多いんですが、今日私の場合は一切ございませんので、心安らかに過ごしていただきたいと思います。
 その陰にと言っては大変失礼な言い方ですが、やはり一番今、私たち国民全体として考えなければいけないのは、日本の全体をめぐるこの経済状況、不景気をいかに脱出するか、そしてその中で、昨今とみに言われておりますのがデフレという言葉でございます。今までなかなか、言葉は知っていても実態が見えてこない、あるいは今でも見えてきていないのかもしれません、一般の方々にとっては。
 かつて、そうですね、もう二十年以前、ずっと言われてきて、私、新聞社にいて世論調査を見ていますと、国民の第一の希望は何だ、要望は何だというと、決まってトップにあったのが物価の安定でございました。これ実はもう今現在果たされているわけです。ところが、今この経済状況、物価が安定しているから政府はよくやっていると言う人はどなたもいらっしゃらないと。そういった中での問題でございます。
 ということで、まずお伺いしたいのは、デフレというものを政府はどのように定義、とらえているのか。そして、デフレ対策という言葉が出てきているんでしょうから、デフレという状況にあるのではないかというような感じでとらえていると思うんですが、そのデフレの現状認識をどのように考えているか、まずお伺いしたいと思います。
#5
○委員長(真鍋賢二君) どの大臣ですか。
#6
○山崎力君 これは内閣府の方でよろしいでしょうか。松下副大臣。
#7
○副大臣(松下忠洋君) デフレの定義やいかん、現状はデフレであるという認識はどうかということになると思うんですけれども、現在、持続的な、物価が下落しているということでいきますと、これはやっぱりデフレに当たっていると、こういうふうに考えております。
 デフレの要因として、経済財政白書で我々も分析いたしましたけれども、三つあるんじゃないかというふうに中で分析しております。一つが、供給側の要因として、安価な輸入品が増大してきている、それから規制改革や技術革新等が進んでこちらの方でもコストの低下が進んでいるということであります。一方、需給要因としては、景気が低迷している、将来不安等による消費不振や設備投資抑制等の面からくる需要不足が一方ではある。それから、金融要因として不良債権や企業の過剰債務問題等によるいわゆる金融仲介機能の低下ということによるマネーサプライの伸び悩みということがあるということから、デフレが進行しているんだというふうに見ているわけでありまして、主要な物価指数で見ましても、消費者物価指数も平成十一年秋以降前年割れをしておりますし、GDPデフレーターを見た場合でも九〇年代半ば以降前年割れをしているということでありまして、持続的な物価下落ということを考えますと、日本経済は今緩やかなデフレにあるというふうに認識していると、こういうことでございます。
#8
○山崎力君 こういった中でのどういうふうな対策を取るかと。デフレというのは、ある意味ではいろいろな経済政策、社会状況の結果としてそういう現象が起きているというふうにとらえるのか、やはりそこのところに対応策を考えるということであれば、その現象面だけに対する対応策でなくて、よって来るところをどういうふうにとらえるかということはあろうかと思うんです。これが一時的な好不況の波の部分ということからいけばそれなりの対応策って取れるはずなんですが、それだけで克服できるなんて甘いものじゃないということは当然考えなければいけない。
 物価が下がる。物価と言っていいかどうか分かりませんけれども、土地の値段はもうここ十数年ずっと下がり続けでありましたし、あるいは株価についても同じようなことが言える。ところが、そのときにデフレだという言葉はなかったわけです。やっぱり不況の一つの要因であるという、大要因であるということは言われていました。
 いろいろ地元で話を、中小企業の方々と話を聞いていて、この不況をどうしているんだ、大変だろうという話になると、やはり財政、失礼、金融面の問題がどうしても出てくる。これはもう皆様方御承知のとおりのいろいろな要因もありますけれども、結局そこに収れんされている。貸し渋りだ、貸しはがしだと。一方では、銀行の方は、本当に優良な貸出し先があったら教えてくださいと、むしろ我々としてはそういうところがあればどんどん貸したいんですというのが銀行側の話。どうしても擦れ違っているというわけです。
 それで、いろいろそういった中で思いを巡らせてみますと、これの下支えといいますか、下支えというとおかしいんですけれども、要因として大きいのは、どうしてもやはりバブルの後遺症が抜け切っていないなという気がいたします。
 そこで、一番問題なのは、バブル時期の要するに負債というものはもうここ十数年掛けて一応返したんだけれども、それ以降発生した不良債権が残っていて、今こういう経済情勢の足をやっていると。土地がやっぱりどうしても担保になっていたということだと思うんです。それが下がってくると、その担保価値が下がってきたことに対して何らかの対応を取らにゃいかぬと。それにずっと追い掛け回されている。
 二つ、先に申し上げますけれども、そういった方たちでなるほどなと思ったのは二点ございました。
 一つは、その土地に関して、土地の価格が、担保価値がここで下げ止まったということであれば、企業者、中小が、私の知っている方は地元の方ですから多いんですけれども、底があればそこから何とかそれを基点にしていろんな計画ができる。銀行の方も、おたくの最低の貸せる、どんなに下がってもここだということであれば、これだけは貸せますねということが言える。お互いそこのところが見えないものですから、非常にシュリンクといいますか、縮こまった形で前に出てこない。どうしても土地というものが一番、土地の地価の安定といいますか、底打ち感というものがないとなかなかこの不況というものを脱出できないんじゃないかという気がします。もちろん、そのためにいろいろな施策も考えておられるでしょうし、実際にやられているとは思うんですが、結局消費その他、ほかのところで動き出せば、しかもそれぞれ底打ちされるんだからそれでいいんじゃないかと。
 経済の原則からいって、株価と同様公的なもの、そこのところは議論あるかもしれませんが、公的なものがそこに介入すべきではないという前提で動いていますけれども、本当に今デフレスパイラルで日本の経済がどうなるか分からぬという状況まで行っているとすれば、何らかの政府として土地の値段の下支えについて対応策が取れて、考えてもいいんじゃないか、そういうところを何かいい知恵はないだろうかというのが一点でございます。
 あとのもう一つは、後で質問申し上げますけれども、金融システム、いわゆる都銀、地銀、信金、信組、そういったものの一律化の対応でいいんだろうかということでございますが、これは後で触れさせていただきますけれども、まず、この地価の安定といいますか、下支えといいますか、その辺についての政府としてのお考え、順次、関係のところに伺っていきたいと思いますが、まず続けてでございますけれども、松下副大臣からお伺いしたいと思います。
#9
○副大臣(松下忠洋君) おっしゃるとおりに、地価の下落、そしてまた株価の下落も一緒に重なってくるわけでございますけれども、大変深刻な問題であることは間違いありません。日経平均株価でも、最高値が一九八九年の十二月二十九日でしたけれども、三万八千九百十五円、これが直近値で、大分盛り返してまいりましたので、一万一千四百十五円まで戻ってまいりましたけれども、この間の株価の下落、そしてまた土地の地価指数にいきましても、九〇年の九月には最高値が一〇五・一でありましたけれども、直近値で、これは昨年の九月ですけれども、三一・七というふうに大きく落ちているということで、この間の資産デフレ、これはもう大変なものだろうと、こういうふうに思っているわけであります。
 この背景は、やはりこの長期的な景気の低迷があるということはこれはもう間違いないことでございまして、そのためにもデフレを克服して持続的な経済成長を実現していくんだという、これはやっぱり総力を結集して粘り強く戦っていくということがやはり一番大事なことだと、こう考えております。
 つい最近も、早急に取り組むべきデフレ対応策として、金融面を中心にして取りまとめましたけれども、これは平成十三年度の補正も含めて、それから新年度の予算の早期成立も含めて粘り強く戦っていかなきゃいかぬものだと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#10
○山崎力君 その辺のところだろうなとは思うんですけれども、これはどっちが鶏か卵かの議論になっちゃいまして、要するに株式もそうなんですが、別の意味での、株についてはPKOがあるよという説もないわけではないんですけれども、土地に関してはそういう話聞いたことない。
 しかし、やはり地価の底打ち感がないと、このデフレというのは、結果的に後でここが底だったねというのは株価でも何でもある、景気でもあるんですけれども、そこに関してもうとにかく、本当に日本の経済が危機なら強権発動でもないんですが、地価の買い支えといいますか、適当なところでその辺のところをやるんだという政府の、何というんでしょうか、意思表示みたいなことでもかなり影響が、良い影響があるんではないかなと素人なりに思っているんですけれども、その辺、財務大臣、お考えがあればというか、御感想があれば承りたいと思いますけれども。
#11
○国務大臣(塩川正十郎君) 地価の下落というものも、様相をずっと見てまいりますと、地域によりましては相当変わってきております。ここ二、三年の動向を見ますと、土地に対する需要供給の様相が変わりまして、例えば市街地とかまた駅前とかいうところは逆に地価が上がりつつあるという状況ですし、一方、少し郊外の方のいわゆる住職一体となったような地域が逆に下がってきておるという。
 その根本の原因はどこにあるかといったら、情報集積力の強いところが上がってきておるということだと思っております。したがって、そういうところに対する地価政策というものと住宅地等に対する地価政策というのはやっぱりちょっと違ってくるんじゃないかと思っておりますが、私は地価の下落を食い止める一つの方法として、ちょうど昭和五十二年、三年ごろでございましたが、土地が大幅に値下がりしたときにやりました経験からいいまして、事業用で土地を買った場合、その金利を減免してやる、いや税金から、経費で算入、引いてやるという制度をずっと、何か特例措置作りましたですね。あのような制度を、つまり事業用に使う土地については、そのいわゆる金利負担とかいうものを軽減してやるとかいう、そういう措置を取っても一つのやり方ではないかなと思ったりします。
 いずれにしても、もう所有が絶対的な財産権であったと思うておったものが、今はそういうものはもう余り重要視されないで、むしろ不動産、土地は利用価値があるかないか、情報がそこに集積されておるかどうかという、そういうことの観点でございますから、土地政策のやり方も相当思い切って変えなければ、一律に土地という政策で臨んでおったんでは有効な政策は出ないんじゃないかと思っております。
#12
○山崎力君 私の方の鶏か卵かということの話に戻るわけですけれども、逆にもうほかの景気対策で結果的に土地の値段が安定して、それから本格的な回復軌道に乗るということと同時に、もうそのやっぱりバブルというのは土地ですから、地価ですから、そこのところに焦点を当てた施策というのをこれからもう少し重点を置いて考えていただけたら有り難いというふうに思っている次第でございます。
 それに関連してという形で金融担当大臣の方にもお伺いしたいんですが、やはり今銀行がどういう状況にあるかということの不良資産、不良債権、そういったものに対して検査が今行われております。そういった中で、一つは問題になるのは検査マニュアルの問題、もう一つはもう近々目前に迫ったペイオフの問題、この二点がやはり一つの大きな今焦点になっていると思うんですが、先ほども申し上げましたけれども、かつての私たちの思っていた銀行というもの、今でも使われておりますけれども、都銀、地銀、あるいは信金、信組というものが、金融機関としてこれは名前が違う、実態的な規模が違うということはあったとしてもこれは当然同じものであると。金融機関としての安定性を保つためには、これは同じような中身の検査をせにゃいかぬということでやられております。
 そこで、お伺いしていきたいんですが、一つはやはり、これ確認の意味で結構でございますけれども、銀行の抱えている問題点というのは、やっぱり土地の担保価値の問題というのが現状においてもかなり大きなウエートを占めているかどうかと。
 このことを一つ確認させていただいた上で、特に地方の場合、こういう言い方する人がいるんです。要するに、銀行の規模でやはりそれなりの、手心と言うとおかしいんですけれども、考えてもらえないだろうかと。要するに、それは、大きな、地方の場合でいくと経営規模によりますけれども、大きなところは地銀、小さなところは地元の信金、信組、そういったところで、親子代々とは言わないまでも何年もの長い付き合いの中でそれぞれ知っていて、それで金の貸し借りをやってきたと。それが一律な中で、帳簿上と言っては失礼だけれども、数字その他で切られる切られないということをやるということは、これはいかがなものかという声がやはり強いんですね。その気持ち分かるんです。その辺について、まずお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(柳澤伯夫君) 二つほど御質問いただいたというふうに認識しておりますが、一つは今の銀行の経営ということを考えた場合に、地価というのは依然として大きなウエートを持っているのかと、こういうお話でございますが、これはやはり現状相当ウエートを持っているということは、別に計数的な根拠があるわけではありませんが、私の印象でもまだそこのところは否定できない、こういうように考えます。
 昔は土地神話というのがありまして、土地の安全率、掛け目を掛けて、それを担保に取っておけばほとんどの信用リスクというのはそれでカバーできるということで、利息の決定等に当たっても、リスクプレミアムと申しましょうか、相手の信用度に応じて金利を非常に大幅に変えるというようなことはほとんど必要なかった。それはひとえにそういうように信用リスクを土地の担保でもってカバーし尽くしている、こういうことがございました。
 そういうことからいって、従来の伝統的な銀行業務ではもう非常に大きなウエートを占めていたことは言うまでもないんでございます。最近、そういうことによらないで、担保で信用リスクをカバーするんではなくて、やっぱり金利でもって信用リスクをカバーするようにというようなことで、私ども大きくこれを呼び掛けさせていただいておりますが、現実どうかといえば、まだまだ日本の場合、過去の融資というものが累積しているということもありますけれども、担保に依存している部分はこれは否定できないと、こういうように思っておりまして、そういう意味では地価の下落というのは非常に銀行経営にとってもマイナスの影響を与えていると、これは私もそのように存じております。
 それから、第二番目は検査マニュアルのことでございますが、検査マニュアルがうたっているのは、よく、貸出し先が中小の企業の場合には、財務諸表だけで判断するんではなくて、財務状況というものを判断するに当たってはもっと奥行きの深いところを、つまり、言わばお店と奥というのが中小企業の場合にあって、それでお店の方は最近法人化したりして、昔は法人成りと申しましたけれども、しておりますけれども、経営の実態を考えると、奥の方の個人の家計とか資産というものとある意味で一体にとらまえなければ真の姿が出てこない、そういうようなことで、お店の方だけで判断をするんではなくて奥の方も考えに入れて判断をするようにということを検査マニュアル自体が申しておりまして、その点は我々かなり口を酸っぱく、そういうことを実際に検査に当たる検査官に対して研修、指導をしておるところでございます。
 ただ、あえて言わせていただきますと、資産の査定というのとそれの査定に基づく引き当てということがあるわけですけれども、まず資産の査定で、例えば灰色なものを白に見ろ、黒のものは灰色に見ろと、これはやっぱり言えないわけでございまして、ただ、灰色であると、あるいは黒であるという判断をするに当たって、今言ったような奥の方のことも十分勘定して、これは灰色かな、これは黒かなというふうに判断をまずしてもらいたい。灰色、黒そのものを、灰色だけれどもまあ一段上げてというわけにはこれはいかない。
 それからまた、引き当ても同様でございまして、灰色についてはこれぐらい引き当てなさい、黒についてはこのぐらい引き当てなさいということを少し軽くしようか、これもやはりできない。それはどうしてかというと、金融機関の健全性ということを考えればそういうことをやっぱりやってはならないわけで、やっぱり中小零細企業に対する配慮というのは、あくまでも灰色、黒の判定のところで本当によく見て、黒のものを、灰色のものを黒にしてしまうとか、そういうようなことではなくて、灰色のものを、財務諸表では黒に見えるものもよく見たら灰色じゃないかとか、財務諸表で灰色に見えるものもよく見たら白でいいじゃないかと、こういうようなことについてよく考慮をするように、こういうことであるということを御理解賜りたいと、このように思います。
#14
○山崎力君 そういう姿勢でやっていただくということは伺っておりますし、それ以上のお言葉はないと思うんですけれども、やはり実際の問題となると、経営者の能力とか人柄とか、今までのやってきたことを検査官が分かるのかと、あるいは地元の人たちの思いというものと、これは信金、信組側も含めてですが、どこまで理解してくれるのかという、これはもう非常に人的、能力的な問題で、制度の問題等で補うというのはなかなか難しいけれども、ということで、制度で作っていいというわけにいかない非常に運用上難しい問題だろうと思っております。
 そこで、今度逆の立場で経済産業大臣にお伺いしたいんですが、こういった中小企業を中心とする悲鳴と言っては言い過ぎかもしれませんけれども、そういった状況というのはお耳に入っていると思いますけれども、そういったことに対してどのように認識されて今後対応されていくかをまずお伺いしたいと思います。
#15
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 確かに、今の中小企業をめぐる金融情勢、大変厳しいものがございます。平成十年のときに第一次の貸し渋りあるいは貸しはがしというような現象が起きました。そのときに、民間金融機関の貸出し状況、これをずっと中小企業庁では把握をしておりますけれども、一番の平成十年のころは非常に貸出し状況が厳しいという、そういう悲鳴に似た声を上げられた中小企業者は全体の三五%でありました。それがだんだん改善されてきまして、一昨年の九月には一九・四まで下がったわけでありますけれども、しかし、最近の状況はまた厳しくなってきまして、直近、今年の二月にはそれが二四・六%まで増えてきています。したがいまして、今、非常にそういう厳しい状況であるということは事実だと思っています。そこで、土地の価値が目減りしている、そういう中で呻吟をされておられます。
 そういうことで、第一次補正予算で二千五百億を計上をいたしまして、そして中小企業の皆様方にやはり国としても積極的に応援をさせていかなければならない、こういうことで、一つはそのうちの一千四百億で、中小企業に対するセーフティーネット貸付け、それからセーフティーネットの保証、その枠の拡大をさせていただきました。
 それから、これは土地担保とある意味では絡むわけでありますけれども、土地のいわゆる資産価値としての価格が下落している。そういう中で、これはまだまだPRをし、皆様方に御理解をいただいて、これから馬力を掛けて利用していただかなければならないわけですけれども、土地がそういう状況でございますから、売り掛け債権に着目をいたしまして、これは、中小企業の売り掛け債権というのを全国のものを一か所に寄せますと八十七兆、こういう巨大なものがございます。そこに着目をして、新たな保証制度を作らせていただいて、これで一生懸命利用していただく、こういうことを今やらせていただいております。
 それからさらに、今の状況というものを把握すると同時に、そういった新しい制度をPRすることも必要だと思いまして、この一月から二月に掛けて中小企業庁の幹部が全国の二十五の都道府県に回らせていただいて、そして現況をしっかり把握をする、そういうようなことと併せて今申し上げたようなPRもさせていただいて、いずれにしても、そういう認識の下で全力を挙げてやっていかなきゃいかぬと、このように思っています。
#16
○山崎力君 この問題というのはしっかりやっていただかないと、後で関連してきますけれども、どうしても中小、地方、こういう厳しい時代というのはそういったところにしわ寄せが来がちでございます。
 そこで、ちょっと絡んでということで、今のはやりのと言うとあれですが、ワークシェアリングという言葉がございます。これは、もう使われているのは厚生労働大臣の方の担当の意味で使われているのが多いんですが、これももちろん雇用対策、失業対策という意味での非常に重要な政策であるという、労働政策的な部分ございますけれども、逆に産業政策として見てどうなんだろうなと。ある意味でいえば、かつての悪名高き護送船団方式と言われたことも、見方を変えればこれはワークシェアリングだったんじゃないかなということも言えるんではないかと思います。
 そういった意味で、それが国際競争の激化の中でそんな悠長な護送船団なんかやっていられないよということで今のいろいろな状況になっているわけですが、いわゆる企業側といいますか産業側からとってこのワークシェアリングというのをどのようにとらえているのか、経済産業大臣の立場でお伺いしたいと思います。
#17
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 ワークシェアリングに関しましては、昨年の十二月に政労使における検討会議が設置されまして、そして経済産業省も、これは政策上、とくに産業政策上重要な課題だと、こういう認識の下で、実務者レベルの作業委員会に参画をしていろいろ議論をさせていただいているところであります。
 このワークシェアリングを考えるときに、二つの面で考えなければならないと思っています。一つは、当面の厳しい雇用情勢に対応しまして、雇用維持のための緊急的なそういう面と、それからもう一つは、多様な働き方のための条件整備、こういった中長期的な対応、この二つが私どもはあると思っています。
 このうち、雇用維持のための緊急的なワークシェアリングについては、今、委員もちょっと御指摘になられましたけれども、一時的には一定の効果があると考えられておりますけれども、これを中長期的に継続させると果たしていいのかと。過剰雇用を抱えてその先には生産性が落ち込んだり企業活動が停滞をする、そして産業競争力の、護送船団ということを言われましたけれども、低下を招くんじゃないか。むしろワークシェアリングは、産業面の立場からいいますと、中長期的な視点から企業の事業環境の変化や労働者のニーズの多様化の双方に的確にとらえられるように、多様な働き方の実現に向けたワークシェアリングを推進するための環境整備、それに取り組むことが私どもは必要じゃないかと、こう思っております。
 いずれにいたしましても、経済産業省といたしましては、産業政策の観点を踏まえまして、今月中を目途に、政労使の間でワークシェアリングの基本的な考え方について合意を得るべく積極的に私どもとしては取り組んでいかなければならないと、このように思っています。
#18
○山崎力君 私、与党ですから、政府内での意見対立をあおるようなことがあってはならないんですけれども、立場が違うということで、質問通告していないんですが、坂口大臣、何かこのワークシェアリングについて、今の経済産業相の発言に対してのお言葉というか感想その他があれば、立場があればお答え願いたいと思いますが。
#19
○国務大臣(坂口力君) 突然でございますが、このワークシェアリング、いわゆる労働者、勤労者の側の、働く側のワークシェアリングにつきましては、先ほど経済産業大臣の方から御答弁のありましたとおりでございまして、現在やっているわけでございます。
 先生の先ほどからの御主張をずっと聞かせていただいておりまして、なるほど、ワークシェアリングも一面では非常にいい面もあるけれども、しかしデメリットの面もそれはあるんだろうなというふうに思いながら聞かせていただいたところでございまして、働く人たちの間のワークシェアリング、とりわけこの緊急事態のところの緊急回避のためのワークシェアリング、そして中長期的な働き方の問題、これらの問題をやっていかなければならないことでございますが、いわゆる企業と企業の間のワークシェアリングということになってくると、先ほど御指摘になりました護送船団方式と何となくどこかで似通っているような感じもしないでないわけでありまして、そこのところはやはり競争原理の中は、競争は競争としてやはりやっていきながら、その中で働く人たちのワークシェアリングをどうやっていくか、その辺のうまい橋は、偏らないやり方というのが大事じゃないかな、そんなふうに思いながら聞かせていただきました。
#20
○山崎力君 突然失礼いたしました。
 関連ということで聞かせていただきましたが、もう一つ、今の大きな政治の課題として小泉改革というものがあるわけでございまして、痛みをということが覚悟せにゃいかぬというのは分かっているんですが、その現実的なものが、我々地方選出の議員にとっては公共事業費における一割削減、こういう形で出ております。現実には、予算が決まってそれが地方に具体的な形になったときはっきりしてくるわけですけれども、現状においてもある程度予測は付くわけでございます。
 そういった意味で、とかく弱い者の切捨てになるのではないか、この改革の痛みの地方のしわ寄せになるのではないかということはもう以前から、ひそひそ話と言えるかどうか、もっと大きな声だったかもしれません、お耳に入っていると思いますが、まずその点についてお伺いしていきたいと思います。
 お立場はいろいろ経済的にもあろうかと思いますが、まず内閣府松下副大臣の方から御答弁願いたいと思います。
#21
○副大臣(松下忠洋君) この二十年間の間に私たちは異常な経験をしてきたと、こう認識しております。
 前半の異常な経済の沸騰時期、いわゆるバブルと言われている時代、そのときに金融機関が相当の大量の資金を企業や個人に貸し付けた。そしてまた、個人や企業が大量にそれを借り受けた。バブルがはじけて不良債権という大量のものが残り、過剰債務が残ったと。このことが前半の経済だったと思うんです。
 後半は一転して、そういう重荷を背負って深い経済の低迷時期に入ってきてなかなか脱し切れない。その底にはやはり今申し上げた不良債権と過剰債務があると、この根っこにあると思っておるんです。
 そういう中で公共投資がどういう役割を果たしてきたかということを内閣府でもいろいろ勉強しながら考えてまいったんですけれども、やはり前半のときにあれだけの経済沸騰期にありながら公共投資というのは一定の範囲の中で着実に実行されていると、七兆数千億円、三千億円から七兆八千億円ぐらいという形で一定の範囲の中で着実に計画的に進められていると、こういう状況でありました。
 後半の十年間、失われた十年と言われていますけれども、その期間に景気低迷から脱出するということで大量の公共投資が行われてきた、行われ続けてきたということでありまして、この間のいろんなそういう公共投資によって言わば六百六十兆円を超えるという、そういう大きな借金を背負うことになったということでありますから、我々として骨太方針を作り、そして改革と展望という、一月二十六日に閣議決定しましたけれども、ここから脱出するためにはやっぱりいろんな知恵を絞っていかなきゃいけないということで、この公共投資につきましても、後半の十年間の大幅に大量投入されたその以前の、着実に実行されてきたというところに一度、水準に戻るべきじゃないかと、そういうことを長期的に、中期的に考えながら、まず十四年度の予算についてはやはり一〇%削減して、そうしてやっていこうというふうにしたわけであります。
 これは、投資水準はそうですけれども、そのサービスの中身につきましてはコストを低減していく。あるいはPFIなりいろんな手法を使いながら、そしてまた重点化していく、産業廃棄物等にあるいは保育所等に重点化していく。そういう知恵を絞りながらサービスは地方も含めて落ちないようにしていく努力をしなきゃいかぬということでありますし、重点化の七分野を作っておりますけれども、その中での地方の活性化のためにしっかりしていくということはしっかりと予算の中でもうたわれておりまして、十三年度は地方の活性化関連予算は二〇・九%ですけれども、それが二二・二%ということで、決して水準においては下がっていないと、そういうふうに我々としては組み上げておるつもりであります。
 以上です。
#22
○山崎力君 まあ背景としてそういうことがあるということはよく分かっておるわけですが、切らにゃいかぬとなると、どこを切るんだというのが必ず出てくる。それで、結果として、それぞれニーズを聞くといいながらも、吸い上げるところからくれば一律切るのが一番恨まれないで済むという形で、本当に重点化されているんだろうか。地方の意見を聞くといいながら、国全体の中の割り振りというのはあると思うんですよね。道路が整備されたところもあれば、雪国のような形で、普通の今までの規格、十年以上前からそういった規格を改めておりますけれども、そういうところがどれだけ進んでいるんだろうか。全然下水道がまだ進捗していないところもある。そういったところのことを本当に、まあ今年からやり始めるんだからすぐにというわけにはいかないかもしれませんけれども、地方のニーズに対して本当に吸い上げた形での重点化ができているんだろうかという疑問がございます。
 その点について国土交通省、どのようにお考えでございましょうか。
#23
○副大臣(佐藤静雄君) 厳しい予算の中で、どうやってその少ないお金で有効な地域を作り上げていくのか、良い地域を作り上げていくのか、そのことが非常に大切です。そのために、できるだけ国の方は、地方の整備局でいわゆる箇所付けなどはやるようにする。十三年度から既に実施いたしております。さらに、地方整備局は地方の方々とお互いに顔を合わせながらいろんな相談もできるわけでありますから、そういう面で細かに相談をし合いながら有効な公共事業をやっていくと、そういう方法を取っております。
 私どもの大臣も全国を回りまして、全国の首長さんが、集まっていただいて、その地域の十年後の姿というものを絵にかいて、グランドデザインを作りました。それもやはりできるだけ地方の声を聞きながらこれから私どももやっていきたいということでありますし、地方から随分多くの方々が連日要望に来ます。私を始めそれぞれの幹部、できるだけ時間を割いて皆さんのお話をよく聞きながらやっていこうという方法でやっております。
 都市再生などで都市重点で、そして地方は切捨てになるんじゃないかと、そういうような御意見もありますけれども、都市再生のいろんなことも地方に当てはめてやっていこうという方向でやっておりますし、できる限り、地方切捨てになるという先生の御指摘もございましたけれども、ならないように全力を挙げてやっていきたいと、そう思っております。
#24
○山崎力君 姿勢としてはそういうことだろうと思うんですが、例えば地方整備局という、吸い上げているというふうなお話ございますけれども、私の地元ですと、青森ですけれども、やっぱり市町村長に聞くと道路に対するニーズというのは物すごく高いんですね。どれか一つというと、八割から九割の市町村長があそこの道路を開通させてくれと。特に半島部分等ですと、一本道路だと、何か一か所で切れるともう反対側から回るというと大変だと。どうしても、それこそ、変な言い方になりますが、どうも、農道でもいいからちゃんと通れる道路を国道、県道のわきに通して、一か所が切れてももう一か所で迂回して戻れるような形にしてくれというニーズもございます。
 そういった中で、あえてお聞きしたいんですが、それならば、本当にそういった形が、後で説明して、ここはこうだったと、ここはこういう要望があったんでこういう予算付けしました、あるいは全国的に点検した結果、こういう形の公共事業に、割合になりましたということが、それぞれの地域のニーズに応じてこうだったという予算内容になって現実にこれから発動されるのか。それとも、地元に聞いてみると、我々の思っていたのと結局違っていて切られてしまったというのか、これはあと半年、一年で分かることでございます。その辺のところ、初めてだから最初から万全とはいかないかもしれませんが、その辺のところをやっていただきたいと思います。
 そして、その中で、一つは箇所付けしない総合補助金の拡充というふうなことがテーマで言われているんですが、これ、実際どの程度のものに今なって拡充というふうに言われているのかと、今後の見通しについてと、それから、具体的に地方活性化ということをおっしゃっていますが、具体的にどういうふうなことが現実に予算化されている、あるいはイメージされているかということをお伺いしたいと思います。
#25
○副大臣(佐藤静雄君) 地方の町づくりなどは今度の予算でも相当重点的にやっていきたいと、そう思っております。
 特に、先ほど先生おっしゃったとおり、統合補助金など、それぞれの地域のニーズに合わせてもっと自由に使っていただこうと、地域づくりに合わせながら国としてその地域に対して余りこう言わないと、そんなことをやりながら地域の意見が十分に反映するようにやっていきたいと、そう思っております。
 さらに、道路の話も先生おっしゃいましたけれども、各地区から上がってくる要望で一番多いのはやっぱり道路です。国道を始め都道府県道、町村道、それはもう大変な要望です。私ども全体の受ける要望のうちの八割ぐらいが道路かもしれません。それだけに、少ない予算の中でどうやったら地方の方々の町づくりに合った道路を整備することができるか、そういうことをひとつ重点的にやっております。ですから、必ず道路だけの予算ということじゃなくして、どういう町づくりをしようとしているのか、その町づくりをするためにどういう支援を私たちさせていただいたらいいのか、それに合わせた道路をどうするか、そういうことを重点的に今やっているところです。
 まだ始まったばかりでありますから、まだ細かな実績を申し上げるわけにいきませんけれども、重点的にやりながら、特に来年度に向けて先生のおっしゃったようなことができるように頑張っていきたいと思っています。
#26
○山崎力君 おっしゃることはよく分かるんですが、掛け声倒れにならないかという危惧をどうしてもぬぐい切れないということは、総合補助金、拡充したといっても大したことはないと私記憶しております。今、数字が、出していただければと、手元にないようですのでそこまで言いませんが、地方活性化、道路が欲しいというなら道路に付ければいいというのが私は小泉改革じゃないかなというふうに思っているんです。
 それが今まで道路が、聞いてみたら地方へ行くと道路に対する予算が突出しちゃったと。これをどうしたらいいかなと思って、それじゃ都市再生ということで都市部の道路に予算付けようよと、あるいは地方の活性化等のところで今もちょっとおっしゃられましたけれども、そういった形で割り振る。これは今までの経験からすると分かるんだけれども、そういったことを振ってもいいんだと。雪の深いところは道路が多かったね、公共事業は道路が中止になりましたね、今までと違いますね、ところが都市部はまた別でしたねと。そういうふうなことをやるというのが新しいやり方じゃないのかなと思っていたのが、やはりそうでもなさそうだという点が危惧が感じられるわけでございます。
 そこで、もう一つちょっと観点を変えて、この厳しい折、地方財政も同じだと思うんですが、こういう公共事業を、せっかく減ったとはいえやるといったときに、地方の財政はそれに対応できるだけの今財政能力はあるんでしょうか、地域格差はもちろんあると思いますが。総務省の方にお伺いしたいと思います。
#27
○大臣政務官(滝実君) お答えいたします。
 公共事業に地方が対応できるかと、こういうお尋ねであったかと思いますけれども、公共事業、国全体として一〇%減ということはあるわけでございますけれども、地方もいろいろ財政的に厳しいという中で本当に財源があるんだろうかということが恐らく先生の地元からの意見を反映されてのお尋ねだと思うんですけれども、交付税の、従来こういう裏財源は交付税で補てんをしている、見ている、こういう建前になっております。しかし、今回、地方財政も十兆円を超えるような財源、しようとしているという中でございますので、それに替えて交付税の上に財源対策債というものを導入をいたしているわけでございます。したがって、そこのところを忘れますと、どうしても市町村長さんは交付税だけが頭にあるものですから財源がないと、こういうふうなおっしゃり方をされていると思いますけれども、財源対策債を加えますと地方の一般財源は実は去年よりも少し伸びているんですよね。
 ですから、事業によっては、交付税だけではいけませんから、例えば道路事業なんかは建前としては基本的に国費と交付税だけでやっていたんですけれども、今年は道路事業といえども財源対策債を四〇%加えるとか、あるいは河川事業も財源対策債を加えるとか、そういうことをやっていますから、基本的に国が計上しております公共事業を賄うだけの財源は地財対策上きちんと見ているというふうに言っていいんだろうというふうに思っております。
#28
○山崎力君 一回おいで願ったということではないんですが、一連の中で総務省さんの方。
 こういった不況の中で地方独自の景気回復策というんでしょうか、そういうふうなことを、地方の元気付け、地方からの発信という言葉もございますけれども、そういったことで何らかの対応策というのは取られておられるんでしょうか。
#29
○大臣政務官(滝実君) 地方独自の問題として、従来長らく地総債事業、地域総合整備事業という格好で広く起債事業を中心にして単独事業を展開してきたことは御案内のとおりでございます。
 しかし、これも余り、マンネリ化したということもございますし、やはり箱物がどうしても多くなってきたという批判もございますものですから、この平成十四年度からは少し中身を変えまして、地域活性化事業というふうに変えてまいりたいというふうに思っているわけでございます。その中心は、やはり国で方針として出されております重点七事業、こういうものを中心にして活性化事業を行うというふうに改めておりますので、そういう意味では、地方が独自にその地域の振興策あるいは特色を出す事業を展開できるだけの措置はできているというふうに思っております。
 それからまた、通常の単独事業の中で道路事業とか河川事業ございますけれども、これも通常のボリュームを超える部分については、従来どおり臨時道路事業債あるいは臨時河川事業債というものを引き続き計上しておりますので、そういうものも活用できるというふうに存じておる次第でございます。
#30
○山崎力君 そういった中で、今度の公共事業の一〇%削減、どうしても地方というのは建設関係、公共事業の財政といいますか所得に対する影響が大きいものですから、都市部に比べて非常に影響が大きいと言えるわけでございます。その辺のところの配慮というのもきめ細かく必要になるかと思うんですが。
 最後に、この点について最後に塩川財務大臣にお伺いしたいんですが、これは改革の中で今回一応一割カットでカットされた。これが無駄なものはカットするという言い方がきちゃったんですけれども、何が無駄かという議論は先へ置きまして、要らないもの、先送りされたものは、コスト的に要するに引き合わないのがやられたという形の方では、ある意味で地方はたまったものじゃないという部分ございます。ですから、これはいろいろカットというものはあったにしても、原則的には、財政こういった折、少し施行を延期してもらう、ちょっと待ってもらうという解釈でいいのかどうか、その辺のところの基本的なお考えを伺えたらと思います。
#31
○国務大臣(塩川正十郎君) 昨年六月から主計局が中心といたしまして、主として公共事業を実施したところの予算執行後の効果というものを調査いたしました。そういたしますと、最初、事業を起業いたしました当時の社会的ニーズと大分変わっているところがありますね。そういうようなものについては、財政上の余裕ができたからといってそれを継続するかどうかということは、その地方と十分協議した上でやりたいと思っております。
