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2002/04/18 第154回国会 参議院 参議院会議録情報 第154回国会 農林水産委員会 第7号
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2002/04/18 第154回国会 参議院

参議院会議録情報 第154回国会 農林水産委員会 第7号

#1
第154回国会 農林水産委員会 第7号
平成十四年四月十八日(木曜日)
   午前九時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     大仁田 厚君     松山 政司君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     榛葉賀津也君     山根 隆治君
     羽田雄一郎君     谷林 正昭君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     岩永 浩美君     仲道 俊哉君
     鶴岡  洋君     山本 香苗君
     市田 忠義君     畑野 君枝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         常田 享詳君
    理 事
                太田 豊秋君
                田中 直紀君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                加治屋義人君
                小斉平敏文君
                仲道 俊哉君
                野間  赳君
                松山 政司君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                谷林 正昭君
                山根 隆治君
                山本 香苗君
                渡辺 孝男君
                畑野 君枝君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   武部  勤君
   副大臣
       農林水産副大臣  野間  赳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       水産庁長官    木下 寛之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○水産業協同組合法等の一部を改正する法律案(
 内閣提出)
○漁業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
○遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(常田享詳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十六日、大仁田厚君が委員を辞任され、その補欠として松山政司君が選任されました。
 また、昨十七日、羽田雄一郎君及び榛葉賀津也君が委員を辞任され、その補欠として谷林正昭君及び山根隆治君が選任されました。
 また、本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として畑野君枝君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(常田享詳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案、漁業災害補償法の一部を改正する法律案及び遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案の審査のため、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君及び水産庁長官木下寛之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(常田享詳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(常田享詳君) 漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案、漁業災害補償法の一部を改正する法律案及び遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○谷林正昭君 民主党・新緑風会の谷林正昭でございます。
 今日は差し替えということで、是非、地元が、漁師が活発で、頑張っておいでになる人たちがたくさんおりますし、和田理事にお願いいたしまして質問させていただきたいと、こういうことで立たせていただきます。よろしくお願いします。
 先般、六月の、昨年の六月の十四日の日に、水産基本法の審議にも当たらせていただきました。そのときに、小泉総理もなりたてでありまして、解散はしない、改造もしない、だから各大臣にはしっかり腰を落ち着けてやっていただくんだ、こういう発言もありましたし、私が農水委にかかわらせていただいたときに、玉沢大臣、そして谷大臣、谷津大臣、そして一年ちょっとの間に武部大臣ということで四人も替わった。これは大変な問題だという指摘もさせていただきまして、是非、武部大臣には腰を落ち着けて頑張ってもらいたい、こういうエールを送らせていただきました。
 ところが、今考えてみますと、余りエールを送り過ぎたかなというふうに思いますが、でも、先般の記者会見の中で、今後は食料という問題を消費者の立場でしっかり守っていきたい、消費者の安全を守っていきたい、こういうことも宣言をされました。是非そういう立場をしっかり持っていただきながら、この水産四法の質問に当たりましてお願いをする次第でございます。
 さて、その水産基本法の成立に基づきまして水産基本計画というものが閣議決定をされ、三月の二十八日でしたか七日でしたか、発表がなされたところであります。この基本計画で、今後十年間こういう見通しで漁業というものを活性化させ、そして国民の信頼を得ながら、いわゆる魚介類というのは食料としてしっかり守っていくんだ、そして二百海里時代にあって、今、政府が本腰を入れながらこの対策に当たるんだという計画がここに出てまいりました。私も読ませていただきました。
 今ここで質問をさせていただきたいのは、この基本計画が策定をされ、そして将来にわたる漁業の在り方がここに論ぜられております。そこで、私が指摘をさせていただきたいのは、単なる漠然と漁業を語るんではなくて、より具体的に、二百海里時代でありますから、日本の周りは、自分たちの資源は自分たちで守るという方向性が出されたのでありますから、きっちりした具体的施策が必要になってくるというふうに思いますが、残念ながらこの基本計画ではまだそこまでは行っておりません。
 したがって、私が指摘したいのは、水域あるいは地域あるいは漁法、魚種、こういう事ごとを、具体的にそういう将来像を定めるべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#7
○政府参考人(木下寛之君) 本年三月に策定をいたしました水産基本計画でございますけれども、この中で、水産物の自給率の目標とともに、遠洋、沖合、沿岸といった漁業種類ごとに将来の漁業生産量の目標あるいは取り組むべき課題を示したところでございます。また同時に、沿岸漁業の構造展望も公表いたしました。沿岸漁業全体につきまして、将来見込まれる経営体の数だとか、あるいは就業者数を示したところでございます。このように将来の生産量の目標あるいは漁業経営体の数ということを示したわけでございますけれども、今後の漁業経営にとって指針となるなど、関係者にとって重要な意味を持つものというふうに考えております。
 今、先生御指摘のとおり、個々の具体的な地域あるいは魚種ごとに示すべきでないかという点でございます。
 私ども、今回、水産基本計画によりまして、我が国水産全体としての施策の目標なり方向が示されました。水産庁といたしましては、こういうような基本計画の方向を周知徹底を図りたいというふうに思っておりますし、また生産者との意見交換を図りたいというふうに考えております。したがいまして、水産庁の幹部を各地域にキャラバン活動ということで派遣をしたいというふうに思っております。その中で、市町村レベルあるいは漁協レベルといった地域ごとに、より具体的な漁業の将来像について議論をしてまいりたいというふうに思っておりますし、そのような議論を踏まえて更に具体的な施策につきまして検討を進めていきたいというふうに考えております。
#8
○谷林正昭君 是非具体的に、より現場で頑張っておいでになる人々の話を聞きながらやっていただきたい、作っていただきたい、こういうふうに思います。
 そこで、この計画によりますと、持続的生産目標というのが出されておりまして、十一年度で四百六十一万トン、十二年度で四百五十三万トンの実績の下に、平成二十四年度では五百二十六万トンを目標に持続的生産というものを目指すというふうになっております。そこで、一番、この持続的生産目標あるいは再生産可能な漁業ということになってまいりますと、魚の値段が正に再生産というところに伝わっていかなければならないというふうに思います。
 そういう意味で、私も、県漁連の皆さんやあるいは直接漁業に携わっている皆さん、そういう人たちのお話を聞いてきました。そうしたら、いや、谷林さん、今一番困っているのは、一つの例を挙げますと、イカの値段が安過ぎる、イカが物すごく、一年で成長しますから捕れる、資源はたくさんある、しかし捕ってきても燃料代にもならないような、そういう思いをしながらも、しかし、イカを捕りに行っている。
 いわゆる私の言いたいのは、再生産可能な値段というものを、しっかりやっぱり私は管理するという意味ではなくて、市場に任せるだけという意味ではないのではないかというふうに私は思います。農水省としてその対策あれば、聞かせていただきたいと思います。
#9
○政府参考人(木下寛之君) 最近におきますイカの水揚げの状況でございます。平成十年の三十九万トンを底にいたしまして、十一年が五十万トン、それから十二年が六十二万トンというふうに大幅に増大をしてきている状況にございます。このような状況を受けまして、委員御指摘のとおり、イカの価格は低落傾向にあるということでございます。
 私ども、このような事態に対しまして、魚価の安定を図ることは極めて重要な課題であるというふうに思っておりますし、漁業経営の維持安定を図る意味でも重要だというふうに思っております。したがいまして、水揚げ集中等によります魚価の一時的な激しい変動が漁業経営に及ぼす影響を緩和するということで、水産物調整保管事業を発動いたしております。イカにつきましても、そういう意味での調整保管事業を行っているところでございます。
 また、直接的な価格対策ということではございませんけれども、価格の形成力、産地の価格形成力を強化するという意味では、やはり産地市場の統合が必要でございます。また、水産物の消費の拡大、あるいは漁業者の皆さん方が捕られた漁獲物の付加価値を付けるという意味でも、価格対策という意味では意味があるというふうに思っておりますし、そういう意味での高付加価値化の推進を図っているところでございます。今後とも、このような各般の施策を講じながら、漁業経営の安定に努めていきたいというふうに考えております。
 また、イカにつきましては漁業共済の対象になっているわけでございます。漁獲金額の減少に対しまして、漁業共済への加入による対応が可能というふうに考えておるところでございまして、そういう意味での共済の加入の促進にも努めていきたいというふうに考えております。
#10
○谷林正昭君 長官、今いろいろおっしゃいましたけれども、私のお聞きしたいのは、具体的対策をこうやるという話を、私も聞きたいですが、今朝もイカ釣りに行ってきた人に聞かせてやりたいなと思ってこういう質問をいたしました。分かりやすく、漁師さんにも、おおそうだと心に響くような答弁をしていただけたらなと思います。
 そういう意味で、今、富山県の県漁連も参加しております富山県水産公社、第三セクターがございますが、そこで、国の施策にも出ておりますけれども、担い手センターというところを作りまして、ものを作りまして、是非海に来てください、漁師になってください、一緒に働きましょう、こう言ってこういうパンフレットを全国に出し、インターネットで人に呼び掛けております。
 そうすると、多くの人たちが実は集まってきます。富山県でも一年間で五十名近くの人たちが集まってきて、主に定置網漁法に携わっている。正に、海には自由があるという富山県のキャッチフレーズでありますけれども、来たときはみんな茶髪、そして一旗揚げたい、そういう思いで来た人たちも、一年間、先輩の皆さんと朝早くから海に出て、そして命懸けで働いて、充実したその日その日送って、そして気が付いてみたら、茶髪はみんな真っ黒の髪になって、そして男らしくねじり鉢巻きでというようになって変わってくる。正にそれが私は海の男の心、あるいはそういう話を聞くと物すごくうれしく思いました。
 そういう意味で、そういう新しく漁業に参入をしたい、参入していこう、そういう人たちを是非、支援をするという政策は幾つも幾つもあります。分かっておりますけれども、そこで聞いた話は、農水省の管轄ではないかも分かりません、ないかも分かりませんけれども、都会から来て、あるいは違った町から来て、県から来て、漁師になりたい、なるといったときに、一番困るのは住宅、住むところ、こういうところが一番家族を連れてきても心配だ、そして今困っている、こういう話を実は聞きました。
 なかなか農水省だけでは解決できない問題だと思いますけれども、例えば市営住宅に入ってもらう、町営住宅に入ってもらうというような配慮や努力というものを、私は、農水省として、人材の担い手というのは大きなこれから柱になります。
 六月十四日のときの渡辺水産庁長官、私の質問に答えて、これからは正に漁場づくり、資源づくり、人づくり、これが水産庁、農水省の課題である、こういうふうに力説をされました。そういう意味からも、一番大切な人づくりについてお尋ねをいたします。
#11
○政府参考人(木下寛之君) 私どもも、今後の水産施策の中で後継者の確保あるいは新規就業者に対する確保というのは重要な施策というふうに考えておるところでございます。このような観点から、私ども、漁業就労確保育成センター事業というのを実施をいたしておりまして、漁業就業者の求人なり求職情報の収集・提供、また新規就業者の受入れ体制の整備、また資質向上のための研修等の事業を実施をしてきているところでございます。
 今、先生御指摘の住宅の手当ての問題でございます。私ども、他の地域から新規就労しようとする意欲のある皆さん方にとって大きな課題であろうというふうに考えているところでございます。もとより水産庁だけではなかなか困難な面がございますけれども、このような新規就労対策に政府全体で取り組むという観点から、関係各省にも協力をお願いしていきたいというふうに考えておりますし、私ども水産庁の施策の中でも、例えば漁業近代化資金におきまして雇用労働者に提供する宿泊施設の取得のための低利融資につきましても道を開いているところでございます。このような施策、あるいは関係府省あるいは地方自治体のいろいろな施策と相まちまして、新規就労対策につきましてできるだけ拡充強化をしていきたいというふうに考えております。
#12
○谷林正昭君 いろいろな施策あるわけでありますけれども、最終的には、話を聞きますと、漁協が全面的に保証人になったりバックアップしたり、そういうことをしないとなかなか面倒見切れない。ところが、漁協はそこまで本当にやれるのかということになってくると、私に、谷林さん、国会で質問してくださいよというような話になるんですね。そういうことを是非分かっていただきたいなというふうに思います。
 時間の都合もありますので、与えられた時間、三十数分でございますので、次に行きたいと思いますけれども、県漁連の専務さんが私に、いや谷林さん、最近こういう歌がはやっていますよと。「おさかな天国」という歌です。ここに「好きだとイワシてサヨリちゃん タイしたもんだよスズキくん イカした君たちみならって」、「スズキくん」というのはこういう農水省にまで影響あったのかなというふうに思いますが、そういう意味ではないと思います、これは歌詞でありますので。
 そこで専務さんがおっしゃったのは、昔は子供たちはみんな尾頭付きで、アジであろうとイワシであろうと、全部姿を見て、そしてそれを親からはしの使い方を習って、そして骨を取ってしっぽを取って頭のところまで残さず食べろと言われた、こういうことがあります。専務さんがおっしゃっていたのは、今はみんな切り身になってしまっている。昔は漁連でも丸買い運動というものをやって、そしてそれをさばき方から含めて子供のころから勉強した、教育をした、しつけをした話もあったものだが、今はどうなったものかなというふうなことをおっしゃっていました。
 そこで私は提案したいわけでありますけれども、せっかく今こういう「おさかな天国」という歌がはやっていますし、子供たちもいわゆる魚に興味を示しております。この興味を示しているそのときに、例えば学校給食で頭としっぽの付いたアジの焼いたのを出すとか、煮たのを出すとか、そういうことをやったときに、スプーンではこれ食べれません、やっぱりはしを使って食べるとかいうようなことを含めて、私は機会をとらえて機敏にやるべきだというふうに思います。
 これは農水省だけではありません。文部省、今日呼んでいませんから余りいい加減なことは言えませんけれども、そういうようなことを例えばやった場合、そして、この「おさかな天国」の歌詞の中に、魚を食べれば頭が良くなる、魚を食べれば体が強くなる、こういうところもあります。それは、切り身だけ食べていたらそういうことにはなりません。やっぱり頭からしっぽまで、あるいは内臓までもしっかり含んだものを食べることによって頭が良くなる、体が強くなるというようなことにつながるというふうに思います。
 そこで、大臣にお尋ねしますが、この魚の食べ方教育、あるいは啓蒙活動、こういうものも農水省の大きな役割だというふうに思いますので、御所見があれば聞かせていただきたいと思います。
#13
