くにさくロゴ
2002/03/28 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 農林水産委員会 第4号
姉妹サイト
 
2002/03/28 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 農林水産委員会 第4号

#1
第154回国会 農林水産委員会 第4号
平成十四年三月二十八日(木曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     羽田雄一郎君     高橋 千秋君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     羽田雄一郎君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     林  紀子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         常田 享詳君
    理 事
                太田 豊秋君
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                岩永 浩美君
                加治屋義人君
                岸  宏一君
                小斉平敏文君
                野間  赳君
                松山 政司君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                榛葉賀津也君
                羽田雄一郎君
                渡辺 孝男君
                林  紀子君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   武部  勤君
   副大臣
       農林水産副大臣  野間  赳君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       岩永 浩美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        上杉 秋則君
       国税庁課税部長  村上 喜堂君
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局畜産部長    梅津 準士君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (畜産物等の価格安定等に関する件)
 (畜産物価格等に関する決議の件)
    ─────────────
#2
○委員長(常田享詳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として林紀子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(常田享詳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に公正取引委員会事務総局審査局長上杉秋則君、国税庁課税部長村上喜堂君、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君、農林水産省総合食料局長西藤久三君及び農林水産省生産局畜産部長梅津準士君、以上を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(常田享詳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(常田享詳君) 農林水産に関する調査のうち、畜産物等の価格安定等に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言お願いいたします。
#6
○国井正幸君 自由民主党の国井正幸でございます。
 若干お時間をいただいて質問をさせていただきたいと、このように思っております。
 これは通告になかったのでありますが、実は昨日も食料・農業・農村審議会が行われて、大臣からの諮問に答えて、昨日付けでの畜産物価格に対する答申があったわけでありますが、これをちょっと見させていただいて、これ大臣からということじゃなくても結構なんですが、政府の参考人からでも結構でありますが、この表現見ていて、いずれも、やむを得ない、やむを得ないと、こう書いてあるんですよ、やむを得ない。
 やむを得ないということは、この諮問した中身に対して、一般的に見ると、余り芳しくないことを無理強いしてやむを得ないと、こういうふうに言うのが日本語としての通念というか、私どもが理解するのにはそういう理解になるわけでありますが、これは審議会の皆さんじゃありませんから聞かれても困るということかもしれませんが、審議の過程の中で、このやむを得ないという表現をするほどこの諮問の内容というのが問題があったのかどうか。その辺、どうですか、畜産部長なんか出ていなかったんですか。ちょっとお答えください。
#7
○政府参考人(梅津準士君) 昨日、終了後、今村部会長から審議の状況を概略伺いました。今、委員から御指摘ございましたけれども、その後、その審議の状況、それから建議の内容も伺いました。その内容は非常に多岐にわたっておりまして、必ずしも価格だけではなくて、表示の問題から、あるいはトレーサビリティーの話から、多岐にわたっておりましたけれども、そうしたもろもろの幅広い御議論を踏まえて、起草委員があのような形で答申を取りまとめられたというふうに今村部会長からお伺いしましたけれども、それがどのような経緯でそういうちょっと、やむを得ないという表現になったかにつきましては、恐縮でございますが、私、つまびらかに伺っておりませんので、誠に申し訳ございませんけれども、お答えは差し控えさせていただきます。
#8
○国井正幸君 当事者じゃありませんから、確たる答えをもらうということにはならぬというふうに思いますが、ただ、やっぱり私は、今回大変この厳しい、異例とも言えるBSEの発生等によって、例年にない状況の中で大臣もこの審議会に諮問をしたということだというふうに思うんですね。
 そういうことを考えたときに、もう少しやっぱり、これは私の個人的な意見でありますから、機会があったら審議会の皆さんにお伝えをいただければと、こう思っておりますが、こういう状況の中で、やっぱり審議会としての表現についても、やむを得ない、やむを得ないと書けばいいような話では決してないと。もう少しやっぱり積極的にこの行政の努力というものを評価をしてもらいたいなと、このように私は思っております。
 そういう中で、私も、総じて大変厳しい中でいい諮問をしていただいたと。これは、大臣始め農林水産省の皆さんに敬意を表したいと、このように思っております。
 そういう中でありますけれども、若干聞かせていただきたいと思っておるんですが、これまで、特にBSEに関して先に農林水産省の方からも資料もいただいておるわけでありますが、全体的に見ると、十八項目にわたってずっと対策やっているんですね、PRまで含めるとやっているんですね。そういう中で、行政評価というんでしょうかな、いろんな項目がありましたが、これも部長の方にも通告もしていなかったと思いますが、これら一連のBSE関連対策について、およそ二千億と、こう言われておるんですね、予算措置を講じたものがですね。現在までに、アバウトな話で結構ですから、これは前もって言ってあればもっと正確に聞くわけでありますが、予算措置としてはおおむね二千億を講じたと。今、どの程度これ金目として執行されているんでしょうか。その辺は分かりませんか。
#9
○政府参考人(梅津準士君) ちょっと具体的に細かな数字を持っていなくて恐縮でございますけれども、金額的に大きいものは、一つはいわゆるBSEマル緊でございます。これは毎月払いでございまして、先月分も三月二十六日にお支払いしたわけでございますけれども、約百五十億程度を一か月で入れることになります。
 それから通常のマル緊、それから子牛の不足払い、こういったものは、それぞれの子牛価格あるいは枝肉価格の回復がなかなか手間取っておるということで相当のオーダーで出てまいります。
 一方で、肉骨粉の焼却あるいは隔離牛肉の焼却事業、さらに老廃牛対策につきましては、それぞれ所要の予算を計上しておりますけれども、いろいろな事情でその執行につきましては、先ほど申しましたBSEマル緊や子牛の不足払いに比べますと、何と申しましょうか、少しペースが遅いという状況にございます。
 ちょっと、全体約二千億のうち、今どれくらい執行されているかにつきましては、申し訳ございませんけれども、手元に数字がないものですから御容赦願いたいと思います。
#10
○国井正幸君 それは、これから、後から出てくるもの、現在既に出ているもの、いろいろあると思うんです。
 おかげさまで、こういう対策を次々と打っていただいたために、大変に、生産農家サイドでは非常に助かっている、有り難い。やっぱりこれがなかったら、とてもとても、酪農あるいは肥育を含めてとても畜産なんかは続けられる状況にはないわけでありまして、そういう意味では非常にこの事業が果たしている役割というのは大きいと思うわけでございます。
 これらをやっていて、どうですか、まだ、昨年の九月に発生して、これ今日まで半年余りでありますが、具体的にどんどん事業化が進んで執行されてきたのは後半になってからですから、まだ途中という状況にあるかと思いますが、今日までの中でこの行政施策に対する評価ですね、検証してみて評価というものについてどうでしょうか。検証しながら、そのありようというものについて評価などはやっていますか。
#11
○政府参考人(梅津準士君) いずれも昨年の十月以降予算化した事業でございまして、実は昨日と今日と食肉と乳製品の価格を審議会で御審議いただいているわけでございますけれども、その論点の一つは、十三年度にやってきております各種の対策を十四年度どうするかということでございまして、かなりの対策がいわゆる畜産物の情勢が急に好転しない限り十四年度も継続せざるを得ない、継続するという情勢にございます。
 したがいまして、例えば、小さな事業でございますけれども、患畜農家に対する一頭五万円の支援措置、これはその後措置しました酪農の互助基金の支援事業、これによって言わば取って代わられるわけでございますけれども、そうした事業は例外でございまして、今なお、正に十三年度、さらに十四年度と執行の過程にございまして、まだ、恐縮でございますが、評価という段階には至っておらない状況でございます。
#12
○国井正幸君 これ、冒頭申し上げましたように、畜産農家からすれば大変有り難いことでございまして、おかげさまで、これがあるので何とか子牛の生産農家もあるいは肥育の農家もやっていられるという状況にあるというふうに思うんです。
 いろいろ、これ農林水産省に出してもらった資料から見ても、枝肉価格が大幅にまた急速に下落をしているんですね。これ見てみますと、昨年の九月の前年同月比でありますけれども、九月もこれ十日ですから前半は影響なかったというふうに思いますが、例えば和牛のAの5ですと九四・四だったわけでありますが、それが十月になっては八二・九になり、今年の一月、二月になってきますと八〇・八なり八〇・五ということなんですね。Aの4を取ってみても、昨年の九月は前年比で九四・三、今年の一月で七〇・六、二月で六五・七なんですね。
 それから、交雑種の去勢では、Bの3でもって、去年の九月が九一・九、今年の一、二月に至っては四三・八、三二・六なんですね。これ全部言うわけにもいきませんが、それから乳用種の去勢のBの2なんというのになったら、これはひどい話でございまして、今年の一月では前年同月比で二二・九、二月で一九・一、こんなに大変下落をしているんですよ。
 ですから、通常マル緊あるいはBSEマル緊があって初めて経営が維持できると、こういう状況にあるわけなんですね。これだけ国費の執行状況、事前に通告すれば額も分かったんでありましょうが、通告していなかったから、これ万やむを得ないわけでありますが、しかし相当量のお金を突っ込んでこの対策をやってきているんですね。
 しかし、この対策によって、国民一般から見たときに、この金は一体どこへ行っちゃったんだと、これ喜んでもらっているんかいなと、こういう話が率直のところあるんですよ。
 というのは、畜産農家だって、これ価格が下がっているからその補てんとしてもらっているけれども、通常マル緊では家族労働費の八割しかもらえないんだから、十割もらっているわけではない。何ぼかやっぱりこれは影響を受けているんですよ、もらっているといえども受けている。
 これだけ価格が下がった。にもかかわらず、一般の量販店の店頭の食肉価格が一向に下がらない。これが極めてやっぱり私どもから見るとおかしな現象だと、こう言わざるを得ないというふうに思っているんですね。
 私もそれなりに個人的なルートで、いろいろ卸の関係者あるいは量販店の関係者等々から話聞いてみました。いろいろ聞いてみました。特に、量販店の関係者に、なぜ、枝肉価格が下がっているのに、あなた方は安く売れないんだと。安く売ることによって、国民の皆さんに食べてもらって、安心をしてもらって、全頭検査もやっているわけでありますから、そういう中で信頼回復と消費拡大に努めるというのがあなた方の責務ではないのかと、こういう話を申し上げてきたところなんですが、たまたま私が会った人いわく、とても売れない、だから商品ロスが発生するがゆえにそのロス率まで見ていくんだと、だから安く売れない。それから、テナント料は変わらない、固定経費だ。固定経費を賄うということになると、量が売れないのでそれだけ利益率としては上げなければならないんだと。こういう重立った理由だったんですね。
 それとあわせて、国井さんおっしゃるほど実は我々のところへ来る値段が安くもないよと、安いことは安いがあなたが言うほど安くはないよと。こういう話も実はあったわけでございまして、今日はあえて国税庁と公正取引委員会に来ていただいているわけでありますけれども、特に市場、食肉卸売市場の今の運営について、少々問題があるのではないかと私は率直に思っています、思っているんです。
 それは、市場法を所轄しているのは、これは農林水産省ですから、公正な取引が、市場機能が果たされているのかどうか、この辺もやっぱりしっかりと検証してもらわなくちゃならぬというふうに思っているんですよ。
 あそこへ行ってみればお分かりのとおり、競りをやりますよね。競りのときに、色は市場によって違うのかもしれませんが、赤いボタンになれば競っているのが自分一人だということでそこへ落札しますよ、最後は落札します。しかし、あと二つボタンもあって、自分ともう一人以外が競っているのかどうか、複数じゃなくちゃ競りになりませんから、あるいは自分を含めて三人以上が競っているのかどうか、これはボタンの色で分かるようになっている。関係者に話を聞けば、どうも三人以上の競りのボタンの付く率が極めて今低くなっているという話も率直のところ聞きます。
 平たく言えば、こういう大変な状況の中で話合いが行われて、どうも買いたたきが行われているんじゃないかと、このように私は思っているんです。肉用子牛の生産者の補給金の制度もあります、あるいはBSEマル緊とマル緊もあります。この間も、私は、地元であえて肥育農家の皆さんを集めたときに申し上げたんですよ。今、こういう状況の中で、食肉業界は正に日本経済以上のデフレスパイラルだ、縮小再生産になっちゃっている、みんなが。例えば、子牛の生産者補給金制度がありますから、この価格で売ればその差が出てくるわけですよ、こっちから、補給金からね。だから、幾らで売ろうがそこになるんだから子牛生産農家は余り損はしないだろう、こっちからもらえるから。おれたちは肉が高く売れないんだから素畜費も安くしか買えない。それはそのとおりかもしらぬが、そういうことでやっていたら駄目だよと。あなた方だって、いわゆる固定経費は、物財費は、それを下回った場合、BSEマル緊によって十分の十補てんされるんだから、自分たちだって子取りの生産農家の現状だって分かるし、生産費だって分かっているじゃないか。それをしっかりやっぱり買うという、そういう姿勢がなかったら駄目だろうと、こういうことを一つは申し上げたんですね。まあそれは生産サイドの話。
 ところが、この食肉市場においても、マル緊とBSEマル緊で金が出てくるから、幾らで売られても要はそこから金が出てくるから生産農家はそれほどのダメージを受けないということを前提に買いたたきが行われていたとすりゃ、こんなもの、幾ら金を突っ込んでいたって全然足りませんよ、これは。
 しかも、こんな、そのマル緊なり、通常マル緊というのはこんな長い間ずっとやることを前提にした制度でないはずですよ。緊急突発に対応する制度の話ですよ。それが恒常的にいつもやられるような、これ、どさくさに紛れてそんなことをやられておったら、これはとんでもないことになるというふうに思っているんです。
 農家も非常に弱気になっているんです。弱気になっている。幾らであったってとにかく私の牛買ってもらいたい。だって、どんどん育ってきちゃって置いておけないんだから、幾らであっても買ってもらいたい。そういう心理に付け込んで価格がたたかれているとしたら、これは重大な問題だというふうに思うんです。
 そういう意味で、この食肉卸売市場、市場法に基づいて公正な取引をするということでこれなっているわけでありますが、現場の話ですから、部長、その辺は農林水産省として実態をどのように、いわゆるこの政策を打ってきたことに対する行政評価と現実と含めて、その辺に対して何か感じるところが、どうですか、何かありませんか。
#13
○政府参考人(梅津準士君) 今、先生御指摘の問題、つまり、ある種の価格補給制度がありますと、それを前提にして市場における価格形成がなされると申しましょうか、そういったことの懸念と申しましょうか可能性と申しましょうか、そういったことについては私どもも問題意識を持っております。