 それ以外、予算の都合上、例えば一〇〇%配分しなきゃならぬ継続事業と、一〇〇%配分しなきゃならぬところを九〇%あるいは八五%で縮めたところございますが、そういうところは財政の余裕ができれば、それはまた地方の要請等、協議して復活することもあり得るということでございますが、その状況につきましては地方団体と十分協議した上で決めていきたいと思っております。
#32
○山崎力君 道路がそういった点で一時問題になったわけですけれども、やはりニーズがあれば、費用対効果の問題いけば、人口一万人のところへ行く道路と十万人行くところの道路では交通量違ってくるし、効果違ってくるのは当たり前で、それが千人の村に行く道路はどうでもいいんだというふうなことでは、費用対効果という意味でも本当に少ないんだけれども、どうでもいいんだということにはならないと思いますので、その辺の御判断を、御配慮を引き続きお願い申し上げたいと思います。
 続いて、ペイオフの問題に入りたいと思います。
 これはもう目前になっているんですが、これ二律背反でございまして、一般の人に本当に分かる形で判断できる形のものが出れば、これはつぶれる銀行が、明らかにするのと同じであると。それが分からなければ、今までと同じで分からないまんま貯金し続けて、ある日突然どんといくという、被害が出ると。この矛盾というものについて改めて、非常に初歩的な問題ですが、御見解を伺いたいと思います。
#33
○国務大臣(柳澤伯夫君) ペイオフは、私としては最も強力な構造改革を進めるツールであると、そういう意味合いを持つというふうに考えております。これは、一つの銀行、単体の銀行にとっても強力な構造改革のプレッシャーが働きますし、また銀行界というか、そういう銀行という業界、金融機関という業界、これの構造改革も強力に進める、そういうベクトルを持った施策になるだろうと、こう思っております。
 それはどういうことかというと、今、委員のお尋ねのあったことと非常に関係あるわけですが、私はペイオフで最もプレッシャーが掛かるのは経営者だと、そういうふうに申し上げております。経営者が自分の金融機関が、どういう状況があるか一番知っている。時に知らなかったんじゃないかというようなこともいっとき言われましたが、少なくとも最近、金融検査等で財務状況というものの把握というものは非常に強力に進めていますから、経営者は当然それを知っているということになるわけです。
 ですから、私は、経営者が少し近い将来を見て、これはちょっとまずいなと、この傾向が続くと過少資本に陥ったりするなと、それがなかなか回復できるそういう力を自分たちがひょっとして持ち得ない、あるいは持ち得ないだろうなというふうに考える場合には、やはりそこで他の金融機関との合併だとかというようなことを選択していただくということにどんどんなっていくだろうというふうに思います。
 もちろん、それが一応、非常に強力に進めていくことになるんだろうと思うんですけれども、預金者の方のことを言いますと、もちろん預金者もペイオフですから、自分たちがペイオフされるということを知っていただく。あるいは、ある意味で大変言いづらいことですが、覚悟していただくということは必要なんですが、私どもとして、本当にペイオフをしてしまうような事態を迎えるというのは決してこれは成功でも何でもない、いい仕事でも何でもない、私はそのように思っておりまして、ペイオフということをやっぱり覚悟してもらわなければいけないんですが、その覚悟してもらうことによるプレッシャー、これが強力に働くことこそ私たちがペイオフという新しい制度の下で期待していることでございます。
 それから、よくペイオフに伴っての情報公開の問題が問題になるんですけれども、これも今までは預金者というのにはどう考えたって迷惑が掛からないわけです。ですから、預金者の方が情報を公開してくれと、あなたの銀行の財務状況どうなんだと言っても、そんなこと知らなくていいじゃないですかと、これ言われたらもう引っ込まざるを得ないというか、そういう状況にもなりがちであったと思うんですけれども、今度はもうその預金者の方が選択の力を持つわけでありますから、経営者の方は預金が流出しないためには必死になって情報を提供して、我々大丈夫なんですということを言うことになるだろうというふうに、そういうふうにもう主客が逆になるだろうと、こういうように思っています。
 そのときに本当のことを言わなければ、これは正に法令違反ですし、本当のことが言えないような財務状況だったら、さっき言ったようなことで、やはり自分自身の行き方というものについて考えてもらわなきゃならない。そういうような力がペイオフで生じてくるということを私ども期待しているし、また現実にそのようにしてまいりたいと、このように考えています。
#34
○山崎力君 預金者の方からすれば、ペイオフしないでもらうんならそれにこしたことないというのが正直な気持ちでございますし、逆にこれで不安でいろいろ動いている部分もあろうかと思います。数からいっても、その解禁されてよしという方、確かに企業者としての銀行に向けてのいい制度かもしれませんけれども、預金者としてみれば、要らぬ不安をここのところで持ってきてしまったという意味でいえば非常に厄介な、ただ、世界的な経済の流れでしようがないねと、この際、今更やめたら、もう世界じゅうの目が、日本に向けられた目が物すごく冷たいものになってしまう、あるいはあきれられた形になってしまうと。だからしようがない、受け入れようかと、受け入れざるを得ないねというのが大方の国民の気持ちではないかと思います。
 これは、先ほどおっしゃられた銀行家や何かの関係者、分かる方は別ですけれども、ほとんど、財務指標を見てこの銀行がいい銀行かどうか分かる方というのは、国民のうち何%、預金者のうち何割いるかということを考えればそういうことも言えると思うんですが、時間の関係もございまして。
 ということで、今、そこのところで問題が別のところに飛んでおりますのは地方自治体の預金の関係なんですが、総務省さん、地方自治体、ペイオフされたらある市町村のあれが吹っ飛んでしまうというおそれがあるということで問題になって、話題になっておりますけれども、対応策はいかがでございましょうか。
#35
○大臣政務官(滝実君) 地方団体の公金につきましてもペイオフ解禁の影響を受けるわけでございまして、昨年の三月にそれまでの研究会の中間報告を公表いたしまして、この一年間、都道府県あるいは市町村、このペイオフ解禁対策をずっと進めてきたわけでございます。
 その中で言っておりますのは、基本的には地方団体の持っている債権と相殺規定を結んでおくと、あるいは指定金融機関につきましては現在も地方自治法上担保を徴取することができますので、その点検をする、あるいは金融機関が持っている場合によっては国債、地方債に質権を設定する、こういう大きく分けると三つぐらいの手段でもう一遍この確保対策といいますか、そういうものをやっていくというのは基本だろうと思うんですね。
 ただ、市町村によりましてはそこのところがうまくいかないというところがありますので、取りあえず普通預金と申しますか流動性預金は一年間の猶予がありますから、この一年間の中で少し周りの様子も勘案しながら考えていこうという団体もそれはあると思います。したがって、私どもは、そういう団体についてはこの一年間、もう少し情勢を注意深く見守りながらやはり研究を進めると、あるいは呼び掛けをするところは呼び掛けをしていくと、こういうことも必要だろうということを念頭に置いてやってまいりたいと思っております。
 しかし、いずれにいたしましても、この新年度予算に向けて、既に、例えば制度金融なんかは従来の公的資金を預託するということから利子補給に切り替えるとか、既にそういう手段を起こしておりますので、私どもは一通りの対応はできているというふうに理解をいたしております。
#36
○山崎力君 こう言ってはなんですけれども、相手が地銀中心でございましょうし、地方自治体の場合は。それと同時に、一年というのもあっという間に過ぎるものですから、対応策の方、よろしくお願いいたしたいと思います。
 ちょっとそこで今度は、先ほど来、せんだって三割負担の問題でいろいろ物議を醸しました医療関係の方にちょっと入らせていただきたいと思いますが、あの議論で私感じたのは、要するに考え方の違いといいますか、目的は同じなんだけれども、手法の違いでいろいろ騒がせたなと思って、坂口大臣にも御苦労を掛けられたことだと思うんですが、要するに来年までに抜本改正をするということが本当にめどが立つのか立たないのかと、財政的な裏付けができたら、今までもう何年もの間先延ばしにしてきた厚生省が、また財政的なあれが良くなれば、保険財政その他が良くなればサボるんじゃないだろうかと。そのけつをひっぱたくむちに三割負担を利用しようとしたというのが私は客観的なところだろうと思うんですが、その辺のところを含めて、であれば、小泉総理の意向を酌む意味でも来年度までに、来年の四月実施までにそれなりの抜本改革を出さないといかぬのではないかと思うんですが、その辺のお考えはいかがでございましょうか。
#37
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のとおりにしたいというふうに思っております。
 今、お話をいただきましたとおり、もう今までから何回も何回も抜本改革をやるということを言いまして、それが先延ばしになってきたことも事実でございます。それはそれなりに理由があったんだろうというふうに思います。しかし、よくよく考えてみますと、今までいろいろの議論をしてきて、議論は私はもう出尽くしていると思います。この医療制度をどう改革をするかという議論はもう出尽くした、そしてメニューもでき上がっていると私は思います。ただ、その中でどれを選ぶかという決断ができなかったというのが今までの経過ではないかというふうに思っております。
 ですから、この一年間、期間は短いですけれども、もう一からまたこれを議論をし直すという、このことはやらなくて私はいい、既にでき上がっておりますメニューをお示しをして、この中でどう決断をしていくかということについての議論をしていただきたいというふうに思っておりますし、それは一年間あれば十分というふうに思います。
 その代わりに、かなりこれは、決めるときには、いろいろの関係者も多いわけでございますから、これはかなり難しい決断になるだろうというふうに覚悟をいたしておりますし、いろいろの御批判もあるだろうというふうに思っておりますが、そこはもう山の上から飛び降りるつもりで、目をふさいで飛び降りるつもりで決断しなければならないと思っているところでございます。
#38
○山崎力君 その一つのメニューの中に入っているかどうか分かりませんけれども、いろいろ言われている中で、一つは、小泉改革の言う民でできるものは民で行うということが病院についてはそうではないではないかと。いまだに国公立の病院優遇、民間に比べれば優遇されている。もう一つ、教育機関の大学の問題もありますけれども、その辺のところはどうなんだと。
 それから、三方一両損の話で問題にされたのは、いわゆる行政方といいますか、いわゆる社会保険庁を含む健康保険側、そういったものの事務運営費削減といいますか合理化というか、そういったことの議論が全く今度なかったではないかと。医者側それから患者側はあったけれどもという議論があるんですが、その辺の、目をつむるかどうかは別として、議論の中身をどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
#39
○国務大臣(坂口力君) その三方一両損にかかわりまして、厚生労働省を中心とします政府の側も痛みをこれははっきりさせなければならないではないか、それは私もそのとおりだというふうに思っておりまして、それで、そのためにまずやらなければならないことは、一つは、年金、医療、介護、雇用と、私の方の関係だけでも、これ四つの保険料をちょうだいをしておるわけでありますが、それをばらばらに、別々に集めておりましては事務費もたくさん掛かるわけでございますので、ここのところは一つにする、もうこれを一括してお願いをできるようにすると。
 この結論、これは去年からずっと省内でも検討してまいりまして、これは今年の夏までに結論を出しまして来年の予算に反映できるようにしたいというふうに思っております。これでかなりな人数の削減のできることも事実だというふうに思っておる次第でございます。そうしたことを一方におきましてはこれはやるということをしなければならない。
 最初に御質問をいただいたのは何でしたかしら。
#40
○山崎力君 いわゆる国公立の……
#41
○国務大臣(坂口力君) 国公立ですね。
 それから、国公立並びに大学病院もあるわけでございますが、国公立の病院とそれから一般の病院とを比較をいたしますと、これは一般の病院はこの収益の中から税も払わなければならないわけでございますし、同じ保険点数でやっていて、そして公の方はそれを払わなくてもいいと、こういったことがございます。それはもうそのとおりでございますが、採算に合わないような部分をやはり公的な機関が受け持たなければいけないというふうに思っています。
 そういう意味では、このごろ、小児医療等につきましても救急医療の問題等がありまして、大変、なかなか救急医療がうまくいかないという面がございますけれども、そうしたことにつきましてやはり国公立がもう少し積極的にそうしたことも負担をしてもらわなければならない。
 ところが、今、国公立は全部手を引いているんです。全部とは言いません、中にはやっていただいておるところもございますけれども、手を引いているところが多い。それはやはり、開業医の先生だけにお願いをして、国公立がそういう大事なところから、私の方はこれはいろいろの事情がありましてできませんというのは私は許されない。そういうことは明確におやりをいただくということで、やはり公と私のバランスを取っていく以外にないだろう、そういうふうに思っております。
#42
○山崎力君 独立法人化ということも、行政法人化というのもあるんですが、そうなって独立採算でやっていけるのかいねという、またそうじゃなかったら独立行政法人にした意味がないねというその議論というのもあろうかと思いますが、時間の関係でそれは飛ばさせていただきまして、一番この問題で分かりやすくておかしいなというのは一人当たり医療費のいわゆる西高東低の問題だと思うんです。
 西の方が医療費が掛かっている、東の方は掛かっていない、病気のそんなあれもある、いろんな要因あると思うんだけれども、やはりいろいろな診療の中身を見ていくと、この西高東低の問題にある意味じゃ集約されてくるんじゃないかというふうな気がしておりますが、その辺について厚生労働省のお考えはいかがでございましょうか。
#43
○政府参考人(大塚義治君) ただいまお話にございました、いわゆる医療費の西高東低と言われる地域差の状況でございますけれども、係数を見ますと、全体的な状況としましては比較的西の地方の医療費が高くて、東側に位置する地域の医療費が相対的には低いという傾向が、これは長年にわたって続いている、これは事実でございます。
 その要因でございますが、大変複雑な様々な要素がございますけれども、非常に説明力の強い、簡単に申しますと相関係数の高い事情といたしましては、一つは、これは当然のことでございますけれども、地域によりまして人口の構成、つまり高齢化率が違う、それから人口当たりの医師数あるいは病床数といった医療提供体制の状況が違うといった辺りが非常に高い説明力を持って差を生じているわけでございますが、そのほかに、診療行為の違い、あるいは今度は患者側の受診行動の違い、その中には地域における保健活動の状況の差異などもございますけれども、そうした要因がございます。
 近年の傾向を見ますと、若干ではございますけれども、この地域差の状況が縮小傾向にあるというふうに見ておりますけれども、もう少しトレンドを慎重に眺める必要があると思います。
 ただ、いずれにいたしましても、地域における医療提供体制その他の状況が違いますから、全国一律の水準というのはなかなか現実には難しゅうございますし、また適当とも考えられませんけれども、余り大きな地域差ということがありますのは医療保険制度全体の運営という面から見ましても課題でございますから、様々な角度からその状況を把握し、また必要な対策も順次講じてまいりたいと考えております。
#44
○山崎力君 この問題、そういうふうな形で説明が付くかどうかというのは極めて疑問でございまして、これは後からいろいろ問題も出てくるかとは思っております。
 そこで、今回の医療法の、医療関係法の抜本改正において、国立大学の医学部附属病院、その関係がどうなっているのかねということが言われるわけでございます、担当の役所が違うということが一つあるわけですけれども。
 今度、いろいろ診療報酬制度の改正でいろいろなことが行われましたが、大学の附属病院等に包括評価制度導入というようなことも伺っていますが、この辺のところを含めて大学側と厚生労働省側で何らかの話合いが持たれたんでしょうか。
#45
○国務大臣(坂口力君) 御指摘の点、確かにあるわけでございまして、また文部科学大臣からもお話をいただけるかと思いますが、先日来、大臣ともお話を申し上げておりまして、この大学病院の在り方につきましてひとつ双方でいろいろ議論をしようではありませんかということを今申し上げているところでございます。
 大学病院、これはもう、大学病院は私もおりましたからよく分かるんですが、大学病院としてのやらなきゃならないこともございますし、それこそ新しい研究もやっていかなきゃならないわけでございますので、その意味というのは非常に大きいというふうに思いますが、しかし考えていただかなきゃならない点もあるというふうに思っておりまして、そうした点を積極的にひとつお話合いをしたいというふうに思っているところでございます。
#46
○国務大臣(遠山敦子君) 国立大学の附属病院の役割は、私は幾つか大きな点があると思っております。
 一つは、重症患者への対応とか高度医療といった臨床医学の発展と医療技術の水準向上への貢献ということが言えると思いますし、また地域の中核病院として質の高い医療の提供もやっているわけでございます。また、将来の医療を担う医療従事者の養成という大変重要な役割がございます。
 そのようなことから、その附属病院の役割がより一層発揮できるように、法人化の場合にも十分留意してまいらないといけないと思っております。
 新しいその制度との関連につきまして、厚生労働省との関係で今までまだ十分に、大学側の意見と、それから医療政策をおやりのところと十分な意思疎通がまだあったとは思っておりません。そのようなことがありまして、厚生労働大臣の御配慮もありまして、これから緊密に連携を取りながら、その運用がきちんと今後取られるように、私どもとしても、協力しながら主張すべきことを主張し、この問題について取り組んでまいりたいと考えております。
#47
○山崎力君 もう一つ、この点でお伺いしたい。
 先ほどのも絡むんですけれども、さっきの西高東低の問題のときの笑い話といいますか冗談で、これはきっと東大の医学部と京大の医学部と治療の方針が違うからだという言い方がまことしやかに通用するようなことでございます。
 何が言いたいかといいますと、今までの医学教育の中でこの医療費に対するコスト、治療コストに対する教育を行われてきたんだろうかと。私の身内にもたくさんいるんですけれども、その話、聞いたことないんです。患者さんをいかに治すかというのは聞いているけれども、それに幾ら金を掛けたらいいか。これだけ、地獄のさたもじゃないんですけれども、金を掛ければかなりの部分、ドクターカーやればあんな気管挿入の話はないわけです、救命救急士の。金の問題になっています。
 その辺のところの教育を含めて、両先生、両大臣にお伺いして、私の質問を同僚に譲りたいと思います。
#48
○国務大臣(坂口力君) 東大と京大の違いというほど明確には割り切れないというふうに私は思っておりますが、しかし、全般的に大学というところは命を救うということが余りにも前に立ち過ぎまして、そしてそれに対する医療費の問題というのはもう横に置いた話が多いということだけは間違いがないわけでありますから、そこを、そこで学んだ人たちがそのままの気持ちで地域で医療を行うということも間々ありがちなことでございます。
 いわゆる西の側に高いというのにはいろいろな問題があるというふうに思いますから、そこはひとつ、その分析もいたしておりまして、なぜここが高くなっているかということも明らかになってきているわけです。だから、そこは少しやはり西の方の先生方にお考えをいただかなきゃならない点も私はあると思っております。
#49
○政府参考人(工藤智規君) かねがね山崎先生からは御指摘いただいているところでございますし、私どもも、医師養成の場というのは単に技術だけじゃなくて、御指摘のような医療費抑制を含めたコスト削減ということも大切な観点でございます。
 そういう意味で、私どももいろいろ大学関係者の努力を促しているところでございますが、平成十一年の二月には大学関係者で検討してございます二十一世紀医学・医療懇談会の方から御報告ございまして、その中で、医療経済とか医療保険制度などの医療の社会的、経済的側面に関する教育の充実についてかなり声高に御指摘がございまして、各大学での取組を促していただいたところでございます。
 また、昨年三月には、大学関係者、特に医師養成に当たる国公私の関係者が、これまでのカリキュラムの抜本的な見直しをしようじゃないかという中で、医学教育のコアカリキュラムの策定などについてまとめて、今現に取り組んでいるところでございますが、そういう中でも医療保険制度や国民医療費等に関する事項、これ必ず医学生には必須のこととして取り組んでいるところでございます。また、その医師養成の場だけではなくて、卒後の臨床研修の場、更には大学病院の運営の側面におきましても、御指摘のような観点から種々取り組ませていただいているところでございますので、いろいろまじめに取り組ませていただいているということを御紹介させていただいて、御答弁とさせていただきます。
#50
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。鶴保庸介君。
#51
○鶴保庸介君 保守党の鶴保庸介でございます。
 同僚議員に引き続きまして関連の質疑をさせていただきたいと思いますが、まず、冒頭、昨日の当委員会でも野党の先生方から質問のあったところでございますが、例の北朝鮮のやはり話です。与党としてもこれは責任を持ってけじめをきちっと付けなければならないという思いで、冒頭にちょっと外務大臣に所感をお伺いをしておきたい。
 特に、私ども保守党は、あの二〇〇〇年の十月の六日に、北朝鮮に対する米五十万トンの支援の際、相当議論をいたしました。そしてまた反対をさせていただいた。慎重に処すべきではないかという意見を申し上げました。その際、当時の河野外務大臣、御存じのとおり、外務大臣として責任を持ってということで、責任を持って、私の責任においてやりますと、こういうふうに申された経緯があることはもう外務大臣も御存じだろうと思います。しかし、その後、二〇〇〇、十月の三十日、三十一日と交渉があってから以降、聞くところによりますと、交渉がないどころか、不審船はやってくるわ人は拉致されるわ、大変高く付いた交渉だなと悪口を言う方もいらっしゃいます。嫌みを言って申し訳ありませんが。
 こういうこと、こういう一連のことに関して、外務大臣、どう所感を持たれますか。
#52
○国務大臣(川口順子君) 拉致問題につきまして、この有本恵子さんの件でございますけれども、私としては御家族の方はさぞ御心痛でいらっしゃるというふうに思います。政府といたしましても、これまでも重大な関心をこの件については持ってきておりまして、日朝国交正常化交渉等の場で北朝鮮側に対しましてこの方の安否については調査を申し入れてきた経緯がございます。
 いずれにいたしましても、日朝国交正常化の中で、拉致問題については北朝鮮に、そういった交渉の場で、北朝鮮に対しましては、日朝関係を改善していくためには拉致問題を避けて通ることはできない問題であるということは繰り返し説明をしてきておりまして、その解決を強く求めてきているわけでございます。
 粘り強く、韓国、アメリカと連携を取りながら、北朝鮮との関係では、拉致問題を始めとする人道上の問題あるいは安全保障上の問題につきまして解決を目指していくということが基本方針でございます。
#53
○鶴保庸介君 済みません、追加してお伺いをしたいんですが、それはどういう基本方針、どういう方針なんでしょう。申し訳ない。河野外務大臣も、私の責任においてと言っていながら、二年間何もできなかったということがあります。
 また、当時の新聞等を見ていますと、拉致という問題、拉致という言葉を出した瞬間に向こうの朝鮮、北朝鮮、朝鮮人民共和国の方は、拉致という言葉は我々に対する冒涜であると、拉致にこだわるなら行方不明者の調査を中止することもあり得るなんということを国の新聞で発表しているんですよ。
 こういったことを、私、もういつまでも、やはり与党としてもきちっとけじめを付けていかないと、国民の信頼、外交に対する信頼は非常に失墜するというふうに思います。
 したがって、ここであえて厳しいことを申し上げて申し訳ないんですが、大臣としてどういった思い、そしてまた、今度、このたび総理が二十一日から韓国へワールドカップ関連の打合せに訪れられるというふうに聞いておりますので、こうしたことも含めて外務省としてどういった対処をされるか、お伺いをしておきたいと思います。
#54
○国務大臣(川口順子君) 基本方針がどういうものであるかというお尋ねでございますけれども、韓国、アメリカ両国と緊密に連携をしながら北東アジアの平和と安定に資するような形で第二次世界大戦以降の日朝間の不正常な関係を正すということでございまして、主張すべきことは主張するということは当然でございますけれども、粘り強く努力をやって、していくということでございます。そして、このような努力を行う中で、拉致問題を始めとする人道上の問題及び安全保障上の問題につきまして解決の方向に向けて全力を傾けるというのが基本方針でございます。
 それから、小泉総理の韓国訪問でこの点どういうお話をするのかということでございます。
 両首脳がこれからお話をなさることでございますので、私の立場でこういうことになるということを予断するということは控えさせていただきたいと思いますけれども、二国間関係を、金大中大統領との間で二国間関係をさらに発展させるための協力、対北朝鮮政策について忌憚のない意見をやっていただけるのではないかと考えております。
   〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕
 北朝鮮、対北朝鮮政策に関しましては、小泉総理が日朝国交正常化交渉の進展に粘り強く取り組み、こうした努力を通じて拉致問題を始めとする人道上の問題や安全保障上の問題の解決を目指すという、先ほど申し上げました我が国の基本方針に基づいて会談に臨まれるということは申し上げるまでもないことでございます。
#55
○鶴保庸介君 せっかく会期中に訪韓をされるのでありますから、総理にも、しっかりとこうした国民の意見を反映した会議、実のある会議にしていただきたいというふうに思います。
 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 外務大臣が今いらっしゃいますので、先に冒頭、外務大臣にお伺いをしたいんですが、大臣の前職、環境省にかかわる京都議定書の問題、またそれにかかわる林業について私なりに御質問させていただきたいと思います。
 冒頭、京都議定書及びそれを受けたCOP7の締結は昨年の十一月だったと思いますが、に結ばれましたけれども、その締結後、恐らく環境大臣として、どういった経緯でその締結があったのかとか、どういった交渉があったのかとかいう質問は多くされたと思います。
 しかし、外交の交渉ですから外務大臣に対して遠慮もされておられたと思いますし、その両省のトップになられた川口大臣に改めてこのたびのCOP7の締結についてどのような決意でその当時臨まれたか、またそれを受けてこれからこういう外務省の立場としてこういうふうな外交日程を考えているというようなことがあればお教えをいただきたいと思います。
#56
○国務大臣(川口順子君) COP6それからCOP7と京都議定書の運用ルールにつきまして細かい議論がずっとあったわけでございます。それで、十一月にマラケシュのCOP7で吸収源京都メカニズムそれから遵守等の京都議定書の運用の細目についての実質的な合意がございまして、これらを含めました文書が採択をされました。
 吸収源につきましては、我が国がこれまで主張してきました吸収源につきまして必要であると言っていた上限値が正式に確保されたということでございます。
 それから、京都メカニズムという価格メカニズムを活用した効率的な削減目標を守るために必要なメカニズム、有用なメカニズムでございますけれども、それについても、一定の制約はありますけれども、日本を含むアンブレラの国々が主張してきたような柔軟で幅広く利用が可能になるような実際に機能できるルールが合意をされました。
 遵守につきましては、遵守を奨励する実効性のあるもので多くの国に参加の道を開く、そのような制度の構築につきまして努力をいたしまして、各国から一定の理解が得られたというふうに考えております。
 これから我が国としても、アメリカが京都議定書を支持しないと言っている中で、国際的な一つの枠組みを目指して、米国との関係では二国間のハイレベルの議論の場もございますので、そういった場も活用しつつ、それから発展途上国につきましても働き掛けを行う、彼らが自主的に削減努力を進めるように働き掛けを行うといったようなことを通しまして、温暖化ガスの削減に日本としても努めていきたいと私としては考えております。
#57
○鶴保庸介君 このまま元環境大臣として川口大臣にお伺いをしたいところでありますが、所管であります環境大臣にこれからはちょっとバトンタッチしていただいて、お伺いをしていきたいと思います。
 今、先ほど川口大臣がおっしゃられたようなことの経緯を受けて、これから議定書の具体的な内容を国会でも審議が始まるわけでありますが、やはり事前に出てきておる話の中で幾つか問題点というか、懸念される先があります。したがって、そういった懸念を念頭に、各、これからどんなふうなグランドデザインをどんなふうな設計図の下にこれから京都議定書が具体的なものになっていくのかという辺り、各省庁間でどういった分野の方々がどういった努力をしていくのかというような基本的な考え方ですね。
 マイナス六%といいますけれども、CO2の削減目標がマイナス六%といいますが、これはどうやってその六%を達成するのかというようなことを環境大臣にお伺いをしておきたいと思います。
#58
○国務大臣(大木浩君) 今、川口前大臣が、環境大臣としては前大臣でございますが、お話ございましたように、京都議定書そのものは、COP3で決まったものは非常に言うなれば骨格だけが決まって、まだ人間で言えば目鼻だちもどういう体格だかもはっきりしなかったと。それをだんだんにCOP4からずっと歴代の環境庁の長官、あるいは特に最近はCOP6、7等で川口大臣が非常に努力されまして、各国も協力して、一応のその目鼻だちと申しますか、姿が決まってきたわけでございます。
 ですから、これをどういうふうに実施するかということは、例えば日本でいいますと六%をいろんな方法で、もちろんいろんな部門で温暖化ガスの排出を削減する、あるいは今お話もございました吸収によりまして既に空中に拡散しておるものを吸収してもらうというようなこともありますし、それからいろいろと国際的な協力によって、例えば途上国と先進国とが協力して実施するようなものもある。
 そういうようなことで、いずれできるだけ早いうちに条約の御承認のための手続と、それから条約を御承認していただくためには日本としてどうするんだということがありますから、今の例えば六%についての内訳、一応の目標ですけれども、内訳を出すというようなことで、今申し上げましたような排出量の削減、これはいろいろと産業部門も、あるいは運輸交通部門も、あるいは各家庭での御努力というものもありますが、そういったものを併せましての削減、それから吸収源の話、それから京都メカニズムとかいろいろあります。そういったものを積み上げまして、一応の目標は、いずれ京都議定書の発効に必要な国内法についての法案を提出させていただきますので、その中で盛り込んでいきたいと。実は、法案自体には余り数字を書いてありませんけれども、それの裏腹になります計画というものは今作っておりますので、一緒にまた御審議いただけると思います。
#59
○鶴保庸介君 どうやって、じゃ六%を達成するのかというのは、これ国民の素朴な疑問だと思うんです。法案の中で出てくる数字を見てからやりましょうということなんでしょうけれども、条約を批准するときに六%ができるかどうかというのが一番の核になる部分でありますから、もう少し、大臣、どういう方針でということをおっしゃっていただけませんでしょうか。
#60
○国務大臣(大木浩君) 今、申し上げましたが、六%の内訳というものは一応の計画としてはお示しして、実際のそれを達成するための方法というのは物によっていろいろあるわけでございますから、特に一番問題なのは、皆さん方も御関心があると思うんですが、いろいろと本当に日本の経済も非常にきついし、そういった中でどこまでできるんだというようなことがございますが、これにつきましては関係各省ともお話ししながら、また関係業界ともお話をしながら、それぞれについてどこまでできるかということで、一言で申し上げますと、私は経済界については今のところは、まずは、まずはです、まずは自主的にひとついろいろと計画を立てていただきまして、その中で一応両方で、政府と民間の間で合意をした目標について努力をしていただくということで、ただ、努力していただきましても必ずそれができるかどうかということはやってみないとわからぬわけですから、一応はこれ京都議定書は二〇一二年までのとりあえずは削減を想定しておるわけですが、まず第一期で二年間、その時点でまた見直しをする、あるいは五年間たったところで見直しをするというようなことで、節目節目でまた見直しをいたしまして、もし今までの自主的にやっていただくというだけでは駄目だということになれば、いろんな措置を考えなきゃいけないと思います。
 例えば、いろいろな経済的なインセンティブを考えるとか、あるいは排出についてはある程度抑制的な効果のあるような措置を考えるとか、そういったものも全部組み合わせまして、いろんなものを方策を組み合わせて、そういったことで六%を達成するというように努力をしよう、したいというふうに考えております。
#61
○鶴保庸介君 そうしますと、経済界の自主努力をまず酌み取って、その中から積み上げ方式で六%ということを考えられるということなのかもしれません。
 ただ、産業界がやはり一番心配しているのは、業界全体としてこれこれの数字を達成しろよと、いわゆる上からキャップを掛けてその努力を無理やりにさせられるというような形になりはしないかと。これは、政治家としても今この不景気の中でそれをやられてはたまったものではないというような印象があると思うんですね。その辺について大臣、いかがですか。
#62
○国務大臣(大木浩君) 確かに、政府が何か決めてそれを必ずやれというふうに押し付けるというのはなかなかこれは難しいわけでございますが、これはもう関係各省とも協議しながら、また関係各省、あるいは私どもの環境省としても、各業界あるいはいろんな部門とお話ししながらということで、取りあえずは主としては自主的な計画を作っていただきまして、それをまた両方で検討して進めていきたいと思っておりますが、先ほども申し上げましたように、そういった自主的にやっていただくについてもやはりいろんな、例えば経済的なインセンティブを与えるとか、そういうことはむしろ政府もできるわけですから、そういうものも組み合わせて進めてまいりたいと思っております。
 つい最近もいろんなところで、経済諸団体との話も私の方も進めておりますし、また関係各省それぞれに所管の業界とは話を非常に密接にしておられますから、かなり私はその点では、今、政府が目標としておるいろんな数値というものはかなり御理解を得られて、ひとつそれに向かってやっていこうと、こういう態勢にあると理解しております。
#63
○鶴保庸介君 立ったり座ったりで申し訳ないんですが、もう一回、じゃ確認をします。
 じゃ、産業界の懸念をしているそのキャップ・アンド・トレードというようなものはしないということですね。そして、その目標、産業部門による、産業部門の削減目標は、インセンティブを与えることによって経済界の自主的努力を促すという方策で頑張ろうということだと理解をしてよろしいね。
#64
○国務大臣(大木浩君) 今申し上げましたように、二年たちましたら、あるいは五年たちましたら一応見直しをしようと思っておりますが、最初のその二年間ではキャップ・アンド・トレードのことは一応想定をしておりません。
#65
○鶴保庸介君 ありがとうございました。
 そういった京都議定書、これはどういった方式でやるかということについては、まだこれから法律が出てからいろいろと具体案が、具体的計画に移っていくんだという大臣のお話でありましたが、もう実際のところ国民の皆さんは、こういう新聞で出ていますし、大体内々の話、こういうふうになっていくんであろうということはもう分かっておられると思うんです。部門別に、産業部門だとかあるいは民生部門だとか、それから運輸部門だとかというその部門を分けて、それぞれの部門別に具体的な目標、削減目標を立て、そういった部門の努力を促すというような仕組みになっていくんではないか。
 そんな中で、私は、部門別の努力は当然やっていただかなければいけないんでありますが、ちょっと気になりましたのは、今回のことで、いわゆる森林吸収源と言われるものの対策であります。
 京都議定書のマイナス六%という数字の中で、最も多いパーセンテージが三・七だとか三・九だとかと言われる日本の山、日本にある山林で吸収される、CO2を吸収される量、これが三・七%が最高上限まで加算される、三・九という話もありますが、加算されるというような仕組みをCOP7だか6だかでかち取ってきたというような話になってきますね。
 これについて大臣、農林大臣にちょっとお伺いをしたいんですが、森林吸収源対策について具体的、こういう吸収源の対策について具体的にどういうことをされてこの目標を達成されるのか、また、そのやり方次第によっては日本の林業そのものを揺るがす大きな問題点になってくるんではないかと懸念するものでありますから、その点も踏まえて大臣に御答弁をいただきたいと思います。
#66
○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘のとおり、COP7においては年間一千三百万トン炭素が我が国の森林経営による吸収量の上限値として確定しているわけでございます。
   〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕
 吸収量確保に向けましては、森林・林業基本計画に基づきまして、森林の整備、保全、木材の有効利用の推進を着実に進めるとともに、私は、国民理解の醸成に努めるなど幅広い観点からの施策の推進が必要だと、このように思っております。
 森づくり、山づくりは国民挙げて、国民の合意と参加の下に進めていくということが必要でありますし、また、三・九%の目標を達成するということになりますれば、森林・林業基本計画に示された目標が達成された場合、全森林の約七〇%が人為活動が行われた森林ということに相なるわけでございますので、相当人為的な活動ということに政府も力を入れていかなきゃならないというふうに考えているわけでございます。
 さような意味では、そう簡単に三・九%というようなことに相ならないと。このことについては、国民合意の下に、財源対策も含めて、私どもも今の計画ではなかなか容易ならざるものがあると、かように考えておりまして、今後、基本計画に基づきまして、財政当局の協力も得ながら、あるいは場合によっては新しい財源についても国民に協力を呼び掛けていくということなども考える必要があるのではないかと、このように考えております。
#67
○鶴保庸介君 大臣、済みません。ちょっと申し訳ない。森林基本計画を踏襲していった場合、七〇%までは森林が整備されるとおっしゃいましたけれども、これは大体いつごろまでにということなんでしょうか。
#68
○政府参考人(加藤鐵夫君) 森林・林業基本計画は長期の計画でございますけれども、今のお話は第一期の約束期間の話でございまして、それまでに森林・林業基本計画に示されている目標を達成するような事業量を確保していくとすればそういった形になるというふうに、我々としては試算をしているところでございます。