○国務大臣(武部勤君) 「おさかな天国」はもう私の孫も大好きでありまして、また私の地元などは、牡蠣島なんというところは風邪を引かないとか、がんになる人はいないとか、実証はしておりませんけれども、確かにお魚食べている人たちは元気ですね。
 また、馬なんかも、大体北海道でも釧路とか日高とか私どものオホーツク海だとか、これは、なぜ馬が、馬産振興にそういうところがいいかというと、やはりミネラルをえさの草に含んでいるものですから、ですから馬の骨格も良くなる。ですから、私は、海とかお魚というのは本当に大変人間生活に大きな貢献をしてくれているんだろうと、このように思います。
 私ども、先般、BSE問題を契機に、「「食」と「農」の再生プラン」というものを発表いたしました。ここでは、消費者に軸足を移した農林水産行政に転換しますということをうたっているわけでございます。
 ここで、特に食の安全、安心の確保ということに加えて、みんなで考える食育とリスクコミュニケーションということも大きな柱にしているわけでございます。
 知育、徳育、体育に加えて、食を通じての教育ですね。食文化でありますとか地産地消でありますとかということが最近またたくさん聞かれるようになりまして、私は、体育と食育というのは車の両輪だと、こう思っているわけでございます。さような意味で、今、先生の御指摘というのは非常に重要なことだと。
 私は、この食育だとかリスクコミュニケーションというものをみんなで考える、その努力を通じて、私は日本再生にまでつながっていくんじゃないか、あるいは日本文化を見直すという意味とか、人と自然の共生、循環型社会というものを大きくとらえる、そういうきっかけになるんだろうと、こう思っておりまして、そういう意味では、消費者の食の安全性ということと同時に、食を考える国民会議とか食の安全運動国民会議とかいうものを発足させる、今、考えでございます。
 そういったことを通じて、食育の重要性、とりわけお魚とか海とか、都市と漁村の共生・対流という私の理想に向けて、しっかり農林水産省の中でも、水産庁を通じてでも政策を具現化していきたいと、このように考えている次第でございます。
 魚や水産業に対する理解の醸成、啓発を図ることが、我が国の魚食文化の主たる担い手となる若い人々に対しましても大きな夢や希望を与えていく、そして元気で健康な日本人を育成していくというふうに、かように考えておりまして、御指摘の魚の食べ方に関する教育活動も含めまして、なかなか学校給食ではどうかなというのは、やっぱり父兄の皆様方の協力もいただかなきゃなりませんね。私の孫なんかはちゃんとはしで上手にお魚を食べますよ。ですから、そういうふうに、都市と漁村の行ったり来たり行き交うそういうプランニングというものが必要じゃないかと。
 やはり、都市に住んでいて、丸ごとのお魚を食べる機会というのはなかなかないんだろうと思うんです。ちょっと移動してもらうことによって、情報インフラも整備されましたから、私は、漁港、漁場、漁村というものを一体的に今後整備していくということ等の施策を具体化してまいりまして、今、先生お話しのことは私の夢や希望と全く一致しておりますので、そういう努力を是非させていただきたいと、このように思っております。
#14
○谷林正昭君 是非子供のころから魚を食べるというのは私は大切だと思って、こういう質問をさせていただきました。
 次に、具体的な法律の中身について触れさせていただきますが、再建特措法による資源回復計画の実施に当たりまして、必要な資金の融通というのが新しく設置をされます。国が三分の一、県が三分の一、そして漁業者負担分の拠出で三分の一、こういう法律ができました。
 県漁連の方々から、いろんな方のお話を、現場の人の話を聞いてみますと、簡単に言うと、漁師さんがその三分の一を負担して、そして休漁したときの補償だとか、いろんな網の目を大きくしたときの補償だとか、そういうようなものに充てるという話を聞きましたが、私の思いは、なぜそこで漁業に携わる人たちが金を出さなければならないのか。
 一応お金は農林漁業金融公庫から融資しますよということにはなっておりますけれども、考え方からいえば、これは国民のため、そして将来の漁業のため、そういうことを大前提に資源を管理する、守るというところに行くとすれば、私は、その負担を三分の一漁業者の皆さんに負担させるのはちょっと酷ではないか、こういう思いを持ちながら質問をさせていただきますけれども、もう一遍、このシステムをしっかり聞かせていただけないでしょうか。
#15
○政府参考人(木下寛之君) この具体的な仕組みでございますけれども、委員御指摘のとおり、資源回復計画に沿いまして行われる漁船減船あるいは休漁等の措置につきまして支援を行うという仕組みでございます。このような支援に際しまして、個々の資源回復の計画ごとに、国が三分の一、都道府県が三分の一、そして漁業者の三分の一で造成して資金を造るというふうにしているわけでございます。
 この資金でございますけれども、漁業者が負担をいたします部分につきましては、私ども、将来の資源回復後の水揚げを償還財源といたしまして、農林漁業金融公庫からの貸付けが可能となるような方途を開いているところでございます。
 次に、今回このように三分の一ずつの負担にしたわけでございますけれども、このようにした理由といたしましては、水産資源の管理によります資源の回復、基本的には漁業を持続的に成り立たせるための前提でございます。その効果は漁業者にも還元されるということでございまして、本来、漁業者自らが取り組むものと考えているところでございます。したがいまして、今回は、そういう意味で、一漁協の範囲を超えて取り組むという点も加味いたしまして、国あるいは地方公共団体、そしてまた関係する漁業者が相まってこの事業を実施していきたいというふうに考えているところでございます。
#16
○谷林正昭君 長官、ちょっと、制度として提案をされておりますので、制度を今更いじるというのは難しいかも分かりませんけれども、よくその辺は現場に徹底をしないと協力してもらえない、あるいは理解してもらえない、そういうふうに私は思います。したがって、この制度を動かすときは、現場の人たちによくお互いの話合いをしっかりして進めていっていただきたいと、そういうふうに思います。
 時間の都合もありますので、三つまとめて聞かせていただきます。遊漁船の関係です。
 一つは、遊漁船のこの法整備に当たって、私は、これからますます、遊漁船というのはもっともっと増えて、先ほど大臣がおっしゃいましたように、都会の方から魚釣りに来る、そして丸ごと魚を焼いて食べる、あるいは刺身で、お父さんがさばいてお母さんが食べる、ちょっと反対かな、そういうようなことも含めて、遊漁船業というのは非常に大切な事業になってくると思いますし、私の言いたいのは、そのときに、一つは、野放しにしちゃ駄目だ、やっぱり各県あるいは地域できっちりした団体化、ネットワークをしっかり作って、そして行政の考え方がスムーズに伝わるように、また安全性の管理もしっかりできるように、また一方では、そういう遊漁に当たる事業者の皆さんの要望を受け止められるような、そういうネットワークを作るべきだというのが私の質問の一つであります。
 それからもう一つは、今、登録したときは五年ごとの登録になります。保険の加入は一年ごとになります。そうなってきますと、四年間無保険というようなおそれが出てくる。こういうことになったら私は大変だというふうに思いますので、登録が五年ごと、保険は一年ごと、ギャップの四年間を全事業者に保険加入できるような担保を、何かを取るべきだというふうに私は思いますので、これをお尋ねいたします。
 それからもう一つ、これは先々から言われていることでありますけれども、先般の質問にも出たと思いますけれども、多くの方々が魚を、船に乗って魚を釣りに来るということになれば、そこに、地域においでになる漁業者の皆さんが養殖をして放流をして、そして漁業としてなりわいをということの思いの方と、ここにはたくさん魚がいるな、さあどうぞここで、魚群探知器で見たら魚が一杯おりますからさおを下ろしてください。こういったときに、なかなかその辺の兼ね合いが難しい事態になってくるんではないか。
 そういう意味では、遊漁料というのはちょっと、お金を取ればいいというものではないと思いますけれども、私は何らかの形で、漁業者の皆さんと遊漁を楽しむ皆さんとのコミュニケーションを図るという意味で、何らかの形でそういう遊漁料みたいなものも検討するべきではないかというふうに私は思います。そこの辺りを聞かせていただきたいと思います。
 この三つ続けて、残り時間九分しかありませんから、簡単に答弁をお願いいたします。
#17
○政府参考人(木下寛之君) まず、第一点の団体化の問題でございます。私ども、委員御指摘のとおり、今後の法改正をできるだけ効果的に実施をしていくためには、団体化の促進が必要だというふうに思っておりまして、そういう意味で、今後とも団体への加入の促進につきまして一層の努力を払っていきたいというふうに考えております。
 第二点目の、登録の問題と損害賠償保険の継続の確認でございます。私ども、登録が五年あるいは保険契約が通常一年でございますので、この点の手当てにつきましては、都道府県知事に対しまして、二年目以降の保険契約の状況につきまして報告を求めるよう、都道府県に対しまして施行通知においてその旨を明記したいというふうに考えております。
 それから、第三点目でございます。私ども、昨年秋、実施をいたしました調査によりますと、放流の費用負担の問題でございます、遊漁者の約六割程度が負担はやむを得ないというふうに賛成している皆さんがいる反面、なかなか負担には難しいという御意見の方もいらっしゃいます。私ども、今後とも栽培漁業を継続、発展していく観点からしますと、国民全体の利益につながる観点からも、幅広い費用負担の在り方につきまして考えていきたいというふうに考えております。
 当面は、神奈川県で導入しておりますような放流費用協力金の方法等も参考にしながら実施をしていきたいというふうに考えております。
#18
○谷林正昭君 保険の加入の関係で、通知で報告を求めるようにすると、こういう話がございました。これは、自治事務が県知事だからといって、通知だけで済ますというのは私はいかがなものかと思いますけれども、だけれども、そういう役割分担、事務分担というものがあろうかと思いますが、これは報告を求めるということで通知をしますが、これはしばらくの間は私は点検するべきだというふうに思いますので、点検を農水省の責任で、また水産庁の責任で是非やっていただきたいというふうに思います。
 次に移ります。
 災害補償の法律の中で、新しく、ワクチンを使って元気な魚を育てられるのだから掛金を少なくしてもいいんじゃないかという、そういう提案がありましたし、前回、小川同僚議員もこの点について質問をしたというふうに思っております。
 いま一つ心配になってくるのは、このワクチンを使うということは、一年魚か二年魚の、あるいは幼魚のときにワクチンを体に染み込ませるわけでありますから、じゃ本当に、風邪を引かない魚というのがいるのかどうか分かりませんが、そういう病気にならない魚を作るときに、多量なワクチンを使い過ぎるということになってきますと、先ほど大臣も心配されたように、安全な魚、あるいは海が汚れる、そういうようなところにつながったら私は大変だと思いますし、一方、養殖をする方にすれば、少しでも病気にならない魚を作るということになれば、多量なワクチンを使いたくなるというようなことになってきますと、その辺が非常に難しいというふうに思いますが、ここら辺り、薬事法に基づいて大臣認可でやるということは聞いておりますけれども、この多使用を防止するという観点で対策をお聞かせいただきたいと思います。
#19
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、適正な飼育管理によりまして魚病の発生を予防し、抗生物質などの水産用医薬品の使用の抑制を図ることは重要な課題というふうに私ども考えております。
 このような観点から、私ども、十一年七月に制定されました持続的養殖生産確保法という法律に基づきまして、漁場改善計画の策定なり、魚類防疫員による水産医薬品の適正使用の指導、あるいは適正基準の徹底というふうに図っているところでございます。このような観点から、養殖漁場の環境の向上に努め、できるだけ、先ほど申し上げたような水産医薬品の使用が抑えられるような形での養殖を推進していきたいというふうに考えております。
#20
○谷林正昭君 是非、魚の安全というものは、後ほどまた小川議員もやるというふうに聞いておりますので、安全と海洋汚染、これをやっぱりしっかり監視する。
 それから、もう一つ大切なことは、基準はあるというふうに聞いておりますけれども、例えば百平方メートルのところに何匹の魚を養殖するのが適切かという問題がございます。これは恐らく多くの方々は、そこにそれよりも三倍も四倍も入れて育てるというようなことが万が一にもあったら、そして、えさだけはたくさんやるというようなことになれば余り良くない話じゃないかな、そういうようなことも是非点検をしていただきたいなというふうに思います。
 時間がありませんので、最後、二つまとめて一つにして質問をいたします。
 一つは、県漁連の方々のお話を聞きましたら、いや、谷林さん、これからの資源管理は現地でしっかりやりますよ、資源管理は現地でしっかりやります、自分たちの目の前の海は自分たちで頑張ります、こうおっしゃってくれました。しかし、そこにはやっぱり国の支援も必要です、こういうふうにおっしゃられました。
 まず、資源管理の国の支援についてお尋ねいたしますと同時に、今度は、資源回復は現地の漁連ではできません。資源回復はやっぱり国の力で、研究調査、これをしっかりやっていただいて、少しでもいい、早くアドバイスをいただきたい。そして、それに基づく、我々はどれだけでも協力をする。しかし、そこには調査と研究がしっかりしていなかったら、私たちも協力しようにも協力しようがない。したがって、今、特殊法人になりました、特殊法人じゃない、独立行政法人、これがあります。そこにはもっともっと私は予算と人材を投入して、この資源回復、調査というものをしっかりやらせるべきだ、目標を持って、そして今、平成二十四年という計画もできました。その目標を持ってしっかりしたそういうものを、独立行政法人の中で研究調査を金と人材を集めてやるべきだというふうに思いますが、この二点について最後にお尋ねして、質問を終わらせていただきます。
#21
○政府参考人(木下寛之君) 水産資源の管理を進めるに際しましては、やはり漁業者の理解と納得が不可欠でございます。そういう意味で、そのための前提といたしまして、科学的な調査、知見に基づいて実施をすることが重要でございます。
 私ども、独立行政法人水産総合研究センターがその中心的な役割を担っているわけでございますけれども、これらの調査研究の積極的な拡充強化につきまして最大限の努力を払っていきたいというふうに考えております。
 また、具体的な資源の積極的な培養あるいは漁場環境の保全等につきましては、これまでも水産基盤整備事業等々の中で実施をしているわけでございますけれども、今後とも、このような事業を有効に活用しながら対応していきたいというふうに考えております。
#22
○谷林正昭君 いろいろ早口で質問させていただきまして失礼なところもあったかと思いますが、私の思いは、とにかく現場でこれからは漁業で頑張りたい、そして頑張っていこう、そういう人たちの思いを是非、国民の皆さんがそれをおいしくいただける、そのパイプ役を農水省、水産庁やるべきだというふうに思うことを最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#23
○小川勝也君 引き続いて質問させていただきます。民主党・新緑風会の小川勝也です。
 今日は、参考資料を配らせていただいて、魚、水産物とダイオキシンの関係を質問させていただきたいと思いますが、まず、先週から、先週というか前回からも引き続いて法案について質問させていただいておりますが、冒頭、水産庁長官に私の思いを込めて答弁をいただいて、それから入りたいと思います。
 一つは、今、谷林委員からも指摘があった点であります。農業、農産物においても化学肥料、農薬は使用しているわけでありまして、昨今は消費者の中から、有機農業ブームというのか、有機農産物がいい、あるいは低農薬のものを求めたいという、そんな意識も強くなってきています。水産物の世界でも全く同じだろうというふうに思います。抗生物質もワクチンも一切使うなとは言いませんけれども、なるべく使わなくて済むものは使わない方がいい、そういう気持ちだけは持っていていただきたいというのが要望の一点であります。
 そしてもう一点、養殖漁業も大分疲弊しているという、そんな情報を伺っています。いわゆる生けすの底にヘドロがたまる、あるいは漁業由来ではない重金属が底質にある、あるいは例えば漁業の世界でいうと、ちょっと世代間の対立があって、いわゆる漁協の中で幹部と言われる役員をやっているようなお父さん方と、いわゆる青年部というのか後継者というのが意見が対立している、こんなこともあるやに聞いています。
 何を申し上げたいかというと、一つは、やる気のある人たちにきちっと融資をできるようにしていただきたいということであります。
 例えば、先日、委員会で視察をさせていただいたときに、かつおぶしの一貫工場を見させていただきました。そこは何がすばらしいかというと、いわゆるゼロエミッションということであります。魚というのは、先ほども委員から話がありましたように、頭の脂はこれはDHAといって非常にいいものであるし、いわゆる魚かすというのは土壌改良剤に非常にいいわけであります。
 そういったことを全国でやりたいという人たちがいればこれは支援をしていただきたいというふうに思うし、いわゆる古い制度の中、漁協の若い人たちが、おれたちがこういうことをやりたい、例えば付加価値を取るために水産加工を自分たちがやるんだといったり、あるいは残念な例で言うと前浜に魚が来なくなったので業種転換をしなきゃいけない、そういう意欲のある人たちに制度融資が受けられるようにしていただきたい、この要望を申し上げたいわけであります。
 そしてもう一点、先ほどの焼津の工場に行って伺いましたら、融資を受けたのは中小企業金融公庫だということであります。せっかく農林漁業金融公庫があるのに、何でそういうところには行かないんだろうかと。これを含めて長官から御答弁をいただきたいと思います。
#24
○政府参考人(木下寛之君) まず、養殖業の問題でございますけれども、私どもも養殖業につきまして、例えば過剰な餌料投与の問題で養殖漁場が悪化をしている、あるいは魚病の発生なり養殖漁場の悪化が進行しているというような問題意識を持っております。そういう意味で、私ども、できるだけ適正な飼育管理はまず原則でございまして、そのようなことを通じまして魚病の発生を防止をする、あるいは抗生物質などの水産医薬品の使用を抑制するというのが基本であろうというふうに考えております。