 また、枝肉価格でいえば、東京、大阪のB2、B3の省令価格を日々私ども注意深く見ております。出荷頭数と価格の関係、それから季節変動、そういったものを毎日注意深く見ておるところでございます。
 御承知のように、通常マル緊は八割でございます。BSEマル緊は物財費を下回った部分、十分の十見ております。そのような意味で、基本的にはこれは価格、今申し上げました枝肉価格につきましては需給で決まっておるというふうに認識しております。
 これまでも、例えば子牛の補給金につきましても、和牛と申しますのはこういう制度がございますけれども、相当期間、補給金が出ておりません。それは、こういう制度がございますけれども、和牛の価格帯について一定の市場評価と申しましょうか、ある種の形成された相場観というものがあるのだろうと思います。
 そのような意味において、先ほど先生からるるありましたように、現時点のそれぞれの各畜種ごとの枝肉価格の水準は正常な時期に比べて非常に低い水準にあることは事実でございます。
 これは、私ども、例えば今年の一月、二月の成牛の屠畜頭数は、実は、例えば去勢和牛で見ますと、一月は前年の一〇九%、それから、成牛全体で見ますと、二月は一〇六、三月は三月半ばまで一〇九ということで、実は二月、三月は成牛の屠畜頭数が前年より多いというような状況にもございます。そうしたもろもろの要素を踏まえて、先ほど来、先生がおっしゃったような価格水準が基本的に形成されているのだろうと思います。
 一方で、子牛については、御指摘のようにかなり安い水準にございますけれども、ぬれ子については相当回復の兆しが見えます。それから、ここ数日、東京、大阪の枝肉のB2、B3の価格もやや戻りつつございます。
 そのような意味で、足取りはかなり、決して速いとは申せませんけれども、やはり需給を背景にして価格がそれなりに反応してきておるというふうに思っております。
 ただ、冒頭申しましたように、基本的にこのような言わば補給のシステムというのは、今おっしゃったような、それを前提にした価格形成がなされかねないという危険性と申しましょうか、そういう可能性をはらんでいることを常に念頭に置いて制度を運用してまいりたいと思っております。
#14
○国井正幸君 この問題は、やっぱりしっかりと公正な競争が行われるように、これは第一義的には市場法を所轄しているのは農林水産省ですから、そこでしっかりやってもらうということですね。
 それと、公正取引委員会にちょっと、お聞きをすると言ってもおかしいのかもしれないんですが、この場をかりて私の要請もしておきたいと思う。
 とかくそういうことが言われておるんですよ。あなたは知っているかどうか分からぬけれども、そういう話がある。公正取引委員会も、いろんな情報を基に、やっぱり疑わしき部分についてはしっかりと調査をする。このことは公正な社会を作る上で、これは必要だと思うんです。これ、しっかりとこの食肉市場の今の競りのありよう、これをやってもらいたいと思うんですが、どうですか。
#15
○政府参考人(上杉秋則君) お答え申し上げます。
 独占禁止法は一般法でございますので、御指摘のように、食肉の卸売市場というようなところにも当然適用があるわけでございます。私どもの持っておる法律の条項のうち、先生が今御指摘の点について関係があるとするならば、購入する側のカルテル及び買いたたきの問題ではないかというふうに思われます。
 価格カルテルとして我々が摘発いたしますのは、売手の側が幾ら以上でないと売らないというようなものが、幾ら以上にしようというようなものが多いわけでございますけれども、仮に購入する側が幾ら以下では買わないというようなことをいたしますと、これも独占禁止法上違法となるわけでございますし、また不公正取引というものがございまして、いわゆる買いたたき、非常に交渉力が強いことを背景に非常に低価格を押し付けるというようなことがありましても不公正取引として禁止されているところでございますので、ただいま御指摘のような問題があるのかどうか、私どもとしても情報収集を行ってまいりたいと考えております。
#16
○国井正幸君 これはしっかりと農林水産省と連携を取って公正取引委員会としてもやってもらいたいと思うんですね。
 それから、国税庁、これは私もいろんなところ行きました。こういう状況で大変迷惑掛けていて済まないなと、その流通に携わる人にですよ、済まないなと、本当に経営も大変でしょうと、こういう話を何人かにしたんだけれども、意外や意外、そうじゃないんですな。私も唖然としました。いや、おかげさまでもうかっていますよという話なんだ。雪印食品の問題等があったから、まさかあなた方はそんなことでやっているわけじゃなかろうなと言ったら、いや、そんなことは一切していません、しかし適正な利益というのはしっかり確保できるようになりましたと、こういう話なんですね。
 その話を聞いて、私は非常に残念だった。商行為ですから、幾らで買ったものを幾らで売ろうが、これは自由経済だから万やむを得ないかもしれない。しかし、ここまで大変な状況の中で国費をつぎ込んでやっている。ところが、そのつぎ込んだものが、生産農家が助かるわけでもない、消費者が安い肉を買えるわけでもない、その中間の流通にある者だけがこれを懐に入れていたとするならば、これは本来の我々が目指している政策とは違う方向にあるんではないか。
 このことはしっかりと、これは税を捕捉するという意味で、まだ今年、決算期を迎えた人もいるでしょうし、そうじゃない会社もあると思う。だけれども、この業界に対する国税としての査察、こういうものは例年以上にしっかりとやってこれは捕捉をしてもらわなくちゃならない、税を。そして、幾ら自由経済といえども、そのことが社会的規範に照らして妥当性があるのかどうかということまでやっぱりある意味じゃ問わざるを得ないような状況にあると思う。法的には難しいかもしらぬが、しかしそういう状況を税の側面からもしっかりとこれはやってもらう必要があると思っているんですが、国税庁、いかがでしょう。
#17
○政府参考人(村上喜堂君) 申し上げるまでもないことでございますが、市場の状況であるとか取引が適正かどうか、あるいは価格形成が適正かどうかというのは国税庁の所管外のことでありますから、あくまで国税庁といたしましては課税上問題があるかどうかを所管しているわけであります。したがいまして、特定の業界について調査するとかしないとか、そういったことについては申し上げる立場にはございませんが、あくまで課税上の問題のあるところにつきましては税務調査を行うなどして、適正かつ公平な課税の実現に努めてまいりたいと思っております。
#18
○国井正幸君 そういう答弁になるのかもしれないが、ただ、私は民間の団体におったこともありますよ。国税に、私がいたときですよ、私も管理部門で長かったから税務署の皆さんとはしょっちゅうやっていたところですよ。見解の違いとかいろんなこともあった。だけれども、そんなものは来てくれと言わなくたって来るんだよ。そうでしょう。
 だから、こういう、問題ありだと、そういう情報がある、それだけでもってどこをやれと言うわけじゃない。しかし、その業界に対して特に細心の注意を払って税務調査をするようにと、こういうことを言っているんだから、余り建前の話だけで言われたって困るんだよ。どうですか。
#19
○政府参考人(村上喜堂君) 先ほど申し上げましたように、個別の調査のことについて申し上げることは、守秘義務もございますので申し上げられないわけでありますが、我々は、先ほど申し上げましたように、課税上問題があると認められることにつきましては常日ごろから必要な資料情報の収集に努めておりますので、今、先生のお話につきましても貴重な資料情報として承っておきたいと思います。
#20
○国井正幸君 大臣、今やり取りしたようなことが残念ながら私のごく狭い範囲であってもあるんですよ。公正取引委員会にも国税庁にも、あるいは農林水産省にも申し上げたんですが、個別具体的な話で、じゃ言ってくれという話だから、それは言うのはやぶさかではないが、しかしそれだけ、分かっているところだけやってみてどうなんだと。それ以上に、やっぱりそういう体質を持っているとするならば、これはやっぱりモラルハザードここまで来たかと、こんな感じが受けているんですよね。
 あわせて、先ほど畜産部長が和牛の価格が良くなった、こういう話もありました。そのとおりなんです、これ。なぜ良くなったのか。これは需給があれしたわけじゃないんですよ。言うなら、JAS法違反が一杯出て遺伝子調査まで含めてしっかりとやるということになったので、業界の関係者はこれはえらいこっちゃということで、4とか5とかの話じゃないんですよ、Aの4とか5とかじゃない。和牛か否かということは分かるから、そのことで値が逼迫して上がったんですよ、こんなことは。
 そういう実体経済に基づいた、やっぱりしっかりこれ農林水産省としてつかまえてもらわなかったら、実態を捕捉してもらわなかったら、これはなかなか金つぎ込んでいったって砂漠に水まくような話になっちまう。
 そういう意味で、大臣、大変もうこれ難しい問題かもしれませんが、是非、農林水産省のトップとして、これからが正念場ですから、本当に。ですから、何か新聞の一部には責任だどうだという話があるようですが、そんなことより、ここまでやってきたものをどうやって体制を作ってしっかり国民の期待にこたえられるかということが今一番問われていることだというふうに思いますので、是非大臣に頑張ってもらいたいというふうに思うんです。そのことを含めて御所見伺いたいと思います。
#21
○国務大臣(武部勤君) 先般も、大臣、副大臣、政務官、農林水産省の五人の政治家だけで我々毎週一回会議を持っております。その際に出た議論の一つが、今、国井先生御指摘の問題であります。それで、私ども直ちに、いろいろな考え方はあるかもしらぬけれども実態を把握するということが一番大事だ、これはもう厳正にやる必要があるということで、省内にそのことについては既に徹底指示いたしました。
 さらには、先般も、この委員会で御議論がありました際にも明言をさせていただきました。それは、隔離牛肉の、隔離事業の全箱検査であります。そのことで委員長に審議の際に時間をお掛けして申し訳なかったというふうに思っているのでありますが、もうとにかく不可能を可能にするぐらいの決意でやらないとだめだと。これは全箱を二年も三年も掛かると、こういう事務当局の説明でした。そんな二年も三年も掛かっていたら話にならぬ、中身が変わってくるかもしらない、変質してくるかもしれないので、私は、全箱を一年以内に検査しろと。一年以内に全部を検査する、検品するにはどうしたらいいか、それを考えると、これからはこういうやり方でやるということで、今、委員のお話をいろいろ伺いまして、また先般我々五人の政治家で話をしていた中でも、もうとにかく徹底して、もしうみがあるとすれば徹底して絞り出すぞと。
 そういう、ある意味ではもう命懸けでこれをやろうと、そういう厳正な気持ちで、決意で臨んでまいりたいと、こう思っておりますので、また具体的なことがございましたら、いろいろ御指導をいただければ有り難いと思います。
#22
○国井正幸君 是非、大臣、今、大臣のお話を伺って力強く私どもも感じます次第でございますが、私どももこれは一体でありますから、そういう意味で協力は惜しまないつもりでございますので、しっかりと行政を執行していっていただきたいというふうに思います。
 あわせて、何度もこれ言うようでありますが、国税庁も公正取引委員会も、やっぱりそれは法律は法律としてある、しかし世の中全体から見て、世の中全体から見て非常に困った状況にあって、国難とも言える、畜産業界では国難、これはもう大変な災難ですよね。そういう中で、幾ら法は法なりとしても、不当利益を得るようなことがあってはならぬと。特に、人の弱みに付け込んで、あんたはこの枝買えよ、おれはこの枝買うよ、お互いこの程度の値段にしとこうや、こんなことで買いたたきが横行していたとすりゃとんでもない話ですよ、これはね。ですから、そのことはしっかりとこれやってもらいたいと。
 これからまた、BSEの調査検討委員会の調査結果の報告やら、ずっとこれからまたこういう機会がありますから、その都度私どもも情報収集に努めながら、これらの問題について質問もさせていただきたいというふうに思っておりますけれども、とにかくやっぱりモラルハザードを起こすようなことがあったらば、幾ら金を使ってもだれも喜ぶ人がいなくて、特定の者だけが中間にいてぬくぬくと太っているということだけは私どもは許し得ないんじゃないかと、こう思っていますので、是非、その辺を農林水産省、そして財務省、公正取引委員会においても、ともに連携を取ってやっていただきたいと思います。
 そういう中で、是非、今日これ、昨日、今日と諮問されたこの関連対策、これらについてもしっかりと行政評価というものを中間においてもしていただきながら、適時適切な政策を勇断を持って執行していただきますように、特に大臣の指導力に御期待を申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 よろしくお願いします。
#23
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。
 午前中に衆議院の農林水産委員会を院内放送で拝見しておりまして、我が党の同僚議員から、男、武部勤というような檄が飛びました。男、武部勤農水大臣に数点今回の点でお伺いをしたいというふうに思います。
 大臣、先週、衆参の各議員会館にボディーチェックのシステムが一週間だけ設置をされまして、金属探知機もありまして、大臣はそれを御存じでしょうか、御存じだったでしょうか。
#24
○国務大臣(武部勤君) いや、知りませんでした。
#25
○榛葉賀津也君 実は一週間、金属探知機がありまして、そこで通行する人間をすべて、会館に入る人間をチェックをしておりました。ところが、国会議員と秘書はすべてスルーパスでございました。
 私は今日、大臣に安全のコストという観点から何点かお伺いをしたいと思うんですけれども、約十日前、私は一週間、イスラエルとエジプトで民間防衛の勉強に行ってまいりました。イスラエルの国会に行きまして、そこでは国会議員すべてがボディーチェックをその国会に入るときに受ける。そして、車を消費するとき、何と消費税が一〇〇%掛かる。この税金がすべて国を守るための安全のコストに変わっていくわけでございます。実はこれが、これほど多くの安全のコストを払って国を守ろうとしている。
 私は今、日本の農林水産の状況をおいて、正にこの安全のコストをしっかりと考えていかなければいけないという時期に差し掛かっているというふうに思います。監視を強化するといったたぐいの対策はよく取られるわけでございますけれども、制度を受けて実行するためには一定のコストが掛かるわけでございます。どこまでをだれが負担していくのか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#26
○国務大臣(武部勤君) そのことは、この食の問題におきましても、今後いわゆるリスク分析という考え方で、リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションというものをいかに組み合わせていくかということだと、かように思います。
 また、具体的には、このトレーサビリティーも、私ども当初は、この個体識別システムの問題も屠場までと、こういうことで構築しようとしておりましたけれども、やっぱりこれは農場から食卓までに挑戦しなくちゃいけないと、このように思って、そういう方向で今検討させております。言わば検討の見直しをさせております。
 この際に、やはりリスクのコストですね、だれがどのように負担をしていくかということは非常に重要な問題だと、私はかように認識しておりまして、このことについては率直に生産者の皆さんや消費者の皆さん方や関係する皆さん方に御相談を申し上げなければならないと、そういう大事な課題だと。その際に、行政がどのように負担していくかということも含めて検討を要する大事な問題だと、このように思っています。
 長い答弁はしないようにいたしますが、もう一つ、私は今のお話で念頭にどうしても残るのは、規制を強化すれば安全は守られるのかということが一つあります。ゼロリスクにするということは一番安全なんでしょうけれども、それが本当にできるのかと。それは、規制をうんと強化すれば物すごいコストが掛かる。そこで、そのことも念頭に置いて、適正なリスク管理とリスクに対するコスト負担、これをどう考えていくかというのは非常に大事な課題だと、このように思っております。
#27
○榛葉賀津也君 農水省は、安全に対する海外からの機関の情報をそのまま受け身で受け入れる、これはやむを得ないことかもしれませんけれども、そういう傾向が強いんじゃないかというふうに思います。無論、独自で調査をしてということも一案でしょうけれども、それだと莫大な負担が国に掛かってしまう。社会の応分の負担ということにはならない、コストの応分の負担ということにはならない。そこで、やはり専門機関であるNGOであるとか大学、企業からの情報や意見を常に的確にキャッチしていく、こういう姿勢が大事かと思いますけれども、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#28
○国務大臣(武部勤君) 今大詰めを迎えております第三者委員会の報告を受けて、私ども、安全の問題についての行政対応をどうしていくかということを研究しながら取り組んでいかなくちゃならぬと思っておりますが、そのことについて私は前にもここで申し上げましたけれども、やっぱり科学的な、専門的なそういう分析、知見というのは非常に大事だと、こう思っております。
 それと、今、リスク評価の場合も、私は今も申し上げましたが、負担の問題と同時に中立性の問題があるんですね。ですから、行政でなければ中立性を確保できないというような、私は、ことだとは思わないんです。