#69
○鶴保庸介君 つまり、何年までということでしょう。
#70
○政府参考人(加藤鐵夫君) 第一期の約束期間が二〇〇八年から二〇一二年でございますので、そのことを頭に置いて試算をしているということでございます。
#71
○鶴保庸介君 要するに、二〇〇八年から二〇一〇年ごろですか、ごろまでにはそういう状態になっているというふうに理解をしておきます。
 とするならば、思うんです。日本の林業、日本の山林が七割は整備がされます、そしてそれによって上限目標値であります、削減の上限目標値であります三・九%に近い数字を達成しようということなんでしょうが、林野庁が作成された資料の中に、これ以外にも温暖化対策として、海外の植林も進めていかなきゃならぬ、あるいは場合によっては排出権取引といったようなことも考えねばならぬと。これは林野庁の資料だけでなく、環境省全体で出ている話でありますが、直観的に見て国内の森林対策、まだまだこれは一〇〇%という数字にはなっていないわけですね。その森林対策をまださておいて、まだまだ強化していかなければならないという中で、排出権取引だのあるいは海外の植林だのといったようなことに目を向けている余裕があるのかなという疑問は当然出てくるのであります。
 また、国際協力によって進められた植林の結果、こうした木材がかえってブーメランしてきて国内の林業そのものを脅かすのではないかと林業家は恐れている向きもあるように聞いております。こうしたことについて御答弁をいただきたいと思います。
#72
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今、先生お話がございましたとおり、地球温暖化防止等を含めて森林の多面的機能を発揮させていくためには、国内の森林整備をやっていかなければいけない、そして着実かつ総合的に進めていかなければいけないというふうに我々も考えているところでございますが、他方、国際協力によります海外植林につきましては、環境保全であるとか持続的な森林経営の推進などの観点から取り組んでいるところでございまして、今回、京都議定書上、京都メカニズムの吸収源対策として一定のカウントが認められることということも踏まえつつ、引き続き取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#73
○鶴保庸介君 もうひとつ今の答えがかみ合っていないような気がするんでありますが。
#74
○政府参考人(加藤鐵夫君) その場合でございますけれども、国際協力によって進められる海外植林ということにつきましては、今申し上げましたような環境保全や技術普及を図るためにモデル的に実施するというものが主体でございまして、そういう点では生産された木材が国内の林業だとか木材産業に与える影響というものは小さいものだ、少ないものだというふうに考えております。
#75
○鶴保庸介君 国内森林対策について、今のペースでということで七割というふうになったわけでありますけれども、これ、ペースをもう少し速めたら、じゃもっともっと一〇〇%の整備が進むんじゃないかと。これはいかがですか。
#76
○政府参考人(加藤鐵夫君) 三・九%につきましては、約束期間の上限値ということで定められているわけでございまして、そういう点で、森林整備をそれ以上に進めてといいましても、上限値として三・九ということになるだろうというふうに思っております。
 ただ、実は森林・林業基本計画に基づきます森林整備を進めていくということにつきましては、今の整備水準ということから考えますと、まだまだ努力をしなければいけない、多大の努力をしなければいけないという目標でございまして、そういう点で、我々としては森林・林業基本計画に基づいた努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#77
○鶴保庸介君 それは、現状の水準で努力をしていても七割には達成しないということですか。
#78
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今の現状水準で参りますと、やはり三・九%を達成するということは、下回る可能性があるというふうに思っております。
#79
○鶴保庸介君 それでは、どれぐらい、あとどれぐらいもっと伸ばせば三・九%の上限ぎりぎりまではきっちりと使い切れるとおっしゃいますか。
#80
○政府参考人(加藤鐵夫君) その辺りの数値につきましては詰めていく必要があるというふうに思っておりますが、先ほど申し上げましたように、我々としては森林・林業基本計画の達成に必要な事業量というものを確保してまいりたいというふうに考えております。
#81
○鶴保庸介君 私は、林野庁にはこれは一つのターニングポイントになると思っております。林野庁といいますか、林業に携わる方々にとって、やはり、追い風という言葉が適当かどうか分かりませんけれども、もっともっと、よし頑張ろうという気にしてあげられるように、ちゃんと森林の整備をしなければいけない。だから、もっと、あと何割上げなければいけないということは、林野庁としてもしっかりとした数字を出されて、されておかれた方がいいんではないかというふうに思うんです。
 次に移ります。
 そういった今の林業でありますけれども、林業全体を見ましても、私、先日、代表質問でもさせていただきましたが、大変に今、林業は厳しいと、もう御存じのとおり、構造的問題だというふうに言われています。しかし、その構造問題、構造改革の構造とは何ぞやという質問がよく出てくるように、この林業における構造問題というのも何が構造問題なのかというのはよく分かりません。
 その辺について、まず答弁をいただきたいと思います。
#82
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今、先生お話がありましたとおり、林業を取り巻く状況というのは大変厳しい状況でございます。これは、やはり林業につきましては地形的な要因もございますし、また実際は人力に頼るというようなこともございますので、林業経営費が固定的になるわけでございまして、なかなかコストダウンが難しいという状況があるわけでございますが、一方では、木材価格は長期低迷をしているわけでございます。外材は大ロットで安価に輸入されるというような状況でございまして、そういったものと競争をしていかなければいけないわけでございまして、そこで木材価格が決まってくるということでございます。
 そういった中で、木材価格が低迷をしてきているということでございますし、さらに木材需要が今伸び悩んでくるという中で、品質、性能を重視する需要という形になってきているわけでございますけれども、国産材がその方に十分にまだ対応できていないというような問題もあるわけでございまして、そういったことを合わせまして、大変厳しい状況が生まれているというふうに考えております。
#83
○鶴保庸介君 二つ問題点を指摘されました。価格の問題、あるいは品質、性能の問題。価格はまあ何となく分かります。山が急峻だとか何とか。そうしたら、品質だ、性能だという問題については、これがどうして構造的問題になるんでしょうか。ちょっと今の現状、よく分からないので教えてください。
#84
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今まで我が国の住宅というのは、在来工法で建てますと、グリーン材と我々言っておりますけれども、乾燥していない材を大工さんがうまく使っていただいて住宅が建ってきたということでございますけれども、今はプレカットというような形で、機械的に事前にカットをいたしまして、それを組み立てていくというような住宅工法に変わってきているわけでございます。また、それから住宅自体も高断熱であるとかいうようなことが求められるようになってきておりまして、そういう点では、例えば品質の面で申し上げますと乾燥材というのが求められるというようなことでございますけれども、我が国の乾燥材の比率というのは極めて低いということでございまして、今、林野庁といたしましては、例えば乾燥施設の整備というものを喫緊の課題として取り組んでいるところでございます。そういった産業、施設整備が遅れてきているというようなことが言えるんではないかというふうに思っております。
#85
○鶴保庸介君 最後に一言言われたのが私は気になるんです。施設整備が遅れてきたということですよね。それは、やはりそもそも林業を取り巻くこの環境に至るまでの間にできなかったことなのかということを申し上げたいんです。
 長年にわたってこのような構造問題が放置されたまま解決が図られなかったのは、私は、政治の責任というのは非常に大きいと思うんですね。農業の場合は一年ごとに、畑に種を植えたらその翌年には収穫ができるというものがほとんどでありますけれども、林業の場合、五十年、あるいは物によっては百年単位のものになってくると。そうすると、政治が、政治がというか、そういったものに目を五十年以上向け続けなければならないということがやっぱり出てくるわけでありまして、こういったことについて、大臣、御見解あるいはこれまでの取組と今後の取組についてちょっと御所見をお伺いをいたしたいと思います。
#86
○国務大臣(武部勤君) 先ほども少し触れましたけれども、私は、委員の御指摘は全く同感であります。
 今までは林産業といいますか木材生産ということを中心にやってまいりました。私は、森づくりということについては、これは別の観点から、森林の多面的な機能ということでありますとか、あるいは国土保全、ヒューマンセキュリティーというような考え方から、国民の合意に基づく森づくりと、そして国民の合意や協力による森林整備ということを考えていかなければならないというふうに、基本的にそういう考え方を持っているわけでありまして、そういう新しい理念に基づく森林・林業基本法というのが昨年六月成立をしたわけでございます。
 これは遅かったといえば遅かったということを率直に認めなければなりませんが、これに基づく基本計画に即しまして、今、長官からも御説明させましたように、森林というものを水土保全林、森林と人との共生林、資源の循環利用林に区分いたしまして、これに応じた森林整備を推進するということにしているわけでございます。
 同時に、育成すべき林業の担い手への施業や経営の集約化、また需要構造に対応した低コストでの木材の安定供給、地域材の利用推進、こういった林業、木材産業を通じた構造改革に向けまして、総合的な、重点的な施策の展開を強力に展開することが必要だと、このように考えておりまして、そのような努力を、後ればせながらと、こういうことを率直に申し上げますが、私どもリーダーシップを発揮してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
#87
○鶴保庸介君 正直に大臣にそうやって言っていただけると、今後もやはり継続的に林野庁を中心としてこうした林業政策については注視をしていかなければならない。
 例えば、先日も役所の方とお話をしていて、今の林業の、例えば杉材の値段について大体どれぐらいの価格カーブを描いているんですかという話をしておりましたら、昭和五十年代ぐらいはまだまだ良かったと。それから以前になるともっと低かったのが、低かったところから始まっているんだと。でも、その統計そのものも昭和二十年代、三十年代ぐらいのものしかしっかりとした統計が余りないというような話を聞きまして、やはりちょっと、普通の、ほかの職業、ほかの産業とは違うんだなというふうに痛感した次第であります。
 また、だからといって、これまでやってこなかったからあきらめておってもしようがありません。そこで、これからのことなんです。
 国産材がその競争力を確保する道というのはもう全くないのかと言われれば、そうではないと思います。つまり、私なりに考えますのは、製品にしたときに、またこういう机だとかあるいはその内装材でありますとか、こういった製品にしたときに価格の面だとかあるいは材質の面だとかといったことで競争力が付けられるというふうに思っておりますが、こうしたことについて、今現在の努力あるいは見通しを御答弁願いたいと思います。
#88
○政府参考人(加藤鐵夫君) 先ほども申し上げましたように、乾燥材だとか集成材への生産とかそういったものの取組が遅れてきたわけでございますし、また、零細な木材産業の事業者が複雑な流通過程で関与するというようなことで高コストで小ロットの構造があるわけでございまして、我々としては、そういったものを、まず製材工程の効率化、さらには品質、製品の品質、性能の明確化、ロットの拡大というようなことを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
 そのため、先ほど申し上げましたように、高性能な加工施設であるとか乾燥施設の導入であるとか、あるいは過剰設備の廃棄であるとか情報化の推進であるとかというようなことに重点的に取り組んでいきたいというふうに思っております。
 その場合、二つの方向があるのではないかというふうに思っておりまして、一つは、そういった徹底的な低コスト化、ロットの確保、品質、性能の明確化等に取り組みまして外材に対抗する商品としての大量消費の市場に向けた取組という形でやっていくというものと、それから、森林所有者から住宅生産者までの関係者が連携をいたしまして、顔の見える木材での家造りというようなことを進めていくというようなこともあり得るんではないかというふうに思っております。
 要は、最終消費者の方々の多様なニーズに対応した製品を供給するような方向での対応ということもあり得るんではないかと、そういうようなことを通じまして国産材の振興を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#89
○鶴保庸介君 どういった問題があって今までそれじゃできなかったんでしょうか。施設の整備なんというのは技術的革新もあるでしょうけれども、ロットの確保なんというのは今までだってできたはずであります。その辺について、もう少し詳しく教えていただけませんか。
#90
○政府参考人(加藤鐵夫君) 例えば、乾燥材の話で申し上げますと、施設整備が遅れていたというお話を申し上げましたけれども、実はその乾燥をするのに当たりまして経費が必要になるわけでございます。それが市場で乾燥材というものが評価をされるかどうかということでございまして、乾燥しない材と乾燥する材の間で掛かる費用分がちゃんと評価をされて購入されるかどうかということになるわけでございます。
 そうなりますと、今まではどちらかといいますと、先ほど申し上げましたように、乾燥しない材でも住宅を建てられてきたということで、その差が経費に掛かりまして十分出てこないというようなことがあったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、今、住宅構造変わりまして、高気密、高断熱というようなことでいきますと、乾燥材と未乾燥材の間で実はかなり大きな価格差が出るようになってきているわけでございます。
 そういう点で、業界の方々も乾燥材ということを改めてやらなければいけないという認識が非常に高まっているということがございます。そういう点で、行政が今まで乾燥材をやっていこうということで進めてきたわけでございますけれども、業界の方でもそういう意識が出ているということでございまして、これらを併せて我々としては推進をしていきたいというふうに思っているわけでございます。
#91
○鶴保庸介君 いや、ロットの確保ということを考えたんです。何が問題になっているかということについて、もっと木材集積地を造れということなのか、今のままでいいということなのか、その辺について。
#92
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今まではやっぱり小規模なところから生産をされるということでございまして、なかなか安定的なロットというものが確保されなかったということでございますが、それにつきましては二つの方向を考えておりまして、一つは、やはり流通過程をできるだけ短絡化をして物が集まりやすいような形を作っていくということが必要ではないか。
 だから、製材工場とプレカット工場、それから消費者というような、工務店というような形にしていきますとかなり分かりやすい形で流通がされていくということで、ロットのまとまりというものも出てくるんではないかということがございますし、またもう一つは、そういったものについてできるだけ情報化を図っていくということにいたしますと、あそこにああいう材があるということが分かるわけでございまして、そういう情報化ということについても努力していきたいというふうに思っております。
 そういうようなことで、ロットをできるだけ大きくしていくということ、あるいは消費者、大工、工務店の方々が求める材が手に入りやすくしていくというようなことをしていきたいというふうに思っているわけでございます。
#93
○鶴保庸介君 分かりました。コンビナート的なものを造った上で、大きなロットを仕入れてそれを製品化し、そして価格競争力を付けていくなんということもこれからの視野には是非入れていただきたいというふうに思います。
 それから、昨年、補正予算において緑の雇用事業ということが取りざたされました。要は、森林を守るために、伐採、間伐だとかそういったことの森林作業者を、緊急雇用対策として労働者として二年間の限定でありますが雇おうじゃないかというような施策であります。
 労働省と林野庁がすり合わせをされこういう話になって、大分来ていると思いますが、ふと思いますのは、これは林の側から考えますと、こういった労働者を安定的に供給しないことには、安定的に継続的に雇う、雇用しないことには、第二、第三の失業対策事業になるんではないかというふうな悪口も聞かれます。
 この辺について、どういった施策を考えていらっしゃいますか。
#94
○政府参考人(加藤鐵夫君) 緑の雇用事業というような形で、今回、交付金、緊急地域雇用創出特別交付金制度ができたわけでございます。
 我々としましては、今、林業労働力、高齢化しておりますし減少してきているという中でございますので、こういった事業を使いまして林業の担い手の確保、育成に資していきたいというふうに思っているところでございます。
 しかしながら、今言われましたように、この雇用というのは期間がある雇用でございまして、その後をどうするかということが問題になるわけでございまして、一つは、やはりそういった人方が担い手になるように誘導していくということが必要ではないかというふうに思っております。そういう点で、就業定着を支援するとか、あるいは林業事業体自体が雇いやすいように経営基盤の安定化に資する支援策を打ち出していくとかいうようなことが必要だと思いますし、もう一つは、先ほどから話が出ておりますように、森林・林業基本計画に基づきまして森林整備を進めていくというような形で雇用の場を作っていくというようなこともしていくということが必要ではないかというふうに思っているわけでございます。
#95
○鶴保庸介君 少しそれをちょっと申し上げておきたいと思います。今のお話は雇う側のことばかりおっしゃっておられる。しかし、雇う側の企業が存続するようにはどういうふうな施策がありますかということもやはり考えていただかなければいけない。
 そんな意味で、この緑の雇用事業において出てくる、緑の雇用事業、事業をすることによって出てくる間伐材、そういったものをどう利用するんですかと。大量に出てきますよ、間伐材、全国の山から。これについてお願いします。
#96
○政府参考人(加藤鐵夫君) 森林整備をいたしまして、言われるとおり間伐材が出てくるというふうに思っているわけでございまして、実は、今林野庁におきましても、緊急五か年間伐対策というようなことで間伐に取り組んでいるわけでございまして、そこの中でも、その間伐材をどう利用するかということが大きな問題だと、課題であるというふうに思っているわけでございます。
 そういう点で、実は公共事業におきまして間伐材を使っていただくとか、あるいは公共施設につきましても間伐材を使っていただくというようなことを、いろいろできるだけ間伐材をいろんなところに使っていただくという努力を我々としてもしているところでございまして、そういう課題を踏まえながら、我々としてもやっていきたいというふうに思っております。
#97
○鶴保庸介君 林業の問題についてお話をしましたが、都市と過疎の問題も含めて、林業は大変これから日本の大きな国家のデザインを左右する問題になろうと思います。是非頑張っていただきたいと思います。
 質問を終わります。
#98
○委員長(真鍋賢二君) 以上で山崎力君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#99
○委員長(真鍋賢二君) 次に、小宮山洋子君の質疑を行います。小宮山洋子君。
#100
○小宮山洋子君 民主党・新緑風会の小宮山洋子でございます。
 初めに、昨日来大きく報じられております、鈴木宗男議員が口だけではなく手も足も出していたという、外務省職員暴行事件について伺いたいと思います。
 平成八年に北方領土の国後島に渡航した際に、日本の領土の放棄につながりかねない桜の植樹を行うことに反対した外務省の当時三十二歳の課長補佐に暴行を加え、全治一週間のけがを負わせていたことが複数の関係者の証言で明らかになったというものですが、川口外務大臣、これまでに分かっている事実関係を明らかにしてください。
#101
○国務大臣(川口順子君) 四島交流訪問団が平成八年の五月に国後島を訪問いたしました。現地で植樹祭の実施を企画いたしまして、チシマザクラ、アカエゾマツなどの苗木を持参していました。同行の外務省職員は、この企画を現場で知らされ、入域手続に際しましてロシア側税関職員がこれら苗木の検疫証明書を要求したことに対しまして、外務本省とも電話連絡を行った上で、このような、そのような証明書を提出することはロシアの管轄権に服することになり、北方四島に関する我が方の基本的立場を害するので、証明書を提出することはできない旨を応答いたしました。この問題をめぐり日ロ間で種々やり取りを行いましたが、最終的に苗木は持ち帰ることになりました。
 五月二十六日夜から二十七日夜半過ぎに掛けまして、国後島からの帰路の船中におきまして、この訪問団に顧問として参加をしていらっしゃいました鈴木議員は、外務省のこのような対応を強い口調で批判をし、同行の外務省員の足をけり、また顔面を殴ったというふうに承知をしております。
#102
○小宮山洋子君 新聞等でこのことが昨日報じられたわけですけれども、鈴木宗男議員は、自民党記者クラブに報道は事実無根というコメントを張り出しています。これに対しまして、夕方四時の記者会見でこのことを聞かれました福田官房長官は、外務省職員に対する暴行の事実を裏付ける当時の記録及び診断書があり、暴行の事実があったと考えられると答えています。
 川口大臣、この報告書と診断書というのは外務省にあるのでしょうか。
#103
○国務大臣(川口順子君) ございます。
#104
○小宮山洋子君 この報告書に書かれていることとして民主党が入手した内容は、かなり生々しいものがございます。ちょっと一部御紹介します。
 右手の甲を外側に払うようにしてK氏の顔面を殴り、けりを入れた。その際、K氏の眼鏡が飛び、全治一週間のけがを負った。宗男は酒を飲んでいた。現場の仕切りは、船が揺れていたので、よろけてK氏の顔に宗男の手が触れたということにして、暴行がなかったことにしようと口裏合わせをしていた。このようなことが書かれている報告書ということです。
 暴行を受けた職員の診断書、そしてただいまの暴行を受けた際のてんまつを記した外務省内部の報告書、この二点を資料として要求いたします。
 川口大臣、出していただけますね。
#105
○国務大臣(川口順子君) 委員会の御指示に従いたいと思います。
 ただ、私自身は、今、委員がお読みになられたその箇所が外務省にある記録にあるかどうかということについては、記録を見ておりませんので、承知しておりません。
#106
○小宮山洋子君 委員会の指示があれば提出をするということで、よろしくお願いしたいと思います。
 また、これは暴行傷害事件だと思います。
 この件も含めまして、鈴木宗男議員の証人喚問を是非早く実現するように併せて委員長にお願いします。
#107
○委員長(真鍋賢二君) その件につきましては、後刻理事会におきまして御相談をいたします。
#108
○小宮山洋子君 この件につきましては、ビザなし交流を今回で終わらせると圧力を掛けられたりしたために被害をもみ消したという外務省の態度も問題だと思います。
 でも、一番問題なのは、北方領土が返還されても国益にならないと言ったことと同様に、日本の主権が侵害されることになるという今回のことでも、領土返還をなおざりにしてまで交流事業を進めようとしてきた鈴木議員の姿勢を示すものとして、引き続き民主党も真相を究明していきたいと考えています。
 それでは、続きまして、地球温暖化京都議定書の批准の問題について伺いたいと思います。
 環境の分野で何といっても今年最大の課題は、温暖化防止の京都議定書を八月二十六日から九月四日まで南アフリカのヨハネスブルクで開かれます持続可能な開発のための世界サミット、いわゆるヨハネスブルク・サミットで発効させることだと思います。
 大木環境大臣とは初めて今回質疑をさせていただきますけれども、先ほどの議員の質問にもありましたように、COP3、この京都議定書の生みの親でもあられると。このCOP3の議長も務められたと思いますけれども、是非、発効へ向けてかぎを握っていると言われております日本の批准に向けての大臣の決意をまず伺いたいと思います。
#109
○国務大臣(大木浩君) 今のお話にございました京都議定書でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、京都で一応でき上がったものは言うなれば骨格であったということで、生みの親と言えるかどうか分かりませんが、その後、いろいろと一つのみんなでこれをやろうという対象になる条約に作り上げていただきましたのは、私の後の歴代の環境庁長官、そこに私のすぐ後の長官もおられますが、それから、特に最近はCOP6、7等で川口大臣も大変努力されまして、一応その目鼻立ちの分かった京都議定書ができ上がったわけでございます。
 よく京都議定書というのは、京都でやったし、日本がその議長だからということで、だから非常に大事だと。もちろん、それはそういう意味はあると思いますが、私は、今、作っていただきましたCOP7までの努力の反映としての京都議定書というのは、日本としてもこれは十分に実施できるものだと思っておりますし、また、環境の分野で日本が大いにリーダーシップを取るというのは、私は、これは本当は外務大臣がおっしゃるべきことかもしれませんけれども、日本の外交としても非常に大いに力を発揮できる分野だと思います。
 ですから、私は、京都議定書に限りませんけれども、環境という問題は、今後の日本の外交の大きな柱の一つとして努力していくべきだと。その中でまずは一つ、取りあえず京都議定書をとにかく発効して、そして日本としても、今おっしゃいましたヨハネスの方の、これはまた一つ京都議定書のまた母体になりますその地球温暖化の枠組み条約を作った前の、十年前の条約がありますが、それをもう一遍見直して、更にこれを拡大といいますか強化と申しますか、そういった意味もございますから、是非とも、それに向けても、まずは京都議定書を発効させていただきまして、そしてまた、そのほかの分野についても努力をしたいというふうに考えております。
#110
○小宮山洋子君 是非そのリーダーシップを取っていただきたいのですが、そのためには、この京都議定書が発効する要件があるわけですね。五十五か国以上が批准をして、批准をした先進国の二酸化炭素排出量の合計が一九九〇年の排出量の五五%を占めなければならない。そのためには、どうしてもアメリカの動向に注目をせざるを得ないわけです。
 アメリカは京都議定書に代わる米国案というものを二月十四日に出しましたが、これは過去十年のトレンドをほぼそのまま継続しまして、排出増加を続けることを意味しています。また、自主的な目標で、この目標すら担保するものがない。こうした理由から、イギリスを始めヨーロッパ各国、さらに日本を始め各国のNGO、非難や抗議が寄せられています。さらに、アメリカの議会の中からも、実効性が疑わしいと疑問が出されているものです。
 それなのに、小泉総理は、日米首脳会談で建設的とこの案を評価されたわけです。どのような御見識か疑ってしまうわけですが、今日は総理いらっしゃいません。官房長官も今会見中ですので、後ほどいらしたらちょっと伺いたいと思いますが、大木大臣はどのようにお考えになりますか。
#111
○国務大臣(大木浩君) 小泉総理の御発言については、私が代わってというのはあれですけれども、ただ、私も含めて、これから、小泉総理からも御指示がありますから、日本としては、アメリカ案のいかんにかかわらず、京都議定書の発効に向けて努力をしたいということでございます。
 ただ、私もアメリカの環境庁の長官等とも既に電話会談などをやっておりますけれども、日本側で何らかの評価というような言葉が使われたとすれば、それは、ブッシュ大統領があれ初めてのたしか訪日だと思いますけれども、少なくとも大統領としては初めてだと思いますけれども、遠路はるばる来たお客さんが持ってきた案でありますから、それは持ってきた、そしてあれを基礎にしてこれからまた日米間で話合いができるわけですから、そういう材料にはなるという意味でまあ一応評価、総理はされたと思いますし、私もそういう意味での評価的な発言はしましたが、同時にいろいろなところでまた、必ずしも紙ではありませんけれども、口頭では皆さんに申し上げているのは、これは決して京都会議に代わるものではない。ですから、日本政府としては、アメリカ案と京都議定書とを並べて何か足して二で割るとかどっか中間点を探すとか、そういうことでは全くございません。
 ただ、アメリカ案の中にもやっぱりこれから日米間で、あるいは国際社会の中で活用できるような部分というのは、例えば一緒に科学技術の研究しようとか、あるいは開発途上国への協力についていろいろ話合いをしようとか、そういうことは必ずしも京都議定書の枠内でなくてもできるところもありますから、ですから、そういうものは今後も大いに活用していくと。
 それから、もちろん究極的にはアメリカが京都議定書に参加していることを強く希望いたしますし、これからも機会があるごとにそういうことは申し上げますけれども、ただいまのところはアメリカ案を少なくとも京都議定書に代わるものとして議論をしているということではないということは御理解いただきたいと思います。
#112
○小宮山洋子君 それは当たり前のことですよ。京都議定書に代わるものだなどと言ったら笑われてしまうじゃないですか。
 このアメリカ案では、GDPが伸びれば排出量増加も容認するという内容になっていまして、実質三五%ぐらい増加することになると言われています。これでは、絶対量での削減を義務化する京都議定書にも、温室効果ガスの大気中濃度の安定化を目指す気候変動枠組み条約にも反しているわけです。先ほどリーダーシップを取るとおっしゃったのに、ちょっと今の御発言というのはその辺り私は納得しかねることが入っていたというふうに思います。
 ですから、世界最大の温室効果ガス排出国のアメリカなのですから、本当にアメリカの友人であるのでしたら、そんな初めての来日だからそのお土産として建設的だと言ったなどというのは冗談ではないというふうに私は思いますよ。やはり本当に友人であるなら、アメリカはやっぱりこの枠組みに入るべきだと、そうしなければ世界の流れから外れてしまうと、しっかり忠告するべきなんじゃないでしょうか。
 もちろん、あちらの案を一緒に考えているなんということはとんでもない話ですから、そんなことを言っているのではありません。そうではなくて、ただ一部の国の中には、京都議定書のほかにも選択肢があるのではないかと、そんな考えを持たれては非常に困るわけですので、是非アメリカに京都議定書に戻るように積極的に働き掛けをしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#113
○国務大臣(大木浩君) 私どもも、アメリカ案が京都議定書に代わるものではないと、そういうことは、代わるものでないということを私は強調して申し上げたつもりでありますけれども。
 ただ、先ほどから申し上げておりますように、アメリカ案の中にも一緒に検討できるものはあるし、それは最終的にはアメリカが京都議定書へ入ってくる、近づいてくるという一つのプロセスの中で考えることもできると思いますから申し上げたわけでございます。
 とにかく、日米間では既に与党も、またあるいは野党もそうかもしれませんけれども、ブッシュ大統領が京都議定書に入らないということを言った後は、何回も抗議のいろいろなデリゲーションも出ておりますし、私どももアメリカの関係者と会うたびごとに申し上げておるわけでございますから、決してアメリカと協調して何か京都議定書をうやむやにしようということは全くございませんので、という意味で、間もなく、できるだけ近いところで京都議定書の承認の手続あるいはその関係法令のひとつ御検討をいただくということで提出をいたしますので、どうぞひとつよろしくお願い申し上げます。
#114
○小宮山洋子君 では、具体的に伺います。
 二月末から三月初旬にかけて、三回の日米事務レベル協議が開催されていますが、そこで復帰の働き掛けがなされたんでしょうか。
#115
○政府参考人(岡澤和好君) 気候変動に関する日米政府間事務レベル協議に対するお尋ねでございますけれども、この協議は、昨年七月の気候変動に関する第一回日米ハイレベル協議の結果、科学技術、途上国問題、市場メカニズムという三つの分野に関しまして事務レベルでの協議を行うとされたものでございまして、昨年九月から十月に第一回の協議が開催されましたが、それに続きました二回目でございます。これは事務的に、今申し上げました科学技術と途上国問題、市場メカニズムという三つのテーマについて事務的な意見交換を行うというものでございまして、日米がどういう枠組みで温暖化対策を進めるとか、そういうことを相談する場所ではございません。
 ただ、ちょうどタイミング的にアメリカが政策を発表した後だったものですから、アメリカから政策内容についてはよく詳細な事情聴取を行っております。
#116
○小宮山洋子君 間もなく四月に予定されている日米閣僚級会議、この目的は何でしょう。具体的にここで何を話し合うのでしょうか。
#117
○政府参考人(岡澤和好君) 今、日米政府間のハイレベル協議につきましては四月に行う方向でまだ日程を調整中でございますけれども、これは先日、アメリカが新しい気候変動政策を発表したということを受けて、そういう状況の中で両国のハイレベルでの議論をしようというものでございます。
 これは、私どもとしては、当然温暖化対策の実効性の確保のためには米国や途上国を含むすべての国が参加した共通のルールが必要だということを強く認識しているわけでございます。アメリカは京都から離脱するということを言っておりますけれども、地球環境の保全という各国共通の目的に向けて具体的なテーマについての意見交換を行って、両国間で協力できるものは協力するという、一方でそういうことをしながら、アメリカに対して更に一層の取組を促す機会としたいというふうに考えておるわけでございます。
#118
○小宮山洋子君 是非強く働き掛けてほしいと思います。
 それでは、その京都議定書について、日本国内での取組について幾つか伺います。
 政府は、総理を本部長、官房長官、環境大臣、経済産業大臣を副本部長、すべての国務大臣を本部員とする地球温暖化推進本部で、二月十三日に基本的な今後の方針を決定されています。間もなく新大綱が決定される予定ですが、どのようにして作られているのか情報が全く提供されていない。それで、新聞で一方的にこんなことが明らかになった、こんなことが明らかになったと。今朝もその大綱の最終案が明らかになったと一方的に報じられているだけなんですが、どうも密室で省庁間だけで協議をしているように思えます。もっとオープンに協議をされた方がいいんじゃないかと思いますが、この点はどうでしょう。
#119
○政府参考人(岡澤和好君) 政府としたら、今度の、今の通常国会に京都議定書の締結と承認と関連する国内法の成立というものを求めておるわけでございますけれども、京都議定書の六%削減という約束を達成するためにはどういう形で達成するのか、あるいはできるのかということをお見せしなければなかなか議論にもならないんではないかと思いまして、政府の中で、大綱の改正という形で温暖化対策の具体的な政策を示そうというふうにしているわけでございます。
 これは、これから国会に提出いたします地球温暖化対策推進法の改正案が成立いたしますと、その中に京都議定書目標達成計画というものを法律に基づいて定めることになっておりまして、この新しい大綱をベースにしてその法律に基づく議定書目標達成計画というものにしていきたいというふうに考えております。それは法律に基づく正式の計画ということでございますので、その段階では、手続的にも例えばパブコメを行うとかいうような形で、国民各界各層の御意見を幅広く聞いて反映してまいりたいというふうに考えております。
#120
○小宮山洋子君 その方針があって大綱があって計画がある、そういうこともなかなか一般には分かりにくいわけですよね。
 今、計画の段階ではパブリックコメントなど一般の人の意見も入れてと、それは当然のことなんだと思います。これは、国民一人一人に協力を求めなければ六%削減はできないわけですから、是非その作っていく過程で国民の意見が入るような形を強力に推進をしていただきたいということを要望いたします。
 それで、その情報が出ないものですから、いろんな合っているのか間違っているのか分からないような記事が毎日のように新聞に出ています。その中で、政府としては活用するはずであった京都メカニズムについて、財務関係の方から国が将来お金を出すことが前提になってしまうというので修正を求められている、そういう記事がございましたが、これは事実でしょうか。
#121
○政府参考人(岡澤和好君) 現在、政府部内で大綱の見直し作業中でございまして、具体的な数値目標まだ定まったわけではございませんが、御指摘のようなことは事実としてございません。
#122
○小宮山洋子君 やはりオープンでないところで話しているからいろんな情報が錯綜してしまって、本当に関心を持っている人たちは混乱をしているというのが現状だと思います。もっとその辺りをきちんと分かりやすい過程でやっていくことが大切だと思います。
 そうなりますと、まだ決めていないといっても、もうそれぞれの削減のパーセンテージは毎日のように新聞に出ているわけですよね。京都メカニズムが活用できないからプラス・マイナス・ゼロだった民生部門を二%減としたという、それも事実ではないんでしょうか。二%減というのは今考えられていることなのでしょうか。
#123
○政府参考人(岡澤和好君) 民生部門二%マイナスというのは、原案の中にそういう数字がございます。ただ、京都メカニズムが認められないからマイナス二%ということは事実ではございません。
#124
○小宮山洋子君 それで、新大綱では九〇年に比べて産業部門では七%削減というふうにされていますが、これに対して産業界の重立ったところでは反対をしているようですが、これについてはどのように対応されるのか、平沼経済産業大臣、そして大木環境大臣にお伺いします。
#125
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさしていただきます。
 京都議定書の地球温暖化対策を推進していくに当たって、私どもとしては、それが過度の負担になってはならない、またその負担も公平でなければならない、そういう基本的な考え方を持っています。そしてまた、経済でありますとか産業に与えるそういう影響も考慮しつつ、いかに経済と環境が両立するか、これが基本的になければならないと思っています。
 そういう意味で、やはりこれは約束事でございますから、これを達成していくためには、私どもの発想としては、逆に、こういう地球環境あるいは温暖化対策、環境対策というのはともするとマイナス、負のイメージですけれども、技術革新等で逆にこれをプラスの成長のエンジンにするということもできるわけであります。ですから、そういう意味では、経済界の創意工夫ですとか、あるいはまた技術革新を起こして、そういう非常に厳しいハードルですけれどもクリアをしていくという基本姿勢が大切だと思います。