 このような観点から漁場改善計画の策定を進めております。現段階で全国で百三十六ということでございますけれども、養殖漁場の皆さん方が、従来のような単に生けすにたくさん魚を養殖するという観点からは相当程度意識の転換が図られつつあるなというふうに考えておりますし、私どもも、食の安全という観点から、養殖水産物につきましてもトレーサビリティーにつきまして、その導入について検討したいというふうに考えております。
 また、意欲のある漁業者の皆さん方がいろいろな工夫する際に、私ども、今回の法律改正に基づきまして、経営改善計画の認定を受けました皆さん方につきましていろいろな融資の道を開いていきたいというふうに考えているところでございます。
#25
○小川勝也君 それでは、お配りをしました資料を基に質疑を進めていきたいと思います。
 これは非常にナーバスなテーマでありまして、質問に取り上げるというのは非常に勇気が要ることでありました。食の安全というのが大変大きなテーマになったこと、そして武部農林水産大臣が消費者の方にしっかりと軸足を向けていくんだというその決意の表明がありました。ですから、大変気が重いんですけれども、このテーマを取り上げさせていただきました。
 これは、週刊金曜日という週刊誌から取った資料であります。水産庁が独自に魚介類中のダイオキシン類の実態調査をしたということであります。
 どういう目的でこの調査をされましたか。
#26
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、平成十一年度から本年度、十四年度に掛けまして、我が国の国民が平均的に取っている魚類につきまして、どの程度のダイオキシンが含有されているかということにつきまして調査を実施をしているところでございます。現在、十一年度から実施しているのにつきまして、それぞれについて結果が出ているというふうに考えております。
#27
○小川勝也君 様々な数字が出ておりますけれども、この数字に対してどういう思いというか評価をしておられますか。
#28
○政府参考人(木下寛之君) 現在、研究途上でございますけれども、四百検体を実施するという途上でございます。中にはかなりダイオキシンの含有率が高いような水産物もございますけれども、その水産物につきましてなかなか一定の傾向は出ていないと。地域によりまして、あるいは魚によりましていろいろな結果が出ているなというふうに考えております。
 したがいまして、私ども、十四年度で今回の四百検体の調査が終了するわけでございますけれども、更に今後、十一年度から十四年度に掛けて調査をした結果を踏まえまして、どのようなメカニズムでこのような蓄積が行われるのか等々含めまして、更に調査を深めていきたいというふうに考えております。
#29
○小川勝也君 私なんかは、これ、単純に数字を見ると、大きい数字が出てきたらやばいなと思うわけであります。水産庁はそういうふうには思わないんですか。
#30
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、調査を実施するに際しまして、やはり客観的な数字を出すことがまず前提だろうというふうに思います。
 現在調査を実施しているところでございまして、中には、例えばアナゴ、コノシロ、スズキ等につきましては結果的に数値が大きいものもございます。
#31
○小川勝也君 この調査をするに当たって、低い数字が出て安心するという考え方もあるけれども、高い数字が出たものは、これは引き続き調査をしていかなきゃならないなと思うのが、僕は、調査の当たり前の姿だろうというふうに思うわけであります。
 この週刊誌も指摘をしていたのは、例えば一九九九年に調査をして二〇〇〇年に調査しなかったものの中に大変大きな値を示しているものがあるということであります。そして、衆議院の決算委員会の答弁も聞いたりして、水産庁が幾つかの魚を四年間で一周させるように調査をするんだという言い訳も聞いていますけれども、私は、何のために調査をしているのかなというふうに思うわけであります。例えば、一九九九年の調査で、大阪湾のコノシロ、九・一四八、大阪湾のアナゴ、八・三〇八などという高い数字のやつが二〇〇〇年には調査をされていないということであります。
 私は、低い数字であればいいわけで、高い数字のものがなぜ高い数字なのかというふうに引き続き調査するのが、これ、調査の趣旨だろうというふうに思います。そのことについて御答弁をお願いします。
#32
○政府参考人(木下寛之君) 私どもが今回、十一年度から十四年度、四年間で調査を実施をしているところでございます。この調査は、平均的な食事における魚介類からのダイオキシン類の摂取量を把握することを目的に実施をいたしております。主な魚介類が百種類、検体数については四百検体でございます。魚種ごとの消費量、それから産地分析などを考慮して調査を実施してきております。
 今御指摘のアナゴ、コノシロ、スズキ等でございますけれども、全体の食料供給量に占める割合が相対的に少ないということで、そもそも当初から四百検体の中でそれぞれ二検体の計画ということでございました。これらにつきまして初年度で調査を行いました。したがいまして、二年目以降からは調査から外れておりますけれども、先ほど御説明申し上げましたように、十一年度から十四年度に掛けまして四百検体の調査をすると。今後、十五年度以降、この調査を踏まえまして、蓄積過程を含めた新たな調査を実施をしたいというふうに考えております。
#33
○小川勝也君 今までの行政の在り方というのは、これは私の想像ですけれども、例えば高い数値が独り歩きして、あるいは不買運動とか漁業関係者に迷惑が掛かるようなことがあってはいけないなというのがこれ、行政の出発点だったろうというふうに思います。しかし、小泉総理から強い指示を受けた武部農林水産大臣がやっていこうという行政は、それと違うわけであります。
 例えば、この調査はどこに依頼していますか。
#34
○政府参考人(木下寛之君) 調査の委託先でございますけれども、日本食品分析センター、それから日本冷凍食品検査協会、また食品環境検査協会の三団体でございます。
 これらの三団体でございますけれども、いずれもJAS法なり食品衛生法に基づきます検査機関でございます。食品に係る分析能力は十分信頼できるというふうに考えております。また、本委託業務でございますけれども、魚介類からの有害物質の分析が主な業務でございます。高い分析能力が必要だと、またデータの継続性の観点からも、この三団体に委託をしているところでございます。
#35
○小川勝也君 この三者に検査を依頼しているわけでありまして、この三者には、永田町の常識とでも言うんでしょうか、農林水産省を退官された方が役員になっておられる。そして、この契約あるいはどういうふうに受発注するのかというのが不透明だという指摘もあります。
 私は、今までの行政でいうと、悪い数字というのはこれは隠ぺいしていたんだと思うんですね。それはあらぬ混乱を招かないためにという知恵だったのかもしれません。私は、もし水産庁がまともな役所であれば、この高い数字であった一九九九年の魚介類を引き続き調査をしているはずだと思います、それを発表しているかどうかは別にして。本当に調査していませんか。
#36
○政府参考人(木下寛之君) スズキにつきましては、先ほど申し上げたような高濃度になっているわけでございまして、このような高濃度になっているメカニズムにつきまして調査を実施しております。
#37
○小川勝也君 だから、二〇〇〇年とか二〇〇一年も調査をして、その値は持っているんですか。
#38
○委員長(常田享詳君) ちょっと止めてください。
   〔速記中止〕
#39
○委員長(常田享詳君) はい、起こしてください。
#40
○政府参考人(木下寛之君) 現在、手元に資料を持ち合わせておりませんけれども、調査をいたしております。
#41
○小川勝也君 これ、食品、食べ物の安全ということがテーマになるということは、それにプラスする必須のアイテムは何かというと、情報公開なんです。情報を公開しない食の安全なんというのはあり得ません。
 じゃ、もう一点お伺いします。水産庁や農林水産省が情報をどれだけ公開するのか。例えば、今までに与党の議員と野党の議員とに情報の出し方に差を付けたことはありますか。
#42
○政府参考人(木下寛之君) 私どもは、基本的には、公開すべきものは与党、野党問わず公開をしているというふうに認識をいたしております。
#43
○小川勝也君 スズキに限らず、これに付随して、いわゆる各地域ごとの、あるいは魚種別の中で数字を持っていて公開していないものがありますね。それは是非、この委員会でもいいですので、出していただきたいと思います。
#44
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、そのような点がありましたら、後ほど御提出をしたいというふうに考えております。
#45
○小川勝也君 調査していると言ったじゃないですか。
#46
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、今、手元にございませんけれども、後ほど御報告したいというふうに思います。
#47
○小川勝也君 これは別に追及しているんではありません。私は、明確にこのダイオキシンをめぐる問題に危機感を持っているから、今日は大臣に大きな提案をしたいと思ってこの質疑に立っています。
 この配付した資料の世界各国の国別ダイオキシンの排出量というところを見てください。日本は経済大国なんて言われていますけれども、実はダイオキシン大国であります。日本はアメリカ合衆国よりもダイオキシンの排出量が多い。そして、言うまでもなく、日本は狭い国土であります。そして、急峻な川。その日本国内で排出されたダイオキシンは、大体がこれ海に行ってしまいます。最も厳しい毒性が指摘されていますけれども、私たちのこの生活の周りにもダイオキシンは存在しています。ですから、空気中にダイオキシンがあって、我々は毎日かぶっているのかもしれない。しかし、このダイオキシンの摂取というのは、九割が食品から、そしてその七割が水産物からということであります。大変これ大きな問題だろうというふうに思います。
 日本にダイオキシンが多く発生しているのは、これは武部大臣のせいではありません。ついでながら披瀝をさせていただきますと、焼却炉が多いんですね、焼却炉の数。例えばヨーロッパの国々では、ドイツも含めて焼却炉の数というのは百以下であります。アメリカ合衆国が百五十、フランスが二百六十、そして何と日本には千八百四十か所あるんです。廃棄物処理場で燃やしてもダイオキシンがぼろぼろぼろぼろ出て、それが農地とかあるいは川とか、それが全部海に流れていくわけであります。これは、お魚も被害者であります。
 そんなことを考えますと、先ほど谷林委員が、「おさかな天国」という歌がヒットして、子供たちもお魚好きになってくれるかもしれない、おいしいお魚を毎日食べてくれるかもしれないという、そんな期待があると同時に、ダイオキシンを含んだお魚を食べて本当にいいんだろうか、こんな思いがあります。
 ダイオキシンという言葉の中に、例えば環境ホルモンと同じ性質があるというふうに言われています。その環境ホルモンが与える影響というのは、いわゆる男性の生殖能力を脅かすということであります。もう一つ、一番大きいのは、妊娠している女性が食べたときにその影響が出るということがはっきりしているわけであります。
 そして、先ほどお配りしたアメリカの環境保護局、EPA、ここでは、ダイオキシンは自然に存在しているし、我々は何げなしに食料を毎日摂取している中でみんなダイオキシンを食べているんだという前提でしっかりと情報を開示しています。そんな中で、どのぐらい食べていいのかという基準を作っています。
 このことには多分研究をされていると思いますけれども、水産庁として、このアメリカのEPAの摂取基準というのをどういうふうに読んでいますか。
#48
○政府参考人(木下寛之君) 我が国では、ダイオキシン類による健康に対する影響を防止するためにTDI、耐容一日摂取量というのを定めているところでございます。このようなTDIの制定に当たりましては、厚生労働省あるいは環境省で専門的な見地からの検討がなされたところでございます。
 妊婦なり胎児に対する健康影響が重要な課題であるというふうな観点からの慎重な検討が行われたというふうに聞いておりますけれども、最も感受性が高い胎児期に対する影響を考慮して指標として定められたというふうに承知をいたしております。
#49
○小川勝也君 今までの縦割り行政でいいますと、食の安全は厚生労働省も所管しています。そして、先ほど申し上げましたように、ダイオキシンの摂取の九割が食品から、そしてそのうちの七割が水産物からということでいうと、大変重要な地位を占めているわけであります。例えば今までの行政で、厚生省から、おたくの水産庁が扱っている魚は危ないですよというようなことは、これはなかなか起こり得ないわけであります。
 ですから、僕は、武部大臣にやってほしいのは、自ら水産庁を代表して、農林水産省から、環境基準ということでいうと環境省も少し関係あるでしょう、厚生労働省も食の安全を所管しているでしょう、魚のダイオキシンの数値が上がってきていると、どういうふうに規制していったらいいだろうかというふうに相談を持ち掛けていただきたいんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#50
○国務大臣(武部勤君) 食の安全と安心にかかわる問題に対してどう対応していくかということについては、BSEの問題を契機に調査検討委員会でも、やはり予防原則を含めるリスク分析に基づいてリスク評価をどうしていくか、またそれに基づいてリスク管理をどのようにやっていくか、さらには国民各界各層がともに向かい合うリスクコミュニケーションという、そういう組合せが大事だと、このように思いまして、情報開示をきちっとするということと同時に、その前提にはやはり専門的に、科学的にリスクをどう評価するかということが必要だと思います。
 これは、やっぱり独立性、一貫性ということを調査検討委員会でも提言されておりますが、そういったところは専門家でありますとか科学者でありますとか、そういった方々によるリスク評価という、独立した機関によってきちっと分析評価してもらうことが必要なんだろうと思います。
 そのために、農林水産省は、BSEだけじゃありませんで、このダイオキシンの問題、O157、トリインフルエンザ、もう食品関係様々ございます。そういったものは、きちっと現場からの情報は提供して分析をしてもらうと。そしてさらに、その分析に基づいてどのようにマネジメントしていくか、リスク管理していくかということについては、これは各省がそれぞれやっていくことなんだろうと思いますが、やはり縦割り行政の問題を今度つくづく感じましたので、独立したところできちっとリスク評価をするということが私は必要なんだろうと、このように思いますし、そのためには、大前提は、やはり情報というものを、生の情報を水産庁なりが直ちにプレスリリースすればいいというものではないんだろうと思うんです。やっぱり専門家に評価してもらうという、そういう場が必要なんじゃないかと、こう思っていまして、そのことは、関係閣僚会議が開かれまして、設置されまして、そこで今後、この食の安全にかかわるリスク分析、法整備あるいは行政組織の対応をどうすべきかというようなことを六月を目途に検討することになっておりますので、今、委員の様々な御指摘を踏まえて、私ども積極的な対応を試みていきたいと、このように思います。
#51
○小川勝也君 情報は公開するだけじゃなくて、情報をしっかり自分のものにしなきゃいけないと思うんです。わざわざこの参考資料を付けて、どれだけの数値が調査の結果出てきたか、そして海の向こうのアメリカではどうやっているのかというのを御丁寧にこの添付書類に付けているんですね。アメリカでは、どのぐらいのダイオキシンの濃度であれば一か月のうち何回食べていいですよという指標を作っています。そのとおりにしろとは言っていません。ただし、一・二を超えた魚は食っちゃ駄目と言っているんですよ。
 ところが、それの数十倍の値が水産庁の調査で分かっているんじゃないか。それで何のアクションも起こしてこなかったのが水産庁じゃないですか。武部さんが、食の安全で小泉さんからも言われて、がっちり変えますよと言うからこういう質問をしているんですよ。
 どう思います、これ。アメリカのこれ、一・二以上は食べませんと言っているんですよ。日本はこれ、水産庁は堂々と資料を出してきているじゃないですか。どう思います、これ。
#52
○国務大臣(武部勤君) ですから、ただいま申し上げましたように、この個別の問題に限らず、このダイオキシンの問題も含めて、私は、きちっとした専門家や科学者によるリスク分析に基づく評価をしていただいて、それに対してどう向かい合っていくかというリスク管理という、その中で、アメリカがやっているような、これ以上のものは摂取しちゃならないとか、そういうのも出てくるんだろうと思います。それは今後、食の安全行政をどうするかというところで、私は、アメリカやヨーロッパ、そういったところの経験に学んで我が国もそういう対応をしていくということは当然のことだと、このように思っておりますよ。
#53
○小川勝也君 これから学んでもしようがないんですよ、これ。もう水産庁の人は皆知っているんですよ。アメリカじゃどうしている、あるいはヨーロッパじゃどういう規制をしているのか。ヨーロッパで始めた規制なんというのはもう本当に厳しいものです。
 冒頭言ったように、このダイオキシン問題は農林水産省に別に責任があるわけじゃないんですよ。我々のこの暮らし、この社会の在り方がダイオキシン大国にしていったわけであります。そして、守らなきゃいけないのは、いわゆる消費者の安全、これは間違いのないことだろうというふうに思います。
 それで、この資料の左側の、左側の三番目の段、アサリのところを見ていただきたいんですけれども、東京湾のアサリが二回出てきます。数値が二個違います。これはどういうふうに説明できますでしょうか、長官。
#54
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、平成十一年から四か年の計画の中でダイオキシンの調査をしているわけでございますけれども、その中で、それぞれの検体によって相当幅があるというふうに考えております。したがいまして、同じような地域で取りましても、結果として相当程度の幅があると。