 ただ、今回、BSEに関連して食品の偽装の問題その他、ああいうのが出てきますと、これを民間に検査などを本当に任せるのかなという、そういう問題は現時点では世論は、民間ではちょっと心配だというような、そういう感じが強いんじゃないのかなというふうに、私はそういう印象を受けておりますけれども、いずれにいたしましても、行政判断の参考情報として民間企業やNGOを含め幅広く情報を収集し活用するということが、我が国への家畜の伝染病疾病でありますとか植物の病害虫の侵入防止でありますとか、いわゆるリスクをどれだけ低下させていくかという上で大事だと思いますし、もう一つ、やっぱりこのリスクコミュニケーションということも、常時情報を公にしまして、このリスクコミュニケーションというものをどういうふうに構築していくかということも大事なんだろうと思います。
 私も素人ですから詳しくは分かりませんが、今現在、そういう問題意識を持って次なる取組に向かっていきたいと、このように思っているわけでございます。
#29
○榛葉賀津也君 私と認識は同じだと思います。
 しかし、実際問題、リスクコミュニケーションをやる、そして情報公開をしていくという大臣の姿勢とは異なりまして、過去の農水省の対応は、一九九六年四月のWHOの肉骨粉禁止勧告に反対の、勧告に対して行政指導で済ませてしまった事実、九七年のアメリカ、オーストラリアが肉骨粉の使用を法的に禁止したときにそれに適切に対応しなかった事実、そして二〇〇一年の六月、EUのステータス評価を拒否してしまった事実、またそれを情報公開できなかった事実、これはやはりイギリスを中心としたヨーロッパ各国の国や生産者が莫大な犠牲とコストを払って我々にメッセージを送ってくれた、この向こうのリスク管理、そして実際危機が起こってしまったそのコストを我々はもう少し敏感にキャッチする必要があったんではないか。確かに、民間では信用できかねるという考えもあるでしょうけれども、様々な情報を我々が注意深くキャッチする、この姿勢が正に私はリスク管理の上で最も大事なことではないかというふうに感じております。
 続きまして、今朝の食料・農業・農村政策審議会についてお伺いをしたいと思います。
 本日の審議会の結果、加工原料乳の補給金が十三年度、キロ当たり十・三円から十一円に七十銭のプラスに変わったわけでございます。この結果に対して、まず大臣、どのようなお考えを持っていらっしゃるでしょうか。
#30
○国務大臣(武部勤君) 私どもは、現状の酪農経営の実態を踏まえますと、廃用牛の問題でありますとか、ぬれ子の問題でありますとか、さらには廃用牛が滞留するコスト、またこの労賃ですね、かなり通常のときよりも酪農経営に要する労働力、こういったもののコストも増えていると、このように思いまして、総合的に考えまして、この七十銭アップというのは、生産者の皆さん方に勇気を出して、また前向きに取り組んでいただける補給金単価ではないかと、このように考えております。
#31
○榛葉賀津也君 今、大臣がおっしゃったように、BSEの影響であるとか、新たに加わりましたふん尿対策による生産農家への負担、そして今おっしゃった正にぬれ子の問題等、様々な要因を考えますと、この七十銭という数字が本当に妥当であったかどうか、私は議論をする余地があるというふうに思います。
 ただ、やはり補給金単価だけを決めて、従来とは逆のげたを履かせるやり方で販売価格を、生産団体と乳業メーカーの交渉で価格を決めていくという、この趣旨の制度本来の実質的な今年がスタートの年だったわけでございます。にもかかわらず、このBSE問題という大変複雑な要素をはらんでの出発となってしまったわけでございますけれども。私は言うまでもなく、この制度によって政府が決めるのは生産価格の手取りの七分の一に相当する補給金に限られている、BSE問題への配慮が十分危ぶまれるのも事実だと思いますし、また報道によっては、この制度そのものが問題があるのではないかというような報道まで出る始末でございます。
 しかし、私はやはり、個人的にではございますけれども、生産者のやる気を出させる、そして原料乳の差別化を図る、量から質へ転換をしていく、そしてまた市場の原理を取り入れる、こういった観点から、この趣旨の、制度を曲げた形で生産農家に支援をしていくというのはいかがなものかなと。この制度の趣旨をやはり我々がしっかりと守った上で、さらに、支援は支援でそれ以外の別の対応でしっかりとやっていく、制度の本来の筋を通していくという姿勢を保つべきだと思います。
 それよりもむしろ問題なのは、価格の問題と同時に、いかに消費を伸ばしていくかということだと思いますけれども、今、乳牛の乳の、ミルクの単価が多少下がってきている、しかしそれ以上に問題なのは消費が下がってきている。この現状について、大臣、どのように御認識でしょうか。
#32
○国務大臣(武部勤君) 牛乳に限らず、私、北海道ですから、もうタマネギから芋からありとあらゆる農産物の需要が落ち込んでいるわけでございます。このことを農林水産省として、所管する役所としては、もうしっかりどういう背景があるのか分析しなくちゃいけないと、このように考えておりますが。
 牛肉の問題も牛乳の問題も、あるいは他の問題も、特に野菜など、もう輸入野菜ががくんと落ちてきておりますね。これは残留農薬の問題があるんだろうと思います。やはり要因としては、安全の問題と、食の安全の問題というのが一番大きい背景じゃないかと、このように思っておるわけでございますが。
 牛乳の消費につきましては、十三年八月以降は前年を下回って推移しているのでありますけれども、要因としては、食中毒事故以後の伸びが一巡したということに加えまして、夏の天候不順、また景気低迷による消費者心理の冷え込み、また他の飲料等も増えておりますしね、そういったことが考えられるんだろうと思いますが、今後とも、牛乳の持つ栄養価値の訴求等を通じて、消費の維持拡大に私どもとしても、関係者の皆さん方と力を合わせて努力していきたいと、このように考えている次第でございます。
#33
○榛葉賀津也君 この審議会そのものの在り方でございますけれども、実は昨夜、大体十一円になるんじゃないかというような話が私の方に入ってまいりまして、そのとおり十一円になると。どれだけこの審議会がしっかりと機能して議論をして、生産者や消費者の立場に立ってこの制度を考え、この十一円という数字を決めたのか。それは無論、しっかりと審議をされたと私は信じておりますけれども、この審議会が有名無実化しないように、是非、我々政治家もしっかりと監視をしていかなければいけないというふうに考えております。
 続きまして、廃用牛の問題についてお伺いをしたいと思います。
 現行支援策の問題点の一つは、支援策が肉牛には手厚いけれども乳牛には大変薄いというような現状にあると思います。特にその中で、廃用牛についての問題は、BSE発生から約半年がたった現在においても大きな問題となっております。現在六万頭とも言われる廃用牛を含む肉の買上げ制度についてお伺いをしたいと思います。
 乳用牛は四万円、肉用牛は五万円で政府が買い上げるという制度がございますけれども、思うように機能していないのは周知の事実でございます。BSE感染牛の新たな発生を恐れまして生産農家自体が牛を出さないという事実もあると、それが大きな原因であるというふうに聞いておったわけでございますけれども、実際私が調べてみると、どうも理由はそれだけではない。
 中でも、私は問題だなというふうに思いましたのは、地域の農協、JAが他産品への風評被害を恐れて、廃用牛をこの制度にのっとって屠場に出さないでくれというような圧力とも言えることを言っているというようなこともあるわけですけれども、大臣、この現状はいかがなんでしょうか。
#34
○国務大臣(武部勤君) 今、先生御指摘のように、農協が止めているというところも実際調べましてありました。それから、屠畜場が抑えている、屠畜場がブレーキになっているということもあります。それから、生産者自らも出したくないと、四頭目になったらもう経営破綻だと、そういう懸念もあります。
 私は、事務方に、先日、全部そういったものを公開しなさいと。どこの屠場はどうして発表しないか、どこの農協はどうして抑えているか、もうそういうことをきちっと公にすべきだと、情報をもう公にすべきだということを指示しています。
 同時に、そういうことだけじゃなくて、副大臣、政務官が全県、今行脚していまして、知事さんにお会いしてこれまでのいろいろ各般の御協力に対するお礼と、それから具体的にこの廃用牛の出荷の問題、肉骨粉の処理の問題、それから今我々がやっている諸般の対策。
 北海道辺りは私、今回の乳価の関係でみんな上京しまして、互助制度というのはこれはすごいことをやったもんだと、こう言われているんです。これ、一頭六十万円ですから。
 ですから、こういう計算している人もいます。従来の五分の四の補てん、プラス共済金の五分の一、これで四十万、今度、代用牛購入のための五十万、プラス経営維持の十万で、百万だなと。五十頭なら五千万だと。そういう計算を皆さん方がしているんですね。
 これは、しかも互助制度ですから、万が一、疑似患畜などが出ましたら、患畜が出たり疑似患畜が出て牛舎が空っぽになりましても、一月以内に、その地域で協議会開きますから、それぞれ契約している酪農家から、一軒から一頭ずつどっと牛が集まる仕組みになっていまして、もう一か月以内に五十頭なら五十頭、六十頭なら六十頭、搾乳できる牛が入ってくるという、そういうシステムなんですね。そういう各般の今やろうとしていることを徹底していくことによって、廃用牛の出荷も急に増えてきています。
 私は、事務方にいつなんだと。今月はこうだ、先月はこうだという過去のデータだけじゃ駄目なんだと、いつになったらどうなるかという、それをみんなに分かるように言わなくちゃ駄目なんだと。
 政治家が言うならいいだろうというので、私、聞きましたら、五月、六月にはその出荷が従来の姿に戻る。しかし、滞留している分がありますから、それはまた更に出荷しなきゃなりませんが、完全に戻るにはもうちょっと後になるかもしれませんが、現時点では、五、六月ごろには廃用牛の出荷が滞って困ることはなくなるんじゃないかと、こういうふうに推測しております。
#35
○榛葉賀津也君 大臣、もう少しぴしっとこれを徹底して最初の段階から指導していただきたかったなと、大変残念な思いがいたします。
 今、大臣が屠場のお話をいたしました。ちょっと具体的な数字ですと、大臣でなくても結構ですけれども、現在日本国内に屠畜場は、公設と私設はこれどれくらいあるんでしょうか。
#36
○政府参考人(尾嵜新平君) ちょっと手元に全体の数字、今持ち合わせて……
#37
○榛葉賀津也君 通告してありますよ。
 ちょっと止めてください。
#38
○委員長(常田享詳君) ちょっと速記止めてください。
   〔速記中止〕
#39
○委員長(常田享詳君) 速記を起こしてください。
#40
○政府参考人(梅津準士君) 屠畜場には、卸売市場法に基づく中央卸売の付設屠場と、それからカット機能を持つ産地食肉流通センターと、それからそれ以外のその他屠場と三種類ございますけれども、誠に正確な数字じゃなくて恐縮でございますけれども、全部合わせて二百二十余か所であるというふうに承知しております。
#41
○榛葉賀津也君 数字ですから、また後で少し詳しく資料をいただきたいと思いますけれども。
 私がこの中で問題としたいのは、私の調べたデータでは、今、公設の屠畜場が全国で百二十少しあるというような数字を私は持っているわけでございますけれども、そもそも、安全を確保するために屠畜場でしっかりとBSEをチェックして、安全な肉しか市場に出回らないということのためにやっているのに、実際屠畜場がなぜ肉を受け入れないか、牛を受け入れないかと、廃用牛を受け入れないかというと、万が一BSEが出た場合、消毒措置に莫大な時間が掛かってしまうという理由もあるんでしょうけれども、もう一つの理由が、屠畜場のイメージが悪くなるというんですね。しかし、こういったイメージをなくすために我々はしっかりと、屠畜場に廃用牛持っていって検査をして安全な肉しか出回らないというようなことにやっているのに、公設の屠畜場でさえこのような理由から牛を引き受けないというようなのを聞いて、これ私大きな問題だと思うんですね。
 先ほど大臣、これをしっかりと指導していくということですから、私はこの点については大臣を信じておきたいというふうに思います。
 それからもう一点、屠畜場が今、各都道府県に聞きますと、県で幾つ単位ですよというような基本的な方針でやっているというような流れなんですけれども、沖縄県のように離島を幾つも持っている県もあるわけでございますね。こういうところは牛をどのように運搬するのか、これ大きな問題なんですけれども、これについて農水省どのように対応されているんでしょうか。
#42
○政府参考人(梅津準士君) 離島につきましては、必ずしも屠場がございませんので、船で輸送することになるわけでございます。
 私ども、離島のいわゆる子牛市場につきましては、離島以外からの関係者が買い付けに行くように輸送費の助成等を行っております。ただ、枝肉なり生体牛につきましては、通常の取引の中で対応していただいているという状況でございます。
#43
○榛葉賀津也君 この制度にのっとってやっても、今、廃用牛のこと聞いたんですけれども、まあ結構です。
 実際問題、屠場に出せませんので大変困っている畜産農家たくさんいると。獣医さんに泣く泣く安楽死を頼んだり、また最低限のえさだけをやって衰弱死するのを待っているというような状況もありまして、そこで働く方々や近所の方々が、弱った生きた牛にカラスが乗っかってそれをつついているというような姿を見て、もういても立ってもいられないと。実際問題は屠場に出して処分すればいいのだけれども、先ほど言ったような理由からなかなか出せない。一頭一万円の処分料と運賃約二万円、獣医さんの死亡診断書三千円、計三万三千円を自らが支払って、このような死亡牛をレンダリング会社へ持っていくというような現状です。
 レンダリング会社も、肉骨粉にしても、その肉骨粉がたまるばかりで大変苦慮されているということでございますけれども、農水省はこのレンダリング会社への補助と助成というのはどのような対応をされているんでしょうか。
#44
○政府参考人(梅津準士君) 現在、御指摘の死亡牛を含めた牛を原料とする肉骨粉につきましては、飼料用、肥料用に利用が禁止されていますので、その製造、つまりレンダリング会社が肉骨粉を製造するのに掛かる経費、標準でキログラム当たり四十円でございますけれども、それから焼却に要する経費、キログラム当たり三十五円、これを肉骨粉適正処分緊急対策事業によりまして全額国庫補助としているところでございます。
#45
○国務大臣(武部勤君) 今の離島の話ですね、先般、岩永政務官が長崎に参りまして、やっぱり長崎県からもそういうような話を聞かされているわけです。
 いろんな方法があろうかと思います。中には、屠畜場も再編のために閉じてしまうところもあります。しかし、そういったところできちっと水防法だとか公衆衛生に問題がないようにして、なおかつ、BSEの検査をやるというようなところは新たに、肉は流通させられませんが、肉は流通させられません。焼却処分するということであれば、そういったところで廃用牛の処理をするとか、あるいはまた、今私どもここでお約束したいと思うのは、掛かり増し経費、そういったことが円滑にいくようにするのはどうしたらいいかということについては前向きに検討いたしたいと思います。
#46
○榛葉賀津也君 離島のような比較的条件の悪いところでも牛を飼って頑張ろうというような農家を応援することのできる、心の痛みの分かる農政を是非やっていただきたいなというふうに思います。
 一番、大臣、大事なのは、やはり勇気を持って酪農家が廃用牛を屠畜場に持っていくと。BSEが出るかもしれない、しかし、屠畜場に持っていけば大丈夫なんだというその環境づくりを我々がしっかりとやらなければいけないと思うんですね。
 その環境づくりというのは、大臣、これからどのようにやっていくんでしょうか。
#47
○国務大臣(武部勤君) 先ほども申し上げましたように、私ども、副大臣、政務官が全県歩いてそれぞれの実態聞いております。また、我々もいろいろお願いもしております。その結果、かなり廃用牛の出荷についても順調になってきたと、このように思っております。また滞留している分が五万八千頭もありますから、それ一気に行かないと思いますが、見通しとして、先ほど言いましたように、五月か六月ぐらいにはこの見通しが立つような、そういうことを予想できるところまで来ました。
 ただ、そのためにはやっぱり今おっしゃったような環境づくりです。費用が掛かるのであれば、その費用の掛かり増し経費をどうするかということも、これは総務省とも相談しまして、BSEについては三十七億円、特別交付税見てもらっておりますから、そういったことも含めて検討したいと思っておりますし、北海道は順調に今出荷されるようになりましたので、それも互助制度ですから、そういった幾つかの政策を徹底していくということだと、こう思います。
 そして、一番大事なのは、生産者を含めて、農業団体の理事の皆さん方にも、万が一出ても、これだけのことをやるんだから、覚悟を決めて、腹決めて出そうと、こう思ってもらうことが一番大事なんで、そう思ってもらうためにはどうしたらいいかということは、いろんな手だてが必要だと、こう思っておりまして、そのような努力をしたいと思っております。
#48
○榛葉賀津也君 今、農家が一番心配しているのは、最悪、BSEが出て、自分たちの農場だけをやむなく閉鎖するならまだいいと。しかし、周りの畜産農家、そればかりか、牛のために野菜まで売れなくなってしまう、魚まで売れなくなってしまう、そんなことがあってもうたまらないと。この悪循環で、農協さんは屠畜場に出さないでほしい、屠場も今は勘弁してくれというような流れになるわけですけれども、私は、具体的に項目を絞って農林水産省が率先してこの道を切り開いていく。