 そこで、今お話がございましたいわゆる七%というような数字が出ています。しかし、これは今策定作業中の地球温暖化推進対策大綱、私も本部の副本部長をしておりますけれども、私はこれを部門ごとに削減の目標とする、こういうことにはなっていないと思っています。あくまでもそれを進めるに当たっての一つの目安という私どもはそういう認識をしておりまして、要は、やはり経済界の自主的な努力、それからまた技術革新、そういったことを併せながらその目標を達成していく、そして先ほど触れましたように、やはりこれは技術革新等、そういう総合的な努力によって私は最終的に達成すべきものだと、そういう基本的な考え方で臨んでいるわけであります。
#126
○国務大臣(大木浩君) 経済界との話につきましては、今、平沼大臣もお話しされたとおりでございますし、私どもも、私の立場からいろんな経済界のリーダーの方々と話をしておりますし、大綱を作るに当たりましてはいろんな仕組み、仕組みといいますか場がありますので、経済界の代表の方にも出席していただいておりますから、これは決して環境省が、あるいは政府が勝手に作ったというものでは決してないということを御理解いただきたいと思っております。
 また、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、それじゃ、ただ自主的にやるということで、できなかったらどうするんだと、こういうことは当然私どもも考えております。私どもも心配しているわけですから、それはまた折節に、節目節目でということで、取りあえずまず二年目に一遍実施状況というものを見直して、今のままのやり方でいいかどうかということは考えるということですし、また五年目も一つ節目として考えておりますので、そういったところを必要に応じてまたどういう対策が必要かということは考えさしていただきたいと思っております。
#127
○小宮山洋子君 今、平沼大臣が目標ではなくて目安だとおっしゃいましたけれども、京都議定書への取組の中では、目標はきちんと担保されるものでなければならないというふうになっているはずだと思います。
 おっしゃいましたように、日本の技術力というのは優れているわけですから、これからCO2削減とか省エネとか国際的に必要になっていくので、これをやはり新しい産業とか雇用の場にしていく、そのように発想を転換するべきだと思います。
 国際的な競争力を考えますと、早く取り組んだ国の方が勝つわけですので、是非そういう形で進めていただきたいと思いますが、大臣、もう一言いただけますか。
#128
○国務大臣(平沼赳夫君) いわゆる環境克服に関しましては、日本は、一九七三年でオイルショックがあり、そしてその中で、非常に、この第一次の空洞化というのが起こってきたときに、技術革新によってその空洞化を防いでそれを克服してきたという、そういう実績があります。
 そのときに、オイルショックのときに行った省エネルギーというのはこれは非常に世界の中でも一番の実績を持っておりまして、そういう技術の蓄積もあるしポテンシャリティーもありますから、そういう観点で、今おっしゃったように世界に先駆けて努力をしていく、このことは私どもも共通の認識であります。
#129
○小宮山洋子君 官房長官が会見からお戻りになったので、本当は最初に伺いたかったんですが、小泉総理のこの京都議定書へ向けての取組の姿勢と申しましょうか、日米首脳会談のときに各国とも非難をしているアメリカの案を建設的だと評価をされたと。先ほど、それはせっかく来ていただいたからというようなことじゃないかと環境大臣からございましたけれども、本当は総理に伺いたいところですけれども。
 総理は、この推進本部の長でいらっしゃるわけです。どうも、ほかの郵政民営化その他の問題に比べて環境に対する取組が主体的でないのではないかというもどかしさを、私だけではなくてNGOなど各方面の人が持っているんですけれども、その辺りは、支えていらっしゃる官房長官として、是非そこを推進していっていただきたいと思いますが、その辺のことを官房長官に一言伺いたいと思います。
#130
○国務大臣(福田康夫君) せっかくの小宮山委員の御発言でございますけれども、それは認識が違うんではないかと思います。
 小泉総理は大変環境問題熱心です。発言の機会が少ないのかどうかというようなことで発信力の問題かもしれませんが、しかし実際は、川口環境大臣ですね、当時、最後の最後まで粘り強くアメリカとの交渉、これもやっていたわけですね。最後の最後までやっていました。そして、アメリカがこの京都議定書、参加してほしいという主張をずっと続けてきたわけですね。ですから、それも小泉総理の指示に基づいてやっているわけでございますので、小泉総理の環境問題に対する取組姿勢というものは私は揺るぎないものがあるというように思っております。ですから、今後もそのことで全力を挙げるというように私は考えております。
 アメリカがなかなか参加しないというか後ろ向きだというような評価でありましたけれども、その内容はともかくとして、二月十四日にブッシュの環境施策というものが発表いたしましたし、また日米首脳会談におきまして日本とはハイレベル協議を継続しようということも言っておりますし、なお双方優れた技術を持っている国々ですから技術面において協力しようという話もその場でしているわけでございます。
 ですから、短期的にというわけではないかもしれぬけれども、長期的な大きな目標というものは一つでありまして、その目標に向かって今後更に話合いを続けて、そして同じ歩調で、将来できるだけ早く同じ歩調で歩めるように、こういう環境作りをしていくのが必要だろうというふうに思っております。
#131
○小宮山洋子君 なかなかそのようには私を含めて国民は受け止めていないのではないかと思うんです。せっかくメディアの力をあれだけ使うのがお上手な総理なんですから、日本がリーダーシップを取るべき環境の問題についても、もしおっしゃったようなことであるのであれば、今年はこれが大きなテーマなわけですから、どんどん小泉さんのメディアの力を活用してその辺りの姿勢をアピールをしていただきたい。国内のことはもちろんのこと、アメリカを含めて国際的なことについても、環境問題こそ日本がリーダーシップを取るべきことだと思っています。是非、その辺りはまた質問をさせていただきますので、よろしくお願いします。
 この項目の最後に、九月四日までのヨハネスブルク・サミットで発効するためには、批准から発効まで三か月必要だと聞いていますので、五月の末か遅くとも六月初めには国会の手続が終わっていないといけないと思います。そのための、その範囲できちんとできると考えていいですね、環境大臣。
#132
○国務大臣(大木浩君) 先ほどから申し上げておりますように、一つはその条約の承認を国会でしていただくということ。しかし、それだけではやはり、先ほどから皆さんが担保というような言葉を言っておられますけれども、やはり日本政府としてちゃんとできるんだという体制を作っていかなきゃいけませんから、そのための関連の法案。それから、先ほどからお話が出ております、具体的にそれを実施するための大綱とか、ある程度その数字にも言及したようなこと。この三つが出てくるわけでございますから、そういったものをひとつできるだけ早く国会で御審議して、御承認あるいは通過させていただきたいということで、もう、まだ多少国会で、国会というか与党内で手続的な話合いの最後の詰めをしておりますので、間もなく提出することができると思いますので、どうぞひとつよろしく、積極的に御審議をいただきたいと思います。
#133
○小宮山洋子君 是非、発効できるように最大限の努力をお願いいたします。
 次に、児童扶養手当の削減のことについて伺いたいと思います。
 平沼大臣、結構でございます。
 母子家庭の命綱とも言えます児童扶養手当を削減することが、この十四年度予算案が通りますと、これは政令事項ですので審議もろくろくしないまま認められることになってしまいます。受給者が増大しているから、合理化、効率化をして自立を支援するということですけれども、弱い立場の人へのセーフティーネットを合理化、効率化などということで削減してはならないと考えます。
 これは、小泉内閣の構造改革が弱い立場の人により強い痛みを強いる典型ではないかと思いますが、厚生労働大臣はいかがでしょう。
#134
○国務大臣(坂口力君) この話を聞きましたときに、児童扶養手当の問題を手掛けるということは、多分皆さん方から小泉内閣は弱い者に痛みを押し付けるのではないかという非難を受けるだろうなと、率直に私はそう思ったわけでございます。また、坂口は今まで言っていたことと大臣になってやることとが違うではないかという非難も受けるであろうと私は思ったわけでございますが、しかし、よくよくこのいわゆる母子家庭の皆さん方の問題を考えてみましたときに、この皆さん方の、今、委員が御指摘になりましたように、この母子扶養手当を命綱にするようなことではいけないんですね、三万か四万の額でございますから。これを命綱にして生活をしていくというような状況を続けていくということに問題がある。したがって、総合的に考えて、この皆さん方を是非ひとつ自立のできるような体制に持っていくということが基本ではないかというふうに私は思った次第でございます。トータルでこの皆さん方を自立していただけると。
 昨日も少し申し上げましたけれども、母子家庭になられた皆さん方の中には、意を決して母子家庭になられた方もあると私は思います。しかし、そうではなくて、御主人が御病気になられて、あるいはまた事故になられて、ある日突然に母子家庭にならざるを得なかった人もおみえになるというふうに思います。いずれであれ、初めの何年間かは自立のためにこれからどうするかということをお考えになって、自立をするために、やはり自立をしていかなきゃならない、いろいろの思いを巡らされることになるんだろうというふうに思います。それに対しましておこたえをするということは大事でございますが、あわせて、その中でこの皆さん方が本当に将来自立をしていける、自立ができるような体制にこれをお手伝いをするということが最も大事なことではないかと。この人に、この人たちに必要なことはやはり自立への支援であるというのが私の基本的な考え方でございます。
 したがいまして、それを中心に今進めておりますが、この法律は一応これでまとめさせていただきましたけれども、あわせてその周辺におきましても様々な法律を利用いたしまして、この皆さん方が自立ができるような体制を確立をしていきたい、お手伝いをしていきたい、そんなふうに思っている次第でございます。
#135
○小宮山洋子君 それは母子家庭の親だって自立したいと思っているんですよ。でも、職がないとか、命綱にせざるを得ないわけです。先に自立ができるようになってから切るというのならまだ分かりますけれども、順序が逆だと思いますよ。
 この予算が通りますと、自動的に今年の八月から支給額が削減されることになります。百三十万円を年収が超えると一万円増えるごとに手当を二千円ずつ減額をすると。この百三十万の根拠は何でしょうか。扶養家族の限度額と合っているものですから、母子家庭は非常に疑問に思っております。
#136
○政府参考人(岩田喜美枝君) ただいまの、現行の児童扶養手当制度におきましては、手当額が二段階ございまして、全額支給の場合には月四万二千円程度、そして母親の収入が二百四万ぐらいを超えたその途端にそれが一部支給ということで月額二万八千円ぐらい、そこに大変大きな段差がございまして、母親がより多くの収入を働いて得ようというような意欲をそぐような構図になっております。
 そこで、働いた収入が増えれば増えるほど手当額と合計した総所得が増えるようなそういう仕組みにしたいというふうに思っておりまして、そういうことから、母一人子一人の場合で勤労者で働いているケースでございますが、年収百三十万を超えた段階から、今、議員がおっしゃいましたように、逓減、児童扶養手当の額をなだらかに逓減させるということでございます。その始期を百三十万、そしてその終期を三百六十五万といたしましたけれども、その始期の百三十万というのは、母子家庭の母たちほとんど働いておりますが、約半分はパート、アルバイトで、残りの半分はフルタイムの正社員で働いております。百三十万というのはパート、アルバイトで働いている方の平均的な賃金水準、そして三百六十五万というのはフルタイム、正社員で働いている方の平均的な賃金水準、その間をなだらかな逓減方式で結びたいということでございます。社会保険制度の百三十万円と連動させたものではございません。
#137
○小宮山洋子君 厚生労働省はなだらかということを強調されますが、これは結果的に低い層の人により強い痛みを強いることになるのだと思います。
 もう一つ、これまで十八歳まで支給されていたものを、五年を超えると、当初は打切りと言われていましたが、結局、一定の率で一部支給停止にすると、これは五年後からするということになっています。こうした削減で節約できる予算は、先日のここの審議の中で年間三百六十億円ということでしたね。これぐらいの額は、いろいろな歳出のチェックの中で捻出することができるんじゃないでしょうか。
 例えば鈴木宗男議員の北方領土の支援、これは要請もないのに十年で百億円もの税金が無駄に使われているわけです。こうしたものをチェックをしていく。あるいは今年は、今年度、特殊法人、認可法人の見直しによって一兆一千億円削減することになっていますが、これは限界の額ではないと言われています。更に見直して一千億円ぐらいは削れるのではないかという試算もございます。
 このように財源の捻出はいろいろなところで可能なんじゃないでしょうか、母子家庭にしわ寄せをしないでも。
#138
○政府参考人(岩田喜美枝君) 私の立場からお答えできることは、今回の制度改正は当面の財政的な効果だけを念頭に置いて行うものではございません。先ほど坂口大臣のお答えにございましたように、母子家庭対策の在り方は、児童扶養手当に依存しなくても済むように、いかに自立を促進するかという方向であるというふうに思いますので、これまで母子家庭対策というのはもうほとんどがその予算を児童扶養手当の支給に費やしておりましたので、むしろ子育てと仕事が両立できるような対策、あるいは実際に雇用の場に就ける、そして家計を維持できるようなしっかりした所得が得られるような雇用の機会を保障していくと、そちらの方に対策の重点を置こうということでございます。
 そういう基本的な考え方の中で、一方は母子家庭が急増いたしておりますから、そういう母子家庭に対してこの児童扶養手当制度が将来的にも安定的に維持できるようなそういう制度にしたいということで、先ほど申し上げましたような児童扶養手当の逓減方式を今回導入させていただくものでございます。
#139
○国務大臣(坂口力君) 母子扶養手当だけを見ますと若干の違いがあるのかもしれませんが、しかし、全体でこの母子家族に対しましては様々な問題をやっていかなければいけない。雇用の問題しかり、あるいはまた保育所の問題しかり。そうした総合的にいろいろ問題をやっていかなきゃなりませんから、そうしたところにより多くの財源を使っていくということにしなければならないというふうに思っています。
 で、残念なことでありますけれども、全体で年間五万人もの母子家庭が増えてきていると。これは大変残念なことだというふうに思うんですが、離婚率がこれだけ高まってまいりましたからそれは大変だということなんでしょうけれども、そうしたことを考えますと、これらのやはり全体の中でも、これはもうトータルでは財源は増やしていかなけりゃなりませんけれども、しかし、それだけ一人一人になってくると、そうするとその中でもある程度は皆さん方も御理解をいただかなければならない面もある、そんなふうに思っております。
#140
○小宮山洋子君 五万人年間増えているからそこを切っていくというのは坂口大臣らしくないおっしゃり方だと思います。五万人増えたって、一人一人にとっては一人一人なんですからね。それで、弱いところにセーフティーネットを張っていくということは是非必要だというふうに思っています。
 それで、政府の平成十年の調査でも母子家庭の平均年収は二百二十九万円、これは一般家庭の三分の一です。さらに、母子家庭の実態を昨年十二月、しんぐるまざぁず・ふぉーらむが調べたところ、現在は平均年収百五十八万円、二年前の調査より明らかに低下しています。パート、派遣も二年前に比べると一・八倍に増えまして、不安定雇用が増加しています。中には死にたいと思うことがあるという人が二六%もいるという、このような現状がお分かりの上で、大臣、このような削減をなさるんでしょうか。
#141
○国務大臣(坂口力君) ですから、そこを考えなきゃならないと思っているわけですね。
 だから、今まではただ本当に一本やりで児童扶養手当だけを考えてきたわけですけれども、それではやはりこの人たちを救うことはできない。やはり、皆さん方に自立をしていただかなければならない。この皆さん方もそのことを一番真剣に考えておみえになるだろうというふうに思いますし、その対策を抜きにして児童扶養手当だけでこの人たちに対応していくということは時代に合っていないと私は思っております。
#142
○小宮山洋子君 五十五分で一回切りますが、もう一つ、その実情を表している母子家庭の方からの手紙があるのでちょっと御紹介します。島根県のある母子家庭の方から。
 私はコンクリートの工場で働いています。八時から夕方五時十分までの男の人と同じ肉体労働で、毎日休まず出て十三万円です。社会保険料を引かれると、手取りで十一万五千円です。母子家庭の就労支援意欲を促すという名目でとありましたが、毎日重いブロックを動かして、座っていても腰は痛いし、手首も使い過ぎて痛いのに、これ以上どう働けばいいのでしょうか。県営住宅に住んでいますが、家賃、電気代、水道代、ガス代、新聞代そのほかで給料の半分近くがなくなります。この島根県の私の仕事場での給料では食べていくだけがやっとですと。
 このような実情がありますが、狩野副大臣、お聞きになっていかがでしょう。こういう実態があっても、やはり削減が先だというふうにお考えになりますか。
#143
○副大臣(狩野安君) 今、小宮山議員から御紹介いただきましたけれども、母子家庭の支援の在り方ということ、今、実情を聞かせていただきました。私自身も、こういう要職に就く前から母子家庭に対しましては大変関心を持っておりまして、どうにかしてこの支援をしていきたいというふうに思っておりましたので、今の母子家庭の大変厳しい生活の在り方というものを私自身も切実に受け止めさせていただきたいと思っております。
 また、この母子家庭というものの対策というものはもう戦後五十年たっておりますので、今の現代の時代に沿ったそういう支援策をやっていきたいということで、多分女性の自立ということは大変大事なことですので御理解いただけると思いますが、その自立に重点を置いて自立を促していくということでさせていただきたいと思います。
 そしてまた、厚生労働省といたしましても、いろんな関係団体との意見も交換いたしておりますし、いろいろと事情もお聞かせいただいておりますので、その辺を踏まえながら、私自身も女性としてもできるだけのことはさせていただきたい、今のお話をしっかりと受け止めさせていただきたいと思っております。
#144
○小宮山洋子君 その自立支援の部分は午後に譲るといたしまして、自立支援をしちゃいけないと言っているんじゃないんです。順序が逆でしょうと。自立を支援して、働けるようになってからカットをするというのが順序じゃないかということを申し上げて、午前の質疑を終わらせていただきます。(拍手)
#145
○委員長(真鍋賢二君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#146
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十四年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。小宮山洋子君。
#147
○小宮山洋子君 午前中に続きまして、児童扶養手当削減の中の先ほどから大臣が強調をしていらっしゃる自立支援の方のことをもう一言伺いたいと思います。
 厚生労働省では、就労支援ということで保育士とかヘルパーなどの職に就けるようにシングルマザーの雇用の道を考えているのだと思います。ただ、現状では保育士は供給が需要を上回っていまして、新卒の保育学校卒業生でもパートしか就けないのが現状です。子供を持ったシングルマザーが競争して職に就けるんでしょうか。パートで民間の保育園で仕事をやっと探しても、子供が公立に移ってしまう四月、五月は仕事がなくなってしまう、そのような手紙も来ています。また、介護ヘルパーというのは、仕事はまだありますけれども、収入が少ないんです。子供が小さいと夜勤はできませんので、デイケア施設か訪問ヘルパーの仕事になります。訪問ヘルパーの平均月収は三万から五万です。とてもこの就労支援だけでは食べていけない現状なんですね。母子家庭の親も働きたくないわけじゃない、自立したい。だけれども、男の大人の人だってリストラされる時代に小さい子供を持ってなかなか働けない。パートを幾つも掛け持ちしたりしている。
 ですから、就労支援は結構ですけれども、これだけでは食べていけないので、その実態に合わせて、一遍に切ってしまうということではなくて、児童扶養手当を加減しながらやっていく。両方併せて暮らせるようにするというのが現実的なやり方ではないかと思いますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#148
○国務大臣(坂口力君) そこは総論的には御指摘のとおりだと思うんです。
 この就労の例として挙げましたのは、例えばということで挙げてあるわけでありまして、ヘルパーさんでありますとかあるいは保育士さんだというのに、それだけにこだわっているというわけでは決してございません。いろいろな能力のある方がおみえでございましょうし、それに合わせたことをおやりをいただけるようになればいいのではないか。
 現在、障害者の場合等はどれだけは雇わなければならないということがございますけれども、そこまで現実問題、母子家庭の母親の場合にはいっておりません。できる限り一般社会の在り方としても母子家庭の皆さん方をやはり正規に雇っていただけるような体制をこれは作り上げていかなければならない。そうしたことをこの数年間の間に行いながら、そして、この扶養手当の問題は今から、平成十五年からこの法律スタートして、そしてそれから五年後の話でございますから数年あるわけでございますので、そこで全力を挙げてやっていきたいというふうに思っております。
#149
○小宮山洋子君 その法律によって就労支援するのは来年の四月から、それで児童扶養手当の削減は今年の八月から、先ほどから申し上げているように順序が逆だと思います。先に就労支援をして働けるようになってから、あるいは父親が養育費を出すようになってからその加減をしながら減らしていくべきだということを申し上げて、再考を是非していただくことをお願いをして、次のテーマに移りたいと思います。
 次は、たばこの健康被害についてなんですが、日本は非常に後れていると思います。厚生労働省の健康日本21のホームページを見ましても、たばこによる超過死亡が九万五千人、超過医療費が一兆二千億円、国民医療費の五%、社会全体の損失が四兆円以上などというデータが出ていますが、もっと積極的に取り組まれるべきだと。今度は応援のメッセージですけれども、大臣いかがでしょう。
#150
○国務大臣(坂口力君) ありがとうございます。
 我々の方も、これは積極的にもう少し進めたいというふうに思っています。
 とりわけ、お若い皆さん方の喫煙率というのが非常に上がってきているものですから、何とかしてお若い皆さん方にもそういう理解をしていただいて、是非とも喫煙者が増えないようにしていかなければならないというふうに思っています。
 いろいろの表紙、たばこにおける表紙でございますとか、そうしたことにつきましても、できる限りこれは我々ももっとはっきりと、もっと明確に、お若い皆さん方が、これはなるほど体にいいことはないんだということが分かっていただけるようにしなきゃならないと、そんなふうに思っている次第でございます。
#151
○小宮山洋子君 特に、喫煙者の権利をという話がよく出てくるんですけれども、喫煙者本人以外への健康被害、受動喫煙について余りにも知られていな過ぎると思います。これによって肺がん、呼吸器疾患、乳幼児突然死などが起こることが医学的に分かっています。夫が二十本以上喫煙する妻の肺がんのリスクは一・九倍というデータもございます。
 もっとこうした情報を徹底して伝える必要があると思いますが、副大臣、いかがでしょうか。
#152
○副大臣(宮路和明君) ただいま御指摘の、たばこが健康に与える被害についての情報提供の問題でありますが、昨日、実は私、テレビをたまたま見ておりましたら、コレステロールと健康とのかかわり、コレステロールが健康にとってどういう影響を与えるか。そして、そのコレステロールを少なくするにはどうしたらいいかといったようなことについて、国民の皆さんに知識を普及するといいますか情報を伝える、そういう番組がありました。
 そして、その中で、私も初めて知ったんですが、コレステロールも、たばこを喫煙する、喫煙するとそのコレステロールの健康に及ぼす影響というものが更に増幅を、悪い影響といいますか、被害の方でありますが、増幅をするということを昨日そのテレビが報じておりました。私もそうなのかなと思って、実は私、学生時代から十五年ほどたばこを吸っておりましたが、もう二十数年前にやめたんですけれども、その報道がそうだとすると、ああやめてよかったなというふうなことを実は率直に思ったわけであります。
 そこで、厚生労働省といたしましても、これまでいろんなたばこと健康被害との関係についての研究、その研究をいろいろ助成するなどやっておりまして、それによって科学的な根拠、たばこと健康被害についての科学的な根拠といいますか、科学的な知見を集積していくこと、そしてその集積した結果を国民の皆さんに情報提供するということにいろいろと努力をいたしてきておるわけでありまして、例えば平成九年には、そういった喫煙の健康影響についての問題を初めて厚生白書で本格的に取り上げました。そして、その後、更に科学的な知見を整理して国民の皆さんに情報提供をするという観点から、喫煙と健康問題に関する検討会を設置いたしまして、そしてそこで取りまとめました結果を去年の十二月、暮れでありますが、報告書として公表をいたしておるところであります。
 また、委員御案内のように、厚生労働省として、かねて国民運動として推進しておりますところの健康日本21におきましても、喫煙が健康に及ぼす影響について正確な情報を国民に提供していくことを大きな課題の一つとして位置付けて、そこでは具体的な目標まで示して運動を今後更に展開していこうと、こういうことになっておるわけであります。
 今年は、今年というか、今国会には健康増進法、これまで国民運動として進めてまいりました健康日本21を法制化いたしまして健康増進法として今国会に提案をさせていただくと、こういうことになっておるわけでありまして、それだけに、私どもとしても更に一層この喫煙の健康影響の問題につきましては力を入れて取り組んでまいりたいと。そして、その重要な柱として、国民の皆さんにたばこと健康被害の問題についてのPRといいましょうか、知識の普及、提供、これに努力を重ねてまいりたい、かように思っておるところであります。
#153
○小宮山洋子君 たばこの警告表示の「吸いすぎに注意しましょう」と小さな字で書いてあるというのは弱過ぎると思います。欧米や東南アジアの国々では、国の法規制やたばこ会社の自主規制でパッケージの三分の一ぐらいに害の警告表示があります。
 カナダでは「喫煙はあなたを殺すかもしれない」、シンガポールでも「喫煙によって死亡します」、オーストラリアでは「妊娠中の喫煙はあなたの赤ちゃんに有害です」などと書いてあります。日本でもっと警告表示をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#154
○国務大臣(坂口力君) 私の方は、どれほど厳しくても異存はございません。
#155
○小宮山洋子君 政府委員が答える……。
#156
○委員長(真鍋賢二君) 名前を語ってください。──財務省寺澤理財局長。
#157
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答え申し上げます。
 国内で販売されますたばこにつきましては、たばこ事業法の規定に基づきまして、たばこの消費と健康の関係に関して注意を促すための文言を表示する義務が課せられております。現行の注意文言は、平成元年五月のたばこ事業等審議会の答申を受けまして施行規則で定められているところでございます。
 議員御指摘の注意文言の表示の問題に関しましては、諸外国の例に倣い、より厳しい内容にすべきではないかという議論もございますが、どのような表示が適当であるか、またどのような方法で行うことが適切かといった問題も含めまして、喫煙と健康の問題等に関して現在、財政制度等審議会たばこ事業等分科会において議論を行っていただいております。
 なお、この分科会におきましては、厚生労働省からも参考人として御参加をいただくとともに、有識者、専門家により幅広い角度から検討を行っていただいているところでございます。
#158
○小宮山洋子君 やはり財務省がそういうことをなさっているというところが健康被害についてはうまくいかない。大臣は大賛成とおっしゃったわけですから、その辺りは、健康のことについてはやはり厚生労働省が主体的にリーダーシップが取れるような仕組みにしないと解決をしないのではないかというふうに思います。
 もう一点、警告表示のことにつきまして、例えば日本のセブンスターも海外では「喫煙は家族の健康を害します」と表しています。一方、海外のたばこが日本に輸入されるときは、先ほど申し上げたような表示はなくなります。厚生労働大臣、これおかしいと思われませんか。以前、PL法、製造物責任法のときに、輸出するものにはしっかり警告をするけれども、日本のものにはしない、これはやはり日本人にとってマイナスなことだと思いますが、この点はどのようにお考えでしょうか。
#159
○国務大臣(坂口力君) 財務大臣とよく相談させていただきます。
#160
○小宮山洋子君 通告してございませんが、せっかくいらっしゃいますので、お聞きいただいていましたから、財務大臣いかがでしょう。今のこの点だけで結構です。表示についての内外表示差。日本人にとってこれは非常に問題だと思います。
#161
○国務大臣(塩川正十郎君) たばこを吸うている人はそんな文言読んでいませんよ。見ないでもうどんどん吸っていますから。
 ですから、喫煙を、進めようとしたら、もう税金を上げること。たばこを買ったらとてもじゃないが負担がかなわぬ、これが一番効きますよ。それはもうそんな文言の話じゃないと思います。
#162
○小宮山洋子君 それはかなり問題な発言だと思いますが、価格を上げるということはこれはやはり抑制になるということ、その点だけは賛同いたしますが、あとは違うと思います。
 それから、先ほど大臣もおっしゃいました未成年──またこの点は後ほど通告をしておいて議論をしたいと思います。
 未成年の喫煙、喫煙開始年齢が非常に低くなっていまして、中学一年、十三歳の男の子の三〇%が喫煙経験があります。日本には一九〇〇年に制定されました未成年者喫煙禁止法があるんですけれども、ほとんどのところで売られています、たばこ屋さんで。このようなことに対してどんな対応を取ったらいいとお考えでしょうか。──これは警察庁が答えると言っていますが。
#163
○政府参考人(黒澤正和君) 委員御指摘の未成年者の喫煙の問題でございますけれども、私ども、重大な非行の前兆ともなり得る不良行為でありますとともに、未成年者にたばこを提供する行為はその健全育成を阻害する悪質な行為であると認識をいたしておりまして、警察におきましては総合的な未成年者喫煙防止対策を推進いたしておるところでございます。
 具体的には、ボランティア等との連携による補導活動の強化、未成年者喫煙禁止法あるいは風俗営業等適正化法に基づくところの取締りの一層の強化、また関係省庁との連携による関係業界への指導要請、関係業界における自主的取組に対する支援、未成年者及びその保護者等に対する広報啓発活動等の諸対策を積極的に推進をいたしているところでございます。
 今後とも、こうした諸対策をより積極的に推進をいたしまして、未成年者の喫煙防止の実効を期する所存でございます。
#164
○小宮山洋子君 未成年者の入手経路は自動販売機が最も多くなっています。たばこの自動販売機、九五年現在で五十万台近くあるんですね。青森県の深浦町では、たばこ自動販売機の屋外設置禁止する条例を昨年四月に施行していますが、国としてこういう取組をするつもりはないんでしょうか。
 財務省。
#165
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。
 たばこの自動販売機につきましては、未成年者喫煙防止の観点から、たばこ事業法の規定に基づきまして、その設置場所が十分な管理監督が難しいと認められる場合には小売販売業の許可はしないということとしております。また、深夜稼働の問題につきましても、自主規制が行われるよう全国たばこ販売協同組合連合会に対しまして協力要請を行っておりまして、平成八年四月以降、深夜の時間帯、具体的には午後十一時から午前五時まででございますが、この時間帯におきますたばこの自動販売機の稼働を自主的に停止することとしております。
 さらに、日本たばこ協会などにおきましては、平成二十年を目途といたしまして、成人識別機能が搭載されました自動販売機を全国一律で稼働させるという取組を行っておりまして、本年四月から千葉県の八日市場市におきまして、実際に成人識別機能付自動販売機を稼働させまして、技術面、運営面等の基礎的な検証を実施することとしていると承知しております。
 御指摘のとおり、自動販売機の在り方につきましては、未成年者喫煙防止の観点から重要な課題であると考えておりますが、その際、屋外の自動販売機を全面的に禁止することがいいかどうかということにつきましては、小売業者の省力化の問題等にも留意する必要があると考えておりますが、いずれにいたしましても、財政制度等審議会のたばこ事業分科会で現在審議をお願いしているところでございまして、この審議を踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えております。
#166
○小宮山洋子君 まだたくさん伺いたいことあるんですが、私の持ち時間がもうじき終わりますので、このたばこの問題、最後に坂口厚生労働大臣に伺いたいと思うんですが、来年、WHOがたばこ規制対策枠組み条約を採択する予定です。こうしたやはり国際的動きにも合わせて、是非、先ほどおっしゃったように、健康の問題については厚生労働省が主体的に、余り答弁でも、あちこちの省庁がいろいろ答弁に立ってくれていますけれども、そこが一元化していないところが進まない一つではないかと思いますので、御決意のほどを伺いたいと思います。
#167
○国務大臣(坂口力君) WHO加盟国が総合的なたばこ対策を実施するための枠組みを定めるための条約を作ることになっておりまして、平成十五年五月の採択を目途に、平成十二年十月より政府間交渉を重ねてきているところでございます。これに対しまして、日本といたしましても積極的に参加をしたいと思っております。
#168
○小宮山洋子君 私が議員になって一番びっくりしたのが、堂々とたばこを吸っていらっしゃる皆さんがたくさんあるということで、この委員会室も後ろに灰皿があって、喫煙席とはなっていますけれども、たばこが吸えるようになっております。国会内も含めて、その職場、公共の場での禁煙、分煙、これを是非進める必要があると思っておりますので、超党派の禁煙推進議員連盟も先週設立されたところでございますから、この問題はしっかり国会の方でも取り上げていきたいと思っています。
 それでは、関連質疑をお許しいただきたいと思います。
#169
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。今井澄君。
#170
○今井澄君 民主党・新緑風会の今井澄でございます。
 小宮山議員に続いて、本日は救命救急士の気管内挿管、この前、渡辺委員からありましたものを中心にやらせていただきたいんですが、関連質疑という言葉に引っ掛けるわけではないんですが、今のたばこの問題、実は恥ずかしいことに私はヘビースモーカーでございまして、ただし私は小宮山議員の質疑や日ごろの活動に全面的に賛成であります。
 先ほど塩川財務大臣が御答弁になりましたが、表示は意味がない、税金さえ上げてたばこを高くすればいいという、私はそんなものじゃないと思うんですね。やっぱり常日ごろからいかにこういうことは健康に良くないのか、あるいは他人に迷惑を掛けるのかということをインプットされた中で育つ、あるいはそういう社会常識が形成されるということが実は非常に大事だと思っているんですよ。
 人間というのは非常に弱いもので、私も何回も禁煙を試みましたが、なかなかうまくいかない。私の父親も外科で、呼吸器外科、昔ですから肺結核の外科をやっていたんですが、私が最初にたばこを吸ったのは十八歳の三月、いよいよ大学に合格して上京するときに、おまえもこれからは十八だけれども一人前だ、一人で生活していくのにたばこを吸ってみるかといっておやじから吸わされたんですよね。いや、ひどい話でして、やっぱりこれは子供の時代からの教育といいますか、社会的なこういうものはいけないんだという中で育つということがお互いの了解事項としても必要なんだと思います。
 ですから、今日、小宮山議員は遠山文部科学大臣に質問されませんでしたが、私が後で実は救命救急のことでは大臣にも御質問したいと思っているんですけれども、やっぱり小さいときから、これは家庭教育が主なんでしょうけれども、どういう価値観を持つように、あるいは社会的な合意を形成するように人間が育ってくるかという実は非常に大事な問題だと思うんですね。
 これ、お金だけ上げれば、むしろアメリカの禁酒法時代じゃありませんけれども、アル・カポネみたいなやつが出てくる。たばこのシンジケートができるのは間違いないわけでありまして、電車にひかれるのもいとわず駅から飛び降りて、たばこの吸い殻を拾って何人も命を落としたというのは戦後の新聞記事を見れば至るところに出てくるわけですよね。
 そんなことで、私は小宮山議員と関連質疑じゃなくて全面応援をしますが、なお、恥ずかしいだけではなく、最近我が党の櫻井議員も盛んに言うことなんですけれども、私は、私の家はがんの家系はないと思って安心していたんですが、一昨年胃がんの手術をする羽目になったんですが、やっぱりたばこと関係あるかななんていうことを考えておりますが、櫻井議員が言うには、我が党で最近がんの手術をした議員が四人いると。四人が四人ともヘビースモーカーだということになるとやっぱりこれは大変恐ろしいことだなとも思いますので、できればやめたいものですし、やめさせたいものです。
 ただし、今、多様化の時代と言われますが、たばこを吸っている人間は人間でないような目で人を見る、こういう価値観もいかがなものかと思いまして、やっぱり人に迷惑を掛けないようにお互いにするという、そういう中で小宮山議員ともずっとこの間共生をしてまいりましたし、小宮山議員のお父さんとは、くしくも今から三十何年前、敵味方に分かれ闘ったわけですが、現在は共生しておりますので、その意味ではいろいろな道があろうかと思います。不思議なものだと思いますね。やっぱり多様化というのは非常にいいと思いますので、シングルイシューでどうこうということではなくて、やはりいい解決の道を探れればと思います。
 そこで、救命救急士の気管内挿管の問題も、これも余り角突き合わせて、いいのいけないのという議論だけを進めるのではなく、本当に国民が望む救急医療ができる、あるいは助かるべき者が助かるためにはどうしたらいいかということをやっぱり真剣に考えることが大事だし、また政治の責任だと思うんですね。そういう意味で、十二日の当予算委員会において渡辺孝男議員の前向きな質問に対し、積極的な質問に対して、坂口厚生大臣及び若松総務副大臣が大変前向きな答弁をされたというのは、私は拝見していてうれしく思いました。
 そこで、坂口厚生労働大臣にまずお尋ねしたいんですが、一から医学的にいいのか悪いのかとか難しいか難しくないかなんて、そんな議論もさることながら、具体的にどうするかということを検討したいというお話だったんですが、もうちょっと内容を具体的に進めていただきたいんです。