 そういう意味で、今回の東京湾の二つの検体についても、そのような幅があるデータの一つだろうというふうに考えております。
#55
○小川勝也君 じゃ、アサリ、シジミの国内の自給率はどのぐらいですか。
#56
○政府参考人(木下寛之君) アサリの自給率でございますけれども、二〇〇〇年でございます、三二%、またシジミでございますけれども、五二%というような水準でございます。
#57
○小川勝也君 アサリとかシジミは、表示はいろいろあろうかと思いますけれども、中国とか北朝鮮から輸入しているわけであります。そして、この東京湾のアサリは、どう考えても、上の方のこの二・二二四のアサリは、これは正しいアサリだと思います。下の方の〇・一六二のこのアサリは東京湾に来たばかりだったんですよ、これ。別な国からアサリが運ばれてきて東京湾にまいた。だから、こんな小さな数字になっているんじゃないんですか。
 貝の表示に著しく問題点が私はあると思いますけれども、認識していますか。
#58
○政府参考人(木下寛之君) 先ほどお尋ねのように、中国なり韓国で取れたアサリにつきまして、原産地表示でございますけれども、私ども、輸入された二枚貝を出荷調整なり砂抜きという目的で短期間とどめ置いて、それを私ども、蓄養というふうに呼んでいるわけでございますけれども、そのような極めて短期間の蓄養されたものにつきましては、基本的には外国産だというふうに認識をいたしております。
 したがいまして、生鮮水産物の原産地表示に当たりましては、輸入品として原産国として表示すべきだろうというふうに考えております。
#59
○小川勝也君 自給が三割しかできないアサリで、七割が外国産という表示で売られていると思っているんですか。
#60
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、水産物の表示の問題、極めて重要な問題というふうに考えております。したがいまして、これまでも都道府県なり消費センターを通じまして、JAS法に基づく措置等々で品質表示の適正な運営に努めているところでございますけれども、更に一層、私どももいろいろな手だてを尽くしまして、水産物の表示の適正化に努めていきたいというふうに考えております。
#61
○小川勝也君 私は今、皮肉な結果をお話をしたいと思います。
 私たちが摂取するダイオキシン量は、若干ながら減っているという報告があります。なぜかというと、輸入の魚介類が増えてきているからであります。当該、今私が問題にした東京湾のアサリも、韓国か中国で育ったアサリですのでダイオキシンが少ない。ところが、韓国産という表示よりも東京湾で取れました方が値段は高いわけであります。そうすると、我々は、もしその偽装表示をされたアサリを購入したと仮定して、本来は、安い方が安全なんですね。東京湾の高い方が危険だと。だまされて高い金を払わされたけれども、害の少ないものを買うという、こういう皮肉な結果になっているんです。
 ということは、どんどんどんどん輸入すればいいじゃないかという話になったらどうしますか。私は、この農林水産委員会にいて、できるだけ国内で水産物を取って自給したいと思っている。日本で取れたものは危ないから輸入した方がいいよという話になったらどうなっていくのか。
 ただし、輸入ということは、これは私、我ながらいい言葉を考えたなと思うんですけれども、水産物を輸入するということは汚染を輸出することになる、こういう言い方ができるんじゃないかと。例えば、養殖魚もどれだけ海に負担を掛けてその生けすが運営されているのか。とりわけ、富の象徴と呼ばれているエビの消費量です。エビ、ブラックタイガーなんて呼ばれているのは、これ高い、富が蓄積された国がたくさんの消費をする。日本も、だから東南アジアを中心にどんどん自然破壊をして、マングローブの林をつぶして、輸入してエビを食っている。余り、札びらで海外の環境破壊をするというのは良くないことだと。
 我々の国は世界で一番水産物資源を食べる国です。これは伝統です。ですから、私たちの国の漁業を守るためにも、食の安全という点から進まなければいけない方向性があると私は訴えたいわけであります。
 先ほど、わざわざ、廃棄物が多いからダイオキシンが多いんだという話をいたしました。当然、縦割り行政の弊害というのは今でもあるでしょう。農林水産業を担当する武部農林水産大臣が、日本のごみがおかしいよと、日本のごみ問題はおかしいよと、いろんなものをごみにしてしまう生活を変えていかないと、我々がずっと歩んできた水産物を大事にしていくそういう食文化も守っていけないんだということを閣議でもどこでも発言してもらいたいと思うんです。いかがですか。
#62
○国務大臣(武部勤君) 農林水産省の行政を消費者に軸足を移して大胆に政策を見直していくというのが今般発表いたしました「「食」と「農」の再生プラン」の基本理念でございます。
 そのためには、一昨日以来、いろいろこの委員会でも議論がございました。農林水産省あるいは水産庁の仕事は、漁業者を守るということだけではありません。それは、漁業者は天然の資源をいただいてなりわいを立てていると、こういうふうに考えるべきだと、このように思うんです。自然生態系を崩してまで漁業第一ということにいかないのであって、やっぱり自然生態系をどう守っていくかということが大前提です。
 そのために、それともう一つは、消費者の命と健康ということに寄与していかなくちゃならぬわけでありますから、私は、これからの農林水産省の姿勢としては、至る所で、各省に対しましてもあるいは外国に対しましても、有限天然資源のいわゆる持続的な開発利用ということについてはやはり厳しい原理原則に基づいてやっていかなきゃいけないと、このように思いまして、そういう姿勢に大転換していきたいと、こう思っている次第でございます。
#63
○小川勝也君 じゃ、長官に要望したいと思います。
 先ほど言ったように、この高い数値の出た個体というのか地域の魚、魚種、これはやっぱり継続して調査していかないと意味がないんだろうというふうに思います。今、どれだけ調査をしているのか分かりませんけれども、これは四年間で、ワンサイクルで調査をするという方向性も否定するわけではありませんけれども、特に気になる高いポイントを上げた魚種についてはきちっと調査をしていくというふうにしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
#64
○政府参考人(木下寛之君) 国産の水産物に対する信頼を確保するという観点からも、私ども、十一年度から実施をしている調査項目でございますけれども、本年度一年しかありませんけれども、この中でできる限り対応していきたいというふうに考えております。
#65
○小川勝也君 それで、今日の私の提案は、通告をしてあるわけでありますけれども、先ほどからその言い方が非常に難しいわけであります。ダイオキシンはこの空気中にも存在しているし、我々はいろんなところから摂取しているわけであります。ですから、高い数値の魚を一回食べたからどうのこうのという問題ではないのも事実であります。
 しかし、先ほど申し上げましたように、とりわけ胎児毒性が、非常にこのリスクが心配されておりますので、いわゆる妊娠している人たちにしっかりと指導をしていただきたいというのが私の願いであります。母乳というのは、これはダイオキシンの蓄積が非常に高いわけでありまして、数年前の新聞に、大阪の女性が世界で最も高い数値を母乳の中で記録したということであります。
 この問題で非常に憂えている人たちの中に、非常にジョークが好きな人がいまして、こんな言い方をしました。ダイオキシン問題をほっておくと日本民族が途絶えてしまう、だから、それぐらいその思いがある人たちはだれかというと、右翼の人たちにこの問題をやってもらったらどうかというぐらい、そのジョークがありました。
 これ、やはりこの母乳、それから胎児毒性の問題というのは、食と安全の問題の中で魚をどういうふうに食べるかということにとっては別格な問題だというふうに思います。いわゆる母子手帳をもらう人が保健婦さんに指導を受けます。特に妊娠中にはダイオキシンが高い食品は余り食べない方がいいですよというマニュアル、指導をしていただいて、それを僕は実現をしていただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
#66
○国務大臣(武部勤君) 先ほども食育ということについてお話をいたしたところでございますが、この食の安全の問題については、リスク分析に基づくリスク評価をきちっとやると。それに基づいて、リスク管理をどうしていくか、そして一般国民の皆さん、消費者の皆さん、妊婦も含めて、どう対応していくかというリスクコミュニケーションということが非常に大事だということでございますので、これは当然のことながら、妊婦においても各種の食品に含まれる栄養素をバランスよく摂取することが大事なんだろうと、このように思います。
 今後とも、国民に対するダイオキシン類対策については、我々農林水産省だけじゃなくて、厚生労働省でありますとか環境省と連携して対応していかなきゃならないんだろうと、こう思いますが、やはり一番大事な人の生命ということにかかわることでありますので、委員御指摘のことについては真剣に対応していく必要があるというふうに私は認識しております。
#67
○小川勝也君 まあ精一杯御答弁いただいたんでしょうけれども、余り分かっていただいていないのかなというふうに反省をするところであります。
 アメリカ合衆国では、先ほど参考資料の中に添付をさせていただいたように、ゼロ回だというふうに言っているんですね。一・二超えたらもう食べちゃいけないと言っている。それを私たちは、日本の行政もそれは一朝一夕に変わらない、本当は全部やってほしいんですよ、これと同じ基準で。でも、そこは無理だろうから、厚生労働省に働き掛けて、とりわけ妊婦にだけ先行してしっかりとした道筋を付けてほしいと。
 BSE問題で大変御苦労された武部大臣ですけれども、小泉総理からの信任も厚く、食の安全はおれがやるというふうに大きな決意をされて今に至っているわけでありますし、連日の新聞も武部大臣のそういう決意を評価して、新聞に出ています。
 これは僕は、敵に塩を送るじゃないですけれども、大臣がこの問題をきちっとやれば食の安全は本当に保たれる国になるんだというふうに、大きくこの国が一歩前進するんだと思うんです。それを、本来は余り教えたくなかったんですけれども、大臣にやってもらいたい。これをやったら本当に人気出ると思いますよ。もう一度決意を。
#68
○国務大臣(武部勤君) はっきり答えているつもりなんですけれども、厚生労働省であろうと環境省であろうと、食の安全、安心にかかわる主管大臣といたしまして、委員から御激励をいただいたり御指導いただいたことについてはしっかりやりたいと、このように思います。
#69
○小川勝也君 坂口厚生労働大臣にもしっかりお話しいただいて、これは今までの、先ほども申し上げましたように、水産庁の魚について厚生省から茶々を入れるということはできない相談だったんですね、今までの行政の縄張争いというのは。水産庁の方から、ちょっとやばいんだけれどもどうするかと相談を持ち掛けるということで、期待をして、質問を終わりたいと思います。
#70
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 議題となっている水産四法案について質問をさせていただきます。
 平成十一年の我が国の漁業総生産量は、昭和六十年の千二百十七万トンに対し六百六十三万トンと半減をしております。特に遠洋漁業は約三分の一、そしてまた沖合漁業、内水面漁業は約二分の一に減少しております。辛うじて沿岸漁業のみは約二割減の状態でとどまっているということであります。漁業の生産額の方も、生産量ほどの減少ではありませんけれども、平成十一年は、昭和六十年当時の二・九兆円の約三分の一減の二兆円にとどまっております。同様に減少傾向が明らかであります。
 魚を好んで食べている日本国民の一人として、また水産業が盛んな日本の国を思って、やはりこれは非常に残念なことであると、そのように思います。そういう意味で、何としても漁業資源の回復を図るとともに、水産基本法の基本理念である効率的かつ安定的な漁業経営の育成を図っていかなければならないと、そのように考えているところです。
 そういう意味で、今回の水産四法案はこれらの目的にかなうものであり、賛成の立場でありますけれども、これらの法案に関連して何点か質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、今日の水産資源の回復のために、漁獲可能量の制度、TAC制度、あるいは漁獲努力可能量制度、TAE制度などがありますけれども、このような様々な対策で漁業資源の管理を行っているわけでありますけれども、将来にわたって豊かな水産資源を確保していくためには、やはり重要な水産物に関しての科学的知見を集積していくことが大事であると、そのように思います。
 そういう意味で、穀物に関しましては稲等、ゲノムの分析を行っているわけでありますけれども、そういう重要な水産物に関してのゲノムの研究をやっていく必要があるのではないかと、そのように思います。
 そういう点で、この重要な水産物に関してのこういうゲノムの分析等々、諸外国の状況、そしてまた日本の取組について水産庁長官にお伺いをしたいと思います。
#71
○政府参考人(木下寛之君) 水産分野におきますゲノム解析の動向でございます。
 まず、世界の水産分野でございますけれども、昨年十月に、ゲノムサイズの小さいフグを対象にいたしまして、イギリスそれからアメリカにおきましてすべてが分析をされたということでございます。世界的に見ますと、このフグが一番先進的な事例でございまして、フグ以外の魚種につきましては、全部が解析されたというのは実例がございません。
 一方、日本でございますけれども、独立行政法人水産総合研究センターにおきまして、ニジマス、それからアユの魚類を対象といたしまして、平成十年から病気に対する抵抗性などに関与する一部のゲノム解析を進めているところでございます。
 また、ノリでございますけれども、平成十二年の有明海におきますノリ大不作を契機といたしまして、耐病性など優良品種作出の観点から、昨年度の補正から十八年度を目途にゲノム解析の研究を開始をした、そういう段階でございます。
 また、民間でございますけれども、メダカあるいはゼブラフィッシュという点につきましてゲノムの研究が進められていると、そのような状況でございます。
#72
○渡辺孝男君 魚種に関しても、希少動物等もございますので、そういうものを保護するという意味でも非常に大事なゲノム分析、解析ではないかと、そのように思います。水産業に関しても、ノリということで日本の方も取組をしているということでありますけれども、先ほどフグの方は英国の方でゲノム解析がなされたと。フグを一番食しているのは日本ではないかなと思うんですけれども、そういう大事な水産物に関してのゲノム分析も世界に遅れないように、水産国日本としましてはこれへの取組を強化していただきたいと、そのように思います。
 次の質問ですけれども、今回の法案に関しまして、水産業の協同組合法等の改正におきまして、漁協系統の信用事業の健全な運営の確保のための改善がなされているわけでありますが、今後の信用事業の専門家の人材確保や、あるいは人材の育成ということでどのように図られていくのか、またそれに対して政府はどのような支援を行っていく方針なのか、この点について武部農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
#73
○国務大臣(武部勤君) 漁協の信用事業が多様化しておりますし、また複雑化しつつございます。そんな中で信用事業の健全性を確保していく、そして信用事業を適切に実施していくということについては、一に掛かってその運営を担う人材の確保育成だということは委員御指摘のとおりでございまして、これまで漁協系統においても、信連等上部団体と漁協の人材交流をやっておりますし、漁協役職員を対象とする信用事業の教育、研修などを実施しております。そして、人材の確保育成に取り組んでいるわけでありますが、農林水産省といたしましても、経営実務担当者等を対象とした研修等に対する支援を行っているわけでございます。
 信用事業の運営を担う人材の確保育成というのは極めて大事でありますし、これに併せまして、合併等によりまして漁協の事業・組織基盤を強化するということもこれまた大事でございますので、信用事業の専任職員の確保育成等に更に努めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
#74
○渡辺孝男君 やはり専門的知識が要求されますので、こういう信用事業の専門家、きちんと育てていただきたい、そのための政府の支援もしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、トドの漁業被害について質問をさせていただきます。
 北海道では、トドによる漁業被害が大きな問題となっております。私も、北海道を回らせていただいたときに漁業者と懇談する機会がありまして、やはりトドというのは頭が良くて、なかなか対策が難しいんだというようなお話も聞いておりますけれども、かなりなやはり被害がまだ出ているということであります。
 そこで、北海道のトドによる漁業被害の近年の状況と、それに対する対策についてお伺いをしたいと思います。
 そしてまた、漁業共済制度がこの場合、トドの被害について有効に働いているのかどうか、その点もお伺いをしたいと思います。水産庁長官、どうぞよろしくお願いします。
#75
○政府参考人(木下寛之君) まず、北海道沿岸におきますトドの被害の現状でございます。
 ここ数年、十億円前後で推移をいたしておりまして、ちなみに平成十年が十億、十一年が十二億、それから十二年が十二億というような被害金額の状況でございます。
 これまで国といたしましては、定置網に対する強化網の導入、それからトドの駆除事業に対します助成、あるいは刺し網の強化技術の開発の調査研究を実施をしてきているところでございます。トドによる漁業被害防止にこういう観点から今後とも努めていきたいというふうに考えております。
 それから、漁業共済における対応でございますけれども、定置網は漁業共済の対象となっております。トド被害による損害に対しまして共済金が支払われるということでございます。一方で、刺し網でございますけれども、定置網と違いまして、消耗品的な性格が非常に強いということもございます。そういう意味での漁業共済の対象になっていないという状況でございます。