 特に、今言いましたプライバシーの保護とディスクロージャーの問題、大変難しい兼ね合いではございますけれども、牛を出した、BSEが出た、でもそれでもその地域は守ります、農家を守ります、地域の牛は守ります、ましてやほかの農産品は守っていきますという、プライバシーの保護をしっかりやると同時に、農家へのフォローと助成、そしてその地域そのものへのフォローと助成、それとマスコミを含めました風評被害の対応をしっかりとした形として、見える形で農水省が出していく必要が一番大きな今の問題点だと私は認識しているんですけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
#49
○国務大臣(武部勤君) 私も全く同感でございまして、一つ互助制度について、先ほどは万が一BSEが発生した農家についての互助制度の話はしました。しかし、もう一つ、これは具体的には三分の一が国費になりますし、三分の一は生産者が持つ、生産者団体、中酪ですがね、持つということなんですが、もう一つ、地域対策として二分の一国が出して、二分の一農業団体といいますか、中酪になるのかな、生産者団体が二分の一持つというようなことで、地域対策も一つ入っているわけでございます。
 それから、やっぱり一番大事なのは、リスクコミュニケーションの一種なんだろうと思いますけれども、もう少し科学的に正確に国民の皆さん方にきちっとした情報を伝えることだと、このように思っております。そのことは、私どももマスコミ対応のまずさということを痛いほど痛感しておりますので、そのリスクコミュニケーションというものをしっかり構築していきたいと、このように思っております。
#50
○榛葉賀津也君 もう一つの大きな問題が、今言った死亡牛の問題で、死亡牛の全頭検査だと思うんですね。
 大臣は以前から、二十四か月以上で死んだ牛のBSE検査を、従来の五千頭のサーベイランス体制から全頭検査に転換するという答弁を繰り返していらっしゃいますけれども、いまだ実施に至っていないのが現状であります。
 大臣のこの発言の、実施するという発言と現状とのこの違いが農水省への大きな不信と畜産農家の不安をあおっていると思うんですけれども、大臣はいつになったらこの死亡牛の全頭検査を実施されるんでしょうか。
#51
○国務大臣(武部勤君) 私は、明日から全頭検査は実施するということは申してはおりませんで、しかも、全頭検査といっても二十四か月齢以上の牛の、死亡牛の全頭検査をまず目標にしていきたいと、こう思っているわけでありますが、各県にその資材がそろうのは今年の中ごろだと、九月ごろかな、今年の九月ごろには全県にそういった準備ができます。今後、各県の予算あるいは人員、そういったことの御準備をいただかなきゃなりません。したがいまして、準備できたところから拡大していくということで、そんなに時間を要しないように各県にお願いしたいと思っております。
#52
○榛葉賀津也君 廃用牛の買上げ制度を次にお伺いしたいんですけれども、廃用牛の買上げ制度では、農家が出荷をすれば乳牛、肉牛それぞれ四万ないし五万円が手元に援助されるというような制度だとほとんどの生産農家が思っていたと。ところが、実際は、輸送料や屠畜解体料などの販売経費が差し引かれた形で農家に渡っていく。中には二万円程度しか農家の手元に残らない仕組みになっているところもあるというふうにお伺いしていますけれども、農水省はこの現状を最初から理解されていたのでしょうか。
#53
○政府参考人(梅津準士君) 今の廃用牛の流通促進緊急事業でございますけれども、この事業につきましては、当初から、一つは屠場までの輸送費、それから屠場における屠殺料と申しましょうか、処理経費、それからこの買上げを行う事業主体の言わば事務処理経費、そういったものも予算として助成の対象にすることにしております。これは、別途それは助成の対象にすることにしておりまして、この四万、五万の中からそれを差し引くという仕組みではございません。
 したがいまして、農家には、通常の取引がなされればこの乳牛四万、肉用牛五万という単価が農家に手取りとして確保される予定でございます。
#54
○榛葉賀津也君 しかし、現実問題として、送料がいろんな運搬業者によって価格が違ったりしている現状が実際問題あるわけですね。これは、様々な、マスコミ等も通じたり、現在、実際もそうですけれども、大分ばらつきがあるという現状ですから、これは逆にこのようなことがないようにしっかりと説明をしていくという必要があるかと思いますけれども、どうですか。
#55
○政府参考人(梅津準士君) 実は、先般も、この買受け代金の支払い方につきまして、例えば最初数千円を払って後で精算をするとか、三か月ごとに精算するとか、そういうような御質問もございました。これに対して、言わば事業主体が当面立替払をしていただきたいということを文書で通知しました。
 それから、今御指摘の輸送費でございますけれども、これは県内あるいは隣県といった輸送の距離なり、そういったケースによって異なりますけれども、一般的には輸送について、県内それから隣県で処理する場合には四千円から五千円というのが輸送のコストでございます。
 そういった実態を踏まえて、助成単価を一頭当たり四千円から七千円というふうな格好で設定いたしまして、私ども、そうした輸送費の助成単価の設定に当たりましては、そういった実情を把握した上で設定しておるつもりでございます。
#56
○榛葉賀津也君 九州の屠場では、BSE発生時、この場合、危険料というのを上乗せしているところもあるという新聞報道があるんですけれども、この危険料というようなお金を取るというのは、全くもって国民を、そしてひいては消費者を私は誤解させる大きな理由だと思うんですね。あたかも病原菌を運搬するかのような、このような価格の名称の付け方というのは、もう厳重に注意をしていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#57
○政府参考人(梅津準士君) 今、輸送費の件でございますね。屠場の解体処理費の件でございますか。
 済みません、屠場の処理経費につきましては、私どもも各屠場ごとの標準的な処理経費を調べました。中に高いコストの屠場もございましたが、基本的には屠場の処理経費は、公設屠場であれば条例で決まっておりますし、民営の場合も行政の認可を得るという仕組みになっております。
 したがいまして、こういうBSEの情勢を理由にして著しく高額の屠畜料を設定するということはあってはならないわけでございまして、それは私どもが十分に注意を持って把握してまいりたいと……
#58
○委員長(常田享詳君) 今の質問に答えていません。
#59
○国務大臣(武部勤君) 私も、その危険料というのは聞いてびっくりなんですけれども、実際そういうようなことがあるとすれば、もう言語道断なことでございます。それぞれの地域において農業団体が出荷を止めるようなとんでもないこともやっているということも含めまして、逆にそういったことはオープンにした方がいいと思っております。
 私どもは、情報をもう正確に、迅速に明らかにするということでやりますので、また徹底して調べます。そういったことについては我々は承知していなかったということでございますが、そういう意味でも、これからそういう類似のようなことがないように徹底して調査いたしますので、そして対処いたしたいと思っております。それでよろしいでしょうか。
#60
○榛葉賀津也君 次に、つなぎ資金の問題についてお伺いをしたいわけでございますけれども、BSE緊急対策の一環として、昨年十月から酪農家や肉用牛肥育農家を対象といたしましてありますつなぎ資金でございます。
 この融資に百億以上オーバーして申込みが殺到しているというような報道があったわけでございますけれども、これは一頭当たり最高十万円の融資を金融機関から一・六%以下の金利で借りられるという制度で、実質この利息分は農協等が負担してくれるため、実質金利ゼロで農家が借りられるという大変農家にとっては有利な融資状況となっているんですけれども、生産者から上がっている声は、一年先の状況がどうなっているか分からない、一年先に我々の産業がどうなっているか分からない、一年以内に一括返済という条件では厳しいんだというような声がありますけれども、これに対してどのように返済条件を緩和するお考えなのか、また、こんなことはないと思いますけれども、予算をオーバーしている分についても漏れなく融資をしていただけるというようなことを確認をしておきたいと思います。
#61
○政府参考人(梅津準士君) BSE関連つなぎ資金の来年度の対応でございますけれども、現在は、これは償還期限一年のつなぎ資金でございますが、十四年度につきましては、新たな運転資金制度として償還期限二年の仕組みとし、無担保無保証の現在の仕組みは継続した上で、更に限度額も、現在一頭当たり例えば肥育で十万でございますけれども、これを十五万にするといったような対応にいたしたいと思っております。
 あわせて、今、先生から御質問ありました融資枠との関係でございますけれども、これにつきましては、三月十二日現在で、二千三百九十八件、三百四十五億が融資されておりますけれども、融資枠につきましては、適宜見直しを行っておりまして融資条件を変えたというようなことはございません。
#62
○榛葉賀津也君 次の問題に移りたいと思います。
 次に、牛乳の安全性についてお伺いをしたいと思います。
 BSEの影響で牛乳の価格や需要が多少落ちているという状況の中で、それ以上に少し驚くことが、記事が今年の一月にありました。
 その見出しには、BSE感染牛の牛乳がドイツで回収された、その下に太い文字で、我が国の狂牛病が発見された当日、農水省関係者は牛乳は安全だと強調した、武部農水相も同様の発言を繰り返しているが、これはEU諸国の常識からすれば、これは余りにも根拠薄弱、既に欧州では牛乳の回収措置まで取られているのだという大変ショッキングな内容でございました。
 私自身、危険性を示す根拠が見付かっていないということで、現段階では科学的知見だというふうに私自身は理解をしているわけでございますけれども、このように大変扇情的に報道がされてしまったことについて、私自身、大変不安と不満を感じているところでございますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#63
○国務大臣(武部勤君) その件にお答えする前に、大家畜経営維持資金については、十四年度は借換え措置も認めますし、また償還も二年ということに延長いたすことにいたしましたので、どうぞ地元の方にそのようにお伝えいただきたいと思います。
 さらに、今のことですけれども、私もこれを見せられて本当に驚きました。そして、これはもうBSEに関しては、先生御案内のとおり、牛乳・乳製品の安全性は国際的にも認知されているわけでありまして、海外においても牛乳が回収されたといった、事実に基づかない記事が掲載されたということについては誠に遺憾な話でありまして、私どもも直ちに編集部あてに抗議文を送付する一方、私どもの考え方をホームページに掲載するとともに、関係団体、都道府県等を通じて周知に努めたところでございます。
 そのほかにも抗議をした記事は数々ございますが、本当にみんなが四苦八苦しながら何とか立ち直っていこうというときに、こういうような報道がなされるということは誠に遺憾なことでありまして、これからもこういったことについてはきちっと抗議するだけじゃなくて、きちっとした情報も、私は指示したんです。ただ抗議するだけじゃなくて、私どものやっていること、その正確な情報、そういったこともお伝えするようにということも指示しておりますので、そういうコミュニケーションを深めていきたいというふうにも思っております。
#64
○委員長(常田享詳君) まとめてください。
#65
○榛葉賀津也君 はい。
 正に大臣のおっしゃるとおりだと思います。一〇〇%の安全が証明されないから危険だというような論法は大変私は危ない。現実的にはリスクが全くない状況というのはあり得ませんし、漫然と安全安全だと言うべきではないでしょうけれども、無責任に危険危険だと言うことは私は全くこれは言語道断なことだというふうに思います。
 私は、やはり農林水産省と国会の信頼関係と緊張関係をしっかり持って、この農林水産事業に当たっていかなければいけないというふうに信じております。最も大事なのは、安全へのコスト意識と危機管理の大切さだというふうに思います。九月十一日のテロ以降、緊急事態法制等も盛んに叫ばれているわけでございますけれども、食の安全を確保するということは私は全く同じことだというふうに思います。
 トラブルは必ず起こると思います。事故も必ずあると思います。災害もあると思います。私は、その災害や事故やトラブルを防ぐことも大事でしょうけれども、それ以上に大事なのは、起こった後どのようにフォローするのか、起こった後どのように処置をしていくのか、それが傷口を最小限に止め、先ほど大臣もおっしゃったピンチをチャンスに変えていくことだろうというふうに思います。
 民主党の国会議員として、私は、残念ながら大臣にはその安全へのコスト意識と危機管理の在り方、少し政治的に失政をしてしまったのかなと言わざるを得ませんけれども、冒頭言わせていただきました男、武部大臣でございますから、また是非、男らしい身の処し方をしていただきたいというふうに発言をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#66
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 畜産物等の価格安定等に関しまして質問をさせていただきます。
 食肉部門の価格安定並びに加工原料乳生産者補給金単価並びに限度数量の決定に当たりましては、国内生産の増大や自給率向上を支えている生産者の経営の安定並びに消費者が求めている安心そして安全な、そしてまた高品質な食品の提供に資するものであっていただきたいと、そのように思いますので、しっかり価格決定に当たっていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
 まずは、畜産物価格に関しまして質問をさせていただきます。
 一昨年来いろいろな事件がありまして、雪印乳業の中毒事件やBSEの発生、そしてまた食品の虚偽表示、そういう事件がございまして、こういうものが様々な畜産物の価格や消費の動向に影響を与えているのではないか、そのように思うわけであります。この影響について、簡潔に御報告いただきたいと思います。
#67
○政府参考人(梅津準士君) 平成十二年の六月に発生しました雪印乳業食中毒事故の後、事故の原因となりました低脂肪乳等の加工乳の消費が二割近く減少しておりまして、まだその後回復に至っておりません。
 それから、二点目のBSE問題の発生でございますけれども、その後、牛肉の消費量及び卸売価格が大幅に低下いたしました。豚肉につきましては、牛肉の代替需要から消費量と卸売価格が大幅に上昇しておる状況が続いております。
 さらに、雪印食品による牛肉偽装事件発覚後、牛肉の消費は一時減少しましたが、卸売価格は三月に入り回復傾向にございます。
 以上でございます。
#68
○渡辺孝男君 鶏肉等もそれに関係して影響を受けていると思うんですが、この点はいかがでしょうか。
#69
○政府参考人(梅津準士君) POS情報でございますが、鶏肉につきましても昨年九月以降、前年をずっと上回って推移しております。例えば三月ですと、第一週が一〇二、第二週が一一四・八、第三週が一〇七・〇ということで、需要、価格とも堅調に推移しております。
#70
○渡辺孝男君 そのような変化がいろんな事件の影響であるわけですけれども、平成十二年度におきまして、生乳や牛肉あるいは豚肉等の生産量の動向と自給率向上を目指しての計画の目標達成に関しましての乖離といいますか、そういうのがございましたら教えていただきたいと思います。
   〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
#71
○政府参考人(梅津準士君) 食料・農業・農村基本計画におきましての自給率目標でございます。目標年度、平成二十二年でございますけれども、生乳が七五%に対しまして、平成十二年が六八%となっております。牛肉の方は三八に対して三三%、豚肉は七三%の目標に対して十二年が五七%、鶏肉は七三%に対して六四%と、議員御指摘のようにいずれもまだかなりの乖離がございます。
#72
○渡辺孝男君 やはり消費者が食品、特に肉関係で不安を抱けば消費も低迷する、それに伴って生産の方も抑制せざるを得ないというようなことになると思いますので、やはり食品の安全、高品質なものを提供できる、また消費者の求めに応じるようなそういう商品を開発するということが大事だと思いますので、やはり今回の様々な表示の偽装や食の安全にかかわる問題、きちんと解決をして、早期に解決をして消費が戻るように、あるいは目標どおり拡大をするように一生懸命農林水産省としても努力をしていただきたいと思います。
 次に、BSE関連の対策についてお伺いをしたいと思います。
 肉用牛の肥育経営安定対策事業、通常マル緊と言われておりますけれども、この基金が最近のいろんな事件で枯渇をしている、支払が多くなりまして枯渇をしてきている地域もあるということでありまして、北海道の方では一月から農家負担を一頭一万円から一万八千円に引き上げているというような状況もあるようです。そうしますと、やはり生産者にとっては新たな負担増となりますので大変苦労されているのではないかと思います。
 そういう点で、こういう基金の枯渇しているような地域に何か新たな支援ができないのかということを考えるわけですけれども、この点に関しまして武部農林水産大臣よりお答えがいただければと思いますが。
#73
○国務大臣(武部勤君) お気持ちはよく分かるんです。今、北海道と言われましたから私ぎょっともしたんですが。
 この事業は、先生御承知のとおり、農家が自主的判断により加入しまして、国と農家がそれぞれ三対一の割合で拠出した原資を基に、所得の低下に応じて家族労働費との差額の八割まで補てんするという仕組みでございまして、肥育農家の経営安定に大変重要な対策であるわけでありますが、生産者積立金については、補てん金の交付に要すると見込まれる額を基にいたしまして、生産者の負担割合四分の一を考慮して、それぞれの県において積立金の額を決定しているところでございます。