 というのは、秋田市の場合には、これ違法であるというんで救急車に積んであった気管内挿管の道具が降ろされちゃったんですよね。降ろされちゃったもんですから、秋田の人たちは、今まで助かったものがこれからは救急車が来ても助からないという、こういう感じを持って、救急が遅れたと、体制がむしろ後退しちゃったという実感を持っておられるの間違いないんですよ。
 それからもう一つ、後でも質問いたしますが、札幌市の救命救急センターで中心的にこの問題やってこられた松原先生が先月起訴されたんですよ、歯科医師に挿管をさせたということで起訴された。こんなことがあっていいんですかね。それは法的にはそうでしょう。だけれども、これは一体、国民から見たらどういうふうに映りますか。
 そのことも含めて、坂口厚生大臣、前向きに、具体的に、早急にというのはどういうことかを御答弁いただきたい。
#171
○国務大臣(坂口力君) この問題は、やはり患者さんにとって、救急を要する患者さんにとってそのことが本当にプラスなのかどうかというところからこの議論はスタートしなければいけないというふうに思っています。やはり救急を要する患者さんにとりまして、この救急救命士の皆さん方がそういういろいろの器具をお使いになることによって、そして明らかに今まで助からなかった人を助けることができるということであれば、私は、それは当然のことながら、そこは前向きに考えなければならないというふうに思っています。
 ただ、そのときに、やみくもに何でもかんでもやるというようなことになりますと、そうすると、それはいろいろとまた訴訟の問題にもなってくるものですから、そこは気を付けなければいけない。
 で、どういうときにどういう器具を使うか、使っていいかといったようなことはあらかじめやはり明確にしておかなければいけないんだろうというふうに思いますので、そのできるかできないかということではなくて、やるということを前提にしながら、その後どういう条件のときにそれは許されるのかといったことを明らかにしていく時期に来ているのではないかというふうに思っております。そこを検討、幾人かの人に検討していただいて、早急に結論を出していただくということが望ましいのではないかというふうに思っている次第でございます。
#172
○今井澄君 大変前向きの御答弁で、やる、できるという前提で、やるという前提でとの条件整備と、大変心強い御答弁いただきました。
 前回、十二日の御答弁の中でも、既に整理は諸外国におきましても済んでいるものもありますと、それから、新しく日本としてやらなければならない問題もありますと、それから、もうやらなくても日本でも済んでいる問題もありますということなんですが、今の救命救急士、気管内挿管だけの問題が問題になっておりますが、この間いろいろな議論、マスコミの報道なんかを見ていても、はっきりしていることは、要するに気管、呼吸をきちっと、気道を保つと。要するに、自発呼吸があるときは原則としてそれを助ければいいわけですが、呼吸ができない人に人工呼吸をするためには気管内挿管が危険性もあるけれども一番確実だということで、これをやる、許すかどうかということですね。
 それからもう一つは除細動という、今最近、心臓の事故が多い、病気が多い。それで、心臓が心室細動という状態、簡単にいえば震えてはいるけれども実際はポンプの役割をしていない、止まっているのと同じ状況になったときに電気ショックで動かす問題。
 それともう一つは、点滴を入れて、そこからお薬を入れる。このお薬も実は何種類かあるわけですね。簡単に言えば、ただ点滴だけの乳酸化リンゲル、それからもう一つは強心剤、血圧を上げるお薬、それからもう一つは、こういうときは体内のバランスが崩れますからいわゆる重曹、重曹を入れて酸、アルカリのバランスを戻すという、何種類かのお薬があるわけですが、このいわゆる特定三行為、気道と除細動と輸液ということだと思います。
 その点で、どこまで整理して、整理が付いているのかをちょっとお尋ねしたいと思うんです。
 で、まず第一に、気管内挿管の前に、除細動というのがありますね、電気ショック。これは医者のいない航空機の中ではスチュワーデスもきちっとしたトレーニングを受けた人はもういいということになったわけですよね。ということは、医者から指示をもらうのが不可能だと、あるいは現場に医者がいないときには独自の判断できちっとトレーニングを受けた人はやってもいいと。
 実はこれ、昔はこの電気ショックをやるときに、心電図のどの段階でやるかによってはかえって害があったんですけれども、今は非常に便利になって、その心電図をモニターしながらコンピューターが自動的に判断してくれるから、本当に素人でも注意さえすればできるようになったわけですね。
 そうすると、これは今、あれですか、整理をされているとおっしゃいましたけれども、救命救急士が現場に駆け付けたときに、どうも心房細動だと、心臓もほとんど止まり掛かっているというときに除細動を、文言上は医師の具体的な指示と書いてあるんですよね、まだ、厚生省令には。だけれども、実際、医者が本当に五分以内につかまるかどうかも分からないんですよ。しかも、つかまったところでその医者が心臓の専門かどうかも分からない。直接心電図を見ていない場合も多いでしょう、伝送できていない。そういうときに、そんな形式はやめて、もうそこは救命救急士に任せて、一般的な、包括的な指示としてできるというふうに整理されているというふうに考えていいんでしょうか。これは二〇〇〇年の厚生省の検討会でも、具体的な指示なしに同時並行でできると解釈できると書いてあるんですけれども、どう整理されていますか。
#173
○政府参考人(篠崎英夫君) 今の時点では、医師の具体的な指示で半自動式除細動の使用が認められておるところであります。
 先生御指摘のように、スチュワーデスの場合、半自動式除細動を国際航空機等に積むということを認めておるわけでございますが、これは緊急避難的な行為というようなことで認められておるものでございます。
 今、先生の御指摘の点も含めまして、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、救急救命士法成立以来十年以上たった今日におきまして、その辺も含めて具体的な検討に入りたいと考えております。
#174
○今井澄君 これ、具体的検討と言われますけれども、この厚生省の検討会の報告は同時並行的にやってもいいと、医者と連絡を取りながら。これ非常に微妙な解釈ですよね。そういう報告書が出ているわけです。厚生省令はそこのところを、やっぱり早急に包括的指示というふうに変更すべきじゃないですか。
 大臣、どう思われますか。
#175
○国務大臣(坂口力君) 結論を急ぎたいと思います。早く結論、出させていただきます。
#176
○今井澄君 いずれにしても、気管内挿管よりも前に、とにかくこの除細動がどれだけ救命率あるいは社会復帰率を上げるかというのは国際的に明らかなわけですからね。
 それで、救急医療のABC、あるいはABC、我々が習ったときはABCでしたけれども、今はABCDとDまでなっているわけですね。Aがエアウエー、気道ですけれども、実はこの除細動が一番最初というのはアメリカの最近のガイドライン二〇〇〇にも出ているわけで、これはもう本当に急いでやってもらいたいと思うんですよね。
 さて、それから、その気管内挿管の問題ですけれども、この前も、私ども民主党もこのプロジェクトを、作業班を立ち上げましてヒアリングをしたところ、要するに、ほかに二つ道具を厚生省の方では認可している、だからそれをまず使うべきなんだという決まり切った説明しかなかったんですよね。
 ところが、確かにこの気管内挿管の問題というのは、それはいろいろ危険があることも分かります。私も本当になかなか入らなくて、特に太った首の太い人というのは幾らこうやってみても気道が、声帯が見えないんですよね。声帯が見えないときに入れるというのは非常に危険を伴うわけで、その場合にはもう勘で、中に入れるスタイレットという針金を多分こうなっているだろうなと曲げながらこう恐る恐る入れては音を聞きながら場所を確認するという、非常に難しいことはあるんですね。難しいことはあることは事実なんですけれども、しかし患者さんはそこでもう本当に瀕死の状態というときなんですね。
 これは、救急医療というものを考える場合に、これを一般の病院の中において、きちっとした医学教育を受け、研修を受け、トレーニングを受け、経験を積んだ医者がやるという病院医療の常識。今度、厚生労働省も、診療報酬点数、ある手術でもちゃんと満額の点数取るには年間百例以上手術やっていなきゃだめですよと。これ、常識なんですよ、当たり前。だけれども、これは、だれもいない現場で息が止まった患者さんをどうするかというときは、危険性の問題もありますけれども、だから安全性の問題もあるし、行く行く裁判の問題もあるけれども、やはりそれを医師法違反だからできないと縛っちゃっている、この発想に実は問題があると思うんですよ。
 最近、がんの患者さんからよく話を聞くんです。薬をなかなか認可してくれないと、日本では、外国で認可されているのが。薬の認可の基準は安全性を基準に認可するんですね。一般的にはそれが正しいと思う。だけれども、がんの患者にとっては、もうあなたは一年ですよ、半年ですよと宣告されたら、危険は分かっている、だけれども自己決定で、危険だけれども命を取られるかこの薬で治るかの、これを認めないのはおかしいじゃないかと。物の考え方は一通りじゃいかないんですよ。
 だから、この気管内挿管の問題も、私も重々分かっています、自分自身が麻酔科、救急科をやって、この危険性というのは。それから、例えば日本医師会が反対してきています。坪井会長は、がんセンターで肺がんの検診をやって坪井式というのを編み出した。いかに難しいか、ふだんは九十何%大丈夫でも難しいものがあるから、よく御存じだから反対する。でも、それは医療現場の話であって、病院での話であって、救急現場で息が止まった人がいてどうするかというときにこの原則で全部貫こうとするところに今の法体系のおかしさがあると思うんですよ。
 それで、札幌の救命救急センターの松原先生、この先生は全国でも有名な救急医療の先生ですよね。消防隊にも感謝されており、自治体にも感謝されている。この先生が歯科医師の指導のことで起訴されちゃったんですよ。地方公務員ですよ。ひょっとすると停職になるかもしれません。今、医道審議会、厳しいというんですね。免許剥奪になるかもしれない。この先生がはっきり言っているんですよ、救急医療の現場と病院医療とは違うという見方を持ってほしいと。
 その辺、厚生大臣、それから、昨日、質疑のレクのときにはなかなか現場の方ですから答弁いただけなかったんですが、法務省からも、あるいは消防庁からもお見えだと思うんで、是非、このことについての感想でもいいし解釈でも、どういう方向にするか、それぞれお答えいただきたいと思います。
#177
○国務大臣(坂口力君) 先ほども申し上げましたとおり、やはりこの問題は、まあ法律もあるし、いろいろな問題がございますけれども、とにかくだれもいないところで患者さんが助かるか助からないかということを中心にしてこの問題は議論をすべきだというふうに私も思っています。
 ただし、もうあと五分あれば病院に行けると、それを止めて一生懸命入れようと思ってやっておる、十分たったというのでは、これは話にならないと思うんですね、そんなことをやっておるうちにもう病院に着くんですから。だから、その辺、いわゆるえらい勢いで走っている救急車の中で、じっと止まっているんならいいですが、救急車の中で入れなきゃならないというのは、これもなかなかまた難しいと思うんですね、私は余り入れたことありませんので分かりませんが。先生はいろいろおやりになったということでございますから、それは止まってちゃんとしておるところでも難しいんですから、揺れております車の中でやるというのはもう一つ難しいと私は思うんですが。
 そうしたことも考えて、いろいろの条件があるというふうに思いますので、それらのことも勘案しながら、しかし、やらなければならないときにはできるということにやはりすることが大事というふうに思っておりますから、そういう方向で、いろいろの御疑念はあるというふうに思いますけれども、何とかひとつ議論をひとつ集約したいというふうに思っているところでございます。
#178
○政府参考人(古田佑紀君) ただいまのお尋ね、一般的に申し上げまして、医療の現場でのいろんな問題というのは、おっしゃるように非常に急を要する場合とかなかなか一律には決し切れないものがあるであろうということは私たちも重々承知しております。
 そこで、人の生命の安全にかかわるような問題につきましては、そういうことも勘案いたしまして、それぞれどういうことができるかということを法律でお決めになっているものと考えているわけで、基本的にはその法律が基準になることは間違いないと考えるわけですが、なお、刑法上の観点だけで申し上げますと、人の生命が切迫した危険にさらされていると、そういうときに、ほかにそれを救うために適切な手段がないというような場合には、事案によってはいわゆる緊急避難ということで違法性が阻却されることはあり得ると承知しております。
#179
○政府参考人(石井隆一君) お答え申し上げます。
 松原医師の件につきましては、正直言いまして余り詳細には存じ上げておりませんが、事柄は承知しております。
 いずれにしましても、私どもとしては救命救急士の役割拡大、何とか一人でも救命率が向上しますように、これはやっぱりかねての懸案でございますので、従来からも厚生労働省さん始め関係方面といろいろ御相談してまいった案件でございますが、何とか前進するように消防庁としても努力をしてまいりたいと思っております。
#180
○今井澄君 先ほど坂口大臣お答えになったこと、私も誠にそのとおりだと思うんですね。
 大体、この人は気管内挿管しなきゃ駄目なのかどうかという判断だってそう簡単なものではありませんし、早く運べるんだったら先に運んじゃった方がいいし、どうせ気管内挿管するためには最低三十秒ぐらいは酸素をマスクでまずやらなきゃ駄目なんですよね。普通、麻酔するときも、いきなり注射を打って呼吸を止めて、はいといって挿管するわけじゃなくて、十分酸素をやってから気管内挿管するというのが条件で、二回入れようとして失敗したら、必ずまた三十秒以上は酸素をやらなきゃならないんです。だから、当然なんですよ。そういうことまできちっと教えなきゃならない。何が何でも、すぐそこにあるのにまず自分が気管内挿管、こんなことは許しちゃ駄目だと思うんですよね。
 これまでの事例を見ますと、多少行き過ぎがないわけでもないと私、思うんですよ。そんなにたくさんあるかなと思うし、それから、ましてや気管内挿管だけではなく、血管撮影の手伝いまで救命救急士に病院でさせたというのは、これは熱意の余り行き過ぎがある。そういうことはあれしなけりゃいけないけれども、これだけ大きな問題になればそんなむちゃはやらないですよ。そのむちゃを抑える安全性や危険性をどうかする前に、やっぱり今、少なくともどうしてもやらざるを得なくなってやったのが違法になるという法の仕組みをまずばらす必要があると思うんですよ。
 その点で、我々、今、議員立法でも何でも出そうと準備進めているんですが、どうも研究してみますと、これは厚生省令をちょっと変えればいいだけなんですよ、法律変えなくたって。大臣、どうなんですか、それを、まずそれやるべきだと思うんですが。
#181
○政府参考人(篠崎英夫君) 今、先生御指摘のように、救急救命士法の中の大臣告示の改正で今申し上げた気管内挿管による気道確保というのは可能なんでございますが、先ほど大臣から申し上げましたように、安全に、的確に行えるということが一番大事なことなんでございまして、その辺を含めて早急に検討させていただきたいと思っております。
#182
○今井澄君 いや、だから、それが駄目なんですよ。
 そうじゃなくて、先ほど刑事局長さんも言われたように、緊急避難の場合は、緊急避難の場合はやっても今の法でも違法じゃないというんだから、緊急避難的な場合、取りあえずそれを解除したら、実際にやるかやらないかは別として、国民がどれだけ安心するでしょう。秋田の消防車に積んであった気管内挿管の道具を降ろしちゃった。これを使うか使わないかは別ですよ。使うことを消防庁の方で凍結を掛けるにしても、もう一度積み直したらどれだけ地域の住民は安心しますか。私は政治にはそれが必要だと思うんですよ。どうなんですか。
#183
○政府参考人(篠崎英夫君) この問題でございますけれども、緊急避難的な場合には、これは先ほど来お話がありましたように、阻却、刑事の方から阻却されるわけでありますが、この法律を作るときにも議論がございましたが、救急救命士の場合には反復継続してそれを業として行うというような観点から、先ほど先生がおっしゃったような緊急避難というのとは法理論上当時整理がされて今現実に至っているということでございます。
#184
○国務大臣(坂口力君) 先生御指摘になりますことはよく分かっているんですが、やはり周辺で少し整理をしなきゃならないこともあるんです。といいますのは、救急救命士になりますときに、今五百時間ですか、やっているわけです。本当はこれ作りますときには二千時間の勉強といいますか、それが必要だということになっているんで、まあまあ五百時間。
 やっぱりそういうことをやっていただくという方については、やはりある程度の熟練というものもしてもらわないといけないというようなこともあって、その辺のところもどうするかということも少し明確にしながら、そしてできるだけ早く結論を出すということにしたいというふうに思っています。
#185
○今井澄君 前向きであることは分かるんですけど、今の局長の答弁といい、体制の問題、今、大臣お答えになった体制の問題、これ十年前と同じ議論じゃないですか。十年間何やってきたんですか、体制も作らずに、作れずに。そうしておいて、今だれのところに被害が行っているんですか。死にそうな患者さんでしょう。息の止まった患者さんでしょう。一生懸命その人を助けようと思っているお医者さんや救命救急士が違法だといってやられるんでしょう。だれが困っているんですか。
 そこで、総務大臣、お忙しいところ済みません、委員会抜けてきていただいて。
 実は、月曜日、副大臣から大変いい御答弁いただいたんですが、今のことなんですが、私、提案しているのは、すぐばっと解禁しろという意味じゃなくて、住民の安心のためにも、厳しく今後トレーニングするとしても、とにかく秋田でももう一度気管内挿管の道具を車に積み直すとか、あるいは緊急避難の場合やってもいいということをはっきりさせるように、前向きに厚生省に告示をすぐ変えてくれといって今頼んでいるんですけれども、是非、大臣。
#186
○国務大臣(片山虎之助君) はい、遅れて参りまして、今の問答聞いておりましたが、一番地方の消防関係から要望が多いのは、今の気管内挿管と除細動というんですか、それから薬剤投与と。除細動は具体的なお医者さんの指示なしでと。
 私は是非やってもらいたいと思っているんです。ただ、今いろいろ大臣や関係の政府委員、じゃない、政府参考人が言いましたように、問題ありますよ、やっぱりその研修をどうするとか。しかし、早くやった方がいいですよ。人の生きるか死ぬかという問題ですから、是非前向きな対応を厚生労働大臣に強く私も期待しております。
#187
○今井澄君 そこで、十年前から同じ議論が繰り返されていて、相変わらず研修ができていない原因、どこにあると思いますか。総務大臣、厚生大臣、消防庁長官、お答えください。
#188
○国務大臣(片山虎之助君) やっぱり医療というのは万全な上にも万全を期すということなんでしょうね。だから、ちょっとでも問題があるとか難しいという点があったら、もう少し丁寧に検討してみようということだと思いますけれども、相当程度の確率があれば踏み切ったらいいと思います。
 そういう意味で、よく話合いをします。余り無理なことを言っちゃいけませんけれども、是非そういう意味では厚生労働省と十分協議いたしたいと、こう思っております。
#189
○国務大臣(坂口力君) そんなに難しい問題があるわけではないと思うんですよ、これは。だから、やりますということを申し上げているわけでございまして、今までできなかったといいますか、今までは、この前これがスタートしましたときの議論がずっとこれ経過、そのままずっと今日まで来ていると思うんですね、しばらくこのこと、やかましく言われませんでしたから。最初の法律ができますときにはかなりこの旨議論をされましたけれども。
 ですから、今回、いい機会でございますので、これを機会にして前進させるということで私はよろしいのではないかと思いますが。
#190
○今井澄君 実は、これネックは私は医療側にあるんじゃないかと思っているんですよ。研修するのにお医者さんが積極的に研修を引き受けてくれなかったら、やる気があったって研修を受ける場所もないし、教えてくれる人もいなかったらできないんですよね。
 消防庁さん、その辺でどうでしょう、やっぱり医療機関が救急に余り熱心でなかったことが一番の問題じゃないですか。
#191
○政府参考人(石井隆一君) 実際にお医者さん辺りも、消防庁としまして、この救命救急士の制度ができました際、それからその後十年たちましたが、折に触れていろいろ御協力もお願いしておりまして、やはりせっかくこの救急救命士がいろんな措置をやりますときにも、できるだけそれは誤りなきを期す必要があるわけでございますから、できればやはり地域ごとに、例えばメディカルコントロール体制といいますか、お医者さんと消防士との間で十分意思疎通を図る、あるいは緊急に消防士、救命救急士の方が措置をした場合に、それを後ほど医師の方に診ていただいて事後チェックもしてもらうとか、いろんなことも必要だと思います。
 また、坂口厚生大臣おっしゃいましたように、今回、前進させますときに、やはり一定の研修時間を積みますとかいろんなことが必要だと思いますので、私どもはできるだけ、結論はこの救命救急士の役割を是非拡大して一般の国民の皆さんの期待にこたえるようにするということが究極の目的でありますので、そのためにしっかりと厚生労働省さんとも御議論をし、前進を図っていきたいと、こういうふうに考えている次第であります。
#192
○今井澄君 ちょっと数字を聞きたいんですが、この前のお話で、まだ救急隊員救命士がいるのが五十何%、今まで合格した人がどうして全部勤めていないのかも分からないし、その辺の実態と、ドクターカーというのがいいと言われるんですが、全国でどのぐらい動いているのか教えてください。
#193
○政府参考人(篠崎英夫君) 救急救命士の国家試験の合格者が約二万人ほどおりまして、その数と実際に今救急隊員で働いておられる数一万数千人との間の数がどうなっているかという御質問でございますので、全体を調べることはちょっとできなかったんでございますが、ある救急救命士の養成学校の例を、この学校ができてから二百七十人の卒業生が出ておるところの実例で申しますと、百七十三人が消防機関に就職をいたしております。それから医療機関が二十二名、海上保安庁などの公務員が十名、福祉施設が一名、それから教育機関が五名、その他が進学その他ということでございまして、大多数の者が消防機関あるいは医療機関あるいは海上保安庁等に勤めておるというような状況でございます。
#194
○政府参考人(石井隆一君) まず、十三年度末までに消防機関で養成されました救命救急士の数でございますが、一万四百九十七人というふうになっております。失礼しました。十三年度末一万四百九十七人というのが四月一日現在で消防機関に勤務している救命救急士の数でございまして、なお十三年度末までに消防機関で養成されました救急救命士は一万八百五十一人となっております。若干差がありますのは、これは退職者の方がいらっしゃるからということだろうと思います。
 それから、もう一点お尋ねのございましたドクターカー等でございますけれども、消防機関が搭乗する医師の報償費等を負担いたしましてドクターカーを運営している消防本部は全国で現在のところ八か所でございまして、それからドクターカー専用として運用している救急車は三台でございます。
 また、平成十二年中の消防機関のドクターカーの出場件数ですけれども、全体としての救急自動車の総出場件数約四百十八万件のうちでこのドクターカーの出場件数が二千四十五件でございまして、全体の約〇・〇五%にとどまっていると、こういう状況でございます。
#195
○今井澄君 まだまだ救命救急士も養成しなきゃならないし、養成した半分が救急隊以外のところにいる。看護婦さんで取っている人が多いんですよね。貴重な研修の機会、もっとやっぱり救命救急士のために充ててほしいと思うんですが。
 一般の救急医療のことですが、大臣、九月十四日の閣議後の記者会見で、救急医療の見直しについて具体的に進めているという会見があったんですが、それは今回のことと関係あるんでしょうか。あるいはどういう内容でしょうか。
#196
○国務大臣(坂口力君) あのときに申し上げましたのは、小児救急医療の問題が非常に問題になっておりまして、なかなかこれが進まないものでございますから、これを二次医療圏単位で是非一か所は作り上げていくということで、これまで以上にいろいろのことを考えていかなければならない、手を打たなければならないということを申し上げたわけでございまして、現在もかなり懸命にこれを進めているところでございます。
 なかなかできないものでございますから、今、これは国公立の病院に対しましても、より積極的にこの小児救急医療に参画していただくようにお願いをいたしております。なかなか、公のところがなかなかやっていただけないという経緯がございまして、これはちょっといかがなものかというふうに思っている次第でございます。
#197
○今井澄君 もう時間がなくなりましたけれども、ちょっと二つだけ質問したいんですけれども。
 一つは、さっき話してきたことなんですが、現にこれまで気管内挿管やっちゃったと。実態がどうだったかを調べないとこれからの方針も立たないと思うんですけれども、聞きたくても、やったって、しゃべったら違法になるんだったらだれもしゃべらないですよ、本当のことを。そこのところを実態調査、これまで現場でどういうことが行われてどういう効果が上がったのかを実態調査をするために、起訴はしない、書類送検しないという違法性阻却をする方法はないか考えてもらいたいんです。そうでなければ我々、法律を作ろうと思っています。
 それから、二点目。今、大臣が救急の問題、確かに小児救急は大事ですけれども、実は今、大人の救急も、特に東京のど真ん中で、これ、救急砂漠だというのを私、実感したんですよ。去年の十二月の二十日過ぎでしたか、銀座のど真ん中で友人と食事をしたら、その友人が激しい頭痛に襲われて救急車を呼ばざるを得なかったんです。で、救急車が来たんです。乗せたんです。一番近いのはどこですか、聖路加です。電話を掛けたら、ベッドが空いていないからと断られた。次はどこが近いですか、慈恵医大です。それで電話を掛けたら、電話を掛けたらって救急隊がですよ、私じゃないですけれどもね。ベッドが一杯ですから駄目です。次に、三軒目に済生会中央病院に掛けたらまた同じことを言われた。そこでさすがに私も頭へきて、国会議員だとは言わなかったんですけれども、私も医者なんだと。この患者は入院する必要のないことは分かっているけれども、激しい症状があって検査と治療が必要なんだと。そうしたら、やっと済生会中央病院へ運んでくれた。その間、銀座のど真ん中で、あの中央通りで、二十分も車、止まっているんですよ。こんな救急ってありますか。
 ただ、病院の方にも同情しておきますけれども、忙しいことも事実なんですよ、忙しいことも事実。だけど、救急体制はそもそも、気管内挿管以前に、小児救急以前にないんですよ、今、東京にも。
 どう思います。
#198
○国務大臣(坂口力君) 一般の救急医療につきましてもいろいろ問題点のあることも承知をいたしております。全国的にやはり救急医療が確立されますように全力を挙げたいというふうに思いまして、これはもう去年からいろいろと検討会も立ち上げまして、そしてどうすればいいかということも具体的に今やっているところでございます。
 先ほど申しましたように、田舎へ行きますと更に少ないわけでございますので、少なくとも二次医療圏に一か所、もう確実にそれができるように今体制を整えたいというふうに思っているところでございます。
#199
○今井澄君 違法性阻却のことは、その周辺についてどなたか答えていただけないですか。
#200
○政府参考人(篠崎英夫君) 先ほどの違法性阻却の問題でございますけれども、一般的に申し上げれば、一般論でそれがいいと言うのはなかなか難しくて、個別でその対応をせざるを得ないのではないかというふうに思っております。
#201
○委員長(真鍋賢二君) 以上で小宮山洋子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#202
○委員長(真鍋賢二君) 次に、魚住裕一郎君の質疑を行います。魚住裕一郎君。
#203
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 先行の小宮山委員は禁煙のお話をされましたけれども、愛煙家の私としては身につまされるような思いで拝聴したところでございますが、ただ、健康の問題と税制の問題とマナーの問題、しっかり立て分けて冷静な議論を、今後も私も参加したいなというふうに思うところであります。
 さて、厚生労働省にお聞きをしたいんですが、障害者の施策というのがございますが、その社会福祉の基礎構造改革の一環として、現在、支援費制度の導入に向けて検討が進められているというふうに承知しておりますが、今、厚生労働省の方で三つのプランがあるというふうな中で、障害者プランが平成十四年度で終了するというふうに伺っております。平成十五年度以降の障害者福祉サービスの計画的な整備というものをどのように進めていくのか、特に支援費制度というのがございますが、真に有効に機能するためにも障害者が選択できるような多様なサービスが必要かというふうに考えておりますが、まず厚生労働大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
#204
○国務大臣(坂口力君) 御指摘いただきましたように、この障害者プラン、この十四年度で一応終了することになっております。新しく、平成十五年度以降の新しい障害者プランをどうするかということにつきましていろいろ検討していただいておりますが、二月二十六日に開催されました障害施策推進本部というのがございまして、これ内閣府にあるわけでございますが、その中で、内閣府を中心にして、障害者の方々や関係団体の意見を聞きながら、新しい障害者基本計画とその前期重点実施計画としての障害者プラン、これを策定をする検討を始めていただいたところでございまして、この中で一つ大枠を決めていただきながら、厚生労働省としてより具体的にどうしていくかということを決めていきたいというふうに思っております。
#205
○魚住裕一郎君 今の質問の中で、障害者が選択できるような多様な障害者サービスもということでお聞きしたんで、その点もよろしくお願いをしたいと思っております。
 それから、身体障害者福祉法というのがありますが、それに基づく日常生活用具の給付、こういう制度がございます。我が党の松あきら議員が昨年の十月の二十五日の厚生労働委員会で取り上げた問題でございますけれども、支給する、特に上肢障害の方に字を書くためにワードプロセッサーが日常生活用具として支給をされると、給付をされるということになっておるんですが、ただ、これ、ワープロといっても昔のいわゆるワープロでございまして、これ今、政府全体挙げて電子政府というのがやっている中で、どうしてそれがパソコンにならないのか。もうワープロを探すというのは実は大変な作業でございまして、コンピューターの方が安いんじゃないか、そんなこともあります。そろそろパソコンが給付できるように検討をしていただきたいと思います。
 今日、お昼、全国脊髄損傷者連合会の会長妻屋明さん、また、NPOの日本せきずい基金の理事長の大濱さんにお会いをして、大変な今、状況の中で是非前向きに御検討をいただきたいという御要請いただいたところでございますが、厚生労働大臣、いかがでございましょうか。
#206
○国務大臣(坂口力君) それは確かにもうパソコンの時代でございますから、今更ワープロでやれというのはいささか問題あると私も思っております。そして、ワープロを生産する企業がもうなくなってきていることも事実でございますので、ワープロに替えてパソコンを支給することにしたいというふうに思いますが、四月から告示を変えることにしたいというふうに思っております。
#207
○魚住裕一郎君 四月から是非よろしくお願いをしたいと思っております。
 さて、ITがどんどん進む中で、また政府も進めているわけでありますけれども、障害者の方々が情報通信技術を利用することが実は非常に大事ではないか。アメリカのADA法というのがありますけれども、障害者の方々にどう健常者と一緒の、同じような行動ができるようにそれを補助するといいますか、そういう観点が大事かというふうに思っております。
 特に、情報弱者にしてはならないというふうに思うわけでありますが、今のワープロの問題は上肢障害という状況でございますが、それ以外の方々でも本来パソコンの利用促進を図るべきことが、図るべきであるというふうに考えておりますが、この点はいかがでございましょうか。
#208
○国務大臣(坂口力君) この障害者の皆さん方にITを中心にいたしまして新しい技術を身に付けていただくということは、これはもう健常者の人以上に大事なことだというふうに我々も思っている次第でございます。十三年度にはパソコンの周辺機器やソフト等の購入を行いますときに、費用の一部を助成する事業を開始をしているわけでございます。
 この十四年度予算におきましては、在宅の障害者がパソコンの使用方法等を習得できるようにボランティアを派遣をする、そういう費用、予算を盛り込んでいるところでございますし、企業から提供のありましたパソコンを障害者に無償であっせんする事業というのも、これを行おうといたしております。
 そんなにうまく企業からたくさんのパソコンが提供されるかどうかは分かりませんけれども、しかし、新しいスタイルのができて、そしてもうこれならばいいというふうに言っていただくのがあれば、そうしたものもちょうだいをして、十分にそれで間に合うわけでございますので、障害者の皆さん方にそれで技術的な向上を図っていただくということに是非したいというふうに思っておりまして、こうしたことを総合的にやりながら、障害者の皆さん方にそれこそ自立をしていただけるように、そして竹中ナミさんではございませんけれども、障害者の皆さん方が納税者になる運動というのをおやりになっておりますけれども、そうした力を付けていただけるような体制に是非することに努力をしなければならないというふうに思っております。
#209
○魚住裕一郎君 是非、お取組をよろしくお願いをしたいと思います。
 納税者にというお話ございましたけれども、もうそこまでいかなくても、例えば環境、脊髄を損傷された方の中では、そのままほっておかれてしまうと本当に生存まで厳しい状況になる、だから環境制御装置を付けてもらいたい、そこにも補助してもらいたい、こういうような要望も来ておりますので、是非よろしくお願いをしたいと思っております。
 次に、三宅島の関係につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 三宅島の噴火起きましてもう一年半を経過をいたしました。私も、この席で何回か質問させていただいたところでありますが、そのたびに、例えば中小企業の無利子の融資制度でありますとかあるいは利子補給の問題、これもお取組を政府の方でしていただきました。また、被災者生活再建支援法のとにかく年内適用をやってもらいたいということで取組をしていただいたところであります。また、雇用の問題についても、大変、雇用調整助成金の特例の適用を求めたり、やってきたところでございますが、そういうことで特例につきまして年度といいますか期限があるものですから、そろそろ年度末をもう目前に控えまして、その辺が問題になってくるかと思うわけでありますが、特に中小企業に対する支援という側面で経産副大臣、また、雇用の問題につきまして、例えばげんき農場というのがありますけれども、厚生労働大臣のこの面についての今後の取扱いについて御答弁をいただきたいと思います。
#210
○副大臣(大島慶久君) 魚住先生にお答えをさせていただきたいと思います。
 平成十二年の六月、三宅島の噴火以来、経済産業省といたしましては、まず政府系中小企業金融三機関及び東京信用保証協会等における特別相談窓口を設置をさせていただきました。そして、政府系中小企業三機関による災害復旧貸付けの適用及びその金利の引下げ並びに利子補給による無利子化、さらには信用保証協会によるセーフティーネット保証の適用、中小企業総合事業団による小規模企業共済の傷病災害時貸付けの適用といった被災中小企業向けの措置を講じてまいっているところでございます。
 さらに、昨年の三月には、臨時の異例の措置といたしまして、政府系中小企業金融三機関に対し災害発生前の既往債務について元本の返済猶予措置を取るよう求めるとともに、その金利につきましては東京都等と協力して無利子化措置を取っているところでございます。
 これらの支援につきましては、先ほど先生からお話がございましたように、本年の三月末をもって適用期限を迎えますけれども、三宅島の火山活動の状況あるいは同島の復興作業、いろいろ砂防ダムの建設等をやっているところでございますけれども、そういった進捗状況及び防災中小企業者の方々の現状を踏まえながら、これらの支援措置の延長につき、関係省庁、これは財務省になると思いますけれども、協議を行っているところでございます。
 当省といたしましては、早急に関係省庁と協議を完了いたしまして、引き続き被災中小企業者への対応等に万全を期してまいる所存でございますので、御理解を賜りたいと思います。
 以上でございます。
#211
○国務大臣(坂口力君) 平成十二年の八月二十九日からでございますが、一年半超えてまいりました雇用調整助成金の特例措置につきましては、災害が長期化しておりますことを踏まえまして、本年の三月一日より更に半年間延長したところでございます。その先どうかということもございますが、今後の経緯を見まして、そしてまた、その助成金の活用状況等を踏まえて、そのときにはまた判断を申し上げたいと思っている次第でございます。
 緊急地域雇用創出特別交付金につきましては、東京都の方で今までにも活用をしていただいているところでございますが、十四年度以降も本交付金を活用した様々な事業が検討されているというふうにお聞きをしているところでございまして、我々もそのように是非していただきたいということを御依頼申し上げているところでございます。とりわけ、ゆめ農業事業でしょうか、そうした農業の問題、それから三宅島げんき農場事業といったのもおやりをいただいているようでございまして、そうしたことに御活用いただければ幸いと思っております。
#212
○魚住裕一郎君 三宅の皆さんは、自分の責任の及ばない範囲で生活環境から切り離されて、もう一年半超える状況なんですね。
 昨年の十月に、三宅村で避難生活の実態調査というものをやりました。十二月に報告書がまとめられたところでございますけれども、約半数の方が、今の経済面で今のままいったら一年ぐらいでもう本当に厳しくなるというようなことを言っておられる。多分そうだろうなと思います、今までの、どうやって収入を得るのかということまで含めて全部生活環境が違うわけですから。
 それで、東大教授の廣井先生、そういう場合に、今までの生活保護ということではなくして、そういう、例えば有珠の場合もそうでしょうけれども、災害保護というような発想で取り組むべきではないか、そういうことを提言をされているところでございます。
 国がいろいろ支援をし、また三宅村も義援金を支給し、また東京都もそれなりに独自で支給しているというようなこともございますが、やはり目鼻が付くまで継続的な支援対策を考えるべきだというふうに、災害保護という観点でやっていくべきだと思いますが、防災担当大臣、いかがでございましょうか。
#213
○国務大臣(村井仁君) 三宅島の問題というのは本当にある意味ではほかの災害、地震災害の例といささか様相を異にしてまいったというような感じを私自身も感じております。一年半にわたりましてともかく島から離れ、そして戻るめども付かないと、こういう深刻な状態でございまして、今、委員正に御指摘のとおり、東京都でいろいろ調査を行った内容を見ましても、結果を見ましても、就労者は確かに増えているんでございますが、しかし生計の全体というのは大変苦しいとされる方が既に三割というのを超えておりまして、非常に厳しいと私も認識しております。