 以上のような状況でございますけれども、このほかに被害が発生した場合の対策といたしましては、農林漁業金融公庫あるいは近代化資金等の融通、またトドの被害で経営が苦しくなったという場合につきましては、沿岸漁業者の経営再建費等につきまして沿岸漁業経営安定資金等の融通の道を開いているところでございます。
#76
○渡辺孝男君 先ほど水産庁長官からも各年度の被害、総被害額についてお話がありましたけれども、平成九年度と比べて平成十二年度では増えているということでありますので、定置網等は丈夫になってトドに破られないような形になっているということでありますけれども、被害総額が増えているということでありますので、この対策に引き続いてしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 では、次の食品表示、先ほどもいろいろ指摘がございましたけれども、この点に関しまして一つ質問をさせていただきたいと思います。
 最近、宮城県産の生ガキに輸入生ガキが不正に混入されているという疑惑が生じておりまして、全国二位の生産量を誇る宮城県の中心的産地であります河北町とか牡鹿町、そして石巻市の漁協などから、宮城県ブランドを守るためにも疑惑を解明してほしいと、そのような要請が宮城県の方に出されているわけです。私どもの公明党の宮城県本部としましても、この疑惑の徹底解明、そして監視体制の強化並びに生産地表示の適正化等についてしっかりやるように宮城県に対して申入れを行っておるところです。
 国としましても、この問題の解決のために宮城県と協力して、先ほど述べました三点について努力をすべきと考えておりますけれども、農林水産省としてどのような対策を行っていく方針か、その点、武部農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
#77
○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘の、宮城県内における県産のカキに韓国産が不正に混入されているという疑惑があるということを先般、私、事務当局から聞きまして、どういう状況になっているのかとただしましたところ、今現在、地元漁協関係者等が早急な解明を宮城県に要請し、これを受けて県が輸入生ガキ混入防止対策会議を設置して調査等を行っているということを承知しているわけでございますが。
 農林水産省といたしましても、農林水産省の行政を消費者に軸足を移して変えていくんだということでありますので、ただ県から報告を待っていたら駄目だということで水産庁も担当官を派遣せいということを指示したところでございまして、この担当官を派遣するなど、県と連携をしっかり取りながら事実関係の早急な解明に努力してまいりたい、このように考えております。また、JAS法に関する疑いが明らかになれば、直ちに立入検査を実施するなど厳正に対処してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
 また一方、今回の一連の食品虚偽表示事件を受けまして省内に食品表示対策本部を設置いたしまして、野間副大臣が本部長を務めているわけでございますけれども、もう既に御案内のように、食品表示の監視体制の強化、表示の実効性確保措置等について、今国会で是非JAS法改正をお願いしたいということで、今、関係省と協議を行っておるわけでございまして、これは一つには監視体制の強化、それから、今の法律では公表がすぐできないものですから、これはすぐにでもできるようなそういう法の枠組みを考えておりまして、厳罰主義で臨みまして、はっきり申し上げまして、懲役一年以下、個人であれば百万円以下、法人であれば一億円以下というようなことで今それぞれ検討をしているところでございます。
 各省と協議もしているところでございまして、本当は法の立法趣旨からしてそこまでという考え方もあるのかもしれませんが、やはり余りにもこの食品表示の問題がもう次から次と出てきておりまして、私はこの際、心を鬼にして厳罰主義で臨むということが国民の声ではないか、このように考えて、そういう対応をさせていただいている最中でございますので、また御理解と御協力をお願いいたしたいと思います。
 さらに、具体的なことでは、食品表示一一〇番の開設、これは四月十五日現在で二千百六十八件の通知等、問い合わせ等がございます。また、食品表示ウオッチャー制度の設置、これは消費者等の協力を得て食品表示の監視を行うものでございますが、今現在もう、当初の予定は七百人と考えていたところなんですけれども、千人以上の希望者も出てきておりまして、これは運用等で拡大する方向で今検討しているわけでございまして、罰則の強化等を内容とするJAS法の改正案については、できるだけ早期に成案を得て国会に提出をしたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思いますし、これらの措置を通じてカキを含む水産物の表示の適正化を図ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
#78
○渡辺孝男君 次に、同じ問題で厚生労働省にお尋ねしたいんですけれども、生ガキの件ですけれども、食中毒の発生時にはやはり原因食材の原産地の確定が必要になってくる、そのようなこともありまして、厚生労働省としても今回の疑惑の解明あるいは監視体制の強化ということに対して取り組む必要があると思いますけれども、厚生労働省、この件に関してどのような取組をなされているのか、お伺いをしたいと思います。
#79
○政府参考人(尾嵜新平君) 今、先生からお話がございましたように、食品衛生法におきましては、生食用のカキの安全性確保の観点から、大腸菌等に係ります基準を定めるということと同時に、食中毒の発生時に迅速な措置を取るために表示基準を設けまして、採取海域の表示ということを義務付けておるところでございます。
 そういった中で、採取海域の水質基準も含めた衛生基準を設けております生食用カキにつきまして、基準の適合が確認されない加熱・加工用のカキを混入するということにつきましては、そういった販売あるいは輸入というものは従来から法的に認めておらないというところでございます。
 今回の宮城県の事例につきましては、先ほど農林水産大臣からもお話ございましたように、県として地元の漁協と協議しながら生ガキの流通業者を通じました流通実態の把握を行うというふうに伺っているところでございますが、私どもも、農林水産省と連携を取りながら宮城県の方に積極的に御協力をしたいということで、なかなか、立入りなりをしまして入りましても、その実態がつかめないようなこともあるわけでございますが、難しい点もございますが、そういったところも含めて積極的に協力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#80
○渡辺孝男君 消費者は今、そういう水産物を含めましていろんな食品表示に対する信頼性が失われているという状況がありまして、やはり政府としてもきちんとこの食品表示の信頼性回復のための様々な法改正あるいは監視体制の強化等を行っていただきたい、そういう思いでおります。
 特に宮城県の今回の生ガキの問題は、今、農林水産省も国産ブランドの開発というようなことを一生懸命取り組んでいるわけでありまして、宮城県産のものをブランド化しようというそういう動きに対しても、そういう表示違反があればそういう動きを抑制するような形になってしまいますので、この点しっかり取り組んで、疑惑の解明と、こういう食品表示の違反が起こらないようにしっかり防止体制に取り組んでいただきたい、そのように思います。
 こういういろいろな努力をしていく中で、消費者にも国産品の良さも分かっていただけるんじゃないか、そういうものを通じて水産物の自給率の向上につながってくるのではないかと思いますので、しっかり農林水産省並びに厚生労働省、取り組んでいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#81
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。前回に続きまして、法案について質問させていただきます。
 漁業災害補償法の問題で最初に質問いたします。
 漁業共済事業の改正についてですが、特殊法人等整理合理化計画の中で、経費の節減、共済掛金の引き上げ等、収支の抜本的改善を講じるとあります。今回の改正は、共済に加入するのを促進するということをねらったものだと思いますが、同時に、特殊法人等改革推進本部が言っている方向、特に共済掛金の引上げについては懸念するんですね。
 浜で、どうして共済に入らないのかというふうに聞きますと、返ってくる答えは、掛金が高いからだ、ただでさえやっぱり魚価が大変な状態で経営が苦しい中で、なかなか余裕がないという話が出てきます。今回の改正によって掛金の引上げにならないようにするべきではないかと思うんです。やはり収支の改善ということで言うならば、海の環境を守って、そして事故率を引き下げると。それから、収穫共済方式を取っている漁獲共済や特定養殖共済、例えばサケとかワカメですね、こういったものが輸入によって低落している。その魚価をいかに安定させて支払の共済金を減らすかというところが大事になると思うんです。こういう合理化計画が機械的に持ち込まれないように、農水省の対応が重要だというふうに思うんですが、これは後で大臣にも答えていただきたいと思います。
#82
○政府参考人(木下寛之君) 御指摘のとおり、漁業共済組合連合会でございますけれども、特殊法人等整理合理化計画におきまして、事業に講ずべき措置といたしまして、「経費の節減、共済掛金の引き上げ等、収支の抜本的改善策を講じる。」旨の指摘をいただいております。
 ただ、私ども、現在でも漁業者の掛金負担感は強く、単純な共済掛金の引上げのみによる財務改善というのはかえって漁業者の共済離れを招く、共済事業の安定の阻害となるというふうに考えているところでございます。
 したがいまして、今回の制度改正では、掛金水準を抑えた新たなてん補方式の導入、あるいは養殖共済におきます病害不てん補特約の創設など、実際に漁業者が支払う掛金が現行よりも増えないようないろいろなメニューの充実を図ったところでございます。これによりまして、新規加入の拡大が見込まれ母集団が拡大をするというような点で、抜本的な財務改善が図られるというふうに考えております。
 もとより、このような漁業災害補償制度における対応のほかに、基本的には我が国の漁業経営の経営の体質を強化をするということが重要だろうというふうに思っておりまして、そのための各般の施策につきましては今後とも拡充強化をしていきたいというふうに考えております。
#83
○国務大臣(武部勤君) 今、長官が答えたとおりでございますけれども、やはり、これは漁業者自らも、その事があったとき、不漁でありますとか災害でありますとかそういったことに備える心という、心掛けは大事だと、かように思います。有明海のノリ不作のときの諸般の対策を考えましたときにも、やはり共済というのは大事だなという、そういう声が生産者の間からも大変広がってまいりました。したがいまして、今回の制度改正においては、長官が申し上げましたような様々なメニューの充実を図ることによって、新規加入の拡大が見込まれ、母集団が拡大していけるような、そういう共済設計の安定を目指して農林水産省としても努力していきたいと、このように考えております。
#84
○紙智子君 やはり実態は、共済は大事だと思っていてもやっぱり掛けられないという実態があるわけですから、私が申し上げたことは、だからこそ機械的に合理化計画というのをやらない、機械的な対応をしないということでやっていただく必要があるんじゃないかということを申し上げたんですね。
 それで、次に移らせていただくんですが、先ほども出ましたが、トドの問題です。
 北海道の日本海の沿岸を中心に、トド被害で悩まされていると。実は、これは私、去年もおととしも漁民の皆さんの声を聞いて政府交渉に参りましたけれども、これ、もし漁獲共済に入っていればこの共済金の対象になると。ところが、対象となっている地域でほとんど、加入がゼロなんですね。なぜなのかというと、掛金が高いというのもあるんですが、それだけじゃないと。
 つまり、この漁獲共済というのは、いいときもあれば悪いときもあると、そういう漁獲高の状況のときに発動されるわけですけれども、ところが、毎年毎年恒常的に被害があるということの中で、基準漁獲高がいつも低レベルになっていて、それで次の年に被害があっても事実上これが発動されないということになってしまうと。仮に加入して掛金を払ったとしても、この共済金の支払を受けられないという矛盾が生じるわけです。
 だから、毎年必ず被害に見舞われるようなこういうトドのような場合に、漁獲共済という制度は発動しないという問題があるんじゃないでしょうか。いかがですか。
#85
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、私ども、トドの被害の共済対策として漁業共済を行っております。漁具共済は定置網の損害は補てんの対象になっておるわけでございますけれども、トド被害を原因といたします漁獲金額減少に対しまして、漁獲共済による補てんが可能というふうになっているわけでございます。
 元々、委員御指摘のとおり、漁具被害あるいはトドの被害を防止するという観点から、漁業における共済だけではなかなか対応難しいというのは御指摘のとおりだろうというふうに思っております。
 そういう観点から、私どもは、一つは定置網に対する強化網の導入、あるいはそもそもトドの駆除に対する助成、それから刺し網の強化技術の開発の調査研究。刺し網という漁業の実態からしまして、定置網ほどその網の調査研究、困難な点がございますけれども、このような調査研究も実施をしているところでございまして、各般の施策によりましてトドの漁業被害の防止に努めてきているという点でございます。
 また、一方で、被害が発生するということも当然あるわけでございますので、共済のほかに、公庫によります施設資金なり近代化資金の融通、あるいは沿岸漁業経営安定資金を融通しているというところでございます。
#86
○紙智子君 私は、共済制度そのものも制度上問題があるんじゃないかというふうに聞いたんですけれども、そこはお認めになりますか。
#87
○政府参考人(木下寛之君) 漁獲共済をする際には、過去の漁業の実態をベースにいたしましていろいろな設計をせざるを得ないという面は、なかなか共済の設計上やむを得ない面があるというふうに考えております。
#88
○紙智子君 それであれば、やはり何か新しい被害補てんの対策が必要じゃないかというふうに思うんです。一定の例えば被害部分については毎年共済する仕組みを検討するとか、私たち日本共産党の立場は、自然災害についてはやはり公的な補償は必要だという立場でこれまでも取り組んできたわけですけれども、例年繰り返されて漁獲共済になじまないトド被害のような場合には、救済できる新しい仕組みを検討するべきではないかということを申し上げたいと思うんです。いかがでしょうか、もう一度。
#89
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、そういうものが共済になじむかどうかという点については問題意識を持っているわけでございます。基本的には、大変難しい課題でありますけれども、先ほど来申し上げておりますように、できるだけ被害が生じないよう、そのための例えばいろいろな調査研究を進めていくというのが基本的な方向でございますし、そもそもトドにつきまして、被害が出る前の駆除につきまして助成をしていくということが基本的な点だろうというふうに認識をいたしております。
#90
○紙智子君 防止策ももちろん大事だと思うんです、被害が起きないようにすると。しかし、実際起こっていることの救済策ですね。それで、いろいろ研究がされているという話も私たち聞きました。定置網の、先ほども話にありましたけれども、強化網の助成ということもされていますし、ただ、問題は刺し網ですよね。この刺し網についても、今いろいろ試験中で、やっているんだけれども、実用化というところまではまだちょっとあるということも聞いています。
 それで、仮にこれ実用化できる、刺し網が改良された場合には、それに助成されるでしょうか、していただけるんでしょうか。
#91
○政府参考人(木下寛之君) 現在、委員御指摘のとおり、刺し網について研究をしているところでございますけれども、私ども、このような漁具につきましての助成、どういうものが可能か、なかなか今直ちにお答えするのは非常に難しゅうございますけれども、トドの被害防止という観点から今後どういうものが可能なのかということにつきましては検討していきたいというふうに考えております。
#92
○紙智子君 助成して、できたら助成するというふうに言っていただきたいと思っているんですけれども。
#93
○国務大臣(武部勤君) いろんな地域に地域独特の問題というのはあると思うんですね。そういった問題に対する対策、対応というのは、第一義的には地元の都道府県になるんだろうと、こう思います。今の問題については、北海道がどういうような考え方で対応を考えているかということが非常に大事だと思います。そういった、地元の北海道がどう対応するかということについて農林水産省に相談があれば、我々は前向きに対応する必要があると、このように考えております。
#94
○紙智子君 そういう、地元から是非ということがあれば前向きにということだというふうに答えられ……
#95
○国務大臣(武部勤君) 北海道がやっぱり第一義的に、どういう対策、対応をするかということが第一義的に大事だと思います。それに対して、北海道の方から国にも協力要請があれば検討をするということでございます。
#96
○紙智子君 それでは、救済策に戻りますけれども、あの地域というのは、大臣御承知のとおり、本当に漁民がいてこそ地域が初めて成り立っているというような地域でもあります。それで、先ほども、金額、どれだけの被害かということがありました。年に六、七億円と、それから間接被害も含めれば十億円を超える大変な額の被害が毎年続いているということです。ですから、その状態が続けばやっぱり漁業をやっていけなくなっちゃうんですね。やる人いなくなってしまうと。トド被害に苦しむやはり漁業者への直接的な支援の手を考えることが必要だし、今、漁業者自身もいろいろ工夫して何とか、駆除といいますか、脅かして散らすだとかいろんなこと含めて、パトロールしようとかということだとか考えて、いろいろ今努力しているんですけれども、そういう経費に対しても直接的な何か助成が考えられないでしょうか。
#97