 しかし、今、先生御案内のとおり、最近の牛肉価格の低迷によりまして農家に補てんされる額が大きくなっているということに伴いまして、その四分の一に相当する農家の積立額も増嵩しているということなんだろうと、かように思います。
 しかし、国と農家がそれぞれ三対一の割合で原資を拠出して、それによる畜産農家経営の安定を図るというこの事業の趣旨にかんがみまして、負担はしてもらっても、これを継続することによって十分な対策ができるわけでありますし、国としてもやっぱり同様にその負担分について予算を確保しなきゃなりません。
 そういうようなことで、勉強してみたいとは思いますけれども、別の安定対策といいますか、そういったことではいろんな措置ができるのかもしれませんが、これを今、制度を変えるとかそういったことは、これは難しい話ではないのかなと、かように思います。
#74
○渡辺孝男君 制度そのものが、変えるのが難しければ、やはりBSE関連の経営の支援の対策をやはり更に充実することをもってそういう経営的に大変な方々に支援をしていただきたいと、そのように思います。
 それに関連しまして、先ほど大臣の方からいろいろお話ありましたBSE関連のつなぎ資金が来年度更に充実をされるということで、我が党もこのことを求めておりまして、早く決まらないかなと、早くそういう決定をして生産者の方々に安心をしていただきたいなと思っておりましたが、今日きちんとお答えをいただきましたので、少しほっとしているのかなと思います。
 ただ、これが今後どのようにまた経営の状況が推移するか、まだ分からない、予断を許さない状況でありますので、これはまた経過を見ながら、適時、更に充実が必要であればそういう対応を取っていただきたいと思います。
 で、このBSE関連のつなぎ資金の貸付状況がどのようになっているのか、件数とか金額あるいは対象業種等、分かっておられましたらお知らせいただきたいと思います。
#75
○政府参考人(梅津準士君) 生産者向けのBSE関連つなぎ資金の貸付実績でございますけれども、三月十二日現在で、二千三百九十八件、三百四十五億円となっております。この畜種別内訳は、肥育の一貫経営が二千六十二件の三百二十五億、繁殖経営が百九十二件の三億、その他、例えば乳肉複合経営とか酪農経営でございますが、これが百四十四件、十七億となっております。
 それから、関連業者向けの食肉処置販売等特別資金、関連業者向けの貸付実績につきましては、二月二十八日現在で百二十四件、十四億円となっております。
#76
○渡辺孝男君 今お聞きしますと、恐らく、三千件までは行かないにしても、二千五百ぐらいですか、方々が利用されているということでありまして、まだまだ経営的に大変苦労されている方がいると。これが延長されるということでありますので、これ、またこれからも利用される人がいると思いますので、この点、実態をよく把握しながら、更なる対応を必要なときには適時行えるようにしていただきたいと思います。
 次に、加工原料乳の補給金についてお伺いをしたいと思います。
 廃用牛対策費の高騰とかぬれ子の価格低下によって生産量の増大がこの変動率方式でうまく反映されるのかどうか、そこがちょっと心配だったわけですけれども、そういう価格低下に対してきちんとこの変動率方式で対応ができるのかどうか、その点確認をしたいと思います。
#77
○政府参考人(梅津準士君) 今、先生御指摘の変動率方式を用いました平成十四年度の補給金単価の算定に際しましては、BSE発生以降の直近の物価動向、具体的には平成十三年十一月から十四年一月までの物価動向で修正しまして算定を行っているところでございます。
 具体的には、乳廃牛価格の低下によりまして、これを物価修正することにより乳牛の償却費の上昇という形になってまいります。それから、ぬれ子価格の低下につきましては、同じく今申し上げた時期に物価修正することによりまして、副産物価格の低下として、いずれも、両方とも生産コストの上昇として補給金単価の算定に織り込まれることになります。
#78
○渡辺孝男君 それで安心するわけですけれども、最終決定なされるところまでしっかり我々も関心を持ちながらいきたいと思います。
 次に、廃用牛対策、非常に大きな問題となっておりますけれども、この件につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 農林水産省ではこの廃用牛の滞留状況の調査をしていると思うんですが、この結果では現状はどのような状況になっているでしょうか。
#79
○政府参考人(梅津準士君) 私ども、いわゆる乳用雌牛の前年と当年の差から滞留牛の頭数を推定いたしております。十二月二十四日時点で四万四千頭でございましたが、その後の各月の乳雌の屠畜頭数の増減を加えまして、二月末現在では五万八千頭というふうに推定しております。
#80
○渡辺孝男君 五万八千頭ということでありますけれども、大変な滞留状況にあるわけです。
 JA、全中によりますと、二月に緊急調査を行っておりますけれども、調査した二十八か所中二十三か所で滞留していると。そして、廃用牛を出荷しない理由も分析をしておりまして、地域への影響が大きいから出せない、あるいは屠畜場が入荷自粛を要請している、これは大変遺憾なことですけれども、そういう状況もあると。あと、BSEの発生が怖いのでどうも出せない、あるいは購買者がいないと。やはり消費が低迷しているということで今は出せないというような理由が挙げられているわけですけれども、こういう現場の調査結果があるんですが、この点に関しまして大臣はどのようなお気持ちを抱いているかどうか、お伺いしたいと思います。
#81
○国務大臣(武部勤君) 私が猿払村や宮城村に参りました際に、もう本当に深刻な状況であるということを肌身に感じました。特に、宮城村は肥育農家と搾乳農家と半々でございますから、もう本当に酪農家がもうみんなが自分のところから患畜を出したような雰囲気で、本当に同じ村の中でもう大変な、言葉ではちょっと言い表すことのできない雰囲気だったです。
 そこで、私は戻りましてから、まず第一に、万が一出ても、ここまで国がやるのかという、そういう仕組みを作る必要がある。それから、やっぱり牛舎が空っぽになっていたところへ私行きましたものですから、毎日愛すべき搾乳牛と一緒に同居しているような家族ですから、空っぽだったというのは本当に異様な雰囲気ですね。真っ暗やみに入ったような感じです。
 それで、私はまず互助制度を作ろうと。これはもう根室の若い方々からメールもらって私もそれにヒントを得たんですけれども、結果、代用牛を購入するために五十万、経営再開のための維持資金に十万、一頭ですね、そして一月以内に乳牛が集まってくるように、一月以内に集まったって、もうこの牛群改良をやってせっかく作り上げたわけですから、一〇〇%戻れはしないでしょうけれども、牛がもう入ってくるということで、一頭六十万で、五十頭であれば三千万。従来は大体五分の四の補てん金等々で二千万ぐらいですから、五千万円ぐらいは現金が入るという仕組みにしたわけです。
 その結果、北海道でもそのことがだんだんだんだん分かってきて、やっぱり検査しないでやみに葬ってもらいたいという気持ちはあるけれども、それはできないんだ、やっぱりきちっと検査してデータを蓄積して、そして家伝法を改正するとかなんとかということでなかったら、これはもう国際社会でも許してもらえない、だんだんそういう気持ちが広がっております。と同時に、副大臣、政務官が各県に出向いてまいりまして、そして実態も全部分かりました。さっき、農協が止めているところ、屠畜場が止めているところ、いろいろ分かりましたから、これは私はもう情報公開だと、こう言っているんです。
 最近、急速に廃用牛の出荷が増えています。滞留も減っています。それで、これは問題はいつになったら解決するんだと私は言うんですけれども、役人はなかなか何月とは言えないんですけれども、この調子でいくと五月か六月ごろには出荷と滞留というのは、今滞留しているものを除いてバランスが取れるんだということですから、五月、六月になりますと大体その辺のバランスが取れてくる。あとはどんどんどんどん滞留しているものを出荷することになりますから、そういう解決の方向に向かっているんじゃないかと思います。
 ですから、今、先ほど来いろいろ御質問ありましたように、廃用牛でも何か員外の人はもらえないという話当然ありますし、距離が遠いとその分はちゃんと距離に合わせた助成金を出すことにしているんですけれども、徹底していないようですからそれを徹底させまして、この廃用牛の円滑な出荷のために今全力を挙げていきたいと、このように思っているわけでございます。
#82
○渡辺孝男君 今、そういうBSEが発生した場合に、その発生農家を助けるシステムというのが作られていると。しかし、BSEが地域で発生しますと、その農家だけ、発生農家だけではなくて周りの農家も影響する、牛肉だけではなくてほかの農産物にも影響すると。やはり地域全体の風評被害の支援、防止するための対策とか支援、経営的な支援策というものも必要になってくるのではないかと思います。それから、発生農家のプライバシーを守る対策というものも必要になる。あるいはマスメディアに対しましても、風評被害が起こらないような注意を払っていただくということも大事ではないかと思います。
 そういう総合的な対策が大事になってくるのではないかと思いますけれども、生産者の、BSE発生農家以外のそういう地域の風評被害の対策等について、何か新しいものがあればお話をいただきたいと思います。
#83
○国務大臣(武部勤君) 根本的には、国民の皆さん方、消費者の皆さん方は特に正しい情報を基に実態を理解してもらうということだと思うんです。そのためには、私ども、科学的に正確な情報を迅速に伝えると。それも農業団体だけ通じて出すんじゃなくて、やっぱりマスコミ等を通じて一種のリスクコミュニケーションといいますか、そういうPRも、我々が肉食べるようなことじゃなくて、やっぱり科学者だとか説得力のある方々を通じて周知徹底していくと。
 この点については今相当、いつも川上のことばかりやっているじゃないかと特に公明党さんから怒られるんですが、今その川下のことについて相当思い切ったPR関係の予算も措置することにいたしております。そういうことが今一番大事なことではないかと、これから国民的なキャンペーンをやろうという、そういう準備を今いたさせております。
#84
○渡辺孝男君 次に、BSEの発生による経営の不振といいますか、それの影響で家畜排せつ物処理のための施設の整備もどうも遅れてきているのではないかという不安があるわけです。
 時間の関係上、質問したいこと多くあるんですが、一つだけまずお聞きしたいんですけれども、そういう家畜のふん尿処理の整備状況、今どのようになっているのかお伺いをしたいと。それに対して、もしBSEで影響を受けている農家があれば、その方々がきちんとふん尿処理ができる施設を作るために何か今まで以上の対策が、支援ができないのかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。
#85
○政府参考人(梅津準士君) 家畜排せつ物法に基づきまして、五年間の施設整備目標は全体で三万九千六百戸となっておりますけれども、このうち防水シートといった簡易な対応を行う農家約一万五百戸を除きますと、施設整備を要する農家は二万九千百戸と見ております。
 この中で、この二万九千百戸の進捗状況について見ますと、平成十二年度は整備目標五千百戸に対して約五千戸の実績となっております。平成十三年度整備見込みは、昨年十二年時点での聞き取りによれば、目標五千九百戸に対して約五千戸程度ということになっております。目標をやや下回る見込みとなっているのは、BSEの発生の影響による生産現場での取組の遅れ、あるいは施設整備に当たっての地域での調整の遅れというようなものがあろうかと思います。
 御案内のとおり、家畜排せつ物処理施設の整備につきましては、補助事業、補助付きリースあるいは融資、税制上の支援のほか、特に近年は地方交付税、特別交付税措置も対象になってきておりまして、そうした措置を総合的に活用しながら、着実に推進してまいりたいと思っております。
#86
○渡辺孝男君 大臣、今のこの排せつ物の処理ですね、やっぱり環境問題考えると進めなきゃいけないということで、今いろんな施策が行われているということで御紹介がありました。
 そのほかには、何か新しい追加のものというのは余りないわけですね。
#87
○国務大臣(武部勤君) やっぱり、これを延長してほしいということについては、先般も農業団体の皆さん方から、環境対策をしっかりやらなければ、今、生産者と消費者の顔の見える関係というものを構築しようと、そのことが信頼回復になるんだというようなことを大変御理解しておりまして、早くやりたいんだと。早くやりたいんだけれども、地方自治体も金がなくて、国で予算付けてくれても地方の方が進まないという話も聞きました。したがいまして、十二年度から既に地方公共団体に対する負担分に対して特別交付税措置も講じるようにしているわけでありますけれども、これは総務大臣とはそのことも更に話をしようと思っております。
 さらには、税制上の支援措置、補助事業、補助付きリース事業、制度資金等、いろいろ組み合わせてその地域の実態に合った対応ということをきめ細かくやりたいなと、こうも思っておりまして、そういう意味でも、副大臣、政務官が各県を今訪問しまして知事さんとも話をして、その地域でどういうことを具体的に支援してもらいたいかと、これはやっぱり沖縄から北海道までいろいろありますから、これは地域の実態に合った対策ということを、特に環境の面のことでは農林水産省だけの問題じゃありませんので、これは総務大臣とも相談しまして、引き続きこの特別交付税等によるBSE対策というものを私ども要請していこうと、このように考えているわけでございます。
#88
○渡辺孝男君 BSE問題の前には口蹄疫の発生等もありました。それから、BSEもやはり飼料の問題が絡んでいるわけです。そういう意味では、やはり飼料の自給率を向上するということが大事だというふうに思います。
 飼料の生産受託組織であるコントラクターというんですかね、これの育成を図っていこうという状況にあるわけですけれども、この現状とこれを推進していくための政府としての支援策についてお伺いをしたいと思います。
#89
○国務大臣(武部勤君) 畜産経営に当たりましては、特に飼養頭数が増大しておりまして、労働力不足というものから自給飼料生産が減少する傾向にあるというのは事実でございます。
 しかし、今度のBSEの発生ということを機に、私ども、やっぱり土地利用型の農業といいますか、自給飼料生産というものにもっと力を入れなければ駄目だと、いいえさを作って、いいえさを食べさせて、いい個体を育てて、そしていい牛乳を出してもらうと、そういう一つの循環型農業ということの原点に返る必要があると、こう思っております。
 しかし、そのためには、今の酪農家だけでは、畜産農家だけの労働力では大変ですので、コントラクターの育成強化が必要だと思っておりますし、さらに私は法人化ということにも力を入れるべきでないのかと。
 コントラクターにもいろいろありまして、私ども知っている中でも、頼りにしていたのにその会社がつぶれたとか、またいいえさを当てにしていたのにそうじゃなかったとかというモラルハザードの問題も出てきたりしまして、そういう意味では、そういったことに注意しながら、酪農経営というものがどういうシステムでやっていくのが一番いいのかと、畜産もですね、そういったことを真剣にやっていくための受託作業、技術習得、そういったことも含めて、これから更なる施策の充実に努めてまいりたいと。
 全国で百八十のコントラクターが組織されております。一万五千戸の農家の延べ約六万二千ヘクタールの飼料収穫作業を受託しておりまして、これらを育てるということと同時に、もう少し、先ほど言いましたような法人化だとか集落営農だとか、そういった形で、そういうシステムの中で村全体が生きていけるというような方策というのを新たに検討してみたいなと、こう思っております。
#90
○渡辺孝男君 現場の方では、やはり水田等の生産調整のために、じゃ、水田が余ってくると、別なものに使いたいということで、そういう水田を利用した放牧生産と、牛も牛舎で飼っているばかりでなくて放牧を取り入れようというような流れもあると。また、林間放牧ということで、下草等を食べてもらうというような試みもあるようなんですが、そういう新しい試み、新しいと言っていいのか、昔もあったんでしょうけれども、こういう林間放牧とか水田を利用した牧草生産・放牧というようなものがどの程度進んでいるのか、またそれを支援する政府の施策というものがどういうものがあるのか、その点をお伺いしたいと思います。
 最後の質問になると思います。
#91
○国務大臣(武部勤君) そこにおられるのは北海道の人たちなんですけれども、酪農・畜産経営というのもいろいろあります。また、高脂肪率の牛乳を搾ろうということになると、どういうえさを与えたらいいかとか、どういう飼育をさせたらいいかと。
 私などは、見ていたら、やっぱり適度に運動させて、粗飼料を食べさせて、青空の下、景色のいいところで伸び伸びと育った、そういう牛の牛乳とかその肉だとかというのを食べたいなと思うんです。しかし、実際、やっぱり酪農経営だとか畜産経営は経営が成り立たないと困るという、経営が苦しいから勢い、労働力も足りない、コストを安くというようなことで、本来自分がこういう経営をやりたいと思ってもかなわないという面もあるんですね。
 そういう意味では、今、先生お話ありましたように、土、草、家畜の資源循環によりまして、畜産環境問題の防止と地力の維持増強等が図られるような、資源循環型といいますか、水田放牧や林間放牧という日本型放牧技術というものもしっかり政策の中に位置付けまして、日本は三分の二は山ですから、沖縄から北海道までいろいろありますから、いろいろありますから、全国一律の農政でなくて、それぞれの地域に根付く酪農・畜産経営というものにチャレンジしようと思っている皆さん方にそれぞれ多様にこたえられるような、一律の農政じゃなくて多様にこたえられるような、そしてそのことが消費者にちゃんと分かってもらえるということがまた所得だとか経営に生かされるような、そういう努力をさせていただきたいと、このように思っている次第でございます。