 ただ、今、委員おっしゃいました災害保護という考え方ですが、これはある意味では私はもう既にやってきているんじゃないかという気がしておりまして、これらの島民の方々に都営住宅無償供与でございますとか、あるいは被災者生活再建支援金の支給、それから三宅島げんき農場等々の雇用促進策、こんなものをやっているわけでございまして、ただ、更に申しますと、それでいいのかという辺りのところをこれから少し研究しなきゃいけないんじゃないだろうか、既存制度の活用も含めまして、本当にできる限りの支援をやっていくという精神で東京都等ともよく詰めてまいりたいと、こんなふうに考えておるところでございます。
#214
○魚住裕一郎君 確かに一生懸命やっていただいているところでございますけれども、ただ島の皆様に話を聞くと、本当に厳しいんですね。
 それで、じゃ、現実に経済面で足りない部分はどうするか、預貯金を取り崩したり、場合によっては生命保険を解約するような、そういう場合も出てくるわけでございますが、もう一点大事な視点は、島に戻ってもいいよといった段階で、もう想像するだに住むところもどんな状況になっているか分からないといいますか、そういう個人住宅の再建という問題があるんだろうというふうに思うわけでありますが、鳥取西部地域の地震の場合ですと、県として個人住宅の再建に三百万とか住宅補修に百五十万の補助金を出しました。
 被災者の、三宅の皆さんの住宅再建の在り方を考え直すべきではないかと思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
#215
○国務大臣(村井仁君) まず、現在の三宅の状態でございますけれども、なお一日当たり一万ないし二万トンの有毒ガスが出ておりまして、これが時には三、四万トンのレベルに上がることもございまして、率直に申しまして、今の段階でいつ帰島できるような環境になるかということはまず分からない、そういう問題がございます。
 一般論として申しますと、島民が帰島する場合、政府として住宅復興のための例えば低利融資とかいろいろな施策を活用しまして、東京都、それから三宅村等とも連携しまして、被災者に対する公的支援をやっていかなければいけないだろうと考えております。
 鳥取県で鳥取西部地震の後やりました措置でございますが、これは被災地域の復興の促進、それから地域の維持と再生という目的で県独自におやりになったものでございまして、一番問題は、非常に悩ましいのでございますけれども、鳥取のような、鳥取でやりましたような対策はこれは持家、借家を問わず支援をしているわけでございますが、持家の再建支援ということになりますと、基本的には個人財産である住宅、私有財産である住宅を再建するために国民の税金を使うかどうかという、結構これは難しい議論になってくるのではなかろうか、そういう感じがいたしております。なおよく研究をさせていただきたいと存じます。
#216
○魚住裕一郎君 それとの関係で、ちょっと順番を崩してお尋ねいたしますが、今、鳥取西部地震に関連して、平成十二年の十二月に、旧国土庁で被災者の住宅再建支援の在り方に関する検討委員会というのがありました。その報告書が出されたところでありますが、大規模災害の場合は住宅再建ということが、ある意味では災害が国民共通のリスクであるということ、それから住宅再建は地域の、被災地域全体の早期復興に資する、そういう観点があるんではないか、だから相互支援制度というものも考えてはいいんではないか。もちろん、家を持っている人だけ保護するんですかという問題もあるかもしれませんけれども、だけれども、何らかの支援制度というものがあってもいいんではないかと思うんですが、この点、関連でお願いいたします。
#217
○国務大臣(村井仁君) 確かに、平成十二年の十二月に旧国土庁に設置されました被災者の住宅再建支援の在り方に関する検討委員会、ここで取りまとめをいたしまして、被災後の避難所生活の段階、それから仮設住宅生活の段階、そして最後に恒久的住宅生活の段階、この各段階における安定した居住を確保するための施策が必要だと、こういう御提言がございました。
 この辺りを踏まえましていろいろな議論が行われまして、私が承知していますところでは、共助の精神に基づきまして、もう日本じゅうの住宅所有者の相互扶助に基づいて住宅再建支援制度を作ろうというようなアイデアが出まして、いろいろ議論があったのでございますけれども、これにつきましては、やはりまず一つは、強制加入というものが一体国民全体の理解を得られるだろうかという辺りの議論、それからこの費用をどうやって徴収するか、その徴収事務の問題、この辺りが結構大きな負担になります。そんなこともございまして、ある意味では壁にぶつかったかという感じがいたしております。
 なお、超党派で自然災害から国民を守る国会議員の会などにおきまして住宅再建支援の在り方について御検討になっておられると承知しておりますが、これもやはりその財源をどこに求めるかなど、その制度の実現につきまして重要な課題について依然としてまだ合意が形成されていないのではないか、こんなような感じがいたしております。
 先ほどもちょっと申し上げましたように、個人の財産である住宅の再建のためにどの程度公の支援が合理化できるかという辺りが恐らく一番基本的な問題ではなかろうかと、こんなふうに考える次第でございます。
#218
○魚住裕一郎君 三宅の問題で長谷川村長とも何回かもう話をいたしました。将来、国は三宅に対してどう考えているのかと、常に出るんですね。多分、東京都に対しても言っているんだろうと思うんですが、二十年に一回は必ず噴火するというようなことをですね。だから、人生のうちに三回目ですという方もありましたけれども。
 この国と村、この連携というのが一番大事だと思っておりますが、この点は、将来のことになりますが、いかがでございましょうか。
#219
○国務大臣(村井仁君) 大変難しい問題でございますけれども、今のうちからできるだけ準備をしておかなきゃならないという問題意識は持っておりまして、そういう意味で、学識経験者や三宅村経済団体の関係者、それから三宅村職員等で構成される三宅村復興計画策定委員会というものを今年の一月に立ち上げまして、島民の皆様からアイデアも募集したりいたしまして、復興基本計画の検討を既に開始しているというのが今の状況でございます。
 国といたしましても、この復興計画の検討段階から御相談にも応じ、できるだけの支援をしてまいりたい。東京都、三宅村と、いずれにいたしましても連携を密にして、前向きの対策をしてまいりたいと思っております。
#220
○魚住裕一郎君 大臣、今、三宅の問題を言わせてもらいましたけれども、今世紀の前半にはもっと大規模な東海地震であるとか東南海地震あるいは南海地震、昨年の十月に専門調査会ですか、発足しているようでございますけれども、この対策について政府はどのようにお考えでございましょうか。
   〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕
#221
○国務大臣(村井仁君) いわゆる東海地震でございますが、これにつきましては駿河湾付近を震源として起きるいわゆる海溝型地震とされておりまして、マグニチュード八クラスの巨大地震が百年から百五十年の間に一回発生している。そういう意味では、前回の一八五四年、いわゆる安政東海地震から既に百五十年近く経過しておりまして、そういう意味では学者によりますといつ発生してもおかしくない状況だと、このようにされているところでございます。
 それを踏まえまして、昨年の三月に中央防災会議に東海地震に関する専門調査会というのを設置いたしまして、これまでのデータの蓄積あるいは現在の知見等を踏まえて検討いたしました結果、地震の強い揺れが発生する地域が今まで想定されましたよりも更に西に動いてといいますか、拡大していることがわかったということでございまして、これを受けまして、大規模地震対策特別措置法に基づくいわゆる地震防災対策強化地域の指定の見直し、それから東海地震対策の在り方について基本的な検討をしますために中央防災会議に東海地震対策専門調査会というものを設置をいたしまして、また、関係知事への聴取も踏まえまして、来月四月にも新たな強化地域を指定すると、こういう予定でございまして、その後、東海地震の防災対策の抜本的な見直しを十四年度中を目途に検討を進めてまいると、こんなようなことになっております。
 それから、東南海、南海地震につきましても今世紀前半にも発生するおそれがあると言われているわけでございまして、そうなりますと、東海から九州までの非常に広域にわたる非常に大変な地震、津波の発生被害のおそれもあるということでございまして、これはもちろんすぐにでも発生するというほど緊迫性はないわけでございますけれども、防災施設の整備には時間を要しますので、今のうちからそのための対策を進めておくことが必要ではないかと考えておりまして、このために、これは昨年の十月でございますが、中央防災会議に東南海・南海地震等に関する専門調査会というものを設置いたしまして検討をいただいておると、そんなような状況でございます。
#222
○魚住裕一郎君 昨年の十二月に、中央防災会議のその専門調査会から、東海地震が起きた場合震度六弱以上が予測されるということで、市町村名が発表になりました。私も長野も回っておりますけれども、海から遠いからないかなと思ったら大間違いで、例えば諏訪とかあちらの方も地盤の問題も含めてかなり揺れが厳しいぞという、そういうことがありまして、諏訪広域連合として六市町村長が連名で強化地域指定を是非お願いしたいと、そういうような要望もございました。また、長野県自体も専門委員会を作って一生懸命取り組んでいると。
 また、県民の防災に対する意識も向上したというふうに私は認識をしているところでありますが、これは、意識向上というのは非常に大事であります。また、いざというときに被害を減らす、減災というか、そういう視点が一番私は大事だと思っておりまして、いろんな情報、またそういうことをしっかり伝えていく、周知徹底をしていく。そして、それに基づいた、例えば地震だったらば家屋を補修しておく。例えば、アメリカもFEMAで補助金を出して補強をさせたらノースリッジの地震で大分被害が小さかったということもございます。
 公的助成とかいろいろ考えていくべきではないかなというふうに思っておるんですが、ただ、補修して建物の価値が上がれば固定資産税が上がるのかなとか、いろいろ実はおかしな具合になるなというふうなこともあります。また、いろんな支援もしていかなきゃいけないなというふうに思っておりますが、またハザードマップもしっかり周知徹底をしていかなきゃいけない。
 こういう点につきまして、総務副大臣、税金の部分も含めて御答弁いただきたい。また、減災対策全体につきまして村井大臣から御答弁をいただきたいと思います。
#223
○副大臣(若松謙維君) まず、地方公共団体におきますハザードマップ、これについての御質問でございますが、災害が発生した場合に住民が地域の危険性を事前に把握しておくことは、早期避難を行う上で大変重要な課題と考えております。例といたしまして、有珠山のあの周辺地域では事前に住民ハザードマップが配付されておりまして、平成十二年三月の噴火時には一人の死傷者もなく全員、住民全員が避難できたところでございます。
 このような観点から、消防庁におきましては、風水害、土砂災害、火災、火山災害等の各種災害に関するハザードマップの先進事例を紹介しながら、様々な通知の段階でこのハザードマップの必要性について繰り返し周知徹底を図ってきたところでございます。今後とも、地方公共団体によりますハザードマップの積極的な活用を通じて、住民への災害危険箇所の周知徹底並びにその活用をした適切な避難誘導等を図るように要請してまいりたいと考えております。
 それと、もう一つの質問でありますいわゆる建物の改修でありますが、委員はこれは、地震の被害を受けた、それともその受ける前の耐震化……
#224
○魚住裕一郎君 前。
#225
○副大臣(若松謙維君) 前ですね。耐震化ということで、耐震化のための家屋の改修を行った場合の固定資産税はどうなるのかと、こういう御質問でございますが、この固定資産税ですが、家屋等の固定資産に対してその価格を課税標準として課税されるものでありまして、その価格は固定資産評価基準によって評価される制度となっております。お尋ねのような改修を行った場合であっても、単に家屋の補修、修繕程度であれば通常の維持管理の範囲内と考えられておりまして、特に再評価されることはなく、評価額は上がらないものと理解しております。
 ただし、当該改修が家屋の本来の耐用年数を延長させるようなものとか、または価格を増加させるような大変大規模なというか、そのような場合に該当するときには、評価基準により再評価を行う必要が出てまいりまして、家屋の資産価値に応じた課税をせざるを得ないと、この制度も是非御理解をいただきたいと思います。
#226
○国務大臣(村井仁君) 阪神・淡路大震災のことを思い返してみましても、六千四百人を超える方々の生命が失われたわけでございますが、後で確認をしてみますと八割方が、これは推計でございますけれども、発災直後に倒れてくる建物あるいはその倒壊、倒れてくる家具などのために下敷きになって亡くなられているというようなことがございます。
 さような意味で、今、委員御指摘のように、減災のためには、災害を減らしますためには、これはやはり建物の耐震化というものを積極的に進めなきゃならない、これは非常に重要な課題だと私どもも考えております。
 そういう意味で大変ある意味じゃ参考になりますのは、横浜市が平成十三年七月に地震マップというものを作りまして、それでこれをどの地域がどのくらい揺れるんだということで発表したわけでございますね。そうしましたところ、大変市民の危機意識というものが高まりまして、耐震診断を受ける住民の数が大幅に増えたということを私も承知しております。
 このような意味で、今お話もございましたハザードマップの整備というのは、いざというときの、例えばどのように逃げたらいいかというような避難の経路ということのみならず、被害の軽減のためにも大変重要な作業ではないか、こんなふうに思っているところでございまして、これを私どもとしましても積極的に進めてまいるために、中央防災会議の今後の地震対策のあり方に関する専門調査会、ここで一層積極的な研究をしていただこうと、こんなことで現在進めているところでございます。
#227
○魚住裕一郎君 確かに、今、横浜市の事例を御紹介いただきました。ただ、耐震診断というのがありまして、これは無料でやっているということもありまして、そういう取組がやはり功を奏しているのかなと。
   〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕
 また、先ほど総務副大臣から御答弁いただきましたけれども、本当に命を大事にして、一生懸命堅牢にすればするほど税金が掛かるというふうなことになるわけで、再度議論をさせていただきたいなというふうに思うところでございます。
 質問を次に移らせていただきます。
 村井大臣また総務副大臣、結構でございます。
 先般も産廃の不法投棄の問題が取り上げられました。実は、今日、千葉県の県議会で、商工労働生活委員会で、環境生活委員会ですか、これは千葉県の条例というものですね、多分もうそろそろ採択するのかなというような状況でございますが。いろいろ産廃の不法投棄問題、現場で大変苦労しているというのが実態です。特に自社処理というような称して運んでくる。いろいろ法制度を作って一生懸命やってきていただいておりますが、ただ悪質化、巧妙化しているというのが実態でございまして、県の条例では、自社処理という場合でもしっかりした規制をしていこうというような条項になっておるわけでありますが、これは環境省としてはどのように受け止められるのか、まずその基本的見解からお聞きいたします。
#228
○国務大臣(大木浩君) 産業廃棄物の不法投棄というのはもう全国各地起こっておりますけれども、特に千葉県の方は非常に大量にそういうことが起こっているということで、先般も千葉県の知事さんもおいでいただきまして、いろいろと実情も聞かせていただきました。
 何か建築物の解体に伴うごみというのは、今一番大きいようでございますし、今おっしゃったその自社処理と称してということで、非常にそれが問題になっているというようなことで、どうしてもひとつ条例を通したいということでございましたので、私どもも、これはひとつそういうことであれば、条例を通してやっていただくことについては理解できますので、ひとつお進めいただきたいということでお話をしたところでございます。
 ただ、なかなか、今もおっしゃいましたけれども、いろいろと業者も、悪質業者、いろいろと巧妙に立ち回るというようなところもありますから、果たして条例だけで完全に止まるかどうかということについては非常に問題もありますけれども、実は、千葉県につきまして、私ども、うちの省と千葉県と連絡協議会も作らしていただいておりますので、また、これからその実施につきましてもいろいろと見さしていただきまして、適宜また御相談をさしていただきたいというふうに思っております。前向きに考えております、協力につきましては。
#229
○魚住裕一郎君 他県からどんどん入ってくる、大事な緑の谷がごみで埋まっていく、それを何ともしようがない、その地域住民のいら立ちといいますか、これはしっかり受け止めてやっていく必要があるな。そしてまた、現場で使えるツールを用意しなきゃいけないんじゃないのかな。
 例えば許可業者の収集運搬車両にステッカーを張る、こういうようなことも考えているところでございますが、しかし、業者も本当にいい業者といいますか、健全な業者を育てていく必要があるというふうに思うわけでございますが、この点はいかがでございましょうか。
#230
○国務大臣(大木浩君) ステッカーを張って、要するに、そういった産廃の処理業者というか、がどういうふうに動いているかというのをよく分かるというのは一つの案だと思います。
 ただ、何か悪いことをするかもしれぬからステッカーを張ってそれを、その行動を見張っているという感じではなかなかそれは、またやっぱりそれぞれの担当の業界の中でも、それから実際にいい業者が大半でございますから、そこのところはやっぱり、何か優良な業者の方々が自発的に何かステッカーを作って張っていただくというようなことで、そのステッカーがあるということが何か監視の対象になるというようなことではなくて、むしろこれからもきちっとやっていただく業者の印だというようなふうにして活用していただいたらどうだろうというようなことも考えておりますが、またこれからいろいろと検討させていただきますが、ステッカーについてはそういう感じを持っております。
#231
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。沢たまき君。
#232
○沢たまき君 公明党の沢たまきでございます。
 ちょっと時間がありませんのでちょっと早口になりますが、私はマスメディアによる人権の侵害に絞って伺わせていただきます。
 マスメディアは、表現の自由とか報道の自由の名の下、国民の知る権利に供するものとして、社会的公器として存在をしております。そのマスメディアからターゲットにされて名誉侵害された個人は、なすすべもありません。これは実際に被害を受けた者でなければ理解はできないと思います。
 そこで、人権を担当する法務大臣に伺わせていただきます。
 今日の報道被害の深刻さに対する御認識について伺わせていただきたいと思います。
#233
○国務大臣(森山眞弓君) メディアの発達に伴いまして、今御指摘のような問題が出てきているということはよく承知しております。
 昨年の五月に、人権擁護推進審議会から人権救済制度の在り方についての答申をいただきました。その中でも、報道によるプライバシーの侵害、名誉毀損、過剰な取材による私生活の平穏の侵害等の問題がある。特に、犯罪被害者やその家族のプライバシーを侵害する報道や行き過ぎた取材活動は二次被害とまで言われる深刻な被害をもたらしているというふうに指摘がなされているところでございまして、私も同様の認識をいたしております。
#234
○沢たまき君 先般、衆議院の予算委員会で、我が党の漆原委員が米国における名誉毀損に対する賠償額について質問をいたしまして、法務大臣より、我が国におきまして、現行制度でも名誉毀損の損害賠償の上限はなく、高額の名誉毀損の認定が行われることもあり得る旨の御答弁がありました。私も人権を、受けた一人として、大変心強く思っております。
 ただ、大臣は、そのときの社会的な全体の名誉毀損に対する意識、人格、名誉に対する考え方というものが反映されていくであろうと思いますと述べていらっしゃいますが、私も、国民の中に人の名誉に対する意識とか人格権というものが育っていくことが大変重要だと、大事だと思っております。
 そこで、名誉等の人権擁護、それから啓蒙施策についてお伺いをいたします。
#235
○政府参考人(吉戒修一君) お答え申し上げます。
 個人の名誉でありますとかあるいはプライバシー、これは、非常にその保護を図りますことは重要な人権擁護行政の課題というふうに考えております。
 そこで、法務省の人権擁護機関におきましては、かねてから、名誉、プライバシーの尊重に対します国民の理解を深めるために実に様々な啓発活動をいたしております。
 具体的には、申し上げますと、名誉やプライバシー等をテーマとする新聞、雑誌への啓発広告の掲載、あるいは同様のテーマの講演会等の開催、それから啓発冊子等の配布、こういうふうな一般の方に対します啓発広報活動をしておりますほか、個別には、私どものところの人権相談所におきまして、プライバシーの侵害などに関する御相談にあずかっております。
 以上でございます。
#236
○沢たまき君 ありがとうございました。
 できればBROのようにテレビコマーシャルなども是非よろしくお願いしたいと思います。
 マスメディアによる人権侵害は、表現の自由の萎縮効果という点で、刑事裁判で対応することは極めて危険でありますし、民事裁判で対応することの方がより表現、報道の自由に配慮したものになるとは思いますが、その意味で、民事裁判制度は真に被害者を救済し得るものでなければならないと思います。
 民事裁判による被害者救済の実効性について、ちょっと法務大臣に現状をちょっとお聞きしたいと思います。
#237
○国務大臣(森山眞弓君) 最初に申し上げましたとおり、メディアによる人権侵害につきましては、人権擁護推進審議会からいただいた答申がございまして、それの中で深刻な被害をもたらしていると指摘されておりまして、私も同様の認識でございます。
 また、御指摘のような人権侵害に関し、名誉毀損等の人権侵害に対する慰謝料額が低過ぎるのではないかという御指摘があることは、先ほど先生もおっしゃいましたように、前にも御質問いただきまして十分認識をいたしておりますが、現状の民事裁判によって真に実効性のある被害者救済が行われているかどうかという点につきましては、具体的な事案における裁判所の判断の当否にかかわってまいりますので、私が今お答え申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、最近では、事案によりましては高額な慰謝料が認められた例もあると聞いております。
#238
○沢たまき君 ありがとうございました。
 司法制度改革の中では、参審制の導入はまず刑事裁判に導入するお考えのようですけれども、その理由は何でしょうか。
 また、民事裁判の一部に参審制を導入することについてどのような議論がなされたでしょうか。積極的な御意見もあったと伺っておりますが、御紹介をいただきたいと思います。
#239
○政府参考人(山崎潮君) 私どもの改革推進本部でございますけれども、これは、昨年六月に司法制度改革審議会の意見書が内閣に提出されましたが、これを実行するものとして設けられております。
 この意見書でどういうふうに言われているかということでございますけれども、国民の参加制度、裁判へ対する参加制度につきましては、国民に負担をお掛けすることになるということから、その円滑な導入のためには刑事訴訟事件の一部の事件から始めるのが適当であるというふうにいたしまして、いわゆる裁判員制度は差し当たり刑事訴訟手続について導入することを提言しております。
 そして、刑事訴訟手続以外の裁判手続への導入につきましては、「刑事訴訟手続への新制度の導入、運用の状況を見ながら、将来的な課題として検討すべきである。」と述べているところでございます。
 したがいまして、本部としては、これに従って、まず刑事裁判事件からの裁判員の導入を検討しているという状況でございます。
 それから、改革審議会での意見はどのようなものがあったかという点でございますけれども、この中には、日常的な市民感覚を生かす見地から、これに適する一部の民事事件にも国民参加を考えることができるのではないか、その例として、名誉毀損等による慰謝料請求などが考えられるのではないかという意見もございました。それからまた、専門性の高い民事事件について、専門的な知識を有する人に参加してもらう専門参審制も考えられるのではないかという意見もございました。そういう意見があった一方、事件数も多く、審理期間も長い上、複雑な事件もあり、国民の負担が過大になるのではないかといった意見も述べられたというふうに承知をしております。
#240
○沢たまき君 ありがとうございました。
 民事にもというのがありましてほっといたしましたが、長くなるからとおっしゃいましたけれども、なるべく早くした方がいいんですよね、結論をね。
 次に、私は、アメリカで高額賠償が認められているのは陪審制度が機能していることにあるんだろうと思っております。裁判官の物差しだけではなく、今おっしゃったように、一般国民が感じる痛み、被害感情を名誉毀損の民事裁判に反映させることが必要だと思っております。
 そこで、この種の裁判の審理に国民を参加させてはどうでしょうかと、そういう御意見もあったということでございますが、一般国民が審理に参加して裁判官と共同作業で判断を行うという意味での参審制の導入を進めるべきだと思っておりますが、いかがでございましょうか。後でちょっと大臣の御見解も伺いたいんですが。
#241
○政府参考人(房村精一君) 先生御指摘のように、アメリカで相当高額の損害賠償等が出されておりますが、これは陪審制度があるためではないかという御指摘があることは私どもも承知しております。また、国民の意見を裁判に反映するために参審制の採用を検討してはどうかという御意見があるのも承知しておりますし、ただ、先ほど司法制度推進本部事務局長からも御紹介がありましたように、そのような検討を踏まえた上で司法制度改革審議会の最終意見においては、まず刑事裁判について参審制を導入した上で、その実情を見た上で他の分野について検討すべきであるという具合にされておりますので、私どもとしては刑事裁判への導入状況を見ながら更に検討を続けてまいりたいという具合に考えております。
#242
○沢たまき君 大臣の御見解をちょっと。
#243
○国務大臣(森山眞弓君) 被害感情とか一般国民の良識というものが裁判に反映するべきである、することが望ましいという考えで裁判員制度、参審制というのを今、司法制度改革審議会の本部で検討していただいているわけでございます。
 他方、その参審制につきましては、司法制度改革審議会の意見によりますと、まず刑事訴訟手続において始めてみたらどうか、国民が裁判員として裁判に関与することができる新たな制度である裁判員制度というのを導入するべきである。日本の司法の中ではほとんど初めての経験でございますので、十分にみんながなじんだ上で更に広げていくということが必要だというお考えだと思いますが、刑事訴訟手続以外の裁判手続への導入につきましては、刑事訴訟手続への新制度の導入、運用の状況を見ながら、将来的な課題として検討すべきであるというふうにされているわけでございます。
 ですから、参審制の民事裁判への導入につきましては、刑事訴訟手続への新制度の導入及びその運用の状況を見ながら、参審制の下での裁判に対する国民の信頼の確保、参審員としての責務を負うことについての国民の理解、訴訟手続等への影響など、いろんな観点から今後更に慎重に検討をする必要があるのではないかと考えております。
#244
○沢たまき君 表現の自由、報道の自由等、国民の知る権利との衝突の調整、これらの課題に対して真摯に研究を促進をすることが大事だろうと思います。
 昨年の九月には、「マスメディアによる名誉毀損訴訟の研究と提言」が東京地方裁判所損害賠償訴訟研究会から発表され、本年の二月には名誉毀損による損害賠償額の算定について、大阪地方裁判所損害賠償実務研究会から発表されております。ようやく我が国におきましてもマスメディアによる人権侵害に対して真っ正面から論議をされてきた、人権意識が高まってきたものとして高く評価をいたします。
 そこで、法務省は、損害賠償制度の在り方を含めて、民事的救済に関して調査研究を行うということで平成十三年度予算に計上していたと思いますが、その研究の状況はどうなっておりますでしょうか。
#245
○政府参考人(房村精一君) ただいま御指摘の名誉、プライバシー侵害に対する民事的救済に関する調査研究ということで予算をいただきまして、その具体的な内容といたしましては、まず金銭賠償以外の救済の方法としてどのようなものがあるかという点、それから損害賠償制度の在り方について諸外国の実情はどうであるかと、こういう大きく二本の柱を立てまして、これについて複数の大学の先生に調査研究の実施をお願いしているところでございます。
#246
○沢たまき君 一部の悪質なマスコミは、表現、報道の自由を悪用いたしまして、故意に権利侵害をし、売上げの増大、商業的利益を追求をしています。マスメディアは第四の権力と言われておりますが、全くこれは悪用をしております。これが現状です。
 このような悪質なマスメディアの行為に対して、今日、名誉毀損によって生じる損害を専ら精神的苦痛とだけとらえて損害賠償額を算定するならば、被害者の救済も悪質な名誉毀損の抑止もできないのではないでしょうか。裁判で損害の範囲を認定することが容易でないことから、損害を適正に認定するには、損害賠償の算定において損害を推定する規定を設けるための研究が必要であると思いますが、いかがでしょうか。
#247
○政府参考人(房村精一君) 名誉毀損事件の場合の損害でございますが、もちろん精神的苦痛に基づく損害賠償ということが非常に大きな柱でございますが、それだけではなくて、そういう慰謝料を算定するにつきましては、当然、加害者の行為態様、故意にやったのか、過失であるのか、また動機が何であるのか、それから被害者の側が被った損害が社会生活上どのような不利益を被っているか、そういう様々な要素を考慮して損害額を算定することになろうかと思います。逆に、そういう様々な要素を考慮しなければならないだけに、先生御指摘のような損害を推定する規定というのを法律で設けるということになりますと、なかなか難しい問題がございます。
 ただ、適切な損害額の算定の在り方というのは非常に重要な問題であることは御指摘のとおりでございますので、私どもも今後も研究を続けたいと思っております。
#248
○沢たまき君 現実の問題として、小規模の改善にとどまって、賠償額の認定が実際の損害と懸け離れている状況が今後も続くようであるならば、民事、刑事の垣根はともかく、立法論として懲罰的損害賠償制度を導入すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#249
○政府参考人(房村精一君) これは、御指摘のようにアメリカにおいては懲罰的な損害賠償制度が取られておりまして、実際に被害者に生じた損害を超えた損害額を言わば一種のペナルティー、見せしめとして科するということが行われているわけでございます。
 ただ、我が国においては損害賠償制度が被害者に生じた損害をてん補するという基本的な考え方になっていることから、そういう制度は取られていないわけでございますが、懲罰的損害賠償制度を導入すべきかどうかについては、今申し上げたような日本の不法行為制度の基本的な枠組みと一致しないという指摘とか、あるいは加害者に制裁を加えることによって被害者が実際に生じた損害以上の利益を得るのはおかしいのではないかというような指摘、あるいは乱訴のおそれというような指摘など、いろいろございます。
 さらに、最高裁判所において、平成九年に、判決の中で懲罰的損害賠償制度は我が国における不法行為に基づく損害賠償制度の基本原則、ないし基本的理念と相入れないということをお述べになっておられまして、いずれにしても我々としてもそういった指摘も踏まえて、この問題については相当慎重な検討が必要ではないかという具合に思っているところです。
#250
○沢たまき君 被害者に損害以上の賠償を与えることになることを心配しておられるようでございますが、現在の法律では現実の問題として被害者が被った本当の損害の半分も認められていません。このまま民事、刑事の垣根にこだわって被害者を見捨てておくわけにはいきません。重ねて懲罰的損害賠償制度の導入について御検討いただきたい。これは大臣にお願いします。
#251
○国務大臣(森山眞弓君) 懲罰的な損害賠償制度というのは、いろいろ議論がございまして、今、局長が御説明申し上げましたように、先生のような積極的な御意見もある反面で消極的な意見も少なくございません。様々な問題が指摘されておりますので、慎重な検討が必要だと思います。
 議員御指摘のとおりに、名誉毀損の被害者が見捨てられるようなことがあってはならないので、損害賠償制度の在り方については引き続き検討していきたいと思います。
#252
○沢たまき君 名誉回復措置についてお伺いします。
 現在、名誉回復処分の具体的な方法として、謝罪広告の掲載、謝罪文の送付、誤情報の訂正、抹消、差止め請求、反論文の掲載等が考えられておりますが、週刊誌の一部には、発売日に新聞広告や中づり広告で、事実無根、捏造のショッキングな見出しで市民のプライバシーを垂れ流しております。広告に一回一千万円以上という広告の費用を投入しております。これだけ無制限に不特定多数に知らしめて、名誉回復方法が小さな謝罪広告だけではとても名誉回復がなされたとは思いません。小さな謝罪広告だけで、この裁判に対する国民の信頼は得られないと思いますが、名誉回復の方法について見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。法務大臣、よろしくお願いいたします。
#253
○国務大臣(森山眞弓君) 名誉を毀損された被害者が本当に望んでいるのは、金銭的な賠償もさることながら、むしろ毀損された名誉が回復されるということであると思います。
 したがいまして、謝罪広告などの名誉回復のための処分は、名誉を侵害された被害者に対する救済手段として損害賠償と並んで極めて重要な機能を担っていると考えるところでございます。
 議員の御指摘を踏まえまして、被害者に対する救済がより実効的なものとなりますように、損害賠償以外の救済方法についても更に検討してまいりたいと思います。
#254
○沢たまき君 最後に一問だけ。済みません。
 最後に、国会質問で侵害された名誉の回復措置について伺います。
 事実に反した報道を基に行った国会質問が国会中継で放送され、更に国会の会議録として公開されると、報道被害が拡大してしまいます。
 参議院において国会質問等で指摘されたことが後日裁判等で事実無根と確定した場合は、参議院としても何らかの名誉回復手段を講じるべきだと思いますが、その広報、公表手続も含めていかがでございましょうか。
#255
○事務総長(川村良典君) 憲法第五十一条では、「議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。」とし、院内における議員の自由な議論を保証いたしております。
 このような免責は、議員が国政活動を十全に行うために必要なものでありますが、一方で、先生御指摘のような事例が生じた場合にどのように対応すべきかということもまた極めて重要な問題であり、広範な検討が必要であろうと存じます。
 特に、現時点では、開かれた参議院という方針の下で、国民の方々が多様な放送手段を使った、テレビやインターネットを通じて、リアルタイムで審議状況を見たり、速やかに会議録を入手することが可能となっております。
 先生御指摘のような事例に対して、現行の法規等のみで有効、適切な手段が講じられるかという点につきましては、国会全体の問題でもありまして、更に議論を深める必要のあるところだというふうに考えております。
 本院としてどのように対応すべきなのか、しかるべき場において御議論いただくことは大変有意義なことであろうと存じます。
 以上でございます。
#256
○委員長(真鍋賢二君) 以上で魚住裕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#257
○委員長(真鍋賢二君) 次に、紙智子君の質疑を行います。紙智子君。
#258
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 私は、ODAの援助の一環としての国際協力事業団、このJICAの施設設置と、研修施設設置と鈴木宗男議員の関係について質問いたします。
 JICA研究施設設置の在り方について、懇談会、研修施設のあり方に関する調査検討委員会が作られています。立地基準などを検討するものだと思いますけれども、いつ発足をし、どんな検討をし、そして報告をまとめたのはいつでしょうか。
#259
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 研修施設のあり方に関する報告書を取りまとめるに当たりまして、平成三年七月に研修施設のあり方に関する調査検討委員会を発足させ、平成四年の一月に調査報告書が作成され、同年二月にJICAが報告書として取りまとめをいたしました。
#260
○紙智子君 外務省もメンバーに入っていましたね。
#261
○政府参考人(西田恒夫君) 同委員会のメンバーの方は、有識者、学識経験者六名ほかより構成をされておりまして、外務省の職員は、委員御指摘のとおり、一名参加をいたしております。
#262
○紙智子君 立地選定基準を検討しているその真っ最中の九一年十一月四日、鈴木宗男当時外務政務次官が記者会見をやっています。研修センターの誘致に宮城県など六道県が名のりを上げている中で、札幌と帯広に設置することを明らかにしています。これは、北海道で札幌市を内定というふうに伝えられていたものを鈴木氏が外務省やJICAに対して帯広の誘致を強く働き掛け、巻き返しを図った結果だと。
 そこで、聞きますけれども、研修センター未設置の府県は何県ありますか。
#263
○政府参考人(西田恒夫君) JICAの国際研修センター未設置の県数は、現在三十七県でございます。
#264
○紙智子君 あなたたちのこの設置基準で見ても、地域間バランスを取るということからも反しているんじゃないでしょうか。三十七県も未設置県があるのに、北海道に札幌、帯広と、これを設置した背景に鈴木氏の圧力があったことは明らかです。外務省でどういうやり取りが当時されたのか、実際に話はしたことありますね。
#265
○政府参考人(西田恒夫君) ただいまの御指摘でございますが、政務次官でございました鈴木議員の方から、帯広の方に設置することの重要性についてはいろんな形で御発言等がなされたということでございます。
#266
○紙智子君 帯広研修センターの開会式のそのパーティーに出席した関係者からも聞きましたが、ここに出席した、出席をし、あいさつをした鈴木氏は、この計画に反対した外務省の課長の首をすげ替えて帯広に持ってきたと、こういう趣旨の発言をしているんですよ。そして、それを裏付けるように、JICAの藤田総裁がその開会式のあいさつでこう述べています。当時外務政務次官だった鈴木代議士による格別の指導、尽力のおかげですと、こういうふうにあいさつをしているんです。鈴木議員の関与は明確じゃありませんか。どうですか。
#267
○政府参考人(西田恒夫君) ただいま御指摘ございました課長の首を云々という発言を行われたということについては、私たちの記録には残っておりません。承知をいたしておりません。
#268
○紙智子君 この当時、こうしたやり取りを聞いている人が実際にこう発言しているわけです。そして、裏付けのこのJICAの総裁の発言は、当時、九六年七月三十日付けの東北海道新聞に載っています。もう明らかだと思うんです。
 そこで、官房長官にもお聞きいたしますが、こうした事実に対して、調査すべきではありませんか。