○国務大臣(武部勤君) これらのことも、やっぱり第一義的に北海道が何をどのように考えるかということだろうと思います。いろんな災害の場合にも、あるいは私どもの地域では流氷流入でサロマ湖が大変になったことなどもあります。いろいろその地域において独特の問題、独特といいましょうか、地域が背負っている宿命的な問題というものがそれぞれの地域にあるんだろうと思います。それについてはやはり地方自治体がどうするかということが第一だと思いますね。そして、地方自治体がやるということについては、これは、私どもBSEで対応したことの一つは、特別交付税による地域の対策に対しての財源的な支援措置ということを総務省に要請したこともございます。
 そういう意味で、この問題については、私、長官ともだれとも相談しないで申し上げているわけでありますが、やはり北海道が何をするかということによると思いますね。
#98
○紙智子君 本当に切実な状況になっているということを踏まえて積極的な対応をしていただきたいということを述べまして、次に移らせていただきます。
 それで、改正案の中で、漁獲共済や特定養殖で、加入契約に当たって、二分の一以上の加入要件及び最低契約割合以上を撤廃するというふうにしています。それで、加入しやすくなった面は確かにこれであると思います。しかし、問題は、二分の一以下の人数で加入した場合や最低契約割合以下の割合で入った場合には、結局、従来どおりその人の共済掛金の補助がないですね。これはなぜ付けていないんでしょうか。
#99
○政府参考人(木下寛之君) 私どもは、契約割合四割とか、そういうようなものを確保するという観点から国庫助成をしているわけでございます。今回、委員御指摘のとおり、できるだけいろいろなメニューを拡大をして漁業者の皆さん方の選択の範囲を広げようという観点から、先ほど御指摘のような構成人数なり構成者の漁船規模を問わないような一括加入含めて、加入要件の緩和をしたところでございます。
#100
○紙智子君 おかしいと思うんですけれども、その契約条件を加入しやすくするために撤廃しているんですね。撤廃しておきながら、補助要件は依然として変えていないと。そういうことになりますと、本当に加入者を増やすことになるのかな、できるのかなというふうに思うんですね。
 一人でも入れるならということで、入った人が掛金を掛けるけれども、しかしそれには補助がないということが分かったら、やっぱり二の足を踏むんじゃないでしょうか。低い契約割合で加入した人は国庫補助が出ないと。ほかの人は補助が受けられると。例えば、契約割合四割で入った人が六〇%以上の補助が出て、それで二割で入った人がそうでないとすると、これは個人の掛金の金額は低い割合で入った人の方が多くなって、かつ補償も低いというような場合も出てくると思うんです。そういう問題が起きてくるんじゃないでしょうか。
#101
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、共済の加入あるいは共済加入に対します国庫助成でございますけれども、基本的には先ほど来言っていますような一定の契約成立要件、これは基本的には母集団を確保し、ひいては母集団に加入をいたします契約者の負担が軽くなると、そういうような点を奨励、促進するために高率の助成をしているわけでございます。
 ただ、議員御指摘のとおり、このような要件のみではなかなか地域の実態に即さないという点がございます。そのような皆さん方の点も踏まえまして、今回いろいろな地域の皆さん方、こういう条件であればこうですよというようなメニューの拡大をする中で、できるだけいろいろな皆さん方のニーズにこたえた保険設計、共済設計にしているところでございます。
#102
○紙智子君 結局、そういう国庫補助のところについてはどんなことがあっても増やさないというのが先にあるというのが、どうしてもこういう立場があるということが出ていると思うんですね。
 それで、これはやっぱり国の災害補償に対する姿勢の一貫した表れだというふうに思うんです。改めて、私は、この国庫補助の拡充についてちゃんとやるべきだと要求したいと思いますが、もう一度どうでしょうか。
#103
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、厳しい財政事情の中でできるだけ効果的に配分し、適切に助成をしたいというふうに考えております。したがいまして、私ども、基本的に共済の加入要件、加入者の範囲を促進するという観点から設けられております現行の助成方式については、なかなかその要件を緩和するのは困難だというふうに考えております。
#104
○紙智子君 本来は、やはり自然災害に対しては国の補助拡大というのがあるべきだというふうに思います。そうでなければ、負担のできる人だけ保険方式で救済されると。だけど、本当に深刻で大変な場合にできないという状況になりますし、もしこれが今すぐ実現できないとしても、せめて国庫補助の充実は当然だというように思うんですね。
 財政状況がいろいろあるということも言われるかもしれないですけれども、先日も指摘させていただきましたけれども、水産の関係の予算全体の中でも、結局こういう価格の問題ですとかそういう補償にかかわるところというのはごくごく、一%にも満たないわずかなものでしかないわけです。
 ほかの国はどうだろうということで、EUですとかアメリカですとか含めて、水産の予算の割合を見てみましたけれども、結局日本のように予算全体の中で、水産予算だけでもう七割が公共事業で、そういう価格とか所得にかかわるところが本当に少ない、こういうところというのはないんですよね。ほかのところはそんなにたくさん公共事業に使っていないということを見ても、そのことも含めた検討をするべきではないかということを申し上げたいというふうに思います。
 それで、ちょっと時間の関係もありますので、そのことを述べた上で、次に、漁業再建整備特別措置法案の問題について質問さしていただきます。
 それで、資源回復計画のための基金造成ということなんですが、漁業者が負担する分について国庫資金が融通されると。これ、重要な事業だというふうに思います。
 それで、その基金についてなんですが、漁業者負担があればこれは全国に広く普及するというふうにできないと思うんですね。やっぱり借りたものは返さなきゃならないということですから、やっぱり漁業者負担を軽くして基金設置が進むようにどんな対策を考えているんでしょうか。
#105
○政府参考人(木下寛之君) 水産資源の管理による資源回復の問題でございますけれども、私どもは、漁業を持続的に成り立たせるための前提でございます。その効果は漁業者にも還元されるというふうに考えているところでございます。したがいまして、本来でございますと、漁業者自らが取り組むべき課題というふうに考えております。これまでも個別の漁協単位でこうした取組に自ら努力してこられるという事例が多数あるわけでございます。
 今回の資源回復計画でございますけれども、一漁協の範囲を超え、あるいは漁業種類の範囲を超えて、一つの海域で、資源につきまして、それぞれ工夫をしながら資源回復を図ろうというような新たな試みでございます。関係する漁業者も非常に多うございますし、団体も多いということで、私ども国あるいは県が三分の一ずつ負担をし、漁業者の皆さん方にも三分の一の負担をお願いをしているという段階でございます。
 もとより、この三分の一の負担でございますけれども、先ほど申し上げましたように、資源回復計画が生きますと、基本的にはその効果は利用者に還元されるというふうに考えておりますけれども、そういう意味で、資源回復後の水揚げを償還財源といたしまして、公庫からの貸付けの道も開いたというところでございます。
#106
○紙智子君 やっぱり資源を回復させていこうと、確保しようということにはお金が掛かると思うんですね。例えば、香川県のサワラ流し網なんかも、結局子供がどんどん網に掛かっちゃって、それで一時大変な深刻な状況になったということで、それで網目を拡大しようということで、網目拡大するだけで一億円ですか、すごい規模のお金が掛かっているわけですよね。それだけじゃなくて、その間、休漁したりとか、捕れない場合は生活の補てんなんということも含めて考えなきゃならないということですから、相当なやっぱりお金が掛かってくるということだと思うんです。
 ですから、今説明されたことももちろんあるわけですけれども、それだけだったら、本当に資源回復したくとも、資金に余裕ある漁協だったらできるけど、そうじゃないところはなかなか難しくなるんじゃないかと思うんですね。漁業者負担を義務化しない仕組みも含めて推進するような対策をもっと考えてほしいというふうに思うんです。
 それで、融資の問題は、確実に返済できるのかというところがやっぱり問題なわけで、不安なわけです。休漁して、禁漁の期間を設けて、輸入によってその間販路を奪われないだろうかという心配も出てくる。それから、何年かして資源が回復が確実にできるのかどうかというふうに言われたら、一〇〇%できるという保証があるわけじゃないですよね。それから、実際に水揚げが、資源が入って水揚げが上がったとしても、価格がそのときどうなのかということもあるわけですし、そういう意味では、計画実践前よりも確実に増えるのかどうかということは、これはやっぱり不透明な、未知数なわけです。ですから、どんな償還条件をその場合考えているのか、お聞きしたいと思います。
#107
○政府参考人(木下寛之君) 今回の資源回復計画でございますけれども、基本的には試験研究機関によりますしっかりとした科学的な知見に基づくということでございますけれども、基本的には利用者の皆さん方の理解と納得ということを前提にして実施をするというものと理解をいたしております。
 その中で、今回お尋ねの基金造成のための条件でございますけれども、一つは金利、申し上げますと、私ども、今後財政当局とも協議をする予定でございますけれども、現在の金利水準を前提といたしますと一・七%、また償還期間につきましては十五年以内と、そのうち据置期間につきましては五年以内ということを考えております。
#108
○紙智子君 私も提案をしたいわけですけれども、水揚げが回復し、やっぱり払えるような状況でない場合、この返済の猶予ができると、そういった弾力的な償還条件ということでお考えいただきたいというふうに思います。
 大臣、この点も答えていただければ。
#109
○国務大臣(武部勤君) 資源が回復せず償還に困難を来すような場合は、償還期限の延長とか中間据置期間の設定等の償還条件の緩和を必要に応じて措置することは可能だと、かように思います。
#110
○紙智子君 そういう措置を徹底していただいて、これはそういうことで。
 次に行きます。
 今年、指定漁業の一斉更新の年です。それで、更新に当たって漁船の小型化を容易にする仕組みが取られていると思うんですね。北海道では、底引き船は百二十四トン型が主力です。これは実は、七〇年代の初頭から、波の荒い千島海域ですとかそれから流氷の来る着氷海域ですね、こういうところでの操業を条件に許可されたものです。ところが、それが今、沿岸と同じ水域で操業しているんですね。小型化を是非してほしいという意見もたくさん出されているんです。
 そこで、今回の改正案で経営改善計画制度を立てて、漁船を小さくする場合に、個人でも、例えば設備資金と運転資金などの支援の措置が受けられるでしょうか、確認したいと思います。
#111
○政府参考人(木下寛之君) 今回の法律改正によりまして、経営改善計画を作り、それを都道府県知事ないし農林水産大臣の認定が必要だというふうになるわけでございますけれども、そのような経営改善計画の認定を受けました場合には、委員御指摘のように、漁船の小型化につきましても、当然のことながら対象になるというふうに考えております。
#112
○紙智子君 是非それを徹底していただいて、トン数や馬力の削減が進むように政府としても努力をしていただきたいと思います。
 それから、全国各地で沿岸と沖合漁業者の操業区域等をめぐっての対立があります。できれば、これ八月の更新に間に合わせて解決さしていくということが水産庁にとっても大変重要な課題ではないかと思います。
 従来、漁業調整は双方の話合いを行わせて、水産庁はその場を設定するということで来たと思いますけれども、やはり資源の持続的な利用のために、資源の適切な保存やあるいは管理を行政の柱とするということで水産基本法でも位置付けられているわけですけれども、その下で、その立場で主体的により積極的な行政の努力が必要ではないかと思いますが、この点、大臣、いかがでしょうか。
#113
○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘のとおり、資源の適切な保存及び管理を図るということが沿岸漁業、沖合漁業ともに存続を図っていく上で非常に重要であります。
 本年八月に大臣許可漁業である指定漁業の一斉更新が行われることになっているわけでありますが、これに向けて沿岸漁業と沖合漁業の操業に関して幾つかの調整問題が提起されていることは御指摘のとおりでございます。
 このために、やはり双方の話合いと合意を基本とするということが大事だと思います。八月までに必要な調整が図られるように農林水産省として最大限の努力を行うこととしておりますが、また、それまでに調整が整わなかったものについても引き続き一層の努力を継続いたしまして、沖合漁業者と沿岸漁業者の円滑な操業が確保されるように、更に最大限努力してまいる所存でございます。
#114
○紙智子君 やはりこの話合いの際にも、水産庁として本当に積極的な姿勢といいますか、立場はこうなんだということを、資源確保の立場からもそこのところをはっきりして臨まなければいつまでも平行線になってしまうと思うんですね。そこは改めて対応していただきたいということを最後に述べまして、私の質問を終わらせていただきます。
#115
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本でございます。
 一昨日に引き続きまして、質問をさしていただきます。
 一昨日は、食の安全の立場から、私、いわゆる産地表示の問題を質問、いろいろと申し述べさしていただきましたが、今日の議論いろいろございまして、私は、顔の見える関係にあれば確保できるのかなというような気がするんですが、どうも水産物の場合は必ずしもそれだけじゃないというようなことが分かっておりまして、残念なことですが、食べ物をお互いに、作る人、食べる人、これは信頼関係がないとやっぱり同じ国の国民としては恥ずかしい関係があるわけですけれども、残念なことにそうでない。国際的な関係とも関係してこれあるということも分かりまして、こういうことになりますと、やっぱり最後は、何といいますか、薬事法とまではいきませんけれども、かなり品質表示で食の安全をしなきゃいけないような時代になっちゃうのかなというような危惧がございまして、この辺、先ほどいろいろ御議論ありましたので私は質問という形は取りませんけれども、よろしくこの辺の問題を今の検討の中でいろいろとお考えいただきたいと思っております。
 ちなみに農産物なんかは、最近聞く話によりますと、逆に、例えば品質といいますか、例えば無農薬、化学肥料ですか、こういうものを使っていないという、今、自然農法ですか、そういうものを表示されておりますけれども、非常にあいまいじゃないかという声が逆に生産者の方からも出ておりまして、もっとちゃんときちっとやってもらえばそれに基づいて生産をすると。そうすれば外国の農産品なんかとの区別が非常に付きやすいというような話もございまして、ひとつ、これはその関係の局呼んでおりませんけれども、今は農林省に対しましては大臣に情報を集中させるのが一番いいんじゃないかと、こう思いまして、ひとつ申し述べさせていただきました。
 さて、資源管理型漁業、これは今回、今回といいますか最近、私の知る限りではもう十年も前からこういう声があって、昨年の基本法ですか、そういうものから法律に基づく具体的な格好を取ってきたと思うんですが、どうも、よくこの資源管理型漁業というのをつらつら考えてみますと、どうも分からない面がございまして、それで昨日ひとつ全体的な像といいますか、そういうものをお聞きしたわけですけれども、資源管理という面からいえば、昔から例えばアユの解禁の時期なんかも、あれも一つの資源管理だと思うんですけれども、こういう水産物というのはそういう管理をしなくちゃいけないというのは分かっていて、それがいろいろと漁獲量が増えたとかそういうことから、はっきり資源型漁業というのを導入という線が出てきたんだと思っております。それで、いろいろと昨日もお話、いろいろ水産庁の職員の方々からお聞きしたんですけれども、じゃ何をするのかというとなかなかよく分からない。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
 ということは、大きな道筋で、やっぱり漁業、これは漁業に限らないんでしょうけれども、やっぱり自然環境といいますか、自然の資源、これの要するに維持保全をしながら、そして国民の生活といいますか、これは消費者、生産者の維持といいますか、こういうことが大きなやはり、世の中の仕事というのは大体それが大きな目的になると思うんです。特に漁業に限れば、非常に生産者の生活という面が、かなり重点を置いて考えなきゃいけないような気がするんですけれども、そういう面から考えますと、ただ魚を資源管理をする、魚を増やすと、それで、何といいますか、目標どおりに漁獲量を決めてやると。これも一つの手でしょうけれども、そこにひとつ生産者がおるということを絶対忘れてはいかぬ。白紙の状態でやるわけじゃないですから、今、現にいる漁業者の方々が素直に、スムーズにそちらに移行できるということが念頭にないと、この資源管理型漁業というのがなかなかうまくいかないんじゃないかというふうに私は思っております。
 そういう意味で、目的はよく分からないけれども、じゃ背景はどうかと昨日お聞きしたら、二百海里体制でいわゆる遠洋漁業なんかは漁場が変化したというようなことを一つ言っておられますし、それから、生産量が非常に低下している、あるいは漁業者も減っていると、そういうものを背景としてやっていくというようなお話があったんですが、そういう中で、昨日もちょっとお聞きしましたけれども、生産者に対してはいわゆる資源管理型漁業の中でどのように、これは生産者に対してどのように持っていこうと思われているのか。ちょっと質問があれですね、基本的な目的といいますか、この資源管理型の、これ大臣からひとつお話を願いたいと思います。
#116
○国務大臣(武部勤君) BSEの問題で、農場から食卓へ顔の見える関係の構築という必要性ということを私ども痛感させられたわけでございます。そういう意味では、生産者の価値を高めるためにも、消費者に軸足を移して農林水産政策を変えていくということに迫られているわけでございます。