 畜産公共事業等における放牧地の整備でありますとか、草地及び家畜の管理技術向上のための指導でありますとか、ダニ駆除等の衛生対策の支援でありますとか、各般の施策の実施に更に号令を掛けて先生の御期待にこたえたいと、このように思っております。
#92
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
#93
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 まず初めに、大臣は加工原料乳の生産者補給金をキロ七十銭引き上げて十一円とする諮問を出されました。最初にその問題からお聞きしたいと思います。
 二〇〇〇年の三月に策定された食料・農業・農村基本計画は、十年後の二〇一〇年に牛乳・乳製品の自給率を七一%から七五%まで引き上げると、そして生産量も八百五十五万トンから九百九十三万トンに引き上げると目標を掲げました。
 しかし、乳用牛の飼養頭数が減少し、これに歯止めが掛からないと。ピークだった九二年から十年間で三十五万六千トンも減少しています。生乳の生産量も四年連続で減少し、昨年は九四年以来最大の落ち込みになりました。
 重大なのは、これまでこの生産量を支えてきた北海道で二〇〇〇年に生産量が減少に転じたということです。北海道の場合、過去も減少した年はありましたけれども、それは過剰を抑えるための生産枠があったからで、今回のように計画上も増産を期待されていたにもかかわらず減少したというのは初めてのことではないかと言われています。
 さらに、これにBSE、これが追い打ちを掛けてもう大打撃を受けている状況です。このまま放置すれば、やはり計画達成どころか日本の酪農の存亡が懸かる、そういう深刻な事態に今なっていると思うんです。
 この酪農の存続のためにも、やっぱり今回の価格決定というのは特別な対応が必要だというふうに思いますが、まず大臣の認識をお聞きします。
#94
○国務大臣(武部勤君) 減産したところばかりじゃありませんで、北海道は昨年の夏から増産体制になっております。増産しております。
 しかし、全国的には減産しているということは事実でありまして、酪農地帯も経営の問題ということに、一口で言えばそうなるんでしょうけれども、経営者の高齢化でありますとか様々な問題が背景にあると、こう思っております。
 加えて、今般のBSEの発生ということで、廃用牛の問題、ぬれ子の問題、それから環境対策その他、労働力ももう非常に負担になっております。それ以上に、私はやっぱり精神的な負担が非常に大きいと思います。四頭目、自分のところで出たらどうしようというようなことは、これはもうお金に換算すると大変なものだろうと、こう思いまして、そういうような考え方で、しかも変動率方式を基本として算定はいたしましたけれども、今般七十銭アップの十一円ということで諮問した次第でございます。
#95
○紙智子君 減少に転じたということなんですね。北海道、増えていると言うんですけれども、初めての事態だというふうに現地の人たち言っているんです。
   〔国務大臣武部勤君「北海道は去年の夏から増産になっていますよ」と述ぶ〕
#96
○紙智子君 そこはちょっと……
#97
○委員長(常田享詳君) やり取りしないでください。
#98
○紙智子君 済みません。委員長の、無視して。
 それじゃ、委員長。
#99
○委員長(常田享詳君) どうぞ。
#100
○紙智子君 現場では、牛の更新ができないために乳量が低下していると。そして廃用牛、ぬれ子の価格はBSE発生時からそれぞれ、廃用牛でいいますと十万台だったのが一万台、もっとそれ以下というところも出てきたり、あるいはぬれ子の場合は七、八万円台だったのが一、二万円に下がっていると。これが農家の経営を圧迫している事態です。
 昨年、私、十月の三十日の当委員会でもこの問題について取り上げて価格下落に対する対策を求めたのに対し、当時、小林生産局長は、このぬれ子、廃用牛の価格低下については加工原料乳の生産者補給金の算定に反映されるんだというふうに答弁されました。
 ぬれ子や廃用牛の価格が今こういう事態になっている中で、当然やはりそのとき答弁されたとおり、この補給金の引上げに反映されるべきだというふうに思うわけです。七十銭で適切に反映しているというふうに言えるんでしょうか。
#101
○政府参考人(梅津準士君) 平成十四年度の補給金単価の算定につきましては、委員御指摘の変動率方式を用いて算定しておるわけでございますが、この算定に際しまして、BSE発生以降の直近の物価動向、具体的には平成十三年の十一月から本年一月までの期間、これで修正して算定を行っております。
 具体的には、乳廃牛価格の低下につきましては物価修正によって乳牛の償却費の上昇として、それから、いわゆるぬれ子価格の低落の方は物価修正によりまして副産物価格の低下として、いずれも生産コストの上昇として補給金単価算定に盛り込まれております。
#102
○紙智子君 BSEの発生後の農家の損害の状況を個別の農家で見ますと、北海道ではぬれ子四頭から五頭、廃用牛で二頭から三頭飼っているところの実際の損害というのが七十数万円というふうに出ています。それで、七十銭上げたとしても、一頭平均の搾乳量を大体八トンで計算しても、掛ける七十銭で考えても、例えば五十頭で約二十八万円、三十頭だと十六万円ぐらいで、とてもこれ、七十銭では見合わないという状況なんですね。
 このような事態は、やはり現行の補給金制度では想定していなかった異常事態だと思うんですよ。非常時に対応した対策がやっぱり必要であって、実際現場の生産者の方に聞きますと、最低でもやっぱりキロで五円でも上げてもらわなかったらやっていけないという話がされるんですね。
 いや、本当ですよ。だって、一番高いときだったら九十円台のときだってあったわけですし、それがだんだん下がって、今七十二円幾らですか、というところまで来ているわけですから、やっぱりそういう生産者の声というのはそうだと思うんです。再生産をやっぱり保障すると、そして経営が維持継続できるような特別な措置が必要だというふうに思います。強い要求として生産者の皆さんからもこの加工原料乳の補給金をもっと大幅に上げてほしいという声があるんですけれども、これ是非こたえていただきたいと思うんです。いかがですか、大臣。
#103
○国務大臣(武部勤君) 総合乳価は九割は搾乳の代金ということになっているわけでありまして、先ほどちょっと委員長からおしかりを受けましたけれども、北海道は七月から増産体制になりまして、BSEが出てからも伸びているんですね。
 そういうことで、よくこの大変なときに、さすが北海道は主産地で頑張っているなということで、私はこの数字を見て心強く思ったのでありますが、しかし、酪農経営もいろんな人がいますね。借金がある人、それから借金返した人、それから借金したばかりの人、いろいろな人がいますから、やっぱりそれぞれの対策が必要なんだと思います。
 ですから、乳価には法律に基づいてやっておりますし、変動率でやるということを合意してやっておるわけですから、これで何もかも、五円も上げろ、どうしろということで、いかに共産党の紙先生といえども、それは正にカミワザというべきことなのかもしれません。
 したがいまして、諸般の対策を組み立てていくということで、やっぱり乳価は上げなくてもいいからこういうことの対策を講じてもらいたいという人にはそういうメニューを取ってもらう。それから、やっぱり基本的には今回のBSE発生というようなことで、紙先生おっしゃるような事態というのが起こっているわけでありますから、ですからそれは、七十銭といいますけれども、これは人によっては、よくぞここまでやったものだと、むしろ来年が怖いと、こういう声さえ聞こえるわけでありますので、その辺のところは我々の対策というのは総合的にやっていかなくちゃいけないんだと。いろいろなメニューを用意して、そのメニューを求めている人たちに応じた対策というものをしっかり立てていくというのが大事ではないのかなと、私はこう思っているわけでありまして、私も北海道出身で、主産地でありますから、情熱だけは先生に負けないぐらいの気持ちを持っておりますので、また問題意識も負けないぐらいの問題を持っておるわけでございますので、またこの問題は政党政派関係ありませんので、建設的な御意見に対してはもうしっかりこたえてまいりたいと思っておりますので、御理解をお願いしたいと思います。
#104
○紙智子君 不足払い制度が廃止になりまして、市場原理が導入されて、国が決められる補給金というのは結局農家の手取りの七分の一部分でしかないんですね。あとは乳業メーカーとの交渉次第ですから、値下げの圧力がある中でこれがもし下がった場合は、七十銭なんというのは飛んでしまうんですね。
 実態はそういう事態ですから、今、大臣が言われたように、いろいろな農家がいて、借金返した農家もいると言うんですけれども、多くの農家の皆さんは返せないで、だんだん降り積もって、もう本当に押しつぶされそうな状況の中で必死で頑張っているということだと思うんです。だからこそ、今回のような言わば異常事態ですよね、これに対応しての国の責任を私は果たすべきだと思うし、同時に、現在の補給金制度では農家経営が守れないということは明らかですから、是非私は見直しをしていただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。
#105
○政府参考人(梅津準士君) 御指摘のように、平成十二年度から従来のいわゆる不足払いから単価固定の補給金方式に制度が変更されたわけでございます。委員御指摘のように、それ以外の価格につきましては、基本的に指定生乳生産者団体と乳業メーカーの交渉によって決まるということになっております。
 なお、これにつきましても、いわゆる生乳の価格安定制度を設けておりまして、三年の加重平均を下回った場合にその差の八割を補てんすると。国と生産者団体が拠出してその差の八割を補てんするという仕組みを用意しておりますので、市場メカニズムを通じて消費者のニーズをきちんと伝えていくという制度改正の趣旨を生かし、なおかつ経営の安定に資するような運営に努めてまいりたいと思っております。
#106
○紙智子君 とにかくやっぱり事態は、コストを下げるということで物すごく努力をして、精一杯努力をして下げればまた下がるという状況がこれまで続いてきたわけで、そういうのに加えて、例えば今のBSEの問題で言っても、酪農家はぬれ子や廃用牛で何とかプラスを出してということで、乳が搾れない牛については売りに出してということでやってきたわけです。ところがその価格が、BSEが発生してから、発生前と発生後で言いますと、さっき紹介したようにひどく下がっていると。そういう中で、本当に対策がなされない中で、この状況が今すぐじゃ解決していくのかというと、そういう問題じゃないですね。短期に解決できないですよね、今の事態というのは。
 だから本当に、そういう中で、ぬれ子の対策なんかも肉用子牛の補給金の対象にするとか、そういう形で価格下落に対する対策もやっぱり取っていただかなければならないというふうに思うんですが、この点、どうでしょうか。
#107
○政府参考人(梅津準士君) 御承知のように、ぬれ子は生後一週間程度のものを称するわけでございますが、肉用牛生産者補給金制度は肉用子牛の再生産を確保するために六か月齢以上の子牛に対して不足払いを実施するわけでございます。この六か月以上の子牛を不足払いを実施することによりまして、肉用子牛の前段階であるぬれ子についても間接的に価格の低落が防止されておるというふうに思います。
 なお、酪農家自らがぬれ子を哺育育成することを奨励するために、乳肉複合経営体質強化事業により、おおむね一か月哺育する場合で一頭七千円、六か月以上育成する場合で一頭一万四千円の奨励金を交付する事業を別途講じております。
 それから、ぬれ子につきましては、昨今、若干価格が戻ってきておりまして、乳用種ぬれ子で三月平均で三万八千円、F1ぬれ子で三月平均で五万三千円というふうに若干価格が戻ってきている状況にもございます。
#108
○紙智子君 戻ってきているという話、よくされるんですけれども、本当に元に戻っているわけじゃないですよね。
 そして、一か月肥育すればという話も、これ去年もお聞きしたんですけれども、結局七千円ということで言われているんですけれども、実際に酪農家にとってはそういう余裕がないんですよね。えさを与えて、そして肥育するということが手間暇掛かるということでは、そういう余裕がない中で、やっぱり特別の手だてとして考えるべきだということをこれまでも繰り返し言ってきたわけで、ちょっと繰り返しませんけれども、そこのところをしっかり踏まえていただきたいというふうに思います。
 次に、BSEの問題に関連してですけれども、この間、農民連という農業団体がBSEで受けた被害の補償を求めて、それこそ一戸一戸の農家に回って、実際どれぐらい損害が出ているのかということでそれを書いてもらって、直接大臣にこれ、請求書として送ろうということで運動してきたんですね。それで、農水省へ提出された損害請求書、たくさん、一次、二次という形で提出されたんですけれども、これ、大臣、ごらんになっているでしょうか。
#109
○国務大臣(武部勤君) たくさんいただきました。
#110
○紙智子君 中身はごらんになりましたか。
#111
○国務大臣(武部勤君) 目を通しております。
#112
○紙智子君 目を通しているということであれば、余計やはりその深刻な状況というのをお感じになるはずだと思うんですね。
 私は、その中であえて紹介したいと思うんですけれども、これ、一月末時点の岩手県の農家が出した請求書の中からなんですけれども、実例でちょっと紹介しますけれども、例えば農家Aの場合は、昨年と同じ時期と比べて肥育のF1で二頭で七十万円損失になっていると。これに対してのこの間の農水省の対策は、マル緊、BSEの特別マル緊で一月度で合わせて四十二万六千二百円出されていると。差し引きしますと、二十七万三千八百円は結局これ赤字というか、農家の負担なんですね。このほかに、この農家は廃用牛で四十四万七千円、これに対しては一月は対策がなし。ぬれ子は六十九万五百円、これも対策はなしと。合計しますと百四十一万五千八百円が被害というか負担に、赤字になって出ている部分なんですよ。だから、いろいろ対策したという話は出ているんだけれども、政府のこの間の対策ではカバーし切れていないという実情が非常にリアルに現れているんですね。
 それから、農家Bの場合は、やはり肥育でF1十三頭で損失額が三百六十四万円。これもやっぱり政府のマル緊対策、BSEの特別マル緊との差引きでもって八十二万円が損失していると。そして乳用の去勢で五頭で損失九十五万円。そうすると、対策との格差がこれまた二万六千円で、足しますと合計で八十九万六千円と。
 農家Cというのもありますけれども、こういう形で結局これだけの損害が農家にかぶさってきていると。
 この損害というのは生産者が負うべきものだと思いますか、大臣。
#113
○国務大臣(武部勤君) 紙先生御指摘の問題については、それに類した話はたくさん私も聞かされております。それだけに、私どももこの事態を深刻に考え、事態を早く打開しなくちゃならぬと、こう思っているわけでありまして、喫緊の課題はやっぱり消費が戻ることでございます。
 先ほどぬれ子の話がありましたけれども、一月は一万五千円で、北海道でもこれは六七・七%の減少でありましたけれども、二月になりましたら、これは北海道個体販売価格等の推移によりますと二万九千円になっているんですね。三月上旬は四万二千円というような数字まで出ております。したがいまして、諸般の対策をきちっきちっとやっていく、そして平常時に戻していくということが私は一番大事だと、このように思っているわけでございます。
 しかし、BSEの発生以降、牛肉の消費が低迷しまして牛肉の価格が低下したために、畜産農家等の経営が厳しい経営状況にあるということは私どもも十分承知しておりまして、深刻な影響を受けている畜産経営に対して、先ほど申し上げましたように、BSE関連つなぎ資金等を手当てするようなこともしておりますし、これからはまた延長とか条件緩和とか、そういったこともやるわけでございます。
 それから、肥育牛経営農家の大幅な収益性の悪化に対しましては、今、お話もありましたように、BSEマル緊事業を創設しまして、二月分については一頭当たり肉専用種二十一万一千七百円、交雑種二十三万四千円、乳用種十七万七千円の補てん金の支払を三月二十六日からいたしますし、これは毎月今度は出すというようなこともやりまして、子牛生産拡大奨励金の特例措置も子牛価格の低下に対する対策としてやるわけでございまして、諸般の対策をしっかりやることが、今いろいろ、私どもも全部いろいろ見ましたよ、あの時点で見ましたけれども、これはもう根本的には正常化することだということで取り組んでいるわけでありますので、御理解をお願いしたいと思います。
 また、今回の乳価についても、そういったことも勘案して、直近の物価動向その他勘案して十一円ということで諮問したことも御理解いただきたいと思います。
#114
○紙智子君 今質問したことに全然お答えになっていないですよ。これだけの損害が出ているのを農家が負担すべきだと思うんですかというふうに私は聞いたわけで、私は、やはり農家にとってこの四か月で数百万の損害というのは死活問題なんですよ。このままにしていたら本当につぶれてしまうと、一体どうなるのかということが問われている問題なんですね。しかも、牛肉の価格は最安値を更新し続けている。そういう中で、長期に続く可能性がある中で、小泉総理もお答えになりましたよね、生産者には責任ないんだとはっきりおっしゃいました。武部大臣もその意味ではこの間の農水省の責任という問題について認めておられるわけです。