#269
○国務大臣(福田康夫君) JICAの研修施設ですね、これの設置に向けて、今御指摘のような特定議員から働き掛けがあったかどうかということ、これはそういうようなことがあったというふうには承知しておりますけれども、しかし、実際にそれを決めるということにおいては、どの場所に決めるかということは、外務省と国際協力事業団、JICAですね、この両者が、両者の判断として札幌と帯広の両方に造るということを決めたと、それが一番適切であるということで決めたと、このように承知しております。
#270
○紙智子君 この中で決めている基準がそもそもどういう基準であったかということでいいますと、やはり各県で、最初のうちは一県に一つということだったと思うんですけれども、結局、当時まだわずかしか造られていないと。そして、三十七道県にしかなかったという中で、なぜ北海道にこの二つ一遍に造ることになったのかということでは、この経過があるわけですし、基準に照らしても、やはり地域間のバランスというふうに見た場合に、これは明らかに反することだと。そこにそういう話があったということですから、これは明らかにゆがめられていたこととして、事実をきちっとやはり調べるべきだと思います。いかがでしょうか。
#271
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 JICAの国際センター新設に当たりましては、委員から今御指摘ございましたが、各地方自治体からの様々な要望のほかに、当該自治体の研修員受入れの実績、それから開発途上国の需要の高い研修コースを多く提供する可能性の是非、当該自治体の国際交流、協力の取組の実績、当該自治体とJICAのもろもろの事業とのこれまでの連携の実績、インフラ等その他の基本立地条件を踏まえて場所を決定してきているところでございます。
 それで、北海道でなぜ二か所と。これは、実は北海道国際センターというのは一つでございまして、二つの施設から成っているセンターでございますが、JICAが上記の基準を踏まえまして平成七年に設置したわけでございますが、その際、まず、北海道は地理的に当然のことながら極めて広がりがございまして、産業分布の多様性を生かした研修コースを提供できるという意味におきまして、札幌と帯広の二か所に研修施設を設けることが自然である、かつ適切であるというふうに考えて選定をさせていただいた次第でございます。
#272
○紙智子君 ところで、帯広のこの研修施設の施工が決定したのはいつで、いつ完成したんでしょうか。
#273
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 研修施設の施工日は平成六年七月の十三日、竣工日は翌平成七年十二月の二十六日でございます。
#274
○紙智子君 受注業者はどこですか。
#275
○政府参考人(西田恒夫君) 受注業者は、これはロットが幾つかに分かれておりますが、建設工事につきましてはフジタ、萩原建設の共同体の企業体、それから、機械設備工事につきましてはトーヨコ理研それから三洋興熱のやはり建設工事共同体、それから、電気設備につきましては六興・末広屋建設工事共同体というふうに承知をいたしております。
#276
○紙智子君 鈴木氏はこれらの受注業者から政治献金を受け取っています。ここでもやはりムネオハウスと同じ構図があります。
 資料をお配りしてください。
   〔資料配付〕
#277
○紙智子君 まず、ここに書いてあるこの五社だけで千三百二十万円の献金をもらっています。特に、建設工事に当たった萩原建設工事からは九百九十万円も献金を受けています。しかも重大なことに、発注された九六年には、前年は四十八万円だったのが、一気に三百万円増えているんです。見返り以外の何物でもないじゃありませんか。そして、三洋興熱も同じです。受注前はゼロだったのが、四十二万円の献金と。
 つまり、自分の選挙区の帯広に持ってくるように圧力を掛けて、実際に設置して受注業者から献金を受け取ると。これ、明らかに見返りじゃありませんか。そう思いませんか、どうですか。
#278
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 政治献金そのものについてお答えする立場にはございませんが、先ほどの入札につきましては、建設工事は九社が入札に参加をしており、機械設備につきましては七社入札に参加し、電気設備工事は九社が入札に参加をしております。
 私たちが調べました限りにおきまして、この入札をめぐりまして不適切なことが行われたという話には接しておりません。
#279
○紙智子君 そうおっしゃいますけれども、しかし、いずれもこれは鈴木宗男氏との関係で、やはり帯広の業者なわけですね。発注を受けて、そして実際に献金を渡しているわけですから、明らかにこれは影響があったというふうに言えるんじゃないでしょうか。
 財務大臣、あっ、いらっしゃいませんか。
#280
○委員長(真鍋賢二君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#281
○委員長(真鍋賢二君) 速記を起こしてください。
 紙智子君、再度質問してください。
#282
○紙智子君 ちょっと聞いていらっしゃらなかったと思うので、もう一度言いますけれども、お配りした資料の中でも、鈴木宗男議員へのこの帯広研修施設を施工に当たった業者からの政治献金が明らかになっています。この一覧表で見ていただいただけでも、明らかに見返りを想定してこういうやり方をしているのではないかと。五社だけで総計で千三百二十万円、そして発注を、受注を受けたそのときから急激にこの献金の額が高くなっているというこの事態を見て、異常だと思われませんか。
#283
○国務大臣(塩川正十郎君) これで拝見しますと、九五年から九六年、ちょっと九倍に増えていますね。これと注文を受けた関係との間に何か因果関係があるかという御質問でございますね。
#284
○紙智子君 三百万、一遍に増えています。
#285
○国務大臣(塩川正十郎君) 一遍に増えていますね。何かこれ事情があるだろうと思いますね。
#286
○紙智子君 財務大臣が今お答えになったとおりですよ。明らかにこれは事情があったと。受注を受けたからですよ。要求したとおりにやってくれたと、その見返りとして渡したということにほかなりませんよ。
 やはりこういう事態に対して、おかしいわけですから、やはり外務省はきちんと調査すべきだと思います。いかがですか。もう一度。
#287
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 先ほどお答えしたとおりでございまして、私たちが調査した限り、入札をめぐり不適切なことがあったというふうには承知をいたしておりません。
#288
○紙智子君 当時、鈴木宗男氏の選挙区というのは、旧選挙区の五区というところでした。この帯広の研修センターが一括して影響を与えるというその地域というのは、このパンフレットがありますけれども、この中で見ると、丸々、鈴木宗男氏の当時の選挙区なんですよ。ですから、このことから見ても明らかにそういう意図があったというふうに言えると思うんです。
 続いて、根室のはしけの問題に移ります。
 希望丸はいつできて、現在どうなっていますか。
#289
○政府参考人(齋藤泰雄君) お答えいたします。
 自航式はしけ希望丸でございますが、平成十年二月に国後島住民に対しまして供与をされました。運航四年を経過しまして、破損、劣化状況が激しく、使用に当たり危険さえ伴い得るということもございまして、島側から修理の要請がございました。
 我が国といたしましては、緊急人道支援の効果的な実施との観点から、我が国の造船所にて修理を行うことを検討しているものでございまして、本年二月に根室に回航されてございます。
#290
○紙智子君 私どもも相当傷みがひどいというふうには聞いています。しかし、わずか造られて四年ぐらいでそんなにひどくなったんでしょうか。我々の調査でも、船体はかなりもうぼこぼこだと、そして穴まで空いていると、驚くような変わり果てた姿だと。造船関係者の方もこれを見て、二十年、三十年使った船のようだと、みんなそう言っているんですね。
 そして、どうしてこんな異常な状態になっているのかということでは、多くの造船技術者の方が言っておられますけれども、船の命ともいうべき船体の鋼板の材料が規格品を使っていない疑いがあるというふうに言っているんです。
 もしその指摘が本当だとしたら、これ、重大問題ですよ。直ちに点検、調査すべきじゃありませんか。
#291
○政府参考人(齋藤泰雄君) 希望丸につきましては、引渡しの前に必要とされます各種の検査が行われたことを確認しております。
#292
○紙智子君 それから、修理をする場合の費用について、支援委員会の協定ではどちらが持つことになっているんでしょうか。
#293
○政府参考人(齋藤泰雄君) 希望丸は破損、劣化の状況が激しいことを先ほど申し上げましたけれども、例えばスクリュー等が曲がっていて交換が必要であるとか、かじが屈折していて修理が必要であるとか、さらには外板も日ごろの接岸の際の衝撃等によりまして損傷が著しく、広範囲における張り替え、打ち出し補修が必要となっているという状況にあると承知しております。したがいまして、希望丸を修理する場合には、新たな部品等の物品を購入し、損傷箇所に取り付ける必要があると思われます。
 希望丸の修理に必要な部品等の物品の購入は、支援委員会の設置に関します協定第三条一(a)(4)の「緊急人道支援の実施のために必要な機材、車両等の購入」に該当すると思われますし、また、物品等の取付け等の役務、これには修理を行うための上架とか修理箇所調査等のコンサルタントの雇用等を含むと思われますが、こういった役務の購入は同協定第三条一(a)(5)に基づくものと考えております。
#294
○紙智子君 この協定に書かれているんでしょうか。支援委員会の協定に書かれているんでしょうか。
#295
○委員長(真鍋賢二君) 齋藤欧州局長、少してきぱきと答えてください。
#296
○政府参考人(齋藤泰雄君) 協定第三条一(a)の(4)では「緊急人道支援の実施のために必要な機材、車両等の購入」、同(5)には「(1)から(4)までに掲げる活動の実施に伴い必要となる役務の購入」と、こういうふうに規定されているところでございます。
#297
○紙智子君 修理代というふうに書いてあるんですか。はっきり言ってください。
#298
○政府参考人(齋藤泰雄君) 先ほども申し上げましたとおり、希望丸の修理をするに際しまして、スクリューですとかかじですとか外板等の物品が必要になるわけでございます。このような必要な物品等の購入は、先ほど申し上げましたように、協定三条の一の(a)の(4)で読むわけでございまして、また、それを取り付けるための役務、すなわち修理でございますが、これは同協定第三条一(a)(4)にあります「役務の購入」というふうに考えているわけでございます。
#299
○紙智子君 これでこの改修まで日本が持つということを認めてしまいますと、また三年後には改修が入ってくる。あるいは、友好丸だって入ってくるかもしれない。それから、この間いろいろ問題になりました発電所だって、故障したから改修してほしいと。それは日本で持つということになるんでしょうか。これではもう人道支援という範囲を超えているんじゃないですか。いかがですか。
#300
○政府参考人(齋藤泰雄君) 希望丸は、国後島側に供与されましたはしけでございまして、一義的に同はしけの維持管理は島側の責任で行われるべき問題だと考えております。
 しかしながら、島側より希望丸の修理に関する強い要請が寄せられたことを踏まえまして、必要とされます修理の内容及びかかる修理が国後島住民への緊急人道支援の実施に不可欠かどうかといった観点から慎重に検討を行った結果、支援委員会の負担により希望丸の修理を行うこととしているわけでございまして、この後将来どうするかということにつきましては、その都度慎重に検討した上で修理を行うか否かについて決定する考えでございます。
#301
○紙智子君 ところで、この希望丸はどこの造船会社に入っているんでしょうか。
#302
○政府参考人(齋藤泰雄君) 根室造船という会社でございます。
#303
○紙智子君 また出てきましたね、根室造船。
 この修理を前提として入ってきているということですか。
#304
○政府参考人(齋藤泰雄君) 希望丸は、先ほど来申し上げていますように、破損が著しく、長時間の航行に耐え得る状況ではなかったために、安全を最優先にするという観点から、国後島からの航行距離、時間を最小限にする必要がございまして、根室花咲港に寄港させる必要があったというふうに伺っております。
 さらに、申し上げますと、根室花咲港におきまして希望丸を上架できる船台を有しております造船所は根室造船に限られているというふうに理解しております。なお、この修理をどのように行うかというのは今後の問題でございます。
#305
○紙智子君 修理をさせるということでもう決まっていたわけですか、その根室造船ということで。
#306
○政府参考人(齋藤泰雄君) この船は修理を必要とするということで修理を行う方向で考えておりますけれども、根室造船に上架した理由というのは、先ほど申し上げましたとおり、国後島からの航行の距離を最短にする必要があること及び根室においてこの船を上架できる設備を有している造船所は根室造船しかなかったという理由でございます。
#307
○紙智子君 修理を前提にして、では入れたということですね。
#308
○政府参考人(齋藤泰雄君) 修理を行う必要があるという判断に立ちまして日本に回航していると、こういうことでございます。
#309
○紙智子君 ちょっと写真を見せますけれども、これは希望丸がこの根室造船に入ったときの二月十四日のときの写真です。(資料を示す)まだ雪が降っていますけれども、ここにはしけじゃなくて、足場を組み立てております。
 それで、実際にこれが入ってから、この根室の問題で鈴木宗男氏の疑惑が大変大きな問題になってきました。その途端に足場をなくして、こういう状態に今なっているんですよ。これはどういう訳なんでしょうか。
#310
○政府参考人(齋藤泰雄君) その足場がどうしてなくなったかというのは、技術的な理由によるものなのか、ちょっと私よく分かりませんが、いずれにいたしましても二月十四日に根室花咲港に入港いたしまして、根室造船所において上架、保管されているというふうに理解しております。
#311
○紙智子君 結局、大騒ぎになって外したということが明らかだと思います。
 そして、こうして入ってから、もうたなざらしの状態でしばらく続いているわけですね。このときの保管料というのは総額で幾らになっていますか。
#312
○政府参考人(齋藤泰雄君) 三月十四日現在で上架、保管のために要した経費は約百八十万円であるというふうに承知しております。
#313
○紙智子君 船台使用料だけで一日一万五千円掛かっていますね。毎日無駄なお金が出ているということです。
 昨年供与した友好丸は、何か月間もこの根室造船に放置されたままでした。その間の費用負担はどうなっていますか。その内訳についても言ってください。
#314
○政府参考人(齋藤泰雄君) 友好丸についてのお尋ねでございますが、この友好丸を色丹島に引き渡すに当たりまして島側の必要な手続を経る必要があったわけでございますが、この手続に時間が掛かりまして約四か月ほど引渡しが遅れたという事情がございまして、そのために要した費用は約二百五十八万円というふうに承知しております。
#315
○紙智子君 希望丸のその保管料で百八十万と言いました。今の友好丸で二百五十万。合わせますと四百万円以上ですね。これだけのお金が結局、根室造船に回る仕組みになっているわけです。この根室造船の社長は鈴木氏の根室後援会の幹事長ですよ。
 外務省の調査報告の二十三ページを見ても明らかですが、鈴木議員は希望丸の進水式の前日に外務省に対してこう言っています。外務省は誠意がないよ、このはしけにしても桟橋にしても君らが知恵を出した話じゃない、自分が説得してやっと実現したものだと。それを、でき上がったから自分の手柄なんだって考えてもらっては困る、自分がどれほど苦労したかと。この希望丸を造ったのは私だということをはっきり言っているわけですよ。しかも、受注者は根室造船です。
 財務大臣、どうでしょうか。本当にこれ、おかしいと思いませんか。
#316
○国務大臣(塩川正十郎君) 私はちょっと所管外で分かりませんけれども、しかし地元でその造船所が一番やっぱり能力があったんじゃないんでしょうか。
#317
○紙智子君 とんでもない発言だと思いますね。
 私は、引き続きこの問題についてしっかり調査していただくことを要求いたしまして、残り、関連の質問に代えさせていただきます。
#318
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。林紀子君。
#319
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
 私は、日本の大学の異常な高学費とそれから奨学金の問題について質問いたします。
 まず、内閣府にお聞きしたいんですが、この十年間の家計の消費支出そして可処分所得の推移というのはどうなっておりますでしょうか。
#320
○政府参考人(岩田一政君) ただいま林先生の方から御質問ございました家計消費及び可処分所得の動きについて御説明いたしますと、家計調査報告を見ますと、一世帯当たりの勤労者世帯の実質消費支出というのが九二年にピークになっておりまして、その後減少傾向を続けております。実質の可処分所得の方につきましては、九七年をピークといたしまして減少傾向を続けております。
 以上でございます。
#321
○林紀子君 そうしますと、国民の家計というのは十年前の水準以下になっているということだと思うわけですね。
 文部科学大臣にお聞きいたしますが、国立大学の二〇〇三年度からの授業料と初年度納付金、幾らになりますでしょうか。
#322
○政府参考人(工藤智規君) 平成十四年度からのということかと思いますが、国立大学の授業料、学部の昼間部で見ますと、十四年度入学者に掛かる授業料は四十九万六千八百円でございまして、入学料二十八万二千円を含みます初年度納付金は七十七万八千八百円の予定でございます。
#323
○林紀子君 これは二〇〇三年度の納付金ですか、二〇〇三年度からの。
#324
○政府参考人(工藤智規君) ただいま御審議いただいております予算案におきまして国立大学の授業料について改定を予定してございますが、それは平成十五年度入学者からでございまして、この四月からの入学者についてはこの十三年度と同様、先ほど申し上げた数字でございます。
#325
○林紀子君 そうしますと、今検討しているこの予算案、十五年度から幾らになるんですか。
#326
○政府参考人(工藤智規君) 平成十五年度入学者に掛かる授業料につきましては、年額二万四千円増額余儀なくいたしまして、年間五十二万八百円の予定でございます。
#327
○林紀子君 初年度納付金も言ってください。
#328
○政府参考人(工藤智規君) 授業料とそれから入学料合わせますと、八十万二千八百円の予定でございます。
#329
○林紀子君 ですから、十五年度からはもう五十万円を授業料は突破するということになるわけですよね。
 内閣府にお聞きしたいんですけれども、公共料金を一九七〇年から二〇〇〇年までの三十年間比較いたしますと、大幅に値上げされているものに、例えばバス代が七・一倍、郵便料金が六・七倍、私鉄運賃が四・九倍、こういう表をいただいておりますけれども、国立大学の授業料は一体何倍の値上げとなっていますか。
#330
○政府参考人(永谷安賢君) 国立大学の授業料でありますけれども、一九七〇年度が一万二千円、二〇〇〇年度で四十七万八千八百円であります。したがいまして、その間の倍率は三十九・九倍の水準になっているということです。ちなみに、消費者物価指数の中に国立大学の授業料という項目があります。これは授業料と入学料を足し合わせたものでありますけれども、これで見ますと、同じ期間に四十一・八倍になっているということであります。
#331
○林紀子君 四十倍もの値上げになるわけですよね。こんなすさまじい公共料金の値上げというのはほかにないんじゃないかと思うわけですね。授業料と入学金を合わせた国立大学の初年度納付金、消費者物価と比べたグラフをお渡しいたしました、皆さんの手元にお配りいたしましたけれども、それも五十・二倍に上がっているわけです。
 私学の方、私立大学の方はどうなっておりますでしょうか。
#332
○政府参考人(工藤智規君) 私立大学の十四年度あるいはその十五年度からの授業料の動向というのはまだ不明でございますけれども、十三年度について見ますと、学部、昼間部でございますが、授業料で平均七十九万九千九百七十三円でございます。それに入学料等を合わせますと、初年度の納付金は平均で百二十八万八千四百八十一円となっているところでございます。
#333
○林紀子君 私学の場合は、学費、初年度納付金とも国立大学の一・五倍以上ということになっているわけですから、更に大変な負担になるわけです。
 これまでの御答弁で示されたとおり、家計の方は十年前の水準以下に落ち込んでいる。その中で学費はどんどん上がっている。三十年前と比べてももうウナギ登りという言葉がぴったりだと思うんですね。
 こうした高学費の中で、学生はバイト、バイトに追われて勉強できない、現在の学費でも大変なのに、これ以上値上がりすると退学せざるを得ない、こういう声を上げておりますし、また親の方は四分の一が借金をして子供を大学に通わせている。小泉内閣は米百俵の精神ということをよく言いますけれども、やっていることは全く違うと思うんですよね。
 財務大臣、それから文部科学大臣、こういう大変な国民の実態、学生の実態、どのようにお考えか、お答えをいただきたいと思います。
#334
○国務大臣(遠山敦子君) 文部科学省といたしましては、次の時代を担う学生たちが心置きなく勉学に励める、勉学に意欲のある子供たちですけれども、そういうことは非常に大事だと思っておりまして、年々奨学金事業の充実などに努めてまいっております。
 特に、日本育英会の奨学金につきましては、近年、希望する学生が可能な限り貸与を受けられるように充実を図っておりまして、平成十四年度予算案におきましても、今年度と比べまして、貸与人員で四万五千人増の約七十九万八千人、事業費で四百三十四億円増の約五千百六十六億円を計上しているところでございます。
 また、保護者が失職をしたりあるいは倒産をしたりということで家計が急変してしまったということで、学業の継続が困難となったような生徒や学生に対応いたしますために、年間を通じてこれは随時受け付けておりますけれども、無利子で貸与を行いますところの緊急採用奨学金制度を実施いたしておりますが、平成十四年度におきましても今年度同様に一万人分、約三十億円を措置しているところでございます。
 また、私学におきます経営上のいろいろな支出に対応するということで、私学助成につきましては、教育条件の維持向上、あるいは修学上の経済的負担の軽減等に一層資するということを目的といたしまして、平成十四年度予算案では、私学、私立大学等経常費補助金につきましては、十三年度と比べて五十五億円の、五十五億円増の約三千百九十億円を計上しているところでございます。
 我が小泉首相も、米百俵というところでいう考え方を施政方針にお述べになりまして、私どももその将来を担う学生たちのこういった問題にできるだけこたえていくべく、この面での努力を今後とも重ねていきたいと思っております。
#335
○林紀子君 財務大臣にもお願いしたんですけれども。
#336
○国務大臣(塩川正十郎君) 大学教育は義務教育と違いまして、言わば、言葉は適切じゃございませんけれども、受益者負担の原則がそこに働いておるということも考えていただきたいと思っております。
 しかも、最近になりまして国立大学の方の授業料が急騰いたしましたことの一つの原因として、学問が非常に多様化、広範囲になりましたこと等で、私の覚えていますのは、一九七〇年当時から見たら教授の陣営が数倍増えておると思っております。はっきり私は分かりませんが、私の感覚ですから。私が私立大学の理事長をやっておりましたときも、その十二年間の間に先生の数が倍近く増えておりますこと、そういうことで学問の水準は非常に上がったこと等、それがやっぱり一つあったということ。それからまた、国立につきましては、私立との権衡を取るという意味において、多少上がり方が大学としてきつかったと思いますが、しかし先ほど遠山文部大臣が言っていますように、文部大臣一生懸命この育英資金の、育英資金の増額を一生懸命に努力しまして、今度十四年度も例年になく伸び率を増やしていったということで、できるだけそういうことでカバーしていきたいと思っております。
#337
○林紀子君 今、財務大臣、学問水準が上がって先生増えたから高くなるのは仕方ない、それが米百俵の精神なんですか。そうは思えないですね。水準が高くなるのは当たり前じゃないですか。そして、それは、日本では本当に世界の水準に追い付くようなことでやろうと言っているときに、それで先生が増えたから金もウナギ登り、さっき示したように四十倍近くの三十年間で学費が上がっても当たり前、それはもう本当にとんでもない話だと思います。
 それからまた、奨学金のお話がありました。文部科学大臣から四・五万人増員したというお話がありましたけれども、それでは、無利子奨学金、有利子奨学金、それぞれ人員が何人来年度増えて何人減ったのか、そこのところをお答えいただきたいと思います。
#338
○政府参考人(工藤智規君) 来年度予算で予定しております日本育英会の奨学金につきましては、無利子事業と有利子事業があるわけでございますが、無利子の貸与事業につきましては、貸与人員、残念ながら一万六千人減の四十万六千人を予定してございます。有利子貸与人員につきましては六万一千人増の三十九万二千人を予定してございまして、合わせまして全体としまして四万五千人増の七十九万八千人を予定しておるところでございます。
#339
○林紀子君 プラスとマイナス一緒にしちゃったという話だと思うんですけれども、今明らかになったのは無利子の奨学金が一万六千人も減ってしまったということ、これは明らかだと思うんですね。
 そして、それではお伺いいたしますけれども、一九八四年、奨学金に有利子制度が初めて導入されたときですけれども、その審議では当時の森文部大臣は無利子貸与制度が奨学金制度の根幹だというふうに答弁なさっていたわけですね。当時の宮地高等教育局長は無利子と有利子の割合は五対一を想定している、根幹なんだから無利子の方が五なんだということを答弁しているわけですが、今、工藤局長からお話があった、無利子が四十万、有利子が三十九万二千、これはもうほぼ一対一になっているわけですから、このときの話は一体どうなったのか。これは大臣、お答えいただきたいと思います。
#340
○国務大臣(遠山敦子君) 奨学金の種類といたしまして、有利子奨学金と無利子がございます。
 今お話しのように、昭和五十九年度に財政投融資を活用した事業として有利子奨学金が発足したわけでございます。当時はやはり量的拡大を非常に考えておりまして、いろいろその後も対象の学種、学校の種類ですね、を拡大すること、あるいは平成十一年度には、奨学金を希望する学生の需要に応じて十八歳以上自立型社会の確立を目指しまして、貸与人員の抜本的な拡充とかあるいは貸与月額を選択できるようにするというふうなことで制度を改善してまいっているところでございます。
 無利子の奨学金につきましても、これまで貸与人員の増額でありますとか貸与月額の増額、さらには平成十一年度には保護者の、先ほど御説明しましたけれども、保護者の失職などの家計急変者に対応するための緊急採用奨学金制度を創設するなどの充実に努めてまいっております。
 御指摘の無利子奨学金を根幹とするということにつきましては私どもも認識をしているところでございますけれども、現下の非常に厳しい財政状況の下で奨学金を希望する人が十分に貸与を受けられますように、無利子奨学金の確保を含めて全体の奨学金の事業の充実に努めているところでございます。
 ついでながら、有利子奨学金も貸与利率は現在、年〇・七%でございますし、在学中は無利息でございます。また、病気、失職等、真にやむを得ない事情によって返還が困難な場合には返還を猶予されるというような方式を取っておりまして、無利子奨学金と同様の措置も講じられているところでございます。
 いずれにいたしましても、この問題については更に努力が必要かと考えております。
#341
○林紀子君 確かに、量を増やすということは必要なことなんですけれども、それでも、無利子が根幹だと言いながら有利子をどんどんどんどん増やしてきているわけですね。(「無利子を減らして」と呼ぶ者あり)無利子を減らして有利子を増やしてきているわけですね。
 で、有利子奨学金だと、大学卒業、大学院卒業では、最大でそれぞれ幾ら返済することになるのか、その金額、提示していただきたいと思います。
#342
○政府参考人(工藤智規君) ただいま大臣からも御答弁申し上げましたように、有利子奨学金といいましても、創設当初、昭和五十九年の創設当初も上限を三%に抑えようということで発足したわけでございますが、希望者が多い中で、財政事情を考慮しながら、万やむを得ず有利子奨学金の事業の拡大、充実を図ってまいったところでございます。
 それで、現在、有利子奨学金で大学の学部レベルの場合は、選択制でございますが、一番大きな金額は月額十万円お貸ししてございます。四年間お借りしますと貸与総額は四百八十万になるわけでございますが、これを現在の年利〇・七%で計算いたしますと返還総額は五百十六万になります。私ども、返還の規模に応じまして無理のない返還をしていただく計画を立ててございまして、今のこの五百十六万ベースでありますと、卒業後、毎月二万二千円を二十年間掛けてやっていただくということを予定してございます。
 また、大学院の場合、修士課程、博士課程ございますが、いずれも最大お借りできますのが十三万円で、月額十三万円でございまして、修士課程二年間で見ますと、貸与総額が三百十二万でございます。〇・七%年利を掛けますと返還総額は三百三十三万になりまして、この返還の計画は、毎月一万五千円を十八年間掛けて行っていただくということを予定してございます。
#343
○林紀子君 今、博士課程のお話ありましたけれども、それは博士課程の四年間だけで、大学から借りておりましたら全部で千三百五十二万円になるということだと思うんですね。
 これは、今言ったように〇・七%で計算しているわけですけれども、この日本育英会が出しておりますパンフレット、最高利率というのが施行令では三%になっている。それで計算したらどうなるかというのをここへ表を書いているわけですけれども、大学四年間で六百四十六万円、博士課程では大学から借りましたら一千六百八十四万円、学校を卒業したと同時にこれだけの借金を抱えることになるわけですね。正にこれは教育ローンだというふうに思うわけですね。
 塩川大臣は、お忘れではないと思いますけれども、昨年の参議院の予算委員会でこういうふうに答弁なさっています。奨学金の支給額が月六万円、最高でも十万円というのはやっぱり少ないと思う、優秀な人材を育てようと思ったら無償返還の奨学資金、つまり給付制の奨学金ということだと思うんですけれども、これができたらいいんじゃないか、小泉内閣の目玉にしたいということまでおっしゃっているわけですけれども。
 大臣、こういうふうにおっしゃっているわけですから、この奨学金、本当に給付制にする、額も増やす、人数も増やす、やったらいかがでしょうか。
#344
○国務大臣(塩川正十郎君) そういうことを発言いたしましたので、先ほど来文部大臣が言っておりますように、今年は例年より量は増やしたということです。
 私も、やっぱりもっともっと増やしたいという気持ちはありますよ。財政上の制限で、やっぱりどうしてもそこに多少はございますし、しかし重点政策として取り上げたことだけはこれは間違いございませんし、今後、国の財政が緩んでくるということがございましたら、そうなけりゃなりません。景気が良うなってきて自然増収が増えるというようなことになりましたら、こういう方面において思い切りやっぱり国家資金を入れていくべきだと思っておりまして、決してこういうような、学生を軽んじるというようなことは絶対いたしておりませんし、将来を担う学生でございますから、できるだけいいことを我々がやっぱりするべきであるということは間違いございません。
#345
○林紀子君 目玉にすると言っていたんですからね。
 世界は給付制が奨学金の流れなわけですよ。ですから、そういうことは是非、選挙の前の国会で答弁をしただけでおしまいにしないで、ちゃんとやるべきだと思うわけです。
 で、無利子奨学金の削減をやめるには百二十三億円、授業料値上げをやめるには百三十七億円、合わせて二百六十億円あれば当面これはできるわけなんですね。先ほど児童扶養手当の話もありましたけれども、二百六十億円ぐらい子供たちの教育のために回してこそ、これで米百俵とは言えませんけれども、こんなくらいするのは当たり前じゃないですか。これさえもしないということは、小泉内閣、本当に米百俵なんということを言えないですよ。
 学生の権利を奪い、学ぶ権利を奪い、若者の夢も希望も打ち砕く非情な政治だということを言わなければならないということを申し上げまして、私の質問を終わります。
#346
○委員長(真鍋賢二君) 以上で紙智子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#347
○委員長(真鍋賢二君) 次に、森ゆうこ君の質疑を行います。森ゆうこ君。
#348
○森ゆうこ君 国会改革連絡会(自由党)の森ゆうこでございます。
 予算委員会で初めて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、先ほど民主党の今井先生も御質問されましたが、救急救命士の問題に関しまして私の方でも質問させていただきたいと思います。
 先ほど大臣からもかなり前向きな御答弁があったかと思いますが、予算についてお聞きしたいと思います。救急医療の体制の高度化に向けて、平成十四年度予算ではそれをどのように反映しているでしょうか。お答え、お願いします。
#349
○政府参考人(篠崎英夫君) 平成十四年度におきましては、病院前の救護体制、これプレホスピタルケアと申しますが、病院前救護体制の充実を図りますために、まず各地域で救急救命士への指示やあるいは救急救命士の行った行為の事後検証、うまくいったかどうかというような事後検証などを行ういわゆるメディカルコントロール体制の中心的な役割を担う医師を対象といたしまして、その研修の費用を上げております。
 また、各地域で、この地域は都道府県が一つとそれから二次医療圏に一つを目指しておりますが、各地域でメディカルコントロール協議会を設置するために必要な経費の補助を盛り込んでおるところでございます。
 今後とも、これらの事業を積極的に推進いたしますとともに、関係省庁とも連携を図って、病院前救護体制の構築を推進したいと考えております。
#350
○森ゆうこ君 今ほどの御説明ですと、先ほど今井先生からも御指摘がありましたように、もっと積極的に、具体的に、しかもスピーディーに救急救命医療の現場を改善するという方向には向かないのではないかと思いますが、その点についていかがでしょうか。
#351
○副大臣(宮路和明君) 先ほど今井先生の御質問もあったわけでありますが、気管内挿管は気道確保を図ると、気道の確保を図るという点で大変優れた、最も確実な方法であるということは私どもも十分承知をいたしておるわけでありますが、それだけにまた、高度な技術や、それをしっかりとオペレートするためには、しっかりと、技術やあるいはまた経験というものもこれはそれなりに必要であるということが言えるわけであります。
 したがって、この救急救命士の制度は、平成三年にたしか制度化された、法律ができて制度化されたと思っておりますが、その制度創設に当たってもいろいろとこの問題の是非については議論があったというふうに承知をいたしております。
 そしてその後、ほどなく経過いたしまして、たしかこれが平成十一年だったかと思いますが、更にその後の状況にかんがみて救急救命士の業務の範囲をどのように拡大していったらいいかということで、大学の教授、これも医学部の教授の先生、あるいは法学部の関係の先生、更にまた地方自治体の関係者、消防の関係者、あるいはマスコミの方々、医師会の代表の方々等々、そうそうたる方々にお集まりをいただきまして、その業務範囲の在り方についての検討会を平成十一年に立ち上げまして、そこでこの気管内挿管の問題を含めて救急救命士の業務範囲の拡大の問題についてるる御議論をいただき、検討を賜ったところでありますが、そのときも、なお残念ながら時期尚早だというような結論に達したというふうに承知をいたしておるところであります。
 これを、例えば病院で、医療機関においてこの気管内挿管を行います場合は、患者のそれぞれの状態を検査等によって十分把握をした上で、そして多数の専門スタッフの協力もいただく中でこの気管内挿管を行うと、そういうシステムで行われておるわけでありますが、これが救急現場でございますと、委員御案内のように、大変短い、気管内に瞬時にこの気管内挿管を確実にやるということになりますと、これはなかなか難しいという、そういう面もあるわけでありまして、それで、その他搬送上、途中においてもいろんな事故が発生する可能性もあると、そういったことで今日までこれが実施されていないということでありますので、こういった問題点をどうやって克服するか、そのための条件整備を早急に図ることによって、そして気管内挿管を救急救命士の方々にやってもらうような、そういう道をできるだけ早く切り開いていくということで努力をしてまいりたいと、このように思っているところであります。
#352
○森ゆうこ君 いや、会議はもう結構です。とにかく、事故、事件というのは現場で起きているわけですから、それに対して病院内ではよく分かると、現場では分からないということですから、現場で検証されることをお勧めします。
 たしか、総合規制改革会議では規制改革特区を検討中ということがこの間報道されておりましたが、この救急医療特区というものを是非設けられたらいかがでしょうか。私の地元新潟でも、長岡市で大変、いわゆるメディカルコントロール体制が整いつつあるところもございますので、そういうところを救急医療特区ということで検証されることをお勧めしたいと思いますが、大臣の御所見をお願い申し上げます。
#353
○国務大臣(坂口力君) この救急救命士の問題につきましては、午前中にもお答えを申し上げたところ、午前中じゃない、午後でございましたか、午後一番でお答えを申し上げたところでございますが、結局患者の皆さん、いわゆる救急を必要とする皆さん方を中心にして何をなすべきかということをやはりやらないといけないというふうに思っております。
 改めるべきところは改めたいというふうに思っているわけでございますが、そうした中で、やはりそれぞれの地域で、ひとつこういったところで救急救命のことについての議論をする、そういうところで検討をする、あるいはそういうところでいろいろの教育を行うといったようなことをするというのも一つの方法だろうというふうに思っています。それぞれの地域でやはりそのレベルをアップしていただかなきゃならないわけでございますので、御提言も踏まえて検討したいと思います。
#354
○森ゆうこ君 この件に関しましては先ほど今井先生の方からも詳しく質問がありましたので、あとは省かせていただきたいと思いますが、とにかく、私も地元でいろいろなお話を伺ったときに、まずバイスタンダー、その救急の患者さんのすぐ近くにいる人、つまり家族それから一般の市民、その人たちがまず心肺蘇生を行う技術を身に付けたりする、そのバイスタンダーの養成がまず大切であること。そして、四分以内にということが心肺蘇生、救急救命では大切だということですが、それを、必ずしも医師がその場にいるわけではない。医師の代わりにできる人をきちんと養成しておくということが大切だという御意見があったということをお伝えして、この件に関しては終わります。
 次に行きたいと思います。
 一連の鈴木宗男代議士疑惑で問題になった海外支援事業について、外務大臣にお尋ねします。
 連日の鈴木氏疑惑の報道では、あたかも悪者は鈴木宗男氏一人のようであります。別に私、鈴木宗男さんの味方をするわけじゃありませんけれども、地元へ帰って街頭演説をしまして、とにかく皆さん、鈴木宗男って悪い人だと思うでしょうと言うと、みんなうなずくんですね。でも、ちょっと待ってくださいと。日本全国至るところに鈴木宗男がいるんですよ。ムネオハウスやムネオ橋なんかも作っているかもしれません。とにかくこの自民党的な利権の構造を打ち砕くこと、これが構造改革なんですと訴えますと、大変皆さんから拍手喝采を受けるということでございます。