 同じようなことは、私は、水産や漁業の面でも言えるんじゃないかと、このように思います。
 したがいまして、水産資源の資源管理という問題についても、昭和五十年代は、二百海里体制への移行に伴いまして相対的に我が国の周辺水域の重要性が高まったということでありますし、我が国周辺の水産資源が減少し低迷する傾向にあることから資源の安定的利用の必要性が強く認識されるに至ったと、こういう背景があったと思うんです。
 こうした中で、六十三年度から漁業者による自主的な資源管理への取組を支援してきたところでございますが、平成八年度からは、国連海洋法条約の締結を契機に、いわゆるTAC制度、漁獲可能量制度を導入してきたわけでございます。さらに、平成十三年度からTAE制度、漁獲努力可能量制度の創設をいたしまして、資源回復計画の策定を進めているところでございまして、私は非常に、今、岩本先生の提起というのは奥深い問題がある、今日的な課題として非常に奥深い問題があると、このように思います。
   〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
 小川先生の御指摘もそうですし、谷林先生の御指摘もそうですし、単に漁獲量を、資源を育て、資源に見合う操業秩序を確立するという、そういうことだけではない。むしろ、漁場を改善するということが消費者のためでもある、環境のいいところで漁業が営まれると。そういう意味では、生産者と消費者の間に顔の見える関係というのはやっぱり水産業や漁業の分野でもしっかり作っていかなきゃならないし、同時に、そういうことに消費者が関心を持つようになりますと、魚価の問題についても、この間の十三湖のシジミとほかの海のシジミと混ざったことがいろいろ問題になりまして、テレビでも私見ましたけれども、非常に、この水産資源の資源管理という問題というのは今後非常に奥深い問題と私ども認識いたしまして、今後の対応をいろんな角度から検討していかなきゃならないと。
 私は、そういう認識で、今朝ほどもこの答弁の勉強会のときに水産庁の事務当局に申し上げたのは、消費者ということをまず第一に考えなさい、同時に納税者ということも考えなさい、補助金でも何でも、これは全部納税者、国民が負担しているんですから、だから何でもかんでも国が国がといってお金も出せないんですよ、そこについては予算の資源配分ということもきちっと考えていかなきゃならぬのではないかというような話をしているところでございまして、今後、この水産資源の資源管理の問題につきましてもまだまだ新たな問題意識というものを持って取り組まなきゃならないのではないかと、かように考えているところでございます。
#117
○岩本荘太君 農林大臣からそのようなお言葉を伺いまして、是非ともそういうお気持ちでやっていただきたいと思うんですが、具体的に、その中で私、具体的にどういう関係があるか、問題があるかということでちょっと私なりに拾い上げてみたんですが、一つは、先ほどからひとついろんなこの関連質問が出ておりますけれども、今、先ほど言いましたように、資源管理型漁業に移行することによる漁業者の所得といいますか、生活の確保といいますか、生活するだけの所得の確保といいますか、そういうものがどうなるのか。これは、資源管理すれば、長官が先ほどから言っていますように、魚が増えれば確かにいいんでしょうけれども、そこに行くまでの間の問題があると思うんですよね。
 これは、先ほどから資源管理しないんじゃないかという説もあるようですけれども、私の経験では、しないのもありますけれども、するやつがかなりあるというように思っておりますから、そういう心配はしないんですけれども、ただ、そこに至るまではやはり漁業者に相当な負担が掛かるんじゃないかと。これは、漁業者個人の仕事だからしようがないじゃないかと言ったら身もふたもない話でして、それだったら、そんなことを言うんだったら水産庁は要らないんじゃないかという話になっちゃうわけですから、やっぱり水産庁としてもしっかりその辺を考えなきゃいけないと思うんですけれども。
 先ほども、漁具の改良に対して三分の一ずつの負担を出してやると。あれは大変結構だと思いますけれども、あれは決して所得は上がらないですよね。だから、したがって、将来を見越して漁業者の方々も協力してそういう状態に持っていこうと。しかし当面の生活をどうするか。これ、何か聞くところによると、先ほどの基金で休業補償とか何かやるとかというようなこともあるというようなことをちょっと聞いたんですけれども、ちょっとその辺について長官に。
#118
○政府参考人(木下寛之君) 今回の資源回復計画でございますけれども、その資源回復計画の内容といたしましては、減船なり休漁等の措置が必要だというふうに考えております。したがいまして、先ほど御説明申し上げました国あるいは都道府県、漁業者の基金により造成した資金から、例えば休漁に対する助成、それから漁具の改良等の掛かり増し経費に対する助成等々につきまして予定をいたしております。
#119
○岩本荘太君 ですから、その漁具の改良とか、それは痛みですよね、今までどおりやれればよかったわけですから。だからその辺の、何といいますか、漁業者が当面遭遇する困難といいますか、そういう問題についてしっかり対応をしていただきたいと思います。
 それともう一つは、資源管理はやっぱり漁業調整と。要するに捕る人の権利を調整しているわけですからね、漁業調整。それとの関係が出てくると思うんですが、これ昨日聞きましたら、それは広域漁業調整ですか、昨年から正にこのためにやっているというようなお話で、それはそれで結構なんですけれども、いわゆる昨年から取り入れた広域漁業調整というのは今どんな状態で、どんな進め方をしておるでしょうか。
#120
○政府参考人(木下寛之君) 昨年の漁業法の改正によりまして、このような資源管理を的確に行うという意味で、瀬戸内海、それから太平洋、日本海・九州西の三つの広域の漁業調整委員会が設置をされたところでございます。
 この開催状況でございますけれども、委員会が六回程度開催されておりますし、また部会で九回の開催が現在までの実績でございます。これまでの開催の結果、瀬戸内海でございますけれども、瀬戸内海のサワラに関する資源回復計画が策定できたというふうに考えております。
 今後、日本海でございますとアカガレイだとか、太平洋ですと沖合性のカレイ類資源、あるいは伊勢湾の小型底引き等々につきまして、このような委員会の場でいろいろと意見調整をしながら、具体的な資源管理の計画を定めていきたいというふうに考えております。
#121
○岩本荘太君 それと、これ、昔よく聞いたんですけれども、幾ら国内で資源管理しても、違法操業になるのかもしれませんけれども、外国船が近づいて自分らが捕らないで育てているときに捕られちゃうというような話をよく聞いたんですが、最近お話を聞きますと、それは二百海里体制になってそういうことはだんだん少なくなったというような話も聞くんですけれども、そういう状況ですか。
#122
○政府参考人(木下寛之君) 日本海を含めまして、我が国の排他的経済水域の中での韓国ないし中国の漁船でございます。日韓それから日中漁業協定に基づきまして、水産資源の状況、それから我が国の漁業者の意見を踏まえまして、それぞれ、韓国それから中国と交渉の上、操業条件を定めております。
 例えば、韓国漁船につきまして御紹介申し上げますと、本年は、日本海なり東海水域での巻き網、イカ釣り等五つの漁業種類に対しまして、千百十九隻、七万二千トンの操業を認めておるという状況でございますし、また中国に対しましては、日本海におきまして、イカ釣りでございますが、八十七隻、六千百三十トンの操業を認めているというような状況でございます。
#123
○岩本荘太君 今の数字だけでは私は何も判断できないんですが、おいおいこういう問題はまたいろいろと聞かしてもらいたいと思っております。
 次に、この資源管理といわゆる漁具・漁法あるいは漁船ですか、これが一方で非常に改良が進んでおりますよね。私、先日、たまたま本屋で見付けた「聞き書き にっぽんの漁師」というんですか、これはルポ風にまとめてあるんですけれども、日本全国の十三の漁師、残念なことに皆さん漁師さん、残念と言ってはおかしいですけれども、みんな六十歳より上の方ばかりなんですね。したがって、日本の戦後の漁業をずっと、ある意味では戦後の漁業をずっと見てこられたということを言えるんですけれども、その本を読んでおりますと、いろんなことを書いてあります、現場の声としてですね。
 中には、漁具の開発と資源の追い掛けっこですが、漁具開発の方が資源回復より速いですねというような、こんな記述があるんですよね。これは本当かうそか知りませんよ。知らないけれども、いわゆる資源管理をすることと、こういう漁具とか漁船とか、漁船にしても私はよく分からないのは、漁船のトン数というのはよく分からない。分かんないけれども、農林省許可が多いんでしょうけれども、いろんな許可をされますよね、漁船の。そういうときに、資源管理ということを当然考えなきゃいけないと思うんですけれども、そういう漁具や漁船とかそちらの改良、これは便利になった方がそれは当然いいんでしょうけれども、資源管理を言うからにはそちらとの関係をしっかりと把握しておかなきゃいかぬと、こう思うんですけれども、その辺は水産庁どうですか。
#124
○政府参考人(木下寛之君) 漁具とか漁法の、あるいは漁船の技術革新でございます。個々の経営体にとりますとコストの削減なり省力化という効果があるわけでございますけれども、委員御指摘のとおり、総体としますと、漁獲能力が向上すると、ある意味では資源管理に逆の影響を与えるということは一面事実だろうというふうに思っております。したがいまして、このような漁獲能力の向上がそのまま全体として漁獲圧力の増大につながらないよう、私ども、漁業許可数の削減あるいは漁獲努力量の設定というような方法で、漁獲努力量が資源に対して過大とならないよう適切な管理を行っているところでございます。
 ちなみに、今年八月一日に予定されております大臣許可漁業の一斉更新でございますけれども、前回に比べまして、許可隻数の総枠につきまして大体二割程度削減するということにしたいというふうに考えております。
#125
○岩本荘太君 同じように、前に御紹介したらよかったですけれども、魚が減った一番の原因は乱獲だというんですね。その乱獲は、一つには船が多過ぎることが第一だ、それから魚がよく掛かる繊維の網ですか、そういうものが開発される、さらに環境の悪化だと。こんなことを指摘されているわけでございまして、したがって、非常に私は、ある意味では、漁具とかそういうものがこの資源管理漁業に対する大きな一つのネックと言ってはおかしいけれども、大きな関係が出てくるという気がいたします。
 それと同時に、これと直接関係ないんでしょうけれども、この本にやはり書いてあるんですけれども、昔はあれですね、漁師さんはよく出稼ぎをされた、出稼ぎによって資源管理をやったというようなことも書かれておりまして、その辺もひとつ検討の対象になるんじゃないかなというような感じがするわけです。それは意見として申し述べるだけにしておきますが。
 それと、この資源管理とはまた別に、大きな問題で後継者問題ありますね。後継者問題、農業なんかは割と、もう大変だと言えばすぐに後を見付けて、どうにか方策を立てなきゃいかぬということですが、さっきの引用からもお分かりいただけるように、船が多過ぎるというようなことは、逆に言えばそれほど後継者は要らないんじゃないかというようなことにもつながってくるんじゃないかと思うんですね。したがって、水産というか漁業の場合の後継者問題というのはちょっと農業とは違う。必ずしももう今の人の数を、漁業者の数をそのまま確保すればいいというものでもないんじゃないかなというような感じがいたしますし、事実、新しい船を買うとか新しい装備をして新しくやっていこうという声がなかなか聞こえない。
 これは資源ばかりの問題じゃなくて、今言いましたように、いろいろな面からそういうようなとらえ方ができると思いますし、私も事実、必ずしも、効率的になったらそんなにたくさん人いなくてもいいんじゃないかと、資源の量は限られているわけですからね、というようなふうに感じるんですが、この後継者、いわゆる漁業における後継者問題というのは農林省としてはどんなふうに把握されておられるか、ちょっと御答弁をお願いしたいと思います。
#126
○国務大臣(武部勤君) 非常に難しい問題だと思いますが、しかし漁民とか漁業者という言葉だけでは漁業の後継者というものは規定できなくなってきていると思いますね。先ほども議論ありました、やはり水産業という幅広い、一つの漁業を中心とする産業という、そういうとらえ方も必要になってくるんだろうと思います。
 そういう意味では、国民に対する水産物の安定的な供給、しかもおいしい安全な水産物の供給ということの担い手ということになるのだろうと、このように思いますが、そういう意味では、技術のみならず、経営管理能力の問題でありますとか、あるいは食の安全管理の問題でありますとか、そういったものが要求される新しい、新規就業者の確保ということは常に必要なんだろうと思うんです。それは、やっぱり人間生態系、自然生態系はサイクルがありますね。ですから、今、先生がおっしゃるように、もう漁獲能力さえあれば後継者は要らないんじゃないかというふうには割り切れないと思うんです。
 やはり今後、漁港だとか漁場だとか漁村というのを一体的に整備するということによって、都市に住んでいる人々にも海の恩恵が受けられるような新しい分野と可能性というのを切り開いていく必要があるんだろうと思いまして、そういう意味で、私は、若い担い手というものが海を通じて活躍する、そういうハード、ソフト両面からの支援策というものをしっかりやっていきたいと、こう思っておりますし、やはり今後とも、若い担い手というものが海を通じて、海だけじゃありません、川もありましょうし、内水面もあるかもしれません、そういった確保というものは必要なんだという前提で様々な施策に取り組んでいきたいと、このように考えております。
#127
○岩本荘太君 今の後継者問題でもう一つ、簡単に一つだけ御紹介しておきますけれども、この漁業者の方ですね。問題は若い者に暇があり過ぎるんやと、これは関西弁ですけれども。「大体、出漁はひと月に十二日くらいやろ。金はさっき言ったようにそこそこや。」と。大体お金はあるわけですね。「生活にこまりはせん。とにかく暇なんや。十二日しか漁に出んし、冬はそれが五日か一週間やろ。若いもんは暇だからって、寝てはおらんからなあ。車だろ、パチンコ。町へ出かけるわ。どうしたってある程度は金が要るわ。それで若いもんはもたんのや。」と。こういう表現がある。一つの、僕は一つの見方だと思うんですけれども。
 それで今、大臣言われたように、私も、そういう能力が上がったからといって漁村をどうしなきゃいかぬかということは見なきゃいかぬ。これは中山間、農業の場合の中山間も一緒でしょうけれども、実際にそれをやっている人は減っても、そういう社会をどうやって維持するか、これは私も私なりにいろいろ考えがございますけれども、今日は時間がなくなりましたのでそこまでは踏み込みませんけれども、そういう漁村をどうするか、地域社会をどうするか。農業、漁業という、そういう産業ということじゃなくて、農村、漁村という、そちらに視点を向けてやっていただきたいと、こうお願いしまして、質問を終わります。
#128
○中村敦夫君 まず、水産庁長官に連続して質問したいと思いますけれども、水産庁が行っています一九九九年度、二〇〇〇年度の魚介類ダイオキシン類の実態調査結果というのは、これは、先ほどこれに関連して小川委員も質問しましたが、私のところでも資料を要求したものであります。
 それで、小川委員の質問に対して長官の答えでちょっと分かりにくい点がありましたので、お聞きしたいと思いますけれども、一九九九年に調査して、ダイオキシン濃度の高かった魚介類について次の年にはやっていないんじゃないかという質問がありましたね。やっていないのか、あるいはやったのかということだったら、やっているという話になりました。それは後で報告するという話なんですね。これは非常に奇妙ですね。なぜ、やったんだったらばちゃんと公表しなかったのかということをお聞きしたい。
#129
○政府参考人(木下寛之君) 一九九九年から四か年の計画で、日本の国民が食べている魚介類百種類程度、検体数で四百検体ということで進めてきておるところでございます。
 御案内のとおり、一部の魚種につきましてはダイオキシンの濃度が高く出ているという状況でございますけれども、私ども、冒頭に申し上げましたのは、十一年から四か年計画で全体として四百検体の調査をしているということでございます。
#130
○中村敦夫君 今聞いたのは、魚介類の濃度が高いものを次の年には調べていないと、要するに公表していないんですよね。それは、調べてなかったんなら公表できないんだけれども、調べていたと、後で報告すると言ったわけですよ。だったら、なぜ最初から公表していないのかという質問なんです。
#131
○政府参考人(木下寛之君) 今回の調査はダイオキシンの濃度の調査でございます。冒頭ありましたような高濃度につきまして、私どもは、どういうメカニズムでその蓄積が行われたかという点について調査を実施をしているというふうにお答えしたところでございます。
#132
○中村敦夫君 私、日本語で聞いてるんですよ。簡単な話をしているんですよ。なぜそれが答えられないんですか。
#133
○政府参考人(木下寛之君) 繰り返して恐縮でございますけれども、具体的な濃度の調査は実施をしたわけでございますけれども、そのような高濃度の水産物がどういうメカニズムでこのような高濃度になったのかと、そういうメカニズムにつきまして調査をしているというところでございます。
#134
○中村敦夫君 もう何語で質問したらいいのか、ちょっと分からないわけですね。
 そういう答え方をするというのは、要するに非常に濃度の濃い魚介類が幾つかあるわけですよね、それを余り出していくといろんなところが騒ぎ立てるとか、要するにがんが発見されたのに、それを言ったら家族が騒ぐので、それは困るから何となくすっと過ごしたいと。要するに、隠ぺいしたかったんじゃないですか。
#135
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、今回調査をしておりますのは、あくまでも四か年間で全体像を明らかにしたいということと、一部の調査につきましては確かに高濃度でございますけれども、それ自体としては全体のTDIという点からいって問題ないというふうに思っておりますけれども、どのような仕組み、メカニズムでそのような高濃度に至ったのかという点につきまして調査を実施をしているという段階でございます。したがいまして、私ども、今回、十四年度で四百検体の調査が一回終わるわけでございます。