 そういうふうに政府の責任で生み出された損害であるということで認めている以上、このBSEの影響緩和という範囲じゃなくて、本当にこの損失に対して補償するという立場で対策を打つべきだというふうに私申し上げたいんです。いかがですか。
#115
○国務大臣(武部勤君) そういう考えがあればこそ、二千億円以上の対策費を講じて、野党の皆さん方からも厳しく批判をされているわけでございます。それは国民の血税につながるわけでございますので、この政府が対策をするということも、結果として国民皆様方の負担によってやっていくと。
 ですから、私ども農林水産省としては、国民の皆さん方の御理解と御協力を求めながら諸般の対策を講じているわけでございますので、生産者の方々を始め関連する皆さん方には大変御迷惑を掛けておりますが、その中で、今度の乳価も、これなら元気出して頑張れるぞというようなところを目安にしてやっているということで御理解を願いたいと思います。
#116
○紙智子君 私は、繰り返しこの問題についてはこれまでも述べてまいりました。それでやはり、今野党四党が出した法案がありますけれども、これを一日も早く成立をさせていただきたいと思います。ここではしっかり国の責任による補償という問題も、助成という問題も明記されていますし、やはり一時的な対策ではなくて長期にこれから先、本当に求められるわけで、そういう意味では生産者や業者に対して確実に安定した対策が保障されるということでも法制化を行うということで、多くの点で一致しているというふうに言われるわけですから、是非一日も早くこれを成立させていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 続きまして、廃用牛の問題です。
 屠畜頭数については改善しているという話も出ているわけですけれども、実際に滞留している廃用牛の頭数は五万八千頭と更に増加しているという状況です。北海道でも、昨年九月から今年一月までに出荷された廃用牛は前年の同期と比べると四五%、二万三千頭。だから北海道だけで、本来は出荷されていなければならなかった牛が農家に一万六千頭も残っている状態に今あるわけです。
 この廃用牛の流通緊急支援事業、これ始まって二か月たったわけですけれども、この買上げ制度の実施状況がどういうふうな状態になっているのかということでお願いします。
#117
○政府参考人(梅津準士君) 廃用牛流通緊急推進事業につきましては、二月から事業を開始し、直ちに全国会議を開催するなどその周知徹底を図り、円滑な事業の実施に努めております。
 まず第一点、これまでに一時集約管理施設は全国二十七県で一万三千頭分が確保されておるところでございまして、準備の整った七県の施設で収容が始まっており、まだわずかでございますけれども、三月十八日現在で四百四十四頭が管理施設で確保されております。
 それから、事業実施主体において二月及び三月のこの買上げの頭数の見込みでございますけれども、まだ補助金申請書、事業計画書、取りまとめを行っている最中でございますが、二月、三月においては合計約二万五千頭の廃用牛の出荷が行われる見込みというふうに承知しております。
#118
○紙智子君 私、やはりこれもずっと議論になってきているんですけれども、制度の不備であるというのは明確だと思うんですね。
 毎月一頭四万円で買い上げるということなんですけれども、農協が実施主体になっています。屠畜証明が必要で、屠畜場が受け入れなければこれは買い上げてもらえないと。しかし、今、半数以上、十七の県がこの屠畜場の拒否が続いている。ここでは全く、買入れ制度、買上げ制度というのは機能していないということです。
 搾乳を終えて衰弱した牛を屠場も引き取らない、へい死牛の処理施設も引き取らない、路頭に迷う牛を農家は抱えていかなければならない状況になっていると。農家では、この作られたものについても、あれではどうしようもないなと、今、農家にどれだけの廃用牛がいるのか、やっぱり一軒一軒調べて国が買い上げるべきだという声が出ているんです。廃用牛は毎月二万五千頭増える、このままでは取り返しがつかないことになるということで、感染ルートの解明や原因解明を妨げることにもなると。だから、屠畜証明なしで国の責任で買い上げる、農家が屠畜場に出すか出さないかということを関係なく国がやっぱり農家の手元から引き揚げる、ここのところを責任持ってやるということが今求められているんじゃないかと思うんですよ。
 先ほども話に出ていましたけれども、一頭四万円でということなんですけれども、実際にはいろいろな経費を除くと半分になるという話もあるわけですから、ここは是非そういう国の責任でやっていただきたいと今言いたいと思います。いかがですか。
#119
○政府参考人(梅津準士君) 屠畜場の受入れにつきましては、御指摘のように全県でスムーズに受け入れているという状況にはなっておりませんけれども、逐次、各都道府県の受入れにつきましては、各県屠場関係者、あるいは経済連等と協議の中で受入れの拡大を厚生労働省とも連携を図りながら進めているところでございます。
 それから、直接国が買い上げてはという御提案でございますけれども、御承知のように、国が廃用牛を買い上げた場合に、これは国有物品となりますので、特別会計の設置ですとか研修手続とか売払いとか、もろもろの膨大な手続が必要になってまいりますので、現在、農協あるいは家畜商等の事業主体を通じてこの事業を推進しているところでございます。
#120
○紙智子君 農家は廃用牛を出したいけれども出せない状況がある、出た場合は地域全体に迷惑が掛かるというような思いもあって、出さなきゃいけないと思っているけれども、やっぱりそういう三すくみの状況といいますか、屠畜場もそういう状況があると。
 こういう負の構図が続く限り、やはり国の廃用牛対策というのはいつになっても機能しないことになると思うんですよ。ここでやはり、なぜこうなったのかというところに立ち戻って、やはり国の責任を自覚してきちっとした対策をやるべきだということを最後に申し上げまして、時間になりますか、まだありますか、答弁をじゃ最後にお願いします。
#121
○国務大臣(武部勤君) 先ほどもいろいろ議論ございました。廃用牛の出荷については、現在出荷の数が増えてきております。そして、滞留する数が減ってきております。そして、この趨勢でいきますと、五月、六月ごろになるとバランスが取れてくるという状況が予測できます。
 北海道はかなり、いろいろ先生御指摘ございましたけれども、互助制度等の御理解が深まりまして、北海道はかなり円滑に出荷体制が進んできているんじゃないかと。ましてや、北海道では農業団体が止めているところありません。しかし、御案内のとおり、屠畜場がブレーキを掛けたり生産者団体がブレーキを掛けたり、そういうようなところがありまして、私ども、根気よく副大臣、政務官が全国を歩いてお願いをしております。
 大分変わってきました。これは、もう出さないところは全部今はもう情報をオープンにしますから、どこの農業団体が出しちゃ駄目だと言って抑えているか、どこの屠畜場がどうしているか、なおかつ専用の屠畜場とかそれから屠畜日を決めるとかいうことで今鋭意やっているところでして、五月、六月にバランスが取れるということを私ども期待していますので、なおかつ努力いたしますので、御理解をお願いいたしたいと思います。
#122
○委員長(常田享詳君) 最後にしてください。
#123
○紙智子君 とにかく国の責任でそこのところはやってもらわなければ、いつまでたっても機能しないという状況になりますので、そのことを再度最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
#124
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本でございます。
 私、今日はいわゆる偽表示問題といいますか、JAS法改正に関して質問しようとして来たんですが、今までのこの議論をお聞きしていますと、BSE問題盛んでございますので、ちょっと私もその点に触れさせていただきたいと思うんですが、大臣の責任問題とか、こういろいろ出ているわけですけれども、端的に言って、私は、責任云々よりも、も大事かもしれませんけれども、まず原因究明が大事だというふうに思っております。生産者が安心して酪農を営めるということが先決だと思っております。
 それと、大臣、去年の秋ぐらいからいろいろ質疑されて、質疑がございまして、いろいろ御答弁をお伺いしていますと、随分変わってきたなというような感じがいたしまして、非常に具体的になったという、一つはそういうような感じがいたしまして、そういう面では私は大変評価しております。
 それと、お聞きしていますと、役人の体質を大分御理解されてきたのかなという、行政のその体質といいますか、良いところ悪いところ、それが随分分かってきたのかなというような感じもいたしまして、そういう面でいえば、お辞めにならずにその力でやって、やられた方がいいのかなというような気もするわけでございますけれども。
 これは私などの言うあれでないんですので、全体の、それと大臣、もしお辞めになるのなら、大臣だけでなくて、私今見ていましても、行政そのものを相当しっかり変えるというか、責任を取らないと、先ほど言いましたように、これ、責任問題とか何かじゃないんですから、要は、消費者が安心して牛肉を食べられ、生産者が安心して育てられると、これがポイントなんですから、その辺をひとつお忘れなくしていただきたいと。そういう面で、(発言する者あり)いや、辞めなくていいとは申し上げておりませんけれども。
 そういう面で、今日は、何ですか、今、四月二日に発表される検討委員会の中間報告等、私、御説明来ていただいたわけですけれども、そのときに、要するに、生産者が安心して生産できるための体制をどう整えたらいいのかということをお聞きしましても、ちょっとさっぱりしないですね。省内のチームを作っていると。非常に寂しいんですね。この問題というのは、僕は簡単には解決しないと思いますよ、外国だってしていないわけですから。だけれども、していない、解決しないかもしらぬけれども、そこに向かわなきゃいかぬというその姿勢が農林省にないと、これは生産者、たまったものじゃないと思うんですね。
 私なりの理解でいけば、今回、特に狂牛病というのはだんだん酪農家に特化されてきたような感じがいたしますけれども、酪農家というのは、地域によって違うかもしれませんけれども、いわゆる十年ぐらい前ですか、牛肉の自由化で相当打撃を受けて、要するに廃用牛あるいは交雑牛ですね、そういうものを売らないと経営が成り立たない。しかし、それが一番、輸入牛肉との競合があって一番大変な目に遭って、その大変なところをどうやろうか、多頭飼育をやったら、これは今度は廃棄物問題で周囲から、北海道は知りませんけれども、周囲から、におって、もう何か処理してくれなきゃ困るというような、そんなのもう金出さなきゃ処理できないわけですよね。そういうものであっぷあっぷしながら今まで続いてきたのが、今回のこのBSE牛問題。だから、もうそれを処理する、それに堪えるだけの能力といいますと、余地は僕はないんじゃないかと思うんですね。
 したがって、その辺に対して、当面の処理、処置というのは当然やるべきです。これはやらなきゃいけない。だけれども、最終的な目標は原形復旧なんですね。そういうことを心配していなかった状態にどう戻れるか。それを、戻れないんで、すぐでないんであっても、その辺の今どうやろうとしているか、農林省は真剣にこうやっているんだという、そういうところを生産者に見せないといかぬなと、こう思っているんですけれども、これ、予告していなかったんですけれども、大臣、何か御感想はございますか。
#125
○国務大臣(武部勤君) 極めて勇気がわいてくる御激励をいただいて、しっかり頑張らなければという気持ちをより強くさせていただいているわけでございますが、私もようやく一年にならんとしているんですね。正直申し上げまして、分からないことばかりでした。BSE発生を機に、私は一大決心したんです。今までは確かに、知らないから、専門家でないからという、何でも知っている役人には多少の遠慮もあったかもしれません。しかし、何でこんな問題が起こったんだと、そういう怒りから、私はこれは行政の構造的な問題があるんだと、役人任せにはできないと。そこで私の生き方変わったわけです。そして、言うことを聞けなければ去れという勢いでやってきたわけです。
 ですから、先生がこのごろ変わってきたというのはそこからスタートしているわけでありまして、ここでも雪印食品の問題の全箱検査、これも役人は全箱やったら二年、三年掛かると言いましたよ。何を言ってるんだ、信頼回復するためにはもうそんなこと、全箱やれと、二年も三年も掛かったらたまらぬと、一年でやれと、もうそういうふうに号令掛けたんです。そうすると、役人というのは号令掛ければ、大臣が命令すれば動くものだなという感じは最近してきております。
 しかし、今、元に戻さなくちゃいけないということが基本ですので、私どもは喫緊の課題は消費の回復だと、このように思っておりまして、そのためには消費者の皆さん方、国民の皆さん方に食の安全、安心と、私も本当に反省していますけれども、安全イコール安心じゃないということ、この距離が物すごくあるということでございます。したがって、農林水産省の軸足を消費者サイドに大きく移すんだと。そのことによって自給率も上がる、生産者も成り立っていく。これはもう生産者の人たちいますから、私は消費者サイドに軸足移すと言ったら、もう帰ったらみんな怒るかもしれない。
 しかし、それは生産者のためでもあるんだと。そういう生産者と消費者の顔の見える関係を構築してこそ消費者の皆さん方も安心して信頼して、よし食べようというふうになるんだろうと思いまして、抽象的な言い方かもしれませんが、それを原点にして諸般の対策、いろいろ先生方からも御指導いただいて今立てつつありますので、あとはこれを実行するという、そういう決意で臨みたい。
 間違っていたことは間違っていた、そこのところが役人は駄目なんです。私も確かにそういうところありました。間違っていたら間違っていた、反省しているものは反省している。間違っていた、反省したと言ったら、すぐみんな先生方に辞めろと言われるから、辞めろというの怖いからそれ言わないというんじゃ駄目なんですね。やらなきゃならぬことはとことんやるわけですよ。
 そういうことでこれから臨んでまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
#126
○岩本荘太君 御決意、本当にありがとうございました。
 ただ、残念なことは、私は、大臣、今回のBSE牛問題が発生して、十月十八日に全頭検査をやられるところまで行った段階では、大臣は何も責められるところはなかったと思っています。その時点で今の元気があれば恐らくうまく僕はいったんだろうという、そういう気がしてならないですね。その後にいろんな面で迷走があったというのが非常に残念でありまして、その辺を一つ付け加えさせていただきたいのと、それと、これ度々言うんで私も言いたくないんですけれども、生産者生産者と大臣言われるその生産者という意味が、私はどうも生産者と生産者団体と区別して見ないと非常に間違いがいくんじゃないのかなと。大臣のあれですよね、お考えで副大臣を全県に回されていると、知事からお話を伺うと、そのときもそれが生産者の声なのか生産者団体の声なのかしっかりと見極めてもらいたいなという、これは要望でございます。
 先ほど言いました一つ、偽表示に関してですけれども、時間がなくなりましたのでちょっと省略させていただきますけれども、例えば牛肉の偽表示の問題なんかに関連してそういう消費者の方々と話していますと、一つの例として、スーパーなんかに行きますと、大豆とか、大豆じゃない、豆腐とか納豆に最近は遺伝子組み換えはしていませんとか、国産大豆であるとかというような表示があります。あれを信用して皆さん買うんだと思うんですけれども、消費者の目から見ますと、あれだけの量が本当にあるのかと、原料としてあるのかという疑問が起こっているんですね。
 だから、例えば偽表示の問題なんか解決するのにもその辺のアプローチが、例えば本当にそれだけのものがあるのか、そういうようなアプローチから一つできるんじゃないかなというような感じがするんですが、その辺で、例えばそういう豆腐、納豆なんかの原料の全体量とかそれから遺伝子組換え、まあ遺伝子組換えは入ってきても使っていないんですからそれはいいんですけれども、いわゆるそういう使っていない国産の大豆だという量とそれから豆腐、納豆等の生産量、そういうものの両面の把握というのは農林省としてされているんでしょうか。
#127
○政府参考人(西藤久三君) 大豆製品についての関係のお尋ねでございます。
 先生御案内のとおり、我が国で一年間の大豆の消費量、五百万トン弱でございます。うち、大体八割が製油用、油ですね、四百万トンが製油用でございます。残り百万トンが食用、先生今御指摘のありました豆腐だとか納豆が大体年間百万トン消費されております。
 御指摘のとおり、国内で供給されます大豆、これは遺伝子組換え大豆ではない従来型の大豆でございます。これが約、最近増産されましたが、二十万トンでございます。これは製油用はありませんので、食用に全部供給されております。残り、食用の八十万トン程度が輸入大豆と。輸入は、先生御案内のとおり、アメリカからが八割、輸入でございます。アメリカにおいては、現在たしか五割程度はもう既に遺伝子組換え大豆の生産と、そういう状況になっております。実態上、ほとんど分別されないで流通しているのが大宗でございます、遺伝子組換え物と組換えでないものが。
 ただ、我が国で長い時間の議論を経て遺伝子組換えの表示問題の決着が付き、昨年の四月から表示をお願いしておりますが、関係業界は、食用の大豆についてはアメリカからの輸入物であっても生産、流通過程で分別して、そういう点ではコストが掛かりますが、分別した大豆を食品用として輸入している実態にございます。そういう点で、現在国内で食用に供されている大豆の需給上は大部分遺伝子組換えでない非遺伝子組換え大豆が供用されているという状況にあると思っております。