 確認しておきたいんですけれども、とにかく今、国民の本当の関心事は、鈴木氏がいかに悪いかと、そういうことではなくて、税金が国民の利益、国民の幸福のために使われているのか、そうではなくて、自分の利益又は自分の属している組織の利益のために勝手に税金を使っているのかどうか、そのことをはっきりさせてほしいということなんです。
 税金がきちんと使われているかどうかというこの問題に関しては、外務省も共犯であります。マル秘のメモを出してみたり次々にリークして、鈴木氏一人を悪者にしている気がいたしますが、鈴木氏にかかわりのあると言われている事業に関しては外務省は調査されていますが、これ以外にも調査すべき事案があるのではないでしょうか、いかがでしょうか。
#355
○国務大臣(川口順子君) 三月四日に外務省が発表させていただきました調査報告書に、鈴木宗男議員と外務省との関係というのは社会通念に照らして異例であるというふうに書かせていただいておりまして、私はそう思います。
 外務省として、恐らく多くの国民の方の御疑問は、どうして外務省があそこに行くまでの前に、行く前に止められなかったんだろうかということであろうかと思いますけれども、この点については、外務省はやはりきちんと反省を、総括をして反省をすべきだと私は思っております。
 それから、調査についてですけれども、基本的に、御指摘いただいたことについては調査をするという方針で私はおりまして、ですから、一般的に調査をというふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、幾つか国会で御指摘をいただいたことについては更に調査をしますというお約束をしておりますので、何か具体的にこういうことがあってどうだということを御指摘いただければ、それについてはさせていただきたいと思います。
 これは、外務省という行政組織が、行政機関が仕事の中でどういう対応をしてきたかということについての調査でございまして、決して強制権があるわけでもございませんし、できる範囲でできる限りの調査をさせていただくということでございます。
#356
○森ゆうこ君 もう少し積極的に自ら調査をするという御答弁が欲しかったんですが、次に移ります。
 国民の税金が海外で使われる場合は、その使途に関しては特に神経質であるべきだと考えますが、ODAやその他国際機関が行う支援事業への拠出金、そして分担金の使途についてお尋ねします。
 といいますのも、外務省の外交は、日本の国益というより相手国の政府の顔色をうかがう面が強くないか、そして、あるいは惰性、今までの惰性でお金を使っているんじゃないか、又は鈴木氏のような有力者、族議員でしょうか、の関係で外交をしているんじゃないかと、そういう感じがするからです。
 まず、国民の税金の使途との観点から会計検査院にお尋ねしますが、ODAに関しての会計検査はどうなっていますか。
#357
○会計検査院長(金子晃君) ODAの被援助国に対しましては、委員御承知のように、我が国会計検査院の検査権限は及びませんが、国民の関心が非常に高いこと、また国民の税金が被援助国において有益かつ有効に使用されることが必要であるというふうに考え、これまで会計検査院は、外務省、国際協力銀行、国際協力事業団など会計検査院が検査権限を有する機関に対し検査を実施するとともに、近年では八―十か国程度に、八―十か国程度の国に職員を派遣して、被援助国の協力を得ながらODAの事業現場の現地調査を行っております。
 その結果として、援助の効果が十分発現していないなどの事態を毎年決算検査報告の中に掲記しているところでございます。
#358
○森ゆうこ君 その内容については、当然、外務省にフィードバックされていると思いますが、それに関して外務省は、そのような相手国に対して厳しく対応しないのでしょうか。外務大臣、お願いします。
#359
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 ただいまのようにして行われます会計検査の結果につきましては、内閣の方に御報告をいただいておるというところでございまして、それを踏まえて外務省としましては、JICA、JBIC、あるいは出先の大使館等を通じまして、まずはそのような事態についてどのように考えるのかということについて先方政府と緊密な話合いをする、必要に応じまして先方政府の更なる努力を要請する等の措置を的確に取らさせていただくべく努力をいたしております。
#360
○森ゆうこ君 それでは、ODA以外の支援事業に関しての会計監査はどうなっていますでしょうか。
#361
○委員長(真鍋賢二君) どなたにですか。
#362
○森ゆうこ君 これは会計検査院、お願いします。
#363
○会計検査院長(金子晃君) 今問題になっております支援委員会等に関する御質問だと思いますけれども、二国間以上の多国間の協定に基づいて設置される国際機関に対しましては会計検査院は検査権限を持っておりません。このため、本院では支援委員会等に対して直接検査するということは行ってきておりません。
 しかし、今回問題となりました支援委員会に対する拠出金については、国会審議等において様々な事態が明らかとなってきております。したがいまして、これらを踏まえ、会計検査院としては外務省に対し厳正に検査をしていくということであります。
#364
○森ゆうこ君 とにかく、拠出金、分担金、名目は何であれ、やはり税金の使い道にもっと神経質になるべきだと思います。
 ところで、国連及びその関係機関への拠出金、分担金の総額は幾らになりますでしょうか。
#365
○政府参考人(高橋恒一君) お答えを申し上げます。
 平成十四年度予算政府案に計上しております我が国の国連及び国連関係の機関及び国連専門機関に対します分担金の総額は約四百四十億円、拠出金総額は約四百九十二億円、合計で約九百三十二億円となっております。
#366
○森ゆうこ君 これは世界第何位の拠出額でしょうか。
#367
○政府参考人(高橋恒一君) 分担率につきましては、アメリカに次ぎまして第二位でございます。
 拠出金につきましては、多くの機関によって順位が異なっております。我が国がトップになっているところもございますし、それから五位とか六位とかになっているところもございまして、これはそれぞれの国によってどういうところに重点を置いているかということによって変わってまいろうかと思います。
#368
○森ゆうこ君 いずれにせよ、拠出金、分担金に関しては、その国の、一国の影響力が大き過ぎないようにということでシーリングがあると思うんですが、日本の出しているものはそのシーリングぎりぎりの額ですね。
#369
○政府参考人(高橋恒一君) 分担率につきましては、国連本部の分担率というのが現在は一九・六二九%になっておりまして、国連の機関、専門機関につきましては、これは法律的に国連本体とは別の機関になっておりますので別の分担率を取ることは法律的には可能でございますが、実際の慣行上は、そういうことでまた大変な外交交渉になってしまうものでございますから、多くの国際機関では国連本体で使っておる分担率というものに準じた扱いになっております。
#370
○森ゆうこ君 国連に対してそれだけお金を分担しているわけですから、もっと日本は国連関係機関に関する発言権を行使すべきであると考えます。もっと国益を重視した発言をすべきと思うんですけれども、そこで、拉致問題に関してお聞きします。
 先日、国連人権委員会の調査、これは横田めぐみさんのことですけれども、この調査が打切りになりました。この調査も、日本政府ではなく、横田めぐみさんの御家族の依頼でなされたものです。
 国連に対して、分担金の多さからいっても、調査の徹底、継続を日本政府として国連に申し入れるべきと考えますが、大臣は、拉致問題に関して日本政府として国連に再調査を申し入れるつもりはありませんか。
#371
○国務大臣(川口順子君) 御指摘の調査でございますけれども、これは国連人権委員会の決議に基づきまして設置されている強制的失踪作業部会における手続であるというふうに思います。強制的失踪作業部会は、これは失踪者の家族と関係国政府の間の連絡を行いまして、失踪者の所在確認を行うことを目的とするものでございまして、個人の資格で審議をする五人の専門家から構成をされているわけでございます。
 この作業部会は、昨年、日本人拉致被害者の関係者の方々が行った所在確認依頼を受理いたしまして、したがいまして、これは個人がこの作業部会に依頼をするという形を取ることになっておりまして、日本政府が家族の方に代わって依頼をするという性格のものではないということでございますが、この作業部会では所在確認依頼を受理いたしまして作業を行っていました。ただ、情報が十分でないということで、本件について審議を継続していくことは困難であるという決定がなされたと承知をいたしております。
 日本政府といたしましては、本件につきまして可能な限りの協力を行ってきておりまして、このような決定がなされたということについては非常に残念に思っております。
 今回の決定の詳細な理由については、この作業部会の審議が非公開であることもございまして具体的に確認をすることができないわけですけれども、一般論として申し上げれば、失踪者の所在が確認される、確認できるためには、この方がいらっしゃる国から十分な情報が提供されることが不可欠であるということでございまして、この件についても北朝鮮当局から作業部会に対して十分な情報の提供が行われる必要があるわけでございます。
 しかし、今回の決定によりまして、この事案が強制的失踪作業部会におきまして再度審議される可能性が全くなくなるわけではございませんで、政府としても引き続き御家族と御連絡を取るなどいたしまして、どのような対応が可能かということについては今後検討をしてまいりたいと考えております。
#372
○森ゆうこ君 いや、その形式的な手続のことを言っているわけではなくて、外交というのは、個人が申し入れるものですと、人権委員会は、今、大臣おっしゃいましたけど、そうじゃなくて、日本政府としてこの横田めぐみさんの問題にどう対処されるのかという、その姿勢をお聞きしたかったわけですけれども、もう一度御答弁、お願いします。
#373
○国務大臣(川口順子君) 国連での作業部会のお話とは別に、日本政府として北朝鮮にどのような対応をしてきたかという御質問かと思いますけれども、これは、捜査当局においてこれまで捜査の結果、総合的に慎重に検討いたしました結果、お話の横田めぐみさんも含めまして七件、今八件十一名ですね、の事案につきまして、北朝鮮により拉致された疑いがあるという判断がなされてまいりました。
 このような判断を踏まえまして、外務省といたしましては、拉致問題の、拉致問題は国民の生命にかかわる重要な問題であると認識をいたしておりますので、従来から日朝国交正常化交渉等の場におきまして、北朝鮮に対しまして、日朝関係を改善していくためには拉致問題を避けて通ることはできないということを繰り返し説明をいたしておりまして、その解決を強く求めてきているわけでございます。
#374
○森ゆうこ君 今ほど大臣の方から八件十一人というお話が出たわけですが、これは、ついおとといです、三月十二日報道がありましたように、有本恵子さんの誘拐事件に関して、日本の、我が国の法廷において、よど号ハイジャック犯の元妻が有本さんをヨーロッパから北朝鮮に拉致した実行犯の一人であるということ、その日本人拉致に北朝鮮政府は直接関与していた、そして北朝鮮政府当局は日本人拉致によど号犯や日本赤軍を利用してきたこと、これが証言されたことで、今までいわゆる拉致事件、七件十人であったものが八件十一人になったということだと思いますが、これは大きな転換期であると思います。
 非常にこの証言は大きなことだと思いますが、これを受けて、今までいわゆる北朝鮮に対しては太陽政策、言わば太陽政策というような外交を行ってきたように思いますが、これを機に全く違った政策、外交政策に改めるつもりはありませんか。
#375
○国務大臣(川口順子君) 有本恵子さんの事案につきまして、北朝鮮に拉致された疑いがあるという判断が警察当局より今般なされたわけでございます。
 この事案については、政府といたしましてもこれまでも重大な関心を持って対処をしてきておりまして、日朝国交正常化交渉等の場で北朝鮮側に対して安否について調査を申し入れてきたという経緯がございます。
 いずれにいたしましても、政府といたしましては北朝鮮に対しては、先ほど申しましたように、日朝関係を改善していくに当たり拉致問題というのは避けて通ることができないということを繰り返し説明をしておりますし、拉致問題は日朝間の話し合いの場で問題の進展の糸口を探求していくということが最も効果的であると考えております。
 今後とも、韓国、米国と連携を取りつつ、北東アジア地域の平和と安定に資するような形で第二次世界大戦後の正常でない日朝関係を正すような努力をしていく、正すという、そういう基本方針の下で、拉致問題を始めといたします日朝間のいろいろな懸案の解決に向けて全力を尽くしていく所存です。
#376
○森ゆうこ君 同じ問題に関して、警察庁の御見解をお願いいたします。
#377
○国務大臣(村井仁君) ただいま委員既にお述べになられましたように、有本恵子さんの案件につきましては警察としましてもかねて鋭意捜査を進めてきた事件の一つでございますけれども、今回、よど号グループの元妻から得られた証言、供述等を含めまして、これまでの捜査結果、これを総合判断をいたしまして北朝鮮による拉致の疑いがある、このような判断をしたわけでございまして、今後、外務省等関係機関とも連携しつつ、本件それからこれまで北朝鮮による拉致の疑いがあるとされていた事案につきましても、全容解明のために最大限の努力をしていかなければならないと思っております。
 私としましても、御本人そして御家族の悲痛な思いというものをしっかりと受け止め、警察を十分に指導、督励をしてまいりたいと思っております。
#378
○森ゆうこ君 今、その御家族に対する思いというものを語っていただいたんですけれども、外務大臣は拉致された人たちの家族に対しての思いをここでお聞かせ願いたいと思います。
#379
○国務大臣(川口順子君) 私は、先日、横田めぐみさんの御両親を始めとします何人かの御家族の方とお会いをいたしまして、お話を伺わせていただきました。人間として、私も家族を持っている立場でもございますし、御家族の方の気持ちというのは本当に言葉に表せないつらいものがおありになると思います。その席上でも、その御家族の方々のお気持ちを、いろいろなお気持ちをお聞かせいただきました。
 私としては、これは外務省としては、先ほど申しましたように、この問題は正に拉致をされている方の安全、安全に帰ってきていただくということが非常に大事でございまして、粘り強くこれを朝鮮との、北朝鮮との国交の交渉の場等で粘り強く働き掛けていく、交渉をしていくということだと思っておりまして、そのように御家族の方にもお伝えをしたわけでございます。
#380
○森ゆうこ君 これを契機により厳しく対応していっていただきたいと思います。
 北朝鮮政府の関与が疑われる事件としましては、もう一つ朝銀問題がありますが、これに関しまして、今までの捜査状況を警察庁の方からお願いいたします。
#381
○国務大臣(村井仁君) 警察におきましては、破綻いたしました朝銀の経営陣に対する刑事責任の追及という観点から、昨年秋以来、朝銀東京、朝銀近畿等の元理事長あるいは在日本朝鮮信用組合協会会長、それから元朝鮮総連中央本部財政局長ら合わせて二十四人を背任それから業務上横領等により逮捕するなど、捜査を進めてまいりました。
 その中で、警視庁による捜査の結果、元朝鮮総連中央本部財政局長らが平成六年から平成十年に掛けて前後十数回にわたりまして朝銀東京の資金合計約八億四千万円を着服、横領し、朝鮮総連の使途に充てていたという事実を解明し、これにつきましては既に起訴をいたしまして、公判も延べにいたしまして四回開かれていると、こういう状況でございます。
#382
○森ゆうこ君 三月十二日の報道によれば、柳澤大臣は、破綻した朝銀信組の受皿機関が朝鮮総連からの独立性を確保することを条件に新設を許可して、公的資金を導入するという発表がありますけれども、これは事実でしょうか。
#383
○国務大臣(柳澤伯夫君) 十二日の記者会見で記者との問答がありまして、一部の報道で新しい金融機関の受皿は総連とやはりと、こういう問いが記者の方からありまして、私が、関係を独立していないといけないというふうに答えております。
 そういうことでありますが、破綻した六つの朝銀信用組合が現在四つの受皿信用組合を新設いたしまして、そして、そこに破綻金融機関の事業の譲渡を行うということにつきまして、最初の手続であるところの適格性の認定というのを申し入れております。
 私ども、これについて今審査をいたしておるわけでございますけれども、その際、従来の信用組合が朝信協という団体を作っておりまして、その朝信協が朝鮮総連の会員であるというようなこともありまして、今、国家公安委員長のお話にありましたように、融資等において不正なことを行ったと、あるいは強要したというようなことがありますので、そういうようなことがないと、今後ないということを確保して、でなければこの適格性の認定の上で非常に大きな欠陥部分がある、存在することになる、こういうことを我々は考えておるわけでございます。
 したがって、そういったことが確保された上で、私どもが適格性の認定のときに検討をする各諸点のことが同時に満足されるというようなことがあれば、更に手続を進めなければならないと、このように考えているということでございます。
#384
○森ゆうこ君 今の御発言をお聞きしますと、金融庁は、その公的資金の朝銀への投入に関しまして、朝銀も外国政府の影響下にはなく日本の金融機関であるから、破綻すれば公的資金を導入することになる、このように主張して公的資金の導入をしてきたわけですけれども、今回の発言によって、要するに朝銀が北朝鮮政府の日本における出先機関たる朝鮮総連の支配下にあったというふうに認識を変えられたものと私は受け止めます。
 ここで伺いたいんですが、今まで一体朝銀に預金保険機構から幾ら公的資金を投入したんでしょうか。
#385
○副大臣(村田吉隆君) いわゆる朝銀の破綻処理に関しましてでございますが、二回ございまして、平成十年五月に朝銀大阪の朝銀近畿への事業譲渡に関しましては、金銭贈与二千六百二十六億円、資産買取り四百七十六億円、それからもう一つは平成十三年十一月の破綻九朝銀の朝銀北東、朝銀中部及び朝銀西への事業譲渡に際しましては、金銭贈与計二千六百六十億円、資産買取り計四百六十九億円が実施されているということでございます。
#386
○森ゆうこ君 もう一度総額をお願いします。
#387
○副大臣(村田吉隆君) 合計いたしますと、金銭贈与額が五千二百八十六億円、資産買取りが九百四十五億円でございます。
#388
○森ゆうこ君 計六千二百億円ぐらいのお金になると思いますが、これから新規設立する組合に幾ら公的資金を投入するおつもりでしょうか。
#389
○副大臣(村田吉隆君) 今、大臣からも御答弁申し上げましたように、まだ未処理の破綻六朝銀がございまして、これに関しましてただいま新設の受皿組合についての予備審査、申請を審査中でございます。この手続が進んでいく中で、最終的には預金保険機構運営委員会におきまして資金贈与について議決を行うということになるわけでありますが、今のところ、その数字についてどういう額になるかということは確たることは申し上げ難いと、こういうことでございます。
 ただ、六朝銀の十三年三月期決算におきます公表債務超過額は四千二百九十一億円でございます。その後、時間もたっておりますものですから、資産劣化もしているということで、相当額に上るのではないかというふうに思います。
#390
○森ゆうこ君 そうしますと、先ほどの、今までの六千数百億と合わせて、結果幾らになるんでしょうか。今ここでちょっと計算できないので、代わりに大臣、お答えください。
#391
○副大臣(村田吉隆君) 今、私が申し上げたのは、既に確定、実施済みの金額、六千億円弱ですね。それに、そのほかに資産買取り額がございますけれども、これまで把握された新しい、未処理の組合に対します資産超過額が今四千二百幾つかと申しましたが、それが増えるということでありますので、一兆円を超す程度になると、こういう形になるかというふうに思います。
#392
○森ゆうこ君 総額一兆円近いお金をこういう北朝鮮の政府の影響下にあると懸念されている銀行、しかも拉致問題もここに来て新しい局面を迎えましたが、こういうところに一兆円近くの税金を投入していいんでしょうか。金融大臣、お願いします。
#393
○国務大臣(柳澤伯夫君) この朝銀信用組合というのは、中小企業等協同組合法に基づきまして設立された我が国の金融機関ということになりまして、預金保険法上の保険料も支払っているというようなことでございます。したがって、破綻をした場合には、預金保険法によってこれは日本の金融機関として処理をしなければならないということになります。
 これは金融機関に資金を贈与するわけですけれども、これはあくまでもその金融機関の預金者に対して預金の払戻しのための資金として供与されるというのが預金保険法のそもそもの目的でもありますし、そういうものとして供与されるということは、これはちょっと御理解を賜って御議論を進めていただきたいと、このように思います。
#394
○森ゆうこ君 今の柳澤大臣の答弁に関して、警察庁、どうお考えでしょうか。
#395
○国務大臣(村井仁君) 警察の立場と申しますのは、やはり法律に違反することがあればそれを適切な捜査を行いまして、法に定める手続に従って処理をするというのが警察の役目でございまして、ただいまの金融担当大臣の御発言につきまして、私から特段申し上げることはございません。
#396
○森ゆうこ君 朝銀が朝鮮総連の影響下にある、つまり北朝鮮政府の影響下にある。しかも、その北朝鮮政府は我が国の国民を拉致している疑惑が濃厚になってきた。このような状態で一兆円近くの国民の税金がその銀行に導入されるということは、どう考えてもおかしいとは思いませんか。
 大臣、もう一度御答弁お願いします。
#397
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私、直接の担当ではないんですけれども、報道であるとか、ただいま所管の大臣のおっしゃられるところを聞いておりますと、北朝鮮の政府と申しますか、あるいは政府の機関と申しますか、そういうようなものが非常にけしからぬことをやっておると。こういうことはもう言うまでもない、私が言うまでもない、もう明白なことだと、このように思います。
 しかし、他面、こちらの、私どもの所管の金融行政あるいは預金者の保護ということも、またこれも日本の国法上、破綻に際してはこういうことを行うということが規定をされておりますので、私どもとしてはその規定に沿った措置をさせていただかなきゃならないと、こういうように考えるわけでございます。
 ただ、今回、朝銀信組のことについては、預金者の保護と一概に申しても、その預金者の中にどうも、他の信用組合を始めとする金融機関の場合と異なりまして、これはまあ在日の方々がその姓名を本名以外にも、日本の俗称というんでしょうか、そういうようなものを使うことが多かったというようなことも影響されていると思うんですが、結果においては仮名、借名というようなものを使用している方の比率が非常に高うございます。そういうようなことで、非常に本人確認というものが他に比べてなかなか的確にいかない例が多いというようなこともありまして、それらのことについては、今回のこの措置を行うに当たっても十分検討して適切な措置を講じていかなければならないと、このように考えているということでございます。
#398
○森ゆうこ君 私、永田町に来て半年たったところなんですけれども、永田町の常識は世間の非常識と何かよく言われてきましたけれども、今の大臣の御答弁を伺っていますと非常に分からない。国民はこれを聞いて納得するでしょうか。
 北朝鮮政府の影響を受けていない、日本の金融機関であるから公的資金を投入する、つまり国民の税金を投入する、それが金融庁の御説明だったわけですが、その前提が崩れている以上、朝銀に対しての公的資金投入を無期延期すべきだと申し上げまして、私の質問を終わります。
#399
○委員長(真鍋賢二君) 以上で森ゆうこ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#400
○委員長(真鍋賢二君) 次に、大脇雅子君の質疑を行います。大脇雅子君。
#401
○大脇雅子君 お疲れのところ、最後の質問をさせていただきます。
 まず、今、国民が非常に憤慨をしているといいますか、政治不信にまで高まろうとしている問題が二点あると思います。
 一点は、BSEの一連の問題であります。
 日本の消費者の食生活に重要な影響をもたらしたということでは、いうだけではなくて、生産者の被害も非常に大きなものがありました。雪印食品の在庫牛肉に関する不正行為というものは、結局労働者の全員の解雇と企業の倒産という大きな結果をもたらしました。そして、食品表示に関しましても、牛肉や豚肉や、あるいは鶏肉までも産地表示の不正も発覚して、完全に消費者の信頼が損なわれております。
 こうした消費者の食品に対する信頼の回復のためにまずどのような取組を政治が行うべきか、農林水産大臣と厚生労働大臣にお尋ねいたします。
#402
○国務大臣(武部勤君) 雪印食品の問題は、正に制度を悪用した許されざる犯罪行為でございます。そのことによりまして、食肉業界のみならず食品全体に与える信用失墜というものを招きかねない大問題になっているわけでございます。
 私ども農林水産省といたしまして非常に大きな責任を痛感しているわけでございますが、基本的には、農林水産省の行政、生産者サイドに軸足を置いていたと、こういうふうに言われても否定し得ないところがございます。消費者あっての生産者、消費者が求めるものを安定的に供給できなければ自給率も上がりませんし、また生産者も成り立ちません。そういう意味で、まず第一義的には消費者保護第一と、消費者サイドに軸足を大きく移して根本的に農林水産省の行政の在り方というものを正していこうと、このように考え、取り組んでいるわけでございます。
 また、消費者の皆さん方の不信ということに対しまして、食品表示制度対策本部というものを野間副大臣を本部長に設けているわけでございますが、食品表示制度一一〇番を実施いたしましてから、当初は一日に百件以上の電話等がございました。立入検査を始め、この情報を得て、いろいろな検査を、調査をしているわけでございますが、やはりこの点についてもこれが十二分に機能しないという一面があります。つまり、監視体制の強化、それから罰則についての強化、こういったことについての見直しが必要であるということから、JAS法の改正を視野に入れて、今、野間本部長の下で真剣に取り組んでいる次第でございます。
 同時に、やはり企業全体のモラルの問題もこれまた大変大きな問題でございまして、この点につきましても、一月二十三日付けで食品産業センターに対しまして関連法令の遵守や倫理の維持等についての各企業の自主的な取組を強化するよう指導を行った次第でございまして、各企業における行動規範等の策定状況や周知徹底状況の点検調査、あるいはまた行動規範の一層の周知徹底や策定への働き掛け等を行ってきているところでありますが、さらに来週十九日には、会員企業等を対象といたしました企業行動規範に関する講習会を開催することとしているところでございますが、こういったことを改めて実施しなければならないという状況に業界もあるということは誠に遺憾に堪えない次第でございます。
 いずれにいたしましても、消費者の信頼回復のためにやらなきゃならないことを、あるいはまた急がなきゃならないことが山積していると、かように認識している次第でございます。
#403
○国務大臣(坂口力君) 厚生労働省としてやっておりますことは三つでございます。
 一つは、これは国民の健康を守るという立場から、BSEにつきましては全頭検査体制を確立をいたしましたし、ここから疑いのあるものは外に出さないと、そういう体制をしいていることでございます。
 もう一つは、食品衛生法に基づきます表示の監視、監督というものを強化する。これは都道府県にお願いをいたしておりますので、これは都道府県の方に是非ひとつ監督を強化をしてほしいということをお願いをしているところでございます。
 そして、あわせて、この食品衛生法につきましては、現在の食品衛生法では不十分なところがあるのではないか、その点についての再検討に入ったところでございます。
#404
○大脇雅子君 是非お取組を強めていただきたいと思います。
 二つ目は、雇用を創出するという形でいろいろな政策が打たれているわけですけれども、雇用はどの程度創出されたのか、その実績でございます。
 さらに、佐世保重工の教育訓練費の不正受給の問題とか、JTB、雇用のでっち上げによる国の緊急対策費用の不正取得とか、そうしたことが伝えられておりますが、この査定に問題はなかったのか、あるいはまた支給に関するフォローアップをこれからどのようにされていくのか、お尋ねいたします。
#405
○国務大臣(坂口力君) いわゆる不正受給につきましては、これはもうどうしても防止をしなければならないわけでございますし、この雇用の厳しい折でございますから、こうした雇用の厳しいときに多くのここに助成金等を付けていただいているわけでございます。それを悪用するというようなことが、ただの一か所であろうともそれはあってはならないことというふうに思っている次第でございます。
 助成金の支給に当たりましては、これまで提出されました関係書類等について確認を行っているところでございますし、また疑義が生じました場合には、必要に応じて実地調査を実施をするという厳正な審査に努めているところでございますが、不正受給が聞こえてまいったところでございますので、こうした案件につきましては、悪質な事案として刑事事件としての摘発の要請を行うこととしておりまして、厳正に対処したいというふうに思っております。
 雇入れの実績を雇用保険の適用データと厳密に突き合わせることによりまして、電話によります対象労働者の所在確認なども行うことによりまして、必要な防止策の強化を講じてまいりたいと考えております。
#406
○副大臣(狩野安君) これまでの雇用対策の効果をどう考えるかということで御質問だったと思います。
 厳しい雇用失業情勢に対処するために、厚生労働省といたしましてはこれまで数回にわたって雇用対策を実施してまいりました。例えば、ミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策では、三十五万人の目標に対し約三十二万人の実績を上げております。一定の下支え効果を上げてきているというふうに認識をしております。
 また、具体的な施策について申し上げれば、平成十一年に創設された緊急地域雇用特別交付金については、本年度末までに当初の目標である三十万人の雇用就業機会の創出を達成し得るものと考えております。この成果を受けて、昨年策定した総合雇用対策では、より雇用創出効果を高めるよう見直しを行っております。
 そしてまた、中小企業雇用創出人材確保助成金については、平成十二年度における支給対象者数が十一・七万人、目標は十万人と、一定の実績を上げております。更なる活用を図るために、本年一月より、インターネットを活用するなどの経営革新に伴う雇入れも支給対象に追加しているところであります。
 またもう一方、公共職業安定所の紹介を要件としていることなどから活用が不十分であった緊急雇用創出特別奨励金と新規・成長分野雇用創出特別奨励金については、民間の職業紹介所を通じた紹介による雇入れの場合にも支給するよう制度の改善を行ったところでございます。
 今後とも、雇用対策の効果を十分に検証しながら、必要な改善を行いながら、施策の効果的な実施に取り組んでいきたいと思っております。
#407
○大脇雅子君 ありがとうございました。
 さて、外務省にお尋ねをいたしたいと思います。
 支援委員会につきましては様々な質問がございまして、首相、総理もあるいは外務大臣も新たに第三者機関の監査をすると言っておられますが、どうしても疑問が解けないところがございまして、二、三お伺いをいたします。
 外務省の報告書によりますと、「毎年行われている監査法人による監査においても」これまで「問題を指摘されたことはなく、今回の調査でも、調査の対象となった一連の支援案件の金の流れについては不正は見あたらなかった。」と言われております。
 しかし、米国でもエンロンに対する監査法人の信用失墜等あり、財務報告によりますと、二百億から、平成の十二年度では百五十七億というものが支援委員会に内部留保されているということですが、これはどうしてこういうことになるのでしょうか。
#408
○政府参考人(齋藤泰雄君) お答えいたします。
 支援委員会は、そもそも旧ソ連諸国の市場経済への移行を支援する仕組みとして、まず平成四年度に百二十五億円、それから平成五年度に二百二十二億円を拠出いたしまして、その後の分を含めました拠出金とその運用益により、機動的に緊急人道支援及び改革促進支援を行っていくことを目的として設立されたものでございまして、一定額の繰越金を保有することを前提に活動してきていると、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
#409
○大脇雅子君 しかし、それが設立の平成四年から現在に至るまでもほぼ同額の保留ということは納得がいきません。
 さらに、支援委員会のメンバーは、ベラルーシとロシアを除いて順次ODAの二国間援助に移行しております。二国間関係の全般を総合的に考慮した結果、各国が移行したというふうに承知しておりますが、なぜ政府がベラルーシとロシアを二国間援助に移行できないと判断しているのか、その具体的な理由はどこにあるのでしょうか。また、ODA対象国とするための検討課題はどこにあるのでしょうか。
#410
○政府参考人(齋藤泰雄君) 我が国との間で支援委員会設置協定に署名いたしました十二か国のうち、ロシア、ベラルーシ、ウクライナを除きます九か国は、その各々がDAC援助受取国・地域リストの第一部、途上国地域でございますが、この第一部に掲載された時点で我が国のODAの対象国としたわけでございます。
 他方、ロシア及びベラルーシにつきましては、移行国地域ということで、第二部として位置付けておられまして、我が国はODA対象国とはしていないわけでございます。
 なお、ウクライナにつきましては、DACの上記リスト第一部には掲載されておりませんが、同国に対します政策的配慮から我が国のODA対象国としているということでございます。
 ロシアにつきましては、我が国とロシアとの二国間関係を総合的に判断してODA対象国にしていないというふうに御理解いただきたいと思います。
#411
○大脇雅子君 ODAの対象国とする場合と支援委員会を経由して財政援助をする場合と、その支出の透明性の確保について違いがあると思いますが、どういう違いがございますか。
#412
○政府参考人(齋藤泰雄君) ODAにつきましては、通常、閣議決定ですとかそういうものを踏まえまして、交換公文を署名して実施するというようなケースが多かろうと思いますけれども、支援委員会を通ずる援助、支援につきましては、この支援委員会が日本と関係各国との間で設立された国際機関だという性格もございまして、その点では二国間のODA援助とは仕組み的に異なる面があろうかと思います。
#413
○大脇雅子君 そうしますと、いわゆる建設工事を伴う支援案件については、基本的に支援委員会の事務局とコンサルタント契約を締結した業者が現地で事前審査を行うということですが、このコンサルタント契約を締結している業者名を言ってください。
#414
○政府参考人(齋藤泰雄君) 支援委員会を通じます北方四島住民支援事業のコンサルタントとしては、山下設計ですとか、日本造船技術センターですとか、寒地港湾技術センターですとか、パシフィックコンサルタンツインターナショナルですとか、日本工営ですとか、そういったものがコンサルタントとして契約を結んでおります。
#415
○大脇雅子君 そうしますと、そういう業者が現地報告書を出して支援をしていると思うわけですが、こうした調査に外務省は同行しているんでしょうか。
#416
○政府参考人(齋藤泰雄君) 大体の場合において同行していると思います。
#417
○大脇雅子君 また、医療品の供与とか食料品等の物品についての現地調査はないというふうに聞いておりますが、そういう場合の支出の決定はどこで行われるのでしょうか。
#418
○政府参考人(齋藤泰雄君) 支援委員会が行う支援についての決定は、日本政府が行うわけでございます。
#419
○大脇雅子君 そうしますと、この現地調査に鈴木宗男議員が同行した回数あるいはその結果を相談をした回数など調べておられますか。
#420
○政府参考人(齋藤泰雄君) 北方四島支援事業の関連で鈴木議員が四島に行かれたことは、たしか四回ほどあったと思います。
#421
○大脇雅子君 ロシアはどうですか。
#422
○政府参考人(齋藤泰雄君) 支援委員会の事業との関連でロシアに行かれたことはないのではないかと思いますけれども、鈴木議員がロシアに行かれたことは何回かあると思います。
#423
○大脇雅子君 事業費が適正に支出されたかどうか、その評価はどこでだれが行うのでしょうか。
#424
○政府参考人(齋藤泰雄君) 支援委員会が行う事業の評価という御質問でございますと、これは四島交流の枠組みで関係者が四島に行ったときあるいは他の支援事業の関連で四島を関係者が訪れたとき等、適正にこれまでの支援がなされているかどうかということを評価するように努力しているところでございます。
#425
○大脇雅子君 内部留保が百五十七億円平成十二年にあるにもかかわらず、平成十四年度に十億円のその予算請求をされている根拠はどこにあるのでしょうか。
#426
○政府参考人(齋藤泰雄君) これは先ほどもお答えしたかと思いますけれども、支援委員会の活動は、当初の補正予算によります拠出に加えまして、その後の拠出金、毎年の拠出金及びその運用益により機動的に人道支援ないし改革促進支援を行うということで、一定額の繰越金を前提としているものでございます。
 毎年度の予算におきましては、その年度の事務局の運営管理経費、技術支援に係る経費、北方四島住民支援に係る経費等を積算の上、拠出金を計上してございますが、支援委員会では、このほかにも、設立目的に従いまして、繰越金やその運用益を原資として追加的な緊急人道支援や日本センターを通じます人材育成支援等を実施してきているわけでございます。
 その結果として、支援委員会の毎年度の支出額は当初予算額を大きく上回っておりまして、繰越金は、平成十年度、十一年度に補正予算で追加計上したことを除けば、一貫して減少してきているところでございます。
#427
○大脇雅子君 ロシアの人道支援も北方四島の支援も、予算の執行としては非常に数字が小さ過ぎて、内部留保が多くなされております。
 平成十四年度のこの十億の予算について見直しをすべきではないかと思いますが、総体として、このODAへの移行も含めて外務大臣の御見解を伺いまして、質問を終わります。
#428
○国務大臣(川口順子君) ただいま齋藤局長から申し上げましたように、このロシアの支援のスキームは、北方四島だけではなくて、市場化移行への支援、あるいはロシアの人道支援等、様々なことを行っておりまして、現在非常に必要な支出であると私ども思っております。
 それで、これをODAに移行するということをおっしゃられましたけれども、この支援について、この予算の支出については効率的でなければいけないと思いますし、再三御指摘をいただいているように、いろいろな問題点を改めて問題のないやり方にすべきであるというふうに私ども思っておりますので、それについてはこれから様々なやり方で進めていきたいと思いますけれども、ODAは、先ほど御説明いたしましたように、ODAとカウントされないという国でございますので、そこに移行するということは考えておりません。
#429
○委員長(真鍋賢二君) 以上で大脇雅子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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