 したがいまして、十五年度以降につきましては、更にこのような四年間の知見をベースにして、どのような、メカニズムを含めた構造につきまして更に調査を深めていきたいというふうに考えております。
#136
○中村敦夫君 濃度調査はしていないということ。
#137
○委員長(常田享詳君) 木下水産庁長官、はっきり答えてください、はっきり。
#138
○政府参考人(木下寛之君) 先ほども申し上げたとおり、高濃度のものにつきまして、メカニズムの調査を実施をしておりますけれども、濃度については調査をいたしておりません。
#139
○中村敦夫君 先ほどの小川委員の質問に対する答えは、それじゃ、違っていたということですね。
 要するに、これを調査して、それをどういうふうに活用していこうと思っているんですか。
 それから、毎年の調査費用を教えてください。
#140
○政府参考人(木下寛之君) 一九九九年度が五千九百八十四万円、それから二〇〇〇年度が三千三百五十五万円というところでございます。
 この調査の目的でございますけれども、ダイオキシン類対策は非常に重要な政策課題というふうに認識をいたしております。調査の総合的な解析結果を活用をし、魚介類へのダイオキシン類蓄積のメカニズムの解明等を含め、必要な調査を更に進めていきたいということで、国民への分かりやすい情報提供に努めていきたいというふうに考えております。
#141
○中村敦夫君 何か大学の一部の研究室みたいな答えなんですが、この調査に基づいて非常に大きな問題がもう出てきているわけでしょう。それに対する対策をするとか、それからこれの結果に対する危機感というのがどうしても感じられないんですよ。
 これは要するに日本食品分析センターなどの三団体ですね、これは天下り機関なわけですけれども、ここにとにかく仕事を与えることが目的でやっているんじゃないんですか。
#142
○政府参考人(木下寛之君) 私どもは、ダイオキシン対策の重要性にかんがみまして、一つは我が国沿岸水域の魚介類の蓄積実態の把握、それから国民の魚介類からのダイオキシン類摂取量の調査、評価を行うことが目的でございます。
 この調査につきましては三団体に委託をいたしておりますけれども、これらの三団体、いずれもJAS法なり食品衛生法に基づきます実績のある団体というふうに聞いております。
#143
○中村敦夫君 中央環境審議会環境保健部会、それから生活環境審議会、食品衛生調査会、この三つの機関が合同でまとめて、九九年の六月に「ダイオキシンの耐容一日摂取量(TDI)について」というものを発表しましたね。そうしますと、日本に住んでいる人々の食品によるダイオキシン摂取量ですね、要するにいろんな食べ物を食べてダイオキシンが摂取されるわけですけれども、そのうちの何と六三%が魚介類によるものだということが明らかになっているわけですね。これは、魚介類というのはほかの食品に比べて圧倒的にダイオキシン濃度が高いというのが一般的にあるわけです、事実としてね。
 アメリカでは十数年前から魚介類について個別の基準を設けたんですね。それから、EUでも二〇〇四年から個別の基準を設けているんですよ。でも、日本では個別の基準や指針というのはないんですね。要するに、魚食文化の日本がですよ、肉食文化の欧米よりももう圧倒的に対策が立ち後れているという事実があるわけですね。
 まず、何よりも魚介類について緊急にダイオキシン摂取の個別基準というのを策定するのが当然じゃないか、遅過ぎるんじゃないか。これをやれないとかやらないという理由は私はないと思うんですね。いかがですか。
#144
○政府参考人(木下寛之君) 現在の耐容一日摂取量、TDI四ピコグラムは、御質問のとおり、厚生労働省なり環境省の審議会の中で決定されたというふうなところでございます。
 確かにいろいろな数値挙がっておりますけれども、人の食生活につきましては相当ばらつきがある、あるいは魚介類のダイオキシン濃度につきましては、同一魚種あるいは同一地域でもばらつきがあるというふうに考えております。したがいまして、現段階で魚介類につきまして個別に基準を設定するということにつきましては、私ども、なかなか困難な面があるというふうに私どもは考えておるところでございます。
 個別食品基準の設定の必要性につきましては、今後、我が国におきますダイオキシン対策の進展、あるいは多くのいろいろな情報を現在収集しているわけでございますけれども、その中での検討すべき課題だろうというふうに思っております。
#145
○中村敦夫君 ばらつきがあるからこそ個別基準というのは必要なんですよ。そして、困難と言いますけれども、ほかの国がやっているんですよ。どこが困難なんですか、それで。これはやるべきもうはっきりした課題じゃありませんか、農水大臣。
#146
○国務大臣(武部勤君) まあ、いろいろと技術的な困難があるとかばらつきがあるとかということはあるんでしょう。しかし、水産庁としての責任は、国民に安全で安心な水産物を提供するということが水産庁、農林水産省の責務でございます。したがいまして、ダイオキシン類についても重要な政策テーマと私は今後重要に受け止めて、諸外国の政策動向や国際機関の評価動向等も参考にしつつ、積極的な対応、今後の政策の在り方、対応の在り方、どういう対応が望ましいのかということを含めて真剣に検討してまいりたいと、このように思います。
#147
○中村敦夫君 水産庁が積極的な対策とか政策とかもう打ち出せないようですから、これはまあ農水省としてあるいは政府として、こんなもう要するに当たり前の、どの国もやっていることぐらいはきちっとやるように努力していただきたいと、お願いします。
 おととい、農水委員会の休憩時間に大臣にも時間取っていただいて、有明海の漁民たちを紹介して、いろいろと彼らの声を聞いていただきました。また、農水委員会では、ダム排砂による富山湾の漁業被害について質問し、また、夜は有明海の漁民たちの集会にも参加してまいりました。
 彼らはみんな漁業を中心にして生計を立てているんですね。できることならば、子供や孫にもそれを継いでほしいと思っているんです。武部大臣もお会いになったあの漁民たち、みんな働き盛りで非常にたくましい人々なわけですよ。これこそ水産基本計画が理想的な漁業の担い手として想定している意欲的な漁民そのものなんですね。
 しかし、こうした人々が漁業を続けられないという事態に直面しているんですね。それも、諫早湾干拓事業とか、あるいは出し平ダム、宇奈月ダム、こうしたいずれも役所や公営企業の事業によって被害を受けているということなんですが、これは大きな矛盾があるわけですよね。
 こうしたことに関して、水産庁はこれまで一体何をしてきたのか。つまり、漁民や水産資源保護の観点から、省内あるいは他省庁に対してどのような働き掛けを行ってきているんですか。
#148
○政府参考人(木下寛之君) 水産庁におきましては、ダムなどの事業計画の策定段階におきまして、他省庁あるいは省内も含めまして、事業者などから協議を受けております。周辺漁業関係者の調整なり水産関係施策や漁場環境への影響等につきまして確認をし、必要に応じまして水産動植物の生育環境に配慮するよう求めているところでございます。そのような点を含めまして、関係府省へ要請を行ってきているという段階でございます。
 もとより、水産庁といたしましては、それぞれ各省がそれぞれの所掌の範囲内で実施をしているという事業でございます。率直に申し上げまして、調整権限を有してないというところでございますので、取り得る対応にはおのずと限界があるというふうに認識をいたしております。
#149
○中村敦夫君 最初から限界があると認識しているんじゃ、これは何も進まないんじゃないかなというふうに思いますけれどもね。
 水産庁という役所についていろいろ関係者から聞いてみましたら、一般職員なんかも水産大学出身者で大変海が好きだ、魚が好きだ、そして良心的に仕事をしている人が大変多いということなんですね。しかしながら、専門家とか水産関係の人々に水産庁という役所全体についての感想を求めると、非常に評判が悪いんです。
 ある人はこういうことを言っています。特に水産庁とほかの行政機関との関係ということについて、縦割り、下請、露払い、こういう言葉を言ってやゆし、あるいは切り捨てているわけですね。つまり、縦割りというのは、もうとにかく自分の親省庁にもほかの省庁にも何にも物が言えないと。下請というのは、ほかの省庁だとか公的機関だとかが漁場を汚染したときに、とにかく漁業振興策だけやっている下請だと、こういうことなんです。露払いというのは何かというと、ひどい場合には漁民の声を封じる仕事までやっていると。大変にきついそういう評価がどうやら一般的なようなんですね。
 水産庁は、そうした公共事業によって漁場が汚染され、漁民が困るという一つの大きな構図があるんですよ、それで要請していると言うけれども、しかし、おのずと限界があるというのでは何の役割も果たしていないということになるんじゃないですか。もう少ししっかりと自分たちの立場というものを主張して問題を解決していくというような姿勢はないんですか。
#150
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、今後の日本の漁業の基本計画を策定したところでございますけれども、そのような漁業となるよう、今後とも、漁業への影響について意見を提出するなど、最大限の努力を払っていきたいというふうに考えております。
#151
○中村敦夫君 そういう一般的な話ではなくて、やっぱりもう何というんですか、水産庁はこんなものだと、全体として。働いている人たちは本当に何かやりたいと思っても、その意欲が生かされていない官庁だと。これは官庁じゃなくて盲腸だと言っている人もいるんですよ。
 どうですか、水産庁を見て、農林大臣。
#152
○国務大臣(武部勤君) 水産庁としましても、包括的に考えて、農林水産省といたしましても重大な転機だと、私はこう認識しております。でありますから、私どもは消費者に軸足を置いて水産行政を変えるという決意表明をしているわけでございます。
 水産庁としての基本理念といいますか、資源の適切な保存とか管理とかいう漁場環境の保全・改善や魚介類の安全性の確保とか意欲のある担い手の確保育成と経営の安定と、こういった崇高な理念に基づいてこれまでも努力はしてきていると思うんですけれども、今後は、私は率直に申し上げまして、私も地方議会議員やっていましたから、もう水産庁まで行かなければ問題解決できるのになと思うことも間々ありましたね。そういう意味では、中央省庁の縦割りの問題だけじゃなくて、地方分権というそういう考え方も取り入れていかなきゃいけないんじゃないかと、このように思います。
 同時に、その反対もありますね。非常に国際化の中で広域的な観点から資源管理も考えていかなきゃなりませんし、漁業調整の必要性もありますし、そういう意味では、私自身といたしましては、おのずから限界があるなどとは思っておりませんで、不可能を可能にするような決意で、やはりあるべき水産行政、農林水産政策に向けて大胆な見直し、改革を進めていきたいと、このように考えている次第でございます。
#153
○中村敦夫君 前回も今回も農水委員になって初めて水産庁長官の答弁をまともに聞いているわけですけれども、その答弁を聞けば聞くほど、どうしても水産庁というものの存在意義というものに疑問を感じざるを得ないんですね。
 要するに、水産庁の最も死守しなきゃいけない目的というのは、漁民の生活と権利を支えること、それから豊かな漁場を守ること、安全な魚介類の供給を確保することという物すごい大きな役割があるわけですよ。ところが、農水委員になって関係者からいろんな声が届きますけれども、漁業権だとかそういうもろもろの漁民の権利が侵されている、それから漁場が公共事業の汚染で破壊されている、そして魚介類がかなり汚染されているという、そういう事実ばかりで、この大きな目的の遂行に水産庁が本来の役割を実質的に果たしているのかどうかということが大変疑問に思うんですね。
 長官自身、こういうことに対して、水産行政に関する哲学というものはおありでしょうか。
#154
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、水産業を活力ある産業として発展をさせたい、あるいは国民に対して安全で新鮮な水産物を安定的に供給していくというのが私ども水産庁の責務だというふうに考えております。水産基本法の中でも、水産物の安定供給の確保、水産業の健全な発展というところでございます。
 したがいまして、私ども、このような水産基本法に掲げられている二つの理念を的確に達成していくために、一つは日本の周辺水域の資源の適切な保存・管理、それから二つ目といたしましては、漁場環境の保全改善、また魚介類の安全性の確保、また漁船につきましては、意欲のある担い手の確保育成、あるいは経営の安定化等につきまして、我が国水産の持っております力を十分に発揮することにより将来の可能性を最大限追求していきたいと、このように考えているところでございます。
#155
○中村敦夫君 抱負だけがいつも同じように一般論で語られるだけでは、私は、国民も納得しないし、漁業関係者も納得しないんじゃないかなと。水産庁は何をやっているかというと、「おさかな天国」の曲を作ったということしか何か一般の人は思い浮かばないというようなのが現実であります。
 質問はちょっと変わりますが、大臣にお聞きしたいんです。
 私は、新たに設置する食品安全機関について、公正取引委員会のように、その時々の政権や他省庁、業界などから独立性を保ったものができるべきだというふうに考えておるんですよね。新たな食品安全行政を検討するに当たり、新組織は独立性の高い合議制の行政機関として内閣府に設置すべきであるというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
#156
○国務大臣(武部勤君) 先般のBSE問題に関する調査検討委員会の御提言でも、やっぱり独立性、一貫性という、そういう御提案でございます。私も、先ほど来ダイオキシンの問題の議論も含めまして、やっぱり専門的に科学的にきちっとリスク分析に基づく評価ができるような、そういう独立したものがまず必要だという認識でございます。しかし、今、五日に関係閣僚会議が設置されまして、そこで六月中を目途に議論することになっておりますので、その場では私としてはそのような主張を申し上げたいと、こう思っておるわけでございまして、更に検討を進めていきたいと、このように考えております。
#157
○中村敦夫君 是非とも、新組織が独立性の高い合議制の行政機関として内閣府に設置するという、そういう考えもあるということをこの関係閣僚会議で是非発言していただきたいと思います。
 質問を終わります。
#158
○委員長(常田享詳君) 他に御発言もないようでございますので、四案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#159
○委員長(常田享詳君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鶴岡洋君及び岩永浩美君が委員を辞任され、その補欠として山本香苗君及び仲道俊哉君が選任されました。
    ─────────────
#160
○委員長(常田享詳君) これより四案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#161
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。
 私は、日本共産党を代表しまして、四案のうち水産業協同組合法等の一部を改正する法律案に対して反対討論を行います。
 反対の第一の理由は、農林中金等が定めた自主ルールが本法によって法的権限を持ち、信漁連・漁協に大きな負担を押し付けることになるからです。
 政府は、基本的に、一般銀行と同一の系統金融機関に対する検査マニュアルの見直しをしようとしていません。その指導による厳しい資産精査により、今後、一層自己資本比率の引上げ、リストラや融資の制限、不良債権の処理が徹底されることは必至です。そうした経営改善や合併等、組織再編ができないところは、業務の廃止さえ要求されています。本法が、漁業生産のための信用事業という特性を無視する施策になると強く危惧するものです。
 第二の理由は、漁協に単独で信用事業を行う資格を事実上奪い、合併や事業譲渡を強制するものだからです。
 系統内でルールや目標を決め、民主的に徹底することは当然です。しかし、信用事業担当常勤理事の必置、最低出資金の一億円への引上げ、そのほか貯金規模や職員数など、自主ルールで定める信用事業実施要件を上回っている漁協は全国で少数です。したがって、本法によって、多くの漁協は無理やり合併や信用事業譲渡を迫られます。自主性を重んずべき漁協系統機関への対応として、大きな疑義を持たざるを得ません。
 最後に、これらの施策がペイオフに備えるという理由で合理化されています。しかし、漁業者に負担を押し付け、規模拡大・体制整備によって真に信用事業の安定が図られるのでしょうか。魚価の安定や経営支援など、政府の政策の転換、漁業者本位の民主的運営こそ重要であることを指摘し、反対討論といたします。
#162
○委員長(常田享詳君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより四案の採決に入ります。
 漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#163
○委員長(常田享詳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#164
○委員長(常田享詳君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、漁業災害補償法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#165
○委員長(常田享詳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#166
○委員長(常田享詳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、四案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○委員長(常田享詳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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