 先生今お尋ねの件の状況から申し上げますと、私どもその状況を、毎年大体三百点数ぐらい買い上げてDNAの分析をすれば遺伝子組換えのものかどうかというのは分かりますので、そういう取組、モニタリングを実施していくということで取り組んでおります。
 十三年度、既に判明しているもので申し上げますと、五十九点数チェックしましたが、一点だけ、組換えでないという表示なんですが、六%程度遺伝子組換え大豆が含まれていたという事例がございました。当事者はそれは分別流通したということをおっしゃっていますが、分別流通の仕方がやっぱり不適切だったんだろうということで、私ども是正指導をしているという状況にございます。
 今後も、そういうモニタリングを通じて実態の把握、それと関係者の理解、協力ということでこういうパンフレットも作って対応していきたいというふうに思っております。
#128
○岩本荘太君 ありがとうございました。
 それでしたら、自信を持ってもう消費者には表示どおりと。ただ、それをごまかしてやるところはあるかもしれませんけれども、それは問題は別だということですね。
 そういうことで、もう時間がないんですけれども、要するに、今のは量から見た話ですけれども、実際に偽表示を排除するといいますか、今度JAS法でやられるのかもしれませんけれども、これは非常に難しい問題だと思うんですね。内部告発という手もあるでしょうし、内部告発になるとやっぱり管理社会的な仕組みになってきますからこれも一つ問題でしょうし、かといって、じゃ精神論だけでやってくれというんであれば、それで通そうとすれば相当厳罰主義で、一回やったらもう商売できないぐらいな措置が必要だというようなこともあるでしょうし、そうすると、またそういうシステムを使ってほかの悪さをするというようなこともあるでしょうし、非常に難しいと思うんですけれども、時間ありませんけれども、最後に大臣、今度その辺の偽表示防止を図られるとお聞きしておりますけれども、どういうようなお考えで今おられるのか、それをお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#129
○国務大臣(武部勤君) 本当に難しい問題だと思うんです。BSEの問題が発生して、念には念を入れて消費者の皆さんに安心してもらおうと、そして円滑な流通のためにと思って市場隔離をしました。しかし、二頭目、三頭目が出てますます疑念が深まるばかりと、不安が深まるばかりということで、与野党もう皆さん方、焼却せよという話になりました。結果として、雪印食品の犯罪が発覚したわけです。そして、私どもはこういうものがないかということで、JAS法に基づきましてJAS制度一一〇番をやったわけです。表示一一〇番をやりましたら、一日に百件以上のが来るようになったと。もう性善説に立ってやらなければ短期間にできない。しかし、性善説に立ったということが結果的にしり抜けになっているという批判になっている。
 じゃ、これから表示制度を改善すると。表示制度も性善説に立っているんですね、消費者の政策が基本ですから。だけど、やっぱり、立入検査、指示、公表、罰金と、こう行くわけですけれども、やっぱり今度も一番JAS法のことで私どもつらい思いをしているのは、監視体制の強化の問題と。結果的にはマスコミが、我々が動いているんですよ、動いているんですが、我々の動きに合わせてマスコミが動いて、そして表に出て公表ということになっているんですが、いずれにしましても、今国会中にやはりJAS法だけでも改正させていただいて罰則を強化して、そしてこの表示制度については食衛法だとかいろいろあります。しかし、これは一緒に議論する場も必要だと思いますが、まずは急ぐのは企業のモラルハザードを防ぐというようなことを、うみを徹底的に出すんだという前提で我々が徹底してそこに入っていける、そしてそれを表に、公にできる意味でやっぱりJAS法の改正ということは今国会中にやらせていただきたいということで、今、事務当局に指示しているわけでございます。
#130
○岩本荘太君 終わります。
#131
○中村敦夫君 BSE問題に関する牛肉の買上げ事業について質問します。
 生産局長に聞きたかったんですけれども、都合が悪いということで、畜産部長お願いします。
 三月二十日のこの農水委員会で私はこういう質問をしたんですね。現在進行中の買上げ価格の協議は何を根拠に行っているんですかと聞きました。これに対して生産局長は、牛肉在庫緊急保管対策事業の売買契約書を根拠としているというふうに答弁したんですね。ですから、私はその業界六団体の売買契約書を確認してみました。
 ところが、その中には価格再協議を定めた条項というのは一行もないんですよ。存在したのは、一定期間後、業者が業界団体から買い戻すという特約については、政府が別に保管肉の処分方法を定めた場合には買戻し特約が無効になるという、その条項だけしかないんですね。契約書の中では、買戻し特約については事業の見直しを前提として見直し条項を定めているんですけれども、価格については全く見直しを定めていないと。つまり、価格はいじれないんですね、この契約書では。
 そうしますと、この売買契約書を価格協議の根拠だというふうな生産局長の説明はちょっと合わないんじゃないかなということなんですが、いかがですか。
#132
○政府参考人(梅津準士君) 委員御指摘のとおり、三月二十日の本委員会で委員から御質問あった際に、事業主体と会員との買上げ契約の中に、売り戻すときは同じ価格で売り戻すと、そうでないときはまた協議するという契約になっている旨生産局長が答弁したところでございますけれども、契約書について再度確認したところ、事業実施主体と会員等との売買契約書に保管牛肉の買上げ価格を再協議する旨の明文の規定はなく、誠に申し訳なく思っておるところでございます。
 委員の御指摘を十分に踏まえまして、事業実施主体と会員等との間でどのような対応が適切か、検討させていただきたいと思っております。
#133
○中村敦夫君 それは、まあ、ですから間違いだったという答弁ですけれどもね。価格協議をやるということはどこにも明文化されていないわけですよね。手続が明文化されていなければ、事業というのは進行できないんじゃないかなと思うんですね。何を根拠に値段を決めたり、今値段や何か、和牛は幾らとか、そういうことは決まっていますけれども、その基礎となる根拠というものがないと、そっちへ移れない。根拠なしに事業が進んでしまうと。これはびっくりするような異常事態じゃないかなと思いますけれども、いかがでしょう。
#134
○政府参考人(梅津準士君) 御承知のように、この事業は十月十七日以前の、BSE検査以前の牛肉についてこれを隔離するということで、消費者の不安の解消を目的とした事業でございます。その後、十二月十四日に至って、その処分について、焼却をするということに決めたわけでございます。
 当初の段階では、売り戻しを前提にした言わば仮の価格での契約であったわけでございますが、その後、十二月十四日に焼却というふうに最終処分方法が決まった段階では、焼却を前提とした、隔離牛肉の種類あるいは性別に応じた価格の設定が必要になると考えておりますけれども、今、委員御指摘のように、その場合の価格の再設定についてどのような根拠あるいはどのような対応が適切か、しばらく検討させていただきたいというふうに思います。
#135
○中村敦夫君 つまり、根拠なしに公金が動いていくという事態になっているわけですけれどもね。今、前の契約で千百幾らとか、いろんな業者との合意ができていたわけですよね。今度はいきなりもっと、千五百幾らというようなことを基準にやって、まあ価格は高くなっています。ですから、高くなっているから業者はだれも文句言わないでしょうけれども、例えばこれ、五百円にすると決めることだってできちゃったわけですね。そうしたら、一体何を根拠にそんなことをやっているんだと業者から総スカン食うはずの性質のものなんですよ。
 ですから、高いか安いかという問題だけの違いであって、やはりこのような事業の進め方というのは、私、この契約書を見てびっくりしたんですけれども、今までこういうふうにしてお金というものは、公金というものは、どんぶり勘定のように使われてきたんですか。
 これは農水大臣、どうですか。
#136
○国務大臣(武部勤君) 農業の分野ではよく概算払い、精算払いという言葉を使うことがよくあるんですけれども、私も、事務当局を厳しく叱正したのは、君たちは税金を使っているという、税金を使わせていただくということについての認識が甘いと。そういう意味では、率直におわびしなきゃならないと思います。
 大ざっぱなやり方で、公金といいますか税金を使って事業を行うということについての厳しさがなかった。これは、事務当局の説明は、一気にやらなくちゃいけなかった、短時間にやらなくちゃいけなかったと。短時間であろうが何であろうが、税金を使わせてもらうんだということについては、もっともっと厳しい厳密なやり方でやらなければとても国民が理解するということにならないということについては、私自身も今回のことについては申し訳ない気持ちで一杯でありまして、そういう意味でも、以後厳正にやるようにということで厳命をして対処している次第でございますので、御理解をいただければ有り難いと思います。
#137
○中村敦夫君 畜産部長にお聞きしますけれども、このままだと、何だか基準も根拠もなしにお金が流れていくと、また何か訳の分からないことが起こる、そういう危険性、非常に大きいんですよね。
 例えば、結局、前の売買契約が根拠にならないということが分かったとすれば、あれは破棄しなきゃいけないわけですよね。そうすると、基本的には再契約というものをしなきゃならない。形式的にはできますよね。しかし、価格の再協議については元々ないんですから、もう商取引の段階で業者たちが決めた値段というのが基準になると思うんですね。これが別に不当なものでない限りはそこが基準となるんですけれども、それがもっと額面が増えてしまうということになりますと、勝手に農水省が値上げをしたということになって、国庫に損害を与えるわけなんですね。だから、これは公的資金の不正な使い方だということになってしまうんで、これ、できないと思うんですよね。
 ですから、どういう形にするつもりですか。つまり、短期間だからいろいろ難しかったというお答えだけれども、短期間だからこそ、一番根本になる価格ですよ、これ、契約というのは、もう価格のところへ集中して、神経をとがらせてやるものですよね。そうじゃないと、もう企業生命が失われるような部分ですよ。そこのところをあいまいにしたままこれを進めるというんでは駄目なんですね。
 だから、この事態で、一体具体的にどういう方法でこれを進めるんですか。
#138
○政府参考人(梅津準士君) 今の御指摘でございますが、昨年十月に六事業主体がそれぞれ会員から買い上げるに当たりましては、そのときは焼却を前提としておりませんで、再度消費者の理解を得てまた市場に戻す、あるいはそれ以外の選択も想定されておったわけでございます。したがいまして、すべての事業主体が同じではございませんけれども、一千百十四円・キログラム当たりという価格で、売り戻しを条件にした買取りをやった事業主体が、わけでございます。
 その後、十二月十四日に至りまして、これは焼却とするということになりまして、その前提が言わば変わったわけでございますけれども、その際に、今、委員御指摘のように、再度契約を結び直す、あるいはまたそれについての根拠規定を当初の契約に置くべきではなかったかというような御指摘かと思いますけれども、現時点において、いずれにしても、隔離した十月十七日以前の牛肉を最終的には、消費者の不安を解消するために、検品した上で焼却処分とするということを私ども考えておりますけれども、その上で、どのような例えば契約行為なり措置が最も適切かどうか、検討させていただきたいというふうに思います。
#139
○中村敦夫君 事情は、それはいろいろ大変だということは分かりますけれども、やっぱり手続、正当な手続を経てお金が動かないということは、これはとんでもない話で、民間でもこういうことは起こり得ない話なんですね。結局のところ、今のままだと、市場隔離牛肉緊急処分事業というものにおける買取り価格の再協議というのは、根拠のない不当行為だというふうに第三者から見れば判定されてしまうわけなんですよね。また、再協議によって買取り価格が値上げされた場合には、不当な公金支出となる疑いが強いわけなんですよ。
 この辺のところをやっぱりはっきりさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#140
○政府参考人(梅津準士君) 今申しましたようなこの事業の趣旨、目的を達成する上で、議員の御指摘の趣旨を十分に踏まえまして、例えば事業実施主体と会員等との関係で新たな契約を結び直すというようなことを一つ念頭に考えておりますけれども、その場合どのような手続なりあるいは措置が必要か、そういったことについて再度研究させていただきたいというふうに思います。
#141
○中村敦夫君 売買契約で商取引として合意された市場価格というものが設定されているんですから、基本的にはそれ以上のものを勝手に出してしまうということはかなり大きな問題になると思いますから、そのことを気を付けて検討していただきたいと思います。
 終わります。
#142
○委員長(常田享詳君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
 田中君から発言を求められておりますので、これを許します。田中直紀君。
#143
○田中直紀君 私は、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派並びに各派に属しない議員中村敦夫君の共同提案による畜産物価格等に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    畜産物価格等に関する決議(案)
  昨年九月に我が国で初めて牛海綿状脳症(BSE)感染牛が確認されて以来、牛肉消費が大幅に落ち込むとともに、本年に入ってから食品の不正表示等が相次ぎ発覚したことは、食と行政に対する消費者の信頼を著しく損ない、畜産・酪農経営、関係事業者等に深刻な影響を及ぼしている。
  よって政府は、平成十四年度畜産物価格及び関連対策の決定に当たり、我が国畜産・酪農の再建に向け、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 牛肉に対する消費者の不安を払拭し、その消費を早期に回復させるため、消費者をはじめ、関係事業者、学校給食関係者等に対し、牛肉の安全性に関する情報の迅速な提供と正確な知識の普及に努めるとともに、BSE発生後の牛肉価格形成の実態について、関係機関が協力し速やかに調査を行うこと。
   また、BSE感染源の究明を徹底的かつ早急に行うとともに、今後消費者に安全な牛肉を提供する観点から、農場から食卓まで牛肉を追跡することのできるトレーサビリティシステムの早期の確立、食品表示の実効性を担保する体制の整備等を図ること。
 二 BSE発生による畜産・酪農経営、関係事業者等への影響が依然として続いている状況にかんがみ、経営安定対策、金融対策等の継続とその充実を図ること。
   また、出荷が滞っている老経産牛については、その処理が円滑に進むよう一層努力するとともに、BSE発生時における風評被害防止対策等の出荷環境の整備を図ること。さらに肉骨粉及び死亡牛を円滑に処理できるよう、関連施設の確保・整備を図ること。
 三 加工原料乳生産者補給金の単価は、BSE発生による副産物価額の低迷などの実態を踏まえ、生乳の再生産が確保され、経営の安定が図られるよう、適正に決定すること。
   また、加工原料乳限度数量については、生乳の生産事情、牛乳・乳製品の需給動向を踏まえて適正に決定すること。
 四 牛肉・豚肉の安定価格及び肉用子牛の保証基準価格等については、BSEの発生等に十分配慮し、再生産の確保を図ることを旨として、畜産経営の安定に資するよう適正に決定すること。
   また、経営所得の安定を図る観点から、肉用牛肥育農家が意欲と展望を持って生産に取り組めるよう、肉用牛肥育経営安定対策について、十分な予算の確保等その充実を図ること。
 五 飼料の輸入依存体質を転換し、資源循環型農業を推進する観点から、自給飼料基盤の強化、飼料生産の組織化・外部化の推進等各般の施策を講ずるとともに、国産稲わら・稲発酵粗飼料について、その円滑な流通及び利用拡大のための対策を充実・強化すること。
 六 家畜排せつ物については、BSEの発生に配慮しつつ、地域と経営の実態に応じた処理施設の計画的整備が進められるよう支援策を強化するとともに、耕種農業との連携強化によるたい肥利用の促進や生ごみ等地域資源との一体的な処理等を促進すること。
 七 安全かつ良質な畜産物を供給するため、生産・加工・流通過程における衛生・品質管理対策を強力に推進するとともに、食肉処理施設及び乳業施設については、地域の実態等を勘案しつつその再編整備を促進すること。
 八 BSEの発生が汚染肉骨粉等輸入飼料による疑いが強いことを踏まえ、海外情報の収集分析体制の充実、輸入飼料等の検査・検疫体制の強化を図ること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#144
○委員長(常田享詳君) ただいまの田中君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#145
○委員長(常田享詳君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、武部農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。武部農林水産大臣。
#146
○国務大臣(武部勤君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨に従いまして、最近の畜産をめぐる情勢を踏まえつつ十分検討してまいる所存でございます。
#147
○委員長(常田享詳君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト